1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十四年三月二十二日(水曜日)午前十時十六分開議
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議事日程 第二十七號
昭和十四年三月二十二日
午前十時開議
第一 大日本航空株式會社法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 昭和十三年法律第八十七號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第三 國際電氣通信株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔丸龜書記官朗讀〕
一昨二十日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府
提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆
議院ニ通知セリ
臨時資金調整法中改正法律案
產金法中改正法律案
日本產金振興株式會社法中改正法律案
恩給法中改正法律案
國債整理基金特別會計法中改正法律案
明治三十九年法律第三十四號中改正法律
案
明治四十二年法律第九號中改正法律案
昭和十四年三月二十三日
號
昭和十三年法律第六十四號中改正法律案
朝鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ保證發行限度
ノ臨時擴張ニ關スル法律案
昭和十三年法律第二十三號中改正法律案
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債追加發行ニ關スル法律案
昭和七年法律第一號中改正法律案
支那事變ニ關スル特別賜金トシテ交付ス
ル爲公債發行ニ關スル法律案
大正九年法律第五十三號中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、日程第一、大日本航空株式
會社法案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會、鹽野遞信大臣
〔左ノ送付文及法案ハ朗讀ヲ經サ
ルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之
ニ做フ〕
大日本航空株式會社法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月二十日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字ハ衆議院ノ修正ナリ)
大日本航空株式會社法案
大日本航空株式會社法
第一章總則
第一條大日本航空株式會社ハ航空輸送
事業ノ振興發展ヲ圖ルヲ目的トスル株
式會社トス
第二條帝國(關東州及南洋群島ヲ含ム
以下同ジ)內各地間ニ於ケル航空輸送
事業及帝國內ニ起點ヲ有スル國際航空
輸送事業ハ大日本航空株式會社ノ外之
ヲ營ムコトヲ得ズ但シ勅令ヲ以テ定ム
ル帝國內各地間ニ於ケル航空輸送事業
ハ此ノ限ニ在ラズ
第三條大日本航空株式會社ノ資本ハ
億圓トス但シ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ增
加スルコトヲ得
第四條政府ハ三千七百二十五萬圓ヲ限
リ大日本航空株式會社ニ出資スベシ
政府ハ金錢以外ノ財產ヲ以テ出資ノ目
的ト爲スコトヲ得
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ
株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ
得
第五條大日本航空株式會社ノ株金ノ第
一囘拂込金額ハ株金ノ十分ノ一迄下ル
コトヲ得
政府ハ金錢以外ノ財產ヲ以テ其ノ所有
スル株式ノ第二囘以後ノ株金拂込ニ充
ツルコトヲ得
第六條大日本航空株式會社ノ株式ハ記
名式トシ政府、公共團體、帝國臣民又
ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本ノ
半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人
又ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限リ之
ヲ所有スルコトヲ得
第七條大日本航空株式會社ニ非ザルモ
ノハ大日本航空株式會社又ハ之ニ類似
ノ名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコトヲ得
ズ
第二章役員
第八條大日本航空株式會社ニ總裁副總
裁各一人、理事三人以上及監事二人以
上ヲ置ク
第九條總裁ハ大日本航空株式會社ヲ代
表シ其ノ業務ヲ總理ス
副總裁ハ總裁事故アルトキハ其ノ職務
ヲ代理シ總裁缺員ノトキハ其ノ職務ヲ
行フ
副總裁及理事ハ總裁ヲ輔佐シ定款ノ定
ムル所ニ從ヒ大日本航空株式會社ノ業
務ヲ分掌シ又ハ之ニ參與ス
監事ハ大日本航空株式會社ノ業務ヲ監
査ス
第十條總裁及副總裁ハ勅裁ヲ經テ政府
之ヲ命ジ其ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主總會ニ於テ一倍ノ候補者ヲ
選擧シ政府其ノ中ヨリ之ヲ命ジ其ノ任
期ヲ四年トス
監事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ其ノ
任期ヲ三年トス
大日本航空株式會社ヲ監督スル官廳ノ官吏
タリシ者ハ退職後五年間ハ政府ノ認可ヲ受
クルニ非ザレバ大日本航空株式會社ノ役員
ト爲ルコトヲ得ズ
第十一條總裁、副總裁及業務ヲ分掌ス
ル理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ從事スル
コトヲ得ズ但シ政府ノ認可ヲ受ケタル
トキハ此ノ限ニ在ラズ
第三章業務
第十二條大日本航空株式會社ハ航空輸
送事業ノ經營竝ニ航空輸送事業調整ノ
爲ニスル投資、融資及助成ヲ爲スモノ
トス
大日本航空株式會社ハ政府ノ認可ヲ受
ケ前項ノ事業ノ外本會社ノ目的達成上
必要ナル諸事業ヲ營ムコトヲ得
第四章準備金及航空事故損失塡
補積立金
第十三條大日本航空株式會社ハ每營業
年度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補フ
爲利益金額ノ百分ノ五以上ヲ積立テ且
利益配當ノ平均ヲ得シムル爲利益金額
ノ百分ノ二以上ヲ積立ツベシ
第十四條大日本航空株式會社ハ每營業
年度ニ航空事故ニ因ル損失ヲ塡補スル
爲命令ノ定ムル金額ヲ積立ツベシ
第五章政府ノ監督及助成
第十五條政府ハ大日本航空株式會社ノ
業務ヲ監督ス
第十六條大日本航空株式會社社債ヲ募
集セントスルトキ又ハ借入金ヲ爲サン
トスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十七條定款ノ變更、利益金ノ處分、
合併及解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十八條大日本航空株式會社ハ每營業
年度ノ事業計畫ヲ定メ政府ノ認可ヲ受
クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第十九條政府ハ大日本航空株式會社ノ
業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ爲ス
コトヲ爲
第二十條政府ハ大日本航空株式會社ノ
業務ニ關シ軍事上又ハ事業調整上其ノ
他公益上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
前項ノ命令ニ因リ生ジタル損失ハ勅令
ノ定ムル所ニ依リ政府之ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十一條政府ハ大日本航空株式會社
監理官ヲ置キ大日本航空株式會社ノ業
務ヲ監視セシム
第二十二條大日本航空株式會社監理官
ハ何時ニテモ大日本航空株式會社ノ金
庫帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査スル
コトヲ得
大日本航空株式會社監理官ハ必要ト認
ムルトキハ何時ニテモ大日本航空株式
會社ニ命ジテ業務ニ關スル諸般ノ計算
及狀況ヲ報告セシムルコトヲ得
大日本航空株式會社監理官ハ株主總會
其ノ他諸般ノ會議ニ出席シテ意見ヲ陳
述スルコトヲ得
第二十三條政府ハ大日本航空株式會社
ノ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ
基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ
公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ
取消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十四條政府ハ定期航空輸送事業ヲ
營マシムル爲大日本航空株式會社ニ對
シ帝國議會ノ協贊ヲ經タル金額ヲ超エ
ザル範圍內ニ於テ補助金ヲ交付スルコ
トヲ得
第二十五條大日本航空株式會社ハ每營
業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額
ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込
金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ニ達スル
迄政府ノ所有スル株式ニ對シ利益ノ配
當ヲ爲スコトヲ要セズ
第二十六條大日本航空株式會社ノ每營
業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額
ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込
ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合
ニ達セザルトキハ政府ハ初營業年度及
爾後十年間ヲ限リ之ニ達セシムベキ金
額ヲ補給スベシ但シ其ノ額ハ政府以外
ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金
額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ニ相當スル
額及當該年度ニ於テ支拂ヒタル社債ノ
利息額ノ合計ヲ超ユルコトヲ得ズ
每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益
金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ
割合ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ハ先
ヅ之ヲ前項ノ規定ニ依ル補給金ノ償還
ニ充ツベシ
第二十七條大日本航空株式會社ノ每營
業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額
ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込
金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過ス
ル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル
株式ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超エ利
益配當ヲ爲サントスルトキハ其ノ超過
スル利益金額ハ利益配當ガ總株式ニ付
拂込ミタル株金額ニ對シ均一ノ割合ニ
達スル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式
ノ拂込金額及政府ノ所有スル株式ノ拂
込金額ニ對シ一ト五トノ割合ヲ以テ之
ヲ配當スベシ
第二十八條大日本航空株式會社ハ商法
ニ規定スル制限ヲ超エテ社債ヲ募集ス
ルコトヲ得但シ社債ノ總額ハ拂込ミタ
ル株金額ノ二倍ヲ超ユルコトヲ得ズ
社債ヲ募集スル場合ニ於ケル株主總會
ノ決議ハ資本ノ半額以上ニ當ル株主出
席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲
スコトヲ得
第二十九條政府ハ大日本航空株式會社
ノ社債ノ元本ノ償還及利息ノ支拂ニ付
保證スルコトヲ得
第三十條大日本航空株式會社ニハ命令
ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ年及其ノ
翌年ヨリ十年間其ノ事業ニ付所得稅及
營業收益稅ヲ免除ス
第三十一條北海道、府縣及市町村其ノ
他之ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依
リ所得稅及營業收益稅ヲ免除モラレタ
ル期間大日本航空株式會社ノ事業ニ對
シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別
ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタルト
キハ此ノ限ニ在ラズ
第三十二條大日本航空株式會社ガ左ノ
事項ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其
ノ登錄稅ノ額ハ左ノ額トス
一第四條第二項ノ規定ニ依ル政府ノ
出資及第五條第二項ノ規定ニ依ル第
二回以後ノ株金拂込
拂込株金額又ハ每囘拂込株金額ノ
千分ノ一
二第四條第二項ノ規定ニ依ル政府ノ
出資又ハ第五條第二項ノ規定ニ依ル
第二囘以後ノ株金拂込ニ基ク不動產
又ハ船舶ニ關スル權利ノ取得
不動產又ハ船舶ノ價格ノ千分ノ三
第三十三條朝鮮、臺灣、關東州、樺太及
南洋群島ニ於ケル大日本航空株式會社ニ
對スル課稅ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六章罰則
第三十四條大日本航空株式會社本法又
ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基
キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ總裁
又ハ總裁ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副
總裁ヲ百圓以上五千圓以下ノ過料ニ處
ス副總裁又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルト
キハ副總裁又ハ理事ヲ過料ニ處スルコ
ト亦同ジ
第三十五條大日本航空株式會社ノ總
裁副總裁及業務ヲ分掌スル理事第十
一條ノ規定ニ違反シ他ノ職務又ハ商業
ニ從事シタルトキハ二十圓以上千圓以
下ノ過料ニ處ス
第三十六條非訟事件手續法第二百六條
乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料
ニ之ヲ準用ス
附則
第三十七條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十八條昭和十三年十二月一日航空
法第三十六條ノ許可ヲ受ケタル大日本
航空株式會社(以下許可會社ト稱ス)ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ株主總會ノ決議
ヲ以テ大日本航空株式會社ト爲ルコト
ヲ得
前項ノ決議ハ總株主ノ半數以上ニシテ
資本ノ半額以上ニ當ル株主出席シ其ノ
議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ
要ス
許可會社第一項ノ決議ヲ爲シタルトキ
ハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第三十九條前條ノ認可ヲ爲シタルトキハ
政府ハ設立委員ヲ命ジ許可會社ヲ大日
本航空株式會社ト爲ス爲ニ必要ナル一
切ノ事務ヲ處理セシム
前項ノ設立委員ノ中少クトモ二人ハ許
可會社ノ取締役ノ中ヨリ之ヲ命ズルコ
トヲ要ス
設立委員ノ任命アリタル後ハ取締役ハ
政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ會社ノ
常務ニ屬セザル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第四十條設立委員ハ定款ヲ作成シ政府
ノ認可ヲ受クベシ
政府前項ノ規定ニ依ル認可ヲ爲サント
スルトキハ政府ノ出資ノ目的タル金錢
以外ノ財產ノ價格及之ニ對シテ與フル
株式ノ數ニ付政府航空出資評價委員會
ノ議ヲ經ベシ
政府航空出資評價委員會ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十一條前條ノ認可アリタルトキハ
設立委員ハ總株式ヨリ許可會社ノ株式
ニ引當テラルベキ株式及政府ニ割當ツ
ベキ株式ヲ控除シタル殘餘ノ株式ニ付
株主ヲ募集スベシ
第四十二條株式申込證ニハ商法第百二
十六條第二項第二號、第四號及第五號
ニ規定スル事項ノ外定款認可ノ年月日
ヲ記載スベシ
第四十三條設立委員ハ株主ノ募集ヲ終
リタルトキハ株式申込證ヲ政府ニ提出
シ其ノ檢査ヲ受クベシ
第四十四條設立委員ハ前條ノ檢査ヲ受
ケタル後遲滯ナク各新株ニ付第一囘ノ
拂込ヲ爲サシムベシ
第四十五條前條ノ拂込アリタルトキハ
設立委員ハ遲滯ナク創立總會ヲ招集ス
ベシ
創、立總會ノ決議ハ新株ノ引受人及新株
ノ引受ヲ爲サザル許可會社ノ株主ノ合
計ノ半數以上ニシテ資本ノ半額以上ニ
當ル者出席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以
テ之ヲ爲ス
第四十六條創立總會ニ於テハ第十條ノ
規定ニ準ジ理事候補者ノ選擧及監事ノ
選任ヲ行フベシ
第四十七條創立總會終結シタルトキハ
設立委員竝ニ許可會社ノ取締役及監査
役ハ各其ノ事務ヲ大日本航空株式會社
總裁ニ引渡スベシ
第四十八條大日本航空株式會社ノ成立
ニ因リ許可會社ハ之ニ吸收セラルルモ
ノトシ許可會社ノ權利義務ハ大日本航
空株式會社ニ於テ之ヲ承繼ス
第四十九條前條ノ規定ニ依リ許可會社
ガ大日本航空株式會社ト爲リタルトキ
ハ所得稅法、營業收益稅法、法人資本
稅法及臨時利得稅法ノ適用ニ關シテハ
許可會社ハ之ヲ合併ニ因リテ消滅シタ
ル法人ト看做シ大日本航空株式會社ハ
之ヲ合併ニ因リテ設立シタル法人ト看
做ス
大日本航空株式會社ガ設立ノ登記ヲ受
クルトキハ其ノ拂込株金額中許可會社
ノ拂込株金額ニ相當スル部分ニ付テハ
登錄稅ヲ課セズ大日本航空株式會社ガ
前條ノ規定ニ依リ許可會社ヨリ不動產
又ハ船舶ニ關スル權利ヲ承繼スル場合
ニ於ケル其ノ取得ニ付登記ヲ受クルト
キ亦同ジ
前條ノ規定ニ依ル許可會社ヨリ大日本
航空株式會社ヘノ有價證劵ノ移轉ニ付
テハ有價證劵移轉稅ヲ課セズ
第五十條第三十八條乃至前條ニ規定ス
ルモノヲ除クノ外許可會社ガ大日本航
空株式會社ト爲ル場合ニ於テ必要ナル
事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十一條第三十八條第一項ノ決議ナ
キ場合又ハ其ノ決議ガ效力ヲ生ゼザル
場合ニ於テハ大日本航空株式會社ノ設
立及開業準備ニ關シ必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二條第二條及第七條ノ規定ハ大
日本航空株式會社ガ成立スル迄之ヲ適
用セズ
第五十三條政府第五條第二項ノ規定ニ
依リ金錢以外ノ財產ヲ以テ其ノ所有ス
ル株式ノ株金拂込ニ充ツル場合ニ於テ
ハ其ノ財產ノ價格ニ付政府航空出資評
價委員會ノ議ヲ經ベシ
〔國務大臣鹽野季彥君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=2
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003・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 只今議題トナリ
マシタ大日本航空株式會社法案ニ付キマシ
テ、其ノ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲタイト
存ジマス、航空輸送事業ハ航空機ノ急速ナ
ル進步ニ伴ヒ、交通上及經濟上益〓重要ナル
使命ヲ有スルニ至ッタノデアリマスガ、又之
ヲ國防上ヨリ考ヘマシテモ、極メテ重要ナ
ル意義ヲ有シテ居ルノデアリマス、歐米ノ
列强ハ世界大戰以來、夙ニ是等ノ點ニ著目致
シマシテ、航空輸送事業ノ發展ヲ國策トシテ
採リ上ゲ、國內航空路ヲ充實シ、國際航空路
ヲ伸張シ、其ノ勢力ノ培養扶植ニ努メ來ッタ
ノデアリマス、列强ニ立遲レテ航空輸送事
業ニ著手致シマシタ我ガ國ニ於キマシテ
ハ、銳意其ノ指導助長ニ努メテ參ッタノデ
ハアリマスガ、未ダ列强ニ及バザルコト遠
ク、我ガ國ト特ニ密接ナル關係ヲ有シマス
ル支那、南洋、太平洋方面ニ於キマシテモ、
既ニ列强ハ著々ト其ノ地步ヲ固メ、其ノ航
空網ハ我ガ國ヲ包圍スルノ態勢ニ在ルノデ
アリマス、玆ニ於キマシテ我ガ國際航空路
ノ開設ハ、政府ノヨリ厚キ保護ノ下ニ、官
民協力シ、力ヲ新タニシテ之ニ當ラナケレ
が其ノ實效ヲ收メ得ナイ狀態ニ置カレテ
居リマス、又一方滿洲事變及支那事變以
來、我ガ國ノ東亞ニ於ケル地位ハ愈〓强化セ
ラレ、日滿支ヲ一體トシタル共榮ノ基礎漸
ク堅キヲ加ヘツヽアルノデアリマスガ、東
亞ニ於ケル新秩序ノ建設ヲ促進シ、經濟上
及政治上ニ於ケル互助連環ノ關係ヲ一增鞏
固ナラシムルガ爲ニハ、日滿支三國間ノ航
空連絡ノ整備擴充ヲ圖ルト共ニ、大陸ニ於
ケル航空輸送事業ノ興隆ヲ助成シ、各航空
會社間ノ有機的連繫調整ヲ確保致シマスコ
トガ、緊急ノ要務ト考フルノデアリマス、
政府モ既ニ是等ノ點ニ留意シ、情勢ノ急需
ニ應ジマシテ、取敢ズ昨年十二月一日、日
本航空輸送株式會社及國際航空株式會社ヲ
統合シテ、資本金二千五百五十萬圓ヲ以テ
現在ノ大日本航空株式會社ヲ設立致シタノ
デアリマス、併シナガラ航空輸送事業ノ如
ク收益性乏シク、而モ國家的使命ノ重要ナ
ル事業ニアリマシテハ、之ヲ單ナル民間會
社ニ委スルコトナク、須ク官民協力シテ資
本ヲ集中シ、之ニ特別ナル保護助成ヲ與フ
ルト共ニ、十分ナル指導監督ヲ加フベキデ
アリマス、此ノ故ヲ以テ政府ニ於キマシテ
ハ今囘新タニ大日本航空株式會社法ヲ制
定シ、現在ノ會社ヲ母體トシテ、半官半民
ノ組織ニ依ル資本金一億圓ノ特殊會社ヲ設
立セシメ、政府ハ之ニ對シテ三千七百二十
五萬圓ヲ出資スルト共ニ、補助金ノ支給、
株式配當金ノ補給、社債ノ元利支拂保證、
租稅ノ免除等、特別ノ保護助成ヲ與ヘ、且
之ニ對シ適切ナル指導監督ヲ爲スコトト致
シマシタ次第デアリマス、以上ガ今般大日
本航空株式會社法案ヲ提案スルコトト致シ
マシタ理由ノ大要デゴザイマス、何卒御審
議ノ上御協賛ヲ賜ラムコトヲ切望シテ已マ
ザル次第デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 質疑ノ通〓ガゴ
ザイマシタ、坂本男爵
〔男爵坂本俊篤君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=4
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005・坂本俊篤
○男爵坂本俊篤君 諸君、古來幾多ノ著名
ナ戰爭ニハ、必ヤ其ノ勝敗ヲ分チマス所ノ特
殊ノ武器ガ現レルコトガ例ニナッテ居ルノ
デアリマス、卽チ之ヲ有スル者ハ勝チ、之
ヲ有セザル者ハ慘敗スル、是ハ史實ノ、今
日迄證明シテ居ル所デアリマス、彼ノ千八
百六十六年「プロシア」ト「オーストリア」ノ
戰爭ニ於キマシテ、「プロシア」方ハ當時不
世出ノ謀將「モルトケ」將軍ノ指揮ノ下ニ於
キマシテ、是ガ「プロシア」軍ノ所有致シテ
居リマシタ所ノ針打銃、當時「ニードル、
ガン」ト言ハレテ居ッタモノデアリマスガ、之
ヲ持チマス所ノ「プロシア」軍ハ、彼ノ「オー
ストリア」軍ガ一發撃チマス間ニ六發ノ
速射ヲ行ヒマシテ、「オーストリア」軍ヲシ
テ又起ツ能ハザルニ至ラシメタモノデアリ
やく、又日〓戰爭ニ於キマシテハ、我ガ有
スル所ノ速射砲、卽チ六「インチ」以下ノ速
射砲ノ壓倒的勢力ガ、彼ガ鎭遠、定遠ト云
フガ如キアノ精銳ナル所ノ所謂鋼鐵艦ナル
モノヲ持ッテ居リマシタニモ拘ラズ、ア
ノ如キ慘敗ヲ黃海デ致シタノハ、全ク
此ノ速射砲ノ效力ニ依ルモノデアルト思フ
ノデアリマス、今囘ノ支那事變ニ於キマシ
テ、到ル所ノ我ガ皇軍ガ目覺マシイ所ノ働
キヲ、是ハ陸海軍何レモ優リ劣リハナイト
致シマシテモ、特ニ水際立ツタ我ガ空軍ノ働
キハ我ガ國民ハ勿論、世界一般ノ感歎ノ的
トナッテ居ルノデアリマス、我ガ空軍ノ働キ
ハ開戰一發、咄嗟見事ナル渡洋作戰ノ快擧ヲ
手始メニ、敵ノ心臟部タル南京ノ爆擊トナ
リ、今ヤ敵軍ノ主要部ハ山嶽重疊タル所ノ
陬僻ノ奧地ニ立テ籠リマシテ、我ガ陸軍ヲ
シテ容易ニ近付クコトヲ得セシメザル所迄
モ、我ガ空軍ノ前ニハ山モナク、海モナク、
又支那四百餘州ノ行動半徑ト云フモノハ、
其ノ航力ノ續ク限リハ、其ノ翼下ニ橫ハル
所ノ軍事施設ハ勿論、其ノ用ヲ爲ス所ノ鐵
道及通信機關ハ悉ク木ッ葉微塵ニ粉碎シ、今
ヤ蔣介石ヲ初メ其ノ政治機關モ其ノ身ヲ置
ク所ヲ知ラザルニ至リタルモ、其ノ功績ハ
實ニ驚歎スベキモノデアルト思フノデアリ
さく、此ノ驚異スベキ空軍ノ力コソ、將來
戰爭ノ勝敗ヲ決スベキ所謂作戰上ノ切札ト
ナルモノデアルト思フノデアリマス、宜ナ
ル哉、最近迄世界海軍ノ王座ヲ占メ來ッタ
「イギリス」人ガ、酒三行氣滿チ眉〓ル時、
彼ノ玻璃ノ盃ヲ高々ト擧ゲマシテ、「ブリタ
ニア·ルール·ゼ·ウエイヴ」、此ノ歌ヲ謠ヒ
マシテ、彼ノ海權ノ偉大ナルコトヲ誇ッテ
居ッタモノガアリマスガ、今ヤソレガ一變致
シマシテ、英國ノ國境ハ「ライン」ニアリト
云フ悲鳴ヲ發スルニ至ッタノデアリマス、殊
ニ驚クベキハ最近ニ至リマシテ、大西洋ヲ
隔ッタル所ノアノ「アメリカ」ノ「ルーズヴエ
ルト」大統領ガ、「アメリカ」ノ國境ハ、卽チ其ノ
護リハ「ライン」ニアリト、斯樣ニ言ッタトカ
言ハヌトカ、如何ニモ微笑マシイ所ノ問題ヲ
起シテ居ッタノデアリマス、要スルニ今ヤ國
ノ護リト云フモノハ空軍ナクシテハ夜モ日
モ明ケヌト云フ、斯樣ナ狀態ニナッテ參ッタ
ノデアリマス、此ノ時代ニ於テ空軍ニ對シ
マシテ最モ立遲レテ居リマシタ我ガ空軍ガ、
愈〓其ノ惰眠カラ覺メマシテ、其ノ設備ノ上
ニ將其ノ〓究ノ上ニ、一段ノ强化ヲ惜マザ
ラントスルニ至リマシタコトハ、明年度ノ
豫算、經常部、臨時部ト合セマシテ八十八
億七千餘萬圓ト云フ、此ノ豫算ノ中ニ方々
ニ於テ其ノ跡ヲ見出スノデアリマス、サレ
バ只今議題トナリマシタ所ノ、此ノ大日本
航空株式會社法案ナルモノモ、其ノ一例ニ
洩レヌモノデアルト思フノデアリマス、
國ノ國防ハ官民兩々其ノ力ヲ戮セテ、其ノ
完璧ヲ期スベキモノデアルコトハ是ハ日
〓日露ノ兩戰役ノ、將最近ノ世界大戰ノ例
ニ徵シマシテモ、民有ノ船舶ガ軍隊輸送ハ
勿論ノコト、或ハ假裝巡洋艦トナリ、其ノ
海軍ニ協力致シテ偉功ヲ奏シタコトハ、之ヲ
是等ノ例ニ見マシテモ明カナル所デアリマ
ス、現ニ「アメリカ」ノ如キハ太平洋ノ航空
會社、所謂「パン·アメリカン·ヱアーウェ
イズ」、是等ノ會社ガ太平洋上ニ新タニ空港
ナルモノヲ設置致シマシテ其ノ使用條件ト
致シマシテハ、是ハ有事ノ日ニ於テハ政府
ニ其ノ用ニ供スル所ノ一札ヲ入レマシテ、
ソレガ許可サルヽコトニナッタノデアリマ
ス、斯クノ如クシテ米國ノ空軍ハ是等諸
島ヲ飛石傳ヒト致シマシテ、更ニ昨今問題
トナッテ居リマス所ノ「グアム」島ヲ經テ、太
平洋ハ其ノ翼ノ下ニ支配スルニ至ッタモノデ
アリマス、臥榻ノ側他ノ鼾睡ヲ容レズト幾
ラ威張リマシタ所デモ、其ノ西太平洋ガ米
國ノ航空網ノ爲ニ、斯樣ニガンヂ搦メニサ
レマシテハ、空軍ニ關スル限リハ私ハ手モ
足モ出セヌヤウナコトニナッテシマハンコト
ヲ私ハ惧レルノデアリマス、此ノ場合
大日本航空會社ナルモノノ出現ハ、最モ
歡迎スルニ値スルモノデアリマシテ、我ガ空
軍ノ强化ト其ノ我ガ國防上ニ於ケル所ノ甚
ダ心强サヲ感ゼシムルモノデアリマス、併シ
ナガラ私ハ之ヲ無條件ニ贊成スル者デハア
リマセヌ、何故ナラバ、ソレハ外デハアリ
マセヌガ、斯樣ニ航空事業ノ强化サレ、マシ
タ所デ、是ガ活動ノ力素トナル所ノ燃料、
卽チ「ガソリン」ノ準備ガ十分アリマスヤ否
ヤト云フコトニ付テ御尋ヲ申上ゲタイト存
ズルノデアリマス、ソレモ今日迄ノヤウニ平時
ニ於キマシテ、一定ノ定期航空輸送ノヤウニ
甲地カラ乙地ニ飛ブ、乙地カラ丙地ニ飛ブト
云フヤウナ、ソンナ生マ優シイコトデハナ
イノデアリマス、國防ノ用ヲナスト云フ意
味カラ致シマスレバ、戰時ニ我ガ空軍ト力
ヲ戮セテ、其ノ指導ノ下ニ日夜縱橫無盡ニ驅
ケ〓ル、其ノ用意ガナケレバナラヌト思フノ
デアリマス、政府ニ於テハ斯クノ如キ多大ノ
經費竝ニ補助ヲ援護致シマシテ、會社ノ成立
ヲ助成スルト云フ所以ノモノモ此ノ期待ヲ
持ッテ居ラレヽバコソ、初メテ國防ノ意義ヲ
全ウスル所以デアルト思フノデアリマス、卽
チ以上私ノ申述ベタ如キ此ノ趣旨ニ於テ、
十分ナ考慮ヲサレタ上ニ、此ノ法案ト云フ
モノヲ提出サレタモノデアルヤ否ヤ、是レ
此ノ質問ヲ提起致シタ所以デアリマス、此
ノ質問ハ或要點ニ於テ、本質的ニ於キマシ
テハ商工省ノ主管ニ觸レルモノデアリマス
ルガ、先ヅ以テ本法案ノ提出ノ主務者デア
ラレル所ノ遞相ヨリ其ノ御答辯ヲ煩ハシ、
次イデ商相ノ御所見ヲ伺ヒタイト存ズルノ
デアリマス、是ヨリ商相ニ御尋ネヲ申シマ
ス、燃料ニ關スル當局ノ御答辯ハ、今日迄
ハ千篇一律、殆ド紋切型ト申シテ宜シイト
思フノデアリマス、曰ク相當ノ貯蓄ハアル、
曰ク人造石油モ天然石油モソレ〓〓法ヲ設
ケテヤッテ居ル、唯如何ニモ當座遁レノ御答
辯デハ、多少眞劍ニ此ノ問題ヲ考ヘテ居リ
マスル者ニハ、何等納得ヲ與ヘルコトガ出
來ヌノデアリマス、現ニ過日衆議院ニ於キ
マシテ東代議士ヨリ石油增產計畫ノ貧弱ナ
ルコトヲ詰リマシテ、其ノ指摘サレタ所ノ
質問ニ對シテ、八田商相ノ御答ノ如キガ卽
チソレデアルト思ウテ居ルノデアリマス、
多分是等ニ付テノコトデアラウト思ヒマス
ガ、今朝ノ或都下ノ有力ナル新聞ニ、是レ
血一滴ト云フ見出シノ下ニ、今年ハ六百萬
圓ノ試掘ガ計上サレテ居ル、如何ニモ政府
ガ大イナル豫算ヲ計上サレテ居ルト云フヤ
ウニ取扱ッテ居ルノデアリマスガ、焉ゾ知ラ
ン、此ノ六百萬圓ト云フモノハ昨年ハ百四
十萬圓ノモノガ、今年ハ六百萬圓トナッテ
居ル、之ヲ政府當局ノ計畫ニ依ル平均ノ年
度割ニ致シマシタラ、或ハ三百萬圓近イモ
ノデアラウカト思ッタモノデアリマスガ、ソ
レガ六百萬圓ニナッタカラト云ッテ、僅カニ
三百萬圓殖エタト云フニ過ギナイノデアリ
そう、斯樣ナ貧弱ナルモノヲ以テシテ、何
デ是ガ石油ノ增產ニ値スルノデアリマセウ
カ、我ガ石油ノ外國依存カラ免レヨウトス
ル前ニハ、殆ド九牛ノ一毛ト申シテ宜シイ
カ、二階カラ眼藥ト申シテ宜シイカ、何ノ
足シニモナラナイモノデアリマス、ソレヲ
斯樣ニ新聞アタリニ取扱ッテ居ルト云フコ
トニ見マシテモ、如何ニ此ノ政府ノ御答辯
ガ千篇一律デアリ、又世間ハ其ノ眞相ヲ能
ク捉へ得ズニ、斯樣ナ記事ヲ出シタト云フ
コトガ分ルノデアリマス、ソコデ若シ眞ニ
我々ヲシテ納得ヲ得セシムル所ノ御計畫ガ
アルナラバ、先ヅ以テ其ノ計畫ノ全貌ヲ御
究メニナリ、今後四箇年ナリ五箇年ナリノ
終リニ於ケル、需要供給ノ數量ト云フモノ
ヲ基準トシテ年度割ヲ定メテ、其ノ最終ノ
年度ニ於ケル所ノ眞ニ自給自足ニ達スルコ
トヲ得バ、ソレハ此ノ上ナイコトデアリマ
スルガ、若シソレ迄ニ達セズト致シマシテ
モ、其ノ之ニ達スル所ノ何「プロセント」ナ
リ、卽チ何割位迄ニハ、或ハ八割トカ七割
トカ迄ニハ、達セシムル見込デアルト云フ
ガ如キ、其ノ見透シノ上ニ吾人ヲ安心セシ
メテ戴カナケレバナラヌト思フノデアリマ
ス、世ノ中ハ目明キ千人盲千人ト云フ諺
モアリマスガ、斯樣ナ問題ニナリマスト其
ノ多數ハ皆盲デアリマス、其ノ證據ニハ私
ガ平生畏友ト致シマシテ、其ノ人格識見ニ
敬服ヲ致シマスル所ノ人達カラ、ヤア君ハ多
年心配シテ居ッタ燃料問題モ、今度政府ハ愈〓、
時局ニ目覺メテ、愈〓國國ノ樹立サレタコト
ハ誠ニ御目出度イト思フト云フヤウナ挨拶
ヲサレマシタ時ニハ、其ノ眞相ヲ多少知ッテ
居リマスル私ニ取リマシテ、冷汗ノ背ヲ沾
スヲ禁ズルコトガ出來ナイノデアリマス、
既ニ斯樣ナ知識階級ノ人ニアリマシテ然リ
デアリマス、況ヤ一般ノ國民ニ於テオヤ、
ソコデ私ノ最モ惧レマスル所ハ、是等國民ヲ
シテ斯クノ如キ、謂ハバ虛僞ノ安心ノ上ニ眠
ラセテ置クト云フコトデアリマス、是ハ啻ニ
國民ニ對シテ甚ダ罪ナコトデアルト同時ニ、
國家ニ對シテ誠ニ申譯ノナイコトデアルデ
ハアリマセヌカ、此ノ件ニ付キマシテ私ハ
端ナク想ヒ起シマシタコトハ、先年「フラ
ンス」ノ地中海ノ艦隊司令長官ヲ致シテ居
リマシタ所ノ「ゼルミネ」提督、「アドミラ
ル·ゼルミネ」ガ之ニ絡ハル一事件ノコトデ
アリマス、ソレハ提督ガ自分デ率ヰル所ノ
其ノ艦隊ノ武裝ノコトニ付キマシテ、弱點
ヲスッパ拔イタノデアリマス、斯樣ナ事件デ
アリマス、當時彼等ハ首相ノ「クレマン
ソー」カラ直チニ「パリー」ニ呼ビ付ケラレマ
シテ、「クレマンソー」ノ前デ大目玉ヲ喰ッ
タノデアリマス、ソコデ彼ハ直チニ地中艦
隊ノ司令長官ノ職ヲ罷メサセラレマシタコ
トハ當然ノ事デアリマシテ、「ゼルミネ」提
督ト雖モ固ヨリソレハ覺悟ノ前デアッタラ
ウト思フノデアリマス、然ルニ國民ノ一般
ハ之ヲ知リマシテ、流石ハ我ガ「ゼルミネ」
提督デアル、能クモ我等ニ其ノ眞相ヲ知ラ
シテ吳レタ、感激ノ餘リ彼ヲ無上ノ愛國者
トシテ取扱ヒ、非常ナ人氣ヲ博シタト云フ
コトガ傳ヘラレテ居ルノデアリマス、又政
府當局者ト致シマシテモ提督ノ衷情ヲ汲ミ
マシテ、彼ハ間モナク重要ナ職務ヲ與ヘラ
レタト云フコトヲ聞及ンダノデアリマス、
飜ッテ我ガ國ハ國外カラドレダケノ輸血ニ
依ッテ戰爭ヲシテ居ルカト云フコトヲ知ッテ
居ル者ノ數ハ、極メテ少イダラウト思フノ
デアリマス、其ノ事ハ私ガ前ニ述べマシタ
或畏友カラノ話ニ依リマシテモ、略、〓想像出
來ルノデアリマス、推想ガ出來ルノデアリ
マス、先般貴衆兩院ニ於キマシテハ、此ノ
物資問題ニ付キマシテ、色々企畫院總裁カ
ラ御說明ガアリマシタ、衆議院デハ公開ノ所
ダッタト思ヒマスガ、貴族院ハ祕密會デア
リマシタ、デ御話ガアリマシタ、處ガ總裁
ノ御話ニハ、是ハ勿論他ノ物質ソレ〓〓ノ
コトデアリマスルガ、私ノ今此處ニ申上ゲ
タイノハ燃料ノコトデアリマス、ソレニ付
キマシテモ總裁カラハ、例ヘバ或燃料ニ付
テソレハ何割增スコトニナル、四箇年計畫
デアル、或ハ何倍ニスル積リデアルト斯ウ
云フヤウニ御說明ニナッタヤウニ承リマシ
ク、然ルニ其ノ何割、何倍ト申サレマシテ
モ、其ノ基數、卽チ基本トナル所ノ數字ノ
御示シガナカッタノデスカラ、ソレガ一體幾
ラノ數字ニナルカト云フコトハ、是ハ分ラ
ヌ筈ハナイノデアリマス、ドウモソレダケ
デハ數字的ニ何等知ルコトモ出來ナカッタ
ラウト思フノデアリマス、然ルニ私ハ幸ニ
企畫院ノ審議會ニ昨年ノ暮ニ出席致ス機會
ヲ得マシテ、其ノ席ニ於テ企畫院ノ御計畫
ナルモノヲ知ルコトガ出來タノデアリマス、
ソレニ付テハ固ヨリ此ノ演壇ニ於テ申述べ
ル自由ガナイノデアリマスルガ、併シナガ
ラ貴衆兩院ニ於テ企畫院總裁カラ披露サレ
マシタ所ノモノハ、恐ラク審議會ニ於テ私
ガ知リマシタ所ノアノ御計畫ト同樣ト申シ
マセウカ、基クモノデアラウカト思フノデ
アリマス、其ノ際私ハ審議會ニ於テ忌憚ナ
ク意見ヲ申述ベタノデアリマス、言ヒ換へ
レバ最モ强ク意見ヲ述ベマシテ、斯樣ナコ
トデハ需要供給ノ關係ニ於テ、其ノ相距ル
コト甚ダ遠シト云フ結論ヲ以テ、强硬ニ意ノ
アル所ヲ申述ベタノデアリマス、此ノ當時
ノ記錄ハ企畫院ニハアル筈デアリマスカラ、
此ノ計畫ト共ニ我々ノ意見モ御覽下サッ
タ方ガ閣僚中ニハゴザイマスカモ知レナイ
ト存ズルノデアリマス、斯樣ナコトデアリ
マス、昔ノ支那ノ笑話ニ死馬ノ骨、卽チ死
ンダ馬ノ骨ヲ千金ヲ抛ッテ買ッタト云フ話ガ
アリマスルガ、是モ同樣ニ、如何ニ百千萬ノ
金ヲ投ジテ航空機ハ勿論ノコト、其ノ他軍艦
ニセヨ、自動車ニセヨ、「トラック」ニセヨ、
「タンク」ニセヨ、總テ是等ノ重要ナル所ノ軍
器ガ燃料ナクシテハ、恰モ死馬ノ骨ヲ千金デ
買ッタト同樣ナ笑話ニ陷ルコトナカラムコト
ヲ惧レルノデアリマス、或ハ當局ハソンナ馬
鹿馬鹿シイコトヲスルモノカ、此ノ時局ヲ
前ニシテソンナコトヲスル筈ハナイ、必ズ
ヤ政府ハ十分之ニ對スル所ノ御覺悟ハアル
ト言ハレルナラバ、果シテ其ノ御覺悟アリ
トスルナラバ、只今申シマスガ如ク、是等
總テノ軍器ノ活動力ノ源泉ヲ爲ス所ノ、其ノ
準備ニ對スル所ノ御經綸ヲ、商相ヨリ拜聽致シ
タイト存ズル次第デアリマス、ノ併シナガラ
只今此ノ席デ其ノ詳シイ御說明ヲ拜聽スル
ト云フコトハ、相互共ニ不便ヲ感ズルノデ
アリマス、今後ノ適當ナ機會ニ於テ詳シイ
コトハ拜聽致スコトト致シマシテ、要點ニ
付テ商相ノ御說明ヲ拜聽致シタイト存ズル
ノデアリマス
〔國務大臣鹽野季彥君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=5
-
006・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 坂本男爵ノ御質
問ニ對シテ御答ヲ致シマス、飛行機用ノ「ガ
ソリン」ノ供給ハ如何デアルカト云フ御尋
デゴザイマシテ、御心配ノ趣旨ハ誠ニ御尤
デゴザイマス、申ス迄モナク民間航空輸送
ノ仕事ハ、政治上ニモ、經濟上ニモ、將又
國防ノ上ニモ重要ナル使命ヲ持ッテ居リマス
ルノデ、此ノ大會社ヲ設立スルコトニ計畫
ヲ致シマシタノデアリマスカラ、之ガ十分
ナル運營ヲ致シマスルニハ、飛行機用ガ
ソリン」ノ供給ガ圓滿ニ、十分デナケレバ
ナラヌノデゴザイマシテ、從ッテ此ノ「ガソ
リン」供給ニ付キマシテハ、企畫院ニ於キ
マシテモ、物動計畫ノ上ニ十分ニ盛込マレ
テ居ルノデゴザイマス、ノミナラズ商工省
ト能ク打合セヲ致シマシテ、十分ニ其ノ數
量迄確定シテ居ルヤウナ次第デゴザイマス、
今後之ヲ實行致シマスニ付テハ遺漏ナキヤ
ウニ十分ニ努力致ス考へデ居リマス
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=6
-
007・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今坂本男爵ヨ
リ御尋ネノ點、第一點ニ付キマシテハ、卽
チ航空機用揮發油ニ對シマスル對策ニ付テ
ハ、只今遞信大臣ヨリ御答ニナリマシタル
通リデアリマス、商工省ト致シマシテハ航
空機用燃料ニ對シマシテハ、今囘ノ事變勃
發以來、其ノ軍事用ノ生產竝ニ配給ニ付キ
マシテモ、種々ノ方面カラ萬全ノ策ヲ講ジ
テ、支障ナカラシメルヤウニ努力致シテ居
ル次第デアリマスガ、今後ノ國防竝ニ民間
航空ノ發達ニ付キマシテモ、勿論陸海軍竝
ニ遞信省當局ト十分ナル聯繫ヲ取リマシテ、
商工省當局ト致シマシテハ、萬違算ナキヲ
期スル考デアリマス、第二點ノ我ガ國ノ石
油ノ對策ニ付キマシテハ、此ノ數年來朝野
ヲ擧ゲテ眞劍ニ此ノ問題ニ對シテ〓究サレ
テ來テ居ルコトハ申上グル迄モナイノデア
リマス、政府ニ於キマシテモ、天然石油竝
ニ人造石油ニ付キマシテ、相當ノ積極的對
策ヲ講ジマシテ、只今遞信大臣ヨリモ御答
ガアリマシタル通リ、生產力擴充計畫ノ一
ツノ重要ナル項目ト致シマシテ、對策ヲ確
立致シテ居ルノデアリマス、商工省ト致シ
マシテモ、此ノ計畫ニ基キマシテ、目下專
ラ其ノ實施ノ遺憾ナキヲ期シテ居ル次第デ
アリマスガ、只今坂本男爵ヨリ縷々御述ニ
ナリマシタル通リ、決シテ政府ニ於キマシ
テモ、民間ニ於キマシテモ、是ダケデ滿足
スルモノデハナイノデアリマス、速カニ一
層積極的ノ對策ヲ講ジマシテ、遺憾ナキ上
ニモ十分更ニ遺憾ナカラシムルヤウニ對策
ヲ講ズルコトニ於テハ、萬違算ナキ積リデ
居リマスルノデアリマス、其ノ點御了承願
ヒタイト思フノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=7
-
008・坂本俊篤
○男爵坂本俊篤君 色々申上ゲタイコトモ
ゴザイマスガ是ハ他日ノ機會ニ讓リマシ
テ、私ノ質問ハ是デ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=8
-
009・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
大日本航空株式會社法案ハ、關聯致シマス
ル所ガアリマスルガ故ニ、國際電氣通信株
式會社法案ノ特別委員ニ併託セラレムコト
ノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=9
-
010・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=10
-
011・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=11
-
012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=12
-
013・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二、昭和
十三年法律第八十七號中改正法律案、政府
提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長
報〓、委員長高橋子爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
昭和十三年法律第八十七號中改正法律
案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十九日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵高橋是賢君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=13
-
014・高橋是賢
○子爵高橋是賢君 只今上程ニ相成リマシ
タル昭和十三年法律第八十七號中改正法律
案ニ付テ申上ゲマス、本案ハ三月十三日、
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル
爲公債發行ニ關スル法律案特別委員會ニ併
託相成リマシタ案デゴザイマス、是ヨリ本
委員會ニ於ケル審議ノ模樣及ビ其ノ結果ニ
付テ御報告申上ゲマス、先ヅ本法案ノ內容
ニ付テ申述ベタイト思ヒマス、此ノ改正法
律案ハ外國債ヲ待遇スルコトニ關スル取扱
ノ改正デアリマス、外國ガ日本國內ニ於テ
募集スルコトヲ許可ヲ得テ發行スル所ノ公
債ハ、日本ノ公債ト同樣ニ認メテ取扱フト
云フコトニスル法案デアリマス、例ヘバ滿
洲國邊リガ日本內地ニ於テ公債ヲ募集スル
コトノ許可ヲ得マシテ發行シマスル公債
ハ日本ノモノト同樣ニ、政府ニ對スル保
證金等ニモ使用ガ出來ルヤウニナルコトデ
アリマス、委員會ニ於キマシテハ政府當局
ヨリ該法案ニ付キマシテ詳細ナル說明ヲ聽
取致シ、格別質問モナク討論ニ入リ、委員
ハ政府ノ提案ヲ認メマシテ、採決ノ結果滿
場異議ナク原案ハ可決セラレタノデアリマ
ス、右甚ダ簡單デアリマスガ御報告ヲ終リ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=14
-
015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=15
-
016・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=16
-
017・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=17
-
018・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=18
-
019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=19
-
020・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=20
-
021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=21
-
022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=22
-
023・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=23
-
024・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=24
-
025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=25
-
026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=26
-
027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=27
-
028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=28
-
029・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第三、國際
電氣通信株式會社法中改正法律案、政府提
西、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長報
〓、委員長兒玉伯爵
國際電氣通信株式會社法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月二十日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(伯爵兒玉秀雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=29
-
030・兒玉秀雄
○伯爵兒玉秀雄君 國際電氣通信株式會社
法中改正法律案ニ對シマスル委員會ノ審議
ノ經過竝結果ヲ御報〓申上ゲマス、本案ノ
要旨ハ東亞ノ新事態ニ應ジマシテ、日滿支
三國間ニ於キマスル電氣通信機關ヲ整備致
シマシテ、三國間ノ共助連環ヲ確保シ、以テ
東亞ニ於ケル通信自主ヲ確立セムトスルモ
ノデアリマス、政府ハ此ノ事業ノ遂行ヲス
ル爲ニ、現在ノ國際電氣通信株式會社ヲ擴
充强化致シマシテ、之ニ當ラシメムトスル
ノデアリマス、同會社ハ御承知ノ通リ現在
二千五百萬圓ノ資本金ヲ有スルノデアリマ
スルガ、之ヲ約一億圓程度ニ增資ヲ致シマ
シテ、從來ノ會社ノ事業ノ外ニ最新式無裝
荷「ケーブル」ニ依リマシテ、長距離通信ノ
途ヲ開キ、且附帶事業ト致シマシテ必要ナ
ル事業ヲ兼營セシメムトスルモノデアリマ
ス、之ガ爲ニ政府ハ資本ノ半額ヲ支出スル
コトトシ、東京、名古屋及福岡、安東間ノ
「ケーブル」ヲ現物出資ト致シマシテ、尙現
金出資ヲモ致シマシテ、會社ノ資力ヲ增大
致シ、尙會社ヲシテ資本三倍ノ社債ヲ發行
シ、之ガ元本ノ償還及ビ利息ノ支拂ヲ政
府ニ於テ保證ヲシ得ルモノトスルノミナラ
ズ、課稅免除ノ特典ヲモ與ヘマシテ、之ヲ
保護助長セムトスルノデアリマス、而シテ
會社ハ第一期計畫ト致シマシテ約一億八千
萬圓ヲ支出シテ、十四年度以降五箇年間ニ、
東京、奉天、北京、上海、南京、臺北等、
主要ノ都市ヲ連絡致シマスル長距離かつ
ブル」ヲ整備致シマスルト共ニ、別ニ約二
千二百萬圓ヲ以チマシテ對外無線設備ヲモ
擴張セムトスルモノデアリマス、委員會ニ
於キマシテハ、支那ニ於キマスル列國ノ通
信競爭ノ現狀、竝ニ支那ニ於キマスル通信
機關トノ連絡協定ニ關スル事項、竝ニ放送
事業ニ關シマシテ詳細ナル說明ヲ求メタノ
デアリマス、尙本計畫ノ實行ニ當リマシテ
相當多量ノ物資ヲ要シマスルガ、物動計畫
上之ヲ遂行スルニ差支ナキヤノ質問ニ對シ
マシテハ、政府ハ事業遂行ノ爲ニ、是等ノ
資材ヲ優先的ニ配給ヲ致シマシテ、其ノ必
要ニ應ズル旨ノ答辯ヲ致シテ居リマス、次
ニ、政府ハ本會社ニ對シマシテ他ノ國策會
社同樣ニ配當保證ヲ爲サザルノハ、會社ノ
經營上ヨリ考察致シマシテ、政府ノ保證ガ
ナクトモ、六分以上ノ配當ヲ繼續シ得ルノ
確信ガアリマスルト同時ニ、萬一不足ノ場
合ニ於キマシテハ、政府ノ交付金ヲ按排致
シマシテ、株主ノ利益ヲ確保スベキニ依リ
マシテ、資金募集等ニ支障ヲ生ズル虞ハナ
イト言明シテ居リマス、又本案ハ元來民有
國營ノ主義ニ出ヅルモノデアルカラシテ、
單ニ之ヲ國際關係ノミニ適用セムトスルモ
ノデハナク、寧ロ進ンデ國內ノ通信機關ニ
對シマシテモ、同樣ノ機構ヲ採用スルノ意
思ナキヤノ質問ニ對シマシテ、政府ハ本問
題ハ重大ナル關係ヲ有スルヲ以テ、相當ノ
〓究ヲ致シタル上デナケレバ、茲ニ明白ナ
ル御答ハ致シ難イト言ッテ答辯ヲ避ケテ居
リマス、尙「ケーブル」製造能力、通信料ノ
低減ノ必要ニ付キマシテ質問ガアリマシタ
ル後ニ、衆議院ノ修正事項デアリマス、所
謂天降リ官吏採用禁止ノ狀況ニ付キマシテ
ハ既ニ本法案中ニ、會社ノ重役ハ其ノ官
吏デアルト否トヲ問ヒマセズ、政府ノ認可
ヲ要スルコトニナッテ居リマスルノデ、我々
ノ見方ト致シマシテハ、此ノ衆議院ノ修正
ハ毒ニモ藥ニモナラナイ感ジガスルノデア
リマスルガ、政府ハ兩院ヲ通過致シマスレ
バ是亦已ムヲ得ナイ旨ヲ言明致シマシテ、
委員會ハ其ノ儘之ヲ認メタノデアリマス、
最後ニ、會社本來ノ目的ハ第一條ニ明示セ
ラレル所デアリマシテ、從ッテ第二條ニ列
記セラレテアル所ノ各項ハ、何レモ會社ノ附
帶事業トシテ〓業ヲ許スモノデアリマスル
カラ、其ノ事業ノ範圍ハ自ラ制限的デナク
テハナラナイ、從ヒマシテ第三號ノ通信設
備ノ請負ノ如キハ、徒ニ民業ト競爭シ、之
ヲ壓迫スルコトヲ避ケルコトヲ要スルノハ
勿論デアリマス、又第四號ノ通信用品ノ製
造販賣ノ如キハ、國策上必要デアルカ又ハ
特殊ノ場合ニ限定スルノ必要ガアルノデア
リマス、又第十二條ニ依リマスル技術〓究
ノ結果、発明ノアル場合ノ如キハ、之ヲ試
作ニ止メテ毫モ民業ニ脅威ヲ與フルコトチ
ク、專ラ第一條本來ノ目的遂行ニ邁進スル
ノ必要アルベシトノ注意的質問ニ對シマシ
テ、政府ハ特ニ此ノ趣旨ヲ體シ遺憾ナキヲ
期スベキ旨ヲ言明サレタノデアリマス、斯
クノ如ク致シマシテ、委員會ハ三囘開會シ、
質疑終了ノ後討論ニ入リ、簡單ニ本案贊成
ノ發言ガアリ、採決ノ結果、全員一致本案
ヲ可決セラレタノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=30
-
031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=31
-
032・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=32
-
033・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=33
-
034・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=34
-
035・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=35
-
036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=36
-
037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=37
-
038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=38
-
039・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=39
-
040・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=40
-
041・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=41
-
042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=42
-
043・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=43
-
044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=44
-
045・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ニテ議事日程
ハ全部終了致シマシタガ、本日衆議院ヨリ
重要議案ノ送付ガアリマスルコトト存ジマ
スルカラ、午後一時半迄休憩ヲ致シマス、
若シ休憩ヲ延長セネバナラヌ場合ニハ揭示
等ヲ以テ御報告ヲ致シマス、是ニテ休憩致
シング
午前十一時十七分休憩
午後一時四十三分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=45
-
046・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマ
ス
〔丸龜書記官朗讀〕
本日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
支那事變特別稅法中改正法律案
臨時利得稅法中改正法律案
臨時租稅措置法中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=46
-
047・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 休憩前ニ引續キ
會議ヲ開キマス、本日衆議院ヨリ送付セラ
レマシタ政府提出ニ係ル支那事變特別稅法
中改正法律案、臨時利得稅法中改正法律案
及臨時租稅措置法中改正法律案ヲ、此ノ際
議事日程ニ追加シ一括シテ第一讀會ヲ開ク
コトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=47
-
048・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、石渡大藏大臣
支那事變特別稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院ノ修正ナリ)
支那事變特別稅法中改正法律案
支那事變特別稅法中左ノ通改正ス
第一條中「砂糖消費稅及取引所稅」ヲ「〓
涼飮料稅、砂糖消費稅、取引所稅及印紙
稅」ニ、「公債及社債利子稅、」ヲ「公債及社
債利子稅、建築稅、」ニ、「及物品稅」ヲ「、物
品稅及遊興飮食稅」ニ改ム
第二條第三項ヲ左ノ如ク改ム
前二項ノ規定ニ依ル普通所得及超過所
得ニ對スル所得稅ノ增徵稅額ハ左ノ金
額ヨリ普通所得及超過所得ニ對スル所
得稅額(所得稅法第二十一條ノ二ノ規
定ニ依リ普通所得ニ對スル所得稅ニ加
算スル稅額ヲ含マズ)ト臨時利得稅額
トノ合計金額ヲ控除シタル殘額ヲ超ユ
ルコトヲ得ズ
普通所得ノ百分ノ五十五ニ相當スル
金額ヨリ普通所得中留保シタル金額
ノ百分ノ十五ニ相當スル金額ヲ控除
シタル殘額
第八條ノ二〓涼飮料稅ハ〓涼飮料稅法
第二條ノ規定ニ拘ラズ左ノ稅率ニ依ル
第一種玉ラムネ壜詰ノモノ
一石ニ付八圓五十錢
第二種其ノ他ノ壜詰ノモノ
一石ニ付十五圓
第三種壜詰以外ノモノ
炭酸瓦斯
使用量一
瓩ニ付四圓五十錢
第九條中「一圓二十錢」ヲ「一圓七十錢」
ニ、「三圓三十錢」ヲ「四圓」ニ、「七圓十錢」
ヲ「七圓八十錢」ニ、「八圓六十錢」ヲ「九
圓三十錢」ニ、「十一圓」ヲ「十一圓七十錢」
ニ、「三圓九十錢」ヲ「四圓六十錢」ニ改
ム
第十一條ノ二印紙稅中物品切手ニ關ス
ル印紙稅ハ印紙稅法第四條第一項第二
十八號ノ規定ニ拘ラズ一通每ニ左ノ區
別ニ依リ之ヲ納ムベシ
記載金高三圓以下ノモノ
三錢
同五圓以下ノモノ
十錢
同十圓以下ノモノ
三十錢
同二十圓以下ノモノ
六十錢
同三十圓以下ノモノ
九十錢
同五十圓以下ノモノ
一圓五十錢
同百圓以下ノモノ
三圓
同百圓ヲ超ユルモノ
百圓又ハ
其ノ端數
每〓一三圓
記載金高ナキモノ
三錢
第十三條利益配當稅ハ前條ノ法人ヨリ
支拂ヲ受クル利益ノ配當ニ付之ヲ賦課
シ配當金中配當率年七分ノ割合ヲ以テ
算出シタル金額ヲ超ユル金額ヲ左ノ各
級ニ區分シ遞次ニ各稅率ヲ適用シテ算
出シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
配當金中配當率年七分ノ割合ヲ以テ
算出シタル金額ヲ超ユル金額百分
ノ十
同年一割ノ割合ヲ以テ算出シタル金
額ヲ超ユル金額百分ノ十五
第十六條中「百分ノ十」ヲ「百分ノ十五」ニ
改ム
第十八條ノ二建築稅ハ左ニ揭グル家屋
ヲ建築(增築及改造ヲ含ム以下同ジ)シ
タル者ニ之ヲ課ス
-居住ノ用ニ供スル家屋
二料理店業、席貸業其ノ他之ニ類ス
ル營業ノ用ニ供スル家屋ニシテ命令
ヲ以テ定ムルモノ
三演劇、活動寫眞、演藝又ハ觀物(相
撰、野球、拳鬪其ノ他ノ競技ニシテ
公衆ノ觀覽ニ供スルコトヲ目的トス
ルモノヲ含ム)ノ開催ノ用ニ供スル
家屋
第十八條ノ三建築稅ハ家屋(附屬工作
物ヲ含ム以下同ジ)一構每ニ其ノ建築
價額ヲ標準トシテ之ヲ賦課ス
前項ノ建築價額ノ算定ニ關シテハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
一構ノ家屋ノ一部ガ前條ノ家屋ニ該當
スル場合ニ於テハ其ノ部分ヲ以テ一構
ノ家屋ト看做ス
第十八條ノ四第十八條ノ二ニ揭グル家
屋ヲ新築シタル者新築竣成後一年內ニ
其ノ家屋ト一構ト爲ルベキ建築ヲ爲シ
タル場合ニ於テハ前後ノ建築ヲ通ジテ
一建築ト看做シ本法ヲ適用ス
前項ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スベキ場
合ニ於テ既ニ建築稅ヲ課シタル部分ア
ルトキハ其ノ建築稅ニ相當スル金額ヲ
建築稅額ヨリ控除ス
第十八條ノ五建築稅ハ建築價額ヨリ五
千圓ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相
當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第十八條ノ六左ニ揭グル家屋ヲ建築シ
タル場合ニ於テハ建築稅ヲ課セズ
ー建築價額一萬圓未滿ノ家屋
二公用又ハ公共ノ用ニ供スル爲北海
道府縣、市町村其ノ他命令ヲ以テ
指定スル公共團體ガ建築シタル家屋
三其ノ他命令ヲ以テ定ムル家屋
第十八條ノ七左ニ揭グル家屋ヲ建築シ
タル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依
リ建築稅ヲ免除ス
災害ニ因リ滅失又ハ損壞シタル家
屋ニ代ヘテ建築シタル家屋
二法令ニ依リ收用又ハ使用セラレタ
ル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋及法
令ニ依ル敷地ノ收用又ハ使用ニ因リ
取毀シタル家屋ニ代ヘテ建築シタル
家屋
三其ノ他命令ヲ以テ定ムル家屋
第十八條ノ八建築稅ニ付納稅義務アル
者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ建築價額ヲ
政府ニ申告スベシ
第十八條ノ九建築價額ハ前條ノ申〓ニ
依リ、申告ナキトキ又ハ申〓ヲ不相當
ト認ムルトキハ政府ノ調査ニ依リ政府
ニ於テ之ヲ決定ス
建築價額ヲ決定シタルトキハ政府ハ之
ヲ納稅義務者ニ通知スベシ
第十八條ノ十建築稅ハ建築竣成ノ際之
ヲ徵收ス
第十八條ノ十一建築稅ハ家屋ノ所在地
ヲ以テ納稅地トス
納稅義務者納稅地ニ現住セザルトキハ
建築價額ノ申〓、納稅其ノ他建築稅ニ
關スル事項ヲ處理セシムル爲納稅管理
人ヲ定メ政府ニ申告スベシ
第十八條ノ十二本法ノ適用ニ付テハ被
相續人ノ爲シタル家屋ノ建築ハ相續人
ノ爲シタルモノト看做シ合併ニ因リテ
消滅シタル法人ノ爲シタル家屋ノ建築
ハ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リ
テ設立シタル法人ノ爲シタルモノト看
做ス
第三十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
物品稅ハ左ニ揭グル物品ニシテ命令ヲ
以テ定ムルモノニ之ヲ課ス
第一種
甲類
ー貴石若ハ半貴石又ハ之ヲ用ヒ
タル製品
二眞珠又ハ眞珠ヲ用ヒタル製品
三貴金屬製品又ハ金若ハ白金ヲ
用ヒタル製品
四鼈甲製品
五珊瑚製品
六毛皮又ハ毛皮製品
七羽毛製品又ハ羽毛ヲ用ヒタル
製品
乙類
八時計
九文房具
十身邊用細貨類
十一化粧用具
十二喫煙用具
十三〓子、枚鞭及傘
十四鞄及トランク
十五靴及履物
十六書〓及骨董
十七室內裝飾用品
十八玩具
十九運動具
二十照明器具
二十一電氣器具及瓦斯器具
二十二圍碁及將棋用具
二十三家具
二十四漆器、陶磁器及硝子製器
具ニシテ別號ニ揭ゲザルモノ
二十五貴金屬ヲ鍍シ又ハ張リタ
ル製品ニシテ別號ニ揭ゲザルモ
二十六皮革製品ニシテ別號ニ揭
ゲザルモノ
二十七織物、メリヤス、レース、
フェルト及同製品竝ニ組物
二十八果物
第二種
甲類
-寫眞機、寫眞引伸機、映寫機、
同部分品及附屬品
二寫眞用ノ乾板、フィルム及感
光紙
三蓄音器及同部分品
四蓄音器用レコード
五樂器、同部分品及附屬品
六雙眼鏡及隻眼鏡
七銃及同部分品
八藥莢及彈丸
九ゴルフ用具、同部分品及附屬
品
十娯樂用ノモーターボート、ス
カール及ヨット
十一撞球用具
十二ネオン管及同變壓器
十三喫煙用ライター
十四乘用自動車
十五化粧品
乙類
十六ラヂオ聽取機及同部分品
十七受信用眞空管、擴聲用增幅
器及擴聲器
十八扇風機及同部分品
十九煖房用ノ電氣、瓦斯又ハ礦
油ストーブ
二十冷藏器及同部分品
二十一金庫及鋼鐵製家具
、及
二十二化粧用石鹸、シャンプー
洗粉及齒磨
紅茶
二十三茶珈琲及其ノ代用物竝
ニココア
二十四嗜好飮料但シ酒類及〓涼
飮料ヲ除ク
第三種
ー燐寸
二酒類但シ濁酒ヲ除ク
三飴葡萄糖及麥芽糖
第三十九條中「五圓」ヲ「十圓」ニ、「十圓」
ヲ「十五圓」ニ、「七圓」ヲ「十四圓」ニ改メ
「葡萄酒(酒精及酒精含有飮料稅法第三
條ノ二ニ規定スルモノ以下同ジ)」ノ下ニ
「及果實酒(酒精及酒精含有飮料稅法第三
條ノ三ニ規定スルモノ以下同ジ)」ヲ加ヘ
同條第三種ニ左ノ一號ヲ加フ
三館葡萄糖及麥芽糖
百斤ニ付二圓
イ麥芽糖化ノ方法ニ依リ製造シタル飴
百斤ニ付一圓五十錢
ロ其ノ他ノ飴竝ニ葡萄糖及麥芽糖
百斤ニ付二圓
第四十二條第一項中「第一種第十四號」ヲ
「第一種第十六號」ニ改ム
第四十三條中「化粧品」ヲ「化粧品、化粧用
石鹸トシャンプー、洗粉、齒磨又ハ嗜好飮
料」ニ改ム
第四十四條左ニ揭グル場合ニ於テハ嗜
好飮料、酒類、飴、葡萄糖又ハ麥芽糖ハ
之ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做
ス
一嗜好飮料又ハ酒類ヲ製造場內ニ於
テ飮用シタルトキ
二飴葡萄糖又ハ麥芽糖ヲ製造場內
ニ於テ飴、葡萄糖又ハ麥芽糖以外ノ
製品ノ原料トシテ使用シタルトキ
第四十六條第一項中「課稅標準額ヨリ其
ノ物品ノ價格ヲ控除ス」ヲ「稅額ヨリ其ノ
物品ニ課セラレタル物品稅ニ相當スル金
額ヲ控除ス」ニ改メ同條第二項ニ左ノ但
書ヲ加フ
但シ第四十八條第一項ニ規定スル政府
ノ承認ヲ受ケテ移出先又ハ引取先ニ移
入セラレタル酒類ニ付テハ此ノ限ニ在
ラズ
第四十八條第一項中「第二種ノ物品又ハ
燐寸」ヲ「第二種又ハ第三種ノ物品」ニ改
ム
第四十九條第一項第二號中「葡萄酒」ノ下
ニ「及果實酒」ヲ加フ
第五十一條中「第二種ノ物品若ハ燐寸」ヲ
「第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)」
ニットハ
第五十二條ノ二遊興飮食稅ハ料理店、
貸席、旅館其ノ他命令ヲ以テ定ムル類
似ノ場所ニ於ケル遊興及飮食ニ之ヲ課
ス
第五十二條ノ三遊興飮食稅ノ稅率ハ遊
興飮食ノ料金ノ百分ノ十トス但シ藝妓ノ
花代
招聘料ニ付テハ料金ノ百分ノ二十トス
前項ノ遊興飮食ノ料金(以下料金ト稱ス)
ハ前條ニ規定スル場所ノ經營者ガ遊興
又ハ飮〓ヲ爲シタル者ヨリ其ノ遊興又
ハ飮食ニ付領收スベキ金額ヲ謂フ
料金ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
第五十二條ノ四料金ガ一人一囘五圓ニ
滿タザル場合ニハ遊興飮食稅ヲ課セズ
ノ花代其ノ他命令ヲ以テ定ムル
但シ藝妓其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ノ
モノ
招聘料ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ一人一囘ノ料金ノ計算ニ關シ必
要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二條ノ五遊興飮食稅ハ第五十二
條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者ヨリ之
ヲ徵收ス
第五十二條ノ六第五十二條ノ二ニ規定
スル場所ノ經營者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ每月分ノ料金ヲ記載シタル申〓書
ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ但シ
經營ヲ廢止シタル場合ニ於テハ直ニ之
ヲ提出スベシ
申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ
申〓ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ
其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第五十二條ノ七遊興飮食稅ハ每月分ヲ
翌月末日迄ニ納付スベシ但シ經營ヲ廢
止シタル場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付ス
ベシ
第五十二條ノ八第五十二條ノ二ニ規定
スル場所ノ經營者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ每月分ノ料金中其ノ月ニ於テ領收
セザルモノニ對スル稅金ヲ其ノ料金ヲ
領收シタル月ノ翌月末日迄ニ納付スル
コトヲ得但シ其ノ經營ヲ廢止シタル場
合ニ於テ未ダ納付セザル稅金アルトキ
ハ直ニ之ヲ納付スベシ
前項ノ規定ニ依リ未ダ稅金ヲ納付セザ
ル料金ニシテ領收スルコト能ハザルニ
至リタルモノニ付テハ命令ノ定ムル所
ニ依リ遊興飮食稅ヲ免除ス
第五十二條ノ九第五十二條ノ二ニ規定
スル場所ヲ經營セントスル者ハ命令ノ
定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ豫メ政府ニ申
告スベシ之ヲ廢止セントスルトキ亦同
ジ
第五十二條ノ十第五十二條ノ一ニ規定
スル場所ノ經營者及經營者ト經營上取
引關係アル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
其ノ業務ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載ス
ベシ
前項ニ規定スル者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ其ノ業務ニ關シ必要ナル事項ヲ政
府ニ申〓スベシ
第五十四條ニ第一項トシテ左ノ一項ヲ加
フ
收稅官吏ハ建築稅ニ付家屋ヲ建築シタ
ル者、建築工事請負人、建築工事管理
者若ハ建築材料供給者ニ對シ質問ヲ爲
シ又ハ家屋、建築ニ關スル帳簿書類其
ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
收稅官吏ハ遊興飮食稅ニ付第五十二條
ノ十第一項ニ規定スル者ニ對シ質問ヲ
爲シ又ハ其ノ業務ニ關スル帳簿書類ヲ
檢査スルコトヲ得
第五十五條中「又ハ公債及社債利子稅」ヲ
「、公債及社債利子稅又ハ建築稅」ニ改ム
第五十六條中「物品稅」ノ下ニ「又ハ遊興
飮食稅」ヲ加フ
第五十七條第二號中「第四十五條」ノ下ニ
「又ハ第五十二條ノ六」ヲ加へ同條第三號
中「第二種ノ物品若ハ燐寸」ヲ「第二種若
ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)」ニ改メ同
條ニ左ノ一號ヲ加フ
四政府ニ申告セズシテ第五十二條ノ
二ニ規定スル場所ヲ經營シタル者
同條ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第三號ニ規定スル者ニ付テハ直ニ
其ノ小賣シタル第一種ノ物品又ハ製造
シタル第二種若ハ第三種ノ物品(酒類
ヲ除ク)ニ對スル物品稅ヲ徴收ス
前項ノ規定ハ製造免許ヲ受ケズシテ酒
類ヲ製造シタル場合ニ付之ヲ準用ス
第五十八條第一號中「又ハ第五十二條第
一項」ヲ「、第五十二條第一項又ハ第五
十二條ノ十第一項」ニ、同條第二號中「又
ハ第五十二條第二項」ヲ「、第五十二條第
二項又ハ第五十二條ノ十第二項」二、同
條第三號中「又ハ第四項」ヲ「、第三項、第
五項又ハ第六項」三六人
第六十條ニ左ノ一項ヲ加フ
第五十二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營
者又ハ經營者ト經營上取引關係アル者
ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人
其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本法
中遊興飮食稅ニ關スル規定ニ違反シタ
ルトキハ其ノ經營者又ハ經營者ト經營
上取引關係アル者ヲ處罰ス
第六十一條第一項中「公債及社債利子
稅、」ノ下ニ「建築稅、」ヲ加へ「及物品稅」
ヲ「、物品稅及遊興飮食稅」ニ改メ同條ニ
左ノ一項ヲ加フ
北海道、府縣、市町村其ノ他ノ公共團
體ハ遊興飮食稅ノ課稅標準タル料金ニ
對シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第六十二條ノ二政府ハ當分ノ內第五十
二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者ノ組
織スル團體ニ對シ遊興飮食稅ニ付徵稅
上必要ナル設備ヲ爲シ又ハ徵收事務ノ
補助ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ
命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付ス
ルコトヲ得
第六十三條ノ二自己又ハ其ノ家族ノ用
ニノミ供スル第二種ノ物品又ハ飴ヲ製
造スル者ニハ當該物品ニ付本法中物品
稅ニ關スル規定ヲ適用セズ
附則
第一條本法ハ昭和十四年四月一日ヨリ
之ヲ施行ス
第二條第二條第三項ノ改正規定ハ法人
ノ昭和十四年四月一日以後ニ終了スル
事業年度分ノ第一種所得稅ヨリ之ヲ適
用ス
第三條建築稅ニ關スル規定ハ昭和十四
年四月一日以後ニ竣成スル家屋ノ建築
ニ付之ヲ適用ス但シ第十八條ノ四ノ規
定ハ新築ガ昭和十四年三月三十一日以
前ニ竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第四條本法施行ノ際製造場以外ノ場所
ニ於テ同一人ガ十石ヲ超ユル數量ノ第
二種ノ〓涼飮料ヲ所持スル場合ニ於テ
ハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者
ヲ以テ製造者ト看做シ〓涼飮料稅ヲ課
ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ之
ヲ製造場外ニ移出シタルモノト看做シ
十石ヲ超ユル數量ニ付第八條ノ二ニ規
定スル稅率ニ依リ算出シタル稅額ト〓
涼飮料稅法第二條ニ規定スル稅率ニ依
リ算出シタル稅額トノ差額ヲ以テ其ノ
稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵
收ス
前項ノ〓涼飮料ノ所持者ハ其ノ所持ス
ル〓涼飮料ノ數量及貯藏ノ場所ヲ本法
施行後一月以內ニ政府ニ申告スベシ
第五條本法施行ノ際製造場又ハ保稅地
域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ二萬斤ヲ
超ユル數量ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所
持スル場合ニ於テハ其ノ者ニ於テ本法
施行ノ日ニ之ヲ製造場ヨリ引取リタル
モノト看做シ砂糖消費稅ヲ課ス此ノ場
合ニ於テハ二萬斤ヲ超ユル數量ニ付第
九條ノ改正稅率ニ依リ算出シケル稅額
ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル稅額ト
ノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ム
ル所ニ依リ之ヲ徴收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ
其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種
別數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一
月以內ニ政府ニ申告スベシ
第六條本法施行前ヨリ引續キ第三十八
條ノ改正規定ニ依リ物品稅ヲ課スルコ
トト爲リタル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ
營ム者又ハ同第二種若ハ第三種ノ物品
(酒類ヲ除ク)ノ製造ヲ爲ス者本法施行
後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申〓スル
トキハ本法施行ノ日ニ於テ第五十一條
ノ改正規定ニ依リ申〓シタルモノト看
做ス
本法施行前ヨリ引續キ第五十二條ノ二
ニ規定スル場所ヲ經營スル者本法施行
後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スル
トキハ本法施行ノ日ニ於テ第五十二條
ノ九ノ規定ニ依リ申〓シタルモノト看
做ス
第七條改正第三十八條ニ揭グル第二種
又ハ第三種ノ物品ノ製造者又ハ販賣者
ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以
外ノ場所ニ於テ左ノ各號ノ一ニ該當ス
ル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場
所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製
造者ト看做シ之ニ物品稅ヲ課ス此ノ場
合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ物
品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做
シ第一號ノ物品ニ付テハ改正第三十八
條各號ニ揭グル品名每ニ價格三千圓、
酒類ニ付テハ三十石、飴葡萄糖又ハ
麥芽糖ニ付テハ一萬斤ヲ超ユル部分ニ
付命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品稅ヲ
徵收ス但シ從前ノ規定ニ依リ物品稅ヲ
課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラ
レタル稅額ニ相當スル金額ヲ控除シタ
ル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
一改正第三十八條ニ揭グル第二種第
十四號、第十五號、第十七號(擴聲
用增幅器ニ限ル)、第二十二號(シャ
ンプー及洗粉ヲ除ク)、第二十三號
又ハ第二十四號ノ物品ニシテ同條各
號ニ揭グル品名每ニ價格三千圓ヲ超
ユルモノ
二酒類ニシテ合計石數三十石ヲ超ニ
ルモノ又ハ飴、·葡萄糖若ハ麥芽糖ニ
シテ合計斤數一萬斤ヲ超ユルモノ
本法施行ノ際製造場內ニ現存スル酒類
ニシテ戾入又ハ移入シタルモノニ付テ
ハ第四十六條第二項ノ改正規定ニ拘ラ
ズ物品稅ヲ徵收ス
第一項但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之
ヲ準用ス
第一項ノ製造者又ハ販賣者ハ第二種ノ
物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、價格
及貯藏ノ場所、第三種ノ物品ニ付テハ
其ノ品名每ニ數量及貯藏ノ場所ヲ本法
施行後一月以內ニ政府ニ中〓スベシ
第八條輸出菓子糖果原料砂糖戾稅法第
一條中「消費稅ヲ課セラレタル砂糖」ノ下
ニ「又ハ物品稅ヲ課セラレタル飴、葡萄
糖若ハ麥芽糖」ヲ、「其ノ使用シタル砂
糖」ノ下ニ「、飴、葡萄糖又ハ麥芽糖」ヲ加
へ「消費稅ニ相當スル金額」ヲ「消費稅
又ハ物品稅ニ相當スル金額」ニムイ
昭和十四年四月三十日以前ノ輸出ニ係
ル菓子及糖果ニ付テハ仍從前ノ例ニ依
ル
第九條明治四十年法律第二十一號第一
條第一項ニ左ノ二號ヲ加フ
十八建築稅
十九遊興飮食稅
第十條大正九年法律第五十一號中燐
寸、」ノ下ニ「飴、葡萄糖、麥芽糖、」ヲ加フ
臨時利得稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月二十一一日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院ノ修正ナリ)
臨時利得稅法中改正法律案
臨時利得稅法中左ノ通改正ス
第三條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
三船舶(製造中ノ船舶ヲ含ム)又ハ鑛
業若ハ砂鑛業ニ關スル權利若ハ設備
ノ讓渡ニ因ル個人ノ利得(讓渡利得
ト稱ス以下同ジ)
第四條ノ二第三號ヲ左ノ如ク改ム
三現事業年度ノ資本金額ガ甲既往事
業年度又ハ乙既往事業年度ノ平均資
本金額ニ比較シ增減アルトキハ比較
セラレタル既往事業年度メ平均利益
ノ平均資本金額ニ對スル割合ヲ現事
業年度ノ資本金額ニ乘ジテ算出シタ
ル金額ヲ以テ其ノ既往事業年度ノ平
均利益トス但シ法人ノ現事業年度ノ
資本金額ガ甲既往事業年度又ハ乙既
往事業年度ノ平均資本金額ニ比較シ
增加シタル場合ニ於テ現事業年度ノ
資本金額ガ昭和十一年十二月三十一
日ニ於ケル資本金額ヲ超過スルトキ
ハ其ノ法人ニ付テハ現事業年度ノ資
本金額中甲既往事業年度ノ平均資本
金額又ハ昭和十一年十一一月三十一日
ニ於ケル資本金額ノ何レカ多額ナル
一方ノ金額ヲ超過スル部分ニ對シ年
百分ノ七ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル
金額ト其ノ他ノ部分ニ對シ甲既往事
業年度ノ平均利益ノ平均資本金額ニ
對スル割合ヲ乘ジテ算出シタル金額
トノ合計額ヲ以テ甲既往事業年度ノ
平均利益トシ現事業年度ノ資本金額
中乙既往事業年度ノ平均資本金額又
ハ昭和十一年十二月三十一日ニ於ケ
ル資本金額ノ何レカ多額ナル一方ノ
金額ヲ超過スル部分ニ對シ年百分ノ
十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ト
其ノ他ノ部分ニ對シ乙既往事業年度
ノ平均利益ノ平均資本金額ニ對スル
割合ヲ乘ジテ算出シタル金額トノ合
計額ヲ以テ乙既往事業年度ノ平均利
益トス
前項ノ場合ニ於テ第一號ノ規定ヲ適
用スルニ當リテハ現事業年度ノ資本
金額ヲ以テ甲旣往事業年度又ハ乙既
往事業年度ノ平均資本金額ト看做ス
第六條第一項ヲ左ノ如ク改メ同條第三項
中「各事業年度ノ」ヲ削ル
法人ノ各事業年度ノ資本金額ハ各月末
ニ於ケル拂込株式金額、出資金額又ハ
基金及積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ
計算シ昭和十一年十二月三十一日ニ於
ケル資本金額ハ同日ニ於ケル拂込株式
金額、出資金額又ハ基金及積立金額ニ
依リ之ヲ計算ス
第七條中「平均利益」ノ下ニ「竝ニ昭和十
一年十二月三十一日ニ於ケル資本金額」
フルク
第十一條ノ二讓渡利得ハ前年中ニ於ケ
ル船舶又ハ鑛業若ハ砂鑛業ニ關スル權
利若ハ設備ノ讓渡ニ因ル總收入金額ヨ
リ取得價額、設備費、改良費及讓渡ニ
關スル必要ノ經費ヲ控除シタル金額ニ
依ル
船舶又ハ鑛業若ハ砂鑛業ニ關スル權利
若ハ設備ニシテ昭和十一年十二月三十
一日以前ニ取得シタルモノニ付テハ同
日ニ於ケル價額ヲ以テ前項ノ取得價額
トシ同日後ニ爲シタル設備又ハ改良ニ
要シタル費用ノミヲ以テ前項ノ設備費
又ハ改良費トス
前二項ノ計算ニ關シテハ相續、贈與又
ハ遺贈ニ因リ取得シタルモノハ相續人、
受贈者又ハ受遺者ガ引續キ之ヲ有シタ
ルモノト看做シ讓渡後相續ノ開始アリ
タル場合ニ於テハ被相續人ノ爲シタル
讓渡ハ之ヲ相續人ノ爲シタル讓渡ト看
做ス
前三項ニ定ムルモノノ外讓渡利得ノ計
算ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
ヲ定ム
第十一條ノ三讓渡利得ニ付テハ其ノ利
得ノ金額ヨリ二千圓ヲ控除ス
第十三條ノ二船舶ノ讓渡ニ因ル利益ニ
シテ第九條ノ個人ノ利益ニ屬スルモノ
及昭和十四年四月一日以後ニ於テ設定
セラレタル鑛業又ハ砂鑛業ニ關スル權
利ニシテ命令ノ定ムルモノノ讓渡ニ付
テハ本法中讓渡利得ニ關スル規定ヲ適
用セズ
第十四條中「百分ノ十七·一一五」ヲ「百分ノ
二十」ニ、「百分ノ三十」ヲ「百分ノ四十」
ニ、「百分ノ二十五」ヲ「百分ノ三十」ニ改
ム
第十四條ノ二第一項ヲ左ノ如ク改ム
個人ノ臨時利得稅ハ左ノ稅率ニ依リ之
ヲ賦課ス
甲種利得利得金額ノ百分ノ十二
乙種利得利得金額ノ百分ノ二十五
讓渡利得利得金額ノ百分ノ二十五
第十六條中「納稅義務」ノ上ニ「甲種利得又ハ
乙種利得ニ付」ヲ加へ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
讓渡利得ニ付納稅義務アル個人ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ利得金額ヲ政府ニ申〓スベシ
第十七條中「個人ノ利得金額」ヲ「個人ノ甲種
利得又ハ乙種利得ノ金額」ニ、「個人ノ利得ニ
付」ヲ「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得ニ付」ニ
改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
讓渡利得金額ハ前條第二項ノ申告ニ依リ、
申〓ナキトキ、又ハ申〓ヲ不相當ト認ムルト
キハ政府ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定
ス
第十八條中「個人ノ利得」ヲ「個人ノ甲種利得
又ハ乙種利得」ニ改ム
第二十三條第一項中「利得ニ付」ヲ「甲種
利得又ハ乙種利得ニ付」ニ、「利得金額」ヲ
「甲種利得又ハ乙種利得ノ金額」ニ改ム
第二十四條ノ二中「個人ノ利得」ヲ「個人
ノ甲種利得又ハ乙種利得」ニ改ム
第二十六條第二項中一個人ノ利得」ヲ「個人ノ
甲種利得又ハ乙種利得」ニ改メ同條ニ左ノ一
項ヲ加フ
譲渡利得ニ付テハ船舶又ハ鑛業若ハ砂鑛業
ニ關スル權利若ハ設備ノ讓渡ノ際臨時利得
稅ヲ徵收ス
第二十七條第二項中「個人ノ利得」ヲ「個人ノ
甲種利得又ハ乙種利得」ニ改ム
附則第二項ヲ左ノ如ク改ム
本法ニ依ル臨時利得稅ノ賦課ハ法人ニ付テハ
支那事變終了ノ年ノ翌年十二月三十一日迄ニ
終了スル事業年度分限リ、個人ノ甲種利得又
ハ乙種利得ニ付テハ支那事變終了ノ年ノ翌年
分限リ、讓渡利得ニ付テハ支那事變終了ノ年
ノ翌年十二月三十一日迄ノ讓渡ニ因ル利得ニ
對スル分限リトス
第三十一條第二項ヲ左ノ如ク改ム
朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ住所ヲ有シ又ハ
一年以上居所ヲ有スル個人ノ利得ニ付
テハ命令ノ定ムル所ニ依リ臨時利得稅
ヲ課セズ但シ朝鮮ニ住所ヲ有シ又ハ
年以上居所ヲ有スル個人ノ甲種利得ニ
付テハ此ノ限ニ在ラズ
附則
本法ハ昭和十四年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
法人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十四年一
月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、
〓甲種利得又ハ乙種利得ニ對スル
個人ノ〓臨時利得稅ニ付テハ昭和十四年
分ヨリ本法ヲ適用ス
讓渡利得ニ對スル臨時利得稅ニ付テハ
昭和十四年一月一日以後ノ讓渡ニ因ル利得ニ
昭和十四年ニ限リ臨時利得稅法第十六條
對シ本法ヲ適用ス
ノ規定ニ拒ラズ利得金額ノ申告期限ヲ昭
和十四年四月十五日トス
臨時租稅措置法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時租稅措置法中改正法律案
臨時租稅措置法中左ノ通改正ス
第一條中「田畑地租」ノ上ニ「所得稅、」ヲ
加へ「及織物消費稅」ヲ「、織物消費稅、登
錄稅及臨時利得稅」ニ改ム
第一條ノ二法人ノ各事業年度ノ普通所
得中留保シタル金額ガ其ノ事業年度ニ
於ケル普通所得ノ十分ノ四ニ相當スル
金額ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過部
分ノ全部又ハ一部ニ相當スル金額ヲ命
令ヲ以テ定ムル方法ニ依リ運用スルト
キハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ運用金
額ニ百分ノ一一·四五ヲ乘ジテ算出シタ
ル金額ニ相當スル所得稅ヲ輕減ス
第一條ノ三所得稅法第十九條及營業收
益稅法第八條ノ規定ニ依リ指定シタル
物產ノ製造業ニ付其ノ設備ヲ增設シタ
ル者ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ設備增
設ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間其ノ增設
シタル設備ニ依ル物產ノ製造業務ヨリ
生ズル所得及純益ニ付所得稅及營業收
益稅ヲ免除ス
命令ヲ以テ指定スル製造方法ニ依ル物
產ノ製造ヲ開始シタル者又ハ其ノ設備ヲ
增設シタル者ニハ命令ノ定ムル所ニ依
リ製造開始又ハ設備增設ノ年及其ノ翌
年ヨリ三年間其ノ製造方法ニ依ル物產
ノ製造業務又ハ其ノ增設シタル設備ニ
依ル物產ノ製造業務ヨリ生ズル所得及
純益ニ付所得稅及營業收益稅ヲ免除ス
第一條ノ四〓左ニ揭グル事項ニ付テハ所
得稅法ニ依ル所得、營業收益稅法ニ依
ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計
算ニ關シ命令ヲ以テ特例ヲ設クルコト
ヲ得
命令ヲ以テ指定スル國庫補助金ノ
收入
二命令ヲ以テ指定スル事業ニ關シ〓
究ヲ爲スニ要シタル支出
三命令ヲ以テ指定スル事業ノ用ニ供
スル建物(工場用以外ノ建物ヲ除ク)、
機械其ノ他ノ設備及船舶ノ價額ノ償
却
第二十一條ステープルファイバー又ハ
綿ヲ用ヒタル絲ニシテ命令ヲ以テ定ム
ルモノハ之ヲ織物消費稅法第一條又ハ
第一條ノ二ニ規定スル綿又ハ綿絲ト看
做ス
麻ヲ用ヒタル絲ニシテ命令ヲ以テ定ム
ルモノハ之ヲ織物消費稅法第一條ニ規
定スル麻ト看做ス
第二十二條人造絹絲ヲ用ヒタル織物ニ
シテ命令ヲ以テ定ムルモノハ織物消費
稅法第一條ノ二ノ規定ニ拘ラズ之ヲ綿
織物ト看做ス
第二十二條ノ二耕作ヲ目的トスル土地
(其ノ土地ニ附隨シテ利用セラルル土
地ヲ含ム)ノ所有權ノ交換ヲ爲シタル
場合ニ於テハ交換ニ因ル所有權ノ取得
又ハ交換ノ爲ニスル所有權ノ保存ノ登
記ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ登錄
稅ヲ免除ス
前項ノ規定ハ永小作權ノ交換又ハ前項
ノ土地ノ所有權ト永小作權トノ交換ヲ
爲シタル場合ニ之ヲ準用ス
第二十三條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第一條ノ二乃至第一條ノ四ノ規定
ニ依リ輕減又ハ免除セラルル租稅ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
附則
本法ハ昭和十四年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
第一種所得稅、法人ノ營業收益稅及法人
ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十四年四月一
日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、第三
種所得稅、個人ノ營業收益稅及個人ノ臨
時利得稅ニ付テハ昭和十四年分ヨリ本法
ヲ適用ス
左ニ揭グル織物又ハ之ヲ以テ製造シタル
物品ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
-本法施行前消費稅ヲ課スベカリシ
モノ
二本法施行前輸出若ハ朝鮮移出ノ目
的ヲ以テ又ハ織物消費稅法第七條ノ
規定ニ依リテ消費稅ヲ納付セズシテ
製造場又ハ保稅地域ヨリ引取リタル
モノ
三本法施行前消費稅ノ徵收ヲ猶豫シ
タルモノ
四本法施行前消費稅ヲ納付シテ輸出
シ又ハ朝鮮ニ移出シタルモノ
本法施行前消費稅ヲ納付シタル織物ニシ
テ第二十一條又ハ第二十二條ノ改正規定
ニ依リ消費税ヲ課セザルコトト爲リタル
モノ又ハ之ヲ以テ製造シタル物品ヲ本渉
施行後輸出シ又ハ朝鮮ニ移出スルモ織物
消費稅法第三條第二項ノ規定及大正九年
法律第五十一號ヲ適用セズ
〔國務大臣石渡莊太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=48
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049・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題トナ
リマシタ支那事變特別稅法中改正法律案外
二件ノ法律案ニ付、其ノ大要ヲ說明致シタ
イト存ジマス、先ヅ支那事變特別稅法中改
正法律案及臨時利得稅法中改正法律案ニ付
テ說明致シマス、支那事變ニ關スル臨時軍
事費ニ付キマシテハ、前數囘ニ互リ帝國議
會ノ協賛ヲ經マシテ、其ノ經費ヲ支辨シテ
參ッテ居ルノデアリマスルガ、今回更ニ之ヲ
增額スルノ必要ヲ生ジマシタノデ、本議會
ニ更ニ四十六億五百萬圓ノ臨時軍事費追加
豫算案ヲ提出シ、旣ニ御協贊ヲ經マシタコ
トハ御承知ノ通リデゴザイマス、此ノ追加
豫算ノ財源ノ大部分ハ、從來ト同樣公債ニ
依ルコトト致シタノデアリマスルガ、我ガ
國財政經濟ノ現狀ニ顧ミマスレバ、其ノ財
源ノ全部ハ之ヲ公債ニ依ラズ、其ノ一部ハ
之ヲ增稅ニ依リ支辨スルヲ適當ト認メラレ
ルノデアリマス、仍テ此ノ際事變ノ影響等
ニ因リ利益ノ增加シツヽアル產業ノ負擔ヲ
增加スルト共ニ、消費ノ節約ニ資スルノ趣
旨ニ依リ、臨時利得稅、物品稅等ヲ中心ト
シテ增稅ヲ行フコトト致シ、茲ニ增稅案ヲ
提出致シタ次第デアリマス、是ヨリ法案ノ
內容ニ付說明致シマス、臨時利得稅ハ時局
ノ好影響ニ因ル利得ヲ課稅ノ對象トスルモ
ノデアリマスガ、御承知ノ通リ從來ノ甲種
利得ノ外ニ、昨年新タニ乙種利得ヲ設ケラ
レタノデアリマス、此ノ乙種利得ハ今次事
變ノ影響等ニ因リ增大セル收益デアリマシ
テ、所謂事變利得トモ申スベキモノデアリ
マスルカラ、今囘ノ增稅案ニ於テモ乙種利
得ノ增徵ニ主眼ヲ置クコトト致シマシタ、
卽チ乙種利得ニ對スル稅率ヲ法人ニ付テハ
三割三分引上ゲマシテ百分ノ四十トシ、個
人ニ付テハ二割五分引上ゲマシテ百分ノ二
十五ト致シマシタ、之ニ對シ甲種利得ニ付
テハ輕微ナル增徵ニ止メ、其ノ稅率ヲ法人
ニ付テハ、百分ノ二十、個人ニ付テハ、百
分ノ十二ト致シタノデアリマス、尙法人ノ
增加資本ハ新設法人ノ資本ト同樣、新タニ
企業ニ參加シタモノデアリマスカラ、課稅
上新設法人ト同樣ニ取扱フヲ適當ト認メマ
シテ、昭和十二年一月以降ニ於ケル增加資
本金額ニ付キマシテハ、平均利益ノ計算方
法ヲ改メマシテ、負擔ノ均衡ヲ圖ルコトト
致シタ次第デアリマス、又個人ノ船舶、鑛
業權等ノ讓渡ニ因ル利益ニ付ヲハ、從來課
稅シテ居ラナカッタノデアリマスガ、事變後
相當多額ノ利得ヲ收メツヽアル者ガ少クゴ
ザイマセヌノデ、往年ノ戰時利得稅ノ場合
ト同樣、之ニ課稅スルコトトシ、其ノ稅率
ヲ利得額ニ對シテ百分ノ二十五ト致シタノ
デアリマス、利益配當稅ハ一昨年八月、北
支事件特別稅トシテ設ケラレタノデアリマ
シテ、配當金中配當率年七分ノ割合ヲ超ユ
ル部分ニ對シテ百分ノ十ノ稅率ヲ以テ課稅
スル、所謂高率配當稅ヲ課サウトスルノデ
アリマスガ、現下ノ情勢ニ鑑ミマシテ、相
相高率ノ配當金ニ付テハ、此ノ際稅率ノ引
上ヲ行フヲ適當ト認メマスノデ、配當金中年
一割ヲ超ユル部分ニ對スル稅率ヲ百分ノ十
五ニ改ムルコトト致シマシタ、尙是ト共ニ
高利率ノ公債及社債利子ニ對シマシテ特別
ニ課稅致シマスル公債及社債利子稅ニ付テ
モ、現行稅率百分ノ十ヲ百分ノ十五ニ引上
ゲルコトト致シタ次第デアリマス、次ニ〓涼飮
料稅デアリマスルガ、清涼飮料稅ハ炭酸瓦斯ヲ
含ム飮料ニ對シテ課稅スルモノデアリマシテ、
比較的稅額モ少ク、最近數次ノ增稅ニ際シ
增徵致サナカッタノデアリマスガ、今囘ハ
他ノ消費稅トノ權衡ヲ考慮致シマシテ、
增徵ヲ行フコトトシタノデアリマスガ、「ラ
ムネ」等ノ下級品ニハ輕微ノ引上ヲ行ヒ、
「サイダー」、「シトロン」等ニ對シテハ消費
ノ狀況ニ照シマシテ、高率ノ引上ヲ行フコ
トニ致シタ次第デアリマス、砂糖消費稅ノ
增徵ニ付キマシテハ、色々ノ見解モアッタノ
デアリマスルガ、元來砂糖ノ過半ハ菓子等
ノ原料ニ用ヒマスル實情ニアリマシテ、其
ノ消費額モ年々增加ノ傾向ニアリマスカラ、
稅額ニ付テ平均一割ノ增徵ヲ致スコトト致
シタノデアリマス、今囘ノ增徵後ニ於キマ
シテモ、砂糖ノ稅率ハ大體日露戰役ノ戰後
經營當時ニ比較致シマシテ尙低イ狀態デゴ
ザイマシテ、此ノ際此ノ程度ノ負擔ノ增加
ハ已ムヲ得ナイモノト存ズル次第デアリマ
ス、印紙稅ニ付テハ、物品切手ニ對スル稅
率ヲ引上ゲルコトト致シタノデアリマスガ、
是ハ其ノ賣上ノ狀況、利用狀況等ニ顧ミマ
シテ、此ノ際相當ノ增徵ヲ行フヲ適當ト認
メタニ依ルモノデアリマス、次ニ物品稅ニ
付キマシテハ比較的負擔力アリト認メラレ、
又ハ此ノ際不急ト認メラレル消費ニ課稅ス
ルノ趣旨ニ依リマシテ、其ノ課稅品目ノ範
圍ヲ擴張スルト共ニ、稅率ノ引上ヲ行ハム
トスルモノデアリマス、新ラシキ課稅品目
ハ織物、電氣器具、瓦斯器具、玩具、文房
具、運動具、茶、珈琲、「ココア」、化粧石
鹼齒磨等デアリマスガ、此ノ中茶ニ付テ
ハ下級品ヲ省キ齒磨ニ付テハ粉齒磨ヲ除ク
コトト致シタノデゴザイマス、又織物、電
氣器具、瓦斯器具、玩具、文房具、運動具
等ニ付テハソレ〓〓適當ナル課稅最低限ヲ
設ケテ、成ルベク一般大衆ノ負擔增加ヲ避
クルヤウ留意致シタノデアリマス、次ニ現
在ノ課稅物品中毛皮製品、羽毛製品、乘用
自動車及化粧品ニ付キマシテハ、從來ノ稅
率百分ノ十ヲ百分ノ十五ニ引上ゲタイト存
ジマス、〓酒、白酒、味淋、燒酎及麥酒ニ
對スル稅率ハ一石ニ付五圓ヲ十圓ニ、葡萄酒
ニ對スル稅率ハ一石ニ付十圓ヲ十五圓ニ、
酒精及酒精含有飮料ニ對スル稅率ハ、石
ニ付七圓ヲ十四圓ニ引上グルコトト致シタ
ノデアリマス、尙酒類中果實酒ニ對シテ新
タニ葡萄酒ト同一ノ稅率ニ依ッテ課稅スル
コトト致シマシタ外、砂糖ニ對スル課稅ト
ノ振合ヲ考ヘマシテ、玆ニ新シク飴、葡萄
糖及麥芽糖ニ對シマシテ、百斤ニ付二圓ノ
稅率ヲ以テ課稅スルコトト致シタノデアリ
やっ、次ニ建築稅及遊興飮食稅トヲ新設ス
ルコトト致シタノデゴザイマス、建築稅ハ此
ノ際不急ト認メラルヽ種類ノ建築ヲ選ビ、
之ヲ抑制スルノ趣旨ヲ含メテ課稅スルモノ
デアリマシテ、建築價額一萬圓以上ノ住
宅、料理店、貸席、劇場、活動寫眞館等ヲ
建築シタル者ニ對シ、建築價額ノ百分ノ十
ノ稅率ヲ以テ課稅スルコトト致シタノデア
リマス、遊興飮食稅ハ從來ノ地方稅タル遊
興稅ニ比シ、相當ノ高率ノ稅率ヲ以テ課稅
セムトスルモノデアリマシテ、一面事變下
ニ於ケル此ノ種消費ノ抑制ニ資シタキ意嚮
デアリマス、尙地方稅タル遊興稅等ハ之ヲ
廢止スルコトト致シ、之ニ伴ヒ生ズル地方
團體ノ減收總額ニ相當スル金額ヲ國庫ヨリ
交付致ス見込デアリマス、以上申述ベマシ
タ增稅計畫ニ於キマシテ、平年度ノ收入ハ
臨時利得稅ニ於キマシテ八千八十萬餘圓、
利益配當稅ニ於キマシテ八百五十餘萬圓、
公債、社信利子稅ニ於テ七十餘萬圓、〓涼
飮料稅ニ於テ二百二十餘萬圓、砂糖消費稅
ニ於テ一千百五十餘萬圓、印紙稅ニ於テ百
餘萬圓、物品稅ニ於テ五千五百八十餘萬圓、
建築稅ニ於テ二百餘萬圓、遊興飮食稅ニ於
テ三千七百六十餘萬圓、合計ニ於テ二億餘
萬圓ノ增收トナル見込デアリマスガ、初年
度タル昭和十四年ニ於テハ約一億八千七百
餘萬圓ノ增收トナル見込デアリマス、是等
ノ增收額ハ臨時軍事費ノ財源ニ繰入ルヽ豫
定デアリマス、尙此ノ機會ニ於キマシテ事
變以來ノ增稅實施ノ狀況ニ付テ御報〓致シ
タイト存ジマス、最近數次ノ增稅ニ依リマ
シテ、國民ノ租稅負擔ハ相當加重セラレテ
居ルノデアリマス、又新タニ設ケラレマシ
タ租稅ノ中ニハ、平時ニ於テハ實施上相當
困難ヲ豫想致サレルモノモアルノデアリマ
ス、然ルニ是等增稅ニ關スル諸法律施行ノ
狀況ハ至極順調デアリマシテ、其ノ納稅
狀況モ極メテ良好ノ成績ヲ示シテ居ルノデ
アリマス、斯クノ如キハ國民ガ國難ニ際
シ、完全ニ銃後ノ責務ヲ果サムトスル强キ
心構ノ表現ニ外ナラヌト存ズルノデアリマ
シテ、局ニ當ル者トシテハ誠ニ感激ノ至リ
ニ堪ヘマセヌ、是等ノ事情ニ稽ヘ、今後益〓
圓滿適切ナル稅務行政ノ執行ニ盡力致シ、
苟モ非難ナキヲ期シタキ心算デゴザイマス、
次ニ臨時租稅措置法中改正法律案ニ付テ說
明致シマス、長期建設ノ遂行ノ爲ニハ生產
力ノ擴充、產業ノ振興ニ努ムルコトガ急務
デアリマスルコトハ申ス迄モゴザイマセヌ
ガ、之ニ資スルノ趣旨ニ依リマシテ、今囘
ノ增稅ト共ニ租稅上適當ナル措置ヲ講ズル
コトト致シタ次第デアリマス、先ヅ法人ニ
付テハ此ノ際成ルベク其ノ利益ノ留保ヲ多
額ニ致シ、以テ時局ニ緊要ナル生產設備ノ
擴張等ニ充テシムルコトガ適當ト認メラレ
マスノデ、法人ノ所得中留保シタル金額ニ
付テ、一定條件ノ下ニ所得稅輕減ノ途ヲ開
クコトト致シタノデアリマス、次ニ重要物
產ノ製造業ヲ營ム者ニ付テハ、開業ノ年及
其ノ翌年ヨリ三年間、所得稅及營業收益稅
ヲ免除シテ居ルノデアリマスルガ、更ニ一
定程度以上ノ設備ヲ增設シタル場合ニ於テ
モ免除スルコトト致シ、又此ノ際新規ナル
製造方法ニ依ル物產ノ製造ヲ開始シタル者
等ニ付テモ、一定年間所得稅及營業收益稅
ヲ免除シ得ル途ヲ開クコトト致シタノデア
リマス、國庫補助金ノ中ニハ、時局ニ緊要
ナル生產力ノ擴充ニ資スル目的ヲ以テ交付
スルモノガ相當アルノデゴザイマスガ、此
ノ種ノ補助金ニ付テハ、課稅上之ヲ益金ニ
算入致サナイコトトシ、又生產力ノ擴充、
產業振興ヲ圖ル爲ニハ、此ノ際十分ナル工
夫〓究ヲ重ネシムルコトヲ適當ト認メラレ
マスルノデ、此ノ種ノ〓究ノ支出ニ付テモ、
課稅上特例ヲ設クルコトト致シタノデアリ
そう、次ニ時局ニ緊要ナル事業ニ付テハ、
此ノ際出來得ル限リ固定資產ノ減價償却等
ヲ多額ニ致シ、以テ企業ノ基礎ヲ鞏固ニシ
ツヽ、生產力ノ擴充ニ邁進セシムルヲ適當ト
認メラレマスノデ、此ノ意味ニ於キマシテ
租稅上、減價償却ヲ容易ナラシムル所ノ措
置ヲ講ズルコトト致シタ次第デアリマス、
又農業生產力ノ維持增進ヲ圖ルコトハ、此
ノ際必要ノコトト認メラレルノデアリマス
ルガ、之ニ資スルノ趣旨ニ依ッテ耕地ノ交換
ヲ容易ナラシムル爲、一定ノ條件ノ下ニ耕
地ノ交換ヲ爲シタル場合ニ於ケル其ノ所有
權等ノ登記ニ付テ、登錄稅ヲ免除スルコト
ト致シタノデアリマス、其ノ他綿絲ノ配給
統制ノ現狀ニ應ズル爲、其ノ代用品トシテ
「ステープル·ファイバ1」絲ヲ用ヒタル織
物ニ對スル、織物消費稅ノ免除ノ範圍ヲ擴
張致スコトト致シタノデアリマス、以上申
述ベマシタ臨時的措置ニ依リマス減收見込
ノ稅額ハ、大體平年度ニ於キマシテ一千四
百九十餘萬圓、初年度タル昭和十四年度ニ
於キマシテ一千百三十餘萬圓ト相成ル見込
デアリマス、尙中央地方ヲ通ズル稅制ノ一
般的改正ニ付キマシテハ、事變モ長期建設
ノ段階ニ入リマシタ今日、速カニ稅制ヲ整
備スルノ要アリト認メラレマスノデ、負擔
ノ公平、經濟諸政策トノ調和、財政ノ彈力
性稅制ノ簡易化等ヲ目標ト致シマシテ、
今後ニ於ケル事態ノ推移ニ十分留意シツヽ
銳意調査ヲ進メタキ考デゴザイマス、以上
ハ支那事變特別稅法中改正法律案外二件
ノ、政府提出法律案ノ〓略ノ說明デアリマ
スルガ衆議院ニ於キマシテハ之ニ對シマシ
テ、次ニ述ブル諸點ニ付テ修正ヲ加ヘタノ
デアリマス、衆議院ノ修正ノ第一點ハ、臨
時利得稅法中改正法律案ニ關スルモノデア
リマシテ、原案ニ於キマシテ、讓渡利得ニ
付キマシテハ前年中ノ實績ニ對シ本年分ヨ
リ課稅スルコトニナッテ居リマシタモノヲ、
本年一月以後ノ讓渡ニ依ル利得ニ對シ讓渡
ノ度每ニ課稅スルコトニ致シタノデアリマ
ス、修正ノ第二點ハ、支那事變特別稅法中
改正法律案ニ關スルモノデアリマシテ、物
品稅ノ追加品目中、化粧品石鹸及齒磨ヲ削
除シ、茶ニ付テハ紅茶ノミニ課稅スルコト
ニ致シタノデアリマス、修正ノ第三點ハ、
物品稅中、飴等ニ對スル稅率百斤ニ付二圓
ニナッテ居リマシタモノヲ、麥芽飴ト其ノ
他ニ區分シ、麥芽飴ニ對スル稅率ヲ百斤ニ
付一圓五十錢ニ引キ下グルコトニ致シタノ
デアリマス、其ノ他法律案ニ付一二ノ修正
案ガアリマシタ外、命令事項ニ關シマシテ
モ洋服等ニ對スル物品稅ノ課稅最低限ヲ引
上ゲル等、二三ノ點ニ付修正ノ要望ガアッタ
ノデアリマス、衆議院ノ修正ニ付キマシテ
ハ、御審議ノ結果貴族院ニ於テモ右修正ニ
贊成ガアリマシタ場合ニハ政府ハ右修正
ニ依リ實行致ス考デアリマス、以上諸法案
ニ付政府ノ原案竝ニ衆議院ニ於ケル修正ニ
關シマシテ、大體ノ說明ヲ致シタノデアリ
マス、尙詳細ノ點ニ付キマシテハ委員會ニ
於テ說明致シタイト存ジマス、何卒御審議
ノ上速カニ御協賛アラムコトヲ希望致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=49
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050・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題ニ上リマシタ
支那事變特別稅法中改正法律案外二案ハ、
重要法案デアリマスルガ故ニ、此ノ特別委
員ノ數ハ二十七名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ
議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=50
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051・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=51
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052・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=52
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053・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、書記官ヲシテ特別委員ノ氏名ヲ朗
讀致サセマス
〔佐藤書記官朗讀〕
支那事變特別稅法中改正法律案外二件特
別委員
公爵島津忠重君侯爵中御門經恭君
侯爵池田宣政君伯爵林博太郞君
男爵大井成元君子爵靑木信光君
子爵前田利定君子爵大河内輝耕君
子爵裏松友光君子爵大岡忠綱君
中川健藏君男爵辻太郞君
伍堂卓雄君柴田善三郞君
男爵本多政樹君男爵松平外與麿君
三浦新七君河田烈君
西野元君森平兵衛君
小倉正恒君磯野庸幸君
下出民義君橋本辰二郞君
細田安兵衞君野村德七君
出光佐三君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=53
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054・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 次會ハ明二十三
日午前十時開會致シマス、議事日程ハ決定
次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、本日ハ
是ニテ散會致シマス
午後二時六分散會
貴族院議事速記錄第十四號正誤
貴族院議事速記錄第十四號一三八頁一段一八行
宗〓國體法案中第五條末行ヲ左ノ如ク訂正ス
取消スコトヲ得発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02719390322&spkNum=54
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3. 会議録のPDFを表示
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