第14回帝国議会　衆議院　本会議　第30号　明治33年2月19日

1. 会議録本文

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• 000・会議録情報

  　明治三十三年二月十九日（月曜日）午後一時十八分開議
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  　　議事日程　第二十九號　明治三十三年二月十九日
  　　　　午後一時開議
  　　第一　郵便法案（政府提出兩院協議會成案）
  　　第二　明治三十年度歳入歳出總決算
  　　第三　明治三十年度各特別會計歳入歳出決算
  　　第四　感化法案（政府提出）　第一讀會
  　　第五　右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
  　　第六　精神病者監護法案（政府提出貴族院送付）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第七　日本動産銀行法案（政府提出貴族院送付）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第八　行政執行法案（政府提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第九　治安警察法案（政府提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第十　保險業法案（政府提出貴族院送付）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第十一　混成酒税法中改正法律案（大津淳一郎外十六名提出）　第一讀會
  　　第十二　鑛業條例中改正法律案（花井卓藏外二名提出）　第一讀會
  　　第十三　地上權に關する法律案（元田肇外八名提出）　第一讀會
  　　第十四　市制町村制中改正法律案（木村誓太郎外一名提出）　第一讀會
  　　第十五　酒造税法中改正法律案（大塚常次郎外五名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第十六　登録税法中改正法律案（林喬外四名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第十七　登録税法中改正法律案（安川繁成外五名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第十八　舊琉球藩吏役俸處分法案（新井章吾外一名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第十九　明治二十三年法律第三十四號中改正法律案（木村格之輔外一名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第二十　航海補助に關する建議案（鮫島相政外四名提出）
  　　第二十一　網走港修築及北見幹線鐵道速成に關する建議案（西原清東外十一名提出）
  　　第二十二　大船渡開港鐵道鐵業國庫補助に關する建議案（下飯坂權三郎外二十七名提出）
  　　第二十三　勅語に關する建議案（鈴木重遠外六名提出）
  　　第二十四　日本海航路擴張に關する建議案（稻垣示外十一名提出）
  　　第二十五　石川縣七尾港燈明臺設置に關する建議案（田中喜太郎外五名提出）　（委員長報告）
  　　第二十六　七尾港暗礁破碎の建議案（淺野順平外六名提出）　（委員長報告）
  　　第二十七　鐵道の危害防止に關する建議案（菅野善右衞門提出）　（委員長報告）
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• 001・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　昨日會期延長ノ詔勅ガアリマシタカラ、諸君ニ御報告
  致シマス、敬意ヲ表スルタメニ起立ヲ請ヒマス
  〔議員一同起立〕
  朕二月二十三日迄四日間帝國議會會期ノ延長ヲ命ス
  御名御璽
  是ヨリ諸般ノ報告ヲ致シマス
  〔書記朗讀〕
  貴族院ハ宗〓法案徵兵令中改正法律案ヲ否決シタル旨同院ヨリ通牒アリ
  タリ
  茨城縣第六區選出議員岡野寛君本日死セラレタリ
  議員岡野寛君死亡ニ付議長ハ其補闕選舉ヲ內務大臣ニ請求セリ
  田中正造君ヨリ良民ノ請願ヲ目シテ兇徒ト爲スノ儀ニ付質問書ヲ提出セラ
  レタリ
  (第一號)明治三十三年度歲入歳出總豫算追加案外一案兩院協議會委員議長
  及副議長左ノ通當選セラレタリ
  議長朝倉親爲君副議長山本幸彥君
  〔左ノ質問書ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ茲ニ掲載ス〕
  良民ノ請願ヲ目シテ兇徒ト爲スノ議ニ就キ質問
  右制規ニ據リ提出候也
  明治三十三年二月十九日
  提出者田中正造贊成者鈴木重遠
  外三十名
  一鑛毒被害地人民ハ明治十二年ヨリ十七年間ノ永キ慘苦ノ中ニ在テ納租ノ
  義務ヲ負ヘルモノナリ之レ良民ニアラスシテ何ソ
  一鑛毒被害地ニ住シ身體衰弱父母疾病子弟死滅ノ中ヨリ兵役ノ義務ニ應ス
  良民ニアラスシテ何ソ
  一數十年間名譽及生命權利財產ヲ侵害セラレ之ヲ囘復センカ爲メ屢〓秩序
  アル請願ヲ爲ス是レ良民ニアラスシテ何ソヤ之ヲ兇徒ト呼フ其理如何
  一天下ノ良民ハ政府之ヲ保護スヘキ貴重ナル我カ
  天皇陛下ノ臣民ナリ此貴重ナル臣民ニシテ此悲境ニ沈淪スル被害民ニ名
  クルニ兇徒ヲ以テス抑モ何等ノ理由ツ天下若シ此ノ如キ理由アリトセハ
  明ニ之ヲ答ヘヨ
  右及質問候也
  (參照書)
  憲法ノ保護ヲ受クル能ハサル三十年十月八日陳情同十二月十四、十五、
  儀ニ付三ヒ請願書(十六日當局各大臣ベ請願三十一年同斷
  憲法ノ保護ナキコト久矣然レトモ憲法保護ノ請願ヲ奉呈スルニ畏レ多キヲ
  以テ其保護ヲ請願ヲ再三行政府ニ奉呈スルノ止ムヲ得サルニ出ツ
  一足尾銅山ノ鑛毒ノ加害ハ人爲ノ加害ニシテ多年ノ間所有財產及人畜衞
  生權利等ヲ侵害サレツヽ在ルニ行政府ハ法律ヲ無視シテ之カ保護ノ道ヲ
  立テラレサルコト久矣
  二被害土地荒廢ニ至リ年々其產出力ヲ減シ隨テ收穫ヲ減スルニ關ハラス
  政府ハ之ニ對セル所置ナク偶〓土地免租ノ一策ニ出テタルノミ然ルニ此
  事タルモト天災ニ依リテ然ルニアラス卽チ人爲ノ加害ナリ人爲ノ加害ハ
  政府カ最初ヨリ學理上ニ於テ知ル所ナリ而カモ政府ハ此人爲ノ加害ニ加
  ヘテ其結果ハ免租地人民ノ公權ヲモ奪去リ恰モ加害ニ加害ヲ重複セシモ
  ノナリ
  三被害極メテ激甚ナル地ハ河川ノ兩岸堤外地及小河泉附近ノ逆流地及無
  堤地ニアリ然ルニ河邊ハ古來ノ水村ナレハ地價極メテ低ク納租額亦タ僅
  少ナルヲ以テ免租ノ所分アリト雖モ左迄感セサルナリ然ルニ免租ヨリ
  第二ノ被害タル卽チ公權ヲ奪ハレ衞生保護ノ道ナク飢觸ハ刻下ニアリ
  剩ヘ請願ニ對スル奔走ニ疲ルヽ等如此慘情ハ〓ネ此沿岸僻地ノ貧民ナ
  リ
  四右ノ如ク多年法律ノ保護ナキタメ我ミ塗炭ノ痛苦ニ堪ユル能ハスシテ
  被害人等屢ミ是ヲ中央政府ニ訴ヘントスレハ地方官等常ニ之ヲ遮ルヨリ
  請願ノ時期ヲ後ルヽコト多年今ヤ激甚ナル害毒其住居ヲ侵シ一旦洪水ノ
  至ルヤ父子其所ヲ得ス窮困切迫ノ餘リ之ヲ中央政府ニ訴フルノ止ムヲ得
  サルニ出レハ憲兵警吏忽チ之ヲ遮ッテ我〓請願ノ通路ヲ妨害スルヲ常ト
  セリ
  五在來ノ地方官及中央當局ノ官吏等常ニ法律ヲ無視シテ何等ノ調査ヲナ
  ササルヨリ此極ニ至ラシメタルモノナリ
  七六人民ノ生業ハ多年前ヨリ爲ニ中止セラレタルモノナリ
  被害人等ハ人爲加害ノタメニ權利名譽ヲ奪ハレ衞生ヲ害セラレ健康ヲ
  モ損傷シ發育營養ヲモ減滅セラレタリ此場合ニ於テ政府タルモノ之ヲ救
  ハ八
  八被害未タ甚シカラサル土地ト雖モ人爲加害ノ爲メ啻ニ土地ノ生產力ヲ
  失ヒ收穫ト肥料力トヲ損スルノミナラス併セテ工業養蠶漁業家畜等ノ收
  利ヲモ奪ハレ剩ヘ耕作勞働肥料費ノ增加ト諸請願等ノ冗費ヲ嵩メ一方ニ
  ハ賣買上土地ノ價格ヲ下落セシヲ全村土地ニ對スル實力ト財產トヲ減失
  セシ結果其土地免租トナルト同時ニ公權名譽ヲモ悉ク之ヲ失ッテ亡滅セ
  ル村〓アリ此種ノ村ミニハ町村自治ノ制度ヲ適用スル能ハス其狀恰モ臺
  灣土人ニ於ケルカ如クシテ剩ヘ衞生ヲ害サレツヽアリ
  九現在法律上ノ權利名譽財產ナキノミナラス猶將來年々加害ノ深酷ニ至
  ルハ必然ニシテ終ニハ此人爲加害ノ爲メ一村舉ケテ人類ヲ絕ツニ至ルノ
  ミナラス又國家ノ一大要素タル數萬町步ノ土地ヲ失フヤ明カナリ然ルニ
  當局者ノ此ニ顧慮スル冷淡ナルハ何ソヤ今ヤ國家ノ一部タル或ル村ミハ
  此人爲加害ノ爲ニ全ク破滅セリ然レトモ政府ハ見テ以テ之ニ驚クノ氣色
  ナシ
  十地方官ハ其亡滅セシ村落ヲ侮辱スルニ高給ノ官吏ヲ派シテ管掌セシメ
  其質ヲ强收セシム之レ政府自ラ手ヲ下シテ被害民ヲ侮辱虐待スルモノナ
  リ
  鑛毒被害土地恢復願(明治三十年六月二十七日請願)
  十一鑛毒被害土地恢復願ハ現在ノ被害地タル栃木群馬埼玉諸縣ノ恢復ノ
  ミナラス尙ホ沿岸毒土流下ノ防止ナルヲ以テ將來濃厚トナルヘキ被害地
  タル卽チ渡良瀬利根ノ下流地茨城千葉東京等ノ沿岸ノ加害ヲ豫メ避クル
  ノ兩義ヲ含ム而モ政府ハ之ヲ顧ミサル事
  十二本年兩度ノ洪水ニヨレハ鑛毒侵入地見分ノ事ハ稻作ノ未タ刈取ラレ
  サル以前ニ於テ相願度事トハ兼テ陳情セシモノナル事
  十三免租繼年期願ノ趣旨ハ其繼續被害ナルニ加ヘテ未タ除害方法ノ確乎
  タルモノナキノミナラス山岳益〓崩壞シ洪水頻繁ニシテ侵害ハ增スアル
  モ減スルノ見込ナキ爲メ之カ請願ノ必要アリ
  河身浚渫堤防改築新設願三十年十月二十二日請願三
  十一年九月二十六日請願
  十四渡良瀬川河身改修大工事費ハ測量ノ結果凡ハ一千三百万圓ノ豫算ナ
  リトハ松方內閣ノトキニ於テ調査結了セシモノナリ然ルニ今春來更ニ再
  測量ヲナセルヲ見ルモ未タ河床毒砂浚渫堤防增新築等ノ實行アルヲ見ス
  而シテ洪水ヨリ來ル鑛毒ノ加害ハ水源山岳崩壤河床埋高ノ頻年ニ增加シ
  現ニ本年九月七日ノ出水ハ是ヲ二十九年ニ比シテ一層ナル者アルハ二十
  九年三十年度ノ出水ニヨリ河床ノ埋高又幾段ノ多キヲ加ヘシヨリ其雨量
  ハ二十九年ニ比シテ多カラス出水量亦比較的多カラサルニ係ラス其慘害
  ハ却テ二十九年度ヨリモ一層激甚ナルモノアリ
  之レ固人爲天災合成ノ加害ニシテ普通水災害ノ類ニアラス
  衞生調査願三十年十月八日陳情同十二月
  十四、十五、十六日営局大臣へ請額
  十五衞生調査願ハ明治二十四年以來衆議院ニ於テ政府ニ對シ衞生上ノ質
  問ヲ加ヘタルヨリ茲ニ八年然ルニ前內閣ニ至ルマテ曾テ調査ノ報告ナク
  公司順位ニ其醫學博士ヲ派道セットノ業業機械ニポテト管轄地震民衆夫妻ヲ
  呼出シ郡吏立會ノ上右ノ夫妻ヲ裸體トシテ大小便ヲ促シテ其便糞ヲ分析
  セリト如此被害民ヲ侮辱セシコトアリシノミニテ未タ一人モ被害地ニ至
  リ滯留シテ懇篤ナル試驗ヲ施セシモノナシ且ツ彼等ハ被害地ノ穀菜ヲ忌
  テ之ヲ食セサリシノミナラス被害地ノ滯留ヲ怖レ奇怪ノ態度ヲ示シ己ニ
  有害ノ穀菜ヲ知テ食セス其地ニ居ル能ハサルニモ係ハラス衞生上ノ調査
  ヲ爲サス被害ノ激甚ナル村ニテ毒分ヲ含メル米麥流水ニ露命ヲ繫キ居ル
  程ノ毒地ハ草木生育セス只僅カニ杉菜ト云フ草ノ一種畑地ニ繁茂セルノ
  ミ此草ハ牛馬ノ嗜ム草ナリシモ之スラ今ハ其味ヲ失ッテ〓ハス如此次第
  ニテ營養缺乏ハ云フマテモナク魚貝虫類ハ絕滅セリ渾テノ家畜ハ皆之ヲ
  米麥ニヨラサルヲ得ス實ニ悲ムヘキハ婦女ノ乳汁ニ缺乏ヲ致スモノアリ
  其腹部ニ一種云フヘカラサルモノアリ又近來此毒〓ヲ爲スモノヽ內ニハ
  膓蟲ノ腹部ニ生スルヲ聞クニ至ル
  〓助願
  十六鑛毒被害地方ハ全體一府五縣百三十六箇町村ニシテ內請願ヲシタル
  町村ハ八十三箇町村アリ中激甚ノ毒地ハ凡二十餘箇町村ニシテ本年九月
  ラス氣小、西路、海鮮、各有、シ之シムヒキリヒ〓
  腐敗シ其根莖ヲ毒サレ食スルヲ得ス曾テ出水ノ際ハ水底ノ枝豆ヲ刈リノ取ク去
  水底
  北京市公安局西城分局上記載書院健康管理沙門理論
  ニ
  村上京セントセシ次第ナリ然ルニ事モト天災地變ニ出テタルニアリンガ ラン
  テ別ニ人爲ノ加害者アルヲ以テ世人却テ天災ノ如ク之ヲ救フノ念
  之ヲ救フノ由ヲ云ハス故ニ其害ヤ却テ彼ノ天災地變ヨリモ慘酷ナ
  發十料ノ十一出ルモノメリ睦ポハ之ヲ取ハカレハ事ヨシフ独スノ意
  ヲ思ハサル可カラス
  町村自治破壞ノ町村費國庫補助願(三十一年九月)
  (二十九日請願
  十七町村自治破壞ノ事ハ其未タ全村亡滅ニ至ラサル村ミト雖モ加害ノ猶
  將來ニ繼續スヘキ事實ナルヲ以テ有限ナル一年二年ノ負擔ヲ以テ彌縫シ
  得可キニアラス亦其力ナク若シ夫レ一時ノ天災地變乃至普通洪水ノ如ク
  無毒ニシテ災害ノ單純ナルモノハ直チニ其後圖ヲナシ得ヘシト雖モ鑛毒
  ノ被害ニ至テハ極メテ複雜ニシテ且將來ニ繼續スルモノナリ
  十八其鑛毒稀薄地ノ如キハ容易ニ被害ノ有無ヲ判シ難キモノアリ今其假
  リノ統計ヲ示シテ鑛毒稀薄地ノ例トセン當初鑛毒ノ加害ナキ時ニ在テハ
  既往二十年間其收獲一段步ニ付キ凡ソ米二石ヲ得タリシ田地ニ在テ昨年
  亦二石本年亦同シク二石ヲ得タリトスレハ其收獲ノ石目ニ於テモ一合一
  勺ノ減損ナク稻作ノ當時ト雖モ靑々トシテ茂リ一見恰モ無害地ノ如キ觀
  アリ然リト雖モ鑛毒水ノ被害ハ唯收獲ノ升目ノミヲ以テ標識ス可カラサ
  ルモノアリ左ニ其略計ヲ示サシ
  田一段步現收獲二石舊ノ如シ
  二藁ノ質ヲ損シ二肥料力ヲ損シ
  三米質ノ損害(量目ヲ減ス)
  四土地賣買價格/他無毒町村地價廢貴ノ比例ニヨリ被害地ト雖モ近來一般ノ土地價格ニ
  ノ下落伴ハルヽ時アリトスルモ無道地ニ咽シテ其也例ノ差教アルコ風ルハ
  以上ノ如ク已往數十年前ハ天然ノ肥料カ充分ニシテ土地肥沃ナリシヲ以
  テ勤勞少クシテ二石ヲ得今ハ肥料費ノ增用一段步五六圓ヨリ八九圓若ク
  ハ拾圓ノ多額ヲ要スルヲ以テ收獲ハ舊ノ如キモ其名目ニ見ハレサル肥料
  ノ損害數圓ニ至ルモノアリ加フルニ米質ノ粗惡ニヨッテ市價減少土地賣
  買價格ノ無害地ニ伴ハサル等ヲ計算セハ免租ノ金額等ハ到底其半ヲモ償
  フニ足ラサルハ最モ覩易キ計算ナリ
  十九又無害地ニ接近セル灌漑用水ノ被害地ノ如キハ其勞働肥料モ殆ント
  無害地ト同一ニシテ同シ收獲アルモノヽ如ク觀察ヲ下ス者アレトモ其土
  地賣買ニ至テ忽チ多少ノ差違ヲ生スルヲ以テ無害地ト同一ナリト云フヘ
  カラサルハ明カナリ又其米質モ不良ナリト雖モ之等ハ未タ無經驗家ノ不
  知不識ノ間之ヲ賣買スルモノナリ然ルニ天災地變ノタメニシテ無毒ノ水
  災タレハ固ヨリ此害ナシ却テ肥料ノ侵入スルモノアリテ間接ニ土地ヲ益
  スル程ノモノナリ今鑛害激甚ナル被害ノ事情百般ノ複雜ヲ約シテ言ハン
  カ凡ソ人生不幸災害ノ種目無形有形一々之ヲ具セサルコトナシ故ニ一旦
  其侵害ヲ被リタル土地ハ鑛毒ノ厚薄ニ拘ラス其土地自然年ヲ追フテ全面
  ノ發育ヲ妨ケラレ終ニハ土地瘦セ民力衰ヘ智體展ヒサルノ境遇ニ陷ルモ
  ノナリ或ハ將ニ其境遇ニ赴クアリ今ハ其進行ノ程度ナリ豈ニ彼ノ無經驗
  ニシテ冷眼者ノ只稻田ノ靑キヲ見政獲ノ升目ヲ聞キテ一樣ニ皮想ノ誤リ
  ヲ生シ其稀薄地ノ程度損害ノ厚薄間接無形ノ計算ヲナサス遂ニ稀薄ノ被
  害ヲ指シテ有耶無耶ニ漫評スル者ノ知ル所ナランヤ況ンヤ政府監督ノ下
  ニ此人爲ノ加害ヲ致セシモノナルヲヤ
  二十以上被害稀薄ナル土地ニ於テ既ニ然リ況ンヤ其稍々濃厚ナル土地ニ
  於テヲヤ尙其甚シモノニ至テハ初メテ肉眼ヲ以テ識別スルホトノモノナ
  レハ殆ント筆舌ノ及フ所ニアラス其土地ハ不毛トナリ沙漠トナリ洵ニ人
  類ノ住居ニ耐エサルモノアリ其町村費地價割ノ缺損ハ無論之ヲ政府ニ請
  ハサルヘカラス一人ニシテ被害地ト無害地トヲ所有スルモノノコト
  二十一玆ニ一人アリ田畑山林ヲ所有シ其ノ一半ハ被害地ニシテ巳ニ財產
  ヲ失フテ免租トナル殘ル一半ノ無害地ハ普通租稅ノ外ニ於テ更ニ此ノ被
  害地ニ代リテ無害地ノ面積ニ反響スル國家ノ負擔ヲ生シ卽チ國庫ノ缺損
  額補充ノ義務ヲ負ハサルヲ得ス加之地方稅及ヒ町村稅等ニ至ルマテ此ノ
  例ニ依ッテ被害地納稅ノ缺額ヲ補フタメニ被害地方ノ府縣ニ於ケル無害
  地人民ハ國民加重稅ノ義務ヲ負ヘルノ外ニ於テ地方稅町村費ニ於テモ二
  重ノ負擔ヲ被ルモノナリ之レ全國民納稅義務ノ外ニ屬スル負擔タルヲ以
  テ被害地方府縣中無害地人民ノ加重負擔ヲ拒ムニ至ル卽チ其ノ地方稅及
  ヒ町村稅ノ〓額ヲ合セテ之ヲ國庫補助ニ依ルノ外ナキ次第ナリトス
  官有地ノ損害ヨリ來ル影響
  二十二官有地川澤池沼原野ノ被害損毛ハ國家ノ損害ニシテ附近人民ノ損
  害ハ更ニ左ノ如キモノアリ
  第一川澤、池沼、附近ノ漁獵者ハ明治十三年迄栃木縣ノミニテモ二千
  六百餘アリ去レハ群馬埼玉茨城ニ接屬セル魚鳥捕獵者ハ凡數千名ノ夥
  シキモノアリシニ今ハ僅々數百人ヲ減シ其レスラ目下ハ水脈異ナル無
  毒ノ枝川ニ屬スル魚獵者ノミナリ此池沼ノ邊等ニ住スル貧民ノ生業ト
  農商ニシテ此獵業ヲ兼ヌルモノヽ生業ハ衰滅セリ
  第二此官有地ニ屬スル河川ノ收獲ノ多量ナルハ此川澤池沼魚鳥捕獲者
  ノ生業ノミナラス沿岸天然ノ肥料ハ田圃ノ開拓ヲ促シ往古農工商ノ人
  口ヲ繁殖セシメタル所以ニシテ群馬縣ノ桐生栃木縣ノ足利兩町ノ繁昌
  ハ當初渡良瀨桐生兩川等ノ水質ノ佳良ト魚鳥草木及天然肥料舟揖等巨
  多ノ天產ニ富メルヲ以テ往古自然ノ村ヲ爲シテヨリ今日ノ繁昌トナリ
  タル一大原因ナルニ今ハ之ニ反シ悉ク官有地被害ノタメニ大小人民ノ
  間接直接村々戶々其生業ヲ損害セラレツヽアルニアラスヤ
  二十三此ノ如ク官有地及河川ヲ保護シ町村ヲ保護スルハ政府ノ義務ナリ
  二十四官有地ヲ舉ケテ一ノ少數者ノ利獲スル所ニ任シ其損害ハ農商工及
  漁獵其ノ他ノ賤業ニ至ルマテ幾千萬人ノ生業ヲ撲滅セルニ至ルモ顧ミル
  所ナシ此レ果シテ如何ナル所以ナルヤ
  救濟額
  二十五土地所有者ノ損害金四千餘萬圓ノ賠償ハ之レヲ司法裁判ニ訴フヘ
  キモノナレトモ政府監督ノ下ニ被害民ハ加害ヲ受ケツヽ其被害地ヨリ
  多年間租稅ノ義務ヲ盡セシモノナリ卽チ〔ロレノ土地ヲ害サレツヽ法律ノ
  下國家ノ財政ヲ充足スルノ義務ヲ盡シタルモノナリ其年月ノ永キタメ數
  年前ヨリ究困交〓切迫シテ今ハ旦夕ノ資ニ苦ム村落ノアルノミナラス加
  フルニ憲法ノ保護ナク法律ノ保護ナク又町村自治ノ法律ヲ容ルヽ能ハサ
  ルハ自然被害ノ結果ナルヲ以テ豫メ夫等ノ事情ヲ認メ再三之ヲ行政府ニ
  訴フモ空シク歲月ヲ經過シテ其處分實行ヲ見ス今年四月ニ至ッテ遂ニ全
  村全滅セシ村スラアリ此レ全ク町村自治ノ法律ヲ容ルヽ所ナキ變態ニシ
  テ一種治外ノ村方ヲ現出セリ茲ニ到ッテ憲法ニ背反シタルコト瞭々火ヲ
  見ルカ如シ
  二十六鑛毒加害ハ年々ニ追加シ來テ我等ノ生命ヲ刻マルヽニ堪ヘス之ヲ
  中央ノ行政府ニ訴フルトセハ其道ヲモ塞カレ且ツ妨ケラレ斯ノ如ク法律
  ノ保護ナキノミナラス法律ハ恰モ加害者ノ左右スル利器ニシテ卽チ被害
  ノ土地人民ヲ殺害スルノ凶器ナリ人民何ヲ以テ裁判ヲ提起スルノ方法ア
  ランヤ
  二十七被害激甚地ノ人民ハ日々淚ヲ呑ンテ行政上ノ侮辱ヲ忍ヒ殘忍ヲ堪
  ヘツヽ此歲月間憲法法律保護ヲ蒙ラス其保護ナキ政府ニ對シ憲法ノ保護
  ヲ仰クノ悲ムヘキ境遇ニアリ
  二十八仰キ願クハ被害土地ヲ前々ノ肥沃ナル納租地ニ復シテ納租ノ義務
  ヲ盡サシメヨ皇帝陛下ノ臣民タルヘキ資格ヲ得セシメヨ其鑛毒加害ノ
  損害ニ對シテハ多年被害地ヨリ納稅セシ義務ニ對スル政府ノ救濟ヲ請フ
  モノナリ
  二十九其生命ヲ全フスルタメ衞生上一切ノ保護相立候樣先キニ地方廳ヲ
  經テ請願致候ナリ
  右ハ各請願ノ要目ニ付其事實ノ一班ヲ舉ケタルモノニテ其實情ニ至リテハ
  決シテ此等ニテ申盡シタル次第ニ無御座前キニハ營利ノ爲メニ設ケシ粉鑛
  採集器ヲ以テ豫防ノ工事ト唱エ政府自ラ鑛業主ニ代ッテ此ノ僞リヲ報告シ
  テ人民ヲ欺キ後チニハ不完全ノ工事ヲナシテ政府責任ノ逃ケ路トス此ノ二
  囘ノ工事ハ皆彼レカ營業ニ屬スル所有ノ器械ナリ營業者ノ所有スル器械ヲ
  見テ被害地ノ爲メナリト誣ラルシカモ悲ム可シ被害民ノ無智識無資力ナル
  完全ノ調査ヲ遂ケテ請願ヲモナシ能ハサルホトノモノナルニ悲痛號泣此レ
  ヲ訴ヘントスレハ殘酷ナル手段ヲ以テ請願ノ進路ヲ遮リ或ハ兵馬ヲ用ヒテ
  之レヲ抑壓スルヲ以テ詳ニ其事實ヲ上達スル能ハサルノ不幸ニ沈淪スル者
  ナリ玆ニハ只本年夏以來ノ實況ヲ記セシノミ過般各請願ト共ニ差出シタル
  始末略書ニモ豫メ大要ヲ申述ヘ置キタレハ御參照被下此ノ鑛毒被害地方土
  地人民ニ對シ憲法法律等ノ保護アッテ臣民ノ道相立チ候樣奉懇願候
  三十一年十二月五日請願人被害人民
  右ハ貴衆兩院ニ奉呈シ兩議院本會ノ大多數ヲ經タルモノナリ而テ行政府各
  當局ノ諸省ニモ卽チ此請願書ハ奉呈セルモノナリ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=1

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• 002・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　諸君ニ御諮リスルコトガアリマス、岡野寛君病氣ノタ
  メ本日午前死去セラレタル旨ヲ屆出ラレマシタ例ニ依リマシテ遺族ヘ弔詞
  ヲ贈ラウト思ヒマス其弔詞ハ書記官ヨリ朗讀サセマス
  〔書記朗讀〕
  衆議院ハ議員岡野寛君ノ長逝ヲ追悼シ恭シク弔詞ヲ呈ス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=2

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• 003・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=3

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• 004・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通ニ取計ヒマス是マデ議員ノ死
  亡ニ附キマシテ遺族ヘ弔詞ヲ贈ルコトハ閉會中ハ議長ニ於テ取計ヒ又開會
  中ハ唯今ノ通諸君ニ御諮リ致スコトニナッテ居リマスガ將來ハ開會中ト雖
  モ議長ヨリ直チニ弔詞ヲ贈ルコトニシテ御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=4

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• 005・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ將來其通取計ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=5

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• 006・門馬尚經

  ○門馬尙經君(二百六十八番)　私少シ書記官長ノ林田君ニ御伺シマス、今日
  ノ時事新報ニ林田君ノ御說ガ載ッテ居リマス是ガ各部ニ何枚モ配ッテアリ
  マスケレドモ林田君ガ御配リニナッタノデアリマスカ、各部ニ斯ウ云フノガ
  何枚モ配ッテアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=6

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• 007・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　ソレハ書記官長ノ配ッタノデハナイ

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• 008・門馬尚經

  ○門馬尙經君(二百六十八番)　誰ガ配ッタカ、アナタ書記官長トシテ御調ガ
  アリマセウ

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• 009・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　調ベタ上デ御返辭致シマス-是ヨリ會議ヲ開キマス
  田中正造君
  〔田中正造君演壇ニ登ル〕

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• 010・田中正造

  ○田中正造君(四十三番)　諸君、質問ノ種類ハマダドッサリゴザイマスルカ
  ラ々說明ヲ致ス譯ニ參リマセヌカラ、今日ハ唯此質問ノ趣意書ノ極短イノ
  ヲ此處デ讀ミマシテ諸君ニ御披露ヲ申ス積デ、此無罪ノ人民ヲシテ色ミニ此
  亂暴ヲ加ヘルナント云フコトハ固ヨリ惡ルイガ此惡名ヲ附ケルト云フコト
  ハ以テノ外ノコトデアル、或ハ兇徒聚衆抔ト云フヤウナ亂暴ナ名ヲ此垢ノ
  附カナイ人民ニ斯樣ナ名儀ヲ附ケル抔ト云フコトハ以テノ外ナルコトデ
  アルデゴザリマスルカラ其質問ヲ致シマスルノデ凡ソ此鑛毒地ノ人民ト
  云フモノハ明治十二年ヨリ今日ニ至ルマデ被害ヲ加ヘラレツヽ居ルガ其二
  十九年ヨリハ田宅ダケガ免租ニナッタト云フコトガアルダガ明治十二年
  カラ二十九年マデノ間、十七年間鑛毒ノ中ニ在ッテ田地ヲ害セラレナガラ
  田租ノ義務ヲ負擔シテ居ル人民デアル之ヲ天下ノ良民ト言ハズシテ何ヲ良
  民ト言フカ又己ノ財產ヲ破ラレテ父兄ノ生命ヲ斷タレ、父母ノ生命ヲ刻マ
  レ己ノ身體ヲ弱ラセラレ其子弟ハ死ンデ居ルノデアル其中ニ於テ兵役
  ノ義務ヲモ盡シテ居ルノデアル是レ尋常一樣ノ人民ニアラズシテ是ハ最
  良民デアル、其慘苦ノ中ニ在ッテサウシテ秩序ヲ經タ請願ヲ屢〓之ヲシテ止マ
  ナイノデアル、今日マデ苟モ我國ノ如キ此低イ家庭デナク弱イ習慣デナク權
  利ヲ重ズル所ノ國デアッタナラバモウ疾クニ竹槍蓆旗ニデモ訴ヘルト云フ
  ヤウナ時機ハ屢〓到ッタノデアラウ、然ルニ是ハ無比無類ノ良民デアルガタメ
  ニ、政府ニ對シテ從順ニシテ、秩序ヲ履ンデ是マデ請願ヲ爲シ來ッテ居ルノデ
  アル(「ヒヤ〓〓」ト呼フ者アリ)是ヲ以テ加ヘルニ兇徒聚集抔ト云フ亂暴ナ
  ル惡名ヲ以テ是ニ附スト云フコトハ何事デアル政府ハ人民ヲ皇帝陛下ノ
  臣民ヲ、之ヲ保護スルノガ職務デアルノニ却テ是ニ亂暴ヲ加ヘ且ツ之ニ
  惡名ヲ加ヘルト云フニ至ッテハ聞捨ニナラヌノデゴザイマスカラ、其質問ヲ
  致シタノデゴザイマスルデ御話ハ御披露ハ是ニ止メマシテ「良民ノ請
  願ヲ目シテ兇徒ト爲スノ儀ニ就キ質問、一鑛毒被害地人民ハ明治十二年ヨリ
  十七年間ノ永キ慘苦ノ中ニ在ッテ納租ノ義務ヲ負ヘルモノナリ是レ良民ニア
  ラズシテ何ゾ一鑛毒被害地ニ住シ身體衰弱父母疾病子弟死滅中ヨリ兵役ノ
  義務ニ應ズ良民ニアラズシテ何ゾ、一數十年間名譽生命權利財產ヲ侵害セラ
  レ之ヲ囘復センカタメ屢〓秩序アル請願ヲ爲ス是レ良民ニアラズシテ何ゾヤ
  之ヲ兇徒ト呼ブ其理如何、一天下ノ良民ハ政府之ヲ保護スベキ貴重ナル我
  天皇陛下ノ良民ナリ此貴重ナル臣民ニシテ此悲境ニ沈淪スル被害民ニ名クル
  ニ兒徒ヲ以テス抑モ何等ノ理由ゾ天下若シ此ノ如キ理アリトセバ明ニ之ヲ答
  ヘヨ」斯ウ云フノデアリマス、ソレデ昨年此貴衆兩院ニ請願ヲ致シマシテ、
  昨年デ三囘目ノ請願ヲ致シテ、三年目デ漸ク貴衆兩院ガ通過致シマシタ所ノ
  此請願書ハ、此憲法ノ保護ヲ受ケタイト云フ請願デゴザイマスルノデ、其請
  願書ハ兩院ノ大多數ヲ以テ兩院共漸ク三年目ニ通過致シマシタノデゴザイマ
  ス此中ノ文章ヲ見マシテモ亂暴狼藉ナル所ノ人民デアルガ、又憲法ノ保護
  ヲ受ケタイト云フ請願モ再三行政部ニモ出テ居ルノデアリマス貴衆兩院ニ
  モ三度出テ居リマスノデゴザイマスカラ、參考ノタメニ之ヲ附ケテ-質問
  書ニ附ケテ提出致シマシタノデゴザイマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=10

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• 011・門馬尚經

  ○門馬尙經君(二百六十八番)　私ハ時事新報ノコトニ附イテ一言言ッテ置カ
  ナクチヤナラヌ林田君ガ此新聞ガ誰ガ配ッタカ分ラヌ、私新聞配ッタノハ惡ル
  イト云フノデハナイ、併ナガラ此今日ノ時事新報ニハ、林田君ノ此選舉法ニ關
  スル所ノ意見ヲ書イテアル、其意見ハドウ云フ譯デアルカト云フト、大選擧區
  單記法ノ利益ヲ明ニスト斯ウ云フ譯デ、今日ノ此議場ノ有樣ハドウデアル
  カ、貴族院衆議院デハ小選舉區記名單記ト云フコトニ既ニ決議シテアル、又
  單記ト云フコトニ既ニ決議シテアル又貴族院ノ狀況ハドウデアルカト思フ
  ノニ先程吾〓傍聽致シマシタケレドモ衆議院ノ決議ニ反對デ、大選舉區無記
  名ト云フヤウナコトニナッテ居リマス「正反對ニナッテ居ル、リコデ私一ツ··

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• 012・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　門馬君、議長ニ御質問ナラ發言ヲ許シマスガ

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• 013・門馬尚經

  ○門馬尙經君(二百六十八番)　イヤ林田君ニ御尋ヲシタイ

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• 014・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　書記官長ニ質問ナラ許シマセヌ

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• 015・門馬尚經

  ○門馬尙經君(二百六十八番)　議長ニ御尋ヲ致シマス、書記官長ノ位地ト云
  フモノハ政府ト議院ノ間ニ在ッテ、隨分必要ナ此場合ニ協議會デモ開カウ
  ト云フ場合ニ議院ノ各部ニ斯ウ云フモノヲ配付スル卽チ衆議院ノ決議ト
  云フモノハ惡ルイカラソレデ顧ミテ而シテ政府ノ意見ニ從ヘト云フヤウナ
  仕方ダラウト考ヘル私ガ是ガ小ナモノデアルト云フコトヲ言レル人ガアル
  カ知ラヌガ此選舉法ハ實ニ全國カラ委員ヲ出シ非常ニ騷イデ居ル案デアル
  然ルニ書記官長ノ位地ニ在ッテ.而シテ斯ウ云フモノヲ今協議會ヲ開カウト
  云フ場合ニ配付スルト云フコトハ私ハ穩デナイト考ヘルソレデ議長マデ
  御尋ヲ致シテ置キマス

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• 016・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　ソレハドウ云フ者ガ配ッタカト云フコトハ、詮議シテ
  其上デ御答致シマス、議事日程ノ第一郵便法案兩院協議ノ成案
  第一郵便法案(政府提出兩院協議會成案)
  (大東義徹君演壇ニ登ル〕

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• 017・大東義徹

  ○大東義徹君(五十六番)　諸君、郵便法案ノ兩院協議會ノ法案ヲ報道致シマ
  ス去ヌル十六日議長指名ノ協議員デ正副議長ヲ定ムルタメニ相會シマシテ
  議長ハ卽チ私-副議長ハ宮崎榮治君ト定メマシテゴザイマス去ヌル十七
  日兩院ノ協議會ヲ開キマシテ貴族院ハ岡部長職君ヲ議長ニ小澤武雄君ヲ
  副議長ニ定メラレマシタソレカラ抽籤ノ上、當日ノ議長ハ本院デ勤メマス
  ルヤウニナリマシタ段々此郵便法案ノ協議ノ箇條ニ附キマシテ色〓手
  段ヲ盡シ、或ハ圓滑ニ協議ノ結果ヲ收メンガタメニ、特ニ四名ノ尙ホ委員
  ヲ選ンデ、別室デ協議ヲ致シ、又政府委員ノ貴族院ト衆議院ニ對スル辯明ノ中
  ニ、多少意志ノ明ナラヌ所モアッタカラ政府委員ノ出席ヲモ尙ホ請ヒマシテ
  其邊ノ事情ヲモ詳シク盡シテ、種々協議ヲ遂グマシタ、其協議ヲ遂グマシタ箇
  條ハ郵便法ノ第十八條第一項第三種第一號第二號中卽チ是ガ協議會ノ
  問題ニナル所デゴザイマス誠ニ條項ハ極簡單ナモノデ、深ク說明ヲ用ヒル
  必要モ何モナイノデゴザイマス、所ガ貴族院ハナカ〓〓强硬ノ態ヲ取ッテ容易
  ニ此十六匁ト二十五匁ト云フ所ノ間ニ協議ガ屆キマセヌ、併シ協議會ノ性質
  デゴザイマスルデ、雙方トモ讓歩スルコトガ出來マセヌケレバ協議ガ屆キマ
  セヌ、ジリ〓〓讓歩ノ度ヲ進メテ、遂ニ結局貴族院ノ主意ハ、此條項ヲ二十匁
  トスル、本院ヲ代表スル委員ノ意志ハ相讓ッテ二十二匁マデニスル、僅ニ讓步
  ノ度合ガ、二匁ノ間ガ幾度カ協議ヲ盡シテモ、其結果ヲ一ニスルコトガ出來マ
  セヌ據ロナク其二十匁ト二十二匁トヲ決スルタメニ無名投票ヲ以テ此歸著
  スル所ヲ定メマシタ所ガ、其結果ハ遂ニ二十匁說ガ多數ヲ以テ、卽チ二十匁ノ
  度ニ定ムルコトニ協議會ノ採決ノ結果ハ相成リマシテゴザイマス、此段御報
  道致シマス、就キマシテハ今申上ゲル通極簡單ノ條項デアリナガラ隨分兩程
  院ノ間ニ意思ガ一定致サヌタメニ程餘時間ヲモ費シマシタガ、遂ニ前申上ゲ
  ル通ノ結果ニ相成リマシタ、議院モ延會サレマシタケレドモ、今日ノ場合デ
  ゴザイマスドウカ右協議會ノ決定ノ通、二十匁ヲ以テ確定致スコトニ本
  院ハ御贊同下サレテ速ニ御決定アランコトヲ希望シマス餘計ナコトデア
  リマスケレドモ、別レマストキニ兩院委員ノ申合ニ、貴族院モ成ルベク此案
  ヲシテ成立セシメタイ因ッテ歸ッテ十分ニ此協議會ノ決定ヲ協贊ヲ得ルコト
  ニ努メルカラ、衆議院モ其事ニ致シテ貰ヒタイト云フコトデゴザイマシタ、想
  フニ貴族院モ此案ニハ必ズ贊成セラレルコトヽ思ヒマス

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• 018・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　是ハ兩院協議會成案ノ通リ、唯今委員長ノ報告
  通デ異議ナイモノト思ヒマスカラ直チニ協賛ヲ與ヘルコトニ致シタイ

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• 019・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　本案ハ兩院協議會議長ノ報告通デ御異議ハアリマセヌ
  カ〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 020・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通決シマス、板東勘五郞君ヨリ豫
  算第一分科會ヲ開キタイト云フコトデアリマスガ、許シテ御異議ハアリマセ
  ヌカ

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• 021・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ許スコトニ致シマス-議事日程第
  二明治三十年度歲入歳出總決算-石黑涵一郞君
  第二明治三十年度歲入歳出總決算
  [石黑涵一郞君演壇ニ豆ル〕

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• 022・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　決算委員長カラ第三ノ議事日程ヲ併セテ報告ニナリマ
  ス

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• 023・石黒涵一郎

  ○石黑酒一郞君(五十番)　諸君、明治三十年度ノ決算委員會ノ經過及其結果
  ヲ御報道致シマス、明治三十年度ノ決算報〓書ハ一月十七日政府ヨリ其報告
  ヲ受領致シマシテ、決算委員會ニ於キマシテハ、之ヲ前例ニ傚ヒマシテ五分科
  ニ分チ各〓主査ヲ設ケマシテ、精細ニ之ヲ審査致シマシテゴザイマス、明治
  三十年度ノ歲入總額ハ二億二千六百三十九万百二十三圓二十錢一厘、歳出ハ
  二億二千三百六十七万八千八百四十四圓三十六錢七厘、其歲出ト歳入ヲ對照
  致シマスルトキニハ差引二百七十一万千二百七十八圓八十三錢四厘ト云フ
  モノガ剩餘金ニナリマシテ、此剩餘金ハ翌年度ニ繰入ト爲ルベキ金額デゴザ
  イマス、此歲入出ノ決算ニ對シマシテ、會計檢査院ハ歲入ニ於テ三百六十万九
  千八圓十五錢五厘、歲出ニ於テ二百十·六万四千八百八十八圓三十九錢ト云フ
  モノハ檢査未了デゴザイマスガ、其以外ノモノニ附イテハ三十年度ノ報告ニ
  全タ檢査ヲ結了シタルコトヲ明記サレアリマス、此檢査院ノ報告ニ依リマス
  レバ、會計檢査院ガ不當ナリト決議致シマシタ件ハ、歲入經常部ニ於テ二件、
  歲出經常部ニ於テ六十件、特別會計ニ於テ二十七件、檢査確定ニ係ルモノニ對
  シテ、六件、合計九十五件ハ會計檢査院ニ於テ之ヲ違法若クハ不當ナリト認メ
  マシタ件數デアリマス其中ニ於キマシテ決算禾資員ニ於キマシテ審査ヲ遂
  グタル結果、九十五件ノ中七十四件ハ會計檢査院ノ報告ヲ至當ト致シマシテ
  政府ノ決算報告ヲ否認致シマシタ殘リ二十一件ハ是ハ不問ニ附スベキモ
  ノト決定ヲ致シマシタ其他ニ過誤拂若クハ渡不足等ノ輕微ナル過失ハ多々
  ゴザイマスケレドモ、此件ニ附キマシテハ會計檢査院ハ敢テ咎メズ委員會ニ
  於テモ之ヲ審査スルノ要ナキモノト認メテ、不問ニ附シタ譯デアリマス、デ三
  十年度ノ決算報告ニ對シマシテ從來ノ經驗ニ依リマスレバ隨分多數ノ不法
  若クハ不當ノ條項ガアルノデゴザイマスガ彼ノ七十四件ニ對シマスル違法
  若クハ不當ナリト認メマシタ理由ハ諸君ノ御手許ニ囘シテゴザイマスル決
  算委員會ノ報告書ニ依ッテ大體ノコトハ御承知ヲ願ヒタイト心得マス、是ヲ一
  一報告スルノ煩ヲ省キマシテ大體ニ附テ諸君ニ御注意ヲ請ヒタイ箇條ガ二
  三件ゴザイマス、大抵此決算報告ニ附キマシテハ今日ニ至リマスマデ甚ダ之
  ヲ衆議院ガ輕易ニ附シタカノ感ガアルノデゴザイマス若シ比決算報告ナル
  モノヲ簡易ニ致シマシテ會計上ノ不當若クハ違法ノ點ヲ容易ニ見遁シテ置
  キマシタトキニハ、諸君ガ熱心以テ御協賛ニナリマシタ豫算ノ目的ヲ前後相
  全ウスルコトガ出來ヌト云フコトハ、敢テ本員ガ申スマデモナイコトデゴザ
  イマスカラシテ、本年度ニ於キマシテ決算委員會ニ於テハ、誠ニ此點ニ注意ヲ
  致シマシテ、諸君ノ御考慮ヲ煩ハシタイト考ヘマシタ次第デゴザイマス、諸君
  唯今御報道ヲ致シマシタ七十四件ノ違法若クハ不當仕拂ノ中ニ如何ナル〓ニ
  於テ其部分ニ於テ-其違法ノ〓不法ノ點ガ多イカト申シマスレバ第一ニ
  最モ多イノハ、内務省ノ所管デアリマス、內務省ノ所管ノ中ニ於キマシテハ
  實ニ其數三十五件ノ多キヲ占メテ居ル、次ニ最モ多キモノハ陸軍省デゴザイ
  マシテ陸軍省ハ其中三十一件ヲ占メテ居ル內務省及陸軍省ノ二ツヲ合セ
  マスルト殆ド全數ノ八九部ヲ占メテ居ルト云フコトニナルノデゴザイマシ
  テ、其他ニ於テハ海軍省ニ於テ八件、大藏省ニ於テ四件、遞信省ニ於テ四件
  ト云フガ如ク極少數ニナッテ參ルノデゴザイマス所デ内務省所管ノ中最
  モ其中ニ多キヲ占メテ居ルモノハ臺灣ノ經費ニ係ッテ居ルモノデアル
  此臺灣ノ經費ノ支出ニ附キマシテハ大ニ注意ヲ要スルコトガゴザイ
  マシテ如何ナル方法ニ於テ不法ガ行レテ居ルカト申シマスルト、多ク
  ハ會計法ノ規定ヲ破リマシテ政府ハ直轄工事ト云フ名目ノ下ニ其實一
  種ノ受負事業ヲ受負人ニ致サセマシテサウシテ直轄工事ト云フ名ノ中
  ニ受負事業ニ均シキ仕事ヲスル箇條ガ多イノデゴザイマス名ハ政府直
  轄工事名ハ隨意契約ニアラズシテ其實ハ命令ト云フ名義ノ下ニ隨意契
  約ニ均シキ方法ヲ以テ總テノ事業ヲ執ッテ居ル〓ガ甚ダ多イノデゴザイマ
  スカラシテ此弊害ヲ改ムルニアラズンバ臺灣ニ於ケル財政上ノ整理ヲ附
  ケルコトハ甚ダムヅカシイ譯デアル是ハ能ク注意ヲ附ケナケレバナラヌ要
  〓デアルト委員會ニ於テハ認メテ居ルデアリマス諸君ノ御手許ニ囘ッテ
  アリマス報告ニ據ヲテ御覽ニナッテモ內務省ノ三十七件ノ中十七マデハ臺
  灣ノ費用ニ係ッテ居ルノデゴザイマスカラシテ、會計ノ最モ法律ニ不適合ナ
  ルモノハ臺灣ノ會計ニ在ルコトハ明デゴザイマス次ニハ陸軍省ノ三十一
  件ノ中ニハ初度調辨費ノ中ニ種々非難ノ點ガ多クゴザイマスガ是ハ臨時
  ノコトニ係ルデゴザイマスカラ殊ニ多クノ事實問題ニ屬スルコトガ多イノ
  デゴザイマスカラ此弊害ハ當年度ノ決算ニ於テ匡シテ置キマスレバ、遠ク
  未來ニマデ同一ノ弊ヲ繼續スルモノデハアルマイト思フデゴザイマスケレド
  モ陸軍省ノ會計ノ中ニ殆ド習慣ノ如クナッテ、年々顯レテ來ル所ノ一種ノ弊
  害ガアルノデアルソレハドウ云フモノデアリマスカト云ヘバ彼ノ會計年
  度末ニ當ッテ、最早其殘餘ノ日數ハ僅々タル日數ト云フ場合ニ差迫ッテカラ糧
  食ノ買入秣ノ買入等ニ不當ノ買入ヲ爲スノデアリマス前年度ノ三月ト云
  フ月ニ立入リマシテモウ會計年度ノ改マルノハ三四十日ノ間ニアルノデゴ
  ザイマスカラ最初豫算ヲ議決ヲシタトキノ目的ニ依リマスレバ、其三四十
  日ヲ支ヘルニ足ルダケノ糧〓若クハ林ヲ買入レヽバ當年度ノ豫算ハ立タン
  ケレバナラヌノデゴザイマス若シ金ガ餘レバ其金ハ翌年度ニ繰入レナケレ
  バナラヌノデゴザイマスノニ、諸君ノ御手許ニ囘ッテ居ル報告ニ依ッテ見マ
  シテモ、明ニ此弊害ガ陸軍省ノ糧食ニ於テ馬匹費ノ中ニ於テ同一ノ有樣ヲ
  繰返シテ居ルノヲ認ムルコトガ出來ルノデゴザイマス是ハ年々歲々起ッテ
  來ル問題テゴザイマスカラシテ斯ノ如キ弊害ハ宜シク今日ニ於テ之ヲ矯正
  スルニアラズンバ毒ヲ後年ニ貽スモノデアルト委員會ニ於テハ深ク此〓
  ニ於テ注意ヲ致シタ次第デアリマス、デ今一件ハ三十年度ノ決算中最モ不法
  最モ違法ノ出ナリト認メテ殊ニ重大ナル事件デアルト認メタ事件ガ一箇條
  アリマス、ソレハ內務省ノ所管ニ戾リマシテ、元ト柘殖務省ノ支出ニ係ッテ居
  リマス釧路鐵道買收ノ一件デアリマス、此釧路鐵道ト申シマスノハ、或ル私立
  會社ガ硫黃採取ノ目的ヲ以テ遠ク明治十八年中ニ鐵道ヲ敷設致シマシテ
  硫黃採取ノ業ヲ營ミマシタ後ニ其營業モ殆ド目的ヲ達シマシテ、最早不用
  ニ屬シテ居ル鐵道デアッタノデアリマス此鐵道ハ最初二十万圓ノ株式會社
  ヲ以テ組織サレタ鐵道デゴザイマシテ殆ド是ハ廢物ニ屬シテ居ル所ノ鐵道
  デアッタノデゴザイマス、委員中ノ或ル一人ガ質問ヲ致シマスルニ此鐵道ハ
  三万五千圓ヲ以テ政府ニ買上ゲテ吳レロト云フコトヲ出願シタコトハナイカ
  ト云フ質問ヲシタノデゴザイマスガ政府ハ其事實ヲ認メマセナンダ、併ナ
  ガラ民間ニ於テハ此鐵道ノ價額ハ大凡ソ三万五千圓位ナ價額ノモノデアル
  ト認メラレテ居ルノデゴザイマス然ルニ政府ハ此廢物ニ屬シテ居リマスル
  一ノ鐵道ヲ買收スルニ原價三十万圓ノ價額ヲ以テ之ヲ買入レテ居ルノデア
  リマス會計檢査院ノ審査シマシタ報告ニ依レバ會社ノ帳簿ニ依レバヽ其
  建造物ノ如キハ自ラ認ムル所デモ二千四百圓ノ價値ホカナイモノヲ政府
  ガ其價額ヲ二万七千圓ト云フ會社ノ帳簿ヨリ十倍ノ金ヲ以テ買入レタト云フ
  結果ニナッテ居ルノデアル加之ナラズ此鐵道ヲ買收スル所ノ資金ト云フモ
  ノハ何レヨリ支出サレタモノデアルカト云ヘバ是ハ實ニ其年度ニ屬シテ
  居ナイ所ノ鐵道敷設費ノ中ヨリシテ支出サレテ居ルノデゴザイマス、此〓ハ
  後ニ詳シク又其不法ノ〓ヲ述ベル考ヘデゴザイマスルガ其支出ガ豫算ノ目
  的ニ違ッテ居ル年度ノ到來シテ居ラヌ所ノ鐵道ニ向ッテ支出シテ居ルト云
  フ違法ガアリマスノミナラズ、實價殆ド三四万圓ノ價値ヲ有スル所ノ鐵道ニ
  對シテ原價二十万圓ノ價値ヲ以テ買收致シタト云フコトハ不當ノ仕拂デ
  アルト委員會ニ於テ之ヲ認メマシタニ附キマシテ)斯ノ如キ著シキ違法、斯
  ノ如キ著シキ不當ノ支出ガアリマスルコトニ附イテハ玆ニ格段ナル制裁ヲ
  加フルノ必要ガアルト考ヘタノデアリマス併ナガラ議事手續ノ順序ガゴザ
  イマスカラシテ諸君ガ今委員長ヨリ報告致シマシタコトヲ是認下サルコト
  ニナリマスナラバ、一ノ決議案ヲ動議トシテ提出シタイト云フ考ヲ有ッテ居
  リマス、此動議ハ決算委員會ニ於テ全會一致ヲ以テ決議シタノデゴザイマス
  ケレドモ決算委員長トシテ述ブルハ其手續ニ於テ其當ヲ得ナイコトヽ存
  ジマスカラ御參考マデニ動議ノ主意ヲ申上ゲデ置キマス其動議ノ主意ハ
  「釧路鐵道ノ買收ハ不當ニシテ且ツ其代價ノ支出ハ違法ナリト認ム依リテ政
  府ハ宜ク相當處分ヲ爲シ以テ其職責ヲ明ニスヘシ」ト云フ決議ヲ特ニ院議ヲ
  以テ決シテ置キタイト云フ考ヲ有ッテ居ルノデゴザイマス、幸ニ此報告ヲ御同
  意下サッタナラバ更ニ其手續ヲ以テ動議トシテ提出致シタイト心得テ居リ
  マス此他ニ於ケル大體ノ箇條ハ報告書ニ於テ御了承下サルヤウニ希望致
  シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=23

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• 024・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　決算委員長ノ報告通デ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=24

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• 025・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス、議事日程第三明治三
  十年度各特別會計歲入歲出決算
  第三明治三十年度各特別會計歲入歲出決算

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=25

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• 026・石黒涵一郎

  ○石黒涵一郞君(五十番)　唯今ノ決算ニ附キマシテ一ノ動議ヲ提出シタイデ
  ゴザイマスカラ··

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=26

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• 027・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　決算ガ決シマセヌカラ議事日程ノ第三ヲ今諮ッテ居ル
  所デアリマスカラ議事日程第三ハ決算委員長ノ報告通デ御異議アリマセ
  ヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=27

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• 028・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通リ致シマス、石黑涵一郞君
  〔石黑涵一郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=28

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• 029・石黒涵一郎

  ○石黑涵一郞君(五十番)　私ハ議事日程ノ變更ヲ求メマスガ、釧路鐵道買收
  ノ件ニ附キマシテ特ニ決議ヲ致シテ置キタイ其動議ノ趣旨ハ特ニ違法不當
  ノ支出デアル釧路鐵道買收ノ件ニ附イテ一ノ決議ヲシタト云フ考ヲ以テ此
  日程ノ變更ヲ求メタ次第デゴザイマス、御贊成ヲ願ヒマス
  〔「贊々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=29

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• 030・白仁武

  ○政府委員(白仁武君)　議長

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=30

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• 031・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　今石黑涵一郞君カラ緊急動議デ議事日程ノ變更ヲ求メ
  ラレタノデアリマス政府ニ同意ヲ求メマスガ、御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
  〔此時政府ニ同意ヲ求ム〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=31

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• 032・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　政府ハ同意ヲスルサウデアリマスカラ、議事日程ヲ變
  更致シマシテ石黑酒一郞君ノ決議案ノ議事ニ掛リマス
  (政府委員內務書記官白仁武君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=32

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• 033・白仁武

  ○政府委員(白仁武君)　三十年度北海道廳ニ於キマシテ釧路鐵道會社ヨリシ
  テ鐵道用品買收ニ關シマシテ唯今ノ決議案ノ提出ガゴザイマシタデアリ
  マスガ此事ニ附キマシテハ諸君ノ御參考マデニ事實ヲ陳述致シテ置クノ必
  要ガアリマス、此事實ハ三十年ノ八月九月十月間ニ起リマシタコトデ、買入レ
  マシタ所ノモノヲ玆ニ列擧致シマスレバ會社ニ屬シテ居リマシタ所ノ動產
  不動產此二ツデアリマス、而シテ動產ノ中デ鐵道ニ關シマスル一切ノ品物
  卽チ滊罐車、軌道客車其他運轉致シマスルニ附イテノ機械類一式、不動產ニ於
  キマシテハ第一建物竝ニ線路ニ屬スル所ノ橋梁「コルベルト」ノ類、斯ノ如キ
  モノヲ一切購入致シタ譯デアリマス、而シテ此買入ヲ致シマシタ必要ノ點ヲ茲
  ニ陳述スルコトガ必要デアラウト思ヒマスガ御承知ノ通ニ北海道ノ鐵道ハ
  第一期線ノ鐵道事業ハ三十年ニ始リマシタ、ソコデ鐵道部ノ此機關ノ設備ノ
  コトモ丁度創立ノ際デアリマス頗ル當局者ニ於キマシテハ百万圓ノ鐵道
  工事ノ執行ニ於キマシテ苦心ヲ致シテ居ル際デアリマス、加之諸君ノ
  御承知ノ通ニ北海道ハ元來人足ノ人夫ノ少ナイ處、又工事ヲ道リマス
  ニ附イテノ土木受負業者等ノ如キモ、極少イ處デアリマス、ソレ故ニ百万圓ノ
  工事ヲ爲シマスニ附イテ、受負業者ノ撰擇竝ニ人夫ヲ集メマスコトノ如キハ
  甚ダ難儀デアリマシタ、其上ニ御承知ノ通ニ三十年三十一年ハ戰後經濟ノ變
  動ノタメニ少カラヌ此土工ヲ起シマスルニ附キマシテ其經濟變動ノ影響
  ヲ被ルコトガ甚ダ著シクアッタ次第デアリマス、ソレ故ニ百万ノ工事ヲ爲
  シマスニ、人足ガ不足シ、土木受負業者ガ不足シ、是等ノタメニ當時局ニ當リ
  マシタ所ノ者ハ百万圓ノ工事ヲ爲シマスニ甚ダ難儀ヲ感ジマシタ或
  朝鮮ノ人足ヲ雇入レテ、之ヲ以テ工事ニ充ツルト云フ位マデニ窮迫致シマシ
  タ併ナガラ其事モナカ〓〓外ノ困難ナル事ガアリマシテ行フコトガ出來
  マセヌデアリマシタ、ソレデ當時ノ技師ノ考ニハ人工ヲ省イテ機械工事ヲ
  起ス外ニハ最早ノ百万圓ノ事業ヲ豫算通ニ執行スルコトガ出來ナイト云フ
  考ヲ起シマシクソレデ此機械購入ノコトニナリマシテ、或ハ橫濱東京ノ間
  ニ人ヲ出シテ其購入方ニ骨ヲ折リマシタ併シ御承知ノ通ニ三十年三十一年
  ト云フモノハ諸方此諸事業ガ勃興致シテ居リマスルタメニナカ〓〓其需
  要ヲ供給シテ吳レル所ガアリマセヌ、之ヲ海外ニ注文センカ、其時日二箇月或
  ハ三箇月ヲ費ス譯合ニナッテ來マスノデ是レ亦到底行フコトガ出來マセヌ
  サウ斯ウシテ居ル中ニ御承知ノ通北海道ハ冬期ニナリマスレバ積雪ノタ
  メニ其業ヲヤルコトガ出來マセヌ、左樣ニ窮迫ヲ致シテ居リマシタ際ニ恰モ
  好シ此釧路會社ナルモノガ、硫黃ヲ堀盡シマシタタメニ此鐵道ガ廢物ニナ
  リマシタソコデ道廳ノ富局者ハ此釧路鐵道會社ノ機械軌道等ヲ買收致シマ
  シテ、之ヲ其當時ノ需要ニ供シマスレバ、丁度宜シイ譯ニナリマスノデ、ソコ
  デ始メテ釧路鐵道ノ物品ヲ買收スルノ議ガ纒リマシタ譯デアリマス、斯ノ
  如キ當時ノ必要ガゴザイマシテ釧路鐵道會社カラシテ物品ヲ機械類
  ヲ買入レルト云フコトニナリマシタ次第デゴザリマス然ルニ會社ニ於キ
  マシテハ休業致シテ居リマスルカラ、機械類軌道類ヲ道廳ニ賣拂フコトハ
  宜イケレドモソレバカリヲ取ッテ離スト云フコトニナリマスレバ、會
  社ノ方デハ頗ル勝手ガ惡ルクナリマスソレ等ノタメニ不動產モ悉ク買收
  致シテ貰ヒタイト云フ其事ニナリマシタ、極打明ケテ申シマスレバ然
  ルニ道廳ニ於キマシテハ三十年ノ其目下ノ需要ト云フモノハ、機械類軌
  道類ヲ買入レマスレバソレデ事足ル譯デアリマスルガ會社ニ於テハ
  ソレヲ離シテ賣却スルコトガ出來ヌト云フコトニナリスレバ其不動
  產買入ノコトニ附イテ、又一考ヲ旋ラサナケレバナラヌ次第ニナッタ、ソコデ
  此釧路鐵道ノ線路ガ如何ナル線路デアルカト云フノニ御承知ノ通ニ北海道
  ノ鐵道ノ敷設法ノ第一期ノ線路ニ當ッテ居リマスルノデ此釧路鐵道ノ線路
  二十七哩ト云フモノハ不日道廳ニ於キマシテ手ヲ著ケテ此所ニ鐵道敷設
  致サナケレバナラナイ場所デアリマスソレ故ニ會社ニ於キマシテ此不動
  產ノ買收ヲ交涉致シマセヌデモ、早晩此線路ニハ道廳ニ於テ進デ買收ノ相談
  シナラナケレバナラナイ所デアルノデス、ソレ故ニ時日ハ少シク早クアリマ
  スルケレドモ、幸此機械類其他ノ物ヲ是非購入致サナケレバナラナイト云フ、
  機會ニ迫リマシタモンダカラ、早晩買入レナケレバナラナイモノデアルカラ
  一緒ニ買ッテ置カウト云フ議ニナリマシタ次第デゴザイマス、ソレ故ニ線路
  ニ關シマスル財產、竝ニ建物類ヲ悉ク買收シタ譯デアリマス、斯ノ如キ必要ガ
  アッテ、動產不動產ヲ買收致シマシタ譯デアリマス、是ガ鐵道ニ關シマシタ動
  產不動產ヲ買收致シマシタ事實デアリマスルガ、會計檢査院ノ不當檢定ニ附
  キマシテ、檢査院ノ執ル所ノ〓ヲ政府ニ於キマシテ如何ニ見ルカト云フコト
  ニ附キマシテ、極簡短ニ少シク述べタイト思ヒマス、會計檢査院ハ曰ク豫算
  ニナイ釧路鐵道買收ノコトハ豫算ニナイナイモノヲ買ッタニ依ッテ、是ハ豫算
  ノ規則ニ違法デアル、斯ウ云フコトデアリマスルガ、此事ハ繼續事業費ニ於キ
  マシテハ、是迄翌年度ノモノヲバ、前年度ニ於キマシテ購入ヲ致シ或ハ購入
  ヲ爲スノ約束ヲスルト云フ如キコトハ屢ミアルコトデ豫算ノ規則ニ反イ
  タトハ政府ニ於テハ認メテ居リマセヌノデアリマス、ソレ故ニ此釧路鐵道ノ
  動產不動產買收ニ附キマシテモ、豫算ノ目的ニ反イテ居ルトハ見マセヌ、ソレ
  カラ又甚シキ不當ノ高價ヲ以テ買收シタト云フコトガアリマス此コトハ時
  ト場合、又見ルモノヽ各ノ考ニ依リマシテ無論高イトカ安トカ云フコトハ
  見ル所ガ違フモノデアリマスルガ一ト通政府ガ今日マデ取調ベマシタ所ノ
  コトヲ御話申上ゲテ置キマスノデスガ動產ノ購入代價ニ於キマシテハ三
  十年度ノ橫濱ノ該品物ノ相場ヲ取調ベテ見マス所ガ其相場ト多少ノ相違ハ
  アリマスケレドモ大體甚シイ差ハゴザイマセヌ安イ物モアレバ高イモ
  ノモアルト云フヤウナ有樣デ、合計致シマスレバ、サウ變リハゴザイマセヌ
  又建物ノコトニ附キマシテ、是ハ現ニ檢査院ノ不當檢定ノ報告ニ載セテアリ
  マスルガ二千何百圓ノ品物ヲ二万何千圓デ買ッタ甚シキ不當デアル斯
  ウ云フコトデアリマスルガ、是モ成ル程二千何百圓ノ品物ヲ二万何千圓ニ買ツ
  タト單ニ申シマスレバ頗ル不當ノ價額ノヤウニナリマスケレドモ亦事
  實ノ半面ヲ能ク見マスレバ必シモ會計檢査院ノ言ノ通バカリデモナイカト
  存ジマスル其所以ハ二千何百万圓ト云フ會社ノ資產調ニナッテ居リマスル
  ケレドモ此建物ガ如何ナルモノデアルカト云フコトヲ考ヘマスルニ孰モ皆
  木造ノ西洋形ノ或ハ二階建ノ建物モアレバ或ハ平屋或ハ「ブラツトホー
  ム」ノ如キモノモアリ、或ハ機械場或ハ「エンジンセット」ノ如キモノモアリ
  又社宅ノ如キモノモ七棟カアリマス是等ノモノヲ集メマシテ千五百坪ノ
  建物デゴザイマス千五百坪ノ建物ヲバ二千四百何十圓ト云フ會社ノ見積リ
  ト云フモノハ是ハ實ニ安イ見積ヲ致シテ居ル一坪一圓五十錢位ノ見積ニ
  ナッテ居リマス斯ク如キ不當ノ安イ積リヲ致シテ居リマスカラ道廳ニ於
  テ買收致シマシタトキニ、一坪十五圓ト云フ代價ヲ以テ買入レマシタノハ、甚
  シキ其間ニ逕庭ガ斯ウ出テ來タ譯デゴザイマスソレ故ニ此建物ノ代價ノコ
  トヲ御判定ニナリマスル前ニ此建物ノ坪數ノコトヲ御考ノ材料ニ御入レ下
  サルコトヲ請ヒマスル斯ノ如キ譯デアリマスルカラ會計上ノ法律ニ反イ
  タト云フ譯デモナシ、且ツ又買上ノ點ニ於キマシテモ、檢査院ノ言ノ如キ所
  ノ不営ノ高價トハ、當局者ニ於テハ見マセヌ次第デゴザイマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=33

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• 034・星亨

  ○星亨君(九十一番)　チヨット質問ガアリマス、政府委員ニ質問致シマス、今
  ノ政府委員政府委員ハ前ノ或人ガシタコト頻ニ辯護サレマスガ是
  政府全體ガ責任ヲ以テ辯護スルコトニナッテ居ルノデゴザイマスカ、將タ今ノ
  政府委員ガ辯護スルト云フコニトナッテ居リマスカ、此〓ヲ一應承リタイ政
  府委員ハ確カ北海道ノ方ニ熱心ナ人ト見テ居ルノデアリマスカラ······

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=34

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• 035・白仁武

  ○政府委員(白仁武君)　ソレハ決シテ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=35

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• 036・星亨

  ○星亨君(九十一番)　政府全體デスカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=36

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• 037・白仁武

  ○政府委員(白仁武君)　無論政府全體デゴザイマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=37

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• 038・星亨

  ○星亨君(九十一番)　然ラバ政府大臣ニ向ッテ質問ヲ致シタイノデアリマス、
  居ラナケレリヤア、御呼ヲ願ヒタイ、大キナ問題ニナルデス
  (「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=38

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• 039・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　星亨君ニ御尋ヲ致シマス、今大臣ニ出席ヲ求メラレル
  ト云フコトデアリマスタガ何大臣デスカ總理大臣デマスカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=39

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• 040・星亨

  ○星亨君(九十一番)　左樣、此管轄ハ内務大臣デアレバ內務大臣デアル
  〔此時議長ハ內務大臣ノ出席ヲ請求ス〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=40

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• 041・星亨

  ○星亨君(九十一番)　政府ノ大臣ノ出ルコトガ大層遲ウゴザイマスルガ、是
  ハ私ハ提出者ニ一ツ相談ヲ致シタイノデアリマスガ、餘程是ハ重要ナ問題ト
  考ヘマスカラ、今日此儘デ延シテ置イテ、明日議事日程ニ載セテ、サウシテ
  政府大臣ノ出ラレタ所デ之ヲ議シタイト考ヘマスサウシタ方ガ宜カラウト
  思ヒマス
  (「贊成々々」ノ聲起ル)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=41

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• 042・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　星亨君ノ動議ニ贊成ガアリマスカラ、採決ヲ致シマス
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=42

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• 043・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議アリマセヌカ、御異議ガナケレバ星亨君ノ動議
  ノ通決シマス、議事日程ノ第四感化法案第一讀會、議案ノ朗讀ヲ省略致シマス
  第四感化法案(政府提出)第一讀會
  感化法案
  第一條北海道及府縣ニハ感化院ヲ設置スヘシ
  第二條感化院ハ地方長官之ヲ管理ス
  第三條感化院ニ關スル經費ハ北海道及沖繩縣ヲ除クノ外府縣ノ負擔トス
  第四條北海道及府縣ニハ於テハ其ノ區域內ニ團體又ハ私人ニ屬スル感化
  事業ノ設備アルトキハ內務大臣ノ認可ヲ經テ之ヲ感化院ニ代用スルコト
  ヲ得
  代用感化院ニ關シテハ本法ノ規定ヲ準用ス
  第五條感化院ニハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ヲ入院セシム
  一地方長官ニ於テ滿八歲以上十六歲未滿ノ者之ニ對スル適當ノ親權ヲ
  行フ者若ハ適當ノ後見人ナクシテ遊蕩又ハ乞丐ヲ爲シ若ハ惡交アリ
  ト認メタル者
  懲治場留置ノ言渡ヲ受ケタル幼者
  裁判所ノ許可ヲ經テ懲戒場ニ入ルヘキ者
  第六條入院者ノ在院期間ハ滿二十歲ヲ超ユルコトヲ得ス但シ第五條第三
  號ニ該當スル者ハ此ノ限ニ在ラス
  第七條地方長官ハ何時ニテモ條件ヲ指定シテ在院者ヲ假ニ退院セシムル
  コトヲ得
  假退院者ニシテ指定ノ條件ニ違背シタルトキハ地方長官ハ之ヲ復院セシ
  ムルコトヲ得
  第八條感化院長ハ在院者及假退院者ニ對シ親權ヲ行フ
  在院者ノ父母又ハ後見人ハ在院者及假退院者ニ對シ親權又ハ後見ヲ行フ
  コトヲ得ス
  第五條第二號及第三號ニ該當スル者ノ財產ノ管理ニ關シテハ前二項ノ規
  定ヲ適用セス
  第九條感化院長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ在院者ニ對シ必要ナル檢東ヲ加
  フルコトヲ得
  第十條行政廳ハ第五條第一號ニ該當フヘキ者アリト認メタルトキハ之ヲ
  地方長官ニ具申スヘシ此ノ場合ニ於テハ假ニ之ヲ留置スルコトヲ得
  前項留置ノ期間ハ五日ヲ超ユルコトヲ得ス
  第十一條地方長官ハ在院者ノ扶養義務者ヨリ在院費ノ全部又ハ一部ヲ徵
  收スルコトヲ得
  前項ノ費用ヲ指定ノ期限內ニ納付セサル者アルトキハ國稅徵收法ノ例ニ
  依リ處分スルコトヲ得
  第十二條在院者ノ親族又ハ後見人ハ在院者ノ退院ヲ地方長官ニ出願スル
  コトヲ得
  前項出願ノ許可ヲ得サル在院者ニ關シテハ六箇月ヲ經過スルニ非サレハ
  退院ヲ出願スルコトヲ得ス
  第十三條第五條第一號又ハ第十一條第二項ノ處分ニ不服アル者又ハ第十
  二條第一項ノ出願ヲ許可セラレサル者ハ訴願ヲ提起スルコトヲ得
  附則
  第十四條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
  第十五條北海道沖縄縣ニ關シテハ勅令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ
  得

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=43

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• 044・市島謙吉

  ○市島謙吉君(百八番)　質問ヲ致シタイノデアリマスガ、、政府委員カラ說明
  ガリマスカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=44

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• 045・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　政府委員ハ今出席ガナイト云フコトデアリマス
  (「委員付託」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=45

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• 046・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　今政府委員ガ出席ニナッテ居リマセメガ、議事日程ノ
  第五ニ移ルコトハ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=46

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• 047・市島謙吉

  ○市島謙吉君(百八番)　異議アリマス、大體ノ質問ヲシナイ中ニサウ云フコ
  トハナイ筈-

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=47

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• 048・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　ソレナラ待チマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=48

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• 049・河野廣中

  ○河野廣中君(百十二番)　政府委員ノ御出席ガナケレバ、明日ノ議事日程ニ
  御延シ下サルコトヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=49

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• 050・瀧口歸一

  ○瀧日歸一君(二百七十七番)　本案ハ委員ニ付託ヲ希望シマス、第五ニ付ス
  ルコトヲ希望シマハ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=50

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• 051・武市彰一

  ○武市彰一君(二十七番)　政府委員ハ出テ來ルガ宜シイ、餘リ輕ジテイカヌ
  之ヲ此儘委員付託抔ト云フコトハナイ
  (「明日ノ日程ニ延ス」「明日ニ延ス」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=51

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• 052・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　小松原政府委員
  (政府委員內務次官小松原英太郞君演壇ニ登ル)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=52

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• 053・小松原英太郎

  ○政府委員(小松原英太郞君)　本案ノ說明ヲ簡短ニ致シテ置キマス、本案ハ
  第ハ近來都鄙到ル處ニ不良少年ガ段々增加スル傾向デアリマス此不良少
  年ヲ收容致シマシテ適當ノ感化〓育ヲ施スノ必要デアルノデアリマス第二
  ニハ現行刑法ニ依リマシテ不論罪ノタメニ懲治處分ノ言渡ヲ受ケマシタ幼
  年犯罪者ハ、今日ノ所デハ普通ノ監獄ニ拘禁致シテ居ルノデアリマス、然ルニ
  其結果ハ却テ是等少年ヲシテ益〓醜惡ニ化セシムル實況デアリマス、ソレ故ニ
  是等ノ者モ不良少年ト共ニ適當ナル感化〓育ヲ施スコトノ出來ルヤウニスル
  必要ガアルノデアリマス第三ニハ民法ニ於キマシテ、親權ノ效果ト致シマシ
  テ浪費ノ惡習アル子弟ニ對シマシテ裁判所ノ許可ヲ得テ懲戒場ニ入レルコト
  ノ出來ル規程ニナッテ居リマスガ實際ニ於キマシテハ未ダ所謂懲戒場ナル
  モノノ設備ヲ見ルニ至ラヌノデアリマスソレ故ニ是等ノ種類ニ屬シマスル
  子弟ニ對シマシテモ矢張不良少年ト同樣ニ適當ナル場所ニ收容致シマシテ
  感化〓育ヲ加フルノ必要ガアルノデアリマス是等ノ理由ニ依リマシテ、本
  案ヲ提出致ス次第デゴザイマス何卒御協賛アランコトヲ希望致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=53

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• 054・市島謙吉

  ○市島謙吉君(百八番)チヨット質問致シマス、極大體ニ附イテ御辯明ヲ願ヒタ　
  イノデアリマスガ此感化法ト云フモノハ第五條アタリヲ見マスルト云フト
  餘程此監獄費國庫支辨ト云フコトニ間接ノ關係ヲ持ッテ居ルカノ如ク考ヘマ
  スルノデゴザイマス監獄費ハ國庫支辨ト云フコトニナリマシテ、府縣ノ負擔
  ハ是カラハナイコトニナリマスルガ、此感化院ト云フモノハ、丁度監獄ニ代ツ
  テ罪ヲ未發ニ防グタメニ起ス所ノモノデアッテ、而モ此法案ニ依ッテ見マス
  ルト府縣ガ負擔シナケレバナラヌコトニ相成ルノデゴザイマスサウ致シ
  マスルト私ノ先ヅ以テ伺ヒタイト思ヒマスルノハ此感化院ナルモノヽ規模
  竝ニ此感化院ト云フモノヲ起シマスルタメニ各府縣ガ凡ソドノ位ノ額費ヲ負
  擔シナケレバナラヌカト云フコトニ歸著スルコトデゴザイマスガ此第五條
  ヲ見マスルト云フト、凡ソ此感化院ニ這入ルベキ所ノモノハ私ノ想像ニ依
  テ見ルトナカ〓〓ノ數ニナリハシナイカト思フノデゴザイマス卽チ第一條
  ノ適當ノ親權ヲ行フ者トカ若クハ適當ノ後見人ガナクシテ遊蕩ヲスル者
  或ハ乞丐ヲスル者若ハ惡ルイ附合ヲスル者ト云フ事柄ハ隨分廣イ範圍ニ涉
  ルコトヽ考ヘマス、ソレカラ其次ニ第二懲治場留置ノ言渡ヲ受ケタル幼者ト
  者モ凡ソドノ位アルモノデゴザイマセウカ是モ且ツ感化院ト云フモノ
  ヲ府縣ガ是非起サナケレバナラヌモノトスレバ相當ノ數ガアルモノデア
  ラウト思ヒマスルシ第三番目ノ裁判所ノ許可ヲ經テ懲戒場ニ入ルベキ者、
  是モ今度ノ監獄ノ方針ト云フモノハ私共仄ニ承ル所ニ依リマスルト云フト
  今マデ幼年者ヲ監獄ニ入レルトキハ却テ惡弊ガアルカラト云フコトデアッ
  テ成ルベク罪ノ餘リ重カラザルモノデアッテソレヲドウカ感化ノ出來ル
  モノデアルナラバ監獄ニ入レズシテ感化院ニ入レル方針ヲ取ラレルト云フ
  コトマデ承ッテ居リマスガ斯樣致シマスルト此感化院ニ這入ルベキ所ノ
  者ハ隨分多數ノ者ニナリハシナイカト云フコトヲ想像スル隨ッテ此感化
  院ヲ負擔シマスル府縣〓費用ト云フモノガ少額デナカラウト思フ如何ニ
  モ感化院ヲ設クルト云フコトハ良イコトデアルソレニ向ッテ別ニ異議ハゴ
  ザイマセヌガ一方ニ於テ監獄費ヲ國庫支辨ニシタト同時ニ善イコトデハア
  ル ガ斯樣ナモノヲ起シテ大ナル負擔ガ府縣ニ生ズルト云フコトニナリマ
  シンハ私ハ此感化院ヲ贊成スルコトニ附イテハ少シク考ヘモノデアルト
  要スルニドノ位ノ規模ニナスモノデアルカ詰リ人
  目へハノノ施光谷スルモノ張スル、隨ッテ其費額ハドノ位要スル見込デアルカ
  極大體ニ附イテ御說明ヲ願ヒタイ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=54

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• 055・小松原英太郎

  ○政府委員(小松原英太郞君)　御答致シマス、此感化院ガ出來マシテ、ワレニ
  收容スベキ人員ニ附キマシテハ、段々取調ベタノデゴザイマスガ、其取調ベマ
  シタ結果ニ依リマスルト、一府縣平均凡ソ五十人位ノ見込デゴザイマス(「モ
  ウ少シ大聲ニ」ト呼フ者アリ)一府縣ノ平均ガ五十人位ノ見込デアリマスソ
  レデ此懲治人ノ方デゴザイマスガ是ハ三十二年十二月末日ノ現在數ヲ見マ
  スルト全國デ百七十四人デアリマスソレカラ此第三ノ裁判所許可ヲ得タ
  懲戒場ニ入レベキ者ト云フ者ハ至ッテ是ハ少カラウト思ッテ居リマス重工
  數ノ多カラウト思ヒマスノハ第一ノ第五條ノ第一ニ屬スル種類デアラ
  ウト思フノデゴザイマス是ハ今日マデ經驗ガゴザイマセヌカラ凡ソ見込
  ニ依ル外ハナイノデアリマス併ナガラ今日マデ東京ニ感化院ト云フモノ
  ガ出來テ居リマス岡山ニ感化院ガアリ千葉三重等ニ感化院ガ出來テ居リ
  マス東京ノ如キハ明治十八年設立ニナリマシテ、爾來ヤッテ居ル所ノ感化
  院デアリマスガ、此數ハ現在員ガ六十六人デアリマス(「分リマセヌ」ト呼フ者
  アリ)創立以來收容致シタ人員ガ三百七十六人ゴザイマス是ヨリハ無論人
  員ハ多少殖エルニ相違ナカラウト思ッテ居リマスガ、全國各府縣ヲ平均シマ
  スルト大抵五十人平均ト見マシテ計畫ヲ致シマスレバ甚シキ大差ハナカ
  ラウト存ジテ居ルノデゴザイマスサウ致シマスルト平均各府縣ノ費用
  平均致シテ見マスルト經常費デ四千四百四十九圓餘云フモノヽ見込デア
  リマス、最モ之ニ收容スベキ場所ヲ設クル事務所ヲ設クルト云フ臨時ノ創設
  員ヲ要シマスルガ是モ各府縣ヲ平均致シマスルト四千五百圓位ノ設備費
  ガゴザイマスレバ設備ハ附ク見込デアリマス、是ハ一時ノ臨時ノモノデア
  リマス經常費ハ凡ソ四五千圓ノモノデアラウト云フ見込デアリマス

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• 056・鈴木そう兵衞

  ○鈴木摠兵衞君(九十六番)　質問ガアリマス此第五條ノ入院ヲ許ス者ノ年
  齡滿八歲以上十六歲未滿ト云フコトニ附イテハドウ云フ所ノ趣意カラ斯ノ
  如キ制限ガ立ッタノデアリマスカ一應伺ヒマス

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• 057・早川龍介

  ○早川龍介君(二百八十四番)　チヨット伺ヒタイ

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• 058・小松原英太郎

  ○政府委員(小松原英太郞君)　刑法ニ依リマシテ懲治場ニ留置致シマスルノ
  ハ矢張十六歲未滿ニナッテ居リマスソレニ凡ソ標準ヲ取リマシタノデア
  リマス

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• 059・早川龍介

  ○早川龍介君(二百八十四番)　是マデ既ニ篤志ノ事業デ、感化ヤウナモノヲ
  各地ニ起シテ居リマスガソレハ詰リ本案ガ出來マスレバ此縣立ノ方ノモ
  ノニソレヲ合スル譯デアリマスカ篤志ノ分デヤラシテ置クノデアリマス
  カ

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• 060・小松原英太郎

  ○政府委員(小松原英太郞君)　ソレハ第四條ニ規定ガゴザイマシテ、代用ス
  ルコトガ出來ルノデアリマス、サウ致シマスレバ縣ニ於テ相當ナ補助ヲ與
  六ノ其民設ノ分ヲ縣立ニ代用シテ用ヒルコトガ出來ルノデアリマス

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• 061・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　格別御質問ガアリマセネバ議事日程ノ第五特別委員
  ノ選擧ニ移リマス
  第五右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉

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• 062・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　是ハ九名ノ特別委員ヲ議長ガ指名致シマシテ、御異議
  アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 063・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ指名致スコトニ致シマス、直チニ議
  長ヨリ指名致シマス
  〔書記朗讀〕
  感化法案特別委員左ノ通指名セリ
  望月長夫君高須賀穰君佐藤〓君
  齋藤安雄君鞍谷〓愼君松本正友君
  永田佐次郞君石谷董九郞君熊代慊二郞君

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• 064・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　今指名致シマシタ特別委員ノ諸君ハ會期モ切迫ノ場
  合デスカラ直チニ委員長理事ノ互選ヲセラレテ議案ノ審査ニ掛ラレンコトヲ
  望ンデ置キマスー-此際第一號明治三十三年度歲入歳出總豫算追加案及追第
  ヘキ契約ヲ爲スヲ要スル件ノ兩院協議會ノ決議
  ヲ三兩ら發歡樂飲茶飲み放題精緻長期會會觀念書キ轉特別シテ橋散事明{シテン變シシ此此事ニ掛リ
  タイト云フ通知ニナッテ居リ무시是ニ附イテ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 065・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス-朝倉親爲君
  (第一號)明治三十三年度歲入歲出總豫算追加案(兩院協議會成案)
  (追第一號)豫算外國庫ノ負擔トナルヘキ契約ヲ爲スヲ要スル件(兩
  院協議會成案)
  〔朝倉親爲君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=65

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• 066・朝倉親爲

  ○朝倉親爲君(二百五十七番)　若松築港株式會社補助ノ件ニ附キマシテ協
  議會ノ經過結果ヲ御報告ニ及ビマス一昨十七日ニ協議會ヲ開キマシテ不
  肖私ガ議長山本幸彥君ガ副議長ニ當選致シマシタ本日兩院ノ協議會ヲ開
  キマシテ議長ハ抽籤ヲ以チシマシテ岡部長職君ガ務メラレルコトニナリマ
  シテ右兩院ノ協議會ヲ開キマシテ此築港補助ノコトニ附キマシテ段々
  此件ハ隨分大ニ關係ガアリマス追加案デゴザイマスルデ段々話合ヲ致シ
  マシテ結果ドウモ直グニ之ヲ纒メルト云フコトニ至リマセヌ故ニ(「大聲ニ願
  ヒマス」ト呼フ者アリ)ソレ故ニ兩院ヨリ二名宛ノ特別委員ヲ選定致シマシテ
  ソレニ相談ヲ致サルヽコトニナリマシテゴザイマス其相談中ドウモ衆議院
  ニ於キマシテハ院議ヲ重ジテ、是非貴族院ノ決議ニ反抗ノ譯モゴザイマスル
  旁と衆議院ノ委員ヨリ此築港ノ會社、固ヨリ此築港ハ最モ此株式會社ノ人ミ
  ニ利益ノアラウト云フ所カラノ議論ノ結果ヨリコチラデハ否決ニナツタ譯
  デゴザイマスルガ故ニソレ故ニ此條件ヲ附ケマシテ例ヘバ或ハ利益金ノ一
  箇年ノ百分ノ八位トカ、或ハ九トカ云フコトヨリ利益ノ越シタルトキニハ此
  築港錢ヲ減ズルト云フヤウナルコトヲ以テ條件ヲ附ケマシテ原案ニ復活スル
  ガ宜カラウト云フヤウナル段々議論モゴザイマシタケレドモソレモドウモ
  利ヲ今日何割ト定メテ置クコトハ、後年ニ至リ或ハ利子ハ時ノ景況ニ依ッテ變
  ルコトダカラソレモ宣シウアルマイト云フコト故ニソレモヤルコトハ却
  テ都合ガ惡イト云フウヤナコトカラ、政府ガ責任ヲ以テ此築港ノ命令ニ利子
  ナド上ゲ下ゲヲスルコトノ出來ラルヽ政府ニ權能ヲ持ツタル命令書ヲ附スル
  ガ宜シイト云フ譯デ其條件ヲ以チマシテ此特別委員ノ所モ協議ガ纏リマシ
  テサウシテ兩院協議會ヲ更ニ開キマシタ所ガ結局ドウモ此場合別ニ名案
  モゴザイマセヌ、旁〓全會一致ヲ以テ原案ニ復活スルコトニ決議致シマシタ
  (「ソレハヒドイ」ト呼フ者アリ)ドウカ御不同意モゴザイマセウガ此案
  ハ隨分關係ノ大イ案デゴザイマスカラドウカ原案ニ復活サレンコトヲ希望
  致シマス此段御報告旁〓併セテ·

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=66

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• 067・星亨

  ○星亨君(九十一番)　段々今ノ報告ハ御尤デゴザイマシテ、他ニ關係スル所
  ガ多イヤウデアルカラ已ヲ得ズ吾〓ハ協議會ノ報告ニ贊成致ス外ハナイノ
  デアル卽チ他ノ豫算ノタメニ贊成致サウト考ヘルノデアル
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=67

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• 068・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　今協議會議長ノ報告通デ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=68

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• 069・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通ニ致シマス、唯今指名致シマシ
  タル感化法案ノ特別委員諸君ハ第一特別委員室ヘ御集リ下サルヤウニ申シ
  テ置キマス-主査宮崎榮治君カラ此際豫算ノ第四分科會ト開キタイト云フ
  コトデアリマス御異議ガナケレバ許スコトニ致シマス
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=69

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• 070・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　議事日程第六精神病者監護法案第一讀會ノ續委員長報
  告齋藤壽雄君
  第六精神病者監護法案(政府提出貴族第一讀會ノ續((委員長)
  院送付)(報告
  〔齋藤壽雄君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=70

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• 071・齋藤壽雄

  ○齋藤壽雄君(二百七十番)　委員會ノ經過及結果ヲ御報告致シマス、去ル十
  四日ニ委員長理事ノ互選ヲ致シマシテ引續キマシテ會ヲ開キ尙ホ其後開會
  致シマシタコトガ三囘デゴザイマス、本案ハ人權ニ關シマスル重イ法案デゴ
  ザイマスル故ニ、委員中大ニ心配ヲセラレテ、此案ニ附イテハ民法トノ關係、其
  他種々ノ法律ノ關係等モ調査致シタ上デナケレバ本案ニ對シテ贊否ヲ決ス
  ルコトガ出來ヌト云フコトデゴザイマシテ、質問モ隨分綿密ニ致シ、又政府委
  員モ之ニ對シテ綿密ナル答辯ヲ致サレタアゴザイマス然ルニ如何ニモ會期
  ガ切迫致シテ居リマシテ、十分ニ之ヲ審査スルノ餘地ガゴザイマセヌ、ソレ故
  ニ委員會ハ斯ノ如キ重大ナル議案ヲ輕々ニ議了スルト云フコトハ甚ダ不都
  合デアルガ故ニ、先ヅ今囘ハ延期ニ致シテ、次期ノ議會ニ於テ十分審査ヲ致シ
  テ決定スルコトニ致シタイノデアル、左樣ニ致シマシタ所ガ今日マデ此法律
  ノナカッタノデゴザイマスカラ次會マデ延期ヲ致シテモサマデノ差支ハ
  ナカラウト云フ說モゴザイマシタ然ルニ政府委員ハ是非トモ今囘本案ノ通
  過ヲ希望スルト云フコトデゴザイマシタ其譯ハ今日マデ法律トシテ精神病
  者ノ監護法ガゴザイマセヌ故ニ已ムヲ得ズ地方法律ヲ以テ今日マデ身體上
  ノ保護ヲ爲シ、又取締ヲモ爲シ來ッテアル然ルニ地方法律故ニ詳細ナルコ
  トハ一定ヲスルト云フ譯ニモ參ラズヽ其他種々不都合ノコトモアル故
  是非トモ本案ヲ成立セシムルヤウニ致シタイ現ニ精神病者ノ數ヲ申シマス
  ルト旣ニ二万有餘ニ及ンデ居ル此二万有餘ナル數ハ、旣ニ警察ノ手ヲ經、
  警察ノ調ニ依ッテ精神病者ト認定ヲ致シタ者ノ數ノミデゴザイマスル、現し
  精神病者トマダ認定ヲ致シマセヌ此數ヲ申シマシタナラバ隨分大キイモ
  ノデアラウト想像ガ附クノデゴザイマス、斯ノ如キコトデゴザイマスカラ、成
  ルベタ本會期ニ於テ之ヲ通過スルコトニシタイト云フ望デゴザイマシタ、併
  ナガラ委員會ハ縱令如何ニ政府委員ガ通過ヲ望ミマスルトモ、法文ノ不備又
  他ノ法律トノ關係ガ能ク分リマセヌ中ニ唯本案ニ向ッテ贊成ヲスルト云フ
  コトハ、ドウシテモ出來ヌト云フコトデゴザリマシタ、ワレデ種々ナル〓ニ附
  イテ委員ト政府委員トノ押問答ガ澤山ゴザリマシタ結局政府委員ハ若シ此
  法文ノ不備ヨリシテ解釋上又執行上ニ附イテ此法律ヲ施行スル上ニ附イテ、
  民法其他ノ法律ニ或ハ衝突スルノ嫌ノアラウト云フ條項ニ附イテハ施行細
  則ヲ設ケルニ當ッテ十分ニ注意ニ注意ヲ加ヘテサウシテ右等ノ條項ハ決
  シテ衝突ノナイヤウニ十分注意シヤウ、又其上ニモ實際ノ他ノ法律等ニ抵觸
  ヲスル場合ニ於テハ、次期ノ議會ニ於テ其改正案ヲ提出スルナリ又議會ヨリ
  之ガ修正案ヲ提出セラレタ場合ニハ、之ニ向ッテ調査ノ上十分ノ同意ヲ表スル
  コトデアラウ、斯樣ナコトデゴザイマシタ因テ委員ハ段々細カイ種々ナル
  說明ヲ受ケマシタ末ニ大體本案ハ法律トシテ出スノガ相當デアル然ラバ
  法交中少シ位不備ナル處ガゴザイマシテモ、、政府委員ノ答辯スル如キ責位ヲ
  負ウテ施行細則ニ十分規定スルト云フコトガゴザイマシタナラバ別ニ差
  支モアルマイト斯ウ云フコトデゴザイマシテ、遂ニ本案ヲ贊成シ併テ貴
  族院ノ修正ニ同意スルコトヽナリマシタ次第デゴザイマス、此段御報告致シ
  マス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=71

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• 072・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　此案ハ委員長報告通御異議アリマセヌカラ、ド
  ウカ讀會省略デ確定ナランコトヲ望ミマス
  (「贊成々々」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=72

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• 073・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　讀會省略ニ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=73

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• 074・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ讀會ヲ省略スルコトニ致シマス、本
  案ハ委員長報告通御異議アリマセヌカ
  精神病者監護法案確定議
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=74

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• 075・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ委員長報告通確定シタルモノト認メ
  ス議事日程ノ第七ハ委員長ヨリ暫時議事ヲ延シテ呉レト云フ申立ガアリ
  マシタカラ明日マデ延期スルコトニ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=75

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• 076・片岡健吉

  ○議長(片間健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス、議事日程ノ第八行政
  執行法案第一讀會ノ續委員長ノ報告、安川繁成君
  第八行政執行法案(政府提出)第一讀會ノ續(委員長
  報〓
  〔安川繁成君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=76

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• 077・安川繁成

  ○安川繁成君(百九十六番)　行政執行法案ノ特別委員會ノ經過ヲ御報道致シ
  マス本案ハ大分此地方ニモ各黨派ニモ關係ガゴザイマスルコトデアリマス
  故ニ委員會ハ政府委員ニ質問モ致シ、協議モ遂ゲマシタノデゴザイマス
  此案ハ段々審議ノ末ニ第二條ノ中ニ修正ガゴザイマスル、ソレハ第二條ノズッ
  ト參リマシテ「博奕醜業取締ノタメ必要」ト此文字ヲ削リマシテ「密賣淫ノ
  現行」ト云フ六字ヲ之ニ換ヘマスル是ガ修正デゴザイマス「博奕密賣淫ノ
  現行アリト認ムルトキニ非サレハ」ト、斯ウ修正ニナリマシタ譯デゴザイマス
  ソレハ此下ニゴザイマスル通醜業婦ノ意ニ反シテ家宅ニ入ルト云フ事柄デゴ
  ザイマスルカラ唯必要ト認ムルト云フ意味デ、博奕ヲ打ッテ居ルトカ、或
  ハ醜業婦ガヤットルラシイ位デハイカヌカラ(笑聲起ル)現行アリト云フ字
  ヲ入レルガ宜カラウ斯ウ云フノガ委員會ノ意見デゴザイマスソレデ此現
  行ト云フ字ガ這入リマシタ、是ダケノ修正デゴザイマス、ソレデ此一條ヨリ七
  條ノ間是ダケノ修正デ、後トハ委員會ハ確定ヲ致シマシタ次第デゴザイマス
  ソレカラ日程ノ第九デゴザイマス是ハ治安警察法案、是ハ一條カラ二十一
  條ノ間ニ修正ヲ致シマシタノガ第九條デゴザイマスル第九條ノ「安寧秩
  序ヲ保持スルタメ必要ナル場合ニ於テ警察官ハ」トアル其次モ「意外ノ」三
  字ヲ挿入スルト云フコトニナリマシタソレカラ「運動若クハ群集ヲ制限シ
  又禁止」此禁止ノ下ニ「若ハ解散シ又ハ屋內ノ集會ヲ解散スルコトヲ得」ト
  此字ヲ足シマシタノデ、是ハ禁止ト云フコトガゴザイマスルノデ、ソレカラ
  屋內ト云フコトヲ入レ、禁止若クハ解散シ若ハ屋內ノ集會ヲ解散スルコトヲ
  得ルト云フコトニ致シマスレバ此解散ト云フコトガアリマスルカラ、禁止ト
  云フニ止ラナイカラ宜カラウト云フノガ、委員諸君說デゴザイマシタカラ、其
  通修正ヲ致シマシタソレカラ此次ニ三項目ニ一項ヲ加ヘマシタノデアリマ
  スガ「第一項ノ制限若クハ禁止ノ命ニ違背シ又ハ解散ヲ命ゼラレタル後尙退
  散セザル者ハ二月以下ノ輕禁錮又ハ三十圓以下ノ罰金ニ處ス」ト此項ガ這入
  リマシタノデ、ソレカラ其次ニ「本條ノ制限又ハ禁止ヲ受ケ仍之ヲ犯」此犯
  ノ字マデヲ削リマシテ「第二項ノ禁止ノ命ニ違背」ト斯ウ修正ノ文字ガ這入リ
  マシタノデ本案モ是ダケガ修正デゴザイマシテ、其他ハ皆原案デ異議ナイ
  ト云フコトニ委員會ハ決議ヲ致シマシテゴザイマス、是ハ政府委員ガ本案ヲ
  提出シタ所ノ要〓ヲ說明ガゴザイマシタ、是ハマア諸君モ御聽ニナルノガ必
  要デゴザイマセウト思ヒマスルガ、私ガ受賣デ、斯ウ云フ趣意デアッタト云フ
  コトヲ御話申シマシテモ、間違フト困リマスル、一體此速記ヲ附シマシテゴザ
  イマスルカラ速記錄ヲ是非此日程ニ上ボルマデニ注意ヲシテ出シテ呉レト
  云フコトヲ書記官ニ賴ンデ置キマシタガ、印刷スルノニ外ニ急クモノガアル
  カデ、是ハマダ見エマセヌノデゴザイマス、ソレ故ニ若シ此兩案ヲ提出シマシ
  タル所ノ政府ガ何ノ要〓ヲ以テ之ヲ提出致シタカト云フコトヲ御聽ニナ
  ルコトガ必要デアリマスルナラ、政府委員ニ其事ヲ述べテ貰ッタ方ガ宜イ、
  私モ玆ニ政府委員ノ書イタモノハ貰ッテ居リマスケレドモ私ガ受賣ヲ致
  スヨリカモ矢張本元ノ製造元カラ御聽ニナッタ方ガ宜カラウト思ヒマスカ
  ラ、ソレデ私ハ申上ゲマセヌ唯此經過ヲ-是ダケノ修正ヲ加ヘテ可決スベ
  キモノト決定シタコトヲ御報道致シテ置キマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=77

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• 078・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　最早政府委員ノ說明ヲ聽カナイデモ、大體分ッテ
  居リマスドウカ此第八第九孰モ委員長報告通讀會省略ヲ以テ確定ニナラン
  コトヲ希望致シマス
  〔「贊成々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=78

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• 079・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　讀會省略ニ御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=79

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• 080・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ讀會ハ省略スルコトニ致シマス、本
  案ハ委員長報告通デ御異議ハアリマセヌカ
  行政執行法案確定識
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=80

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• 081・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ確定ト認メマス-議事日程ノ第九
  ニ移リマス
  第九治安警察法案(政府提出)第一讀會ノ續(報告(委員長)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=81

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• 082・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　是ハ委員長ノ報告ガ濟ンデアリマスガ、是モ讀會省略
  ニ御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=82

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• 083・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　異議ガナケレバ讀會省略ヲ致シマス-本案モ禾員長
  報告デ御異議ハアリマセヌカ
  治安警察法案確定議
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=83

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• 084・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ委員長報告通ニ決シマス-議事日
  程ノ第十保險業法案第一讀曾ノ續、委員長ノ報告堀越寛介君
  第十保險業法案(政府提出貴族院送付)第一讀會ノ續(報告委員長
  [堀越寛介君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=84

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• 085・堀越寛介

  ○堀越寛介君(二十一番)　保險業法案ハ一昨十七日ニ委員會ヲ開キマシテ、
  委員會ニ於キマシテ質問ヲ十分致シマシタ後ニ、本案ヲ貴族院ノ修正致シマ
  シタ通可決致シマシタ一字一句ノ修正ヲ加ヘマセヌ次第デゴザイマス、全會
  一致ヲ以テ可決ヲ致シマシタ、デ此委員ガ可決ヲ致シマシタル次第ハ、此保險
  業法案ト云フモノハ、如何ニモ必要デアル、世間ニ保險業ガ益〓盛ニナッテ參リ
  マスル所ガ、之ヲ取締ヲ致シマスル所ノ商法施行法中ニ第九十五條ヨリ百十
  六條マデ僅ニ二十二條ホカニハゴザイマセヌ取締ヲ受ケマスル方ノモノモ
  何ノ〓ニ向ッテ監督ヲ受クルカ、又取締ヲ致ス方ノ主務官廳ニ於キマシテモ
  如何ナル標準ヲ以テ取締ヲ爲スカ如何ニモ漠然ト致シテ居リマスル次第デゴ
  ザイマスソコデ此舊商法、舊商法デハゴザイマセヌ現行商法施行法中ニ於
  キマシテ旣設會社ニ對シマシテハ此百三條以下百十七條、僅ニ十四條ホカゴ
  ザイマセヌノデゴザイマス、然ルニ此商法施行法ノ條目ニ依リマスルト、監督
  權能ト云フモノガ非常ニ當局者卽チ主務省ニゴザイマスルノデ、此非常ニゴ
  ザイマスルガ、其權能ヲ直ニ保險業者ニ向ッテヤルト云フコトニ相成リマス
  ルト卽チ社會ニゴザイマスル所ノ所謂監督ヲ致シマスレハ發達ヲ致ス所ノ
  會社モソレガタメニ發達ヲ致スコトガ出來ナイ、又他日大ニ見込ノアル所ノ
  會社モ、詰リ解散ヲ致サナケレバナラヌト云フヤウナ結果ニナルノデゴザイ
  マス、ソレデゴザイマスカラシテ本案ヲ政府ガ制定ヲシタモノト、委員等モ認
  定致シマシタ次第デゴザイマス、デゴザイマスカラシテ、本案ハ一ハ完全ナル
  所ノ保險會社ノ設立ヲ求メ、一ハ不完全ナル會社ヲシテ完全ナラシムル所ノ
  法案デゴザイマス、ソレ故ニ全部贊成ヲ致シタ次第デゴザイマス、尙ホ此世間
  ニ於キマシテ相互會社ト云フ此法案中ニ相互會社ト云フモノガゴザイマスデ
  ス相互會社ト云フモノハ大變ニ耳新シク世間ニ於テ感ジテ居リマスルガ相
  互會社ト云フモノハ現行法中商法ノ第四百十八條ニ確ニ認メテアルデゴザイ
  マス、旣ニ法律ガ相互會社ヲ認メタ以上ニハ監督スル規則ト云フモノガ當然
  ナケラネバナラヌデゴザイマス、然ルニ少モ監督ヲスル所ノ條規ガゴザイマ
  セヌ故ニ、該法案中ニ相互會社ノコトヲ多數ナル所ノ條項ヲ舉ゲテ、取締ヲ致
  シマスル次第デゴザイマス世間テハ或ハ政府ハ此法案ヲ發シタ趣意ト云フ
  モノハ株式會社ヲ危險トシテ相互會社ニシヤウト云フ意思デハナイカト云フ
  ヤウナ疑ヲ有ッテ居ルモノガアル決シテ左樣ナル趣意デハゴザイマセヌ、固ヨ
  リ法律ト云フモノガゴザイマシタ以上ニハ監督ヲスル所ノモノガナケレバ
  ナラヌノデゴザイマスル、殊ニ又此相互會社ト云フモノハ御承知ノ通、五百名
  社トカ云フヤウナモノガゴザイマシテ此性質ニ於テハ相互會社ノ性質ヲ帶
  ビテ居リマスルケレドモ、仕方ニ於キマシテハ甚ダ違ッテ居ルソレガタメニ
  餘程危險デゴザイマスルノデ或ハ唯今ヨリ以前ニ於キマシテ解散ヲ命ゼラ
  レタル所ノサウ云フ種類ノ會社モゴザイマス若シ此法案ノ如キモノガゴザ
  イマシタナラバ完全ニ斯ル共濟相互保險會社ノ如キモノガ十分ニ成立ツコ
  トガ出來タデアラウト思フ、左樣デゴザイマスカラシテ、該法案ハ最モ今日ニ
  適當ナル所ノモノデアッテ實ニ不完全ナル會社ハ該法案ニ依リテ完全トナリ
  完全ナル會社ハ益〓發達スルコトガ出來テ、世間ノ人ヲシテ安心セシムルト云
  フコトガ出來ルト委員等ハ信ジマシタ次第デゴザイマスドウカ是モ矢張讀
  會ヲ省略セラレテ直ニ可決アランコトヲ偏ニ希望致シマスル次第デゴザイ
  マス

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• 086・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　ドウカ讀會省略デ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=86

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• 087・鈴木そう兵衞

  ○鈴木摠兵衞君(九十六番)　本法中第二十條、第五十九條、第百十條ハ條項中
  デモ重ナル所デゴザイマスガ此條項中デ政府委員ト問答ニナリマシタカ
  ナリマシタナラバ尙更詳細ニ承リタイ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=87

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• 088・堀越寛介

  ○堀越寛介君(二十一番)　御答ヲ致シマスル、委員會ニ於キマシテハ大一
  政府委員ニ向ッテ質問モ致シマシタ次第デゴザイマスルガ、此二十條ハ政府委
  員ニ向ッテ質問致シマセヌデゴザイマスガ、此二十條ノコトハ五十九條ノ方
  ヲ說明致シマスレバ自然御分リニナルコトハ無論デゴザイマスルガ此五
  十九條ノ方ハ後トニ致シマシテ此但書ダケノ說明ヲ御答致シマセウデゴザ
  イマス本員等ノ考ヘマスル所ハ此既設會社ニモ矢張此設立費用及營業費
  全額ヲ償却シタル後デナケレバ株式會社ニ於テハヤハリ利益ヲ配當スルコ
  トハ出來ヌモノト認メマシタノデゴザイマス、併ナガラ設立費用營業費デゴ
  ザイマス、營業費設立費用ノ償却ヲ致シマスレバ如何ニ其會社ガ致シマシテ
  モ設立費用ト營業費用トノ全額ダケヲ償却ヲ致シマスレバ利益ノ配當ガ出
  來マスル次第デゴザイマスソコデ此法文ノ適用ハ所謂既設會社ニモ適用セ
  ラルヽコトヽ思フ、其既設會社ニ適用セラレマスルノハ既設會社ニシテ設
  立費用營業費ノ償却ヲ致サヌ所ノモノニ向ッテハ無論此但書ヲ適用セラル
  ルデアラウト存ジマス

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• 089・鈴木そう兵衞

  ○鈴木摠兵衞君(九十六番)　但書ハ五十九條ニアリマセヌカ、百十條デスカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=89

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• 090・堀越寛介

  ○堀越寛介君(二十一番)　百十條デス百十條ハ相當ノ責任準備金ヲ積立テ
  テ致シマスルコトヲ、此致シマセヌ所謂三箇月內ニ於キマシテ相當ナ準備
  金ノ積立テヽナイモノハ致セ、斯ウ云フ趣意ニ考ヘマスルガ、卽チ是モ此不足
  塡補ノ方法ハ定マリマスレバ無論此一體保險ハ御承知ノ通此保險ノ算法ハ
  學理ニ依テ成立ツモノデゴザイマスカラソレデ其學理ニ依ッテ塡補ノ方法ヲ
  講ジマシテ是デ差支ナイモノナリトスレバ無論利益ノ配當ト云フモノハ出
  來マスル次第デゴザイマスル

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=90

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• 091・鈴木そう兵衞

  ○鈴木摠兵衞君(九十一ハ番)　尙ホ續イテ伺ヒマスガ、此相當ト云フ所謂其保
  險ノ學理ニ基クト云フコトハ學理ト云フモノヽ一ツデナク或ハ色ミ照鑑ス
  ベキモノガアリマスガ、之ヲ相當ト認定スルノハ

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• 092・堀越寛介

  ○堀越寛介君(二十一番)　相當ト云フコトハ卽チ其會社ノ認メタル所ノモノ
  ヲ以テ相當ト致シマスル速ニ御議決アランコトヲ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=92

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• 093・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　恆松隆慶君カラ讀會省略ノ動議ガ出テ居リマス、讀會
  省略ニ御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=93

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• 094・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス、委員長ノ報告ノ通御
  異議ハアリマセヌカ
  保險業法案確定議
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=94

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• 095・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ナケレバ委員長ノ報告通決シマス、チヨット此際
  御諮リスルコトガアリマス委員長齋藤壽雄君カラ大日本私立衞生會事務講
  習所補助ニ關スル建議案ノ委員會ヲ開キタイト云フコトデアリマス許シテ
  御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=95

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• 096・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ許スコトニ〓シマス、議事日程ノ第
  十一混成酒稅法中改正法律案第一讀會議案ノ朗讀ヲ省略致シマス大津淳一
  郞君
  第十一混成酒稅法中改正法律案(大津淳一郞君外第一讀會
  十六名提出)
  混成酒稅法中改正法律案
  混成酒稅法中左ノ通改正ス
  第二條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
  特ニ製造場ヲ設ケス店頭其ノ他ノ場所ニ於テ混成酒ヲ製造シテ販賣スル
  者ニハ造石稅ヲ課セス製造稅トシテ販賣所一箇每ニ每月金五圓ヲ課ス
  第四條ニ左ノ一項ヲ加フ
  製造稅ハ開業ノ月ヨリ廢業ノ月マテ每月之ヲ徵收ス
  第四條ヲ第四條ノ一トシ次ニ左ノ一條ヲ加フ
  第四條ノ二
  特ニ製造場ヲ設ケスシテ混成酒ヲ製造スル者ハ販賣ノ場所ヲ定メ其ノ場
  所每ニ政府ノ免許ヲ受クヘシ其ノ製造ヲ廢止スルトキハ免許ノ取消ヲ求
  ムヽ>
  前項ノ免許ヲ受ケタル者ハ混成酒ノ卸賣ヲ爲スコトヲ得ス
  第五條中「混成酒ヲ製造スル者」ノ上ニ「製造場ヲ設ケ」ヲ加フ
  第六條第四條ノ二第一項ニ依リ免許ヲ受クヘキ者免許ヲ受ケスシテ混成酒
  ヲ製造シタルトキハ十圓以上二百圓以下ノ罰金ニ處ス
  第四條ノ二第二項又ハ第五條ヲ犯シタル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ
  處ス
  第七條酒造稅法第二條、第七條、第八條、第十一條、第十二條、第十三條、第十
  四條、第十五條、第十六條、第十八條第十九條、第二十二條、第二十四條、
  第二十五條、第二十八條、第二十九條、第三十條第三十一條、第三十一一條、
  第三十四條第三十五條、、第三十六條ハ混成酒ノ製造ニ適用ス但シ製造場
  ヲ設ケスシテ混成酒ヲ製造スル者ニハ第十九條、第二十九條、第三十條
  第三十一條、第三十二條、第三十四條、第三十五條ヲ除クノ外ハ適用セ
  ス
  酒造稅法中一酒造年度トアルハ混成酒ニ關シテハ暦年トス
  〔大津淳一郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=96

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• 097・大津淳一郎

  ○大津淳一郞君(百八十五番)　此混成酒稅法中改正法律案提出ノ理由ヲ述べ
  マス前ニ是ハ委員ニモ付託セズシテ卽決ヲシテ御貰申シタイト云フコトヲ
  先ヅ諸君ニ申述ベテ置キマス其卽決ヲシテ御貰ヒ申シタイト云フコトニ附
  イテハ此案ノ成立ヲ諸君ニ先ヅ一ツ申上ゲナケレバナラヌ、此混成酒稅法
  中改正法律案ハ吾〓共ノ提出ヲ致シマシタノハ、曩ニ大塚常次郞君外五名ョ
  リ酒造稅則改正法律案ニ提出致サシマシタ、之ヲ委員ノ御付託ニナッタ其卽チ
  本員等モ委員デゴザイマシタ、此酒造稅法中改正法律案ノ委員會ニ於テ、審査
  ノ場合ニ當ッテ、大塚常次郞君ヨリ提出シタ案ノ中ニ混成酒ノ取締ニシタイ
  ト云フノデ、混成酒稅法ハ廢シテ酒造稅則ノ稅法ノ中ニ再製酒ト云フ名前ヲ
  置イテサウシテ之ヲ取締ヲシテ酒ノ如クニ造石稅等ヲ取ッタ方ガ取締上
  ニ宜シイト云フノデ、大塚君ガ提出サレテアッタノデソレカラ是ニ篤ト政府
  委員ト審査ノ末ニ、矢張酒造稅則ノ方ニ入レルト云フコトハドウモ惡ルイ
  併ナガラ現在ノ儘デハ誠ニ往ケナイカラ、是非取締法ハ出サナケレバナラヌ
  ト云フノデ、然ラバ酒造稅則中ニ置カナイコトニ大塚君ノ提出案ヲ削除スル
  ト云フトキニハ外ニ混成酒稅法ヲ變ヘナケレバナラヌ、直チニ混成酒稅法ノ
  中ニ修正ヲ加ヘヤウト致シマシタ實ハ其末ニ混成酒稅法ハ之ヲ廢スト云フ
  コト案ニナッテ居リマスカラ、混成酒稅法ニモ關係ガアルカラ、直チニ改正ヲ
  シテモ宜カラウト思ッテ先例モアルカト思ッテ居リマシタ所ガ、段々調ベテ見
  ルト、ワレデハ往カヌト云フニ附イテ、直チニ酒造稅則ノ改正ノタメニ混成酒
  稅則ノ方ニ改正ハ出來ナイトナリマシタカラ據ロナシニ此案ヲ提出致シマ
  シタノデゴザイマスガ、是ハ政府ト篤ト打合セテ、政府モ少モ異議モナイ寧
  ロ政府ガ拵ヘタト云フ案デゴザイマス、故ニ是ノ中ニ御疑ガアリマスレバ政
  府委員ニ御質問ノ方ガ拙者ヨリハ能ク分リマスト思マス敢テ責任ヲ遁レル
  ノデハゴザイマセヌケレドモ、事實ヲ申上ゲテ置キマス、而シテ此日程ノ末サ
  往キマシテ、酒造稅法中改正法律案ノ議事ハゴザイマスルガ、是ト少シハ關係
  シテ居ルノデ此酒造稅則ノ方ノ改正ノ第五條ニゴザイマス第四條-
  第四條ヲ少シク大塚君ノハ修正ニナッテ居リマスソレハ第二項ノ第二種ニ
  アッテハ五十條ヲ超過スルト云フヤツヲ六十五ト直シタ卽チ燒酎酒精ヲ五
  十ト限ッタモノヲ六十五度ト直スカラニハ多少ソレガタメニ酒屋ノ稅ノ害
  ヲ混成酒屋ガ及シハセヌカト云フ恐レガアルガタメニ混成酒屋ヲ又嚴重ニ
  取締ルト云フコトニナリマスカラ關係ヲ有シテ居リマス併ナガラ假令ソ
  レガ關係ヲ斷ッテモ混成酒稅法ハ此取締法ヲ以テ取締ル方ガ宜シイト云フ
  政府委員ノ云フコトデモアリマスルシ、吾ミモサウシテ居リマスソレ故ニ此
  法案ヲ提出致シマシタノデゴザイマスカラ、右樣ナ成立デ委員ガ最早審査ヲ
  シテシマッタ法案ト見テ、聊カ差支ガナイト思ヒマスカラ、是ハ卽決ヲ請ヒ
  タイ政府モ同意シテ居ルモノデゴザイマスルガ故ニ、卽決ヲ希望シテ置ク
  ト云フコトヲ申述べテ置キマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=97

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• 098・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　本案ニ附イテ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマ
  セヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=98

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• 099・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ、第二讀會ヲ開クコトニ致シマス、
  讀會省略ノ動議ガアリマスカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=99

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• 100・西村淳藏

  ○西村淳藏君(二百七十八番)　私ガ出シマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=100

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• 101・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　讀會省略ヲシテ直チニ確定議ニ附スルト云フ動議ニ御
  異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=101

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• 102・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス、全部ヲ議題ニ致シマ
  ス本案ニ御異議ガアリマセヌカ
  混成酒稅法中改正法律案確定議
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=102

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• 103・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ確定致シマス、議事日程ノ第十二鑛
  業條例中改正法律案第一讀會議案ノ朗讀ヲ省略致シマス丸山嵯峨一郞君
  第十二鑛業條例中改正法律案(花井卓藏外二名提第一讀會
  〓
  鑛業條例中改正法律案
  鑛業條例中左ノ通改正ス
  第十九條第二項但書ヲ割ル
  第三十四條ヲ第三十四條ノ一トシ次ニ左ノ一條ヲ加フ
  第三十四條ノ二前二條ニ於ケル取消ノ原因タル錯誤カ鑛業人ノ過失又
  ハ故意ニ出テタル場合ヲ除クノ外鑛業人ハ其ノ實際ニ被リタル損害ノ
  賠償ヲ請求スルコトヲ得
  〔丸山嵯峨一郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=103

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• 104・丸山嵯峨一郎

  ○丸山嵯峨　郞君(百五十三番)私ハ本案ヲ提出致シマシタ一人デアリマス
  ルカラ簡〓ニ說明ヲ致シマス本案鑛業條例中改正致シマスル要點ハ第十
  九條第二項ノ但書ヲ削ルト云フノト第三十四條ヲ第三十四條ノ一トシ、次キ
  ニ一箇條ヲ加ヘルニトデアッテ卽チ配付致シマシテ居ル通ノコトニ改正ヲ致
  サウト云フノデアリマスルガ、之ヲ簡短ニ說明ヲ致シテ置キマスルガ第十九
  條ノ第二項但書ヲ削ル譯柄ハ、此十九條ハ斯樣ニ規定ニナッテ居ルノデ、其第
  二項ニ「鑛業人前項取消ノ處分ニ不服アルトキハ其達ヲ受ケタル日ヨリ三十
  日以內ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得」但ニ「損害ノ賠償ヲ要求スルコトヲ
  得」ソレデ此裁判所ノ-行政裁判所ニ出訴スルト云フコトハ此試掘若クハ
  採掘ノ事業ガ公益ノ害ニナルト云フ理由デ、其管轄鑛山監督署長、或ハ農商務
  大臣カラシテ、認可若クハ特許ヲ取消ト云フ事柄ニ附イテノ爭ヲ持出スノデ
  アルガ其際ニ但シ損害ノ要求ヲ爲スコトガ出來ヌト云フ規定ノ如キコトハ
  元來此公益ニ關スルト云フ事柄デ、ソレヲ原因トシテ取消スノデアリマスカ
  ラ斯樣ナ規程ヲ玆ニ規定シテ置クベキ必要ガナイト云フ簡單ナ理窟デアル
  ノデヽ外ニ詳シタ述ベル必要ガナイ尙ホ次ノ修正ハ卽チ御承知ノ通第三十三
  條及第三十四條、此二ツノ條ニハ詐欺又ハ錯誤ニ依ッテ試掘ノ認可或ハ採掘ノ
  特許ヲ得タルコトヲ發見シタ時分ニ於テ、監督署長又ハ農商務大臣カラ認可
  若クハ特許ヲ取消スコトガ出來ル云々ト云フコトヲ規定シタノデアリマス
  其時分ニ唯之ヲ取消スト云フコトデハ、甚ダ此鑛業人ニ向ッテ損害ヲ與フル
  場合ガ、往々ニアルノデアルカラ、之ヲ顧ミナイノハ甚ダ殘酷デアルト云フ所
  カラシテ、此改正ヲ必要トスル所以デアリマス、元來此鑛業條例ヲ制定スル當
  時ニハ一般ニ此鑛業人ノ自己ノ過失或ハ故意ニ依ッテ、錯誤ヲ來シタト云
  フ場合デナケレバ損害ノ賠償ヲ致シテ居リマスノデアリマス此實例モ吾
  吾ハ聞イテ居リマスガ往々ニシテ近頃ニ至ッテハ賠償スベキモノデナイト
  云フヤウナ考カラ、鑛業人ハ是マデ非常ナ失費ヲ要シタ所ノ其坑區抔、或ハ事
  業ニ向ッテ取消處分ヲ受ケテ、非常ナ損失ヲ招クコトガアルノデアリマスワ
  レ故吾〓ハ此〓ニ向ッテ詰リ鑛業條例當時ノ精神ト云フモノヲ明文ヲ以テ之
  ヲ表示スルコトガ必要デアラウト云フ考カラ斯樣ナ改正案ヲ出シタノデア
  リマス元來諸君モ御同樣ニ私權ヲ保護シ、之ヲ大切ニシテ往クコトハ今
  日必要ナコトデアッテ、今後事業ガ段々發達致シマシテ、殊ニ鑛業上ノ事抔ノ
  發達致シマシタ時分ニハ、隨分此出願人ヲ增加致シテ參リマス、其時分ニ此責
  任ト云フモノヲ明ニシテ置カヌト云フト、或ハ種々ノ不正ナ競爭ヲ致シ、或
  ハ賄賂ヲ使フトカ、或ハ種々ノ手段ヲ以テ、其自分ノ目的ヲ達スル方法ヲ以テ
  講ズルト云フヤウナコトデ危險ガ多イノデアリマス、ソレデアリマスカ
  ラシテ、成ルベク此官吏ト云ヒマシテモ、自分ハ過ガアッタガ、併シ官吏デアル
  カラ、其責往ヲ負ハヌト云フ無責任ノコトデハイカヌカラ、若シ鑛業人ノ方デ
  詐欺ノ手段ヲ用ヒタト云フヤウナ事柄カラ、監督官吏ヲシテ錯誤ニ陷レシメ
  タコトノナイ以上ハ、此官吏ノ自己ノ過失或ハ錯誤等ニ依ッテ鑛業人ニ損害ヲ
  與ヘタ場合ハ當然賠償ノ責ヲ負ハシメルガ必要デ、固ヨリ官吏一己デナイ
  國家ガ賠償スルコトガ當然デアッテ、人民ハ其損害ヲ受ケタコトヲ請求スル
  コトガ出來ルコトニ致シタイト云フノデアリマス
  (政府委員農商務省鑛山局長田中隆三君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=104

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• 105・田中隆三

  ○政府委員(田中隆三君)　唯今議題ニナフテ居リマス鑛業條例中改正法律案
  ニ附イテハ、政府ハ絕對的ニ反對ヲ致シマス、唯今ノ御說明ニ依リマスレバ
  如何ニモ些細ナ御修正ノヤウニ聽取マシタガナカ〓〓是ハ法律鑛業條例或
  ハ其他一般ノ行政法ニ附イテ容易ナラザル關係ノアル法案デアル、此改正案
  ハ二ツニナッテ居リマスガ、第十九條ノ第二項ヲ削ルト云フコトニ附イテハ
  削ッテモ削ラナクテモ法律上ノ結果ハ同ジデアルカラ、削ルト云フ說明書ガ
  附イテ居リマスガ政府デハ同ジト認メテ居リマセヌ、ト云フノハ十九條ハ
  正當ニ最初鑛業ヲ正當ニ許可ヲシタ正當ニ許可シタケレドモ後ニ至ッテ
  公益ニ害ガアルコトヲ發見シテ而シテ其鑛山ヲ鑛業ヲ取消スト云フ場
  合デアル、ワレハ最初何等ノ過失錯誤ナク、正當ニ鑛業人ニ許可シタ鑛業人ガ
  財產權ヲ得テ鑛業シテ居ルモノヲ後ニ至ッテ公益上害ガアルカラト云フテ
  鑛業權ヲ取上ゲル際ニ鑛業人ガ損害ノ賠償ヲスルコトガ出來ルカ出來ナイ
  カ疑シイ問題デアル、公益ノタメト云フコトハ、一體損害賠償ヲシナクテモ
  宜イト云フ法律ガアルナラ免モ角モ、サウ云フコトガナイナラ、此事ハ確ニ極
  メテ置カナケレバナラヌノミナラズ、反對ノ實例ガアル、公益上必要ナリトシ
  テ、土地ヲ收用スル、土地收用法ニ依ッテ相當ノ買收ヲスルノデアル公益ノタ
  メニ人ノ財產權ニ損害ヲ與ヘタ場合ハ言ハヌ當然賠償シナクテモ宜イト云
  フ法理ハ何處ニモナイ、ソレ故ニ此疑ヲ判明ナラシメルタメニ鑛業條例第十
  九條ハ、公益ノタメニ取消シタトキハ、政府ハ損害ノ賠償ヲシナイト云フコト
  ガナイナラバデス、立派ニ鑛山或ハ近項ヤカマシク仰ッシヤル足尾ノ鑛山ニ致
  シマシテモ、或ハ之ニ準ズベキ鑛山ニシテモ、萬一公益上害アルコトニナッテ
  取消シタトキハ政府ハ數千万圓ノ賠償ヲシナケレバナラナイ、意地惡ルイ鑛
  業人ハ却テ取消サルヽヲ望ムカモ知レナイ斯ウ云フコトハ危險ナ改正案デ
  アル此但書ヲ削除シテモ削除シナクテモ法律ノ結果ハ同樣デアルト云フコ
  トハ全ク御見解ガ違フコトデアルト思ハレル、ソレカラ三十四條ニ此錯誤ニ
  依ッテ許可ヲシタコトヲ發見シテ取消シタトキハ、國家ガ損害ノ賠償ヲセヨト
  云フコトデアルデ此趣旨ハ唯今ノ御說明ニ依ッテ國家ガ損害ノ賠償ヲセヨ
  ト云フコトモアリ又說明理由書ニモ國家ガ損害賠償ノ責任アルト云フコト
  ヲ書イテゴザイマスガ法文ニ依リマスト國家ニ向ッテ損害ノ賠償ヲ
  要求スルコトヤラ誰ニ向ッテ損害ノ賠償ヲ要求スルヤラ、甚ダ不明瞭
  デ、法文トシテハ甚ダ穩當デナイヤウニ思ハレル、此理由書ノ末段ニ依リマス
  ルト「若之カ賠償ノ責任ナシトスルトキハ近時鑛業ノ發達ニ伴フテ試掘或ハ
  特許ノ出顧者ヲ增加シ不正ノ競爭ヲ挑發スルノ虞アリ云々」トアル、所ガ三十
  四條ニ依ッテ取消サレル人ト云フノハドウ云フ人カト云フト、問違ッテ許可
  ヲ得タ人、惡ルク云ヘバ卽チ不正ノ競爭ヲシタ人ナンデス、誤ッテ許可ヲ受ケ
  テ出シタ許可ヲ得ベカラザル人ガ許可ヲ得タ場合其許可ヲ得ベカラザル人
  ガ許可ヲ得テ誤ッタト云フコトヲ發見シテ取消サレテモ尙ホ自分ノ受ケタ
  損害ヲ殘ラズ賠償シテ貰ヘルト云フナラバ不正ノ競爭ヲスル方ガ得ニナル
  ノデ(花井卓藏君「法文ヲ知ラヌノダ、馬鹿ナ」ト呼フ)ソレデアリマスカラ是
  ハ却テ理由書ニ書イテアリマスルヤウナ御趣意デアルナラバ却テ斯ウ云フ
  場合ハ損害賠償ノ責任ハ負ハナイトシタ方ガ御精神ヲ貫クニ必要デアル
  (花井卓藏君「曲解極マル」ト呼フ)ソレノミナラズ一體行政ニ致シマシテ
  モ司法ニ致シマシテモ、官吏ガ錯誤ガアッタヽメニ損害ノ賠償ノ責任ヲ負
  ハナケレバナラヌカ國家ガ損害賠償ノ責任ヲ負ハナケレバナラヌカト云フ
  コトハ特リ鑛業條例ニ關スル問題デナイ國家ノ法律全體ニ通ズル所ノ大
  問題デアル司法官ガ無罪ノ人ヲ罪ナクシテ牢獄ニ繫イデ置イテモ責任ガナ
  イト云フコトハ御承知デアルニ違ナイ司法裁判所ハ如何ナル間違ッタ判
  決ヲシテモソレガタメニ當事者ニ損害ヲ及サナイ裁判官ガ損害ノ責任ヲ
  負ハナイト云フコトハ御承知デアルニ違ナイ、行政官ニ致シテモ同ジコト
  玆ニ行政官ガ競爭者ニ不正ガアッタト云フコトデ法律ニ從ッテ之ヲ裁判ス
  ルニ當ツテ、ドチラガ善イカ惡ルイカ審査スル併ナガラ間違ノナイコト
  故ニ其間違ヲ矯正スルタメニ行政裁判所モ亦官吏ノ一身ノ上
  から現在ショップシハ懲戒ト云フコトモアル各ミ其途ト云フモノハ備ハッテ
  5개リマス上ニ間違ッタ處分ヲシタヽメニ尙ホ民事上ノ賠償ノ責任ヲ負ハナ
  レバナラヌト云フ制度ヲ此處ニ立テルト云フコトハ是ハ鑛業條例ダケノ
  或ハ之ヲ必要トスルモ是ハ全體日本ノ各般

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=105

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• 106・藤金作

  ○藤金作君(百六十九番)　是ニ附イテチヨット意見ヲ述ベマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=106

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• 107・丸山嵯峨一郎

  ○丸山嵯峨一郞君(百五十三番)　チヨット質問致シマス

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• 108・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　質問ガアリマスカラ質問ヲ許シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=108

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• 109・丸山嵯峨一郎

  ○丸山嵯峨一郞君(百五十三番)　チヨット政府委員ニ質問致シマスガ、此公
  益ニ害アリトノ原因カラ取消ス場合ト、公益ニ必要ノタメニ土地ヲ收用スル
  場合ト同樣ニ見テ居ラレルヤウナ御演說デアッタガ、果シテ同樣ニ見テ居
  ラレルノカ若シ同樣ニ見テ居ラレハ御論ノヤウナ論結ガ生ジマスガ
  公益ニ害アリト云フ原因ナラ、是ハ國家ノ處分ノ上ニ何モ非難スル所ハナイ
  ワレデアルカラシテ、賠償ノ途ヲ設ケルト云フ必要ガナイコトハ、法理上明ナ
  ル事柄デアルト言ハレル然ルニ今御演說ノ趣旨ニ依ルト公益ニ必要ナ場合
  ニ土地ヲ收用スルトキニハ之ニ賠償ノ道ハ特別ニ法律ヲ設ケナケレバナラ
  ヌト云フコトハ誠ニ方角違ナ御演說ト思ハレルソレデアルカラ單ニ公益
  ニ害アリト云フ理由ヲ以テ取消スノト公益ニ必要アリト云フ理デ、土地ヲ收
  用スルト云フコトヲ同一視セラレタノカドウカト云フコトヲ質問致シマス
  尙ホ又其次ノ修正ニ向ッテ政府委員ハ不正ナコトヲ致シタルモノデアルカラ
  之ニ賠償ヲ與ヘル責任ガナイト云フコトソレト尙ホ此國家ノ賠償ノコトハ
  全體ノ規程ニ涉ルノデアッテ、鑛業條例一ツニ附イテ規定スベキモノデナイ
  ト云フ御說デアッタ此修正ノ-改正ノ趣旨ト云フモノハ元ト鑛業人ノ
  方ニ不正ナコトガアレバ賠償ヲ許サナイト云フノハ、是ハ當然ナコトデ、
  特ニ鑛業人ノ過失又ハ故意ニ出デタル場合ヲ除クノ外ト云フコトガ、明示シ
  テアル是デモ政府委員ノ目ニハ不正ナコトヲシタ鑛業人ト云フコトヲ御認
  メニナルカソレカラシテ第二ノ政府委員ノ御說ハ一般ノ規程ニ屬スルト云
  フ理由ヲ以テ鑛業條例ニ規定スルコトガ出來ヌト云フケレドモ、鑛業條例ニ
  於テモ斯樣ナコトガ目下必要デアルト認メタナラバ特リ一般ノ規程ノミナ
  ラズ、種々ノ規程ヲ設ケル必要ガアルノデアル、ソレデアルカラシテ斯樣ナ
  コトニ向ッテ一般ノ規程ガナイト云フノガ既ニ可笑シイノデ、民法上素ヨ
  リ當然ノ規程ガアルト信ジテ居リマスケレドモ、此鑛業條例ノ解釋ノ上ニ不
  明ヲ來スノ恐ガアルカラ斯樣ニ條文ヲ明ニシテ置キタイト云フ趣旨デ提出
  致シタノデアルガ政府委員ノ意見デハ民法上斯樣ナ責任ト云フモノガ生ジ
  テ來ナイト云フ理由デアルカドウデアルカト云フコトヲ聞キマス
  (政府委員農商務省鑛山局長田中隆三君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=109

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• 110・田中隆三

  ○政府委員(田中隆三君)　御答ヲ致シマスガ、唯今御尋ニナッタコトハ數箇
  條ニ渉ッタヤウデアリマスガ最後ノ問題カラ御話ヲ致シマスガ御尋ノ通政
  府デハ此今日ノ法律ノ案ノ趣意ハ損害ノ賠償ノ責任ハナイト認メテ居ルノデ
  アリマス、提出者ノ意見ト全ク反對デゴザイマス、此意見ハ特リ農商務省ガ正
  當ト認メタノミナラズ、現ニ百五十三番ガ鑛山監督署ヲ相手取ッテ今日訴訟ヲ
  ナスッテ居ルダラウ一審ノ裁判所デモ敗審ナスッタシ、二審ノ裁判所デモ敗
  審ナサレタコトハ確ニ承知シテ居ル大審院ハ如何ナル判決ヲスルカ知リマ
  セヌケレドモ既ニ裁判所ハ一審二審共ニ農商務省ノ意見ニ同意シテ居ルノ
  デアリマス、決シテ是ハ農商務省一個ノ間違フタ意見デナイト本員ハ信ジテ
  居ルツレカラ先程政府委員ハ之ハ鑛業條例ニ視定サレナイ、一般ノ法律ニ
  規定シナケレバナラヌト云フヤウナ風ニ御話ヲシタヤウナ御辭デゴザイマシ
  タガサウデナイ是ハ鑛業條例ニ御規定ニナサラウトスレバナサルノハ自
  由デアル、併ナガラ此問題ハ特リ鑛業ノ行政ニ關スル問題デナイ誠之ひ
  政權ニ關スル問題デアルソレデアリマスカラ鑛業條例ノミガ3.9(4)
  意ニ改マッテモ一般ノ行政權一附イテ、期ウ云フ風ニ規定セランア君ヲナゲ
  レバ日本ノ法律ハ跛ナルモノニナルト云フコトヲ申上ゲタノデアルワ
  カラモウ一ツハ不正ナ競爭ヲ云々ト云フ御話デアリマスガ、不正ノ競爭ハ申
  上ゲタノハ丁虚理由書ノ內ニ不正ノ競爭ノタメ--損害賠償ヲセレメナゲ
  レバ、不正ナ競爭ヲ挑發スル虞アリト云フ御說明ガアリマスカラデス、此御趣
  意ニ依ッテ見ルト云フト一向趣意ガ了解出來ナイト云フノハ間違ッテ
  許可ヲ得タノヲ取消ス、取消サレタ鑛業人ノ方ハ寧ロ許可ヲ得ベカラザルモ
  ノガ許可ヲ得タ許可ヲ得ベカラザルモノガ許可ヲ得テ取消サレタソレデ
  モ其人ノ受ケタ損害ヲ賠償セシメルコトガ出來ルト云フコトデアルナラハ
  卽チ不正ノ競爭ヲシテ万一ヲ僥倖シテモ、其人ハ損ガナイ、卽チ不正ナ競爭
  ヲシテ取ラウト云フヤウニナルカ知リマセヌカラ此理由書ヲ反駁シタノデ
  アルソレカラ又其說明ニ依ルト云フト、鑛業人ノ故意又ハ過失デナケレバ
  觀者政府三過失ガアンタニ相法ラ賠償シテケレバナラメヤウニナ。
  如何ニモ不穩當ナ規程デアルソレデアリマスカラ反對ヲシタ又體裁ノ上
  カラ申シマスト三十四條ノ二ニ前二條ニ規定シタル云々ト云フコトガア
  ル、前二條ハ何ノコトカ二條ト三條ノコトガト云フトサウデナイ旁と
  此法案ハ餘程御急ギニナッタモノト見エマシテ、御取調上御不穩ト見マシタ、
  ソレデ否決セラレンコトヲ望ムデアリマス

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• 111・鮫島相政

  ○鮫島相政君(百六十一番)　議長

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• 112・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　質問デスカ

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• 113・鮫島相政

  ○鮫島相政君(百六十一番)　質問デハアリマセヌガ、兎ニ角此問題ハ法曹社
  會ノ一種ノ問題ニナッテ居ルノデアリマスカラ、特別委員ニ付託アランコト
  ヲ希望致シマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕
  〔「卽決々々」ト呼フ者アリ〕

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• 114・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　反對ノ演說ノ通告ガアリマスガ、委員付託ニ贊成ガア
  リマスカラ、先決問題トシテ委員ニ付託スルヤ否ヤノ決ヲ採ラウト思ヒマス、
  鮫島相政君ノ委員付託說ニ同意ノ諸君ハ起立
  起立者少數

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• 115・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　少數ト認メマス、藤金作君
  (藤金作君演壇ニ登ル〕
  (「採決々々默ッテシマヘ」ト呼フ者アリ〕

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• 116・藤金作

  ○藤金作君(百六十九番)　モウ大勢ガ分リマシタカラ
  〔「決々」ト呼フ者アリ〕

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• 117・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　ソレデハ本案ニ附イテ第二讀會ヲ開クヤ否ヤノ採決ヲ
  致シマス本案第二讀會ヲ開カウト云フノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
  起立者少數

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• 118・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　少數ト認メマス、本案ハ第二讀會ヲ開カザルコトニ決
  マシ

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• 119・鮫島相政

  ○鮫島相政君(百六十一番)　本員ハ議事日程ノ第十九ノ誤ニ附イテ、チヨク
  ト申シテ置キタイ議事日程ノ第十九ニ明治二十三年··

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• 120・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　二十三年トアルノハ二十九年ノ誤ダサウデス

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• 121・鮫島相政

  ○鮫島相政君(百六十一番)　ソレデ宜シイ

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• 122・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　議事日程ノ第十三地上權ニ關スル法律案、議案ノ朗讀
  ヲ省略致マス花井卓藏君望月長夫君
  地上權ニ關スル法律案(元田肇君外八名提第一讀會
  第十三四
  地上權ニ關スル法律案
  第一條本法施行前他人ノ土地ニ於テ工作物又ハ竹木ヲ所有スル爲其ノ土
  地ヲ使用スル者ハ地上權者ト看做ス但シ特ニ賃貸借ノ意思表示アルモノ
  ハ此ノ限ニ在ラス
  第二條第一條ノ地上權者ハ本法施行ノ日ヨリ一箇年內ニ登記ヲ爲スニ非
  サレハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ス
  (望月長夫君演壇ニ登ル)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=122

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• 123・望月長夫

  ○望月長夫君(二十二番)　本案ノ提出ノ理由ハ近頃ノ議案ニハ珍シイ程長イ
  理由書ガ書イテアリマスデ私ハ總テヲ此理由書ニ讓ラウト思フノデス殊
  ニ理由書ノ中ノ一二三ト云フモノハ最モ此法案ヲ必要トシタ理由ヲ書イタ
  ノデ ·民法ノ施行ノ前ニハ地上權ト稱スルガ如キムヅカシイ法律上ノ術
  証人一般ノ國民ノ間ニハ行レテハ居リマセヌ、或ハ借地ノ證トカ或ハ賃貸
  トカ云フ如キ辭シカ書イテ居リマセヌケレドモ人ノ地面ヲ借リテ是ニ堅
  全ナ家屋ヲ建テ、土藏ヲ建テ、數年ノ後デナケレバ收穫ヲ見ルコトノ出來ナイ
  竹木ヲ植エタモノハ實質ニ於テハ一年限ノ小作ヲ納メル田地ヲ借リテ居ル
  ト云フ意思デハナクテ地上權ヲ設定スル意思デアッタノハ明白デアルノ
  ニ民法ノ施行ノ後ニ至リマシテ賃貸借ト云フヤウナ素人臭イ文字ヲ從來
  總テ使ッテ來タモノデアリマスカラ法曹社會ニ甚シキ疑ヲ生ジテ、實際ノ判
  決モ區々ニナッテ、是ガタメニ他年自分ガ安全ヲ期シテ家ヲ建テタリ土藏ヲ
  持ッタリ竹木ヲ作ッタリシタ者ハ非常ニ迷惑ヲ感ジテ居ルノデアリマス
  此判決例ガ區々ニナッテ居ルコトモ玆ニ澤山ノ判決例ヲ書立テタモノヲ
  持ッテ居リマスケレドモ、是モ一々讀マズニ速記ニ託シテ、速記ニ依ッテ御覽
  ニ入レヤウト思フ、殊ニ此必要トシマスルハ、御承知ノ通不動產登記法ヲ發布
  セラレルマデハ、日本ニハ地上權ノ登記ト云フモノハナカッタ、民法及民法施
  行法ガ三十一年ノ七月十六日ニ施行シ之ニ依ッテ地上權ハ一年ノ間ニ登記セ
  ヨト書イテアッタノニ、不動產登記法ノ方ハ翌年ノ六月十六日ニ漸ク施行セ
  ラレタカラ、民法ニ於テ一年ノ期間ヲ與ヘタモノガ實際ハ一箇月ノ猶豫期間
  シカナイコトニナッテ、之ガタメニ非常ノ迷惑ヲ感ジテ居ル者ガアリマス
  段々斯ウ云フ種類ノ法律モ當議會ヲ通過シ既ニ貴族院ヲ通過シタモノモア
  リマスケレドモ各と一部分ニナッテ居リマスカラ本法ハ是非必要ノモノ
  ト信ズルデ、是非御可決アランコトヲ希望致シマス
  地上權ニ關スル判決集
  三二民ワ第六四〇號
  判決正本
  東京市日本橋區橋町二町目二番地平民反物商
  原告坊野宗兵衞
  右訴訟代理人辯護士德岡梅吉
  東京市神田區豐島町四十二番地平民古道具商
  被〓豐田捨五郞
  東京市神田區豐島町四十二番地平民古道具商
  被告三輪傳右衞門
  東京市神田區豐島町四十二番地平民表具職
  被〓鈴木彌兵衞
  右三名訴訟代理人辯護士卜部喜太郞
  右當事者間ノ明治三十一一年ワ第六四〇號地上權假登記取消請求事件ニ付當
  地方裁判所ハ判決スル左ノ如シ
  被〓豐田捨五郞ハ明治三十二年八月三日原〓所有ノ東京市神田區豐島町
  四十二番地宅地百三坪六合八夕ノ内其西北部ニ位スル十三坪一合六夕ニ
  對シ爲シタル地上權假登記ノ取消ノ手續ヲ爲ス可シ
  被告三輪傳右衞門ハ明治三十二年八月五日東京市神田區豐島町四十二番
  地宅地百三坪六合八夕ノ内其南部ニ位スル二十八坪二合四夕ニ對シ爲シ
  タル地上權假登記取消ノ手續ヲ爲スヘシ
  被〓鈴木彌兵衞ハ明治三十二年八月八日東京市神田區豐島町四十二番地
  宅地百三坪六合八夕ノ內其中央ニ位スル三十坪七合六夕ニ對シ爲シタル
  地上權假登記取消ノ手續ヲ爲スヘシ
  訴訟費用ハ被告三名ノ負擔トス
  事實
  原告ハ前記主文ノ如キ判決ヲ求ムト申立テ其陳述スル事實ノ要旨ハ原〓ハ
  明治二十九年四月十三日東京市神田區豐島町四十二番地宅地百三坪六合八
  夕ヲ訴外中井百助ヨリ買受ケタリ然ルニ右宅地ハ從前ヨリ被告豐田捨五郞
  ニ於テ十三坪一合六夕被告三輪傳右衞門ニ於テ二十八坪二合四夕被告鈴木
  彌兵衞ニ於テ三十坪七合六夕ヲ各賃借シ居タレハ原告ハ其儘賃貸スルコト
  トシ之ヲ貸シ置ケリ故ニ被告等ハ地上權ヲ有スルモノニ均ラス被告豐田捨
  五郞ハ明治三十二年八月三日被〓三輪傳右衞門ハ同年八月五日被告鈴木彌
  兵衞ハ同年八月八日各地上權假登記ヲ爲シタリ是レ原告ノ所有權ヲ侵害ス
  ルモノナルヲ以テ本訴ニ及フト云フニ在リ被告三名ハ何レニ原告ノ請求ハ
  却下ス訴訟費用ハ原告ノ負擔トストノ判決ヲ求ムト申立テ其理由トシテ被
  告三輪傳右衞門ハ被告カ原告陳述ノ土地ニ付キ地上權ノ假登記ヲ爲シタル
  ハ事實ナレトモ該土地ハ今ヲ去ル凡ソ五十年前高木庄藏ナル者カ家屋ヲ建
  築シ之ヲ所有スル爲メ使用シ來リ明治十四年三月中火災ニ罹リ類燒後再ヒ
  家屋ヲ建築シ明治二十一年十月中ニ至リ被告ハ該家屋ノ所有權ト共ニ右土
  地ヲ家屋所有ノ爲メ使用スルノ權利ヲ高木庄藏ヨリ讓受ケ爾來土地ノ所有
  者ハ津川正冷ヨリ中居百助ヲ經原告ニ至リタルモ被〓ハ各地主ニ對シ相當
  ノ地代ヲ拂ヒ引續キ土地ヲ使用シ居リタルモノナリト陳述シ被告鈴木彌兵
  衞ハ被告カ原告陳述ノ土地ニ付キ地上權ノ假登記ヲ爲シタルハ事實ナレト
  モ被告ハ今ヲ去ル五十七八年前該土地ニ家屋ヲ建築シ其家屋所有ノ爲メ該
  土地ヲ使用シ來リ明治十四年三月中火災類燒後再ヒ家屋ヲ建築シ引續キ今
  日ニ至レリ被告カ地上權所得後土地ノ所有者ニハ變遷アリタレモ被告ハ各
  地主ニ相當ノ地代ヲ拂ヒ使用ヲ繼續セル者ナリト陳述シ被告豐田捨五郞ハ
  被〓ノ原告陳述土地ニ付キ地上權假登記ヲ爲シタルハ事實ナレトモ該土地
  ハ明治十四年三月中佐々木德次郞ナル者カ家屋ヲ建築シ之ヲ所有スル爲メ
  使用スルノ權利ヲ得タル者ニシテ被告明治二十七年十月中家ノ所有權ト共
  ニ該權利ヲ佐々木德次郞ヨリ讓受ケ爾來土地所有主ニ變遷アリタレモ各地
  主ニ對シ相當ノ地代ヲ拂ヒ今日ニ至ルマテ該權利ヲ行使シ來レリト陳述シ
  且ツ被告三名ハ何レモ原告ノ請求ハ如何ナル權利干係ニ基クヤ原因一定セ
  サルヲ以テ不當ノ請求タルヲ免カレサル旨陳述シタリ
  理由
  本件ノ爭〓ハ第一、原告ノ請求ノ原因ハ一定セサルヤ否ヤ第二原告所有ノ
  土地ニ付キ各被〓ノ有スル權利ハ地上權ナリヤ將タ賃貸借ナリヤニ在リ
  第一本件訴状請求ノ原因ノ部ニハ原告ハ地主ニシテ被〓等ハ土地賃借人
  ナル旨ヲ揭ケ最後ニ「此ノ如ク原告ハ破告等ニ對シテ地上權ヲ與ヘタルコ
  ト毛頭之レナシ然ルニ被告豐田捨五郞ハ本年八月三日被告三輪傳右衞門ハ
  八月五日被告鈴木彌兵衞ハ本年八月八日從テ地上權假登記ヲ爲シタルヲ以
  テ之カ取消ヲ求ム云々」ト記載シ口頭辯論ニ於テモ原告ハ同一ノ陳連ヲ爲
  セリ故ニ請求ノ原因ハ原告ハ土地ノ所有者ニシテ權利上ノ滿足ヲ收メ來タ
  リ然ルニ被告等ハ地上權ナキニ地上權ノ假登記ヲ爲シ以テ原〓カ所有權ニ
  基キ滿足ヲ收ムル狀態ヲ妨害シタリト云フニアルヤ明白ナリ左レハ請求ノ
  原因一定セストノ被〓ノ抗辯ハ其理由ナキモノト云フヘシ
  第二、地上權ハ他人ノ土地ニ於テ工作物又ハ竹林ヲ所有スル爲メ其土地ヲ
  所有スル權利ナレハ地上權者カ土地所有者ニ對シ地代ヲ拂フコトハ其要素
  ニアラス之ニ反シ土地ノ賃借權ハ使用收益ノ對價トシテ賃金ヲ拂フコトヲ
  其要素ト爲ス者ナリ凡ソ或ル事實カ存在シ其事實ハ二箇ノ法律關係ニ於テ
  存在シ得可ク一ノ法律關係ニ於テハ要素トナリ他ノ法律關係ニ於テハ然ラ
  サル場合ニハ之ヲ要素ト爲ス法律關係ノ存在スル者ト推定スルヲ至當トス
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  ラサル限ハ其者ノ有スル權利ハ賃借權ナリト認メサル可カラス然ル
  被告等三名ハ何レモ原告ニ對シ原告所有地所使用ノ報酬トシテ定期ニ
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  水、井、泥ノ流、掃溜等ハ凡テ地主ノ負擔ナリトノ供述證人佐々木德次郞
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  ノ土地ニ付キ賃貸人ノ義務ニシテ地上權者ニ對スル〓地主ノ義務ニアラサル
  修繕ヲ爲シ來リタル事實ハ益〓此認定ヲ認ムルニ足レリ故ニ被〓三名ハ何
  レモ地上權者ニアラサルニ拘ラス地上權ノ假登記ヲ爲シタルハ原告ノ所有
  權ヲ侵害スルモノニシテ原告ノ請求ハ其理由アルモノトス因テ訴訟費用ニ
  付キ民事訴訟法第七十二條第一項ヲ適用シ主交ノ如ク評決シタリ
  東京地方裁判所民事第一一部
  裁判長判事橫山寛平
  判事嘉山幹
  判事水原親次
  原本ニ依リ此正本ヲ作ル者ナリ
  明治三十三年一月三十一日
  東京地方裁判所
  裁判所書記雜賀武雄
  明治三十二年第六號
  判決正本
  山梨縣南巨摩郡靜川村第三十八番戶平民旅人宿業
  上告人大柴又五郞
  右訴訟代理人辯護士平井恆之助
  山梨縣南巨摩郡靜川村第三十八番戶平民無業
  被上告人渡邊トメ
  右訴訟代理人辯護士小川平吉
  右當事者間ノ建物引拂竝ニ敷地料請求訴訟事件ニ付東京控訴院ガ明治三十
  一年十二月五日言渡シタル判決ニ對シ上告代理人ヨリ全部破毀ヲ求ムル申
  立ヲ爲シ被上告代理人ハ上〓棄却ノ申立ヲ爲シタリ
  判決
  原判決ヲ破棄シ本件控訴ハ之ヲ棄却ス
  訴訟費用ハ總テ被上告人之ヲ負擔スヘシ
  理由
  上告趣意第一〓ハ本訴建物竝ニ其敷地ハ素ト上〓人ノ實父渡邊與四郞ノ所
  有ニシテ與四郞ハ敷地ヲ孫芳造ニ建物ヲ上告人ニ分與シ而シテ該建物ハ旅
  人宿營業ニ供シタレハ上告人ハ該營業ヲモ承繼シ現ニ族人宿營業中ナリ故
  ニ上告人ハ該地上ノ建設物ニ干シテハ特定ノ期限ナキ限リハ朽廢ニ屬スル
  迄土地ヲ使用スルノ權アルハ論ヲ俟タス原院ハ地上權ニ付テハ登記ノ制度
  ナキヲ以テ其登記ナキコト無論ナレハ假令其性質ハ物權ナルニモセヨ被控
  訴人ハ此權利ヲ以テ當時其設定アリシコトヲ知ラスシテ賣買ノ登記ヲ受ケ
  因テ以テ所有權ヲ得タル被控訴人ニ對抗スルコトヲ得サルヘシ」云々ト說
  示シ要スルニ上告人ガ該敷地ヲ使用スルノ權利ハ性質上物權ナリト認議セ
  ラレタルニ拘ハラス登記ナキヲ以テ第三者ニ對抗スルヲ得ズト判決セラレ
  タルニ在リ抑モ登記ハ物權ノ存在ヲ明了ニ公示スル方法ニシテ形式的物權
  ノ所在ヲ確認セシムルニ止マリ敢テ權利ノ實質ニ影響セサルヤ勿論ナリト
  ス故ニ物權ハ登記ニヨリテ設定セラルヘキニアラスシテ登記ハ物權ノ設定
  ヲ證明スル方法タルニ過キス而シテ物權ハ何人ニモ對抗スル權利タルハ此
  ニ喋々ヲ要セス本訴ノ如キ巳ニ上告人ト父與四郞トノ間ニ於テ物權ノ設定
  セラレタル上ハ假令登記ナクトモ其登記ナキハ制度ノ不備ニ原由シ上告人
  ノ過失ニ歸セサル以上ハ權利ノ實質ニ毫末モ干セサルヲ以テ原院判旨ノ如
  ク登記ノ不備ヲ理由トシ權利ノ本質ヲ誤リテ物權ノ效ヲ無視セラレタルハ
  法則ヲ不當ニ適用シタル違法ノ裁判ナリ
  上告趣意第三〓ハ原院判決ニ「又右權利ハ被控訴人ノ言ニ依レハ無償ナル
  ヲ以テ賃借權ニ非ルコトハ勿論ナルノミナラス敷地ノ所有者ニ對シ土地ヲ
  使用セシメンコトヲ要求スル債權ニモ非ルカ故ニ寧ロ地上權ナリト認メ得
  ヘキモ」云々ト說示シテ本訴ノ土地ヲ上告人ニ於テ使用スルノ權利ハ明カ
  ニ地上權ナリト認メタルニアリ民法施行法第四十四條第二項ニ地上權者カ
  民法施行前ヨリ有シクル建物又ハ竹木アルトキハ地上權ハ其建物ノ朽廢又
  ハ其竹木ノ伐採期ニ至ルマテ存續ス」ト規定シアリ而シテ該規定ニヨレハ
  則チ本訴上告人ノ權利ノ如キ地上權ハ其當事者間ニ於テハ建物ノ朽廢ニ至
  ルマテ存續スルハ勿論又第三者ハ法律規定ノ效ニ覊束セラレ假令權利設立
  ノ事實ヲ知ラサリシトスルモ此ニヨリテ故障ヲ容喙スルノ權ナシ換言スレ
  ハ民法施行前ニ設定サレタル地上權者ハ民法施行法第四十四條規定ノ效ヲ
  以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ヘシ然レトモ其之レヲ對抗センニハ自ラ或
  制限ニ服スルハ當然ノ條理ナルニヨリ則チ民法施行法第三十七條ニ之レヲ
  登記スルニアラサレハ之レヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ストシ以テ地
  上權者ノ所有權ヲ重視スルト同時ニ又第三者ノ所有權ヲモ重視シテ所有權
  保存ノ方法ヲ盡セルモノト云フヘシ右ノ如ク民法施行前ニ設定サレタル地
  上權ノ登記ナキハ勿論ナレハ其登記ハ民法施行ノ日ヨリ一年內ニ登記スル
  ヲ以テ足レリトシ(民法施行法ハ不動產登記法ト其實施ヲ共ニスルモノト
  シテ規定サレタルニアレトモ同法ハ施行法ニ後レテ發布セラレ本年六月十
  六日ヨリ實施セラルヽニアレハ同月以降一年內ト解釋スルヲ至當ナリト思
  考ス)一年內ニ登記スレハ汎ク何人ニモ絕對無限ニ對抗スルヲ得ヘシ左レ
  ハ原院判旨ノ現ニ上告人ノ權利ヲ地上權ト認メ又其地上權ヲ以テ第三者ニ
  對抗センニハ登記ヲ必要條件ト認メナカラ其登記ニ關シテハ民法施行法第
  三十七條ノ規定アルニモ拘ハラス之レヲ無視シテ上告人ニ敗訴ノ判決ヲ言
  渡シタルハ所謂法則適用ヲ誤リタル違法ノ裁判ナリト確信ス又原院判決前
  後ノ判旨ニ徵スレハ所有權ハ絕對無限ノモノナリトノ法則ヲ一貫セラレツ
  ヽ之レヲ被上告人土地所有權ニノミ適用シテ上告人建物ノ所有權ヲ度外視
  セラレタルハ則チ法則ヲ不當ニ適用シタル違法ノ裁判タルヲ免レス
  民法施行法第三十七條ニ「民法又ハ不動產登記法ノ規定ニヨリ登記スヘキ
  權利ハ從來登記ナクシテ第三者ニ對抗スルヲ得ヘカリシ
  民法施行ノ日ヨリ一年內ニ之レヲ登記スルニアラサレハ之ヲ以テ第三者ニ
  對抗スルコトヲ得ス」ト規定シアルニヨレハ本訴上告人ノ權利ノ如キ民法
  施行前ニ於テ現ニ地上權トシテ第三者ニ對抗スルヲ得ヘカリシモノハ假令
  其登記ハ欠缺セルモ物權本來ノ性質トシテ汎ク何人ニモ對抗スルヲ得ヘキ
  ハ該規則ノ精神ニ徵シ明カニシテ其當時ニアッテハ到底登記シ能ハサルモ
  ノナレハ登記ヲ必要トセサルハ勿論ナリトス故ニ原判決ノ法則ニ反シタル
  裁判ナリト確信スト云フニ在リ
  因テ案スルニ原裁判所カ被上告人ノ請求ヲ是認シタル理由ハ被上告人カ本
  訴ノ地所ヲ訴外人望月亭ヨリ買受ケタルハ假裝ニアラストシテ正當ニ其所
  有權ヲ取得シタルモノナリ然レハ上告人ハ該地所ニ付地上權ヲ有スルモノ
  ト認メ得ヘキニ地上權ニ付テ從來登記ノ制度アラサリシヲ以テ地上權ノ設
  定アリシコトヲ知ラスシテ其地所ヲ買受ケタル被上告人ニ對シテハ地上權
  ヲ主張シテ建物引拂ノ請求ヲ拒ムコトヲ得スト云フニ在リ然レハ右原判決
  ノ認定ニ據レハ上告人ハ本訴ノ地所ニ付キ民法施行前ニ於テ地上權ヲ取得
  シタルモノナリ而シテ被上告人カ地所ヲ買受ケタルコトノ假裝ニアラスト
  ノコトハ上告人ノ地上權ニ影響ナキヲ以テ其存續期間ノ定マラサル以上ハ
  被上告人ノ地上權ノ設定シアリタルコトヲ知ラスシテ地所ヲ買受ケタルト
  否トニ論ナク上告人ノ有スル地上權ハ民法施行法第四十四條第二項ニ依リ
  建物ノ朽廢ニ至ルマテ存續スヘキモノトス故ニ被上告人カ判決確定後六箇
  月內ニ建物引拂ヲ請求シタルハ不當ナルニ原裁判所カ其請求ヲ是認シタル
  ハ不法ナルヲ以テ民事訴訟法第四百四十七條第四百五十一條第一號ニ依リ
  原判決ヲ破毀シ本院ニ於テ直チニ被上告人ノ請求棄却ノ判決ヲ爲スヘキモ
  ノトス是レ主文ノ如ク判決スル所以ナリ
  大審院第二民事部
  裁判長判事井上正一
  判事能川鐵次郞
  判事今村信行
  明治三十二年九月二十九日判事柳田直平
  判事芹澤政溫
  判判事事掛下重次郞
  志方鍛
  右正本ハ原本ニ依リ之レヲ作ルモノ也
  明治三十二年十月十日
  大審院第二民事部
  裁判所書記村井幸次郞
  三二17八六五號
  判決正本
  東京市日本橋區靑物町十六番地平民商
  原告渡邊大治郞
  右訴訟代理人石川甚作
  同市深川區安宅町七番地平民土木受負業
  被〓島田藤吉
  右訴訟代理人大野成之
  右當時者間ノ明治三十二年ワ第八六五號地上權假登記抹消請求事件ニ付判
  決スルコト左ノ如シ
  主文
  被〓ハ原告請求ノ如ク東京市深川區安宅町七番地市街宅地七百八十五坪五
  合七勺ノ內二百七十一坪七合五勺ノ土地ニ對シ東京區裁判所明治三十二年
  )ケ第二六八八號假處分ノ命令ニ基キ爲シタル地上權假登記抹消ノ手續ヲ爲
  スヘシ
  訴訟費用ハ被〓ノ負擔トス
  事實
  原〓ハ被〓ハ東京市深川區安宅町七番地市街宅地七百八十五坪五合七勺ノ
  內二百七十一坪七合五勺ノ土地ニ對シ東京區裁判所明治三十二年チ第二六
  (
  八八號假處分命令ニ基キ爲シタル地上權假登記抹消手續ヲ爲スヘク訴訟費
  用ハ被〓ノ負擔タルヘキ旨判決ヲ乞フト申立タリ其事實ハ原〓ハ前記地所
  ヲ被告ニ賃貸シタルコトアルモ曾テ地上權ヲ沒定シタルコトナシ然ルニ被
  告ハ地上權ヲ有スト唱ヘ東京區裁判所ノ假處分命令ヲ得テ其假登記ヲ爲シ
  タリ右ハ原告ノ處有權ヲ害スルニ因リ之ヲ排除スル爲メ本訴ノ請求ヲ爲ス
  ト云フニ在リ而シテ乙號證ノ成立ヲ認メタリ
  被告ハ原告ノ請求ヲ棄却シ訴訟費用ハ原告ノ負擔タルヘキ旨判決アリタシ
  ト申立タリ其事實ハ被〓ハ本訴ノ地所ヲ使用シ居ルコト竝ニ地上權ノ假登
  記ヲ爲シタルコトハ原告主張ノ通リ相違ナキモ被告ハ已ニ其地上ニ於テ瓦
  葺若クハ煉瓦造ノ家屋九棟ヲ所有シ地上權ヲ有スルモノナリ卽チ其地上權
  ハ明治二十四年十月三十日ニ百六十五坪同二十六年三月中ニ三十二坪五合
  同二十九年九月中ニ六十一坪二合五勺同三十一年十月中ニ十三坪ヲ設定シ
  タルモノナルヲ以テ原告ノ請求ハ理由ナシト主張シ乙號證ヲ提出シタリ
  理由
  本訴ノ地處カ原告ノ所有ニ屬スルコトハ爭ナキヲ以テ一應其所有權ハ完全
  ノモノト推定スルヲ相當トス被〓ハ原告ノ爭フニ拘ハラス地上權ヲ設ケタ
  リト主張シ乙號證ヲ提出スルモ該證ハ建物ノ構造建築ノ時期等ヲ證シ得ヘ
  キモ其土地ノ使用カ地上權ニ原因スルコトヲ證スルニ足ラス何ントナレハ
  該證ハ地上權ニ關スルコトノ證明ニ非ス而シテ賃借人ト雖モ亦賃借地上ニ
  家屋ヲ建築スルコト往々ニシテ有之故ニ家屋存在ノコトハ未タ以テ地上權
  タルコヲトスルノ標準タラサレハナリ既ニ地上權アルコトヲ認ムルニ足ラ
  ストセハ其假登記ハ原告ノ所有權ニ妨害ヲ來スヲ以テ其請求ヲ理由アリト
  シ訴訟費用ニ付民事訴訟法第七十二條ニ依リ主文ノ如ク判決スヘキモノト
  評決セリ
  東京地方裁判所第二民事部
  裁判長判事橫山寛平
  判事嘉山親幹次一
  判事水原
  原本ニ依リ此正本ヲ作ルモノ也
  明治三十二年十二月二十八日
  東京地方裁判所
  裁判所書記雜賀武雄
  三二(日)六七七
  判決正本
  東京市淺草區西三筋町六十六番地平民無業
  原告小森芳次郎
  右訴訟代理人辯護士山中平吉
  東京市日本橋區馬喰町三町目十八番地平民旅人宿業
  被告中村治兵衞
  右訴訟代理人辯護士鹽入太輔
  右當事者間明治三十二年口第六七七號地所明渡請求訴訟事件ニ付キ當地方
  裁判所ハ判決スルコト左ノ如シ
  主文
  被〓ハ東京市本所區押上町七十三番地市街宅地二百四十九坪ノ內七十坪ヲ
  原告ニ明渡シ明治三十一一年九月一日ヨリ本件判決執行濟ニ至ル迄ノ一箇月
  金二圓十錢ノ割合ノ損害賠償金ヲ原告ニ辨濟スヘシ
  訴訟費用ハ被〓ノ負擔トス
  事實
  原告訴訟代理人ハ主文記載ノ如キ判決アリタシト申立テ其事實上ノ供述ノ
  要旨ハ原〓ハ明治三十一一年八月三十一日訴外野口錢之助ヨリ東京市本所區
  押上町七十三番地市街宅地二百四十九坪ヲ買受ケタルニ被〓ハ不當ニモ該
  地所ノ內七十坪ヲ使用シ居ルヲ以テ之レカ明渡ヲ請求シ且ツ明治三十二年
  九月一日ヨリ本件判決執行濟ニ至ル迄ノ右地所使用ニ因ル損害ノ賠償トシ
  テ一箇月金二圓十錢ノ割合ノ金額ヲ請求スル次第ナリ又原告國枝平治郞ナ
  ル者ヲ以テ該地所ノ差配人ト爲シタルコトナク被告ヨリ明治三十二年九月
  分十月分ノ地代ヲ請取リタルコトモナシト云フニ在リ
  被告訴訟代理人ハ原告ノ請求ヲ棄却ストノ判決アリタシト申立テ其答辯ノ
  要旨ハ原告カ東京市本所區押上町七十二番地市街宅地二百四十九坪ノ内被
  告ノ使用シ居ル七十坪ノ所有者ナルコトハ之ヲ爭ハス然レトモ(第一)明治
  二十八年十一月二十五日當時右地所ノ所有者タリシ境野光仲ハ被告ニ地上
  權ヲ設定シタリ(第二)境野光仲カ地上權ヲ設定シタルコトナシトスルモ被
  告カ右地所ノ上ニ建物及ヒ竹木ヲ所有スルコトヲ原告ハ知リナカラ右地所
  ヲ買受ケ且ツ其差配人タル國枝平次郞ハ明治三十二年九月分及ヒ同年十月
  分ノ地代ヲ受取リタルカ故ニ原〓ハ暗默ニ地上權ヲ設定シタルモノナリ
  (第三)被〓ハ右地所ニ付地上權設定ノ假登記ヲ爲シタリ右ノ次第ナルヲ以
  テ原〓ノ請求ハ不當ナリト云フニ在リ
  立證トシテ原告訴訟代理人ハ甲第一號證乃至第三號證ヲ提出シ被告訴訟代
  理人ハ乙第一號證乃至第七號證ヲ提出シ且ツ人證ノ申出ヲ爲シタリ
  理由
  原〓カ明治三十二年八月三十一日本件地所所有權ヲ取得シタルコト及ヒ被
  告カ其以前ヨリ右地所ヲ使用シ居ルコトハ共ニ爭ナシ故ニ爭〓ハ被告カ地
  上權者ナルヤ否ヤニ歸著ス依テ按スルニ(第一)宣誓ヲ爲サシメスシテ訊問
  シタル證人國枝平治郞ノ供述ニ據ルモ亦同人ノ供述ニ據リ眞正ト認ムルコ
  トヲ得ル乙第五號證ニ據ルモ被告カ明治二十八年十一月二十五日當時ノ所
  有者タリシ境野光仲ヨリ本件地所ヲ借受ケタルコトヲ認ムルヲ得ルニ止リ
  同日光仲カ被〓ノ爲ニ地上權ヲ設定シタリトノ事實ヲ認ムルヲ得ス(第一一)
  國枝平次郞カ原〓ノ差配人ト爲リタルコトナク且ツ同人カ被告ヨリ受取
  リタル明治三十二年九月分十月分ノ地代ヲ未タ原告ニ引渡サヽリシコ
  トハ共ニ同人ノ供述ニ據リ明白ナルカ故ニ原告ハ被〓ノ爲ニ暗默ニ地上權
  ヲ設定シタリト認ムルヲ得ス(第三)被告カ地上權設定ノ假登記權利者タル
  事實ハ之ヲ以テ被告ヲ地上權者ナリト認メシムルニ足ラス要スルニ被〓ハ
  地上權者ニアラスト認メサルヘカラストス
  右ニ說明シタル如ク被〓ハ地上權者ニアラサルカ故ニ本件地所ヲ使用シ居
  ルハ不當ナリト云ハサルヘカラス從テ原告ヲ明渡ノ請求ヲ爲シタルハ正當
  ニシテ又被〓ノ使用ニ因ル損害ノ賠償トシテ一箇月金二圓十錢ノ割合ノ金
  額ヲ請求シタルハ相當ナリトス依テ主文ノ如ク評決シタリ
  東京地方裁判所第三民事部
  裁判長判事松岡義正
  判事關口鐶
  判事島田鐵吉
  右原本ニ依リ正本ヲ作ルモノ也
  明治三十二年十一月二十八日
  東京地方裁判所
  裁判所書記市川祐雄
  三二民ワ第五二六號
  判決正本
  東京市日本橋區通二町目十四番地平民商
  原告印藤〓左衞門
  右訴訟代理人辯護士山浦橘馬
  同市同區北島町三十七番地
  被告馬場道久
  右訴訟代理人辯護士日置佐三郞
  右當事者間ノ明治三十二年ワ第五二六號地上權設定登記請求事件及ヒ反訴
  ニ付當裁判所ハ左ノ如ク判決ス
  主文
  被告ハ原告ニ對シ被告所有ノ宅地東京市日本橋區通二町目十四番地總坪數
  百十八坪四合八勺ノ內日本橋區通ニ接シ東北部ニ位セル坪數三十一坪五合
  此地代一箇月金八圓五十八錢七厘工作物所有ノ地上權設定登記ノ手續ヲ爲
  ス可シ
  被〓反訴ノ請求ハ之ヲ却下ス
  訴訟費用ハ本訴及反訴ニ關スル部分共被告ノ負擔トス
  事實
  原告一定ノ申立ハ被告ハ原告ニ對シ被〓所有ノ宅地東京市日本橋區通二町
  目十四番地總坪數百十八坪四合八勺ノ內日本橋通ニ接シ東北部ニ位セル坪
  數三十一坪五合此地代一箇月金八圓五十八錢七厘工作物所有ノ地上權設定
  登記ノ手續ヲ爲ス可シト判決ヲ請フト謂フニ在リテ其陳述要旨ハ原告ハ家
  屋土藏卽チ工作物所有ノ爲メ交久三年正月其當時本件地所ノ所有主綿屋吉
  兵衞ノ差配人靑木屋嘉輔ト本件地所ノ永久使用ヲ約シ之ニ家屋土藏ヲ建築
  シタルニ慶應二年十一月大災ニ罹リタルヲ以テ更ニ現今存在ノ家屋土藏ヲ
  新築セリ然ルニ右綿屋吉兵衞ハ明治八年八月本件地所ヲ松澤久右衞門後見
  人松澤八右衞門ニ賣渡シ此時ノ差配人ハ幸內源次郎ナル者ニ變シタルモ原
  告ノ宅地使用ハ變スルコトナシ明治十五年十一月該地ノ所有權ハ稻葉けい
  ナル者ニ移リ其後稻葉みよヲ經テ其子稻葉又右衞門ニ轉シタルモ原告ノ土
  地使用ハ亦從前ト異ナルコトナシ明治三十年十一月二十四日稻葉又右衞門
  ハ本件地所ヲ被〓ニ賣渡シ被〓ハ右地所ヲ原告カ家屋土藏所有ノ爲メ使用
  シ居ルコトヲ知リテ買受爾來原〓ハ被告ニ宅地使用料ヲ支拂ヒ明治三十
  一年一月ニ至リ新タニ被告ト表坪十五坪ハ一坪一箇月三十二錢五厘裏坪十
  六坪五合ハ一坪一箇月一一十二錢五厘ノ割合ノ地代ニ契約シタリ右陳述スル
  如ク原告ハ文久年間ヨリ本件地所ニ付地上權ヲ有スルヲ以テ民法及不動產
  登記法實施以來被告ニ對シ屢地上權設定登記ノ請求ヲ爲スモ之ニ應セサル
  ヲ以テ本訴ヲ提起シタリト謂フニ在リテ甲第一號證乃至第四號證ヲ提出シ
  證人力石安之助幸内源次郞稻葉又右衞門ノ證言ヲ援用シタリ
  被〓一定ノ申立ハ原〓ノ請求ハ之ヲ棄却ス訴訟費用ハ原告ノ負擔トスト判
  決ヲ求ムト申立テ其抗辯要旨ハ原告カ本件地所ニ地上權ヲ有スル事實ハ之
  ヲ認メス且本件地所ニ付キテハ反訴ニ於テ陳述スル如ク賃貸借契約ノ豫約
  アルヲ以テ原告ノ請求ニ應スルヲ得スト謂フニ在リ
  被告反訴一定ノ申立ハ原告ハ被〓ニ對シ其賃借ヲ繼續センニハ日本橋區通
  二町目十四番地ノ内坪數三十一坪五合ニ付第一期限ヲ明治三十一年一月ヨ
  リ向十箇年トシ第二借地料ヲ一箇月八圓五十八錢七厘トシ猶增加理由ノ發
  生每ニ之ヲ更新スル條件ヲ附シタル借地證ヲ判決後十日內ニ被告ニ差入ル
  可シトノ判決ヲ求ムト云フニ在リテ其陳述要旨ハ被告ハ稻葉又右衞門ト賃
  貸借契約アリシ因緣ニヨリ被告ノ所有ニ轉シタル後モ更ニ右地所ノ借用ヲ
  請ヒタルヲ以テ明治三十一年一月中賃貸借契約ヲ取結フノ豫約ヲ爲シタリ
  依テ期限ヲ定メ借地料ヲ一箇月八圓五十八錢七厘トシ且借地料ハ將來ニ於
  テモ時勢ノ變遷增稅等ノ結果ニ依リ其時々增減スルノ條件ヲ付シタル借用
  證書ヲ差入ル可キ旨原告ニ督促スルモ之ニ應セスシテ今囘意外ノ請求ヲ爲
  スヲ以テ反訴ヲ提起シタリト謂フニ在リテ甲一號證一二三甲第四號證ヲ援
  用シタリ
  原告反訴ニ對スル一定ノ申立ハ被〓ノ請求ハ之ヲ棄却ス訴訟費用ハ被告ノ
  負擔トスト判決ヲ求ムト云フニ在リテ其抗辯要旨ハ本訴ニ於テ陳述スル如
  ク原告ハ本件地所ニ付地上權ヲ有スルヲ以テ被〓ノ請求ニ應スルヲ得スト
  謂フニ在リ
  理由
  依テ審案スルニ證人力石安之助幸內源次郞稻葉又右衞門ノ證言ハ信ヲ措ク
  ニ足リ又甲第四號證ハ被告ニ於テ否認スト雖同證ノ成立ノ眞正ナルコトハ
  右各證人ノ證言ニ依リ明カナリトス右各證人ノ證言及甲第四號證ニ依リ本
  訴係爭地カ被〓ノ所有ニ歸スル迄原告ハ文久年間ヨリ建物所有ノ爲メ之ヲ
  使用セル事實及其土地所有權カ明治八年以後松澤久右衞門稻葉けい稻葉み
  よ稻葉又右衞門ニ移轉シタルニ拘ハラス各所有者ハ何レモ原告カ建物所有
  ノ爲メ當然本件係爭地ヲ使用スル權利アルコトヲ認メ居リタル事實明カナ
  ルヲ以テ原告ト綿屋吉兵衞トノ間ニ於テ文久年間ニ本件係爭地ニ原〓ノ爲
  メニ無期限ニ地上權ノ設定アリテ爾來原〓ハ繼續シテ其權利ヲ有セルモノ
  ト認定ス被〓ハ甲第一號證一二三甲第四號證ヲ援用シ本件土地ニ付原被〓
  間ニ賃貸借ノ豫約アリタルト主張スルモ被告カ地代ノ請取ヲ甲第四號證ニ
  記載セスシテ甲第一號證一二三ヲ地代受取證トシテ原告ニ交付シタル事實
  ノミニ依リテ被告主張ノ事實ハ之ヲ推知スルニ由ナシ然ラハ本件土地所有
  權カ被告ニ歸シタル後モ原告ノ地上權ハ依然存續スルモノト認ム可ク從テ
  被〓反訴ノ請求ハ其理由ナク原告本訴ノ請求ハ理由アリト爲サヽルヲ得ス
  依テ主文ノ如ク判決セリ
  東京地方裁判所第一民事部
  裁判長判事和仁貞吉
  判事岩田一郞
  判事北條元篤
  原本ニ依リ此正本ヲ作ルモノナリ
  明治三十二年十一月二十七日
  東京地方裁判所
  裁判所書記市川祐雄
  )
  明治三十二年ワ第九七號
  判決正本
  北海道函館區大町二十一一番地平民
  原告相馬哲平
  同道同區大町四十三番地平民蛯子武兵衞跡相續人
  被告蛯子ツネ
  右當事者間ノ地上權確認登記請求ノ訴訟事件ニ付當地方裁判ハ判決スルコ
  ト左ノ如シ
  判決主交
  本訴原告ノ請求ハ之ヲ棄却ス
  訴訟費用ハ原〓ノ負擔トス
  事實及理由
  原告ノ主張ハ明治十九年三月中被〓先代武兵衞ノ所有タリシ函館區大町四
  十三番地ニ建設セシ土藏一棟ヲ原告カ買受ケ同時ニ相互ノ合意ヲ以テ右土
  藏ノ敷地ニ對シ買受ノ當時卽チ明治十九年三月ヨリ同六十九年八月迄滿五
  十年六月間地上權ヲ設定シ且年限中ノ約束借地料金三百五十圓ヲ先代武兵
  衞ニ支拂ヒ爾來十三年ノ久シキ原告ハ買受土藏ト共ニ該敷地ニ當ル地所ヲ
  最モ自由ニ使用シ來リシ事實ナルヲ以テ今囘民法ノ施行ニヨリ被〓ニ對シ
  地上權存在ノ登記ヲ請求スルモ被〓ハ種々ナル口實ヲ以テ之ニ應セサルニ
  付茲ニ合意ニ基ケル地上權ノ存在ヲ確認セシメ併セテ之カ登記ヲ請求ス依
  テ被〓ハ前揭地所卽函館區大町四十三番地ノ內原告所有土藏建設敷地タル
  宅地八十二坪二合ニ對シ原告カ明治十九年三月ヨリ同六十九年八月迄滿五
  十年六箇月間地上權ヲ有スルコトヲ確認シ且ツコレカ登記ヲ爲スヘシトノ
  判決ヲ求ムト申立タリ
  被告ノ抗辯ハ甲第一號證ハ地上權ノ設定ニアラスシテ賃貸借ノ關係ニ過キ
  ス依テ本訴ヲ請求ヲ排斥ストフ判決ヲ求ムル旨ヲ中立且原告ハ乙第一號證
  ヲ認メサルニ付原告呈出ノ委任狀中哲平名下ノ印影ト乙第一號證中哲平名
  下ト及ヒ其他押捺ノ印影ト對照ノ上檢眞アランコトヲ求ムト申立タリ
  "中国电信股份有限公司発売株式会社
  (二期間ノ長期ナルコト三借賃ノ前拂ヲ爲シタルコトニ徵スレハ地上權タル
  性質アルカ如シト雖モ宅地ニ就テモ法律カ賃貸借ノ存在ヲ認ムルノミナラ
  ス其慣習ノ存在ヲモ認メ得可キニヨリ右第一ニ揭ケタル事實アルカ爲メ
  ニ土地ノ賃貸借關係ニ影響スヘキ筋合ナシ又民法ニ於テハ賃貸借ノ存續期
  間ヲ二十年トスレトモ其施行以前ニ於ケル契約ヲ以テ是ヨリ長キ期間ヲ定
  メタレハ迚是亦賃貸借ノ性質ニ何等ノ反響ヲ及ホスヘキ理由ナク借賃ノ前
  拂ノ如キハ當事者任意ノ行爲ニシテ是亦賃貸借ノ性質ニ反スルモノニアラ
  ス
  殊ニ甲第一號證ニヨレハ「貸地證」「此地賃云々」トアリ又乙第一號證ニモ
  「借地證」「地賃皆金相渡正ニ借地仕候處云々トアリテ契約ノ當時ニ於ケル
  當事者ノ意思ハ雙方共同宅地ノ賃貸借ヲナスニアルヤ明白ナリ
  今民法施行法ヲ案スルニ其第四十四條ニ於テ民法施行前ニ設定シタル地上
  權ハ云々トアリ然レトモ這ハ當事者ノ意思カ地上權ノ設定アル場合ヲ豫想
  シタルモノニシテ本案ノ如ク其意思カ賃貸借ニアルコト明確ナル場合ニ適
  用スヘキモノニアラス約言スレハ或ル特段ナル事實ニヨリテ地上權設定ノ
  意思ヲ認メ得ヘキ場合ナラサルヘカラス故ニ賃貸借ノ存在ニ付其登記ヲ請
  求スルハ格別之ヲ地上權トシテ訟求スル原〓ノ訴ハ至當ト認定スルヲ得ス
  依テ主文ノ如ク判決セリ
  明治三十三年一月二十五日
  函館地方裁判所民事部
  裁判長判事齋藤金平
  判事遠藤恭三郞
  判事和田哲也
  右原本ニ依リ此正本ヲ作ル
  明治三十三年二月二日
  函館地方裁判所民事部
  裁判所書記中根鎭八郞
  判決
  神奈川縣橫濱市尾上町五町目八十一番地士族土木受負業
  原告高島嘉兵衞
  右訴訟代理人今村角太郞
  同上野熊太郞
  同市眞砂町一町目四番地平民無業
  被告多田ステ
  右訴訟代理人服部速水
  右當事者間貸地明渡請求事件ニ付當地方裁判所ハ判決スル左ノ如シ
  原告ノ請求ヲ却下ス
  訴訟費用ハ原〓ノ負擔トス
  事實
  原告人陳述ノ要領ハ
  原〓所有ノ橫濱市眞砂町一町目四番地ノ內宅地十坪ヲ被告ヘ明治十七年一
  月ヨリ貸與ヘ地賃ハ一箇月金七十五錢ノ定メニテ原告請求次第何時ニテモ
  明渡スヘキ約定ナリ該地所ハ右接續地ニ設置シアル四品市場改造ノ爲メ必
  要相生シ明治三十年六月ヲ以テ同年十二月限リ明渡スヘキ旨申込ミタルニ
  一箇年餘ヲ過キ今日ニ至ルモ尙明渡サヽルヲ以テ右地所ノ明渡ヲ請求スト
  云フニ在リ
  被告答辯ノ要領ハ
  被〓ノ亡夫安藏ハ原〓ノ先代高島嘉。右衞門ノ雇人ニテ安藏ニ於テ永久使
  用ノ約ニテ嘉右衞門ヨリ本訴ノ地所ヲ借受ケ之レヘ石藏ト居宅ノ二棟ヲ建
  設シ現ニ被告ニ於テ安藏ノ死後家督ヲ相續シ居住シアル次第ニテ請求次第
  何時ニテモ明渡スヘキ契約ニアラサルニヨリ原〓ノ請求ニ應スル能ハスト
  云フニアリ
  理由
  按スルニ本訴ノ爭〓ハ被告カ係爭ノ土地ヲ永久使用スル目的ニテ借用シタ
  ルヤ否ニアリテ原告ニ於テハ請求次第何時ニテモ返地スヘキ契約ナリシト
  主張スレトモ一モ其證明ヲナサス反之被告ハ先代安藏ノ時ヨリ該地所ヲ原
  告ヨリ借用シ倉庫竝ニ家屋ヲ建設シ相當ノ地賃ヲ支拂ヒ十數年ノ久シキ此
  處ニ住居シタル形述ニ因テ見レハ被告ハ該土地ヲ永ク使用スヘキ所謂地上
  權ヲ有シタルモノト推測セサルヲ得ス依テ原告ノ請求ヲ不當トシ主文ノ如
  ク判決ス
  明治三十二年五月三十一日
  橫濱地方裁判所民事第一一部
  裁判長判事淺見倫太郞
  判事內河巧
  判事南雲庄之助
  原本ニ依リ此正本ヲ作ル
  明治三十二年六月九日於同廳
  裁判所書記戶牧藏
  判決
  長崎縣東彼杵郡佐世保村
  原告井手乙松
  同縣同郡同村
  被告林館平
  右當事者間ノ地所明渡請求事件ニ付當地方裁判所ハ判決スルコト左ノ如シ
  主文
  被告ハ長崎縣東彼杵郡佐世保村八反間免字牟田(二分)合併第壹ノ地所內ニ
  ·上田康太
  建設セル同村千二百二番戶第壹號家屋ヲ取除キ其地所ヲ原告ニ明渡スヘシ
  訴訟費用ハ被〓ノ負擔トス
  事實三條
  原告陳述ノ要旨ハ長崎縣東彼杵郡佐世保村八反間免字牟田小田由佳夫合併第一
  ノ地所ハ大河内敬カ曾テ山本陸太郞ヨリ買受ケ明治三十二年三月一日原〓
  ニ賣渡シタリ然ルニ其地上ニ被告ノ所有ニ係ル同村千二百二番戶第一號建
  家アルヲ以テ之ヲ取除キ地所ヲ明渡スヘキコトヲ請求ス被告ハ山本陸太カ
  地所ヲ所有セシ當時地上權ヲ設定シタルモノヽ如ク主張スレトモ其登記ナ
  ケレハ之ヲ以テ原告ニ對抗シ原告ノ請求ヲ拒ムノ權ナシト云フニ在リ
  被告答辯要旨ハ被〓ハ明治二十年中當時土地ノ所有權者タリシ山本陸太郞
  ト約シ地上權ヲ設定シテ係爭家屋ヲ建設シ引續キ地料ヲ納付シ原告モ明治
  三十二年一月及二月分ノ地料ヲ請取リ同年二月以後ハ原告ニ於テ地料ノ受
  取ヲ拒ミシ故銀行ニ預ケ入レ其通知ヲ爲シ居ル次第ナレハ原〓ノ請求ハ不
  當ナリト云フニ在リ
  理由
  民法第百七十七條不動產登記法第一條ニ依レハ地上權ノ設定ハ之ヲ登記ス
  ルニアラサレハ第三者ニ對抗スルヲ得サルモノトス而シテ民法ノ施行法第
  三十七條ニハ民法又ハ不動產登記法ノ規定ニ依リ登記スヘキ權利ハ從來登
  記ナクシテ第三者ニ對抗スルコトヲ得ヘカリシモノト雖モ民法施行ノ日ヨ
  リ一年內ニ之ヲ登記スルニアラサレハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得
  スト規定セリ然ルニ被告ハ其地上權ヲ登記セサレハ原告ニシテ前揭法條ニ
  所謂第三者ナルトキハ被告ハ地上權ヲ有スルノ理由ヲ以テ原〓ノ請求ヲ拒
  ムヲ得サルコト言ヲ俟タス然而シテ被告ノ主張ニ依ルモ原告ト地上權ノ設
  定ヲ約シタルニアラス又原告ニ於テ地料ヲ請取リタルコトアリトスルモ被
  告カ其土地ヲ利用シタル以上ハ其償トシテ地料ヲ要求シ得ヘキハ當然ノ
  コトナレハ之ヲ以テ原告カ地上權ヲ承認シタルコトヲ確認スルニ足ラス況
  ンヤ原告ハ明治三十二年一月及二月分ノ地料ハ前所有者ノ代理トシテ請取
  リタリト云フニ於テオヤ且原告カ土地ノ所有權ヲ得タルハ民法施行後ナレ
  ハ民法施行法第三十七條ニ所謂第三者ニ該當スルコト明ナリ依テ原告ノ請
  求ハ相當ニシテ被〓ノ抗辯ハ理由ナキモノトシ主文ノ如ク判決ス
  長崎地方裁判所民事部
  裁判長判事糸永補順
  判事內藤每輔
  長崎地方裁判所判事代理
  判事額賀靜太郞
  (政府委員東京帝國大學法科大學〓授法學博士梅謙次郞君演壇ニ登ル)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=123

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• 124・梅謙次郎

  ○政府委員(梅謙次郞君)　チヨット簡短ニ此法案ニ附イテ政府ノ意見ヲ申シ
  マス此法案ノ第一條ニ記載シアルコトニ附イテハ別ニ反對ノ理由モアリ
  マセヌガ第二條ニ記載シテアルコトニ附イテハ同意ヲ致スコトガドウシ
  テモ出來マセヌ、其第一ハ此規程ニ依リマスルト云フト「本法施行ノ日ヨリ
  一箇年內ニ登記ヲナスニ非サレハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得
  ス」トアリマスガ、登記ヲナスト云フコトハ今日固ヨリ出來ルノデ、成程民法
  施行法ノ期間內、一年トアリマシタガ、ソレハ一年內ニ登記ヲ致シマスルト云
  フト、登記ノ其如何ニ拘ラズ、第三者ニ對抗ガ出來ルト云フ特別ノ權利ヲ與ヘ
  タノデアッテ、其後ト雖モ、矢張登記ハ出來ルノデス、若シ土地所有者ガ承諾ヲ
  シナケレバ訴訟ノ道モアリ、假登記ヲシテ次ニ本登記ヲスルコトモ出來ル故
  ニ此法律ガナクテモ登記ハ出來ルノデアリマス、第二ハ一箇年內ニ登記ヲ爲
  セバ、裏カラ申セバ善意ノ第三者ニモ對抗ガ出來ルト云フコトニ相成リマス
  レバ、是ハドウ云フ意味カ、多少不明ノ〓ガアリマスケレドモ、察スルニ民
  法施行前ニ成立シタ地上權ヲ今日マデ登記シナイデ居フテ、此法律施行ノ日ヨ
  リ一年內ニ登記ヲ致シマスルト、ソレガ從來既ニ其土地ニ附イテ權利ヲ取得
  シタル善意ノ第三者ニマデ效ガアルト云フコトデアラウト思ヒマスガ若シ
  斯ノ如キ意味デアルトスレバ、是ハ既得權ヲ害スルノ甚キモノデアッテ、民法
  其他私法上ノ法律ノ規程ト餘程矛盾スルコトニナラウト思ヒマス第三ニハ
  此規定ニ依レバ、善意ノ第三者ト惡意ノ第三者トヲ別ツトアリマスガ是ハ登
  記法ノ一般ノ上カラ議論トシテハ價値ノアルコトデハゴザイマスケレド
  モ我不動產登記法ニ於テハ明ニ善意惡意ヲ區別シナイコトニシテ其他民
  法ニ於テモ他ノ法律ニ於テモ〓シテ善意惡意ノ區別ヲ立テヌコトニシテア
  ルノニ單リ本法ニ規定スル地上權ニ限ッテ第三者ノ善意ト惡意ヲ區別ス
  ルノハ他ノ法律ト其權衡ヲ得ナイコトニナルト考ヘマス此事ヲ一應

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=124

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• 125・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　本案ハ是ハ一應委員ニ付託スルガ宜シイト思ヒ
  マス
  (「贊成々々」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=125

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• 126・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　委員付託ニ異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=126

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• 127・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　此委員ハ九名ノ特別委員トレテ、議長ガ指名シテ御異
  議ガアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=127

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• 128・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通ニ取計ヒマス、次ハ議事日程ノ
  十四市制町村制改正法律案第一讀會木村普太郎君、議案ノ朗讀ヲ省略致シマ
  ス
  第十四市制町村制改正法律案(木村哲太郞君外一第一讀會
  名提出)
  市制町村制中改正法律案
  市制町村制中左ノ通改正ス
  市制第百二十二條第三號中「地租七分一」ヲ「地租五分ノ一」ニ改ム
  町村制第百二十六條第三號中「地租七分ノ一」ヲ「地租五分ノ一」ニ改ム
  〔木村誓太郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=128

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• 129・木村誓太郎

  ○木村哲太郞君(百七十三番)　市制町村制中ノ改正案ノ說明ヲ致シ
  マス此現在地租七分ノ一以上ノ附加稅ヲ課スルニハ一々內務
  大藏兩大臣ノ〓可ヲ受ケナケレバナラヌノハ御承知ノ通デア
  リマス然ルニ現今デ地租七分ノ一以內デ治マル町村ハ恐ラクナカラウ
  ト考ヘマス是マデ、見マスレバ、郡制府縣制ニ於テ地租七分ノ一五マデ許サ
  レタノデアリマスガ、昨年此郡制府縣制ノ改正ニ依リマシテ元トノ町村制
  ニ定メテアル七分ノ一ヨリ超過スルコトカ出來ヌコトニナッテ居ル、此一々
  內務大藏兩大臣ノ認可ヲ得テ居ッテハ行政上ニ差支ヲ生ジヤウト考ヘ▽
  スデ是ハ更ニ五分ノ一ニ增スノデハナイ郡制府縣制ニ許シテアック
  其程度マデニ改正シヤウト云フ精神デアリマス、又五分ノ一デハ何モナラヌ、
  是デハ足ラヌト云フ說ヲ承リマスコトモアリマスガ、先ヅ五分ノ一位ノ所デ
  程度ヲ立テ其上バ曩ニ鉛本摠兵衞君ヨリ提出ニナタタ卽チ府縣知事ニ於テ之
  ニ委任スル條件モ出來マスコトデアリマスカラ、先ヅ此邊デ程度ヲ定メテ置
  キタイト云フ希望デゴザイマス、是ハ旣ニ鈴木摠兵衞君ノ提出ノ市町村制ノ
  改正案ガ貴族院ニ唯今囘ッテ居リマスカラ、ソレト同時ニ貴族院ノ日程ニ上
  ボルコトヲ希望致シマスカラ、成ルベク本院ニ於テハ早ク貴族院ニ送付ニナ
  ルコトヲ希望致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=129

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• 130・堀尾茂助

  ○堀尾茂助君(二百七十三番)　チヨット政府委員ニ質問致シマスガ、去ル十
  六日本院デ可決致シマシタ市町村制中改正法律案ノ委員長ノ報告ニ依ルト
  フレ〓〓政府交涉濟ノ上政府ニ於テ全然同意ヲサレタ、其改正法中ニ··

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=130

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• 131・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　今ノ問題ハマダ採決ニナリマセヌカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=131

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• 132・堀尾茂助

  ○堀尾茂助君(二百七十三番)　此案ニ對シテ申スノデアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=132

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• 133・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　ソレデハ許シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=133

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• 134・堀尾茂助

  ○堀尾茂助君(二百七十三番)　市制第百二十三條二項町村制百二十五條二項
  ニ加ヘラレタル「市町村ノ市町村ノ行政ニ關シ主務大臣ノ許可ヲスヘキ事項
  中勅令ノ規定ニ依リ其許可ノ職權ヲ府縣知事ニ委任スルコトヲ得」ト斯ウ云
  フ條項ガ加ハルコトニナリマス、此際ニ本案提出者ノ木村君カラ委員長ニ向ツ
  テ、地租七分ノ一ノ如キモヤハリ勅令ヲ以テ府縣知事ニ委任スル中ニ含蓄ス
  ルヤ否ヤヲ尋ネタ所ガ、委員長ハソレモ含蓄シテ居ルト云フ御答辯デゴザイ
  マシタガ、果シテ政府ハ是等ノモノモ、矢張勅令ノ規程ヲ以テ市町村長ノ第一
  次第二次ノ監督官ニ委任セラルヽト云フ意思デアルガ若シ果シテサウデア
  レバ町村ノ行政上ノ手數ヲ省イテ餘程便利ニナルコトヽ考ヘマスカラ、其邊
  ノコトハ政府ニ於テハ勅令ノ規程ヲ加ヘラルヽヤ否ヤヲ承ッテ置キタイ
  〔政府委員內務省地方局長柴田家門君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=134

  ---

• 135・柴田家門

  ○政府委員(柴田家門君)　御答致シマスガマダ勅令ヲ審査スル時期ニ達
  シマセヌデスカラ、今日カラ加ヘラルヽヤ否ヤ、御明答ハ出來マセヌガ、併
  ナガラ法ノ上デハ加ヘ得ルモノト存ジマスカラ、ソレダケ御答ヘ致シテ置キ
  マス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=135

  ---

• 136・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)一斯ウ云フ種類ノ案ガ段々貴族院ヘ囘ッテ居リマ　
  スカラ法律案デハアリマスガ、此場合讀會省略デ確定シタイト思ヒマス
  〔「贊成」又「委員付託」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=136

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• 137・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　委員付託說ガ出マシタカラ、採決致シマス、委員付託說
  ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
  起立者少數

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=137

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• 138・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　少數ト認メマス、本案ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議
  アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=138

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• 139・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　然ラバ第二讀會ヲ開クコトニ決定致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=139

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• 140・早川龍介

  ○早川龍介君(二百八十四番)　直ニ二讀會ヲ開イテ、讀會省略デ卽決セラレ
  ンコトヲ希望致シマス
  (「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=140

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• 141・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　讀會省略デ直ニ確定議ヲ開クト云フノ動議ガ出マシタ
  ガ、御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=141

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• 142・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス-本案ニ御異議アリ
  マセヌカ
  市制町村制中改正法律案確定議
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=142

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• 143・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ確定ト認メマス次ハ議事日程第十
  五造稅法中改正法律案第一讀會ノ續、委員長報告大塚常次郞君
  第五酒造稅法中改正法律案(大塚常次第一讀會ノ續(委員長)
  郞君外五名提出)報告
  〔大塚常次郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=143

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• 144・大塚常次郎

  ○大塚常次郞君(二百五十一番)　酒造稅法中改正法律案ノ特別委員會ノ經過
  及結果ヲ御報告致シマス、第一囘ノ委員會ハ一月一一十六日ニ開會致シマシテ
  委員長及理事ノ選舉ヲ致シマシタ卽チ委員長ニハ私ガ當選シ理事ニハ東
  良三郞君ガ當選サレマシク、其後東君ハ委員ヲ辭セラレマシテ、其後任ニハ大
  津淳一郞君ガ當選ニナリ、尙理事ノ後任トシテ三輪傳七君當選サレマシタ、此
  法案ハ單ニ稅源ノ如何ニ關スルノミデナク、外國品輸入稅率ニ對スル比較的
  ノ問題デアリマスガ故ニ、委員會ニ於テハ詳細ニ質問モ致シマシタ、又政府委
  員モ十分之ニ答辯ヲ致シマシタガ、就中此釀溜酒及酒精度數ノ改正ノ〓ニ於
  テ委員會ノ多數ト政府委員ト見解ヲ異ニシテ、彼是取調等ノタメニ日子ヲ費
  シテ、甚ダ遷延ニ相成ッタ次第デゴザイマス、ソコデ改正案中デ削除シタ〓ハ
  第四條ノ「第二種」トアル次ニ、第三種再製酒ト揭ゲタ範圍內ノ酒類ヲ削除致
  シタノデアリマス、之ヲ言換ヘレバ混成酒稅法ヲ廢シテ、酒造稅法ニ繰込マ
  ントシタノヲ現行法ニ据置イタノデアリマス其事柄ニ附イテハ大津君カ
  ラ混成酒法ノコトヲ述ベラレマシタ如ク、卽チ二ツニ分ッタンデアリマス、其
  次ハ第四條ノ第二項中第二種、卽チ現行法ノ五十度ト云フヲ六十五度ニ改メ
  タノデアリマス改正案ノ酒精ノ九十度ト云フノヲ削除シテ此六十五度ノ
  中ニ包含セシメタノデアリマスソレカラ四十條ノ府縣ノ下「及」ト云フ字ハ
  誤字デアリマス郡市ノ二字ヲ加ヘタノデアリマス、四十條ノ末文ハ脫漏ガ
  アリマス卽チ組合ヲ設ケ又ハ組合ニ加入セザルモノハ二圓以上二十圓
  以下ノ科料ニ處スト云フコトガ脫ケタノデアリマス、卽チ委員會ノ多數ト政
  府委員ト見解ヲ異ニシタハ、此度數ノ改正ノ點デアリマス、政府委員ハ我國
  ノ燒酎及酒類ノ五十度ト云フ制限ト、外國品ノ六十五度ト云フ制限ト權衡
  ヲ得居ラルト云フハ從來其國ノ習慣ニ依ッテ標準ヲ立テタモノデアル卽
  チ我國ノ燒酎及酒精ハ五十度以下デアルカラ、五十度ト定メタモノデアル、卽
  チ外國ノ酒類ハ二十五六度以下ノモノガ多イ、故ニ六十五度ト定メタ、其六十
  五度以上ノモノニ對シマシテ、二倍半ノ稅金ヲ課シテ、其權衡ヲ得セシメタモ
  ノデアルト云フコトデアルソコデ委員會ノ多數ハ曰ク政府委員ハ外國ヨ
  リ輸入スル所ノ酒ニシテ其六十五度以上ノモノニ二倍以上ノ稅ヲ課シテ權衡
  ヲ得セシムルト云フケレドモ實際六十五度以上ノモノハ飮用ニ供スルモ
  ノハ稀デ大〓ハ醫藥工業用ニ供スルモノデ、政府ニ於テ一時稅金ヲ課シマ
  シテモ其結局戾稅トナッテ國庫ノタメニナラザルノミナラズ內國製ノ稅
  額トヲ權衡ヲ爭ハントスルハ、其當ヲ得ナイ議論デアル、殊ニ外國ヨリ輸入ス
  ル酒精ハ孰モ五十度以上六十五度マデナレバ、之ニ幾分ノ海關稅ヲ課シマ
  シテ、我國ノ五十ト云フ制限ト對照スルトキハ、不權衡ヲ免レナイ、故ニ改
  正案ノ如ク六十五スルノガ當然ト考ヘテ決定シタイノデアリマス、次ハ酒造
  營業者組合區域ノ問題デアリマシテ、唯今申シマシタル如ク、組合組織ノコ
  トハ目下差支アルコトデアリマスカラ委員會ハ勿論政府委員ニ於テモ意見
  ハナカッタノデアリマス、唯科料ノ〓ニ附イテ政府委員ニ異議ガアッタノデア
  リマス、以上ノ如ク委員會ノ結果ヲ御報道致シマスドウゾ贊成アランコト
  ヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=144

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• 145・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　直チニ二讀會ヲ開カレタウゴザイマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=145

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• 146・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　直チニ二讀會ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=146

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• 147・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ、直チニ二讀會ヲ開クコトニ致シマ
  ス全部ヲ議題ニ供シマス
  〔野尻岩次郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=147

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• 148・野尻岩次郎

  ○野尻岩次郞君(四十九番)　諸君、私ハ唯今委員長カラ報告ニナリマシタ改
  正案中〓第四條ノ改正ト第四十條ノ第二項ト附則ヲ削リマスサウシマスル
  ト現存スル所ハ第四十條ノ本文ト第二項ダケニナリマス、其文章ヲ讀上ゲマ
  ス「第四十條酒類ヲ製造スル者ハ府縣郡市若ハ稅務署管內ヲ一區域トシテ
  酒造組合ヲ設クヘシ但シ土地ノ狀況ニ依リ本條ノ區域ニ據リ難キトキハ數
  稅務署管內ヲ併セテ一區域トナスコトヲ得組合ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之
  ヲ定ム」是ダケニスルノデス、ソレデチヨット其反對ノ理由ヲ簡短ニ申上ゲマ
  スガ、此改正ハ詰リ酒精ニ於テ一石十五圓宛稅ヲ減ズルト云フ結果ニナルノ
  デゴザイマス、其結果トシテ燒酎屋或ハ酒精屋ハ幾何カ利益ヲ得ルカ知レマ
  セヌガ、、ソレガ反響デ〓酒ノ造高ヲ減ジ、從ッテ國庫ノ收入ヲ減ズルコトニナ
  ルノデゴザイマス、酒屋ガ損シテモ燒酎屋ガ儲ケレバ差引キ勘定宜イヂヤ
  ナイカト云フヤウナ譯デゴザイマセウガ燒酎一合ハ殆ド〓酒三合ニ當ルノ
  デアリマス又酒精ノ一石ハ殆ド〓酒五石ニ當ルノデアリマス先年我國
  ハ酒精ノ跋扈ノタメニ非常ニ〓酒營業者ハ困リ國庫ノ收入ヲ減ジテ、之ガ
  取締ヲ嚴重ニシタノデアル、漸ク此稅源ノ囘復ト共ニ、輸入酒精ニ二十五割ト
  云フ重稅ヲ課シ、此頃混成酒ノ弊ヲ絕タントスルノ結果ヲ收メツヽアルノデ
  アル然ルニ此改正ハ丁度前門ニ虎ヲ防イデ、後門ニ狼ヲ進ムルノデアッテ、
  又此酒精ノ稅ヲ減ズル燒酎ノ稅ヲ減ズルト云フ猛烈ナ飮料ノ稅額ヲ減ズルト
  云フコトハ卽チ丁度後戾ヲシテ洵酒ノ釀造高ヲ減ジ、國庫ノ收入ヲ減ズ
  ルト云フ結果ニナルノデゴザイマス然ルニ此六十五ニ改正スルト云フ議論
  モ一應理由ガアルノデアルソレハ何故カト云フト日本ノ燒酎酒精ハ五
  十度マデハ十三圓、六十五度ニ至ルト二十八圓ノ稅ニナル然ルニ輸入ノ蒸
  溜酒ハ六十五度マデハ原價十割デアル原價十割ト云フモノハ今日日本
  ノ二十八圓ト云フ稅ヨリハ幾許カ安クナルカラ勢內地ノ燒酎及稀薄ノ酒
  精カ輸入ノ蒸溜酒ト云フ下ニ名稱ヲ藉リテ、這入ッテ來ル所ノ酒精類ノモノ
  ニ抵抗スルコトガ出來ナイカラ、內地ノ商人ガ困ルト云フ、是ハ一應理窟ガア
  ルノデス、又之ガ矯正策如何ト云フニ關稅定率法ヲ改正スルガ、適當デアル吾
  吾ノ考フル所ニ依レバ、五十ヨリ六十五乃至七十ト云フモノハ、關稅定率法ハ
  原價十五割ト云フコトニシテ、ソレ以上ハ二十五割ト云フコトニスルノガ、
  適當ノ處置デアッテ、要スルニ此權衡ヲ保タシムルニハ、內地ノ釀造稅ヲ安
  クスルニアラズシテ、關稅定率ヲ上ゲルノデアル關稅定率ヲ上ゲルノガ
  適當ノ處置デアル、故ニ此改正ハ關稅定率法ニ障ラズニ置イテ、不權衡ダトシ
  テ、內地ノ稅ヲ安クシテ、其間ニ此燒酎及酒精ノ稅ヲ下ゲヤウト云フ考ヲ取ッ
  タノデアッテ、唯當業者ニ對シテ幾許カ便利ガアリ、又從ッテ北海道ノ馬鈴薯ヲ
  以テ酒精ヲ造ルトキハ便利カ〓知レマセヌケレドモ國民全體ノ經濟及國庫
  ノ收入カラ云フテ、不利益デアル、然ラバ何故關稅定率法ノ改正ヲ言ハヌカ
  ト云フ御問ガアリマセウガ是ハ未ダ證據ガ十分明ナラズ、實ハ〓究問題デ
  アッテ、不明デアル、其證據ニハ昨年此關稅定率法ヲ改正シテ以來、舶來ノ
  蒸餾酒卽チ委員長カラ報告セラレマシタ此名稱ノ下ニ酒精ノ稀薄ナルモノヲ
  輸入スルデアラウト云フ虞ノアルモノガドレダケ這入ッテ居ルカト云フ
  ト一箇年ニタッタ一万六千圓デアル、是ハ稅關ノ調デアリマスガ、此外ニ幾許
  カ密輸入サレテアルモノガアルニ相違ゴザイマセヌケレドモマダソレハ關
  稅定率法改正ノ請求ヲスルマデノ證據ニハ不明デアルノデアル、是ハ或ハ翌
  年度ニ主張スルカ知レマセヌケレドモ、今日ハマダ其時機ニ達シテ居ナイ故
  ニ第四條第二項ノ改正ニ反對スルノデアル、第四十條ノ第二項、之ニ罰則ヲ設
  ケルト云フコトデアルガ、四十條ト云フモノハ附則デアッテ、附則ノ一番末
  條デアッテ、決シテ斯ウ云フ制裁ヲ設ケルタメニ置イタ條デハナイ、丁度釀
  造家ニ納稅保證ト云フモノガアッテ納稅保證ノトキニ於テ組合ニ於テ納稅
  ヲ擔保スルモノハ納稅保證ヲ免除スルト云フ箇條ガアル、ソレニ附イテ釀
  造家ニ組合ヲ設ケヨト云フコトハ附則ノ末條ニ書イテアルノデ、決シテ產
  業組合トカ、或ハ輸出品ノ組合ト云フヤウニ積極的ニ强制スルモノトハ違フ
  ノデゴザイマス從ッテ之ニ罰則ヲ附スルト云フコトノ制裁ハ、未ダ其時機
  ニ達シテ居ラヌト思フ若シ他ノ勸業的ノ組合ノヤウナコトニスルナラバ
  或ハ組合ノコトハ酒稅法カラ放シテシマッテ、一ノ酒稅法組合法ヲ拵ヘテモ
  宜カラウト思フ是モマダ其時機ニ達シテ居ラヌト信ジマス、ソレデ今日ノ
  四十條ノ法文ガ不備デアッテ「府縣若ハ稅務署管內ヲ一區域トシテ酒造組合
  ヲ設クヘシ」ト云フコトニナッテ居リマスカラ、或ハ武藏國デ拵ヘテ見ヤウ
  或ハ甲ノ稅務署ト乙ノ稅務署ト寄ッテ組合ヲ拵ヘテ見ヤウト云フトキハ、大
  ニ差支アルノデ、私ノ言フ如クニスルト、ドノヤウナ區域デモ組合ガ設置ス
  ルコトガ出來テ、誠ニ當業者ガ便利ダラウト思ヒマスカラ、文章ヲ畢竟變ヘ
  タダケニ過ギナイノデアリマスカラ、ドウカ御贊成ヲ願ヒマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=148

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• 149・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　定規ノ贊成ガアリマスカ
  (「贊成ケ々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=149

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• 150・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　今ノ處デハ定期ノ贊成ガナイト認メマスカラ、贊成ノ
  方ハハッキリ立ッテ贊成ヲ願ヒマスー定規ノ賛成カアルト認メマス、修正案
  ハ議題トナリマシタ政府委員若槻禮次郞君
  〔政府委員大藏書記官若槻禮次郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=150

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• 151・若槻禮次郎

  ○政府委員(若槻禮次郞君)　唯今野尻君カラ修正案ガ出マシテゴザイマス、
  委員長ノ報告ノ通デハ宜シクナイト云フコトヲ詳細ニ御辯ジニナリマシタノ
  デ、野尻君ノ修正案ノヤウデアレバ宜シウゴザイマスガ委員長ノ報〓ノヤ
  ウニナリマシタンデハ野尻君ノ言ハレタ如タ弊害ガゴザイマス故ニ、ドウ
  カ野尻君ノ御修正ノヤウニナリマスコトヲ希望致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=151

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• 152・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　大津淳一郞君
  〔大津淳一郞君演壇ニ登ル〕
  〔「採決」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=152

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• 153・大津淳一郎

  ○大津淳一郞君(百八十五番)　ドウシテ二千五百万兩以上ノ酒ノ稅金ヲ取ツ
  テ居ル人ガ酒ノコトヲ粗末ニハ出來ナイ-私ハ此委員長ノ報告通可決ナラ
  ンコトヲ贊成スル者デアル(「簡短」ト呼フ者アリ)·實ハ是ハ喜多川孝經君ガ
  餘程調べテ居ッテ喜多川君ガ述ベレバ隨分諸君ヲ感服セシムル論辯ガ出來
  タラウト思フ、私ハソレ程ハ詳シクナイ併ナガラ斯樣ニスルノハ尤デアル
  ト云フダケノ者ハ、自分デ持ッテルノダ、是ハ何モムヅカシイコトハナイ今)
  五十ヲ六十五トスルト云フダケノコトデゴザイマスガ、此大須賀君ノ案ノ如
  キ成立ヲ遠慮ナク打撒ケレバ、酒造家ノ會ニ於テ組合ヲ直スコトモ、此度數ヲ
  直スト云フコトモ、酒造家ガ一向差支ガナイト云フノデ、一ノ案ニ竝ベテ出テ
  來タ、ソレ程酒屋ヲ苦メル案デアルナラバ、別ニ出ナケレバナラヌ、ソレガ酒
  造家ガ何モ差支ガナイト云フ大會ノ決議デテ案ニ成立ッテ來タノデゴザイマ
  スカラ決シテ酒造家ヲ害スルト云フコトハナイト思フ唯外國カラ來ル酒
  ヲ六十五度トシテ日本ノ第二種ニアルモノヲ五十トシテ置クト五十ト六
  十五ノ十五ノ差ノ間デ外國ノモノニ押サレテ日本ノ燒酎酒精ノ製造ガ成
  立タヌト云フ現今ノ所デハ決シテ五十カラ六十五度ノ間ノモノハ外國カ
  ラ這入ッテ來ヌト云フノデ、ソレハ這入ッテ來ナイ道理ナンデス、關稅改正
  前ニドント這入ッテ來タモノガ、今現在日本ニ澤山殘ッテ居ルカラ這入ヅ
  テ來ナイ、併ナガラ是マデト雖モ多少這入ッテ居ル此先ハ勿論這入ッテ來
  ルニ相違ナイサウスレバ若シ此際酒精亞爾箇保爾分ノモノガ酒屋ヲ害ス
  ルトスレバ日本ノモノデナクシテ外國ノモノデ現在害スルト斯ウ見テ
  居ッタナラバ之ヲ日本ト平等ニシテ日本ノモノデ害サセル方ガマダシモ一
  方ノ發達ヲ日本品ノ發達ヲサセルト云フ上ニ於テ得ガアルト思フ、
  リ此ノ斯ウ云フ混成酒ノ部類ノモノト〓酒ヲ飮ム部類ノモノトハ種類ガ
  違フカラ左程ニ心配ハセヌト酒屋ハ言ッテ居ル、斯樣ニシテモ一向差支ナ
  インデ、所謂酒屋等ガ斯ウシテモ宜シイト云フノデ成立ッテ來テ居ル而シ
  テ現在北海道デ馬鈴薯ヤ何カガ非常ニ澤山出來ルケレドモ之ヲ何カニ使用
  シテ拓地開墾ノ目的ヲ達スルカト云ヘバ一番是ハ酒精ニスル亞爾箇保爾ニ
  使ッテ往クト云フノガ一番宜シイト云ッテ現ニ北海道デハ是ヨリ外ニ途ガ
  ナイト云ッテソレ等ノ會社モ今成立ッテ來ルノデゴサイマスカラ、是ハ唯外
  國ノモノデ害ヲサセルヨリハ內國ノモノデ同ジ害ヲスルナラ害ヲサセロト
  云フノデゴザイマスカラ決シテソレ程心配ヲスルモノデハナイ、野尻君ノ
  如キハ若シ此度數ノタメニ政府ガ少シク-大ナル反對ヂヤナイ少シ反對
  シテ政府ハ面ヲ冠ッテ少シ反對シテ居ル其反對ノタメニ貴族院アタリ
  ヘ囘ッテ後トノ酒屋ノ組合法スラ潰レテシマッテハ大變デアルト云フ憂
  ガアル、ソレデサウ云フ說ヲ述ベラレマスルケレドモ、是ハ決シテ諸君御心
  配ハナイト思フ、若シ是ガ〓酒ヲ害スルトスレバ、內地品デ害サヌデモ外國品
  デ害シマスカラ、同ジコトデゴザイマスカラ、斯樣ニ書イテ寧ロ內地ノモノヽ
  發達ヲサセタ方ガ、私ハ適當ト思ヒマス、關稅ヲ變ヘルト云フ御論ガゴザイ
  マスルケレドモ是ハ騙シナンデス、其方ガ適當タト言レマスルケレドモ
  ソレハ騙シナノデ、サウシテ往ッタ所デ內地ノ物品ヲ發達セシムルト云
  フ方ニハ同ジダト言フケレドモ是ハ同ジデアルト見テハ居ラヌ、矢張是
  ハ六十五ニシテ置イタ方ガ權衡ヲ保チ誠ニ宜シイト思ヒマス決シテ酒屋ニ
  害ヲ爲サヌト私ハ信ジテ居ルノデゴザイマス、稅モ此方ガ殖エルト思フ害
  ナシニ稅ハ殖エテ內地品ガ發達スル、酒屋ニ迷惑ヲ掛ケヌト云フデスカラ
  是ガ宜シイト私ハ思フ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=153

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• 154・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　野尻岩次郞君ノ修正說ニ附イテ採決ヲ致シマス、一應
  朗讀致シマス
  〔「朗讀ハ宣シイ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
  〔書記朗讀〕
  第四十條酒精ヲ製造スルモノハ府縣郡市若ハ稅務署管內ヲ一區域トシテ
  酒造組合ヲ設クヘシ但シ土地ノ狀況ニ依リ數郡市若クハ稅務署管內ヲ一
  區域ト爲スコトヲ得組合ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=154

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• 155・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　野尻岩次郞君ノ修正說ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
  起立者多數

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=155

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• 156・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　多數ト認メマス野尻岩次郞君ノ修正ニ決シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=156

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• 157・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　直ニ三讀會ヲ開イテ確定ナランコトヲ望ミマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=157

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• 158・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　直チニ三讀會ヲ開クコトニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=158

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• 159・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ直チニ三讀會ヲ開クコトニ致シマス
  酒造稅法中改正法律案(大塚常次郞君外五名提出)第三讀會

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=159

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• 160・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　二讀會デ決シマシタ通御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=160

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• 161・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通確定シタモノト致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=161

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• 162・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十二一番)　次ノ日程ノ十六十七ハ一括シテ議題ニ供セラレ
  ンコトヲ望ミマス委員長モ同ジ人デスカラ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=162

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• 163・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　議事日程第十六十七ハ一括シテ議題ニ供スルコトニ御
  異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=163

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• 164・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ナケレバ其通致シマス
  第十六登錄稅法中改正法律案(林喬君第一讀會ノ續(素直し
  外四名提出)報告
  第十七登錄稅法中改正法律案(安川繁第一讀會ノ續委員長
  成君外五名提出)報告
  〔永田佐次郞君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=164

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• 165・永田佐次郎

  ○永田佐次郞君(百六十七番)　此議事日程ノ第十六十七ノ委員會ノ結果ヲ御
  報道致シマス、是ハ二案共ニ文章ハ違ッテ居リマスルガ其精神ハ同ジ案デ
  ゴザイマス、ソレデ委員會デモ併セテ吟味ヲ致シマシタ、此改正ヲ致シマス
  ル修正ヲ致シマスル趣意ハ第十九條第二號ヲ「府縣郡市町村其他公共
  團體ニ於テ公用ニ供スル不動產ノ登記」ト此通ニ總テノコトヲ一括致シテ此
  文章ノ中ニ含メテシマヒマシテ、種々ノ名目ヲ擧グルコトヲ省キマシテゴザ
  イマス、ソレハ種々ノ名目ヲ舉ゲテ置キマスルト萬一此名目ニ漏レタルモ
  ノガゴザイマスルト差支ガゴザイマスルカラ一括シテ此文章ノ中ニ含メ
  テ置キマスレバ悉クソレニ網羅シ盡シマスル譯デアリマス其精神デ斯樣
  ニ修正ヲ致シマシタ此修正ノ結果ト致シマシテ、同條ノ第三號中ノ公園ト
  云フ字ヲ削除致シマシタ是ハ所謂前文ノ此文章中ニ含ンダルモノト云フ意
  味デ削除致シマシテゴザイマス、ソレカラ今修正ヲ致シマシタルノハ卽チ
  十七ノ日程安川繁成君其外ノ提出ニ係ル、其案ヲ修正可決ヲ致シマシタ此
  安川繁成君其外ノ案ヲ修正可決致シマスルト同時ニ丁度同ジ意味ノ文章デ
  ゴザイマス故ニ第十六ノ林喬君其外ノ提出ノ案ハ自ラ否決ト云フコトニ
  ナリマシタル結果デゴザイマス、他ニハ別ニ込入タル理由モゴザイマセヌ是
  ダケ··

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=165

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• 166・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　十六ハ否決、十七ハ修正委員長ノ報告通異議ハ
  ゴザイマセヌドウカ直チニ二讀會ヲ開イテ三讀會ハ省略セラレシコトヲ望
  ミマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=166

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• 167・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　サウスルト日程第十六ハ恆松隆慶君ノ動議ノ通一一讀會
  ヲ開カザルコトニ御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=167

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• 168・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=168

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• 169・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　委員長ノ報告通十七ハ修正-委員長ノ報告通
  異議ハアリマセヌ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=169

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• 170・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　日程第十七ハ恆松隆慶君ノ動議ノ通、直ニ第二讀會ヲ
  開キ三讀會ヲ省略スルコトヲ御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
  登錄稅法中改正法律案第二讀會

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=170

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• 171・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ是ハ確定ト認メマス、議事日程第十
  八舊琉球藩吏役俸處分法案第一讀會ノ續委員長報告-新井章吾君
  第十八舊琉球藩吏役俸處分法案(新井第一讀會ノ續(愛心)
  章吾外一名提出)報〓一
  (新井章吾君演壇ニ登ル)
  (「簡短」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=171

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• 172・新井章吾

  ○新井章吾君(三十二番)　會期切迫ノ折柄デゴザイマスカラ、成ルベク簡短
  ニ委員會ノ結果ヲ報告致シマスル積デゴザイマスガ、本案ハ內地ニ關係スル
  問題ト異ナッテ、卽チ舊琉球藩ニ關係致シテ居ル問題デゴザイマスガ故ニ、內
  地ト事情ガ異ナッテ居リマシテ大體ノ說明ヲ致シマセヌト云フト或ハ諸
  君ニ御分リニナラヌコトガアリマシテハ甚ダ遺憾ト存ジマスルガ故ニ簡
  短ヲ旨トハ致シマスルケレドモ、大體ノ此事ヲ述べマスルデゴザイマスカラ
  暫クノ間時ヲ與ヘラレンコトヲ希望致シマス此本案ノ委員ニ託サレマシタ
  ノハ卽チ一月二十六日デゴザイマシテ二十七日ニ委員長理事ノ選舉ヲ致
  シマシテ、委員長ニハ私、理事ニハ橋元君ガ當選致シマシタ、ソレカラ政府委
  員ニ或ハ參考書ヲ求メ、或ハ政府委員ニ質問致シマシテ數囘-七囘委員會
  ヲ開キマシテ、漸ク二月ノ十六日ヲ以テ決定致シマシタノデゴザイマス、其
  決定致シマシタル所ノ結果ハ諸君ノ御手許ニ御囘シ申シテ居リマスル所ノ
  修正案ニ決定致シタノデゴザイマス元來此琉球藩ノ制度ト申シマスルモノ
  ハ內地ノ各藩ノ制度トハ大ニ事情ヲ異ニ致シテ居リマスル卽チ本案ノ此
  藩吏役俸ト云フモノヽ起ル所ハ、卽チ此制度ヨリ起ルコトデゴザイマスカラ
  先ヅ諸君ニ向ッテ制度ト云フモノハドウ云フ風ニナッテ居ッタカト云フ所ノ
  大體ヲ簡短ニ御話致サウト思フノデアリマス先ヅ沖繩縣ノ藩吏ト云フモノ
  ノ中ニハ、無祿士族ト有祿士族トノ二ツアルノデ、其有祿卽チ秩祿ヲ受ケテ居
  リマスル者ハ或ハ知行ヲ持ッテ居リ、或ハ此地頭地ト云フモノヲ領シテ居
  リマシタノデゴザイマスガ、此有祿士族ノ勤ムル所ト云フモノハ、卽チ藩政ヲ
  預ッテ居リマシテ、重ニ此奉行吟味役以上ノ樞要ナル役ヲ勤ムルコトニナッテ
  居リマシタノデ、其他ノ者ハ卽チ無祿ノ士族ガアル、無祿ノ士族ノ中ニ藩ノ政
  務ヲ司ル所ノ者ト、何モセヌ所ノ非役ノ者ト二ツアルノデゴザイマス、此役俸
  ニ關係スル所ノモノハ、卽チ無祿士族ノ中デ藩ノ政務ニ從事シテ居ッタ所ノ者
  ニ關係致スノデゴザイマス、此無祿士族デ藩ノ事務ニ關係シタト云フモノハ
  ドウ云フ役目デアルカト云フト、卽チ各役所ノ筆者ト申スノデ、筆生ト云フ意
  味デゴザイマセウカ、卽チ內地デ申シマスレバ有祿士族ノ從事スル所ノ
  役目ハ皆高等官以上ノ者デアル而シテ無祿士族ノ勤メテ居ル所ノ者ハ屬
  官以下ノ仕事ヲ致シテ居ッタノデゴザイマス而シテ此屬官以下ノ仕事ヲ
  勤メテ居ッタ所ノ無祿士族ハ平生祿ヲ貫ヲテ居ッタカ、或ハ手當ヲ受ケテ居ッ
  タカト云フニ少キハ七八年、多キハ數十年ノ間ト云フモノヲ皆此手當ヲ受
  ケズ、或ハ中ニハ受ケタ者ガアッテモ、ホンノ僅ナモノデアッテ多クハ皆無
  給無手當デ以テ、舊ノ役ヲ勤メテ居ッタト云フコトデゴザイマス、何せ此無
  祿士族ノ者ハ無給デ藩カラ報酬モ受ケズ致シテ勤メテ居ルカト云フノニ是
  ハ一定ノ年限卽チ無デ數多年月ヲ勤メテ來マスルト云フト付屆役又ハ渡〓
  役ト云ッテ、一年間ノ年期ヲ以テ報酬ヲ受ケラルヽト云フノ藩ノ制度ニナツ
  テ居リマスルガ故ニ辛苦ヲ致シテ無給デ勸メテ居ルノハ、卽チ他日ニ於テ
  其報酬トシテ付居役ノ役俸又ハ渡〓役トナッテ受クル所ノ役俸ト云フモノヲ
  受ケル目的ヲ以テ辛抱致シテヤッテ居ッタノデ、其間ニハ何モ成業ニ從事致サ
  ズシテ、無給デ勤メテ居リマスカラ、隨分困難ヲ致シマスルノデゴザイマスガ
  他年ノ受クベキ所ノ此役俸下云フモノヲ抵當ニ致シテ、或ハ負債ヲ起ストカ
  或ハソレヲ引當ニ致シテ、融通ヲシテ貫ッテ、先ヅ其間ハ無給デ勤メテ居ルト
  云フコトガ、藩ノ制度ヨリ來ッタル所ノ舊琉球藩ノ狀態デアルノデアル然
  ルニ明治十二年ニ我帝國デ舊琉球藩ヲ廢シテ沖繩縣トスルトキニ當ッテ、其處
  分ハドウナッタカト云フト、此等無祿士族ガ長年ノ間無給デ勤メテアッテ(25%)
  付屆役又ハ渡〓役ト爲ルベキ所ノ資格アル者モアル、又後年ニ至ッテ藩ガ繼
  續致シテ居ッタナラバ必ズ渡〓役若クハ付屆役ト云フ者ニナッテ、相當ノ報
  酬ヲ受ケラルヽコトニナッテ居ルニモ拘ラズ、彼ノ有祿士族ニ對スル卽チ知
  行ヲ持ッテ居ル所ノ者ニ對スル處分ハ金祿公債證書ヲ以テ處分濟ニナリマ
  シタケレドモ、此憫ムベキ所ノ無祿士族ニ對スル處分ト云フモノハ廢藩ト
  同時ニ政府ハ自然ニ取消シテシマッタト云フコトニナッテ居ルノデアル、ソレ
  故ニ此藩ノ制度ト云フモノカラ考ヘテ見マスルト云フト、此無祿士族タル所
  ノ舊琉球ノ藩吏ト云フ者ハ、付屆役トナリ或ハ渡〓役トナッテ受クベキ所ノ
  報酬ト云フモノハ、藩ノ制度ヨリ來ッタノデアリマスカラ、藩ト云フモノトノ
  相互ノ契約ト云ッテモ宜イ位ナ話デアル之ヲ證據立テルガタメニ、政府ヨ
  リ參考書トシテ得タル所ノ彼ノ沖繩縣令ヨリ上申致シマシタル此役俸ノコト
  ニ付イテ上申致シタル所ノ書面ノ一端ヲ朗讀シマスルト長クナリマスカラ
  ソレハ略シマスガ、彼ノ上申書ニ依ッテモ、斯ウ云フコトガアル「是ニ由ッテ之
  ヲ觀レバ其心付役ナルモノハ數十年間勤勞ノ義務ヲ負ヒ數十年ノ後ニ至リ榮
  利ヲ受クルノ權利ヲ得ルモノナレバ所謂官民雙務ノ契約ニ掛リ一種特別ノ家
  祿ト云フモ可ナリ」斯ウ云フ類ハ澤山アリマスケレドモ、斯ウ云フ性質ナモ
  ノデゴザイマス然ルニ政府ハ藩ヲ廢シテシマック、今日ハ縣ニナッテシマッテ、
  卽チ藩ノ制度ト云フモノハナクナッタノデアルカラ斯ウ云フ役俸ナルモノ
  ハヤラヌデモ宜シイト云フコトヲ以テ、今日マデ處分ヲ致サヌト云フコトハ
  甚ダ其當ヲ得ザルモノデアルト云フノデ、卽チ此本案ガ出タノデゴザイマス
  併ナガラ委員會ニ於テハ之ニ反對ノ論モゴザイマシタ卽チ役俸ナルモノハ
  其役ニ就イテ始メテ受クルデアルガ故ニ、未ダ其役ニ就カザル中ニ廢藩ニナツ
  タノデアルカラ、此役俸ヲ受クル道理ガナイト云フ反對論モゴザイマシタ
  併ナガラ委員會ノ多數ハ卽チ修正意見ヲ可ト致シマシテ、此修正通ニ決定致
  シマシタノデゴザイマスルガ此修正ノ理由ヲ簡短ニ御話ヲ致シマスレバ
  (「分ッテル」ト呼フ者アリモウ分ッテ居マスカ「ヤリタマヘ」ト呼フ者アリ)ナ
  カ〓〓分ルマイト思フケレドモ、分ルト言ヘバソレデ宜イ(「謹聽々々」ト呼
  フ者アリ)修正ノ理由ハ卽チ此原案ヲ削除致シタル所ノ理由ト云フモノハ
  明治十八年ト明治十五年ニ渡シタルノ所ノ金ハ是ハ役俸ニ關係シテ渡シタ
  ルモノト云フ此提出者ハ考デアッタ、所ヲ政府委員ニ質問シマシタル所ガソ
  レハ役俸ニ關係致シテ渡シタルニアラズシテ、救助金ト致シテ渡シタノデア
  ルト云フ答辯ナルガ故ニ、然ラバ此金ヲ玆ニ現シテ、差引クハニ及バヌコトデ
  アル、又總金額ハ何程渡スベキカト云フガ如キコトハ今委員會ニ於テモ十
  分詳細ニ分ラヌノデアルガ故ニ、金額ヲ現サズ致シテ唯役俸相當ノ金額ヲ國
  庫ヨリ支出スルト云フ趣意ヲ以テ此修正ヲ致シタノデゴザイマス政府ハ
  ドウ云フ意見デアルカト云フノニ、政府ハ此役俸ト云フモノハ廢藩ニナッタカ
  ラ最早ヤラヌデモ宜シイト云フ反對ノ意見ヲ持ッテ居ラルヽノデゴザイマ
  スガ政府モ餘リ熱心ニ反對スルトモ委員會デハ御見エナカッタノデゴザ
  イマスケレドモ免ニ角同意ヲ表サナカッタト云フコトダケハ御報告致シ
  テ置キマス以上ノ事實デゴザイマスカラ、何卒諸君、委員會ノ修正通御贊成
  アランコトヲ希望致シマス
  〔政府委員大藏省理財局長松尾臣善君演壇ニ登ル〕
  (「簡短」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=172

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• 173・松尾臣善

  ○政府委員(松尾臣善君)　本案ニ附キマシテハ、既ニ先キニ申上ゲテ置キマ
  シタケレドモ、尙ホ一應申上ゲマスモウ、御承知ノコトデゴザイマセウガ、此
  付屆役渡〓役ト云フモノニナリマスルニ附キマシテ、候補者卽チ其役ニナル
  ベキ資格ヲ得テ居ル者ガアルノデゴザイマス、併ナガラ未ダ本役ニハナリマ
  セヌノデアリマス、本役ニナリマシタナラバ、卽チ本役相當ノ俸給ト云フモノ
  ヲ受クベキ權利ガ勿論アルノデゴザイマス、ソレハ處分ガ濟デ居ルノデゴザ
  イマス、未ダ本役ニナリマセヌ前ニ藩ヲ廢サレテ、其制度ハ自ラ消滅シタノデ
  ゴザイマスソレデ或ル說ニハ舊藩ノ慣例ト云フモノハ其儘襲フト云フヤウ
  ナコトヲ縣カラ言フタコトモアルカラト云フ御說モアリマシタケレドモソ
  レハ成ルベク舊慣ハ崩サヌト云フ意味デ、絕對的ニ舊慣ガ存ズルト云フ意味
  ハ勿論ナイノデアリマス、若シソレヲ絕對的ニ存スルナラバ心付役ト云フ役
  モ置カナケレバナラヌ、渡〓役ト云ヲ役モ置カナケレバナラヌ斯ウ云フコ
  トハアル譯ノモノデナイ(「誤解」ト呼フ者アリ)詰リ渡〓役心付役ト云フモノ
  ニ-本役ニナリマスレバ相當ノ給料ヲ貰フソレニナリマセネバ給料ヲ貰
  ハヌ、其貫ハヌ前ニ廢サレタナラバ、ワレハ貰ハヌノガ當リ前ノコトデゴザイ
  マス併ナガラ政府ハ此永イ間無給デ勤メテ居ッタト云ヒマスカラ、ソレノ情
  狀ヲ酌量致シマシテ、旣ニ二箇度ニ凡ソ十七万圓ダケノ金ヲ給與シテアルノ
  デゴザイマス、モウ之ニ附キマシテハ、處分濟デアリマス、此未ダ本役ニモナ
  ラズ、權利モ得ナイモノヲ此法律ヲ以テ權利ト認メテ、サウシテ政府ヘ之ヲ請
  求スルコトハ實ニ理由ノナイコトデゴザイマスカラ、是ハ政府ハ反對ヲ致
  シマス勿論委員會ニ於キマシテモ、正半數ニナッタノデゴザイマスガ、否
  決ト贊成ト--委員長ガ贊成ノ方ニ決セラレマシタ、ドウカ否決ニナランコ
  トヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=173

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• 174・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　政府ハ反對シマシタケレドモ、政府ハ政府、貴族
  院ハ貴族院ノ慣例モゴザイマセウカラ、免ニ角本院ダケハ委員長ノ報告通御
  贊成ニナランコトヲ希望致シマス
  (「反對」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=174

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• 175・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　本案ニ附イテ第二讀會ヲ開クヤ否ヤノ採決ヲ致シマス
  本案ノ第二讀會ヲ開カウト云フノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
  起立者少數

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=175

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• 176・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　少數ト認メマス、本案ハ第二讀會ヲ開カザルコトニ決
  シマシタ--貴族院ノ方ヨリ衆議院議員選舉法ノ囘付ガアリマシタカラ、此
  際報告ヲ致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=176

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• 177・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　ドウカ此場合貴族院ノ修正致シマシタ事柄ヲ一
  應御朗讀ニナランコトヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=177

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• 178・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　其要領ダケヲ報告致シマス
  〔書記期讀〕
  衆議院議員選舉法改正法律案中貴族院囘付ノ箇所左ノ如シ
  左ノ場合ヲ除クノ外總テ政府案ノ通復活ス
  第八條(衆議院修正第七條)第一項第一號中「成年ニ達シタル者」ヲ「年齡滿
  二十五年以上ノ者」ニ第三號中「五圓」ヲ「拾圓」ニ改ム同條第二項衆議院修
  正ニ同意第十條(衆議院修正第九條)左ノ要件ヲ具備スル者ハ被選舉權ヲ
  有ス
  一帝國臣民タル男子ニシテ年齢滿三十年以上ノ者
  二選舉人名簿調製ノ期日前滿一年以上地租拾圓以上又ハ滿二年以上地
  租以外ノ直接國稅拾圓以上若ハ地租ト其ノ他ノ直接國稅トヲ通シテ
  拾圓以上ヲ納メ仍引繼キ納ムル者
  第八條第二項ノ規定ハ本條ノ納稅ニ付テモ亦之ヲ適用ス
  第十五條(衆議院修正第十四條)衆議院ノ修正ニ同意
  第十九條(衆議院修正第十八條)衆議院ノ修正ニ同意
  衆議院修正案第九十四條削除
  第百十一條(衆議院修正第百條)衆議院ノ修正ニ同意
  政府案第百十四條削除衆議院ノ修正ニ同意
  別表ヲ略ス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=178

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• 179・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　別表ハ大修正ガアルノデゴザイマスカ、又差シ
  タル修正ガナイノデゴザイマスカ、其大體ヲ··

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=179

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• 180・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　別表ハ澤山修正ガアルサウデスカラ、是ハ報告ハ略シ
  マ人

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=180

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• 181・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　直チニ議事日程ヲ變更シテ議題ト爲シテハ如何
  デゴザイマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=181

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• 182・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ハアリマセヌカ、議事日程ヲ變更シテ衆議院議
  員選舉法改正案ヲ貴族院ノ回付ニ同意スルヤ否ヤノ議事ニ係リマシテ御異議
  ハアリマセヌカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=182

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• 183・工藤行幹

  ○工藤行幹君(二百七十九番)　是ハ大切ナ問題デゴザイマスカラ、ドウカモ
  ウ少シ此案ヲ見テカラニシタイ縱令協議會ニナラウトモ、ドウシヤウトモ
  今報告ヲ聞イタバカリデハイケマセヌカラ明日ニ之ヲ御延シヲ願ヒタイ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=183

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• 184・星亨

  ○星亨君(九十一番)　私ハ玆ニ動議ヲ起シマスガ、工藤君ノ仰シヤルコトモ
  尤デハアルガ、選舉法ハ餘程吾ミモ能ク調ベテ居ルカラ、何レニセヨ貴族院
  ノ修正ハ吾〓ハ同意ガ出來ナイ、故ニ玆ニ於テハ否決致シテ、協議會ヲ求メ
  テ相當ナ所ニ折合ヲ附ケルト云フノガ、此院ノ希望ト考ヘマスル、故ニ私ハ
  直チニ否決スルト云フコトニ致シタイ
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=184

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• 185・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　議事日程ヲ變更シテ此議事ニ係ルコトニ附イテハ御異
  議アリマセヌカ
  〔「異議ナシト」呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=185

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• 186・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通ニ致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=186

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• 187・星亨

  ○星亨君(九十一番)　唯今ノ動議ヲ續ケマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=187

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• 188・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　星君ノ動議ニハ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=188

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• 189・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通決シマス、ソレデハ矢張協議員
  十名ト致シマシテ、協議員ヲ議長ガ指名シテ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=189

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• 190・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス
  〔書記朗讀〕
  衆議院議員選舉法改正法律案兩院協議會委員左ノ通指名ス
  高梨哲四郞君星亨君加藤政之助君
  西原〓東君利光鶴松君內藤正義君
  龍野周一郞君工藤行幹君江藤新作君
  東良三郞君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=190

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• 191・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　議事日程ノ第十九明治二十九年法律第三十四號中改正
  法律案中第一讀會ノ續、委員長報告-木村格之輔君
  明治二十九年法律第三十四號中
  第十九改正法律案(木村格之輔君外一第一讀會ノ續(報告製造 DES
  名提出)
  〔木村格之輔君演壇ニ登ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=191

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• 192・木村格之輔

  ○木村格之輔君(百七十三番)　極簡短ニ本案委員會ノ經過ヲ御報告致シマス
  委員會ニ於キマシテハ御手許ニ御囘シ申シマシタ通修正可決致シタノデアリ
  マスソレデ唯政府ノ意向ダケヲ諸君ニチヨット御報道致シマス政府ニ於
  テモ此案ノ此元ノ決鬪罪ニ對スル罪ノ權衡ヲ失シテ居ルト云フコトヲ認メテ
  居ル認メテ居ルケレドモ是ハ刑法ノ改正ノトキニヤル積デアルカラト云
  フノデ同意ヲセナカッタノデアリマス併シ既ニ法律ノ不權衡ナルコトヲ、
  認メマシタ以上ハ、直チニ之ヲ引直スト云フコトハ當然ノコトデアリマスカ
  ラ委員會ノ修正ノ通決議アランコトヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=192

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• 193・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　誠ニ簡單デ能ク分リマシタ、直チニ二讀會ヲ開
  カレテ確定致シタイト思ヒマス
  (「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=193

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• 194・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　恆松隆慶君カラ讀會ヲ省略シテ直チニ確定ニ附スルト
  云フ動議デアリマスガ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
  明治二十九年法律第三十四號中改正法律案確定議

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=194

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• 195・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通致シマス、本案ハ委員長ノ報告
  通決シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=195

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• 196・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　此次ノ日程ノ第二十、二十二、二十三、二十四ト
  云フモノダケハドウカ提出者ノ說明ヲ述べナイデ、直チニ委員ニ付託シタイ
  ト思ヒマス
  (「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=196

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• 197・早川龍介

  ○早川龍介君(二百八十四番)　二十三ハチヨット

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=197

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• 198・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　二十三ダケヲ除キマス、後トノハ宜シクドウカ
  願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=198

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• 199・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　今ノ恆松君ノ動議ニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=199

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• 200・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通決シマス
  第二十航海補助ニ關スル建議案(鮫島相政外四名提出)
  航海補助ニ關スル建議案
  我カ政府カ內國及支那航海ヲ奬勵擴張スルノ目的ヲ以テ去ル明治十八年十
  月ヨリ向フ十五箇年ノ長期間年々金八十八萬圓ノ保護ヲ日本郵船會社ニ下
  付スルノ契約期ハ本年九月ニ至リテ盡クルナリ今後航海補助ニ關スル政策
  ハ果シテ如何ス可キ平是宜ク此場合ニ於テ決定スヘキモノナリ
  我カ國今日航海業一般ノ狀況ヲ視ルニ汽船ノ增加シタル海運ノ發達シタル
  之ヲ十數年前ニ比スルニ全ク其ノ形勢ヲ一變セリ從テ從來我カ政府カ海運
  ノ上ニ加ヘタル保護奬勵ノ方法モ亦之ヲ改更セサルヘカラサルコト論ヲ竢
  タス而シテ支那朝鮮諸港及浦鹽斯德沿岸ノ航海ハ通商貿易其ノ他外交上
  ノ關係ヨリシテ將來益〓其ノ擴張發達ヲ計ルノ急要ナルハ公論ノ歸一スル
  所ナリ故ニ此等ノ航海ニ對シテハ猶從來ニ比シ一層ノ保護ヲ要スルモノ
  ト認ム
  舊時ニ比シテ全ク其ノ形勢ヲ一變シタル今日ノ航海業ニ對シテハ從前ノ方
  法ヲ改メ一般航業者ニ向テ其ノ補助ヲ與フルノ方針ヲ取ラサルヘカラスト
  信ス卽チ神戶上海線、神戶牛莊線、神戶浦鹽線、上海天津線、二上海浦鹽線等
  ノ如キ必要ナル航路ヲ航海スル者ニ對シテハ其ノ船主ノ何タルヲ問ハス航
  海汽船其ノ物ニ對シ其ノ噸數及航海哩數ニ適當ナル標準ヲ定メ以テ之ヲ補
  助スルヲ要ス
  抑特定保護ト一般保護ノ政策ハ航路ノ長短及彼我貿易ノ景況ニ依リ區別セ
  サルヘカラサルコト論ヲ竢タス卽チ歐米航海ノ如キハ郵便物運送其ノ他ノ
  關係上特定保護ノ必要アルヘシ然レトモ前項諸線ノ如キ短距離ニシテ且巳
  ニ相應ノ航海船アル航路ノ如キハ益〓其ノ航海ヲ發達セシメ以テ外船ヲ排
  斥驅逐スルノ目的ニ依リ一般保護ノ法ヲ取ラサルヘカラス若如斯航路ニ對
  シ特定保護ヲ加ヘムカ一部ノ被保護者ハ自然其ノ保護ノ力ニ賴リ自餘多數
  ノ航海船ヲ壓倒スルノ弊ヲ生シ漸次此ノ間ノ航線ヲ減少シ竟ニ我カ全體ノ
  海運力ヲ阻害スルノ惡結果ヲ來スヘキハ既往ノ實蹟ニ徵シテ明白ナリトス
  之ヲ改定シテ一般保護ノ法ヲ確立スルトキハ獨占的弊害ヲ絕チ共同發達ノ
  途ヲ開キ東洋諸港ニ於ケル我カ通商貿易ヲシテ益ゝ振作スルヲ得ヘシ而シ
  テ其ノ補助金企額ハ之ヲ充分ニ見積ルモ尙一箇年金五十一萬餘圓ニテ足ル
  ヘシト信ス故ニ政府ハ急速本建議ノ主旨ヲ採テ以テ適當ナル補助法案ヲ具
  シ議會ニ提出アラムコトヲ望ム
  右建議ス
  第二十三勅語ニ關スル建議案(鈴木重遠君外六名提出)
  勅語ニ關スル建議案
  明治二十三年十月三十日ヲ以テ下シ給ヘル勅語卽チ世ニ所謂〓育ニ關ス
  ル勅語ハ全國ノ諸學校ニ於テ奉讀スルモ國民ノ全般ニ及ハス熟〓現時ノ
  趨勢ヲ視ルニ德〓頽廢シ世道人心將ニ危殆ニ赴カムトス而シテ之ヲ矯正ス
  ルノ道蓋シ多々ナルヘシト雖一般國民ヲシテ該勅語ヲ服膺セシムルニ如
  クナシ故ヲ以テ政府ハ之ヲ國民一般ニ奉セシムルノ方法ヲ訓示セラレムコ
  トヲ望ム
  右建議ス
  第二十四日本海航路擴張ニ關スル建議案(稻垣示君外十一名
  提出)
  日本海航路擴張ニ關スル建議案
  新潟浦潮斯德間ノ郵便定期船航路ヲ擴張シ伏木、七尾、敦賀、宮津、境濱田
  ノ各貿易港ニ寄港セシメ釜山元山ヲ經由シテ浦潮斯德ニ囘航セシムルハ
  東洋貿易上實ニ焦眉ノ急ナルヲ以テ政府ハ速ニ航路ヲ擴張スルノ計畫ヲ定
  メラレムコトヲ望ム
  右建議ス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=200

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• 201・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　議事日程ノ第二十一ハ今日ハ延シタイト云フコトデア
  リマスガ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 202・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通ニ發シマス、次ハ議事日程ノ第
  二十三勅語ニ關スル建議案早川龍介君
  〔早川龍介君演壇ニ登ル〕

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• 203・早川龍介

  ○早川龍介君(二百八十四番)　是ハ極テ簡短ニチヨット申上ゲテ置キマスガ、
  此勅語ニ關シマスル建議案ハ、今日鈴木重遠君ヨリ理由ヲ述ベラレル筈デゴ
  ザイマシタガ、少シ風邪ノ故ヲ以テ不德ヲ省ミズ、私ガ其代理トシテ申上ゲル
  コトニナリマシタ、是ハ決シテ多辯ヲ要シマスル理由ハゴザイマセヌ、唯茲
  ニ簡明ニ書イテアリマスル通ノ理由デゴザイマス、何卒全會一致ヲ以テ卽決
  ニ御贊同アランコトヲ望ミマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=203

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• 204・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　ドウカ是ハ唯今ノ通直チニ決セラレンコトヲ望
  ミマス

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• 205・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　本案ニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=205

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• 206・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ原案通決シマス

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• 207・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　次ノ二十五、二十六ハ、ドウカ一括シテ議題ト一
  シテ、委員長ノ報告書ガ囘ッテ居リマシテ、如何ニモ適當ト思ヒマスカラ、サウ
  ナランコトヲ望ミマス
  〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

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• 208・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　此議事日程ノ二十五、第二十六ヲ一括シテ議題ニ供ス
  ルコトハ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 209・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通ニ致シマス、淺野順平君
  第二十五石川縣七尾港燈明臺設置ニ關スル(委員長報告)
  建議案(田中喜太郞君外五名提出)
  第二十六七尾港暗礁破碎ノ建議案(淺野順平(委員長報告)
  君外六名提出)
  〔淺野順平君演壇ニ登ル〕

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• 210・淺野順平

  ○淺野順平君(九十九番)　此七尾ノ燈明臺ノ委員會ノ報告ヲシマスガ、此事
  ハ諸君ニ御囘シシテ置イタ通文字ノ修正ヲ致シタダケデアッテ卽チ明年度
  ニ於テ此燈明臺ヲ政府ニ設置セラレンコトヲ希望スルト云フコトノ修正ヲ致
  シタノデアリマス卽チ是ヲ政府ヘ協議ヲ致シマシタガ政府ニ於テモ既ニ
  此計畫ハシテアルコトデアッタガ政府ハ三十七年度ヨリ之ヲスルト云フコト
  デアッタガ委員會ニ於テハ三十四年度カラ之ヲ設置スルト云フ〓デ全會
  一致ヲ以テ可決シタノデゴザイマス次ニ此暗礁破碎ノ件デゴザイマスガ
  是ハ卽チ建議案通ニ可決シタ、此理由ハアルデアリマスルケレドモ今ハ諸
  君ガ既ニ御飽キニナッテ居リマスカラ、私ハ此處デ辯明ヲ致シマセヌカラ委
  員會ノ報告通可決セラレンコトヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=210

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• 211・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　委員會ノ報告通異議アリマセヌ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=211

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• 212・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　委員會ノ報告通御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=212

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• 213・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ其通決シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=213

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• 214・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百四十三番)　第二十七ノ鐵道云々ト云フノハ委員長ノ報告ガ
  囘ヅテ居リマシテ能ク分ッテ居リマスカラ是モ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=214

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• 215・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　マダ議事日程ノ宣告ヲシナイ中デス-第二十七鐵道
  ノ危害防止ニ關スル建議案、委員長報告
  鐵道ノ危害防止ニ關スル建議案(委員長報告)
  第二十七
  (菅野善右衞門君提出)
  〔脇坂行三君演壇ニ登ル〕

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• 216・脇坂行三

  ○脇坂行三君(二十九番)　簡短ニチヨット報告ヲ致シマス、此案ハ屢〓委員會
  ヲ開キマシテ政府委員ノ出席ヲ求メ而シテ其政府委員ノ十分ノ說明ヲ得
  マシタノデゴザイマスガ結局シマスル所本案滿場一致ヲ以テ委員會ハ可決
  ヲ致シマシタ譯デゴザイマス尙ホ之ニ對シテ十分ニ述ベタイコトモゴザイ
  マスガモウ此場合デゴザイマスカラ、モウ述べマセヌ併ナガラ政府カラ參
  考トシテ出サレマシタ所ノ要領ノ全國鐵道線路事故件數調表ト云フモノガゴ
  ザイマス此事ハ速記錄ニ載セルダケノコトヲ御許ヲ願ヒタイト思ヒマス
  (參照)
  全國鐵道線路事故件數調表(明治三十二年一月乃至同三十三年一月)
  官私死亡負傷連結器機良關
  鐵道線名哩數脫線衝突〓覆失火轢死切斷ス
  ノ別哩鎖
  官設東海道四四二·五八一〇三一一一一八1一一九三-
  同信越線一二七·〇三三一11七-二四二七
  同奥羽線七二·〇三六四11三-八1一
  同北陸線一二二·四五三三1-八-九1三
  同北海道大五·一七七ニ一1----
  合計八一九·四六三九三ニ一三·六0一四七七四五
  私設日本鐵道八五七·〇七一〇六一四三三七二·六六二四.四四
  同山陽鐵道二八〇·〇五ㅎ三一-11三
  同關西鐵道一四八·一三四五一二五一三四1三三七
  同九州鐵道三一五·〇二三一一六一1五一ニ三
  同大阪鐵道四五·五四八一11111五
  伊豫鐵道一三·〇〇五111--111
  同同同讃岐鐵道二七·一九八--1一三1口1-
  甲武鐵道二六·七七四一ニ一三-八1ニ
  同參宮鐵道二六·一一-1-七一三1
  播但鐵道三〇·六二三1111111
  總武鐵道七一·七七三一1/一1一九-七
  二六
  佐野鐵道九·五六五一--1
  靑梅鐵道一三·〇〇1-T11-1
  川越鐵道一八·三六-111111ニ
  同同同同同同同同同同五二·七五一八1-ニ11
  豐州鐵道
  南和鐵道一六·六〇一ニ1|六七一|六一-111
  五一一1六-一ニ
  奈良鐵道三七·一〇二
  京都鐵道二二·一六ニ11-二1-
  阪鶴鐵道六八·三三五三一1一一1ニ
  同房總鐵道二六·七五七-11111
  七ー二1一
  同成田鐵道二四·五五三11-1
  太田鐵道一二·一一ニ-1一-11ニ
  同同中越鐵道一八·四七11-ニ1ニ-
  同北越鐵道八四·五二九ニ三1八三八1四
  同豐川鐵道一三·三六ニ一-11-11
  同河南鐵道六·〇六一11111111
  同尾西鐵道一二·四三ニ-ニ11
  同高野鐵道一〇·目0ニ11日1
  同上野鐵道二一·〇〇一111ー--1-
  同南海鐵道三八·七六九-11一○
  同紀和鐵道一三·三六ニ11二1二1六
  同豆相鐵道一〇·五一1-11-一
  七尾鐵道三二·四二1一11-!11
  近江鐵道一一·七二11一一一
  同同同同同岩越鐵道三九·一一-1-0一0
  中國鐵道三四·七六-1一0一
  德島鐵道一四·一〇八11-四一11
  同唐津興業一四·五四1一11-1111
  鐵道
  同北海道炭二〇七·〇六四六四一-三ニ三〇1六
  礦鐵道
  合計二七二八·五二三九二八五三二四四三八三五三七二ㅎ一·大
  總計三五四七·九八四三一九八〓四五五一七三五五一九二七二三.
  事故原因摘要
  一脫線ノ原因職員ノ過失若クハ不注意、線路ノ障碍及天災等ニ因ル
  職員ノ過失若クハ不注意竝ニ天災等ニ因ル
  覆ノ原因職員ノ過失若クハ不注意、線路ノ障碍及天災等ニ因ル
  第二章因因四因重ニ機關車煙突ヨリノ散火ニ因ル
  火ノ原因
  自殺若クハ過失ニ因ル
  一死亡ノ原因車輛ノ衝突又ハ〓覆ニ因ル
  一負傷ノ原因車輛ノ衝突又ハ顯覆竝ニ過失又ハ自殺ヲ企テタル結果ニ因ル
  聯結器切斷ノ原因重ニ材質ノ不良ニ因ル
  一機關車不良ノ原因重ニ機械ノ局部ニ於ケル故障ニ因ル
  (「贊成々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=216

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• 217・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　委員長報告通ニ御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=217

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• 218・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　御異議ガナケレバ委員長報告通決シマス、諸般ノ報告
  ガアリマス
  〔書記朗讀〕
  貴族院ハ本院ノ送付ニ係ル明治三十一年度豫備金支出ノ件明治三十一年度
  豫備金外ニ於テ豫算超過及豫算外支出ノ件明治三十一年度特別會計豫備金
  支出ノ件明治三十一年度特別會計豫備金外ニ於テ豫算外支出ノ件ヲ承諾ス
  ルコトヲ議決シ及本院ノ提出ニ係ル古物商取締法中改正法律案未成年者喫
  煙禁止法案ヲ可決シ家祿引直處分法案ニ對シ第一一讀會ヲ開カサルコトヲ議
  決セル旨同院ヨリ通牒アリタリ
  貴族院ヨリ送付セラレタル議案左ノ如シ
  一臺灣ニ在勤スル地方稅支辨ノ俸給ヲ受クル文官判任以上ノ學校職員ノ退
  隱料及遺族扶助料ニ關スル法律案
  お灣ニ服役スル軍人ノ思給及遺族扶助料ニ關スル法律案
  一臺灣ニ在勤スル官吏ノ恩級及遺族扶助料ニ關スル法律案
  議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
  在韓國居留民〓育ニ關スル建議案
  提出者喜多川孝經君菊池九郞君佐々友房君
  片岡健吉君
  外國ヨリ輸入スル鹹魚製魚及魚粕ニ關スル法律案
  提出者加藤政之助君元田肇君正己君
  隆慶君神大鞭石知常君
  重岡薫五郞君恆松
  長谷場純孝君佐々友房君
  特別委員長及理事左ノ通當選セラレタリ
  水難救護法中改正法律案
  委員長永井嘉六郞君理事德差藤兵衞君
  所得稅法中改正法律案
  委員長西川宇吉郞君理事須藤善一郞君
  感化法案
  委員長永田佐次郞君理事高須賀穰君
  鈴木儀左衞門君ヨリ銚子河口浚渫及排疏ニ關スル質問書ヲ提出セラレタ
  リ
  特別委員左ノ通指名セリ
  地上權ニ關スル法律案
  磯田和藏君山田喜之助君片岡久一郞君
  三田村甚三郞君串本康三君山田武君
  山內吉郞兵衞君中村榮助君小山久之助君
  航海補助ニ關スル建議案
  鮫島相政君松尾巳代治君江島久米雄君
  石黑涵一郞君金岡又左衞門君堀家虎造君
  首藤陸三君古谷新作君小栗貞雄君
  大船渡開港鐵道鐵業國庫補助ニ關スル建議案
  菊池九郞君重野謙次郞君石原半右衞門君
  初見八郞君犬飼眞平君根久米民之助君
  堀尾茂助君藤金作君本正君
  日本海航路擴張ニ關スル建議案
  小林乾一郞君井上信八君西谷金
  〓水靜十郞君靑柳四郞君中島祐吉八藏君君君
  大須賀庸之助君今村千代太君麻生太

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=218

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• 219・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　明日ノ議事日程ヲ御報告致シマス
  〔書記朗讀〕
  議事日程第三十號明治三十三年二月二十日(火曜日)
  午後一時開議
  臺灣ニ在勤スル地方稅支辨ノ俸給ヲ受クル文官判
  第任以上ノ學校職員ノ退隱料及遺族扶助料ニ關スル第一讀會
  法律案(政府提出貴)
  族院送付
  第二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
  臺灣ニ服役スル軍人ノ恩給及遺族扶助料ニ關スル第一讀會
  第三法律案(政府提出貴
  族院送付
  第四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
  臺灣ニ在勤スル官吏ノ思給及遺族扶助料ニ關スル第一讀會
  第五法律案(政府提出貴
  族院送付
  第六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ特別委員ノ選舉
  第七日本動產銀行法案(政府提出貴第一讀會ノ續委員長
  族院送付報告
  第八決議案(石黑涵一前會ノ續
  郞提出
  外國ヨリ輸入スル鹹魚燻製魚及魚粕ニ關スル法第一讀會
  第九律案加藤政之助(電)
  外七名
  網走港及北見幹線鐵道速成ニ關スル建議案
  第十(西原〓東外)
  十一名提出
  第十一鑛毒被害救濟ニ關スル建議案三名提出(市島蒙吉外)
  博士王仁古墳擴張費補助ニ關スル建議案深尾龍
  第十二(三外七
  出4名提
  營業稅法改正調査會設置ニ關スル建議案(橫山富
  第十三十一名次郎外
  提出
  巴里萬國博覽會渡航協會補助ニ關スル建議案
  第十四通信号線が
  ummilan神鞭知常外)
  第十五北海道各港灣修築ニ關スル建議案(六名提出
  第十六織物試驗所設置ニ關スル建議案(特別になっ
  比較的一
  第十七日本漆保護ニ關スル建議案三田村甚三郞
  外四名提出
  工場取締及工業ニ從事スル勞働者ノ保護ニ關ス
  第十八ル建議案民間
  法案内
  第十九〓員養成ニ關スル建議案安藤龜太
  郞提出

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=219

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• 220・片岡健吉

  ○議長(片岡健吉君)　是デ本日ハ散會致シマス
  午後五時七分〓會
  衆議院議事速記錄第二十九號正誤
  頁段行誤正頁段行誤正
  六〇一下二六白纒蠶白疆蠶同同同濃蠶膿蠶

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=001413242X03019000219&spkNum=220

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