1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治四十年三月十六日(土曜日)
午前十時七分開議
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議事日程 第十三號 明治四十年三月十六日
午前十時開義
第一 請願委員長報告
第二 藥品營業竝藥品取扱規則中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第四 樺太に於ける租税に關する法律案(政府提出衆議院送付) 第一讀會
第五 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第六 明治三十九年度一般會計所屬の經費を各帝國大學特別會計に繰越す場合に於ける剩餘金繰入に關する法律案(政府提出衆議院送付) 第一讀會
第七 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第八 渡良瀬川沿岸地方特別地價修正法律中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第九 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十 煙草專賣法中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十一 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十二 家祿賞典祿處分に關する法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十三 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十四 電信事務取扱開始の請願 會議
第十五 高等工業學校設置に關する請願 會議
第十六 小學校教員優遇の請願 會議
第十七 國字更新に關する請願 會議
第十八 水産組合法制定の請願 會議
第十九 鹽專賣法改正の請願 會議
第二十 渡良瀬川河身改修の請願 會議
第二十一 羽越沿岸縱貫鐵道速成の請願 會議
第二十二 大船渡築港鐵道株式會社へ利子補給の請願 會議
第二十三 新潟地方裁判所新發田支部復舊の請願 會議
第二十四 重要物産同業組合法改正の請願 會議
第二十五 矢作川河身改修費國庫支辨の請願 會議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=0
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001・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ諸般ノ報告ヲ致シマス
〔小原書記官朗讀〕
一昨十四日本院ニ於テ議決シタル左ノ豫算案ハ卽日裁可ヲ奏請シ及可決ノ
旨ヲ衆議院ニ通知セリ
明治四十年度歲入歲出總豫算追加案(第一號)
明治四十年度各特別會計歲入歲出豫算追加案(特第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルヘキ契約ヲ爲スヲ要スル件(追第二號)
明治三十九年度歲入歳出總豫算追加案(第三號)
同日本院ニ於テ議決シタル政府提出保稅倉庫法中改正法律案ハ卽日裁可ヲ
奏請シ及可決ノ旨ヲ衆議院ニ通知セリ
同日印紙稅法中改正法律案特別委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名
左ノ如シ
委員長伯爵柳原義光君副委員長男爵小澤武雄君
同日衆議院ヨリ左ノ通牒ヲ受領セリ
刑法改正案
右貴院ノ送付ニ係ル政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因テ議院法第五十
五條ニ依リ及囘付候也
明治四十年三月十四日
衆議院議長杉田定
貴族院議長公爵德川家達殿
從三位勳一等男爵松本順君
去ル十三日薨去セラル依テ十五日弔辭ヲ贈レリ
昨十五日各特別委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
種牡牛檢査法案特別委員會
委員長伯爵德川達孝君副委員長田中芳男君
日本勸業銀行法中改正法律案外二件特別委員會
委員長子爵新莊直陳君副委員長辻新次君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=1
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002・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ本日ノ議會ヲ開キマス、議事日程第一、請
願委員長報告、三宅秀君
〔三宅秀君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=2
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003・三宅秀
○三宅秀君 是ヨリ前囘報〓ヲ致シマシタ以後ノ請願委員會ノ經過及結果ヲ
御報告仕リマス、去ル六日カラ昨日マデノ間ニ請願委員會ハ三囘開イテ居リ
マス、其第一日ノ六日ノトキハ此議場ガ定刻ヲ過ギルマデニ達シテ居リマシ
テゴザイマスル故ニ、請願委員會ハ開キマシタケレドモ特別報告意見書案ヲ
議スル位ノコトニ止メマシテ、其日ノ代リニ他日ヲ選ミマシテ請願委員會ヲ
開クコトニ致シマシタノデゴザイマス、ソレユエ請願委員會ヲ開キマシテ請
願ノ案件ニ付キマシテ議シマシタノハ都合二囘ニナッテ居リマス、分科會ハ七
囘開キマシタ、請願文書表ハ一囘卽チ第七囘ノ報告ガ出テ居リマス、請願委
員會特別報告ヲ提出イタシマシタコトハ前後二囘デゴザリマス、此十日間ニ
受理イタシマシタ所ノ請願ノ件數ハ四十七件、通數ニ致シマシテ五十六通デ
ゴザリマス、此二囘ノ請願委員會ニ於キマシテ議了イタシマシタル件數ハ三
十七件ゴザイマスガ、其內十八件ハ採擇、十八件ハ不採擇、一件ハ却下、斯
ウ云フコトニ議決イタシマシタ、ソレカラ審査中デマダ審査ヲ終ヘマセヌデ
居リマスモノガ三十六件ゴザイマス、文書表ニハマダ載セテゴザイマセヌデ
受付ケマシタバカリノ請願ガ七十五件ゴザリマス、最早追〓會期モ切迫シテ
參リマシタカラ、此次ノ週ニハ會日ヲ殖ヤシマシテ、サウシテ此審査未了ニ
ナッテ居リマスルモノヤ、新ニ受付ケマシタモノノ審査ヲ終リマスルコトニ
決議イタシテ居リマス、其コトニ御承知ヲ願ヒタウゴザリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=3
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004・村田保
○村田保君 本員ハ此場合ニ緊急動議ヲ提出イタシマシテ、議事日程ノ變更
ヲ願ヒタイト存ジマス、ソレハ唯今御報〓ニナリマシタ刑法改正案デゴザリ
PV、8此ホド本院ニ於テ議決シテ衆議院へ送付ニナリマシタ所ガ、衆議院ニ
於キマシテハ大分修正ヲ致シマシタ、隨分刑法上重大ナル修正ヲ加ヘマシタ
ノデゴザイマス、ソレデ直チニ此議場デ以テソレニ同意スベキヤ否ヤト云フ
コトハ容易ナコトニ行クマイト思ヒマス、數十箇條ノ修正デゴザイマス、ソ
レデ同院ノ修正ニ同意スベキヤ否ヤト云ソコトハ餘ホド審査ヲ遂ゲナクテハ
ナラヌト存ジマスカラ、ドウゾ此際、特ニ特別委員十五名ヲ議長カラ御選定
ニナリマシテ、右修正ノ案ノ審査ヲ十分遂ゲマシタ上、本議場ニ報告スルト
云フコトニ致シタイト存ジマス、併セテ此說ヲ提出イタシマス、ドウゾ諸君、
御贊成ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=4
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005・黒田長成
○侯爵黑田長成君 本員ハ村田君ノ說ニ贊成イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=5
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006・大田原一清
○子爵大田原一〓君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=6
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007・波多野敬直
○波多野敬直君 賛成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=7
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008・兒玉淳一郎
○兒玉淳一郞君 贊成
〔其他「賛成」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=8
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009・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 村田君ノ議事日程變更ノ動議ハ御異存ナイモノト
見テ宜シウゴザイマスカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=9
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010・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイモノト認メマス
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經ザルモ參照ノタメ茲ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
小字ハ衆議院ノ修正、
-ハ同削除ノ符號
刑法改正案
刑法別册ノ通之ヲ定ム
此法律施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
明治十三年第三十六號布告刑法ハ此法律施行ノ日ヨリ之ヲ廢止ス
〔別册〕
刑法
第一編總則
第一章法例
第二章刑
第三章期間計算
第四章刑ノ執行猶豫
第五章假出獄
第六章時效
第七章犯罪ノ不成立及ヒ刑ノ減免
第八章未遂罪
第九章併合罪
第十章累犯
第十一章共犯
第十二章酌量減輕
第十三章加減例
第二編罪
第一章皇室ニ對スル罪
第二章內亂ニ關スル罪
第三章外患ニ關スル罪
第四章國交ニ關スル罪
第五章公務ノ執行ヲ妨害スル罪
第六章逃走ノ罪
第七章犯人藏匿及ヒ證憑湮滅ノ罪
第八章騷擾ノ罪
第九章放火及ヒ失火ノ罪
第十章溢水及ヒ水利ニ關スル罪
第十一章往來ヲ妨害スル罪
第十二章住居ヲ侵ス罪
第十三章祕密ヲ侵ス罪
第十四章阿片煙ニ關スル罪
第十五章飮料水ニ關スル罪
第十六章通貨僞造ノ罪
第十七章文書僞造ノ罪
第十八章有價證劵僞造ノ罪
第十九章印章僞造ノ罪
第二十章僞證ノ罪
第二十一章誣〓ノ罪
第二十二章猥褻、、姦淫及ヒ重婚ノ罪
第二十三章賭博及ヒ富籖ニ關スル罪
第二十四章禮拜所及ヒ墳墓ニ關スル罪
第二十五章瀆職ノ罪
第二十六章殺人ノ罪
第二十七章傷害ノ罪
第二十八章過失傷害ノ罪
第二十九章墮胎ノ罪
第三十章遺棄ノ罪
第三十一章逮捕及ヒ監禁ノ罪
第三十二章脅迫ノ罪
第三十三章略取及ヒ誘拐ノ罪
第三十四章名譽ニ對スル罪
第三十五章信用及ヒ業務ニ對スル罪
第三十六章竊盜及ヒ强盜ノ罪
第三十七章詐欺及ヒ恐喝ノ罪
第三十八章橫領ノ罪
第三十九章贓物ニ關スル罪
第四十章毀棄及ヒ隱匿ノ罪
刑法
第一編總則
第一章法例
第一條本法ハ何人ヲ問ハス帝國内ニ於テ罪ヲ犯シタル者ニ之ヲ適用ス
帝國外ニ在ル帝國船舶內ニ於テ罪ヲ犯シタル者ニ付キ亦同シ
第二條本法ハ何人ヲ問ハス帝國外ニ於テ左ニ記載シタル罪ヲ犯シタル者
ニ之ヲ適用ス
一第七十三條乃至第七十六條ノ罪
二第七十七條乃至第七十九條ノ罪
三第八十一條乃至第八十九條ノ罪
八
四第百四十九條ノ罪及ヒ其未遂罪
四五七八
五第白五十五條、第五五十広條。第百五十八條及と第百五十九修ノ罪
二三
六第百六十三條及ヒ第百六十四條ノ罪
四六四
七第百六十五條乃至第百六十七條ノ罪及ヒ第百六十匠條第二項、第
五六
百六十六條第二項、第百六十七條第二項ノ未遂罪
第三條本法ハ帝國外ニ於テ左ニ記載シタル罪ヲ犯シタル帝國臣民ニ之ヲ
適用ス
八九八九
第百先條、架百十接第一項ノ罪、差百九條、第百十條第一項ノ例ニ
依リ處斷ス可キ罪及ヒ此等ノ罪ノ未遂罪
十九
二第百二十條ノ罪
五十九
三第百六十條乃至第百六十二條ノ罪
七
四第百六十八條ノ罪及ヒ同條第二項ノ未遂罪
六七十九四
五第百七十七條乃至第百八十條、第百八十二條及ヒ第百八十五條ノ
罪
百九十九
六第二百條、第二百一條ノ罪及ヒ其未遂罪
四五
七第二百五條及ヒ第二百六條ノ罪
四六
八第二百十五條乃至第二百十比條ノ罪
八
九第二百十九條ノ罪及ヒ同條ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル罪
十第二百二十一條及ヒ第二百二十二條ノ罪
四八
十一第二百二十五條乃至第二百二十九條ノ罪
十二第二百三十一條ノ罪
五六八
十三、第二百三十六條、第二百三十化條、第二百三十九條乃至第二百四
三
十二條及ヒ第二百四十四條ノ罪
六
十四第二百四十比條乃至第二百五十一條ノ罪
三
十五第二百五十四條ノ罪
六
十六第二百五十比條第二項ノ罪
帝國外ニ於テ帝國臣民ニ對シ前項ノ罪ヲ犯シタル外國人ニ付キ亦同シ
第四條本法ハ帝國外ニ於テ左ニ記載シタル罪ヲ犯シタル帝國ノ公務員ニ
之ヲ適用ス
第百二條ノ罪及ヒ其未遂罪
六
二第百五十七條ノ罪
三五.七
三第百九十四條、第百九十六條第二項、第百九十八條ノ罪及ヒ第百九
五
十六條第二項ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル罪
第五條外國ニ於テ確定裁判ヲ受ケタル者ト雖モ同一行爲ニ付キ更ニ處罰
スルコトヲ妨ケス但犯人既ニ外國ニ於テ言渡サレタル刑ノ全部又ハ一部
ノ執行ヲ受ケタルトキハ刑ノ執行ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第六條犯罪後ノ法律ニ因リ刑ノ變更アリタルトキハ其輕キモノヲ適用ス
第七條本法ニ於テ公務員ト稱スルハ官吏、公吏、法令ニ依リ公務ニ從事
スル議員、委員其他ノ職員ヲ謂フ
公務所ト稱スルハ公務員ノ職務ヲ行フ所ヲ謂フ
第八條本法ノ總則ハ他ノ法令ニ於テ刑ヲ定メタルモノニ亦之ヲ適用ス但
其法令ニ特別ノ規定アルトキハ此限ニ在ラス
第二章刑
第九條死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及ヒ科料ヲ主刑トシ沒收ヲ附加刑
トス
第十條主刑ノ輕重ハ前條記載ノ順序ニ依ル但無期禁錮ト有期懲役トハ禁
錮ヲ以テ重シトシ有期禁鋼ノ長期有期懲役ノ長期ノ二倍ヲ超ユルトキハ
禁錮ヲ以テ重シトス
同種ノ刑ハ長期ノ長キモノ又ハ多額ノ多キモノヲ以テ重シトシ長期又ハ
多額ノ同シキモノハ其短期ノ長キモノ又ハ寡額ノ多キモノヲ以テ重シト
ス
二個以上ノ死刑又ハ長期若クハ多額及ヒ短期若クハ寡額ノ同シキ同種ノ
刑ハ犯情ニ依リ其輕重ヲ定ム
第十一條死刑ハ監獄內ニ於テ絞首シテ之ヲ執行ス
死刑ノ言渡ヲ受ケタル者ハ其執行ニ至ルマテ之ヲ監獄ニ拘置ス
第十二條懲役ハ無期及ヒ有期トシ有期懲役ハ一月以上十五年以下トス
懲役ハ監獄ニ拘置シ定役ニ服ス
第十三條禁錮ハ無期及ヒ有期トシ有期禁錮ハ一月以上十五年以下トス
禁錮ハ監獄ニ拘置ス
第十四條有期ノ懲役又ハ禁錮ヲ加重スル場合ニ於テハ二十年ニ至ルコト
ヲ得之ヲ減輕スル場合ニ於テハ一月以下ニ降スコトヲ得
第十五條罰金ハ二十圓以上トス但之ヲ減輕スル場合ニ於テハ二十圓以下
ニ降スコトヲ得
第十六條拘留ハ一日以上三十日未滿トシ拘留場ニ拘置ス
第十七條科料ハ十錢以上二十圓未滿トス
第十八條罰金ヲ完納スルコト能ハサル者ハ一日以上一年以下ノ期間之ヲ
勞役場ニ留置ス
科料ヲ完納スルコト能ハサル者ハ一日以上三十日以下ノ期間之ヲ勞役場
ニ留置ス
科料ヲ併科シタル場合ト雖モ留置ノ期間ハ六十日ヲ超ユルコトヲ得ス
罰金又ハ科料ノ言渡ヲ爲ストキハ其言渡ト共ニ罰金又ハ科料ヲ完納スル
コト能ハサル場合ニ於ケル留置ノ期間ヲ定メ之ヲ言渡ス可シ
罰金ニ付テハ裁判確定後三十日內科料ニ付テハ裁判確定後十日內ハ本人
ノ承諾アルニ非サレハ留置ノ執行ヲ爲スコトヲ得ス
罰金又ハ科料ノ言渡ヲ受ケタル者其幾分ヲ納ムルトキハ罰金又ハ科料ノ
全額ト留置日數トノ割合ニ從ヒ其金額ニ相當スル日數ヲ控除シテ之ヲ留
置ス
留置期間內罰金又ハ科料ヲ納ムルトキハ前項ノ割合ヲ以テ殘日數ニ充
ツ
留置一日ノ割合ニ滿タサル金額ハ之ヲ納ムルコトヲ得ス
第十九條左ニ記載シタル物ハ之ヲ沒收スルコトヲ得
一犯罪行爲ヲ組成シタル物
二犯罪行爲ニ供シ又ハ供セントシタル物
三犯罪行爲ヨリ生シ又ハ之ニ因リ得タル物
沒收ハ其物犯人以外ノ者ニ屬セサルトキニ限ル
第二十條拘留又ハ科料ノミニ該ル罪ニ付テハ特別ノ規定アルニ非サレハ
沒收ヲ科スルコトヲ得ス但前條第一項第一號ニ記載シタル物ノ沒收ハ此
限ニ在ラス
第二十一條未決勾留ノ日數ハ其全部又ハ一部ヲ本刑ニ算入スルコトヲ
得
第三章期間計算
第二十二條期間ヲ定ムルニ月又ハ年ヲ以テシタルトキハ曆ニ從ヒテ之ヲ
計算ス
第二十三條刑期ハ裁判確定ノ日ヨリ起算ス
拘禁セラレサル日數ハ裁判確定後ト雖モ刑期ニ算入セス
第二十四條受刑ノ初日ハ時間ヲ論セス全一日トシテ之ヲ計算ス時效期間
ノ初日亦同シ
放免ハ刑期終了ノ翌日ニ於テ之ヲ行フ
第四章刑ノ執行猶豫
第二十五條左ニ記載シタル者二年以下ノ懲役又ハ禁錮ノ言渡ヲ受ケタル
トキハ情狀ニ因リ裁判確定ノ日ヨリ一年以上五年以下ノ期間內其執行ヲ
猶豫スルコトヲ得
一前ニ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルコトナキ者
二前ニ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルコトアルモ其執行ヲ終リ又ハ其
執行ノ免除ヲ得タル日ヨリ七年以內ニ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル
コトナキ者
第二十六條左ニ記載シタル場合ニ於テハ刑ノ執行猶豫ノ言渡ヲ取消ス可
シ
一猶豫ノ期間内更ニ罪ヲ犯シ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルトキ
二猶豫ノ言渡前ニ犯シタル他ノ罪ニ付キ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタ
ルトキ
三前條第二號ニ記載シタル者ヲ除ク外猶豫ノ言渡前他ノ罪ニ付キ禁
鋼以上ノ刑ニ處セラレタルコト發覺シタルトキ
第二十七條刑ノ執行猶豫ノ言渡ヲ取消サルルコトナクシテ猶豫ノ期間ヲ
經過シタルトキハ刑ノ言渡ハ其效力ヲ失フ
第五章假出獄
第二十八條懲役又ハ禁錮ニ處セラレタル者改悛ノ狀アルトキハ有期刑ニ
付テハ其刑期三分ノ一無期刑ニ付テハ十年ヲ經過シタル後行政官廳ノ處
分ヲ以テ假ニ出獄ヲ許スコトヲ得
第二十九條左ニ記載シタル場合ニ於テハ假出獄ノ處分ヲ取消スコトヲ
得
假出獄中更ニ罪ヲ犯シ罰金以上ノ刑ニ處セラレタルトキ
二假出獄前ニ犯シタル他ノ罪ニ付キ罰金以上ノ刑ニ處セラレタルト
キ
三假出獄前他ノ罪ニ付キ罰金以上ノ刑ニ處セラレタル者ニシテ其刑
ノ執行ヲ爲ス可キトキ
四假出獄取締規則ニ違背シタルトキ
假出獄ノ處分ヲ取消シタルトキハ出獄中ノ日數ハ刑期ニ算入セス
第三十條拘留ニ處セラレタル者ハ情狀ニ因リ何時ニテモ行政官廳ノ處
分ヲ以テ假ニ出場ヲ許スコトヲ得
罰金又ハ科料ヲ完納スルコト能ハサルニ因リ留置セラレタル者亦同シ
第六章時效
第三十一條刑ノ言渡ヲ受ケタル者ハ時效ニ因リ其執行ノ免除ヲ得
第三十二條時效ハ刑ノ言渡確定シタル後左ノ期間內其執行ヲ受ケサルニ
因リ完成ス
死刑ハ三十年
二無期ノ懲役又ハ禁錮ハ二十年
三有期ノ懲役又ハ禁錮ハ十年以上ハ十五年、三年以上ハ十年、三年
未滿ハ五年
四罰金ハ三年
五拘留、科料及ヒ沒收ハ一年
第三十三條時效ハ法令ニ依リ執行ヲ猶豫シ又ハ之ヲ停止シタル期間內ハ
進行セス
第三十四條時效ハ刑ノ執行ニ付キ犯人ヲ逮捕シタルニ因リ之ヲ中斷ス
罰金、科料及ヒ沒收ノ時效ハ執行行爲ヲ爲シタルニ因リ之ヲ中斷ス
第七章犯罪ノ不成立及ヒ刑ノ減免
第三十五條法令又ハ正當ノ業務ニ因リ爲シタル行爲ハ之ヲ罰セス
第三十六條急迫不正ノ侵害ニ對シ自己又ハ他人ノ權利ヲ防衞スル爲メ已
ムコトヲ得サルニ出テタル行爲ハ之ヲ罰セス
防衞ノ程度ヲ超エタル行爲ハ情狀ニ因リ其刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ
得
第三十七條自己又ハ他人ノ生命、身體、自由若クハ財產ニ對スル現在ノ
危難ヲ避クル爲メ巳ムコトヲ得サルニ出テタル行爲ハ其行爲ヨリ生シタ
ル害其避ケントシタル害ノ程度ヲ超エサル場合ニ限リ之ヲ罰セス但其程
度ヲ超エタル行爲ハ情狀ニ因リ其刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
前項ノ規定ハ業務上特別ノ義務アル者ニハ之ヲ適用セス
第三十八條罪ラ犯ス意ナキ行爲ハ之ヲ罰セス但法律ニ特別ノ規定アル場
合ハ此限ニ在ラス
罪本重カル可クシテ犯ストキ知ラサル者ハ其重キニ從テ處斷スルコトヲ
得ス
法律ヲ知ラサルヲ以テ罪ヲ犯ス意ナシト爲スコトヲ得ス但情狀ニ因リ其
刑ヲ減輕スルコトヲ得
第三十九條心神喪失者ノ行爲ハ之ヲ罰セス
心神耗弱者ノ行爲ハ其刑ヲ減輕ス
第四十條瘖啞者ノ行爲ハ之ヲ罰セス又ハ其刑ヲ減輕ス
第四十一條十四歲ニ滿タサル者ノ行爲ハ之ヲ罰セス
第四十二條罪ヲ犯シ未タ官ニ發覺セサル前自首シタル者ハ其刑ヲ減輕ス
ルコトヲ得
告訴ヲ待テ論ス可キ罪ニ付キ告訴權ヲ有スル者ニ首服シタル者亦同シ
第八章未遂罪
第四十三條犯罪ノ實行ニ著手シ之ヲ遂ケサル者ハ其刑ヲ減輕スルコトコ
得但自己ノ意思ニ因リ之ヲ止メタルトキハ其刑ヲ減輕又ハ免除ス
第四十四條未遂罪ヲ罰スル場合ハ各本條ニ於テ之ヲ定ム
第九章併合罪
第四十五條確定裁判ヲ經サル數罪ヲ併合罪トス若シ或罪ニ付キ確定裁判
アリタルトキハ止タ其罪ト其裁判確定前ニ犯シタル罪トヲ併合罪トス
第四十六條併合罪中其一罪ニ付キ死刑ニ處ス可キトキハ他ノ刑ヲ科セス
但沒收ハ此限ニ在ラス
其一罪ニ付キ無期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス可キトキ亦他ノ刑ヲ科セス但罰
金、科料及ヒ沒收ハ此限ニ在ラス
第四十七條併合罪中二個以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス可キ罪アルト
キハ其最モ重キ罪ニ付キ定メタル刑ノ長期ニ其半數ヲ加ヘタルモノヲ以
テ長期トス但各罪ニ付キ定メタル刑ノ長期ヲ合算シタルモノニ超ユルコ
トヲ得ス
第四十八條罰金ト他ノ刑トハ之ヲ併科ス但第四十六條第一項ノ場合ハ此
限ニ在ラス
二個以上ノ罰金ハ各罪ニ付キ定メタル罰金ノ合算額以下ニ於テ處斷ス
第四十九條併合罪中重キ罪ニ沒收ナシト雖モ他ノ罪ニ沒收アルトキハ之
ヲ附加スルコトヲ得
二個以上ノ沒收ハ之ヲ併科ス
第五十條併合罪中旣ニ裁判ヲ經タル罪ト未タ裁判ヲ經サル罪トアルト
キハ更ニ裁判ヲ經サル罪ニ付キ處斷ス
第五十一條併合罪ニ付キ二個以上ノ裁判アリタルトキハ其刑ヲ併セテ之
ヲ執行ス但死刑ヲ執行ス可キトキハ沒收ヲ除ク外他ノ刑ヲ執行セス無期
ノ懲役又ハ禁錮ヲ執行ス可キトキハ罰金、科料及ヒ沒收ヲ除ク外他ノ刑
ヲ執行セス有期ノ懲役又ハ禁錮ノ執行ハ其最モ重キ罪ニ付キ定メタル刑
ノ長期ニ其半數ヲ加ヘタルモノニ超ユルコトヲ得ス
第五十二條併合罪ニ付キ處斷セラレタル者或罪ニ付キ大赦ヲ受ケタル場
合ニ於テハ特ニ大赦ヲ受ケサル罪ニ付キ刑ヲ定ム
第五十三條拘留又ハ科料ト他ノ刑トハ之ヲ併科ス但第四十六條ノ場合ハ
此限ニ在ラス
二個以上ノ拘留又ハ科料ハ之ヲ併科ス
第五十四條一個ノ行爲ニシテ數個ノ罪名ニ觸レ又ハ犯罪ノ手段若クハ結
果タル行爲ニシテ他ノ罪名ニ觸ルルトキハ其最モ重キ刑ヲ以テ處斷ス
第四十九條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ適用ス
第五十五條連續シタル數個ノ行爲ニシテ同一ノ罪名ニ觸ルルトキハ一罪
トシテ之ヲ處斷ス
第十章累犯
第五十六條懲役ニ處セラレタル者其執行ヲ終リ又ハ執行ノ免除アリタル
日ヨリ五年內ニ更ニ罪ヲ犯シ有期懲役ニ處ス可キトキハ之ヲ再犯トス
懲役ニ該ル罪ト同質ノ罪ニ因リ死刑ニ處セラレタル者其執行ノ免除アリ
タル日ヨリ又ハ減刑ニ因リ懲役ニ減輕セラレ其執行ヲ終リ若クハ執行ノ
免除アリタル日ヨリ前項ノ期間內ニ更ニ罪ヲ犯シ有期懲役ニ處ス可キト
キ亦同シ
併合罪ニ付キ處斷セラレタル者其併合罪中懲役ニ處ス可キ罪アリタルト
キハ其罪最重ノモノニ非スト雖モ再犯例ノ適用ニ付テハ懲役ニ處セラレ
タルモノト看做ス
第五十七條再犯ノ刑ハ其罪ニ付キ定メタル懲役ノ長期ノ二倍以下トス
第五十八條裁判確定後再犯者タルコトヲ發見シタルトキハ前條ノ規定ニ
從ヒ加重ス可キ刑ヲ定ム
○タル後〓後發見セラレタル
懲役ノ執行ヲ終リ。又ハ其執行ノ免除アリタル。者ニ付テハ前項ノ規定ヲ
適用セス
第五十九條三犯以上ノ者ト雖モ仍ホ再犯ノ例ニ同シ
第十一章共犯
第六十條二人以上共同シテ犯罪ヲ實行シタル者ハ皆正犯トス
第六十一條人ヲ〓唆シテ犯罪ヲ實行セシメタル者ハ正犯ニ準ス
〓唆者ヲ〓唆シタル者亦同シ
第六十二條正犯ヲ幫助シタル者ハ從犯トス
從犯ヲ〓唆シタル者ハ從犯ニ準ス
第六十三條從犯ノ刑ハ正犯ノ刑ニ照シテ減輕ス
第六十四條拘留又ハ科料ノミニ處ス可キ罪ノ〓唆者及ヒ從犯ハ特別ノ規
定アルニ非サレハ之ヲ罰セス
第六十五條犯人ノ身分ニ因リ構成ス可キ犯罪行爲ニ加功シタルトキハ其
身分ナキ者ト雖モ仍ホ共犯トス
身分ニ因リ特ニ刑ノ輕重アルトキハ其身分ナキ者ニハ通常ノ刑ヲ科ス
第十二章酌量減輕
第六十六條犯罪ノ情狀憫諒ス可キモノハ酌量シテ其刑ヲ減輕スルコトヲ
得
第六十七條法律ニ依リ刑ヲ加重又ハ減輕スル場合ト雖モ仍ホ酌量減輕ヲ
爲スコトヲ得
第十三章加減例
第六十八條法律ニ依リ刑ヲ減輕ス可キ一個又ハ數個ノ原由アルトキハ左
ノ例ニ依ル
死刑ヲ減輕ス可キトキハ無期又ハ十年以上ノ懲役若クハ禁錮トス
二無期ノ懲役又ハ禁錮ヲ減輕ス可キトキハ七年以上ノ有期ノ懲役又
ハ禁錮トス
三有期ノ懲役又ハ禁錮ヲ減輕ス可キトキハ其刑期ノ二分ノ一ヲ減ス
四罰金ヲ減輕ス可キトキハ其金額ノ二分ノ一ヲ減ス
五拘留ヲ減輕ス可キトキハ其長期ノ二分ノ一ヲ減ス
六科料ヲ減輕ス可キトキハ其多額ノ二分ノ一ヲ減ス
第六十九條法律ニ依リ刑ヲ減輕ス可キ場合ニ於テ各本條ニ二個以上ノ刑
名アルトキハ先ツ適用ス可キ刑ヲ定メ其刑ヲ減輕ス
第七十條懲役、禁錮又ハ拘留ヲ減輕スルニ因リ一日ニ滿タサル時間ヲ
剩ストキハ之ヲ除棄ス
罰金又ハ科料ヲ減輕スルニ因リ一錢ニ滿タサル金額ヲ剩ストキ亦同シ
第七十一條酌量減輕ヲ爲ス可キトキ亦第六十八條及ヒ前條ノ例ニ依ル
第七十二條同時ニ刑ヲ加重減輕ス可キトキハ左ノ順序ニ依ル
再犯加重
二法律上ノ減輕
三併合罪ノ加重
四酌量減輕
第二編罪
第一章皇室ニ對スル罪
第七十三條天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ對シ危
害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ處ス
第七十四條天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ對シ不
敬ノ行爲アリタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
神宮又ハ皇陵ニ對シ不敬ノ行爲アリタル者亦同シ
第七十五條皇族ニ對シ危害ヲ加ヘタル者ハ死刑ニ處シ危害ヲ加ヘントシ
タル者ハ無期懲役ニ處ス
第七十六條皇族ニ對シ不敬ノ行爲アリタル者ハ二月以上四年以下ノ懲役
ご飯食人
第二章內亂ニ關スル罪
第七十七條政府ヲ〓覆シ又ハ邦土ヲ僭竊シ其他朝憲ヲ紊亂スルコトヲ目
的トシテ暴動ヲ爲シタル者ハ內亂ノ罪ト爲シ左ノ區別ニ從テ處斷ス
首魁ハ死刑又ハ無期禁錮ニ處ス
二謀議ニ參與シ又ハ群衆ノ指揮ヲ爲シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ
禁錮ニ處シ其他諸般ノ職務ニ從事シタル者ハ一年以上十年以下ノ禁
鋼ニ處ス
三附和隨行シ其他單ニ暴動ニ干與シタル者ハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス但前項第三號ニ記載シタル者ハ此限ニ在ラス
第七十八條内亂ノ豫備又ハ陰謀ヲ爲シタル者ハ一年以上十年以下ノ禁錮
·國慶應
第七十九條兵器、金穀ヲ資給シ又ハ其他ノ行爲ヲ以テ前二條ノ罪ヲ幫助
シタル者ハ七年以下ノ禁錮ニ處ス
第八十條前二條ノ罪ヲ犯スト雖モ未タ暴動ニ至ラサル前自首シタル者
ハ其刑ヲ免除ス
第三章外患ニ關スル罪
第八十一條外國ニ通謀シテ帝國ニ對シ戰端ヲ開カシメ又ハ敵國ニ與シテ
帝國ニ抗敵シタル者ハ死刑ニ處ス
第八十二條要塞、陣營、軍隊、艦船其他軍用ニ供スル場所又ハ建造物ヲ
敵國ニ交付シクル者ハ死刑ニ處ス
兵器、彈藥其他軍用ニ供スル物ヲ敵國ニ交付シタル者ハ死刑又ハ無期懲
役ニ處ス
第八十三條敵國ヲ利スル爲メ要塞、陣營、艦船、兵器、彈藥、汽車、電
車、鐵道、電線其他軍用ニ供スル場所又ハ物ヲ損壞シ若クハ使用スルコ
ト能ハサルニ至ラシメタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
第八十四條帝國ノ軍用ニ供セサル兵器、彈藥其他直接ニ戰鬪ノ用ニ供ス
可キ物ヲ敵國ニ交付シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ懲役ニ處ス
第八十五條敵國ノ爲メニ間諜ヲ爲シ又ハ敵國ノ間謀ヲ幫助シタル者ハ死
刑又ハ無期若クハ五年以上ノ懲役ニ處ス
軍事上ノ機密ヲ敵國ニ漏泄シタル者亦同シ
第八十六條前五條ニ記載シタル以外ノ方法ヲ以テ敵國ニ軍事上ノ利益ヲ
與ヘ又ハ帝國ノ軍事上ノ利益ヲ害シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
第八十七條前六條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第八十八條第八十一條乃至第八十六條ニ記載シタル罪ノ豫備又ハ陰謀ヲ
爲シタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
第八十九條本章ノ規定ハ戰時同盟國ニ對スル行爲ニ亦之ヲ適用ス
第四章國交ニ關スル罪
第九十條帝國ニ滯在スル外國ノ君主又ハ大統領ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ
加タル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
帝國ニ滯在ヲル外國ノ君主又ハ大統領ニ對シ侮辱ヲ加ヘタル者ハ三年以
下ノ懲役ニ處ス但外國政府ノ請求ヲ待テ其罪ヲ論ス
第九十一條帝國ニ派遣セラレタル外國ノ使節ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ加ヘ
タル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
帝國ニ派遣セラレタル外國ノ使節ニ對シ侮辱ヲ加ヘタル者ハ二年以下ノ
懲役ニ處ス但被害者ノ請求ヲ待テ其罪ヲ論ス
第九十二條外國ニ對シ侮辱ヲ加フル目的ヲ以テ其國ノ國旗其他ノ國章ヲ
損壞、除去又ハ汚穢シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ二百圓以下ノ罰金ニ
處ス但外國政府ノ請求ヲ待テ其罪ヲ論ス
第九十三條外國ニ對シ私ニ戰鬪ヲ爲ス目的ヲ以テ其豫備又ハ陰謀ヲ爲シ
タル者ハ三月以上五年以下ノ禁錮ニ處ス但自首シタル者ハ其刑ヲ免除ス
第九十四條外國交戰ノ際局外中立ニ關スル命令ニ違背シタル者ハ三年以
下ノ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五章公務ノ執行ヲ妨害スル罪
第九十五條公務員ノ職務ヲ執行スルニ當リ之ニ對シテ暴行又ハ脅迫ヲ加
ヘタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
公務員ヲシテ或處分ヲ爲サシメ若クハ爲ササラシムル爲メ又ハ其職ヲ辭
セシムル爲メ暴行又ハ脅迫ヲ加ヘタル者亦同シ
第九十六條公務員ノ職務ヲ執行スルニ當リ其面前ニ於テ侮辱ヲ加ヘ又ハ
其面前ニ非スト雖モ公然其職務ニ對シ侮辱ヲ加ヘタル者ハ三百圓以下ノ
罰金ニ處ス
公務所ニ對シ公然侮辱ヲ加ヘタル者亦同シ
六
第九十比條公務員ノ施シタル封印又ハ差押ノ標示ヲ損壞シ又ハ其他ノ方
法ヲ以テ封印又ハ標示ヲ無效タラシメタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三百
圓以下ノ罰金ニ處ス
第六章逃走ノ罪
七
第九十八條既決、未決ノ囚人逃走シダルトキハ一年以下ノ懲役ニ處ス
八
第九十九條旣決、未決ノ囚人又ハ勾引狀ノ執行ヲ受ケタル者拘禁場又ハ
械具ヲ損壞シ若クハ暴行、脅迫ヲ爲シ又ハ二人以上通謀シテ逃走シタル
トキハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
九十九
第百條法令ニ因リ拘禁セラレタル者ヲ奪取シタル者ハ三月以上五年以
下ノ懲役ニ處ス
第百一條法令ニ因リ拘禁セラレタル者ヲ逃走セシムル目的ヲ以テ器具ヲ
給與シ其他逃走ヲ容易ナラシム可キ行爲ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役
こ四數
前項ノ目的ヲ以テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役
二四〇、
第百二條法令ニ因リ拘禁セラレタル者ヲ看守又ハ護送スル者被拘禁者ヲ
逃走セシメタルトキハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
二
第百三條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第七章犯人藏匿及ヒ證憑湮滅ノ罪
三
第百四條罰金以上ノ刑ニ該ル罪ヲ犯シタル者又ハ拘禁中逃走シタル者ヲ
藏匿シ又ハ隱避セシメタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ二百圓以下ノ罰金ニ
處ス
四
第百五條他人ノ刑事被〓事件ニ關スル證憑ヲ湮滅シ又ハ僞造、變造シ若
クハ僞造、變造ノ證憑ヲ使用シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ二百圓以下
ノ罰金ニ處ス
五
第百六條本章ノ罪ハ犯人又ハ逃走者ノ親族ニシテ犯人又ハ逃走者ノ利益
ノ爲メニ犯シタルトキハ之ヲ罰セス
第八章騷擾ノ罪
六
第百七條多衆聚合シテ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ騷擾ノ罪ト爲シ左ノ
區別ニ從テ處斷ス
-首魁ハ一年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二他人ヲ指揮シ又ハ他人ニ率先シテ勢ヲ助ケタル者ハ六月以上七年
以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
三附和隨行シタル者ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
七
第百八條暴行又ハ脅迫ヲ爲ス爲メ多衆聚合シ當該公務員ヨリ解散ノ命令
〓コト三同以上ニ及フモ仍ホ
ヲ受クル〓ト雖モ解散セサルトキハ首魁ハ二年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處
シ其他ノ者ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第九章放火及ヒ失火ノ罪
八
第百九條火ヲ放テ現ニ人ノ住居ニ使用シ又ハ人ノ現在スル建造物、汽車、
電車、艦船若クハ鑛坑ヲ燒燬シタル者ハ死刑又ハ無期若クハ五年以上ノ
懲役ニ處ス
九
第百十條火ヲ放テ現ニ人ノ住居ニ使用セス又ハ人ノ現在セサル建造物、
艦船若クハ鑛坑ヲ燒燬シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
前項ノ物自己ノ所有ニ係ルトキハ六月以上七年以下ノ懲役ニ處ス但公共
ノ危險ヲ生セサルトキハ之ヲ罰セス
第百十一條火ヲ放テ前二條ニ記載シタル以外ノ物ヲ燒燬シ因テ公共ノ危
險ヲ生セシメタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ物自己ノ所有ニ係ルトキハ一年以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金ニ
處ス
-九八
第百十二條第百十條第二項又ハ前條第二項ノ罪ヲ犯シ因テ第百九條又ハ
九
第百十條第一項ニ記載シタル物ニ延燒シタルトキハ三月以上十年以下ノ
懲役ニ處ス
前條第二項ノ罪ヲ犯シ因テ前條第一項ニ記載シタル物ニ延燒シタルトキ
ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
二八九
第百十三條第百九條及ヒ第百十條第一項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
三八九
第百十四條第百九條又ハ第百十條第一項ノ罪ヲ犯ス目的ヲ以テ其豫備ヲ
爲シタル者ハ二年以下ノ懲役ニ處ス但情狀ニ因リ其刑ヲ免除スルコトヲ
得
四
第百十五條火災ノ際鎭火用ノ物ヲ隱匿又ハ損壞シ若クハ其他ノ方法ヲ以
テ鎭火ヲ妨害シタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
五九
第百十六條第百十條第一項及ヒ第百十一條第一項ニ記載シタル物自己ノ
所有ニ係ルト雖モ差押ヲ受ケ、物權ヲ負擔シ又ハ賃貸シ若クハ保險ニ付
シタルモノヲ燒燬シタルトキハ他人ノ物ヲ燒燬シタル者ノ例ニ同シ
六八
第百十比條火ヲ失シテ第百九條ニ記載シタル物又ハ他人ノ所有ニ係ル第
九
百十條ニ記載シタル物ヲ燒燬シタル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
九
火ヲ失シテ自己ヲ所有二係ル第百十條ニ訊載シタル物又ハ樂百十」
記載シタル物ヲ燒燬シ因テ公共ノ危險ヲ生セシメタル者亦同シ
七八
第百十八條火藥、汽罐其他激發ス可キ物ヲ破裂セシメテ第百九條ニ記載
九
シタル物又ハ他人ノ所有ニ係ル第百十條ニ記載シタル物ヲ損壞シタル者
九
ハ放火ノ例ニ同シ自己ノ所有ニ係ル第百十條ニ記載シタル物又ハ第百十
一條ニ記載シタル物ヲ損壞シ因テ公共ノ危險ヲ生セシメタル者亦同シ
前項ノ行爲過失ニ出テタルトキハ失火ノ例ニ同シ
八
第百十九條瓦斯、電氣又ハ蒸汽ヲ漏出若クハ流出セシメ又ハ之ヲ遮斷シ
因テ人ノ生命、身體又ハ財產ニ危險ヲ生セシメタル者ハ三年以下ノ懲役
又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
瓦斯、電氣又ハ蒸汽ヲ漏出若クハ流出セシメ又ハ之ヲ遮斷シ因テ人ヲ死
傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ比較シ重キニ從テ處斷ス
第十章溢水及ヒ水利ニ關スル罪
十九
第百二十條溢水セシメテ現ニ人ノ住居ニ使用シ又ハ人ノ現在スル建造
〓死刑又ハ無期若クハ
物、汽車、電車若クハ鑛坑ヲ浸害シタル者ハ〓無期又ハ三年以上ノ懲役
ニ處スNテ人ヲ死ニ致シタル者ハ死刑ニ處スルコトヲ得
因テ公共
第百二十一條溢水セシメテ前條ニ記載シタル以外ノ物ヲ浸害シ〓タル者
ノ危險ヲ生セシメ
ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
浸害シタル物自己ノ所有ニ係ルトキハ差押ヲ受ケ、物權ヲ負擔シ又ハ賃
貸シ若クハ保險ニ付シタル場合ニ限リ前項ノ例ニ依ル
第百二十二條水害ノ際防水用ノ物ヲ隱匿又ハ損壞シ若クハ其他ノ方法ヲ
以テ水防ヲ妨害シタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
二十九〓ニ記載シタル物ヲ浸害シタル者
第百二十三條過失ニ因リ溢水セシメテ第百二十條·又ハ第百二十一條ニ
因テ公共ノ危險ヲ生セシメ
記載シタル物ヲ浸害シ。タル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
三
第百二十四條堤防ヲ決潰シ、水閘ヲ破壞シ其他水利ノ妨害ト爲ル可キ行
爲又ハ溢水セシム可キ行爲ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役若クハ禁錮又
ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十一章往來ヲ妨害スル罪
四
第百二十五條陸路、水路又ハ橋梁ヲ損壞又ハ壅塞シテ往來ノ妨害ヲ生セ
シメタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ比較シ重キニ從
テ處斷ス
五
第百二十六條鐵道又ハ其標識ヲ損壞シ又ハ其他ノ方法ヲ以テ汽車又ハ電
車ノ往來ノ危險ヲ生セシメタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
燈臺又ハ浮標ヲ損壞シ又ハ其他ノ方法ヲ以テ艦船ノ往來ノ危險ヲ生セシ
メタル者亦同シ
六
第百二十化條人ノ現在スル汽車又ハ電車ヲ〓覆又ハ破壞シタル者ハ無期
又ハ三年以上ノ懲役ニ處ス
人ノ現在スル艦船ヲ覆沒又ハ破壞シタル者亦同シ
前二項ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死ニ致シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
七五
第百二十八條第百二十六條ノ罪ヲ犯シ因テ汽車又ハ電車ノ〓覆若クハ破
壞又ハ艦船ノ覆沒若クハ破壞ヲ致シタル者亦前條ノ例ニ同シ
八四五六
第百二十九條第百二十五條第一項、第百二十六條及ヒ第百二十七條第一
項、第二項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
二十九
第百三十條過失ニ因リ汽車、電車又ハ艦船ノ往來ノ危險ヲ生セシメ又
ハ汽車、電車ノ〓覆若クハ破壞又ハ艦船ノ覆沒若クハ破壞ヲ致シタル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
其業務ニ從事スル者前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ三年以下ノ禁錮又ハ千圓
以下ノ罰金ニ處ス
第十二章住居ヲ侵ス罪
第百三十一條故ナク人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若クハ艦船
ニ侵入シ又ハ要求ヲ受ケテ其場所ヨリ退去セサル者ハ三年以下ノ懲役又
ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第百三十二條故ナク皇居、禁苑、離宮又ハ行在所ニ侵入シタル者ハ三月
以上五年以下ノ懲役ニ處ス
神宮又ハ皇陵ニ侵入、シタル者亦同シ
二
第百三十三條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十三章祕密ヲ侵ス罪
三
第百三十四條故ナク封緘シタル信書ヲ開披シタル者ハ一年以下ノ懲役又
ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
四
第百三十五條醫師、藥劑師、藥種商、產婆、辯護十、辯護人、公證人又
○故ナク
ハ此等ノ職ニ在リシ者。其業務上取扱ヒタルコトニ付キ知得タル人ノ祕
密ヲ漏泄シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
〓故ナク
宗〓若クハ禱祀ノ職ニ在ル者又ハ此等ノ職ニ在リシ者〓其業務上取扱ヒ
タルコトニ付キ知得タル人ノ祕密ヲ漏泄シタルトキ亦同シ
五
第百三十六條本章ノ罪ハ〓訴ヲ待テ之ヲ論ス
第十四章阿片煙ニ關スル罪
六
第百三十化條阿片煙ヲ輸入、製造又ハ販賣シ若クハ販賣ノ目的ヲ以テ之
ヲ所持シタル者ハ六月以上七年以下ノ懲役ニ處ス
七
第百三十八條阿片煙ヲ吸〓スル器具ヲ輸入、製造又ハ販賣シ若クハ販賣
ノ目的ヲ以テ之ヲ所持シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
八
第百三十九條稅關官吏阿片煙又ハ阿片煙吸〓ノ器具ヲ輸入シ又ハ其輸入
ヲ許シタルトキハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
三十九
第百四十條阿片煙ヲ吸〓シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
阿片煙ヲ吸〓スル爲メ房屋ヲ給與シテ利ヲ圖リタル者ハ六月以上七年以
下ノ懲役ニ處ス
第百四十一條阿片煙又ハ阿片煙吸食ノ器具ヲ所持シタル者ハ一年以下ノ
懲役ニ處ス
第百四十二條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十五章飮料水ニ關スル罪
第百四十三條人ノ飮料ニ供スル淨水ヲ汚穢シ因テ之ヲ用フルコト能ハサ
ルニ。至ラシメタル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
三
第百四十四條水道ニ由リ公衆ニ供給スル飮料ノ淨水又ハ其水源ヲ汚穢シ
因テ之ヲ用フルコト能ハサルニ至ラシメタル者ハ六月以上七年以下ノ懲
役ニ處ス
四
第百四十五條人ノ飮料ニ供スル淨水ニ毒物其他人ノ健康ヲ害ス可キ物ヲ
混入シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
五
第百四十六條前三條ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ
比較シ重キニ從テ處斷ス
六
第百四十化條水道ニ由リ公衆ニ供給スル飮料ノ淨水又ハ其水源ニ毒物其
他人ノ健康ヲ害ス可キ物ヲ混入シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス因
テ人ヲ死ニ致シタル者ハ死刑又ハ無期若クハ五年以上ノ懲役ニ處ス
七
第百四十八條公衆ノ飮料ニ供スル淨水ノ水道ヲ損壞又ハ壅塞シタル者ハ
一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
第十六章通貨僞造ノ罪
八
第百四十九條行使ノ目的ヲ以テ通用ノ貨幣、紙幣又ハ銀行劵ヲ僞造又ハ
變造シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ懲役ニ處ス
僞造、變造ノ貨幣、紙幣又ハ銀行劵ヲ行使シ又ハ行使ノ目的ヲ以テ之ヲ
人ニ交付シ若クハ輸入シタル者亦同シ
四十九
第百五十條行使ノ目的ヲ以テ內國ニ流通スル外國ノ貨幣、紙幣又ハ銀
行券ヲ僞造又ハ變造シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
僞造、變造ノ外國ノ貨幣、紙幣又ハ銀行劵ヲ行使シ又ハ行使ノ目的ヲ以
テ之ヲ人ニ交付シ若クハ輸入シタル者亦同シ
第百五十一條行使ノ目的ヲ以テ僞造、變造ノ貨幣、紙幣又ハ銀行券ヲ收
得シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
一
第百五十二條前三條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
二
第百五十三條貨幣、紙幣又ハ銀行劵ヲ收得シタル後其僞造又ハ變造ナル
コトヲ知テ之ヲ行使シ又ハ行使ノ目的ヲ以テ之ヲ人ニ交付シタル者ハ其
名價三倍以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス但一圓以下ニ降スコトヲ得ス
三
第百五十四條貨幣、紙幣又ハ銀行劵ノ僞造又ハ變造ノ用ニ供スル目的ヲ
以テ器械又ハ原料ヲ準備シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
第十七章文書僞造ノ罪
四
第百五十五條行使ノ目的ヲ以テ御璽、國璽若クハ御名ヲ使用シテ詔書其
他ノ文書ヲ僞造シ又ハ僞造シタル御璽、國璽若クハ御名ヲ使用シテ詔書
其他ノ文書ヲ僞造シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ懲役ニ處ス。
御璽、國璽ヲ押捺シ又ハ御名ヲ署シタル詔書其他ノ文書ヲ變造シタル者
亦同シ
五
第百五十六條行使ノ目的ヲ以テ公務所又ハ公務員ノ印章若クハ署名ヲ使
用シテ公務所又ハ公務員ノ作ル可キ文書若クハ圖畫ヲ僞造シ又ハ僞造シ
タル公務所又ハ公務員ノ印章若クハ署名ヲ使用シテ公務所又ハ公務員ノ
作ル可キ文書若クハ圖畫ヲ僞造シタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處
ス
公務所又ハ公務員ノ捺印若クハ署名シタル文書若クハ圖畫ヲ變造シタル
者亦同シ
前二項ノ外公務所又ハ公務員ノ作ル可キ文書若クハ圖畫ヲ僞造シ又ハ公
務所又ハ公務員ノ作リタル文書若クハ圖畫ヲ變造シタル者ハ三年以下ノ
懲役又ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
六
第百五十比條公務員其職務ニ關シ行使ノ目的ヲ以テ虛僞ノ文書若クハ圖
畫ヲ作リ又ハ文書若クハ圖畫ヲ變造シタルトキハ印章、署名ノ有無ヲ區
別シ前二條ノ例ニ依ル
七
第百五十八條公務員ニ對シ虛僞ノ申立ヲ爲シ權利、義務ニ關スル公正證
書ノ原本ニ不實ノ記載ヲ爲サシメタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ百圓以下
ノ罰金ニ處ス
公務員ニ對シ虛僞ノ申立ヲ爲シ免狀、鑑札又ハ旅劵ニ不實ノ記載ヲ爲サ
シメタル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
前二項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
八
第百五十九條前四條ニ記載シタル文書又ハ圖畫ヲ行使シタル者ハ其文書
又ハ圖畫ヲ僞造若クハ變造シ又ハ虛僞ノ文書若クハ圖畫ヲ作リ又ハ不實
ノ記載ヲ爲サシメタル者ト同一ノ刑ニ處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
五十九
第百六十條行使ノ目的ヲ以テ他人ノ印章若クハ署名ヲ使用シテ權利、
義務又ハ事實證明ニ關スル文書若クハ圖畫ヲ僞造シ又ハ僞造シタル他人
ノ印章若クハ署名ヲ使用シテ權利、義務又ハ事實證明ニ關スル文書若ク
ハ圖畫ヲ僞造シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
他人ノ印章ヲ押捺シ若クハ他人ノ署名シタル權利、義務又ハ事實證明ニ
關スル文書若クハ圖畫ヲ變造シタル者亦同シ
前二項ノ外權利、義務又ハ事實證明ニ關スル文書若クハ圖畫ヲ僞造又ハ
變造シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第百六十一條醫師公務所ニ提出ス。可キ診斷書、檢案書又ハ死亡證書ニ虛
僞ノ記載ヲ爲シタルトキハ三年以下ノ禁錮又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第百六十二條前二條ニ記載シタル文書又ハ圖畫ヲ行使シタル者ハ其文書
又ハ圖畫ヲ僞造若クハ變造シ又ハ虛僞ノ記載ヲ爲シタル者ト同一ノ刑ニ
處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十八章有價證劵僞造ノ罪
二
第百六十三條行使ノ目的ヲ以テ公債證書、官府ノ證劵、會社ノ株劵其他
ノ有價證劵ヲ僞造又ハ變造シタル者ハ三月以上十年以下ノ懲役ニ處ス
行使ノ目的ヲ以テ有價證劵ニ虛僞ノ記入ヲ爲シタル者亦同シ
三
第百六十四條僞造、變造ノ有價證劵又ハ虛僞ノ記入ヲ爲シタル有價證劵
ヲ行使シ又ハ行使ノ目的ヲ以テ之ヲ人ニ交付シ若クハ輸入シタル者ハ三
月以上十年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十九章印章僞造ノ罪
四
第百六十五條行使ノ目的ヲ以テ御璽、國璽又ハ御名ヲ僞造シタル者ハ二
年以上ノ有期懲役ニ處ス
御璽、國璽又ハ御名ヲ不正ニ使用シ又ハ僞造シタル御璽、國璽又ハ御名
ヲ使用シタル者亦同シ
五
第百六十六條行使ノ目的ヲ以テ公務所又ハ公務員ノ印章若クハ署名ヲ僞
造シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
公務所又ハ公務員ノ印章若クハ署名ヲ不正ニ使用シ又ハ僞造シタル公務
所又ハ公務員ノ印章若クハ署名ヲ使用シタル者亦同シ
六
第百六十比條行使ノ目的ヲ以テ公務所ノ記號ヲ僞造シタル者ハ三年以下
ノ懲役ニ處ス
公務所ノ記號ヲ不正ニ使用シ又ハ僞造シタル公務所ノ記號ヲ使用シタル
者亦同シ
七
第百六十八條行使ノ目的ヲ以テ他人ノ印章若クハ署名ヲ僞造シタル者ハ
三年以下ノ懲役ニ處ス
他人ノ印章若クハ署名ヲ不正ニ使用シ又ハ僞造シタル印章若クハ署名ヲ
使用シタル者亦同シ
八四五六
第百六十九條第百六十五條第二項、第百六十六條第二項、第百六十七條第
二項及ヒ前條第二項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第二十章僞證ノ罪
六十九
第百七十條法律ニ依リ宣誓シタル證人虛僞ノ陳述ヲ爲シタルトキハ三
月以上十年以下ノ懲役ニ處ス
第百七十一條前條ノ罪ヲ犯シタル者證言シタル事件ノ裁判確定前又ハ懲
戒處分前自白シタルトキハ其刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第百七十二條法律ニ依リ宣誓シタル鑑定人又ハ通事虛僞ノ鑑定又ハ通譯
ヲ爲シタルトキハ前二條ノ例ニ同シ
第二十一章 誣〓ノ罪
二
第百七十三條人ヲシテ刑事又ハ懲戒ノ處分ヲ受ケシムル目的ヲ以テ虛僞
六十九
ノ申告ヲ爲シタル者ハ第百七十條ノ例ニ同シ
三
第百七十四條前條ノ罪ヲ犯シタル者申告シタル事件ノ裁判確定前又ハ懲
戒處分前自白シタルトキハ其刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第二十二章猥褻姦淫及ヒ重婚ノ罪
四
第百七十五條公然猥褻ノ行爲ヲ爲シタル者ハ科料ニ處ス
五
第百七十六條猥〓ノ文書、圖畫其他ノ物ヲ頒布若クハ販賣シ又ハ公然之
ヲ陳列シタル者ハ五百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス販賣ノ目的ヲ以テ之
ヲ所持シタル者亦同シ
六
第百七十比條十三歲以上ノ男女ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ以テ猥褻ノ行爲ヲ
爲シタル者ハ六月以上七年以下ノ懲役ニ處ス十三歲ニ滿タサル男女ニ對
シ猥褻ノ行爲ヲ爲シタル者亦同シ
七
第百七十八條暴行又ハ脅迫ヲ以テ十三歲以上ノ婦女ヲ姦淫シタル者ハ强
姦ノ罪ト爲シ二年以上ノ有期懲役ニ處ス十三歳ニ滿タサル婦女ヲ姦淫シ
タル者亦同シ
八
第百七十九條人ノ心神喪失若クハ抗拒不能ニ乘シ又ハ之ヲシテ心神ヲ喪
失セシメ若クハ抗拒不能ナラシメテ猥褻ノ行爲ヲ爲シ又ハ姦淫シタル者
ハ前二條ノ例ニ同シ
七十九
第百八十條前三條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第百八十一條前四條ノ罪ハ告訴ヲ待テ之ヲ論ス
一六七十九
第百八十二條第百七十七條乃至第百八十條ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致
シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ懲役ニ處ス
二
第百八十三條營利ノ目的ヲ以テ淫行ノ常習ナキ婦女ヲ勸誘シテ姦淫セシ
メタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
三
第百八十四條有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シ
タル者亦同シ
前項ノ罪ハ本夫ノ〓訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告
訴ノ效ナシ
四
第百八十五條配偶者アル者重ネテ婚姻ヲ爲シタルトキハ二年以下ノ懲役
ニ處ス其相婚シタル者亦同シ
第二十三章賭博及ヒ富籤ニ關スル罪
五
第百八十六條偶然ノ輸贏ニ關シ財物ヲ以テ博戲又ハ賭事ヲ爲シタル者ハ
千圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス但一時ノ娛樂ニ供スル物ヲ賭シタル者ハ
此限ニ在ラス
六
第百八十化條常習トシテ博戲又ハ賭事ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ
處ス
賭博場ヲ開張シ又ハ博徒ヲ結合シテ利ヲ圖リタル者ハ三月以上五年以下
ノ懲役ニ處ス
七
第百八十八條富籤ヲ發賣シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰
金ニ處ス
富籤發賣ノ取次ヲ爲シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ
處ス
前二項ノ外富籤ヲ授受シタル者ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第二十四章禮拜所及ヒ墳墓ニ關スル罪
八
第百八十九條神祠、佛堂、墓所其他禮拜所ニ對シ公然不敬ノ行爲アリタ
ル者ハ六月以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
說〓、禮拜又ハ葬式ヲ妨害シタル者ハ一年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ百
圓以下ノ罰金ニ處ス
八十九
第百九十條墳墓ヲ發掘シタル者ハ二年以下ノ懲役ニ處ス
第百九十一條死體、遺骨、遺髪又ハ棺内ニ藏置シタル物ヲ損壞、遺棄又ハ
領得シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
一八十九
第百九十二條第百九十條ノ罪ヲ犯シ死體、遺骨、遺髮又ハ棺內ニ藏置シ
タル物ヲ損壞、遺棄又ハ領得シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
二
第百九十三條檢視ヲ經スシテ變死者ヲ葬リタル者ハ五十圓以下ノ罰金又
ハ科料ニ處ス
第二十五章瀆職ノ罪
三
第百九十四條公務員其職權ヲ濫用シ人ヲシテ義務ナキ事ヲ行ハシメ又ハ
行フ可キ權利ヲ妨害シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
四
第百九十五條裁判、檢察、警察ノ職務ヲ行ヒ又ハ之ヲ補助スル者其職權
ヲ濫用シ人ヲ逮捕又ハ監禁シタルトキハ六月以上七年以下ノ懲役又ハ禁
錮ニ處ス
五
第百九十六條裁判、檢察、警察ノ職務ヲ行ヒ又ハ之ヲ補助スル者其職務
ヲ行フニ當リ刑事被〓人其他ノ者ニ對シ暴行又ハ陵虐ノ行爲ヲ爲シタル
トキハ三年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
法令ニ因リ拘禁セラレタル者ヲ看守又ハ護送スル者被拘禁者ニ對シ暴行
又ハ陵虐ノ行爲ヲ爲シタルトキ亦同シ
六
第百九十化條前二條ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ
比較シ重キニ從テ處斷ス
七
第百九十八條公務員又ハ仲裁人其職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求
若クハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又
ハ相當ノ行爲ヲ爲ササルトキハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其全部又ハ一部ヲ沒
收スルコト能ハサルトキハ其價額ヲ追徵ス
八
第百九十九條公務員又ハ仲裁人ニ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ
三年以下ノ懲役又ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ
得
第二十六章殺人ノ罪
百九十九
第二百條人ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期若クハ三年以上ノ懲役ニ處ス
第二百一條自己又ハ配偶者ノ直系尊屬ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期懲役
三國風
-
第二百二條前二條ノ罪ヲ犯ス目的ヲ以テ其豫備ヲ爲シタル者ハ二年以下
ノ懲役ニ處ス但情狀ニ因リ其刑ヲ免除スルコトヲ得
二、
第二百三條人ヲ〓唆若クハ幫助シテ自殺セシメ又ハ被殺者ノ囑託ヲ受ケ
若クハ其承諾ヲ得テ之ヲ殺シタル者ハ六月以上七年以下ノ懲役又ハ禁錮
こぼろ、
三百九十九
第二百四條第二百條、第二百一條及ヒ前條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第二十七章傷害ノ罪
四
第二百五條人ノ身體ヲ傷害シクル者ハ十年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ
罰金若クハ科料ニ處ス
五
第二百六條身體傷害ニ因リ人ヲ死ニ致シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ
處ス
自己又ハ配偶者ノ直系尊屬ニ對シテ犯シタルトキハ無期又ハ三年以上ノ
懲役ニ處ス
六
第二百七條前二條ノ犯罪アルニ當リ現場ニ於テ勢ヲ助ケタル者ハ自ラ人
ヲ傷害セスト雖モ一年以下ノ懲役又ハ五十圓以下ノ罰金若クハ科料ニ處
ス
七
第二百八條二人以上ニテ暴行ヲ加ヘ人ヲ傷害シタル場合ニ於テ傷害ノ輕
重ヲ知ルコト能ハス又ハ其傷害ヲ生セシメタル者ヲ知ルコト能ハサルト
キハ共同者ニ非スト雖モ共犯ノ例ニ依ル
八
第二百九條暴行ヲ加ヘタル者人ヲ傷害スルニ至ラサルトキハ一年以下ノ
懲役若クハ五十圓以下ノ罰金又ハ拘留若クハ科料ニ處ス
前項ノ罪ハ告訴ヲ待テ之ヲ論ス
第二十八章過失傷害ノ罪
九
第二百十條過失ニ因リ人ヲ傷害シダル者ハ五百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ
處ス
前項ノ罪ハ〓訴ヲ待テ之ヲ論ス
第二百十一條過失ニ因リ人ヲ死ニ致シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二百十二條業務上必要ナル注意ヲ怠リ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ三
年以下ノ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十九章墮胎ノ罪
二
第二百十三條懷胎ノ婦女藥物ヲ用ヒ又ハ其他ノ方法ヲ以テ墮胎シタルト
キハ一年以下ノ懲役ニ處ス
三
第二百十四條婦女ノ囑託ヲ受ケ又ハ其承諾ヲ得テ墮胎セシメタル者ハ二
年以下ノ懲役ニ處ス因テ婦女ヲ死傷ニ致シタル者ハ三月以上五年以下ノ
懲役ニ處ス
四
第二百十五條醫師、產婆、藥劑師又ハ藥種商婦女ノ囑託ヲ受ケ又ハ其承
諾ヲ得テ墮胎セシメタルトキハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス因テ婦女
ヲ死傷ニ致シタルトキハ六月以上七年以下ノ懲役ニ處ス
五
第二百十六條婦女ノ囑託ヲ受ケス又ハ其承諾ヲ得スシテ堕胎セシメタル
者ハ六月以上七年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
六
第二百十比條前條ノ罪ヲ犯シ因テ婦女ヲ死傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ
比較シ重キニ從テ處斷ス
第三十章遺棄ノ罪
七
第二百十八條老幼、不具又ハ疾病ノ爲メ扶助ヲ要ス可キ者ヲ遺棄シタル
者ハ一年以下ノ懲役ニ處ス
八
第二百十九條老者、幼者、不具者又ハ病者ヲ保護ス可キ責任アル者之ヲ
遺棄シ又ハ其生存ニ必要ナル保護ヲ爲ササルトキハ三月以上五年以下ノ
懲役ニ處ス
自己又ハ配偶者ノ直系尊屬ニ對シテ犯シタルトキハ六月以上七年以下ノ
懲役ニ處ス
十九
第二百二十條前二條ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ
比較シ重キニ從テ處斷ス
第三十一章逮捕及ヒ監禁ノ罪
第二百二十一條不法ニ人ヲ逮捕又ハ監禁シタル者ハ三月以上五年以下ノ
懲役ニ處ス
自己又ハ配偶者ノ直系尊屬ニ對シテ犯シタルトキハ六月以上七年以下ノ
懲役ニ處ス
第二百二十二條前條ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ
比較シ重キニ從テ處斷ス
第三十二章脅迫ノ罪
第二百二十三條生命、身體、自由、名譽又ハ財產ニ對シ害ヲ加フ可キコト
ヲ以テ人ヲ脅迫シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
親族ノ生命、身體、自由、名譽又ハ財產ニ對シ害ヲ加フ可キコトヲ以テ
人ヲ脅迫シタル者亦同シ
三
第二百二十四條生命、身體、自由、名譽若クハ財產ニ對シ害ヲ加フ可キ
コトヲ以テ脅迫シ又ハ暴行ヲ用ヒ人ヲシテ義務ナキ事ヲ行ハシメ又ハ行
フ可キ權利ヲ妨害シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
親族ノ生命、身體、自由、名譽又ハ財產ニ對シ害ヲ加フ可キコトヲ以テ
脅迫シ人ヲシテ義務ナキ事ヲ行ハシメ又ハ行フ可キ權利ヲ妨害シタル者
亦同シ
前二項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第三十三章略取及ヒ誘拐ノ罪
四
第二百二十五條未成年者ヲ略取又ハ誘拐シタル者ハ三月以上五年以下ノ
懲役ニ處ス
五
第二百二十六條營利、猥褻又ハ結婚ノ目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタ
ル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
六
第二百二十比條帝國外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタル者
ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
帝國外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ賣買シ又ハ被拐取者若クハ被賣者ヲ帝
國外ニ移送シタル者亦同シ
七
第二百二十八條前三條ノ罪ヲ犯シタル者ヲ幫助スル目的ヲ以テ被拐取者
又ハ被賣者ヲ收受若クハ藏匿シ又ハ隱避セシメタル者ハ一二月以上五年以
下ノ懲役ニ處ス
營利又ハ猥褻ノ目的ヲ以テ被拐取者又ハ被賣者ヲ收受シタル者ハ六月以
上七年以下ノ懲役ニ處ス
八
第二百二十九條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
二十九六
第二百三十條第二百二十比條ノ罪、同條ノ罪ヲ幫助スル目的ヲ以テ犯
七
シタル第二百二十八條第一項ノ罪及ヒ此等ノ罪ノ未遂罪ヲ除ク外本章ノ
罪ハ營利ノ目的ニ出テサル場合ニ限リ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但被拐取者又
ハ被賣者犯人ト婚姻ヲ爲シタルトキハ婚姻ノ無效又ハ取消ノ裁判確定ノ
後ニ非サレハ告訴ノ效ナシ
第三十四章名譽ニ對スル罪
第二百三十一條公然事實ヲ摘示シ人ノ名譽ヲ毀損シタル者ハ其事實ノ有
無ヲ問ハス一年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
死者ノ名譽ヲ毀損シタル者ハ誣〓ニ出ツルニ非サレハ之ヲ罰セス
第二百三十二條事實ヲ摘示セスト雖モ公然人ヲ侮辱シタル者ハ拘留又ハ
科料ニ處ス
二
第二百三十三條本章ノ罪ハ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但公務員ニ對シ第二百三
十一條ノ罪ヲ犯シタル場合ニ於テ其上司ノ請求アリタルトキハ告訴ヲ要
セス
第三十五章信用及ヒ業務ニ對スル罪
三
第二百三十四條虛僞ノ風說ヲ流布シ又ハ僞計ヲ用ヒ人ノ信用ヲ毀損シ若
クハ其業務ヲ妨害シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
四
第二百三十五條威力ヲ用ヒ人ノ業務ヲ妨害シタル者亦前條ノ例ニ同シ
第三十六章竊盜及ヒ强盜ノ罪
五
第二百三十六條他人ノ財物ヲ竊取シタル者ハ竊盜ノ罪ト爲シ十年以下ノ
懲役ニ處ス
六
第二百三十比條暴行又ハ脅迫ヲ以テ他人ノ財物ヲ强取シタル者ハ强盜ノ
罪ト爲シ五年以上ノ有期懲役ニ處ス
前項ノ方法ヲ以テ財產上不法ノ利益ヲ得又ハ他人ヲシテ之ヲ得セシメタ
ル者亦同シ
七
第二百三十八條强盜ノ目的ヲ以テ其豫備ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役
己四人
八
第二百三十九條竊盜財物ヲ得テ其取還ヲ拒キ又ハ逮捕ヲ免レ若クハ罪跡
ヲ湮滅スル爲メ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタルトキハ强盜ヲ以テ論ス
三十九
第二百四十條人ヲ昏醉セシメテ其財物ヲ盜取シタル者ハ强盜ヲ以テ論
ス
第二百四十一條强盗人ヲ傷シタルトキハ無期又ハ七年以上ノ懲役ニ處ス
死ニ致シタルトキハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
-
第二百四十二條强盜婦女ヲ强姦シタルトキハ無期又ハ七年以上ノ懲役ニ
處ス因テ婦女ヲ死ニ致シタルトキハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
二
第二百四十三條自己ノ財物ト雖モ他人ノ占有ニ屬シ又ハ公務所ノ命ニ因
リ他人ノ看守シタルモノナルトキハ本章ノ罪ニ付テハ他人ノ財物ト看做
ス
三五六八
第二百四十四條第二百三十六條、第二百三十七條、第二百三十九條乃至
第二百四十二條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
四
第二百四十五條直系血族、配偶者及ヒ同居ノ親族又ハ家族ノ間ニ於テ第
五
二百三十六條ノ罪及ヒ其未遂罪ヲ犯シタル者ハ其刑ヲ免除シ其他ノ親族
又ハ家族ニ係ルトキハ〓訴ヲ待テ其罪ヲ論ス
親族又ハ家族ニ非サル共犯ニ付テハ前項ノ例ヲ用ヒス
五
第二百四十六條本章ノ罪ニ付テハ電氣ハ之ヲ財物ト看做ス
第三十七章詐欺及ヒ恐喝ノ罪
六
第二百四十比條人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタル者ハ十年以下ノ懲役ニ處
ス
前項ノ方法ヲ以テ財產上不法ノ利益ヲ得又ハ他人ヲシテ之ヲ得セシメタ
ル者亦同シ
七
第二百四十八條他人ノ爲メ其事務ヲ處理スル者自己若クハ第三者ノ利益
ヲ圖リ又ハ本人ニ損害ヲ加フル目的ヲ以テ其任務ニ背キタル行爲ヲ爲シ
本人ニ財產上ノ損害ヲ加ヘタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰
金ニ處ス
八
第二百四十九條未成年者ノ知慮淺薄又ハ人ノ心神耗〓ニ乘シテ其財物ヲ
交付セシメ又ハ財產上不法ノ利益ヲ得若クハ他人ヲシテ之ヲ得セシメタ
ル者ハ十年以下ノ懲役ニ處ス
四十九
第二百五十條人ヲ恐喝シテ財物ヲ交付セシメタル者ハ十年以下ノ懲役
ご依頼人
前項ノ方法ヲ以テ財產上不法ノ利益ヲ得又ハ他人ヲシテ之ヲ得セシメタ
ル者亦同シ
第二百五十一條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
二四
第二百五十二條本章ノ罪ニハ第二百四十三條、第二百四十五條及ヒ第二
五
百四十六條ノ規定ヲ準用ス
第三十八章橫領ノ罪
二
第二百五十三條自己ノ占有スル他人ノ物ヲ橫領シタル者ハ五年以下ノ懲
役ニ處ス
自己ノ物ト雖モ公務所ヨリ保管ヲ命セラレタル場合ニ於テ之ヲ橫領シタ
ル者亦同シ
三
第二百五十四條業務上自己ノ占有スル他人ノ物ヲ橫領シタル者ハ一年以
上十年以下ノ懲役ニ處ス
四
第二百五十五條遺失物、漂流物其他占有ヲ離レタル他人ノ物ヲ橫領シタ
ル者ハ一年以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金若クハ科料ニ處ス
五四
第二百五十六條本章ノ罪ニハ第二百四十五條ノ規定ヲ準用ス
第三十九章贓物ニ關スル罪
六
第二百五十比條贓物ヲ收受シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
贓物ノ運搬、寄藏、故買又ハ牙保ヲ爲シタル者ハ十年以下ノ懲役及ヒ千
圓以下ノ罰金ニ處ス
七
第二百五十八條直系血族、配偶者、同居ノ親族又ハ家族及ヒ此等ノ者ノ
配偶者ノ間ニ於テ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ其刑ヲ免除ス
親族又ハ家族ニ非サル共犯ニ付テハ前項ノ例ヲ用ヒス
第四十章毀棄及ヒ隱匿ノ罪
八
第二百五十九條公務所ノ用ニ供スル文書ヲ毀棄シタル者ハ三月以上七年
以下ノ懲役ニ處ス
五十九
第二百六十條權利、義務ニ關スル他人ノ文書ヲ毀棄シタル者ハ五年以
下ノ懲役ニ處ス
第二百六十一條他人ノ建造物又ハ艦船ヲ損壞シタル者ハ五年以下ノ懲役
ニ處ス因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ傷害ノ罪ニ比較シ重キニ從テ處斷ス
第二百六十二條前三條ニ記載シタル以外ノ物ヲ損壞又ハ傷害シタル者ハ
三年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金若クハ科料ニ處ス
二
第二百六十三條自己ノ物ト雖モ差押ヲ受ケ、物權ヲ負擔シ又ハ賃貸シタ
ルモノヲ損壞又ハ傷害シタルトキハ前三條ノ例ニ依ル
三
第二百六十四條他人ノ信書ヲ隱匿シタル者ハ六月以下ノ懲役若クハ禁錮
又ハ五十圓以下ノ罰金若クハ科料ニ處ス
四五十九
第二百六十五條第二百六十條、第二百六十二條及ヒ前條ノ罪ハ告訴ヲ待
テ之ヲ論ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=10
-
011・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 村田君ノ特別委員ハ十五名、其委員ハ議長指名、
此動議ニ御異存ゴザイマセヌカ
[「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=11
-
012・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイモノト認メマス、直チニ委員ノ氏名ヲ
御報告ニ及ビマス
〔太田書記官長朗讀〕
侯爵黑田長成君子爵酒井忠亮君男爵尾崎三良君
男爵岡内重俊君三好退藏君名村泰藏君
村田保君小松原英太郞君波多野敬直君
都筑馨六君奧山政敬君富井政章君
一木喜德郞君菊池武夫君兒玉淳一郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=12
-
013・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第二ニ移リマス、藥品營業竝藥品取扱規
則中改正法律案、政府提出、第一讀會
藥品營業竝藥品取扱規則中改正法律案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治四十年三月十二日
內閣總理大臣侯爵西園寺公望
內務大臣原敬
藥品營業竝藥品取扱規則中改正法律案
藥品營業竝藥品取扱規則中左ノ通改正ス
第十五條ノ二藥劑師ハ正當ノ事故ナクシテ指定藥品ノ販賣ヲ拒ムコトヲ
得ス
第二十六條及第二十七條第一項中「販賣若クハ授與」ヲ「製造、貯藏、陳列、
販賣又ハ授與」ニ改メ左ノ但書ヲ加フ
但命令ニ別段ノ規定アル場合ハ此限ニ在ラス
第二十七條第二項ヲ削ル
第三十二條ノ二第三十七條ノ三ニ揭クル藥種商ニ使用セラルル藥劑師ハ
指定藥品ノ容器又ハ包紙ニ藥局方ノ所定ニ適合スルコトノ證明ヲ記シ之
ニ自己ノ住所氏名ヲ附記スヘシ
第三十七條ノ二藥劑師ニ非サレハ指定藥品ヲ販賣又ハ授與スルコトヲ得
ス但藥劑師藥種商製藥者間ニ在リテハ此限ニ在ラス
醫師カ第四十三條ニ依リ指定藥品ヲ販賣授與スルハ前項ノ限ニ在ラス
第三十七條ノ三命令ノ定ムル所ニ從ヒ藥劑師ヲ使用スル藥種商ハ指定藥
品ヲ販賣又ハ授與スルコトヲ得但第三十二條ノ二ニ依リ其藥品ノ容器又
ハ包紙ニ藥劑師ノ證明アルモノニ限ル
第三十七條ノ四土地ノ狀況ニ依リ地方長官ハ期間及營業所所在地ヲ定メ
藥種商ニ指定藥品ノ販賣授與ヲ許可スルコトヲ得但其藥品ハ藥劑師又ハ
前條ノ藥種商ヨリ得タルコトノ證明アルモノニ限ル
第三十七條ノ五第十五條ノ二ノ規定ハ前二條ニ揭クル藥種商ニ之ヲ準用
ス
第三十八條ノ二何レノ藥局方ニモ記載セサル藥品ニシテ衞生上危害ヲ生
スルノ虞アリト認メタルモノハ行政官廳ニ於テ其製造、貯藏、陳列、販
賣又ハ授與ヲ禁止スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ行政官廳ハ藥品ノ所有者若クハ所持者ヲシテ之ヲ廢棄
セシメ又ハ直接ニ之ヲ廢棄シ其他必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得但所有者
又ハ所持者ニ於テ衞生上危害ヲ生スルノ虞ナキ方法ニ依リ處置センコト
ヲ請フトキハ之ヲ許可スルコトヲ得
藥局方ノ所定ニ適合セサル藥品アルトキ亦前項ニ同シ
第三十八條ノ三此規則ニ於テ指定藥品ト稱スルハ內務大臣ノ指定シタル
藥品ヲ謂フ
第三十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ四百圓以下ノ罰金ニ處ス
-藥品ノ容器又ハ包紙ニ虛僞ノ記入ヲ爲シタル者
二第二十六條又ハ第二十七條ニ違背シタル者
三第三十八條ノ二第一項ノ禁止ヲ犯シタル者
第三十九條ノ二左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
ー藥劑師ノ免狀ヲ受ケス又ハ其業務ノ禁止停止ノ處分ニ違背シテ藥劑
師ノ業ヲ爲シタル者
二第三十七條ノ二第一項第三十七條ノ三又ハ第三十七條ノ四ニ違背シ
タル者
第三十九條ノ三左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
-藥劑師ニシテ第十四條第一項ニ違背シ又ハ誤リテ調劑ヲ爲シタル者
二第十六條第十八條第二十二條第二十五條又ハ第三十條第一項ニ違背
シタル者
三藥劑師ニシテ藥品ノ容器又ハ包紙ニ誤記ヲ爲シ又ハ事實ヲ知ラスシ
テ藥局方ノ所定ニ適合セサル藥品ヲ貯藏、陳列、販賣若クハ授與シ
タル者
四第三十七條ノ三ニ揭クル藥種商ニシテ事實ヲ知ラスシテ藥局方ノ所
定ニ適合セサル指定藥品ヲ貯藏、陳列、販賣又ハ授與シタル者
當該官吏若クハ行政官廳ノ命ヲ受ケテ公務ヲ行フ者ノ尋問ニ對シ虛僞ノ
答辯ヲ爲シ又ハ其職務執行ヲ拒ミ若クハ之ヲ忌避シ若クハ之ニ支障ヲ加
ヘタル者ハ罰前項ニ同シ但其刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第三十九條ノ四左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
ー藥種商若クハ製藥者ノ免許ヲ受ケス又ハ業務ノ禁止若クハ停止ノ處
分ニ違背シテ藥種商又ハ製藥者ノ業ヲ爲シタル者
二第三十八條ノ二第二項又ハ第三項ノ命ヲ受ケテ指定ノ期間内ニ之ヲ
履行セサル者
第四十條中「第十四條第一項」ヲ削ル
第四十一條中「第十五條」ノ下ニ「第十五條ノ二」、「第三十七條」ノ下ニ「第三
十七條ノ五」ヲ加へ「第二十一條第二十四條」ヲ削ル
第四十一條ノ二此規則又ハ此規則ニ基キテ發スル命令ニ違背シタル者ニ
ハ刑法ノ減輕、再犯加重及數罪倶發ノ例ヲ用井ス
第四十一條ノ三當業者カ未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ此規則又ハ此
規則ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ之ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代
理人ニ適用ス但其業務ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付
テハ此限ニ任ラス
第四十一條ノ四當業者ハ其代理人、戶主、家族、同居者、雇人其他ノ從
業者ニシテ其業務ニ關シ此規則又ハ此規則ニ基キテ發スル命令ニ違背シ
タルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第四十一條ノ五前三條ノ規定ハ醫師カ第四十三條ニ違背シタル場合ニ之
ヲ準用ス
第四十一條ノ六明治三十三年法律第五十二號ノ規定ハ此規則又ハ此規則
ニ基キテ發スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
第四十一條ノ七當該官吏又ハ行政官廳ノ命ヲ受ケテ公務ヲ行フ者此規則
ノ執行ニ關シ不正ノ所爲アルトキハ一年以下ノ重禁錮ニ處シ四十圓以下
ノ罰金ヲ附加ス但其刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
行政官廳ノ命ヲ受ケテ公務ヲ行フ者此規則ノ執行ニ關シ人ノ囑託ヲ受ケ
賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ聽許シタル者ハ刑法第二百八十四條ノ例ニ照シテ
處斷ス
第四十六條中「醫科大學藥學科」ノ下ニ「、官立公立醫學專門學校藥學科」ヲ
加フ
第四十六條ノ二藥劑師其業務ニ關シ犯罪又ハ不正ノ所爲アルトキハ内務
大臣ハ中央衞生會ノ審議ヲ經テ其業務ヲ禁止シ又ハ停止スルコトヲ得藥
劑師ニシテ瘋癲白痴ト爲リ其他其業務ヲ營ムニ堪ヘスト認メタルトキ亦
同シ
藥種商又ハ製藥者其ノ業務ニ關シ犯罪又ハ不正ノ所爲アルトキハ地方長
官ハ其業務ヲ禁止シ又ハ停止スルコトヲ得
內務大臣ハ中央衞生會ノ審議ヲ經テ藥劑師ノ業務ノ禁止又ハ停止ヲ解ク
コトヲ得
地方長官ハ藥種商又ハ製藥者ノ業務ノ禁止又ハ停止ヲ解クコトヲ得
第四十六條ノ三此規則中地方長官ニ屬スル職權ハ東京府ニ在リテハ警視
總監之ヲ行フ
第四十六條ノ四此規則中醫師ニ關スル規定ハ齒科醫師及獸醫ニ之ヲ適用
ス
附則
本法ハ明治四十一年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
免許ヲ得テ五箇年以上藥種商ト爲リ本法施行ノ際現ニ其業ヲ營ム者ハ法人
ヲ除クノ外本法施行後ト雖指定藥品ヲ販賣又ハ授與スルコトヲ得但本法施
行後六箇月以內ニ地方長官ニ其旨ヲ屆出テタル者ニ限ル
第十五條ノ二及第三十九條ノ三第一項第四號ノ規定ハ前項但書ノ屆出ヲ爲
シタル薬種商ニ之ヲ準用ス
第二項但書ノ屆出ヲ爲シタル藥種商ニシテ正當ノ事故ナクシテ指定藥品ノ
販賣ヲ拒ミタルモノハ罰第四十一條ニ同シ
第二項但書ノ屆出ヲ爲シタル者ヲ除クノ外本法施行ノ際現ニ營業スル藥種
商ニハ本法施行ノ日ヨリ三箇年ヲ限リ第三十七條ノ二ヲ適用セス
〔政府委員窪田靜太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=13
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014・窪田靜太郎
○政府委員(窪田靜太郞君) 本案提出ノ理由ヲ一言イタシマス、近年不正藥
品ガ非常ニ橫行イタシマシテ衞生上ニ危險ヲ及ボスコトハ甚シイ狀況ニナッ
テ居リマス、ソレデ其原因ガ現行ノ藥品營業竝藥品取扱規則ノ不完全ナル所
ヨリシテ相當ノ取締ヲ致スコトガ出來ナイノヂゴザイマス、ソレデ此藥品巡
視ト云フコトヲ各地方廳ニ於キマシテ時々實行イタシテ居リマスガ、此成蹟
ニ依ッテ見マシテモ、凡ソ此巡視ヲ致シマス所ノ箇所ノ約半數グラ井ノ藥店
其他ニ於キマシテ、約半數グラ井ノ所デハ必ズ不正ノ藥品ヲ發見スル狀況デ
アルノデアリマス、ソレデ其藥品巡視ハ卽チ取締ヲ致シマスルニ必要ナル仕
方デゴザイマスガ扨其巡視ヲ致シマシテ發見シタ所ノ不良藥品ヲ、現行ノ規
則ニ於キマシテハ如何トモ致シ方ガ無イコトニナッテ居ル、說諭ヲ致シマシテ
之ヲ廢棄セシメルトカ云フ位ノコトシキヤ出來ナイノデアリマス、デ不正ノ
藥品ヲ不良ト知リツツ之ヲ販賣シテ誰カ買ッタ人ガ有ルト云フコトニ至ッテ、
始メテ現行法ハ之ヲ罰スルノデ、巡視ヲヤッテ惡ルイ藥品ヲ持ッテ居ッテ、ソレ
ヲ賣ルバカリニ之ヲ店頭ニ陳列シテ居ッテモ少シモ制裁ハ無イノデアリマス、
斯樣ナル不備ノ點ガゴザイマス爲ニ、藥品巡視モ其目的ノ十ガ一ヲモ達スル
コトハ困難ナル實況ナノデゴザイマス、ソレカラ又此藥種商トカ會社デ營業
シテ居ルノモアルノデゴザイマスガ、會社ノ行爲ニ付キマシテハ現行法ニ於
キマシテハ少シモ之ヲ制裁スル規定ハゴザイマセヌカラ、マルデ無罪ニナル
實況ナノデゴザイマス〓或ハ又營業者ノ取締ニ付キマシテハ家族、雇人等ノ處
置ニ付キマシテモ固ヨリ相當ノ制裁ガ無クッチヤナラヌノデゴザイマスケレ
ドモ、現行法ニハ其條項ハ無イノデゴザイマスカラ、是ハ家族ガシタノデア
ル、是ハ雇人ノ所爲デアルト云フヤウナコトデ、罰ニナラヌ制裁ハ受ケヌト云
フヤウナ實況デゴザイマス、ソレカラ藥品ノ中ニモ殊ニ少シナル分量デアッテ
モ影響ヲ人身ニ及ボズコトノ至大ナル種類ノモノモ隨分アルノデゴザイマ
ス、ソレハ一層積極的ニ其藥ガ惡ルカッタ爲ニ直チニ害ヲ人身ニ及ボスト云フ
ノモアリマスルシ、又ハ此病氣ニ依ッテ、茲デ一ツ此藥ガ最モ必要デアルト
云フ場合ニ其藥ガ贋物デアッタ、ト云フガ爲ニ詰リ時機ヲ失シテ仕舞フト
云フヤウナ、又反對ノ方面カラノ危險モゴザイマス、デソレ等ノ主要ナル藥
ト云フモノヲ今日販賣イタスノニ誰デモ藥學ノ知識モ無イ所ノ人ガ販賣シテ
宜イト云フノデゴザイマスカラ、惡ルイ物ヲ販賣シタ人ガアッテモ、之ニ制裁
ヲ加ヘヤウトシテ見テモ自分ハモト藥ノコトヲ知ッタモノデ無シスルカラ、
一向知ラナンダノデアル、ソレ故ニサウ云フヤウナ間違ガ出來タノデアリマ
セウガ、實ハドウモ知ラナイノデアル、知ラヌ者ハ仕方ガゴザイマセヌカラ
現行法ニ於テソレハ罰ニナラヌ、斯ウ云フコトニナッテ居ルデ斯樣ナル主要
ノ藥ニ付キマシテハドウシテモ之ニ責任者ヲ作リマシテ、サウシテ其藥ガ
惡ルカッタト云フナラバ、知ラナクトモ、是デ宜シク知ルベシ、知ル方法ヲ
講ズル、知ラナカッタト云フコトデ責任ハ免レサセヌ、サウ云フヤウナ知ラ
ナイデト云フヤウナ者ニハ賣ラセナイヤウニシタイト云フコトガ、卽チ必要
ニナッテ參リマスル次第デ、ソレ等ノ點ガ卽チ缺點デアル、ソレデ其他尙ホ
制裁等ニ付キマシテモ缺點ガゴザイマスガ、委シクハ申シマセヌ、ソコデ之
ヲ完全ニ一擧シテ總テノ點ニ付キマシテ完全ニ致シテ直チニ之ヲ完全ニ實行
シテ行クト云フコトハ最モ望ム所デハゴザイマスケレドモ、又此藥種ノ取扱
ノコトハ一ツノ營業トナッテ居リマスルモノデゴザイマスカラシテ、從來此
長イ慣例デ參ッテ居リマスルモノニ對シテ、一朝ニ急劇ナ變動ヲ來タスト云
フコトモ、又一方デ慮ラナケレバナリマセヌ、ソレ故ニ此今度ノ改正ヲ致シ
マスル、唯〓述ベマシタヤウナ缺點ニ對シテ改正ヲ致シマスル、其改正ノデ
ス、實施ノ過渡ノ際ニ當リマシテハ、現在ノ營業者ニ對シマシテハ、唯今申上
ゲマシタヤウナ貴重ナル藥ノ取扱ニ付キマシテモ相當ナル例外ヲ設ケル積
リデ、現在營業者ニ急劇ナル變動ヲ與ヘナイト云フコトノ注意モ取ラナケレ
バナラヌ積リデ其規定ヲ設ケテ居リマス、デ之ヲ要スルニ詰リ藥品ノ取締ヲ
嚴重ニ致シ、現行法ノ制裁ヲ嚴ニシテ、サウシテ此衞生上ノ目的ヲ達シタイ
ト云フコトガ、卽チ本案提出ノ所以デゴザイマス、一言申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=14
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015・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御質問モゴザイマセヌケレバ次ノ議事日程ニ
移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=15
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016・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第三、右議案ノ審査ヲ付託スベキ特別委
員ノ選擧、是ハ議長ガ選定イタシテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=16
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017・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=17
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018・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第四、樺太ニ於ケル租稅ニ關スル法律案、
政府提出、衆議院送付、第一讀會
樺太ニ於ケル租稅ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
明治四十年三月十二日
衆議院議長杉田定
貴族院議長公爵德川家達殿
樺太ニ於ケル租稅ニ關スル法律案
第一條樺太ニ於ケル租稅ハ左ノ目ニ從ヒ徵收ス
一戶數割
二營業稅
三雜種稅
前項租稅ノ種類及課率ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條租稅ノ徵收及滯納處分ニ關シテハ國稅徵收法ヲ準用ス
第三條本法ニ規定スルモノノ外租稅ノ賦課徵收其ノ他必要ナル事項ニ關
スル規程ハ樺太廳長官之ヲ定ム
附則
本法ハ明治四十年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
〔政府委員吉原三郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=18
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019・吉原三郎
○政府委員(吉原三郞君) 本案ハ近ク樺太ニ於キマシテ軍政ヲ撤去イタシテ
民政ノ下ニ統治ヲスルト云フコトニナリマスルノデ、此地方ニ於キマシテモ
適當ノ課稅ヲスルコトガ必要デアルト云フ所カラ本案ヲ提出イタシマシタル
次第デゴザイマス、至極簡單ナル法案デゴザイマスル、宜シク御審議ヲ願ヒ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=19
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020・廣澤金次郎
○伯爵廣澤金次郞君 チヨット政府委員ニ質問シマスガ、此樺太デハ種々ノ
營業ノ中デハ漁業ガ一番盛ンダト聞イテ居リマスガ、此漁業稅ハ雜種稅ニ籠
リマスカ、或ハ營業稅ノ中ニ籠ッテ御取リニナル積リデアリマスカ、或ハ又漁
業稅ノ如キモノハ課セヌト云フ積リデアリマスカチヨット此邊ノ所ヲ伺ヒ
タイト思ヒマス
〔政府委員熊谷喜一郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=20
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021・熊谷喜一郎
○政府委員(熊谷喜一郞君) 御答イタシマスルガ、漁業ノ稅デゴザイマスル
ガ、是ハ目下免許料ノ形デ徵收イタシテ居リマスルモノデ、此營業稅ノ中ニ
モ雜種稅ノ中ニモ這入リマセヌノデゴザイマス、此段御答イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=21
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022・廣澤金次郎
○伯爵廣澤金次郞君 唯〓ノ御說明ニ依リマスト、此漁業ノ課稅ハ本案ノ租
稅ノ中ニ籠ッテ居ラヌ、免許方法デヤッテ居ルト仰シヤイマスガ、是ハ勅令デ
御ヤリニナッタ仕事ト思ヒマスガ、法律案ヲ別ニ御出シニナル積リデアルカ、
或ハ是ハ行政上ノ處分デ免許料ヲ御取リニナルノデアリマスカ、チヨット伺
ヒマス
〔政府委員熊谷喜一郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=22
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023・熊谷喜一郎
○政府委員(熊谷喜一郞君) 御答イタシマスルガ、是ハ行政上ノ免許料トシ
テ目下旣ニ徵收ヲシテ居ルノデゴザイマス、ソレカラ將來ハ此事ハ勅令デ規
定ヲ致シマスル考デ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=23
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024・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 他ニ御質問モ無イヤウデスカラ次ノ議事日程ニ移
リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=24
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025・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第五、右議案ノ審査ヲ付託スベキ特別委
員ノ選擧、是モ議長ガ選定イタシテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=25
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026・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異存ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=26
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027・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第六、明治三十九年度一般會計所屬ノ經
費ヲ各帝國大學特別會計ニ繰越ス場合ニ於ケル剩餘金繰入ニ關スル法律案、
政府提出、衆議院送付、第一讀會
明治三十九年度一般會計所屬ノ經費ヲ各帝國大學特別會計ニ繰越ス場合
ニ於ケル剩餘金繰入ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
明治四十年三月十二日
衆議院議長杉田定
貴族院議長公爵德川家達殿
明治三十九年度一般會計所屬ノ經費ヲ各帝國大學特別會計ニ繰越ス
場合ニ於ケル剰餘金繰入ニ關スル法律案
東京帝國大學及京都帝國大學ニ關スル明治三十九年度一般會計所屬ノ營繕
費設備費創立費ノ豫算殘額ヲ明治四十年度各帝國大學特別會計ニ繰越ス場
合ニ於ヲハ之ニ相當スル剰餘金モ亦之ヲ繰越スコトヲ得
〔國務大臣牧野伸顯君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=27
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028・牧野伸顯
○國務大臣(牧野伸顯君) 是マデ大學ノ經費ノ中デ臨時費ニ屬シテ居リマス
ル營繕費、設備費ノ如キモノハ一般會計ニ屬シテ居ッタノデアリマス、然ルニ
此度ノ帝國大學特別會計法案ガ愈〓實施サレマスル曉ニハ經常臨時ノ區別ガ
無クナリマシテ、····無クナルデハナイ、詰リ一定ノ金額ヲ以テ其範圍內デ
經常臨時ヲ支辨スルト云フコトニナリマシタニ付キマシテハ、今後ハ大學ノ
經費ノ上ニ於キマシテ一般會計ニ屬スルモノガ無クナルノデアリマス、然ル
ニ三十九年度ノ豫算ニ屬シマスル事業ノ中デ、次年度ニ繰越スベキモノモア
ルノデゴザイマス、ソレハ四十年度ノ新式ノ豫算ニ於キマシテハ豫算ニ見テ
アリマセヌノデ、豫算ノ上ニ於キマシテ繰越シタ金ヲ使用スルコトハ、勿論
差支ナイノデアリマスガ、豫算ノ上ニ於テハ其財源ガ無イノデアリマス、ソ
レデ一般會計ヨリ其財源ヲ四十年度ニ繰入レテ、其歲出ノ出來ルヤウニシヤ
ウト云フノデゴザイマス、詰リ制度ノ變更ニ付キマシテ、整理上ニ必要ナル
規定デゴザイマスカラ、御協賛ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=28
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029・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ノ議事日程ニ移リマス、議事日程第七、右議案
ノ審査ヲ付託スベキ特別委員ノ選舉、是モ議長ガ選定ヲ致シテ御異存ゴザイ
マセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=29
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030・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=30
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031・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第八、渡良瀨川沿岸地方特別地價修正法
律中改正法律案、衆議院提出、第一讀會
渡良瀨川沿岸地方特別地價修正法律中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十年三月十二日
衆議院議長杉田定一
貴族院議長公爵德川家達殿
渡良瀨川沿岸地方特別地價修正法律中左ノ通改正ス
第一條中「田畑」ノ下ニ「宅地山林原野沼池」ヲ加フ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=31
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032・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第九ニ移リマス、右議案ノ審査ヲ付託ス
ベキ特別委員ノ選擧、是モ議長ガ選定イタシテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異識ナシ」ト呼ブ者アリ]発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=32
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033・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ガ無イト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=33
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034・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十、煙草專賣法中改正法律案、衆議院
提出、第一讀會
煙草專賣法中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十年三月十二日
衆議院議長杉田定
貴族院議長公爵德川家達殿
煙草專賣法中左ノ通改正ス
第七十五條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ葉煙草賣買業者又ハ外國產原料ヲ以テ外國若ハ內地ニ於テ製造シ
且商標ヲ有スル煙草ノ全國一手販賣業者ニ對シ其ノ請求ニ依リ煙草賣渡
代金ノ一割ニ相當スル金額ヲ交付シ其ノ額金二百五十圓ニ滿タサル者ニ
對シテハ金二百五十圓ヲ交付ス但シ煙草製造業ヲ兼ネタル葉煙草賣買業
者カ自己ノ製造用ニ供シタル葉煙草ノ代金ハ本項ノ煙草賣渡代金中ニ算
入スルコトヲ得サルモノトス
同條第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第二項ニ依リ交付スヘキ金額ハ總計金二百萬圓ヲ以テ限度トス若此ノ金
額ヲ超過スルトキハ其ノ超過金額ヲ各自ニ按分シテ之ヲ減少ス
同條第四項中「第一項」ノ下ニ「及第二項」ヲ加フ
同條第五項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第二項ニ葉煙草賣買業者又ハ外國產原料ヲ以テ外國若ハ內地ニ於テ製造
シ且商標ヲ有スル煙草ノ全國一手販賣業者トアルハ明治三十六年一月三
十一日以前ヨリ明治三十八年三月三十一日ニ至ル迄其ノ營業ヲ繼續シタ
ルモノニ限ル但シ家督相續人カ被相續人ノ營ミタル葉煙草賣買業又ハ外
國產原料ヲ以テ外國若ハ內地ニ於テ製造シ且商標ヲ有スル煙草ノ全國一
手販賣業ヲ繼續シタル場合ニ於テ被相續人ノ營業期間ハ家督相續人ノ營
業期間ト看做ス
第七十六條中「第七十五條第一項」ノ下ニ「及第二項」ヲ加フ
第八十一條中「明治三十八年六月三十日迄ニ」ノ下ニ「葉煙草賣買業者又ハ
外國產原料ヲ以テ外國若ハ內地ニ於テ製造シ且商標ヲ有スル煙草ノ全國
手販賣業者ニ在リテハ明治四十年十二月三十一日迄ニ」ヲ加フ
第八十九條第四項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第七十五條第二項ニ依リ交付スル國庫債劵ニ限リ發行ノ年ヨリ十箇
年以內ニ之ヲ償還ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=34
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035・大田原一清
○子爵大田原一〓君 政府ハ兎角、此衆議院ノ案ト云フト御說明ガアリマセ
ヌガ、少シク矢張リ御說明ガ有ッタ方ガ宜カラウト思ヒマス、少シ私ハ之ニ
付イテ御質問ヲシタイ、此煙草ハ最モ我ガ日本國デ一番大切ナル國產物トシ
テアリマス、鹿兒島縣ヲ第一トシテ、私ドモノ近縣ノ栃木縣デアリマスガ、
是ガ最モ國產高ノ多イ所デアリマス、昨年ノ改正以來隨分他ハ存ジマセヌガ、
栃木縣ナドノ此營業者ハ甚ダ迷惑ヲシテ悲慘ニ陷ッタ者ガアル、政府ハ是マ
デ此營業者ニ向ッテ交付金等モ與ヘラレタト云フコトモアルガ、又政府ハ此案
ニハ御同意ニナッテ居ルノデアリマスカ、其邊ハ如何デアルカ、伺ヒマス
〔國務大臣阪谷芳郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=35
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036・阪谷芳郎
○國務大臣(阪谷芳郞君) 唯〓ノ御質問ニ御答ヲ致シマスガ、此衆議院ノ煙
草專賣法改正案ノ趣意ト致シマスノハ、葉煙草ノ賣買業者ニ交付金ガ與ヘテ
無イカラシテ、ソレヲ製造業者同樣ニ與ヘテ貰ヒタイト云フノガ一箇條、ソ
レカラ製造イタシマシタ煙草ヲ一手デ販賣イタシテ居ッタ者ガ其職ヲ失ッタニ
付イテ、其一手販賣業者ニモ相當ナ交付金ヲ與ヘラレタイト云フノガ一箇
條、都合二箇條ノ改正デゴザイマス、此點ニ付キマシテ政府ハ衆議院ニ於キ
マシテハ反對ヲ表シテ置キマシタ、其趣意ハ此葉煙草賣買業者ニ交付金ヲ與
ヘルト云フコトニ付キマシテハ、專賣法ヲ制定イタシマス當時ニ餘ホド議
論ガアリマシタコトデ、詰リ專賣ト云フモノハ人民ノ業ヲ奪フノデアルカラ、
其業ヲ奪ハレタ人ニハ相當ナ補助金ヲ與ヘルノガ適當デアル、併ナガラ其補
助金ヲ與ヘルノ境界ヲドコニ置クカト云フコトガ一ツノ難問デゴザイマシタ
ノデ、ソコデ種々議論ノ結果、製造業ヲスル者ニハ補助金ヲ與ヘルト云フコ
トデ、專賣法ノ原案ハ決マリマシタノデ、然ルニ此葉煙草賣買業者ト云フ者
ハ、矢張リ葉煙草ノコトヲ專門トシテ居ル者デアリマスカラ、之ニモ相當ナ
賠償金ヲ與ヘラルルノガ適當デハ有ルマイカト云フ問題ガ、其當時アリマシ
タノデアリマス、併シ製造業者デアルト云フ者ハ、其建物、機械等ガ煙草ヲ
製造スル爲ニ用井テ居ルノデアルカラ、其業ヲ他ニ轉ズルコトハ甚ダ困難デ
アル、葉煙草賣買ヲ業トシテ居ル人ハ、其葉煙草ヲ賣買スルト云フ仕事ガ變
ハルノデアッテ、跡ノ建物ナリ見世ナリト云フモ、ノハ翌日又他ノ業ヲ始メレバ
差支ナイノデゴザイマス、國家ガ補助金ヲ與ヘルト云フノハ、製造業者ト云フ
所デ以テ區域ヲシタガ宜カラウト云フコトデアリマスル、此點ニ付キマシテ
ハ歐羅巴デ矢張リ煙草ノ專賣ヲ實施イタシマス時分、隨分論ガアリマシテ、所
デ詰リ學術上カラ論ジマスルト云フト、是ハ餘程ムヅカシイ議論デアリマス
併ナガラ此專賣法ヲ實施イタシマス當時ノ事情ハドウデアッタカト云フト、何
分戰爭中デアッテ、此專賣法ヲ實施スルニ付キマシテモ、成ルベク實施スル
區域ヲ少クシタイト云フノガ、政府ノ希望デアリマシタ、其補助金ヲ與ヘル
範圍ハ矢張リ製造業トスルト云フ所デ打切ッタガ宜カラウト云フコトデ、原
案ニ決マリマシテ、兩院トモ通過シタト云フ次第デアリマス、併ナガラ今日
トナッテ事情ヲ見マスト云フト葉煙草業者ト云フ者ハ中ミ困難ヲ致シテ居ル
ノデアリマス、中ニハ却ッテ製造業者ヨリモ葉煙草業者ノ方ガ困難ヲシテ居
ルヤウナ場合ガアリマス、ソレハ極邊鄙ナ所ノ土地ニ大ナル煙草ノ庫ナドヲ
持ッテ居ッタ人ガ業ヲ轉ズルト云ッタ所ガ、他ニ其庫ヲ利用ノ仕樣ガ無イ事情
ガアッテ、中〓此葉煙草業者ハ專賣法實施以來困難ヲシテ居ルト云フコトハ
事實デゴザイマス、之ニ付キマシテハ政府ハ甚ダ氣ノ毒ニ感ジテ居リマス
甚ダ氣ノ毒ニ感ズルモノデアッテ、其氣ノ毒ニ感ズルト云フコトヲ衆議院ニ於
於キマシテモ十分申シタノデ、實ニ事情氣ノ毒デアル、戰爭ノ結果誠ニ已ムヲ
得ヌトハ言ヒナガラ事情實ニ氣ノ毒デアリマス、併ナガラ政府ハ一旦處分ノ
濟ンダ事柄ヲ更ニ法律ヲ改正シテ、又處分ヲ改メルト云フコトハドウモ宜シ
クアルマイト考ヘマス、併シ是ハ事情トシテハ甚ダ氣ノ毒デアル、又一個一
個ニ付イテ考ヘレバ、或ル製造業者ヨリモ、或ル葉煙草業者ノ方ガ困難ヲシ
テ居ル事情ガアリマスケレドモ、法律ト云フモノハ一々一個人ニ付イテ事情
ヲ指定スルコトガ出來ヌニ依ッテ、先ヅ旣ニ定マッタ法律ノ處分ニ依ッテ適
當ト見テ政府ハ之ヲ打切ルヨリ仕方ガ無イト考ヘルノデ、事情ハ氣ノ毒デア
ルト認メルケレドモ法律ノ改正ト云フコトハ御見合セニナッタ方ガ宜イコト
ハアルマイカト云フ、斯ウ云フコトヲ以テ答ヘマシタノデゴザイマス、ソレカ
ラシテ今一箇條ノ製造シタ煙草ヲ一手販賣イタシタト云フモノハ、多分一人
クラ井デアラウト考ヘマスル、是ハ澤山ニハゴザイマセヌ其當時政府ノ考
ヘマシタニハ其一手販賣ヲ爲シテ居ル人ハ必ズ製造業者ト密接ノ關係アル者
デアルニ依ッテ、製造業者へ渡ス所ノ補償金ト云フモノヲ以テ多少ノ分配ヲ受
ケルコトデアラウ、又補償金ヲ受ケヌニシテモ矢張葉煙草ノ賣買業者ト同ジ
コトデ此商賣ヲ轉ズルト云フコトハ左ホド困難ハアルマイ、自分ノ見世ナリ
庫ナリト云フモノヘ他ノ商品ヲ入レルコトニ付イテノ困難ハアルマイ、斯ウ
云フコトデ是ニハ補償金ヲ與ヘマセナカッタ、併ナガラ今日聞及ブ所ニ依リマ
スレバ或ル大ナル一手販賣ヲ爲シテ居ッタ商人ハ其製造業者カラ別ニ何等ノ
補償金ヲ受ケルコトガ出來ナカッタ、ソレ故ニ一手販賣ニ依ッテ得テ居ッタ商
業上ノ利益ト云フモノハ全然失ッテ居リマスノデ甚ダ困難ヲスル、斯ウ云フ事
情デアリマシテ、是モ誠ニ其事情甚ダ困難ト政府ハ思フ、ケレドモ前ニ申シ
マシタト同ジ道理デ、既ニ立法當時ニサウ云フ趣意デ製造業者ニノミ與ヘル
ト云フコトデ處分ガ濟ンダモノデアルカラ、是モ事情ハ誠ニ氣ノ毒デアルケ
レドモ、今更法律ヲ改正スルト云フモ如何デアラウカ、斯ウ云フ意味デ政府
ハ答ヘマシタノデアリマス、衆議院ニ於キマシテハ政府ノ答辯ヲ十分ニ聽取
リマシテ種々ナ討論モゴザイマシタガ、衆議院ノ議論ハ要スルニ是ハ立法當
時ノ詮議ガ粗漏デハアルマイカ、殊ニ今日煙草ノ專賣ト云フモノハ非常ナ好
結果ヲ奏シテ三千萬圓カラノ純益ヲ擧ゲテ居ル、尙ホ將來財政上ノ財源トシ
テハ隨分、大ナル收入ガ增シテ行クノデアラウ、佛蘭西アタリノ例ニ徵シマシ
テモ餘ホド巨額ノ收入ニ達シ得ベキモノデアラウ、サウデアルナラバ、旣ニ
政府ガ事情ヲ氣ノ毒ト云フコトニ認メルナラバ、一步政府モ御讓リニナッテ此
衆議院ノ提出案ニ御同意アッテハドウデアラウカ、此衆議院提出案ニ依レバ金
額ハ凡ソ二百萬圓ト限ッテ之ヲ十箇年ニ渡スト云フノデアルカラ、一箇年ノ
政府ノ負擔ト云フモノハ二十萬圓デアル、シカモソレモ公債證書ヲ以テ渡シ
テ差支ナイト云フ程度ノモノデアルカラシテ、立法當時ノ法律ノ趣意ヲ政府
ハ固執セラルルニモ及プマイデハナイカト云フ議論ノ末デ衆議院ハ大多數ヲ
以テ可決イタシマシタ、ソレデ是ハ甚ダ疑問ガアル問題デアリマス、立法當
時ノ有樣デアレバ或ハ政府ハ同意スルコトハ容易デアリマシタケレドモ、今
日トナリマシテハ前申シマスル通リ事情ハ氣ノ毒ト認メルガ、此一旦決マッタ
コトヲ遡ッテ改正スルコトハ、ドウアラウカト云フノガ、政府ノ未ダ衆議院ニ
同意ヲ表シ兼ネテ居ル點デアリマス、此點ニ付キマシテ十分ニ貴族院ニ於カ
レマシテハ公平ナル御審議アラムコトヲ希望イタシテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=36
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037・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 他ニ御質問モ無イヤウデアリマスカラ次ノ議事日
程ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=37
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038・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十一、右議案ノ審査ヲ付託スベキ特別
委員ノ選擧、是モ議長ガ選定イタシテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=38
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039・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=39
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040・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十二、家祿賞典祿處分ニ關スル法律案、
衆議院提出、第一讀會
家祿賞典祿處分ニ關スル法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十年三月十二日
衆議院議長杉田定
貴族院議長公爵德川家達殿
第一條明治三十年法律第五十號家祿賞典祿處分法ニ據リ給與ノ願出ニ對
シ處分ヲ受ケタル者其ノ處分ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコ
トヲ得
第二條前條ノ規定ニ依リ出訴セムトスル者ハ本法施行ノ日ヨリ二箇年以
內ニ之ヲ爲スコトヲ得
附則
本法ハ明治四十年七月一日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=40
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041・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御質問モ無イヤウデアリマスカラ、次ノ議事日程
ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=41
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042・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十三、右議案ノ審査ヲ付託スベキ特別
委員ノ選擧、是モ議長ガ選定イタシテ御異存ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=42
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043・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=43
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044・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ハ請願ノ會議ニ移リマスガ、議事日程第十四ヨ
リ第二十五マデ一括シテ議題ト致シテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=44
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045・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス
意見書案
電信事務取扱開始ノ件
德島縣阿波郡伊澤村村長都築小三郞外三名呈出
右ノ請願ハ德島縣阿波郡大俣、久勝、伊澤、林ノ四箇村ハ戶數約四千人口
約二萬五千ヲ有スル一大部落ニシテ商業取引般盛ニ交通又頻繁ナリ加フル
ニ近時養蠶製絲機業麥稈眞田ノ製造及產業ノ第一位ヲ占ムル藍作ハ漸次隆
盛ニ赴キ電信ニ依リテ用務ヲ辨スルモノ日日多キヲ加ヘタルニ拘ラス既設
電信局ヲ距ルコト近キモ一里以上ニシテ殊ニ每年出水ノ期節ニ會スルトキ
ハ電報ノ配達甚シキ遲延ヲ來シ產業取引ノ發達ヲ阻害スルコト尠少ナラサ
ルニ依リ當四箇村ノ中央部ナル久千田郵便局ニ電信事務取扱ヲ開始セラレ
タシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ
議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
高等工業學校設置ニ關スル件
福井縣絹織物同業組合組台長大久保鋄彌呈出
右ノ請願ハ當福井縣ハ夙ニ製絹業大ニ發達シ且時運ノ進步ニ伴ヒ之ニ關ス
ル事業ノ勃興大ニ見ルヘキモノアリテ今ヤ機具ノ改良染色及精練ノ〓究竝
製造費ノ約減等ノ必要ハ斯業ニ關スル特種ノ技能ト智識ニ俟ツモノ多キヲ
以テ其ノ原動力タル〓育ノ進步發達ヲ計ル爲當縣ニ染織ヲ目的トスル高等
工業學校ヲ設置ヒラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘ
キモノト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
內閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
小學校〓員優遇ノ件
東京市小石川區大塚町士族芳野世經外二百七十一名呈出
右ノ請願ハ小學校〓員ノ現狀ハ年功加俸ノ特典ニ浴スル者モ尙且一家ノ糊
口ニ困難ナル情態ナルニ依リ近來物價ノ騰貴ト各種事業ノ勃興ニ伴ヒ有爲
ノ〓員カ續續他ノ職業ニ轉セムトスルノ傾向アルハ實ニ國家ノ爲寒心スヘ
キ現象ナルヲ以テ速ニ之カ俸給加俸住宅旅費保護恩給待遇選奬等ノ點ニ就
テ特ニ適當ナル優遇ニ關スル法律ヲ制定セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院
ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別
册及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
國字更新ニ關スル件
東京市赤阪區靑山權田原町平民休職判事中田憲信呈出
右ノ請願ハ國字國語ナルモノハ國家ト存亡ヲ與ニスルモノナルニ拘ラズ僅
ニ文字筆記ノ便否ヲ以テ漫リニ國字ヲ更新セムトスルハ施テ國憲ヲ紊亂シ
國體ヲ蠱毒スルノ結果ニ陷リ實ニ無稽ノ甚シキモノナルヲ以テ依然從來ノ
國字ヲ襲用スルノ方針ヲ採ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別冊及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家逹
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
水產組合法制定ノ件
和歌山縣水產組合長代理副組長太田源一郞外四名呈出
右ノ請願ハ漁業法第二十二條ノ規定ハ任意的ノモノニシテ且重要物產同業
組合法ヲ準用スルニ止ルヲ以テ之ニ依テ水產組合ヲ組織スルモ我水產業ノ
如キ同業者相互ノ關係及土地區域ノ頗ル漠然タルモノニアリテハ多數ノ漁
撈者ヲ網羅スルノ機關ト爲スニ足ラス之ヲ彼ノ農會ノ著著其ノ實效ヲ奏シ
ツツアルニ比シ多大ノ遜色ナキ能ハス斯業ノ發展ヲ見サル所以ハ畢竟其ノ
組織不完全ナル上ニ資力薄弱ニシテ尙國家ノ保護ヲ享クヘキ途ヲ有セサル
ニ因ルヲ以テ刻下ノ急務トシテ農會法ト竝立スヘキ水產會法ヲ制定セラレ
タシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ
議院法第六十、五條ニ依リ別冊及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家逹
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
鹽專賣法改正ノ件
和歌山縣水產組合組長代理副組長太田源一郞外四名呈出
右ノ請願ハ鹽專賣法ノ施行ニ依リ鹽價ノ〓騰シタル爲一般ニ當業者ヲシ
テ困難ナラシメ就中外國輸出製品ニシテ而カモ本法ノ特典ニ浴セサル乾鰕
乾貝等ノ乾腊物又ハ鹽藏物ハ現ニ〓國市場ニ於テ外國產ト競爭シツツアル
モ到底收支相償ハサル爲今ヤ其ノ事業ヲ盛ムニシ販路ノ擴張ニ努メサルヘ
カラサル機運ニ際セルニ拘ラス之カ製造ヲ中止スルノ有樣ナルニ依リ國家
生產上尠ナカラサル障碍ヲ與フルヲ以テ外國ニ輸出スル水產物製造用ノ鹽
ハ同法第十九條ヲ改正シテ總テ特別定價賣渡ノ特典ニ浴セシメラレタシト
ノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法
第六十五條ニ依リ別册及送付候也
明治四十年月.日
貴族院議長公爵徳川家達
內閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
渡良瀨川河身改修ノ件
群馬縣邑樂郡赤羽村平民農松本角太郞外七十三名呈出
右ノ請願ハ渡良瀨川ハ足尾銅山ノ鑛業盛ナルニ伴ヒ河底埋塞シテ水流通セ
ス其ノ結果洪水氾濫シテ浸水區域擴張シ年年湛水ノ患ニ困ミツツアル當郡
ノ如キハ遂ニ到ルトコロ廢田トナリ了ルヲ以テ利根川河身改修第二期ノ設
計中其ノ支流タル渡良瀨川ヲ編入シ之ヲ速成セラレタシトノ旨趣ニシテ貴
族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依
リ別冊及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
內閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
羽越沿岸縱貫鐵道速成ノ件
秋田縣雄勝郡明治村秋田縣會議長大日向作太郞外二十名呈出
右ノ請願ハ新潟縣新發田ヨリ秋田縣秋田市ニ達スル羽越沿岸縱貫鐵道ノ敷
設ハ唯ニ兩羽地方交通ノ不便ヲ補足シテ多大ノ遺利ヲ開發スルノミナラス
將ニ勃興セムトスル東亞貿易上ニ至大ノ利益ヲ與フルモノナルニ依リ政府
ハ本期議會ニ之カ敷設費ノ豫算ヲ提案セラレ其ノ實行ヲ速カナラシメラレ
タシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ
議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
大船渡築港鐵道株式會社ヘ利子補給ノ件
秋田縣雄勝郡明治村秋田縣會議長大日向作太郞外二十名呈出
右ノ請願ハ巖手縣氣仙郡大船渡ハ天然ノ良灣ニシテ之ニ適當ノ修築ヲ施ス
トキハ啻ニ東北ノ關門タルノミナラス又開港場トスルノ價値アルヲ以テ現
下有志者ニ於テ大船渡築港鐵道株式會社設立ノ計劃アルニ際シ政府ハ本期
議會ニ於テ同會社ニ對スル利子補給ノ案ヲ提出セラレ速ニ其ノ成功ヲ期セ
シメラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決
致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別冊及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
新潟地方裁判所新發田支部復舊ノ件
新潟縣北蒲原郡新發田町町長原宏平呈出
右ノ請願ハ新潟地方裁判所新發田支部ハ明治三十六年中國費節減ノ爲不幸
ニシテ廢止セラレタルモ當地方ハ土地ノ遠隔交通機關ノ不備及經濟上其ノ
他ノ關係ニ於テ不便不利甚シク今ヤ人民ノ困憊其ノ極ニ達セル有樣ナルヲ
以テ裁判所構成法第三十一條ノ趣旨ニ基キ之ヲ復舊セラレタシトノ旨趣ニ
シテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十五
條ニ依リ別册及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
內閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
重要物產同業組合法改正ノ件
愛知縣名古屋市南大津町愛知縣綿毛布同業組合組長吉村富三郞
(二十通)呈出
右ノ請願ハ重要物產同業組合法ハ其ノ規定ニ不備不悉ノ點アル爲組合事業
ノ進捗ヲ妨ケ隨テ產業ノ發達ヲ阻害スルヲ以テ之ニ適當ノ改正ヲ施サレタ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議
院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿
意見書案
矢作川河身改修費國庫支辨ノ件
愛知縣幡豆郡西尾町助役金原爲九郞外六名呈出
右ノ請願ハ矢作川ハ三河國ノ最大流ニ屬シ國ノ西北部ニ當リテ東北ヨリ西
南ニ貫通シ東西加茂碧海額田幡豆ノ五郡ノ地ニ蜿蜒屈曲スルヲ以テ灌漑運
輸ノ利便洽ネク當三河國ノ富榮ハ半ハ之ニ基因スルモノナルモ一方ニ於テ
其ノ曲折ノ多キ爲劇甚ナル水害ノ原因トナリ每歲秋霜ノ候ニ至レハ洪水氾
濫シテ五郡人民ノ蒙ル慘害實ニ甚シク今ヤ殆ムト救治スルノ餘力ナキ情態
ニ陷リタルニ依リ適當ノ調査ヲ遂ケラレ國庫支辨ノ下ニ速ニ矢作川河身改
修工事ヲ施サレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノ
ト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
明治四十年月日
貴族院議長公爵德川家達
内閣總理大臣侯爵西園寺公望殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=45
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046・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 此請願ハ委員長ノ報告通リ採擇イタシテ御異存ゴ
ザイマセヌカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=46
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047・柳原義光
○伯爵柳原義光君 質問ガアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=47
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048・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) ドノ請願ニ就イテデス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=48
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049・柳原義光
○伯爵柳原義光君 第十七デゴザイマス、國字更新ニ關スル請願デゴザイマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=49
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050・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 宜シウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=50
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051・柳原義光
○伯爵柳原義光君 請願委員長ニ伺ヒマスガ、意見書デ見マスルト、國字ヲ
更新スルト云フコトガ書イテゴザイマスガ、其後ニ「依然從來ノ國字ヲ襲用ス
ルノ方針ヲ採ラレタシ」ト書ノテアルノヲ見マスルト、何カ政府デ以テ新シ
イ國字デモ拵ヘタ爲ニ、サウ云フコトヲシテハ困ルト云フヤウナ請願ノヤウ
ニ見エマスガ、アレハ近頃世間デ喧マシイ羅馬字ト云フヤウナ意味ニ御取リ
ニナッテ此請願ヲ御覽ニナッタノデスカ、ドウモ意味ガ漠然トシテ甚ダ了解ニ
苦ミマスカラ伺ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=51
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052・三宅秀
○三宅秀君 全ク其通リデゴザイマス、先ヅ羅馬字ナドガ段々小學ノ課程ノ
中ヘデモ這入リサウニナッテ居リマスルノデ、ソレ故ニ請願者ハ此請願ヲ出シ
マシタコトト認メマシテ採擇ニナリマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=52
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053・柳原義光
○伯爵柳原義光君 サウスルト羅馬字ヲ用井ルコトハ全ク止メテ、サウシテ
啻ニ國字、換言セバ漢字デゴザイマスネ、之ヲ用井タイト云フ請願ノ意味デ
ゴサイマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=53
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054・三宅秀
○三宅秀君 唯今ノ二度目ノ御尋ネハ要領ヲ承リ落シマシタガ、詰リ在來ノ
文字ニドコマデモシテ置キタイト云フ請願デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=54
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055・柳原義光
○伯爵柳原義光君 ソレユヱ羅馬字ハ御採リニナラヌト云フノデスナ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=55
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056・三宅秀
○三宅秀君 全ク此請願ノ意味ハ其通リデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=56
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057・柳原義光
○伯爵柳原義光君 請願ノ意味ダケハ分リマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=57
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058・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 請願委員長ノ報告通リ採擇イタシテ御異存ゴザイ
マセヌカ
[「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=58
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059・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ本日ノ議事ハ終リマ
シタ、特別委員ノ氏名ヲ書記官長ヲシテ報〓イタサセマス
〔太田書記官長朗讀〕
藥品營業竝藥品取扱規則中改正法律案特別委員
伯爵正親町實正君子爵松平親信君男爵高木兼寬君
男爵實吉安純君男爵小原適君三宅秀君
中島永元君大澤謙二君田島竹之助君
樺太ニ於ケル租稅ニ關スル法律案特別委員
伯爵廣澤金次郞君子爵松平直平君男爵小澤武雄君
男爵島津珍彥君男爵山内豐政君田健治郞君
宮島誠一郞君松村脩平君並木和一君
明治三十九年度一般會計所屬ノ經費ヲ各帝國大學特別會計ニ繰越ス場合ニ
於ケル剰餘金繰入ニ關スル法律案特別委員
伯爵寺島誠一郞君子爵鍋島直彬君子爵板倉勝達君
男爵野村素介君長谷部辰連君男爵杉溪言長君
男爵若王子文健君木場貞長君河田與惣左衞門君
渡良瀨川沿岸地方特別地價修正法律中改正法律案特別委員
子爵本莊宗義君男爵赤松則良君男爵辻健介君
男爵諫早家崇君渡正元君湯地定基君
古莊嘉門君谷新助君五十嵐敬止君
煙草專賣法中改正法律案特別委員
伯爵吉井幸藏君子爵大田原-〓君兒島惟謙君
德久恆範君男爵高崎安彥君男爵德川厚君
鮫島武之助君下條正雄君佐藤伊左衞門君
家祿賞典祿處分ニ關スル法律案特別委員
子爵渡邊昇君男爵眞木長義君男爵松平正直君
三浦安君男爵船越衞君山脇玄君
男爵千田貞曉君波多野敬直君馬屋原彰君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=59
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060・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ノ議事日程ハ決定次第御通知ニ及ビマス、本日
ハ是デ散會イタシマス
午前十時五十二分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002303242X01319070316&spkNum=60
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