1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案(審査終了のものを除く)
學校教育法案(政府提出)(第三五號)
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昭和二十二年三月十八日(火曜日)午前十一時五十分開議
出席委員
委員長 椎熊三郎君
理事 小川原政信君 理事 及川規君
左藤義詮君 庄司一郎君
森山ヨネ君 永井勝次郎君
山下ツね君 伊藤恭一君
松原一彦君 平川篤雄君
三月十八日委員細川八十八君及び關根久藏君辭任につき、その補闕として池村平太郎君及び武藤嘉一君を議長において選定した。
三月十七日學校教育法案(政府提出)の審査を本委員に付託された。
出席國務大臣
文部大臣 高橋誠一郎君
出席政府委員
文部政務次官 青木孝義君
文部事務官 日高第四郎君
文部事務官 剣木亨弘君
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本日の會議に付した議案
學校教育法案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=0
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001・椎熊三郎
○椎熊委員長 これより開會いたします。昨十七日政府の提出にかかる學校教育法案が、本委員會にその審議を附託されました。これより本案を議題として、その審議を進めます。
この際委員諸君に本案の審議の日割並びにその方針について協議いたしたいと思います。速記の中止を願います。
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=1
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002・椎熊三郎
○椎熊委員長 文部大臣の都合によりまして、午後大臣の提案理由の説明を聽取いたします。午後一時まで休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
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午後一時十七分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=2
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003・椎熊三郎
○椎熊委員長 それでは休憩前に引續き會議を開きます。これより政府の提案理由の説明を聽取いたします。文部大臣高橋誠一郎君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=3
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004・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 提案理由の説明にはいります前に、一言お詫びをいたすことをお許し願いたいと思います。午前十一時からこの委員會が開かれることになつておりましたので、それまでには、ぜひこちらに伺いたいと考えておつたのでございますが、貴族院におきまして文部大臣に對する質問があるという通告を受けましたので、その方に十二時過ぎまでおらなければならなかつたために、遂に午前中、出席することを得ませなかつたことを、深く遺憾といたします。
それでは本案の提出理由につきまして、大要を申し上げます。なおこれは昨日本會議で述べましたので、少しく法案の内容に重きをおいて御説明申し上げたいと思うのであります。
この法案は昨日本會議におきまして可決を得ました教育基本法の趣旨に則りまして、これを具體的に學校教育の制度内容に具現して、從來の各學校令を一まとめにいたして、新教育制度のあり方を法制化いたしたものであります。本案が從來の制度と根本的に異なります點を述べますると、第一には學校系統を單一化いたしまして、六・三・三・四の新學制と、九年の義務教育を確立いたしたことであります。第二には教育内容におきまして、軍國主義及び極端な國家主義を拂拭いたしまして、心身發達の段階に應じまして、眞理の探求と人格の完成を目ざしましたこと、第三には文部大臣の行政的權限を極力縮小いたしまして、地方分權の方向を確立いたしましたこと、第四には教育の機會均等を保障いたしますための制度を設けましたこと、第五には私立學校の自由の發展を期しますために、行政上の裁量による監督を避けまして、法制的間接監督に改めましたこと等であります。これらの點は昨日申し述べたところでありますので、ここでは詳細に入ることを避けることにいたします。
次に本法の構成を簡單に御説明申し上げますと、各學校に通ずる總則を第一章といたしまして、第二章は小學校第三章は中學校、第四章高等學校、第五章大學、第六章盲者聾者其の他の不具者に對する特殊教育、第七章幼稚園第八章雜則、第九章罰則、最後に施行期日及び經過措置を規定する附則となつております。
第一章總則におきましては、各種學校を除き、各學校に共通する規定を掲げたのであります。そのおもなるものは、學校の種類に應じて學校設置の基準を設定すること、學校の設置にあたつては設置基準に從つて認可を要すること、學校の經營については、設置者負擔の原則を明らかにし、官公立學校で義務教育を行う場合を除いては、授業料を徴收することが出來ること、校長及び教員の資格要件及び缺格要件、學生生徒等の懲戒及び身體檢査、學校閉鎖及び設備、授業其の他に關する變更の處分に關すること、就學義務該當者を使用する雇傭主の義務等であります。
第二章小學校においては、國民として必要な初等の一般的な基礎教育を授けることを目的とし、その修業年限を六年としたのであります。これは心理學的、生理學的等の教育的見地から、兒童に適した教育を施すことを考慮致したからであります。なお有益適切な補助教材の使用が自由になつたこと以外は、從來の小學校に關する規定と大差がありませんが、ただ教員の名稱を、大學を除いて、校長、教諭、助教諭で統一致しました。
第三章中學校においては、小學校における教育の基礎の上に、中等の普通教育を施しますが、公民的な教育を發展させ、國家社會の形成者としての資質を養うことと、職業的教育が加味されております。その修業年限は三年でこれもまた義務教育であります。その他に關しては、小學校に準ずることにいたしました。
第四章高等學校においては、中學校の教育の基礎の上に、高等普通教育と專門教育を施すことを目的としたのでありますが、一般的な教養を高め、專門的な技能に習熟せしめ、國家社會における中堅者の養成を目ざしておるのであります。高等學校の修業年限は、三年が原則でありますが、特別な技能教育を施す場合または夜間學校、パート・タイムの學校においては、三年を超えることが出來ることになつております。なお高等學校には專攻科、別科の制度も認め、職業教育に遺憾のないようにしてあります。
第五章大學においては、大學は學問の殿堂として、廣く一般的な知識を授けるとともに、深く專門の學藝を教授研究して、人格陶冶を目ざすことを目的としたのであります。大學の修業年限は四年を原則としますが、特別の專門事項を教授研究する場合または夜間大學においては、四年を超えることができます。大學に專攻科及び別科を置き得ることも、高等學校と同樣であります。大學には重要事項を審議するため、教授會を置かなければならないことを明確にいたしました。大學は直接文部大臣が所轄いたしますが、その設置の認可にあたつては、別に定める大學設置委員會に諮問して、その適正を期することにいたしました。大學には學術の深奧を究め、學術文化の進展に寄與するため、大學院を設けることが出來ることにいたしました。なお學位授與に關しましては、大學院を置く大學のみが授與することができることにいたしました。その他に關しましては從來と大差ありませんが、大學の長は通稱は差支えありませんが、職名としては學長で統一いたしました。
第六章特殊教育につきましては、盲學校、聾學校及び盲者、聾者以外の不具者のための養護學校と、これらの不具者を對象とする特殊學級の規定を設けたのであります。
第七章幼稚園については、幼兒を保育し、適當な環境を與えて、その心身の發達を助けることを目的といたしますが、今度の學制改革においては、學校體系の一環として小學校教育の基礎に培うことを明確にいたしました。その他に關しては從來と大差ありません。
第八章雜則においては、各種學校について、第一條に掲げる學校の名稱を使用することを禁止したことのほか、各種學校に關し必要な規定を置いたことであります。また學校には社會教育に關する施設を附置し、また學校の施設を社會教育その他公共のために利用できることを明記いたしました。
第九章罰則については、學校閉鎖命令違反、就學義務該當者を使用する雇傭主の義務違反、保護者の義務違反、第一條に掲げる學校の名稱禁止違反に對する罰則であります。かかる罰則は從來の學校令にはほとんど存しなかつたのでありますが、憲法に明記された普通教育の義務を徹底せしめるとともに、一般の法規違反に對する法律上の處分を明らかにして、秩序の維持をはかることが、民主主義教育の徹底のために必要であると考えたからであります。
最後に附則においては、この法律の施行の期日を四月一日といたしますが、盲者、聾者その他の不具者の義務教育に關しては、別に勅令で定めることにいたしました。
なお一般の義務教育については、昭和二十二年度は、滿十三歳までといたし、昭和二十三年度以降における義務教育の年限の施行に關しましては、別に勅令で定めることにいたしました。現存の各學校令その他が本法施行と同時に廢止せられますが、現存の國民學校、國民學校に類する各種學校、國民學校に準ずる各種學校竝びに幼稚園は、それぞれ本法の小學校及び幼稚園とみなされるのであります。その他の學校につきましては、從前通り存續することもでき、昇格もできるように措置してあります。
なおこれら學校にかかる教員免許状の效力、授與または大學における學位の授與も、從前通りできることに相なつております。現在の學校の在學者、卒業者の取扱い、その他經過的に必要な處置を講じまして、實施に遺憾のないようにしてございます。以上申し述べましたところが本案の内容の概略でございます。何とぞ十分御審議を盡されんことをお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=4
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005・椎熊三郎
○椎熊委員長 これにて提案理由の説明は終りました。引繼き質疑を行うことといたします。質疑は通告によりこれを許します。庄司一郎君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=5
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006・庄司一郎
○庄司委員 具體的なこれからの學校行政上のあり方について、一々逐條審議的な質問ではなく、具體的なことの二、三をお尋ね申し上げたいと思います。その第一點は從來青年學校令による青年學校は今後どうなるのであるか、本法の施行と同時に青年學校というものは、全部名實ともになくなつて三年制度の中學校という名稱のもとに統合されるものであるかどうか、それが一點、それと關連して現在までの全國公立青年學校の校長以下教職員、こういう諸君は青年學校の教職員としては失業状態に陷るおそれがありますが、これらを失業者にせずして、直ちに中學校方面の教職員に採用すべきものは採用するというような方途に出でられるものであるかどうかという具體的な、これからのあり方をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=6
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007・日高第四郎
○日高政府委員 御質問の第一の青年學校の處置についてでありますが、原則としては中學校、高等女學校、實業學校、青年學校及び國民學校の高等科というものをやめまして、新しい中學校に轉換させるということになつております。青年學校のそれは下の方の一年、二年、三年義務教育の年限から言いますと、七年、八年、九年をとりあえず新制中學校の中に振りこみまして、その中の七年生だけを義務教育にいたして出發するつもりなのであります。それ以上の點における青年學校は本年度は從來と同じ取扱いをしていく豫定でありまして、來年すなわち二十三年度において高等學校を創設いたしますときに、適當にこれを考えていきたいと思つております。それから公立の青年學校の校長、教員たちの處置でありますが、これは新制の中學校の校長、もしくは教員たちにふさわしい者は、できるだけそこへ吸收いたしまして、學校の先生たちの生活上の不安と職を失うようなことの不安のないように處置いたしたいと思つております。但し新制の中學校の教師の資格はまだはつきり定まつておりませんので、大體今のところでは、現在の中學校及び青年學校並びに國民學校の高等科の先生の資格を持つている者をできるだけ優先的に吸收いたしまして、その中で經歴並びに能力のふさわしい者を正式のものにしたい。正式の資格を與えるためには再教育の必要を認めますので、再教育の方途を講じて、それをまじめにやつた者には、正式の教諭になれる途を十分開いて、教師たちの不安をできるだけなくなすように努めたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=7
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008・庄司一郎
○庄司委員 大體了承いたしました。第二の點は文部大臣より直接承つて置きたいのでございますが、これは去る十二日に本員が提案者となり、建議案として既に文部省政府委員より御答辯をいただいたことでありますが、これは大切なことでありまするから、文部大臣直接に簡單でよろしうございますから、御答辯を煩わしたいことがございます。それは私の建議案に表現したるものは、現在における官立大學等の助教授以下助手、副手等の待遇があまりにも菲薄である。十八、九歳の一青年自由勞働者の月收よりも惠まれていない收入しかないのであります。そういう助教授以下助手、副手等の諸君はそういう待遇において、しかも孜々として學究心に燃えて勉強されている。その諸君の經濟的なみじめな方面を見るときにおいて、われわれは默視することができないので、ああいう建議案を文部大臣に献策した次第であります。ちようどその日、偶然にも朝日新聞の「聲」という欄に、副手の待遇に關して東大の緒方道夫という人が、約八百字ほどの悲痛な文章でもつて、その生活難を訴えておられました。この建議案については、相當思いやりのある御答辯をその際いただいておつたのでありますが、事は全體的の帝大の助教授以下助手、副手等の問題でありますから、待遇改善についていかなる御對策をただいま持つておられるか、大臣みずからのお答えを煩わしたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=8
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009・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 ただいま御質問になりました點につきましては、私就任後間もなく大學高專に設けられましたところの組合の代表者から要求を出されまして、これにつきましては、文部省内におきましていろいろ協議もいたしまた組合の代表ともたびたび折衝を重ねているのでございます。なおまた閣議におきましても、閣議にかけたというわけではないのでございまするが、二囘ほど私から發言いたしまして、閣僚諸公のこの問題に對する意見を伺つたのであります。非常に困難な問題であり、また何分歴史のあるものでありまして、最初副手制度というものの設けられましたときには、相互の間に立派な諒解がありまして、副手諸君は無給をもつて安んじ、その研究を續ける。こういうことに相なつておつたのであります。ところが、その後いろいろないきさつもあつたでありましようが、最近における物價騰貴によりまして、これらの諸君が非常な生活の脅威を感ずることになりましたので、
〔委員長退席、及川委員長代理着席〕
それがために大學附屬病院などで勤務しておられまする諸君が、要求を提出するに至りましたことは、むろん當然のことと考えなければならぬのでありまするが、事はそれぞれの大學の問題に屬するところのものでありまするので、文部省といたしましては、大學の獨立自治を認めておりまする以上、こちらから干渉がましいことは、むろんいたすことができないのでありまして、まず大學の當局と副手諸君との間に熟議が行われまして、そしてその間に一定の解決の途が見出され、またこれらの學校を通じて、文部省に對しまして一定の行勤を要求してまいられまするならば、文部省としては考えなければならぬと考えておるのでありますむろんその以前におきましても、文部省としては考えてはおるのでありまするけれども、まず文部省の態度をきめまする以前において、大學當局の意見をまたなければならぬと、かように考えておるのであります。機會がありまするならば、大學總長會議といつたようなものにも、この問題をかけてみたいと思いまするし、また種々なる機會を利用いたしまして、大學當局の意見も聽いてみたいと考えておるのであります。先ほども申し上げましたように、われわれといたしましては、大學の獨立を尊重いたしまするがために、特にこちらから干渉がましいことはいたしたくない、こういうふうに考えておるのであります。今日も時間がございまするならば、これから大學、高專の委員諸君と會見をいたして、解決の途を見出していきたいと考えておるのでありまするが、先ほども申し上げましたように文部省の態度は變じないつもりでおります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=9
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010・庄司一郎
○庄司委員 大學の獨立、自治というような意味における大臣の御答辯は了承いたしましたが、大學がもし助手、副手等に對する待遇改善を大學の學長ですか、總長ですか、公式に文部大臣政府に要請してまいつたというような場合は、當然具體的なるところの待遇改善の方途を講じなければならないことになる。こういう御答辯であると了承してよろしゆうございますか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=10
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011・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 副手は御承知のごとく定員外になつておりますので、この點に關しましては、官制をつくりますることが、必要に相なるのであります。でありまするから、大學側からこの要求が出されましたときには、むろん文部省といたしましては、さような手續に出なければ相ならぬことと、考えておるのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=11
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012・庄司一郎
○庄司委員 どうもあまりしつくりしませんけれども、とにもかくにも大學の一構成分子であり、將來教授とも、助教授とも、あるいは一般的には國家の學者、科學者というような諸君に巣立つていく卵の學究の徒でありまするから、助手であろうと副手であろうとやはり相當の待遇を與え得られるような措置を、大臣におかれましては御考究をお願いしたいと思います。
この問題はこれで打切りまして、その次にまた一つの具體的な實例を、お伺いしたいと思いまするが、戰爭中においてたとえばキリスト教的な教育を施しておる學校——ミッション・スクール等は、朝の禮拜というようなものが時の府縣の特高課長などという、警部くらいの程度の人間に壓迫されまして、一切禮拜、祈祷というような、宗教的儀禮及び教育ということが、停止されておつたのであります。その後もつぱら宗教的方面の學校は、私立の學校ではありまするが、從來通り、戰爭前同樣に、禮拜なり、あるいは祈祷なり、あるいは讃美歌を歌うなり、生徒の同意がある場合においては、學校方面において、そういう行事を行うことは文部省は釋然として御容認になるのであるかどうか。この一點をお伺いいたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=12
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013・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 御承知のごとく、この教育基本法に掲げておりますように國及び地方公共團體が設置いたします學校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活勤をしてはならぬということに相なつておるのでありますが、私立學校におきまして特定な宗教教育を施すことは、むろん自由であります。ただいまお話のように、禮拜そのほかの儀式、あるいは説教というようなことを行いますことは、むろん自由でありまして、文部省といたしましては、決してこれをかれこれ干渉いたすというようなことは、いたさない方針でございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=13
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014・庄司一郎
○庄司委員 公立學校の指導監督というようなお役目でございますが、都道府縣の視學官或は縣視學というような役目のお役人は、將來とも存置される御意向でございましようか。またこれに關連して、地方事務所という、大體各一郡單位あるいは二郡單位ぐらいにある小さな縣廳の出店の中に、やはり縣視學というものがおります。その縣視學は、地方事務所の庶務課長とか何課長という者よりも、席次は下の方にあります。獨立したる教育課長とか學務課長という者がありませんで、庶務課長というような雜務を鞅掌しておる者の下に、縣視學という者がおります。これは教育行政の面から言いましても、まことに滑稽な不合理なものであると、本員は數年來見ておるのでありますが、地方事務所における、いやしくも縣視學というようなものを將來存置するとするならば、ああいう状態にあつてよいものであるかどうか。どういうお考えを文部省はおもちになつておるかどうか。これはこまかいことでありますから、文部大臣直接よりは、專門の局長さんにお答えいただいた方がぴつたりすると思います。この點をお伺いいたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=14
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015・日高第四郎
○日高政府委員 お尋ねの點でありますが視學——縣視學と普通に言われますような從來の督學官式の役人につきましては、本來の任務そのものよりはその任務を遂行する際に、非常な弊害があることは、私ども十分に認めまして、今後そういうことのないように、努めたいと思つております。大體視學というものが、課長やあるいは教授たちの上にいて、いわば警察的な態度をもつて、權力を背景にして、教育の内容に干渉するようなことは望ましくないと思つております。もし今後視學的な役割が必要であるとしても、それは指導的な役割をなし、善意のアドヴアイスをするような役割にかえたいと思つております。この點については、今後豫想されます教育委員會というようなものをうまく活用いたしまして、できるだけデモクラテイックであつて、教育そのものに十分理解のあり、尊重のあるような人をそれに充てて、全體の連絡だとか、指導だとかに役に立つような役割にかえていきたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=15
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016・庄司一郎
○庄司委員 わかりました。今度はこういう具體的なことについてお伺いしたいのです。大學あるいは專門學校、いわゆる高等學校程度以上の學校等において、經濟學説として、あるいは政治上の學説として、共産主義を解説しようが、社會主義を説こうが、もとより學究の目的の上においてこれは妥當であるかもしれません。しかるに最近地方の中學校程度の學校において、別に教授細目の中にないにかかわらず、ことさらに、共産主義というものはこういうものであるというようなことを教員が解説をいたしまして、これがわかつた生徒は手をあげろ、反對な生徒は手をあげろという。たまたまある地方に反對である旨を明らかにした子供がありました。ところがその教員は、お前教室外に出ていけ、先生の言うことが納得ができないか、諒承ができないかというようなことで、教室外に出したような極端な實例もございます。未だ思想の幼稚な、主義主張に對する、あるいは經濟學説等に對する批判力のない中學校の低學年の子供に、そういう特殊な思想を説いて、納得のいかない者、あるいは諒承しない者は教室外に行けというような程度のやり方をやつてをる者がありとするならば——實際問題としてある。こういうことに對して、教育行政上文部大臣におかれては、どういう御方針をもつて中等學校の健全なる教育目的達成の上において、かような教員に向つて對處せられるものであるか。これは具體的に事實がありますので、事實の問題としてお伺いしたいのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=16
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017・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 ただいま御指摘になりましたような事實、單にある問題についての解説を行うというような範圍を脱しまして、かくのごとき思想の幼稚な學生に向つて、むりやりに教へ込むというような態度をとるものがあるといたしますならば、これについてわれわれの確聞いたすことができますならば、もちろん學校長を通じて相當な處置をとらなければ相ならぬことと存ずるのでございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=17
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018・庄司一郎
○庄司委員 いま一點だけ伺つておきます。從來地方の小學校等の、通俗的に言えば、おせわ役として、あるいは就學兒童の奬勵であるとか、その他市町村における學校教育費の豫算の編成であるとかいつた方面に携わつて、要は學校教育を圓滿、圓滑ならしめたい意味において存置されてまいりました地方町村等の學務委員制度というものは、これからどうなつていくのであるか。以前は、小學校令でございましたか、學務委員というものは公務員として存置してまいつたものでありますが、これから現在ございますところの地方町村の學務委員というような制度を、どんなふうに政府委員はお考えになつておりますか。これは大臣でなくても結構であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=18
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019・日高第四郎
○日高政府委員 學務委員のことにつきましては、近い將來において、なるべくは、教育委員會のようなものを設けまして、從來學務委員によつてやつておつたような仕事はその方に任せたい所存であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=19
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020・庄司一郎
○庄司委員 その方というような御表現でございますが、ちよつと本員にはのみこめかねましたが、もつと具體的にお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=20
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021・日高第四郎
○日高政府委員 教育委員會というようなものの性格は、實はまだはつきりここで申し上げることはできないのでありますが、地方自治法と關係もいたしますし、また文部省自身が教育刷新委員會の建議に基きまして考えております教育行政法というようなものと連關いたすのでありますが、各地方にできるだけ民主的な教育委員會というものをつくりたい希望をもつております。で、これがどの程度に決議機關であり、どの程度に執行機關であるかというようなことにつきましては、内務省との折衝連絡も必要でありますので、はつきり申し上げることはできませんが、今まで地方の學務委員のやつておつたような教育上の配慮については、こういう教育委員會というようなものの手を通してやりたい考えなのであります。さしあたり考えておりますところでは、教育者からの代表者も入れ、父兄その他一般の有識者からも委員を選んで、そういうような人の手によつてできるだけ民意を反映すると同時に、公正妥當な教育的意見を反映させまして、學校長を支援していくような、そういう委員會にいたしたいものだと考えております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=21
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022・庄司一郎
○庄司委員 最後にもう一點だけ伺います。養護訓導、今度は養護教諭と言いますか、兒童生徒の保健衞生上、また簡單な外傷等を即座に治療したり、あるいはトラホームの撲滅等のために養護訓導の働きは、相當な實績を示していることは結構であります。ただ、これからこの養護訓導を養成する施設について何らか具體案があられますか。地方等においては、適當なる養護訓導養護教諭を求め得ない状態にただいまはあるようであります。單なる看護婦ではございますけれども、相當教養のゆたかな養護訓導は、なかなか求め得ないただいまの状態であるが、何らか御對策をおもちでございましようか。また小學校においても、事務專門のガリ版を印刷したり、その他文書關係の仕事をやつたりする事務職員等は、先年より設置されることになつておりますが、全國一萬二千の市町村小學校等を見ますと、私の方の宮城縣などは、まだ五分の一も設置されていないような状態であります。ぜひ各學校の教員の諸君は、そういう雜務のためには專任の事務職員を置いて、自分たちは專門に教授方面に働きたいのであるが、やはり豫算その他の關係もございましよう、折角事務職員を設置することになりましたが、さて實際はその統計において殖えておりません、これはやはり文部省の御方針で、何學級以上の所には置くが、學級數の少い所は置かぬというような、何か内規でもあつて設置させないのであるか。願わくば各町村どんな所でありましても、事務職員を一人ぐらい置いて雜務に鞅掌する、もつて教員諸君には本來の仕事に專念させるような方途を講ずるといふことも、また半面においては教員の待遇改善の一端ともなり得ることと思うのであります。そういう意味においてその關係がどうなつておるか、その點を伺いまして、私の質問は大體これで終ります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=22
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023・日高第四郎
○日高政府委員 お話の小學校における事務職員は、文部省といたしましても必要であることを十分認めております。但し豫算その他の關係がゆとりがございませんので、現在のところでは二十五學級以上の學校については、必ず一人は置かなければならないようにいたしておりますけれども、その他の學校においては經費の許す限りにおいて置くことができるようにいたしてありますし、また地方の分與税その他の關係で、いくらかでも餘裕のある所においては置き得るように考えて措置しております。但し二十五學級の學校だけに事務職員があつて、その他の學校にないということは、教育の能率の上から言いましても、教員の待遇の上から言いましても、はなはだ不滿足な状態なのでありまして、將來はそういう制限をもつと二十五學級というような大きな學校ではなく、中等の學校、もしくは小さい學校にでも事務職員が置けるように、今後できるだけ努力して實現していきたいと考えております。
それから申し後れましたが、養護訓導のことでございますが、養護訓導が必要であり、また有效であるということは、一般に認められておりますので文部省といたしましても、この方面をできるだけ充實したいと思つております。現在のところ三十七箇所、養護訓導を養成する機關があるそうであります。今後は教員養成機關のうちにも、そういう方途を考えまして、できるだけ充實した、よい養護訓導のできるように努めたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=23
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024・及川規
○及川委員長代理 平川篤雄君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=24
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025・平川篤雄
○平川委員 二、三簡單な、大まかな問題だけお尋ねをいたしておきたいと思います。第一番に、この六・三・三・四制というものができたわけなのでありますが、私外から見ておりますと、何だか教育の具體的内容というものがきまつてないで、わくだけできているような感じがいたします。教育というものはいろいろな政治經濟というようなものから一應は獨立するものと考えられるのでありますけれども、しかし將來の國家をどういう方向へ導いていくかという根本的な行き方というものから、全然無關係であり得ないと思います。そういうような點につきまして、將來の國民一人々々が進路を定めるのに一番根本になるのが教育であります。そういう場合に、どんなふうにお考えになつてその學校を構想しておいでになるか。これなしに、ただ六・三・三・四制というものをつくつたのでは、わくをつくつただけの話で、まつたく無意味ではないかと思います。聞くところによりますと、醫科大學などの問題にいたしましても、四年がいいとか五年がいいとかいうような論議がかなりあつたそうでありますけれども、その醫科大學なら醫科大學というものに、どういう内容を盛るか、あるいは醫科の學生を將來日本でお醫者として立たせるか、あるいは支那とか滿州とかいう東洋の諸地域に醫學の技術を輸出するというような心持をもつてなされるのか。そういうようなことを考えて、ないしは現在の醫學部なら醫學部でやつております、醫科大學なら醫科大學でやつておりますことと、どれだけの變化をもたせて、新しい學制は構想せらるべきであるかというようなことを考えた上で、論議がせられてはいないではないか。現在の學校のあり方というものを考えた上でそれが三年でいいか、五年でいいかという論議に終始しておつたのではないかというようなふうに、私はまことに僣越でありますけれども、外側から考えてみてこんなことを思うのです。高等教育にいたしましても、現在の中學校を基準にして考えた高等學校であるか、あるいは全然新しい見地に立つて考えられた高等學校であるか。義務教育にいたしましても同じで、こういう點について私はどういうような方針が根本にあつたかということを、まずお尋ねをいたしてみたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=25
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026・日高第四郎
○日高政府委員 お尋ねの點は、外からお考えになりますと、なるほど大まかに年限を切つて、その變化というようなことを新しい制度に組み入れたような印象をおもちになるかもしれませんし、またそれも一面はごもつともかとも考えます。委員の一人々々のお考えの中には、そういう方もあつたかもしれませんけれども、そうでなく、教育内容そのものを刷新するというような考えから、それに連關して討議をされた方もたくさんあると存じております。文部省といたしましては大體昨年の秋から六・三・三・四制度が實施されそうな傾向にあることを推察いたしますと同時に、教育内容の研究もいたしておりまして、大體において新しい中學校は、從來の中學校とは別の性格の學校というふうに考えております。新しい高等學校も、從來の高等學校とは、別の性格の學校であるというふうな理解をもつて、用意を進めてきておるのでありまして、決して單純に從來の年限だけを適當なるところで區切つて新しい制度ができたというように考えておるわけではございません。
それからもう一つこれは少し餘談になるかと思いますけれども、醫學教育のことにつきましては、少し事情が違つておるのでありまして、教育刷新委員會のできる前に醫學教育については司令部の方から、人命を取扱うという意味において特別な注意を喚起されまして、醫學教育審議會というようなものができまして、現在の日本の社會衞生、状態を改善するためには、醫學教育を充實させ、また向上させなければいけないというような、強い注意を喚起されまして、そこで討議をした結果、大體において醫學教育は單なる技術教育ではいけないのであつて、具體的な人間を取扱うという意味において、もつと人間的な教養が必要であるという點からして、單なる技術者ではなくて醫者としての人格的教養を高める必要があるという意昧において、從來の醫學教育の年限では足りない、世界的な醫學及び醫術の標準を得るためには、ある程度の學問、能力のある者に四年間の專門の教育をする必要があるのと同時に、それの前に人間的な一般的な教養を與えるために、二年もしくは三年の特別の教育が必要であるというような判斷でありまして、それがいわゆる三年と四年の醫學教育ということに一應結論が出ておるのであります。これは現在の日本の教育、日本の學校制度の全體との連關を考えまして、現在教育刷新委員會では三年と四年というような答申案を、そのままではなしに多少修正して全體の組織の中に入れようというような結論に近づきつつあるのであります。お話のありましたように、醫學の技術を日本内地だけではなくして、支那や滿洲とか、南方とかいうような方面に出す用意があるか、あるいはそういう意圖があるかということでありましたけれども、これは將來許されるならば、そういうこともできるようないい醫者をつくるという意圖でもつて、現在の醫學教育の改正は考えられて、研究しつつあるのであります。そういう點から言いまして、要するに六・三・三制の教育の機關というものは、從來のようなただ愛國心というものだけを最後のよりどころにしたような教育方針ではなくて、個人として日本人がどこへ行つても尊敬され、あるいは愛せられるような、そういう人格の完成ということを目ざして教育の方針を進めたい。それには今までの小學校の教育内容も改善するし、今までの義務教育では不十分であるからしてそれを大體、心理的な生理的な發展の上から、一應三年を限つて九年間の義務教育を實施すると同時に、信用のできる有能な公民をつくる意味において新制の中學校の義務制を考えたのであります。それから心理的な發達ということも考慮して、從來の高等學校とは性格の違う高等學校を新しくつくつてここでできるだけ國民が比較的高等の普通教育を受けられるような途を開きたい、そういうことを考えております。從つて從來の高等學校は大學の豫科的な性格ということが初めからきめられていたのでありますが、今度のは、大學にもむろん行きますけれども、それよりはむしろ高等の普通教育を實施する、もし事情が許すならば義務教育の延長の學校というふうの新しい考え方をしておる點に特徴があるかと思います。大學については、大體において從來の大學の教育内容をあまり低めないで、しかも普及させようというところに、ねらいがあるのだと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=26
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027・平川篤雄
○平川委員 この大學は四年を原則として、四年以上になつてもいい。高等學校は三年を原則にして、それ以上になつてもいいという、あの年限のゆとりというものの意味を、ちよつとお聽かせ願いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=27
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028・日高第四郎
○日高政府委員 高等學校の年限を大體三年ときめておいて、それが四年もしくは五年にもなり得るようにしてあるのは、高等學校は、一面においては高等普通教育を授ける。それと同時に社會に出て、おのおの自分の職分を擔當できるような意味においての職業教育をもそこで課す。それには三年では十分でないような場合に、四年もしくは五年とすることができるようにする。結局從來の專門學校を高等學校の中に、專門學校的の教育を高等學校の中でも教授し得るような餘地を施そうという意味をもつて、これを四年もしくは五年になり得るように決定いたしたのであります。ですから、たとえば從來の農業專門學校、前の高等農林といつたようなものが、新しい制度の高等學校においては、まだ名前は決定いたしておりませんけれども、農業高等學校というふうに轉換できるものにする。下の三年においては普通の一般的な義務教育の上に、若干學校の特色を活かすような意味において、學校内容に選擇の自由が與えられます。およそ三分の一ぐらいの時間は、その自由選擇に任せてありますから、農業的な學校では農業科目を課することができる。それだけでは職業教育としては物足りないというような場合には、その上に一年もしくは二年の延長をして、たとへば釀造なら釀造だけを二年間やれば、從來の高等農林で釀造の研究をしたのと同じ程度の技術者ができる。そういう餘地を殘すために年限に餘裕をとつたのであります。大學も初めには三年もしくは五年とすることもできるという答申案でありましたが、現在の學校法における規定では四年が原則になつておつて、四年以上にもなり得る。三年をどうして認めなかつたかというと、これは實は司令部との折衝において、三年の大學を認めるならば、これに稱號、學士號を與えることは不當であるというような意見が強うございました。それで三年というのは實はあきらめました。それで四年以上にもなり得るということは、今ちよつとお話したように、醫科大學のような場合に四年ときめてしまいますと、それの全體の組織の中に入れることができないから、四年以上でもあり得る。職業教育の面も大學に專攻科と別科とを設けまして、特別の課目だけを專攻するもの、あるいはそれに附屬した別科のような制度も設けて、職業教育も大學の中に行い得るようにしたために、四年は原則であるけれども、四年以上にもなり得る。そういうふうに考えてあるのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=28
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029・平川篤雄
○平川委員 最初に申し上げましたことと關連をいたしまして、現在の實業學校をどういうふうに整理いたしますか。新しい時代に即して御構想があれば承りたいことが一つ。もう一つは師範教育でありますが、特にその各種の段階の學校、小學校、中學校、高等學校等の段階の先生ができるわけでありますが、それの教育の間に、どれだけの違いをつけようとお考えになつているか。それからそれの人事交流、あるいは待遇の面にどれだけの差があるのか、あるいは差をなくしようと考えておいでになりますか。この點についてお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=29
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030・日高第四郎
○日高政府委員 實業學校のことでありますが、從來の實業學校は、歴史的に十分な意味があつたと思うのでありますが、もし強いてそれの缺陷を言うならば、あまり幼い時から職業教育を施してしまうために、將來伸びることができない場合もあつたのではないかというふうに考えられます。で工業なら工業方面のことだけはわかるけれども、一般的な政治問題はわからないとか、經濟の問題にはまつたく無智であるとか、そういう惡く言えば不具な教育が施されていたのではないか。またそういう非難も相當ありますので、それを除くために、あまり幼い時から一方的な職業教育は避けた方がいい。できるならば平均的な公民としての最小限に必要な教育を施した上に、その地方やその生徒の境遇等に應じたような職業教育も加味できるようにした方がいい。そういう意味をもつて、從來の實業學校を新制の中學校の中に吸收していこうという方針を立てたのであります。そうして大體一週間三十四時間くらいの學課の中で最大限十時間くらいは職業教育が行われるような、選擇のゆとりをとつて置きまして、そうして同じ中學校であつても、工業都市のそばにあるものには、工業的な色彩をもつた中學校なり、農業の盛んな所では、農業的な色彩をもつた中學校も可能である。そういうふうにして幾分平均的な所では同じような科目を教えながら、選擇科目のところで特色を活かすことができる。地方の實情に即することのできるような途を開こうというのが、今度の新制中學校のねらいであります。それからもう一つ、實業學校の上級のものは、内容を檢討した上では、高等學校にも轉換できるようなことになつております。下の三年は中學校にはいりますけれども、上の二年はその地方の實情に應じ、内容を檢討した上で、高等學校に轉換できるようになつております。いかなるものを高等學校にするかということについてはいろいろ意見もありますけれども、最近に高等學校の設立の基準を設定する委員會をつくりまして、そこでミニマムの條件をきめて、それを地方の實情等に應じて今の中學校及び實業學校、高等女學校等の中で、適當なものを將來高等學校に轉換し得るような方途を考えております。
それから師範學校につきましては、相當深刻な批評がありまして、從來の師範學校の缺陷を完膚なきまでに批評されているのでありますけれども、これは確かに文部省といたしましても、師範學校を從來通りに置いていいとは考えませんけれども、そうかと言つて教員の養成機關を全部なくして適當な教員を補給する自信があるかと言いますと、それは教員養成機關というものを全部つぶしてしまえば、そういうことは期待できません。いい教員なしに學校の興隆ということは考えることができませんので、その邊は刷新委員會の答申、もしくは建議というものを、うのみにするわけにはいきませんので、大體は現在の師範學校の内容を刷新委員會の趣意に基きまして、根本的な改革をする必要は認めますけれども、どういう名前にするかは、まだはつきりいたしませんが、大體大學程度の學校に轉換させていくのが、至當ではないかと考えております。そうしてたとえば大學の四年というものを前期と後期というふうにわけまして、前期を終つた者が小學校の先生に一應出て、時を經てからさらに後期を修めることができるような途が考えられはしないか。おそらく刷新委員會も袋小路に追いこんだような、教育以外には何も役に立たないような教員というものを、ごく小さい時から育てるということについての弊害を指摘されたのだと思いますし、教員養成については特別な教育の科學だとか、あるいは教育上の實驗だとかいうことが、必要でありますのでそういうことのできるような學校も、大學の中にはなければならない。現在の師範學校はそういうものに轉換させて行くのが、適當ではないかと考えております。
それから教師の資格はまだはつきりきめてありませんけれども、小學校の先生と中學校の先生とを、從來のようにひどい差別扱いをすることは、必ずしもよくないというふうに考えております。先生の素質や傾向によつては、幼い子供を教育するのに關心をもち、また得意であるというような人であつて、しかも全體としては、決して中學校の先生より劣るとは限らない人もたくさんありますから、そういう人には永年小學校の教員として働くことができるような途を開かなければならないし、その途を開くためには、やはり待遇も必ずしも中等學校の教師に進まないでも、小學校の教師でいても同じような待遇が受けられるようなことを考えなければならないというふうに判斷をいたしております。但し、それならば小學校の教師も中學校や高等學校の教師も、大學の教授も同じ待遇でいいかどうかということにつきましては、これは十分な檢討を要するのであつて大學の教授を得ることと、小學校の先生を得ることとが、必ずしも同じようにやさしいことではありませんので、大學の教授には、ある程度大學の教授らしい待遇をしなければならぬのではないか。その意味においてまつたく平等に、差別なしに取扱うということができるかどうか、またそういうことをするのが適當かどうかは、疑問をもつておりますけれども、中學校や小學校の教師をあまり差別待遇をすることは今のところはよくないというふうに考えております。なるべく待遇は小學校の先生でも、中學校の先生と同じような待遇をしたいという方向で、努力をするつもりでおります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=30
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031・平川篤雄
○平川委員 ただいまの御答辯をいただきまして、なおそれに疑問がありますので、さらにお伺いしたいと思います。今おつしやつたように、初めから師範學校をつくつて入れて置かなければ確保できそうにないということは、それはもつと根本的なことをお考えにならなければ、やはりいけないんじやないかと思います。私は師範學校にも長い間おつたのでありますけれども、高等科を卒業してはいつたいわゆる一部の生徒は、大體本科の三年、四年ぐらいになると、一つの大きな煩悶時代にはいる。そういうときに、中にはわざと校則に反するような、たとえば酒を飮んだり、タバコを吸つたりしてでも師範學校から拔け出したいということを考えるようになる。これは必ずしも少い數の生徒ではないのであります。彼らはどういうふうなことを言うかといいますと、何も知らない高等科を出るときに、師範學校に身賣りをしたばつかりに、拔きさしがならなくなつた。こう言うのであります。また二部は中等學校からはいつてきて、自分自身を非常につまらないものだと考えて、やはり非常な煩悶に陷つておるというような實例を、私は御想像になる以上に見てきておるのであります。このような状態で小學校の先生を確保するというのならば、これは大變私は危險なことだと思うのであります。現に今年も師範學校は募集人員に足りないような志願者の状況であるということを聞いております。かようなことを思うときに、先ほどのお考えはどうであろうかということが一つと、それから私は先ほど大學ということを申し上げなかつかのは、大學の先生だけは、ある意味で別だという氣持があつたから言わなかつたのでありますが、高等學校以下の先生については、私自身は全然差別をしていただきたくない氣持が多いのであります。これはなるほど、先ほど小さい子供に向いたような人に小學校をやつてもらうとおつしやいましたが、これは根本的な大事な問題であると思いますけれども、その人の見識とか、學力とかいうようなものにつきましては、決してこれは差別すべき問題はない。私は高等師範や女子專門學校、それから中等學校、師範學校、小學校、幼稚園、託兒所まで、全部ずつと數年にわたつてやつてみて思いますことは、これは決して全然別のものではないと思うのであります。なるほど音樂とか圖畫だとか、そういう技能方面につきましては、どうしてももてない部面はあるのでありますけれどもそれはごく一部分のことでありましてたとえば算數とか理科とかいうようなものであつても、これは少し抽象的なことになりますけれども、いわゆる科學的な態度であるとか、科學的な精神であるとかいうものが、同時的に知識と技術というものと一緒に成り立つためには、やはり相當な教養というものが必要になつてくる。私はそういう意味で、現在の多くの國民學校で理科教育とか科學教育が、ほとんど正しい教育がされていない。科學精神とか、科學的態度というものは、およそ無視せられた状況で教育が進んでおるものと考えます。これがないために、卒業したときが一番賢くて、時間が經てば經つほど人間がばかになるという教育がなされておる。しかし具體的な姿はありませんが、自分で使おうと思えば、そして願いさえすれば、いつでもすきなものが出てくるような、妙なたとえでありますが、打出の小づちのようなものをもつて出るのが、教育の貴いところではないか。たんすとか長持とかいう、形になつたものをつけて出てくることは、教育としては第二義的に考えなければならない。かような點について考えますときに、私はただいまの國民學校の教員を養成しております師範學校のやり方は、決して滿足すべきものではなく、根本的に考えてみなければならないと思う。このように考えてまいりますときに、高等學校以下幼稚園に至りますまでの教師は、なるほど技術的には廣狹の差はありましようけれども、見識の深さ、あるいは研究の深さという點については、まつたく同一なものでなくてはならない。そういう點で、ただいま御答辯をいただいたように、全部大學程度の教育にするということについては、非常に賛成でありますけれども、先ほどちよつとお話になつたように、前期を濟ませたらこれは小學校へ行くというような考えは、いかがかと私は思うのであります。私が以上申し上げました點は、つまり待遇を同じくしていくということそれと教養の程度を等しくすることによつて、やはり小學校の先生はたくさんに得られなければならないものだということを私の意見として申し上げてこれについての御見解をお尋ねするわけなのであります。
なお時間を節約するために、まとめて申し上げておきたいと思いますことは、實業教育をお考えいただきますときに、ぜひとも各地方ごとに美術工藝學校を愼重にお考えいただいて設置していただきたい。これは希望でございます。將來の日本の産業というものを考え、またここから特珠な選科的な技術をもつた教員を得る途として、私は地方的に美術工藝學校の設立を要望いたしたいと思うのです。それによつて全體として、師範學校の生徒、また學校の先生方のそういう技術教育による——むだではないのでありますけれども、結局徹底しないからむだになつてしまう時間的な、精神的な苦痛を省いて、それ以外の修養の方に全力を注ぐというような體制も、それによつてでき上るのではないかというように考えておりますので、ぜひこの點御考慮を願つておきたいと思います。以上私の申し上げましたことについて御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=31
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032・日高第四郎
○日高政府委員 師範學校の内容の缺陷について、平川委員からお話のあつたことは、私どもも現實に自分が體驗したわけではありませんけれども、話は聞いておりまして、そういう點は十分考慮をいたしまして、師範學校の轉換、もしくは新しく教師の養成學校を考えますときには、御指摘の點のないように努めるつもりであります。
それからお話のありましたように、教育のほんとうの精神は、ただでき上つた、品物を授受するように渡すのではなくて、新しい問題が起つたときにそれをどういうふうに學問的に處理できるか、その能力を身につけさせることが理想でもあるし、本質でもなければならないというふうに考えておりますので、そういう點から考えますと、現在の學校教育は一般に受身になつてしまつて、いわば試驗に威かされて詰め込んで、試驗が終れば忘れてしまうというような教育ではあまり効果がないと思いますから、學生や生徒がみずから進んで、物を學問的に考え、科學的に處理するような判斷力、能力、態度、そういうものを身につけさせるような方向に、極力努力いたしたいと思つております。お話のような打出の小づちみたいな、ひとつの學問的な能力を授け、またいろいろのものの間の價値判斷の秩序をつけ得るような方向にもつていきたいと思つております。
それからお話のありましたような師範學校を置かなければ、教員の養成が確保できないというようなことは、多少見當はずれであるかも知れませんけれども、私どもの申し上げたいことは教員というものは必ずしも師範學校を出なくとも、普通の學校、教師になるという意圖をもたずに、普通の學校を通つた者であつて、しかも青年期に特に自分が教育に關心をもつて、教育をしたいと思う者には、若干の條件を履修すれば、立派な教師になれるような途を開くつもりでおります。ですから一面においては、普通の學校を出た者から教師もとれるようなことを考えると同時に、必ずしもそれだけをあてにすることはできませんので、教師の養成機關としての一種の大學というようなものも考える。そのときにはお話のあつたように、あまり小さい時から教育家になるのだといつたような、たがをはめられたような人間ではなくて、新制においては、少くとも高等學校までは、そういうわくにはめられない教育をしてきた上で、新しい教育大學と言いますか、あるいは教養大學と言いますか、名前はどうなるかわかりませんが、そういう學校にはいつた者の中で、教師になれるような者を、できるだけ確保したい。しかしそれは強制するのではなくて、できるだけそういうものを吸收したいというふうに考えております。そのためには御指摘のように、小學校の先生なら小學校の先生の待遇が惡ければ、これは惡い所にすぐれた教育を受けた者を吸收しようというのは、人情に反することで、實際企ててもできないことでありますから、その意味において小學校の教師というものの素質をよくするためにも、待遇をまずよくしなければならぬ。その點はおそらく文部省の中でそういう點に反對する者は一人もないと思いますから、大藏省その他の人たちにも働きかけて、できるだけ教員の待遇をよくして、いい教師を自然に吸收できるような方途を講じたいと思つております。
それから實業學校の中に美術工藝學校を考える必要があるというお話でありましたけれども、これは私どもも個人としてはまつたく賛成でありまして日本人が、たとえば趣味の點においてはおそらく歐米人に必ずしも劣つていないのである。そういう意味において日本人の趣味を活かして、生産の方面にその特徴を出すことは、今後の日本のために非常によいことではないかと考えますので、實業教育の方面において、御指摘のような點は、十分考慮していきたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=32
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033・平川篤雄
○平川委員 最後に一つ、ただいまの御答辯に關連することでありますが、從來私どもがいろいろ縣廳とか文部省とかいうところに、待遇とか設備の問題について交渉をいたしますと、いつもよく聞く言葉は、それは結構だが、何しろ國民學校の先生らは數が多いので、學校の數が多いのでというような言葉であります。これは私は絶對に承知できないことだと思うております。考えてみてもばからしい例でありますが、たとえば現在の中學校や高等學校のような、生徒がもうしつかりしてきて、自分で何でも責任をもつてやるというような程度の學校では、學級の定員數が非常に少い。非常に少いではありませんが、四十人くらいになつておる。ところが管理のむつかしい國民學校になると、これが五十人とか六十人というような數になつておる。教員にしてもそうであります。あれだけたくさんな科目をうんとこさもたせて、しかも十分な準備もしなければならない。國民學校の先生は受持時間數が非常に多い。こんなことはまつたく實情に反しており、常識はずれのことなのでありますが、私察しますのに、おそらくこれは豫算上から來る理由がかなり多いのではないかと思う。その根本はどこにあるかというと、結局文部省が國庫負擔として教員の豫算を握つておつたり、あるいは縣がそれを握つておつたりするようなことから、起つてくる問題だと思います。この前の教員ゼネストのときに、前の議會にもお話をしたことでありますが、できるだけこれからの教育というものは、地方地方に財政的にも、またその他行政權の上から申しましても、分散をさせていくということが、その理想に近づくことではないかと思います。もちろん地方による差を埋め合わす上から言えばそれは廣い地域になつたがいいのでありますから、それをどの程度で押えるかということは、いろいろ異論がありましようが、私は中國地方であるとかあるいは近畿地方であるとかいうような地方において、構想せられておりますところの、教育局程度のところが都合がいいのではないかと思います。かような所に財政權をもたせていつて、その點のある程度の妥協をつけるというような考えが、望ましいのではないかと思います。そのような點についてこの法案には出ておりませんが、いずれ文部省がお考えになつておりますところの新制中學校、小學校というようなものの、具體的な御計畫に即して、今の學級定員數とか、あるいは學校における職員の定員とかいうようなものについて、御意見と計畫のあらましをお話し願えたら、結構だと思います。
〔及川委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=33
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034・日高第四郎
○日高政府委員 御指摘になりましたように、相手がたくさんいるから、待遇その他の改善とか、あるいは設備の改善ということがむづかしいというのは、確かに一面の事實だと思いますけれども、しかしそれは辯解にはならないのであつて、相手が多數であれば、それだけ公共的な意味が大きいという意味においては、そのくらいなことだけでひつこむことはいけないと思つております。できるだけやるつもりでおります。但し財政的の見地から言いますと、少數のものについては小さい決心でできるけれども、大きいものについては、大きな決心をしなければできないということで、そこに非常な苦心はあると思います。意味の上から言えば、相手が多數あればそれだけ困難は大きくても、やはり意味は大きいのですから、自分としてはひるまずにやらなければならないと思つております。ただしこれは日本の政治において教育の重みをどういうふうに考えているかによるわけで、現在の政治機構の中では、私どもが思うほど教育が尊重されているとは考えられない。教育を尊重してくれるような空氣をつくるために私どももできるだけ骨を折らなければならないと思いますが、議員の諸公からもひとつ應援していただいて、同じ目的に向つて鞭撻していただくようにお願いいたしたいと思います。
それから文部省の權限をできるだけ分散させるということについては、大臣も先ほどお話になりましたように、これは文部省自身もそれが適當であるというふうに考えております。ただどこまでもそれを分散させていいのか、どのくらいの範圍でそれをまとめておいた方がいいかということには、相當意見があると思います。御指摘のように、たとえば中國地方なら中國地方とか、四國なら四國、九州なら九州地區とかいうふうに大きくまとめて、そこに一つの文化や教育の中心的な役割のできるような施設のできることが、私個人として願わしいと思うのであります。ただ地方行政との關係がありますから、これはそう輕率に結論を出すこともむずかしいかと思いますけれども私どもとしてはそういうことが少くとも今は適當なのではないかというふうに考えておりますので、できるだけ努力するつもりでおります。ただ縣單位というのでは少し小さ過ぎる。そうかといつて文部省が握つているにしては相手が大き過ぎる。文部省の權限がそういふところでデモクラテイックの形で地方の實情も活かしながらある程度バラエテイがあつて、しかも統一があるような教育行政の中心機關ができれば、それがいいのではないか。しかしこんな現實の問題としまして、内務省の一般的行政機關とも關係いたしますから、そうでまたいろいろの障害も起るかと思います。十分打合せをして少しでもよりよき方向に向つて努力したいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=34
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035・平川篤雄
○平川委員 いろいろ、ありがとうございました。質問を終るにあたつて、ただいまのことについてちよつとお願いを申し上げておきます。日高先生は私の先生ですから、心持はよくわかるのであります。まことに失禮なことを言うようですけれども、この前の教員ゼネストの場合、文部省のおとりになつた態度は、今おつしやつたお心持とはずいぶん違うのではないかというような氣がいたしました。いろいろ私ども窓口にあたりましたが、やはり數が多いのでむずかしい。つまり大藏省の言譯の代辯であるかのような御答辯が多かつたということを、私は大變遺憾に思つております。あのときにむしろ文部省が本當に教育に對する無理解を是正するために、文部省全體がゼネストをやつて下さつたら、大變結構であつたと私は思つているのです。それがなるべく教員と大藏省や内閣の間に立つて調整をしてやろうというような御態度をおとりになつたことは、かえつて事態を紛糾させたのではないか。そういう意味で、私は前田中文部大臣に對しても、最後まで自分は腹を切るという聲明をしておつていただきたいということを、お願いしたこともあるのであります。どうか教育のために、殊に一番基礎になります小學校の教育のために、私どもも、もちろん申されるまでもなくどこまでも努力いたすのでありますから、文部省自體が今の數の問題に負けないように、どんどん豫算をとつていただく。とれなければ財政權を文部省が奪いとるつもりで、教育税というようなものを徴收して、それを文部省の獨立會計のようにいたしまして運營するというところまで、覺悟をきめていただきたい。このことについては、それこそどんなふうにしてでも、全國の教員は文部省を支援するに間違いはないのでありますから、ひとつその點をお願いをいたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=35
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036・椎熊三郎
○椎熊委員長 ちよつとお諮りいたします。今本會議では勞働基準法が上程されておりまして、修正案などがあつて、採決するまぎわになつておりますが、ひとまず一時間ほど休憩して本會議に行つた方がよいか、それは無視してこのままこれを續けた方がよいか、御相談申し上げます。いかがでございましようか——ちよつと速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=36
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037・椎熊三郎
○椎熊委員長 それでは一時間休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
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午後四時三分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=37
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038・椎熊三郎
○椎熊委員長 休憩前に引續き會議を開きます。質疑を續行いたします。左藤君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=38
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039・左藤義詮
○左藤委員 第一に教員の身分地位につきまして、將來何か特別の御考慮がありますかどうか。教員は官史であるにもかかわらず、最近のゼネスト等非常に官紀が亂れておりまして、教壇を放棄するなどというような、十分職責を遂行していない。こういうことは基本法の趣旨に反すものではないかと思うのであります。學校教員法第九條は教員の缺格條件をきめておりますが、右のごとき不都合な者に對して、特に定めておく必要をお認めにならないかどうか、政府の御方針を伺いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=39
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040・日高第四郎
○日高政府委員 お話のように、教員は普通の勞働者とは違つて、教員らしい態度を持してもらいたいという希望はもつておりますけれども、現在の勞働組合等においては、ストライキみたいなことをはつきり禁止しておりませんので、文部省といたしましては、その點はなはだ不本意でありますけれども、それを法規によつて處埋することができないような状態になつております。しかし先日の事件以來、相當教員の仲間でも反省しておる者もありますし、また私の信ずるところでは、全體の教員はそれほど常識を缺いたような意見をもつておるのではなくて、ただ一時生活が苦しいために、景氣のいい方について騷ぐといつたような、そういう遺憾の點もあつたかと思いますけれども、全體としてはストライキをやつて職務を顧みないといつたような者は、少いのではないかと考えております。この學校教育法の第九條に教員の缺格條件は規定してございますけれども、これですべてのものを律するわけにはまいりませんが、これを一つの基準といたしまして、監督廳の側においても、別に監督權のもとにそういう不都合な者に對しては處理をしていけるように、今後取締つていきたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=40
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041・左藤義詮
○左藤委員 第十條に「私立學校は、校長を定め、監督廳に屆け出なければならない」こうございますが、この屆出については、單に聞きおく程度かあるいは何らか許可とか認可とかの意思表示をなさるつもりであるのか。
〔委員長退席、小川原委員長代理著席〕
第九條の缺格條項に該當しない限りは全部うのみになさるのか、あるいはもし不認可等をなさる場合が豫想されるとすれば、どういう條件によつて不認可になさるのか、その點を伺いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=41
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042・日高第四郎
○日高政府委員 第十條ははつきり屆出主義で、別に認可とかいうことをきめない方針で制定いたしたわけであります。實は文部省といたしましてはこれは、やはり認可の制度にしておきたい意向でありました。しかし過去の文部省の行政權の發動が度を過ぎておつたというような事實もありまして、實は司令部との折衝の場合に、私立學校については認可制度をやめた方がよくはないかという強い勸奬がありまして、屆出制度に引下げたわけであります。學校に對する監督權は、すべて今後は法律により、法律を媒介にして監督するというような意味において、間接の監督にする方針で、これらの條項を決定いたしております。從つて第九條に牴觸するような者は、むろん第十條において認めないわけでありますけれども、これは第九條の規定によつて認められないのであつて、第十條は屆け出ればそれでいいという方針であります。それから第八條に「校長及び教員の免許状その他資格に關する事項は官監廳がこれを定める」という規定を設けておりまして、その免許制度によつて間接監督をする方針であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=42
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043・左藤義詮
○左藤委員 大切な子弟を預かります學校の校長が、ただ屆出だけで、將來いろいろな弊害が生ずるおそれはないか、心配いたすのでありますが、この點につきましては、ただいま司令部との折衝の話もございまして、お互いの自覺にまつほかないと存じますが、同じく第十五條に、私立學校は收支の豫算及び決算を監督廳に屆け出よとありますが、これもやはり形式的に屆け出るだけで、その内容に何らかの干渉、あるいは意思表示をなさる場合を豫想なさらないのか。ただ屆け出れば、どんなでたらめな豫算でもうのみになさるおつもりであるか。もしそうであるならば、第十條でも第十五條でも形式的な屆出というものは、ほんとうに官僚的な形になつてしまう。豫算の點につきましても、文部省はやはり何らかの是正をなさるような思召はないのでございましようか。承りたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=43
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044・剣木亨弘
○剣木政府委員 その點についてお答え申し上げます。第十五條は御承知の通りこれは報告だけをいたしますれば屆出だけで結構でございまして、それに對しまして、何らの變更とか、修正のことは、考えておらないのでございます。ただしかしこの屆出をいたしますことは、單に監督上の効果ばかりを考えておるのではございません。私立學校の經營その他につきまして、今後豫想さるべき補助といつたようなものにつきまして、その豫算を毎會計年度において早く知ることが必要でございますのでこれを義務づけたわけでございます。なおまた第十五條に關連いたしまして、第十四條に「學校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定又は監督廳の定める規程に違反したときは、監督廳は、その變更を命ずることができる」。という規定がございます。これは豫算を報告されましたり、決算を報告されることによりまして、當然法令の規定、または監督廳の定めます規程に違反しておるということが豫算、決算を通じまして明らかに、はつきりいたす場合におきましては、監督廳はその變更を命ずることを、ここに留保いたしておるのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=44
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045・左藤義詮
○左藤委員 第八條に「校長及び教員の免許状その他資格に關する事項は、監督廳がこれを定める」。とありますが、今まで長い間續いてきております教員の資格免許状等については、一長一短があると思うのでありますが、今後この免許状その他の資格に關して、監督廳がお定めになるのに、どういうようなお見込み、御方針をもつておるか、その點を伺つておきたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=45
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046・剣木亨弘
○剣木政府委員 教員の免許状につきましては、各小學校、中學校、高等學校につきましては、その大體の特質に應じまして、一定の資格に基いて免許状を與えるということを目下研究を續けていつておるのでございますが、特に第八條で校長の免許状という點につきまして、御疑問の點がございますかと存じます。校長の免許状につきましては、やはり一般の教員と違いましてその資格は相當異つた意味の免許状ということが考えられるのでございますけれども、校長には校長特有の資格を必要とする。校長にもやはり免許状というものを出したいという意味合いにおきまして、この規定をいたしておるのでございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=46
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047・左藤義詮
○左藤委員 一方においては屆け出るだけで干渉をしない。司令部もそういう御方針である。また一方においては校長の免許状につきまして、監督廳が生殺與奪の權を握つておるということは非常に矛盾であると思うのでありますが、どのような標準で、どのような内容をもつて校長の資格というものの認可をお與えになるのか。法律でお定めになるのか、あるいは政令でお出しになるのか。その點について當局の御方針を伺つておきたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=47
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048・剣木亨弘
○剣木政府委員 今まで私立學校の監督につきまして、たとえば校長を認可するか、しないかということに對しましては、何らの基準がなく、行政官廳の行政的な裁量によりまして、これをいたしておつた點につきまして、非常ないわゆる私立學校に對する監督上の不當な點もあつたと考えられます。從いまして校長の認可につきましても、一定の——もちろんこの標準のきめ方その他につきましては、最も合理的な意味における委員會、その他を活用いたしまして、校長たるの資格についての一定の準則と申しますか、これをきめまして、この規定によりましてそれに適合する者は當然なれるが、適合しない者はなれないというふうにいたしまして、行政的な裁量の面を極端に少くする。こういう意味合でございまして私立學校の監督の他の部分におきましても、大體間接監督と申しますか、そういう面を非常に強くしまして、直接監督の面をなくするという方針に終始一貫して規定いたしております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=48
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049・左藤義詮
○左藤委員 そうすると教員のうちで一定の試驗をするとか、あるいは委員會にかけるとかいうことで校長の有資格者をお定めになつて、その中から校長を選んで屆け出るわけでありますがこの校長の資格を定めるということが私立學校の特色を發揮するとか、私立學校の教育の自由を確保するとかに、非常に影響すると思うのでありますがこれに對する確たる御方針を伺つておきたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=49
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050・剣木亨弘
○剣木政府委員 校長の資格に、ある學校の教員資格を有しなければならないかどうかという點につきましてはこれは關係方面との關係もございまして、まだ明確なる決定に至つていないのであります。しかし正規の免許状をもたない場合でも、相當立派な方でございましたならば、外部からでも選んで來られるような、何らかの方法を講じたい。そういうふうに考えております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=50
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051・左藤義詮
○左藤委員 私は小學校などは今までのような師範學校とかいう一定のわくにはめないで、その土地の先輩、功なり名を遂げて隱遁をして、郷土の後進のために身を捧げてくれるというような相當な人が、今までは形式的な資格がないために、代用教員にならなければならぬ。そういうようなことがあつてはいけないと思います。妙な官僚的な教員資格というわくをはめるためにほんとうの適材と申しますか、教育愛に燃えた人がその仕事に魂を打込めないということが、今まであつたと思います。殊に民主的教育を確立する上において、私學の校長などは、私はある一定の型にはめない大きな人物を——アメリカ大學の總長などには、隨分そういうような人がでておるようでありますが、今のような資格に關する事項を監督官廳が定めて、そのうちから選んで屆け出なければならないということになりますと、機動性というか、教育に溌刺たる魂を打込むということが非常に不自由になつてしまう。また化石化した教育になりやすいという點がありまして、私はこの第八條はよほど問題が大きいと思うのであります。その點につきましては、ひとつどういう法令で、どういうふうにこれをおきめになるつもりか、はつきりお見透しを伺わぬ限りは、この條項は議會を通過させることができないのではないかと思つておるのであります。はつきりひとつ文部當局の御方針を伺いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=51
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052・剣木亨弘
○剣木政府委員 第八條に「監督廳がこれを定める」とありますのは、附則で讀みかえまして、監督廳はこれを文部大臣といたしておるのでございます。それでこのことは文部省令で定めることに相なるわけでございます。ただ校長の點につきましては、お尋ねの點、非常にごもつともな點であるとわれわれも考えておるのでございます。しかしこれを決定いたすにつきましては、相當關係方面との折衝の點もございまして、將來資格の決定というような問題につきましては、今後のいろいろな折衝によりまして、決定いたしたいと考えております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=52
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053・松原一彦
○松原委員 委員長、懇談會に願いたい。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=53
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054・小川原政信
○小川原委員長代理 それでは懇談會に入ります。
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〔午後四時二十二分懇談會に入る〕
〔午後四時五十一分懇談會を終る〕
————◇—————発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=54
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055・小川原政信
○小川原委員長代理 懇談會を終ります。それでは引續いて左藤君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=55
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056・左藤義詮
○左藤委員 女子教育の問題につきまして、終戰後の婦女子の状況の遺憾なことは、識者のひとしく憂いとするところでありますが、女子教育に對する今後の御方針を篤と伺つておきたい。特に基本法第五條にあります男女共學ということは、わが國の現状から見て時期尚早ではないか。何か上滑りの歐米の表面だけを眞似したのではないか。どうも日本の婦人を育てるということについて、もう少し考えて愼重にすべきことではないか、こう存ずるのでありますが、この問題について當局の御意向を伺つてみたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=56
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057・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 この點は男女共學を認めるというだけでございまして、決して強制してやらせるというつもりではないのでございます。それからくる弊害なども相當免れることができるではないか。また利益を進めていくことができるではないかと考えるのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=57
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058・左藤義詮
○左藤委員 女子教育の方針等については、時間もございませんから、他日の機會に讓りましよう。次に宗教教育につきまして、基本法の第九條に規定されておりますが、學校方面においては、これにどういうような考慮を拂つておりますか。第十八條の小學校、中學校の教育において、議會でも決議をいたしました宗教的情操の涵養という點について、これは憲法の委員會でも隨分問題になつておりますので、これをどういうように活かしていく御方針でありますか、具體的に伺いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=58
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059・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 宗教の社會的意義というような點は、十分にこれを教えこんでいかなければならぬと思うのでありますが、しかしながら特殊な宗教を鼓吹するということは避けていきたい。こんなふうに考えておるのでございます。しかしながらむろん私立學校において特殊な教育を行うということは、認められるのでありますが、この點は基本法に定めてあるところの原則に從つて、やつていきたいと考えております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=59
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060・左藤義詮
○左藤委員 教育行政につきまして、基本法第十條に教育は不當なる支配を受けてはならない。いわゆる教權の獨立を規定しておりますが、現状のごとく地方の教育財政が別個になつておりましては、その方面から間接、ときには直接の不當な支配を受けるおそれがあると思うのでありますが、教育行政の責任者といたしまして文部大臣は、こういう状態ではたして責任を完全に果し得るかどうか。ただいま提案中の地方自治法案には、教育上の問題がいろいろ含まれておりますが、こういうものと學校教育の結びつきにおいて、どの程度の考慮を拂い、いかなる見解をもつておいでになりますか、そういう點をひとつ伺つておきたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=60
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061・高橋誠一郎
○高橋國務大臣 この點はやはり地方教育行政法との關係に相なるのであります。まだ十分の成案を得ておらぬのでありますが、やはり各地方に設けられますところの教育委員會によるということが、私どもの考えておるところであります。願わくば關係省間との諒解を得まして、これが成文化せられんことを望んでおる次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=61
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062・左藤義詮
○左藤委員 この程度で終ります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=62
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063・小川原政信
○小川原委員長代理 本日はこの程度に止めまして、殘餘の質疑は次囘に繼續することといたします。次囘は明十九日午前十時に開會いたします。本日はこれにて散會いたします。
午後四時五十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009210549X00419470318&spkNum=63
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