1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○農業團體法中改正法律案
○水産業團體法中改正法律案
○戰時森林資源造成法中改正法律案
○蠶絲業法改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=0
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001・会議録情報2
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委員氏名
委員長 伯爵 徳川宗敬君
副委員長 男爵 淺田良逸君
侯爵 大炊御門經輝君
侯爵 大久保利謙君
子爵 加藤泰通君
子爵 入江爲常君
子爵 土屋尹直君
村上恭一君
安井英二君
白根竹介君
黒崎定三君
男爵 佐竹義履君
男爵 島津忠彦君
男爵 倉富鈞君
橋本清之助君
合田健吉君
米原章三君
片倉兼太郎君
渡邊甚吉君
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昭和二十年十二月十五日(土曜日)午後一時四十一分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=1
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002・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) それでは是から農業團體法中改正法律案外三件の特別委員會を開きます、皆樣に御諮り致しますが、今日農林大臣は他の委員會へ御出席中で此方においでになれないと云ふことでありますが、政府委員より法案の御説明を願ふことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=2
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003・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) 御異議がなければ政府委員より法案の御説明を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=3
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004・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 只今委員長より御話のありましたやうに、農林大臣は農地法の委員會に出席致して居りますので、私より農業團體法中改正法律案外三件の提案理由の御説明を申上げたいと思ひます、先づ農業團體法中改正法律案に付て御説明申上げます、農業團體法中改正法律案及水産業團體法中改正法律案の提案理由に付ては、先程本會議に於きまして、大臣より大體御説明申上げましたので、茲には法律改正の内容に付きまして、其の主なる點を御説明申上げたいと存じます、先づ農業團體法に付て申上げますが、第一點は農業團體の性格に關してでありまするが、從來の規定に於きましては、農業團體の目的は、農業に關する國策即應機關たる旨を強調し從つて其の行ふ事業に付きましても、法律上の必行事業と、任意事業とを區別して參つたやうな次第でございます、此の點に付きましては、改正法案に於ては、團體が行政官廳の別働團體たるが如き觀念を改めまして、眞に其の自主的活動を本義とする團體たるの趣旨を明かにし、從つて之を以て爾餘の改正の基底と致したのであります、第二點は役員の構成に關することでありますが、從來農業團體役員と致しましては、法律上會長、副會長及理事の區分が設けられて居りましたが、役員中會長が農業團體の代表者で、又業務を處理することになつて居り、又會長は行政官廳の認可を得て、自ら副會長、理事を選任し、或は解任するの權限をも有する等會長中心主義が強調せられて居つたのでありますが、斯うした會長中心主義に基く役員制度は之を廢しまして、一般法人に於けると同樣に各個に代表權を有する數名の理事を置いて、其の合議制に依り業務を處理せしめることと致したのであります、第三點は役員の選任方法でありますが、此の點は御承知のやうに從來は行政官廳が會長を任命し、或は副會長以下の役員選任に付て認可制度を採つて居り、之が農業團體を目して官製的なりとする最も大きな理由であつたのであります、之を改めまして、專ら會員の意思に依り自主的に選任せしめることと致したのでありまして、特に市町村農業會の理事に付きましては、會員の意思が十分に反映することを得るやう會員に依る直接選擧の方法に依ることと致したのであります、併しながら選擧の結果に關しましては、或は是は極めて例外的になるかと思ひますが、常勤して業務を執り得る理事、即ち事業體の經營者としての適當な理事を得られぬ場合も起つて參らうかと云ふ懸念がありますので斯かる場合には、選擧に依つて選任された理事、全員の承認を得て別に一名の理事を選任し得るの道を開いたのであります、勿論此の理事の選任方法に付きましては、豫め會則に於て定むることと致して居ります、道府縣農業會理事の選任は其の總會に於て行ふことになつて居りますが、是は其の總會が市町村農業會の會員の意思を十分反映した代表者に依つて構成されることになつて居りますので、其の選任の方法を簡素ならしむる趣旨よりも、それで十分であると考へたからであります、此の點は全國農業會の場合も同樣であります、第四點は農業團體に對する行政官廳の監督を必要最小限度に留めまして、他は之を縮減又は廢止し、團體の自主性を尊重すると共に、之に依る事務的繁瑣より出來るだけ解放することと致した點であります、役員の選任に關する任命制及認可制等を廢止致しましたことは、先に申上げた通りでありますが、其の他の主なる改正點を申上げますと、即ち農業者の爲の福利増進事業の開始、二が各種附帶事業の開始、三が任意會員たる資格を有する法人の加入、第四は賦課金の賦課徴收方法に關する議決等に關する行政官廳の認可は之を不要と致します、又行政官廳の權限中市町村農業會の會員又は會員以外の者に對して爲す統制規定の服從命令權は之を廢止しまして、更に法令會則に對する違反公益侵害の場合に於ける役員の解任權は、之を役員の改選を命じ得る權限に改めたのであります、最後に現行法制定當時中央團體として設立致しました中央農業會及全國農業經濟會は、御承知のやうに、先に國家總動員法に基く勅令に依り合併して戰時農業團、其の後名稱を變更して全國農業會と云ふ單一の全國機關に改組されたのでありますが、此の全國農業會を本法に依る團體に改めることと致しまして、之が爲必要なる規定の整理を致したのであります、從つて今後は農業團體法に依る團體は市町村農業會、道府縣農業會及全國農業會の三種となる譯でございます、尚此の外農業團體の自主化に附隨致しまして、若干の改正を致して居るのであります、次に水産業團體法中改正法律案に付て申上げます、本法律案は其の改正の内容に付きましても、只今申上げました農業團體法中改正法律案と殆ど同樣でありまするので、異なる點だけ申述べまして、詳細は省略さして戴きたいと存じます、即ち水産業團體の性格、役員、構成に關しましては、農業團體法の改正と全く同樣と致したのでございます、役員の選任方法に付きましても、從來の如き會長中心主義に基く選任方法を改め、總會に於て選任することに改めましたのは、農業團體の場合と同樣でございます、唯異なる點は漁業會の理事に付きましても、總會の選任に依ることと致したことでございます、是は漁業會の地區が概して狹小であり、且會員數も亦僅少でありまするし、又漁業生産は其の性質上共同して行はれる場合が普通であり、從つて會員は平素から役員の適任者を熟知する機會が比較的多いと思はれます、從つて總會の運用さへ宜しければ、適格者を選任すると云ふ目的を十分達し得ると存ぜられまするので、選任方法を簡素ならしむる趣旨をも考慮致しまして、直接選擧制を採用しなかつた次第でございます、水産業團體に對する行政官廳の監督を必要最小限度に止めて、外は之を縮限又は廢止し、團體の自主性を尊重すると共に、之に依る事務煩瑣から出來るだけ解放することと致しましたのも農業團體の場合と略略同樣でございます、以上述べましたのが改正案の主なる内容でございまするが、之に依りまして團體の濶達なる自主的活動の基礎を與へ、現下の困難なる食糧事情打開の爲、其の積極的な活動を促進して參りたいと存じて居る次第でございます、何卒十分御審議の上速に御可決下ざらむことを御願ひ致す次第でございます、次に戰時森林資源造成法中改正法律案の提案理由を御説明申上げます、改正の趣旨の大體に付きましては、本會議に於て申上げましたので、茲には法律改正の内容に付きまして、其の主なる點だけを御説明申上げたいと存じます、改正の第一點は、法律題名より「戰時」を削ることとするものでありまして、改正の第二點は、第一條中「大東亞戰爭に際し」及び「戰力化の徹底」と云ふ文字がありましたのを、其の字句を削ることに致したのでございます、改正の第三點は第七條中第一項を新たに追加致しまして、第五條の規定に依りまして、造林命令を爲し、又はそれに基きまして代執行等の行政處分が爲されて居ります際に於きまして、森林所有者の變更がありました場合には、當然に是等の行政處分の效果が新たなる森林所有者に及ぶことを法文の上に明かにしようと致すものでございます、本改正は以上の如く、終戰の事態に即應する法文字句の修正を主とするものでありまして、本法の實體たる證券發行に依る造林の奬勵に付きましては、戰後益益其の重要性を認められるものがありまして、本改正法律案の御可決を得ました上は、速に之を實施して森林資源の造成を圖りたいと存ずるものでございます、何卒御審議の上速に御可決あらむことを御願ひする次第でございます、更に最後に蠶絲業法改正法律案の提案の理由に付きまして御説明申上げます、本法案の主たる内容は、第一は日本蠶絲統制株式會社の解散及び之に伴ふ善後措置であります、日本蠶絲統制株式會社は、蠶絲業統制法に基き設立せられまして、蠶種、繭及生絲の一手買入及賣渡竝に繭絲價格の安定施設等、斯業統制の中樞機關として運營致して參つたのでありますが、今般御承知の如く、聯合軍最高指令部よりの指示もあり解散致すことと相成つたのであります、之に伴ひまして、現在同社の保有致して居りまする蠶絲價格安定資金に付きましては、本施設の目的と由來とに鑑みまして、同資金は目下關係蠶絲業者に於て設立の準備を進めて居りまする蠶絲業新團體に之を繼承せしむることと致しまして、其の際税法上特別の措置を講ずることと致したのでございます、又日本蠶絲統制株式會社の性質に照しまして、其の清算に付きましては、所要の行政上の監督を致すことと致したのでございます、而して統制會社の解散に伴ひまして、蠶絲業統制法は其の大半の目的を喪失致しましたので、之を廢止することと致し、同法中蠶絲の需給調整又は輸出の振興上必要なる命令、繭の檢定及生絲檢査竝に蠶絲業の企業許可に關する規定等は、之を本案中に移しまして、輸出向生絲の増産竝に其の確保等、現下に於ける蠶絲業の目的達成を圖つて參ることと致したのであります、第二は蠶絲團體制度の整備でございます、戰時中に於ける蠶絲業統制機構は、之を廢止致しますると共に、今後に於きましては關係業者の自由且活溌なる自主的運營に依りまして、蠶絲業の秩序ある發展を圖ると共に、國家の期待致しまする要請を果して參らねばならぬのであります、此の目的の爲に、新たに蠶絲業に關する指導奬勵及統制を行ひますと共に、當面輸出生絲確保の爲にどうしても必要である生絲の統制賣買をも行ふ所の蠶絲業會の制度を設くることと致したのでございます、此の團體は先に申しましたやうに、目下業者間に其の設立の準備を致して居るやうな次第であります、又此の團體が成立致しますると、自然蠶絲業組合法に基きます日本中央蠶絲會も其の存在の理由を喪失することになりますので、是は解散致すことに致したのでございます、第三は、原蠶種管理制度の改正でございます、御承知のやうに從來原原蠶種の製造配布は、政府以外には出來ないことになつて居るのでありますが、管理法施行以來既に十年、今では蠶種業界も面目を一新致して居りまして、同法は一應其の目的を達成致しましたこと、竝に今後急速に優良蠶品種の發見及び其の普及を促進する爲には、民間に於ける優良原原蠶種の選出育成者に對しまして、其の製造配付を爲し得ることに致して參ることが適當と認めまして、其の改正を致しました、同時に民間發見の優良品種に付きましても、其の普及を確保する意味に於きまして、原原蠶種の選出育成者に其の公開に應ぜしめますと共に、政府に於きましても選出育成者より蠶品種の提出を求め、原原蠶種の製造配付を爲し得ることと致したのであります、尚從來の如き原蠶種の讓渡の禁止は之を廢し、自由と致すことと致したのでございます、第四は、蠶種業制度の改正であります、從來蠶種の製造業は地方長官の免許する所となつて居たのでありますが、蠶種製造業の現状と今後蠶種の需給は之を全國的に勘案するの必要に鑑みまして、今囘其の許可を地方長官より主務大臣に移すことと致したのであります、次に蠶種の檢査制度でありますが、現在蠶種は原則として都道府縣に依る官行檢査に依り、例外的に業者又は其の團體の自治檢査を認めて居りますのを、今後は廣く自治檢査を認むることと致しまして、別に新たに都道府縣の監督檢査の制度を設けようとするのでございます、以上が本法案の大體の骨子とする所でありますが、蠶絲業は農村經濟の重要なる一環をなします養蠶業を始めとし、蠶種、製絲、輸出等、之に關與する部面は誠に廣汎でございまして、我が國産業中最も特異にして且主要なるものでございます、今後は更始一新關係業者の協力一致に依りまして、安定したる基礎の下に其の囘復發展を圖つて、以て我が國經濟再建の爲、斯業に與へられた使命の遂行に萬全を期したい所存でございます、何卒御審議の上速かに御可決あらむことをお願ひ致す次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=4
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005・片倉兼太郎
○片倉兼太郎君 此の四法案の中で農業團體、水産業團體、戰時森林資源造成法の如きは、全部法律案として改正するやうなことに存じて居るのであります、蠶絲業改正法律案は、まあ總て古きを捨てて新しきに就くと申しませうか、改正せられるやうなことになつて、全部新しく拵へるやうなことになつて居るのでありますが、之に付きまして此の法律案を拜見致しますと、命令事項が約二十ばかりあるのでございます、勅令事項が十近くあると思ひますので、此の命令する範圍と申しますか、程度と申しますか、伺つて置きたいと存ずる次第でありまするので、既に會期も少くなつて居りますから前に申上げて置く方が御當局としても御都合が宜しいと存じますから、此の際さう云ふ風に願つて命令事項の程度、範圍、勅令事項のことも併せて伺へれば非常に仕合せと存じます、書いたものを戴ければ尚仕合せと存じますので、御願ひ致して置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=5
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006・山添利作
○政府委員(山添利作君) 命令事項に付きましては、書いたものを參考資料としまして差出したいと思ひますが、大體御指摘になりましたやうに、命令が非常に多いのでありますが、此の内容は何れも技術に亙ることが多いのでありまして、其の意味に於きまして色色細かい規定を置きたいと存じて居ります、又團體制度に付きましても、是はもう團體組織に關する謂はば在り來りの規定でございますが、さう云ふものも勅令で置きたいと考へて居ります、新しくそれでは從來と違つてどう云ふ命令を出すかと云ふ點に付きましては、輸出生絲の確保に關する事柄でありまして、食糧の見返り物資として生絲を出しますことは、もう申す迄もなく御承知の點でございますが、生絲を自由に致して置きますれば、恐らく殆ど大部分を國内で使つてしまふと云ふことにならうと存じますので、どうしても輸出の爲に所要の數量を確保する、此の意味に於きまして繭から生絲に至ります迄、輸出向生絲、之を確保するやうに措置を講じたいと考へて居ります、それだけが本法に基きまして出します新しい命令であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=6
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007・片倉兼太郎
○片倉兼太郎君 今御話のは配つてありませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=7
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008・山添利作
○政府委員(山添利作君) 差上げるやうに致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=8
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009・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) 此の際御諮り致しますが、參考資料其の他に付きまして御要求の方は豫め御申出の方が御便利かと存じますので、若し御必要の方がございましたら此の際御申出願ひたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=9
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010・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 農業團體法の關係に於きまして、命令事項は極く簡單でありますので、甚だ恐縮でございますが、御手許に差上げてございます新舊對照表と云ふ參考書が出て居りますので、それを御覽願ひながら御説明申上げたいと存じます、今囘の改正法律案で命令と云ふ字が入つて居りますのは、第十五條の第一項の但書を改正致しまして、但書に於て、「但し其の者が法人なるときは命令を以て定むるものに限る」と云ふ風になつて居るのであります、此の十五條の規定は、市町村農業會には當然會員と任意會員とがございまして、當然會員と申しますのは、第十四條の一號から三號迄でございますが、是は農業を營んで居ります者、それから地主等の土地を有して居られまする者、それから三號としましては農業者に準ずる者と致しまして、是は勅令に現行法で規定されて居るのでありまするが、孵卵業者或は荒茶の製造業者とかさう云ふやうなものが當然會員になつて居るのであります、十五條の方は任意會員として以下の者は其の意志に依つて市町村農業會の會員となることが出來ると云ふので、現行法に於きまして但し其の者が法人の場合には「命令を以て定むる」、法人と云ふことで、此の法人に付ては現在と變らないのであります、今囘改正されましたのは、現行法で法人の場合には行政官廳の認可を受けたものに限る、と斯う云ふ風に認可制度になつて居りまするのは、先程政務次官から御説明申上げましたやうに、行政官廳の權限を極力減少致しまする爲に、此の認可制度を採つたのであります、そこでそれだけが改正で、命令を以て定むる法人と申しますのは、現在通りでありますが、御參考迄に申上げますと、それは産業組合とか漁業會とか漁業組合、負債整理組合、斯う云ふやうな法人であります、此の點は法文の規定と致しましては、現在通りであつて變つて居りませぬ、それから實質的に新しい事項として加はりましたのは、第二十八條の改正でございます、第二十八條に於きまして、現在は市町村農業會には會長、副會長、理事と云ふ制度を設けられて居りましたのを、今囘は一切それを一般の民法の方針並みに理事と云ふ制度に致したのであります、さうして會長、副會長等必要があれば其の理事の中で以て互選をする斯う云ふやうな制度にしたのでありますが、茲に改正致しました二十八條の一項に「命令の定むる所に依り會員の中より會員之を選擧す」此の命令に於きましては、直接選擧でありますので、選擧の方法とか或は選擧人名簿とか、選擧の管理者でありますとか、異議の申立でありますとか、さう云ふやうな選擧の方法に付きまして、命令で規定致したいと考へて居るのであります、それから次は附則でございますが、附則の第一條の勅令は是は申上げる迄もなく、施行期日に關する勅令であります、御協贊を得まして、公布されますれば、出來るだけ早く此の施行期日を決めたいと思つて居るのであります、附則の第三條で、此の理事の選擧又は選任は命令を以て定むる期間内に之を爲すべしと云ふ風になつて居ります、此のことは現在は農業會の會長は行政官廳が之を任命を致しまして、其の會長が所謂「フューラーシステム」と申しますか指導者原理に依りまして、會長が理事を選任致しまして、其の選任に付て、行政官廳の認可を受けることになつて居りますのを、今囘は一切行政官廳のさう云つた任命とか、認可の制度を止めまして、總て公選主義に致す譯でありますが、此の選擧を致します場合に於て、是は農業會は系統的に團體が出來て居りまして、是も御手許に參考資料として圖表を差上げて置きましたが、第一番目には市町村に農業會がございまして、是が道府縣區域で以て道府縣農業會を設置致しまして、此の道府縣農業會が全國農業會を設置致して居るのであります、そこで公選主義になつて參りますると、選擧を道府縣以上は選任でありますが、それを下から積上げて上の方に持つて來る必要がありますので、それぞれの團體に付て只今考へて居りますのは、大體市町村農業會では三月の末迄に理事を選擧するやうに、それから一月の餘裕を置きまして、道府縣農業會の理事を選任する、更に又一月の餘裕を置いて、全國の農業會の理事を選任する、斯う云ふやうな風に下から積上げて參りますので、其の選擧の期間と申しますか、最終の期日を此の命令で規定致したいと考へて居ります、最後にもう一つの勅令と致しましては、附則の第五條に勅令と云ふ字があるのであります、是は全國農業會が是も昨日御説明申上げましたやうに、現在は全國農業會令と云ふ總動員法に基きまして、勅令に依つて全國農業會が設立されて居るのでありますが、今囘は此の團體法の中にそれを織込むことになりますので、根據法が違つて參りました關係上會則とか其の他に付ても變更をしなければならぬ場合が出て參りますので、其の手續を此の勅令で規定する、斯う云ふ風に致したいと考へて居るのであります、御審議の御參考迄に以上御説明申上げた次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=10
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011・笹山茂太郎
○政府委員(笹山茂太郎君) 水産業團體法中改正法律案に依りまして實質的に命令事項に讓つて居る點はありませぬ、唯附則に於きまして、只今農業團體法に付て申されますと同樣に、最初の理事選任は命令を以て定むる、云々と云ふことになつて居ります、尚其の他附則の第四條に、此の法律施行の際に於ける經過的規定と云つたやうなものを勅令に讓つて居る、此の二點であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=11
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012・村上恭一
○村上恭一君 參考として御願ひしたいのでございます、蠶絲業法改正法律案に付きましては、新舊對照を戴いて居らぬやうであります、茲に付議されて居ります他の改正法律案の新舊對照は一揃戴いて居るやうに見受けます、單り蠶絲業法改正法律案だけは新舊對照がまだ私の手許に參つて居らぬやうであります、若し御用意がありますれば頂戴致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=12
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013・山添利作
○政府委員(山添利作君) 蠶絲業法改正法律案は全文改正を致しましたので、實質的に申しますと、實は今の蠶絲業法は廢めたと同じことにして居る譯であります、其の意味に於きまして實は新舊對照を作つて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=13
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014・白根竹介
○白根竹介君 農地調整法中改正法律案の中に、大分市町村農會が云々と云ふことがありますが、其の法律と農業團體との關係はどの位の點にありますか、具體的に御話を願ひたいと思ひます、ちよつと見た所では、農地調整法中改正法律案の第四條に、市町村農會其の他命令を以て定むる團體と云ふことがありまして、市町村農會は今度の農地調整法で相當重い仕事を取るやうなことになるやうに思ひますが、其の外にもまだ何かありますですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=14
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015・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 御答へ申上げます、農地調整法の改正法律に依りまして、今囘農業會が一つの役割を占めて居りますことは、是は御承知のやうに、地主から土地を買ひまして、其の土地を今度は自作農の創設の爲に配分して行くと云ふ仕事が市町村農業會の一つの仕事として、農地調整法の中に規定されて居るのであります、それ以外の仕事に付きましては、大體農地委員會と云ふ制度が市町村及道府縣にあるのであります、其の方で致して居るやうでありまして、農業會と致しましては、先程申上げました點だけのやうに私は承知致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=15
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016・白根竹介
○白根竹介君 此の農地委員會の方は委員の「メンバー」なんか農業會の役員とか、さう云ふ者は入ることが出來ないと云ふことになつて居るやうに思ひますが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=16
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017・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 農地委員會の「メンバー」は結局是は法律で規定されて居りまして、即ち地主代表の人から五名、それから小作關係の人から五名、自作農から五名、さう云ふ風に各業種別と申しますか──からそれぞれの中で選任した人々を五名宛合計十五名を以て構成して居る、斯う云ふやうな行き方になつて居りまして、農業會の會員とか、或は又役員とか、さう云ふこととは一應無關係に取扱つて居るやうでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=17
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018・白根竹介
○白根竹介君 さうすると、今御尋ねした農業會の役員は農地委員會とは無關係、觀念の上から無關係と云ふことになつて居ますが、町村に行きますと、さう人間も居ないことですからして、或は市町村農業會の理事が町村農地委員會の、何と云ひますか、委員になるやうな場合もあらうと思ひますが、それは差支ないのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=18
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019・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) さう云ふやうな場合もあらうかと存じます、其の點は別に拘束は致して居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=19
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020・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 ちよつと御尋を致しますが、食糧の逼迫して居ることは實に今日の問題でありまして、明日の問題とすることを許されない状態にあると思ひます、此の秋に方りまして、此の農業會の問題でございますが、現在の農業會と耕作者とは殆ど分離して居る状態にある所が多いやうに思ふのでございます、それで今度の役員の選擧制にしましても、役員の資格に付て何か制限を加へるやうな御考はございませぬのでせうか、私の試案と致しまして、團體の運營事務の適格性、又活溌性と云ふことは、其の理事者に人を得るか否かにあると思ふのでございます、從つて農業會の場合に於ては、其の理事者の資格として、必ず田及畑を實際に耕作して居り、實際にそれより供出責任を感じて居る者であると云ふことが主として一番必要なことだと思ひます、それからそれに附帶しまして團體の頭としての資格として、其の者が都會との關係があつて、配給面に於ても切實なる體驗を有して居る者でないといけないと思ふのです、從つて選擧制に依つて若し一村の小作人の如き程度の者が現れて供出面のみを體驗して居るものである場合に於ては、理事者として不適任だと思ふのであります、斯樣な適格なる人を得ると云ふ意味に於て、被選擧人の資格を何か制限せられる御考はないでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=20
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021・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 御答へ致しますが、只今御尋のやうな場合も起り得ると考へなければならぬと思ひます、が併し一面から考へますると、選擧に依つて適格者を得ると云ふ風に仕向けて參りまするならば、其の選擧人が總てのことに付て考慮してやることでございまするから、萬々御懸念のやうな者は出て來ないのぢやないかと、斯樣に考へるのでありますが、まあ併し御懸念のやうな者が假に出て參りまして、團體の運營とか、或は行動と云ふことに付て公益上、或は其の他社會上非難すべきやうな行動がありました場合には、他の罰則、或は其の他の規定に依つて救濟の途も開かれて居りますので、只今の所被選擧人の資格を制限して、或は又定めて置かうと云ふやうな考は有つて居りませぬでございます、要するに選擧に依つて適當な者が得られるだらうと、斯樣に考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=21
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022・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 それに關聯しまして、社會の公益を害すると云ふ程度に至らずして、唯實際の生産上其の理事者では不適任だと思ふ程度の場合に於きまして、此の理事の任期を三年、監事の任期を二年とするのは、今の逼迫して居る食糧事情の解決上、若し不適任者である場合に、餘りに長きに失するやうに思ひますが、さう云ふことはございませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=22
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023・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 任期の點に對する御質問でございますが、色々考へましたのでございますが、又餘りに短期に致しますると云ふと、何と申しまするか、能く官吏、殊に地方長官なんかに付て更迭が頻繁で、其の縣若くは道府縣に於ける事情に精通しない中に送つて行くので、其の仕事に付て支障を生じて誠に困ると云ふこともあり、是は地方長官と團體の役員とは別個でありますが、夫是れさう云ふやうな事情を綜合、勘案致しまして、大體是位の年數を適當としやしないか、是位の年數ならば仕事にも馴れ、又會員との融和と申しますか、繋がりと申しますか──と云ふことも出來て宜くないか、餘りに半年とか、一年とかと云ふことに致しますと、折角信用も得る、又仕事にも馴れて來ると云ふ場合に送つてしまふと云ふやうな弊害も伴ひますので、夫是れ色々考へまして定めましたやうな次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=23
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024・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 實際問題としまして選擧制度に此の際改めるとしましても、從來の役員が再び理事及監事に選擧せらるる處があるやうに思はれますが、それでは折角の農民解放と云ふやうなことの趣旨に反するやうな結果に陷りやしないかと私は思ふのでありますが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=24
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025・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 御答へ致します、御質問の要旨は再選の場合に、餘りに任期が長くなりはしないかと云ふ御尋でございますが、其の點も實は考慮致したのでありまするが、併し團體の構成員たる會員が誠に適任であるとして再選致すやうな場合には、是は寧ろ會員の意思を尊重して再選も妨げないと云ふことにした方が、却て團體が圓滿に事業を遂行して行く上に於て宜いのではないか、斯樣に考へまして再選の場合には之を認めると云ふことに致しました、要するに會員が、前の任期間に於て非常に成績を擧げた、人物も良い、手腕力量もある、斯う云ふやうな人に又再びやつて貰ひたいと云ふやうな信頼を得て、何等の過失もなくやつて來た者ならば、再び之を勤めさしても弊害は無論ないのみならず、會員、所謂選擧人の意思を尊重すると云ふ意味からも適當であらう、斯樣に考へまして現行法のやうに定めましたやうな次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=25
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026・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 現在に於ける農業會の財政状態に於て、其の前の農會から引續いて居る整理問題等の殘つて居る會があるやうに思ひますが、それでは新しく選任された理事が出來ましても、事務の活溌なる取扱をすることが出來ないやうに思ひますが、して見ると、是迄の農業會を現在の會長に整理を委ねて、全然明日から新しい會を組織して事務をやらす、さう云ふ方法を採らなければ、今日の問題である食糧問題は解決しないやうに思ひますが、如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=26
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027・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 便宜私から御答申上げます、農業會は御承知のやうに、農會、産業組合、其の他の團體を統合したのでありますが、大體一萬に近い農業會の設立命令を出しまして、統合の完了致して居りませぬのは、全國で十四ばかりであります、是は色色の理由もございますが、大體是等未完了の團體は、主として東京都下の離島でありますとか、或は北海道の極く一部の地方でありますとか、さう云ふ所で特殊の事情に因る所のものが多いのでございまして、大體は完了を致したのであります、前には只今御述べになりましたやうな、産業組合なり、農業會ではさう經濟事業を行つて居らなかつたのでありますから、財政上の問題と云ふものは大した問題はなかつたのでありますが、産業組合の方で經濟事業を行つて居りました關係上、色々の問題があり、其の爲に統合が遲れたやうな事例も統合當初にはあつたやうであります、併し是も只今申しますやうに、離島關係等を除いては全部完了をして居る、寧ろ農業會の財政の問題と申しますのは、是もちよつと御參考迄に申上げて置くのでありますが、前の農會の仕事としてやつて居りました指導事業、それから、産業組合等がやつて居りました經濟事業、大體大きく分けますと農業會の事業は指導統制事業と經濟事業に分れる譯であります、さうして此の統制事業に付きましては、是は農會時代から左樣でございますが、其の費用は會員の賦課金を以て充てる、同時に最近の如く、色々國家の施策、特に増産供出に關する施策に付きましては、人件費を付け、又色々の事業の費用を付けて、上から下へ流して行くと云ふことになりますので、大體は賦課金と國の補助金なり助成金、或は委託の費用とか云ふもので賄つて行くことになる譯であります、唯指導事業と致しましては、大體は今申しますやうな助成金の裏打があるのでありますが、併し團體本來の仕事としての事業もある譯であります、其の場合に賦課金を事業が膨張致しましたからと云つてさう無暗に殖やす譯には參らぬと云ふ關係が出て參りますので、結局此の財源の一部を經濟事業の益金で賄つて行く、斯う云ふことになつて居るのであります、經濟事業はそれではどう云ふ仕事かと申しますと、購買事業、販賣事業、利用事業、信用事業、斯う云ふことになつて居ります、そこで是等の事業の事業益と言ひますものは、是も從來公定價格制度、それから信用事業に付きましては、金利の公定と云ふやうなことから致しまして、さう多くを期待出來ない、さうかと云つて、先程申しますやうに、賦課金を殖やす譯に行かぬと云ふことから、經營が相當苦しいと云ふやうな農業會も全國の中にはあらう、斯う云ふ風に考へて居るのでありますが、從つて斯う云ふものに付ては、色々加工事業をやらせますとか、或は寧ろ公定價格の決め方に於てそれ相當の合理的の手數料を見てやる、斯う云ふやうな色色な施策を講じて、財政が豐か迄とは行きませぬでも、兎に角やつて行けると云ふやうな方向に向けて行かなければならぬではなからうか、斯う云ふ風に考へて居る次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=27
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028・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 供出物の代金を振替貯金に入れられます關係で、農業會が直接他の澱粉事業等の仕事をして居る場合、動もすると對等に話の出來ない小作人達は、農業會が利子稼ぎをして居ると云ふやうなことを申すのでありますが、供出代金を成るべく早く供出者に渡す、さうして生産意慾を起させる、誤解を招かないやうにする、さう云ふやうなことを改正する御考はございませぬですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=28
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029・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 私から御答へ申上げます、振替貯金の制度は、實は趣旨を徹底させまするやうに隨分努力を致して居るのですが、稍稍誤解して居る向もあるやうに思ふのです、と申しますのは、農家としましては昔から販賣代金を一應神棚に上げるとか、さう云ふやうな向もある譯なんでありますが、併し一面「インフレ」防止と申しますか、戰時中貯金奬勵の觀點から致しまして、農業會の信用部に振替貯金をするのであります、併し是は振替貯金を致しました翌日からでも、會員は出さうと思へば出せるのであります、併し一應現金の顏を見ずに其の儘貯金帳の中に振替へられるものでありますから、結局据置貯金とか、或は定期貯金のやうな風に感じて、非常にそこにぎこちない氣持を持つやうであります、從つて趣旨はさう云ふ趣旨ではなくて、唯「インフレ」防止と同時に、それだけの資金も、現實に金も動かさずにそれだけの效果が擧がる譯でありますから、只今申しますやうな振替貯金の方法で、勸めて居るのであります、從つて其の趣旨さへ能く會員の農家の方々に分つて戴ければ、さう云ふ誤解がないのぢやないか、そこで現實に農業會方面の人々、又會員の人々に對しましても、能く其の趣旨を徹底させるやうに努力致して居るのであります、只今の所、之に付て變へるとか云ふやうな意向を持つて居りませぬ、併し一般の強制貯金、或は規約貯金と云ふやうなものに付きましても、今後變革を見るやうな情勢にありますので、それ等と併せて此の問題も取扱ひませぬと、一方農民だけが特別な負擔を負ふやうな恰好であり、或は又特別の扱ひをすると云ふやうなことになりますと、其の方の心理的の影響と申しますか、感情的にも支障が生じて參りますので、それ等の點は他の方と一緒の歩調で以て進みたい、斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=29
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030・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 それに關聯して伺ひますが、實際の供出代金のみになつて居る農業會の貯金の増加状態は御調べになつて居りますか、實際問題として殆ど貯金にするものはなくて、直ぐ下げてしまふやうな状態ではありませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=30
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031・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 農業會の貯金の趨勢に付きまして御説明申上げます、是は市町村農業會の貯金増加の趨勢でございますが、昭和十三年の十二月から十九年の十二月迄、毎年同じ時期に於きまする貯金の状況に付て調査致したのでありますが、それに付て申上げますと、昭和十三年の十二月には十八億圓ございまして、十四年になりますと二十五億になりまして、十五年には三十四億、十六年は四十三億、十七年は五十八億、十八年は八十五億、十九年は百二十七億、そこで十三年の十二月を百に致しますと、十九年の十二月には六百九十六と云ふ指數を示して居るのであります、それから本年の八月に推定致した數字がございますが、之に依りますと百七十七億と云ふ風に増加致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=31
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032・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 只今伺ひました數字はそれは實際の供出物代金の數字でございますか、それとも農業會の所謂外の貯蓄の數字でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=32
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033・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 只今申上げました數字は實は貯金の源泉と申しますか、源泉別の調査を致して居りませぬので、結局市町村農業會の全體の貯金の増加の趨勢でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=33
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034・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 水産關係に付きまして御尋ねを致します……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=34
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035・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) 土屋子爵に申上げますが、水産局長は只今已むを得ない所用の爲に席を外して居られますから、後の機會に願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=35
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036・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 それでは森林資源に關する質問を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=36
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037・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) 宜しうございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=37
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038・土屋尹直
○子爵土屋尹直君 軍隊の伐採地跡の苗の植付でございますが、相當の補助金を殖して戴けるやうに伺ひましたが實際の問題と致しまして、各地方に軍隊の伐採地が非常にありまするので、來年の春になりますと苗の闇相場が非常に高くなると思ひます、現在に於て尋ねて見ましても、松苗一本五錢、去年の倍位の値段になつて居ります、四五年立ちの直接山へ出しまして宜いやうな松苗になりますと闇で二十五錢位のことを言つて居ります、それでは公定價格の助成金を戴いたのでは、植付が三年後にも、四年後にも、價格が下る迄待つて居たら植えられないのであります、そこで山を持つて居る人達は自分で以て苗を取りまして、苗圃に之を植付けて作ると云ふ方法をやり始めて居るやうでございますが、其の苗圃が畑に食糧の方の植付割當がございますので、苗圃がないのでございます、之に關聯しまして苗の交付に付て農林省で何か御用意がございますか、それを伺ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=38
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039・黒河内透
○政府委員(黒河内透君) 便宜私から御答致します、森林種苗の状況は今御話のやうな状況に私共も承知して居ります、唯今日迄の状態を率直に申上げますれば、食糧第一でございまして、何分にも苗の準備が出來て居りませぬし、又今日只今の状況と致しましても、急激に農耕地を潰しまして、そこに苗を作らせると云ふことは是又許されない状態であります、從ひまして本年及明年の森林の種苗と致しまして非常な不足な状態になるのでございます、それで之に對しましては造林の豫定に於きまして、本年竝に明年に於きましては急速なる増加は望まれない状態でございます、唯是も苗の準備に付きましては、明年度以降、造林と云ふことを大規模にやる計畫を以ちまして、各地方廳にそれぞれ用意を致させて居りまするし、又出來る限り財政の許す限りに於きまして、明年度以降の苗を大規模に育成させることに對しての助成を致して參りたいと、私共研究も致して居る次第でございます、苗の配給に付きましては、是は大體に於て地方廳に於きまして造林豫定、殊に苗床の面積と造林の面積とそれぞれ睨み合せて適當なる措置を執らせるやうに致して居る次第であります、農林省自身から全國的に向つての一貫的な配給統制と云ふ風には致し兼ねて居る状況でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=39
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040・入江爲常
○子爵入江爲常君 戰爭中木材が非常に澤山要ると云ふので、盛んに供出をさせられまして、其の値段は非常に廉い場合が多いやうに聞いて居りますが、將來も復興の爲に木材は益益伐られるだらうと思ひますが、一方是は農林省關係とは違ひますけれども、財産税とか、或は總ての税率が重くなつた場合に、森林を持つて居る人は實際は非常に廉い値段で出したが、それで税金は非常に高く取られると云ふやうな場合はないものでございませうか、それをちよつと伺ひたいのですが発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=40
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041・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 御質問の御要點がちよつと解し兼ねるのでございますが、戰時中に……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=41
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042・入江爲常
○子爵入江爲常君 詰り公定價で材木の供出をするとですね、非常に廉く無理矢理に買つて行く、それで造林業者は自分の子孫の財産に殘さうと思つて折角營々として造つて居るやつを無理に伐らされて、それで一つは樂しみがなくなる譯ですし、又矢張り戰爭がなくなつても將來どんどん伐らせると云ふことは起るだらうと思ふのであります、それで私其の邊能く存じませぬけれども、財産税とか或は何とかかける場合に、其の廉く供出したと云ふことを考に入れて御取りになるのでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=42
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043・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 御質問の御趣旨は戰時中に廉く伐採して提供した、其の後にも亦伐採して出さなければならぬ場合がある、さうして殘つて居る森林に對して財産税を掛ける場合に評價の標準を其の伐採當時のやうな廉い價格に見るか、所謂闇相場と迄行かぬでも、時價で見るか、斯う云ふ御尋でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=43
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044・入江爲常
○子爵入江爲常君 左樣なことでございます、農林省と筋違ひですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=44
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045・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 其の點に付きましては、財産税は總ての各什器迄含むと云つて居るのですが、併し其の具體的の場合に各什器を時價で見るか、見ましても、或は土地建物と見るか、さう云ふことに付きましては御承知の通り所管が大藏省でございますので、其の評價方法等に付きましては、唯私共と致しましても新聞で見た位の程度でございまして、まだ十分承知致して居りませぬのでございます、何れ後の機會に森林に付て、或は木材に付て、どう云ふやうな評價方法を採る積りであるかと云ふことを大藏當局と打合せ致しまして御答致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=45
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046・入江爲常
○子爵入江爲常君 それから蠶絲の方のことでございますけれども、蠶絲を澤山作らうと思へば當然桑園の面積も殖やさなければならぬことと思ひますが、そこで一方に食糧を増産しなくちやならぬと云ふことになれば、桑園の爲に使はれて居る地所と云ふものは食糧の方には廻らないのは當然でございます、方々へ行つて見ますと、山の斜面のやうな所の、蔬菜類や普通の、詰り食糧になり得べき植物が植えられないやうな所に自生して居る桑の樹が澤山あるのです、それで御茶の樹でも……、御茶を摘むには高い山の上へ摘みに行くのだらうと思ひます、高い所に茶の畠があるのでございますから、さうすると將來若し山とか斜面とか、普通の蔬菜類等の作れない所へ桑を作ることにすれば非常に合理的に行きはしないかと思ひますが、まださう云ふことをやつて居るのは餘り見ませぬけれども、さう云ふことは不可能なものでございませうか、若し可能ならさう云ふことをどんどん奬勵してやらせると云ふやうな御考はございませぬですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=46
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047・山添利作
○政府委員(山添利作君) 只今の御意見は大變私共結構のことだと存じて居ります、之を一つ今後殖やして參りますのには、どうしてもさう云ふ傾斜地と云ふやうな所に矢張りしなければならぬと思つて居ります、さう云ふ所に苗の確保をし、或は植えることの奬勵を致すのであります、さう云ふ際に御意見のことを十分採入れましてやつて行きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=47
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048・入江爲常
○子爵入江爲常君 是非御願ひしたいと思ひます、それから蠶絲とは、ちよつと變つて居るかも知れませぬが、以前岡崎地方で惠利蠶と云ふ、蓖麻蠶と云ふものを見たことがありますが、若し蓖麻が戰爭が濟みましても、潤滑油として蓖麻の油と云ふものは矢張り使ひ得るものと思ひます、さうすれば蓖麻は御承知のやうに鐵道の沿線でも、蔬菜類の出來ない所にも、隨分蓖麻は作り得るのでありまして、其の葉は開く所に依ると四十「パーセント」か、三十五「パーセント」か忘れましたが、或程度迄は取つても蓖麻の油の收量には左迄影響がないやうに聞いて居りますが、ああ云ふものが出來れば、絲も大變良しいやうですから、輸出品として普通の、現在の蠶の絲として企て及ばないやうな見返り物資が得られるではないかと思ひます、あれを殖やすのに從來の蠶種業者と、ちよつと何と申しますか、利害が衝突して居ると申しますか、さう云ふやうなことで餘り擴がらないやのことを聞いて居りますが、あの蓖麻蠶に付ては將來どう云ふことに爲さるか、御考をちよつと伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=48
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049・山添利作
○政府委員(山添利作君) 農林省と致しましては、特別に奬勵致したと云ふこともないのでありますが、御話のやうに鐘紡其の他でやつて居ります、又私の方の試驗場でもああ云ふものの研究は實は致して居るのでありまして、桑園が少い時に於きまして、出來るだけ蓖麻でありますとか、或は其の他の葉を以ちまして、ああ云ふものを飼つて行くことは適切であるやうに考へて居ります、別にあれが普通の養蠶の方と衝突することはございませぬ、何分あれは蟲が強いので、飼ひ易いのですけれども、其の葉がさう澤山ございませぬやうな關係から、餘り擴まつて居ないやうに思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=49
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050・入江爲常
○子爵入江爲常君 あれは聞く所に依ると蓖麻でなくとも、外の葉でも隨分惠利蠶が食べ得る植物があるやうに聞いて居りますが、さうではないのでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=50
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051・山添利作
○政府委員(山添利作君) 神樹とか云ふ樹の葉で飼ふことも出來るのであります、まあさう云ふ樹を街路樹にでも植えて蓖麻蠶でもやれば面白いことだと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=51
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052・入江爲常
○子爵入江爲常君 あれは少しやつたら如何かと思ひます、私の質問は終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=52
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053・加藤泰通
○子爵加藤泰通君 先刻政府委員から農業會の貯金と云ひますか、數字の御話がありましたね、甚だ恐縮ですが、もう一遍、仰しやつて戴きたい、或は何か印刷したものを頂戴すれば尚宜うございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=53
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054・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 簡單な數字でございますから、今もう一度申上げます、市町村農業會の貯金、是は全體の貯金でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=54
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055・加藤泰通
○子爵加藤泰通君 十三年頃以降の……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=55
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056・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 十三年の十二月から十九年の十二月迄、毎年致しました、先づ具體的の數字を先に申しますと、十三年が十八億、十四年が二十五億、十五年が三十四億、十六年が四十三億、十七年が五十八億、十八年が八十五億、十九年が百二十七億、指數で申しますと、十三年が百、百三十九、百九十、二百三十八、三百二十、四百六十八、十九年が六百九十六、斯う云ふ數字になつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=56
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057・加藤泰通
○子爵加藤泰通君 有難うございました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=57
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058・白根松介
○男爵白根松介君 市町村の農業會の貯金ですか …発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=58
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059・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) さうです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=59
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060・白根松介
○男爵白根松介君 今度農業團體法が改正になりまして、全國農業經濟會及び中央農業會と云ふものは自然消滅しまして、全國農業會になつた譯ですが、是は人も財産もそつくりそつちの方に移讓された譯ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=60
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061・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 此の規定は實は現在の農業團體法が出來ました時には、全國農業經濟會と、それから中央農業會と云ふ二つのものがあつたのであります、是が市町村なり道府縣なりの農業會は一本になつて居りますのを、中央へ來まして經濟事業と指導事業が分れて居る、其の爲に動もしますと、命令系統が、指令が二通りに分かれる、それから又全國農業經濟會の方は、前の産業組合系統でありまするし、中央農業會は前の帝國農會の農會系統であります、そこで此の市町村なり道府縣なりでも、色々御家風が出來ます迄は、前の統合した團體の氣分と云ふものが違つて居りまして、折角團體が出來ましても、統一がなかなか困難である、況や上の方が二つに分れて居りますと、指導が二途に分れまして、非常に迷惑すると云ふ強い要望がございまして、戰爭中に總動員法で戰時農業團と云ふものを作りまして、其の作りました際に、全國農業經濟會と中央農業會は解散をしたのであります、さうして其の二つのものが一緒になつて戰時農業團、斯う云ふものが出來まして、是は戰爭が濟みましたから、戰時農業團と云ふ名前はおかしいと云ふので、全國農業會と云ふことに名稱を變へたのであります、今度は此の改正の機會に又元の巣へ戻ると言ひますか、其の儘の恰好で人も財産も其の儘の恰好で戻る、一方の團體令を廢止しまして、こちらの方に織り込むと云ふので、實體としましては變らない譯でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=61
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062・大久保利謙
○侯爵大久保利謙君 第十條に飛びますが、「農業に關する國策に即應し」と云ふ文字を御削りになつたのは、どう云ふ意味でございますか、特別な意向でもございますか、農業の整備發達を圖ると云ふのも廣い意味の國策に入ると思ひますが、是は特別の理由で御削りになつたのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=62
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063・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 便宜私から御答へ申上げます、是は實は戰時立法の團體は、統制會社法も、それから統制組合法も、總て農業に關する國策に即應しとか或は商工業に關する國策に即應しとか云ふ斯う云ふ例文を用ひて居つのであります、併しそれにはそれ相當の理由がございました、是は今囘改正致しまする主要な點にもなつて居りますが、斯う云ふことを團體の性格の根本に致しまして、それから指導者原理の規定でありますとか、或は會長副會長の行政官廳に依る任命でありますとか、總て斯う云ふ所から根源を發して居るのであります、そこで所謂統制會社なり或は又此の農業團體に致しましても、官僚的と云はれ、或は官製團體であると云はれて居りますのは、斯う云ふ所を根源と致して居るのであります、尤も現在のやうな食糧事情の時でありますから、勿論農業會は此の食糧事情突破の爲に當然努力をして貰はなければならないのであります、併し考へやうに依りましてはそれが一番大事な國策でもある譯ですが、出來ました經過的の規定なりそれから又此の字句を基礎にしましての色々のものの統制規定なり其の他の指導者原理と云ふものがございましたので、此の際之をはつきりと拂拭すると云ふ斯う云ふ意味で此の規定を削つたやうな次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=63
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064・倉富鈞
○男爵倉富鈞君 之を能く拜見すれば當然分ることと思ひますけれども、全國農業會の役員の選任と申しますか、任命と申しますか、どう云ふことになるのでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=64
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065・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 全國農業會の役員は總會に於きまして選任すると云ふことになつて居りまして、是は今度の改正の二十八條でございますが、第二十八條の末項に「道府縣農業會の理事及監事は總會に於て之を選任す」と云ふ規定がございますが、此の規定を全國農業會に準用致して居ります、それで結局全國農業會には此の構成員でありまする道府縣農業會の代表者が集る譯でありますが、其の總會は理事及監事を選任する、斯う云ふ風なことに致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=65
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066・倉富鈞
○男爵倉富鈞君 其の準用の條文は何條でございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=66
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067・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 五十七條でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=67
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068・倉富鈞
○男爵倉富鈞君 今の此の農業團體法で以て從來の農村にありました各種の團體が統合されて、現在の地方農業會が出來て居りますので、さう云ふことを申上げてはどうかと思ふのでありますけれども、先づ多くの農業會の中にはまだ今迄の團體の氣風とか何とか云ふものが殘つて居りまして、必ずしもしつくり行つてないと云ふやうなこともあるやうな噂も時々聞くのでありますが、殊に昨今のやうな食糧問題其の他地方の農村の色々なことで農業會の受持つべき分野が非常に多いと思ふのであります、又各種の團體が統合されて今の農業會になりました結果、農業會の仕事も隨分色々多方面に亙つて居ると思ひます、まあ今度理事者の選任なんかも斯う云ふ風にして適正な人間が會員の總意に依つて選ばれると云ふことになればうまく行くかとも思はれるのでありますが、隨分今迄の状態では、必ずしも當局が狙つて居られた所が其の儘うまく行つて居ないと云ふやうなことも聞いて居るのでありますが、それ等に付て今後の何と申しますか、今の儘でうまく行くとは當然認めていらつしやることと思ひますけれども、中には又今のやうに仕事が多くちやどうだらう、地方の農業會の改組を何とか考へる必要があるのぢやないかと云ふことを言つて居る向もあるやうに聞いて居るのでありますが、如何でありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=68
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069・紅露昭
○政府委員(紅露昭君) 御答へ致します、只今御質問のやうな聲は農林省と致しましても時々聞いて居ります、又地方にも此の聲があるやうであります、矢張り今御指摘のやうな弊害も若干あるやうであります、が併し又之を改組致しまして、各業種毎に分離致しますと、御承知のやうに從來幾多の弊害がございましたので、此の統合した状態で、運營と申しますか、指導と申しますか、之に力を用ひて行くならば相當の成績を擧げ得るのではないかと斯樣に考へまして、又さう云ふやうな考を以ちまして、將來も行きたいと存じて居ります、從つて統合に際しまして、非難の起つて居りまする、又色色批評されて居りまする缺點に付ては、是正と申しますか、能く指導運營致しまして御質問のやうな弊害のないやうに努めて行きたいと思つて居ります、從つて今の所現在の統合した團體を改組してばらばらにする意志はないと斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=69
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070・村上恭一
○村上恭一君 農業團體、是は沿革的には嘗ての農會の系統に屬するものと思ひます、其の嘗ての農會は隨分古い歴史を持つものでありまして、全國にも普及して居ります、之には階級がありますが、最下級の市町村農會は最も近く民衆に接するものでもあります、從ひまして、其の重要さは或意味に於ては最も高いものであらうかと思ひます、殊に目下當議會に提案されて居ります農地調整法の改正規定に依りますれば、市町村農業會は更に重大なる使命を負はされるものと思はれます、其の市町村農業會は果して今日に於て、略略滿足すべき状態にありませうか、其の機構なり、經濟なり、運營なり、色々の觀點から見まして略略滿足し得べきものでありませうか、是は地方に依つて事情も違ふことでもありませうが、私共は往々反對の情報を耳にすることがないでもありませぬ、今日此の點に付て當局の方々はどう云ふ見解を御持ちになつて居るのでありませうか、市町村農業會が大體に於て滿足すべき状態にあると云ふやうな樂觀の考でありませうか、將又其の反對の悲觀の考でありませうか、若し悲觀の考でありとしますれば、之を改善するには、どう云ふ方策を執るべきであらうかと云ふやうな所に、相當な御考がなければならぬと思ひます、是は少々御答のむづかしい御尋であるかも知れぬと思ひますが、併し私共も如何にも懸念しまするので、不躾をも顧みず、斯樣な御質問をする次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=70
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071・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 私から御答へ申上げます、率直に申しまして、只今御述べになりましたやうな状態のものがあらうと思ひます、即ち言葉は惡いのでありますが、實は市町村農業會にもぴんから切り迄ございます、中には非常に良くやつて居られて、我々から見ましても理想的と思はれるやうな農業會もありますが、併し又一面から申しますと、此の農業會に是だけの仕事を背負はせるのはどうか、斯う云ふやうなものも無きにしも非ずと存ずるのであります、併しながら良い例を見まして、結局我々は、指導如何に依りましては、必ず農業會は良くなり得ると云ふ風に固く信じて居るのであります、尤も戰爭中に、御承知のやうに農業會に對しましては、色々の仕事、指導事業は勿論でありますが、經濟事業、經濟事業に付きましても、御承知のやうな松根油の生産なり、或は雜纖維をやり、其の他色々の仕事を、次から次へと農業會に委託したのであります、從つて良い農業會に於きましては、それをうまく捌いて行つて居りますけれども、惡いと申しますか、十分基礎の出來て居らぬ農業會には、相當に是は負擔になつて參つたのであります、良い農業會は別としまして、成績の擧らない農業會に付きましては、先程來御話がございましたやうに、團體は統合したけれども未だ御家風が出來て居らぬ、或は又技術員なり指導員と云ふやうな本當に農業會の中心になつて働く人が、應召なり或は又徴用されると云ふやうなことで、殘つた人だけで團體の世話を燒いて行くと云ふことになつて來ると、それでなくても、行政官廳の報告命令とか色々な負擔が掛かつて居りますので、其の報告に追はれて、農業會自身の技術指導なり色々の本來の仕事をやつて行く上に於て、手が廻り兼ねたと云ふやうなことから、段々榮養不良になつて來ると云ふやうなことも多かつたであらうと思ふのであります、そこで第一の御家風のの問題でございますが、是は先程も申上げたことでございますけれども、折角形だけを一方に作りましても、昔と同じやうな仕來りを上の方の團體に於て、或は又行政指導の面に於て執つて居りましたのでは、どうしても其の御家風が出來ませぬので、例へば指導事業と經濟事業に付て、或は又人に付て、又補助金に付て、別々の絲を引いてやつて居りましたやうなことを止めたとか、或は又中央の團體の二つを一本に致しましたとか、統一された團體に對して、名實共に之を一體になるやうな風に、上の方から、又側面から指導をして行くことにしたのであります、從つて御承知のやうに寄り集つた團體が御家風を作ります迄には、相當の時日を要するのでありますが、方向はさう云ふ方向で進んで居りますし、丁度團體統合が出來ましてから二年になりますので、もうそろそろ御家風が出來ても宜いのぢやなからうか、又是はさう云ふ風に指導を其の方向でやつて行きますれば、必ず良い御家風が出來るのぢやなからうか、斯う云ふ風に考へるのであります、第二點の戰爭中の色々の手不足の問題なり、其の他の點に付きましては、戰後の情勢に依りまして相當私は改善せられるのではなからうかと思ひます、人も歸つて參りまするし、寧ろ今迄上の方に向いて居つた目が下の方に向いて行くと云ふことに依りまして、相當農業會の仕事に力が入つて來るのではないかと思ふのでありますが、同時に從來行政官廳と致しましても、色々認可とか、報告とか、煩瑣な手數を掛けて居りましたのを省くことに致しますると、一層其の負擔が輕くなりますので、最初に申上げましたやうに、結局必ず良くなり得ると云ふことを團體自身も考へ、特に指導を致しまする我々の方に於きまして、さう云ふ確信を持つて其の方向で指導に熱を入れて參りますれば、必ず御期待に副ふやうな農業會が出來るのではなからうか、勿論只今は必ずしも全部が全部滿足すべき状態であると云ふことは決して申されないのは、誠に遺憾でございますが、將來の方向としては、必ずさう云ふ方向に向ひ得ると云ふ風に確信致して居る次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=71
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072・村上恭一
○村上恭一君 續いて御尋ね致しますが、茲に提案されて居りまする幾つかの法律に依りまして、それぞれ團體が成立するのでありまするが、是等の團體は法人とすと云ふことはそれぞれ法律に明記してありますが、其の法人の性格を伺つて置きたい、是は公法人でせうか、私法人でせうか、私法人なりとすれば、民法の規定が一般的に當然適用されると云ふ結果を生ずる次第でもありまするので、此の法人の性格を伺つて置きたいと思ひますが、如何でせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=72
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073・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 御答へ申上げます、法人の公法人なりや私法人なりやの性格に付きましては農業團體、水産團體、其の他の團體も私法人、斯う云ふ風になつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=73
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074・村上恭一
○村上恭一君 私法人ですね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=74
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075・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) はあ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=75
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076・村上恭一
○村上恭一君 さうしますと、私が伺ひましたやうに、是等の特別法に別段の規定のない事項に付ては、當然一般私法人たる民法の規定が適用される、斯う解釋して宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=76
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077・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 左樣でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=77
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078・村上恭一
○村上恭一君 先刻白根委員から御尋になつたことでありましたが、農業團體法に依りまする農業團體は、此の法律に依りますると、全國的の組織に於きましては、全國農業經濟會と中央農業會とになつて居ります、之を今囘の改正に依りまして全國農業會となりまする、嘗ての農會の時代に於きましては市町村農會、道府縣農會ですか、一時は郡農會と云ふものもあつたこともございますが、それから帝國農會、さう云ふものでありました、其の全國的組織の所を此の法律で二つに分けるのでありまして、それを又此の改正で一つに御戻しになる、此のことの理由に付きましては先刻來御説明を承りましたが、二本建になりましたのが昭和十八年三月の法律に依つてでありまして、此の法律が施行されたのはいつか存じませぬが、兎も角も其の施行以來今日迄二年餘りを經過して居るに過ぎないのであります、朞年ならずして此の改正を爲された、率直に申せば農業團體法の二本建が惡かつたのだと云ふことにもなるのでありませう、現在の當局の方々が其の非違を悟つて御訂しになると云ふことは結構と思ひます、過ちを改むるに憚る勿れでありますから、結構でありますが、唯私一個の懸念しまする所は、此の二本建がいけないのだと云ふ斷定を御下しになりますのに、僅かに二年餘りの經過では少し其の時間が短いのではないか、所謂朝令暮改の嫌ひがあるのではなからうか、勿論朝令暮改必ずしも、惡いことではないのでありますが、併し輕々しくそれをしてはならぬ、で果して二年餘りの實績に依つて、矢張り元の一本建の方が宜いのだと云ふことの確信を御持ちになつたのでありませうか、さればこそ斯樣な改正を立案されたものとは思ひますが、私の感覺に於きましては何かしらそこに割り切れないものを感じまするので、失禮ながら此のことを御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=78
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079・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 御答へ申上げます、先程白根委員さんに御答へ致しました私の説明が或は言ひ足りなかつたので、只今のやうな御質問を受けたかとも思ひますが、實は從來の二本建の團體は、此の法律が出來ました際に、それ迄一本のものを上で二つに分けたと云ふのではござませぬでして、御承知のやうに從來昔は農會と云ふものがございました、一方には産業組合と云ふものがございました、そこで農會の方は市町村農會、それから今御話になりましたやうに郡農會、道府縣農會、それから帝國農會と云ふ、此の系統がございました、それから産業組合の方は、是亦單位の市町村の産業組合、道府縣の聯合會、それから全國の聯合會、外に養蠶關係の團體とか、お茶の團體とか、斯う云ふものがございました、そこで團體統合の際に市町村なり、道府縣で、特に市町村で左樣でございますが、農民が色々の團體に入らなければならぬ、そこで經費も増嵩致しまするし、それぞれの團體で總會とか、或は何々會とかと云ふので、會合が多くて其の煩に堪へぬ、それから又同じ單りの農會に色々の、畜産の組合からも資金が行き、養蠶の方からも行くと云ふことで煩に堪へぬと云ふので、強い要望がありまして、市町村と道府縣は全部一本に致した、其の際に中央も一本にすれば問題なかつたのでありますが、どう云ふ事情か能く承知して居りませぬが、中央だけ殘したのであります、そこで下だけは一本にしたけれども上の方は一本にしないで殘した爲に、先程申しましたやうな色々の御家風を作る上に於ても弊害があり、それから又各系統で以て折角一本になつた單位の農業會に、上から行くと云ふことで、是はどうしても折角下が一本になつたから、上も一本にやらなければおかしいぢやないかと云ふことで、戰爭中に一本になつたのであります、從つて只今御述べになりましたやうな、前は一本のものを一遍二つに分けて、更に一本にすると云ふのではございませぬで、一本になる過程として中央のものだけが殘つて居つた、それを戰爭中に一本にしたので、其の儘の形で此の法律に出る、斯う云ふ風に致した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=79
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080・村上恭一
○村上恭一君 諄いやうでありますが、今のことに付て尚申述べます、今囘二本建が一本建になる、之を私が二本建が嘗ての一本建に戻るんだと云ふやうに申しましたのは、確かに私の認識の缺乏であります、只今の御答辯に依りまして能く諒解致しました、唯今の御答辯に依りますると、二年前に此の農業團體が出來まする時に、既に一本建にして宜かつたのではないでせうか、さうすべきものが其の當時何かの事情に依つて出來なかつたので、今囘其の當時の考へ通り、一本建にするんだ、斯う云ふ御心持のやうに了解されましたが、それで宜しいのでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=80
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081・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 結論は左樣でございます、そこで更に附加へて申上げますと、其の時に一本建になつて然るべきものが、ならずに二つとして殘つて居つた、處が戰爭中にそれが御互が一本になることを十分其の必要を認め、又地方の會員の農業會も特に痛切に其の點を感じまして、戰爭中にもう既に一本になつて居つた、それを今囘の法律の改正の際に此の法律の中に採り入れると云ふ經過になつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=81
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082・村上恭一
○村上恭一君 それはそれで了解致しました、次は先刻大久保委員から御質問になつた點でもございまするが、今囘の改正案に於きましては、幾多の條項で「國策に即應し」と云ふ文句を削除することになるのであります、其の理由としては先刻政府委員の御説明に依りますれば、一口に申せば戰時色を拭ひ去るのだ、斯う云ふことのやうであります、さうは仰しやいませぬでしたが、まあ私の考を以て、言葉を換へて言へばさう云ふことになります、さう申しまして恐らく間違ぢやなからうと思ひます、此の戰時色を拭ひ去ると云ふことは、平和の今日當然のことでありまするが、併し國策に即應すると云ふ、其の國策と云ふ言葉は決して戰時に特異なものではありませぬ、平時にも當嵌る、戰時には戰時の國策があり、平時には平時の國策があるに違ひないのであります、是等の團體はそれぞれの時代に於て國家の要請に即應すると云ふのが當然であります、之に反して是等の團體が國家の要請する所から遊離すると云ふことになりましては、是は實に國家的に由々しき大事だと思ひます、國策に即應しと云ふ文句が法律から消えますると、是等の團體は何ももう國家の要請に即應する必要はないんだ、是から遊離しても宜いのだ、民主とか自主とか云ふ概念に依りまして、銘々勝手なことをして宜いのではないか、斯う云ふやうな思想を誘致することはありはしますまいか、私は、實は此處に現れて居る法律案ばかりぢやありませぬ、外の法律案でも見掛けまして、國策に即應致すと云ふ立派な文言が法律の表面から消えて行きますることに、啻淋しさを感ずるばかりではない、少からざる不安を感ずる者でございます、此の法律の改正に付きまして農林當局の方々はどう云ふ御考を御持ちでございませうか、はつきりと承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=82
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083・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 御答へ申上げます、只今の御尋なり御懸念の點、誠に私共も同感でございまして、其の點は實に一番心配致して居るのであります、そこで先程提案理由の中にも申上げましたのでございますが、現在の食糧事情窮迫の際、飽く迄農業會の協力に俟たなければならぬことは申す迄もないことでございます、そこで今後と雖も團體の役員の構成とか、色々の制度と言ひますか、之を更始一新した氣分の上で色々食糧事情の窮迫を突破する爲の協力を仰がなければならぬと云ふ風に考へて居りますので、此の方面の指導なり協力の要請と申しますか、此の點には、殊に戰爭中に較べまして、行政官廳に對する、何と申しますか、信用が非常に薄らいで參つた際でございますから、特に戰爭中以上の努力をしなければならぬと考へて居りますので、其の點は十分努力して參りたいと考へて居ります、唯「農業に關する國策に即應し」と云ふ言葉が、只今御述べになりましたやうに、戰時色の拂拭と云ふやうな意味もございますが、一面又官廳の別働隊と申しますか、官廳的色彩と云ふものが非常に此の意味から強く出て參つて居るのであります、事實此の字句を基底に致しまして、先程大久保さんの御質問に御答へ致しましたやうに、指導者原理でありますとか、役員の任命と云ふものが總て茲に發して居る、それは一に官廳的色彩と申しますか、官廳の別働隊と云ふ意味で非常に強く現れて居りますので、此の際此の字句を削除した方が宜からうと云ふ風に考へた次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=83
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084・島津忠彦
○男爵島津忠彦君 私が御尋ね致したいことも、只今御答がありましたのに大體關聯致しますのですが、農業團體法の四十六條の削除の理由も、只今仰せのやうな理由と承知して宜しいのでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=84
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085・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 御答へ致します、四十六條の削除の理由は、行政官廳は會長を任命致して居りましたので、其の任命權の存する所、又當然解免權ありと云ふ意味から申しまして、但さう無暗に致す譯には參りませぬが、四十六條に規定致して居りますやうな、色々の條件の場合には解任が出來る、斯う云ふ風になつて居つたのであります、處が今囘は會長の選任權と云ふものは、選擧なり或は總會の選任と云ふ風になりまして、官廳の選任權が全然なくなりましたので、當然に解任權も廢することに致しまして、唯四十七條で記載して居りますやうな條件に該當した場合には、改選を命ずる、どうも惡いやうだから改選をしたらどうかと云ふ命令をする、斯う云ふ風に改めた次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=85
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086・村上恭一
○村上恭一君 農業團體法に於きましても、水産業團體法に於きましても、其の上級の團體に付きまして道府縣と斯うあります、其處に東京都の都が現はれて居りませぬか、是で宜しいのでありませうか、是は誠に幼稚な質問のやうに存じまするが、自分の不審を晴らす爲に御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=86
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087・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 御答へ申上げます、東京都に付きましては、勅令を以ちまして特例を設けて居るのでありますが、御配り致しました農業團體關係法規の四十四頁でございます、第七十二條に示してございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=87
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088・村上恭一
○村上恭一君 特例を以て斯う云ふことを設けることの根據が法律の中にあると思ひますが、其の法律の條文は何處にあるのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=88
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089・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 實は東京都の都制は此の法律の出來ました後でございまするが、根據法として採りましたのは團體法の第七條で「農業團體の設立、管理、解散、清算其の他農業團體に關し必要なる事項は勅令を以て之を定む」、勿論此の團體法の出來ます前に、東京都制がございますれば、第九條に樺太と共に東京都を付加へた譯でございましたが、東京都が後に出來ましたので、七條の規定に根據を求めて、勅令を規定した譯でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=89
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090・村上恭一
○村上恭一君 甚だ諄うございますが、殊に何か立法技術の末に亙るやうな感がございますが、農業團體法の第一條に、「農業團體は市町村農業會、道府縣農業會、全國農業經濟會及中央農業會とす」とあります、是は今度變ります、第七條に於きまして「本法に規定するものの外農業團體の設立」云々に「必要なる事項は勅令を以て之を定む」とあります、第七條に謂ふ所の農業團體は第一條に掛りまして、市町村農業會、道府縣農業會等でなくてはなりませぬ、是等の第一條に認めてある農業團體の設立其の他に關する事項は勅令を以て特例を設くることが出來ると云ふのが第七條であります、其の第一條は都農業會と云ふものが認めてない以上は、如何に第七條に委任規定がありましても、勅令を以て都農業會と云ふものを認める其の特例を開くと云ふことは、是は出來ないことであります、斯う思ひますが、如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=90
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091・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 一應の御議論でございまして、當初農業團體法を制定致しました際には、只今御述になりましたやうな風に理解されるのでありますが、併し東京都と云ふものが後に出來まして、是は其の前に東京府農業會と云ふことであります東京府の農業會が、府が都になりましたので都農業會と云ふ風に變つた譯でございますが、さう云ふやうなことでございますので、根據法として七條に農業團體の設立なり管理其の他の廣汎な規定の委任命令がある譯でありまして、之に依つてそれが解釋としても賄へる、斯う云ふ風に存じた次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=91
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092・村上恭一
○村上恭一君 どうも只今の御説明では承服し兼ねます、農業團體法第七條の規定に依つて、東京都に付て勅令を以て特例を定むると云ふことは、此の本法第七條の委任の範圍を超越したものだと私は思ひますが、東京都制が出來ました際に、之に附帶して東京都に關して諸般の法規に亙つて別段の規定を設けることを、勅令委任すると云ふ別途の委任替へは格別でありますが、農業團體法第七條に依る特例に依つては、勅令に依つて委任されて居ないやうに思ひます、併し是は結局見解の相違になると思ひますから、此の程度に致します、それから今囘農業團體法改正の機會に、之を好い機會として第一條に農業會とある所に、「都」の一字を御加へになると云ふことが最も適切な立法手續であらうと思ひますが、政府當局が此の事に出でられなかつたのはどう云ふ關係でありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=92
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093・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 出來得る限り改正の簡素と申しますか、簡單に致したいと云ふことが主でありますが、もう一つの理由と致しましては、只今御述になりましたやうな御疑問もある譯でありますが、一應現在それで法制上も通つて居りますので、其の點に付て改正すると云ふことは却て誤解を生ずる處がありますので、現在通りに之を其の儘踏襲致した次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=93
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094・村上恭一
○村上恭一君 それではそれはそれと致しまして、蠶絲業法に付て御尋を致して見たいと思ひます、申す迄もなく蠶絲業は我が國に於きまして古い沿革がありますが、さうして其の生産物の質に於ても量に於ても、誠に優れたものがあります、其の優秀なることに於ては世界的の名聲を博して居ることと信じます、我が國の輸出品としても、殊に米國に對する輸出品としては極めて重要な地位を占めて居るものであります、此の際、頻りに世間でも論議して居りますやうに、食糧其の他の必要品を我が國に輸入するに付ての見返り物資として、生絲其の他蠶絲業關係のものは最も重要なものと思ひます、其の蠶絲業が最近數年間の戰時中に於ては、主として食糧の必要に壓迫されて可なり萎縮して居つたやうに思ひます、可なりではなく大いに萎縮して居つた、桑の畑を食物の畑にしてしまふと云ふやうなことであつたのでありますが、今後は此の蠶絲業を大いに奬勵しなければならぬだらうと思ひます、此の點に付きまして當局はどう云ふ御考を御持ちでありませうか、此の蠶絲業復興の爲にはどう云ふ手を打つ御考でありますか、其の邊の所を御説明願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=94
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095・山添利作
○政府委員(山添利作君) 蠶絲業は御話になりましたやうに非常に戰爭中に減つてしまひました、從つて之を急速に恢復せしめ、又發達さして行きたいと思ふのであります、實際問題として蠶絲業の根本は養蠶にある、其の養蠶家の立場になつて見ますと、食糧が非常に窮屈でありますので、そこに一番の難點があります、それで繭を作るものと、食糧の方と何等かの方法に依り調整を圖つて行くことが必要でありまして、之に付きましては餘程是は研究を要することであると思ひます、繭を供出した人に對して食糧を補給することは、是は食糧事情が非常に窮屈な中ではありますが、何しろ生絲を出して食糧を得る譯でありますから、さう云ふ道が實現されることを蠶絲當局として希望して居りますし、又衆議院の委員會に於きまして、大臣から強い意味合で、さう云ふことも考慮すると云ふ言明もなさつたやうな譯合になつて居りますが、此の食糧との調整を圖ることが根本と思ひます、其の次に資材等に付て十分な手當をする、十分な手當をすると申しましても、是はなかなか實際に物がない、特に問題は肥料でございます、御承知の通り少いので困難でありますが、併し戰爭中と違つて、桑園の方にも食糧と同じやうな「ウェイト」を置いて配給をして行かなければならぬと云ふことが必要であると存じます、又桑園の自給肥料と云ふやうなことに付ても色々やつて居ります、更に蛹を或程度桑園に還元する、主として今後蛹は醤油の原料に廻さなければならないのでありますが、桑園の方にも若干廻して行きたいと考へて居ります、尚又價格の問題に付きましても斯う云ふことを申せばちよつとおかしいのでありますけれども、一般に闇と稱するものが相當廣まつて居る、蠶絲關係に於きましては其のことが絶無とは申しませぬけれども、非常に少いのであります、從つて闇の値段と云ふものに付きましては、相當の矢張り考慮を拂つて行く必要がある、特に主要食糧との均衡を得ると云ふことは大切でありまして、先般の米價の引上は、當然繭價の方にも反映すべき事柄であります、是は明年一月中には適當な繭價の引上を致したいと考へて居ります、又最近の事情と致しましては、誰でも金より物と云ふことでございまして、養蠶家に對しましても、取りました繭の中玉繭とか屑繭は相當程度に是は自家製品として使ふことを認めて居りますが、私は出來得べくんば來年の春には、自家用を認めると云ふことは、色々時間もかかつて一年も先のことになる、それよりも先に物を出してやらうと目下研究致して居ります、相當數量のものは出せると思ひます、從つて自家用のものを先づ渡す、それから供出して貰ふと、斯う云ふ方法で參りたいと考へて居ります、其の他今後は日本蠶絲業會と云ふやうな所でやることになりますから、桑苗の確保とか、或は買入の助成であるとか、色々蠶絲に關する施設を致す譯であります、政府としても一々細かくなるから申上げませぬが、相當色々なことを奬勵施設は講じて居る次第であります、事情が違ひました今日、蠶絲は極めて重要な關係にあるのでありまして、當面の食糧の輸入の爲に必要であるのみならず、日本の經濟を再建して行く上に於きましても、どうしても蠶絲業を興隆さして行く必要があるのであります、それ等のことを能く養蠶家に認識せしめる必要があると思つて居ります、其の爲に適當な措置を取り、先づ頭を變へて貰ふと云ふことを近くやりたいと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=95
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096・村上恭一
○村上恭一君 それはそれだけのことに致して置きませう、蠶絲業法に付てもう一點伺ひたいのは、此の法律に依つて成立致します團體は蠶絲協同組合と、蠶絲業會と斯うありますが、其のどちらに付きましても、其の成立の基礎となります土地の區域に付きましては、此の法案の上に別段に規定がないやうであります、全國を地區とするのでありますか、それから其の地區内云々とか云ふやうなことがありまして、全國的なものと、地方的なものとの區別のあることは察せられますが、其の地方的なものの地區の定め方はどうなるのでございますか、法律には一向其の規定が見えませぬので不審に存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=96
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097・山添利作
○政府委員(山添利作君) 此の蠶絲協同組合の方は、是は専ら自由に作るのでありまして、是は實際問題としまして、概ね郡とか、或は府縣の範圍で作つて居ります、それから蠶絲業會の方は區域の規定はございませぬ、是は矢張りどう云ふ蠶絲業會を作るかと云ふことは、其の蠶絲業者の意思、又さう云ふことの必要性と云ふ所から適宜定めると云ふことになつて居りますし、法規上さう致して居るのでありまして、是は全國のものと、地方のものと、豫定は致して居ります、必要に應じて區域を定めて行く、斯う云ふ實は建前を採つて居るのであります、實際問題としましては、只今全國を地區とする、又蠶絲業者を網羅する日本蠶絲業會と云ふものが設立の準備中でございます、今後更に地方的にもさう云ふやうな團體が出來るだらうと云ふことを豫想致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=97
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098・大久保利謙
○侯爵大久保利謙君 私農村の事に付きましては一向特に調べたことはございませぬが、唯能く地方に參りますと、どうも各地方地方の事情が上の方に通ぜず、唯上の方から劃一的に命令が來ると云ふやうなことを能く聞きます、勿論是は戰時中は特にさう云ふやうな嫌ひが強かつたと云ふやうなことはございませうが、下意上達と云ふことがなかなか十分行かなかつたと云ふやうな感じが致します、勿論此の農業會は此處にございますやうに、農業指導とか會員の福利を主たる目的とする會でございまするから、別に下意上達の機關ではない譯でありまするが、廣く解釋しますれば、農業の發達と云ふやうなことには、殊に各地方の農業の發達にはそれぞれの事情が上に通ずると云ふやうなことがあると考へますし、又此の中にも強ひて求めれば、それぞれの地方の事情と云ふやうなことの研究と云ふことも含んで居るかどうか、それは私共分りませぬが、或はさう云ふ風に取れるとも考へるのでありますが、さう云ふ點に付きましてどう云ふ風になつて居りまするか、又特別にさう云ふやうな機關でございますか、それの状況如何、或は調査研究と云ふやうなことが從來行はれた結果がさう云ふ方面に及んで居るのか、主としてさう云ふ方面の當局の御考を伺ひたいのでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=98
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099・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 御答へ申上げます、國の施策が上から下へ行きます場合、或は又下から農民の眞の聲が上に通ずる下意上達の問題、之に付きましては、仰せの如く、今迄折角中央で施策致しましたものが末端に參ります場合に、其の途中で色々と變つて徹底しないと云ふやうな事例もございまするし、又眞に農民の聲が政府の方に入つて來ないと云ふやうなこともございましたのは事實でございます、是は結局農業會なり或は其の他の地方の行政機關の運營の問題にならうと思ふのでありますが、例へば上から色々施策を傳へまする場合に、主として地方廳を通じて參りますると、結局其の系統で行つて、農業會の方との連絡が取れない、或は又農業會の方を通じて行きますと、行政官廳との連絡が惡いと云ふやうなことで、色々供出の問題に致しましても種々の問題があつたのであります、そこで結局今の問題に付きましては、末端の地方廳なり或は農業會と云ふものが始終緊密なる聯繋を取る必要があらうと考へるのであります、本年から供出に付きまして委員會制度と云ふやうなものを設けましたのもさう云ふ趣旨に外ならぬのであります、逆に下意上達の方になりますと、是は昔から農業會は農會時代から所謂農民の利益代表機關として色々の意見が上申され、又建議されたのであります、更に其の機能は今日も變つて居りませぬが、それに加へまして農業會としてはそれぞれ地方の農業會の指導員等に直接「アップ・ツー・ディート」の資料を送る爲に特別調査を委託致しまして、或は往復葉書で返事を求めますとか、或は簡單な事項を指示しまして報告を早急に求めるとか、色々の方法を講じて居ります、下意上達の實を擧げます爲には、相當の效果を擧げて居るやうに存ずる次第であります、御尋の調査及び研究でありますが、之に付きましても、或は農家の經營調査でありますとか、或は技術改善の事項でありますとか、土地の利用區分のことでありまするとか、色々昔から權威ある調査を致して居るのでありまして、此の點に付ては尚將來も相當是等の事項は十分力を入れられるものと、斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=99
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100・大久保利謙
○侯爵大久保利謙君 其の問題に關聯致しまして、殊に只今の農地法の問題がやかましい爲に、新聞あたりを見ますと、農民の投書とか聲と云ふものが盛に出て居ります、色々な聲が出て居りますが、中には隨分新聞紙の編輯方針に依りまして、偏つたものばかりの聲が其處へ出て居ると云ふやうな感じもしない譯でもないやうな感じが致しますのでありますが、御當局から御覽になりまして、新聞の紙面に出て居りまする所謂農民の聲と云ふものが、實際に能く反映して居るものか、あれを讀みます參考に當局から御覽になつて農民の聲をどう御感じになつて居るか、どの程度迄どうかと、御當局から御批判を伺つて置くと、又私共があれを讀むのに非常に參考になると存じますが、特に今日其の點をちよつと伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=100
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101・楠見義男
○政府委員(楠見義男君) 實は私不勉強で一々の批評を讀んで居りませぬが、只今申しました側方調査と申しますか、農民の與論調査と云ふものを農業會でやつたのでございます、特に今囘の土地制度の問題に付きましてさう云ふ與論を調査して居るのであります、大多數は政府の原案と申しますか、あの行き方に非常に贊意を表して居ります、唯小作料の金額の問題に付て大體の傾向と致しましては、此の耕作者側はあれよりも更に低い金額を要望致して居ります、是は當然のことでありますが、地主方面の意向は高いことを要望して居ります、結局當然さうあるべき姿が與論の上に出て參つて居るやうに承知致して居ります、新聞に出て居りますのも、大體の意向を反映致して居るものと思ひますが、中には特殊の「イデオロギー」と申しますか、さう云ふ方面から特にさう云ふ目で以て見なければならない點があらうと思ひますので、具體的にちよつと此の場合は斯うと云ふことは申せませぬが、大體の意向は反映して居るやうに思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=101
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102・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) 御諮り致しますが、今日は此の程度に止めて置きまして、又明日引續いて御質問願つたら如何かと思ひますが、如何でせうか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=102
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103・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) それでは明日の豫定はまだ御分りにならぬさうでありますが、若し大臣から御答辯を御聽きになりたい御希望の向がありましたならば、此の際御申出願へば、時間を御繰合せ願ふやうに委員長から交渉致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=103
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104・米原章三
○米原章三君 私大臣に御質問申上げたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=104
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105・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) 承知致しました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=105
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106・片倉兼太郎
○片倉兼太郎君 私も少し伺ひたいことがあります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=106
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107・米原章三
○米原章三君 それから資料に付て山林局から、出來ますれば戰時中、過去十箇年間の木材伐採年度別及面積等に付て簡單で宜しうございますから、資料が戴ければ幸です発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=107
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108・徳川宗敬
○委員長(伯爵徳川宗敬君) 承知致しました、それでは明日は午前十時から開きたいと存じます、今日は是で散會致します
午後四時十四分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=108
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109・会議録情報3
出席者左の如し
委員長 伯爵 徳川宗敬君
副委員長 男爵 淺田良逸君
委員
侯爵 大久保利謙君
子爵 加藤泰通君
子爵 入江爲常君
子爵 土屋尹直君
村上恭一君
白根竹介君
黒崎定三君
男爵 佐竹義履君
男爵 島津忠彦君
男爵 倉富鈞君
橋本清之助君
合田健吉君
米原章三君
片倉兼太郎君
渡邊甚吉君
政府委員
農林政務次官 紅露昭君
農林參與官 子爵 北條雋八君
農林省總務局長 楠見義男君
農林省山林局長 黒河内透君
農林省水産局長 笹山茂太郎君
農林省蠶絲局長 山添利作君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008902908X00119451215&spkNum=109
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