1. 会議録本文
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000・会議録情報
會議
明治四十四年一月二十五日午前十時三十分開議
出席委員左の如し
園山勇君 有田源一郎君 伊東要藏君
佐野春五君 卜部喜太郎君 清水市太郎君
出席政府委員左の如し
大藏省主計局長 橋本圭三郎君 大藏書記官 西野元君
本日の會議に上りたる議案左の如し
明治四十一年法律第十一號中改正法律案
作業會計法中改正法律案
昨二十四日本委員東條良平君辭任に付き其補闕として議長は森國造君を指名せり
○委員長(園山勇君)は開會を宣告す
○政府委員(橋本圭三郎君)は造幣局の擴張工事は明治四十一年法律第十一號に依り明治四十一年度より四十三年度まての三箇年繼續事業として完成すへき筈なりしも、明治四十二年度に豫算の年度割を變更せしを以て、豫定の工事完成せさりしに依り、之を明治四十五年度まて繰延るの必要あり、是れ本案を提出せし所以なりと述ふ
○伊東要藏君は豫算年度割變更の結果、工事の計畫及造幣局の事業の進行に變更障害なかりしやと問ふ
○政府委員(橋本圭三郎君)は最初の計畫には瓦斯の製造をも爲す筈なりしも、民間の瓦斯會社より低廉なる供給を受け得るに至りし爲、之れか設備に要する豫算の減額を生したる外何等の變更障害なしと答ふ
○卜部喜太郎君は明治四十二年度に於て既定の計畫を變更したるに拘らす、何故に之れに伴ふ法律の改正を爲ささりしや、換言すれは變更後の豫算に對し其變更以前の法律を以て處理し來りし理由如何と問ふ
○政府委員(橋本圭三郎君)は四十一年度四十二年度四十三年度の此三箇年間に事業完成せさるときは、四十四年度まて繰延るも法律上差支なきを以て、若し四十三年度まてに事業完成せさるときは四十四年度に入るに當て法律を改正するも未た遲しとせすと信せし爲今日に至りし次第なり、依て今茲に之を提出して協贊を請ふ所以なりと答ふ
○卜部喜太郎君は元來豫算と法律とは相隨從すへき筈のものなり、從て豫算か變更せらるれは法律も亦同時に變更せさる可らさるものと信す、政府の所見如何と問ふ
○政府委員(橋本圭三郎君)は法律案は最極限を示したるのみにて年度割を規定せさるにより年度割を變更したる爲め直に法律の改正を爲ざさるは甚た不都合なりとは信せさるも、繰延へと同時に法律の改正を爲さは何等議論の餘地なく而して處置としては穩當なるものなりと信すと答ふ
○委員長(園山勇君)は明治四十一年法律第十一號中改正法律案に付ては質問盡きたるを認め作業會計法中改正法律案の質問に移る旨を宣告す
○政府委員(橋本圭三郎君)は本案の要旨は從來三十七万圓なりし印刷局の運轉資本を十万圓増加し四十七万圓とするに在り、其理由は印紙、債券、帝國議會の印刷物等逐年増加し來り從來の運轉資本にては不足を生し作業上甚た困難を感するか故なりと述ふ
○清水市太郎君は増加額を十万圓とせしは如何なる理由なりや、而して又三十七万圓の資本なるに拘らす四十七万圓を運轉せし實例あるは如何なる理由なりや、斯の如き場合には借入金を以て爲すにやと問ふ
○政府委員(西野元君)は第一問の場合は財政上の關係より十万圓に止めたる次第にて他に理由あるにあらす、又第二問の場合は借入を爲すに非す、作業上の益金を使用するか爲めなりと答ふ
○委員長(園山勇君)は質問終了と認め散會を宣告す
于時午前十一時三十分発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002713388X00219110125&spkNum=0
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