1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
衆議院議員選擧法中改正法律案(政府提出)(第一號)
昭和十三年法律第八十四號中改正法律案(大東亞戰爭に際し召集中の者の選擧權及被選擧權等に關する件)(政府提出)(第二號)
昭和二十年勅令第五百三十七號(衆議院議員選擧法第十二條の特例に關する件)(承諾を求むる件)第一號
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昭和二十年十二月五日(水曜日)午前十時十八分開議
出席委員左の如し
委員長 清瀬一郎君
理事 伊藤五郎君 理事 大川光三君
理事 川口壽君 理事 坂本一角君
理事 保利茂君 理事 木下義介君
理事 原玉重君
逢澤寛君 伊藤清君
今成留之助君 上田孝吉君
金井正夫君 神尾茂君
漢那憲和君 清寛君
薩摩雄次君 田子一民君
田村秀吉君 中村梅吉君
一松定吉君 濱野清吾君
林信雄君 原惣兵衞君
原夫次郎君 松永東君
山本厚三君 今井新造君
今井嘉幸君 東條貞君
中原謹司君 船田中君
吉田貞次郎君 牛塚虎太郎君
岡本傳之助君 唐橋重政君
星島二郎君 木下郁君
同日委員河上丈太郎君辭任に付其の補闕として木下郁君を議長に於て選定せり
出席國務大臣左の如し
内務大臣 堀切善次郎君
出席政府委員左の如し
内務政務次官 川崎末五郎君
内務參與官 中助松君
内務省地方局長 入江誠一郎君
内務省警保局長 小泉梧郎君
内務書記官 鈴木幹雄君
内務書記官 鈴木俊一君
本日の會議に上りたる議案左の如し
衆議院議員選擧法中改正法律案(政府提出)
昭和十三年法律第八十四號中改正法律案(大東亞戰爭に際し召集中の者の選擧權及被選擧權等に關する件)(政府提出)
昭和二十年勅令第五百三十七號(衆議院議員選擧法第十二條の特例に關する件)(承諾を求むる件)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/0
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001・清瀬一郎
○清瀬委員長 それでは是より衆議院議員選擧法中改正法律案の審議を進めます、前日に引續き質疑者一松定吉君の質問を許します――一松君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/1
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002・一松定吉
○一松委員 昨日時間の都合で選擧公營に關することを大體伺つたのでありますが、何れ是は最後に締括りの意味に於て、更に意見發表を致したいと思ふのであります、本日は政府の御提案になりました此の原案が如何に缺點が多いか、如何に選擧の實情に即しないかと云ふ點を指摘致しまして、政府の御所見を伺ひ、私共がそれに依つて反省する所があれば反省することに吝かでありませぬし、又政府が私共の主張に對して首肯せらるべき點がありまするならば、宜しく明朗な態度を以て御贊意を表したいと云ふことを、私は切望致して居るのであります、先づ第一に選擧運動の方法の點から是が自由闊達公正ではない、所謂政府當局の御立案の趣旨は、此の法律が通過して實施せられることに依つて選擧は自由闊達に、而も公平に行はれるのであると云ふ御意見は全く裏切られるのであると云ふことを申上げて見たいのであります、先づ選擧運動の方法に關する點から申上げます
選擧運動の方法に關しましては、選擧事務所の點、休憩所の點、勞務者の選任員數の點、個々面接電話等に依る選擧運動の點、文書圖畫の頒布掲示に關する點、演説會の出演者に關する點、選擧期日後に於ける挨拶行爲に關する點、斯う云ふやうに數點に分けることが出來ることは、政府御指摘の通りであります、そこで今囘の原案を見ますると、選擧事務所の設置及び其の數と云ふものは、無制限でございまするから、大選擧區になればなる程、其の數と云ふものは非常に増加することになるのであります、増加することに正比例致しまして、其の選擧事務所竝に其の設置場所の如何、竝に其の設置數の多少に依りまして、費用は正比例して増加するのであります、非常に増加します、それはなぜかと申しますと、所謂事務所に運動員とか運動に關する勞務者とか、有權者が數限りなく其處に集まつて來ることに依つて、費用が要るのであります、例へば早い話が、それ等の人が來れば寢泊りする費用も要りませうし、時分時になれば食事をさせる費用も要りませうし、お茶を出す費用も要りませうし、お茶菓子を出す費用も要りませうし、色々な費用が要る、でございますから選擧事務所が増加するに從つて費用も要る、それと正比例的に増加することは、是は議論なき所であります、現行選擧法の行はれまする前の選擧法時代に於て、事務所の數を七箇所と定めたことがあります、其の時に一箇所の事務所の費用と云ふものは、極く最低に見積つて千圓、多く見積れば際限がないと云ふやうなことで、隨分費用を濫費致しまして、それが爲に一家の家産を傾けて破産をしたと云ふ實例を私は承知して居る、さう云ふやうなことは今囘の選擧に於ては當然行はれるのでありますが、それ等に付て政府は一體どう御考へになつて居るのであるか、一々一問一答をしますと時間を取りますから私の申上げることを御書留め願ひまして、一つ々々後から御答辯を願へば結構であります、政府はそれに付てどう云ふやうに御考へになつて居るか、それは費用の制限を政府が豫想して居る二萬五千圓程度を超過すれば、選擧が無效になると云ふやうなことは是は理窟です、實際は選擧費用を超過したかせぬかと云ふことは、神樣でなければ分らぬ、又其の費用の支出責任者でなければ分らぬ、他から分るものではない、それも一々現行選擧法の如く、官憲が眼を光らして、それ等のことを後日摘發しようと云ふ豫備行爲をすれば、是は格別です、今囘の政府案はさう云ふやうな取締は一切しない、さうして自由に思ふ存分の選擧をさせるのだと云ふ建前から來ると、所謂自由に選擧をさせる建前と、取締を非常に緩和することとの間に於て、其の點十分に取締が出來ぬと云ふことになるのであります、私は大阪の選出でありますが、大阪に例を取りましても、大阪市は十三區です、それ等の所に一區に一箇所づつ設けても十三です、隨分廣い區がありますから、さう云ふ所に二箇所も三箇所も設けると、三十箇所以上の事務所を設けることになる、其處には日々十數人の人が事務を執ると云ふことになる、さうすると時分時には、手辨當を持つて來てお手傳ひをする者はありませぬから、それに食事を出さなければならぬ、それ等の米は何處から出るか、それ等のお菜は何處から來るか、斯う云ふやうなことを考へて見なければならぬ、郡部に至りますと、大阪の郡部の如きは非常に區域が廣いのでありまして、事務所の數と云ふものは、五十箇所も六十箇所も必要でありませうから、尚ほ々々費用が増加することになるのでありますが、それ等に付て政府はどう云ふやうな御考へを持つていらつしやいますか、之を明確に御答辯願ひたい、是が第一點であります
第二點と致しましては事務所は大ぴらであるから、事務所でない小さい休憩所を今度は設ける、候補者何の某休憩所と云ふ立札を立てて、而も人通りの多いやうな場所を選んで、さう云ふものを幾つも幾つも拵へる、さうして其處にお茶でも立てて來客に一々お茶を出す、場合に依ればお茶菓子も出す、お茶菓子も結局儀禮に適しないやうなものは勿論いけませぬけれども、我が國古來の美風として、來客に對して出すお茶菓子位は、利益の供與として罰することは出來ますまい、而もさう云う所に赤襷や赤前垂を掛けた接待の女が、其處に入つて來る有權者に一々媚態を呈して、どうぞうちの候補者を宜しく頼むと云ふことにして、お茶を持つて來るやうにすれば、費用は際限なく掛る、さう云ふことに付ても取締をしないと云ふことであるか、是れ亦莫大な費用を要するのであります、それからもつと深刻なやり方を申しますならば、選擧投票の當日、其の選擧場の極く近くに五つも六つも休憩所を設けて、投票に行く人を皆其處に呼込んで個々面接をする、どうぞ宜しく頼みますと云うやうなこともし兼ねないので、さう云ふやうなことに付て、政府は一體どう御考へになるか、さう云ふことを一體豫期していらつしやるか、費用は餘程超過しますが、其の點は先刻も申しましたやうに、費用超過と云うことに對して罰すると云ふことは、口だけで實際は出來ないと云ふことになるので、それ等に對する政府の御用意を伺つて見たいのであります
それから其の次は選擧運動の爲に使用する勞務者の數です、是が大選擧區になればなる程、現行法は毎日三十人と云ふことになつて居りますが、非常に全地域が擴大されますから、澤山の勞務者を必要と致します、さうして其の勞務者をして戸別に撒き札を抛り込みまして、又貼りびらを到る處にべたべた貼らせ、選擧演説會場を幾つも幾つも拵へる、さう云うやうなことをしますと、勞務者の數は一日に何百人と云ふものを使ふ候補者なきにしもあらずと云ふことになる、それもやはり費用で取締ると云ふことになりませうか、私は一文も費用は貰はぬで、奉仕的に御手傳ひしたのでありますと云ふ辯解をする者があつたら、どう之を取締るか、お前は奉仕的にしても、お前が働いた以上は、一日に五圓なら五圓に計算するのだと云ふやうなことは、別に施行法か何かでさう云ふ規定でもなさるのですかどうか、さう云ふことがないとすれば、私は奉仕的にお手傳ひするのでありますから、費用は一文も貰つて居りませぬ、費用は要りませぬ、あの候補者をどうしても當選さしたいと考へて居りますと言ふと、立派に拔けられると思ひますが、さう云ふやうなものが幾つも幾つも出て來ますよ、さう云ふことに付てのちやんとした制限と云ふものを廢してしまつて居りますから、當然さう云ふことが問題になつて來る、それから個々面接として途中で出會つた時に、どうぞ宜しく頼みますと云ふ位なら結構ですが、先刻例を擧げましたやうに、休憩所に休憩者が入つて來るのに一々お茶を出して一々個々面接をする、大勢の人が集まつて居る所、會議をして居る所に出掛けて行つて、一々個々面接する、工場に働いて居る所の勞務者の所に行つて一々個々面接をする、東京驛、大阪驛、新橋驛、新宿驛などと云ふ人の出入の多い所に行つて個々面接をやる、劇場、倶樂部、映畫館、汽車の乘降口と云ふやうな所に立つて居つて個々面接をやる、どう之を取締るか、候補者一人に限りませぬ、候補者以外の人で、立候補者の爲にちやんと一松候補運動員と云ふ旗を立てて、それが一々行列をしてぺこぺこ頭を下げると云ふことは、是は豫想し得ることである、之をどう取締るか、大阪で或る有名な辯護士、森作太郎と云ふ人です、森恪君の弟です、非常な立派な法律家であり、辯論家であり、大阪市民の信用を得て居る人が立候補致しました、大阪市の評判と云ふものは大したものです、森君はもう當然當選するんだと云ふので、誰一人森君の當選を疑ふ者はなかつた、所が選擧場の横に一枚赤毛布を敷いて、其處に坐つて居る一人の者が、一々此の有權者の前に頭をぺこぺこ下げて、乞食見たやうな風な態度でやつて居ります、名前は分つて居りますがそれは名譽の爲に申しませぬ、で森君はそれを眺めて、あれは何者だ、あれは何の何某だと云ふ馬鹿な卑屈な奴だ、あんな者が市民の代表として出て來て何が出來るかと言つて嘲笑して、自分の投票を濟まして歸つた、蓋を開けて見た所が森君が落選して、其の男が最優秀の成績を以て當選して居る、是は實例です、そこで一體どうして森さんが落ちて、あの人が當選したかと聽いて見ると、あの人は選擧場で前に赤毛布を敷いて坐つて、我々に一一どうぞ宜しく頼む、私に入れて下さいと頭を下げて居る、ああ頼まれると、あの人に入れなければならぬと云つて投票した、それが當選したと云ふやうな實例がある、さう云ふやうなことを是からやり兼ねぬ、運動は自由であり、個々面接は自由であり、方法は自由である、此の現行法には戸別訪問を禁じて居りますから、是から私共引く例は當らないかも知れない、昔斯う云ふことが大阪にある、戸別訪問を許されて居つた時に、候補者で何囘も何囘も有權者の所を訪問して、名刺を抛り込む、そこで愈愈今日は投票だと云ふ時に、其の家の主人公が、自分の家を訪問した候補者の名刺を取寄せて、どの候補者の名刺が一番多いかと云つて、一番多い所の名刺を入れて居つた候補者に投票したと云ふ、如何にも滑稽なやうだけれども、其の實さう云ふ實例もあつた、それが爲に其の人は當選した、曰くあれだけの熱意を以て自分の所を訪ねて呉れて、あれだけの御依頼をして呉れた以上は、僅か一遍か二遍訪問して呉れた人に入れるよりは、あのやうな熱意を持つて呉れる人に投票するのが當り前だと言つたと云ふ話がある、さう云ふやうなことは今囘の此の選擧にやはりある、戸別訪問は許されて居りませぬが、個々面接の方面に於て、是は當然豫想し得べきことである、さう云ふやうなことは、政府の明朗、闊達、自由だと云ふ言葉だけで、それを看過することが出來るでありませうか、或は撒びらなり、名刺なりを持つて電車に乘つて、電車に乘つて居る人に片端からどうぞ私の方の候補者を宜しく頼みます、頼みますと言つて個々面接をして名刺を渡す、或る所に行つては降りて、又今度は引返しの電車に乘つて其の手をやる、一日に何囘も場所を變へて、人を變へて、それを毎日やらせると云ふことになつたらどうなる、成程自由濶達なる選擧でせう、それで今度愈愈投票に出掛ける電車の中、投票に出掛ける汽車の中、若しくは投票場の入口に立つてそれをやる、澤山の人が群を成して居る所でそれをやる、他の戸別訪問をする時の實例でありますが、選擧場の前に候補者が行列をして竝んで、さうして投票に行く人に一々頭を下げて、どうぞ宜しく頼むと言つて投票を頼んだ實例は、是はまだ我々立候補した者の記憶に極く新たなるものであります、さう云ふことが今囘再現される、さう云ふことに付ては、一體政府はどう云ふやうな御考へを持つて居るか、是が自由、公平、闊達だと御覽になるか、さう云ふ點に付ての御考へを承りたい、或は勞務者をして戸毎に撒びらを抛り込ませる、端から端まで、毎日朝から晩までやる、それは戸別訪問ではありませぬ、候補者なり責任の地位に居る者が各戸を訪問して居るのではない、勞務者が唯機械的にぽんぽん名刺を抛り込む、之を反復連行する、是が一つの撒びらの方法である、道の上で、電車の中で、汽車の中で、盛り場で、工場内で、交通頻繁な場所でさう云ふことをやる、是はどうなる、相撲、芝居、映畫場、寄席等の門口に立つてそれをやる、此の間私は大阪に歸る途中、龜山から港町に行く汽車の中で、一人の男が突如起ち上りまして、自分は何々黨の大阪の何々幹事長である、今囘斯う云ふ政黨が出來た、だからして今までのやうな政黨は、あれは政府の肩を持つて、今日敗戰に導いたものだ、ああ云ふやうなものは、我々の代表ぢやないから、今度本當に此の政黨に諸君が入れるならば、必ず我が黨の總裁が諸君の思ふだけの仕事をしてやつて、諸君にお酬いすることが出來ると云ふことを堂々と演説をして居つた、其の中には識者も澤山居りますから、そんなものをさうかと云つて受入れる者もないけれども、時には拍手をして迎へた者もある、それが又今度は次の電車に乘つて其の通りのことをやる、到る處で繰返してやつて居る、さう云ふやうなことは選擧期日の近づくに從つて非常に多くなる、是は當然です、個々面接の制限と云ふものを廢して、選擧運動方法と云ふものを無制限に許すと云ふことになると、斯う云ふやうなことに當然なる、是は良い方の例です、それから旗を立て太鼓を叩き、笛を吹き、風琴を鳴らして、丁度藥賣りが歩いて廻るやうに、廣告して廻るやうな、ちんどん屋見たやうなものを連れて來てやる、是はやり兼ねない、さうして人を集めてそこで野外演説をする、まるで香具師です、香具師のやうなことをやる、さうして是が即ち自由、公正、闊達だ、斯う云ふやうなことは、此の儘に放置して宜いのであるかどうであるかと云ふやうなことに付ても、私共は大いに考へざるを得ないのであります、或は金のある人は蓄音器を澤山買ひ込んで、さうしてそれに自分の政見を吹込んで、之を道路に、盛り場に、學校に、公會堂に、倶樂部に持ち込んで、さうして到る處でそれをやる、まあ實に結構な話で、金のある人は出來ることである、金のない人はそんなことは出來はしない、斯う云ふやうなことは成程政府の仰しやるやうに、最も自由であり、最も制限をしない方法である、大變面白い、斯う云ふことに依つて選擧民の意思が現はれるのだ、さう云ふことに依つて當選して來た人と共に手を携へて政治を談ずるのだ、理想は非常に立派ですけれども、今私の言うたやうなことで當選して出て來た人が何が出來るか、何が民意を代表するのか、大いに國家の爲に貢獻し、大いに國の爲に身を犧牲に供してやりたいけれども、悲しいかな費用がない、人を澤山雇ふことも出來ない、事務所を澤山設けることも出來ない、撒き「ビラ」や、下げ「ビラ」折込「ビラ」を澤山拵へることも出來ない、個々面接も出來なければ、ちんどん屋を雇ふことも出來ないと云ふやうなことで、優秀なる人々は、それが爲に當選の榮を擔ふことが出來ずして、落選の憂目を見なければならぬと云ふことになる、さう云ふやうな結果から見ますると、政府の御提案になつて居りますることは、成程理論上から行けば、選擧事務所を幾つでも設けられる、自由だ、個個面接すらやり放題に出來るのだ、自由だ、運動員は幾ら使つても宜しい、自由だ、文書は無制限に發行出來るのだ、自由だ、理論は正しい、自由も其の通り自由でありませうが、今私が擧げたやうな實例から考へて見ますると、それは自由我儘である、金を持つて居る人だけはさう云ふことが出來るが、金を持たない憂國の士は、運動方法が餘りに自由我儘であるが爲に出來ぬと云ふことになれば、それ等の人は當選の榮譽を擔つて、國家の爲に起つと云ふことが出來ぬではありませぬか、さう云ふやうなことは、政府はどう御考へになつて居るか、さう云ふやうなことをすれば、必ず費用制限の方法で抑へられるぢやないかと云ふ御意見であります、費用の制限と云ふことは、成程内部ではどれだけ制限を超過したと云ふことは候補者は知つて居る、けれども外部は之を超過したと云ふことは何で分りますか、それを分らせようと思ふならば、其の費用に付て選擧責任者を警察に連れて來て、さうしてああだらう、斯うだらうと言つて人權を蹂躪して言はせて、選擧に關係した者を端から家宅搜査して、偖てお前の所には米の配給は幾らあるのに今幾らある、お前の懷ろに是だけあるのにお前は費用を貰ふとするとどれだけ貰ふ、こんなに持つて居る筈がないがどうしたのかと云ふやうな、今までのやうなやり方の取締をすれば或は分ると思ふ、さう云ふことをしなければ、内務大臣も御話のやうに、極く取締は寛大にして、有權者と官憲との間に摩擦の起らないやうにする、壓迫感を感ぜずして思ふ存分に活動し運動し選擧を行ふことの出來るやうにすると、どうして其の費用が超過したと云ふことが分りますか、さうするとそれは分らぬと云ふことになる、結局費用を澤山使ひ、澤山金を持つた者が勝を制して、自分は免れて恥ないと云ふ徒輩が多く此の議席を占めると云ふことになるのぢやありませぬか、さう云ふことに對する御用意はどうですか、先づ一つそれを私は伺つて見たいのであります、今私の擧げました例を、一々御取上げになつて、政府の御所見を伺ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/2
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003・小泉梧郎
○小泉政府委員 只今選擧運動の全般に付きまして、而もそれを個々に詳細に御論及に相成つたのであります、特に從來の御體驗から個々の問題に付ての御懸念を御指摘になつて、政府に所見を御聽きに相成つたのでありますが、而も御承知のことでもありまするし、只今も御話があつたのでございますが、從來の選擧は非常に窮屈な選擧でありまして、細かい點まで取締をやると云ふやうな形になつて居ります關係上、非常に暗い選擧が行はれて居つたのであります、又之に關係して居りまする警察當局と致しましても、動もすると選擧干渉との疑を受けますし、取締の上にも技術的にも困難を感じました、又選擧運動をやられる方面も、此の規定が非常に煩雜で多岐に亙つて居ります關係から、思切つて自由にやらうとしても中々出來ない、又選擧民の側から云ひましても、何か一寸すれば選擧法規に觸れるのぢやないかと云ふやうな考へから、選擧と云ふものが、近寄り難い非常に怖いものだと云ふやうな感じを持つて居つたのであります、さう云ふものが皆集まつて、日本の政治と云ふものに對する國民の關心と云ひますか、どつちかと云ひますと、選擧に對しましては敬遠主義を執るやうな結果になつて來て居つたのであります、是がまあ今日までの日本の政治の上に於ける一つの弱點ではなかつたかと思ひます、今日のやうな時代になりまして、此の大轉換期になりまして、政治上の意見も大いに活溌に行はれて、政治上の行動も自由に執られると云ふやうなことが、此の民主主義的な運動の傾向の最も大事な所でなければならぬかと思ふのであります、それが從來のやうな煩雜な非常に細かい所まで取締られると云ふやうな選擧運動になりましたのでは、其の大方向に副はないのではないかと云ふ所から、今度の選擧法の運動の面に對する各種の制限の撤廢を計畫して居るやうな次第でございます、只今色々と御指摘になりましたのは、特に從來の選擧に於ける弊害でございまして、此の弊害を除外する爲に、此の細かしい現行法に於ける規定が設けられて居つたのであります、今日ではさうした細かい制限、干渉的なものは一切之を出來るだけ除去致しまして、眞に伸び伸びした明朗な選擧を一つやりたい、運動される方方も、伸々とした運動をやられ、又有權者の側も從來のやうな怖いもの、近づき難いものと云ふやうな印象を持たない明朗な氣持で、自由に選擧に參加出來ると云ふやうな風に持つて行きたいと云ふのが、其の本旨であつたのであります、只今色々と缺點として御指摘に相成りましたが、斯う云つた缺點がなぜ起つたかと申しますと、要するに國民が政治的に非常に低調であつた、政治的な自覺が足りなかつた、關心が薄かつた、選擧に對して敬遠的な態度を執つて居つた、斯う云ふ所が私はやはり原因ではなかつたかと思ふのであります、隨ひまして此の大轉換期に際して、さう云つた制限を一掃して、一つ本當に國民の選擧に對する關心を昂め、政治的な責任も感ずるやうにして、さうして從來あつたやうな弊害もさうした政治的な教養を高めると云ふことに依つて政治的の意識が昂揚される點から除去して行きたいと云ふやうな考へがあるのであります、今度の制限の撤廢の結果が費用の増嵩を來すと云ふことは、御説の通りでございます、唯併し運動が自由になつたからと云つて費用が無制限でない、是は豫め御指摘がございましたが、無制限ではないのでございまして、殊に金があるからと云つて無軌道に金を使ふ、或は法外な支出をすると云ふやうなことは是は法規の上でも制限されて居るのでありますし、それから事實上、社會が之を許さないぢやないか、隨ひまして幾ら金があるからと云つて、あるが儘に之を無暗な使ひ方をすると云ふことは、私はさうは出來ないものだらうと思ひます、又ありましても、さう云ふ人は、必ずや制裁と申しますか、法規の制裁に依つて、當選を得ると云ふやうなことがないだらうと考へられるのであります、事務所、或は休憩所、勞務者の數、個々面接等の事に付て、一詳細に御指摘がございましたが、大體さう云ふやうな考へで共通して居りますので、以上を以て一應御答へと致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/3
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004・一松定吉
○一松委員 政府委員は私の尋ねたことを誤解されて御答辯なさつて居るやうです、私は從來の選擧のやり方に付ての弊害を指摘したのではない、本法が實施されれば斯う云ふことになると云ふことを指摘したのです、從來の選擧法は御承知の通りに、事務所の數は一箇所に決まつて居る、休憩所若しくは之に類似する所の設備は禁じられて居る、運動の爲に使用する勞務者の數も三十人と云ふことに限定されて居る、委員は二十人と云ふことに限定されて居る、個々面接や電話に依る運動と云ふものは禁じられて居る、文書圖畫と云ふものの配布は、是はやはり其の數が決まつて居る、演説會出演者に付ては四人と決まつて居る、選擧期日後の挨拶は、唯當選の御禮位しか出來ぬと決まつて居る、さう云ふやうな現行法のことに付て指摘したのぢやございませぬよ、此の法律案が通過すれば今のやうなことになる、それに付て政府はどう云ふ御用意があるかと云ふことを聽いたのであります、それに御答へ願ひたい、それが一つ、それから費用が制限されて居るから金持が事實上さう云ふ運動は出來ぬでせうと云ふことは、それが所謂皮相の見解だと云ふのです、どうして其の費用超過と云ふことが分りますか、取締を寛大にして、さうして現行法のやうに選擧事務所に何時でも臨檢し、何時でも帳簿を檢することが出來ると云ふやうな制度を撤廢してしまふ、運動に出掛けて居る連中を途中で引捕まへて警察に連れて行つて、裸にして身體檢査をすると云ふやうなことはしないのです、費用を制限したとか、せぬとか云ふことは分らぬでせう、分らぬとすると費用の使ひ放題と云ふことになるぢやないかと言ふのです、それは特別に分る場合もありませう、例へば其の費用の支出責任者が選擧違反でも起して、さうして收監されて家宅搜索を受けて、色々な機密書類が出て來た、或は自分からべらべら喋つた、或は直接樞機に參與した人間が、其の候補者に對して途中から怨みを持つて之を警察に密告したとか何とか云う特別の事情があれば別ですが、さうでない限りは分らぬぢやありませぬか、分らぬと云ふことになると、金持が結局さう云ふやうな金を湯水のやうに使つて當選したと云つて、さうして自分が所謂免れて恥なし、それが神聖なる議場に出掛けて、何が君國の爲に働くことが出來るかと言ふのです、新人ではありますけれども、所が新人必ずしも國家の爲に適材適所ではない、才幹ではない、本件は成程あなたの仰せられるやうに自由ではありますけれども、金持以外は運動は出來ぬ制度になつて居る、政治教育が行屆いて居らぬ、今囘の選擧に付ては特に其の感を深くする、婦人參政と云ふものが認められ、年齡低下と云ふことが認められ、有權者の數は今までよりも倍以上に殖えて居る、さう云ふやうな時に演説が思ふやうに出來ない、事務所は思うやうに設けられない、宣傳が思ふやうに出來ない、運動が思ふやうに出來ない、と云ふのは、金を持たない候補者が出た場合、さうしてさう云ふ者に本當の人材があり、君國の爲に盡すことの出來る抱負經綸を持つて居る人が多い、さう云ふ人は當選出來ぬことになるぢやないか、さうして見ると、尚以て所謂自由公正であり、明朗であり、闊達であると云ふことになつても、それは理窟で、さうなつても實際にはさうならぬぢやないか、其の點に對する政府の御所見如何と斯う云ふことを伺つた、それに付て一つ御答へを願ひたいが、あなたは併し選擧のことは餘り御經驗がないやうですから、御經驗のある方から一つ御答へを願ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/4
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005・川崎末五郎
○川崎政府委員 私から申上げます、只今警保局長から御答へ致しましたことに付きまして、警保局長が從來さう云ふこともあつたからと斯う申したことは、是は少し言葉が足りなかつた、一松さんの御指摘のやうに、事實に付ては私も大體御意見洵に御尤もだと拜聽致して居りました、唯警保局長が從來と申しましたが、現行法で取締をする、其の前の時の從來の弊害が御指摘のやうに、又警保局長が御話しましたやうに、さう云ふ弊害があつた、其の弊害を矯める爲に現在のやうにどれもいかぬ、是もいかぬと云ふやうにして取締法規がすつかり非常な周到な網の目を張つたやうになつて、今まで總てを抑へて居つたのでありますが、此の取締法規を此の際殆ど戸別訪問禁止以外は全部之を外してしまふ、斯う云ふことになりますると、成程一松さんの御指摘のやうに、各方面各條項に付ての事項に付て、其の惡い方面、即ち法が許して居るからと云ふので、唯當選せんが爲に有ゆる手段方法を講じようと云つて考へてやれば、是もやる、あれもやると云つて、金もあり手もあると云ふ人は、成程一松さんの御指摘のやうな總ての方面の事項に付ての弊害は、是は極端な場合にはどれも是も總てさう云ふ方面でやる候補者がないとも限りませぬ、又それは全く御指摘のやうに、さう云ふ事態が起きないと云ふことは私も保證し得ない、確かにさう云ふ場合があらうと思ひます、此の點は選擧界の本當の肅正の意味から言ひまして、又淨化する意味から申しましても、斯う云ふ不公正な手段方法を以て臨まれた場合に於て、之を取締ることが出來ないと云ふことになれば、此の結果が甚だ好ましくないと云ふことに付ては、全く一松さんの御指摘のやうでありまして、洵に私も同感であります、併しながら今囘の選擧法の改正に於きまして、既に提案以來大臣から十分御説明申上げ、又政府委員からも縷々御説明申上げましたやうに、何しろ現在に於きましては終戰以來の日本の情勢と云ふものは一變して居ります、此の大轉換期に處しまして、新しい氣分を以て所謂民主主義を徹底する爲め、之を發展せしむる爲に、政治界の方面、國政の運用に於きまして、どうしても帝國議會の構成に付ても改革を加へ刷新をしなければならぬ、同時にそれを構成する議員に付ても、此の時代の大轉換期に處して、之に適應する相應しい議會を再建設する、此の意味に於て此の際總選擧を行ひまして、空氣の一新を圖ると云ふ必要に迫られて、それが爲にも之に即應するやうに、現行の選擧法に付て時代に相應しくないと思はれるものに付きましては、此の際改正をしなくちやならぬ、私が斯う云ふことを説明するのは甚だ烏滸がましいけれども、さう云ふ意味で從來の選擧の實績を考へて見ますると、成程水も洩らさぬやうに、十分な取締法規がございまして、之に依つて選擧界に於ける不正、不當なる行爲を取締る、選擧をして極めて公正に行はさうと云ふことになつて居つたのでありまするが、其の結果は、或は言ひ過ぎかも知れませぬが、其の各種の弊害を矯正する爲に、取締る爲に周密な此の規定を拵へた、此の規定も御承知の通り最初普選當時の規定は、幾ら嚴重な規定とは申しながら、實はもう少し網の目が粗かつた、是が昭和九年でございましたか、年度は忘れましたが、其の當時の改正に於て、又是もいかぬ、あれもいかぬ、是も取締らなければならぬ、あれも取締らなければならぬと、御承知の通り更に取締法規が追加増補されまして現在に立到つた、其の結果と致しましては、餘りに取締法規が周密であつて、それが爲に先程來警保局長が申しましたやうに、餘りに取締が嚴重で周密な爲に手も足も出ない、結局好意を以て立看板一つ起してやつたことまでも違反になると云ふやうなことも言はれる、それが爲に選擧に關係することはおつかない、一寸すれば縛られると云ふやうな感じを抱かせるやうになりまして、兎に角觸らぬ神に祟りなし、選擧にあの人が立てば自分もお助けに行かなければならぬ義理があるが、併し選擧はおつかない、一寸したこと、惡意はなく好意を以てやつたことでも縛られるからおつかない、觸らぬ神に祟りなしと云ふので敬遠主義を執る、選擧に頼まれても選擧委員など眞つ平だ、幾ら金をやつても選擧勞務者などかなはぬ、いつ警察に縛られるかも知れないと云ふので、勞務者一人得るにも、他の事情もありませうが、餘りに選擧取締が嚴重で周密な爲に、勞務者になるのも躊躇すると云ふやうなときもありまして、殊に私なんか實際自分が選擧するときに、斯う云ふ方面で斯うまで取締法規が周密なのは結構であるけれども、是が爲に自由を縛られて、惡意ではなく、自分は常識で考へて此の位のことは當り前だと思つたことまでも、選擧法規ではやはり違反になる、候補者が一つ引掛かれば折角自分も努力し、支持者が苦心してやつて呉れても、一寸した自分の不心得の爲に無效になる、何をするにしても選擧になれば、先づ之をやつて宜いか惡いか、選擧法規の違反になるかならぬかと云ふことから考へてやらなければならぬ、私なんか實際自分でさう云ふ體驗を持つて居る、候補者自身が選擧法規の餘りに周密な爲に心配である、況や候補者以外の者は幾ら好意を持つてやつて呉れ、候補者以上に熱心にやつて呉れる人も背に腹は替へられぬ、くだらぬことで違反に掛つては堪らぬと云ふことで、選擧に對しては敬遠主義を執る、斯う云ふやうな部面もないではなかつたと云ふことは、私自身の體驗に顧みても思はれるし、恐らく一松さんも此の點に付ては十分に御理解下さるだらうと思ふ、それで今囘のやうな大轉換期に處しまして、大改革をやると云ふ場合に於きまして、選擧の取締方面をどうしたら宜いかと云ふことに付きまして、今までの餘りに窮屈なものを、此の際一つ此の枠を一切外してしまふ、御指摘のやうに、さうなれば此の普選法以前の、現在の選擧運動の取締と云ふものが設けられぬ前にしてしまつて、さうして自由に選擧運動をやらして見たらどうかと云ふことも、確かに私は一つの考へ方だと思ひます、さうすれば今までの選擧運動の餘りに陰慘な其の空氣、一般の人と選擧をやる人と云ふものは、選擧運動が始まるとなると、全く人間が違ひ、種類が違ふやうに、あれは選擧運動員だ、あんな者に係はつては危いぞと云ふことがなくなるだうと思ふ、さう云ふやうに空氣を一新して、自由な、闊達な明朗な選擧を自由自在にやらして見た方が、此の大轉換期に、將來の所謂民主主義を徹底さす上から云つても、一遍斯うした方が宜くはないか、それには勿論只今御指摘のやうな弊害、例へば個々面接を一つ取りましても、事務所の點から言ひましても、運動費の面から言つても、第三者運動を自由にさしたり、一々書く文書なんかに付ても、御指摘の通りに、事項々々に付て、其の方面の惡い影響とか、それを惡く利用してやつて見るとか、其の制限が撤廢されたことに乘じて惡どくえげつなくやつて來ればどうなるかと云ふことに付ては、全く御指摘のやうな弊害のやうなことが起ることは、我々と雖も十分承知して居ります、併しながら是も程度問題でありまして、極端な或る候補者になれば、それは凡ゆる方法手段を講じて、今一松さんの御指摘のやうなことを、總て金にあかして構はずにやればやれるかも知れませぬが、さう云ふやうなことを、全部の候補者がやるかどうかに付きましては、是は一般の選擧民なり、一般の社會の眼と云ふものがございますから、さう極端なものはそれはあり得るかも知れませぬが、全部の候補者が全部さう云ふやうなことをやつて、大多數のさう云ふ候補者の爲に、正しい眞面目な人が全部抑へ付けられる、さう云ふ者ばかりが出ようとは私は考へられませぬ、是は程度の問題、見透しの問題でありますが、確かに御指摘の點は私承認致します、併しながらさう云ふ弊害があるからと云つて、現行法のやうな周密な取締で尚ほ將來やつて行つた方が宜いか、多少の弊害、或は甚だしくひどい弊害になるかも知れませぬが、併しながら將來の見透しに付きましては、其の弊害を惧れて現在の取締法規を現存するか、或は多少の弊害があつても、此の際之を一旦取拂つてやらして見る、是は先に申上げましたやうに、根本的の改正も加へましたけれども、選擧法自體は恆久的なものと考へて居りまして、先づ差當つての問題は、次の總選擧を行ふ爲に、是非此の際改正を必要とすると考へたものを當りまして、今後の新しい議會に依つて、更に恆久的な根本的な頭腦的な選擧法は次の議會に於て政府も考へ、皆さんの御協力に依つてやらうと云ふのですから、今囘若し此の改正法案が通過致しまして、之に依つて選擧をやつて見て、選擧の取締法規に於きまして、一松さんの御指摘のやうな點が餘りにひどければ、其の時に考へて見ると云ふことで、兎に角此の際今までの選擧法の餘りに煩はしい、餘りに煩瑣な、そして餘り窮屈なものを外して見て、さうして弊害はあつても此の際は自由闊達にやれるやうにして見たら宜いと云ふ考へ方が此の立案を致した趣旨のやうに私は理解して居るのですが、其の意味で御指摘の點は私は能く了解致して居ります、考へ方としてはさう云ふ考へ方でございますから、それを御諒解下さいましたら、甚だ結構でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/5
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006・一松定吉
○一松委員 川崎政務次官の御答辯は、現行法の色々な弊害を認めて、それを是正する爲に本案を出したのだと云ふことである、私は現行法を是正すると云ふことに付ては、あなたと全然同感でございます、現行法に幾多の缺點のあることは、是はもう恐らく選擧と云ふことに經驗のある人は、何人でも異論を挿む者はありませぬ、だから其の現行法の惡い所を是正する爲に、色々選擧法を練る、どれが一番明朗闊達公平であるかと云ふ、良い方法を案出すると云ふことにも私は贊成なんです、此の原案が默目だと云うのは、私が今指摘したことを政務次官も全部御認めになつたから、是は太鼓判を押されたことになる、所が私の方は現行法には非常に缺點があり暗影が多く、陰鬱な選擧であつたと云ふことの爲に、それを改めて自由我儘の選擧をさせると云ふことは宜くないと言ふのです、此の原案だと自由我儘ですよ、金持でなければ出來ないですよ、そんなに澤山金を使ふと云ふことは世間が許さない、それは必ず檢擧されるだらうと云ふことは一つの想像に過ぎない、今度のやうな財産税とか、戰時利得税と云ふものが目睫に迫つて居る時に、而も軍需成金のやうな者で、どうせ金を取られるならば選擧に出て、一つ代議士と云ふ名譽職に就いてみようと云ふ不心得者が、全國到る處に多い、現にさう云ふ者がぼつぼつ始めて居る、さう云ふ者は當選するけれども、あなた方の要求する、眞に國政を託するに足るやうな立派な人は、それだけの費用がない、金を持たない、それだけの物がない爲に、結局自分は出たくても、落選の憂目に遭ふと云ふことを私は申上げたい、有權者がそこまで目覺めて居れば宜いのですよ、目覺めて居らないではありませぬか、さう云ふ時に自由我儘の金持でなければ出來ないやうな選擧方法を採ることは、是は惡法を以て惡法に換へるのだと私は思ふ、是は惡法です、私は現行法の惡法を是正する爲に外に良い方法があると思ふ、是は後で私は申上げます、でございまするから、あなたの空氣を一新すると云ふことは、それは空氣は一新されますよ、金持ばかりの新成金が出て來て、自由我儘な選擧をして、みつともない、紳士として恥づべきやうな行動を執つて、鉦や太鼓でちんどん屋を傭うて出て來たやうな連中が議會に議席を占めれば、議會の空氣は一新されますが、それでは眞に新日本を背負つて起つやうな政治と云ふものは出來ないではありませぬか、それを私は痛歎するのです、でございまするから、今自由にさせようではないかと云ふ御趣旨、御精神には贊成ですけれども、自由我儘ではいけない、或る金持階級だけの者が運動が出來て、金を持たない憂國の士が思ふやうな運動が出來ないと云ふ方法は、良くないではありませぬか、此の點に對して政府の御所見如何を伺つて居る、ですから、自由に空氣を一新する爲にやるんだ、どんな人間が出て來ても宜いんだと云ふことなら、我れ何をか言はんやです、それではいけないのです、それで其の點に付て政府の方針を伺つたのでありまするが、中々其の點に付ての御意見の拜聽は出來ないやうですから、此の程度に止めますが、併しそれでも御意見があれば承ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/6
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007・堀切善次郎
○堀切國務大臣 選擧運動の規定を徹底的に簡素化致しました趣意は、只今政務次官及び警保局長から申上げた通りであります、從來の選擧が非常に窮屈なものになつて居ります爲に、選擧に對して、延いて政治に對しての國民の關心を惹かず、敬遠主義を執つて居ると云ふやうな形になつて居たことは、實に殘念に存じますので、此の異常なる轉換期に於きましては、どうしても總ての國民を十分に政治に對して關心を持ち心配して行くと云ふ風に仕向けて行かなければならぬと考へまして、此の選擧に對しましても、從來の斯樣な無關心的、或は非常に何をやつても怖いと云ふやうな常識に合はないやり方は、是はどうしても根本から覆さなければならぬと考へまして、選擧運動に對する各種の制限を撤廢したことは、政務次官及び警保局長から申上げた通りであります、唯色々御指摘になりました點に付ては、例へば例を御擧げになりました個々面接、ちんどん屋の例と云ふやうなものに付ては、それは過去に於きましてはさう云ふ運動方法も效果を奏したことも、時に依り場所に依つてあつたやうに聞いて居りますが、今日は敗戰後國民が皆眞劍になつて居ることを信じて疑ひませぬから、過去のさう云ふやうな變な、如何にも下劣な運動方法が、今後の有權者に對して果して功を奏するであらうかどうかと云ふことも疑ひを持つのであります、其の外の色々御述べになりました點に付ては、選擧運動に關する全體の費用の制限の上から制限されると考へて居ります、それは事務所の増加に致しましても、休憩所を澤山設置することに致しましても、或は又運動者に對して辨當を出すとか何とか云ふことにしても、私は此の物資の不足の際に於ては、辨當を出すとか何とか云ふことは、殆ど不可能ではないかと思ひます、若しやるとすれば、皆それぞれ法規に違反するやうな方法で行く危險が多いのだらうと思ひます、さう云ふことは金を潛つて使はうと思へば使へませうが、正當に行けば事務所の設置も餘り出来ない、辨當を出すことは絶對に出来ないから、皆手辨當で手傳つて貰ふのだと云ふ方向に行くべきものであり、又行くのではなからうか、又行くことを希望して居るのでありますが、全體の費用の制限の上から、それは十分制限されるのだらうと思ひます、費用の制限なんかあつても何にもならないではないかと云ふ御説でありますが、是はやはり警察に對してそれぞれ費用の屆出の規定もありますし、而も之に對しては當選無效と云ふ重大なる制裁も加はつて居る譯でありますから、是で以て其の目的を達せられるだらうと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/7
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008・川崎末五郎
○川崎政府委員 只今大臣から御答へをされた通りでありますが、私が先に申上げた中に或は一松さんは私の言葉の足りない爲に、御理解になることに付て、私の本當の考へと少し食違ひが出來はしないかと心配される點がありますので、それだけはつきり簡單に申上げて置きます、色々一松さんが御指摘になりました各事項に付て、或は個個面接のこと、或は電話のことであるとか、事務所のこと、或は休憩所のことなどに付きまして、或は街頭に於て氣勢を揚げる行爲をすると云ふやうなことに付きまして、此の法規を撤廢致しますと、自由自在にやれる、それが爲に無制限に唯當選するが爲に、凡ゆる手段方法を構はずに講ずると云ふ人があれば、一松さんの御指摘のやうな色色な弊害、好ましくないことが起きることは私もそれを認めます、又それを心配致して居るのでありますが、今度制限を撤廢したら總ての候補者がさう云ふ手段を講じて、まるで選擧界がさう云ふ惡い方面ばかりで百鬼夜行すると云ふやうな風に全部がならうとは、私は考へて居りませぬが、候補者の極端な人が見榮も外聞も總て構はずにやればさう云ふ弊害ばかりを露呈するやうな選擧運動をやる人も出ないとも限らない、又金を使ひ放題やる人も出ないとも限らない、總ての選擧界が此の大轉換期を經た此の際に、さう云ふやうにならうとは、それは見透しの問題でありますけれども、總てがさうとは思ひませぬが、惡い方面ばかり考へれば、さう云ふ人が出る、さう云ふ人が却て當選するかも知れぬ、さう云ふ御指摘に付ては、私も御同感申上げ、又さう云ふことを憂ふるのであります、さう云ふ譯で、所謂金權候補者が出て來る、是は好ましくないのではないか、是は御説の通りであります、假にもさう云ふ金權候補者がなり振り構はずにやつて出て來た、若し我々が議席を今の通り持つて居て同席するのも厭やだと云ふ人が出て來れば、洵に殘念でありますが、併し假にさう云ふ人が一、二出ましても、それを憂へ、それを防ぐ爲に、現在の選擧法全體を現状の儘に置いておくと云ふことは、是は比較の問題、考慮の問題で、或は私達の考へが間違ひがあるかも知れませぬが、多少さう云ふ弊害があつても、缺點が起きましても、此の際大目的から言へば、一度撤廢して枠を外して見た方が、宜くはないかと云ふ考へ方が――御叱りを蒙るかも知れませぬが、現行法に於て此の改正案を企てた趣旨でございますことを重ねて申上げて、御諒承を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/8
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009・一松定吉
○一松委員 私が申上げたことは、是は實際さう云ふことを現にやつて居る、併し是は選擧人の政治的訓練に依つて行く行くは是正されなければならぬと私も考へて居るが、今囘は實は非常に心配して居るのです、再三申上げるやうに、私は現行法を此の儘之を維持して行くと云ふ論旨ではございませぬ、現行法には暗影がある、不都合な條規が澤山あることには是は反對するものはないのですから、現行法を是正すると云ふことの爲に、最も公正無私にして、自由なる法案を考へると云ふことに向つて、我々議員は非常に其の點に研究を進め、關心を持つて居ると云ふことだけは御諒承を願ひたい、そこで現行法を是正して、良い選擧法でやると云ふことに付ては、政府の御提案になつたものではいけない、斯う云ふことを申上げるのですけれども、政府當局の方では、是れ以外に方法はないやうに申されますから、是は後で申上げます、大臣の仰せになりました費用を無暗やたらに使ふ、さう云ふことで違反が摘發される、選擧無效の重大責任を負ふ、斯う仰せになりますけれども、理論は其の通りです、神樣から見れば其の通りです、所がそれは人に依りますと、一遍だけ代議士になれば宜いのだ、分つて見れば百年目、其の時引掛かつても少くとも一年は掛るのだ、現在當選無效の裁判をして大審院まで來ると二年位掛る、それまで代議士として一方議席を占めて居ると云ふことは往々あるのですから、さう云ふことは必ずしも、なり振りに構はぬでやるやうな候補者は、念頭に置いて居りませぬ、ですからさう云ふ人間の出ることを私は憂ふるのですけれども、是はまあ取締の方面で、取締は寛大にやるのだ、今までのやうなことはやらぬのだと云ふことの趣旨と、少しく一貫しないやうですけれども、併し是は適當に御取締を願へれば宜いのであります、そこで私は昨日も申上げましたやうに、現行法の缺點のあることは論ずるまでもないが、本法はいけないのだ、現行法を是正して、所謂明朗闊達、公平に選擧をする方法は、選擧公營を強化することに依つて、之を是正することが出來る、それならば選擧運動は公平である、費用も要らず、さうして空氣を一新し、立派な人を當選せしむることも出來るし、取締ることは色々複雜な法規があるから、其の方で取締るけれども、選擧公營と云ふことになれば、複雜な手續が要らないから、最も公正無私に而も明朗に之をやることが出來るが、其の點に付ては昨日も申上げましたやうに、まだ政府に十分の御用意がないやうですから、私は今此處で彼此れ申上げませぬが、政務次官の御話に依ると、本法は極く經過的だ、今囘解散して次の選擧に之を行ふ、次の選擧に於て出て來た人に對して、更に立派な選擧法を提案して改正して貰ふ積りだと云ふ御言葉がありましたが、それは間違ひないのですから、さう云ふ時に選擧公營と云ふものを政府と協力して完全なものにして、斯う云ふ不都合な弊害の多い選擧法は是正して行く必要がありますから、其の點を一つ伺つて置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/9
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010・堀切善次郎
○堀切國務大臣 此の法案が通過致しますれば、之に依つて總選擧をやりまして、總選擧に依つて出て來られました議員の方々を中心に、選擧法の調査審議會を作つたら宜いと考へて居ります、そこで色々の問題――此の選擧法全般に亙つての問題を考究して貰ひまして、提案するやうな運びに考へて居るのでありますが、偖て此の選擧に依つて出て來られました時の最初の議會には間に合はないかと考へて居ります、其のことは御諒承願つて置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/10
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011・一松定吉
○一松委員 其の點を政府は考へていらつしやるならば、私は強ひて此處で追究することは止めます、さう云ふやうな考へで、選擧公營と云ふやうなことに付て、もう少し熱を持つて御研究を願ひたい、選擧公營と云ふことを徹底すれば、こんな法案を出さなくても、本當に公正無私の自由闊達なる選擧をすることが出來る方法は幾らもある、それだけを御留意賜はつて置きます
それから選擧告示前後の選擧運動に付きまして、一寸伺つて見たいのでありますが、よく巧妙な候補者になりますと、所謂吉凶兩禮を此の選擧に利用してやることが非常に多いことを私は承知して居る、例へば御香奠、花環、病氣見舞、死亡見舞、火事見舞、其の他不時災難に對する御見舞と云ふやうなことで、それを廣範圍に相當なる金を贈ると云ふやうなことがある、或は結婚、出産、入學、卒業祝、出征、復員、そんなものにまで相當な金を贈る、それが皆選擧運動になる、斯う云ふやうなことに付きましては、是は儀禮と云うことを逸脱して居る、此の行動を、一つ十分取締る官權の方で御留意に相成つて、斯くの如き弊風を除去すると云ふことに付ての御用意は如何でありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/11
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012・小泉梧郎
○小泉政府委員 今囘の改正案に依りますと、選擧運動は何時でも宜いと云ふことに相成つて居ります、隨ひまして從來のやうに立候補後でなければ選擧運動は出來ないと云ふ制限はなくなつたのであります、隨ひまして選擧運動と認めらるるものでありましたならば、戸別訪問を除きましては、選擧期日の告示前と後とに拘らず出來る譯でございます、是が買收、饗應とか、さう云つた惡質な、從來から選擧の不正行爲と言はれて居りましたやうな行爲に付きましては、是は現行法通り取締ることに相成るのであります、只今の御話がありましたやうな行爲でありまして、是が社會常識上儀禮の程度を越すと云ふものに付きましては、是はやはり惡質な犯罪と相成る次第でございますから、是等の點に付ては、取締を行ふのに、少しも躊躇する必要はないと存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/12
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013・一松定吉
○一松委員 それで大臣に一つ伺ひたいのでありますが、今牽聯して地方局長に伺ひたいのであります、實費の辨償だとか云うやうな枠をすつかり今度外してしまつたのですから、人を雇うて實費の辨償をやる、或は晝飯、夕飯を必ず事務所に行つて提供すると云ふことになりますと、晝飯、夕飯の價格はどうするか、或は雇つた人に對して費用をやると云ふやうなことはどうなるか、費用なら所謂公定賃金と云ふことになるのか、或は今日の闇相場と云ふことになつて宜いのか、さう云ふ點に付ての御考へはどうなつて居るのでせうか、詰り現行法の九十七條が削除されます結果、飮食物費、車馬賃、旅費、宿泊料等の實費辨償です、辯士に對する旅費だとか、宿泊料とか云ふやうなもの、さう云ふやうな費用の支拂が、人を雇ふのですから、當り前に雇ふと云ふことであれば、勿論支出が出來やうと思ふのですが、それに付ての範圍、金額、程度、其の邊はどうなるのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/13
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014・鈴木幹雄
○鈴木(幹)政府委員 實費辨償の問題に付きまして、私から御答へ申上げます、昨日も其の問題に付きまして御答へ申上げましたのでありますが、實費辨償の問題は、當然實費辨償はなすべきものと考へまして、條項は削除致しましたけれども、其の點に關する解釋は、現行法にあります通りであります、隨ひまして勞務者を雇つたと云ふやうな場合に於て、其の勞務者に日當を與へなければならぬ、是も勿論支拂つて戴きます、又旅費、宿泊賃、或は汽車賃、車馬賃と云ふやうなものを要しますれば、是も實費辨償に入ります、其の外に選擧運動員、所謂現在の選擧委員、或は選擧事務長に該當する方々に對しましては、實費辨償は當然支拂つて然るべきものと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/14
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015・一松定吉
○一松委員 私が聽くのは、それは當然なのは分つて居るが、輪廓はどうであるか、御承知の通り今物は公定價格と闇價格とがある、それから公定賃金と闇賃金とがありませう、さう云ふやうな點です、或は辯士が東京から九州まで下つて來ると云うやうな時、辯士の旅費、宿泊料、辯士に對する謝禮、例へば辯士が或る業務に從事して居り、其の人が何日から何日まで業務を外して來た爲に、其の間の損害を補填すると云ふやうなことは、當然なすべきものであると思ふが、其の點どうであるか、之を聽くのです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/15
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016・鈴木幹雄
○鈴木(幹)政府委員 所謂選擧委員に當る方々、或は演説會に出演される辯士、此の方に對しまする實費の辨償は認めまするが、報酬は認めぬと云ふことは現在通りであります、勞務者に對する報酬の問題は、大體其の地方に於きまして協定賃金と云ふものがありますので、之を基準とした所で支拂つて戴きたい、斯樣に存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/16
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017・一松定吉
○一松委員 さうすると、そこは不徹底ぢやありませぬか、選擧委員や選擧事務長に對しては實費辨償は宜い、報酬はいかぬ、是は分つて居ります、併し假に或る事業に從事して、東京に居れば一日二十圓なら二十圓位の收入が毎日ある人が、其の收入を捧に振つて、九州まで出掛けて行つて、演壇に立つて歸つて來る間に付ては、即ち實費の辭償になるぢやありませぬか、損害の補填と云ふことになるぢやありませぬか、一日二十圓なら二十圓位の御禮をする、それを百圓も二百圓もと云ふことになると、名を實費辨償に藉りて利益の供與と云ふことになるから惡いでせうが、普通の金額なら實費の補填と云ふことになるかどうか、斯う云ふことが何時も裁判所で爭ひになるから聽くのです、それが惡いならどの法規で惡いと云ふことになるのか、其の點を承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/17
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018・鈴木幹雄
○鈴木(幹)政府委員 實費辨償の問題でありますが、是は實費辨償と云ふのは、結局使つた金を補償してやる、斯う云ふことなのでありまして、それが今設例になりましたやうに、東京に居れば一日二十圓になると云ふのだから、二十圓を補填してやるのも實費支辨ぢやないか、斯樣な御考へでありますが、是は現在左樣には解して居りませぬ、本人が九州まで行つて應援をしてやらう、斯う仰しやるのでありまして、此の方も亦金錢的な報酬を欲して居られないものと考へます、實際に要しました實費を辨償すると云ふことだけが正鵠である、斯樣に解釋して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/18
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019・一松定吉
○一松委員 其の點はあなたと私と押問答しても、結局裁判所の問題で判斷出來るのですから、此の程度にして置きませう、そこで大臣に一寸二、三點伺ひたいのですが、制限連記に付ては、あなたの御説明は非常に巧妙なやうで、私感服致しました、詰り五人の定員に對しては一人より外投票權がないのだ、それから六人から九人までの間にやはり一人と云ふことになると、其の投票する人の投票權と云ふものが削減されるのだと、斯う云ふ御説明になつた、だからして其の場合には二人書く、それから十四人までには同じ意味に於て、五人に對して一人書くと云ふ權利を持つて居る人と同じやうに三人書く、斯う云ふやうなことで御説明なすつたやうでありまするが、併しながらさうすると結局斯う云ふやうなことに反面から議論が出來るぢやありませぬか、一つの投票權を持つて居りながら、二つの投票權を行使する、一つの投票權を持つて居りながら三つの投票權を行使すると云ふ結果になる、さうすると同じ有權者でありながら、或る者は一つの投票權より外行へないのに、或る者は、三人の投票權まで行へると云ふことで、所謂有權者の立場からすると、其の權利に厚薄があるのではないか、斯樣な議論はあなたの巧妙なる議論の反對論として立つのですが、どうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/19
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020・堀切善次郎
○堀切國務大臣 是は投票はやはり一票であると思ひます、其の一票の投票と云ふことに付ては變りはありませぬで、其の一票の投票の中に一人を書く投票と、二人を書く投票、三人を書き得る投票があり得る譯であります、隨ひまして投票は一人一票とすと云ふ此の規定は今度も改正は加へて居りませぬ、十九條に「一人一票とす」と云ふ規定がありますが、之には改正を加へて居りませぬ、皆一票なんだが、一人を書く投票と二人を書き得る投票、三人を書き得る投票と云ふことに解釋致して居りまして、所謂投票權の平等權と云ふことには、何等支障を來さないものと解釋を致して居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/20
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021・一松定吉
○一松委員 此の點は議論ですから、時間もないので諄々しく申上げませぬ、併しながらそれは疑義の存する所であると云ふことを御諒承願つて置きます
次には大選擧區制に付て伺ひたいであります、私共は大選擧區制度を御採用になると云ふ政府の御趣旨には全然贊成です、贊成でありますが、それと同時に大阪とか、東京とか、愛知とか、北海道と云ふやうな所を二つに分けた趣旨が、どうも不徹底だと思ふ、政府の御意見では、十四人以上は餘り被選擧人の數が多くなる、土地が一層廣汎になるからして、選擧運動に色々な支障があるから、それで二つに分けた方が宜いと信じたのだ、斯う仰せになつて居るやうであります、是は私共理論が一貫せぬと思ふ、政府の原案は大選擧區にすると云ふことに依つて、大いに新人の輩出を容易ならしめ、今日の時局柄今までのやうな選擧制度よりも、大選擧區にした方が、時局柄に適するのだ、斯う云ふやうな御趣旨であつたのでありますが、其の意味ならば、何も東京、大阪、愛知、北海道と云ふやうな所を二つに分ける必要はないぢやありませぬか、其の二つに分ける必要に付て、大臣から餘程御説明があつたやうでありますが、私まだ十分徹底して居りませぬ、もう一應説明して戴きたい、それに付て私の意見も申上げて見たいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/21
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022・堀切善次郎
○堀切國務大臣 大選擧區を採りました理由は、申上げましたやうに、又今御述べになりましたやうな從來の基盤を變へると云ふこと、新人、國家的人物等の進出に都合の好いと云ふこと、及び人口の異動が非常に多くありまして、現在の選擧區を継持しにくいと云ふこと、さう云ふ所から大選擧區を採つた譯であります、大選擧區を採りながら、一つの府縣を二つに分けた所があると云ふことに付きましては、別に理論上の根據は持つて居りませぬ、便宜の問題であります、餘り大きくなり過ぎますと、先刻御引きになりましたやうに、或は運動の上に不便があり、或は費用が非常に嵩むであらうと云ふ想像もされると云ふやうな點から、便宜上之を二つに分けた次第であります、二つに分けましても、大選擧區に伴ふ利益の點は、やはり保持出來るものと考へて、便宜分けた次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/22
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023・一松定吉
○一松委員 能く分りましたが、それならば私は二つに分ける理由が却て宜くないと思ふ、即ち人の異動が非常に多かつたと云ふことが一つ、餘り範圍が廣過ぎるから、選擧運動に付て自由に運動が出來ないと云ふ弊害がある、斯う云ふ二つのやうでありますが、併しそれは人の異動が多いからと云ふことであれば、尚ほ二つに分けない方が宜いぢやないか、例へば大阪を例に取りますと、私は大阪の一區から選出されて居りますが、西區、港區、大正區、即ち大阪市内は四區に分れて居りまして、現行法通りに致しますと、代議士の數は十四人です、十四人が今度の調査の結果七人に減じます、さうすると大阪市は十四人から七人ですから七人減と云ふことになる、其の七人の議員を選擧する有權者は何處に行つたかと云ふと、私の西區、港區、大正區では六十萬の人口が今僅かに五萬人、十分の一以下に下つて居る、其のあとの五十何萬と云ふ人は然らば何處へ行つたかと云ふと、四國、九州、中國、近畿等に散らばつた人もありませうが、其の大部分は大阪市外に出て居る、それが爲に大阪市外、現行法の第二區即ち元の郡部です、郡部は定員七人であつたが今度十一人に殖える、其の殖えた四人は市内の減じた分である、其の時に、私個人の例を引くのはをかしいけれども、分り易いから申上げるが、私が大阪市内で立候補すると、私の支持者は、一區が定員五人でありましたから、五萬人殘つて居る人を三つに分けると一萬幾らです、其の一萬幾らの有權者を分けますと、僅かですから、大阪の一區では當然當選出來ませぬ、他の區に入り込んで票を貰はうと思つても、他の區に私の支持者は居りませぬ、然るに郡部に澤山入つて居る、私の「ファン」を郡部で求めようとすると、郡部は私の選擧場裡でないと云ふことになる、是は候補者の立場から見たことである、今度は有權者の立場から見ると、郡部に入つた大阪市内の有權者は、私なり其の他の田万とか紫安とか田中とか上田とか云ふやうな連中に入れたくても、選擧地盤が違ふから入れられないと云ふことになる、然らば是等の市内から郡部に入つた人はどうなるかと云ふと、永久に郡部に居る人ではない、やはり復興すれば市内に歸つて來ると云ふ人の方が大部分を占めて居る、それ等の人が一時戰災の爲め郡部に入つた爲に、此の選擧では豫て自分の信じて居る人に入れられずして、見ず知らずの人に投票しなければならぬと云ふことは、所謂選擧の自由公正を保持する所以ではない、斯う云う立場から見ても、私共は之を二つに分けないで、大阪府なら大阪府と云ふものを一區にすることの方が、有權者の意思を尊重して自由公正と云ふことに適合すると思ふ、故に二つに分けることは面白くないのみならず、大選擧區制に依ると云ふことが、所謂合法的であり理想であるとするならば、日本全國で僅か東京、大阪、愛知、北海道と云ふ位なものだけを二つに分ける必要はないではないか、餘り範圍が廣い――範圍が廣いと云ふことは、土地も廣いし人も多いし、定員も多いでせうけれども、それは選擧の實情を知らない議論で、選擧する時は如何に土地が廣くても、土地全體の人が一人の候補者に入れると云ふことはない、大概地盤が決まつて居つて、其處から票を取るのであります、例へば北海道に付て申せば、函館方面を根據にして居る人は、釧路とか根室の方面からは澤山票を取らない、そこまで運動しなくても、函館方面で立派に當選圈内に入る、又釧路や根室に居る人が、北海道が一選擧區にされた爲に、函館方面の票を澤山取りはしませぬ、ですからそれ等の票は地方地方で固まつて其の人に入れると云ふことになるから、そんなに運動が不便であつても、不公平にはならない、けれども廣くして置けば、先刻私の言つた利益、即ち函館に居る候補者に何等かの事由で北見の方、天鹽の方に移つた人が、あの人に入れたいと云ふ時に、一選擧區にすれば入れられる、北海道などは幸ひ人の異動のなかつた地方ですから、さう云ふことは、餘り考慮に入れる必要はありませぬ、一番考慮に入れる必要のあるのは、人の異動があつた爲に、選擧權が思ふやうに入れられないと云ふことは、戰災地に於て見る、即ち東京、大阪、愛知方面に之を見る、さう云ふ所の人は自分等が今まで居つた所に居れないから、一時他の方面に轉じて、他の方面の人口が殖えて居る、其の殖えた人々は、以前入れた人に入れることが出來ないと云ふ不便があるが爲に、之を撤去することに依つて、それ等の弊害を除いて、選擧の自由公正と云ふことを維持することが出來るのではないか、是ならば何も區域が廣いからと云ふやうなことを顧慮して二つに分ける必要はないやうに思ふのですが、如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/23
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024・堀切善次郎
○堀切國務大臣 私の言葉が足りませぬで、一松さんの御諒解を得なかつたことがあるやうでありますが、人口の異動が激しかつたから、其の爲に大きな府縣を選擧區を二つに分けたと云ふのではないのであります、人口の異動があつたと云ふことは、現在の選擧區を維持することが出來ない現在の選擧區に對して何か改正を加へなければならないから、其の結果として大選擧區制を採つたと云ふ方の理由であります、大阪に付て申上げますれば、大阪は從來第一區、第二區、第三區に分れて居るやうでありますが、是等は人口が非常に減りました爲に、是はもう何とか改正をしなければならないのでありまして、從來の第一區、第二區、第三區を維持することは出來ない譯であります、選擧區に對して何かの改正を加へなければなりませぬ、それで大選擧區にしたと云ふやうに、大選擧區制を採りましたと云ふ方の理由に人口異動のことを申上げた譯であります、唯一つの大きな府縣を二つに割りました理由は、人口の異動の理由はありませぬ、前に申上げましたやうに、便宜上二つに分けたと云ふのに止まつて居るのでありまして、大阪に對しましても、定員が十八人と云ふことになりますれば、有權者の數も非常に澤山になりますし、隨て運動を致しますのにも、色々な不便なこともあるであらうし、又費用もやはり相當超過するのではなからうかと云ふやうな點を考慮致しまして、十五人以上の府縣を二つに分ける、さう考へまして、大阪に付て色々分け方も考へて見たのでありますが、結局やはり現在の市を一つに、郡部の方を一つと云ふ風に考へるのが妥當であらうと考へまして、さう云ふ風に致した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/24
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025・一松定吉
○一松委員 是はもう餘り追究致すと、結局議論倒れになりますから、此の程度に止めますが、今大臣の御答辯では便宜主義に出たと云ふ一言に盡きるのです、併しながら私が今申しましたやうに、日本全國を大選擧區にしたのに、唯僅かに東京、大阪、愛知、北海道と云ふやうな所だけを二つにすると云ふことは、理論が一貫しない、其の理論が一貫しないのが唯便宜主義だけだとすると、便宜主義必ずしも正しいのではない、先刻も申上げたやうに、各候補者がそれぞれ地盤と云ふものを持つて居るのですから、そこら邊は運動しなくても選擧運動は出來ると云ふ實情に付て十分の御認識がなかつたのであらうと思ひますので、此の點は深く追究致しませぬ
次に私は最後に一點だけを伺つて見たい、それは附則の「戸籍法の適用を受けざる者の選擧權及び被選擧權は當分の内之を停止す」と云ふ此の規定であります、是は所謂朝鮮、臺灣の内地居住者に對する規定だと私は思ふ、朝鮮、臺灣と云ふものが、今度の敗戰の結果、朝鮮は獨立し、臺灣は支那に附くと云ふやうなことは、何れ和議と云ふやうな會議が行はれまして、其の時に決まるのでありますから、其の間一時的に此の選擧法の適用を停止すると云ふことは分ります、是は私は議論するのではない、之に繋聯して伺つて見たい、一體臺灣の人であらうと朝鮮の人であらうと、八月十五日以前は勿論日本の國民である、今日に於ても日本の國民である、其の日本の國民がどうすれば宜いかと云つて今歸屬に迷うて居る、勿論「ポツダム」宣言から申しますと、朝鮮は獨立し、臺灣は中華民國に返されると云ふことになるでありませうが、其のなるまではやはり日本の國民である、其の日本の國民がどうなるかと云ふことは、何れ色々な條約に依つて決まるのでありませうが、或る者は私はもう日本に參りまして數十年になります、出來た子供も澤山居ります、教育も日本で受けました、家内も日本で貰つて居ります、それで假に是が獨立しても歸ることは致しませぬ、日本に長らく御世話になる積りでありますと云ふやうな希望を持つて居る者も澤山ある、斯う云ふ者に對して、何故之を日本國民として立派に活動の出來るやうな手を打たないのであるかと云ふことを伺つて見たい、是等は戸籍法の運用に依つて、朝鮮から内地に戸籍を移すことは出來なかつた、或は朝鮮に居つて内地の人を嫁に貰ふ時分には、直ぐ内地の戸籍法を適用することが出來なかつたと云ふことが今まであつた、併しながら斯う云ふやうな終戰になりまして、色々彼等の國籍を明かにしなければならぬやうな時には、何等かの手を打つて、彼等の迷ひを醒してやる必要がある、朝鮮人の中には、もう俺は朝鮮人だからどうしても歸らなければならぬが、歸るならば財産を賣つて歸らうと云ふのもあるし、歸つて宜いのか歸らぬで宜いのか分らぬと云ふのもあるし、或は日本内地に居る朝鮮人の中で、親日派と云ふものに非常な暴虐を加へて、財産を奪ふ、或は貴樣みたいな者が居るから朝鮮の獨立を妨げるんだと言うて暴行脅迫を加へて歩いて居るのもある、又朝鮮人、臺灣人の中で、將來どうなるであらうかと云うて非常に心配して居る者も多いのでありますから、是等に對しては何等かの手を早く打つて、内地に永久に居ると云ふ者に付ては、特別の法律に依つてそれ等の手續を執るやうにしたらどうか、歸化は出來ますまい、日本人ですから、日本人が日本に歸化すると云ふ譯には行きますまいが、何等かの特別の法律を設けて、彼等が安定出來るやうな方法を執ることが、最も彼等を安定せしめる好い方法だと考へますが、之に對して政府はどう云ふ御考へを持つていらつしやるか、それを伺つて見たいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/25
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026・堀切善次郎
○堀切國務大臣 臺灣及び朝鮮に付きましては、御承知の通り「ポツダム」宣言の受諾に依つて、早晩帝國の領土から離れることが明かになつて居るのであります、それで此の朝鮮人及び所謂臺灣人の國籍がどうなるのかと云ふことに付きましては、是は學問上説があるやうであります、或る説に依りますと、「ポツダム」宣言の受諾と云ふことは、朝鮮、臺灣に對する日本の主權がなくなつたんだから、日本の國籍はないんだと云ふ説もあるやうでありますが、私共の考へます所では、それはさうではない、やはり依然として日本の國籍は持つて居る、唯何れ朝鮮は獨立し、臺灣は中華民國に歸屬することになるでありませうが、其の時期がどう云ふ時期になるかと云ふことは明かでありませぬ、併し何かの方法に依りまして講和條約のやうな形に依つて、其の時に此の問題が決定されることだと思ひます、それが決定されますまでの間は、やはり日本國籍を持つて居るのでありますが、是までの戰爭後の平和條約の例に依りますと、斯う云ふ場合には國籍は一應朝鮮人は朝鮮の國籍を取得し、臺灣人は支那の國籍を取得すると云ふことになるのであります、唯是までの例に依りますれば、さう云ふ際に内地に在留して居ります朝鮮人、臺灣人に對しましては、日本の國籍を選擇し得ると云ふことになるのが是までの例のやうであります、今度も恐らくさう云ふことになるではなからうかと考へます、何れ國籍を失ひますが、日本の國籍を其の時に選擇し得ると云ふことになると考へるのであります、臺灣人或は朝鮮人の中には、長く日本に親しみまして、全く内地人と何等差別なく、又今後どう云ふ變化が起りましても、やはり日本の國籍を選擇して、其の儘で行かうと云ふ多數の朝鮮人、臺灣人があるであらうと云ふことは私共も之を認めるのでありますが、唯原則と致しまして、只今のやうに、何れ日本の國籍を失ふ、外國人になる、其の時に日本の國籍を選擇すれば、日本國民として殘つて行くと云ふ關係にありますので、是は此の原案にありますやうに、權利は持つて居る、日本國民であります以上、選擧權、被選擧は持つて居るが、今の不安定の状態の間、此の行使を停止して置くと云ふことが、最も妥當だと考へまして、さう云ふ處置を執つた次第であります、其の際に日本の國籍を選擇するであらう朝鮮人及び臺灣人に對しまして、何か手を打つ方法がないかと云ふ御話なのでありますが、どうもやはり名案を考へ得られませぬで、斯う云ふやうに致した次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/26
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027・一松定吉
○一松委員 只今内務大臣の御答辯で、其の趣旨が議會を通じて是等の人人に徹底すれば、是等の人々も安心しようと思ひます、是れ以上に手を打つて置いても、今「マッカーサー」司令部を相手にして此の命に從つて居る我が國の現状では、是れ以上出來ますまい、私は只今の内務大臣の御答辯で滿足致します、私の質問は大變色々のことを述べて、冗長の點もあつて御迷惑を掛けましたが、大體の要點は濟みましたので、是で私の質問は終ることに致します、有難うございました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/27
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028・清瀬一郎
○清瀬委員長 此の際申上げることがあります、本日午後一時より農地調整法中改正法律案の上程があるのであります、是は獨り農業問題のみならず、國民生活に重大な關係がある議案でありますから、各位に於かれましても御出席を必要とされると思ひます、そこで只今休憩と宣言致しまするが、一時には開會しないで、若し三時半までに本會議が濟みますれば、三時半に開會致します、三時半以後まで本會議が繼續しますると、一寸開會しても直ぐ閉會になりますから、遺憾ながら此の委員會は、今日は事實上やらぬことにします、其の場合には私此處に參りまして開會を宣言して本日は散會、斯う云ふ手續に致します、明日は午前十時よりきつかり勉強しまして、今日の損失を取戻します、それでは是より休憩に入ります
午後零時五分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/28
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029・会議録情報2
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午後四時三十二分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/29
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030・清瀬一郎
○清瀬委員長 是より衆議院議員選擧法中改正法律案の委員會を開會致します、午前中にも宣言致しましたが、農地調整法中改正法律案の本會議が只今開會中でありまするから、本日は之を以て散會致すことに致します、明日は午前十時より開會致します
午後四時三十三分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/008911519X00219451205/30
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