1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○証券取引法案
○日本証券取引所の解散等に関する法律案
○会計法等の特例に関する法律案
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昭和二十二年三月八日（土曜日）午前十時十一分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=0
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001・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 開會致します、本日は昨日本委員會に併託されました會計法等の特例に關する法律案に付きまして、最初に政府の説明を煩はしたいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=1
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002・北村徳太郎
○政府委員（北村徳太郎君） 會計法等の特例に關する法律案提出の理由に付きましては、本會議に於きまして御説明を申上げましたのでございますが、此の席上更に其の理由を簡單に御説明申上げたいと思ひます、此の法律に依りまして會計法等の特例を設けようと致しますものは、豫算の形式に關する會計法第八條第一項に對する特例、豫備金の區分に關する會計法第九條の特例と、特別會計歳入歳出豫算の議會提出時期に關する各特別會計法に對する特例の三點でございます、先づ豫算の形式に關する特例に付て申上げまするが、會計法第八條第一項に依りますると、歳入歳出の總豫算は經常、臨時の二部に大別し、更に之を款項に區分することになつて居るのでございますが、經常、臨時の二部に大別することは、最近の状況に於きましては、兩者の限界を具體的に各經費に付て決定することが困難でございまするし、且經常歳入と經常歳出、臨時歳入と臨時歳出の間に權衡を取ると云ふことも、現在の如く臨時歳出の増大致しました状況ではさして其の意味がなくなりまして、寧ろ國家の職能に應じまして部に大別して、更に款項に區分し、歳入歳出の睨み合せも、例へば公債、借入金の收入と、公共事業費出資、及び終戰處理費との間に於て考へる方が適當と存ぜられるのでございます、又從來は歳出を各省の所管の下に款項を分けたのでございますが、之を更に一歩進めまして、部局別、即ち例へば本省ならば局位の單位に迄分けまして、項毎に内容を説明し、之に其の部局の經費の部、款、項別を添付することと致しまして、豫算を平明に致さむとするものでございます、次に豫備費の區分に關する特例に付てでございますが、會計法第九條は、豫備費を第一豫備金、第二豫備金に分つことを要求して居るのでございますけれども、現在迄の實情より見ますれば、豫算超過支出と豫算外支出との區分は相當恣意的なものになつて來て居りまして、兩者を區分する實益は少く、旦豫備費の一體運用を妨げられる虞もございますので、寧ろ兩者を一體と致しまして、豫備金一本で運用することが適當と存ぜられますので、左樣に致さむとするものでございます、以上の二點に付きましては、政府は新なる制度の改正として、財政法中に規定する考を持つて居たのでございますが、同法案の提出が若干遲延致します關係上、今囘會計法第八條第一項及び第九條の規定に對する特例を設けまして措置することと致した次第でございます、最後に特別會計の歳入歳出の議會提出時期に關する特例に付て申上げまするが、特別會計の豫算に付きましては、各特別會計法に總豫算と共に帝國議會に提出すべき旨を規定してございますが、昭和二十二年度の豫算は各般の事情より致しまして、其の編成事務が相當に遲延致しました爲、總豫算と特別會計豫算とは同時に議會に提出することが不可能の状況と相成りましたので、此の規定を適用しないこととする必要があるのであります、以上のやうな理由に依りまして、此の法律案を堤出致しました次第でございます、何卒御贊成を願ひたいと存じます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=2
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003・渡邊三郎
○渡邊三郎君 昨日の證券取引法案に付てちよつと発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=3
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004・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 今それを申上げようと思ひました、今會計法の特例に關する御説明がございましたが、昨日に引續きまして、先づ以て昨日の證券取引法案外一件に付て先に御質問を繼續したいと存じます、宜しうございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=4
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005・渡邊三郎
○渡邊三郎君 此の法案が出來て、一番對象になるものの財閥の株と、今度の財産税の關係で相當證券が出る譯でございます、之を政府の方ではどんな御考で之を一般に出す何か特別な御計畫でもございますのでありませうか、或は特別な資金を出して、財團を作つてどうすると云ふやうな御考はございますか、それをちよつと発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=5
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006・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 御答へ申上げます、財閥の解體とか又財産税關係等に於きまして、大體百數十億から二百億位の有價證券が處分しなければならないやうな事態に立到つて居ると思はれるのであります、之を任意に、勝手に、色々なことになりますと云ふと、思はぬ事情も斯う云ふ状況でございますし、又經濟界に思はざる波紋を起すやうなことにも相成りますので、御承知のやうに先般の議會に於きまして御協贊を得ました有價證券の處分の調整等に關する法律に基きまして、有價證券處理調整協議會と云ふのを設けることと致しまして、大量の株を處分しなければならない政府でありますとか、或は持株整理委員會、或は特別經理會社、其の他のものが集りまして、それ等の株を有價證券處理協議會に集中致しまして、處分計畫を立てまして、合理的に、其の協議會に於きまして計畫的に逐次經濟界の情勢を見つつ、それ等の株を處分して行く、斯う云ふ風な機關が今出來つつあるのでございます、それを中心と致しまして、先程申上げましたやうな有價證券を處分致して行きたいと存じて居ります、尚其の處分の行き方でありますが、廣く國民大衆に健全なる投資物としての是等の有價證券を分布致させたいと云ふ考から致しまして、例へば特別經理會社の保有株、或は財閥會社等の保有株を處分致します場合に於きまして、或は從業員の方々であるとか、或は工場其の他の所在地の地方の方々であるとか云ふのを先づ優先的に御持ち願ふ計畫を立てて行きたい、又廣く國民全部に御持ち願ふやうにやつて行きたい、斯樣に存じて居ります、尚今囘御審議を御願ひ致して居りまする證券取引法の關係に於きましても、詰り有價證券處理調整協議會の方は有價證券、殊に株式の大量の處分を必要とする機關が集りました所謂賣方の機關と云ふことに相成る譯でございます、それを受けまして、取引機構其の他が、今囘の法案に於きまして整備致されて參りますならば、丁度水が低きに流れるやうにと申しますか、適當な所にそれを配分致しまするチヤンネルが此處で整備致されて來る、斯う云ふやうな仕組に相成らうかと存じて居ります次第でございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=6
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007・渡邊三郎
○渡邊三郎君 今の御説明で能く拜承致しましたが、會社の株に依りまして、興業株あたりは、其の株の分布がうまく參りますれば兎も角も、是は非常に心配することですが、それに依つて或場合に於ては、端的に申しますると、勞働組合であるとか何とかにやるとか、或はそれに金がないとか云ふことであれば、政府が金を貸してやると云ふやうなことが出來まする場合が、良い所ならば宜しうございますが、今の組合、組合を惡く言ふ譯ではございませぬが、不健全な組合もある、或場合に於ては二三の特別な考を持つて居る人に指導されて來る組合の機關、斯う云ふ從業員に分つことは結構でありまするが、一つ誤りますると、是が矢張り産業の復興であるとか、證券を公平に分けて其の事業を發達させるとか云ふやうな目的と或は稍稍反するやうなことに行かれると、非常に事業をやつて居る者は困るのではないか、此の點に付ては、御當局も只今の審議會が御出來になりましたならば、唯徒らに公平に分つとか、或は今日のはやりものの組合邊りに非常に壓迫されてどうするとか云ふやうなことは、一つ特に御考慮願ひたいと云ふやうな希望を持ちますので、宜しく御願ひ致します、さう云ふ點は何でございませうか、例へば組合員に金がないからそれに金を貸して持たせるとか云ふやうなことがございますか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=7
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008・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 組合と申しますか、從業員の方々に、例へば處分株の三分の一程度は出來れば御持ち願ふと云ふ風なことがあらうかと存じますが、是は何處迄も個人として御持を願ふのでありまして、組合とか法人、團體が株主になると云ふ譯のものではないのでございます、尚先般の有價證券處理調整に關する法律案の御審議の際にも申上げた次第でありましたが、制限會社に關しまする勅令五百六十七號であつたと記憶致して居りますが、從業員の方々に株を御持ち願ふ場合に於きまして、從業員の方々が資金に差當り困つて居られるやうな場合に於きましては、特定の金融機關をしてそれを融通せしめる、其の特定の金融機關は勅令の定むると云ふことになつて居りまするが、大體に於きまして復興金融金庫を豫定致して居るのであります、先般議會を通過致しました場合に於きましても、衆議院に於きまして附帶決議が附いて居りまして、從業員に圓滑に株を持つて戴くやうな場合に於きましての金融に付て政府が十分に之が面倒を見るやうにと、斯う云ふ工合な附帶決議が付いて居るやうな次第でございます、政府と致しましては、先般の法律竝に別途勅令でありまする制限會社に關する株式等の保有制限に關する勅令の趣旨にも則りまして、從業員の方々が健全なる株主として之を保有せられまするやうに、其の爲には有らゆる努力を致したいと云ふ風に考へて居る次第でございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=8
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009・黒田英雄
○黒田英雄君 證券取引法案に付てちよつと御尋ねしたいのですが、此の法律は證券取引法案とありますが、ちよつと私内容を見ますと云ふと、此の第一條に、「國民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため」と云ふやうなことがありまして、所謂證券取引所の仕事と云ふ外に、矢張り株券とか、或は社債券の發行、それを引受ける者の保護と云ふやうな意味で、取引所に關係なく一般會社の株式募集とか、或は社債と云ふものも、取締と申しますか、監督と申しますか、政府でそれを此の法律に依つて屆出をさして、さうしてそれを調べて一般のそれを應募する者を保護してやらうと云ふやうな趣旨で出來て居るものでありますかどうか、詰り此の御尋ねするのは、六條にも、株式又は社債を發行するのには屆出をしなくちやならぬと云ふことになつて居りまするが、發行する株式又は社債が二十萬圓未滿の場合は、政府の指定する場合は是は要らないと云ふやうなことになつて、小さい會社の株式とか、或は社債と云ふやうなものは、場合に依つてはさう云ふものは要らないと云ふやうな規定もあるやうでありますが、第一に、さう云ふ趣旨で斯うなつて居りますものでありますかどうかをちよつと御尋ねしたいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=9
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010・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 仰しやいます通りに、今度の證券取引法案は、此の第一の目的に書いてございますやうに、國民經濟の適切な運營及び投資者の保護に資する爲に、有價證券の發行及び賣買其の他取引全部に付きまして此の關係を公正ならしめたい趣旨を以ちまして立案致されましたものでございまして、單に有價證券取引所のみならず、取引全部に付きまして規正を致す、斯う云ふ趣旨で出來上つたものでございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=10
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011・黒田英雄
○黒田英雄君 取引と云ふ言葉がどう云ふ意味を持つて居るか判然と私も理解出來ないですが、賣買するとか云ふことは無論取引になりませうが、唯株式を發行して應募すると云ふ風な場合も矢張り證券の取引と云ふことに入るのですか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=11
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012・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 御答へ申上げます、取引と云ふことを嚴密に致しますると云ふと、或は問題があるかも知れませぬが、大體に於て有價證券が或は發行と言ひ、賣買と言ひ、其の他言ひましても、要するにホールダーが變つて行くと申しますか、さう云つたやうな關係のもの一切を總稱致しまして、一應分り易く致します意味に於きまして取引と云ふ言葉を使ひました次第でございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=12
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013・黒田英雄
○黒田英雄君 まあ取引のことはそれで宜いのですが、此の六條で、株式とか社債の總額が二十萬圓未滿のものは屆出は要らないと云ふことになつて居りますが、是は二十萬圓未滿のものであつても、矢張り株式取引所で以て上場されると云ふやうな株もあり得るのでありますが、御見込はどうなんですか、又其の株式取引所に關係なく二十萬圓未滿のものは小さいからして、さう云ふものは、取締らなくても宜いと云ふ御考であるか、二十萬圓未滿のものでも特殊のものは取締りたいと云ふやうな關係で、「政府の指定する場合は、此の限りでない。」とありますが、大體は屆出が要ることのやうに見えますが、政府が指定しようと云ふのはどう云ふ場合を指定しようとする御考なんですか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=13
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014・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 此の二十萬圓未滿の問題でありますが、大體一囘の金額が二十萬圓未滿でありますやうな場合には、少額でありますので、又件數も非常に多からうと思ひますが、少額でありますので、一應屆出を必要としないやうに致した次第でありますが、例へば五囘に分けて、十九萬圓づつやれば、大體百萬圓近くなるやうなことが出來て來ます、其のやうな場合が相當頻繁に行はれるやうな形勢がものに依るとあらうかと思ひます、さう云ふ場合に於きましては、矢張り是は屆出を致させまして、さうして公衆大衆の爲に、何と申しますか、此の會社の、發行者の中身を……俗な言葉で申上げて恐縮でありますが、硝子箱の中に入れると云ふことに致させなければならぬかと存じまして、さう云ふ場合を留保致しまして、二十萬圓未滿のものは原則としては屆出を必要としないのでありますが、場合に依りまして政府が指定致しました場合には屆出をしなければならないと云ふ風な規定を設けた次第であります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=14
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015・黒田英雄
○黒田英雄君 原則としてと云ふのは……原則は屆出なくても宜いと云ふのが原則なんでありませうが、指定する場合は屆け出なくても宜い、原則としては屆け出ることになるのですか、それから先程御尋ねした二十萬圓未滿の少額でも矢張り株式取引所で上場すると云ふやうなことはあり得るのですか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=15
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016・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 二十萬圓未滿の少額のものでありましても、株式取引所に上場するかしないかは後の方の規定にございます通り證券取引所が決めまして、それを政府に屆け出させることに相成つて居ります、今度新たに出來ます證券取引所が決定する譯でありますが、大體に於きまして二十萬圓未滿のやうな少額のものに付きましては、大體上場されない場合が多いのではないかと云ふ風に感ぜられますが、地方的にはどう云ふことに相成りますか、何とも申上げ兼ねる次第であります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=16
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017・黒田英雄
○黒田英雄君 ちよつと私先程御質問したのは讀み違へたやうですが、今但書は二十萬圓未滿であつて、政府が指定する場合は屆け出なくても宜いと云ふのですから、二十萬圓未滿のものは原則として屆け出なくちやならぬのぢやないですか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=17
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018・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 先程私は逆に申上げたやうな感じになりましたが、二十萬圓未滿は原則として政府に屆け出なければならないのでございます、未滿であつても但し政府の指定する場合は此の限りでない、屆け出なくても宜しいと云ふのが法文の解釋であります、其の通りでございますが、唯私の申上げました趣旨は政府の指定の仕方をちよつと申上げまして、大體に於て二十萬圓未滿の小さなものは屆出を必要としない場合が多いだらうと思ひますが、先程申上げましたやうな、色々な事例がございますので、從ひまして屆出をして貰はなければならないやうな場合もあらうかと、まあ實際の問題はあらうかと云ふことをちよつと申上げたのであります、法律上は原則としては何處迄も株式なり社債なりの發行を致します場合に於きまして、發起人なり取締役なりは屆け出をしなければならないのであります、唯二十萬圓未滿に付きまして政府は例外を設けることが出來る、斯う云ふ意味であります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=18
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019・黒田英雄
○黒田英雄君 さうであらうと思ふのですが、さうしますと、先程政府はどう云ふ場合を御指定になる御考であるかと御尋ねしたのに、御答へは、分割して拂込むものがあるからと云ふやうな御話であつたのですから、それは寧ろ屆け出制の方の原則の方に入る問題であつて、例外として屆け出なくても宜いと云ふのは政府が指定されるのでありますから、其の御指定の方針を伺ひたいのですが……発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=19
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020・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 私先程ちよつとこんがらかつたやうな御答辯になりまして、恐縮であつたのでございますが、大體に於きましては、二十萬圓未滿のやうな少額のものでありますれば、屆け出なくても宜しいと云ふ風な指定を致したらどうかと今考へて居る譯であります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=20
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021・黒田英雄
○黒田英雄君 さうすると云ふと、指定の規定は何か命令で定められることだらうと思ふのですが、其の命令は寧ろ此の法律のなにとは反對に、原則として屆け出なくても宜いと云ふ風にして、斯う云ふ場合は屆け出ると云ふやうな反對の命令を御拵へになることになる譯ですな発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=21
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022・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 反對と云ふとなんでありますが、書き方に依るのでありますが、合せまして二十萬圓を超えるやうな場合を除いて、其の一囘の金額が二十萬圓未滿であり、而も殘高が、社債などは殘高でありますが、二十萬圓未滿であるやうな場合には、屆け出なくても宜しいと云ふやうな風なことにでも相成らうかと思ひます、さう云つたやうな小さな會社に付きましては、從ひましてまあ屆け出なくても宜いやうなことに指定すると申上げましたのは、さう云ふ件數が多くならうかと云ふ意味で申上げたのであります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=22
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023・黒田英雄
○黒田英雄君 さうしますと、此の法律の書き方では實行される御考とはどうも違ふやうに思ふのですが、さう云ふ御考なら寧ろ但し二十萬圓未滿の場合に付ては、政府の指定する場合には屆け出なくちやならぬと云ふ風に寧ろ書かれる方が其の御考に合ふやうに思ふのですが、書き方と實行されるのとがどうも違ふやうに思ふのですが、まあ併しそれ以上は意見ですから、御答辯は要しませぬけれども、さう云ふ風に私は考へます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=23
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024・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 私が最初に申上げましたのが、非常に分りにくいやうな表現を用ひたことに相成りまして、大變恐縮に存じて居ります、先程申上げましたやうに、其の指定の書き方なのでありますが、まあ相當廣い指定が行はれることになるのではないかと云ふことを申上げた次第でございます、原則として屆出でなくても宜いと云ふ風に申上げたものですから、非常に間違つて、其の原則と云ふ言葉の使ひ方が惡かつたのですが、それはお詫び申上げます、原則は何處迄も屆出なのでございますが、指定する場合は此の限りではない、唯其の指定が先程申上げましたやうに、一囘の金額が二十萬圓未滿であつて、尚殘額が二十萬圓未滿と申しますか、さう云つたやうな場合には屆出でなくても宜いと云ふ風な相當廣い書き方になるかも知れませぬ、斯う云ふ意味に御諒承願ひたいと思ふのであります、原則、法文の解釋、竝びにやり方に付きましても、精神は黒田委員が仰しやいます通りでありますことを申上げて置きます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=24
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025・中村貫之
○男爵中村貫之君 ちよつと伺ひますが、委員會でございますね、委員會の決定したことは、是は政府は從はなければならないとか、何とか云ふことはあるのですか、或は委員會で決定したことも政府はそれを採上げても、採上げなくても宜い譯ですか、此の證券取引の委員會で決定したことは、政府は必ず御實行になる譯ですか、それとも唯是は意見を述べるだけですか、其の點どうも明かでないやうに思ふのですが……発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=25
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026・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 此の委員會に付きましては第七十八條に書いてあります通り、一號から五號の事務を致す譯でございます、即ち「この法律施行に関する方針について審議」を致します、或は免許とか認可の方針でありますとか、そう云ふやうなことに相成る譯でございます、第二號に、「この法律に基く命令及び重要な処分について審査し、承認すること」であります、それから第三には「この法律の施行に関する事項について調査し、必要がある場合は、關係者の意見を徴し又はその帳簿書類の提出を求めること」が出來る譯であります、四は「有價証券に関する調査を公表」致します、第五號と致しまして、この法律の施行のため必要な予算の作成に関與し、必要がある場合は、その結果を内閣に報告する」、まあ斯う云つた極めて重要な仕事を致す譯でございます、それで主務大臣は此の委員會が此の法律施行に關する方針なり、重要な處分に付て審査したり、或はそれに承認を與へたりしますものを十分に尊重致しまして、之を實行する、斯う云ふことになつて居る次第でございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=26
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027・中村貫之
○男爵中村貫之君 結局さうすると、是は必ずしも其の意見を採らないこともあり得る譯でございますね、例へば證券業者の資格でございますね、資格、純財産、之の高なんでございますね、是は此の委員會で是だけのものと決めたならば政府は其の儘それを御採りになるのか、或は政府で、是はいかぬと思へば御採りにならないのか、さう云ふ點が伺ひたいのでございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=27
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028・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 昨日の委員會でも申上げた次第でございましたが、此の委員會の運營の行き方に付きましても、三人の委員が調査、審議を致す譯でありますが、民間等からの十分な經濟界、證券界の知識經驗を御持ちの方がなられる譯であります、のみならず常時何と申しませうか、關係のパブリック・ヒヤリング其の他を十分に致しまして御審議御決定を願ひますやうな仕組に致したいと思つて居る譯であります、從ひまして此處で御決め下さいましたことに付ては、十分に之を尊重して政府は實行すべきである、斯樣に存じて居ります、唯、只今御設例のやうな場合に於きまして、著しく懸離れて居ると云ふ風なことは萬あるまいと存じまするけれども、假りにございましたら何でありますか、只今申上げましたやうな手續なりをとつて行きます以上は、著しく其の意見なり實際なりと離れますと云ふ風なことはないであらうと云ふことを確信して居るやうな次第でございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=28
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029・中村貫之
○男爵中村貫之君 それから是は度々問題になりましたのですけれども、純資産の額の問題、それから取引所に於ける販引の種類と期限、此の問題は昨日の御答では、此の委員會の決定に待つのだ、と云ふことでございましたけれども、政府としては矢張り相當な御構想がおありだらうと考へて居りますが、それを御洩し願へないですか、如何ですか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=29
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030・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 此の法律の建前と致しまして、取引委員會の機能其の御活動と云ふものに非常な期待を寄せて居るやうな實情でございます、從ひまして只今仰しやいました取引の種類、期限と言ひますか、或は純財産額の基準等は、御承知のやうに經濟界が變轉期にあります今日に於きまして、政府部内だけの研究致して居りまする所を此の席で申上げますることは、却て取引委員會が具體的に發足致しまして調査御審議を致しますやうな場合に御妨げになると云ふ風なことがありますると、どうかと思はれますので、昨日來から差控へて居るやうな次第でございます、勿論此の委員會が出來上りましてから委員が御審議をなさいます時には、私共が今迄調査し又色色考へて居りまする點もよく申上げ、御審議の參考にして戴きたい、斯う云ふ工合に考へて居りまするけれども、只今申上げまするのは少し時期が早過ぎはしないか、要するに私共の研究致しました點が却て委員會の方々に對しまして十分な御審議の妨げになるやうなことがありましては、設置の趣旨に反するやうな次第でございます、左樣な譯で、此處で申上げますることは御勘辨願ひたいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=30
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031・徳田昂平
○徳田昂平君 將來持株會社關係、閉鎖機關の關係、財産税物納株式等で多數の證券が賣出されることと思ふのでありまして、其の賣出しに付きましては調整協議會に於てそれぞれ適當に取計ふと云ふことで、賣出しに付きましては完全なる機關が備はつて居るのでありますが、何分非常な多額の有價證券でありまするから、是が果して圓滑に而も適當に處置せられるかと云ふことに付きましては、相當心配されるのでありますが、之を調整する所謂買受の何か機關と云ふやうなものを政府の方で御拵へ爲さるやうな御考へがおありになるかどうか、又或は民間に於てさう云ふやうな買受の機關と云ふものを拵へたやうな場合には、政府で之を援助をするか、前に事業に付ては金融の方法があると云ふ御説明がありましたが、或は他のものが或はシンジケートを拵へるとか、若くは持株會社を拵へるとか云ふやうな場合に、それを政府が援助する、或は資金を融通するとか云ふやうな御考がおありでありませうか、其の點を御伺ひ致したいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=31
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032・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 仰しやいます通り、大量の有價證券が處分致されるのでありますから、是が圓滿に圓滑に消化致されますことに付ては、非常に私共も腐心致して居る次第でございます、一括にと申しますと何ですが、之を買受ける機關等に付ましての助成の問題でございますが、現在の状態に於きまして、財政的負擔になりまするやうな助成方法を政府として採りますことは出來兼ねまする状態にあるのであります、唯民間に於きましてさう云つたやうな機關が出來まする場合に於きまして、或は獨占禁止と申しますか、さう云つたやうな方針に反せざる限り、是が圓滑に行かれますることは、私共としても望ましいことだと考へて居る次第でありますが、大體の構想と致しましては、政府としては有價證券處理調整協議會に於きまして、此の有償證券が捌けませぬ場合には、差當りはじつと持つて居る外はないのではないか、差當りはまあそう云ふ工合に考へて居りまして、尚情勢の推移、經濟界の動き方等も十分に具體的に見ましてから、只今仰しやつたやうな機關の問題に付きましても尚研究を續けて行きたい、斯樣に存じて居る次第でございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=32
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033・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 只今尚御質問がございますか、若しごさいませぬければ、先程政府より説明を受けました會計法等の特例に關する法律案に付ての御質問を此の際願ひたいと思ひます、尚又前二法案に付きましても、次の機會に御質問の繼續は致したいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=33
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034・瀧川儀作
○瀧川儀作君 總體的の質問のやうにもあり、又具體的に遂條的に御訊きになつた方もありますが、法文全部に付ては逐條的に御審議なさる御意響はありませぬですか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=34
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035・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 只今さう云ふ考は持つて居りませぬが、御諮り致しまして其の方が宜しければ、さう云ふ風に致したいと思ひます、唯何れでも御質問がございますれば、此の際願ひたいと思つて居ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=35
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036・瀧川儀作
○瀧川儀作君 昨日は初めての何ですから……全體に亙つて質問することが又起つて來るのではないかと思ひますので、さう云ふ機會を與へられたら便宜ではないだらうかと斯う考へるのであります、專門的な知識を御持ちになつて居る方は、是だけ御聽きになればそれで宜い方もいらつしやるかも知れないと思ひますが……発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=36
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037・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 只今御質問がございませぬければ、今日は是にて散會致しまして、月曜日の午前十時から次會を開會致したいと思ひます、本日は是で散會致します
午前十時五十五分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=37
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038・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 男爵 周布兼道君
副委員長 子爵 錦小路頼孝君
委員
候爵 嵯峨實勝君
侯爵 大炊御門經輝君
子爵 土井利章君
男爵 中村貫之君
男爵 北大路信明君
黒田英雄君
瀧川儀作君
河西豐太郎君
高橋龍太郎君
徳田昂平君
藍澤彌八君
渡邊三郎君
政府委員
大藏政務次官 北村徳太郎君
大藏事務官 櫛田光男君
同 河野一之君
同 伊原隆君
同 岡村峻君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00219470308&spkNum=38
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