1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
不動産融資及損失補償法中改正法律案
産業組合中央金庫法中改正法律案
漁業法中改正法律案
産業組合中央金庫特別融通及損失補償法中改正法律案
産業組合自治監査法案
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委員氏名
委員長 男爵 園田武彦君
副委員長 子爵 西大路吉光君
侯爵 佐竹義春君
子爵 伊集院兼知君
加藤政之助君
中村圓一郎君
小倉正恒君
吉田羊治郎君
佐々木八十八君
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昭和十三年三月八日(火曜日)午前十時十七分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303029X00119380308&spkNum=0
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001・園田武彦
○員員長(男爵園田武彥君) 是ヨリ開會ヲ
致シマス、今日ハ農林省ノ關係ノ法案ニ付
テ先ヅ政府側ノ御說明ヲ求メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303029X00119380308&spkNum=1
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002・高橋守平
○政府委員(高橋守平君) 先ヅ產業組合中
央金庫法中改正法律案ノ提案理由ヲ御說明
申上ゲマス、產業組合中央金庫ハ設立以來
產業組合金融ノ中樞機關トシテ、其ノ使命
ノ達成ニ努メテ居ル次第デアリマスガ、他
面漁村金融ニ付キマシテハ遺憾ノ點多ク、
昭和八年ノ漁業法ノ改正ニ依リ、漁業組合
ハ各種ノ經濟施設ヲ行フコトヲ得ルコトト
ナッタノデアリマスガ、其ノ中樞的金融機關
ノ備ハラナイ爲其ノ活動上不十分ナ所ガア
リマスノデ、今囘同金庫ノ資本金ヲ增加致
シマシテ、漁業組合及同聯合會ノ之ニ對ス
ル加入ノ途ヲ開キマスルト共ニ、產業組合
中央金庫ノ業務ノ狀況カラ見マシテ、現行
法上種々不便ノ點ガアリマスノデ、是等ニ
付必要ナル改正ヲ加ヘ、尙政府ノ出資ニ對
シマシテハ、從來剩餘金ノ配當ヲ爲スコト
ヲ要セザルコトニナッテ居リマスガ、其ノ期
間ハ近ク滿了致シマスノデ、金庫ノ實情及
漁業組合ノ新タニ加ハル事等ノ事情ニ鑑ミ
マシテ、今後ノ配當ニ關シ適當ナル改正ヲ行
ヒ、其ノ活動ヲ促進サセル必要ガアリマス
ノデ、以上ノ諸點ニ關シ、玆ニ產業組合中央
金庫法中改正法律案ヲ提出致シタ次第デア
リマス、次ニ今囘ノ改正事項ノ〓要ヲ述べマ
スレバ、第一ニ漁業組合聯合會及漁業協同
組合ヲ產業組合中央金庫ニ加入セシメ得ル
コトトシタノデアリマシテ、產業組合中央
金庫ノ各種ノ業務ハ、總テ產業組合聯合會
及產業組合ト同樣ニ、漁業組合聯合會及漁
業協同組合ニモ及シ、漁業組合聯合會ニハ
產業組合聯合會ト同樣ニ、產業組合中央金
庫ノ業務ヲ代理セシメ得ルコトト致シタノ
デアリマス、從來ニ於キマシテモ產業組合
中央金庫ヨリ產業組合ヲ通ジテ約五百萬圓
程ノ資金ガ漁村方面ニ融通セラレテ居タノ
デアリマスガ、元來漁業組合ヲ基礎トスル系統
的漁業金融機關ノ樹立ハ、水產界多年ノ要
望デアリマシテ、此ノ改正ニ依リマシテ、
漁業法中改正ト相俟チ、其ノ要望ニ副フコ
トト相成ル次第デアリマシテ、漁村ノ實情
ニ應ズルモノト信ズルノデアリマス、第二
ニ產業組合中央金庫ノ資本金ヲ五百萬圓增
加スルコトト致シタノデアリマス、是ハ只
今申上ゲマシタ通リ、漁業組合聯合會及漁
業協同組合ヲ產業組合中央金庫ニ加入セシ
メマシテ、同金庫ヲシテ從來ノ產業組合金
融ノミナラズ、漁業組合金融ニモ活動セシ
ムルコトト致シマシタノデ、其ノ爲ニ要ス
ル資本金ノ增加デアリマス、而シテ其ノ中
二百五十萬圓ヲ限リ政府ガ出資スルコトト
致シマシタ、第三ニ評議員ノ定員ニ關シマ
シテ、現在二十名以內トアリマスノヲ、三
十名以內ニ增加スルコトト致シタノデアリ
マス、是ハ產業組合中央金庫ノ業務ノ進展
ニ伴ヒマシテ、更ニ各方面ノ知識ヲ集メマ
スルト共ニ、漁業組合關係者ヨリモ其ノ代
表者ヲ出シマシテ、其ノ業務ノ圓滑ナル遂
行ヲ期セムガ爲デアリマス、第四ニ產業組
合中央金庫ノ年賦償還貸付額ノ制限、卽チ
拂込出資金及產業債劵ノ發行額ノ二分ノ
ヲ超ユルコトヲ得ナイト云フ現行法ノ規定
ハ、產業組合中央金庫ガ政府資金ノ融通ヲ
爲ス場合ニ於キマシテハ、之ヲ適用シナイ
コトニ致シタノデアリマス、近時農山漁村
ノ不況ニ伴ヒ、各種ノ政府資金ノ融通ニ依
リマシテ、年賦償還貸付ガ增加ノ傾向ヲ示
シマシタ結果、其ノ貸付餘力ガ非常ニ減少
致シマシタノデ、政府資金ノ如ク、確實ナ
ル資源ニ依ルモノデ、且政府ノ政策遂行上
必要ナルモノニ付キマシテハ、右制限規定
ヲ適用シナイコトニ致シマシテ、政府資金
ノ圓滑ナル融通ヲ爲シ得ルコトト致シタノ
デアリマス、第五ニ產業組合中央金庫ノ餘
裕金運用ヲ便ナラシメマス爲、運用ノ方法
ヲ擴張致シマシテ、現在ハ國債證劵、地方
債證劵、又ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケマシタ
ル有價證劵ノ買入シカ出來ナイノデアリマ
スガ、更ニ進ンデ之ガ應募、又ハ引受ヲモ
爲シ得ルコトニ致シマシタコト、及ビ產業
組合聯合會、產業組合、漁業組合聯合會又
ハ漁業組合ノ發達ヲ圖ル爲必要ナル施設ヲ
行フ法人ニ對シ、主務大臣ノ認可ヲ受ケ短
期貸付ヲ爲スコトヲ得ルコトト致シタノデ
アリマス、第六ニ產業組合中央金庫ノ事業
年度ハ現在六箇月ニナッテ居ルノデアリマス
ガ、組合金融ノ近狀カラ見マシテモ、亦
般ノ產業組合ノ事業年度トノ關係上モ、金
庫ノ事業年度モ產業組合ノ例ニ準ズルノガ
適當デアルト認メラレマスノデ、從來ノ之
ニ關スル規定ヲ削除シ、產業組合法ヲ準用
スルコトト致シマシテ、原則トシテ事業年
度ハ一箇年トシ、但シ定款ニ依リ六箇月ト
爲スコトヲ得ルコトト致シタノデアリマス、
第七ニ產業組合中央金庫ノ事業年度ヲ只今
申述ベマシタ通リ、一箇年又ハ六箇月ト致
シマスルガ、貸付金利子ノ最高步合ハ必ズ六
箇月每ニ定メルコトガ必要デアルト認メラ
レマスノデ、從來每事業年度ノ初ニ於テ定
ムル規定デアリマスモノヲ、事業年度ニ從
ヒ六箇月每ニ主務大臣ノ認可ヲ受ケテ定メ
シメ、其ノ期間內ニ之ヲ變更セムトスル時
モ亦同樣ニ主務大臣ノ認可ヲ受ケシムルコ
トニ致シタノデアリマス、第八ニ產業組合
中央金庫ハ創立初期ヨリ十五箇年間政府ノ
出資ニ對シ、剩餘金ノ配當ヲ爲スコトヲ要
シナカッタノデアリマスガ、其ノ期間ガ近ク
滿了致スノデアリマス、現在ノ產業組合中
央金庫ノ業績內容及漁業組合ノ新タニ加入
スルコト等ニ伴フ今後ノ業務等ヨリ見マシ
テ、政府以外ノモノノ出資ニ對スル配當ト
同率ノ配當ヲ政府ノ出資ニ對シテモ爲サシ
ムルコトハ妥當デアリマセヌシ、產業組合
中央金庫ノ基礎ヲ鞏固ナラシムル所以デモ
アリマセヌノデ、其ノ間ニ區別ヲ設ケマシテ、
政府以外ノモノノ出資ニ對スル配當ガ一定
率以下ナル場合ニハ政府ノ出資ニ對スル配
當ヲ制限スルコトト致シマシテ、今後一層
農山漁村ノ金融ニ活動セシムルコトト致シ
タノデアリマス、增加致シマスル政府ノ出
資二百五十萬圓ニ付テモ勿論同樣ニ取扱フ
ノデアリマス、次ニ漁業法ノ改正ニ付テ御
說明申上ゲタイト存ジマス、漁業組合ハ現
在其ノ數約四千ニ及ビ、昭和八年ノ漁業法
改正ニ依リ、其ノ組織ヲ整備シ、漁村ニ於
ケル協同ノ經濟機關トシテ、漁村經濟更生
上重要ナル役割ヲ演ジ來ッタノデアリマス
ガ、金融機關トシテハ其ノ機能上缺クル所
ガアリマシテ、漁村金融ノ改善上遺憾トス
ル所ガ尠クナイノデアリマス、仍テ先ニ御
說明申上ゲマシタ通リ、漁業組合聯合會及
漁業協同組合ヲ產業組合中央金庫ニ加入セ
シムルト共ニ、漁業組合聯合會及漁業協同
組合ニ對シ、貯金ノ受入ニ關スル施設ヲ認
ムルコトトシ、漁村ニ於ケル相互金融ノ途
ヲ開キ、漁業組合ニ依ル共同事業等ノ促進
ヲ圖ラムトシタノデアリマス、尙漁業組合
聯合會ノ活動ヲ圖ル爲二三ノ事項ニ付テ改
正セムトスルモノデアリマス、改正事項ノ
主ナル點ヲ申上ゲマスルト、第一ニ漁業協
同組合ニ對シ組合員ノ貯金ノ受入ニ關スル
施設ヲ認ムルト共ニ、併セテ加入豫約貯金、
家族貯金ノ受入ヲ爲スコトヲ認メ、又漁業
組合ノ系統機關デアル漁業組合聯合會ニ對
シ、所屬組合又ハ所屬聯合會ノ貯金ノ受入
ヲ爲スコトヲ認メルコトト致シタノデアリ
マス、第二ニ日本勸業銀行、日本興業銀行、
北海道拓殖銀行、農工銀行又ハ產業組合中
央金庫ガ漁業組合及漁業組合聯合會ニ對シ
資金ノ供給ヲ爲スニ際シ、自己ノ信用ノミ
ニテハ資金ノ借入不可能ノ場合ニ、漁業組
合聯合會ヲシテ保證ヲ爲スコトヲ得シメ、
其ノ資金供給ノ圓滑ヲ圖ラシムルコトト致
シタノデアリマス、第三ニ漁業組合又ハ漁
業組合聯合會ガ水產物ヲ遠隔地ニ共同出荷
スルコトガ漸次增加シテ參リマスル爲、道
府縣ヲ區域トスル漁業組合聯合會ガ所屬ノ
組合又ハ聯合會ニ對シ手形ノ割引ヲ爲スコ
トヲ認メ、代金決濟ノ敏速、圓滑ヲ圖ルコ
トト致シタノデアリマス、次ニ產業組合中
央金庫特別融通及損失、補償法中改正法律
案提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、本法ハ
御承知ノ如ク、昭和七年、當時ニ於ケル經
濟界ノ異常ナル不況ノ爲農村金融機關トシ
テ重要ナル地位ヲ占メテ居リマスル信用
組合及信用組合聯合會ノ貸付金ガ甚シク固
定致シマシタノデ、產業組合中央金庫ヲシ
テ政府ノ損失補償ノ下ニ所屬信用組合聯合
會又ハ所屬信用組合ニ對シマシテ特別融通
ヲ爲サシメ、其ノ固定セル債權ヲ資本金化
シテ金融ノ疏通ヲ圖ルコトヲ目的トシテ制
定サレタモノデアリマス、而シテ本法ハ昭
和七年十月一日ニ施行セラレマシテカラ、
昭和十二年十二月末ニ至リマス迄ノ間ニ、
中央金庫カラ既ニ信用組合及信用組合聯合
會ニ對シマシテ貸付致シマシタ金額ハ五千
七十萬圓餘ニ達シ、相當ノ成績ヲ擧ゲテ居
ルノデアリマスガ、本法ニ依ル特別融通期
間ハ昭和十年ノ法律改正ニ依リ三年ヨリ六
年ニ延長サレマシテ、本年九月末ヲ以テ終
了スルコトニナッテ居ルノデアリマス、然ル
ニ全國ノ信用組合ノ實情ヲ見マスルト、尙
相當ノ固定債權ヲ有シ、之ガ資金化ヲ要ス
ルモノガ尠クナイノデアリマシテ、此ノ際
融通期間ヲ延長シ、本制度ニ依リマシテ事
變下ニ於ケル組合金融ノ疏通ニ努メルコト
ガ極メテ必要デアルト思フノデアリマス、
此ノ故ニ組合金融ノ現況、其ノ整理更生ニ
要スベキ時日等ヲ考慮致シマシテ、特別融
通資金ノ融通期間及融通期限ヲ尙三箇年延
長スルコトト致シタノデアリマス、最後ニ
產業組合自治監査法案提出理由ヲ御說
明致シマス、本法案ハ第七十囘帝國
議會ニ提出致シマシテ、貴族院ニ於キマシ
テハ可決セラレ、衆議院ニ於キマシテハ委
員會ニ付託セラレタ儘衆議院ノ解散ノ爲不
成立ニ終ッタノデアリマスガ、產業組合ノ現
狀ニ鑑ミマシテ、玆ニ本議會ニ重ネテ之ヲ
提案致シマシタ次第デアリマス、產業組合
ハ其ノ數約一萬五千ニ達シ、其ノ事業モ亦
逐年進展致シテ參リ、中小產業殊ニ農山漁
村ノ經濟更生ノ中樞機關トシテ缺クベカラ
ザル組織ト相成ッテ居ルノデアリマス、從ち
テ產業組合ヲシテ堅實ナル發達ヲ爲サシム
ル爲、之ガ指導監督ヲ周到ニスルノ要益〓緊
切ナルモノガアルノデアリマス、是ガ爲ニ
ハ行政官廳ノ檢査機能ノ充實ヲ要スルコト
勿論デアリマスガ、是ト竝ンデ產業組合自
身ノ自治監督ノ厲行ヲ期スルヲ肝要ト認メ
マシテ、之ガ制度ヲ確立致シマス爲ニ、玆
ニ本案ヲ提出致シマシタ次第デアリマス、
本法案ノ主要ナル點ヲ申述ベマスレバ、產
業組合ヲシテ產業組合監査聯合會ナル法人
ヲ組織セシメ、之ニ產業組合監査員ヲ設置
セシムルコトトシ、右ノ監査員ニハ組合ノ
事務所等ニ臨ミ諸般ノ調査ヲ爲シテ監査ヲ
行フ權能ヲ賦與スルコトト致シマシタコト、
主務大臣必要アリト認メマシタ時ハ、產業
組合ニ對シ產業組合監査聯合會ニ加入スベ
キコトヲ命ジ得ルコトト致シマシタコト、
監査員ハ其ノ職責ニ照シ、監査ニ關スル技
能ヲ有スル者ノ中ヨリ選任スルコトトシ、
其ノ選任、解任等ニ付テハ主務大臣ノ認可
ヲ受ケシメマスト共ニ、服務ニ對シマシテ
モ十分ノ監督ヲ行フコトト致シマシタコト、
及ビ本制度ハ自治監査デハアリマスガ、其
ノ運用ノ適正圓滑ヲ期スル爲行政官廳ノ監
督ノ下ニ行ハシムルヲ必要ト認メ、之ニ關
スル規定ヲ設ケタコト等デアリマス、以上
ガ四法案ヲ提出致シマシタ理由ノ大要デア
リマス、何卒御審議ノ上御可決アラムコト
ヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303029X00119380308&spkNum=2
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003・園田武彦
○員員長(男爵園田武彥君) 御諮リヲ致シ
せく、引續キ不動產融資及損失補償法中改
正法律案ノ說明ヲ伺ヒタイノデアリマスガ、
大藏省ノ政府委員ノ御都合ガ今日惡イサウ
デゴザイマスカラ、今日ハ御差支ナケレバ、
此ノ程度ニ止メテ置キマシテ、明日引續キ
開會致シタイト存ジマスガ、御異議ゴザイ
マセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303029X00119380308&spkNum=3
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004・園田武彦
○員員長(男爵園田武彥君) 御異議ガナイ
ヤウデアリマスカラ、明日午前十時ヨリ開會
致シタイト存ジマス、是ニテ散會致シマス
午前十時三十三分散會
出席者左ノ如シ
委員長男爵園田武彥君
副委員長子爵西大路吉光君
委員
侯爵佐竹義春君
子爵伊集院兼知君
加藤政之助君
小倉正恒君
吉田羊治郞君
政府委員
農林政務次官高橋守平君
農林省水產局長三宅發士郞君
農林省經濟更生部長小平權一君
農林書記官石黑武重君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303029X00119380308&spkNum=4
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