1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十一年八月二十一日(水曜日)
午後三時三十三分開議
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議事日程 第三十一號
昭和二十一年八月二十一日
午後一時開議
第一 昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算案 (前會の續)
第二 昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算案 (前會の續)
第三 道府縣會議員等の任期延長に關する法律案(政府提出) 第一讀會
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〔朗讀を省略した報告〕
一、議員から提出された議案は次の通りである
女性の道義頽廢に對する政府の施策に關する建議案
提出者 和崎ハル君
(以上八月二十日提出)
一、今二十一日政府から次の要求書を受領した
一、道府縣會議員等の任期延長に關する法律案
右議院法第二十七條但書及び第二十八條但書によつて議定せられたく要求致します。
昭和二十一年八月二十一日
内閣總理大臣 吉田茂
衆議院議長 樋貝詮三殿
一、昨二十日衆議院規則第十五條但書に依り議長に於て議席を次の通り變更した
一四 豊澤豊雄君
五〇 山下ツ子君
九七 川崎秀二君
一五六 小柳冨太郎君
二七六 若林義孝君
二七八 木村チヨ君
一、昨二十日議長に於て次の通り常任委員辭任の許可があつた
第二部選出豫算委員 伊藤實雄君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/0
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001・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 是より會議を開きます、日程第一、昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算案、日程第二、昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算案、右兩案を一括して議題とし、前會の議事を繼續致します、是より討論に入ります、順次發言を許します──寺田榮吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/1
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002・会議録情報2
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第一 昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算案 (前會の續)
第二 昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算案 (前會の續)
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〔寺田榮吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/2
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003・寺田榮吉
○寺田榮吉君 私は日本進歩黨を代表致しまして、過日來熱心に審議致されました本年度の改定豫算案に對しまして、若干の希望を述べまして贊意を表したいと思ふ次第であります
大體本年度の豫算案は、曩に大藏大臣の御説明にもありました如く、終戰後の變態に基きます變態豫算でありまして、之を編成せられました政府當局の御苦心は察するに餘りあるものではありますが、之を見まして先づ感ずることは、歳出の大部分が臨時的費用でありまして、而も殆ど給與的性質を帶びた支出が多く、新日本建設に向ふべき産業再建に使はれる豫算は殆ど見受けられないと言つて差支へないと思ふのであります、而して又歳入の面を見ますと、敗戰の重壓に耐へ兼ねつつも尚ほ二十數億圓の増税を負擔して居り、更に一方に於きまして二百九十億圓と云ふ莫大なる赤字を盛つて居りまして、是は眞に已むを得ざることとは言へ、世界に比類のない高率財産税に依つて埋められて居ると云ふ状態であります、斯かる歳入歳出共に多くの批判を受くべき點を有して居り、而も其の額は未會有の厖大なるものでありまして、此の豫算案は現下の恐るべき「インフレ」進行過程の一結果であると同時に、それ自體が既に惡性「インフレ」の激化の原因たるを思はしむるものであります、況して此の厖大な、而も實質的には巨額の赤字である豫算こそは、敗戰日本の姿を其の儘に反映しました苦悶に滿ちたる非常豫算であり、變態にあらずして危篤の重態豫算であると思ふのであります、而して此の血の出るやうな苦しい大豫算をじつと齒を食ひ縛つて、雙肩に受止めて行かなければならないものは一體誰であるか、是は言ふまでもなく長期の戰爭に疲れ切つた身體に鞭うちつつも、唯將來の平和な安定した生活の來るのを夢見まして、祖國の苦難打開に日夜努力を續けて居る國民なのであります(拍手)敗戰後の日本國民は、其の日の食糧にさへ不安を感じまして、一時は多數の餓死者をさへ出したと云ふ状態であります、國民は國の前途に對しまして希望と信頼を失はんとしたのであります、併しながら敗戰後一箇年を迎へる今日に至りまして、一部の思想的混亂者は別としまして、漸く今や八千萬國民に澎湃たる再建の機運が漲り始めた、此の秋こそ財政面から國民の意氣を振起せしめなければならないと思ふのであります、抑抑世界各國の國民經濟發達の跡を稽へて見まするに、財政と經濟界の關係は頗る複雜して居りまして、第一次世界大戰當時は財政は經濟界を指導して來たのでありますが、其の後平和時代に於きましては、經濟界中心に國民經濟が營まれて居たのであります、それが第二次世界大戰が勃發しました前後よりして、各國共に何れも財政の方が指導性を増して來まして、戰爭中の我が國も勿論此の例に漏れないで、財政が國民生活を苦しめて來たのであります、敗戰後の今日に至りましても、依然たる状態であり、財政政策の爲に國民生活の苦樂が左右せられることが頗る大きいのであります、隨ひまして政府が此の豫算に依つて財政を運營せられることは、民主主義日本が出來るか出來ないか、日本國民の生活が安定するのか破れるのか、此の運營方法如何が解決の鍵を握つて居るものでありまして、政府の責任は重大至極と言はなければならないのであります、以上の點は私の最も強く本豫算に對しまして政府に要望したい所であります
次に今少しく分類しまして、歳出の使途に付て申しますならば、先づ民生安定費の六十三億圓であります、是は徒らに救濟に墮することなく、我が國民の美風である勤勉力行に向はしむる要あることは、國民の何れも希望する所であります、又同胞引揚費の七十七億圓の使途に付きましても、是等多年海外に奮鬪しまして蓄積した財産を抛棄して引揚げた同胞に對しましては、洵に同情に堪へない次第でありますが、敗戰第一年の此の財政に取りましては、僅少なる額ではありませぬので、此の七十七億圓は引揚同胞各各の更生資金となるやう使用されたいのであります、又教育文化費の如きは僅かに十二億圓であります、改正憲法に於て戰爭抛棄を宣言し、又民主主義文化國家建設に向ふべき時に、此の僅かなる豫算では勿論積極的施設を行ふ餘裕のない状態であることは、洵に遺憾に思ふ次第であります、斯かる本豫算のやうに軍事費のない豫算は、殆ど世界に類例のない所でありまして、終戰處理費は勿論、同胞引揚費と云ひ、民生安定費と云ひ、公共事業費と云ひ、何れも直接間接に敗戰の結果として必要となつたものでありまして、敗戰財政の樣相を如實に示して居りまして、國民は豫算面に敗戰の現實をまざまざと見なければならないのであります、隨ひまして其の使途に於て、唯割當てられたる金額を消費すれば宜いと云つた從來の非能率的な支出を行ふなれば、單に國民の血涙を絞つて捻出した資金を濫費することとなるのみならず、「インフレ」を促進し、同時に生産を阻碍するなど、國民經濟に測り知れない弊害を及ぼすこととなつて、遂には再び起つ能はざらしめるのであります、故に政府に於かれましては、新日本經濟再建の爲に強力なる生産が再開せられ、清新の氣に滿ち溢れたる生産企業が旺盛に開始せられる最も效果ある方向に對して、重點的に使用されなければならないと思ふのであります、さうして是が對象となります經營形態に於きましても、從來の漫然たる自由主義的經濟方式に依るものではなく、一定の確乎たる計畫の大なる枠内に於きまして、古い殻を脱ぎ捨てて新時代の息吹に沸返り、溌刺たる活動をなし得る形態であることが最も大切と思ふのであります
終りに本年の此の豫算案編成方法に付きまして申上げたいと思ふのであります、從來に比しまして豫算の民主化、合理化、計畫化等に付きましては相當なる努力を拂はれて居るのでありますが、米英に比しまして未だに此の形式の難澁不可解な點が多々あると思ふのであります、是等の點に付きまして一層研究をされ、誰が見ましても一目して國の財政が了解出來るやうに御努力が願ひたいと存ずる次第であります、我々議員としましては國民の代表として、此の豫算は作文に終ることなく、其の使途に於て嚴正に、さうして有效に、歳入の面に於きましても公正に行はれんことを嚴重に監視したいと存ずる次第でありまして、政府に於かれましても、何卒十分是等の點に注意して實行されんことを希望する次第であります、然るに此の敗戰の慘めな現状に於て、相當なる努力をされた此の本豫算案に對しまして、昨日二、三の修正案が提出されたのであります、併し其の何れの案を承りましても、巨額の歳入の不足、或は「インフレ」懸念等を論じまして、其の修正案は僅かに公債利拂の一部削減などを主張するのみでありまして、歳出の根本的削減を主張しないのは如何なる理由に依るか、理解に苦しむ所であります、結局は本豫算案を認めざるを得ないと云ふことを表はして居るのではないかと思ふ次第であります(拍手)以上を以ちまして簡單ながら本豫算案に對する贊成演説を終りたいと存じます(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/3
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004・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 徳田球一君
〔徳田球一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/4
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005・徳田球一
○徳田球一君 私は日本共産黨を代表致しまして、本豫算に對しまして全面的に反對しようとするものであります
本豫算に付きましては、昨日も委員長を初めとして、各修正意見を述べられた諸君に於きましても、此の豫算が到底承認し得べからざる事由を大いに述べられたのである、殊に委員長に於きましては、此の豫算を彈劾し、大藏大臣をして顏色なからしめるものがあつたのである(拍手)でありますから、此の豫算は當然委員長を初めとして總議員が之に反對せらるべきものであると思ふのである、然るに緊急の故を以て此の豫算を承認せらるると言ふのである、緊急であれば、出鱈目の豫算、どうにもならない豫算、昨日の委員長の言はれるのには、激流に逆らつて飛込むやうな此の豫算、是が承認せらるると云ふのは、私はどうにも腑に落ちない次第であります、寧ろ緊急であればある程、我が民族が生死の境にあればある程、斯くの如き不眞面目な豫算、どうにも斯うにも、之を論ずることさへ烏滸がましいやうな豫算は、是は斷乎として反對せらるべきものであると思ふのであります、是が我々議員の國民に對する義務であると信ずるのである、然るに實際此の豫算が、形式は豫算であつても、實質に於ては豫算ではない、豫算であるならば一年の歳計總てを見渡して、此の豫算が實際上實行せらるることを保證されて居らねばならない、然るに此の豫算は其の保證がない、次から次へと追加しなければ此の豫算では豫定された仕事は出來ないのである、必要なことは出來ないのである、實際此の豫算に於きましては、五百六十億そこらを計上して居りますが、一般豫算だけでも、大藏大臣の答辯其の他を參照致しますれば一千億になるでありませう、此の點も委員長の言はれる通りである、更に是は特別豫算を加ふれば一千五百億と云ふことになるのである、斯かる一千五百億の豫算が次から次へと追加されて來る、此の追加されて來る豫算を、殆ど財源の目當もなく、唯必要に應じて出鱈目にあれも出し、是も出し、それも出すと云ふ風な状態である、是で果して豫算ならば、道樂息子が財布からぽこぽこぽこぽこ出して行くのも豫算である(笑聲)こんな豫算が一體何處にある、こんな豫算は斷乎承認すべからざるものである
それから歳入に於きましては、五百六十億中の二百五十五億、「パーセンテージ」にしますと四五・五%を算へるのでありますが、是が財産税の收入である、だから實際上は赤字である、財産税と云ふものは擬制資本を一掃する爲に取るべき性質のものである、然るに此の擬制資本を取つて置いて、再び之を流通過程に戻しますならば、是はちつとも擬制資本を取らなかつたのと同じで、財産税を取るところの趣意と全く相反するものと言はざるを得ないのである、而も追加豫算は、あれも問へば財産税、之も問へば財産税、總て總て財産税、だから「インフレ」が益益激昂すると云ふのは當然である、是も亦豫算委員長が極力主張した所である、全く是は無茶苦茶である、斯うして來ますれば、實際上是は七五%、此の豫算の七五%と云ふものは總て赤字である、こんな豫算が一體何處にある(「日本にある」と呼ぶ者あり)此の日本が今や破滅に瀕しつつある(笑聲)此の日本に於て斯かる豫算である、だから一層破滅せざるを得ない、是は民族を破滅の底に陷れなければならないのであります、さうして政府は斯かる豫算に依つて「インフレ」を次から次へと増大せしめて行くことに依つて、財産税を實際上は脱税させる結果を起して居るのである、即ち財産税と云ふものは、三月末現在で其の基準は大體決められて居ると言はれて居ります、然らば既に三月末から現在まで物價にして二倍、三倍になつて居るものが多い、是から「インフレ」が盛んになれば五倍、六倍或は十倍になるであらう、だから財産税の査定は十分の一しか實際は取らないことになる、だから九〇%は脱税すると云ふことになる譯である、斯かる「インチキ」な、斯かる胡麻化しを此の財産税の中に仕組むならば、愈愈益益是は不當の豫算と化するのであります
更に重大なことは、此の豫算に於て最大の目的とせられて居るのは經濟の再建でありますが、此の經濟の再建は企業の整備、金融の整備を以てやると言はれて居るのである、所が此の企業の整備竝に金融の整備を見ますると、此の目的には全く反して居る、生産を増大する爲にはどうしても勞働者を多數に吸收しなければならぬ、而も現在の勞働者は平時の勞働者とは違つて居る、既に食糧の缺乏の爲に、體力は衰へ、勞働力は非常に減退して居る、現在醫學的見地から致しますれば、四時間又は六時間位までがやつとであると云ふ、是れ以上使へば現在の食糧事情に於きましては、身體は到底保たないと云ふのである、でありますれば愈愈以て産業の復興は益益勞働者を多數吸收しなければならない、然るに政府は之に對して五百萬人の失業者を豫定して居るのである、是は全く矛盾して居る、是は何故か、企業の整備、金融の整備に依つて勞働者の首を馘り、失業者の堆積に依つて勞働者を壓迫し、勞働時間を延長し、更に賃銀を低下させ、一方「インフレ」で以て攻め殺す、さうして是は勞働者を全く地獄に陷れる、此の政策の遂行に集中せられて居るのである、我々は之に贊成する譯にはどうしてもいかない、(「人民ははどうした」と呼ぶ者あり)人民の要求は如何(笑聲)人民の要求は、戰爭責任者の負擔に於て經濟を再建し、人民の生活を安定し、民主主義を徹底すること、それこそ人民の要求であるのである、此の人民の要求の最大なるものは現在に於きましては、社會黨の諸君も主張せられて居る如く戰時公債の一掃である(拍手)此の戰時公債の一掃は、何と言つても擬制資本の一掃である、經濟を安定せしめる最上の第一の策でなければならない、然らば此の財源がないかと言ふと大ありだ、大藏大臣はこんな財源なんかありやしないと言ふ、所が是は大ありだ、是は豫算の上に既に其の頭を出して居る、此の項目から考へて是は言ひ得る、なぜならば第一に隱退藏物資收入と云ふのを三億掲げてあります、併し隱退藏物資は本年の三月末現在の調に於きましても、我々が握つて居る織物の其の一部であつてさへも十五億何千萬圓と云ふものがある、是は織物の一部である、之を全體に考へますれば恐らく六百億から七百億に達するであらうと信ずるのである(「嘘を言へ」と呼ぶ者あり)何が嘘だ、さう勘定せられるのが當然である、
更にもう一つ考へることが必要だ、是は特殊物件收入と云ふ項目が掲げてある、特殊物件收入とは何ぞ、終戰時に於ける陸海軍の持つて居つた物資を受入れて居るのが特殊物件收入である、然るに終戰時に於きましては、日本全國の富が殆ど陸海軍に集積されて居つたのである、其の當時の價格に於てはどれだけか知らないけれども、是はたつた十億圓ぽつちのものではない、之を政府も認めて居る、それならば是が幾億あるかと言ふと、私は是だつて恐らく七、八百億は下らぬだらうと思ふ(「嘘八百だ」と呼ぶ者あり)若し政府が我々の言ふことに對して、是が不當だと言ふならば、實際幾らあるかと云ふことを精算して見るが宜しい、此のことに關しましては、私は首相の演説に對し質問をした時に、此の戰爭の終結に於ける總決算を早く概略でも宜しいから御示しなさいと云ふことを要求して居るのである、何故か、是は豫算に一大關係があるから私は要求して居るのである、然るに之をなさずして責任を逃れ、さうして斯かる無茶苦茶なことをやつて居る、實際斯う云ふものをやつて──是は總べて斯う云ふ財源を持ちますれば、此の財産税に於て收集したものを合せて更に一千億と云ふ財源は、戰時公債を抹殺するに役立つのに十分であると私は信ずる、然るに實際上之を如何にして取るか、是が政府の問題である、政府が幾多の財源がありと知りながらも、之を如何にして取るかと云ふことの困難を云々して、實は取らないのだ、併しながら之を取る方法はある、之を如何にして取るか、即ち大資本家、大地主、軍閥、官僚の全資産を封鎖するが宜しい、さうして置いて、彼等には公定の生活費だけをやるが宜しい、斯かる封鎖資産から戰時利得税、財産税、高度累進所得税を大々的に徴收するが宜しい、私の見込に依りますれば、是は約三千億あると見込むのである、此の三千億を收集すれば、是は地方債を含めての全公債を買上げるのみか、預金竝に保險金の擬制資本に屬するもの、是等を全部銷却しても尚ほ餘りありと信ずるのである、斯う云ふ方法を以てすれば、戰時公債を全部銷却するばかりでなしに、人民の預金、公債其の他凡ゆる蓄積に何等損害を及ぼすことなく、大資本家、大地主の犧牲に於て之を一掃することが出來るのである、更に此の封鎖資金の中には、生産設備、骨董品、美術品、資材等を多分に含んで居るのであるから、之を戰時利得税、財産税、其の他高度累進所得税を以て徴收し、勞働者、農民、人民の參加する經營協議會に於て民主主義的に運營することは可能である、今に於ては、資本家が利潤を追ふ所の此の生産方法に依つては、最早救ふべからざる破綻に瀕して居るのである、是は如何にしても人民の生活安定と向上の爲に使用しなければならない、而も勞働者を先頭として、農民其の他の人民が之に參加することが必要であると信ずるのであります
更に全金融機關を統合して、之を民主政權に依つて管理しなければならない、此のことは何を意味するか、此のことは闇資金を全部封鎖することを意味する、現在に於て綜合統制の出來ないのは闇資金がぞろぞろ出て來るからである、さうして是は財閥の銀行其の他私立的金融機關に依つて、是等を通じて凡ゆる手段を弄して、事業資金と稱して幽靈の如く新圓が舞上つて來るからである、之に依つて「インフレ」を促進し、事實上日本銀行の發行高は益益増大し、既に五百億を超し、今や六百億にどんどん近付かうとして居るのである、斯う云ふ闇資金が出ては、何としても「インフレ」を防ぐことは出來ないのである要するに此の闇資金を徹底的に封鎖すること、是が必要である、然るに政府は此の金融獨占資本を寧ろ援助し、彼等を富ましめることのみ考へて居る、今度の金融整備の令に於ては、特に此の點が強調せられて居ることが判明して居るのである、更に供出竝に配給を一切人民の管理に移さなければならない、現在に於きましての官僚支配、官僚統制と云ふものは、此の方面に於ては實に人民の信頼を失つて居る、彼等は何をするか分らぬ、彼等などに供出する必要はない、斯う云ふのが人民の聲である、又實際上市民諸君は此の配給機構に於て凡ゆる罪惡の堆積して居ることを皆能く知つて居るのである、でありますから、是はどうしても人民が管理する、何にしても惡事の出來ないやうに正確にして置かなければならないと信ずるのである、斯く致しまして綜合的に之を管理し、統制致しますれば、生産は重點的に移動せしめることが出來る、今實際必要であるものが石炭であれば、石炭に集中することが出來る、次に重要なるものが鐵道であれば、それに集中することが出來る、漸次此の重點を移動せしめますれば、全體として經濟機構が均衡を保ちまして、新しい、本當に安定した經濟を再建することが出來るのである、其の際に於きましては、特に物價と賃金との均衡を取ることが大事である、是なしには紛爭鬪爭を制禦することは出來ない、此の均衡を保ちさへすれば、何等調整法だとか何だとか云ふ、あの汚らしい彈壓法を出す必要はないのである
所で今度は問題になりますのは、勞働者諸君は擧つて甲種勤勞所得税の撤廢を叫んで居る、是は三十四億ある、此の三十四億、果して是は取らなければならないのであるかどうか、實際上五百圓の收入に於て百圓づつ毎月取られると云ふことは、全く血を吐く思ひである、だから是は反對するのは當然である、更に又乙種事業所得税、是は農民に對する不當課税として、今年に於きましては昨年の五倍乃至十倍が課されて居る、是れ亦一大反對をせられて居る所である、是が大約二十億弱である、其の他に専賣局收入として六十五億の大衆課税がある、是等を全部合しましても僅かに百二十億弱である、然るに之を我々は直ちに一掃するだけの財源を見付けてある、其の財源は何か、是は價格差益納付金として豫算にちやんと掲げてある、之を僅かに十五億圓しか掲げてないのである、所が政府の答辯に依りますれば、是は今年の差額納付金の僅かに一〇%しか徴收しないと云ふ、是は新丸公が出來た時に舊丸公との間の價格の差益を取るのでありますから、是は當然全部政府に納まるべきものである、何故に之を百「パーセント」取らずして、一〇%取るのか、之を全部取れば百五十億と云ふ財源である、十五億を引くとしても百三十五億の財源である、之を以てすれば、以上三つ述べた所の甲種勤勞所得税、乙種事業所得税、専賣局收入──是は我々の喫む煙草を全くひどいものにして居る、此の六十五億圓の總てを、價格差益納付金を百「パーセント」取ることに依つて、是は全部撤廢することが可能であります、然るに政府が之をやらずして、我々に血の吐く思ひをさして居る所のものは、要するに大資本家、官僚の古手の利益を擁護する所にある、斯くの如きは全く不當であり、沙汰の限りのものである、所で此の甲種勤勞所得税は一體どれ位あるかと言ひますれば、全所得税中の四〇%を占めて居る、實に大きいものである、更に乙種事業所得税を加へますれば五十四億となり、全所得税の六三%となるのである、然るに之に反して主として資本家、地主の拂ふ所の綜合所得税は僅かに十一億である、是は勤勞者、農民の拂ふ所のものの僅かに五分の一強であるのである、何と云ふ酷いことをして居る、さうして是は全所得税の僅かに一三%である、資本家や地主は、自分が國庫の債務を負擔する、それであるから資本家、地主が支配權を持ち優位であると云ふことを彼等は論據として居るのである、然るに何ぞや、我々の五分の一しか負擔して居ないぢやないか、而も官業及び官有財産の七十九億、其の中の大衆課税である所の専賣局收入は正に六十五億、八〇%を持つて居るのである、それから言つても、是は何としても勤勞者、我々の手に依つて政府を打樹てなければならない、是は道理に於てさうである、我々は斷乎として此の政府を倒し、勞働者人民政府を是非樹立しなければならない
更に最も不思議なことは「ポツダム」宣言に基く所の基本命令に於きまして、皇室と雖も免税權其の他の特權を持つことが出來ないことを明確に規定して居る、然るに皇室財産に對しては何等の課税がない、是は何ぞ、勞働者や農民は死ぬか生きるかと云ふ線に彷つて居ながらも、尚且つ莫大な負擔を被つて居るに拘らず、皇室財産は莫大であるが、之には一錢の課税もないと云ふことが宜いかどうか、此のことは特に我々が銘記しなければならないのである、更に補助費が八十七億圓ある、特別豫算其の他の實質的の補助費を合するならば總計百六十二億圓あるのである、此の補助費は主として資本家、地主を利益せしむるものである、是までの日本の資本主義の特徴は、斯かる國庫補助に依る國家權力と結付いた所の特別な財閥、特別な奸商に依つて是が成立つて居た、又再び斯かることが實行せられつつあるのである、さうして是は事實官僚權力を實に増大せしむる所の物的な資源の最も大きなものと言はざるを得ない、斯う云ふことに集中せられて居る、然るに之に反して失業救濟費、是は如何、勞働者、農民に對する點は如何、是は公共事業費其の他一切を含めて僅かに九十六億である、公共事業費は資材費其の他事務費を含んで居るので、之を除けば勞銀として拂はれるものは僅かなものである、恐らく是は五〇%には上らぬであらう、然るに此の點に於きましても實際請負業者、「ブローカー」は此の公共事業に依つて十分儲かつて居る、さうして勞働者は失業の故を以て安賃銀を支拂はれて居るのである、さうして今度は失業してどうしても食へない者に對して、生活保護費として一世帶五人で月三百圓呉れると言ふ、果して是で生活出來るであらうか、是は死の宣告に等しい、勞働者に取つては、實に其の死の宣告が此の政府に依つて宣言されて居るのである、更に此の豫算に於ては最も國民の道徳を腐敗墮落せしむる所の一項目が存する、それは何か、それは富籤收入が四億と計上されて居る、然るに此の富籤は八億圓賣つて半分の四億圓儲からうと云ふぼろい商賣であるのである、政府が斯かる封建主義を煽つて、斯かる賭博的性格のものを煽つて、さうして半分は懷ろに入れようなどと云ふに至つては、是は實に國民道徳を頽廢し、之を促進せしめる所の最も有害なるものと言はざるを得ないのである、更に我々はもつと有害なものを見出して居る、それは即ち接待費、交際費、機密費、宴會費等と云ふ名目の下に──機密費はないと言ふけれどもあります、調べて見ればあります、明確に調べて御覽なさい、あります、是等のものを合せて合計千百二十六萬圓、是が宴會に、此の間の首相の招待に、其の他各官廳の招待に依つて皆御馳走となつて消えて行くのである、勞働者諸君が食へない時に、農民諸君が隣れな状態に突落されて居る時に、千百二十六萬圓を以て斯かる招待云々をやるに至つては、是は豫算に於ける罪惡を表現するものである(「共産黨の費用を公開しろと」呼ぶ者あり)費用は共産黨は堂々と公開して居る、是は一言内務大臣に聽いて見よ、政府に毎月々々公表して居る、我々は一錢とても此の公表は怠つて居らぬ(「自動車はどうか」と呼ぶ者あり)然り、自動車もある、是等の點も我々は總て公表して居る、我々は全大衆の支持を以て一箇月十萬圓前後の金を使つて居ることを公表して居るのである、何等隱して居る所はない、此の點は諸君が警察其の他に之を要求するならば、是は公開して見せることになつて居る、私は内容を申上げる、斯くして此の豫算が資本家、地主、官僚を富まし、之を安泰化する爲に集中し、更に勞働者、農民、人民諸君の窮乏と破壊とを目的とし、之に全精力を注いで居る所が明かであるのである、斯くして斯かる亂暴なことをやつて外資を導入し、外國商品へ市場を開放しようと云ふのである、斯かる状態に於て之をやるならば、是は外國資本に依る經濟的重壓を激化し、今や民族的に是は益益破滅を深からしめることになると思ふ、我々と雖も外國資本を導入することに敢て反對するものではない、併しそれは人民が眞に政權、全資本を握り、人民の手に依つて、人民の生活の安定と向上の爲に使ひ得る、即ち利潤を追ふ爲めではなく、眞に人民の平和と幸福の爲に使ひ得る状態になつて、初めて人民の手に依つて外資は導入さるべきである、斯くすれば何等超過利潤を生ぜず、何等勞働者、農民に害を及ぼさず、益益全人民が繁榮するであらう、此の見透しを持つからである、それ故に私は此の豫算に反對して全面的に且つ徹底的に對するものである(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/5
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006・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 伊藤實雄君
〔伊藤實雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/6
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007・伊藤實雄
○伊藤實雄君 私は只今議題となつて居りまする兩豫算に對しまして、必ずしも贊成を致すものではないのでありまするが、現在の我が國の國家財政と國際關係とを睨み合せまして、私の二、三の希望意見を附しまして贊成を致す次第であります
希望意見の第一點と致しましては、申すまでもなく豫算運營の宜しきを得て戴きたい、一例を擧ぐるならば、現在我が國の喫緊なる問題は多々あるでありませうが、何と致しましても食糧問題程急を要するものはありませぬ(「ひやひや」)故に農産物の増産程喫緊なことはないのでありまするが、本豫算案を見まするに、一般會計豫算に於きまして、總額五百六十億圓に對しまして、農産物の増産補助費は僅かに四億五百萬圓であります、尚ほ進んで農林省の産業振興費を見ますると僅かに七千七百萬圓と相成つて居る、斯樣な金額を以て食糧増産の完璧を期することの至難であることは申すまでもないと思ひまするが、是も運營の如何に依つては完璧を期することが出來ると私は信じて居ります、例へて申しまするならば、只今政府に於きましては農産物の増産奬勵費は百二十幾つと云ふ所の細かき項目に亙つて之を交付致して居る、隨ひまして肝腎な農家の手に渡ります時は、最早五月三十一日の會計閉鎖をする其の時にすら間に合はないのが現状であります、隨ひまして農家に於きましては、是は一體何の爲に貰つたのか、而も百何十と云ふ種類に亙つた所の小さな補助金でありまするが故に、霧雨に濡れると申しますか、肝腎な農家に於きましては、全く食糧増産或は其の他の農産物の爲に貰つたのであると云ふ、斯樣な補助の精神にぴつたり來ないのが現状であるのであります、隨ひまして僅少なりと雖も、府縣知事を信頼致しまして、尚ほ町村長を信頼致して、一括して之を府縣に流し、或は町村に流しまして、府縣、町村の實情に應じて重點的に補助致します所に於て、初めて食糧増産が完璧に相成るものと私は深く信じて疑はないのであります、此の一例を取りましたるが如く、政府は豫算執行に當つては、宜しく地方の實情に即して、以て有效に豫算を執行に相成ることを私切に希望致して已まない次第であります
尚ほ第二點を申しまするならば、地方行政の機構の簡素化と事務の簡素化であります、一例を擧げて見ますると、曾て執行致し、本年も執行して居る所のあの土地改良事業に付て見まするに、縣廳には眞直ぐの出店の地方事務所がある、さうして耕地に對しては耕地出張所がある、土木に對しては土木出張所がある、所謂地方事務所を通して土地改良をやれと云ふ、反面又耕地課の出店である所の耕地出張所を以てやれと云ふ、鐵道や電車であつたならば複線が宜しいが、一體事務の上に複線のあることは、其の衝に當る町村長は洵に苦しい、隨て何れの點に於て此の土地改良の事業を御願ひ申すべきか、何れに縋るべきか分らない、就中耕地出張所竝に土木出張所の如きは、耕地協會或は土木協會と云ふものを作つて居る、政府は事業執行に與へる所の補助金の中から何分と云ふ莫大なるものを差引きまして、耕地協會を作り或は道路協會を作る、斯樣な要らざる所の機構を整理致しまして、政府より出されました補助金がそつくり當事者に渡るやうな機構の整備を致さなくては、到底土地改良等の事業も出來得ないことを信じて居ります、茲に政府は速かに行政機構の整備を致し、以て事業の一日も早く完成致すことを圖られることを切望致して已まない次第であります
尚ほ第三點は、政府は國民が一日も早く信用が出來得るやうな政策を立てなくてはならない、戰爭中に於きましては祕密々々でやらなくてはならぬことがあつたかも知れませぬが、其の祕密は遂には日本を現在の敗戰國たらしめました、終戰後政府は祕密々々で國民に明かに眞相を發表致さないことに於ては、我が國は茲に滅亡の時が來るのではないかと私は感ずるのであります、一例を擧げまするならば、只今世の中で最も騷いで居りまするのは新圓封鎖の問題である、先達て封鎖預金を第一、第二と分離致されまして、今度は新圓の封鎖ではないかと、斯樣なことに依つて、一般國民は新圓を持つべきか或は品物に換ふべきかと云ふことに付ても洵に憂慮致して居るのであります、此のことに付きましては、大藏大臣は各委員會を通じて新圓は封鎖しないとは申されたものの、今一度天下に明かに封鎖しないと云ふことを言明に相成つて、さうして國民が新圓云々のことに心配なく、本當に孜々默々として生産増強に挺身致し、以て政府に信頼の意を一日も早く寄せて來るやうに、政府は明確なる所の政策を御發表相成ることを私は切に希望致して已まない次第であります
以上の如く豫算運營の宜しきを得ること、尚ほ行政機構の整理を致しまして事務の簡素化を圖る、其の次には政府は一日も速かに國民の信頼を受くべき明確なる政策を國民に御發表に相成りまして、以て本豫算を完全見事に御遂行になつて、再建日本の爲に御努力あらんことを私は衷心より切望致すのであります、茲に以上三點を希望意見と致しまして原案に贊成を致すものであります(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/7
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008・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 是にて討論は終局致しました、是より採決に入りますが、其の順序を申上げます、井上君外三名提出の修正案中の一部は、石田君外三名提出の修正案と同一であります、即ち歳出經常部大藏省所管第二款第一項國債整理基金特別會計へ繰入金を減額すると云ふ點であります、仍て第一に此の同一部分に付き採決し、第二に其の同一部分を除いた井上君外三名提出の修正案に付き採決し、第三に山本君外六名提出の修正案に付き採決し、最後に原案に付き採決することと致します、採決致します、二修正案の同一部分に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/8
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009・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 起立少數、仍て二修正案の同一部分は否決されました
次に同一部分を除いた井上君外三名提出の修正案に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/9
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010・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 起立少數、仍て井上君外三名提出の修正案は否決されました
次に山本君外六名提出の修正案に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/10
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011・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 起立少數、仍て山本君外六名提出の修正案は否決されました
次に昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算案、昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出總豫算案の兩案を一括して採決致します、但し總豫算案中皇室費は協贊を要せざる費目でありますから之を除きます、兩案の委員長の報告は何れも可決であります、兩案とも委員長報告の通り決するに贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/11
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012・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 起立多數、仍て兩案は委員長報告の通り可決確定致しました
〔拍手〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/12
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013・樋貝詮三
○議長(樋貝詮三君) 是にて昭和二十一年度改定豫算案は議了致しました
〔議長退席、副議長著席〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/13
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014・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 日程第三に對しては、政府より議院法第二十七條但書竝に第二十八條但書に依る要求がありました、仍て委員に付託せず、且つ讀會の順序を省略することと致します、日程第三道府縣會議員等の任期延長に關する法律案を議題と致します──大村内務大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/14
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015・会議録情報3
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第三 道府縣會議員等の任期延長に關する法律案(政府提出)
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道府縣會議員等の任期延長に關する法律案
昭和二十一年十月三十日までに任期の滿了する道府縣會議員及び市町村會議員(全部事務のために設ける町村組合の組合會議員及び東京都の區の區會議員を含む。)の任期は、同月三十一日まで、これを延期する。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
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〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/15
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016・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 只今上程に相成りました道府縣會議員等の任期延長に關する法律案に付て其の提案の理由を説明致します
御承知の通り現在の道府縣會議員の任期は本年八月三十一日、又殆ど總ての市町村に於ける現任市町村會議員及び東京都の區の區會議員等の任期は九月二十日を以て滿了することに相成つて居るのでありますが、任期滿了に伴ふ是等の議員の總選擧は、曩に提出致しました地方自治制度に關する東京都制の一部を改正する法律案外三法律案及び衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案の施行後に於て、婦人其の他の新しい有權者をも參加せしめて之を執行することが、地方自治の本旨の顯現の爲め必要であると存ぜられるのであります、仍て是等の法律制定に關する各般の手續及び選擧人名簿の調製等、選擧の執行に關する諸般の準備行爲の完了に要する期間を考慮致し、差當り本年十月三十一日まで是等の議員の任期を延長するのが適當であると考へた次第であります、何卒御審議の上速かに御協贊あらんことを御願ひ致します(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/16
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017・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 採決致します、本案に贊成の諸君の起立を求めます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/17
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018・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 起立總員、仍て本案は全會一致可決致しました
〔拍手〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/18
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019・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 只今佐竹晴記君外六名より成規の贊成を得て議長不信任の決議案が提出せられまして、仍て此の際右決議案を議題となすに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/19
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020・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 御異議なしと認めます、右決議案を議題と致します、提出者の趣旨辯明を許します──佐竹晴記君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/20
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021・会議録情報4
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決議案(議長不信任の件)(佐竹晴記君外六名提出)
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決議案
決 議
議長樋貝詮三君は就任以來數次に亙り失當の處置を爲し更に最近憲法改正に關しての言動は委員會を無視し議長の權限を超えたるものなり。依て衆議院は議長を信任せず。
右決議す。
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〔佐竹晴記君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/21
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022・佐竹晴記
○佐竹晴記君 議長不信任案の趣旨を辯明致します、衆議院議長樋貝詮三君が、本月の十七日憲法草案第八十四條再修正意圖の下に執りたる行動は、委員會の正當なる審議權を無視した越權行動である、是が爲に委員會は阻止せられ、其の審議は遷延するの己むなきに至つたのであります…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/22
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023・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/23
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024・佐竹晴記
○佐竹晴記君(續) 憲法審議の重大性に鑑み…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/24
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025・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/25
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026・佐竹晴記
○佐竹晴記君(續) 極力其の愼重圓滿を期し來りたる委員會に風波を起し、各派の間に波瀾を惹起せしむるに至つたことは洵に遺憾の極みであります(拍手)此の儘之を默過することは斷じて許されませぬ(拍手)茲に進んで事の經緯を明かにし、責任の所在を糺明したいと存ずる次第であります
申上げるまでもなく憲法改正の審議は、院議を以て憲法改正特別委員會に付託せられて居ります、而して特別委員會は決議を以て小委員會に之を一任し、其の修正權は擧げて之に委せられて居るのである、何人と雖も之を侵すことは出來ないのであることは多言を要しませぬ(拍手)憲法改正特別委員會及び小委員會は愼重審議を加へ來りましたが、就中憲法八十四條に付ては、事の重大性に鑑み、之を切離し、別途一層愼重なる討議が重ねられて參りましたことは、私より申上げるまでもないことであります、小委員會は長きに亙り眞劍なる討議を繰返し、他面凡ゆる面に向つて愼重考慮が拂はれた結果、遂に全員一致を以て世襲財産も總て國に屬すると云ふ修正の結論に到達したのであります、此の修正案は如何に深刻に檢討せられ、深甚なる考慮が拂はれた結果であるかと云ふこと、又斯くすることより外に何等の途がなかつたと云ふことは、何人も之を理解することが出來る所であります(拍手)小委員會が此の結論に到達致しまするや、金森國務大臣の出席を求め、其の修正は憲法八十四條に付き最後的確定案であることを述べ、政府の意向を質したのでありますが、政府は之に對し異議なき旨を表明致して居ります、之に依つて小委員會は議案全部を議了され、委員長は愈愈十七日憲法改正特別委員會に之を付議する旨を公報に登載し、諸般の準備を整へ、委員各位に對しては旅行其の他に付ても差控へるやうにまで注意があり、全員揃つて十七日の委員會の開會を待つたのでありますが、遂に其の會は開かれなかつたのである(拍手)何が故に斯くの如き結果になつたのであらうか、其の眞相を確かめた所、前記小委員會が只今申上げました最後案を決したる後、樋貝議長、自由黨大野幹事長、葉梨總務は憲法委員會の議に諮ることなく、右最後案を更に再修正せんと致しまする意圖の下に、十七日正午總理大臣に會見をし、具さに相談を致して居る、總理大臣又之に對し考慮を約して居ると云ふ事實が、即ち此の會議をして流會たらしめた所の原因であつたと見なければなりませぬ(拍手)然るに右三氏は此の修正に關し何等の權限を有するものではございませぬ、而も確定致しました最後案を、正當なる機關に諮ることなくして勝手に再修正しようとするが如きことは、斷じて許さるべきことではありませぬ(拍手)
凡そ議長は衆議院を代表し、之を統合し、衆議院の意向を完全に遂行せしむる爲に最善の努力を拂ふべき重責がございます、隨ひまして議長は當然其の職務を執るべきであつた、而して憲法改正小委員會に於ける滿場一致の決議こそ、是れ正に國會の總意であり、議長は其の職責に懸けて之を完遂しなければならないものであつたと云ふことは、私の申上げるまでもない所である(拍手)然るに拘らず議長は此の委員會の決議を無視し、却て之を覆さんとするが如き別途の行動を起すに至つたと云ふことは、實に驚くべき非民主的行動であり、議會否認の行動であると言はなければなりませぬ(「ノーノー」拍手)議長は之に對し、自分は議長として行動したものではない、自由黨の一黨員として行動したに過ぎないと辯解を致して居りますことが報道されて居ります、併し議長と云ふ公職にある者が、憲法改正と云ふ重大なる案件に付て、即ち當然の職務に關する事項に付て總理大臣と折衝すると云ふ事態を、一個人の行動と誰が見ることが出來るでありませうか(拍手)現に總理大臣も、議長が來たので相談に應じたのであると明かにせられて居る、一議員樋貝の行動であると言ふが如きは、責任を解せざる遁辭であると言はざるを得ないのであります、假に一歩を讓つて、一自由黨議員として行動したと致しましても、何等修正權限なき斯くの如き行動は、斷じて許さるべきではありませぬ、更に又舊來の例を見まするのに、議長は當選を致しますると、所屬の黨派を離脱致しまして無所屬に入る、さうして公正無私に其の職責を遂行致しまして、聊かの誤解なからんことを期して居りますことは通例であります、然るに議長樋貝君は之に反し、黨籍を離脱することがないのみか、憲法改正と云ふ重大案件を前にして、一自由黨員として、而も自由黨幹事長及び總務と共に、一黨一派の考へを代表し、議院の總意たる小委員會に於て滿場一致可決せられたる最後的修正案を覆さうとするが如きに至つては、洵に驚くに堪へたりと言はざるを得ないのであります(拍手)議長の眼中議員なく、其の議長たる重責を忘れ、只管一黨一派の爲に熱中し、議院の總意を無視して顧みないと云ふ事態が、若しも此の議會に於て認めらるるに至らば、議會は遂に其の存立の基礎を失ふに至るでありませう(「ノーノー」拍手)樋貝議長等今囘の行動に付ては、誠忠の念の致す所であつて何等他意がないと仰しやつて居られます、事皇室の財産に關することであり、誠忠の念より出發したのであると云ふ其の御言葉、一應御尤もには存じますが、併し其のことの爲に審議機關を無視し、議會の總意を蹂躪し、自己の欲する自由なる行動を執つても宜いと云ふ何等の根據とはならないのであります(拍手)誠忠の念洵に是れ結構でございます、併し其の誠忠は民主主義に徹してこそ初めて全きを得るでありませう、封建的な「ボス」的な行動に依る所の誠忠は、斷固排撃せざるべからざるものであると信ずる(拍手)古來誠忠の念の發する所、何事をやつても宜しいと云ふ誤つた考へを持つものがあつたやうであります、袞龍の袖に隱れ、恣意を壇にし、國を敗つたものは今度の大東亞戰爭ではないか、是ではいかぬと云ふので、茲に日本の民主化が叫ばれ、民主憲法の制定は今や茲になされやうとして居るのであります、此の時に當つて、議長は其の重責を忘れ、誠忠の美名に幻惑せられ、正當なる審議機關を無視致しまして、一黨一派の爲に個人的行動を執ると云ふが如きは、實に民主憲法審議に一大汚點を殘したるものと言はなければならぬのであります(拍手)而も議長等の行動は、其の動機の如何に拘らず、其の企てが全く誤りであつたことは、其の再修正が一擧に葬られ、憲法小委員會の決議に服せざるを得ない状態に至つて居りますことが、何よりも明かに之を證明して居るのであります、憲法委員會の執りたる態度は愼重を極め、凡ゆる觀點に立つて、斯くするより外にはないと云ふ最後の結論に達したものであり、議長等の言葉を以てすれば、小委員會の決議こそ正に誠忠の至情の現はれと斷じて憚らぬのであります、然るに議長等は、自分等のみが誠忠の念已み難く再修正の意圖に出たるが如く言ひ、却て小委員會の決議が好ましからざるものであつた如き感を一般國民に與へんとするが如き状態を呈して居りますことは、洵に遺憾千萬であると思ふ、今や衆議院は小委員會の修正決議を認め、滿場一致通過せしめんとする前夜にあることを思ふの時、委員會の決議に敬意を拂ふと共に、不當に再修正を企てようと致しました議長等の非民主的行動に對し、徹底的糺彈を加へざるを得ないのであります
飜つて諸君、議長今囘の行動は既に其の由つて來る所は久しいのであります、議長就任は其の當初に於て過誤のありましたこと、私は諄々しくは申しませぬ、諸君には胸に手を當てて考へるならば、少々痛い所があるであらう、次いで我が黨の片山書記長の演説に對する騷擾、共産黨の志賀君の演説に對する騷擾、此の際に於て議長の執りたる行動は全く適當でなかつたと云ふこと、衆人の認むる所であります(拍手)今囘の事件は是等と終始一貫を致します所の一つの現はれであると之を觀察致します時に、是等を綜合し、議長は最早議長として引續き其の任にあることの適當でないと云ふことを斷言せざるを得ないのであります、我々は好ましからぬことであるとは存じましたけれども、民主議會建設の爲に、茲に此の決議案を提出するに至りました所以であります、何分にも十分御諒承願ひまして、此の案の通りますやう、御贊成賜はりますことを切望するのであります(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/26
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027・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 此の場合議長より身上の辯明をしたいとのことであります、仍て之を許します──樋貝詮三君
〔樋貝詮三君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/27
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028・樋貝詮三
○樋貝詮三君 私は政策論議に充てられたる此の壇上に於きまして、私の一身上の辯明を致す爲に此處を汚すことになりましたことは、洵に感慨深いものがあります、只今私の最近に於ける行動に付きまして、私を彈劾するの御演説がありました、之に對しましては私は事實を十分に認識して戴いて、其の上で何分の御判斷を、又何分の價値判斷もして戴きたいと考へるものであります、只今佐竹君に依つて提示せられました諸種の事實及び御意見に付きましては、私は決して反駁的の態度を執りませぬ、併しながら事實は非常に違つて居ります爲に、此の事實を明瞭にして、茲に諸君の御諒解を得たいと存ずる次第であります(拍手)
先週の土曜日丁度晝頃でありますが、私が各派交渉會の座長と致しまして會議を致した居りました時に、憲法の問題に付て自由黨の方面に論議があるから來て呉れと云ふやうなことでありました、それ以前既に只今御話になりました所の憲法第八十四條の規定が、幾多の疑問と危險とを含んで居ると云ふことを考へても居り、又是が問題になり掛けて居ると云ふことも承つたのでありましたから、丁度晝休みを利用致しまして、私は其處に出向いたのであります、果して其の場に於きまして、此の憲法改正案の第八十四條を、若し傳へられて居るが如く、あの小委員會でなした修正を其の儘認めると云ふことになり、是が成立すると云ふことになつたらばどうなるかと云ふことに付て、色々苦心を致して居つたのであります、先程佐竹君は、私が忠誠の心を以て此の事柄を取扱つたと仰しやつて戴きましたが、併し其の忠誠と云ふ言葉で現はさるべきものであるかどうか、私はそこまで自らを自惚れを以て清くしたいとは考へて居りませぬけれども、事實は斯うであります、八十四條の規定は御承知のやうに、あの規定が成立致しますれば、皇室財産中の世襲財産でない部分は、是は國庫に歸屬します、世襲財産の部分は元本だけが天皇の御手に殘つて、それから生ずる收入が若しありとするならば、是は國庫に歸屬すると云ふ原案であります、御承知のやうに政府提出の原案は總ての方面の諒解を得て提出されたものであります、若し原案が其の儘に成立致しましたものとすれば、世襲財産の主なものである所の、あの我々が曾て、又今日、或は形の上に於て、或は心の中に於て日夜崇拜して居ります所の、拜禮して居ります所のあの宮城、あれは陛下の御手許に殘るのであります、併しながら小委員會の修正の結果は、世襲財産の主なものである所の宮城や、二條の離宮は、是は陛下の手から取去られて、是が國庫に歸屬せられ、後には國有財産として、恐らくは國有財産管理局と云ふやうなものに依つて管理せられるものとなることと考へて居ります、此の小委員會の修正を見まして、是は何か善後策を講ぜざる限りは、我々國民の感情にはどうしてもぴつたり合はぬと感じたのであります(拍手)それは獨り私ばかりではなしに、此の感を深うする者は非常に多いと考へて居ります、故に私は心祕かに之を憂へて居りまして…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/28
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029・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/29
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030・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) どう云ふ方法でか、苟くもあの世襲財産が國庫に屬したと云ふ場合には、少くも陛下はあの宮城に御住ひになる時に、人のものに住んで居るやうな御遠慮のあるやうな氣持でなく住めるやうにしたいと云ふのが私の念願であります、私は斷じて之を念願だと申します、斯う云ふ事情でありまして、只今の…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/30
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031・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/31
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032・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) 會合に於きましては、之を何とか是からならないものか、若しならぬとするならば、善後策を如何にしてか講じたいと云ふ考へで居りました、さうして其の場に於きまして出ましたのが、諸般の状況からして最早今日に於ては…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/32
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033・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/33
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034・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) 此の小委員會の案が引繰返すことは出來ないやうな状態になつたのだと云ふことを承りました、併し其の理由は主に委員會以外の事情にあるかと云ふ風に聞える状態でありました、先程來私の行動が委員會の決議を蹂躪したと云ふことを申されたのでありますけれども、併しながら若し委員會に反省を求めると云ふやうな、其の意味でありますならば私は委員會に働き掛けます、議院法の、御覽になれば分るやうに、第十二條に於きましては、議長は如何なる委員會に於きましても其の意見を主張することが出來るのであります(拍手)併しながら…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/34
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035・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/35
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036・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) 私の考へて居ります所は果して委員會だけでなしに、其の他の事情に於て今や之をなすことの出來ない状況になつて居つたかどうか、其の状況及び事實が知りたかつたのであります、決して委員會の儀禮、之を覆へさうと云ふ、其の時には考へではありませぬ、是は事實であります、隨て其の當時に於きまして、私は如何にして其の實情を知るかと云ふことでありました、そこで遂に私は當時我が黨の幹部に於きまして、それならば事實を聽いたら宜からうと云ふことで委員長にも出て貰ひまして、其の實情を聽くことになつたのでありますが、當時に於ける状況は寧ろ總理の口から此の事情を聽いたらば宜しからうと云ふことでありました、其の事實を聽かんが爲に總理の所に、私は議長としてではありませぬ、議長としてならば委員會に直ちに出ます、併しながら事實はどうでありませうか、總理に對して私は斯う云ふことを申上げました、修正案が通つた結果は宮城に付てはどうなるでありませうかと云ふことに付て、總理に御相談申上げたのであります、之に對して總理大臣は、それは心配ないやうになり得ると思ふと云ふことを申されたのであります、私は此の言明に非常に信頼と安心とを感じたのであります(拍手)
〔「總理を出せ」と呼び其の他發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/36
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037・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/37
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038・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) それ故に直ちに私が歸らうと致しました時に、丁度法制局長官が見えまして、そこで立ち掛けて、歸り掛けた其の席で、法制局長官と八十四條、八條に關して多少其の見解を上下したのでありますが、それから致しまして、是等のことは何れ此の案が成立した後に我々はゆつくりと話せば宜いのであるからと言うて歸つて來た次第であります、當時私は此の本會議を開會する直前に迫りまして、時間も非常に遲れて居るが故に、各派交渉會を開いて、それを進行して居りました後で、愈愈本議場散會後に總理より面會を求められました爲に會ひました、所が其の時に金森國務相と私は話を致しました、如何にしてか原案は其の儘、修正をなした儘其の儘で通すことに致して、それはそれでそちらの進行で結構である、併しながら善後を如何にするかと云ふことで、金森國務相と二人では、此の後を政府に於きましては機會を捉へて、決して陛下が──此の世襲財産が陛下の手を離れて、再び貸し借りのやうな形で陛下が御使ひになるでないことになるやうに、政府之を配慮すると云ふことで、其の意見を適當なる機會に發表すべきことを約して、私は安心して歸りました(拍手)それが經路の全部であります、此の經路に對して先程來私が委員會の決議を無視したと云ふやうなことを仰しやいますが、併し小委員會は御承知の通り委員會の一部であります、未だ完全なる法的決議はありますまい、隨て…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/38
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039・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/39
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040・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) 事實の決議として尊重すべきものと私は考へて居ります、斯う云ふ事情でありまして…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/40
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041・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/41
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042・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) 私が之に對して執りました態度に付きましては、私は決して疚しき感じを持つて居るものではありませぬ
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/42
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043・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/43
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044・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) のみならず、のみならず…
〔發言する者多く議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/44
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045・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に──靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/45
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046・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) 我々は代議政治の本領として、民主政治、立憲政治の本領と致しまして、議會の委員會が政府の示唆に依つて動くやうなことは、斷じてあり得べからざるものと考へます(拍手)新憲法に依りましても、議會は國家の最高の機關であります、政府の、總理大臣の一語に依つて議會の委員會が動くが如きことは…
〔發言する者多く議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/46
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047・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/47
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048・樋貝詮三
○樋貝詮三君(續) 斷じて欲しませぬ(拍手)
以上私の所見を申上げて、事實に付て諸君の御判斷を乞ひたいと思ひます(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/48
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049・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 是より討論に入ります──山口喜久一郎君
〔山口喜久一郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/49
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050・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 ─────────────────
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/50
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051・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます―靜肅に…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/51
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052・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君(續) ─────────────────
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/52
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053・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/53
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054・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君(續) ─────────────────
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/54
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055・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます──靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/55
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056・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君(續) ─────────────────
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/56
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057・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/57
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058・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君(續) ─────────────────
〔發言する者多く議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/58
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059・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 休憩を致します
午後五時二十四分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/59
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060・会議録情報5
――――◇―――――
午後十時三十八分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/60
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061・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 休憩前に引續き會議を開きます、山口君の發言を繼續せしめます──山口喜久一郎君
〔山口喜久一郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/61
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062・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 休憩前になしたる私の演説の一切を、潔く茲に先づ取消を致します(「なぜ取消すのだ」、「理由を言へ」と呼ぶ者あり)各派交渉會で左樣に決定したのであります、先刻來、私の言説は偶偶禍ひしまして、豫て議事進行係の私が…(「なぜ取消すのだ」と呼び其の他發言する者多し)今言つて居るぢやないか、私が…
〔發言する者多く議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/62
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063・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/63
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064・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君(續) 私が不進行の種を蒔いたことは申譯ないことでありましたが、私は樋貝議長の行動が國事を憂ふる一片の熱意から出た行動であつて、足りない所を結論付ける爲に聊か攻撃に亙つた次第であります(拍手)茲に於きまして今更何をか申さんやであります、我々は樋貝議長の行動は院議を以て彈劾する程のことではないと信ずる次第であります(拍手)此の意味に於きまして我々は社會黨提出の議長不信任案には斷じて反對するものであります(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/64
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065・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 河野金昇君
〔河野金昇君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/65
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066・河野金昇
○河野金昇君 私は協同民主黨と社會黨竝に其の他の會派に依る共同提案になる議長不信任案に對しまして、趣旨を説明し贊成をするものであります(拍手)最も意義ある憲法を決めなければならない其の前日になつて、議長を不信任せざるを得ないことは、私情に於ては忍びないと思ひまするけれども、我々は議會の權威を保つ意味に於きまして、どうしてもやらざるを得ないのであります(拍手)
先程の議長の一身上の辯明を聽けば聽く程、一日も一刻も議長の席に置くことは出來ないと思ふのであります(拍手)又與黨で一生懸命進行係として活躍された山口君の言動の如きも、一體議會を認められて居る所の行動であるかどうかと云ふことすら疑ひたくなるのであります(拍手)大體樋貝議長は自由黨が第一候補として御選びになつた三木武吉氏が…(「何處に居るのだ、三木武吉が」と呼ぶ者あり)もう何處かへ行かれたのでありますけれども、皆が選んだ其の三木武吉氏が追放されたから、當て馬に決めて置いた第二候補者の樋貝氏が選ばれることになつたのであります、私は進歩黨にも、或は自由黨にも樋貝議長以上の練達の士は澤山あると思ふのでありまするが、議會一年生の何も知らない人を、官僚の古手を此の神聖なる議會の議長に選んだことそれ自身が間違ひであると思ふものであります(拍手)大體官僚の本質は戰時中の行動を見れば明かなるものであります、主として進歩黨の先輩諸君である人々は追放されて居なくなつたけれども、官僚の大部分と云ふものは依然として姿を變へて今日殘つて居る、けれども其の本質は戰時中東條に便乘したと同じ氣持でありまするから、何處かに現はれて來るのであります(拍手)其の官僚出の樋貝議長は就任勿々貴族院、衆議院の各政黨の首腦者に依る憲法會議の席上に於て、樋貝議長自らの口から、占領軍司令部と折衝を開始すべきだと云ふことを言ひ出されて、並居る貴衆兩院の各黨の首腦者から輕侮と叱正を受けられたと云ふことは、心ある人の最も遺憾とした點であつたのであります(拍手)やはり本質に於て長いものには卷かれろと云ふ官僚の多年の氣持は、何處かに絶えず現はれて來るのであります、六月の二十一日議會が開會されて、總理大臣の演説に對する質問、社會黨の片山氏の質問に對して、主として與黨の諸君が彌次を飛ばした、片山氏の演説が終つて、社會黨の諸君が議長の議場整理の能力なきを詰つて演壇に駈け上らんとすれば、自由黨の腕力ある人が腕力に依つてそれを止めんとしたことに依つて亂鬪騷ぎを演じたと云ふことは、神聖なるべき議會の第一頁を汚したものであつて、原君自身も自責の念に驅られて居られなければならぬにも拘らず、依然として其の後少しも自肅することなく、何時も議事の進行の妨げをされつつあることは遺憾に堪へないのであります(拍手「議長不信任と別ぢやないか」と呼ぶ者あり)關聯して居ります、原君達が騷いだにも拘らず、それを止め得なかつたのは、議長の議場整理の無能力の暴露であるのであります(拍手)先程からあれ程皆さん方が騷いで居られるにも拘らず、議會の運營を知つて居る副議長は、此の鈴を鳴らさないのです、けれども一年生の樋貝議長は、僅かの騷ぎに之を振つて、而もそれで治まらないと云ふと、自ら散會を宣して逃げて行つてしまつたことは、自らの責任を感ぜざるものと言はざるを得ないのであります、越えて七月二十七日、共産黨の志賀君が一生懸命演説をして居つた其の演説の中に、不穩當な言動ありとして駈け上つた院内交渉係の諸君、其の中特に進歩黨の椎熊三郎君の如きは、自ら議長の制止も聽かずに、志賀君の演説を直接阻止しようとした如きは、議會運營に經驗あるが如く見える椎熊君の行動としては、殘念至極であると同時に、之をして機宜の處置を執り得なかつた樋貝議長の無能力は遺憾なく此の場にも發揮されたのであります
憲法小委員會が愈愈眞劍に審議して居る最中、樋貝議長は先程の言動にも明かなる如く、小委員會は法的根據なしと述べたのであります、小委員會が法的根據がないとするならば、なぜ今日まで一箇月に亙り小委員會が開かれて居るにも拘らず、それを默つて居つたかと言はなければならぬのであります(拍手)而も議長自身が辯明する如く、議長は何れの委員會にも自由に出席して意見を述べることが出來ると議長は言つて居る、其の通りであります、それなら自分の方の同志が委員長となつて居る、或は委員が澤山出て居るのに、なぜ其の委員長を通じて、或は委員を通じて自分の意思を發表させないのでありませうか(拍手)議會の權能があるにも拘らず、それを無視して一、二の幹部連中と共に吉田總理大臣と直接交渉するが如きは政治的闇取引でありまして、戰爭最中に翼政會の幹部諸君と政府がやつた行動とちつとも違はないのであります(拍手)議長は愛國の至情より、皇室のことが、陛下のことがどうなるか分らぬ、心配に堪へなかつたから敢てああ云ふ行動を執つたと言はれます、陛下のこと、皇室のことを考へない者は私は日本國民ではないと思ひます、何も樋貝議長だけが陛下のことを考へ、皇室のことを考へて居るのでは斷じてありませぬ(拍手)戰時中東條と雖も、或は是と結託せる軍閥官僚と雖も、絶えず我々國民を彈壓する時は、陛下の名に於て、愛國の名に於て、我々國民を彈壓したことは、少くとも戰爭中便乘ばかりされた方は分らないけれども、正しき日本人としての行動を執つた人は分るのであります
〔發言する者多く議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/66
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067・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 靜肅に願ひます──靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/67
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068・河野金昇
○河野金昇君(續) 私達は一年生なるの故を以て、樋貝議長が今日まで執られて來た所の行動は默認をして來たのでありますが、今度の憲法小委員會を無視せる行動は、我々の議會の權威を失墜せるものなりと思つて、已むを得ず不信任の決議案を出したのであります、其の決議案に對して説明をするのに恰も官僚「ファツショ」其の儘の如き言動を弄するに至つては、より以上糺彈せざるを得なくなるのであります(拍手)私達は議會の權威を保たなければなりませぬ、お互ひが委員會を開いて居るにも拘らず、それを認めないやうな議長の行動を默認するとするならば、今後我々議員は如何なる途に依つて御奉公出來るでありませうか(拍手)恐らく良心ある人であるならば、無視された憲法の委員長である芦田氏は勿論のこと、自由黨、進歩黨の委員諸君と雖も、小委員會を無視されたる今度の樋貝議長の行動に對しましては、必ずや私は議員らしき行動を執られるものなりと信ずるものであります(拍手)若しも諸君が眞に議會の權威を護らんとする所の熱意があつたならば、恐らく我我の今囘提案致しましたる議長不信任案には、よもや反對はされまいと思ふものであります、諸君の良心の命ずるが儘の行動を執られんことを切に希望するものであります、我々は明日の憲法審議の前日に當つて之を提案致したのでありまするが、是非とも議長が今日處決をされて、明日は明朗なる氣持の下に不磨の大典である憲法審議を續行したいと思ふが故に、今晩中に議長が責任ある態度を執られんことを切望して私の贊成の意見に代へるものであります(拍手)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/68
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069・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 是にて討論は終局せられんことを望みます
〔「反對々々」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/69
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070・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 山口君の動議に贊成の諸君の起立を求めます─起立を求めます
〔贊成者起立〕
〔「異議あり」「異議あり」と呼び其の他發言する者多く議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/70
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071・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 異議があるやうでありますから記名投票を以て採決致します、是より記名投票を行ひます、山口君提出の討論終局の動議に贊成の諸君は白票、反對の諸君は青票を持參せられんことを望みます──議場閉鎖──議席第一番より順次投票せられんことを望みます
〔「議長の發言が能く聞えませぬ」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/71
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072・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 一番より順次投票せられんことを望みます
〔離席する者多く議場騷然〕
〔「議長、議場を整理せよ」「議場の整理をするまで投票を待て」「投票投票」「なぜ投票を妨害するか」「點呼せい」と呼び其の他發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/72
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073・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 御知らせ申します、記名投票の場合は點呼を致しませぬ──御知らせ致します、記名投票の場合は點呼を致しませぬ──一應議席に歸つて下さい、議席に歸つて下さい──諸君、一應議席に歸つて下さい、一應議席に著くことを命じます
〔「議場を整理しろ」「順番でやれ」と呼び其の他發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/73
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074・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 御注意申上げます──御注意申上げます、記名投票の場合には點呼を致さず議席第一番より順次投票致すことに相成つて居るのであります
〔各員院投票〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/74
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075・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 迅速に投票を願ひます
〔各員投票を繼續す〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/75
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076・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 迅速に順次投票を願ひます
〔各員投票を繼續す〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/76
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077・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 早く投票を願ひます、餘り遲いと御棄權になつたものと認めます
〔各員投票を繼續す〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/77
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078・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 投票洩れはありませぬか
〔「ありますあります」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/78
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079・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 然らば迅速に投票を願ひます
〔各員投票を繼續す〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/79
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080・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 投票漏れはありませぬか
〔「ありますあります」と呼ぶ者あり〕
〔各員投票を繼續す〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/80
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081・木村小左衞門
○副議長(木村小左衞門君) 本日は時間の關係上、是れ以上議事を進めることは到底不可能なことと考へます、仍て散會致したいと思ひます、投票は未だ終りませぬから、是までの投票は無效と致すことを宣告致します、是にて散會致します
午後十一時五十六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/txt/009013242X03219460821/81
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