1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
林業會法案(政府提出)
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昭和二十一年九月二十五日(水曜日)午後三時二分開議
出席委員
委員長 森幸太郎君
理事 水口周平君 理事 平野増吉君
理事 氏原一郎君
大井直之助君 木島義夫君
小柳富太郎君 武田信之助君
小笹耕作君 太田秋之助君
仲川房次郎君 本名武君
松澤一君 香川兼吉君
米倉龍也君 飯田義茂君
井出一太郎君 伊藤實雄君
九月二十五日委員的場金右衞門君及び坪井龜藏君辭任に付其の補闕として米倉龍也君及び香川兼吉君を議長に於て選定した
出席國務大臣
農林大臣 和田博雄君
出席政府委員
大藏政務次官 上塚司君
農林參與官 鈴木強平君
農林技官 中尾勇君
農林事務官 平川守君
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本日の會議に付した議案
林業會法案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=0
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001・森幸太郎
○森委員長 是より會議を開きます、討論に入るに先だちまして、委員長より政府に對して確むべき二、三の事項に付て質疑を致します、數が多いのでありますから、御聽き漏しのないやうに一つ御答辯を御願ひ致したいと思ひます
第一に、日木、地木の解散に依つて林業會を組織し、再び日木、地木の横暴であつたやうな行動に出でざるやう、嚴に監督指導をして戴きたいことであります
次には戰時中強權を以て森林を濫伐して、治水、保安上危險なる状態に陷らしめて居るのであります、速かに植栽に萬全を期して、國土保安と資源培養に、政府は凡ゆる角度から努力をして戴きたいことであります
次には賃金、物價の値上りに依つて、植林費用の急激なる増加となつて居りまして、森林組合の施業に一大障碍を來して居るのであります、是が對策に付きまして、政府は速かに適當なる處置を講じて戴きたいことであります
次には、苗圃の擴大を期して植林事業遂行に支障のないやうな計畫を立てて戴きたいことであります
次には、木材價格の適正化を圖つて、森林經營に支障なからしむるやうに努めて戴きたいことであります
次には、本法案は統制會社解散に基いて、緊急措置として提案せられたるもので、我が國の林業行政の根本策樹立に對しては適正ならざる點が相當多くあると認むるのであります、政府は成べく近き將來に於きまして、林業全般に亙つて適切なる法案を立て、之を議會に提案されんことを要望する次第であります
次には、日木、地木當時に於きまして、當事者の中に於ては、國家の強權に便乘して恣意を恣ままにして、森林業者に非常な迷惑を被らしめた者もあるやうに聞いて居るのであります、此の種の者に對しては、今囘林業會が組織されましても——勿論選擧に依つて役員を決めるのでありまするが、此の點に留意せられまして、役員の選任に相當の注意を拂はれんことを希望すると同時に、苟且にも犯罪の疑ひある者に對しましては、司直の活動に依つて其の責任を糺明すべきものであると信ずるのであります、此の點に付て政府は善處されんことを望むのであります
次には、近く實施せられんとする財産税を賦課するに當りまして、納税の爲に森林を伐採して、之を税金に納入する、此の場合に所得税が課せられて、更に其の所得税を納めんが爲に森林を伐採して之を完納すると云ふことを繰返すと、遂には其の森林を全部伐り盡し賣拂つても、尚且つ税額に達しないと云ふやうな計數も出るのであります、此の點に付て政府はどう云ふ風な課税の方針を持つて居られるか、若し左樣な計數が出るやうな場合に當つては、政府は適當に之を修正せられんことを希望して已まない次第であります
次には、森林行政が内務省等各省に分轄されて居ることは、洵に森林行政上不屆の點があるのであります、今後政府は此の點に考慮を拂はれまして、成べく主管省を統一されんことを希望するのであります
最後に、木材需給者の團體に對しまして、發言權を特別の會員として之を認められてあるのでありまするが、此の點に付て、需給者團體と云ふものをどう云ふやうに政府は御考へになつて居られるか、此の點を質して置きたいのであります、以上は希望と質疑とを併せて居る譯でありまするが、此の點に付て政府の御心持を此の機會に御發表を御願ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=1
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002・和田博雄
○和田國務大臣 委員長の御質問に御答へ致します
第一點の日木、地木の解散に依りまして林業會を組織しました場合に、再びあの過去の日木、地木の横暴な行動に出ないやうに監督すると云ふ點に付きましては、今囘出來まする林業會が自治的な團體でありますることに依りまして、恐らく其の大半はなくなると思ふのでありますが、政府と致しましても、それ等の點に付きまして再び過去の過ちを繰返しませぬやうに、十分に指導監督を致したいと存じます
それから第二點の、森林の濫伐に對しまする今後の治水、治山の問題でございまするが、是は本議會に於きまして屡屡御答へ致しました譯でありますが、我々と致しましても、其の點に付きましては今後十分豫算等にも計上致しまして、しつかりとした計畫に從つて之をやつて行きたいと、斯樣に考へて居る次第でございます
第三點の、森林組合の施業上に於ける賃金、物價等の値上りの結果の影響に付てでございますが、是等の點に付きましては、或は其の植林の單價の増等に付きまして經費を計上致すなり、色々な方途を講じまして、是非森林組合等が植林を致します上に付ての障碍になりませぬやうに善處致したいと考へます
第四點の苗圃の擴大は、是は洵に御尤もでありまして、植林をやりまする上に於きましても、現在に於きましては苗が中々足らない實情でございまするので、是は是非前に二點、三點として申しました點の計畫を適切に實行致して行きます上に付きましても、此の點に付きまして何等かの策を講じまして、御質問の趣意に副ひたいと思ひます
それから木材價格及び薪炭價格等の問題でございますが、是も物價體系其の他との關係もございまするが、十分森林經營に支障のないやうに、物價廳とも能く話合を致しまして、適正な價格を決定致したいと思ひます、それから本法案が暫定的な法案であつて、此の根本法に付ての來たるべき早い機會に於ける提案の問題でございまするが、是は私屡屡本委員會に於きまして御答へ致しましたやうに、出來るだけ早い機會に此の基本的なものを作りまして、御審議を御願ひ致したいと思ひます、其の他さう云ふ林政一般に付きましては、是は何等かの委員會を設けまして、是非適切な案の立案に資したいと考へる次第であります
第七點の林業會に於きまする役員の問題でありまするが、是は勿論仰せの如く、從來兎角の事柄のありました人達は、此の出來まする林業會が自主的な團體でありまするから、勿論其の選擧は會員の意思に依る譯でありまするが、さう云ふ人達が又再びそれ等の地位に就きますことがないやうに、十分政府と致しましても嚴正に致したいと存ずる次第であります、勿論司法省の關係に於て不法を犯して居る者がありまするならば、それ等の者に付きましては、政府と致しましても十分善處致したいと考へて居る次第であります
それから林業會の權利義務の承繼に當りまして、日本林業會が損失を蒙らないやうにと云ふ點に付てでありますが、是は全く御同感でありまして、何等か此の點に付ては措置を講ずる考へであります、それから各省別に亙つて居ります林政の統一問題でありますが、是も今後の林政上一番大きな問題でございますので、行政機構の改革、其の他の事柄も漸次行はれて來るものと思ひまするが政府と致しましても、此の點に付きましては、行政上從來のやうな缺陷が出ませぬやうに、是非何等かの形で統一致したいと考へます、それから木材の需要者團體の發言權でありまするが、是は特別委員と致しまして、木材の需要者圃體に對しましては、此の林業法中に於きまして、十分其の發言權を認める考へで居ります、財産税の點に付きましては大藏當局から御答へ致した方が適當と思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=2
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003・上塚司
○上塚政府委員 只今委員長より御質問のありました中で、大藏省關係の點に付て御答へ申します、財産税を課ける場合に於て、それを納めるに付き立木を賣つて納めると云ふことになると、又立木に對する所得税が課かる、さうすると非常な高率の課税なとつて非常に負擔を重くするのであるから、成べくそれを負擔が重くならないやうにして貰ひたいと云ふ風な御趣旨と拜承致しました、之に付きましては近く議會に提案されまする財産税法の中に、特に山林課税に付て、立木のことに付て一條を設けまして、此の立木を賣る場合に於ては、財産税が重くならないやうに十分に考慮を致してあるのでございます、まだ此の點は明確に此處に其の全貌を申上げることは出來ませぬけれども、近く財産税法に於て其のことを發表致しまするから、それまで御待ちを御願ひ致したいと思ひます
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=3
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004・森幸太郎
○森委員長 それでは是より林業會法案を議題と致しまして討論に移ります、修正の動議に付きましては討論中に御説明を御願ひ致したいと存じます——水口周平君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=4
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005・水口周平
○水口委員 私は自由黨を代表致しまして意見を申します、本法案を通觀致しまするのに、稍稍一夜作りの憾みのあることは免れませぬ、是は木材統制法を廢棄して、同時に日木社、地木社の改造等に伴ひまして、林業界の混亂を防がんが爲に設けられたものと考へまして已むを得ざるものと存ぜられます、此の法案の主眼と致しまする所は、森林組合聯合會、林産組合聯合會、成は需要者組合等の協議機關が重點のやうに考へられます、隨ひまして稍稍暫定的なやうにも了解出來るのであります、斯樣な意味に於きまして、全般を通じまして原案に贊成致したいと思ひますが、一部修正致して見たいと思ふのであります、其の修正點を申上げますれば、第一條の第二項の中に「木材」とありまするのを、其の下に「薪炭」を加へまして「木材、薪炭」斯樣に修正致したいと存ずるのであります
そすから第九十一條に左の一項を加へたいと思ふのであります
日本林業會は、前項の規定により承繼した債務については、その承繼に因つて得た財産の限度において、その辨債の責に任ずる。
即ち委員會中各委員の御心配になりました、從來の林業會を繼承して負債等のありました場合に、それを相續すると云ふことは國民に迷惑を及ぼすことであるから、之を除きたいと云ふ意味で、斯樣に修正致したいと思ふのであります
それから森林法の一部を改正する爲に、第九十八條を設け、原案の第九十八條を第九十九條として、以下順次繰下げて參りたいと存ずるのであります、即ち第九十八條森林法の一部を次のやうに改正する。
第六十二條に左の二項を加へる。
組合は前項の事業の外左の事業を行ふことを得
一 政府の指示に基く森林産物の生産及配給に關する割當
二 森林産物の價格統制に關する政府の施策に對する協力
三 政府の指示に基く森林生産に必要な物資の割當
組合前項の事項を行ふときは命令の定むる所に依り統制規程を定むべし
第七十條第二項中「第六十二條第二項」を「第六十二條第二項及第三項」に改め、同項第二號中「必要なる」の次に「物資の供給又は」を加へる。
第七十四條の五中「第六十三條」の上に「第六十二條第三項第四項、」を加へる。
斯樣に修正して後は全部原案通り贊成致したいと思ふのであります
以上の通りに修正致しまして、尚ほ附帶決議と致しまして
附帶決議
一、戰時中非常伐採の爲荒廢したる林地の造林を速かに實行すべし
一、林業行政機構の改革、森林資源の培養、林野特別會計制度の創設等の林業國策を樹立する爲速かに官合民同の一大調査機關を設置すべし
一、林産物の價格竝に需給調整に關し、經濟安定本部は民間の學識經驗者を活用し之が意見を採り入れ官僚獨善の弊を除去すべし
以上三項の附帶決議を致しまして、後は原案通り贊成致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=5
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006・森幸太郎
○森委員長 平野増吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=6
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007・平野増吉
○平野(増)委員 進歩黨を代表致しまして意見を述べたいと思ひます、只今自由黨代表の水口さんの修正意見竝に附帶決議に對して贊意を表するものであります、それに付て簡單に自分の所見を申述べます、大體林業會法案は約二十囘に亙る委員會を重ねまして、相當愼重審議を遂げたのでありまするが、元來我々は最初から此の林業會法案に付ては甚だしく不滿足であつた、併し政府としても組閣匆々斯う云ふ時機でありますから、十分に御研究になつて、完全なるものを御作りになる餘裕のなかつたと云ふ事情に對して我々も了と致しまして、大體小修正に留めて、一應之を認めることも已むを得ないと考へたのであります、併し私豫て度々質問竝に總ての場合に於て政府に要望致しました如く、是非最も近い機會に於て、完全なる林業團體法を改めて御提出になるやうに要望致して置きます、更に私は本日の三項目の附帶決議に付て重大意義を有するものと思ふのであります、是は政府に於かれては、唯斯う云ふやうな法律を通す場合に、議會は形式的に斯う云ふ附帶決議を付けるのだと云ふやうな、輕々しい意味に御取りにならないで、三項目とも何れも最も重大な意義を有するのみならず、是は國民の今日の輿論、總意と見るべきものでありまして、殊に第一項の戰時中の非常伐採の跡地に至急に造林をしなければならないと云ふことは、是は最も重大なことであり、農林當局の雙肩に掛つた任務だと心得て居ります、此の點に於て、國民の代表として特に此の機會に政府に要望致したいと思ひます
それから第二項の、林業行政機構の改革、森林資源の培養、林野特別會計制度の創設等、是等を眼目としたる林業の根本的國策を立てる爲に、一大調査會を作つて戴きたいと云ふことは、是は豫算總會以來の委員の熱望であるのであります、さうして之に依つて初めて今後の立派な林業團體法も出來るものと思ひます、而して此の日本の將に崩壞せんとする林業を喰止める所の政策を立てる上に付ても、是非至急に一大調査會を御作り願ひたいと云ふことを、呉々も要望致したいと思ひます
それから第三項の林産物の價格竝に需給調整に關して、經濟安定本部に於て、民間の經驗者を採り入れて、官僚獨善に陷らないやうにやつて戴きたいと云ふことは、過日安定本部の長官に私から質問をして、十分其の意を諒とせられる囘答を得てあるのであります、尚ほ農林當局に於かれましても、再び元の日木、地木のやつたやうな状態にならないやうに、此の點に付て十分經濟安定本部と連絡を取られ、さうして民間の意向を反映せしめて、巧く運營して戴く、若し是が巧く行かなければ、恐らく今囘の林業會法と云ふものは死物になるのみならず、再び國民の恨みを受けるやうなものになる、斯う云ふことを惧れるものであります、結局今囘の此の法律の魂は、第三項の此の點に於て活きるのである、斯樣に信じて居ります、恐らく政府に於かれましても、此の點に於ては同感であらうと思ひますが、どうか是非此の點に付て經濟安定本部と完全な連絡を取り、さうして民意を十分に反映せしめるやうに、御注意あらんことを御願ひして、茲に本案に贊意を表するものであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=7
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008・森幸太郎
○森委員長 氏原一郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=8
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009・氏原一郎
○氏原委員 日本社會黨を代表致しまして意見を申上げまする前に、只今自由黨竝に進歩黨の代表者の方から御提案になりました修正條項に關聯を致しまして、一應政府當局の御所見を尋ねて置きたいと思ふのであります、それは第九十一條の第二項に「日本林業會は、前項の規定により承繼した債務については、その承繼に因つて得た財産の限度において、その辨濟の責に任ずる。」と云ふ一項を加へると云ふ御意見でありますが、政府は此の修正に御同意であるかどうかと云ふことを、先づ御伺ひ申上げて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=9
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010・平川守
○平川政府委員 新日本林業會が、社團法人日本林業會の權利義務を承繼致します爲に、其の債務を大きく脊負はなければならぬと云ふ結果には、私共はならないと思つて居りますけれども、併し萬一の場合を考へますれば、只今のやうな修正が出來ますれば、それに依つて其の點が確實に法律上なると云ふ意味に於て、政府と致しましても、之に同意を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=10
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011・氏原一郎
○氏原委員 政府が同意であると致しますれは、次の三點に付て、政府は此の事が法律上、今後問題を起す虞がないと云ふことに付て、十分な御研究をなさつて居られるかどうかと云ふ點に付て御伺ひ致します
第一は、債權債務を全部包括的に新日本林業會が承繼をする時には、舊林業會は一切債務から免脱されると云ふことになります、所が、新林業會が承繼した債務の一部を債權者の意思に反して消滅せしめることは出來ないのであります、若し左樣な法律を作りましたならば、それは憲法第二十七條に牴觸するものと云ふことに相成りまして、無效となる虞がないかと云ふ點、是が第一點でございます
第二點は、若し合理的に債務を消滅せしめんとするならば、相續の場合に於ける所の限定承認の規定、又會社合併の場合に於ける債務處理に關する規定、或は破産の場合に於ける和議に關する規定等、債權者の集會を開きまして其の意見を聽くなど、債權者の意思を徴した上で適當公平な分配を規定すべきであつて、單に承繼したる財産を超過する債務は全部消滅すると云ふやうな規定は、到底行はるべきものではないと云ふ疑問が起つて參ります、此の點が第二であります
第三點は、假に只今申しました第二の問題に付ては、それぞれそれを處理すべき所の手續を定めると云ふことに依つて、一應納得が出來ると致しましても、其の定めます所の手續と云ふものは、是は所謂法律事項であつて、決して勅令事項ではない筈であります、隨ひまして斯かる場合に於きましては、債務者が之に服しないで、其の債權を主張して民事訴訟を提起した場合に於て、萬一債權者が勝訴の判決を受けたやうな場合には、其の責任は一體何人が之を負ふのであるか、此の三點に付て政府の御見解を御尋ね致して置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=11
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012・平川守
○平川政府委員 財産權は憲法に依つて認められて居りますけれども、之に對して公益上必要なる範圍に於きまして、法律に依つて之を制限致しますことは、固より有效である譯であります、其の意味に於きまして本林業會法に於て、此の承繼せられました債權の效力を制限致しますことは、決して無效ではないと考へて居ります、尚ほ斯くの如く制限を致しますに付きましては、固より必要なる手續を取りまして、債權者を不當に害することがないやうな規定を必要と致すのでありますけれども、併しながら之に付きましては、林業會法の第百二條に、法律の施行に關しまして必要な事項は命令に委任を致して居ります、此の委任に依りまして規定を致されます所の命令は、法律と同等の效力を有する譯でありますから、此の命令に依りまして只今御指摘の如き、手續なり、或は債權者を不當に侵害せざるが如き規定を置きますならば、それに依つて憲法上有效に此の制限が出來ることと思ふのであります、之に對しまして訴訟等が起りますれば、裁判所に於きましては固より左樣な解釋の下に、之を有效として取扱はれることと存ずるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=12
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013・氏原一郎
○氏原委員 それでは本案に對します日本社會黨を代表しても意見を申上げます、先程來自由黨竝に進歩黨の代表者の方から御述べになりました第一條、第九十一條竝に第九十八條の修正に付きましては、私も同樣に之を修正すべきものと意見を持つて居ります、更に又附帶決議の三項に付きましても、同樣當然の決議であることを支持致します
此の外に私は本法第九條第一項の三に「都道府縣の區域を地區とする林業關係勞働組合」を一項加へまして、三を四と改め、更に第十條の「及び同項第二號」の次に「第三號」と云ふ文字を加へたいと思ひます、更に第二十二條に「選擧し」の次に「及び會員たる勞働組合で業務を執行する役員の中から之を選任する」と云ふ字句を挿入致したいと思ひます、更に第三十條の四號に「林業關係勞働組合の業務を執行する役員」を入れまして、原案の四を五に、原案の五を六に改めたいのであります、是等修正の趣旨を辯明を致したいと存じます
先刻平野委員からも御話がありました通り、今囘提案をされて居りまする此の林業會法が倉卒の際に作られましたる所の法律でありまして、現下最も重大なる時局に直面を致して居りまする所の日本林業の根本的な法律でない、基本的な法律でないと云ふことに付いては、私共同感でございます、隨ひまして之を更に徹底した所の森林國策の中軸としての林業會法たらしめると云ふことが、我々に與へられた所の任務ではないかと考へるのでありまするけれども、諸種の關係上其のことが直ちに實現出來ないと云ふ建前から、一應一部の修正を以て原案の殆ど總てを認めるのでございますけれども、本法第一條に明かにされて居りまする通り、戰時中の木材統制法と云ふ一つの歪められた統制規定に依つて、日本の林業が支配をされて居つた、それを取り直しまして自主的に林業の改良發達、竝に林産物の生産の確保、及び配給の適正を圖ると云ふことを目的として、本法が生れたのであると致しまするならば、少くとも林業會、都道府縣林業會の構成員として、其の都道府縣の地域を區域とする所の勞働組合、林業關係の勞働組合、其の勞働組合を森林組合若しくは林産組合と同等の建前に於て構成員として認めますことが、本法第一條に明かにされて居りまする所の自主的な林業改良發達を圖り、竝に林産物の生産の確保をなしまする上に於きましては、是は絶對の要請でなからうかと存じます、殊に本法の精神と致しまする所が、官僚的な戰時統制から一歩前進を致しまして、日本産業の民主化と云ふ、大きな基本的な線に沿うて立案をされたものであると云ふことを、我々が考へまする時に、所謂産業民主北の實現の爲には、勞務者が其の産業の凡ゆる機構の中に協力をし得る所の態勢を執りますことが、絶對的な要請でなければならないと存じます、更に又、特に林業全體に付いて之を考へまする場合に、例へば木材價格の決定と云ひ、薪炭の價格の決定と云ひ、それ等のことを取上げて見ました場合に於きましても、それ等のものの生産に從事致しまする所の勞務者の賃金と云ふものが、それ等の價格決定の重要なる因子を成して居りますることは、是は何人と雖も否定することが出來ませぬ、況や專業兼業合はせて二百七十萬の全日本の林業勞働者が、進んで林業會に參加を致しまして、森林組合の當事者、林産組合の擔當者、是等の人人と提携を致しまして、林業會の目的達成の爲に努力をすると云ふことは、新しい日本建設の上に於きましても、絶對に考へなければならない問題であると存ずるのであります、左樣な見地から致しまして、政府の言ふ通り特別議員と云ふやうな、會議の場合にのみ出て參りまして何等か意見を述べると云つたやうな、さう云ふやうな今までの産業組織の行き方から一歩を進めまして、林業會の運營の中に融け込んで行くと云ふ建前を勞働組合も執るべきであり又それを認めるのが今日の産業民主化の本筋であらうと考へるのであります、更に又林業技術の改善、或は森林文化の昂揚、林業勞働者に對する原生施設の擴充、色々な問題を取上げて參りました場合に、日本林業會の構成員としての勞働組合を認めると云ふことは、恐らく何人と雖も御異存のない所であると存じますので、斯わ云ふ色々な理由から、私は此の場合自由黨、進歩黨の代表者の御意見の外に、第九條、第十條、第二十二條、第三十條の一部を修正すると云ふ意見を付しまして、原案に贊成致したいと思ひます、更にもう一つ、附帶決議に付きましては、平野委員からも色々御話がございましたが、特に附帶決議第二項の問題に付きましては、少くとも今日の日本の林業は、凡ゆる點から考へまして非常な危機に直面して居ります、戰爭中の過伐、濫伐が如何に我が日本の食糧生産に支障を來して居るか、或は又如何に我が日本の運輸交通に支障を來して居るかと云ふことは、もう私が敢て喋々するまでもないことであります、行政機構の改革と言ひ、森林資源の培養、或は荒廢林地の復舊、森野特別會計の設定と云ふやうな、基本的な、根本的な施策を今日直ちに確立を致しますことは、今日日本の林業に携つて居る者に對して、最も急速に解決をしなければならない所の與へられた命題であるのであります、斯う云ふ意味合ひに於きまして、此の場合所謂政黨關係であるとか、或は官と民であるとか云ふやうな立場でなくて、全日本の林業關係者が總力を結集して、基本的な森林國策を立てて行く、更に又農地制度の改革等に依つて、色々な問題が起つて居ります通り、森林所有制度の問題に付きましても、根本的な對策を立てると云ふやうなことも、今日只今やらなければ、私は日本の林業の將來は洵に慮ふべき状態を現出すると思ひますので、特に此の附帶決議の第二項等に付きましては、政府の眞劍な御努力を御願ひしたいと思ひます、以上の意見を以ちまして、私は社會黨としての修正意見竝に自由黨、進歩黨と同調致します所の修正意見、竝に案全體に對する意見を申述べる次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=13
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014・森幸太郎
○森委員長 香川兼吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=14
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015・香川兼吉
○香川委員 私は協同民主黨を代表致しまして少しく意見を申上けたいと思ひます、本林業會法案に對しては、既に二十囘に及ぶ所の委員會を以ちまして論議せられ、本日各黨の修正意見を伺つたのでありますが、各黨の修正御意見になられました第一條に於て、其の中に「薪炭」を加入する件に付ては、遺憾ながら協同民主黨は贊成出來ないのであります、申上げるまでもありませぬが、本法案は戰時統制下に於きまする地木、日木の救濟、所謂木材業者の救濟的案になさんとするが如き感のある法案でありますが、特に其の中に於て、戰時中非常なる問題視致して居りましたことは、薪炭の需給關係でありました、今囘本法出案の中に是が包含をすると云ふことに相成りましたる場合に於て、我々の見方は、現下の重大なる燃料國策、燃料需給の重大時期に當面をして、現在やつて居ります機構に對して若し二元化的機構となすが如きことがあるならば、生産が寧ろ減退の歩調を辿るのではないか、申上げるまでもありませぬが、現在までの薪炭、特に木炭の如きは從來資本家の下に搾取せられて居りましたる製炭業者の機構をば、單位農業會或は縣農業會、或は更に全國農業會等が、幾多の犧牲と努力とを拂つて機構を一新致しまして、其の力を製炭方面に集中致して、戰時中今日の成果を發揮致して參つた状況であります、而も是等の製炭の状況は、全數量に對して、農業會が取扱つて居りますものが大體七割乃至八割の生産を持つて居るのであります、そこで實は今囘上程に相成りました際に於て、私は反對的の考へ方を以ちまして、政府に此の問題を尋ねたのでありましたが、政府が本法案に對して薪炭を加入しなかつたと云ふ事情は、どう云ふ觀點であつたかと云ふことを想像致しますならば、今日農業會が、只今申上げます如く、七八割の生産方面の役割を果して居るのであります、是に先づ資本的存在であると言はれるような林業會が出て參りまして、之を統制下に移すと云ふことになれば、茲に二元的な混亂が生ずる状況に相成るのであります、而も資本家に於て、從來に於けるが如く、あの搾取が再現するが如きことがあるならば重大問題であります、一部力のない薪炭組合、否木炭生産業者が、過去に於て非常なる搾取をせられて居つた、そこで若しも茲に農業會對林業會と云ふものが存立を致しまして、混亂を來すことを政府に於て相當に懸念を致した結果が、本法案に提案がなかつたものと想像されるのでありますが、今全國農業會が本案の制定に對し、事前に於て既に政府に意見書を出して居ります、それ等の状況を簡單に申上げて見ますならば、特に本案に對しては木材生産確保と云ふ上に於て、配給其の他の面に付ては林業會法案の最も骨子とするものであるが、少くとも薪炭と云ふものは本組合法より除外して欲しい、理由としては、薪炭の生産は耕作農業と不可分の關係にあり、農業經營の一環なるを以て、是が生産確保を期する爲め、其の生産集荷は系統農業會をして行はせて貰ひたい、此の場合企業製炭等は、特殊協同組合等を組織せしめて、府縣農業會に加入せしめる措置を講ずることを、實は政府に向つて陳情致して居りますることを承つて居るのでありますが、兎に角現在の薪炭の缺乏せる際に於て、我々が最も深憂に堪へないことは、思想的對立の結果減産をすることを第一心配すると共に、又今まで幾多の犧牲と努力の結果、農業會の非常な力に依りまして、此の組織が有效に活動せられて居るのであります、是に相剋摩擦を起すと云ふやうなことになるならば、思想的にも民主日本建設の上に於て、平和國家の建設の上にも、洵に遺憾である、斯樣な點に鑑みまして、宜しく本法案に對しては政府原案の如く、修正したる所の薪炭加入の問題に付ては、我々が現下の緊迫せる燃料危機を突破する今日に於きまして、甚だ不合理なる所の修正なりと思ふ、甚だ遺憾でありますけれども、修正意見に贊成出來得ない、反對を致す次第であります、我々は現在に於ける所の、洵に杞憂すべき燃料國策遂行の上に、一日も早く、多くの協同主義精神を以ちまして増炭を念願とするが故に、憂國の至情より此の點には反對を致すものであります、而して本日斯くの如く申上げますことも、實は先日委員會に於きまして本問題を取上げまして、反對の態度は持して參つて居りました、併し過日各派の懇談會をなされて、修正の案を御相談をなされた、當時我が黨は不幸にして懇談會に參畫し得ずして、斯くの如きことを申上げることは、洵に恐縮に考へて居る次第でありますが、色々の事情でそれに參畫し得ることが出來得なかつた、此の點は何卒御諒承願ひ、要は憂國の至情より強調を致して、修正意見に反對をし、政府の原案に贊成をすることを御諒承願ひたいのであります、更に附帶決議の問題でありますが、非常に時宜に適した問題でありまして、何れも贊成を致しますが、特に私は此の決議の中に一項を御加へ願ひたいと思ひますことは、現在に於きまする濫伐、過伐、暴採の結果に於ける、あの山嶽の所謂裸山を眺め、豪雨の際は一瞬にして大洪水を來して居る、而も熟田は荒廢に歸し、川が埋もれて居る、是等の期せずして據つて來りますものは、即ち砂防の缺如の結果でありまするので、私は國土計畫を樹立し、直ちに山嶽砂防、計畫砂防を此の場合全面的に強化を致し、完全な砂防工事を決行致して、森林資源の培養の上に全からしむることが必要である、斯樣に考へますので、協同民主黨と致しましては、是非共附帶決議に此の一項を差加へたいと思ふのであります、以上意見を申上げる次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=15
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016・森幸太郎
○森委員長 伊藤實雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=16
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017・伊藤實雄
○伊藤(實)委員 私は本林業會法案に付きましては、固より只今出來て居ない所の林産組合を作つてまで、二本建に致しますことは、根本的に反對であるのでありますが、政府當局に於きましては、本林業會法案は暫定的である、斯樣な確信を聽止めまして、本法案に對して討論を致したいと存じて居ります、自由黨の水口君に依り御提案になりました所の、第一條第二項竝に第九十一條、第九十八條の修正意見には贊成を致しまするが、此の第一條第二項中の木材の下に「薪炭」を加へると云ふのでありますが、之に付ては政府當局に強く希望を申述べたいと存ずるのであります、只今協同民主黨より御意見のありました如く、木材の下に薪炭を加へまして、農業會から薪炭問題を切離すと云ふことは、正しく生産に關係のあることは申すまでもありませぬ、尚又林業會の仕事を致しまする者と、農業會の方との軋轢が生じはしないかと云ふ點も考へるのでありますが、此の問題は單位森林組合竝に單位農業會、所謂町村に於きましては森林組合員と農業會員と云ふものは、殆ど相一致致して居ることが現状でありまするが故に、此の問題の起きますのは、何としても縣に上り、或は國に上つた時に大きな問題が起きて來るのであります、隨ひまして政府當局に於かれましては、林業會法の中に木材竝に此の下に薪炭を加へたことに依つて、縣に於きまする、或は國に於きまする所の林業會と農業會とに色々な問題が起きないやうに、雙方の間に立たれまして、圓滿な、而も増産の出來得ますやうな解決の付くことを御斡旋になることを、強く希望して置きたいのであります、尚又今申上げたやうに、水口君の修正になりましたる此の修正に贊成致しますると同時に、只今社會黨の氏原君より修正の御意見の出ました如く、第九條第三號を四號に繰下げまして、此の三號に林業關係勞働組合を加へる、尚ほ之に依つて關係條項を修正する、此の意見に付きましては、氏原君より十二分なる事由の御説明がありましたが、就中私は林産物の増産の意味から申しまして、林業關係の勞働組合を必ず林業會の構成分子として加入すべきである、即ち社會黨の氏原君の修正意見に贊成致すのであります、要するに水口君の修正意見竝に氏原君の修正意見に贊成致し、其の他は原案竝に修正と同時に御提出になりました所の附帶決議に共に贊成を致し、只今申上げました第一條中の問題に付て、政府の絶大なる御努力を切に希望致しまして、贊成を致す次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=17
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018・森幸太郎
○森委員長 討論は終局致しました、是より採決を致します
先づ第一條第二項中「林材」の次に「薪炭」を加へると云ふ修正に付て採決致します、贊成の諸君の御起立を願ひます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=18
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019・森幸太郎
○森委員長 起立多數、仍て本修正案は提案の通り決定致しました——次に社會黨氏原一郎君提案の修正案、第九條、第十條、第二十二條及び第三十條の修正に付て採決致します、贊成の諸君の御起立を願ひます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=19
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020・森幸太郎
○森委員長 起立少數、仍て本修正案は否決されました——次に第九十一條の次に一項を加へる修正及び第九十七條の次に一條を加へ、第九十八條を第九十九條とし、以下順次繰下げるの修正に付て採決を致します、贊成の諸君の御起立を願ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=20
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021・森幸太郎
○森委員長 起立總員、仍て本修正案は提案の通り決しました——次に本案中只今議決致しました修正部分を除いて、他の部分に付て採決致します、本案中修正以外の部分に付ては原案の通り決するに贊成の諸君の御起立を願ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=21
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022・森幸太郎
○森委員長 起立總員、仍て本案の修正部分を除いて他の部分は原案通り決しました——次に附帶決議に付て採決致します、附帶決義を付するに贊成の諸君の起立を願ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=22
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023・森幸太郎
○森委員長 起立總員、仍て附帶決議は之を付することに決しました——次に協同民主黨より附帶決議に一項を加へると云ふ提案に付て採決致します、贊成の諸君の御起立を願ひます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=23
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024・森幸太郎
○森委員長 起立少數、仍て附帶決議に一項を加へると云ふ提案は否決されました
是にて林業會法案委員會の議事は全部終了致しました(拍手)
委員長として一言御挨拶をさして戴きます、洵に不慣れな委員長でありましたに拘らず、委員各位、殊に理事諸君の格別なる御指導を恭う致しまして、相當難かしく考へられて居りました林業會法案も、本日結末を付けさして戴くことが出來ましたことは、各位の熱心なる御援助のお蔭と厚く御禮を申上げる次第であります、政府の説明して居ります通り、本法案は日木、地木の統制會社が廢止された爲に、暫定的の法案であると云ふことを發表して居ります通りでありまして、今後我が林政の上に於て、更に政府を致しまして確實なる、根本的なる法案を提出せしめまして、此の國土を蔽ふ所の林地が、法案の上に於きましても、又生産の上に於きましても役立つやうに、此の戰爭の爲に掻荒らされたる林相を、一日も早く恢復するやうに、皆樣と共に努力致したいと考へる譯であります、どうぞ將來共林業政策の爲に、各位に於かせられましては一段と御獻策を御願ひ致したいことを附加へまして、御禮の御挨拶と致す次第であります
尚ほ委員會進行中に付きましては、政府委員と致しまして、關係各方面熱心に其の施策を披瀝して戴きまして、我々議事進行の上に非常な好都合でありましたことを、此の機會に厚く御禮を申す次第であります、本日は是にして散會致します
午後四時六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013719X01919460925&spkNum=24
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