1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
裁判所構成法中改正法律案
大正十年法律第百二號中改正法律案
刑事訴訟法中改正法律案
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委員氏名
委員長 侯爵 小村捷治君
副委員長 子爵 秋田重季君
子爵 豐岡圭資君
松井茂君
山川端夫君
男爵 有地藤三郎君
男爵 周布兼道君
小坂順造君
下出民義君
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昭和十二年七月二十九日(木曜日)午前十時十四分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=0
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001・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 是ヨリ當委員
會ヲ開會致シマス、三案全部ヲ時節柄デゴ
ザイマスカラ一括シテ議ニ付シタイト存ジ
マスガ、御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=1
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002・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 前ニ當院ニ於
テ之ヲ取扱ッタ法案デゴザイマスルケレド
モ、尙愼重ヲ期シマシテ當局ノ御說明ヲ一
應承ルコトニ致シタイト存ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=2
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003・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 最初ニ裁判所構
成法中改正法律案ニ付テ御說明ヲ申上ゲマ
ス、御提案ノ理由ニ付キマシテハ本會議ニ
於テ一應申述ベテ置キマシタガ、尙茲ニ補
足的ニ御說明ヲ加ヘタイト存ジマス、本案
ハ裁判所構成法中特ニ緊切ノ必要ヲ感ズル
事項ニ付キマシテ、最小限度ノ改正ヲナサ
ムトスルモノデアリマス、其ノ改正ノ第一
點ハ、控訴院長ガ其ノ管轄區域內ニ於テ地
方裁判所ノ判事ノ代理ヲ命ズルコトヲ得ル
範圍ヲ適當ニ擴張セムトスルモノデアリマ
シテ、昭和九年ノ本法ノ改正ニ依リマシテ、
豫審判事差支ノ爲、或事件ヲ取扱フコトヲ
得ズ、且ツ其ノ裁判所ノ判事中其ノ代理ヲ
ナシ得ベキ者ナキ場合ニ於キマシテ、控訴
院長ガ事件緊急ナリト認メマシタ時ハ、其
ノ管轄區域內ノ他ノ地方裁判所ノ豫審判事
ニ其ノ代理ヲ命ズルコトヲ得ルノ途ヲ開イ
タノデアリマス、而シテ其ノ實績ハ甚ダ良
好デアリマシテ、之ガ爲困難ナル事件ノ處
理ニ多大ノ效果ヲ收メルコトヲ得タノデア
リマスガ、其ノ後主トシテ刑事事件ニ付キ、
複雜ニシテ困難ナル事案ガ各地ニ續發セル
實情ニ鑑ミマシテ、前述ベマシタ控訴院管
內ニ於ケル判事ノ代理ノ便法ヲ、啻ニ豫審
判事ニ限ラズ、之ヲ地方裁判所ノ判事ノ全
部ニ及スノ必要ヲ生ジタ次第デアリマス、
又斯クナリマスルナラバ、判事ノ定員配置
ノ問題モ餘程工合ガ宜シクナルノデゴザイ
やく、尙現行規定ニ依リマスト、控訴院管
內ニ於ケル判事ノ代理ノ便法ハ、地方裁判
所ノ本廳ノミニ適用セラレテ、其ノ支部ニ
ハ適用セラレナイコトニナッテ居リマスル
ノハ狹小ニ過グルモノト認メマスルカラ、
此ノ點モ併セテ擴張致シタイト考ヘル次第
デアリマス、改正ノ第二迄ハ、判事檢事ノ
停年ニ依ル退職ノ時期ヲ調整致シマシテ、
年二囘ニ定期ニ取纏メテ退職セシメムトス
ルモノデアリマシテ、現行ノ規定ニ依リマ
スルト、判事檢事ハ滿六十五年又ハ六十三
年ニ達シマシタ時ニ、其ノ時ニ於テ個々別
別ニ退職スルコトニナッテ居リマスカラ、其
ノ都度人事ノ異動ヲ生ジテ、人事行政上支
障ヲ見ルコトガ尠クナイノデアリマス、殊
ニ重要ナル地位ニ在ル判事檢事ノ退職ノ場
合ニ於キマシテ尙更左樣ナ次第デアルノデ
アリマス、仍テ右人事行政ノ圓滑ヲ期スル
爲ニ、此ノ點ノ改正ヲナサムトスル次第デ
アリマス、最後ニ第三點ト致シマシテ、控
訴院檢事局ノ監督書記ハ判任デアリマスル
ガ、之ヲ奏任タル書記長ニ昇格セシメムト
スルモノデアリマス、昭和十年ノ本法ノ改
正ニ依リマシテ大審院檢事局ノ監督書記ヲ
書記長ニ昇格セシメタノデアリマスルガ、
今囘ハ控訴院檢事局ノ監督書記ノ地位ヲ控
訴院ノ書記長ト同樣ニ奏任タル書記長ニ昇
格セシメ、之ニ依ッテ書記ノ向上ノ途ヲ開カ
ムトスルモノデアリマス、以上ガ裁判所構
成法中改正法律案ノ御說明デアリマスガ、
次ニハ大正十二年法律第十二號停年ニ依ル
退職判事檢事ノ恩給ニ關スル件中改正法律
案ノ御說明ヲ致シマス、現行ノ法ニ依リマ
スレバ、本法ガ施行セラレマシタル大正十
年六月一日、其ノ時ニ判事又ハ檢事ノ本官
ニアル者ガ引續キ判事又ハ檢事トシテ在職
致シマシテ、裁判所構成法第七十四條ノ二、又
ハ第八十四條ノ一ニ規定スル年齡、卽チ大審
院長及檢事總長ハ滿六十五年、其ノ他ノ判事
又ハ檢事ノ職ニアル者ハ滿六十三年ニ達シ
マシタ時ニ退職シ、又ハ其ノ官ヲ免ゼラレマ
シテ恩給ヲ受クル場合ニ於キマシテ、其ノ恩
給年額ハ恩給法中文官ノ普通恩給ニ關スル
規定ニ依ッテ計算シタル年額ニ、其ノ百分
ノ三十ニ相當スル金額ヲ加ヘタルモノヲ給
與セラレテ居リマスルガ、此ノ年齡ニ達ス
ル以前ニ退官若シクハ退職シタ者ハ、如何
ナル理由ニ基キマシテモ前述ノ增加恩給ヲ
支給セラレナイノデアリマス、從ッテ右資格
ヲ有スル判事檢事ニシテ定限年齡ニ逹スル前
ニ退官、退職シテ後進ニ途ヲ開クト云フコ
トガ漸ク困難トナル次第デアリマス、仍テ
玆ニ本法ニ定ムル年齡ヲ低下致シマシテ滿
六十年トナシ、前述ノ資格ヲ有スル判事檢
事ガ滿六十年ニ達シマシタル後ニ退官、退
職致シマシタ場合ニ於キマシテ、恩給年額
ハ文官ノ普通恩給年額ニ三割增ノ恩給ヲ與
ヘルコトト致シマシテ、比較的高齡者ノ勇
退ヲ圓滑ニシテ新進有爲ノ者ノ進出ヲ容易
ナラシメテ、司法部內ノ人事刷新ニ資シタ
イト考ヘテ居ル次第デアリマス、次ニ刑事
訴訟法中改正法律案ノ御說明ヲ致シマスル
ガ、從來各國ノ立法令ニ於キマシテハ、大
審院ハ上告裁判所トシテ専ラ法律上ノ審査
ヲナス制度デアリマス、是ハ御承知ノ通リ
デアリマスガ、大正十三年一月一日カラ施
行ニ相成リマシタ現行ノ刑事訴訟法ニ於キ
マシテハ、其ノ制度ニ改正ヲ加ヘマシテ我
ガ國ニ於ケル最初ノ試ミトシテ、法令ノ違
反ヲ理由トシテ上〓ヲナスコトヲ得ル外ニ、
一定ノ場合ニハ事實ノ認定及刑ノ量定ニ付
キマシテモ亦上告ヲ以テ之ヲ爭フコトガ出
來ルコトト致シタノデアリマス、卽チ重大
ナル事實ノ誤認アルコトヲ疑フニ足ルベキ
顯著ナル理由アル時、再審ノ請求ヲナシ得
ベキ場合ニ當ル理由アル時、又ハ刑ノ量定
甚ダシク不當ナリト思料スベキ顯著ナル理
由アル時ニハ、之ヲ上告ノ理由トナスコト
ヲ得ト致シタノデアリマス、而シテ是等ノ理
由アル場合竝ニ事實ノ確定ニ影響ヲ及スベ
キ法令ノ違反ヲ上〓ノ理由トシタ場合ニ於
キマシテハ、大審院ハ自ラ事實ノ審理ヲナ
スベキモノト致シテ居ルノデアリマス、蓋
シ飽ク迄モ裁判ノ誤ヲ正シテ無辜ノ罰セラ
レルコトノ無イヤウニ公正妥當ナル裁判ヲ
期セムトスル趣意ニ外ナラナイノデアリマ
ス、併シナガラ現行刑事訴訟法ノ實施後、
爾來十數年ノ間上告裁判所ニ於ケル事實ノ
審理ノ情況ヲ見マスルニ、上告裁判所ノ所
在地ト被〓人ノ住所地、又ハ犯罪地トガ相
隔タルコト遠イガ爲ニ證人、鑑定人等ノ訊
問ノ爲上告裁判所ニ其ノ出頭ヲ求メルコトニ
致シマシテモ、亦上告裁判所ガ自ラ現場ニ出
張シテ檢證ヲナスニ致シマシテモ、不便ナ
場合ガ屢〓起ルノデアリマス、素ヨリ受命
判事又ハ受託判事ニ依ッテ取調ヲナスノ方
法ハアリマスガ、左樣ナ場合ノミニ致シテ
置キマシテモ、動モスレバ直接審理ノ趣旨
ヲ貫徹シ難キ憾ミアルモノト言ハネバナリ
マセヌ、仍テ司法省ト致シマシテハ、裁判
所竝ニ訴訟關係人ノ便益ヲ考慮致シマシテ、
大審院ニ於ケル事實審理ノ制度ニ關シテ、現
行法ニ何トカ適當ナ改正ヲ加ヘナケレバナ
ラヌ必要ヲ認メマシテ、此ノ制度ノ改善ニ
付キマシテ朝野關係各方面ニ對シテ其ノ意
見ヲ求メ、更ニ昭和十年四月カラ設ケラレ
マシタ司法制度調査會ニ諮問致シマシテ、
此ノ點ニ關スル調査審議ヲ求メタノデアリ
マス、處ガ其ノ答申ヲ得マシタノデ、大體
其ノ趣意ニ基キマシテ〓究ノ結果、本改正
案ノ通リ成案ヲ得タ次第デアリマス、實
曩ニ第七十囘帝國議會ニモ同一ノ改正案ヲ
提出致シマシテ御審議ヲ願ッタノデアリマ
スガ、意外解散ノ爲ニ審議未了ニ終ッタ次
第デアリマス、仍テ玆ニ再ビ提案シタ次第
デアリマスルガ、其ノ改正ノ第一點ハ、從
來ハ刑ノ量定甚ダシク不當ナリト思料スベ
キ顯著ナル理由、再審ノ請求ヲナスベキ場
合ニ當ル理由、重大ナル事實ノ誤認アルコト
ヲ疑ウニ足ルベキ顯著ナル理由、又ハ事實
ノ確定ニ影響ヲ及スベキ法令違反アル時ハ、
必ズ上告裁判所ニ於テ自ラ事實審理ヲナス
コトヲ要スルノデアリマスルガ、本改正案ニ
於キマシテ以上ノ上告理由アル場合ニ於テ、
上告裁判所ガ自ラ事實ノ審理ヲナスヲ適當
トスル時ハ、從來通リ事實ノ審理ヲナシ、又
自ラ事實ノ審理ヲナスコトヲ適當ナラズト
スル時ハ、原判決ヲ破毀シテ事件ヲ原裁判
所ニ差戾スカ、若シクハ原裁判所ト同等ナ
ル他ノ裁判所ニ移送スルコトニ改メタノデ
アリマス、而シテ此ノ差戾シ若シクハ移送
ノアリマシタル事件ニ付キマシテ裁判ヲナ
ス場合ニハ、曩ニ原判決ニ關與シタ判事ヲ
シテ其ノ裁判ニ關與セシメナイト云フ除斥
ノ規程ヲ設ケマシタガ、是ハ飽ク迄モ裁判
ノ公正ヲ期セムトスルニ外ナラナイノデア
リマス、改正ノ第二點ハ、事實ノ誤認及刑
ノ量定不當ヲ理由トスル上告ニアリマシテ
ハ、其ノ理由ガ頗ル廣範圍ニ亙リマシテ上
告趣意書ニハ、上告理由トシテ幾多ノ事實
問題ガ詳細ニ揭ゲラレテ、誠ニ厖大ナル上
告趣意書ガ差出サルヽト云フ實情デアルノ
デアリマス、而シテ刑事訴訟法上、上告裁
判所ノ判決書ニハ、上告ノ趣意及重要ナル
答辯要旨ヲ記載セネバナラヌコトニナッテ
居リマス、卽チ上告趣意書ノ中ニ包含セラ
レタル事項ハ其ノ重要ナルト然ラザルトヲ
問ハズ、全部之ヲ判決書ニ記載セネバナラ
ヌコトニナッテ居リマスルノデ、玆ニ改正ヲ
加ヘマシテ上〓ノ趣意書中、事實問題ニ付
キマシテハ其ノ必要ナラザル部分ハ判決書
ニ之ガ記載ヲ省略スルコトヲ得ルヤウニ第
四百五十三條ニ但書ヲ設ケタノデアリマス、
是ハ上〓裁判所ガ裁判ヲナスニ當リマシテ、
成ルベク不必要ナル勞力ヲ省イテ、十分ニ
本來ノ機能ヲ發揮スルコトガ出來ルヤウニ
致シタイ趣意ニ外ナラナイノデアリマス、
何卒只今申述ベマシタ上告裁判所ノ實情ヲ
御洞察下サイマシテ、御審議アラムコトヲ
希望スル次第デアリマス、以上御說明申上
ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=3
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004・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 御質疑ヲ願ヒ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=4
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005・山川端夫
○山川端夫君 此ノ前ノ時ニ或委員カラ質
疑ヲ提出サレマシタガ、判事ノ定年制ノ事
デアリマスガ、判事檢事ノ職責ニ依ッテ定
年ヲ變ヘルト云フヤウナコトニ付テ何カ御
考慮ニナッテ居リマスカドウカ、其ノ點ヲ伺
ヒマス、ソレハ例ヘバ大審院長ト云フモノ
ハ普通判事トナッテ居リマスケレドモ、控訴
院長、普通ノ判事ハ定年ヲ短クスル、サウ
云フヤウナコトニ付テ何カ御考慮ニナッテ
居リマスカ、ソレヲ伺ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=5
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006・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 只今ノ所デハ御
尋ノヤウニ、職務ノ關係カラ年齡ノ限度ヲ
極メルト云フヤウナコトニ付キマシテハ考
ヘテ居リマセヌ、何レ司法制度ノ改革ト云
フコトニ付テ漸次調査ヲシテ參リマス、其
ノ節ニハマア考フベキ事柄カト存ジテ居リ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=6
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007・山川端夫
○山川端夫君 此ノ前ノ御調ヲ戴イタ時ニ
ハ地方裁判所ト申シマスカ、區裁判所ト申
シマスカ、下級裁判所ニ可ナリ老年ノ人ガ
餘計居ルヤウデ、サウ云フ點ハ一方カラ言
ヘバ圓熟シタ人ヲ下級裁判所ニ置クト云フ
趣意デ宜イノデアリマスガ、一方カラ言フ
ト、惡ク言ヒマスト老朽者或ハ少シ不十分
ナ人ヲ下級裁判所ニ置ク、サウ云フヤウナ
結果ニモ見エル、要スルニサウ云フ點カラ
言ヒマスト幾ラカ職務ニ依ッテ定年ヲ左右
スル、定年ノ極メ方ニ區別ヲ置クト云フコ
トモ或程度必要ヂヤナイカト思ハレル、尤
モ今度ノ案デ六十カラ後ハ退職ガ出來テ
退職金ヲ貰ヘルコトニナルト思ヒマスガ、
法制上サウ云フ風ニヤラウト云フ御考ハナ
イノデアリマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=7
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008・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 御尤モデアリマ
スガ、一面此ノ各裁判所ガ全國ニ散在致シ
テ居リマス、單獨ノ判事ガ裁判所ヲ一人
デヤッテ居ル、斯ウ云フヤウナ場合ニ、相當
年齡ニ達シテ居ル人ガ人民ノ信用ヲ得テ、
事務ノ圓滑竝ニ裁判ノ信用ヲ得テ居ルト云
フヤウナ實情モアリマス、一〓ニ下級ノ裁判
所ノ者ノ年齡ヲ低下サセルト云フコトハチ
ヨット只今ノ所考ヘテ居リマセヌ、併シナガラ
先ヅ滿六十歲程度ニナリマシタラ退職ヲシ
テモ宜カラウカト思ッテ居リマス、今囘ノ第
百二號ノ法律ガ幸ニ議會ノ協贊ヲ經テ公布
ニナリマスレバ、餘程サウ云フ點ニ付テハ
效果ガアルダラウ、斯ウ考ヘテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=8
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009・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 他ニ御質疑ゴ
ザイマセヌデセウカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=9
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010・松井茂
○松井茂君 是ハチヨット參考ニ承リタイ
ノデスガ、外國ナドノ例ハドウナッテ居ルノ
デアリマスカ、最近、大體デ宜シウゴザイ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=10
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011・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 御尋ノ此ノ年齡
ノ點ニ付キマシテ外國ノ例ヲ一應ハ調ベタ
ノデアリマスルガ、增加恩給ヲ給スル定年
制ト云フモノハ無イヤウニ記憶致シテ居リ
ママ、ソレダケ御答へ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=11
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012・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 松井委員、質
問御繼續ニナルノヂヤナイノデスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=12
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013・松井茂
○松井茂君 モウ一ツ承リマス、「アメリカㄴ
ナドハ何カ承ルノニ非常ニ餘リ年寄デチット
困ッテ居ルノヂヤゴザイマセヌカ、詰リ年
限ガ無イ爲ニデスナ······ソレカラ私共ハ判
檢事ノ方ハ調べマセヌガ、五年前ニ「ハム
ブルグ」ニ參リマシタ時ニ、大學ノ〓授ナ
ドノ年齡ヲ餘リニ制限スルト、恩給ヲ國家
ガ拂フノニ經濟上困ルト云フノデ、老人デ
モチット置イタ方ガ······老人ニ恩給ヲ隨分
澤山拂フト、老人ト新シイ者ト兩方重ッテ
今度金ガ要ルノデ、別問題デスガ、經濟不
如意ノ時ニ其ノ事ヲ聽イタノデアリマス
ガ、ドウモ此ノ年ノ制限ノ問題ハ有ラユル
方面ニ於テ通有的ノ、是ハ現象デアラウト
思フノデアリマス、民間ナドハ所ニ依ルト、
五十五歲デ制限シテ居ル所モ御承知ノ通リ
大分アルヤウニ承ッテ居ルノデアリマスガ、
朝鮮ノ方ハ別段ニコチラトアレデスカ、大
〓同ジヤウニヤリマスデスカ、標準ハ······
或ハ臺灣トカ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=13
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014・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 朝鮮ノ方ハ滿六
十歲ヲ以テ總テ定年ニカヽルト云フコトニ
ナッテ居ルサウデアリマス、臺灣ノ方ニハ年
齡ノ制限ガ無イサウデゴザイマス、御承知
ノヤウニ定年ヲ設ケテ良イカ惡イカト云フ
コトハ隨分問題デゴザイマス、老年ニシテ
矍鑠タル有能ノ方モアリマスシ、又普通平
凡ノ人ガ矢張リ六十ヲ超エマスルト、心身
共ニ衰ヘルト云フ狀況モアリマスルノデ、
大體定年法ガ出來マシテ、司法官ノ融通ト
申シマスカ、移動、若イ者ノ昇進ト云フ流レガ
自然出來マス、只今ノ所デハ定年制モ相當ナ
働キヲシテ居ルヤウニ思ハレテ居リマス、
マア色々此ノ年齡ノ點ニ付テハ種々ナル意
見ガアリマシテ、寧ロ判事檢事トシテ獨立
シテ職責ヲ果スニハ相當ノ年齡ニ達シテカ
ラガ適當デハナイカ、只今ノ狀態デハ二十
五歲クラヰデ獨立シタ判事檢事ニナッテ居
リマス、此ノ下ノ方ヲモウ少シ見習期間ト
シテ働イテ、相當ノ年齡ニ達シテカラ獨立
シタル判事檢事ニスルヤウナコトモ考ヘラ
レテ居ルノデアリマス、其ノ老年ノ方ニ至
リマシテハ、先ヅ只今ノ程度ガ宜シクハナ
イカ左樣ニ考ヘテ居リマス、何レ司法制度
ノ全體ノ改善ニ付キマシテハ愼重ニ〓究ヲ
致シタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=14
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015・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 他ニ御質疑ゴ
ザイマセヌカ、ソレデハ司法大臣ニ私カラ
チヨット伺ヒタイト存ジマス、此ノ前ニ、丁
度私ガ擔當致シマシタ刑事訴訟法ノ改正ノ
法律案ガ出マシタ時ニ、御質問申上ゲタノ
デアリマスガ、大審院判事ノ事實審理ト云
フコトニ種々ノ弊ガアルト云フヤウナコトデ、
之ヲ控訴院判事ニ移スト云フ御考デゴザイ
マシタ、斯ウ致シマスト又控訴院判事ガ其ノ
煩ニ堪ヘナクナルコトガアリハセヌカ、デ
此ノ控訴院判事ノ數ヲ寧ロ御殖シニナッテ、
大審院判事ノ數ヲ御減ラシニナッタラドウ
ダラウカト云フコトヲ伺ッタ處ガ、大審院判
事ノ數ヲ減ラスト云フコトハ考ヘテ居ナイ
ケレドモ、控訴院判事ノ數ハ殖ス考ガアル、
既ニ豫算ニ組ンデアルト云フ御話デアリマ
シタ、其ノ後ドウ云フ經過ニナッテ居リマス
カ、ソレダケチヨット伺ッテ置キタイト思ヒ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=15
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016・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 本年度ノ豫算ト
致シマシテハ、九月カラ增員ヲ致ス運ビニ
ナッテ居ルノデゴザイマシテ、本年度ノ判事
ノ增員ハ三十六名デゴザイマス、其ノ半數
ノ十八名ヲ各控訴院へ分ケルコトニ致シマ
シテ、取敢ズ控訴院ヲ充實スルト云フコト
ヲ考ヘテ居ル次第デアリマス、何レ明年度
ハ明年度デ配置ヲ致シマス、差當リ控訴院
ニ重キヲ置イテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=16
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017・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 御質疑ハゴザ
イマセヌカ、御質疑ハゴザイマセヌモノト
認メマス、此ノ三法律案トモ、前期議會ニ
本院ノ審議ヲ經タモノト存ジマス、會期ノ
關係上、衆議院ニ於テ通過ヲ見ナカッタ譯デ
ゴザイマスガ、旣ニ本院ニ於テハ審議ヲ盡
シテ居ルコトト認メマスノデ、此ノ際ハモ
ウ討論ヲ略シマシテ、採決ニ移ラウカト存
ジマス、御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=17
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018・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) チヨット速記
ヲ止メテ···
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=18
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019・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) 速記ヲ始メ
テ······三案全部御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=19
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020・小村捷治
○委員長(侯爵小村捷治君) ソレデハ此ノ
三法律案ハ當委員會ヲ通過致シマシタ、皆
樣御苦勞樣デゴザイマシタ
午前十時四十九分散會
出席者左ノ如シ
委員長侯爵小村捷治君
副委員長子爵秋田重季君
委員
子爵豐岡圭資君
松井茂君
山川端夫君
男爵有地藤三郞君
男爵周布兼道君
下出民義君
國務大臣
司法大臣鹽野季彥君
政府委員
司法政務次官久山知之君
司法參與官藤田若水君
司法省民事局長大森洪太君
司法省刑事局長松阪廣政君
司法書記官齋藤直一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007101134X00119370729&spkNum=20
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