1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治四十一年二月二十一日(金曜日)
午前十時七分開議
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議事日程 第八號 明治四十一年二月二十一日
午前十時開議
第一 男爵尚順君請暇の件
第二 明治四十年度歳入歳出總豫算追加案(第二號) 會議(委員長報告)
第三 明治四十年度各特別會計歳入歳出豫算追加案(特第一號) 會議(委員長報告)
第四 豫算外國庫の負擔となるへき契約を爲すを要する件(追第一號) 會議(委員長報告)
第五 陸軍刑法案(政府提出) 第一讀會
第六 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第七 海軍刑法案(政府提出) 第一讀會
第八 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第九 監獄法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十 刑法施行法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 印紙犯罪處罰法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十二 裁判所構成法中改正法律案(政府提出政第十二號) 第一讀會の續(委員長報告)
第十三 裁判所構成法施行條例中改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十四 日本大博覽會出品外國貨物免税に關する法律案(政府提出衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=0
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001・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ諸般ノ報〓ヲ致シマス
〔東久世書記官朗讀〕
去ル十八日本院ニ於テ議決シタル左ノ政府提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可
決ノ旨ヲ衆議院ニ通知セリ
府縣制中改正法律案
沖繩縣ノ負擔及國庫補助ニ關スル法律案
韓國ニ於ケル鐵道用品資金會計ニ關スル法律案
造幣局据置運轉資本增加及設備擴張費ニ關スル法律案
同日各特別委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
神社財產ニ關スル法律案特別委員會
委員長公爵二條基弘君副委員長伯爵萬里小路通房君
衆議院議員選擧法中改正法律案(衆第一號)、衆議院議員選擧法中改正法
律案(衆第二號)、衆議院議員選擧法中改正法律案(衆第三號)特別委員會
委員長侯爵細川護成君副委員長伯爵島津忠亮君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
刑法施行法案修正報告書
印紙犯罪處罰法案可決報〓書
裁判所構成法中改正法律案可決報告書
裁判所構成法施行條例中改正法律案可決報告書
日本大博覽會出品外國貨物免稅ニ關スル法律案可決報〓書
同日第九部ニ於テ豫算委員補關選擧ノ結果田邊輝實君當選シタリ
一昨十九日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
明治四十年度歲入歲出總豫算追加案(第二號)、明治四十年度各特別會計
歲入歳出豫算追加案(特第一號)、豫算外國庫ノ負擔トナルヘキ契約ヲ爲
スヲ要スル件(追第一號)可決報〓書
請願委員會特別報告第二號
昨二十日各特別委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
明治三十八年法律第十七號中改正法律案特別委員會
委員長子爵稻垣太祥君副委員長宮島誠一郞君
軍艦水雷艇補充基金組入ニ關スル法律案特別委員會
委員長伯爵川村 鐵太郞君副委員長男爵德川厚君
事業公債條例中改正法律案特別委員會
委員長伯爵大原重朝君副委員長子爵松平乘承君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
神社財產ニ關スル法律案可決報告書
明治三十八年法律第十七號中改正法律案可決報告書
同日衆議院ヨリ政府提出國有林野法中改正法律案ハ本院ノ議決ニ同意シ奏
上シタル旨ノ通牒ヲ受領セリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=1
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002・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ本日ノ會議ヲ開キマス、議事日程第一、男
爵尙順君請暇ノ件、病氣ニ付キ九日間ノ請暇デアリマス、許可ヲ致シマシテ
御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=2
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003・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ガ無イト認メマスカラ許可イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=3
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004・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第二、明治四十年度歲入歳出總豫算追加
案、第二號、會議、豫算委員長報告
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ茲ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
一明治四十年度歲入歲出總豫算追加案(第二號)
一明治四十年度各特別會計歲入歲出豫算追加案(特第一號)
一豫算外國庫ノ負擔トナルヘキ契約ヲ爲スヲ要スル件(追第一號)
右衆議院ヨリ送付シタル各案ヲ審査シ衆議院議決案ノ通可決スヘキモノナ
リト議決セリ依テ及報〓候也
明治四十一年二月十九日
豫算委員長
子爵岡部長職
貴族院議長公爵德川家達殿
〔子爵岡部長職君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=4
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005・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 諸君ニ御諮リヲ致シマスガ、豫算委員長ノ報〓ハ
議事日程第二、第三、第四ヲ一括シテ官カラウト思ヒマスガ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=5
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006・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ガ無イト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=6
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007・岡部長職
○子爵岡部長職君 諸君過日豫算委員ニ付託ニナリマシタル案ノ中、此三案
ニ對シマシテハ政府ヨリ特ニ速ニ審議決了アラムコトヲ要求サレマシタニ付
キマシテ、委員會ニ於キマシテ、一昨十九日此三案ヲ審議イタシマシテ、卽
日ニ審査ヲ終リマシタ次第デアリマス、總豫算ノ追加案ニ付キマシテ、先ヅ
簡單ニ御報告ヲ致シマスガ、此明治四十年度歲入歲出總豫算追加トシテ計上、
ヲ致シアリマスル所ノ金額ハ、歲人歲出各〓千五百萬百六十四圓デアリマス、
其歲入ハ本年度ニ於テ私設鐵道買收上ヨリ生ズル鐵道益金七百五十六萬六千
五百四十圓、明治四十五年ニ於テ開設スベキ日本博覽會ニ關シ東京市ヨリ更
ニ納付スベキ金額三十七萬圓、竝ニ歳出豫算追加ノ財源ニ充ツル爲ニ前年度
繰入金七百六萬三千六百二十四圓ヲ歲入ニ充テマシタノデアリマス、又歲出
ニ於キマシテハ事項ノ數ガ總テ十三アリマスル、一ハ傳染病豫防費補助ニ支
出、之ニ豫算不足ヲ生ズルニ付キマシテ七萬五千五百九十三圓ヲ內務省所管
ニ計上シテアリ、其他十二件茲ニ列記シテアリマス、卽チ本案ノ初メ一頁カ
ラシテ四頁マデニ列記シテアリマス、御一讀ニナリマスレバ明瞭ニ御分リニ
ナリマスコトデアリマスカラ、一々之ヲ申上ゲマスコトハ略シマスデアリマ
ス、唯一ツ申シテ置キマスノハ三頁ノ初メニアリマスル「韓國トノ新協約
實施ニ伴ヒ同國歲計ノ不足ニ對シ立替金ヲ爲スノ必要アリ金百七十六萬九千
五百三圓ヲ大藏省所管臨時部第十四款ニ豫算セリ」トアリマス、是ハ全ク新シ
イコトデアリマシテ、アトカラ報告ヲ致シマス豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
契約ヲ爲スヲ要スルモノト云フ方ニアリマスカラ、是ハアトカラ申上ゲマス、
此總豫算追加ニ付キマシテ、各事項ニ對シテ種々質問モアリ、又政府ノ方カ
ラ委シイ說明モアリマシタノデアリマスガ、要スルニ此追加案ニ就キマシテ
ハ委員會ハ一ノ異議モ無ク可決スベキモノト決シマシタノデアリマス、甚ダ
簡單デゴザイマスガ、是ダケ申上ゲテ置キマス、又四十年度各特別會計歲入
歲出總豫算追加、特第一號、是ハ專賣局、國債整理基金、帝國鐵道資本勘定、
韓國鐵道資本勘定、是ダケデアリマス、是モ同ク一ノ異議ナク決シマシタノ
デアリマス、次ハ豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スルモノ、追加
第一號、是ハ唯今申述べマシタ通リ韓國トノ新協約實施ニ伴ヒ同國ノ歲計不
足ヲ補塡セムトスルガ爲ニ總額千九百六十八萬二千六百二十三圓ヲ限リ年限
ヲ割ッテ韓國政府ニ貸渡スト云フ契約デアリマス、其契約ノ四十年度ニ係ル
モノガ百七十六萬九千五百三圓、四十一年度五百二十五萬九千五百八十圓、
四十二年度三百六十五萬三千五百四十圓、四十三年度三百萬圓、四十四年度
三百萬圓、四十五年度三百萬圓、總計前キニ申上ゲマシタ所ノ金額ニナリマ
スルノデアリマス、此案ニ就キマシテモ委員會ニ於キマシテ一ノ異議ナク可
決イタシマシタ次第デアリマス、極ク簡單デゴザイマスカラ、是ダケ御報告
イタシテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=7
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008・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 豫算委員長ノ報告モ三案一括セラレマシタカラ、
採決モ三案トモ同時ニ致シテ宜カラウカト思ヒマスガ、御異議ハゴザイマセ
ヌカ
[「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=8
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009・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、別段御質問モ御發言モ無
イト認メマスカラ採決ヲ致シマス、三案トモ豫算委員長ノ報告ヲ可トスル諸
君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=9
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010・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス、是デ三案トモ確定イタシマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=10
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011・正親町實正
○伯爵正親町實正君 是ヨリ酒造稅法中改正法律案外五件ノ委員會ヲ開キタ
ウゴザイマスガ、議場ノ御差支ナクバ退席イタシタウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=11
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012・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 正親町伯爵ノ特別委員會ニ退席ノ要求ハ要求通リ
許可イタシテ宜シウゴザイマスカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=12
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013・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、御退席デ宜シウゴザイマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=13
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014・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第五、陸軍刑法案、政府提出、第一讀會、
通牒文ノ朗讀
〔仙石書記官朗讀〕
陸軍刑法案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治四十一年二月十七日
内閣總理大臣侯爵西園寺公望
陸軍大臣子爵寺内正毅
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス〕
陸軍刑法案
陸軍刑法
第一編總則
第二編罪
第一章叛亂ノ罪
第二章擅權ノ罪
第三章辱職ノ罪
第四章抗命ノ罪
第五章暴行脅迫ノ罪
第六章侮辱ノ罪
第七章逃亡ノ罪
第八章軍用物損壞ノ罪
第九章掠奪ノ罪
第十章俘虜ニ關スル罪
第十一章違令ノ罪
陸軍刑法
第一編總則
第一條本法ハ陸軍軍人ニシテ罪ヲ犯シタル者ニ之ヲ適用ス
第二條本法ハ陸軍軍人ニ非スト雖左ニ記載シタル罪ヲ犯シタル者ニ之ヲ
適用ス
一第六十七條乃至第七十條ノ罪及此等ノ罪ノ未遂罪
二第七十七條ノ罪
三第八十二條乃至第八十八條ノ罪
四第八十九條乃至第九十二條ノ罪
五第九十四條乃至第九十六條ノ罪及第九十四條、第九十五條ノ未遂罪
六第九十八條第一項、第九十九條、第百條第二項及第百二條ノ罪
第三條本法ハ前二條ニ記載シタル者帝國外ニ於テ罪ヲ犯シタルトキト雖
之ヲ適用ス
第四條帝國軍ノ占領地ニ於テ陸軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタル
トキハ之ヲ帝國內ニ於テ犯シタルモノト看做ス
陸軍軍人ニ非スト雖帝國臣民、從軍外國人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項
i.m.)
第五條帝國外ニ在ル部隊ニ屬シ若ハ從フ者又ハ之ニ俘虜タル者其ノ部隊
ノ所在地ニ於テ刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキ亦前條ニ同シ
第六條陸軍ト共同作戰ニ從フ海軍軍人ニ對スル行爲ハ其ノ職務、官等、等
級又ハ階級ニ相當スル陸軍軍人ニ對スル行爲ト看做ス
第七條陸軍ト共同作戰ニ從フ外國ノ陸海軍ニ屬スル者ニ對スル行爲ハ其
ノ職務、官等、等級又ハ階級ニ相當スル陸軍軍人ニ對スル行爲ト看做ス
第八條陸軍軍人ト稱スルハ左ニ記載シタル者ヲ謂フ
-陸軍ノ現役ニ在ル者但シ未タ入營セサル者及歸休兵ヲ除ク
二召集中ノ在〓軍人
三召集ニ依ラス部隊ニ在リテ陸軍軍人ノ勤務ニ服スル在〓軍人
四前二號ニ記載シタル者ノ外陸軍ノ制服著用中又ハ現ニ服役上ノ義務
履行中ノ在〓軍人
五志願ニ依リ國民軍隊ニ編入セラレ服務中ノ者
第九條左ニ記載シタル者ハ陸軍軍人ニ準ス
-陸軍所屬ノ學生、生徒
二陸軍軍屬
三陸軍ノ勤務ニ服スル海軍軍人
前項第一號ニ記載シタル者ノ中特ニ除外スヘキ者アルトキハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十條陸軍將校相當官、陸軍准士官、海軍將校、同相當官及海軍准士官ハ
陸軍將校ニ準ス陸軍士官ノ候補者ニシテ士官ノ勤務ニ服スル者及海軍候
補生亦同シ
第十一條陸軍士官ノ候補者ニシテ下士ノ階級ニ在リ士官ノ勤務ニ服セサ
ル者ハ陸軍下士ニ準ス
第十二條陸軍ノ兵役ニ在リテ官等、等級ヲ有セサル者ハ兵卒ニ準ス陸軍
士官ノ候補者ニシテ兵卒ノ階級ニ在ル者亦同シ
第十三條在郷軍人ト稱スルハ陸軍ノ現役以外ノ役ニ在ル者、陸軍ノ現役
ニ在リテ未タ入營セサル者、陸軍ノ歸休兵及退役陸軍將校、同相當官、
准士官ヲ謂フ
第十四條陸軍軍屬ト稱スルハ陸軍文官、同待遇者及宣誓シテ陸軍ノ勤務
ニ服スル者ヲ謂フ但シ豫備又ハ退職ノ文官ハ此ノ限ニ在ラス
第十五條海軍軍人ト稱スルハ海軍刑法ニ於テ海軍軍人ト爲ス者ヲ謂フ
第十六條上官ト稱スルハ命令關係アル陸軍軍人間ニ於テ命令權ヲ有スル
者ヲ謂フ
命令關係ナキ者ノ間ニ於テハ官等、等級又ハ階級ノ上ナル者ハ之ヲ上官
ニ準ス但シ兵卒ハ下士勤務上等兵ヲ除クノ外總テ同等トス
第十七條司令官ト稱スルハ軍隊ノ司令ニ任スル陸軍軍人ヲ謂フ
第十八條哨兵ト稱スルハ儀仗又ハ警戒ノ爲守地ニ在ル陸軍軍人ヲ謂フ
第十九條部隊ト稱スルハ陸軍ノ軍隊、官衙、學校、特務機關及戰時ニ於ケ
ル陸軍ノ特設機關ヲ謂フ
第二十條戰時ト稱スルハ宣戰ノ公布アリタル時又ハ現ニ開戰シタル時ヨ
リ平和克復ノ時迄ヲ謂フ
第二十一條軍中ト稱スルハ左ニ記載シタル部隊ニ在ル場合ヲ謂フ
戰時ノ體勢ヲ執リタル部隊但シ留守部隊、衞戌勤務ニ服スル後備又
ハ國民諸隊、戰地以外ノ地ニ在ル輸送又ハ補給諸機關ニシテ對敵狀
態ニ在ラサルモノヲ除ク
二戰時ノ體勢ヲ執ラサルモ對敵狀態ニ在ル部隊
三內亂、事變又ハ一地方ノ騷擾ニ際シ其ノ鎭定ニ從事スル部隊
第二十二條陸軍ニ於テ死刑ヲ執行スルトキハ陸軍法衙ヲ管轄スル長官ノ
定ムル場所ニ於テ銃殺ス
第二十三條前條ノ規定ハ刑法又ハ他ノ法令ニ依リ處斷シタル場合ニ亦之
ヲ適用ス
第二十四條多衆共同ノ暴行ヲ鎭壓スル爲又ハ敵前ニ在ル部隊ノ急迫ニ臨
ミ軍紀ヲ保持スル爲已ムコトヲ得サルニ出テタル行爲ハ之ヲ罰セス
必要ノ程度ヲ超エタル行爲ハ情狀ニ因リ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコト
ヲ得
第二十五條前條ノ規定ハ刑法又ハ他ノ法令ノ罪ト爲ルヘキ行爲ニ亦之ヲ
適用ス
第二十六條本法ニ依リ死刑ニ處セラレタル者其ノ執行ノ免除アリタル日
ヨリ五年內ニ更ニ本法、刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シ有期懲役ニ處スヘ
キトキハ前ノ罪ヲ懲役ニ該ル罪ト同質ノ罪ト認ムルトキニ限リ之ヲ再犯
トス
第二十七條本法及海軍刑法ニ於テ倶ニ罰スヘキ正條アリ且其ノ刑ニ輕重
ナキトキハ陸軍軍人ニ準スル者ト雖海軍軍人ニ對シテハ海軍刑法ヲ適用ス
第二編罪
第一章叛亂ノ罪
第二十八條黨ヲ結ヒ兵器ヲ執リ反亂ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-首魁ハ死刑ニ處ス
二謀議ニ參與シ又ハ群衆ノ指揮ヲ爲シタル者ハ死刑、無期若ハ五年以
上ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他諸般ノ職務ニ從事シタル者ハ三年以
上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
三附和隨行シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第二十九條反亂ヲ爲ス目的ヲ以テ黨ヲ結ヒ兵器、彈藥其ノ他軍用ニ供ス
ル物ヲ劫掠シタル者ハ前條ノ例ニ同シ
第三十條左ニ記載シタル行爲ヲ爲シタル者ハ死刑ニ處ス
軍隊又ハ要塞、陣營、艦船、兵器、彈藥其ノ他軍用ニ供スル場所若ハ物
ヲ敵國ニ交付シタルトキ
二敵國ノ爲ニ間諜ヲ爲シ又ハ敵國ノ間諜ヲ幫助シタルトキ
三軍事上ノ機密ヲ敵國ニ漏泄シタルトキ
四敵國ノ爲ニ嚮導ヲ爲シ又ハ地理ヲ指示シタルトキ
五敵國ニ降ラシムル爲司令官ヲ强要シタルトキ
六敵國ノ爲ニ俘虜ヲ奪取シ又ハ之ヲ逃走セシメタルトキ
第三十一條敵國ヲ利スル爲左ニ記載シタル行爲ヲ爲シタル者ハ死刑ニ處ス」
一要塞、陣營、艦船、兵器、彈藥其ノ他軍用ニ供スル場所又ハ物ヲ損壞シ
又ハ使用スルコト能ハサルニ至ラシメタルトキ
二水陸ノ通路、橋梁ヲ損壞又ハ壅塞シ又ハ其ノ他ノ方法ヲ以テ軍隊、艦
船ノ往來ノ妨害ヲ生セシメタルトキ
三司令官軍隊ヲ率井テ守地若ハ配置ノ地ニ就カス又ハ其ノ地ヲ離レタ
ルトキ
四隊兵ヲ解散シ又ハ其ノ潰走混亂ヲ誘起シ又ハ其ノ連絡集合ヲ妨害シ
タルトキ
五兵器、彈藥、糧食、被服其ノ他軍用ニ供スル物ヲ缺乏セシメタルトキ
六命令、通報若ハ報〓ヲ詐リ傳へ又ハ虛僞ノ命令、通報若ハ報告ヲ爲
シタルトキ
七造言飛語シ又ハ敵前ニ於テ叫呼喧噪シタルトキ
第三十二條前二條ニ記載シタル以外ノ方法ヲ以テ敵國ニ軍事上ノ利益ヲ
與ヘ又ハ帝國ノ軍事上ノ利益ヲ害シタル者ハ死刑又ハ無期若ハ五年以上
ノ懲役ニ處ス
第三十三條反亂者又ハ內亂者ヲ利スル爲前三條ニ記載シタル行爲ヲ爲シ
タル者ハ死刑、無期若ハ三年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第三十四條前六條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第三十五條第二十八條乃至第三十三條ノ罪ノ豫備又ハ陰謀ヲ爲シタル者
ハ一年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第三十六條第二十八條又ハ第二十九條ノ罪ノ豫備又ハ陰謀ヲ爲シタル者
未タ事ヲ行ハサル前自首シタルトキハ其ノ刑ヲ免除ス
第三十七條本章ノ規定ハ戰時同盟國ニ對スル行爲ニ亦之ヲ適用ス
第二章擅權ノ罪
第三十八條司令官外國ニ對シ故ナク戰鬪ヲ開始シタルトキハ死刑ニ處ス
第三十九條司令官休戰又ハ媾和ノ告知ヨ受ケタル後故ナク戰鬪ヲ爲シタ
ルトキハ死刑ニ處ス
第四十條司令官權外ノ事ニ於テ已ムコトヲ得サル理由ナクシテ擅ニ軍
隊ヲ進退シタルトキハ死刑又ハ無期若ハ七年以上ノ禁錮ニ處ス
第四十一條命令ヲ待タス故ナク戰鬪ヲ爲シタル者ハ死刑又ハ無期若ハ七
年以上ノ禁錮ニ處ス
第四十二條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第三章辱職ノ罪
第四十三條司令官其ノ盡スヘキ所ヲ盡サスシテ敵ニ降リ又ハ要塞ヲ敵ニ
委シタルトキハ死刑ニ處ス
第四十四條司令官野戰ノ時ニ在リテ隊兵ヲ率井敵ニ降リタルトキハ其ノ
盡スヘキ所ヲ盡シタル場合ト雖六月以下ノ禁錮ニ處ス
第四十五條司令官敵前ニ於テ其ノ盡スヘキ所ヲ盡サスシテ隊兵ヲ率井逃
避シタルトキハ死刑ニ處ス
第四十六條司令官軍隊ヲ率井故ナク守地若ハ配置ノ地ニ就カス又ハ其ノ
地ヲ離レタルトキハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ死刑ニ處ス
二戰時、軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ五年以上ノ有期禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十七條司令官出兵ヲ要求スル權アル官憲ヨリ其ノ要求ヲ受ケ故ナク
之ニ應セサルトキハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十八條將校部隊若ハ一部ノ兵員ヲ率井又ハ之ニ屬シ輸送船舶ニ在リ
テ敵ノ艦船ニ遭遇シタル際其ノ盡スヘキ所ヲ盡サスシテ其ノ船舶ヲ退去
シタルトキハ死刑、無期若ハ十年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第四十九條部下多衆共同シテ罪ヲ犯スニ當リ鎭定ノ方法ヲ盡ササル者ハ
三年以下ノ禁鋼ニ處ス
第五十條哨兵故ナク守地ヲ離レタルトキハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ死刑ニ處ス
二軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十一條哨兵睡眠又ハ酩酊シテ其ノ職務ヲ怠リタルトキハ左ノ區別ニ
從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十二條衞兵、控兵、巡察、斥候其ノ他警戒又ハ傳令ノ勤務ニ服スル者
故ナク勤務ノ場所若ハ隊伍ヲ離レタルトキ又ハ到ルヘキ場所ニ到ラサル
トキハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ禁鋼ニ處ス
二軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十三條故ナク規則ニ依ラスシテ哨兵ヲ交代セシメ其ノ他哨令ニ違反
シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ一年以上五年以下ノ禁錮ニ處ス
二軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十四條戰時、軍中又ハ戒嚴地境ニ在リテ斥候、巡察又ハ偵察ノ勤務
ニ服スル者處僞ノ報告ヲ爲シタルトキハ七年以下ノ懲役ニ處ス
戰時、軍中又ハ戒嚴地境ニ在リテ軍事ニ關スル命令、通報又ハ報〓ノ傳
達ヲ掌ル者其ノ命令、通報若ハ報〓ヲ詐リ傳ヘ又ハ故ナク之ヲ傳達セサ
ルトキ亦前項ニ同シ
第五十五條軍事機密ノ圖書、物件ヲ保管スル者危急ノ時ニ當リ之ヲ敵ニ
委セサル方法ヲ盡ササルトキハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十六條戰時、軍中又ハ戒嚴地境ニ在リテ兵器、彈藥、糧食、被服其ノ他
軍用ニ供スル物ノ運搬又ハ支給ヲ掌ル者故ナク之ヲ缺乏セシメタルトキ
ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス
第五十七條健康ヲ害スヘキ飮食物ヲ配給シタル者ハ一年以上十年以下ノ
懲役ニ處ス因テ人ヲ死ニ致シタル者ハ無期又ハ五年以上ノ懲役ニ處ス
第五十八條從軍ヲ免レ又ハ危險ナル勤務ヲ避クル目的ヲ以テ疾病ヲ作爲
シ、身體ヲ毀傷シ其ノ他詐僞ノ行爲ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ五年以上ノ有期懲役ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第五十九條第四十三條、第四十五條、第四十六條、第四十八條、第五十條、
第五十二條、第五十四條及第五十六條乃至第五十八條ノ未遂罪ハ之ヲ罰
ス
第四章抗命ノ罪
第六十條上官ノ命令ニ反抗シ又ハ之ニ服從セサル者ハ左ノ區別ニ從テ
處斷ス
-敵前ナルトキハ死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ禁錮ニ處ス
二軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ一年以上七年以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第六十一條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ首魁ハ死刑ニ處シ其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期禁錮ニ
處ス
二軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ首魁ハ無期又ハ五年以上ノ禁錮ニ處シ
其ノ他ノ者ハ一年以上十年以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ三年以上十年以下ノ禁錮ニ處シ其ノ
他ノ者ハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
第六十二條暴行ヲ爲スニ當リ上官ノ制止ニ從ハサル者ハ三年以下ノ禁錮
ご飯食人
第五章暴行脅迫ノ罪
第六十三條上官ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷
ス
一敵前ナルトキハ一年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十四條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ首魁ハ無期若ハ十年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ
他ノ者ハ三年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ五年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處
シ其ノ他ノ者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十五條上官ニ對シ兵器又ハ兇器ヲ用井テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者
ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ死刑、無期若ハ十年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ無期若ハ二年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十六條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從ヲ處斷ス
-敵前ナルトキハ首魁ハ死刑ニ處シ其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期ノ懲役
若ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處シ
其ノ他ノ者ハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十七條哨兵ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷
ス
一敵前ナルトキハ七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ四年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十八條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
敵前ナルトキハ首魁ハ三年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他
ノ者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ一年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ
處シ其ノ他ノ者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十九條哨兵ニ對シ兵器又ハ兒器ヲ用井テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者
ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
敵前ナルトキハ無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
敵前ナルトキハ首魁ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁鋼ニ處シ其ノ他ノ
者ハ無期若ハ七年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ死刑、無期若ハ七年以上ノ懲役又ハ
禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ無期若ハ二年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十一條上官又ハ哨兵以外ノ陸軍軍人其ノ職務ヲ執行スルニ當リ之ニ
對シ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ四年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
黨與シテ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ首魁ハ六月以上七年以下ノ懲役又ハ
禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十二條上官又ハ哨兵以外ノ陸軍軍人其ノ職務ヲ執行スルニ當リ之ニ
對シ兵器又ハ兇器ヲ用井テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ一年以上十年以
下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
黨與シテ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ首魁ハ無期若ハ三年以上ノ懲役又ハ
禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ一年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十三條多衆聚合シテ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處
斷ス
首魁ハ三年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二他人ヲ指揮シ又ハ他人ニ率先シテ勢ヲ助ケタル者ハ一年以上十年以
下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
三附和隨行シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十四條職權ヲ濫用シテ陵虐ノ行爲ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役又
ハ禁錮ニ處ス
第七十五條第六十三條乃至第七十三條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第六章侮辱ノ罪
第七十六條上官ヲ其ノ面前ニ於テ侮辱シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ禁
錮ニ處ス
文書、圖畫若ハ偶像ヲ公示シ又ハ演說ヲ爲シ其ノ他公然ノ方法ヲ以テ上
官ヲ侮辱シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十七條哨兵ヲ其ノ面前ニ於テ侮辱シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ禁
錮ニ處ス
第七章逃亡ノ罪
第七十八條故ナク職役ヲ離レ又ハ職役ニ就カサル者ハ左ノ區別ニ從テ處
斷ス
敵前ナルトキハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二戰時、軍中又ハ戒嚴地境ニ在リテ三日ヲ過キタルトキハ五年以下ノ
懲役又ハ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ニ於テ六日ヲ過キタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ禁錮
·腹膜
第七十九條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ首魁ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ
者ハ死刑、無期若ハ七年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二戰時、軍中又ハ戒嚴地境ニ在リテ三日ヲ過キタルトキハ首魁ハ五年
以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ六月以上七年以下ノ
懲役又ハ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ニ於テ六日ヲ過キタルトキハ首魁ハ一年以上七年以下
ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ三年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第八十條敵ニ奔リタル者ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處ス
第八十一條第七十八條第一號、第七十九條第一號及前條ノ未遂罪ハ之ヲ
罰ス
第八章軍用物損壞ノ罪
第八十二條陸軍ノ工場、船舶、戰闘ノ用ニ供スル建造物、汽車、電車若ハ
橋梁又ハ陸軍ノ軍用ニ供スル物ヲ貯藏スル倉庫ヲ燒燬シタル者ハ死刑又
ハ無期懲役ニ處ス
第八十三條露積シタル兵器、彈藥、糧食、被服其ノ他陸軍ノ軍用ニ供スル
物ヲ燒燬シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
戰時、軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ無期又ハ二年以上ノ懲役ニ處ス
第八十四條火藥、汽罐其ノ他激發スヘキ物ヲ破裂セシメテ前二條ニ記載
シタル物ヲ損壞シタル者ハ燒燬ノ例ニ同シ
第八十五條第八十二條ニ記載シタル物又ハ陸軍戰闘ノ用ニ供スル鐵道、
電線若ハ水陸ノ通路ヲ損壞シ又ハ使用スルコト能ハサルニ至ラシメタル
者ハ無期又ハ二年以上ノ懲役ニ處ス
第八十六條兵器、彈藥、糧食、被服、馬匹其ノ他陸軍ノ軍用ニ供スル物ヲ毀
棄又ハ傷害シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第八十七條第八十二條乃至第八十五條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第八十八條本章ノ規定ハ陸軍ト共同作戰ニ從フ外國陸海軍ノ軍用物ニ對
スル行爲ニ亦之ヲ適用ス
第九章掠奪ノ罪
第八十九條戰時又ハ帝國軍ノ占領地ニ於テ住民ノ財物ヲ掠奪シタル者ハ
一年以上ノ有期懲役ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯スニ當リ婦女ヲ强姦シタルトキハ無期又ハ七年以上ノ懲役
一段階、
第九十條戰場ニ於テ戰死者又ハ戰傷病者ノ衣服其ノ他ノ財物ヲ褫奪シ
タル者ハ一年以上ノ有期懲役ニ處ス
第九十一條前二條ノ罪ヲ犯ス者人ヲ傷シタルトキハ無期又ハ七年以上ノ
懲役ニ處シ死ニ致シタルトキハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
第九十二條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十章俘虜ニ關スル罪
第九十三條俘虜ヲ看守又ハ護送スル者其ノ俘虜ヲ逃走セシメタルトキハ
三年以上ノ有期懲役ニ處ス
第九十四條俘虜ヲ逃走セシメタル者ハ十年以下ノ懲役ニ處ス
俘虜ヲ逃走セシムル目的ヲ以テ器具ヲ給與シ其ノ他逃走ヲ容易ナラシム
ヘキ行爲ヲ爲シタル者ハ七年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ目的ヲ以テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役
·古蹟,
第九十五條俘虜ヲ奪取シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
第九十六條逃走シタル俘虜ヲ藏匿シ又ハ隱避セシメタル者ハ五年以下ノ
懲役ニ處ス
第九十七條第九十三條乃至第九十五條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十一章違令ノ罪
第九十八條哨兵ヲ欺キテ哨所ヲ通過シ又ハ哨兵ノ制止ニ背キタル者ハ左
ノ區別ニ從テ處斷ス
敵前ナルトキハ一年以上五年以下ノ禁錮ニ處ス
二軍中又ハ戒嚴地境ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
前項ノ外哨兵ニ對シ哨令ヲ犯シタル者亦前項ニ同シ
第九十九條在〓軍人故ナク召集ノ期限ニ後レタルトキハ左ノ區別ニ從テ
處斷ス
-戰時ニ際シ又ハ事變ノ爲召集ヲ受ケタル場合ニ於テ五日ヲ過キタル
者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ニ於テ十日ヲ過キタル者ハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第百條兵役ヲ免ルル目的ヲ以テ疾病ヲ作爲シ、身體ヲ毀傷シ其ノ他詐
僞ノ行爲ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
在〓軍人召集ヲ免ルル目的ヲ以テ前項ノ行爲ヲ爲シタルトキ亦前項ニ同
第百一條戰時、軍中又ハ戒嚴地境ニ在リテ軍事ニ關スル虛僞ノ命令、通
報又ハ報〓ヲ爲シタル者ハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第百二條戰時又ハ事變ニ際シ軍事ニ關シ造言飛語ヲ爲シタル者ハ三年以
下ノ禁錮ニ處ス
第百三條禮砲、號砲其ノ他空包ヲ發スヘキ場合ニ於テ彈丸、瓦石其ノ他
ノ物ヲ裝塡シテ發シタル者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第百四條哨兵又ハ衞兵故ナク銃砲ヲ發シタルトキハ二年以下ノ禁錮ニ處
ス
第百五條戰時、軍中又ハ戒嚴地境ニ在リテ急呼ノ號報アリタル場合ニ故
ナク來會セサル者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第百六條政治ニ關シ上書、建白其ノ他請願ヲ爲シ又ハ演說若ハ文書ヲ以
テ意見ヲ公ニシタル者ハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
第百七條服從ノ道ニ違フヘキ事ヲ目的トシテ黨ヲ結ヒタルトキハ首魁ハ
六月以上五年以下ノ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
明治十四年第六十九號布告陸軍刑法ハ之ヲ廢止ス
〔國務大臣子爵寺內正毅君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=14
-
015・寺内正毅
○國務大臣(子爵寺內正毅君) 諸君、普通刑法ノ改正ニ伴ヒマシテ陸軍ノ刑
法ヲ改正スルノ必要ヲ認メマシタノト、尙ホ二十有餘年間、實驗ヲ致シマシ
タ結果ト致シマシテ修正ヲ致シマスル點ガゴザイマス、先般來〓究ノ上本案
ヲ提出イタシマシタ次第デゴザイマス、御審査ノ上ニ協贊ヲ與ヘラレルヤウ
ニ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=15
-
016・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御質問モ無イト·
〔富井政章君發言ノ許可ヲ求ム〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=16
-
017・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 富井君ハ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=17
-
018・富井政章
○富井政章君 チヨット質問ヲ致シタイデスガ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=18
-
019・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 宜シウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=19
-
020・富井政章
○富井政章君 此陸軍刑法案ハ何レノ時ヨリ實施スル御考デスカ、其點ヲ伺
ヒタイ
〔國務大臣子爵寺內正毅君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=20
-
021・寺内正毅
○國務大臣(子爵寺內正毅君) 御答ヘヲ致シマス、運ビ次第ニ於テ成ルベク
速ニ實行イタシタイト考ヘマス、ソレソレ此刑法ガ協贊ヲ得マシタラ何レ施
行法モ定メナケレバナリマセヌ、ソレ等ノモノヲ成ルベク速ニ運ブヤウナ手
順ヲ取ッテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=21
-
022・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 他ニ御質問モ無イヤウデアリマスカラ、特別委員
ノ選擧ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=22
-
023・小澤武雄
○男爵小澤武雄君 本案ノ委員ハ十五名トシテ議長ノ御指名ニ願ヒタイ、是
ハ條數モ多シ又關聯スル所モ多方面デゴザイマスカラ九名ノ委員デハ少ウゴ
ザイマス、且ツアトノ日程ニ載ッテ居ル所ノ海軍刑法ノ委員モ一ツ委員ニシ
マシタ方ガ便利デアラウト考ヘマスカラ十五名ト云フ說ヲ提出イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=23
-
024・西五辻文仲
○男爵西五辻文仲君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=24
-
025・萬里小路通房
○伯爵萬里小路通房君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=25
-
026・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 小澤男爵ノ委員ノ數ヲ十五名トシ、其委員ハ議長
ノ指名ト云フ動議ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=26
-
027・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=27
-
028・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第七、海軍刑法案、政府提出、第一讀會、
通牒文ノ朗讀
〔仙石書記官朗讀〕
海軍刑法案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治四十一年二月十七日
內閣總理大臣侯爵西園寺公望
海軍大臣男爵齋藤實
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
海軍刑法案
海軍刑法
第一編總則
第二編罪
第一章叛亂ノ罪
第二章擅權ノ罪
第三章辱職ノ罪
第四章抗命ノ罪
第五章暴行脅迫ノ罪
第六章侮辱ノ罪
第七章逃亡ノ罪
第八章軍用物損壞ノ罪
第九章掠奪ノ罪
第十章俘虜ニ關スル罪
第十一章違令ノ罪
海軍刑法
第一編總則
第一條本法ハ海軍軍人ニシテ罪ヲ犯シタル者ニ之ヲ適用ス
第二條本法ハ海軍軍人ニ非スト雖左ニ記載シタル罪ヲ犯シタル者ニ之ヲ
適用ス
一第六十五條乃至第六十八條ノ罪及此等ノ罪ノ未遂罪
二第七十五條ノ罪
三第八十一條乃至第八十八條ノ罪
四第八十九條乃至第九十二條ノ罪
五第九十四條乃至第九十六條ノ罪及第九十四條、第九十五條ノ未遂罪
六第九十八條、第九十九條、第百條第二項、第百一條及第百三條ノ罪
第三條本法ハ前二條ニ記載シタル者帝國外ニ於テ罪ヲ犯シタルトキト雖
之ヲ適用ス
第四條帝國軍ノ占領地ニ於テ海軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタル
トキハ之ヲ帝國內ニ於テ犯シタルモノト看做ス
海軍軍人ニ非スト雖帝國臣民、從軍外國人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項
三四
第五條帝國外ニ在ル海軍官衙團隊ニ屬シ若ハ從フ者又ハ之ニ俘虜タル者
其ノ官衙團隊ノ所在地ニ於テ刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキ亦前
條ニ同シ
第六條海軍ト共同作戰ニ從フ陸軍軍人ニ對スル行爲ハ其ノ職務、官等、等
級又ハ階級ニ相當スル海軍軍人ニ對スル行爲ト看做ス
第七條海軍ト共同作戰ニ從フ外國ノ陸海軍ニ屬スル者ニ對スル行爲ハ其
ノ職務、官等、等級又ハ階級ニ相當スル海軍軍人ニ對スル行爲ト看做ス
第八條海軍軍人ト稱スルハ海軍ノ高等武官、候補生、准士官及下士卒ニ
シテ左ニ記載シタル者ヲ謂フ
-現役ニ在ル者但シ召集中ニ非サル歸休兵ヲ除ク
二豫備役、後備役ニ在リ召集中ノ者
三前二號ニ記載シタル者ノ外海軍制服著用中ノ者
第九條左ニ記載シタル者ハ海軍軍人ニ準ス
-海軍所屬ノ學生、生徒
二海軍軍屬
三海軍ノ勤務ニ服スル陸軍軍人
前項第一號ニ記載シタル者ノ中特ニ除外スヘキ者アルトキハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十條海軍軍屬ト稱スルハ海軍文官、同待遇者及宣誓シテ海軍ノ勤務ニ
服スル者ヲ謂フ
第十一條陸軍軍人ト稱スルハ陸軍刑法ニ於テ陸軍軍人ト爲ス者ヲ謂フ
第十二條上官ト稱スルハ命令關係アル海軍軍人間ニ於テ命令權ヲ有スル
者ヲ謂フ
命令關係ナキ者ノ間ニ於テハ官等、等級又ハ階級ノ上ナル者ハ之ヲ上官
ニ準ス但シ卒ハ總テ同等トス
第十三條指揮官ト稱スルハ艦船、軍隊ヲ指揮スル海軍軍人及陸海軍用船
又ハ拿捕船舶ニ乘組ミ之ヲ監督スル海軍軍人ヲ謂フ
第十四條守兵ト稱スルハ儀仗又ハ警戒ノ爲守所ニ在ル海軍軍人ヲ謂フ
第十五條戰時ト稱スルハ宣戰ノ公布アリタル時又ハ現ニ開戰シタル時ヨ
リ平和克復ノ時迄ヲ謂フ
第十六條內亂、事變又ハ一地方ノ騷擾ニ際シ其ノ鎭定ニ從事スル艦船、
軍隊ニハ戰時ノ規定ヲ適用ス
第十七條海軍ニ於テ死刑ヲ執行スルトキハ海軍法衙ヲ管轄スル長官ノ定
ムル場所ニ於テ銃殺ス
第十八條前條ノ規定ハ刑法又ハ他ノ法令ニ依リ處斷シタル場合ニ亦之ヲ
適用ス
第十九條多衆共同ノ暴行ヲ鎭壓スル爲又ハ敵前若ハ艦船危急ノ際ニ於テ
軍紀ヲ保持スル爲已ムコトヲ得サルニ出テタル行爲ハ之ヲ罰セス
必要ノ程度ヲ超エタル行爲ハ情狀ニ因リ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコト
ヲ得
第二十條前條ノ規定ハ刑法又ハ他ノ法令ノ罪ト爲ルヘキ行爲ニ亦之ヲ適
用ス
第二十一條本法ニ依リ死刑ニ處セラレタル者其ノ執行ノ免除アリタル日
ヨリ五年內ニ更ニ本法、刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シ有期懲役ニ處スヘ
キトキハ前ノ罪ヲ懲役ニ該ル罪ト同質ノ罪ト認ムルトキニ限リ之ヲ再犯
トス
第二十二條本法及陸軍刑法ニ於テ倶ニ罰スヘキ正條アリ且其ノ刑ニ輕重
ナキトキハ海軍軍人ニ準スル者ト雖陸軍軍人ニ對シテハ陸軍刑法ヲ適用ス
第二編罪
第一章叛亂ノ罪
第二十三條黨ヲ結ヒ兵器ヲ執リ反亂ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷
ス
一首魁ハ死刑ニ處ス
二謀議ニ參與シ又ハ群衆ノ指揮ヲ爲シタル者ハ死刑、無期若ハ五年以
上ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他諸般ノ職務ニ從事シタル者ハ三年以
上ノ有期ノ懲役又ハ禁鋼ニ處ス
三附和隨行シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第二十四條反亂ヲ爲ス目的ヲ以テ黨ヲ結ヒ兵器、彈藥其ノ他軍用ニ供ス
ル物ヲ劫掠シタル者ハ前條ノ例ニ同シ
第二十五條左ニ記載シタル行爲ヲ爲シタル者ハ死刑ニ處ス
軍隊又ハ艦船、港灣、工場、兵器、彈藥其ノ他軍用ニ供スル場所若ハ物
ヲ敵國ニ交付シタルトキ
二敵國ノ爲ニ間諜ヲ爲シ又ハ敵國ノ間諜ヲ幫助シタルトキ
三軍事上ノ機密ヲ敵國ニ漏泄シタルトキ
四敵國ノ爲ニ嚮導ヲ爲シ又ハ地理ヲ指示シタルトキ
五敵國ニ降ラシムル爲指揮官ヲ强要シタルトキ
六敵國ノ爲ニ俘虜ヲ奪取シ又ハ之ヲ逃走セシメタルトキ
第二十六條敵國ヲ利スル爲左ニ記載シタル行爲ヲ爲シタル者ハ死刑ニ處
ス
艦船、港灣、工場、兵器、彈藥其ノ他軍用ニ供スル場所又ハ物ヲ損壞シ
又ハ使用スルコト能ハサルニ至ラシメタルトキ
二水陸ノ通路、橋梁、燈臺、浮標ヲ損壞又ハ壅塞シ又ハ其ノ他ノ方法ヲ
以テ艦船、軍隊ノ往來ノ妨害ヲ生セシメタルトキ
三指揮官其ノ艦船、軍隊ヲ率井テ守所若ハ配置ノ場所ニ就カス又ハ其
ノ場所ヲ離レタルトキ
四艦隊、隊兵ヲ解散シ又ハ其ノ潰走混亂ヲ誘起シ又ハ艦船、隊兵ノ連
絡集合ヲ妨害シタルトキ
五兵器、彈藥、糧食、被服其ノ他軍用ニ供スル物ヲ缺乏セシメタルトキ
六命令、通報若ハ報〓ヲ詐リ傳へ又ハ虛僞ノ命令、通報若ハ報〓ヲ爲シ
タルトキ
七造言飛語シ又ハ敵前ニ於テ叫呼喧噪シタルトキ
第二十七條前二條ニ記載シタル以外ノ方法ヲ以テ敵國ニ軍事上ノ利益ヲ
與ヘ又ハ帝國ノ軍事上ノ利益ヲ害シタル者ハ死刑又ハ無期若ハ五年以上
ノ懲役ニ處ス
第二十八條反亂者又ハ内亂者ヲ利スル爲前三條ニ記載シタル行爲ヲ爲シ
タル者ハ死刑、無期若ハ三年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第二十九條前六條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第三十條第二十三條乃至第二十八條ノ罪ノ豫備又ハ陰謀ヲ爲シタル者
ハ一年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第三十一條第二十三條又ハ第二十四條ノ罪ノ豫備又ハ陰謀ヲ爲シタル者
未タ事ヲ行ハサル前自首シタルトキハ其ノ刑ヲ免除ス
第三十二條本章ノ規定ハ戰時同盟國ニ對スル行爲ニ亦之ヲ適用ス
第二章擅權ノ罪
第三十三條指揮官外國ニ對シ故ナク戰鬪ヲ開始シタルトキハ死刑ニ處ス
第三十四條指揮官休戰又ハ媾和ノ〓知ヲ受ケタル後故ナク戰鬪ヲ爲シタ
ルトキハ死刑ニ處ス
第三十五條指揮官權外ノ事ニ於テ已ムコトヲ得サル理由ナクシテ擅ニ艦
般、軍隊ヲ進退シタルトキハ死刑又ハ無期若ハ七年以上ノ禁錮ニ處ス
第三十六條命令ヲ待タス故ナク戰闘ヲ爲シタル者ハ死刑又ハ無期若ハ七
年以上ノ禁錮ニ處ス
第三十七條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第三章辱職ノ罪
第三十八條指揮官其ノ盡スヘキ所ヲ盡サスシテ敵ニ降リ又ハ其ノ艦船若
ハ守所ヲ敵ニ委シタルトキハ死刑ニ處ス
第三十九條指揮官敵前ニ於テ其ノ盡スヘキ所ヲ盡サスシテ艦船、軍隊ヲ
率井逃避シタルトキハ死刑ニ處ス
第四十條指揮官其ノ艦船危急ノ時ニ當リ故ナク救護ノ方法ヲ盡サス又
ハ衆ニ先チテ其ノ艦船ヲ退去シタルトキハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
敵前ナルトキハ死刑ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ無期又ハ三年以上ノ禁鋼ニ處ス
第四十一條指揮官敵ノ船舶ヲ拿捕スヘキ場合ニ於テ故ナク之ヲ拿捕セサ
ルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十二條指揮官敵前ニ於テ帝國又ハ帝國ト共同作戰ニ從フ外國ノ艦船
ヲ救護スヘキ場合ニ於テ故ナク之ヲ救護セサルトキハ一年以上ノ有期禁
錮ニ處ス
第四十三條指揮官護衞ノ命ヲ受ケタル艦船ヲ故ナク委棄シタルトキハ左
ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ死刑ニ處ス
二戰時ナルトキハ五年以上ノ有期禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十四條指揮官其ノ艦船、軍隊ヲ率井故ナク守所若ハ配置ノ場所ニ就
カス又ハ其ノ場所ヲ離レタルトキハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ死刑ニ處ス
二戰時ナルトキハ五年以上ノ有期禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十五條指揮官又ハ乘員故ナク其ノ艦船ヲ覆沒又ハ破壞シタルトキハ
死刑ニ處シ之ヲ損壞シタルキトハ無期又ハ三年以上ノ懲役ニ處ス
第四十六條指揮官出兵ヲ要求スル權アル官憲ヨリ其ノ要求ヲ受ケ故ナク
之ニ應セサルトキハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十七條指揮官衝突、坐礁其ノ他ノ危難ニ罹リタル艦船アルニ當リ救
護ノ請求ヲ受ケ故ナク之ニ應セサルトキハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十八條部下多衆共同シテ罪ヲ犯スニ當リ鎭定ノ方法ヲ盡ササル者ハ
三年以下ノ禁錮ニ處ス
第四十九條當直將校、守兵其ノ他緊要ナル勤務ニ服スル者故ナク其ノ勤
務ノ場所ヲ離レタルトキハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ死刑又ハ無期ノ禁錮ニ處ス
二戰時又ハ擱岸、坐礁其ノ他艦船危險ノ場合ナルトキハ三年以下ノ禁
錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十條當直將校睡眠又ハ酩酊シテ其ノ職務ヲ怠リタルトキハ左ノ區
別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
二戰時又ハ航海中ナルトハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十一條守兵其ノ他緊要ナル勤務ニ服スル者前條ノ罪ヲ犯シタルトキ
ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十二條戰時又ハ事變ニ際シ偵察ノ勤務ニ服スル者虛僞ノ報〓ヲ爲シ
タルトキハ七年以下ノ懲役ニ處ス
戰時又ハ事變ニ際シ軍事ニ關スル命令、通報又ハ報〓ノ傳達ヲ掌ル者其
ノ命令、通報若ハ報〓ヲ詐リ傳へ又ハ故ナク之ヲ傳逹セサルトキ亦前項
ニコシ
第五十三條軍事機密ノ圖書、物件ヲ保管スル者危急ノ時ニ當リ之ヲ敵ニ
委セサル方法ヲ盡ササルトキハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
第五十四條戰時又ハ事變ニ際シ兵器、彈藥、糧食、被服其ノ他軍用ニ供
スル物ノ連搬又ハ支給ヲ掌ル者故ナク之ヲ缺乏セシメタルトキハ一年以
上十年以下ノ懲役ニ處ス
第五十五條健康ヲ害スヘキ飮食物ヲ配給シタル者ハ一年以上十年以下ノ
懲役ニ處ス因テ人ヲ死ニ致シタル者ハ無期又ハ五年以上ノ懲役ニ處ス
第五十六條從軍ヲ免レ又ハ危險ナル勤務ヲ避クル目的ヲ以テ疾病ヲ作爲
シ、身體ヲ毀傷シ其ノ他詐僞ノ行爲ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷
ス
-敵前ナルトキハ五年以上ノ有期懲役ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第五十七條第三十八條乃至第四十條第四十三條乃至第四十五條、第四十
九條、第五十二條及第五十四條乃至第五十六條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第四章抗命ノ罪
第五十八條上官ノ命令ニ反抗シ又ハ之ニ服從セサル者ハ左ノ區別ニ從テ
處斷ス
-敵前ナルトキハ死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ禁錮ニ處ス
二戰時又ハ艦船救護ノ爲緊要ノ方略ヲ爲ス際ナルトキハ一年以上七年
以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ二年以下ノ禁鋼ニ處ス
第五十九條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ首魁ハ死刑ニ處シ其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期禁錮ニ
處ス
二戰時又ハ艦船救護ノ爲緊要ノ方略ヲ爲ス際ナルトキハ首魁ハ無期又
ハ五年以上ノ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ一年以上十年以下ノ禁錮ニ處
ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ三年以上十年以下ノ禁錮ニ處シ其ノ
他ノ者ハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
第六十條暴行ヲ爲スニ當リ上官ノ制止ニ從ハサル者ハ三年以下ノ禁錮
· 〓〓
第五章暴行脅迫ノ罪
第六十一條上官ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷
ス
一敵前ナルトキハ一年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ懲役又ハ禁鋼ニ處ス
第六十二條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ首魁ハ無期若ハ十年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ
他ノ者ハ三年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ五年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處
シ其ノ他ノ者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十三條上官ニ對シ兵器又ハ兇器ヲ用井テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者
ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ死刑、無期若ハ十年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ無期若メ二年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十四條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ首魁ハ死刑ニ處シ其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期ノ懲役
若ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處シ
其ノ他ノ者ハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十五條守兵ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷
ス
一敵前ナルトキハ七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ四年以下ノ懲役又ハ禁鋼ニ處ス
第六十六條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
敵前ナルトキハ首魁ハ三年以上ノ有期懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ
者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ一年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ
處シ其ノ他ノ者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十七條守兵ニ對シ兵器又ハ兇器ヲ用井テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者
ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十八條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ首魁ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ
者ハ無期若ハ七年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ死刑、無期若ハ七年以上ノ懲役又ハ
禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ無期若ハ二年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第六十九條上官又ハ守兵以外ノ海軍軍人其ノ職務ヲ執行スルニ當リ之ニ
對シ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ四年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
黨與シテ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ首魁ハ六月以上七年以下ノ懲役又ハ
禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十條上官又ハ守兵以外ノ海軍軍人其ノ職務ヲ執行スルニ當リ之ニ
對シ兵器又ハ兇器ヲ用井テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ一年以上十年以
下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
黨與シテ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ首魁ハ無期若ハ三年以上ノ懲役又ハ
禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ一年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十一條多衆聚合シテ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處
斷ス
一首魁ハ三年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二他人ヲ指揮シ又ハ他人ニ率先シテ勢ヲ助ケタル者ハ一年以上十年以
下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
三附和隨行シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十二條職權ヲ濫用シテ陵虐ノ行爲ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役又
ハ禁錮ニ處ス
第七十三條第六十一條乃至第七十一條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第六章侮辱ノ罪
第七十四條上官ヲ其ノ面前ニ於テ侮辱シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ禁
錮ニ處ス
文書、圖畫若ハ偶像ヲ公示シ又ハ演說ヲ爲シ其ノ他公然ノ方法ヲ以テ上
官ヲ侮辱シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十五條守兵ヲ其ノ面前ニ於テ侮辱シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ禁
鋼ニ處ス
第七章逃亡ノ罪
第七十六條故ナク職役ヲ離レ又ハ職役ニ就カサル者ハ左ノ區別ニ從テ處
斷ス
一敵前ナルトキハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁鋼ニ處ス
二戰時ニ在リテ三日ヲ過キタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ニ於テ六日ヲ過キタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ禁錮
乙酸酶
第七十七條黨與シテ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ首魁ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁鋼ニ處シ其ノ他ノ
者ハ死刑、無期若ハ七年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
二戰時ニ在リテ三日ヲ過キタルトキハ首魁ハ五年以上ノ有期ノ懲役又
ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ六月以上七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ニ於テ六日ヲ過キタルトキハ首魁ハ一年以上七年以下
ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ三年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七十八條艦船ノ乘員故ナク其ノ艦船發航ノ期ニ後レタルトキハ其ノ經
過日數ヲ問ハス前二條ノ規定ヲ適用ス
第七十九條敵ニ奔リタル者ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處ス
第八十條第七十六條第一號、第七十七條第一號及前條ノ未遂罪ハ之ヲ
罰ス
第八章軍用物損壞ノ罪
第八十一條海軍ノ艦船、工場、戰闘ノ用ニ供スル建造物、汽車、電車若ハ橋
梁又ハ海軍ノ軍用ニ供スル物ヲ貯藏スル倉庫ヲ燒燬シタル者ハ死刑又ハ
無期懲役ニ處ス
第八十二條露積シタル兵器、彈藥、糧食、被服其ノ他海軍ノ軍用ニ供スル
物ヲ燒燬シタル者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一戰時ナルトキハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ無期又ハ二年以上ノ懲役ニ處ス
第八十三條火藥、汽罐其ノ他激發スヘキ物ヲ破裂セシメテ前二條ニ記載
シタル物ヲ損壞シタル者ハ燒燬ノ例ニ同シ
第八十四條海軍ノ艦船ヲ覆沒又ハ破壞シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ處
ス
第八十五條第八十一條ニ記載シタル物又ハ海軍戰闘ノ用ニ供スル鐵道、
電線若ハ水陸ノ通路ヲ損壞シ又ハ使用スルコト能ハサルニ至ラシメタル
者ハ無期又ハ二年以上ノ懲役ニ處ス
第八十六條兵器、彈藥、糧食、被服其ノ他海軍ノ軍用ニ供スル物ヲ毀棄又
ハ傷害シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第八十七條第八十一條乃至第八十五條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第八十八條本章ノ規定ハ海軍ト共同作戰ニ從フ外國陸海軍ノ軍用物ニ對
スル行爲ニ亦之ヲ適用ス
第九章掠奪ノ罪
第八十九條戰地又ハ帝國軍ノ占領地ニ於テ住民ノ財物ヲ掠奪シタル者ハ
一年以上ノ有期懲役ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯スニ當リ婦女ヲ强姦シタルトキハ無期又ハ七年以上ノ懲役
乙酸 (
第九十條戰場ニ於テ戰死者又ハ戰傷病者ノ衣服其ノ他ノ財物ヲ褫奪シ
タル者ハ一年以上ノ有期懲役ニ處ス
第九十一條前二條ノ罪ヲ犯ス者人ヲ傷シタルトキハ無期又ハ七年以上ノ
懲役ニ處シ死ニ致シタルトキハ死刑又ハ無期懲役ニ處ス
第九十二條本章ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十章俘虜ニ關スル罪
第九十三條俘虜ヲ看守又ハ護送スル者其ノ俘虜ヲ逃走セシメタルトキハ
三年以上ノ有期懲役ニ處ス
第九十四條俘虜ヲ逃走セシメタル者ハ十年以下ノ懲役ニ處ス
俘虜ヲ逃走セシムル目的ヲ以テ器具ヲ給與シ其ノ他逃走ヲ容易ナラシム
ヘキ行爲ヲ爲シタル者ハ七年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ目的ヲ以テ暴行又ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役
ご飯 人
第九十五條俘虜ヲ奪取シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ處ス
第九十六條逃走シタル俘虜ヲ藏匿シ又ハ隱避セシメタル者ハ五年以下ノ
懲役ニ處ス
第九十七條第九十三條乃至第九十五條ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十一章違令ノ罪
第九十八條守兵ヲ欺キテ守所ヲ通過シ又ハ守兵ノ制止ニ背キタル者ハ左
ノ區別ニ從テ處斷ス
-敵前ナルトキハ一年以上五年以下ノ禁錮ニ處ス
二戰時ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
三其ノ他ノ場合ナルトキハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第九十九條歸休兵及豫備役、後備役ニ在ル者故ナク召集ノ期限ニ後レタ
ルトキハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
-戰時ニ際シ又ハ事變ノ爲召集ヲ受ケタル場合ニ於テ五日ヲ過キタル
者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ニ於テ十日ヲ過キタル者ハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第百條兵役ヲ免ルル目的ヲ以テ疾病ヲ作爲シ、身體ヲ毀傷シ其ノ他許
僞ノ行爲ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ處ス
歸休兵及豫備役、後備役ニ在ル者召集ヲ免ルル目的ヲ以テ前項ノ行爲ヲ
爲シタルトキ亦前項ニ同シ
第百一條艦船ノ危急ニ際シ指揮官ノ指揮ヲ待タス其ノ艦船ヲ退去シタル
者ハ左ノ區別ニ從テ處斷ス
一敵前ナルトキハ三年以上ノ有期禁錮ニ處ス
二其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ禁錮ニ處ス
第百二條戰時又ハ事變ニ際シ軍事ニ關スル虛僞ノ命令、通報又ハ報〓ヲ
爲シタル者ハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第百三條戰時又ハ事變ニ際シ軍事ニ關シ造言飛語ヲ爲シタル者ハ三年以
下ノ禁錮ニ處ス
第百四條禮砲、號砲其ノ他空包ヲ發スヘキ場合ニ於ラ彈丸、瓦石其ノ他ノ
物ヲ裝塡シテ發シタル者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第百五條守兵故ナク銃砲ヲ發シタルトキハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第百六條戰時又ハ事變ニ際シ急呼ノ號報アリタル場合ニ故ナク來會セサ
ル者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
第百七條政治ニ關シ上書、建白其ノ他請願ヲ爲シ又ハ演說若ハ文書ヲ以
テ意見ヲ公ニシタル者ハ三年以下ノ禁錮ニ處ス
第百八條服從ノ道ニ違フヘキ事ヲ目的トシテ黨ヲ結ヒタルトキハ首魁ハ
六月以上五年以下ノ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ二年以下ノ禁錮ニ處ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
明治十四年第七十號布告海軍刑法ハ之ヲ廢止ス
〔國務大臣男爵齋藤實君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=28
-
029・齋藤實
○國務大臣(男爵齋藤實君) 本案モ陸軍刑法案ト同一ノ理由ヲ以テ提出イタ
シマシタ次第デゴザイマス、御審議ノ上ニ御協賛アラムコトヲ希望イタシマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=29
-
030・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御質問モ無イト認メマスカラ特別委員ノ選擧
ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=30
-
031・鎌田榮吉
○鎌田榮吉君 チヨット質問··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=31
-
032・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 鎌田君ニ申シマスガ、議長ガ委員ノ選擧ニ移リマ
スト宣告ヲ致シマシタカラ質問ハ他ニ時機モゴザイマセウカラ其時ニ願ヒタ
ウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=32
-
033・富井政章
○富井政章君 是ハ陸軍刑法案ニ多少關係ヲ有ッテ居ル法律案ト思ヒマスカ
ラ、陸軍刑法案ト同一ノ委員ニ付託セラレムコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=33
-
034・南郷茂光
○南〓茂光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=34
-
035・谷森眞男
○谷森眞男君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=35
-
036・西村亮吉
○西村亮吉君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=36
-
037・磯邊包義
○磯邊包義君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=37
-
038・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 富井君ノ議事日程第五ノ法案ノ同一委員ニ付託ス
ルト云フ說ニ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=38
-
039・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=39
-
040・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第九、監獄法案、政府提出、第一讀會ノ續、
委員長報告、此際御諮リヲ致シマスガ、議事日程第十、第十一、第十二、
第十三、皆同一委員ニ付託セラレマシタカラ特別委員長ノ報〓ハ一括シテ宜
カラウト考ヘマスガ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=40
-
041・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイモノト認メマス、黑田侯爵
監獄法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
明治四十一年二月十五日
右特別委員長
侯爵黑田長成
貴族院議長公爵德川家達殿
刑法施行法案
右別册ノ通リ修正セリ依テ及報〓候也
明治四十一年二月十八日
右特別委員長
侯爵黑田長成
貴族院議長公爵德川家達殿
特別委員ノ修正ニ係ル條ノミヲ載錄ス
小字ハ修正文、ハ同削除ノ符號
第二條刑法施行前ニ舊刑法ノ罪又ハ他ノ法律ノ罪ヲ犯シタル者ニ付テハ
左ノ例ニ從ヒ刑法ノ主刑ト舊刑法又ハ他ノ法律ノ主刑トヲ對照シ刑法第
十條ノ規定ニ依リ其輕重ヲ定ム
刑法ノ刑舊刑法又ハ他ノ法律ノ刑
死刑死刑
無期懲役無期徒刑
無期禁錮無期流刑
有期懲役有期徒刑、重懲役、輕懲役、重禁錮
有期禁錮有期流刑、重禁獄、輕禁獄、輕禁錮
罰金罰金
拘留拘留
科料科料
第六條刑法施行前ニ犯シタル罪ニ付キ刑法施行ノ前又ハ後ニ確定裁判ア
リタル後刑法施行前ニ犯シタル餘罪ニ付キ裁判ヲ爲ストキハ左ノ例ニ依
ル
確定裁判アリタル罪ニ舊刑法又ハ他ノ法律ヲ適用シタルトキト雖
刑法ノ刑名ニ依リ刑ヲ定メタル法令
モ刑法又ハ本法ニ依リ刑名ヲ變更セラレタル他ノ法律ニ於テハ其
罪ト餘罪トニ付キ併合罪ニ關スル規定ヲ準用ス
刑法ノ刑名ニ依リ刑ヲ定メタル法令
二確定裁判アリタル罪ニ刑注又ハ本法ニ依リ刑名ヲ變更セラレタル
他ノ法律ヲ適用シタルトキト雖モ舊刑法又ハ他ノ法律ニ於テハ其
罪ト餘罪トニ付キ數罪倶發ニ關スル規定ニ依ル
第七條左ニ記載シタル者刑法施行前更ニ刑法ノ有期懲役ニ相當スル刑ニ
刑法ノ刑名
該ル罪ヲ犯シ刑法施行後其罪ニ付キ裁判ヲ爲ストキハ刑法又ハ本法ニ依
ニ依リ刑ヲ定メタル法令
サ刑者ヲ變更セラレタル仙ノ法体ニ於テハ勇犯ニ關スル規定ヲ坐用
-舊刑法又ハ他ノ法律ニ依リ刑法ノ懲役ニ相當スル刑ニ處セラレタ
ル者
二舊刑法又ハ他ノ法律ニ依リ刑法ノ懲役ニ相當スル刑ニ該ル罪ト同
質ノ罪ニ因リ死刑ニ處セラレ其執行ノ免除ヲ得又ハ減刑ニ因リ懲
役ニ相當スル刑ニ減輕セラレタル者
刑法第五十六條第三項ノ規定ハ數罪倶發ニ關スル規定ニ依リ處斷セラレ
タル者ニ之ヲ準用ス
第九條刑法施行前ニ犯シタル數罪ト刑法施行後ニ犯シタル一罪又ハ數罪
トニ付キ同時ニ裁判ヲ爲ス場合ニ於テ刑法施行前ノ罪ニ舊刑法又ハ他ノ
法律ヲ適用ス可キトキハ數罪倶發ニ關スル規定ニ依リテ定マリタル一ノ重
キ罪ト刑法施行後ノ一罪又ハ數罪トニ付キ併合罪ニ關スル規定ヲ準用ス」
刑法ノ刑名ニ依リ刑ヲ定メタル法令
前項ノ袋合ニ於テ刑法施行語ノ罪ニ刑法又一本法ニ依リ別名變也セ
タル他ノ法律ヲ適用ス可キトキハ其數罪ト刑法施行後ノ一罪又ハ數罪ト
ニ付キ併合罪ニ關スル規定ヲ適用ス
第十三條刑法施行後ハ舊刑法卜他ノ法律又ハ舊刑法施行前ノ法令ノ刑ニ
處セラレタル者ト雖モ刑ノ執行、假出獄及ヒ時效ニ付テハ刑法ノ規定ヲ
準用ス但罰金又ハ科料ヲ完納スルコト能ハサル者ヲ勞役場ニ留置スル場
合ニ於テハ檢事ノ請求ニ依リ裁判所決定ヲ以テ其言渡ヲ爲ス可シ
前項ノ場合ニ於テハ第二條及ヒ明治十四年第八十一號布告第一條ノ例ニ
依リ主刑ノ對照ヲ爲ス可シ
舊刑法又ハ他ノ法律ノ刑ニ處セラレタル者ノ刑法施行前ニ於ケル時效期
間ノ起算及ヒ時效ノ中斷ニ付テハ滿期免除ニ關スル規定ニ從フ
第十四條刑法施行後ハ舊刑法又ハ他ノ法律ノ刑ニ處ス可キ者ト雖モ刑ノ
執行猶豫ニ付テハ刑法ノ規定ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テハ第二條ノ例ニ依リ主刑ノ對照ヲ爲スヘシ
第二十八條人ノ資格其他ノ事項ニ關シ舊刑法又ハ他ノ法律ノ刑名又ハ罪
別ヲ揭ケタル他ノ法律ノ規定ハ刑法施行ノ爲メ變更セラルルコトナシ
第三十四條前條ニ記載シタル者及ヒ舊刑法又ハ他ノ法律ノ重罪ノ刑ニ處
セラレタル者ハ他ノ法律ノ適用ニ付テハ公權ヲ剝奪セラレタルモノト看
做ス
前項ノ規定ハ復權ヲ得タル者ニハ之ヲ適用セス
第三十六條六年未滿ノ懲役又ハ禁錮ニ處セラレタル者及ヒ舊刑法又ハ他
ノ法律ノ禁錮ノ刑ニ處セラレタル者ハ他ノ法律ノ適用ニ付テハ刑ノ執行
ヲ終リ又ハ其執行ヲ受クルコトナキニ至ルマテ公權ヲ停止セラレタルモ
ノト看做ス
印紙犯罪處罰法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
明治四十一年二月十八日
右特別委員長
侯爵黑田長成
貴族院議長公爵德川家達殿
裁判所構成法中改正法律案(政第十二號)
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
明治四十一年二月十八日
右特別委員長
侯爵黑田長成
貴族院議長公爵德川家達殿
裁判所構成法施行條例中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
明治四十一年二月十八日
右特別委員長
侯爲黑田長成
貴族院議長公爵德川家達殿
〔侯爵黑田長成君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=41
-
042・黒田長成
○侯爵黑田長成君 是ヨリ監獄法案外四件ノ委員會ノ經過及結果ヲ御報〓イ
タシマス、此五案ハ過日當院ヲ通過イタシマシタ司法官試補實習期間ニ關ス
ル所ノ法案ト共ニ委員ニ付託サレタ案デアリマス、去ヌル八日ニ是等ノ法案
ハ付託ニナリマシテ、其後四囘ノ委員會ヲ開キマシテ、ソレソレ確定イタシマ
シタ次第デゴザイマス、先ヅ監獄法案ニ就イテ申述ベマスガ、是ハ條文モ多イ
コトデゴザイマスカラ、讀會ノ順序ニ傚ヒマシテ成ルベク審査ヲ鄭重ニ致シ
マシタ、御承知ノ通リ此監獄法案ハ改正刑法ヲ施行スルニ付イテ必要ナモノ
デアリマシテ、現今ノ監獄則ナルモノハ二十年モ以前ニ制定サレタモノデ、
其後僅カノ改正シカ無イノデアリマス、ソレデ今日マデ實驗上、不完全ナル廉
ガ少クナイノデアリマスカラ、改正刑法ノ實施ニ連レテ此改正ヲ必要トスル
所以デアリマス、此大體ニ就イテハ委員ニ於キマシテ誰モ異議ヲ唱ヘル者ガ
無カッタノデアリマス、唯逐條ニ就キマシテ諸所意見又ハ修正說等モアリマシ
タケレドモ、何レモ少數デ成立チマセヌ、詰リ全部原案ノ通リデ宜シイト云フ
コトニ決シマシタ、此重モナルモノノ一ヲ申シマスレバ、終リノ第七十五條ノ
「受刑者」ト云フノヲ「在監者」ニ改メルト云フ說ガアリマシタ、其理由ハ受刑
者ト云フコトデアレバ死刑囚トカ無期徒刑囚ノヤウナ重イモノニ限ラレルコ
トデアレバ宜シイガ、今日ノ刑法デ云フ違警罪トカ輕罪ニ當ル者マデモ此内
ニ込メルト云フコトニナッテハ未決拘留ニ在ル所ノ重イ罪ノ者ヲ之ニ加ヘナ
イデハ權衡ヲ失フト云フヤウナ論モアリマシタガ、サウチリマスト普通ノ刑
事被告人ガ全部這入ルコトニナリマシテ、ドウモ却ッテ釣合ガ取レマイト云フ
考ヘノ方ガ多數デゴザイマシタ、詰リ「受刑者」ト云フコトデ宜シイト云フコ
トニナリマシタ、畢竟是ハ各國ノ立法例ナドニ依リマシテモ、サウ云フコト
ニナッテ居ルサウデアリマス、其外多少議論ノ〓ハアリマスルガ特ニ御報告
イタス程デナイト思ヒマスカラ本案ニ就イテノ報告ハ是ダケニ致シテ置キマ
ス、次ニ刑法施行法案ニ就イテ申上ゲマスガ、是モ前ノ法案同樣ニ複雜ヲ極
メタ案デゴザイマスルカラ、讀會ノ順ヲ逐ウテ審査ヲ致シマシタ、改正刑法
ノ目下、國ノ爲ニ必要デアルト云フコトハ申スマデモ無イコトデ、從ッテ本案
ハ新刑法實施ノ上ニハ必要缺クベカラザルモノデアリマシテ、新舊二法ノ過
渡ノ場合ニ於キマシテハ之ニ對シテ必要ナ法律事項ヲ揭ゲマシテ新舊二法ノ
調和ヲ圖リマスル爲ノモノデアリマス、ソレ故ニ本案ニ就イテモ大體ニ付イ
テハ何人モ異議ハ無イノデアリマス、是ハ逐條審議ノ際ニ二種ノ修正說ガ出
マシテ成立イタシタノデゴザイマス、別册ニ御報告イタシテアル通リデ、其
一ハ第二條ニ「又ハ他ノ法律」ト云フノヲ削除イタシマシタ結果トシテ、第十
三條、第十四條、第二十八條、第三十四條、第三十六條、是ダケニ當然ノ結
果トシテ、修正ヲ加ヘマシタ、此第二條ノ「又ハ他ノ法律」ト云フ所ヲ削リマ
シタノハ、是ハ全ク陸軍刑法及海軍刑法ヲ指シテ居ルノデアリマスガ、此主
刑ヲ定メテ居リマスモノハ此二ツノ刑法ダケデアリマス、ソレデ其外ノ「他ノ
法律」ト云フモノハ全ク違ッタ廣イ意味ニ用井ラレテ居ルノデ、此刑法ノ施
行法中ニ海陸軍刑法ノコトヲ規定イタスノハ立法ノ體裁上カラ申シテモ宜シ
クナイ、又適用ノ上カラ申シテモ混雜ヲ來タシテ誤解ヲ生ズル憂ガアルト云
フノデ削除ニナリマシタ、承ハレバ陸海軍刑法ニ付イテモソレゾレ施行法ガ
成ルベク早ク提出ニナルサウデアリマスカラ、其區別ヲ判然イタス爲ニ除イ
タ次第デゴザイマス、其次ニ修正ニナリマシタノハ、第六條、第七條、第九條
デアリマス、刑法施行法ノ第六條ノ原案ニ「刑法又ハ本法ニ依リ刑名ヲ變更
セラレタル他ノ法律」云々トアリマスノハ、例ヘバ從來ノ法律ニ於キマシテ
有期徒刑ニ處スルトカ云フヤウナコトガアルト假定シマスルト、此有期徒刑
ト云フヤウナ刑名ハ此度ノ施行法ニ依リマスルト、第二條及第十九條ニ依リ
マシテ刑名ヲ有期懲役ト云フヤウニ變更サレテ居リマス、サウシテ此施行法
ニ依ッテ刑名ヲ變更サレタ法律トアリマスル以上ハ、旣ニ出テ居リマス所ノ
過去ノ法律ダケニ限ラレルヤウニナリマス、所ガ將來改正刑法實施後ニ發布
セラルル所ノ法律モ多々アルコトト思ヒマス、例ヘバ印紙犯罪法ノヤウナモ
ノモ其一ツデアラウト思ヒマス、サウ云フモノニハ適用ガ及バナイコトニナ
ルノデアリマス、ソレデ將來、新刑法施行以後ニモ適用ノ必要ガアリマスル
カラ、是マデノ法律ニ止メズ將來ノモノニマデモ及ボスト云フ理由ニ依ッテ
「刑法ノ刑名ニ依リ刑ヲ定メタル法令」ト云フコトニ修正イタシテ、是等ノモ
ノモ總テ包含スルコトニ致シタノデゴザイマス、第七條、第九條モ其當然ノ
結果トシテ文字ガ變ッタノデゴザイマス、此二種ノ修正ニ付イテハ、ドチラ
モ政府ニ於テハ異議ハ無イト云フコトデゴザイマス、却ッテ此方ガ法案ヲシテ
完備ナモノニ爲スデアラウト云フ位ニ、政府ニ於テハ同意ヲ表セラレマシテ
ゴザイマス、チヨット一言訂正ノ廉ガゴザイマスカラ申シテ置キマスガ、原
案ノ第六條一號ノ二行目ノ所ガ一字上ガルノガ例ニナッテ居リマスガ、是ハ
一字下ゲテアリマスルカラ、ソレヲ訂正イタシテ置キマス、サウスルト三行
目ノ一字ガ二行目ノ下ニナルヤウナコトニナリマス、二號ノ所モ同樣デアリ
やく、ソレカラ第七條ノ二號ノ二行目ノ宇ガ一字上ガルト云フコトニナリマ
ス、是ハ政府カラ訂正ニナリマシタカラ、チヨット申述ベテ置キマス、女、
印紙犯罪處罰法案ハ新刑法ノ必然ノ結果トシテ提出ニナッタモノデハアリマ
セヌ、是ハ實驗上法律ノ不完全ナ〓ヲ補フ爲ニ此必要ヲ生ジタノデアリマス、
印紙犯罪ノ處罰ニ付キマシテハ、新刑法ニハ十分ノ規定ガアリマセヌカラ、
新刑法ヲ施行スルトキニ當リマシテハ、舊刑法ノ第百九十八條乃至第二百條
ヲ活カシテ置キマセヌト印紙犯罪ノ取締ハ立チマセヌカラ、刑法施行法ノ
第二十五條ニ其譯ガ規定シテアリマス、所ガ舊刑法ノ第百九十八條乃至第二
百條ダケヲ活カシテ置イテモマダ法律上不完全ナ點ガアリマスルカラ、ソ
レデ此法案ヲ以テ其目的ヲ達スルヤウニスルノデアリマス、是ハ一ノ異議ナ
ク可決イタシタノデゴザイマス、次ニ裁判所構成法中改正法律案ニ就イテ一
言イタシマスガ、是ハ刑事裁判ノ權限ニ變更ヲ加ヘマシテ、刑法ノ施行ニ伴
ハシムル爲ニ必要缺クベカラザル所ノ法案デアリマス、改正刑法ニ據リマス
ルト、從來ノ刑期金額ノ範圍ガ餘ホド廣クナッテ居リマスガ、ソレヲ區裁判所
權限ヲ變更シマシテ、多クノ犯罪事件ガ區裁判所カラ地方裁判所へ移リ行ク
コトヲ防グ目的ニ出デタモノデゴザイマス、サウシテ現時ノ事務分配ヲ維持
シヤウト云フノガ本案ノ趣意デアリマス、ソレカラ一方ニハ新刑法ニ據リマ
スト外患罪ナルモノハ國事犯ト見テ居リマセヌデ、從ッテ懲役ノ刑ガ盛ッテ
アリマスルカラ、ソレヲ除キマシテ、アトハ現行法通リノ犯罪ヲ揭ゲマシテ
大審院ノ權限ニ變更ヲ加ヘタノデアリマス、最モ新刑法ノ施行ニ伴ウテ必要
ノモノト認メマス、ソレカラ裁判所構成法施行條例中改正法律案、是モ刑法
及刑法施行法ノ實施ニ伴ウテ必要ヲ生ズルノデアリマス、現今北海道ノ三監
獄ニ於キマシテ、司獄官ガ輕罪事件ヲ便宜ノ手續ニ依ッテ處置シテ居リマシ
タガ、刑法施行法ノ結果トシテ輕罪ノ範圍ガ廣クナリマシタシ、且ツ事實カラ
申シテモ近年、司獄官ノ處置シタ數モ甚ダ少數デアルサウデアリマスソレ
故ニ斯ノ如キ便宜ノ方法ヲ廢シマシテ、當然普通ノ裁判手續ニ依ラシムル方
ガ宜シイト云フコトニ委員ニ於テ認メタ次第デゴザイマス、是等ノ案ハ從來
法律取調委員會ニ於テ愼重ナ審議ヲ遂ゲラレタモノダサウデゴザイマス、何
卒報告ノ通リ御決定ニナルコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=42
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043・尾崎三良
○男爵尾崎三良君 チヨット政府委員デモ特別委員デモ宜シウゴザイマスガ、
質問ヲ致シタイノデアリマスガ、此刑法ト云フモノハイツ施行ニナルノデア
リマセウカ、豫メ其邊ガ分ッテ居リマスレバ、ドウカ說明ヲ願ヒタイノデアリ
マス
〔政府委員河村讓三郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=43
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044・河村讓三郎
○政府委員(河村讓三郞君) 御答へ致シマスデゴザイマスガ、此期日ハマダ
確定ハ致シマセヌガ、成ルベク本年半バ七月頃ヨリ實施イタシタイ考ヲ
有ッテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=44
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045・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御發言モ無イト認メマスカラ、採決ヲ致シマ
ス、監獄法案ヲ第二讀會ニ移スベシトスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=45
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046・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=46
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047・黒田長成
○侯爵黑田長成君 直ニ第二讀會ヲ開カレムコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=47
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048・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成
〔其他「贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=48
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049・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 黑田侯爵ノ直ニ第二讀會ヲ開クト云フ動議ニ御異
存ゴザイマセヌカ
[「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=49
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050・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=50
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051・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ二讀會ヲ開キマス別ニ修正モゴザイマセヌカ
ラ全部ヲ問題ニ供シマス、朗讀ヲ省略イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=51
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052・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御發言モ無イト認メマスカラ採決ヲ致シマ
ス、全部特別委員ノ報告通リ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=52
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053・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ第二讀會ハ終リマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=53
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054・黒田長成
○侯爵黑田長成君 直ニ第三讀會ヲ開カレムコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=54
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055・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成
〔其他「贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=55
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056・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第三讀會ヲ開クト云フ黑田侯爵ノ動議ニ御異
存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=56
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057・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=57
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058・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第三讀會ヲ開キマス、二讀會ノ決議通リ御異
存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト叶フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=58
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059・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ本案ハ確定イタシマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=59
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060・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十、刑法施行法案、本案ヲ第二讀會ニ移
スベシトスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=60
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061・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=61
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062・黒田長成
○侯爵黑田長成君 直ニ第二讀會ヲ開カレムコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=62
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063・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成
〔其他「贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=63
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064・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第二讀會ヲ開クト云フ動議ニ御異存ゴザイマ
セヌカ
[「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=64
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065・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=65
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066・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第二讀會ヲ開キマス、全部ヲ問題ニ供シマス、
朗讀ヲ省略イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=66
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067・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 全部特別委員長ノ報告ヲ可トスル諸君ノ起立ヲ請
ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=67
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068・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス、是デ第二讀會ハ終リマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=68
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069・黒田長成
○侯爵黑田長成君 直ニ第三讀會ヲ開カレムコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=69
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070・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=70
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071・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第三讀會ヲ開イテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=71
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072・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=72
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073・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第三讀會ヲ開キマス、二讀會ノ決議通リ御異
存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=73
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074・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ本案ハ確定イタシマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=74
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075・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十一、印紙犯罪處罰法案、政府提出発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=75
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076・黒田長成
○侯爵黑田長成君 本案ハ簡單ナ案デゴザイマスカラシテ讀會ヲ省略シテ議
決セラレンコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=76
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077・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=77
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078・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=78
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079・南郷茂光
○南〓茂光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=79
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080・大田原一清
○子爵大田原一〓君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=80
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081・本荘壽巨
○子爵本莊壽巨君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=81
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082・廣澤金次郎
○伯爵廣澤金次郞君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=82
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083・中川興長
○男爵中川興長君 贊成
〔其他「贊成」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=83
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084・徳川家達
○議長(公爵徳川家達君) 黑田侯爵ノ讀會省略ノ動議ニハ成規ノ賛成者ガア
ッタト認メマス、讀會省略ヲ可トスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=84
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085・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 三分ノ二以上ト認メマス、原案特別委員長ノ報告
通リ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=85
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086・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ本案ハ確定イタシマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=86
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087・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十二、裁判所構成法中改正法律案、政府
提出発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=87
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088・黒田長成
○侯爵黑田長成君 是モ讀會ヲ省略サレムコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=88
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089・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=89
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090・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成
〔其他「贊成」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=90
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091・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 黑田侯爵ノ讀會省略ノ動議ニハ成規ノ贊成者ガア
ッタト認メマス、讀會省略ヲ可トスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=91
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092・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 三分ノ二以上ト認メマス、本案特別委員長ノ報告
通リ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=92
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093・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ本案ハ確定イタシマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=93
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094・徳川家達
○議長(公爵徳川家達君) 議事日程第十三、裁判所構成法施行條例中改正法
律案、政府提出発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=94
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095・黒田長成
○侯爵黑田長成君 讀會省略ノ動議ヲ提出イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=95
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096・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成
〔其他「賛成」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=96
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097・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 讀會省略ノ動議ニハ成規ノ贊成者ガアッタト認メ
やっ、讀會省略ヲ可トスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=97
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098・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 三分ノ二以上ト認メマス、本案、特別委員長ノ報〓
通リ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=98
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099・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ本案ハ確定イタシマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=99
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100・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十四ニ移リマス、日本大博覽會出品外
國貨物免稅ニ關スル法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長
報〓
日本大博覽會出品外國貨物免稅ニ關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
明治四十一年二月十八日
右特別委員長
伯爵松木宗隆
貴族院議長公爵德川家達殿
〔伯爵松木宗隆君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=100
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101・松木宗隆
○伯爵松木宗隆君 御報告申上ゲマス、本案ハ御覽ノ通リニ來ル四十五年ニ
開設ニナリマス博覽會ニ向ケマシテ、諸外國ヨリシテ賛同貨物ニ付キマシテ
ハ輸入稅竝ニ消費稅等ヲ免除セムトスルノ案デアリマシテ、委員會ニ於キマ
シテハ全會一致ヲ以テ可決ニ相成リマシタコトデゴザイマス、御承知ノ如ク
各國ニ於キマシテ博覽會ヲ開催イタシマスル場合ニハ、略〓本案ト同樣ナル
便宜ヲ贊同國ニ與ヘルノガ例ニナッテ居リマスルシ、且ツ政府委員ヨリ承ハ
リマシタル所ニ據リマスレバ、海外各國ニ向ヒマシテ、我國ノ最モ必要ト致シ
マスル〓育トカ學藝トカ機械トカ電氣及工業ノ五種類ニ付キマシテハ、殊ニ
博覽會ノ方デ陳列所ヲ拵ヘマシテ無料デ陳列ヲサセルト云フヤウナ便宜モ與
ヘマシテ、大ニ賛同出品ヲ奬勵シツツアルサウデゴザイマス、而シテ戰後ノ
今日トシテ博覽會ニ對シマスル評判ハ、各國政府及國民ハナカナカ熱心ニ贊
同ト同情トヲ表シテ吳レテ居ルサウデゴザイマス、但シ免稅ヲ原則ト致シマ
スルガ、卽賣品トカ若クハ販賣ノ約束ヲナシマシタ物品トカ或ハ營利ニ依ル
消費物等ニ付キマシテハ稅ヲ取ルノハ勿論ノコトデアリマス、又贊同諸國ノ
建築物及附屬物ニ付キマシテハ、閉會ノ後ニ於キマシテ多クハ寄附トカ交換
トカニ依ルノモ多イデアリマスルガ、或ハ賣却ノ場合ニモ矢張リ稅ハ課サナ
イノガ例トナッテ居ルサウデアリマス、依ッテ委員會ニ於キマシテハ是等各
國ノ事例ニ傚フト云フコトハ適當ナコトト認メマシテ、全會一致ヲ以テ可決
ニ相成リマシタコトデゴザイマス、此段御報告申上ゲマス、聞ク所ニ據リマ
スレバ、本案ガ帝國議會ニ提出サレマシタト云フコトハ最早各國へ傳ハッタ
サウデアリマス、依ッテ更ニ兩院ヲ通過シタト云フコトガ聞エマシタナラバ
一層ノ滿足ヲ以テ歡迎セラルルナラムト信ジマス、ドウカ我國ノ今日ノ場合、
最モ必要ト致シテ居リマスル殖產興業ノ上ニ於キマシテ大ナル貢獻ヲ與ヘム
トスル此博覽會ノ成功ハ我〓ハ非常ニ祈ッテ居ルノデアリマス、ドウカ滿場
ノ諸君ニ於テモ御賛成ヲ希望イタシマス、且ツ本案ハ申上ゲマシタル如ク極
ク簡單ナ案デアリマスルカラ同ク讀會ヲ省畧シテ直ニ確定サレムコトヲ希望
イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=101
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102・吉井幸藏
○伯爵吉井幸藏君 賛成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=102
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103・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=103
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104・田中芳男
○田中芳男君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=104
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105・大田原一清
○子爵大田原一〓君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=105
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106・廣澤金次郎
○伯爵廣澤金次郞君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=106
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107・寺島誠一郎
○伯爵寺島誠一郞君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=107
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108・萬里小路通房
○伯爵萬里小路通房君 贊成
〔其他「贊成」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=108
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109・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 松木伯爵ノ讀會省略ノ動議ニ定規ノ贊成者ガアッ
タト認メマス、讀會省略ヲ可トスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=109
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110・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 三分ノ二以上ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=110
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111・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 本案特別委員長ノ報告通リ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=111
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112・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、是デ本案ハ確定イタシマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=112
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113・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 本日ノ議事ハ是デ終リマシタ、御委託ニ相成リマ
シタ特別委員ノ氏名ヲ書記官長ヲシテ朗讀イタサセマス
〔太田書記官長朗讀〕
陸軍刑法案外一件特別委員
公爵二條基弘君男爵原田-道君男爵眞木長義君
子爵加納久宜君子爵樋口誠康君三好退藏君
男爵相浦紀道君男爵小澤武雄君男爵有地品之允君
男爵茨木惟昭君富井政章君一木喜德郞君
石渡敏一君高木豊三君磯邊包義君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=113
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114・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ明日ノ議事日程ヲ書記官長ヲシテ朗讀イタ
サセマス
〔太田書記官長朗讀〕
午前十時開議
第請願委員長報告
第二神社財產ニ關スル法律案(政府提出)第一讀會ノ續(報告)委員長
明治三十八年法律第十七號中改正法律委員長
第三案政府提出衆第一讀會ノ續(報告し
議院送付
第四酒造稅法中改正法律案(政府提出衆第一讀會ノ續(委員長
議院送付報告
酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律委員長
第五案大阪府左京市)第一讀會ノ續(報告し
飲食事
第六麥酒稅法中改正法律案(政府提出衆第一讀會ノ續(委員長
議院送付報告
第七砂糖消費稅法中改正法律案(政府提出衆第一讀會ノ續(委員長
議院送付報告
第八石油消費稅法案(政府提出衆第一讀會ノ續(委員長
議院送付報告
關稅定率法輸入稅表中改正法律案(越光の政府
第九衆議院第一讀會ノ續委員長
送付報告
第十鐵道速成ニ關スル請願會議
第十一利根川水害豫防工事速成ニ關スル請願會
第十二宮津福知山間鐵道急設ノ請願會
第十三小學校〓員俸給國庫支辨ニ關スル請願
議議議議議議
第十四大湊鐵道敷設ノ請願會會會
第十五新庄酒田間鐵道速成ノ請願
第十六新發田秋田間鐵道速成ノ請願
第十七畑地租免除ノ請願會會會議
第十八渡良瀨川水害救治ノ請願議
第十九利根川水害豫防工事速成ノ請願會議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=114
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115・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 今日ハ是デ散曾ヲ致シマス
午前十一時十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X00819080221&spkNum=115
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