1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
林業會法案(政府提出)
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昭和二十一年九月十二日(木曜日)午前十時二十五分開議
出席委員
委員長 森幸太郎君
理事 綿貫佐民君 理事 平野増吉君
理事 氏原一郎君
稻田直道君 大井直之助君
木島義夫君 小笹耕作君
太田秋之助君 仲川房次郎君
武藤常介君 玉井潤次君
松澤一君 坪井龜藏君
井出一太郎君 磯田正則君
伊藤實雄君 圖司安正君
出席國務大臣
農林大臣 和田博雄君
商工大臣 星島二郎君
運輸大臣 平塚常次郎君
國務大臣 膳桂之助君
出席政府委員
農林參與官 鈴木強平君
農林技官 中尾勇君
農林事務官 平川守君
運輸事務官 滿尾君亮君
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本日の會議に付した議案
林業會法案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=0
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001・森幸太郎
○森委員長 是より開會致します、大體昨日で一般の質問は終了を致した譯でありますが、本日は膳國務大臣、商工大臣、大藏大臣の御出席を得まして、留保されて居る點に付ての質疑を致したいと思ひますが、まだ膳國務大臣も商工大臣も事務の都合上御出席がありませぬので、それまでに二、三農林當局に對して質疑があるやうでありますから、便宜之を許したいと思ひます、本日は成べく午前中に質疑の全部を終了致したいと考へて居りまするから、委員諸君は豫め其の御積りで御願ひ致したいと思ひます——平野君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=1
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002・平野増吉
○平野(増)委員 農林當局に御尋ねを致しますが、營林署の管轄内で斫伐作業組合と云ふのが戰時中から出來て居りました、是が戰時中の所謂軍の方針に依る指導が今以て繼續されて居る、而して最近の現状を見ますと、非常に弊害が露骨になつて參りまして、各地に摩擦があり、非難があり、我々常に其のことを耳にしていやなことだと思つて居ります、是は山林局に於ては大體御耳に入つて居ることと存じて居ります、今囘林業會が出來ます此の機會に、斯樣な戰時中に於ける所の、非難のある斫伐作業組合と云ふやうなものは解散させて、さうして其の組織を各地に於て出來る林産組合に加入せしめる、斯う云ふことが最も妥當だと考へて居りますが、之に對する當局の御所見を承ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=2
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003・中尾勇
○中尾政府委員 斫伐作業組合の件に付きましては、昨日も申上げました通り、只今詳細取調中でありまして、只今御尋のやうな色々な弊害を與へて居ると云ふやうなことに付きましては、具體的にまだ分つて居らないのでありまするが、能く調査を致しまして、さう云ふことのないやうに今後指導監督をして行きたいと存じて居るのであります解散のことに付きましては、是は戰時前から出來て居る組合ではありますが、木材の生産増強に付きましては相當の成績も收めて居りますし、色々非難攻撃されると云ふやうなことがないやうに指導監督致しまして、引續き生産事業の方には從事さして行きたいと云ふ風に考へて居ります、唯林産組合に加入の件は、當然加入すべきだと考へて居りまするので、其の方向に向つて指導致して行きたいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=3
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004・平野増吉
○平野(増)委員 只今の政府委員の御答辯は甚だ不滿足であります、なぜ不滿足かと申しますと、御答辯と私の言ふことと根本に食違ひがある、私の考へは、斯樣な民間の團體に任せて斫伐の作業をやらせる、斯う云ふ弊害の最も起り易い性質を有するものは、一體今までも止めさすが宜かつたのでありますが、殊に林業會法が實施される斯う云ふ機會に於て、斷然解散をさせて、其のやつて居る仕事は別の組織を以て林産組合に加入せしめる、斯う云ふ方法を執らなければ、其儘林産組合に加入せしめるのであつたならば、弊害は其の儘付いて廻ります、若し只今政府委員の御答辯の如くに、調査をして、左樣な弊害がないか調べて見ると云ふ御話でありますが、營林局の役人と作業組合の幹部との間に於ける弊害を、どう云ふ方法を以て御調べになるか分りませぬが、山林局が營林局の内容を調べるなどと云ふことは、是は到底駄目なことである、本當のことは分りませぬ、御參考までに其の一端を申上げますれば、大阪營林局の前の事業部長など相當なことをやつて居る、さうして名古屋方面の我々の知つて居る木材業界の有力者は、之に依つて莫大な惡い金儲けをして居る、また一例を申上げますと、營林局からは公定價格で拂下を受けたものを、公定價格の何倍と云ふ價格で、其の儘他へ轉賣して金儲けを盛んにやつて居る、斯う云ふ事實は業界が皆知つて居る、それが爲に非常に今日非難があるが、併しながら戰時中に或る軍の有力な支持を受けてやつて來た關係上、今までは默つて居たけれども、今は承知しない、でありますから、是は方針として解散をして、改めて其の事業を別の組織に依つて繼續さして、人を迭へるとか、組織を變へるとか云ふことにして林産組合に加入せしめて行く、斯う云ふ風におやりになることを一つ言明を願ひたい、さうしなければ恐らく今後林業會法案に基いて、各地に林産組合を作る場合に、必ず是が重大な問題として支障を來します、それを私は豫見して居る爲に御忠告旁旁申上げて、方針を決めて戴くやうに御答辯を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=4
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005・中尾勇
○中尾政府委員 御趣旨のある所は十分分りましたので、折角只今調査中でもありまするし、調査致しました結果に依りまして、非民主的の所があります場合は民主的に組織を改め、或は人を迭へる必要があれば迭へも致しますし、さう云ふ風にして善處して行きたいと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=5
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006・森幸太郎
○森委員長 運輸大臣が見えましたから……、坪井君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=6
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007・坪井亀藏
○坪井委員 運輸大臣に質問致したいと思ひます、我が國は未曾有の戰災を蒙りまして、所謂三百數十萬戸の家屋の燒失、尚ほ又海運に於ける船の大半は失ひ、其の他我が國の交通上に於きましても、鐡道等に於ける復舊は、殆ど戰時中是等の修理が行はれず、現在は辛うじて運轉して居る程度であります、最近各地に鐵道の事故が頻發すると云ふことも其の一例ではないか、言換へれば、線路が非常に破損して居る、枕木等の資材入手難と云ふやうな點も大きな影響を及ぼして居るのではないか、是が爲に線路を改良することが出來ない、其の觀點から見ましても、尚又現在は進駐軍の家屋に對する木材の運搬、是等に付ては多少緩和されて居るやうでありますが、殆ど一般戰災復興に對する材木の輸送は巧く行はれて居らない、是は車輛の足らない點もございませう、或は石炭の足らないと云ふ現象もございませうが、どちらにしても是が圓滑を缺いて居ることは事實であります、勿論運輸大臣から見れば、驛まで出されたものは敏速に運んで居るが、驛まで出すに手間を取つて居るから、其の點は已むを得ないと言はれるかも知れませぬが、私はさう言ふべきものでなくして、交通運輸と云ふものは、生産地から消費地まで持つて來るのが交通運輸に屬する面だと思ひます、斯かる意味に於て、直ちに之を鐵道のみに依つて輸送を解決しようと云ふが如きは、交通事業に對する洵に輕率な考へと私は考へます、之を如何にするか、所謂産地から各鐵道路線まで持出すには何としても直ちに鐵道に依ると云ふことは出來ぬのであります、此の機會に之をどう處理するかと云ふことに付て、過般來私共も研究もして居るし、尚又此の問題に付ては、相當地方的に大きな問題を惹起して居ることは、私が申上げるまでもありませぬ、其の一例と致しましては、濱松地方に於けるあの遠州電氣鐵道株式會社が、水窪方面に對しまして「バス」の許可を取り、今まで運行して居つたのであります、此の路線に對しまして今囘省營を持ちまして、省營「バス」及び省營「トラック」を、此の九月から開始することに相成つて居るのでありますが、此の間に紛爭が起きまして、實に是等が圓滿に解決が出來ないと云ふことで、先般私共郷里へ歸りまして、之に對して色々善處方を促し、最後に名古屋鐵道局長の主催に依りまして諮問會を開きまして、此の諮問に對して、結局結論に於ては、過去長い間犧牲を拂つて遠電會社のやつて居つた「バス」事業も、今日に至つては全く貧困であつて、尚又現在の乘客の輸送、或は木材の輸送、或は林産物の輸送に此の儘ではどうすることも出來ない、であるから省營に依つて直ちにやらなかつたならば、此の山村の開發が出來ない、のみならず、此の省營「バス」或は「トラック」に依りまして、結局鐵道まで運び出す、此の總ての材料の飛躍的な増産を圖ると云ふやうな點から見た時には、直ちに之を行ふべしと云ふやうに、私共は此の諮問に答へたのであります、私共と致しましては、斯樣に各地に於て交通關係に於きまして、お互ひに過去に於て犧牲を拂つた其のものに對して、今囘省が之を經營すると云ふことになりますと、自ら過去の努力に對する何等かの、將來に於て是等に補償施設を或る程度してやるやうにしなくては、圓滿な解決も出來得まい、斯う考へます、尚又鐡道より産地に至るまでの間は、多少過去に於けるさうした犧牲者は出ましても、此の際省營「バス」或は「トラック」を急速に、山地開發の上から見ても、之を取入れると云ふことが、交通運輸の面から見ても、最も必要であると私は痛感して居ります、此の觀點から見ました時に、之に對して根本的にどの位な數量を入れたならば、現在我が國に於ける此の木材の必要量に對して、輸送が完全に生産地から而も消費地まで運ばれるか、唯單に驛から消費地までと云ふことでなくて、所謂生産地から消費地まで持つて行くのにはどれだけの計畫をしたら宜しいかと云ふことに付て、若し大臣に於て計畫がありましたならば、御聽かせ願ひたいし、なかつたならば、今後に於て直ちに此の計畫を立てられて、最も急速に、此の割當てた木材を一つ一日も早く消費地へ運ばれて、さうして都市の復興を一日も速かにさしてやらなければならないと云ふことを、私は痛感して居ります、其の數字を私が調べて見たのでありますが、昭和二十一年度に於きましても、此の木材の供給計畫竝に配給の實績を見ました所が、四月から九月まで、是は上半期であります、此の供給計畫を政府に於て立てられた、其の内譯を申上げますと、一般用材に於きまして建築の分が一千五百七十七萬六千石、土木に對しては四百萬石、其の他の四百三十萬石、此の合計が二千四百七萬六千石、斯う云ふ數字になつて居ります、之に對しまして、第一四半期に實際に配給された實績と云ふものは、四月から六月までと致しますと、建築に於ては三百八十二萬七千石……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=7
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008・森幸太郎
○森委員長 坪井君、一寸御話中ですが、今貴族院で運輸大臣の答辯を求める議員が、立往生をして居るらしいです……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=8
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009・坪井亀藏
○坪井委員 それでは簡單に……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=9
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010・森幸太郎
○森委員長 簡單に要領だけを言つて下さい、それで答辯は後にして貰ひますから、左樣御承知を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=10
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011・坪井亀藏
○坪井委員 之に對して三百八十二萬七千石、土木に對して二十一萬八千石、其の他に對して九十七萬七千石、合計で九百四萬二千石、是が約四十「パーセント」に當つて居るのであります、其の次に造船用と致しまして百六十九萬六千石、車輛に四十七萬五千石、坑木に四百五萬四千石、枕木に百三十二萬五千石、其の他を合算致しまして、上半期に割當てた數三千六百五十八萬石に對して、第一四半期に出たものが七百八十七萬石、約四十「パーセント」であります、然るに此の中遺憾なことには、車輛の四十七萬五千石に對して、僅かに五萬三千石しか出て居りませぬ、枕木に對しましては百三十二萬五千石に對して二十八萬三千石しか出て居りませぬ、斯樣な始末で、どうして急速に復興を要する——是等の運輸の面から見まして、自らが必要として居る此の素材が斯樣な始末であると云ふことは、數字から見ましても、如何に計畫が立つても、此の實績から見て、運輸省に於て是等が手に入らなかつたと云ふことは、私は運輸大臣としても、將來之に付て全力を注がなければならないと云ふことを痛感して居るのであります、どうか政府當局に於きましても、是等の最も必要なる、斯うした交通面に對しましての、政府自らやる仕事に於てさへも斯うであります、況してや民間に於ての必要なものが現在運ばれないと云ふのは當然のことであらうと思ひます、結局斯樣な觀點から見ますと、私は今後此の運輸の面に付きまして、鐵道沿線のものだけでなく、産地から消費地まで持つて來る面を、所謂省營に依る所の「トラック」と云ふものを増大してやつて貰ひたい、之に依つて運んだならば、必ず其の所定量と云ふものは配給出來る、斯う考へますので、之に付て運輸大臣の確乎たる御信念を御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=11
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012・滿尾君亮
○滿尾政府委員 丁度御質問の半ばに參りましたので、或は全貌を把握して居らぬ點があらうかと思ひますが、大體察しますに、木材の鐵道沿線に至る輸送力の不足の御話であらうと思ひますが、之に付きましては、實際我が國の「トラック」の實働勢力と云ふものは甚だ貧弱でございまして、到る處に「トラック」の不足を喞たれて居る譯であります、大體「トラック」と致しましては、本當に動いて居りますものは、私共ざつと二萬臺と見て居る譯であります、此の面で「トラック」の臺數に於て不足して居りますことと、燃料の面に於きましても實は甚だ不自由な事情になつて居ります、それで此の燃料に付きましては、聯合軍司令部に「ガソリン」の輸入を懇請致しまして、此の五月頃からぼつぼつ面倒を見て戴いて、只今の所ではざつと私共の必要と考へる數量の五割乃至六割見當を戴いて居りまするが、漸次増加して戴いて居りますので、餘り遠くない内に、大體所要の數量を或は戴けるか、斯う云ふやうな希望を持つて居ります、それから殊に木材の輸送に關しましては、今まで「トラック」輸送の需要が非常に多かつた時代に、或は配車等の不圓滑と云ふやうなこともあつたかと私共實は察して居る譯でありまして、是等の點に付きましては、成べく業界に對して注意を與へて居るやうな譯であります、先程の御話に、省營「トラック」の擴充に依ると云ふ御言葉がありましたが、省營に於きましては、固よりさう云ふ重要物資の輸送を本來の目的として努力させて居るのでありまするが、省營の實勢力は約千輛位しか「トラック」を持つて居りませぬ、隨て民營の「トラック」に比べますと云ふと二十分の一位の力でありまして、全體から見ますれば極く微々たる勢力であります、唯私は今年の四月に、一部省營の機動運營と云ふことを致しまして、それは僅か二百五十輛位の車でございましたが、從來の省營自動車のやうに定路線に配屬すると云ふのでなしに、何處でも歩く、全く一般の民間の「トラック」と同じやうな動き方をする、そして特に重要物資の搬出に當る、又運賃も公定價格の運賃で實施致しまして、民間の「トラック」業者の重要物資の方面に對する配車、竝に適正なる運賃と云ふやうなことに對して刺戟を與へる試みも實は致しまして、何とかして我が國の「トラック」輸送事業を明朗なものに致したいと努力して參つたのであります、只今に於きまする實情を申上げました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=12
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013・坪井亀藏
○坪井委員 尚ほ不明瞭な點は、是等の枕木等の入手難、之に付てはどう云ふ處置を執られるか、是はやはり計畫倒れになつて居ります、斯樣なことでは交通の點から見ましても、所謂完全なる輸送をしたいと云ひましても、鐵道が痛んで居つては是れ亦完全なる輸送が出來ませぬが、之に對して將來どう云ふ方途を講ずるかと云ふことに付て御聽かせ願ひたい、尚ほ又關聯致しまして、都市の復興を叫ぶものは所謂山村の開發をしなければならぬ、是は申上げるまでもないのであります、さうするにはどうするかと申しますれば、急速に國道を敷設する、山村に對しまして、都市から繋ぐ國道を敷設すると云ふこと以外にはないと思ひます、之を政府としては思ひ切つてやる意思ありや否やと云ふことに付て、是も關聯性を持ちますから運輸大臣に御伺ひしたいが、おいでがなければ一つ代つて御答辯を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=13
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014・滿尾君亮
○滿尾政府委員 枕木の輸送に付きましては、特に枕木を取出して、今の輸送の計畫の目途にしたことは實はございませぬ、私共の方面には、枕木の業者から特に注文があつたと云ふやうなことは現はれて來ないのであります、輸送の問題に付きましては、單り木材に限らず、一面から申しますと輸送力が非常に足りませぬ、併し又物事が旨く行かない時に、簡單に、輸送のせいだと云つて逃込まれる例も偶にあるのであります、我々としましては、殊に「トラック」の輸送に關しましては、何處方面に斯う云ふ重要物資が滯貨して居る、だから之を是非捌いて貰ひたいと云ふ具體的な注文がございますれば、其の物資が國民生活上重要物資である限り、直ちに具體的に之を捌く準備を持つて居るのであります、是等の面は能く農林省とも御打合せするのでありますが、兎角どうも、物の生産を握つて居られる側からの御注文が「コンクリート」でない、どの地方で、どの位の期間、是だけの「トラック」が入用だと云ふ明確な御連絡がございますれば、それが大事な貨物である限り、私共はそれに動員する用意と組織を持つて居ると確信して居る、所が實際問題として、遺憾ながらさう云ふ事例が少い、實は先達ても、肥料等の輸送に付て、輸送が旨く行かないから肥料が農村に旨く行かないのだ、斯う云ふ話が出たことがあります、然らば其の肥料は、何縣に於て何時頃どの位の「トラック」が要るかと云ふことを御打合せ致しました所が、餘り實績のなかつたやうな話もあつたのであります、さう云ふ工合に、本當に何處方面でどれだけ木材が溜つて居る、さうして此の木材は斯う云ふ性格の木材だ、大事な木材だから是非何時までに捌きたいと云ふ御話がございますれば、他の縣の「トラック」を動員すると云ふことは可能であります、又必要に依りますれば、省營自動車を全國農村から集めても宜しうございます、だから斯う云ふ問題に付きましては、飽くまで實證的に、具體的に御注文戴きますれば、出來るだけのことを致す積りであります
それから道路の問題に關しましては、實は是は運輸省の所管ではございませぬので、政府委員の私としましては何とも申上げられないのであります、併し自動車の交通と云ふことに付きましては、道路が最も深い關係にございますので、私共深甚なる關心を拂つて居り、内務省に對しまして色々と實は連絡をして居るやうな次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=14
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015・坪井亀藏
○坪井委員 只今道路に付ては内務省關係で、關係がないと申されましたが、省營「バス」の運行に當りましても、道路の改修費と云ふものが相當生じて來たと見なくちやならぬし、是は運輸省に關係する所が非常に多いと思ふ、之に付てはどこまでも、内務省以上に、山村開發に付て、所謂林業行政に付ての力を入れるのは、運輸省が此の鍵を握つて居ると云ふことを何故私が強く言ふかと申しますと、現状は材木の素材の價格よりも寧ろ運賃の方が高くなつて居る、是等に對する價格統制と云ふものを運輸の面に於てやらない爲に支障があつて、敏速に運ばれない、先程の御言葉に依れば、實質的に必要があれば全國から「トラック」を動員すると言つたが、こんなことは言ふべくして、到底出來ぬ無謀な言だと私は憤慨するのであります、此の燃料の少い時に、全國の「トラック」がさう簡單に動員出來るものではない、結局其の土地土地に於て、山間部を走つて居る「トラック」が、何か特定の重要物資を運搬する爲に、各地何處にでも行つて走り廻ると云つて、山間部を走る「トラック」が都市に行つて走られたのでは、何等山間部の仕事は出來ない、斯う云ふ觀點から見まして、將來森林組合とか、或は縣で言へば、縣の林業會と云ふやうなものに「トラック」を備付けることも必要である、尚又一面政府としましても、先般運輸大臣の御話があつたと云ふことを、私は直接ではありませぬが伺つて居りますが、此の秋から甘藷或は供出米の輸送に付て、「トラック」が足らない、だから外國から一萬臺乃一萬至五千臺も入れると云ふやうに伺つて居ります、是も必要でありませう、けれども斯うした都市の復興を一日も早くやらなければならないと云ふ時に於て、僅か千臺だけの省營「トラック」に依つて計畫をして居ると云ふことは、政府自らも全く手温いことではないか、全國町村の數も一萬餘もある、假に一臺の「トラック」を配置致しましても一萬臺要ると云ふ勘定になる、さう云ふ觀點から見た時に、政府に於ては、山村の開發と云ふことに付ては、一體どれだけの「トラック」を増産するとか、或は國内に於てないなら外國から取入れても、他の主要食糧を搬出すると同樣に、之にも重點を置くべきだと私は考へて居りますが、是等輸入計畫に付て、運輸省としてどんな處置を執つて居りますか、ありましたら御聽かせを願ひたい、ないならば直ちに之を採入れて、さうして早く運輸の面を解決することが最も必要だと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=15
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016・滿尾君亮
○滿尾政府委員 先程私の説明しましたのは、多少誤解があつたやうでありますが、私は全國の民營の「トラック」を動員すると申上げたのではなく、方方に散らばつて居ります省營自動車の「トラック」は、或る程度動員は可能であります、隣の縣の路線に持つて行くことも可能であります、其の意味に於ての省營の動員であります、民營の「トラック」を大々的に動員すると云ふことは、御話の通り妥當でないと考へて居ります、それから只今御質問になりました輸入の状況でございますが、是は我が國の自動車の生産と云ふものが、此の頃餘程良くなりまして、大體千臺乃至千五百臺出來て居りますが、此の程度では私共の考へて居ります輸送力の擴充から見て足りませぬ、隨て先般來聯合軍に對して「トラック」の拂下を御願ひ申して居ります、併しまだ此の話は進行中でございまして、餘りはつきりした形を取つて居りませぬ、當方から左樣な希望を申出て、懇請して居る最中でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=16
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017・平野増吉
○平野(増)委員 經濟安定本部長官に御尋ねを致します、林業會法案が近く實施されますことになりますれば、大體我が國の木材生産方面のことは、一應組織立つて民主的に出來上ると云ふことを信じますが、此の際に當りまして、私は長官に特に自分の所見を申上げて、御意見のある所を承つて置きたいと思ふのは、一番大切なることは價格の面であります、折角林業會の組織が出來まして、全國の森林組合竝に木材業者が全國的に動員されましても、價格の點に於て、若し誤つて戰時中のやうな思想が織込まれて、所謂公定價格制度と云ふものが之に強く反映するならば、折角出來上りました組織が悉く半身不隨に終る、斯樣なことを心配致します、是は少し諄いやうであるかも知れませぬが、極めて簡潔に公定價格と云ふもののいけない點を申上げたい、それは先般豫算総會の時にも少し申上げて置いたのでありますが、時間がなくて林業會法案の際に讓ると云ふことにして置きましたが、木材と云ふものは、普通の工場や機械に依つて生産されるものと違ひまして、天然に出來上るものであつて、假に其の木材を製材工場で、色々な規格に依つて之を作り上げましても、依然として天然物であることは變らないのであります、唯形が色々出來るだけであります、それ故に之に從來のやうな公定價格制度を用ひられるならば、必ず實行が旨く行かないと云ふことは、戰時中數年の經驗に依つて説明を俟たないで明瞭に分つて居る、殊に私の一番憂慮します點は、此のなけなしの木材を、戰時中に公定價格の弊害に依つてどれ程多量に無駄をして來たかと云ふことです、此の戰後に於ても再び斯う云ふことが繰返されることになれば、實に資源に乏しい日本の山林から、折角伐り出した木材を、又々戰時中のやうに多量に無駄にしてしまふ、其の一例として分り易く申せば、公定價格を決めます場合には、短い材木より長い材木は必ず高くなります、長さ寸法に依つて漸次公定價格が高くなる、是は當然なんです、それから幅の狹いものよりは幅の廣い製品が高い、隨て生産者は利潤をどうしても忘れることは出來ませぬから、利潤の多いものを生産する、山から伐つて出します場合に、十三尺に伐るべきものを二十六尺にちやんと伐つて呉れるならば、場合に依つて二つ切りで間に合ひますが、是が三十尺或は三十五尺とか、出來るだけ長く、搬出の關係が許す範圍に於て長くして行く、さうして之を工場に於て使ふ場合には、それを切斷しなければならぬ、要り用なものに之を短かくしなければならぬ、詰り目的の品物よりも倍もするやうな公定價格の資材を買入れて製材しなければならぬ、斯う云ふやうな弊害が今日まで澤山行はれた、のみならず今度は之を實際の消費面に持つて參りますと、無用に幅の廣いもの、長いものを勢ひ持つて來られる、今度はそれを再製しなければならぬ、使ふ場合には、どうしても幅が廣過ぎて困るから、再び幅を狹くしなければならぬ、狹くする場合に端たが出る、又長いものを切つて行く場合に於きましても、三尺とか五尺とか云ふ半端が出て來る、斯う云ふやうな無駄がどれ位行はれるか分らぬ、是は唯それだけのことでありますが、今度は板の厚みとか或は板張とか色々なものを作ります場合に、成べく公定價格に引合はせて引合ふもの、利益のあるものを多量に生産して、利潤の少いものは殆ど極端に作らない、ですから茲に一萬石の枠を貰つて木材を貰つた場合に、一萬石と云ふ石數は輸送して貰つたが、偖て其の中から自分の必要なものを選り出して見ると、僅かに三千石か四千石しかない、後の大部分は當面の間に合はない、仕方がないから積んで置く、其の中に乾割れが入り腐りが出る、斯う云ふやうなことで、どれ程戰時中には、軍に於ても或は一般の軍需工場に於ても無駄をして木材を腐蝕せしめ、終ひには焚物にしてしまふと云ふやうなことが澤山に行はれたことか、其の爲に國家の損失は實に莫大なものであつた、此の公定價格制度を採られるならば再び同じことを繰返される、斯う云ふことを私は深く憂慮するものであります、而して公定價格と云ふ制度である限りは、何と言はれましても闇流し、横流しと云ふものが、必ず何等かの巧妙な方法で行はれる、そこで今度は、物資需給調整法の上から非常な嚴罰主義を以て取扱はれると云ふことになりますれば、其のことに恐れをなして、生産者は萎縮してしまつて結局生産が衰へる、斯う云ふことになつて、遂に角を矯めんとして牛を殺すと云ふことになると云ふことを、私は固く信ずるものであります、でありますから、當局と致しましても、物價廳に於きましてどう云ふ方法で木材の價格を決められるかと云ふことに付て、具體的の御方針を承りたい、之を承つて、全國の生産者がそれを據り所として、安心して生産に從事することにならなければ、是はどうしても所要の木材を生産することは出來ない、斯樣に信ずるのであります、此の點に於て長官の御意見を承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=17
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018・膳桂之助
○膳國務大臣 只今の平野さんの御尋ねに御答へ申上げますが、木材が普通の工業生産品と違ひ、天然の條件に支配され、又其の種類の多樣な性質、又之をどう云ふ風に仕上げると云ふやうな點から、物價政策が惡い場合に、之を反映して只今御述べになりましたやうな色々な無駄が出來、又面白からざる現象も出來ますことは、既に苦い經驗を嘗めたことで、深く注意しなければならぬことであります、併しながらそれが直ちに公定相場を決めることと兩立しない問題とも存ぜられないのであります、但し現在までやつて居りますやうに、細かい品種及び寸法の色々なものに亙りまして、何千何萬種のものに對しての細かい公定相場を決めると云ふ制度は、私も好ましからぬものと存じて居ります、併しながら一方現在の物資の需給の状態から見まして、殊に木材が將來の色々の用途に於きまして、日本經濟の再建に非常に大きな役割をするものであり、而も之を自由にすることは、まだ各般の事情が許さぬと存ぜられますので、物價廳と致しましては、やはり木材の公定價格を全部外すと云ふまでの勇氣がありませぬ、やはり或る程度の價格統制を、當分は行つて行かなければならぬと存じて居ります、但し從來のやうな、細目に亙つてまで公定をすることに付きましては、私も今平野さんの御述べになりましたやうな弊害のある爲に鑑みまして、全く御同感なのであります、然らばどう云ふ風にやるかと云ふことは、折角研究をさせて居る譯であります、是はまだ物價廳としての定つた意見も申上げられませぬけれども、私が斯う云ふ方法で研究して見ろと申して居りますことは、極く代表的の品種などに付て公定相場の枠を決めるか、或は何と申しますか、其の間で品種寸法等に依つて自由協定の餘地のある、一つの標準的の公定相場を定めまして、細目の所は當業者の組合等に自治協定の出來ますやうにしては如何か、斯う云ふ氣持で、從來の木材に對する價格統制のやり方の再檢討をば命じて居る譯であります、具體的にはどう云ふ風になりますか、今研究中のことでありますし、是も物價廳には物價委員會なるものが附置せられまして、それに更に專門の委員會も附置せられまして、各々の品種の問題に付きまして、どう云ふ形でどう云ふ風な價格をするかと云ふことは、何れ實際家と御相談の上取決めるのでありますから、其の際でないと決つた數字を申上げられませぬけれども、從來のやうな形でない一つの價格の統制方式をば考へたい、斯う云ふ積りで今研究をさせて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=18
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019・平野増吉
○平野(増)委員 大體の御考へは能く了解致しました、さう云ふ御考へを持つていらつしやるならば、私は茲に一つ御願ひ旁旁提案を申上げて、御意見を拜聽致したいのは、官僚の方、若しくは山林局なぞを相手にして其の方策を御決めになるだけでは、後から必ず我々民間の者が、どうも此處がいけない、そこがいけないと云ふ風に叱言を申上げたり、陳情をして、それを變へて戴くには非常に骨が折れる、斯う云ふことを惧れるものでありますから、之を御決めになる前に、經濟安定本部に相當な會があるさうでありますから、其の部會に民間の經驗者を相當數御採用になり——是は委員に御採用になるか、或はどう云ふ御名前でも、それは我々別に要求致しませぬが、兎に角民間人を其の中に入れて、經驗のある實際家の話を能く御聽取りになつて、其の上で是ならうまく行く、斯う云ふ最善の案を御作りになることを御願ひ致したい、斯う云ふ我々の希望を御容れになる御意思があるかどうかと云ふことを、御聞きしたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=19
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020・膳桂之助
○膳國務大臣 全く御同感に考へて居ります、左樣にする積りで用意をして居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=20
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021・坪井亀藏
○坪井委員 經濟安定本部長に御尋ね致したいと思ひます、只今御質問がありましたやうに、價格を相當吊上げなければ必要なる數量が出て來ない、是は御尤もなことであります、生産者に取つては、生産者價格を引上げて貰ふことは皆期待して居ります、併しながら又一面、都市の復興をしようと致しましても、戰災家屋の再建をしようと致しましても、價格が上つて來たのでは、結局此の復興が出來ないと云ふ現實になります、尚又一面價格を上げれば、それだけ「インフレ」になる虞がある、此の觀點から見ますれば、私の考へと致しましては、石炭にさへも價格差の補給金を出して居る、又國民の生活に必要なる主要食糧に付ては、政府の負擔もやつて居る、況してや住に至つての戰災家屋に付て、當然政府に於て之に對する補償をすると云ふことが當然なことだと考へて居ります、さう考へると、今の闇價格又は協定價格は、丸公から見ると大幅な開きがある、之をどう處理するか、是が又物價廳の惱みの種だと存じまするが、我々と致しましては、材木が兎に角必要數量を得られたとして、其の價格と云ふことを先づ目標にしなくてはならない、同時に戰災家屋に限つて、價格差の補給金と云ふやうなものを出さなくては、現在安定本部が考へて居るやうな丸公價格が如何に高く決まつても、到底生産者の價格に及ばぬものであると考へるのであります、此の點に付きまして、三百數十萬戸の戰災家屋を、政府としては計畫的にやられることとは存じますが、一日も早く之を復舊させようと云ふのには、個々の住宅建設に對する補給金よりも、木材の價格の方へ補給金を持つて行つて、生産者に納得の行く價格にして、木材を出して貰ふと云ふことが一番早道だと私は考へます、之に付て安定本部長の御所見を拜聽致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=21
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022・膳桂之助
○膳國務大臣 御答へ申上げます、私が木材の物價政策に付ては、從來と多少違つた行き方を今考へつつあると申上げましたことは、單純な木材價格の引上と云ふ目途ばかりで申上げる譯ではありませぬので、寧ろ生産費も考慮し、他の物價との「バランス」を見まして、一方に於ては生産意欲を阻碍することのないやうな、一つの諸物價との釣合の取れた所を狙つて居る譯であります、今御質問の御意見の中には、一方に生産者の滿足するやうな相當高い値段を出し、消費者には相當の補助金を出して安く賣つてやつたらどうか、石炭や米なども、今さうやつて居るぢやないかと云ふやうな意味合ひの御尋ねのやうでありますが、政府としましては、此の經濟混亂の過渡期に於きまして、色々已むを得ない施策はありますけれども、經濟の安定を期します上には、不自然な補助金制度に依りまして、謂はばそこに、一寸例へる言葉は惡うございますけれども、犧牲的な物價制度を立てると云ふことは、健全なる經濟の再建を圖る上に果してどうかと云ふやうな考へもあるのでありますし、又財政上の理由などもありまして、補助金制度に依りまして二重價格を作り、其の間に生産者と消費者との間の調和を圖ると言ひますか、總ての物資に付てさう云ふことをやると云ふことは、到底是は許されないことなので、餘り好ましいこととは存じて居りませぬ、漸次政府がやつて居ります補助金政策も、是は整備して行かうと云ふことは政府の考へて居ることであります、唯戰災者に對しまする復興建築のことに付きましては、是は別の意味合ひから公共事業の補助、或は公共事業の助成と云ふやうな意味合ひから致しまして、戰災復興院の計畫して居りまする復興住宅に付ては、建築費の中の補助金が相當考へられて居るのであります、又話が横へ參りますが、經濟安定本部では、國民の衣食住の安定と云ふこと、是が最後の目的なのでありまして、此の點に付ての根本的な研究を致して居るのでありますけれども、將來の住宅に關する政策が、非常な戰災を受けた家屋を復興しますのに、是が木材に頼ると云ふやうなことで、果して近い將來に其の目的が達し得るやどうか疑念もあります、之に付きましては、勿論木材に頼るべきものは頼るのでありますけれども、其の主要な構造材料に付きましては、或は「セメント」と云ふやうなものに付ても考へる、さうでなければ急速な住宅復興、又永遠の住宅政策と云ふものを立て得られないのではないかと云ふやうなことも考へまして、此の國民の食生活の保障と同時に、住生活の急速な囘復にはどうすれば宜いかと云ふことを、根本的に一つ考へたいと云ふ積りになつて居りまして、安定本部に課せられた一つの大きな問題になつて居ります、どう持つて行くかと云ふことは、今私が御答へ申す譯には參りませぬけれども、そんなこともまあ考へて居りますことを、此の際關聯して居りますので、附加へて申上げて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=22
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023・森幸太郎
○森委員長 平野君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=23
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024・平野増吉
○平野(増)委員 農林當局に一つ御尋ねを致します、社團法人日本林業會の件に付て、豫て要求してあるのですが、此の日本林業會の現在の資産と負債の内容を承りたいと云ふことを、是までに申上げてあるが、未だに承れない、此の一點と、それから現在日本林業會へ、國庫補助金をどう云ふ風に御支出になつて居るか、どう云ふことに補助金はなつて居るか、二十年度と二十一年度の補助金の額を承りたい、それから此の日本林業會は、私の最近調査致しました所に依ると、此處に林業會から發行致しました最近の業務成績書と云ふものがある、之に依つて見ましても、相當大きな負債があります、ざつと眺めましても一千萬圓位の負債を持つて居るやうであります、而して日本林業會は何をして居るかと云ふことを調べて見ますると、今度此の法律案に依つて出來る所の日本林業會とは、名前は同じであるが、性格は非常な違ひがある、斯う云ふ異つた性格のものを、便利だからと云ふ一つの言葉に依つて、法律の規定まで設けて、此の權利義務を承繼しなければならぬと云ふことまで考へられたことは、少しく脱線して居るぢやないか、斯樣に信ずるものであります、此の點に付ての御意見は既に聞いてありますから、強ひて伺はないが、私の今御答辯を願ひたいのは、日本林業會の國庫補助金の點と、それから資産、負債の現在の内容、之に對して承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=24
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025・平川守
○平川政府委員 日本林業會に對します補助金は、昨年度は約二百七十萬圓程度、今年度は約四百萬圓、是は既に交付濟であります、それから資産、負債の内容でありますが、此の負債と申しますのは、色々の事業を行つて居ります、御話の如く一般的な指導の以外に、一部資材の配給或は特殊林産物に付きましての斡旋を致して居りますので、其の事業に付きましての運轉資金として負債を致して居るのでありまして、實際には是は資産として現物を持つて居る譯であります、さう云ふ意味に於きまして、「バランス・シート」の上に於きましては、赤字と云ふものはないと云ふ風に御答へ申上げたいのでございます、最近のと云ふ御話でございますが、實は極く最近の決算の關係は取調中でありまして、是は全國に支所と云ふものがあります關係上、最近の精細な資料を直ちに纒めることが困難であります、只今纒め中でありまして、六月現在位までの所が分つて來て居りますが、詳細なことを申上げるまでに至つて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=25
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026・平野増吉
○平野(増)委員 此の業務の内容を見ますと、松脂だとか、或は杉皮だとか云ふやうなものの買取販賣を商賣としてやつて居るやうであります、是は商賣と云ふ目的ではないのでありますが、事實は斯う云ふものを多量に買付けて、方々に配給すると云ふやうなことをやつて居る、其の内輪の話を聽いて見ますと、山林局では御存じないかも知れませぬが、私の調べた所に依ると、此の考課状のやうなものには、現品が相當あることになつて居りますが、實際は品物が非常に少い、是が證據の赤字が一千萬圓出て居る、それ位此の業績は惡いのだ、斯う云ふことを内輪の者は我々に話して居る、それを以て全部損失なりと私は斷定するものではありませぬが、斯樣な怪しいものを、此の儘清算もしないで、新しく生れる所の日本林業會へ權利義務を承繼すると云ふことは、是は誰が見ましてもをかしく考へる、斯う云ふ意味でありますから、過日私の主張致しました考へ方を、私はやはり依然として固く主張致したいと思ふのであります、此の點に付きましては、別に當局から御意見を拜聽しようとは思ひませぬ、唯私の意見を述べて、是で私の質問を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=26
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027・森幸太郎
○森委員長 氏原君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=27
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028・氏原一郎
○氏原委員 私の御尋ねしたいことは唯一點でございますが、波及する所は相當重大だと思ひますので、當局に於かれましても、十分此の點に付ては愼重な御答辯を戴きたいと思ひます、それは全國森林組合聯合會の問題でございますが、現在の全森聯は單なる申合せの組合と、斯う云ふことに表面上なつて居ると思ひます、所で林業會法案が成立しまして、日本林業會が生れました場合に於ける當局の構想は、曾ての全木聯或は全森聯と云つたやうな森産組合を基盤とし、或は森林組合を基盤とする全國的な團體が、一つの日本林業會の中で融け合つて、そして本法に企圖する所の林業の改良、發達、其の他色々な仕事の目的の達成せられるやうにして行きたい、斯う云ふ御構想の如くでありまするけれども、現實の姿は、既に曾て全木聯と云ふものは解消をして居りましたけれども、再び全木聯と云ふものが生れんとして居りまするし、又事實地方に於きましては全木聯の地方組織が生れて居りまするし、當局の企圖する所は如何ありませうとも、現實の姿としては、やはり林産組合側と森林組合側と云ふものとの間には、各各傳統的に異つた職分を持つて居るのである、斯う云ふ觀念から致しまして、全森聯が解消し、全木聯も解消して一つに融け合ふと云ふことは、實際上の問題としましては困難ではないか、不可能ではないかと私は考へます、隨ひまして此の際はつきりと承つて置きたいのは、當局は全国森林組合聯合會が、現行法規の上に於て認められて居りまする所の、所謂全國を一環とした法規に基礎を置く所の團體を結成致しました場合に、之を御認めになり、且つ其の團體の健全なる發展の爲には、政府としては之を助長すると云ふ御方針であるのか、それとも又林業會法の成立後に於ては、全森聯、全木聯と云つたやうな、各各の分野を異にするやうな全國的團體と云ふものは、一切之を認めないと云ふ御方針であるのか、此の點は相當重大な問題だと存じますので、はつきりした御答辯を戴きたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=28
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029・平川守
○平川政府委員 此の林業會法に依りまして、殊に自治統制と云ふやうな面に付きましては、林業會の系統を通しまして、日本林業會から府縣林業會と云ふ系統を通しまして、之を行ひたいと思ふのであります、唯全國の森林組合或は林産組合、或は木材業者と云ふやうな方々が、それぞれの立場に於て全國的に團結を致したい、而して御互ひのそれぞれの仕事の發達に努めたいと云ふ御希望がある場合に、敢て之を阻止する必要もないのではないかと云ふ風に考へて居ります、隨ひまして、公的な自治統制の面に於きましては、飽くまでも林業會の系統の形を通して實施する、併し其の以外に自發的に團結を致して、其の事業の發達を圖ると云ふことに付ては、敢て之を阻止する必要はない、斯樣に思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=29
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030・氏原一郎
○氏原委員 繰返して御尋ねして置きますが、それならば全森聯が合法的な手續を經まして茲に成立をすると云ふことになりました場合には、其の全森聯と云ふものは、林業會の枠の中に於ける所の、森林組合の立場に立つての協力團體と云ふやうな立場で活動することに付ては、當局としては何等差支へのないことであるし、是は勿論認めるんだ、さうして又其の合理的な範圍の中での仕事に對しては、森林組合に對する助成強化の方針に從つて、是はやはり指導もし、助成強化を圖つて行く、斯う云ふ風に伺つて置いて宜しいのでございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=30
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031・平川守
○平川政府委員 それで宜しいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=31
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032・坪井亀藏
○坪井委員 運輸大臣が見えましたから、一言運輸大臣に所信を御伺ひして置きたいと思ひます、將來國が斯うした割當生産を木材に致しましても、其の他林産物に致しましても、此の輸送と云ふ面に付きまして、先程運輸大臣から御説明を戴きましたけれども、
〔委員長退席、綿貫委員長代理著席〕
何處のどう云ふ所にあるとはつきりして居ても、運べないから之を一つどうにかして呉れと云ふことならば、政府は省營「トラック」を動員してもやると言はれて居りますが、省營「トラック」は今千臺しかない、而もそれも省營の計畫臺數から見ますると、是亦計畫に對しまして六割位しか「バス」がないのであります、さう云ふ點から見まして、それを動員したら、其の地區が止つてしまふと云ふことは當然のことであります、さう云ふ出來ないことを、唯口で簡單に、少い「バス」を以て動員すると言はれても、是は價値がない、何と申しましても、是は將來生産地から先づ鐵道線まで運び出すには、此の省營「トラック」を巧く利用すると云ふ以外にはないと思ひます、隨ひまして國内産業に於ても之に一つ全力を注がれ、尚又輸入に於ても、今「マッカーサー」の方へ折衝中だと言はれて居りますが、何處までも之を確保されまして、さうして運輸の面に於て、今の戰災復興に對しまする所の木材始め、其の他の必要物資の輸送に付きまして、萬遺憾なきを期して貰ひたいと考へます
〔綿貫委員長代理退席、委員長著席〕
現在に於きましては、山には腐つて居るものがありながら、結局其の實績から見ますると、全部を通じて四〇%しか第一四半期に出て居らないと云ふ現状から見ますると、此の責任は一に掛つて交通運輸の面に一大缺陷がある、尚又鐵道省の赤字を埋めるが爲に、貨物運債を三倍に引上げると云ふやうな、無謀なる價格の引上を斷行されると云ふやうなことになつて參りますると、益益此の運輸の面に於て、精神的にもさうした物的の上に於ても、消費者に及ぼす影響、生産者に及ぼす影響と云ふものが非常に大きい、それだけ直ちに消費者の負擔が多くなる、運賃が嵩むから、生産者の方としては運賃が嵩んだだけ手取りが少くなる、斯う云ふことを目のあたりに見せ付けられて居るではありませぬか、之を考へた時には、今後戰災都市の復舊に對する所の輸送物資に對しては、之に對してまでも運賃を上げると云ふが如きは、私は出來ないことだと、斯う考へますが、是等に付きまして運輸大臣と致しまして、鐵道運賃に付きまして、特に戰災家屋の復舊分に對してはどんな取扱ひをされるか、減免して戴けるのか、それとも同じやうに上げて行くのか、或は他にどう云ふ方法を持つて居るかと云ふことに付きまして、國で割當てた此の供給計畫數を、百「パーセント」まで輸送させると云ふ其の計畫がございますならば、運輸大臣から御答辯を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=32
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033・平塚常次郎
○平塚國務大臣 木材は食糧、石炭に次ぐ重要物資でありまして、戰災の復興には缺くべからざるものであります、でありますから政府と致しましても、此の木材の大量に出ることを希望して居るのであります、輸送面に於きましては、鐵道は比較的復興が早いのでありまして、現在でも相當輸送力を持つて居るのであります、唯石炭が思ふやうに十分手に入りませぬ爲に、準備したものが百「パーセント」動いて居らぬのであります、先程から詳細に御質問がありましたが、どうしたらば木材が圓滑に輸送されるか、假に鐵道が輸送力があると云ふことならば、鐵道の方は問題にならぬと思ふのであります、唯鐵道に至るまでの木材の搬出が巧く行かぬと云ふことでありますが、是は戰爭前の状態になれば敢て問題でないのであります、今日の場合と致しましては、木材を搬出をして居つた業者が到る處にあるのでありまして、大部分やはり之に依存しなければならぬのであります、唯戰爭中に良い「トラック」を軍に相當徴用されたり、或は段々古くなつて使用に堪へないと云ふやうなことの爲に、輸送力が減退して居ることは事實であるのであります、運輸省から言ひますると、自動車の統制會社が各府縣にありまするので、どうしても之に重點を置いて輸送するやうにしなければならぬのであります、でありますから、現在の國産の自動車も公平に民間に分配して居るのであります、併しながら此の生産力が、月に漸く一千臺そこそこでありますので、是は何としても全部に分けますると極く少量のものであるのであります、それだけでは大量の木材の輸送には役立たぬことはもう分つて居ります、其の結果に對して、省營をやつたら宜いだらうと云ふ御説のやうでありますが、省營其のものが餘り自動車を持つて居りませぬ、現在でも此の統制會社の持つて居る車と、運輸省が省營として直接やつて居るものと比較して見ますと、僅かに二十分の一より車を持つて居らぬのであります、又新しく出る車は、先程申しましたやうに、業者に公平に分配をしなければならぬのでありまして、木材の搬出だけに新しい車を向けると云ふことは中々不可能であるのであります、然らば一體どうしたならば宜いかと云ふと、結局國内の生産がもつと大幅に殖えれば解決致すのでありますが、是も中々期待が出來ぬのでありまして、何とかして進駐軍に懇請をして、外國の自動車を輸入して、さうして食糧とか或は木材とか云ふ、復興に必要な所の資材の運搬に役立つやうにしなければならぬと思つて居るのでありますが、輸入の車に付きましては目中でありますので、どんな形になつて下懇請輸入されるか未定であります、若し幸ひにして輸入されるならば、重要物資の輸送に力を注いで行きたいと、現在は考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=33
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034・森幸太郎
○森委員長 木島義夫君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=34
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035・木島義夫
○木島委員 私は只今運輸大臣が御見えになつて居られるし、木材の輸送の問題が論議されて居るやうでありますから、此の機會に於て、之に關聯した一、二のことを是非御伺ひしたいと思ひます
それは最近聞きますると、進駐軍用の自動車が拂下げられると云ふことでありますが、是は一體どう云ふ部面に拂下げられるものでありませうか、尚ほ此の進駐軍用の自動車は、將來「ガソリン」をずつと續いて使用させると云ふ保證の下に、拂下されて居ると云ふ話も聞いて居りますが、それが本當かどうかと云ふこと、それから先程も御話がありまして、一萬臺かの「トラック」を輸入することを進駐軍が許可をして、之を民間に拂下げるか、鐵道省がそれを使ふかと云ふやうなことで、目下問題になつて居ると云ふことでありますが、果して是はどう云ふ方向を取りつつあるものであるか、尚ほ聯合軍から新規に輸入される一萬臺かの「トラック」、又將來輸入さるべきさう云ふ種類の車は、やはり「ガソリン」が皆付くものであるか、「ガソリン」の景品附で行くものであるかどうかと云ふことを、私は第一に御伺ひしたいのであります
それから第二は、今日本にある自動車は、假令車其のものがあつても、燃料或は「タイヤ」等に於て非常に困難な状態にあります、戰時中は燃料がないから、多くの車は代燃に依つたのであります、代燃の種類は私が申上げるまでもなく色々あります、瓦斯もあれば木炭もあり、薪もあり、電氣もありと云ふ工合で——電氣を代燃と言ふかどうか知りませぬが、兎に角代るべきものは色々あるやうでありますが、元々是等のものは「ガソリン」の不足から生じたものでありまして、「ガソリン」の不足さへなければ、斯う云ふものを二重の手間を掛けて用ひる必要はないのでありますが、現在民間に於ては依然「ガソリン」難であります、然らば代燃を又どしどし付けなければならぬものであるかどうか、若し「ガソリン」の輸入に付て或る種の見透しが付くならば、代燃は現在あるものを使つて、新規のものは改めて五千圓も一萬圓も出して造らなくても宜い、斯う云ふ考へも出るのでありますが、是等に付てどう云ふ見透しを御持ちになつて居りますか、序に「タイヤ」などもどう云ふ風になるものであるかと云ふことを御聽きしたい、現に森林組合等も軍の拂下の車を持つて居りますが、大體燃料に困つて居ります、代燃の設備を今するか、しないかと云ふことが問題になつて居るのですが、斯う云ふ點を御伺ひしたい
それから第三に、私は議員の一人として、是は自由黨幹事長に先般も御頼みしてあるのですが、幹事長は引受けた儘さつぱり要領を得ませぬから、此の機會に御伺ひしたいと思ふのですが、我々は國政に參與するが故に、交通上乘車の便を與へられて、現に鐵道の一等の「パス」を持つて居ります、私は新米の議員なるが故に、此の「パス」を貰つてから、地域の關係もありますが、まだ一等の車若くは二等の車に、此の「パス」に依つて乘る光榮に浴して居りませぬ、何時も混雜した電車や汽車の中で、鮭になつてぶら下つて居る悲哀を感じて居る一人でありますが、是等も何時一等の「パス」が我々に「フル」に利用される時期が來るのかと云ふことを、淡い樂しみを持つて待つて居る一人であります、是と同時に、我我は登院するに付て「バス」がありますけれども、是も數が少く囘數が非常に少い、一面政務官等になれば、聞く所に依ると一臺位の「ハィヤー」も充てがはれて居ると云ふ話である、私は政務官でありませぬから能く分りませぬけれども、仄かにさう云ふことを聞いて居る、然るに同じ國政に參與して居る我々が「バス」も滿足に與へられないと云ふことは如何なる理由に基くものであるか、我々は敢て安易を求めるのではない、併しながら此の炎天下に、議會まで至る努力に於て精力の過半を浪費してしまふと云ふやうな實情である、黨の幹部を通じて屡屡請求して居るに拘らず、何處からも何の返事もない、一體是は木材の供出以上の重大問題ではないか、斯う私は思ふのであります、何だか自分達が乘りたいが故にさう云ふことを言ふやうに思はれるのが辛いから、皆默つて居るのぢやないか、又代議士諸公は、多くは郷里に歸れば一臺位の車は持つて居ると信じます、併しながら此の食糧難、燃料難の時に、東京まで之を持つて來て動かすと云ふことは餘程の困難さがあると云ふことも考へて貰はなければならぬのあります、又我々議員が調査の必要等もあつて、出歩かなければならぬ場合も澤山あると思ふ、斯う云ふ場合に備へる爲に、衆議院内に五臺や六臺の自動車は備へて置いて、さうして我々が公的な必要に應じて、何時でも動かし得ると云ふことにして貰はなければならぬと思ふ、滿尾政府委員の如きは、自動車行政の「オーソリティ」であつて、大なる抱負も御持ちになつて居ることは屡屡仄聞して居るのでありまして、是等の點に於ても十分の手腕を發揮さるべきであると私は信ずるが故に、餘分のやうにも考へられますが、是も國政の爲に重要な案件と考へて、此の機會に以上の三點を御質問申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=35
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036・平塚常次郎
○平塚國務大臣 自動車が非常に不足でありまして、凡ゆる小運送が不便を感じて居るのでありますが、幾ら國産を奬勵しましても足りませぬ、是はどうしても大幅に輸入をする途を開かなければならぬと云ふことから、大分前から輸入に對して懇請をして居るのであります、併し是は中々面倒な問題でありまして、今までも簡單に解決しないと云ふことは、自動車が輸入されるのだ、さうしてそれが省營であるとか民營であるとか言つて多少噂に出ますると、向ふはさう云ふことを取扱の上に於て非常に氣にしまして、先達ても、私が一寸今さう云ふ計畫を持つて居ると云ふだけを議會で答辯したことが問題になりまして、運輸次官が呼ばれて大變御叱りを受けて來たのでありまして、具體的には答辯し兼ねるのであります、併しながら是は可なり長い間の懸案でありまして、早晩許されるのではないかと想像して居るのでありますが、假に輸入が許されても、どんな形でそれを運營するかと云ふことは、其の輸入する時に色々な條件が附いて來ると思ひますので、其の條件に從はなければならぬ、斯う考へて居ります、隨て空の車を貰ひましても、國内に十分燃料がないと云ふことは皆樣御承知の通りでありまして、どうしても自動車に併せて燃料も輸入さして貰はなければならぬと云ふことを懇請中であります、輸入の自動車に付ては大體是で御諒解を願ひたいと思つて居ります
それから議員の乘物の非常に御不便なこと、是は重々御察しして居ります、何とか緩和したいと思つて色々考へまして、せめて汽車でも電車でも、議員がもう少し樂に乘れるやうにしたいと思ひまして、是も進駐軍の方に色々話掛けて居ることもあるのでありますが、斯う云ふことも、内容を申す譯に行きませぬ、果して成功するかしないか分りませぬから……、併し運輸省としては考へて居ると云ふことだけは確かであるのであります、唯政務官達は勝手に自動車に乘つて居るやうに見えまするけれども、役所に於きましても洵に車が不自由で、各省で幾臺かの車を、政務官と云はず、事務官であつても、局長であつても、必要に應じて少數の車をやり繰りして乘つて居るので、大臣以外は殆ど獨占した車を持つて居ないやうな今日の情勢であるのでありまして、皆さんにまでそれが利用出來るまでには一寸時間があると思つて居る譯でありまして、暫く御辛抱を願ひたいと思つて居ります、併し投げては居りませぬ、國産でもどんどん獎勵して造るものは造る、輸入が出來るなら大幅に輸入したい、さうして國民一般に是が利用出來るやうにしたいと云ふのが私の念願であります、それから代用燃料に付きましては、政府委員から御答へ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=36
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037・滿尾君亮
○滿尾政府委員 自動車の代燃の問題に付て御答へ申上げます、「ガソリン」の配給量は、今年の第一四半期は一萬七千「トン」であります、第二四半期は三萬「トン」であります、第三四半期は、是は見込でありますが、ざつと三萬六千「トン」位である、第四四半期は大體四萬「トン」に上るだらう、斯う云ふ見込を立てて居るのでありますが、之に對しまして需要の方を申しますと、現在「ガソリン」で走つて居る車だけを目標と致しまして、ざつと六萬七千「トン」一四半期に要る譯であります、ですから第二四半期の實績でざつと半分、と云ふ所であります、第三四半期に於きまして半分より少し上になる、第四四半期になると七割見當に大體なると云ふ見當であります、是は先程も一寸觸れましたやうに大體米軍の「アメリカ」からの輸入が漸次増して戴いて居ると云ふ實績に基いて、斯う云ふ豫想を立てて居る譯であります、所が代燃の車は、「トラック」は戰爭中と雖も「ガソリン」車で相當走つて居つたのでありますが、「バス」は九五%まで代燃になつて居ります、現在それだけの車が約一萬輛走つて居る、何やかや混ぜますと、ざつと四萬輛位代燃器の附いた車があると思ふのであります、斯樣な「ガソリン」の殖え方の趨勢でありますから、今直ちに代燃を切替へると云ふことは不可能であります、私共少くともあと三年位は代燃に依存しなければならぬ時が續くであらう、斯う云ふ見透しを立てて居ります、隨て代燃器の生産と云ふものは今後と雖も暫くの間手を弛める譯には行かない、又現在代燃で走つて居ります車は少くとも代燃器で行きたい、今後造りますものは成べく「ガソリン」車にして行きたい、斯樣な考へで居ります、又「タイヤ」等に付きましても、實は非常に「タイヤ」の生産が落ちて居るのです、數字的に申上げますと云ふと、極く掻摘まんで申上げますと、年間に只今の所、一萬三千輛國産車が出來ると計算致しまして、現在走つて居る車と、其の新車と、若干古い車を生かしましたのと合せまして、六十一萬本ばかりの「タイヤ」が要る、それを生「ゴム」の量に換算致しますと、一萬九千「トン」位の「ゴム」が要る、斯う云ふ計算になる、所が我が國にありまする「ゴム」は、A、B、C、三「クラス」に分けまして、ざつと三萬「トン」と云ふことであります、所が其の中で一番質の良いもの約一萬「トン」位が、見返り物資としまして輸出せられると云ふことである、さうしますると、餘り質の良からざるものがざつと二萬「トン」殘る、是では迚も此の生「ゴム」の需給の面から致しまして、「タイヤ」の供給と云ふものは非常に心細い、隨て古「タイヤ」を出來るだけ再生致させると云ふのも一つの手であり、又其の努力をして居る譯でありますが、大局的に見まして、どうしても「ゴム」資源の獲得に國として努力して戴かなければ、此の面の苦況は打開出來ない、斯う云ふ實情に立至つて居るのであります、部品は今此處に數字を持つて居りませぬが、部品の問題も、實は甚だ困つた問題でございまして、是は自動車の生産に關係して居る、自動車の生産が、此の三月から大體三社合せまして千輛出來る、多く出來ました時には千五百輛近く行つたこともあります、所が物動計畫で正面から自動車の生産用として割當てられた「トン」數は、鐵鋼は第一四半期に慥か四千「トン」であつたと思ひます、千五百臺の生産を維持しようと致しますと、ざつと二萬「トン」位の鐵が要る、それに對しまして、表向き戴く資材の量と云ふものは斯くの如く小さい、然らば其の差はどうして居るかと申しますと、現在の所に於きましては、軍の放出資材等を色々買漁りまして、事實上「メーカー」が自分の實力で以て掻集めた資材で造つて居るのである、然らばさう云ふ状態が今後どれだけ續くかと云ふことに、是れ亦非常な不安がある、是は結局日本の鐵鋼の生産に繋がつて居る問題でありまして、此の部門だけではどうも出來ない問題であります、又獨り鐵鋼のみならず、「コークス」等の獲得が非常に不圓滑の爲に「メーカー」は非常に困つて居る、あれでも困り、是でも困る、實に氣の毒な立場にある、私共と致しましても、特に部品は車輛の保守、修繕上絶對に必要なものでありますから、其の生産に付て非常な注意を傾けて、運輸省と致しましては、相當數量の代位注文を致しまして、部品の生産を刺戟すると云ふ手段を只今執つて居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=37
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038・木島義夫
○木島委員 私は部品、殊に電氣器具のやうなものに付て、日本で製造されたものは非常に粗惡品である、是はもう當局も能く御認めと思ひます、戰爭中は飛行機の製造其の他で已むを得ないと致しましても、今日は飛行機の工場もなくなつて居るし、又之に要した資材等も餘つて居ると考へられますから、此の方面に對して、鐵道省はもつと「イニシアティーヴ」を執るべきである、唯成行に任せて、傍觀主義で、縁日の商人が賣つて居るやうな品物を未だにやらせて居ると云ふことは、一方に於て鐵道の事業に付て是れ程企畫制、統制を行つて居るに拘らず、此の部品に對して斯くの如く放漫且つ「ルーズ」であると云ふことは、國家として、洵に自動車事業に對して不忠實である、此の自動車事業に對してもう少し積極性を執つて、日本の商品の信用を得るのは勿論、此の切迫した輸送界にもつと確實性と敏速性を齎すべきである、現在車が動かないで居るのは、主に其の點であると云ふことを御考へ下さいまして、もう少し此の點に對して、新しい構想を是非練つて戴きたいと云ふことを私は申上げて置きます、若し御答へがありましたら御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=38
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039・滿尾君亮
○滿尾政府委員 實は部品のことに付ては御同感でありますが、形式的なことを申上げるやうで恐縮でありますけれども、部品の方面の監督權は商工省にある、私共は需要者側の立場に立つて、皆さんの爲に代辯をして居るだけでありまして、直接の御注文に付きましては、是非商工當局に一應仰しやつて戴きたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=39
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040・磯田正則
○磯田委員 形容や引例を排しまして、農林大臣に御伺ひ致したいと思ひます、戰時中統制機關で大體統合されたものは、此の際一切御破算して貰ふ、さうした觀點から各府縣にあります燃料統制組合、斯う云ふやうなものを今後も存續して置く御氣持であるか、又今度出來た生産組合等に依つて、それを新しくやらせると云ふやうな考へがあるかどうか、殊に燃料統制組合に對して、縣廳の所謂主任技師等が重役として入つて居ると云ふやうな場合には、之を今後も認めるかどうかと云ふことに付て一點御伺ひ致したい
次は現在の山林に對する行政訴訟の件數は何件あるか、さうしてそれはどんな形式になつて居て、其の府縣に對して農林當局は被告であるけれども、被告は勝訴の自信を持つて居るかどうか、參考に申上げますと、私等の部落でも、明治三十三年以來四十何年間の公簿面積四萬八千町歩を繞つての行政訴訟が現在まで續けられて居りますが、斯う云ふ問題に對して當局はどう云ふ考へを持つて居るか、又勝訴の自信があるか、なかつたならば、此の資源の拂底の時、それを如何に解放するか、取扱をかと云ふやうなことに付て、特に大臣から御伺ひ致したい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=40
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041・和田博雄
○和田國務大臣 第一點の戰時中に出來た色々の統制會社は、是は戰爭とは餘程經濟事情も違つて來ましたので、私の根本的な考へ方は、本會議に於ても縷縷述べましたやうに、それぞれの統制會社の機能を能く吟味致しまして、實際上今後も其の機能を果して行く上に、さう云つたやうなものが必要であれば、それを存續して行き、さうでなければ全部之を解消して行くと云ふやうな方向に進んで行きたいと考へて、少くとも農林省關係のものに付てはやつて行かうと思ひますが、御話の薪炭統制の爲には——薪炭は只今統制をやつて居りますので、それは何等か其の必要な機關が要る譯でありますので、現在のものに付きましては、差當つては運用に付て十分考慮して行きたいと考へて居ります、それから第二點の訴訟の件は、至急調べて後刻御答へ致したいと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=41
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042・磯田正則
○磯田委員 縣の役人等が……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=42
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043・和田博雄
○和田國務大臣 それは任命でありますれば、或は適當な人であると云ふので、それを任命して行つたのかとも思ひますが、結局は此の統制會社へ入ります人の善し惡しに係はるのでございまして、一概にどう斯うと云ふことは言へないのでございまするが、御話のやうに、出來るだけ官僚の古手を統制會社に振込むと云ふやうな、曾て戰爭中にやりましたやうなことは、是は出來るだけ避けるやうに致したいと思ひます、唯やはりどの方面に居りまする人でも、相當な立派な人でありまするならば、是は民間に於ても、さうした人に働いて貰ひますることは適當と考へまするので、私共と致しましては、やはり是は人物本位に考へて行きたい、斯う考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=43
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044・磯田正則
○磯田委員 私の質問は是で打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=44
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045・森幸太郎
○森委員長 坪井君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=45
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046・坪井亀藏
○坪井委員 農林大臣に御伺ひ致したいと思ひます、國家の再建と申しましても、現在都市が戰災に遭つて、殆ど總ての家屋を初め、機械其の他一切の資源を都市から失つて居る、國家の再建と云ふものの基盤は少くとも農産漁村にある、特に二千三百萬町歩を持つて居る山林、所謂此の林業が今後國家の再建面に大きな力を持つことは、私が申上げるまでもないのでありますが、此の觀點から致しまして、過去に於きましては所謂地木、日木がありまして、是が今囘解體され、林業行政を一貫致しまして、茲に林業會法に依りまして新たに發足しようとして居りまするが、御承知の通り此の第一條にもありまするやうに、「林業會は、會員が協同して、自主的に林業の改良發達竝びに林産物の生産の確保及び配給の適正を圖ることを目的とする。」斯うなつて居ります、果して此の所謂森業者、生産者尚又企業家、木材業者、利潤相反する此の兩者が、自主的に本當に巧く協同して、此の改善、發達を圖り、或は又林産物の生産の確保、或は又配給の適正をし得るや否や、やはり水は水、油は油と私は考へるのであります、此の時に於て此の法が、暫定的とは申しながら、生まれると云ふことは洵に遺憾である、と云つて、現在の木材業者と云ふものが無統制であつて、てんでんばらばらであつて、其の機關がなければいけないと云ふ所から、今囘此の林業會法と致しまして、木材業者、所謂企業者の爲に卷添へ的に森林業者、生産者と云ふものが之に加つて、利潤相反するものを之に統合して行つて、果して將來我が國の再建をしようと云ふ林業行政が、巧く目的に副ふやうに行くか行かないか、實に私は不安に思ひ、過去に於きまする——先程も申上げましたが、此の第一四半期に於きます所の政府の割當供出量に對しまして、約四割しか實績の供出がなかつたと云ふやうな點から見て、一片の法律に依つて是が決して出來るものでない、何と申しましても、是は生産者が本當に理解致しまして、總ての面に協力をしなかつたならば、此の運營は巧く行かない、此の法の内容を見ますると、是は業者に厚く生産者に薄いと云ふ感が多分に私は現はれて居ると認めるのであります、斯うした、過渡期に於ける業者を保護する、業者を唯統制し、それに依つて國家目的に副はせると云ふだけでは意義をなさない、どうしても根本的に、此の森林行政は森林の生産者を、擁護し、或は保護する、此の納得の行く指導、或は之に對する増産を獎勵しなかつたならば、此の目的に副はない、斯う考へるものであります、之に付きまして農林大臣と致しましては、將來此の利潤相反する二團體を、最も自主的に而も協同さして、目的通りやり得る自信ありや否やと云ふことを、今更御伺ひするのは甚だ時後れの感がありまするけれども、尚ほ改めて、私は結論づけて之を伺つて置くことが必要ではないか、と同時に、恆久的の林業會法を成べく早く御作り願つて、生産者と云ふことを法文化致しまして、生産者が浮ばれることを考へるやうに一つ御願ひしたいのですが、此の意思ありや否やと云ふことに付て、附加へて御伺ひ致したい、是が第一點であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=46
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047・森幸太郎
○森委員長 簡單に御願ひ致します、それは濟んだ質問ですから繰返されると困ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=47
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048・坪井亀藏
○坪井委員 尚ほ一點御伺ひ致したいことは、日本には農耕地は六百數十萬町歩あります、其の耕地に對しまして、山林或は竹林が耕地の周邊或は中央にありまして、日蔭を及ぼして居る所が約一割あるとすれば、六十數萬町歩の農耕地と云ふものは山林、竹林の爲に日蔭を與へられて居つて、食糧増産方面にまでも惡影響を及ぼして居る、一割違へば、此の耕地から日蔭を取つてやることに於て實に六百萬石の増産が出來る、斯う云ふことにも相成る點から申しまして、農林大臣と致しましては、耕地に日蔭を及ぼして居る是等山林或は竹林に對して、之を伐採させる、而も是は治水或は治山に影響のない範圍、或は風致を損じない範圍に於て之を伐採致しまして、所謂一石三鳥を茲に圖る御意思はないか、それに付きましては、私共と致しましては、是非共早くやつて貰ひたい、唯之を民間に任して置くと云ふことでなく、之に付ては一つ法文化致しまして、此の耕地に日蔭を及ぼして居る山林、竹林の伐採を願ふと云ふことが、最も效果的であると考へまして、之を先づ御伺ひ致したいと思ひます
其の次に豫算の面でありますが、本年は十二億程度の……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=48
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049・森幸太郎
○森委員長 坪井君、もう一般的な質問は終つたことにしまして、本日は補足的の質問と云ふことになつて居りますので、さう云ふことを繰返して貰ふと困ります、意見はやめて質問だけ簡單にやつて下さい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=49
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050・坪井亀藏
○坪井委員 それでは、先程日本林業會に對しましては四百萬圓の助成をされて居る、所が其の他の團體に對しての補助金がないと云ふことはどう云ふ譯であるか、本年は十二億以上の莫大な補助金を政府は豫算に計上して居ります、森林行政に對して一大改良を加へようと云ふ時に、片手落ちの助成の途を取つて居ると云ふことは如何なる理由か、帝國治山治水協會もあります、大日本山林會もある、是等に對しては補助が一厘もない、而も此の帝國治山治水協會の主眼として居る所の目的は非常に大きい、一、治山治水其の他國土保安に關する根本策の考案とか、或は二に參りまして、治山治水其の他國土保安に關する森林施設の調査研究とか、三へ行つて、治山治水に關する諸法令竝に行政機構の調査研究、四へ行つて、講習會、講演會及び座談會の開催、實地視察、五へ行つて、治山治水に關する勤勞奉仕事業の普及、斯う云ふ大きな種目をやつて、全く總てに渾身的に奉仕事業を森林の生産者がやつて居る、是等の團體に對して一厘の補助もないと云ふことは、餘りに生産者方面に對する指導機關を無視するばかりでなく、其の目的事業が是程澤山ある帝國治山治水協會及び日本山林會に對して補助がない、日本林業會だけに付ては昨年二百七十萬圓、本年四百萬圓、こんな矛盾したことはない、もう少し政府に於ては、是は十二分に研究されまして、是等の團體を十二分に發達助長させる施策を講じて貰ひたい、就ては是等の要望に對しましては、必要なる諸經費も助成の途を御講じ願ふことは當然のことであると考へるのであります、關聯して居る問題と致しまして之を御伺ひ致したいと思ひます、以上であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=50
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051・和田博雄
○和田國務大臣 第一點は各委員の方々に御答へ致しました所を以て御承認を願ひたいと思ひますが、私は十分業者の方々が御協力下されまするならば、又政府と一緒にやりまするならば、十分にそれは出來ると斯樣に信じて居ります、山林界の業界の方々には、十分の熱意と能力があることを信じて疑ひませぬ、第二點は日蔭木の問題でありますが、是は農村に取りましては重大な問題であります、私の尊敬致しまする高田耘平さんが申します年來の主張なのでありまして、此の點に付きましては、私は今囘協同組合法案に依りまして、何等か其の點の施設を講じようと思つたのでありますが、協同組合法案が此の議會に出ませぬので、又次の近い議會に出します時には、それ等の問題を共同の力に依つて何かなし得るやうな方途を講じたいと思ひます、勿論其の際は治山、治水其の他の點に付ての考慮を拂ふことは當然であります、それから第三點の山林關係の團體の補助金の問題でありますが、是は御話しの森林組合なんかに付て、技術員の補助が相當の金額が行つて居りまするし、治山治水協會も、去年は慥か補助金がなかつたのでありまするが、山林會も無論ないのであります、それぞれの團體に依つて其の點は違ふのでありますが、治山治水協會等に付ては、今年度は多少考へて見たいと思つて居る次第でありまして、それ等の團體に付きまする補助の點に付ては、今後とも其の團體それぞれの仕事其の他に依りまして、政府としても考へて行きたい積りで居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=51
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052・綿貫佐民
○綿貫委員 商工大臣に極めて簡單に二點だけ伺ひます、火力發電所其の他のものが賠償の對象と相成るのでありますが、是等のものを撤去するに付きまして、梱包或は輸送と云ふことが伴ひます、此の梱包用木材が相當多量に要るやうでございますが、其の量竝に其の必要期間と云ふことを承知致したい、と共に、到底其の大量の木材を、今日の木材事情から見て内地で之を充すと云ふことは覺束ないのぢやないか、而も又傳へるが如き多額の費用を我が國に於て負擔すると云ふことは、到底忍びない所ではないか、是等のものは聯合軍に於て、其の資材竝に經費等を負擔して戴くやうに懇願することが必要でなからうか、斯樣に存じまするが、此の點をどう考へるか
第二點は、我が國の産業の再建には、貿易の再開と云ふことが最も大切でございますが、輸出品の一部と致しまして木工製品と云ふものの占める地位も相當大なるものであると存じます、殊に又木彫刻或は漆器と云ふやうな美術品に付きましては、聯合軍の方に於きまして、地方にまで來まして色々と獎勵も致して居りますし、色々指導もして居るのでありまして、私共は將來に多大の期待を掛けて居るのであります、例へば木彫刻等に對しましては、欄間なんかでは楠材が要る、是は内地では殆どない、臺灣には相當ある、さうした外材の必要を認めるものに對しては、原材料の輸入に對する所の將來の見透し、竝にさうした事業をやるに付きまして、資金の面に付て政府として何か途を開いてやることが考へられるかどうかと云ふことと、此の木工に關聯致しまして、商工省に於て木工品の關係を所管されて居りますが、是は消費規正の面から考へましても、農林省の方に統合した方が宜いのぢやないかと云ふ説もありますが、此の點に付て伺ひたい、以上であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=52
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053・星島二郎
○星島國務大臣 賠償物資に付きましては、先般新聞にも公表されましたやうに、非常に大きな數字の指定工場が出たのでありますが、あれは一つの線を引かれて、取敢へず國家で管理をしろと云ふ命令を受けたのでありまして、まだ全部あれを撤去されると云ふ風に決まつた譯ではありませぬ、火力發電所も二十一箇所も出て居りますが、あれは九州、四國方面にあるものを取られますと、忽ち渇水時の送電に困るのでありますから、是等に對して何とか緩和する途を講じて貰ひたいと思ひまして、現に其の要請を致して居るやうな譯であります、まだ聯合軍の方に於きましても最後の確定は得られませぬ、それぞれ相當の注文があれば聽いてやるから言うて來い、斯う云ふ風に親切に言はれて居ります、それで最後の線も決まらないので、さうさう全部が決まつたやうに考へて行くのも早計であるかと思ひます、併し我々は「ポッダム」宣言の受諾に依りまして、誠心誠意日本は平和を愛好し、無條件で降伏を承認したのでありますから、さう甘くは考へられない、そこで相當覺悟はしなければならぬと思ふのでありまして、隨て相當數量のものは最後は出さなければならぬ、出す以上は、一つ流石に日本人は約束を守るものだと云ふ、將來の信用の爲にやりたい、だから完全な荷作りをしまして之を送る、從來ともすれば壞れ勝ちな荷作りを、本當に何處の國にも負けないやうな、立派なものにして送ると云ふことを考へますと云ふと、假に先般の新聞紙で見るやうな線から、若干のものは免れたに致しましても、尚ほ相當のものを出さなければなりませぬ、推定どの位になりますか、先般一寸本當の粗算用でありますけれども、千何百萬石と云ふものが要ると云ふのですから、さうなつたら、日本の目先の進駐軍の家も出來ない結果になりますし、大變なことでありまするから、愈々さう云ふ線が決まると致しますれば、是は是非輸入を懇請しなければならぬ、斯樣に考へて居る譯であります、多少の話合ひはぼつぼつ始めて居る譯でありますが、まだ數量も決まりませず、確定も致しませぬから、さう具體化致すことはまだありませぬが、結局は相當の輸入を仰ぎたい、斯樣に考へて居る譯であります、尚ほ御指摘の木製品の製造に付きましては、是は日木が中小工業中心で行かなければならぬ現段階になりましたから、斯う云ふものは最も日本人に向いた仕事だと思ひますので、寧ろ事變前でも一億圓以上の生産を致して居つた譯ですから、是等を一つうんと激勵致しまして盛んにしたい、それには取敢ず色々な諸道具、今仰しやつたやうな美術工藝品に至るまでの多くの資材は、やはり相當南の方面等から得なければならぬと云ふやうなことから見ますれば、今から十分の計畫性を持ちまして、それに處したいと考へて居りまするが、まだ貿易は管理時代でありまして、見返品としてどれ程の物を賄へると云ふやふなこともまだ決まつて居りませぬが、併し進駐軍の家が相當出來る、一萬戸からも作るのでありますから、それ等に對しては相當の家具が要るのですから、さう云ふものに對しまする非常な良い木材と云ふものは、やはり内地よりも寧ろ簡單に東亞の方面から得られる譯でありまするから、今後貿易廳とも能く相談して、さう云ふ方面の輸入も相當仰いで行きたい、斯う云ふやうな方針は先般も申した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=53
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054・綿貫佐民
○綿貫委員 了承致しました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=54
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055・森幸太郎
○森委員長 武藤君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=55
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056・武藤常介
○武藤(常)委員 極めて簡單に質問致します、今囘此の林業會法案が愈愈成立致します曉に、薪炭が此の林業會法案の中に加入せられると云ふやうな意見が極めて濃厚でありまして、隨て之に關聯致しました所の木炭の生産の件でございまするが、戰時中日木瓦斯用木炭株式會社に對しましては、相當の非難もあり、又業者と致しましても是は非常に不要であると云ふやうな點から、實は種々なる愬へを聞いて居りまするが、今囘は此の會社が解散せられまして、新たに帝國薪炭株式會社が結成される、斯う云ふことを伺つて居るのでありますが、此の會社はどう云ふ性格のものであるか、又今後斯うした會社の必要はないのではなからうかと考へまするが、之に付きまして農林大臣の御所見を伺ひたいと存ずるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=56
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057・和田博雄
○和田國務大臣 帝國薪炭は瓦斯用木炭の統制機關でありますが、運營に付きましては色々問題もありまするので、殊に燃料配給統制組合との關係に付きましては考慮して居ります、現在の所は輸送用の薪炭の特殊の事情がありまするので、今直ちに之を廢止すると云ふことは出來ませぬが、適當な時期には是は考慮したい、斯う考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=57
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058・氏原一郎
○氏原委員 關聯しまして商工大臣に一寸伺ひます、本年度「パルプ」用木材として六百四十四萬八千石と云ふものが割當てられて居りまするが、是だけの割當量では四十七萬八千「トン」だけの「パルプ」しか出來ない譯なのであります、是は人絹、「サルファイド」、「グランド」簡易曹達、總てを通じての生産量であります、所で現在我が國の持つて居ります「パルプ」生産設備は九十四萬六千五百「トン」の生産能力を持つて居りますので、和紙、洋紙全體を通じまして、北海道材及び内地材合計額の割當を受けて居ります木材だけでは、需要量の三七%乃至八%程度のものしか出ない、隨て生産設備能力から申しましても、大體五〇%に足りない程度のものしか配給の割當を受けることは出來て居りませぬ、既に新聞及び雜誌等の洋紙類に付きましては、「ストック」が段々少くなりまして、非常な困難な情勢に向ひつつあるやうでありますが、私共平和國家の建設、文化國家の建設に付きましては、紙と云ふ問題は餘程重要だと存じますので、特に此の製紙用「パルプ」の資源の確保と云ふことに付ては重要に考へなければなりませぬが、現在の日本の木材生産量の綜合的な計畫の上から行けば、日本の「パルプ」製造能力の五〇%程度のものしか割當が出來ない、而もそれは結局必要缺くべからざる紙と云ふものに對する三七%乃至八%程度の原料にしかならない、斯う云ふことになりますると、勢ひ「パルプ」としての輸入か、或は「パルプ」資源としての木材の輸入、此の二つの問題を考へなければならぬと思ひまするが、此の點に付て商工當局ではどう云ふ對策を御立てになつて居りまするか、又現在手持致して居りまする新聞雜誌用紙等は、大體何時まで程度の「ストック」と申しまするか、手持が殘つて居るのでありませうか、特に本年度中に於ける所の新聞雜誌用紙に對する數字を、極く大雜把な見當で宜しうございますから、御發表願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=58
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059・星島二郎
○星島國務大臣 御指摘の如く、「パルプ」竝に色々な人絹、紙類に對する數量が非常に少くなつて、殊に新聞紙の方は、他の委員會でも非常に問題になつて、困つて居るやうな譯でありまして、是は終戰後公私の氣持が落著きまして、食糧其の他衣料等が片付きますと、もう矢も楯も堪らず、渇する者が水を欲するが如き状態でありまして、何とか是は充足しなければならぬ、今の所では需要の四八%ないと云ふやうな關係でありまするので、是は經濟安定本部等に於きまして十分な審議を受けまして、「ソ」聯との間が圓滑になりました場合に於ては、樺太其の他から相當得られると思ひますけれども、今それも急には望めませぬ、そこでどうしても必要な場合は、「パルプ」にして製品化したものの輸入を仰ぐと云ふことは必要ではないか知らんと云ふことを、先般も貿易廳の會議で話したのでありますが、商工省と致しましては、安定本部で根本方針を決めて貰つて、其の上で工作を致したい、率直に申しますれば、議會中でありまして、其の邊まで行屆いた最後の數字の決定は致して居りませぬ、併し非常な要求がある、何とかしなければならぬと云ふ熱意を以て、商工省と致しましては或は經濟安定本部に之を要求すると云ふやうな積りで居る譯であります、數字を持ちませぬので、答辯が甚だ要領を得ませぬけれども、あなたの御期待に副ふやうに努力して行きたい、斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=59
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060・坪井亀藏
○坪井委員 星島商工大臣に御伺ひ致します、我が國の造船事業でございますが、最近相當造船も殖えて來て居ると云ふことは聞いて居りまするが、之に對しましての木材と云ふものが、非常に入手難で困つて居るのであります、實數を申しますると、上半期の四月から九月までの供給計畫と云ふものは百六十九萬五千石の數字になつて居るのであります、それに對しまして一四半期に於て、四月から六月までに入手されたものが、其の實績が二十九萬六千石、是だけの石數でありまして、此の需給計畫に對しての配給實績と云ふものが殆ど二〇%に滿たないと云ふやうな實情になつて居ります、今後此の確保に對して十二分の御努力を願ひたい、斯樣に考へます、尚又農機具に對しましても、或は又木材其の他となつて居りますが、此の中に包含されて居らうと思ひますが、是等に付きましても四百三十萬石、之に對しまして僅かに九十九萬七千石、斯う云ふ數に相成つて居りまして、此の供給數に對して僅かに三〇%位にしか行つて居らぬと云ふやうな實情ては、如何に戰後に於ける復興を叫びましても、是等の所謂資材となるべき木材が入手出來なかつたならば、決して物の増産は出來ないと云ふ現状にあります、是等に對しまして、商工大臣と致しましては、今後是等必要なる木材を如何にして確保するか、之に付きまして御答へを願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=60
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061・星島二郎
○星島國務大臣 農機具の方は相當出來るやうになりましたので、それに「マッチ」するやうに十分の手配を致したいと思ひます、殊に粗製濫造品が、終戰後凡ゆる軍需工場が無暗に轉換致しまして、造つた物が今日溜り溜つて大變なことになつて居ります、是等は再生なり何かして、下らぬ、使へば直ぐ壞れるやうな物は相當の措置をしなければならぬ、それで互に相補つてやつて行きたいと思ひます、木材其の他に付きましても、今後農林當局其の他と十分連絡を致しまして、御期待に副ふやうに努力する積りであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=61
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062・森幸太郎
○森委員長 之を以て本案に對する質疑を終了致しました、次は十九日午前十時より會議を開きます、其の際本案に對する各派の態度に付て懇談致したいと存じます、本日は是にて散會致します
午後零時四十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01819460912&spkNum=62
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