1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治三十年二月二十六日（金曜日）午前十時十五分開議
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議事日程 第十二號 明治三十年二月二十六日
午前十時開議
第一 明治二十九年度歳入歳出總豫算追加案（總追第五號）審査期限を定むるの件
第二 明治二十九年度特別會計歳入歳出豫算追加案（特追第三號）審査期限を定むるの件
第三 明治二十九年度歳入歳出總豫算追加案（總追第六號）審査期限を定むるの件
第四 北海道國有未開地處分法案（政府提出） 第一讀會
第五 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第六 北海道鐵道豫定線路中私設鐵道會社に敷設許可の件に關する法律案（政府提出） 第一讀會
第七 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第八 公立圖書館費國庫補助法案（外山正一君發議） 第一讀會
第九 古墳墓保護に關する建議案（外山正一君發議） 會議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=0
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001・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 是ヨリ報告ヲ致シマス
〔有賀書記官朗讀〕
去二十二日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案ハ卽日內閣總理大臣ヲ經
由シテ裁可ヲ奉請シ及可決ノ旨衆議院ニ通知シタリ
鐵道公債及事業公債利子支拂期改正法律案臺灣總督府特別會計法案
去二十三日外山正一君ヨリ七十名ノ贊成ヲ以テ公立圖書館費國庫補助法案
ヲ發議セラレタリ
同日外山正一君ヨリ三十九名ノ贊成ヲ以テ古墳墓保護ニ關スル建議案ヲ發
議セラレタリ
同日政府提出明治二十七年度歲入歳出總決算、明治二十七年度各特別會計
歲入歲出決算、明治二十七年度歲入歲出檢査報告ヲ受領シタリ
同日左ノ政府提出案ヲ受領シタリ
北海道國有未開地處分法案
北海道鐵道豫定線路中私設鐵道會社ニ敷設許可ノ件ニ關スル法律案
一昨二十四日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領シタリ
明治二十九年度歲入歳出總豫算追加案(總追第五號)
明治二十九年度特別會計歲入歲出豫算追加案(特追第三號)
明治二十九年度歲入歲出總豫算追加案(總追第六號)
鐵道敷設法中改正法律案
同日衆議院提出祿高整理公債法案ヲ受領シタリ
昨二十五日衆議院提出家祿賞典祿處分法案ヲ受領シタリ
同日子爵谷干城君、久保田讓君ヨリ四十四名ノ贊成ヲ以テ高等〓育會議規
則ニ關スル質問書ヲ提出セラレタルニ依り卽日政府ニ轉送シタリ
資格審査委員會ニ於テ男爵楫取素彥君委員長補闕選舉ニ當選セラレタリ
市制町村制水利組合條例及地方學事通則ニ關スル法律案特別委員會ニ於テ
委員長ニ子爵鍋島直彬君、副委員長ニ男爵渡邊〓君當選セラレタリ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=1
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002・京極高徳
○子爵京極高德君 本員ハ是ヨリ豫算分科會ヘ出タウゴザイマスガ退席シテ
モ宜シウゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=2
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003・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 唯今御退キニナリマシテハ定足數ニ響キマスカラ
暫ク発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=3
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004・久保田譲
○久保田讓君 本員等ヨリ提出致シマシタル質問書ニ就イテ少シ理由ヲ述べ
タウゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=4
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005・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 宜シウゴザイマス
(久保田讓君演壇ニ登ル)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=5
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006・久保田譲
○久保田讓君 諸君御承知ノ如ク高等〓育會議規則ハ昨年勅令第三百九十號
ヲ以テ發令ニナリマシテゴザイマスガ其規則ニ關シテ本員等ヨリ質問書ヲ提
出致シマシタニ就キマシテ提出者ノ一人トシテ少シ此理由ヲ說明致シテ〓
聽ヲ煩ハサウト思ヒマス其前ニ當ッテ質問ノ趣意書ノ大略ヲ申上ゲマス高
等〓育會議ノ要ハ「高等〓育會議ノ要ハ廣ク〓育社會ノ輿論ヲ聞クニ在ルカ
故ニ其組織ハ〓育社會全般ヲ代表スルニ足ルヲ要スヘシ、然ルニ今度發令
セラレタル高等〓育會議規則ハ其組織頗ル不完全ニシテ前段ノ旨趣ニ適合セ
サルカ如シ政府ハ之ヲ以テ〓育社會ノ輿論ヲ聞クニ足リ隨テ高等〓育會議
ヲ設ケタル目的ヲ達スルニ足レリト信スル乎將タ漸次該規則ヲ補正シテ遂ニ
完全ノ組織トナサントスルノ意ナル平」右質問ニ及ブト云フ趣意デゴザイマ
スソレデ此高等〓育會議ハ第八議會ニ於テ貴族院及衆議院ヨリ其設立ノコ
トヲ政府ニ建議ヲ致シマシテ第九議會ニ於テハ數囘之ヲ政府ニ促シマシタ
所ガ政府ハ一タビハ之ヲ以テ文部省ノ行政權ヲ侵スモノトシ一タビハ是ヲ
以テ必要ナラズトシテ此建議ヲ拒絕セラレマシタ而シテ文部ノ施政ト云フ
モノハ其後ドウ云フコトデアルカト云フト矢張同ジコトニ倍〓振ハナイ〓育
事業ハ段々ト遲クレテ往クト云フヤウナ有樣デアル依テ〓育社會ハ殆ド失
望ヲ致シタノデアリマス依テ我ミハ政府ガ愈〓議院ノ建議ヲ容レズ且ツ〓育
會ノ希望ヲ顧ミヌト云フコトデアレバ巳ムヲ得ズ本年ノ會議ニ於テハ立法
ノ力ヲ以テ堅固ナル高等〓育會議ノ設立ヲ計畫スルヨリ他ニ致方ガナイト
マデ決心ヲ致シタノデゴザイマス然ル所內閣ノ變動ニ因リマシテ忽チ文部大
臣ハ更迭ヲシテ新內閣ハ一方ニ於テハ輿論ノ重ズベキコト、〓育ノ擴張セザ
ルベカラザルコトヲ宣告シ又一方ニハ高等〓育會議ノ規則ヲ發令シテ大ニ局
面ヲ一變スル場合ニナリマシタ、前內閣ガ政治社會〓育社會ノ輿論ヲ顧ミズ
努テ之ヲ排却シテ退ケラレタニ反シテ新內閣ハ飜然トシテ輿論ノ在ル所ヲ察
シサウシテ此規則ヲ發布セラレタノハ頗ル美舉デアリテ我ミハ之ヲ稱贊スル
ニ躊躇致サナイノデアル然ルニ其規則ヲ見レバ第一此組織ガドウモ甚ダ不
完全デアッテ或ハ有名無實ナヤウナコトニナッテ特ニ此會議ヲ設ケタ效ト云
フモノガ甚ダ乏シイヤウニ思ハレル試ニ勅令第三一百九十號高等〓育會議ノ規
則ヲ見マスルト其第三條ニ組織ガアリマス則チ高等〓育會議ハ左ノ議員ヲ以
テ組織ス一帝國大學總長及各分科大學長、二、文部省各局長、三、高等
師範學校長及女子高等師範學校長、四高等商業學校長東京工業學校長及東
京美術學校長、五、高等學校長一人、六學識アル者又ハ〓育事業ニ閱歷アル
者七人以內」是ガ勅令ノ組織デアリマスソレデ其人數ハ併テ二十二人デアル
其中十五人ハ文部省ノ局長ト文部省ノ直轄學校ノ校長デアル斯樣ナ譯デド
ウモ是デハ我〓ノ希望ヲ達スルコトガ出來ナイノデアリマス恐クハ何人ト
雖モ是ヲ以テ滿足シテ居ル者ハナイ則チ新聞紙ヲ閱テモ雜誌ヲ閱テモ又誰ノ
話ヲ聞イテモ是デ滿足デアルト云フモノハ殆ド一人モナイデアリマス恐ラク
ハ文部ノ部內デモ決シテ之ヲ滿足シテ居ル樣子ハ更ニナイ抑〓我〓ガ高等〓
育會議ノ設立ヲ希望致シタノハ最初建議者ガ當議場ニ於テ演說說明ヲ致
シタル如ク又昨年一月十六日附ヲ以テ差出シタル所ノ質問書ニ明ニ明記シテ
アルガ如ク數〓變ハル文部大臣ガ自己ノ一個ノ專斷デ學政ノ主義方針ニ關ス
ルコトヲ畫策決行シテ往クトキハ其方針ト云フモノガ動搖シテ止マル所ヲ知
ラヌヤウナ有樣デ弊害ガ甚ダ多イコトデアルカラソレデ高等〓育會議ト云フ
モノヲ設立シテソレデ以テ〓育社會ノ輿論ヲ聽イテ文部大臣ガソレニ依ッテ
學政ヲ行ッテ往ッタナラバ大ナル過ガナイデアラウ卽チ〓育社會ノ輿論ヲ聽
クト云フコトガ此建議ノ大趣意デアル然ルニ斯ノ如キ組織デハ迚モ輿論ハ分
リマセヌ輿論ドコロデハナイ極ク偏ッタ說ホカ分ラナイ或ル人ハ無イヨリ益
シデハナイカト云フケレドモ我〓ハ無イヨリモ劣ッテ居ルカト云フ位ニ考ヘ
ルノデアル如何トナレバ此會議ノ無イトキニハ人ガ皆文部省ノ出シタ法令ヲ
見テモ文部大臣ガ又例ノ物好キデ之ヲ出シタノカト云フヤウナ感ジヲ以テ深
ク信用ヲ置カナイ併ナガラ此會議ト云フ機關ガ一タビアッタナラバ世間ノ
人ハ誤ッテ是ハ正當ナ······至當ナモノデアルカト云フヤウナ信用ヲ置クカモ
知レナイサウ云フモノデ大切ナル會議デアルカラ或ハ不完全ナルモノデアッ
タナラバ或ハ無イ方ガ宜イカモ知レヌカト思フ位デアル今ヤ文部省ハ戰後
ノ經營トシテ從來山ノ如ク積ンダ所ノ事務ヲ處分スルガタメニ一ノ大方針ヲ
定メ又一ノ大計畫ヲ立テヽ大ナル規模ニ依テ學政ノ改革トカ擴張トカ云フコ
トヲ決行シテ彼ノ十二師團ノ陸軍二十萬噸ノ軍艦ヲ有スル軍事上ノ政事ト竝
進ンデ往カネバナラヌト云フ時ニ臨ンデ我〓ハ唯一ツノ此高等〓育會議ト云
フ機關ガ賴ミデアルノデアルソレ故ニ何分此儘デハ甚困ル是非トモ完全ノモ
ノニナラナケレバナラヌ是ハ亦我〓ノ一個人ノ說デハ無イ〓育社會政治社會
ノ公評デアル輿論デアル松方內閣ハ折角與論ヲ採用シテ規則ヲ發令ヲシテ
何故ニ斯ノ如ク拙ナルコトヲ爲シタデアラウカ疑ハシイ蓋シ內閣組織ノ際ニ
於テ議會ノ會期ガ切迫ヲ致シテ居ル政治〓育社會ガ激昂ヲ致シテ居ル折柄デ
アッテ多少ノ〓〓〓漸次修正ヲスル積デ所謂善ハ急ゲト云フヤウナ諺ニ依テ
完全ニシテ機會ヲ誤ルヨリハ寧ロ不完全ニシテ速ニシタ方ガ宜イト云フヤウ
ナコトノ意デアッテ決シテ惡意ニ出タコトデナイト云フコトハ明デアルニ依
テ我ミハ決シテ內閣ヲ責メルト云フヤウナ存意ハ少シモナイ、唯怪シムベキ
ハ文部省ニハ豫テ此高等〓育會議ノ事ハ河野時代ノ案ト井上時代ノ案ト一ムフ
案ガ二ツアル較〓完全ノ宿案ガアルノデアルソレニ拘ラズ斯ノ如キ杜撰ナル
案ヲ草シテサウシテ內閣ニ提出ヲセラレタト云フノハ甚ダ不思議ニ感ズル是
ハ蓋シ局長其他屬僚ノ誤デアラウ決シテ文部大臣ノ誤デハナイト思フ、叉
ツ怪シムベキコトガアルソレハ文部ノ一局長ガ此會議ノ事ニ付テ規則ガ出ル
ヤ否ヤ世間デハ囂々ト非難ガ喧シイ其非難ニ對シテ〓育時論ト云フ雜誌ニ一
ノ辯解ガ揭ケデアル甚ダ面白イコトガ書イテアル之ヲ讀ムト建議ノ當時ニ文
部大臣ガ如何ニ恐怖シテ恐レラレタカ如何ニ狼狽サレタカ能ク分ル先ヅ文部
省ガ始ニハ飽マデ會議ノ設立ヲ拒ンデ後ニ突如トシテ設立シタノハ甚ダ無定
見デアルト斯ウ云フコトヲ非難スル者ガアルガソレニ附テ辯解ヲシテアル、
是ハ參考書デアルカラ朗讀シマス
試に第八議會、及第九議會に於ける高等〓育會議設立建議者及贊成者の言
論意嚮果して如何なりしかを囘想せよ云々
是カラガ面白イノデス
當時高等〓育會議の設立を主張する者の政府に向つて迫り來る有樣は恰も
兵士の肉薄して敵城を襲ひしものゝ如-支部大臣たるもの勢ひ亦門を開き
て突出せさるへからす故に前議會に於て西園寺文相ク高等會議設立に反對
なる答辯書を與へたるは後世に至らは必す之を不當とする者なきに至るへ
-蓋-建議者及贊成者の言ふかまゝに之を設立せんか名は諮詢府に過ずと
雖〓育行政の實權は會議に移りーならん卽ち文部大臣は遂に木偶人の如く
一舉一動すへて高等〓育會議の爲に牽制せらるゝに至らんも知るへからさ
りしなり云々
然るに爾後〓育界は頻りに高等〓育會議の設立を希望し而して文部省か該
會設立に反對せさる可らさるの原由の消滅したるか故に蜂須賀大臣は會議
設立の事を上奏するに至りし云々
次ニ會議組織ノ不完全ナラザルコトヲ辯ジテ曰ク
第一高等〓育會議議員の殆と三分の二か文部大臣管轄の下にある職員たる
に對しての非難なり成程帝國大學總長及各分科大學長や文部省各局長や其
他の直轄學校長やすへて文部大臣の管轄に屬すへき職員たるに相違なー然
れとも唯其管轄の下にある職員たるの故を以て彼等の意思か擅まに支部大
臣の爲に左右せらるゝものゝ如くに速斷するは大なる謬見なり從來の形迹
に徴するも大學の〓授は言ふ迄もふし其他直轄學校の校長の如きも容易に
自己の意思を抂くるものにあらす
幾ラカ抂ケルヤウニモ見エル
文部大臣の意の如くならしめんなとゝは以ての外の事なり云々
第二會議の組織を狹隘なりとして〓育界の全般を代表せしむる能はすと云
ふ非難なり成程高等〓育會議の規則には職務を以て議員たるへきもの文兩
局長の外大學連及兩高等師範學校長高等商業學校長東京工業學校長東京部
美術學校長高等學校長のみにして尋常師範學校尋常中學校高等女學校及各
實業學校小學校等を直接代表せしむへき議員を擧けさりしは事實なり然れ
とも云々
此〓に於ては
此所ガ又面白イ
普通學務局長の如きほ云々尋常師範學校長尋常中學校長等に比すれは其著
眼意見の如きも却て公平著實なるへー云々
前述學校の代表者なきを憂るか如きは杞憂の甚しきものと云ふへー云々
斯ウ云フ辯解デゴザイマスソレデ此辯解ハ前段ハ前大臣ノ處分ト後大臣ノ處
分トガ矛盾デナイ決シテ前後ノ內閣ガ變ッタ考デハナイ前ノ文部大臣ガ居ッ
テモ今度ノ案ヲ立テルノダト云フ斯ウ云フ意味デ前內閣ガ折角輿論ヲ採用シ
テ爲シタル善政ノ事實ヲ蔽ヒ隱シテ巧ニ文章ガ書イテアル又後段ハ實ニ傍若
無人ナ事ガ言フテアル尋常師範學校長中學校長ニ比スレバ學務局長ノ方ガ却
テ公平著實ダト云ウテアル甚タ傍若無人デアル若シ萬一斯ノ如キコトガ此會
議規則ノ精神デアルナラバ決シテ勅令デ會議ヲ設クル必要ハナイ文部次官ト
局長ガアレバソレデ澤山デアル是ハ必ズ政府ノ本意ニ出タ辯解デハナイ恐ク
ハ此辯解者ハ前ニハ會議ノ設立拒絕ノコトヲ主張シ後ニハ設立ノコト又勸メ
タ所謂反覆常ナキ世ニ所謂曲學阿世ノ徒ガ自分ノ醜態ヲ掩ハンガタメニシタ
モノデアラウト思フコンナ說ハ決シテ採ルニ足ラヌ說デアルト思フ斯ノ如
ク私ガ餘計ナコトヲ申スノハ或ハ此度ノ質問ニ對スル答辯モ亦斯ノ如キ人ガ
答辯ヲ書イテ意外ナ答辯ノ出ナイトモ限ラレヌト云フコトヲ思フカラ其事ヲ
チヨット申述ベテ置クノデアル、然ラバ私ノ希望ト云フモノハドウ云フノ
デアルカ、ドウ云フコトヲ希望スルノデアルカ卽チ第一組織ノコトデアリマ
ス大切ナ組織ノ要素ガ〓ケテ居ル第一尋常師範學校長ト云フモノガナイ公立
尋常中學校長ト云フモノガナイ是等ハ普通〓育ヲ代表スル所ノ大切ナモノデ
別段說明ヲ要シマセヌ公立高等女學校長、女子ノ〓育ヲ代表スル者ガナイソ
レカラ音樂學校ノ代表者ガナイ普通〓育ニハ音樂唱歌ト云フモノガ皆ナ附
イテ居ッテ大切ナモノデアル是ガナイソレカラ貴族ノ〓育ヲ代表スル者ガナ
イ學習院長華族女學校長ト云フモノガナイ、航海ノ〓育卽チ商船學校ナドノ
コトガナイソレカラ海陸軍ノ〓育ノコトガナイ是ハチヨット申シマスガ海陸
軍ノ軍人ノ精神ト國民ノ精神トガ少シモ違ッテハナラナイ相一致シテ行カナ
ケレバナラヌコトデアッテ又〓育ノ結果ヲ見ルニハ海陸軍ニ若クモノハナイ
ノデ、抑〓徵兵ノ檢査ノトキニ全國ノ壯丁ヲ調査ヲ致シマス其時ニ是ハ學
問ヲ致シタ者デアルカ致シタ者デナイカ字ガ書ケル者デアルカナイカト一ムフ
コトハ盡ク國、査ガ出來ルノデアルソレカラシテ兵ニ取ッテ兵營ニ這入ッタ後
ト云フモノハ每日此〓育ヲ受ケタ者ハ如何ナル行狀デアルカ〓育ノ結果ハド
ンナ結果ニナッテ居ルノカ朝夕見ルコトガ出來ル〓育ノ結果ヲ見ルニハ海陸
軍ハ最モ宜イ便利ヲ得テ居ル是ハ餘程必要デアルト思フソレカラ臺灣〓育
ニ附テモ無イ拓殖務省カラ誰カ出ナクテハイカナイソレカラシテ又〓育ノ
行政ノコトハ〓ネ地方ノ經濟地方ノ行政ニ關係ヲ致サヌコトハアリマセヌ
內務省ノ縣治局長ナドハ地方行政地方經濟ノコトヲ代表シテ這入ルノガ必要
デアルソレカラシテ學校ノ〓育ハ······學校内ノ事ニ附テハ〓員ガアッテ學校
內ノ警察ハ極ク嚴重ニシテアル、卽チ子供ガ煙草ヲ吸ッテハナラナイ不行儀
ナ事ヲシテハナナライ或ハ其不都合ナ事ガアッテハナラナイト云フコトニ注
意ヲシテ居リマスガ、併ナガラ如何セム學校ノ門外ヘ出レバチットモ其警察
ト云フモノハ役ニ立タナイ、ソレデ曾テ井上前文部大臣ガ〓育者ニ訓令シテ
少年ガ煙草ヲ吸フノハ宜クナイカラ煙草ヲ吸ハヌ樣ニシロト云フコトヲ暄マ
シク言ハレタ是レハ甚ダ宜イコトデ最モ贊成スル所デアル、ケレドモ奈何セ
ム是ハ實行サレナイ、如何ニモ學校ノ門外ニ於テハ誰モ制スル者ガナイ警察
ト云フモノハアッテモ更ニ問ハナイ、ソレ等ノ事ハ警察ノ力ト相待タナケレ
バ出來ナイコトデアル、其他獨逸ナドデハ學生ノ取締ハ悉ク嚴重デアル、學校
外デモ學生ハ料理屋ニ這入ルコトハナラナイ、飮食店ニ立入ルコトハナラナ
イト云フ斯ウ云フコトガ警察令デ出テ居リマスサウシテ警察官ガ〓育ノ內
部ト倶ニ力ヲ合セテ靑年ノ〓育ノ事ニ從事致シテ居ル、ソレデ以テ〓育ノ完
全ノ目的ガ達セラレルソレガ我邦ニ於テハ少シモソンナコトガナイ隨
分靑年ノ方向ヲ誤ルコトガ多イモノデアリマスルカラ是等ノタメニハ警保局
長モ加ヘルコトガ必要デアルソレカラ又制度上ノ事ハ文部省ノ〓育ノ制度
ハ總テ勅令省令デ出テ居ッテ法律ニナッテ出テ居ルモノハ凡ソ無イデ動
モスレバ國家ノ諸般ノ法令ト關係ヲ持ッテ抵觸スルノ恐レガアルノデゴザイ
マく、ソレデ法制局長官モ此會議ニ參與シテ國ノ全體ノ法制ト相扞格セヌヤ
ウニ〓育制度ヲ制定ラシナケレバナラナイト思ヒマス、ワレカラ少シ申落シ
マシタガ私立學校長ト云フ者モ這入ラナケレバナリマセヌ、私立學校ト云ク
テモ慶應義塾トカ專門學校ノ如キモノモアリ又小學校ノ如キハ許多ノ諸私立
學校ガアリマス是ハ各〓皆官立公立ノ學校ト利害ヲ異ニシテ居ルモノデア
ルデ是非是レモ此會議ニ代表スル者ガ出ナケレバナリマセヌソレカラ御
存ジノ如ク學士會院ト云フモノガアッテ是ハ碩學鴻儒ヲ集メテアル會ガア
ルソレヲ代表スル人モ這入ラナケレバナラナイソレカラ文部省ニ衞生顧
問會ト云フモノガアル凡ソ〓育ノコトハ衞生ニ關係ヲ致サヌモノハナイカ
ラ衞生顧問ト云フモノモ這入ラナケレバナラナイ、是ダケノモノガ這入ラナ
ケレバ〓育社會ノ輿論ヲ聞クコトハ出來ナイ、是ダケ這入レバ〓育社會ノ輿
論ハ大抵分カルコトデアリマス、ソレカラ是ダケ這入リマシテモ亦〓育ト云
フモノハ餘程範圍ガ廣イカラ決シテ是デ盡シタト云フ譯ニハイカナイ或
ハ盲啞ノ〓育トカ云フ樣ナコトモアルサウ云フモノニ附テ必要ガ起ッタ時
ニハ臨時ニ其議員ガ這入ラナケレバナリマセヌソレデ各省ノ會議ノ規則ニ
アル如ク矢張臨時議員ヲ置クト云フ制ヲ設ケナケレバ完全トハ云ハレナイ、
ソレカラ斯ノ如ク多數ノ人員ニナルトドウモ總テノ事ヲ始終議スルト云フ譯
ニハ參リマセヌカラ此中デ以テ十名乃至十四五名ノ常任委員ヲ設ケテソレガ
時〓文部省ノ細カイコトノ諮詢ニ應ジテ行キ且ツ一般ノ會議ノ議案ヲ常ニ調
査致スト云フコトノタメニ常任委員ト云フモノヲ設ケルノガ必要デアルソ
レカラ又事務ヲ能ク取纒メルタメニ幹事ガナクッテハナラナイ是ガナクテハ
事務ノ整頓ト云フコトガ出來マセヌデ是ガ必要デアルソレカラシテ此會
議ノ權限ト云フモノハ至ツテ狭メテアッテ唯意見ガアレバ文部大臣ニ具申ヲ
スルコトヲ得ルト云フコトダケデアリマシテ甚ダ狭イ、是モ矢張關係ノ各省
ニ建議ヲスルコトガ出來ルト云フコトニナラナケレバナラヌト思ヒマスソ
レカラ又此規則ニ據ルト支部大臣ガ必要ニ應ジテ此會議ヲ開クト云フコトニ
ナッテ居リマスルカラ或ハ始終開カレルカモ知ラヌガ又嫌ヒデアッタラ一年ニ
一度モ開カナイカモ知レヌ極ク決マリガナイ是等モ每年一囘ハ必ズ此會
議ヲ開カナケレバナラヌ又必要ノ場合ニハ臨時會議ヲ開カナケレバナラナイ
ト云フ考デアル、ソレカラ最モ不都合ナノハ第八條ニ〓育高等會議ハ祕密會
トスルト云フコトガアル、是ガ甚ダ困ル、凡ツドコノ外ノ會議ニモ祕密會ト
書イテアルモノハナイソレデ總テ行政ノ事ハ御承知ノ通比較的ニ皆祕密
デアクテ決シテ公開ノモノデハナイ併ナガラ若シ此規則ニ於テ是ハ祕密會
デアルト云フコトデアッタナラバ恐ラクハ文部大臣ガ此會議ノ〓末ヲ公ニシ
タイト思ッテモ此規則ニ觸レルタメニ公ニスルコトハ出來ナイ是ハ甚ダ不
都合デアルソレデ文部省ノ行政ノ事ハ比較的ニ祕密ノ事ハ至ッテ少イノデ
アッテ却テ公ニシナケレバナラナイコトガ多イノデアルドコノ國デモ學校
ノ規則ノ改正委員ヲ拵ヘタナラバ精密ニ調ヲシテ其調ベタモノハ文部省カラ
世間ニ公ニシテ世間ノ說ヲ聞イテ其輿論ノ歸著スル所ニ依ッテ定メル是ガ
當然ノコトデアル然ルニ文部省ノ此規則ニ限ッテ祕密會議ニスルノハ是
ハ甚ダ不都合デ最モ差支ル箇條デアル是非是ハ除カナケレバナラナイ先
ヅ斯樣ナ譯デアリマシテ此希望ト云フモノモ我〓一個人ノ物好ノ希望ト云フ
モノデハナイ、色ミ取調モ致シ話モ致シ常ニ學制ヲ〓究シテ居ル學制〓究會
ト云フ樣ナモノガアリマスカラソコラノ意見ヲモ聽イテ見マシタ又大抵
世間ノ〓育社會ノ說ヲ聽イテ見タ所デハ凡ソ斯ンナ樣ナ譯デアルノデゴザ
イマス今申ス所ノ意見ヲ順序ヲ追フテ書綴レバ斯ノ如キコトデアル勅
令第三百九十號ノ高等〓育會議規則中增補修正スベキ要項、第一議員ヲ增
加スルコト法制局長官陸軍及海軍〓育主任將校各人內務省縣治局長、
警保局長、拓殖務省高等官-人學習院長、華族女學校長、商船學校長、
音楽學校主事、尋常師範學校長二人公立尋常中學校長二人、公立高等女
學校長一人、私立學校長三人、東京學士會院會長、文部省衞生顧問會議
長、第二臨時議員、常任委員及幹事ヲ置クコト第三關係各省ニ建議スル
ヲ得ルコト第四每年一囘必ズ會議ヲ開キ必要ノ場合ニハ臨時會議ヲ
開クコト第五祕密會ヲ削除スルコト、斯ウ云フコトデアリマス、サウ
ナリマスレバアラユル〓育社會ノ輿論ノ集合府ニ爲ッテ頗ル有力ナル
〓育ノ最高等諮詢ノ機關ト爲ル今後之ニ依ッテ文部大臣ガ學政ヲ實行シテ
行ッタナラバ規模ノ宏大ナル施設モ一ノ障碍ナクシテ圓滿ニ行ハレマス山
ノ如ク積ッテ居ル事務モ外ヲ迎ヘテ解クト云フコトニナルダラウト思ヒマ
ス尤モ一旦發令ニナッタ規則ヲ急劇ニ改正ヲ加ヘルト云フコトハ或ハ斷行
シ難イ事情ガアルカモ知レナイガ免ニ角尋常師範學校長ト尋常中學校長ト
ヲ加ヘ臨時議員ヲ置クコトダケハ是非トモ急ニ之ヲ補ハナケレバ會議ノ體ヲ
モ成サヌト云フモノデアリマス、如何トナレバ此會議ノ問題ト云フモノハ普
通〓育ノコトガ多イ且ツ目下焦眉ノ急ナル中學小學ノ問題ト云フモノガ非常
ニ多キ數ガアルノデゴザイマス更ニ進ンデ完全ナル諮詢機關デナケレバ諮
詢ヲシテモ一向諮詢ノ效ガナイト云フコトニ附キ近イ實例ヲ言ヘバ數年前文
部省デ視學官ト云フモノヲ廢止シタ是ハ輿論ヲ少シモ用ヒナイソコデ昨
年以來文部省デ孜々トシテ視學官ヲ置クコトニ汲々トシテ居リマス今年ノ
豫算ニモ視學ノコトガ載ッテ居リマスガ數年前ニ廢シタモノヲ今日又置カナ
ケレバナラヌ、又京都ノ高等學校ノ大學豫科ヲ廢シタ、三年前ニ廢シタ、決シ
テ是ハ廢スベカラザルモノデアル、所ガ之ヲ廢シタ、忽チ輿論ガ喧マシクテ
又今年ハ豫科ヲ置クノデアリマス京都ノ高等學校ニ大學ノ豫科ヲ置クノデ
アリマス、ソレカラ京都ニ立テル大學ノ醫科大學ノ位置ヲ文部省ハ大阪ヘ持ッ
テ行ッテ置カウト云フコトデアッタ所ガ昨年議會ニ出テ衆議院ノ豫算委員會デ
サンザン其事ニ附テ議論ガアッタガ一言モナイ素人ノ議論ダガ矢張黑人ガ負
ケテ遂ニ京都ニ直スコトニシマシタ、又昨年發布ニナッタ年功加俸ノ方法モ
大イニ議論ガアッタガ果シテ實行シテ見ルト大イニ不都合ガアリマシタ其
上〓育上ニ差支ヘルコトガ大分出來テ來マシタソレカラ當年モ地方視學
ヲ置カレルコトニナリ當年ノ豫算ニ載ッテ居ル、是モ御承知ノ通衆議院デ
議論ガアリマシタ衆議院ノ議論ハ我ミハ自由黨ノ說デハアルガ宜シイト
思ッテ居リマス、又高等〓育會議ノ規則モ出ルヤ否ヤ議論ガ喧マシイ譯デ
アリマス、是等ハ皆內部デハ多少相當ノ諮詢ヲ經テ出タニ違ヒナイ諮詢ヲ
經タニ違ヒナイガ完全ナル諮詢ヲ經タノデナイカラ輿論ガ分ラナイ輿論
ニ反對シテ居リマスカライケナイ、ソレニ反シテ輿論ノ歸著シテ居ル所ニ
依ッテヤレバ一モ非難ガナイ其例ガ許多アリマス例ヘバ京都ニ大學ヲ設
立ヲ致シ大阪ニ工業學校ノ設立ヲシタリ又本年ノ豫算ニアル帝國圖書館ヲ設
立スルトカソレカラ高等學校ニ專門科ヲ設ケルコト美術學校工業學校ヲ擴張
スルコト外國語學校ヲ設立スルコト留學生ヲ增加シテ海外ニ洋行ヲサセルコ
ト實業學校ニ補助金ヲ與ヘルコト是等ハ帝國議會カラ建議シタコトガ多イ若
クハ〓育社會デ熱望シテ居ルコトデアリマスサウ云フコトハ一モ故障ガナ
イ悉ク歡迎サレテ一モ故障ガナイ右申述ベル通ノ次第デアリマスカラ我
我ノ見ル所ガ至當デアッテ我〓ノ推測スル所ガ政府ノ實情デアルナラバ政府
ハ所謂善ニ從フコト流ルヽガ如キ雅量ヲ以テ我〓ノ希望ヲ容レテ大ニ該規則
ヲ改良セラレテ少クトモ會議ノ體ヲ爲スダケニハ成ルベク速ニ修正增補セラ
レテ政治社會〓育社會ノ輿論ニ副ハレテ內閣ノ信用ト聲望トヲ增サレルヤウ
ニ致シタイコトヲ切ニ希望スルノデアリマス若シ之ニ反シテ政府自ラモ其
非ナルコトヲ悟リツヽモ一旦出シタモノハ一步モ退カヌトカ或ハ內部僚屬ノ
折合上ニ於テ餘儀ナク非ヲ遂ゲルトカ云フヤウナ因循姑息ノ考ヲ以テ此事ハ
完全デアル十分目的ハ達セラレルト云フ見込デアルト云フ如キ前內閣ノ筆法
ヲ以テ我〓ノ希望卽チ政治社會〓育社會ノ輿論ヲ排斥シテ更ニ顧ヌト云フヤ
ウナコトデアレバ我〓又ハ巳ムヲ得ズ大ニ考ヘル所ガナケラネバナラヌ、若
シ左樣ニナルトキハ所謂殷鑑遠カラズ此高等〓育會議ノ組織ノ如ク又直ニ規
則ノ改正ヲ要スルノ時機ガ來ルサウ云フコトニナルト政府ノ信用ハ益〓地ニ
堕チテ仕舞フコトニナルノデアリマス、併ナガラ〓育ニ熱心ナル所ノ現內閣
ハ決シテ右樣ナコトハナイト信ジテ居リマス願ハクハ政府ハ我〓ガ政府ヲ
シテ其名ヲ成サシメントスル所ノ親切ナル希望ヲ深ク推考セラレテ滿足ノ答
辯ヲ與ヘラレンコトヲ望ミマス是ガ質問書ヲ提出致シタ理由ノ大要デアリ
マス、チヨット一言此ニ附加ヘテ置カナケレバナラヌコトガゴザイマス、此會
議ノ建議者ハ加藤弘之君デアリマシテ其時分ハ我ミハ贊成者デアリマス、今
度ノ質問提出者ハ我〓デアッテ加藤君ハ贊成者デアリマス少シ御疑ガアラ
ウト思ヒマスガ其譯ハ此會議ノ組織ヲ不完全トシテ居ル所ノ〓ハ加藤君モ我
我モ同一デアリマス加藤君ハ此規則ノ發令ノ時ニモ〓育會議ノ出來タコト
ハ甚ダ悅ブベキデアルガ組織ガ未ダ十分ナラザルハ甚ダ遺憾ノコトデアル
此後必ズ改正ニナルコトヲ希望スルト云フコトヲ文部大臣次官ニモ申送ラレ
テ居リマスケレドモ其組織ノ方法ニ至ッテハ少シ我ミト意見ヲ同ウセヌ所ガ
アル卽チ加藤君ノ希望ハ凡ソ議員ヲ三十餘人トシテ其半分ハ職務上ヨリ議
員ト爲ル者デ諸〓ノ學校長竝文部ノ局長等トシ他ノ半數ハ文部大臣ノ選任デ
從來〓育上ニ經驗ノアル者又〓究ヲシタ者等トスル、斯ウ云フ趣意ヲ以テ加
藤君ハ一個人トシテ文部大臣次官等ニ話置カレタコトガアリマス斯ウ云フ
事情ノタメニ提出者トハナラズシテ贊成者ト爲ラレタノデゴザイマスチ
ヨット其コトヲ御斷リ申シテ置キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=6
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007・兒島惟謙
○兒島惟謙君 私ハ豫算ノ分科會ニ出タイト思ヒマスガ大分頭數モ揃ッテ居
ルヤウデゴザイマスカラ、ドウカ許可ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=7
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008・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 一ツノ分科會ナラ宜シウゴザイマスガ各分科會デ
アルト定足數ニ缺ケマスカラ御猶豫ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=8
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009・兒島惟謙
○兒島惟謙君 一ツ···タッタ七人バカリデゴザイマスカラ··発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=9
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010・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 暫ク御待下サルヤウニ願ヒマス、今日ノ議事日程
ニ移リマス第一明治二十九年度歲入歳出總豫算追加案、總追第五號、審
査期限ヲ定ムルノ件、通牒文ヲ朗讀致サセマス
〔有賀書記官朗讀〕
明治二十九年度歲入歳出總豫算追加案
右本院ニ於テ可決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
明治三十年二月二十四日
衆議院議長鳩山和夫
貴族院議長公爵近衞篤麿殿発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=10
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011・谷干城
○子爵谷干城君 此期限ハ明日中ニ報〓スルト云フコトニシタイト考ヘマ
ス抑〓段々觀テ見マスルニヒドウ審査ニ手間ノ取リサウナ議案トモ思ハ
レマセヌカラ本日ヨリ取掛ッテ議シマシタナラバ多分遲クトモ明日中ニハ結
了シヤウト思ヒマスカラ明日中ニ報告スルト云フコトニ致シタイト思ヒマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=11
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012・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=12
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013・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 唯今谷子爵カラ此審査期限ヲ明日中ト云フコトニ
シタイト云フ發議ガ有リマシタガ御異議ガナクバ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
然ラバサウ云フコトニ···次ニ明治二十九年度特別會計歲入歳出豫算追加案
特追第三號、審査期限ヲ定ムル件
〔有賀書記官朗讀〕
明治二十九年度特別會計歲入歲出豫算追加案
右本院ニ於テ可決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
明治三十年二月二十四日
衆議院議長鳩山和夫
貴族院議長公爵近衞篤麿殿発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=13
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014・谷干城
○子爵谷干城君 是モ同樣ニ致シタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=14
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015・三浦安
○三浦安君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=15
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016・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 唯今ノ谷子爵ノ發議ニ御異存ハアリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
然ラバサウ云フコトニ致シマス、第三、明治二十九年度歲入歲出總豫算追加
案總追第六號審査期限ヲ定ムルノ件、通牒文ノ朗讀ヲ致サセマス
〔有賀書記官朗讀〕
明治二十九年度歲入歳出總豫算追加案
右本院ニ於テ可決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
明治三十年二月二十四日
衆議院議長鳩山和夫
貴族院議長公爵近衞篤麿殿発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=16
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017・谷干城
○子爵谷干城君 是モ同樣ニ致シタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=17
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018・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=18
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019・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 是レ亦谷子爵ノ發議ニ御異議ガナクバ其通ニ致シ
マス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
第四、北海道國有未開地處分法案、政府提出、第一讀會
是ハ條數ガアリマスルカラ通牒文ノミヲ朗讀サセマス
〔有賀書記官朗讀〕
北海道國有未開地處分法案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治三十年二月二十三日
內閣總理大臣伯爵松方正義
拓殖務大臣子爵高島鞆之助
〔左ノ議案ハ朗讀ヲセサルモ參照ノ爲メ玆ニ載錄ス〕
北海道國有未開地處分法
第一條北海道國有未開地ノ賣拂付與交換及貸付ハ此ノ法律ニ依ル
第二條前條ノ賣拂及貸付ハ此ノ法律ニ於テ特ニ規定スル場合ノ外競爭ニ
付セス
第三條開墾牧畜若クハ植樹等ニ供セントスル土地ハ無償ニテ貸付シ全部
成功ノ後代價千坪一圓ノ割ヲ以テ賣拂フヘシ但シ一人ニ付キ三萬坪以下
ヲ貸付シタルモノニ限リ無償ニテ付與スヘシ
前項ノ貸付地面積ノ制限ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第一項ノ貸付地ハ全部成功ニ至ラスト雖土地整理上支障ナシト認ムル場
合ニ於テハ其ノ成功地ノ全部若クハ一部ヲ賣拂又ハ付與スルコトヲ得
第四條公用若クハ公共ノ利益トナルヘキ事業ニ供セントスル土地ハ直ニ
賣拂付與又ハ有償若クハ無償ニテ貸付スルコトヲ得
第五條市街地市街豫定地其ノ他土地ノ狀況ニ由リ必要ト認ムル土地ハ競
爭ニ付シ直ニ賣拂フコトヲ得
第六條社寺地又ハ墓地ニ供セントスル土地其ノ他事業ノ目的ニ由リ必要
ト認ムル土地ハ直ニ賣拂フコトヲ得
第七條素地ノ儘使用シ又ハ期間ヲ定メ使用セントスル土地ハ有償若クハ
無償貸付ヲナスコトヲ得
第八條民有地ト交換スルコトヲ得ヘキ土地ハ少クトモ其ノ評定價格相均
キモノニ限ルモノトス
第九條土地ノ貸付ハ左ノ期間ヲ超ユルコトヲ得ス
無償貸付十箇年
有償貸付十五箇年
泥炭地ノ開墾又ハ植樹ヲ目的トスルモノニ限リ特ニ二十箇年以內ノ期間
ヲ以テ貸付スルコトヲ得
天災其ノ他避クヘカラサル事故ニ由リ貸付期間內ニ成功スルコト能ハサ
ルトキハ貸付期間ノ半期間マテ延期スルコトヲ得
第十條第三條ニ依リ貸付シタル土地ハ豫定ノ事業成功ノ程度ニ從ヒ隨時
其ノ成否ヲ〓檢シ豫定ノ如ク成功セサルトキハ未成功地ノ全部ヲ返還セ
シムヘシ
前項ノ場合ニ於テ拓殖上又ハ土地整理上支障アリト認ムルトキハ其ノ成
功地ノ一部若クハ全部ヲ無償ニテ返還セシムルコトアルヘシ
第十一條貸付地ニシテ公用又ハ公共ノ利益トナルヘキ事業ニ供セントス
ルトキハ之ヲ返還セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ建設物アルトキハ所有者ノ請求ニ由リ評定價格ヲ以テ
之ヲ買收シ其ノ他土地ニ對シテ費シタル直接ノ實用ハ之ヲ辨償スルモノ
トス但シ第三條ニ依リ貸付シタル土地ニ關シテハ其ノ評定價格土地ニ對
シテ費シタル直接ノ費用ヨリ多額ナルトキハ其ノ價格ニ由リテ辨償スル
モノトス
前項建設物ノ代價及其ノ土地ニ對シテ費シタル直接ノ費用土地又ハ建設
物ノ評定價格ノ辨償ハ起業者ノ負擔トス
第十二條左ノ場合ニ於テ天災其ノ他避クヘカラサル事故ニ由ルモノヽ外
賣拂付與及貸付處分ヲ取消スモノトス但シ賣拂ニ係ルモノハ其ノ既納ノ
代價ヲ還付スヘシ
一第三條ニ依リ貸付シタル土地ニシテ一箇年以内ニ事業ニ著手セサル
トキ
二第四條及第六條ニ依リ賣拂付與又ハ貸付シタル土地ニシテ三箇年以
內ニ豫定ノ目的ニ使用セサルトキ
三第四條及第七條ニ依リ無償貸付ヲナシタル土地ニシテ二箇年以內ニ
豫定ノ目的ニ使用セサルトキ
第十三條左ノ場合ニ於テ伐採シタル樹木アルトキハ其ノ相當代價ヲ辨償
セシムルモノトス
第三條ニ依レル貸付中ノ土地ヲ自己ノ便宜ニヨリ貸付期間內ニ返還
シ又ハ第十條ニ依リ返還セシメタルトキ
二第四條及第七條ニ依リ無償ニテ貸付シタル土地ヲ豫定ノ目的ニ使用
セスシテ返還シ又ハ第十二條ノ處分ヲナシタルトキ
第十四條第十條ニ依リ貸付地ヲ返還セシメ若ハ自己ノ便宜ニヨリ貸付中
ノ土地ヲ返還シタル場合又ハ第十二條ニ依リ賣拂付與及貸付處分ノ取
消ヲナシタル場合ニ於テ其ノ土地ニ在存スル家屋其ノ他ノ物件アルト
キハ所有者ハ行政廳ノ定メタル期間內ニ於テ之ヲ除去スヘシ若其ノ期間
內ニ除去セサルトキハ其ノ物件ハ國ノ所有ニ歸ス
第十五條左ノ貸付地ニ限リ行政廳ノ許可ヲ得テ其ノ貸付地ノ上ニ有スル
權利ヲ債務ノ擔保ニ供シ又ハ賣拂若クハ付與スルコトヲ得
ー第四條及第七條ニ依レル有償貸付地
二行政廳ニ於テ特ニ指定シタル區域内ニ於ケル貸付地
三命令ヲ以テ定メタル事項ニ該當スル貸付地
第十六條第三條ニ依リ貸付シタル土地ハ貸付期間滿了後一箇年以內ニ其
ノ土地ノ賣拂又ハ付與ヲ請求スヘシ一箇年ヲ經過シテ請求セサルトキハ
其ノ權利ヲ抛棄シタルモノトス
第十七條第三條ニ依リ貸付ヲ受ケタル者ハ其ノ土地ノ全部ヲ成功スルニ
アラサレハ他ノ土地ノ無償貸付ヲ受クルヲ得ス但シ相當ノ資力アリテ成
功スルヲ得ル者ト認ムルトキハ此ノ限ニアラス
第十八條此ノ法律ニ依リ賣拂付與又ハ交換シタル土地ハ其ノ民有トナリ
タル年ノ翌年ヨリ二十箇年ノ後ニアラサレハ地租及地方稅ヲ課セス
附則
第十九條此ノ法律ハ明治十九年閣令第十六號北海道土地拂下規則ニ依リ
貸付中ノ土地ニ對シテモ之ヲ適用ス但此ノ法律施行前牧畜ノ爲ニ貸付シ
タル土地ニ限リ五箇年以內貸付期間ヲ延期スルコトヲ得
第二十條此ノ法律施行ノ爲必要ナル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十一條明治十九年閣令第十六號北海道土地拂下規則及其ノ他此ノ法
律ニ牴觸スル成規ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ之ヲ廢止ス
第二十二條此ノ法律ハ明治三十年四月一日ヨリ施行ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=19
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020・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 本日拓殖務大臣出席ニナリマシテ此法案提出
ノ理由ヲ述ベラレル筈デアリマシタガ據ナキ差支ガアリマシテ出席ニナリマ
セヌ大略私ヨリ述ベマスデゴザイマス此北海道ノ土地處分ニ附キマシテ
ハ明治五年十月ニ太政官ノ公布ヲ以チマシテ北海道土地賣貸規則ト云フモノ
ヲ發布サレマシタ是ガ處分法ノ始マリデゴザイマス其後明治十九年六月ニ
至リマシテ閣令第十六號ヲ以チマシテ改正ニナリマシク是ガ現行ノ規則デ
ゴザイマス卽チ北海道土地拂下規則デゴザリマス、其以來十數年ヲ經マシテ
餘程北海道萬般ト事情ト云フモノハ進步シテ來マシタカラ現行ノ法律デハ餘
程差支ヘマスルモノガアリマシテ處分ニ甚ダ困難ヲ見マスデ當路者ハ種ミ
之ヲ活用シマシテ今日ヲ處分シテ居リマスケレドモモト本法ガ宜シクアリ
マセヌカラ如何ナル手立ヲ以チマシテモ十分ナル處分ヲ爲シマスコトガ難ウ
ゴザイマス源ガ濁ッテ居リマスカラ其末ヲ澄マスコトハ甚ダ難イ因ッテ
今日此改正法案ヲ提出シマス次第デアリマスデ此改正ノ要點ヲ一二申シマ
スレバ第一現行規則ハ誠ニ御承知ノ通單一ナモノデアリマシテ唯拂下ノ一方
アルノミ其他ノ事ニハ甚ダ不十分ナモノデゴザイマス、因テ本案ニ於キマシ
テハ第三條ヨリ第八條ニ至リマス間ノ各條ニ於キマシテ此賣拂、讓與、交
換、貸附、是ナドノ場合ヲ列舉シマシテ、ソレ等ノ土地處分上ノ圓滑ヲ期ス
ルコトニ致シマシタ第二ニハ現行規則デアリマスルト千坪一圓ノ割合ヲ以
チマシテ總テノ地所ヲ拂下ゲルコトニナッテ居リマス、是モ經驗上其當ヲ得
ヌコトヲ見出シマシタナゼナラバ此北海道ノ移住民ハ年ニ增加致シマスケ
レドモ前途ノ目的ノ數ニ依リマシテハマダ今日十分ノ一モ移住ヲシテ居リマ
セヌ、因テ此移住ヲ奬勵シマスルコトモ必要デアリマスマダ移住ノ奬勵ハ
必要デナイト云フ所マデハ進ンデ居リマセヌカラ其奬勵ノタメニハ三万坪以
下ノ移住者ハ之ヲ無代貸付致シマシテ成ルベク小資本ノ移住者ハ樂ニ移レル
ヤウニ致シタイト云フ考デアリマス、三万坪デアリマスレバ、三十万圓ノ··
是ハ誤リマシタ、三十圓ノ金額ニナリマスルカラ、小資本ノ移住者ニ於キマ
シテハ餘程力ニナリマスルコトデアリマス、第三ニハ前段ノ如キ保護ヲ與ヘ
マス以上ハ又之ヲ制裁スル所ノモノガナケラヌケレバナリマセヌカラ、ソレ
等ハ嚴正ニ規程ヲ設ケマシテ漫ニ土地ヲ占有スル樣ナ弊害ノナイ樣ニ用意ガ
シテアリマス其他貸附地ノ全部成功ニナリマセヌ以前ト雖モ或ハ其實況ニ
ヨリマシテハ其幾分ヲ讓與又賣拂ヒ或ル場合ニ於キマシテハ貸附ケマシタ
土地ノ上ニ有シマシタ權利ヲ擔保トシマシテ金融ノ一端ニ致ス樣ナコトモ
用意ヲシテアリマス、是ナドガ現行規則ニ於キマシテハ規程ガアリマセスカ
ラ此改正ヲ要シテ其便利ヲ求メ、成ルベク拓殖ノ進步ヲ圖ル次第デアリマ
ス、尙ホ一言ヲ添ヘマスニハ此北海道ニ於キマシテハ開拓スベキ土地ガ殆ド
三百万町步ノ見込デアリマス、然ルヲ明治二十八年ノ開墾反別ヲ見マスル
ト田畑ノミデアリマスケレドモ漸ク九万七千八百町步餘ニナッテ居リマ
ス、田畑ノ開墾ガ一年ニ一万五六千町步ヅヽ進ンデ行キマスカラ昨年ノニソ
レヲ加ヘマシテモ漸ク十一万町步程ナモノデアリマス、故ニ之ヲ以テ見マス
ルト北海道ノ開墾地ハ漸ク三分ノ一シカマダ田畑ニナッテ居ラヌト申シテ
モ宜シイ次第デアリマスデ隨分處分スベキ土地ト云フモノハ多數ナモノデ
アリマス、此法律ハ本則ハ十八箇條附則ハ四箇條、二十二條ニナッテ居リマ
スルモノデアリマスルガ、其得失ノ關係ト云フモノハ此ノ如ク莫大ナモノデ
アリマスカラ、何卒諸君ニ於キマシテモ宜シク御審査ヲ遂ゲサセラレマシテ
贊成アランコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=20
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021・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 唯今ノ御演說ノ中ニ三分ノ一ハ開ケテ居ルト云フ樣ニ聽
キマシタガ若ヤ御言葉ノ誤リデハゴザイマセヌカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=21
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022・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君、 誤リデアリマス、三十分ノ一デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=22
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023・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 別段御質疑モナクバ次ノ議事日程ニ移リマス、第
五、右議案ノ審査ヲ付託スベキ特別委員ノ選舉発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=23
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024・小松行正
○男爵小松行正君 議長ニ委託致シマス、議長ヨリ御指名ヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=24
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025・南郷茂光
○南〓茂光君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=25
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026・谷干城
○子爵谷干城君 贊成致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=26
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027・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 小松男爵ノ委員ノ選舉ハ議長ニ委託スルト云フコ
トニ御異議ガナクバ左樣致シマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=27
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028・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 然ラバ是ハ後程報道致シマス、第六、北海道鐵道
豫定線路中私設鐵道會社ニ敷設許可ノ件ニ關スル法律案、政府提出、第一讀
貪、朗讀ヲ致サセマス
〔有賀書記官朗讀〕
北海道鐵道豫定線路中私設鐵道會社ニ敷設許可ノ件ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治三十年二月二十三日
內閣總理大臣兼伯爵松方正義
大藏大臣
拓殖務大臣兼子爵高島柄之助
陸軍大臣
遞信大臣子爵野村靖
明治二十九年法律第九十三號北海道鐵道敷設法豫定鐵道線路中左ノ線路ハ
私設鐵道會社ニ其ノ敷設ヲ許可スルコトヲ得
一後志國小樽ヨリ渡島國函館ニ至ル鐵道
〔政府委員男爵北垣國道君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=28
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029・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 本案提出ノ理由ヲ〓略述ベマスルガ、是ハ理
由書ニ載セマシタ通リデ此函樽鐵道ノ必要ハ既ニ北海道鐵道敷設法ノ認メ
マス所デアリマスガ、今ヤ國家用政ノ上ニ於キマシテハ戰後ノ經營ノ上ニ就
キマシテ樞要ノ事柄ハ多々アリマスルカラ此函樽鐵道ノ樞要ト云フコトハ能
ク分ッテ居リマスルケレドモ之ヲ今日國家ノ仕事トシテヤリマスルコトハ
至難ナコトデアリマス幸ニ私設鐵道ヲ願フ者ガ一二ナラズアリマスルカ
ラ之ヲ確實ト認メマスル以上ハ私設ニ委メル方ガ得策ト考ヘマス此函樽
鐵道ノ豫定線路ハ延長ガ百五十哩程ニナリマスルガ、此間ニ於キマシテ明治
二十六年中ノ調査ニ據リマスルト收支ノ豫算ハ其利益ガ三朱餘ニナッテ居
リマス又最近ノ調査ニ據リマスルト五朱餘トナッテ居リマスデ北海道事
物ノ進步ハ御承知ノ通年々五割又ハ一倍ノ增加ヲ見ル次第デゴザイマスカラ
之ニ伴フテ鐵道利益モ逐年增加スル次第デアリマス、況ンヤ此鐵道ノ百五十
哩ノ沿道ニ於キマシテハ莫大ナ未開ナ地モアリマス、依ッテ之ヲ私設ニ許シマ
シテモ私設ノ成立タヌ樣ナコトハアルマイト考ヘマス、〓略理由ヲ申シマス
レバ斯ノ如キ次第デアリマスカラ宜シク御贊成ヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=29
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030・谷干城
○子爵谷干城君 チヨット質問ヲ今政府委員ノ御說明ニ據ルト國家財政ノ都
合ニ依ッテ政府ニ於テ出來ヌ、ソレデ民間ニ之ヲ與ヘタナラバ民間ノ事業ト
シテハ出來ル斯ウ云フ御說明ノヤウニアリマスガ固ヨリ其通リデゴザイマ
スカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=30
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031・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 是ハ政府ニ於キマシテモ御承知ノ通未ダ開ケ
マセヌ此石狩以東以北ニ於キマシテ多數ノ鐵道ヲ敷設セラレンナラヌコト
ニナッテ居リマス此函樽鐵道モ實ニ急要ノ線路デアリマスケレドモ此際ニ
石狩以東以北トヲ合セテ此函樽鐵道ヲ政府ノ仕事トスルコトハ甚ダ至難デア
リマス幸ニ私設ノ發起者ガアリマスカラ是ニ許スヲ得策トスルト云フコト
ヲ述ベマシタノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=31
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032・谷干城
○子爵谷干城君 ソコデ其鐵道全體ノコトニ附テハ私ハ大抵皆諸君ト反對シ
テ居リマス多分ドウナリマスカ是ハ五年十年ノ後デナイト其結果ハ分ラナ
イガ惡ルウスルト谷ガ見ガ通リハセヌカト思フ、ソレハ何故カト云フト凡テ
亞米利加ナリ歐羅巴ナリ現ニ先進國ト稱シテ居リマスル處ノ經濟ニ於テ分ッ
テ居ル亞米利加邊リニ於テハ御承知ノ通立派ナ大キナ鐵道會社ニシテカラ
ニ株主ニ利子ヲ配當スルコトノ出來ヌ會社ト云フモノハ十ヲ以テ數ヘテ居
ル、ソレデ誠ニ此國家財政······國家ト云ヘバ人民モ國家ノ一部分デアル此
日本全體ノ國家財政ノ困難ノ際ニ政府ガ手ガ及バヌカラト云フテ人民ニ之ヲ
渡シマシタ處ガ人民ハ私ノ考デハ尙ホムツカシカラウト思フ、ソレデ又今日
此輸出入ノ不平均ノコトハ誰モ嘆息シテ居リマス、凡テ是等ノ事ハ國家財政
ニ關スル人ハ餘程考ヘナケレバナラヌコトデアル、政府ガ金ヲ使ウニシテモ
人民ガ金ヲ使フニシテモ凡テ固定資本ノタメニ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=32
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033・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 御質問デゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=33
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034・谷干城
○子爵谷干城君 サウデス固定資本ノタメニ外國ニ金ノ出ルコトハ同ジデア
リマスカラ十分ニ此後日ニ行ッテカラニサア出來ナイ、或ハ買上ゲテ吳レ
1斯ウ云フコトニ爲ッタトキ政府ハドウスルカ十分政府ハ責任ヲ執ッテ少
シモサウ云フコトハナイト云フ確タル御見込ハ附テ居ルカソコヲ承リタ
イ是マデ鐵道計畫ト云フモノハ我〓鐵道會議員ニナッテ居ッタガ皆計畫ハ嘘
デアルソレデ專ラ其趣旨ハ株劵ヲ賣買スル目的デ投機心カラ成リ立ッテ居
ル若シドウモナラヌト云フトキニハ政府ニ買上ゲテ貰ラウ、斯ウ云フコトニ
ナッテ居ル、彼等ノ目的ノ如クシタナラバ政府ハ不利益ナル固定資本ヲ高イ
上ニ買上ゲテ四千万ノ人民ニ非常ノ不利益ヲ與フルコトニナル此所等ハ十
分ノ御見込ハアルカツコヲ承ハリタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=34
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035・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 此函樽鐵道ニ於キマシテハ今御尋ノ樣ナ至難
ノコトハアリマセヌ、是ハ內地ノ景況トハ凡テ變リマシテ谷君ニモ能ク御承
知ノコトデアリマスガ石狩ノ國ハ鐵道ノ惠ヲ受ケマシテ近來聞ケテ往ク有樣
ト云フモノハ非常ナモノデアリマス此唯田畑ノミデ申シマシテモ先刻申述
ベマシタ通北海道全道ノ田畑ガ一昨二十八年ノ調ベデ九万七千八百町步餘ニ
ナッテ居リマス、其內石狩ノ一國ガ四万一一千町步餘開ケテ居リマス石狩ノ
國ト雖モ別ニ斯ノ如キ十箇國ニ相對スルヤウナ進步ヲ見ル原因ハ外ニハアリ
マセヌ、是ハ全ク鐵道ノ力デアリマス又近來炭礦鐵道ノ進ミマス模樣ヲ見
マシテモ一年ノ貨物輸送ノ數ガ四割乃至五割ト云フ樣ナ進ミ方ニナリマシテ
昨年二十三万噸ノ荷物ハ當年ハ三十万噸ニナルト云フヤウナ進ミ方ニナツテ
居リマスカラ此鐵道ハ石狩以東以北トハ違ヒマシテ小樽ト函館ノ間デ此人ノ
數カラ論ジマシテモ先ヅ全道ノ半數ハ此間ニ住ヒシテ居ルト云フヤウナ有樣
デアリマスカラ何事モ先ヅ今日ノ見込通リニ進シデ參リマセウト斯ウ認メマ
スル次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=35
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036・谷干城
○子爵谷干城君 能タ分リマシタガ併シ私ガ考モ序デニ申述べテ置キタイト
思フ凡テ北海道鐵道ハ内地トハ御話ノ通大ニ異ナルドウモ國家ガ遣ラナケ
レバナラヌト云フモノハ北海道ヲ拓クタメニ國家ハ明治初年ヨリ非常ニ金ヲ
使ッテ居ル、ケレドモ今日運バヌト云フモノハ畢竟鐵道ガナイカラデアル
ソレデ今其北海道ヲ拓クニ鐵道ノ必要ナルコトハ我〓十分之ヲ信ジテ居ル
ツレデドウゾ運賃ヲ廉クシ利益的ヨリ寧ロ國家的ニ之ヲ架ケタイト云フノハ
內地ノ鐵道ニ反對ト共ニ北海道ハ非常ニ熱望スルケレドモソレヲ最初申シタ
株劵賣買的ノモノニ之ヲ遣ルト云フコトノ懸念ガアルカラソコデ御質問ヲシ
タノデソコニ確カナ御見留ガアレバ別ニ御質問申スコトハアリマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=36
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037・尾崎三良
○男爵尾崎三良君 チヨット私モ政府委員ニ質問致シタウゴザイマス、私モ
此北海道鐵道ノ事ニ附テハ色ミ考モ持ッテ居リマスガ實ハ私共ノ考ハ成ルベ
ク是ハ國家事業ニシタイト云フ考デアリマスガ、併ナガラ國家ガ手囘ハラヌ
ニ依ッテ人民ガ進ンデヤルト云フナレバソレデ差支ナカラウト思ヒマスガ
唯心配スルノハ此人民ガ中途ニシテ困ッテソレガタメニ政府ニ泣キ附テ買上
ナレバマダ宜シイガ補給利子ヲ貰ヒタイト云フヤウナコトヲ出願シテ來
ル、サウスルト始メハ補給ヲ仰ガズシテヤルト云フテ置イテ稍〓政府ガ奬勵
スル氣味ガアッテ後日ニ至ッテハドウシテモ是ハ補給ヲ得ナクテハ成立タヌト
云フヤウナ時分ニ又之ニ補給ヲヤルト云フヤウナコトニナリハセヌカ其邊
ノ御見込ハ如何デアリマスカ、例ヘバ人民ガ願ッテ之ヲ許シタ以上ハサウ云
フヤウナコトハ決シテシナイト云フ御考デアルカ又場合ニ依ッテセネバナラ
ヌト云フノ御考デアルカ其邊ヲ一應伺ッテ置キタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=37
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038・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 發起者ハ隨分確實ナモノト認メテ許シマス、
又補給ハ一切許シマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=38
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039・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 是ハ何年バカリデ成功スルト云フ見込ニナッテ居リマス
カサウシテ其出願者ノ豫算ト云フモノハ一哩ニ附テドレ程位ニナッテ居リ
マスカ今願ヒ者ガ一ツナラズアルト仰セラレマシタガ、ドレニ許スト云フ
コトハ未定デアリマセウガ、願ヒ者ガアルト仰ッシヤル以上ハ大〓豫算ト時限
トハ略〓分ッテ居ラウト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=39
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040・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 四年デゴザイマス、成功期限ハ四年デゴザイ
マスソレカラ豫算ハ八百万圓発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=40
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041・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 四年デ出來ヤウト云フ信用ヲ置イテアリマスカ、又願ヒ
ハ四年デアルガ成功ハ六年カ八年ニナラウト云フ御考ガアリマセウカ願ヒノ
如ク四年デ成功スルモノト御信用ナサルノデアリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=41
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042・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 四年デ出來マス、又是非ヤラセタイト思ヒマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=42
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043・千家尊福
○男爵千家尊福君 私モチヨット御尋ネ申シテ置キマス、此函樽間ノ鐵道ニ
就テハ旣ニ政府ニ於テハ急用ト認メラレテアル然レドモ經濟ノ許サヌ所ガ
アッテ已ムヲ得ズ私立鐵道ニ許サレルト云フ御見込ノヤウニ伺ッテ居ル
元來其北海道ノ鐵道ノコトニ就テハ既ニ大計畫ハ政府ニ於テ立テラレテ居ル
コトデアラウト信ズル次第デアル、然ラバ函樽間ノ鐵道ハ急用ト御認メニナツ
テ居ルガ經濟ガ許サヌガタメニ民設ニ許スト云フコトニナリマスレバ政府
ハ何年ノ後ヲ俟タザレバ官ヨリ著手スルコトガ出來ナイト云フ御調ベニナツ
テ居リマスカ其一〓ヲ伺ヒタイト思ヒマス、又一ツニハ民間カラ出願ヲ致
シテ居ルノハ一會社ニ止ッテ居ルノカ、或ハ數會社アッテ競爭ヲシテ居ルト
云フヤウナ狀況ヲ爲シテ居ルカ、此二〓ダケヲ伺ッテ置キタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=43
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044・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 北海道ノ鐵道敷設法案ニ上ッテ居リマスル哩
數ハ一千哩程ニナッテ居リマス無論此一千哩ノ中デ函樽鐵道ト云フモノハ
急用デアリマス急用デアリマスルケレドモ未ダ開ケマセヌ所ノ石狩以東以
北ノタメニスル鐵道ニ較ベマスルト先ヅ奧ノ方ヲ先ニセヌケレバナラヌ、是
ハ移住民ガ年々ニ增加シマシテ實ニ迫ッテ居ル次第デアリマスルカラドウシ
マシテモ奧ノ方ヲ先ニセヌケレバナリマセヌデ此急デナイカ急デアルカト
云フ御尋デアリマスレバ、函樽ノ間モ急ニ相違ゴザイマセヌ故ニ幸ニ是ニ
ハ私設ヲ願フ者ガアリマスレバソレニ許ス方ガ得策ダラウト思ヒマス斯ウ
云フコトニナッテ居リマス、ソレカラモウ一ツ會社ハ一會社ジヤアリマセヌ
二三會社願ヒ出テ居リマスガマダソレハ孰ニト云フ詮議ハシテ居リマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=44
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045・千家尊福
○男爵千家尊福君 モウ一度承ッテ置キタイノハ今ノ御計畫デシテ參ルト云
フト函樽間ハ政府デ御著手ト云フコトニナレバ何年ノ後デナイト著手スルコ
トガ出來ナイト云フ御調ベカ出來テ居ラウト思ヒマス、其邊ノ御調ベハ如何
デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=45
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046・北垣國道
○政府委員(男爵北垣國道君) 何レ十年ノ後ニナリマス、十年ヲ經マシテ後
ニナリマス、今カラ見込ヲ立テマスレバ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=46
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047・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 最早御質問モ盡キタヤウデアリマスカラ次ノ議事
日程ニ移リマス、右議案ノ審査ヲ付託スベキ特別委員ノ選舉発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=47
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048・小松行正
○男爵小松行正君 此案ハ矢張北海道ノコトデゴザイマスカラ前ノ議案ニ御
選ビニナック委員ト同一ノ委員ニ付託ヲシタイト云フ動議ヲ提出シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=48
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049・谷干城
○子爵谷干城君 贊成致シマス、至極適當ノコトヽ思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=49
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050・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 本員ハ適當ト思ハヌ、北海道ハ北海道デスケレドモ大分
筋ガ違ヒマス、且ツ餘程一方ノ方ハ時間ヲ要スル案ダラウト思ヒマス、是ハ
ドウゾ別ニ委員ヲ選ブコトヲ希望シマス、ノミナラズ其選ビ方ハ議長ニ御任
セ申シタイト考ヘマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=50
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051・久保田譲
○久保田讓君 曾我子爵ニ贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=51
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052・中川興長
○男爵中川興長君 曾我子爵ニ贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=52
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053・鍋島直彬
○子爵鍋島直彬君 曾我君ニ贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=53
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054・千家尊福
○男爵千家尊福君 曾我君ニ贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=54
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055・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤曆君) サウスルト小松男爵カラ此案ハ前ノ第四ノ日程ノ
委員ト同一ノ委員ニ付託シタイト云フ說ガ出マシタ、又ソレニ曾我子爵カラ
是ハ又別ノ委員ヲ議長ノ指名ニシタイト云フ說ガ出マシタ兩樣ゴザイマスカ
ラ決ヲ採リマス、小松男爵ノ同一委員ト云フ方ノ說ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ請
ヒマス
起立者少數発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=55
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056・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 少數デゴザイマス、曾我子爵ノ說ニ御不同意ガナ
クバ其通ニナッテ宜シウゴザイマスカ
〔「異議ナシ」ト述フル者アリ〕
然ラバ其通リニ決シマス、第八公立圖書館費國庫補助法案外山正一君發議第
一讀會
〔有賀書記官朗讀〕
公立圖書館費國庫補助法案
右貴族院規則第六十四條ニ依リ提出候也
明治三十年二月二十三日
發議者
外山正一
贊成者
伯爵正親町實正
外六十九名
貴族院議長公爵近衞篤麿殿
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參考ノタメ茲ニ載錄ス〕
公立圖書館費國庫補助法
第一條公立圖書館ノ事業ヲ奬勵スル爲ニ國庫ハ每年度金拾萬圓ヲ支出シ
テ其ノ費用ヲ補助ズヘシ
第二條公立圖書館ニシテ文部大臣ニ於テ公益上必要ノモノナリト認ムル
トキハ其ノ圖書館ニ補助金ヲ交付スヘシ
府縣內〓員ノ利益ヲ目的トシタル團體ニ於テ設置スル〓育圖書館ハ文
部大臣ノ特別ノ認定ニ依リ前項ニ準スルコトヲ得
第三條各圖書館ニ交付スル補助金ハ其ノ設立者ノ負擔額ト同額以內ニ限
ル
第四條補助ヲ受クヘキ圖書館ハ文部大臣ノ認可シタル館則ニ依リ及同大
臣ノ定ムル必要ノ條件ヲ充タスモノニ限ル
第五條此ノ法律ニ依リ補助ヲ受クル圖書館ノ設立者ハ補助年期間其ノ圖
書館經費ヲ繼續支出スルノ義務アリ
第六條各圖書館ニ補助金ヲ交付スルハ五箇年ヲ以テ一期トス滿期ノ後必
要ニ依リ仍之ヲ繼續スルコトヲ得但シ文部大臣ニ於テ圖書館ノ管理不適
當ナリト認ムルトキ又ハ第四條其ノ他文部大臣ノ定ムル所ノ規則ニ違背
シタルトキ又ハ第五條ノ義務ヲ盡スコト能ハサルトキハ補助年期間ト雖
補助ヲ廢止若ハ停止スルコトヲ得
第七條此ノ法律施行ノ爲ニ必要ナル規則ハ文部大臣之ヲ定ム
附則
第八條此ノ法律ハ明治三十一年四月一日ヨリ施行ス
〔外山正一君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=56
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057・外山正一
○外山正一君 昨年本員カラ帝國圖書館設置ニ關スル建議案ヲ政府ヘ提出シ
マシタ幸ニ其議ヲ容レラレマシテ今年ハ其豫算モ出來マシタト云フヤウナ
コトデアリマス、而シテ斯ノ如ク速ニ採用ニナッタト云フノハ固ヨリ此輿論ヲ
政府デ容レラレタト云フコトデモアリマセウシ又一方ニ於テハ文部省ニ於テ
モ此帝國圖書館ノ必要ナルコトハ豫テ認メラレテ居ルト云フコトデアッタラ
ウト思ハレルソレ故ニ斯ク速ニ此議ヲ株用セラレタコトデアラウト思ヒマ
ス、而シテ今年又此公立圖書館費國庫補助法案ト云フノヲ提出致シマシタ、ド
ウカ之ガ諸君ノ御贊成ヲ得且ツ兩院ヲ首尾能ク通過シテ法律トナッテ行ハレ
ルコトニナリタイト云フコトヲ願フノデアリマス之ヲ建議ト致シマセヌデ
法案トシテ出シマシタノハ政府ニ於テモ今マデソレ程マダ考ヘテ居ラレヌコ
トデアラウカニ思ヒマスソレ故ニ或ハ建議デ出シマシテハ隨分又採用マデ
ニハ時ノ長ク掛ルコトデアラウカト懸念致シマシタ然ルニ斯ノ如キ法案ガ
立チマシテ地方ニ圖書館ノ起ルコト
ニ是ハ急務デアラウト思ヒマス斯ノ如キ法案ヲ以テ之ヲ奬勵スルコトハ一九二錢-零一五-〇五-六五-〇七-三
日モ早クナシタイト斯ウ思ヒマスル
七十名程モ議員ガ贊成ヲシテ下サルヤウナコトデアリマス、ドウカ此法案ノ
首尾能ク通過スルヤウニシタイト希望致シマス、ソレニ就キマシテ此理由書
ニモ述ベテアリマスル通此圖書館ト云フモノハ〓育ノ機關ト致シマシテハ學
校ト共ニ必要ナルモノデアリマシテ學校ガアレバ圖書館ノ方ハ後ト囘シニ
ナッテモ宜シイト云フヤウナ性質ノモノデゴザイマセヌ、ソレデ圖書館ト云フ
モノハ或ハ己人ヲシテ自由ニ〓育ヲ受ケシムルニハ最モ必要ナル機關デアル
ト思ハレマス學校デ或ル程度マデ〓育ヲ受ケマシテモ又其上ニ〓育ヲ受ケ
ントスルノニハ圖書館ニデモ就イテ〓育ヲ受ケナケレバナラヌコトデアル、又
學校ニ就テ〓育ヲ受ケルコトノ出來ナイ者モ圖書館ニ就テ〓育ヲ受ケルト云
フコトニナリマス、其外又特別ノ〓究デモシタイト云フ者ノタメニハ圖書館ガ
固ヨリ必要デアル、又何カ此實業ノコトデモ軍事ノコトデモ其外種々ノコト
ニ就キマシテ今日世界ニ於ケル所ノ其事ニ關スル事情ハドウ云フモノデアル
ト云フヤウナコトヲ調ベルニモ矢張圖書館ニ於テソレニ必要ナル所ノ材料ガ
備ヘテアルト云フコトデナケレバ到底出來ヌノデアリマス、ソレデ是等ノ
コトハ今更喋々スルノ必要ハゴザイマセヌカラシテモウ其理由ト云フモノハ
何人モ認ムル所ノ理由デアリマスカラ述ベマセヌガ唯圖書館ノ事業ト云フモ
ノハ今日我邦ノ段々ト諸般ノ事ニ於テ進步シテ來ル際ニ於キマシテ最モ後レ
テ居ル所ノ事業デアラウカト思ハレマス其理由ヲ聊カ述ベマスコトヲ致シ
且ツ此外國デハドノ位圖書館ト云フモノガ盛ニナッテ居ルカドノ位圖書館ノ
事ニ身ヲ入レテ居ルカドノ位金ヲ費シテ居ルカト云フコトヲ少シ諸君ノ御耳
ニ入レヤウカト思ヒマス、ソレデ圖書館ノ中デ以テ此法案ニ關係シマス所ノ
モノハ則チ其外國デ見マスルト云フト此自由圖書館ナドト云フヤウナ性質ノ
モノデアリマス、公立圖書館ト云フモノハ自由圖書館ト云フヤウナ性質ノ
モノデアリマス、ソレデ其帝國圖書館ト云フヤウナ國家ニ大機關トシテ設ル
ト云フヤウナ性質ノ圖書館デゴザイマセヌデ國家ノ中ノ種々ノ部分ニソレ
ツレ其事情地方ノ狀況ニ依ッテ設立ニナッテ來ル所ノモノデアリマス、此種
類ノ圖書館ノ必要ヲ段々ト各國ニ於キマシテハ認メタルヤウニナッ、タノデア
リマス數十年カラ此ノ如キ圖書館ノ必要ヲ認メマス千八百五十年ノ頃
カラシテ此ノ如キ圖書館ガナケレバナラヌト云フコトデ外國デハ法律ナドヲ
段々拵ヘテ參リマス、其法律ト云フモノハドウ云フ性質ノモノデアルカト云
フト地方デ以テ其地方ノ經濟デ租稅ヲ以テ圖書館ヲ地方々々ニ起スト云フコ
トヲ許ス法律デアル、其許可的ノ法律ヲ起スト云フトサウスルトワレ二條9
テ稅ヲ課シテ圖書館ヲ立テルト云フコトニナルノデアリマス、其法律ガ出來
マシタ時ヨリシテ西洋諸國ニ於テハ此種類ノ圖書館ノ出來タコトガ實ニ非當
ナ數デアリマス、其數ヲ申シマスルト例ヘバ此英國ノ中デいんぐらんどト申
ス部分ニハ倫敦市ヲ除イテ二百八十八箇所此種類ノ圖書館ガアリマスソレカ
ラ又其うにるす及あいる、をふ、まんト云フ部分ニハ十六箇ノ法律圖書館ガア
リマス、すこッとらんどニハ二十二箇ノ法律圖書館ガアルあいるらんどニハ
十三箇ノ法律圖書館ガアル、倫敦ニハ一ツノ市デアッテ之ニ四十一箇ノ法律圖
書館ガアルソレカラ亞米利加合衆國ニ於キマシテモ自由圖書館卽チ別ニ其
閱覽權ト云フモノヲ得ルタメニ金ヲ拂ハナケレバナラヌヤウナコトナシニ唯
其圖書ヲ見セル自由圖書館ノ種類ガ實ニ著シイコトデアルソコデ一洲デ以テ
三四十ヲ有スルモノハ少ナカラヌノデアル、中ニハ一ノ洲デ以テ數百ノ此ノ
如キ圖書館ヲ持ッテ居ルノモアルソレカラ佛蘭西ノ如キモ此種類ノ圖書館
ヲ起スコトガ實ニ盛ンナコトデアリマシテ千八百九十三年ニハ巴里市ダケデ
六十六箇モ此種類ノ圖書館ガアッタノデアル此ノ如ク盛ンナコトデ外國デハ
段々ト此〓育ノ方便ガ起ッテ來ル然ルニ我國ニ於キマシテハ軍費デアルトカ
其外商業上ノコトデアルトカ或ハ築港デアルトカ云フヤウナコトニハ段ケト
非常ナ進步ヲ爲シテ來ル、殊ニ戰勝ノ結果トシテ非常ニ諸般ノコトガ發達シ
テ來ル際ニ於テ獨リ圖書舘ノコトハ依然トシテ或ル地方ノ如キハ實ニ此事ニ
於テハ暗國世界ノ有樣デアル、ソレカラシマシテ此圖書館ノコトニ就キマシ
テハ或ハ他ノ諸般ノコトガ斯ク進步スルニ引換ヘテ維新後ニ於テ却ッテ其退
步ヲシタト云ッテ宜イ位デアラウト思ハルヽソレハ維新前ニ於キマシテ各藩
ノアリマシタ時分ニハ其藩々ニ公立ノ學校ト云フヤウナモノガアッテ其學校
ニ附屬シテ居ル所ノ公立ノ圖書館ト云フヤウナモノガアッタノガ多イデアリ
マシテ其當時ノ知識ニ適當ナル所ノ〓究ヲ爲スト云フヤウナ途ハ當時ニ於
テハ自カラ其備ハテ居ッタヤウナコトデアル、然ルニ維新後ニ於テ此廢藩置縣
ト云フヤウナコトニナリマシテカラハ其地方々々ノ公立ノ學校ガ昔シ風ノ
公立ノ學校ト云フモノガナクナッタニ伴ッテ此公立ノ圖書館ト云フモノモナ
クナッテ仕舞ッタノデアルソレデ今日デハ高等學校デモアル所ハ其學校ニ就
イテ居ル所ノ圖書館ノ誠ニ微々タルモノハアリマスルガ其外ノ場所ニ於テ
ハモウ圖書館ノコトヽ云フモノハ丸デ其暗ト云ッテ宜イヤウナコトデアルノ
デアル昔シアッタ其諸侯ノ書物モドチラヘカ仕舞ッテアルヤウナコトガ隨分
多イデアラウト思ハルヽソレ故ニ其斯ノ如キ法律ヲ設ケテ圖書館ヲ起スコ
トノ必要ハ實ニ迫ッテ居ルコトヽ思ハレマス、ソレデ地方デ此市町村ガ其地方
稅ヲ以テ圖書館ト云フヤウナモノヲ設立スル所ノ權利ト云フモノハ既ニ
持ッテ居ルノデアル、持ッテ居ルニモ拘ラズ今日マデ斯ノ如キ必要ナル〓育機
關ヲ設立スルコトガ絕エテナイト云フノハ何ニ依ルカト云フト金錢上ノ利害
ノ直接ニ分ラヌコトニハ今ハ冷淡デアルト云フコトデアル然ルニ金
錢上ノ利害ノ直接ニ分ラヌコトハ國家ニ取ッテ必要デナイコトカト云
フト決シテサウデハナイノデアル金錢ト云フモノモ出來ルノモ此金
錢上ノ利益ノ分ラヌヤウナ〓育カラ起ッテ來ルノデアル商業上ノ繁昌
モ戰爭ノ勝利モ惡疫ノ豫防モ〓育ト云フ直接ニ金錢上ノ利益ノ分ラヌヤ
ウナ此方便ヲ以テスルニアラズンバ出來ヌコトデアルノデアリマス
ソレ故ニ此ノ如キ必要ナル〓育機關ヲ起スニハ今日ノ所ニ於テ先ヅ國
家デ以テ奬勵法ヲ設クルヤウナコトヲ爲シ、而シテ是ガ、數年ノ後地方
デ以テ其奬勵ヲ要サズシテ追〓之ヲ設立スルヤウニナッタナラバ其ト
キニ此奬勵法ト云フモノハ改メテモ宜カラウカト思フデス、ソレデ或ハ
外國デハドウ云フコトニナッテ居ルカ外國デハ斯ウ云フ圖書館ト云フモノハ
私立デ以テ置クモノガ隨分アリハセンカ國費デヤルト云フコトハ餘リナイデ
ハチイカト云フヤウナ疑モアルカト思フデス、ソレ故ニ其事ニ關シテ少シ調
ベタ所ヲ御話ヲ致シマスルト此亞米利加ナドガ最モ宜イ例デアリマスガ亞米
利加ノ合衆國ニ於キマシテハ〓育ナドノコトニ附イテ富貴ナル人ガ其寄附金
ナドヲスルヤウナコトガ非常ニ多イノデアルソレ故ニ亞米利加ニ於テ圖書
館デアルトカ學校デアルトカ云フヤウナモノガ富貴ナル人ノ寄附金ニ依テ自
然ニ起ル所ノモノハ實ニ多イコトデアリマスルガ其亞米利加ニ於キマシテモ
公費ヲ以テ立テヽアル所ノ圖書館ト云フモノハ實ニ多イノデアル、例ヘバ
まっさちうせっつト云フ州ニ於キマシテ自由圖書館ト云フモノガ二百十二ア
リマス二百十二ノ內デ以テ百七十九ト云フモノハ卽チ租稅ヲ以テ立テヽア
シンカルタウントールにうはんぷしゃいあト云フ所ニハ四十一一自由圖書館ト云フ
云フモノハ租稅ヲ以テ立テヽアルノデア
ルいりのゐすト云フ所ニハ四十二アリマスガ其內ノ三十五ト云フモノハ租
稅ヲ以テ立テヽアルモノデアリマス、みしがんト云フ州ニハ三十八自由圖書
館ガアリマスガ其內ノ二十六ト云フモノハ租稅ヲ以テ立テヽアルノデアル
らうどあいらんどト云フ所ニハ二十六自由圖書館ガアリマスガ其內ノ十三ト
云フモノハ租稅ヲ以テ立テヽアルノデアル、紐育ニハ二十四自由圖書館ガア
リマスガ其內ノ十一ト云フモノハ公費ヲ以テ立テタモノデアル、いんであな
ト云フ所ニハ二十三自由圖書館ガアッテ其內ノ十三ト云フモノハ公費ヲ以テ
立テタモノデアル、かりほるにあハ二十一自由圖書館ガアッテ其內十八ト云フ
モノハ租稅ヲ以テ立テタモノデアルおはいをニハ二十一自由圖書館ガアッテ
其內十一ハ公費ヲ以テ立テタモノデアル、うゑるもんどニハ十五自由圖書館
ガアッテうゑるもんどノ如キハ一番公費ヲ以テ立テタノハ少イノデアル少
ノデハアルガ全クナイト云フ譯デハナイ、ソレカラシテめいんト云フ所ニハ
十四アッテ其內ノ八ツガ租稅ヲ以テ立テタノデアル、ういすこんしんニハ九ツ
アッテ九ツトモ公費ヲ以テ立テタモノデアル、かんさすニハ九ツアッテ其內ノ
七箇ガ租稅ヲ以テ立テヽアルト云フヤウナコトデアルソレカラシマシテ又
其金ノ高ガドノ位州マニ依ッテ此種類ノ圖書館ヲ立テルタメニ費スカ經費ト
云フモノハドノ位デアルカト云フト是モ隨分其驚クベキ分量デアルノデ例へ
バかりほるにあニハ一万二千圓以上ノ圖書館ガ三箇アル而シテ其一番經費
ノ多イモノハドノ位掛ルカト云フト八万圓ノ經費デアル、ソレカラシテいり
のいすニハ五千圓以上ノモノガ九ツアリマス其內ノ一番經費ノ多イノガ二十
五万圓デアルト云フヤウナコトデ實ニ多イコトデアリマスルソレ等ノ統計
ヲマダ段々陳ベレバアリマスルケレドモ先ヅ此位ニシテ止メテ置クコトニ致
シマセウト思ヒマスル、ソレデ此法案ニ就キマシテハ私ハ文部大臣ノ配下ニ
居ル者デアリマスルニ依テ議會ニ於キマシテ此ノ如キ案ヲ出スニモ固ヨリ獨
立ノ考デ出シマスルケレドモ矢張當局大臣ナゾノ意見ト餘リ違フヤウナコト
ガアッテモ却テ面白カラヌ結果ガアルカラ鄭重ニ爲シ成ルベク事ノ成就スル
ヤウニト思ヒマスルニ依テ豫メ當局大臣ノ御耳ニモ之ヲ容レテ置イタ譯デア
ルソレデ何カ不都合ナコトガアルナラバ伺ヒタイト云フコトヲ申シマシタ
所ガ別ニドウモ不都合ト云フヤウナコトガアルベキ譯デナイサウ云フコト
ガ出來レバ固ヨリ結構デアルト云フコトノ御答ガアリマシタ、是ハ實ニ私ハ
喜ニ堪エヌコトデアル、ソレデ私一人ガ內證デ文部大臣ニ聽イテ來タト云フ
コトデナク其時ニハ矢張確カナル此貴族院議員ノ一人ガ其處ニ矢張居タ譯デ
アリマスカラシテ私ノ申スコトハ決シテ嘘デハナイノデアリマス、ソレカラ
シマシテ此法案ニ就キマシテハ或ハ經費ハドウスルカ何モカモサウ國庫カラ
シテ金ヲ出スコトガ出來ルカト斯ウ云フヤウナ隨分質問疑ヒモアルデアラウ
ト思ヒマス、併シ私ハ決シテ此ノ如キ奬勵法ヲ以テ何モカモノ中ニ入レルコ
トハ承諾セヌノデアル、決シテ是ハ何モカモト云フヤウナ性質ノモノデナイ、
殆ド如何ナルコトヲ措イテモ斯ノ如キ奬勵法ハ設ケナケレバナラヌト思ヒマ
ス又國家ノ經費ノ權衡上カラ言ヒマシテモ軍費ハドノ位費スカ其他ノ事業
ニハドノ位費スカト云フコトヲ考ヘテ見テ此僅ナル十万圓トカ云フヤウナ金
ヲ以テ大切ナル〓育ノ機關ヲ奬勵スル途デアルニ依テ決シテ是ハ多ナルコト
トハ言ヘヌソレカラシテ十万圓ト云フ呼聲ニ恐レテ十万圓ハ多イデハナイ
カト云フ考ヲ爲ス人ガアルカモ知レヌ、併シ是ニ就テモ大ニ辯解ヲシナケレ
バナラヌト云フノハ元ト十万圓ト云フノハ府縣ニ皆補助金ヲ仰グヤウナ圖書
館ガアッテソレデソレ〓〓ノ一縣モ殘ラズ補助ヲスルト云フヤウナコトデア
レバ十万圓ト云フモノガ要リマスルケレドモマダ全國斯ウ云フ種類ノ圖書館
ガナイノデアリマスカラ是ハ興ルニ應ジテ奬勵シテ往カウ興サセルタメニ奬
勵シテ往カウト云フコトデアリマスルニ依テ先ヅ最初ニハ千圓要リマスカ
二千圓要リマスカ、三千圓要リマスカ、僅ナコトデ濟ムノデアル、ソレ故ニ
此ノ如キ法案ヲムヤミニ出サレテハドウモ困ルト云フヤウナコトガナカラウ
カト思ハレルソレカラシマシテ又政府ハ此軍備ノミナラズ〓育ニモ重キヲ
置レル所ノ政府デアリマスルニ依テ斯ノ如キ法案ハ喜ンデ歡迎セラレルコト
デアラウト思フソレカラシマシテ又行政整理ナドト云フコトニモ著手ヲシ
テアリマスニ依テ其行政整理ノ結果トシテ二千圓三千圓ノ儉約ガ出來ヌコト
ハアルマイト思ヒマスルニ依テ財政上ノ不都合ト云フコトモ或ハナカラウト
思フ又法律案デ此何圓ト云フヤウナコトヲ規定スルノハ不都合デアルト云
フヤウナ意見モ或ハアルカモ知レマセヌ、ソレハ或ハ便利上カラ往ッテハ不
都合ト云フコトモアルカモ知レマセヌケレドモ既ニ此ノ如キ法案ガ出テ居
ルノデアル現ニ彼實業〓育國庫補助法ト云フヤウナモノニ於テモ此法案ト
同ジヤウニ十万圓ト云フコトガ規定シテアルノデアリマス、ソレデマダ私ノ
方デハ幾ラデモ陳ベマスレバ陳ベタイヤウニ思ヒマスルケレドモ却テモウ諸
君ニ於テハ既ニ御贊成下ダスッタコトデアリマスルニ依テ諸君ニ對シテ喋々
スル必要ハナイコトデアルカラ是デ陳べマセヌガドウカ此法案ヲ委員ヲ設ケ
テ鄭重ニ審査スルトモ或ハ直ニ二讀會ニ移ルトモ何レニトモ御決シ下ダスツ
テサウシテドウカ通過シマシテ衆議院ニ囘ッテ法律案トナッデ效ヲ奏スル
コトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=57
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058・久保田譲
○久保田讓君 私ハ委員付託ノ動議ヲ提出致シマス、チヨット其事ヲ簡單ニ
中シマス本員モ贊成ノ一人デゴザイマス勿論〓育上急務ナル所ノ事業ノ一ト
認メテ贊成ヲ致シテ居リマス併ナガラ〓育ノ事業ハ獨リ圖書館ニ止マラ
ズ小學ノ〓員ガ二万人モ不足シテ〓員ノ俸給ガ少クテ飢ヘカヽッテ居ル者
モアル隨分急務ナコトハ山ノ如クアリマスカラ果シテ是デ其事ト平衡シテ竝
行ハル、ヤ否ヤト云フコトハ餘程詳シク審査ヲ要スルコトヽ考ヘマスカラ特
別委員ニ付託シテ詳細ニ調査ヲシタイト云フ意見デアリマス、委員ハ定數ノ
通デ議長デ御選擇アルヤウニ致シタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=58
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059・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 贊成ヲ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=59
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060・小原重哉
○小原重哉君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=60
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061・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 此法律案ニ就テ久保田君カラ委員ヲ設ケタラ寛カ
ラウト云フ動議ガ出マシタ贊成ガアリマスニ依テ御異議ナクバ··
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=61
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062・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤曆君) 委員ハ後ニ御報知致シマス第九、古墳墓保護ニ關
スル建議案、外山正一君發議、會議··発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=62
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063・久保田譲
○久保田讓君 議長モウ十二時デスガ是ニ就テハ修正シタイ考モアリマスニ
依テ手間取ラウト思ヒマス休憩ニデモナリマシテハ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=63
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064・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 然ラバ休憩ニ致シマス
午後零時八分休憩
午後一時一分発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=64
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065・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 前刻御委託ニナリマシタ委員ノ氏名ヲ朗讀シマ
ス、北海道國有未開地處分法案審査特別委員、永山盛輝君、男爵小澤武雄
君、男爵船越衞君、調所廣丈君、男爵藤村紫朗君、湯地定基君、南〓茂光
君、山脇玄君、鹿毛信盛君、北海道鐵道豫定線路中私設鐵道會社ニ敷設許可
ノ件ニ關スル法律案審査特別委員、子爵岡部長職君、子爵堀田正養君子爵
板倉勝達君、男爵小澤武雄君、渡正元君、村田保君、千阪高雅君武井守正
君、馬場道久君、公共圖書館費國庫補助法案審査特別委員、子爵竹內惟忠
君、子爵松平直哉君、子爵本多正憲君、男爵千家尊福君、久保田讓君、田中
芳男君、中島永元君、外山正一君、村上桂策君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=65
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066・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 本日ハ今マデ俟テ居リマシタガドウシテモ定足數
ニ足リマセヌカラ是デ〓會ヲシマス明日ハ休會ニナリマシテ月曜日ニ開會
シマス、議事日程ヲ朗讀致サセマス
〔中根書記官長朗讀〕
明治三十年三月一日午前十時開議
第請願委員長伯爵松浦詮君報告
第二明治二十九年度歲入歳出總豫算追加案(總追第會議豫算委員)
五號)長報告
第三明治二十九年度特別會計歲入歲出豫算追加案會議(豫算委員)
(特追第三號)長報告
第四明治二十九年度歲入歳出總豫算追加案(總追第會議(豫算委員)
六號)長報告
第五鐵道敷設法中改正法律案(政府提出衆議院送付)第一讀會
第六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
第七祿高整理公債法案(衆議院提出)第一讀會
第第八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
九家祿賞典祿處分法案(衆議院提出)第一讀會
第十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
第十一古墳墓保護ニ關スル建議案(外山正一君發議)會議(前會ノ
續キ
第十二復祿及復族祿ノ請願會
第十三營業稅法改正ノ請願
第十四庄內川改修ノ請願
第十五養畜秣肥料場奬勵保護ノ請願議議議議議議議議、
第十六下ノ關ヲ輸出入港トナスノ請願會會會會會會會
第十七函館ニ市制ヲ施行スルノ請願
第十八保險業ニ關スル法規制定ノ請願
第十九商事會社合併ニ關スル法規制定ノ請願発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=66
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067・近衞篤麿
○議長(公爵近衞篤麿君) 今日ハ散會
午後一時六分〓會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001003242X01218970226&spkNum=67
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