1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治二十九年三月二日(月曜日)午後一時二十四分開議
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議事日程 第二十九號 明治二十九年三月二日(月曜日)
午後一時開議
第一 害蟲驅除豫防法案(政府提出) 第一讀會の續(特別委員長報告)
第二 船舶檢査法案(政府提出貴族院送付) 第一讀會
第三 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第四 船舶職員法案(政府提出貴族院送付) 第一讀會
第五 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第六 船舶職員懲戒法案(政府提出貴族院送付) 第一讀會
第七 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第八 銀行合併法案(政府提出) 第一讀會
第九 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十 開港外に於て外國貿易の爲め船舶出入及貨物輸出入の件に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十一 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十二 福井縣越前國敦賀港外七港に於て東洋貿易に關する船舶の出入許可法律案(小畑岩次郎君外八名提出) 第一讀會
第十三 開港法案(須藤時一郎君外五名提出) 第一讀會
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001・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 諸君、是ヨリ諸般ノ報告ヲ爲シマスル
〔佐脇書記官朗讀〕
議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
國界變更法律案
提出者齋藤良輔君秋保親兼君
大阪府兵庫縣境界變更法律案
提出者中野廣太郞君秋岡義一君
豐田文三郞君濱田儀一郞君
高橋安爾君
帝國圖書館設立ノ建議案
提出者鈴木充美君重野謙次郞君
小室重弘君小松三省君
牛痘苗製造業者處分ニ關スル建議案
提出者脇坂行三君野口代治君
早川龍介君首藤陸三君
兩院協議會議長及副議長左ノ通リ當選セラレタリ
鐵道敷設法中改正法律案
協議會議長梶山鼎介君
同副議長望月右內君
特別委員長及理事左ノ通リ當選セラレタリ
移民保護法案審査特別委員長工藤行幹君
同理事板東勘五郞君
特別委員左ノ通リ指名セリ
大阪府下郡廢置法律案外四件審査特別委員
東尾平太郞君中野治兵衞君
名倉次君秋岡義一君
後藤五郞治君櫻井勉君
水島保太郞君波多野傳三郞君
富永隼太君肥塚龍君
喜多川孝經君改野耕三君
小金井權三郞君櫻井義起君
小柳卯三郞君草刈武八郞君
山田嘉穀君橋本省吾君
埼玉縣下國界變更及郡廢置法律案外四件審査特別委員
福田久松君田中正造君
濱名信平君原善三郞君
志波三九郎君倉島松男君
新井毫君小原金治君
田村順之助君大須賀庸之助君
湯本義憲君高橋與市君
新井啓一郞君野口〓君
四宮有信君木村格之輔君
千葉禎太郞君荒井啓五郞君
奈良縣下郡廢置法律案外四件審査特別委員
中山平八郞君寺田彥太郞君
深山聳峮君植田理太郞君
野口代治君田中鳥雄君
森本確也君淺見與一右衞門君
西田忠之君松島廉作君
土居光華君細井金四郞君
井上彥左衞門君松尾德三郞君
大野龜三郞君脇坂行三君
江原素六君長谷川龜一郞君
福島縣下郡慶置法律案外四件審査特別委員
愛澤寧堅君石塚重
昌藏平
金岡又左衞門君佐藤
內山正治君島田孝之
松尾君君君君君君
谷河尙忠君平島
西谷金藏君島間
勇作
成田直衞君佐園南山
石谷董九郞君藤忠望君
吉本榮吉君恆松隆慶君
下飯坂權三郞君鈴江泰造君
岡山縣下郡廢置法律案外四件審査特別委員
守屋此助君輝見君
井森
永井頴雄君手毛三
佐々木高榮君大田信一君君君
和田彥次郞君佐藤兵八
鎌田勝太郞君金尾稜嚴君
竹內正志君石原彥太郞君
西村禮作君小鷹狩元凱君
大石廉君小西甚之助君
井上角五郞君岡崎邦輔君
愛媛縣下郡廢置法律案外四件審査特別委員
宮內治三郞君川越進君
堤猷久君村上芳太郞君
小室重弘君江藤新作君
其政府富永正男君
江公寧君佐々木正藏君
國家協會理由郞君
木重遠君津田嘉一
富時敏君肥田木基昌君
紫藤寛治君立花親信君
坪田仁兵衞君藤岡常彥君
鹿兒島縣下國界竝郡界變更及郡慶置法律案外一件審査特別委員
厚地政〓君毛利莫君
濱田儀一郎君堤猷久君
江島久米雄君蒲生仙君
直原守次郞君中野廣太郞君
箕浦勝人君
府縣農事試驗場國庫補助法案審査特別委員
安田益太郞君高木正年君
渡邊新太郞君福江角太郞君
赤松新右衞門君太田孫次右衞門君
田口卯吉君小松三省君
松尾寬三君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=1
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002・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 是ヨリ會議ヲ開キマス、請暇ノ件ニ就イテ決議ヲ要シ
マスル、佐々友房君、小川虎一君、孰モ病氣ニ附キ二週間ノ請暇、御承認ヲ
請ヒマス
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=2
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003・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 唯今ヨリ酒造稅ノ委員會ヲ開キマスルニ依ッテ該委員
長ヨリ退席ノ請求ガゴザリマス是レ亦御承認ヲ請ヒマス
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=3
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004・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 豫算委員長星亨君
〔星亨君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=4
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005・星亨
○星亨君(八番) 諸君、豫算委員會ノ經過ト結果ヲ御報道致シマス、明治二
十八年度ノ歲出歲入ノ豫算追加、明治二十九年度ノ歲出歲入豫算追加、些一
ツノモノニ就キマシテ、本日豫算委員會ヲ開キマシテ、サウシテ直ニ決シマシ
井、是ハ此度路國皇帝ガ卽位戴冠式ヲ行ルヽニ就イテ、我國ヨリ大使ガ派出
ニナリマスノデアリマス、其臨場費用デゴザリマス、急ヲ要スル話デゴザリ
マスカラ、唯今申シタ如ク、本日會ヲ開キマシテ、サウシテ直チニ原案通ニ
可決致シマシタノデアル、デ、此段御報道致シマス、又是ハ急ヲ要スル譯デ
ゴザリマスルシ、又餘程込入ックモノデモナイト考ヘマスガ故ニ、願ハクハ
議事日程ヲ變更サレテ、直チニ決議アランコトヲ希望致シマスノデアリマス
(「贊成々々」ト呼フ者アリ「異議ナシ」ト呼フ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=5
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006・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 豫算委員長ヨリ議事日程變更ノ請求ガアリマス、御異
議ナクバ議事日程ハ玆ニ變更致サレマシタ、卽チ豫算追加案全部ヲ議題ニ供
シマス、朗讀ハ省略シマス
(丁)明治二十八年度歲入歲出總豫算追加
(庚)明治二十九年度歲入歲出總豫算追加
〔豫算案ハ例ニ依ッテ玆ニ揭載セス〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=6
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007・楠本正隆
○議長(楠木正隆君) 決議ヲ採リマス、該案同意ノ諸君ハ起立
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=7
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008・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 大多數-是ヨリ議事日程ノ第一、害蟲驅除豫防法案
第一讀會ノ續ヲ開キマスル-佐々木松坪君
第一害蟲驅除豫防法案第一讀會ノ續
〔佐々木松坪君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=8
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009・佐々木松坪
○佐々木松坪君(百二十三番) 私ハ本日議事日程ノ第一、害蟲驅除豫防法案
ノ委員會ノ經過、及結果ヲ御報道致シマスル、該案ハ二月六日ニ委員ニ付託
ニナリマシテ、ソレヨリ八日ニ委員長理事ノ選舉會ヲ開キマシテ、尙ホ十五
日ニ開會致シマシテカラニ、ソレ〓〓審議ノ手續ニ掛ケマシテ、質問ヲ要シ
マシタ譯デゴザリマス、引續イテ委員會ヲ開ク積デアリマシタ處、不幸ニシ
テ停會ニ相成リマシテカラニ、更ニ去月二十七日ニ重テ委員會ヲ開キマシタ
譯デアリマス、而シテ本案ハ委員會ニ於キマシテハ之ヲ本院ニ於テ可決ス
ベキモノト認メマシタ譯デゴザリマス、一體此害蟲ノ事ハ私ガ殊更ニ申スマ
デモナク、諸君御熟知ノ如ク、或ハ其一部一區ニ於キマシテ、此豫防驅除ノ
法ヲ施行致シマスルニ就キマシテハ是非此規定ガナケレバ其效ヲ奏スルコ
トガ出來マセヌノデ、是非之ヲ一般、此驅除ノ方法ヲ其時ニ從ヒ、其模樣ニ
依リマシテカラニ、方法ヲ定メテ施行致サナケレバナラヌコトデアルノデ、
然ルニ此事ニ就キマシテハ、明治十八年達ガゴザリマシテカラニ、田圃蟲害
豫防規則ト云フモノモゴザリマシタケレドモ、至ッテ不備デアッテカラニ、
現ニ施行ノ上ニ於テ手支モ致シテ居ルト云フコトヲ承ッテ居リマスノデ、之
ヲ或ハ法律ニ致シマシテハ鞏固ニ過ギルトカ云フヤウナ御考ガアルヤモ知
レマセヌケレドモ、請リ此實際施行致シマスル上ニ就キマシテハ殊更ニ特
別ノ法ヲ設ケテ置キマセヌデハ、至ッテ其施行上ニ不便不利ヲ感ジマスルト
云フ譯デゴザリマシテ、或ハ此法ヲ設ケテカラニ、徵賦ヲ直チニ課スルト云
フコト、或ハ田ニノミ賦課スルトカ、畑ニノミ賦課スルトカ、各〓其事項ニ
於テ定率ヲ殊ニシ、其賦課法ヲ別ニシナケレバナラヌ、又其蟲害ノ模樣ニ依
リマシテハ其區域ノ周圍ニ溝渠ヲ掘リマシテ、撲滅ヲシナケレバナラヌ、
他ニ之ヲ浮遊セシメザルヤウニ方法ヲ施サナケレバナラヌト云フ場合モアル
ノデ、又賦課致シマシタ結果、怠納處分ト云フコトモ法ヲ以テ定メ置キマセ
ヌナラバ出來マセヌノデ、是等ノ手續ヲ爲シマスルニハ、現今ノ法ニ依リマ
シテハ、或ハ市町村制ノ或條ニ依リマシテ、府縣參事會若クハ郡ノ參事會ノ
許可ヲ得ナケレバ出來ヌト云フヤウナコトデゴザリマス故ニ單獨ニ殊更ニ
此法ヲ設ケテ、此施行ノ便ヲ圖ッテ滑ニ行ルヽヤウニシタイト云フノガ此法
案ノ精神デアルト思フノデス、諸君モ御承知ノ如ク、農民ノ下等ニ至リマシ
テハ或ハ頑固ニシテ是等ノ事ヲ施行セントスル場合ニ於キマシテハ、或ハ
怠リ、或ハ之ヲ拒ムト云フコトガナイト云フコトモ保シ難イコトデアリマス
〓、デ、免ニ角此法ト云フモノヲ立テヽ置イテカラニ、其場合ニ臨ンデ、地
方長官ガ其區域或ハ其期節ヲ指定致スト云フコトハ、大ニ便宜ヲ得タコトヽ
考ヘマス譯デゴザリマス、故ニ委員會ハ此法案ヲ可決致スベキモノト認メテ
カラニ、一ノ修正ヲ加ヘズシテ之ヲ委員會ニ於テ可決致シマシタ譯デゴザリ
マツ、諸君、私ノ辯明ノ足ラザル所ハ御質問アレバ御答ヲ致ス積デゴザリマ
ス、宜シク御決議アランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=9
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010・田中鳥雄
○田中鳥雄君(百二十八番) 私ノ御問申スノハ、委員長デ御分リニナレバ委
員長ノデ宜シイガ、或ハ政府委員ドチラデモ適宜御答辯ヲ請ヒタイ、私ノ御
問申シマスルノハ、此法案ノ第三條此三條ノ性質ニ依リマスルト云フト
「蟲害田畑ニ發生シタルトキ又ハ發生ノ虞アルトキハ府縣知事ハ豫メ期限ヲ
定メ該田畑ノ作人ヲシテ驅除豫防ヲ行ハシムヘシ」ト斯ウアリマス、然ル所
ガ、明治十八年ノ農商務省ノ達ニ依リマスルト、此大體ヲ申上ゲマスルガ、
田畑農作物ノ害蟲ハ其發生ノ始ニ於テ各自之ヲ驅除スベキハ勿論ニ候處〓
此意味ト、此三條ノ意味ニ就イテヽゴザリマス、大凡此害蟲ノ發シマスルコ
トニ就イテ之ヲ豫防スルニハ耕作人等各自ニ致スベキガ本性質デアル、然
ル所ガ此三條ノ明文ニ依ッテ見マスルト云フト、各自ニ致スコトハドウモ出
來ヌヤウニ私ハ考ヘル、總テ田畑ノ害蟲驅除豫防ト云フモノハ、縣知事ノ命
令ヲ待ッテ後デナクテハ出來ヌヤウニ私ハ考ヘル、或ハ此三條ノ通、各自ニ
之ヲ豫防シ、驅除スルコトハ差支ガナイト云フ精神デゴザリマセウカ、如何
デゴザリマス、之ヲ一ツ御問申シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=10
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011・佐々木松坪
○佐々木松坪君(百二十三番) 是ハ修正モ致シマセヌ譯デゴザリマスシ、唯
今御問ノ趣ハ、政府委員カラ御答ニナルヤウニ致シタイト考ヘマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=11
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012・田中鳥雄
○田中鳥雄君(百二十八番) ソレデ宜シウゴザイマス
(政府委員農商務省農務局長藤田四郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=12
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013・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 唯今田中君ノ御尋ノ事柄ニ御答ヲ致シマス、此現
行規則ニ於キマシテハ、各自自ラ此蟲ノ驅除ヲ致スノガ本體ニナッテ居ルカ
ト云フ御尋デゴザリマス、此度提出致シマシタル法律ニ於キマシテモ同樣デ
ゴザリマス、是ハ矢張第三條ニ於キマシテハ、シナイ時ガアリマスルト困リ
マスカラ、其タメニ斯ウ云フ條ノ必要ヲ生ジマシタンデゴザリマス、若シ之ヲ
愈〓執行スル場合ニナリマシテハ、固ヨリ細則モ出來マスルシ、省合モ出來
マスルガ、又地方ニ於テモ其規則モ出來マスル、今御話ノヤウナコトハ無論、
當然自分ノ田畑ニ起リマシタ處ノモノハ、第一次ニ於テ自ラヤルノハ當然デ
ゴザリマスカラ、セナイ場合ガアリマスルカラ斯ウ云フ條項ノ設ケガアリマ
スル、左樣御承知アランコトヲ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=13
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014・田中鳥雄
○田中鳥雄君(百二十八番) モウ少シ、十分ニ分ラヌカラ伺ヒマスガ、各自
ヤリマスルノハ論ヲ待チマセヌガ、ソレヲ郡役所或ハ縣廳ニ屆ケテ、唯驅除、
豫防法ヲ行ッテ、默フテ置イテソレデ差支ナイト云フコトニナリマスカ、ソ
レナラ宜シイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=14
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015・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 御答致シマス、地方ニ於テ規則ガ出來マスル以上
ハ無論モウ驅除ヲシマスルニ就イテ、或ル場合ニ於テハ屆ケモセヌデモ驅
除ガ出來マスル場合モ出來マセウ、又色ミノ場合モ出來マスル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=15
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016・芦塚省三
○芦塚省三君(百十三番) 議長·····発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=16
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017・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 御質問デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=17
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018・芦塚省三
○芦塚省三君(百十三番) ハイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=18
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019・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 委員長ノ報告ノトキハ、討論ヲ許ス時デアルカラシテ、
成ルヘク御質問ハ第一讀會ノ始ニナサルヤウニ致シタイ、サウデナイト整理
上甚ダ不都合デアル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=19
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020・芦塚省三
○芦塚省三君(百十三番) 一寸簡單ニ、法案ノ第五條ノ第三項ニ、區域ノ賦
課ノ事ヲ言フテゴザリマシテ、其賦課法ハ段別又ハ地價ヲ以テ標準ト致シ
テ之ヲ課スルト云フヤウニ見エマスルガ、果シテサウ云フ場合ニナリマシテ、
實際之ヲ徴收致シマシタ場合ニハ色ミ市町村役場抔ニ於キマシテ、大變人
民ノ苦情ニ接シマシテ困難スルト云フヤウナコトハアルマイカト思ヒマス、
ソレハナゼカト申シテ見マスルト一村ナリ或ハ一部分ノ所ニ蟲害ノ發生ヲ
致シマスルニハ、同一ニ何處モカモ同ジク蟲害ノ發生スルト云フヤウナコト
ハゴザリマセズ、隨分其優劣ノ多少モアラウト考ヘル、ワコデ河川ヲ隔テ、或
ハ山谷ヲ隔テマシテ、甲ノ田地ニハ澤山ノ害蟲ガゴザリマシテモ乙ノ方ノ
田面抔ニハサマデノ害蟲デモナイト云フヤウナコトデゴザリマスル、又小サ
ク極言スルト申ス譯デモゴザリマセヌケレドモ、現況ノ場合ニ依ッテ考ヘテ見
マスルト、畦畔一ツヲ隔テ、或ハ作道一ツヲ隔テマシテモ、甲ノ田地ニハ大變
ノ蟲害ガアルケレドモ、乙ノ地面ニハ格別蟲害モ見ナイト云フヤウナ、是ハ實
際ノ現狀デ、其證據ハ明瞭デアルノデゴザリマス、然ルヲ是ニモ拘ラズ、蟲
害ノ多少ハ問ヒマセズ、蟲害ノ如何モ調ベマセズシテ、唯段別ト又ハ地價ノ
多少ヲ以テ稅ヲ徵收スルト云フヤウナコトニナリマシタナラバ、實際町村抔
ニ於キマシテハ隨分其際ニ於キマシテ色ミト苦情ガアッテ、町村役場抔ノ人
ニ於キマシテ、大變困難ヲ感ズルト云フヤウナコトハナイカト云フ心配ヲス
ルノデアリマス、政府ニ於キマシテハ、其邊ノ憂慮ハ決シテナイト云フノ御
考ヘデゴザイマスルカ、一應伺ッテ置キタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=20
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021・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 御答ヘ致シマスル、或種類ノ蟲ニ就キマシテハ、或
ハ溝ガアリマスルタメニ實際來ナイト云フ場合モゴザリマスガ、ソレハ格段
ナル場合デゴザリマス、普通ノ場合ニハ蔓延スルノガ當リ前デゴザリマス、併
シサウ云フヤウナ特別ノ場合ニ於キマシテ發生スルトキニ於キマシテハ、第
三條ノ本條ニアリマスルデ、サウ云フ場合ニハ決シテ町村全體ニ賦課ヲスル
ト云フヤウナコトハナイ筈デゴザリマスカラ、其〓ハ少モ心配ガナイ積リデ
アリマス左樣御承知アランコトヲ······発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=21
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022・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 該案ノ第二讀會ヲ開クベキヤ否ヤノ決ヲ採リマス、第
二讀會ヲ開クニ同意ノ諸君ハ起立
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=22
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023・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 大多數、因テ該案ハ第二讀會ヲ開クベキモノト決シマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=23
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024・吉本榮吉
○吉本榮吉君(八十二番) 是ハ皆モウ反對ノ議論モアリマセヌヤウデスカ
ラ、讀會ヲ省略シテ、直チニ確定議ト致サレシコトヲ希望致シマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=24
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025・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 吉本榮吉君ハ直チニ第一一讀會ヲ開キ且ツ讀會ヲ省略ス
ベシトノ動議ヲ提出サレマシタ、而シテ贊成ガゴザリマス、直チニ第二讀會
ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔此時「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=25
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026・楠本正隆
○議長(楠木正隆君) 御異議ナイト認メマス、而シテ讀會ヲ省略スルノハ是
レ亦御異議ナシト認メマス、卽チ全部ヲ以テ議題ト爲シマスル-朗讀ハ省
略致シマス
害蟲驅除豫防法案確定議
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=26
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027・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 該案ニ就イテハ御異議ナシト認メマス、卽チ該案ハ確
定致サレマシタ、次ハ日程ノ第二、船舶檢査法案第一讀會、朗讀ヲ省キマス
政府委員鈴木大亮君
第二船舶檢査法案(政府提出貴族院送付)第一讀會
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス〕
船舶檢査法
第一條日本船舶ハ左ニ記載スルモノヲ除ク外此ノ法律ノ規程ニ依リ檢査
ヲ受クヘシ
一海軍艦船艇
二登簿噸數十五噸未滿若ハ積石數百五十石未滿ノ帆船
三湖川其ノ他靜穩ノ海上ヲ航行スル帆船
四櫓權ノミヲ以テ航行スル船舶
第二條此ノ法律ニ依リ檢査ヲ受クヘキ汽船ハ遠洋航船、近海航船、沿海航
船、平水航船ノ四種トシ帆船ハ遠洋航船、近海航船ノ二種トス
第三條船舶ノ檢査ハ船舶ヲ日本船舶トシテ初メテ航行ノ用ニ供スルトキ
其ノ航行期間滿了ノトキ及航行期間內特ニ必要アルトキ之ヲ行フ
第四條船舶ノ航行期間ハ汽船ニ在テハ三箇月以上一箇年以内、帆船ニ在
テハ六箇月以上三箇年以內トス
第五條登簿噸數十五噸以上若ハ積石數百五十石以上ノ船舶ノ檢査ハ其ノ
所在地ヲ管轄スル船舶司檢所之ヲ行ヒ登簿噸數十五噸未滿ノ汽船ノ檢査
ハ其ノ仕出地ノ地方官廳之ヲ行フ
第六條檢査官吏船舶ヲ檢査シ遞信大臣ノ定ムル檢査規程ニ適合スルモノ
ト認ムルトキハ本船ノ航路定限、旅客定員、汽壓制限及航行期間ヲ定メ管
轄官廳ヨリ船舶檢査證書ヲ交付スヘシ
第七條檢査ヲ受ケタル船舶ノ所有者又ハ船長ニ於テ船舶檢査證書ノ受有
前ニ船舶ヲ航行ノ用ニ供セムトスルトキハ檢査官吏ハ其ノ請求ニ依リ假
證書ヲ交付シテ之ヲ許可スルコトヲ得
第八條檢査官吏ハ何時ニテモ船舶ニ臨視シ若特ニ檢査ヲ爲スノ必要アリ
ト認ムルトキハ其ノ航行ヲ停止スルコトヲ得
第九條船舶ノ檢査ニ對シ不服アル者ハ其ノ事由ヲ具シ遞信大臣ニ再檢査
ヲ申請スルコトヲ得
再檢査ヲ申請シタル者ハ其ノ決定前船舶ノ原狀ヲ變更スルコトヲ得ス
第十條遞信大臣ノ特ニ定ムル場合ノ外船舶檢査證書若ハ假證書ヲ受有セ
スシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シ又ハ船舶檢査證書若ハ假證書ニ記載スル船
舶ノ航路定限、航行期間ヲ超エテ航行シタル者ハ三十圓以上三百圓以下
ノ罰金ニ處ス
詐僞ノ所爲ヲ以テ船舶檢査證書若ハ假證書ヲ受ケ又ハ汽壓制限ヲ超エテ
航行シ又ハ檢査官吏ノ臨視ヲ拒ミ又ハ航行停止ノ命ニ違背シ又ハ必要ナ
ル屬具ノ整備ヲ爲サスシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シタル者亦同シ
船舶檢査證書若ハ假證書ニ記載スル族客定員ヲ超エテ旅客ヲ搭載シタル
者ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十一條前條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法ノ數罪倶發ノ例ヲ用井ス
前條ノ罰則ハ商事會社ニ在テハ其ノ所爲ヲ爲シタル業務擔當ノ任アル社
員、取締役若ハ使用人ニ之ヲ適用ス
第十二條船舶ノ航路定限、航行期間、旅客定員及汽壓制限ニ關スル規程其
ノ他此ノ法律ノ施行ニ必要ナル細則ハ遞信大臣之ヲ定ム
附則
第十三條此ノ法律ハ明治三十年七月一日ヨリ施行ス
第十四條明治十七年第三十號布告西洋形船舶檢査規則ハ此ノ法律施行ノ
日ヨリ廢止ス
第十五條明治十七年第三十號布告西洋形船舶檢査規則ニ依リ交付シタル
船舶檢査證書ハ其ノ有效期間滿了マテ效力ヲ有ス
第十六條此ノ法律施行ノ際現存スル積石數百五十石以上ノ帆船ハ遞信大
臣ノ定ムル順序ニ依リ漸次檢査ヲ受クルマテ船舶檢査證書ヲ受有セスシ
テ航行ノ用ニ供スルコトヲ得
第十七條此ノ法律ハ外國ノ船籍ニ屬スル船舶ヲ借入レ帝國各港ノ間又ハ
帝國ト外國トノ間ニ於テ航行ノ用ニ供スル者ニモ亦之ヲ適用ス
(政府委員遞信次官男爵鉛木大亮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=27
-
028・鈴木大亮
○政府委員(男爵鈴木大亮君) 唯今問題ニ供セラレマシタル船舶檢査法案、
此法案ノ要旨ハ、船舶ノ檢査ノ效用ヲ確實ニ致シマシテ、航海ノ安全ヲ保護ス
ルト云フ趣意ニ出デマシタノデゴザイマス、現今船舶ノ檢査ニ應用致シテゴ
ザイマスル西洋形船舶檢査規則ト申スガゴザイマス、此規則ハ(「大聲ニ願ヒ
マス」ト呼フ者アリ)明治十七年ニ制定致シマシタモノデゴザイマス、其以後
本邦ノ航海業ハ實ニ長足ノ進步ヲ致シテ居リマス、其進步致シテアル海事ノ
現況ニ對シマシテハ種々不備ナ點ガゴザイマス、ソレデ現行ノ規則ニ〓正ヲ
加ヘマシテ、此法案ヲ編制致シタ譯デゴザイマス、又現行法ニ依リマスルト云
フト、檢査ヲ致ス船舶ハ西洋形船ニ限ッテゴザイマシテ、日本形ノ船ニハ檢査
ノ效用ヲ及シテゴザイマセヌ、偖テ此前ニモ申述べマスル通船舶檢査ノ目的
ハ卽チ航海ノ安全ヲ圖ルニ出テヽ居ルモノデゴザイマスカラ、船ノ構造如何
ニ依ッテ區別致スト云フコトハ、如何ニモ謂レナキコトニ屬シマスルノデ
ゴザイマスルノデ、殊ニ至ッテ脆弱ナル構造ノ、所謂相ノ子船ト申スモノガ
多クナッテ參リマスコトデアリマシテ、是等ハ餘程航海上ニモ不都合ナ船舶
デゴザイマス、旁〓致シマスルノデ、是非現行ノ此船舶檢査規則ヲ改正致サ
ナケレバナラヌト云フ理由ヲ生ジマシタノデゴザイマス、就キマシテハ此法
案ニハ船ノ構造其他ニ拘リマセズニ、卽チ第一條ニ規定シテゴザイマスル例
外ノモノヲ除キマシタ外ハ、總テ檢査ヲ致スト云フコトニ改正ヲ加ヘマシタ
ノデゴザイマス、次ニハ此現行ノ規則ニ依リマスルト云フト、此檢査證書ノ
效力ハ六箇月ト十二箇月ノ二種ニ分ッテゴザイマスルノデスガ、偖此實際上
此二種類ニ區別シテ置キマシテハ、種々不便ナ事ガ多クゴザイマスルノデ、
就キマシテハ此法案ニハ其不便ヲ除クガタメニ、其船ノ種類、又船ノ現狀ニ
依リマシテ、精密ナ調査ヲ遂ゲマシテ、相當ノ航行期間ヲ與フルコトニ致シ
マシテゴザイマス、且ツ又現行ノ方法ニ依リマスルト云フト、此一遍檢査ヲ
得マシテ、若シヤ其檢査ニ對シテ船舶所有者ガ不服ナコトガゴザイマシテモ、
別ニ之ヲ申立テルダケノ途ヲ開イテゴザイマセヌノデ、卽チ一遍ノ檢査ガ終
結ヲ爲スト云フ事實ニナッテ居リマシタノデゴザイマス、是モ檢査上萬誤リ
ナキト云フコトモ保チ難イ譯デゴザイマス、尙ホ又或ハ船舶所有者ニ不服ノ
ナイト云フコトモ豫期シ難イコトデゴザイマスカラ、此法案ニハ再檢査ヲ
申請スルコトノ出來ル門戶ヲ開キマシテ、船舶所有者ニ遺憾ノナイヤウニ致
スト云フ趣意カラ致シテ、此コトモ規定シテゴザイマス、又ハ從來外國ノ船
籍ニナッテ居リマス船ヲ帝國臣民ガ雇入レマシテ、帝國內ノ各港、若クバ帝
國ト外國トノ間ノ航行ノ用ニ供シマスル船舶ニハ、檢查ヲ施サヌト云フコト
ニナッテ居リマス、是モ段々航海ノ實施上ニ依ッテ考察ヲ下シマスト云フト、
均シク此航海ノ安全ト、生命財產ヲ保護スルノ〓カラ見マスルト、檢査ヲ致
サンケレバナラヌ譯デゴザイマスカラ、此法案ニハ矢張雇入外國船デゴザイ
マシテモ、帝國ノ船舶ト同樣ニ檢査ヲ致スコトニ規定致シテゴザイマス、詰
リ此案提出ノ理由ハ、委シクハ理由書ニモ記載シテゴザイマスガ、唯今申上ゲ
マス通ノ要領デゴザイマス、速ニ確定ノ運ニナリマスルコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=28
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029・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 一寸鈴木次官ニ御尋致シマス、政府ハ貴族院
ノ修正ニ御同意デアリマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=29
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030・鈴木大亮
○政府委員(男爵鈴木大亮君) 草刈君ニ御答申シマス、別ニ不都合ハナイト
認メテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=30
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031・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) ソレナラ尙ホ續イテ御尋致シマスルガ、第二
條等ニ船舶職員トゴザイマシタノヲ、海技免狀云々ト修正ニ相成タテ居リマ
ス、船舶職員ト云フ事柄ハ(「違フ〓〓」ト呼フ者アリ)海技ノ二字デ網羅シテ
居ルト云フ御考デゴザイマセウカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=31
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032・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 日程ガ違ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=32
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033・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 議長、一寸伺ヒマス、日程ガ違フト云フノハ、
ドウシテ違ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=33
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034・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 議題ハ日程ノ第二、船舶檢査法案デゴザリマス、未ダ
日程ノ第四ニハ移リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=34
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035・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 宜シウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=35
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036・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 次ハ、日程ノ第三、特別委員ノ選舉ニ移リマス
第三右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=36
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037・吉本榮吉
○吉本榮吉君(八十二番) 委員ノ選舉ハ議長ノ指名ニ任カセル、該法案ノ委
員モ第七マデノ委員モ同ジ委員ニ付託スルコトニ致シタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=37
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038・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 吉本榮吉君ヨリ第二ヨリ第六マデ併テ同一委員ニ付託
スルト云フ動議ガ提出サレマシタ
〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=38
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039・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 御異議ナシト認メマス、選擧方法ハ議長指名デ宜シウ
ゴザイマスカ
(「異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=39
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040・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 是レ亦御異議ナシト認メマス、卽チ吉本榮吉君ノ動議
ノ通決定致シマス-次ハ日程ノ第四、船舶職員法案第一讀會ニ移リマス、
朗讀ヲ省略致シマス-政府委員鈴木大亮君
第四船舶職員法案(政府提出貴族院送付)第一讀會
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタタ茲ニ揭戰ス〕
船舶職員法
第一條日本船舶ニハ此ノ法律ノ規程ニ依リ船舶職員ヲ乘組マシムヘシ
船舶職員ト稱スルハ船長、一等運轉士、二等運轉士、機關長及一等機關士ヲ
謂フ
第二條海技免狀ヲ有スル者ニアラサレハ船舶職員タルコトヲ得ス
第三條海技免狀ハ左ノ十二種トス
甲種船長
甲種一等運轉士
甲種二等運轉士
乙種船長
乙種一等運轉士
乙種二等運轉士
丙内船長
丙種運轉士
機關長
一等機關士
二等機關士
三等機關士
第四條各船舶ニ乘組マシムヘキ船舶職員ノ定員及其ノ免狀ノ種類ハ第一
號表ニ依ル
第五條海技免狀ハ遞信大臣ノ定ムル試驗規程ニ依リ試驗ヲ受ケ合格シ且
海員名簿ニ登錄ヲ受ケタル者ニ授與ス
海軍艦船艇ニ乗組ミ運航若ハ機關運轉ニ從事シ又ハ商船學校全科卒業證
書ヲ有シ遞信大臣ニ於テ海員試驗規程ニ合格スト認ムル者ニハ試驗ヲ用
井スシテ相當ノ免狀ヲ授與スルコトヲ得
第六條左ニ記載スル事項ニ該當スル者ハ海員試驗ヲ受クルコトヲ得ス又
船舶職員タルコトヲ得ス
公權ヲ剝奪セラレ復權セサル者及公權停止中ノ者
家資分散又ハ破產ノ宣告ヲ受ケ復權セサル者及身代限ノ處分ヲ受ケ
債務ノ辨償ヲ終ヘサル者
三瘋癲白痴者若ハ身體不具ニシテ執職ニ不適當ナル者
四海技免狀ノ行使ヲ禁止セラレタル者及其ノ行使停止中ノ者
第七條高等ノ免狀ハ下等ノ免狀ニ代用スルコトヲ得
甲種船長ノ免狀ハ他ノ船長及運轉士ノ免狀ニ對シ、甲種一等運轉士ノ免
狀ハ他ノ運轉士ノ免狀ニ對シ、甲種二等運轉士ノ免狀ハ乙種各運轉士及
丙種運轉士ノ免狀ニ對シ、乙種船長ノ免狀ハ乙種各運轉士ノ免狀ニ對シ、
乙種一等運轉士ノ免狀ハ乙種二等運轉士ノ免狀ニ對シ、丙種船長ノ免狀
ハ丙種運轉士ノ免狀ニ對シ各高等ノ免狀トス
機關長ノ免狀ハ一等機關士以下ノ免狀ニ對シ一等機關士ノ免狀ハ二等機
關士以下ノ免狀ニ對シ二等機關士ノ免狀ハ三等機關士ノ免狀ニ對シ各高
等ノ免狀トス
第八條左ニ揭クル者ハ二十圓以上二百五十圓以下ノ罰金ニ處ス
一第四條ニ違背シ相當ノ船舶職員ヲ乘組マシメサル者
二第二條及第四條ニ違背シ相當ノ海技免狀ヲ受有セスシテ船舶職員ト
爲リタル者
三第六條ニ違背シ船舶職員ト爲リタル者
四海技免狀ヲ貸付シ之ヲ行使セシメタル者
五海技免狀行使ノ假停止若ハ差押ヲ受ケ其ノ職務ヲ執リタル者
第九條前條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法ノ數罪倶發ノ例ヲ用井ス
前條ノ罰則ハ商事會社ニ在テハ其ノ所爲ヲ爲シタル業務擔當ノ任アル社
員取締役若ハ使用人ニ之ヲ適用ス
附則
第十條此ノ法律ハ明治三十年七月一日ヨリ施行ス
第十一條明治十三年第二十八號布告及明治十四年第七十五號布告ハ此ノ
法律施行ノ日ヨリ廢止ス
第十二條明治九年第八十二號布告、同年第九十四號布告及明治十四年第
七十五號布告ニ依リ授與シタル免狀ハ第二號表ニ依リ各相當ノ免狀ト交
換スヘシ其ノ交換ノ手續及時期ハ遞信大臣之ヲ定ム
前項ニ揭ケタル各種ノ舊免狀ハ新免狀ト交換スルマテ之ニ代用スルコト
ヲ得
第十三條此ノ法律ハ施行ノ日ヨリ一箇年ヲ限リ積石數百五十石以上ノ帆
船ニハ之ヲ適用セス
第十四條遞信大臣ハ積石數百五十石以上ノ帆船ニ乘組ミ三箇年以來其ノ
運航ヲ掌リ且此ノ法律施行ノ際現ニ船長ノ職ヲ執リ年齡二十歲以上ノ者
ニハ此ノ法律施行ノ日ヨリ一箇年ヲ限リ試驗ヲ用井スシテ相當ノ海技免
狀ヲ授與スルコトヲ得
第一號表
航路定限船舶種類登簿噸數職員名稱免狀種類定員
積石數
船士長甲種船士長一
汽三百噸未滿一等轉甲種一等運轉
遠機機關運士長一等機關士士
-等關二等機關一
洋長
等等轉轉士士長種二一種等運運船轉士
船三百噸以上一機二一船機關運運一機甲甲甲種等轉士
土長關長
航等關等機關士-
三百噸未滿船士長甲甲種二一等等運運轉轉士士一
帆一等運轉種一
船船長甲種船一
船三百噸以上二一等運運轉士士甲種-等運轉士士長一一
等轉甲種ニ等運轉
百噸未滿機船長長乙種-等運轉士一
關二等機關士一
汽種船一一
近等轉乙乙種一等運轉
五百噸未滿一機一船機關運士長士長等機關士士士長
等關二一等機關
海甲種士長
等等轉轉甲種一等運運船轉一一一
船五百噸以上一機二一船機關運運士長士士長種二等轉士
一機甲機關士長一一
航等關等關
十五順以上二百願未滿船長丙種運轉士一
帆百五十石以上二千石未滿
五百噸未滿船士長丙丙種船土長一
二千石以上一等運轉種運轉一
船種船一
船五百噸以上二一船等士士長甲甲種ー等運轉士士長一
等運運轉轉甲種二等運轉→
百噸未滿機船長長乙種二等運轉士一
沿關三等機關士一
汽二百噸未滿機船長長乙種等運轉士一
海關二等機關士一
航種船長一
船二百噸以上一機一船等轉士長士長二一乙乙種等運轉士
船機關運等機關士士
等關等機關一
汽百噸未滿機船長乙種二等運轉士一
船航水平關長三等機關士一
船百噸以上機船長長乙種二等運轉士士一
關二等機關
第二號表
新舊免狀對照表
舊免狀新免狀
甲種船長甲種船長
甲種一等運轉手甲種一等運轉士
甲種二等運轉手甲種二等運轉士
甲種一等機關手機關長
甲種二等機關手一等機關士
乙種船長乙種船長若ハ丙種船長
假免狀船長乙種船長若ハ丙種船長
乙種一等運轉手乙種一等運轉士若ハ丙種運轉士
假免狀一等運轉手乙種一等運轉士若ハ丙種運轉士
乙種二等運轉手乙種二等運轉士若ハ丙種運轉士
假免狀二等運轉手乙種二等運轉士若ハ丙種運轉士
乙種一等機關手一等機關士
假免狀一等機關手一等機關士
乙種二等機關手二等機關士
假免狀二等機關手二等機關士
小形船船長乙種二等運轉士
小形船機關手三等機關士
(遞信次官男爵鈴木大亮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=40
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041・鈴木大亮
○政府委員(男爵鈴木大亮君) 船舶職員法案ハ、前ノ船舶檢査法案ト相關聯
シテ居ル事柄デゴザイマス、簡單ニ要領ヲ申述ベマスヤウニ致シマス、唯今
マデ行レテ居リマスル所ノ船長、運轉士、機關士ノ資格ト、其免狀、又其免狀ノ
效力、船舶乘込員等ノ試驗法ニ關シマシテハ、明治十三年ニ制定セラレテ居
リマスル所ノ西洋形船船長、運轉手、機關手免狀規則ト云フモノガゴザイマ
シテ、專ラ此規則ニ依ッテ處分ヲ致シテ居リマスルノデゴザイマス、偖前ニモ
申述ベマシタ通、航海業ノ發達ニ伴ヒマシテ、此規則中ニ規定致シテアリマ
スル事柄デハ、實際ニ適用シ能ハザル、又適用スルニ不都合ヲ感ズルコトガ
多々ゴザリマス、卽チ此所ニ船舶職員法案ヲ提出致シタ譯デゴザイマス現
行ノ規則ニ依リマスルト云フト、西洋形ノ船舶ニ乘込ミマスル職員ダケノ規
定ハ致シテゴザイマシテ、日本形船ニハ及ンデ居リマセヌノデゴザイマス、
航海ノ安全ヲ圖ルト云フ精神カラ論究致シマスト云フト西洋形ナルト日本
形ナルトヲ問ヒマセズニ、均シク保護監督ヲ加ヘナケレバナラヌト申スコト
ガ論モナイ次第デゴザリマス、就キマシテハ此法案ニハ何レノ形式ノ船デゴ
ザリマシテモ、十分技能アル職員ヲ乘セマシテ、サウシテ船舶ノ操縱ヲ致サ
セル目的デゴザリマス、且又乘組員ノ資格ナリ、制限ナリニ就キマシテモ
此船舶ノ種類ト、其大小ト、又航路ノ遠近ニ依リマシテ十分ナル斟酌ヲ加ヘ
マシテゴザリマス、且ツ又現行規則ニ依リマスト云フト、外國人ガ外國政府
ノ免狀ヲ得テ居リマスモノハ、別ニ本邦ニ於テ試驗ヲ致スト云フコトハナシ
ニ、外國デ受ケマシタル免狀ノ儘デ乘船スルト云フコトニナッテ居リマス、
此法案デハソレヲ改メマシテ、矢張帝國ノ試驗ヲ經テ、帝國ノ免狀ヲ與ヘル
コトニ致シテ居ル譯デゴザイマス、詰リ自國ノ船舶ニハ自國ノ免狀ヲ與ヘテ
置クト云フノガ當リ前ノ事デゴザイマスカラ、先ヅ此法案ノ要領ハ今申述べ
マシタ通リデゴザイマス、次ノ日程ニ上ボッテ居リマスル··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=41
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042・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 日程ノ第六、懲戒法案モ併セテ議題ト爲シマス
第六船舶職員懲戒法案(政府提出貴族院送付)第一讀會
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス〕
海員懲戒法
第一章總則
第一條海技免狀ヲ受有スル者其ノ職務ヲ行フニ當リ左ノ事項ニ該當スル
トキハ海員審判所ノ裁決ヲ以テ懲戒ヲ加フヘシ
一正當ノ理由ナクシテ其ノ船舶ヲ放棄シタルトキ
二過失解怠又ハ不當ノ所爲ニ因リ自他ノ船舶ヲ問ハス之ニ損害ヲ加ヘ
若ハ之ヲ沈沒セシメタルトキ
三過失懈怠又ハ不當ノ所爲ニ因リ人ヲ殺傷シタルトキ
四海難ニ罹リ其ノ船舶又ハ船客乘組員ヲ救助スルノ方法ヲ盡ササルト
キ
五海難ニ罹リタル船舶アルコトヲ認メ正當ノ理由ナクシテ其ノ船舶又
ハ船客乘組員ヲ救助スルノ方法ヲ盡ササルトキ
六職務上ノ義務ニ違背シ又ハ職務ヲ怠リタルトキ
七亂醉粗暴其ノ他ノ失行アリタルトキ
第二條懲戒ハ左ノ三種トス
一免狀行使ノ禁止
二免狀行使ノ停止
三譴責
第三條前條懲戒ノ適用ハ所爲ノ輕重ニ從ヒ海員審判所之ヲ定ム
第四條免狀行使ノ停止ハ一月以上三年以下トス
第五條海員審判所ハ左ノ原因アルトキハ審判ヲ行ハス
一確定裁決
二時效
第一條各號ニ該當スル者ハ廢業ノ故ヲ以テ懲戒ヲ免ルコトヲ得ス
第六條時效ノ期間ハ審判ヲ受クヘキ事件ノ生シタル日ヨリ五年トス
第七條海員審判所ノ審判ニ關シ此ノ法律ニ規程ナキモノニ付テハ刑事訴
訟法ノ規程ヲ準用ス
第二章海員審判所ノ組織及管轄
第八條海員審判所ハ地方海員審判所及高等海員審判所ノ二トス
地方海員審判所ハ船舶司檢所ニ置キ高等海員審判所ハ遞信省ニ置ク
第九條海員審判所ニハ審判所長審判官、理事官及書記ヲ置ク
審判所長、審判官、理事官及書記ノ定員竝其ノ任用ニ關スル規程ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第十條地方海員審判所ノ審判ハ審判長及審判官ヲ併セテ三人高等海員審
判所ノ審判ハ審判長及審判官ヲ併セテ五人ノ列席合議ヲ以テ之ヲ行フ
第十一條地方海員審判所ノ管轄區域ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十二條審判ニ付スヘキ事件ノ管轄權ハ其ノ事件ノ生シタル船舶ノ定繫
場ヲ管轄スル地方海員審判所ニ屬ス
同一ノ事件ニ付二箇以上ノ地方海員審判所管轄權ヲ有スルトキハ其ノ事
件ノ生シタル地ニ最モ近キモノノ管轄トス
第十三條地方海員審判所ノ理事官又ハ被審人ハ其ノ事件ヲ他ノ地方海員
審判所ニ移付スルノ申請ヲ爲スコトヲ得
前項ノ申請ヲ爲ス者ハ審判期日前ニ管轄海員審判所ヲ經由シテ高等海員
審判所ニ申請書ヲ差出スヘシ
高等海員審判所ハ前項ノ申請アリタル場合ニ於テ審判上便益ナリト認ム
ルトキハ其ノ決定ヲ以テ他ノ地方海員審判所ニ該事件ヲ移付スルコトヲ
得
前項ノ場合ニ於テ該事件ハ移付ヲ受ケタル地方海員審判所ノ管轄權ニ屬
ス
第十四條高等海員審判所ハ左ノ場合ニ於テ理事官又ハ被審人ノ申請書ニ
依リ何レノ海員審判所ニ於テ本件ヲ審判スルノ權アルヤヲ決定ス
-權限アル地方海員審判所ニ於テ法律上ノ理由若ハ特別ノ事情ニ因リ
審判權ヲ行フコトヲ得サルトキ
二二以上ノ地方海員審判所審判權ヲ有シ又ハ有セストノ確定裁決ヲ爲
シタルトキ
第三章審判前ノ手續
第十五條船舶司檢所司檢官、同司檢官補、警察官吏、市町村長及浦役人ニ於
テ此ノ法律ニ依リ審判ニ付スヘキ事實アリタルコトヲ認知シタルトキハ
直ニ其ノ事實ヲ詳記シ管轄地方海員審判所ノ理事官ニ報告スヘシ
第十六條領事官及貿易事務官帝國外ニ於テ前條ノ事實アリタルコトヲ認
知シタルトキハ證憑ヲ集取シ管轄地方海員審判所ノ理事官ニ報告スヘシ
第十七條理事官審判ニ付スヘキ事實アリタルコトヲ認知シタルトキハ證
憑ヲ集取シ又必要ニ應シ實地臨檢スルコトヲ得
第十八條理事官ハ職權ヲ以テ審判ノ開始ヲ地方海員審判所ニ申立ツヘシ」
前項ノ申立ヲ爲ストキハ證憑其ノ他必要ノ書類ヲ添附スヘシ
第四章地方海員審判所ノ審判
第十九條地方海員審判所ハ理事官ノ申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ審判ヲ開
始スヘキヤ否ヤヲ決定ス但シ職權ヲ以テスル場合ニ於テハ理事官ノ意見
ヲ聽クヘシ
開始決定ハ理事官及被審人ニ之ヲ通知スヘシ
第二十條地方海員審判所ニ於テ下調ヲ必要ナリト決定スルトキハ審判所
長ハ審判官ニ其ノ下調ヲ命スヘシ
第二十一條下調ノ命ヲ受ケタル審判官ハ被審人ヲ呼出シテ之ヲ訊問スル
コトヲ得
受命審判官ハ必要ナル證愚ヲ集取スヘシ
受命審判官ハ證人、鑑定人ヲ呼出シ又ハ通事ヲ命シ若ハ臨檢ヲ爲スコト
ヲ得
第二十二條被審人若ハ證人正當ノ理由ナクシテ受命審判官ノ呼出ニ應セ
サルトキハ受命審判官ハ引致狀ヲ發シテ之ヲ引致セシムルコトヲ得
引致狀ハ理事官ノ命令ニ因リ勾引狀執行ノ手續ヲ準用シテ之ヲ執行ス
第二十三條被審人逃走シ又ハ逃走ノ虞アルトキハ受命審判官ハ免狀行使
ノ假停止ヲ爲シ若ハ之ヲ差押フルコトヲ得
第二十四條被審人又ハ證人疾病其ノ他正當ノ事故アリテ呼出ニ應スルコ
ト能ハサルコトヲ疏明スルトキハ受命審判官ハ其ノ所在ニ就テ之ヲ訊問
シ若ハ他ノ地方海員審判所ニ其ノ訊問ヲ囑託スルコトヲ得
第二十五條受命審判官下調ヲ終リタルトキハ調書及一切ノ證憑ヲ審判所
長ニ差出シ審判所長ハ直ニ之ヲ理事官ニ送付スヘシ
理事官ハ三日以內ニ意見ヲ付シ其ノ書類ヲ審判所長ニ還付スヘシ
第二十六條地方海員審判所ハ下調ヲ十分ナリト思料スルトキハ審判ヲ繼
續スルヤ否ヤヲ決定スヘシ
審判ヲ繼續スヘシト決定スルトキハ審判期日ヲ定メ被審人ヲ呼出スヘシ」
審判ヲ繼續セスト決定スルトキハ被審人ヲ放免スヘシ
第二十七條審判ハ之ヲ公開ス但シ安寧秩序又ハ風俗ヲ害スルノ虞アルト
キハ地方海員審判所ノ決定ニ依リ其ノ公開ヲ停止ス
第二十八條第二十一條乃至第二十四條ハ地方海員審判所ノ審判ノ場合ニ
モ亦之ヲ適用ス
第二十九條開廷中秩序ノ維持ハ審判長ニ屬ス審判長ハ審判ヲ妨クル者又
ハ不當ノ言語ヲ發スル者ヲ退廷セシムルコトヲ得
第三十條被審人及證人ノ訊問ハ審判長之ヲ爲ス
審判官及理事官ハ審判長ニ告ケ被審人及證人ヲ訊問スルコトヲ得
第三十一條理事官ハ審判ニ立會ヒ其ノ意見ヲ述フルコトヲ得
第三十二條被審人ハ補佐人ヲ用ウルコトヲ得但地方海員審判所ノ認許シ
タル者ニ限ル
第三十三條地方海員審判所ハ呼出ヲ受ケタル被審人審判期日ニ出頭セサ
ルトキハ闕席裁決ヲ爲スヘシ但シ被審人ノ疾病其ノ他ノ故障ニ依リ審判
ヲ行フコト能ハサルトキハ決定ヲ以テ其ノ審判ヲ延期又ハ中止スルコト
ヲ得
第三十四條刑事裁判手續中ハ被審人ニ對シ審判ヲ開始スルコトヲ得ス
被審人刑事訴追ヲ受ケタルトキハ其ノ事件ノ判決ヲ終ルマテ審判ヲ中止
スヘシ
第三十五條理事官及被審人ハ本案ノ裁決アルマテ何時ニテモ管轄違又ハ
審判ヲ行フヘカラサルノ申立ヲ爲スコトヲ得
地方海員審判所ハ職權ヲ以テ管轄違又ハ審判ヲ行フヘカラサルノ言渡ヲ
爲スコトヲ得
第三十六條地方海員審判所ニ於テ前條ノ申立ヲ却下シタルトキハ本案ノ
裁決ヲ待タス直ニ高等海員審判所ニ控告スルコトヲ得
第三十七條裁決ニハ其ノ理由及證慂ヲ明示スヘシ
第三十八條裁決及裁決始末書ノ原本ハ審判ヲ爲シタル地方海員審判所之
ヲ保存スヘシ
第五章高等海員審判所ノ審判
第三十九條理事官及被審人ハ地方海員審判所ノ裁決ニ對シ高等海員審判
所ニ控告スルコトヲ得
第四十條控告ノ期間ハ裁決言渡アリタル日ヨリ七日トス
闕席裁決ニ對スル控告ノ期間ハ被審人自ラ裁決ノ送達ヲ受ケタル日ヨリ
十四日トス
第四十一條控告ヲ爲スニハ其ノ申立書ヲ原地方海員審判所ニ差出スヘ
シ
原地方海員審判所ハ直ニ談申立書及一件書類ヲ高等海員審判所ニ送付ス
ヘシ
第四十二條高等海員審判所ノ審判ニ付テハ地方海員審判所ノ審判ニ關ス
ル規程ヲ適用ス
第四十三條高等海員審判所ハ控〓ヲ理由アリトスルトキハ原裁決ヲ取消
シ更ニ裁決ヲ爲スヘシ
控告ヲ理由ナシトスルトキハ裁決ヲ以テ之ヲ棄却スヘシ
第六章執行處分
第四十四條懲戒ハ裁決確定ノ後之ヲ執行ス
第四十五條免狀行使ノ禁止ヲ言渡シタルトキハ其ノ審判ヲ爲シタル海員
審判所ニ於テ免狀ヲ取上ケ遞信省ニ送付スヘシ
免狀行使ノ停止ヲ言渡シタルトキハ其ノ審判ヲ爲シタル海員審判所ニ於
テ免狀ヲ取上ケ期間滿了ノ後之ヲ本人ニ還付スヘシ
免狀行使ノ禁止若ハ停止ヲ言渡サレタル者海員審判所ニ免狀ヲ差出ササ
ルトキハ海員審判所ハ其ノ免狀ヲ無效ト爲シ官報ニ告示スヘシ
第七章罰則
第四十六條海員審判所又ハ受命審判官ヨリ證人トシテ呼出サレタル者及
鑑定又ハ通事ノ爲呼出サレタル者正當ノ理由ナクシテ呼出ニ應セス若
ハ其ノ義務ヲ盡ササルトキハ二圓以上四十圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十七條證人トシテ海員審判所ニ呼出サレタル者僞證ヲ爲シタルトキ
及鑑定又ハ通事ノ爲海員審判所ニ呼出サレタル者詐僞ノ陳述ヲ爲シタル
トキハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ處シ五圓以上五十圓以下ノ罰金ヲ附
加ス
賄賂其ノ他ノ方法ヲ以テ人ニ囑託シテ僞證又ハ詐僞ノ鑑定通事ヲ爲サシ
メタル者亦同シ
前二項ノ罪ヲ犯シタル者其ノ事件ノ裁決言渡ニ至ラサル前ニ自首シタル
トキハ本刑ヲ免ス
附則
第四十八條此ノ法律ハ明治三十年七月一日ヨリ施行ス
第四十九條海員審判所ノ事務章程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十條此ノ法律施行ノ際西洋形船船長運轉手機關手免狀規則第十條
ニ依リ審問中ノ事件ハ此ノ法律ニ依リ管轄權ヲ有スル地方海員審判所ノ
管轄トス其ノ既ニ審問ノ判定ヲ受ケタルモノハ第五章ノ規程ニ依リ高等
海員審判所ニ控告スルコトヲ得発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=42
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043・鈴木大亮
○政府委員(男爵鈴木大亮君) 船舶職員懲戒法案、卽チ第六ノ日程ニ上ボッ
テ居リマスル此法案モ、前ニ申述ベマシタ所ノ船舶職員法ト全ク密接ノ關係
ヲ爲シテ居ルノデゴザイマス、此法案ノ要領ヲ摘ンデ申述ベマスト云フト、
此唯今ニ行レテ居リマスル所ノ規則ト申シマスモノガ、矢張最前ニ制定致シ
テ置キマシタモノデゴザイマスカラ、今ノ現況ニハ適合致サヌコトガ往々ゴ
ザイマス、殊ニ其規定シテ居リマスル所ノ事柄ハ誠ニ簡單過ギマスノデ、此
懲戒處分ヲ爲シマスルニ、審問等ノ手續ガ整備致サヌコトガ往々ゴザイマス
ノデ、實際土餘程不都合ノ事柄モ往々生ジマスルヤウナ譯デゴザイマス、且又
此懲戒ノ事柄ト申シマスモノハ、此免狀ヲ持ッテ居リマスル其當人一人ノミ
ノ關係デゴザイマセズニ、卽チ其結果ハ船舶所有者若クハ保險業者等ニ影響
ヲ及スコトガゴザリマスノデ、餘程此懲戒ノ事柄ニ對シマシテハ精密ナ規
定モ要シマスル次第デゴザリマス、此唯今提出致シテ置キマスル所ノ法案
ニハ、審判所ノ法制ナリ、又審判ノ手續、其執行ノ處分、是等ノ重ナル要點ニ
關シマシテハ必要ナ條項ヲ規定シテゴザイマスノデ、唯今マデ行レマシタ所
ノ規則ニ對シマスルト、十分ナ改正ヲ加ヘマシテ、精確ナル規定ニナッテ居
ルノデゴザリマス、詰リ前ニモ申シマシタ通、船舶職員法ト相關連シマシテ
必ズ偏廢スベカラザルモノデゴザイマス、是モ併テ速ニ確定アラレンコトヲ
希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=43
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044・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 先刻ハ第一、第三、第六ト一束ニシテ議題ニ
付セラレタト思ヒマシテ、御尋ヲ致シテ間違ヒマシタガ、更ニ御尋ヲ致シ
マス、船舶職員法案ノ第二條ニ、船舶職員ト云フコトヲ貴族院ガ海技ト修
正シテゴザリマス、ソレカラ第五條ニ、船舶職員免狀ハト云フコトヲ、海技
免狀ハ遞信大臣ノ定メル試驗規定ニ依リ云々合格シ、且ツ海員名簿ニ登錄ヲ
受ケタルモノニ授與スト改正ニナクテ居リマス、卽チ政府案デゴザリマスレ
バ且ツ船舶職員名簿ト云フコトヲ海員名簿ト云フコトニシテアル、ソコデ
第一御尋ヲ致シタイノハ此改正案ノ修正ニ就イテハ、政府ハ御同意デアル
カ、第二ニハ、海技ト云フ二ツノ文字ヲ以テ、船舶職員ト云フ汎博ナル總テ
ノ職員ヲ網羅スルコトガ出來ルカ、ソレカラ第三ニハ、第五條ノ海技免狀ト
云フモノハ試驗ヲ受ケテ、サウシテ合格シテ、且ツ海員名簿ノ登錄ヲ受ケタ
モノデアリマスル以上ハ、海員名簿ニ登錄ヲ受ケマスルモノハドウ云フモノ
デアルカ、ドウ云フ手續ヲ經レバ海員名簿ノ登錄ヲ受ケルコトガ出來ルデア
ルカ、卽チ海員名簿ニ登錄ニナッタモノデナケレバ試驗ニ合格ヲ得マシテモ
海員ニナルコトガ出來ナイト云フ解釋ニナッテ居リマスカラ、此箇條ヲ御尋
致シマス、又續イテ船舶職員懲戒法案ノ方ニ至ッテ御尋ヲ致シマスルノハ澤
山ゴザイマスケレドモ、一箇條ダケ御尋シテ置キマス、第七條ニ調書ノ調成
期間ノ計算及ビトゴザイマスルノヲ、海員審判所ノ審判ニ關シ云々トゴザイ
マス要スルニ此審判所ト云フモノヽ免狀ハ、海員審判所ト云フコトニナツ
テ居ルト思ヒマスガ、然ルニ前船舶職員法案ニ依クテ之ヲ考ヘテ見マスレバ
海員ト云フモノハ別ニ懲罰ヲ受ケルノ場合ガナイヤウニ思フノデアル、海技
トナッテカラ始テ懲罰ヲ受ケナケレバナラヌ規程ニ相成クテ居リマスガ、ワ
レヲ海員審判所ト云フ名目ニ更正ヲ貴族院デ致シマシタノヲ御同意ト云フコ
トニナリマスレバ、ドウ云フモノデアルカ、殊ニ又此事ニ就キマシテハ、第
一條ニ制裁ヲ受ケマス者ハ海技ニ限〃テ居ル、海員ト云フ者ニ制裁ヲ與ヘル
コトハナイノデアル、卽チ海員ト云フ者ハ海ニ乘込ンデ居ヲテ如何ナル失策ヲ
致シマシテモ懲罰スルノ明交ガゴザリマセヌノニソレニ其際海員トシテ却
テ海技ト云フヤウナモノヽ方ニ近寄ッタ所ノ裁判所ノ名ガナイノハドウ云フ
譯デアルノデスカ、其義ヲ御尋致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=44
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045・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 政府委員佐藤秀顯君
〔政府委員遞信省管船局長佐藤秀顯君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=45
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046・佐藤秀顯
○政府委員(佐藤秀顯君) 草刈君ニ御答ヲ致シマスガ、第一貴族院ノ修正ニ
同意デアルカ否ヤト云フ御尋ハ先刻鈴木政府委員カラ御答致シマシタ通
ニ別ニ不都合ハナイト見テ居ルノデアリマス、ソレデ兩院ノ御意志ニシテ
合體スルコトデアルナラバ、此修正ノ通デ支ヘナイト存ジマス、又船舶職員
免狀ヲ有スル者ト云フ文字ヲ、海技免狀ト修正シタノハドウ云フ譯カト申シ
マスレバ、御覽ノ通ニ、第一條ニ船舶職員ト云フ者ハ五ツニ限ルト云フコト
ヲ規定シテアリマシテ、ソレカラ海技免狀ハ十一一種アルト云フコトニナッテ
居リマスカラ、船舶職員免狀ト申シテ支ヘハ固ヨリナイ積デアッタノデゴザ
イマスガ、貴族院ハ船舶職員免狀ト、船舶職員トハ幅ガ違フ、一方ハ十二種
アル、又一方ハ五ツデアルカラシテ幅ノ違フモノデアル、何ンダカ紛ラハシ
イ嫌ガアル、故ニ船舶職員免狀ト云フモノハ海技免狀トスル方ガ宜シイ、ナゼ
海技免狀トスルカト云ヘバ、今日現行法デ海技免狀ト稱ヘテ居ルノデアルカ
ラ、寧ロ其方卽チ別々ノモノデアルト云フ方ガ分リ易イカラ斯ウスル方ガ宜
シイト云フコトデ、名ヲ變ヘタノデアルノデス、ソレカラ海員名簿ニ登錄ヲ受
ケタル者ニ授與ストアルノハドウ云フ手續デアルカト云フ御尋ニ對シマシテ
ハ今日デモデス、前申述ベマシタ海技免狀ハ、遞信大臣ノ定メタ試驗規定
ニ依ッテ試驗ヲ致シマシテ、合格ヲスレバ試驗合格讃書ト云フモノヲ試驗官ガ
受驗者ニ向ッテ渡スノデアリマス、ソレカラ其合格證書ヲ以テ更ニ海技免狀ヲ
受ケニ遞信省ニ出テ參リマシテ、果シテ其合格證書ガ正シイモノデアルナラ
バソレニ向ッテ海員名簿ニ登錄ヲ致シマシテ免狀ヲ渡スノデアリマス、ワ
レデ御分リニナリマシタラウカ、ソレカラ懲戒法ノ方ニ移リマシテ、第七條
ヲ貴族院ガ修正ヲ致シマシタノハ、處々ニ原案デハ刑事訴訟法ノ規定ヲ準用
スルト云フコトガ書イテアッテ、甚ダ箇條ガ多クモナルシ、又若シ五十餘條
ニモ渉ツテ居ル規則デアルガ、其中ニ特ニ規定シテナイモノデ、刑事訴訟法
ノ規定ヲ準用シナケレバナラヌ場合ガナイトモ言ハレヌカラシテ、寧口處々
ニ載セルコトヲ一箇處ニ纒メテ、總則ニ於テ海員審判所ノ審判ニ關係ヲシテ
此法律ニ規定シテナイモノハ、總テ刑事訴訟法ノ規定ヲ準用スルト云フ方ニ
シテ置ク方ガ、廣クシテ却テ都合ガ宜カラウト云フダケノ意味デ玆ニ纒メタ
ノデアリマス、ソレダケノ事ヲ御答シテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=46
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047・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 一寸分リマセヌデスカラ又伺ヒマスガ、唯今
ノ御說明ニ依レバ、海員職員法案ノ第一條ニ、海員職員ト云フ者ハ船長、一
等運轉士、二等運轉士、機關長及一等機關士ノ五ツノ者ヲ云フノデアル、其
他ガ卽チ海技ト云フモノデアルト云フヤウナ御說明ニ拜聽致シマシタ、サウ
シマスレバ第一條ノ所謂船舶職員ト云フ者ニナリマスノニハ如何ナル手續ヲ
經テナルモノデゴザイマセウカヲ承ッテ、ソレカラソレニ續イテ先刻御尋ヲ
シマシタ海員ノコトデゴザリマス、今日ノ何カ訓令カ何カニハ、農商務大臣
ガ試驗ノ免狀ヲ與フルトカ云フコトガゴザイマセウケレドモ、此法律ガ效力
ヲ有スルヤウニナリマスレバ、ソレ等ノ法律モ從ッテ消滅ニ歸サナケレバナ
ラヌト思ヒマス、サウスルト別ニ勅令トカ省令トカヲ以チマシテ、海員ニ採
用スルト云フ御成算デゴザイマセウカ、ソレカラ第三ニ、此海員ノ刑事訴訟
法云々ノコトハ、私ノ問ニ御間違ノ御答辯ニナッタヤウニ思ヒマス、私ノハ
サウデハアリマセヌ、此懲戒法ヲ見マスルノニ、海員ヲ懲戒スルト云フ法律
ハナイノデアル、海技員ヲ懲戒スルノ明文ハアルノト思フ、サウスレバ海員
ト云フ者ハ懲戒ニ付スト云フ明文ハナイノニ、殊更ニ其裁判所ニ海員ヲ審判
スル裁判所ノ文字ヲ用ヒラレタノハドウ云フ譯デアルカ、職員ヲ審判スルニ
海員裁判所トシナクテモ、職員裁判所トシテ宜イデハナイカ、此事ニ就キマシ
テハ獨リ第七條ノミデハゴザリマセヌ、第二十六條ノ如キモ、地方海員審判所
ト云フ文字ガゴザリマスカラ多少疑ヲ生ジテ先刻承ッタノデアリマス是ハ必
ズ御質問致シマスガ、其他ニ貴族院ガ第十四條ノ第一項ト云フモノヽ船舶ト
云フコトニ就キマシテ、帆前船抔ヲ渾テ削除ニナフタヤウデアリマスガ、是
ハ他ノ法律ニ據リマスレバ則チ御提出ニナッテ居ル法案ニ據リマスレバ、帆
前船ノ船長其他ノ者ヲモ制裁スルコトニ規定ニナッテ居リマス、此場合ニ於
キマシテ是ヲ全部削除致スト云フノハドウ云フ譯デアリマスカ、是ヲ新ニ
御問致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=47
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048・佐藤秀顯
○政府委員(佐藤秀顯君) 御答致シマス、船舶職員ハ第一條ノ御問ノ通ニ、
五ツノモノニ限〃テ居ルノデ、ソレニナルノハドウシテナルカト申シマスレ
バ海技免狀ヲ所有シテ居ル者デナケレバナレナイ、其海技免狀ノ種類ト云
フモノハ第三條ノ十二種デアル、此十二種ヲ受ケルノニハ遞信大臣ノ定ムル
試驗ヲ受ケテ合格シテ、海員名簿ニ登錄シタル者ニ限ルノデ、其十二種ノ中
カラ第一條ノ船舶職員ニナルニハ、ドウ云フ免狀ノ種類デアルカト云フコト
ハ第四條ノ第一號表デ分ルノデアル、ソレカラ第七條ノ御尋ハ懲戒法ノ第
一條、「海技免狀ヲ所有スル者其ノ職務ヲ行フニ當リ左ノ事項ニ該當スルト
キハ海員審判所ノ裁決ヲ以テ」云々トアリマスカラ、是ヲ海員ト唱ヘルノデ
アリマシテ、其海員ガ第一條ノヤウナ場合ガアッタナラバ、懲戒ヲ加ヘル處
ガ卽チ海員審判所デアルノデゴザリマスカラ、ソレデ御分リニナランコトヲ
希望スルンデス、尙不明瞭デアリマスレバ申上ゲテモ宜シイ、ソレカラ其第
一號表ノ中帆船ノ分ヲ削リマシタノハ、檢査法ニ元ト帆船ト云フモノハ檢査
ヲ受ケテ四ツニ區別ヲスルト云フコトニナッテ居リマシタノヲ帆船ハ沿海航
船以下ニ限ラレテ仕舞ッタナラバ、非常ナ迷惑ナ話デ、ドウシテモ近海航船以
上デナケレバ商賣ガ出來ヌト云フ嫌ガアルノデアルカラ、帆船ニ就イテ遠海
航船、近海航船ノ二種ニ區別シテ、ドウシテモ近海航船ノ區域ヲ步クコトハ
出來ヌコトヽ云フヤウナ船デアッタナラバ、檢査法ノ原案ノ第十一條ノ航行期
間ヤ航路定限ト云フモノハ、遞信大臣ガ必要ナ細則ヲ定メテ規定スルコトニ
ナッテ居ルカラ、ソレニ依ッテ近海航路ノ幾部分ニ制限スルコトモ出來ルノ
デアル、ソレデアルカラ帆船ノ檢査ヲ受ケベキモノハ二種ニ限ッテ置クガ宜
1、ソレデ沿海航船中カラ職員ノ規定モ削ッテシマフト云フコトデ、之ヲ除
イタノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=48
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049・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 今一箇條伺ッテ置キマスガ、第一條ト第五條
ノ第二項ニ就キマシテ、尙確メテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=49
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050・佐藤秀顯
○政府委員(佐藤秀顯君) 職員法デゴザイマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=50
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051・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 職員法ノ第一條、第二條、第五條-第二條ニ
「海技免狀ヲ有スル者ニアラサレハ船舶職員タルコトヲ得ス」トゴザイマス、
サウシテ其海技免狀ヲ有シテ船舶職員タル者ハ、第五條デ遞信大臣ニ於テ海
員試驗規程ノ試驗ヲ受ケ合格シタト認メル者ニハ試驗ヲ用井ズシテ相當ノ
免狀ヲ授與スルコトヲ得ト斯ウゴザイマス(「質問ハ委員會ニ讓ルベシ」ト呼
フ者アリ)私ノ疑ハ初メニハ海技ノ免狀ヲ得タ者デナケレバ船舶職員トナル
コトヲ得ズトアリ、後ニハ海員試驗規程ニ合格スト認ムル者ニハ試驗ヲ用ヒ
ズシテ相當ノ免狀ヲ授與スルコトヲ得トアレバ、第一條ニ免狀ヲ與フルコト
ガ出來ルヤウニナリハセヌカト思ヒマス、是ハ第二條ノ特別法ト見テ宜シイ
ノカ、又ハ他ニ意味ガアルカト云フコトヲ伺フノデ、勿論委員會デ問ヘト云
フコトデゴザイマスガ、議長ノ選舉デ私ノ如キハ委員ニ當選シタコトガゴザ
イマセヌカラ、問フノデゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=51
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052・佐藤秀顯
○政府委員(佐藤秀顯君) 御答ヲ致シマス、第五條ノ第二項ハ海軍ノ士官以
上デアリマスルトカ、又商船學校ノ全科卒業證書ヲ有シテ居〃テ立派ナ經驗
モアリ學術モアル者デアッテ、其上ニ遞信大臣ガ海員試驗規程ニ合格スルト認
メタ者デアレバ試驗ヲ用ヒズシテ相當ノ免狀ヲヤルト、乃チ第三條ノ十二種
ノ中相當ノモノヲヤルト云フノデゴザイマスカラ、ソレヲ受ケタ者ハ第二條
ノ船舶職員トナルコトヲ得ルカラ、第一條ノ職員ニナルコトヲ得ルノデス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=52
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053・草刈親明
○草刈親明君(二百三十二番) 分リマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=53
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054・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 日程ハ第八ニ進ミマス-銀行合併法案、第一讀會、朗
讀ヲ省略シマス-政府委員添田君
第八銀行合併法案(政府提出)第一讀會
(左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス〕
銀行合併法
第一條同一ノ法律ニ依リテ設立シタル銀行營業ノ各株式會社ハ其ノ一株
ノ金額及各株式ニ付拂込ミタル金額相同シキモノニ限リ左ノ方法ニ依リ
合併スルコトヲ得
第一會社其ノ資產及負債ノ全部ヲ以テ他ノ會社ニ合併スルコト
第二二箇以上ノ會社合併シテ更ニ一ノ會社ヲ設立スルコト
第二條前條第一ノ方法ニ依リ合併セントスル會社ハ各其ノ株主總會ニ於
テ合併ニ關スル事項ヲ決議シ地方長官ヲ經由シテ主務省ノ認可ヲ受クヘ
前項株主總會ノ招集ハ少クトモ會日ノ三十日前ニ之ヲ爲スヘシ
第三條第一條第二ノ方法ニ依リ合併セントスル會社ハ各其ノ株主總會ノ
決議ヲ取リタル後各會社株主ノ聯合總會ヲ開キ合併ノ決議ヲ爲シ更ニ設
立スヘキ會社ノ定款ヲ議定シ各會社取締役ノ連署ヲ以テ地方長官ヲ經由
シテ主務省ノ認可ヲ受クヘシ
聯合株主總會ニ於テハ更ニ設立スヘキ會社ノ取締役及監査役ヲ選定ス
前條第二項ノ規程ハ本條ノ株主總會ニモ亦之ヲ適用ス
第四條株主總會及聯合株主總會ノ決議方法ハ商法第二百三條ノ規程ニ依
聯合株主總會ニ於ケル株主ノ議決權ハ一株每ニ一箇トス但各會社ノ定款
ニ於テ議決權ノ制限ヲ設ケタルトキハ其ノ制限ハ十一株以上ヲ有スル株
主ノ議決權ニ對シテノミ之ヲ適用シ且各定款ノ制限同シカラサルトキハ
株主ニ對シ最利益アル制限ノ規程ヲ適用ス
第五條株主總會ノ招集アリタルトキハ各會社ハ合併スヘキ他ノ會社ノ株
主ノ求ニ應シ商法第二百二十二條ニ揭ケタル書類ノ展閱ヲ許ス義務アリ
第六條株主總會ノ招集アリタルトキハ各會社營業所ノ裁判所ハ合併スヘ
キ一方ノ會社ノ總株金ノ少クトモ五分ノ一ニ當ル株主ノ申立ニ因リテ一
人又ハ數人ノ官吏ニ他ノ一方ノ會社ノ業務ノ實況及財產ノ現況ノ檢査ヲ
命スルコトヲ得
商法第二百二十五條及第二百二十六條ノ規程ハ本條ノ檢査ニモ亦之ヲ適
用ス
第七條聯合株主總會若クハ第二條ノ株主總會ニ於テ合併ノ決議ヲ爲シタ
ルトキハ取締役ヨリ之ヲ裁判所ニ屆出ツヘシ
第八條主務省及裁判所ハ合併ノ實況ヲ監視スル權アリ
第九條聯合株主總會若クハ第一一條ノ株主總會ニ於テ合併ノ決議ヲ爲シタ
ルトキハ合併ニ因リ消滅スヘキ會社ハ旣ニ始メタル取引ヲ完結シ又ハ現
ニ存在スル會社義務ヲ履行スル外其ノ業務ヲ止メ且少クトモ三囘之ヲ公
告スヘシ取締役之ニ拘ハラスシテ營業ヲ續行スルトキハ此カ爲メ其ノ全
財產ヲ以テ自己ノ責任ヲ負フ
第十條合併セントスル會社ハ公告ヲ爲シテ聯合株主總會若クハ第二條ノ
株主總會ノ會日前一箇月ヲ踰エサル期間株式ノ讓渡ヲ停止スルコトヲ得」
第一條第二ノ方法ニ依リ合併セントスル場合ニ在テハ聯合株主總會ニ於
テ合併ノ決議ヲ爲シタル日ヨリ第十四條ニ依リ登記ヲ受クルマテノ間ニ
爲シタル株式ノ讓渡ハ無效タリ
第十一條合併ノ認可アリタルトキハ取締役ハ合併ノ旨ヲ總テノ債權者ニ
通知シ且合併ニ對シ異議アル者ハ或ル期間內ニ會社ニ申出ツヘキ旨ヲ催
告スルコトヲ要ス但其ノ期間ハ三十日ヲ下ルコトヲ得ス
前項ノ通知ニハ合併セントスル各會社ノ財產目錄及貸借對照表ヲ添附ス
ヘシ
第十二條前條ニ揭ケタル期間內ニ異議ノ申出アラサルトキハ異議ナキモ
ノト看做ス
期間內ニ異議ヲ申出タル債權者アルトキハ會社ハ直ニ其ノ債務ヲ辨償シ
若クハ之ニ擔保ヲ供シテ其ノ異議ヲ取除クコトヲ要ス
第十三條會社ハ第十一條ノ期間ヲ經過シ且有效ニ申出タル債權者ノ異議
ヲ取除キ又訴訟中ノ債務額ハ之ヲ辨償シ若クハ供託シタル後ニアラサレ
ハ合併ヲ決行スルコトヲ得ス但總テノ債權者ニ於テ異議ナキコトヲ明示
シタルトキハ該期間內ト雖合併ヲ決行スルコトヲ得
第十四條合併ヲ決行シタルトキハ十四日內ニ登記ヲ受ケ同時ニ之ヲ株主
ニ通知シ且地方長官ヲ經由シテ主務省ニ屆出ツヘシ
登記及公〓スヘキ事項ハ左ノ如シ
第合併後存留スル會社ニ在テハ
一合併認可及合併決行ノ年月日
二既ニ登記ヲ受ケタル事項ニ變更ヲ生シタルモノ
三合併ニ因リ消滅シタル會社ノ社名
第二合併ニ因リ更ニ設立セル會社ニ在テハ商法第百六十八條第二項
(第八號ヲ除ク)ニ揭ケタル事項ノ外仍左ノ二項
-合併認可及合併決行ノ年月日
二合併ニ因リ消滅シタル會社ノ社名
第十五條會社支店アルトキハ其ノ所在地ニ於テモ亦登記ヲ受クヘシ
第十六條第十四條ノ期間內ニ登記ヲ受ケサルトキハ此カ爲メ會社又ハ第
三者ニ生セシメタル損害ニ付取締役ハ其ノ全財產ヲ以テ自己ニ責任ヲ負
フ
第十七條合併後存留シ若クハ合併ニ因リ更ニ設立セル會社ハ合併ニ因リ
消滅シタル會社ノ權利義務ヲ承繼ス
第十八條國立銀行ハ第一條第二ノ方法ニ依リ合併スルコトヲ得ス
第十九條第二條第一項ノ決議方法ハ國立銀行ニ在テハ國立銀行條例第六
十九條ノ規程ニ依ル
第二十條合併ニ因リ消滅シタル國立銀行ニ於テ發行シタル紙幣ハ合併後
存留スル國立銀行ニ於テ自己ノ發行シタル紙幣ト倶ニ國立銀行條例第百
十二條ノ方法ニ依リ其ノ營業年限內ニ悉皆消却スヘシ
第二十一條合併ノ認可アリタルトキハ合併ニ因リ消滅スヘキ會社ノ訴訟
ハ合併後存留シ若クハ合併ニ因リ更ニ設立セル會社ニ於テ訴訟手續ヲ受
繼クマテ之ヲ中斷ス
民事訴訟法第一編第三章第五節當事者ノ死亡ニ因レル訴訟手續ノ中斷ニ
關スル規程ハ前項ノ場合ニモ亦之ヲ準用ス
第二十二條取締役第十四條ノ登記ヲ受クルコトヲ怠リタルトキハ商法第
二百五十六條ノ例ニ依リ第十一條ノ通知及催告ヲ爲スコトヲ怠リタルト
キハ商法第二百五十九條ノ例ニ依リテ處分ス
〔政府委員大藏書記官添田壽一君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=54
-
055・添田壽一
○政府委員(添田壽一君) 凡ソ銀行制度ノ上ニ於キマシテ最モ缺クベカラザ
ルモノハ此信用デアリマス、而シテ此信用ノ因テ起リマスル所以ハ資本
ノ十分ナルコトヽ銀行ノ基礎ノ確實ナルト云フコトニアルト云フコトハ御
承知ノ通デアリマス、我國ノ金融機關ノ現狀如何ヲ考ヘテ見マスルト未ダ
此等ノ〓ニ於テ滿足シ難イ所ガアルノデゴザイマス、此闕〓ヲ防ギマスルノ
ニハ將來起リマスル銀行ノ上ニ注意ヲ加ヘナケレバナラヌト云フノミナ
ラズ、巳ニ起ッテ居リマス銀行ガ、成ルベク合同致シマシテ、過度ノ競爭ヲ避
ケ、資力ヲ充實スルト云フコトノ便ヲ與フルト云フコトガ、必要デアルト信ズ
ルノデアリマス、此案ヲ提出致シマシタ所以ハ、右等ノ理由ニ基イテ居ルノ
デアリマシテ、希ハクハ御協賛アランコトヲ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=55
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056・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 御質問ガナクバ右議案ヲ付託スベキ委員選舉ノ件ニ移
リマス
第九右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=56
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057・吉本榮吉
○吉本榮吉君(八十二番) 議長ノ指名ニ任ゼン発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=57
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058・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 議長ノ指名ニ御異議ナイト認メマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=58
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059・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 然ラバ吉本榮吉君ノ動議ノ通決定致シマス次ハ第十、
開港外ニ於テ外國貿易ノ爲メ船舶出入及貨物輸出入ノ件ニ關スル法律案第一
讀會-朗讀ヲ省キマス
第十開港外ニ於テ外國貿易ノ爲メ船舶出入及貨第一讀會
物輸出入ノ件ニ關スル法律案(政府提出)
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス〕
開港外ニ於テ外國貿易ノ爲メ船舶出入及貨物輸出入ノ件ニ關スル法
律案
第一條開港外ニ於テ外國貿易ノ爲メ帝國臣民所有ノ船舶ノ出入及貨物ノ
輸出入ヲ爲スヘキ港ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條前條船舶ノ出入及貨物ノ輸出入ニ關シテハ稅關法及稅關規則ヲ適
用ス
第三條第一條ニ依リ船舶ノ出入及貨物ノ輸出入ヲ爲ス港ヲ閉鎖スルトキ
ハ六箇月前ニ勅令ヲ以テ之ヲ公布ス
第四條本法ハ明治二十九年四月一日ヨリ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=59
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060・小畑岩次郎
○小畑岩次郞君(二百三十六番) 此案ニ就イテ質問シタウゴザイマスガ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=60
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061・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 政府委員ノ出席ヲ求メルヨリ外アリマセヌー-尤モ委
員會デ御質問デハ如何デスカ-次ハ第十一委員ノ選舉ノ件ニ移リマス
第十一右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選擧発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=61
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062・吉本榮吉
○吉本榮吉君(八十二番) 議長ノ指名ニシテ、而シテ此委員ガ成立タバ、日
程第十二、第十三モ同一ノ委員ニ付託スルコトニ致シタイ
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=62
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063・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 第十ヨリ第十三マデノ議案ヲ議長指名ノ委員ニ付託ス
ルト云フ意見ガゴザイマスガ、第十二及十三ハ政府案ノ如ク當然委員ニ付託
サレベキモノデハアリマセヌカラ、或ハ其結果ドウナルカ分リマセヌガ、若
シ委員ニ付託サレルヤウニナリマシタナラバ、卽チ吉本君ノ動議ノ通決スル
ト御承知ヲ請ヒマス、次ハ第十二、敦賀港外七港ニ於テ東洋貿易ニ關スル船
舶ノ出入許可法律案第一讀會、朗讀ヲ省キマス-小畑岩次郞君
福井縣越前國敦賀港外七港ニ於テ東洋
第十二貿易ニ關スル船舶ノ出入許可法律案第一讀會
(小畑岩次郞君外八名提出)
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲メ玆ニ揭載ス〕
明治二十九年四月一日ヨリ左ノ各港ニ於テ朝鮮、支那、印度、露領沿海州及
薩哈嗹島貿易ニ關スル帝國人民所有船舶ノ出入及貨物ノ積卸ヲ許ス
但シ船舶ノ出入、貨物ノ積卸ニ關シテハ稅關法及稅關規則ヲ適用ス
一福井縣越前國敦賀港
一鳥取縣伯耆國境港
一島根縣石見國濱田港
一山口縣長門國下ノ關港
一福岡縣筑前國博多港
一同縣豐前國門司港
一長崎縣肥前國唐津港
一靑森縣陸奧國靑森港発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=63
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064・小畑岩次郎
○小畑岩次郞君(二百二一十六番) 本案ハ私外八名ノ提出案デゴザイマスガ、
此說明ヲ致シマスルニハ、別ニ長イコトモゴザイマセヌカラ此所デ-本案
ハ昨年既ニ當議會ニ提出シマシテ、議會ハ大多數ヲ以テ貴族院ニ迴シマシタ
案デアリマス、尙貴族院ニ於テ握潰シト爲ッタ案ヲ玆ニ再ビ提出シマシタノ
デアリマス、强テ說明ヲスル要モナイト思ヒマスカラ略シマス、唯此東洋貿
易ト云フモノハ、昨年ヨリモ又本年ハ一層本案ノ必要ヲ感ジテ來マシタカラ、
再ビ玆ニ提出致シマシタ、是ダケヲ滿場諸君ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=64
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065・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 卽チ是ハ議長指名ノ委員ニ付スルト云フ吉本君ノ動議
ノ通ニ決シテ宜シウゴザイマスカ
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=65
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066・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 次ハ第十三、開港法案第一讀會、朗議ヲ省キマス-
須藤時一郞君
第十三開港法案(須藤時一郞君外五名提出)第一讀會
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス〕
開港法
第一條外國貿易ニ關スル內外國人民所有船舶ノ出入及貨物ノ積卸ノ爲左
ノ諸港ヲ開港トス
武藏國東京
駿河國〓水
伊勢國四日市
長門國下ノ關及豐前國門司
陸奧國靑森
越前國敦賀
薩摩國鹿兒島
後志國小樽
附則
第二條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ定ム発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=66
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067・須藤時一郎
○須藤時一郞君(百四十五番) 是モ簡單ノ案デ、昨年提出致シマシタノデ、別
ニ此處デ申述ベルニ及バヌト思ヒマスカラ理由ハ申述ベマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=67
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068・楠本正隆
○議長(楠本正隆君) 然ラバ該案モ、吉本君ノ動議ノ通議長指名ノ特別委員
ニ付スルコトニ御異議ナシト認メマス-因テ其通ニ決シマス-次會ノ日
程ハ議案ノ都合ニ依リマシテ、二日程ヲ經テ書式ヲ以テ御通知スルコトニ致
シマス-茲ニ散會ヲ報ジマス
午後二時三十六分散會
衆議院議事速記錄第二十八號正誤
頁段行誤正頁段行誤正
四一七下二八波蘭和蘭四一八上111民タメニ
四一七下二九波蘭和蘭発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=000913242X02918960302&spkNum=68
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