1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治三十七年三月二十三日(水曜日)午後一時八分開議
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議事日程 第一號 明治三十七年三月二十三日
午後一時開議
第一 臨時事件費支辨に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三 陸海軍に屬する臨時事件費特別會計法案(政府提出) 第一讀會
第四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第五 非常特別税法案(政府提出) 第一讀會
第六 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第七 醫藥用工業用酒精戻税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第八 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第九 明治三十四年法律第十號中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十一 沖繩縣酒類出港税則中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十三 醤油税則中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十五 自家用醤油税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十六 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十七 關税定率法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十八 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十九 輸入原料砂糖戻税法廢止法律案(政府提出) 第一讀會
第二十 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十一 間接國税犯則者處分法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十三 地租徴收に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第二十四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十五 沖繩縣滯納舊租延納法案(政府提出) 第一讀會
第二十六 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十七 煙草專賣法案(政府提出) 第一讀會
第二十八 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十九 臺灣事業公債法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三十一 渡良瀬川沿岸地方特別地價修正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三十三 記名の國債を目的とする質權の設定に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第三十四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三十五 貯蓄勸業債劵法案(政府提出) 第一讀會
第三十六 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三十七 明治三十六年勅令第二百九十一號(承諾を求むる件)(政府提出)
第三十八 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三十九 防禦海面令(承諾を求むる件)(政府提出)
第四十 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第四十一 明治三十七年勅令第十九號(承諾を求むる件)(政府提出)
第四十二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第四十三 臨時事件費豫算外支出の件(承諾を求むる件)(政府提出)
第四十四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第四十五 決議案(福島宜三外三名提出)
第四十六 決議案(原敬外二名提出)
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001・松田正久
○議長(松田正久君) 開會致シマス、諸君、去ヌル二十日本院ニ於テ議決ニナリマ
シタル奉答表、翌二十一日午前十一時參內ヲ致シテ、鳳凰ノ間ニ於テ拜謁ヲ仰付ケラ
レ、之ヲ捧呈致シマシタルニ、勅語ヲ賜ハリマシタ、今其覺書ヲ讀上ゲマスルカラ、敬意ヲ
表スルタメ起立ヲ願ヒマス
〔議員一同起立〕
朕衆議院ノ深厚ナル敬禮ヲ嘉ス
是ヨリ諸般ノ報告ヲ致シマス
〔書記朗讀〕
委員長及理事左ノ通當選セラレタリ
豫算委員長大岡育造君神櫻井駿君
同理事伊藤德太郞君同同同理理事事崎東藏君
決算委員長首藤陸三君理事竹村良貞君
同理事飯島省三郞君同理事吉植庄一郞君
同理員事由布惟義君
懲罰委長村松愛藏君同理事久保田與四郞君
同理事木村格之輔君
請願委員長栗塚省吾君同同理事橫井甚四郞君
同理事安念次左衞門君理事渡邊修君
同理事北畠具雄君
政府ヨリ左ノ議案ヲ提出セラレタリ
臨時事件費支辨ニ關スル法律案
陸海軍ニ屬スル臨時事件費特別會計法案
非常特別稅法案
醫藥用工業用酒精戾稅法中改正法律案
明治三十四年法律第十號中改正法律案
沖繩縣酒類出港稅則中改正法律案
醤油稅則中改正法律案
自家用醤油稅法中改正法律案
關稅定率法中改正法律案
輸入原料砂糖戾稅法廢止法律案
間接國稅犯則者處分法中改正法律案
地租徵收ニ關スル法律案
沖繩縣滯納舊租延納法案
煙草專賣法案
臺灣事業公債法中改正法律案
渡良瀨川沿岸地方特別地價修正法律案
記名ノ國債ヲ目的トスル質權ノ設定ニ關スル法律案
貯蓄勸業債券法案
臨時軍事費豫算案
明治三十七年度歲入歳出總豫算追加案
明治三十七年度特別會計歲入歲出豫算追加案
明治三十六年勅令第二百九十一號(承諾ヲ求ムル件)
防禦海面令(承諾ヲ求ムル件)
明治三十七年勅令第十九號(承諾ヲ求ムル件)
臨時事件費豫算外支出ノ件(承諾ヲ求ムル件)
武藤金吉君ヨリ軍國多事ノ時ニ當テ多害ノ鑛業ト官林濫伐ヲ禁止セサル件ニ關ス
ル質問主意書ヲ提出セリ
〔左ノ質問書ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス)
軍國多事ノ時ニ當テ多害ノ鑛業ト官林濫伐ヲ禁止セサルニ付質問書
右成規ニ據リ提出候也
明治三十七年三月二十三日
提出者武藤金吉贊成者島田三郞
外三十名
軍國多事ノ時ニ當テ多害ノ鑛業ト官林濫伐ヲ禁止セサルニ付質問趣意書
一群馬縣利根郡片品川水源ノ官林ノ中千貳百餘町歩ノ立木ヲ政府ハ古河市兵
衞ニ拂下ケ其代金貳千餘圓ヲ國庫ニ收納シタリト政府ハ曾テ衆議院ニ於ケル質
問ニ對シ答辯シタリ而シテ其伐採セル材木ヲ栃木縣上都賀郡足尾銅山ニ運搬セ
ン爲メ道路、橋梁、鐵柵等ノ開築架設ノ必要ヲ感シ古河ハ政府ト結托シ上都賀
郡松木村人民ニ金四万圓ヲ與ヘテ立退カシメタル上右工事費ニ拾万圓內外ヲ
消費シタリト云フ政府ト古河トカ此工事費ニ支出セシ一切ノ金額幾何ナルヤ、松
木村全村ノ宅地田畑山林原野ノ反別ハ幾何ナルヤ、同村ノ人口及戶數ハ幾何
ナリシヤ、同村ノ人民ハ古來何業ヲ以テ生活セシヤ、右拂下ケ反別ハ果シテ千貳
百町步ナリシヤ、其立木ハ植付以來凡ソ幾年ヲ經過セシモノナルヤ及ヒ其伐採後
直チニ苗樹ヲ植付ケシヤ
一日〓戰爭前後ニ於テ政府ハ足尾銅山ノ周圍數里間ノ官林七千六百餘町步ヲ
輪伐法ニ依リテ古河ニ拂下ケタルニ古河ハ其レ以外壹万餘町步ヲ濫伐セシハ事
實ニシテ之カ爲メ明治二十九年ノ大洪水トナリ鑛毒被害地ヲ增大セシメ去ル明
治二十五年ニ於テ被害地千六百餘町步ナリシモノ其後僅ニ三年ニシテ止ムヲ得
ス免租セシ土地ノミニテモ貳万四千六百町步ノ多キニ至リ而カモ尙ホ被害地ハ
年ヲ追フテ增加シ今ハ官民兩有地貳拾万町步ニ涉リテ尙ホ底止セサル有樣ナル
ニ之カ善後ノ處置ヲ施サヽルハ如何
一天然ノ地形ハ足尾銅山ノ鑛毒豫防工事カ寸毫モ效果ナキ事ヲ明治三十五年ノ
風雨ニ依ル山岳ノ崩壞、新土ノ流出ニ由ル下流作物ノ變化及ヒ河底凸起ノ急ナ
ルヲ以テ顯著ニ證明サレタリ然ルニ政府ハ今ニ至ルモ此有害ナル鑛業ヲ停止セス
官林濫伐ヲ禁止セサルハ如何
一政府ハ鑛業條例ヲ無視シ人權ヲ蔑視シ關東五州ノ沃野ヲ荒廢ニ歸セシメントス
ルハ如何
一政府ノ鑛毒調査報告書ナルモノハ偏ニ鑛業ヲ繼續セシメントスル方針ヲ以テ作成
シ毫モ根本的土地人民救濟ノ意アルナシ又天然ノ氣象自然ノ地形地勢等ノ關
係ニ論及セス唯鑛業停止ノ實行ヲ避ケントスルハ如何
一今ヤ軍國多事ニシテ國民ノ視聽洽ネク內政ニ及ハサルヲ奇貨トシ政府ハ一私人
古河潤吉ト結托シテ鑛業ヲ停止セス山林ノ濫伐ヲ禁止セス一府五縣二百餘箇
村ヲ擧ケテ之ヲ永遠ニ滅亡セシメントスルカ
右及質問候條速カニ答辯セラレム事ヲ望ム発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=1
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002・松田正久
○議長(松田正久君) 桂總理大臣ノ演說
〔內閣總理大臣伯爵桂太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=2
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003・桂太郎
○總理大臣(伯爵桂太郞君) 諸君、本大臣ハ此振古未曾有ノ時機ニ召集致サレマ
シン、當議會ニ於キマシテ、諸君ト共ニ聖謨ヲ翼贊シ奉ルベキ責任ヲ有シマスルノヲ、誠ニ
光榮ト存ジマス、抑モ締盟列國トノ交誼ヲ厚フシ、列國ノ正當ナル利權ヲ尊重致シマシ
テ、東洋ノ平和ヲ永遠ニ保持シ、帝國ノ地位ヲ鞏固ニ致シマスルコトハ帝國ノ國是トス
ル所デゴザイマス、然ルニ路國ノ滿洲及韓國ニ於キマスル施設行動ハ、實ニ此國是ト相
容レザルモノデゴザイマスルヲ以テ、政府ハ聖旨ヲ奉ジマシテ、昨年七月以來露國ト交涉
ヲ重ネマシタ、然ルニ露國ハ誠意ヲ以テ我交渉ヲ迎ヘザルノミナラズ、益〓我國權ヲ侵害
スルノ行動ニ出デヽ憚ル所ガナカッタノデゴザイマス、是ニ於テ帝國ハ自衛上交涉ヲ斷絕致
シマシテ、自由行動ヲ取ルノ己ムヲ得ザルニ至リマシタガ、我政府ガ此交涉ヲ爲スニ當リマ
シテ、戰爭ノ社會ニ及ブベキ結果ノ非常ナルモノデアルト云フ事ヲ思ヒ、切ニ平和ノ終局ヲ
見ント欲シマシテ、守持致シマシタ所ノ正義ト忍耐ト申シマスルモノハ、既ニ孰レノ國民ニモ
十分了解セラレテ居ルコトヽ信ジマス、諸君、今日ノ場合ニ於キマシテハ、舉國一致聖旨
ヲ奉戴致シマシテ、交戰ノ目的ヲ達シ、勝ヲ全局ニ制シマシテ、速ニ平和ノ克復ニ努メマ
スルコトハ、實ニ帝國臣民皆其志ヲ同ジウスル所デアルコトハ疑ヒマセヌ、政府ハ玆ニ軍
國ノ必要ニ應ジマスルタメ、財政ノ計畫ヲ定メマシテ、豫算及法律案ハ、旣ニ勅旨ヲ奉ジ
マシテ當議會ニ提出致シマシタ、尙外交ノ經過及財政ノ計畫ニ就キマシテハ、主務大臣
ヨリ陳述致シマスルガ、諸君ガ公平ナル審議ヲ盡サレマシテ、速ニ協贊ヲ與ヘラレンコト
ヲ、切ニ希望致シマスル次第デゴザリマスル、諸君、開戰以來忠勇ナル軍人ガ萬艱ヲ冒
シマシテ、著々大功ヲ奏シマシタコトノ報ニ接シマシタノハ、諸君ト共ニ稱賀致シマスル所
デゴザリマス、諸君ハ旣ニ此議會ニ列セラレ、優渥ナル聖詔ヲ奉ゼラレマシタガ、本大臣等
ハ諸君ト共ニ、一ニ軍國ノ大事ヲ翼贊シ、聖旨ノ厚キニ酬ヒ奉ランコトヲ期シマスル次第
デゴザリマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=3
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004・松田正久
○議長(松田正久君) 小村外務大臣ノ演說
(外務大臣男爵小村壽太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=4
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005・小村壽太郎
○外務大臣男爵(小村壽太郞君) 諸君、玆ニ本院ニ向ッテ、日露交涉ノ開始ヨリ
斷絕ニ至ルマデノ經過ヲ御報道致シマスノハ、本大臣ノ光榮ト致ス所デゴザリマス(拍
手起ル)此交涉モ半箇年餘ニ渉リマシテ、頗ル複雜ヲ極メテ居リマスガ、其始末ノ極ク
〓略ヲ、簡單ニ申上ゲマスル積リデゴザリマスカラ、暫ク御〓聽ヲ煩シタク存ジマス(拍手
起ル)御承知ノ如ク、明治三十三年ノ夏、義和團事變ナルモノ、圖ラズ北〓ニ起リ、列
國ハ其使臣及在留民ヲ救護スルノ目的ヲ以テ、兵ヲ直隸ニ送リ、協同一致ノ行動ヲ執
リツヽアルニ際シ露國ハ大兵ヲ滿洲ニ進メ、遂ニ其全部ヲ占領致シマシタ、其當時露
國ハ此占領ヲ以テ、單ニ〓國ノ叛徒ヲ鎭壓スルタメニシテ、決シテ征服ノ目的ニアラズ、
滿洲ニ於ケル〓國ノ主權及領土保全ハ、飽マデ其尊重スル所ニシテ、從ッテ又滿洲ノ占
領モ、全ク一時己ムヲ得ザルノ措置タルコトヲ屢よ宣言スルニ拘ラズ、露國ハ〓國政府ニ
迫リテ滿洲ニ於ケル〓國ノ主權ヲ侵シ、竝ニ列國條約上ノ權利ト相容レザル性質ノ
條約ヲ、締結セシメント致シマシタルコトハ數囘ニ及ビマシタ、帝國政府ハ其都度屢,
〓國及露國政府ニ向ッテ、警告ヲ加ヘマシタ次第デゴザイマシタガ、其極遂ニ明治三十五
年ノ四月ニ至ッテ、露國ハ滿洲還附ノ條約ヲ締結致シマシタ、其後露國ハ滿洲還附ノ
準備ニ著手致シマシテ、其一部ハ旣ニ實行致シマシタガ、昨年四月ニ至リマシテ、俄カニ
其態度ヲ一變シ、啻ニ滿洲行政還付及撤兵ヲ行フコトヲ中止シタルノミナラズ、〓國ニ
向ッテ新タニ種々要求ヲ提出致シマシタル始末デゴザイマス、斯ノ如ク露國ノ政策ニ激變
ヲ來シマシタノハ、豫テヨリ露國當路者ノ間ニ議論ガ二派ニ岐レテ居リマシタガ、滿洲ノ永
久占領ヲ主張スル一派ノ意見ガ、其勝チヲ制シタル結果デアラウト信ジテ居リマスル、滿
洲ニ於ケル事態ノ發展ハ、帝國政府ニ於テ、深ク注意ヲ加ヘタトコロデゴザイマシテ、御
承知ノ如ク韓國ノ獨立及領土保全二事ハ、帝國ノ康寧ト安全ノタメ、緊要缺クベカラ
ザルコトデゴザイマシテ、實ニ我帝國傳來ノ國是デゴザイマス、若シ露國ガ滿洲ヲ併呑致
スト云フコトニナリマスレバ、朝鮮ノ存立ハ絕ヘズ迫害ヲ被ルコトヽナリマシテ、又東洋ノ
平和ヲ確立スルコトモ出來ナクナリマス、故ニ帝國政府ハ深ク國家ノ前途ヲ慮ルニ於
テ、一日モ速ニ露國ト交涉ヲ遂ゲ、日露兩國ノ利益ヲ、接觸〓タル滿韓兩地ニ於ケ
ル交互ノ利益ヲ、友誼的ニ調理シ、將來兩國間ニ衝突ノ起ルベキ原因ヲ一婦スルハ、
東洋ノ平和ヲ鞏固ニシ、帝國ノ權利利益ヲ確保スル所以ナルヲ思ヒ、之ガタメ露國ト交
涉ヲ開クコトニ廟議一決致シマシタ、因テ昨年七月二十八日在露公使ニ電訓致シマシ
テ、露國政府ニ向ッテ我希望ノアル所ヲ披瀝シ、其贊同ヲ求メントシタルニ、露國政府
モ欣然是ニ同意ヲ表シマシテ、且亦露國外務大臣ハ本件ニ付、談判開始ノ勅裁ヲ得タ
ル旨ヲ囘答致シマシタ、因テ八月十二日談判ノ基礎トナルベキ條件ヲ、露國政府ヘ提
出致シマシタ、其條件ノ重ナルモノヲ舉ゲマスレバ第一〓韓兩國ノ獨立及領土保全
ヲ尊重スルコトヲ相互ニ約スルコト、第二〓韓兩國ニ於ケル各國ノ商業及工業ノタメ
機會均等ノ主義ヲ保持スルコトヲ相互ニ約スルコト第三露國ハ韓國ニ於ケル日
本ノ優越ナル利益ヲ承認シ、日本ハ滿洲ニ於ケル鐵道經營ニ附、露國ノ特殊ナル利益
ヲ承認シ、併セテ第一項第一一項ノ主義ニ抵觸セザル限リ、各自ノ利益ヲ保護スルタメ必
要ノ措置ヲ執リ得ルコトヲ、相互ニ承認スルコト、第四韓國ニ於ケル改革及施政改善
ノタメ、助言及助力ヲ與フルハ日本ノ專權ニ屬スルコトヲ露國ニ於テ承認スルコト
第五今後韓國鐵道ヲ滿洲南部ニ延長シ、東〓鐵道及山海關營口間鐵道ト聯結セ
シメントスルコトアルモ、之ヲ阻礙セザルコトヲ、露國ニ於テ約スルコト、我提議ノ要點ハ唯
今述ベマシタル五箇條デゴザイマスル、路國外務大臣ハ此提案ヲ受取リマシテヨリ、數日
ヲ經テ本件商議ヲ東京ニ移サンコトヲ、突然發議致シマシタ、然ルニ帝國政府ニ於キマシ
テハ、、本件商議ヲ露京ニ於テ直接ニ露國當局者ト繼續スルコトヲ、事ノ進行上最モ便
益ト考ヘマシタノミナラズ、丁度其當時露國ハ極東ニ於ケル行政組織ヲ變更致シマシ
テ、新タニ極東總督ヲ置キマシタニ依リ、東京ニ此商議ヲ移シマスルコトハ、滿足ナル妥
協ヲ得ルニ便ナラシムル所以ニアラズト考ヘマシタカラ、露國政府ニ向ッテ商議地移轉ノ
コトニ關シマシテ、再三反對ヲ致シマシタケレドモ、露國外務大臣ハ皇帝ノ外遊等ヲ理
由ト致シマシテ之ヲ容レマセヌ、又我提議ヲ以テ大體上談判ノ基礎ト致サンコトニ附キ
マシテ、露國政府ノ同意ヲ求メマシタノニ、露國政府ハ我提案ト露國ヨリ提出スベキ對
案トヲ併セテ、之ヲ以テ談判ノ基礎ト致スコトニ同意ヲ致シマシタカラ、帝國政府ニ於キ
マシテモ、此上談判ノ開始ヲ遷延セシムルヲ不利益ト認メマシテ、遂東京ニ談判ヲ移
スコトニ同意ヲ致シマシタ、同時ニ露國ノ對案ナルモノヲ、成ルベク速ニ提出サレンコトヲ
要望致シマシタガ、漸ク十月三日ニ至リマシテ、·露國ハ其對案ヲ提出致シマシタ、露國ノ
對案ヲ見マスノニ、露國ハ韓國ノ獨立及領土保全ヲ尊重スルコトヲ約スルコトハ、異議
ハゴザイマセヌケレドモ、其約諾ヲ〓國ニ及スコトヲ拒ミ、又〓國ニ於ケル各國ノ商業工
業上ノタメ、機會均等ノ主義ヲ認ムルコトヲ肯ゼザルノミナラズ、滿洲及其沿岸ヲ以テ、
全然日本ノ利益範圍外タルコトヲ、日本ニ於テ承認センコトヲ求メタル次第デゴザイマ
ス、又韓國ノコトニ關シマシテハ、韓國ニ於ケル我自由行動權ニ對シ、種ケノ制限ヲ附
シ、日本ノ利益保護上、必要ノ場合ニ日本ヨリ出兵スルノ權アルヲ認メマシタケレドモ、
出兵ヲ致ス場合ニハ、豫メ露國ニ知照スルヲ要シ、又韓國領土ノ一部タリトモ、軍略上
ノ目的ニ使用スルコトヲ禁ジ又北緯三十九度以北、卽チ朝鮮領土ノ三分ノ一以上
ニ當リマスル地域ヲ以テ、中立地帶トナサンコトヲ提議致シマシタ、然ルニ滿洲ニ於ケル
〓國ノ主權及領土保全ノ維持ハ、韓國ノ存立ヲ保持致シマスルタメ、絕對的ニ必要
デゴザイマスルシ、又此事タル露國ガ自ラ任意ニ且屢宣言シタル所ノ主義デモゴザイマ
スルシ、又露國ヲシテ條約上ノ權利ヲ尊重スルコトヲ約諾セシメ、列國ト共ニ商業上ノ
利益ヲ全ウスルコトヲ必要ト認メマシタカラ、是等ノ點ニ關シマシテハ、飽マデモ我主張ヲ
維持スルコトニ決シマシテ、又其他韓國ノコトニ關シマシテモ、一々必要ノ修正意見ヲ確
定致シマシテ、例ヘバ日本ヨリ韓國へ出兵スル場合ニハ、何等ノ制限ヲセザルコト、又若
シ中立地帶ヲ設クルコトヽ致シマスレバ其中立地帶ハ瀧韓境界ノ兩側ニ跨リマシテ、
一定ノ距離ヲ劃シマシテ、南北各五十「キロメートル」ニ亙ル地域ヲ以テ、中立地帶トナ
スコトヲ提議スルコトニ極メマシタ、十月六日以來、露國公使ト數囘會見ヲ致シマシテ、
反覆辯論ヲ重ネマシタルガ、其結果或ル一部ニ附キマシテハ我修正ヲ容レマシタケレド
モ根本ノ主義ニ付キマシテハ、到底意見ノ一致ヲ見ルコトガ出來ナカッタノデゴザイマス、
故ニ政府ニ於キマシテハ、十月三十日ニ一ノ確定修正案ヲ提出致シマシテa露國政府
ノ再考ヲ促シタ次第デゴザイマス、其後在露公使ヲシテ再三再四露國ノ囘答ヲ促サシメ
マシタケレドモ、遷延又遷延ヲ重ネマシテ、漸ク十二月十一日ニ囘答ニ接シマシタ其同
答ガ卽チ露國ノ第二囘對案デゴザイマス、帝國政府ハ此ノ如ク露國ノ囘答ノ遷延致シ
マシタノヲ、深ク遺憾ト致シマシタルガ、其囘答ノ內容ヲ見ルニ及ビマシテ、尙一層失望ヲ
感シマシタ、ナゼト申シマスルト、露國ハ其第二囘ノ對案ニ於キマシテハ、滿洲ニ關スル條
項ヲ全然削除シ、本協商ヲ以テ單ニ韓國ノミニ關スルコトシ、而シテ又韓國ニ於テ北緯
三十九度以北ニ中立地帶ヲ設クルコト、又韓國ノ領土ヲ軍略上ノ目的ニ使用セザル
コトニ付キマシテハ、ヤハリ原主張ヲ其儘維持シタ譯デゴザイマス、然ルニ本協商ノ目的
ハ曩ニ述ベマシタル如ク、日露兩國利益ノ接觸〓ニ於テ、相互ノ關係ヲ明カニ致シマシ
テ、將來衝突ノ原因ヲ一掃スルコトヲ、期シマスル譯デゴザイマスカラ、若シ滿洲ヲ協商ノ
範圍外ニ置キマシタル時ニハ、問題ノ一半ハ依然解決ヲ見ズシテ、其儘存續致シマシ
テ、當初帝國政府ガ交涉ヲ開キマシタル趣旨ニ副ハナイ次第デゴザイマス、故ニ此ノ點
ニ付キマシテハ更ニ露國政府ノ再考ヲ促シ、又韓國ニ關シマシテハ、朝鮮領土使用
ニ關スル制限ヲ削除センコトヲ、重ネテ要求致シマシタ、又中立地帶ニ關シマシテハ、露
國ニ於テ此中立地帶ヲ、滿韓ニ跨ラシムルコトニ付キマシテ、、不同意デアル以上ハ、韓國
ニモ亦之ヲ設ケザルコトヲ、至當ト認メマシタカラ、中立地帶ニ關スル條項ハ、全部削除
スルコトヲ提議致シマシタ、此提議ニ對シマシテハ、露國ハ一月六日ニ囘答ヲ與ヘマシ
タ、此囘答ノ要旨ヲ述べマスレバ、韓國ニ關スル露國ノ主張ハ、ヤハリ其儘維持致シマ
シテ、而シテ韓國ニ關スル路國ノ要求ヲ、我政府ニ於テ承諾スルコトヲ條件ト致シマシ
テ、滿洲ニ於テハ日本又ハ其他ノ國ガ、〓國トノ現行條約ノ下ニ獲得シマシタル權利
及特權ノ享有ヲ、阻礙セザルベキコトヲ承諾致サウト云フ議ヲ出シマシタ、而シテ滿洲ニ
於ケル領土保全ニ關シマシテハ、何等ノ規定モ設ケテナイノデゴザイマス、故ニ露國ハ滿
洲ニ關スル我要求ノ一部ヲ、容レタ如クデゴザイマスケレドモ、其實ヲ申シマスレバ韓
國ノコトニ關シマシテ、到底吾ニ於テ同意ノ出來ナイ事柄ヲ以テ條件ト致シマスルシ、又
縱令條約上ノ權利ヲ尊重スルコトヲ約諾致シマシテモ、滿洲ニ於ケル領土保全ヲ維
持シマセヌ以上ハ、此約諾モ實際ニ於テ何等ノ效力ガナイモノデゴザイマスカラ、帝國
政府ハ是非トモ露國ヲシテ滿洲ニ於ケル-〓國-ノ領土保全ヲ尊重スルコトヲ約
諾セシメ、又韓國ノ事ニ關シマシテハ、讓步ノ餘地ガゴザイマセヌカラ、飽マデ我主張ヲ貫
クコトニ決シマシテ、一月十三日露國政府ニ向ッテ、更ニ再考ヲ求メマシタル次第デゴザ
イマス、其後在露國公使ヲシテ、再三囘答ヲ促サシメタデゴザイマシタケレドモ、、露國ハ言
ヲ左右ニ託シテ、啻ニ囘答ヲ與ヘザルノミナラズ、一月三十一日ニ至リマシテモ、尙其囘
答ヲ與フベキ期日スラモ指定シナカツタト云フ次第デゴザイマス、帝國政府ハ唯今述ベマシ
タル如ク、終始和協坦懷ノ精神ヲ以テ、露國ニ接シマシテ、露國ノ提議ハ帝國ノ緊切ナ
ル利益ト抵觸セザル限リ、成ルベク之ヲ容レマシテ、速ニ時局ヲ解決センコトヲ期シマシタケ
レドモ、露國ハ常ニ謂ハレナク囘答ヲ遷延シ、又到底妥協ノ望ハゴザイマセヌ修正ヲ提出
シテ、時局ヲシテ益~困難ニ陷ラシメタルノミナラズ、一方ニ於テハ頻リニ平和ヲ唱導シ、
和協ノ態度ヲ裝ヒツヽ他ノ一方ニ於テハ陰ニ海陸ノ兵備ヲ盛ンニシ、其有力ナル軍艦ノ
如キハ殆ド悉ク東洋ニ派遣セラレ、又數万ノ兵ハ滿洲地方及其附近ニ增遣セラレ、加
フルニ兵器彈藥、糧食.石炭ノ買入輸送等、實ニ夥シキコトデゴザイマシテ露國ハ誠意
誠心和協ノ意ナク武力ヲ以テ我國ヲ屈從セシメント期シタルコトハ、爭フベカラザル事
實トナリマシテ、殊ニ一月下旬ニ至リマシテハ、滿洲ニ於ケル露國ノ軍事的活動ハ、益く
急調ヲ呈シ來リマシテ、此上空シク時日ヲ經過スルニ於テハ我國ハ到底囘復ノ出來
ナイ位置ニ立到ルハ必然ノ勢トナリマシタ、帝國政府ハ衷心平和ヲ思フニ切實ナ
ルモ、事玆ニ至リマシテハ最早一日モ緩ウスルコト能ハサルガ故ニ、最モ愼重ニシテ且
周密ノ考慮ヲ加ヘマシテ、終ニ露國トノ交渉ヲ斷絕シ(拍手起ル)自衞ノタメ必要ノ措
置ヲ取ルコトニ廟議一決致シマシテ、卽チ二月五日在露公使ニ電訓ヲ發シマシテ、帝
國政府ハ日露協商ニ關スル交涉ヲ斷絕シ、自カラ侵迫ヲ被リタル位置ヲ防衞シ、併セ
テ帝國ノ既得權及正當利益ヲ擁護スルタメ、最良ト思惟スル獨立ノ行動ヲ取ルベキ
事、竝ニ兩國ノ外交關係ヲ斷絕シ、公使館ヲ撤退スベキコトヲ、露國政府ニ通〓スベキ
旨ヲ訓令致シマシタ(拍手起ル)在露公使ハ其翌日一一月六日露國政府ニ向ッテ、此通
告ヲナシタル次第デゴザイマス、日露交渉ノ〓末ハ、〓略唯今申上ゲマシタ通デゴザイマ
スルガ、尙詳細ノ事ハ、本日交涉ニ關シマスル往復書類ヲ、本院ニ提出致シテ置キマシ
タカラ、此書類ニ就イテ委曲御承知アランコトヲ希望致シマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=5
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006・松田正久
○議長(松田正久君) 諸君、御報道ヲ致シマスガ、先刻小村外務大臣ヨリ議長ニ宛
テ、日露交涉ニ付テノ往復書類ヲ送付ニナリマシタ、是ハ大部ノモノデアリマスカラ、總
テ朗讀ハ出來マセヌガ、今其目錄ダケヲ讀ミマシテ、總テハ速記錄ニ揭ゲテ配付ヲ致ス都
合ニ致シマス
〔書記朗讀〕
外務大臣送付日露交渉ニ關スル往復別册一部及御囘付候也
明治三十七年三月二十三日
內閣總理大臣伯爵桂太郞
衆議院議長松田正久殿
日露交渉ニ關スル往復別册一部茲ニ及御送付候也
明治三十七年三月二十三日
外務大臣男爵小村壽太郞
衆議院議長松田正久殿
日露交涉ニ關スル往復目次
番號年月日白誰至誰大意
明治三十六年七月二十滿韓兩地ニ關シ日露間ニ協商ヲ遂クル爲メ
一八日發外務大臣在露公使商議ヲ聞クコトニ付露國政府ノ意向ヲ確ム
ヘキ旨訓令
同七月三十一日發露國外務大臣ハ一己ノ意見トシテ右ニ異議
二同八月二日著在露公使外務大臣ナキモ同國皇帝ノ尤可ヲ得確答スヘキ旨囘
答セリトノ件囘報
三月三日發外務大臣在露公使帝國政府ヨリ提出スヘキ協商案內示
四月五日發在露公使外務大臣「ラムスドルフ」伯談判開始ノ尤可ヲ得タル
月月六六日著旨禀報
五日發外務大臣在露公使露國政府ニ對シ協商案提出方訓令
六十十二日發在露公使外務大臣「ラムスドルフ」伯ヘ右協商案ヲ手交シタル
同同同同同同同同同同同四日著旨禀報
七同上同上「ラムスドルフ」伯ヨリ本件商議ヲ東京ニ移
二十五日著남성주여 전국 전국スヘシトノ發議アリタル旨報告
八外務大臣在露公使商議地變更ノ議ニ反對スヘキ旨訓令
九在露公使外務大臣露國外務大臣ニ於テハ其ノ主張ヲ固持スル
八月二十八日者旨囘報
重ネテ商議地變更ニ反對シ竝ニ日本ノ提案
十同八月二十九日發外務大臣在露公使ヲ以テ商議ノ基礎ト爲サシムルコトニ付訓
令
十一同八月三十一日發在露公使外務大臣右ニ對スル露國外務大臣ノ異議報告
同九月ニ日著
露京ニ於テ商議ヲ織續シ竝ニ日本提案ヲ以
十二同九月二日發外務大臣在露公使テ商議ノ基礎ト爲サシムルコトニ付再應ノ
訓令
同九月五日發露國外務大臣ハ日本ノ提案ト露國ノ對案ト
十三同九月六日著在露公使外務大臣ヲ以テ基礎トシ又商議ハ東京ニ於テ之ヲ行
フコトヲ主張スル旨囘報
十四同九月七日發外務大臣在露公使右ニ對シテ同意ヲ表シ併セテ速ニ露國對案
ノ提出ヲ求ムヘキ旨訓令
十五同同九月九日發在露公使外務大臣「ローゼン」公使及極東總督ハ既ニ必要ノ訓
九月十日著令ヲ受ケタリトノ件囘報
十六同九月二十四日發外務大臣在露公使「ローゼン」公使「アレキシヱフ」大將ト協議
ノ爲メ旅順ヘ出發ノ件通報
十七同十月五日發同上同上「ローゼン」公使旅順ヨリ歸來ノ上提出シタ
ル露國對案內示
十八同十月八日發同上上「ローゼン」公使ト會商ヲ開始シタル旨通報
十九同十月十六日發同上露國對案ニ對シ提出シタル修正條項內示
二十同十月二十二日發同上上上同同同同同上上「ローゼン」公使ト會商ノ經過內示
二十·同十月二十九日發同同上
二十二同十月三十日發同上上露國對案ニ對シ提出シタル日本ノ確定修正
案內示
右確定修正案ハ「ローゼン」公使帶有ノ訓令
二十三同十一月一日發同上同上範圍外ニ屬スル趣ヲ以テ同公使ヨリ本國政
府ノ訓令ヲ求メタルニ付露國外務大臣ニ面
會ノ上帝國政府ノ主張ヲ說明スヘキ旨訓令
二十四同十一月三日發在露公使外務大臣右訓令ニ依リ露國外務大臣代理ト會談ノ要
同十月三日著領具報
二十五同十一月十三日發同上同上確定修正案ニ關シ「ラムスドルフ」伯ト會談
同十一月十三日著ノ要領報告
二十六同十一月二十一日發外務大臣在露公使速ニ談判ヲ繼續スル樣「ローゼン」公使へ發
訓ヲ求ムヘキ旨訓令
二十七同同十一月二十二日發在露公使外務大臣右訓令ニ基キ「ラムスドルフ」伯ト會談ノ結
十一月二十三日著果報告
二十八同十一月二十八日發外務大臣在露公使「ローゼン」公使ヘ發訓ノ手續執ラレシヤ否
「ラムスドルフ」伯ニ問合方訓令
二十九同同十一月二十七日發在露公使外務大臣皇后御不豫ノ爲メ「ラムスドルフ」伯皇帝ニ
十一月二十八日著拜謁ヲ延引シタル件申報
三十同十二月一日發外務大臣在露公使交涉問題速決ノ緊要ヲ露國政府ニ說示スヘ
キ旨訓令
三十一同同ニ伊豆郁日發在露公使外務大臣露國政府ハ尙「アレキシヱフ」總督ト通信ヲ
日著重ネツヽアル旨必報
ニ四日發交涉問題速決ノ心要ヲ皇帝ニ具奏シ其ノ結
三十二同同二十月月四日著同上同上果通報スヘキ旨「ラムスドルフ」伯ヨリ答話
ノ件
「アレキシヱフ」總督ヨリ提出ニ係ル露國修
九日發正對案ヲ基礎トシ談判ヲ繼續スヘキ旨ノ勅
三十三同同廿十路十日著同上同上命既ニ同總督竝ニ「ローゼン」公使ニ發送セ
ラレタル旨「ラムスドルフ」伯ヨリ談話ノ
件
三十四同十二月十二日發外務大臣在露公使前記露國修正對案「ローゼン」公使ヨリ提出
ニ付通報
右ニ付協商ノ範圍ニ關シ露國政府ノ再考ヲ
三十五同十二月二十一日發同上同上求メ竝ニ帝國政府カ必要ト認ムル修正箇條
ヲ「ラムスドルフ」伯ニ提示ノ爲メ口上書提
出方訓令
三十六同同十二月二十三日發在露公使外務大臣右口上書提出ノ件囘報
十二月二十四日著
三十七明治三十七年一月一日發同上同上「ラムスドルフ」伯ニ會見右口上書ニ關スル
同月日著露國政府ノ處置問合ノ結果申報
三十八同一月七日發外務大臣在露公使「ローゼン」公使ヨリ新ニ提出シタル露國政
府ノ復答內示
露國ノ復答ニ關シ外務大臣ヨリ露國公使ヘ
三十九同一月十三日發同上同上開陳ノ次第ヲ確ムル爲メ「ラムスドルフ」伯
ヘ口上書手交方訓令
四十同一月二十三日發同上同上右口上書ニ對スル露國政府ノ囘答ニ付「ラ
ムスドルフ」伯ニ問合方訓令
四十一同-月二十五日發同上外務大臣右訓令ニヨリ「ラムスドルフ」伯ト會見ノ結
同月二十五日著果具報
四十二同一月二十六日發外務大臣在露公使「ラムスドルフ」伯ニ會見露國政府ノ囘答ヲ
促スヘキ旨訓令
一月二十六日發右ニ付「ラムスドルフ」伯ノ返答竝ニ帝國カ
四十三同同月二十七日著在露公使外務大臣韓國へ多數ノ軍隊軍器等ヲ送リタリトノ說
ニ付同伯ヨリ質問アリタル件申報
韓國ニ軍隊軍器送遣ノ報ヲ否認シタル上韓
四十四同一月二十八日發外務大臣在露公使國國境ニ於ケル露軍集中ノ報ニ付實否ヲ質
シ尙ホ露國囘答ノ性質及日取ヲ尋ヌヘキ旨
訓令
四十五同一月二十八日發在露公使外務大臣右ニ付「ラムスドルフ」伯ト會見ノ結果申報
同一月二十九日著
四十六同一月三十日發外務大臣在露公使露國囘答ノ確タル日取ヲ問合スヘキ旨再應
ノ訓令
四十七同同二月一日發在露公使外務大臣右日取ハ確言スル能ハサル旨「ラムスドル
二月日著フ」伯ノ返答具報
日露協商ニ關スル談判ヲ斷絕シ同時ニ帝國
政府ハ自衞ノ爲メ竝ニ帝國ノ權利及利益ヲ
四十八同ニ月五日發外務大臣在露公使擁護スル爲メ最良ト思惟スル獨立ノ行動ヲ
採ルコトノ權利ヲ保留スル旨露國政府ヘ通
牒方訓令
四十九同二月五日發同上同上露國政府トノ外交關係ヲ斷絕シ館員ヲ率ヒ
テ露京ヲ撤退スル旨露國政府ヘ通牒方訓令
二月五日發露國囘答ノ要旨ハ旣ニ「アレキシヱフ」總督
五十同同二月五日著在露公使外務大臣へ電報セラレタル旨竝ニ其ノ内容ニ關スル
露國外務大臣ノ談話報告
五十一同二月六日發同上同上日露協商談判竝ニ露國トノ外交關係斷絕ノ
同ニ月七日著公文提出ヲ了シタル旨申報
〔日露交渉ニ關スル往復書類ハ本號速記錄ノ別册ニ揭載ス〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=6
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007・重岡薫五郎
○重岡薫五郞君(二百五十六番) 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=7
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008・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) 先程私ガ申上ゲテ置キマシタ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=8
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009・松田正久
○議長(松田正久君) 後トデ···
〔大藏大臣男爵曾禰荒助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=9
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010・曾禰荒助
○大藏大臣(男爵曾禰荒助君) 諸君、今囘ノ大體ノコトニ就キマシテハ、既ニ總理
竝外務兩相ヨリ、御話モゴザイマシタコトデスカラ、更ニ辯ヲ俟チマセヌ、私ハ玆ニ此戰時
財政ノ計畫ニ付キマシテ一言致シマス、御手許ニ既ニ囘ッテ居リマスル諸種ノ法案ハ、殆
ド皆此戰事財政ニ基クモノデゴザイマス、政府ハ宣戰ノ聖旨ヲ奉體致シマシテ、交戰
シ目的ヲ達スルコトニ全力ヲ盡シマスシ、併セテ帝國ノ名譽ト利權トヲ保全スルタメニ、
最モ適切ヂヤト考ヘマシタトコロノ經畫ヲ立テマシテ、卽チ玆ニ諸君ノ協賛ヲ仰グノデゴザ
イマス、是ト同時ニ憲法第七十條ニ據リマシタ財政處分ニ付テ、御承諾ヲ求メマス、其
總テノ經畫ノ今囘ノ時局ニ對シマシテ、必要デゴザイマスコトハ、卽チ目下ノ形勢ニ徵シ
マシテ、明々白々デゴザイマスルカラ、更ニ多辯ハ致シマセヌ、唯此〓ニ於キマシテハ、諸君
ノ熱誠ト國民全般ノ奉公心トニ信賴スルノミデゴザイマス、而シテ諸種ノ法案ニ就キマシ
テハイヅレ委員會ニ於キマシテ、本大臣竝ニ政府委員ヨリ、詳細ニ說明ヲ致シマスデゴ
ザイマス、冀クハ諸君ニ於カレマシテハ、愼重ナ御調査ヲ下サレマシテ、ソレト同時ニ速ニ
御協賛ヲ與ヘラレンコトヲ、切望ニ堪ヘマセヌ、今ヤ此國家ノ非常ナ場合ニ際會シマシ
テ、多大ナ負擔ヲ國民ニ負ハシムルト申シマスノハ實ニ忍ビ難イコトデハゴザイマスル
ガ、是亦已ムヲ得ナイコトデゴザイマス、是ト同時ニ一言申シテ置キマスノハ、政府ニ於キ
マシテモ、出來得ル限リ諸種ノ經費ヲ節減シマシテ、以テ此經濟ノ補塡ニ致スト云フコト
ハ、無論ノコトデゴザイマスルカラ、其邊ハ諸君ニ於カレマシテモ御了承アッテ、速ニ御協賛
アランコトヲ、切望ニ堪ヘマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=10
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011・根本正
○根本正君(九十三番) 本員ハ大藏大臣ニ質問ヲ致シマスルガ、軍費一箇年ノ見
積額ガ、五億八千六百万圓ト云フコトニナッテ居リマスルガ、最モ政府ニ注意ヲ促スト同
時ニ、國民ノ此額ニ付イテ如何ニ支出スベキカヲ、承知シタイト云フ〓ニアリマスルガ、此
五億万圓ノ大金ノ中ニ、外國ニ全ク流出致シマシテ、帝國ニ囘放セザル金額ヲ承リタ
イ譯デアリマス、固ヨリ此金額ノ明確ナルコトハ、御分リニナリマスマイケレドモ、斯ク大
金ヲ支出スルニ當リマシテハ、國民タルモノガ、何程此中我帝國ニ囘收スルモノデアルカ、
何程海外ニ流出シテ、再ビ復ラザルモノデアルカト云フコトヲ承知シマスルノハ、最モ大切
ナルコトデアリマスカラシテ、此金額ヲ承リタイト思ヒマスル、同時ニ遞信大臣ニ質問スルコ
トガアリマス、此豫算ノ性質ニ依リ、且又政府ノ財政計畫ニ依リマスト云フト、行政ノ費
用ヲ省ク金額ハ、此先僅ニ百數十万圓ニ過ギザルト云フコトデアリマスルガ、斯ノ如キ大
金額ヲ吾ミガ決議スルニ當リマシテハ、行政ノ費用ヲ十分ニ節約スルノハ當然ノコトデ
アリマスル、其中行政ノ費用ニ付イテイロノ〓伺ヒタイコトモアリマスルガ、此際細カイコ
トハ伺ヒマセヌガ、唯一ツ遞信省所管ニ屬スル所ノ電信ノ架ケ方デアル是ハ過ル第十八
議會ニ於テ、私ガ質問ヲ致シテ置キマシタガ、今日百數十万圓ホカ費用ヲ減ズルコトガ
出來ヌト云ヒマスケレドモ、此遞信省ガ電信ヲ架ケルコトニ付イテ、二ツニ出來テ居ル卽
チ此地方費ヲ以テ、各縣ニ於テ警察電話ト云フモノニ付イテ三百万圓以上ヲ費シテ居
ル(「簡單々々」「無用々々」ト呼フモノアリ)同時ニ又(「無用々々」)······一億費シテ居リ
マスルガ、斯ノ如ク同ジ道ニ同ジヤウニ費用ヲ費シテ置クト云フコトハ、卽チ是ハ行政ノ統
一ガ宜クナイト云フコトノ故ニ、同ジ費用ヲ二ツ出シテ居ル、卽チ是ハ縣費ト國費デハア
リマスルガ(「無用々々」「簡單々々」ト呼フモノアリ)····ト思ヒマスカラ、是ハ如何ナル調
ベニナッテ居リマスルカ、此二ツノ點ヲ明カニ御答ヲ請ヒマス
〔大藏大臣男爵曾禰荒助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=11
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012・曾禰荒助
○大藏大臣(男爵曾禰荒助君) 唯今質問モゴザイマシタガ、前申上ゲル通ニ、十分ノ
事ハ委員會デ申上ゲ、能ク御話シマシセウ、斯ウ云フコトニ致シテ置キマス
(「ヒヤ〓〓」「宜シイ」ト呼フ者アリ〕
(恆松隆慶君「議長日程ニ移ラレテハ如何デス、此場合デスカラ成ルタケ質問ハ
略シタ方ガ宜シウゴザイマス」ト呼フ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=12
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013・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) 識長質問ガゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=13
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014・松田正久
○議長(松田正久君) 神藤サンハドウ云フ御質問デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=14
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015・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) 我輩ノ質問ヲ願ヒマスルコトハ(「無用々々」ト呼フ者アリ)
無用デナイ、大體ノコトニ付イテ御問申シマス、ツレデ總理大臣ノ申サレタ所ノ中ニ、舉
國一致ト云フコトガアル、擧國一致ヲ以テ交戰ノ目的ヲ達スルト云フコトガアリマス
ガ、此目的ト云フモノハ總テ程度ノアルモノデス(「無用々々」ト呼フ者アリ)此程度ノ
大小ニ從ヒマシテ、又國民ガ之ニ盡サナケレバナラヌ(「無用々々」ノ聲起ル)無用デナイ、
諸君ハ此際ニ無用ト云フノハ何ダ(「無用ナルガ故ニ無用ト云フ」ト呼フ者アリ)舉國一
致ハ無用デナイ(「無用々々」ノ聲起ル)發言ヲ妨ゲルカ、君達ガ無用ト云ッタッテ、聞カナ
イ以上ハ動カネエンダ、ヤッテ見ロイ、ワレデ(「特別委員會ガアルカラ宜イヂヤナイカ」ト呼
フ者アリ)イヤ併シナ(「無用々々」ト呼フ者アリ)總理大臣ノ演說ハ、特別委員ニ付ス
ルコトハ出來ナイ、外ノ問題ナラ特別委員會ニ付スルコトガ出來ルケレドモ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=15
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016・松田正久
○諸長(松田正久君) 神藤君簡單ニ御質問ノ趣意ヲ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=16
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017・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) ソレニ就キマシテ、其目的ノ程度ト云フモノヲ、總理大臣
閣下ニ承リタイモノデアル、目的ノ程度ニ依リマシテ、國民ガ應ゼナケレバナラヌコトガア
ル、之ヲ一ツ伺ヒタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=17
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018・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 第一ノ日程····発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=18
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019・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) 御答ハアリマセヌカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=19
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020・松田正久
○議長(松田正久君) 是ヨリ議事日程ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=20
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021・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 緊急動議-ガアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=21
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022・松田正久
○議長(松田正久君) 議事日程第一臨時事件費支辨ニ關スル法律案ノ第一讀會
ヲ開キマス、朗讀ハ省略ヲ致ス··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=22
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023・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 緊急動議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=23
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024・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) ドウナリマシタ、唯今ノハ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=24
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025・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 緊急動議、議事日程ノ變更発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=25
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026・松田正久
○議長(松田正久君) 總理大臣デ御答ガナケレバ、ソレマデノコトデアル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=26
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027・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 議事日程ノ變更、緊急動議
〔「贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=27
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028・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 定規ノ贊成ガアル
(「贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=28
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029・松田正久
○議長(松田正久君) 何ノ事件デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=29
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030・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 私ノ議事日程ノ變更ヲ求メマスノハ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=30
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031・松田正久
○議長(松田正久君) 事柄ヲ初メニ言ッテ-何事デアリマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=31
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032・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) ソレヲ今言フノデス、此議員中ニ露國間牒ノ疑アル
者ガゴザイマス(拍手スル者アリ)ソレ故ニ其調査ノタメニ調査委員ヲ設ケルコトニ付イ
テ、私ハ一應述ベタイコトガアル(「贊成々々」ノ聲起ル)宜シウゴザイマスカ
〔「演壇ニ往キ給ヘ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=32
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033・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 宜シイデスカ
(「登壇々々」「登壇スベシ」ト呼フ者アリ〕
〔小河源一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=33
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034・小河源一
○小河源一君(二百四十一番) 諸君、私ハ誠ニ本議會ノ始メニ於キマシテ、甚ダ忌
ムベキ問題ヲ、持出サナケレバナラヌコトニナリマシタコトハ、誠ニ〓嘆ニ堪ヘナイノデゴザ
イマス、過日諸君ノ御承知ノ如ク、或有志ノ者ヨリ活版刷ト致シマシテ、代議士秋山
定輔氏ノ露探タル覺書トー云フ書面ヲ配リマシタ、固ヨリ此書面ニ記載致シテアリマスル
事柄ハ、第一項ヨリ第六項マデ貫イテ、甚ダ驚クベキ所ノ事實ガ、記載セラレテアルノデ
ゴザイマス勿論此事ノミヲ以テ、直ニ當議會ノ問題ト致ス譯デハナイノデ、吾〓ハ斯樣
ナコトガゴザイマスレバ、一日モ忽ニスベキモノデナイト考ヘマシタ故ニ、吾〓同志ハ熱心ニ
此事ニ就イテ各方面ニ調査ヲシツヽアルノデゴザイマス然ルニ此事項中ニ記載セラレ
タルコトハ、多クハ事實ナリト吾〓ヲ確ムルニー-吾〓ノ意志ヲ確ムルニ、近ヅキツヽアル
ノデゴザイマス、デ其事柄ハ諸君ノ既ニ御承知ノ通デゴザイマスカラ、一〓私ハ茲ニ於テ
陳述ハシナイノデアル尙吾ミノ調査致シマシタ結果ニ依リマスレバ、是ニ記載セラレテア
ルヨリ尙以上ノ事實ヲ、數箇發見シテ居ルノデゴザイマス、此等ノ事柄ヲ確メマスレバ
此判斷ニ就キマシテハ更ニ諸君ガ採ル方針ガアルデゴザイマセウ、今日ハ未ダ私モ確
實ナリト云フコトハ、斷言致サナイケレドモ、大ニ疑フベキ所ノ程度ニアルト云フコトヲ、信
ズルノデアリマスルガ故ニ、此事實ヲ取調ヲ致シテ、而シテ後ノ處分ヲ致サナケレバナラヌノ
デアル、今日ハ御承知ノ通ノ時局デゴザイマシテ、此場合ニ於テハ議會ハ或ハ祕密會議
ヲ開カナケレバナラヌカモ知レヌノデアル、然ルニ其中ノ一員ニ、若シ露國ノ間牒トモ云
フベキ者ガ、列シテ居リマシタナラバ、果シテ國家ニ如何ナル害ヲ及ボスデゴザイマセウ、
故ニ私ハ此事實ヲ調査致シテ、其結果ニ依ッテハ、或ハ懲罰委員ニ附スルカ、若クハ
或處決ヲ當人ニ對シテ求ムルカ、若クハ議院法ヲ改正致シマシテ、或ハ斯ノ如キ疑ヒ
アルモノハ祕密會議ニ列スルコトガ出來ナイト云フ方法ヲ採ルカ、此等ノ事ハ後ノ問
題ト致シマシテ、先ヅ此事柄ガ事實ナルヤ否ヤト云フコトヲ、取調ベル所ノ調査委員
十八名ヲ、議長ノ指名ニ於テ選定セラレテ直チニ此調査ニ著手セラレンコトヲ希望スル
ノデアル、而シテ斯ク致シマシテ調査致シマシタナラバ、若シ此事ガ無根トナリマスレバ或
ハ秋山氏ノタメニモ名譽デアラウト考ヘルノデアル、或一面ヨリ書面ヲ配ラレマシテ、知名
ノ士ガ兩名連署シテ書面ヲ配ラレテ居リマス、此書面ハ甚ダ此兩君ノタメニ惜ムノデア
ル、、所謂尾崎君犬養君ノタメニ惜ムノデアル、何故ニ兩君ハ斯ノ如キ保證人ノ位置ニ、
立タナケレバナラヌノデゴザイマセウカ、況ヤ其ノ中ニ記載セラレタコトハ、大ニ間違ガアル、
現ニ炭田某ナル者ノ書面ガアッテ、其事モナイト云フコトデアル、是ハ甚グ兩君ノタメニ惜
ムト云フコトヲ、一言致シテ置キマス
〔「異議ナシ異議ナシ」又「贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=34
-
035・松田正久
○議長(松田正久君) 諸君、玆ニ御諮リ致シマスガ、是ハ如何デゴザイマセウカ、本件
ハ卽チ議員ノ進退ニ關係スルコトデアッテ見レバ、先決問題トシテ之ヲ決スルガ、至営田デア
ルト考ヘル、因ッテ此事ヲ先決問題トシテ決スルヤ否ヤト云フコトヲ、初メニ決シタイノデア
リマスカラ、諸君ノ御意見ヲ伺ヒマス
〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=35
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036・松田正久
○議長(松田正久君) 御異議ガナケレバ、先決問題トシテ議題ニ附シマス
秋山定輔君ニ關スル調査委員ヲ設クルノ緊急動議
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=36
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037・松田正久
○議長(松田正久君) 然レバ右ノ動議ハ委員九名ヲ設ケテ·····
(「十八名デス」又「贊成々々」ト呼フ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=37
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038・松田正久
○議長(松田正久君) 十八名ノ委員ヲ設ケルト云フコトニ、御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=38
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039・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ十八名ノ委員ヲ議長ガ指名シテ審査セシムルト云フコ
トニ決定致シマス
〔神藤才一君「質問ガアリマス」ト呼フ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=39
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040・松田正久
○議長(松田正久君) 議事日程ノ第一、卽チ臨時事件費支辨ニ關スル法律案、第
一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略致シマス
第臨時事件費支辨ニ關スル法律案(政府提出)第一讀會
第一條臨時事件費支辨ノ爲政府ハ一時借入金ヲ爲シ、國庫債券ヲ發行シ、
特別會計ニ屬スル資金ヲ繰替使用シ及公債ヲ募集スルコトヲ得
第二條一時借入金、國庫債券及公債ノ額ハ通シテ二億八千萬圓以內トス
本法及明治三十六年勅令第二百九十一號ニ依ル一時借入金、國庫債券及
特別會計ニ屬スル資金繰替ヲ整理償還スル爲必要ナル場合ニ於テハ前項
ノ制限以外ニ公債ヲ募集スルコトヲ得
第三條一時借入金、國庫債券及公債ノ利率、募集借入ノ方法規約、据置年
限及償還年限ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條本法ニ依リテ發行スル國庫債券及公債ニ關シテハ本法ニ規定スル
モノノ外整理公債條例ヲ適用ス
(「神藤才一君「議長々々」ト呼フ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=40
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041・松田正久
○議長(松田正久君) モウ議事日程ニ移リマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=41
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042・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) 議事日程ニ入リマシテモ、其前ノコトデゴザイマス、前ノ引
續キデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=42
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043・松田正久
○議長(松田正久君) 質問ハアリマセヌカ-質問ガナケレバ第二ノ日程ニ移リマス
第二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=43
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044・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 第二ノ日程ハ委員ヲ二十七名、議長ノ指名ヲ希望
致シマス
(「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=44
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045・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ御動議ガアリマセヌカ
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=45
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046・松田正久
○議長(松田正久君) 御異議ガナケレバ其ノ通ニ決シマス-議事日程ノ第二一ニ移
リマス、朗讀ハ省略致シマス
第三陸海軍ニ屬スル臨時事件費特別會計法案(政府第一讀會
提出)
陸海軍ニ屬スル臨時事件費ノ會計ハ一般ノ歲入歲出ト區分シ臨時事件ノ終
局マテヲ一會計年度トシテ特別ニ之ヲ整理ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=46
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047・松田正久
○議長(松田正久君) 御異議ガナケレバ第四ニ移リマス
第四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=47
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048・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是ハ九名ノ委員ブ、議長カラ指名ヲ願ヒマス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=48
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049・松田正久
○議長(松田正久君) 九名ノ委員ヲ議長ガ指名スルコトニ、御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=49
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050・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ是モ決定致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=50
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051・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) チヨット動議ガゴザイマス、第五ヨリ第二十六マデハ、
一括シテ議題トセラレンコトヲ望ミマス
〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=51
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052・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松隆慶君ノ動議ニ、御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=52
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053・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議ノ如ク、第五ヨリ第二十六ニ至ルマデ、
一括シテ議事ニ附シマス、議案ノ朗讀ハ省略致シマス
第五非常特別稅法案(政府提出)第一讀會
非常特別稅法
第一條臨時事件ニ因リ生シタル經費ヲ支辨スル爲本法ニ依リ地租、營業
稅、所得稅酒稅砂糖消費稅、醬油稅、登錄稅、取引所稅、狩獵免許稅、鑛區
稅及各種ノ輸入稅ヲ增徵シ鹽、毛織物、石油及絹布ニ消費稅ヲ課シ民事訴
訟用印紙ヲ增貼セシム
第二條地租、營業稅、所得稅、酒稅、砂糖消費稅、醬油稅、登錄稅、取引所稅、
狩獵免許稅、鑛區稅及糖菓類〓鹽、衣服及附屬品、石油、砂糖、糖蜜糖水、
絹布類、酒類、煙草類ノ輸入稅ハ關係法規ノ定メタル稅額ノ外左ノ割合ノ
稅額ヲ增徵ス
一地租
市街宅地地價百分ノ五、五
郡村宅地地價百分ノ三、五
其ノ他ノ土地地價百分ノ二、
二營業稅營業稅法ニ依ル稅額十分
ノ七
三所得稅
第一種及第三種所得所得稅法ニ依ル稅額十分
ノ七
四酒稅
酒造稅法ニ依ル酒類
第一種一石ニ付金五十錢
第二種一石ニ付金五十錢
第三種一石ニ付酒精分一度每ニ
金二錢五厘
麥酒一石ニ付金五十錢
酒精又ハ酒精含有飮料((原容量百分中純酒精ノ
容量二十ヲ超ユルモ
一石ニ付原容量百分中純
酒精ノ容量一箇每ニ金二
錢五厘
沖繩縣酒類出港稅
沖繩縣酒類出港稅則第一條第一項ニ依リ課稅
スヘキ酒類一石ニ付金五十錢
同第二項ニ依リ課稅スヘキ酒類一石ニ付原容量百分中純
酒精ノ容量一箇每ニ金二
錢五厘
五砂糖消費稅
第一種百斤ニ付金一圓
第二種百斤ニ付金一圓四十錢
第三種百斤ニ付金三圓八十錢
第四種百斤ニ付金四圓二十錢
六醤油稅
醬油稅則第二條本文ニ依ル場合
醤油諸味一石ニ付金五十錢
溜製成一石ニ付金五十錢
醬油稅則第二條但書ニ依ル場合
醬油諸味一石ニ付金二十五錢
溜製成一石ニ付金二十五錢
七登錄稅
不動產ニ關スル登記
法定ノ家督相續ニ因ル所有權ノ取得不動產價格千分ノ三
法定ノ家督相續以外ノ家督相續又ハ遺產相續ニ
因ル所有權ノ取得不動產價格千分ノ五
遺言、贈與其ノ他無償名義ニ因ル所有權ノ取得
不動產價格千分ノ十
其ノ他ノ原因ニ因ル所有權ノ取得不動產價格千分ノ五
從來保有セル所有權ノ保存不動產價格千分ノ三
華族世襲財產ノ創設不動產價格千分ノ五
船舶ニ關スル登記
法定ノ家督相續ニ因ル所有權ノ取得船舶價格千分ノ二
法定ノ家督相續以外ノ家督相續又ハ遺產相續ニ
因ル所有權ノ取得船舶價格千分ノ五
遺言、贈與其ノ他無償名義ニ因ル所有權ノ取得
船舶價格千分ノ二十
其ノ他ノ原因ニ因ル所有權ノ取得船舶價格千分ノ五
從來保有セル所有權ノ保存船舶價格千分ノ二
登錄稅法第六條及第六條ノ二ニ依ル登錄稅
課稅標準ノ千分比例ヲ以テ稅率ヲ定メタルモノ
課稅標準千分ノ一
一箇所每ニ又ハ一件每ニ稅額ヲ定メタルモノ
稅額金十圓ナルトキ金五圓
稅額金五圓ナルトキ金二圓
稅額金三圓ナルトキ金二圓
稅額金二圓ナルトキ金一圓
稅額金一圓ナルトキ金五十錢
稅額金五十錢ナルトキ金二十錢
鑛業ニ關スル登錄
試掘金二十五圓
採掘金五十圓
試掘增區及增減區ニ係ル訂正金十圓
採掘增區及增減區ニ係ル訂正金二十五圓
買受、讓受金二十五圓
八取引所稅
商品、有價證券賣買各約定代金高萬分ノ三
國債及地方債證券同萬分ノ二
九狩獵免許稅
金十圓
二等金五圓
三等金一圓
十十鑛區稅鑛區一千坪每ニ一箇年金十錢
一輸入稅
糖菓類
甲菓子從價一割
乙砂糖、糖蜜若クハ糖水ヲ以テ貯藏シタルモノ
從價五分
食鹽
甲粗製ノモノ每百斤金四十一錢八厘
乙精製ノモノ每百斤金七十三錢二厘
關稅定率法附屬輸入稅表第三類中ニ揭クル物品ニ
シテ絹製及絹入ノモノ從價二割
酒精(アルコール)每リートル金三錢
各種變性アルコール每リートル金三錢
各種酒精劑(阿片丁幾ヲ除ク)每リートル金三錢
石油從價二割
砂糖(和蘭標本色相第十五號未滿)從價二割五分
糖蜜從價二割
糖水從價二割
支那縮緬
支那絹紬從價一
支那絹繻子
支那絹紋繡子從從從從從從價價價價價價割割割割割割
絹綿繻子
刺繡絹布及刺繡絹綿布
其ノ他各種ノ絹布(純絹ト他物ヲ交ヘタルトヲ別
タス但シ絹ノ重量超過スルモノ)從價一割
諸製造煙草從價十割
支那酒(釀造シタルモノ)從價二割
〓酒從價二割
各種ノ酒類ニシテ原容量百分中純酒精ノ容量五十
以上ナルモノ純酒精ノ容量一箇ヲ增ス
每ニ十「リートル」ニ付金
五厘
第三條鹽、毛織物、石油及絹布ニハ左ノ割合ニ依リ消費稅ヲ課ス
-鹽一石ニ付金六十錢
ヌハ
百斤ニ付金三十六錢
二毛織物價格百分ノ十五
三石油
甲鑵入ノモノ每ガルロン金三錢二厘
乙鑵入ニアラサルモノ每ガルロン金二錢
四絹布價格百分ノ十五
前項ニ於テ毛織物ト稱スルハ毛ノ分量ニ拘ラス總テ毛製、毛絹製又ハ毛
綿製ノ織物ヲ謂ヒ絹布ト稱スルハ材料ノ二分ノ一以上蠶絲又ハ野蠶絲ヲ
用井タル織物ヲ謂フ
第四條訴狀其ノ他民事訴訟ニ關スル申立又ハ申請ノ書面ニハ民事訴訟用
印紙法ニ依リ貼用スヘキ印紙ノ外左ノ印紙ヲ增貼スヘシ
一第一審ノ訴狀
財產權上ノ請求ニ係ルモノ
訴訟物ノ價額金五圓マテ金五錢
十圓マテ金十錢
二十圓マテ金二十錢
五十圓マテ金三十錢
七十五圓マテ金三十錢
百圓マテ金五十錢
同同同同同同同同同同同二百五十圓マテ金五十錢
五百圓マテ金二圓
七百五十圓マテ金二圓
千圓マテ金三圓
二千五百圓マテ金五圓
五千圓マテ金五圓
同五千圓以上ハ千圓ニ達ス金一圓
ル トロッ
財產權上ノ請求ニ非サルモノ金五十錢
二控訴狀
第一審ノ訴狀ニ增貼スヘキ印紙金額ノ半額
三上告狀
第一審ノ訴狀ニ增貼スヘキ印紙金額ト同額
四支拂命令ノ申請
訴訟物ノ價額金十圓ヲ超過スル場合ニ於テハ民事訴訟用印紙法及
本法ニ依リ第一審ノ訴狀ニ貼用スヘキ印紙金額ノ半額ト金二十錢
トノ差額
前項ノ差額ハ民事訴訟法第三百九十條ノ規定ニ依リ訴カ區裁判所
ニ繫屬スル場合又ハ第三百九十一條第二項ノ規定ニ依リ地方裁判
所ニ訴ヲ起ス場合ニ於テ訴訟ニ付キ貼用スヘキ印紙ノ額ニ之ヲ通
算スヘシ
五其ノ他ノ申立又ハ申請
期日ノ變更、辯論ノ延期又ハ辯論期日ノ指
定ノ申立中斷又ハ中止シタル訴訟手續ノ受
繼ノ申立
從參加ノ申請
忌避ノ申請
和解ノ申立
費用額確定ノ申請
假執行ノ宣言ヲ求ムル申立
强制執行ノ停止又ハ續行若ハ執行處分ノ取金八十錢
消ノ申立
配當要求
家資分散ノ申立又ハ家資分〓者ノ復權ノ申
立
强制競賣又ハ强制管理ノ申立債權又ハ他ノ
財產權差押ノ申請
民事訴訟法第七百三十二條乃至第七百三十
四條ノ申立
證據調ノ申立
判決ノ送達ヲ求ムル申立
執行力アル正本ヲ求ムル申立
但シ此ノ正本數通ヲ求ムルトキハ每一通金五十錢
ニ付
假差押又ハ假處分ノ申請
抗告
故障
答辯書其ノ他特ニ揭ケサル申立又ハ申請金五錢
左ニ揭クル申立又ハ申請ノ書面ニハ民事訴訟用印紙法ニ依リ貼用スヘキ
印紙ノ外金八十錢ノ印紙ヲ增貼スヘシ
一裁判上代位ノ申請
二競賣法ニ依ル競賣ノ申立
三裁判上ノ代位、競賣法ニ依ル競賣又ハ不動產登記ニ關スル抗〓
訴訟物ノ價額又ハ請求ノ價額金二十圓以下ナルトキハ第一項第五號ノ規
定ヲ適用セス
本條第一項ノ規定ハ再審ヲ求ムルノ訴狀及原狀囘復ノ申立ニ之ヲ準用ス
第五條商事非訟事件ニ關スル申立又ハ申請ノ書面ニハ商事非訟事件印紙
法ニ依リ貼用スヘキ印紙ノ外左ノ印紙ヲ增貼スヘシ
一左ニ揭クル申立
抗〓
債權者ヨリ爲ス破產旦告ノ申立金五十錢
支拂猶豫ノ申立
二其ノ他ノ申立又ハ申請金五錢
破產手續ニ付テハ商事非訟事件印紙法第四條ニ依リ貼用スヘキ印紙ノ外
左ノ印紙ヲ增貼スヘシ
財團ノ價格金五圓マテ金十錢
十圓マテ金二十錢
二十圓マテ金四十錢
五十圓マテ金六十錢
七十五圓マテ金六十錢
百圓マテ金一圓
同同同同同同同同同同同同二百五十圓マテ金一圓
五百圓マテ金四圓
七百五十圓マテ全国
千圓マテ金子弌
二千五百圓マテ金十圓
五千圓マテ金十圓
五千圓以上ハ千圓ニ達スル每ニ金二圓
前項ノ規定ハ商事非訟事件印紙法第六條及第七條ノ場合ニ之ヲ準用ス
商事非訟事件印紙法第五條ノ規定ハ本條第二項ノ規定ニ依リ印紙ヲ增貼
スヘキ場合ニ之ヲ準用ス
第六條左ニ揭クルモノニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ消費稅ヲ免除
ス
一外國ニ輸出スル鹽、毛織物、石油又ハ絹布
二製造者ノ自用ニ供スル鹽、毛織物、石油又ハ絹布
三命令ヲ以テ定メタル業ニ使用スル鹽
四魚類鹽藏用ニ供スル鹽
五農業肥料用ニ供スル鹽
六牧畜飼料用ニ供スル鹽
第七條鹽毛織物又ハ石油ノ消費稅ハ製造場、稅關又ハ保稅倉庫ヨリ鹽、
毛織物又ハ石油ヲ引取ル時引取人ヨリ之ヲ徵收ス
絹布消費稅ハ前月中ノ絹布小賣金額ニ依リ每月絹布販賣者ヨリ之ヲ徵收
ス
第八條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ鹽、毛織物、石油及絹布消費稅ノ徵收
ヲ猶豫スルコトヲ得
第九條製造場、稅關又ハ保稅倉庫ヨリ毛織物ヲ引取ル者ハ引取ノ際其ノ
價格ヲ政府ニ申告スヘシ
絹布販賣者ハ每月十五日マテニ前月中ノ絹布小賣金額ヲ政府ニ申告スヘ
前二項ノ申告ヲ爲サス又ハ政府ニ於テ其ノ申告シタル價格又ハ金額ヲ不
相當ト認ムルトキハ政府ハ毛織物ノ價格ヲ評定シ又ハ絹布小賣金額ヲ算
定ス
毛織物引取人又ハ絹布販賣者前項ノ評定價格又ハ算定金額ニ不服ナルト
キハ毛織物引取人ハ卽時、絹布販賣者ハ算定金額ノ通知ラ受ケタル時ヨ
リ七日以內ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
異議ノ申立アリタルトキハ毛織物ニ付テハ二人以上ノ鑑定人ヲ選定シ、
絹布ニ付テハ命令ヲ以テ定メタル審査委員ノ審査ニ付シ其ノ意見ヲ徵シ
政府之ヲ決定ス
異議申立人ノ主張ニ係ル價格又ハ金額ト第三項ノ評定價格又ハ算定金額
トノ差カ第三項ノ評定價格又ハ算定金額ト前項ノ決定價格又ハ決定金額
トノ差ヨリ大ナルトキハ鑑定ニ關スル費用ハ其ノ申立人ノ負擔トス
異議ノ申立アルモ政府ハ絹布消費稅ノ徵收ヲ猶豫セス
第十條第六條又ハ第八條ニ該當スル場合ノ外消費稅納付前ニ於テハ製造
場、稅關又ハ保稅倉庫ヨリ鹽、毛織物又ハ石油ヲ引取ルコトヲ得ス
第十一條鹽毛織物又ハ石油製造者ハ第六條又ハ第八條ニ該當スル場合
ノ外消費稅納付前ニ於テ鹽、毛織物又ハ石油ヲ他ニ引渡シ又ハ製造場外
ニ移出スルコトヲ得ス
第十二條自用ニ供スルモノヲ除ク外鹽、毛織物、石油又ハ絹布ヲ製造セム
トスル者ハ政府ニ申告スヘシ店鋪ヲ有スルト否トニ拘ラス絹布ノ販賣ヲ
爲サムトスル者亦同シ
第十三條鹽毛織物、石油又ハ絹布製造者ハ其ノ製造場ニ於テ鹽、毛織物、
石油又ハ絹布ノ賣買業ヲ兼營スルコトヲ得ス
第十四條鹽毛織物、石油又ハ絹布ノ製造者及販賣者ハ帳簿ヲ備ヘ鹽、毛
織物、石油又ハ絹布ノ製造出入ヲ詳細明瞭ニ記載スヘ
絹布販賣者ハ絹布ノ卸賣及小賣ヲ區別シ別簡ノ帳簿ニ記載スルコトヲ要
ス
第十五條收稅官吏ハ鹽。毛織物、石油又ハ絹布ノ製造場又ハ販賣場ニ立入
リ鹽、毛織物、石油又ハ絹布、其ノ原料、器具、器械、建築物又ハ帳簿書類ヲ
檢査スルコトヲ得
收稅官吏ハ監督上必要ト認ムルトキハ前項ノ物件ニ封印ヲ施スコトヲ得
第十六條收稅官吏ハ運搬中ニ在ル鹽、毛織物、石油又ハ絹布ヲ檢査シ其ノ
出所及到著先ヲ質問スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ監督上必要ト認メタルトキハ收稅官吏ハ其ノ運搬ヲ停
止シ又ハ荷物若ハ船車ニ封印ヲ施スコトヲ得
第十七條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ消費稅五倍ニ相當スル罰金ニ處シ
直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ罰金額ハ十圓ヲ下ルコトヲ得ス
一自用ニ供スル場合ノ外政府ニ申告セスシテ鹽、毛織物、石油又ハ絹布
ヲ製造シタルトキ
二政府ニ申告セスシテ絹布ノ販賣ヲ爲シタルトキ
三擔保物ヲ提供セスシテ消費稅ノ徵收ヲ猶豫セラレタル場合ニ於テ製
造場、稅關又ハ保稅倉庫ヨリ引取リ又ハ移出シタル鹽、毛織物又ハ石
油ヲ他ニ讓渡シ若ハ消費シタルトキ
四第十條又ハ第十一條ノ禁令ヲ犯シタルトキ
第十八條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
-鹽、毛織物、石油又ハ絹布ノ製造者又ハ販賣者鹽、毛織物、石油又ハ絹
布ノ製造出入ニ關シ帳簿ノ記載又ハ事實ノ申告ヲ詐リ若ハ怠リタル
トキ
二收稅官吏其ノ職務ヲ執行スルニ當リ之ニ對シテ其ノ執行ヲ拒ミ又ハ
之ヲ忌避シ若ハ之ニ支障ヲ加ヘタルトキ但シ刑法ニ正條アル場合ハ
刑法ニ依ル
絹布販賣者帳簿ノ記載ヲ詐リ又ハ之ヲ怠リ因テ通稅シタルトキハ前條ニ
依リテ處罰ス
第十九條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者ニハ刑法ノ減
輕、再犯加重及數罪倶發ノ例ヲ用井ス
第二十條鹽、毛織物、石油又ハ絹布ノ製造者、販賣者カ未成年者又ハ禁治
產者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ當業者ニ
適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ營業ニ關シ成年者ト
同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第二十一條鹽、毛織物、石油又ハ絹布ノ製造者又ハ販賣者ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ
基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ製造者又ハ販賣者ヲ處罰ス
第二十二條臺灣ヨリ移入シタル鹽ニハ本法ニ準シテ消費稅ヲ課ス
命令ヲ以テ指定スル港灣ニ由ルニ非サレハ臺灣ヨリ移入シタル鹽ヲ陸揚
スルコトヲ得ス
臺灣ヨリ鹽ヲ移入シタルトキハ陸揚前政府ニ申告スヘシ
消費稅ハ鹽陸揚ノ時之ヲ徵收ス
第二項又ハ第三項ノ規定ニ違反シタル者ハ消費稅五倍ニ相當スル罰金ニ
處シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ罰金額ハ十圓ヲ下ルコトヲ得ス
第二十三條北海道、府縣市町村其ノ他ノ公共團體ハ左ノ制限以內ノ地租
附加稅又ハ段別割ヲ課スルノ外土地ニ對シテ課稅スルコトヲ得ス
一北海道、府縣、北海道ノ區、一級町村及二級町村、沖繩縣ノ區及間切島
附加稅ノミヲ課スルトキ地租十分ノ五
段別割ノミヲ課スルトキ一段步ニ付平均金四十錢
附加稅及段別割ヲ併課スル場合ニ於テ段別割ノ總額ハ總段別地租額
ノ十分ノ五ト附加稅總額トノ差額ヲ超ユルコトヲ得ス
二其ノ他ノ公共團體
附加稅ノミヲ課スルトキ地租十分ノ三
段別割ノミヲ課スルトキ一段步ニ付平均金四十錢
附加稅及段別割ヲ併課スル場合ニ於テ段別割ノ總額ハ總段別地租額
ノ十分ノ三ト附加稅總額トノ差額ヲ超ユルコトヲ得ス
北海道府縣以外ノ公共團體ハ營業稅又ハ所得稅百分ノ三十ヲ超過スル附
加稅ヲ課スルコトヲ得ス
第二條ニ依ル地租、營業稅及所得稅ノ增徵額ニ對シテハ附加稅ヲ課スル
コトヲ得ス
府縣費ヲ市町村ニ分賦シタル場合ニ於テハ其ノ金額以內ニ限リ市町村ハ
內務大藏兩大臣ノ許可ヲ受ケ第一項又ハ第二項ノ制限ヲ超過シテ附加稅
又ハ段別割ヲ課シ若ハ附加稅及段別割ヲ併課スルコトヲ得
明治三十六年度以前ニ起シタル負債ノ元金償還及利子仕拂ノ爲若ハ非常
ノ災害ニ因リ復舊工事ノ爲費用ヲ要シ又ハ其ノ費用ノ分賦ヲ受ケタル場
合ニ於テ特ニ內務大藏兩大臣ノ許可ヲ受ケタルトキハ第一項又ハ第二項
ノ制限ヲ超過シテ附加稅又ハ段別割ヲ課シ若ハ附加稅及段別割ヲ併課ス
ルコトヲ得
北海道ノ宅地及海產干場ニ付テハ特ニ內務大藏兩大臣ノ許可ヲ受クルト
キハ第一項ノ制限ヲ超過シテ附加稅又ハ段別割ヲ課シ若ハ附加稅及段別
割ヲ併課スルコトヲ得
第一項及第二項ノ制限ハ特ニ賦課率ヲ定メタル特別法令ノ適用ヲ妨ケス
附則
第二十四條本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ輸入稅ニ關シテハ本法發
布後六箇月ヲ經テ之ヲ施行ス
地租、營業稅、所得稅ニ關シテハ明治三十七年分ヨリ本法ヲ適用ス
第二十三條ノ課稅制限ハ明治三十七年度ヨリ之ヲ適用ス
北海道、府縣、市町村其ノ他ノ公共團體ノ稅目又ハ稅率ニシテ本法ノ規定
ニ牴觸スルモノハ其ノ牴觸ノ部分ニ限リ其ノ效力ヲ失フ
第二十五條自用ニ供スルモノヲ除ク外本法施行前ヨリ鹽、毛織物、石油又
ハ絹布ヲ製造シ本法施行後引續キ之ヲ製造セムトスル者ハ本法施行後一
箇月以內ニ本法ニ依リ政府ニ申告スヘシ店鋪ヲ有スルト否トヲ問ハス本
法施行前ヨリ絹布ノ販賣ヲ爲シ本法施行後引續キ之ヲ販賣セムトスル者
亦同シ
前項ノ期間內ハ從前ノ製造又ハ販賣ヲ繼續スルコトヲ得
第二十六條第一種及第二種砂糖、石油及外國ヨリ輸入スル鹽ニ付テハ本
法施行後六箇月ヲ經過シタルトキハ本法ニ依ル消費稅ヲ課セス
第六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第七醫藥用工業用酒精戾稅法中改正法律案(政府第一讀會
提出)
醫藥用工業用酒精戾稅法中左ノ通改正ス
第一條中者ハニノ割ラ削リ。呂集用又ハ工業」ヲ命令ノ定ユル所ニ
命令ヲ以テ定メタル醫藥又ハ工業ノ」ニ改ム
第二條前條ノ酒精ニシテ工業用ニ供スルモノニ付テハ政府ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ其ノ變性ヲ命スルコトヲ得
第三條中「又ハ輸入稅」ヲ削ル
第四條削除
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前ニ於テ造石稅又ハ輸入稅ノ賦課ヲ受ケタル酒精ノ稅金下戾ニ關
シテハ仍舊法ヲ適用ス但シ本法施行後六箇月ヲ經過シタルトキハ此ノ限ニ
在ラス
第八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第九明治三十四年法律第十號中改正法律案(政府第一讀會
提出)
明治三十四年法律第十號中左ノ通改正ス
第一條第一項ヲ左ノ如ク改ム
命令ノ定ムル所ニ依リ造石稅ヲ課セラレタル酒類、酒精若ハ酒精含有飮
料又ハ麥酒稅ヲ課セラレタル麥酒ヲ外國ニ輸出シタル者ハ造石稅又ハ麥
酒稅ニ相當スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求スルコトヲ得
第二條第三號ヲ左ノ如ク改ム
三外國ニ陸揚シタルコトヲ證スヘキ書類但シ命令ヲ以テ之ヲ限定スル
コトヲ得
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行シ同日以後製成シタル酒類、酒精若ハ酒精含
有飮料又ハ麥酒ニ之ヲ適用ス
造石稅又ハ麥酒稅納付濟ノ酒類、酒精若ハ酒精含有飮料又ハ麥酒ニシテ本
法施行前ニ製成シタルモノヲ外國ニ輸出シタル者ニハ仍舊法ヲ適用ス
第十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第十一沖繩縣酒類出港稅則中改正法律案(政府提第一讀會
HB
沖繩縣酒類出港稅則中左ノ通改正ス
第一條中「移出スルトキハ」ノ下ニ「旅客ノ携帶品タルト否トヲ問ハス」ヲ加
フ
第二條命令ヲ以テ定ムル港灣ニ由ルニ非サレハ沖繩縣ニ於テ製造シタル
〓酒濁酒白酒味淋又ハ燒酎ヲ帝國內ノ他ノ地方ニ移出スルコトヲ得ス
第三條中「船改所ニ」ヲ削ル
第四條第一項中「船改所」ヲ「稅務署」ニ改メ第二項ヲ削ル
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第十三醬油稅則中改正法律案(政府提出)第一讀會
醬油稅則中左ノ通改正ス
第一條第二項ヲ削ル
第三條削除
第十五條削除
第十九條中「第一條第二項ニ該當セサル者ニシテ」ヲ削ル
第二十一條中「第十五條ノ申告ヲ爲ササル者」ヲ削ル
第二十三條削除
第二十九條削除
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第十五自家用醤油稅法中改正法律案(政府提出)第一讀會
自家用醬油稅法中左ノ通改正ス
第三條自家用醬油製造人ハ其ノ製造見積高ニ依リ每年左ノ製造稅ヲ納ム
、 )
一石未滿金五十錢
二石未滿金一圓
第一部第第第第種種種種種三石未滿金二圓
四石未滿金三圓
五石以下金四圓
第十一條左ニ記載スル者ニハ本法ヲ適用セス
一醬油製造營業人醬油請賣人
二料理店、飮食店、旅人宿營業人
三前二號ノ者ト同居スル者
本法ニ依リ免許ヲ受ケタル者前項各號ニ該當スルニ至リタルトキハ本法
ニ依ル免許ヲ以テ醬油稅則ニ依ル免許ト看做シ以後製造ニ係ル醬油ニハ
同稅則ヲ適用ス但シ其ノ年ノ製造稅ハ之ヲ免除セス
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
醤油稅則ニ依リ自家用醬油製造ノ申〓ヲ爲シタル者ハ本法ニ依リ免許ヲ受
ケタル者ト看做ス
第十六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第十七關稅定率法中改正法律案(政府提出)第一讀會
關稅定率法中左ノ通改正ス
第五條第一項第十號但書中「飮料ヲ除ク」ヲ「飮料、食鹽及絹布類ヲ除ク」ニ
改ム
附屬輸入稅表中左ノ通改正ス
六九ノ一各種變性アルコール每リートル四二〇
六九ノ二各種酒精劑(阿片丁幾ヲ除ク)每リートル四二〇
附則
本法ハ發布後六箇月ヲ經テ之ヲ施行ス
第十八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第十九輸入原料砂糖戾稅法廢止法律案(政府提出)第一讀會
輸入原料砂糖戾稅法ハ之ヲ廢止ス
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
精製糖又ハ氷砂糖ヲ製造スル輸入原料砂糖ニシテ本法施行前ニ政府ノ承認
ヲ得タルモノニ關シテハ仍輸入原料砂糖戾稅法ヲ適用ス
第二十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
間接國稅犯則者處分法中改正法律案(政第一讀會
第二十一府提出)
間接國稅犯則者處分法中左ノ通改正ス
第十一條犯則事件ノ證憑集取ハ事件發見地ヲ所轄スル稅務監督局又ハ稅
務署ノ收稅官吏之ヲ爲ス
稅務監督局收稅官吏ノ集取シタル證憑ハ之ヲ所轄稅務署收稅官吏ニ引繼
クヘシ
同一犯則事件ニ付數箇所ニ於テ發見セラレタル時ハ各發見地ニ於テ集取
セラレタル證憑ハ之ヲ最初ノ發見地所轄稅務署ノ收稅官吏ニ引繼クヘシ」
第十二條中「所屬稅務署」ヲ「所屬稅務監督局又ハ所屬稅務署」ニ「他ノ稅務
署」ヲ「他ノ稅務監督局又ハ稅務署」ニ改ム
第七條第十三條第十四條第十七條第十九條中「稅務管理局長」ヲ「稅務署長」
三段人
第二十二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第二十三地租徵收ニ關スル法律案(政府提出)第一讀會
第一條地租ヲ課スル土地ニシテ納期開始前ニ地租ヲ課セサル土地トナリ
タルトキハ其ノ納期ヨリ地租ヲ徵收セス
地租ヲ課セサル土地ニシテ納期開始前ニ地租ヲ課スル土地トナリタルト
キハ其ノ納期ヨリ地租ヲ徵收ス但シ地租ヲ課セサル土地ニシテ其ノ年經
過後田地トナリタルトキハ其ノ年分地租ノ翌年ニ於ケル納期ニ於テハ地
租ヲ徵收セス
第二條地租ハ各納稅人ニ付同一市町村內ニ於ケル同一地目ノ地價合計額
ニ依リ之ヲ算出スヘシ
前項ノ場合ニ於テ地目ヲ異ニスルモ地租ノ納期ヲ同フスル土地ハ之ヲ同
一地目ノ土地ト看做スコトヲ得
第三條市町村ハ地租ノ納期每ニ其ノ開始前十五日マテニ地價及地租ノ總
額竝ニ其ノ各納期ニ於ケル納額ヲ所轄收稅官廳ニ報告スヘシ但シ前報告
後異動ナキトキハ此ノ限ニ在ラス
納期開始前十五日ヨリ納期開始マテニ地租額ニ異動ヲ生シタルトキハ其
ノ異動額ヲ所轄收稅官廳ニ報告スヘシ
第四條市町村以外ノ公共團體又ハ戶長カ地租ヲ徵收スヘキ場合ニ於テハ
前二條ノ規定ヲ準用ス
第五條大藏大臣ハ隨時稅務署長又ハ其ノ代理官ヲシテ市町村其ノ他ノ公
共團體又ハ戶長役場ニ於ケル國稅諸帳簿ノ整否ヲ監督セシムヘシ
附則
第六條本法ハ明治三十七年分地租ヨリ之ヲ適用ス
第二十四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第二十五沖繩縣滯納舊租延納法案(政府提出)第一讀會
沖繩縣滯納舊租延納法
沖繩縣ニ於ケル明治三十五年以前ノ地租ニシテ非常特別稅法施行ノ際滯納
ニ係ルモノハ同法施行中其ノ徵收ヲ爲サス
前項ノ地租ハ非常特別稅法廢止ノ年ノ翌年ヨリ十年間ニ平分シテ之ヲ徵收
ス
第二十六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=53
-
054・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 政府ノ說明ヲ略セラレマシテ、是ハ四十五名ノ委員ニ
付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=54
-
055・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ、御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=55
-
056・松田正久
○議長(松田正久君) 御異議ガナケレバ其ノ通決シマス議事日程第二十七ノ第一
讀會ヲ開キマス、朗讀ヲ省略致シマス
第二十七煙草專賣法案(政府提出)第一讀會
煙草專賣法
第一條煙草ノ製造ハ政府ニ專屬ス
第二條煙草ハ政府及政府ノ命ヲ受ケタル者ニ非サレハ之ヲ輸入スルコト
ヲ得ス
第三條煙草ハ政府ノ許可ヲ受ケタル者ニ非サレハ之ヲ耕作スルコトヲ得
ス
第四條煙草耕作者ノ收穫シタル葉煙草ハ政府之ヲ收納ス
第五條煙草ノ耕作區域ハ政府之ヲ定ム
第六條政府ハ每年耕作スヘキ煙草ノ種類、耕作段別及葉煙草ノ賠償價格
ヲ定メ豫メ之ヲ公示ス
第七條煙草ヲ耕作セムトスル者ハ每年煙草苗床ノ位置及坪數、煙草耕作
地ノ位置及段別、煙草ノ種類、本數、乾燥場及藏置場ヲ定メ政府ニ申請シ
許可ヲ受クヘシ其ノ之ヲ變更シ又ハ耕作ヲ廢止セムトスルトキ亦同シ
第八條相續ニ因ルノ外煙草ノ耕作ヲ承繼セムトスルトキハ政府ノ許可ヲ
受クヘシ
相續ニ因リ煙草ノ耕作ヲ承繼シタルトキハ政府ニ屆出ツヘシ
第九條煙草耕作者ニ非サレハ煙草苗ヲ育成スルコトヲ得ス
煙草苗ノ讓渡及讓受ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クヘシ
第十條煙草耕作者ハ政府ノ定ムル方法及手續ニ依リ其ノ耕作ヲ完成スル
義務ヲ負フ
第十一條政府ハ收穫前ニ於テ葉煙草ノ收穫量目又ハ葉數ヲ査定ス
前項査定ノ場合ニ於テハ煙草耕作者ハ之ニ立會フヘシ若シ立會ハサルト
キハ其ノ査定ニ對シ異議ヲ申立ツルコトヲ得ス
第十二條煙草耕作者前條ノ量目〓ハハ葉數ノ査定ニ不服ナルトキハ卽時異
議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
異議ノ申立アリタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ二人以上ノ鑑定人ヲ選
定シ其ノ意見ヲ徵シ政府之ヲ決定ス
異議申立人ノ主張ニ係ル葉煙草ノ量目又ハ葉數ト前項決定額トノ差カ前
條ノ査定額ト前項決定額トノ差ヨリ大ナルトキハ鑑定ニ關スル費用ハ異
議申立人ノ負擔トス
第十三條煙草耕作者ハ政府ノ許可ヲ受クルニ非サレハ第十一條ノ査定前
ニ於テ葉煙草ヲ採取シ又ハ幹根ヲ拔除スルコトヲ得ス第十二條ニ依リ異
議ノ申立ヲ爲シタル者其ノ決定前ニ於テ亦同シ
第十四條煙草耕作者一番葉ノ收穫ヲ終リタルトキハ直ニ其ノ幹根ヲ拔除
シ其ノ幹ニ附著スル葉煙草ハ之ヲ廢棄スヘシ
種子ノ採取又ハ二番葉ノ收穫ヲ爲サムトスル者ハ政府ノ許可ヲ受クヘシ」
前項ノ場合ニ於テ採取又ハ收穫ヲ終リタルトキハ第一項ノ處置ヲ爲スヘ
第十五條煙草耕作者ノ收穫シタル葉煙草ハ乾燥調理ノ後政府ニ納付スヘ
シ
納付ノ期日及場所ハ政府之ヲ定ム
煙草耕作者ノ收穫シタル葉煙草ニシテ政府ノ收納ニ適セサルモノハ政府
ノ承認ヲ經テ之ヲ廢棄スヘシ
第十六條煙草耕作者ノ納付シタル葉煙草ハ鑑定人ヲシテ之ヲ鑑定セシメ
其ノ等級ニ依リ賠償金ヲ交付ス
煙草耕作者前項ノ鑑定ニ不服ナルトキハ再鑑定ヲボムルコトヲ得但シ賠
償金ノ請求ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
再鑑定申立人ノ主張ニ係ル葉煙草ノ等級ト再鑑定等級トノ差カ第一項ノ
鑑定等級ト再鑑定等級トノ差ヨリ大ナルトキハ再鑑定ニ關スル費用ハ其
ノ申立人ノ負擔トス
再鑑定ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條煙草耕作者正當ノ事由ナクシテ政府ノ査定若ハ決定シタル量目
又ハ葉數以上ノ葉煙草ヲ納付セサルトキハ政府ハ其ノ不足額ニ對シ第十
八條第二項ノ規定ニ準シテ算定シタル金額ノ三倍以下ヲ納付セシムルコ
トヲ得
第十八條煙草耕作者私ニ耕作段別ヲ減少シ又ハ耕作ヲ廢止シタルトキハ
政府ハ其ノ減作地又ハ廢作地ニ生產スヘキ葉煙草ノ價格ニ相當スル金額
ヲ納付セシムルコトヲ得
前項葉煙草ノ價格ハ其ノ年ニ於ケル近傍類似煙草耕作地ノ葉煙草生產額
及之ニ對スル倍償金額ヲ標準トシ之ヲ算定ス
第十九條煙草耕作者其ノ耕作段別ヲ減少シ又ハ耕作ヲ廢止シタル場合ニ
於テ其ノ耕作ヲ承繼スル者ナキトキハ政府ハ其ノ現存スル煙草又ハ煙草
苗ヲ廢棄セシムルコトヲ得
第二十條煙草耕作者ノ葉煙草ハ其ノ耕作地、乾燥場、藏置場又ハ其ノ收納
官署ノ外他ニ之ヲ運送スルコトヲ得ス
政府ハ必要ト認ムルトキハ葉煙草運送ノ通路及時間ヲ指定スルコトヲ得
第二十一條公共團體又ハ私人ニ於テ試作場ヲ特設シ煙草ノ試作ヲ爲サム
トスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クヘ
前項ノ試作ニ關シテハ第四條、第七條、第九條、第十五條、第十六條第一項及
第十九條ノ規定ヲ準用ス
第二十二條製造煙草ハ政府又ハ政府ノ指定シタル煙草元賣捌人若ハ煙草
小賣人ニ非サレハ之ヲ販賣スルコトヲ得ス
煙草賣捌人及煙草ノ販賣ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十三條煙草小賣人ハ政府ノ定メタル價格ヲ以テスルニ非サレハ製造
煙草ヲ消費者ニ販賣スルコトヲ得ス
第二十四條煙草賣捌人ハ政府ノ封緘ヲ施シタル製造煙草ノ包裹ヲ開披シ
若ハ之ヲ改裝シ又ハ包裏ノ破損シタル製造煙草ヲ販賣スルコトヲ得ス
第二十五條輸出ノ爲葉煙草又ハ製造煙草ノ賣渡ヲ請求スル者アルトキハ
政府ハ特ニ定メタル價格ヲ以テ之ヲ賣渡スコトヲ得
前項煙草ノ賣渡ヲ受ケタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ帳簿ヲ調製シ其ノ
營業ニ關スル事項ヲ記載スヘシ
輸出ニ供スル煙草ヲ製造セムトスル者ノ爲政府ハ一定ノ地域ニ於テ煙草
自由倉庫ヲ設置シ又ハ其ノ設置ヲ特許スルコトヲ得
煙草自由倉庫及其ノ特許ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十六條前條ニ依り輸出ノ爲葉煙草又ハ製造煙草ヲ買受ケタル者ハ政
府ノ指定シタル期間內ニ輸出免狀ニ外國仕向港ニ陸揚ヲ爲シタルコトヲ
證スヘキ書類ヲ添ヘ政府ニ差出スヘシ
正當ノ事由ナクシテ前項ノ免狀及書類ヲ差出ササルトキハ政府ハ葉煙草
ニ付テハ第二十九條製造煙草ニ付テハ第三十條ノ規定ニ依リ相當金額ヲ
納付セシム
第二十七條輸出ノ爲政府ヨリ買受ケタル葉煙草又ハ製造煙草ハ輸出前之
ヲ他ニ讓渡シ又ハ消費スルコトヲ得ス但シ其ノ使用ニ適セサルニ至リタ
ルモノハ政府ノ許可ヲ受ケテ之ヲ廢棄スルコトヲ得
第二十八條輸出ノ爲政府ヨリ買受ケタル葉煙草又ハ製造煙草ノ輸出ヲ廢
止シタルトキ又ハ買受ノ日ヨリ一箇年ヲ過キ之ヲ輸出セサルトキハ其ノ
使用ニ適スルモノニ限リ政府之ヲ收納シ其ノ他ハ之ヲ廢棄セシム
前項ノ收納ヲ爲ストキハ鑑定人ヲシテ鑑定セシメ賠償金ヲ交付ス但シ其
ノ賠償金ハ第二十五條ニ依ル賣渡價格ニ超過スルコトヲ得ス
第二十九條本法ノ規定ニ依リ輸出シ、廢棄シ及收納セラレタル葉煙草竝
現在葉煙草ノ總量目カ政府ヨリ買受ケタル葉煙草ノ總量目ニ比シ正當ノ
事由ナクシテ不足シタルトキハ政府ハ輸出者ヲシテ其ノ不足額ニ對シ第
二十五條ノ賣渡價格ニ相當スル金額ノ四倍以下ヲ納付セシム
第三十條本法ノ規定ニ依リ輸出シ、廢棄シ及收納セラレタル製造煙草
竝現在製造煙草ノ總量目カ政府ヨリ買受ケタル製造煙草ノ總量目ニ比シ
正當ノ事由ナクシテ不足シタルトキハ政府ハ輸出者ヲシテ其ノ不足額ニ
對シ第二十三條ノ賣渡價格ト第二十五條ノ賣渡價格トノ差額ニ相當スル
金額ノ二倍以下ヲ納付セシム
第三十一條政府ハ標本ニ供スルモノニ限リ葉煙草ヲ交付シ又ハ煙草ノ輸
入ヲ許可スルコトヲ得
標本ニ供スル煙草ハ政府ノ許可ヲ受ケ標本トシテ他ニ讓渡シ又ハ試驗ノ
用ニ供シ又ハ廢棄スルノ外之ヲ處分スルコトヲ得ス
第三十二條健康上若ハ習慣上缺クヘカラサル製造煙草ハ自用ニ供スルモ
ノニ限リ自用者ニ於テ政府ノ許可ヲ受ケ之ヲ輸入スルコトヲ得
第三十三條輸出ノ爲買受ケタル煙草ハ政府ノ許可ヲ受ケタル場所ニ非サ
レハ之ヲ藏置スルコトヲ得ス
第三十四條何人ト雖本法ニ於テ認メタル場合ノ外葉煙草、政府ノ證票ヲ
附セサル製造煙草又ハ煙草製造專用ノ器具機械及卷紙ヲ所持シ、讓渡シ
若ハ讓受クルコトヲ得ス
前項ノ物件ハ本法ニ依リ沒收スル場合ノ外政府ニ於テ之ヲ處分ス
第三十五條何人ト雖營業ノ目的ヲ以テ煙草ニ代用スヘキ物品ヲ製造シ又
ハ販賣スルコトヲ得ス
第三十六條煙草製造專用ノ器具機械及卷紙ハ政府ノ許可ヲ受ケタル者ニ
非サレハ之ヲ製作シ、販賣シ又ハ藏置スルコトヲ得ス
第三十七條煙草耕作者、試作者又ハ煙草製造專用ノ器具機械及卷紙ノ製
作者、販賣者若ハ藏置者本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル
トキハ政府ハ耕作、試作、藏置又ハ營業ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第三十八條政府ハ煙草ノ苗床、耕作地、試作地、乾燥場、藏置場又ハ煙草
苗、煙草若ハ煙草製造器具機械及卷紙ノ所在ト認ムル場所又ハ煙草苗、煙
草若ハ煙草製造器具機械及卷紙ヲ檢査シ又ハ監督上必要ノ處分ヲ爲スコ
トヲ得
當該官吏ハ前項ノ檢査ニ際シ必要ト認ムルトキハ關係人ヲシテ之ニ立會
ハシムルコトヲ得
第三十九條行政執行ノ手續ニ依リ費用ヲ納付セシムル場合ニ於テ義務者
ニ交付スヘキ金額アルトキハ之ヲ差引スルコトヲ得
第四十條本法ノ規定ニ依り納付セシムヘキ金額ノ徵收ニ關シテハ國稅
徵故法ノ規定ヲ準用スルコトヲ得
第四十一條第三條又ハ第九條第一項ニ違反シタル者ハ十圓以上五百圓以
下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル煙草又ハ煙草苗ハ之ヲ沒收ス許可ヲ受ケ
スシテ試作ヲ爲シタル者亦同シ
第四十二條煙草耕作者許可ヲ受ケサル土地ニ煙草ヲ耕作シ若ハ煙草苗ヲ
育成シ又ハ許可ヲ受ケサル種類ノ煙草ヲ耕作シ又ハ許可ヲ受ケスシテ煙
草苗ヲ讓渡シ若ハ讓受ケタルトキハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ
犯罪ニ係ル煙草又ハ煙草苗ハ之ヲ沒收ス
第四十三條煙草耕作者許可ヲ受ケサル場所ニ葉煙草ヲ乾燥シ又ハ藏置シ
タルトキハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル葉煙草ハ之ヲ
沒收ス
情ヲ知リテ前項ノ場所ヲ供與シタル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十四條第十三條ニ違反シタル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ其
ノ犯罪ニ係ル葉煙草ハ之ヲ沒收ス
第四十五條第十四條及第十九條ニ依リ葉煙草ヲ廢棄スヘキ者其ノ葉煙草
ヲ收穫シ又ハ種子ヲ採取シタルトキハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ其
ノ犯罪ニ係ル葉煙草又ハ種子ハ之ヲ沒收ス
第四十六條天災其ノ他避クヘカラサル事變ニ依ルニ非スシテ第二十條第
一項ニ違反シ又ハ政府ノ指定シタル通路若ハ時間ニ依ラスシテ葉煙草ヲ
運送シタル者ハ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル葉煙草
ハ沒收ス
第四十七條煙草耕作者正當ノ事由ナクシテ政府ノ指定シタル納付期日ニ
葉煙草ヲ納付セサルトキハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十八條政府ニ納付スヘキ葉煙草ヲ他ニ讓渡シ又ハ消費シ又ハ隱蔽シ
タル者ハ十圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル葉煙草ハ之ヲ
沒收ス之ヲ讓受ケタル者亦同シ
情ヲ知リテ葉煙草隱蔽ノ場所ヲ供與シタル者ハ十圓以上五百圓以下ノ罰
金ニ處ス
第四十九條煙草賣捌人ニ非スシテ製造煙草ヲ販賣シ又ハ販賣ノ準備ヲ爲
シタル者ハ十圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル製造煙草ハ
之ヲ沒收ス
第五十條第二十三條又ハ第二十四條ニ違反シタル者ハ五圓以上三百圓
以下ノ罰金ニ處ス
第五十一條煙草輸出者帳簿ヲ調製セス又ハ其ノ記載ヲ怠リ若ハ不正ノ記
載ヲ爲シタルトキハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十二條第二十七條ニ違反シタル者ハ三十圓以上千圓以下ノ罰金ニ處
シ其ノ犯罪ニ係ル煙草ハ之ヲ沒收ス之ヲ讓受ケタル者亦同シ
第五十三條第三十一條第二項ニ違反シタル者ハ二圓以上二十圓以下ノ罰
金ニ處ス其ノ煙草ヲ讓受ケタル者亦同シ
第五十四條第三十二條ニ依リ輸入シタル煙草ヲ他ニ讓渡シタル者ハ五圓
以上百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル煙草ハ之ヲ沒收ス
第五十五條第三十三條ニ違反シタル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
情ヲ知リテ藏置ノ場所ヲ供與シタル者亦同シ
第五十六條許可ヲ受ケサル者ノ耕作若ハ試作シタル葉煙草又ハ煙草耕作
者、試作者ニ非サル者ノ育成シタル煙草苗又ハ權利者ノ不明ナル葉煙草
若ハ煙草苗ヲ所持スル者ハ十圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ
係ル葉煙草若ハ煙草苗ハ之ヲ沒收ス
第五十七條第三十四條第一項ニ違反シテ製造煙草ヲ所持シ、讓渡シ又ハ
讓受ケタル者ハ煙草賣捌人ニ在リテハ百圓以上千圓以下ノ罰金ニ處シ其
ノ他ノ者ニ在リテハ十圓以上三百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル製
造煙草ハ之ヲ沒收ス
第五十八條私ニ煙草ヲ製造シ又ハ製造ノ準備ヲ爲シタル者ハ百圓以上千
圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル煙草及煙草製造器具機械及卷紙ハ之
ヲ沒收ス
第五十九條第三十五條ニ違反シタル者ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ
其ノ犯罪ニ係ル物品竝其ノ原料、製造器具機械及卷紙ハ之ヲ沒收ス
第六十條第三十六條ニ違反シタル者又ハ權利者不明ノ煙草製造專用ノ
器具機械及卷紙ヲ所持シタル者ハ三十圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處シ其
ノ犯罪ニ係ル煙草製造專用ノ器具機械及卷紙ハ之ヲ沒收ス
第六十一條本法ノ犯罪ニ係ル物件ヲ他ニ讓渡シ若ハ消費シタルトキ又ハ
其ノ物件ニシテ他ニ所有者アル爲沒收スルコトヲ得サルトキハ其ノ價格
ニ相當スル金額ヲ追徵ス
第六十二條當該官吏ノ尋問ニ對シ虛僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ當該官吏ノ職務
執行ヲ拒ミ又ハ之ヲ忌避シ又ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ十圓以上百圓以
下ノ罰金ニ處ス其ノ刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第六十三條煙草耕作者、試作者、煙草賣捌人、煙草製造專用ノ器具機械及卷
紙ノ製作者、販賣者若ハ藏置者又ハ煙草輸出者カ未成年者又ハ禁治產者
ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ之ニ適用スヘ
キ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能
力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第六十四條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者ニハ刑法ノ
減輕、再犯加重及數罪倶發ノ例ヲ用井ス
第六十五條煙草耕作者、試作者、煙草賣捌人、煙草製造專用ノ器具機械及卷
紙ノ製作者、販賣者若ハ藏置者又ハ煙草輸出者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同
居者、雇人、其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ
發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ處罰ヲ
免カルルコトヲ得ス
第六十六條明治三十三年法律第五十二號ノ規定ハ本法又ハ本法ニ基キテ
發スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
第六十七條間接國稅犯則者處分法ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ
違反事件ニ之ヲ準用ス但シ同法ニ定メタル職務ヲ行フ官吏ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
附則
第六十八條本法ハ明治三十七年七月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第二十二條
第二項及第七十三條ハ本法發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ノ際ニ於ケル煙草製造業者ハ明治三十八年三月三十一日迄刻煙
草ノ製造ニ限リ其ノ營業ヲ繼續スルコトヲ得
前項刻煙草ノ製造及其ノ原料ニ供スル葉煙草ノ賣買ニ關シテハ明治三十
八年三月三十一日迄本法ノ規定ヲ適用セス仍葉煙草專賣法ヲ適用ス
第六十九條本法施行ノ際ニ於ケル葉煙草耕作者ハ本法ニ依ル煙草耕作者
ト看做ス
第七十條左記ノ物件ハ政府之ヲ徵收シ之ニ對シ補償金ヲ交付ス
一明治三十七年六月三十日ニ現在スル煙草製造專用ノ器具機械及卷紙
但シ刻煙草製造專用ノモノヲ除ク
二明治三十八年三月三十一日ニ現在スル刻煙草製造專用ノ器具機械
三明治三十八年三月三十一日ニ現在スル葉煙草
第七十一條本法施行ノ際政府ノ保管ニ係ル輸出葉煙草ニ關シテハ本法施
行後ト雖仍葉煙草專賣法ヲ適用ス
第七十二條明治三十七年六月三十日ニ現在スル刻煙草以外ノ煙草製造業
者ノ所有ニ係ル葉煙草ハ明治三十八年三月三十一日迄ハ刻煙草製造業者
若ハ葉煙草賣買業者ニ限リ之ヲ讓渡シ又ハ之ヲ所有スルコトヲ得但シ外
國產葉煙草ニ限リ明治三十七年七月二十日迄ニ其ノ買上ヲ政府ニ請求ス
ルコトヲ得
第七十三條本法發布ノ際ニ現在スル煙草製造用ノ建物、其ノ敷地及其ノ
製造場備附ノ煙草製造用ノ器具機械ハ政府ニ於テ之ヲ徵收スルコトヲ得
此ノ場合ニ於テハ之ニ對シ補償金ヲ交付ス
政府ハ本法發布ノ後煙草製造業者ノ營業場ニ就キ前項ニ依リ徵收スヘキ
物件ヲ調査シ徵收目錄ヲ調成ス
徵收目錄ハ本法發布後六十日以內ニ之ヲ所有者ニ告知ス
前項ノ告知後ハ所有者ハ政府ノ承認ヲ受クルニ非サレハ徵收目錄ニ記載
シタル物件ヲ處分スルコトヲ得ス
第七十四條煙草製造業者ノ所有ニ係ル煙草ノ製造及裝置ニ使用スヘキ物
件竝其ノ現ニ使用スル煙草製造及裝置用器具機械ニシテ第七十條ノ規定
ニ該當セサルモノハ其ノ買上ヲ政府ニ請求スルコトヲ得但シ刻煙草以外
ノ煙草製造業者ニ在リテハ明治三十七年六月三十日ニ現在スルモノニ限
リ刻煙草製造業者ニ在リテハ明治三十八年三月三十一日ニ現在スルモノ
三課税
前項ニ依リ買上ヲ請求シ得ヘキ物件ノ種類數量竝器具機械ノ種類ハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第七十五條政府ハ煙草製造業者ニ對シ其ノ請求ニ依リ其ノ煙草製造營業
ヨリ生スル所得金額ノ三箇年分ニ相當スル金額ヲ交付ス但シ煙草製造用
ノ建物及其ノ敷地ヲ所有スル者ニシテ其ノ建物及敷地ノ全部ノ徵收又ハ
買上ヲ受ケサルモノニ對シテハ尙所得金ノ一箇年分ニ相當スル金額ノ二
分ノ一ヲ增給ス
煙草製造業者ニシテ煙草元賣捌人ニ指定セラレタルモノニ對シテハ前項
ノ規定ヲ適用セス
第一項ノ所得金額ハ明治三十四年ヨリ明治三十六年ニ至ル三箇年間所得
ノ平均高ニ依リ明治三十四年二月以後ニ其ノ營業ヲ開始シタル者ハ明
治三十五年ヨリ明治三十六年ニ至ル二箇年間所得ノ平均高ニ依リ、明治
三十五年二月以後ニ其ノ營業ヲ開始シタル者ハ明治三十六年ノ所得高ニ
依 ん
第一項ニ煙草製造業者トアルハ刻煙草以外ノ煙草製造業者ニ在リテハ明
治三十六年一月三十一日以前ヨリ明治三十七年六月三十日ニ至ル迄、刻
煙草製造業者ニ在リテハ明治三十六年一月三十一日以前ヨリ明治三十八
年三月三十一日ニ至ル迄其ノ營業ヲ繼續シタルモノニ限ル但シ家督相續
人カ被相續人ノ營ミタル煙草製造業ヲ繼續シタル場合ニ於テ被相續人ノ
營業期間ハ家督相續人ノ營業期間ト看做ス
第七十六條第七十五條第一項ノ所得金額ハ所得稅法ニ依リ決定シタル所
得金額ニ依ル
所得稅法ニ依リ決定シタル所得金額中煙草製造營業以外ヨリ生シタル所
得ヲ包含スルトキハ政府ハ所得金額決定ノ參考ニ供シタル書類其ノ他政
府ニ於テ確實ナリト認ムル書類ニ依リ其ノ煙草製造營業ヨリ生スル所得
金額ヲ決定ス但シ其ノ金額ハ所得稅法ニ依リ決定シタル所得金額ニ超過
スルコトヲ得ス
前項ニ依リ決定セラレタル所得金額カ二百圓未滿ナル者及所得稅ヲ課セ
ラレサル煙草製造業者ニ付テハ第七十五條第一項ノ交付金額ハ六百圓ト
ス
明治三十六年十月以後ノ所得ノ追加申告及所得稅法第四十六條ノ自首ニ
係ル所得金額ハ第七十五條第一項ノ所得金額中ニ加ヘス
第七十七條第七十條、第七十三條ノ補償價格及第七十二條、第七十四條ノ
買上價格ハ協議ニ依リ之ヲ定ム協議整ハサルトキハ鑑定人ノ意見ヲ徵シ
政府之ヲ決定ス
前項ノ決定ニ對シ不服アル者ハ十日以内ニ其ノ申立ヲ爲スコトヲ得此ノ
場合ニ於テハ政府ハ更ニ鑑定人ノ意見ヲ徵シ之ヲ裁定ス
鑑定人ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十八條第七十條第一號ノ物件ヲ所有スル者ハ明治三十七年七月五日
迄ニ同條第二號ノ物件ヲ所有スル者ハ明治三十八年四月五日迄ニ其ノ
種類數量ヲ政府ニ申告スハシ此ノ期限ヲ過キ申告ヲ爲ササルトキハ其ノ
物件ノ藏置ニ關シテハ第三十六條及第六十條ヲ適用ス
前項ニ依リ申告ヲ爲シタル物件ノ藏置ニ關シテハ之カ徵收ヲ終ル迄第三
十六條ヲ適用セス
第七十九條第七十條第三號ノ物件ヲ所有スル者ハ明治三十八年四月五日
迄ニ其ノ種類數量ヲ政府ニ申告スヘシ此ノ期限ヲ過キ申告ヲ爲ササルト
キハ其ノ物件ノ藏置ニ關シテハ第五十六條ノ例ニ依リ處分ス
第八十條第七十四條ニ依ル物件買上ノ請求ハ刻煙草以外ノ煙草製造業
者ニ在リテハ明治三十七年七月五日迄ニ、刻煙草製造業者ニ在リテハ明
治三十八年四月五日迄ニ之ヲ爲スヘシ
第八十一條第七十五條ニ依ル交付金ノ請求ハ刻煙草以外ノ煙草製造業者
ニ在リテハ明治三十七年九月三十日迄ニ刻煙草製造業者ニ在リテハ明
治三十八年六月三十日迄ニ之ヲ爲スヘシ
第八十二條本法施行ノ際現在スル製造煙草又ハ刻煙草製造業者ノ明治三
十八年三月三十一日迄ニ製造シタル刻煙草ハ本法ノ規定ニ依ラス之ヲ所
持シ、讓渡シ又ハ讓受クルコトヲ得
政府ハ必要ト認メタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ製造煙草ニ包
裏ヲ施サシメ竝一定ノ證票ヲ貼付セシムルコトヲ得
前項ニ依ル命令ニ違反シ包裹ヲ施サス又ハ證票ヲ貼附セサル製造煙草ニ
關シテハ第三十四條及第五十七條ヲ準用ス
第八十三條煙草製造業者又ハ製造煙草ヲ販賣スル者ハ明治三十七年六月
三十日ニ於テ現ニ其ノ所持ニ係ル刻煙草以外ノ製造煙草ノ種類數量ヲ明
治三十七年七月十日迄ニ政府ニ申〓スヘシ
刻煙草製造業者ハ明治三十八年三月三十一日ニ於テ現ニ其ノ所持ニ係ル
刻煙草ノ種類數量ヲ翌月十日迄ニ政府ニ申告スヘシ
第八十四條本法施行後政府ノ賣渡ササル製造煙草ヲ販賣スル者ハ營業ニ
關スル帳簿ヲ調製シ明治三十七年七月以後每月末日ニ於ケル製造煙草ノ
種類數量及其ノ月ノ受拂高ヲ翌月五日迄ニ政府ニ申告スヘシ
第八十五條第八十三條及第八十四條ノ規定ニ違反シタル者ハ二圓以上二
十圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十六條葉煙草專賣法ニ違反シタル者ニハ本法施行後ト雖仍同法ヲ適
用ス
第八十七條本法ハ勅令ヲ以テ指定シタル島嶼ニハ之ヲ施行セス
本法ヲ施行セサル地ト本法施行地トノ間ニ於ケル煙草ノ移入移出ニ關シ
テハ別ニ命令ヲ以テ之ヲ定ム
政府ノ外本法ヲ施行セサル地ヨリ煙草ヲ本法施行地ニ移入スルコトヲ得
ス犯シタル者ハ十圓以上千圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル煙草ハ之
ヲ沒收ス
第八十八條明治三十八年ニ於テハ煙草製造業者及葉煙草賣買業者ニ係ル
免許料ハ之ヲ徵收セス
明治三十七年ニ於ケル刻煙草以外ノ製造業者ニ係ル免許料ハ其ノ十二分
ノ六ヲ還付ス
第八十九條第七十條、第七十三條ノ補償金、第七十二條、第七十四條ノ買
上金及第七十五條ノ交付金ニ充ツル爲政府ハ國庫債劵ヲ發行スルコトヲ
得
第七十五條ノ交付金ハ國庫債券ヲ以テ之ヲ給付ス但シ五十圓未滿ノ端數
ハ現金ヲ以テ之ヲ給付ス
第七十條、第七十三條ノ補償金及第七十二條、第七十四條ノ買上金ハ本
人ノ請求ニ依リ國庫債券ヲ以テ給付スルコトアルヘシ
國庫債券ニ對シテハ一箇年百分ノ五ノ利子ヲ附シ發行ノ年ヨリ七箇年以
內ニ之ヲ償還ス
國庫債券ニ關シテハ本條ニ規定スルモノノ外整理公債條例ニ準據ス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=56
-
057・松田正久
○議長(松田正久君) 御質問ガナケレバ第二十八ニ移リマス
第二十八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=57
-
058・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是ハ煙草問題デアリマスガ、二十七名ノ特別委員ヲ、
議長カラ指名セラレンコトヲ望ミマス
〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=58
-
059・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議デ、二十七名ノ議長指名ノ委員ニ付託スルト
云フコトニ御異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=59
-
060・松田正久
○議長(松田正久君) 御異議ガナケレバ其通決定致シマスー議事日程第二十九
臺灣事業公債法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ヲ省略致シマス
第二十九臺灣事業公債法中改正法律案(政府提出)第一讀會
臺灣事業公債法中左ノ通改正ス
第一條中「三千五百萬圓」ヲ「四千百萬圓」ニ改メ左ノ一號ヲ加フ
五大租權整理
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=60
-
061・松田正久
○議長(松田正久君) 御質問ガナケレバ第三十委員ノ選舉ニ移リマス
第三十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=61
-
062・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是ハ九名ノ特別委員ヲ、議長カラ指名ヲ願ヒマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=62
-
063・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ御異議ガナケレバ其通決定致シマス、議事日
程ノ第三十一ニ移リマス、朗讀ハ省略致シマス
第三十一渡良瀨川沿岸地方特別地價修正法律案第一讀會
(政府提出)
第一條栃木縣足利郡、安蘇郡、下都賀郡、群馬縣山田郡、新田郡、邑樂郡、茨
城縣猿島郡、埼玉縣北埼玉郡ニ於ケル田烟ニシテ銅分ノ爲土壤變質シタ
ルモノハ本法ニ依リ其ノ地價ヲ修正ス
筆庫前條ノ土地ニ付テハ被害ノ情況ニ依リ政府ノ定メタル等級ニ從ヒ
左ノ割合ヲ以テ現在地價ヲ低減シテ其ノ地價ヲ修正ス
一等八割
二等六割
四五割
割五分
四割
十九八七六五四三等等等等等等等等三割五分
三割
二割五分
二割
一割五分
附則
本法ニ依リ修正シタル地價ハ明治三十七年分以後ノ地租ニ付之ヲ適用ス但
シ免租年期ヲ有スル土地ニ付テハ免租年期明ニ至リ之ヲ適用ス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=63
-
064・松田正久
○議長(松田正久君) 御質問ガナケレバ第三十一一ノ日程ニ移リマス
第三十二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=64
-
065・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是モ九名ノ特別委員ヲ、議長カラ指名ヲ願ヒマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=65
-
066・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ是モ議長指名ノ、九名ノ委員ニ付託スルコトニ決シマ
ス-次ニ第三十三ノ日程ニ移リマス、朗讀ハ省略致シマス
第三十三記名ノ國債ヲ目的トスル質權ノ設定ニ關スル第一讀會
法律案(政府提出)
民法第三百六十四條第一項ノ規定ハ記名ノ國債ニハ之ヲ適用セス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=66
-
067・松田正久
○議長(松田正久君) 御質問ガナケレバ第三十四ノ日程ニ移リマス
第三十四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=67
-
068・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是モ九名ノ特別委員ヲ、議長カラ指名ニ願ヒマス
〔「異議ナシ」ト呼フモノアリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=68
-
069・松田正久
○議長(松田正久君) 是モ議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スルコトニ決定致シマス、
第三十五ノ日程ニ移リマス、議案朗讀ハ省略致シマス
第三十五貯蓄勸業債券法案(政府提出)第一讀會
貯蓄勸業債券法
第一條日本勸業銀行ハ大藏大臣ノ認可ヲ受ケ當分ノ內貯蓄勸業債劵ヲ發
行スルコトヲ得
第二條貯蓄勸業債券ハ無記名利札附ニシテ券面金額ヲ五圓以上トス
第三條貯蓄勸業債券ハ發行ノ翌年ヨリ二十箇年以內ニ每年一囘以上抽籤
ヲ以テ之ヲ償還スヘシ
貯蓄勸業債券ヲ償還スル場合ニハ割增金ヲ附與スルコトヲ得但シ其ノ方
法及金額ニ關シテハ大藏大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第四條貯蓄勸業債劵ニ附スヘキ利子ノ割合ハ一箇年百分ノ四以內トシ每
年一囘之ヲ仕拂フモノトス
第五條貯蓄勸業債券ニハ商法第百九十九條乃至第二百五條ヲ適用セス
第六條貯蓄勸業債券及其ノ引換證ニハ印紙稅ヲ免除ス
第七條日本勸業銀行ハ貯蓄勸業債券ノ募集金ヲ大藏省預金部ニ預入ルヘ
第八條貯蓄勸業債券ニハ日本勸業銀行法第四十條及第四十一條ヲ準用ス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=69
-
070・松田正久
○議長(松田正久君) 御質問ガナケレバ第三十六ニ移リマス
第三十六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=70
-
071・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是ハ勸業債劵云々デゴザイマセウガ、是ハ重大問題デ
スカラ、十八名ノ特別委員ヲ、議長指名ニ願ヒマス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=71
-
072・松田正久
○議長(松田正久君) 十八名ノ議長指名ノ委員ニ付託スコトニ御異議ガナケレバ、
右ノ如ク決定致シマス、第三十七ノ日程ニ移リマス、議案ノ朗讀ハ省略致シマス
第三十七明治三十六年勅令第二百九十一號(承諾ヲ求ムル件)
(政府提出)
勅令第二百九十一號
第一條軍備補充ニ要スル經費支辨ノ爲政府ハ一時借入金ヲ爲シ特別會計
ニ屬スル資金ヲ繰替使用シ及國庫債券ヲ發行スルコトヲ得
第二條京釜鐵道株式會社ノ線路工事速成ニ必要ナル資金ノ調達ニ便宜ヲ
與フル爲政府ハ同會社ノ發行スル債券ニ對シ元利仕拂ノ保證ヲ爲スコト
ヲ得
前項ニ依リ保證スヘキ債劵ハ額面一千萬圓ヲ限リ其ノ利子ハ一箇年六分
以下トシ其ノ元金ハ三箇年据置爾後五箇年以內ニ償還スヘキモノトス
第三條京釜鐵道株式會社ニ於テ工事ヲ速成スル爲特ニ要スヘキ費用ノ補
償トシテ政府ハ同會社ニ對シ百七十五萬圓ヲ補助スルコトヲ得但シ己ム
ヲ得サル事由ニ依リ其ノ金額ヲ以テ本項ノ費用ヲ償フコト能ハサル場合
ヲ生シタルトキハ仍四十五萬圓以內ヲ補助スルコトヲ得
前項補助金ヲ以テ補償スヘキ費用ノ支拂ニ關シテハ特ニ詳密ナル監督規
程ヲ設クルモノトス
第一項ニ依リ補助スヘキ百七十五萬圓ノ財源ニ充ツル爲政府ハ一時借入
金ヲ爲スコトヲ得
第四條第一條及第三條ノ場合ニ於テ一時借入金又ハ國庫債券ニ附スヘキ
利子ハ一箇年六分以下トシ償還期限ハ一時借入金ニ在リテハ二箇年以內、
國庫債券ニ在リテハ五箇年以內トス
國庫債券ニ關シテハ前項ニ規定スルモノノ外整理公債條例ヲ適用ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=72
-
073・松田正久
○議長(松田正久君) 御質問ガナケレバ第三十八ノ日程ニ移リマス
第三十八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=73
-
074・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是ハ第一ノ日程ノ委員ニ託セラレンコトヲ望ミマス
〔異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=74
-
075・松田正久
○議長(松田正久君) 第一ノ日程ノ委員ニ付託スルコトニ、御異議アリマセヌカ
〔異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=75
-
076・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ第一ノ委員ニ付託スルコトニ決定致シマス、第三十九
ノ日程ニ移リマス、議案ノ朗讀ハ省略致シマス
第三十九防禦海面令(承諾ヲ求ムル件)(政府提出)
勅令第十一號
防禦海面令
第一條海軍大臣ハ戰時又ハ事變ニ際シ區域ヲ限リテ本令ニ依ル防禦海面
ヲ指定スルコトヲ得其ノ指定及之カ解除ハ海軍大臣之ヲ告示ス
第二條緊急ノ必要アルトキハ鎭守府司令長官、要港部司令官ニ於テ前條
ノ指定ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ指定及之カ解除ハ鎭守府司令
長官、要港部司令官之ヲ告示ス
第三條防禦海面ニ於テハ日沒ヨリ日出迄陸海軍ニ屬スルモノヲ除クノ外
船舶ノ出入及通航ヲ禁ス
第四條防禦海面ニ屬スル軍港及要港ノ區域內ニ於テハ陸海軍ニ屬スルモ
ノヲ除タノ外船舶ノ出入及通航ヲ禁ス
第五條防禦海面ヲ出入若ハ通航シ又ハ之ニ碇泊スル船舶ハ其ノ一切ノ行
動ニ付所管鎭守府司令長官、要港部司令官ノ指示ニ遵フヘシ
第六條鎭守府司令長官、要港部司令官ハ必要ト認ムルトキハ防禦海面ニ
於ケル漁獵、採藻其ノ他軍事上障害トナルヘキ行爲ヲ禁止シ又ハ之ヲ制
限スルコトヲ得
第七條鎭守府司令長官、要港部司令官ハ適當ト認メタル船舶ニ對シ特ニ
本令ノ禁止又ハ制限ノ全部又ハ一部ヲ解クコトヲ得
第八條本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ違背シタル船舶ニ對シテハ航
路ヲ指定シテ防禦海面外ニ退去ヲ命スルコトヲ得
前項ノ命令ニ遵ハサルモノニ對シテハ必要ニ應シ兵力ヲ用ウルコトヲ得
第九條第三條乃至第五條ノ規定ニ違背シタルトキハ船舶ノ長又ハ其ノ職
務ヲ執レル者ヲ一年以下ノ重禁錮又ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十條第六條ノ禁止又ハ制限ニ違背シタル者ハ六月以下ノ重禁錮又ハ百
圓以下ノ罰金ニ處ス
附則
本令ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=76
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077・松田正久
○議長(松田正久君) 御質問ガナケレバ第四十ノ日程ニ移リマス
第四十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=77
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078・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 是ハ九名ノ特別委員ヲ願ヒマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=78
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079・松田正久
○議長(松田正久君) 九名ノ議長指名ノ委員ニ付託スルコトニ、御異議ガアリマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=79
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080・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ右ノ如ク決定致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=80
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081・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 四十一ヨリ四十四マテハ、一括トシテ第一ノ委員ニ託
セラレンコトヲ望ミマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル)
第四十一明治三十七年勅令第十九號(承諾ヲ求ムル件)
(政府提出)
勅令第十九號
第一條軍事郵便ノ取扱ヲ開始シタル場合ニ於テハ左ニ揭クルモノヲ軍事
郵便物ト爲スコトヲ得
一戰時又ハ事變ニ際シ戰地若ハ之ニ准スヘキ地ニ在リ又ハ該地ニ派遣
スル軍隊、軍艦、水雷艇、軍衙、軍人又ハ軍屬ヨリ發スル郵便物
二戰時又ハ事變ニ際シ戰地又ハ之ニ准スヘキ地ニ在ル者ニシテ當該軍
衙ノ許可ヲ得タル者ヨリ發スル郵便物
三前二號ニ揭クル者ニ宛テ發スル郵便物
第二條前條第一號及第二號ニ依ル軍事郵便物ハ其ノ料金ヲ免除ス
第三條第一條第三號ニ依ル軍事郵便物ハ料金完納ノモノニ限ル其ノ料金
未納又ハ不足ノモノハ差出人ニ還付シ不納額ノ二倍ヲ徵收ス
第四條軍事郵便物ニ關シテハ命令ヲ以テ制限ヲ設クルコトヲ得
第五條軍事郵便物取扱ニ關スル損害賠償ハ命令ヲ以テ之ヲ制限スルコト
ヲ得
第六條條約ニ依リテ取扱フ郵便物ニハ第二條乃至第五條ヲ適用セス
附則
本令ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治二十七年勅令第六十七號ハ之ヲ廢止ス
第四十二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第四十三臨時事件費豫算外支出ノ件(承諾ヲ求ムル件)(政府提出)
第四十四右議案ノ審査ヲ付記スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=81
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082・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ノ如ク、日程ノ四十一ト四十三ハ、第一ノ委
員ニ付託スルコトニ、御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=82
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083・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議ノ如ク決定ヲ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=83
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084・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百七十四番) 四十五ト四十六ハ、同一ノ決議案デゴザイマスカラ、
是ハ一括トシテ九名ノ特別委員ニ、直チニ付サレンコトヲ望ミマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕
第四十五決議案(福島宜三君外三名提出)
帝國ノ一タヒ露國ト干戈相見ルヤ我カ艦隊ノ向フ所連戰連捷敵勢日ニ挫
ケ國威方ニ揚ル是レ
叡聖支武天皇陛下ノ御稜威ニ依ルト雖抑〓亦將士諸君ノ忠君愛國ノ熱誠ニ
因ルニアラスムハアラス衆議院ハ玆ニ感謝ノ意ヲ表彰ス
第四十六決議案(原敬君外二名提出)
我カ勇烈猛銳ナル帝國海軍カ嚮フ所克捷ヲ奏シテ敵國ヲ震懾シ
皇威ヲ輝耀シ忽ニシテ海上ヲ攘掃スルノ殊勳ヲ樹テタルハ國民ノ深ク感荷
スル所ナリ衆議院ハ玆ニ之ヲ顯明シテ其ノ誠悃ノ意ヲ表ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=84
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085・松田正久
○議長(松田正久君) 第四十五第四十六ノ日程ハ、恆松君ノ動議ノ如ク、同一ノ
委員ニ付託スルコトニ決定シテ、御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=85
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086・松田正久
○議長(松田正久君)然ラバ恆松君ノ動議ノ如ク、同一ノ委員ニ付託スルコトニ決シマ
ス今ノ委員ノ氏名ヲ報告致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=86
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087・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) 御閑ノヤウデスカラ、チヨット私ハ述ベタイノデアル、御許シ
ニナリマセヌカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=87
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088・松田正久
○議長(松田正久君) 今ハイケマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=88
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089・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) 言論ヲアナタハ束縛ナサイマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=89
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090・松田正久
○議長(松田正久君) 今報告スル宣告ヲシテ居ル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=90
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091・神藤才一
○神藤才一君(六十七番) ソレヂヤ其後トデ述ベマセウ、甚ダ怪シカラヌ、此際ノコト
ダカラ十分ニ述ベナケレバナラヌコトガアル、今囘ノ議會ハ言論ヲ束縛ナサイマスカ、甚ダ
怪シカラヌコトデアル、譯ガ分ラヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=91
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092・松田正久
○議長(松田正久君) 諸君、今委員ノ氏名ヲ御報告致スコトヲ申シマシタガ、今〓
書中デアッテ、少シ間ニ合ハヌト云フコトデアリマスカラ、公報ヲ以テ御通知ヲスルコトニ致
シマス-次囘ノ議事日程ハ、公報ヲ以テ御通知ヲスルコトニ致シマス、今日ハ是ニテ
散會ヲ致シマス
午後二時三十七分〓會
衆議院議事速記錄第一號正誤
頁段行誤正頁段行誤正
三上四「木村半兵衞君」ノ下ニ「川島瀧藏同同三六治左衞門次左衞門
君」ノ五字ヲ加フ下五松之助松之輔
三上一一榮治榮次同同同二七月數
日數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002013242X00219040323&spkNum=92
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