1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和十七年一月三十一日(土曜日)
午後一時七分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第七號
昭和十七年一月三十一日
午後一時開議
第一 民法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第二 不動産登記法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第三 會計法戰時特例案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第四 南方開發金庫法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第五 兵器等製造事業特別助成法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━
〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一去二十九日貴族院より受領したる政府提出案左の如し
民法中改正法律案
不動産登記法中改正法律案
會計法戰時特例案
一去二十九日貴族院に於て本院の送付に係る左の政府提出案を可決したる旨同院より通牒を受領せり
(臨第一號)臨時軍事費豫算追加案
(追第二號)豫算外國庫の負擔となるべき契約を爲すを要する件
(第二號)昭和十七年度歳入歳出總豫算追加案
(特第二號)昭和十七年度各特別會計歳入歳出豫算追加案
一議員より提出せられたる議案左の如し畜産局設置に關する建議案
提出者
野溝勝君 河野一郎君
立川平君 三善信房君
佐藤謙之輔君 山川頼三郎君
乳肉衞生事務農林省移管に關する建議案
提出者
野溝勝君 河野一郎君
立川平君 三善信房君
佐藤謙之輔君 山川頼三郎君
地方行政振興に關する建議案
提出者
宮本雄一郎君 山田順策君
助川啓四郎君 大野一造君
庄司一郎君 坂下仙一郎君
山口忠五郎君
(以上一月二十九日提出)
一議員の異動左の如し
愛媛縣第三區選出議員砂田重政君辭職せられたり
一去二十九日議長に於て辭任を許可したる常任委員左の如し
第一部選出豫算委員 河野一郎君
第二部選出豫算委員 山本芳治君
一去二十九日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第八部選出
豫算委員 安藤正純君(名川侃市君補闕)
一去二十九日議長に於て選定したる委員左の如し
恩給法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)委員
淺井茂猪君 犬養健君
宇賀四郎君 馬岡次郎君
小野謙一君 大内竹之助君
菊池良一君 小泉純也君
小平重吉君 曾和義弌君
津原武君 長野長廣君
西田郁平君 匹田鋭吉君
松尾三藏君 松岡俊三君
眞鍋儀十君 牧野賤男君
最上政三君 吉田賢一君
世耕弘一君 本田彌市郎君
松木弘君 淺沼稻次郎君
笠井重治君 江藤源九郎君
森田福市君
日本勸業銀行法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)外五件委員
飯田助夫君 小笠原八十美君
岡本實太郎君 片岡恒一君
金澤正雄君 木村淺七君
駒井重次君 篠原陸朗君
庄司一郎君 高見之通君
土田莊助君 中野治介君
箸本太吉君 羽田武嗣郎君
藤本捨助君 深澤吉平君
松田正一君 三木武夫君
宮本雄一郎君 吉植庄亮君
石坂豐一君 片山哲君
北れい吉君 川俣清音君
由谷義治君 瀧澤七郎君
西尾末廣君
一去二十九日に於ける特別委員の異動左の如し
昭和十五年法律第六十九號中改正法律案(支那事變に關する一時賜金として交付する爲公債發行に關する件)(政府提出)外三件委員
辭任 須永好君 補闕 河合義一君
米穀需給調節特別會計法中改正法律案(政府提出)委員
辭任 馬岡次郎君 補闕 小笠原八十美君
辭任 大石大君 補闕 冨吉榮二君
兵器等製造事業特別助成法案(政府提出)委員
辭任 江藤源九郎君 補闕 北浦圭太郎君
國民更生金庫法中改正法律案(政府提出)外四件委員
辭任 佐藤謙之輔君 補闕 高橋壽太郎君
一昨三十日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第一部選出
豫算委員 田中耕君(河野一郎君補闕)
第二部選出
豫算委員 大本貞太郎君(山本芳治君補闕)一昨三十日委員長及理事互選の結果左の如し
恩給法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)委員
委員長 森田福市君
理事
淺井茂猪君 馬岡次郎君
小泉純也君 松木弘君
日本勸業銀行法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)外五件委員
委員長 由谷義治君
理事
小笠原八十美君 駒井重次君
深澤吉平君 石坂豐一君
一昨三十日に於ける特別委員の異動左の如し
米穀需給調節特別會計法中改正法律案(政府提出)委員
辭任 由谷義治君 補關 土屋清三郎君
兵器等製造事業特別助成法案(政府提出)
委員
辭任 阿部茂夫君 補闕 土屋清三郎君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=0
-
001・田子一民
○議長(田子一民君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、御諮リ致シマス、國民更生金庫法中改
正法律案外四件委員長及ビ郵便法中改正法
律案外三件委員長ヨリ、本日本會議中委員
會ヲ開キタイトノ申出ガアリマス、之ヲ許
可スルニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=1
-
002・田子一民
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ之ヲ許可致シマスー-日程第一及
ビ第二ハ、便宜上一括議題トナスニ御里議
アリマセヌカ
〔「異、議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=2
-
003・田子一民
○議長(田子一民君) 御里議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第一、民法中改正法律案、日
程第二、不動產登記法中改正法律案、右兩
案ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス-岩村
司法大臣
第民法中改正法律案(政府提出、貴
族院送付)第一讀會
第二不動產登記法中改正法律案政
府提出、貴族院送付)第一讀會
民法中改正法律案
民法中左ノ通改正ス
目錄中「第二款庶子及ヒ私生子」ヲ「第
二款嫡出ニ非サル子」ニ改ム
第七百三十五條家族ノ子ニシテ嫡出ニ
非サル者ハ戶主ノ同意アルニ非サレハ
其家ニ入ルコトヲ得ス
嫡出ニ非サル子カ父ノ家ニ入ルコトヲ
得サルトキハ母ノ家ニ入ル母ノ家ニ入
ルコトヲ得サルトキハ一家ヲ創立ス
第四編第四章第一節中「第二款庶子及
ヒ私生子」ヲ「第二款嫡出ニ非サル子」
ニバヘ
第八百二十七條第一項中「私生子」ヲ「嫡
出ニ非サル子」ニ、同條第二項中「私生子」
ヲ「子」ニ改ム
第八百二十八條及第八百二十九條第一項
中「私生子ノ」ヲ削ル
第八百三十條中「私生子」ヲ「子」ニ改ム
第八百三十五條子、其直系卑屬又ハ此
等ノ者ノ法定代理人ハ認知ノ訴ヲ提起
スルコトヲ得但父又ハ母ノ死亡ノ日ヨ
リ三年ヲ經過シタルトキハ此限ニ在ラ
ス
第八百三十六條第二項中「私生子」ヲ「子」
コメ 入
第九百七十條第一項第四號ヲ左ノ如ク改
ム
四親等ノ同シキ者ノ間ニ在リテハ女
ト雖モ嫡出子及ヒ庶子ヲ先ニス
第九百七十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ノ適用ニ付テハ胎兒ハ旣ニ
生マレタルモノト看做ス但死體ニテ生
マレタルトキハ此限ニ在ラス
第九百九十五條ニ左ノ一項ヲ加フ
第九百七十四條第二項ノ規定ハ前項ノ
場合ニ之ヲ準用ス
第千四條中「庶子及ヒ私生子」ヲ「嫡出ニ
非サル子」ニ改ム
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
つきを人
第二條第八百三十五條ノ改正規定ハ父
又ハ母ガ本法施行前ニ死亡シタル場合
ニモ亦之ヲ適用ス
第三條第九百七十四條第二項及第九百
九十五條第二項ノ改正規定ハ相續人タ
ルベキ者ガ本法施行前ニ死亡シ又ハ相
續權ヲ失ヒタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
但シ本法施行前相續ガ開始シタル場合
ハ此ノ限ニ在ラズ
第四條戶籍法中左ノ通改正ス
第六十九條第二項第二號中「私生子」ヲ
「嫡出子」ニ改ム
第七十二條第二項中「私生子出生ノ屆
出」ヲ「嫡出子又ハ庶子ニ非サル子ノ出
生ノ屆出」ニ改ム
第八十一條中「私生子認知」ヲ「認知」ニ
改ム
第五條人事訴訟手續法中左ノ通改正ス
第二十九條ノ二子ノ認知ノ訴ニ於テ
ハ父又ハ母ヲ以テ相手方トス
第三十九條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加
フ
第二條第三項ノ規定ハ子ノ認知ノ訴
ニ之ヲ準用ス
第六條法例中左ノ通改正ス
第十八條第一項中「私生子認知」ヲ「子
ノ認知」ニ改ム
不動產登記法中改正法律案
不動產登記法中左ノ通改正ス
第十一條ニ左ノ一項ヲ加フ
登記所ハ建物ニ付キ所有權ノ保存、移
轉若クハ登記名義人ノ表示ノ變更ノ登
記ヲ爲シタルトキハ遲滯ナク其旨ヲ
家屋臺帳所管廳ニ通知スルコトヲ要
ス
第三十七條第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ
改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ申請書ニハ家屋番號ヲ記載スル
コトヲ要ス
第九十一條第二項中「敷地ノ番號」ノ下
ニ「又ハ家屋番號」ヲ加フ
第九十二條中「敷地ノ新番號」ノ下ニ「若
クハ新家屋番號」ヲ、「且」ノ下ニ「建物ノ
番號ノ變更ノ登記ヲ申請スル場合ヲ除ク
外家屋臺帳謄本ヲ添附シ尙」ヲ加フ
第百條中「敷地ノ番號」ノ下ニ「若クハ家
屋番號」ヲ加フ
第百條ノ二第一項中「土地ノ番號」ノ下ニ
「又ハ家屋番號」ヲ、「土地臺帳所管廳」ノ
下ニ「又ハ家屋臺帳所管廳」ヲ加フ
第百六條未登記ノ建物所有權ノ登記ハ
左ニ揭ケタル者ヨリ之ヲ申請スルコト
ヲ得
ー家屋臺帳謄本ニ依リ家屋臺帳ニ所
有者トシテ登錄セラレタルコトヲ證
スル者
二判決ニ依リ自己ノ所有權ヲ證スル
者
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ登記シタル建物(昭和十六
年十二月三十一日以前ニ滅失シタルモノ
ヲ除ク)ニ付本法施行後最初ニ登記ノ申
請ヲ爲ス者ハ申請書ニ家屋臺帳謄本ヲ添
附スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ登記
官吏ハ登記用紙中表示欄ニ家屋番號ヲ記
載スルコトヲ要ス
家屋稅ヲ課セザル建物ニ關スル登記ニ付
テハ當分ノ內仍從前ノ例ニ依ル
前項ノ建物ガ家屋稅ヲ課スル建物ト爲リ
タルトキハ家屋臺帳所管廳ハ遲滯ナク其
ノ建物ノ所在、家屋番號、種類、構造、床面
積竝ニ所有者ノ住所及氏名又ハ名稱ヲ登
記所ニ通知スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於
テハ登記官吏ハ登記用紙中表示欄ニ家屋
番號ヲ記載スルコトヲ要ス
家屋稅法ヲ施行セザル地域ニ在ル建物ニ
關スル登記ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
〔國務大臣岩村通世君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=3
-
004・國務大臣(岩村過世君)
○國務大臣(岩村過世君) 只今議題トナリ
マシタ民法中改正法律案ニ付テ提案ノ理由
ヲ御說明致シマス、本案ハ私生子ノ名稱ヲ
廢止スルト共ニ、父又ハ母ノ死亡後ニ於ケ
ル裁判上ノ認知ノ途ヲ開イテ、私生子ノ保
護ヲ圖リ、且ツ相續ニ關スル胎兒ノ地位ヲ改
善スル爲メ、民法及ビ關係法律ニ必要ナル
改正ヲ加ヘントスルモノデアリマス、御承
知ノ如ク、私生子ノ救濟ハ多年ノ懸案トナ
ツテ居ルノデアリマスガ、其ノ一ツトシテ
私生子ト云フ特別ノ名稱ヲ廢止スルコトガ、
夙ニ各方面カラ要望セラレテ居リマス、又
現行法ニ依リマスト、私生子ハ父又ハ母ノ
の
死亡シタ後ハ、其ノ認知ヲ受ケテ法律上ノ
親子トナルコトヲ得ナイノデアリマスガ、
是モ私生子保護ノ立場カラ見テ甚ダ遺憾ニ
思ハレルノデアリマス、殊ニ現在ノ制度ノ
下ニ於キマシテハ、所謂內緣ノ夫婦ノ間ニ
生レタ子モ、父ノ認知ナキ限リ私生子トサ
レルノデアリマスガ、此ノ種ノ私生子ノ中
三、父ガ婚姻屆又ハ認知屆ヲスル暇モナ
ク應召シ、名譽ノ戰死ヲ遂ゲタ爲ニ、嫡出
子又ハ庶子トナルコトノ出來ナイ者モ含マ
レルノデアリマス、斯樣ナ事情ニ鑑ミマシ
テ、私生子ノ名稱ノ廢止ト共ニ、父又ハ母
ノ死亡後ニ於テモ認知ヲ受ケル途ヲ開クコ
トガ、戰時下ニ於キマシテ特ニ緊要デアル
ト存ズルノデアリマス
次ニ民法ノ代襲相續ニ關スル規定ハ、相
續人タルベキ者ノ死亡又ハ相續權喪失ノ當
時胎兒デアツテ、其ノ後ニ生レタル者ニハ
適用ガナイト解釋セラレテ居ルノデアリマ
スガ、我ガ國相續制度ノ精神ニ鑑ミマシテ、
胎兒タリシ直系卑屬ニモ之ヲ適用スルノガ適
當デアリマシテ、此ノ點モ豫テ相續人ノ戰
死ノ場合ニ關聯シテ立法上ノ措置ヲ要望セ
ラレテ居リ、速カニ之ヲ改正スル必要アリ
ト存ズルノデアリマス
次ニ不動產登記法中改正法律案ノ提案ノ
理由ヲ御說明申上ゲマス
曩ニ昭和十五年七月家屋稅法ガ施行セラ
レ、本年一月一日ヲ以テ全國稅務署ニ家屋稅
徵收ノ基礎トナル家屋臺帳ガ備付ケラレルコ
トニナリマシタ、之ニ依リマシテ建物登記簿ト
新タニ設ケラレマシタ家屋臺帳トノ關係ハ、
恰モ彼ノ土地登記簿ト土地臺帳トノ間ノ如
ク、極メテ緊密ナルモノヲ生ズルニ至リマシタ
ノデ、戰時下デハアリマスルガ不動產登記法
中ノ建物登記ニ關スル規定ノ一部ヲ、土地
登記ノ規定ノ如ク改正スルコトヲ必要ト
スルニ至ツタノデアリマス、從來臺帳制度
ニ依存スル方法ノナカツタ建物登記ハ臺
帳ニ依存シテ居ツタ土地登記ニ比シ、建物
ニ關スル權利ノ公示力ガ幾分薄弱ナルヲ免
レナカツタノデアリマスガ、本法中家屋番
號ヲ建物登記ノ登記事項トナシ、又未登記
建物ノ所有權登記及ビ旣登記建物ノ變更登
記ノ申請書ニ、家屋臺帳ノ謄本ヲ添付スル
コトヲ要スルモノト致シマシタ今囘ノ改正
ニ依リマシテ、建物登記ノ公示力ヲ補强シ、
併セテ徵稅ノ確實ヲ期スルニ相當ナル效果
ヲ擧ゲ得ルモノト確信スル次第デアリマス、
何卒愼重御審議ノ上是等ノ法案ニ對シマシ
テ速カニ御協贊ヲ與ヘラレンコトヲ希望致
シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=4
-
005・議長(田子一民君)
○議長(田子一民君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=5
-
006・服部崎市君
○服部崎市君 日程第一及ビ第二兩案ヲ一
括シテ議長指名二十七名ノ委員ニ付託サレ
ンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=6
-
007・議長(田子一民君)
○議長(田子一民君) 服部君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=7
-
008・議長(田子一民君)
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
三、會計法戰時特例案ノ第一讀會ヲ開キマ
ス-賀屋大藏大臣
第三會計法戰時特例案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
會計法戰時特例案
會計法戰時特例
第一條國務大臣ハ戰時(戰爭ニ準ズベ
キ事變ノ場合ヲ含ム以下之ニ同ジ)ニ際
シ軍ノ需要充足其ノ他ノ爲必要アル場
合ニ限リ勅令ノ定ムル所ニ依リ會計法
第二十一條但書ノ規定ニ拘ラズ前金拂
若ハ〓算拂ヲ爲シ又ハ手形ノ保證ヲ爲
スコトヲ得
第二條陸軍又ハ海軍ノ出納官吏戰時ニ
際シ戰地(戰爭ニ準ズベキ事變ノ場合
ニ於ケル事變地ヲ含ム以下之ニ同ジ)
ニ於テ又ハ戰地往返中其ノ保管ニ係ル
現金又ハ物品ヲ亡失毀損シタル場合ニ
於テ國務大臣當該官吏ガ其ノ保管ニ付
善良ナル管理者ノ注意ヲ怠ラザリシモ
ノト認定シタルトキハ其ノ旨會計檢査
院ニ通知スベシ
前項ノ通知アリタルトキハ會計法第三
十六條ノ證明アリタルモノト看做ス
第三條國務大臣ハ戰時ニ際シ特ニ必要
アル場合ニ於テハ陸軍ノ見習士官又ハ
海軍ノ候補生ヲシテ現金又ハ物品ノ出
納保管ヲ掌ラシムルコトヲ得
出納官吏ニ關スル規定ハ前項ノ陸軍ノ
見習士官又ハ海軍ノ候補生ニ付之ヲ準
用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
昭和十三年法律第十六號ハ之ヲ廢止ス
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=8
-
009・國務大臣(賀屋興宣君)
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ會計法戰時特例案提出ノ理由ヲ說明
致シマス、支那事變發生後、昭和十二年勅
令第五百八十四號ニ依リ會計規則ノ時例ヲ
設ケマシテ、資金前渡、前金拂、〓算拂又
ハ隨意契約ヲ爲シ得ル範圍ヲ擴メ、次イデ
昭和十三年法律第十六號及ビ之ニ基ク同年
勅令第百六十二號ニ依リ、s.
軍ノ需要充足ノ
爲メ必要アル場合ニ於テハ、當分ノ内前金
拂又ハ〓算拂ヲ爲シ得ルノ特例ヲ設クル等
ノ措置ヲ講ジマシテ、今日マデ實行シテ參
ツタノデアリマス、然ル所支那事變ハ漸次
發展シテ、遂ニ大東亞戰爭トナリマシタノ
ニ伴ヒマシテ、從來陸海軍ノ需要充足ノ爲
ノ必要アル時ニ限リ認メラレテ居リマシタ
ル前金拂又ハ〓算拂ヲ、陸海軍以外ノ官廳
ニ於テ國防上必要ナル工事ヲナス場合等ニ
於テモ認メマスルノヲ適當トスルノミナラ
ズ、新タニ前金拂又ハ〓算拂ノ方法ニ代ヘ
ルニ政府ノ手形保證ヲ以テシ、之ニ依ツテ
金融ノ途ヲ講ジマスルト共ニ、其ノ他陸軍
又ハ海軍ノ出納官吏ノ責任解除ニ關スル特
例ヲ設ケ、更ニ陸軍ノ見習士官又ハ海軍ノ
候補生ニ對シ出納官吏ト同樣ノ資格ヲ與ヘ
得ルコトトシ、以テ戰時ノ實情ニ卽スルヤ
ウ措置スルコトト致シマス等ノ爲メ、本法
律案ヲ提出致シマシタ次第デアリマス、何
卒御審議ノ上速カニ協賛ヲ與ヘラレンコト
ヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=9
-
010・田子一民
○議長(田子一民君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=10
-
011・服部崎市
○服部崎市君 本案ハ政府提出、日本勸業
銀行法中改正法律案外五件ノ委員ニ併セ付
託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=11
-
012・田子一民
○議長(田子一民君) 服部君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=12
-
013・田子一民
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
四、南方開發金庫法案、第一讀會ノ續ヲ開
キマス、委目長ノ報告ヲ求メマス-委員
長前田房之助君
第四南方開發金庫法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
報〓書
一南方開發金庫法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十七年一月三十日
委員長前田房之助
衆議院議長田子一民殿
〔前田房之助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=13
-
014・前田房之助
○前田房之助君 只今議題トナリマシタル
南方開發金庫法案委員會ノ寒議ノ經過竝ニ
結果ヲ御報〓申上ゲマス
南方開發金庫ハ)南方地域ニ於ケル資源
ノ開發及ビ利用ニ必要ナル資金ヲ供給シ、
併セテ通貨及ビ金融ノ調整ヲ圖ルヲ以テ目
的トスルモノデアリマス、大東亞戰爭ニ際
シテ帝國ノ對南方經濟政策ノ根本方針ハ、
大藏大臣ガ說明サレシ如ク、當面ノ戰爭遂
行ニ遺憾ナカラシムル爲メ、重要資源ノ需
要ヲ充足スルコトヲ第一義トシ、併セテ大
東亞共榮圈內自給自足ノ體制ヲ確立セント
スルニアルコトハ言ヲ俟タザル所デアリマ
ス、隨テ作戰ニ伴ヒテ南方ニ於ケル豐富ナ
ル資源ノ開發利用ヲ、效率的ニ且ツ重點的
ニ促進スルコトハ極メテ肝要デアリマス
是ガ爲メ必要ナル資金ヲ圓滑ニ供給スルノ
途ヲ開キ置クコトハ喫緊ノ要件デアリマス、
本金庫ハ此ノ要求ニ卽應スルコトヲ使命ト
致シマスルト共ニ、更ニ南方地域ノ今後ノ
如何ナル情勢ノ變化ニモ對應シテ、本金庫
ヲ以テ南方ニ於ケル帝國ノ通貨金融對策運
營ノ原動力タル中枢機關タラシメントスル
モノデアリマス、斯クノ如ク本金庫ハ大東
亞戰爭ノ遂行、大東亞共榮圈ノ確立ト密接
不可缺ノ關係ヲ有スル重要法案デアリマス
ルガ故ニ、本委員會ハ極メテ熱心ニ且ツ眞
摯ナル態度ヲ以テ、質問應答ニ終始致シタ
ノデアリマス、是ヨリ質疑應答ノ重要ナル
點ヲ申上ゲマス、詳細ハ速記錄ニ就テ御承
知ヲ願ヒタイト存ジマス
第一點ハ、法案第一條ノ南方地域ノ意義
如何ト云フ點デアリマシテ、此ノ南方開發
金庫ノ活動スベキ地域ノ問題デアリマスル
ガ、政府ノ答辯ハ、目下作戰進行中デモア
リ、勅令等ニ明示スルハ不適當ナリト考フ
ルモ、內容トシテハ、此ノ金庫ガ業務ヲ行
フベキ南方地域トハ、差當リ「フィリッピ
ン」、英領「マレイ」、英領「ボルネオ」、蘭領
東「インド」等、現ニ作戰ニ係ル諸地域ヲ豫
定シ、尙ホ今後作戰ノ進展等ニ伴ヒ擴張ス
ベキ旨、竝ニ佛印、「タイ」ハ將來ノ情勢ニ
依リ考慮スルモ、南洋委任統治區域、香港、
南支等ハ包含セザル旨ノ答辯ガアツタノデ
アリマス
第二點南方開發金庫ハ作戰ニ伴フ一時的
ノ金融機關ナリヤ、又本法案ハ臨時立法ト
觀念スベキヤトノ點デアリマスルガ、之二
對スル答辯ハ、南方開發金庫ハ南方地域ニ
於ケル資源ノ開發及ビ利用ニ必要トスル資
金ヲ供給シ、併セテ通貨及ビ金融ノ調整ヲ
圖ルヲ以テ目的トシ、現地ノ情勢ノ推移ニ
卽應シ、融通性ニ富ム活動ヲナシ得ルヤウ
規定シアリ、此ノ金庫ラシテ將來現地ニ於
ケル帝國ノ通貨金融對策運營ノ原動力タラ
シムベク、隨テ決シテ一時的ノ機關デハナ
イト云フコトデアリマス、併シナガラ將來
情勢ノ推移ニ應ジテハ、法文ニ必要ナル調
整ヲ加フル要アルベキハ豫想セラルル所デ
アル、隨テ此ノ法案ハ臨時立法ト觀念サル
ベキモノデハナク、大東亞永遠ノ策ヲ念頭
ニ置イテ立案セラレタルモノデアルトノコ
トデアリマス
第三點ハ南方開發金庫ノ主務大臣ト現
地ニ於ケル業務等ノ監督ノ問題デアリマス
ルガ、之ニ對スル政府ノ答辯ニ依レバ、此
ノ金庫ノ主務大臣ハ大藏大臣デアリ、金庫
ノ業務ハ、法人ノ內部關係トシテハ、總裁
ガ總理スルノガ當然デハアルガ、軍政施行
期間中ハ、現地企業ノ監督ハ軍ノ司令官ガ
支金庫ニ對シテ命令スルモノデアル、併シ
此ノ命令ハ現地ノ軍司令官ノ獨斷デ行ハレ
ルモノデハナク、企業ノ根本方針ハ勿論、
細部事項ニ付テモ中央關係官廳協議ノ上、
中央ニ於テ決定スルノ建前デアツテ、ソレ
ヲ軍中央部ヨリ現地司令官ニ指令スルモノ
デアルカラ、中央ノ方針ト現地司令官ノ命
令トノ間ニハ、何等ノ齟齬ヲ生ゼザルヤウ
萬全ノ措置ヲ講ゼラレルトノ答辯デアリマ
ス
第四點ハ、此ノ金庫ヨリ資本ノ供給ヲ受
クベキ開發擔當者ハ何人カ、又如何ニシテ
開發擔當者ヲ定ムルカノ點デアリマス、之
ニ對スル政府ノ答辯ニ依レバ、開發方針ノ
大綱ハ、戰局ノ推移ニ應ジ各資源ノ需要緩
急度竝ニ輸送ノ狀況等ヲ勘案シ、中央ニ於
テ決定スルモ、石油、鑛產、農林產等ノ開
發ニ付テハ、差當リ新タナル綜合會社、共
同企業ノ形態ヲ避ケ、經驗能力アル企業者
ノ熱意ト創意トヲ十分ニ發揮セシメ、能率
的生產ヲ行ハセル方針デアリ、重要ナル開
發擔當者ノ決定ニ當ツテハ、民間統制團體
ノ意見ヲモ參酌シテ、關係官廳十分打合セ
ノ上、適任者ヲ決定スベク、尙ホ其ノ際從
來南方諸地域ニ於テ多年辛苦經營セル邦人
企業者ニ付テハ、其ノ活用ヲ十分考慮シテ
居ルトノコトデアリマス
第五點ハ、此ノ金庫ノ通貨及ビ金融ノ調
整ノ意義如何デ、之ニ付キマシテハ差當リ
軍票使用ノ過程ニ於テハ、現地ニ在ル從タ
ル事務所、卽チ支金庫又ハ出張所ハ、當該
地域ニ於テ所要ノ軍票資金ヲ臨時軍時費特
別會計ヨリノ貸付ニ源泉ヲ仰ギ、資源ノ開
發及ビ利用ニ必要ナル向ヘ融資スルモ、其
ノ際資金ノ使用ヲ最モ效率的ナラシメ、放
出セラレタル軍票ハ極力預金ノ吸收ニ依リ
囘收ニ努ムベク、現地通貨ト軍票トガ併存
スル場合ニ於テハ現地通貨ニ依ル軍票ノ
囘收モ行フベク、更ニ現地通貨ノ把握可能
トナリタル段階ニ於テハ、現地中央銀行ヨ
リノ借入レ、現地各金融機關ヨリノ預金ノ
受入レ、債券ノ現地發行等ニ依リ資金ノ調達
ヲナスト共ニ、通貨及ビ金融ノ調整ニ資シ、
般銀行ガ本邦ト南方諸地域トノ間、或ハ南方
諸地域間ノ爲替取組ヲナス事態ニ於テ、爲
替銀行ノ資金調整等ハ、差向キ本金庫ヲシ
テ行ハシムルコトガ適當ナル旨ノ答辯ガア
リマシタ、尙ホ爲替事務ノ問題デアリマス
ルガ、將來南方地域ニ於テ通貨制度ガ安定
致シタル後ニ於テハ、南方相互間、日本テ
南方ノ間、又滿洲國、支那ト南方トノ間ノ
爲替事務ハ正金銀行、臺灣銀行等ノ爲替銀
行ニ當ラシムベキデアルガ、全體ノ各地間
ノ爲替事務ノ如キ大ナル中樞的決濟機關ト
シテハ、今囘改正セラレマスル日本銀行ノ
職能ニ於テ行フトノコトデアリマス
次ニ第六點トシテハ、差當リ現地通貨ハ
何力、其ノ爲替相場如何ノ間題デアリマス、
差當リ使用スルノハ現地通貨表示軍票デ、
例ヘバ「フィリッピン」ニハ「ペソ」軍票、英
領「マレー」ニテハ海峽「ドル」軍票デアリマ
スルガ、此ノ軍票一「ペソ」ハ現地通貨一
「ペソ」ト等價ニ、一海峽「ドル」軍票ハ現地
通貨一海峡「ドル」ト等價ニ流通セシメテ、現
ニ極メテ圓滑ニ流通シテ居ルトノコトデ
アリマス、更ニ爲替相場ニ付テハ、南方地域
ハ現ニ作戰進行中デ、現地ノ金融其ノ他ノ經
濟情勢モ變化ヲ豫想セラルル等ノ關係ヨリ、
早急ニ確定的ナル爲替比率ヲ圓トノ間ニ定
ムルコトハ困難ナルト共ニ、不適當ト認メ
ラルルノデ、軍關係其ノ他特殊ノ場合ヲ除
キ、差當リノ原則トシテ資金ノ交流ヲ統制
スル旨ノ答辯ガアリマシタ、又更ニ速記ヲ
停止致シマシテ補足說明ガアリ、其ノ已ム
ヲ得ザル所以ヲ諒ト致シタノデアリマス
次ニ第七點トシテハ、現地ノ日本側金融
機關トノ關係、其ノ業務ノ調整方針如何ト
ノ點ニ對シ、南方開發金庫ハ其ノ性質上、
其ノ融資ハ長期固定的ニシテ、危險ヲ伴フ
モノガ多カルベク、隨テ日本側一般銀行ノ
貸出ニ適セザルモノガ少クナイト思フガ、
必要ニ應ジ正金、臺銀等ノ間ニ業務協定等
ヲ行フベク、又現段階ニ於テ、一般銀行ハ
資金ノ手薄ナル關係上、軍票資金ヲ南方開
發金庫ニ仰グベク、又過剩資金ハ南方開發
金庫ニ預入レスベク、本金庫ハ親銀行的立
場ニ立ツモノデアツテ、正金、臺銀等ト完
全ニ相提携シテ行ケルモノデアルトノ答辯
デアリマス
次ニ第八點トシテ、南方ニ對スル渡航乃
至開拓民ノ進出ニ對シ如何ナル方針ヲ採ル
ヤトノ點ニ對シ、政府ノ答辯ハ、今後ノ情
勢ニ應ジ嚴選ノ上再渡航者其ノ他必要トス
ル者ヲ計書的ニ逐次進出セシムル方針デア
ルガ、差當リ帝國ヲ中心トスル日滿支ノ經
濟建設ノ無務ナル等ニ鑑ミ、一般人ノ渡航
ハ差止メルコトニナツテ居ルトノコトデア
リマス、尙ホ滿洲開拓民トノ關聯ニ於テ、
拓務大臣ヨリ、南方ヘノ開拓民ニ付テハ、
大東亞共榮圈ニ於テ高度國防國家ヲ確立ス
ル、爲メ、從來ノ自由主義的移民計畫ヲ排シ
テ、一ツノ理念ノ下ニ移民計畫ヲ立テ、相
當ノ訓練ヲ經タ立派ナ開拓民ヲ送リ出スベ
キデアル、今日我ガ國農村人口ハ、現在ノ
農業經營狀態ニ於テハ過剩ト云フヨリモ、
寧ロ不足ヲ致シテ居ルノデアルカラ、我ガ
國ノ農業經營モ之ヲ合理化シ、先ヅ日滿ヲ
一體トシテノ農村計畫ヲ立テ、過剩ノ生ジ
タル場合南方移民ヲ考慮スベキデアル、隨
テ南方移民ニ急ニシテ日滿両國ノ農村自體
ヲ破壞スルコトハ嚴ニ避クベキデアル、單
ニ安易ニ物ガ得ラレルト云フ意味デ、南方
ヘノ開拓民ヲ優先スルコトハ反對デアル旨
ヲ明カニサレタノデアリマス
第九點トシテ、大東亞共榮圈ノ〓糧對策
乃至從來ノ增產對策ト南方食糧資源トノ關
係デアリマスガ、此ノ點ニ付キ國務大臣ヨ
リ、米麥等ノ主要食糧ニ付テハ、大東亞共
榮圈ノ範圍ガ如何ニ擴大サレテモ、高度國
防國家建設ノ上カラ、內外地ヲ通ズル日本
帝國ヲ中心トシテ、自給自足政策ヲ執ルノ
必要ガアル旨、竝ニ其ノ他ノ〓糧、例ヘバ
砂糖等ニ付テハ、生產事情ヲ能ク考慮シテ、
適當ナル案ヲ考究中ナル旨答辯ガアリマシ
タ
第十點トシテ、南方資源ノ開發ニ關聯シ
華僑、現地住民等ニ對スル我ガ對策ノ問題
デアリマスルガ、政府ノ根本方針トシテハ、
我ガ方ニ協力ノ誠意ヲ示ス華僑ヤ、現地商
人ノ組織ヤ信用ヲ活用スルコトニナツテ居
リ、殊ニ燕僑ニ付テハ、南方地域ニ於ケル
華僑ノ經濟活動ノ重要性ニ鑑ミ、能ク我ガ
眞意ヲ了解シテ、大東亞共榮圈ノ建設ニ協
力シ來ルヤウ、大局的見地ニ立ツテ施策
スベキ旨ガ明カニサレ、將來ノ情勢ニ依リ
南方開發金庫ヨリ華僑ヘ蒐貨資金ノ貸出等
ヲ行フ場合モアルコトガ示サレタノノアアリ
マス
第十一點ハ、南方諸民族ニ對スル文化ノ
指導方針、竝ニ南方經綸ニ對スル國民〓育ノ
根本方針ニ關スル點ニ付キ橋田文部大臣ヨ
リ、大東亞共榮圈ノ共榮トハ物心兩側ニ於
ケル共存共榮デナケレバナラヌ、隨テ日本
ノ文化ヲ十分各地ヘ浸潤サセルト共ニ、各
地ニ於ケル文化ノ底ニ流レテ居ルモノ、又
ハ民族的ニ根柢ニ流レテ居ルモノヲ能ク把
握シテ、我ガ肇國ノ大精神ニ包容スルコト
ニ努ムルコトガ肝要デアル、斯クテ大東亞
ノ諸民族ガ日本ヲ指導者トシテ、文化的ニ
合體ヲ見ルマデニ進マザル限リ、眞ノ聖戰
ノ目的ヲ貫徹スルコトニハナラヌ、隨テ國
民〓育トシテハ、東亞ノ指導者トシテ雄大
ナル理想、雄渾ナル氣魄ヲ持ツ國民ヲ養成
スルノ要アル旨ノ答辯ガアツタノデアリマス
第十二點ハ、本金庫ハ南方經營唯一ノ機
關デアリ、其ノ使命ハ重大デアルカラ、役
員ノ選任ニ際シテハ各方面ヨリ高度ノ國家
意識ヲ有スル有能ノ人材ヲ簡拔シ、國民ノ
期待ニ副フベシトノ點ニ關シ、賀屋大藏大
臣ヨリ、國家意識强キ人材ヲ選任スル旨ノ
答辯ガアリマシタ
第十三點トシテ、今後戰局ノ進展、經濟
開發ノ進捗等ニ伴ヒ、南方諸地域ニ於テ「イ
ンフレーシヨン」ヲ惹起スルノ虞ナキヤト
ノ點ニ關シ、政府ハ通貨膨脹ノ對策トシテ
ハ、一、運輸其ノ他事情ノ許ス限リ本邦ヨ
リ物資ヲ供給スルコト二、南方諸地域相
互間ノ物資ヲ交流スルコト、三、滿支ヨリ物
資ノ供給ヲ幹旋スルコト、四、現地ニ於ケ
ル財政制度ヲ速カニ把握スルコト、五、適
正ナル物價統制對策ト購買力吸收ノ方策ヲ
立ツルコト、六、物資ト通貨トノ均衡ヲ圖
ルコト等デアツテ、今後此ノ問題ニ付テハ
愼重ナル態度ヲ以テ、適正ナル施策ヲナス
ベキ旨ノ答辯ガアリマシタ
其ノ他船舶ノ積極的造船計畫問題、民間
航空路ノ進出問題、現地引揚同胞ノ保護
竝ニ在外同胞ノ指導、〓育問題、現地ノ敵
產處理問題其ノ他ニ付キ適切ナル質問ガア
リ、之ニ對シ政府ヨリソレノ〓懇切ナル答
辯ガアツタノデアリマス
此ノ場合私ハ委員會ニ於ケル各委員ノ綜
合的意見竝ニ委員會ヲ通ジテ橫溢致シマシ
タル希望ヲ御參考マデニ申述ベタイト存ジ
マス、今次ノ大東亞戰爭ハ武力戰デアルト
共ニ、歷史的國家總力戰デアリ、世界的資
源戰爭デアル以上、政府ガ議會ニ於テ言明
セシ、一、資源ノ確保ハ戰爭遂行上緊要ナル
資源ヲ先トスル、二、南方資源ノ敵性國家ニ
向ケ流出スルヲ防止スル、三、作戰軍ノ現
地ニ於ケル自活ヲ確保スル、四、在來ノ企
業ノ我ガ方ニ對スル協力ヲ誘導スル、此ノ
基本方針ニ基キ國民ノ經驗、智能、技術ノ
創意ヲ活用シテ、速カニ戰爭遂行上必要ト
スル重要資源ヲ充足スルト共ニ、大東亞共
榮圈ノ自給自足體制ヲ整備スベキデアル、
而シテ吾々ハ當面ノ戰爭ニ戰ヒ拔ク爲ニハ、
現地ニ於キマス經濟施策ヲ効率的ナラシメ、
且ツ生產性ヲ〓揚スルコトガ極メテ肝要デ
アリマス、ソレガ爲ニハ組織機構ヨリモ先
ヅ人ノ如何デアラウト思ヒマス、政府ハ大
陸ニ於ケル過去ノ事態ニ顧ミ、且ツ國策會
社ノ從來ノ情弊ニ鑑ミ、荀クモ南方地域ノ指
導經營ニ當ル者ノ選任ニ付テハ、國家ノ大局
ニ立ツテ廣ク人材ヲ朝野ニ求メテ、以テ戰
爭ノ成果ヲ十分發揮スルコトニ遺憾ナキヲ
期セナケレバナラヌノデアリマス(拍手)隨
テ此ノ場合、機密ヲ守リ得ルハ一部人士ニ
ノミ限ルト云フヤウナ偏見ハ、斷ジテ避ケ
ナケレバナラヌノデアリマス、更ニ戰局ノ
進展ニ伴ヒマシテ、大東亞共榮圈ニ來リ投
ズベキ民族ノ種類ハ、今後極メテ多カラウ
ト思ヒマス、是等多數ノ諸民族ヲシテ大東
亞建設ノ眞意ニ透徹シ、我ガ肇國ソ精神ニ
浸潤シ、勇躍挺身シテ大東亞新秩序ノ建設
ニ協力シ來ル爲ニハ、其ノ中核デアリ指導
者タル吾々日本人ガ、謙抑シテ驕ルコトナ
ク正シキ指導原理ノ下ニ、是等諸民族ノ傳
統ト文化ヲ尊重シナガラ、雄渾ナル氣宇ト
濶達ナル襟度ヲ以テ諸民族ヲ指導シ、且ツ
生活ノ安易ヲ圖ルコトガ極メテ肝要デアリ
マス(拍手)若シモ曩ニ英米ガ採用セシガ如
キ搾取ト壓迫ヲ加フルナラバ、今日ノ心服
ハ明日ノ怨嗟ノ聲トナリ、戰爭ノ目的ニ背
馳シ、輝シキ戰果ヲ瀆スコトトナリ、眞ノ
大東亞ノ建設ハ望ミ難イノデアリマス(拍
手)卽チ政府ハ今申上ゲタル諸點ニ深ク思
ヒヲ致シ、南方經營ニ其ノ人ヲ得、且ツ諸
民族ニ對スル指導宜シキヲ得テ、以テ皇軍
ノ赫々タル偉勳、興亞ノ礎石トナリシ名譽
アル戰病死者ノ忠魂、銃後國民ノ忍苦ニ應
ヘネバナラヌトノ熱烈ナル希望ガ、本委員
會ヲ通ジテ橫溶致シタコトヲ、特ニ茲ニ御
報〓申上ゲマス(拍手)
昨三十日質疑ヲ終リ、直チニ討論ニ入リ、
翼賛議員同盟ヲ代表シテ鹽川正藏君ヨリ、
同交會ヲ代表シテ服部岩吉君ヨリ、第一控
室ヲ代表シテ笠井重治君ヨリ、興亞議員同
盟ヲ代表シテ冨吉榮二君ヨリ、ソレ〓〓本
金庫ノ使命ノ重大ニ鑑ミ、其ノ運營ニ付キ
善處方ヲ政府ニ要望シテ、原案贊成ノ意見
ヲ述ベラレ、採決ノ結果全員一致原案通リ
可決致シタ次第デアリマス、此ノ段御報〓
申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=14
-
015・田子一民
○議長(田子一民君) 本案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=15
-
016・田子一民
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=16
-
017・服部崎市
○服部崎市君 直チニ本案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報〓ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=17
-
018・田子一民
○議長(田子一民君) 服部君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=18
-
019・田子一民
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ本案ノ第二讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
南方開發金庫法案第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=19
-
020・田子一民
○議長(田子一民君) 別ニ御發議モアリマ
セス、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通リ
可決確定致シマシタ(拍手)-日程第五、兵
器等製造事業特別助成法案ノ第一讀會ノ續
ヲ開キマス、委員長ノ報告ヲ求メマス-
委員長篠原義政君
第五兵器等製造事業特別助成法案
(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
報告書
一兵器等製造事業特別助成法案(政府提
四
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十七年一月三十日
委員長篠原義政
衆議院議長田子一民殿
〔篠原義政君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=20
-
021・篠原義政
○篠原義政君 只今上程サレマシタ兵器等
製造事業.特別助成法案ノ委員會ニ於ケル審
議ノ經過竝ニ結果ニ付キ簡單ニ御報告申上
ゲマス
委員會ハ本月二十四日、第一囘ノ會議ヲ
開キ、引續キ會議ヲ開クコト三囘、內一囘
ハ祕密會トシテ審議ヲ進メ、昨日ヲ以テ質
疑應答ヲ終リマシタ、本法案ハ旣ニ御承知
ノ如ク、大東亞戰爭ヲ遂行シ、國防國家ノ
發展ヲ期ズル爲メ、兵器等ノ生產力ヲ增强
確保スル必要カラ、兵器等ノ製造ニ民間事
業者ノ創意ヲ全幅的ニ發揮セシムル爲メ、
工夫創案サレタモノデアリマシテ、其ノ趣
旨トスル所ハ極メテ時宜ニ適シ、吾々ノ雙
手ヲ擧ゲテ贊意ヲ表スル所デアリ、寧ロ其
ノ提案ノ遲カリシヲ憾ミトスルモノデアリ
マス(拍手)玆ニ其ノ要點ヲ申上ゲマス
其ノ第一ハヽ設備ハ官自體デ整備シ、之
ヲ無償貸付シテ、其ノ經營ハ專ラ之ヲ民間
事業者ニ委シ、所謂官有民營ニ依ツテ、民間
ノ創意ヲ活用シ、生產增强ヲ期スルコトデ
アリマス
第二ハ、民間ニ擴充セシメマシタ設備ヲ
一定期間內ニ買上ゲルコトニ依リ、將來ノ
企業危險ヲ保障シ、不安ナク創意ヲ發揚セ
シメテ、生產增强ヲ期スルコトデアリマス
第三ハ、擴充設備中特ニ考慮スベキモノ
ニ付キ、短期間內ニ償却ヲ完了セシメ、其
ノ企業負擔ヲ輕減シ、企業ニ安定性ヲ與ヘ、
生產增强ヲ期スルコトデアリマス
第四ハ、第一乃至第三ノ助成ヲナスト共
ニ、有事ニ備ヘル爲メ〓育生產ヲ行ヒ、或
ハ設備工具等ノ散逸ヲ防止シ、又原材料ノ
準備ヲナスノ策ヲ講ジタコトデアリマス
以上四點デアリマスガ、以上ニ依リ明カ
ナル如ク、本法案ハ單ニ現下ノ必要ニ應ズ
ルガ爲メノミノモノデハナク、將來ノ有事
ニ備ヘルモノデアリ、更ニ本法案ハ兵器等
製造事業ニ對シ、許可制度ヲ布キ、廣ク
一般的ニ監督助成ヲナスモノデハナク、必
要ニ應ジ個々ノ事業ニ對シテ助成ヲ行フモ
ノデ、隨テ單ナル專業法トハ異ナルモノデ
アリマスガ、決シテ他ノ事業法ヲ排除スル
モノデハナク寧ロ兩々相俟ツテ、其ノ目
的ヲ達成サレルモノデアリマス
本法案ノ內容ノ詳細及ビ各條ノ細目ニ亙
リマシテハ、各委員ト政府営局トノ間ニ、
熱心ナル質疑應答ガ繰返サレマシタ、其ノ
詳細ニ付テハ、總テ之ヲ速記錄ニ讓ルコト
ト致シマスガ、其ノ中特ニ重要ト認メラル
ル二、三ノ點ニ付キ御報告申上ゲマス
第一ハ、本法案ニハ國有民營ノ兵器工場
ヲ規定シテ居ルケレドモ、國防國家體制カ
ラ見テ、急速的ニ軍器製造ノ國有化ヲ必要
トセズヤト云フ質問デアリマス、他ノ一ツハ、
眞ニ民間ノ創意ト熱意トヲ最高度ニ發揮セ
シメントスルナラバ、寧ロ民有民營トシマ
シテ、之ニ資本ヲ供給シ、若クハ資本ノ短
期償却等ノ方法ニ依リ、其ノ事業ニ安定性
ヲ與フルノガ宜クハナイカトノ質問デアリ
マシタ、之ニ對シマスル政府ノ答辯ハ、國
有或ハ民有兩方ノ利點ヲ適當ニ按配調節シ
テ利用シテ行クコトニ於テ、完全ナル進步
發達ヲ期シタイト云フノデアリマシタ
第二ハ、兵器等ノ生產力ノ增强確保ノ爲
三、素材原料等ノ基礎工業ノ生產力ノ增
强確保ヲ必要ト信ズルガ、斯カル基礎工業ニ
對シテモ本法ヲ適用スル如ク擴張シテハド
ウカト云フ質問デアリマシタ、之ニ對シマ
シテ政府ハ、基礎工業生產力確保ノ必要ハ
十分認ムルヲ以テ、之ニ對シマシテハ他ノ
法制又ハ施設ニ依ツテ、其ノ目的達成ニ努
力ヲ續ケツツアリトノ答辯デアリマシタ
第三ハ、最近一般工場ニ付キマシテモ、都
會集中主義ヲ一擲シテ、極力地方分散ヲ圖
リツツアルガ、兵器工場ニ於テモ國防上及
ビ地方勞力ノ利用上、支障ナキ限リ地方分
散ヲ圖ツテハドウカトノ質問ニ對シマシテ、
政府ハ現ニ地方分散ヲ圖リツツアリ、將來
ニ於テモ十分考慮スベキ旨ノ答辯ガアリマ
シタ(拍手)
第四ハ、我ガ國ト密接不可分ノ關係ニア
リマスル滿洲國ノ兵器工業ト、本法トノ關
係ハドウカトノ問ヒニ對シマシテ、政府ヨ
リ滿洲國ニ於キマシテモ、本法ト同樣ノ內
容ヲ持ツ取扱ヲシテ吳レルモノト思フトノ
答辯ガゴザイマシタ
最後ニ各委員ヨリ、我ガ國兵器ノ優秀性
ニ關シマシテ質問アリマシタニ對シ、政府
當局カラ、數ノ問題ニ於テ一時ノ優劣ヲ生
ズルコトハ兎モ角、質ニ於キマシテハ我ガ
兵器ハ、世界水準以上ニアルコトヲ確信ス
ルトノ、力强キ答辯ガアリマシタコトハ、
委員會ノ最モ滿足シタ所デゴザイマス(拍
手)此ノ點特ニ御披露申上ゲマス
斯クテ討論ニ入リマシテ、翼賛議員同盟
ヲ代表シテ齊藤直橘君、同交會ヲ代表シテ
原口初太郞君、第一控室ヲ代表シテ阿部茂
夫君、興亞議員同盟ヲ代表シテ北浦圭太郞
君ノ諸君ヨリ、ソレ〓〓原案ニ贊成スル旨
ノ發言ガゴザイマシテ、採決ノ結果全會一
致可決致シマシタ、右御報〓申上ゲマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=21
-
022・田子一民
○議長(田子一民君) 本案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=22
-
023・田子一民
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=23
-
024・服部崎市
○服部崎市君 直チニ本案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=24
-
025・田子一民
○議長(田子一民君) 服部君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=25
-
026・田子一民
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ本案ノ第二讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
兵器等製造事業特別助成法案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=26
-
027・田子一民
○議長(田子一民君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ可決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=27
-
028・服部崎市
○服部崎市君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出、郵便
法中改正法律案、郵便貯金法中改正法律
案、鐵道敷設法中改正法律案、及ビ地方鐵道
補助法中改正法律案ノ四案ヲ一括議題トナ
シ、委員長ノ報〓ヲ求メ、其ノ審議ヲ進メラ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=28
-
029・田子一民
○議長(円子一民君) 服部君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=29
-
030・田子一民
○議長(田子一民君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、郵便法
中改正法律案、郵便貯金法中改正法律案、
鐵道敷設法中改正法律案、地方鐵道補助法
中改正法律案、右四案ヲ一括シテ第一讀會
ノ續ヲ開キマス、委員長ノ報告ヲ求メマ
ス-委員長宮澤裕君
郵便法中改正法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
郵便貯金法中改正法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
鐵道敷設法中改正法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
地方鐵道補助法中改正法律案(政府提
四第一讀會ノ續(委員長報〓)
報告書
一郵便法中改正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十七年一月三十一日
委員長宮澤裕
衆議院議長田子一民殿
報告書
一郵便貯金法中改正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十七年一月三十一日
委員長宮澤裕
衆議院議長田子一民殿
報〓書
一鐵道敷設法中改正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十七年一月三十一日
委員長宮澤裕
衆議院議長田子一民殿
報〓書
一地方鐵道補助法中改正法律案(政府
提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十七年一月三十一日
委員長宮澤裕
衆議院議長田子一民殿
〔宮澤裕君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=30
-
031・宮澤裕
○宮澤裕君 只今議題ニ供サレマシタル郵
便法中改正法律案外三件ノ委員會ノ經過竝
ニ結果ヲ簡單ニ御報〓申上ゲマス、私共ニ
付託サレマシタ議案ハ、遞信省所管ト致シ
マシテ郵便法中改正法律案、郵便貯金法中
改正法律案、鐵道省所管ト致シマシテ鐵道
敷設法中改正法律案及ビ地方鐵道補助法中
改正法律案ノ四件デアリマス、委員會ハ去
ル二十四日第一囘ヲ開會シテ以來、連日熱
心ニ委昌及ビ政府営局トノ間ニ質疑應答ガ
繰返サレタノデアリマス
先ヅ遞信省所管ノ郵便法中改正法律案デ
ゴザイマスガ、是ハ第一種郵便物デアリマ
ス書狀、卽チ封書ノ手紙ヲ一錢値上シマス
ルコトデアリマス、第二種ノ封緘葉書デア
リマスガ、是ガ五錢ニナツタノデアリマス、
ソレカラ第三種ハ五厘ガ一錢ニナリ、第四
種ハ三錢ガ四錢ニナツタノデアリマス、其
ノ他ニ於テハ變更ハゴザイマセヌ
〔議長退席、副議長着席〕
法律事項ト致シマシテ、此ノ改正ニ依ツ
テ凡ソ一千万圓ノ增收ガ豫期サレテ居リ、
其ノ他命令事項範圍ニ於テ九百万圓バカリ
ノ增收ガ計畫サレテアリ、合計凡ソ千九百
万圓バカリノ增收デアリマス、其ノ他電信
電話ノ料金ノ値上ニ依ツテ、凡ソ六千五百
万圓バカリノ增收ガ計上サレテ居ルノデア
リマス、斯クシテ、兩方合ハセマシテ八千
五百万圓デアリマス、此ノ約八千五百万圓
ノ內四千五百万圓バカリヲ國庫歲入ニ繰入
V、アト四千万圓ヲ通信事務ノ改良及ビ從
業員ノ待週改善ニ充テテ行クト云フ計畫デ
アリマス、之ニ對シテ委員ヨリ從來通信事
務ハ收入主義ニ依ラナイデ、專ラ通信事業
ノ改良主義ニ依ツタノデアルガ、此ノ主義
ヲ抛棄シタノカ、增收額ノ過半ガ國庫歲入
ニ計上サレテアルガ、其ノ眞意如何ト云フ
質問ニ對シマシテ、政府當局ノ答辯ト致シ
マシテハ、改善主義ハ終始一貫シテ居ル、
其ノ傳統的精神ハ決シテ失ツテ居ラス、唯
斯ウ云フ場合デアルカラ其ノ一半ヲ一般國
庫歲入ニ計上シタコトヲ御諒知願ヒタイト
云フ御說明デアツタノデアリマス
其ノ次ニ郵便貯金法中改正法律案デアリ
マスガ、是ハ御承知ノ通リ此ノ時局ト致シ
マシテ、貯金奬勵ノ實行及ビ浮動購買力ノ
吸收ト云フコトヲ主眼ト致シマシテ、要ス
ルニ公債ヲ消化シ產業資金ヲ充實スルト云
フ意味カラ、非常時ノ經濟財政ヲ確保シヨ
ウト云フ考ヘヨリスル增收政策ニ外ナリマ
セヌ、其ノ內容ニ付テ申シマスト、從來郵
便貯金額ハ一個人最低五十錢、最高三千圓
デアツタノデアリマスガ、其ノ最低ハ動カ
シマセヌガ、三千圓ノ一個人ノ預金額ヲ五
千圓ニ引上ゲマシタコトデアリマス、モウ
一ツハ、新シク郵便貯金切手ト云フモノヲ
創設發行致シマシテ、是ハ割增債劵附ノ小
額債劵ヲ郵便局ノ窓口及ビ切手類ノ販賣所
ヲ經由シテ、一般民衆ニ買ハシメル案デア
リマスガ、額面ハ二圓及ビ一圓ト云フ大體
ノ豫想デアリ、割增債劵ノ富籤ノ金額及ビ
籤數ハ未ダハツキリシテ居リマセヌガ、政
府ノ豫想致シマス總賣出額ハ、大體ニ於テ
一箇年二億圓ヲ賣出スト云フ計畫デ、斯ウ
云フ改正案ガ提案サレタノデアリマス、サ.
ウシテ其ノ二億圓ヲ賣出シマス期日ハ、凡
ソ每月ヤルコトトシ或ハ場合ニ依ツテ數箇
月ニ一囘トスルコトアルモ、大體一箇年ヲ
通ジテ約二億圓ヲ期シテ賣出スコトニ致シ
タイ、而シテ何年間之ヲ實行スルカト云フ
質問ニ對シマシテハ、凡ソ事變中ハ繼續シ
テ見タイト云フコトデアリマス、サウシテ
成ベク速カニ此ノ抽籤ヲ決定シテ、其ノ債
劵ハ郵便貯金トシテ振向ケテ見タイト云フヤ
ウナ、政府ノ答辯デアルノデアリマス、是
ガ大體遞信省所管ノ改正案ノ骨子デアリ、
質疑應答ノ〓要デアリマス
其ノ次ハ鐵道敷設法中改正法律案デアリ
マスガ、是ハ御承知ノ通リ鐵道敷設法ニ於
テ豫定線ト云フモノヲ決定致シテ居リマス、
其ノ中ニ唯一ツ北海道ノ木古內カラ福山ニ
至リマス、所謂福山線ト申シテ居リマス五、
六十「キロ」ノ豫定線ガゴザイマスガ、其ノ
豫定線ヲ更ニ福山カラ西北ノ海岸ヲ通ツ
テ、凡ソ二十五「キロ」ノ大島マデ延長シタ
イト云フノデアル、所謂豫定線ノ延長ノ改
正法案デアリマス、之ニ對シテ政府ノ說明
ニ依リマスト、此ノ線ハ旣ニ福山マデ大半
完成シテ、日ナラズ開通スルコトニナツテ
居リマスガ、大島附近ニハ「マンガン」鑛ガ非
常ニ澤山アル、時局產業ニ必要ナル資源デ
アルカラ、之ヲ延長シテ此ノ埋藏資源ノ採
掘運搬ニ資シタイカラ、此ノ改正案ヲ出シ
タノデアルト云フ說明ニ對シテ、委員側ヨ
リ、從來鐵道ノ敷設ハ交通運輸ヲ主眼トシ
タモノデアルガ、埋藏資源開發ノ爲ニモ鐵道
敷設法ヲ隨時ニ改正スルノカト云フ質疑ニ
對シテ、交通運輸第一義主義ハ是ハ堅持シ
テ變ツテ居ラヌ、唯斯ウ云フ非常時デアル
カラ、「マンガン」鑛ノ採掘ト云フコトモ相
當重視シ、交通運輸ト、加フルニ時局產業ニ
必要ナル資源開發ト云フコトヲ考慮シテ、
此ノ延長ヲ計畫シタノデアルト云フ意見デ
アリマス
ソレカラ次ニモウ一ツ地方鐵道補助法中
改正法律案デアリマスルガ、是ハ本年ノ三
月三十一日ヲ以テ、此ノ法律ノ施行期間ガ
滿了スルノデアリマス、而シテ更ニ之ヲ五
箇年延長シテ、私設鐵道ノ補助ヲ繼續スル
ト云フ改正法律案デアリマス、ソレニ對シ
テ五箇年延長スル理由ハドウデアルカ、又
五箇年デ是ガ完了シテ、補助ノ必要ガナク
ナルニ至ル見込ガアルカト云フ質問デアリ
マスルガ、之ニ對シ時勢ハ急「テンポ」ニ進展
モシテ居ルシ、マア凡ソ五箇年延長スルコトニ
依ツテ、一區劃ト見テ運用シテ見タイコト
ト及ビ別ニ舊補助法ニ於テ昭和十二年カ
ラ更ニ十年間補助スルト云フ規定ガアル、
ソレガ昭和二十二年ノ三月三十一日デ大體
終了スルノデアルカラ、其時新舊法ヲ睨合
ハシテ新シイ一本ノ補助規程ヲ作ルカ否カ、
卽チ其ノ時期ニ於テ新シク補助規程ヲ計畫
スルナリ或ハ廢止スルナリ、茲ニ一ツノ根
本的處置ヲ講ジテ見タイノデアル、五箇年
間延長スル理由ハ其處ニアルノダト云フコ
トノ說明デゴザイマス
大體前申シマシタ案ノ內容ハ、以上ノ通
リデアリマスガ、之ニ對シテ昨日大體質疑ヲ
終リマシテ、本日討論ニ入リマシタ、討論
ハ各委員共政府ノ原案ニ贊成スベシト云フ
御主張デアリマシテ、採決ノ結果滿場一致
可決致シタノデアリマス、以上簡單デゴザ
イマスガ、審議ノ〓要ヲ御報告申上ゲマシ
テ、委員長報告ト致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=31
-
032・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 四案ノ第二讀
會ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=32
-
033・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ四案ノ第二讀會ヲ開クニ決
シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=33
-
034・服部崎市
○服部崎市君 直チニ四案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報〓ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=34
-
035・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 服部君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=35
-
036・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ直チニ四案ノ第一:讀會ヲ開
キ、議案全部ヲ議題ト致シマス
郵便法中改正法律案第二讀會(確定議)
郵便貯金法中改正法律案
第二讀會(確定議)
鐵道敷設法中改正法律案
第二讀會(確定議)
地方鐵道補助法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=36
-
037・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 別ニ御發議モ
アリマセヌ、第三讀會ヲ省略シテ、四案共
委員長報告通リ可決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=37
-
038・服部崎市
○服部崎市君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出、國民
更生金庫法中改正法律案、帝國石油株式會
社法中改正法律案、重要物資管理營團法案、
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案、及
ビ帝國燃料興業株式會社法中改正法律案、
右五案ヲ一括議題トナシ、委員長ノ報〓ヲ
求メ、其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=38
-
039・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 服部君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=39
-
040・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、
國。民更生金庫法中改正法律案、帝國石油株
式會社法中改正法律案、重要物資管理營團
法案、帝國鑛業開發株式會社法中改正法律
案、帝國燃料興業株式會社法中改正法律案、
右五案ヲ一括シテ第一讀會ノ續ヲ開キマス、
委員長ノ報〓ヲ求メマス-委員長上田孝
吉君
國民更生金庫法中改正法律案(政府提
胃第一讀會ノ續(委員長報告)
帝國石油株式會社法中改正法律案(政
府提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
重要物資管理營團法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
帝國鑛業開發株式會社中改正法律案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報生ロ)
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
報〓書
一國民更生金庫法中改正法律案(政府提
巴
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十七年一月三十一日
委員長上田孝吉
衆議院議長田子一民殿
報〓書
一帝國石油株式會社法中改正法律案(政
府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十七年一月三十一日
委員長上田孝吉
衆議院議長田子一民殿
報告書
一重要物資管理營團法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十七年一月三十一日
委員長上田孝吉
衆議院議長田子一民殿
報〓書
一帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十七年一月三十一日
委員長上田孝吉
衆議院議長田子一民殿
報〓書
一帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十七年一月三十一日
委員長上田孝吉
衆議院議長田子一民殿
〔上田孝吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=40
-
041・上田孝吉
○上田孝吉君 只今議題トナリマシタ國民
更生金庫法中改正法律案外四件ノ委員會ノ
經過竝ニ結果ヲ御報告申上ゲマス、委員會
ハ一月二十五日ヨリ本日マデ、日曜ヲ除キ
マシテ連日六囘ニ亙ツテ開會サレマシタ、
今各案ノ提案ノ趣旨ニ付キマシテ其ノ〓略
ヲ申述べマスト、國策會社三案ハ、時局下
其ノ內容ノ充實ヲ必要トスル爲ニ提案サレ
タノデアリマシテ、帝國鑛業開發株式會社
法中改正法律案ハ、其ノ資本ヲ增加スル場
合ニ、政府ノ出資限度ハ、從來一千五百万
圓デアリマシタノヲ、一千五百万圓ヲ超エ
テ出資スルコトガ出來ルヤウニスル、隨テ
資本金三千万圓ヲ六千万圓ニ增資シテ、政
府ハ其ノ中三千万圓ヲ引受ケントスルモノ
デアリマス、又從來四分ノ配當デアリマシ
タルモノヲ、會社ノ配當補給率ヲ六分ニ引
上ゲ、以テ株金拂込及ビ增資ヲナサシメン
トスルモノデアリマス、帝國燃料興業株式
會社法中改正法律案、ハ、資本增加ノ場合ニ、
從來政府ノ出資ハ五千万圓ヲ限度ト致シテ
居リマシタモノヲ、五千万圓ヲ超エ得ルコ
トニスル、又其ノ配當補給ノ限度ヲ擴張シ
ヨウトスルモノデアリマス、帝國石油株式
會社法中改正法律案ハ、前案ト同ジ意味
ヲ持ツテ居リマシテ、從來政府出資ノ限
度五千万圓デアリマシタモノヲ、五千万
圓ヲ超エテ出資シ得ルコトトスル、總裁ハ
從來通リ一人デアリマスルガ、副總裁ハ一
人トアリマスルノヲ、之ヲ二人ニ致シマシ
テ、一人ヲ現地ニ派駐セシムルト云フ爲ニ
改メルノデアリマス、又會社ノ債劵ノ發行
ヲ三倍ヨリ五倍ニシヨウトスルノデアリマ
ス、次ニ國民更生金庫法中改正法律案ハ、
資金ノ充實ヲ圖リマスル爲ニ、資本金ヲ三
千万圓增加シテ、政府ガ之ヲ出資シマスト
共ニ、又更生債劵ノ發行ヲ十倍トアリマス
ノヲ十五倍ニスル、而シテ所管ハ從來大藏
大臣デアリマシタルモノガ商工大臣ニ變リ
マスル爲ニ、主務大臣ガ大藏大臣ニ協議シ
テナスト云フ點デアリマス、重要物資管理
營團法案ハ、戰時ニ際シマシテ、重要物資
ノ貯藏ヲ確保及ビ增强シ、竝ニ貯藏重要物
資ノ利用ヲ有效且ツ適切ナラシムル爲メ
デ、資本金ヲ二千万圓ト致シマシテ政府ガ
之ヲ出資スルノデアリマス、營團ノ業務ハ、
重要物資ノ保有、買入、輸入及ビ賣渡等ヲ
政府ノ認可ヲ受ケテナシマシテ、又更ニソ
レ等業者ニ對シマシテハ、營團ノ所有スル
重要物資ノ保管ヲナサシムルコトガ出來ル
ヤウニスル等デアリマス
以上各案ニ對シマシテ各委員ヨリ非常ニ
熱心ニシテ眞摯ナル質疑ガアリマシタ、政
府モ亦之ニ對シテ懇切ナル答辯ガアリマシ
テ、共ノ質疑麿答ヲ致シマスル者ガ十七人
ヲ超エタノデアリマス、併シナガラ其ノ詳
細ハ之ヲ速記ニ讓リマシテ、今其ノ中主ナ
ルモノノミ數點ヲ申上ゲタイト存ジマス、
先ヅ質問トシテ、國策會社ハ收益ヨリモ其
ノ使命ニ邁進スベキモノデアルト思フガ、
併シナガラ他ノ部面カラ言ヘバ、ヤハリ國
管會社ト雖モ會社デアル以上ハ、業績ト云
フコトモ考ヘテ行カナケレバナラナイ、此
ノ二ツノ相矛盾セルガ如キ狀態ニ於テ、寧
ロ之ヲ營團トスル考ヘハナイカドウカ、又
更ニ其ノ國策會社ノ責任者ニ付テハ、十分
ニ手腕ヲ揮ハシメタラ宜イト思フガ、其ノ
方策ガアルカドウカ、斯ウ云フ問ニ對シ
テ、國策會社ガ使命ニ重點ヲ置イテ行クベ
キモノデアリマスコトハ常然デアルガ、併
シナガラ今此ノ國策會社ヲ直チニ營團トス
ルベキ時期ニハ立至ツテ居ラナイ、責任者
ニ對シテ手腕ヲ揮ハシメルト云フコトニ付
テハ、今後トモ極力注意シテ、サウ云フ風
ニシテ行キタイト思フノ答ヘガアリマシタ
次ニ又問トシテ、國策會社ノ成績ハ從來
良好デナイト言ハレテ居ルガ、其ノ監督ノ
方法ハドウカ、又是等國策會社ニ對スル人
事ノ刷新ヲ思切ツテヤル考ハナイカドウカ
ト云フコトニ對シテノ答トシテ、國策會社
ノ成績ト云フモノハ、單ニ營業上ノ收益ニ
依ツテノミ考ヘル譯ニハ參ラナイ、國策ヲ
基本トスベキモノデアツテ、又同時ニ民間
ニ於テナシ得ナイヤウナ事業ヲ國策會社ガ
行フノデアルト云フコトヲ十分ニ御諒承ヲ
願ヒタイ、其ノ監督ニ付テハ一層十分ニ注
意ヲ致シマシテ、今後萬全ヲ期スルヤウニ
シテ行キタイ、人事ノ刷新ニ付テハ、時局
重大ニ伴ヒマシテ、今後更ニ之ヲ刷新スル
ヤウニシテ行キタイト思フト云フコトデア
リマシタ
次ニ又問トシテ、日本產金ト帝國鑛發ト
ヲ合併スル考ヘハナイカドウカト云フコト
ニ對シテノ答ヘトシテ、兩會社ハ各別箇ノ
任務ヲ持ツテ設立セラレタモノデアルカラ
シテ、今直チニ之ヲ合併スル考ヘハ持ツテ
居ラナイ、次ニ又問トシテ、鑛山ノ資材、
勞務、食糧ノ配給及ビ貯藏等ニ付テハ、之
ヲ十分ニ確保スベキモノデアルト思フガ、
遺憾ノ點ハナイカドウカト云フ點ニ付テノ
答トシテ、大體遺憾ナキヤウニヤツテ居ル
積リデアルケレドモ、併シナガラ今後是等
ノ點ニ付テハ一層留意スベキモノデアルト
信ズルト云フ答ヘデアリマシタ、次ノ問ト
シテ、人造石油ト東亞共榮圈ノ石油トノ見
透シハドウデアルカ、其ノ答トシテ、南方
共榮圈ニ於テ、蘭印ハ約八百万「トン」、其
ノ他計一千万「トン」位產出シ得ルケレドモ
併シナガラ之ヲ以テ共榮圈ニ於テ餘剩ガア
ルトハ思ハレナイノデアルカラシテ、今後
一層規正ヲスベキモノデアル、且ツ現在ニ於
テ占領セラレテ居リマスル地域ニ付テハ、
軍ガ其ノ管理ヲナシテ居ルノデアツテ、敵
國ハ其ノ占領地域ニ於ケル油坑其ノ他ニ付
テ、可ナリ破壞ヲシテ居ルケレドモ、大體
十七年度ニ於テ五十万「トン」ハ之ヲ產出シ
得ル見込ハ十分デアル、又石油ノ對策ニ付
キマシテハ、十分ニ將來トモ萬全ヲ期スル
ヤウニシテ行キタイト思フ、更ニ人造石油
ニ付テハ、以上ノヤウナ次第デアルカラシ
テ、南方ノ共榮圈ガ開ケマシテモ、之ヲ以テ
忽セニスベキモノデハ斷ジテナイノデアリマ
シテ、今後一層之ヲ增產スルヤウニシテ行
カナケレバナラヌモノデアルト考ヘル、又
人造石油ハ其ノ國ノ工業力及ビ產業ノ品位
ノ上カラ見マシテモ、最モ必要ナモノデア
リマスルノミナラズ、我國ニ於キマシテハ
合成法、水添法、低溫乾溜法等ノ三方法ガ
アリマスルガ、是等ノ方法ニ付テハ適當ニ
按配調節ヲシテ、順調ニ今發達ヲ致シテ居
ル、今年ノ秋頃ニナリマスルナラバ、必ズ
ヤ人造石油ニ付テハ一大飛躍ヲ申上ゲル時
ガ來ルト存ズル、又石炭ノ如キモ、從來人
造石油ニ付テハ褐炭ガ好イトノミ言ハレテ
居ルヤウナ點モアリマシタケレドモ、今日
ニ於テハ普通炭ヲ以テシテモ、我ガ國ノ技
術ヲ以テシテ、十分ニ人造石油ヲ生產スル
コトガ出來ル確信ヲ持ツテ居ル、斯ウ云フ
コトデアリマシタ、次ノ問トシテ、帝國石
油ノ南方ノ進出ヲドウ云フヤウニスルカト
云フコトニ對スル答トシテハ、軍ト全面的
ニ協力ヲシテ、以テ進出シヨウト思フト云
フコトデアリマス
更ニ中小商工業者ノ整理統合ノ要綱及ビ
轉廢業ノ根本對策ハドウ云フ風ニナツテ
居ルカト云フ問ニ對シマシテ、從來ノ中小
商工業者ノ整理ハ、其ノ事業上物動計畫ノ
遂行、又ハ統制經濟ノ强化ニ伴ツテ已ムナ
ク行ハレタ次第デアル、隨テ消極的ノ性質
ヲ帶ビザルヲ得ナカツタノデアルガ、其ノ
結果實績ヲ基準トシテ、劣弱者ガ整理サレ
ルト云フヤウナ傾キモナキヲ得ナカツタ次
第デアル、然ルニ支那事變ノ進行ト相俟チ、
更ニ今囘ノ大東亞戰爭ニ依リマシテ、生產
擴充ノ點ニ於テ勞務動員ノ必要ヲ生ズルニ
至ツタ、地方又從來勞務供給力ニ付テハ、
農村ガ多ク其ノ對象ニナツテ居ツタケレド
モ、今ヤ食糧增產確保ノ爲ニ餘剩力ガ少イ
ノデアルカラシテ、勢ヒ中小商工業者ヨリ、
新勞働力ノ供出ト云フコトガ必要トナツテ
參ツタノデアル、是ニ於テ劣弱者ヨリモ、寧
ロ有能者或ハ壯者ヲシテ轉廢業ヲセシムル
必要ガアルヤウニナツタノデアツテ、是ニ於
テ中小商工業者ノ整理統合竝ニ轉廢業ノ對
策ハ、一大革新ノ時機ニ到達シタモノデアル
ト云フコトデアリマシタ、隨テ轉廢業者ハ國
家ノ緊要ナル部分ニ於テ、例ヘバ軍需工業
デアルトカ、或ハ海外ニ向ツテモ今後進出ヲ
シテ戴カナケレバナラヌノデアルカラシテ、
是等ニ對シテ適當ナ訓練ヲ行フ必要ガア
ル、隨テ其ノ訓練所ヲ或ハ擴張シ、或ハ新
設スル方針デアルト云フコトデアリマシタ、
次ニ又是等轉廢業者ニ對シマスル共助金、
資產引受等ニ付テハ、相當ニ行ケルヤウニ
ナツテ居ルケレドモ、未ダ十分デナイ點ガ
アルカラ、其ノ點ハ集團的ナ活用ニ依ツテ
開拓シテ行クヤウニシタイト云フコトデア
リマシタ、次ニ又商業報國會、勤勞報國隊ト
云フヤウナモノ等ニ依リマシテ、其ノ機能
ヲ消極的デナクシテ、今後ハ積極的ニ發揮
セシムルヤウニシテ、精神的ニモ國策遂行
ノ戰士トシテ、是等轉廢業者ガ働クノデア
ツテ、社會上ノ所謂劣レル者、弱キ者ガ巳
ムヲ得ズスルノデアルト云フヤウナ考ヘヲ
一擲シテ政府モ進マナケレバナラヌガ、國
民モドウカ是等ノ者ニ對シテハ、非常ナル
熱意ト溫カミヲ以テ、所謂戰士トシテ迎ヘ
テ行クヤウニシテ戴キタイト云フコトデア
リマシタ、次ニ又移民ハ、南方ガ開カレタト言
ヒマシテモ、北ノ方ヲ無視スル譯ニハイカ
ヌノデアツテ、滿洲ノ農業移民ハ國防的見
地ト、日本精神ノ養成ト、更ニ體力ノ練磨
ト云フヤウナ點カラ見マシテ、最モ緊切ナ
ルモノデアルカラシテ、其ノ必要ハ減ジナ
イノデアル、南ノ方へ移住スル者ニ付テハ、
寧ロ指導的立場ニ在ル者ヲ移スコトニシタ
イト思フガ、何レニシテモ北ノ方ハ勿論、
南方ニ對スル移民ニ付テモ、其ノ移民計畫
ヲ併セテ確立スルヤウニシテ行キタイト云
フコトデアリマシタ
更ニ又問トシテ、中小商工業者ノ整理統
合及ビ再編成ヲ積極的ニヤツテ行ク場合ニ
於テ、轉廢業者ノ所要資金ノ見込額ハドウ
デアルカト云フ問ニ對シマシテ、大體ソレ
ハ業者及ビ組合カラノ報告ト推定等ニ基イ
テスルノデアルガ、國民更生金庫ニ依ル轉
廢業者ノ資產引受ハ五億二千三百万圓デア
リ組合等ト同業者團體ニ依ル資產ノ引受
ハ二億千六百万圓デアリ、組合等ニ依ル共
助金ハ二億五千四百万圓デアツテ、之ヲ合
計致シ、マスト九億九千二一百万圓ニ達スル、
又更生金庫場、失補償金ハ十六、七年度分デ
四億三千万圓デアリマシテ、更ニ十七年度
ニ於テハ、中小商工業者ノ共助費補助ハ一
千三百十七万五千圓、轉廢業者ノ共助費利
子補給ハ、二百九十二万圓デアルト云フコ
トデアリマシタ
次ニ又問トシテ、更生金庫ハ普通ノ金融
ト異ツテ居ルノデアルカラシテ溫情、寛大、
親シミヲ以テ臨ム必要ガアルガ、然ルニ從
來ニ於テハ往々ニシテ其ノ手續ガ非常ニ煩
瑣デアリ面倒デアツテ、利用ガ十分デナイ
ト云フ點モアルヤウニ思フガドウデアラウ
カト云フコトニ對シテ、答ヘトシテ、前
述ベタヤウニ可ナリ多額ナ金融ヲスルノデ
アルカラシテ、今後其ノ利用ハ一層之ヲ積
極的ナラシメルヤウニシタイト思フ、又取
扱等ニ付テモ十分ニ意ヲ用ヒテ、之ニ親シ
マシムルヤウニシタイト思フガ、唯評價ト
云フヤウナ點ニ付テハ、多少手續ヲ要スル
コトハ已ムヲ得ナイモノガアラウト思フト
云フコトデアリマシタ
更ニ問トシテ、重要物資管理營團ノ取扱フ
所ノ重要物資ノ範圍及ビ地域ハ如何デアル
カト云フ點ニ付テノ答ヘトシテ、戰時ニ必要
ナル食糧以外ノ物資デアル鐵鋼、非鐵金屬
及ビ其ノ原料製品、纖維製品及ビ其ノ原料、
化學藥品ト其ノ原料、工業用原料ト其ノ製
品、醫藥品、衞生醫療用材料資材、防空用
資材等數百種ニ及ブモノデアル、是等ヲ買取
リ、輸入シ、保有シ、或ハ配給スル等ニ付テ、
營團ハ內地ヲ對象トシテ居ルケレドモ、更
ニ外地又ハ外國ノ物資ヲモ獲得保有ヲナス
モノデアルト云フコトデアリマシタ、更に
又南方ノ物資ニ付テハ、當分軍ガ現地デ之
ヲ買上ゲマシテ、南方開發金庫等カラ資金
ヲ供給スルガ、輸入サレタ南方ノ物資ハ、
軍ノ直接要ルモノハ之ヲ除キマシテ、其ソ
餘リノ物ハ營團ガ之ヲ買取リ、以テ保管ヲ
ナス方針デアルト云フコトデアリマシタ、
更ニ問トシテ、此ノ營團ハ資本金二千万圓
トアリマスルガ、ソレデ果シテ營團ノ運營ガ
出來ルカドウカ、僅少デアリハセヌカト云
フコトニ對スル答ヘトシテ、二千万圓ト
云フノハ、是ハ其ノ二千万圓ノ利子ヲ事
務費ニ充テルノデアツテ、元來營團ガ扱
ヒマスルモノハ大體短期デアリ、買取保
有ニ付テハ融資ヲ仰グコトニナツテ居ル尙
ホ倉敷デアルトカ、或ハ其ノ他ノ損失ト
云フモノニ付テハ、別ニ國家ノ豫算ニ依ツ
テ補償シテ貰フコトニナツテ居ルカラ、資
金ハ只今ノ所少イト云フコトハナイ、斯ウ
云フコトデアリマシタ、次ニ保有倉庫ノ用
意ガアルカドウカ、又倉庫ノ統制會ヲ作ツ
テ、是ト營團トガ互ヒニ協力シテ行クコト
ガ必要デハナイカト云フ問ニ對シテ、答
トシテ、倉庫ハ現ニ其ノ倉庫内ニ在リマス
ル物ヲ營團ガ買取ツテ保有スルノデアルカ
ラシテ、別ニ差支ハナイト思フ、唯南方等
新シキ地域カラ輸入サレルモノニ付テハ、
倉庫ノ新設ト云フヤウナコトガ、將來必要
トナルモノト考ヘルト云フコトデアリマシ
タ
更ニ問トシテ小サナ問題デハアルケレド
モ、最近特ニ注意サレテ居ル衣料切符ニ付
テノ對策ハドウデアルカト云フコトニ對ス
ル答ヘトシテ、非常ニ窮屈トハナツタケレ
ドモ、其ノ代リニ品質ヲ今後高メテ行クヤ
ウニシタイ、例ヘバ「スフ」ト云フヤウナモ
ノニ付テモ、今後ハ出來ルダケ檢査ヲシテ、
强イモノヲ用ヒルヤウニシテ行キタイノデ
アルト云フコトデアリマシタ、更ニ又問ト
シテ、切符ハ一年限リトナツテ居ルガ、ソ
レデハ餘ツタ場合ニ於テ非常ニ無駄ニナル
ヤウニ考ヘラレテ、規正ノ奬勵ガ出來ニク
イヤウニモ思フガ、之ヲ翌年度ニ廻ハスヤ
ウナ考ヘハナイカドウカト云フコトニ對シ
マシテハ、一應尤モデハアルケレドモ、之
ヲ翌年度ニ廻ハスト云フコトニシマスル
ト、政府ノ一箇年ノ計畫ノ上ニ於テ、其ノ
需給上狂ヒヲ生ズル虞ガアルカラ、只今シ
所デハ一應之ヲ一箇年ト致シタノデアルケ
レドモ、尙ホ十分ニ今後考ヘタイト思フト
云フコトデアリマシタ、其ノ他官吏ノ綱紀
肅正ノ問題等ニ付テモ意見ニ似タル質疑等
ガアリ、政府ハ此ノ點ニ付テハ更ニ一層注
意ヲスルト云フコトヲ明言サレタ次第デア
リマス
斯クテ質疑ヲ終リマシテ、討論ニ入リマ
シテ、小平重吉君、田中亮一君、川俣〓音
君、瀧澤七郞君ノ諸君ガ各〓其ノ會派ヲ代表
致シマシテ意見ヲ述ベラレタノデアリマス
ルガ、更ニ其ノ意見ノ中ニ、國策會社ノ今
後ノ運營、人事ニ付テ、尙且ツ十分デナイ
モノガ澤山アルノデアルカラ、此ノ際意ヲ
用フルヤウニシテ貰ヒタイ、又國民更生
金庫ノ改正ガ行ハレルコトハ洵ニ結構デア
ルガ、此ノ際一層思ヒ切ツテ是等產業上ノ
戰士トナルベキ轉廢業者ニ付テハ、十分ニ
溫カミト寛大サヲ以テ對應スルヤウニシテ
貰ヒタイト云フヤウナ意見ヲ加ヘラレタノ
デアリマス、斯クテ採決ノ結果滿場一致原
案ヲ可トスルコトニ致シマシテ、原案ハ可
決サレタ次第デアリマス、右御報〓申上ゲ
マス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=41
-
042・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 五案ノ第二讀
會ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=42
-
043・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ五案ノ第二讀會ヲ開クニ決
シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=43
-
044・服部崎市
○服部崎市君 直チニ五案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=44
-
045・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 服部君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=45
-
046・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ直チニ五案ノ第二讀會ヲ開
キ、議案全部ヲ議題ト致シマス
國民更生金庫法中改正法律案
第二讀會(確定議)
帝國石油株式會社法中改正法律案
第二讀會(確定議)
重要物資管理營團法案
第二讀會(確定議)
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
第二讀會(確定議)
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=46
-
047・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 別ニ御發議ア
リマセヌ、第三讀會ヲ省略シテ、五案トモ
委員長報告通リ可決確定致シマシタ(拍手)
是ニテ議事日程ハ議了致シマシタ、次會ノ
議事日程ハ公報ヲ以テ通知致シマス、本日
ハ是ニテ散會致シマス
午後二時三十四分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007913242X00819420131&spkNum=47
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。