1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十二年三月二十二日(土曜日)
午後一時五十一分開議
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議事日程 第二十二號
昭和二十二年三月二十二日
午後一時開議
第一 健康保險法の一部を改正する等の法律案(政府提出) 第一讀會
第二 郵便法の一部を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第三 船員法を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第四 帝國鐵道會計法を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第五 通信事業特別會計法を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第六 地方競馬法の一部を改正する法律案(小川原政信君外五名提出) 第一讀會
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〔朗讀を省略した報告〕
一、政府から提出された議案は次の通りである。
健康保險法の一部を改正する法律案
(以上三月二十日提出)
昭和二十年度第一豫備金支出の件
昭和二十年度緊急對策費第一豫備金支出の件
昭和二十年度特別會計第一豫備金支出の件
昭和二十年度特別會計豫備費支出の件
昭和二十一年度第二豫備金支出の件
昭和二十一年度特別會計第二豫備金支出の件
臨時軍事費特別會計豫備費支出の件
臨時軍事費特別會計豫備費外豫算超過支出の件
(承諾を求める件)
(以上三月二十二日提出)
一、去る二十日吉田内閣總理大臣から次の通り政府委員を仰せつけられた旨の通牒を受領した。
厚生事務官 友納武人
同 岩瀬繁一
第九十二囘帝國議會厚生省所管事務政府委員
一、去る二十日衆議院規則第十五條に依り議長において議席を次の通り指定した。
一二一 水谷昇君
一、去る二十日衆議院規則第十五條但書に依り議長において議席を次の通り變更した。
二 滋賀縣選出議員
四 大橋喜美君
五〇 齋藤てい君
一、去る二十日委員長理事互選の結果次の通り當選した。
勞働者災害補償保險法案(政府提出)委員
委員長 夏堀源三郎君
理事
水口周平君 小川半次君
松岡駒吉君
一、去る二十日議長において次の委員を選定した。
石油配給公團法案(政府提出)外四件委員
加藤一雄君 木村公平君
松永佛骨君 藥師神岩太郎君
山村新治郎君 横田清藏君
稻本早苗君 小野瀬忠兵衞君
岡部得三君 鈴木周次郎君
舟崎由之君 岡田春夫君
金子益太郎君 松尾トシ君
松本七郎君 東隆君
香川兼吉君 増井慶太郎君
一、去る二十日特別委員理事補闕選擧の結果次の通り當選した。
衆議院議員選擧法の一部を改正する法律案(政府提出)委員
理 事 小澤佐重喜君 (松川昌藏君去る十八日委員辭任につきその補闕)
理 事 荒木武行君 (井上東治郎君去る十九日委員辭任につきその補闕)
一、去る二十日次の通り特別委員の異動があつた。
統計法案(政府提出、貴族院送付)委員
辭任岡部得三君 補闕飯島祐之君
辭任青木泰助君 補闕鈴木周次郎君
船員法を改正する法律案(政府提出)委員
辭任石崎千松君 補闕二階堂進君
昭和十四年法律第七十八號を改正する法律案(寺院等に無償にて貸付しある國有財産の處分に關する件)(政府提出)委員
辭任澁谷昇次君 補闕田中松月君
辭任川島金次君 補闕氏原一郎君
衆議院議員選擧法の一部を改正する法律案(政府提出)委員
辭任大島多藏君 補闕松原一彦君
辭任中山榮一君 補闕河野金昇君
辭任岡部得三君 補闕小野瀬忠兵衞君
辭任青木泰助君 補闕稻本早苗君
辭任荊木一久君 補闕山下春江君
教育基本法案(政府提出)委員
辭任松原一彦君 補闕平川篤雄君
裁判所法案(政府提出)委員
辭任磯田正則君 補闕吉田セイ君
所得税法を改正する法律案(政府提出)外六件委員
辭任稻村順三君 補闕加藤シヅエ君
行政官廳法案(政府提出)外一件委員
辭任淺沼稻次郎君 補闕森本義夫君
辭任井上赳君 補闕大津桂一君
辭任生方大吉君 補闕石原登君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=0
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001・山崎猛
○議長(山崎猛君) これより會議を開きます。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=1
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002・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 議事日程變更の緊急動議を提出いたします、すなわちこの際、日程第二を繰上げ上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=2
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003・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=3
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004・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます、よつて日程の順序は變更せられました。
日程第二、郵便法の一部を改正する法律案の第一讀會の續を開きます。委員長の報告を求めます。加藤一雄君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=4
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005・会議録情報2
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第二 郵便法の一部を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一 郵便法の一部を改正する法律案(政府提出)
右は本院において可決すべきものと議決した因つてここに報告する。
昭和二十二年三月二十日
委員長 加藤 一雄
衆議院議長山崎 猛殿
附帶決議
一、遞信從業員の綱紀を振肅し、迅速確實なる業務の遂行に邁進せられたい。
一、文化國家建設に重要なる定期刊行物の郵便料金については、非日刊紙及び發行部數十萬以下の日刊紙もすべて發行部數十萬以上の日刊紙と同樣、低率の値上げにとどむること。
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〔加藤一雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=5
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006・加藤一雄
○加藤一雄君 ただいま上程に相なりました郵便法の一部を改正する法律案に對しまする、委員會の審議の經過竝びに結果を御報告申し上げます。
本法案は、三月十六日統計法案委員會に併託せられたのであります。本委員會は、三月十七日午前十時より、本法案の審議を開始いたしました。まず一松遞信大臣より、本法案提出理由の説明を求めたのでありますが、その説明の要旨は、通信事業特別會計の昭和二十二年度豫算におきまして、事業經營の合理化をはかり、徹底せる緊縮方針で豫算編成を行つたが、現在の物價昂騰に伴う事業運營上の諸經費増嵩により、業務支出は約九十四億圓に上り、これに對する收入は、サービスの向上その他の増收策を講じても、さして増加が期待できず、約四十一億圓が見込まれる程度である、この間の赤字約五十三億圓の補填について、種々考慮を重ねたのであるが、一般會計からの繰入れによることは、結局において國民負擔の増加を來すのみならず、一般國家財政の現状からみて、とうてい不可能であり、また借入金も、既に巨額の借入金を擁しておる現状から見て、至難であるというのであります。
御承知の通り、政府が實施いたしておりまする各種事業が、その料金なり、運賃なりの値上げをいたしまするということは、その名目のいかんにかかわりませず、それがきわめて少額のものでありましても、現下惡性インフレの渦卷きの中にあえいでおりまするわが經濟界に及ぼす影響は、きわめて甚大であります。さような意味合いにおきまして、各委員はこれに對しまして、きわめて有效適切な質疑を活發に行われたのであります。今その質疑のうちの重要なものを御詔介申し上げます。
まず日本自由黨の左藤義詮君から、前囘郵便料金等を値上げいたしました後における諸物價の値上り指數は六割程度であるが、郵便料金を四倍に値上げするということは、社會經濟上に及ぼす影響が甚大ではないか、前議會において、將來の値上げは可及的に差控えるとのことであつたが、この點はどうかという質問に對しまして、一松遞信大臣及び政府委員から、こもごも次の答辯がございました。明年度豫算のうち人件費は六十四億圓であつて、業務費の七割を占めている、その重い負荷の人件費が、昨年の郵便料金の値上げ當時、いわゆる三月案に對應して行われたのであつて、當時從業員の平均給は三百圓、總額十三億三千萬圓であつた、その後七月案の實施による給與標準の引上げにおいては、平均五百五十圓となり、總額二十六億圓となつた、また物件費の面からみれば、二十一年度豫算編成當時に比し、その後の値上りは著しく、實行上相當の不足を生ずる實情であつたのである、右の人件費、物件費の増加に對處するため、二十一年度においては、十六億圓の赤字借入金をもつて、ようやく收支の均衡を得た次第である、二十一年度の郵便電信電話の業務收入は十七億餘圓であつて、明年度においては、人件費のみでも六十四億圓を超える實情である、業務運營のために必要な經常的な經費は、毎年赤字で賄うということはできないのであるから、通信特別會計の健全性及び獨立採算制の建前から、今囘の値上げは不可避である、このような答辯がございました。
また日本社會黨の氏原一郎君から、全遞通信網というものがあつて、政府機關である郵便事業のほかに、全遞通信網による書類の送達があつたと聞くが、公器を私することは許されるべき問題ではない、政府はいかなるお考えをもつておられるかという質問に對しまして、一松遞信大臣及び政府委員から、さようなことは今初めて承る、そのようなことはあるべきことではないと考えるが、直ちに事實を調査の上、處置する考えである、組合運動のために通信網を私用に供することのないように、嚴重に警告をしてきたのであるが、將來とも十分監督を嚴にして、お説のようにやつていきたい、このような答辯がございました。
また續きまして氏原一郎君から、發行部數十萬以下の日刊紙及び週刊、旬刊新聞紙等の郵送料金は、發行人差出しのものといえども、今囘の料金値上げによりまして一部五十錢の負擔を讀者が負うことになるが、内閣の用紙割當委員會から用紙の配給を受けている新聞等については、平等または低率の料金を認むべきではないか、このような質問がございました。これに對して政府委員から、この問題は本法第十八條の但書によりまして、省令をもつて決定すべき事項で、御説の通り現在研究いたしておるとの答辯がございました。
かようにいたしまして、本委員會は三月十九日午前中に質疑を打切りまして、翌二十日午前十時これを討論に付したのであります。日本自由黨左藤義詮君は、同黨を代表いたしまして、
一、遞信從業員の綱紀を振肅し、迅速確實なる業務の遂行に邁進せられたい。
二、文化國家建設に重要なる定期刊行物の郵便料金については、非日刊紙及び發行部數十萬以下の日刊紙も、すべて發行部數十萬以上の日刊紙と同樣、低率の値上げに止むること。
こういう附帶決議を附されまして、本法案に贊成する旨の意見の開陳がございました。次に山崎岩男君は、日本進歩黨を代表せられまして、本案に贊成する旨の意見の御開陳があつたわけであります。また氏原一郎君は、日本社會黨を代表いたされまして、本案は政府に撤囘を求むべしとの、本案に對する反對動議の提案がございました。丸山修一郎君は、國民協同黨を代表いたされまして、本案に贊成をいたされました。
この際、繁文のそしりを受けるかもしれませんが、各黨代表が行われました討論の要旨を申し上げまして、御參考に供したいと考えます。すなわち、およそ政府事業が國民生活に及ぼす政治的、經濟的勢力は、特にわが國のごとく官治萬能の國柄におきましては、きわめて甚大なるものがあるわけであります。でありまするから、政府がみずから經營いたしまする事業について、その料金、運賃、價格等を値上げし、または値下げすることは、輕々に行うべき問題ではない、しかしながら今囘遞信當局が實施せられんとする郵便料金等の値上げは、敗戰日本の再建途上におきまして、萬やむを得ざるものと考慮して、國民は耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、これを承認する、政府一般はいよいよ綱紀を嚴に恪守し、一物といえどもこれをむだにせず、有效適切に活用し、また節約を旨として冗費を省き、もつて國民の負託に誠心誠意こたえなくてはならないというのでございます。
次いで、まず日本社會黨の本案に對しまする反對動議を採決いたしましたところ、本動議は少數をもつて否決せられました。次に政府原案を採決に諮りましたところ、日本社會黨を除き、多數をもつて原案通り可決確定をいたしました。最後に、左藤義詮君提案にかかわりまする附帶決議につき採決いたしましたるところ、全員一致これを可決いたしたわけであります。時まさに三月二十日午前十一時二十五分でありました。この段、粗辭ながら謹んで御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=6
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007・山崎猛
○議長(山崎猛君) 討論の通告があります。順次これを許します。氏原一郎君。
〔氏原一郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=7
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008・氏原一郎
○氏原一郎君 私は日本社會黨を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする郵便法の一部を改正する法律案に反對の意見を申し上げ、政府にその撤囘を要求するものでございます。ごく簡單にその理由を申し上げたいと存じます。
第一が、インフレを抑制し、經濟を平常化し、民生を安定せしめますることは、現下の重大な要請でございます。從つて政府事業の料金、あるいは運賃、價格等を引上げることは嚴にこれを戒めまして、一般物價の高騰の防波堤たらしめることに努力すべきであると存ずるのであります。しかるにもかかわりませず、政府はこれと反對に、政府事業のすべてに對しまして、料金、價格、運賃等の引上げを行うことによつて、この一時を糊塗せんとするものでありまするが、この一時を彌縫するやり方に對しまして、私どもは全面的に反對をするものであります。
第二の理由は、政府はいわゆる健全財政の建前のもとに、特別會計のすべてにわたつて獨立採算制をとりまして、自給自足の體制を強化しようとしておるのであります。このことは、基本的に考えまするならば、一應許さるべきことでございまするけれども、少くとも通信事業のごときは、その文化性の建前から、あるいは公共性の建前から考えました場合に、必ずしもこの特別會計獨立採算制の原則をのみ固守すべきものではございません。たとえて申し上げまするならば、今囘の郵便料金改正によりまして、發行部數十萬以下の新聞紙の郵送料は、一部五十錢ということに相なるわけでありまするし、さらにまた發行者が直接郵送いたしまする以外のものは、これまた同樣五十錢の料金を支拂わなければならないということに相なります。かくのごとき負擔を、新聞紙のごとき文化的な機關にさせていきますることが、はたして妥當であるかどうかということは、考えるまでもない問題でございまして、もちろん通信事業のごとき、公共性、文化性の高い事業に對しましては、いわゆるこの特別會計の獨立採算制ということに對する除外例を考えて、一般會計からの繰入れということも、まだ已むを得ないことではないかと考えるのであります。こういう意味合いにおきましても、わが黨はこの政府の提案に對しては反對せざるを得ないのでございます。
第三は、わが黨は、既に昭和二十二年度の豫算案に對しまして、これが編成替を要求いたしております。しかるにこの郵便法の一部を改正する法律案は、私どもが既に政府に編成替を要求いたしまして、返上をいたしました豫算の基盤となるべき法律でございます。從いまして、その豫算を返上いたしました私どもの豫算返上の理由からこれを考えました場合におきましても、その豫算の基盤となるべき本法案をうのみにするということは、絶對にできないことでございまするし、從いまして、わが黨の豫算返上の理由は、同時にこの法案を返上する理由にすべてが援用さるべきものであると考えるのでございます。
簡單でございまするけれども、以上三つの大きな理由をもちまして、さらに本議場において、わが黨を代表して豫算返上の理由を申し述べましたすべての言論をこれに援用いたしまして、本法案に對する反對の意見とし、政府に向つてこの法案の撤囘を要求する理由といたしたいと存ずるのであります。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=8
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009・山崎猛
○議長(山崎猛君) 左藤義詮君。
〔左藤義詮君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=9
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010・左藤義詮
○左藤義詮君 日本自由黨竝びに日本進歩黨を代表いたしまして、ただいまの氏原君の動議に對して反對の意見を陳述いたします。
私どもも、官業の値上げが各方面に、政治的にも、經濟的にも、社會的にも影響の甚大であることは、ひとしくこれを認め、また心から憂いとするところであります。その點におきましては、何とかして經費を節減して、かくのごとき値上げをしないように、極力政府を鞭撻して、委員會においても十分論議をいたしたのでありますが、何を申しまするのにも、非常に厖大な人件費六十四億と申しますと、この豫算の七割以上を人件費が占めておる。昨年の三月以來、全遞の要求が非常に熾烈になり、遂にはゼネストを敢行して、あらゆる國民生活の耳目を麻痺せしめて、日本のあらゆる機能を破壞するような、ひとつ間違えばそういう恐ろしい脅威を受けたのであります。
その點におきまして、一方においてこういうような從業員の生活を向上し、遞信の機能を發揮するというその要求を支持せられました社會黨から、私はかくのごとき反對の意見を聽くことをまことに意外とするのであります。(拍手)一方においては待遇を改善しなければいけない。一方においては、その費用を‥‥‥(「資本家からとれ」と呼ぶ者あり)支辯すべき資本家も、今日本にはありません。地主もありません。一方においてその經費を支拂うべき値上げを全部否定して、豫算をことごとく否決をしてしまう。
社會黨の諸君は、どこからか金のわいてくる、金のなる木をおもちになつておるかどうか。ものを破壞することはできまするが、私はお互いに齒を食いしばつて、遞信從業員の諸君にも辛抱していただく。しかも少くとも最低限度の生活を保障して、そうして日本のこの重大な通信業務の再建をいたしまするためには、まことにやむを得ぬことでありますが、お互いに齒を食いしばつて、この負擔を忍ばなければならぬと思うのであります。
特別會計に一般會計から補給をしろという意見でありますが、結局はそれも國民の税金となり、もし借入金を多くしまするならば、いよいよ子孫に負擔を殘すばかりであります。私どもは、その點におきまして、眞に健全財政を確保して、遞信會計を充實して‥‥‥‥
〔「インフレで健全財政ができるか」「だからこの税金を起すんだ」と呼び、その他發言する者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=10
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011・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=11
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012・左藤義詮
○左藤義詮君(續) 眞に國民生活を建設いたしますために、われわれはあえて忍んで、國民とともにこの豫算を認める次第であります。
しかしこれを認めまする以上は、附帶決議も附しましたように、十分に遞信當局が綱紀を振肅して、巷間傳えられまするような、いろんな惡評を拂拭して、迅速、確實という、あの前島密以來の遞信精神を大いにこの際發揮して、眞に租國再建の耳目として、その本來の機能を發揮せられまするように、今氏原君の仰せられました日刊新聞十萬部以下のものにつきましても、またその他學術雜誌等につきましても、文化國家建設のために、十分に理解ある取扱いができますように、その點につきましては、私どもの附帶決議に政府も贊意を表しておりますので、その點は十分に政府の今後の實行を監視することといたしまして、この附帶決議を附しまして、われわれは本法案を支持する次第であります。私どもの所信を申し上げまして、氏原氏の動議に對して反對をいたす次第であります。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=12
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013・山崎猛
○議長(山崎猛君) 中西伊之助君。
〔中西伊之助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=13
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014・中西伊之助
○中西伊之助君 私は日本共産黨を代表いたしまして、ただいま上程中の新聞紙法の一部を改正する法律案‥‥‥(「新聞紙じやない、郵便料金」と呼ぶ者あり)郵便法の一部を改正する法律案に反對するものであります。
ただいまの反對と贊成の討論を拜聽いたしましたが、また委員會における政府の答辯というものも聽きました。それによりますると、今度の高率の税金の引上げは、主として遞信從業員の人件費にあるというお説であります。あるいはそうかもしれない。ところが私どもが從來經驗しておりまするところによりますると、一體勤勞階級の生活を改善するために、資本家もしくは自治團體または國家が、その勞働條件なり、その他を改善するにあたつて申しますことは、たとえば遞信從業員の要求通り引上げた場合には、郵便料を引上げなければならないというのが、いつもの理由であります。今囘のこの郵便法の一部を改正する法律につきましても、案のごとくそういうことを口實にしております。はたしてそうであるか。われわれ、勤勞者階級の利益を代表して考えまするときに、それは眞實であるか。
政府なり、資本家は常に利潤を――これは政府でも、現在の國家は資本家國でありまして、利潤を追求しております。利潤をそれなりにして、その水準を下げないで――公共團體もそうである。その他の資本家經營もそうでありまするが、利潤を一定の水準――今までもうけてきたところの水準を下げないで、これを永續せしめるために、もし賃金を與えるならば、その利潤の中から控除しなければならない。
そういう建前に立ちまするがために、この賃金の引上げ、待遇條件の引上げに對しては、他にその負擔をかけなければならぬという結果になつてくるのであります。
(「遞信に利潤なんかないよ」と呼ぶ者あり)結論までお聽きなさい。たとえば、これにむろん關連したことでありまするが、自治團體でありまする東京のただいまの交通局、電氣局の状態を見てみますると、かつてこれは大正七、八年ごろでありまするが、大體年額五千萬圓の利益を上げていた。
ところが當時從業員が食うに食えない。外出するのに着物がない。制服を着てどこへでも行つた。あるいは自分の子供がげたを買うことができないために、はだしで歩いていたというように、電氣局の從業員の生活状態というものは悲慘であつた。それに對して年額八百五十萬圓の豫算を計上するところの待遇改善を提出したのでありまするが、五千萬圓の利益をもつておりまするから、八百五十萬圓はその五分の一以下である。それくらいの待遇改善をすることは當然であるにかかわらず、この利潤をいつまでも繼續して、東京市を食いものにするところのボスどもが、すべてこの利潤を食つておりますがために、こいつを自然東京市民に負擔せしめる。すなわち電車賃の値上げということをやるのである。
電氣事業のごときもそうである。今度の電産の諸君の要求もそうである。あるいは全遞の諸君の要求もそうである。すべて國家なり、自治團體なり、もしくは資本家と申すものは、そうした方法でもつて、何か大衆に負擔をさせることによつて、勤勞階級との間を疎隔して、これをもつて、食うに困つて餓死に瀕しておるような勞働者の生活改善の叫びが、全國に翕然と上ると、これは共産黨の煽動だというデマを飛ばすのであります。今度のゼネストでも、やりもしないゼネストを理由に、郵便料金を上げなければならぬという、べらぼうなことは、世界的にないことである。
殊に今後のこの負擔につきましても、私は友黨の社會黨の諸君が反對の理由を申しましたから、もうくどく申し上げませんが、要するにこれはあるいは公債利子の打切りからでも、これくらいな經費は出るのであります。あるいは財産税――かつての實に不徹底な財産税、これをもつと嚴正に取立てれば、これくらいの豫算は何でもないのである。あるいはまた新圓の課税――あぶく錢をもうけておるところの新圓階級には、むしろ石橋財政は保護政策をとつておる。そうしてそれに便乘して選擧戰を戰おう。そんなずるい、狡猾な態度をとつております。
現に何億圓かの新圓をもつて、新株をぐんぐん買いつつあるところの新圓階級がある。舊財閥は解體されたと言いますが、しかし一時地下に潛つた。次に勃興しつつあるものは新圓階級、いわゆる新財閥であります。こういう階級に對して、ほとんど放任政策、むしろ保護政策をとつておる。このためにインフレを増大することは申すまでもないことであるにもかかわらず、こういう新圓階級を放置して、しかも十五錢から五十錢、三十錢から一圓二十錢というところの高率の郵便料を、一般勤勞大衆から取上げようとしているのであります。
今度この厖大豫算につきましても、勤勞階級にほとんど六割近くの負擔をさしておる。一部の有産階級はその四割、もしくは三割五分に過ぎない。これははつきりした統計があがつておる。こうゆうふうなことをいたしまして、現内閣のこの保守反動政權は、常に大衆に負擔を轉嫁することによつて、有産階級を保護しておるものであります。ためにこうした法律案に對しては、わが日本共産黨は、絶對に反對であるということを宣明いたしまして、私の討論を終ることにいたします。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=14
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015・山崎猛
○議長(山崎猛君) これにて討論は終局いたしました。本案の第二讀會を開くに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=15
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016・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて本案の第二讀會を開くに決しました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=16
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017・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 直ちに本案の第二讀會を開かれんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=17
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018・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=18
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019・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて直ちに本案の第二讀會を開き、議案全部を議題といたします。
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郵便法の一部を改正する法律案 第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=19
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020・山崎猛
○議長(山崎猛君) 採決いたします。本案の委員長報告は可決であります。本案に贊成の諸君の起立を求めます。
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=20
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021・山崎猛
○議長(山崎猛君) 起立多數。本案は原案の通り決しました。これにて本案の第二讀會は終了いたしました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=21
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022・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案の第三讀會を省略して、第二讀會議決の通り可決せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=22
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023・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=23
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024・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて本案は第三讀會を省略して、第二讀會議決の通り可決確定いたしました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=24
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025・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 議事日程變更の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、日程第三を繰上げ上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=25
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026・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=26
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027・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて日程の順序は變更せられました。
日程第三、船員法を改正する法律案の第一讀會の續を開きます。委員長の報告を求めます。委員長中川重春君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=27
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028・会議録情報3
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第三 船員法を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一 船員法を改正する法律案(政府提出)
右は本院において可決すべきものと議決した因つてここに報告する。
昭和二十二年三月二十日
委員長 中川 重春
衆議院議長山崎 猛殿
附帶決議
一、海難に對する海事審判は、懲戒主義よりも事故防止主義に則るべきものであるが故にこれが裁判は、船舶運航の特性を考慮し事實審理を特に重視する必要あるに鑑み、地方及び高等の海員審判所において審理せられたる事件の上告は最高裁判所の管轄とせられん事を要望す。
二、現行船員保險法の内容及び業務の運營は、海運及び船員の實情に即せざる憾み少からざるに鑑み、政府は、失業年金乃至手當金を含む改正案を速やかに提案するとともに、船員保險事務については、船員行政機關の管掌に移し、圓滑なる遂行を期するよう考慮すべきことを要望す。
三、船員法改正の實施に當りては、新憲法の精神に則り海上勞働保護を圖ると共に航海の安全及び規律維持の確立を期し勞資協力して海運の再建に盡くすことを要望す。
四、船舶の航行中における爭議行爲は人命又は船舶に危險を及ぼす虞大なるに鑑み、航海の安全保持については特に遺憾なきを期することを要望す。
五、航海安全保持のため、船長の命令權はあくまで、これを確保する必要あるに鑑み、船長の懲戒權は獨立不覊のものたることを要望す。
六、勞働時間制の適用に關しては、政府は、海運の現状に鑑み、特に深甚の考慮を拂う如く措置することを要望す。
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〔中川重春君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=28
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029・中川重春
○中川重春君 ただいま議題と相なりました船員法を改正する法律案の委員會におきまする、審議の經過竝びに結果の概要について御報告申し上げます。
本案は、新憲法の精神に副う海上勞働者の勞働基準法たるの性格を有するとともに、また終戰後新事態の要求に即應して、船内秩序に關する廣汎なる改正を目途とするものでありまして、委員會におきましては、その重要性に鑑み、愼重に審議を重ねたのであります。すなわち去る十五日、まず運輸大臣より提案理由の説明を聽取いたしました後、直ちに同日質疑に入り、十五、十七及び十八の三日間にわたりまして、中村嘉壽君、米窪滿亮君、馬越晃君、布利秋君及び岡田勢一君等の各委員と、政府當局との間に、熱心かつ適切なる質疑應答が交されたのであります。
その内容は、法案自體に關するものと、海運政策一般に關するものとにわかつたことができるのでありまするが、まず法案自體に關しましては、第一に本法においては、勞働時間制の適用を受ける船舶の範圍は、國際勞働條約の規定する範圍よりも廣く、有給休暇の期間は、同じく國際條約の規定する日數よりはるかに長くなつておる、このように條約以上の勞働保護を與えることは、敗戰下の海運企業に莫大なる經費の負擔を背負わせることとなり、わが國海運の再建を阻むものではないかとの質疑に對しまして、政府當局より、勞働時間制を實施する以上は、本法案程度の範圍に及ぼさなければ、船舶運航範圍の現状から見て、その意義はほとんどなく、また休暇日數も、一年について二十五日程度は、現在船員の既得の權利となつており、海上勞働の特殊性から見ても當然であり、他方これらの保護規定による船員費の増加は、さほど大きな影響を海運界に及ぼすものではなくして、むしろこれらの規定の實施により、船員の勤勞意欲を向上し、運航能率を上げ、かつ從來わが國のこうむつておるところのいわゆるソーシヤル・ダンピングの汚名を拂拭して、國際海運界に再登場することが許されるならば、この改正案の施行によつて、わが海運再建への一歩を踏み出すことができるものであると考える旨の答辯があつたのであります。
次に、本法案第三十條の爭議行爲の制限の條文に關連いたしまして、航行中でも爭議行爲を禁止すべきではないかとの質疑がありましたが、政府はこれに對しまして、爭議行爲の制限は、人命または船舶に對する危險を防止するという一線においてなされなければならないものであつて、本案以上に制限を強化すべきものではないと考える旨の答辯があつたのであります。
また現行法に規定されておる、いわゆる強制乘船の規定をなぜ削除したのか、また船長の權限が弱きに失するのではないかとの質問に對しましては、新憲法の精神に則つて、強制乘船の規定竝びに懲戒としての監禁は、これを削除したけれども、強制乘船の必要のあるような場合には、一時的に乘組定員が缺けても差支えないこととして、船舶の運航には支障を來させないように措置すると同時に、船長に對しては新法案においても、船舶という危險共同體の責任者としてふさわしい各種の權限を與えている旨の答辯があつたのであります。
なお災害補償の規定と、船員保險法との關係いかんとの質疑に對しましては、本法案の災害補償は、船員のこうむつた災害に對する補償に關する基本的規定であり、船員保險法はこれが實施の裏づけをなすものであるが、船員法の改正に即應して、保險法の改正の必要を認め、目下立案を急いでおり、成案を得次第、今期議會に提出したい意向を有する旨の答辯がありますとともに、船員保險の積立金の運用、給付事務の圓滑化についても改善を行つていきたいとの答辯があつたのであります。
次に、海運政策一般に關する問題といたしまして、第一に、今後における海運企業體制をいかにするかとの質問に對しましては、海運企業はその性質上民營を理想とし、海運業者の企業意欲によつて能率的運用を行うことが望ましいと考え、目下諸般の準備を進め、一日も早く本來の姿に復するように努力中であるが、民營に復しても、過渡的にはある程度の統制はやむを得ないと考える旨の答辯があつたのであります。
第二に、勞働省設置に際して、船員行政の所管はいかになすべきかとの質疑に對しましては、特に總理大臣より、海上勞働の特異性竝びに國際勞働會議における經緯等から考えて、船員に關する勞働行政は、海事官廳の所管事項ときわめて密接な關係を有する事柄であるので、勞働省設置の際には、この點を十分勘案して善處いたしたいと考えている旨の答辯があつたのであります。
以上のほか、海運行政一般につきまして、種々の質疑應答が繰返されましたけれども、ここにはそのおもなる點につき概略を御紹介申し上げるに止めまして、詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。
十八日、質疑を終了いたしましたので、二十日本案を討論に付したのでありますが、質疑の全般を通じて委員會の雰圍氣を囘顧いたしまするに、海上勞働者に對する重厚な保護規定、その他民主的に改竄せられた秩序維持の諸規定に對しまして、その成果を期待するとともに、また一面滿身に受けました創痍が未だいえやらぬわが國海運界に及ぼす影響を慮り、本案實施の際には、船員團體の特殊性と、海洋生活の實情に即して、健全明朗な考慮をめぐらし、有効適切なる活用を要望する聲が切實であつたのであります。後に朗讀をいたします各派の共同提案になる六箇條の附帶決議も、また主としてこの要望によるものと御諒承願いたいのでございます。
次に討論におましては、日本自由黨を代表いたしまして三浦虎之助君、日本進歩黨を代表して馬越晃君、日本社會黨を代表して米窪滿亮君、及び國民協同黨を代表して岡田勢一君の諸君より、附帶決議を附し原案に贊成の旨の發言があつたのであります。次いで採決の結果、本案は附帶決議を附し、原案の通り可決いたしました次第でございます。
最後にその附帶決議を朗讀いたします。
附帶決議
一、海難に對する海事審判は、懲戒主義よりも事故防止主義に則るべきものであるが故に、これが裁判は、船舶運航の特性を考慮し事實審理を特に重視する必要あるに鑑み、地方及び高等の海員審判所において審理せられたる事件の上告はこれを最高裁判所の管轄とせられんことを要望す。
二、現行船員保險法の内容及び業務の運營は、海運及び船員の實情に即せざる憾み少からざるに鑑み、政府は、失業年金乃至手當金を含む改正案を速やかに提案するとともに、船員保險事務については、船員行政機關の管掌に移し、圓滑なる遂行を期するよう考慮すべきことを要望す。
三、船員法改正の實施に當りては、新憲法の精神に則り海上勞働保護を圖ると共に航海の安全及び規律維持の確立を期し、勞資協力して海運の再建に盡すことを要望す。
四、船舶の航行中における爭議行爲は人命または船舶に危險を及ぼす虞大なるに鑑み、航海の安全保持については特に遺憾なきを期することを要望す。
五、航海安全保持のため、船長の命令權はあくまでこれを確保する必要あるに鑑み、船長の懲戒權は獨立不覊のものたることを要望す。
六、勞働時間制の適用に關しては、政府は、海運の現状に鑑み、特に深甚の考慮を拂うごとく措置することを要望す。
以上、簡單に御報告申し上げます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=29
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030・山崎猛
○議長(山崎猛君) 本案の第二讀會を開くに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=30
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031・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて本案の第二讀會を開くに決しました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=31
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032・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 直ちに本案の第二讀會を開き、第三讀會を省略して委員長報告通り可決せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=32
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033・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=33
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034・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて直ちに本案の第二讀會を開き、議案全部を議題といたします。
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船員法を改正する法律案 第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=34
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035・山崎猛
○議長(山崎猛君) 別に御發議もございません。第三讀會を省略して委員長報告通り可決確定いたしました。(拍手)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=35
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036・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 議事日程變更の緊急動議を提出いたします。すなはちこの際、日程第四及び第五の兩案を繰上げ一括上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=36
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037・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=37
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038・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて日程の順序は變更せられました。
日程第四、帝國鐵道會計法を改正する法律案、日程第五、通信事業特別會計法を改正する法律案、右兩案を一括して第一讀會の續を開きます。委員長の報告を求めます。委員長大谷瑩潤君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=38
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039・会議録情報4
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第四 帝國鐵道會計法を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第五 通信事業特別會計法を改正する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一 帝國鐵道會計法を改正する法律案(政府提出)
右は本院において可決すべきものと議決した因つてここに報告する。
昭和二十二年三月二十日
委員長 大谷 瑩潤
衆議院議長山崎 猛殿
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報告書
一 通信事業特別會計法を改正する法律案(政府提出)
右は本院において可決すべきものと議決した因つてここに報告する。
昭和二十二年三月二十日
委員長 大谷 瑩潤
衆議院議長山崎 猛殿
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〔大谷瑩潤君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=39
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040・大谷瑩潤
○大谷瑩潤君 帝國鐵道會計法を改正する法律案及び通信事業會計法を改正する法律案、右二案の委員會の審議竝びにその結果につきまして御報告を申し上げます。
三月十九日、右兩案が昭和十四年法律第七十八號を改正する法律案委員會に付託されましたので、翌二十日、政府より提案理由の説明及びこれを補足して若干の説明がありました。すなわち政府の説明によれば、兩特別會計法案改正の趣旨は、從來の兩特別會計におきまする現金收支を中心とした經理方法を改め、企業的經理を明らかにするため、いわゆる發生主義の方式によることとし、豫算の形式その他につきましても、この見地からする改善が加えられたのでありまするが、なおこれとともに、從來のいわゆる繰替拂の制度を改めまして、これをもつて直ちに歳出として整理することとし、もつて政府の收支の迅速なる把握に資するよう改正を加えたということでありました。
政府側の説明後、直ちに質疑にはいつたのでありまするが、その大要を申し述べますれば、まず川島委員より、鐵道、通信の料金は、財政法案第三條の趣旨によつて、直ちに國會の議決によらしむべきであるが、その意圖するところいかんとの質問に對し、遞信大臣より、財政法の趣旨は同感であるが、四月一日より實施する通信料金の改正については、通信事業收支の現況よりみて、即刻これを實施する必要があり、現行法令によつてこれを行うことが、緊急の處置としてやむを得ない旨の答辯がありました。なお同委員より、遞信從業員の待遇について、質疑竝びに要望せらるるところがありましたほか、鐵道の施設の現況、輸送の状況、鐵道及び通信事業の資産、戰災の状況等につき質問があり、運輸、遞信兩省政府委員より、各詳細なる數字をお示しくだされまして、それに對する答辯がありました。
次に最上委員より、婦人の郵便局長及び遞信從業員の轉勤の問題について質問がありました。これに對しまして遞信大臣より、書面を提出してもらつたならば考慮いたそうという御答辯があつたのであります。
最後に増井委員より、鐵道電化の問題、及び今囘の法律改正と今後の事業運營等に關連して、質問があつたのであります。それぞれ運輸、遞信兩省の政府委員より答辯がありました。
右をもちまして質疑を終り、討論にはいり、各黨代表委員より原案贊成の意見が述べられまして、最後に採決に入り、滿場一致をもつて可決いたされた次第であります。右をもつて兩法案に關する委員會の審議經過竝びに結果に對する御報告といたします。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=40
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041・山崎猛
○議長(山崎猛君) 兩案の第二讀會を開くに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=41
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042・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて両案の第二讀會を開くに決しました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=42
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043・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 直ちに兩案の第二讀會を開き、第三讀會を省略して委員長報告通り可決せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=43
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044・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=44
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045・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて直ちに兩案の第二讀會を開き、議案全部を議題といたします。
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帝國鐵道會計法を改正する法律案 第二讀會(確定議)
通信事業特別會計法を改正する法律案 第二讀會(確定議)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=45
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046・山崎猛
○議長(山崎猛君) 別に御發議もございません。第三讀會を省略して、兩案とも委員長報告通り可決確定いたしました。(拍手)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=46
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047・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 議事日程變更の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、政府提出、地方自治法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=47
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048・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=48
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049・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて日程は變更せられました。
地方自治法案の第一讀會の續を開きます。委員長中島守利君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=49
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050・会議録情報5
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地方自治法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一 地方自治法案(政府提出)
右は本院において別紙の通り修正すべきものと議決した因つてここに報告する。
昭和二十二年三月二十二日
委員長 中島守利
衆議院議長山崎 猛殿
地方自治法案の一部を次のように修正する。
第九條 市町村の境界に関し爭論があるときは、関係市町村は、裁判所にその確定の訴を提起することができる。
市町村の境界が判明でない場合において、その境界に関し爭論がないときは、都道府縣知事は、裁判所に境界の決定を求めることができる。
前項の場合においては、政令で特別の定をするものを除く外、非訟事件手続法の例による。
第十二條第一項中「又は規則」を削り、「制定」の下に「又は改廃」を加える。
第十九條に次の一項を加える。
前三項の年齢は、選挙の期日によりこれを算定する。
第三十條第一項に次の但書を加える。
但し、同一人を届け出ることを妨げない。
第三十二條第二項の次に次の一項を加える。
身体の故障に因り自ら候補者の氏名を記載することができない者の投票については、第三十七條、第四十一條及び前二項の規定にかかわらず、政令で特別の規定を設けることができる。
第三十四條中「、第四十條」を削る。
第五十六條第一項中「若しく」を「又」に改め、「又は第六十八條第一項若しくは第二項」を削り、同條第三項中「及び」を「乃至」に、「第六号」を「第七号」に、「第六十條第二項」を「第六十條第一項」に改める。
第六十條第一項中「当選人は、」の下に「当選を辞しようとするときは、」を加え、「ときは、その当選を承諾するかどうか」を「日から十日以内にその旨」に改め、同條第二項中「当選の告知を受けた日から十日以内」を「前項の期間内」に、「承諾」を「辞」に改め、「その」を削り、「辞」を「承諾」に改め、同條第二項の次に次の一項を加える。
当選人で、第九十二條若しくは第百四十一條に掲げる職に在る者又は当該普通地方公共團体に対し第百四十二條に規定する関係を有する者は、第一項の委員会に対し、第九十二條若しくは第百四十一條に掲げる職を辞し又は第百四十二條に規定する関係を有しなくなつた旨の届出をしなければならない。第一項の期間内にその届出をしないときは、当選を辞したものとみなす。
同條第三項に次のように加える。
第一項の期間内に所属長官の許可を受けた旨の届出をしないときは、当選を辞したものとみなす。
第六十一條第一項中「当選人」を「前條第一項の期間を経過したとき又は当選人」に改める。
第六十二條第一項第四号中「若しくは第四項」を「又は第四項」に改め、「又は第六十八條第一項若しくは第二項」を削り、第五号を第六号、第六号を第七号とし、第四号の次に次のように加える。
五 第六十八條第一項の規定による訴訟の結果、当選人の当選が無効となつたとき
第六十三條第二項中「第六十條第二項の期限前」を「第六十條第一項の期限前」に、「第六十條第二項の期限経過後」を「その期限経過後」に改める。
第六十五條第一号中「第一号又は第二号」を「第一号若しくは第二号又は第四項」に改める。
第七十四條第一項中「制定」の下に「又は改廃」を加える。
第九十一條第三項但書中「減」を「加」に改める。
第九十四條 町村は、條例で、第八十九條の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる。
第九十五條第一項を削り、同條第二項中「町村総会」を「前條の規定による町村総会」に改める。
第百十八條第五項を削り、同條第六項中「前項」を「第一項」に、「裁決」を「決定」に、「高等」を「議会を被告として」に改める。
第百二十條中「選挙人の」の下に「個人的の」を加える。
第百二十二條第一項中「何時でも付議された事件について発言するため議場に出席することができる。又、答弁又は」を削り、「説明のため」の下に「議長から」を、「ときは、」の下に「議場に」を加え、同條第二項を次のように改める。
普通地方公共團体の長は、議会に、予算に関する説明書その他当該普通地方公共團体の事務に関する説明書を提出することができる。
第百二十七條第四項中「乃至第七項」を「及び第六項」に改める。
第百三十一條中「又は第百二十二條第一項の規定による出席者」を削る。
第百四十三條第二項中「乃至第七項」を「及び第六項」に改め、同條第三項を削る。
第百四十六條第一項中「政令」を「法律」に、「公聽会を開いて、これを解職」を「法律で定める彈劾裁判所にその罷免の訴追を」に改め、同條第二項中「前項の例」を「法律の定めるところ」に、「これを解職」を「前項の彈劾裁判所にその罷免の訴追を」に改める。
第百四十九條第七号を第八号とし、第六号の次に次のように加える。
七 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共團体の事務を執行すること。
第百五十條中「長の権限に属する國の事務の処理」を「長が國の機関として処理する行政事務」に改める。
第百五十一條中「公益を害し、」を削る。
第百五十六條第一項中「又は政令」を削り、同條第三項中「法律又は政令の定めるところにより、」を「部内の行政事務に関係のある事項につき、」に、「その他の國の」を「その他の」に改める。
第百五十七條第一項乃至第三項中「團体等」を「公共的團体等」に改める。
第百五十八條第一項中「設けなければならない。」を「設けるものとする。」に、「社会事業その他國民生活の保護指導」を「社会福祉」に改める。
第百六十條第一項中「その損失」を「時價によりその損失の全額」に改め、同條第二項中「市町村長、」を「市町村長又は」に改め、「又は所轄廳」を削る。
第百七十六條第二項中「都道府縣にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府縣知事の指揮を請わなければならない。」を「議会を被告として裁判所に出訴することができる。」に改め、同條第三項及び第四項を削る。
第百七十七條 普通地方公共團体の議会の議決が、收入又は支出に関し執行することができないものがあると認めるときは、当該普通地方公共團体の長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない。
議会において左に掲げる経費を削除し又は減額する議決をしたときは、その経費及びこれに伴う收入についても、また、前項と同樣とする。
一 法令により負担する経費、法律の規定に基き当該行政廳の職権により命ずる経費その他の普通地方公共團体の義務に属する経費
二 非常の災害に因る應急若しくは復旧の施設のために必要な経費又は傳染病予防のために必要な経費
前項第一号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共團体の長は、その経費及びこれに伴う收入を予算に計上してその経費を支出することができる。
第二項第二号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共團体の長は、その議決を不信任の議決とみなすことができる。
第百七十九條第一項中「都道府縣にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府縣知事の指揮を請い、」を削る。
第百八十條中「よる委任に」を削る。
第百八十二條に次の二項を加える。
同一の政党その他の團体に属する者は、都道府縣の委員会にあつては三人、市町村の委員会にあつては二人以上同一の委員会の委員又は補充員となることができない。
第一項又は第二項の規定による選挙において、同一の政党その他の團体に属する者が前項の制限を超えて選挙された場合及び第三項の規定により委員の補欠を行えば同一の政党その他の團体に属する委員の数が前項の制限を超える場合に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第百八十四條第二項中「乃至第七項」を「及び第六項」に改め、同條第三項を削る。
第二百十八條第一項中「普通地方公共團体は、」の下に「非常災害の復旧のため必要があるとき、その他特別の必要があるときは、」を加え、同條第二項中「直接市町村税を凖率とし、直接町村税を賦課しない町村においては直接國税」を「市町村民税」に改める。
第二百三十五條に次の二項を加える。
普通地方公共團体の長は、必要に應じて、一会計年度の中の一定期間内にかかる暫定予算を調製し、これを議会に提出することができる。
前項の暫定予算は、当該会計年度の予算が成立したときは、その効力を失うものとし、その暫定予算に基く支出又は債務の負担があるときは、その支出又は債務の負担は、これを当該会計年度の予算に基く支出又は債務の負担とみなす。
第二百四十六條 所轄行政廳は、必要があるときは、普通地方公共團体につき事務の報告をさせ、書類帳簿を徴し又は実地について事務を視察し若しくは出納を檢閲することができる。
第二百四十七條 市町村長、助役、收入役又は副收入役に故障があるときは、都道府縣知事は、臨時代理者を選任し、その職務を行わせることができる。
第二百四十八條 普通地方公共團体の選挙管理委員会が成立しない場合において、当該普通地方公共團体の議会もまた成立していないときは、所轄行政廳は、臨時選挙管
理委員を選任し、選挙管理委員の職務を行わせることができる。
第二百四十九條 第二百四十七條の臨時代理者又は前條の臨時選挙管理委員に対する給與は、所轄行政廳が当該普通地方公共團体の議会の同意を得てこれを定める。
第二百五十條第二項を削る。
第二百五十一條 前條の規定による内務大臣の許可については、内務大臣は、政令の定めるところにより、大藏大臣に協議するものとする。
第二百五十二條 普通地方公共團体は、第三條第三項、第九十一條第二項、第百五十五條第一項及び第二項、第百五十八條第一項並びに第二百二十三條第一項乃至第三項の條例を設け又は改廃しようとするときは、所轄行政廳の許可を受けなければならない。
前項に掲げるものを除く外、普通地方公共團体は、條例を設け又は改廃したときは、政令の定めるところにより、所轄行政廳にこれを報告しなければならない。
第二百五十三條中「内務大臣は、」を削り、「申請」を「協議」に、「指定しなければならない。」を「定めることができる。」に改める。
第二百五十四條中「政令の定めるところ」を「官報で公示された最近の人口」に改める。
第二百五十五條 この法律における所轄行政廳は、政令で特別の定をするものを除く外、都道府縣に関する事項については内務大臣、市町村に関する事項については都道府縣知事とする。
第二百五十八條中「島」を「東京都八丈支廳管内小島及び鳥島」に、「政令」を「法律」に改め、「ことができる」を削り、同條に次の一項を加える。
前項の法律が制定されるまでの間は、同項に掲げる島における行政については、なお、從前の例による。
第二百六十六條中「特別市」を「第九條の規定は、特別市」に、「関する裁定又は決定は、第九條の例により、内務大臣がこれを行う。」を「関し爭論がある場合又はその境界が判明でない場合において爭論がない場合にこれを準用する。」に改める。
第二百七十條第一項中「ため、」の下に「内務大臣の許可を受け、」を加える。
第二百八十二條中「都は、」の下に「内務大臣の許可を受け、」を加える。
第二百八十八條中「の許可を受け」を「に届出をし」に改める。
附則第一條但書中「政令」を「法律」に改める。
附則第七條第一項中「道府縣」を「都道府縣」に改める。
附則第十條第三項乃至第六項を次のように改める。
第一項の事務は、都にあつては民生局、道府縣にあつては民生部、特別市にあつては市長の定める局部においてこれを掌る。
附則第十九條中「第二百五十八條の規定による特例の適用を受ける島」を「第二百五十八條第一項に掲げる島」に改める。
附帶決議
一、都道府縣の区域を適当に整備統合すること。
二、中央行政官廳の出先機関は、原則として都道府縣知事の下に移管すること。
三、警察法を速かに立案して議会に提出すること。
四、五大都市を特別市として指定する法律を次の議会に提出すること。
五、公務員法を速かに立案して次の議會に提出すること。
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〔中島守利君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=50
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051・中島守利
○中島守利君 本委員會は、去る十七日本院に提出せられました地方自治法案につき、青木君外十八名の委員をもつて、五日間にわたりまして愼重審議を重ねました結果、本日に至り、以下説明いたしまする通りの修正を加え、原案通り可決すべき旨議決いたしましたので、本委員會における審議の概要及び結果につきまして、努めて簡明に報告いたしたいと考えます。
地方自治法案は、昨年第九十囘帝國議會における地方制度改正の根本方針に則り、さらに地方分權及び地方行政の民主化を徹底し、もつて國政民主化の根底に培うため、現行の東京都制、道府縣制、市制及び町村制を廢止し、日本國憲法の精神に從い、地方公共團體の基本的組織及び運營につき規定したものでありまして、本法律案の意圖するところには、概ね同感でありまするが、地方公共團體の自主性及び自律性を尊重し、その自治權を全うせしめる上において、なお不充分かつ不適當の點がありまするので、これらの點及び選擧、財務、警察等に關し、約三十九項目にわたり修正を加えたのであります。以下修正の概要を説明いたします。
第一は、總括的事項でありまして、地方公共團體の境界の裁定または決定は、内務大臣または都道府縣知事がこれを行うことと相なつてをりましたのを、事案の性質が司法的行爲でありますので、裁判所をして行わしめることに修正したのであります。
〔議長退席、副議長着席〕
第二は、選擧に關する事項であります。不在者投票の範圍を擴大して、病氣その他身體の故障により、投票所において投票することのできない者に對してもこれを認めることとし、また自書できない不具者等に對しては、自書の方法によらないで投票することができることとし、また當選人の當選の承諾を一々必要としないこととする等、選擧の民衆化及び合理化をはかり、また立會人の選任及び選擧管理委員會の構成につき、各政黨の機會均等の見地より、修正を加えることといたしたのであります。
第三は、議會に關する事項であります。議員は、任期を限り選擧人の委託を受けて選任せられて、その任にあるものでありますから、任期中定數が減少してもこれを解任しないこととし、また議會における選擧の效力に關する異議の決定に對しては、直ちに裁判所に出訴するものとして、效力の決定の公平を期するとともに、町村總會の設置は、町村の意思を尊重して、その任意に委ねることとする等、議會の自主性を尊重するため必要な修正を加えたのであります。
第四は、執行機關に關する事項であります。地方公共團體におきましては、その議會及び長は、ともに住民の直接選擧するところでありまするから、長その他の執行機關の職員は、議會の請求がなければ出席せず、説明書を提出して、豫算その他議案及び事務の概況を説明することとしたのであります。また政府の原案によれば、内務大臣及び都道府縣知事は、公聽會を開いて都道府縣知事及び市町村長を解職することができることとなつているのでありまするが、これらの者は、住民の意思により選擧せられてその任にあるものであり、これを内務大臣または都道府縣知事が、たとえ公聽會を開くとしても、一方的に解職することは適當でないので、裁判官の罷免の例に倣い、内務大臣または都道府縣知事から、法律をもつて定める彈劾裁判所に罷免の訴追を提起し、その判決に基いてこれを罷免することに修正をいたしたのであります。
都道府縣知事に對する各省大臣の指揮監督の規定につき、都道府縣の自治權尊重の趣旨よりして、行政官廳法の規定に即應して規定を整理致したのでありまするが、なお都道府縣知事をして、その處理すべき國政事務を完全に遂行せしめるため、部内の行政事務に關係のある事項について、食糧事務所、木炭事務所等、行政機關の長を指揮監督することができることといたしたのであります。
次は、先般の議會においても論議の焦點と相なりました原案執行權であります。地方議會と首長との行政組織上の基本的關係よりいたしまして、原案執行の制度はきわめて不合理でありますので、これを根本的に改め、いわゆる公益を害する場合の原案執行は全廢し、違法越權の場合には裁判所に出訴することに修正いたしたのであります。ただし法令等に基く義務費を減額した場合に限つて、豫算に計上して支出することができるものとし、非常災害の場合における應急の經費、竝びに傳染病豫防のため必要な經費を再度削除減額したときは、不信任議決とみなすことができることとし、これらの場合においては、暫定豫算をもつて必要な經費を支出する制度を認め、そのほか一般的には、議決が收入または支出に關し執行することができないものがあると認めても、單に再議に付する權限を有するに止めたのであります。第五は、監督に關する事項であります。即ち内務大臣及び都道府縣知事は、現在都道府縣及び市町村に對し、なお相當強大なる監督權を有してをりまするが、地方自治法制定の根本精神に考え、監督に關しては、關係條文のすべてにわたり根本的檢討を加えまして、大幅の修正を加えることにいたしたのであります。すなわち地方公共團體に對する内務大臣及び都道府縣知事の一般監督權に關する第二百四十六條の規定を削除し、また一般的基準を設定してその採用を勸告する制度を廢止し、強制豫算及び代執行の制度を全廢し、條例は法律中に明記した數件に限り許可を要するものとし、更正許可、不正許可等の制度もまた廢止するほか、議會不成立の場合における長の專決處分に對する指揮權も認めないこととする等、その全面にわたり修正を加えました。
以上申し上げました主要なる事項のほか、細目につきまして、民主化を徹底するため必要な修正を加え、かつ關係のある規定を整理いたしたのでありまするが、その詳細は、修正案について御覽を願いたいと存ずるのであります。
以上、地方自治法案に關する本委員會の審議の概略及び修正について御報告をいたしました。委員會は本修正案に對しまして、總員一致をもちまして、これを可決すべきものと議決いたしたわけであります。なお各派共同の提案によりまする附帶決議を議決いたしました。これを御報告いたします。
一、都道府縣の區域を適當に整備統合すること。
二、中央行政官廳の出先機關は原則として都道府縣知事のもとに移管すること。
三、警察法を速やかに立案して次の議會に提出すること。
四、五大都市を特別市として指定する法律は次の議會に提出すること。
五、公務員法を速やかに立案して次の議會に提出すること。附帶決議も、全員一致で可決いたしました次第であります。以上御報告を申し上げます。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=51
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052・井上知治
○副議長(井上知治君) 本案の第二讀會を開くに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=52
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053・井上知治
○副議長(井上知治君) 御異議なしと認めます。よつて本案の第二讀會を開くに決しました。
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054・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 直ちに本案の第二讀會を開き、第三讀會を省略して、委員長報告の通り可決せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=54
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055・井上知治
○副議長(井上知治君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=55
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056・井上知治
○副議長(井上知治君) 御異議なしと認めます。よつて本案の第二讀會を開き、議案全部を議題といたします。
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地方自治法案 第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=56
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057・井上知治
○副議長(井上知治君) 別に御發議もありません。第三讀會を省略して、委員長報告通り可決確定いたしました。(拍手)
日程第一、健康保險法の一部を改正する等の法律案の第一讀會を開きます。厚生政務次官小笠原八十美君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=57
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058・会議録情報6
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第一 健康保險法の一部を改正する等の法律案(政府提出) 第一讀會
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健康保險法の一部を改正する等の法律案
第一條 健康保險法の一部を次のように改正する。
第一條第一項中「疾病、負傷、死亡又ハ分娩」を「業務外ノ事由ニ因ル疾病、負傷若ハ死亡又ハ分娩」に改め、同條第二項中「負傷」の下に、「死亡」を加える。
第四條中「一年」を「二年」に改める。
第九條及び第九條ノ二中「行政官廳」を「行政廳」に、「當該官吏」を「當該官吏吏員」に改める。
第十條及び第四十三條ノ三中「行政官廳」を「行政廳」に改める。
第十二條中「國、北海道、府縣」を「國、都道府縣」に改める。
第十三條中第一号及び第二号を削り、第四号を第一号とし、第三号を第二号とする。
第十三條ノ二中第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号を第三号とする。
第十五條ノ二を削る。
第十七條及び第十八條中「、第十五條及第十五條ノ二」を「及第十五條」に「、第十五條第二項若ハ第十五條ノ二第二項」を「若ハ第十五條第二項」に改める。
第十九條中「又ハ第十五條ノ二」を削る。
第二十二條に次の三項を加える。
政府ガ保險者ナル場合ニ於ケル保險事業ノ運營ニ關スル重要事項ヲ審議スル爲健康保險委員會ヲ置ク
健康保險委員會ノ委員ハ被保險者ヲ代表スル者、事業主ヲ代表スル者及公益ヲ代表スル者ニ付主務大臣各同數ヲ委囑ス
前二項ニ規定スルモノノ外健康保險委員會ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十條中「又ハ第十五條ノ二第一項」を削る。
第三十八條中「官吏」を「官吏吏員」に改める。
第四十三條ノ二中「此ノ場合ニ於テハ勅令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外主務大臣ノ定ムル所ニ依リ一部負擔金ヲ支拂フベシ」を削り、同條に次の一項を加える。
前項ノ場合ニ於テ保險者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ給付ヲ受クル者ヲシテ一部負擔金ヲ支拂ハシムルコトヲ得
第四十五條 被保險者ガ療養ノ爲勞務ニ服スルコト能ハザルトキハ其ノ日ヨリ起算シ第四日ヨリ勞務ニ服スルコト能ハザリシ期間傷病手當金トシテ一日ニ付報酬日額ノ百分ノ六十ニ相當スル金額ヲ支給ス
第四十七條 傷病手當金ノ支給期間ハ同一ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ發シタル疾病ニ關シテハ其ノ支給ヲ始メタル日ヨリ起算シ六月ヲ以テ限度トス
主務大臣ノ指定スル疾病ニ關シテハ保險者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ期間ヲ超エ繼續シテ傷病手當金ノ支給ヲ爲スモノトス
第四十九條第一項但書を次のように改める。
但シ其ノ金額ガ勅令ヲ以テ定ムル額ニ滿タザルトキハ勅令ヲ以テ定ムル額ヲ支給ス
第六十一條中「若ハ」を「又ハ」に改め、「又ハ故意ニ危害豫防ニ關スル業務上ノ監督者ノ指揮ニ從ハザルニ因リ」を削る。
第六十二條第一項中第一号を削り、第二号を第一号とし、以下順次一号づつ繰上げる。
第七十條中「健康保險事業ニ要スル費用ノ一部」を「健康保險事業ノ事務ノ執行ニ要スル費用」に改める。
第七十二條中「第十五條ノ二又ハ」を削る。
第七十四條第一項中「第十五條ノ二又ハ」を削る。
第八十條中「地方社會保險審査會ニ」を「保險審査官ノ」に、「中央社會保險審査會」を「社會保險審査會」に、「通常裁判所」を「裁判所」に改める。
第八十條ノ二 保險審査官ハ必要アリト認ムルトキハ保險給付ノ決定ニ關シ職權ヲ以テ之ヲ審査スルコトヲ得
保險審査官審査ノ爲必要アリト認ムルトキハ保險給付ノ決定ヲ爲シタル當該官吏吏員ニ對シ質問ヲ爲サシメ若ハ出頭ヲ命ジ又ハ醫師ニ診斷若ハ檢案ヲ爲サシムルコトヲ得
第八十二條中「中央社會保險審査會」を「社會保險審査會」に改める。
第八十三條 社會保險審査會ノ委員ハ被保險者ヲ代表スル者、事業主ヲ代表スル者及公益ヲ代表スル者ニ付主務大臣各同數ヲ委囑ス
第八十三條ノ二 本章ニ規定スルモノノ外保險審査官及社會保險審査會ニ關シ必要ナル事項ハ、勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八十六條中「三十日」を「六十日」に改める。
第八十七條中「當該官吏」を「當該官吏吏員」に、「五百圓」を「五千圓」に、「三百圓」を「事業主ニ在リテハ一萬圓、事業主以外ノ者ニシテ保險給付ヲ受クベキモノ其ノ他ノ關係者ニ在リテハ五千圓」に改め、「又ハ科料」を削る。
第八十八條中「百圓」を「一萬圓」に改める。
第八十八條ノ二 第八十條ノ二ノ規定ニ依ル保險審査官ノ請求アリタル場合ニ於テ正當ノ理由ナクシテ報告ヲ爲サズ、虚僞ノ報告ヲ爲シ若ハ出頭セズ又ハ醫師ノ診斷ヲ拒ミタル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第九十條第一項及び第二項中「百圓」を「五千圓」に改める。
第九十一條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シテ第八十七條第三項若ハ第四項、第八十八條又ハ第八十八條ノ二ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ各本條ノ罰金刑ヲ科ス
第九十二條及び第九十三條を削る。
第二條 厚生年金保險法の一部を次のように改正する。
第一條中「、脱退又ハ婚姻」を「又ハ脱退」に改める。
第二條に次の三項を加える。
厚生年金保險事業ノ運營ニ關スル重要事項ヲ審議スル爲厚生年金保險委員會ヲ置ク
厚生年金保險委員會ノ委員ハ被保險者ヲ代表スル者、事業主ヲ代表スル者及公益ヲ代表スル者ニ付主務大臣各同數ヲ委囑ス
前二項ニ規定スルモノノ外厚生年金保險委員會ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條中「、結婚手當金又ハ第四十二條ノ二ノ規定ニ依ル一時金」を削り、「一年」を「二年」に、「第三十八條乃至第三十九條ノ二」を「第三十八條、第三十九條」に改める。
第八條及び第九條中「行政官廳」を「行政廳」に改める。
第十條中「行政官廳」を「行政廳」に、「當該官吏」を「當該官吏吏員」に改める。
第十一條中「行政官廳」を「行政廳」に、「(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ東京都)」を「(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ區)」に改め、「當該市町村」の下に「(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ區)」を加える。
第十四條中「東京都、北海道、府縣」を「都道府縣」に改める。
第十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル事業所ニ使用セラルル者ハ厚生年金保險ノ被保險者トス但シ船員保險ノ被保險者及勅令ヲ以テ指定スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
一 左ニ掲グル事業ノ事業所ニシテ常時五人以上ノ從業員ヲ使用スルモノ
(イ) 物ノ製造、加工、選別、包裝、修理又ハ解體ノ事業
(ロ) 鑛物ノ採掘又ハ採取ノ事業
(ハ) 電氣又ハ動力ノ發生、傳導又ハ供給ノ事業
(ニ) 貨物又ハ旅客ノ運送ノ事業
(ホ) 貨物積卸ノ事業
(ヘ) 燒却、清掃又ハ屠殺ノ事業
(ト) 物ノ販賣ノ事業
(チ) 金融又ハ保險ノ事業
(リ) 物ノ保管又ハ賃貸ノ事業
(ヌ) 媒介周旋ノ事業
(ル) 集金、案内又ハ廣告ノ事業
二 法人ノ事務所ニシテ常時五人以上ノ從業員ヲ使用スルモノ
第十六條ノ二第一項中「地方長官(東京都ニ在リテハ警視總監以下同ジ)」を「行政廳」に改める。
第十七條、第二十條ノ二及び第二十一條中「地方長官」を「行政廳」に改める。
第二十四條第三項但書を次のように改める。
但シ脱退手當金ノ支給ヲ受ケタルトキハ其ノ計算ノ基礎ト爲リタル期間ハ之ヲ合算セズ
第二十五條但書を次のように改める。
但シ坑内夫タル被保險者トシテ使用セラレタル實期間ニ付同條ノ規定ニ依リ計算シタル期間ガ十五年ヲ超ユル場合ニ於テハ十五年ヲ超エル部分ノ實期間ハ同條ノ規定ニ依リ之ヲ計算ス
第二十六條中「第三十八條乃至第三十九條ノ二」を「第三十八條、第三十九條」に改める。
第三十一條 被保險者タリシ期間二十年以上ナル者ガ其ノ資格ヲ喪失シタルトキハ其ノ者ノ死亡ニ至ル迄養老年金ヲ支給ス繼續シタル十五年間ニ於テ坑内夫タル被保險者ノトシテノ被保險者タリシ期間ガ十六年以上ナル者ニ付亦同ジ
前項ノ養老年金ハ坑内夫タル被保險者トシテノ被保險者タリシ期間ガ二十年以上ナル者及同項後段ニ該當スル者ニ付テハ五十歳ニ至ル迄其ノ他ノ者ニ付テハ五十五歳ニ至ル迄其ノ支給ヲ停止ス
第三十二條第二項を削る。
第三十三條中「業務上ノ事由以外ノ事由(以下業務外ノ事由ト稱ス)ニ因リ」を削る。
第三十四條第一項中「第二項後段」を「第一項後段」に改め、「業務外ノ事由ニ因リ」を削る。
第三十六條第一項に次の但書を加え、同條第三項中「業務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル者ガ」及び「五年間」を削り、「三年」を「六月」に改める。
但シ其ノ者ガ勞働基準法第七十七條ノ規定ニ依ル障害補償又ハ勞働者災害補償保險法第十二條第三號ノ規定ニ依ル保險給付ヲ受クル者ナルトキハ障害年金ハ勞働基準法第八十二條若ハ勞働者災害補償保險法第十六條ノ規定ニ依ル期間之ヲ支給セズ又ハ障害手當金ハ之ヲ支給セズ
第三十七條第一項を次のように改め、同條第三項及び第四項を削る。
障害年金又ハ障害手當金ノ額ハ被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ癈疾ト爲リタル場合ニ於テ其ノ癈疾ノ原因ト爲リタル疾病又ハ負傷ノ發シタル日ノ屬スル月前三月間(繼續シタル被保險者タリシ期間三月未滿ナルトキハ其ノ期間)ノ報酬月額ヲ平均シタル報酬月額(此ノ額ガ平均報酬月額ヨリ少額ナルトキハ平均報酬月額)ニ別表第一ニ定ムル月數ヲ乘ジテ得タル金額トス
第三十七條ノ二を削る。
第三十八條 被保險者タリシ期間二十年以上ナル者ニシテ障害年金ノ支給ヲ受クル權利ヲ有スルモノガ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキトキハ被保險者タリシ者ノ支給ヲ受ケタル養老年金又ハ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ六年分ニ相當スル金額(勞働基準法第七十七條ノ規定ニ依ル障害補償又ハ勞働者災害補償保險法第十二條第三號ノ規定ニ依ル保險給付ヲ受ケタル者以外ノ者ニシテ障害年金ノ支給ヲ受クル權利ヲ有スルモノニ在リテハ其ノ障害年金ノ額ノ計算ノ基礎ト爲リタル報酬月額ノ十月分ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ金額)ヲ一時金トシテ被保險者タリシ者ノ遺族ニ支給ス但シ既ニ支給ヲ受ケタル養老年金又ハ障害年金アルトキハ其ノ支給ヲ受ケタル年金ノ總額ヲ控除シタル残額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第三十九條第一項を次のように改め、同條第二項中「第二項後段」を「第一項後段」に改める。
被保險者タリシ期間二十年未滿ナル者ニシテ障害年金ノ支給ヲ受クル權利ヲ有スルモノガ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ガ被保險者ノ資格喪失ノ際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ脱退手當金ニ相當スル金額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス但シ既ニ受ケタル障害年金アルトキハ其ノ支給ヲ受ケタル障害年金ノ總額ヲ控除シタル殘額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
前項ノ規定ニ依ル脱退手當金ニ相當スル金額ハ労働基準法第七十七條ノ規定ニ依ル障害補償又ハ労働者災害補償保險法第十二條第三號ノ規定ニ依ル保險給付ヲ受ケタル者以外ノ者ニ在リテハ其ノ脱退手當金ト其ノ障害年金ノ額ノ計算ノ基礎ト爲リタル報酬月額ノ十月分トノ合算額(其ノ合算額が平均報酬月額ノ二十二月分ヲ超ユルトキハ二十二月分ニ止ム但シ其ノ障害金ノ額ノ計算ノ基礎ト爲リタル報酬月額ノ十月分ヲ下ルコトヲ得ズ)トス
第三十九條ノ二を削る。
第四十二條中「ヲ受クル權利ヲ有スル者」を「ノ支給ヲ受クル者」に改める。
第四十二條ノ二を削る。
第四十四條 被保險者タリシ期間二十年以上ナル者死亡ガシタル場合ニ於テハ其ノ者ノ遺族ニ對シ遺族年金ヲ支給ス但シ労働基準法第七十九條ノ規定ニ依ル遺族補償又ハ労働者災害補償保險法第十二條第四號ノ規定ニ依ル保險給付ヲ受クル者ナルトキハ遺族年金ハ労働基準法第八十二條又ハ労働者災害補償保險法第十六條ノ規定ニ依ル期間ハ之ヲ支給セズ
第四十五條 遺族年金ノ額ハ左ノ區別ニ依ル金額トス
一 養老年金ノ支給ヲ受クル者ガ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ニ支給セラルル養老年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當スル金額
二 被保險者タリシ期間二十年以上ナル者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當スル金額
三 被保險者タリシ期間二十年以上ナル者ニシテ障害年金ノ支給ヲ受クル權利ヲ有スルモノガ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當スル金額
第四十五條ノ二中「各項」を「各號」に改める。
第四十七條 遺族年金ノ支給ヲ受クル權利ヲ有スル者ガ其ノ權利ヲ失ヒタル場合ニ於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後順位者ナキトキハ被保險者タリシ者ノ支給ヲ受ケタル養老年金又ハ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ六年分ニ相當スル金額(労働基準法第七十七條ノ規定ニ依ル障害補償又ハ労働者災害補償保險法第十二條第三號ノ規定ニ依ル保險給付ヲ受ケタル者以外ノ者ニシテ障害年金ノ支給ヲ受クル權利ヲ有スルモノニ在リテハ其ノ障害年金ノ額ノ計算ノ基礎ト爲リタル報酬月額ノ十月分ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ金額)ヲ一時金トシテ被保險者タリシ者ノ遺族ニ支給ス但シ既ニ支給ヲ受ケタル養老年金、障害年金又ハ遺族年金アルトキハ其ノ支給ヲ受ケタル年金ノ總額ヲ控除シタル殘額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第五節 脱退手當金
第四十八條第一項を次のように改め、同條第三項中「第二項後段」を「第一項後段」に改める。
被保險者タリシ期間六月以上二十年未滿ナル被保險者ガ其ノ資格ヲ喪失シタルトキハ脱退手當金ヲ支給ス
第四十九條第一項中「別表第三」を「別表第二」に改め、「(業務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害手當金ノ支給ヲ受クル者ニ支給スベキ脱退手當金ノ額ニ付テハ障害手當金ノ額ト合算シテ平均報酬月額ノ二十六月分ニ相當スル金額)」及び同條第二項を削る。
第四十九條ノ二第一項中「三年以上二十年未滿ナル者」を「六月以上二十年未滿ナル被保險者」に、「前條第一項」を「前條」に及び「別表第四」を「別表第三」に改め、「業務外ノ事由ニ因リ」及び同第二項を削る。
第四十九條ノ三を削る。
第五十一條 障害年金ヲ受クル權利ヲ有スル者ガ第四十一條ノ規定ニ依リ障害年金ノ支給ヲ受クザルニ至リタル場合ニ於テハ其ノ者ガ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ脱退手當金ニ相當スル金額ヲ一時金トシテ支給ス但シ既ニ支給ヲ受ケタル障害年金アルトキハ其ノ支給ヲ受ケタル障害年金ノ總額ヲ控除シタル殘額ヲ一時金トシテ支給ス
第五十一條ノ二及び第五十一條ノ三を削る。
第五十二條第一項中「、第四十二條ノ二ノ規定ニ依ル一時金」を削り、同條第二項中「第三十八條乃至第三十九條ノ二」を「第三十八條、第三十九條」に改める。
第五十三條中「、障害手當金又ハ第四十二條ノ二ノ規定ニ依ル一時金」を「又ハ障害手當金」に改める。
第五十七條第二項中「及第七十條ノ三」を削る。
第五十九條ノ二を削る。
第六十二條第一項中「不服アル者ハ中央社會保險審査會」を「不服アル者ハ保險審査官ニ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アル者ハ社會保險審査會」に、「通常裁判所」を「裁判所」に改める。
第六十四條中「中央社會保險審査會」を「社會保險審査會」に改める。
第六十五條 削除
第六十六條中「三十日」を「六十日」に改める。
第六十七條 事業主左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ一萬圓以下ノ罰金ニ處ス
一 本法ノ規定ニ依ル報告ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ報告ヲ爲シ、文書ノ提出ヲ爲サズ又ハ出頭セザルトキ
二 本法ノ規定ニ依ル當該官吏吏員ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタルトキ
第六十八條 事業主以外ノ者ニシテ保險給付ヲ受クベキモノ其ノ他ノ關係者左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 本法ノ規定ニ依ル報告、申出若ハ屆出ヲ爲サズ、虚僞ノ報告、申出若ハ屆出ヲ爲シ、文書ノ提出ヲ爲サズ又ハ出頭セザルトキ
二 本法ノ規定ニ依ル當該官吏吏員ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタルトキ
第六十九條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他從業者其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ前二條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ各本條ノ罰金刑ヲ科ス
第七十條 削除
第七章、第七十條ノ二及び第七十條ノ三を削る。
第七十五條 削除
別表第一を次のように改める。
別表第二を次のように改める。
別表第三を次のように改める。
別表第四を削る。
第三條 昭和十九年法律第二十一號の一部を次のように改正する。
附則第七條を削除する。
第四條 昭和二十一年法律第四十八號は、これを廃止する。
附 則
第一條 この法律施行の期日は、勅令で、これを定める。
第二條 常時五人未滿の從業員を使用する事業所で、從前の健康保險法第十三條第一号又は第二号に規定する事業所であつたもの又はこれらの事業所であつたため、從前の厚生年金保險法第十六條の規定による事業所であつたものについては、この法律施行の日において、健康保險法第十四條又は厚生年金保險法第十六條ノ二の認可があつたものとみなす。但しこの法律施行の日から一箇月以内に行政廳に被保險者の全部について、その資格を喪失させる旨の届出をした場合は、この限りでわない。
第三條 健康保險法による保險給付で、この法律施行の日前における業務上の事由に因る疾病又は負傷及びこれに因り発した疾病に関するものについては、なお從前の例による。
第四條 厚生年金保險法による保險給付で、この法律施行の日において、現に支給を受ける権利のある者に支給するものについては、なお從前の例による。
第五條 厚生年金保險法による保險給付で、この法律施行の日前における被保險者の疾病若しくは負傷及びこれに因り発した疾病が、厚生年金保險法第三十六條第一項若しくは從前の同法第三十九條ノ二の規定による勅令で定める期間内に治癒した日若しくは治癒せずしてその期間を経過した日又は業務上の事由に因る疾病若しくは負傷及びこれに因り発した疾病に因りその被保險者が死亡した日が、この法律施行の日以後である場合に、その者又はその者の遺族に支給するものについては、なお從前の例による。
第六條 厚生年金保險法による保險給付で、この法律施行の日以後に、前二條の規定により保險給付の支給を受ける権利のある者が死亡したことに因り、その者の遺族に支給するものについては、なお從前の例による。
第七條 この法律施行の日において、厚生年金保險法の被保險者である女子又は同法の被保險者であつた女子については、この法律施行の日以後において被保險者の資格を喪失した場合又は再び被保險者となりその資格を喪失した場合は、この法律施行の日前における期間の平均報酬日額に、被保險者であつた期間(脱退手当金の支給を受けた者については、その者の受けたすべての脱退手当金の支給の計算の基礎となつた期間を除く)に應じ、左表に定める日数を乘じて得た金額に、厚生年金保險法第四十八條又は第四十九條の二の規定による脱退手当金を加えて、これを脱退手当金として支給する。
第八條 昭和十九年一月一日以後昭和二十年八月三十一日に至るまでの期間において、厚生年金保險法の坑内夫であつた被保險者の、その期間における被保險者であつた期間の加算及びこれにより増加する保險給付に要する費用の國庫の負担については、なお從前の例による。
第九條 從前の厚生年金保險法第七十五條又は昭和十九年法律第二十一号附則第七條の規定の適用を受けた者に対して、厚生年金保險法を適用するについては、勅令をもつて、別段の定をなすことができる。
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〔政府委員小笠原八十美君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=58
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059・小笠原八十美
○政府委員(小笠原八十美君) ただいま議題となりました健康保險法の一部を改正する等の法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
今般勞働基準法の制定に伴いまして、勞働者災害補償保險制度が創設せられました關係上、從來の健康保險法及び厚生年金保險法における勞働者の業務上の災害に對する給付を、勞働者災害補償保險制度に移す必要が生じましたので、これに伴う所要の改正をするとこといたしたのであります。從つてこの改正の結果、健康保險においては、業務外の事故に對してのみ給付をなすこととなり、厚生年金保險においては、業務外の事故に對し給付をするのほか、業務上の事故につきましても、場合により、勞働者災害補償保險からの給付を受ける一定期間を經過した後給付をすることとなるのであります。
なお厚生年金保險においては、障害給付につきまして、被保險者の最終三箇月間の平均標準報酬を給付額の計算の基礎とすることとし、最近の經濟界の變動に伴いまして生じます被保險者の不利益を是正するのほか、障害給付及び脱退手當金の支給條件の緩和等、保險給付の内容につきまして若干の改正をいたしたのであります。
その他、この事業の民主的經營をはかるため、それぞれ健康保險委員會及び厚生年金保險委員會を設置するとともに、保險審査官の制度を設けました次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御協贊あらんことを希望いたします。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=59
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060・井上知治
○副議長(井上知治君) 本案の審査を付託すべき委員の選擧についてお諮りいたします。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=60
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061・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案は、政府提出勞働者災害補償保險法案委員に併せ付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=61
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062・井上知治
○副議長(井上知治君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=62
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063・井上知治
○副議長(井上知治君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
日程第六、地方競馬法の一部を改正する法律案の第一讀會を開きます。提案者の趣旨辯明を許します。提案者小川原政信君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=63
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064・会議録情報7
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第六 地方競馬法の一部を改正する法律案(小川原政信君外五名提出) 第一讀會
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地方競馬法の一部を改正する法律案
地方競馬法の一部を次のように改正する。
第三條中「この法律により競馬を行ふ」を「第一條第一項に規定する馬事團體の行ふ競馬の」に改め、左の但書を加える。
但し、主務大臣は、馬事の振興を圖るため必要ありと認めるときは、北海道六箇所以内、都府縣各各二箇所以内とすることができる。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
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〔小川原政信君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=64
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065・小川原政信
○小川原政信君 私は地方競馬法の一部を改正する法律案を提出いたしましたにつきまして、そのおもなる點を申し上げたいと存じます。
第三條中「この法律により競馬を行ふ」を、「第一條第一項に規定する馬事團體の行う競馬の」と改めるのでありまして、これに對しまして但書をつけたいと思うのであります。「但し、主務大臣は、馬事の振興を圖るため必要ありと認めるときは、北海道六箇所以内、都府縣各各二箇所以内とすることができる。」、かようでございます。
簡單にその理由を申し述べます。わが國の現状竝びに將來を熟慮いたしますのに、食糧の増收、また被服の増産、體位の向上は緊急の要務であると深く信じます。現在遂行いたしておりまする全國百五十萬町歩を開發いたしましても、馬百四十萬頭、牛數十萬頭を導入せねばならぬ状態であります。昨年七萬五千町歩を開發いたしましたが、牛馬が不足でありまして、五萬町歩をそのままにいたして、入植ができないという有樣であります。
また昨年中に生産をいたしました厩肥を分析いたしまして、肥料の三要素を現在の肥料價格に直してみますると、實に驚くなかれ三百六十億に達するのでございます。そうして現水田三百萬町歩に對しまして厩肥を施肥いたしましたとするならば、驚くなかれ八百萬石の増收が直ちに得られるということがわかるのであります。また大麥のまきつけ總反別に厩肥を施肥いたしたとするならば、數十萬石の増産を見るのであります。これは試驗場の試驗成績によつて嚴然たる事實があるのであります。食糧危急も易々として解決することができるのであります。
また被服にいたしましても、羊毛のことはもとよりでございますが、現在馬毛、牛毛、この拔け毛をもつて立派な洋服地をつくつておるのであります。ここにくつについて一例を申し述べてみますならば、全國民が二箇年に一足のくつをつくるとすると、年々牛四百万頭を屠らなければならないのであります。そうでなければ、くつをはくことができない。また今日われわれ國民の体位は非常に低下しているということは事實であります。殊に乳幼兒、病人でさえも、乳肉製品を與えることができない、まことに哀れな姿になつておりまして、遺憾この上ないことであります。
でありますかうして、國民の要望してやみませんところの競馬場を増設いたしまして、農耕馬の改良増殖をはかることはもちろんであります。競馬によつて得ましたところの益金を、畜産のために還元したいというのが目的であります。そうしてこの金によりまして、この畜産業の振興をはからねばならないのであります。ゆえに本案を提出いたしました次第でありますから、何とぞ満場一致をもちまして御贊成あらんことを希望してやまないものでございます。(拍手)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=65
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066・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案は議長指名十八名の委員に付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=66
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067・井上知治
○副議長(井上知治君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=67
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068・井上知治
○副議長(井上知治君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=68
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069・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、昭和二十年度第一豫備金支出の件、昭和二十年度緊急對策費第一豫備金支出の件、昭和二十年度特別會計第一豫備金支出の件、昭和二十年度特別會計豫備費支出の件、昭和二十一年度第二豫備金支出の件、昭和二十一年度特別會計第二豫備金支出の件、臨時軍事費特別會計豫備費支出の件及び臨時軍事費特別會計豫備費外豫算超過支出の件、以上の八件を一括議題となし、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=69
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070・井上知治
○副議長(井上知治君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=70
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071・井上知治
○副議長(井上知治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
昭和二十年度第一豫備金支出の件外七件の承諾を求める件を議題といたします。大藏政務次官北村徳太郎君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=71
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072・会議録情報8
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昭和二十年度第一豫備金支出の件
昭和二十年度緊急對策費第一豫備金支出の件
昭和二十年度特別會計第一豫備金支出の件
昭和二十年度特別會計豫備費支出の件
昭和二十一年度第二豫備金支出の件
昭和二十一年度特別會計第二豫備金支出の件
臨時軍事費特別會計豫備費支出の件
臨時軍事費特別會計豫備費外豫算超過支出の件
(承諾を求める件)
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〔政府委員北村徳太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=72
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073・北村徳太郎
○政府委員(北村徳太郎君) ただいま議題に供せられました昭和二十年度第一豫備金支出の件外事後承諾を求める件七件につき、大體の御説明をいたします。
昭和二十年度一般會計第一豫備金の豫算額は二億圓でありまして、會計規則等戰時特例第三十二條の二によりまして、その全額を豫算超過支出に充當いたしました。しかしてその充當しました重要な事項は、義務教育費國庫負擔金、警察費連帶支辨金、臨時家族手當、教員臨時家族手當補助、勤續手當等であります。
次に、昭和二十年度の一般會計緊急對策費第一豫備金の豫算額は二十億圓でありまして、うち、會計規則等戰時特例第三十二條の二によつて補充いたしました金額は、十八億三千九百餘萬圓であります。今その重要なる事項を申し述べますれば、戰時災害保護に要する經費、歸還輸送に要する經費、損害保險中央會補助及び生命保險會社損失補償に要する經費、簡易住宅建設及び罹災上下水道應急復舊に要する經費、横穴式防空地下施設費補助に要する經費住宅供給應急施設に要する經費、戰災者その他就農對策に要する經費等であります。
次に、昭和二十年度において、その第一豫備金より豫算超過支出をいたしました特別會計は、造幣局、印刷局、專賣局、金資金、大藏省預金部、通信事業、簡易生命保險及び郵便年金、厚生保險、勞働者災害扶助責任保險、食糧管理、薪炭需給調節、農業家畜再保險、森林火災保險、漁船再保險、燃料局の十五特別會計であります。なお朝鮮總督府、朝鮮食糧管理、朝鮮簡易生命保險及び郵便年金、臺灣總督府、臺灣食糧管理、樺太廳、南洋廳、關東局の各外地關係の特別會計におきましては、終戰に伴つて第一豫備金または豫備費の支出はもとより、一般經理の状況を明らかにすることが困難の状況となりましたので、その事後承諾案も提出してありません。當該特別會計の昭和二十年度歳入歳出決算とともに、當分の間その提出を延期したと考えます。
次に、昭和二十年度において、その豫備費から豫算超過支出をいたしました特別會計は、食糧管理、帝國鐵道の二特別會計であります。
次に、昭和二十一年度一般會計改定豫算における當初の第二豫備金豫算額は、六億圓でありましたが、右は今期帝國議會提出の追加豫算において、これを四億七千萬圓に減額することとしております。しかして右について、豫算外として昭和二十一年十月二十一日より、同年十一月二十二日に至る間において、四億五千七百餘萬圓を支出いたしました。その重要な事項は、臨時豫防對策諸費、大藏本省分室用建物その他買收費、石炭増産對策諸費、國産原油價格調整補給金、臨時勤勞對策諸費、小額紙幣製造費補足、人口動態調査改善諸費等であります。
次に、昭和二十一年度において、その第二豫備金をもつて豫算外支出をいたしました特別會計は、專賣局でありまして、專賣局機構整備に要する經費であります。
次に、臨時軍事費特別會計における豫備費支出及び豫備費外豫算超過支出の事後承諾を求むる件について御説明申し上げます。臨時軍事費特別會計は、御承知のごとく昭和十二年法律第八十五號をもつて設置され、戰爭の終局までを一會計年度といたしまして、特別に整理されてまいりましたところ、昭和二十一年勅令第百十號によりまして、昭和二十一年二月二十八日をもつて終結されましたのでありますが、その間臨時軍事費特別會計設置當時、一般會計より移し整理いたしました額を加え、その豫算總額は二千二百十九億餘圓に達しましたが、そのうち豫備費豫算額は五百十億八千萬圓でありまして、此の豫備費から補充いたしました額は、昭和十二年十月三十日より昭和二十年十二月一日までの間におきまして、三十二囘にわたり、三百四十五億二千百餘萬圓であります。いずれも戰局の推移に伴つて、臨時軍事費の支出が多く、その豫算に不足を生じたためであります。
次に、臨時軍事費特別會計におきまして、その歳入金をもつて豫備費外豫算超過支出をいたしました額は、昭和十六年十一月一日及び同五日の二囘にわたり、一億九千三百四十餘萬圓であります。これまたいずれも戰局の推移に伴いまして、臨時軍事費の支出が多く、その豫算に不足を生じたためであります。
以上をもつて、昭和二十年度第一豫備金支出の件ほか七件事後承諾を求める件の説明といたします。何とぞ御審議の上、速やかに御承諾あらんことを希望いたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=73
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074・井上知治
○副議長(井上知治君) 各件の審査を付託すべき委員の選擧についてお諮りいたします。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=74
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075・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 各件は一括して、政府提出昭和十四年法律第七十八號を改正する法律案委員に併せ付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=75
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076・井上知治
○副議長(井上知治君) 山口君 の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=76
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077・井上知治
○副議長(井上知治君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=77
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078・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 この際暫時休憩せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=78
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079・井上知治
○副議長(井上知治君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=79
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080・井上知治
○副議長(井上知治君) 御異議なしと認めます。よつて暫時休憩いたします。
午後三時二十一分休憩
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午後六時三十八分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=80
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081・山崎猛
○議長(山崎猛君) 休憩前に引續き會議を開きます。明二十三日は午後一時より本會議を開きます。議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散會いたします。(拍手)
午後六時三十九分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009213242X02319470322&spkNum=81
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