1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十六年二月十七日(月曜日)午前十時十七分開議
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議事日程 第十五號
昭和十六年二月十七日
午前十時開議
第一 重要機械製造事業法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 工作機械製造事業法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 貸家組合法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 住宅營團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 醫療保護法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 國民勞務手帳法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 勞働者年金保險法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 日本製鐵株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第九 恩給法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十 義務教育費國庫負擔法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十一 小學校令の改正に伴ふ恩給法等の規定の整理に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十二 無盡業法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=0
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001・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 報告ヲ致サ
セマス
〔高山書記官朗讀)
一昨十五日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府
提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ
衆議院ニ通知セリ
昭和十六年度歲入歲出總豫算案竝昭和十
六年度各特別會計歲入歲出豫算案
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件
昭和十五年度歲入歳出總豫算追加案(第
(株)
昭和十五年度特別會計歲入歲出豫算追加
案(特第一號)
臨時軍事費豫算追加案(臨第二號)
昭和十六年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債發行ニ關スル法律案
昭和十五年法律第七號中改正法律案
昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案
朝鮮事業公債法中改正法律案
朝鮮鐵道用品資金會計法中改正法律案
臺灣事業公債法中改正法律案
同日健康保險法中改正法律案特別委員會ニ
於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
委員長公爵島津忠承君
副委員長子爵舟橋〓賢君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
無盡業法中改正法律案可決報告書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
重要機械製造事業法案
工作機械製造事業法中改正法律案
貸家組合法案
住宅營團法案
醫療保護法案
國民勞務手帳法案
勞働者年金保險法案
日本製鐵株式會社法中改正法律案
恩給法中改正法律案
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
小學校令ノ改正ニ伴フ恩給法等ノ規定ノ
整理ニ關スル法律案
同日內閣總理大臣ヨリ左ノ通第七十六囘帝
國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受
領セリ
商工省所管事務政府委員
燃料局事務官波江野繁君
同柳原博光君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=1
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002・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 是ヨリ本日
ノ會議ヲ開キマス、請暇ノ件ニ付御諮ヲ致
シマス、侯爵大久保利武君、病氣ニ付十四
日間、請暇ノ申出ガゴザイマシタ、許可ヲ
致シテ御異議ゴザイマセヌカ
配備中規模仿傚之作の者にもう行忠君)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=2
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003・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第一、
重要機械製造事業法案、日程第二、工作機
械製造事業法中改正法律案、政府提出、衆
議院送付、第一讀會、是等ノ二案ヲ一括シ
テ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=3
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004・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、小島商工次官
〔左ノ案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ做フ〕
重要機械製造事業法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
重要機械製造事業法案
重要機械製造事業法
第一條本法ニ於テ重要機械ト稱スルハ
勅令ヲ以テ定ムル機械、機械部分品(部
分品ノ半成品ヲ含ム)及器具ヲ謂ヒ重
要機械製造事業ト稱スルハ重要機械ノ
製造又ハ組立ヲ爲ス事業ヲ謂フ
第二條重要機械製造事業ヲ營マントス
ル者ハ政府ノ許可ヲ受クベシ但シ命令
ヲ以テ定ムル重要機械製造事業ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
本法ニ定ムルモノノ外前項ノ許可ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條前條ノ許可ヲ受ケタル者(重要
機械製造事業者)ハ政府ノ指定スル期
間內ニ其ノ事業ヲ開始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ
限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコト
ヲ得
重要機械製造事業者前一一項ノ期間內ニ
其ノ事業ヲ開始セザルトキハ前條ノ許
可ハ其ノ效力ヲ失フ
第四條勅令ヲ以テ指定スル重要機械製
造事業(指定重要機械製造事業)ヲ營ム
重要機械製造事業者政府ノ認可ヲ受ケ
本法施行後五年以內ニ於テ政府ノ指定
スル期間內ニ命令ノ定ムル規模以上ノ
設備ヲ新設シ又ハ增設シタルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ設備完成ノ年及其
ノ翌年ヨリ五年間其ノ新設シ又ハ增設
シタル設備ヲ以テ營ム指定重要機械製
造事業ニ付所得稅又ハ所得ニ對スル法
人稅及營業稅ヲ免除ス
前項ノ事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ガ
法人ニ在リテハ各事業年度、個人ニ在
リテハ各年ノ資本金額ニ對シ年百分ノ
十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユ
ルトキハ其ノ超過額ニ相當スル所得又
ハ純益ニ付テハ前項ノ規定ヲ適用セズ
但シ設備完成ノ年及其ノ翌年ヨリ三年
間其ノ新設シ又ハ增設シタル設備ヲ以
テ營ム指定重要機械製造事業ニ付テハ
此ノ限ニ在ラズ
前項ノ資本金額ノ計算方法ハ命令ヲ以
テ之ヲ定ム
第一項ノ重要機械製造事業者其ノ設備
完成前其ノ一部ヲ以テ指定重要機械製
造事業ヲ營ム場合ニ於テモ其ノ事業ニ
付所得稅又ハ所得ニ對スル法人稅及營
業稅ヲ免除ス但シ同項ノ規定ニ依ル期
間內ニ設備ヲ完成セザルトキハ此ノ限
ニ在ラズ
第五條北海道、府縣及市町村其ノ他之
ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依リ所
得稅又ハ所得ニ對スル法人稅及營業稅
ヲ免除セラレタル重要機械製造事業者
☆
ニハ同條第二項ノ規定ニ依リ賦課セラ
レタル營業稅ノ附加稅ヲ除クノ外其ノ免
除セラレタル事業ニ對シ課稅スルコト
ヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ政府ノ認
可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六條第四條ノ規定ニ依リ所得稅又ハ
所得ニ對スル法人稅及營業稅ノ免除ヲ
受クベキ事業ヲ繼續スル者又ハ其ノ事業
ヲ繼續スルモノト認ムベキ事實アル者
ハ前專業者ガ同條ノ規定ニ依ル所得稅
又ハ所得ニ對スル法人稅及營業稅免除
期間內ニ在ルトキハ其ノ期間ヲ承繼ス
第七條指定重要機械製造事業ヲ營ム重
要機械製造事業者其ノ事業ノ爲必要ナ
ル機械又ハ器具ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸
入スルトキハ本法施行ノ日ヨリ五年間
命令ノ定ムル所ニ依リ輸入稅ヲ免除ス
第八條重要機械製造事業者ノ營ム重要
機械製造事業ニシテ勅令ヲ以テ定ムル
モノハ土地收用法第二條ノ土地ヲ收用
又ハ使用スルコトヲ得ル事業トシ同法
ヲ適用ス
第九條重要機械製造事業者タル株式會
社ハ政府ノ認可ヲ受ケ其ノ事業ニ屬ス
ル設備ノ費用ニ充ツル爲商法第二百九
十七條ノ規定ニ依ル制限ヲ超エテ社債
ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ總額ハ
拂込ミタル株金額ノ二倍ヲ超ユルコト
ヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存ス
ル純財產額ガ拂込ミタル株金額ニ滿タ
ザルトキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
第一項ノ規定ニ依リ募集スル社債ニ付
テハ工場抵當法ニ依リ會社ノ事業ニ屬
スルモノヲ抵當ト爲スコトヲ要ス但シ
特別ノ事情アル場合ニ於テ政府其ノ必
要ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第十條重要機械又ハ其ノ部分品ノ輸入
ガ重要機被製造事業ノ確立ヲ妨グルノ
虞アルトキハ政府ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ期間ヲ定メ重要機械又ハ其ノ部分
品ノ輸入ヲ制限スルコトヲ得
第十一條重要機械又ハ其ノ部分品ノ輸
入ニ因リ重要機械ノ市價ノ低落ヲ來シ
重要機械製造事業ノ確立ヲ妨グルノ虞
アルトキハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ關稅調査委員會ノ議ヲ經テ期間ヲ定
メ重要機械又ハ其ノ部分品ニ對シ關稅
定率法別表輸入稅表ニ定ムル輸入稅ノ
外其ノ物品ノ價格ノ五割ニ相當スル全
額以下ノ輸入稅ヲ課スルコトヲ得
第十二條重要機械製造事業者其ノ設備
ヲ增設シ又ハ變更セントスルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受ク
ベシ
第十三條重要機械製造事業者其ノ事業
ノ全部又ハ一部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ
休止セントスルトキハ命令ノ定ムル所
ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
重要機械製造事業者タル法人ノ合併又
ハ解散ノ決議ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效
力ヲ生ゼズ
第十四條重要機械製造事業者ハ命令ノ
定ムル所ニ依リ專業計畫ヲ定メ政府ニ
之ヲ屆出デ又ハ政府ノ認可ヲ受クベシ
之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ事業計畫
ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十五條重要機械製造事業者ト他ノ重
要機械製造事業者又ハ第二條第一項但
書ノ規定ニ該當スル重商機械製造事業
ヲ營ム者トノ間ニ重要機械ノ製造又ハ
販賣ニ關シ命令ノ定ムル協定成立シタ
ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ政
府ニ屆出ヅベシ其ノ變更又ハ廢止アリ
タルトキ亦同ジ
政府公益上必要アリト認ムルトキハ前
項ノ協定ノ變更又ハ取消ヲ命ズルコト
ヲ得
第十六條政府ハ重要機械製造事業者ニ
對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲
サシムルコトヲ得
政府ハ重要機械製造事業者ニ對シ業務
及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發
シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當
該官吏ヲシテ重要機械製造事業者ノ事
務所、營業所、工場、倉庫其ノ他ノ場
所ニ臨檢シ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳
簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコ
トヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示
ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十七條政府公益上必要アリト認ムル
トキハ重要機械製造事業者ニ對シ重要
機械ノ販賣價格若ハ販賣條件ノ變更ヲ
命ジ又ハ重要機械ノ需要供給ヲ調節ス
ル爲必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第十八條政府重要機械製造事業ノ發達
ヲ圖ル爲又ハ軍事上特ニ必要アリト認
ムルトキハ重要機械製造事業者ニ對シ
重要機械又ハ其ノ部分品ニ付〓究、試
作其ノ他製造ニ關スル命令ヲ爲シ又ハ
設備ノ擴張、改良、變更若ハ工場ノ移
轉ラ命ズルコトヲ得
第十九條政府軍事上必要アリト認ムル
トキハ重要機械製造事業者ニ對シ特殊
設備ノ施設其ノ他軍事上必要ナル事項
ヲ命ズルコトヲ得
第二十條前二條ノ規定ニ依リ爲シタル
命令ニ因リ生ジタル損失ハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ政府之ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十一條政府重要機械製造事業ノ發
達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ重要機械製造
事業者ニ對シ重要機械ノ製造若ハ販賣
ニ關シ協定ノ設定ヲ命ジ又ハ協定ノ加
盟者若ハ其ノ協定ニ加盟セザル重要機
械製造事業者ニ對シ其ノ協定ノ全部若
ハ一部ニ依ルベキコトヲ命ズルコトヲ
得
第二十二條政府重要機械製造事業ノ發
達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキ
ハ重要機械製造事業者ニ對シ重要機械
ノ製造ニ關スル技術又ハ〓究ニ付他ノ
重要機械製造事業者ニ對スル協力ヲ爲
シ又ハ他ノ重要機械製造事業者ヨリ協
力ヲ受クルコトヲ命ズルコトヲ得
第二十三條政府重要機械製造事業ノ發
達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキ
ハ重要機械ノ製造ニ必要ナル見本機械
若ハ圖面ヲ所有シ若ハ所持スル者ニ對
シ重要機械製造事業者ニ之ヲ利用セシ
メ又ハ重要機械製造事業者ニ對シ之ヲ
利用スルコトヲ命ズルコトヲ得但シ特
許又ハ登錄實用新案ニ係ルモノニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四條前二條ノ規定ニ依ル命令ア
リタル場合ニ於テ費用ノ負擔又ハ對價
ニ付關係者間ニ於テ協議ヲ爲スコト能
ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府之ヲ
裁定ス
第二十五條政府重要機械製造事業ノ發
達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキ
ハ重要機械製造事業者ニ對シ他ノ重要
機械製造事業者ニ事業ヲ讓渡シ又ハ他
ノ重要機械製造事業者ヨリ事業ヲ讓受
クベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ
於テ讓渡ノ條件ニ付關係者間ニ於テ協
議ヲ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザル
トキハ政府之ヲ裁定ス
第二十六條政府重要機械製造事業ノ發
達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキ
ハ重要機械ノ製造ニ必要ナル機械又ハ
器具ヲ所有シ又ハ所持スル者ニ對シ其
ノ讓渡又ハ賃貸ニ付命令ノ定ムル所ニ
依リ重要機械製造事業者ト協議ヲ爲ス
ベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ
於テ關係者間ニ於テ協議ヲ爲サズ若ハ
爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキ
ハ政府ハ當該事項ニ付必要ナル決定ヲ
爲スコトヲ得
第二十七條重要機械製造事業者ハ前條
ノ規定ニ依リ讓受ケ又ハ借受ケタル機
械又ハ器具ヲ政府ノ指定スル重要機械
ノ製造以外ノ用途ニ使用スルコトヲ得
ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此
ノ限ニ在ラズ
第二十八條第二十四條若ハ第二十五條
ノ規定ニ依ル裁定又ハ第二十六條ノ規
定ニ依ル決定アリタル場合ニ於テ費用
ノ負擔、對價、讓渡價格又ハ賃貸料ニ
付不服アル者ハ其ノ裁定又ハ決定ノ通
知ヲ受ケタル日(裁定又ハ決定ノ通知
ヲ受ケザル者ニ付テハ其ノ公示ノ日)
ヨリ三十日以內ニ通常裁判所ニ出訴ス
ルコトヲ得
第二十九條第二十二條乃至前條ニ定ム
ルモノノ外裁定及決定、重要機械ノ製
造ニ關スル技術又ハ〓究ノ協力、重要
機械ノ製造ニ必要ナル見本機械又ハ圖
面ノ利用、重要機械製造事業者間ノ事
業ノ讓渡又ハ讓受竝ニ重要機械ノ製造
ニ必要ナル機械又ハ器具ノ讓渡又ハ賃
貸ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第三十條政府重要機械製造事業ノ發達
ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ
重要機械製造事業者ニ對シ其ノ供給ヲ
受クル部分品ノ種類若ハ數量又ハ供給
者ニ付必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第三十一條政府ハ重要機械製造事業者
ニ對シ重要機械ノ製造ニ政府ノ指定ス
ル設計、原料若ハ材料又ハ部分品若ハ
附屬品ヲ使用スベキコトヲ命ジ又ハ其
ノ使用ヲ制限スルコトヲ得
第三十二條政府ハ重要機械又ハ其ノ部
分品若ハ附屬品ニ付其ノ規格ヲ定ムル
コトヲ得
重要機械製造事業者ハ前項ノ規定ニ依
リ規格ノ定マリタルモノニ付テハ命令
ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外規格ニ適
合スルモノニ非ザレバ之ヲ製造シ又ハ
重要機械ノ製造ニ使用スルコトヲ得ズ
第三十三條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ重要機械製造事業者ニ對シ其ノ事業
ニ屬スル設備ノ償却ヲ爲スベキコトヲ
命ジ又ハ試驗若ハ〓究ノ目的其ノ他命
令ヲ以テ定ムル目的ニ充ツル爲特別ノ
積立金ノ積立ヲ命ズルコトヲ得
第三十四條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ重要機械ノ試驗、〓究又ハ試作ヲ爲
ス者ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ奬勵金
ヲ交付スルコトヲ得
第三十五條重要機械製造事業者本法若
ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基
キテ爲ス處分ニ違反シ又ハ公益ヲ害ス
ル行爲ヲ爲シタルトキハ政府ハ其ノ業
務ヲ停止シ若ハ制限シ、第二條ノ許可
ヲ取消シ又ハ法人ノ役員ノ解任ヲ爲ス
コトヲ得
第三十六條第十五條乃至第十七條、第
三十一條、第三十二條及前條ノ規定ハ
第二條第一項但書ノ規定ニ該當スル重
要機械製造事業ヲ營ム者ニ之ヲ準用ス
第二十五條、第二十八條及第二十九條
ノ規定ハ第二條第一項但書ノ規定ニ該
當スル重要機械製造事業ヲ營ム者ト他
ノ重要機械製造事業者又ハ第二條第一
項但書ノ規定ニ該當スル重要機械製造
事業ヲ營ム者トノ間ニ於ケル事業ノ讓
渡又ハ讓受ニ之ヲ準用ス
第三十七條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三條ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケ
ズシテ重要機械製造事業ヲ營ミタル
者
二第十條ノ規定ニ依ル制限ニ違反シ
テ重要機械又ハ其ノ部分品ノ輸入ヲ
爲シタル者
三附則第二項又ハ第三項ニ揭グル者
ニシテ同項ノ規定ニ依ル範圍ヲ超エ
テ重要機械製造事業ヲ營ミタルモノ
第三十八條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十二條ノ規定ニ違反シテ設備ヲ
增設シ又ハ變更シタル者
二第十三條第一項ノ規定ニ違反シテ
事業ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止シタ
ル者
三第十四條第一項ノ規定ニ違反シテ
認可ヲ受ケザル事業計畫ヲ實施シ又
ハ事業計畫ノ屆出ヲ爲サズ若ハ屆出
デタル事業計畫ヲ實旋セザル者
四第十四條第二項ノ規定ニ依ル變更
命令ニ違反シテ事業計畫ヲ實施シタ
ル者
五第十五條第二項(第三十六條ノ規
定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)、第十
七條(第三十六條ノ規定ニ依リ準用
スル場合ヲ含ム)、第十八條、第十九
條、第二十一條乃至第二十三條又ハ
第三十條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ
タル者
六第二十七條ノ規定ニ違反シテ機械
又ハ器具ヲ使用シタル者
七第三十一條(第三十六條ノ規定ニ
依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ
依ル命令又ハ制限ニ違反シタル者
八第三十二條第二頁(第三十六條ノ
規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ
規定ニ遠反シテ規格ニ適合セサルモ
ノヲ製造シ又ハ重要機械ノ製造ニ使
用シタル者
第三十九條第十六條第二項(第三十六
條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)
ノ命令又ハ處分ニ違反シタル者ハ千圓
以下ノ罰金ニ處ス
第四十條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十六條第一項(第三十六條ノ規
定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規
定ニ依ル報〓ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報
告ヲ爲シタル者
二第十六條第三項(第三十六條ノ規
定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規
定ニ依ル當該官吏ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、
妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ質問ニ對シ
答辯ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ陳述ヲ爲シ
タル者
第四十一條營業者ハ其ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ業務ニ關シ第三十七條乃至第三十
九條又ハ前條第一號ノ違反行爲ヲ爲シ
タルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故
ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十二條第三十七條乃至第三十九條
及第四十條第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ法
人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法
人ノ業務ヲ執行スル役貝ニ、未成年者
又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理
人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者
ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第十五條第一項(第三十六條ノ規
定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規
定ニ違反シテ命令ノ定ムル協定又ハ
其ノ變更若ハ廢止ニ付屆出ヲ爲サザ
ル者
二第三十三條ノ規定ニ依ル命令ニ違
反シテ積立ヲ爲サザル者
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ第二條ノ規定ニ依リ許
可ヲ受クベキ重要機械製造事業ヲ營ム者
又ハ其ノ事業ヲ承繼シタル者ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ勅令ヲ以テ定ムル期間ヲ限
リ同條ノ規定ニ拘ラズ本法公布ノ日以前
ニ於テ營メル事業ノ範圍(本法施行ノ際
現ニ建設工事中ノ設備アル事業ニ付テハ
當該設備ニ係ル事業ノ範園ニシテ命令ヲ
以テ定ムルモノヲ含ム)內ニ於テ其ノ事
業ヲ營ムコトヲ得
第二條ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ重要
機械製造事業ヲ營ム爲本法施行ノ際現ニ
其ノ設備ノ建設工事中ニ在ル者又ハ其ノ
設備ヲ承繼シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ前項ノ勅令ヲ以テ定ムル期間ヲ限リ
同條ノ規定ニ拘ラズ命令ヲ以テ定ムル範
圍內ニ於テ其ノ事業ヲ營ムコトヲ得
前二項ノ規定ニ依リ重要機械製造事業ヲ
營ム者ハ第二條ノ許可ヲ受クル迄之ヲ同
條第一項但書ノ規定ニ該當スル重要機械
製造事業ヲ營ム者ト看做ス
工作機械製造事業法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
工作機械製造事業法中改正法律案
工作機械製造事業法中左ノ通改正ス
第三條第一項但書ヲ削ル
第四條第一項中「前條ノ許可ヲ受クルコ
トヲ得ベキ者ハ」ヲ「前條ノ許可ヲ受クル
コトヲ得ベキ者ニシテ其ノ設備ガ命令ノ
定ムル規模以上ナルモノハ」ニ改メ同條
第三項中「前條ノ許可ヲ受ケタル者」ノ下
ニ「ニシテ第一項ニ揭グルモノ」ヲ加ヘ同
項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ其ノ設備ガ第一項ノ命令ノ定ムル
規模ニ達セザル場合ニ於テハ此ノ限ニ
在ラズ
第五條第一項中「第三條ノ許可ヲ受ケタ
ル會社(工作機械製造會社)」ヲ「第三條ノ
許可ヲ受ケタル者(工作機械製造事業
者)」ニ、同條第三項中「工作機械製造會
社」ヲ「工作機械製造事業者」ニ改ム
第六條、第十二條、第十八條、第二十條
及第二十五條中「工作機械製造會社」ヲ
「工作機械製造事業者」ニ改ム
第七條第一項及第四項竝ニ第八條中「工
作機械製造會社」ヲ「工作機械製造事業
者」ニ、「所得ニ對スル法人稅」ヲ「所得稅
又ハ所得ニ對スル法人稅」ニ改ム
第七條第二項中「各事業年度ノ資本金額」
ヲ「法人ニ在リテハ各事業年度、個人ニ在
リテハ各年ノ資本金額」ニ改ム
第九條中「所得ニ對スル法人稅」ヲ「所得
稅又ハ所得ニ對スル法人稅」ニ改ム
第十條第一項中「工作機械製造會社」ラ
「命令ヲ以テ定ムル工作機械製造事業者
タル株式會社」ニ改ム
第十三條工作機械製造事業者ノ營ム工
作機械製造事業ニシテ勅令ヲ以テ定ム
ルモノハ土地收用法第二條ノ土地ヲ收
用又ハ使用スルコトヲ得ル事業トシ同
法ヲ適用ス
第十四條第一項及第十七條中「工作機械
製造會社」ヲ「工作機械製造事業者タル株
式會社」ニ改ム
第十五條第一項中「工作機械製造會社」
ヲ「工作機械製造事業者」ニ、同條第二項
中「工作機械製造會社」ヲ「工作機械製造
事業者タル法人」ニ改ム
第十六條第一項ヲ左ノ如ク改ム
工作機械製造事業者ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ事業計畫ヲ定メ政府ニ之ヲ屆出
デ又ハ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更
セントスルトキ亦同ジ
第十六條ノ二工作機械製造事業者ト他
ノ工作機械製造事業者トノ間ニ工作機
械ノ製造又ハ販賣ニ關シ命令ノ定ムル
協定成立シタルトキハ命令ノ定ムル所
ニ依リ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ其ノ變更
シ又ハ廢止アリタルトキ亦同ジ
政府公益上必要アリト認ムルトキハ前
項ノ協定ノ變更又ハ取消ヲ命ズルコト
ヲ得
第十九條第一項中「工作機械製造會社」ヲ
「工作機械製造事業者」ニ改メ同條第二項
ヲ削ル
第十九條ノ二政府工作機械製造事業ノ
發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルト
キハ工作機械製造事業者ニ對シ工作機
械又ハ其ノ部分品ニ付〓究、試作其ノ
他製造ニ關スル命令ヲ爲シ又ハ設備ノ
擴張、改良、變更若ハ工場ノ移轉ヲ命
ズルコトヲ得
第二十一條第一項中「第十九條第二項又
ハ前條」ヲ「前二條」ニ改ム
第二十一條ノ二政府工作機械製造事業
ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ工作機械
製造事業者ニ對シ工作機械ノ製造若ハ
販賣ニ關シ協定ノ設定ヲ命ジ又ハ協定
ノ加盟者若ハ其ノ協定ニ加盟セザル工
作機械製造事業者ニ對シ其ノ協定ノ全
部若ハ一部ニ依ルベキコトヲ命ズルコ
トヲ得
第二十一條ノ三政府工作機械製造事業
ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムル
トキハ工作機械製造事業者ニ對シ工作
機械ノ製造ニ關スル技術又ハ〓究ニ付
他ノ工作機械製造事業者ニ對スル協力
ヲ爲シ又ハ他ノ工作機械製造事業者ヨ
リ協力ヲ受クルコトヲ命ズルコトヲ得
第二十一條ノ四政府工作機械製造事業
ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムル
トキハ工作機械ノ製造ニ必要ナル見本
機械若ハ圖面ヲ所有シ若ハ所持スル者
ニ對シ工作機械製造事業者ニ之ヲ利用
セシメ又ハ工作機械製造事業者ニ對シ
之ヲ利用スルコトヲ命ズルコトヲ得但
シ特許又ハ登錄實用新案ニ係ルモノニ
付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十一條ノ五前二條ノ規定ニ依ル命
令アリタル場合ニ於テ費用ノ負擔又ハ
對價ニ付關係者間ニ於テ協議ヲ爲スコ
ト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府
之ヲ裁定ス
第二十一條ノ六政府工作機械製造事業
ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムル
トキハ工作機械製造事業者ニ對シ他ノ
工作機械製造事業者ニ事業ヲ讓渡シ又
ハ他ノ工作機械製造事業者ヨリ事業ヲ
讓受クベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ
於テ讓渡ノ條件ニ付關係者間ニ於テ協
議ヲ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザル
トキハ政府之ヲ裁定ス
第二十一條ノ七政府工作機械製造事業
ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムル
トキハ工作機械ノ製造ニ必要ナル器具
又ハ機械ヲ所有シ又ハ所持スル者ニ對
シ其ノ讓渡又ハ賃貸ニ付命令ノ定ムル
所ニ依リ工作機械製造事業者ト協議ヲ
爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ
於テ關係者間ニ於テ協議ヲ爲サズ若ハ
爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキ
ハ政府ハ當該事項ニ付必要ナル決定ヲ
爲スコトヲ得
第二十一條ノ八工作機械製造事業者ハ
前條ノ規定ニ依リ讓受ケ又ハ借受ケタ
ル器具又ハ機械ヲ政府ノ指定スル工作
機械ノ製造以外ノ用途ニ使用スルコト
ヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル場合
ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十一條ノ九第二十一條ノ五若ハ第
二十一條ノ六ノ規定ニ依ル裁定又ハ第
二十一條ノ七ノ規定ニ依ル決定アリタ
ル場合ニ於テ費用ノ負擔、對價、讓渡
價格又ハ賃貸料ニ付不服アル者ハ其ノ
裁定又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日(裁
定又ハ決定ノ通知ヲ受ケザル者ニ付テ
ハ其ノ公示ノ日)ヨリ三十日以內ニ通
常裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第二十一條ノ十第二十一條ノ三乃至前
條ニ定ムルモノノ外裁定及決定、工作
機械ノ製造ニ關スル技術又ハ〓究ノ協
力、工作機械ノ製造ニ必要ナル見本機
械又ハ圖面ノ利用、工作機械製造事業
者間ノ事業ノ讓渡又ハ讓受竝ニ工作機
械ノ製造ニ必要ナル器具又ハ機械ノ讓
渡又ハ賃貸ニ關シ必要ナル事項ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第二十一條ノ十一政府工作機械製造事
業ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ム
ルトキハ工作機械製造事業者ニ對シ其
ノ供給ヲ受クル部分品ノ種類若ハ數量
又ハ供給者ニ付必要ナル命令ヲ爲スコ
トヲ得
第二十一條ノ十二政府ハ工作機械製造
事業者ニ對シ工作機械ノ製造ニ政府ノ
指定スル設計、原料若ハ材料又ハ部分
品若ハ附屬品ヲ使用スベキコトヲ命ジ
又ハ其ノ使用ヲ制限スルコトヲ得
第二十一條ノ十三政府ハ工作機械又ハ
其ノ部分品若ハ附屬品ニ付其ノ規格ヲ
定ムルコトヲ得
工作機械製造事業者ハ前項ノ規定ニ依
リ規格ノ定マリタルモノニ付テハ命令
ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外規格ニ適
合スルモノニ非ザレバ之ヲ製造シ又ハ
工作機械ノ製造ニ使用スルコトヲ得ズ
第二十一條ノ十四政府ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ工作機械製造事業者ニ對シ其
ノ事業ニ屬スル設備ノ償却ヲ爲スベキ
コトヲ命ジ又ハ試驗若ハ〓究ノ目的其
ノ他命令ヲ以テ定ムル日的ニ充ツル爲
特別ノ積立金ノ積立ヲ命ズルコトヲ得
第二十六條第一項ヲ左ノ如ク改ム
政府第二十一條ノ補償金額ノ決定ヲ爲
サントスルトキハ工作機械製造事業委
員會ノ議ヲ經ベシ
第二十七條中「工作機械製造會社」ヲ「工
作機械製造事業者」ニ、「取締役若ハ其ノ
職務ヲ行フ監査役」ヲ「法人ノ役員」ニ改
ム
第二十八條ニ左ノ一號ヲ加フ
三附則第二項又ハ第三項ニ揭グル者
ニシテ同項ノ規定ニ依ル範圍ヲ超エ
テ工作機械製造事業ヲ營ミタルモノ
第二十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
-第六條ノ規定ニ違反シテ設備ヲ增
設シ又ハ變更シタル者
一一第十五條第一項ノ規定ニ違反シテ
事業ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止シタ
ル者
三第十六條第一項ノ規定ニ違反シテ
認可ヲ受ケザル事業計畫ヲ實施シ又
ハ事業計畫ノ屆出ヲ爲サズ若ハ屆出
デタル事業計畫ヲ實施セザル者
四第十六條第二項ノ規定ニ依ル變更
命令ニ遠反シテ事業計畫ヲ實施シタ
ル者
五第十六條ノ二第二項(附則第四項
ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)、
第十九條(附則第四項ノ規定ニ依リ
準用スル場合ヲ含ム)、第十九條ノ
二、第二十條、第二十一條ノ二乃至
第二十一條ノ四又ハ第一一十一條ノ十
一ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
六第十七條ノ規定ニ違反シ認可ヲ受
ケズシテ利益金ノ處分ヲ爲シタル者
七第二十一條ノ八ノ規定ニ違反シテ
器具又ハ機械ヲ使用シタル者
八第二十一條ノ十二(附則第四項ノ
規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ
規定ニ依ル命令又ハ制限ニ違反シタ
ル者
九第二十一條ノ十三第二項(附則第
四項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含
ム)ノ規定ニ違反シテ規格ニ適合セ
ザルモノヲ製造シ又ハ工作機械ノ製
造ニ使用シタル者
第三十條中「第十八條第一一項」ノ下ニ「(附
則第四項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含
ム)」ヲ加フ
第三十一條第一號中「第十八條第一項」ノ
下ニ「(附則第四項ノ規定ニ依リ準用スル
場合ヲ含ム)」ヲ、同條第二號中「第十八
條第三項」ノ下ニ「(附則第四項ノ規定ニ
依リ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加フ
第三十三條ノ二左ノ各號ノ一ニ該當ス
ル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第十六條ノ二第一項(附則第四項
ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)
ノ規定ニ違反シテ命令ノ定ムル協定
又ハ其ノ變更若ハ廢止ニ付屆出ヲ爲
サザル者
二第二十一條ノ十四ノ規定ニ依ル命
令ニ違反シテ積立ヲ爲サザル者
第三十四條第二項ヲ削ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ從前ノ第三條第一項但
書ノ規定ニ該當スル工作機械製造事業ヲ
營ム者又ハ其ノ事業ヲ承繼シタル者ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ勅令ヲ以テ定ムル期
間ヲ限リ同條ノ改正規定ニ拘ラズ本法公
布ノ日以前ニ於テ營メル事業ノ範圍(本
法施行ノ際現ニ建設工事中ノ設備アル事
業ニ付テハ當該設備ニ係ル事業ノ範圍ニ
シテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ含ム)內ニ
於テ其ノ事業ヲ營ムコトヲ得
從前ノ第三條第一項但書ノ規定ニ該當ス
ル工作機械製造事業ヲ營ム爲本法施行ノ
際現ニ其ノ設備ノ建設工事中ニ在ル者又
ハ其ノ設備ヲ承繼シタル者ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ前項ノ勅令ヲ以テ定ムル期間
ヲ限リ同條ノ改正規定ニ拘ラズ命令ヲ以
テ定ムル範圍內ニ於テ其ノ事業ヲ營ムコ
トヲ得
第十六條ノ二、第十八條、第十九條、第
二十一條ノ十二、第二十一條ノ十三及第
二十七條ノ規定ハ前二項ノ規定ニ依リ工
作機械製造事業ヲ營ム者ニ之ヲ準用ス
第二十一條ノ六、第二十一條ノ九及第二
十一條ノ十ノ規定ハ第二項又ハ第三項ノ
規定ニ依リ工作機極製造事業ヲ營ム者ト
他ノ工作機械製造事業者又ハ第二項若ハ
第三項ノ規定ニ依リ工作機械製造事業ヲ
營ム者トノ間ニ於ケル事業ノ讓渡又ハ讓
受ニ之ヲ準用ス
〔政府委員小島新一君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=4
-
005・小島新一
○政府委員(小島新一君) 只今一括シテ議
題ト相成リマシタ重要機械製造事業法案及工
作機械製造事業法中改正法律案ニ付テ提
案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、先ヅ重要機
械製造事業法案ニ付テ申上ゲマスルガ、申
ス迄モナク、機械工業ハ國防上緊要缺クベ
カラザル事業タルト共ニ、一般產業ノ生產
手段ヲ供給スル事業ト致シマシテ、產業上
ニ於キマシテモ極メテ重要ナル地位ヲ占メ
テ居リマシテ、之ガ發達ノ如何ハ、我ガ國
防上及產業上重大ナル意義ヲ有スル次第デ
アリマシテ、機械工業ノ劃期的發展ヲ圖リ
マスルコトハ高度國防國家ヲ完成スル上
ニ於キマシテ最モ緊要ト存ズルノデアリマ
ス、本邦ニ於ケル機械工業ハ、今次事變以
來急激ナル發展ヲ遂ゲテ來タノデアリマス
ルガ時局上緊要ナル重要機械ニ付キマシ
テハヽ其ノ製造技術ニ於テ、將又其ノ製造
能力ニ於キマシテ、未ダ遺憾ト認メラレル
點ガ少クナイノデアリマス、卽チ重要機械
類ニシテ、未ダ國內ニ於テ自給困難ナルモ
ノガアリマスルノミナラズ、一般ニ國產機械
ノ性能ハ、世界ノ最高水準ニ比シマシテ尙
遜色ノ、アリマスルコトハ、否ムコトノ出來ナ
イ事實デゴザイマシテ、未ダ重要機械ニ付
キマシテ、海外依存ノ狀態ヲ完全ニ脫却ス
ルノ域ニハ達シテ居ラナイノデアリマス、
斯樣ナ次第デアリマスルガ故ニ、斯業振興
ノ必要ハ從來ヨリ痛感セラレテ居リマシテ、
自動車及工作機械ノ製造事業ニ付キマシテ
ハ旣ニソレ〓〓單行ノ事業法ヲ制定致シ
マシテ、其ノ目的達成ニ努メツヽアルノデ
アリマスルガ、特ニ現下ノ時局ニ際シマシ
テハ、其ノ他ノ重要機械ノ製造事業ニ付キ
マシテモ、其ノ根本的確立ヲ圖リマスルコ
トハ、刻下最大ノ急務ト存ズル次第デアリマ
ス、而シテ重要機械製造事業確立ノ方策ト
致シマシテハ、其ノ特質ニ卽應致シマシテ、
適切ナル各種ノ助長方策ヲ講ジ、以テ其ノ
國產化ヲ促進致シマスト共ニ、他面適當ナ
ル指導監督ニ依リマシテ、其ノ製造技術ノ
向上ヲ圖リマスルコトガ緊要ト考ヘル次第
デアリマス、本案ハ此ノ目的ヲ達スルコト
ヲ期スル次第デアリマス、次ニ工作機械製
造事業法中改正法律案ニ付テ御說明ヲ申上
ゲマス、工作機械製造事業ガ、國防上緊要
缺クベカラザル事業タルト共ニ、一般機械
工業ノ基礎タル工業ト致シマシテ、國防上
竝ニ產業上極メテ重要ナル意義ヲ有シマス
ルコトハ玆ニ言ヲ俟タナイ所デアリマシ
テ、現下ノ時局ニ際シマシテ斯業ノ確立振
興ハ蓋シ刻下ノ急務ト存ズル次第デアリマ
ス、工作機械製造事業ニ付キマシテハ去
ル第七十三囘帝國議會ノ協賛ヲ經マシテ、
昭和十三年七月ヨリ工作機械製造事業法ヲ
施行致シマシテ、斯業ノ急速ナル生產力ノ擴
充、製造技術ノ向上ニ努メテ參ックノデアリ
マス、然ルニ現行ノ工作機械製造事業法ニ於
キマシテハ、一定規模以上ノ設備ヲ以テ營
ム工作機械製造事業ニ付キマシテ許可制ガ
採ラレ、是等ノ事業ニ付テノミ助長監督ノ規
定ガ適用サレルコトニ相成ッテ居ルノデアリ
マスルガ、其ノ後工作機械工場ガ大イニ增加
致シマシテ、今日ニ於キシマシテハ、現行ノ工作
機械製造事業法ノ適用ヲ受ケル規模ニ達シ
ナイ程度ノ設備ニ依ル工作機械製造事業ガ、
其ノ工場數ニ於キマシテモ、又生產額ニ於キマ
シテモ、相當大ナル數字ニ上ッテ參リマシタ
ノデ、本法律案ニ於キマシテハ、此ノ許可ヲ
受クベキ限度ヲ撤廢致シマシテ、總テノ工
作機械製造事業ニ付テ許可制ヲ採リマシテ、
中小規模ノ工場ニ付キマシテモ、之ガ健全
ナル發達ヲ圖ルコトト致シ、以テ工作機械
製造事業ノ整備發展ヲ圖ラムトスルモノデ
アリマス、次ニ只今御說明致シマシタ重要
機械製造事業法案中ノ規定デ、工作機械製
造事業ニ付キマシテモ必要ト認メラレマス
ルモノヲ、工作機械製造事業法中ニ追加ス
ルコトト致シマシテ、經營ノ合理化、技術
ノ向上ニ遺憾ナキヲ期シテ居ル次第デアリ
やく、右申述ベマシタ事項ノ外ニ、本法案
ニ於キマシテハ罰則ヲ適當ニ改正スル外、
尙若干必要ナル事項ニ付キマシテ適當ナル
改正ヲ加ヘテ居ル次第デアリマス、以上ノ
理由ニ依リマシテ玆ニ本法案ヲ提出致シマ
シタ次第デアリマス、何卒十分御審議ノ上
速カニ御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=5
-
006・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題ト相成リマシ
タ重要機械製造事業法案外一件ハ、十八名
ノ特別委員トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ
一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=6
-
007・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=7
-
008・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=8
-
009・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔近藤書記官朗讀〕
重要機械製造事業法案外一件特別委員
侯爵德川義親君侯爵佐竹義春君
伯爵二荒芳德君子爵大河內正敏君
子爵曾我祐邦君子爵松平保男君
男爵東〓安君男爵伊藤一郞君
男爵北大路信明君倉知鐵吉君
西野元君稻畑勝太郞君
小倉正恒君米山梅吉君
板谷宮吉君諸橋久太郞君
上野喜左衞門君永瀨寅吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=9
-
010・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第三、
貸家組合法案、日程第四、住宅營團法案、
日程第五、醫療保護法案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會、是等ノ三案ヲ一括シテ
議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=10
-
011・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、金光厚生大臣
貸家組合法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日。
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
貸家組合法案
貸家組合法
第一章總則
第一條貸家組合ハ其ノ組合員ニ對シ貸
家ノ供給ヲ圓滑ナラシメ及組合員ノ貸
家ノ經營ノ適正ヲ圖ルコトヲ目的トス
貸家組合ハ貸家ノ所有者及貸家ノ所有
者ニ非ズシテ貸家ノ經營ヲ爲ス者ヲ以
テ之ヲ組織ス
貸家組合ハ法人トス
貸家及貸家ノ所有者ニ非ズシテ貸家ノ
經營ヲ爲ス者ノ範圍ニ關シ必要ナル事
項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條貸家組合ハ左ノ事業ヲ行フコト
ヲ得
組合員ノ貸家ノ建設ニ必要ナル土
地及資材ノ取得其ノ他貸家ノ建設ニ
關スル共同施設
二組合員ノ貸家ノ賃貸料ノ取立、修
繕其ノ他貸家ノ經營ニ關スル共同施
設
三組合員ノ貸家ニ關スル斡旋所ノ設置
四組合員ノ貸家ノ賃貸條件其ノ他貸
家ノ經營ニ關スル統制
五組合員ノ貸家ノ建設及經營ニ關ス
ル指導、〓究、調査其ノ他組合ノ目的
ヲ達スルニ必要ナル事業
組合ハ前項ノ事業ノ外貸家ノ建設及經
營竝ニ組合員ニ對スル其ノ貸家建設ノ
爲必要ナル資金ノ貸付及組合員ノ爲ニ
スル其ノ貸家建設ニ關スル債務ノ保證
ヲ併セ行フコトヲ得
第一項第一號乃至第三號ノ施設ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ組合員ニ非ザル者ヲ
シテ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第三條貸家組合ハ定款ノ定ムル所ニ依
リ組合員ノ貸家ノ賃貸條件其ノ他貸家
ノ經營ニ關スル統制ヲ行フ場合ニ於テ
ハ總會ノ議決ヲ經テ之ニ關スル規程ヲ
定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ其ノ規
程ヲ變更セントスル場合亦同ジ
第四條行政官廳貸家ノ供給ノ圓滑又ハ
經營ノ適正ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認
ムルトキハ貸家組合ニ對シ必要ナル事
業ヲ命ズルコトヲ得
第五條行政官廳貸家ノ經營ノ適正ヲ圖
ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ貸家
組合ノ組合員又ハ其ノ組合ノ組合員ニ
非ズシテ其ノ組合ノ地區内ニ於テ組合
員タル資格ヲ有スル者ニ對シ其ノ組合
ノ統制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ
得
第六條貸家組合ハ其ノ名稱中ニ貸家組
合ナル文字ヲ用フベシ
貸家組合ニ非ザル者ハ貸家組合ナル名
稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第七條貸家組合ノ住所ハ其ノ主タル事
務所ノ所在地ニ在ルモノトス
第八條貸家組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第九條貸家組合ニハ所得稅、法人稅及
營業稅ヲ課セズ
北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ貸家組合ノ貸家ノ建設若ハ
取得又ハ其ノ貸家用地ノ取得ニ對シテ
ハ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第二章設立
第十條貸家組合ヲ設立セントスルトキ
ハ發起人ハ警察署ノ管轄區域其ノ他適
當ナル地域ニ依リ豫メ地區ヲ定メ其ノ
地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル
者ノ過半數(土地ノ情況其ノ他ノ事情
ニ因リ必要アル場合ニ於テハ命令ヲ以
テ其ノ數ヲ減ズルコトヲ得)ノ同意ヲ
得テ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナ
ル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ行政官廳ニ
設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ同意ヲ得ルコト能ハザルトキト
雖モ特別ノ事由アル場合ニ於テハ行政
官廳ノ認可ヲ受ケ創立總會ヲ招集スル
コトヲ得
第十一條貸家組合ノ定款ニハ左ノ事項
ヲ記載スベシ
一目的
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
五組合員タル資格ニ關スル規定
六組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
七出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
八剩餘金ノ處分及損失分擔ニ關スル
規定
九準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
十組合員ノ權利義務ニ關スル規定
十一事業及其ノ執行ニ關スル規定
十二役員ニ關スル規定
十三會議ニ關スル規定
十四會計ニ關スル規定
十五存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定
メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第十二條貸家組合設立當時ノ經費ノ收
支豫算及分賦收入方法ハ創立總會ニ於
テ之ヲ議決スベシ
第十三條貸家組合設立當時ノ理事及監
事ハ創立總會ニ於テ設立同意者(發起
人ヲ含ム以下同ジ)·又ハ設立同意者タ
ル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ
之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ前項ノ理事又ハ
監事ハ同項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選
任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ
選任ニ付行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非
ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十四條創立總會ニ於ケル議決及役員
ノ選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ
同意ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第十五條設立同意者ハ創立總會ニ於テ
代理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行フコトヲ
得
代理人ハ代理權ヲ證スル書面ヲ差出ス
ベシ
第十六條貸家組合ハ主タル事務所ノ所
在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ
成立ス
第十七條產業組合法第十條、第十一條
第一項及第十二條ノ規定ハ貸家組合ノ
設立ニ之ヲ準用ス
第三章組合員ノ權利義務
第十八條組合員ハ出資一口以上ヲ有ス
ベシ
第十九條組合員ノ責任ハ第二十條ノ規
定ニ依ル費用負擔ノ外其ノ出資額ヲ限
度トス
貸家組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合
財產ヲ以テ其ノ債務ヲ完濟スルコト能
ハザル場合ニ於テ組合員ノ全員ガ其ノ
出資額ノ外一定ノ金額(旧休證金額)ヲ限
度トシテ責任ヲ負擔スルモノト爲スコ
トヲ得
第二十條貸家組合ハ定款ノ定ムル所ニ
依リ其ノ經費ヲ組合員ニ分賦スルコト
ヲ得
第二十一條持分ガ數人ノ共有ニ屬スル
トキハ共有者ハ組合員ノ權利ヲ行使ス
ベキ者一人ヲ定ムルコトヲ要ス
組合員ノ權利ヲ行使スベキ者ナキトキ
ハ共有者ニ對スル組合ノ通知又ハ催告
ハ其ノ一人ニ對シテ之ヲ爲スヲ以テ足
ル
共有者ハ組合ニ對シ連帶シテ組合員ノ
義務ヲ負フ
第二十二條產業組合法第十八條、第十
九條及第二十一條乃至第二十四條ノ規
定ハ組合員ノ權利義務ニ之ヲ準用ス但
シ同法第二十四條中地方長官トアルハ
行政官廳トス
第四章管理
第二十三條貸家組合ニハ理事及監ヲ
置クベシ
理事及監事ハ總會ニ於テ組合員又ハ組
合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ
中ヨリ之ヲ選任ス
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ
前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スル
コトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ選任ニ
付行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ
其ノ効力ヲ生ゼズ
第一項ノ規定ニ依ル役員ノ外定款ノ定
ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
第二十四條組合員ハ總會ニ於テ各一個
ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ
依リ一人ニ付議決權總數ノ十分ノ三ヲ
超エザル範圍內ニ於テ出資口數ニ應ジ
二個以上ノ議決權ヲ有セシムルコトヲ
得
第二十五條組合員ハ代理人ヲ以テ議決
權ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之
ヲ出席ト看做ス
代理人ハ代理權ヲ證スル書面ヲ組合ニ
差出スベシ
第二十六條經費ヲ組合員ニ分賦スル貸
家組合ニ在リテハ其ノ經費ノ收支豫算及
分賦收入方法ハ總會ノ議決ヲ經ベシ
第二十七條民法第四十四條第一項、第
五十二條第二項、第五十三條乃至第五
十五條、第五十九條、第六十一條第一
項、第六十二條、第六十四條及第六十
六條竝ニ產業組合法第二十六條乃至第
三十一條ノ三、第三十三條、第三十四
條ノ二乃至第三十六條、第三十八條ノ
二乃至第四十六條、第四十七條乃至第
四十八條ノ二、第六十條ノ二及第六十
八條ノ規定ハ貸家組合ノ管理ニ之ヲ準
用ス但シ民法第五十九條中主務官廳ト
アリ竝ニ產業組合法第三十九條第三項
及第六十條ノ二中地方長官トアルハ行
政官廳トス
第五章加入及脫退
第二十八條組合員タル資格ヲ有スル者
貸家組合ニ加入セントスルトキハ組合
ハ正當ノ理由ナクシテ加入ニ困難ナル
條件ヲ附シ又ハ其ノ加入ヲ拒ムコトヲ
得ズ
第二十九條貸家ト爲ス目的ヲ以テ家屋
ノ建設ヲ爲サントスル者ハ第一條第二
項ノ規定ニ拘ラズ貸家組合ニ加入スル
コトヲ得
前條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル加入ニ
之ヲ準用ス
第三十條組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ一定ノ期間前ニ豫〓ヲ爲シ貸家組合
ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ終
ニ於テ脫退スルコトヲ得
組合ハ正當ノ理由ナクシテ前項ノ承諾
ヲ拒ムコトヲ得ズ
第三十一條產業組合法第五十一條(第
三號及第四號ヲ除ク)及第五十二條乃
至第五十八條ノ規定ハ組合員ノ脫退ニ
之ヲ準用ス
第六章解散及〓算
第三十二條貸家組合ハ左ノ事由ニ因リ
テ解散ス
-定款ニ定メタル事由ノ發生
二總會ノ決議
三組合ノ合併
四組合ノ破產
第三十三條民法第七十條竝ニ產業組合
法第六十二條第二項、第六十三條ノ二
乃至第六十五條及第六十七條ノ規定ハ
貸家組合ノ解散ニ、民法第七十三條乃
至第七十六條及第七十八條乃至第八十
三條、非訟事件手續法第三十六條、第
三十七條ノ二、第百三十六條第一項、
第百三十七條及第百三十八條竝ニ產業
組合法第七十條乃至第七十三條ノ規定
ハ貸家組合ノ〓算ニ之ヲ準用ス但シ產
業組合法第六十五條中地方長官トアリ
及民法第八十三條中主務官廳トアルハ
行政官廳トス
第七章監督
第三十四條行政官廳ハ貸家組合ニ對シ
事業及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲サシ
メ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル
命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第三十五條第五條ノ規定ニ依ル命令ア
リタル場合ニ於テ行政官廳必要アリト
認ムルトキハ當該官吏ヲシテ日出ヨリ
日沒迄ノ間貸家其ノ他ノ場所ニ臨檢シ
帳簿其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコト
ヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢
檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ
證スル證票ヲ携帶セシムベシ
第三十六條行政官廳必要アリト認ムル
トキハ貸家組合ニ對シ經費ノ收支豫算、
其ノ分賦收入方法、定款又ハ第三條ノ
規程ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第三十七條貸家組合ノ事業若ハ組合財
產ノ狀況ニ依リ其ノ專業ノ繼續ヲ困難
ナリト認ムルトキ又ハ組合ノ行爲ガ法
令、定款若ハ行政官廳ノ命令ニ違反シ
タルトキ若ハ公益ヲ害スル虞アルトキ
ハ行政官廳ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一總會ノ決議ノ取消
二役員ノ解任
三組合ノ事業ノ停止
四組合ノ解散
第八章貸家組合聯合會
第三十八條貸家組合聯合會ハ所屬ノ貸
家組合及貸家組合聯合會ノ共同ノ目的
ヲ達スル爲之ヲ設立スルコトヲ得
聯合會ハ貸家組合又ハ貸家組合聯合會
ヲ以テ之ヲ組織ス
聯合會ハ法人トス
第三十九條貸家組合聯合會ヲ設立セン
トスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ所
屬ノ各組合及聯合會ニ於テ選任スル創
立委員ハ創立委員會ヲ開キ定款其ノ他
必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ行政
官廳ニ設立ノ認可ヲ申請スベシ
第四十條貸家組合ニ關スル規定(第十
條及第二十九條ノ規定竝ニ第二十七條
ノ規定ニ依リ準用スル產業組合法第三
十八條ノ二ノ規定ヲ除ク)竝ニ產業組
合法第七十七條第三項、第七十八條及
第七十九條第一項ノ規定ハ貸家組合聯
合會ニ之ヲ準用ス但シ第二條、第三條
及第五條中組合員トアルハ所屬ノ組合、
聯合會及組合員、第十三條第一項中設
立同意者(發起人ヲ含ム以下同ジ)又ハ
設立同意者タル法人ノ業務ヲ執行スル
役員トアルハ所屬ノ組合及聯合會ノ理
事又ハ監事、第十五條第一項中設立同
意者トアルハ所屬ノ組合及聯合會、第
二十三條第二項中組合員又ハ組合員タ
ル法人ノ業務ヲ執行スル役員トアルハ
所屬ノ組合及聯合會ノ理事又ハ監事ト
ス
第九章貸室組合及貸室組合聯合
會
第四十一條貸室組合ハ其ノ組合員ニ對
シ貸室ノ供給ヲ圓滑ナラシメ及組合員
ノ貸室ノ經營ノ適正ヲ圖ルコトヲ目的
トス
貸室組合ハ貸室ノ所有者及貸室ノ所有
者ニ非ズシテ貸室ノ經營ヲ爲ス者ヲ以
テ之ヲ組織ス
貸室組合ハ法人トス
貸家組合ニ關スル規定ハ貸室組合ニ之
ヲ準用ス
貸室及貸室ノ所有者ニ非ズシテ貸室ノ
經營ヲ爲ス者ノ範圍ニ關シ必要ナル事
項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十二條貸室組合聯合會ハ所屬ノ貸
室組合及貸室組合聯合會ノ共同ノ目的
ヲ達スル爲之ヲ設立スルコトヲ得
聯合會ハ貸室組合又ハ貸室組合聯合會
ヲ以テ之ヲ組織ス
聯合會ハ法人トス
貸家組合聯合會ニ關スル規定ハ貸室組
合聯合會ニ之ヲ準用ス
第十章罰則
第四十三條左ノ場合ニ於テハ貸家組合
ノ理事、監事又ハ〓算人ヲ五百圓以下
ノ過料ニ處ス
本法ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受ク
ベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザル
トキ
二本法ニ基キテ發スル勅令ニ違反シ
登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登
記ヲ爲シタルトキ
三行政官廳若ハ裁判所又ハ總會若ハ
總代會ニ對シ不實ノ申立ヲ爲シ又ハ
專實ヲ隱蔽シタルトキ
四本法ニ依リ行政官廳又ハ裁判所ノ
爲ス檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタ
ルトキ
五本法ニ依リ行政官廳ノ徵スル報〓
ヲ差出サズ其ノ他行政官廳ノ命令又
ハ處分ニ從ハザルトキ
六本法ニ違反シ總會又ハ總代會ノ招
集ヲ怠リタルトキ
七本法ニ違反シ書類ヲ備置カザルト
キ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記
載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲シタルト
キ又ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ閱覽
ヲ拒ミタルトキ
八本法ニ違反シ組合員ノ持分ヲ拂戾
シタルトキ
九本法ニ違反シ組合ガ組合員ノ持分
ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ
受ケタルトキ
十本法ニ違反シ破產ノ宣告ヲ請求セ
ザルトキ
十一本法ニ違反シ出資一口ノ金額若
ハ保證金額ヲ減少シ、第三十一條ノ
規定ニ依リ準用スル產業組合法第五
十八條ノ責任期間ノ短縮ヲ爲シ又ハ
組合ノ合併ヲ爲シタルトキ
十二本法ニ違反シ公〓ヲ爲スコトヲ
怠リ又ハ不正ノ公〓ヲ爲シタルトキ
十三〓算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シ
辨濟ヲ爲シ又ハ組合財產ノ分配ヲ爲
シタルトキ
十四法令又ハ定款ニ違反シ剩餘金ヲ
處分シタルトキ
十五組合ノ目的ニ非ザル營利事業ヲ
爲シタルトキ
第四十四條第六條第二項ノ規定(第四
十條、第四十一條第四項及第四十二條
第四項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含
ム)ニ違反シタル者ハ二百圓以下ノ過
料ニ處ス
第四十五條第五條ノ規定(第四十條、第
四十一條第四項及第四十二條第四項ノ
規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)依
ル行政官廳ノ命令ニ違反シタル者ハ千
圓以下ノ罰金ニ處ス
法人又ハ人ノ代理人、戶主、家族、同
居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ貸家
又ハ貸室ノ經營ニ關シ前項ノ違反行爲
ヲ爲シタルトキハ其ノ法人又ハ人ハ自
己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處
罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十六條前條ノ罰則ハ其ノ者ガ法人
ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人
ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又
ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人
ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト
同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ
此ノ限ニ在ラズ
第四十七條正當ノ理由ナクシテ第三十
五條第一項ノ規定(第四十條、第四十一
條第四項及第四十二條第四項ノ規定ニ
依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル當該
官吏ノ臨檢又ハ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ
忌避シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處
ス
第四十八條貸家組合ノ理事、監事又ハ
〓算人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又
ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年
以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲
シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五
年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ス
第四十九條前條第一項ニ揭グル者ニ對
シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者
ハ二年以下ノ黨役又ハ五百圓以下ノ罰
金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第五十條第四十八條ニ揭グル罪ハ刑法
第四條ノ例ニ從フ
附則
第五十一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第五十二條本法施行ノ際貸家組合ニ非
ズシテ貸家組合ナル名稱ヲ用フル者ハ
本法施行後六月以內ニ其ノ名稱ヲ變更
スルコトヲ要ス
第五十三條第四十四條ノ規定ハ前條ノ
期間内之ヲ前條ニ揭グル者ニ適用セズ
第五十四條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條中「第十一號、」ノ下ニ「第十一
號ノ三、」ヲ加フ
同條第七號中「又ハ自動車運送事業組
合聯合會」ヲ「、自動車運送專業組合聯
合會、貸家組合、貸家組合聯合會、貸室
組合又ハ貸室組合聯合會」ニ、「又ハ自
動車交通事業法」ヲ「、自動車交通事業
法又ハ貸家組合法」ニ改ム
同條第十一號ノ次ニ左ノ二號ヲ加フ
十一ノ二貸家組合又ハ貸室組合カ
貸家又ハ貸室用建物ノ供給ノ爲ニ
スル抵當權ノ取得ノ登記
十一ノ三貸家若ハ貸室用建物又ハ
其ノ用地ニ付貸家組合員又ハ貸室
組合員カ其ノ所屬組合ヨリノ權利
ノ取得ノ登記
第五十五條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四修第一項第十二號中「又ハ自動車
運送專業組合聯合會」ヲ「、自動車運送
事業組合聯合會、貸家組合、貸家組合
聯合會、貸室組合又ハ貨室組合聯合
會」ニ改ム
第五十六條特別法人稅法中左ノ通改正
ス
第二條第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
一ノ二貸家組合、貸家組合聯合會、
貸室組合及貸室組合聯入口會
住宅營團法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
住宅營團法案
住宅營團法
第一章總則
第一條住宅營團ハ勞務者其ノ他庶民ノ
住宅ノ供給ヲ圖ルコトヲ目的トス
住宅營團ハ法人トス
第二條住宅營團ハ主タル事務所ヲ東京
市ニ置ク
住宅營團ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ必要
ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スルコトヲ
得
第三條住宅營團ノ資本金ハ一億圓トス
第四條政府ハ一億圓ヲ住宅營團ニ出資
大久)
政府ハ土地ヲ以テ出資ノ目的ト爲スコ
トヲ得
第五條住宅營團ハ定款ヲ以テ左ノ事項
ヲ規定スベシ
-目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額及資產ニ關スル事項
五役員及會議ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七住宅債券ノ發行ニ關スル事項
八會計ニ關スル事項
九公〓ノ方法
十定款變更ノ方法
定款ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ變更
スルコトヲ得
第六條住宅營團ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第七條住宅營團ニハ所得稅、法人稅及
營業稅ヲ課セズ
北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ住宅營團ノ事業、建物ノ建
設若ハ取得又ハ土地ノ取得ニ對シテハ
地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ但シ住宅營
團ノ事業ニ對シテハ特別ノ事情ニ基キ
內務大臣及大藏大臣ノ認可ヲ受ケタル
場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第八條住宅營團ニ付解散ヲ必要トスル
事由發生シタル場合ニ於テ其ノ處置ニ
關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第九條住宅營團ニ非ザル者ハ住宅營團
ナル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第十條民法第四十四條、第五十條、第
五十四條、第五十五條及第五十七條竝
ニ非訟事件手續法第三十五條第一項ノ
規定ハ住宅營團ニ之ヲ準用ス
第二章役員
第十一條住宅營團ニ理事長副理事長各
一ヘ理事四人以上及監事二人以上ヲ
置ク
理事長ハ住宅營團ヲ代表シ其ノ業務ヲ
總理ス
副理專長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ住宅
營團ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シテ住宅營
團ノ業務ヲ掌理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキハ其ノ
職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ
職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ住宅營圍
ヲ代表シ理專長及副理事長ヲ輔佐シテ
住宅營團ノ業務ヲ掌理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ理事長及
副理事長共ニ專故アルトキハ其ノ職務
ヲ代理シ理事長及副理事長共ニ缺員ノ
トキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ住宅營團ノ業務ヲ監査ス
第十二條理事長、副理事長、理事及監
事ハ主務大臣之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、
監事ノ任期ハ二年トス
第十三條理事長、副理事長及理事ハ定
款ノ定ムル所ニ依リ從タル事務所ノ業
務ニ關シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行
爲ヲ爲ス權限ヲ有スル代理人ヲ選任ス
ルコトヲ得
第十四條理事長、副理事長及理事ハ他
ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務
大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ
在ラズ
第十五條住宅營團ニ評議員若干人ヲ置
キ主務大臣之ヲ命ズ
評議員ハ業務經營ニ關スル重要ナル事
項ニ付理事長ノ諮問ニ應ジ必要アルト
キハ之ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
評議員ハ名譽職トシ其ノ任期ハ二年トス
第三章業務
第十六條住宅營團ハ左ノ業務ヲ行フ
-住宅ノ建設及經營
二住宅ノ建設及經營ノ受託
三一團地ノ住宅ノ建設又ハ經營ノ場
合ニ於ケル水道、乘合自動車、市場、
食堂、浴場、保育所、授產場、集會
所其ノ他ノ施設ノ建設及經營
四住宅ノ建設ノ爲ニスル資金ノ貸付
五住宅ノ賣買及貸借ノ仲介
六前各號ノ業務ニ附帶スル事業
第十七條住宅營團ハ其ノ住宅及前條第
三號ノ施設ノ用ニ充ツル爲必要ナル土
地又ハ土地ニ關スル所有權以外ノ權利
ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル收用又ハ使用ニ關シ
テハ土地收用法ヲ適用ス
第一項ノ規定ニ依リ收用又ハ使用シタ
ル土地又ハ土地ニ關スル所有權以外ノ
權利ノ處分及管理ニ關シ必要ナル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム、
第十八條北海道、府縣、市町村其ノ他
之ニ準ズベキモノノ所有ニ屬スル土地
ハ隨意契約ニ依リ住宅營〓ニ之ヲ讓渡
又ハ貸付スルコトヲ得
第四章住宅債劵
第十九條住宅營團ハ拂込資本金額ノ十
棓ヲ限リ住宅債劵ヲ發行スルコトヲ得
第二十條住宅債劵ハ額面金額五十圓以
上トシ無記名利札附トス但シ應募者又
ハ所有者ノ請求ニ依り記名ト爲スコト
ヲ得
住宅債劵ハ割引ノ方法ヲ以テ之ヲ發行
スルコトヲ得
第二十一條住宅營團ハ住宅債劵借換ノ
爲一時第十九條ノ制限ニ依ラズ住宅債
劵ヲ發行スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ住宅債劵ヲ發行シタ
ルトキハ發行後一月以內ニ其ノ發行額
面金額ニ相當スル舊住宅債劵ヲ償還ス
ベシ
第二十二條政府ハ住宅債劵ノ元本ノ償
還及利息ノ支拂ニ付保證スルコトヲ得
第二十三條住宅債劵ハ賣出ノ方法ヲ以
テ之ヲ發行スルコトヲ得
第二十四條住宅營團ニ於テ住宅債劵ヲ
發行セントスルトキハ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ
第二十五條住宅債劵ノ消滅時効ハ元金
ニ在リテハ十五年、利子ニ在リテハ五
年ヲ以テ完成ス
第二十六條住宅債劵ノ所有者ハ住宅營
團ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先チテ自己
ノ債劵ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權
ノ行使ヲ妨グルコルトヲ得ズ
第二十七條所得稅法及有價證劵移轉稅
法中國債以外ノ公債ニ關スル規定ハ住
宅債劵ニ之ヲ準用ス
第二十八條本章ニ規定スルモノヲ除ク
ノ外住宅債劵ニ關シ必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第五章會計
第二十九條住宅營團ノ事業年度ハ每年
四月ヨリ翌年三月迄トス
第三十條住宅營團ハ每事業年度ニ於ケ
ル剩餘金中ヨリ勅令ヲ以テ定ムル積立
金ヲ按除シテ猶殘額アルトキハ剩餘金
ノ配當ヲ爲スコトヲ得但シ拂込ミタル
出資額ニ對シ年三分五厘ノ割合ヲ超ユ
ルコトヲ得ズ
第三十一條住宅營團ハ左ノ方法ニ依ル
ノ外業務上ノ餘裕金ヲ運用スルコトヲ
得ズ
-國債、地方債又ハ主務大臣ノ認可
ヲ受ケタル有價證劵ノ取得ヲ爲スコ
ト
二大藏省預金部若ハ銀行ヘノ預金又
ハ郵便貯金ト爲スコト
第三十二條住宅營團ハ設立ノ時及每事
業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸借對照
表及損益計算書ヲ作成シ定款ト共ニ之
ヲ各事務所ニ備置クコトヲ要ス
債權者ハ業務時間內何時ニテモ前項ニ
揭グル書類ノ閲覽ヲ求ムルコトヲ得
第六章監督
第三十三條住宅營團ハ主務大臣之ヲ監
督ス
第三十四條住宅營國ハ主務大臣ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ剩餘金ノ處分ヲ爲
スコトヲ得ズ
第三十五條住宅營團ハ每事業年度ノ初
ニ於テ事業計畫ヲ定メ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦
同ジ
第三十六條主務大臣ハ住宅營團ニ對シ
業務及財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシ
メ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル
命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第三十七條主務大臣ハ特ニ住宅營團監
理官ヲ置キ住宅營團ノ業務ヲ監視セシ
ム
住宅營團監理官ハ何時ニテモ住宅營團
ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ
得
住宅營團監理官ハ必要アリト認ムルト
キハ何時ニテモ住宅營團ニ命ジテ業務
及財產ノ狀況ヲ報告セシムルコトヲ得
住宅營團監理官ハ住宅營團ノ諸般ノ會
議ニ出席シテ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第三十八條役員ガ法令、定款若ハ主務
大臣ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル
行爲ヲ爲シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ
解任スルコトヲ得
第七章罰則
第三十九條左ノ場合ニ於テハ住宅營團
ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ
千圓以下ノ過料ニ處ス
本法ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ク
ベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザル
トキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ營ミタル
トキ
三第十九條又ハ第二十一條第二項ノ
規定ニ違反シ住宅債券ノ發行ヲ爲シ
又ハ償還ヲ爲サザルトキ
四第三十一條ノ規定ニ違反シ業務上
ノ餘裕金ヲ運用シタルトキ
五主務大臣ノ監督上ノ命令又ハ處分
ニ違反シタルトキ
六第三十七條第二項又ハ第三項ノ規
定ニ依ル住宅營團監理官ノ檢査ヲ拒
ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ命ズル
報告ヲ爲サザルトキ
第四十條左ノ場合ニ於テハ住宅營團ノ
理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ五
百圓以下ノ過料ニ處ス
-本法ニ基キテ發スル勅令ニ違反シ
登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登
記ヲ爲シタルトキ
二第三十二條ノ規定ニ違反シ書類ヲ
備置カザルトキ、其ノ書類ニ記載ス
ベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載
ヲ爲シタルトキ又ハ正當ノ事由ナク
シテ其ノ闡覽ヲ拒ミタルトキ
第四十一條第九條ノ規定ニ違反シ住宅
營團ナル名稱ヲ用ヒタル者ハ五百圓以
下ノ過料ニ處ス
附則
第四十二條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十三條主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ
住宅營團ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セ
シム
第四十四條設立委員ハ定款ヲ作成シ主
務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四十五條定款ニ付主務大臣ノ認可ア
リタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク出資
ノ第一囘ノ拂込ヲ稟請スベシ
第四十六條出資ノ第一囘ノ拂込アリタ
ルトキハ設立委員ハ遲滯ナク其ノ事務
ヲ住宅營團理事長ニ引繼グベシ
第四十七條住宅營團ハ主タル事務所ノ
所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ因リ
テ成立ス
第四十八條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「蠶絲共同施設組合」
ノ上ニ「住宅營團、」ヲ、「蠶絲業法」ノ上
ニ「住宅營團法、」ヲ加フ
同條第十八號中「庶民金庫」ノ下ニ「又
ハ住宅營團」ヲ加へ「業務」ヲ「事務所」
二段人
同條ニ左ノ一號ヲ加フ
十九住宅營團カ住宅營團法第十六
條第一號、第三號又ハ第四號ノ業
務ノ爲ニスル建物又ハ土地ノ權利
ノ取得又ハ所有權ノ保存ノ登記
第四十九條印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第七號ノ前ニ左ノ一號ヲ加フ
六ノ四住宅營團ノ業務ニ關スル證
書帳簿及住宅債劵
醫療保護法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
醫療保護法案
醫療保護法
第一條政府ハ本法ニ依リ醫療保護事業
ヲ管理ス
第二條一本法ニ於テ醫療保護事業ト稱ス
ルハ貧困ノ爲生活困難ニシテ醫療又ハ
助產ヲ受クルコト能ハザル者ニ對シ醫
療劵ヲ發行シテ醫療又ハ助產ヲ受ケシ
ムル事業ヲ謂ビ事業者ト稱スルハ醫療
保護事業ヲ行フ者ヲ謂フ
第三條市町村及勅令ヲ以テ指定スル者
ハ事業者トス
第四條道府縣及主務大臣ノ指定スル者
ハ事業者ト爲ルコトヲ得
第五條前二條ニ揭グル者ニ非ザル者事
業者タラントスルトキハ主務大臣ノ認
可ヲ受クベシ
第六條事業者ハ醫療保護事業ヲ行フ爲
診療所、產院其ノ他適當ナル施設(以下
施設ト稱ス)ヲ經營スルコトヲ得
主務大臣必要アリト認ムルトキハ事業
者ニ對シ施設ノ經營ヲ命ズルコトヲ得
但シ他ノ法令ニ依リ施設ノ經營ヲ命ズ
ルコトヲ得ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第七條事業者ハ施設ニ於ケル醫療又ハ
助產ニ關シ必要ナル附帶事業(以下附
帶事業ト稱ス)ヲ行フコトヲ得
主務大臣必要アリト認ムルトキハ施設
ヲ經營スル事業者ニ對シ附帶事業ヲ行
フコトヲ命ズルコトヲ得
附帶事業ノ種類ハ勅合ヲ以テ之ヲ定ム
第八條主務大臣必要アリト認ムルトキ
ハ事業者ニ對シ施設又ハ附帶事業ノ讓
渡ニ付他ノ事業者ト協議ヲ爲スベキコ
トヲ命ズルコトヲ得
事業者前項ノ協議ヲ爲サズ若ハ爲スコ
ト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ主務
大臣ハ當該事項ニ付必要ナル決定ヲ爲
スコトヲ得
前項ノ決定中對價ニ付不服アル者ハ其
ノ決定ノ通知ヲ受ケタル日(決定ノ通
知ヲ受ケザル者ニ付テハ其ノ公示ノ
目)ヨリ三十日以內ニ通常裁判所ニ出
訴スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル命令及第二項ノ決
定ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
2枚ハ
第九條事業者醫療保護事業ヲ廢止セン
トスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ主
務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第十條本法ニ定ムルモノノ外醫療保護
事業又ハ施設若ハ附帶事業ノ開始、休
止、變更、廢止其ノ他醫療保護事業又
ハ施設若ハ附帶事業ニ關シ必要ナル事
項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條事業者ハ左ノ各號ノ一ニ該當
スル者ニシテ他ノ法令ニ依リ醫療又ハ
助產ヲ受クルコトヲ得ザルモノニ對シ
醫療劵ヲ發行シテ其ノ疾病、傷痍又ハ
分娩ニ付醫療又ハ助產ヲ受ケシムベシ
救護法又ハ母子保護法ニ依リ救護
又ハ扶助ヲ受クル者
二前號ニ揭グル者ノ外貧困ノ爲生活
困難ニシテ醫療又ハ助產ヲ受クルコ
ト能ハザル者(扶養義務者ニ於テ醫
療又ハ助產ヲ受ケシムルコトヲ得ル
者ヲ除ク但シ急迫ノ事情アル場合ニ
於テハ此ノ限ニ在ラズ)
前項ノ規定ニ依リ發行スベキ醫療劵ハ
市町村ガ事業者タル場合ヲ除クノ外第
十七條ノ規定ニ依ル割當ノ限度內トス
第十二條前條第一項第二號ニ揭グル者
ノ認定ハ其ノ者ノ居住地ノ市町村長、
其ノ居住地ナキトキ又ハ居住地分明ナ
ラザルトキハ現在地ノ市町村長之ヲ行
フ
第十三條事業者ハ左ノ各號ノ一ニ該當
スル者ニ對シテハ醫療又ハ助產ヲ受ケ
シメザルコトヲ得
-正當ノ理由ナクシテ醫療又ハ助產
ニ關シ市町村長又ハ事業者ノ爲ス指
示ニ從ハザル者
二正當ノ理由ナクシテ醫療又ハ助產
ニ關スル檢診又ハ調査ヲ拒ミタル者
三性行著シク不良ナル者
第十四條事業者必要アリト認ムルトキ
ハ第十一條ノ規定ニ依リ醫療又ハ助產
ヲ受ケシムベキ者ヲ施設ニ收容シ又ハ
他ノ事業者ノ施設若ハ適當ナル診療所、
產院等ニ收容ヲ委託スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ收容ノ委託ヲ受ケタ
ル事業者ハ正當ノ理由アルニ非ザレバ
之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十五條本法ニ依リ受ケシムベキ醫療
及助產ノ範圍、程度及方法ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第十六條第十一條第一項第二號ニ揭グ
ル者ニシテ醫療券ニ依ル醫療又ハ助產
ヲ受クルモノ死亡シタル場合ニ於テ市
町村長埋葬ヲ行フ者ニ對シ埋葬ニ要ス
ル費用ヲ給スルコト適當ナリト認ムル
トキ又ハ埋葬ヲ行フ者ナシト認ムルト
キハ死亡シタル者ハ其ノ埋葬ニ付テハ
之ヲ救護法又ハ母子保護法ニ依リ死亡
ノ際現ニ救護又ハ扶助ヲ受クル者ト看
做ス
第十七條地方長官ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ事業者ニ對シ其ノ者ノ發行スベキ
醫療劵ニ付其ノ數、地域等ヲ定メ割當
ヲ爲スベシ
第十八條地方長官ハ前條ニ揭グルモノ
ノ外醫療保護事業ノ統制及聯絡ニ關ス
ル事務ヲ行フ
地方長官ハ市町村長ヲシテ命令ノ定ム
ル所ニ依リ前項ノ事務ノ一部ヲ行ハシ
ムルコトヲ得
第十九條方面委員令ニ依ル方面委員ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ醫療保護事業ニ關
スル事務ニ付市町村長ヲ補助スベシ
第二十條事業者ハ第十一條ノ規定ニ依
リ發行シタル醫療劵ニ依ル醫療又ハ助
產ニ要シタル費用ヲ負擔スルモノトス
第二十一條第十九條ノ規定ニ依リ方面
委員ガ職務ヲ行フ爲必要ナル費用ハ市
町村ノ負擔トス
第二十二條國庫ハ事業者ニ對シ勅令ノ定
ムル所ニ依リ左ノ諸費ニ付其ノ二分ノ
一ヲ補助ス但シ町村及第三條ノ規定ニ
依リ勅令ヲ以テ指定スル者ノ負擔ニ係
ルモノニ對シテハ其ノ十二分ノ七ヲ補
助ス
一第二十條ノ規定ニ依リ負擔スル費
用
二施設ノ費用
國庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ市町村ガ
前條ノ規定ニ依リ負擔スル費用ニ付市
ニ對シテハ其ノ二分ノ一、町村ニ對シ
テハ其ノ十二分ノ七ヲ補助ス
道府縣ハ道府縣以外ノ事業者又ハ市町
村ニ對シ勅令ノ定ムル所ニ依リ前二項
ニ揭グル費用ニ付其ノ四分ノ一ヲ補助
云:>
國庫ハ事業者ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於
テ附帶事業ニ要スル費用及第八條ノ規
定ニ依リ施設又ハ附帶事業ノ讓渡ヲ受
クル爲要スル費用ニ付補助スルコトヲ
得
第二十三條救護法第二十六條乃至第二
十七條ノ二ノ規定ハ事業者ガ道府縣又
ハ市町村ナルトキハ其ノ負擔シタル醫
療又ハ助產ニ要シタル費用ニ之ヲ準用
ス
第二十四條道府縣、市町村其ノ他ノ公
共團體ハ左ニ揭グル土地又ハ建物ニ對
シテハ租稅其ノ他ノ公課ヲ課スルコト
ヲ得ズ但シ有料ニテ之ヲ使用セシムル
者ニ對シテハ此ノ限ニ在ラズ
-主トシテ醫療保護事業又ハ施設若
ハ附帶事業ノ用ニ供スル建物
二前號ニ揭グル建物ノ敷地其ノ他主
トシテ醫療保護事業又ハ施設若ハ附
帶事業ノ用ニ供スル土地
第二十五條地方長官ハ監督上必要アリ
ト認ムルトキハ事業者ニ對シ諸般ノ報
告ヲ爲サシメ、書類帳簿ノ提出ヲ命ジ、
實地ニ就キ業務若ハ會計ノ狀況ヲ調査
シ又ハ醫療保護事業、施設若ハ附帶事
業ニ關シ必要ナル指示ヲ爲スコトヲ得
但シ主務大臣ノ指定スル事業者ニ對シ
テハ主務大臣及地方長官之ヲ行フ
第二十六條第五條ノ規定ニ依ル事業者
本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ
之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ
ハ主務大臣ハ同條ノ規定ニ依ル認可ヲ
取消スコトヲ得
第二十七條事業者左ノ各號ノ一ニ該當
スルトキハ國庫及道府縣ハ補助ヲ取消
シ、旣ニ交付シタル補助金ノ全部若ハ
一部ノ返還ヲ命ジ又ハ補助ヲ爲サザル
コトヲ得
本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令
又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタ
ルトキ
二補助ノ條件ニ違反シタルトキ
三不正ノ手段ヲ以テ補助金ノ交付ヲ
受ケタルトキ
第二十八條詐僞其ノ他ノ不正ノ手段ニ
依リ醫療劵ニ依ル醫療若ハ助產ヲ受ケ
又ハ受ケシメタル者ハ三月以下ノ懲役
又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十九條町村制ヲ施行セザル地ニ於
テハ本法中町村ニ關スル規定ハ之ヲ町
村ニ準ズベキモノニ、町村長ニ關スル
規定ハ之ヲ町村長ニ準ズベキモノニ適
用ス
附則
第三十條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第三十一條本法施行ノ際第三條及第四
條ニ掲グル者ニ非ザル者ニシテ現ニ醫
療保護專業ヲ行フモノ又ハ其ノ事業ヲ
承繼シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
本法施行ノ日ヨリ三月間ヲ限リ引續キ
其ノ事業ヲ行フコトヲ得
前項ノ者前項ノ期間經過後引續キ其ノ
專業ヲ行ハントスルトキハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ前項ノ期間内ニ第五條ノ規
定ニ依ル認可ヲ申請スベシ
前項ノ規定ニ依ル認可ノ申請ヲ爲シタ
ル者ハ其ノ申請ニ對スル認可又ハ不認
可ノ處分アル迄引續キ其ノ事業ヲ行フ
コトヲ得
第三十二條救護法中左ノ通改正ス
第六條中「、病院」ヲ削ル
第十條第一項第二號及第三號ヲ左ノ如
ク改ム
二削除
三削除
第三十三條母子保護法中左ノ通改正ス
第六條第一項中「養育扶助、生業扶助及
醫療」ヲ「養育扶助及生業扶助」ニ改ム
〔國務大臣金光庸夫君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=11
-
012・金光庸夫
○國務大臣(金光庸夫君) 只今議題トナリ
マシタ法案中、先ヅ貸家組合法案、住宅營
團法案ニ付、其ノ提案ノ理由ヲ御說明申上
ゲマス、近時益〓深刻トナッテ參リマシタ住宅
難ハ、勞務者其ノ他一般國民ノ生活ヲ脅スノ
ミナラズ、軍需ノ充足、生產力擴充等ノ重
要產業ノ要員充足ヲ阻碍シ、又勞務者ノ作業
能率及健康ニ惡影響ヲ及ボス等、高度國防國
家體制ノ建設上、好マシカラザル事態ヲ招
來致シテ居ルノデアリマス、政府ハ夙ニ一
昨年八月以來、應急的措置トシテ勞務者住
宅供給計畫ヲ樹立シ、事業主ニ對シ其ノ使
用スル勞務者ノ住宅建設ヲ勸奬シ、必要資
材及資金調達ノ援助ヲモ致シ、又地方公共
團體ニ對シテハ損失補償制度ヲ設ケマシテ、
勞務者住宅建設ヲ奬勵シテ參ッタノデアリマ
ス、併シ斯カル應急的措置ノミデハ、現下
ノ深刻ナル住宅難ヲ早急ニ打開致シマスコ
トハ困難ト考ヘラレマシタノデ、昨年厚生
省ニ住宅對策委員會ヲ設ケマシテ、種々〓
究ヲ遂ゲ、根本的對策ノ樹立ヲ圖ツテ參ッタ
ノデアリマス、惟フニ現下ノ深刻ナル住宅
難ノ打開ヲ圖リマスガ爲ニハ住宅ノ供給
ヲ急速ニ增加スルコトヲ以テ根本對策ト致
シマスコトハ申ス迄モナイ所デアリマス、
之ガ爲ニハ所謂民間ノ貸家投資家ニ依ル貸
家供給ノ促進ヲ圖リマスコトガ、我ガ國從
來ノ慣行ニモ適シ、早急ニ住宅供給ヲ增大
スル近道デアルト考ヘラレマスノデアリマ
ス、然ルニ是等ノ貸家投資家ハ、現在ニ於キ
マシテハ個々ニ分散シテ其ノ間ニ何等ノ組織
ヲ持ッテ居リマセヌ爲、現時ノ如キ實情ノ下
デハ、建築用資材ノ取得等ニ付種々ノ困難モ
アリ、貸家建設ガ阻止サレテ居ルト考ヘラレ
ルノデアリマス、仍テ今囘貸家組合法ヲ制定シ
テ、是等ノ貸家投資家ヲ組織化スルコトト致
シマシテ、政府ヨリ之ニ建築用資材ノ取得等
ニ付便宜ヲ與ヘ、以テ貸家供給ノ促進ヲ期
スルコトニ致シタ次第デアリマス、尙貸家組合
ニハ賃貸條件ノ統制其ノ他經營ノ適正ヲ
圖ルコトヲモ併セ行ハシムルコトニ致シテ居
ルノデアリマス、更ニ又右施策ト併行致シ
マシテ、此ノ際急速大量ニ住宅供給ヲ圖リ
マスコトモ、現下ノ住宅難打開ノ爲緊要ノ
コトデアルト考ヘラレマスノデ、貸家組合
ト竝ンデ住宅營團法ヲ制定シ、政府出資ニ
係ル住宅營團ナル特殊ノ法人ヲ設立スルコ
トト致シタノデアリマス、此ノ營團ニ依リ、
今後五箇年間ニ約三十萬戶ノ住宅ヲ供給セ
シメヨウト考ヘテ居ルノデアリマス、此ノ
住宅營團ガ設立ヲ見マシタ曉ハ、量ノ問題
ノミナラズ、質ノ問題、例ヘバ國民住居標
準ノ確立、住宅型式ノ規格化、或ハ國土計
畫又ハ地方計畫ニモ照應セル模範的ナル住
宅街ノ集團的建設、或ハ火災等ノ場合ニ於
ケル住宅復興事業ノ企書實施等、住宅政策
上各般ノ問題ノ解決ニモ資シ得ルモノト存
ズルノデアリマス、惟フニ住居ハ國民生活
ノ本據デアリマスカラ、住宅難ガ深刻ト
ナッテ參リマシテ住ムニ家ナキノ憂ヲ生ゼ
シムルガ如キコトガアリマシテハ、生活不安
ヲ釀スノ最大原因トナルノデアリマシテ、
此ノ問題ノ解決ハ刻下喫緊ノ要務ト存ズル
ノデアリマス、仍テ政府ハ玆ニ提案致シマ
シタ二法案ヲ骨子トシ、其ノ他萬般ノ施策
ヲ講ジマシテ、國民各人ガ一日ノ勞ヲ休メ
又明日ノ奉公ニ備ヘテ〓新ノ氣ヲ養ヒ得ル
一家安全ノ場所ヲ確保シタイト存ズル次第
デアリマス、次ニ醫療保護法案ニ付テ提案
ノ理由ヲ說明致シマス、時局下ニ於キマシ
テハ一般庶民層ノ生活ヲ確保シ、特ニ貧
困ノ爲生活困難ナル者ニ對スル醫療保護ノ
萬全ヲ期シマスルコトハ緊要ノコトト存ズ
ルノデアリマス、我ガ國現時ノ醫療保護制
度ニハ救護法及母子保護法等ノ法律ニ依
ルモノノ外、昭和七年以來政府ニ於テ實施
シテ居リマス時局匡救醫療救護事業、竝ニ
地方公共團體、恩賜財團濟生會、其ノ他各
種社會事業團體ニ依ルモノ等、各種ノモノ
ガアリマスガ、凡ソ貧困ノ爲生活困難ニシ
テ醫療又ハ助產ヲ受クルコト能ハザル者ニ
對シ、普ク法ノ徹底サレテ居ナイ憾ミガア
ルノミナラズ、其ノ醫療內容ニ不十分ナル
點ガアリ、又受療ノ手續、方法其ノ他ニ於
キマシテモ遺憾ノ點ガ存スル等、改善ヲ要
スル點ガ多々アルノデアリマス、而シテ是
等現行醫療保護制度ノ不備决陷ヲ是正シマ
スル爲ニハ、現行ノ諸制度ヲ其ノ儘ニ存置
シテ、單ニ行政的措置ヲ以テスルノミデハ
困難ト考ヘラレマシタノデ、茲ニ新タニ醫
療保護ニ關スル法律ヲ制定スルコトト致シ
マシテ、今囘本法案ヲ提出スルニ至ッタ次第
デアリマス、本法案ニ於キマシテハ現行
各種醫療保護制度ヲ之ニ統合致シマスト共
ニ、被保護者ノ範圍ヲ、救護法又ハ母子保護
法ノ如ク極メテ少範圍ノ資格者ノミニ限定
セズ、廣ク貧困ニシテ生活困難ナル者ニ對
シ保護ヲ及スコトト致シマシテ、又醫療保
護事業者ノ統制、醫療保護ニ關スル施設ノ
擴充、醫療內容ノ向上、改善ヲ圖ルコトト
致シタノデアリマス、更ニ又事業ノ企畫及
運營等ニ付テモ適正ニ之ヲ指導シ得ルコトト
シ、醫療保護ノ實效ヲ擧グルニ遺憾ナカラシ
ムルコトヲ期シタ次第デアリマス、何卒御
審議ノ上速カニ協賛ヲ與ヘラレムコトヲ希
望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=12
-
013・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
貸家組合法案外二件ノ特別委員ヲ十八名ト
シ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動
議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=13
-
014・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=14
-
015・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=15
-
016・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔石橋書記官朗讀〕
貸家組合法案外二件特別委員
侯爵德川賴貞君侯爵中山輔親君
伯爵松木宗隆君子爵立見豐丸君
子爵植村家治君子爵實吉純郞君
仁井田益太郞君男爵前田勇君
田口弼一君男爵山川建君
男爵高木真寛君中川望君
長岡隆一郞君安宅彌吉君
小坂梅吉君松井貞太郞君
齋藤万壽雄君岩田三史君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=16
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017・佐佐木行忠
○副議長(侯爵依佐木行忠君) 日稈第六、
國民勞務手帳法案、日程第七、勞働者年金保
險法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、
是等ノ二案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御
異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=17
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018・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、金光厚生大臣
國民勞務手帳法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
國民勞務手帳法案
國民勞務手帳法
第一條本法ニ於テ從業者ト稱スルハ年
齡十四年以上六十年未滿ノ者ニシテ命
令ヲ以テ定ムル技術者又ハ勞務者トシ
テ左ノ各號ノ一ニ該當スル事業ニ使用
セラルルモノヲ謂フ
鑛業、砂鑛業、石切業其ノ他鑛物
採取ノ事業
二物ノ製造、加工、淨洗、選別、包
裝、修理又ハ解體ノ事業(電氣、瓦斯
又ハ各種動力ノ發生、變更又ハ傳導
ヲ爲ス事業及水道ノ事業ヲ含ム)
三土木、建築其ノ他工作物ノ建設、
改造、保存、修理、變更、破壞又ハ
其ノ準備ノ事業
四道路、鐵道、軌道、索道、船舶又
ハ航空機ニ依ル旅客又ハ貨物ノ運送
ノ事業
五船渠、船舶、岸壁、波止場、停車
場又ハ倉庫ニ於ケル貨物ノ取扱ノ事
業
六通信事業
七其ノ他命令ヲ以テ定ムル專業
第二條從業者ハ國民勞務手帳ヲ受有ス
ルコトヲ要ス
國民勞務手帳ハ政府之ヲ發行ス
本法ニ定ムルモノノ外國民勞務手帳ニ
關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
第三條何人ト雖モ國民勞務手帳ヲ使用
者ニ提出スルニ非ザレバ從業者トシテ
使用セラルルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以
テ定ムル場合ハ之ヲ提示スルヲ以テ足
ル
何人ト雖モ前項ノ提出又ハ提示ヲ爲サ
ザル者ヲ從業者トシテ使用スルコトヲ
得ズ
前二項ノ規定ハ官吏及待遇官吏竝ニ命
令ヲ以テ定ムル者ニ付テハ之ヲ適用セ
ズ
第四條使用者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
從業者ノ提出シタル國民勞務手帳ヲ其
ノ者ヲ使用スル期間中保管スベシ
使用者ハ從業者ヨリ請求アリタルトキ
ハ何時ニテモ其ノ者ヲシテ國民勞務手
帳ヲ閱覽セシムベシ
第五條使用者從業者ヲ使用セザルニ至
リタルトキハ其ノ者ニ國民勞務手帳ヲ
返還スベシ但シ命令ヲ以テ定ムル場合
ハ此ノ限ニ在ラズ
使用者前項但書ノ規定ニ依リ國民勞務
手帳ヲ返還セザルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ國民職業指導所長ニ之ヲ提出
又入り
第六條國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル
者國民勞務手帳ノ返還ニ關シ異議アル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ國民職業
指導所長ニ其ノ旨申立ツルコトヲ得
前項ノ申立アリタルトキハ國民職業指
導所長ハ國民勞務手帳ヲ返還スベキヤ
否ヲ裁定シ返還スベキ旨裁定シタルト
キハ使用者ニ對シ國民勞務手帳ノ返還
ヲ命ズベシ
第七條前條ノ裁定又ハ命令ニ不服アル
者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ニ
其ノ旨申立ツルコトヲ得
前項ノ申立アリタルトキハ地方長官ハ
國民勞務手帳審査會ニ諮問シテ國民勞
務手帳ヲ返還スベキヤ否ヤヲ裁定シ返
還スベキ旨裁定シタルトキハ使用者ニ
對シ國民勞務手帳ノ返還ヲ命ズベシ
國民勞務手帳審査會ニ關スル規程ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條地方長官又ハ國民職業指導所長
必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ使用者又ハ國民勞務手帳ノ交
村ヲ受ケタル者ニ對シ國民勞務手帳ノ
提出又ハ返納ヲ命ズルコトヲ得
第九條使用者及國民勞務手帳ノ交付ヲ
受ケタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ必
要ナル事項ヲ國民勞務手帳ニ記載シ之
ヲ國民職業指導所長ニ報〓スベシ
第十條使用者及國民勞務手帳ノ交付ヲ
受ケタル者ハ國民勞務手帳ニ本法ニ基
キテ發スル命令ヲ以テ定ムル事項以外
ノ事項ヲ記載スルコトヲ得ズ
第十一條國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタ
ル者ハ重ネテ國民勞務手帳ノ交付ヲ受
クルコトヲ得ズ但シ國民勞務手帳毀損
シ若ハ亡失シタル場合、餘白ナキニ至
リタル場合其ノ他命令ヲ以テ定ムル場
合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十二條國民勞務手帳ノ交村ヲ受ケタ
ル者ハ國民職業指導所長又ハ使用者ニ
於テ國民勞務手帳ヲ保管スル場合ヲ除
クノ外自ラ之ヲ保管スベン
第十三條國民職業指導所長必要アリト
認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ國
民勞務手帳ニ作ル證明書(以下證明書
ト稱ス)ヲ交付スルコトヲ得
證明書ハ之ヲ國民勞務手帳ト看做ス
第二項ニ定ムルモノノ外證明書ニ關シ
必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條國民勞務手帳以外ノ手帳ニハ
國民勞務手帳ナル名稱ヲ用フルコトヲ
得ズ
第十五條從業者、從業者タラントスル
者又ハ使用者ハ國民勞務手帳ニ關シ必
要アルトキハ從業者又ハ從業者タラン
トスル者ノ戶籍ニ關シ戶籍事務ヲ管掌
スル者又ハ其ノ代理者ニ對シ無償ニテ
證明ヲ求ムルコトヲ得
從業者ハ國民勞務手帳ニ記載セラレタ
ル事項ニ關シ使用者ニ對シ無償ニテ證
明ヲ求ムルコトヲ得
第十六條厚生大臣、地方長官又ハ國民
職業指導所長必要アリト認ムルトキハ
使用者又ハ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケ
タル者ニ出頭ヲ求メ又ハ其ノ者ヨリ報
告ヲ徵スルコトヲ得
厚生大臣、地方長官又ハ國民職業指導
所長必要アリト認ムルトキハ當該官吏
ヲシテ第一條ニ揭グル事業ノ場所ニ臨
檢シ業務ノ狀況又ハ帳簿書類其ノ他ノ
物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢
檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ
示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十七條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
一年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ
處ス
-第三條、第五條第一項又ハ第十一
條ノ規定ニ違反シタル者
二詐僞其ノ他ノ不正行爲ヲ以テ國民
勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者
三自己ノ國民勞務手帳ヲ他人ヲシテ
行使セシムル目的ヲ以テ交付シタル
者
第十八條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五百圓以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ
處ス
第四條、第五條第二項、第十條又
ハ第十四條ノ規定ニ違反シタル者
二第八條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ
國民勞務手帳ヲ提出又ハ返納セザル
者
三第九條ノ規定ニ違反シ記載若ハ報
告ヲ怠リ又ハ虛僞ノ記載若ハ報告ヲ
爲シタル者
四第十六條第一項ノ規定ニ違反シ出
頭ニ應ゼズ又ハ報〓ヲ怠リ若ハ虚僞
ノ報告ヲ爲シタル者
五第十六條第二項ノ規定ニ依ル當該
官吏ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌
避シタル者
第十九條使用者ハ其ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ業務ニ關シ第十七條第一號又ハ前
條第一號乃至第四號ノ違反行爲ヲ爲シ
タルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故
ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第二十條第十七條第一號又ハ第十八條
第一號乃至第四號ノ罰則ハ使用者ガ法
人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法
人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者
又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理
人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者
ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十一條本法ハ罰則ヲ除クノ外國、
道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノニ之ヲ適用ス
國ノ事業ニ關シテハ本法ノ適用ニ付命
令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第二十二條本法中使用者ニ關スル規定
ハ工場法ノ適用ヲ受クル工場ニ在リテ
ハ工業主ニ、工場管理人アル場合ニ於テ
ハ工場管理人ニ、鑛業ニ在リテハ鑛業
權者ニ、鑛業代理人アル場合ニ於テハ
鑛業代理人ニ之ヲ適用ス
第二十三條本法ノ適用ニ付テハ國民職
業能力申告令ニ依ル要申告者ガ同令ニ
基キ交付ヲ受ケタル職業能力申〓手帳
ハ之ヲ國民勞務手帳ト看做ス
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
勞働者年金保險法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
勞働者年金保險法案
勞働者年金保險法
第一章總則
第一條勞働者年金保險ニ於テハ被保險
者又ハ被保險者タリシ者ノ老齡、癈
疾、死亡又ハ脫退ニ關シ保險給付ヲ爲ス
モノトス
第二條勞働者年金保險ハ政府之ヲ管掌
ス
第三條本法ニ於テ報酬ト稱スルハ事業
ニ使用セラルル者ガ勞務ノ對償トシテ
事業主ヨリ受クル賃金又ハ給料及之ニ
準ズベキモノヲ謂フ
賃金又ハ給料ニ準ズベキモノノ範圍及
評價ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條報酬ノ額ニ基キ保險料又ハ保險
給付ノ額ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報
酬ニ依リ之ヲ算定ス
標準報酬ニ關スル事項ハ勅令ヲ以テ之
コルト
第五條保險料其ノ他本法ニ依ル徵收金
ヲ徵收シ又ハ其ノ還付ヲ受クル權利及
癈疾手當金ヲ受クル權利ハ一年ヲ經過
シタルトキ、養老年金、癈疾年金、遺
族年金、脫退手當金又ハ第三十三條、第
三十四條、第三十八條、第三十九條、
第四十七條若ハ第五十一條ノ規定ニ依
ル一時金ヲ受クル權利ハ五年ヲ經過シ
タルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第六條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命
令ニ規定スル期間ノ計算ニ付テハ本法
ニ別段ノ規定アルモノヲ除クノ外民法
ノ期間ノ計算ニ關スル規定ヲ準用ス
第七條勞働者年金保險ニ關スル書類ニ
ハ印紙稅ヲ課セズ
第八條行政官廳又ハ保險給付ヲ受クベ
キ者ハ被保險者又ハ被保險者タリシ者
ノ戶籍ニ關シ戶籍事務ヲ管掌スル者又
ハ其ノ代理者ニ對シ無償ニテ證明ヲ求
ムルコトヲ得
第九條行政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ被保險者ヲ使用スル事業主ヲシテ其
ノ使用スル者ノ異動及報酬ニ關シ報告
ヲ爲サシメ、文書ヲ提示セシメ其ノ他
ノ勞働者年金保險ノ施行ニ必要ナル事
務ヲ行ハシムルコトヲ得
第十條行政官廳ハ必要アリト認ムルト
キハ被保險者ノ異動及報酬竝ニ保險給
付ノ決定ニ關シ當該官吏ヲシテ被保險者
又ハ被保險者タリシ者ノ勤務場所ニ就
キ關係者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ帳簿書
類其ノ他ノ檢査ヲ爲サシムルコトヲ得
第十一條保險料ヲ滯納スル者アルトキ
ハ行政官廳ハ期限ヲ指定シテ之ヲ督促
スベシ
前項ノ規定ニ依リ督促ヲ爲シタル場合
ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ督促手
數料及延滯金ヲ徵收ス
第一項ノ規定ニ依ル督促ヲ受ケタル者
其ノ指定ノ期限迄ニ保險料其ノ他本法
ニ依ル徵收金ヲ納付セザルトキハ行政
官廳ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ處
分シ又ハ滯納者若ハ其ノ者ノ財產ノ在
ル市町村ニ對シ之ガ處分ヲ請求スルコ
トヲ得
前項ノ規定ニ依リ市町村ニ對シ處分ノ
請求ヲ爲シタルトキハ市町村ハ市町村
ウ
稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ
ハ行政官廳ハ徵收金額ノ百分ノ四ニ相當
スル金額ヲ當該市町村ニ交付スベシ
第十二條保險料其ノ他本法ニ依ル徵收
金ノ先取特權ノ順位ハ市町村其ノ他之
ニ準ズベキモノノ徵收金ニ次ギ他ノ公
課ニ先ツモノトス
第十三條國稅徵收法第四條ノ七及第四
條ノ八ノ規定ハ保險料其ノ他本法ニ依
ル徴收金ニ關スル書類ノ送達ニ之ヲ準
用ス
第十四條政府ノ事業ニ使用セラルル者
及使用セラレタル者ニ關シテハ本法ノ
適用ニ付勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコ
トヲ得
第十五條本法中町村トアルハ町村制ヲ
施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキ
モノトス
第二章、被保險者
第十六條健康保險法第十三條ノ工場、
事業場又ハ事業ニ使用セラルル勞働者
ハ勞働者年金保險ノ被保險者トス但シ
左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ此ノ限ニ
在ラズ
一常時十人未滿ノ勞働者ヲ使用スル
工場、事業場又ハ事業ニ使用セラル
ル者
二勅令ヲ以テ指定スル工場、事業場
又ハ事業ニ使用セラルル者
三女子
四船員保險ノ被保險者
五帝國臣民ニ非ザル者
六前各號ニ揭グル者ノ外勅令ヲ以テ
指定スル者
第十七條左ノ各號ノ一ニ該當スル勞働
者ハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視
總監以下同ジ)ノ認可ヲ受ケ勞働者年
金保險ノ被保險者ト爲ルコトヲ得
-前條第一號、第二號又ハ第三號ノ
規定ニ該當スル者
二健康保險法第十四條第一項第二號
ノ事業ニ使用セラルル者
三前二號ニ揭グルモノノ外勅令ヲ以
テ指定スル事業ニ使用セラルル者
四前條ノ工場、事業場又ハ事業ニ附
屬スル事業及前二號ノ事業ニ附屬ス
ル事業ニ使用セラルル者
前條第四號乃至第六號ノ規定ハ前項ノ
場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ認可ヲ申請スルニハ事業主ノ
同意ヲ得ルコトヲ要ス
第十八條第十六條ノ工場、事業場又ハ
事業ガ左ノ各號ノ一ニ該當スルニ至リ
タルトキハ其ノ際同條ノ規定ニ依ル被
保險者トシテ其ノ工場、事業場又ハ事
業ニ使用セラルル者ニ付テハ前條ノ認
可アリタルモノト看做ス
第十六條ニ規定スル勞働者ヲ常時
十人未滿使用スル工場、事業場又ハ
事業ト爲ルニ至リタルトキ
二第十六條第二號ノ規定ニ依リ指定
スル工場、事業場又ハ事業ト爲ルニ
至リタルトキ
三前條第一項第二號、第三號又ハ第
四號ノ事業ト爲ルニ至リタルトキ
第十九條第十六條ノ規定ニ依ル被保險
者ハ其ノ業務ニ使用セラルルニ至リタ
ル日又ハ同條但書ノ規定ニ該當セザル
ニ至リタル日、第十七條ノ規定ニ依ル
被保險者ハ同條ノ認可アリタル日ヨリ
其ノ資格ヲ取得ス
第二十條第十六條及第十七條ノ規定ニ
依ル被保險者ハ死亡シタル日、其ノ業
務ニ使用セラレザルニ至リタル日又ハ
第十六條第四號乃至第六號若ハ第十七
條第二項ノ規定ニ該當スルニ至リタル
日ノ翌日(其ノ事實アリタル日ニ更ニ
前條ノ規定ニ該當スルニ至リタルトキ
ハ其ノ日)ヨリ其ノ資格ヲ喪失ス
第二十一條第十七條ノ規定ニ依ル被保
險者ハ地方長官ノ認可ヲ受ケ其ノ資格
ヲ喪失スルコトヲ得
前項ノ認可アリタルトキハ被保險者ハ
認可アリタル日ノ翌日ヨリ其ノ資格ヲ
喪失ス
第二十二條被保險者タリシ期間十四年
以上二十年未滿ナル者ガ被保險者タラ
ザルニ至リタル場合ニ於テハ勅令ノ定
ムル所ニ依リ繼續シテ被保險者ト爲ル
コトヲ得但シ其ノ者ガ日本ノ國籍ヲ失
ヒタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依ル被保險者ニ對シテハ
同項ノ規定ニ依ル被保險者ト爲リタル
日以後ニ新ニ發シタル疾病又ハ負傷ニ
因ル癈疾ニ關シテハ保險給付ヲ爲サズ
第二十三條前條ノ規定ニ依ル被保險者
ハ第十六條及第十七條ノ規定ニ依ル被
保險者タリシ期間ト前條ノ規定ニ依ル
被保險者タリシ期間トヲ合算シテ二十
年ニ達シタルトキ其ノ他勅令ヲ以テ定
ムル事由ニ該當スルニ至リタルトキハ
其ノ資格ヲ喪失ス
第二十條ノ規定ハ前條ノ規定ニ依ル被
保險者死亡シタル場合及日本ノ國籍ヲ
失ヒタル場合ニ之ヲ準用ス
第三章保險給付及福社施設
第一節總則
第二十四條被保險者タリシ期間ノ計算
ハ被保險者ノ資格ヲ取得シタル月ヨリ
之ヲ起算シ其ノ資格ヲ喪失シタル月ノ
前月ヲ以テ之ヲ止ム但シ十六日以後ニ
於テ被保險者ノ資格ヲ取得シタルトキ
ハ其ノ月ハ半月トシテ之ヲ計算シ十六
日以後ニ於テ被保險者ノ資格ヲ喪失シ
タルトキハ其ノ月ハ半月トシテ之ヲ被
保險者タリシ期間ニ加算ス
前項ノ規定ニ拘ラズ被保險者ノ資格ヲ
取得シタル月ニ於テ其ノ資格ヲ喪失シ
タル場合ニ於テハ其ノ月ハ半月トシテ
之ヲ被保險者タリシ期間ニ加算ス
被保險者ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ其
ノ資格ヲ取得シタル者ニ對シテ保險給
付ヲ爲ス場合ニ於テハ前後ノ被保險者
タリシ期間ハ之ヲ合算ス但シ左ニ揭グ
ル期間ハ之ヲ合算セズ
脫退手當金ノ支給ヲ受ケタルトキ
ハ其ノ計算ノ基礎ト爲リタル期間
二命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外
同一ノ事業主ノ工場、事業場若ハ事
業又ハ同一ノ工場、事業場若ハ事業
ニ被保險者トシテ引續キ使用セラレ
タル實期間六月未滿ナルトキハ其ノ
期間
前項但書ノ規定ハ第五十一條ノ規定ニ
依リ差額ノ支給ヲ受ケタル場合ニ之ヲ
準用ス
第二十五條鑛業法ノ適用ヲ受クル事業
ノ事業場ニ使用セラルル被保險者ニシ
テ常時坑內作業ニ從事スルモノ(以下
坑內夫タル被保險者ト稱ス)ノ坑內夫
タル被保險者トシテ使用セラレタル實
期間ニ付被保險者タリシ期間ヲ計算ス
ル場合ニ於テハ其ノ實期間ニ付前條ノ
規定ニ依リ計算シタル期間ニ三分ノ四
ヲ乘ジテ之ヲ計算ス但シ左ニ揭グル期
間ニ關シテハ前條ノ規定ニ依リ之ヲ計
算ス
一前條ノ規定ニ依リ計算シタル期間
三年未滿ナル者ノ坑內夫タル被保險
者トシテ使用セラレタル實期間
二坑內夫タル被保險者トシテ使用セ
ラレタル實期間ニ付前條ノ規定ニ依
リ計算シタル期間ガ十五年ヲ超ユル
場合ニ於テ十五年ヲ超ユル部分ノ實
期間
第二十六條遺族年金又ハ第三十三條、
第三十四條、第三十八條、第三十九條
若ハ第四十七條ノ規定ニ依ル一時金ヲ
受クベキ遺族ノ範圍及順位ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第二十七條養老年金、癈疾年金及遺族
年金ノ支給ハ之ヲ支給スベキ事由ノ生
ジタル月ノ翌月ヨリ之ヲ始メ權利消滅
ノ月ヲ以テ終ル
第二十八條政府ハ事故ガ第三者ノ行爲
ニ因リテ生ジタル場合ニ於テ保險給付
ヲ爲シタルトキハ其ノ給付ノ價額ノ限
度ニ於テ保險給付ヲ受クベキ者ガ第三
者ニ對シテ有スル損害賠償請求ノ權利
ヲ取得ス
第二十九條保險給付トシテ支給ヲ受ク
ル金錢ヲ標準トシテ租稅其ノ他ノ公課
ヲ課セズ但シ養老年金ニ付テハ此ノ限
ニ在ラズ
第三十條保險給付ヲ受クル權利ハ之ヲ
讓渡シ又ハ差押フルコトヲ得ズ
第二節養老年金
第三十一條被保險者タリシ期間二十年
以上ナル者ガ其ノ資格ヲ喪失シタル後
五十五歲ヲ超エタルトキ又ハ五十五歲
ヲ超エ其ノ資格ヲ喪失シタルトキハ其
ノ者ノ死亡ニ至ル迄養老年金ヲ支給ス
坑內夫タル被保險者トシテ第二十四條
ノ規定ニ依ル計算ニ依リ十五年以上使
用セラレタル者ニ付テハ前項ノ規定ニ
拘ラズ其ノ者ガ被保險者ノ資格ヲ喪失
シタル後五十歲ヲ超エタルトキ又ハ五
十歲ヲ超エ其ノ資格ヲ喪失シタルトキ
ヨリ其ノ者ノ死亡ニ至ル迄養老年金ヲ
支給ス繼續シタル十五年間ニ於テ坑内
夫タル被保險者トシテ同條ノ規定ニ依
ル計算ニ依リ十二年以上使用セラレタ
ル者ニ付亦同ジ
第三十二條養老年金ノ額ハ被保險者タ
リシ全期間ノ平均報酬年額ノ百分ノ二
十五ニ相當スル金額トシ被保險者クリ
シ期間二十年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ
一年ニ對シ被保險者タリシ全期間ノ平
均報酬年額ノ百分ノ一ニ相當スル金額
ヲ加ヘタル金額トス
同一ノ事業主ノ工場、事業場若ハ事業
又ハ同一ノ工場、事業場若ハ事業ニ於
テ引續キ被保險者タリシ期間十年以上
ナル者ニ關シテハ其ノ者ニ支給セラル
ル養老年金ノ額ハ前項ノ金額ニ其ノ期
間ノ每十年ニ對シ被保險者タリシ全期
間ノ平均報酬年額ノ百分ノ一ニ相當ス
ル金額ヲ加ヘタル金額トス
前二項ノ規定ニ拘ラズ養老年金ノ額ハ
被保險者タリシ全期間ノ平均報酬年額
ノ百分ノ五十ヲ超ユルコトヲ得ズ
第三十三條養老年金ノ支給ヲ受クル者
ガ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族
年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テ
旣ニ支給ヲ受ケタル養老年金ノ總額ガ
養老年金ノ五年分ニ相當スル金額ニ滿
タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ
其ノ遺族ニ支給ス
第三十四條被保險者タリシ期間二十年
以上ナル者(第三十一條第二項後段ノ
規定ニ該當スル者ヲ含ム以下同ジ)ガ
養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ
死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族
年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於
テハ其ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベ
カリシ養老年金ノ五年分ニ相當スル金
額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
前項ノ規定ハ第三十九條ノ規定ニ依ル
一時金ノ支給ヲ受クル場合ニ於テハ之
ヲ適用セズ
第三十五條養老年金ノ支給ヲ受クル者
ガ被保險者ト爲リタルトキハ其ノ月ヨ
リ養老年金ノ支給ヲ停止ス
前項ノ規定ニ依リ養老年金ノ支給ヲ停
止セラレタル被保險者ガ其ノ資格ヲ喪
失シタル場合ニ於テハ前後ノ被保險者
タリシ期間ヲ合算シテ養老年金ノ額ヲ
改定ス
前項ノ規定ニ依リ養老年金ノ額ヲ改定
スル場合ニ於テ其ノ額ガ從前ノ養老年
金ノ額ヨリ少キトキハ從前ノ養老年金
ノ額ヲ以テ改定養老年金ノ額トス
第三節癈疾年金及癈疾手當金
第三十六條被保險者ノ資格喪失前ニ發
シタル疾病又ハ負傷及之ニ因リ發シタ
ル疾病ガ勅令ノ定ムル期間內ニ治癒シ
タル場合又ハ治癒セザルモ其ノ期間ヲ
經過シタル場合ニ於テ勅令ノ定ムル程
度ノ癈疾ノ狀態ニ在ル者ニハ其ノ程度
ニ應ジ其ノ者ノ死亡ニ至ル迄癈疾年金
ヲ支給シ又ハ一時金トシテ癈疾手當金
ヲ支給ス
癈疾年金又ハ癈疾手當金ノ支給ヲ受ク
ルニハ癈疾ト爲リタル日前五年間ニ被
保險者タリシ期間三年以上ナル者タル
コトヲ要ス
第三十七條癈疾年金ノ額ハ被保險者タ
リシ全期間ノ平均報酬年額ノ百分ノ二
十五ニ相當スル金額トシ被保險者タリ
シ期間二十年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ
一年ニ對シ被保險者タリシ全期間ノ平
均報酬年額ノ百分ノ一ニ相當スル金額
ヲ加ヘタル金額トス
同一ノ事業主ノ工場、事業場若ハ事業又
ハ同一ノ工場、事業場若ハ事業ニ於
テ引續キ被保険者タリシ期間十年以上
ナル者ニ關シテハ其ノ者ニ支給セラル
ル廢疾年金ノ額ハ前項ノ金額ニ其ノ期
間ノ每十年ニ對シ被保險者タリシ全期
間ノ平均報酬年額ノ百分ノ一ニ相當ス
ル金額ヲ加ヘタル金額トス
第三十二條第三項ノ規定ハ前二項ノ場
合ニ之ヲ準用ス
癈疾手當金ノ額ハ被保險者タリシ全期
間ノ平均報酬月額ノ七月分ニ相當スル
金額トス
第三十八條被保險者タリシ期間二十年
未滿ナル者ニシテ癈疾年金ノ支給ヲ受
クルモノガ死亡シタル場合ニ於テ既ニ
支給ヲ受ケタル癈疾年金ノ總額ガ被保
險者ノ資格喪失ノ際支給ヲ受クルコト
ヲ得ベカリシ脫退手當金及被保險者タ
リシ全期間ノ平均報酬月額ノ七月分ノ
合算額(被保險者タリシ全期間ノ平均
報酬月額ノ十三月分ヲ超ユルトキハ十
三月分ニ止ム)ニ相當スル金額ニ滿タ
ザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其
ノ遺族ニ支給ス
前項ノ規定ハ第三十一條第二項後段ノ
規定ニ該當スル者ガ死亡シタル場合ニ
於テハ之ヲ適用セズ
第三十九條被保險者タリシ期間二十年
以上ナル者ニシテ癈疾年金ノ支給ヲ受
クルモノガ死亡シタル際其ノ者ノ死亡
ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナ
キ場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル癈疾
年金ノ總額ガ癈疾年金ノ五年分ニ相當
スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額ヲ.
一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十條養老年金及癈疾年金ヲ受クル
權利ヲ有スル者ニハ命令ノ定ムル所ニ
依リ其ノ一ヲ支給ス
第四十一條癈疾年金ヲ受クル權利ヲ有
スル者ガ癈疾年金ノ支給ヲ受クル程度
ノ癈疾ノ狀態ニ該當セザルニ至リタル
トキハ爾後癈疾年〓ヲ支給セズ
第四十二條養老年仝ヲ受クル權利ヲ有
スル者ニハ癈疾手當金ヲ支給セズ
第四十三條第三十五條ノ規定ハ癈疾年
金ノ支給ニ關シ之ヲ準用ス
第四節遺族年金
第四十四條被保險者タリシ期間二十年
以上ナル者ガ死亡シタルトキハ其ノ遺
族ニ對シ十年間遺族年金ヲ支給ス
第四十五條遺族年金ノ額ハ左ノ區別ニ
依ル金額トス
一養老年金又ハ癈疾年金ノ支給ヲ受
クル者ガ死亡シタル場合ニ於テハ其
ノ者ニ支給セラルル養老年金又ハ癈
疾年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當スル金
額
二被保險者タリシ期間二十年以上ナ
ル者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコト
ナクシテ死亡シタル場合ニ於テハ其
ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリ
シ養老年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當ス
ル金額
第四十六條遺族年金ノ支給ヲ受クル者
ガ死亡シタルトキ其ノ他勅令ヲ以テ定
ムル事由ニ該當スルニ至リタルトキハ遺
族年金ヲ受クル權利ヲ失フ此ノ場合ニ
於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後順位
者アルトキハ其ノ者ニ遺族年金ヲ支給
ス但シ其ノ者ガ遺族年金ノ支給ヲ受ク
ベキ期間ハ旣ニ支給セラレタル期間ト
合算シテ十年ヲ超ユルコトヲ得ズ
第四十七條遺族年金ノ支給ヲ受クル者
ガ遺族年金ヲ受クル權利ヲ失ヒタル場
合ニ於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後
順位者ナキトキハ左ノ區別ニ依ル金額
ヲ一時金トシテ被保險者タリシ者ノ遺
族ニ支給ス
-養老年金又ハ癈疾年金ノ支給ヲ受
クル者ガ死亡シタルニ因リ遺族年金
ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ旣
ニ支給ヲ受ケタル養老年金又ハ癈疾
年金ト其ノ遺族ガ其ノ者ノ死亡ニ關
シ支給ヲ受ケタル遺族年金トノ合算
額ガ養老年金又ハ癈疾年金ノ五年分
ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其
ノ差額
二被保險者タリシ期間二十年以上ナ
ル者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコト
ナクシテ死亡シタルニ因リ遺族年金
ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ其
ノ者ノ死亡ニ關シ旣ニ支給ヲ受ケタ
ル遺族年金ノ總額ガ其ノ者ノ支給ヲ
受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ
五年分ニ相當スル金額ニ滿タザルト
キハ其ノ差額
第五節脫退手當金
第四十八條被保險者タリシ期間三年以
上二十年未滿ナル者ガ死亡シタルトキ
又ハ其ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ被保
險者ト爲ルコトナクシテ一年ヲ經過シ
タルトキハ脫退手當金ヲ支給ス但シ其
ノ者ガ發疾手當金ノ支給ヲ受クルトキ
ハ一年ヲ經過セザル場合ト雖モ之ヲ支
給ス
前項ノ規定ニ拘ラズ現ニ被保險者タル
者ニ對シテハ脫退手當金ハ之ヲ支給セ
ズ
第一項ノ規定ハ第三十一條第二項後段
ノ規定ニ該當スル者ニ對シテハ之ヲ適
用セズ
第四十九條脫退手當金ノ額ハ被保險者
タリシ全期間ノ平均報酬月額ノ三十分
ノ一ノ額ニ被保險者タリシ期間ニ依リ
別表ニ定ムル日數ヲ乘ジテ得タル金額
トス但シ癈疾手當金ノ支給ヲ受クル者
ニ支給スベキ額ハ癈疾手當金ノ額ト合
算シテ被保險者タリシ全期間ノ平均報
酬月額ノ十三月分ニ相當スル金額ヲ超
ユルコトヲ得ズ
第五十條癈疾年金ヲ受クル權利ヲ有ス
ル者ニハ脫退手當金ヲ支給セズ
第五十一條癈疾年金ヲ受クル權利ヲ有
スル者ガ第四十一條ノ規定ニ依リ癈疾
年金ノ支給ヲ受ケザルニ至リタル場合
ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル癈疾年金ノ
總額ガ其ノ者ガ被保險者ノ資格ヲ喪失
シタル際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリ
シ脫退手當金ノ額ニ滿タザルトキハ其
ノ差額ヲ支給ス
第六節保險給付ノ制限
第五十二條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ガ自己ノ故意ノ犯罪行爲ニ因リ又
ハ故意ニ事故ヲ生ゼシメタルトキハ癈
疾年金、癈疾手當金又ハ遺族年金ヲ支
給セズ
第三十三條、第三十四條、第三十八條、
第三十九條若ハ第四十七條ノ規定ニ依
ル一時金又ハ遺族年金ノ支給ヲ受クベ
キ者ガ被保險者、被保險者タリシ者又
ハ遺族年金ノ支給ヲ受クル者ヲ故意ニ
死ニ致シタルトキハ其ノ者ニ對シテハ
支給セズ此ノ場合ニ於テ後順位者アル
トキハ其ノ者ニ支給ス
第五十三條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ガ重大ナル過失ニ因リ又ハ正當ノ
理由ナクシテ療養ニ關スル指揮ニ從ハ
ザルニ因リ事故ヲ生ゼシメタルトキハ
癈疾年金又ハ癈疾手當金ノ全部又ハ一
部ヲ支給セザルコトヲ得
第五十四條癈疾年金ノ支給ヲ受クル者
ニ付必要アリト認ムルトキハ診斷ヲ行
フコトヲ得
正當ノ理由ナクシテ前項ノ診斷ヲ受ケ
ザル者ニ對シテハ癈疾年金ノ全部又ハ
一部ヲ支給セザルコトヲ得
第五十五條養老年金、廢疾年金又ハ遺
族年金ノ支給ヲ受クル者ニ付必要アリ
ト認ムルトキハ其ノ身分關係ノ異動及
癈疾狀態ノ繼續ノ有無ニ關シ其ノ者ヲ
シテ必要ナル書類ヲ提出セシムルコト
ヲ得
前項ノ場合ニ於テ書類ヲ提出セザル者
ニ對シテハ養老年金、癈疾年金又ハ遺
族年金ノ支給ヲ一時差止ムルコトヲ得
第七節福社施設
第五十六條政府ハ被保險者、被保險者
タリシ者又ハ保險給付ヲ受クル者ノ福
社ヲ增進スル爲必要ナル施設ヲ爲スコ
トヲ得
第四章費用ノ負擔
第五十七條國庫ハ保險給付ニ要スル費
用ニ付勅令ノ定ムル所ニ依リ坑內夫タ
ル被保險者タリシ期間ニ係ル費用ニ關
シテハ其ノ十分ノ二ヲ、其ノ他ノ被保
險者タリシ期間ニ係ル費用ニ關シテハ
其ノ十分ノ一ヲ負擔ス
國庫ハ前項ニ規定スル費用ノ外每年度
豫算ノ範圍內ニ於テ勞働者年金保險事
業ノ專務ノ執行ニ要スル費用ヲ負擔ス
第五十八條政府ハ勞働者年金保險事業
ニ要スル費用ニ充ツル爲保險料ヲ徵收
ス
保險料ノ算定ニ關スル事項ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第五十九條被保險者及被保險者ヲ使用
スル車業主ハ各保險料額ノ二分ノ一ヲ
負擔ス但シ第二十二條ノ規定ニ依ル被
保險者ハ其ノ全額ヲ負擔ス
第六十條事業主ハ其ノ使用スル被保險
者ノ負擔スベキ保險料ヲ納付スル義務
ヲ負フ但シ第二十二條ノ規定ニ依ル被
保險者ノ負擔スル保險料ニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ
第六十一條事業主ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ前條ノ規定ニ依リ納付スベキ保險
料ヲ被保險者ニ支拂フベキ報酬ヨリ控
除スルコトヲ得
第五章審査ノ請求、訴願及訴訟
第六十二條保險給付ニ關スル決定ニ不
服アル者ハ中央社會保險審査會ニ審査
ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アルトキハ通
常裁判所ニ訴ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シ
テハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第六十三條保險料其ノ他本法ニ依ル徵
收金ノ賦課若ハ徵收ノ處分又ハ第十一
條ノ規定ニ依ル處分ニ不服アル者ハ主
務大臣ニ訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴
スルコトヲ得
第六十四條保險料其ノ他本法ニ依ル徵
收金ノ賦課又ハ徵收ノ處分ニ關シ訴願
ノ提起アリタルトキハ主務大臣ハ中央
社會保險審査會ノ審査ヲ經テ裁決ヲ爲
天ぷら
第六十五條本法ニ規定スルモノノ外中
央社會保險審査會ニ關シ必要ナル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十六條審査ノ請求、訴ノ提起又ハ
訴頤若ハ行政訴訟ノ提起ハ處分ノ通知
又ハ決定書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ三
十日以內ニ之ヲ爲スベシ此ノ場合ニ於
テ審査ノ請求ニ付テハ訴願法第八條第
三項ノ規定ヲ、訴ノ提起ニ付テハ民事
訴訟法第百五十八條第二項及第百五十
九條ノ規定ヲ準用ス
第六章罰則
第六十七條正當ノ理由ナクシテ第十條
ノ規定ニ依ル當該官吏ノ質問ニ對シ答
辯ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ
其ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル
者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
第六十八條第九條ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シ報告ヲ爲サズ、虛僞ノ報告ヲ爲
シ若ハ文書ノ提示ヲ爲サズ又ハ其ノ他
必要ナル事務ヲ行ハザル者ハ百圓以下
ノ罰金ニ處ス
第六十九條事業主ハ其ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ業務ニ關シ前條ノ違反行爲ヲ爲シ
タルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故
ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第七十條第六十八條ノ罰則ハ其ノ者ガ
法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ
法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年
者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代
理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年
者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
附則
第七十一條本法施行ノ期日ハ保險給付
及費用ノ負擔ニ關スル規定竝ニ其ノ他
ノ規定ニ付各別ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十二條保險給付及費用ノ負擔ニ關
スル規定施行ノ日ニ於テ現ニ使用セラ
ルル事業主ノ工場、事業場若ハ事業又
ハ現ニ使用セラルル工場、事業場若ハ
專業ニ同日迄引續キ第十六條ノ規定ニ
依ル被保険者ト爲ルベキ資格ヲ有スル
者トシテ五年以上使用セラレタル者ニ
シテ同日ニ於テ同條ノ規定ニ依ル被保
險者ト爲リタルモノガ被保險者タリシ期
間二十年未滿ニシテ五十歲(鑛業法ノ適
用ヲ受クル事業ノ事業場ニ同日ニ於テ
常時坑內作業ニ從事スル者トシテ使用
セラルル者ニ在リテハ四十五歲)ヲ超
エ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ
於テハ其ノ者ニ對スル脫退手當金ノ支
給條件及其ノ額ニ付テハ第四十八條及
第四十九條ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ
別段ノ定ヲ爲スコトヲ得但シ第三十一
條第二項後段ノ規定ニ該當スル者ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
保險給付及費用ノ負擔ニ關スル規定施
行ノ日ニ於テ五十歲(鑛業法ノ適用ヲ
受クル事業ノ事業場ニ同日ニ於テ、常時
坑内作業ニ從事スル者トシテ使用セラ
ルル者ニ在リテハ四十五歲)ヲ超エタ
ル者ニシテ同日ニ於テ第十六條ノ規定
ニ依ル被保險者ト爲リタルモノガ被保
險者タリシ期間六月以上三年未滿ニシ
テ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ
於テハ第四十八條ノ規定ニ拘ラズ勅令
ノ定ムル所ニ依リ之ニ脫退手當金ヲ支
給スルコトヲ得但シ前項ノ規定ニ依リ
脫退手當金ノ支給ヲ受クル場合ニ於テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十五條但書ノ規定ハ前二項ノ場合
ニ之ヲ適用セズ但シ第二十四條ノ規定
ニ依リ計算シタル期間六月未滿(第一項
ノ規定ニ該當スル者ニ在リテハ一年未
滿)ナル者ノ坑內夫タル被保險者トシ
テ使用セラレタル實期間ニ關シテハ第
二十四條ノ規定ニ依リ之ヲ計算ス
第七十三條保險給付及費用ノ負擔ニ關
スル規定施行ノ日前ニ於テ被保險者タ
別表
被保險者タリシ期間日數
三年以上四十日
四年以上五十1 日
五年以上六十日
六年以上七十五日
七年以上九十日
八年以上百五日
九年以上百二十日
十年以上百三十五日
十一年以上百五十日
リシ期間ハ第二十四條ノ規定ニ依ル被
保險者タリシ期間ニ之ヲ算入セズ
第七十四條保險給付及費用ノ負擔ニ關
スル規定施行ノ日ニ於テ勅令ヲ以テ定
ムル共濟組合ノ組合員タル者ニ關シテ
ハ本法ノ適用ニ付勅令ヲ以テ別段ノ定
ヲ爲スコトヲ得
第七十五條保險給付及費用ノ負擔ニ關
スル規定施行ノ日ニ於テ郵便年金契約
ノ年金受取人タル者ニ關シテハ其ノ契
約ガ郵便年金令第十四條ノ規定ノ適用
ヲ受クル場合ニ於テハ本法及郵便年金
法ノ適用ニ付勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲
スコトヲ得
第七十六條退職積立金及退職手當法中
左ノ通改正ス
第十一條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ勞働者年金保險ノ被保險者タル勞
働者ニ付テハ其ノ二分ノ一以上ヨリ積
立ヲ爲サザルコトノ申出アリタル場合
ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
被保險者タリシ期間日數
十二年以上百六十五日
十三年以上百八十日
十四年以上二百日
十五年以上二百二十日
十六年以上二百四十日
十七年以上二百六十日
十八年以上二百八十日
十九年以上三百日
〔國務大臣金光庸夫君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=18
-
019・金光庸夫
○國務大臣(金光庸夫君) 只今議題トナリ
マシタ國民勞務手帳法案ニ付テ提案ノ理由
ヲ說明申上ゲマス、我ガ國現下ノ情勢ニ鑑
ミマシテ、軍需生產ノ確保及生產力擴充計
畫ノ遂行ニ遺憾ナキヲ期シマスル爲ニハ
勞務ノ適正ナル配置ヲ行フコトガ極メテ緊
要デアリマス、而シテ之ガ爲ニハ勞務配
置ノ現狀ヲ明カニ致シマスルト共ニ、其ノ
移動ヲ規制スル必要ガアルノデアリマス
政府ニ於キマシテハ此ノ點ニ關シマシテ各
般ノ方策ヲ講ジテ參ッタノデアリマスガ、時
局ノ進展ハ更ニ一層之ガ擴充强化ヲ必要ト
スルニ至ッタノデアリマス、仍テ今囘勞務移
動ヲ規制スルノ基礎ヲ確立シテ、移動防止
ノ完璧ヲ期スルト共ニ、併セテ時局下益と重
要性ヲ加ヘテ參リマスル賃金統制其ノ他ノ
勞務統制ノ實施及ビ勞務管理ニ資スル目的
ヲ以チマシテ、玆ニ本法案ヲ提出スルニ至ツ
タ次第デアリマス、而シテ本法案ハ、工場
鑛山等ニ使用セラレマス技術者及勞務者ニ
付テ、其ノ身分、經歷、技能程度、賃金等ヲ
記載セル國民勞務手帳ヲ所持スベキ旨ヲ規
定致シマスト共ニ、本手帳ニ依リマシテ、
其ノ使用及就業ニ付必要ナル規制ヲ行フ旨
ノ規定ヲ設ケタノデアリマス、次ニ勞働者
年金保險法案ノ提案理由ヲ說明致シマス、
現下ノ情勢ニ鑑ミマスルニ、生產力ノ擴充
ハ時局下最大ノ急務デアリマシテ、從ッテ其
ノ基本トナルベキ勞働力ノ保全增强ヲ圖リ、
產業能率ノ增進ヲ期シマスルコトハ喫緊ノ
要務ト存ズルノデアリマス、而シテ之ガ爲
施策スベキ事項ハ種々アルコトト存ゼラレ
マスガ、就中生產擴充ノ第一線ニ立ッテ懸命
ノ努力ヲ續ケテ居ル勞働者ニ對シ、安ンジ
テ其ノ職務ニ精勵セシメマスル方策ヲ講ズ
ルコトガ、最モ肝要デアルト存ズルノデア
リマス、惟フニ勞働者ハ、自己ノ勞働能力
ヲ以テ生活維持ノ唯一ノ手段トシテ居ルノ
デアリマシテ、老齡、廢疾及死亡等、其ノ勞
働能力ヲ減退又ハ喪失セシメマスル事故ハ、
勞働者ニ取リマシテハ其ノ生活ヲ不斷ニ脅
カスモノデアリマスガ、年金保險ノ制度ハ、
是等ノ事故ニ際シテ其ノ生活ヲ保障シ、勞
働者ノ明日ノ生活ニ對シ安心ト希望トヲ與
フルモノデアリマシテ、本制度ノ實施ノ曉
ハ、勞働者ヲシテ專心職域ニ奉公セシメ得
ルモノト考ヘルノデアリマス、仍テ茲ニ本
法案ヲ提出致シタ次第デアリマス、國費多
端ノ折柄ニモ拘ラズ、多額ノ國帑ヲ投ジテ
斯クノ如キ保護ヲ勞働者ニ與ヘヨウト致シ
マスル所以ノモノハ、畢竟ズルニ生產擴充
ノ爲懸命ノ努力ヲ續ケテ居ル全勞働者ニ、
國家トシテ其ノ生活保障ヲ與ヘ、一塊デモ
多クノ石炭ヲ、一臺デモ多クノ機械ヲ生產
スルヤウ努力シテ貰ヒ、以テ高度國防國家
體制ノ確立ニ寄與セシメムトスルニ在ルノ
デアリマス、何卒御審議ノ上速カニ御協賛
アラムコトヲ希望致シマスル次第デアリマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=19
-
020・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
國民勞務手帳法案外一件ハ、健康保險法中
改正法律案ノ特別委員ニ併託セラレムコト
ノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=20
-
021・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=21
-
022・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=22
-
023・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=23
-
024・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第八、
日本製鐵株式會社法中改正法律案、政府提
出、衆議院送付、第一讀會、小島商工次官
日本製鐵株式會社法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
日本製鐵株式會社法中改正法律案
日本製鐵株式會社法中左ノ通改正ス
第三條ニ左ノ一項ヲ加フ
勅令ノ定ムル法人ニシテ特ニ主務大臣
ノ許可ヲ受ケタルモノハ前項ノ規定ニ
拘ラズ日本製鐵株式會社ノ株主ト爲ル
コトヲ得
第五條ノ二日本製鐵株式會社ハ商法第
二百九十七條ノ規定ニ依ル制限ヲ超エ
テ社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ
總額ハ拂込ミタル株金額ノ三倍ヲ超ユ
ルコトヲ得ズ
社債ヲ募集スル場合ニ於ケル株主總會
ノ決議ハ資本ノ半額以上ニ當ル株主出
席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲
スコトヲ得
第五條ノ三日本製鐵株式會社ノ社債權
者ハ同會社ク財產ニ付他ノ債權者ニ先
チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ
有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權
ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第五條ノ四日本製鐵株式會社第二囘以
後ノ株金ノ拂込ヲ爲サシメ又ハ社債ヲ
募集セントスルトキハ主務大臣ノ許可
ヲ受クベシ
第十條中「社債ノ募集、」ヲ削ル
第二十二條中第一號ヲ第三號トシ第二號
ヲ第四號トシ第一號及第二號トシテ左ノ
二號ヲ加フ
第五條ノ二ノ規定ニ違反シ社債ヲ
募集シタルトキ
二第五條ノ四ノ規定ニ違反シ許可ヲ
受ケズシテ株金ノ拂込ノ催告又ハ社
債ノ募集ヲ爲シタルトキ
第二十四條削除
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔政府委員小島新一君演壇ニ登ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=24
-
025・小島新一
○政府委員(小島新一君) 只今議題ト相成
リマシタ日本製鐵株式會社法中改正法律案
ノ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、現下ノ
時局ニ鑑ミマシテ)鐵鋼ノ生產力ノ維持擴
充ヲ圖リマスルコトハ國防上竝ニ產業上
喫緊ノ要務デアリマスルコトハ玆ニ改メ
テ申上ゲル迄モナイ所デアリマス、日本製
鐵株式會社ハ、國策會社ト致シマシテ、我ガ、
國ニ於ケル銑鐵ノ約八割、鋼材ノ約四割ヲ
生產致シテ居リマスルガ、今後ノ鐵鋼生產
力擴充計畫ノ遂行ニ當リマシテモ、常ニ同
社ヲ以テ之ガ推進力タラシムルノ必要ガア
ルト思料致シテ居ル次第デアリマス、而シ
テ之ガ爲ニハ將來莫大ナル資金ヲ要スベキ
コトハ明カデアリマスノデ、本案ニ於キマシ
テハ、右所要資金ノ調達ヲ便ナラシムル如
ク日本製鐵株式會社法ニ必要ナル改正ヲ加
フルコトト致シタ次第デアリマス、尙鐵鋼
政策ハ日滿支ヲ通ジ一貫セル方針ニ基
キ、强力ニ之ヲ遂行スルノ要ガアルノデア
リマスルガ、之ガ爲ニハ日滿支各地ノ主要
鐵鋼業者相互間ノ關係ヲ益〓緊密ナラシメ
マシテ、以テ右ノ趣旨ノ達成ヲ期スル必要
ガアリマスノデ、併セテ此ノ點ニ關シマシ
テモ所要ノ改正ヲ行フコトト致シタ次第デ
アリマス、何卒御審議ノ上速カニ御協賛ア
ラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=25
-
026・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
日本製鐵株式會社法中改正法律案ハ、重要
機械製造事業法案外一件ノ特別委員ニ、併
託セラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=26
-
027・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=27
-
028・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=28
-
029・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行患君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=29
-
030・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第九、
恩給法中改正法律案、日程第十、義務〓育
費國庫負擔法中改正法律案、日程第十一
小學校令ノ改正ニ伴フ恩給法等ノ規定ノ整
理ニ關スル法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、是等ノ三案ヲ一括シテ議題ト爲
スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=30
-
031・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、村瀨法制局長官
恩給法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
恩給法中改正法律案
恩給法中左ノ通改正ス
第二十一條第一項第一號中「、後備役」ヲ
削ル
第二十三條第二號中「看守、女監取締、」ヲ
「副看守長、看守、」ニ改ム
第二十五條第四號中「又ハ警部補巡査若
ハ判任官ノ待遇ヲ受クル消防手ニ就職ス
ルトキ」ヲ「若ハ警部補巡査若ハ判任官ノ
待遇ヲ受クル消防手ニ就職スルトキ又ハ
看守副看守長ニ任シ若ハ副看守長看守ニ
就職スルトキ」ニゾヘ
第二十六條第四號中「又ハ他ノ官ヨリ警
部補ニ轉シタルトキ」ヲ「若ハ他ノ官ヨリ
部警補ニ轉シタルトキ又ハ副看守長他ノ
官ニ轉シ若ハ他ノ官ヨリ副看守長ニ轉シ
タルトキ」三ツハ
第四十六條ノ二第一項中「又ハ其ノ公務
員カ下士官以下ノ軍人ニシテ退職後三年
內ニ之カ爲一種以上ノ兵役ヲ免セラレタ
ルトキ」ヲ削リ同項ノ末尾ニ左ノ如ク加
プ
公務員カ下士官以下ノ軍人ナル場合ニ
於テ公務ノ爲永續性ヲ有スル傷痍ヲ受
ケ又ハ疾病ニ罹リ不具癈疾ノ程度ニ至
ラサルモ勅令ノ定ムル程度ニ達シ退職
シタルトキ亦同シ
第六十六條第一項ヲ左ノ如ク改ム
下士官以下ノ軍人公務ノ爲傷痍ヲ受ケ
又ハ疾病ニ罹リ傷病年金ヲ給セラルル
ノ程度ニ至ラサルモ勅令ノ定ムル程度
ニ達シ退職シタルトキ又ハ退職後三年
內ニ勅令ノ定ムル程度ニ達シタルトキ
ハ之ニ傷病賜金ヲ給ス
第八十條第二項中「恩給審査會ニ諮問ノ
上」ヲ削ル
別表第一號表(乙)中海軍ヲ陸軍兵長
(原材料名海軍一等兵」
三尺人
別表第五號表乃至第七號表中(海)軍ヲ
一 四〇、
陸軍兵長三六六人
海軍一等兵
附則
第一條本法ハ昭和十六年四月一日ヨリ
之ヲ施行ス但シ恩給法別表第一號表
(乙)及第五號表乃至第七號表ノ改正規
定ハ昭和十五年九月十五日ヨリ之ヲ適
用ス
第二條從前ノ規定ニ依ル後備役ニ在ル
者及女監取締ニ付テハ仍從前ノ例ニ依
ル
第三條下士官以下ノ軍人ニシテ公務ノ
爲永續性ヲ有スル傷痍ヲ受ケ又ハ疾病
ニ罹リ不具廢疾ノ程度ニ至ラザルモ勅
令ノ定ムル程度ニ達シ昭和十三年七月
七日以後本法施行前退職シタルモ改正
前ノ恩給法第四十六條ノ二第一項ノ規
定ニ依リ傷病年金ヲ給セラレザル者ニ
付テハ本法施行後勅令ノ定ムル所ニ依
リ傷病ノ程度ヲ査定シ將來ニ向ツテ之
マヨハ
第四條昭和十五年九月十五日ニ陸軍上
等兵トシテ在職シタル軍人爾後引續キ
在職シ同日以後陸軍兵長ヲ命ゼラレ本
法施行前退職シ又ハ死亡シタル場合ニ
於テハ陸軍兵長トシテノ在職年月數ハ
恩給法ノ適用ニ關シテハ之ヲ陸軍伍長
トシテノ在職年月數ト看做ス
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
義務〓育費國庫負擔法中左ノ通改正ス
第一條中「市町村立尋常小學校ノ〓員(代
用〓員ヲ含ム)」ヲ「國民學校職員(勅令ヲ
以テ定ムル者ヲ除ク)」ニ改ム
第三條及第四條ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十六年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
小學校令ノ改正ニ伴フ恩給法等ノ規定
ノ整理ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月十五日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
小學校令ノ改正ニ伴フ恩給法等ノ規定
ノ整理ニ關スル法律案
第一條恩給法中左ノ通改正ス
第十六條、第十八條第三項、第五十九
條第三項及第六十二條第三項中「小學
校」ヲ「國民學校」ニ改ム
第二條家屋稅法中左ノ通改正ス
第三條中「小學校、」ヲ削ル
第三條現役小學校〓員俸給費國庫負擔
法中左ノ通改正ス
「現役小學校〓員俸給費園庫負擔法」ヲ
「現役國民學校職員俸給費國庫負擔法」
シ〓ヘ
第一條第一項及第三條中「市町村立小
學校正〓員」ヲ「國民學校訓導」ニバル
第四條工業勞働者最低年齡法中左ノ通
改正ス
第二條第一項中「尋常小學校ノ〓科ヲ
修了シタルモノ」ヲ「命令ヲ以テ定ムル
國民學校ノ課程又ハ之ト同等以上ト認
ムル課程ヲ修了シタルモノ」三六人
第五條市町村立小學校〓育費國庫補助
法中左ノ通改正ス
「市町村立小學校〓育費國庫補助法」ヲ
「國民學校〓育費國庫補助法」ニ改ム
第一條中「市町村立小學校〓育費」ヲ
「國民學校〓育費」ニ改ム
第二條中「市町村立小學校〓員ノ年功
加俸及市町村立尋常小學校〓員ノ特別
加俸」ヲ「國民學校職員ノ年功加俸及特
別加俸」ニ改ム
第三條中「其ノ半額ハ市町村立小學校
ノ本科正〓員數ニ他ノ半額ハ市町村立
小學校ノ本科正〓員」ヲ「命令ノ定ムル
所ニ依リ其ノ半額ハ國民學校訓導ノ數
ニ、他ノ半額ハ國民學校訓導」ゴルノ
第六條少年〓護法中左ノ通改正ス
第二十四條第一項中「尋常小學校ノ〓
科」ヲ「勅令ノ定ムル所ニ依リ國民學校
ノ課程」ニ、「小學校令」ヲ「國民學校令」
ニ、同條第二項中「尋常小學校ヲ卒業
シタル者』ヲ「勅令ノ定ムル所ニ依リ國
民學校ノ課程ヲ修了シタル者」三六人
第七條地方稅法中左ノ通改正ス
第六十一條中「小學校營繕費」ヲ「國民
學校營継費」コメ
第八條地方分與稅法中左ノ通改正ス
第十六條第二項、第二千四條第二項、
第三十條第二項、第三十七條第二項及
第四十二條中「尋常小學校兒童數」ヲ
「國民學校兒童數」ニ改ム
第九條兵役法中左ノ通改正ス
第十二條中「小學校」ヲ「國民學校」ニ改
ム
第十條罹災救助基金法中左ノ通改正ス
第十四條ノ二中「尋常小學校兒童」ヲ
「國民學校兒童」ニ改ム
第十一條大正八年法律第三十八號中左
ノ通改正ス
第一條中「小學校、」ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十六年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
恩給法第六十二條第三項ノ改正規定ノ適
用ニ付テハ小學校又ハ小學校ニ類スル各
種學校ノ〓育職員トシテノ勤續在職年ハ
夫々之ヲ國民學校又ハ國民學校ニ類スル
各種學校ノ〓育職員トシテノ勤續在職年
ト看做ス
地方稅法第六十一條ノ改正規定ノ適用ニ
付テハ昭和十五年度以前ニ於テ小學校營
繕費ニ充ツル爲借入レタル負債ハ之ヲ國
民學校營維費ニ充ツル爲借入レタル負債
ト看做ス
〔政府委員村瀨直養君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=31
-
032・政府委員(村瀨直養君)
○政府委員(村瀨直養君) 此ノ度提案致シ
マシタ恩給法中改正法律案ニ付テ提案ノ理
由ヲ申上ゲマス、改正ノ第一ノ點ハ、傷病
年金ヤ傷病賜金ニ關スル規定ノ改正デアリ
マス、卽チ現行法デハ下士官以下ノ軍人
ガ公務ノ爲ニ傷痍ヲ受ケ、又ハ疾病ニ罹ッタ
場合ハ、此ノ傷病ノ爲ニ職ニ堪ヘズニ一年
以內ニ退職シタトキ、又ハ退職後三年以內
ニ一種以上ノ兵役ヲ免ゼラレタルトキニ限
リ傷病年金ヲ給スルコトトシ、傷病賜金
ヲ給スル場合モ大體同樣ナ條件ニナッテ居
ルノデアリマスルガ、陸海軍デ過般規程ヲ
改メマシタ結果、從來傷病年金ヤ傷病賜金
ヲ受ケテ居リマシタ程度ノ傷病ノ者ヲ、退
職セシメタリ、又ハ兵役ヲ免ズルト云フヤ
ウナ場合ガ少クナリマシタノデ、下士官以
下ノ軍人ニ付テノ傷病年金及傷病賜金ニ關
スル特別ノ條件ヲ撤廢スルコトト致シマシ
タ、次ニ陸軍デハ既ニ御承知ノ如ク兵ノ等
級トシテ新タニ兵長ト云フ一ツノ等級ヲ設
ケマシタノデ、此ノ階等ニアル軍人ニ階等
相當ノ思給ヲ給スル爲ニ必要ナル改正ヲ致
シ、又昨年十二月司法部內ニ設ケラレマシ
タ副看守長ハ、文官デハアリマスルガ、其
ノ勤務ノ性質上ヤ他ノ類例カラ稽ヘマシテ、
恩給法上ハ之ヲ警察監獄辭員トシテ取扱ヒ、
在職十二年デ恩給ヲ給スルノガ適當デアル
ト信ジマスルノデ、此ノ爲ニ又必要ナ改正
ヲ致スコトニ致シタノデアリマス、次ニ現
行法第八十條第二項ハ、事實上婚姻關係ト
同樣ナ事情ニアル遺族ノ扶助料權ヲ喪失セ
シメマスル場合ニハ恩給審査會ニ諮問ス
ベキ旨ヲ規定シテ居ルノデアリマスルガ、
權利ヲ侵害セラレマシタルトキハ別ニ救
濟ノ規定モアリマスルノデ、本規定ハ必ズ
シモ存置スルノ必要ナキモノト認メ、事務
簡捷ノ爲ニ、恩給·春査會ニ諮問スルト云フ
事項ヲ割除シ、又他ノ法令ト關聯シテ現行
法ノ規定整理ノ爲ニ二、三點改正ヲ要スルコ
トトナッタノデアリマス、以上ガ本案ヲ提出
スルニ至リマシタ理由デアリマス、何卒御
穿議ノ上速カニ御協賛アラムコトヲ御願ヒ
致シマスル次第デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=32
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033・副議長(侯爵佐佐木行忠君)
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 菊池文部次
官
〔政府委員菊池豊三郞君演壇ニ登ル〕
〓○政府委員(菊池豊三郞君)義務〓育費國
庫負擔法中改正法律案及小學校令ノ改正ニ
件フ恩給法等ノ規定ノ整理ニ關スル法律案
ニ付キマシテ、其ノ提案ノ理由ヲ御說明申
上ゲマス、政府ニ於キマシテハ小學校令
ヲ改正シ昭和十六年四月一日ヨリ之ヲ實施
スル豫定ノ下ニ、目下準備ヲ進メテ居ルノ
デアリマスガ、義務〓育費國庫負擔法及恩
給法其ノ他ノ法律中現行小學校令ノ規定ヲ
引用シテ居リマスル條文等ニ付キマシテ、
ソレ〓〓之ヲ改正法ノ規定ニ置キ換ヘル等、
條文其ノ他ノ整理ヲ爲スノ必要ガアルノデ
ゴザイマス、本案ハ專ラ右ノ趣旨ヲ以チマ
シテ、各法律ニ付必要已ムヲ得ナイ程度ノ
整理ヲ致サウトスルモノデアリマス、何卒
御審議ノ上、本案ニ對シ速カニ御協贊ヲ與
ヘラレムコトヲ切望スル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=33
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034・副議長(侯爵佐佐木行忠君)
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御質疑ガナ
ケレバ三案ノ特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サ
セマス
〔佐藤書詞官朗讀)
恩給法中改正法律案外一一件特別委員
公爵鷹司信輔君子爵錦小路賴孝君
男爵千秋季隆君岡喜七郞君
下村宏君男爵高崎弓彥君
岡田文次君塩田團平君
米原章三君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=34
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035・副議長(侯爵佐依木行患君)
○副議長(侯爵佐依木行患君) 日程第十
二、無盡業法中改正法律案、政府提出、衆
議院送付、第一讀會ノ續、委員長鞭〓、委
員長満田侯爵
〔左ノ報〓ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス〕
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無盡業法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月十五日
委員長候爵池田宣政
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔侯爵池田宣政君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=35
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036・侯爵池田宣政君
○侯爵池田宣政君 只今議題トナリマシタ
ル無盡業法中改正法律案ニ付キマシテ、委
員會ニ於ケル容議ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓
申上ゲマス、本改正法律案ノ趣旨ハ、無盡
業及庶民金融ノ狀況ニ顧ミ、無盡業ノ健全
ナル發達ヲ圖ラムトスルモノデアリマシテ、
今其ノ改正ノ要點ヲ申上ゲマスト、第一ハ
最近ニ於ケル無盡會社ノ資金ノ增加セル實
情ニ顧ミマシテ、營業上ノ資金運用ニ關ス
ル制限ヲ緩和シタコト、第二ハ營業ノ讓
渡ヲ主務大臣ノ認可制トシ、且營業讓渡ノ
方法ニ依ル無盡業ノ合同ヲ容易ナラシムル
爲ニ、其ノ手續ノ簡易化ヲ圖ッタコト、第三
ハ無盡會社ト庶民金庫トノ聯繫ヲ圖リ、相
携ヘテ庶民金融ノ疏通ニ努メシメムトシタ
コト第四ハ、無盡會社ガ他ノ無盡會社ノ
業務及財產ノ管理ヲ爲シ得ルノ途ヲ拓イタ
コト、第五ハ金錢及有價證劵以外ノ財產
ヲ給付スル無盡ヲ業トスルモノニ對シテモ、
無盡業法ヲ適用スルコトト致シタコト等ノ
諸點デアリマス、而シテ委員會ハ、十三日及
十五日ノ二囘ニ亙リ之ヲ開會シ、愼重審議
致シマシタ、其ノ間、委員諸君ハ終始頗ル
熱心ニ質問ヲ爲シ、就中庶民金融機關ノ構
成、無盡業ノ合同方針、物品無盡業ノ取締、
庶民金庫ト無盡會社トノ關係等ニ關シ質疑
ヲ重ネマシタガ、之ニ對シマシテ政府當局
ヨリハソレ〓〓誠意アル答辯ガアリマシ
タ、今其ノ一、二ニ付テ申上ゲマスルト、無
盡業ノ合同ハ最近進捗ヲ見ツヽアルヤウデ
アルガ、政府ハ今後モ之ヲ促進スル方針デ
アルカトノ質問ニ對シ、無盡會社ノ中ニハ、
法定資本金ニ達セザル小規模ノモノガアリ、
無用ノ競爭ヲナシ資金原價ヲ高メテ居ル地
方モアルノデ、是等ヲ改善シ、合理的ナ經營
ヲナサシメ基礎ノ强化ヲ圖ル必要ガアルガ、
之ニハ合同ノ方法ニ依ルノガ最モ適當ト認
メラレルノデ、今後モ無盡會社ノ合同ハ之ヲ促
進スル方針デアル、併シナガラ、地方ノ實情ハ
十分考慮シテ、實情ニ卽シテ之ヲ行フ方針デ
アル旨ノ答辯ガアリ、又庶民金庫ト無盡會社
トヲ聯繫セシムルコトハ、如何ナル必要ニ基
クモノデアルカトノ問ニ對シ、從來ト雖モ無
盡會社ハ小口貸付資金ノ融通ヲ受クル場合
等ニ限リ、預ケ金ヲナスコトヲ得ルコトト
ナッテ居ッタノデアルガ、元來庶民金庫ト無
盡會社トハ、庶民階級ヲ對象トシ、庶民金
融ノ圓滑ヲ圖ルコトヲ使命トスルモノデア
ルカラ、相提携シテ其ノ使命達成ニ努メシ
ムベキデアルト認メ、今囘ノ改正ニ依リ、
庶民金庫ト無盡會社トヲ一般的ニ聯繫セシ
ムルコトトシタ旨ノ答辯ガアリマシタ、其
ノ他詳細ハ速記錄ニ依リ御覽ヲ願ヒマス
委員會ハ質問ヲ終了シテ、直チニ討論ニ入
リマシテ、一委員ヨリ贊成ノ意見ヲ述ベラ
V、採決ノ結果、全員一致ヲ以テ原案通リ
可決スベキモノト決定致シマシタ、以上甚
ダ簡單デゴザイマスルガ御報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=36
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037・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、本案
ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=37
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038・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=38
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039・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=39
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040・秋田重季
○子爵秋田重埀君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=40
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041・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセスカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=41
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042・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス
易日〓〓人〓人名発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=42
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043・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 本案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部
ヲ問題ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報
告通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=43
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044・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=44
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045・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=45
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046・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=46
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047・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=47
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048・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=48
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049・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 本案ノ第三
讀會ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決
議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=49
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050・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、次會ノ議事日程ハ、決定次第
彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、本日ハ是ニ
テ散會致シマス
午前十一時四分散會
貴族院議事速記錄第十一號正誤
八〇頁下段四行目萩ノ欄中末行ノ見島町ハ見島
村ノ誤ニ付訂正ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01519410217&spkNum=50
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