1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○林業會法案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=0
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001・会議録情報2
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委員氏名
委員長 子爵 北條雋八君
副委員長 男爵 松平外與麿君
公爵 三條實春君
侯爵 池田宣政君
伯爵 前田利男君
子爵 西大路吉光君
子爵 加藤泰通君
子爵 青木重夫君
白澤保美君
小山松吉君
男爵 佐竹義履君
男爵 平山洋三郎君
男爵 前島勘一郎君
竹下豐次君
松尾國松君
田部長右衞門君
竹中藤右衞門君
齋藤萬壽雄君
杉山茂君
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昭和二十一年九月三十日(月曜日)午後一時十七分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=1
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002・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) それでは只今から林業會法案の特別委員會を開會致します、先づ政府當局の法案の提案理由の説明を求めます、ちよつと速記を止めて
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=2
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003・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 速記を始めます、農林大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=3
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004・和田博雄
○國務大臣(和田博雄君) 林業會法案の提案の趣旨の大要に付きましては本會議に於きましして御説明申上げましたので、内容に付きまして補足して御説明致したいと思ひます、本法案の骨子は森林所有者の團體でありまする森林組合と木材業者、其の他林産關係業者の團體でありまする林産組合とを以ちまして林業會を組織致しまして、此の自主的な、系統的な團體の自主的な活動に依りまして、森林の造成と林産物の生産の確保と配給の適正とを圖ると云ふ點にあるのでございます、森林組合に付きましては現行の森林法の規定に依つて居りまするので、本案の内容と致しましては主として林業會と林産組合との組織に關する規定が大部分となつて居ります、法案の内容に付て以下御説明を致したいと思ひます、第一條から第六十五條迄は林業會に關する規定でございます、林業會は林業の發達と林産物の生産の増強、配給の適正を圖りますることを目的と致しまして、之が爲林業の指導奬勵等指導團體としての一般的な事業と共に、林産物の自治統制に關しまする事業を行ふものでございます、林業會は都道府縣單位に、及び全國單位に之を設立致しまして、其の構成員は都道府縣に於きましては都道府縣の森林組合聯合會と、此の法律に依りまして新たに設立されまする都道府縣を地區と致しまする林産組合とでございまするが、尚此の以外にも林業に密接な關係を持つて居りまする事業を營みまする者が加入出來ると云ふことに致して居ります、林業の發達、林産物の生産の増強と適正な配給を行ひまする爲には森林の所有者と、それから林産業者、特に木材業者とが十分に連絡提携することが實は必要なのでございまして、其の爲に是等の關係業者を以ちまして都道府縣單脚位に林業會を構成すると云ふことが極めて有效であると斯う考へるのでございます、全國單位の林業會は都道府縣の林業會を構成員と致して設立されるのでありますが、之に付きましても其の外に木材の加工業者と云つたやうな林業に密接な關係のありまする事業を營む者が加入出來ると云ふことに致しまして、林業關係の者が一團となつて林業の發達に努めると、斯う云ふ體制になりますることを本案は期待を致して居るのであります、それと共に公正な生産配給計畫の實施に積極的に協力すると云ふことをも特別に期待を致して居るのでございます、日本林業會は林産物の生産、配給、消費及び價格に關しまする施策に付きまして、政府に對しまして意見を申述べることが出來ることに致したのでありますが、之に關聨しまして日本林業會には林業委員會と云ふものを設けることに致しまして、林業會が政府に對して意見を申述べまする際には、豫め必ず之に諮問を致しまして、さうして其の意見を徴すべきものと斯う云ふことに致したのでございます、日本林業會は林産物の生産配給に關しまして自治的統制の機能を與へられることを豫想致して居るのでありまするので、之に付きましては生産、配給業者の外に廣く需要者等の關係者をも含めました委員會の意見を徴することが適當と存じまして、其のやうに致したのであります、第六十六條乃至第八十二條に於きましては林産組合に關する規定を設けて居ります、林産組合は特別に特色のありまする團體構成ではありませぬが、林業會の下部機構と致しまして、木材業等の林産業の改良發達と林産物の生産の増強と配給の適正を圖ることを目的と致しまして、林産業の指導奬勵及び生産配給に關しまする割當と云つたやうな自治統制の事業を行ふ團體としまして、林産物生産、販賣業者等をして、是は業種別に設立せしめる積りであります、第八十三條乃至第八十五條は罰則の規定でございます、附則に於きましては第八十七條、第八十八條が木材統制法の廢止、日本木材株式會社及び地方木材株式會社の解散と清算に關する規定であります、地方木材株式會社の中には、本法の成立を待ちませぬで、目下解散、清算を爲しつつあるもの相當にございます、併し種々の事情に依りまして手續の遲れました場合には、本法に依りまして清算を早めることが出來るやうに致しまして、會社の圓滑な解體を期待致して居るのであります、第八十九條とは木材統制法に依りまする、木材業、製材業の許可制度の存續に關する規定でありまして、是は自治統制を圓滑に運行せしめまする上から考へまして、尚當分の間存續致した方が適當だ、斯樣に思ふのでございます、其の期間は大體經濟安定本部の存續する期間、斯う考へて居る次第でございます、第九十一條乃至第九十七條は現存しまする團體が本法の團體に移行しまする場合に便宜なやうに經過的な措置を規定致したのでございます、尚施行の細目に付きましては、是は勅令を以ちまして規定致すことと致しました、以上が本法案の内容に付きましての大體でございまするが、次に衆議院に於きまして修正せられました點に付きまして御説明申上げたいと思ひます、先づ第一條第二項中に林産物を定義致しまして、「木材その他森林から産出する物で主務大臣の指定するもの」と斯うありまするのを、木材の次に薪炭を加へたのでございます、薪炭は是は皆樣御承知のやうに木材と並びまして、林産物と致しましては、極めて重要なものでございまして、政府と致しましては、本法案の運用上は差當り木材のみに付きまして、林業會、林産組合の自主的な機構を以て統制致して參りまして、薪炭は現在の機構を當分其の儘維持致しまして、本法案に包含致しまする時機は別に機會を見て定めると云ふ考で進んだのでございまするが、何れそれは指定するものであるなら、此の際法文の中に明記しても差支ないのぢやないかと云ふ御意見がございまして、此の御意見も御尤もでございますので、之に同意を致した次第であります、併しながら薪炭統制機構に付きましては、當分現状を維持致しまして、其の生産配給に支障のないやうに致したいと存じて居るのでございます、次に第九十一條の修正は、日本林業會が成立致しました場合に、現在の社團法人日本林業會の權利義務を承繼致すのでございますが、假に社團法人日本林業會の資産が赤字を生じた場合には、新らしく今度本法案に依つて發足しまする日本林業會が之を背負つて行かなければならぬと云ふとは適當でないと云ふ意見がございまして、日本林業會は舊林業會から承繼した債務に付ては、承繼に依つて得た財産の限度に於てのみ其の辨債の責に任ずることと修正をせられたのでございます、第九十八條に森林法の一部改正の規定を設けたのでございまするが、是は森林組合聯合會及び森林組合にも林業會の下部組織と致しまして、林産組合と共に林産物の需給調整に關しまする事業を行はせることは、實は是は現行法上既に可能なのでありまするが、之を衆議院に於きましては、此の點を誤解のないやうにはつきり書いて置いたらどうだと斯う云ふことがございましたので、此の點は特に誤解のないやうに書き加へることに致したのでございまぬ、以上が大體本法案の内容の骨子でございまするが、何卒十分御審議の上、速かに御可決あらむことを希望する次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=4
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005・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 是より質疑に移りたいと思ひますが、其の前に此の審議上何か參考となる資料の御要求がありますれば御申出を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=5
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006・竹下豐次
○竹下豐次君 資料の提出を御願ひ致します、森林組合の數を幾つありますか御願ひ致したいと思ひます、全國で…それから二或はそれ以上の森林組合が聯合會を組織して居る所があると思ひますが、其の聯合會が幾つありまするか、それから三番目に森林組合で木材の伐出業を營んで居る組合が幾つありますか、それから第四に森林組合で製材業を營んで居るものが幾つありますか、それから第六番目に森林組合自身で造林を致して居る組合が幾つあるか、第七番目に森林組合が自分では造林はして居ないけれども、山林所有者が造林する場合に、或は其の人夫の世話をするとか、或は苗の世話をするとか云ふやうな仕事をして居る組合が幾つありますか、それが森林組合に關する資料の希望でございます、それから外に昭和十二年以降今日迄の伐採木材量が何石ありますか、それから其の面積がどの位になつて居りますか、それから植林しました面積がどれだけあるか、是だけを御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=6
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007・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 他に御要求はありませぬか、それでは質疑に入ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=7
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008・竹下豐次
○竹下豐次君 木材の需給關係が希望通りに行つて居ないと云ふことは申上げる迄もないことでありますが、來年度以降約五ケ年間位の木材需給の見透しに付きまして御説明を御願ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=8
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009・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 私から御答へ致します、木材の需給關係が極めて逼迫状況にあることは只今仰せの通りでありまするが、今後の見透も只今の所なかなか憂慮すべき状態にあるのであります、最近に於きまして木材の需給關係に付て極く簡單に申上げますと、十九年度迄は約一億萬石近い生産も出來て居ります、大體に於きまして需要を充たし得たのでありまするが、前年二十年前に於きましては戰爭が苛烈になりますに伴ひまして、徴用、或は應召等の爲に勞力の不足を來たし、又食糧事情が相當惡化して參りました爲に、二十年度の前半に於きましても十九年度の實績と較べまして大體七割程度の生産しか出來なかつたのであります、其の後終戰と共に、社會的、思想的の混亂の爲に木材の生産も殆ど十九年度の實績と較べまして半分の状態に低下致して參つたのであります、二十年度の年度末に於きましても生産實績は生産豫定量の一億萬石餘に對しまして六千五百萬石程度の實績を收めたに過ぎなかつたのであります、尚本年度になりましてからは、本年度の生産の豫定は約七千五百萬石を目標と致しまして、只今生産に努力致して居るのであります、併し前年度末から引續きまして食糧事情の惡化其の他小運送の逼迫等の爲に、今年度になりましてからも生産事情はなかなか上向となつて參りませぬで、第一四半期に於きまして大體前年同期の七十四「パーセント」程度の實績を收めたのであります、七十四「パーセント」と申しますと、數量で申しまして千四百萬石程度に相成るのであります、此の儘の状態で推移致しますならば、本年度の七千五百萬石の生産豫定もなかなか容易ではない實情にあるのでありまして、政府と致しましては之が爲色色と對策を講じ又今回提案を致しました此の法案に依りまして、自主的統制をやり、之に依つて業者の創意工夫を昂めまして、生産増強に努力する方針で只今實行を致して居るのであります、以上のやうな生産状況でありまするのに反しまして、需要の方はどうであるかと申しますと、本年度最初に豫定致しましたのは、重要用途のものだけで七千二百萬石程度に相成つて居るのであります、實は要求は一億一千五百萬石程度あつたのでありまするが、生産状況が以上申述べましたやうな事情にありまする爲に、極力重要用途材たけの需要に止めることに協議致しまして、先刻申上げました七千二百萬石程度の供給を見込んで居るのでありますが、生産状況が以上申上げましたやうな状況でありまする爲に、此の供給の方も只今の所餘り芳しくない成績に相成つて居るのであります、八月迄の實績に付て申上げますと、第一四半期は先程申上げましたのですが、生産では是は半年分の豫定に對しまして六割程度の生産に相成つて居ります、又配給は是も半年間の數量に對しまして四割程度の配給に相成つて居るのであります、是は各全部の用途を含めた數量であるのであります、以上のやうな状態でありまして、政府と致しましては此の配給量の増加に付きまして色々と對策を講じ努力致して居るやうな次第であります、尚以上のやうな關係にありまして、内地の森林から生産致しますものだけで此の需要を全部賄ふと云ふことはなかなか困難な實情にもありまするので、只今外材の輸入に付きましても計畫を立てまして、懇請を致して居るやうな實情でございます、外材の輸入に付きましては今年の十二月迄に約百五十萬石、又來年の一月から十二月迄に約二千萬石の輸入を懇請致して居るのであります、是れだけの輸入が若し出來ると致しますれば、需給の状況は大體「バランス」が取れるやうに存ずるのでありますが、唯内地の森林からの生産量だけではなかなか其の見透しが付かないやうな實情にあるのであります、で大體内地の森林からどれ位伐採出來るかと云ふ其の見透しと申しますか、大體の概要に付て御説明致しますと、唯内地の森林と申しましても私有林關係に於きまして施業案の編成濟は約三割程度でありまして、あと七割が施業案の編成未濟と云ふやうな關係にありまする爲に、資材がはつきりしたものがありませぬので、確たることは申上げ兼ねるのでありまするけれども、從來の統計に依りまして大體のことを豫想致しますと、北海道、内地の森林に於て戰爭前所有して居つた蓄積は大體六十七億石と稱されて居つたのでありまするが、戰爭中に於て相當の過伐を蒙つた爲、只今大體六十億程度の蓄積があるのではなからうかと推察せられるのであります、處が其の六十億の蓄積も其の中約三分の一の二十億程度は利用不可能な位置にある蓄積でありまして、大體六十億の中利用可能の材積は四十億程度のものではないかと云ふ風に想像せられるのであります、然るに一方伐採量の點から考へて見ますると、戰爭中に於ては年々伐採した數量は四億石を超過致して居るのであります、本年度の豫定に致しましても用材が一億石、薪炭材で二億五千萬石、合計三億五千萬石程度の伐採を豫定致して居るのであります、處が其の利用可能の四十億の蓄積を基礎とした成長量を考へて見ますと、相當大きく見積つても大體二億石程度ぢやないかと考へられるのであります、さう致しますと本年度の三億五千萬石を伐採するに致しましても一年間に一億五千萬石からの過伐と云ふことになるのでありまして、結局此の一億五千萬石づつ資本に喰込む形に相成るのであります、此の状態でずつと續けて行きましては、内地の森林だけでは十數年を出でずして禿山になると云ふやうな状態になりまするので、實は先刻申上げましたやうに一方に於きまして外材の輸入を只今懇請致しまして、此の需給の「バランス」を取りたいと云ふ風に考へて居る次第であります、假に本年度の三億五千萬石を今後三箇年間連續伐採致すと假定致しますると、四年後からは大體伐採可能量、可能量と申しますか、伐採の四年以後永久に保續致します爲の標準の伐採量は一億七千五百萬石程度に低下するのでありまして、現在の伐採量の約半量となる譯であります、さう云ふ風に今年と同じく伐採致しまして、今後三年間伐採致しましあも、伐採量を半分にしなければならぬと云ふやうな状況に相成るのであります、一億七千五百萬石の伐採量と申しますと、大體昭和十年以前の伐採量に相成るのでありまして、其の當時内地の森林で伐採致しましたのは、大體用材で四千萬石程度でありましあ、其の他がまあ薪材になつあ居りまするが、用材の需要量は七千萬石程度ありましたので、其の差の二三千萬石と申しますのは、矢張り外材の輸入、或は外地材の輸入に依つあ賄つて來たのであります、さう云ふ關係にありまするので、今後どうしても外材の輸入が出來るやうになりませぬと、此の需給關係はうまく行かないぢやないかと云ふ風に考へられまして、此の點非常に憂慮致して居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=9
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010・竹下豐次
○竹下豐次君 詳しい御説明を承りまして大體分りました、先のあの生産需要量の御説明の中には、進駐軍の分も含んで居るのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=10
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011・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 含んで居ります、素材に換算致しまして約一千萬石程度であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=11
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012・竹下豐次
○竹下豐次君 それから御説明の中に、戰前六七十億石と云ふ御話がございましたが、戰前と云ふのは太平洋戰爭前でございますか、日華事變前でございますか、どちらでございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=12
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013・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 事變前でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=13
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014・竹下豐次
○竹下豐次君 現在の保有量が約六十億、其の中に伐採に適するものが約四十億と云ふ御話がございましたが、其の中にはずつと奧山で、手の著けられないと云ふやうな分は矢張り含んで居る譯でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=14
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015・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 手の著けられないやうな、まあ利用が出來ないものと致しまして、二十億石を差引いて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=15
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016・竹下豐次
○竹下豐次君 左樣でございますか、分りました、それから戰出昭和十年頃需要が約七千萬石であつて、さうして内地でそれに應ずるだけのものがない、四千萬石だけしか出來なかつた、二千萬石位は米國等かう輸入して居つたと云ふ御話でありましたが、現在及び此の後の需要と云ふものは、遙かに七千萬石を超して居りまするので、此の後輸入を仰ぐと云ふことにする其の量と云ふものは、昭和十年でさへ二千萬石も入つてそれでもまだ足りなかつた譯なんですから、どうしても六七千萬石位づつ入つて來なければならないと需要には應ぜられないと云ふ計算になるのですが、さう云ふ風に了解して宜しいでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=16
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017・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 大體需要量が本年度は緊急需要だけの七千二百萬石に押へましたが、大體來年度からの需要量は九千萬石程度の最低の需要量を見て居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=17
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018・竹下豐次
○竹下豐次君 戰前昭和十年頃七千萬石の需要があつたのに、來年度から九千萬石では見積りが少し少な過ぎる、それで戰災で燒けた所が復興出來る譯なんです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=18
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019・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) それで御尤もなことかと存じまするが、差當り輸入量の方も輸送關係或は港灣荷役の關係等を考へまして、まあ二三千萬石程度と只今考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=19
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020・竹下豐次
○竹下豐次君 さうしますと云ふと、足りないけれども、希望通り入る見込がないから、まあそれで我慢するより外仕樣がない、斯う云ふことになるのですね、それから米國…外國のことは私共存じませぬのですけれども、ちよつと噂に聞きますると云ふと、合衆國の方ももうなかなか木を伐つてしまつて、自分の山を伐つても、自分の國の用を充たすにも苦しい、隣りの「キヤナダ」あたりから貰はなければならぬとか、貰つて居るとか聞いて居りますが、さうしますと、米材を二三年間續けて日本に御貰ひになると云ふことは御見透しはどうなるのでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=20
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021・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 只今の御尋の點に付きましては、なかなか見透しを付け兼ねて居るのでありますが、只今懇請致しました場合の話でも、「アメリカ」も木材が非常に不足で困るのだ、「アメリカ」からも持つて來れないと云ふ話もあるやうであにますが、大體「カナダ」か「ソ」聯領の方へ照會して見ようと云ふ御話でありまして、其の點まだはつきり致しませぬ、まあ其の問題は此の位に致しまして、森林組合の問題でありますが、色々資料を戴きましてから御尋するのが本當かと思ひますけれども、今急に提出して戴きたいと思つても御無理と思ひますから、それは後で戴きたいと思ひます、森林組合が大體多數出來ましたのは、「アメリカ」との戰爭が始つた頃、其の少し前からでしたか、昭和十五六年頃が手初であつたと言つて宜しいと思ひますが、其の後今日迄の森林組合の活動状況を見ますと云ふと、殆ど極端に言ふならば活動して居ない、何を働いたか、どう云ふ仕事をしたかと云ふならば、地方木材會社と一緒になつて、木の伐り出しを援助してやると云ふことのみでありまして、其の他に仕事らしい仕事をして居る組合と云ふものは、全國的に見てほんの數へる程しかないと云ふのが實情かと思つて居ります、是では何の爲に森林組合があるのか、森林所有者の立場から申しますると云ふと、山林を賣却して、立木を賣却して、其の賣却代金の四「パーセント」、或は五「パーセント」なりの手數料を森林組合に納めると云ふだけでありまして、大した造林の世話をして呉れる譯でもなし、其の外まあ世話になつて居ると云ふことは非常に少い譯なんであります、是ぢや甚だ困る、何とかして立派な組合に仕上げなければならない、是はもう國土保安の面から見ましても、又將來の森林所有者の利害關係から見ましても議論の餘地のない點だと思つて居ります、處が今日迄政府始め地方廳あたりが森林組合に導して、どう云ふ態度を執つて居られたかと云ふことも、極く不遠慮に批評致しますると云ふこと、どうも力が入つて居ない、少くとも木材會社に對する力の入れ方とは雲泥の差がある、まあ抛りつ放しである、もう少し力を入れられたならば造林も手入れももうちよつと良くなつて居る筈だと思つて居りますが、それが實際やりつ放しの所が多いのであります、で今度此の法案を提出されまして、其の林業會の會員に森林組合の聯合會も入つて來ることになつて居ります、木材業者等の組合と並んで有力な會員であるやうに御指導になることだらうと思つて居りますが、此の後森林組合をどう云ふ風な方法で助長すると云ふ御考でがざいますか、其の御計畫を具體的に御伺ひ申上ぐたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=21
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022・平川守
○政府委員(平川守君) 御話の如く森林組合成立致しましてからまだ日が淺い關係もございまして、十分なる活動を致して居らないと存じます、今回の林業會法に付きましても、林業會の一方の重要なる構成員と致しまして、森林組合聯合會を之に參加せしめまして、先づ木材其の他林産物の自主的統制などに於きまして、林産業者の組織致します林産組合と相協力致しまして、森林組合の方で立木の供出と云ふやうな面に於きましては、自主的に統制を圖ると云ふやうな組織を作ると云ふことに考へて居るのでございます、尚森林組合の助長に付きましては色々の方策があらうかと存じますが、差當り先づ技術員等を充實することが相當重要ではなからうかと考へます、之に付きましては本年度の豫算に於きましても、七八百萬圓位の經費を計上致して、技術員の設置に付て考へて居ります、尚其の外森林組合の各種の事業に付きましては、之を應援致しまして、戰時中木材統制の面から致しまして、一部分森林組合に對して制限的なことを致したこともびざいます、斯う云ふ面は出來得る限り速かに之を廢止しまして、森林組合に對して、例へば製材等の面に對しましても、活動出來る面に付ては出來るだけ一つやらせたいと云ふやうに考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=22
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023・竹下豐次
○竹下豐次君 此の今提出されて居りまする林業會法案に依りますると云ふと、森林組合と林業者の組合と、其の他に關係者の加入も出來るやうになつて居りますが、兩立致しまして、同じ範圍の仕事をすると云ふことになつて居りますが、唯私此の案が出來る前から平常考へて居つたことでございますが、出來得べくんば此の木材に關することは、森林に關しますることは、造林から販賣迄森株組合で一貫作業と申しまするか、何もかもやらせるのだ、別に其の外に製材業者等が是と並行し、或は對立して木材の需給を行つて行く必要はないのではないか、成るべく一貫作業をやらせるのが本筋であらう、斯う云ふ風に理想的には私考へて居るのでございますが、唯現在迄の状況を見ますると云ふと、木材の取扱等に付きましては業者の方が慣れて居りまするし、森林組合の役員などは大體素人筋が多いのでありまして、其の點に不馴であると云ふことで、戰時中地方木材會社と云ふものを作り、或は今度又林産組合と云ふものを御作りになつて、其の方にも仕事をさせると云ふことは、經過的に已むを得ないことかとも思ひますけれども、將來は其の林産業者なども、矢張り森林組合の一部に取込んで、斯う云ふ仕事は全部森林組合の仕事としてやらせるのだと云ふ方向に進まなければならない筋合のものではないかと、斯樣に考へて居るのでありますが、政府の方では何時迄も矢張り此の二つの團體を竝行して、木材を取扱はしめる方が宜いと云ふ御考でありませうか、それとも私が今申しましたやうに、行く行くは森林組合にやらせるのだが、當分已むを得ないのだから斯うして置くと云ふ御考へでありませうか、其の點を御伺ひ致したい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=23
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024・平川守
○政府委員(平川守君) 御話の如く、森林組合が造林の所から販賣に至る迄實行が出來ますれば、是が矢張り理想の考へではなからうかと思ひます、唯實際問題と致しまして、木材生産の事業は可なり困難な面を持つて居ります爲に、殊に現實の木材の需給の調整を圖ると云ふやうな面から致しますと一元的に森林組合に之を任せると云ふことは、不可能であると云ふ風に考へまして、斯樣な兩建に致しました、將來の理想と致しましては、御話の通りかと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=24
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025・竹下豐次
○竹下豐次君 理想としては私の申述べましたことに御同意下さいましたのですが、さうしますと此の法が出來ました後の運營に付きまして、其の理想に到達することの成るべく早くなるやうに、何か特別の御骨折でも下さることになりませうか、唯もうじつとして置きましたならば、寧ろ私は兩立して居ることに依つて、森林組合は業者の組合の壓迫を受けると云ふ事實が生ずるのではないかと思ひます、さうしますと云ふと、森林組合を助長したいと云ふ氣持は持つて居りましても、今度の法案が通過すると云ふと、却て森林組合と云ふものは事實上は壓迫を受ける、競爭をしますと云ふと、どうも先程申しました通り素人が多いから負けるだらうと思ひます、其の點はどう云ふ風に、何か特別の御考慮がないと云ふと、森林組合を今迄よりもよく發展せしめる過程に進めて行くと云ふことが、此の法律が出來る爲に困難になると云ふ感じがするのですが…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=25
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026・平川守
○政府委員(平川守君) 森林組合の力を付けると云ふことに付きましては、是は法律と云ふ面から參りますことは困難ではないか、寧ろ矢張り組合自身と實力を付けて參ると云ふ行政上其の他の手段に依りまして、先程申上げましたやうな技術員の設置でありますとか、さう云ふ實際的の方から助長して參りまして、それに依つて力を付けて、逐次力が付くに從ひまして、此の事業も範囲を擴げて參ると云ふことに致さざるを得ないだらうと考へて居ります、本法案に依りまして、逆に森林組合が壓迫を受けるではないかと云ふ御心配でございますが、其の御心配も御尤もかと存じますが、此の法案に於きましても、其の點も多少留意致しまして、此の林業會に於きまして色々な議決を致します場合に、森林組合側と林産組合側との表決權と云ふやうなことを考慮致しまして、此の兩者の表決權が對等になるやうにと云ふ考慮をして立案して居るのであります、從ひまして森林組合が本法案に依つて不當な壓迫を受けると云ふことは避け得るのではなからうか、唯それ以上に本法案に依つて森林組合が助長せられると云ふ積極面に於ては法律としてはなかなか困難でないかと、此の邊は一つ先程申しましたやうな事實上の行政上の運用に依りまして實力を付けて參りたいと斯様に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=26
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027・竹下豐次
○竹下豐次君 表決權等の問題で兩方平等にして居られると云ふことは御尤もで、それで宜いやうに思ひますが、實際所有主から山を買入れると云ふやうな場合に、一方は玄人筋、一方は素人筋と云ふことになりますと云ふと矢張り負けるのです、私はさう云ふ點で事實上壓迫される、さつきから申しますやうに何も彼も此の際森林組合だけでやれ、業者のやることは止めるのだと云ふことを今直ぐやることは時期が早いかと思つて居ります、併し森林組合の將來の存在と云ふものをはつきりせしめるには、少くとも伸びて行くことを妨げるやうなことは一切止めなければならぬ、それに付きましては法律で出來るならばそれが一番はつきりするが、出來なかつたならば行政、處が行政部面で實際やると云ふことが非常に骨が折れます、地方に居りましても知事初め部長、課長あたりの氣持ですつかり違つて行くやうなもので、さつきから申しますやうに、ここ數年間と云ふものは森林組合に關する助長と云ふものは非常に少いのであります、それで其の點は今此處で彼此れあなたから御聽きしようと思つて居りませぬが、特に一つ念頭に置いて戴きまして、力を入れて戴くやうに御願したいと思つて居ります、それから尚私自身も實はどうしたら組合が能く發展するだらうかと云ふことに付て良い智慧の持合せがありまして政府御當局にそれを申上げる譯でもございませぬが、唯一つ思ひ付いて居りまするのは、現在組合の單位が小さいのでごさいます、是は法律で決つて居る譯でないやうですけれども、一箇町村單位が原則で、五百町歩もあつたらそれで單位になる、小さいとか經營が困難だつたら聯合會を拵へたら宜い、知事の認可を受ければ宜いと云ふことになつて居る、之が爲に森林組合の發展しない少くとも一つの大きな理由になつて居るのぢやないか、五百町歩や六百町歩の山を一つの組合が持つて居つて、それで組合の經營が立つて行ける筈のものではありませぬ、少くとも二十町歩か三千町歩なければ立つて行けないと思ひます、それが單位の決め方が餘り小さくなつて居る、而もそれが經濟地域と關係なしに町村單位と云ふことになつて居ることが非常に邪魔になつて居る、それで私は聨合會と云ふものの途が拓いてあるのだから、それをうんと奬勵して御作りになれば大變宜いのではないか、經濟地域と云ふことを考へ、さうすると費用の節約も出來ます、立派な技師を、少くとも一人は指導者になる地位になる人を置くことが出來ます、今の状態だと縣廳あたりで養成して居ります、二箇月三箇月、長くて六箇月位教養した國民學校の卒業生位の者を技師と云ふ名前で森林組合で使つて居るが、是で施業案は固より出來るものでもないし、縣廳で充てがつても固より實施も出來ない、木の値段も分らず、唯極端に言へば月給を貰つて居ると云ふやうなことに陷り易い、それは本人の悪口を言ふ譯ではありませぬ、制度がさうなつて居りますので勢ひさうなつて居ります、では聨合會の途が拓いてあるからそれでやれば宜いぢやないか、行政の運用と云ふことになります譯ですが、それもさつき申しましたやうに、地方の關係當局あたりが斯う云ふ問題を能く理解し、熱意を持つて貰へばやれることでありますが、なかなかおやりにならぬ、さつき統計表を御願して置きましたが、恐らく全國で非常に少いだらう、それで出來得べくならばさう云ふ問題などは唯行政上の運用でやれば宜いのだと云ふことでなくして、もう少し法の建前から變へて貰ふと云ふことにすると仕事がし易いのです、凡そ原則は行ひ易いけれども、例外と云ふことになると、それが知事の認可と云ふことになるとなかなか小面倒にも考へ、億劫に考へます、縣廳に一つ願書を出すと云ふことがなかなか認可にならないだらう、其の規定が事實妨害する譯です、それで經濟單位が、もう少し大きい組合を單位にするのだと云ふことを原則にして貰つて、町村でもやり得るものは一つの町村でも宜いのだ、逆な建前にして戴くことが必要でないか、是は私はそれが出來ましたならば餘程組合の助長に都合が好いのぢやないか、斯樣に考へて居りますが、其の點前の局長の時にも實は申上げたことがありますけれども、御迭りになるものですからつい結末迄承ることが出來ませぬで今日迄其の儘になつて居りますが、一つ御考へ置きを願ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=27
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028・平川守
○政府委員(平川守君) 誠に御尤もの御意見と存じますので、今回の林業會法に於きまして林産組合の區域を規定致しまする際には市町村と云ふやうなことを致さずに決めて居るのであります、實際問題として御意見のやうなことは誠に御尤もと存じます、將來若し森林組合に關する森林法等を改正する機會がありますれば、一つ十分考慮したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=28
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029・竹下豐次
○竹下豐次君 森林組合改正の機會があればと云ふ御話でありましたが、もう少し突込んだ御答を欲しいのです、實は私は森林組合に關する規定が森林法の一章だけにぽつっと入つて居る森林法なるものがをかしい、是は警察關係の取締の關係の法律が多い、木に竹を接いだやうな、ちよつと古い法律ですから、其の當時は大した氣にも付かなかつた問題で、いや、まあと云つてやつたのかも知りませぬが、今になつて考へると、ちよつと形も整はない法律でないかと思ひます、是は色々考へも違ひまするが、私はさう云ふことで出來得べくならば、少くとも森林組合に關するものはさう云ふ助長の方は別に單行法を作る、或は此の林業會法と一緒にするかして本當に誰が見ても林業の方の組合と森林組合と云ふものを政府が同じやうな氣持で取扱つて居られるのだと云ふやうに考へられるやうな形にされるか、それでなかつたら別の一つの立派な單行法にすると云ふことに爲さつた方が宜いのぢやないか、是も關係者から申しますと云ふと、恐らく警察の取締などの規則の一部にぽつっと入つて居ると云ふのは何だか心細いやうで、一つ立派なものが出來ると云ふことになると、矢張り氣も乘つて來ると云ふやうな心理も働くだらうかと思ひます、將來どうせ御改正にならなければならない不完全な法律だと思つて居りますから、さう云ふ機會があるならばと云ふことでなくして、もう此の次の臨時議會には間に合ひませぬでせうが、通常議會迄には提案されまする位に御準備なさる譯に行きませぬでせうか、一方さつきから申しますやうに林業會法案と云ふものが、まだ皆樣の御意見もありませうけれども、私何だか森林組合と云ふものが次男坊扱ひ、三男坊扱ひにされて居るやうに世間で考へ易いやうな形にもなつて居るのぢやないかと云ふことを考へますと云ふと、或は更に此の案をもう一遍此の次の機會にやり直すか、或は森林組合を單行法として又別にしっかりしたものを御出しになると云ふことの必要に迫られて居るのぢやないか、斯樣に考へて居る譯でありますが、もう少し早目に一つ如何でございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=29
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030・平川守
○政府委員(平川守君) 御指摘の通り森林團體に關しまする法制と致しましては、今回の林業會法は必ずしも完璧のものと考へて居りませぬのでありまして、出來得る限り速かな機會に根本的な法規を作りたいと斯樣に考へて居ります、機會がありまするならばと申上げましたが、出來得る限り速かに左樣な點も考慮致しまして改正案を提出したいと、斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=30
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031・竹下豐次
○竹下豐次君 其の點はさう云ふ風に御願ひ致します、それから森林組合が今日迄發展して居ない理由と致しまして、もう一つは組合と云ふものと森林の所有者と云ふ者が確つかり喰ひ合つて居ないやうであります、他の言葉を使ひますならば、森林所有者が森林組合なんと云ふものは餘計なものだ、斯んなものはない方が増しだと云ふ位に考へて居る所有者が非常に多いのであります、それは私し今日迄の經過を見て無理からぬことだと思つて居りますが、此の組合が出來ましたのは、曩に申しますやうに大體昭和十六年頃であります、其の時に戰爭の關係で木材を供出さするが爲に、此の組合を作つた、私は森林法の解釋を正當に解釋するならば、あの法律に依つて伐採命令をすると云ふことは出來ない筈である、それを曲解か或は強ひて解釋されたのか、政府の方では矢張りあの法律で以て伐採命令を出して居る、所有者は戰爭中のことでありますから、何も言はずに戰爭に勝たなければならぬと云ふ積りでやつた、組合の規約を見ると任意組合です、事實は強制組合である、若し入らなかつたならば國賊だと言はれたものです、其の起りが既に惡い、まあ其の當時では已むを得ないと云ふものの理窟を言ふならば、此の組合の成立と云ふものは非常に不自然で、所有者に對しては非常に無理壓迫で出來た組合なんです、ですから私は理想的に言ふならば、現在の組合と云ふものは民主主義の大方針に副はない、副はない方の模範的な組合である、是は解散すべし、もう一遍建直して本當に組合員の了解の下に出來た民主主義の組合でなくては本當の運用は出来ないぢやないか、是が私は理想と思ふのです、併し又考へて見ますと、一遍あるものを解散してしまふと、又作ると云ふことも容易でない、殊にさう云ふ風な惡い感じを持つて居るならばなかなか出來ないだらうと云ふ心配もある、出來ないで宜いかと云ふと出來た方が宜いだらうと私などは思ひますから、無理に解散さした方が宜いと云ふこと迄申上げるのではありませぬけれども、理想を述べるならば左樣だと思ひます、解散しないで今のものを助長する爲にどうしたら宜いかと云ふ問題ですが、と云ふのは抽象的の言葉になりますけれども、組合員の理解を十分ならしめることに政府の方で餘程御努力になる、と云ふことは、森林組合の役員の態度を今迄と違はせる、まあ具體的に申しますならば例へば山を處分すると云ふやうな場合に、之をどう處分しようと是は森林組合の方の權限になつて居るので、所有者の方では何とも言ふことが出來ないのだと云ふやうな態度で、所有者に臨んで居る組合が相當にあります、さうして無理に賣らせて置いて、さうして其の四分なり五分なりの手數料を取つて、後の造林は世話して呉れない、甚だしきは、森林組合の役員が林業者の手先になつて居ると云ふやうな疑をすら招くものがないでもない、是では森林所有者が、喰ひ付いて行く筈はないです、自分達の組合であるから喰ひ付くも何もない譯ですが、さう云ふのが今日の状態だらうと思つて居ります、それには私はさう云ふ歴史があると思ふ、だから此の歴史を考へて、すつかり頭を入れ替へるには、政府の方でも、地方廳の方でも、森林組合の方でも努力なさらない限り持ち直さない、組合の努力なくして組合が發展することは私は不可能だと思ふ、或は森林組合が其の後の供出、伐出、製材等に付て、先つきから申しまするやうに業者から壓迫されると云ふことになりますと、それ見たかと云ふやうな冷かな目で見る者もないでもないと思ふ、今迄の状態から見ると云ふと、森林所有者はどつちが勝つても宜いんだ、高く賣れさへすれば宜いんだと云ふやうな立場にありますのです、さう云ふことになるんです、それでは愈愈森林組合はいかぬと思ふ、併しどうしても森林組合を立派なものにしなければならない譯であります、國土の保安の點から申しますと、格別の御骨折を願はなければならないと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=31
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032・松尾國松
○松尾國松君 議事進行に付てちよつと…、一人で時間を取る取らぬと云ふことは別ですが、一人の意見で全部繼續されると、違つた意見の御方に對して、私は政府當局の説明も違つた意見のある場合に於ては困らるると思ひます、であるから織込んで御やり下さることが寧ろ進行上宜くはないかと思ひます、長いことは幾ら長くも宜しうございますが、一人の説でずつと行つて、政府も其のやうに答辯されると、違つた意見があるとすれば工合が惡いと思ひます、それだけ申して置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=32
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033・竹下豐次
○竹下豐次君 大變長くなりまして…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=33
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034・松尾國松
○松尾國松君 長いと云ふことぢやない、一人の意見を一人でずつとやられれば、違つたことがあれば、政府も説明に困ると思ふのです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=34
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035・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 竹下委員に御諮り致しますが、今の動議も御尤もでございますから、適當な切目に他の委員に御讓り戴くと云ふことに御願したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=35
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036・竹下豐次
○竹下豐次君 もう實は幾つもありませぬから…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=36
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037・松尾國松
○松尾國松君 幾つもなくてもあつても宜いですが、一つの意見が繼續すると云ふことでなく、又それは政府の答辯に於ても織込んで戴いた方が宜くはないかと、斯う思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=37
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038・竹下豐次
○竹下豐次君 私は委員長の御許しが出まして質問を續けて居る譯ですから、委員長の御命令通り何とでも致しますから…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=38
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039・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 適當にそれぢや委員長に於て取計ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=39
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040・竹下豐次
○竹下豐次君 宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=40
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041・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 宜しうございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=41
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042・竹下豐次
○竹下豐次君 もうほんのちよつとでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=42
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043・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 成るべく簡單に御願ひします発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=43
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044・竹下豐次
○竹下豐次君 今度山林を開放して農業方面の開墾に充てられるのが大分多いやうでありまするが、是は開墾の土地とか面積とか云ふやうなものは、農業方面の係の方に一任されることになるんでありませうか、或は山林當局なり森林組合の方と協議の上で開放される所を御決めになるのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=44
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045・平川守
○政府委員(平川守君) 國有林に付きましては營林局長の方と連絡を致しまして、山林の見地から見ても是は開放して宜しいと云ふ所を開放することに致したいと思ひます、それから民有林の方に付きましては、委員會のやうなものを設けまして、そこに山林關係の人も入りまして、さうして協議をする、さうして地方長官が決めると云ふことでありまして…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=45
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046・竹下豐次
○竹下豐次君 さうすると委員會と云ふのは各府縣と云ふ單位になるのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=46
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047・平川守
○政府委員(平川守君) さうであります、從ひましてさう云ふ方法に依つて山林關係の方面からの委員も十分取入れて解決すると云ふことになると思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=47
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048・竹下豐次
○竹下豐次君 新聞で私拜見したのでありますが、山林の國有問題に關する衆議院の誰方かの質問に對して、農林大臣が平地林と云ふ言葉を御使ひになつたのか、部落林と云ふ御言葉でありましたか、まあさう云ふ山林に付ては考慮して居るんだと云ふやうな御答辯があつたと云ふことをちよつと新聞で見ました、何かさう云ふやうなことがございましたか、或は新聞の誤記かも知れませぬが、今差迫つた問題でないけれども、考慮するとか云ふ御話を承つたことがあると存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=48
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049・平川守
○政府委員(平川守君) それはさう云ふことではないかと存じますが、森林に對して國家管理のやうなことをやつたらどうかと云ふやうな意見がありました、それに對して大臣は現在の處さう云ふことは考へて居ない、山林に付ては村に近い里山と申しますか、さう云ふ方面に付ては十分民間に利用させる必要がある、奧の方の山に付ては是は所謂林業と云ふ見地からして、統制的と申しますか、國家的な或は林業生産的な見地から見たる經營を行ふ必要があるだらう、從つて現在の森林組合に於て、或程度施業案を森林組合が行ふと云ふやうなことをやつて居るのは、さう云ふ意味であると云ふやうな御答辯があつた譯であります、其の問題であらうかと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=49
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050・竹下豐次
○竹下豐次君 さうしますと里山邊りに付て薪採りに行くとか云ふことがある、考慮する必要があると云ふので、國有とか國家管理の問題ではないのでせうね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=50
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051・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) さうでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=51
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052・竹下豐次
○竹下豐次君 分りました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=52
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053・青木重夫
○子爵青木重夫君 今の御話はちよつと御答辯が違ふと思ふのでありますが、私は速記録を見ましたけれども、里山に付ては自作農を創設した場合に、焚物とか落葉とか下葉とか、さう云ふものを農民に利用させる爲に細分することを考へられる、併し奧山の方は治山治水の爲に細分することは考へて居ないと云ふ御答辯であつたと記憶致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=53
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054・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 私の申しましたのもそれとさう違はない意味に考へて居りましたのですが、里山に付ては村の人々の農業經營と密接な關係がある、從つて此の農業經營に十分役立つやうに經營せしむる必要がある、併し奧の方は林業經營と云ふ立場から考へなければならぬから、細分と云ふことは考へられない、又一方に於て林業經營の立場から統一的な一つの施業案、或は施業と云ふことを考へる必要がある、現在の森林組合も、森林法の規定も、森林組合に對して斯う云ふやうな意味で施業なり或は施業案の編成を行はせるやうに出來て居る、斯う云ふやうな御答辯であつたと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=54
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055・竹下豐次
○竹下豐次君 最後に、松の木に蟲が非常に澤山に居りますが、九州の端から中國、東海道、鎌倉邊の松の木がすつかり枯れて行きますが、何とか其の邊の御研究を確つかり徹底的にやつて戴いて今の中に食ひ止めることにならないと云ふと、松の木は日本になくなつてしまふのぢやないかと云ふ所迄行きさうでありますが、今差當り良い御案がないのかと思つて居りますけれども、特に此の問題は確つかり學者邊りの智慧を御集めになりまして、御研究を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=55
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056・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 只今の御意見御尤もと存じまするし、從來其の驅除は致して居つたのでありますけれども、是も徹底致しませぬので、現在のやうな状況になりましたことは甚だ遺憾なことでありますが、此の點御説の通り色々研究も致します、又徹底的に驅除を致すやうに致したいと考へて居ります、從來驅除の方にも五十萬圓程度は支出致して居りましたが、來年度は大々的に驅除致します爲に只今相當の豫算も編成致して居るやうな次第でありますので、御了承願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=56
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057・竹下豐次
○竹下豐次君 さうしますと其の問題は技術的には驅除は出來ると云ふことになつて居るが、豫算が足りなかつたので今日迄事實上することが出來なかつたと云ふ問題になるのでございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=57
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058・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) なかなか驅除の方法も、從來は今の燒却法に依つただけでありまして、まだ合理的な驅除方法がないやうでありますが、更に研究することに致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=58
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059・竹下豐次
○竹下豐次君 有難うございました、私の質問は是で終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=59
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060・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 竹中委員に申上げますが、先程御發言がありましたが、宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=60
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061・竹中藤右衞門
○竹中藤右衞門君 ちよつと承りたいのですが、第一に外材の輸入を御申請になつて居るやうでありますが、是は唯「アメリカ」のものだけの意味ですか、或は沿海州とか南洋材と云ふものが適當に含まれて居るか、どうなんでせうか、需要者から申しますと、家具類には南洋材が欲しいとか、色々業者が言つて居るんですが、さう云ふものが適當に輸入されるかどうかと云ふ點を承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=61
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062・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 外材の輸入を豫定して居りまするものの中に、南洋材も含んで居りまするし、更に又「パルプ」材等と致しまして北洋材等も見込んで居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=62
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063・竹中藤右衞門
○竹中藤右衞門君 それから私は需要者の立場から木材の價格の點に付て伺ひたいのでありますが、只今竹下委員からも御質疑があつたやうでありますが、要するに山林の持主と木材業者とが相反する立場に居る譯です、そこで山林を持つて居る人の説を聽きますると、業者の爲にやられて叩かれると云ふことを言つて居りましたが、多分其の意味ぢやなからうかと思ふ、安く叩かれてそれで市場の相場は想像も出來ぬやうに高いのであると云ふ説を常に聞聞くのである、それで山林の植林などが賣つた値では到底出來ない、止めて居ると云ふことを常に聞くのであります、そこで一體木材などと云ふものは、どう云ふやうにして御決めになつて居るかと云ふことを聽きたい、詰り唯先つぽを抑へちまつて、持主の利害を考へないと云ふやうなやり方であるとか、さうでなくつて矢張り山林は山林で樹齡を考へて、或は地位等も考へて、是は原價が何ぼに付くと云ふ風に下の方で抑へるとか、價格の形式に付て何かもう少し合理的でないと、我々需要者の立場から申しますと、非常な不利の目に會ふことが多々ある、後ほど詳しく申上げたいと思ひますが、一體價格形成と云ふものは、どう云ふやうにして今日迄公と云ふものが決つて居るか承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=63
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064・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 價格を決定致しますのは只今御話もありましたのですが、大體木材の立木の價格、それからもう一つは大別致しますと、其の木材の伐り出します事業費の原價計算、此の兩方の仕組から考へて致して居るのであります、立木の價格の方に於きましては、大體今の地位の關係或は林相密度の關係、年數も大體市場に出ます材で、一番多いやうな五十年生程度のものを基礎と致しまして價格を計算致しまして出して居るのであります、事業費の方は大體人夫賃銀が基礎となつて居るのでありますが、此の人夫賃銀に付きましても、色々仕事の種類別に全國的に調査致しまして、大體平均と認められるものを取りまして計算を致すと云ふことになつて居ります、唯事業費だけでなく其の立木の方の價格の方も十分參酌致しまして兩方の方面から計算致しまして出して居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=64
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065・竹中藤右衞門
○竹中藤右衞門君 今承るやうであれば合理的に行つて居るやうに思はれるのでありますが、山林業者に言はせると數十年掛つて育てたものが實に今日では、言うた人の話を聽きますと殆ど大根一つの値段に過ぎない、是では何ぼ賣つても造林は出來ませぬと云ふことを極度に言つて居りますがね、さう云ふことはなからうと思ひますが、併し今後さう云ふ方面はもう少し價格の形成と云ふ點に付て合理的に行はれて、造林出來るやうにしてやらなければ、山の持主は喜んで賣らないことになりはしないかと云ふ結果を恐れるのであります、それから我々業者の建前から申しますと、殆ど市場性を無視したものが出て來る、是は今後は知りませぬが、今日迄の状態を申上げますと、例へば我々が斯う云ふ長さのものを要求した場合に突拍子もない長いものを出す、例へば電柱に類したものを出してそれを買へと云つて強制する、買はなければ結局我々は仕事が出來ないから否應なしに買ふ、さうするとさう云ふ長いものを運搬して來るから直段は非常に高くなるのですね、さう云ふものを我々に充てがふ、それから驛へ持つて參りますと、矢張り汽車に積めないから自己の必要のものに切ると云ふことになりますから、さう云ふものがどんな高いものかと云ふことは御想像出來るだらうと思ひます、殆ど市場性を無視して業者が自己の便宜なものだけを出すと云ふ傾きがてるのであります、それは價格の決め方に於て非常に不合理が其處にあるのではないかと思はれるのであります、又我々が建築する上に於きましても板類と云ふものは殆ど全然ない、我々は來たものを製材をして板に引かなければならぬ、さう云つた處に不合理がありまして、自ら都會では高く付くと云ふ風なことがある、今後さう云ふことがどう云ふ程度に是正せられるかと云ふ點ですが、我々業者と致しましては、今日全く都會には住宅が非常に不足致して居る原因は、矢張り非常に高く、殊に市場性のないものが出て來るから製材をして之を作らなければならぬと云ふやうなことで、さう云ふ點が集りまして大變高く付くのであります、どう致しましても今後は原料を一つ安く致して多量に豐富に出るやうに、價格の方は日木社とか地木社が解散になつたので、當局は餘程善處して戴かないと、從來のやうなことでは非常に需要者は迷惑をするのであります、此の點に付きましては當局と致しましては如何御考でありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=65
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066・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 從來御説のやうな市場性を無視したやうな製品が出て參りましたことは是は甚だ遺憾に存ずるのでありまするが、今回は此の林業會法案に依りまして自治的な團體を作つて自治的に統制して行くことになつて居りますし、又其の現物の取引に致しましても從來の日木社、地木社で一手に買取販賣致して居りましたのを止めまして、大體消費地の業者と生産地の業者とで、勿論途中で林業會の認證は受けることになつて居りますが、其の業者同志の取引と云ふことに相成りまするので、今後は斯う云ふ點も段々少くなつて來るのぢやないかと云ふ風にも考へますし、尚政府に於きましても今後は斯う市場性を無視したものの出ることに對しましては、斯う云ふことのないやうに十分指導を致して行きたいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=66
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067・竹中藤右衞門
○竹中藤右衞門君 序でに御伺ひ致したいのですが、從つてさう云ふ見地から申しますと、需要者が第三者の立場に立つてさう云ふやうな不公正、或は配給の不公正と申しますか、或は價格の不公正を防ぐと云ふ建前に立つのが本筋でないかと思ふ、此の第九條の詰り「林業を營む者若しくは林業に密接な關係を有する事業を營む者」と云ふ意味のものには、我々消費者と云ふものを入れて御考になつて居るのか、どうも其の點が法文の上でははつきり致して居りませぬが、どう云ふ風に當局は御考へになつて居るのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=67
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068・平川守
○政府委員(平川守君) 第九條の第三號の「林業に密接な關係を有する事業を營む者」と申しますのは、御話の如く主として需要者を考へて居りまして、土建或は木工と云ふやうな需要者を主として考へて居ります、其の需要者の聲を林業會の意向に反映せしむると云ふ趣旨であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=68
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069・青木重夫
○子爵青木重夫君 先程伐採計畫に付て詳細御説明がございまして、年々三億五千萬石宛伐採すると云ふ御話でございましたが、其の中の木材と薪炭の割合を承りたいと思ひます、それから此の林業會法案は伐ることばかりに重點を置いて、森林の育成に付ては餘り言つて居りませぬが、是は森林組合の仕事になつて居る關係もありますが、斯樣に伐採をしますと、十數年經てば森林資源が殆ど「ゼロ」になる虞がありますが、政府の植林に對する御計畫を承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=69
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070・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) 伐採量の三億五千萬石の内譯でございますが、用材と致しまして一億萬石、それから薪炭材として二億五千萬石、是は立木の材積でございます、御了承を願ひます、それから造林計畫でございますが、御説の通り此の造林の事業は速急に大々的に行はなければならない重要なる事業でありまする爲に、政府と致しましても、終戰後極力此の造林方面に重點を置きまして計畫を致したのでありますが、只今の計畫と致しましては本年二十一年度から以降五箇年間に二百七十二萬町歩の造林を致しますことに計畫を致して居るのであります、此の二百七十二萬歩の中、國有林の方の面積が約二十三萬町歩ばかりであります、それから官行造林で五萬町歩、是は公有林野の官行造林であります、其の他二百四十三萬町歩餘が民有林の造林に相成つて居る譯であります、本年度の豫定は其の中四十七萬町歩を造林する豫定に致して居るのであります、其の四十七萬町歩の内譯を申しますと、國有林で三萬五千町歩公有林野官行造林で五千六百町歩民有林の中造林證券に依ります助成の分が約二十八萬町歩、それから一般助成に依りまする分が十四萬七千町歩、合計で約四十七萬町歩に相成るのであります、是だけを本年度内に植栽する豫定であるのでありまするが、之に要しまする豫算と致しましては、大體證券に依ります分と、一般助成の分は、是は補助金に相成つて居りまする爲に、助成を致します金額だけを計上致して居るのでありますが、是で總額約九千萬圓を豫定致して居ります、併し只今の人夫賃銀から考へますと、此の九千萬圓では到底不足の部面もありますので、それに付きましては追加豫算を要求致しまして、本年度豫定の四十七萬町歩は是非完遂致したいと存じまして、努力を致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=70
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071・青木重夫
○子爵青木重夫君 只今の御話に依りますと、本年度豫算で僅かに九千萬圓で四十七萬町歩の造林を御計畫になつて居りますが、是は桁が一つ違ふ位と申しますか、實際には此の十倍なければ迚も造林は出來ないと思ひます、今の豫算では一町歩當り二百圓餘りにしかなりませぬから、今後もつと豫算に十分造林費を御入れになる御計畫はございませぬでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=71
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072・中尾勇
○政府委員(中尾勇君) では只今の點をもう少し詳しく申上げます、國有林の方の三萬五千町歩と申しましたのに對しましては、四千二百萬圓ばかりの豫算を組んで居ります、それから公有林野官行造林の五千六百町歩に對しましては約千六百萬圓程度の豫算を計上致して居ります、それから證券に依る助成の分でありますが、本年度二十八萬町歩を植栽致しました者に助成金を交付致しますのは來年度の豫算になるのであります、本年度の豫算には含まれて居りませぬ、本年度の豫算に組んでありますのは千三百萬圓ばかりでありますが、是は前年度造林致しました者の助成金であるのであります、此の二十八萬町歩の助成金は今申しました九千萬圓には含んで居ないのであります、それから一般助成の方が十四萬七千町歩、之に對しまして千六百萬圓の豫算を組んで居りますが、此の方が只今の人夫賃銀から致しますと不足を致しますので、先刻申上げましたやうに、只今豫算追加を要求中であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=72
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073・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 私議事進行に付て一言致したいと思ひますが、是迄本法案に密接關係のありまする事柄に付て縷縷御質問になりまして大いに傾聽致したのであります、本日は説明を聽き、それから質問の御方は續けて今迄やつて居られたのでありますが、政府としても參考の書類も出されて居りまするし、又日數も凡そ限りがありますので、成るべく早く切上げてしまはなければならぬ、恐らく明日、明後日位で朝から夕方迄やつてでも何とか之を捏つち上げなければならぬと思つて居るのでありますが、就きましては、本日は此の程度に切上げて、明日、明後日と朝から夕方迄續けてやつて、此の法案を仕上げると云ふことにしたら議事進行の上に宜しいかと思ひますので、其の事柄に付て皆さんに御諮りを願ひたいと思ふのでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=73
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074・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) 御諮り致しますが、只今の西大路子爵の御動議に御異議ございませぬでせうか
〔「異義なし」「贊成」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=74
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075・北條雋八
○委員長(子爵北條雋八君) それでは今日は此の程度で散會致しまして、明日午前十時から開會することに致します
午後二時五十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=75
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076・会議録情報3
出席者左の如し
委員長 子爵 北條雋八君
委員
公爵 三條實春君
侯爵 池田宣政君
伯爵 前田利男君
子爵 西大路吉光君
子爵 加藤泰通君
子爵 青木重夫君
白澤保美君
小山松吉君
男爵 佐竹義履君
男爵 平山洋三郎君
男爵 前島勘一郎君
竹下豐次君
松尾國松君
田部長右衞門君
竹中藤右衞門君
杉山茂君
國務大臣
農林大臣 和田博雄君
政府委員
農林技官 中尾勇君
農林事務官 平川守君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003720X00119460930&spkNum=76
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