1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十九年一月二十九日（土曜日）午後一時十八分開議
出席委員左の如し
委員長 深澤吉平君
理事 小笠原八十美君 理事 野村嘉久馬君
理事 杉山元治郎君 理事 成島勇君
赤城宗徳君 伊藤三樹三君
五十嵐吉藏君 長内健榮君
加藤知正君 金子彦太郎君
北勝太郎君 河野一郎君
田中源君 高岡大輔君
恒松於莵二君 中越義幸君
平馬力三君 深水吉毅君
二田是儀君 本多鋼治君
前川正一君 森川仙太君
山口左右平君 山口馬城次君
吉田賢一君
出席國務大臣左の如し
農商大臣 山崎達之輔君
出席政府委員左の如し
農商次官 石黒武重君
農商省總務局長 重政誠之君
農商省農政局長 石井英之助君
農商省山林局長 西村彰一君
農商省水産局長 井出正孝君
農商省纖維局長 山口喬君
農商省生活物資局長 難波理平君
農商省物價局長 梶原茂嘉君
馬政局長官 岸良一君
食糧管理局長官 湯河元威君
農商書記官 笹山茂太郎君
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本日の會議に上りたる議案左の如し
農林中央金庫特別融通及損失補償法中改正法律案（政府提出、貴族院送付）
絲價安定施設法廢止及蠶絲業統制法中改正法律案（政府提出、貴族院送付）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008412939X00219440129&spkNum=0
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001・深澤吉平
○深澤委員長 是ヨリ委員會ヲ開キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008412939X00219440129&spkNum=1
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002・山崎達之輔
○山崎國務大臣 農林中央金庫特別融通及
損失補償法中改正法律案ノ提案ノ理由ヲ
申上ゲタイト存ジマス、此ノ法律ハ昭和七
年當時非常ナ經濟界ノ不況ヲ招キマシテ、
信用組合、信用組合聯合會ノ貸付金ガ固定
ヲ致シマシテ、其ノ爲ニ農山漁村ノ金融ガ
著シク梗塞ノ狀態ニアツタノデアリマスカ
ラ、當時農林中央金庫卽チ當時ノ產業組合
中央金庫ヲシテ特別融通資金一億圓、之ニ
對スル政府ノ損失補償額三千萬圓ヲ限度ト
致シマシテ、所屬信用組合及ビ信用組合聯
合會ニ對シマシテ、特別融通ヲナサシメマ
シテ、之ニ依ツテ其ノ固定財源ノ資金化ヲ
圖ツテ、金融ノ疏通ヲ企圖致シテ制定サレ
タノデアリマス、最近マデニ融通致シマシタ
金額ハ五千六百十九萬九千餘圓ニ達シ、
相當ノ實績ヲ擧ゲテ居ルノデアリマスガ、
現行法ニ於キマシテハ特別融通ノ期間ハ本
年九月末日ヲ以テ終了スルコトニ相成ルノ
デアリマス、御承知ノヤウニ農業團體法ノ
施行ニ伴ヒマシテ、漸次產業組合ガ農業團
體ニ統合セラレツヽアルノデアリマスガ、
關係諸團體ノ現狀竝ニ現在ノ經濟事情カラ
見マシテ、繰越缺損ガアリマシテ、動モス
レバ農業團體ノ統合ニ支障ヲ生ズル虞アル
モノモナイデハアリマセヌ、或ハ依然貸付
金ガ固定シテ居ルモノモ少クアリマセヌノ
デ、引續キ本制度ヲ實施致シマシテ、以テ
戰時下ニ於ケル農山漁村金融ノ圓滑ヲ期シ、
且ツ增產ノ遂行ニモ資セシムルコトハ極メ
テ緊要デアルコトト考ヘマシテ、諸般ノ事
情ヲ考慮致シマシテ、法律ニ決マツテ居リ
マス特別融通資金ノ融通期間及ビ融通期限
ヲ、更ニ三箇年延長スルコトニ致サントス
ルノガ此ノ改正ノ趣旨デアリマス
次ハ絲價安定施設法ノ廢止及蠶絲業統制
法中改正法律案提出ノ理由ニ付テ申上ゲマ
ス、蠶絲業ハ多年我ガ國輸出產業ノ大宗ト
シテ多大ノ頁獻ヲ致シテ參ツタノデアリマ
スガ、生絲ハ從來御承知ノ通リ殆ド大部分
ガ輸出ニ供用セラレテ居リマシタ關係上、
其ノ價格ハ常ニ海外ニ於ケル、殊ニ「アメ
リカ」ノ政治經濟事情ニ左右セラレテ、其
ノ安定ヲ缺キ、絲價ノ暴騰暴落ヲ來シマシ
テ、是ガ爲ニ蠶絲業ノ安定發達ヲ阻害シ、
關係業者、特ニ多數零細ナル養蠶農家ヲシテ
堅實ナルベキ其ノ經營ト脅威ヲ感ゼシメマ
シテ、又我ガ國ノ國際收支ニ多大ノ影響ヲ及ボ
スノ情勢ニアリマシタノデ、政府ニ於キマ
シテハ昭和十二年絲價安定施設法ヲ制定シ
マシテ、生絲ノ制高制低値ヲ決定シ、竝二
之ニ基ク絲價安定施設組合及ビ政府ニ依ル
買入、賣渡等一聯ノ施設ニ依リマシテ、絲
價ノ安定ヲ期スルコトト致シタノデアリマ
ス、幸ヒニシテ同法ノ運用ニ依リマシテ、
其ノ後ノ絲價ノ變動ニ對處致シマシテ、能
ク其ノ效果ヲ發揮シテ參ツタノデアリマス、
然ルニ支那事變ノ勃發ヲ契機ト致シマシテ、
内外ノ情勢ハ次第ニ變ツテ參リマシタガ、
之ニ伴ヒ蠶絲業モ從來ノ如ク輸出ノミニ依
存スルコトハ甚ダ危險トナリマシタ關係ト、
一面ニ於テハ事變以來漸次窮屈トナリマシ
タ全般ノ纖維ノ需給狀況ノ下ニ於テ、絹纖
維ノ重要性ガ益〓增大スルノ趨勢ニ鑑ミマシ
テ、玆ニ蠶絲業ハ國內需要ヘノ轉換ヲ決意
シ、和戰兩樣ノ態勢ヲ急速ニ整フベク、
昭和十六年蠶絲業統制法ノ制定ヲ致シマシ
テ、計畫生產ノ實施、價格竝ニ配給ノ統制、
絲價安定施設ノ擴充、日本蠶絲統制株式會
社ノ設立等、諸般ノ統制方策ヲ實施致スコ
トトナツタノデアリマス、次イデ大東亞戰
爭ガ勃發シマシテ、生絲ハ一俵モ敵米國ニ輸
出セラレナクナツタノデアリマスガ、統制
法ノ適正ナル運用ト官民一致ノ協力ニ依リ
マシテ、關係方面ニ聊カノ動搖モ與ヘルコ
トナク、蠶絲業ハ圓滑ニ內需產業ヘノ轉換
ヲ遂ゲマシテ、今ヤ蠶絲ハ重要ナル國產纖
維資源トシテ、軍需充足ハ勿論、民需ノ補
給充足ニ、其ノ本來ノ使命ヲ果シツヽアル
ノデアリマス
以上ノヤウナ經過ヨリ致シマシテ、一四
ニ於キマシテハ蠶絲業統制ノ進展强化致シ
マシタ今日、政府ノ手ニ依ル絲價安定方策
ハ、最早其ノ必要性ヲ喪失致シマシタコト、
他面ニ於キマシテハ、政府ノ特別會計整理
方針ノ一環ト致シマシテ、絲價安定施設特
別會計ハ之ヲ廢止スルヲ適當ト認メラルヽ
コト、彼此レ勘案致シマシテ、茲ニ絲價安定
施設法ノ廢止ト〓絲業統制法中政府ノ買入
賣渡ニ關スル規定ヲ削除スル爲ニ必要ナル
法律案ヲ提出致シタ次第デアリマス、何卒
十分ノ御審議ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008412939X00219440129&spkNum=2
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003・深澤吉平
○深澤委員長 政府ノ說明ハ是デ終リマ
シタ、本日ハ此ノ程度ニ止メマス、唯此ノ
際皆樣ニ於テ何カ資料ノ御申出ガアルナラ
バ御申出ヲ願ヒタイト思ヒマス、本日ハ是
ニテ散會致シマス
午後一時二十七分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008412939X00219440129&spkNum=3
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