1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
明治三十二年二月二十日(月曜日)午前十時十二分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第二十九號 明治三十二年二月二十日
午前十時開議
第一 商法施行法案(政府提出) 第一讀會
第二 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第三 登録税法中改正法律案(政府提出衆議院送付) 第一讀會
第四 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第五 登記法中特許意匠及商標の登記に關する規定廢止法律案(政府提出衆議院送付) 第一讀會
第六 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第七 印紙税法案(政府提出衆議院送付) 第一讀會の續(特別委員長報告)
第八 農會法案(衆議院提出) 第一讀會
第九 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十 遠洋漁業奬勵法中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十一 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=0
-
001・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 是ヨリ報告ヲ致シマス
〔小原書記官朗讀〕
一昨十八日衆議院ヨリ政府提出大分縣下郡界變更法律案ヲ受領シタリ
同日左ノ衆議院提出案ヲ受領シタリ
實業〓育費國庫補助法中改正法律案
關稅定率法附屬輸入稅表中改正法律案
日本銀行納付金ニ關スル法律案協議委員ニ於テ議長ニ子爵曾我祐準君副議
長ニ子爵岡部長職君當選セラレタリ
各委員長副委員長左ノ通當選セラレタリ
議員ノ選擧及被選舉資格ニ關スル法律案特別委員會
委員長松岡康毅君副委員長男爵小澤武雄君
討論終局ノ動議ニ關スル規定取調ノ件外一件特別委員會
委員長伯爵大原重朝君副委員長男爵末松謙澄君
一昨十八日遞信書記官湯河元臣君法典ニ關スル政府委員仰付ラレタリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=1
-
002・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 今朝ハ議長ハ差問ガゴザイマスルカラ本員代理
ヲ致シマス、議事日程第一商法施行法案、政府提出、第一讀會
〔小原書記官朗讀〕
商法施行法案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治三十二年二月十七日
との積を求め、
臣侯爵西〓從
臣子爵桂HAPPY NOT UN
海遞外文陸內大軍信務部軍務藏大大大大大大大
臣山本權兵衞
司法大臣〓浦奎吾
農商務大臣曾禰荒助
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス)
商法施行法案
商法施行法
第一條商法施行前ニ生シタル事項ニ付テハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除
ク外舊法ノ規定ヲ適用ス
第二條商事ニ關スル特別ノ法令ハ商法施行ノ後ト雖モ仍ホ其效力ヲ有ス
第三條特別ノ法令中舊商法ノ規定ニ依ルヘキモノト定メタル場合ニ付テ
ハ舊商法ハ商法施行ノ後ト雖モ仍ホ其效力ヲ存ス
第四條商法施行前ヨリ商業ヲ營ム未成年者、妻及ヒ後見人ハ商法ノ規定
ニ從ヒテ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第五條商法施行前ニ會社ノ無限責任社員ト爲ルコトヲ許サレタル未成年
者又ハ妻ハ商法施行ノ日ヨリ其會社ノ業務ニ關シ之ヲ能力者ト看做ス
第六條商法第七條第二項ノ規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ定メタル
制限ニモ亦之ヲ適用ス
第七條商法第八條ニ定メタル小商人ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條商法施行前ニ舊法ノ規定ニ依リテ爲シタル登記ハ商法ノ規定ニ從
ヒテ爲シタルモノト同一ノ效力ヲ有ス
第九條商法施行ノ前ニ登記シタル事項ニ變更ヲ生シ又ハ其事項カ消滅シ
タル場合ニ於テ商法施行前ニ登記ヲ爲ササリシトキハ當事者ハ其施行ノ
後遲滯ナク登記ヲ爲スコトヲ要ス
第十條商法施行前ニ設立ノ登記ヲ爲シタル會社ノ社名ハ商法ノ規定ニ從
ヒテ登記シタル商號ト同一ノ效力ヲ有ス
第十一條商法施行前ニ設立シタル合名會社ニシテ其社名中ニ合名會社ナ
ル文字ヲ用井サルモノハ其施行ノ日ヨリ三个月內ニ商法第十七條ノ規定
ニ從ヒテ其社名ヲ改メ且其登記ヲ爲スコトヲ要ス
會社ノ業務ヲ執行スル社員カ前項ノ規定ニ違反シタルトキハ五圓以上五
十圓以下ノ過料ニ處セラル
第十二條商法第十八條ノ規定ハ商法施行前ヨリ使用スル商號ニハ之ヲ適
用セス
第十三條商法第十九條ノ規定ハ舊商法施行前ヨリ使用スル商號ニハ之ヲ
適用セス
商法施行後ニ商號ノ登記ヲ爲シタル者ト雖モ舊商法施行前ヨリ同一又ハ
類似ノ商號ヲ使用スル者ニ對シテハ商法第二十條ニ定メタル權利ヲ行フ
コトヲ得ス
第十四條商法「第十九條、第二十條第二項、第二十二條第一項及ヒ第二百八
十九條第三項ニ揭ケタル市町村ハ市制又ハ町村制ヲ施行セサル地方ニ在
リテハ從來ノ町村其他之ニ類スル區域トシ東京市、京都市及ヒ大阪市ニ
在リテハ其各區トス
第十五條商法施行前ニ東京市又ハ大阪市ニ於テ商號ノ登記ヲ爲シタル者
ハ商法施行ノ日ヨリ六个月內ニ其市ニ存スル他ノ登記所ニ於テ其登記ヲ
爲スコトヲ要ス
前項ニ定メタル登記ヲ爲ササリシ者ハ其登記ヲ爲ササリシ登記所ノ管轄
區域內ニ於テハ商法第一一十條ニ定メタル權利ヲ行フコトヲ得ス
第十六條商法第二十二條第二項ノ適用ニ付テハ北海道ハ之ヲ一府縣ト看
做ス
第十七條商法第二十八條ノ規定ハ商法施行前ニ作リタル商業帳簿ニモ亦
之ヲ適用ス
第十八條代務人ニハ商法施行ノ日ヨリ支配人ニ關スル規定ヲ適用ス
第十九條商法施行前ヨリ支配人又ハ支配役ト稱スル者カ商法第三十條ニ
定メタル權限ヲ有セサルトキハ主人ハ商法施行ノ日ヨリ三个月內ニ其名
稱ヲ改ムルコトヲ要ス
主人カ前項ノ期間內ニ支配人又ハ支配役ノ名稱ヲ改メサリシトキハ其者
ハ商法第三十條ニ定メタル權限ヲ有スルモノト看做ス
第二十條商法第三十二條第三項ノ規定ハ舊商法第五十條ノ規定ニ反シテ
爲シタル行爲ニ之ヲ準用ス但一年ノ期間ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ起算
ス」主人カ商法施行前ニ前項ノ行爲ヲ知リタルトキハ二週間ノ期間モ亦
其施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス
第二十一條商法中代理商ニ關スル規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ定
メタル代理商ニモ亦之ヲ適用ス
第二十二條商法中會社ニ關スル規定ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外
商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ設立シタル會社ニモ亦之ヲ適用ス
第二十三條商法第四十七條ニ定メタル期間ハ商法施行前ニ本店ノ所在地
ニ於テ設立ノ登記ヲ爲シタル會社ニ付テハ其施行ノ口ヨリ之ヲ起算ス
第二十四條商法施行前ニ設立シタル合名會社ニシテ未タ設立ノ登記ヲ爲
ササルモノハ商法施行ノ日ヨリ一个月內ニ商法ノ規定ニ從ヒテ定款ヲ作
リ且商法第五十一條第一項ニ定メタル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第二十五條商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲シタル合名
會社ハ商法施行ノ日ヨリ一个月內ニ本店ノ所在地ニ於テハ支店、支店ノ
所在地ニ於テハ本店竝ニ他ノ支店及ヒ社員ノ出資ノ種類竝ニ財產ヲ目的
トスル出資ノ價格ヲ登記スルコトヲ要ス
第二十六條商法第五十一條第二項、第三項及ヒ第五十二條ノ規定ハ合名
會社カ設立ノ登記ヲ爲シタル後商法施行前ニ支店ヲ設ケ又ハ其本店若ク
ハ支店ヲ移轉シタル場合ニ之ヲ準用ス但登記期間ハ商法施行ノ日ヨリ之
ヲ起算ス
第二十七條會社ノ業務ヲ執行スル社員カ前二條ノ規定ニ依リ爲スヘキ登
記ヲ怠リタルトキハ五圓以上五十圓以下ノ過料ニ處セラル
第二十八條商法第六十條第二項及ヒ第三項ノ規定ハ舊商法第百四條ノ規
定ニ反シテ爲シタル行爲ニ之ヲ準用ス
第二十條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十九條商法第七十一條ノ規定ハ商法施行前ニ設立シタル合名會社ニ
ハ之ヲ適用セス
第三十條合名會社ノ目的タル事業ノ成功カ商法施行前ニ不能ト爲リタ
ルトキハ裁判所カ解散ヲ命シタル場合ヲ除ク外其會社ハ商法ノ施行ト同
時ニ解散シタルモノト看做ス
第三十一條合名會社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ未タ〓算人ヲ
選任セサルトキハ其施行ノ日ヨリ二週間內ニ商法第七十六條ノ規定ニ從
ヒテ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第三十二條合名會社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ既ニ清算人ヲ
選任シタルトキハ其施行ノ日ヨリ二週間內ニ商法第七十六條及ヒ第九十
條ノ規定ニ從ヒテ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第三十三條商法第七十八條第二項ノ規定ニ依リ爲スヘキ公告ハ裁判所カ
爲スヘキ登記事項ノ公告ト同一ノ方法ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第三十四條合名會社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ未タ〓算人ヲ
選任セサルトキハ總社員ノ同意ヲ以テ會社財產ノ處分方法ヲ定ムルコト
ヲ得此場合ニ於テハ商法施行ノ日ヨリ二週間內ニ財產目錄及ヒ貸借對照
表ヲ作ルコトヲ要ス
商法第七十八條第二項、第七十九條及ヒ第八十條ノ規定ハ前項ノ場合ニ
之ヲ準用ス
第三十五條合名會社カ商法施行前ニ解散ノ登記ヲ爲シタル場合ニ於テハ
〓算ハ舊商法ノ規定ニ依リテ之ヲ爲ス
第三十六條合名會社ニ於テ商法施行前ニ〓算人ノ解任又ハ變更アリタル
トキハ其施行ノ日ヨリ二週間內ニ商法第九十七條ノ規定ニ從ヒテ登記ヲ
爲スコトヲ要ス
第三十七條商法第百三條ノ規定ハ商法施行前ニ解〓シタル合名會社ニモ
亦之ヲ適用ス
第三十八條商法施行前ニ設立シタル合資會社ニハ舊商法ノ規定ヲ適用ス」
第二十三條、第二十五條乃至第三十一一條及ヒ前三條ノ規定ハ前項ノ會社
ニ之ヲ準用ス
第三十九條商法施行前ニ設立シタル合資會社ハ其取引ニ關スル一切ノ書
類ニ商法施行前ニ設立シタル會社タルコトヲ示スコトヲ要ス
業務擔當社員カ前項ノ規定ニ違反シタルトキハ五圓以上五十圓以下ノ過
料ニ處セラル
第四十條商法施行前ニ設立シタル合資會社ハ舊商法第百五十一條第二
項ノ規定ニ從ヒ其組織ヲ變更シテ之ヲ商法ニ定メタル合資會社株式會
社又ハ株式合資會社ト爲スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ總會ハ直チニ新會社ノ組織ニ必要ナル事項ヲ決議ス
ルコトヲ要ス
第四十一條商法第七十八條、第七十九條第一項、第二項及ヒ第二百五十
四條ノ規定ハ前條ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十二條商法施行前ニ設立シタル合資會社ハ商法ノ規定ニ從ヒテ合併
ヲ爲スコトヲ得但合併後存續シ又ハ合併ニ因リテ設立スル會社ハ商法ニ
定メタル種類ノ一タルコトヲ要ス
合併ノ決議ハ舊商法第百五十一條第二項ノ規定ニ依ルニ非サレハ之ヲ爲
スコトヲ得ス
第四十三條商法施行前ニ發起ノ認可ヲ得タル株式會社ニ於テハ其發起人
ハ七人以上ナルコトヲ要セス
第四十四條商法施行前ニ發起ノ認可ヲ得タル株式會社ト雖モ其發起人カ
未タ株主ノ募集ニ著手セサルトキハ之ニ商法ノ規定ヲ適用ス
第四十五條株式會社ノ發起人カ商法施行前ニ株主ノ募集ニ著手シタルト
キハ舊商法ノ規定ニ從ヒテ會社ノ設立ヲ爲スコトヲ得但商法ノ規定ニ從
ヒテ定款ヲ作ルコトヲ要ス
第四十六條商法施行前ニ創業總會ニ於テ定款ヲ確定シタル場合ニ於テハ
商法ノ規定ニ從ヒテ其定款ヲ變更スルコトヲ要ス
第四十七條商法第百三十條ノ規定ハ前二條ノ場合ニモ亦之ヲ適用ス
第四十八條商法第百六十三條第一項及ヒ第二項ノ規定ハ舊商法ノ規定ニ
依リテ招集シタル創業總會ノ決議ニ之ヲ準用ス但同條第二項ノ期間ハ商
法施行前ニ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス
第四十九條第四十五條ノ場合ニ於テ商法施行前ニ株式總數ノ引受アリタ
ルトキハ其施行ノ日ヨリ商法施行後ニ株式總數ノ引受アリタルトキハ其
日ヨリ六个月內ニ發起人カ創業總會ヲ招集セサルトキハ株式申込人ハ其
申込ヲ取消スコトヲ得
第五十條第四十五條及ヒ第四十六條ノ場合ニ於テハ株式會社ハ各株ニ
付キ株金ノ四分ノ一ノ拂込アリタル後二週間內ニ商法第百四十一條第一
項ニ定メタル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第五十一條商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲シタル株式
會社ニシテ其定款ニ商法第百二十條第一號乃至第七號ニ揭ケタル事項ヲ
定メサルモノハ商法施行ノ日ヨリ三个月內ニ其定款ヲ變更スルコトヲ要
ス
第五十二條商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲シタル株式
會社ハ商法施行ノ日ヨリ三个月內ニ本店ノ所在地ニ於テハ支店、支店ノ
所在地ニ於テハ本店竝ニ他ノ支店及ヒ會社カ公告ヲ爲ス方法竝ニ監査役
ノ氏名、住所ヲ登記スルコトヲ要ス
第五十三條商法施行前ニ設立シタル株式會社カ登記シタル事項中ニ變更
ヲ生シタル場合ニ於テ商法施行前ニ登記ヲ爲ササリシトキハ其施行ノ日
ヨリ二週間內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ爲スコトヲ要ス
舊商法ノ規定ニ依リ登記スヘキ事項カ商法施行前ニ生シタル場合ニ於テ
ハ舊商法ニ登記期間ノ定ナキトキニ限リ前項ノ規定ヲ準用ス
第五十四條取締役カ前三條ノ規定ニ違反シタルトキハ五圓以上五十圓以
下ノ過料ニ處セラル
第五十五條商法施行前ニ設立シタル株式會社ニ於テ株式ノ金額カ商法第
百四十五條第二項ノ規定ニ反スルモ舊商法及ヒ舊商法施行條例ノ規定ニ
反セサル場合ニ於テハ定款ノ定ムル所ニ依ルコトヲ得商法施行後ニ新椽
ヲ發行スルトキ亦同シ
前項ノ規定ハ商法施行後ニ株式ノ金額ヲ變更スル場合ニハ之ヲ適用セス
第五十六條商法中株券ニ關スル規定ハ商法施行前ニ發行シタル假株劵ニ
モ亦之ヲ適用ス
第五十七條商法施行前ニ發行シタル株劵及ヒ假株劵ハ商法第百四十八條
又ハ第二百十八條ノ規定ニ違フモ之ヲ改ムルコトヲ要セス但商法施行後
ニ株金ノ拂込ヲ爲シタル場合ニ於テハ前ニ拂込ミタル金額及ヒ新ニ拂込
ミタル金額ヲ假株劵ニ記載スルコトヲ要ス
第五十八條舊商法第二百十二條乃至第二百十五條ノ規定ハ商法施行前ニ
樣金拂込ノ催告アリタル場合ニ限リ之ヲ適用ス
第五十九條商法第百五十三條第二項乃至第四項ノ規定ハ商法施行前ニ樽
式ヲ讓渡シタル者ニシテ舊商法第百八十二條ノ規定ニ依リ擔保義務ナキ
者ニハ之ヲ適用セス
第六十條法令ノ規定ニ依リ日本人ノミヲ以テ組織スヘキ株式會社及ヒ
日本人ノミヲ以テ組織スルコトヲ條件トシテ特別ノ權利ヲ有スル株式會
社ハ無記名式ノ株劵ヲ發行スルコトヲ得ス若シ之ニ違反シタルトキハ其
株劵ハ無效トシ最後ノ記名株主ヲ以テ株主トス
取締役カ前項ノ規定ニ反シテ無記名式ノ株券ヲ發行シタルトキハ百圓以
上千圓以下ノ過料ニ處セラル
第六十一條舊商法施行前ニ設立シタル株式會社ニ於テハ株主ノ議決權ノ
制限カ商法第百六十二條ノ規定ニ反スルモ定款ノ定ムル所ニ依ルコトヲ
得但商法施行後ニ其制限ヲ變更スル場合ハ此限ニ在ラス
第六十二條商法第百六十三條ノ規定ハ株主總會カ商法施行前ニ決議ヲ爲
シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但同條第二項ノ期間ハ商法施行ノ日ヨリ之
ヲ起算ス
第六十三條商法第百六十七條但書ノ規定ハ商法施行前ニ選任シタル取締
役及ヒ監査役ニハ之ヲ適用セス
第六十四條商法施行前ニ選任シタル取締役又ハ監査役ト雖モ其禁治產ニ
因リテ退任ス
第六十五條商法施行前ニ選任シタル取締役ハ其施行ノ後遲滯ナク定款ニ
定メタル員數ノ株券ヲ監査役ニ供託スルコトヲ要ス
第六十六條商法施行前ニ設立シタル株式會社ニ於テ其施行後ニ株金ノ拂
込アリタルトキハ取締役ハ其拂込ノ年月日ヲ株主名簿ニ記載スルコトヲ
要ス
第六十七條商法施行前ニ設立シタル株式會社ノ取締役ハ其施行ノ後遲滯
ナク社債ノ總額及ヒ其償還ノ方法ヲ社債原簿ニ記載スルコトヲ要ス
第六十八條株式會社カ商法施行前ニ其資本ノ半額ヲ失ヒタル場合ニ於テ
ハ取締役ハ商法施行ノ後遲滯ナク株主總會ヲ招集シテ之ヲ報告スルコト
ヲ要ス
商法施行前ニ會社財產ヲ以テ會社ノ債務ヲ完濟スルコト能ハサルニ至リ
タル場合ニ於テハ取締役ハ商法施行ノ後遲滯ナク破產宣告ノ請求ヲ爲ス
コトヲ要ス
第六十九條取締役カ前三條ノ規定ニ違反シタルトキハ五圓以上百圓以下
ノ過料ニ處セラル
第七十條商法第百七十五條ノ規定ハ商法施行前ニ選任シタル取締役ニ
ハ之ヲ適用セス
第七十一條舊商法第百八十九條ノ規定ハ商法施行前ニ選任シメル取締役
ニノミ之ヲ適用ス
第七十二條商法施行前ニ舊商法第二百二十八條又ハ第二百一一十九條ノ規
定ニ依リテ提起シタル訴ニハ商法ノ規定ヲ適用セス
第七十三條商法施行前ニ選任シタル監査役ハ其任期カ一年ヨリ長キトキ
ト雖モ其任期間在任ス
第七十四條商法第百九十條ニ揭ケタル書類ハ商法施行前ニ總會招集ノ通
知ヲ發シタル場合ニ限リ會日マテニ之ヲ提出スルヲ以テ足ル
第七十五條商法第百九十六條ノ規定ハ商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ
設立ノ登記ヲ爲シタル樣式會社カ其登記後二年以上開業ヲ爲スコト能ハ
サルモノト認ムル場合ニモ亦之ヲ適用ス
裁判所カ定〓ノ規定ヲ認可シタルトキニ取締役ハ二週間内一本店及
店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ爲スコトヲ要ス
取締役カ前項ニ定メタル登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキハ五圓以上五十
圓以下ノ過料ニ處セラル
第七十六條明治二十三年法律第六十號ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ廢止ス
第七十七條株式會社カ商法施行前ニ債券發行ノ認許ヲ得タル場合ニ於テ
ハ舊法ノ規定ニ依リテ其募集ヲ完了スルコトヲ得
第七十八條商法第二百四條第一項ノ規定ハ株式會社カ商法施行前ニ債劵
發行ノ認許ヲ得タル場合ニハ之ヲ適用セス
第七十九條株式會社カ商法施行前ニ債券發行ノ認許ヲ得タル場合ニ於テ
一時ニ全額ノ拂込ヲ爲サシメサルトキハ第一囘ノ拂込アリタル後二週間
內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ拂込ミタル金額及ヒ商法第百七十三條
第三號乃至第六號ニ揭ケタル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
第八十條商法施行前ニ社債ノ全額又ハ一部ノ拂込アリタルトキハ其施
行ノ日ヨリ二週間內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ拂込ミタル金額及ヒ
商法第百七十三條第三號乃至第六號ニ揭ケタル事項ヲ登記スルコトヲ要
ス
第八十一條商法施行前ニ發行シタル債券ハ商法第二百五條ノ規定ニ違フ
モ之ヲ改ムルコトヲ要セス
第五十七條但書ノ規定ハ債券ニ之ヲ準用ス
第八十二條商法第二百九條第二項ノ規定ハ商法施行前ニ假決議ヲ爲シテ
未タ其通知ヲ發セサル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第八十三條商法第二百九條第四項ノ規定ハ株式會社カ商法施行前ニ定款
變更ノ決議又ハ假決議ヲ爲シタル場合ニハ之ヲ適用セス
Schimmelbusch.株式會社カ商法施行前ニ資本ノ增加若クハ減少ノ決議又ハ假
決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ舊商法ノ規定ニ依リテ其增加又ハ減少ヲ爲
スコトヲ得
商法第百二十八條乃至第百三十條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十五條商法施行前ニ爲シタル決議又ハ假決議ニ依リテ資本ヲ增加シ
タル場合ニ於テ商法施行前ニ新株ニ付キ拂込ミタル株金額ノ登記ヲ爲サ
サリシトキハ其施行ノ日ヨリ商法施行後ニ拂込アリタルトキハ其日ヨリ
二週間內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ爲スコトヲ要ス
第八十六條株式會社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ未タ解散ノ決
議ヲ爲ササルトキハ取締役ハ商法施行ノ後滯遲ナク株主ニ對シテ解散ノ
通知ヲ發スルコトヲ要ス
第八十七條取締役カ前二條ノ規定ニ違反シタルトキハ五圓以上五十圓以
ありがとう
第八西部長男株式會社ノ〓算人ハ株主總會又ハ裁判所カ商法施行前ニ與ヘ
訓示ヲ遵守スルコトヲ要ス
商法施行前ニ舊商法第二百四十二條ノ規定ニ依リテ選任シタ
ル代人ハ商法施行ノ後ト雖モ其權限ヲ保有ス
第九十條第三十三條ノ規定ハ商法施行前ニ解散シタル株式會社ノ〓算
人カ爲スヘキ公〓ニ之ヲ準用ス
第九十一條第二十六條第三十條乃至第三十二條、第三十五條及ヒ第三
十六條ノ規定ハ株式會社ニ之ヲ準用ス
第九十二條商法施行前ニ日本ニ支店ヲ設ケタル外國會社ニ付テハ勅令ヲ
以テ特別ノ規程ヲ設クルコトヲ得商法施行前ニ外國人カ日本ニ於テ設立
シタル會社及ヒ組合ニ付キ亦同シ
第九十三條商法施行前ニ舊法中會社ニ關スル罰則ヲ適用スヘキ行爲アリ
タルトキハ商法施行ノ後ト雖モ其罰則ヲ適用ス
第九十四條私設鐵道株式會社ニハ明治二十年勅令第十二號私設鐵道條例
ノ改正ニ至ルマテ舊商法及ヒ其附屬法令中株式會社ニ關スル規定ヲ適用
ス
第九十五條保險事業ハ政府ノ免許ヲ得ルニ非サレハ之ヲ營ムコトヲ得ス」
政府ノ免許ヲ得スシテ保險事業ヲ營ム者アルトキハ裁判所ハ檢事ノ請求
ニ因リ又ハ職權ヲ以テ其營業ヲ禁止スルコトヲ得
前項ノ禁止ニ拘ハラス保險事業ヲ營ム者又ハ之ヲ營ム會社ノ業務ヲ執行
スル社員若クハ取締役ハ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處セラル
第九十六條保險事業ハ株式會社ニ非サレハ之ヲ營ムコトヲ得ス
第九十七條保險會社ハ他ノ營業ヲ兼ヌルコトヲ得ス
同一ノ會社ニシテ生命保險ト損害保險トヲ併セテ營業トスルコトヲ得ス
第九十八條保險會社ノ發起人カ營業ノ免許ヲ請フニハ定款及ヒ左ニ揭ケ
タル事項ヲ記載シタル書面ヲ差出タスコトヲ要ス
一保險ノ種類及ヒ營業ノ範圍
二普通保險約款
三保險料及ヒ責任準備金算出ノ基礎及ヒ方法
四責任準備金利用ノ方法
第九十九條保險會社カ前條ニ揭ケタル書類ヲ變更スルニハ政府ノ認可ヲ
得ルコトヲ要ス
第百條政府カ第九十八條ニ揭ケタル書類ノ變更ヲ必要ト認ムルトキハ
其變更ヲ命スルコトヲ得
第百一條政府ハ何時ニテモ保險會社ヲシテ其營業ノ報告ヲ爲サシメ又ハ
會社ノ業務及ヒ會社財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
第百二條政府カ保險會社ノ業務又ハ會社財產ノ狀況ニ依リ其營業ノ繼續
ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ保險會社カ政府ノ命令ニ違反シタルトキハ
政府ハ其營業ノ停止又ハ取締役ノ改選ヲ命スルコトヲ得
前項ニ揭ケタル事由アリト認ムルトキハ裁判所ハ檢事ノ請求ニ因リ又ハ
職權ヲ以テ會社ノ解散ヲ命スルコトヲ得
第百三條保險會社ハ總會終結ノ後遲滯ナク商法第百九十條ニ揭ケタル書
類及ヒ總會ノ決議錄ヲ政府ニ差出タスコトヲ要ス
第百四條保險契約者、被保險者及ヒ保險金額ヲ受取ルヘキ保險會社ノ定
時總會終結ノ後營業報告書財產目錄若クハ貸借對照表ノ閱覽ヲ求メ又
ハ其謄本若クハ抄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得但保險會社ハ定款又ハ保
險契約ノ定ムル所ニ依リ其謄本又ハ抄本ノ交付ニ付キ手數料ヲ拂ハシム
ルコトヲ妨ケス
第百五條保險會社ハ他ノ事業ヲ目的トスル會社ト合併ヲ爲スコトヲ得ス
生命保險ヲ營業トスル會社ト損害保險ヲ營業トスル會社トハ合併ヲ爲ス
コトヲ得ス
第百六條保險會社カ合併ヲ爲スニハ特ニ財產目錄及ヒ貸借對照表ヲ作リ
合併契約書ト共ニ之ヲ政府ニ差出タシ其認可ヲ得ルコトヲ要ス
第百七條保險會社カ任意ノ解散ヲ爲スニハ政府ノ認可ヲ得ルコトヲ要ス
第百八條生命保險ヲ營業トスル會社ニ在リテハ保險金額ヲ受取ルヘキ者
ハ會社財產ニ對シ他ノ債權者ニ先チテ其權利ヲ行フコトヲ得
第百九條生命保險ヲ營業トスル會社カ解散シタル場合ニ於テハ保險金額
ヲ受取ルヘキ者ハ被保險者ノ爲メニ積立テタル金額ノ割合ニ應シテ其權
利ヲ行フコトヲ得但會社ノ解散前ニ保險金額ヲ受取ルヘカリシ場合ハ此
限ニ在ラス
前項ノ規定ハ損害保險ヲ營業トスル會社ニ之ヲ準用ス
第百十條第九十七條及ヒ前十一條ノ規定ハ商法施行前ニ設立シタル合資
會社又ハ株式會社ニシテ保險ヲ營業トスルモノニ之ヲ準用ス
商法施行前ニ設立シタル會社ニシテ第九十七條ニ禁止シタル兼業ヲ爲ス
モノハ商法施行ノ日ヨリ六个月內ニ其兼業ヲ廢止スルコトヲ要ス若シ之
ニ違反シタルトキハ裁判所ハ檢事ノ請求ニ因リ又ハ職權ヲ以テ其保險營
業ヲ禁止スルコトヲ得
第百十一條第九十七條、第九十九條乃至第百一一條、第百五條乃至第百九
條及ヒ前條第二項ノ規定ハ商法施行前ニ設立シタル合名會社ニシテ保險
ヲ營業トスルモノニ之ヲ準用ス
第百十二條商法施行前ニ設立シタル合名會社ニシテ保險ヲ營業トスルモ
ノハ財產目錄及ヒ貸借對照表ヲ作ル每ニ遲滯ナク營業報告書損益計算
書及ヒ利益ノ配當ニ關スル案ト共ニ之ヲ政府ニ差出タスコトヲ要ス
第百十三條商法施行前ニ設立シタル合名會社ニシテ保險ヲ營業トスルモ
ノカ財產目錄及ヒ貸借對照表ヲ作ル每ニ保險契約者、被保險者及ヒ保險
金額ヲ受取ルヘキ者ハ第百四條ニ定メタル權利ヲ行フコトヲ得
第百十四條第九十七條、第九十九條乃至第百二條及ヒ第百十條第二項ノ
規定ハ商法施行前ヨリ保險事業ヲ營ム者ニ之ヲ準用ス
第百十五條外國會社カ日本ニ支店又ハ代理店ヲ設ケテ保險事業ヲ營ム場
合ニ付テハ勅令ヲ以テ特別ノ規程ヲ設クルコトヲ得
第百十六條保險會社ニ關スル細則ハ農商務大臣之ヲ定ム
第百十七條明治十年第六十六號布告利息制限法第五條ノ規定ハ商事ニハ
之ヲ適用セス
第百十八條商法施行前ニ設定シタル質權ノ實行ニ付テハ別段ノ意思表示
アリタル場合ヲ除ク外競賣法ノ規定ヲ適用ス但取引所ノ相場アル有價證
劵其他ノ商品ニ在リテハ執達吏ハ取引所ニ於テ之ヲ賣却スルコトヲ得
前項ノ規定ハ留置權者カ其留置物ヲ賣却スル場合ニ之ヲ準用ス
第百十九條商法施行前ニ發行シタル指圖證券及ヒ無記名證券ニハ本法ニ
別段ノ定アル場合ヲ除ク外舊商法ノ規定ヲ適用ス但民法施行法第三十
條第三十一條及ヒ第三十三條ノ準用ヲ妨ケス
第百二十條商法第二百八十一條ノ規定ハ商法施行前ニ發行シタル指圖證
券及ヒ無記名證券ニモ亦之ヲ適用ス
第百二十一條商法第二百九十九條ノ規定ハ商法施行前ニ約シタル匿名組
合ニモ亦之ヲ適用ス
第百二十二條湖川港灣及ヒ沿岸小航海ノ範圍ハ遞信大臣之ヲ定ム
第百二十三條手形ノ所持人ノ其前者ニ對スル償還請求權ハ支拂拒絕證書
ノ作成カ商法施行前ニ在リタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ支拂拒絕證
書ノ作成カ商法施行後ニ在リタル場合ニ於テハ其作成ノ日ヨリ六个月ヲ
經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
裏書人ノ其前者ニ對スル償還請求權ハ商法施行前ニ償還ヲ爲シタル場合
ニ於テハ其施行ノ日ヨリ商法施行後ニ償還ヲ爲シタル場合ニ於テハ其日
ヨリ六个月ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
商法施行前ニ進行ヲ始メタル時效ノ殘期カ商法施行ノ日ヨリ起算シテ六
个月ヨリ短キトキハ時效ハ其殘期ヲ經過スルニ因リテ完成ス
第百二十四條明治十九年法律第二號公證人規則第二十八條ノ規定ハ公證
人カ拒絕證書ヲ作ル場合ニハ之ヲ適用セス
第百二十五條外國ニ於テ爲シタル手形行爲ノ要件ハ行爲地ノ法律ニ依ル」
前項ノ規定ニ拘ハラス外國ニ於テ爲シタル手形行爲カ日本ノ法律ニ定
メタル要件ヲ具備スルトキハ外國ノ法律ニ依レハ要件ヲ具備セサルトキ
ト雖モ爾後日本ニ於テ爲シタル手形行爲ハ有效トス日本人カ外國ニ於テ
日本人ニ對シテ爲シタル手形行爲カ日本ノ法律ニ定メタル要件ヲ具備ス
ルトキ亦同シ
第百二十六條外國ニ於テ手形上ノ權利ヲ行使又ハ保全スル爲メニ爲ス行
爲ノ方式ハ行爲地ノ法律ニ依ル
第百二十七條商法第五百五十二條第三項ノ規定ハ商法施行前ニ選任シタ
ル船舶管理人ニモ亦之ヲ適用ス
商法第五百五十三條ノ規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ選任シタル船
舶管理人ニモ亦之ヲ適用ス
第百二十八條商法第五百五十六條ノ規定ハ商法施行前ニ爲シタル船舶ノ
賃貸借ニモ亦之ヲ適用ス
第百二十九條商法第五百五十八條乃至第五百六十八條及ヒ第五百七十條
乃至第五百七十四條ノ規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ選任シタル船
長ニモ亦之ヲ適用ス
第百三十條商法第五百六十二條第一項第二號乃至第五號ニ掲ケタル書
類ノ書式ハ遞信大臣之ヲ定ム
第百三十一條柔付ノ原因カ商法施行後ニ生シタルトキハ其施行前ニ爲シ
タル保險契約ニ付テモ被保險者ハ商法ノ規定ニ從ヒテ委付ヲ爲スコトヲ
得
第百三十二條船舶ノ存否カ商法施行ノ日ヨリ六个月間分明ナラサルトキ
ハ未タ舊商法第九百六十六條第一項ノ期間ヲ經過セサルトト雖モ其船
舶ハ行方ノ知レサルモノト看做ス
第百三十三條商法施行ノ際舊商法第九百六十九條第一項ニ定メタル三日
ノ期間カ未タ滿了ニ至ラサルトキハ商法施行ノ日ヨリ三个月內ニ商法第
六百七十四條ニ定メタル通知ヲ發シテ委付ヲ爲スコトヲ得
第百三十四條船舶ノ先取特權ニ關スル商法ノ規定ハ其施行前ニ發生シ
ル債權ニ付テモ亦之ヲ適用ス
第百三十五條第三十三條ノ規定ハ商法第六百八十四條第一項ノ規定ニ依
リ爲スヘキ公〓ニ之ヲ準用ス
第百三十六條船舶ノ抵當權ニ關スル商法ノ規定ハ商法施行前ニ設定シタ
ル抵當權ニモ亦之ヲ適用ス
第百三十七條民法施行法第二條、第三條、第三十條、第三十一條、第三
十三條、第三十四條、第五十三條及ヒ第五十六條ノ規定ハ商事ニ之ヲ凖
用ス
第百三十八條明治二十三年法律第三十二號商法第九百七十八條ヲ左ノ如
クロム
商人カ支拂ヲ停止シタルトキハ裁判所ハ本人又ハ債權者ノ申立ニ因リ決
定ヲ以テ破產ヲ宣告ス
裁判所ハ口頭辯論ヲ經スシテ裁判ヲ爲スコトヲ得此裁判ニ對シテハ卽時
抗〓ヲ爲スコトヲ得
第百三十九條破產宣告ノ申立ヲ爲ス債權者ハ裁判所ノ定ムル所ニ從ヒ破
產手續ニ必要ナル費用ヲ豫納スルコトヲ要ス
債權者カ前項ノ費用ヲ豫納セサルトキハ裁判所ハ破產宣告ノ申立ヲ棄却
スルコトヲ得
第百四十條本人カ破產宣告ノ申立ヲ爲シタルトキハ破產手續ニ必要ナ
ル費用ハ假ニ國庫ヨリ之ヲ支辨スルコトヲ要ス債權者カ破產宣告ノ申立
ヲ爲シタル場合ニ於テ裁判所カ前條第二項ノ規定ニ依リテ其申立ヲ棄却
セサルトキ亦同シ
第百四十一條裁判所ハ破產事件ニ付キ地方裁判所又ハ區裁判所ニ法律上
ノ輔助ヲ求ムルコトヲ得
第百四十二條明治二十三年法律第三十二號商法第千五十一條第五號ヲ左
ノ如ク改ム
第五財產目錄、貸借對照表ノ作成若クハ支拂停止屆出ノ義務ヲ怠リ
タルトキ又ハ裁判所ノ許可ヲ得スシテ其住地ヲ離レタルトキ
第百四十三條明治二十三年法律第三十二號商法第千五十四條ヲ左ノ如ク
改ム
破產宣告ヲ受ケタル債務者ハ復權ヲ得ルニ非サレハ會社ノ無限責任社
員舊商法ノ規定ニ從ヒテ設立シタル合資會社ノ業務擔當社員株式
會社ノ取締役若クハ監査役、〓算人、破產管財人又ハ商業會讀所ノ會
員ト爲ルコトヲ得ス
第百四十四條明治二十三年法律第三十二號商法第千五十五條第三項ハ之
ヲ削除ス
第百四十五條明治二十三年法律第三十二號商法第千五十九條ヲ左ノ如ク
改ム
商人カ商行爲ニ因リテ生シタル債務ニ付キ自己ノ過失ナクシテ支拂ヲ
中止セサルコトヲ得サルニ至リタル場合ニ於テ其債權者ノ過半數以上
ノ承諾ヲ得タルトトハ然業所ノ所在地又ハ住所助ノ管轄スル裁判所
一年ヲ超エサル範圍內ニ於テ支拂猶豫ヲ與フルコトヲ得
附則
第百四十六條本法ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第百四十七條明治二十三年法律第五十九號商法施行條例ハ第二十條、第
二十四條、第二十五條、第三十五條乃至第四十五條及ヒ第四十八條乃至第
五十條ヲ除ク外本法施行ノ日ヨリ之ヲ廢止ス但第二十一條乃至第二十三
條及ヒ第五十一條ノ規定ハ舊商法ノ規定ニ依ルヘキ場合ニ於テハ仍ホ其
效力ヲ存ス
〔政府委員梅謙次郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=2
-
003・梅謙次郎
○政府委員(梅謙次郞君) 此商法施行法案ハ此度提出ニ相成リマシタル所ノ
商法修正案ヲ施行スルニ附イテ必要ナル規程ヲ網羅致シマシタルモノデアリ
マハ凡ソ新法ヲ施行スルニ當リマシテハ新法ト舊法トノ關係ヲ定メマスル
コトハ最モ必要デアリマスルガ殊ニ商法ニ附キマシテハ御承知ノ通昨年七
月以來明治二十三年ニ發布相成リマシタル所ノ商法ガ施行セラレテ居リマス
ルノデ此度ノ商法修正案ガ愈ミ法律トナッテ施行セラルヽ際ニハ舊商法ト
新商法トノ關係ニ於キマシテ孰ヲ適用スベキカト云フコトヲ定メマセネバナ
ラヌ場合ガ夥多アリマスルノデ、ソレ等ノ規定ヲ總テ此商法施行法案中ニ設
ケマシタノデアリマスルカラ何卒速ニ御議決アランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=3
-
004・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 別段ニ御發議ガアリマセヌニ依ッテ右議案ノ審
査ヲ付託スベキ特別委員ノ選舉ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=4
-
005・松永安彦
○松永安彥君 本案委員ノ選舉ハ議長ヘ御委託発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=5
-
006・西五辻文仲
○男爵西五辻文仲君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=6
-
007・勸修寺顯允
○伯爵勸修寺顯允君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=7
-
008・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 議長委託ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト述フル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=8
-
009・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 然ラバ其通致シマス、登錄稅法中改正法律案、
政府提出衆議院送付、第一讀會
〔小原書記官朗讀〕
登錄稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付
候也
明治三十二年二月十五日
衆議院議長片岡健吉
貴族院讀長公爵近衞篤麿殿
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ蔵錄ス〕
第二條不動產ニ關スル登記ヲ受クルトキハ左ノ區別ニ從ヒ登錄稅ヲ納ム
ヘシ
一家督相續ニ因ル所有權ノ取得不動產價格千分ノ十五
但シ共有物持分ノ取得ニ係ルモノハ其ノ持分ノ價格ニ依ル
二遺產相續ニ因ル所有權ノ取得不動產價格千分ノ二十
但シ共有物持分ノ取得ニ係ルモノハ其ノ持分ノ價格ニ依ル
三相續以外ノ原因ニ因ル所有權ノ取得
不動產價格千分ノ二十五
但シ共有物持分ノ取得ニ係ルモノハ其ノ持分ノ價格ニ依ル
四從來保有セル所有權ノ保存不動產價格千分ノ二
共有物ノ分割分割一因リテ受ク千分ノ五
ル不動產ノ價格
七六五永代ノ地上權ノ取得不動產價格千分ノ二十五
地上權、永小作權ノ取得
存續期間十年未滿不動產價格千分ノ二
存續期間二十年未滿不動產價格千分ノ三
存續期間三十年未滿不動產價格千分ノ四
存續期間三十年以上不動產價格千分ノ五
存續期間ノ定メナキモノ不動產價格千分ノ五
但シ權利移轉ニ因ル場合ニ於テハ既ニ經過シタル期間ヲ存續期間
ヨリ控除シ其ノ殘期ヲ以テ存續期間ト看做シ登錄稅ヲ計算ス
八賃借權ノ取得
存續期間十年未滿不動產價格千分ノ一
存續期間十年以上不動產價格千分ノ二
存續期間ノ定メナキモノ不動產價格千分ノ一
但シ權利移轉ニ因ル場合ニ於テハ既ニ經過シタル期間ヲ存續期間
ヨリ控除シ其ノ殘期ヲ以テ存續期間ト看做シ登錄稅ヲ計算ス
十九地役權ノ取得要役地價格千分ノ一
華族世襲財產ノ創設不動產價格千分ノ二十
十一先取特權ノ保存又ハ取得債權金額又ハ不動產千分ノ六
工事費用豫算金額
但シ債權金額ナキトキ又ハ先取特權ノ目的タルモノノ價格カ債權
金額ヨリ寡キトキハ先取特權ノ目的タルモノノ價格ヲ以テ債權金
額ト看做ス
十二質權抵當權ノ取得債權金額千分ノ六
但シ債權金額ナキトキ又ハ質權抵當權ノ目的タルモノノ價格カ債
權金額ヨリ寡キトキハ質權抵當權ノ目的タルモノノ價格ヲ以テ債
權金額ト看做ス
十三競賣强制管理ノ申立債權金額千分ノ六
但シ競賣若ハ强制管理ニ付スヘキモノノ價格カ債權金額ヨリ寡キ
トキハ其ノモノノ價格ヲ以テ債權金額ト看做ス
十四假差押假處分債權金額千分ノ四
但シ假差押假處分ニ付スヘキモノノ價格カ債權金額ヨリ寡キトキ
ハ其ノモノノ價格ヲ以テ債權金額ト看做ス
十五抵當アル債權ノ差押債權金額千分ノ六
但シ差押ニ付スヘキモノノ價格カ債權金額ヨリ寡キトキハ其ノモ
ノノ價格ヲ以テ債權金額ト看做ス
十六相續財產ノ分離
所有權ニ付テハ不動產價格千分ノ六
所有權以外ノ權利ニ付テハ
不動產價格千分ノ一
十七請求又ハ申立ニ因リ抹消セラレタル登記ノ囘復
不動產每一個生上手
十八假登記不動產每一個佐藤
十九豫告登記不動產每個金二十錢
二十附記登記不動產每一個金二十錢
十一登記ノ更正、變更又ハ抹消不動產每一個金十錢
第三條船舶ニ關スル登記ヲ受クルトキハ左ノ區別ニ從ヒ登錄稅ヲ納ムヘ
シ
-家督相續ニ因ル所有權ノ取得船舶價格千分ノ三
但シ共有物持分ノ取得ニ係ルモノハ其ノ持分ノ價格ニ依ル
二遺產相續ニ因ル所有權ノ取得船舶價格千分ノ六
但シ共有物持分ノ取得ニ係ルモノハ其ノ持分ノ價格ニ依ル
三相續以外ノ原因ニ因ル所有權ノ取得
船舶價格千分ノ十二
但シ共有物持分ノ取得ニ係ルモノハ其ノ持分ノ價格ニ依ル
四從來保有セル所有權ノ保存
船舶價格千分ノ一
五賃借權ノ取得
存續期間十年未滿船舶價格千分ノ一
存續期間十年以上船舶價格千分ノ二
存續期間ノ定メナキモノ船舶價格千分ノ一
但シ權利移轉ニ因ル場合ニ於テハ既ニ經過シタル期間ヲ存續期間
ヨリ控除シ其ノ殘期ヲ以テ存續期間ト看做シ登錄稅ヲ計算ス
六質權抵當權ノ取得債權金額千分ノ六
但シ債權金額ナキトキ又ハ質權抵當權ノ目的タルモノノ價格カ債
權金額ヨリ寡キトキハ質權抵當權ノ目的タルモノノ價格ヲ以テ債
權金額ト看做ス
七競賣ノ申立債權金額千分ノ六
但シ競賣ニ付スヘキモノノ價格カ債權金額ヨリ寡キトキハ其ノモ
ノノ價格ヲ以テ債權金額ト看做ス
八假差押假處分債權金額千分ノ四
但シ假差押假處分ニ付スヘキモノノ價格カ債權金額ヨリ寡キトキ
ハ其ノモノノ價格ヲ以テ債權金額ト看做ス
九抵當アル債權ノ差押債權金額千分ノ六
但シ差押ニ付スヘキモノノ價格カ債權金額ヨリ寡キトキハ其ノモ
ノノ價格ヲ以テ債權金額ト看做ス
十登記ノ更正、變更又ハ抹消船舶每一個金十錢
第五條土地臺帳ニ左ノ事項ヲ登錄スルトキハ土地所有者ハ左ノ區別ニ從
ヒ登錄稅ヲ納ムヘシ
一新規登錄千分ノ二十
二地價ノ設定千分ノ十
三地價ノ修正千
開墾地地地地地地地地價價價價價價價價ノ
鍬下年期付與千千千分分分分分分ノ十十十十十十
八七六五四地價据置年期付與ノ
鍬下年期ノ繼年期付與千
新開免租年期ノ繼年期付與千
九低價年期ノ付與地價千分ノ一
十地租條例第二十二條ノ地價ノ修正
地價價千分ノ一
十一地價ノ復舊地千分ノ一
本條中地價未設定ノ土地ハ近傍類地地價ノ比準ニ依ル
第十九條左ニ揭クルモノニハ登錄稅ヲ課セス
一政府自己ノ爲ニスル登記
二公立ノ學校病院及養育院ノ所用ニ係ル不動產ノ登記
四三公園、社寺、堂宇ノ敷地及墳墓地ニ係ル登記
明治六年第十八號布告地所質入書入規則及同八年第百四十八號布告
建物書入質規則ニ從ヒテ公證ヲ經タル證書面ノ權利ニ付テ債權者ヨ
リ申請スル登記
(政府委員目賀田種太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=9
-
010・目賀田種太郎
○政府委員(目賀田種太郞君) 此度不動產登記法ヲ提出ニナリマシテ、其他
民法ノ改正又商法ノ改正ニ附キマシテ、從來登錄稅法中ニ存シテ居ルモノヽ
外大分登鋒事項ヲ增シタコトデゴザイマス是レ卽チ本案ノ改正ヲ提出スル
所以デゴザイマス其他又多少適當ノ程度ニ於キマシテ稅率ヲ上ゲマシテ
一方ニハ歲入ヲ增スト云フコトヲ必要ト致シマスル旁:本案ノ提出ニナッ
タ譯デゴザイマス、何卒御協賛ノ速ナランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=10
-
011・尾崎三良
○男爵尾崎三良君 チヨット政府委員ニ質問致シタウゴザイマス、此度ノ此
登錄稅法案ハ今述べラレタ所デ見マスレバ多少政府財政ノ收入ノ目的モ籠ッ
テ居ルト云フ申サレマシタガ成ル程サウデアリマセウ此稅率ガ高マッタ所
ヲ見マスレバ···然ルニ衆議院ニ於テ又修正シテ此相續ニ關スル稅ヲバ一
層高ク上ゲタノデアリマスルガ一體此相續稅ト云フモノハ隨分考ヘネバナ
ラヌコトデアラウト考ヘマス成ル程現行法ニ據リマスレバ千分ノ五課スル
コトニナッテ居リマス極輕イコトニナッテ居ル是ハ此家督相續ト云フモ
ノハ日本ニ於テハ殊更外國ノ相續ヨリモ一層重ンジテアルノデアルカラ輕イ
ノガ相當デアルト私共ハ考ヘテ居ル然ルニ此度政府カラ提出セラレタノハ
少シ上ゲテ七ト致サレタ是ハ或ハ己ムヲ得ヌコトデアラウト私共ハ考ヘテ
居リマスルガソレヲバ殊更ニ又其倍餘ニモ上セタト云フコトハ如何ノ理由
デアリマセウカ、又遺產相續ニ對シテモ其通、何モ政府ハ義理人情ニ構ハズ金
サヘ人民ノ懷カラ餘計取レバ宜イト云フ御思想デモアルマイト思ヒマスガ
此相續ト云フモノハ中スマデモナク卽チ親カラ子ニ傳ハルモノデ是ハ卽チ天
然ノモノデアル故ニ外國ノ如キ個人主義ヲ取ッテ居ッテ家督相續ト云フモ
ノヲ餘リ重ンジナイ國デモ親カラ子ニ傳ハルモノニハ極少シニシテアル
(-)チー決定食ソ(一)カットデ一ハムガチテテ3リア取ッテハ人情ニ逃ラフト、ムフ譯ア、之ニ反シテ御
人ヘ或ハ遺言デ遣ルトカ云フ場合ニハ餘程重クシテアル又旁系親ノ方ヘ行
クノモ何程カ重クシテアル斯ウ云フ工合ニ能ク人情ニ箝マルヤウニシテア
ルノデアリマスルガ外ノ國ハ能ク存ジマセヌガ英國抔ニ於キマシテハ純然タ
ル親カラ子或ハ孫ト云フ場合ニハ百分ノ一卽チ千分ノ十ニナル、傍系親ニナ
ルト其倍、ソレカラ全クノ他人ヘ讓ルトキハ十倍ニナッテ居ルト思ッテ居リ
マスガ況ヤ日本ノ如キ家督相續ト云フモノハ大變ニ重ク見テアル現ニ今
度ノ民法デハ法定ノ推定家督相續人ハ卽チ親ガ子ニ子ガ親ニ承ケル相續ト云
フモノハイヤデモ避ケルコトハ出來ヌ是ハ義務トシテ相續シナケレバナラ
ヌ位ニ規程ガ重クシテアルニ、ソレヲ千分ノ十五モ取ルト云フハ人情ニ違ヒ
ハシマセヌカ外國ノ如キ家督相續抔ノコトヲ餘リ重ンジナイ國サヘ輕クシ
テアルノニ日本ノ如ク民法デ是非トモ家督相續ハイヤデモセヌケレバナラヌ
國デアルニソレヨリ重クシテアルノハ頗ル人情ニ違ヒハシマセヌカ又今
度民法デハ家督相續ニ區別ガシテアッテ法定、指定、選定抔トアル當主ガ死
ンデ仕舞ッテ親類ガ寄ッテ定メルノガアル此相續人ハ勝手ニ辭スルコトガ
出來ル是等ハ家督相續人ニ餘程輕重ガアルデアラウト思ヒマス其上ニ此
家督相續人ニ遺サナケレバナラヌ財產ノ高ニ附イテモ區別ガシテアルハ是等
ハ如何デアリマセウカ區別ハ附ケズニ一蓮托生デ斯ノ如クニシテ宜イ御見
込デアリマスカ又遺產相續ニシテモ寧ロ選定ノ家督相續人ヨリ親密ノ關係
ガアリマス遺產相續ハ親子ノ間ガ多イノデアリマス是等ハ如何デアリマ
スカ政府ニ於テハ餘計取レサヘスレバ構ハヌト云フデアリマスカ一應其
邊ヲ承リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=11
-
012・目賀田種太郎
○政府委員(目賀田種太郞君) 尾崎男爵ニ御答致シマスガ唯今ノ件ハ衆議院
ニ於キマシテ修正ヲ加ヘタ結果デゴザイマシテ餘リ精密ナル議論モナカッタ
ヤウデアリマスガ、免ニ角他ノ賣買等ノ場合ニ比シテ權衡ガ惡イ多少上セタ
方ガ他ノ財產ニ關スル登記事項ト同樣ニ權衡ガ宜カラウト云フ論デゴザイマ
シテ無論家督相續ノ種類等ニハ涉ッテ居ラヌノデ、政府ニ於キマシテハ無
論原案ヲ提出シテ居ルノデゴザイマスガ若シサウ云フ所見ガ公平ニシテ多
數ノ議論デアルナラバソレモ宜カラウト云フニ止マルノデゴザイマスワ
レカラ先キハ御評議次第デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=12
-
013・谷森眞男
○谷森眞男君 本員モ政府委員ニ質問ヲ致シタイ、唯今尾崎男爵カラモ問ハ
レマシタガ家督相續ニ因ル所有權ノ取得ニ附イテ千分ノ十五、遺產相續ニ因
ル所有權ノ取得ニ附イテ千分ノ二十ト云フ修正ニナッテ居リマスカ此修正
ハ政府ニ於テハ御同意ニナッタノデアリマスカソレヲ承リタイサウシテ
斯ウナレバクニ附ィテ凡ソドノ位ナ增額ナモノニナリマスカ、其邊モ豫算ガ
アラウト思ヒマスカラソレヲ承知シタイ、其二廉ヲ伺ヒタイ
〔政府委員目賀田種太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=13
-
014・目賀田種太郎
○政府委員(目賀田種太郞君) 唯今尾崎男爵ニ御答致シマシタ通政府ハ原案
ヲ提出致シタモノデゴザイマスガサリナガラ斯ノ如キ修正ガ多數ノ議トア
ルナラバソレモ宜シカラウト云フ考デアリマス此修正ノタメニ原案ヨリ增
シマスルモノハ六十四万圓程ニナリマスサリナガラ又一方ヨリ御覽ノ如ク
土地臺帳ノ登錄ニ對シテ修正ガ加ヘテアリマスカラ此方ニ附キマシテ減ズル
所モゴザイマス〓算七八万圓程減ズル譯ニナッテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=14
-
015・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 別ニ御異議ガナケレバ特別委員ノ選定ニ移リマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=15
-
016・勸修寺顯允
○伯爵勸修寺顯允君 此委員ハ議長ノ選定ヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=16
-
017・玉松眞幸
○男爵玉松眞幸君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=17
-
018・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 議長委託ニ御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=18
-
019・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 然ラバ其通ニ致シマス登記法中特許意匠及商
標ノ登記ニ關スル規定廢止法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會
〔淺田書記官朗讀〕
登記法中特許意匠及商標ノ登記ニ關スル規定廢止法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
明治三十二年二月十七日
衆議院議長片岡健吉
貴族院議長公爵近衞篤麿殿
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス〕
登記法中特許意匠及商標ノ登記ニ關スル規定廢止法律案
明治十九年法律第一號登記法中特許意匠及商標ノ登記ニ關スル規定ハ特許
法意匠法及商標法施行ノ日ヨリ之ヲ廢止ス
(政府委員倉富勇三郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=19
-
020・倉富勇三郎
○政府委員(倉富勇三郞君) 現行ノ法律ニ於キマシテハ御承知ノ通農商務省
ニ於キマシテ特許意匠商標ノ登錄ヲ致シマスト更ニ其コトヲ裁判所ニ於テ登
記ヲ致スコトニナッテ居リマスノデゴザイマス斯ノ如ク農商務省デ登錄ヲ
致シタ上、更ニ裁判所デ登記ヲ致スノハ其登錄ノコトヲ一般ノ人ニ知ラシム
ルヨリ外ニ目的ハナイノデゴザイマス、然ルニ從來ノ經驗ニ依ミマスルト
ドウモ農商務省ニ於テ登錄シタモノヲ更ニ裁判所ニ於テ登記スル必要ノナイ
コトヲ認メマス尙ホ少シ委シク申上ゲマスト明治二十三年カラ明治三十年
マデノ間ニ於テ裁判所デ特許意匠商標ノコトニ附イテ登記ヲ致シマシタ件數
ハ八千九百六十五件程ゴザイマス其八千九百六十五件ノ登記ニ附イテ一般
ノ人ガドレダケノ便利ヲ得テ居ルカト云フコトヲ取調ベテ見マシタ所ガ是モ
同ジク明治二十三年カラ三十年ノ間ニ於テ登記ノ謄本又ハ拔書ノ請求ヲ致シ
タ件數ガ僅ニ七件程デ殆ド一年平均一件ニモ足リナイ少數デゴザイマスヽ又
登記ハ何人モ閲覧ガ出來ルコトニナッテ居リマスガ明治二十三年カラ三十年
マデノ間ニ登記ノ関覽ヲ請求シタ者ハ一件モナイノデゴザイマス斯樣ナ次
第デゴザイマスカラ此特許意匠商標ノコトニ附イテ裁判所ニ於テ登記ヲスル
ト云フコトハ實際必要ノナイコトヽ信ジマスル殊ニ此節特許意匠商標ニ關
スル法律ハ總テ改正セラルヽコトニナッテ居リマスカラ之ヲ機トシテ特許意
医療機ノ啓記フォルコトハ廢ショート云シャブ以テ此法律然ノ俣山
アリマスドウゾ速ニ御決定アランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=20
-
021・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 別段御發議ガゴザイマセヌケレバ委員ノ選擧ニ
移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=21
-
022・勸修寺顯允
○伯爵勸修寺顯允君 此委員ハ前ノ登錄稅法中改正法律案ト同一ノ委員ニ付
託セラレンコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=22
-
023・牧野忠篤
○子爵牧野忠篤君 本案ハ今勸修寺伯爵ヨリ同一委員ニト云フ御發議デゴザ
イマシタガ本員ハ矢張特別委員ヲ設ケラレンコトヲ·
(「牧野子爵ニ贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=23
-
024・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 觀修寺伯爵ニハ贊成ハゴザイマセヌガ牧野子爵
ニハ贊成カゴザイマス其通決シテ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
然ラバ議長委託ニ決シマス、印紙稅法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會
續特別委員長報告
〔子爵由利公正君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=24
-
025・由利公正
○子爵由利公正君 特別委員會ノ結果ヲ御報告致シマス、本案ハ此委員會ニ
於テ衆議院カラ囘リマシタ修正ノ上ニ又修正ガ加リマシタ故ニ修正ガ二樣ニ
ナリマシテ遂ニ政府案ト三通リニナッテ居リマスデ少々混雜ヲシテ居リマス
ガ第二條第三條ノ間ニ衆議院ノ修正ガ多ウゴザイマスノヲ本委員會ニ於テ削
除ニナリマシタ遂ニ原案ニ復活致シタ次第デアリマスガ其他ニモ修正ノ所ガ
二三箇條アリマスルニ附キマシテ先ヅ順序ヲ逐フテ御報告致シタガ宜シカラ
ウト存ジマスルデ二條三條ハ事柄ハ別デアリマスケレドモチヨット相連ナッテ
委員會ノ議論ノアリマシタコトデアリマスカラ二條三條ノ次第ヲ先キニ御話
ヲ致シマス此法案ハ古ク發布ニナリマシタ法案デアリマスルタメニ一體此
稅率ガ誠ニ細カニ累進稅ニナッテ居リマスルタメニ民間ノ煩ニ堪ヘヌト申ス
譯カラシマシテ政府ニ於テモ數年經驗ノ上、數多ノ事實ノ上ニ差支ガナイヤウ
ニト云フコトヲ心配ヲサレテ此法案ヲ提出サレタモノト見エマスルソレ故
ニ第三條ノ此印紙稅ガ皆二錢ニナッテ居リマスル所ハ數多ノ此委任狀デアリ
マスルトカ爲替手形デアルトカ云フヤウナ類ノ多イモノヲ總テ二錢ノ稅ニセ
ラレマシテサウシテ累進ノ煩ヲ避ケラレタモノト見エルノデアリマスガ然ル
ニサウナリマスト此印紙稅ガ餘程減ッテ參リマスルカラ經濟上ノ收入ニ於テ大
キニ不足ヲ告グマスルタメニ全ク此第二條ノ金高一万分ノ五ノ割合ヲ以テ印
紙稅ヲ納ムベシト云フコトヲ第二條ニ舉ゲラレタノハ其不足ヲ補ハンガタメ
ニ此二條ニ於テ金額ノ大キナモノニ持ッテ行ッテ金高ヲ高ウサレタモノト見エ
ルノデアリマス然ルニ衆議院ノ修正ヲ致シマシタノハ此朱書ノ修正ガ此手
元ニ囘クテ居マスル通印紙稅ノ此金高ニ附キマシテ二錢五錢十錢二十錢ト斯
ウ云フコトガ修正ニナッテ參ッタノデス、ソレカラ本委員會ニ於キマシテハソ
レゾレ實地ニ御巧者ナ方モ往々アリマシテ實地ニ附イテ數多ノ議論ガアリマ
シテ熟議ノ上デ此增加累進稅ノ煩ヲ避ケタイト申スコトデ遂ニ三條ノ衆議院
ノ修正ハ取消サレテ本案ニ復活スルト云フコトニ全會一致ヲ以テ成リマシタ
ノデアリマス、ソレカラ此三條ノ末ノ所ニ擔保品差入證書、擔保品預證書印紙
稅二錢ト云フコトガ一ツ加リマシタノハ是モ此事實ニ感ジラレテ居ル諸君カ
ラ其事實ヲ擧ゲテ段々協議ニナリマシタサウシテ此一箇條ヲ此處ヘ加ヘラ
レタ譯デアリマスソレハドウカト云ヒマスルト此處ニ鐵道株劵ト云フモノ
ヲ抵當ニ預リマスル其鐵道株ト云フモノヲ例ヘバ預リマスルト鐵道株ヲ十万
圓ノ形ニ預ッタト云フコトヲ書イテハ······若シ書キマスルトサウスルト此處
デ又更ニ稅ヲ取ラレルト斯ウ云フコトニ此ガアリマセヌト二條ノ制裁ニ依〃
テ此稅ヲ二重ニ取ラレルコトニナルノデソレ故ニドウモ誤ッテ金高ヲ書キマ
シタリ或ハ金高ヲ書カナンダリト云フコトニ紛ラハシイコトガアッテハドウ
モ甚ダ危イ依ッテドウカ是ハ二重ノ稅ヲ出スヤウナ過ノナイヤウニト申スコ
トデ念ヲ入レテ此處ヘ一箇條ヲ加ヘラレタト云フコトニ過ギヌノデゴザイマ
スソレカラ第四條ニ於キマシテ第六項ノ「小切手」ト云フ次ヘ「金額五圓
未滿ノ爲替手形約束手形」「營業ニ關セサル受取書」ト云フコトガ此處ヘ入
レマシタノハ箇條ヲ逐フテ段々逐フテ來マスト此箇條ガ這入ッテ居ナケ
レバ事ガ拔ケマス故ニ此處ヘ加ヘラレタニ過ギヌノデアリマスソレカラ此
第九條ノ「證書又ハ帳簿作成者ノ印章又ハ署名ヲ以テ」ト云フコトガ此處ヘ
這入リマスノハ是ハ衆議院ノ修正ノ通デアリマスソレカラ第九條ノ此處ニ
チヨット書入レテアリマスノモ是モ衆議院ノ修正ノ通ニナリマスソレカラ
第十四條ノ「此ノ法律ハ明治三十二年四月一日ヨリ施行ス」ト此處ヘ加ヘラ
レテアリマスガ是ハ本院ニ於テ修正ニナリマシタノデ是ハ斯樣ニ極リマス以
上ハ施行期限ヲ定メラレタガ宜カラウト申スコトデ卽チ政府委員モサウナル
ガ至極宜シイト云フコトデアリマシテ協議ノ上デ修正ヲ加ヘラレタ譯デアリ
マス其餘ハ原案ノ通總テ多數ヲ以テ可決スベシト云フコトニナリマシタ次
第デアリマスカラ此段ヲ御報〓致シマス
〔政府委員目賀田種太郞君演壇ニ登ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=25
-
026・目賀田種太郎
○政府委員(目賀田種太郞君) 委員會ニ於ケル修正第三條ニ「增保品證書擔
保品預證書印紙稅二錢」トアリマスガ是ハ何分委員會ノ御評議ノ理由ヲ解シ
兼ネルノデゴザイマシテ殆ド尙ホ御尋デモ申サヌケレバ私ニハ分ラヌノデ
アリマスルガ併シ直ニ意見ヲ申述ベルノデアリマス何故此擔保品差入證書
擔保品預證書、斯ウ云フ對物ノモノハ、所謂對物擔保ハ二錢ニシテ置クノデア
ルカ、ト云フハ若シ對人ノ擔保デアッテ卽チ保證人ニナッテ保證ノ義務ヲ負フ
時分ニハ其證書ハ卽チ本案ノ第二條ニ據ッテ一通每ニ万分ノ五ノ課稅ニナル
同ジク擔保證書デアッテ對物デアルト云フト二錢ニナルナゼ對人ト對物擔
保ニ於イテサウ云フ稅率ニ差ガアルカ更ニ其譯ガ分ラナイノデゴザイマス
免ニ角斯ノ如ク御修正ニナックノデアリマスガ是ハ本案ノ仕組上ドウモ穩
デナイト思ヒマスカラ此〓ニ附イテハ御同意シ兼ネテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=26
-
027・富田鐵之助
○富田鐵之助君 委員長ニ一應御尋レタイノデアリマス、衆議院ニ於テ第三
條ノ全部ヲ削除シタソレヲ委員會デハ皆復活致サレテアリマスガ此復活致
サレタ理由ヲ今少シ精シク此說明ヲ請ヒタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=27
-
028・由利公正
○子爵由利公正君 富田君ニ御答ヲ致シマスガ此委員會ノ議論ハ衆議院ノ修
正ハ卽チ朱書デ御手許ニ囘ッテ居リマス通五錢十錢二十錢ト云フ累進ニ
ナッテ居リマスノデ、ソレデ是ガ累進ニナルト云フコトハ隨分世間ニ煩ノ
多イコトデアルサウデアリマスルソレガタメニドウカ折角累進ノ煩ヲ避ケラ
レタ法案ノコトデアルカラドウカ元ノ通二錢ノ稅ニ止メテ置キタイト云フ
ノ論ニ過ギナイノデアリマシタ、其外ニ斯樣ナ理由ト云フコトハ委員會デハ
別ニアリマセヌデアリマシタ、一ニ累進ノ煩ヲ避ケラレルト云フコトデアリ
マスカラ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=28
-
029・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 他ニ御發議ガゴザイマセネバ第二讀會ヲ開クヤ
否ヤノ決ヲ採リマス本案第二讀會ニ移スベシトシテ御異存ハゴザイマセヌ
カ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=29
-
030・小笠原壽長
○子爵小笠原壽長君 議事日程ヲ變更シテ直チニ第二讀會ヲ開カレンコトヲ
希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=30
-
031・由利公正
○子爵由利公正君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=31
-
032・本荘壽巨
○子爵本莊壽巨君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=32
-
033・錦織教久
○子爵錦織〓久君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=33
-
034・山本實庸
○子爵山本實庸君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=34
-
035・勸修寺顯允
○伯爵勸修寺顯允君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=35
-
036・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 直チニ第二讀會ヲ開クニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=36
-
037・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 然ラバ二讀會ヲ開キマス、先ヅ第一條第二條ヲ
問題ニ供シマス
〔河田書記官朗讀〕
第一條財產權ノ創設、移轉、變更若ハ消滅ヲ證明スヘキ證書、帳簿及財
產權ニ關スル追認若ハ承認ヲ證明スヘキ證書ヲ作成スル者ハ此ノ法律ニ
依リ印紙稅ヲ納ムヘシ
第二條證書ニ關シテハ一通每ニ其ノ記載金高五圓以上ノモノニ限リ記載
金高一万分ノ五ノ割合ヲ以テ印紙稅ヲ納ムヘシ但シ印紙稅額五十圓トナ
ルトキハ五十圓ニ止メ一錢未滿トナリ又ハ一錢未滿ノ端數ヲ生スルトキ
ハ一錢ニ切上クルモノトス
金高記載ナキモ證書面ニ標記シアル價額ノ單位又ハ其ノ他ノ記載事項ニ
依リ其ノ金高ヲ算出スルコトヲ得ルモノハ其ノ總金額ヲ以テ記載金高ト
看做ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=37
-
038・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 第一條第二條御異議ガナケレバ原案ニ決シマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=38
-
039・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 然ラバ原案ニ決シマス第三條
〔河田書記官朗讀〕
第三條爲替手形、約束手形ハ一通每ニ其ノ記載金高五圓以上ノモノニ限
リ左ノ割合ヲ以テ印紙稅ヲ納ムヘシ
金高二百圓以下印紙稅二錢
金高千圓以下印紙稅五錢
金高二千圓以下印紙稅十錢
金高二千圓ヲ超ユルモノ印紙稅二十錢
〔「特別委員會ノ修正ハ第三條悉ク刪除デアリマス」ト述フ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=39
-
040・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 特別委員ノ修正ハ刪除デアリマスカラ卽チ委員
會ノ修正ニ附イテハ決ヲ採リマセヌ衆議院修正卽チ原案ニ附イテ決ヲ採リ
マハ原案贊成ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者ナシ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=40
-
041・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 起立ハアリマセヌカラ削除ニ決シマス、第四條
〔河田書記官朗讀〕
第四條左ニ揭クル證書帳簿ニ關シテハ證書ハ一通每ニ帳簿ハ一册一年
以內ノ附込ニ對シ下ニ定ハル所ノ印紙稅ヲ納ムヘシ
一委任狀印紙稅一錢
銀行預金證書印紙
船荷證劵稅稅稅稅
運送貨物引換證
倉荷預證劵印印印印印紙紙紙紙紙
倉荷質入證劵錢錢鐵鐵錢鐵儀錢録
保險證劵自由閪的人類
債株券券印紙
株式申込證印紙
地上權永小作權、地役權ニ關ス
ル證書印紙稅二錢
一使用貸借、賃貸借、雇傭、寄託、
定期金ニ關スル契約證書
定款及組合契約書
權利ノ變更ニ關スル證書印紙
追認承認ニ關スル證書自由自由自身的證税稅税稅税稅税
物品切手錢錢錢錢錢錢鎖錢錢
賣買仕切書
送狀
受取書
金高記載ナキ證書印紙稅二
通帳印紙稅二錢
一判取帳印紙稅二十錢
(特別委員會ノ修正ハ第三條トナリマシテ「委任狀」ノ次ニ「爲替手形印
紙稅二錢約束手形印紙稅二錢」ソレカラズット末ノ「金高記載ナキ證
書」ノ次ニ「擔保品差入證書、擔保品預證書印紙稅二錢」ソレダケ加
ヘマシタ」ト述フ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=41
-
042・小笠原壽長
○子爵小笠原壽長君 唯今政府委員カラ擔保品差入證書ニ附イテ御說ガアリ
マシタガ其コトニ附イテ一言致シタイ私モ委員ノ一人デアリマスガ決シテ委
員會デハ無趣意デ入レタ譯デナイト云フコトヲ一言辯明シタイト思ヒマスガ
宜シウゴザイマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=42
-
043・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 御說ヲ御述べニナルナラ宜シウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=43
-
044・小笠原壽長
○子爵小笠原壽長君 演壇ニ出マセウカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=44
-
045・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 成ルベクハ演壇ニ御出ヲ願ヒマス
〔小笠原壽長君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=45
-
046・小笠原壽長
○子爵小笠原壽長君 此委員會デ唯今申シマス通擔保品差入證書擔保品預證
中国国际足球联盟リマシタ通委員會ハ無趣意ニ入レタ譯デハアリマセヌノデス其之ヲ入レマ君子思ラブ倶樂美術館上海市药材有限公司
シマスレバ金ヲ一万圓借リマスルニ附キマシテハ一万圓ニ相當致シマス印紙
ヲ貼リマス、ソレニ又一万圓ノ金ヲ借リマスニ附キマシテ例ヘテ申シマスレバ
日本鐵道ノ株五十圓券拂込ノモノヲ百枚ナラ百枚二百枚ナラ二百枚ヲ抵當ニ
一万圓ヲ借リマシテ抵當ニ入レテ置キマスノデスソレデ是マデハ抵當ヲ入
レテ居リマスル鐵道株劵ヲ今一万圓ニ對シマシテ是ダケノ抵當品ヲ確ニ入レ
テ置キマルト申シマスル差入證ト申シマスルモノヲ入レマスソレニ附キマ
シテ是マデハ印紙ヲ一錢貼ッテ居リマシタノデゴザイマス、然リマスル所ガ是
ガ此中ニ這入ッテ居リマセヌト五十圓ナラバ鐵道株ヲ五十圓ノ拂込額面ノ鐵
道株ヲ抵當ニ入レマス譯デアリマスカラ金高記載ナキ證書ト云フ中ニハドウ
シテモ這入リマセヌサウ致シマスルト一万圓ノ金ヲ借リマスニ附イテ相當
ノ印紙ヲ貼ル又鐵道株ヲ五十圓ナラ五十圓ノ額面ノ株劵ヲ百枚ナラ百枚入レ
マスナラバソレニ對シテ相當ノ印紙ヲ貼ラネバナリマセヌ是マデ一錢デ濟
シマシタ一万圓ノ金ヲ借リマスノニ印紙ヲ一一重ニ貼ラネバナラヌト云フ結果
ニナッテ參リマスソコデ政府委員ニ其コトヲドウナリマスカト云フコトヲ
質問致シマシタ所ガソレハ金高記載ナキ證書ノ中ニ這入ル、例ヘテ申セバ東
京取引所ノ株ノ額面ハ五十圓デアルカラ當時ノ賣買二百圓ナラ二百圓致シテ
居ルサウシテ見レバ二百圓ノ當時ノ賣買高ヲ書ケバ卽チ金高ノ記載アル證
書ト云ハレルケレドモ額面ノ五十圓ヲ書ケバ賣買相場デナイカラ金高ノ記載
アル證書トハ看做サナイカラ金高ノ記載ナキ證書デ卽チ矢張二錢ノ印紙ヲ貼
テモ宜シト云フ政府委員ノ辯明デアリマスガ金高ノ記載ナキ證書ト書イテゴ
ザイマス以上ハドウモ矢張五十圓ナラ五十圓ノ額面デアッテ五十圓ト證書ニ
書キマスレバドウシテモ金高ノ記載ナキ證書ト云フコトハ云ハレマスマイト
思ヒマスソレデ若シ是ガ裁判ニデモナリマスト委員會デ大藏省ノ政府委員
ガサウ辯明シタカラ此金高ノ記載ナキ證書ノ中ニ入レテ二錢貼テ置イタト申
シタ所ガソレハ裁判官ノ見込デアリマスカラドウシテモ是ハ申分ガ立ツマイ
ト思ヒマスソレデ政府委員ガサウ云フ考デアリマスレバ明瞭ニ書イテ置
ケバ卽チ擔保品差入證書預證書二錢ト書イテ置キマスレバ如何ニモ明瞭デア
リマシテサウ云フ疑ハ起リい☑ヌカラ委員會デハ十分討論致シタ上デ滿場
一致ヲ以チマシテ一人ノ異議者モナク入レタ方ガ相當ト云フ所カラ這入リマ
シタ譯デアリマスカラ決シテ無趣意デ入レマシタ譯デハアリマセヌ十分討議
ヲ盡シタ上入レマシタノデゴザイマスカラチヨット其段ヲ申上ゲテ置キマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=46
-
047・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) ソレデハ委員會ノ修正ニ附イテ決ヲ採リマス、
委員會ノ修正ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=47
-
048・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 過半數ト認メマス、第五條ヨリ第十四條マデヲ
問題ニ供シマス是ハ朗讀ヲ省略致シマス
第五條左ニ揭クル證書、帳簿ニ關シテハ印紙稅ヲ納ムルコトヲ要セス
一官廳又ハ公署ヨリ發スル證書帳簿
官廳又ハ公署ニ職ヲ奉スル者ノ職務上發スル證書、帳簿
國庫金ノ取扱ニ關シ發スル證書
慈善又ハ公共事業ノ爲ニスル金員物件ノ寄附ニ關シ人民ヨリ官廳若ハ
公署ニ提出スル證書
一俸給、給料歲費、手當金、賞與金、年金、恩給金、扶助料、旅費及救恤金ノ
受取書
一小切手
金高五圓未滿ノ爲替手形、約束手形
營業ニ關セサル受取書
金高五圓未滿若ハ金高記載ナキ送狀、受取書又ハ賣買仕切書
主タル債務ノ證書ニ併記シタル擔保契約
證劵ノ裏書及手形ノ裏面ニ記載シタル受取書
株券、債券ノ讓渡ヲ證明スヘキ裏面記載
手形ノ引受、保證
手形及證劵ノ拒絕證書
手形及證券ノ複本、謄本
第六條印紙稅ハ證書、帳簿ニ印紙ヲ貼用シテ納ムルモノトス但シ爲替手
形約束手形、船荷證劵運送貨物引換證、倉荷預證券、倉荷質入證劵、保險
證券、株券、債券ハ印紙稅額ニ相當スル現金ヲ政府ニ納付シテ稅印ノ押捺
ヲ受ケ印紙貼用ニ代フルコトヲ得
第七條一册ノ帳簿ヲ一年以上使用スルトキハ別帳簿ヲ調製シタルモノト
有償
第八條證書ニ外國貨幣ヲ以テ員數ヲ記載スルトキハ內國貨幣ニ換算シタ
第九条高に出荷スト印紙ヲ期用スヘシ
印紙ヲ貼用スルトキハ證書又ハ帳簿ノ紙面ト印紙ノ彩紋トニカケ
第47回應用の政府を取扱のヘシ
印紙ヲ貼用スヘキ帳簿賣買仕切書、送狀ハ當該官吏之ヲ檢査スル
第十一條 證書證書、帳簿ニ相當印紙ヲ貼用セス又ハ第六條但書ニ依リ稅印ノ
押捺ヲ受ケサル者ハ脫稅高二十倍ノ科料又ハ罰金ニ處ス
第十二條第十條ノ檢査ヲ拒ミタル者ハ二十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十三條第九條ニ違背シタル者ハ一圓九十五錢以下ノ科料ニ處ス
第十四條此ノ法律ヲ犯シタル者ニハ刑法ノ不論罪、減輕、再犯加重、數罪
倶發ノ例ヲ用井ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=48
-
049・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 唯今問題ニ供シマシタ所ニ附イテハ御異見ハゴ
ザイマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=49
-
050・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 條數ハ第三條削除ノ結果トシテ自然ニ改マリマ
スガ御異議ガナクバ原案ニ決シマスソレカラ附則第十五條ヨリ終マデヲ
問題ニ供シマス
附則
第十五條此ノ法律ノ施行期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條明治十七年第十一號布告證劵印稅規則ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ
廢止ス
第十七條明治十七年第十一號布告證劵印稅規則ニ依ル手形用紙ニシテ此
ノ法律施行ノ際自用者ノ所持ニ係ルモノハ此ノ法律施行後ニ於テモ仍之
ヲ使用スルコトヲ得但シ手形用紙記載ノ稅金高以上ニ之ヲ使用セムトス
ルトキハ其ノ不足額ハ印稅ヲ貼用シテ之ヲ補足スヘシ
(委員會修正案)
第十四條此ノ法律ハ明治三十二年四月一日ヨリ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=50
-
051・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 委員會ノ報告ノ通御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=51
-
052・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 然ラバ其通決シマス、是デ二讀會ハ終リマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=52
-
053・小笠原壽長
○子爵小笠原壽長君 議事日程ヲ變更シテ直ニ第三讀會ヲ開カレンコトヲ希
望致シマス
〔「贊成」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=53
-
054・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 直ニ第三讀會ヲ開クコトニ御異議ガゴザイマセ
八カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=54
-
055・黒田長成
○副議長(候爵黑田長成君) 直ニ第三讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=55
-
056・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 御異議ガナケレバ原案ニ決シマス
(「異議ナシ」ト呼フ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=56
-
057・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 然ヲバ可決致シマシタ、農會法案、衆議院提出、
第一讀會
〔淺田書記官朗讀〕
農會法案
右本院提出案及送付候也
明治三十二年二月十五日
衆議院議長片岡健吉
貴族院議長公爵近衞篤麿殿
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス〕
農會法
第一條農會ハ農事ノ改良發達ヲ計ル爲メニ設立スルモノトス
第二條農會ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條農商務大臣ハ其ノ定ムル所ノ條件ヲ具備スル農會ニ補助金ヲ交付
スルコトヲ得
第四條農會ニ補助スル金額ハ北海道又ハ一府縣ヲ通シテ一箇年四千圓ヲ
超ユルコトヲ得ス
第五條農會補助ノ爲メ國庫ヨリ支出スル金額ハ一箇年十五萬圓ヲ超ユル
コトヲ得ス
附則
第六條本法ハ明治三十三年四月一日ヨリ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=57
-
058・鳥越貞敏
○鳥越貞敏君 政府委員ニ御尋致シマス目下農業界ノ改良發達ヲ計ルノハ
急務デアリマスガソレニ附イテ御尋ヲシタイノハ此元ノ提出案ハ二十二箇
條ヲ以テ成立ッテ居ルノデアリマスノヲ衆議院ニ於テ六箇條ニ刪除セラレタ
ト云フノハ畢竟此第二條ノ農會ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ定メルト云フコト
ニ起因シタ譯デアラウト考ヘマス、併ナガラ此命令ヲ以テ定メルト云フノハ
法案中ニ之ヲ揭ゲズシテ命令デ定ムルト云フノハ如何ナル理由ニ依タテサウ
云フコトニナリマシタノデアリマスカ、ソレヲ御尋ネ申シタイ、尙ホ伺ヒマス
ノハ本案ガ可決ニナリマシタ曉ニハ政府ハ此法案ニ依ッテ十分御取調ニナッテ
規定ヲ御出シニナリマスノデアリマスカ又補助金ヲ支出ニナルノ御考デゴザ
イマスカ、尙ホ伺ヒマスルガ第四條ニ一箇年四千圓或ハ一箇年十五万圓ヲ超
ユルコトヲ得ズトアリマス此金額ハ何ノ比例ニ依ッテ御割出シニナリマシ
タノデゴザイマスカ、併セテ御尋ヲ致シマ人
〔政府委員藤田四郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=58
-
059・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 衆議院ニ於キマシテ提出セラレマシタ所ノ農會法
ハ委員會ニ付託セラレマシタ所ノモノハ二十二箇條カラ成立ッテ居リマシテ
此案ノ趣旨タル總テノ農民ハ第四條ノ規定ニ依リマシテ地租二圓以上ヲ納メ
又段別四段步以上ヲ持ツモノハ悉ク農會員トナサシメルノ方針デアリマス
其農會員トナリマシタ以上ハ凡テ會費ヲ負擔センケレバナラヌコトニナツテ
居リマス、其會費ヲ負擔スルコトニナリマスレバ實際ニ於テ地租割ト云フモ
ノカラ出テ參リマス、此法案ノ趣旨タル若シ怠納者ノアリマシタトキハ國稅
怠納處分法ニ依ッテ會費ヲ取立テル方針ニナッテ居リマス、是ハドウモ農事ノ
改良ヲ計ルタメニ農業者ガ申合セテ互ニ〓究シ互ニ利益ヲ圖ルタメニ盡スト
云フコトハ極ク宜シイコトデゴサンシテ政府モ成ルベク是ハ奬勵シテ保護ヲ
致サナケレバナラヌコトデゴザンスガ之ヲ强制的ニシテ總テ農民ハ此會ニ入
レシメサウシテ其負擔ヲ怠タッタモノハ國稅怠納處分法ニ依ッテ取立テルト
云フコトハ政府ハ絕對的反對デアルト云フコトヲ衆議院ニ於キマシテ述べマ
シテゴザイマス、其末委員會ニ於キマシテ段々交涉ガゴザイマシテ、政府ハ當
時申述ベマシタノハ農會ヲ保護奬勵スルタメニ相當ノ補助金ヲ與ヘルト云フ
コトハ政府ニ於テモ致シタイ考デアル、併ナガラ其會員ト云フモノハ隨意デ
ケレバナラヌ農業者ノ隨意ノ希望ニ依ッテ農會ヲ組織スルコトニナッテ
尙ホ之ニ國庫カラ幾分ノ補助ヲスル又地方ニ於テモ必要ト調caメンマナタ
パ府縣會デ補助スルコトモ出來マスカラソレラノ方針ニ依ッテ行ケバ宜イ
又斯ウ云フコトハ各外國ニ於テモ國庫カラ補助シテ居ルガ法律ヲ以テ强制シ
テ居ル國ハナイノデアリマス其コトヲ段々述ベマシタ所ガ衆議院ノ委員
會ニ於カレマシテ此六箇條カラ成立ツ所ノ案ヲ協議セラレテ本會ニ報告セラ
レマシテ衆議院デ決スル所トナリマシタ政府ハ此趣意デゴザイマスレバ無
論差支ハナイト云フ考デゴザイマス、又第四條ノ四千圓ト云フコトニ附キマ
シテハ是ハ衆議院ノ案デゴザンシテコチラデ御答スベキモノデハゴザンセヌ
カ知レマセヌガ先ヅ大抵此位ノ金ガアッタラ宜イダラウト政府ハ信ジテ居リ
マス、卽チ是ダケ補助スレバ相當ト認メマス、又農會ニ補助シマス總額ト云フ
モノハ十五万圓位ガ先ヅ今日ノ時勢ニ於キマシテ適度ト考ヘテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=59
-
060・船越衞
○男爵船越衞君 チヨット質問致シマス唯今ノ御答デ私ガ御尋シヤウト思フ
コトモ大分分リマシタガ私ハ唯今ノ御答ニ政府ハ御同意ナスッタト云フコト
デアリマス大體私ハ贊成ナンデゴザイマスガ御同意ナサレタ以上ハ明年カラ
デモ施設ニナリサウナモノダガ三十三年カラ之ヲ施行ニナッテ明年度カラ行
レヌト云フノハドウ云フ譯デアリマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=60
-
061・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 御答ヲ致シマスガ是ハ到底農會ヲ組織シマスルニ
ハ多少ノ歲月ガナケレバ出來マセヌ、今日ニ於キマシテモ尙ホアリマスケレ
ドモ此勅令等ヲ拵ヘマシテサウシテソレ〓〓準備ヲ致シマシテソレニ依ッテ
農會ヲ組織スルコトニナリマスレバ少クモ數月ヲ費シマセウト思ヒマス、且
ツ經費十五万圓ヲ國庫カラ補助シナケレバナラヌコトデゴザンスルカラ今日
ノ時勢ニ於キマシテ三十三年度カラ政府ガ補助スルト云フコトニナレバ問ナ
イト云フコトヲ申シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=61
-
062・船越衞
○男爵船越衞君 此四條デ見ルト各府縣ヲ通ジテ一箇年四千圓ヲ超ユルコト
ヲ得ズサウスルト三府四十幾縣デアルデ一府縣四千圓ト見ルト大分ニナリ
マスガ、此五條デハ一箇年十五万ヲ超エルヲ得ズ、此十五万圓ハドウ云フコト
カラ之ヲ超エルヲ得ズト云フコトニナッテ居リマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=62
-
063・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 四千圓ト云フノハ極度デゴザンスルカラ政府ニ於
キマシテ其農會ノ實際ノ狀況ニ依ッテ四千圓以內ヲ補助スルコトニナリマ
スデ十五万圓ト云フ金額ハ政府ニ於キマシテハ先ヅツコラ位ノ金額ナラバ
隨分農會ヲシテ相當ノ業務ヲ爲サシムルタメノ幇助ニ適當ナル度合デアラウ
ト信ジマシタ、卽チ三府四十三縣ナリノモノニ凡ソ四千圓宛トシテ十五万圓
前後ニ成リマスノデゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=63
-
064・田中芳男
○田中芳男君 御序ニ伺ヒマス、チヨット質問致シマスルガ是ハ勿論衆議院
提出案デゴザイマスルカラシテ政府委員カラ御答辯ナサルノハ御迷惑ナコト
デゴザイマセウケレドモドウゾ御序ニ御答辯ヲ願ヒタイ此農會ト申シマス
ルモノハ唯今現ニ行レテ居ル府縣ノ農會郡ノ農會、村農會ト云フモノガゴ
ザイマスルガソレトハ全ク別ノモノニナリマスルカ或ハソレニ當箝マル
ヤウニナリマスカ、ソレヲチヨット伺ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=64
-
065・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 此法律ニ據リマスト第二條デ命令規則ト云フモノ
ガ出來ルノデゴザンスルガ、其命令ノ出來マシタ上デナケレバ果シテツレト
合フヤ否ヤト云フコトハ申上ゲルコトハ出來マセヌガ併ナガラ今日成立ッ
テ居ル農會ト云フモノモ卽チ是等ノ農會ノ案ト同ジ主意ニ依クテ成立ッテ居
ルノデゴザンスル併ナガラ此法律ガ發布セラレマシタ場合ニ於キマシテ
其命令ナリ勅令ナリ其外ノモノガ出來マシテ其主意ニ相適ハヌモノガ出來マ
シタナラバソレハ直サナケレバナリマセヌガ、唯今玆デ私ガ明言スルコトハ
出來ナイ有樣デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=65
-
066・堀田正養
○子爵堀田正養君 チヨット政府委員ニ質問致シマス、唯今ハ農會ト云フモ
ノガ各府縣ニ府縣農會郡農會町村農會等ガ皆アルヤウニ思ヒマスガ、唯今現
在農會ノ設立シテアル數ハドノ位アルノデアリマスカ、大數分ッテ居ルナラ
伺ヒタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=66
-
067・藤田四郎
○政府委員(藤田四郎君) 御答シマスガ此農會ノ町村ナリ郡農會ナリノ數ハ
今日ハツキリ致シテ居リマセヌ大抵府縣ニハ農會ト云フヤウナモノガ出來
テ居リマスルヤウデゴザンスルガ、併ナガラ町村農會ト云フモノモ出來テ居
リマスルガ又有名無實ノモノモ幾ラモアリマセウ果シテ今日農會ノ事務ヲ
取ッテ居ルモノガ幾許アルヤ近頃取調ベタモノガアリマセヌカラ分リマセ
ヌ、併ナガラ數ハ澤山ゴザイマス、果シテソレガ働イテ居ルヤ否ヤト云フコ
トハ分リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=67
-
068・堀田正養
○子爵堀田正養君 ソレヂヤ一府縣ニハ農會ト云フモノハ普ク一ツ宛アルコ
トニナッテ居ル、其外ニ郡農會ト云フモノモアリ、町村農會ノ如キハマダアッ
テモ其用ヲ爲スカドウ云フ働ヲ爲スカハ分ラヌヤウデゴザイマスガ、縣農
會或ハ郡農會ト云フモノハ其府縣相當ノ働キヲナシテ居ルノデゴザイマスカ
如何デゴザイマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=68
-
069・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 府縣令ヲ以テ發シマシテ以テ成立ッテ居ル農會ト
云フモノモ大分ゴザイマス又中ニ一二箇所デゴザンスルガ縣農會ト申スモ
ノモナイ所ガアルヤニ覺エトリマス今日政府ニ於キマシテハ直接ニ此監督
ヲ致シテ居リマセヌデ其行務ノ成績如何ハ玆デ申上ゲルコトハ出來マセス
ガ御承知ノ通斯ウ云フモノト云フモノハ良イ人ガ世話ヲスレバ能ク行クシ
惡ルイ人ガ世話ヲスレバ惡ルク行クト云フ譯デゴザンスルカラ是マデハ大
體先ヅ宜ク行ッテ居ル方デハアルト信ジテ居リマスガ、悉ク如何ノ場合デア
ルトハ中上ゲラレマセヌ、併ナガラ玆ニ法律ガ出來マシテソレニ據リマシテ
政府ガ······中央政府ニ於テ地方廳ニソレ〓〓嚴重ニ監督ヲスルコトニナレバ
良イ結果ヲ見ルダラウト信ジテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=69
-
070・萬里小路通房
○伯爵萬里小路通房君 此四條ノ金額ノコトハ北海道又ハ一府縣ヲ通ジテ一
箇年四千圓ヲ超ユルコトヲ得ズトアッテ、サウシテ跡ニ十五万圓トアリマ
スチヨット考ヘテ見マスト四千圓ト云フモノハ最高〓ヲ玆ヘ舉ゲテアルモ
ノト考ヘマスソレヨリ超エルナ一府縣ニ一ツ拵ヘテモ四十五位ニナルモノ
ト思ヒマスルガ、ソレヲチヨット勘定シマスト十五万圓ヲ超エテシマヒマス
ガソレハ何ゾ外ニ補助ト云フ金ガ出來ル目的ガアッテ之ヲ···何カ目安デ
モアリマスカドンナコトカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=70
-
071・藤田四郎
○政府委員(藤田四郞君) 御答シマスルガ此案ノ成立チマスル場合ニ置キマ
シテ政府ノ希望スル所ノ考ハ總テ此隨意ノ會ニ致シタイト云フ考デゴザイマ
シタ申合セニ依ッテ成立ツ所ノ會ニ致シタイト云フ考デゴザイマシタ卽
チ强制ハ致シマセヌ、其結果トシテ必シモ各縣々トモ必ズ興ルト云フコトハ
申上ゲラレマセヌガ四千圓宛各府縣悉ク補助致シマシタナラバ十五万圓ヲ
超エマスルデゴザイマスガ是ハ限度ヲ極メマシタモノデゴザイマシテ實際
ソレダケニハナラヌ考デゴザイマス又之ヲ府縣ノ農會ニ給與スルカ郡ノ農
會ニ給與スルカ町村農會ニ補助スルカト云フコトニ附イテハ未ダ政府ニ於キ
マシテハ定案ハゴザイマセヌ、譬ヘテ申シマスレバ、若シ郡役所ヲ一ノ範圍ト
見マシタナラバ五百ノ郡役所ニ對シテ三百圓補助ヲスレバ十五万圓ニナリ
或ハ町村ノ·····二万足ラズノ町村ニ對シマシテ五圓宛給與スレバ十万圓トナ
ルト云フヤウナ譯デゴザンシテ、詰リソコノ所ハ確定シタル考ハ未ダゴザイ
マセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=71
-
072・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 別ニ御發議ガゴザイマセズハ特別委員ノ選舉ニ
移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=72
-
073・鳥越貞敏
○鳥越貞敏君 本案ノ委員ハ議長ノ指名ヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=73
-
074・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=74
-
075・萬里小路通房
○伯爵萬里小路通房君 此委員ハ前ニ委員ニ付託ニナッテ居リマスルモノト
ソレト同一委員ニ付託致シタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=75
-
076・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 府縣農事試驗場國庫補助法案ノ委員ニ付託スル
ノデゴザイマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=76
-
077・萬里小路通房
○伯爵萬里小路通房君 ソレニ殆ド似タモノデゴザイマスルカラ同一委員ニ
付託スルコトヲ希望シマハ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=77
-
078・中川興長
○男爵中川興長君 萬里小路伯爵ニ贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=78
-
079・黒田長成
○副議長(侯爵黒田長成君) 萬里小路伯爵ノ動議ト鳥越君ノ動議ト二ツ出テ
居リマスルガ鳥越君ノ動議ガ先キヘ出テ居リマスルカラ先ヅ鳥越君ノ動議
ニ附イテ決ヲ採リマス、鳥越君ノ動議ハ議長委託ト云フ動議デゴザイマス、之
ニ同意ノ諸君ハ起立ヲ請ヒマス
起立者少數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=79
-
080・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 少數デゴザイマス、萬里小路伯爵ノ動議ニ御異
議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト述フル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=80
-
081・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 然ラバ其通決シマス、次ニ遠洋漁業奬勵法中改
正法律案、衆議院提出、第一讀會
〔小原書記官朗讀〕
遠洋漁業奬勵法中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治三十二年二月十五日
衆議院議長片岡健吉
貴族院議長公爵近衞篤麿殿
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ茲ニ載錄ス〕
明治三十年法律第四十五號遠洋漁業奬勵法中左ノ通改正ス
第三條中「登簿噸數汽船百噸以上帆船六十噸以上」ヲ「總噸數汽船五十噸以
上帆船三十噸以上」ニ改ム
第五條中一汽船登簿噸數每一噸一箇年五圓」ヲ「汽船總噸數每一噸一箇年十
五圓ニ改メ「帆船登薄噸數每一噸一箇年五圓ヲ「帆船總噸數每一噸一箇年十
圓」ニ改メ一號及二競布書中「豈織啣〓」ヲ、總噸數ニ改
附則
此ノ法律ハ明治三十二年四月一日ヨリ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=81
-
082・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 本案ニ附イテ別ニ御發議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=82
-
083・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 御發議ガナケレバ委員ノ選舉ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=83
-
084・山井兼文
○子爵山井兼文君 是ハ曩ニ付託ニナリマシタ漁業法案ト同一ノ委員ニ付託
サレタイ
(「贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=84
-
085・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 唯今山井子爵ヨリ本案ヲ漁業法案ト同一ノ委員
ニ付託スルト云フ動議ガアリマシタ御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=85
-
086・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) ソレデハ之ニ決シマス、先刻御委託ニナリマシ
タ委員ノ氏名ヲ御報告ニ及ビマス
〔太田書記官長朗讀〕
商法施行法案特別委員
公爵德家達君子爵丹羽長保君辻新
三浦安君名村泰藏君男爵安藤直胖行次君君君
馬屋原彰君武井守正君最上廣
登記法中特許意匠及商標ノ登記ニ關スル規定廢止法律案特別委員
伯爵德川達孝君子爵立花種恭君子爵一柳末德君
子爵松平康民君津田眞道君男爵鈴木大亮君
男爵玉松眞幸君男爵菊池武臣君伊藤議兵衞君
登錄稅法中改正法律案特別委員
伯爵正親町實正君伯爵坊城俊章君男爵尾崎三良君
柴原和君男爵酒井忠弘君富田鐵之助君
高橋新吉君下條正雄君高橋喜惣治君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=86
-
087・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 明日ノ議事日程ヲ御報告致シマス
〔太田書記官長朗讀〕
二月二十一日午前十時開議
第請願委員長報告
第二華族令中改正ニ關シ貴族院令第八條ニヨリ御諮會議
詢ノ件(政府提出)
第三大分縣下郡界變更法律案(政府提出衆第一讀會
議院送付
第四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選擧
明治三十一年度歲入歳出總豫算追加案(第七
第五號)竝明治三十一年度特別會計歲入歲出豫算會議(長報告豫算委員
追加案(特追第四號)(政府提出衆
議院送付
明治三十二年度歲入歳出總豫算追加案(第五豫算委員
第六號第六號)(政府提出衆會議長報告
議院送付
第七刑事訴訟法中改正法律案(政府提出)第二讀會
第八噸稅法案(政府提出衆第二讀會
議院送付
第九實業〓育費國庫補助法中改正法律案(衆議院提出)第一讀會
第十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
第十一關稅定率法附屬輸入稅表中改正法律案(衆議院
提出)第一讀會
第十二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
第十三温泉津燈臺建設ノ請願
第十四衆議院議員選舉法改正ノ請願
十十六五奧羽鐵道布設工事ニ關スル請願
第第第第家祿ニ關スル請願
十七私設鐵道買收ニ關スル請願
十八印紙稅法案ニ關スル請願
第十九北海道水產稅全廢ノ請願
第二十在外賣淫婦取締法制定ニ關スル請願
第二十一醬油稅增加ヲ不可トスル件請願會會會會會會會會會會會會會會會會會議議議議議議議議議議議議議議議議議
第二十二葉煙草專賣支所改設ノ請顧
第二十三賣藥印紙全廢ノ請願
第二十四自家用料醬油製造取締ノ請願
第二十五復籍ノ請願
第二十六市街宅地上地下付ノ請願
第二十七家屋稅及醬油稅ニ關スル請願
第二十八社寺上地林選付ノ請願
第二十九鐵道國有ノ請願発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=87
-
088・黒田長成
○副議長(侯爵黑田長成君) 本日ハ〓會
午前十一時二十五分〓會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001303242X02918990220&spkNum=88
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。