1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十年十二月十四日(金曜日)
午後二時九分開議
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議事日程 第十三號
昭和二十年十二月十四日
午後一時開議
質 問
一 交通運輸竝燃料充足に關する質問(庄司一郎君提出)
二 教職員待遇改善に關する質問(木村寅太郎君提出)
三 引揚民援護に關する質問(伊禮肇君提出)
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第一 入營者職業保障法及國民勞務手帳法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)第一讀會の續
(委員長報告)
第二 昭和十二年法律第七十八號廢止法律案(紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤券附囘數入場券發行に關する法律廢止の件)(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第三 映畫法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第四 裁判所構成法戰時特例廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第五 戰時民事特別法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第六 戰時刑事特別法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第七 判事及檢事の退職竝に判事の轉所に關する法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第八 鐵道敷設法戰時特例廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第九 世界聯邦建設に關する決議案(尾崎行雄君提出)
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請 願
第一 (特別報告第一號)信頼政治實現の請願 (委員長報告)
第二 (特別報告第二號)美原村今里に無集配郵便局設置の請願
(委員長報告)
第三 (特別報告第三號)東厚保村大字山中に特定郵便局設置の請願
(委員長報告)
第四 (特別報告第四號)大河原區裁判所復活に關する請願
(委員長報告)
第五 (特別報告第五號)甘藷の公定價格引上に關する請願
(委員長報告)
第六 (特別報告第六號)陸軍航空廠用地跡還附拂下の請願
(委員長報告)
第七 (特別報告第七號(「パン」食奬勵に關する請願 (委員長報告)
第八 (特別報告第八號)鰮搾粕増産に關する請願 (委員長報告)
第九 (特別報告九號)戰災復興都市計畫促進に關する請願
(委員長報告)
第十 (特別報告第一〇號)串良川上流に「ダム」築設の請願
(委員長報告)
第十一 (特別報告第一一號)七北田川改修に關する請願
(委員長報告)
第十二 (特別報告第一二號)市制改正に關する請願 (委員長報告)
第十三 (特別報告第一三號)鹿屋市に博物館設置の請願
(委員長報告)
第十四 (特別報告第一四號)鹿屋市に農科大學設立の請願
(委員長報告)
第十五 (特別報告第一五號)鹿屋市に女子蠶絲專門學校設置の請願 (委員長報告)
第十六 (特別報告第一六號)鹿屋市に醫學專門學校設置の請願
(委員長報告)
第十七 (特別報告第一七號)鹿屋市に工業專門學校設置の請願
(委員長報告)
第十八 (特別報告第一八號)大白川、會津西方間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第十九 (特別報告第一九號)古江、隼人間鐵道速成の請願
(委員長報告)
第二十 (特別報告第二〇號)小出驛に急行列車停車の請願
(委員長報告)
第二十一 (特別報告第二一號)魚沼線復活の請願 (委員長報告)
第二十二 (特別報告第二二號)三國港、金津間鐵道復活に關する請願 (委員長報告)
第二十三 (特別報告第二三號)小波渡信號所を一般驛に變更の請願 (委員長報告)
第二十四 (特別報告第二四號)鶴岡驛増築の請願 (委員長報告)
第二十五 (特別報告第二五號)岩松驛存置の請願 (委員長報告)
第二十六 (特別報告第二六號)本川内信號所を一般驛に變更の請願 (委員長報告)
第二十七 (特別報告第二七號)仙臺、藏王山麓間竝白石、山形間省營自動車運輸開始の請願
(委員長報告)
第二十八 (特別報告第二八號)鹿屋、岩川間省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=0
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001・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 諸般の報告を致させます
〔書記官朗讀〕
一、本日政府より受領したる答辯書左の如し
庄司一郎君提出、交通運輸竝燃料充足に關する質問に對する答辯書
木村寅太郎君提出、教職員待遇改善に關する質問に對する答辯書
伊禮肇君提出、引揚民援護に關する質問に對する答辯書発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=1
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002・会議録情報2
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交通運輸竝燃料充足に關する質問主意書
右成規に據り提出候也
昭和二十年十一月二十九日
提出者 庄司一郎
交通運輸竝燃料充足に關する質問主意書
政府は現下の石炭燃料不足に餘 くせられ國有鐵道の客車及貨物車の運轉囘數の夫々五割及三割減斷行を近く開始する旨の發表あり爲に國民は愕然として今更乍ら國力の低下と其の後に來る可き人事往復の混亂化、食糧其の他の運送力の激減に關して極度の不安感に驅られ居るが政府は須らく政治力の新手發揚により燃料の増産を企圖し以て交通運輸上の萬全を期し得さるものなりや若し夫れ政府發表の如く交通運輸上五乃至三割低下の如き事態を發生せんか或は恐る國民思想の混亂、憤激、主食外食品入手の困難に依る飢餓 込を速進せしめ以て思はさる國内 安の平靜を失はしむること無きやを仍て政府の當面せる交通運輸對策 燃料増産確保の根本政策に關し左記三項に付所信を質す所以なり
一、石炭關係の一切の統制、價格等を改廢し自由自主協定價格に改め勞務賃銀の改訂を斷行し以て増産意慾を昂揚せしむるの方途に出たる計畫無きや
二、運輸省は汽車機關車の熱源燃料として五千五百熱量以上保有の石炭にのみ依存せすして四千五百熱量以上の優秀亞炭を三、四十パーセント石炭に混用する新方途を採用するの意圖無きや
三、亞炭増産確保上亞炭の現統制價格の枠を外し一噸百圓以上とし更に資材、副資材、増配食糧等を供給し以て新興燃料たる亞炭の年産一億噸増産施策を講するの意圖無きや
右及質問候也
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昭和二十年十二月十四日
内閣總理大臣 男爵幣原喜重郎
衆議院議長島田俊雄殿
衆議院議員庄司一郎君提出交通運輸竝燃料充足に關する質問に對し別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員庄司一郎君提出交通運輸竝燃料充足に關する質問に對する答辯書
一、政府は刻下石炭事情の極度の惡化に對處し、之が生産の確保と配給の圓滑に付萬全の努力を傾注しつつある處、之が打開策として石炭の生産配給等に關する一切の統制を廢止するは適當ならずと思料す
即ち石炭の供給確保は、國民衣食住物資竝に輸出物資の生産を中心とする、我が國産業の復興、民生安定の大前提にして、無統制なる取引に依り石炭の需給に混亂を來し、或は其の價格の安定を失はんか、直に全産業と民生の破綻を招來するの虞あること主食糧に於ける場合と異る處なし
仍て政府は、石炭に付ては其の基礎物資たる本質と需給の逼迫せる實情に鑑み、生産、配給、價格等に關し必要なる統制を尚持續せんとす、但し統制の運營に付てはなるべく官治的統制を避け、業者團體の自主的活動を促進することとし、又石炭販賣價格に付ては、出炭の激減と山元生産費の著しき昂騰に鑑み、相當の引上を近く實施する豫定にして、勞務賃銀に付ては坑内十二圓平均、坑外六圓八十錢平均に十一月一日以降引上を實施せり
二、亞炭は運轉用炭としては熱量の不足と灰分の多量なる缺點あり、現行の列車運行用としては適當ならざるも、石炭の逼迫の現状に鑑み之が利用方に付考究し既に試用したる結果四千五百熱量以上の亞炭を優良石炭(五千五百熱量以上にして灰分尠きもの)と三〇%程度混合し平坦線區に於て牽引力を低下し運轉時間を延長し運轉し得る程度なり
尚此種亞炭及石炭を多量且適度に配當することは困難なるも、政府としては極力之が實現を圖り石炭の缺乏緩和に資する所存にして既に一部に於ては實施中なり尚運轉用以外の雜用炭にはなるべく亞炭の使用を爲さしむることとせり
三、亞炭は石炭と共に平和産業の復興の主要動力資源として又家庭用燃料の供給源として重要にして、且最近の石炭不足に伴ひ益益其の重要性加重せられたるを以て、政府としては極力之が増産に努力しつつあり、而して亞炭の價格政策としては、從來より中央に於て劃一的に統制することなく各府縣に於て實情に應じ夫々實施せしめ居り、更に統制の枠を外し協定價格乃至自由價格と爲すことに付目下研究中なり、又生産資材、副資材の供給に付ても石炭に準じ措置することと致し居り、勞務者用食糧の特配に付ても同樣措置致度し
尚亞炭の年産目標としては、本年度上半期實績約八十萬瓲なる實情に鑑み、一應本年度二百五十萬瓲、昭和二十一年度四百五十萬瓲としあり
右及答辯候也
昭和二十年十二月十四日
商工大臣 小笠原三九郎
運輸大臣 田中武雄
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教職員待遇改善に關する質問主意書
右成規に據り提出候也
昭和二十年十二月七日
提出者 木村寅太郎
教職員待遇改善に關する質問主意書
最近惡性「インフレ」の昂進殊に青果物鮮魚類の統制廢止に伴ひ一般の生活費は急激に暴騰し國民大衆は塗炭の苦しみに呻吟せる状態に在り殊に之が應急對策は政府に於て至急實施するを要するは言を俟たざるも就中國民學校、中等學校等の教職員は俸給其の他諸給與が極めて低く今や其の大部分は榮養失調となり文字通り餓死線上に彷徨しつつあり今や日本再建の爲之を教育に俟つこと絶大なる秋に當り此の儘にして推移せんか我國國民教育の前途は實に暗憺たるものにして深憂に堪へざるものあり
政府は速に教職員の待遇改善を斷行して教職員を擁護すること極めて緊要なりと信ずるも差當り年末危機突破の爲月俸五ケ月分の臨時特別賞與を全額國庫負擔に於て支給されむことを要望するものなり政府の所信如何
右及質問候也
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昭和二十年十二月十四日
内閣總理大臣 男爵幣原喜重郎
衆議院議長島田俊雄殿
衆議院議員木村寅太郎君提出教職員待遇改善に關する質問に對し別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員木村寅太郎君提出教職員待遇改善に關する質問に對する答辯書
教職員待遇改善に付ては政府も同感にして速かに適當なる措置を講ずべく鋭意研究中なり
右及答辯候也
昭和二十年十二月十四日
文部大臣 前田多門
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引揚民援護に關する質問主意書
右成規に據り提出候也
昭和二十年十二月十一日
提出者 伊禮肇
引揚民援護に關する質問主意書
一、約五萬人に達する沖繩縣引揚民に對する政府竝に九州の受入各縣當局の同情ある援護に付ては洵に感謝に堪へざる所なるも沖繩本島失陷以前は郷里沖繩より毎月相當額の生活費の補助を受け漸く生活の安定を得つつありたるも現今沖繩が焦土と化し且交通斷絶し毎月の生活費の送金杜絶えたる結果從來通りの一人一日金五拾錢(二人に付一日八拾錢、人數増加に從ひ遞減)の政府補助金を以てしては物價高の今日到底最底生活を確保すること不可能の状態に在り
更に沖繩引揚に當りては現地軍當局の唐突なる引揚命令と長期に亙る滯留を豫期せざりし爲防寒用夜具、衣類等の準備不充分にして酷寒に向ひ不安に堪へず
仍て政府に於ては是等沖繩引揚民の爲生活援護費の増額竝に防寒用夜具、衣料の支給を速に實施せられむことを要望す
政府の所信如何
二、海外よりの引揚民援護に關しては政府に於て相當考慮せられつつあるも尚不徹底の點多く殊に熱帶圈比島「ダバオ」方面より引揚げ歸國したる邦人數千人は全く着のみ着のままにして且つ殆ど全部が榮養失調に陷り其半數は「マラリヤ」患者なる爲折角母國の土地を踏みながら日々數十名の死亡者を出しつつある現状なり
殊に一般引揚民が各各親類知己の温き手に迎へられて郷里に安住の地を求め得るに反し歸る可き母縣を失へる沖繩縣出身引揚民七千餘人(全引揚民の約六割)は福岡、鹿兒島(加治木は戰災と暴風雨の爲住所食糧に最も困窮せる所なり)浦賀へ集團し防寒用布團、衣料、食糧、醫療等の缺乏の爲困窮其の極に達し慘状見るに忍びざるものあり
仍て是等海外引揚民に對する徹底的援護對策に關し左記三項に付政府の所信を質す所以なり
(一) 向寒の節海外引揚民の爲最も急を要する夜具、衣料等は引揚民の滯留せる府縣の負擔とする結果一時に數千人の引揚民を押付けらるる當該府縣は戰災縣民用の夜具、衣料中より供給せざる可からざる結果到底寒を防ぐ程度の配給を期待し得ず
仍て政府は引揚民用として別途に夜具、衣料を豫め準備せられむことを要望す
政府の所見如何
(二) 前述の通り南方引揚民の殆ど全部が榮養失調其約半數がマラリア患者なり
仍て政府は速に醫療施設に關し特別の配慮を講ぜられむことを要望す
政府の所見如何
(三) 是等南方引揚民は軍票又は臺灣銀行等の預金證書のみを持參し現金を所持せざる結果日々の生活に困り居る状態なり
政府は右軍票又は預金を見返りとして一定限度の金額を融通し引揚民の生活を安定せしめられむことを要望す
政府の所見如何
右及質問候也
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昭和二十年十二月十四日
内閣總理大臣 男爵幣原喜重郎
衆議院議長島田俊雄殿
衆議院議員伊禮肇君提出引揚民援護に關する質問に對し別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員伊禮肇君提出引揚民援護に關する質問に對する答辯書
一、沖繩縣引揚民に對する政府の補助金一人一日五拾錢を以てしては現在の生活保護として不十分なること御意見の通なるを以て現在の實情に即し相當額の増額に考慮しつつあり尚防寒用夜具、衣類等の支給に付ては極力善處せんとす
二の(一)に付ては御所見の通引揚者相當多數なると纎維製品の現状よりして之が配給に萬全を期することは實に容易ならざる實状なるも軍需被服等の衣料を引揚民用として能ふ限り確保支給に努めつつあり今後尚一層改善に努めんとす
二の(二)に付ては御所見の通の現況なるを以て醫療施設及醫薬品に付ては今後一層考慮せんとす
二の(三)に付ては今後政府又は適當團體にして生活費の補給及貸付等爲さしむる樣十分努力する意嚮なり
右及答辯候也
昭和年二十年十二月十四日
厚生大臣 芦田均
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〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一、昨十三日貴族院より受領したる政府提出案左の如し
戰爭死亡傷害保險法及戰時特殊損害保險法廢止等に關する法律案
一、昨十三日議長に於て撤囘を許可したる議案左の如し
府縣知事公選竝地方制度改革に關する法律案提出に關する建議案
提出者 小野秀一君
一、昨十三日に於ける特別委員の異動左の如し
勞働組合法案(政府提出)委員
辭任原口純允君 補闕赤尾敏君
昭和二十年勅令第五百四十二號(「ポツダム」宣言の受諾に伴ひ發する命令に關する件)(承諾を求むる件)(貴族院送付)委員
辭任中西敏憲君 補闕松田竹千代君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=2
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003・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 是より會議を開きます、議員今井新造君より辭表が提出されて居ります、之に付き御諮り致したいと思ひます、先づ其の辭表を朗讀致させます
〔書記官朗讀〕
辭職願
今井新造
私儀
感ずる所有之議員の職を辭任致度候間御聽許相成度御願及候
昭和二十年十二月十二日
衆議院議長島田俊雄殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=3
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004・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 採決致します、今井新造君の辭職を許可するに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=4
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005・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て許可するに決しました――本日の日程に掲げました質問一乃至三は何れも政府より答辯書を受領致しました、仍て日程より之を省きます
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=5
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006・長野高一
○長野高一君 議事日程變更の緊急動議を提出致します、即ち此の際日程第一乃至第八と共に、同一委員に付託せられたる政府提出、防空法廢止法律案、大日本航空株式會社法廢止法律案、石油業法外十三法律廢止法律案、國家總動員法及戰時緊急措置法廢止法律案、戰爭死亡傷害保險法及戰時特殊損害保險法廢止等に關する法律案の十三案を一括議題となし、委員長の報告を求め其の審議を進められんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=6
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007・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 長野君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=7
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008・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て日程は變更せられました、日程第一、入營者職業保障法及國民勞務手帳法廢止法律案、日程第二、昭和十二年法律第七十八號廢止法律案、日程第三、映畫法廢止法律案、日程第四、裁判所構成法戰時特例廢止法律案、日程第五、戰時民事特別法廢止法律案、日程第六、戰時刑事特別法廢止法律案、日程第七、判事及檢事の退職竝に判事の轉所に關する法律案、日程第八、鐵道敷設法戰時特例廢止法律案、防空法廢止法律案、大日本航空株式會社法廢止法律案、石油業法外十三法律廢止法律案、國家總動員法及戰時緊急措置法廢止法律案、戰爭死亡傷害保險法及戰時特殊損害保險法廢止等に關する法律案右十三案を一括して第一讀會の續を開きます、委員長の報告を求めます――委員長小柳牧衞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=8
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009・会議録情報3
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第一 入營者職業保障法及國民勞務手帳法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀会の續(委員長報告)
第二 昭和十二年法律第七十八號廢止法律案(紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤券附囘數入場券發行に關する法律廢止の件)(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第三 映畫法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第四 裁判所構成法戰時特例廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第五 戰時民事特別法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第六 戰時刑事特別法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第七 判事及檢事の退職竝に判事の轉所に關する法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
第八 鐵道敷設法戰時特例廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
防空法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
大日本航空株式會社法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
石油業法外十三法律廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
國家總動員法及戰時緊急措置法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
戰爭死亡傷害保險法及戰時特殊損害保險法廢止等に關する法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一入營者職業保障法及國民勞務手帳法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議員議長島田俊雄殿
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報告書
一昭和十二年法律第七十八號廢止法律案(紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤券附囘數入場券發行に關する法律廢止の件)(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一映畫法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一裁判所構成法戰時特例廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一戰時民事特別法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一戰時刑事特別法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一判事及檢事の退職竝に判事の轉所に關する法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一鐵道敷設法戰時特例廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十三日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一防空法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一大日本航空株式會社法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一石油業法外十三法律廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一國家總動員法及戰時緊急措置法廢止法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
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報告書
一戰爭死亡傷害保險法及戰時特殊損害保險法廢止等に關する法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 小柳牧衞
衆議院議長島田俊雄殿
〔小柳牧衞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=9
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010・小柳牧衞
○小柳牧衞君 只今議題となりました入營者職業保障法及國民勞務手帳法廢止法律案外十二件の委員會に於ける經過竝に結果を御報告致します
本委員會に付託されました法律案十三件は、何れも現行の法律を廢止せんとするものでありまして、是等は終戰に伴ひ廢止の必要あるもの、或は其の制定當時と國内情勢が著しく異なり其の存續を適當とせざるもの、又は聯合國最高司令官の要求に基き廢止せんとするものでありまして、本委員會に於きましては、政府より其の提案の理由を詳細に聽取しまして、現行法適用の状況、其の廢止後の影響及び經過的措置等を初めと致しまして、種々の觀點より極めて熱心なる質疑應答を交されたのでありますが、其の詳細は速記録に付て御覽を戴くことと致しまして、茲に其の二、三主なるものを紹介致したいと思ひます
先づ厚生當局に對して、先般聯合國最高司令官より軍人の恩給及び扶助料の停止命令が發せられたが、是が爲め生活困難に陷る者に對する救濟方法如何との質問に對しまして、目下新設を圖つて居る社會保險の方へ恩給受領者を移管する考へであり、戰歿軍人の遺家族に對しましては、軍人援護會の仕事が厚生省に移つたので、此處で出來るだけのことを致したいとの答辯でありました、尚ほ恩給受領者が社會保險の方へ移管されて、恩給が社會保險と名稱が變つたと云ふのでは、果して聯合國司令部の諒解を得らるるやとの問ひに對しまして、社會保險と云ふのは既存の厚生年金に似通つたものでありまして、目下社會保險審議會で審査中でありますから、具體的のことに付ては今日申上げ兼ねるとのことでありました
次に文部當局に對しまして、教育關係の事項は法律を以て規定することが實際上適當と認めらるるものでも、從來慣例に依つて勅令を以て規定することが多いが、今後は成べく法律を以て規定し、廣く輿論の批判に委ね、其の諒解と支持を受くることが時代の要求でもあり、又實效を收むる所以ではないかとの質問に對しまして、文部當局は大體同感に付き將來は出來得るだけ法律に依りたき旨の言明があつたのであります
次に司法當局に對して「ポツダム」宣言受諾後は司法權に於ても、戰時日本の司法權より、平和的文化的日本の司法權の轉換したのであるから、其の運用に付ても大なる變換を必要とせずやとの質問に對しまして、司法當局は、民主主義は個人の權利を尊重することを基盤とするから、此の爲には司法權の權威を高むると共に、司法の行政化を極力避けなければならない、即ち司法官の地位及び素質の向上を圖ると共に、檢事局の勢力が裁判所を壓倒する傾向を阻止しまして、裁判所中心に導くことを必要と考へる、是が爲には檢事局を裁判所より引離し、構成上も、勤務上も、判事と檢事とは全然分離し、且つ判事の地位を向上せしむるの要ありと認むるとの答辯があつたのであります、尚ほ行政警察と司法警察との分離の必要なきやとの問に對しまして、分離の必要を認め、司法警察は檢事の下に置く方針を以て、目下計畫を進めつつあるとの答辯があつたのであります
斯くて質疑を打切りまして討論に入り、松本治一郎君、藤井伊右衞門君より原案贊成意見の開陳があり、採決の結果、滿場一致原案通り可決致しました、以上報告致します(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=10
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011・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 十三案の第二讀會を開くに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=11
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012・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て十三案の第二讀會を開くに決しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=12
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013・長野高一
○長野高一君 直ちに十三案の第二讀會を開き、第三讀會を省略して委員長報告の通り可決せられんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=13
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014・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 長野君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=14
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015・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て直ちに十三案の第二讀會を開き議案全部を議題と致します
入營者職業保障法及國民勞務手帳法廢止法律案第二讀會(確定議)
昭和十二年法律第七十八號廢止法律案(紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤券附囘數入場券發行に關する法律廢止の件)第二讀會(確定議)
映畫法廢止法律案第二讀會(確定議)
裁判所構成法戰時特例廢止法律案第二讀會(確定議)
戰時民事特別法廢止法律案第二讀會(確定議)
戰時刑事特別法廢止法律案第二讀會(確定議)
判事及檢事の退職竝に判事の轉所に關する法律案第二讀會(確定議)
鐵道敷設法戰時特例廢止法律案第二讀會(確定議)
防空法廢止法律案第二讀會(確定議)
大日本航空株式會社法廢止法律案第二讀會(確定議)
石油業法外十三法律廢止法律案第二讀會(確定議)
國家總動員法及戰時緊急措置法廢止法律案第二讀會(確定議)
戰爭死亡傷害保險法及戰時特殊損害保險法廢止等に關する法律案第二讀會(確定議)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=15
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016・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 別に御發議もありませぬ、第三讀會を省略して十三案とも委員長報告通り可決確定致しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=16
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017・長野高一
○長野高一君 議事日程變更の緊急動議を提出致します、即ち此の際政府提出、鹽專賣法中改正法律案、昭和二十年法律第十八號中改正法律案、貿易資金設置に關する法律案及び國民貯蓄組合法中改正法律案の四案を一括議題となし、委員長の報告を求め其の審議を進められんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=17
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018・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 長野君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=18
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019・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て日程は變更せられました、鹽專賣法中改正法律案、昭和二十年法律第十八號中改正法律案、貿易資金設置に關する法律案、國民貯蓄組合法中改正法律案、右四案を一括して第一讀會の續を開きます、委員長の報告を求めます――委員長崎山嗣朝君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=19
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020・会議録情報4
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鹽專賣法中改正法律案(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
昭和二十年法律第十八號中改正法律案(昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する件)(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
貿易資金設置に關する法律案(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
國民貯蓄組合法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一鹽專賣法中改正法律案(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 崎山嗣朝
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一昭和二十年法律第十八號中改正法律案(昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する件)(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 崎山嗣朝
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一貿易資金設置に關する法律案(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四目
委員長 崎山嗣朝
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一國民貯蓄組合法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 崎山嗣朝
衆議院議長島田俊雄殿
〔崎山嗣朝君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=20
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021・崎山嗣朝
○崎山嗣朝君 只今議題になりました鹽專賣法中改正法律案外三件の委員會の經過竝に結果の御報告を致します
本委員會は十二日、十三日、十四日の三日間に亙つて開會致しました、委員長には私、理事には田村、西川、小野の諸君が當選致されました、委員諸君と政府との間に熱心なる質疑應答が行はれました、即ち最近に於ける鹽の生産竝に其の需要供給の状況、輸入の見越し、今後に於ける増産計畫竝に鹽の販賣價格、國内自給體制の確立と云ふやうな問題が中心になつたのであります、殊に此の鹽の專賣法中改正法律案に付て重要なる注目すべき點は、政府は目下國内に於ける各種の増産の方策を講ずると共に、聯合軍の司令部に對し、鹽の輸入に付き懇願中であると云ふことであります、第二は鹽の如き國民の生命に直結致して居る必需物資に付ては、外地依存の弊風を一擲して貰ひたい、斯う云ふ點であります、是が爲に政府は數年間に亙る豫算外國庫の負擔となるべき契約を爲し、次期の議會に當該豫算を提出する用意があると云ふことであります、次に右の如き數年間の自給體制確立を圖る爲には、製鹽に關する技術の可及的向上竝に專賣行政の運營を徹底的に刷新するの要があると云ふ點であります、此の質疑に對しまして、大藏大臣は全然同感であると云ふ意を表されました
昭和二十年法律第十八號中改正法律案は、同法の一條に規定する公債の發行限度を二億五百四十萬圓だけ増額すると云ふ改正の法律案であります
貿易資金設置に關する法律案は、聯合國最高司令部の指示に基きまして、政府に於て物資の輸出、輸入を行ふことになります爲め、爲替相場等もまだ決定して居りませぬが、此の現状に鑑みまして、五千萬圓程度の資金を設定すると云ふ案であります、本資金の運用に伴ふ歳入歳出は、之を爲替交易調整特別會計の所屬と致すのであります、さうして本資金は右特別會計昭和十九年度の決算上の餘剰金を以て之に充當すると云ふことであります
國民貯蓄組合法中改正法律案は、戰時中に、御承知の通り、國民貯蓄をやつて參りましたが、戰後と雖も惡性「インフレーション」の發生を防止する爲に、之を繼續して行く必要がある、仍て同法にある所の戰時と云ふ文字を削除することだけである、斯う云ふことであります、尚ほ之に關しまする質疑應答の詳細は、何卒速記録を御覽にならんことを切望致します
斯くの如くして質疑を終了して討議に入りまして、各派それぞれ原案贊成の意見を表されました、全員一致して原案が可決されました、以上御報告申上げます(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=21
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022・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 四案の第二讀會を開くに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=22
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023・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て四案の第二讀會を開くに決しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=23
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024・長野高一
○長野高一君 直ちに四案の第二讀會を開き、第三讀會を省略して委員長報告の通り可決せられんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=24
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025・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 長野君の動議の御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=25
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026・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て四案の第二讀會を開き、議案全部を議題と致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=26
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027・会議録情報5
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鹽專賣法中改正法律案
第二讀會(確定議)
昭和二十年法律第十八號中改正法律案(昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する件) 第二讀會(確定議)
貿易資金設置に關する法律案
第二讀會(確定議)
國民貯蓄組合法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=27
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028・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 別に御發議もありませぬ、第三讀會を省略して四案とも委員長報告通り可決確定致しました(拍手)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=28
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029・長野高一
○長野高一君 委員に付託したる議案の審査終了を待つ爲め暫時休憩せられんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=29
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030・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 長野君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=30
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031・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て暫時休憩致します
午後二時二十八分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=31
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032・会議録情報6
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午後五時十二分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=32
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033・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 休憩前に引續き會議を開きます、幣原内閣總理大臣より詔書を傳達せられました、茲に捧讀致します――諸君の御起立を望みます
〔總員起立〕
朕十二月十八日迄四日間帝國議會會期の延長を命す
〔總員敬禮〕
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=33
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034・松永東
○松永東君 議事日程變更の緊急動議を提出致します、即ち此の際政府提出、勞働組合法案を議題となし、委員長の報告を求め其の審議を進められんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=34
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035・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 松永君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=35
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036・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て日程は變更せられました、勞働組合法案の第一讀會の續を開きます、委員長の報告を求めます――委員長添田敬一郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=36
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037・会議録情報7
――――◇―――――
勞働組合法案(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一勞働組合法案(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 添田敬一郎
衆議院議長島田俊雄殿
〔添田敬一郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=37
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038・添田敬一郎
○添田敬一郎君 只今議題となりましたる勞働組合法案の委員會に於きまする審議の經過竝に結果に付て御報告を申上げます
委員會は去る十一日より本日まで四日間審議を致しましたが、其の期間は必ずしも長いとは言へませぬが、委員諸君の御審議振りは極めて熱心でありまして、單に厚生當局に限らず、内閣總理大臣、商工大臣、大藏大臨も御出席をされまして、質疑應答も多岐多端に亙り、能く巨細を盡して審議された次第であります、其の詳細は速記録に依つて御承知を願ひ、私は其の概略を綜合して、其の要旨を御報告致したいと存じます、先づ本法案の審議は單に法案の解釋、運用の問題に先だちまして、之を繞る産業、經濟、政治、思想等極めて廣汎なる視野より論究されたのでありまして、洵に事の性質上當然のことと存ずるのであります、此の點に付て其の概要を申上げますると、次の通りであります
第一は今後に於ける我が國産業再建の方途に付て、資本主義か、社會主義か、賠償問題を中心とする經濟計畫は果して如何、或は中小商工業に對する政府の方針は如何等の問題が提示されたのでありますが、之に對しましては一面に於て「トラスト」等の獨占を排して、眞に公正なる自由競爭を助成すると共に、他面に於て資本主義の弊は、可急的に社會策を實施して逐次理想に進むべく、又經濟の再建計畫に付ては、過般の「ポーレー」大使の中間報告は、之に付て極めて困難な且つ嚴しきものを要求するものでありますが、一面今後の見透しに付て一脈の據るべき所を與へたものであり、政府としてはそれぞれ考案をして居るも、併し今日は其の内容は發表の時期にあらざる旨答へられ、又中小商工業問題に付ては、今後我が國に於ける其の重要性に鑑みて、政府は誠意を以て是が助成に當るべき旨答辯があつたのであります
第二に今後我が國に於ける産業の再建、經濟の興隆は、産業の民主主義の下に、勞資雙方其の責に任ずべきでありますが、之に付き勞働者の企業參加を認むるや否や、又此の見地より本法は勞働者に對してのみ規定するに止まらず、使用主に付ても企業經營上の諸問題を規定すべきものではないかとの質問に對しましては、勞働者が企業經營に付き相當の識見を具有し、使用主との話合に依つて之に參畫することは、産業民主主義の上より望ましきことであるが、現状に於ては之を制度化することは、目下の所考慮しては居らない、又本法は主として勞働組合を中心とする勞資間の問題を規定したものであって、使用主に對し企業經營に關する種々の規定を設くることは、其の枠外であるとの答辯があつたのであります
第三に終戰に伴ふ失業問題、勤勞大衆の生活問題も種々論議されたのでありますが、之に付きましては本會議、或は他の委員會に於きましても述べられましたやうに、政府は土木事業の振興、或は社會保險等に依り、それぞれ施策すると共に、或は賃金給料に付き必要なる引上をなし、又衣食住に付ては、不自由ながら關係者相互間の連絡を緊密にし、以て勤勞意欲を昂揚し、所謂失業者の闇屋を撲滅して、其の生活の安定を圖らんことをそれぞれ答へたのであります
第四には勤勞觀、國民思想の問題に付ても、各委員より熱烈なる意見の發表と共に、政府の所信に付ての質問に付きましては、政府は又之に答へて、眞に民主的なる我が國本來の勤勞觀、國體護持の信念に共鳴すると共に、一面之に反する望ましからざる思想運動に付ては、徒らに權力乃至法律に依つて之を彈壓すべきではない、國民が、自ら之を決するであらうとの信念を披瀝されたのであります
第五に本會議に於きましても若干論議された所でありますが、勞働組合の政治運動、社會運動等に關する問題でありますが、之に付きましては一面に於て組合の本來の經濟的使命を健全に發達せしむる爲には、之を法律に依つて制限すべしとの立場よりする質問があり、又他面に於ては、眞に勞働者をして其の責務を達成せしむる爲には、之を積極的に認めなければならぬと云ふ立場よりの質問がなされたのでありますが、之に對して政府は、勞働組合の使命が主として經濟問題にあることは、既に内外の一致せる見解であり、而して一面それが政治的、社會的地位の向上とは、密接不可分の關係にあります組合が各種の文化、政治上の事業、運動を附隨的になすことは何等差支へなく、又強いて之を抑壓せんとすることは、其の當然の發生的性格に鑑みまして、適當ならざるとの所信を示されたのであります、以上總論的論議は此の程度に止めまして、次に本法案の内容に關する審議の模樣を御報告申上げます
第一に本法に依り勞働組合に付き同盟罷業等の爭議行爲が合法化せられたが、之に依り爭議は激化して、公益が著しく阻碍せられたる場合の處置如何との質問に對しましては、先づ斯かることのないやうに、勞働委員會の機能を發揚すると共に、更に目下別に勞働爭議調停法の改正を研究中である、恐らく次の議會には之を提案することとならうと思ひますが、其の骨子は、一、事前調停の制を法制化すること、二、強制調停の範圍を擴大すること、三、本法に依る勞働委員會を調停の法的常設機關とすること、四、場合に依り右機關の調停に拘束力を附與すること、五、必要に應じて爭議の中止命令等を發し得るものとすること等が明かにされた次第であります
第二に組合の結成に關し本法が小作人組合等に適用ありやとの質問に對しましては、本法は使用從屬關係にある被傭者に適用するものがある等の理由に依り、是は別途處理せられるものであるとの答辯があつたのであります
第三に本法案第四條に規定する官吏等の組合に關する命令の内容に付きましては、目下檢討中であるけれども、概ね次の點を規定すべく考究中であるとの答へがあつたのであります、即ち一、是等の官吏、吏員等は、調停又は仲裁に附して、其の成らざる場合の外は爭議行爲をなすことが出來ないこと、二、其の爭議行爲に付ては行政官廳に於て必要ありと認むるときは中止命令其の他必要なる命令を爲し得ること、三、是等の組合に對し勞働委員會の決議に依つて行政官廳が、其の政治運動を禁止又は制限し得ることの此の三點であります、而して今後に於ける官吏、吏員等の組合の結成及び其の活動は、從來の吏道觀を變革するの要なきやとの質問があつたのでありますが、之に對しましては、要するに今後の吏道觀は、官吏は國民の公僕であると云ふことを徹底するにあり、其の組合の活動も斯かる吏道觀の下に自ら限界があるであらうし、又斯かる見地より現行の官吏服務紀律を再檢討して居るとの言明があつた次第であります
第四に、本法案第十五條の組合を解散せしむるに付ては、特に愼重なる手續を要するを以て、特に屡屡法令に違反することを條件とし、且つ勞働委員會の申出に依つて、裁判所が之をなすものとしたものであると答へられたのであります
第五に、勞働協約に付きましては、種々の角度より論ぜられたのでありますが、其の主なるものは、其の合理的基準と云ふ點に付てであります、即ち是が合理的基準を超えたる場合は如何にすべきや、又「インフレーション」の進行途上に於て、如何なる金額を捉へて合理的基準とすべきやとの質問がなされたのでありますが、之に對して政府は、勞働協約は先づ公定賃金制の容認する範圍内に於てのみ有效であるのみならず、是が締結に付き一方が過當の要求をなし、適當なる協定が困難である場合には、他方の申出に依つて勞働委員會が其の調整に當り、更に協約締結後に於ても、それが不適當なる場合は第三十二條の規定に依つて是が是正の處置がなされるであらうし、又「イフレーション」問題に付きましては、是が安定方策の極めて困難なことが種々陳述されたのでありますが、結局一面に於て價格統制は強いて之をなすことは却て適當でない、可及的に之を撤廢して自然の推移に依つて形成せらるる價格水準を捉へて、茲に安定するが如き措置を講ずると共に、價格騰貴の主なる原因たる主食物の配給の圓滑化に付き凡ゆる努力をなすべしとの答へがなされたのであります
最後に本法に規定せる勞働委員會に付きましては、其の使命の重大性に鑑み、其の組織運營に付き種々の質問があつたのでありまますが、それに對しましては政府に於ても十分其の重要性を認め、委員、特に第三者代表の委囑、委員會の事務職員の選任等に付ては、凡ゆる努力を傾注して、實情を通じた中正なる人物を以て之に充てるやうにし、又之に勞働に關する問題を科學的に調査研究すべき機關を設けるやう考究中である旨の答辯があつたのであります
以上極めて要點に付き、而も概要を述べたのでありますが、右の質疑應答を經た後、結局本法は政府提案の趣旨、即ち今後に於ける民主的基盤の下、産業再建の爲には健全なる勞働組合の結成活動を助成するの必要があり、且又此の事は「ポツダム」宣言を忠實に履行する所以であつて、即ち本法案は右の要請に適應するものとして、進歩黨より米田君、無所屬より永山君、自由黨より本多君、社會黨より山崎君がそれぞれ黨を代表して贊成せらるると共に、特に本法の所期する成果は、主として其の運用に懸つて居るものでありますから、政府に於ては此の點に付き十分に注意を拂つて、萬遺憾なきを期せられたいと希望意見、其の他國内態勢の民主化、竝に國際勞働團體に參加し得るやうに努力すべし等の希望意見を開陳せられ、之に對して厚生大臣は、十分是等の希望を滿すべく努力する旨の答へがあつたのであります、斯くて委員會は全會一致を以て之を可決した次第であります
想ひますのに、我が國に於ける勞働組合法制定の問題は、既に大正八、九年頃に遡り、大正の末期、昭和の初期に於て、之を繞る朝野の論戰は華々しく討議されました、當時に於て殆ど其の論點は盡して居るのであります、而して特に昭和六年第五十九議會に於きましては衆議院を通過して、貴族院に於て審議未了となつた經緯を考へて見ますと、本法が更に時代の脚光を浴びて、新たなる裝ひを凝して本院に再び登場致しましたことは、眞に今昔の感に堪へない次第であります、何卒皆樣の御協贊を御願ひする次第であります(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=38
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039・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 本案の第二讀會を開くに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=39
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040・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て本案の第二讀會を開くに決しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=40
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041・松永東
○松永東君 直ちに本案の第二讀會を開き、第三讀會を省略して、委員長報告の通り可決せられんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=41
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042・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 松永君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=42
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043・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異義なしと認めます、仍て直ちに本案の第二讀會を開き、議案全部を議題と致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=43
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044・会議録情報8
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勞働組合法案 第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=44
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045・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 別に御發議もありませぬ、第三讀會を省略して委員長報告通り可決確定致しました(拍手)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=45
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046・松永東
○松永東君 議事日程變更の緊急動議を提出致します、即ち此の際政府提出、農業團體法中改正法律案、水産業團體法中改正法律案、戰時森林資源造成法中改正法律案及び蠶絲業法改正法律案の四案を一括議題となし、委員長の報告を求め其の審議を進められんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=46
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047・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 松永君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=47
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048・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て日程は變更せられました、農業團體法中改正法律案、水産業團體法中改正法律案、戰時森林資源造成法中改正法律案、蠶絲業法改正法律案、右四案を一括して第一讀會の續を開きます、委員長の報告を求めます――委員長川崎巳之太郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=48
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049・会議録情報9
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農業團體法中改正法律案(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
水産業團體法中改正法律案(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
戰時森林資源造成法中改正法律案(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
蠶絲業法改正法律案(政府提出)
第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一農業團體法中改正法律案(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 川崎巳之太郎
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一水産業團體法中改正法律案(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 川崎巳之太郎
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一戰時森林資源造成法中改正法律案(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 川崎巳之太郎
衆議院議長島田俊雄殿
━━━━━━━━━━━━━
報告書
一蠶絲業法改正法律案(政府提出)
右は本院に於て可決すへきものと議決致候此段及報告候也
昭和二十年十二月十四日
委員長 川崎巳之太郎
衆議院議長島田俊雄殿
〔川崎巳之太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=49
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050・川崎巳之太郎
○川崎巳之太郎君 只今議題となりました議長が御讀上げになりました四つの法案に付きまして、其の審議の經過及び結果を御報告致します
此の四つの法案に共通して居る改正の要點は、何れも法文の形を民主化すると云ふことに努められたのであります、即ち現行法では行政官廳の監督權、指導權、許可權、命令權などを稍稍仰山に規定して居りましたものを幾分か緩和し、或は削減し若しくは廢止したのであります、例へば會長の權限を改めて理事の仕事と致し、團體の役員を官廳より天降り式に任命して押付けたり、許可認可を與へたりするのを改めて、所屬團體の各會員同士の選擧たらしめたやうに、所謂官僚的臭味の紛々たるものを拭ひ去りまして、「ポツダム」宣言に強調されて居る民主主義色彩を一段と帶びさせたものでございます、役員の選任には今までは會長中心主義を執つて居りましたのを、會員間の選擧に讓つた如きは其の一例でございます、之に對しまして委員會は、去る十一日より今日午前、午後に亙り四日間、連日午前、午後開會を致しまして、委員各位より熱烈火の出る如き質問が續出致し、之に對しまして政府側は、主管の農林大臣を初めとし、關係の事務當局は懇切詳細なる答辯をされました、質疑の題目は勿論改正した新しい條文に付て若干の問答もありましたが、それよりも寧ろ遙かに多かつたのは農業、水産、蠶絲、森林に關する現下諸般の活問題に付てでありました、終戰後の國民生活上に現はれたる色々の事態に付きとことんまで縱横の檢討を加へたものでありました、其の一例を申上げれば、食糧増産に付て、肥料の問題に對しまして、農林大臣は或る會で硫安百萬「トン」を造る用意をして居ると言はれた、商工大臣は他の會で七十萬「トン」程造ると云ふ話をせられた、此の必要な問題が三十萬「トン」も食違ひのあるのはどう云ふことか、それならば商工大臣に出席を求めて、其の説明を聽かうぢやないかと云ふやうなことになりまして、商工大臣に出席を求めて説明を承りました、それから四國のある海岸の農村で終戰後火藥、大砲の彈等が爆發したことがございます、それに付て其の農村の損害、農民の被害者に對して是は何處の役所が所管するのかと云ふ問題になりまして、是は内務大臣だらうと云とふこで、内務大臣の出席を求めたと云ふやうなとばつちりもある位で、此の委員會が如何に活溌に辯論したかを御察し願ひたいと思ひます(拍手)併し無血革命の進行中とまで或る人々が極言する今日でありますから、今日の世相、就中其の食糧事情等に付きましては、各委員より反復質疑が行はれ、微に入り細に亙つて息詰る如き光景が幾度も示されました、例へば主要食糧の不足を補ふべき未利用資源の實態を示して貰ひたいと云ふ要望がありまして、農林大臣は此の本會議でも他の委員會でも、團栗を初めとし其の他と云ふことに答へてありまして、其の他の方が分らない、團栗だけで不足食糧を補へるかどうかは疑問であると云ふやうな話でありまして、事務當局に其の他の内容を一々並べ立てて其の數量を示して貰ひたいと云ふやうな隨分極端な心臓の強い要求まで致しました、之に對しまして農林當局は八つ程其の他の方の種目を示されました、それは聊か人間離れをしまして、動物や昆蟲の領分にまで此の飢餓線上に立つ日本國民が食込むやうな事柄でございます、それを申上げますれば第一桑の葉の殘りを食べろと云ふことで、是は蠶の領分に食込むことと思ひます、それから甘藷、馬鈴薯等より澱粉を取つた搾り粕、あれを製品にして食べろと云ふ話もございました、それから鰮、鰊の鰭だの尾だの及び骨等の骨粉には色々榮養價値が多いから、之を混ぜて粉食に使へと云ふやうな話もございまして、蝗も食べろと云ふやうなことになりました、尚ほ海草や果物の外皮もあります、左樣な譯で、八つ程左樣なことを並べて答辯をすると云ふ位まで食糧問題、農村問題に付て熱心に論辯をしたのでございます、そこで斯樣な風に述べまするは固より本意ではございませぬで、唯委員會の光景を示す爲にそれを御示ししたのでございます、そこで其の詳細の内容に至りましては、例に依つて各委員長の述べられるやうに速記録に讓ることに致しまして、今度は此の四つの案に付きまして、どう云ふ問答があつたかを詳細でなく、是もほんの委員會の光景「スケッチ」と云ふ程度で一、二づつ各法案に付て申上げたいと思ふのでございます
農業團體法に關しましては、今の農業團體中に畜産のこと、養蠶のこと、茶業のこと、色々雜種の種類のものを含んで居るが爲に、各別々の農業團體に付て機能を十分に働かせることが出來ないが、之を銘々分けて別のものにして、單獨に身輕にして、十分に活動させてはどうかと云ふやうな質問がありました、それに對して政府は其の考へはない、從來も左樣なことは一應經驗したのでありまするが、それを綜合、統制する必要がありまして、今の農業團體と云ふことにしたのであるから、元へ還す積りはない、斯う云ふ答辯がございました、偖て茲にまだ重大なる問題が、此の農業團體法中にありますのは、第三十八條を全部削除した、第三十八條は御承知の如くに、農業會の郡支部を設ける規定でございました、之を削除した爲に、郡支部が一寸なくなつたやうな恰好になるが、それでは府縣の支部から町村の農業會へ直ぐに色色交渉指導等をするのに困るのぢやないかと云ふ憂ひが多分にありましたので、其の點に付きましては反復質疑が重ねられました、之に對して農林當局は、昨日は農林大臣等が出まして、農林省の立場を代る代る陳辯せられました、之に依ると農林當局の意向は、郡支部の重要性は依然として之を認めるので、其の條文はなくなつたけれども、郡支部を設けて宜しいのだと云ふ趣意の御答辯でございまするが、其の答辯の要領を此處に文書にして書いて來たものがありますから、之を一應朗讀致します
第三十八條削除と、郡支部設置に關する件、農林大臣の答辯、昨十三日のことであります、「道府縣農業會の支部設置の問題に關しては、度々申上げました如く第三十八條の規定を削除致しました趣旨は、支部の設置を不必要とするやうな考へ方では全くなく、寧ろ現状に於ては其の設置を必要とすることを痛感致して居るのでありますが、唯現在の法律規定上の建前から申しますと、支部に付ては地區の制限があり、更に又支部長は理事でなければならぬと云ふ制限がありますので、是等の法律上の制限を撤廢し、會則の定むる所に依り是等の制限を廢して自由に支部を設置させると云ふ意味に外ならないのであります」、右の如き趣意でありまして、政府としては支部の設置を必要と認めることを茲に重ねて申上げて置きたいと存じます」斯樣な答辯でございました
それからあと一つ、農業團體法のことに關しては委員會風景を申上げます、それは右食糧増産に要する自給肥料にどれだけの金を最近に掛けて、如何なる施設をして居つたか、其の細目に亙つて金額と種類とを示して、且つ又其の成績等も示して貰ひたいと云ふことを、委員側から當局に詰寄つたのでございます、それから咋年農林省がえらい笛太鼓で手傳ひをし、宣傳せられた薄播廣幅の麥の奬勵の助成の後、及び其の成績はどうだと云ふことの質問がありまして、それに對しては相應に細かしい書き物を出しての答辯がありましたが、數字は大分面倒になりますから、此處には省略さして戴きます
是で農業團體法に關する部面の説明、所謂委員會の光景「スケッチ」は終りまして、次に水産業團體法案に關しての討議に付ての一、二のことを簡單に申上げます、改正の趣意は右農業團體と同じに、第八條行政官廳の命令云云と云ふことを全部削除致しまして、監督權又中央官廳の命令權と云ふやうなものを、えらい弱くしてしまうたのでございます、水産業團體は今漁業會が全國で二千八百九十五あり、其の會員數は七十一萬五百八十一人あり、出資の總額は、漁業會と地方水産業會と、中央水産業會と合せて、五千萬圓程になつて居りますから、是は中々全國に關係の多いものと思ひますので、此の法案の討議に付きまして問答した一、二の點を貴重なる時間でございますが、此處で述べるやうに致します、水産のことに堪能なる、且又權威ある方々若干名が此の委員會に加はつて居られましたので、極めて専門的な且又力の強い希望條件を當局に數項に亙つて述べましたに付て、政府は之に同感を表し、若しくは篤と更に研究をすることを約束致しました
それから政府當局の意見としまして、委員の質問に對して南洋漁業が既に止まり、北洋漁業が既になくなり、外國へ輸出する水産物がなくなつた、之に對してはどうするかと云ふやうな質問もありましたに對して、洵にそれは困つたことであるけれども、今は段段「ウラヂオ」や何かの奧の方面まで行かずに、北海道の先の方で以て蟹や何かが大分獲れる當てが付いたから、さう云ふもので輸出向の罐詰などを造つて、或る程度までは補へると云ふやうな答辯がありました、其の外魚の値段を自由開放してから、魚の値段が大變に飛上つたことに付ての對策があるとか、遠洋漁業が止つた爲に大きな漁業家が近海を荒して居る、近海の漁業權を蹂躪して困るが、之に付てはどうするかと云ふやうな實際問題に付ての質問及び應答がございました、是が水産團體に關係する問答の一端であります
それから戰時森林造成法中の改正案、是は極めて簡単でありました、此の改正の項目は其の題目の示す如く、是は戰時と云ふのが頭に附いて居る、本文を見ますると、大東亞戰爭に際してと云ふ言葉もあるのです、それから戰力化の徹底を期するが爲めと云ふ文句もあるのです、是が終戰後の今日となりましては、此の儘竝べて置くことが甚だ不適當であるのだから、此の字を削つた、斯う云ふだけの話で、さうであるかと云ふことで、別段議論がなかつた、唯差當りの問題として農林省が食糧増産、失業救濟等の爲に百五十萬町歩の大開墾をば巨額の金額を掛けてやるさうであるが、是は官林でやるか、私有林でやるか、場所は南日本でやるか、中部日本でやるか、北部日本でやるかと云ふ實際問題に付ての問ひがありましたのに對して、官林は大體山奧にあつて、開墾をするのに不便であるから、山奧は避ける、それから中部及南、西の方に於きましては、さう澤山廣い面積の候補地もなからうから、東北竝に北海道方面に地所を選ぶのだ、斯う云ふ御答辯がございました、其の外色々ありますけれども、略します
それから蠶絲業法中改正法律案、是は委員の中に蠶絲に關する專門の知識經驗を持つて居る方々が大分ありましたので、隨分議論も激しかつたし、熱も上つたし、多種多岐に亙りましたけれども、是は其の詳しいことは一切略します、唯茲に申上げて置きたいのは、此の蠶絲業が段々大きくなつて、蠶絲業の會合が全國に亙つて居る、さうすると農業會と對立するやうなものになるから、農業會から之を切離してしまつて、自由に活動をさしたらどうかと云ふ意見が委員會にありまして、政府の所見如何と云ふのに對しまして、政府の方では左樣なことはまだ考へて居ない、やはり農業會の中に、蠶絲業の大きな會を含めて置かうと云ふやうな話でありました、其の外此の戰爭に際しまして捏つち上げました日本蠶絲製造株式會社と云ふのが、御承知の通り「マッカーサー」司令部の命令で解散をせられた、其の後始末はどうするか、補償の金額はどうだと云ふ大分面倒な話がありましたが、是は略します
第三には繭の値段の大幅引上をしてはどうか、他との釣合が取れぬではないか、斯う云ふ話がありまして、之に付ては政府は引上をすると言ふ、それでは何時するかと云ふ質問に對しまして、明年一月中にはすると云ふ明言がありましたので、此の機會に御報告申上げて置きます
それから蠶絲に對しまして大きな論點となりましたのは、今日本では飯米が必要で、外國から輸入しなければならぬ、其の許可を「マッカーサー」司令部から得ましたけれども、其の實行方法に付て中々骨が折れて居る、それの見返り品として品物を提供する中に、蠶絲が一番大きいものである以上は、米の代りになるのだから、其の桑畑を殖やして、養蠶業に從ふ所の農夫を殖やさなければならぬ、之を奬勵しなければならぬ、さうすると一方にはそれ等の者は、米、麥、馬鈴薯の増産を怠ることになる、一方に於ては綜合配給で以て外に米が不足なれば、馬鈴薯其他を米に換算して出して勘辨して貰ふと云ふ供出方法を許して置きながら、養蠶家に對しても米の代りに繭で納めさせる、之を許さなければ不公平ではないか、且つ又養蠶に奮發する意欲を上げることが出來ないぢやないか、況や養蠶は一反歩桑を作りました所が、收入が他のものに對して甚だ劣るに於ておやではないかと云ふ意見があつて、繭を供出すれば之を米、麥、馬鈴薯、甘藷を何貫目供出したと云ふことに代へて貰ふことは出來まいか、斯う云ふことの大分熱心な質問がありましたのに對して、政府は繭は技術上食べ物でないから難かしからうと云ふ答辯を初めとし、それはいけないと云ふ政府側の意見でありました
斯くして本日午後討論に入り、社會黨から川俣君の討論がありまして、それには數箇條の修正がございました、無所屬の北君は原案贊成の趣意を述べられました、自由黨の唐橋君は一部修正を加へて原案贊成の説を述べられました、進歩黨の岡田君からは原案贊成の演説がありました、斯くして採決の結果、大多數を以て政府の原案を可決致したのでございます、此の段御報告申上げます(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=50
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051・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 先づ農業團體法中改正法律案を審議し、次に他の三案の審議に入ることと致します、是より農業團體法中改正法律案の審議に入ります、本案に對しては川俣清音君及び松野鶴平君外十二名より成規に依り修正案が提出されて居ります、仍て其の趣旨辯明は第二讀會に於て之を許すことと致します、本案の第二讀會を開くに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=51
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052・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て本案の第二讀會を開くに決しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=52
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053・松永東
○松永東君 直ちに本案の第二讀會を開かれんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=53
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054・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 松永君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=54
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055・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て直ちに本案の第二讀會を開き、議案全部を議題と致します、此の際順次修正案の趣旨辯明を許します――三宅正一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=55
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056・会議録情報10
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農業團體法中改正法律案 第二讀會
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農業團體法中改正法律案に對する修正案(川俣清音君提出)
農業團體法中改正法律案中左の通修正す
第十五條第一項但書を左の如く改む
但し其の者が法人なるときは命令を以て定むるものに限る
同條第二項中「行政官廳の認可を受け」を削る
第二十八條 市町村農業會の理事○は命令の定むる所に依り會員の中より會員之を選擧す
市町村農業會の理事○特別の必要ありと認むるときは會則の定むる所に依り前項の規定に依る理事○の外一人を限り總會の承認を得て理事○を選任することを得
第二十五條の規定は前項の場合に付之を準用す
市町村農業會の監事は總會に於て之を選任す
道府縣農業會の理事及監事は總會に於て之を選任す
第二十九條 理事の任期は三年とし監事の任期は二年とす但し會則を以て別段の定を爲すことを得
前條第三項の場合に於て理事○の選任に付總會の承認を得ざるときは當該理事○は其の職を失ふ
監事は任期中と雖も總會に於て之を解任することを得道府縣農業會の理事に付亦同じ
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農業團體法中改正法案に對する修正案(松野鶴平君外十二名提出)
農業團體法中改正法律案中左の通り修正す
第三十八條 削除
〔三宅正一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=56
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057・三宅正一
○三宅正一君 私は極く簡單に本案に對する社會黨の修正の趣旨を辯明致します、印刷物は問に合ひませぬので、修正の箇所に付て其の趣旨を簡單に申上げます
第一は會員に關する規定でありまして、本法第十四條に於きまして、會員は「一、其の地區内に於て農業を營む者、二、其の地區内の耕地、牧野又は原野を所有する者、三、前二號に準ずる者にして勅令を以て定むるもの」となつて居るのに對しまして、一の其の地區内に於て農業を營む者のみを當然の會員と致しまして、二及び三號を削除しようと云ふのであります、其の代りに第十五條に於て、其の地區内に於て農業に從事する者の福利増進に關係ある者にして、當該農業會に於て適當と認むる者と云ふのを、後から會員に認めることの出來る途を開いた譯であります
更に第二十八條に於きまして、理事は會員の選擧となつて居りまするのを、理事だけでは不穩當であるから、當然此の趣旨から言ふならば、監事も選擧に依るべきものであると云ふ趣旨に於て、此の點を修正致したのであります、其の他それに附屬致しまする箇條の條正がございますが、修正の趣旨はさう云ふのでございまして、以下簡單に其の趣旨を辯明させて戴きたいと思ふのでございます、農業團體法政正の要旨は、政府が説明して居られます通り、農業團體の自主的活動を促進し、役員制度の改正、行政官廳の監督事項の整理を行ふ等、所謂民主化が此の改正の中心になつて居るのでございます、而してさう云ふ民主化と云ふことを考へて居られながら、政府の提案に依りまするならば、此の改正に依りまして戰爭前の農業會に戻るだけでありまして、何等民主的な前進がないのであります、即ち今日の農業會は、戰前の農業會と産業組合を一體化したものでありまして、役員は政府が任命し、單なる上からの統制機關と化しまして、農民の怨府となり、其の官僚化、腐敗、不正等の頻發する實情にありまして、今日農業會解散の聲が高いのは、之に因つて居るのであります、之を民主化し、自主化し、而して眞に生産農民の協同組織として新生させる爲には、單なる市町村農業會の役員を選擧に依ると云ふだけの改正に於きましては、其の趣旨の實現は不可能であると確信を致すのであります、改正の中心は須く今までの地主的農業會、地主專制の産業組合から、耕作農民の農業會となし、耕作農民を中心と致します協同組合に致しますやうな根本的な改正を致さなければ、農村の封建性、地主性、それより來ります農業生産の停滯を芟除することは不可能であります(拍手)
即ち極端なる一例を擧げますならば、從來の産業組合が酒屋を營業し、高利貸をやつて、さうして地主である者が産業組合長となつて、其の爲に信用組合は農民金融に少しも利用されず、地主資本家の資金運用機關と化して居る状熊であつて、本當の貧農は組合から金を借りる代りに、高利貸や無盡等の高利貸資本の搾取に喘いで居たと云ふことが、戰前に於ける産業組合の弊害の一面であつたのであります、斯う云ふ状態でありました結果が、農村協同組合の名を持つて居りました其の産業組合が、實は農業經營乃至農事改良には、本當に役に立たなかつたと云ふ事例が多かつたことは、即ち皆さんの御承知の通りであります、農業會や産業組合を、眞に農民福祉の増進と農業生産の引上げに役立せる機關たらしむるには、地主の農業會、地主の産業組合を、耕作農民の手に取戻すことであります、即ち農業會の會員は――當然加入の會員と致しましては、生産農民でなければならないと云ふ規定に改正しなければ、私は農業の民主化へ行はれないと存ずるのであります(拍手)地主其の他の諸君が會員に御加入になるに付ては、此の中心を確立して、當然加入でなくして、團體が認めた場合に於て入ると云ふことに致しませぬければ、今までの通り地主的な運營になりましたならば、農業民主化は不可能であると私は斷言せざるを得ないのであります(拍手)斯くの如く致しまして、農業團體が耕作農民中心にて運營されまする時、初めて農村が其の自主性を取戻し、生産性も、協同性も、平等性も、民主性も、安全に實現し得ると信ずるものでありまして、我が國の農業改革は、此の面に向つて前進しなければならないと確信を致すのであります、尚ほ理事のみを選擧と致しまして、監事は總會で選任すると云ふやうな考へ方は、理念の統一を缺いて居るのでありまして、此の際私は理事と共に、監事も組合員の選擧に依るべきが當然であると考へて居るのであります、「マッカーサー」司令部は、九日農業改革の指令を發しまして、非農業的分子の支配に屬せざる日本農民の經濟的、文化的向上を目的とする農業協同社會運動に關する其の計畫を、三月十五日までに提示せよと命令して來たのであります、此の命令から見ましても、今囘の改正法を以てすれば、再び「マッカーサー」司令部から、もう一遍の改正を命ぜられると云ふ不見識に、陷らざるを得ないと考へるのであります、私共は自主的な見地に立ちまして、「マッカーサー」司令部の再度の指示を受けることなく、先手を打つて農業改革、封建機構よりの農民解放、耕作者への土地移轉、非農業的分子の農業團體支配の排除等の大道を開く爲に、斯くの如く農業團體法を修正致すことが必要なりと考へるのでありまして、社會黨及び無所屬の一部の諸君の贊成を以て、修正案を提出した次第であります、どうか一つ眞理に立脚して、滿場の諸君の御贊成を得たいと考へる次第であります(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=57
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058・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 唐橋重政君
〔唐橋重政君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=58
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059・唐橋重政
○唐橋重政君 農業團體法改正法律案の中に、第三十八條の農業會支部の條項が廢止せられて居りますることは、只今委員長の御報告にあつた通りでございます、之に對して政府の述べられましたことも、敢て支部を廢止するものではない、寧ろ之を強化したいと云ふやうな趣旨の御説明があつたことも正に其の通りでございます、併しながら私共が本法を存置致さなければならぬと主張致しまする所以のものは、府縣農業會の單なる事務連絡機關として、農業會の支部を存置すると云ふのでは、私共農民が承服出來ないものがあるのでございます、何となれば支部と云ふものは――私分り易く之を郡支部と假に稱しますが、郡支部の歴史と云ふものは、曾て郡農會と云ふやうな古い歴史を持つて居るものが、色々形を變へて今日府縣農業會の郡支部と云ふものになつて居るのでございます、郡と云ふ地域は深い歴史的の意味を持つものでございましで、地理、人情、風俗に於て相共通の地域が集まつて一郡を組織して居りました、然るに政府は突如として地方事務所なるものを設置致しまして、此の歴史あり、傳統のある郡の區域を無視して、さうして今日農業會の支部の地域の如きは、之を地方事務所單位の地域と改めて居ります、併しながら私共は、斯うした制度でありまするに拘らず、之を承認致しまして、其の地方事務所單位に今日郡の支部と云ふものを結成致しまして、さうして支部長は自分等の推薦したる者を、會長の任命を得て之を支部長に戴き、之を中心に致しまして地理、人情、風俗、歴史を同じくする地域の者が集まつて、其の地域の農業の振興に努力致して居るのでございます、然るに今囘の改正に依りますれば、斯うした自分等の地域を、自分等の推薦したる支部長を中心にやつて行くと云ふ此の政治性が、全然拂拭せられまして、唯單に政府の方針と致しましては、府縣農業會に、事務運營の都合を以て、支部を設けることが出來ると云ふに止まるのでございます、若し斯くの如くして郡支部の政治性と云ふものを拂拭せられましたる唯單なる事務連絡の機關としての支部があると致しますれば、是は全く其の支部の事務を鞅掌する者は、單なる府縣農業會の一職員、一事務員に過ぎない結果になると思ふのでございまして、之を以て致しましては、地方獨特の性格を生産の面に活かすと云ふやうなことは、全然期待出來ないものであると私は考へるのでございます、殊に或は最近食糧の問題等に付て供出の問題が喧しく言はれまして、地方事務所の當局等が供出を強要致しまする結果は、地方の農民に非常な反感と怨磋の聲とを放たしめて居るのでございまするが、若し此の農業會の郡支部と云ふものが、政府の考へらるるが如くに之を弱體化致しまして、其の政治性を失つたと致しますれば、此の下情に通ぜざる地方事務所吏員等の官僚的指導、官僚的行政が今後も尚ほ續くものと致さなければならぬと考へるのでございまして、是等の人々の官僚的行政に「ブレーキ」を掛けて、さうして民意に即した、民情に即した政治をなさしむる爲に、郡支部の支部長と云ふものは必ず民間人でなければならぬ、我々の代表でなければならぬと私は考へるのでございます、此の意味合を以ちまして私は農業會の郡支部長は、是は我々の選擧したる者を以て戴かなければならぬと云ふのが、本條を改正せんとする趣旨でございます、念の爲め第三十八條を一應朗讀致します、「第三十八條道府縣農業會は會則の定むる所に依り郡の區域(北海道に在りては北海道廳支廳長の管轄區域とす)若は之に準ずべき區域又は主務大臣の指定する市の區域に支部を設置することを得」此の第一項は其の儘に現行法通り生かしたいと考へるのでございます、從來の現行法に於きましては「支部長は理事を以て之に充つ支部の事務を掌理す」とあるのでございまするが、此の第二項を「支部長は支部區域の町村農業會長之を選任し支部の事務を掌理す」、斯樣に改めたいと考へるのでございます、斯くの如く致しまして、我々の信頼する郡市支部長が我々の手に依つて選任せられまして、さうして其の地域に於ける生産竝に供出の部面に挺身致しましてこそ、本當の息の通つた農業生産が行はれるものと信じて疑はないのでございます、何卒提案の趣旨を御諒承下さいまして、本修正案に御贊成あらんことを御願ひ致して已まない次第でございます(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=59
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060・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 是より採決を致します、其の順序は第一に川俣清音君提出の修正案に付て採決致します、第二に松野鶴平君外十二名提出の修正案に付て採決を致します、第三に原案に付き採決することと致します、川俣清音君提出の修正案に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=60
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061・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 起立少數、仍て修正案は否決されました、次に松野鶴平君外十二名提出の修正案に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=61
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062・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 起立少數、仍て修正案は否決されました、本案に付き採決致します、本案の委員長報告は可決であります、本案に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=62
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063・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 起立多數
〔拍手起る〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=63
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064・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 本案は原案の通り決しました(拍手)是にて本案の第二讀會は終了致しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=64
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065・松永東
○松永東君 直ちに本案の第三讀會を開かれんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=65
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066・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 松永君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=66
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067・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て直ちに本案の第三讀會を開き、議案全部を議題と致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=67
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068・会議録情報11
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農業團體法中改正法律案 第三讀會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=68
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069・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 別に御發議もありませぬ、本案は第二讀會議決の通り可決確定致しました(拍手)
次に水産業團體法中改正法律案、戰時森林資源造成法中改正法律案、蠶絲業法改正法律案の審議に入ります、三案の第二讀會を開くに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=69
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070・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て三案の第二讀會を開くに決しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=70
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071・松永東
○松永東君 直ちに三案の第二讀會を開き、第三讀會を省略して委員長報告の通り可決せられんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=71
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072・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 松永君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=72
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073・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て直ちに三案の第二讀會を開き、議案全部を議題と致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=73
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074・会議録情報12
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水産業團體法中改正法律案
第二讀會(確定議)
戰時森林資源造成法中改正法律案
第二讀會(確定議)
蠶絲業法改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=74
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075・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 別に御發議もありませぬ、第三讀會を省略して三案とも委員長報告の通り可決確定致しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=75
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076・松永東
○松永東君 此の際暫時休憩せられんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=76
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077・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 松永君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=77
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078・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、暫時休憩致します
午後六時二十七分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=78
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079・会議録情報13
――――◇―――――
午後七時十六分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=79
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080・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 休憩前に引續き會議を開きます
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=80
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081・中村梅吉
○中村梅吉君 殘餘の日程を延期し、明十五日定刻より本會議を開くこととし、本日は是にて散會せられんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=81
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082・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 中村君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=82
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083・島田俊雄
○議長(島田俊雄君) 御異議なしと認めます、仍て動議の如く決しました、議事日程は公報を以て通知致します、本日は是にて散會致します
午後七時十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008913242X01419451214&spkNum=83
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