1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十八年一月二十九日(金曜日)午前十時四分開議
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議事日程 第三號
昭和十八年一月二十九日
午前十時開議
第一 國民貯蓄組合法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二 納税施設法案(政府提出) 第一讀會
第三 臨時資金調整法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四 普通銀行等の貯蓄銀行業務又は信託業務の兼營等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第五 銀行等の事務の簡素化に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第六 戰爭死亡傷害保險法案(政府提出) 第一讀會
第七 鹽專賣法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第八 兵役法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第九 共通法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十 明治三十八年法律第三十八號改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十一 陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十二 在滿日本人の身分に關する滿洲國裁判の效力に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十三 戰時刑事特別法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十四 飼料配給統制法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十五 昭和四年法律第九號中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十六 硫酸アンモニア増産及配給統制法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十七 商工經濟會法案(政府提出) 第一讀會
第十八 商工組合法案(政府提出) 第一讀會
第十九 商工組合中央金庫法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十 帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十一 重要鑛物増産法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十二 郵便年金法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十三 航空法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十四 木船保險法案(政府提出) 第一讀會
第二十五 自動車交通事業法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十六 藥事法案(政府提出) 第一讀會
第二十七 船員保險法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十八 軍事扶助法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十九 北支那開發株式會社法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十 中支那振興株式會社法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十一 占領地軍政官憲の爲したる行爲の法律上の效力等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第三十二 會計檢査院法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十三 裁判所構成法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十四 陪審法の停止に關する法律案(政府提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 諸般ノ報〓ハ、
御異議ガナケレバ朗讀ヲ省略致シタイト存
ジマス、御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス
左ノ報告ハ朗讀ヲ經サル
モ參照ノタメ玆ニ載錄ス
昨二十八日委員會ニ於テ當選シタル正副委
員長ノ氏名左ノ如シ
資格審査委員會
委員長子爵靑木信光君
副委員長小原直君
豫算委員會
委員長伯爵林博太郞君
副委員長男爵矢吹省三君
懲罰委員會
委員長伯爵樺山愛輔君
副委員長岡喜七郞君
請願委員會
委員長子爵高橋是賢君
副委員長男爵久保田敬一君
決算委員會
委員長男爵深尾隆太郞君
副委員長子爵保科正昭君
同日委員長ヨリ左ノ通分科ヲ決定シ及分科
擔當委員ヲ選定シタル旨ノ報告書ヲ提出セ
リ
豫算委員
第一分科(歲入、大藏省)
侯爵中山輔親君
伯爵林博太郞君
子爵大河內輝耕君
子爵裏松友光君
內田重成君
男爵矢吹省三君
河田烈君
黑田英雄君
西野元君
野村德七君
三橋四郞次君
伊藤傳七君
兼務
子爵舟橋〓賢君
三井〓一郞君
田口弼一君
男爵松平外與麿君
第二分科(外務省、司法省、大東亞省)
公爵一條實孝君
伯爵二荒芳德君
子爵舟橋〓賢君
山川端夫君
男爵中川良長君
男爵渡邊修二君
太田耕造君
光永星郞君
諸橋久太郞君
兼務
公爵德川家正君
關屋貞三郞君
子爵野村益三君
水野鍊太郞君
男爵中御門經民君
丸山鶴吉君
第三分科(內務省、文部省、厚生省)
侯爵井上三郞君
關屋貞三郞君
子爵加藤泰通君
子爵岡部長景君
水野錬太郞君
𠮷田茂君
男爵山川建君
男爵松平外與麿君
田所美治君
丸山鶴吉君
山隈康君
兼務
河井彌八君
內田重成君
男爵渡邊修二君
第四分科(陸軍省、海軍省)
公爵島津忠重君
侯爵中御門經恭君
侯爵久我通顯君
伯爵堀田正恒君
子爵大河內正敏君
子爵大島陸太郞君
男爵前田勇君
橫山助成君
男爵柴山昌生君
次田大三郞君
兼務
侯爵細川護立君
子爵松平忠壽君
有吉忠一君
第五分科(農林省、商工省)
公爵德川家正君
子爵野村益三君
子爵河瀨眞君
河井彌八君
男爵岩倉道倶君
三井〓一郞君
伍堂卓雄君
男爵古市八三君
三浦新七君
富田健治君
吉村友之進君
二瓶泰次郞君
兼務
子爵大河內正敏君
子爵大島陸太郞君
三橋四郞次君
光永星郞君
田部長右衞門君
第六分科(遞信省、鐵道省)
侯爵細川護立君
子爵松平忠壽君
有吉忠一君
田邉治通君
田口弼一君
男爵中御門經民君
有賀光豐君
田部長右衞門君
上野喜左衞門君
兼務
男爵岩倉道倶君
次田大三郞君
野村德七君
請願委員
第一分科(大藏省、農林省、商工省)
公爵山縣有道君
伯爵後藤一藏君
子爵柳澤光治君
子爵土岐章君
安井英二君
男爵坊城俊賢君
男爵益田太郞君
安宅彌吉君
佐々木八十八君
佐々木嘉太郞君
永瀨寅吉君
佐藤助九郞君
兼務
柴田兵一郞君
第二分科(內務省、司法省、文部省、厚
生省)
公爵岩倉具榮君
子爵高橋是賢君
子爵三島通陽君
田中館愛橘君
大橋八郞君
男爵奧田剛郞君
竹內可吉君
中島德太郞君
出光佐三君
渡邉覺造君
第三分科(遞信省、鐵道省)
侯爵黑田長禮君
子爵立花種忠君
子爵松平乘統君
河原田稼吉君
柴田善三郞君
男爵久保田敬一君
男爵北島貴孝君
男爵本多政樹君
松岡潤吉君
中野敏雄君
柴田兵一郞君
第四分科(内閣、外務省、陸軍省、海軍省、
大東亞省)
侯爵東〓彪君
侯爵嵯峨實勝君
伯爵山本〓君
子爵波多野二郞君
子爵水野勝邦君
大野綠一郞君
白根竹介君
男爵關義壽君
男爵水谷川忠麿君
奧村嘉藏君
岩田三史君
兼務
佐藤助九郞君
決算委員
第一分科(歲入、大藏省)
侯爵大隈信常君
子爵大岡忠綱君
木村尙達君
下條康麿君
男爵深尾隆太郞君
男爵北大路信明君
松本勝太郞君
田中穗積君
飯塚知信君
第二分科(内務省、司法省、文部省、厚生
省
公爵鷹司信輔君
子爵北小路三郞君
子爵高木正得君
松井茂君
松村眞一郞君
男爵向山均君
小坂梅吉君
水野甚次郞君
中山太一君
第三分科(陸軍省、海軍省)
侯爵池田宣政君
子爵今城定政君
子爵保科正昭君
子爵松平親義君
小野塚喜平次君
長世吉君
男爵三須精一君
澤田牛麿君
片倉兼太郞君
兼務
男爵向山均君
第四分科(外務省、農林省、商工省、拓
務省)
公爵桂廣太郞君
伯爵橋本實斐君
子爵北條雋八君
出淵勝次君
男爵周布兼道君
男爵島津忠彥君
竹下豐次君
唐澤俊樹君
佐々木長治君
兼務
下條康麿君
第五分科(遞信省、鐵道省)
侯爵小村捷治君
伯爵柳澤保承君
子爵富小路隆直君
小林一三君
黑崎定三君
男爵近藤滋彌君
男爵西西乙君
奧主一郞君
秋田三一君
兼務
出淵勝次君
小坂梅吉君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
請願文書表(第一囘報〓)
同日政府ヨリ左ノ決算及同檢査報告ヲ提出
セリ
昭和十六年度歲入歲出總決算
昭和十六年度各特別會計歲入歲出決算
臨時陸軍材料資金歲入歲出決算
昭和十六年度歲入歲出決算檢査報告
臨時陸軍材料資金歲入歲出決算檢査報〓発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、請暇ノ件ニ付御諮リヲ致シ
マス石渡莊太郞君、公務ニ付十日間請暇
ノ申出ガゴザイマシタ、許可ヲ致シテ御異
議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 委員會開會ノ件
ニ付キマシテ御諮リヲ致シマス、本會期ヲ
通ジマシテ、本會議ノ開會中ニ委員會開會
ノ要求ガアリマシタ場合ニハ議事ニ差支
ナイ限リ、議長ニ於テ之ヲ許可スルコトニ
致シタイト存ジマス、御異議ハゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=6
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007・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 議事日程ニ移リ
マイク、日程第一、國民貯蓄組合法中改正法
律案、日程第二、納稅施設法案、日程第三、
臨時資金調整法中改正法律案、日程第四、
普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ノ
兼營等ニ關スル法律案、日程第五、銀行等
ノ事務ノ簡素化ニ關スル法律案、日程第六、
戰爭死亡傷害保險法案、日程第七、鹽專賣
法中改正法律案、政府提出、第一讀會、是
等ノ七案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異
議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=7
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008・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマスゝ賀屋大藏大臣
左ノ案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
國民貯蓄組合法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
內務大臣湯澤三千男
國民貯蓄組合法中改正法律案
國民貯蓄組合法中左ノ通改正ス
第一條第一號ヲ左ノ如ク改ム
市町村(町村制ヲ施行セザル地ニ
在リテハ之ニ準ズベキモノ)ノ區域
又ハ其ノ區域ノ一部ニシテ命令ヲ以
テ定ムルモノニ居住スル者
第二條第一項第九號ヲ第十號トシ第八號
ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
九外國又ハ外國法人ノ發行スル公債
又ハ社債(以下外國有價證劵ト稱ス)
ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ買入
第二條ノ二國民貯蓄組合ハ前條第一項
ノ貯蓄ノ外命令ノ定ムル所ニ依リ第一
條第二號ニ揭グル者ノ勤務先又ハ之ニ
準ズベキモノヘノ預ヶ金(以下勤務先
預ヶ金ト稱ス)ノ幹旋ヲ爲スコトヲ得
命令ヲ以テ定ムル勤務先預ヶ金ノ受入
ヲ爲スハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除ク
ノ外國民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ルベシ
主務大臣必要アリト認ムルトキハ前二
項ノ規定ニ依リ勤務先預ケ金ノ受入ヲ
爲ス者ニ對シ其ノ受入ノ方法又ハ受入
レタル資金ノ運用ニ關シ必要ナル指示
ヲ爲スコトヲ得
第四條第一項中「其ノ他ノ預金」ノ上ニ
一、勤務先預ケ金」ヲ加へ「命令ノ定ムル所
ニ依リ甲種ノ配件利子所得ニ對スル分類
所得稅ヲ免除ス」ヲ「所得稅ヲ課セズ」ニ、
「又ハ社債」ヲ「、社債又ハ外國有價證劵」
ニ改メ「郵便官署ニ」ヲ削ル
同條第三項中「又ハ社債」ヲ「、社債又ハ外
國有價證劵」ニ改ム
第六條中「命ズルコトヲ得」ヲ「命ジ又ハ
國民貯蓄組合ニ加入スベキコトヲ命ズル
コトヲ得」ニ改ム
第七條中「國民貯蓄組合ノ代表者」ノ下ニ
「又ハ國民貯蓄組合ノ幹旋ニ依ル預金ノ
受入ヲ爲ス者其ノ他國民貯蓄組合ノ關係
者ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ」ヲ、「組
合ノ代表者ノ改任」ノ上ニ「組合規約ノ變
更、」ヲ加フ
第九條第一項中「第一號又ハ第三號」ヲ削
ル
第十一條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
三百圓以下ノ過料ニ處ス
本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令
又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタ
ル國民貯蓄組合ノ代表者又ハ國民貯
蓄組合ノ斡旋ニ依ル預金ノ受入ヲ爲
ス者其ノ他國民貯蓄組合ノ關係者ニ
シテ命令ヲ以テ定ムルモノ
二第一座、ノ二第二項ノ規定ニ違反シ
テ勤務先預ケ金ノ受入ヲ爲シタル者
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
本法施行ノ際現ニ國民貯蓄組合ノ斡旋ニ
依ラズシテ命令ヲ以テ定ムル勤務先預ケ
金ノ受入ヲ爲ス者ハ本法施行ノ日ヨリ六
月ヲ限リ第二條ノ二第一一項ノ改正規定ニ
拘ラズ其ノ受入ヲ爲スコトヲ得
納稅施設法案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋·興宣
內務大臣湯澤三千男
納稅施設法案
納稅施文法
第一章納稅團體
第一條本法ニ於テ納稅團體トハ國體員
ノ命令ヲ以テ定ムル租稅公課ノ納付ヲ
容易確實ナラシムル爲當該租稅公課ノ
納付又ハ其ノ納付資金(納稅資金ト稱ス
以下同ジ)ノ管理及當該租稅公課ノ納
付ニ關シ必要ニル事業ヲ行フ町內會部
落會其ノ他ノ國能ヲ謂フ
第二條町內會部落會以外ノ納稅團體
(納稅組合ト稱ス以下同ジ)ヲ組織シタ
ルトキ又ハ町內會部落會ガ前條ニ規定
スル事業ヲ行ハントスルトキハ團體ノ
代表者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ規約ヲ
稅務署長又ハ市町村長ニ屆出ヅベシ規
約ヲ變更シタルトキ亦同ジ
第三條納稅團體ノ管理スル納稅資金ハ
納稅準備預金又ハ郵便貯金ヲ以テ之ヲ
保有スベシ
第四條納稅團體ノ代表者ハ其ノ事業ニ
關スル帳簿ヲ備へ命令ヲ以テ定ムル事
項ヲ之ニ記載スベシ
第五條政府ハ豫算ノ範圍內ニ於テ納稅
團體ニ補助金又ハ奬勵金ヲ交付スルコ
トヲ得
第六條稅務署長若ハ其ノ代理官又ハ市
町村長必要アリト認ムルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ納稅團體ノ代表者ニ對
シ其ノ事業ニ關シ質問ヲ爲シ若ハ報〓
ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件
ヲ檢査スルコトヲ得
稅務署長又ハ市町村長必要アリト認ム
ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ納稅團
體ノ代表者ニ對シ規約ノ變更其ノ他監
督上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第二章法人納稅積立金
第七條法人ハ每事業年度ノ利益金又ハ
剩餘金ノ處分ニ當リ法人稅其ノ他命令
ヲ以テ定ムル租税ニ付命令ノ定ムル所
ニ依リ納稅積立金ヲ積立ツベシ
納稅積立金ハ當該事業年度分ノ前項ニ
規定スル租稅ノ納付ニ充ツル場合ヲ除
クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ但シ命
令ノ定ムル所ニ依リ稅務署長ノ承認ア
リタル場合又ハ納稅積立金ガ前項ニ規
定スル租稅ノ額ヲ超過スル場合ニ於ケ
ル其ノ超過額ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第八條納稅積立金ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ納稅準備預金ヲ以テ之ヲ保有スベ
シ
納稅積立金中納稅準備預金ヲ以テ保有
スベキ割合ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條稅務署長ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ前條ノ規定ニ依ル義務ノ全部又ハ一
部ヲ免除スルコトヲ得
第三章納稅準備預金
第十條本法ニ於テ納稅準備預金トハ命
令ヲ以テ定ムル租稅公課ノ納付ニ充ツ
ル爲命令ヲ以テ定ムル金融機關(指定
金融機關ト稱ス以下同ジ)ニ預入レタ
ル預金又ハ貯金ヲ謂フ
第十一條指定金融機關ハ他ノ法律ニ拘
ラズ納稅準備預金ヲ受入ルルコトヲ得
第十二條納稅準備預金ハ第十條ニ規定
スル租稅公課ノ納付ニ充ツル場合其ノ
他命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之
ヲ引出スコトヲ得ズ
第十三條納稅準備預金ヲ引出シ第十條
ニ規定スル租稅公課ノ納付ニ充テント
スルトキハ納稅告知書其ノ他納付ニ必
要ナル書類ヲ指定金融機關ニ提出シ租
稅公課ノ納付ヲ委託スベシ
指定金融機關ハ正當ノ事由ナクシテ前
項ノ委託ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十四條納稅準備預金ハ之ヲ讓渡スル
コトヲ得ズ
第十五條納稅準備預金ハ命令ヲ以テ定
ムル場合ヲ除クノ外之ヲ差押フルコト
シュテ
第十六條納稅準備預金ノ利子ニ付テハ
命令ノ定ムル所ニ依リ甲種ノ配當利子
所得ニ對スル分類所得稅ヲ免除ス
第四章租稅ノ貯蓄納付
第十七條命令ヲ以テ定ムル租稅ノ納稅
者命令ノ定ムル所ニ依リ當該租稅額ノ
百分ノ三百以內ノ金額ヲ貯蓄シタルト
キハ當該租稅ノ納付アリタルモノトス
第十八條前條ノ貯蓄(戰時納稅貯蓄ト
稱ス以下同ジ)ハ政府之ヲ管掌ス
第十九條戰時納稅貯蓄ヲ爲シタル者ニ
對シテハ戰時納稅貯蓄證書ヲ交付ス
第二十條戰時納稅貯蓄ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ當該貯蓄ヲ爲シタル日ノ屬ス
ル月ノ始ヨリ起算シ二十年以內ニ之ヲ
拂戾スモノトス
第二十一條戰時納稅貯蓄ハ之ヲ讓渡ス
ルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依
リ日本銀行ニ讓渡スルハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第二十二條戰時納稅貯蓄ノ拂戾請求權
ノ消滅時效ハ十年ヲ以テ完成ス
第二十三條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ戰時納稅貯蓄ニ關スル事務ヲ市町村、
日本銀行其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ヲ
シテ取扱ハシムルコトヲ得
國稅徵收法第五條第一項及第八條ノ規
定ハ市町村ノ收納スル戰時納稅貯蓄ノ
收入金ニ付之ヲ準用ス
政府ハ第一項ノ規定ニ依リ事務ノ取扱
ヲ爲ス者ニ對シ其ノ費用トシテ命令ノ
定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコト
ヲ得
第二十四條戰時納稅貯蓄ノ收入金ハ第
十七條ノ當該租稅額ニ相當スル金額ニ
付テハ之ヲ當該租稅收入トス
戰時納稅貯蓄ノ收入金ハ前項ノ租稅收
入タルモノヲ除クノ外之ヲ公債ノ發行
ニ依ル收入金ト看做シ大東亞戰爭ニ關
スル臨時軍事費ノ財源ニ充ツルモノト
ス
第二十五條戰時納稅貯蓄ノ收入金額ハ
之ヲ昭和十二年法律第八十四號ニ依ル
公債ノ發行額ト看做ス此ノ場合ニ於テハ
第十七條ノ當該租稅額ニ相當スル金額
ハ之ヲ公債ノ發行價格差減額ト看做ス
國倩整理基金特別會計法ノ適用ニ付テ
ハ戰時納稅貯蓄ハ之ヲ國債ト看做ス但
シ同法第二條第二項ノ規定ノ適用ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
第五章雜則
第二十六條納稅團體ノ業務、納稅準備
預金及戰時納稅貯蓄ニ關スル書類ニハ
印紙稅ヲ課セズ
第二十七條左ノ場合ニ於テハ法人ノ代
表者ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
-第七條ノ規定ニ違反シ納稅積立金
ヲ積立テズ又ハ納稅積立金ヲ使用シ
タルトキ
二第八條ノ規定ニ違反シ納稅積立金
ヲ納稅準備預金ヲ以テ保有セザルトキ
第二十八條左ノ場合ニ於テハ納稅團體
ノ代表者ヲ三百圓以下ノ過料ニ處ス
-第三條ノ規定ニ違反シ納稅資金ヲ
納稅準備預金又ハ郵便貯金ヲ以テ保
有セザルトキ
二第六條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シタルトキ
第二十九條左ノ場合ニ於テハ納稅團體
ノ代表者ヲ百圓以下ノ過料ニ處ス
-本法ニ依ル屆出ヲ爲サザルトキ
二第四條ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ
爲サズ又ハ虛僞ノ記載ヲ爲シタルト
キ
三第六條第一項ノ規定ニ依ル稅務署
長若ハ其ノ代理官又ハ市町村長ノ質
問ニ對シ答辯ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ陳
述ヲ爲シタルトキ
四第六條第一項ノ規定ニ違反シ報〓
ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ報告ヲ爲シ又ハ
帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ拒ミ、
妨ゲ若ハ忌避シタルトキ
第三十條市制第六條又ハ第八十二條第
三項ノ市ニ於テハ本法中市長ニ關スル
規定ハ區長ニ之ヲ適用ス
町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ本法中
町村ニ關スル規定ハ町村ニ準ズベキモ
ノニ、町村長ニ關スル規定ハ町村長ニ
準ズベキモノニ之ヲ適用ス
第三十一條本法ニ規定スルモノノ外納
稅團體、法人納稅積立金、納稅準備預
金及戰時納稅貯蓄ニ關シ必要ナル事項
ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
法人納稅積立金ニ付テハ昭和十八年十月
一日以後終了スル事業年度分ヨリ本法ヲ
適用ス
本法施行ノ際現ニ第一條ニ規定スル事業
ヲ行フ町內會部落會其ノ他ノ團體ノ代表
者ハ本法施行ノ日ヨリ二月以內ニ命令ノ
定ムル所ニ依リ規約ヲ稅務署長又ハ市町
村長ニ屆出ヅベシ
臨時資金調整法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
內務大臣湯澤三千男
臨時資金調整法中改正法律案
臨時資金調整法中左ノ通改正ス
第十條ノ三政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ銀行、信託會社、保險會
社、市街地信用組合其ノ他命令ノ定ム
ル者ニ對シ方法又ハ條件ヲ指定シ資金
ノ吸收ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコト
ヲ得
第十條ノ四政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ命令ノ定ムル貯蓄ニノミ
充ツルコトヲ得ル證劵ヲ發行シ又ハ命
令ノ定ムル者ヲシテ發行セシムルコト
ヲ得
前項ニ規定スル證劵ハ無記名トシ賣出
ノ方法ニ依リ之ヲ發行スルモノトス
第十條ノ五政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ貯蓄債劵
及報國債劵ヲ除クノ外命令ノ定ムル所
ニ依リ命令ノ定ムル者ヲシテ抽籤ヲ以
テ割增金ヲ附スルコトヲ得ル債劵其ノ
他ノ證劵ヲ發行セシムルコトヲ得
商法第二百九十六條乃至第二百九十八
條、第二百九十九條第一項、第三百五條
及第三百十七條ノ規定ハ前項ニ規定スル
債劵ガ社債ナル場合ニハ之ヲ適用セズ
第一項ニ規定スル證劵ノ發行ニ依ル收
入金ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ運用
スベシ
前條第二項ノ規定ハ第一項ニ規定スル
證劵ニ之ヲ準用ス
第十條ノ六第十條ノ四ノ規定ニ依リ命
令ノ定ムル者ノ發行スル證劵及前條第
一項ニ規定スル證劵ニハ印紙稅ヲ課セ
ズ
通貨及證劵模造取締法ハ第十條ノ四及
前條第一項ニ規定スル證劵ノ模造ニ之
ヲ準用ス
第十條ノ七政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ命令ノ定ムル者ヲシテ抽
籖ヲ以テ割增金ヲ附スルコトヲ得ル預
金ノ取扱ヲ爲サシムルコトヲ得
第十條ノ八第十條ノ三、第十條ノ五第
一項若ハ前條ノ規定ニ基ク貯蓄又ハ第
十條ノ四ノ貯蓄ヲ爲ス者ニ付テハ命令
ノ定ムル所ニ依リ當該貯蓄ノ利子又ハ
利益ニ關シ租稅ノ減免ヲ爲スコトヲ得
第十五條第一項中「第三十五條ノ二乃至
第三十五條ノ四」ヲ「第三十五條ノ二第一
項乃至第三項、第三十五條ノ三」三菱〇
同條第二項中「第二百九十八條」ノ下ニ
マ第三百五條及第三百十七條」ヲ加フ
第十五條ノ二政府ハ必要アリト認ムル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ銀行、信
託會社、證劵引受業者其ノ他ノ者ニシ
テ命令ノ定ムルモノニ對シ價格、方法
其ノ他必要ナル事項ヲ定メ有價證劵ノ
賣買ヲ爲シ又ハ政府ノ指定スル法人ノ
爲ニ有價證劵ノ賣買ノ代理若ハ媒介ヲ
爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十五條ノ三政府ハ前條ノ規定ニ依リ
有價證劵ノ賣却又ハ其ノ代理若ハ媒介
ヲ爲サシムル爲必要アリト認ムルトキ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ銀行、信託會
社證劵引受業者其ノ他ノ者ニシテ命
令ノ定ムルモノニ對シ種類、數量其ノ
他必要ナル事項ヲ定メ有價證劵ヲ保有
スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十五條ノ四政府ハ第十條ノ三又ハ前
二條ノ規定ニ依リ命令ヲ爲ス場合ニ於
テハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リ生
ジタル損失ヲ補償シ又ハ補助金ヲ交付
スルコトヲ得
第十五條ノ五政府ハ株式ノ市價安定ヲ
圖ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ金融機關其ノ他命令ノ
定ムル者ニ對シ其ノ所有スル株式ノ一
部ヲ戰時金融金庫又ハ日本證劵取引所
ニ對シ時價ヲ以テ讓渡スベキコトヲ命
ズルコトヲ得
第十七條ニ左ノ一號ヲ加フ
四第十五條ノ二又ハ第十五條ノ五ノ
規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第十八條中第四號ヲ第五號トシ第三號ヲ
第四號トシ第二號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
三第十條ノ三又ハ第十五條ノ三ノ規
定ニ依ル命令ニ違反シタル者
附則第二項中「本法ハ」ノ下ニ「第十條ノ
三乃至第十條ノ八、」ヲ加フ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業
務ノ兼營等ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宜
普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業
務ノ兼營等ニ關スル法律案
第一條銀行法ニ依リ銀行業ノ免許ヲ受
ケタル銀行(以下普通銀行ト稱ス)ハ他
ノ法律ニ拘ラズ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
貯蓄銀行法ニ依リ貯蓄銀行ノ營ム業務
(以下貯蓄銀行業務ト稱ス)又ハ信託業
法ニ依リ信託會社ノ營ム業務(以下信
託業務ト稱ス)ヲ營ムコトヲ得
普通銀行前項ノ認可ヲ受ケントスルト
キハ申請書ニ業務ノ種類及方法ヲ記載
シタル書面ヲ添附シ之ヲ主務大臣ニ提
出スベシ
第二條貯蓄銀行業務ヲ營ム普通銀行ハ
貯蓄銀行法第一條第一項及第五條第六
號ニ揭グル業務ニ依リ受入レタル金額
ノ三分ノ一以上ノ金額ニ相當スル國債
ヲ供託スベシ但シ供託金額中受入金額
ノ五分ノ一ヲ超ユル額ニ付テハ主務大
臣ノ指定スル有價證劵ヲ以テ國債ニ代
フルコトヲ得
前項ノ普通銀行ハ主務大臣ノ定ムル所
ニ依リ大藏省預金部ヘノ預ヶ金ヲ以テ
同項ノ供託ニ代フルコトヲ得
第一項ノ受入金額ハ每營業年度末日現
在ニ依リ之ヲ定ム
貯蓄銀行法第十條ノ規定ハ第一項ノ普
通銀行ノ同法第一條第一項ニ揭グル業
務ニ依ル預金者及給付金ノ債權者竝ニ
同法第五條第六號ニ揭グル業務ニ依ル
有價證劵ノ給付ヲ受クベキ債權者ニ付
之ヲ準用ス
第三條有價證劵割賦販賣業法第八條乃
至第十一條ノ規定ハ普通銀行ガ貯蓄銀
行法第五條第六號ニ揭グル業務ヲ營ム
場合ニ之ヲ準用ス
第四條信託業法第七條乃至第十條ノ規
定ハ普通銀行ガ信託業務ヲ營ム場合ニ
之ヲ準用ス
第五條普通銀行ガ貯蓄銀行業務又ハ信
託業務ヲ營ム場合ニ於テ當該業務ノ種
類又ハ方法ヲ變更セントスルトキハ主
務大臣ノ認可ヲ受クベシ
主務大臣必要アリト認ムルトキハ貯蓄
銀行業務又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行
ニ對シ當該業務ノ種類若ハ方法ヲ制限
シ又ハ其ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第六條信託會社又ハ信託業務ヲ營ム普
通銀行ガ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニ
於テ商法第百條第一項ノ規定ニ依リテ
爲スベキ催告ハ金錢信託ノ受益者ニ對
シテハ之ヲ爲スコトヲ要セズ
信託會社ガ合併ノ決議ヲ爲シタル場合
ニ於テ商法第百條第一項但書ノ期間ハ
一月迄之ヲ下スコトヲ得合併ニ因ル株
式併合ノ場合ニ於テ商法第三百七十七
條第一項但書ノ期間ニ付亦同ジ
第七條信託業務ヲ營ム普通銀行ト信託
會社又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行トガ
合併シタルトキハ合併後存續シ又ハ合
併ニ因リテ設立シタル信託業務ヲ營ム
普通銀行ハ合併ニ因リテ消滅シタル信
託會社又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行ノ
信託ニ關スル權利義務ヲ承繼ス
信託業法第十六條第二項ノ規定ハ前項
ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八條普通銀行ノ營ム貯蓄銀行業務ハ
租稅ニ關スル法令ノ適用ニ關シ之ヲ貯
蓄銀行ノ營ム業務ト看做ス
信託業務ヲ營ム普通銀行ハ其ノ信託業
務ニ付テハ租稅ニ關スル法令ノ適用ニ
關シ之ヲ信託會社ト看做ス
第九條特別ノ法令ニ依リ設立セラレタ
ル銀行ニシテ主務大臣ノ指定スルモ
ノ(以下指定銀行ト稱ス)ハ他ノ法律ニ
拘ラズ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ營
ムコトヲ得
指定銀行貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ
營マントスルトキハ業務ノ種類及方法
ニ付主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第二條乃至前條ノ規定ハ第一項ノ場合
ニ之ヲ準用ス
第十條左ノ場合ニ於テハ貯蓄銀行業務
又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行又ハ指定
銀行ノ役員又ハ〓算人ヲ千圓以下ノ過
料ニ處ス
-第二條第一項(前條第三項ニ於テ
準用スル場合ヲ含ム)、第三條(前條
第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)
ニ於テ準用スル有價證劵割賦販賣業
法第十條及第四條(前條第三項ニ於
テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)ニ
於テ準用スル信託業法第七條ノ規定
ニ違反シタルトキ
二第四條ニ於テ準用スル信託業法第
九條ノ規定又ハ同法同條ニ基ク命令
ニ違反シテ信託ニ付補塡又ハ補足ノ
契約ヲ爲シタルトキ
三第四條ニ於テ準用スル信託業法第
十條ノ規定ニ違反シテ信託財產ヲ固
有財產ト爲シタルトキ
四第五條(前條第三項ニ於テ準用ス
ル場合ヲ含ム以下同ジ)第一項ノ規
定ニ違反シタルトキ
五第五條第二項ノ規定ニ依ル主務大
臣ノ命令ニ違反シタルトキ
六前條第二項ノ規定ニ違反シタルト
キ
七信託法第二十八條ノ規定ニ依リテ
爲スベキ信託財產ノ管理ヲ爲サザル
トキ
八信託法第三十九條ニ規定スル事務
ノ處理若ハ計算ヲ爲サズ又ハ財產目
錄ヲ作成セザルトキ
九正當ノ理由ナクシテ信託法第四十
條ノ規定ニ依ル閱覽ヲ拒ミ又ハ說明
ヲ爲サザルトキ
附則
第十一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十二條貯蓄銀行法中左ノ通改正ス
第十一條第一項第七號中「一年內」ヲ
「五年內」ニ改メ同條同項第十號中「信
託會社」ノ上ニ「信託業務ヲ營ム銀行又
ハ」ヲ加ヘ同條同項第十一號中「銀行又
ハ信託會社ノ引受アル」ヲ削ル
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項第十一號ニ規定スル手形ニシ
テ銀行又ハ信託會社ノ引受アルモノ
以外ノモノニ付亦前項ニ同シ
第十三條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタル場合
ハ此ノ限ニ在ラス
第十四條第一項中「預ケ金」ノ下ニ
「、信託財產」ヲ加フ
第十三條無盡業法中左ノ通改正ス
第十條第一項第五號ヲ左ノ如ク改ム
五信託業務ヲ營ム銀行又ハ信託會
社ヘ命令ノ定ムル所ニ依リ爲ス金
錢信託
第二十一條ノ四第三項中「信託會社」ノ
上ニ「信託業務ヲ營ム銀行若ハ」ヲ加
フ
第十四條國民貯蓄組合法中左ノ通改正
ス
第二條第一項第三號中「信託會社」ノ上
ニ「信託業務ヲ營ム銀行又ハ」ヲ加フ
銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
司法大臣岩村通世
大藏大臣賀屋興宜
銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法律案
第一條銀行法中左ノ通改正ス
第九條中「一月ヨリ六月迄及七月ヨリ
十二月迄」ヲ「四月ヨリ九月迄及十月ヨ
リ翌年三月迄」ニ改ム
第十二一條中「二囘」ヲ「一囘」ニ改ム
第二條保險業法中左ノ通改正ス
第八十二條第一項中「一囘一定ノ時期」
ヲ「三月末日」ニ改ム
第九十一條中「二囘」ヲ「一囘」ニ改ム
第百五十六條削除
第三條無盡業法中左ノ通改正ス
第十五條中「一月ヨリ六月迄及七月ヨ
リ十二月迄」ヲ「四月ヨリ九月迄及十月
ヨリ翌年三月迄」ニ改ム
第四條有價證劵引受業法中左ノ通改正
ス
第九條中「六月ヨリ十一月迄及十二月
ヨリ五月迄」ヲ「四月ヨリ九月迄及十月
ヨリ翌年三月迄」ニ改ム
第十九條第二項ヲ削ル
第五條庶民金庫法中左ノ通改正ス
第二十八條中「一月ヨリ六月迄及七月
ヨリ十二月迄」ヲ「四月ヨリ翌年三月
迄」ニ改ム
第四十一條削除
第六條恩給金庫法中左ノ通改正ス
第四十三條中「一月ヨリ六月迄及七月
ヨリ十二月迄」ヲ「四月ヨリ翌年三月
迄」ニ改ム
第四十五條中「二十事業年度」ヲ「十六
事業年度」ニ改ム
第五十七條削除
第七條擔保附社債信託法ニ依ル受託會
社ガ社債ノ擔保ヲ變更セントスル場合
ニ於テ變更後ニ於ケル擔保ノ價格ガ未
償還社債ノ元利金ヲ擔保スルニ足ルト
認ムルトキハ當分ノ內同法第七十五條
ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ
主務大臣ノ認可ヲ受ケ社債權者集會ノ
決議ニ依ラズ委託會社トノ契約ヲ以テ
當該變更ヲ爲スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ノ日ノ屬スル營業年度又ハ事業
年度ニ關シテハ仍從前ノ規定ニ依ル
戰爭死亡傷害保險法案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
戰爭死亡傷害保險法案
戰爭死亡傷害保險法
第一條本法ニ於テ戰爭死亡傷害保險ト
ハ戰爭ノ際ニ於ケル戰鬪行爲又ハ之ニ
關聯アル事件ニ因ル死亡傷害ノミヲ保
險事故トスル保險ヲ謂フ
第二條政府ノ指定スル保險會社ニ對シ
保險料ヲ添へ戰爭死亡傷害保險契約ノ
申込ヲ爲シタル者アルトキハ申込ノ時
ニ於テ申込者ト常該保險會社トノ間ニ
戰爭死亡傷害保險契約成立シタルモノ
ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ政府ノ指定スル保險
會社ガ相互會社ナルトキハ申込者ハ戰
爭死亡傷害保險契約ニ關シテハ其ノ社
員ト爲ルコトナシ
第三條政府ハ國民經濟上必要アリト認
ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ戰爭
死亡傷害保險ノ保險金ノ支拂ヲ受クル
者ニ對シ其ノ保險金ノ處分ニ關シ必要
ナル指示ヲ爲シ又ハ保險會社ニ對シ當
該保險金ノ支拂ノ時期若ハ方法ニ關シ
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ニ基キ支拂ヲ延
期シタル保險金ニハ命令ノ定ムル所ニ
依リ利息ヲ附スベシ
第四條本法ニ定ムルモノノ外保險事故、
被保險者、保險金ヲ受取ルベキ者、保
險金額、保險料、保險期間其ノ他戰爭
死亡傷害保險ニ關シ必要ナル事項ハ命
令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條戰爭死亡傷害保險ニ關スル書類
ニハ印紙稅ヲ課セズ
第六條政府ハ戰爭死亡傷害保險ニ關シ
必要アリト認ムルトキハ保險會社、保
險契約者、被保險者又ハ保險金ヲ受取
ルベキ者ヲシテ必要ナル報告ヲ爲サシ
ムルコトヲ得
政府ハ戰爭死亡傷害保險ニ關シ必要ア
リト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ保險
會社ノ營業所其ノ他ノ場所ニ臨檢シ帳
簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得此ノ場
合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶
セシムベシ
第七條政府ハ戰爭死亡傷害保險ニ關ス
ル業務ニ因リ保險會社ガ損失ヲ受ケタ
ルトキハ當該保險會社ニ對シ其ノ損失
ヲ補償ス
保險會社ハ戰爭死亡傷害保險ニ關スル
業務ニ因リ利益ヲ得タルトキハ其ノ利
益金ヲ政府ニ納付スベシ
前二項ノ損失及利益ヲ決定スル基準其
ノ他損失補償及利益金納付ニ關シ必要
ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條法人稅法ニ依ル所得、營業稅法
ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利益
ノ計算ニ付テハ保險會社ノ戰爭死亡傷
害保險關係ニ基ク收入及前條第一項ノ
規定ニ依ル補償金ハ其ノ總益金ヨリ、
保險會社ノ戰爭死亡傷害保險關係ニ基
ク支出及同條第二項ノ規定ニ依ル納付
金ハ其ノ總損金ヨリ之ヲ控除ス
第九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五
百圓以下ノ罰金ニ處ス
-第六條第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ
爲サズ又ハ虛僞ノ報告ヲ爲シタル者
二同條第二項ノ規定ニ依ル臨檢檢査
ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
法人又ハ人ノ代理人、戶主、家族、同
居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人
又ハ人ノ業務ニ關シ前項第一號ノ違反
行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人又ハ人
ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其
ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第一項第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナ
ルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ
業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ
禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ
之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同
一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此
ノ限ニ在ラズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
戰爭保險臨時措置法中左ノ通改正ス
第十一條ノ二法人稅法ニ依ル所得、營
業稅法ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依
ル利益ノ計算ニ付テハ保險會社ノ戰爭
保險關係ニ基ク收人金額及其ノ利息、
戰争保險ノ保險事故發生シタル保險ノ
目的ニ付損害保險契約アルトキハ其ノ
保險料中命令ヲ以テ定ムル額竝ニ前條
第一項ノ規定ニ依ル補償金ハ其ノ總益
金ヨリ、保險會社ノ戰爭保險關係ニ基
ク支拂金額及其ノ支拂ノ爲ニ借入レタ
ル金額ノ利息竝ニ同條第二項ノ規定ニ
依ル納付金ハ其ノ總損金ヨリ之ヲ控除
ス
鹽專賣法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
鹽專賣法中改正法律案
鹽專賣法中左ノ通改正ス
第五條第二項ヲ左ノ如ク改ム
鹹水ヲ鹽製造以外ノ用途ニ使用セムト
スルトキハ政府ノ許可ヲ受クヘシ
前項ノ許可ヲ受ケ鹹水ヲ使用シ得ル用
途ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
鹹水ハ政府ノ許可ヲ受クルニ非サレハ
之ヲ讓渡シ又ハ質入スルコトヲ得ス但
シ鹽製造者ニ讓渡スルハ此ノ限ニ在ラス
第十二條鹽製造者鹽ノ製造ヲ廢止セム
トスルトキハ政府ノ許可ヲ受クヘシ
第十七條ノ二ヲ第十七條ノ十四トス
第十七條ノ二鹽製造者又ハ鹹水製造者
災害ニ因リ鹽又ハ鹹水ノ滅失又ハ損傷其
ノ他ノ事由ニ因ル損害ヲ被リタルトキ
ハ政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ製
造者ニ損害ノ一部ニ對スル補償金ヲ下
付スルコトヲ得
第十七條ノ三鹽製造者、鹹水製造者又ハ
製鹽地所有者ハ鹽專賣戸業ニ協力シ鹽
生產ノ確保及製鹽車業ノ改良發達ヲ圖
ル爲共同ノ施設ヲ爲ス目的ヲ以テ政府
ノ認可ヲ受ケ〓業組合ヲ設立スルコト
ヲ得
鹽業組合ハ法人トス
第十七條ノ四政府ハ必要ト認ムルトキハ
前條第一項ニ揭クル者ニ對シ鹽業組合
ノ設立ヲ命シ又ハ鹽業組合ニ加入スル
コトヲ命スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命セラレタル者
政府ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申
請セサルトキハ政府ハ定款ノ作成其ノ他
設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十七條ノ五鹽業組合ハ設立ノ登記ヲ
爲スニ因リテ成立ス
第十七條ノ六廢業組合カ本法ニ基キテ
發スル勅令ニ依リ登記スヘキ事項ハ其
ノ登記ヲ爲スニ非サレハ之ヲ以テ第三
者ニ對抗スルコトヲ得ス
第十七條ノ七鹽業組合ハ左ノ事業ヲ行
フ
組合員ノ事業ニ必要ナル物ノ供給
及共同設備ノ設置竝ニ組合員ノ製品
ノ加工、保管又ハ販賣
二鹽又ハ鹹水ノ製造ニ關スル指導、
〓究及調査
三其ノ他〓業組合ノ目的達成上必要
ナル統制及施設
鹽業組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ對
スル其ノ事業ニ必要ナル資金ノ貸付、
組合員ノ爲ニスル其ノ事業上ノ債務ノ
保證又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行
フコトヲ得
第十七條ノ八組合員ハ出資一口以上ヲ
有スヘシ
鹽業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ
經費ヲ組合員ニ分賦スルコトヲ得
組合員ノ責任ハ前項ノ規定ニ依ル費用
負擔ノ外其ノ出資額ヲ限度トス但シ鹽
業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合財
產ヲ以テ其ノ債務ヲ完濟スルコト能ハ
サル場合ニ於テ組合員ノ全員カ其ノ出
資額ノ外一定ノ金額(保證金額)ヲ限度
トシテ責任ヲ負擔スルモノト爲スコト
ヲ得
第十七條ノ九政府ハ鹽業組合ニ對シ鹽
專賣ニ關スル事務ノ一部ヲ委任シ又ハ
鹽專賣ニ關スル事務ノ執行上必要ナル
施設ヲ爲シ若ハ其ノ補助ヲ爲スヘキコ
トヲ命スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ政府ハ鹽業組合ニ
對シ命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ下
付スルコトヲ得
第十七條ノ十政府ハ鹽業組合ニ對シ事
業又ハ財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシ
メ、檢査ヲ爲シ、事業ノ計畫若ハ其ノ
執行方法又ハ經費ノ豫算若ハ其ノ徵收
方法ノ變更ヲ命シ其ノ他監督上必要ナ
ル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十七條ノ十一鹽業組合ニハ所得稅、
法人稅及營業稅ヲ課セス
第十七條ノ十二本法ニ規定スルモノノ
外墮業組合ノ設立、登記、管理、解散、
〓算其ノ他鹽業組合ニ關シ必要ナル事
項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條ノ十三鹽業組合又ハ命令ヲ以
テ定ムル鹽製造者若ハ鹹水製造者ハ其
ノ共同ノ目的ヲ達スル爲政府ノ認可ヲ
受ケ鹽業組合聯合會ヲ設立スルコトヲ
得
鹽業組合聯合會及命令ヲ以テ定ムル鹽
業組合ハ其ノ共同ノ目的ヲ達スル爲政
府ノ認可ヲ受ケ鹽業組合中央會ヲ設立
スルコトヲ得
鹽業組合聯合會及鹽業組合中央會ハ法
人トス
鹽業組合ニ關スル規定ハ第十七條ノ三
ノ規定ヲ除クノ外鹽業組合聯合會ニ、
第十七條ノ三及第十七條ノ七第二項ノ
規定ヲ除クノ外鹽業組合中央會ニ之ヲ
準用ス
第二十條ノ二政府ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ鹹水ノ價格ヲ制限スルコトヲ得
第二十五條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ
係ル鹽又ハ鹹水ハ之ヲ沒收ス既ニ讓渡
シ又ハ消費シタルトキハ鹽ニ付テハ第
十八條ノ賣渡定價ニ相當スル金額ヲ、
鹹水ニ付テハ其ノ價格ニ相當スル金額
ヲ追徵ス
ー第三條乃至第五條又ハ第十二條ニ
違反シタル者
二許可ヲ受ケサル土地ニ於テ鹽又ハ
鹹水ヲ製造シタル者
三情ヲ知リテ政府ヨリ賣渡ササル鹽
ヲ讓受ケタル者
第三十條中「又ハ第十二條」ヲ削ル
第三十條ノ二左ノ各號ノ一ニ該當スル
者ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
-第二十條ノ制限ヲ超エテ鹽ヲ販賣
シタル鹽賣捌人
二第二十條ノ二ノ制限ヲ超エテ鹹水
ヲ讓渡シタル者
第四十條ノ二中「、第二十五條」ヲ削ル
第四十條ノ三鹽業組合、鹽業組合聯合
會又ハ鹽業組合中央會ノ役員又ハ〓算
人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ、要求
シ又ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲
役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相
當ノ行爲ヲ爲ササルトキハ五年以下ノ
懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハサルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ス
第四十條ノ四前條第一項ニ揭クル者ニ
對シ賄賂ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約
束ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ
五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第四十條ノ五左ノ場合ニ於テハ第四十
條ノ三第一項ニ揭クル者ヲ五百圓以下
ノ過料ニ處ス
本法ニ基キテ發スル勅令ニ違反シ
登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登
記ヲ爲シタルトキ
二第十七條ノ十(第十七條ノ十三ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)
ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ不正ノ
報〓ヲ爲シタルトキ
三第十七條ノ十ノ規定ニ依ル命令又
ハ處分ニ違反シタルトキ
四第一號ニ該當スル場合ヲ除クノ外
第十七條ノ十二(第十七條ノ十三ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ
基キテ發スル命令ニ違反シタルトキ
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第二條本法施行ノ際現ニ存スル產業組
合、工業組合又ハ工業小組合ニシテ
鹽製造者、鹹水製造者又ハ製鹽地所有
者ノミヲ以テ組織セラレ第十七條ノ七ノ
事業ヲ行フモノ(以下旣存組合ト稱ス)
ハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依ル鹽業
組合ト爲リタルモノトス
前項ノ場合ニ於ケル定款、登記其ノ他
ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ
定ム
第十七條ノ六ノ規定ハ第一項ノ規定ニ
依ル鹽業組合ノ成立ニ付テハ之ヲ適用
セズ
第三條前條第一項ノ規定ニ依ル鹽業組
合ノ成立ニ因リ既存組合ハ之ニ吸收セ
ラルルモノトシ旣存組合ノ權利義務ハ
鹽業組合ニ於テ之ヲ承繼ス
第四條附則第二條第一項ノ規定ニ依リ
旣存組合ガ鹽業組合ト爲リタルトキハ
其ノ既存組合ノ組合員ノ出資ハ當該鹽
業組合ニ對スル出資ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ既存組合ニ對スル出
資ノ持分ノ上ニ存在スル質權ハ鹽業組
合ニ對スル出資ノ持分ノ上ニ存在ス
第五條附則第二條第一項ノ場合ニ於テ
鹽業組合ト爲リタル旣存組合ガ產業組
合中央金庫又ハ商工組合中央金庫ノ出
資者ナルトキハ當該鹽業組合ハ本法施
行後二月以内ニ產業組合中央金庫又ハ
商工組合中央金庫ノ定款ノ定ムル所ニ
依リ其ノ持分ヲ他ニ讓渡スコトヲ要
ス
前項ノ讓渡ナキ場合ニ於テ當該持分ノ
讓渡ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第六條產業組合中央金庫、信用組合聯
合會、商工組合中央金庫、工業組合聯
合會又ハ工業組合ハ其ノ貸付先タル旣
存組合ガ附則第二條第一項ノ規定ニ依
リ鹽業組合ト爲リタルトキハ當該鹽業
組合ニ對シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ從來
ノ貸付ヲ繼續スルコトヲ得
第七條附則第二條第一項ノ規定ニ依リ
旣存組合ガ鹽業組合ト爲リタルトキハ
所得稅法、法人稅法及臨時利得稅法又
ハ特別法人稅法ノ適用ニ關シテハ旣存
組合ハ之ヲ合併ニ因リテ消滅シタル法
人又ハ特別ノ法人ト看做シ鹽業組合ハ
之ヲ合併ニ因リテ設立シタル法人又ハ
特別ノ法人ト看做ス
鹽業組合ガ附則第三條ノ規定ニ依リ既
存組合ヨリ承繼シタル財產ニ付テハ特
別法人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算上之ヲ
益金ニ算入セズ
第八條鹽業組合ガ附則第三條ノ規定ニ
依リ承繼シタル不動產ニ關スル權利ノ
取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其
ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格ノ千分ノ
三トス但シ登錄稅法ニ依リ算出シタル
登錄稅ノ額ガ本條ノ規定ニ依リ算出シ
タル稅額ヨリ少キトキハ其ノ額ニ依ル
第九條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「又ハ貸室組合聯合
會」ヲ「、貸室組合聯合會、鹽業組合、鹽
業組合聯合會又ハ鹽業組合中央會」ニ、
「又ハ貸家組合法」ヲ「、貸家組合法又
ハ鹽專賣法」ニ改ム
第十條印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第六號中「產業組合」ノ下ニ「若
ハ鹽業組合」ヲ加フ
第十一條特別法人稅法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ一號ヲ加フ
十鹽業組合、鹽業組合聯合會及鹽
業組合中央會
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=8
-
009・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題ト相成
リマシタ國民貯蓄組合法中改正法律案外六
件ニ付、其ノ提案ノ理由ヲ說明致シマス、
先ヅ國民貯蓄組合法中改正法律案ニ付說明
申上ゲマス、戰時財政經濟ノ圓滑ナル運行
ヲ確保シマシテ、大東亞戰爭ノ完遂ヲ期セ
ムガ爲ニハ、益〓國民貯蓄ノ增强ニ力ヲ盡ス
ベキコトハ多ク說明ヲ要シナイ所デアリマ
ス、之ガ爲政府ニ於キマシテハ從來各般ノ
有效適切ナル施策ヲ講ジツヽアリマスル
ガ、就中國民貯蓄組合ヲ通ズル貯蓄ノ增加
ヲ更ニ一層促進スルハ、此ノ際特ニ緊要ト
存ジマスルノデ、本法律案ヲ提出致シタ次
第デアリマス、改正ノ要點ヲ申上ゲマスレ
バ第一ハ、國民貯蓄組合ノ幹旋ニ依ル貯
蓄ニ關スル課稅上ノ特典ヲ擴張致シマシテ、
之ガ利子又ハ利益ニ對シマシテハ、其ノ元
本ガ七千圓ヲ超エザル限リ、分類所得稅ノ
ミナラズ、綜合所得稅ヲモ賦課セザルコト
ト致シタ點デアリマス、第二ハ、勤務先預
ケ金ニ關スル規定ヲ新タニ設ケマシテ、此
ノ種預ヶ金ハ、向後原則トシテ國民貯蓄組
合ノ幹旋ニ依リ受入ルベキモノトナシ、其
ノ受入ノ方法又ハ受入レタル資金ノ運用ニ
關シマシテハ必要ナル指示ヲナシ得ルコ
トト致シマシタ點デアリマス、其ノ他市町
村ヲ單位トスル地域組合ノ組織ヲ認ムルコ
ト、組合ノ監督規定ニ付若干ノ改正ヲ加ヘ
タコト等ヲ、其ノ骨子トスルモノデアリマ
ス、次ニ納稅施設法案ニ付說明致シマス、
國民ノ租稅負擔ハ、戰時下ニ於ケル我ガ財
政需要ノ增加ニ伴ヒマシテ、屢次ノ增稅ニ
依リ急激ニ增大ヲ致シ、國民ノ經濟生活上、
租稅負擔額ハ相當大ナル部分ヲ占ムルニ至ッ
タノデアリマス、從ヒマシテ國民ハ戰時
下ニ於ケル經濟生活ニ於キマシテハ當に
納稅ニ對スル準備ヲ怠ラザルコトガ肝要ナ
ルコトハ申ス迄モナイ所デアリマスガ、政
府ニ於キマシテモ、國民ノ納稅ノ履行ヲ容
易ナラシメ、併セテ國民貯蓄ノ增强等ニ資
シマスル爲、本法律案ヲ提出シタ次第デア
リマス、政府ハ從來ニ於テモ、國民ノ納稅
精神ノ〓揚ヲ圖ルト共ニ、納稅組合ノ普及
勸奬其ノ他各種ノ行政的施策ニ依リ、納稅
資金ノ蓄積ト滯納防止ニ力ヲ盡シテ參ッタノ
デアリマスルガ、併シナガラ是等行政的施
策ノミヲ以テシマシテハ未ダ十分ニ其ノ
實效ヲ擧ゲ得ザルノミナラズ、他方豫メ納
稅資金ノ準備ヲ爲シ置クコトニ關シ、適切
ナル制度ガ完備シテ居リマセヌ實情等ヲ省
察シマシテ、今囘政府ハ納稅施設法ヲ制定
シ、以下申述ベマスルガ如キ事項ヲ綜合規
定スルノ必要ヲ認メタ次第デアリマス、卽
チ納稅ニ關シ公共的事業ヲ行フ町內會、部
落會及納稅組合ヲ、納稅團體ナル法制上ノ
團體トシテ認メ、之ガ普及發達ニ付助成ノ
途ヲ講ジマスルト共ニ、其ノ指導監督上必
要ナル事項ヲ規定シ、以テ其ノ健全ナル發
展ヲ期スルコトト致シタノデアリマス、又
法人ニ對シマシテハ納稅積立金ノ積立ヲ
爲サシメ、其ノ一部ニ付テハ、預金ヲ以テ
之ヲ保有セシメマシテ、納稅ヲ容易確實ナ
ラシメマスルト共ニ、會社經理ノ適正ニ資
スルノ效果ヲモ期待致サムトスルモノデア
リマス、次ニ專ラ租稅公課ノ納付ニ充ツル
コトヲ目的トスル納稅準備預金ナル新種預
金ヲ設ケマシテ、之ニ對シテハ各種ノ便宜
又ハ特典ヲ與ヘ、國民ノ納稅準備及ビ租稅
公課ノ納付ニ關シ、有利ニシテ且便宜ナル
手段ヲ提供スルコトト致シタ次第デアリマ
ス、又戰時財政經濟ノ運營上、資金ノ圓滑
ナル調達ヲ圖リマスル爲、國民貯蓄ノ增强
ニ俟ツベキモノ大デアリマスルガ、今囘新
タニ租稅ノ納付ト國民貯蓄ノ增强トヲ關聯
セシメマシタル租稅ノ貯蓄納付制度ヲ創設
スルコトト致シタノデアリマス、本制度ノ
目的トスル所ハ、特定ノ租稅ノ一定倍數ニ
相當スル金額ノ貯蓄、卽チ戰時納稅貯蓄ヲ
爲シタトキニ於キマシテ、當該租稅ノ納付
ト同一ノ效果ヲ生ゼシメルコトニ依リマシ
テ、一方國民ノ納稅義務ノ履行ヲ容易ナラ
シムルト共ニ、他方國民貯蓄ノ積極的ナル
增强ト、財政資金ノ圓滑ナル調達ヲ圖ラム
トスルニアルノデアリマス、以上ガ今囘
納稅施設法案ヲ提出致シマシタ理由デア
リマス、次ニ臨時資金調整法中改正法律
案ニ付キマシテ說明致シマス、大東亞戰爭
ガ決戰段階ニ入ルニ伴ヒマシテ、巨額ナル
戰費及ビ其ノ他戰力增强ノ爲必要ナル資金
ヲ確保致シマスルコトガ、愈〓緊要ノ度ヲ
加へ、之ガ爲ニハ各般ノ措置ヲ講ジ、國民
貯蓄ノ增强、國債、社債、株式、其ノ他ノ消
化促進ヲ圖ル必要ガアルノデアリマス、而
シテ國民貯蓄ノ增强ハ、固ヨリ國民ノ愛國ノ
熱誠ニ俟ツベキモノデハアリマスガ、他面
色々ノ工夫ヲ致シマシテ、國民ノ貯蓄心理
ヲ捉へ、之ニ愬ヘマシテ、貯蓄ノ實行シ得
ル機會ヲ捕捉スルニ遺憾ナキヲ期シマスル
ト共ニ、國債其ノ他ノ證劵ノ適正簡易安全
ナル賣買機構ヲ整備シ、株式ノ市價安定ノ
方途ヲ整ヘ、以テ證劵ノ消化促進、價格ノ
安定、產業資金ノ調達、及ビ國民貯蓄ノ保
護ニ遺憾ナカラシムル要ガアルノデアリマ
シテ、之ガ爲今般臨時資金調整法ヲ改正シ、
之ニ必要ナル規定ヲ設クルコトト致シタノ
デアリマス、改正ノ主ナル點ヲ申上ゲマス
レバ、第一點ハ、新種貯蓄方法ノ實施及ビ新
種證劵ノ發行デアリマス、卽チ第一ニ銀行
其ノ他ノ所謂貯蓄取扱機關等ニ對シマシテ、
政府ハ新種貯蓄ノ取扱ヲナサシメ、或ハ各
種ノ貯蓄施設ノ整備ヲ圖ラシムル等、資金
ノ吸收ニ關シ必要ナル命令ヲナシ得ルコト
ト致シタノデアリマス、第二ニ、一定ノ預貯
金等ニノミ充ツルコトヲ得ル證劵ヲ政府自
ラ發行シ、又ハ一定ノ者ヲシテ發行セシメ、
之ニ依リ現在國債其ノ他ノ債劵ノ發行時
期賣出期間、券面金額等ニ付、貯蓄手段ト
シテ不便ノアリマス點ヲ補ハムト致スノデ
アリマス、第三ニ、國民大衆ノ微妙ナル心
理ヲ把握シ、所謂浮動購買力ノ吸收ヲ圖ル
手段ト致シマシテハ、現在貯蓄債劵、報國
債劵、或ハ割增金附郵便貯金切手ガ發行サ
レテ居リマスガ、是レ以外ニ更ニ新タナル
構想ノ下ニ各種各樣ノ方法ヲ實施シ得ルヤ
ウ、一定ノ者ヲシテ新種ノ割增金附證劵ヲ
發行セシメ、或ハ割增金附預金ヲ取扱ハシ
メ得ルコトト致シタイト存ズルノデアリマ
ス、改正ノ第二點ハ、貯蓄債劵及ビ報國債
劵ノ發行償還ニ伴フ手續ノ簡易化ヲ圖ッタ
コトデアリマス、國民貯蓄增加ノ爲、貯蓄
債劵及ビ報國債劵ノ發行ハ、〓愈〓增加スベ
キモノト考ヘラルヽノデアリマスルガ、之
ニ伴フ發行償還事務ノ輻輳ヲ緩和スル爲、
貯蓄債劵及ビ報國債劵ニ關シテハ、社債原
簿制度ヲ省略シマスルト共ニ、日本勸業銀
行本支店所在地ニ於ケル發行竝ニ償還登記
ヲ省略スルコトガ適當デアルト認メタノデ
アリマス、改正ノ第三點ハ、適正簡易、且
安全ナル有價證劵ノ賣買機構ヲ整備セムト
スルコトデアリマス、決戰態勢下ニ於キマ
シテ、戰費及ビ生產力擴充資金等ヲ調達ス
ル爲、國債、貯蓄債劵其ノ他ノ有價證劵ノ
發行額ハ愈〓增加シ、之ガ消化ヲ圓滑ナラシ
ムルノ要ハ、愈〓緊切ナルモノガアリマスル
ガ、是等證劵ノ一般國民ニ依ル消化ヲ促進
シ、證劵所有者ノ保護ヲ圖リマス爲ニハ、
適正簡易且安全ナル有價證劵ノ賣買機構ヲ
整備スル必要ガアルト認メラレルノデアリ
マスノデ、今般政府ハ必要アルトキハ金融
機關及證劵引受業者等ニ對シテ、價格、方
法ヲ定メ、一定ノ國債、貯蓄債劵、報國債
劵等ノ賣買、又ハ其ノ代理若ハ媒介ヲ爲ス
ベキコトヲ命ジ得ルコトト致シ、之ニ伴ヒ
必要ニ應ジ政府ニ於テ損失ヲ補償シ、又
ハ補助金ヲ交付シ得ルコトト致シタノデア
リマス、最後ニ改正ノ第四點ハ、株式ノ讓
渡命令ニ關スルコトデアリマス、大東亞戰
爭下株式ノ市價安定ヲ圖リ、以テ資金動員
ノ適正ヲ期シ、產業資金ノ調達、國民貯蓄
ノ保護ニ遺憾ナカラシムルコトノ緊要ナル
コトハ論ヲ俟タザル所デアリマシテ、從來之
ガ爲ノ一方策トシマシテハ戰時金融金庫
ハ政府ノ指導ノ下ニ株式ノ市價安定ノ爲ニ
スル賣買ヲ行ッテ居リマス、又別途提案ヲ致
シマスル日本證劵取引所法案ニ依リマシテ
新設ノ日本證券取引所モ、同樣ノ機能ヲ有
スルコトニ相成ルノデアリマスルガ、今後
株式市價ノ過當ナル〓騰時ニ際シマシテ、
之ガ抑制ノ爲ニスル是等機關ノ賣出動ヲ效
果アラシメマスル爲ニハ、豫メ又ハ何時ニ
テモ其ノ手持株式ヲ充實シ得ルノ態勢ヲ整
ヘテ置クコトガ必要デアルノデアリマス
故ニ金融機關其ノ他ノ者ニ對シ、戰時金融
金庫又ハ日本證券取引所ヘ株式ヲ讓渡スベ
キ命令ヲ爲シ得ル制度ヲ設クルコトト致シ
タ次第デアリマス、次ニ普通銀行等ノ貯蓄
銀行業務又ハ信託業務ノ兼營等ニ關スル法
律案ニ付說明ヲ致シマス、現下ノ時局ニ
顧ミマスレバ資金ノ蓄積、貯蓄ノ增强ハ
極メテ必要ナノデアリマシテ、有ラユル金
融上ノ施設ヲ動員シ、國民ヲシテ其ノ好ム
所ノ形態ニ於テ、好ム所ノ機關ニ對シテ、
資金ノ蓄積ヲ行ハシメルコトガ極メテ肝要
デアリマス、就中大衆的預金及ビ長期貯蓄的
資金ノ吸收ニ、最モ重點ヲ置イテ施策スル
ノ必要ガアルノデアリマス、他面國家資金
ノ配分ガ計畫化セラレマシタル結果、普通
銀行、貯蓄銀行及信託會社ノ資金ノ吸收及
運用ノ兩部面ニ於ケル差異ハ比較的僅少ト
ナッテ參リマシタ、從ッテ現在ノ如ク是等
ノ各營業態樣ニ付キマシテ、其ノ經營主體
ヲ別個ノモノタラシメナケレバナラヌト云
フ必要ハ、漸次減少スルニ至ッテ居ルノデ
アリマス、仍テ本法律案ハ、現存金融機關中、
其ノ人員及店舗數等ニ於キマシテ最モ活動
力ガ多キ所ノ普通銀行等ヲシテ、貯蓄銀行
業務又ハ信託業務ヲ兼營セシメ、以テ大衆
的預金及長期貯蓄的資金吸收ニ對シ、其ノ
全能力ヲ發揮セシムルガ爲ニ、之ニ關聯シ
必要トスル事項ヲ規定致シタモノデアリマ
ス、次ニ銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法
律案ニ付說明ヲ致シマス、本法律案ハ、銀
行其ノ他ノ金融機關ノ事務ノ簡素化ヲ圖ル
コトニ依リ、是等ノ金融機關ヲシテ愈〓其ノ
機能ヲ發揮シ易カラシメ、以テ戰時下國家
財政及金融ノ圓滑ナル運營ニ資セムトスル
モノデアリマス、其ノ主ナル內容ハ三ツニ
分レテ居ルノデアリマス、第一ハ、金融機關
ノ事業年度ヲ政府ノ會計年度ニ合致セシ
メ、以テ金融機關ノ業務ノ運營ヲ、豫算及
資金計畫其ノ他ノ國家財政及經濟運營上ノ
諸計畫ニ卽應シ易カラシメムトスルモノデ
アリマス、第二ハ、擔保附社債ノ擔保ノ變更
手續ヲ簡易ナラシムル爲、當分ノ內、擔
保附社債信託法ニ特例ヲ設ケマシテ、社債
權者集會ノ決議ヲ必要トセザル場合ヲ認ム
ルコトト致シ、以テ時局ノ要請ニ基ク社債
擔保ノ變更ヲ容易ナラシメムトスルモノデ
アリマス、第三ハ、銀行及保險會社ノ監査
役ガ監査書ヲ作成スベキ囘數ヲ、每事業年
度ニ付一囘ト爲シ、以テ監査役ノ行フベキ
事務ノ簡素化ヲ圖ラムトスルモノデアリマ
ス、次ニ戰爭死亡傷害保險法案ニ付說明
ヲ申上ゲマス、戰局ノ擴大進展ニ卽應シ、
戰爭ニ依ッテ生ズベキ國民ノ死亡傷害ニ對
處スル施設ヲ完備致シマスルコトハ、大東
亞戰爭ヲ完遂致シマスル上ニ、喫緊ノ要事
デアルト存ズルノデアリマス、戰爭ニ依ル
死亡傷害ニ對シマシテハ、政府ニ於キマシ
テ、現在戰時災害保護法等ノ施設ヲ講ジテ
居ルノデアリマス、又之ヲ保險ノ方面ニ付
テ見マスルニ、戰爭ニ依ル死亡ニ對シ、生
命保險金及簡易生命保險金ノ支拂ガ現在行
ハレテ居リ、傷害ニ對シテハ戰爭危險ヲ擔
保スル旅行傷害保險ガ、一部ノ保險會社ニ依
リ行ハレテ居ルノデアリマス、然ルニ今後
戰局ガ一段ト擴大進展致スベキ點ニ想ヒヲ
致シマスル時ハ戰爭ニ依ル死亡傷害ニ對
スル施設ハ、是等現行ノ制度及方策ノミヲ
以テ致シマシテハ未ダ完シトスルコトヲ
得ナイノデアリマシテ、此ノ際速カニ新
タナル施設ヲ講ズルコトガ緊要ト考ヘラレ
ルノデアリマス、仍テ玆ニ戰爭ニ依ル死亡
傷害ニ對シ、特別ノ保險制度ヲ設クルコト
ト致シタ次第デアリマス、本法案ノ要點ニ
付申上ゲマスルトヽ第一ニ本保險ハ戰爭ニ
依ル死亡傷害ノミヲ保險事故ト致スモノデ
アリマス、次ニ本保險ハ保險會社ヲシテ之
ガ引受ヲ爲サシメマスルト共ニ、本保險ノ
公的性質ニ鑑ミ、其ノ保險條件及保險契約
ノ手續等ニ於テ、保險會社ガ普通ノ營業ト
シテ行フ保險トハ著シク趣ヲ異ニ致スノデ
アリマス、次ニ上述ノ如ク本保險ハ、保險會社
ガ普通ノ營業トシテ行フ保險トハ全ク性質
ヲ異ニ致スノデアリマスルカラ、保險會社
ガ、本保險ニ依リマシテ損失ヲ受ケマシタ
トキハ、政府ニ於テ之ヲ補償致シマスト共
ニ、利益ヲ得マシタトキハ、之ヲ政府ニ納
付セシムルコトト致シタ次第デアリマス、
次ニ鹽專賣法中改正法律案ニ付說明申上ゲ
やく、鹽ガ〓料用又工業用トシマシテ極
メテ重要ナ物資デアリマスコトハ申ス迄モ
ナイ所デアリマスルガ、特ニ食料鹽ハ他ニ
代用品ノナイ、國民生活維持ノ爲、絕對缺
クコトノ出來ナイ必需物資デアリマスルノ
デ、之ガ需給ヲ安定セシムルコトハ現下ノ
緊要事ト存ズル次第デアリマス、從ヒマシ
テ能フ限リ鹽ノ需給ヲ安定セシムル爲ニ、
其ノ一方策ト致シマシテ、此ノ際鹽專賣法
中左ノ四點ニ付改正ヲ行ハムトスル次第デ
アリマス、先ヅ改正ノ第一點ハ、現在鹹水
ハ鹽ノ製造以外ノ用途ニハ供シ得ナイコト
ニナッテ居ルノデアリマスルガ、鹽ノ用途
中、鹹水ノ儘ニテ其ノ用ヲ辨ジ得ルモノガ
アリマスルノデ、是等ノ用途ニハ鹹水ヲ直
接使用シ得ルヤウニ、鹹水ノ用途制限ヲ緩
和スルコトニ致シタノデアリマス、次ニ鹽
又ハ鹹水ノ製造ハ、一箇月以前ニ申〓ヲ致
シマスレバ自由ニ之ヲ廢止シ得ルコトニ
ナッテ居リマスルノデ、今囘之ヲ改メマシテ、
製造ノ廢止ニハ政府ノ許可ヲ要スルコトニ
致シタイノデアリマス、第三ニ、鹽田ハ其
ノ性質上海濱ニ位シマスル關係上、高潮、
海嘯等ノ危險モ少クナイノデアリマシテ、
鹽又ハ鹹水ノ製造事業ノ安定ヲ圖ル爲、是
等ノ場合ニ罹災補償ノ制度ヲ設クルコトト
致シタノデアリマス、最後ニ鹽製造者等ノ
共同活動ヲ促進セシメ、鹽生產ノ增强ヲ圖
ル爲ニ鹽業團體ノ機構ヲ確立スルコトト致
シタ次第デアリマス、以上七件ノ法律案ニ
付キマシテハ、何卒御審議ノ上速カニ御協
贊ヲ與ヘラレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=9
-
010・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
國民貯蓄組合法中改正法律案外六件ハ、十
五名ノ特別委員トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議
長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=10
-
011・秋田重季
○子爵秋田重委君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=11
-
012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「昇議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=12
-
013・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔高山書記官朗讀〕
國民貯蓄組合法中改正法律案外六件特別
委員
公爵一條實孝君侯爵淺野長武君
伯爵橋本實斐君子爵綾小路護君
子爵上原七之助君三井〓一郞君
男爵小畑大太郞君下村宏君
河田烈君男爵明石元長君
富田健治君澁澤金藏君
米山梅吉君野村德七君
米原章三君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=13
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014・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第八、兵役
法中改正法律案、日程第九、共通法中改正
法律案、日程第十、明治三十八年法律第三
十八號改正法律案、日程第十一、陸軍軍法
會議法及海軍軍法會議法中改正法律案、政
府提出、第一讀會、是等ノ四案ヲ一括シテ
議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=14
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015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、木村陸軍次官
兵役法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣兼東條英機
陸軍大臣
內務大臣湯澤三千男
兵役法中改正法律案
兵役法中左ノ通改正ス
第九條第二項及第二十三條第一項中「戶
籍法」ノ下ニ「又ハ朝鮮民專令中戶籍ニ關
スル規定」ヲ加フ
第三十九條第一項第六號中「矯正院法」ノ
下ニ「又ハ朝鮮矯正院令」ヲ加ヘ同項第五
號ヲ左ノ如ク改ム
五少年法ノ定ムル所ニ依リ少年〓護
院矯正院若ハ病院ニ收容中ナル
トキ又ハ朝鮮少年令ノ定ムル所ニ
依リ朝鮮總督府感化院、朝鮮總督
府矯正院若ハ病院ニ收容中ナルト
キ
第五十二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
戶籍法及朝鮮民事令中戶籍ニ關スル規
定ノ適用ヲ受ケザル者ニシテ徵兵適齡
ヲ過ギ戶籍法又ハ朝鮮民事令中戶籍ニ
關スル規定ノ適用ヲ受クル者ノ家ニ入
リタルモノニ對シテハ徵集ヲ免除ス
第五十三條ノ二左ニ揭グル者ノ徵集ニ
關シテハ第二十六條、第二十七條又ハ
第二十九條ノ規定ニ對シ勅令ヲ以テ別
段ノ定ヲ爲スコトヲ得
戶籍法ノ適用ヲ受クル者ニシテ朝
鮮、臺灣又ハ帝國外ノ地ニ在留スル
モノ
二朝鮮民事令中戶籍ニ關スル規定ノ
適用ヲ受クル者
第六十九條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ニ規定スル事務ノ監督ニ付テハ戶
籍事務ノ監督ニ關スル規定ヲ準用ス
第七十二條本法中市町村長ニ關スル規
定ハ市町村長ニ準ズベキ者ニ之ヲ適用
ス但シ市長ニ關スル規定(第六十一條
ノ規定ヲ除ク)ハ區長(之ニ準ズベキ者
ヲ含ム以下同ジ)ヲ以テ戶籍ニ關スル
事務ヲ管掌スル者ト爲シタル市ハンスー
準ズベキモノヲ含ム)ニ在リテハ區長
ニ之ヲ適用ス
附則
本法ハ昭和十八年八月一日ヨリ之ヲ施行
ス
第九條第二項及第二十二一條第一項ノ改正
規定ハ本法施行ノ際徵兵適齡ヲ過ギ居ル
者及徴兵適齡ノ者ニシテ其ノ際現ニ朝鮮民
事令中戶籍ニ關スル規定ノ適用ヲ受クル
モノ又ハ本法施行後其ノ適用ヲ受クルニ
至リタルモノ(第三條ノ規定ニ該當スル
者ヲ除ク)ニ之ヲ適用セズ
前項ノ規定ニ該當スル者ニ付テハ第五十
二條第一項ノ改正規定ニ拘ラズ仍從前ノ
例ニ依ル
共通法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣兼東條英機
陸軍大臣
司法大臣岩村通世
共通法中改正法律案
共通法中左ノ通改正ス
第三條第三項中「戶籍法」ノ下ニ「又ハ朝
鮮民真令中戶籍ニ關スル規定」ヲ加ヘ「他
ノ地域」ヲ「內地及朝鮮以外ノ地域」ニ改
ム
附則
本法ハ昭和年法律第號施行ノ日
ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ノ際徵兵適齡ヲ過ギ居ル者及徵
兵適齡ノ者ニシテ其ノ際現ニ戶籍法ノ適
用ヲ受クルモノ又ハ本法施行後其ノ適用
ヲ受クルニ至リタルモノニ付テハ第三條
第三項ノ改正規定ニ拘ラズ仍從前ノ例ニ
依ル
備考
附則第一項ノ法律番號ハ兵役法中改正
法律ノ公布番號記入ノコト
明治三十八年法律第三十八號改正法律
案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣兼東條英機
陸軍大臣
海軍大臣嶋田繁太郞
明治三十八年法律第三十八號改正法律
案
俘虜處罰法
第一條本法ハ俘虜ニシテ罪ヲ犯シタル
モノニ之ヲ適用ス
第二條多衆聚合シテ暴行又ハ脅迫ヲ爲
シタル者ハ首魁ハ死刑又ハ無期ノ懲役
若ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ無期又ハ
一年以上ノ懲役又ハ禁鋼ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯ス目的ヲ以テ其ノ豫備又
ハ陰謀ヲ爲シタル者ハ一年以上ノ有期
ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第三條俘虜ヲ監督シ、看守シ又ハ護送
スル者ヲ殺シタル者ハ死刑ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯ス目的ヲ以テ其ノ豫備又
ハ通謀ヲ爲シタル者ハ二年以上ノ有期
ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第四條俘虜ヲ監督シ、看守シ又ハ護送
スル者ヲ傷害シ又ハ之ニ對シ暴行若ハ
脅迫ヲ爲シタル者ハ死刑又ハ無期若ハ
二年以上ノ懲役若ハ禁錮ニ處ス
黨與シテ前項ノ罪ヲ犯シタル者ハ首魁
ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處シ
其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期若ハ三年以
上ノ懲役若ハ禁錮ニ處ス
前二項ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死ニ致シタ
ル者ハ死刑ニ處ス
第五條俘虜ヲ監督シ、看守シ又ハ護送
スル者ノ命令ニ反抗シ又ハ之ニ服從セ
ザル者ハ死刑又ハ無期若ハ一年以上ノ
懲役若ハ禁錮ニ處ス
黨與シテ前項ノ罪ヲ犯シタル者ハ首魁
ハ死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ處シ
其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期若ハ二年以
上ノ懲役若ハ禁鋼ニ處ス
第六條俘虜ヲ監督シ、看守シ又ハ護送
スル者ヲ其ノ面前ニ於テ又ハ公然ノ方
法ヲ以テ侮辱シタル者ハ五年以下ノ懲
役又ハ禁錮ニ處ス
第七條黨與シテ逃走シタル者ハ首魁ハ
死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ懲役若ハ
禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ無期又ハ一年
以上ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第八條第二條第一項、第三條第一項、
第四條第一項及第二項竝ニ前條ノ未遂
罪ハ之ヲ罰ス
第九條宣誓解放ヲ受ケタル者其ノ宣誓
ニ背キタルトキハ死刑又ハ無期若ハ七
年以上ノ懲役若ハ禁錮ニ處ス
前項ノ者兵器ヲ執リ抗敵シタルトキハ
死刑ニ處ス
第十條逃走セザル旨ノ宣誓ヲ爲シ之ニ
背キタル者ハ一年以上ノ有期ノ懲役又
ハ禁鋼ニ處シ其ノ他ノ宣誓ニ背キタル
者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁鋼ニ處ス
第十一條不從順ノ行爲ヲ目的トシテ黨
ヲ結ビタル者ハ首魁ハ一年以上十年以
下ノ懲役又ハ禁錮ニ處シ其ノ他ノ者ハ
六月以上五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處
ス
第十二條第七條ノ規定ハ再ビ俘虜ト爲
リタル者ノ前ニ俘虜タリシトキ犯シタ
ル罪ニハ之ヲ適用セズ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
明治三十八年法律第三十八號ハ俘虜處
罰ニ關スル法律ナリ
陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法中改
正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣兼東條英機
陸軍大臣
海軍大臣嶋田繁太郞
陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法中改
正法律案
第一條陸軍軍法會議法中左ノ通改正ス
第四十二條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ奏任
ト爲スコトヲ得
第二條海軍軍法會議法中左ノ通改正ス
第四十二條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ奏任
ト爲スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔政府委員木村兵太郞君演壇ニ登ル〕、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=15
-
016・木村兵太郎
○政府委員(木村兵太郞君) 只今議題ニ相
成リマシタ兵役法及共通法中改正法律案ノ
提出理由ニ付申述ベタイト存ジマス、今次
ノ改正ハ、朝鮮同胞ノ服役ニ關聯スル事項
デアリマス、卽チ昭和十九年ヨリ朝鮮同胞
ヲ徴集シマシテ、今後長期ニ亙ルベキ大東
亞戰爭ノ完遂ト、將來國防ノ完璧トヲ期シ
マスルト共ニ、皇民〓育ノ徹底ト、時局認
識ノ〓揚トニ依リマシテ、近年頓ニ〓揚セ
ラレマシタ朝鮮同胞銃後奉公ノ赤誠ニ應ヘ
テ、多年ノ要望タル皇軍ノ兵員ニ加ハルノ
榮譽ヲ與ヘ、併セテ朝鮮統治ノ向上ニ寄與
セントスルモノデアリマス、朝鮮同胞ニ對
シマシテハ、既ニ昭和十三年以來特別志願
兵トナルノ途ヲ拓カレテアルノデアリマス
ルガ、之ガ實績ニ徵シマシテモ、徴兵制施
行ノ成果期シテ待ツベキモノガアルト確信
致シテ居リマス、尙朝鮮ニ徵兵制ヲ施行セ
ラルヽニ伴ヒマシテ、從來內地人ハ兵役ニ
服スルノ義務ナキニ至ッタ後デナケラネバ
朝鮮人ノ家ニ入ルコトガ出來ナカッタノデ
アリマスガ、今後ハ內地人及朝鮮人相互間
三、斯クノ如キ制限ヲ必要ト致サナクテ
リマシタノデ、之ニ關スル共通法中改正ヲ
致シタイト存ズルノデアリマス、本法律案
提出ノ理由ハ〓要以上ノ通リデアリマス、
次ニ明治三十八年法律第三十八號俘虜處罰
ニ關スル件改正法律案、提出ノ理由ヲ御說明
申上ゲマス、現行俘虜處罰ニ關スル法律ハ、
日露戰役中明治三十八年二月、當時ノ露國
俘虜ヲ對象ト致シマシテ、之ガ取締上ノ必要
ヨリ制定セラレタモノデアリマスガ、現行刑
法制定前ノ舊刑罰體系ニ係リ、其ノ罰目、刑
名、刑期等、規定ノ全般ニ於キマシテ整備
ヲ要スルモノガアリ、一方大東亞戰爭開始
以來、帝國ガ獲得セル俘虜ハ約三十萬ノ多
キヲ算シ、而モ其ノ民族、國籍、素質等ニ於
テ各〓異ナルモノガアリマスル上ニ、之ガ取
締ニ當ル人員ハ必要ノ最小限ト致シテ居ル
關係上、俘虜ノ管理取締ハ從前ニ比シマス
ト著シク複雜煩多トナッテ居ルノデアリマ
ス、此ノ間ニ處シ、俘虜ヲ安全且靜謐ニ收容
スル如ク取締ヲ爲スニ付キマシテハ、苟且
ニモ不從順ノ行爲ナカラシムル如ク嚴戒ス
ルノ必要ガアルノデアリマス、玆ニ於キマ
シテ現行法ニ付、所要ノ整備ヲナシテ現況
ニ卽スルモノタラシチ、以テ俘虜ノ管理取
締ニ遺憾ナキヲ期セムトスルモノデアリマ
ス、而シテ本案ノ內容ハ)第一ハ現行法ノ
俘虜監督者等ニ對スル暴行、又ハ反抗ノ罪、
多衆共謀逃走ノ罪及ビ宜誓違背ノ罪ニ關ス
ル規定等ヲ整理シタルコト、第二ハ新タ
ニ俘虜ノ多衆聚合、暴行脅迫、俘虜監督者
等ニ對スル殺傷、脅迫及ビ侮辱、竝ニ不從
順ノ行爲ヲ目的トスル結黨ノ各所爲ヲ罰ス
ル規定ヲ設ケタルコトノ二點ニ歸スルノデ
アリマス、以上ガ本法律案提出ノ理由及ビ
內容ノ要旨デアリマス、何卒御審議ノ上速
カニ御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=16
-
017・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 嶋田海軍大臣
(國務大臣嶋田繁太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=17
-
018・嶋田繁太郎
○國務大臣(嶋田繁太郞君) 只今議題トナ
リマシタ陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法
中改正法律案提出ノ理由ヲ御說明申上ゲマ
ス、政府ニ於キマシテハ、夙ニ各廳勤務
職員ノ優遇ニ付キマシテ考究中デアリマス
ルガ、其ノ中、判任官ニ付キマシテモ、重
要ノ職務ニ當リ事務練熟優等ナ者ハ特
之ヲ奏任官トナシ得ルコトニ致シタイ考ヲ
持ッテ居リマス、然ルニ軍法會議錄事ガ判
任官タルコトハ、陸軍軍法會議法及海軍軍
法會議法ニソレ〓〓規定セラレテ居リマス
關係上、今囘右法律ノ關係條項ヲ改正致シ
マシテ、錄事ニ對シマシテモ、一般官吏優
遇ノ趣旨ニ均霑セシメタイト考ヘル次第デ
アリマス、以上ガ本法律案ヲ提出スル所以
デアリマス、何卒御審議ノ上速カニ御協賛
アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=18
-
019・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
兵役法中改正法律案外三件ノ特別委員ヲ十
二名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任ス
ルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=19
-
020・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=20
-
021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=21
-
022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔小野寺書記官朗讀〕
兵役法中改正法律案外三件特別委員
侯爵西〓從德君伯爵松木宗隆君
子爵伊東二郞丸君子爵松平保男君
織田萬君男爵千田嘉平君
坂西利八郞君柴田善三郞君
男爵柴山昌生君遠藤柳作君
出光佐三君岩元達一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=22
-
023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十二、在
滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判ノ效力
ニ關スル法律案、日程第十三、戰時刑事特
別法中改正法律案、政府提出、第一讀會、
是等ノ二案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御
異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=23
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024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、岩村司法大臣
在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判
ノ效力ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
司法大臣岩村通世
大東亞大臣靑木一月
在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判
ノ效力ニ關スル法律案
滿洲國ノ法院ガ同國ニ住所ヲ有スル日本
人ノ身分ニ關スル事件ノ爲ノ特別手續ニ
依リ隱居、廢家、親族會、相續又ハ遺言
ニ付爲シタル裁判又ハ處分ハ非訟事件手
續法ニ相當スル規定アル場合ニ限リ裁判
所ガ同法ニ依リテ爲シタルモノト同一ノ
效力ヲ有ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
戰時刑事特別法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
司法大臣岩村通世
py
戰時刑事特別法中改正法律案
戰時刑事特別法中左ノ通改正ス
第七條第六項ヲ削ル
第七條ノ二戰時ニ際シ國政ヲ變亂スル
コトヲ目的トシテ人ヲ傷害シ、逮捕シ又
ハ監禁シタル者ハ一年以上ノ有期ノ懲
役又ハ禁錮ニ處ス因テ人ヲ死ニ致シタ
ル者ハ死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ懲
役若ハ禁錮ニ處ス
戰時ニ際シ國政ヲ變亂スルコトヲ目的
トシテ人ニ對シ暴行又ハ脅迫ヲ加ヘタ
ル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
刑法第二百八條第二項ノ規定ハ前項ノ
暴行ノ罪ニ付テハ之ヲ適用セズ
第七條ノ三戰時ニ際シ國政ヲ變亂スル
コトヲ目的トシテ騷擾ノ罪其ノ他治安
ヲ害スベキ罪ノ實行ニ關シ協議ヲ爲シ
又ハ其ノ實行ヲ煽動シタル者ハ七年以
下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
第七條ノ四戰時ニ際シ國政ヲ變亂シ其
ノ他安寧秩序ヲ紊亂スルコトヲ目的ト
シテ著シク治安ヲ害スベキ事項ヲ宣傳
シタル者ノ罰亦前條ニ同ジ
第七條ノ五第七條第三項乃至第五項又
ハ前二條ノ罪ヲ犯シタル者自首シタル
トキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣岩村通世君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=24
-
025・岩村通世
○國務大臣(岩村通世君) 只今上程ニ相成
リマシタ在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁
判ノ效力ニ關スル法律案外一件ニ付キマシテ、
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、御承知
ノ通リ滿洲國ニ居住致シマスル日本內地人
ノ數ハ逐年增加ノ一途ヲ辿リ殊ニ最近ニ於
キマシテハ開拓民其ノ他、一家一族ヲ擧ゲ
テ渡滿永住スル者ガ多キヲ加ヘツヽアルノ
デアリマス、是等ノ在滿內地人ガ、隱居、廢
家其ノ他ノ身分上ノ行爲ニ付キマシテ裁判
又ハ裁判所ノ處分ヲ必要ト致シマスル場合
ニ、現在滿洲國法院ハ斯カル裁判ヲ爲シ得
ル權限ヲ有シテ居リマ、スノデ、セドウ致シマ
シテモ內地ノ裁判所ノ裁判ヲ仰グ外ハナ
〃、其ノ都度多額ノ費用ト多數ノ日時ヲ費
シ、且現ニ從事致シマスル重要ナ仕事ヲ休
ンデ內地ニ戾ラナケレバナラヌ狀態デアリ
マシテ、其ノ不便誠ニ大ナルモノガアルノ
デアリマス、仍テ日滿兩國ノ特殊ナ關係ヲ
考慮致シ、實際上ノ必要ニ應ズル爲ニ、今
般滿洲國ニ於テ、在滿日本人ノ身分ニ關ス
ル特別ノ手續法ヲ制定致シマシテ、同國ノ
法院ガ、在滿日本人ノ身分ニ關スル事項ニ
付テ裁判ヲ爲シ得ル途ヲ拓クノニ相照應致
シマシテ、我ガ國ニ於テモ、滿洲國法院ノ
爲シタル裁判ノ效力ヲ承認致シマシテ、之
ニ依ッテ前ニ述ベマシタヤウナ不便ヲ除ク
コトニ致シタイト存ズル次第デアリマス
次ニ戰時刑事特別法中改正法律案ニ付テ、
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、戰時下國
內ニ於ケル治安確保ガ戰爭遂行ノ基礎條件
ヲ爲シマスコトハ申ス迄モナイ所デアリマ
シテ、曩ニ御協贊ヲ得マシテ旣ニ實施シテ
居リマスル戰時刑事特別法ニ於キマシテ、
刑事ニ關スル實體規定竝ニ手續規定ニ付、
臨時應急ノ措置ヲ講ジマシタ所以モ、治安
ノ確保ニ資セムトスルニ外ナラナイノデア
リマス、然ルニ大東亞戰爭ガ愈〓本格的段
階ニ入リ、決戰ノ連續ヲ見ルニ至リマシタ
今日ニ於キマシテハ一層治安ノ確保ニ努
メ、一億一心ノ擧國協力態勢ヲ堅持スルノ
要、益〓緊切ノ度ヲ加ヘテ參ッタノデアリマ
シテ、之ガ爲ニハ、此ノ際國政ヲ不法ニ變
亂スルノ目的ヲ以テ爲サルヽ所爲ニシテ、
其ノ所爲ガ擧國一致ノ態勢ニ重大ナル影響
ヲ及スノ虞アルガ如キモノニ付テハ、極力
之ヲ防遏致シマスコトハ喫緊ノ要務デアル
ト考ヘマス、而シテ此ノ種事犯中、國政變
亂ヲ目的トスル殺人ノ罪ノ處罰ニ付キマシ
テハ、旣ニ戰時刑事特別法中ニ必要ナル規
定ガ設ケラレテ居ルノデアリマスルガ新
タニ國政變亂ノ目的ヲ以テ人ノ身體又ハ自
由ニ害ヲ加フル罪ニ付特別ノ規定ヲ設クル
ト共ニ、同一ノ目的ニ出デタル治安ヲ害ス
ベキ犯罪ノ實行ニ關スル協議及煽動ヲ處罰
シ、尙國政ヲ變亂シ其ノ他安寧秩序ヲ紊亂
スルコトヲ目的トシテ、著シク治安ヲ害ス
ベキ事項ヲ宣傳シタル所爲ヲモ處罰スルコ
トト致シ、以テ現行刑罰法規ヲ整備擴充シ
テ、戰時下治安ノ確保ニ遺憾ナキヲ期シタ
次第デアリマス、尙本案ニ於キマシテハ
曩ニ當院ニ於テ御要望ノアリマシタ趣旨ハ
十分ニ尊重致シマシテ、之ヲ採リ入レテア
ル積リデゴザイマス、何卒此ノ點モ御諒承
ヲ願ヒタイト存ジマス、何卒愼重御審議ノ
上何レモ協贊ヲ與ヘラレムコトヲ切望致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=25
-
026・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判ノ效
力ニ關スル法律案外一件ノ特別委員ノ數ヲ
十五名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任
スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=26
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027・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=27
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028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=28
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029・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔高山書記官朗讀〕
在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判ノ
效力ニ關スル法律案外一件特別委員
公爵岩倉具榮君侯爵小村捷治君
伯爵柳澤義光君子爵秋月種英君
子爵舟橋〓賢君小山松吉君
小原直君男爵井田磐楠君
內田重成君男爵周布兼道君
黑崎定三君男爵村田保定君
山岡萬之助君次田大三郞君
奥村嘉藏君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=29
-
030・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十四、飼
料配給締制法中改正法律案日程第十五、
昭和四年法律第九號中改正法律案、日程第
十六、硫酸アンモニア增產及配給統制法中
改正法律案、政府提出、第一讀會、是等ノ
三案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異議ハ
ゴザイマセヌカ
〔「卑議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=30
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031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、井野農林大臣
飼料配給締制法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
農林大臣井野碩哉
飼料配給締制法中改正法律案
飼料配給締制法中左ノ通改正ス
附則第二項ヲ左ノ如ク改ム
本法ハ大東亞戰爭終了後一年內ニ之ヲ
廢止スルモノトス
附則第三項ヲ削ル
昭和四年法律第九號中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
農林大臣井野碩哉
昭和四年法律第九號中改正法律案
昭和四年法律第九號中左ノ通改正ス
第二條第一項中「三分ノ一」ヲ「二分ノ一」
ニューハ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
參照
昭和四年法律第九號ハ馬ノ傳染性貧血
ニ罹リタル馬ノ殺處分ニ關スル法律ナ
リ
硫酸アンモニア增產及配給統制法中改
正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
農林大臣井野碩哉
大藏大臣賀屋興宣
內務大臣湯澤三千男
硫酸アンモニア增產及配給締制法中改
正法律案
硫酸アンモニア增產及配給統制法中左ノ
通改正ス
第一條第一項中「本法施行後五年以內」ヲ
「本法施行後十年以內」ニ改ム
第四條中「本法施行ノ日ヨリ五年間」ヲ
「本法施行ノ日ヨリ十年間」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
國務大臣井野碩哉君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=31
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032・井野碩哉
○國務大臣(井野碩哉君) 只今上程ニ相成
リマシタ飼料配給締制法中改正法律案外二
件ニ付キマシテ、提案ノ理由ヲ御說明致シ
やっ、先ヅ飼料配給統制法中改正法律案ニ
付御說明ヲ致シマス、飼料配給統制法ハ
飼料ノ需給ノ圓滑ト價格ノ公正ヲ圖ル爲、
政府ノ適當ト認ムル者ヲシテ、飼料ノ買入、
賣渡、其ノ他飼料ノ配給結制上、必要ナル
事業ヲ行ハシムルコトヲ目的トスルモノデ
アリマシテ、昭和十三年第七十三囘帝國議
會ノ協贊ヲ經マシテ、同年十月施行セラレ
タルモノデアリマスルガ、其ノ施行期間ニ
付キマシテハ、當時ノ情勢ニ卽應致シ、一應
五箇年ト定メラレタノデアリマス、從ヒマ
シテ本法ハ、昭和十八年十月ヲ以テ期間滿
了スルノデアリマスルガ、大東亞戰爭下ノ
今日ニ於キマシテ、飼料ノ供給ノ確保ニ努
メ、之ガ配給ノ適正ト價格ノ公正トヲ圖リ
マスコトハ、益〓必要デアリマスノデ、本法
ノ施行期間ヲ、更ニ一應大東亞戰爭終了後
迄之ヲ延長スルコトト致シタイト存ズルノ
デアリマス、次ニ昭和四年法律第九號中改
正法律案ニ付キマシテ、御說明ヲ申上ゲマ
ス、現在馬ノ傳染性貧血ニ罹リタル馬ヲ殺
處分致シマシタル場合ニハ、昭和四年法律
第九號第二條ニ依リ、殺ス時ノ馬ノ評價額
ト其ノ屍體ノ評價額トノ差額ノ三分ノ一
ニ相當スル手當金ヲ交付スルコトトナッテ
居リマスルガ、之ヲ二分ノ一ニ引上ゲムト
スルモノデアリマス、近時本病ハ多發ノ傾
向ニアリマシテ、軍事竝ニ產業上ニ及ス影
響少ナカラヌモノガアリマスノデ、之ガ防
遏ノ徹底ヲ期シマスコトハ、現時局下ニ於
キマシテ誠ニ肝要デアリマス、然ルニ現在
殺處分セラレルノ馬ノ大多數ハ、尙相當ノ
能力ヲ有シ、比較的高度ノ經濟的價値ヲ有シ
テ居リマスノデ、殺處分ハ馬所有者ニ取リ
苦痛トスル所デアリマシテ、延イテハ法律
ノ嚴正ナル施行ニ支障ヲ來シ、本病防遏ノ
不徹底ヲ招來スルニ至ル虞ガアリマスガ故
ニ殺手賞金交付率ヲ二分ノ一ニ引上ゲ、
本病防遏ノ徹底ヲ圖ラムトスルモノデアリ
やべり、次ニ硫酸アンモニア增產及配給統制
法中改正法律案ニ付テ御說明ヲ致シマス、
硫酸アンモニア增產及配給統制法ハ、昭和
十三年法律第七十號ヲ以テ、實施ニ相成ッ
タノデアリマスルガ、同法ハ、我ガ國肥料
ノ大宗タル硫酸アンモニアノ供給ヲ確保
シ、農業生產ノ確保ト、銃後農村經濟ノ安
定ニ資スルト共ニ、軍需工業トシテノ硫酸
アンモニア製造業ノ確立ヲ圖ル目的ヲ以チ
マシテ、同法施行後五年以內ニ、硫酸アン
モニア製造設備ノ新設又ハ增設ヲ爲シタル
者ニ對シ、一定年間、諸稅ノ免除、及ビ器
具機械ノ輸入稅ノ免除、其ノ他諸般ノ保護
特典ヲ與フルト共ニ、必要ニ應ジ、硫酸ア
ンモニアノ製造業者及ビ日本肥料株式會社
ニ對シ、增產ノ命令ヲ爲スコトトシ、以テ
硫酸アンモニアノ生產力ノ擴充ヲ圖ルコト
ト致シタノデアリマス、同法施行以來、硫
安ノ製造設備ノ新設モ進捗中デアリマスル
ガ、硫酸アンモニア製造設備ノ擴充ヲ圖リ
マスコトハ、大東亞戰爭下、農業生產確保
上愈、く緊要ト相成リマシタノデ、從來同法施
行後五年以內ニ硫酸アンモニア製造設備ヲ
新設又ハ增設致サネバ、諸稅ノ免除等、本
法ノ特典ヲ受ケルコトガ出來ナイコトト相
成ッテ居リマシタノヲ、更ニ其ノ期間ヲ五
年延長シ、本法施行後十年以內ニ、硫酸ア
ンモニア製造設備ノ新設又ハ增設ヲ爲ス者
ニ對シ、從來通リ諸般ノ特典ヲ與フルコト
ト致シタノデアリマス、何卒御寒議ノ上速
カニ御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=32
-
033・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
飼〓配給統制法中改正法律案外二件ハ、十
二名ノ特別委員トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議
長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=33
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034・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=34
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035・松平頼壽
○議長(伯爵松平頼壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=35
-
036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔小野寺書記官朗讀〕
飼料配給統制法中改正法律案外二件特別
委員
侯爵德川賴貞君伯爵後藤一藏君
子爵三島通陽君子爵本多忠晃君
安井英二君男爵稻田昌植君
男爵岩村一木君赤池濃君
竹下豐次君今井五介君
齋藤万壽雄君佐藤助九郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=36
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037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十七、商
工經濟會法案、日程第十八、商工組合法案、
日程第十九、商工組合中央金庫法中改正法
律案、政府提出、第一讀會、是等ノ三案ヲ
一括シテ議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイ
マセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=37
-
038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、岸商工大臣
商工經濟會法案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
商工大臣岸信介
內務大臣湯澤三千男
商工經濟會法案
商工經濟會法
第一條商工經濟會ハ國民經濟ノ總力ヲ
最モ有效ニ發揮セシムル爲國策ニ協力
シ產業經濟ノ圓滑ナル連絡ヲ圖ルト共
ニ其ノ改善向上ニ努ムルコトヲ目的ト
ス
本法ニ於テ產業經濟トハ第五條第一號
ニ揭グル事業ニ關スル產業經濟ヲ謂フ
第二條商工經濟會ハ法人トス
第三條商工經濟會ノ地區ハ道府縣ノ區
域ニ依ル
第四條商工經濟會ハ其ノ目的ヲ達スル
爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
-當該地區內ニ於ケル產業經濟ニ關
スル統制ニ對スル協力
二當該地區內ニ於ケル產業經濟ノ運
營又ハ整備ニ關スル連絡
三當該地區內ニ於ケル產業經濟ノ改
善向上ニ關スル施設
四產業經濟ニ關スル調査及〓究
五前各號ニ揭グルモノノ外商工經
濟會ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事
業
第五條商工經濟會ノ會員タル資格ヲ有
スル者ハ左ニ揭グル者ニシテ地方長官
ノ指定スルモノトス
一當該地區內ニ營業所、工場又ハ事
業場ヲ有シ商業、交易業、工業、鑛
業、金融業、電氣事業、交通運輸業
又ハ土木建築業ヲ營ム者
二前號ニ揭グル事業ヲ營ム者ヲ以テ
組織スル團體ニシテ當該地區內ニ事
務所ヲ有スルモノ
三前號ニ揭グル團體ノ外當該地區內
ニ事務所ヲ有スル產業經濟ニ關スル
團體
第六條主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ前條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有
スル者ニ對シ商工經濟會ノ設立ヲ命ズ
ベシ
前項ノ規定ニ依ル設立ノ命令アリタル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立總會
ヲ開キ定款其ノ他商工經濟會ノ設立ニ
必要ナル事項ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ
第一項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタ
ル者主務大臣ノ指定スル期限迄ニ設立ノ
認可ヲ申請セザルトキハ主務大臣ハ定
款ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處
分ヲ爲スコトヲ得
第七條商工經濟會ノ定款ニハ左ニ揭グ
ル事項ヲ記載スベシ
-名稱
二地區
三事務所ノ所在地
四會員ニ關スル規定
五事業及其ノ執行ニ關スル規定
六役員ニ關スル規定
七會議ニ關スル規定
八會計ニ關スル規定
九支部ニ關スル規定
第八條商工經濟會ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
第九條商工經濟會成立シタルトキハ其
ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ總テ其ノ
商工經濟會ノ會員トス
第十條商工經濟會ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第十一條商工經濟會ハ其ノ名稱中ニ商
工經濟會ナル文字ヲ用フベシ
商工經濟會又ハ商工經濟會ヲ以テ組織
スル團體ニ非ザル者ハ其ノ名稱中ニ商
工經濟會ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第十二條商工經濟會ニハ左ノ役員ヲ置
クベシ
會頭一人
理事若干人
監事若干人
評議員若干人
商工經濟會ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ
定ムル所ニ依リ副會頭二人以內又ハ理
事長一人ヲ置クコトヲ得
第十三條會頭ハ商工經濟會ヲ代表シ會
務ヲ總理ス
副會頭ハ會頭ヲ輔佐シ豫メ會頭ノ定ム
ル順位ニ依リ會頭事故アルトキハ其ノ
職務ヲ代理シ會頭缺員ノトキハ其ノ職
務ヲ行フ
理事長ハ會頭及副會頭ヲ輔佐シ會務ヲ
掌理シ會頭及副會頭共ニ事故アルトキ
ハ會頭ノ職務ヲ代理シ會頭及副會頭共
ニ缺員ノトキハ會頭ノ職務ヲ行フ
理事ハ會頭、副會頭及理事長ヲ輔佐シ
會務ヲ分掌シ豫メ會頭ノ定ムル順位ニ
依リ會頭、副會頭及理事長共ニ事故ア
ルトキハ會頭ノ職務ヲ代理シ會頭、副
會頭及理事長共ニ缺員ノトキハ會頭ノ
職務ヲ行フ
監事ハ商工經濟會ノ業務及財產ノ狀況
ヲ監査ス
評議員ハ會頭ノ諮問ニ對シ答申シ又ハ
會頭ニ對シ意見ヲ具申ス
第十四條會頭ハ會頭銓衛委員ノ推薦シ
タル者ノ中ヨリ地方長官ノ意見ヲ徴シ
主務大臣之ヲ命ズ
前項ノ會頭銓衡委員ハ當該商工經濟會
ノ地區內ニ於ケル產業經濟ニ關シ經驗
アル者及學識アル者ノ中ヨリ地方長官
之ヲ命ズ
副會頭、理事長及理事ハ常該商工經濟
會ノ地區內ニ於ケル產業經濟ニ關シ經
驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ地方長
官ノ承認ヲ受ケ會頭之ヲ命ズ
監事ハ命令ノ定ムル所ニ依リ評議員之
ヲ選任ス
評議員ハ評議員銓衡委員ノ推薦シタル
者ノ中ヨリ會頭之ヲ命ズ
前項ノ評議員銓衡委員ハ會員及會員タ
ル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ
地方長官ノ承認ヲ受ケ會頭之ヲ命ズ
第十五條商工經濟會ノ役員ノ任期ハ左
ノ通トス
會頭三年
副會頭三年
理事長三年
理事三年
監事二年
評議員二年
會頭必要アリト認ムルトキハ任期中ト
雖モ地方長官ノ承認ヲ受ケ副會頭、理
事長又ハ理事ヲ解任スルコトヲ得
第十六條商工經濟會ニ總會ヲ置ク
通常總會ハ每年一回會頭之ヲ招集ス
會頭必要アリト認ムルトキハ何時ニテ
モ臨時總會ヲ招集スルコトヲ得
第十七條左ニ揭グル事項ハ總會ノ議決
ヲ經ベシ
-定款ノ變更
二收支豫算
三第二十四條ノ規定ニ依ル賦課金ノ
賦課徵收方法
四其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
第十八條會員ハ總會ニ於テ各一個ノ議
決權ヲ有ス但シ第五條第二號ノ會員ニ
付テハ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付
十個ヲ超エザル範圍內ニ於テ二個以上
ノ議決權ヲ有セシムルコトヲ得
第十九條總會ノ議長ハ會頭ヲ以テ之ニ
充ツ
第二十條總會ハ會員三分ノ一以上出席
スルニ非ザレバ之ヲ開クコトヲ得ズ
總會ノ議決ハ出席者ノ議決權ノ過半數
ニ依リ可否同數ナルトキハ議長之ヲ決
ス
定款ノ變更ノ議決ハ會員ノ半數以上出
席シ出席者ノ議決權ノ三分ノ二以上ヲ
以テ之ヲ爲ス
會員ハ代理人ヲ以テ議決權ヲ行フコト
ヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席ト看做
ス
前項ノ代理人ノ資格其ノ他代理人ニ關
スル事項ハ定款ヲ以テ之ヲ定ム
第二十一條商工經濟會ハ定款ノ定ムル
所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設ク
ルコトヲ得
前五條ノ規定ハ前項ノ總代會ニ之ヲ準
用ス
第二十二條商工經濟會ハ產業經濟ニ關
スル事項ニ付行政官廳ニ建議スルコト
ヲ得
商工經濟會ハ行政官廳ノ諮問ニ對シ答申
スベシ
第二十三條商工經濟會ハ其ノ會員及會
員タル團體ヲ組織スル者ニ對シ產業經濟
ニ關スル事項ノ調査ヲ爲ス爲必要ナル
資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
第二十四條商工經濟會ハ定款ノ定ムル
所ニ依リ其ノ會員ニ對シ經費ヲ賊課ス
ルコトヲ得
第二十五條商工經濟會ハ定款ノ定ムル
所ニ依リ定款ニ違反シタル會員ニ對シ
過怠金ヲ課スルコトヲ得
第二十六條第二十四條ノ規定ニ依ル賦
課金又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合ニ
於テ商工經濟會ノ請求アルトキハ市町
村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此
ノ場合ニ於テ商工經濟會ハ其ノ徵收金
額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザ
ル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權
ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノノ徴收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市
町村稅ノ例ニ依ル
第二十七條商工經濟會ハ定款ノ定ムル
所ニ依リ使用料及手數料ヲ徵收スルコ
トヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテ
ハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第二十八條商工經濟會ハ其ノ地區内ノ
必要ナル地ニ支部ヲ置キ其ノ專業ノ一
部ヲ分掌セシムルコトヲ得
第二十九條商工經濟會ノ支部ニ支部長
ヲ置キ必要ニ應ジ參與ヲ置ク
支部長ハ支部ノ事務ヲ掌理ス
參與ハ支部ノ事務ニ參與ス
支部長ハ商工經濟會ノ監事以外ノ役員
中ヨリ地方長官ノ承認ヲ受ケ會頭之ヲ
命ズ
參與ハ會頭ノ承認ヲ受ケ支部長之ヲ命
ズ
第三十條定款ノ變更、收支豫算及第二
十四條ノ規定ニ依ル賦課金ノ賦課徵收
方法ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザ
レバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第三十一條行政官廳ハ商工經濟會ニ對
シ產業經濟ニ關スル事項ノ調査ヲ命ズ
ルコトヲ得
第三十二條行政官廳當該地區內ニ於ケ
ル產業經濟ノ統制運營上必要アリト認
ムルトキハ商工經濟會ニ對シ必要ナル
事業ノ施行ヲ命ジ又ハ定款ノ變更其ノ
他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十三條行政官廳ハ商工經濟會ニ對
シ業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命
令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
行政官廳必要アリト認ムルトキハ監事
ヲシテ監査ノ結果ヲ報告セシムルコト
ヲ得
第三十四條行政官廳必要アリト認ムル
トキハ商工經濟會ヨリ其ノ事業ニ關シ
報告ヲ徵シ又ハ商工經濟會ノ業務ノ狀
況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査ス
ルコトヲ得
第三十五條總會若ハ總代會ノ議決又ハ
役員ノ行爲ガ法令若ハ定款ニ違反シ又
ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ行政官廳
ハ總會若ハ總代會ノ議決ヲ取消シ又ハ
役員ヲ解任スルコトヲ得
第三十六條商工經濟會ハ主務大臣ノ命
令ニ因リテ解散ス
第三十七條商工經濟會ノ解散及〓算ニ
關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
第三十八條本法ニ基キテ發スル勅令ニ
違反シ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正
ノ登記ヲ爲シタルトキハ會頭、副會頭、理
事長又ハ理事ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
第三十九條第十一條第二項ノ規定ニ違
反シ名稱中ニ商工經濟會ナル文字ヲ用
ヒタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第四十條樺太ニ於テ本法ヲ適用スルニ
付必要ナル事項ニ關シテハ勅令ヲ以テ
特例ヲ設クルコトヲ得
附則
第四十一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十二條商工會議所法ハ之ヲ廢止ス
第四十三條商工會議所法ニ依リ設立セ
ラレ本法施行ノ際現ニ存スル商工會議
所ハ本法施行後ト雖モ仍存續スルモノ
トス
前項ノ商工會議所ニハ商工會議所法ノ
規定ヲ適用ス
第四十四條前條第一項ノ商工會議所ハ
其ノ地區ノ屬スル道府縣ニ於テ商工經
濟會成立シタル時解散スルモノトシ其
ノ權利義務ハ當該商工經濟會之ヲ承繼
ス此ノ場合ニ於テハ商工會議所法中〓
算ニ關スル規定ハ之ヲ適用セズ
第四十五條商工會議所法ニ依ル日本商
工會議所ハ本法施行ノ日ニ於テ解散ス
此ノ場合ニ於ケル〓算ニ付テハ商工會
議所法中〓算ニ關スル規定ヲ適用ス
第四十六條商工經濟會ガ第四十四條ノ
規定ニ依リ承繼シタル不動產ニ關スル
權利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於
テハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格ノ
千分ノ三トス但シ登錄稅法ニ依リ算出
シタル登錄稅ノ額ガ本條ノ規定ニ依リ
算出シタル稅額ヨリ少キトキハ其ノ額
一座八)
第四十七條本法施行ノ際現ニ商工經濟
會ノ名稱ヲ使用スル者ハ本法施行後六
月以內ニ其ノ名稱ヲ變更スルコトヲ要
ス
第三十九條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ
前項ニ揭グル者ニ適用セズ
第四十八條商工經濟會成立ノ際商工會
議所法ニ依ル異議ノ申立ニシテ現ニ申
立中ノモノ又ハ申立期間滿了セザルモ
ノ同法ニ依ル賦課金又ハ過怠金ニシ
テ現ニ滯納セルモノ等ノ處理ニ關シ必
要アル場合ニ於テハ勅令ヲ以テ必要ナ
ル定ヲ爲スコトヲ得
商工組合法案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
農林大臣井野碩哉
大藏大臣賀屋興宜
商工大臣岸信介
內務大臣湯澤三千男
商工組合法案
商工組合法
第一章總則
第一條商工組合ハ統制組合及施設組合
ノ二種トス
第二條商工組合ハ法人トス
第三條統制組合又ハ施設組合ハ其ノ名
稱中ニ統制組合又ハ施設組合ナル文字
ヲ用フベシ
統制組合又ハ施設組合ニ非ザル者ハ其
ノ名稱中ニ統制組合又ハ施設組合ナル
文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第四條商工組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第五條本法ニ規定スルモノノ外商工組
合及商工組合中央會ノ設立、管理、組
合員又ハ會員ノ權利義務及加入脫退、
解散、合併、〓算其ノ他ニ關シ必要ナ
ル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條樺太ニ於テ本法ヲ適用スルニ付
必要ナル事項ニ關シテハ勅令ヲ以テ特
例ヲ設クルコトヲ得
第二章統制組合
第七條統制組合ハ國民經濟ノ總力ヲ最
モ有效ニ發揮セシムル爲商業、工業又
ハ鑛業ノ統制ヲ圖リ又ハ之ガ爲ニスル
經營ヲ行ヒ且當該事業ニ關スル國策ノ
遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第八條統制組合ハ一定地區ニ於テ同種
又ハ二種以上ノ事業別ニ之ヲ設立ス
第九條統制組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲
左ニ揭グル事業ヲ行フ
-組合員及組合員タル團體ヲ組織ス
ル者ノ営該車業ニ關スル統制指導
二組合員及組合員タル團體ヲ組織ス
ル者ノ取扱品ノ仕入、販賣、保管其
ノ他組合員及組合員タル團體ヲ組織
スル者ノ當該事業ニ關スル統制ノ爲
ニスル施設
三當該事業ニ關スル調査及〓究
四組合員及組合員タル團體ヲ組織ス
ル者ノ當該事業ニ關スル檢査
五前各號ニ揭グルモノノ外統制組合
ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
統制組合ハ前。項ノ事業ノ外當該事業
ノ統制ノ爲必要アルトキハ組合員ニ
對スル事業資金ノ貸付、組合員ノ事
業資金ノ寄託ノ引受又ハ組合員ノ爲
ニスル其ノ事業上ノ債務ノ保證ヲ併
セ行フコトヲ得
第五十五條乃至第五十八條ノ規定ハ
保管事業ヲ行フ統制組合ニ之ヲ準用
ス但シ施設組合倉庫證劵トアルハ統
制組合倉庫證劵トス
第十條統制組合ノ組合員タル資格ヲ有
スル者ハ左ニ揭グル者ニシテ定款ヲ以
テ定ムルモノトス
一當該地區內ニ於テ當該事業ヲ營ム
者
二當該地區內ニ於テ當該事業ヲ營ム
者ヲ以テ組織スル團體
三第一號ニ揭グル者及前號ニ揭グル
團體ヲ以テ組織スル團體又ハ前號ニ
揭グル團體ヲ以テ組織スル團體
四第一號ニ揭グル者ヲ除クノ外當該
地區內ニ於テ常該事業ヲ行フ者ニシ
テ行政官廳ノ指定シ又ハ統制組合
(組合設立當時ニ於テハ發起人)ニ於
テ行政官廳ノ認可ヲ受ケタルモノ
第十一條統制組合ヲ設立セントスルト
キハ組合員タルベキ者發起人ト爲リ命
令ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員タル資
格ヲ有スル者ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ
開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ理
事長及監事ヲ選任シ行政官廳ノ認可ヲ
受クベシ
第十二條行政官廳當該事業ノ統制ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ地區及組合員タル資格ヲ
定メ其ノ地區內ニ於テ組合員タル資格
ヲ有スル者ニ對シ統制組合ノ設立ヲ命
ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ統制組合ノ設立ヲ命
ゼラレタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依
リ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル
事項ヲ定メ理事長及監事ヲ選任シ設立
ノ認可ヲ申請スベシ
第一項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタ
ル者行政官廳ノ指定スル期限迄ニ設立
ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官廳ハ
定款ノ作成、理事長及監事ノ任命其ノ
他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコト
ヲ得
第十三條統制組合ノ定款ニハ左ニ揭グ
ル事項ヲ記載スベシ
目的
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
五組合員タル資格ニ關スル規定
六組合員ノ權利義務ニ關スル規定
七事業及其ノ執行ニ關スル規定
八役員ニ關スル規定
九會議ニ關スル規定
十會計ニ關スル規定
第三十五條第一項ノ規定ニ依リ組合員
ヲシテ出資ヲ爲サシムル統制組合ノ定
款ニハ前項各號ニ揭グル事項ノ外左ニ
揭グル事項ヲ記載スベシ
出資ヲ爲スベキ組合員ノ範圍、出
資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
二剩餘金ノ處分及損失補塡ニ關スル
規定
三準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
第十四條統制組合ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
前項ノ場合ニ於テハ統制組合ハ遲滯ナ
ク其ノ成立ノ旨及定款ヲ公示スベシ
第十五條統制組合成立シタルトキハ其
ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ總テ其
ノ統制組合ノ組合員トス
第十六條統制組合ニハ左ノ役員ヲ置ク
ベシ
理事長一人
理事若干人
監事若干人
統制組合ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定
ムル所ニ依リ評議員若干人ヲ置クコト
ヲ得
第十七條理事長ハ統制組合ヲ代表シ組
合事務ヲ總理ス
理事ハ理事長ヲ輔佐シ組合事務ヲ分掌
シ豫メ理事長ノ定ムル順位ニ依リ理事
長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理
事長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ統制組合ノ業務及財產ノ狀況ヲ
監査ス
評議員ハ理事長ノ諮問ニ對シ答申シ又
ハ理事長ニ對シ意見ヲ具申ス
第十八條理事長ハ當該事業ニ關シ經驗
アル者及學識アル者ノ中ヨリ總會ニ於
テ之ヲ選任ス
但シ組合設立當時ノ理事長ハ當該事業
ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨ
リ創立總會ニ於テ之ヲ選任ス
理事及評議員ハ當該事業ニ關シ經驗ア
ル者及學識アル者ノ中ヨリ理事長之ヲ
命ズ
監事ハ組合員及組合員タル法人ノ業務
ヲ執行スル役員ノ中ヨリ總會ニ於テ之
ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ監事ハ組
合員タル資格ヲ有スル者及組合員タル
資格ヲ有スル法人ノ業務ヲ執行スル役
員ノ中ヨリ創立總會ニ於テ之ヲ選任ス
特別ノ事由アルトキハ監事ハ前項ニ該當
セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
第一項及前項ノ規定ニ依ル理事長及監
事ノ選任竝ニ第二項ノ規定ニ依ル理事
ノ任命ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非
ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十九條重要產業團體令ニ依ル統制會
(以下統制會ト稱ス)ノ會員タル統制組
合ノ理事長ハ前條第一項ノ規定ニ拘ラ
ズ當該事業ニ關シ經驗アル者及學識ア
ル者ノ中ヨリ當該統制會ノ會長(當該
統制會二以上アルトキハ行政官廳)之
ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依リ統制會ノ會長ノ爲ス
統制組合ノ理事長ノ任命ハ行政官廳ノ
認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生
ゼズ
第一項ノ統制組合ノ理事ノ任命ハ當該
統制會二以上アル場合ヲ除クノ外前條
第五項ノ規定ニ拘ラズ常該統制會ノ會
長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力
ヲ生ゼズ
第二十條統制組合ノ役員ノ任期ハ左ノ
通トス
理事長三年
理事三年
監事二年
評議員二年
理事長必要アリト認ムルトキハ任期中
ト雖モ理事ヲ解任スルコトヲ得
監事ハ任期中ト雖モ總會ノ決議ヲ以テ
之ヲ解任スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル理事ノ解任ハ行政
官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效
力ヲ生ゼズ
統制會ノ會員タル統制組合ニ在リテハ
第二項ノ規定ニ依ル理事ノ解任ハ當該
締制會二以上アル場合ヲ除クノ外前項
ノ規定ニ拘ラズ當該統制會ノ會長ノ承
認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼ
ズ
第二十一條統制組合ニ總會ヲ置ク但シ
定款ノ定ムル所ニ依リ總會ニ代ルベキ
總代會ヲ設クルコトヲ得
總會ニ關スル規定ハ前項ノ總代會ニ之
ヲ準用ス
第二十二條本法中別ニ規定スルモノノ
外左ニ掲グル事項ハ總會ノ議決ヲ經ベシ
-定款ノ變更
二第三十條又ハ第三十一條ノ規定ニ
依ル賦課金ノ收支豫算及賦課徵收方
法
三其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
第二十三條理事長ハ少クトモ每年一囘
通常總會ヲ招集スルコトヲ要ス
理事長必要アリト認ムルトキハ何時ニ
テモ臨時總會ヲ招集スルコトヲ得
第二十四條組合員ハ總會ニ於テ各一個
ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ
依リ一人ニ付議決權總數ノ十分ノ一ヲ
超エザル範圍內ニ於テ二個以上ノ議決
權ヲ有セシムルコトヲ得
第二十五條總會ノ決議ハ出席シタル組
合員ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス
但シ定款ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限
ニ在ラズ
第二十六條理事長特別ノ事由アリト認
ムル場合ニ於テ行政官廳ノ認可(統制
會ノ會員タル統制組合ニ在リテハ當該統
制會二以上アル場合ヲ除クノ外當該統
制會ノ會長ノ承認)ヲ受ケタルトキハ
第二十二條各號ニ揭グル事項ニ付總會
ノ決議ニ拘ラズ之ヲ執行スルコトヲ得
總會成立セズ又ハ總會ニ付議シタル事
項ヲ議決セザルトキ亦同ジ
第二十七條理事長ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ財產目錄、貸借對照表、事業報告
書及剩餘金處分案ヲ通常總會ニ提出シ
テ其ノ承認ヲ求ムベシ
組合員及組合ノ債權者ハ前項ニ揭グル
書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第二十八條統制組合ハ當該事業ニ關ス
ル事項ニ付行政官廳ニ建議スルコトヲ
得
統制組合ハ行政官廳ノ諮問ニ對シ答申
スベシ
第二十九條統制組合ハ其ノ組合員及組
合員タル團體ヲ組織スル者ニ對シ當該
事業ニ關スル事項ノ調査ヲ爲ス爲必要
ナル資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ資料ノ提出ヲ求メラ
レタル者ハ遲滯ナク之ヲ提出スベシ
第三十條統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ
依リ其ノ組合員ニ對シ經費ヲ賦課スル
コトヲ得
第三十一條統制組合ハ其ノ事業ヲ行フ
爲特ニ必要アルトキハ命令ノ定ムル所
ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受ケ其ノ組合
員ノ全部又ハ一部ニ對シ前條ノ規定ニ
依ル賦課金ノ外特別ノ賦課金ヲ課スル
コトヲ得
第三十二條統制組合ハ定款ノ定ムル所
ニ依リ定款又ハ統制規程ニ違反シタル
組合員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十三條第三十條若ハ第三十一條ノ
規定ニ依ル賦課金又ハ過怠金ヲ滯納ス
ル者アル場合ニ於テ統制組合ノ請求ア
ルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ
之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ統制組合ハ
其ノ徴收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交
付スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザ
ル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權
ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市
町村稅ノ例ニ依ル
第三十四條統制組合ハ定款ノ定ムル所
ニ依リ使用料及手數料ヲ徵收スルコト
ヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徴收ニ關シテ
ハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十五條第九條第一項第二號ニ揭グ
ル事業ヲ行フ統制組合ハ定款ノ定ムル
所ニ依リ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ヲ
シテ出資ヲ爲サシムルコトヲ得
前項ニ規定スル統制組合同項ノ規定ニ
依リ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ヲシテ
出資ヲ爲サシムル場合ニ於テハ當該組
合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
第三十六條前條第一項ノ規定ニ依リ出
資ヲ爲サシムル統制組合ハ出資ヲ引受
ケタル組合員ヲシテ遲滯ナク第一囘ノ
拂込ヲ爲サシムベシ
第三十七條第三十五條第一項ノ規定ニ
依リ出資ヲ爲ス組合員ノ責任ハ第三十
條及第三十一條ノ規定ニ依ル費用負擔
ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第三十八條統制組合ハ其ノ組合員又ハ
組合員タル團體ヲ組織スル者ノ當該事
業ニ關スル統制規程ヲ設定スベシ
第三十九條定款ノ變更竝ニ統制規程ノ
設定及變更ハ行政官廳ノ認可ヲ受クル
ニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
行政官廳前項ノ規定ニ依リ統制規程ノ
設定又ハ變更ノ認可ヲ爲シタルトキハ
其ノ旨ヲ告示スベシ
統制組合第一項ノ規定ニ依リ定款ノ變
更ノ認可ヲ受ケタルトキハ遲滯ナク其
ノ旨ヲ公示スベシ
第四十條統制組合ノ組合員又ハ組合員
タル團體ヲ組織スル者ハ當該統制組合
ノ統制規程ニ依ルベシ
第四十一條統制組合統制規程ニ基キ製
造加工又ハ販賣ノ數量、販賣價格、
加工料金其ノ他ノ命令ノ定ムル事項ニ
付決定ヲ爲シタルトキハ遲滯ナク之ヲ
行政官廳ニ屆出ヅベシ
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項
ノ決定ノ變更又ハ取消ヲ爲スコトヲ得
第四十二條統制組合ハ定款ノ定ムル所
ニ依リ定款ノ違反ニ係ル取扱品ニシテ
違反者ノ所有スルモノニ付抑留其ノ他
必要ナル處分ヲ爲シ特ニ必要アルトキ
ハ之ヲ沒收スルコトヲ得
第四十三條統制組合必要アリト認ムル
トキハ統制組合ノ役員又ハ使用人ヲシ
テ組合員及組合員タル團體ヲ組織スル者
ノ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳簿書類、
設備其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコト
ヲ得
統制組合前項ノ規定ニ依リ役員又ハ使
用人ヲシテ檢査セシムル場合ニ於テハ
其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第四十四條行政官廳必要アリト認ムル
トキハ統制組合又ハ其ノ組合員若ハ組
合員タル團體ヲ組織スル者ヨリ其ノ事
業ニ關シ報〓ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシ
テ其ノ事務所、營業所、工場、車業場
其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若
ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ檢査
セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢
檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ
示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第一項ノ場合ニ於テ當該官吏第四十條
ノ規定ニ違反シタル者アリト認ムルト
キハ被疑者若ハ參考人ヲ尋問シ又ハ犯
罪ノ事實ヲ證明スベキ物件ヲ搜索シ若
ハ之ガ差押ヲ爲スコトヲ得
臨檢、尋問、搜索及差押ニ關シテハ間
接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第四十五條行政官廳ハ統制組合ニ對シ
當該事業ニ關スル事項ノ調査ヲ命ズル
コトヲ得
第四十六條行政官廳當該事業ノ統制運
營上必要アリト認ムルトキハ統制組合
ニ對シ必要ナル事業ノ施行、定款若ハ
統制規程ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ
命ジ又ハ定款若ハ統制規程ノ變更ヲ爲
スコトヲ得
第四十七條行政官廳ハ統制組合ニ對シ
業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令
ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
行政官廳必要アリト認ムルトキハ監事
ヲシテ監査ノ結果ヲ報〓セシムルコト
ヲ得
第四十八條行政官廳ハ理事長ノ行爲ガ
法令又ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ違反
シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ
他當該事業ノ統制運營上理事長ヲ不適
當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコ
トヲ得
行政官廳ハ理事、監事又ハ評議員ノ行
爲ガ法令若ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ
違反シタルトキ又ハ公益ヲ害シタルト
キハ之ヲ解任スルコトヲ得
統制會ノ會長ハ當該統制會ノ會員タル
統制組合(二以上ノ統制會ニ所屬スル
統制組合ヲ除ク)ノ理事長ノ行爲ガ法
令又ハ法令ニ基キテ爲ス行政官廳ノ處
分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタル
トキ其ノ他當該重業ノ締制運營上理事
長ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解
任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クル
ニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第四十九條統制會ノ會員ニ非ザル統
制組合又ハ二以上ノ統制會ニ所屬スル
締制組合ノ理事長缺ケタル場合ニ於テ
行政官廳當該事業ノ統制運營上特ニ必
要アリト認ムルトキハ第十八條第一項
ノ規定ニ拘ラズ當該專業ニ關シ經驗ア
ル者及學識アル者ノ中ヨリ理事長ヲ命
ズルコトヲ得
第五十條統制組合ハ行政官廳ノ命令ニ
因ルニ非ザレバ解散又ハ合併ヲ爲スコ
トヲ得ズ
第五十一條統制組合ニハ所得稅、法人
稅及營業稅ヲ課セズ
第三章施設組合
第五十二條施設組合ハ組合員ノ事業ノ
改良發達ヲ圖ル爲共同ノ施設ヲ爲スヲ
以テ目的トス
第五十三條施設組合ハ商業、工業又ハ
鑛業ニ屬スル車業ヲ營ム者ヲ以テ之ヲ
設立ス
第五十四條施設組合ハ其ノ目的ヲ達ス
ル爲左ニ揭グル三業ヲ行フ
組合員ノ取扱品ノ仕入、保管、運
搬加工若、ハ販賣又ハ組合員ノ爲ノ
註文ノ引受
二組合員ノ事業ニ關スル共同設備ノ
設置
三前二號ニ揭グルモノノ外施設組合
ノ目的ヲ達スルニ必要ナル至業
施設組合ハ前項ノ專業ノ外組合員ニ對
スル事業資金ノ貸付、組合員ノ爲ニス
ル其ノ專業上ノ債務ノ保證又ハ組合員
ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項第二號ニ揭グル組合ノ共同設備
ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ
組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル
所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第五十五條保管專業ヲ行フ施設組合ハ
行政官廳ノ許可ヲ受ケ組合員ノ寄託物
ニ信倉荷證劵ヲ發行スルコトヲ得
前項ノ許可ヲ受ケタル施設組合ハ組合
員タル寄託者ノ請求ニ因リ寄託物ノ倉
荷證劵ヲ交付スルコトヲ要ス
商法第六百二十七條第二項及第六百二
十八條ノ規定ハ第一項ノ倉荷證劵ニ之
ヲ準用ス
第五十六條前條第一項ノ許可ヲ受ケタ
ル施設組合ノ作成スル倉荷證劵ニハ施
設組合倉庫證劵ナル文字ヲ記載スルコ
トヲ要ス
施設組合ニ非ザル者ノ作成スル預證劵
及質入證劵又ハ倉荷證劵ニハ施設組合
倉庫證劵ナル文字ヲ記載スルコトヲ得
ズ
第五十七條施設組合倉庫證劵ノ發行ア
リタル寄託物ノ保管期間ハ寄託ノ日ヨ
リ六月以內トス
前項ノ寄託物ノ保管期間ハ六月ヲ限度
トシ之ヲ更新スルコトヲ得但シ更新ノ
際ニ於ケル證劵ノ所持人組合員ニ非ザ
ルトキハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合
ニックシ
第五十八條商法第六百十六條乃至第六
百十九條及第六百二十四條乃至第六百
二十六條ノ規定ハ施設組合ガ施設組合
倉庫證劵ヲ發行シタル場合ニ之ヲ準用
ス
第五十九條施設組合ヲ設立セントスル
トキハ組合員タラントスル者全員設立
者ト爲リ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定
メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第六十條施設組合ノ定款ニハ左ニ揭グ
ル事項ヲ記載スベシ
-目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四組合員タル資格ニ關スル規定
五組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
六出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
七剩餘金ノ處分及損失補塡ニ關スル
規定
八準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
九組合員ノ權利義務ニ關スル規定
十專業及其ノ執行ニ關スル規定
十一役員ニ關スル規定
十二會議ニ關スル規定
十三會計ニ關スル規定
十四存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定
メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第六十一條施設組合ニハ理事及監事ヲ
置クベシ
理事及監事ハ組合員及組合員タル法人
ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ總會ニ
於テ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ理
事及監事ハ定款ヲ以テ之ヲ定ムベシ
理事又ハ監事ハ何時ニテモ總會ノ決議
ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第六十二條組合員ハ出資一口以上ヲ有
スペン
第六十三條組合員タル資格ヲ有スル者
ハ組合員ノ四分ノ三以上ノ同意ヲ得テ
施設組合ニ加入スルコトヲ得
第六十四條組合員ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ一定ノ期間前ニ豫〓ヲ爲シ施設組
合ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ
終ニ於テ脫退スルコトヲ得
組合ハ正當ノ理由ナクシテ前項ノ承諾
ヲ拒ムコトヲ得ズ
第六十五條施設組合ハ左ノ事由ニ因リ
テ解散ス
-定款ニ定メタル事由ノ發生
二總會ノ決議
三組合ノ合併
四組合ノ破產
五第六十六條ノ規定ニ依ル解散ノ命
令
總會ノ決議ニ因ル解散ハ行政官廳ノ認
可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼ
ズ
第六十六條施設組合ノ事業若ハ財產ノ
狀況ニ依リ其ノ事業ノ繼續ヲ困難ナリ
ト認ムルトキ又ハ施設組合ノ行爲ガ法
令法令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ
違反シタルトキ若ハ公益ヲ害スル虞ア
ルトキハ行政官廳ハ總會ノ決議ヲ取消
シ、役員ヲ解任シ又ハ組合ノ解散ヲ命
ズルコトヲ得
第六十七條施設組合ニハ營業稅ヲ課セ
ズ
第六十八條第十四條第一項、第二十條
第一項、第二十一條第一項(但書ヲ除
ク)、第二十二條乃至第二十五條、第二
十七條、第三十條、第三十二條、第三
十四條、第三十六條、第三十七條、第
三十九條第一項、第四十四條、第四十
六條及第四十七條ノ規定ハ施設組合ニ
之ヲ準用ス
第四章商工組合中央會
第六十九條商工組合中央會ハ商工組合
ノ指導及連絡ヲ圖ル目的ヲ以テ之ヲ設
立スルコトヲ得
商工組合中央會ハ法人トス
第七十條商工組合中央會ハ其ノ名稱中
ニ商工組合中央會ナル文字ヲ用フベシ
第七十一條商工組合中央會ハ全國ヲ通
ジテ一個トシ其ノ設立ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第七十二條商工組合ハ商工組合中央會
ノ會員ト爲ルコトヲ得
前項以外ノ者ト雖モ定款ノ定ムル所ニ
依リ商工組合中央會ノ會員ト爲ルコト
ヲ得
第七十三條商工組合中央會ノ定款ニハ
左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四會員ノ加入及脫退ニ關スル規定
會員ノ權利養務ニ關スル規定
七六五資產ニ關スル規定
事業及其ノ執行ニ關スル規定
八役員ニ關スル規定
九會議ニ關スル規定
十存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メ
タルトキハ其ノ時期又ハ事由
第七十四條商工組合中央會ニハ左ノ役
員ヲ置クベシ
會長一人
理事若干人
監事若干人
商工組合中央會ニハ前項ノ役員ノ外定
款ノ定ムル所ニ依リ副會長二人以內ヲ
置クコトヲ得
第七十五條會長及副會長ハ商業、工業
又ハ鑛業ニ關シ經驗アル者及學識アル
者ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ
中央會設立當時ノ會長及副會長ハ商
業〓、工業又ハ鑛業ニ關シ經驗アル者及
學識アル者ノ中ヨリ創立總會ニ於テ之
ヲ選任ス
理事及監事ハ會員又ハ會員タル法人ノ
役員ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但
シ中央會設立當時ノ理事及監事ハ設立
同意者又ハ設立同意者タル法人ノ役員
ノ中ヨリ創立總會ニ於テ之ヲ選任ス
第七十六條第三條第二項、第四條、第
十四條第一項、第二十一條、第二十二
條乃至第二十五條、第二十七條、第二
十八條、第三十條、第三十九條第一
項、第四十五條乃至第四十七條、第六
十五條及第六十六條ノ規定ハ商工組合
中央會ニ之ヲ準用ス
第五章罰則
第七十七條第四十條ノ規定ニ違反シタ
ル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下
ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情狀ニ因リ
懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第七十八條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
-第二十九條第二項ノ規定ニ違反シ
タル者
二正當ノ理由ナクシテ第四十三條第
一項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ
又ハ忌避シタル者
第七十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
正當ノ理由ナクシテ第四十四條ノ
規定(第六十八條ニ於テ準用スル場
合ヲ含ム)ニ依ル當該官吏ノ臨檢檢
査尋問、搜索又ハ差押ヲ拒ミ、妨
ゲ又ハ忌避シタル者
二第四十四條ノ規定(第六十八條ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル報
告ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報告ヲ爲シタル
者
第八十條統制組合ノ證票若ハ檢査證ヲ
不正ニ併用シタル者、行使ノ目的ヲ以
テ證票若ハ檢査證ヲ僞造若ハ變造シタ
ル者又ハ僞造若ハ變造ノ證票若ハ檢査
證ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又
ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十一條統制組合ノ役員若バ使用人
又ハ其ノ職ニ在リタル者其ノ業務執行
ニ關シ知得シタル法人又ハ人ノ業務上
ノ祕密ヲ漏泄又ハ竊用シタルトキハ二
年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ
處ス
第八十二條統制組合ノ役員、〓算人又
ハ使用人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ
又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二
年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ
爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ
五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ
沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スル
コト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第八十三條前條第一項ニ揭グル者ニ對
シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者
ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰
金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第八十四條第八十條ニ揭グル罪ハ刑法
第三條ノ例ニ、第八十二條ニ揭グル罪
ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
第八十五條商工組合又ハ商工組合中央
會本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又
ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルト
キハ會長、副會長、理事長、理事又ハ
監事ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
第八十六條第三條第二項ノ規定(第七
十六條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ
違反シタル者又ハ第五十六條第二項ノ
規定(第九條第三項ニ於テ準用スル場
合ヲ含ム)ニ違反シタル者ハ千圓以下
ノ過料ニ處ス
第八十七條統制組合ノ組合員又ハ組合
員タル團體ヲ組織スル者ハ其ノ代表
者、代理人、戶主、家族、同居者、雇
人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ第
七十七條第一項、第七十八條第一號又
ハ第七十九條第二號ノ罪ヲ犯シタルト
キハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ
其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第八十八條第七十七條第一項、第七十
八條第一號又ハ第七十九條第二號ノ罰
則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取
締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役
員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキ
ハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營
業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル
未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第八十九條前二條ノ場合ニ於テハ懲役
ノ刑ニ處スルコトヲ得ズ
附則
第九十條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第九十一條重要物產同業組合法、工業
組合法及商業組合法ハ之ヲ廢止ス但シ
重要物產同業組合法ニ付テハ漁業法其
ノ他ノ法律ニ依リ準用セラルル範圍內
ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項本文ニ揭グル法律ニ依リ設立セラ
レ本法施行ノ際現ニ存スル同業組合、
同業組合聯合會、工業組合、工業組合
聯合會、工業小組合、工業組合中央會、
商業組合、商業紀合聯合會、商業小組合
及商業組合中央會ハ本法施行後ト雖モ
勅令ヲ以テ指定スル期間ヲ限リ仍存續
ズルモノトス
前項ニ揭グル組合、聯合會、小組合及
中央會ニ付テハ第一項本文ニ揭グル法
律ハ同項ノ規定ニ拘ラズ仍其ノ效力ヲ
有ス
本法施行前又ハ第二項ノ規定ニ依リ同
項ニ揭グル組合、聯合會、小組合又ハ
中央會ガ存續スル期間中ニ爲シタル行
爲ニ關スル罰則ノ適用ニ付テハ本法施
行後又ハ前項ノ規定ニ依リ效力ヲ有ス
ル第一項本文ニ揭グル法律ガ其ノ效力
ヲ失フニ至リタル後ト雖モ仍從前ノ規
定ニ依ル
第二項ニ揭グル組合、聯合會、小組合
又ハ中央會ニシテ〓項ノ勅令ヲ以テ指
定スル期間濾了ノ際現ニ存スルモノ(清
算中ノモノヲ除ク)ハ當該期間滿了ノ
際解散スルモノトス
前項ノ規定ニ依ル解散及〓算ニ關シ必
要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十二條重要產業團體令ニ依ル統制
組合ニシテ本注施行ノ際現ニ存スルモ
ノハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依ル統
制組合ト爲リタルモノトス
前項ノ場合ニ於テ重要產業團體令ニ依
ル統制組合ノ權利義務ハ本法ニ依ル統
制組合ニ於テ之ヲ承繼ス
前項ニ揭グルモノノ外登記其ノ他重要
產業圍體令ニ依ル統制組合ガ第一項ノ
規定ニ依リ本法ニ依ル統制組合ト爲ル
ニ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル統
制組合ノ成立ニ付テハシ適適セ
第九十三條第九十一條第二項ニ揭グル
組合、聯合會及小組合ハ定款其ノ他商
工組合ト爲ルニ必要ナル事項ヲ定メ行
政官廳ノ認可ラ受ケタルトキハ商工組
合ト爲ルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ同項ニ揭グル組合、
聯合會又ハ小組合ノ權利義務ハ商工組
合ニ於テ之ヲ承繼ス
第一項ノ規定ニ依リ同項ニ揭グル組合、
聯合會又ハ小組合ガ商工組合ト爲リタ
ルトキハ其ノ組合若ハ小組合ノ組合員
又ハ其ノ聯合會ノ所屬ノ組合、聯合會
若ハ工業者ノ出資ハ當該商工組合ニ對
スル出資ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ第一項ニ揭グル組合、
聯合會又ハ小組合ニ對スル出資ノ持分
ノ上ニ存在スル質權ハ商工組合ニ對ス
ル出資ノ持分ノ上ニ存在ス
第一項ノ場合ニ於テ商工組合ト爲リタ
ル同項ニ揭グル組合ガ保證責任ノ組合
ナルトキハ當該商工組合成立ノ際ニ於
ケル組合員ハ當該商工組合成立前ニ生
ジタル當該組合ノ債務ニ付テハ工業組
合法第十八條ノ二又ハ商業組合法第十
九條ノ規定ニ依ル責任ヲ免ルルコトナ
シ
前項ノ責任ハ同項ノ商工組合成立後二
年以内ニ請求又ハ請求ノ豫〓ヲ爲サザ
ル債權者ニ對シテハ常該商工組合成立
後二年ヲ經過シタルトキハ消滅ス
前五項ニ揭グルモノノ外第一項ニ揭グ
ル組合、聯合會及小組合ガ同項ノ規定
ニ依リ商工組合ト爲ルニ必要ナル事項
ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十四條行政官廳必要アリト認ムル
トキハ第九十一條第二項ニ揭グル組合
又ハ聯合會ニ對シ給制組合ト爲ルベキ
コトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル組合
又ハ聯合會ハ定款共ノ他統制組合ト爲
ルニ必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認
可ヲ受クベシ
前項ニ揭グル組合又ハ聯合會行政官廳
ノ指定スル期限迄ニ前項ノ認可ヲ申請
セザルトキハ行政官廳ハ定款ノ作成其
ノ他當該組合又ハ聯合會ガ統制組合ト
爲ルニ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
前條第二項乃至第七項ノ規定ハ前項ノ
場合ニ之ヲ準用ス
第九十五條第十四條ノ規定ハ前二條ノ
規定ニ依ル商工組合ノ成立ニ之ヲ適用
ス
第九十六條行政官廳常該事業ノ統制上
必要アリト認ムルトキハ第九十一條第
二項ニ揭グル組合又ハ聯合會ニ對シ同
條第三項ノ規定ニ拘ラズ解散ヲ命ズル
コトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル組合
又ハ聯合會ハ其ノ命令アリタル時解散
スルモノトス此ノ場合ニ於テ必要アル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ常該組今
又ハ聯合會ノ權利義務ハ行政官廳ノ指
定スル統制組合之ヲ承繼スルモノト爲
スコトヲ得
第九十一條第六項ノ規定ハ第一項ノ規
定ニ依ル解散ノ場合ニ、第九十三條第
三項乃至第六項ノ規定ハ前項後段ノ場
合ニ之ヲ準用ス
第九十七條本法ニ定ムルモノノ外本法
ノ施行ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第九十八條商工組合第九十二條乃至第
九十六條ノ規定ニ依リ承繼シタル不動
產ニ關スル權利ノ取得ニ付登記ヲ受ク
ル場合ニ於テハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動
產ノ價格ノ千分ノ三トス但シ登錄稅法
ニ依リ算出シタル登錄稅ノ額ガ本法ニ
依リ算出シタル稅額ヨリ少キトキハ其
ノ額ニ依ル
第九十九條第九十一條第二項ニ揭グル
組合、聯合會又ハ小組合ガ第九十三條
若ハ第九十四條ノ規定ニ依リ商工組合ト
爲リ又ハ第九十六條第二項ノ規定ニ依
リ解散シ同項ノ規定ニ依リ權利義務ノ
承繼アリタルトキハ所得稅法、法人稅
法及臨時利得稅法又ハ特別法人稅法ノ
適用ニ關シテハ此等ノ法人ハ之ヲ合併ニ
因リテ消滅シタル法人又ハ特別ノ法人ト
看做シ商工組合ハ之ヲ合併ニ因リテ設
立シタル法人又ハ特別ノ法人ト看做ス
第百條商工紀合ガ第九十二條乃至第九
十六條ノ規定ニ依リ承繼シタル財產ニ
付テハ法人稅法ニ依ル所得、臨時利得
稅法ニ依ル利益又ハ時別法人稅法ニ依
ル剩餘金ノ計算上之ヲ益金ニ算入セズ
第百一條本法施行ノ際現ニ第三條第一
項又ハ第七十條ニ揭グル名稱ヲ其ノ名
稱中ニ用フルモノハ本法施行後六月以
內ニ其ノ名稱ヲ變更スルコトヲ要ス
第八十六條ノ規定ハ前項ノ期間內同項
ニ揭グルモノニ之ヲ滴用セズ
第百二條商工組合中央金庫法中左ノ通
改正ス
第一條第一項中「商工組合中央金庫ハ」
ノ下ニ「商工組合、」ヲ加フ
第三條第一項、第三項及第四項中「商業
組合聯合會」ノ上ニ「給制組合ヲ組合員
トスル綺制組合、」ヲ加へ同條第二項中
「前項ノ聯合會」ヲ「前項ノ組合、聯合
會」ニ改ム
第七條第一項中「政府、」ノ下ニ「商工組
合、」ヲ加フ
第二十七條第一項但書中「其ノ半數以
上ハ」ノ下ニ「内工組合、」ヲ加フ
第二十八條第一項第六號中「商業組合」
ノ上ニ「商工組合、」ヲ加フ
第二十九條第一項第三號中「商業組合」
ノ上ニ「商工組合、」ヲ加フ
第百三條特別法人稅法中左ノ通改正ス
第二條中第二號ヲ第二號ノ二トシ同條
ニ左ノ一號ヲ加フ
二統制組合(所屬ノ組合員ヲシテ出
資ヲ爲サシメザルモノヲ除ク)
第百四條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「工業組合」ヲ「商工
組合、商工組合中央會、工業組合」ニ、
「工業組合法」ヲ「商工組合法、工業組合
法」ニ改ム
第百五條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第十二號中「工業組合」ヲ
「商工組合、工業組合」ニ改ム
第百六條食糧管理法中左ノ通改正ス
第二十一條第二項中「商業組合法第三
條ノ六第二項第三項、第三條ノ七、第
三條ノ八第一項第二項本文及第三條ノ
九」ヲ「商工組合法第五十五條第二項第
三項及第五十六條乃至第五十八條」ニ、
同條同項但書中「同法第三條ノ七、第三
條ノ八第一項及第三條ノ九中商業組合
倉庫證劵トアルハ」ヲ「同法第五十六條、
第五十七條第一項及第五十八條中施設
組合倉庫證劵トアルハ」ニ改ム
商工組合中央金庫法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
商工大臣岸信介
商工組合中央金庫法中改正法律案
商工組合中央金庫法中左ノ通改正ス
第六條ノ二商工組合中央金庫ノ資本金
ヲ千四百萬圓增加シ之ヲ十四萬口ニ分
チ一口ノ金額ヲ百圓トス
第八條ノ二政府ハ第六條ノ二ノ規定ニ
依ル資木金ノ增加ノ爲千萬圓ヲ商工組
合中央金庫ニ出資ス
第六條ノ二ノ規定ニ依ル增加資本金ニ
付テハ組合又ハ聯合會ハ其ノ出資額ニ
對シ出資スベキコトト爲リタル當初ニ
於テ出資額ノ五分ノ一ヲ拂込ミ爾後十
年間ニ其ノ殘餘ヲ拂込ムモ〓トス
第二十八條ノ三第二十八條第一項第一
號又ハ第二號ノ規定ニ依リ商工組合中
央金庫ヨリ貸付ヲ受ケタル組合又ハ聯
合會ガ解散シタル場合ニ於テハ左ノ各
號ニ揭グル法人ニシテ商工組合中央金
庫ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルモ
ノハ同項第一號及第二號ノ規定ノ適用
ニ付テハ之ヲ所屬組合又ハ所屬聯合會
ト看做ス
一當該組合又ハ聯合會ノ構成員(構
成員ノ構成員ヲ含ム以下同ジ)タリ
シ者ノ全部又ハ一部ヲ以テ組織スル
法人
二當該組合又ハ聯合會ノ構成員タリ
シ者ノ全部又ハ一部ト其ノ他ノ者ト
ヲ以テ組織セラレ當該組合又ハ聯合
會ノ主タル事業設備ヲ取得シタル法
人
三前各號ニ揭グル法人ニ準ズル法人
ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
第二十九條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
四前號ニ揭グル組合若ハ聯合會ニシ
テ解散シタルモノ(以下解散組合ト
稱ス)ノ構成員タリシ者ノ全部若ハ
一部ヲ以テ組織スル會社、解散組合ノ
構成員タリシ者ノ全部若ハ一部ト其
ノ他ノ者トヲ以テ組織セラレ解散組
合ノ主タル事業設備ヲ取得シタル會
社又ハ法令、法令ニ基ク命令若ハ行
政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ基キ事業ノ
締制ノ必要上設立シタル會社ニ對シ
主務大臣ノ認可ヲ受ケ短期貸付ヲ爲
スコト
第三十九條中「九月迄及十月ヨリ」ヲ削
ル
第四十九條中「三十專業年度間」ヲ「昭和
二十七年三月ヲ以テ終ル事業年度迄」ニ
改ム
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=38
-
039・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 商工經濟會法案、
商工組合法案竝ニ商工組合中央金庫法中改
正法律案ノ三法案ノ提案ノ理由ヲ御說明致
シマス、先ヅ商工經濟會法案ニ付テ申上ゲ
マス
〔副議長候爵佐佐木行忠君議長席ニ著
ク〕
局下決戰體制確立ノ爲、國民經濟ノ總力
ヲ戰力增强ノ目的ニ集中致シマシテ之ヲ
最モ有效ニ發揚セシムルコトガ緊急ノ要務
デアルコトハ申ス迄モナイ所デアリマス
ガ、之ガ爲ニハ、國內產業經濟ノ組織ヲ整
備强化シ、以テ戰爭遂行力ノ强化ニ寄與セ
シムルコト最モ肝要ナリト存ズルノデアリ
マス、產業組織ノ整備確立ニ付キマシテハ、
曩ニ統制會制度ノ實施ニ依リマシテ、重要
產業部門ニ對シテソレ〓〓業種別ニ、生產、
配給、消費ヲ縦ニ貫ク統制組織ヲ完備致シ、
其ノ下部機構竝ニ統制會外ノ業種ニ於ケル
各種組合モ、今般議會ニ提案致シテ居リマ
スル商工組合法ガ實施セラルヽニ至リマス
レバ、整備セラルヽノデアリマスルガ、是
等各業種、業態ヲ打ッテ一丸トシテ、綜合
的團體ヲ結成スルコトニ依ッテ、異業種、
異業態ヲ通ズル全體的調整ヲ圖リ、以テ總
力發揮體制ノ完璧ヲ期セムトスルノガ、本
法制定ノ第一ノ目的デアリマス、次ニ現下
ノ統制經濟ハヽ府縣ノ行政ヲ通ジテ地域的
ニ實施サレツヽアルノデアリマシテ、而モ
是等產業經濟運營ノ實相ハ、府縣ノ特性ニ
應ジマシテソレ〓〓相違致シテ居ルノデア
リマスガ故ニ、府縣經濟行政ト表裏一體ヲ
爲ス綜合的地方產業團體ヲ整備シ、官民一
致シテ府縣經濟行政ノ迅速且的確ナル徹底
ヲ圖リマスト共ニ、地方產業全般ノ實情ヲ
明確ニシ、以テ統制經濟ノ運營ヲ圓滑ナラ
シメムトスルノガ、本法制定ノ第二ノ目的
デアリマス、最後ニ各地方產業經濟ハ、ソ
レゾレ其ノ地方ノ特殊事情ニ基キマシテ發
達向上シテ參ッタノデアリマスルガ、其ノ
各地方ノ持ツ特殊性ヲ遺憾ナク發揮セシメ
マシテ、產業經濟ノ改善向上ニ努メシムル
地方經濟團體ヲ設立シ、以テ國家產業經濟
力ノ向上ニ資セシメムトスルノガ本法制定
ノ第三ノ目的デアリマス、以上ノ三ツガ本
法制定ノ理由デアリマスルガ、本法制定ニ依
リマシテ、從來ノ地域的綜合經濟團體タル
商工會議所ニ關スル商工會議所法ハ、同時
ニ之ヲ廢止セムトスルノデアリマス、次ヘ
商工組合法案ニ付テ御說明致シマス、重要
產業部門ニ於キマシテハ、既ニ統制會制
度ニ依リマシテ、其ノ上部統制組織ヲ整備
致シタノデアリマスルガ、其ノ下部門竝ニ
一般商工業部門ニ於キマシテハ、重要產業
團體令ニ依ル統制組合、各種組合法ニ依ル
商業組合、工業組合、同業組合等、各種ノ
組合制度ガ存在スルノデアリマシテ、是等
組合制度ハ、現下ノ經濟情勢ニ徵シマスルニ、
何レモ一長一短ノ弊ガアルノデアリマス、
玆ニ於キマシテ商工鑛業ニ關スル完全ナ
ル統制團體トシテ新夕ニ統制組合制度ヲ
設ケ、之ニ依リマシテ商工鑛業部門ノ統制
機構ヲ整備セムトスルノガ、本法制定ノ第一
ノ目的デアリマス、本法制定ノ第二ノ目的
ト致シマシテハ、現下ノ經濟情勢ニ鑑ミマ
シテ、各種產業部門ノ能率〓揚ヲ一層推進
致サネバナラヌノデアリマスルガ、他面中小
經營ノ長所ヲモ活用スルコトヲ必要トスル
場合モアリマスルノデ、中小企業ノ爲ノ共
同經營組織ト致シマシテ、施設組合ヲ設ケ
ムトスルモノデアリマス、右ノ統制組合
及施設組合ノ指導、連絡ヲ圖ル中央機關ト
致シマシテ、商工組合中央會ヲ設立セムト
スルノガ、本法ヲ制定致サムトスル第三ノ
目的デアリマス、次ニ商工組合中央金庫法
中改正法律案ニ付テ御說明致シマス、商工
組合中央金庫ハ、商業組合、工業組合等、
商工業關係組合ニ對スル金融ノ圓滑ヲ圖ル
コトヲ目的トシテ設立セラレタノデアリマ
スルガ、設立後、商業組合、工業組合等ノ
飛躍的增加ト相俟ッテ、其ノ業務モ急速ニ擴
充サレテ參リマシタノデ、旣ニ商工債劵ノ
發行餘力モ僅少ト相成ッテ居ルノデアリマ
ス、然ルニ後ニ申上ゲマスル通リ、從來ノ
組合ヲ改組設立シタル會社、其ノ他統制ノ
必要上設立シタル會社等ニ對シマシテモ、
資金ノ融通ヲ行フ必要ガアリマスルノデ、將
來本金庫ノ所要資金ハ急激ニ增加スルモノ
ト豫想セラルヽノデアリマス、從ヒマシテ
商工組合中央金庫ノ現在ノ資本金ヲ以テ致
シマシテハ、到底利用者ノ需要ニ應ズルコ
トハ困難ト認メラレマスルノデ、商工組合
中央金庫ノ資本金ヲ增加シテ、政府竝ニ組
合ヨリ出資セシメムトスル次第デアリマス、
次ニ商工組合中央金庫ハ、現在商工業關係
組合ニ對シテノミ資金ヲ貸付ケ得ル建前ニ
ナッテ居ルノデアリマスルガ、近時產業整備
ノ必要ニ基キマシテ、商工業關係組合中ニ
於キマシテモ、組合ヲ改組シテ會社形態等
ニ移行スルモノガ尠カラザル狀況デアリマ
ス、從ヒマシテ從來商工組合中央金庫ニ所
屬シテ居ル商工業關係組合ニシテ、改組ニ
依ッテ加入者タル資格ヲ喪失シタルモノニ
對シマシテモ、貸付ノ繼續ヲ認メマスルト
共ニ、商工組合中央金庫ニ所屬シテ居ラナ
カッタ組合、又ハ聯合會ガ改組設立シタ會
社等ニ對シマシテモ、將來中小商工業トシ
テ金融ノ必要ヲ生ジマシタ際ニハ、短期ノ
貸付ヲ認メムトスルモノデアリマス、尙商
工組合中央金庫ノ事業年度ハ、現在年二囘
ト相成ッテ居リマスルガ、手續ノ簡素化等ヲ
門ル趣旨ヨリ致シマシテ、之ヲ年一囘ニ改
正セムトスルモノデアリマス、商工經濟會
法案外二件ノ提案理由ハ以上ノ通リデアリ
やっ、何卒御容議ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘ
ラレムコトヲ切望スル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=39
-
040・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
商工經濟會法案外二件ノ特別委員ノ數ヲ二
十五名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任
スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=40
-
041・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=41
-
042・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐太行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=42
-
043・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐太行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔高山書記官朗讀〕
商工經濟會法案外二件特別委員
公爵德川家正君侯爵池田宣政君
侯爵蜂須賀正氏君伯爵黑木三次君
子爵會我祐邦君子爵河瀨眞君
子爵富小路隆直君子爵織田信恒君
有吉忠君男爵松岡均平君
伍堂卓-君君男爵東〓安君
大橋八郞君吉野信次君
男爵八代五郞造君男杉溪由言君
竹內可吉君稻畑勝太郞君
千石興太郞君河西豊太郞君
中山太一君片倉兼太郞君
山上岩二君古莊健次郞君
中野敏雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=43
-
044・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第二
十、帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案、
日程第二十一、重要鑛物增產法中改正法律
案政府提出、第一讀會、是等ノ兩案ヲ一
括シテ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセ
ヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=44
-
045・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、岸商工大臣
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
商工大臣岸信介
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
帝國鑛業開發株式會社法中左ノ通改正ス
第一條中「重要鑛物(金鑛及砂金ヲ除ク以
下之ニ同ジ)ノ資源ノ開發ヲ促進シ其ノ
增產ヲ圖ル爲」ヲ「重要鑛物ノ增產竝ニ鑛
業(砂鑛業ヲ含ム以下之ニ同ジ)及製鍊業
ノ整備ヲ圖ル爲」ニ改ム
第三條中「三千萬圓」ヲ「一億一千五百萬
圓」ニ、「千五百萬圓」ヲ「五千七百五十萬
圓」ニ改ム
第十一條第一項第一號中「鑛業(砂鑛業ヲ
含ム以下之ニ同ジ)」ヲ「鑛業又ハ製錬業」
ゴメ
同條同項第三號中「鑛業」ノ下ニ「又ハ製
鍊業」ヲ加フ
同條同項第六號中「鑛業又ハ製鍊業」ヲ
「鑛業若ハ製鍊業又ハ鑛業若ハ製鍊業ノ
用ニ供スル器具、機械若ハ材料ノ製造
業ニ改メ同條同項ニ左ノ一號ヲ加フ
七鑛業及製鍊業ノ整備ノ爲ニスル鑛
業及製鍊業ノ設備又ハ權利ノ賣買、
賣買ノ斡旋又ハ保有
第二十四條第一項中「又ハ重要鑛物ノ增
產上」ヲ「、重要鑛物ノ增產上又ハ鑛業若
ハ製鍊業ノ整備上」ニ改メ同條第二項中
「重要鑛物ノ增產上」ノ下ニ「又ハ鑛業若
ハ製鍊業ノ整備上」ヲ加フ
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
日本產金振興株式會社法ハ之ヲ廢止ス
政府必要アリト認ムルトキハ帝國鑛業開
發株式會社及日本產金振興株式會社ニ對
シ日本產金振興株式會社ヲ帝國鑛業開發
株式會社ニ合併スベキコトヲ命ズルコト
ヲ得
前項ノ規定ニ依ル合併ニ關シ必要ナル事
項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
日本產金振興株式會社ガ帝國鑛業開發株
式會社ニ合併セラレタルトキハ日本產金
振興株式會社法第二十五條第一項ノ規定
ニ依リ爲シタル命令ハ之ヲ帝國鑛業開發
株式會社法第二十四條第一項ノ規定ニ依
リ爲シタルモノト看做ス
日本產金振興株式會社ガ帝國鑛業開發株
式會社ニ合併セラルルニ當リテハ日本產
金振興株式會社ノ最終ノ營業期ニ於ケル
利益ノ配當ハ之ヲ爲サズ但シ帝國鑛業開
發株式會社ノ合併後ノ初營業年度ニ於ケ
ル利益ノ配當ヲ爲スニ當リテハ日本產金
振興株式會社ノ株式ニ引當テタル株式ニ
對シテハ日本產金振興株式會社ノ最終ノ
營業期ノ初ヨリ帝國鑛業開發株式會社ニ
其ノ株式存在シタルモノト看做シテ配當
スベキ金額ヲ算定スベシ
政府帝國鑛業開發株式會社法第二十九條
ノ規定ニ依リ帝國鑛業開發株式會社ノ合
併後ノ初營業年度ニ於テ利益ノ配當ヲ補
給スルニ當リテハ日本產金振興株式會社
ノ株式ニ引當テタル株式ニ對シテハ日本
產金振興株式會社ノ最終ノ營業期ノ初ヨ
リ帝國鑛業開發株式會社ニ其ノ株式存在
シタルモノト看做シ勅令ノ定ムル所ニ依
リ算定シタル金額ヲ補給スベシ
日本產金振興株式會社ガ帝國鑛業開發株
式會社ニ合併セラレタルトキハ日本產金
振興株式會社法第三十條第一項ノ規定ニ
依リ日本產金振興株式會社ノ受ケタル補
給金ハ帝國鑛業開發株式會社法第二十九
條第二項ノ規定ノ適用ニ關シテハ之ヲ帝
國鑛業開發株式會社法第二十九條第一項
ノ規定ニ依ル補給金ト看做ス
日本產金振興株式會社ガ帝國鑛業開發株
式會社ニ合併セラレタル場合ニ於テ必要
アリト認ムルトキハ政府ハ帝國鑛業開發
株式會社ニ對シ其ノ朝鮮ニ於ケル事業ヲ
朝鮮鑛業振興株式會社ニ讓渡スベキコト
ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル事業ノ讓渡ニ關シ必要
ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
帝國鑛業開發株式會社ガ其ノ朝鮮ニ於ケ
ル事業ヲ朝鮮鑛業振興株式會社ニ讓渡シ
政府ノ認可ヲ受ケ其ノ資本ヲ一億一千五
百萬圓ニ減少スル迄ハ第三條ノ改正規定
ニ拘ラズ帝國鑛業開發株式會社ノ資本ハ
一億四千萬圓トシ內政府ノ出資ハ七千萬
圓トス
金資金特別會計法中左ノ通改正ス
第三條第一項中「二億圓」ヲ「四億圓」ニ、
「產金ノ增加及金ノ集中ヲ圖ル爲」ヲ「產
金ノ增加、金ノ集中及產金事業ノ整備ヲ
圖ル爲」ニ改ム
第四條第一項中「產金振興債劵」ヲ「鑛業
開發債劵、朝鮮鑛業振興債劵」ニ、「日本產
金振興株式會社株式(額面總額二千五百
萬圓ヲ限ル)」ヲ「帝國鑛業開發株式會社
株式、朝鮮鑛業振興株式會社株式」ニ改
メ同項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ帝國鑛業開發株式會社株式及朝鮮
鑛業振興株式會社株式ニ運用スル場合
ニ於テハ額面總額二千五百萬圓ヲ限ル
登錄稅法中左ノ通改正ス
第六條第一項第十一號但書中「產金振興
債劵」ヲ削ル
重要鑛物增產法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
厚生大臣小泉親彥
商工大臣岸信介
內務大臣湯澤三千男
重要鑛物增產法中改正法律案
重要鑛物增產法中左ノ通改正ス
第一條ノ二政府ノ指定スル地域(以下
指定地域ト稱ス)ニ於ケル政府ノ指定
スル鑛物(以下指定鑛物ト稱ス)ヲ目的
トスル鑛業權者事業ニ著手シ又ハ休業
シタル事業ヲ繼續セントスルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受ク
ベシ但シ第三條ノ規定ニ依ル命令アリ
タル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
政府必要アリト認ムルトキハ前項ノ許
可ニ條件ヲ附スルコトヲ得
第一條ノ三指定地域ニ於ケル指定鑛物
ヲ目的トスル鑛業權者休業シタルトキ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府
ニ屆出ヅベシ
第一條ノ四指定地域ニ於ケル指定鑛物
ヲ目的トスル鑛業權者第一條ノ二第一
項ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ事
業ニ著手シ若ハ休業シタル事業ヲ繼續
シ又ハ同條第二項ノ條件ニ違反シタル
トキハ政府ハ鑛業權ヲ取消スコトヲ
得
第一條ノ五指定地域ニ於ケル指定鑛物
ヲ目的トスル試掘權ノ存續期間ハ進行
ヲ停止スルモノトス
第一條ノ六政府ハ期間、鑛物又ハ地域
ヲ指定シテ鑛業又ハ砂鑛業ノ出願ヲ禁
止シ又ハ制限スルコトヲ得
第十二條第一項中「鑛業權ノ讓渡又ハ隣
接鑛區トノ間ノ鑛區ノ增減ニ伴ヒ必要ナ
ル」ヲ「重要鑛物ノ增產ヲ圖ル爲必要トス
ル」三菱形
第十七條ノ二鑛業權ハ本法ノ定ムル所
ニ從ヒ之ニ使用權ヲ設定スルコトヲ得
第十七條ノ三使用權者ハ使用鑛區ニ於
テ鑛物ヲ掘採シ及之ヲ取得スル權利ヲ
有ス
第十七條ノ四本法ニ規定シタル使用權
者ノ權利義務ハ使用權ト共ニ移轉ス
鑛業法若ハ砂鑛法ノ規定ニシテ使用權
者ノ鑛業若ハ砂鑛業ニ關シ適用若ハ準
用スベキモノニ依ル鑛業權者ノ權利義
務又ハ當該規定ヲ使用權者ノ鑛業若ハ
砂鑛業ニ關シ適用若ハ準用シタル場合
ニ於ケル當該規定ニ依ル使用權者ノ權
利義務ハ使用權ノ設定又ハ消滅ト共ニ使
用權者又ハ鑛業權者ニ移轉ス但シ鑛業
權ノ消滅ニ因ル使用權ノ消滅ノ場合ハ
此ノ限ニ在ラズ
第十七條ノ五本法ニ於テ使用鑛區トハ
使用權ノ登錄ヲ得タル鑛區ノ區域ヲ謂
フ
使用權ハ特定ノ鑛床ヲ目的トシテ之ヲ
設定スルコトヲ得
同一ノ鑛區中同一ノ區域ニ於テハ二以
上ノ使用權ヲ設定スルコトヲ得ズ但シ
前項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條ノ六使用權ハ相續、讓渡、强
制執行及滯納處分ノ目的タルノ外權利
ノ目的タルコトヲ得ズ
第十七條ノ七使用權ノ存續ハ一定期間
ヲ限ルモノトス
前項ノ期間ハ之ヲ更新スルコトヲ得
第十七條ノ八左ニ揭グル事項ハ之ヲ鑛
業原簿ニ登錄ス
一使用權ノ設定、變更、移轉、消滅
及處分ノ制限
二第十七條ノ十一第二項(第十七條
ノ十四第二項及第十七條ノ十五第二
項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ
第十七條ノ十六第二項(第十七條ノ
十七第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含
ム)ノ條件中命令ヲ以テ定ムルモノ
及其ノ消滅
前項ノ登錄ハ登記ニ代ルモノトス
登錄ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
第十七條ノ九前條第一項ニ揭グル事項
ハ相續及鑛業權消滅又ハ存續期間滿了
ニ因ル使用權ノ消滅ノ場合ヲ除クノ外
登錄ヲ爲スニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼ
ズ
第十七條ノ十使用權ハ其ノ登錄前當該
鑛業權ニ付登錄ヲ爲シ又ハ當該鑛業權
ノ屬スル鑛業財團ニ付登記ヲ爲シタル
抵當權者ニ對シテモ其ノ效力ヲ生ズ
前項ノ抵當權アルトキハ使用權者ハ鑛
業權者ニ對シ支拂フベキ使用料ヲ供託
スルコトヲ要ス但シ抵當權者ノ同意ヲ
得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ場合ニ於テハ抵當權者ハ供託金
ニ對シテモ其ノ權利ヲ行フコトヲ得
第十七條ノ十一使用權ヲ設定セントス
ル場合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ
許可ヲ受クベシ
前項ノ場合ニ於テ政府必要アリト認ム
ルトキハ前項ノ許可ニ條件ヲ附スルコ
トヲ得
第十七條ノ十二鑛業權者使用鑛區ニ該
當スル部分ニ付鑛區ノ分合、減區又ハ
增減區ヲ出願セントスルトキハ使用權
者ノ承諾ヲ受クベシ
第十七條ノ十三使用料ガ鑛產物ノ價格
ノ變動其ノ他ノ事由ニ因リ著シク不相
當ト爲リタルトキハ當事者ハ將來ニ向
テ其ノ增減ヲ請求スルコトヲ得此ノ場
合ニ於テハ相手方ハ正當ノ理由ナクシ
テ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十七條ノ十四使用鑛區ハ之ヲ增減ス
ルコトヲ得
第十七條ノ十一ノ規定ハ前項ノ場合ニ
之ヲ準用ス
第十七條ノ十五使用權ノ移轉(相續ニ
因ル場合ヲ除ク)又ハ存續期間滿了前
ノ使用權消滅ニ付テハ命令ノ定ムル所
ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
第十七條ノ十一第二項ノ規定ハ前項ノ
規定ニ依ル使用權ノ移轉ノ許可ニ之ヲ
準用ス
第十七條ノ十六第四條、第五條、第七
條及第十三條乃至第十五條ノ規定ハ使
用權ノ設定、使用鑛區ノ增減及使用權
ノ行使ニ伴ヒ必要ナル專業設備ノ使用
ニ之ヲ準用ス但シ第七條中對價トアル
ハ使用料トス
政府必要アリト認ムルトキハ前項ニ於
テ準用スル第四條第二項ノ規定ニ依ル
裁定又ハ第五條第二項ノ規定ニ依ル決
定ニ條件ヲ附スルコトヲ得
政府第一項ニ於テ準用スル第四條第二
項ノ規定ニ依リ裁定ヲ爲シタルトキ又
ハ第一項ニ於テ準用スル第五條第二項
ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタルトキハ使
用權ノ設定又ハ變更ノ登錄ヲ爲ス
第一項ニ於テ準用スル第四條第二項ノ
規定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ第一
項ニ於テ準用スル第五條第一項ノ規定
ニ依ル命令アリタルトキハ當該鑛業權
者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定、前
項ノ規定ニ依ル登錄又ハ當該事業設備
ノ引渡アル迄當該鑛業權ヲ讓渡シ、當
該鑛區ノ分合、減區若ハ增減區ノ出願
ヲ爲シ又ハ當該事業設備ニ付讓渡其ノ
他ノ處分ヲ爲シ若ハ其ノ形質ヲ變更ス
ルコトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタ
ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ規定ニ依ル真業設備ノ使用ハ
其ノ引渡アリタルトキハ爾後其ノ事業
設備ニ付物權ヲ取得シタル者ニ對シ其
ノ效力ヲ生ズ
第十七條ノ十七第四條、第五條、第七條
第九條第一項第一號、第十條、第十一
條第一項及第二項前段、第十三條乃至
第十五條竝ニ前條第二項ノ規定ハ使用
權ノ讓渡ニ之ヲ準用ス
前項ニ於テ準用スル第四條第二項ノ規
定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ前項ニ
於テ準用スル第五條第一項ノ規定ニ依
ル命令アリタルトキハ當該鑛業權者又
ハ當該使用權者ハ其ノ申請ヲ拒否スル
旨ノ裁定アル迄、前項ニ於テ準用スル
第十條第二項ノ規定ニ依リ裁定若ハ決
定ガ其ノ效力ヲ失フ時期迄又ハ使用權
ノ移轉ノ登錄アル迄當該鑛業權若ハ當
該使用權ヲ讓渡シ又ハ當該鑛區若ハ當
該使用鑛區ノ分合、減區若ハ增減區ノ
出願ヲ爲スコトヲ得ズ
第十七條ノ十八使用權者使用權ノ存續
期間ヲ超エテ存續スベキ事業設備ヲ設
置セントスルトキハ其ノ費用ノ負擔方
法ニ付鑛業權者ト協議スルコトヲ得
前項ノ協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト
能ハザルトキハ使用權者ハ政府ノ裁定
ヲ申請スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル裁定ニ於テ費用ノ全
部又ハ一部ヲ鑛業權者ガ負擔スベキモ
ノト定メタル場合ニ於テハ鑛業權者ハ
使用權者ニ對シ営該鑛區ガ當該使用鑛
區ニ該當スル區域(當該鑛區ガ砂鑛區ニ
非ザル場合ニ於テ當該使用鑛區ガ石炭
ニ在リテハ五萬坪、其ノ他ノ鑛物ニ在
リテハ五千坪ニ滿タザルトキハ其ノ面
積ニ達スル區域ニシテ當該使用鑛區ヲ
含ムモノトス以下同ジ)ト其ノ他ノ區
域ニ分割シ得ルトキハ分割ニ因リ設定
シタル鑛業權ニシテ當該使用鑛區ニ該
當スル區域ニ設定シタルモノヲ、分割
ヲ爲シ得ザルトキハ當該鑛業權ヲ買取
ルベキコトヲ請求スルコトヲ得此ノ場
合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル裁定ハ其
ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テ買取ノ條件ニ付協議
調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルト
キハ鑛業權者又ハ使用權者若ハ使用權
者タリシ者ハ政府ノ裁定ヲ申請スルコ
トヲ得
第八條乃至第十一條ノ規定ハ前項ノ場
合ニ之ヲ準用ス但シ第十條第二項中裁
定又ハ決定トアルハ第三項ノ規定ニ依
ル買取請求及前項ノ規定ニ依ル裁定ト
ス
第十七條ノ十九左ノ各號ノ一ニ該當ス
ル場合ニ於テハ政府ハ使用權ヲ取消ス
コトヲ得
-使用權者第十七條ノ十一第二項
(第十七條ノ十四第二項及第十七條
ノ十五第二項ニ於テ準用スル場合ヲ
含ム)又ハ第十七條ノ十六第二項(第
十七條ノ十七第一項ニ於テ準用スル
場合ヲ含ム)ノ條件ニ違反シタルト
キ
二使用權者登錄ノ日ヨリ六月以內ニ
事業ニ著手セズ若ハ引續キ六月以上
休業シタルトキ又ハ施業案ニ依ラズ
シテ採掘ヲ爲シタルトキ
三使用權者第十七條ノ二十二ニ於テ
準用スル鑛業法第四十三條ノ三、第
七十二條又ハ第七十四條ノ四第三項
ノ命令ニ從ハザルトキ
四使用權者他人ヲシテ使用權ヲ使用
セシメタルトキ
五第十七條ノ十六第一項ノ規定ニ依
リ使用權ヲ取得シ若ハ使用鑛區ヲ增
加シ又ハ第十七條ノ十七第一項ノ規
定ニ依リ使用權ヲ讓受ケタル使用權
者使用料ノ支拂ヲ一月以上遲滯シタ
ル場合ニ於テ鑛業權者使用權ノ取消
ヲ申請シタルトキ
六政府重要鑛物ノ增產上使用權ノ存
續ヲ適當ナラズト認ムルトキ
第十七條ノ二十使用權消滅シタルトキ
ハ鑛業權者ハ使用權者タリシ者ニ對シ
其ノ者ガ使用權ノ行使ニ伴ヒ設置シタ
ル事業設備ヲ時價ヲ以テ賣渡スベキコ
トヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ
ハ使用權者タリシ者ハ正當ノ理由ナク
シテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十七條ノ二十一第十七條ノ十三又ハ
前條ノ承諾ヲ拒マレタル者又ハ其ノ承
諾ヲ得ルコト能ハザル者ハ政府ノ裁定
ヲ申請スルコトヲ得
前條ノ承諾ヲ拒マレタル者又ハ其ノ承
諾ヲ得ルコト能ハザル者前項ノ規定ニ
依ル裁定ヲ申請シタルトキハ使用權者
タリシ者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁
定アル迄當該事業設備ニ付讓渡其ノ他
ノ處分ヲ爲シ又ハ其ノ形質ヲ變更スル
コトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル
場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條ノ二十二第二條、第三條及第
十七條第二項、鑛業法第五條、第十二
條、第十五條、第十六條、第三十八條、第
三十九條、第四十九條、第七十二條乃至
第七十四條ノ三、第七十四條ノ八乃至第
七十四條ノ十五、第七十六條乃至第七
十八條、第九十二條第一項乃至第三項
及第九十三條竝ニ砂鑛法第五條ノ規定
ハ使用權者ノ鑛業又ハ砂鑛業ニ關シ之ヲ
準用ス但シ鑛業法第三十八條中主務大
臣トアルハ政府トシ第七十四條第一項
及第七十四條ノ二第一項中鑛業權消滅
トアルハ鑛業權消滅ニ因リ使用權消滅
トシ第七十四條ノ二第一項中鑛業權消
滅ノ時トアルハ鑛業權消滅ニ因ル使用
權消滅ノ時トシ第七十四條ノ二第二項
中二以上ノ鑛區ノ鑛業權者トアルハ二
以上ノ使用鑛區又ハ二以上ノ鑛區及使
用鑛區ノ使用權者又ハ鑛業權者及使用
權者トシ第七十四條ノ二第三項中鑛業
權者其ノ鑛業權ヲ讓渡シタルトキハ損
害發生ノ時ノ鑛業權者及其ノ後ノ鑛業
權者トアルハ使用權ノ讓渡、設定又ハ
消滅アリタルトキハ損害發生ノ時ノ使
用權者又ハ鑛業權者及其ノ後ニ於ケル
使用權者又ハ鑛業權者トシ第七十四條
ノ三第二項中鑛業權ヲ讓受ケタル者ト
アルハ使用權讓渡ノ場合ニ在リテハ使
用權ノ讓受人、使用權設定ノ場合ニ在
リテハ使用權者、使用權消滅ノ場合ニ
在リテハ鑛業權者トシ鑛業權者トアル
ハ鑛業權者又ハ使用權者トス
鑛業法第九條第二項本文前段、第十二
條ノ二、第四十三條ノ三乃至第四十七
條第五十條乃至第七十條、第七十四
條ノ四乃至第七十四條ノ七、第七十五
條及第八十條乃至第八十條ノ四竝ニ砂
鑛法第六條ノ規定ハ使用權者ノ鑛業ニ
關シ之ヲ準用ス但シ第七十四條ノ六中
鑛業權者其ノ鑛業權ヲ讓渡シトアルハ
使用權者其ノ使用權ヲ讓渡シ又ハ消滅
セシメントシ讓受人トアルハ讓受人又
ハ鑛業權者トス
砂鑛法第十二條乃至第十八條及第二十
三條第二項ノ規定ハ使用權者ノ砂鑛業
ニ關シ之ヲ準用ス
使用權ノ設定アル場合ニ於テハ第二條
及第三條、鑛業法第四十三條ノ三乃至
第四十七條、第五十條乃至第七十條、
第七十二條乃至第七十八條、第八十條
乃至第八十條ノ四、第九十二條第一項
乃至第三項及第九十三條竝ニ砂鑛法第
五條、第六條、第十二條乃至第十七條
及第二十三條第二項ノ規定ハ當該規定
ガ使用權者ノ鑛業又ハ砂鑛業ニ關シ準
用セラルル限度ニ於テ鑛業權者ノ鑛業
又ハ砂鑛業ニ關シ之ヲ適用セズ
第十七條ノ二十三工業勞働者最低年齡
法、石油資源開發法及國民勞務手帳法
中鑛業權者トアルハ使用權者ノ鑛業ニ
關シテハ使用權者トス
第十七條ノ二十四本法ニ規定スルモノ
ノ外使用權ニ關シ必要ナル事項ハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條ノ二十五鑛業權者使用權者ニ
非サル者ヲシテ鑛業權ヲ使用セシメタ
ルトキハ政府ハ鑛業權ヲ取消スコトヲ
得
第十八條中「鑛業權者」ノ下ニ「使用權者、
土地所有者又ハ關係人」ヲ加ヘ同條ニ左
ノ一項ヲ加フ
鑛業法若ハ砂鑛法ノ規定ニシテ使用權者
ノ鑛業若ハ砂鑛業ニ關シ適用若ハ準用
スベキモノニ依リ鑛業權者ノ鑛業若ハ
砂鑛業ニ關シ爲シタル手續其ノ他ノ行爲
又ハ當該規定ヲ使用權者ノ鑛業若ハ砂
鑛業ニ關シ適用若ハ準用シタル場合ニ
於テ當該規定ニ依リ爲シタル手續其ノ
他ノ行爲ハ使用權ノ設定又ハ消滅ト共ニ
使用權者又ハ鑛業權者ニ對シテモ其ノ
效力ヲ有ス但シ鑛業權ノ消滅ニ因ル使
用權ノ消滅ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十八條ノ二主務大臣ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ本法ニ依リ準用シタル鑛業法
ニ依ル職權ノ一部ヲ鑛山監督局長ニ委
任スルコトヲ得
第十九條ノ二詐僞ノ行爲ヲ以テ使用權
ヲ得タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千
圓以下ノ罰金ニ處ス
過失ニ因リ使用鑛區外ニ侵掘シタル者
ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
前二項ノ場合ニ於テハ其ノ掘採シタル
鑛物ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ
沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額
ヲ追徵ス
第十九條ノ三左ノ各號ノ一ニ該當スル
者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ
罰金ニ處ス
一第一條ノ二第一項ノ規定ニ違反シ
許可ヲ受ケズシテ事業ニ著手シ又ハ
休業シタル事業ヲ繼續シタル者
二第一條ノ二第二項ノ條件ニ違反シ
タル者
三第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル
鑛業法第四十三條ノ三、第四十五條、
第七十二條、第七十三條第一項若ハ
第七十四條第一項又ハ砂鑛法第十六
條ノ三第一項若ハ第三項ノ規定ニ依
ル命令ニ違反シタル者
四第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル
鑛業法第四十四條又ハ砂鑛法第十六
條ノ三第二項若ハ第四項ノ規定ニ違
反シタル者
五第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル
鑛業法第七十三條第二項ノ規定ニ基
キテ管理者ノ職務ニ關シ發スル命令
ニ違反シタル者
第二十條第一號中( 第14一條第一項」及
「同條第二項」ノ下ニ「(第十七條ノ二十二
ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號
ヲ第二號トシ同條第一一號中「第二條第三
項」ノ下ニ「(第十七條ノ二十二ニ於テ準
用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第三號
トシ同條第三號中「第三條」ノ下ニ「(第
十七條ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ
含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第四號トシ同條第四
號中「第十四條第一項」ノ下ニ「(第十七條
ノ十六及第十七條ノ十七ニ於テ準用スル
場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第五號トシ同
條第五號中「第十四條第二項」ノ下ニ
「(第十七條ノ十六及第十七條ノ十七ニ於
テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第
六號トシ同條第六號ヲ第七號トシ同條第
一號トシテ左ノ如ク加フ
-第一條ノ三ノ規定ニ違反シ屆出ヲ
怠リ又ハ虚僞ノ屆出ヲ爲シタル者
同條ニ左ノ一號ヲ加フ
八第十七條ノ十六第四項又ハ第十七
條ノ二十一第二項ノ規定ニ違反シ事
業設備ノ形質ヲ變更シタル者
第二十條ノ二左ノ各號ノ一ニ該當スル
者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
-第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル
鑛業法第四十六條、第四十七條又ハ
第七十五條乃至第七十八條ノ規定ニ
違反シタル者
二第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル
鑛業法第七十四條ノ四第三項ノ規定
ニ依ル命令ニ違反シタル者
三第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル
鑛業法第八十條ノ規定ニ基キテ發ス
ル命令ニ違反シタル者
第二十一條第一號中「第十七條第一項」ノ
下ニ「又ハ第十七條ノ二十一一ニ於テ準用
スル鑛業法第十二條ノ二第一項若ハ砂鑛
法第十八條第一項」ヲ、同條第二號中「第
十七條第一項」ノ下ニ「又ハ第十七條ノ
二十二ニ於テ準用スル鑛業法第十二條ノ
二第一項若ハ砂鑛法第十八條」ヲ、「檢
査」ノ下ニ「、搜索又ハ差押」ヲ、同條第三
號中「第十七條第二項」ノ下ニ「(第十七條
ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」
ヲ加ヘヲ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
四第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル
鑛業法第五十三條第一項ノ許可ヲ受
ケズシテ障碍物ヲ除却シタル者
第二十二條中「第二十條又ハ前條第一號
若ハ第三號」ヲ「第十九條ノ二乃至第二十
條ノ二又ハ前條第一號、第三號若ハ第四
號」ニ、「前二條ノ刑」ヲ「前五條ノ罰金刑」
ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ本法ニ基キテ發スル命令
又ハ本法施行ノ爲ニ發スル命令ニ規定
スル罰則ニ之ヲ準用ス
附則第二項中「五年間」ヲ「十年間」ニ改ム
附則第三項ヲ左ノ如ク改ム
本法中使用權ニ關スル規定(第十七條
ノ七第二項ノ規定ヲ除ク)ハ前項ノ規
定ニ拘ラズ同項ノ期間滿了ノ際現ニ存
スル使用權ノ消滅スル時迄當該使用權
ニ關シ仍其ノ效力ヲ有ス
前二項ノ規定ニ依ル本法ノ規定失效ノ
際ニ於テ必要ナル經過粗定ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ事業ヲ爲ス指定地域ニ
於ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ニ
シテ昭和十七年十二月一日以後事業ニ著
手シ若ハ休業シタル事業ヲ繼續シタルモ
ノ若ハ其ノ承繼人タルモノ又ハ此等ノ者
ノ承繼人本法施行後引續キ其ノ事業ヲ爲
サントスルトキハ本法施行後三月以内ニ
第一條ノ二第一項本文ノ規定ニ準ジ其ノ
事業ノ繼續ニ付許可ヲ受クベシ
前項ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ者ハ同
項ノ規定ニ依ル許可ノ申請ヲ爲サザリシ
トキハ同項ノ期間滿了ノ日以後、同項ノ
規定ニ依ル許可ノ申請ヲ爲シタル場合ニ
於テ不許可ノ指令アリタルトキハ其ノ指
令ノ日以後引續キ其ノ事業ヲ爲スコトヲ
得ズ
第一條ノ二第一項但書及同條第二項ノ規
定ハ第二項ノ場合ニ、第一條ノ四ノ規定
ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
本法施行ノ際現ニ事業ヲ爲ス指定地域ニ
於ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行後一月以
內ニ其ノ旨ヲ政府ニ屆出ヅベシ
第三項ノ規定ニ違反シ引續キ事業ヲ爲シ
タル者又ハ第四項ニ於テ準用スル第一條
ノ二第二項ノ條件ニ違反シタル者ハ一年
以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五項ノ規定ニ違反シ屆出ヲ怠リ又ハ虚
僞ノ屆出ヲ爲シタル者ハ二千圓以下ノ罰
金ニ處ス
第二十二條第一項ノ規定ハ前二項ノ場合
ニ之ヲ準用ス
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=45
-
046・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 只今議題ト相成リ
マシタ帝國鑛業開發株式會社法中改正法律
案及重要鑛物增產法中改正法律案ニ付テ、
提案理出ヲ御說明致シマス、最初ニ帝國鑛
業開發株式會社法中改正法律案ニ付テ御說
明申上ゲマス、此ノ改正法律案ノ要點ハ、
要スルニ次ノ二點ニ要約セラルヽノデアリ
マシテ、其ノ第一點ハ、現在金屬鑛業關係
ノ國策會社ト致シマシテハ、日本產金振興
株式會社ト帝國鑛業開發株式會社トガ存在
致シテ居リマスルガ、之ヲ一會社ニ統合
シ、其ノ經營能率ノ增進ヲ圖ル目的ノ下
ニ、帝國鑛業開發株式會社ヲシテ日本產金振
興株式會社ヲ吸收合併セシメムトシ、之ガ
爲必要ナル改正規定ヲ設ケタコトデアリマ
シテ、其ノ第二點ハ、昨今資材勞力等ノ有
效利用ヲ圖ル爲ニハ、金屬鑛業ノ部面ニ於
キマシテモ、企業ノ整備ヲ行ハザルヲ得ザ
ル情勢トナッテ參リマシタノデ、合併後ノ
帝國鑛業開發株式會社ヲシテ、從來ノ如ク
資源ノ開發竝ニ重要鑛物ノ增產ト云フ積極
的事業ノミナラズ、新タニ鑛業ノ整備ニ關
スル事業ヲモ行ハシメ得ルヤウ、其ノ目的
ニ關スル規定ニ付テ必要ナル改正ヲ加ヘム
トスルモノデアリマヌ、次ニ重要鑛物增產
法中改正法律案ニ付テ御說明致シマス、重
要鑛物增產法ハ、五年ノ有效期間ヲ附セラ
レテ居ル臨時立法デアリマシテ、本年六月
ヲ以テ一應滿期トナリ效力ヲ失フ豫定ト
ナッテ居ルノデアリマスルガ、本法律案ハ、
現下ニ於ケル鑛業ノ實情ニ鑑ミマシテ、此
ノ有效期間ヲ延長致シマスルト共ニ、所謂
重點主義ト行政事務簡捷化ノ目的ヲ達成ス
ル爲、之ニ所要ノ改正ヲ加ヘ、以テ戰力
增强ノ基礎タル鑛業ノ綜合生產力ヲ增强セ
ムトスルモノデアリマス、卽チ本法律案ノ
內容ノ第一ハ、本法ノ有效期間ヲ今後更ニ
五年間延長致シ、結局本法施行後十年間
效力ヲ有スルヤウニ改メタルコトデア
リマス、斯樣ニ取敢ズ從來ノ有效期間ヲ
延長致シマスルト共ニ、此ノ間ニ於テ情勢
ノ推移ニ依ッテハ更ニ鑛業法規全般ニ亙
リ再檢討ヲ加ヘル等、適切ナル第二段ノ措
置ヲ講ズル所存デアリマス、第二ハ、鑛業
及ビ砂鑛業ノ著手ニ付テ許可制ヲ採用シタ
ルコトデアリマス、是ハ鑛業ニ付キマシテ
千、重點主義ヲ貫徹セムガ爲、指定地域ニ
於ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ノ事
業著手ヲ政府ノ許可ニ係ラシメ、以テ各種
生產手段ヲ高能率鑛山ニ集中活用セムトス
ルモノデアリマシテ、是ト同時ニ、此ノ許
可制ヲ實施スル試掘權ノ存續期間ハ、其ノ
進行ヲ停止スルコトトシ、著手許可制ガ試
掘權者ニ酷トナル結果ヲ避ケテ居ルノデア
リマス、尙此ノ許可制ヲ實施セムトスル鑛
物ノ種類ハ、時局ニ鑑ミマシテ、之ヲ少數
ニ限定致シタイト考ヘテ居リマス、第三ハ、
出願ノ價値ナキ場合、其ノ他必要ナル場
合ニ、一定期間鑛物又ハ地域ヲ指定シテ、
鑛業又ハ砂鑛業ノ出願ヲ制限又ハ禁止シ得
ルコトトナシタルコトデアリマス、是ハ要
スルニ出願人ノ徒勞ヲ防グト共ニ、行政事
務ノ減量ヲ圖リ、以テ重點主義ト行政事務
簡捷化ノ要請ニ應ヘムトスルモノデアリマ
ス、第四ハ、鑛業權及砂鑛權ニ對スル使用
權設定ノ途ヲ拓イタコトデアリマス、鑛業
權又ハ砂鑛權ヲ他人ニ使用セシムルコト
ハ、從來無效デアッタノデアリマスガ、今後
ハ斯カル使用權ヲ增產達成ノ爲ノ一手法ト
シテ活用セムトスルモノデアリマス、尤モ
現存致シテ居リマスル石炭山ノ所謂斤先掘
ハ、固ヨリ規定方針ノ通リ之ヲ整理致シマシテ、
是ガ其ノ儘當然使用權ニ移行スルヤウナヨ
トハ許サナイ方針デアリマス、以上ノ理由
ニ依リマシテ玆ニ帝國鑛業開發株式會社法
中改正法律案及重要鑛物增產法中改正法律
案ヲ提出致シタ次第デアリマス、何卒御審
議ノ上御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=46
-
047・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案外一
件ノ特別委員ノ數ヲ十九名トシ、其ノ委員
ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=47
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048・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=48
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049・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=49
-
050・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔小野寺書記官朗讀〕
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案外
一件特別委員
公爵鷹司信輔君侯爵嵯峨實勝君
伯爵溝口直亮君子爵大河內正敏君
子爵保科正昭君子爵柳澤光治君
大野綠一郞君男爵伊藤文吉君
男爵伊藤一郞君村瀨直養君
男爵宮原旭君倉知鐵吉君
結城安次君内藤久寛君
瀧川儀作君磯貝浩君
松本勝太郞君大西虎之介君
永瀨寅吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=50
-
051・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第二十
二、郵便年金法中改正法律案、日程第二十
드、航空法中改正法律案、日程第二十四、
木船保險法案、政府提出、第一讀會、是等
ノ三案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異議
ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=51
-
052・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐太行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、寺島遞信大臣
郵便年金法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
遞信大臣寺島健
郵便年金法中改正法律案
郵便年金法中左ノ通改正ス
第三條中「二千四百圓」ヲ「三千六百圓」ニ
改ム
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
航空法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
遞信大臣寺島健
航空法中改正法律案
航空法中左ノ通改正ス
「第三章乘員」ヲ「第三章航空機職員」
ご依頼人
第十五條本法ニ於テ航空機職員トハ航
空機長、航空機操縱士、航空士、航空
機機關士、航空通信士及航空機整備士
フカフ
第十五條ノ二航空機職員ニ非サレハ航
空機ニ搭乘シテ其ノ運航ニ從事シ又ハ2
航空通信若ハ航空機ノ整備ニ從事スル
コトヲ得ス
航空機職員ハ技倆證明書ヲ有スルコト
ヲ要ス
航空機職員ニシテ航空機ニ搭乘シテ其
ノ職務ニ從事スル者ハ技倆證明書ノ外
航空免狀ヲ有スルコトヲ要ス
第十六條中「技倆證明書ヲ有スル者」ノ下
ニ「ニシテ航空機ニ搭乘シテ航空機職員ノ
職務ニ從事事スルモノ」ヲ加フ
第十七條航空機職員ハ技倆證明書ヲ携
帶スルニ非サレハ其ノ職務ニ從事スル
コトヲ得ス
航空機職員ニシテ航空機ニ搭乘シテ其
ノ職務ニ從事スル者ハ技倆證明書ノ外
航空免狀ヲ携帶スヘシ
第十七條ノ二航空機ニハ航空機職員ヲ
乘組マシムヘシ
前項ノ航空機職員ノ定員及其ノ航空免
狀ノ種類ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條ノ三航空機長ハ其ノ航空機運
航ノ安全ニ關シ必要ナル一切ノ措置ヲ
爲スコトヲ要ス
第十七條ノ四航空機長ハ其ノ航空機ノ
航空機職員ヲ指揮監督シ且航空機内ニ
在ル者ニ對シ其ノ職務ヲ行フニ必要ナ
ル事項ヲ命スルコトヲ得
第十七條ノ五航空機長ハ運航ノ安全ヲ
圖ル爲緊急ノ必要アルトキハ其ノ航空
機內ニ在ル者ノ身體ヲ拘束スルコトヲ
得
第十七條ノ六左ノ各號ノ一ニ該當スル
場合ニ於テハ航空機長ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ當該官吏ニ其ノ旨ヲ報〓スル
コトヲ要ス
-墜落、衝突、火災、機體又ハ機關
ノ損傷其ノ他航空機ノ事故アリタル
トキ
二航空機ニ依リ人ヲ殺傷シ又ハ物件
ヲ損壞シタルトキ
三航空中他ノ航空機又ハ船舶ノ遭難
ヲ知リタルトキ
四航空機內ニ在ル者死亡シ又ハ行方
不明ト爲リタルトキ
五豫定ノ著陸ノ場所ニ著陸セス又ハ
豫定ノ著陸ノ場所以外ノ場所ニ著陸
シタルトキ
第十八條中「乘員」ヲ「航空機職員」ニ定ム
第十九條第十五條ノ二第一項ノ規定ハ
飛行場又ハ命令ヲ以テ定ムル場所ニ於
テ航空機ニ搭乘シテ運航又ハ航空通信
ノ練習ヲ爲ス者、運航又ハ航空通信ノ
練習ノ爲航空機職員ト同乗シテ運航又
ハ航空通信ニ從事スル者及航空通信又
ハ航空機ノ整備ノ補助ヲ爲ス者ニ之ヲ
適用セス
第二十條第一項中「乘員引續キ六月以上
運航ニ從事セサリシトキ」ヲ「航空機職員
著シク其ノ職務ヲ怠リ若ハ其ノ職務ニ關
シ重大ナル過失アリタルトキ」ニ、同條第
三項中「乗員」ヲ「航空機職員」ニ改メ同條
ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ場合ニ於テ航空免狀トアルハ
航空免狀ヲ有セサル航空機職員ニ在リ
テハ技倆證明書トス
第二十三條ノ二第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ航空ノ安全保持ノ爲特別ノ必要ア
ル場合ニ於テハ境界ヨリ外方二千「メー
トル」ノ區域內ニ於テ之ヲ指定スルコ
トヲ得
第二十六條第一項中「又ハ」ヲ「若ハ」ニ改
メ「飛行場豫定地」ノ下ニ「又ハ公共ノ用
ニ供セサル飛行場若ハ公示セラレタル飛
行場豫定地ニシテ行政官廳ノ指定スルモ
ノ」ヲ加フ
同條第二項中「軍用」ノ下ニ「其ノ他國ノ
使用」ヲ加フ
第三十六條前條ニ規定スル場合ヲ除ク
ノ外航空機ヲ使用シテ事業ヲ營マント
スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官
廳ノ許可ヲ受クヘシ
第三十九條中「航空機ノ長」ヲ「航空機長」
ニシティ
第五十六條中「第十五條第一項」ヲ「第十
五條ノ二第一項」ニ改ム
第五十六條ノ二第十七條ノ二ノ規定ニ
違反シ所定ノ航空機職員ヲ乘組マシメ
サル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十六條ノ三第十七條ノ六ノ規定ニ
違反シ報〓ヲ爲サス又ハ虚僞ノ報告ヲ
爲シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第六十三條第一項第四號ヲ左ノ如ク改ム
四第二十條ノ規定ニ依ル航空免狀又
ハ技倆證明書ノ返付ヲ怠リタル者
第六十四條ヲ削ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ航空機ヲ使用シテ事業
ヲ營ム者ハ本法施行ノ日ヨリ三月ヲ限リ
第三十六條ノ改正規定ニ拘ラズ其ノ事業
ヲ營ムコトヲ得
木船保險法案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
遞信大臣寺島健
大藏大臣賀屋興宣
內務大臣湯澤三千男
大東亞大臣靑木一男
木船保險法案
木船保險法
第一條木船保險組合ハ木船建造ノ促進
及木船ニ依ル輸送力ノ增强ヲ圖ル爲組
合員ノ所有スル木船(漁船ヲ除ク以下
同ジ)ニ關シ保險ヲ爲スヲ以テ目的ト
ス
保險ノ目的タルベキ木船ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二條大船保險組合ハ法人トス
第三條木船保險組合ニ非ザルモノハ木
船保險組合又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用
フルコトヲ得ズ
第四條木船保險組合(以下組合ト稱ス)
ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
一目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四保險ノ目的
五役員ニ關スル事項
六組合員ニ關スル事項
七準備金ノ積立及管理ノ方法
八剩餘金處分及不足金塡補ノ方法
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クル
ニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第五條組合ニ役員トシテ理事長一人、
理事五人以上、監事二人以上及評議員
若干人ヲ置ク
第六條理事長ハ組合ヲ代表シ其ノ事務
ヲ總理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ理事長ヲ
輔佐シ組合ノ事務ヲ分掌シ理事長事故
アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長缺
員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ組合ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査
ス
評議員ハ評議員會ヲ組織ス
第七條理事長、理事及評議員ハ組合員
及學識經驗アル者ノ中ヨリ主務大臣之
ヲ命ズ
監事ハ評議員會ニ於テ之ヲ選任ス
理事長及理事ノ任期ハ四年、監事及評
議員ノ任期ハ二年トス
第八條理事長ハ定款ヲ各事務所ニ備置
クベシ
理事長ハ每事業年度ノ初ニ於テ財產目
錄貸借對照表、專業報告書、損益計
算書及剩餘金處分案又ハ不足金塡補案
ヲ監事ニ提出シ且之ヲ主タル事務所ニ
備置クベシ
組合員及組合ノ債權者ハ前二項ニ揭グ
ル書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第九條評議員會ハ理事長ノ諮問ニ對シ
答申シ又ハ理事長ニ對シ意見ヲ具申ス
理事長ハ左ノ事項ニ付テハ評議員會ニ
諮問スベシ
-定款ノ變更
二收支豫算
理事長ハ前條第二項ニ揭グル書類及
監事ノ意見書ヲ評議員會ニ提出スベ
シ
本法ニ規定スルモノノ外評議員會ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
第十條組合ノ役員其ノ他ノ職員ハ之ヲ
法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做
ス
第十一條組合ノ成立後ニ於テ保險ノ目
的タルベキ木船ニシテ命令ヲ以テ定ム
ルモノヲ取得シタル者ハ命令ヲ以テ定
ムル時其ノ組合員ト爲ルモノトス
第五十二條及前項ノ規定ニ依リ組合員
ト爲ル者ヲ除クノ外保險ノ目的タルベ
キ木船ノ所有者ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ組合ノ組合員ト爲ルコトヲ得
第十二條前條第一項ニ規定スル木船ノ
所有者第五十二條又ハ前條第一項ノ規
定ニ依リ組合ノ組合員ト爲リタルトキ
ハ第十四條第一項ニ規定スル場合ヲ除
クノ外之ニ因リテ組合ト組合員トノ間
ニ當該木船ニ付保險關係成立スルモノ
トス
組合員前條第一項ニ規定スル木船ヲ取
得シタルトキハ第十四條第一項ニ規定
スル場合ヲ除クノ外命令ヲ以テ定ムル
時組合ト組合員トノ間ニ當該木船ニ付
保險關係成立スルモノトス
第十三條戰爭其ノ他ノ變亂ニ因ル襲
擊、捕獲其ノ他勅令ヲ以テ定ムル事故
ニ關シ組合ノ爲ス保險ニ付テハ前條ノ
規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲
スコトヲ得
第十四條保險ノ目的タル第十一條第一
項ニ規定スル木船ノ讓受人ハ命令ヲ以
テ定ムル時當該木船ニ關スル保險關係
ヲ承繼スルモノトス
保險ノ目的タル木船ニシテ第十一條第
一項ニ規定スルモノ以外ノモノノ讓受
人ハ組合ノ承諾ヲ得テ當該木船ニ關ス
ル保險關係ヲ承繼スルコトヲ得此ノ場
合ニ於テ讓受人ガ組合員以外ノ者ナル
トキハ讓受人ハ組合ノ組合員ト爲ルモ
ノトス
組合ハ正當ノ事由ナクシテ前項ノ承諾
ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十五條組合ハ保險ノ目的タル木船ニ
付沈沒、損傷其ノ他ノ事故ニ因リテ生
ジタル損害ヲ塡補スルモノトス
前項ノ事故及塡補スベキ損害ノ範圍、
保險金額、保險料其ノ他組合ノ爲ス保
險ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第十六條組合ハ組合員ヨリ保險料ヲ徵
收スルノ外定款ノ定ムル所ニ依リ追徵
金ヲ徴收スルコトヲ得
前項ノ追徴金ニ關スル制限ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第十七條組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ
過怠金ヲ徵收スルコトヲ得
第十八條保險料、追徵金又ハ過怠金ヲ
滯納スル者アル場合ニ於テ組合ノ請求
アルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依
リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ組合ハ其
ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付
スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザ
ル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ニ規定スル徵收金ノ先取特權ノ
順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ
ノ徴收金ニ次グモノトス
第十九條保險料、追徴金又ハ過怠金ヲ
徴收スル權利ハ一年、保險金ノ給付又
ハ保險料ノ還付ヲ受クル權利ハ二年ヲ
經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
前項ノ時效ノ中斷、停止其ノ他ノ事項
ニ關シテハ民法ノ時效ニ關スル規定ヲ
準用ス
組合ガ定款ノ定ムル所ニ依リテ爲ス保
險料、追徴金又ハ過怠金ノ徵收ノ告知
ハ民法第百五十三條ノ規定ニ拘ラズ時
效中斷ノ效力ヲ有ス
第二十條組合員ハ損害ノ防止輕減ヲ力
ムルコトヲ要ス但シ之ガ爲必要又ハ有
益ナリシ費用ハ組合之ヲ塡補ス
第二十一條組合員ハ定款ノ定ムル所ニ
依リ保險ノ目的タル木船ノ構造、設備
等ニ付重大ナル變更ヲ加ヘントスルト
キハ豫メ組合ニ通知スベシ
保險ノ目的タル木船ノ危險ガ其ノ構
造設備等ノ重大ナル變更ニ因リ著シ
ク增加スル場合ニ於テハ組合ハ組合員
ニ對シ其ノ變更ヲ制限シ其ノ他必要ナ
ル處置ヲ爲サシムルコトヲ得
第二十二條組合ハ保險ノ目的タル木船
ニ關シ調査ヲ爲シ又ハ組合員ヲシテ通
常ノ修繕其ノ他必要ナル處置ヲ爲サシ
ムルコトヲ得
第二十三條左ノ場合ニ於テハ組合ハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ塡補額ニ付塡補ノ
責ヲ負フコトナシ
組合員保險ノ目的タル木船ニ付損
害ノ防止輕減ヲ怠リタルトキ
二組合員第二十一條第一項ノ規定ニ
依ル通知ヲ怠リ又ハ同條第二項ノ規
定ニ依ル組合ノ指示ニ從ハザルトキ
三組合員前條ノ規定ニ依ル組合ノ調
杏ヲ拒ミ又ハ組合ノ指示ニ從ハザル
トキ
第二十四條組合ハ組合員ノ故意又ハ重
大ナル過失ニ因リテ生ジタル損害ヲ塡
補スル責ニ任ゼズ船長其ノ他木船ヲ指
揮スル者ノ故意ニ因リテ生ジタル損害
ニ付亦同ジ
第二十五條組合ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ一定期間組合ノ責ニ歸スベキ損害ノ
發生ナカリシ木船ニ關シ其ノ期間ノ保
險料ノ一部ヲ拂戾スコトヲ得
第二十六條組合員ノ脫退ニ關シ必要ナ
ル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條組合ノ事業年度ハ四月ヨリ
翌年三月迄トス
第二十八條組合ハ每事業年度ノ終ニ於
テ存スル本船保險ニ付命令ノ定ムル所
ニ依リ責任準備金ヲ積立ツベシ
組合ハ不足金ノ塡補ニ備フル爲每事業
年度ノ剩餘金中ヨリ命令ノ定ムル所ニ
依リ準備金ヲ積立ツベシ
第二十九條組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第三十條組合ニハ所得稅、法人稅及營
業稅ヲ課セズ
第三十一條組合ガ本法ニ基キテ爲ス登
記ニ付テハ登錄稅ヲ課セズ
第三十二條木船保險ニ關スル書類ニハ
印紙稅ヲ課セズ
第三十三條主務大臣必要アリト認ムル
トキハ組合ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ
關シ報〓ヲ爲サシメ、檢査ヲ爲シ、定
款ノ變更ヲ命ジ其ノ他匹督上必要ナル
命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第三十四條役員ガ法令、定款若ハ主務
大臣ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル
行爲ヲ爲シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ
解任スルコトヲ得
第三十五條組合ニ付解散ヲ必要トスル
事由發生シタル場合ニ於テ其ノ處置ニ
關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第三十六條民法第四十四條第一項、第
五十條、第五十四條、第五十五條及第
五十七條竝ニ非訟事件手續法第三十五
條第一項ノ規定ハ組合ニ之ヲ準用ス
商法第六百三十七條、第六百四十六條、
第六百四十九條第一項、第六百五十八
條、第六百五十九條、第六百六十一條、
第六百六十二條、第八百三十三條、第
八百三十四條第一項、第八百三十六條
第一項第二項及第八百二一十七條乃至第
八百四十一條ノ規定ハ木船保險ニ之ヲ
準用ス但シ同法第八百二一十四條第一項
ノ規定中六个月及同法第八百三十六條
第一項ノ規定中三个月トアルハ命令ヲ
以テ定ムル期間トス
第三十七條本法ニ規定スルモノノ外組
合ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
ヲ定ム
第三十八條政府ハ豫算ノ範圍內ニ於テ
組合ニ對シ組合ノ事務ノ執行ニ關スル
費用ノ一部ヲ補助スルコトヲ得
第三十九條保險金ニ關スル決定ニ不服
アル者ハ木船保險審査會ニ審査ヲ請求
シ其ノ決定ニ不服アルトキハ通常裁判
所ニ訴ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シ
テハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
本法ニ規定スルモノノ外木船保險審査
會ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲタノ
第四十條組合ノ爲シタル保險料、追徵
金若ハ過怠金ノ賦課若ハ徵收ノ處分又
ハ第十八條第一項及第二項ノ規定ニ依
ル滯納處分ニ不服アル者ハ主務大臣ニ
訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコト
ラ得
前項ノ規定ニ依ル訴願又ハ行政訴訟ニ
關シテハ組合ハ之ヲ行政廳ト看做ス
第四十一條前條第一項ノ規定ニ依ル訴
願ノ提起アリタルトキハ主務大臣ハ木
船保險審査會ノ審査ヲ經テ裁決ヲ爲ス
ベシ
第四十二條審査ノ請求、訴ノ提起又ハ
訴願若ハ行政訴訟ノ提起ハ處分又ハ決
定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內
ニ之ヲ爲スベシ此ノ場合ニ於テ審査ノ
請求ニ付テハ訴願法第八條第三項ノ規
定ヲ、訴ノ提起ニ付テハ民事訴訟法第
百五十八條第二項及第百五十九條ノ規
定ヲ準用ス
第四十三條組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ本法施行地外ノ地ニ船籍港ヲ定ムル
木船ノ所有者ヲ組合員ト爲スコトヲ得
第四十四條左ノ場合ニ於テハ組合ノ理
事長、理事又ハ監事ヲ千圓以下ノ過料
三重県
本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其
ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第三十三條ノ規定ニ依ル報〓ヲ爲
サズ若ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタルトキ、
同條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ
若ハ忌避シタルトキ又ハ同條ノ規定
ニ依ル命令若ハ處分ニ違反シタルト
キ
第四十五條左ノ場合ニ於テハ組合ノ理
事長、理事又ハ監事ヲ五百圓以下ノ過
料ニ處ス
ー第八條ノ規定ニ違反シ書類ヲ備置
カザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ
事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲
シタルトキ又ハ正當ノ事由ナクシテ
其ノ閱覽ラ拒ミタルトキ
二第九條第二項又ハ第三項ノ規定ニ
違反シ評議員會ニ諮問セズ又ハ書類
若ハ意見書ヲ提出セザルトキ
三定款又ハ第十六條第二項ノ規定ニ
基キテ發スル勅令ニ違反シ追徴金又
ハ過怠金ヲ徵收シタルトキ
四第二十八條ノ規定ニ違反シ準備金
ヲ積立テザルトキ
五本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅令
ニ違反シ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ
不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
第四十六條第三條ノ規定ニ違反シ木船
保險組合又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用ヒ
タル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第四十七條本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ施行
スル場合ニ於テ必要ナル規定ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
附則
第四十八條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十九條主務大臣ハ保險ノ目的タル
ベキ木船ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
ノ所有者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ
組合ノ設立ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依ル組合ノ設立ノ命令ア
リタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ定
款其ノ他組合ノ設立ニ必要ナル事項ヲ
定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第五十條主務大臣前條第二項ノ認可ヲ
爲ストキハ同條第一項ニ規定スル木船
ノ所有者及學識經驗アル者ノ中ヨリ理
事長、理事及評議員ヲ命ズ
評議員ノ任命アリタルトキハ評議員會
ニ於テ遲滯ナク監事ノ選任ヲ爲スベシ
第五十一條前條第二項ノ規定ニ依ル監
事ノ選任アリタルトキハ理事長、理事
及監事ノ全員ハ設立ノ登記ヲ爲スベシ
組合ハ前項ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立
ス
第五十二條第四十九條第一項ニ規定ス
ル木船ノ所有者ハ組合成立シタルトキ
之ニ因リテ其ノ組合員ト爲ルモノトス
第五十三條第四十九條第二項ノ規定ニ
依ル認可申請ナキ場合ニ於テ組合ノ設
立ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第五十四條損害保險國營再保險法中左
ノ通改正ス
第一條第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ改
メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ前項ニ定ムルモノノ外本法ニ
依リ木船保險組合ノ爲ス保險ノ再保
險ヲ行フ
第三條中「保險會社」ノ下ニ「又ハ木船
保險組合」ヲ加フ
第四條第一項中「保險會社ノ保險契約
ニ基ク塡補ノ責任」ノ下ニ「又ハ木船保
險組合ノ法令若ハ保險契約ニ基ク塡補
ノ責任」ヲ加フ
同條第二項中「保險會社」ノ下ニ「又ハ
木船保險組合」ヲ加フ
第五條乃至第八條、第十三條第一項及
第十四條中「保險會社」ノ下ニ「又ハ木
船保險組合」ヲ加フ
第十六條ニ左ノ一項ヲ加フ
木船保險組合第十三條第一項ノ規定
ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報告ヲ
爲シタルトキハ其ノ理事長其ノ他ノ
業務ヲ執行スル役員亦前項ニ同ジ
第五十五條損害保險國營再保險特別會
計法中左ノ通改正ス
第二條中「保險會社」ノ下ニ「又ハ木船
保險組合」ヲ加フ
〔國務大臣寺島健君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=52
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053・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 只今議題トナリマ
シタ郵便年金法中改正法律案外二件ノ、提
案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、先ヅ郵便年
金法中改正法律案ニ付テ申上ゲマス、現下
我ガ國經濟情勢ノ推移ニ鑑ミマシテ、國民
厚生施設タル郵便年金制度ノ機能ヲ益〓〓揚
セシメマスルト共ニ、併セテ現下ノ喫緊ノ
要務デアリマスル長期貯蓄ノ增强ヲ圖ル
爲郵便年金最高制限額ノ引上ゲヲナサム
トスルモノデアリマス、御承知ノ如ク郵便
年金ノ最高制限額ハ、大正十五年本制度創
設ノ際二千四百圓ト定メラレマシテ、爾來
今日ニ至ル迄其ノ儘ニ据ヱ置カレテ居ルノ
デアリマス、併シナガラ其ノ後ニ於ケル社
會情勢、經濟事情ノ變遷ニ鑑ミマスレバ
最高制限額ヲ引上グルコトヲ適當ト存ズル
ノデアリマス、一面ニ於キマシテ國民ノ購
買力ヲ吸收シ、之ヲ長期固定ノ資金化致シ
マスルニトハ、戰時財政經濟ノ運營ヲ圓滑
健全ナラシムル上ニ於テ正ニ國家的要務デ
アルト存ズルノデアリマシテ、郵便年金制
度ノ如ク此ノ時局ノ要求ニ副フ施設ニ付キ
マシテハ一層之ヲ擴充發展セシムルコト
ガ適切デアルト考ヘルノデアリマス、是等
ノ點ヲ考ヘ合ハセマシテ、現在ノ郵便年金
最高制限額二千四百圓ヲ三千六百圓ニ改ム
ル爲、玆ニ本改正法律案ヲ提出致シタ次第
デアリマス、次ニ航空法中改正法律案ニ付
テ申上ゲマス、高速度交通機關トシテノ航
空機ノ重要性ハ、近時著シク高メラレテ居
ルノデアリマシテ、大東亞建設戰完遂ノ爲、
我ガ航空力ノ飛躍的增强發展ヲ圖リ、以
テ遺憾ナク其ノ使命ヲ達成セシメマスルコ
トガ、現下最モ緊要ナル國策ノ一ツデアル
コトハ皆樣御承知ノ通リデアリマス、之ガ
爲政府ニ於キマシテモ、航空機生產力ノ擴
充、航空要員ノ增强、大東亞航空路ノ整備、
及ビ航空保安施設ノ整備等ニ重點ヲ置キマ
シテ、極力我ガ航空力ノ强化育成ニ努力致
シテ居ル次第デアリマスルガ、其ノ準繩ト
モ稱スベキ現行航空法ハ、必ズシモ今日ノ
實狀ニ副ハザル點ガアルノデアリマス、本
案ハ是等ノ點ニ鑑ミマシテ、現行航空法中
ニ一部改正ヲ施シ、第一ニハ、航空機職員
ニ關スル規定ヲ擴充整備致シマシテ、其ノ
資格責任等ヲ一層明確ナラシメ、運航能率
ノ向上及ビ航空事故ノ防止ニ資スルコトト
シ、第二ニハ、飛行場周圍ニ認メラレテ居リ
マスル特別地域ノ指定範圍ヲ擴張致シマシ
テ、航空機ノ大型化及ビ高速化竝ニ盲目著
陸施設ノ發達ニ順應シテ航空ノ安全ヲ圖ル
上ニ遺憾ナキヲ期スルコトトシ、更ニ第三
ニハ、航空保安上及ビ國防上ノ必要ニ基キ、
航空機使用專業ヲ一般ニ許可制トスルモノ
デアリマス、最後ニ木船保險法案ニ付テ申
上ゲマス、大東亞戰爭ヲ完遂スル爲ニハ
軍事的ニモ經濟的ニモ先ヅ海上輸送力ノ增
强ヲ圖ルコトノ緊要ナルコトハ更メテ申述
ブル迄モナイ所デアリマシテ、政府ハ諸般
ノ方途ヲ講ジテ船舶ノ運航能率ヲ向上セシ
メ、現有船腹ヲ最高度ニ活用スルト共ニ、計
書造船ノ方策ヲ劃定シ、銳意新船ノ建造ニ
努力シツヽアルノデアリマスガ、現下ノ諸情勢
ニ鑑ミルトキハ、船腹ノ擴充ノ爲ニハ、鋼船
ト併行シテ能フ限リ木船ノ建造ヲモ促進シ、
海上輸送力ノ增强ニ資スルコトガ極メテ緊要
トナッテ參ッタノデアリマス、然ルニ海運ノ運
營ニ最モ密接ナル關係ニ在ル所ノ海上保險
制度ハ、從來木船ニ付テハ不備デアルノミナラ
ズ、實情ニ卽セザル憾ガ多々アルノデアリマ
シテ、現狀ノ儘デハ、木船ノ建造ヲ促進シ、
木船ニ依ル計畫輸送ヲ遂行致ス上ニ多大ノ
支障ヲ招來スル虞ガアルノデアリマス、此
ノ狀態ヲ根本的ニ改善スルガ爲ニハ、政府
ノ定メマシタル計畫輸送ニ參加スベキ一定
「トン」數以上ノ木船ニ付キマシテ、付保ヲ强
制致シマスト共ニ、他方國家ノ援助監督ノ
下ニ適正ナル保險制度ヲ樹立シ、木船ノ運
航ニ關シ聊カモ不安ナカラシムルコトガ必
要デアルト考ヘルノデアリマス、以上ノ如
キ趣旨ニ基キマシテ、本案ハ保險事業經營
主體トシテ木船所有者ノ相互保險組合ヲ設
立セシムルコト、及ビ普通保險ノ付保ヲ强制
スルコトノ二ツノ事項ヲ主眼トシテ居リマ
スガ、其ノ要點ハ、先ヅ經營形態トシテハ船
主ノ相互保險組合タル木船保險組合ヲ設立
セシメテ保險ヲ行ハシメ、尙之ガ再保險ニ
關シテハ、普通保險ニアリマシテハ元受保
險金額ノ九割ニ付、戰爭保險ニ付キマシテ
ハ元受保險金額ノ全額ニ付、國家ニ於テ引
受ヲナサムトスルモノデアリマス、次ニ保
險ノ目的ハ原則トシテ總「トン」數二十ヘト
ン」以上ノ木船トシ、此ノ中一定「トン」數以
上ノモノニ付普通保險ノ付保ヲ强制スル方
針デアリマス、而シテ保險金額ハ保險金額ハ保
險價額ノ全部トシ、塡補範圍ハ從來一般保險
會社デ行ッテ參リマシタ全捐及ビ救助費ノ
外ニ分捐、共同海捐分擔金及ビ衝突賠償ヲ
モ塡補スルコトトシ、保險料率ハ船種、船齡、航
行區域等ニ依リ多少相異致シマスガ、組合
事務費ヲ國家ニ於テ補助スル等ノ方法ニ依
リ能フ限リ之ヲ低廉ナラシムル考デアリ
マス、本制度ノ實施ニ當リマシテハ、事業
運營ニ關スル諸般ノ施策ヲモ併行的ニ實施
スルコトトシ、且海難ノ防止、海員ノ素質
向上等、各般ノ政策ヲ綜合的ニ運用シ、以
テ所期ノ目的達成ニ萬遺憾ナキヲ期スル所
存デアリマス、何卒三案トモ御審議ノ上速
カニ御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=53
-
054・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
郵便年金法中改正法律案外二件ハ、十二名
ノ特別委員トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ
一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=54
-
055・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=55
-
056・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=56
-
057・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔高山書記官朗讀〕
郵便年金法中改正法律案特別委員
侯爵黑田長禮君伯爵大木喜福君
子爵秋田重季君子爵秋元春朝君
出淵勝次君男爵久保田敬一君
男爵北大路信明君坂野鉄次郞君
唐澤俊樹君田澤義鋪君
磯野庸幸君秋田三一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=57
-
058・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第二十
五、自動車交通事業法中改正法律案、政府
提出、第一讀會、八田鐵道大臣
自動車交通事業法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
鐵道大臣八田嘉明
內務大臣湯澤三千男
自動車交通事業法中改正法律案
自動車交通事業法中左ノ通改正ス
第十條第一項第三號中「運輸ニ關スル協
定」ノ下ニ「又ハ共同經營」ヲ加ヘ同項中
第四號ヲ削リ第五號ヲ第四號トシ第六號
ヲ第五號トス
同條第二項中「及第四號」ヲ削ル
第十六條第一項中「第十條(第一項第二
號第三號及第五號ヲ除ク)及第十一
條乃至第十三條」ヲ「第十條(第一項第
二號及第四號ヲ除ク)及第十一條乃至
第十三條ノ二」ニ、「、第十二條及第十
三條中主務大臣トアルハ地方長官(東
京府ニ在リテハ警視總監トス)トシ第
十條第一項第四號中路線トアルハ主タ
ル事業區域トス」ヲ「及第十二條乃至第
十三條ノ二中主務大臣トアルハ地方長
官(東京府ニ在リテハ警視總監トス)ト
ス」ニ改ム
第十六條ノ二中「一般」ヲ「他入」ニ改ム
第十六條ノ三中「又ハ地方長官(東京府ニ
在リテハ警視總監トス以下本章中之ニ同
ジ)」ヲ削ル
第十六條ノ四中「又ハ地方長官」ヲ削ル
第十六條ノ六第一項中「地方長官」ノ下
ニ「(東京府ニ在リテハ警視總監トス以下
本章及第三章中之ニ同ジ)」ヲ、同項第
二號中「運輸ニ關スル協定」ノ下ニ「又
ハ共同經營」ヲ加へ同項中第三號ヲ削
リ第四號ヲ第三號トシ第五號ヲ第四號ト
ス
同條第二項中「及第三號」ヲ削リ同條ニ左
ノ一項ヲ加フ
主務大臣又ハ地方長官ハ物資輸送ノ
確保ヲ期スル爲必要アリト認ムルト
キハ貨物自動車運送事業者ニ對シ物
品ノ種類、數量、運賃其ノ他ノ運送
條件ヲ定メ物品ノ運送ヲ命ズルコトヲ
得
第十六條ノ七中「貨物自動車ノ整備ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ」ヲ「貨物自
動車運送事業ノ施設ノ整備ヲ圖ル爲其ノ
他特別ノ事情ニ依リ必要アリト認ムルト
キハ」ニ改ム
第十六條ノ八中但書ヲ削ル
第十六條ノ十自動車運送事業組合ハ旅
客自動車運輸事業、旅客自動車運送事
業又ハ貨物自動車運送事業(以下自動
車運送事業ト總稱ス)ノ總力ヲ最モ有
效ニ發揮セシムル爲自動車運送事業ノ
統制指導ヲ圖リ又ハ之ガ爲ニスル經營
ヲ行ヒ且自動車運送事業ニ關スル國策
ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
組合ハ法人トス
第十六條ノ十一自動車運送事業組合ハ
一定地區ニ於テ前條第一項ニ揭グル事
業ノ種類別ニ其ノ事業者ヲ以テ之ヲ設
立ス但シ特別ノ事情アルトキハ二種以
上ノ專業者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ
得
第十六條ノ十二自動車運送事業組合ハ
其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ
行フ
-運賃、運輸其ノ他組合員ノ事業ニ
關スル統制
二組合員ノ事業ノ整備確立
三組合員ノ事業ニ關スル指導、調査
及〓究
四組合員ノ事業ニ關スル檢査
組合ハ前項ノ事業ノ外自動車運送專業
ノ統制指導ノ爲必要アルトキハ左ニ揭
グル車業ヲ併セ行フコトヲ得
組合員ノ事業ニ必要ナル物ノ購
入共同設備ノ設置其ノ他組合員ノ
事業ニ關スル共同施設
二組合員ノ事業ニ必要ナル資金ノ貸
付
三前各號ニ揭グルモノノ外必要ナル
事業
前項ノ組合ノ共同施設ハ組合員ノ利用
ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル
者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利
用セシムルコトヲ得
第二項第三號ノ事業ハ主務大臣ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ行フコトヲ得
ズ
第十六條ノ十三主務大臣ハ自動車運送
事業組合ヲ設立セシメントスルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ地區ヲ定メ其ノ
地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル
者ニ對シ組合ノ設立ヲ命ズベシ
前項ノ規定ニ依ル組合ノ設立ノ命令ア
リタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創
立總會ヲ開キ之ニ諮リテ定款其ノ他組
合ノ設立ニ必要ナル事項ヲ定メ監事ヲ
選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第一項ノ規定ニ依リ組合ノ設立ヲ命ゼ
ラレタル者主務大臣ノ指定スル期限迄
ニ其ノ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ
主務大臣ハ定款ノ作成、監事ノ任命其
ノ他組合ノ設立ニ關シ必要ナル處分ヲ
爲スコトヲ得
第十六條ノ十四自動車運送事業組合ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ設立ノ登記ヲ爲
スニ因リテ成立ス
第十六條ノ十五中「第十六條ノ十三ノ規
定ニ依ル」ヲ削ル
第十六條ノ十六自動車運送事業組合ノ
定款ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
-目的
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
五組合員ニ關スル規定
六事業及其ノ執行ニ關スル規定
七役員ニ關スル規定
八會議ニ關スル規定
九會計ニ關スル規定
第十六條ノ十七自動車運送事業組合ニ
ハ左ノ役員ヲ置クベシ
理事長人
理事若干人
監事若干人
理事長ハ組合ヲ代表シ組合事務ヲ總理
ス
理事ハ理事長ヲ輔佐シ組合事務ヲ分掌
シ豫メ理事長ノ定ムル順位ニ依リ理事
長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理
事長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ組合ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査
ス
理事長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任
期ハ二年トス
理事長又ハ理事ト監事トハ相兼ヌルコ
トヲ得ズ
第十六條ノ十八自動車運送事業組合ノ
理事長ハ自動車運送事業ニ關シ經驗ア
ル者及學識アル者ノ中ヨリ主務大臣ノ
認可ヲ受ケ地方長官之ヲ命ズ
組合ノ理事ハ自動車運送事業ニ關シ經
驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ理事長
之ヲ命ズ
組合ノ監事ハ創立總會又ハ總會ニ於テ
之ヲ選任ス
前項ノ規定ニ依ル選任ハ地方長官ノ認
可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼ
ズ
第十六條ノ十九自動車運送事業組合ノ
理事長ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得
ズ但シ地方長官ノ認可ヲ受ケタルトキ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第十六條ノ二十自動車運送事業組合ハ
組合員ノ事業ニ關スル統制規程ヲ定ム
ベシ
組合員ハ當該組合ノ統制規程ニ依ルベ
シ
第十六條ノ二十一左ニ揭グル事項ハ總
會ニ諮リ自動車運送事業組合ノ理事長
之ヲ決ス
一定款ノ變更
二統制規程ノ制定及變更
三收支豫算竝ニ賦課金ノ額及徵收方
法
前項ノ規定ニ依ル組合ノ理事長ノ處分
ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ
其ノ效力ヲ生ゼズ
第十六條ノ二十二自動車運送事業組合
ノ理事長ハ每年總會ニ組合ノ事業ノ狀
況ヲ報告シ組合ノ監事ヲシテ財產ノ狀
況ヲ報告セシムベシ
第十六條ノ二十三自動車運送事業組合
ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ニ
對シ經費ヲ賦課シ過怠金ヲ課スルコト
ヲ得
組合ハ其ノ事業ヲ行フ爲特ニ必要アル
トキハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ組合
員ノ全部又ハ一部ニ對シ前項ノ規定ニ
依ル賦課金ノ外特別ノ賦課金ヲ課スル
コトヲ得
第十六條ノ二十四前條ノ規定ニ依ル賦
課金又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合
ニ於テ自動車運送事業組合ノ請求アル
トキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之
ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ組合ハ其ノ徵
收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザ
ル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權
ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市
町村稅ノ例ニ依ル
第十六條ノ二十五自動車運送事業組合
ハ使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテ
ハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第十六條ノ二十六自動車運送事業組合
ハ必要アリト認ムルトキハ組合ノ役員
又ハ使用人ヲシテ組合員ノ業務若ハ財
產ノ狀況又ハ帳簿、書類、設備其ノ他ノ
物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
組合前項ノ規定ニ依リ役員又ハ使用人
ヲシテ檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ
身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十六條ノ二十七政府ハ自動車運送事
業ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲
特ニ必要アリト認ムルトキハ自動車運
送事業組合ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依
リ豫算ノ範圍內ニ於テ自動車運送事業
ノ統制指導ニ要スル費用ノ一部ヲ補助
スルコトヲ得
第十六條ノ二十八主務大臣ハ必要アリ
ト認ムルトキハ自動車運送事業組合ニ
對シ定款、統制規程、收支豫算、賦課
金ノ額若ハ徵收方法ノ變更又ハ必要ナ
ル事業ノ施行ヲ命ジ其ノ他監督上必要
ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ
得
第十六條ノ二十九地方長官ハ自動車運
送事業組合ノ役員ノ行爲ガ法令又ハ法
令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルト
キ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他事業ノ
執行上當該役員ヲ不適當ナリト認ムル
トキハ之ヲ解任スルコトヲ得
第十六條ノ三十自動車運送事業組合ハ
主務大臣ノ命令ニ因リテ解散ス
第十六條ノ三十一自動車運送事業組合
聯合會ハ自動車運送事業ノ總力ヲ最モ
有效ニ發揮セシムル爲其ノ會員ノ事業
ノ統制指導ヲ圖リ又ハ之ガ爲ニスル經
營ヲ行ヒ且自動車運送事業ニ關スル國
策ノ立案及遂行ニ協力スルコトヲ目的
トス
聯合會ハ法人トス
第十六條ノ三十二自動車運送事業組合
聯合會ハ第十六條ノ十第一項ニ揭グル
事業ノ種類別ニ之ヲ設立シ全國ヲ通ジ
テ一個トス但シ特別ノ事情アルトキハ
二種以上ノ事業ニ付之ヲ設立スルコト
ヲ得
聯合會ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ左
ニ揭グル者トス
一當該自動車運送事業ノ事業者ヲ以
テ組織スル自動車運送事業組合
二當該自動車運送事業ノ事業者ニシ
テ自動車運送事業組合ノ組合員タラ
ザルモノ
第十六條ノ三十三自動車運送事業組合
聯合會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グ
ル事業ヲ行フ
自動車道送事業ニ關スル政府ノ計
畫ニ對スル參畫
二自動車運送事業ニ關スル調査及〓
究
三會員ノ事業ニ關スル統制指導
四會員ノ事業ニ關スル檢査
聯合會ハ前項ノ事業ノ外其ノ會員ノ事
業ノ統制指導ノ爲必要アルトキハ左ニ
揭グル事業ヲ併セ行フコトヲ得
會員ノ事業ニ必要ナル物ノ購入、
共同設備ノ設置其ノ他會員ノ事業ニ
關スル共同施設
二前號ニ揭グルモノノ外必要ナル事
業
前項ノ聯合會ノ共同施設ハ會員ノ利用
ニ支障ナキ場合ニ限リ會員ニ非ザル者
ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用
セシムルコトヲ得
第二項第二號ノ事業ハ主務大臣ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ行フコトヲ得
ズ
第十六條ノ三十四自動車運送事業組合
聯合會ニハ左ノ役員ヲ置クベシ
會長一人
理事若干人
監事若干人
評議員若干人
聯合會ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ム
ル所ニ依リ理事長一人ヲ置クコトヲ得
會長ハ聯合會ヲ代表シ會務ヲ總理ス
理事長ハ會長ヲ輔佐シ會務ヲ掌理シ會
長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會
長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ會長及理事長ヲ輔佐シ會務ヲ分
掌シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長
及理事長共ニ事故アルトキハ會長ノ職
務ヲ代理シ會長及理事長共ニ缺員ノト
キハ會長ノ職務ヲ行フ
監事ハ聯合會ノ業務及財產ノ狀況ヲ監
査ス
評議員ハ會長ノ諮問ニ答申シ又ハ會長
ニ對シ意見ヲ具申ス
會長、理事長及理事ノ任期ハ三年、監
事及評議員ノ任期ハ二年トス
會長、理事長又ハ理事ト監事トハ相兼
ヌルコトヲ得ズ
第十六條ノ三十五ヲ第十六條ノ三十八ト
シ以下第十六條ノ三十八迄順次三條宛繰
下グ
第十六條ノ三十五自動車運送事業組合
聯合會ノ會長ハ銓衡委員ノ推薦シタル
者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項ノ銓衡委員ハ自動車運送事業ニ關
シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主
務大臣之ヲ命ズ
聯合會ノ理事長及理事ハ自動車運送事
業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中
ヨリ會長之ヲ命ズ
聯合會ノ監事ハ創立總會又ハ總會ニ於
テ之ヲ選任ス
聯合會ノ評議員ハ自動車運送事業ニ關
シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主
務大臣之ヲ命ズ
第三項ノ規定ニ依ル任命及第四項ノ規
定ニ依ル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十六條ノ三十六自動車運送事業組合
聯合會ノ會長、理事長及理事ハ他ノ職
業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣
ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第十六條ノ三十七自動車運送事業組合
ニ關スル規定ハ第十六條ノ十乃至第十
六條ノ十二及第十六條ノ十七乃至第十
六條ノ十九ノ規定ヲ除クノ外自動車運
送事業組合聯合會ニ之ヲ準用ス但シ第
十六條ノ二十一及第十六條ノ二十二中
自動車運送事業組合ノ理事長又ハ組合
ノ理事長トアルハ聯合會ノ會長トシ第
十六條ノ二十九中地方長官トアルハ主
務大臣トス
第五十二條第三號中「第十六條ノ十三第
一項」ノ下ニ「及第十六條ノ三十七ニ於テ
準用スル同條同項」ヲ加フ
第五十八條第一項中「理事、監事、假理事」
ヲ「役員、使用人」ニ改ム
第五十九條ノ二自動車運送事業組合ノ
組合員又ハ自動車運送事業組合聯合會
ノ會員統制規程ニ基キテ爲シタル組合
又ハ聯合會ノ處分ニ違反シタルトキハ
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十九條ノ三自動車運送事業組合ノ
組合員又ハ自動車運送事業組合聯合會
ノ會員第十六條ノ二十六第一項又ハ第
十六條ノ三十七ニ於テ準用スル同條同
項ノ檢査ヲ妨ゲタルトキハ五百圓以下
ノ過料ニ處ス
第五十九條ノ四自動車運送事業組合聯
合會ノ會員ガ自動車運送事業組合ナル
トキハ第五十九條ノ二ノ規定ハ其ノ行
爲ヲ爲シタル組合ノ役員又ハ使用人ニ、
前條ノ規定ハ其ノ行爲ヲ爲シタル組合
ノ役員ニ之ヲ適用ス
第六十條左ノ場合ニ於テハ自動車運送
事業組合又ハ自動車運送事業組合聯合
會ノ役員又ハ〓算人ヲ五百圓以下ノ過
料ニ處ス
-本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可又ハ許可ヲ受ケテ爲スベ
キ事項ヲ之ヲ受ケズシテ爲シタルト
キ
二本法ニ基キテ爲シタル處分(第十
六條ノ三十七ニ於テ準用スル第十六
條ノ十三第一項ノ規定ニ基キテ爲シ
タル處分ヲ除ク)ニ違反シタルトキ
三行政官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申
立ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
四本法ニ依リ行政官廳ノ徵スル報〓
ヲ差出サズ又ハ監査員ノ監査ヲ妨ゲ
其ノ他行政官廳ノ命令又ハ處分ニ從
ハザルトキ
五第十六條ノ三十九ノ規定ニ基キテ
發スル勅令ニ依ル登記ヲ爲スコトヲ
怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
六第十六條ノ四十ノ規定ニ基キテ發
スル勅令ニ違反シタルトキ
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
マルチノ
第二條從前ノ第十六條ノ三、第十六條
ノ四又ハ第十六條ノ八ノ規定ニ依リテ
爲シタル處分、手續其ノ他ノ行爲ハ同
條ノ改正規定ニ依リテ之ヲ爲シタルモ
ノト看做ス
第三條本法施行ノ際現ニ本法ニ依リ新
ニ免許ヲ受クベキモノト爲リタル事業
ヲ營ム者ハ本法施行後三月內ニ限リ其
ノ事業ヲ營ムコトヲ得此ノ期間內ニ事
業經營ノ免許申請ヲ爲ストキハ免許又
ハ免許ノ拒否ノ日迄亦同ジ
第四條本法施行ノ際現ニ存スル自動車
運送事業組合ハ本法ニ依リ設立ヲ命ゼ
ラレタル組合ニシテ地區ヲ同ジクスル
モノノ成立シタル時解散ス
本法施行ノ際現ニ存スル自動車運送事
業組合及自動車運送事業組合聯合會ニ
付テハ仍從前ノ規定ヲ適用ス
第五條本法施行前從前ノ規定ニ依リテ
處罰スベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ
規定ニ依ル
第六條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第十二號中「自動車運送
事業組合、自動車運送事業組合聯合
會、」ヲ削ル
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=58
-
059・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今上程セラレ
マシタ自動車交通事業法中改正法律案ニ付
テ、御說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、自動車
輸送力ヲ確保致シマスルコトガ、戰力增强
ノ上ニ極メテ重要デアリマスルコトハ、改メテ
申上ゲル迄モナイ所デアリマス、政府ニ於
キマシテハ、從來トモ諸般ノ施策ヲ講ジ、銳意
其ノ整備充實ヲ圖ッテ參ッテ居ルノデアリマ
スルガ、戰局ノ進展ニ卽應致シマシテ陸海輸
送力ノ綜合發揮ニ愈〓力ヲ致スベキノ必要ヲ
痛感スル次第デアリマス、之ガ爲ニ自動車
ニ關シマシテ一層徹底シタ方策ヲ講ジマシ
テ、鐵道、軌道、自動車等、全陸上輸送機關
ガ打ッテ一丸トナリマシテ、國有鐵道ヲ核
心ト致シマシテ有機的聯繫ノ下ニ、其ノ總力ヲ
遺憾ナク發揮シ得ルヤウニ體制ヲ整ヘテ參
ラネバナラヌト考ヘルノデアリマス、仍テ
此ノ趣旨ニ基キマシテ、現行自動車交通事
業法ヲ一部改正致シマシテ、自動車運送事
業ノ戰時體制ヲ强化致シマシテ、戰力ノ增
强ニ資シタイト考ヘマシテ、本改正法律案
ヲ提出致シタ次第デアリマス、本改正法律
案ノ要點ト致シマシテハ、第一ニハ、貨物自
動車運送事業ノ免許、運賃、料金其ノ他事
業計畫變更ノ認可等ノ權限ヲ、鐵道大臣直
屬ト致シマシテ、事業ノ統一的且綜合的ナ
ル統制運營ヲ圖リ得ルヤウニ改メムトスル
モノデアリマス、第二ニハ、主務大臣又ハ
地方長官ハ、物資輸送ノ確保ヲ期シマスル
爲ニ、特ニ必要アリト認ムルトキハ、貨物自
動車運送事業者ニ對シマシテ運送ノ實施命
令ヲナシ得ルコトト致スノデアリマス、第
三ニハ、補助制度ノ改正デアリマシテ、貨物
自動車運送事業者ニ對スル補助ノ範圍ヲ擴張
致シマスト共ニ、新タニ自動車運送事業組合聯
合會ニ對シマシテモ補助金ヲ交付シ得ルコ
トト致シタイノデアリマス、第四ニハ、自
動車運送事業組合及同聯合會ノ目的、設立
方法、役員ノ選任方法等ヲ改ムルト共ニ、組
合理事長及聯合會會長ニ統制權限ヲ付與致
シマシテ、國策輸送ノ徹底ヲ期シ得ルヤウ
ニ致シタイノデアリマス、以上ノ外、之ニ關
聯致シマシテ、規定ノ整備ヲ行ハムトスル
モノデアリマス、何卒御審議ノ上速カニ御
協賛ヲ賜ラムコトヲ御願ヒ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=59
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060・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
自動車交通事業法中改正法律案ハ、郵便年
金法中改正法律案外二件ノ特別委員ニ併託
セラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=60
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061・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=61
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062・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=62
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063・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=63
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064・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第二十
六、藥事法案、日程第二十七、船員保險法中
改正法律案、日程第二十八、軍事扶助法中改
正法律案、政府提出、第一讀會、是等ノ三
案ヲ一括シテ議題トスルコトニ御異議ゴザ
イマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=64
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065・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、小泉厚生大臣
藥事法案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
農林大臣井野碩哉
厚生大臣小泉親彥
內務大臣湯澤三千男
藥事法案
藥事法
第一章總則
第一條本法ハ藥事衞生ノ適正ヲ期シ國
民體力ノ向上ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第二章藥劑師
第二條藥劑師ハ調劑、醫藥品ノ供給其
ノ他藥事衞生ヲ掌リ國民體力ノ向上ニ
寄與スルヲ以テ其ノ本分トス
第三條藥劑師タラントスル者ハ勅令ノ
定ムル所ニ依リ主務大臣ノ免許ヲ受ク
ルコトヲ要ス
第四條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ對
シテハ藥劑師免許ヲ與ヘズ
-六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ處
セラレタル者
二未成年者、禁治產者、準林治產者、
精神病者、瘖啞者又ハ盲者
第五條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ對
シテハ藥劑師免許ヲ與ヘザルコトアル
ベシ
-六年未滿ノ懲役又ハ禁鋼ニ處セ
ラレタル者
二藥事ニ關シ罰金ニ處セラレタル者
三前二號ニ該當スル者ヲ除クノ外藥
事ニ關シ不正ノ行爲アリタル者
第六條厚生省ニ藥劑師名簿ヲ備へ藥劑
師免許ニ關スル事項ヲ登錄ス
登錄スベキ事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條藥劑師第四條各號ノ一ニ該當ス
ルトキハ其ノ免許ヲ取消スベシ
藥劑師第五條各號ノ一ニ該當シ又ハ藥
劑師タルノ品位ヲ損スル行爲アリタル
トキハ免許ヲ取消シ又ハ期間ヲ定メテ
其ノ業務ヲ停止スルコトアルベシ其ノ
事免許前ニ係ル場合亦同ジ
前項ノ取消處分ヲ受ケタル者ト雖モ改
悛ノ情顯著ナルトキハ再免許ヲ與フル
コトアルベシ
第一項ノ取消處分ヲ受ケタル者ニ付第
四條第二號ノ原因止ミタルトキ亦同ジ
前項前段ノ規定ニ依リ再免許ヲ受ケタ
ル者主務大臣ノ定ムル期間內ニ於テ第
五條第一號又ハ第二號ニ該當スルニ至
リタルトキハ其ノ再免許ハ效力ヲ失フ
第一項乃至第三項ノ處分ハ主務大臣之
Brigo
第八條主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ藥劑師ヲシテ醫藥品ノ取扱其ノ他藥
事衞生ニ關シ必要ナル事項ノ修習ヲ爲
サシムルコトヲ得
第三章藥劑師會
第九條日本藥劑師會及道府縣藥劑師會
ハ藥事衞生ノ改良發達ヲ圖リ國民體力
ノ向上ニ關スル國策ニ協力スルヲ以テ
目的トス
日本藥劑師會及道府縣藥劑師會ハ法人
トス
第十條藥劑師ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ
道府縣藥劑師會ヲ設立スベシ
藥劑師ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ道府縣
藥劑師會ノ會員トス
藥劑師ニ非ザルモ藥劑師免許ヲ受クル
資格ヲ有スル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ之ヲ道府縣藥劑師會ノ會員タラシム
ルコトヲ得ルモノトス
第十一條道府縣藥劑師會ハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ日本藥劑師會ヲ設立スベシ
道府縣藥劑師會ハ日本藥劑師會ノ會員
トス
第十二條道府縣藥劑師會ハ其ノ會員ヨ
リ徵收スベキ收入ニ關シテハ民事訴訟
ヲ提起スルコトヲ得
第十三條前四條ニ規定スルモノノ外日
本藥劑師會及道府縣藥劑師會ノ設立ノ
手續、區域、機關、經費ノ負擔及其ノ
徵收、監督、會員ノ懲戒其ノ他ニ關シ
必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四章藥局及調劑
第十四條藥局ヲ開設セントスル者ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ許可ヲ
受クベシ
藥局ハ命令ノ定ムル所ニ依リ藥劑師ヲ
シテ之ヲ管理セシムベシ
第十五條藥劑師ニ非ザレバ販賣又ハ授
與ノ目的ヲ以テ調劑ヲ爲スコトヲ得ズ
第十六條藥劑師販賣又ハ授與ノ目的ヲ
以テ調劑ヲ爲ス場合ハ藥局ニ於テ之ヲ
爲スベシ但シ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲
シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條藥局ニ於テ調劑ニ從事スル藥
劑師ハ調劑ノ需アル場合ニ於テ正當ノ
事由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十八條藥劑師ハ醫師、齒科醫師又ハ
獸醫師ノ處方箋ニ依リ調劑スベシ
藥劑師ハ處方箋中疑ハシキ廉アルトキ
ハ其ノ處方箋ヲ交付シタル醫師、齒科
醫師又ハ獸醫師ニ質シ證明ヲ得ルニ非
ザレバ調劑ヲ爲スコトヲ得ズ
第十九條藥劑師調劑ヲ爲シタルトキハ
遲滯ナク調劑ニ關スル事項ヲ調劑錄ニ
記載スベシ
第二十條主務大臣ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ調劑報酬ニ關シ必要ナル命令ヲ發
スルコトヲ得
第二十一條前七條ニ規定スルモノノ外
藥局及調劑ニ關シ必要ナル事項ハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第五章醫藥品
第二十二條醫藥品ノ製造業ヲ行ハント
スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大
臣ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ別
段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
醫藥品製造業者ハ醫藥日ノ性狀品質ヲ
適正ナラシムル爲命令ノ定ムル所ニ依
リ藥劑師ヲ置クベシ但シ命令ヲ以テ別
段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
前二項ニ規定スルモノノ外醫藥品ノ製
造ノ設備及管理、製品ノ封緘其ノ他製
造ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
ファン
前三項ノ規定ハ醫藥品ノ輸入販賣業又
ハ移入販賣業ニ之ヲ準用ス
第二十三條醫藥品ノ販賣業ヲ行ハント
スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長
官ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ別
段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
主務大臣ハ藥劑師ニ非ザル醫藥品販賣
業者ニシテ藥劑師ヲ使用セザルモノノ
取扱品目ノ制限ニ關シ必要ナル命令ヲ
發スルコトヲ得
前二項ニ規定スルモノノ外醫藥品ノ販
賣ノ方法其ノ他販賣又ハ授與ニ關シ必
要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四條主務大臣ハ保健衞生上特ニ
必要アリト認ムル醫藥品ノ價格ニ付勅
令ノ定ムル所ニ依リ其ノ公正ヲ圖ル爲
必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコ
トヲ得
第二十五條主務大臣ハ醫藥品ニ付局方
ヲ定メタルトキハ之ヲ日本藥局方ニ收
載スベシ
第二十六條日本藥局方ニ收載セル醫藥
品ハ其ノ性狀品質日本藥局方ノ所定ニ
適合スルニ非ザレバ之ヲ販賣若ハ授與
シ又ハ販賣若ハ授與ノ目的ヲ以テ製造、
輸入、移入、貯藏若ハ陳列スルコトヲ
得ズ
主務大臣ハ保健衞生上特ニ必要アリト
認ムル醫藥品ニ付性狀品質ノ適正ヲ圖
ル爲必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第二十七條日本藥局方ニ收載セル醫藥
品ハ其ノ容器又ハ被包ニ日本藥局方ナ
ル文字及日本藥局方名ヲ、日本藥局方
ニ收載セザル醫藥品ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ其ノ容器又ハ被包ニ其ノ名稱竝
ニ成分及分量、成分不明ナルモノハ其
ノ本質及製造法ノ要旨ヲ記載スルニ非
ザレバ之ヲ販賣若ハ授與シ又ハ販賣若
ハ授與ノ目的ヲ以テ貯藏若ハ陳列スル
コトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ
爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ニ規定スルモノノ外醫藥品ノ貯
藏小分其ノ他取扱ニ關シ必要ナル事
項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
効
第二十八條醫藥品ノ效能ニ關シテハ何
人ト雖モ虚僞又ハ誇大ノ廣〓ヲ爲スコ
トヲ得ズ
主務大臣ハ前項ニ規定スルモノノ外醫
藥品ニ關スル廣〓、醫藥品ノ容器若ハ
被包ニ記載スル事項又ハ醫藥品ニ添附
シ若ハ添附セズシテ頒布スル文書ニ關
シ必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第二十九條毒藥、劇藥及麻藥ノ品目ハ
主務大臣之ヲ定ム
本法ニ規定スルモノノ外毒藥、劇藥及
麻藥ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第六章監督
第三十條主務大臣又ハ地方長官ハ保健
衞生上特ニ必要アリト認ムルトキハ藥
局開設者又ハ醫藥品ノ製造業者、輸入
販賣業者、移入販賣業者若ハ販賣業者
ニ對シ當該業務ニ關シ必要ナル指示ヲ
爲スコトヲ得
第三十一條主務大臣又ハ地方長官ハ第
二十二條第一項ノ規定(同條第四項ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シテ
製造、輸入若ハ移入セラレタル醫藥品、
第二十六條第一項ノ規定若ハ同條第二
項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シ
テ製造造、輸入、移入、貯藏若ハ陳列セ
ラレタル醫藥品又ハ保健衞生上危害ヲ
生ズルノ虞アリト認ムル醫藥品ニ付其
ノ所有者ヲシテ廢棄セシメ、所有者若
ハ所持者ヲシテ保健衞生上危害ヲ生ズ
ルノ虞ナキ方法ニ依リ處置セシメ又ハ
直接ニ廢棄シ其ノ他必要ナル處分ヲ爲
スコトヲ得
第三十二條主務大臣又ハ地方長官必要
アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ
依リ藥局開設者又ハ醫藥品ノ製造業
者、輸入販賣業者、移入販賣業者若ハ
販賣業者ニ付當該業務ニ關シ必要ナル
報〓ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ藥局、
工場、店舖、事務所、倉庫其ノ他ノ場
所ニ臨檢シ其ノ構造設備、業務ノ狀況
若ハ醫藥品、醫藥品ノ原料材料、調劑
錄等ノ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セ
シメ又ハ試驗ノ爲必要ナル分量ノ醫藥
品若ハ其ノ原料材料ヲ無償ニテ收去セ
シムルコトヲ得
第三十三條醫藥品ノ製造業者、輸入販
賣業者又ハ移入販賣業者其ノ業務ニ關
シ犯罪又ハ不正ノ行爲アリタルトキハ
主務大臣ハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ
業務ヲ停止スルコトヲ得
藥局開設者又ハ醫藥品販賣業者其ノ業
務ニ關シ犯罪又ハ不正ノ行爲アリタル
トキハ地方長官ハ其ノ許可ヲ取消シ又
ハ其ノ業務ヲ停止スルコトヲ得
第三十四條醫藥品ノ製造業者、輸入販
賣業者又ハ移入販賣業者正當ノ事由ナ
クシテ其ノ業務ヲ行ハザルトキハ主務
大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ許可
ヲ取消スコトヲ得
藥局開設者又ハ醫藥品販賣業者正當ノ
事由ナクシテ其ノ業務ヲ行ハザルトキ
ハ地方長官ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其
ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第七章雜則
第三十五條第八條及第四章乃至前章ニ
規定スル主務大臣ノ職權ノ一部ハ勅令
ノ定ムル所ニ依リ地方長官ヲシテ之ヲ
行ハシムルコトヲ得
第三十六條樺太ニ於テ本法ヲ適用スル
ニ付必要ナル事項ニ關シテハ勅令ヲ以
テ特例ヲ設クルコトヲ得
第八章罰則
第三十七條麻藥ニ關シ第二十二條第一
項ノ規定(同條第四項ニ於テ準用スル
場合ヲ含ム)ニ違反シタル者又ハ麻藥
ノ輸出若ハ移出ニ關シ第二十九條第二
項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シ
タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ千圓以下
ノ罰金ニ處ス
第三十八條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リ
タル者故ナク第三十二條ノ規定ニ依ル
調劑錄ノ檢査ニ關シ知得シタル個人ノ
祕密ヲ漏洩シタルトキハ六月以下ノ懲
役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
職務上前項ノ祕密ヲ知得シタル他ノ公
務員又ハ公務員タリシ者故ナク其ノ祕
密ヲ漏洩シタルトキ亦前項ニ同ジ
第三十九條第三十七條ノ規定ニ該當ス
ル者ヲ除クノ外第二十一一條第一項ノ規
定(同條第四項ニ於テ準用スル場合ヲ
含ム)ニ違反シタル者ハ六月以下ノ懲
役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
三月以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金
若ハ科料ニ處ス
-第二十二條第三項ノ規定(同條第
四項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ
基キテ發スル命令ニ違反シタル者
二麻藥ニ關シ第二十三條第三項ノ規
定ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル
者
三製造、輸入又ハ移入ニ關シ第一一十
六條第一項ノ規定ニ違反シタル者
四製造、輸入又ハ移入ニ關シ第一一十
六條第二項ノ規定ニ基キテ發スル命
令ニ違反シタル者
第四十一條前條ノ規定ニ該當スル者ヲ
除クノ外左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
-第十四條、第二十二條第二項同
條第四項ニ於テ準用スル場合ヲ含
ム)、第二十三條第一項、第二十六條
第一項、第二十七條第一項又ハ第二
十八條第一項ノ規定ニ違反シタル者
二第十五條乃至第十九條ノ規定ニ違
反シタル者
三第二十條、第二十三條第二項第三
項第二十六條第二項、第二十七條
第二項又ハ第二十八條第二項ノ規定
ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者
四藥局ニ關シ第二十一條ノ規定ニ基
キテ發スル命令ニ違反シタル者
五調劑ニ關シ第二十一條ノ規定ニ基
キテ發スル命令ニ違反シタル者
六第二十四條ノ規定ニ基キテ發スル
命令又ハ同條ノ規定ニ依ル處分ニ違
反シタル者
七毒藥又ハ劇藥ニ關シ第二十九條第
二項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違
反シタル者
八第三十一條ノ規定ニ依ル命令ニ違
反シタル者
九第三十一條ノ規定ニ依ル廢棄其ノ
他ノ處分又ハ第三十二條若ハ第四十
七條第二項ノ規定ニ依ル當該官吏ノ
檢査若ハ收去ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避
シタル者
十第三十二條又ハ第四十七條第二項
ノ規定ニ依ル報〓ヲ怠リ又ハ虚僞ノ
報告ヲ爲シタル者
十一業務停止中ノ藥劑師ニシテ其ノ
業務ヲ爲シタルモノ
十二誤リテ調劑ヲ爲シタル者
十三醫藥品ノ容器又ハ被包ニ虚僞ノ
記載ヲ爲シタル者
十四業務停止中ノ藥局開設者又ハ醫
藥品ノ製造業者、輸入販賣業者、移
入販賣業者若ハ販賣業者ニシテ其ノ
業務ヲ爲シタルモノ
第四十二條法人又ハ人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第三十七
條第三十九條、第四十條又ハ前條第
평균第三號、第四號、第六號乃至第
八號、第十號、第十三號若ハ第十四號
ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人
又ハ人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ
以テ其ノ處罰ヲ免カルルコトヲ得ズ
第四十三條第三十七條、第三十九條、
第四十條竝ニ第四十一條第一號、第三
號第四號、第六號乃至第八號、第十
號第十三號及第十四號ノ罰則ハ其ノ
者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ
他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未
成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法
定代理人ニ之ヲ適用ス但シ其ノ業務ニ
關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成
年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十四條前二條ノ場合ニ於テハ懲役
ノ刑ニ處スルコトラ得ズ
附則
第四十五條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十六條藥品營業竝藥品取扱規則、
賣藥法及藥劑師法ハ之ヲ廢止ス但シ藥
劑師法中道府縣藥劑師會及日本藥劑師
會ニ關スル規定ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ勅令ヲ以テ定ムル時迄仍其ノ效力ヲ
有ス
第四十七條醫師、齒科醫師又ハ獸醫師
ハ其ノ診療ニ用フベキ醫藥品ニ限リ命
令ノ定ムル所ニ依リ第十五條ノ規定ニ
拘ラズ調劑ヲ爲スコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ命令
ノ定ムル所ニ依リ病院若ハ診療所ノ開
設者又ハ開業ノ獸醫師ニ付醫藥品ノ使
用ニ關シ必要ナル報告ヲ徵シ又ハ當該
官吏ヲシテ醫藥品ヲ貯藏スル場所ニ臨
檢シ醫藥品ヲ檢査セシメ若ハ試驗ノ爲
必要ナル分量ノ醫藥品ヲ無償ニテ收去
セシムルコトヲ得
第四十八條藥劑師法ニ依リ藥劑師免許
ヲ受ケタル者ハ本法ニ依リ藥劑師免許
ヲ受ケタルモノト看做
第四十九條本法ノ適用ニ付テハ明治十
三年第三十六號布〓刑法ノ重罪ノ刑ニ
處セラレタル者ハ六年ノ懲役又ハ禁錮
以上ノ刑ニ、同法ノ禁錮ニ處セラレタ
ル者ハ六年未滿ノ〓役又ハ禁錮ニ處セ
ラレタルモノト看做ス
第五十條藥劑師法ニ依ル藥劑師名簿ノ
登錄ハ之ヲ本法ニ依ル藥劑師名簿ノ登
錄ト看做ス
第五十一條藥劑師法ニ依リ爲シタル藥
劑師免許ノ取消ノ處分又ハ業務ノ停止
ノ處分ハ之ヲ本法ノ相當規定ニ依リテ
爲シタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テ
停止ノ期間ハ仍從前ノ例ニ依ル
第五十二條藥劑師法ノ道府縣藥劑師會
及日本藥劑師會ノ權利義務ニシテ第四
十六條但書ノ規定ニ依リ勅令ヲ以テ定
ムル時ニ於テ存スルモノハ各本法ノ道
府縣藥劑師會及日本藥劑師會之ヲ承繼
ス
第五十三條舊法ニ依リ開設シタル藥局
ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ
第十四條第一項ノ規定ニ依ル許可ヲ受
ケタルモノト看做ス
第五十四條前條ノ規定ハ從前ノ規定ニ
依リ醫藥品ノ製造業、輸入販賣業、移
入販賣業又ハ販賣業ヲ行フ者ニシテ本
法施行ノ際現ニ當該事業ヲ行フ者ニ之
ヲ準用ス
從前ノ規定ニ依リ前項ノ者ニ付爲シタ
ル業務停止ノ處分ハ之ヲ本法ノ相當規
定ニ依リ爲シタルモノト看做ス此ノ場
合ニ於テ停止ノ期間ハ仍從前ノ例ニ依
ル
第五十五條本法施行ノ際現ニ存スル醫
藥品ノ容器又ハ被包ニ記載スベキ事項
ニ付テハ第二十七條第一項ノ規定ニ拘
ラズ本法施行ノ日ヨリ二年ヲ限リ仍從
前ノ例ニ依ルコトヲ得
第五十六條藥品營業竝藥品取扱規則、
賣藥法若ハ藥劑師法若ハ之ニ基キテ發
スル命令又ハ花柳病豫防法第七條第一
項ノ規定ニ違反シタル者ノ處罰ニ付テ
ハ仍舊法ニ依ル
第五十七條花柳病豫防法中左ノ通改正
ス
第七條、第八條及附則第二項ヲ削ル
第五十八條阿片法中左ノ通改正ス
第五條中「藥劑師藥種商」ヲ「醫藥品販
賣業者」ニ改ム
第六條第一項及第六條ノ二中「製藥者」
ヲ「醫藥品製造業者」ニ改ム
第五十九條昭和十五年法律第九十一一號
中左ノ通改正ス
第四條中「藥劑師法、」ヲ「藥事法及」ニ改
メ「及藥品營業竝藥品取扱規則」ヲ削ル
船員保險法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
厚生大臣小泉親彥
大藏大臣賀屋興宣
內務大臣湯澤三千男
大東亞大臣靑木一男
船員保險法中改正法律案
船員保險法中左ノ通改正ス
第九條ノ二行政官廳ハ必要アリト認ム
ルトキハ被保險者ノ異動及報酬竝ニ保
險給付ノ決定ニ關シ當該官吏ヲシテ被
保險者又ハ被保險者タリシ者ノ勤務場
所ニ就キ關係者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ
帳簿書類其ノ他ノ檢査ヲ爲サシムルコ
トヲ得
第九條ノ三行政官廳ハ保險給付ニ關シ
必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ當該官吏ヲシテ診療錄其ノ他
ノ帳簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
「第三章保險給付」ヲ「第三章保險給
付及福社施設」三段人
第二十二條ノ二戰時ニ際シ被保險者ガ
勅令ヲ以テ指定スル區域ヲ主トシテ航
行スル船舶(主務大臣ノ指定スル船舶
ヲ除ク)ニ乘組ミタルトキハ其ノ期間
ニ於ケル被保險者タリシ期間ニ三分ノ
一ヲ乘ジタル期間ヲ加算ス但シ脫退手
當金ノ支給ニ關シテハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ加算ノ認メラルベキ
期間其ノ他加算ニ關シ必要ナル事項ハ
命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ノ疾病又ハ負傷ニ關シテハ左ニ揭
グル療養ノ給付ヲ爲ス但シ被保險者ノ
資格喪失前ノ疾病又ハ負傷ニ因リ發シ
タル疾病ヲ除クノ外被保險者ノ資格喪
失後發シタル疾病又ハ負傷ニ關シテハ
此ノ限ニ在ラズ
一診察
二藥劑又ハ治療材料ノ支給
三處置、手術其ノ他ノ治療
四病院又ハ診療所ヘノ收容
五看護
六移送
前項第四號乃至第六號ノ給付ハ行政官
廳ガ必要アリト認ムル場合ニ於テ爲ス
モノニ限ル但シ命令ヲ以テ定ムル場合
ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ規定ハ報酬年額千八百圓ヲ超
ユル船舶職員、被保險者ノ資格喪失當
時報酬年額千八百圓ヲ超ユル船舶職員
タリシ者及勅令ヲ以テ指定スル者ノ疾
病又ハ負傷ニハ之ヲ適用セズ
第二十八條ノ二被保險者タリシ者ハ勅
令ヲ以テ定ムル期間內ニ療養ノ給付ヲ受
ケザルトキハ爾後之ヲ受クルコトヲ得
ズ但シ已ムコトヲ得ザル事由アルトキ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十八條ノ三第二十八條第一項第一
號乃至第四號ノ給付ヲ受ケントスル者
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ保險醫及保險
藥劑師竝ニ行政官廳ノ指定スル者ノ中
自己ノ選定シタル者ニ就キ之ヲ受クル
モノトス
第二十八條ノ四保險醫又ハ保險藥劑師
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ醫師、齒科醫
師又ハ藥劑師ニ就キ行政官廳之ヲ指定
ス
醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ハ正當ノ理
由ナクシテ保險醫又ハ保險藥劑師タル
コトヲ拒ムコトヲ得ズ
醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ヲ使用スル
者ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ醫師、齒
科醫師又ハ藥劑師ガ保險醫又ハ保險藥
劑師タルコトヲ妨グルコトヲ得ズ
第二十八條ノ五保險醫及保險藥劑師ガ
療養ノ給付ヲ擔當スルニ關シ必要ナル
事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條ノ六保險醫若ハ保險藥劑師
又ハ之ヲ使用スル者ガ療養ノ給付ニ關
シ行政官廳ニ請求スベキ費用ノ額ハ勅
令ノ定ムル所ニ依ル
第三十條被保險者タリシ者ガ療養ノ爲
勞務ニ服スルコト能ハザルトキハ其ノ
期間傷病手當金トシテ一日ニ付被保險
者ノ資格喪失當時ノ報酬日額ノ百分ノ
六十ニ相當スル金額ヲ支給ス
第二十八條第三項ノ規定ハ前項ノ場合
ニ之ヲ準用ス
第三十一條中「診療所」ノ上ニ「病院又ハ」
ヲ加フ
第三十二條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改
ム
療養ノ給付及傷病手當金ノ支給ハ同一
ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ發シタル疾
病ニ付其ノ保險給付ヲ始メタル日ヨリ
起算シ九月ヲ經過シタルトキハ之ヲ爲
サズ但シ左ニ揭グル場合ニ於テハ其ノ
給付ヲ始メタル日ヨリ起算シ六月ヲ經
過シタルトキハ之ヲ爲サズ
-療養ノ給付ニ在リテハ當該疾病又
ハ負傷ガ職務ヲ行フニ因ラズシテ發
シ且當該疾病又ハ負傷ニ付重大ナル
過失アリタルトキ
二傷病手當金ニ在リテハ當該疾病若
ハ負傷ガ職務ヲ行フニ因ラズシテ發
シタルトキ又ハ當該疾病若ハ負傷ニ
付重大ナル過失アリタルトキ
主務大臣ノ指定スル疾病ニ關シテハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ期間ヲ超エ
繼續シテ療養ノ給付及傷病手當金ノ支
給ヲ爲スモノトス
第三十三條削除
第五十二條中「傷病手當金、癈疾年金又
ハ癈疾手當金ノ全部又ハ一部」ヲ「療養ノ給
付ノ全部若ハ一部ヲ爲サズ又ハ傷病手當
金廢疾年金若ハ癈疾手當金ノ全部若ハ
一部」ニ改ム
第五十三條第一項第六號中「又ハ職員健
康保險」ヲ削リ同條第二項ヲ左ノ如ク改
ム
他ノ法令ニ依リ國又ハ公共團體ノ負擔
ニ於テ療養費ノ支給又ハ療養アリタル
トキハ其ノ限度ニ於テ療養ノ給付ヲ爲
サズ
同條第三項中「前項ニ揭グル者」ノ下ニ
「ニシテ病院又ハ診療所ニ收容セラレタ
ルモノ」ヲ加フ
第五十七條ノ次ニ左ノ如ク加フ
第八節福社施設
第五十七條ノ二政府ハ被保險者、被
保險者タリシ者又ハ保險給付ヲ受ク
ル者ノ福社ヲ增進スル爲必要ナル施
設ヲ爲スコトヲ得
第五十八條第二項中「前項」ヲ「前二項」ニ
改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
國庫ハ前項ノ規定ニ拘ラズ第二十二條
ノ二ノ規定ニ依リ增加スベキ保險給付
ノ費用ヲ負擔ス
第六十條ニ左ノ一項ヲ加フ
第二十八條第三項ニ規定スル者以外ノ
被保險者ニ關スル保險料ニ付テハ前項
本文ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ船舶所
有者ノ負擔スベキ割合ヲ增加スルコト
ヲ得
第六十八條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リ
タル者故ナクシテ第九條ノ三ノ規定ニ
依ル診療錄ノ檢査ニ關シ知得シタル醫
師若ハ齒科醫師ノ業務上ノ祕密又ハ個
人ノ祕密ヲ漏洩シタルトキハ六月以下
ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
職務上前項ノ祕密ヲ知得シタル他ノ公
務員又ハ公務員タリシ者故ナク其ノ祕
密ヲ漏洩シタルトキ亦前項ニ同ジ
第九條ノ三ノ規定ニ依ル當該官吏ノ檢
査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五
百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
正當ノ理由ナクシテ第九條ノ二ノ規定
ニ依ル當該官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲
サズ若ハ虛僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ其ノ檢
査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ三
百圓以下ノ罰金ニ處ス
第九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ報告ヲ
爲サズ、虚僞ノ報〓ヲ爲シ又ハ文書ノ提
示ヲ爲サザル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第六十九條中「前條」ヲ「前條第五項」ニ改
ム
第七十條中「第六十八條」ヲ「第六十八條
第五項」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二十二條ノ二ノ規定ハ昭和十六年十二
月八日以後同條ノ船舶ニ乘組ミタル期間
ニ之ヲ適用ス
第三十二條第一項及第三十三條ノ改正規
定施行前療養ノ給付若ハ船員法第十七條
若ハ第二十九條ノ規定ニ依ル扶助又ハ傷
病手當金ノ支給若ハ同法第十七條若ハ第
二十九條ノ規定ニ依ル手當ノ支給ノ始マ
ルベキ場合ニ於テハ療養ノ給付又ハ傷病
手當金ノ支給ニ關シテハ第三十二條第一
項及第三十三條ノ改正規定ニ拘ラズ仍從
前ノ例ニ依ル
船員保險特別會計法中左ノ通改正ス
第二條中「保險給付費、」ノ下ニ「福社施設
費、」ヲ加フ
昭和十五年法律第十四號中左ノ通改正ス
第二條中「費用ノ五分ノ四」ヲ「費用ノ內
國庫ノ負擔スル金額ヲ控除シタル殘額」
三六人
軍事扶助法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
厚生大臣小泉親彥
內務大臣湯澤三千男
軍事扶助法中改正法律案
軍事扶助法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ一號ヲ加フ
三前二號ニ掲グル者ヲ除クノ外退營
シ又ハ召集解除セラレタル陸海軍下
士官兵ニシテ戰鬭若ハ公務ノ爲又ハ
故意若ハ重大ナル過失ニ因ルニ非ズ
シテ現役中(未入營期間及歸休期間
ヲ除ク)若ハ應召中ニ傷痍ヲ受ケ又
ハ疾病ニ罹リ恩給法第六十六條第一
項ノ規定ニ依リ勅令ヲ以テ定ムル傷
病ノ程度以上ノ貽後障碍ヲ有スルモ
第三條第一項各號中「陸海軍現役兵、應
召中ノ陸海軍下士官兵」ヲ「現役若ハ應召
中ノ陸海軍下士官兵」ニ、同項第二號中
「現役兵ノ入營シタル時、下士官兵ノ應召
シタル時又ハ傷病兵ノ兵役ヲ免セラレタ
ル時」ヲ「下士官兵ノ人營(在〓ノ下士官
兵ニシテ現役下土官ト爲ル場合ヲ含ム以下
同ジ)若ハ應召シタル時又ハ傷病兵ノ傷
病兵タルニ至リタル時」ニ、同項第三號中「現
役兵ノ入營シタル時、下士官兵ノ應召シ
タル時又ハ傷病兵ノ兵役ヲ免ゼラレタル時」
ヲ「下士官兵ノ入營若ハ應召シタル時又
ハ傷病兵ノ傷病兵タルニ至リタル時」ニ
同條第二項中「陸海軍現役兵」ヲ「陸海
軍下官士兵」ニ、「未入營現役兵及歸休兵」
ヲ「未入營兵及歸休下士官兵」ニ改ム
第四條第二號中「傷病兵ノ兵役ヲ免セラ
レタル時」及同條第三號中「傷病兵ノ兵役
ヲ免ゼラレタル時」ヲ「傷病兵ノ傷病兵タ
ルニ至リタル時」ニ改ム
第五條第一項中「現役兵ノ入營、下士官
兵ノ應召」ヲ「下士官兵ノ入營應召」三文
ム
第十三條ノ二中「現役兵ノ退營又ハ下士
官兵ノ召集解除」ヲ「下士官兵ノ退營又ハ
召集解除」ニ、「二十日以內」ヲ「三月以內」
ごめん
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣小泉親彥君演壇ニ登ル〕、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=65
-
066・小泉親彦
○國務大臣(小泉親義君) 只今議題トナリ
マシタ藥事法案、船員保險法中改正法律案
及軍事扶助法中改正法律案ノ三案ニ付キマ
シテ、提案ノ理由ヲ御說明致シマス、先ヅ
最初ニ藥事法案ニ付テ申上ゲマス、大東亞
戰爭ヲ完遂致シマスル爲ニハ、其ノ根幹タ
ル國民體力ノ保持增强ヲ圖リマスコトガ正
ニ喫緊ノ要務デアリマス、卽チ之ガ爲曩ニ
御協賛ヲ得マシテ國民體力法及國民醫療法
ノ制定ヲ見、國民體力ノ向上ト國民醫療ノ
適正トヲ期シタ次第デゴザイマスルガ、更ニ
是等ト密接ナ關係ニアリマスルヲ英きそさ品ノ供
給其ノ他藥事衞生ニ關シマシテモ、共
適正ヲ期スルノ方途ヲ講ジマスルコトガ極
メテ緊要ナリト存ズル次第デアリマス、然
ルニ藥事ニ關シマスル現行諸制度ヲ見マス
ル〓ニ、其ノ創始以來相當ノ歲月ヲ閱シ、現
下時局ノ要請ニ副ヒマセヌ憾ガ多々ゴザイ
マスルノデ、今囘之ニ所要ノ改善整備ヲ加
ヘ、現行藥劑師法、藥品營業竝ニ藥品取扱
規則及賣藥法ハ、之ヲ廢止シ、新タニ藥事
法ノ制定ヲ仰ガムトスル次第デアリマス、
=
今本法案ノ內容ノ大綱ヲ申上ゲマスルト、
第一ニハ、藥劑師ノ國民體力ノ向上ニ關ス
ル使命ヲ明定致シマスルト共ニ、其ノ業務
修習ノ制度ヲ設ケ、又藥劑師會ニ付キマシ
テモ其ノ使命ヲ明定シ、且之ガ組織及機能
ヲ强化刷新スルコトト致シマスル等、藥劑
師及藥劑師會ガ、眞ニ保健國策ニ卽應シテ極〓
メデ活潑ナル活動ヲ爲スコトヲ期待シタ次
第デゴザイマス、第二ニハ、新藥新製劑ヲ許
可制ト致シマシテ、新藥新製劑及賣藥等ノ
區別ヲ撤廢スル等、從來晦澁複雜ニナッテ
居リマシタ藥事制度ノ整備ヲ圖ルコトト致
シマシテ、今後醫藥品ノ圓滑ナル配給竝ニ
緊要醫藥品ノ重點的生產等、醫藥品供給ノ
適正ヲ圖リマスル上ニ於テ萬遺憾ナキヲ期
スル次第デアリマス、次ニ船員保險法中改
正法律案ニ付テ申上ゲマス、戰時下、船員
ガ幾多ノ危險ヲ冐シツヽ晝夜ヲ分カタズ激務
ニ服シ、挺身海上輸送ノ任ニ當ッテ居リマ
スルコトハ御承知ノ通リデゴザイマス、仍
テ此ノ際船員保護ノ充實强化ヲ圖リマスル
ガ爲ニ、船員保險法中ニ改正ヲ加ヘルコト
ト致シタ次第デアリマス、改正ノ第一點
ハ、船員法ニ依ル船舶所有者ノ船員扶助及
手當ノ義務ヲ、船員保險ニ採リ入レマシタ
コトデゴザイマス、之ニ依リマシテ船員ノ
傷病ニ對スル對策ノ一元化ヲ圖リ、以テ船
員保護ノ確保ト手續ノ簡便迅速ヲ期スル次
第デゴザイマス、第二點ハ、戰時危險區域
ヲ航行スル船舶ニ乘組ム船員ニ付キマシテ
ハ、被保險者タル期間ニ一定割合ノ加算ヲ
付スルコトト致シタコトデゴザイマス、之
ニ依リマシテ、船員ハ從來ヨリモ早期ニ養
老年金、癈疾手當金及死亡手當金ノ恩典ニ
浴シ得ルコトトナリマスルノミナラズ、養
老年金及癈疾年金ニ付キマシテハ、更ニ支
給額ヲモ增加致スコトトナルノデアリマ
ス、第三點ハ、船員ノ結核性疾患ニ對スル
保護ヲ厚ク致シタコトデゴザイマス、現行
法ニ於テハ、結核性疾患ノ延長給付ニ關シ
マシテ、一定ノ資格條件ヲ定メテ居リマス
ルガ、現下船員ノ結核性疾患ハ益〓增加ス
ルノ傾向ニアルニ鑑ミマシテ、右ノ條件ヲ
緩和セムトスルモノデアリマス、次ニ軍事扶
助法中改正法律案ニ付テ申上ゲマス、現下
軍人援護ノ徹底ヲ期シマスコトハ最モ緊要
ナルコトデアリマスルガ、此ノ爲ニハ、本
法適用ノ範圍ヲ更ニ擴張スル必要ガアリマ
スルノデ、今囘本案ヲ提出スルニ至ッタ次
第デアリマス、改正ノ第一點ハ、傷病兵ノ
範圍ノ擴張デアリマス、現行法ニ於ケル傷
病兵ハ、傷痍疾病ノ爲ニ除役トナッタ者ノ
ミヲ指スノデアリマスルガ、今囘其ノ範圍
ヲ擴張致シマシテ、或程度以上ノ傷痍疾病
ニ依リ退營シ、又ハ召集解除セラレマシタ
下士官兵ハ、除役トナラナイ者ト雖モ本法
ノ保護ヲ受ケ得ルコトト致シタノデアリマ
ス第二點ハ、現行法ニ於キマシテハ、現
役ノ下士官家族ハ扶助ノ對象トナッテ居ラ
ナイノデアリマスルガ、新タニ現役下士官ノ
家族ヲモ、現役兵ノ家族、應召下士官兵ノ
家族同樣扶助シ得ルコトト致シタノデアリマ
え、第三點ハ、家族ニ對スル扶助期間ノ延
長デアリマス、現行法ニ於キマシテハ、下
士官兵ノ家族ニ對スル扶助ハ、必要アル場
合ハ退營又ハ召集解除後二十日以內之ヲ繼
續シ得ルコトトナッテ居ルノデアリマスル
ガ、之ヲ三月以內繼續シ得ルコトニ改メタ
ノデアリマス、以上三法案ノ內容ニ付テ其
ノ〓略ヲ申上ゲタノデアリマスルガ、何卒
御審議ノ上速カニ御協賛アラムコトヲ切望
致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=66
-
067・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
藥事法案外二件ノ特別委員ノ數ヲ十五名ト
シ、其ノ委員ノ指名ヲ議長一任スルノ動議
ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=67
-
068・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=68
-
069・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=69
-
070・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔小野寺書記官朗讀〕
藥事法案外二件特別委員
公爵桂廣太郞君侯爵東〓彪君
伯爵酒井忠正君子爵實吉純郞君
子爵入江爲常君男爵高木喜寛君
男爵高崎弓彥君長世吉君
長谷川赴夫君男爵加藤成之君
中川望君堀啓次郞君
松井貞太郞君岩田三史君
渡邉覺造君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=70
-
071・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第二十
九北支那開發株式會社法中改正法律案、
日程第三十、中支那振興株式會社法中改正
法律案、日程第三十一、占領地軍政官憲ノ
爲シタル行爲ノ法律上ノ效力等ニ關スル法
律案、政府提出、第一讀會、是等ノ三案ヲ
一括シテ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=71
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072・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、靑木大東亞大臣
北支那開發株式會社法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
大東亞大臣靑木一月
北支那開發株式會社法中改正法律案
北支那開發株式會社法中左ノ通改正ス
第二十九條第一項中「初營業年度及爾後
五年間」ヲ「第十二營業年度迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
中支那振興株式會社法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
大東亞大臣靑木一月
中支那振興株式會社法中改正法律案
中支那振興株式會社法中左ノ通改正ス
第二十七條第一項中「初營業年度及爾後
五年間」ヲ「第十二營業年度迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
占領地軍政官憲ノ爲シタル行爲ノ法律
上ノ效力等ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月十八日
內閣總理大臣兼東條英機
陸軍大臣
司法大臣岩村通世
海軍大臣嶋田繁太郞
遞信大臣寺島健
內務大臣湯澤三千男
大東亞大臣靑木一男
占領地軍政官憲ノ爲シタル行爲ノ法律
上ノ效力等ニ關スル法律案
占領地軍政官憲ノ爲シタル屆出ノ受理其
ノ他ノ行爲ニシテ戶籍法其ノ他ノ法律ニ
依リ領事官ノ爲ス行爲ニ相當スルモノハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ當該法律ニ依
リ領事官ガ爲シタルモノト看做スコトヲ
得
前項ノ規定ハ在留臣民其ノ他ノ者ガ占領
地軍政官憲ニ對シ爲シタル屆出其ノ他ノ
行爲ニシテ戶籍法其ノ他ノ法律ニ依リ領
事官ニ對シテ爲ス行爲ニ相當スルモノニ
之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣靑木一男君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=72
-
073・青木一男
○國務大臣(靑木一男君) 只今議題トナリ
マシタ北支那開發株式會社法中改正法律案
及中支那振興株式會社法中改正法律案ノ提
案理由ヲ、一括シテ御說明申上ゲマス、政
府ノ兩會社ニ對スル助成策ノ一トシテ、補
給金制度ノ設ケラレテアリマスコトハ、他
ノ國策會社ニ於ケル場合ト同樣デアリマシ
テ、卽チ北支那開發株式會社法第二十九條、
中支那振興株式會社法第二十七條ノ規定ニ
依リマスレバ、ソレ〓〓政府ハ一定條件ノ
下ニ兩社ノ民間株主ニ對シ、配當シ得ベキ
利益金額ガ年六分ノ割合ニ達スル迄、其ノ
不足額ニ相當スル金額ヲ補給スルコトニ相
成ッテ居ルノデアリマシテ、其ノ補給金交付
ノ期間ハ、今年十二月三十一日ヲ以テ滿了
ト相成ルノデアリマス、然ルニ兩會社ノ現
在ノ營業狀態ハ、創立當初ノソレニ比シマ
スレバ、著シク好轉ハ致シテ居リマスルケ
レドモ、今後ノ現地ニ於ケル狀態ヲ勘案致
シマスルトキハ、其ノ營業ノ前途ニ尙困難
ナシトハ謂ヒ得ナイ事情ニアリマスルト共
ニ、兩社共其ノ特殊ノ使命達成上、將來我
ガ戰力增强ノ爲ニ、經濟的ニハ必ズシモ安
全トハ謂ヒ得ナイ事業ニ對シマシテモ、投
資、融資ヲ行ハネバナラナイ場合モ生ズル
コトガ豫想サレルノデアリマス、仍テ此ノ
際兩會社ヲ通ジマシテ、〓ネ五年間補給金
ヲ交付シ得ル期間ヲ延長シタイト存ズル次
第デアリマス、尙現行法ニ依リマスレバ、
補給金交付ノ期間ヲ「初營業年度及爾後五
年間」ト定メテアリマス處、兩會社ハ、創業當
初曆年制ニ依ッテ參リマシタ營業年度ヲ、昭
和十六年四月一日ヨリ、政府ノ會計年度、
卽チ四月乃至三月ニ變更致シマシタ結果、
營業年度ノ中途ニ於テ補ハ金交付ノ期間ガ
滿了スルト云フ不都合ヲ生ジマシタノデ、
今囘ノ改正ニ當リマシテハ之ヲ調整シ「第十
二營業年度迄」ト致シタ次第デゴザイマス、
以上ガ本改正案ヲ今期議會ニ提出致シマシ
タ所以デゴザイマス、次ニ占領地軍政官憲
ノ爲シタル行爲ノ法律上ノ效力等ニ關スル
法律案ニ付テ御說明申上ゲマス、大東亞戰
爭ノ進展ニ伴ヒマシテ、皇軍ノ占領致シマ
シタ地域ニ於キマシテハ、總テ軍政ガ施行
セラレテ居ルノデアリマスガ、從來當該地
方ニ設置シテアリマシタ帝國領事館ハ今日
一切閉鎖サレテ居ルノデアリマス、然ルニ
是等ノ地方ニ於キマシテ、從來領事官ガ行ッ
テ參リマシタ各般ノ屆出等ノ事項ハ、戶
籍法其ノ他ノ法令ニ明文ノ根據ガアリマシ
テ、領事官ガ行ヘバ直チニ內地法令上ノ效
果ヲ有スルノデアリマシタガ、今日占領地
軍政官憲ノ手ニ依ッテ行ハレマシテモ、直チ
ニ內地法令上ノ效果ハ持チ得ナイト云フ實
情ニアルノデゴザイマス、然ルニ現在ニ於
キマシテハ、占領地域ニ於ケル建設ノ進捗、
邦人ノ進出等ノ實情ニ伴ヒマシテ、現狀ノ
儘デハ不便頗ル多ク、何等カノ措置ヲ講ジ
ナケレバナラヌ時期ニ相成ッテ居ル次第ト
存ズルノデアリマス、玆ニ於キマシテ、一般
的ニ占領地軍政官憲ノ行フ屆出ノ受理等ノ
行爲、竝ニ在留邦人等ガ軍政官憲ニ對シテ
爲ス屆出、其ノ他ノ行爲ニシテ從來領事官
ノ取扱ヒ來ッタ事項ニ付キマシテハ、之丘
領事官ノ場合ト同樣ナ內地法上ノ效果ヲ附
與致シマシテ、以テ兩地域間ノ法令上ノ調
整ニ一步ヲ進メムトスル次第デアリマス、
是レ本案ヲ提出致ス所以デゴザイマス、何
卒以上三法律案ニ對シ御審議ノ上速カニ御
協賛ヲ與ヘラレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=73
-
074・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
北支那開發株式會社法中改正法律案外二件
ハ、恩給法外四件ノ特別委員ニ併託セラレ
ムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=74
-
075・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=75
-
076・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=76
-
077・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=77
-
078・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第三十
二、會計檢査院法中改正法律案、政府提出、
第一讀會、森山法制局長官
會計檢査院法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月二十五日
内閣總理大臣東條英機
會計檢査院法中改正法律案
會計檢査院法中左ノ通改正ス
第二條會計檢査院ニ院長一人、部長三
人及檢査官十四人ヲ置キ之ヲ會計檢査
官トシ別ニ書記官、副檢査官、理事官
及書記ヲ置ク
會計檢査官ハ陸軍又ハ海軍ニ召集セラ
レタル場合其ノ他特別ノ事由アル場合
ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ定
員外ト爲スコトヲ得
第三條院長ハ親任、部長ハ勅任、檢査
官ハ勅任又ハ奏任、書記官、副檢査官
及理事官ハ奏任、書記ハ判任トス但シ
書記ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ奏任
ト爲スコトヲ得
勅任檢査官、書記官、副檢査官、理事
官及書記ノ定員ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條會計檢査院ニ三部ヲ設ケ各部部
長一人及檢査官四人又ハ五人ヲ以テ檢
査ノ事務ヲ分掌ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ニ依ル定員變更ノ結果過員ヲ生ジタ
ル檢査官ニ付テハ其ノ過員ニ係ル員數ヲ
限リ當分ノ內之ヲ定員外トス此ノ場合ニ
於テハ各部檢査官ノ員數ハ第五條ノ改正
規定ニ拘ラズ之ヲ四人乃至六人ト爲スコ
トヲ得
〔政府委員森山銳一君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=78
-
079・森山鋭一
○政府委員(森山銳一君) 只今議題トナリ
マシタ會計檢査院法中改正法律案ニ付、提
案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、會計檢査院
法中ノ改正ハ數點ニ亙ッテ居リマス、改正ノ
第一點ハ、行政簡素化實施ノ爲ノ改正デゴ
ザイマス、政府ハ曩ニ部內各方面ニ亙リ行
政ノ簡素化ヲ實施致シマシタノデアリマス
ガ、當時、會計檢査院ニ於キマシテモ同樣、
簡素化ノ爲ニ現在ノ四部制ヲ三部制トシ、
之ニ伴ヒ部長一人、奏任檢査官二人、其ノ
他職員ノ減少ヲ行フ方針ヲ決定致シタノデ
アリマス、併シ右ノ部制竝ニ部長及檢査官
ノ定員ハ、何レモ會計檢査院法中ニ定メラ
レテ居リマス爲、當時直チニ之ヲ實施スル
コトガ出來マセヌデシタノデ、今囘之ガ實
施ノ爲必要ナル改正ヲ行ハムトスルモノデ
アリマス、改正ノ第二點ハ、職員ノ一部ニ
付其ノ定員ノ規定ヲ勅令ニ讓ッタコトデアリ
マス、現在會計檢査院ノ職員中、理事官以
上ノ者ノ定員ハ總テ法律ニ定メラレテ居リマス
ガ、此ノ中、書記官、副檢査官及理事官ニ
付キマシテハ、其ノ職務ノ性質ニ鑑ミマシ
テ、其ノ定員迄モ法律ノ中ニ規定シテ置キ
マスコトハ、比較的其ノ必要性ガ少イモノ
ト考ヘラレマスノデ、是等ノ定員ハ、之ヲ
勅令ヲ以テ定メ得ルコトト爲スノガ適當デ
アルト認メマシテ、法律中ニ其ノ旨ノ規定
ヲ設クルコトト致シマシタ、第三點ハ、定
員外ノ規定ヲ設ケマシタ點デアリマス、會
計檢査官ガ、陸海軍ニ召集セラレマシタ場
合、其ノ他特別ノ必要ノアリマス場合ニ於
キマシテハ、勅令ノ規定ニ依リマシテ、之
ヲ定員外ト爲シ得ルコトト致シマス爲、其
ノ旨ノ規定ヲ設ケルコトト致シタノデアリ
ひと、尙最後ニ、政府ハ一般ニ官吏其ノ他
ノ職員ニ付特別ノ優遇ノ途ヲ拓ク見込デア
リマスガ、會計檢査院ニ於キマシテモ、右
ト同樣ノ趣旨ヲ以チマシテ、同院ノ書記ハ、
勅令ノ定ムル所ニ依リマシテ、優遇ノ爲之
ヲ奏任ト爲シ得ルコトト致シマス爲、其ノ
旨ノ規定ヲ法律中ニ設クルコトト致シタノ
デアリマス、尙曩ニ申述ベマシタ行政簡素
化實施ノ爲ニ致シマス定員ノ減少ニ伴フ經
過規定ヲ設ケタノデアリマス、何卒御容議
ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラレムコトヲ御願
ヒ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=79
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080・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
會計檢査院法中改正法律案ハ、恩給法中改
正法律案外七件ノ特別委員ニ併託セラレム
コトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=80
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081・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=81
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082・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=82
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083・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐大行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=83
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084・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第三十
三、裁判所構成法中改正法律案、日程第三
十四、陪審法ノ停止ニ關スル法律案、政府
提出、第一讀會、是等ノ兩案ヲ一括シテ議
題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=84
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085・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、岩村司法大臣
裁判所構成法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月二十五日
內閣總理大臣東條英機
司法大臣岩村通世
裁判所構成法中改正法律案
裁判所構成法中左ノ通改正ス
第八十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
書記ハ判任トス但シ勅令ノ定ムル所ニ
依リ之ヲ奏任ト爲スコトヲ得
書記ノ職ハ司法大臣之ヲ補ス
司法大臣ハ大審院長控訴院長檢事總長
檢事長ニ各〓其ノ裁判所又ハ檢事局ノ
判任書記ヲ地方裁判所長檢事正ニ各〓こ
其ノ裁判所及其ノ管轄區域內ノ區裁判
所又ハ檢事局及其ノ局ノ附置セラレタ
ル地方裁判所管轄區域內ノ檢事局ノ判
任書記ヲ任シ及補スルノ權ヲ委任スル
コトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
陪審法ノ停止ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十八年一月二十五日
內閣總理大臣兼東條英機
陸軍大臣
文部大臣橋田邦彦
國務大臣鈴木貞一
農林大臣井野碩哉
厚生大臣小泉親彥
司法大臣岩村通世
海軍大臣嶋田繁太郞
遞信大臣寺島健
大藏大臣賀屋興宣
商工大臣岸信介
鐵道大臣八田嘉明
內務大臣湯澤三千男
國務大臣安藤紀三郞
外務大臣谷正之
大東亞大臣靑木一男
陪審法ノ停止ニ關スル法律案
陪審法ハ其ノ施行ヲ停止ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ハ本法施行前陪審手續ニ依ル公判期
日ノ定リタル事件ニ關シテハ之ヲ適用セ
ズ本法施行前其ノ裁判ノ確定シタル事件
ニ關スル陪審法第四章又ハ第五章ノ規定
ノ適用ニ付亦同ジ
陪審法ハ大東亞戰爭終了後再施行スルモ
ノトシ其ノ期日ハ各條ニ付勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
前項ニ規定スルモノノ外陪審法ノ再施行
ニ付必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣岩村通世君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=85
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086・岩村通世
○國務大臣(岩村通世君) 只今上程ニ相成
リマシタ裁判所構成法中改正法律案外一件
ニ付キマシテ、提案ノ理由ヲ御說明申上ゲ
マス、政府ニ於キマシテハ、昨年實施致シ
マシタ行政簡素化ニ伴ヒマシテ、一般官吏
ノ優遇方ヲ考慮致シ、多年重要ノ職ニ當リ
事務練達優等ナルモノハ、定員ニ拘ラズ、
判任ヲ奏任ト爲スコトヲ得ル途ヲ拓クコト
ト致シマシタ、然ルニ書記長ヲ除ク裁判所
書記ハ、裁判所構成法第八十八條第一項ノ
規定ニ依リ、司法大臣ガ之ヲ任ズルコトト
ナッテ居リマス、卽チ判任官ニ限ラレテ居
リマスノデ、之ヲ奏任官トナスガ爲ニハ、
裁判所構成法ヲ改正スル必要ガアルノデア
リマス、仍テ今般裁判所構成法第八十八條
第一項ヲ改正シ、裁判所書記ハ判任ヲ原則
トシ、例外トシテ勅令ノ定ムル所ニ依リ奏
任トスル途ヲ拓カムトスル次第デアリマ
ス、次ニ陪審法ノ停止ニ關スル法律案ニ付
テ、提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、昭和
三年十月一日陪審法ガ施行セラレマシテカ
ラ後、陪審ノ評議ニ附セラレル事件ハ逐年
遞減シ、全國ニ於テ最近數年ハ僅カニ或ハ
一件或ハ三四件ニ過ギヌト云フ狀態ニアル
ノデアリマス、然ルニ一方、市町村ノ一般
事務ハ年ト共ニ激增ノ傾向ニアリマスノデ、
曩ニ昭和十六年法律第六十二號陪審法中改
正法律ニ依リマシテ、陪審員資格者名簿及
ビ陪審員候補者名簿ハ、之ヲ四年每ニ調製
スベキコトシシ市町村ノ事務ノ負擔ノ輕
減ヲ圖ッタノデアリマスガ、其ノ後モ、右兩
名簿ニ異動ヲ生ジタル場合等ニ於キマシテ、
市町村長ノ爲スベキ常務ハ相當ニ殘ッテ居
ルノデアリマス、尙陪審ノ公判ガ開カレマ
シタ場合、陪審員ノ出頭ヲ必要トスルノハ
勿論、陪審手續ノ性質上勢ヒ相當多數ノ證
人ヲ喚問スルコトニモナリマスカラ、是等
ノ人々ガ戰時下種々繁忙デアルコトヲモ考
慮シ、此ノ際陪審法ノ施行ヲ停止スルコト
ハ誠ニ已ムヲ得ザルモノト信ジタノデアリ
マス、尤モ廢止スルノデハアリマセヌカラ、
大東亞戰爭終了後再施行スル積リデアリマ
ス、何卒愼重御審議ノ上何レモ御協賛ヲ與
ヘラレムコトヲ切望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=86
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087・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程ニ相成リマシ
タ裁判所構成法中改正法律案外一件ハ、在
滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判ノ效力
ニ關スル法律案外一件ノ特別委員ニ併託セ
ラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=87
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088・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=88
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089・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=89
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090・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、是ニテ議事日程全部ヲ議了致
シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=90
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091・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 報〓ヲ致サ
さとえ
〔高山書記官朗讀〕
本日第七部ニ於テ請願委員宇佐美勝夫君ノ
補關選擧ヲ行ヒシニ光行次郞君當選セリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=91
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092・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 次會ノ議事
日程ハ、決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビ
マス、本日ハ是ニテ散會致シマス
午後零時六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00319430129&spkNum=92
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