1. 会議録本文
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000・会議録情報
會議
昭和十四年三月二十日（月曜日）午前十一時十六分開會
出席委員左の如し
委員長 川崎克君
理事 小山倉之助君 理事 宇賀四郎君
理事 最上政三君 理事 横川重次君
理事 森田福市君 理事 鶴惣市君
理事 藤本捨助君 理事 河野密君
中島彌團次君 松永東君
川崎末五郎君 田村秀吉君
愛野時一郎君 小畑虎之助君
渡邊玉三郎君 田中邦治君
瀧澤七郎君 高橋熊次郎君
武田徳三郎君 服部岩吉君
坂田道男君 大口喜六君
松浦伊平君 岸田正記君
森肇君 片山哲君
松永義雄君 道家齊一郎君
青木作雄君
出席國務大臣左の如し
内務大臣 侯爵 木戸幸一君
大藏大臣 石渡莊太郎君
出席政府委員左の如し
内務政務次官 漢那憲和君
内務參與官 中井一夫君
内務省地方局長 坂千秋君
内務書記官 三好重夫君
大藏政務次官 松村光三君
大藏參與官 矢野庄太郎君
大藏省主税局長 大矢半次郎君
大藏書記官 松隈秀雄君
大藏書記官 田中豐君
本日の會議に上りたる議案左の如し
支那事變特別税法中改正法律案（政府提出）
臨時利得税法中改正法律案（政府提出）
臨時租税措置法中改正法律案（政府提出）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=0
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001・川崎克
○川崎委員長 開會致シマス、都合ニ依リ
午後一時マデ休憩致シマス
午前十一時十七分休憩発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=1
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002・川崎克
○川崎委員長 開會ヲ致シマス、都合ニ依
リ三時半マデ休憩致シマス
午後一時三十一分休憩
午後三時四十分開議発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=2
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003・小山倉之助
○小山委員長代理 是ヨリ開會致シマス、
都合ニ依リ午後五時マデ休憩致シマス
午後三時四十一分休憩
午後八時開議発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=3
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004・川崎克
○川崎委員長 ソレデハ開會ヲ致シマス、
支那事變特別稅法中改正法律案外二件ノ討
論ニ入ル前ニ當リマシテ政府ニ確メテ置キ
タイコトガアルノデアリマス、先ヅ第一ニ
遊興稅ノ問題ニ付キマシテ、今日マデ質疑
應答ノ行ハレテ參リマシタモノノ中、關西
方面ニ於ケル遊興飮食稅徵收ニ關シテ、藝妓
ノ花代ト飮食料ヲ合算シテ徵收シ得難キ商
習慣ノアル故ヲ以テ、此ノ點ハ合算ガ困難
デアルカノヤウニ答辯セラレテ來テ居ルノ
デアリマス、左樣デアリマスルト云フト、
關西地方ノミガ藝妓ト飮食トノ分離課稅ノ
ヤウナ結果ニナルノデアリマスガ、遊興飮
食稅ヲ統一スル意味ニ於テ、是ハ何等カノ
方法ニ依ツテ合算スベキ課稅技術上ノ方法
ガアルモノト信ジマスガ、先ヅ之ニ對シテ
政府ハ如何ニシテ關東ト關西ニ於ケル課稅
上ノ不均衡ヲ是正スベキカト云フコトニ付
テ、本法施行ニ關シ、重要ナ點デアリマス
カラ、承ツテ置キタイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=4
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005・大矢半次郎
○大矢政府委員 只今ノ御質疑ノ點ニ付キ
マシテハ、是マデニ政府ノ調査スル所ニ依
リマスレバ、關西地方ニ於テハ御話ノ如キ
慣行ハアリマスケレドモ、此ノ慣行ノ下ニ
飮食遊興ヲスル場合ニ於テハ、其ノ料理店
ハ相當高級ノモノデアル、隨テ免稅點ニ
關シマシテハ、實際問題トシテハ殆ド問題
ニスルニ當ラナイデハナカラウカ、斯ウ云
フコトヲ御答シテ置イタノデゴザイマス、
併シ度々大阪、京都方面ニ於テ相當廣ク斯
ウ云フ慣行ガ行ハレテ居ツテ、政府ノ說明
スル通リニ致シマスルト、全國的ニ權衡ヲ
得ナイト云フ御話デゴザイマシタカラ、更
ニ考究ヲ致シマシテ、全國的ノ權衡ヲ圖ラ
ンガ爲ニ、一ツノ勅令事項ヲ規定致シタイ
ト存ジマス、ソレハ支那事變特別稅法中改
正法律案ノ第五十二條ノ四ニハ「料金ガ一人
一囘五圓ニ滿タザル場合ニハ遊與飮食稅ヲ
課セズ」トアリマシテ、第一一項ニ「前項ノ一人
一囘ノ料理ノ計算ニ關シ、必要ナル事項ハ命
令ヲ以テ之ヲ定ム」トシテアリマス、ソレデ此
ノ命令ノ中ニ只今御質疑ニ關スル事項ヲ規定
致シマシテ、花代ト飮食代トヲ別々ニ領收ス
ル慣行ノアル場合ニ於テモ免稅點ニ關シマ
シテハ兩者ヲ通算シタルモノニ依リ稅金ヲ
徵收スルコトト致シマシテ、サウシテ、全
國ノ權衡ヲ圖ル積リデゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=5
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006・川崎克
○川崎委員長 第二ニ御伺ヲ致シマスガ、
此ノ遊興稅ノ徵稅ニ付テハ、手續上非常ニ
困難ナ問題デアリマスノデ、業者ノ團體ヲ
認メテ之ヲシテ取扱ハシムルト云フコトニ
ナツテ居ルノデアリマス、ソコデ此ノ課稅
標準其ノ他未收入料金、徴稅、延期、貸倒
レ等ニ對スル事柄ニ付テモ、是ハドウシテ
モ業者ト協調ヲ遂ゲテ行カナケレバナラナ
イコトデアルト思ヒマスガ、此事ニ對シテ
ハ政府ハ何處マデ遊興稅徴收ニ關シテ常業
者トノ間ニ圓滿ニ施行出來ルヤウテ方針ヲ
執ル積リデアルカ、其ノ御確信ノ程ヲ承ツ
テ置キタイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=6
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007・大矢半次郎
○大矢政府委員 遊興飮食稅ノ課稅ニ當リ
マシテハ、課稅標準ノ申〓未收入料金ニ對
スル徴稅延期、貸倒レ金ニ對スル免稅等ニ
付キ、出來得ル限リ業者ノ團體等ト協調ヲ
保ツテ施行ノ圓滿ヲ期シタイト存ジマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=7
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008・川崎克
○川崎委員長 第三ニ承リタイノハ、是ノ、
內務大臣、大藏大臣兩大臣カラ御答辯ヲ得
タイノデアリマスガ、歡興稅ノコトデアリ
そう、遊興稅ガ國稅トシテ行ハレマス結果
ハ、從來行ハレテ參ツテ居リマシタ地方稅
デアル歡興稅ガ是デナクナルノデアリマス、
隨テ是ガ爲ニ五圓以下ノ遊興ハ課稅セラレ
ナイコトニナルノデアリマスガ、現在東京
市ニ於テ行ハレテ居リマス歡興稅等ハ、勿
論此ノ結果ナクナルノデアリマスケレドモ、
若シ是ガナクナツテ「カフエー」「バー」ト云
フモノニ對スル課稅ガ出來ナイコトニナリ
マス結果ガ、所謂遊興ノ爲ニ浪費スル所ノ
「カフエー」「バー」ト云フモノガ非常ニ盛ニ
ナツテ、啻ニ東京ノミニ止ラズシテ、地方
ニモ是ガ普及シテ來ル虞ガ多分ニアルノデ
アリマス、左樣致シマスルコトガ非常ナ風
〓上ノ害毒ハ勿論デアリマスガ、課稅ノ均
衡ノ上ニ於テモ遊興ニ對スル課稅ヲ爲スト
云フ趣旨ヲ貫ク上ニ於テ非常ニ玆ニ國稅ト
ノ間ニ不均衡ナモノガ生ジテ參ルト思フノ
デアリマス、隨テ是等ニ對シテハ地方稅ト
シテ當然歡興稅ガ徵收セラレルノデナケレ
バ、風〓上ソレハ害毒ヲ防止スルコトモ、
所謂遊興ソレ自體ニ對スル課稅ヲ趣旨トス
ル此ノ國稅ヲ起シタ趣旨ニモ、副ハナクナ
ツテ參リマスカラ、寧ロ斯ウ云フ場合ハ地
方稅トシテ「カフエー」、「バー」ニ付テ徴收
スベク慫慂スル位ナ必要ガアルト思フノデ
アリマスガ、之ニ對シテ內務大臣及ビ大
藏大臣ハ如何ナル御考ヲ御持チニナツテ居
リマスカ、其ノ御確信ヲ承リタイノデアリ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=8
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009・木戸幸一
○木戸國務大臣 遊興飮食稅ノ創設ニ依リ
マシテ、是ガ課稅ノ對象トナル遊興又ハ飮
食ニ對シマシテハ、地方稅ノ賦課ハ禁止セ
ラレルコトトナルノデアリマス、併シ飮食
ニ付キマシテ免稅點ノ設ケガアリマスノデ、
此ノ免稅點以下、卽チ五圓未滿ノ飮食ニ
對シマシテハ地方稅ヲ賦課スルコトハ
法律上差支ガアリマセヌシ、只今御話
ノヤウナ御趣旨モアリマスルノデ、若
シ地方團體ガ之ニ對シテ地方稅ヲ賦課セ
ントシテ、是ガ認可ヲ申請シテ參リマシタ
ヤウナ場合ニ於キマシテハ、認可致シイタ
ト考ヘテ居ル次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=9
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010・石渡莊太郎
○石渡國務大臣 只今內務大臣ノ言ハレタ
通リニ存ジテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=10
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011・川崎克
○川崎委員長 是ニテ質疑ハ終了致シマシ
タ、三案ヲ一括シテ直チニ討論ニ入リマ
ス-宇賀君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=11
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012・宇賀四郎
○宇賀委員 私ハ玆ニ議題トナツテ居リマ
ス所ノ支那事變特別稅法中改正法律案、臨
時利得稅法中改正法律案、臨時租稅措置法
中改正法律案ノ三案ニ付キマシテ、民政黨
ヲ代表致シマシテ修正意見ヲ申述べタイト
思ヒマス
此ノ支那事變特別稅法ニ付キマシテハ、
左ノ點ヲ修正致シマシテ、修正以外ノ點ハ
原案ニ贊成致ス者デアリマス、其ノ案文ハ
實ハマダ出來テ居リマセヌデスガ、第三十八
條ノ第二種ノ乙類ノ二十二ノ「化粧用石鹼」、
是ハ削除致シタイ、ソレカラ其ノ下ノ「及齒
磨」之ヲ削除致シタイ、ソレカラ其ノ次ノ二
十三ノ「茶」ト云フ所ガアリマスガ、是ハ「物品
ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ之ヲ課ス」
トアリマス其ノ命令ノ方ニ於テ「綠茶」ハ之
ヲ除クコトニシテ戴キタイノデアリマス
ソレカラ第三十九條ノ第三種ノ第三番目
ニアリマス所ノ飴ノ「百斤ニ付テ二圓」ト
云フノハ、是ハ晒飴ニ付テ二圓デアリマシ
テ、竝飴ノ、所謂赤飴ト俗稱スルヤウナモ
ノニ付キマシテハ、一圓五十錢トシテ、差
等ヲ玆ニ付ケマス
ソレカラ尙ホ此ノ際ニヤハリ物品ノ中ニ
於テ洋服ノコトニ付キマシテ、是ハ勅令ノ
方ニ於テ規定サレルモノデアリマスガ、此ノ
免稅點ノ「六十五圓」トアルノヲ「七十圓」ト
云フ風ニ修正シマシテ、サウシテ「チヨツ
キ」「ズボン」上衣、ソレ〓〓ノ免稅點ヲソ
レニ適合スルヤウニ御修正ニ預リタイ
第五十二條ノ三ノ一項ニ、「但シ藝妓ノ
招聘料ニ付テハ料金ノ百分ノ二十トス」ト
云フ此ノ「招聘料」ト云フ文字ヲ「花代」ト直
シテ戴キタイノデアリマス
ソレカラ尙ホ第五十二條ノ四ノ第二項
ノ-是モヤハリ勅令案ノ事項ニナリマス
ガ、「前項ノ一人一囘ノ料金ノ計算ニ關シ必
要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」トアリ
マスガ、其ノ中ノ料理店、貸席竝ニ旅館等ノ
女中、下男其ノ他ニ對スルオ客ノ出ス所ノ
祝儀ニ付キマシテハ、是ハ課稅外ニ置クヤ
ウニ修正致シタイノデアリマス
ソレカラ同ジク第六十一條ノ項デアリマ
スガ、先程大藏大臣竝ニ內務大臣ノ御答ガ
アリマシタ所ノ、五圓未滿ノモノニ對シマ
シテ地方ノ必要ニ應ジテ歡興稅ヲ課スルト
云フコトハ、此ノ條文ノ改正デハナイカモ
知レマセヌガ、何處カ必要ナ所ヘ、サウ云
フコトガ爲シ得ラレルコトヲ明ニシテ置イ
テ下サルヤウニ御願致シマス
次ニ第六十二條ノ二ノ第二項ノ「前項ノ
場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ命令ノ定ム
ル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコトヲ得」ト
アリマス、之ニ關スル命令事項デアリマス
ガ、經營者ノ團體ニ稅務署ヨリ交付スル所
ノ交付金ハ其ノ稅額ノ百分ノ一ト云フコト
ニ承ツテ居リマスガ、之ヲ百分ノ三以內ト
云フ風ニ規定シテ戴キタイノデアリマス
次ニ臨時利得稅ニ付テ申上ゲマス、第十
一條ノ二ニ於テ讓渡利得ヲ何處マデ遡及シ
テ稅ヲ取ルカト云フ項ノ中ニ於テ「前年中」
ト云フコトガアリマスガ、之ヲ昭和十四年
一月一日以降ノ分ニ對シテノミ課稅スルヤ
ウニ條文ノ御修正ヲ願ヒタイノデアリマス、
尙ホ一月一日ヨリノ原始取得ニ付テハ課稅
セザルヤウニ條文ヲ修正シテ戴キタイノデ
アリマス、隨テ其ノ後權利ノ取得其他ニ付
テハ其ノ讓渡ガ行ハレタ都度稅金ヲ取ルヤ
ウニ御修正預リタイ、隨テ餘程廣範圍ニ各
種ノ條文ガ修正サレルヤウニナルト思ヒマ
スガ、出來得ルナラバ委員長ノ手許ニ於テ
條文ヲ整理シテハツキリトサセテ戴キタイ
ノデアリマス、以上修正動議ヲ提出致シマ
ス
其ノ他ノ點ニ付キマシテハ尙ホ意見ガゴ
ザイマスケレドモ、承ル所ニ依レバ、明年
度ニ於テ中央地方ヲ通ズル所ノ稅制ノ大改
革ヲ大藏大臣ニ於テ御考ニナツテ居ルト云
フコトデアリマスカラ、總テ其ノ際ニ十分
ナル所ノ調査ヲ進メマシテ、完全ナル所ノ
整理ヲ爲シテ戴キタイト思ツテ居リマス、
只今ノ稅制ノ建前ハ十一一年ノ三月三十日ニ
臨時租稅增徵法ト云フモノヲ拵ヘマシテ、
十三年ノ三月三十日ニ支那事變特別稅法ト
云フモノヲ作リマシテ、サウシテ本年修正
ヲ致シマシタ、或ハ又來年度ニ於キマシテ
モ、今次事變ガ繼續スル限リニ於テハ、相
當ノ增稅ヲ豫想サレルノデアリマスガ、若
シモ增稅スル場合ニ於キマシテハ、更ニ又
本年ノ如キ一時的ノ糊塗的修正ヲスルヤウ
ナコトノナイヤウニ、萬全ノ策ヲ御考究ナ
スツテ戴キタイ、本件ニ付キマシテハ十分
ノ準備ヲ整ヘテ爲サザル限リ、或ハ期間其
ノ他ニ付テ遲レテ、十分ナ所ノ取調ガ出來
ナカツタト云フヤウナコトヲ起シテハ、洵
ニ申譯アリマセヌデアリマスカラ、ドウカ
一ツ大藏大臣ニ於テモシツカリト此ノ稅制
改革ニ付テ準備ヲナスツテ、間違ヒノナイ
ヤウニシテ戴キタイト思ヒマス、私ハ是ダ
ケデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=12
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013・石渡莊太郎
○石渡國務大臣 修正ノ點ハ法律、勅令、
扱ヒ等ニ亙リマスルノデ、一應念ヲ押シタ
イト存ジマスガ、宜シウゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=13
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014・川崎克
○川崎委員長 宜シウゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=14
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015・石渡莊太郎
○石渡國務大臣 一、臨時利得稅ハ讓渡利
得ノ遡及ハ昭和十四年一月一日マデトシ、
讓渡ノ都度課稅スルコト、尙ホ原始取得ノ
鑛業權ノ免稅ハ、昭和十四年一月一日ニ遡
及スルコト、二、遊興飮食稅ノ「招聘料」ヲ
「花代」ト改メルコト、尙ホ「チップ」二四十
ハ課稅シナイコト、業者ノ組織スル團體ニ
對スル交付金ヲ稅額ノ百分ノ三以內トスル
コト、三、物品稅中、石鹸、齒磨ニ對スル
課稅ヲ止メルコト、茶ニ對スル課稅ヲ紅茶
ノミニ限定スルコト、飴ニ對スル所ノ課稅
中、麥芽飴ニ對スル稅率ヲ百斤ニ付テ一圓
五十錢トスルコト、洋服等ノ課稅最低限ヲ
引上グルコト、洋服ハ大體ニ於テ七十圓、
ソレカラ「カフエー」「バー」ニ於ケル一人一
囘五圓未滿ノ飮食等ニ對シテハ、成ベク地
方稅ヲ賦課スルノ方針ヲ執ルコト、大體左
樣ニ承知シテ宜シウゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=15
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016・川崎克
○川崎委員長 少シ違ツテ居ル所ガアリマ
スカラ、私カラハツキリ申上ゲマス、臨時
利得稅ニ付キマシテハ、船舶及ビ鑛業權ノ
讓渡ニ關シマシテハ、昭和十四年一月カラ
讓渡ノ行ハレタルモノニ對シテ、其ノ都度
課稅スルコトト云フノデアリマス、法文ハ
ドウナルカ知リマセヌガ、意味ハサウ云フ
コトデアリマス、ソレカラ是ト關聯致シマ
シテ、昭和十四年四月以後ノ原始的ニ設定
セラレタ鑛業權ノ免稅點ヲ認メテ居ルモノ
ヲ是ハ當然昭和十四年一月以後ニ於ケル原
始取得ニ係ル鑛業權ノ讓渡ニ關シテハ課稅
セザルコトニ改ムベキデアル、斯ウ云フノ
ガ臨時利得稅法ノ修正點デアリマス
ソレカラ物品稅デアリマス、物品稅ハ化粧
用ノ石鹸、齒磨、綠茶ハ全部課稅免除デア
リマス、ソレカラ飴ニ付テハ麥芽飴ニ付テ
一圓五十錢、原案ニ對シテ五十錢ヲ引下ゲ
ル修正デアリマス、ソレカラ洋服ハ七十圓
以上ト云フコトニ修正スルノデアリマス、
只今大藏大臣ノ御話ノ中ニ「チップ」ト云フ
コトガアリマシタガ、是ハ餘程文字ノ使ヒ
方ニ付テ御考ヲ願ヒタイ點デアリマシテ、
料理店、旅館、貸座敷、待合等ノ女中下男
ノ祝儀ト云フモノヲ指スノデアリマシテ、
遊興ノ意味ニ於ケル「チップ」ハ、是ハ課稅
標準ニ入レベキモノ、是ハ卽チ歡興稅ノ場
合ニ於テサウ云フモノハ起ルノデアリマス、
隨テ其ノ下女トカ下男トカト云フモノデ、
遊興ノ爲デナシニ、料理店、旅館或ハ貸座
敷或ハ待合等ニ於ケル下男トカ女中ト云フ
者ニ對スル所ノ祝儀、「チップ」ト云フ言葉ニ
大分疑義ガアルノデアリマスカラ、是ハ是
非サウ云フ風ナ意味ニ御改メヲ願ヒタイノ
デアリマス、單ニ「チップ」ト申シテハサウ
云フ疑義ガアルカラソコヲ明ニシテ置キタ
イノデス、ソレカラ業者團體ヘノ交付金ノ
額ハ政府案ハ百分ノ一トナツテ居ルノヲ百
分ノ三以內トス、斯ウ云フコトニナツタノ
デアリマス、ソレカラ藝妓ノ招聘料トアル
ノハ、藝妓ヲ招聘スルト云フコトハ、ヲカ
シナ言葉デアル、招聘ヲシナイデモ花代ヲ附
ケナケレバナラヌ場合ガアルトカト云フノ
デアリマス、隨テ是ハ花代トシテ徵收スベ
キデアルト云フノデ花代ト修正ヲシタノデ
アリマス、以上ノヤウナ修正デアリマス、
左樣御承知ヲ願ヒマス--武田德三郞君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=16
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017・武田徳三郎
○武田委員 私ハ只今宇賀君ヨリ御提出ニ
ナリマシタ修正案ニ贊成ヲ致ス者デアリマ
ス、字賀君ヨリハ此ノ修正ノ理由ノ御說明
ヲ承ルコトガ出來ナカツタノデアリマスガ、
併シ事柄ハ極メテ簡單デアリマスルノデ、
便宜上御省略ニナツタモノト思ヒマスケレ
ドモ、私ノ贊成ヲ致ス理由ヲ簡單ニ一應申
述ベルノガ順序ト思ヒマス
第一ニ物品稅ニ於テ化粧石鹸、齒磨、綠
茶ヲ除外致シマシタコトハ、齒磨ノ如キ、又
石鹼ノ如キモノハ今日ノ我國ノ國民生活ノ
程度ニ於キマシテハ、必ズシモ奢侈的消費
ト認メルコトハ少シ無理デハナイカト思ヒ
マツ、又衞生的ニ考ヘテ見マシテモ、是等
ノ品物ハ國民體位ノ向上ニ最モ必要ノモノ
デアリマスルカラ、之ニ課稅スルト云フコ
トハ餘程考慮ヲ要スル點デアラウト思ヒマ
ス、又綠茶ハ我ガ國民ノ古イ時代ヨリ之ヲ
飮用スルノ習慣ガアリマシテ、是ハ私ハ生
理的ニ之ヲ說明スル知識モ持チマセヌケレ
ドモ、日本人ノ衞生上、膓胃ヲ整ヘルト云
フヤウナ關係上、極メテ必要ナモノデアル
ト一般ニ信ゼラレテ居ルノデアリマス斯樣
ナモノニマデ課稅ヲスルノハ、政府ノ御趣
眞、卽チ奢侈的第二次的ノ消費ノモノニノ
ミ課稅スルト云フ御趣旨ニ必ズシモ一致ス
ルモノデハナイト考ヘマスノデ、之ヲ削除
ニ贊成ヲ致スノデアリマス、又飴ノ點ニ至
リマシテハ、上飴、卽チ葡萄糖、晒飴ノ方
ハ品質ノ上等ノ方デアリマスルカラ、此ノ
儘ト致シマシテモ、麥芽飴卽チ並飴ノ方ニ
ハ、ソレニ若干ノ等差ヲ付ケルコトハ當然
ノコトデアラウト考へマスノデ、此ノ點ノ
修正モサウ云フ點カラ贊成致スノデアリマ
ス
次ニ洋服ノ點デアリマスガ、命令ノ原案
ハ六十五圓ト云フコトデアリマスガ、洋服
地ノ價格ガ餘程騰貴シテ居ル今日ニ於テ六
十五圓ト云フコトニナリマスト、下級ノ「サ
ラリーマン」ナドニハ隨分無理ガアルデハ
ナイカ、併シ是ハ此ノ政府ノ稅收入ノ關係
モアリマスノデ、少シク免稅點ヲ引上ゲル
程度ニ於テ七十圓ト修正スルコトニ贊成ヲ
致ス譯デアリマス、又法案第五十二條ノ三
第三項ノ關係命令事項中ノ、今ノ御話ノ
「チップ」ノ問題デアリマスルガ、「チップ」ト
云フ言葉ハ、委員長ノ御注意ノ如クニ不適
當デアルト云フコトハ、私モ左樣ニ思ヒマ
スノデ、所謂祝儀、是等ハ元來政府ノ說明
ニ依リマシテモ、料理屋ノ請求書ニ書イテ
ナイモノハ、卽チ客ガ任意ニ「チップ」若シ
クハ祝儀ヲヤツタ場合ニハ課稅ヲ爲サヌノ
デアル、ソレヲ同ジ「チップ」デアリ祝儀デ
アツテモ、料理屋ノ方カラ附ケニ附ケテ出
セバ稅ヲ徵ルノダト云フヤウナ御說明デア
ツテ、洵ニソレニ矛盾ガアルノデアリマス、
ノミナラズ是等ハ本來ノ性質ハ、客ガ料理
屋其ノ他ニ於キマシテ女中ナドニ色々手數
ヲ掛ケルカラ、ソレニ好意的ニ任意的ニ祝
儀ヲヤルト云フコトガ、抑〓ノ習慣デアル
ノデアリマス、ソレヲ唯便宜上其ノ一割ト
云フヤウナコトニ漸次附ケニ書イタ方ガ便
宜ダ、客モ便宜料理屋モ便宜ダト云フヤウ
ナコトデ、唯便宜上ソレガサウ云フ工合ニ
變更シタト云フダケニ止ツテ、政府ノ說明
ノ趣旨カラ言ツテモ、此ノ「チップ」ヲ課稅
外ニ置クト云フコトハ相當デアラウト存ズ
ルノデアリマス、此ノ點ニモ左樣ナ理由ヲ
以テ贊成ヲ致スノデアリマス、又六十二條
ノ三項ノ交付金百分ノ一ヲ百分ノ三以內ト
スルト云フコトニ付キマシテハ、今日ノ地
方ニ於ケル遊興稅ノ徵收ノ實情ヲ見マシテ
千、料理屋其ノ他ノ組合ト當局トノ間ニ十
分ナル連絡ヲ取ツテ、寧ロ此ノ組合ト云フ
モノヲ補助機關トシテ、漸ク徵稅ヲシテ居
ルト云フ事實ハ明白ナコトデアツテ、是尺、
何人モ知ツテ居ル所デアリマス、殊ニ此ノ
遊興稅、飮食稅ノ徵收ト云フコトハ非常ナ
難カシイコトデアツテ、之ヲ緩ヤカニスレ
バ國家ノ收入ガ減リマスルシ、之ヲ嚴重ニ
スレバ業者トノ摩擦ガ甚ダシクナル、殊
待合若クハ料理屋ノ經營者ト云フモノハ多
クハ女ガ當ツテ居ルト云フヤウナ事實カラ
致シマシテ、此ノ組合ガ其ノ間ニ立ツテ十
分ナル斡旋ヲ致シ、政府ノ徴稅ノ補助機關
トシテ働クニアラズンバ、此ノ稅ノ徵收ハ
圓滿ニ行ハレナイ虞ハ、今日ノ地方稅ノ徵
收ノ實情ニ徵シテ、明カナ譯デアリマスカ
ラ、之ニ向ツテ其ノ地方々々ノ實情ニ應
ジマシテ相當ノ交付金ヲ與ヘテ、政府ノ
徵收ニ協力セシムルト云フコトハ、極メテ
必要ノコトデアルト思ヒマスルノデ、左
樣ナ理由カラ此ノ點ニモ贊成致スノデアリ
きく、大體主ナル點ハ左樣ナコトデアリマ
スガ、私ハ此ノ機會ニ於キマシテ一言政府
ニ希望ヲ述ベテ置キタイト思ヒマス、此ノ
タビ御提案ニナリマシタ此ノ增稅案ヲ見マ
スルト、其ノ趣旨ニ於テハ極メテ結構デア
ルト思フノデアリマス、卽チ大藏大臣ノ御
說明ノ如ク、殷賑產業ト平和產業トノ間ニ非
常ナ跛行性ヲ今日ハ實現シテ居ルノデアリ
マスルカラ、ソレヲ矯正スルト云フ意味合ニ
於テ、殷賑產業ノ方面ニ、卽チ臨時利得稅
ニ相當ナ增稅ヲ致スト云フ御趣旨モ吾々ハ
結構ナコトデアルト思ヒマス、又更ニ今日
最モ此ノ時局ニ對シテ吾々ノ憂フル所ハ、通
貨ノ膨脹ガ延イテ惡性「インフレーションL
ヲ誘發スルノ動機ニナリハシナイカト云フ
コトハ、是ハ我レ人共ニ恐レル所デアリマ
ス、之ヲ防止シマスルノニハ、政府ガ屢〓主
張セラルル如クニ、或ハ貯蓄ヲ奬勵スルコ
トモ勿論有力ナ手段デアリマセウガ、同時
ニ稅ヲ增徵スル手段ニ依ツテ國民ノ購買力
ヲ吸上ゲルト云フコトモ、極メテ必要ナ事
柄デアルト思フノデアリマス、政府ノ御說
明ニ依リマシテモ、物品稅ヲ擴張シ、其ノ稅
率ヲ上ゲタノハ、卽チ此ノ消費ヲ抑制スル
ト云フ御趣旨デアルト云フコトデアルノデ
アリマス、其ノ御趣旨ニモ吾々ハ贊成ヲ致
ス者デアリマス、又政府ハ臨時措置法ヲ御
改正ニナツテ、生產力ノ擴張ニ相當ナ注意
ヲ拂ハレタト云フコトハ極メテ吾々ハ適當
ナ措置ト思フノデアリマス、要スルニ此ノ
增稅案ノ御趣旨ハ、大體ニ於テ吾々ト致シ
マシテハ首肯スルニ足ル御考デアルト思フ
ノデアリマス、唯仔細ニ考ヘマスルト、今
修正案ヲ提出サレタ點ノ如キニ於テ多少遺
憾ノ點ガアリマスルノデ、之ヲ抑制スル意
味ニ於テ是等ノ修正案ガ提出サレタノデア
リマシテ、私ハ政府ハ喜ンデ吾々ノ此ノ修
正案ニ同意サレルモノト信ジテ居ル者デア
リマス、尙ホ今申上グルヤウニ、此ノ增稅
案ノ趣旨ニ於テハ洵ニ吾々ハ多クノ異論ハ
ナイノデアリマスガ、併シナガラ吾々ノ關
心ハ寧ロ此ノ增稅案ヨリハ正ニ來年度ニ於
テ政府ガ御計畫ニナツテ居リマスル所ノ稅
制ノ改正案ガ如何ナル御意圖ヲ以テ之ヲ行
ハルルカト云フコトガ是ガ極メテ重大ナ關
心事デアルノデアリマス、仍テ私ハ少シク
此ノ點ニ向ツテ吾々ノ希望ノアル所、意ノ
アル所ヲ申述ベテ置クコトハ、政府ノ來ル
ベキ稅制ノ改正ニ向ツテ相當ナ御參考ニナ
ルコトト思フノデアリマス
第一ニ私ノ申上ゲテ置キタイコトハ、中
央地方ヲ通ジテ財政ノ一般的ノ改正ヲ斷行
セラレタキコトデアリマス、是ハ敢テ私ガ
申上ゲルマデモナク、政府御自身ニ於テ既
ニ表明サレテ居ル所デアリマスルガ、併シ
其ノ御趣旨ハ將來今日ノ我國ノ時局ト致シ
マシテハ、ドウシテモ此ノ大時局ヲ突破ス
ルト致シマシテハ、相當ナ增稅ハ已ムヲ得
ナイ情勢デアルト私ハ思フノデアリマス、
而シテ今日ノ稅制ヲ其ノ儘ニシテ、更ニ是
レ以上ノ增收ヲ圖ルト云フコトハ、種々ナ
ル點ニ於テ私ハ無理ガアルト思フノデアリ
マス、卽チ將來ノ增收ヲ圖ル基礎ト致シマ
シテ、中央地方ニ亙ツテ稅制ノ改正ヲナサ
ルト云フ御趣旨ニ御願ヲシタイト思フノガ
第一點デアリマス、其ノ次ニハ所得稅ノ根本
的ノ改正ガ今日ノ場合ニ於テ最モ必要デナイ
カト思フノデアリマス、大藏大臣モ既ニ所得稅
ノ國民化ト云フコトノ必要ヲ申述ベラレマ
シタ、所得稅ノ國民化ト云フコトハ色々ナ
意味ニ於テサウ云フコトモ出來マセウガ、
私ハ兎ニ角國家ノ入用ハ國民全體ノ者ガ之
ヲ負擔スルト云フ意味ニ於テ、英吉利ノ所
得稅ナドハ大イナル參考ニナルカト思フノ
デアリマス、尙ホ其ノ次ニハ今日ノ時局ノ
關係上、總テノ國民ノ持ツテ居ル財產ニ自
然增收ノアルコトハ當然デアリマス、是等ニ向
ツテ如何樣ナ方法ニ依ツテ相當ナ課稅ヲス
ルカト云フコトハ、來ルベキ稅制整理ニ於
テ當然考慮、サルベキ事柄デアラウト思ヒマ
ス、更ニ中央地方ト稅制ヲ有機的ニ改正致シ
マス點ニ取リマシテ深ク考慮ヲ願ヒタイコ
トハ、中央ノ稅ト地方ノ稅トノ限界ニ向ツ
テ合理的ノ計畫ヲ立テナケレバナラヌト思
フノデアリマス、今日ノ如ク、昨年ハ入場
稅ヲ中央ニ移管シ、本年ハ遊興稅ヲ中央ニ移
管シ、唯其ノ時〓〓ノ急場ニ應ジテ地方稅
ヲ中央ニ取ルト云フヤウナコトデアツテ
ハ、其ノ結果ハ中央地方トノ間ニ何等合理
的ノ限界ガナクナリマシテ、稅制ガ極メテ
亂雜ニナル危險ガアルト思フノデアリマス、
更ニ又交付金ノ制度ヲ一ツ根本的ニ合理化
シテ確立スルコトヲ要望スル者デアリマス、
今日ノ交付金ノ制度ハ甚ダ亂雜デアルト思
フノデアリマス、或ハ地方ノ國家事務ノ
部ヲ負擔スルト云フ形ニ於テ交付金ヲ出シ
テ居ルノモアリマス、或ハ又地方ノ財政ヲ
調整スルト云フ意味ニ於テ爲サレテ居ル所
ノ交付金モアリマス、義務〓育費國庫負擔
ノ如キハ當然國家事務ニ對シテ國家ガ負擔
スルト云フ建前デナケレバナラヌモノヲ、
今日ハソレハ一種ノ財政調整ノ交付金ノ形
ヲ取ツテ行ハレテ居ルト云フ事實モアリマ
ス、又今日ノ地方團體、殊ニ町村ガ國家ノ
委任事務ノ爲ニ非常ナル經費ヲ負擔シテ居
ルト云フ事實ハ、先般ノ質問應答ノ中ニ內
務大臣モ明ニ御認メニナツテ居ルノデアリ
マス、斯樣ナ事態デアリマスカラ此ノ國家
事務、委任事務ニ對シテ、國家ガ如何ナル
方法ヲ以テ地方ノ負擔ヲ合理化スルカ、又
交付金ヲ如何ナル方法ニ依ツテ確立スルカ
ト云フコトハ、來ルベキ稅制ノ改正ニ當ツ
テ地方稅ニ關スル重大ナル「ポイント」デア
ルト思フノデアリマス、尙ホ是等ノ點ニ付
テ色々詳細ニ申述ベタイ點ガアルノデアリ
マスガ、何レ是ハ本會議ニ於テ同僚ヨリ申
上ゲルト思ヒマスカラ、今日ハ極メテ其ノ
要領ダケヲ申上ゲテ、政府ニ十分ナル御考
慮ヲ煩ハスコトヲ要請シテ、本案ニ贊成ノ
意ヲ表明スル者デアリマス(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=17
-
018・川崎克
○川崎委員長 森肇君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=18
-
019・森肇
○森委員 私ハ只今ノ修正案ニ對シマシテ
大體ニ於テハ贊成ノ意思ヲ表明致シマス、
唯臨時利得稅法中鑛業權及ビ船舶ノ讓渡ニ
對スル課稅ニ付テ昭和十三年一月一日マデ
遡ラウトシタ政府案ヲ本年一月一日ニ遡ル
コトニ改メラレタル此ノ點、是ハ此ノ修正
ノ結果ト致シマシテハ遡ルベカラズトスル
主張ヲ持ツテ居ラレル方々ノ意見モ貫カレ
テハ居リマセヌ、昭和十三年一月一日ニ遡
及スベシト主張サレル政府ノ意見モ貫カレ
ナイノデアリマス、何故ニ何レニモ付カザ
ル修正ヲ加ヘナケレバナラヌカト云フコト
ニ付テ私ハ疑ヲ持ツノデアリマスガ、此ノ
修正案ヲ御作リニナルマデハ委員長ヲ首メ
トシテ非常ニ御苦心ノ跡ガ偲バレルノデア
リマス、ノミナラズ深ク穿鑿ヲ逞シウ致シ
マスレバ、或ハ當今ノ時節柄其ノ民心ニ及
ボス影響如何モ考ヘナケレバナラヌノデア
リマスカラ、私ハ之ニモ忍ンデ此ノ修正案
ニ贊成ノ意ヲ表明致スノデアリマス、其ノ
他ハ總テ原案ニ贊成ノ意ヲ表スルノデアリ
マスガ、然ラバ原案ニ對シテ滿足ヲシテ居
ルカト云フコトデアルナラバ、私ハ滿足ハ
致シマセヌト申上ゲタイ、大正十五年以來
今日ニ至ルマデ幾度カ根本改革ヲ唱ヘラレ
テ手ヲ付ケラレタコトガアリ、一時的ノ補
修作業トシテ增稅ヲ行ハレタコトガアリ、
今日ノ此ノ增稅ヲ行ハルルニ至ツタ、稅制
ノ大體カラ見マスト、少シ惡口ニ過ギルカ
モ知レマセヌガ、餘程チグハグニナツテ居
ルト云フ感ジヲ免レマセヌ、ソコデ問題ハ
今後ニ於テ之ヲ如何ニ改革スベキヤト云フ
コトデアリマスガ、此ノ點ニ付テハ同僚委員
ノ多數ノ方々ハ少クモ昭和十五年度ニ於テ
ハ改革ヲ斷行セラルベシト云フ意見ヲ御持
チニナツテ居ルヤウデアリマス、是モ一ツ
ノ見方デアリマスガ、私ハ直接國民ノ利害ニ關
スル租稅制度ノ如キモノハ、一タビ之ヲ立ツル
ニ於テハ相當ノ期間ノ存續シ得ル見込ヲ以
テ爲スベキモノデアツテ、朝令暮改ハ民心ヲ
安ンズル所以デハナイト、此ノ點ヲ非常ニ憂
フルノデアリマス、殊ニ今日ハ豫算關係ノ所謂
財政經濟ノ前途ノ見透シモドナタモオ付キ
ニナツテ居ル方ハアリマセヌ、財政經濟ノ
前途ノ見込ガ付カズシテ茲ニ確カナル稅制
ヲ立テテ見タ所ガ果シテソレガ何年持ツデ
アラウカ、斯ウ云フ點ヲ考ヘマスルト、私ハ
寧ロ革新ノ名ニ驅ラレテ急イデ事ヲ爲シテ
仕損ズルヨリモ、寧ロ遲レタリト云フ非難
ヲ聞イテモ巧ナル租稅制度ヲ御立テニナル
爲ニ已ムヲ得ズンバ十六年度、十七年度ニ
オ延ベニナツテモ宜イノデハナイカト云フ
考ヲ持チマス、是ハ大藏大臣ニ御參考マデ
ニ申上ゲテ置キマス、又此ノ租稅制度ノ改
革ガ行ハレルト云フコトデアルナラバ、私
ハ先行條件ト致シテ豫算ノ建前ヲ御變ヘニ
ナルコトガ必要ダト思ヒマス、私ハヨク惡
口ヲ申スコトデアリマスガ、今日ノ豫算ノ
姿ハ仔細ニ各省別ニ亙ツテ調査ヲ致シテ見
マスナラバ、土用ニ綿入ヲ著テ居ルノト餘
リ變リアリマセヌ、同ジヤウナ種類ノモノ
ガ違ツタ名目ニ依ツテ至ル所ニ隱レテ居ル
ト申シテモ宜シイト思ヒマス、一面ニ於テ
繰延ヲ、一面ニ於テ節約ヲ行フ、此ノ費目
ハナクナツタカ、減ツタカト思ツテ紙ヲ捲
ツテ見ルト、次ノ所ニハ新シイ費目トナツ
テ同ジ種類ノ金ガ出テ居リマス、玆ニ內務
大臣ヲ前ニシテハ相濟ミマセヌガ、國民ト
最モ親シイ關係ヲ持ツ內務、農林兩省ノ豫
算ヲ最近ノ十年位ニ亙ツテ調査ヲ致シテ見
マスト、不思議ニモ臨時、經常兩方ヲ通ジマ
シテ金高ガ、今ノ厚生省ノ出來ル以前マデ
ハ內務省ガ二ヲ取リマス時分ニ農林省ハ
一デアリマス、五、五、三デハアリマセヌ
ガ、二、一ノ比例ヲ以テ取ツテ居ル、ソレ
ガ不思議ニモ災害ノ時ニ至ツテモ二ト一ノ
比率ヲ以テ取ツテ居ルト云フ所ニ、私ハ今
ノ官廳ノ豫算編成ノ病氣ガアルト思ヒマス、
斯ウ云フ點ニ付テ能ク氣ヲ御配リニナツテ、
維新當時ノ吾々ノ先輩ガアノ大改革ヲヤツ
タト同ジヤウナ心持ヲ以テ事ニ御臨ミニナ
リ、各省ノ對立、各課ノ對立ヲ御除キニナ
ツテ參リマスナラバ、現狀ノ儘ニシテモ相
當ノ金額ヲ節約致シテ、而モ其ノ節約ノ結
果ハ、今爲サントサルル所ノ其ノ仕事ニハ何
等ノ影響ナシト見ルコトガ出來ルト思フノ
デアリマス、是等ノ點ニ於テ先ヅ此ノ豫算
ヲ簡易化シ、單純化シテ、誰ガ見テモ分ル
ヤウニスルト同時ニ、無用ノ費エ、或ハ不
急ノ費エガアルナラバ、思切ツテ之ヲ御削
除ニナツテ、此ノ建前ヲ先ヅ御決メニナツ
タ後ニ、初メテ稅制ノ改革ニ手ヲ染メラル
ベキデアルト云フ卑見ヲ私ハ持チマス、此
ノ點モ申上ゲテ置キタイノデアリマス、尙
ホ新シキ稅ナドガ行ハレマスル度每ニ、必ズ
附キ物トシテ人ノ口ニ上リマスコトハ、苛
斂誅求ノ問題デアリマスガ、私ハ必ズシモ
大藏省ノ命令ヲ以テ苛斂誅求ヲ爲シテ居ル
トハ考ヘマセヌ、併シ大藏省ガ一定ノ金額
ヲ豫定シテ、之ヲ監督局ニ命ゼラレル、監
督局ハ之ヲ稅務署ニ割當テラレル結果ト致
シマシテ、ドウシテ苛斂誅求ノ譏ヲ免レナ
イ事實ガ到ル處ニ現ハレテ參リマス、而モ
此ノ苛斂誅求ニ依ツテ苦ミヲ感ジマスル者
ハ、中以上ノ物ヲ言フ人ニアラズシテ、中
以下ノ言葉ナキ人々デアルト云フコトニ十
分ノ御留意ヲ願ヒタイ、左樣ナコトハナイ
ト机ノ上デハ御說明ニナルノデアリマスガ、
一タビ足ヲ地方ニ入レテ見マスト苛斂誅
求ニ忍ビ泣ヲ致シテ居ル者ガ相當ニ多イノ
デアリマス、斯ウ云フ點ヲ十分御留意ニナ
リマシテ、今後ノ租稅制度ノ改革ニ付テハ、
愼重ノ〓究調査ノ後ニ初メテ手ヲ御著ケニ
ナルコトガ必要デアル、其ノ前ニ豫算ヲ新
ニ編制替ヲシテ、誰ガ見テモ立派ナ豫算ダ
ト言ハレルモノニ御作リ替ヲ願ヒタイ、斯
ウ云フ希望ヲ附加ヘマシテ修正案及ビ原案
ニ贊成ノ意思ヲ表明致シマス(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=19
-
020・川崎克
○川崎委員長 河野密君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=20
-
021・河野密
○河野委員 私ハ社會大衆黨ヲ代表致シマ
シテ、宇賀君ヨリ申述ベラレマシタル修正案
竝ニ其ノ他ノ點ニ付キマシテハ原案ニ贊成
ノ意思ヲ表明スル者デアリマス、唯一言申シ
マスルノハ、遊興飮食稅ニ付キマシテ、私
達ハ此ノ際遊興飮食稅ニ手ヲ觸レルコトハ、
時局ノ際好マシカラズト云フ意見ヲ述ベテ
居ツタノデアリマスルガ、只今御修正ニナ
リマシタ點ハ、時局ノ際遊興飮食ヲ抑ヘル
ト云フ原案ノ趣旨ニ何等ノ變更ヲ加ヘタル
モノデナイ、斯ウ云フ趣旨ニ於テ贊成スル
者デアルト云フコトヲ、此ノ際特ニ附加ヘ
テ置キタイト存ズルノデアリマス、就テ私
ハ本增稅案ノ全體ニ付キマシテ、極メテ簡
單ニ私達ノ意見ヲ申述べタイト存ズルノデ
アリマス
其ノ第一ハ、本增稅案ノ目標ガ極メテ不
明確デアツテ、私達トシテハ其ノ點ニ大ナ
ル不滿ヲ感ズルト云フ點デアリマス、大藏
大臣ハ屢〓說明ヲセラレマシテ、戰時利得ヲ
抑ヘル、奢侈的ナ消費ノ節約ヲセシムルモ
ノデアルト云フコトヲ、本增稅案ノ目標ト
シテ御述ニナツタノデアリマス、此ノ目標
ノ爲ニ臨時利得稅ト物品稅及ビ遊興飮食稅
ヲ中心トシテ課稅ノ方針ヲ御立テニナツタ
ノデアリマスルガ、其ノ金額ヲ見マスルト
一億九千餘万圓デアリ、其ノ費目ヲ見マス
ルト必ズシモ此ノ趣旨ニ副フモノナリヤ否
ヤト云フコトニ對シテ疑ヲ持ツモノモアル
ノデアリマス、謂ハバ行キ當リバツタリニ
費目ヲ選ビ、其ノ稅額ヲ調ベテ見タ所ガ一
億九千餘万圓、約二億圓ノ增稅トナツタト
云フヤウナコトデハナイカト私達ハ惧レル
ノデアリマス、斯ウ云フ場合ニ於テ眞ニ消
費ノ節約ヲセシメ、戰時利得ニ對シテ一定
ノ制限ヲ加ヘントスルナラバ、其ノ源泉タ
ル國民所得ノ問題ニ對シテ考慮ヲ〓ラスベ
キモノデアルト考ヘルノデアリマス、此ノ
點ニ對シテ所得稅ハ二階建、三階建ニナツ
テ居ルノデアリマスルカラ、直チニ是ガ增
徵ヲ爲スコトハ大藏大臣ノ言ハルル通リ、
現下ノ情勢トシテ適切デナイニ致シマシテ
モ、少クトモ此ノ際ニ於テ所得稅ニ對シテ
何等カノ考慮ヲ廻ラスベキコトガ適切デハ
ナカツタカト私ハ思フノデアリマス、所得
稅ニ何等觸レルコトナクシテ增稅案ヲ立テ
ラレタコトニ對シテ、私ハ極メテ遺憾ノ意
ヲ表シタイト思フノデアリマス
第二ノ點ハ、物品稅ノ增徵ニ依ツテ寧ロ
物價ノ騰貴ヲ激成スルニアラズヤ、日常必
需品ノ部面ニ對シテ特ニ物價ノ騰貴ヲ招來
スル傾向ヲ促進スルニアラズヤト云フ點デ
アリマス、物品稅ナルモノガ初メテ表面ニ
現ハレマシタノハ、北支事變特別稅デアリ
マスルガ、爾來稅目ハ次第ニ擴大セラレ、
今日ニ於テハ必ズシモ奢侈的商品ニ限ルモ
ノニアラズシテ、一般的ナル日常必需品モ
多分ニ此ノ中ニ含マレテ居ルノデアリマス
ガ、其ノ爲ニ却テ物價ノ騰貴ヲ促進シ、大
衆生活ニヨリ以上ノ負擔ヲ課クル結果トナ
リ、「インフレ」ヲ阻止セントスル方向ト相
反シテ、寧ロ一般的ナル「インフレーシヨ
ン」ヲ激成スルニアラズヤ云フ點ニ付テ、
私達ハ不滿ノ意ヲ表明シタイト思フノデア
リマス
第三ハ負擔ノ均衡ノ點ハ、大藏大臣モ言
ハルルガ如ク、稅制ノ根本的ノ方針デアリ
マスガ、負擔ノ均衡ト生產力ノ擴充ガ相背
馳スル觀念デアルカノ如ク理解セラレテ居
ル點ヲ、吾々ハ甚ダ不滿ニ思フノデアリマ
ス、必ズシモ今日ニ於テ負擔ノ均衡ヲ犧牲
ニスルニアラザレバ生產力ノ擴充ヲ爲スコ
トガ出來ナイ、今日ノ戰時ノ事態ニ應ズル
コトガ出來ナイト考へルノハ、戰時ノ財政
變理ノ任ニ當ル大藏大臣ノ考ヘ方トシテ妥
當ナリヤ否ヤト云フコトニ對シテ、私達ハ
疑ヲ持ツノデアリマス
臨時措置ニ對スル本增稅案ニ現ハレマシ
タル修正ハ、先程同僚ノ武田君ハ贊意ヲ表
セラレタノデアリマスルガ、私ハ寧ロ臨時
措置法ノ改正ニ依リマシテ、餘リニ時局產
業ニ過分ナル恩惠ヲ與ヘ過ギルノデハナカ
ラウカト云フコトヲ寧ロ憂フル者デアリマ
ス、今日生產力擴充ヲ必要ト致シテ居リマ
スル產業ハ、或ハ所得稅法ニ依リ、或ハ營
業收益稅法ニ依ツテ多大ノ恩惠ヲ受ケテ居
ルノデアリマス、ノミナラズ、資金調整ニ
依リ、或ハ物資需給ノ調整ニ依ツテ、特別
ナ便宜ヲ與ヘラレテ居ルノデアリマス、而
モ尙ホ其ノ上ニ一定ノ留保ヲ爲シタルモノ
ニ對シテハ減免ノ恩惠ガアリ、更ニ之ヲ一
定ノ方面ニ流用スル場合ニ於キマシテハ、
之ニ對シテ減輕ノ恩典ガアルト云フコトハ、
餘リニ一方ニ偏スルモノデバナカラウカ、
跛行是正ノ見地ヨリシテ稍、疑ナキヲ得ナイ
ト私ハ思フノデアリマス
斯ノ如ク仔細ニ見マスルナラバ、私達ト
シテ幾多不滿ノ點ハアルノデアリマスガ、
大藏大臣初メトシテ、現下ノ財政當局ニ當
ラレテ居ル人々ノ御苦心ノ點モ能ク分ツテ
居リマスルシ、又本案ノ修正ニ當ツテ友黨
各位ガ非常ナル努力ヲ拂ハレマシタル點モ
能ク私達ハ承知シテ居リマスノデ、此ノ際
忍ンデ修正案竝ニ其ノ他ノ點ニ付テハ原案
ニ贊成ヲセントスルモノデアリマス、唯最
後ニ私ハ希望條項ヲ三ツ申述ベタイト存ジ
マス
政府ハ公約ニ從ヒ議會閉會後直チニ稅
制調査會ヲ活用シテ稅制ノ一般的改革案
ヲ作製シ必ズ來ルベキ通常議會ニ提出ス
ベシ
二、政府ハ增稅ニ依ツテ物價ノ騰貴ヲ來シ
大衆生活ヲ脅威セザルヤウ最善ノ對策ヲ
講ズベシ
三、政府ハ全體的ノ負擔均衡ヲ圖リ國民生
活ノ跛行是正ニ努力スベシ
以上ノ希望條項ヲ付シテ贊成ノ意ヲ表スル
モノデアリマス(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=21
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022・川崎克
○川崎委員長 道家齊一郞君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=22
-
023・道家齊一郎
○道家委員 私ハ只今主張セラレマシタ宇
賀委員ノ修正意見ニ贊成ヲ致シマシテ、原
案ニ贊意ヲ表スルモノデアリマス、極メテ
簡單ニ贊成ノ理由ヲ申上ゲマス、元來私ハ
大衆ノ必需的商品ニ對スル課稅ハ最後ニス
ベシト云フ主張ヲ持ツテ居ルノデアリマス、
現在ノ日本ノ財政經濟上ノ狀態ヲ見マスル
ト、必ズシモ今最後ニ到達シタモノトハ
思ハレナイノデアリマス、マダ吾々ハ將來
戰爭ノ永續ヲ十分ニ認識シナケレバナラナ
イ、又時ニ依リマシテハ、「ソ」聯トノ衝突モ
ナキニシモアラザルコトヲ考ヘナケレバナ
ラヌ、斯ク考ヘマスル時ニ、最モ大衆ニ苦
痛ヲ與フル所ノ大衆課稅ヲ只今實施スルコ
トハ甚ダ面白クナイト私ハ思フノデアリマ
ス、隨テ化粧石鹸或ハ齒磨等ノ衞生材料
ニ對シテ課稅スルコトニ反對ヲ致ス者デア
リマス、茶ハ國民ノ必需的生活品ト申シテ
モ宜イモノデアリマスカラ、日本ノ現狀ニ
於キマシテハ、是亦將來ニ延期シテ然ルベ
シト思フノデアリマス、斯樣ナ意味ニ於テ
修正ニ贊成致シマス
次ニ飴ニ於キマシテハ聊カ意味ヲ異ニ致
シマス、是ハ製造ノ發達過程ニアリマシテ、
將來ノ產業トシテヨリ更ニ助長スベキ必要
ガアルト認メマスノデ、修正意見ニ贊成ヲ
致シマス、取扱ノ手數料トシテ交付金ノ百
分ノ一ヲ百分ノ三ニ修正スルコトハ必ズシ
モ贊成出來ナイノデアリマスガ、納稅ノ成
績ヲ擧ゲルト云フ意味ニ於テ、姑ク經過的
ニ之ニ贊成シテ其ノ狀況ヲ見ントスル者デ
アリマス、以上簡單デアリマスガ贊成ノ意
見ヲ申述ベマス
次ニ希望ヲ申述ベマス、政府ハ明年度ノ
議會ニ稅制整理案ヲ提出セラレンコトヲ希
望致シマス、以上ノ理由ヲ述ベテ私ハ修正
案ニ贊成致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=23
-
024・川崎克
○川崎委員長 靑木作雄君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=24
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025・青木作雄
○靑木委員 私ハ東方會ヲ代表致シマシテ
修正案ヲ提出致シマス、卽チ支那事變特別
稅法中改正法律案ニ付テハ宇賀君ノ申サレ
マシタ修正案ニ贊成ヲ致シマス、臨時利得
稅法中改正法律案ニ付キマシテハ、原案ヲ
贊成致シマス、臨時租稅措置法中改正法律
案モ是亦原案ヲ贊成致シマス以上ノ意見
ニ付キマシテ理由ヲ申述ベマス
支那事變特別稅法中改正法律案ノ修正案
ニ對スル贊成ノ理由ハ、他ノ委員カラ述ベ
ラレタコトハ大シテ變リハアリマセヌ、何
ガ故ニ臨時利得稅法中改正法律案ノ第十一
條ノ二ヲ原案ヲ支持スルカト云フ理由ヲ申
傳ベテ見タイ、大體船舶、鑛業權讓渡ノ利
得ニ對シ稅ヲ課スル今囘ノ新稅ハ、其ノ稅
ガ杜撰デアルト云フコトハ屢〓當委員會デ
述ベラレタノデアリマス、卽チ其ノ計算ノ
基礎デアル所ノ昭和十一年十二月三十一日
ニ於ケル鑛業權ナリ、船舶ノ價格ノ査定ト
云フコトハ容易デナイ、政府ノ言ハレルガ
如ク或ハ鑛山監督局ヲ使ツテ是デ調ベテ見
ル、或ハ類似ノ鑛山ヲ調べテ見テ、ソレデ
其ノ金額ヲ決メルト云フヤウナコトハ甚ダ
不安心デ、吾々ハ確實ナル査定ヲ得ルトハ
信ジ難イノデアリマス、又此ノ結果トシテ
ノ賣拂ツタ時ノ價額ガ眞ニ幾何デアツタカ
ト云フコトニ付テ、株式組織ニ爲シタル場
合ニ於テ、其ノ株ノ評價ノ困難デアルト云
フコトモ森田委員カ繰返シ申サレタ所デア
ル、更ニ此ノ稅ト類似ノ、否同ジ利得ニ
對シテ取ラウト思ツテモ取レナイモノガア
ルト云フコトモ、私共ハ承知シテ居ルノデ
アリマス、卽チ一旦株式化シタモノヲ、昭
和十三年中ニ於テ政府ノ色々ナ奬勵策ノ結
果急ニ其ノ會社ノ價値ガ騰リマシテ、其ノ
結果トシテ其ノ株ガ暴騰シタ爲ニ、其ノ株
ヲ持ツテ居ツタ者ガ急ニ成金ニナツタ、斯
ウ云フ利得ニ對シテ課稅スルスルコトガ出
來ナイノデアリマスルカラ、全ク利得ノ質
ハ同ジモノデアリマスルガ、之ヲ見逃サナ
ケレバナラナイト云フ點ニ於テモ亦杜撰デ
アル、隨テ此ノ稅ヲ取ル上ニ於テ非常ニ調
査ガ杜撰ニナリ勝チデアルト云フコトノ爲
二、斯ル稅ハ廢メルガ宜イト云フコトナレ
バ、是ハ一理アルノデアリマス、又此ノ稅
ガ旣ニ過ギタコトニ對シテ遡及シテ稅ヲ取
ルコトガ不當デアルト云フヤウナコトモ申
サレタノデアリマスルガ、斯ル遡及ニ依ル
所ノ不當ナルコト竝ニ只今申シマシタヤウ
ナ此ノ稅ヲ取ルコトノ上ニ於テ非常ニ杜撰
ナ點ガアルト云フコトニ對スル十分ナ認識
ガアルニモ拘ラズ、尙且ツ此ノ稅ヲ設ケラ
レタ理由ハ何處ニアルカ、是ハ船舶竝ニ鑛
業權ニ對スル所謂成金ニ對シテ國民ノ感情
ト云フモノヲドウ云フヤウニ稅ノ上ニ現ハ
スカ、卽チ此ノ度ノ事變以來一般國民ハ、
第三種所得稅ノ査定ニ於キマシテハ借金ヲ
斟酌シテ吳レマセヌ爲ニ完全ニ赤字ノ稅ヲ
出シテ居ルモノガ相當アルノデアリマス、
是等ノ人々ガ其ノ成金ノ生活ヲ見タ時ニ、
感ジノ上ニ何トカ仕樣ノナイモノカ、斯ウ
云フ氣持ヲ持ツテ居ルコトヲ政府ガ同時ニ
此ノ稅ノ上ニ現ハサウ、サウシテ其ノ成金
ノ利得ヲ決シテ政府ガ看逃ガシテ居ルノデ
ハナイト云フコトヲ示ス爲ニ本稅ヲ設ケラ
レタモノデハナカラウカト思フノデアリマ
ス、只今申ス如ク色々ナ缺陷ハアル、多少
無理デアラウ、行過ギデアラウト思フ點モ
アルガ、此ノ稅ヲ設ケラレタ理由ハソコニ
アツタノデハ無カラウカト思フ、殊ニ此ノ
委員會デ述ベラレタ所ニ依リマスト、一年
間ニ於テ取ルベキ利得ハ船舶ニ於テ三百万
圓、鑛業權ニ於テ九百八十万圓、今年ノ一
月マデト云フノデアリマスカラ多少此ノ金
額ノ中カラ減ルカモ知レマセヌガ、政府ノ
所得トナルベキモノガ二割五分ト致シマス
レバ三百万圓ニ垂ントスル所ノ金額デア
ル、此ノ金額ヲ逃ガシテ、是等ノ人々ハ斯ノ
如キ事變下ニ苦シンデ居ル人ノ前ニ於テ、
其ノ金デ立派ナ邸宅ヲ營ミ、或ハ自家用ノ
自動車デ飛廻ツテ居ルカモ分ラヌ、之ニ對
スル國民ノ感情ヲチツトモ斟酌セズ、之ヲ見
逃ガシテヤルト云フコトハ私ハ何ト考ヘテ見
テモ、此ノ度ノ增稅ノ目的ノ中デハ、金額ハ
サウ大キナモノデナイカモ知レマセヌガ、趣
旨ニ於テハ最モ代表的ナルモノヲ見逃ガサレ
タコトニナリハシナイカト思フノデアリマス、
私ハ其ノ精神ヲ言フノデアリマス、戰時ニ
於ケル此ノ稅ノ建テ方ニ於テ最モ代表的ト
思ハレル戰時成金ノ金ヲ取上ゲヨウトスル
コトヲ見逃ガサウト云フコトニ政府ガ御同
意サレタ以上、今囘ノ增稅案ニ於テ特ニ强
調セラレマシタ殷賑產業、或ハ此ノ事變ニ
依ツテウマイコトヲシタ者カラウント取ラ
ナケレバナラナイト云フ氣持ヲ現ハシテ居
リナガラ外ノ點ニ付テハ公債政策ト增稅、
サウ云フ問題ニ付テハ堅クロヲ閉ヂテ其ノ
關係ヲ明示セラレナカツタ當局トシテハ、
一番ハツキリ言ハレタ問題ニ付テ讓歩セラ
レタモノデハナイカト私ハ思フノデアリマ
ス、私ハ此ノ案ノ缺陷ハ只今申シマスルヤ
ウニ澤山アル、アルガ其ノ稅ヲ設ケタ根本
ノ精神ニ遡ツテ考ヘテ見マスルナラバ、飽
マデ是ハ原案ヲ支持セラルベキ性質ノモノ
デハナイカト思フノデアリマス、此ノ意味
ニ於テ私ハ原案ヲ支持シ、修正案ニ反對セ
ザルヲ得ナイノデアリマス
此ノ際政府ニ望ミタイノハ、來年ノ稅制改
正ヲ行ハレルニ當リマシテ、今マデ委員會テ
述べラレタ御言葉ヲ通ジテ見マスルト、臨時
利得稅ナドデ殷賑產業カラ取上ゲル稅ト云
フモノハ最早極限ニ達シタ、非常ナ多額ノ所
得者ニ對スル稅率モ最早其ノ極限ニ達シタ、
物品稅モ此ノ以上大シテ取上ゲル餘地ハナ
イ、ソコデ以テ今後改正ニ依ツテ彈力性ヲ與
ヘルトスルナラバ、其ノ持ツテ行ク所ハ否デ
モ應デモ中產以下ニ求メテ行カナケレバナ
ラナイト云フヤウナ結論ガ下サレタヤウニ
思フノデアリマス、是ハハツキリ申サレナイ
ケレドモ、サウ云フヤウニ私共ハ其ノ御答
辯カラ推論シ得ルノデアリマス、固ヨリ稅
制ノ改革ハ其ノ時ノ經濟機構其ノ他ヲ離レ
テ、單獨ニ稅ダケニ付テ突飛ナコトハ出來
ルモノデハアリマセヌ、平沼內閣ハ國內改
革ハヤラヌ、ヤラヌデモナイ、斯ウ言ウテ
居ラレマスカラヤルノカトモ考ヘラレマス
ガ、人々ハヤラヌデアラウト見テ居ル、其
ノ國內改革ヲヤラヌデアラウ所ノ平沼內閣
ニ於テ、石渡大藏大臣ガ此ノ稅制ノ改革ヲ
セラレルノデアリマスカラ、其ノ稅制ニ突
飛ナコトガ想像サレルモノデハナイ、恐ラ
ク各種ノ稅ニ通ジタ所ヲ整理シテ行ク、サ
ウシテ此ノ度ノ增稅案ニ現ハレタ留保所得
ナドニ對シテ減稅スルガ如キ方針ヲ執ラレ
ク、此ノ方針ハ同時ニ踏襲サレルモノデア
ル、斯樣ニ考ヘラレルノデアリマス、サウ
スルト私共ハ藏相ノ言ハレタ我國ノ厖大ナ
ル事變公債政策ノ最後ノ解決ヲ日滿支ノ經
濟ノ建設ノ曉ニ解決スルト云フコトニ付
テ、只今ノ稅制ト、其ノ解決トノ間ニアル
所ノ年度ノ間ヲドウシテ行クカト云フコト
ニ付テハ一切言明ヲ避ケラレテ居ル、私共
ノ心配スルノハ其ノ間ノコトデス、他ノ委
員會デ說明セラレタノデハ、支那デハ容易
ニ今必要ナ物資ヲ取ルコトガ出來ナイ、寧ロ
當面トシテハ難民ノ救濟ガ問題デアル、戰前
ノヤウナ物資ヲ容易ニハ得ラレナイ、デアル
カラ支那ノ建設ハ相當先ニ伸ビルト言ハレ
テ居ル、サウシマスト、其ノ間ニ於キマシテ考
ヘラレルコトハ、果シテ藏相ノ考ヘラレテ居
ルガ如クニ樂々ト「インフレ」ノ進行ヲ阻止ス
ルコトガ出來ルデアラウカ、「インフレ」ハ、
徐々ニ來ルモノデハナイ、徐々ニ來ルノハ
初期ノ現象デアル、一度ソレガ惡化シテ來
マスレバ、迚モ止度ノナイモノニナルコト
ガ、惡性「インフレ」ノ本態デアリマスコト
ハ申スマデモアリマセヌ、然ラバ、藏相ガ
此ノ稅制改革ト、其ノ間ニ處スル所ノ方策
ニドウ云フ堅キ決意ヲ持ツテ居ラレルカ知
リマセヌガ、餘程難事業デアルト考ヘナケ
レバナラナイノデアリマス、今マデノ御言
葉ハ極メテ優シイ言葉デ「カムフラージュ」
シテ居ラレマスルガ、其ノ決意ハ相當堅キ
モノデナケレバナラヌト私ハ思フ、御言葉
トシテハ滿足スベキモノガ甚ダ少イノデア
リマスガ、唯アナタガ非常ニ眞面目デアリ、
而モ稅ノコトニ於テハ少クトモ我國ノ至寶
トモ言フベキ經驗ヲ持ツテ居ラレル、之ニ
私ハ信賴シマシテアナタノ御手際ヲ期待シ
テ暫ク待ツ者デアリマス、以上ノ意見ヲ申
上ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=25
-
026・川崎克
○川崎委員長 是ニテ討論ハ終リマシタ、
採擇ニ入ルニ先ダチマシテ其ノ順序ヲ申上
ゲタイト存ジマス、支那事變特別稅法中改
正法律案外二件ノ三案中、前二案ニ付テハ
修正意見ガアリマス、其ノ二案ノ中後ノ臨
時利得稅法中改正法律案ニ付テハ只今修正
ニ反對ノ意見ノ陳述ガアリマス、斯樣ナ次
第デアリマスノデ、各案ニ付テ採擇ヲ致シ
タイト存ジマス、先ヅ支那事變特別稅法中
改正法律案ニ對シマシテ、宇賀委員カラ修
正案ガ出テ居リマス、其ノ修正案ニ贊成ノ
方ノ起立ヲ求メマス
〔總員起立〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=26
-
027・川崎克
○川崎委員長 起立總員、修正案ハ全員一
致可決サレマシタ-第二ノ臨時利得稅法
中改正法律案ニ對シマシテモ、宇賀委員ノ
修正案ガ出テ居リマス、之ニ贊成ノ諸君ノ
起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=27
-
028・川崎克
○川崎委員長 起立多數、修正案ハ可決致
シマシタ-次ニ第三ノ臨時租稅措置法中
改正法律案ニ付キマシテ採決致シマス、之
ニハ修正案ハゴザイマセヌ、原案ニ贊成ノ
方ノ起立ヲ求メマス
〔總員起立〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=28
-
029・川崎克
○川崎委員長 1.起立總員、滿場一致原案通
リ確定致シマシタ-次ニ修正案ハ可決ヲ
シマシタガ、支那事變特別稅法中改正法律
案及ビ臨時利得稅法中改正法律案ニ對シマ
スル修正ノ部分ヲ除キタル部分ニ就キ原案
ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=29
-
030・川崎克
○川崎委員長 起立多數デアリマス、仍テ
兩案共ニ修正議決セラレマシタ-ソコデ
此ノ際修正箇所ニ付テハ字句ノ整理等ハ委
員長ニ御委セヲ願ヒタイト思ヒマス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=30
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031・川崎克
○川崎委員長 御異議ナシト認メマス依ツ
テ議題ト爲ツテ居リマス三案共ニ確定致シ
マシタ-更ニ此ノ機會ニ此ノ修正案ニ對
シマシテ政府ノ所見ヲ求メタイト思ヒマ
ス-大藏大臣発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=31
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032・石渡莊太郎
○石渡國務大臣 政府ハ兩院ニ於キマシテ
本修正案ニ決定ヲ致サレマシタ場合ニ於テ
ハ、之ニ依ツテ實行致シタイト存ジマス(拍
手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=32
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033・川崎克
○川崎委員長 此ノ際一言致シスス、此ノ委
員會ハ二月二十二日カラ開會ヲ致シマシテ、
今日マデ十六囘ニ及ンダノデアリマスガ、
其ノ間連日皆樣ノ御精勵ニ依リマシテ茲ニ
三案トモ決定ヲ見ルニ至リマシタコトハ、洵
ニ委員長ノ感謝ニ堪ヘザル次第デアリマス、
厚ク御禮ヲ申上ゲマス(拍手)是ニテ散會ヲ
致シマス
午後九時三十分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007411313X01619390320&spkNum=33
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