1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○衆議院議員選擧法中改正法律案
○昭和十三年法律第八十四號中改正法律案
○昭和二十年勅令第五百三十七號(承諾を求むる件)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/0
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001・会議録情報2
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昭和二十年十二月十四日(金曜日)午前十時二十三分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/1
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002・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 只今より衆議院議員選擧法中改正法律案外二件の特別委員會を開會致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/2
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003・山隈康
○山隈康君 極めて簡單なことですが、昨日の私の第二の質問に對して、内務大臣は、地方に依つては、相當選擧肅正が行はれて居ると云ふ御説明があつたのであります、是は恐らく買收其の他選擧違反事件が少くなつて、選擧が相當に平穩に歸した状態を指して云ふのではないかと想像致します、併し選擧違反が少くなつたと云ふ事柄は、之を以て直ちに選擧肅正の必要の少くなつたと云ふことを論斷することは、許されないと存ずるのであります、昨日も縷々申述べましたる如く、私情に囚はれる、即ち郷土を同じくする、或は同窓の關係、親戚友人隣保で頼まれる、色々な事情に囚はれて選擧を汚しまする者は、其の事犯が選擧法に觸れないと致しましても、神聖な選擧の本義に反するものであつて、其の選擧の本義に反すると云ふ點に於きましては、選擧犯罪に依る投票と少しも私は區別がないと思ふのであります、苟も國政審議の衝に當る極めて適當な人であつて、練達有能の士である、若しくは其の人の主張する主義政策が國策上緊要の意見である、斯う云ふことを唯一無二の目標と致しまして投票を致しまするならば、そこで初めて選擧の本義に適ふものと思ふのであります、政府の屡屡聲明されまする清朗、明朗なる、至正且自由なる選擧と云ふものは、初めて之に依つて達し得らるるものと思ふのであります、此の見地から致しまして、自由黨總裁鳩山君の新聞紙上に發表されましたる選擧に關する提案、即ち團體に選擧する、進歩黨若しくは、社會黨、自由黨、是等のものは所定の候補者を立てて、一、二、三の順位を決める、各政黨に對する總ての投票を按配を致しまして、當選率を定め、其の率に依つて各政黨は、例へば進歩黨の得たる投票數に依つて十名出すべき票があつたならば、順位を追うて十名だけは當選させる、斯う云ふ趣旨の提案があつたやうであります、其の理由と致しましては、今日の政治の中心は團體である、團體の意思が政治の中心であつて、個人の意思は必ずしも政治の中心にはならないのである、さうすれば、團體自身に投票をすると云ふ事柄が最も合理的である、團體に投票すると云ふことになりますると、候補者が自分の爲に買收、縁故、其の他に依つて投票を掻き集むるの必要もなければ、又有權者、投票を爲す者が其の政黨の主義政策を檢討致して、之に依つて投票する、斯う云ふことに依つて投票の腐敗混亂を防ぐことが出來る、斯う云ふ趣旨の提案であつたやうであります、私共は此の提案に對して深く檢討を加へて居ないのでありまするから、それが果して最適の方法であるかどうかと云ふことを此處で申上ぐることは出來ないが、唯政府は、今囘の改正案を提出される場合に於て、此の案に對して檢討を加へられたことと思ふのであります、而して是等を採用なさらなかつた理由を御説明を願ふことが出來ましたならば、之に依つて本改正案の方向を更に明白にすることが出來やうと思ふのであります、一應之に對する御意見を拜聽致したいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/3
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004・堀切善次郎
○國務大臣(堀切善次郎君) 初めに御述べになりました選擧肅正の效果のことでありますが、私實情は餘り存じませぬ、此の方面に非常に御詳しい山隈さんの御説の通りであらうかと思ひますが、唯私情に囚はれて投票をする、詰り情實因縁に依ると云ふやうなことは、是もまあ相當あるだらうと思ひます、併し又、一方から考へますと、自分に近い或は親戚の者だとか、或は兄弟だとか云ふものになりますと、別に情實、脇から見ますれば情實因縁に取られる譯でありますが、其の人自身としてはさう云ふ譯ぢやない、矢張り自分に近い、縁故の者を一番良い候補者だと判斷する場合もあるだらうと思ひまして、私情に囚はれ、因縁情實に依つて投票すると云ふことは、甚だ宜くないことで、是も選擧肅正の運動としてはさう云ふことのないやうに色々言つて居つた譯なのでありますが、外部の方から判斷されれば、矢張りそれもさうでなくとも情實因縁だと云ふやうに判斷される場合もあるだらうと思ひます、是は全く御説の通り、私情に囚はれず本當に公正に、自由に判斷して立派な人に投票すべきだと云ふことは御説の通り、其の通りだと思ふ次第であります、それに付きまして、團體に投票するやり方はどうかと云ふ御意見に付きまして、昨日松平男爵の御質疑でありましたか、其の際にも申上げた譯でありますが、團體に投票する、詰り政黨に對して投票をすると云ふやり方は、立案の際に十分研究致しました、是は政黨に對して投票致します、詰り政黨の方から名簿を提出して置きまして、其の名簿の中に順序を決めて、第一は誰、第二は誰、第三は誰と云ふやうに、候補者の名簿を政黨の方から提出をして居ると云ふやり方でありまして、さうして之に對しましては、名簿に書いてある順序に拘束される式と、それから其の名簿の順序に拘束されず、當落の順序は其の名簿にある個人の得票の順序に依つて決めると云ふ式と、此の二つの式がある譯でありますが、何れに致しましても名簿に對して投票する、詰り政黨に對して投票する、或個人に對して投票した投票があれば、それは其の個人の所屬する政黨に對する得票と看倣すと云ふやうにやつて居るのでありまして、さうして各政黨、各團體に對しての全體の得票を計算しまして、さうして一定の當選點を定めて、其の當選點で以て其の政黨に集つた全體の得票を割りまして、さうして此の政黨の名簿に對しては當選人何人、此の名簿に對しては當選人何人、こちらには何人と云ふやうに先づ決めまして、さうして其の當選人の數の決つたのを、其の名簿の順序に依つて、或は名簿に書いてある個人の得票の數に依つて、當落を決定すると云ふやり方になる譯であります、此のやり方に對しましては、確かに面白い一つの式であると思ひますが、之には團體、詰り政黨がちやんと確立して居ることが前提になります、さうして此の政黨に對して投票することになりますから、其の政黨の政綱、政策が又明かになつて居つて、其の政綱、政策が國民に能く知られて居ると云ふ場合でなければならないと思ひます、尤も出來たばかりの政黨でありましても、選擧運動の期間に其の政黨の政綱、政策を大いに宣傳して運動して行くと云ふことはある譯でありますから、是はまあ間際に出來た政黨でも差支ない譯ではありますが、要するに此の方法は、政黨が存在し、其の政黨の政綱、政策が明かであつて、選擧民の判斷出來るやうに、國民の投票の當日迄には分ると云ふことが前提になるやうに思ひます、處が此の度の改正選擧法を急いで立案致しまして、議會に提案する決心を致したのでありますが、其の立案當時にはまだ日本の今日の政黨は餘り出來て居りませぬで、すつかり立案を終つて、樞密院に審議をして貰つて居ります間に、政黨が結成されたと云ふやうな風でありまして、まだ其の當時に於きましては、政黨を前提にしてやつて行くと云ふことに對しましては、政黨がどう云ふ風になるだらうかと云ふことに付て、十分な見透しが付き兼ねたものであります、又さう云ふ風な状態に於きまして政黨が出來ましても、まだ政黨を基本にしてやつて行くと云ふのには時期が少し早いのではあるまいか、其の當時は混沌として政黨がまだ十分になつて居りませぬでしたし、出來たばかりであつても、出來たばかりの政黨に對して直ぐさう云ふやり方で行くのは少し時期が早いのではあるまいかと云ふ風に考へまして、此の方法を採らなかつたやうな次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/4
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005・山隈康
○山隈康君 只今の御説明は能く了承致しました、今後政黨が確立致しました際に、更に御檢討を願ひたいと思ひます、次に是は私の希望でありますが、昨日質問を致しました點ですが、即ち投票場に於て候補者の氏名を忘失する、此の問題に付ては滑稽の話として輕く御取扱に相成つたのでありまするが、今一票の差に依つて當落の決定する場合も、必ずしも稀有ではない、斯う云ふ一票に依つて代議士の當落が決定すると云ふ場合に於きましては、其の一票の貴重であることは云ふ迄もない、此の故に、投票に死票のないやうに努力をすると云ふことは、爲政者の御務めであらうと思ひます、文化に乏しい山村、農村、是等の選擧民が候補者の氏名をうろ覺えに覺えまして、それが投票場に來て、突然自分の投票せむとする候補者の氏名を忘失する例もあるのであります、過去の投票場に於きまして、白紙の投票を相當數發見するのであります、是は色々な理由もありませうが、只今申上げましたやうに、白票を投ずる者も少くないと思ふのであります、殊に婦人に選擧權を與へると云ふことになりますと、婦人は從來選擧に對して何等の關心もなければ經驗もないのであります、斯う云ふ者が、殊に山村の老人、婦人の如き者は、候補者の氏名を胸に疊んで行つても、偶然それを忘れてしまふ、斯う云ふ場合に於て、其の死票を防ぐ爲に、何かの方法を講ずると云ふことは、是は一票の票でも、其の票を尊重する所以ではないかと思ふのであります、私は屡屡選擧自體に妨げがない限り、投票場に必ずいろは順に候補者の氏名を掲げて置いたならば、其の記憶を喚び起して、有效なる投票をする上に於て、甚だ便利であらうと云ふことを痛感をしたのであります、是は滑稽な話なりとして一蹴し得べき問題ではないと思ひます、どうぞ此の點に付きましては、更に死票のないやうに御檢討願ひたいと云ふ希望だけで、私の質問を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/5
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006・丸山鶴吉
○丸山鶴吉君 私は現内閣の下に最近迄役人を致して居りましたので、多少遠慮致して居つたのでありますが、もう大體此の法案の審議も終りに近づいたので、質問と申上げるよりも、寧ろ此の法案に對する私の意見を述べて、大臣の所感を承りたい、斯う思うて居るのであります、殊に愈愈審議も終りに近づきまして、私共議員として法案に對する態度を決めなければならぬことになりまして、衷心煩悶を致して居るのであります、それはどう云ふ譯であるかと申しますと、衆議院議員選擧法の改正が問題になりまして、極めて短期間に政府の責任に於かれまして衆議院議員選擧法の改正案を御作りになり、前内閣に於きましては調査委員會等の計畫もありましたにも拘らず、現内閣に於て、斷乎として政府獨自の立場に基いて案を作られました、其の原案がどう云ふものであるだらうかと云ふやうなことは、非常な注意を以て伺つて居つたのでありますが、衆議院に提出されました原案を見ました時に、流石は時代の要求もありまして、思ひ切つた劃期的な改正案が出來ましたことを、國家の爲に非常に喜んで居つたのであります、併しながら政府の原案も、まだ足りないと思ふ點も尠からずあるのであります、此の委員會でも問題になりました選擧費用の制限の如き、當然撤廢されて宜いものだと思ふのであります、審議の結果分りましたやうに、選擧費用二萬五千圓の程度に御切りになると云ひますが、此の大選擧區になると、十數萬の選擧民、多數の選擧民を持ちまして、なかなかそんなことで費用の上るものではないと考へられるのであります、此の制限の如きものがありますと、愈愈政爭苛烈になりますと、此の制限を利用して、幾らでも反對黨を窘め得る一つの根據になるのであります、無制限に金を使ふことが色々の弊害を來す因であるとは勿論でありますけれども、そんな目茶苦茶な金を使つて、何度も何度も選擧を續けてやり得るものではないのであります、自ら其の候補者の自制に俟ち、又社會の輿論の制裁に依つて、是等を引込めさす外に途はないので、法規で、規定で額を決めると云ふやうなことを致しますことは、之を又選擧干渉の一つの手段として使はれる虞が多分にあると思ふのであります、況や、恐らく二萬五千圓で選擧費用の上るやうなことは絶對にないだらうと思ふのであります、若し之を爬羅剔抉致すことになりますれば、候補者全員が失格を致すと云ふやうなことになることも想像が出來ると思ふのであります、斯う云ふ點も一例でありますけれども、もう少し思ひ切つて一つ改正をされた方が宜かつたと思ふのであります、政府原案に全幅の贊成を致すと云ふ譯ではありませぬけれども、豫て想像致して居つたよりも、思ひ切つて選擧取締の法規を撤廢されましたやうなことは、私共雙手を擧げて贊成する所であります、私自身も、市會議員の選擧でありますけれども、二度選擧を致しました經驗がありますか、凡そあの取締法規位煩雜なものはないのであります、如何なる行爲に如何なる注意を拂ひましても、形式的の選擧犯罪を犯さない譯には行かない程、細密に出來て居るのであります、立看板を一つ立てましても、貼札を一つしましても、悉く警察の檢印を取らなければならず、もう實に煩瑣なことでありまして、是が如何に選擧を暗くし、如何に選擧を煩はしいものにし、怖いものにして居るか、まあ是は實際選擧をやつて見られれば直ぐ分ることであります、決して私は選擧違反をしようとか、或は無理なことをして當選をしようと云ふやうな選擧をしたのではありませぬ、御承知下さる方もあらうと思ひますけれども、數十人の候補者を推薦を致しまして、私自身が中心になつて選擧を致したことがあります、毎日々々、形式的選擧違反事項で選擧事務員と云ふものが呼び出されて、苦き經驗を嘗めて居るのであります、此の取締法規が煩雜である爲に、之を利用して幾多の選擧干渉が出來得ることになつて居るのであります、是等の多くの煩雜な規定を撤廢をされましたことは、今迄の役人の考へ方では非常な危險なことのやうに思はれただらうと思ふのでありますが、時勢の要求する所、大幅に是等の取締規定を撤廢されましたことは、流石に時勢の要求もありまするし、内務當局の原案を御作りになりました方々が、此の情勢を能く見ておやりになつたことと思ふのであります、然るに其の原案が衆議院で審議をされまして、再び、平素頻りに是等の煩瑣な取締法規を攻撃して居られました衆議院に於きまして、各種の取締法規を復活をされたのであります、殊に第三者運動の制限の如き、以ての外のことだと私は思ふのであります、で衆議院の修正に對しましては、私は全面的に反對をする者であるのであります、殊に本委員會で指摘されましたやうに、制限連記に關する修正の如きは、事實實際に當嵌めて非常な不都合を來す、既に内務大臣も言明されましたやうな修正が行はれて居るやうであります、此の時代に即應し、將來起るべき選擧と云ふものを想像致しますれば、私共は政府原案でも尚もう少し開放的にやつて戴きたい、例へば今言ふ選擧運動費の制限の如きも撤廢をして、本當に何もない、素手で戰ひ得る姿に選擧法を建直して貰ひたいと云ふ意見すら持つて居るのであります、然るに衆議院で又各種の取締法規を復活されたと云ふやうなことは、どうしても私自身には了解が出來ない、勿論現内閣は成立の當初から聲明をされて居るやうに、選擧の結果の後には、多數黨を占められた人に大體政權を讓られる意向の如きことを、政府は聲明をされて居るのであります、で現内閣はどの黨派が多數を占めやうが、さう云ふ所は關する所ではないのであります、豫て政府が方針として示されて居るやうに、選擧には全く無關心と云ふことはございませぬが、どの黨派がどうならうが、關する所ではないのでありますから、今迄の、過去にありましたやうな選擧干渉其の他のことが行はれるとは思はれませぬ、此の内閣で行はれる選擧でありますれば、或は是等の取締法規がありましても、之を逆用し、之を惡用して、選擧干渉を致すやうなことはないと、斯う云ふことは保證出來ると思ふのであります、此の内閣に於ける選擧だけを目標と致しますれば、衆議院が修正されましたやうな諸般の取締法規を復活致しましても、大なる弊害はないと思ひますが、愈愈政黨の分野が定まり、政黨内閣が實現を致すやうなことになりまして、數を以て爭ふ選擧が相次いで行はれるやうな時に、數を得たいと考へる當局者が、此の選擧法を惡用することなしとは保し難いのであります、其の長い目から考へて見ますと、此の際政府原案にある如く、或は原案以上に、殆ど選擧取締規則と云ふものを一掃をして、さうして其の選擧に對して惡辣なる手段を用ひ、或は不當なる色々なことをやる者は、社會民衆の判斷に依つてどしどし一つ制裁を加へて行く、其の黨派は無理のことをすれば忽ち沒落すると云ふ、社會判斷に委して行くと云ふ建前の選擧法を今日作つて置くことが、將來苛烈なるべき政爭を豫想致しますれば、萬全の途であり、又それが國民判斷と云ふものを益益明確に導いて行く導因になるとすら私は考へるのであります、さう致しますと、今審議致して居ります衆議院議員選擧法の改正法律案は、少くとも政府原案に歸ることが理想であり、又私をして言はしむれば、更に政府が保留されて居る各種の取締も此の際一掃することが、私は理想であるとすら思ふのであります、併しながら衆議院議員選擧法は專ら衆議院議員の選擧に關することであり、衆議院に於て愼重審議された結果でありますから、衆議院の意向を尊重を致しますと云ふことは、是は當然政治上の務めであると思ふのでありますが、今言つたやうな考へ方で行きますと、斯くの如き鵺的な又多分に危險性を含んで居る選擧法を通過させることは、國家の爲に宜しくないことであると私は考へるのであります、そこで非常な迷ひを生ずるのであります、衆議院の院議を尊重する意味から言へば、衆議院が通して來たならば、衆議院自體のことだから勝手にしろ、斯う言つてやることが一つの行き方でありますが、苟も兩院制度があつて、其の法律の結果が將來國家の爲にならないと云ふことであるならば、貴族院は貴族院の獨自の立場に立つて、最も危險のない法律を作り上げると云ふことに最善の努力を盡すべきことが、貴族院としての任務であると思ふのであります、さう云ふ意味に於きましては、若し是が通常の事態であるならば、私共は遂に此の法案が不成立になりましても、最後迄鬪はなければならぬ責任を、私は痛感を致して居るのであります、併しながら御承知のやうに、速かに公正自由なる政治體制を樹てる爲に選擧を行はねばならぬ、目の前の情勢に迫つて居るのであります、どうかして此の衆議院議員の選擧法を速かに成立させなければならぬと云ふ事態に立至ることでありまして、私は或種の煩悶を感じて居るのであります、さう云ふ次第でありますから、強ひて私は大臣の御意向を承らうとは思ひませぬが兎に角斯う云ふことに惱んで居る、斯う云ふ一つの考へ方を持つて居る議員があるのだと云ふことも御承知を願ひ、若し大臣が私の考に對して御意見なり御考がありますれば、此の際御洩らしを願へば大變仕合せだと存じます、是だけを私申述べて置く次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/6
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007・堀切善次郎
○國務大臣(堀切善次郎君) 初めに御指摘になりました費用の制限の點ですが、此の費用の制限を殘して置くが宜いか、撤廢すべきかと云ふ問題に付きましては、立案の際に非常に議論になりまして、私共も色々と之を考へた次第であります、大體原案のやうに、從來の色々の煩瑣な規定を撤廢すると云ふことから推して考へますれば、費用の制限も、只今丸山君の仰せになりましたやうに、撤廢して行くのが矢張り本當だらうと思ひます、さう云ふ風にも考へましたが、併し今日の實情に於きまして、費用の制限を撤廢して、それで選擧に伴ふ色々の弊害が果して起らないで濟むだらうか、どうであらうかと云ふやうなことを心配致しまして、又費用の制限を撤廢するならば、一方に於て其の費用超過の原因になる買收、饗應等、色々のことは取締るに致しましても、非常に合法的に金を使つてやつて行くと云ふのに對しては、非常に對抗がむつかしくなるだらうと云ふ風な色々の議論があり、竝に色々の點を研究致しまして、結局費用の制限だけは殘して置く、唯費用の制限に關しまして、矢張りどうも從來色々、場合に依つては選擧干渉の虞をも生じます煩瑣な規定は、是は出來るだけ省きまして、警察官が選擧の費用に關しまして、或は檢査をするとか、色々の所は除きまして、罰則に關する……罰則を附けて居ります所は除いて、之に對しましては當選無效の處置だけにすると云ふことに結局考へました次第であります、御説の通り、此の費用の制限と云ふことも、思ひ切つて撤廢してしまひますれば、是は選擧運動を自由にして來ると云ふ點に於て、非常に徹底することになるとは思ふのでありますが、今のやうな事情から、是は存續することに致した次第であります、之を存續するとすれば、其の標準をどうするか、從來一萬圓前後の法定費用、平均にして一萬圓前後の法定費用を金額で押へて置いたならば宜いだらうか、どうだらうかと云ふことも色々研究致しましたが、金額で押へましても、今度の有權者の數が非常に殖えまして、又最近非常に物價が暴騰して居ります、それ等の點から申しまして、有權者の殖えました分は、要するに一つの家族の中、家族數は餘り違はないと思ひますから、一つの家族の中で、從來主人が一人有權者であつたのが、今度は細君と子供が有權者になつたと云ふ關係でありますから、或は選擧運動の方法を考へますれば、それは費用の激増する原因にならないかも知れませぬが、物價の暴騰と云ふこともありまして、物價の暴騰をどう云ふ風に加算すべきかと云ふやうなことから非常にむつかしくなります、結局それ等色々の點を勘案致しまして、標準は定員數を以て有權者數を割りましたが、一人當り三十錢と云ふ其の根據を其の儘にして置くと云ふことに結局致したやうな次第であります、其の他運動の制限に關しましては、只今詳細に御述になりまして、昨日も亦私から一應申上げた通りでありまして、私共も選擧の御手傳なんかを致しまして、如何にも今日の規定が餘りに煩瑣で、ちよつと選擧の御手傳をするのも、どうかすると直ぐに選擧違反になるのではないかと云ふやうなことであつたことは、誠に遺憾に思つて居ります、此の際是は是非、出來るだけ運動の制限を撤廢して、常識的のものにして行きたいと云ふ風に考て居つたのでありまして、全く今日迄のやうな状態でありましては、素人が選擧運動をする、選擧の御手傳をすると云ふやうなことは、實に危ない、殆ど不可能のやうな状態になつて居ることは、甚だ遺憾に存ずるのであります、又今御心配になりましたやうに、煩瑣な規定を假に殘して置きまして、今度の選擧に當ります現内閣と致しましては、誰を當選させたいとか、どの黨派を多數にしたいとかと云ふ考は、毛頭持つて居りませぬから、是は選擧干渉とかと云ふやうな弊害のありませぬやうに、是は絶對に公平な選擧を行ひますやうに、有らゆる努力を傾注する積りで居るのであります、將來のことを考へて見ますれば、今の御説のやうに、殊に我が國の今後の政治體制と致しましては、何と申しましても、矢張り政黨中心で政權の移動があるものと存じます、さう云ふ際に於きましては、矢張り選擧を絶對に公平に考へると云ふことよりは、矢張り希望が附きまして、自分の黨派の方の者を餘計に當選させたいと云ふ希望が自らそれに加はるものではなからうかと思ひますが、さう云ふ點から申しますれば、色々な形式犯の煩瑣な規定のありますことは、矢張りやらうと思へば選擧干渉の一つの手段になると云ふことは、爭はれない事實であらうと思ふのであります、それで修正案に對しても、昨日私は率直に、私の考へて居ります所を申上げたやうな譯なのであります、固より今日、此の大體改正の選擧法の趣旨に依りまして、速かに一日も早く總選擧を行ひまして、現在の自由な民心の判斷に依つて新しい議會が成立されることが急務と考へて居るのでありまして、此の法案が色々な經緯に依つて不成立になると云ふことは、是は私共も非常に惧れて居る次第でありまして、是非何とか成立させ、新しく成立した選擧法に依つて今度の選擧は行はなければならぬと云ふことを、固く念願して居るやうな次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/7
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008・田口弼一
○田口弼一君 私昨日ちよつと座を外しましたが、或は御尋の方があつたかも存じませぬが、今度相當棄權者が出るのではなからうかと云ふことを心配を致して居るのであります、それに付ては、投票所が手近にあれば、其の棄權を防止する上に、非常に有效ぢやなからうか、遠方に投票しに行くと云ふことになりますと、勢ひどうしても棄權者が出るだらう、簡單に手近な所に投票所を置くことが必要であらうと考へるのでありますが、今度はどう云ふ方法を御考でありませうか、出來ることなら、極く何戸か集つて居るやうな田舍のやうな所であれば、次の部落迄行くのも大變である、一里も半道もあると云ふことになると大變であるからして、さう云ふ部落であれば、部落に置くと云ふやうなこと、都會であれば、乘物も非常に便利であると云ふやうなことで、多少遠くても宜いかも知れませぬが、田舍ではなかなかさう云ふことが困難であらうと思ひます、是は私實際聞いた話でありますが、或鍜冶屋の親父が選擧の日に朝から働いて居るからして、お前は投票に行つたのかと言つた處が、長い間掛る所迄、自分の仕事を休んで迄、金も呉れないのに、遠方に投票しに行けない、「バス」に乘つて行けば金も掛るからと云ふやうな話、それぢや「バス」代をやるから投票して來いと言つて一圓やつた處が、それで投票に行つたのを見たと云ふやうな事實を話して居りましたが、投票所の設置を私は取締ることは困難かも知れませぬが、非常に殖してやると云ふことが、殊に今囘非常に有權者の殖えた際に必要であらうかと思つて居ります、それに付ては何か御考がありましたら伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/8
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009・堀切善次郎
○國務大臣(堀切善次郎君) 投票所の數を殖すことに付きましては、私も從來其の方の熱心者でありまして、今日迄も色色の機會に内務省に對してさう云ふことを言つたのであります、ちよつと餘談になりますが、嘗て私が「ドイツ」の選擧に關係致しました時に、有權者八百人に付て一箇所の投票所を決めたことがあります、それを見て居りますと、一つの投票所の有權者八百人は、是はそれを決めるのに、一分間に何人すらすらと投票出來ると云ふやうな計算から、八百人と決めたのでありますが、實はやつて見ると、八百人では頗る閑散でした、八百人は極端でありますが、さう云ふやうなことも見て居りますので、出來るだけ投票所は殖すやうにと云ふことを豫て主張して居り、今度も其の頭で頻りと事務の方を督勵して居るやうな次第であります、是は實際に段々と聞いて見ますと、今直ぐに非常に澤山殖すと云ふことは、矢張り色々やりにくい事情があるやうであります、それは第一に今日資材も自由になりませぬ際に、投票凾を非常に澤山作ると云ふことは、つまらない理由ではありますが、是が一つ困難であります、それから從來は選擧の投票の事務に當ります者が、まあ何か村長か助役でないと安心が出來ないと云ふやうな風で、學校の先生を頼めば非常に宜いと思ひますが、處が學校の先生に對しては、從來文部省が選擧なんかに關係することを一向喜ばないと云ふやうな事情もあつたやうであります、又一方から言ふと、投票所を從來非常に大事にしまして、必ず制服の警察官が、投票に色々間違ひが起らないやうに、其處へ行つて居る、斯う云ふやうなこともあるのに、田舍の方は駐在所に一人しか警察官が居ない、さう云ふやうな色々なことで投票所の増設が思ふやうに行かなかつたやうであります、出來るだけ澤山作らうと云ふ考で今やつて居る譯でありますが、どうも矢張り我々が出來るだけやらうと考へましても、何かまだ町村長あたりが非常に澤山投票所を作ることを喜ばないやうな風が殘つて居るやうでありまして、私が是迄考へて居た思ふやうな風には、今度の選擧には直ぐにはちよつと行き兼ねるやうであります、併し出來るだけ餘計殖したいと云ふやうな考で、督勵をし相談をして行く積りでありますが、田舍の方も各部落、大字に一箇所位投票所が出來ると、誠に結構と思ひますが、どうも今度實行致しますのには、日數も幾らもありませぬし、其處迄も行き兼ねる實情のやうであります、併し御趣意のやうに、出來るだけ殖すと云ふ頭で進んで行く積りであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/9
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010・田口弼一
○田口弼一君 實は相當棄權者があらうと云ふことを心配して居りますが、まあ昨日あたりから御話を承りまして、非常に御熱心に、棄權のないやうに御盡力のある所を承つたのでありますが、それに致しましても何分非常な増加で、婦人なんか、全く政治に趣味と言ひますか、關心を持たない人が非常に殖える爲に、今迄でも相當棄權があつたのに、更に今度婦人の棄權等が殖えますと、或は棄權の割合が五割以上に及ぶやうなことがありはしないかと云ふやうなことを、私心配致すのでありますが、其の點に付て如何なる御見込を持つて居りますか、御努力に依つてそんなことがないやうに願へるだらうと思ひますが、若し半數、五割以上も棄權があると云ふやうなことになりますと、投票は國民の半數の意思の現れがないと云ふやうな妙な現象になりまして、誠に遺憾なことだと思つて居ります、棄權防止の方法を御考と同時に、大體御見込としては、どの位迄投票せしめ得るだらうと云ふやうな、何か多少の御考、御見透しでもありましたら、御洩らし願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/10
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011・堀切善次郎
○國務大臣(堀切善次郎君) 婦人の投票率に付きましては、ちよつと見透しが付きませぬ、打棄つて置けば今の五割位の棄權が出やしないかと云ふ噂が專らでありますので、そんなことになつては大變だと思つて居りますので、出來るだけ努力をして、棄權率を少くするやうに持つて行きたいと思つて居りますが、どの邊迄持つて行けるだらうか、是はちよつと見込も立ち兼ねて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/11
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012・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 休憩致しまして、午後一時半に開會致します
午前十一時九分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/12
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013・会議録情報3
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午後一時三十九分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/13
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014・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 是より特別委員會を開會致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/14
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015・小原直
○小原直君 大體質問は終つたのでありまするが、一點疑問がありますから、内務大臣に御尋したいと思ひます、選擧運動の費用が告示せられたる額を超過したるときには、現行法では、當然其の當選を無效とすると共に、それが犯罪になつて刑罰に處せられることになつて居るのでありますが、今度の改正法に於ては、それは犯罪とならずして、當選を無效とするに止る譯であります、現行法の下に於きましては、費用超過の爲に當選無效となる場合には、それは犯罪であるから、警察官がそれを調査して、裁判所が更に其の點を證據に依つて確定をして、犯罪となると同時に、當選も無效になる、斯う云ふことになるのでありますが、改正法では、それが犯罪にならずして、單に當選を無效とするに止るのでありますから、當選訴訟を起して、其の結果、費用超過があるかないかと云ふことが調べられることにはなりませうが、事前に於て、果して費用が超過して居るかどうかと云ふ調べは、何處で誰がやるかと云ふことがはつきりして居らぬのであります、若し之を濫用致しますると、色々其の點に付て弊害が出て來ると思ふのであります、單に裁判を起す際に、當選無效を爭ふ原告が調査をすると云ふだけでは、警察に屆出た費用の範圍で超過すると云ふやうなことが分る位の程度でありまして、それ以上更に突込んだ調べの仕樣がない、斯う云ふ場合に、費用超過があるかどうかと云ふことを如何にして確かめられるか、其の點に關して何等規定もありませぬし、どう云ふ風にやるのか分りませぬので、如何になさるのか、御尋したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/15
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016・堀切善次郎
○國務大臣(堀切善次郎君) 費用に關することに關しましては、今度の改正案の中に、此の費用を警察に屆出る義務を負はして居ります、それに依りまして、警察の方に屆出る譯でありますが、是は費用超過を屆出ることはありませぬから、費用の制限内に屆出るものと思はれますが、それ以上の超過した部分に付きましては、是は當選訴訟を起す方の人が證據を備へて當選訴訟を起すと云ふことになる外はないと思ひます、當選訴訟を起す方の人が證據を備へて訴を起して、それに依つて裁判所が判斷をすると云ふことになる譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/16
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017・小原直
○小原直君 自然順序はさう云ふ風にならうと思ひますが、それだけではなかなか費用超過があるかないかと云ふことを確める正確な材料を得られない譯であります、殆ど規定が空文に終るやうなことがないかと思ひます、若し之を更に進んで色々擧證しようと云ふことになると、其の間に種々弊害が出る虞があります、或は故更に當選無效とする爲に濫りに事を構へて訴をすると云ふやうなことが起る虞があると思ひます、其の邊を仲裁する方法でもありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/17
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018・堀切善次郎
○國務大臣(堀切善次郎君) 御懸念のやうなことはあるまいかと思ひますが、別段の良い方法も考へられなかつたのでありまするが、さう云ふ風に致した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/18
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019・小原直
○小原直君 それだけです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/19
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020・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 別に御質問ございませぬか、それでは御異議がなければ討論に移ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/20
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021・山岡萬之助
○山岡萬之助君 私は一般討論を爲すに先だちまして、本案の修正意見を申述べたいと思ひます、先づ修正の點を申上げて、次に理由を敷衍したいと思ひます、議題に供せられて居りまする第二十七條の衆議院の修正された箇所を全部原案通りとし、其の中但し、第一號の「五人以下」とありまする其の「五」を「三」と改め、而して其の二號の「六人以上」とある「六」を「四」と改める、是が第一點の修正であります、次に第二點として、原案第五十二條、五十二條の二、五十二條の三の衆議院の修正を全部政府原案通りとすること、其の第三點は、附則第十項に於ける衆議院の修正を政府原案通りと致すこと、以上三點であります、其の次第は、政府原案の第二十七條第一項を衆議院に於て削除せられまして、總て制限連記の規定に依つては十人以下を二人の連記とすることとして、單記を認めないことにするのであります、其の結果と致しまして單記投票がなくなりましたから、單記投票に關しまする投票の效力決定の基準の規定、前に述べました修正第二點に關しまするものを全部削除せられて居るのであります、それから次に沖繩縣は定員二人でありまする爲に、二十七條の第一項を削除致しますれば、そこに運用上の不都合を生じまする爲に、附則第十項に選擧の方法を勅令に讓る旨の修正を衆議院に於て致したのであります、是が右述べましたる第一點の如くなりますると、選擧方法と云ふものを勅令に讓る必要がなくなりまするので、之を政府原案の如く致す次第であります、そこで理由を更に申上げますると、總ての選擧區を通じまして、最少程度二人の制限連記と致しますると、補闕選擧、再選擧の場合に於きまして實際上二人の場合を生ずることが二十五の選擧區があります、それから三人の場合を生ずることが二十二の選擧區があります、四人の場合を生ずることが七つの選擧區があります、多數の力のある者が二人の場合に於て有利に歸しまして、少數の方面に於ては此の場合に不都合の結果を來します、唯それは補闕選擧、再選擧等の場合、又沖繩縣は別でありまするけれども、それだけでありました處で、理論の上から申しますると、多數の力が少數を壓迫する結果となりまするので、制限連記制の根本義を阻害致しまするから、之を第一點の如く修正するのが適當なりと考へられるのであります、第一點に於て既に一人の單記投票を認めまする以上は、政府原案にありまする單記投票の效力を決定致しまする五十二條以下の規定を、政府原案の通りとする必要があるのであります、第三點に付きましては、前に申しました通りで、重ねて申上げることを致しませぬ、以上の理由に依りまして、問題に供せられましたる案に付きまして、三點の修正を提議致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/21
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022・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 私は只今の修正案に贊成を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/22
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023・川村竹治
○川村竹治君 修正案に贊成を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/23
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024・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 山岡君の修正意見の動議は成立致しました、山岡君の修正意見に……それではそれは後にしまして、どうか皆さんから全體に付きましての御意見がありますならば、此の際御述を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/24
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025・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 此の際自分の希望を重ねて申上げて、修正に贊意を表したいと思ひます、今囘の選擧法改正に付きましては、本當に劃期的のものでありまして、所謂選擧と云ふものを公明正大にし、選擧民をして自由の立場に、何等の掣肘を受けずして、選擧を公正に行はしむると云ふ御趣旨の下に改正せられたことに、絶大の敬意を表する次第であります、併し其の結果を見ますると、若干其の政府の御趣意が完全に達せられざるやの嫌ひがあります、併し徒に議論、口角泡を飛ばす時ではありませぬので、此の新しき方法を早く施行し、實際に早く其の效果を擧げることが目下の急務でありまして、已むを得ないことと存じます、どうぞ政府に於かれましては、各委員からの御希望を十分に尊重せられまして、熱意を以て、誠意を以て、本法の施行の完璧ならむことを期待して已まない次第であります、以上自分の希望を述べまして贊意を表します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/25
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026・山岡萬之助
○山岡萬之助君 私は本案を速かに成立致さしめむことを希望致します、此の本案に贊成する意見を申上げたいのであります、前に修正の動議を提出致しましたのは、制限連記の趣旨を徹底せしめまする爲に、衆議院の修正は合理的でない所が存するので、政府に於ても衆議院に於て同意せられなかつたのであります、本院に於ける斯かる修正を適當なりと改正に於ても感ぜられると心得ます、仍て此の提案を致した次第でありまして、幸ひ同僚諸君の贊成がありまするので、此の動議は成立致しました次第です、私は一般に對して贊成意見を申上げまするのでありまするが、此の衆議院議員選擧法の改正案が今期臨時議會に提出せられましたことは、全く新日本を建設する基調たる民主主義、自由主義遂行の爲に出でたものでありまして、時局の上に誠に肝要なことであると存じます、此の改正案の實施に依つて、衆議院は國民の大多數の代表を以て構成する力強き政治的機關となるのでありまして、今後大衆が政治に參畫することに於て、其の基礎を樹立せらるることと考へます、從來の選擧に於きましても、衆議院の構成は國民の代表になつて居るのでありまするが、何にしても矢張り數の上に於きましては少數のものでありました、今日迄憲法實施以來五十有餘年でありまして、尚社會國家の大體の動き方と云ふものは、選擧の方法に依つて、國家機關其の他の機構を構成されて居りまするけれども、其の意味は結局其の程度に止つて居りまして、國民の政治參與の力と云ふものは、民主主義的に發揮されて居らなかつたことは事實であります、之を言ひ換へれば、國民政治と云ふ具體的の關係に於ては、力が現れて居らなかつた次第であります、今後國民が政治面にも、經濟面にも、社會の有らゆる部面に於て國民の力が具現すると云ふのが、私は民主主義の立場であると思ふのであります、若しそれが全國家社會の動きの上に萬遍なく現れなかつたならば、所謂跛行的になりましたるならば、新日本の建設に支障ありと私は考へます、是れ故に本委員會に於ても、既に衆議院を大衆政治の基礎の上に置くと云ふからには、國家社會の全般の運營に於て遺策なからむことを望む意味に於て、二三の御質問を申上げた譯であります、斯樣な次第で、今日迄の所は、國民の選擧に依つて或機關が出來たと云ふやうな程度に止つて居りますので、今後は政治の實際が四千數百萬の基礎となつた、もう一つ言ひ換れば、國民の全體が政治に參畫すると申しても宜いやうな状態であります、然らば國民は非常に重大なる任務を持つて居る、此の度は本當に重い負荷を課せられて居ると考へます、此の負荷に堪へると云ふのには、どうしても人格を立派にして、其の主張する處、正に國家の爲になる所のものでなければならぬと思ふ、即ち自己を以て國家に奉公すると云ふ如き氣魄を以て進まなければならぬと思ひます、それでありますれば、今日迄と、今後の國民の考へ方、乃至動き、總てが變らなくてはならぬと思ひます、是れ故に、段々と此の委員會でも御話のありました棄權等のことも、今迄は頼まれたから投票する、何等かの理由があつて投票に出掛けたと云ふのでありますが、今後は自分の義務として、自分の責任として、投票こそ大切なものなりと考へさせるやうに、社會教育乃至青年教育、有らゆる部面に於て政府は御努力をなさる必要があると思ふのであります、若し政府が其の點に於て、過去の如くに政治教育、社會教育の點に於てあるならば、折角の大衆の政治と云ふものは、遂に眞價を發揮することが出來ないで終ると申しても、敢て私は過言でないと思ひます、此の民主政治の特質から新日本を建設し、而して立派な政治をすると云ふのには、國民の總てが政治的に目覺めると云ふことであります、是は國民自體も考へなくてはならぬのでありまするけれども、政府は今後一般の教育に、又社會教育に、總ての方面に於て御努力になり、又教育と云ふのも、極く輕い意味で現在の人達が直ちに考へ方を變へる方法迄御執りにならなければ、此の選擧法を實施して效果を擧げることは出來ぬと思ふのであります、どうぞ政府はそれ等の點に付て萬全の策を講ぜられまして、國民の總てが所謂自分の政治として、國家を立派に建設する任務を我々に負荷されると云ふ考へ方を以て進むやうに、御指導、御鞭撻あらむことを希望して熄みませぬ、其の方法に付ては、繰返して申上げまするが、どうぞ十分な御力を致され、獨り内務當局だけでなく、政府の全體が有らゆる部面に於て、私は常にさう思ふのでありますが、國家の政治と云ふものは總ての面に於てでありますから、教育部面は教育だけ、内務省の治安維持は治安維持だけ、斯う云ふ風ではならぬと思ふのでありまして、其の重大なる意味合は、財務當局に於ても、どの方面に於ても、之を言ひ換へれば、政治部面に於ても、經濟部面に於ても、或は財政部面に於ても、どの部面に於ても、政府の考へ方が其處の點に、根柢としてはなければならぬと考へます、長いことを申上げましたが、要は國民政治となるに付ては、それだけの負荷に堪へ得る國民を教育指導する必要があると考へます、政府に此の希望を申上げまして、贊成致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/26
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027・川村竹治
○川村竹治君 私も本案を贊成するに當りまして、簡單に希望を述べて置きたいと思ひます、今囘の此の改正は誠に劃期的の改正でありまして、殊に女子に參政權を與へると云ふことは、是は我が國としては初めてであります、而も其の有權者の數と云ふものは、男子よりも多いやうであります、實を申せば、私自身としては、女子に參政權を今與へると云ふことは、稍稍尚早ではないかと云ふ考を持つて居る、併し是も時勢の關係で、必ずしも反對すべきではないと思ふのでありますが、併し實際問題として、政府當局からの御話に依る如くに、此の有權者の五割が或は棄權する虞があるのではないかと云ふ御話である、是が明かに、此の制度が、女子の參政權と云ふことはまだ早いと云ふことを如實に物語るものであると私は思ふのである、詰り日本の女子と云ふものは、參政權を受容れる所の準備が出來て居らない、斯う云ふことなんであります、それで當局に於かれましては、是から遽かに啓蒙運動、啓發運動をなされると云ふことであります、是も結構であります、併しながらさう遽かに是は出來るものではない、どなたかも御話があつた如くに、さう急に是が良い結果を得ると云ふことはむつかしいのである、併しながら此の場合どうしてもやらなければならぬ問題でありまして、どうか十分の御努力を以て、出來るだけの棄權防止、竝に正當なる、貴重なる權利を行使すると云ふことに、此の女子を向けると云ふことの御努力を願ひたいと思ふ、當局は御話に依りますと、女子と云ふものは大體穩健な傾きを持つて居るからして、其の投票に當つては、穩健なる政黨或は政派と云ふものに其の投票が動くであらう、斯う御想像になつて居るやうであります、是も一應御尤もである、併しながら今日は、思想混亂で、色々の政黨が出來て來ます、從つて是等の政治に經驗のない、認識の深まらない所の女子は、どの方向に是が行くかと云ふことは、是は實は豫斷が出來ないものである、斯う私は思ふのであります、從つて是等の點に付ても深き注意を御拂ひ下さいまして、此の女子をして適切なる投票ふ行使せしめるやうに、御指導を特に御願したいと思ふのであります、私は此の希望を以て本案に贊成する者であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/27
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028・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 私も贊成意見を述べたいと存じます、本案は或意味に於て時宜に適した法案だと私も思ひます、殊に民主主義と云ふことを表現されることに付きまして、立案されたであらうと存じまするが、併し又中の仔細を見て見ますると、是は衆議院から折角廻つて來たものでございますから、私共之に贊成致しますものの、十分に民主主義を發揮することが出來るかどうかと云ふことに付ては、非常な努力が要ることと存じます、其の點に付て私は主なるものだけを述べたい、一つは貴族院との關係であります、是は長いことを申上げますと大變長くなりますが、堀切内務大臣は御關係ないかも知れませぬが、先日此處で貴族院改革が問題になりまして、貴族院の制度の改善と云ふことがうまく行きませぬと、折角衆議院の方に選擧法が出來ましても、何にもならない、私共の考では、衆議院と云ふ單に立場だけから見ても、衆議院の制度の改善よりも、寧ろ貴族院の方が重きを置かるべきものぢやないかと思ふ位、それは何かと云ふと、貴族院が衆議院に對してどう云ふ態度を執るか、頻りに松本國務大臣は「ブレーキ」「ブレーキ」と仰しやる、それも結構、「ブレーキ」もしなければならぬが、元來衆議院と云ふのものが政治の中心であつて、貴族院はそれの輔佐役でありまするから、「ブレーキ」を掛けるのみならず、進んで衆議院の足らざる所を助ける、衆議院が弱いやうな場合には、之を發揮させる位にして行かなければならぬ、一番恐れる所は、邪魔をすると云ふことです、此の「ブレーキ」と邪魔との區別は非常にむつかしいのでございますが、兎に角貴族院が衆議院の邪魔をした、言葉を換へて言へば、立憲政治の發達の邪魔になつたと云ふことは、今迄歴史にあることなんで、日本の憲政史上に明かな事實、最近二十年ばかりはそれはございませぬ、幸に止んだ、止んだけれども、明治二十三年以來、官僚政府が貴族院を根城にしまして、さうして貴族院で超然主義だとかなんだとか、どう云ふ意味でそんなことを言ふのか分らぬが、超然主義なんて云ふことはとんでもない考へ方、貴族院が根城になつて居れば、解散がないから、一番危くないから、之を根城にして、憲法政治の發達を妨げ、衆議院を働き得ないやうにしてしまつたと云ふことは、今迄やつたことであります、それで貴族院の改革に當りまして、折角今の貴族院は、他の點は別と致しまして、邪魔にならないと云ふことだけは確かです、邪魔にならないと云ふことは確かであるのに、下手に貴族院の改革をいぢりますと、私は制度の改善をして惡いと云ふのぢやありませぬが、いぢり方が宜しきを得ないと、又元へ戻つて衆議院の邪魔をするやうになる、さうすると、之を又改めて行くと云ふことは非常なことなんです、何しろ貴族院が衆議院の邪魔をしないやうにしたと云ふことには、二十年位も非常な苦心が要つて居る、具體的に申述たうございますが、別の機會にして今日は止しますが、兎に角非常な苦心が要つたものです、妥協政治だとか、情意投合とか、なんだとかかんだとか言つて、どれだけ衆議院が邪魔されたか分らぬ、終ひには何か料理屋政治、そんなこと迄始つて來たのです、さう云ふことは申しませぬが、兎に角之に付ては餘程愼重にやつて戴かぬと、折角衆議院の選擧法を御改正になり、民主主義を發揮する、立憲政治を確立すると言つたつて行かないと存じますから、此の點に付て特に政府に御留意を願ひたいと存じます、尚もう一つ申上げたいのは、先日も申上げましたやうに、立憲政治の確立と云ふことが又狙ひ所だらうと思ひますし、又此の點はどなたも御不贊成はないと思ひますけれども、惜しいことに此の選擧法ではちよつとそれはむつかしい、是は是非小選擧區にしなければ駄目なものです、只今山岡君の仰せられたやうに、國民の思想と云ふものは餘程信頼が出來ないもので、非常に立憲政治に對して脆弱性を持つて居るのです、之を一朝にして、今迄持つて居た盲從主義や事大思想を捨てろと云つたつて、それは容易なことではない、寧ろ是は小選擧區にして、さうして立憲政治を確立する方へ持つて行かなければ、容易なことぢやないと思ふ、それは法律で無理に持つて行くのぢやないかと仰しやいますが、さう言へば此の法律で以て無理に小黨分立に持つて行くと云ふことになる、一度小黨分立になると、其の小選擧區の制度と云ふものは容易に來ないと思ひます、此の點甚だ私としては遺憾に思ふ、遺憾に思ふけれども、今迄申述べた通り、衆議院でも贊成があり、衆議院の選擧のことでありますから、貴族院でさういぢると云ふことも如何かと存じます、殊に世の中のことは、さう直截簡明に行くものぢやない、廻り道をすることは已むを得ない、皆さんの御話に出た通り年月が掛ると良くなる、其の通りであります、さう云ふ意味に於きまして、其の點はさう云ふ意見を私は添へまして、さうして此の案に贊成致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/28
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029・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 他に意見を御述になる方はありませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/29
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030・水野勝邦
○子爵水野勝邦君 私も希望を申上げたいのであります、今度の改正法律案に於て劃期的だと言はれて居ります中の一つの、女子に參政權が與へられた點でありまして、此の參政權の與へられたと云ふことは、誠に劃期的に女子の地位を一歩進めたものである譯でありますが、先日政府の御意見を伺ひました中に、尚民法或は刑法に於て女子の地位を確立する權利義務の改正には餘りに積極的な御考がないやうでありますが、何と申しましても、新日本建設の爲に女子が負ふべき責任、又仕事と云ふものは多々ある譯であります、今日迄日本が其の點に於て非常に遲れて居つたと私共は考へる譯であります、此の際參政權が認められ、第一歩を踏み出した以上、女子は今後高き教養と深き理性を涵養致しまして、自由な日本を建設する大事な女子の仕事を全うして貰はなければならぬ譯であります、其の意味に於きまして、女子の地位を確立する民法、刑法の改正に迄、是非共考を運ばれたいのであります、現在日本の女子の程度が其處迄行つて居らないと云ふことは、或は認められる譯でありますが、認められる儘に、尚早いと考へられず、引摺つて行く氣持が欲しいと思ひます、私はそれを希望致しまして、本案に贊成致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/30
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031・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 他に御發言もございませぬか、それならば採決に入ります、先づ修正案を議題に供します、山岡議員等より發案されましたる修正案、即ち第二十七條の衆議院の修正、制限連記の修正に付きまして、政府原案の通りとし、同條第一項、第一號の「五人以下」を「三人以下」に、第二號の「六人以上」を「四人以上」に改むること、第五十二條、第五十二條の二、第五十二條の三の衆議院の修正、投票の效力決定の修正を、政府の原案の如く改む、それから附則第十項の衆議院の修正、沖繩縣に關する修正に付き、政府原案とすること、大體此の意味の御發案があつたのであります、此の修正案に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/31
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032・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 御異議ないと認めます、次に此の修正の點を除きまして、衆議院送付、原案の通り議決致しますことに付て、贊成の御方は起立を願ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/32
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033・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 全會一致でございます、仍て是は衆議院送付案の通り、只今の修正案を除きまして、可決に相成りました次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/33
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034・堀切善次郎
○國務大臣(堀切善次郎君) 只今の御決議に依りまして、御修正の點は非常に合理的になりまして、誠に御同慶に存ずる次第であります、尚其の他の點に付きまして、私は色々と率直に申上げて居つたのでありますが、併し兩院の決議がさう云ふ風に出來まする以上は無論それを尊重して、それに從ふべきことは、「デモクラシー」の本旨から致しまして、當然のことと考へて居ります、それに依りまして出來るだけの力を致したいと思つて居ります、此の委員會に於きまして皆樣から色々と御述になりました御意見、御希望に付きましては、十分に之を尊重して、具現して參る積りであります、尚此の機會に皆樣方にも御願を申上げて置きたいと思ひますことは、此の選擧法が幸に衆議院の方とも協調が出來まして成立致しますれば、此の劃期的の大改正が行はれますと、選擧の實務に最近の機會に當らなければならないのであります、此の選擧法の法文を印刷する暇もない位の間に、全國一萬一千の市町村、十萬に近い警察官、是が新しい法規を運用して行かなければならないことになる譯でありまして、是等のことに付きまして、事務當局と共に、主務省と致しましては、非常に苦心を致して居ります、私共は有らゆる努力を盡しまして、此の圓滿、圓滑なる運營を期するやうに全力を盡す次第であります、何と申しましても、只今のやうに印刷にも手間が掛り、改正法が市町村長の手許に屆く迄にも或暇が掛るのだらうと思ひますが、警察官も法文を見る迄に相當の暇が掛ると思ひます、其の間に一方選擧運動が直ぐ始つて參ります、さう云ふやうな關係で非常に私共も苦心して居る次第であります、どうも出來上ります改正選擧法の圓滑なる運營に付きましては、尚色々な機會に於きまして皆樣方からも特別の御援助を仰ぎたいと、此の機會に御願を申上げて置く次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/34
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035・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 此の際、昭和十三年法律第八十四號中改正法律案、昭和二十年勅令第五百三十七號、之を問題に供します、別に御質問もないやうでありますから、直ちに討論に入ります、別に御發言がございませぬければ、採決致します、昭和十三年法律第八十四號中改正法律案は原案の通り可決と致しまして、昭和二十年勅令第五百三十七號は承諾を與へることで、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/35
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036・林博太郎
○委員長(伯爵林博太郎君) 御異議ないものと認めます、之を以て散會致します
午後二時二十四分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/36
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037・会議録情報4
出席者左の如し
委員長 伯爵 林博太郎君
副委員長 男爵 渡邊修二君
委員
公爵 徳川家正君
侯爵 佐佐木行忠君
侯爵 淺野長武君
關屋貞三郎君
子爵 大河内輝耕君
子爵 伊東二郎丸君
子爵 富小路隆直君
子爵 水野勝邦君
子爵 京極高鋭君
小原直君
安井英二君
川村竹治君
男爵 伊江朝助君
田口弼一君
男爵 松平外與麿君
男爵 中御門經民君
男爵 北大路信明君
中川望君
山岡萬之助君
丸山鶴吉君
瀧正雄君
三橋四郎次君
山隈康君
齋藤万壽雄君
奥主一郎君
國務大臣
内務大臣 堀切善次郎君
政府委員
内務省地方局長 入江誠一郎君
内務書記官 鈴木幹雄君
同 鈴木俊一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008901525X00319451214/37
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