1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
小切手法案
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委員氏名
委員長 侯爵 中御門經恭君
副委員長 山岡萬之助君
子爵 秋月種英君
子爵 岡部長景君
男爵 渡邊修二君
渡邊千代三郎君
岸清一君
野村徳七君
山上岩二君
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昭和八年一月二十七日（金曜日）午前十時八分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=0
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001・中御門經恭
○委員長(侯爵中御門經恭君) ソレデハ是
ヨリ小切手法案ノ特別委員會ヲ開會イタシ
やく、先ヅ最初ニ政府ノ方ヨリ御說明ヲ願
ヒタイト存ジマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=1
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002・小山松吉
○國務大臣(小山松吉君) 小切手法案提出
理由ノ大體ニ付キマシテハ、本會議ニ於テ
御說明ヲ申上ゲタノデアリマスルガ、尙ホ
之ヲ敷衍イタシテ少シク御說明ヲ申上ゲマ
ス、小切手ノ制度ハ爲替手形及約束手形ノ
制度ニ比シマスレバ、其發達ノ日ハ尙ホ淺
イノデアリマスガ、各國ニ於ケル法制上竝
ニ慣行上ノ差異ハ頗ル多岐ニ亙ッテ居ルモ
ノガアリマシテ、是ガ法規統一ノ事業ノ困
難デアリマスルコトハ、十分豫想セラレル
所デアリマスケレドモ、其差異ヨリ生ズル
實際上ノ不便ヲ除キマシテ、國際通商關係
ヲ一層確實敏速ナラシメマスルコトハ最モ
必要デアリマスルカラ、小切手法規ノ統一
ト手形法規ノ統一トハ相前後シテ企テラレ
マシテ、明治四十五年和蘭ノ海牙ニ開カレ
マシタ手形法規統一第二囘萬國會議ニ於
テ、小切手法規統一ニ關スル三十箇條ヨリ
成ル決議ガ成立イタシマシタ、之ニ基キマ
シテ統一法ヲ制定スル條約ノ爲ニ、更ニ萬
國會議ガ開催セラルベキ筈デアリマシタ所
ガ、大正三年ノ世界大戰ノ勃發ニ依リマシ
テ、斯カル會議ノ開催ハ不可能トナッタ譯
デアリマス、併ナガラ同事業ハ國際通商關
係ヲ圓滑ナラシメマスル爲メ必要ナ事業
デゴザイマスルカラ、大戰終了後手形法
規統一事業ト共ニ、國際聯盟經濟委員會ニ
依ッテ續行セラレマシテ、其準備ノ成ルノヲ
俟チマシテ、昭和五年五月ヨリ六月ニ亙リ
瑞西ノ「ジユネーヴ」ニ於テ、手形及小切手
ニ關スル法律統一ノ爲メノ國際會議ガ開カ
レマシタ所、同會議ニ於テハ會期等ノ都合
上、爲替手形及約束手形ニ關スル條約ノ成
立ヲ見タノミデアリマシテ、小切手ニ關ス
ル部分ノ審議ハ翌年ニ延期セラレタノデア
リマス、而シテ翌昭和六年二月ヨリ三月ニ
亙リマシテ、右會議ノ第二囘ノ會議ガ「ジ
ユネーヴ」ニ開カレマシテ、我國ヲ初メ英
國、獨逸、佛蘭西、伊太利等三十箇國之ニ
參加イタシマシテ、第一囘ノ會議ノ場合ノ
如ク、一、小切手ニ關シ統一法ヲ制定ス
ル條約、二、小切手ニ關シ法律ノ或牴觸ヲ
解決スル條約及ビ、三、小切手ニ付テノ印
紙法ニ關スル條約ノ三ツノ條約ガ成立イタ
シタノデアリマス、此中統一法制定條約ハ、
各締約國ハ條約附屬書デアリマスル小切手
統一法ヲ自國ノ國語ニ依ッテ各自ノ領域ニ
施行スルコトヲ約スルモノデアリマスカ
ラ、締約國タルガ爲ニハ自國語ニ依ル小切
手統一法ヲ國內法トシテ有スル必要ガアル
ノデアリマス、而モ右小切手統一法ハ、前
囘ノ會議ノ手形法規ト極メテ密接ナル聯絡
調和ヲ保チ制定セラレタモノデアリマシテ、
大體ノ骨子ハ多年各國ノ學者、實際家ノ間
ニ於テ〓究ヲ重ネラレ來ッタル、海牙小切手
統一規則ヲ踏襲シタモノニ係リマシテ、之ヲ
現行商法ノ規定ニ比較シマスルノニ、實際上及
理論上優レタル點ガ少クナイバカリデナク、
手形統一法ニ基ク手形法ガ、御承知ノ如ク
第六十二囘帝國議會ノ協贊ヲ經テ、旣ニ公
布セラレテ居リマスル今日ニ於キマシテハ、
是トノ法制上ノ調和ヨリ見マシテモ、今囘
ノ小切手統一法ニ基ク小切手法規ヲ有スベ
キコトハ當然デアラウト思フノデアリマス、
而シテ政府ガ現下商法改正要綱ヲ諮問中デ
アリマスル法制審議會ニ於キマシテモ、商
法第四編中小切手ニ關スル規定ニ付テハ、
小切手統一法ノ如ク改正スルヲ相當ト認ム
ル旨ノ決議ヲ於シマシテ、其旨政府ニ答申
セラレタノデアリマス、依テ政府ハ司法省
內ニ委員會ヲ設ケマシテ、愼重ニ調査審議
ノ結果、小切手法案ノ成案ヲ得タル次第デ
ゴザイマスルガ、本法案ハ現行商法第四編
第四章ノ規定ニ代ルベキモノデアリマシテ、
其內容ヲ申上ゲマスレバ、第一章乃至第十
一章及附則ヨリ成リマシテ、其中第一章乃
至第十章ガ小切手統一法ノ飜譯ノ部分デア
リマシテ、唯條約第二附屬書ニ揭ゲタ條項
ヲ利用イタシマシテ、之ニ幾何ノ變更ヲ加
ヘタル點ガアリマス、其主ナルモノハ統一
法ニ於テハ線引小切手ノ外ニ計算小切手ナ
ルモノヲ認メテ居リマス、ケレドモ、本法
案ニ於テハ計算小切手ヲ認メナカッタコト、
及ビ小切手ノ呈示期間ニ變更ヲ加ヘタルコ
ト等デアリマス、第十一章ハ支拂保證ニ關
スル規定デアリマシテ、是亦條約第二附屬
書ニ於テ、各國ニ立法ノ自由ヲ容認セラレ
タル所デアリマシテ、現在我國ニ於ケル小
切手取引ノ慣行ヲ參酌シテ、其法律關係ヲ
明確ニシタノデアリマス、附則ハ本法施行
ノ爲メ必要ナル幾何ノ規定及ビ右ニ述ベマ
シタル小切手ニ關シ、法律ノ或抵觸ヲ解決
スル爲メノ條約ニ基ク國際的私法的規定ヨ
リ成ルモノデアリマス、本法案ト現行商法
中ノ小切手ノ規定トノ差異ヲ見マスルノニ、
本法案ハ現行法ヨリ殆ド總テ優レテ居ル
モノガアルノデアリマス、其主要ナルモノヲ擧
ゲテ見マスルト、一、右述ベタル如キ支拂保
證ニ關スル規定ヲ設ケタルコト、二、小切
手ノ支拂人タリ得ベキ者ヲ銀行又ハ法令ニ
依リテ之ト同視セラルル人又ハ施設ニ限リ
タルコト、三、小切手ニ付テモ、小切手上
ノ效力ヲ有スル保證ヲ認メタルコト、四、
先、日付小切手ハ振出日付トシテ記載セラ
レタル日ヨリ前ニ支拂ノ爲メ呈示セラレタ
ル時ト雖モ、其呈示ノ日ニ支拂フベキモノ
ト爲シタルコト、五、振出地ト支拂地トガ
同一洲ニアル小切手ノ呈示期間ヲ二十日、
振出地ト支拂地トガ異ナル小切手ノ呈示期
間ヲ七十日ト爲シ、又朝鮮臺灣等ノ海外領
土等ニ於テ振出シ、日本內地ニ於テ支拂フ
ベキ小切手ノ呈示期間ヲ勅令ヲ以テ伸長シ
得ルモノト爲シタルコト、六、不可抗力ノ
場合ニ遡求權保全行爲ノ爲メノ期間ノ伸長
ヲ認メタルコト、七、償還請求權ノ消滅時
效期間ヲ總テ六月ト爲シタルコト等デアリ
マス其他詳細ニ付テハ政府委員
ヨリ御質問ニ應ジ御答ヘ申上ゲマス、
今述ベマシタ各條約ニハ各國ノ批准シ得ベ
キ時期ヲ本年八月三十一日迄ト定メラレテ
アリマシテ、且ツ條約ノ效力發生條件ハ總
テ手形法ニ關スル條約ト同樣デアリマスル
カラ、國際聯盟常任理事國タル我國ハ、小
切手法規統一ノ事業ニ國際的ニ協力スル上
ニ於キマシテモ、重要ナル地位ニアルノデ
アリマス、之ニ協力イタシマスルコトハ寧
ロ現行法規ノ改善トモナルノデアリマスル
カラ、本委員會ニ於テモ、愼重御審議ノ上
御可決アラムコトヲ希望イタシマス、尙ホ
此際一言申上ゲテ置キマスルコトハ、手形
法ノ施行ニ關スル件デアリマス、同法施行ノ
期日ハ手形ニ關スル條約ガ效力ヲ發生スル
日ト一致セシメタキコトハ、既ニ前々囘ノ議
會ニ於テ申述ベテ置イタ所デゴザイマスガ、
其後ノ調査ニ依リマスルト、批准期限デ
アリマシタ昨昭和七年八月三十一日迄ニ批
准書ノ寄託ヲ終リマシタノハ、我國ヲ初メ
伊太利、墺地利、瑞西、白耳義、和蘭、丁抹、瑞
典、威諾、希臘、芬蘭ノ十一箇國デアリマスル
ケレドモ、其中聯盟常任理事國ハ我國及伊太
利ノ二國ノミデアリマシテ、國ノ數ニ於テ
ハ七箇國ヲ超エテ居リマスニ拘ラズ、尙ホ聯
盟常任理事國三國ヲ包含スルコトヲ要スト
ノ條約效力發生ノ條件ハ滿タサレテ居ナイ
譯デアリマス、外ニ佛蘭西、獨逸何レカ一
國ノ加入ヲ必要トスル次第デアリマス、然
ルニ兩國トモ別段國內ニ實質的ノ法案ニ對
スル反對ハナイ樣子デアリマシテ、唯御承
知ノ通リ數次ノ議會解散又ハ内閣更迭ト云
フヤウナ爲ニ、條約批准法案ガ何レモ未ダ
其國ノ議會ヲ通過シナイ趣デアリマス、我
國ハ佛獨兩國政府ニ對シテ之ガ促進方ヲ申
出テアル次第デアリマス、未ダニ手形法案
施行ノ期日ヲ豫測シ得ナイノヲ頗ル遺憾ト
シテ居ル次第デアリマス、之ヲ以テ御說明
ヲ終リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=2
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003・中御門經恭
○委員長(侯爵中御門經恭君) 御質問ガゴ
ザイマシタラ、ドウゾ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=3
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004・山岡萬之助
○山岡萬之助君 唯今ノ御說明ニ牽連イタ
シテ、此差異ノアル所ノ御說明又ハ優レタ點
ノアルト云フ御話デアリマシテ、差異ノ點
ハ數點御擧ゲニナリマシタガ、此事ニ付テ
差異ノ點カラ出ヅル現行法ト如何ナル意味
ニ於テ其利益ガアルカ、卽チ利害得失ヲ値
打ノ上カラ、其差異ノ働キヲスルト云フ御
說明ヲ願ッテ、且ツ矢張リ現行法ト云フモ
ノガ既ニアッテ、今日一般ニ小切手ハ何處デ
モ使ハレテ居ル、ソレニ基イテ、其差異及
ビ其差異ノ依ッテ來タル働キノ優サル、或ハ
害ガアルト云フ、ソレ等ヲ大體此際御說明
ヲ願ッテ置キタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=4
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005・長島毅
○政府委員(長島毅君) 差異ハ相當澤山ア
リマスケレドモ、其主ナルモノダケニ付テ
申上ゲタイト思ヒマス、第一ハ小切手ハ銀
行カ又ハ銀行ト同視セラレル施設ニ宛テテ
ノミ振出サレル、其他ノ人ニ對シテハ振出
サレナイ、斯ウ云フコトニナッテ居リマス、
無論銀行デナイモノニ振出シマシテモ小切
手ハ無效ニナリマセヌガ、其違反ニ付テハ
制裁ガアルコトニナッテ居リマス、是ハ法律ト
シテハ現行法ト違ッテ居ル所デアリマスガ、
御承知ノ如クニ現在ノ取引ノ現狀ニ於キマ
シテハ、個人ガ支拂人ニナッテ居ル小切手
ト云フモノハ別物ノヤウデアリマスカラ、
實際ニ於テハ大シタ相違モナイト思ヒマス
ケレドモ、斯ウ云フ規定ヲ置キマシタ方ガ
完全デアリマスルシ、又個人ヲ支拂人トス
ルヤウナ小切手ヲ認メナイコトガ宜カラ
ウ、萬一サウ云フ場合ガ起ッタ時ニハ、ソレ
ヲ禁ズル方ガ宜イト云フノデアリマス、其
次ニハ小切手ヲ第三者方デ拂フコトガ出來
ルヤウニ致シタノデアリマス、前ニ申シマ
シタヤウニ、小切手ハ銀行デ支拂フノデア
リマスカラ、若シ其支拂銀行ニ支店等ノ無
イ場合ニハ不便ヲ感ジマス、ソコデ其銀行
ノ支店ノ無イヤウナ土地ニ、其支拂銀行ノ取
引先デモアリマスレバ、サウ云フ取引先ノ
銀行ヲ支拂場所ニシマスト非常ニ便利デア
リマシテ、小切手ノ融通ノ上ニ都合ガ好ク
ナルコトト思ヒマス、其外代理權ノ無イ者
ガ、或ハ代理權ヲ踰越シタ者ガ小切手ヲ振
出シタヤウナ場合ニ、今度ノ小切手法ハ責
任ガアルト云フヤウナコトヲ書イテ居リマ
スガ、是ハ御承知ノ通リ解釋ハ同ジコトニ
ナッテ居リマス、併シ規定ハ缺ケテ居リマス
カラ、矢張リ規定ガアル方ガ宜イコトト思
ヒマス、ソレカラ白地小切手、詰リ空欄デ
小切手ヲ渡シマシテ、之ヲ後日補充ヲ委セ
ル意味デ小切手ヲ出シマシタ時ニ、其補充
ヲ委セラレタ者ガ、權限ヲ越エテ補充ヲ委
サレタ時ノ規定デアリマス、是モ我ガ商法
ノ解釋トシテハ殆ド今度ノ小切手法ト解釋
ハ同ジニナッテ居リマスケレドモ、矢張リ此
規定ガアル方ガ非常ニ完全ダト存ジマス
ガ、結局今迄ノ規定ノ不備ヲ完全ニシタコ
トニナルノデアリマス、ソレカラ是ハ果シ
テ長所カドウカ存ジマセヌガ、持參人拂ノ
小切手ノ裏書ヲ致シマスト、其裏書ヲ致シ
タ者ハ償還ノ義務ヲ負フコトニナッテ居リ
ママ、現在デハサウ云フコトニナッテ居リ
マセヌ、唯現在ニ於キマシテハ其小切手ガ
或銀行ヲ通過イタシマスト、多クハ其銀行
ノ判ヲ押捺スルヤウデアリマスガ······捺ス
ヤウデアリマスガ、併シ是ハ裏書ニハナリ
マセヌカラ、唯其銀行ノ判ヲ押捺スルダケ
デハ無論償還ノ義務ハ負ヒマセヌ、デアリ
マスカラ商習慣ニハ觸レナイ規定デアリマ
ス、サウデアリマセヌデ、其持參人拂ノ小
切手ニ本當ノ裏書ヲシタコトニナルト云フ
コトニナリマスト、償還ノ義務ハ負フコト
ニナッテ居リマス、裏書小切手ノ信用ヲ詰リ
厚カラシメルト云フ意味ニ於テ、却テ斯ウ云
フ規定ヲ設ケタ方ガ宜イノデハナイカト云
フ風ニ考ヘテ居リマス、ソレカラ小切手ニ
モ手形ト同ジヤウニ保證ヲ認メタ點デアリ
やっ、是ハ後ニ申上ゲマスガ、支拂保證ト
ハ違ヒマシテ、詰リ本當ノ手形行爲上ノ保
證デアリマスガ、現行法デハ小切手ニハ保
證ヲ認メテ居リマセヌ、恐クハ小切手ハ支
拂證劵デアリマシテ、餘リ長イ期間融通
シナイト云フ豫期ノ下ニ出來タモノト
思ヒマスガ、支拂證劵タルガ故ニ、保證
ヲ認メナイト云フコトハナイ、却テ矢張リ
是ハ手形ト同ジク保證ヲ認メマシタ方ガ、
小切手ノ融通ニ非常ニ都合ガ宜シク、是
等モ矢張リ優ッタ點ダト思ヒマス、ソレカ
ラ次ニハ先日付ノコトデアリマスガ、御承
知ノ如クニ現在ニ於キマシテハ振出ノ日付
ヲ先ニ致シマシテ、詰リ此小切手ノ呈示期
間ガ決ッテ居リマスノデ、ソレヲ避ケル意
味ニ於キマシテ、振出ノ日付ヲ先ニ致シマ
シテ、サウシテ呈示期間ヲ幾ラカ延バスト
云フ規定ヲ設ケタ次第デアリマス、此場
合ニ其先ニ致シマシタ振出ノ日付ヨリ前ニ
呈示サレマシタ場合ニ、例ヘバ二月ノ二日
ナラ二日ト云フ日付デ小切手ヲ出シテ居リ
マスト、其日付ヨリ前ニ呈示ヲサレタ時ニ
ハ拂ハナイト云フ習慣ニナッテ居リマスガ、
是ハ實ハ小切手ノ信用ノ上カラ言フト甚ダ
好マシクナイノデアリマシテ、小切手ヲ出
シテ置キナガラ、而モ是ガ一種ノ呈示期間
ヲ增スダケノ意味デ出來テ居リマスカラ、
取引上現在ノヤウナ慣習ニナッテシマヘバ
差支ノナイヤウナモノデアリマスガ、一體小
切手ノ眞實ト云フコトカラ、實際眞實ト云
フコトカラ言ヘバ好マシクナイ、ソレデ今
度ノ小切手法ハ先日付ノ小切手ガ出マシタ
場合ニ、無論其場合ニ其小切手ハ無效デハ
アリマセヌガ、併ナガラ其日付ヨリ前ニ其
支拂ヲ求メラレテモソレヲ拂ハナケレバナ
ラヌ、詰リ小切手ヲ振出シタ以上ハ支拂ヲ
拒ムコトハ出來ナイト云フコトニ致シマシ
テ、是等モ大イニ小切手ノ信用ヲ增ス規定
ダト思ヒマス、ソレカラ其次ニハ小切手呈
示期間ノコトデアリマスガ、此呈示期間ヲ
振出地ト支拂地ノ距離、交通等ノ關係カラ
色ミト時日モ違ヒマシテ、相當此振出地ト支
拂地ガ隔ッテ居ル場合ニハ、長イ呈示期間ヲ
定メテ置クコトハ非常ニ實際ニ適當シテ居
ル宜イ規定ダト思ヒマス、ソレカラ線引小
切手ニ付テハ色ミ細カイ規定ガゴザイマス
ガ、是モ大體ニ於テ現行ノ習慣ニ基イテ居
リマスガ、尙ホソレ以上線引小切手ニ付テノ
規定ガ大變良クナッタヤウニ思ッテ居リマス、
ソレカラ小切手ノ複本ヲ認メマシテ、隨
分此小切手モ遠方デ支拂フヤウナコトモゴ
ザイマスカラ、サウ云フ場合ニ付テ紛失等
ノ虞ニ備ヘル爲ニ、複本ヲ認メテ居マスコ
トハ、是モ實際ニ適當シタコトト思ヒマ
ス、ソレカラ是ハ條約トハ關係ガナイコ
トデアリマス、今度作リマシタ小切手法ニ
依リマシテハ、支拂保證ノ規定ヲ新タニ設
ケタノデアリマス、條約上ニ於テハ唯附屬書
ヲ置イテ支拂保證ノ規定ヲ設ケルコトガ出
來ルト云フコトニナッテ居ルダケデ、條約
上ニハ何ニモ別段支拂保證ノ規定ハゴザイ
マセヌ、條約ニ於テハ各國ハ支拂保證ノ規
定ヲ設ケラレルト云フコトガアリマスノ
デ、ソレニ基イテ銀行家、實業家方面ノ希
望ニ基イテ小切手ノ支拂保證ノ規定ヲ設ケ
タノデアリマス、御承知ノ如クニ此支拂保
證ハ現在ノ殆ド商習慣ニ於テ既ニ認メラレ
テ居ル所デアリマスカラ、其商習慣ヲ法律
化シマシテ、卽チ從來ノ商習慣ヲ法律ニ致
シマシテ、其間ノ法律關係ヲ明瞭ニナラシ
メマシテ、是等モ實業家カラノ要望ニ基イ
タモノデ、從來ノ法制カラ見レバ一ツノ進
化ダト思ヒマス、尙ホ稍、困ルト思ヒマス
ノハ、例ヘバ此小切手ニハ振出地ノ記載ヲ
要スルト云フコトニナッテ居リマスガ、今
迄ノ日本ノ商法デハ振出地ハ要項ニハナッ
テ居リマセヌ、振出地ヲ要件ト致シマシタ
ノハ準據法ガ振出地デ決マル場合ガ相當ア
ル、何處ガ振出地カト云フコトヲ見ルノ
ハ、一應手形ノ記載ニ依ルコトニナリマス
カラ、ドウモ此國際私法ノ關係カラ見マス
ト、振出地ヲ書クノガドウシテモ必要ノヤ
ウニ思ハレルノデアリマス、今迄ハ振出地
ト云フモノハ書イテ居リマセヌカラ、
此點ハ不便ト言ヘバ不便デアリマスガ、御
承知ノ如クニ小切手ノ如キハ皆印刷ヲ以テ
通用ヲ致シマシテ、實際ニ於キマシテハ筆
デ書イタモノハ殆ド是ハ融通イタシマセ
ヌ、印刷デヤルト云フコトニナレバ、振出
地ノ所ヲ印刷ニシテ置ケバ是ハ別段間違ヒ
アリマセヌノデ、ソレデ宜カラウト思ヒマ
ス、尙ホ本法ガ施行ニナリマシテモ、六箇
月間ダケハ從前ノ規定ニ依ル小切手ガ通用
スル次第デアリマス、是ガ大體此法規ノ長
所デアリマス、尙ホ是ハ手形ノ時ニモ申上
ゲタコトデアリマスガ、申ス迄モナイコト
デアリマスケレドモ此手形デアリマスガ、
此法規ガ世界的ニ統一サレテ全然同ジ條文
デ、全世界ニ同ジ條文デ是ガ出來ルヤウニ
ナレバ、取引上非常ニ便利デアリマス、遺
憾ナコトニハ英國ト米國トガ入ッテ居リマ
セヌ、是ハ今申上ゲマシタヤウニ、英國ハ
慣習法デ適當ニヤッテ居リマス國デアリマ
シテ、慣例ニ基イテ法律ガ出來テ居ル、法律カ
ラ先ニ行カナイデ、慣習カラ先ニ行クト云
フコトデアリマスカラ、統一法ト云フモノ
ハ初メニ決メルコトハ困難デアリマス、亞
米利加モ亦最近漸ク各州ノ法律ガ統一ガ出
來タバカリデアリマシテ、ソレ等ノ關係カ
ラ是モ入ッテ居リマセヌ、併ナガラ此法律自
身ガ餘程英米法ニ近イサウデアリマス、其
近イト云フ點ハ、私ハマダ〓究シテ居リマ
セヌガ、近イト云フコトデアリマス、セメ
テモ是ダケデモ改メテ、少クトモ外ノ國ト
法律ガ統一サレマスレバ、追〓英米ヲソレ
ニ引込ムト云フコトモ出來マスシ、又英米
法ニ此法律ガ近イモノデアリマスカラ、其
點ニ於テモ便利カト思ヒマス、尙ホ此法律
ハ準用ノ制度ヲ止メマシテ、小切手ト云フ
モノヲ全部手形法ト同ジヤウニ書直シテ居
リマス、ソレデ準用カラ生ズル疑義ガナク
シテ、適用上取引上甚ダ便益ガ多イコトト
考ヘルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=5
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006・山岡萬之助
○山岡萬之助君 私今日伺ヒマスコトハ此
程度デアリマシテ、又機會ヲ見マシテ伺ヒ
タイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=6
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007・中御門經恭
○委員長(侯爵中御門經恭君) 外ニ御質問
ゴザイマセヌデセウカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=7
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008・岸清一
○岸〓一君 小切手法案ニ付テ法制審議會
デ可決ヲ致シマシタノニ、此處ニ今政府委
員ノ御說明ノ通リ支拂保證ト云フ一章ト殆
ド同ジモノヲ書イテ、全八十一條カラ成ル
小切手法ガ出來タト云フコトデアリマスガ、
此附則ノ中ニアリマスル七十二條以下ノ規
定ハ相當ニ實體法ニ關スル規定ガ大分ア
ルヤウデアリマス、是ハ此小切手統一法ト
ハ全ク牴觸トカ矛盾トカスルコトハナイノ
デゴザイマセウカ、チヨット伺ヒタイト思
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=8
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009・長島毅
○政府委員(長島毅君) 附則ノ或モノハ、
施行期日六十三條六十四條ハ別デゴザイマ
スガ、此六十五條モ別ト言ヘバ是モ別ト思
ヒマスガ
〔岸〓一君「七十二條以下」ト述ブ〕
ソレ迄ノ間ノ、大體第二附屬書ノ留保ニ基
キマシテ出來テ居リマス、ソレカラシテ七
十二條、七十三條、七十四條、七十五條等
ハ、皆此第二附屬書ニゴザイマス留保ヲ
用ヒマシテ、詰リ統一法ノ或部分ニ付テハ
違ッタ規定ガ出來ト云フコト、或ハ統一法
ノ或部分ニ付テハ、時效的ノ規定ガ設ケラ
レルト云フヤウナ留保ガゴバイマスノデ、
留保ニ基キマシテ出來テ居リマス、七十六
條以下ハ是ハ御承知ノ通リ、尙ホ此小切
手統一條約ト同時ニ締結イタサレマシテ、小
切手法ノ牴觸ヲ避ケル、詰リ國際私法的ノ
條約ガゴザイマシテ、ソレニ基イテ作ッタ
モノデアリマス、尙ホ併シ······チョット條
文ノ順序カラ大體サウ云フコトニナリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=9
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010・岸清一
○岸〓一君 小サイコトデアリマスルガ、
七十五條ノ休日ト云フモノノ中ニ、祝日ト云フ
日トソレカラ「其ノ他ノ一般ノ休日」ト書イテ
アリマス、是ハドウ云フ譯デアリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=10
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011・長島毅
○政府委員(長島毅君) 是ハ前ノ手形法ニ
モアリマシテ祭日、此規定ハ大變ムツカシ
イノデ、確カ祝祭日ト云フノハ勅令デ以テ
出テ居リマス、一般役所ノ休日トシテ······
ソコデ此問題ハ昭和二年三月四日勅令第二
十五號、休日ニ關スル件ト云フ勅令ガ出テ
居リマシテ、ソレニマア今ノ元始祭、新年
宴會、紀元節、神武天皇祭、天長節、神嘗
祭、明治節、新嘗祭、大正天皇祭、春季皇
靈祭、秋季皇靈祭ト云フ風ニ這入ッテ居リ
マスガ、ソレガ祭日、祝日デアリマス、其
他ニ日曜日、ソレカラマア一月一日ヤ一
月二日ハ、勅令ニアリマセヌケレドモソ
レ等モ矢張リ一般ノ休日ニ入レテ居リマ
ス、御承知ノ通リ一般ノ休日ト云フノハ何
ニ當ルカト云フコトハ能ク分リマセヌデス
ガ、是ハ他ノ法規ナドモ大體斯ウ云フ風ニ
ナッテ居リマスノデ、疑ヒノナイノハ此程
度デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=11
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012・岸清一
○岸〓一君 祭日ト祝日ノ間ニハドウ云フ
違ヒガアリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=12
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013・長島毅
○政府委員(長島毅君) ドウモ是ハ大體、
今申シタノハ祭日祝日ト云ッテ居リマスガ、
ドウモ勅令ニ休日トアリマスダケデ、詰リ
ソレ等ヲ祝祭日ニ入レテ居ル譯デアリマス
ガ、大體ノ考トシテハ銀行ノ休ミニナル時
ニハ矢張リ是ハ休ミト見テ宜カラウト思ッ
テ居リマス、卽チコチラデハゴザイマセヌ
ガ、御承知ノ通リニ銀行ノ「バンク·ホリ
デー」ト云フノガ矢張リ之ニ當リマス、內
地デハ或地方ノオ祭ニハ銀行ガ休ムコトガ
アリマス、デスカラサウ云フ時ハ矢張リ之
ニ這入リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=13
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014・岸清一
○岸〓一君 一般ト云フノハ日本國中ト云
フ意味デスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=14
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015・長島毅
○政府委員(長島毅君) 地方ニ關スル限リ
ニ於テ休日ト云フ意味デス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=15
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016・岸清一
○岸清一君 漠然トシテ居リマスナ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=16
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017・長島毅
○政府委員(長島毅君) ドウモ書キヤウガ
ナイノデス、民訴ヤ何カデモ斯ウ云フ風ニ
ナッテ居リマシテ、刑訴ハ一月一日カラ確
カ入レテ居リマス、民訴ハ入レテアリマセ
ヌガ·発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=17
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018・中御門經恭
○委員長(侯爵中御門經恭君) 他ニ御質問
ハゴザイマセヌデセウカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=18
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019・秋月種英
○子爵秋月種英君 チヨット御尋ネ致シマ
ス、此渡リマシテ條約ノ原文ヲ貰ッタノデ
スガ、此前手形法案ノ時ニハ我〓御願ヒ
シテ譯文ヲ頂戴シテアリマスガ、アリマス
ナラバソレヲ戴キタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=19
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020・長島毅
○政府委員(長島毅君) 外務省ト交涉中デ
アリマスガ、外務省ノ方ノ印刷ガ未ダ出來テ
居リマセヌ、イヤ、モウソロ〓〓出來タカ
モ知レマセヌガ、樞密院デ下審査ヲシテ戴
イテ居ッタ關係上、譯文ガチヨット間ニ合
ヒマセヌモノデスカラ、併シ今交渉中デア
リマスカラ、出來マシタナラバ御配付申上
ゲタイト思ヒマス、併シ是ハ實ハ表向キノ
モノデハアリマセヌ、樞密院ヲ通ルマデハ
絕對秘密ナンデアリマスガ、併シ前例ニ依
リマシテ御配リヲ致シタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=20
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021・山岡萬之助
○山岡萬之助君 今マデ此案ガ出來マス間
ニ於テ、色ミノ材料ガアッタラウト思ヒマ
ス、ソレ等ノ材料デ提出出來得マスモノヲ
委員會ニ御提出ヲ願ッテ審議ノ材
料ト致シタイト存ジマス政府ニ
ソレダケ希望ヲ申上ゲテ置キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=21
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022・長島毅
○政府委員(長島毅君) 交換所ヤ何カデ多
少意見ヲ聽イタノガアリマスカラ、ソレヲ
何レ刷ッテ差上ゲルコトニ致シタイト思ヒ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=22
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023・秋月種英
○子爵秋月種英君 私チヨット御諮リ致シ
タイト思ッテ居リマス、此前ノ手形法案ノ場
合ニモ私共委員ノ末席ヲ汚シテ居ッタノデ
アリマス、其際委員會ノ審議ノ上ニ於キマ
シテ色ミ議論ガ出マシテ、既ニ條約ガ出來
テ、其條約ノ譯文其儘デアルトカ、何等手
ヲ著ケル譯ニ行カヌトカ、マア色ミナ議論
ガ出マシテ、委員會モ審査ノシヤウガナイ
ト云フヤウナ風ニナッテ濟ミマシタノデス
ガ、此小切手法案モ同樣ナコトニナリハセ
ヌカト思フノデアリマスカラ、此審査ヲ致
シマス方法ト言ヒマスカ、豫メ御決メニナッ
テ、ソレデ我ミガ其方法ニ從ッテ審議ヲ進メ
テ行クト云フヤウニシタ方ガ早ク濟ミハセ
ヌ思ヒマス、一言御諮リヲ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=23
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024・中御門經恭
○委員長(侯爵中御門經恭君) 如何デゴ
ザイマセウカ、山岡君、秋月君カラモ參考
書ヲ政府側カラ御提出ヲ御要求ニナリマ
シタシ、條文モ可ナリゴザイマスヤウデス
カラ、本日ハ此程度デ止メテ置キマシテ、
政府ノ方カラ成ルベク早ク參考書ヲ出來ル
ダケ御出シヲ願ヲテ、皆サンガ御讀ミニナリ
得ル期間ヲ置イテ再開イタシマシタナラ
バ如何カト思ヒマス、御異議アリマセヌ
デシタラ今日ハ是デ···
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=24
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025・中御門經恭
○委員長(侯爵中御門經恭君) 是デ散會イ
タシマス
午前十時五十二分散會
出席者左ノ如シ
委員長侯爵中御門經恭君
副委員長山岡萬之助君
委員
子爵秋月種英君
子爵岡部長景君
男爵渡邊修二君
岸〓一君
山上岩二君
國務大臣
司法大臣小山松吉君
政府委員
司法政務次官八並武治君
司法參與官岩本武助君
司法省民事局長長島毅君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006401665X00119330127&spkNum=25
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