1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治三十八年二月一日(水曜日)
午前十時九分開議
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議事日程 第八號 明治三十八年二月一日
午前十時開議
第一 侯爵徳川茂承君請暇の件
第二 鐵道抵當法案(政府提出) 第一讀會
第三 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第四 擔保附社債信託法案(政府提出) 第一讀會
第五 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第六 日本興業銀行法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第七 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第八 外國に於ける銀行事業に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第九 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十 明治三十八年度歳入歳出總豫算追加案(第二號)(政府提出衆議院送付) 會議(豫算委員長報告)
第十一 明治三十八年度各特別會計歳入歳出豫算追加案(特第一號)(政府提出衆議院送付) 會議(豫算委員長報告)
第十二 豫算外國庫の負擔となるへき契約を爲すを要する件(追第一號)(政府提出衆議院送付) 會議(豫算委員長報告)
第十三 耕地整理法中改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(特別委員長報告)
第十四 船舶法中改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(特別委員長報告)
第十五 船舶職員法中改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(特別委員長報告)
第十六 司法官試補實地修習期間減縮に關する法律案(政府提出) 第一讀會の續(特別委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=0
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001・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 本日ノ議事日程ニ移リマス前ニ諸君ニ御諮リヲ申
上ゲマスコトガゴザイマス········議長ハ少シ順序ヲ誤リマシタ、是ヨリ報告ヲ
致シマス
〔小原書記官朗讀〕
一去ル一月二十九日從三位勳三等長谷部辰連君、從五位勳五等高橋是〓君
貴族院令第一條四項ニ依リ貴族院議員ニ任セラレタリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=1
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002・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程ニ移リマス前ニ諸君ニ御諮リヲ致シマス
ガ、唯今御報告ヲ申上ゲマシタ兩君ノ部屬ノコトデアリマスガ、是マデハ缺
員ガアルト抽籤ヲ以テ新議員ヲ配付イタシマシタガ、此度ハ其順序ヲ省略イ
タシテ第四部ニ長谷部君、第九部ニ高橋君ヲ配付シテ御異存ハゴザイマセヌカ
「異議ナシ」ト呼ブ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=2
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003・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナケレバ左樣イタシマス、他ノ報告モ澤山
ゴザイマスガ、先例モゴザイマスカラ速記錄ニ揭ゲルコトニ致シテ、玆デハ報
告ハ省略スルコトニ致シマス、御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕
〔左ノ報告書ハ朗讀ヲ經ザルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス〕
一一月三十一日可決シタル左ノ政府提出案ハ卽日内閣總理大臣ヲ經由シテ
裁可ヲ奏請シ同時ニ可決ノ旨ヲ衆議院ニ通知セリ
明治三十五年法律第四十九號中改正法律案
郵便貯金法案
北海道官設鐵道用品資金會計法廢止法律案
又同日可決シタル左ノ政府提出案ハ卽日之ヲ衆議院ニ送付セリ
臺灣銀行ニ於テ發行スル銀行劵ノ僞造變造等ニ關スル法律案
一同日議決シタル議員橋本雄造君ニ係ル當選無效爭訟ノ判決ハ貴族院議員
資格及選擧爭訟判決規則第十一條ニ依リ其ノ謄本ヲ作リ卽日之ヲ原告三
山近六及被告橋本雄造ニ送達セリ
一同日特別委員會ニ於テ當選シタル委員長及副委員長ノ氏名左ノ如シ
司法官試補實地修習期間減縮ニ關スル法律案特別委員會
委員長伯爵島津忠亮君副委員長子爵本莊壽巨君
明治三十年法律第十三號中改正法律案特別委員會
委員長侯爵佐竹義生君副委員長子爵久留島通簡君
一同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
明治三十八年度歲入歳出總豫算追加案(第二號)、明治三十八年度各特別
會計歲入歳出豫算追加案(特第一號)、豫算外國庫ノ負擔トナルヘキ契約
ヲ爲スヲ要スル件(追第一號)可決報告書
司法官試補實地修習期間減縮ニ關スル法律案可決報告書
明治三十年法律第十三號中改正法律案可決報告書
北海道拓殖銀行法中改正法律案修正報告書
日本勸業銀行法中改正法律案修正報告書
一同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
市町村立小學校〓育費國庫補助法及〓育基金令ニ依ル沖繩縣ノ配賦金及
配當金ノ仕拂殘額ヲ翌年度ニ繰越使用ニ關スル法律案
巡査看守退隱料及遺族扶助料法中改正法律案
明治三十五年法律第二十九號中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=3
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004・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ本日ノ議事日程ニ移リマス、議事日程第一、
德川侯爵請暇ノ件、四週間、御異議ナケレバ許可イタシマス
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=4
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005・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ハ議事日程第二、鐵道抵當法案、第一讀會
〔左ノ議案ハ朗讀ヲ經ザルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ做フ〕
鐵道抵當法案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治三十八年一月二十八日
內閣總理大臣伯爵桂太郞
司法大臣波多野敬直
遞信大臣大浦兼武
鐵道抵當法
第一章總則
第一條本法ニ於テ會社ト稱スルハ私設鐵道株式會社ヲ謂フ
第二條會社ハ抵當權ノ目的ト爲ス爲鐵道ノ全部又ハ一部ニ付鐵道財團ヲ
設クルコトヲ得
鐵道財團ニ屬スルモノハ同時ニ他ノ鐵道財團ニ屬スルコトヲ得ス
鐵道財團ハ之ヲ一箇ノ物ト看做ス
鐵道財團ハ抵當權ノ消滅ニ因リテ消滅ス
第三條鐵道財團ハ左ニ揭グルモノニシテ鐵道財團ノ所有者ニ屬スルモノ
ヲ以テ之ヲ組成ス
-鐵道線路、其ノ他ノ鐵道用地及其ノ上ニ存スル工作物竝之ニ屬スル
器具機械
二工場、倉庫、發電所、變壓所、配電所、事務所、舍宅及其ノ敷地竝
之ニ屬スル器具機械
三鐵道用通信又ハ信號ニ要スル工作物及其ノ敷地竝之ニ屬スル器具機械
四前三號ニ揭ケタル工作物ヲ所有シ又ハ使用スル爲他人ノ不動產ノ上
ニ存スル地上權、登記シタル賃借權及前三號ニ揭ケタル土地ノ爲ニ
存スル地役權
五車輛及之ニ屬スル器具機械
六保線ニ要スル材料及器具機械
第四條鐵道財團ハ所有權及抵當權以外ノ物權又ハ差押、假差押若ハ假處
分ノ目的タルコトヲ得ス
鐵道財團ニ屬スルモノハ所有權以外ノ物權、登記シタル賃借權又ハ差押、
假差押若ハ假處分ノ目的タルコトヲ得ス
鐵道財團ニ屬スヘキモノニシテ所有權以外ノ物權、登記シタル賃借權又
ハ差押、假差押若ハ假處分ノ目的タルトキハ會社ハ鐵道財團ヲ設クルコ
トヲ得ス
第五條抵當權ノ設定又ハ變更ハ總株金四分ノ一以上ノ拂込アリタル後定
款變更ト同一方法ノ決議ヲ經主務官廳ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ效
力ヲ生セス
第六條鐵道財團ヲ抵當ト爲ス債務ノ額ハ社債ノ額ト合セテ總株金拂込額
ヲ超ユルコトヲ得ス
第七條會社カ鐵道財團ヲ設ケムトスルトキハ之ニ屬スヘキ不動產ニ關ス
ル權利ニ付鐵道財團ノ豫定登記ヲ受クヘシ
鐵道財團ノ豫定登記ハ其ノ財團ニ屬スヘキ不動產ニ關スル權利ノ登記ア
ル土地又ハ建物ノ登記用紙中相當區事項欄ニ鐵道財團ニ屬スヘキモノト
シテ豫定セラレタル旨及申請書受付ノ年月日竝受付番號ヲ記載スルニ依
リテ之ヲ爲ス
第四條第三項ノ場合ニ於テハ會社ハ豫定登記ヲ受クルコトヲ得ス
第八條鐵道財團ノ豫定登記アリタル不動產ニ關スル權利ハ其ノ登記ノ抹
消セラレサル間ハ之ヲ讓渡スコトヲ得ス
鐵道財團ノ豫定登記アリタル後登記簿ニ競賣申立ノ記入セラレタル競賣
手續ニ於テハ鐵道財團ノ豫定登記ノ抹消セラレサル間ハ競落ヲ許ス決定
ヲ爲スコトヲ得ス
第九條不動產ニ關スル權利ニ付鐵道財團ノ豫定登記アリタル後其ノ權利
ニ付爲シタル登記ハ主務官廳ニ於テ抵當權ノ設定ヲ登錄シタルトキハ其
ノ效力ヲ失フ
前項ノ規定ニ依リ競賣申立ノ記入カ其ノ效力ヲ失ヒタルトキハ執行裁判
所ハ利害關係人ノ申立ニ因リ競賣ノ手續ヲ取消スヘシ
第十條鐵道財團ノ豫定登記後一箇月內ニ抵當權ノ設定認可ノ申請ナキト
キ、抵當權ノ設定カ認可セラレサリシトキ又ハ其ノ認可カ效力ヲ失ヒタ
ルトキハ鐵道財團ノ豫定登記ハ其ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テハ利害關係人ハ鐵道財團ノ豫定登記ノ抹消ヲ申請スル
コトヲ得
第十一條前四條ノ規定ハ不動產ニ關スル權利ヲ新ニ鐵道財圍ニ屬セシム
ル場合ニ之ヲ準用ス但シ不動產ニ關スル權利ヲ新ニ鐵道財團ニ屬セシム
ルニ付主務官廳ノ認可ヲ要セサル場合ニ於テハ鐵道財團ノ豫定登記ト第
三十七條第一項ノ届出トノ間ニ存スヘキ期間ハ十四日トス
第十二條抵當權設定ノ認可ヲ申請スルニハ抵當證書、鐵道財團目錄竝鐵
道財團ニ屬スヘキ不動產ニ關スル權利ノ登記アル土地又ハ建物ノ登記簿
ノ謄本ヲ差出スヘシ但シ擔保附社債ヲ發行スル場合ニ在リテハ信託證書
ヲ以テ抵當證書ニ代フ
抵當證書ニハ左ノ事項ヲ記載スヘシ
鐵道財團ニ屬スル線路ノ表示
二抵當權者、債務者及鐵道財團ノ所有者ノ名稱及住所
三抵當權ノ順位
四債權額及償還ノ方法竝期限
五利率及利息支拂ノ方法竝期限
抵當證書又ハ信託證書ニ記載シタル事項ニ變更ヲ生スヘキ契約ハ主務官
廳ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
第一項ノ登記簿ノ謄本ニハ抹消ニ關スル事項ヲ記載スルコトヲ要セス
第十三條抵當權ノ設定認可ノ申請アリタルトキハ主務官廳ハ直ニ官報ヲ
以テ鐵道財團ニ屬スヘキ動產ニ關シ物權ヲ有スル者又ハ差押、假差押若
ハ假處分ノ債權者ハ一定ノ期間內ニ申出ツヘキ旨ヲ催告スヘシ
前項ノ期間內ニ申出ナキトキハ前項ノ物權ハ存セサルモノト看做シ差
押、假差押若ハ假處分ハ其ノ效力ヲ失フ但シ抵當權ノ設定カ認可セラレ
サルトキ又ハ其ノ認可カ效力ヲ失ヒタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四條前條ノ規定ハ會社カ動產ヲ新ニ鐵道財團ニ屬セシムルニ付第三
十七條第一項ノ屆出ヲ爲シタル場合ニ之ヲ準用ス
第十五條抵當權設定ノ認可アリタル後二箇月內ニ其ノ登錄ノ申請ナキト
キハ認可ハ其ノ效力ヲ失フ
第十六條抵當權ハ債權成立以前ニ於テモ其ノ效力ヲ生ス
第十七條抵當權ノ得喪若ハ變更又ハ鐵道財團ノ所有權ノ移轉ハ登錄ヲ爲
スニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ス
第十八條數箇ノ債權ヲ擔保スル爲同一ノ鐵道財團ニ付抵當權ヲ設定シタ
ルトキハ其ノ抵當權ノ順位ハ登錄ノ前後ニ依ル
第十九條抵當權者ハ鐵道財團ニ付他ノ債權者ニ先チテ自己ノ債權ノ辨濟
ヲ受クルコトヲ得
第二十條抵當權者ハ債權ノ全部ノ辨濟ヲ受クル迄ハ鐵道財團ノ全部ニ付
其ノ權利ヲ行フコトヲ得
第二十一條抵當權ハ鐵道財團又ハ之ニ屬スルモノノ讓渡、貸付、滅失又
ハ毀損ニ因リテ會社カ受クヘキ金錢其ノ他ノ物ニ對シテモ之ヲ行フコト
ヲ得但シ抵當權者ハ其ノ拂渡又ハ引渡前ニ差押ヲ爲スコトヲ要ス
第二十二條會社カ鐵道財團ヲ讓渡シ、貸付シ若ハ抵當ト爲シ、鐵道財團
ニ關スル營業ノ管理委託ヲ爲シ、其ノ線路ヲ變更シ又ハ其ノ線路ノ全部
若ハ一部ニ付營業ヲ休止セムトスルトキハ抵當權者ニ對シ異議アラハ一
定ノ期間內ニ之ヲ述フヘキ旨ヲ催告スヘシ但シ其ノ期間ハ二箇月ヲ下ル
コトヲ得ス
抵當權者カ前項ノ期間內ニ異議ヲ述ヘタルトキハ會社ハ主務官廳ノ裁定
ヲ求ムヘシ此ノ裁定ハ終局トス
抵當權者カ外國ニ住所ヲ有スル場合ニ於テハ第一項ノ期間ハ四箇月ヲ下
ルコトヲ得ス
第二十三條會社カ鐵道財團ニ關スル工事方法ノ變更又ハ鐵道財團ニ屬ス
ル物ノ處分ニ付認可ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ變更又ハ處分カ鐵道財
團ノ價額ヲ著シク減スヘキ虞アリト認ムルトキハ主務官廳ハ會社ヲシテ
抵當權者ニ對シ異議アラハ之ヲ述フヘキ旨ヲ催告セシムヘシ
前條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十四條線路又ハ工事方法ノ變更ニ付新ニ鐵道財團ニ屬スヘキ不動產
ニ關スル權利アルトキハ會社ハ其ノ工事竣功屆書ニ其ノ權利ノ登記アル
土地又ハ建物ノ登記簿ノ謄本ヲ添附スヘシ
第十二條第四項ノ規定ハ前項ノ謄本ニ之ヲ準用ス
第二十五條免許ノ失效又ハ取消ノ場合ニ於テハ抵當權者ハ其ノ權利チ實
行スルコトヲ得
前項ニ依リ抵當權ヲ實行セムトスルトキハ抵當權者ハ免許ノ失效又ハ取
消ノ日ヨリ六箇月內ニ其ノ手續ヲ爲スヘシ
免許ハ前項ノ期間及抵當權實行ノ終了ニ至ル迄仍存續スルモノト看做ス
第二十六條債權者カ同一ノ債權ノ擔保トシテ數箇ノ鐵道財團ノ上ニ抵當
權ヲ有スル場合ニ於テ同時ニ其ノ代價ヲ配當スヘキトキハ其ノ各鐵道財
團ノ價額ニ準シテ其ノ債權ノ負擔ヲ分ツ
或鐵道財團ノ代價ノミヲ配當スヘキトキハ抵當權者ハ其ノ代價ニ付債權
ノ全部ノ辨濟ヲ受クルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ次ノ順位ニ在ル抵當權
者ハ前項ノ規定ニ從ヒ右ノ抵當權者カ他ノ鐵道財團ニ付辨濟ヲ受クヘキ
金額ニ滿ツル迄之ニ代位シテ抵當權ヲ行フコトヲ得
第二十七條前條ノ規定ニ從ヒ代位ニ因リテ抵當權ヲ行フ者ハ其ノ抵當權
ノ登錄ニ其ノ代位ヲ附記スルコトヲ得
第二十八條抵當權者ハ鐵道財團ノ代價ヲ以テ辨濟ヲ受ケサル債權ノ部分
ニ付テノミ他ノ財產ヲ以テ辨濟ヲ受クルコトヲ得
前項ノ規定ハ鐵道財團ノ代價ニ先チテ他ノ財產ノ代價ヲ配當スヘキ場合
ニハ之ヲ適用セス但シ他ノ債權者ハ抵當權者ヲシテ前項ノ規定ニ從ヒ辨
濟ヲ受ケシムルカ爲之ニ配當スヘキ金額ノ供託ヲ請求スルコトヲ得
第二十九條政府カ鐵道及附屬物件ヲ買上ケタル場合ニ於テ抵當權設定後
十箇年又ハ据置年限ヲ經過シタルトキハ抵當附債務ヲ辨濟スルコトヲ得
但シ少クトモ一箇年前ニ豫告スヘシ
第二章登錄
第三十條鐵道財團ニ關スル登錄ヲ爲ス爲主務官廳ニ鐵道抵當原簿ヲ備フ」
鐵道抵當原簿ハ一箇ノ鐵道財團ニ付一用紙ヲ設ク
第三十一條登錄ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外當事者ノ申請ニ因
リテ之ヲ爲ス
第三十二條抵當權設定ノ登錄申請書ニハ左ノ書面ヲ添附スヘシ
一抵當權ノ設定ニ關スル證書
二鐵道財團目錄
三鐵道財團ニ屬スル不動產ニ關スル權利ノ登記アル土地又ハ建物ノ登
記簿ノ謄本
當事者ハ抵當權設定認可ノ申請書ニ添附シタル鐵道財團目錄竝登記簿ノ
謄本ヲ前項第二號及第三號ノ書面トシテ引用スルコトヲ得
第一項第二號及第三號ノ書面ハ第二以下ノ順位ノ抵當權設定ノ登錄申請
書ニハ之ヲ添附スルコトヲ要セス
第十二條第四項ノ規定ハ第一項第三號ノ謄本ニ之ヲ準用ス
第三十三條抵當權設定ノ登錄ハ鐵道抵當原簿ニ左ノ事項ヲ記載スルニ依
リテ之ヲ爲ス
一第十二條第二項第一號乃至第五號ニ揭ケタル事項
二免許ニ附シタル條件
三抵當權ヲ設定シタルコト
四抵當權設定認可ノ年月日
五登錄ノ年月日
第十二條第二項第一號及前項第二號ニ揭ケタル事項ハ第二以下ノ順位ノ
抵當權ニ付テハ之ヲ登錄スルコトヲ要セス
第三十四條登錄シタル事項ニ變更ヲ生シ又ハ其ノ事項消滅シタルトキハ
當事者ハ遲滯ナク變更又ハ消滅ノ登錄ヲ申請スヘシ
前項ノ申請書ニハ變更又ハ消滅ノ事由ヲ記載シ之ヲ證スル書面ヲ添附ス
ヘシ
變更又ハ消滅カ主務官廳ノ命令又ハ認可ニ因リテ生シタル場合ニ於テハ
前項ノ證明書ハ之ヲ添附スルコトヲ要セス
第三十五條同一ノ債權ノ擔保トシテ數箇ノ鐵道財〓ノ上ニ抵當權ヲ設定
シタル場合ニ於テハ其ノ各鐵道財團ノ用紙ニ他ノ鐵道財團ヲ表示シ之ト
共ニ抵當權ノ目的タル旨ヲ記載スヘシ
他ノ鐵道財團ニ關スル變更又ハ消滅ノ登錄カ前項ノ記載ヲ變更スルコト
ヲ要スルニ至リタルトキハ其ノ記載ニ變更ヲ附記シ他ノ鐵道財團ニ關ス
ル消滅ノ登錄カ前項ノ記載ヲ要セサルニ至リタルトキハ其ノ記載ヲ抹消
スヘシ
第三十六條鐵道抵當原簿ニ抵當權ノ設定ヲ登錄シタルトキハ鐵道財團目
錄ニ爲シタル記載ハ登錄ト同一ノ效力ヲ生ス
第三十七條鐵道財團目錄ニ記載シタル事項ニ變更ヲ生シ又ハ其ノ事項消
滅シタルトキハ會社ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ屆出ツヘシ
變更又ハ消滅カ不動產ニ關スル權利ニ付生シタル場合ニ於テハ前項ノ屆
書ニハ其ノ權利ノ登記アル土地又ハ建物ノ登記簿ノ謄本ヲ添附スヘシ
變更又ハ消滅カ線路又ハ工事方法ノ變更ニ因リテ生シタル場合ニ於テハ
會社ハ工事竣功屆書ニ添附シタル登記簿ノ謄本ヲ前項ノ書面トシテ引用
スルコトヲ得
第一項ノ屆書ハ鐵道財團目錄ニ編綴スルニ依リテ前條ノ效力ヲ生ス
第十二條第四項ノ規定ハ第二項ノ謄本ニ之ヲ準用ス
第三十八條一用紙ノ抵當權ノ登錄カ全部抹消セラレタルトキハ主務官廳
ハ其ノ用紙ヲ閉鎖スヘシ
第三十九條左ノ場合ニ於テハ主務官廳ハ其ノ旨及其ノ年月日ヲ管轄登記
所ニ通知スヘシ
第一順位ノ抵當權ノ設定ヲ登錄シタルトキ
二不動產ニ關スル權利カ新ニ鐵道財團ニ屬シタルトキ
三鐵道財團ニ屬スル不動產ニスル權利カ之ニ屬セサルニ至リタルトキ」
四鐵道財團ノ用紙ヲ閉鎖シタルトキ
第四十條登記官吏カ前條第一號又ハ第二號ノ通知ヲ受ケタルトキハ鐵道
財團ニ屬スヘキ不動產ニ關スル權利ノ登記アル土地又ハ建物ノ登記用紙
中相當區事項欄ニ鐵道財團ニ屬シタル旨及其ノ年月日ヲ記載シ鐵道財團
ノ豫定登記後ニ權利ニ付爲シタル登記ヲ抹消スヘシ
登記官吏カ前條第三號又ハ第四號ノ通知ヲ受ケタルトキハ鐵道財團ニ屬
スル不動產ニ關スル權利ノ登記アル土地又ハ建物ノ登記用紙中相當區事
項欄ニ鐵道財團ニ屬セサルニ至リタル旨及其ノ年月日ヲ記載シ前項ニ依
リテ爲シタル登記及鐵道財團ノ豫定登記ヲ抹消スヘシ
第四十一條何人ト雖鐵道抵當原簿及鐵道財團目錄ノ閲覽ヲ請求シ又ハ手
數料ヲ納付シテ鐵道抵當原簿ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
手數料ノ外郵送料ヲ納付シテ鐵道抵當原簿ノ謄本又ハ抄本ノ送付ヲ請求
スルコトヲ得
第四十二條鐵道抵當原簿ノ調製、鐵道財團目錄ノ樣式其ノ他登錄ニ關ス
ル細則ハ主務大臣之ヲ定ム
第三章强制執行
第四十三條鐵道財團ニ對スル抵當權ノ强制執行ハ强制競賣又ハ强制管理
ニ依リテ之ヲ爲ス
抵當權者ハ自己ノ選擇ニ依リ前項ニ揭ケタル一箇ノ方法ヲ以テ又ハ二箇
ノ方法ヲ併セテ强制執行ヲ爲スコトヲ得
第四十四條抵當證書又ハ信託證書及之ニ記載シタル事項ヲ變更スル契約
證書ハ强制執行ニ關シテハ公證人ノ作成シタル債務名義ト看做ス但シ其
ノ執行力アル正本ハ主務官廳ノ官吏之ヲ付與ス
第四十五條强制執行ハ債務者タル會社ノ本店所在地ヲ管轄スル區裁判所
ノ管轄ニ專屬ス
第四十六條强制競賣ノ申立ハ書面ヲ以テ之ヲ爲スヘシ
申立書ニハ左ノ事項ヲ記載シ申立人又ハ其ノ代理人之ニ署名捺印スヘシ
-債務者タル會社ノ商號及其ノ本店ノ所在地
二競賣ニ付スヘキ鐵道財〓ノ表示
三競賣ノ原因タル事由
四年月日
五裁判所
申立書ニハ執行力アル正本ノ外鐵道抵當原簿ノ謄本ヲ添附スヘシ但シ强
制管理ノ開始アリタル場合ニ於テハ鐵道抵當原簿ノ謄本ヲ添附スルコト
ヲ要セス
第四十七條强制競賣ノ申立ハ競落期日迄ハ競買人ノ同意アル場合ニ限リ
之ヲ取下クルコトヲ得
第四十八條競賣手續ノ開始ハ決定ヲ以テ之ヲ爲ス
開始決定ニハ申立人ノ名稱、住所及第四十六條第二項第一號乃至第四號
ニ揭ケタル事項ヲ記載シ決定ヲ爲シタル判事之ニ署名捺印スヘシ
第四十九條裁判所カ競賣手續開始ノ決定ヲ爲シタルトキハ直ニ鐵道抵當
原簿ニ競賣申立ノ登錄ヲ爲スヘキ旨ヲ主務官廳ニ囑託スヘシ
主務官廳ニ於テ前項ノ囑託ヲ受ケタルトキハ直ニ登錄ヲ爲シ其ノ旨ヲ裁
判所ニ通知スヘシ
第五十條裁判所カ競賣手續開始ノ決定ヲ爲シタルトキハ官報ヲ以テ租
稅其ノ他ノ公課ヲ主管スル官廳及公署ニ對シ一定ノ期間内ニ債務者タル
會社ニ對スル權利ノ有無及其ノ限度ヲ申出ツヘキ旨ヲ公告スヘシ
第五十一條裁判所ハ鑑定人ヲ選定シ競賣ニ付スヘキ鐵道財團ヲ評價セシ
メ其ノ評價額ヲ以テ最低競賣價額ト爲スヘシ
第五十二條裁判所ハ競賣期日ヲ定メ官報ヲ以テ之ヲ公告スヘシ
前項ノ公告ニハ左ノ事項ヲ記載スヘシ
-競賣ニ付スヘキ鐵道財團ノ表示
二競賣期日ノ場所、日時及入札締切ノ時
三最低競賣價格
四競落期日ノ場所及日時
五執行記錄ヲ閱覽シ得ヘキ場所
第五十三條鐵道事業ヲ營ム者ニ非スシテ競賣ニ加入スルニハ競賣ニ付セ
ラレタル鐵道ノ營業ヲ目的トシ會社ヲ發起セムトスル者七人以上合同ス
ルコトヲ要ス
前項ニ依リ競賣ニ加入スル者ハ競買ノ申込ニ關シテハ連帶シテ其ノ責ニ
任ス
第五十四條前條第一項ニ依リ競賣ニ加入スル者ハ競買ノ申込ト共ニ保證
トシテ最低競賣價額百分ノ五ニ相當スル金額ヲ現金又ハ有價證券ヲ以テ
供託スヘシ
第五十五條競賣ハ入札ノ方法ヲ以テ之ヲ行フ
第五十六條裁判所ハ競買人ノ面前ニ於テ入札ヲ開封スヘシ
競落ト爲ルヘキ同價額ノ入札二箇以上アルトキハ裁判所ハ同價額ノ競買
人ヲシテ直ニ再度ノ入札ヲ爲サシムヘシ
再度ノ入札ヲ爲スモ仍同價額ノ入札アルトキハ裁判所ハ直ニ抽籤ヲ以テ
最高價競買人ヲ定ムヘシ
第五十七條競賣ニ加入スルコトヲ得サル者ノ爲シタル入札ハ無效トス
第五十八條競賣期日ニ於テ入札ナキトキ、許スヘキ入札ナキトキ又ハ最
低競賣價額ニ達スル入札ナキトキハ裁判所ハ職權ヲ以テ更ニ競賣期日ヲ
定ムヘシ
前項ノ場合ニ於テ裁判所ハ鑑定人ノ意見ヲ聽キ最低競賣價額ヲ低減スル
コトヲ得
第五十九條入札ハ之ヲ變更シ又ハ之ヲ取消スコトヲ得ス
入札ハ其ノ入札ヲ爲シタル競買人以外ノ者ニ競落ヲ許ス決定カ確定シタ
ルトキ、競落ヲ許ササル決定カ確定シタルトキ又ハ競落ヲ爲サスシテ競
賣手續ヲ終了シタルトキハ其ノ效力ヲ失フ
第六十條裁判所ハ最高價競買人ノ名稱及其ノ競買價額ヲ表示シ競賣ノ
終局ヲ告知スヘシ
第六十一條裁判所ハ競賣ニ關スル調書ヲ作成シ左ノ事項ヲ記載スヘシ
一競賣ニ付セラレタル鐵道財團ノ表示
二競賣申立人ノ表示
三入札及開札ノ日時
四總フ競買價額及競買人ノ名稱、住所又ハ入札ナキコト、許スヘキ入
札ナキコト若ハ最低競賣價額ニ達スル入札ナキコト竝第五十六條第
二項又ハ第三項ノ手續ヲ爲シタルコト
五競賣ノ終局ヲ告知シタル日時竝最高價競買人ノ名稱及其競買價額
第六十二條裁判所ハ競落期日ニ出頭シタル債務者、鐵道財團ノ所有者、
抵當權者及競買人ニ競落ノ許可ニ付陳述ヲ爲サシムヘシ
第六十三條强制競賣申立ノ取下若ハ强制執行ノ取消アリタル場合又ハ第
五十一條乃至第五十七條若ハ第六十條ノ規定ニ違反シテ競賣ヲ爲シタル
場合ニ限リ債務者、鐵道財團ノ所有者、抵當權者又ハ競買人ハ競落ノ許
可ニ付異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
第六十四條裁判所ハ異議ノ申立ヲ正當トスル場合ニ於テ更ニ競賣ヲ許ス
ヘキトキハ職權ヲ以テ競賣期日ヲ定ムヘシ
前項ニ依リ競賣期日ヲ定ムル場合ノ外競落ノ許否ハ決定ヲ以テ之ヲ言渡
スヘシ
第六十五條競落ノ許可ニ付異議ノ申立ヲ爲シタル者ハ第六十三條ニ揭ケ
タル理由アル場合ニ限リ競落ヲ許ス決定ニ對シ卽時抗告ヲ爲スコトヲ得」
競落期日ニ出頭シ競落ノ許可ニ付異議ノ申立ヲ爲ササル者ハ競落ヲ許サ
サル理由ナキ場合ニ限リ競落ヲ許ササル決定ニ對シ卽時抗告ヲ爲スコト
ヲ得
抗告ハ執行停止ノ效力ヲ有ス
第六十六條裁判所ハ競落ニ關スル調書ヲ作成スヘシ
第六十七條競落ヲ許ス決定カ確定シタルトキハ裁判所ハ其ノ決定ノ謄本
ヲ主務官廳ニ送付スヘシ
第六十八條競落代金ハ競落ヲ許ス決定カ確定シタル日又ハ本免許ヲ受ク
ルコトヲ要スル者ニ在リテハ本免許ヲ受ケタル日ヨリ一週間以內ニ之ヲ
裁判所ニ支拂フヘシ但シ債權者カ競落人タル場合ニ於テハ自己カ競落代
金中ヨリ受取ルヘキ金額ヲ控除シ其ノ殘額ノミヲ支拂フヲ以テ足ル
第六十九條競落代金ノ支拂アリタルトキハ競賣ニ付セラレタル鐵道財團
ニ關スル權利ハ競落人ニ、競落人カ第五十三條第一項ニ依リ競賣ニ加入
シタル者ナルトキハ其ノ競落人ニ依リテ發起セラレタル會社ニ移轉ス
抵當權ハ前項ニ依リ鐵道財團ニ關スル權利カ移轉シタルトキニ消滅ス
第七十條本免許狀ノ下付ナキトキ、第七十六條ノ期間內ニ本免許ノ申
請ナキトキ又ハ第六十八條ノ期間內ニ競落代金ノ支拂ナキトキハ裁判所
ハ職權ヲ以テ競落ヲ許ス決定ヲ取消シ更ニ競賣期日ヲ定ムヘシ
前項ニ依リ競落ヲ許ス決定カ取消サレタルトキハ本免許ハ取消サレタル
モノトス
競落人ハ新競賣ニ加入スルコトヲ得ス且新競賣ニ於ケル競落代金カ最初
ノ競落代金ヨリ少ナキトキハ其ノ不足額及手續ノ費用ヲ賠償スヘシ
第七十一條裁判所ハ競落代金ノ中ヨリ順次ニ競賣ノ費用及租稅其ノ他ノ
公課ヲ控除シ其殘額ハ之ヲ受取ルヘキ者ニ交付スヘシ
前項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ其ノ旨ヲ主務官廳ニ通知シ競賣申立ノ登錄
ノ抹消ヲ囑託スヘシ
主務官廳ニ於テ前項ノ囑託ヲ受ケタルトキハ左ノ手續ヲ爲スヘシ
一第四十九條第二項ニ依リテ爲シタル登錄及抵當權ノ登錄ヲ抹消スル
コト
二競落ヲ許ス決定アリタルコトヲ管轄登記所ニ通知シ競落人又ハ競落
人ニ依リテ發起セラレタル會社カ取得シタル不動產ニ關スル權利ノ
登記ヲ囑託スルコト
第七十二條競落ヲ爲サスシテ競賣手續ヲ終了シタルトキハ裁判所ハ其ノ
旨ヲ主務官廳ニ通知シ競賣申立ノ登錄ノ抹消ヲ囑託スヘシ
主務官廳ニ於テ前項ノ囑託ヲ受ケタルトキハ第四十九條第二項ニ依リテ
爲シタル登錄ヲ抹消スヘシ
第七十三條裁判所ハ二囘以上競賣期日ヲ開始シタルモ入札ナキトキ、許
スヘキ入札ナキトキ又ハ最低競賣價額ニ達スル入札ナキトキハ抵當權者
ノ同意アル場合ニ限リ競賣ニ付シタル鐵道財團ヲ箇箇ノモノトシテ競賣
ニ付スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ裁判所ハ抵當權者ノ意見ヲ聽キ鐵道財〓ニ屬スルモノ
ヲ分割シテ競賣ニ付スルコトヲ得
第七十四條前條ノ競賣ニ關シテハ第五十一條、第五十二條、第五十五條
乃至第六十九條、第七十條第一項、第三項、第七十一條及第七十二條ノ
規定ヲ準用ス
競買人ハ競買ノ申込ト共ニ保證トシテ最低競賣價額百分ノ五ニ相當スル
金額ヲ現金又ハ有價證劵ヲ以テ供託スヘシ
第七十五條鐵道財團ノ競落人カ第五十三條第一項ニ依リ競賣ニ加入シタ
ル者ナルトキハ發起人ト爲リテ會社ヲ設立スヘシ
第七十六條競落人ニ依リテ發起セラレタル會社又ハ競落人タル會社ハ競
落ヲ許ス決定カ確定シタル日ヨリ三箇月內ニ本免許ヲ申請スヘシ
第七十七條競落人ニ依リテ發起セラレタル會社カ本免許ヲ申請スルニハ
左ニ揭クル書類ヲ添附スヘシ
一定款
二發起人ニ於テ株式ノ總數ヲ引受ケタルトキハ檢査役カ裁判所ニ爲シ
タル報告書ノ謄本及裁判所カ檢査役ノ報告ヲ聽キ爲シタル決定ノ謄
本
三株主ヲ募集シタルトキハ株式申込證ノ謄本、發起人、取締役、監査
役又ハ檢査役ヨリ創立總會ニ爲シタル報告ノ要領及創立總會ノ議事
及決議ノ要領
第七十八條競落人タル會社カ本免許ヲ申請スルニハ定款ノ變更ト同一方
法ノ決議ニ依ルヘシ
本免許ノ申請ハ定款變更ノ決議認可ノ申請ト共ニ之ヲ爲スヘシ
第七十九條主務官廳ハ前三條ノ規定ニ依ル申請アリタルトキハ本免許狀
ヲ下付スヘシ
第八十條本免許ハ會社カ競落代金ヲ支拂ヒタルトキニ其ノ效力ヲ生ス」
本免許カ效力ヲ生シタルトキハ會社ハ原免許ニ屬スル權利及義務ヲ承繼
ス
第八十一條强制管理ニ付テハ第四十六條、第四十八條乃至第五十條ノ規
定ヲ準用ス
第八十二條强制管理開始ノ決定確定シタルトキハ裁判所ハ其ノ決定ノ謄
本ヲ主務官廳ニ送付スヘシ
第八十三條前條決定ノ謄本ノ送付アリタルトキハ主務官廳ハ一人又ハ數
人ノ管理人ヲ選任スヘシ但シ强制管理ノ申立人ハ適當ノ人ヲ推薦スルコ
トヲ得
商事會社ハ管理人タルコトヲ得
第八十四條主務官廳ハ管理人ヲ監督シ、管理方法ニ付指揮ヲ爲シ且管理
人ニ與フヘキ報酬ノ額ヲ定ムヘシ
主務官廳ハ前項ニ揭ケタル事項ニ付債務者、鐵道財團ノ所有者、抵當權
者及鑑定人ノ意見ヲ聽クコトヲ得
主務官廳ハ管理人ニ擔保ヲ供スヘキコトヲ命シ又ハ之ヲ解任スルコトヲ
得
第八十五條主務官廳カ管理人ヲ任免シタルトキハ其ノ旨ヲ債務者、鐵道
財團ノ所有者、抵當權者及裁判所ニ通知スヘシ
第八十六條鐵道財團ノ所有者カ管理人選任ノ通知ヲ受ケタルトキハ直ニ
鐵道財團ヲ管理人ニ引渡スヘシ
管理人ハ鐵道財團ノ所有者ニ對シ管理ニ必要ナル書類其ノ他ノ物ノ引渡
ヲ求ムルコトヲ得
鐵道財團ノ所有者カ前二項ノ引渡ヲ爲ササルトキハ裁判所ハ管理人ノ申
立ニ因リ執達吏ヲシテ其ノ引渡ヲ爲サシムヘシ
第八十七條强制管理ノ申立人ハ管理人ノ請求ニ因リ管理ノ費用ヲ立替支
辨スヘシ
第八十八條管理人ハ鐵道財團ノ管理及收益ニ付必要ナル裁判上又ハ裁判
外ノ行爲ヲ爲スヘシ
第八十九條鐵道財團ノ管理ニ付官廳ニ對スル取締役ノ責任ハ管理人之ヲ
負フ
第九十條管理人ハ每營業年度ノ終ニ於テ鐵道財團ノ收入ヨリ管理ノ費
用、管理人ノ報酬及租稅其ノ他ノ公課ヲ控除シ其ノ殘額ヲ抵當權者ニ交
付スヘシ
第九十一條管理人ハ每營業年度ノ終ニ於テ計算報告書ヲ主務官廳ニ差出
スヘシ
主務官廳ハ前項計算報告書ノ謄本ヲ債務者、鐵道財團ノ所有者及抵當權
者ニ送付シ且一定ノ期間內ニ異議アラハ之ヲ申出ツヘキ旨ヲ催告スヘシ」
前項ノ期間內ニ異議ヲ申出テサリシ者ハ計算ヲ承認シタルモノト看做ス」
異議ヲ申出テタル者アリタルトキハ主務官廳ハ管理人ノ陳述ヲ聽キタル
後之ヲ裁定ス此ノ裁定ハ終局トス
第九十二條管理人ハ前條第二項ノ期間ヲ過キ又ハ前條第四項ノ裁定ヲ經
タル後ニ非サレハ抵當權者ニ對シ配當額ノ交付ヲ爲スコトヲ得ス
管理人カ配當額ノ交付ヲ爲シタルトキハ抵當權者ノ名稱及配當額ヲ主務
官廳及裁判所ニ通知スヘシ
第九十三條强制管理ノ取消ハ裁判所ノ決定ヲ以テ之ヲ爲ス
强制管理ノ申立ヲ爲シタル抵當權者カ辨濟ヲ受ケタルトキハ裁判所ハ强
制管理ノ取消ヲ命スヘシ
强制管理ノ申立人カ管理費用ノ立替支辨ヲ爲ササルトキハ裁判所ハ管理
人ノ申立ニ因リ强制管理ノ取消ヲ命スルコトヲ得
第九十四條前條第二項ノ場合ニ關シテハ第七十一條第二項及第三項ノ規
定ヲ準用ス
前項ノ場合ヲ除クノ外强制管理ノ取消ニ關シテハ第七十二條ノ規定ヲ準
用ス
第四章罰則
第九十五條左ノ場合ニ於テハ取締役、發起人又ハ管理人ヲ十圓以上千圓
以下ノ過料ニ處ス
-本科ニ定メタル裁定ヲ遵守セサルトキ
二第二十二條又ハ第二十三條ノ催告ヲ爲ササルトキ
三第三十四條ノ登錄ノ申請ヲ爲ササルトキ又ハ不正ノ申請ヲ爲シタル
トキ
四第三十七條ノ屆出ヲ爲ササルトキ又ハ不正ノ屆出ヲ爲シタルトキ
五管理方法ニ付主務官廳ノ命令ニ違反シタルトキ
六第九十一條ノ計算報告書ヲ差出ササルトキ又ハ不正ノ報告ヲ爲シタ
ルトキ
七配當額ノ交付ヲ爲ササルトキ又ハ第九十條若ハ第九十二條第一項ノ
規定ニ違反シテ配當額ノ交付ヲ爲シタルトキ
八第九十二條第二項ノ通知ヲ爲ササルトキ
第九十六條非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前條ニ定
メタル過料ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
國務大臣大浦兼武君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=5
-
006・大浦兼武
○國務大臣(大浦兼武君) 玆ニ提出イタシマシタル所ノ鐵道抵當法案ニ就キ
マシテ大體ノ說明ヲ致シタイト存ジマス、抑〓鐵道抵當法案ニ就キマシテハ鐵
道及之ニ屬スル所ノ物件ヲ抵當權ノ目的ト爲スコトハ御承知ノ通リ私設鐵道
法ニ於キマシテ現今モ出來ル譯ニナッテ居リマス、然ル所鐵道ハ元來線路車
輛其他ノ物件ヲ總テ綜合〓括シテ而シテ初メテ其效用其眞價ヲ定ムルコトガ
出來ル譯デゴザイマス、若シ之ヲ面々別々ニ致シマスルトキニハ到底實價ヲ
定ムルコトガ出來ナイ譯デアリマス、然ルニ現行ノ登記法其他ノ法令ニ於キ
マシテ鐵道ヲ一括シテ抵當トナスト云フコトノ途ガゴザイマセヌ故ニ資金ノ
供給上等ニ少カラザル不便ヲ感ジテ居リマス、故ニ此抵當法案ヲ決定イタシ
マシテ鐵道ノ抵當ニ關シ鐵道財團ノ設定ヲ認メマシテ抵當權ノ效力及其實行
ノ手續ヲ定メマシテ、其資金ノ便ヲ計リ益〓鐵道ノ發達完全ヲ來シタイト云
フノガ大體ノ趣意デゴザイマス、希クハ御協贊ヲ希望イタシマス、尙委員會
等ニ於テハソレ〓〓政府委員等カラ說明ヲ致ス積リデゴザイマス、左樣御了
承ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=6
-
007・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御質問御發言ガゴザイマセネバ次ノ日程ニ移
リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=7
-
008・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 右議案ノ審査ヲ付託スベキ特別委員ノ選擧ニ移リ
マス、此特別委員ノ選定ハ議長ニ御任セニナリマスカ
、「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=8
-
009・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) ソレナラバ議長ガ選定イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=9
-
010・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 本案ノ委員ヲドウカ十五名ニナサレムコトヲ希望イタシ
マス、一言申上ゲマスガ、第四ノ擔保附社債信託法案モ同樣十五人ニ相願ヒ
タク考ヘマス
〔「贊成」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=10
-
011・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 唯今曾我子爵の鐵道抵當法案ノ委員ノ數ハ十五名
トスルニ贊成カアリマシタガソレデ宜シウゴザイマスカ
異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=11
-
012・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 然ラバ曾我子爵ノ動議ノ通リニ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=12
-
013・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ハ議事日程第四、擔保附社債信託法案、第一讀會
擔保附社債信託法案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治三十八年一月二十八日
内閣總理大臣伯爵桂太郞
大藏大臣男爵曾禰荒助
司法大臣波多野敬直
擔保附社債信託法
第一章通則
第一條本法ニ於テ信託會社ト稱スルハ擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營
ム會社ヲ謂フ
第二條社債ニ物上擔保ヲ附スルトキハ社債ヲ發行スル會社ト信託會社ト
ノ信託契約ニ依リ定メタル條款ニ從ヒ之ヲ發行スヘシ
第三條本法ニ依ル信託ノ引受ハ之ヲ商行爲トス
第四條社債ニ附スヘキ物上擔保ハ左ニ揭クルモノニ限ル
-動產質
二證書アル債權質
三不動產抵當
四船舶抵當
五鐵道抵當
六工場抵當
七鑛業抵當
第五條擔保附社債ニ關スル信託事業ハ特別ノ法律ニ依ル場合ヲ除クノ外
主務官廳ノ免許ヲ受クルニ非サレハ之ヲ營ムコトヲ得ス
第六條信託會社ハ銀行事業ヲ除クノ外他ノ事業ヲ兼ヌルコトヲ得ス
第七條信託會社ノ資本又ハ金錢ヲ目的トスル出資ノ總額ハ百萬圓ヲ下ル
コトヲ得ス
第八條信託會社ハ資本又ハ金錢ヲ目的トスル出資ノ拂込金額カ五十萬圓
ニ達スル迄其ノ事業ニ著手スルコトヲ得ス
第九條信託ノ業務ハ主務官廳ノ監督ニ屬ス
第十條主務官廳ハ何時ニテモ信託會社ヲシテ事業ノ報告ヲ爲サシメ又ハ
業務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
第十一條主務官廳ハ信託會社ノ業務又ハ會社財產ノ狀況カ信託事業ノ執
行ニ適セスト認ムルトキハ事業ノ停止又ハ業務執行方法ノ變更ヲ命シ其
ノ他委託會社及社債權者ノ利益ヲ保護スルニ必要ナル命令ヲ發スルコト
ヲ得
第十二條信託會社カ法令、定款若ハ主務官廳ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ
害スル行爲ヲ爲シタルトキハ主務官廳ハ事業ノ停止若ハ取締役ノ改選ヲ
命シ又ハ免許ヲ取消スコトヲ得
第十三條擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ專業トスル會社ハ免許ノ取消ニ
因リテ解散ス
第十四條信託會社カ免許ノ取消ニ因リテ解散シタルトキハ主務官廳ハ利
害關係人ノ請求ニ因リ〓算人ヲ選任ス
第十五條商法第八十八條、第八十九條、第九十六條第二項、第百條、第
二百二十六條第二項、第二百二十八條第二項又ハ第二百三十二條ニ定ム
ル〓算人ノ選任又ハ解任ハ主務官廳ニ於テ之ヲ爲ス
商法第二百二十八條第二項ニ依ル請求ハ委託會社又ハ社債權者集會ニ於
テモ之ヲ爲スコトヲ得
第十六條信託會社ノ〓算ハ主務官廳ノ監督ニ屬ス
主務官廳ハ何時ニテモ前項ノ監督ニ必要ナル檢査ヲ爲スコトヲ得
第十七條會社カ外國ニ於テ物上擔保附社債ヲ募集セムトスルトキハ主務
官廳ノ許可ヲ受ケ外國會社ト信託契約ヲ締結スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ信託ヲ引受ケタル外國會社カ日本ニ支店ヲ有セサルト
キハ日本ニ於ケル代表者ヲ定メテ其ノ氏名及住所ヲ主務官廳ニ屆出ツヘ
シ
日本ニ於ケル外國會社ノ代表者ハ信託事務ニ關シテハ會社ノ取締役又ハ
之ヲ代表スル社員ト同一ノ權限ヲ有ス
第二章信託證書
第十八條信託契約ハ信託證書ニ依リ之ヲ締結スヘシ
第十九條信託證書ニハ左ノ事項ヲ記載シ委託會社及受託會社ノ代表者之
ニ署名スヘシ
一委託會社及受託會社ノ商號
二社債ノ總額
三各社債ノ金額
四社債發行ノ價額又ハ其ノ最低價額
五社債ノ利率
六社債償還ノ方法及期限
七利息支拂ノ方法及期限
八債券ニ記載スヘキ事項ノ表示及利札附ナルトキハ其ノ旨ノ表示
九擔保ノ種類、目的物、順位、前順位ノ債權ノ金額其ノ他目的物ニ關
シ擔保權者ニ對抗スルコトヲ得ヘキ權利ノ表示
十第三十二條ニ依ル社債ナルトキハ其ノ事實及各會社ノ負擔部分
+-委託及受託ノ表示
十二證書作成ノ年月日
各社債ノ金額ハ均一ナルカ又ハ最低額ヲ以テ整除シ得ヘキモノナルコト
ヲ要ス
第二十條信託證書ハ委託會社及受託會社ニ於テ各自其ノ一通ヲ保存スヘ
前項信託證書ハ其ノ原本ヲ本店ニ其ノ謄本ヲ各支店ニ備ヘ置クヘシ
第二十一條信託證書ノ原本又ハ謄本ハ委託會社ノ株主、債權者又ハ社債
應募者ノ請求アルトキハ營業時間內何時ニテモ之ヲ閱覽セシムヘシ
第三章社債募集
第二十二條信託契約ニ依リ物上擔保附社債ヲ募集スル會社ハ左ノ事項ヲ
公告スヘシ
-第十九條第一項第一號乃至第七號及第十號ニ揭ケタル事項
二物上擔保附社債ナルコト
三信託證書ノ表示
四擔保ノ價格ヲ知ラシムルニ必要ナル程度ニ於テ第十九條第一項第九
號ニ揭ケタル事項ノ〓要ノ表示
五前ニ社債ヲ募集シタルトキハ其ノ償還ヲ了ヘサル總額
六會社ノ資本及拂込ミタル株金ノ總額
七最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存スル財產ノ額
八信託證書若ハ其ノ謄本ヲ應募者ノ閲覽ニ供スヘキ時及場所
前項ノ公告ハ受託會社ノ承認ヲ得テ之ヲ爲スヘシ
第二十三條委託會社ハ信託契約ニ依リ社債ノ募集ヲ受託會社ニ委任スル
コトヲ得此ノ場合ニ於テ信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ受託會社ハ債劵
ノ發行、社債ノ償還及利息ノ支拂ニ關スル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
第二十四條前條ノ場合ニ於テハ第二十二條第一項ニ揭ケタル公告ハ受託
會社ニ於テ之ヲ爲スヘシ
前項ノ公告ニハ受託會社カ委託會社ニ代リテ社債ノ募集ヲ爲ス旨ヲ記載
スヘシ
第二十五條受託會社ハ信託契約ノ定ムル所ニ依リ社債ノ總額ヲ引受クル
コトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ第二十二條及前條ニ定メタル公告ヲ爲スコトヲ要セ
ス
第二十六條前條第一項ノ場合ニ於テ受託會社ハ其ノ引受ケタル社債ヲ分
割シテ之ニ相當スル債劵ノ發行ヲ委託會社ニ請求スルコトヲ得
受託會社カ信託契約ニ依リ債券發行ノ權限ヲ有スルトキハ委託會社ニ通
知シテ前項ノ債券ヲ發行スルコトヲ得
第二十七條受託會社カ第二十五條第一項ニ依リ引受ケタル社債ヲ讓渡サ
ムトスルトキハ其ノ旨ヲ公告スヘシ
前項ノ公告ニ記載スヘキ事項ニ付テハ第二十二條第一項ノ規定ヲ準用ス」
受託會社ハ社債ヲ讓受ケムトスル者ノ請求アルトキハ營業時間内何時ニ
テモ信託證書又ハ其ノ謄本ヲ閱覽セシムヘシ
第二十八條受託會社カ前條ノ規定ニ依リ社債ヲ讓渡シタル場合ニ於テハ
委託會社ニ代リテ社債ノ償還及利息ノ支拂ニ關スル一切ノ行爲ヲ爲ス權
限ヲ有ス
第二十九條委計會科又ハ受託會社ハ信託契約ノ定ムル所ニ從ヒ第三者ヲ
シテ社債ノ總額ヲ引受ケシムルコトヲ得
前項ニ依ル社債總額ノ引受ハ之ヲ商行爲トス
第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ハ其ノ引受ケタル社債ヲ分割シ
テ之ニ相當スル債券ノ發行ヲ委託會社ニ請求スルコトヲ得
受託會社カ信託契約ニ依リ債券發行ノ權限ヲ有スルトキハ受託會社ニ對
シテ前項ノ請求ヲ爲スコトヲ得
第三十條第二十五條第二項、第二十七條第一項、第二項及第二十八條
ノ規定ハ前條第一項ニ依リ第三者カ社債ノ總額ヲ引受ケタル場合ニ之ヲ
準用ス
第三十一條委託會社又ハ受託會社ハ信託證書ノ謄本ヲ第二十九條第一項
ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ交付スヘシ
前項ノ謄本ハ委託會社又ハ受託會社ノ代表者之ニ署名シテ原本ト相違ナ
キコトヲ認證スヘシ
第二十七條第三項ノ規定ハ第一項ノ謄本ニ之ヲ準用ス
第三十二條會社ハ合同シテ社債ヲ發行スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ社
債ノ募集ヲ受託會社ニ委任シ又ハ受託會社ヲシテ社債ノ總額ヲ引受ケシ
ムヘシ
第三十三條前條ノ場合ニ於テハ受託會社ハ債劵ノ發行、社債ノ償還及利
息ノ支拂ニ關スル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
第三十四條委託會社ハ商法第二百四條第二項ノ規定ニ從ヒ左ノ事項ヲ登
記スヘシ
-第十九條第一項第一號乃至第三號、第五號乃至第七號、第九號及第
十號ニ揭ケタル事項
二第二十二條第一項第二號及第三號ニ揭ケタル事項
三第二十三條ニ依ル委任又ハ第二十五條第一項ニ依ル引受アリタルト
キハ其ノ事實
四第二十九條第一項ニ依ル引受アリタルトキハ其ノ事實及引受人ノ氏
名又ハ商號
第四章債券
第三十五條信託證書ニ依ル債劵ニハ左ノ事項ヲ記載スヘシ
一第十九條第一項第一號乃至第三號、第五號乃至第七號ニ揭ケタル事
項
二第二十二條第一項第二號及第三號ニ揭ケタル事項
三債劵ノ番號
四前條第三號及第四號ニ揭ケタル事項
第三十六條受託會社ハ委託會社カ信託契約ノ條款ニ適合スル債劵ヲ發行
シタルトキハ其ノ請求ニ依リ債券カ信託證書ニ依ル債劵ナルコトヲ證明
シテ之ヲ委託會社又ハ其ノ指定シタル者ニ引渡スヘシ
前項ノ證明ハ各債劵ニ記載シテ受託會社ノ取締役又ハ之ヲ代表スル社員
之ニ署名スルニ依リテ之ヲ爲ス
第三十七條信託證書ニ依ル債券ハ前條ノ證明アルニ非サレハ其ノ效力ヲ
生セス
第三十八條受託會社カ委託會社ニ代リテ債劵ヲ發行シタルトキハ其ノ旨
ヲ各債劵ニ記載シテ受託會社ノ取締役又ハ之ヲ代表スル社員之ニ署名ス
ヘシ
前項ノ場合ニ於テハ前二條ノ規定ヲ適用セス
第三十九條受託會社カ委託會社ニ代リテ債券ヲ發行シタルトキハ商法第
二百六條ニ依ル記載ハ受託會社ニ於テ之ヲ爲シ商法第二百七條ニ依ル請
求ハ受託會社ニ對シテ之ヲ爲ス
第五章社債原簿
第四十條會社カ物上擔保附社債ヲ發行シタルトキハ社債原簿ニ商法第
百七十三條ニ揭ケタルモノノ外左ノ事項ヲ記載スヘシ
-第十九條第一項第一號、第七號、第九號及第十號ニ揭ケタル事項
二第三十四條第二號乃至第四號ニ揭ケタル事項
第四十一條委託會社ハ社債原簿ノ謄本ヲ作成シテ之ヲ受託會社ニ交付ス
ヘシ
前項ノ謄本ハ受託會社ノ取締役又ハ之ヲ代表スル社員之ニ署名シテ原本
ト相違ナキコトヲ認證スヘシ
第四十二條受託會社ハ前條ノ謄本ヲ其ノ本店ニ備へ置キ社債權者ノ請求
アルトキハ營業時間内何時ニテモ之ヲ問覽セシムヘシ
第四十三條社債原簿ノ記載ニ變更ヲ生シタルトキハ其ノ都度委託會社ハ
取締役又ハ之ヲ代表スル社員ノ署名シタル書面ヲ以テ之ヲ受託會社ニ通
知スヘシ
受託會社ハ前項ノ書面ヲ受ケタルトキハ之ヲ社債原簿ノ謄本ニ添附シテ
保存スヘシ
第四十四條受託會社カ委託會社ニ代リテ債券ヲ發行シタルトキハ社債原
簿ハ受託會社ニ於テ之ヲ作成シ其ノ本店ニ備ヘ置クヘシ
商法第百七十一條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十五條前條第一項ノ場合ニ於テハ受託會社ニ於テ社債原簿ノ謄本ヲ
作成シテ之ヲ委託會社ニ交付スヘシ
第四十一條第二項、第四十二條、第四十三條及商法第百七十一條第二項
ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十六條委託會社又ハ受託會社カ社債原簿ヲ作成シタルトキハ其ノ謄
本ヲ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ交付スヘシ
第四十一條第二項及第四十三條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十七條委託會社、受託會社又ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額
ヲ引受ケタル者カ社債原簿ノ記載ニ變更ヲ生スヘキ取扱ヲ爲シタルトキ
ハ其ノ都度書面ヲ以テ社債原簿ヲ備フル會社ニ之ヲ通知スヘシ
第六章社債權者集會
第四十八條受託會社又ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタ
ル者ハ必要アルトキハ何時ニテモ社債權者集會ヲ招集スルコトヲ得
第四十九條委託會社又ハ社債總額ノ十分ノ一ニ當ル社債權者ハ集會ノ目
的及其ノ招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ受託會社又ハ第二十九條第一項
ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ提出シテ社債權者集會ノ招集ヲ請求
スルコトヲ得
前項ノ請求ヲ受ケタル者カ其ノ請求アリタル後二週間內ニ集會招集ノ手
續ヲ爲ササルトキハ其ノ請求ヲ爲シタル者ハ主務官廳ノ許可ヲ受ケ其ノ
招集ヲ爲スコトヲ得
第五十條第十五條第二項、第八十九條、第九十四條又ハ第九十九條ニ
定メタル集會ハ社債總額ノ十分ノ一ニ當ル社債權者ニ於テ自ラ之ヲ招集
スルコトヲ得
前項ノ招集ハ信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ受託會社本店ノ所在地ニ於
テ之ヲ爲スヘシ
第九十四條又ハ第九十九條ニ定メタル集會ハ委託會社モ亦自ラ之ヲ招集
スルコトヲ得
第五十一條商法第百五十六條ノ規定ハ社債權者集會ノ招集ニ之ヲ準用ス
第五十二條社債權者集會ノ決議ハ信託契約ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ
外行使セラレタル議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス但シ第六十四條、第六
十七條第一項、第七十五條、第八十五條、第八十六條及第九十七條第一
項ニ記載シタル事項ノ決議ハ總議決權ノ過半數カ行使セラレタル場合ニ
非サレハ之ヲ爲スコトヲ得ス
商法第百六十一條第二項乃至第四項ノ規定ハ社債權者集會ノ決議ニ之ヲ
準用ス
集會ニ出席セサル社債權者ハ信託契約ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外書
面ヲ以テ議決權ヲ行フコトヲ得
各社債權者ハ社債ノ最低金額毎ニ一箇ノ議決權ヲ有ス
第五十三條第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者又ハ其ノ
代表者ハ社債權者集會ニ出席シテ發言シ又ハ書面ヲ以テ意見ヲ述フルコ
トヲ得
第五十四條受託會社ノ代表者ハ社債權者集會カ第八十九條第二項ニ規定
シタル事項ニ付招集セラレタル場合ヲ除クノ外之ニ出席シテ發言シ又ハ
書面ヲ以テ意見ヲ述フルコトヲ得
第五十五條社債權者集會ヲ招集スル者ハ前二條ニ揭ケタル者又ハ其ノ代
表者ニ招集ノ通知ヲ發スヘシ
商法第百五十六條第一項及第二項ノ規定ハ前項ノ通知ニ之ヲ準用ス
第五十六條社債權者集會又ハ之ヲ招集シタル者ニ於テ必要ト認ムルトキ
ハ委託會社ニ通知シテ其ノ代表者ノ出席ヲ求ムルコトヲ得
第五十七條社債權者集會招集ノ手續又ハ其ノ議決ノ方法カ本法又ハ信託
契約ノ條款ニ違反スルトキハ委託會社、受託會社又ハ各社債權者ハ其ノ
決議ノ無效ノ宣告ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
前項ノ請求ハ決議ノ日ヨリ一箇月內ニ之ヲ爲スヘシ
社債權者カ第一項ノ請求ヲ爲ストキハ其ノ債劵ヲ供託シ且招集ヲ爲シタ
ル者ノ請求ニ因リ相當ノ擔保ヲ供スヘシ
第五十八條社債權者集會ニ於テ決議スヘキ事項ハ本法ニ規定アルモノノ
外特ニ信託契約ニ定タルモノニ限ル
第五十九條社債權者集會ヲ招集シタル者ハ決議錄ヲ作成スヘシ
第六十條受託會社ハ社債權者集會ノ決議錄ノ原本又ハ謄本ヲ本店及支
店ニ備ヘ置クヘシ
受託會社ハ委託會社又ハ社債權者ノ請求アルトキハ營業時間內何時ニテ
モ前項ノ決議錄ヲ閱覽セシムヘシ
第六十一條受託會社以外ノ者ハ決議錄ヲ作成シタルトキハ自ラ其ノ原本
ヲ保存シ其ノ謄本ヲ受託會社ニ交付スヘシ
前條第二項ノ規定ハ前項ノ謄本ニ之ヲ準用ス
第六十二條社債權者集會ノ費用ハ受託會社又ハ第二十九條第一項ニ依リ
社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ於テ招集シタル場合ヲ除クノ外集會ヲ招集
シタル者ニ於テ之ヲ負擔ス
第六十三條社債權者集會ノ決議ハ受託會社之ヲ執行ス但シ其ノ性質カ受
託會社ニ於テ執行スルコトヲ許ササルトキハ集會ニ於テ之ヲ執行スヘキ
者ヲ定ム
第六十四條信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ社債權者集會ニ於テ一人又ハ
數人ノ代表者ヲ選任シ其ノ決議スヘキ事項ノ決定ヲ之ニ委任スルコトヲ
得
代表者ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者又ハ社債總
額ノ千分ノ一以上ヲ有スル者ノ中ヨリ之ヲ選任ス
代表者數人アル場合ニ於テ集會ニ於テ別段ノ定ヲ爲ササルトキハ代表者
ノ權限ニ屬スル事項ハ其ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
第六十五條代表者ハ第六十三條但書ニ該當スル場合ニ於テハ其ノ權限ニ
屬スル事項ヲ自ラ執行シ又ハ他人ヲシテ執行セシムルコトヲ得
第六十六條代表者就任シタルトキハ其ノ公告ヲ爲シ委託會社、受託會社
及第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ之ヲ通知スヘシ
第六十七條社債權者集會ハ何時ニテモ代表者ヲ解任シ又ハ其ノ權限ヲ變
更スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ集會ハ其ノ公告ヲ爲シ委託會社及第二十九條第一項
ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ之ヲ通知スヘシ
第七章信託契約ノ效力
第六十八條受託會社ハ公平且誠實ニ信託事務ヲ處理スヘシ
第六十九條受託會社ハ委託會社及社債權者ニ對シテ善良ナル管理者ノ注
意ヲ以テ信託事務ヲ處理スル義務ヲ負フ
第七十條信託契約ニ依ル物上擔保ハ信託證書ニ記載シタル總社債ノ爲
ニ受託會社ニ歸屬ス
受託會社ハ總社債權者ノ爲ニ擔保權ヲ保存シ及實行スルノ義務ヲ負フ
第七十一條社債權者ハ其ノ債權額ニ應シ平等ニ擔保ノ利益ヲ享受ス
第七十二條信託契約ニ依ル物上擔保ハ社債成立以前ニ於テモ其ノ效力ヲ
生ス
第七十三條民法第三百四十八條、第三百七十五條及商法第二百七十七條
規定ハ信託契約ニ依ル擔保權ニ之ヲ適用セス
第七十四條受託會社ハ委託會社トノ契約ヲ以テ擔保ヲ追加スルコトヲ得
第七十五條受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ依リ委託會社トノ契約ヲ以
テ擔保ヲ變更スルコトヲ得
第七十六條前二條ノ契約ハ信託契約ト同一ノ效力ヲ有ス
第七十七條第七十四條及第七十五條ノ契約ハ委託會社及受託會社ノ代表
者ノ署名シタル書面ヲ以テ之ヲ爲シ委託會社及受託會社遲滯ナク各自之
ヲ公告スヘシ但シ知レタル社債權者及第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總
額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知スヘシ
前項ノ契約證書ニハ第二十條及第二十一條ノ規定ヲ準用ス
第七十八條信託契約ニ依ル擔保權ハ總社債權者ノ爲ニノミ之ヲ行使スル
コトヲ得
第七十九條委託會社カ定期ニ社債ノ一部ヲ償還スヘキ場合ニ於テ其ノ償
還ヲ遲延シ二箇月ヲ經過シタルトキハ受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ
依リ一定ノ期間內ニ支拂ヲ爲スヘキ旨及其ノ期間内ニ支拂ヲ爲ササルト
キハ社債ノ總額ニ付期限ノ利益ヲ失ハシムル旨ヲ委託會社ニ催告スルコ
トヲ得
委託會社カ前項ノ期間內ニ支拂ヲ爲ササルトキハ社債ノ總額ニ付期限ノ
利益ヲ失フ
第一項ノ催告ハ書面ヲ以テ之ヲ爲スヘシ
第八十條前條ニ依リ委託會社カ期限ノ利益ヲ失ヒタルトキハ受託會社
ハ遲滯ナク之ヲ公告スヘシ但シ知レタル社債權者及第二十九條第一項ニ
依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知スヘシ
第八十一條前二條ノ規定ハ委託會社カ社債ノ利息ノ支拂ヲ遲延シ三箇月
ヲ經過シタル場合ニ之ヲ準用ス
第八十二條社債カ期限ニ至リ辨濟セラレス又ハ委託會社カ社債ノ辨濟ヲ
完了セスシテ解散シタルトキハ受託會社ハ遲滯ナク社債權者集會ノ決議
ニ依リ擔保權ヲ實行スヘシ
民法第三百五十四條ノ規定ハ信託契約ニ依リ動產質及債權質ニ之ヲ適用
セス
第八十三條受託會社ハ總社債權者ノ爲ニ付與セラレタル執行力アル正本
ニ基キ擔保物ニ付强制執行ヲ爲シ又ハ競賣法ニ依ル競賣ノ申立若ハ委任
ヲ爲スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ債權者ニ對スル異議ハ受託會社ニ對シテ之ヲ主張スル
コトヲ得
第八十四條受託會社ハ信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ社債權者ノ爲ニ債
權ノ辨濟ヲ得ルニ必要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
第八十五條受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ依リ總社債ニ付支拂ヲ猶豫
シ、不履行ニ因リテ生シタル責任ヲ免除シ又ハ和解ヲ爲スコトヲ得
第八十六條受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ依リ總社債權者ノ爲ニ訴訟
行爲ヲ爲シ又ハ破產手續ニ屬スル一切ノ行爲ヲ爲スコトヲ得
第八十七條受託會社カ第八十二條、第八十五條又ハ前條ニ揭ケタル行爲
ヲ完了シタルトキハ遲滯ナク之ヲ公告スヘシ但シ知レタル社債權者及第
二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知ス
ヘシ
第八十八條受託會社カ社債權者ノ爲ニ辨濟ヲ得タル金額ハ遲滯ナク債權
額ニ應シテ各社債權者ニ交付スヘシ
受託會社カ前項ノ金額ヲ自己ノ爲ニ費消シタルトキハ民法第六百四十七
條ノ規定ヲ準用ス
社債權者ヲ確知スルコト能ハサルトキ又ハ社債權者カ受領ヲ拒ミ若ハ受
領スルコト能ハサルトキハ受託會社ハ其ノ社債權者ノ爲ニ前項ノ金額ヲ
供託スヘシ
受託會社ハ必要アル場合ニ於テハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ
引受ケタル者ニ第一項及第三項ノ行爲ヲ委任スルコトヲ得
第八十九條受託會社カ總社債權者ノ爲ニ爲スヘキ行爲ヲ怠リタルトキハ
主務官廳ハ社債權者集會ノ申請ニ因リ特別代理人ヲ選任シテ之ヲ爲サシ
ムルコトヲ得
社債權者ト受託會社トノ利益相反スル場合ニ於テ總社債權者ノ爲ニ裁判
上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス必要アルトキ亦前項ニ同シ
第九十條本法ニ依リ總社債權者ニ代リテ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲
ス場合ニ於テハ各別ニ社債權者ヲ表示スルコトヲ要セス
第九十一條受託會社ハ委託會社ニ對シ信託事務ノ處理ニ付相當ノ報酬ヲ
請求スルコトヲ得
信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ民法第六百四十八條第二項及第三項ノ規
定ハ信託契約ニ之ヲ準用ス
第九十二條委託會社ハ受託會社カ信託事務ヲ處理スルニ付正當ニ支出シ
タル一切ノ費用及支出ノ日以後ニ於ケル其ノ利息ヲ償還シ及過失ナクシ
テ受ケタル一切ノ損害ヲ賠償スル義務ヲ負フ
受託會社ハ信託事務ヲ處理スルニ付要スル費用ノ前拂ヲ委託會社ニ請求
スルコトヲ得
前二項ノ規定ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ關
シ之ヲ準用ス
第九十三條信託契約ニ依ル物上擔保ハ前條第一項ノ規定ニ依リ受託會社
ニ生スヘキ債權ノ爲ニモ其ノ效力ヲ有ス
受託會社ハ前項ノ債權ニ付社債權者ニ優先シテ擔保物ヨリ辨濟ヲ受クル
權利ヲ有ス
第九十四條受託會社カ故意若ハ過失ニ因リ物上擔保ヲ消滅セシメ又ハ其
ノ價格ヲ減少セシメタルトキハ主務官廳ハ委託會社又ハ社債權者集會ノ
申請ニ因リ受託會社ヲシテ相當ノ金額ヲ供託セシムルコトヲ得此ノ場合
ニ於テハ委託會社カ供託金ノ上ニ質權ヲ設定シタルモノト看做ス
前項ノ質權ハ信託契約ニ依ル物上擔保ト看做ス
第九十五條委託會社、第六十四條第一項ニ依リ選任セラレタル代表者又
ハ社債總額ノ十分ノ一以上ニ當ル社債權者ハ何時ニテモ受託會社ニ於ケ
ル擔保物保管ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
無記名式ノ債劵ヲ有スル者ハ其ノ債券ヲ受託會社ニ供託スルニ非サレハ
前項ノ檢査ヲ爲スコトヲ得ス
第九十六條民法第二百九十八條第三項ノ規定ハ信託契約ニ依ル質權ニ之
ヲ適用セス
第八章信託事務ノ承繼及終了
第九十七條受託會社ハ信託契約ノ定ムル所ニ依リ又ハ委託會社及社債權
者集會ノ同意アルトキハ信託事務ヲ承繼スヘキ會社ヲ定メテ辭任スルコ
トヲ得
第十七條第一項ノ規定ハ承繼スヘキ會社カ外國會社ナル場合ニ之ヲ準用ス
第九十八條受託會社ハ巳ムコトヲ得サル事由アルトキハ主務官廳ノ許可
ヲ受ケ辭任スルコトヲ得
第九十九條受託會社カ其ノ義務ニ違反シ又ハ信託事務ヲ處理スルニ不適
任ナルトキ其ノ他正當ノ事由アルトキハ主務官廳ハ委託會社又ハ社債權
者集會ノ申請ニ因リ受託會社ヲ解任スルコトヲ得
第百條前二條ノ規定ニ依リ受託會社カ辭任シ若ハ解任セラレタルトキ
又ハ免許ヲ取消サレ若ハ解散シタルトキハ主務官廳ハ更ニ受託會社ヲ選
任シテ信託事務ヲ承繼セシムヘシ
第百一條第九十七條ニ依ル承繼ハ委託會社、前受託會社及新受託會社ノ
代表者ノ署名シタル契約書ヲ作成スルニ因リテ其ノ效力ヲ生ス
前項ノ契約ヲ締結シタルトキハ各會社ハ遲滯ナク書面ヲ以テ之ヲ主務官
廳ニ屆出ツヘシ
前條ニ依ル承繼ハ新受託會社ニ對スル主務官廳ノ命令書ヲ交付スルニ因
リテ其ノ效力ヲ生ス
第百二條受託會社ノ承繼ハ第九十七條ニ依ル場合ニ於テハ委託會社、前
受託會社及新受託會社、第百條ニ依ル場合ニ於テハ委託會社及新受託會
社遲滯ナク各自之ヲ公告スヘシ但シ知レタル社債權者及第二十九條第一
項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知スヘシ
第百三條第九十七條ニ依リ定メラレ又ハ第百條ニ依リ選任セラレタル新
受託會社ハ前受託會社ノ締約シタル條款ニ從ヒ信託事務ヲ處理スヘシ
社債權者又ハ委託會社ノ爲ニ前受託會社ニ歸屬シタル權利義務ハ前受託
會社ノ辭任、解任、免許ノ取消又ハ解散ノ時ニ遡リテ新受託會社ニ移轉
ス但シ前受託會社ノ契約違反又ハ不法行爲ニ因リテ生シタル責任ハ此ノ
限ニ在ラス
第百四條前受託會社ノ不法處分ニ因リ質物ノ占有ヲ得タル者カ惡意ナリ
シトキハ新受託會社カ其ノ者ノ爲ニ占有ヲ奪ハレタルモノト看做ス
第百五條前受託會社ノ取締役、之ヲ代表スル社員、〓算人又ハ破產管財
人ハ遲滯ナク其ノ委託會社又ハ社債權者ノ爲ニ保管スル物及信託事務ニ
關スル書類ヲ新受託會社ニ移付シ其ノ他信託事務ヲ新受託會社ニ引繼ク
爲必要ナル一切ノ行爲ヲ爲スヘシ
前項ニ揭ケタル引繼ヲ完了シタルトキハ各會社ハ共同シテ書面ヲ以テ之
ヲ主務官廳ニ屆出ツヘシ
前項ノ屆書ニハ移付シタル物ノ目錄ヲ添附スヘシ
第百六條承繼ニ關スル事務ハ主務官廳ノ監督ニ屬ス
第十六條第二項ノ規定ハ前項ノ監督ニ之ヲ準用ス
第百七條受託會社カ信託事務ヲ終了シタルトキハ總計算書ヲ作成シテ之
ヲ公告スヘシ
第九章罰則
第百八條第五條ノ規定ニ違反シテ擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營ム者
ハ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス
第百九條左ノ場合ニ於テハ會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、〓算人、
破產管財人、第八十九條ノ特別代理人又ハ外國會社ノ代表者ヲ十圓以上
千圓以下ノ過料ニ處ス
-第六條ノ規定ニ違反シタルトキ
二第八條ノ規定ニ違反シタルトキ
三本法ニ依ル主務官廳ノ命令ニ違反シタルトキ
四本法ニ依ル主務官廳ノ檢査ヲ妨ケタルトキ
五第十七條第一項又ハ第九十七條第二項ノ規定ニ違反シタルトキ
六本法ニ依リ債劵ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ不正ノ記載ヲ爲シ
タルトキ
七委託會社ニ於テ債券ヲ發行シタル場合ニ於テ第三十六條ニ定メタル
手續ヲ履行セスシテ之ヲ交付シタルトキ
八第七十條第二項ニ依ル擔保權ノ保存又ハ實行ヲ怠リタルトキ
九第八十八條第一項又ハ同條第三項ノ規定ニ違反シタルトキ
十第九十五條第一項ニ依ル檢査ヲ妨ケタルトキ
十一第百五條第一項ニ定メタル事務ノ引繼ヲ怠リタルトキ
十二社債權者集會ノ決議ニ依ルヘキ場合ニ於テ之ニ依ラス又ハ之ニ違
反シタルトキ
十三社債權者集會又ハ其ノ代表者ニ對シテ不實ノ報告ヲ爲シ又ハ事實
ヲ隱蔽シタルトキ
第百十條左ノ場合ニ於テハ會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、〓算人、
破產管財人、第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者、第六
十四條ノ代表者、第八十九條ノ特別代理人又ハ外國會社ノ代表者ヲ五圓
以上五百圓以下ノ過料ニ處ス
一本法ニ定メタル屆出、公告若ハ通知ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公
告若ハ通知ヲ爲シタルトキ
二本法ニ依リ交付スヘキ書類ヲ交付セス又ハ之ニ不正ノ記載ヲ爲シタ
ルトキ
三本法ニ依リ閱覽ヲ許スヘキ書類ヲ正當ノ理由ナクシテ閱覽セシメサ
リシトキ
四本法ニ依リ備ヘ置クヘキ書類ヲ備へ置カス、之ニ記載スヘキ事項ヲ
記載セス又ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ
第百十一條非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ本章ニ定
メタル過料ニ之ヲ準用ス
附則
第百十二條本法ニ依リ署名スヘキ場合ニ於テハ記名捺印ヲ以テ署名ニ代
フルコトヲ得
第百十三條擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營ム合名會社及合資會社ノ設
立登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ非訟事件手續法第百七十九條第
二項ニ揭ケタル書面ノ外主務官廳ノ免許書又ハ其ノ認證アル謄本ヲ添附
スヘシ
既設ノ會社カ擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營ム免許ヲ受ケタルニ因リ
其ノ登記ヲ申請スルトキ亦前項ニ同シ
第百十四條信託會社ノ登記スヘキ事項ニシテ主務官廳ノ免許ヲ要スルモ
ノニ付テハ免許書ノ到達ノ日ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第百十五條主務官廳カ第十一條又ハ第十二條ノ規定ニ依リ事業ノ停止ヲ
命シ又ハ免許ヲ取消シタルトキハ登記所ハ主務官廳ノ嘱託ニ因リテ其ノ
登記ヲ爲スヘシ
第百十六條本法ニ依ル社債ノ登記ノ申請書ニハ非訟事件手續法第百九十
一條ニ揭ケタル書面ノ外信託證書ヲ添附スヘシ
第百十七條本法ニ依ル社債ノ登記事項ニ變更ヲ生シタルトキハ委託會社
ノ取締役又ハ之ヲ代表スル社員ハ遲滯ナク其ノ登記ヲ申請スヘシ
前項ノ登記ノ申請書ニハ其ノ變更ヲ證スル書類ヲ添附スヘシ
第百十八條信託契約ニ依ル擔保權設定ノ登記ニ付テハ受託會社ヲ登記權
利者トス
第百十九條信託契約ニ依ル擔保權設定ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ不
動產登記法第百十六條又ハ第百十七條ニ依ル債權額ノ記載ハ社債ノ總額
ヲ表示スルヲ以テ足ル
第百二十條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣波多野敬直君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=13
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014・波多野敬直
○國務大臣(波多野敬直君) 本案提出ノ理由ヲ一言イタシマス、社債ノ信用
ヲ鞏固ニシ資本ノ供給ヲ圓滑ニ致シマスルノハ現今ノ最モ急務トスル所デゴ
ザイマス、而シテ社債ノ信用ヲ鞏固ナラシムルニ付キマシテハ種々ノ方法モ
ゴザイマスルガ、就中擔保附信託法案ニ依リマシテ社債ノ擔保ヲ致シマスル
ハ最モ適當ノコトト考ヘマス、然ルニ現行ノ法制ノ下ニハ斯ノ如キ規定ガゴ
ザイマセヌカラシテ、其不備ヲ補ヒマスル爲ニ本案ノ提出ヲ致シタ譯デゴザ
イマス、本案ハ前ノ鐵道法案ト直接ノ關係モゴザイマセヌケレドモ、矢張リ
此信託法案ヨリシテ從ッテ此鐵鐵道抵當法案或ハ其他船舶抵當法案トカ云フヤ
ウナモノノ關係モゴザイマス、ドウゾ篤ト御審議ノ上、御協贊アラムコトヲ
希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=14
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015・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ガゴザイマセネバ次ノ議事日程ニ移リマ
ス、議事日程第五、特別委員ノ選擧、此選定モ議長ニ御任セニナリマスカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=15
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016・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 曾我子爵ニ伺ヒマスガ、此委員ノ數モ十五名ト云
ノ.発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=16
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017・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 ドウカ左樣ニ願ヒタイ
〔「贊成」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=17
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018・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是モ十五名デ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=18
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019・富井政章
○富井政章君 此信託法案ハ鐵道抵當法案ト兄弟ノヤウナ案デアリマスカラ
同一ノ委員ニ付託シナケレバ工合ノ惡イヤウニ感ジマス、政府ノ意見ハドウ
デアリマス
〔國務大臣波多野敬直君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=19
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020・波多野敬直
○國務大臣(波多野敬直君) 唯今富井君ノ御意見ガゴザイマスガ、鐵道法案
ト同一ノ委員デモ格別差支ハゴザイマセヌ、併ナガラ又各別ニ相成リマシテ
モ問ノ無イ法案ト考ヘマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=20
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021・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 今富井君ノ發議ニ就テ一言申シタウゴザイマス、此兩案
ハドウカ別々ニナリタク考ヘマス、片方ハ九十何條、片方ハ百何十條ト云フ
大問題デゴザイマス、其他其筋ヨリ承リマスト未ダ他ニモ抵當法案モ二ツバ
カリ出ルト云フコトデゴザイマス、サウスルト是ハ擔保附社債信託法案ト關
係シマスカラ、果シテ尙二案アリマスレバ四案同一委員ニ付託シナケレバナ
ラヌコトニナリマス、衆議院ニモ囘サナケレバナラヌノデアリマスカラ餘ホ
ド暇取ッテ議事ノ進行ニ惡ルカラウト存ジマスカラ、此二案ハ非常ニ關係ヲ
有ッテ居リマスガ、ドウカ別々ノ委員ニナル方ガ進行上宜カラウト思ヒマス、
意見ヲ申上ゲマス
〔「贊成」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=21
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022・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 曾我子爵ニ申上ゲマスガ、富井君ノハ唯政府ノ考
ヲ御質問ニナッタノデアリマスカラ、同一委員說デハナイト議長ハ認メテ居
リマス、別ニ贊成ハ要ルマイト思ッテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=22
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023・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ニ議事日程第六ニ移リマス、日本興業銀行法中
改正法律案、政府提出、第一讀會、阪谷大藏次官
日本興業銀行法中改正法律案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治三十八年一月二十八日
內閣總理大臣伯爵桂太郞
大藏大臣男爵曾禰荒助
日本興業銀行法中改正法律案
日本興業銀行法中左ノ通改正ス
第八條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第九條第四號中「地方債證劵、社債劵及株劵ニ關スル」ヲ削リ左ノ二號ヲ加
フ
第五手形ノ割引
第六法律ノ規定ニ依リ設定シタル財團ヲ抵當トスル貸付
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第五ノ手形ハ割引依賴人ヨリ國債證券、地方債證劵、社債券又ハ株
劵ヲ擔保ニ提供スルモノニ限ル
第十一條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ外國ニ於テ營ム業務ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十二條日本興業銀行ハ拂込資本金額ノ十倍ヲ限リ債劵ヲ發行スルコト
ヲ得但シ其ノ貸付金現在高、割引手形現在高及其ノ所有ニ係ル國債證劵、
地方債證劵、社債劵現在高ヲ超過スルコトヲ得ス
第十二條ノ二日本興業銀行ハ外國ニ於ケル公益事業ニ對シ資金ノ需要ア
ル場合ニ限リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ本法第十二條、第十五條
及商法第二百條ノ規定ニ依ラスシテ債券ヲ發行スルコトヲ得
前項公益事業ノ種類ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條中但書ヲ削ル
第十四條ノ二日本興業銀行ニ於テ債劵ヲ發行スル場合ニハ商法第百九十
九條ノ規定ヲ適用セス
政府委員阪谷芳郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=23
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024・阪谷芳郎
○政府委員(阪谷芳郞君) 唯今問題ニ上ポリマシタ日本興業銀行法中改正ノ
件デゴザイマスガ、是ハ御承知ノ通リニ容易ナラザル戰爭ノ結果ト致シマシ
テ、此資本ノ多クハ軍用ノ方ニ轉用スルノ已ムヲ得ザルニ至リマシタ次第デ
アリマス、從ヒマシテ此商工業ノ資本モ出來得ル限リノ便宜ヲ圖ッテ之ヲ補
充シテ行カナケレバナリマセヌ、又戰爭ノ結果ト致シマシテ大陸方面ニ向ヒ
マシテ諸種ノ商工業、殊ニ大ナル規模ノ商工業ガ發達スベキ筈デアルト考ヘ
マス、ソレ等ニ向ヒマシテモ亦相當ナル資本ノ供給ノ途ヲ講ジナケレバナ
リマセヌ、ソレカラ此外債ヲ募集イタシマシタ結果ト致シマシテ輸出ヲ奬勵
スルコトハ勿論デゴザイマスガ、尙內地ニ於キマシテ有望ナル金山ガ所々ニ
ゴザイマス、此有望ナル金山ト申シマスモノハ未ダ十分ナル規模ヲ立テヽ經
營シテ無イモノガアル、是等ニ向ッテ相當資金供給ノ方法ヲ設ケマスルト
今日ハ未ダ僅ナ產額デアリマスモノガ將來ニ於キマシテハ大ニ其產額ヲ增加
スベキ見込ノモノモアルノデゴザイマス、是等ニ向ヒマシテモ亦相當ナル資
本供給ノ方法ヲ講ジナケレバナラナイ、之ガ爲ニ唯今既ニ委員ニ付託ニナリ
マシタ抵當法案其他政府カラ將ニ提出ニナラムトシテ居ル所ノ抵當法案モ出
マス次第デゴザイマスガ、ソレニ付キマシテ日本興業銀行法ト云フモノノ中
ニ修正ヲ要スル次第デゴザイマス、是ガ此興業銀行法ニ付キマシテノ改正ヲ
要シマスル重モナル點デゴザイマシテ、其他小サナコトガ二三箇條ゴザイマ
スガ、是ハ別段ニ辯明ヲ要セヌコトト考ヘマス、速ニ御協賛ヲ與ヘラレムコ
トヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=24
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025・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御發言ガゴザイマセネバ次ノ議事日程ニ移リ
マス、議事日程第七、特別委員ノ選擧、此委員ノ選定モ議長ニ御任セニナリ
マスカ
「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=25
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026・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 然ラバ議長ガ選定イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=26
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027・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ハ議事日程第八、外國ニ於ケル銀行事業ニ關ス
ル法律案、政府提出、第一讀會、阪谷大藏次官
外國ニ於ケル銀行事業ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治三十八年一月二十八日
內閣總理大臣伯爵桂太郞
大藏大臣男爵曾禰荒助
外國ニ於ケル銀行事業ニ關スル法律案
外國ニ於テ銀行業ヲ營ムモノニ付テハ勅令ヲ以テ特別ノ規程ヲ設ケ之ニ準
據セシムルコトヲ得
〔政府委員阪谷芳郞君演壇ニ登ル」発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=27
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028・阪谷芳郎
○政府委員(阪谷芳郞君) 唯今問題ニ上ボリマシタ法案デゴザイマスガ、是
モ我國ノ商工業ノ事業ガ漸次外國ノ方ヘ擴張イタシタ結果ト致シマシテ特ニ
必要ヲ感ズル次第テゴザイマス、横濱正金銀行ノ如キ若クハ第一銀行ノ如キ
ニナリマシテハ餘ホド事業ガ進ンデ參リマシタ、其他〓國ニ對スル計畫上、
特殊ノ銀行ヲ追く必要トスル事情ガアラウト考ヘマス、ソレ等ニ付キマシテ
其國ノ經濟ノ事情又ハ商工業ノ習慣ニ由リマシテ、隨時便宜ノ規定ヲ設クル
ノ必要ガアルト認メマスノデ、此法案ヲ提出イタシマシタ次第デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=28
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029・徳川家達
○議長公爵德川家達君) 別ニ御發言ガゴザイマセヌケレバ議事日程第九ニ
移リマス、特別委員ノ選擧、是モ議長ニ選定ヲ御委託ニナリマスカ
「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=29
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030・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 然ラバ議長ガ選定イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=30
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031・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ハ議事日程第十、明治三十八年度歲入歲出總豫
算追加案、第二號、諸君ニ御諮リ致シマスガ、第十二マデ皆豫算委員長ノ報告
デアリマスカラ第十カラ第十二マデ束ネテ豫算委員長ノ報告ヲ煩ハサウト存
ジマス
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=31
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032・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 豫算委員長正親町伯爵
〔左ノ報告書ハ朗讀ヲ經ザルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ倣フ〕
一明治三十八年度歲入歳出總豫算追加案(第二號)
一明治三十八年度各特別會計歲入歳出豫算追加案(特第一號)
一豫算外國庫ノ負據トナルヘキ契約ヲ爲スヲ要スル件(追第一號)
右衆議院ヨリ送付シタル各案ヲ審査シ總テ衆議院議決案ノ通リ可決スヘキ
モノナリト議決ス依テ及報告候也
明治三十八年一月三十一日
豫算委員長伯爵正親町實正
貴族院議長公爵德川家達殿
〔伯爵正親町實正君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=32
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033・正親町實正
○伯爵正親町實正君 本案ハ極簡單ナ案デモゴザイマスカラ便宜上三案束ネ
テ御報告申上ゲマス、此追加案ハ諸君御覽ノ如ク此案ハ多クハ法律ノ結果ニ
基ク所ノ支出デゴザイマシテ已ムヲ得ナイモノノミ,樣ニ考ヘマス、委員會
ニ於キマシテモ各分科ニ分チマシテ十分ニ審査ヲ遂ゲマシテゴザイマスガ、
何レモ前陳ノ次第デゴザイマシテ巳ムヲ得ナイモノト認メマシタ故ニ三案悉
ク衆議院送付案ノ通リ可決イタシマシタ、右御報告イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=33
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034・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御發言ガゴザイマセヌケレバ便宜上此採決ハ
唯今正親町豫算委員長ノ報告ダケ束ネテ問題ニ供シテ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=34
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035・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ガ無ケレバ議事日程第十ヨリ第十二マデ御
異存ガ無イモノト認メテ宜シウゴザイマスカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=35
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036・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 然ラバ可決シタモノト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=36
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037・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ハ議事日程第十三ニ移リマス、耕地整理法中〓
正法律案第一讀會ノ續、特別委員長報告
耕地整理法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決ス依テ及報告候也
明治三十八年一月二十八日
右特別委員長
伯爵松木宗隆
貴族院議長公爵德川家達殿
〔伯爵松木宗隆君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=37
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038・松木宗隆
○伯爵松木宗隆君 本案ニ付キマシテ委員會ノ經過ヲ御報告申上ゲマス、委
員會ニ於キマシテハ政府委員ヨリ委シク說明ガアリ委員ヨリモ又色〓ト質問
ガアリマシテ、審議ノ上、全會一致ヲ以テ可決イタシマシタ、本案ハ御覽ノ
通リ簡單ナル案デアリマシテ、詰リ法文ノ不備ナル所ヲ補ヒマスノト、地方
長官ニ事務ヲ分任サセマシテ、成ルベク簡便ヲ計ルト云フニ過ギマセヌコト
デアリマス、併ナガラ其結果ハ我國ノ耕地整理ノ發達ト普及トニ向ッテ大イ
ナル發展ヲ與ヘルコトト存ジマスルニ依ッテ、諸君ニ於テモ御贊成アラムコト
ヲ希望イタシマス、尙續キマシテ本案ハ誠ニ簡單ナルモノデアリマスニ依ッ
テ讀會省略ヲ以テ可決アランコトヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=38
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039・正親町實正
○伯爵正親町實正君 讀會省略ニ贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=39
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040・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=40
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041・萬里小路通房
○伯爵萬里小路通房君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=41
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042・田中芳男
○田中芳男君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=42
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043・高野宗順
○子爵高野宗順君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=43
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044・柳澤保惠
○伯爵柳澤保惠君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=44
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045・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=45
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046・南郷茂光
○南〓茂光君 贊成
〔其他「贊成」ト呼ブ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=46
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047・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 松木伯爵ノ讀會省略ノ動議ハ定規ノ贊成ガアリマ
シタ、讀會省略ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=47
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048・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 三分ノ二以上ト認メマス、本案御異存ハゴザイマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=48
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049・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 然ラバ可決ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=49
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050・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ハ議事日程第十四、船舶法中改正法律案、第
讀會ノ續、及議事日程ノ第十五、船舶職員法中改正法律案、同一委員ニ付託
サレマシタカラ、報〓ハ束ネテアッタ方ガ宜カラウト思ヒマス、特別委員長
德川伯爵
船舶法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決ス依テ及報告候也
明治三十八年一月二十六日
右特別委員長
伯爵德川達孝
貴族院議長公爵德川家達殿
船舶職員法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決ス依テ及報告候也
明治三十八年一月二十八日
右特別委員長
伯爵德川達孝
貴族院議長公爵德川家達殿
〔伯爵德川達孝君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=50
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051・徳川達孝
○伯爵德川達孝君 船舶法中改正法律案竝船舶職員法中改正法律案ノ委員會
ノ經過及結果ヲ取束ネテ御報道申シマス、是ハ去月ノ二十六日ニ正副委員長
ノ選擧ヲ行ヒマシテ同日竝二十八日ノ兩日ニ委員會ヲ開キマシテ審議ヲ盡シ
マシタ、政府委員ヨリハ詳細ナル說明、委員ヨリハ緻密ナル所ノ質問竝希望
ヲ述ベラレタ方モアリマシタ、其委細ハ速記錄ニゴザイマスコト故ニ諸君ニ
於テハ既ニ御熟讀デアッタト存ジマスカラ略シテ置キマス、此兩案トモノ〓
正ハ必要上巳ムヲ得ザルモノト認メマシテ委員會ニ於テハ全會一致ヲ以テ可
決ニ相成ッタ次第デゴザイマス、此段御報告ニ及ビマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=51
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052・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御發言ガゴザイマセネバ二讀會ニ移ルペキヤ
否ヤノ決ヲ採リマス
〔伯爵德川達孝君發言ノ許可ヲ求ム〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=52
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053・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 德川伯爵ハ何デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=53
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054・徳川達孝
○伯爵德川達孝君 此兩案トモ簡單ナ案デゴザイマスカラ讀會ノ順序ヲ省略
サレムコトヲ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=54
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055・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 讀會省略デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=55
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056・徳川達孝
○伯爵德川達孝君 ハイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=56
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057・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=57
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058・坊城俊章
○伯爵坊城俊章君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=58
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059・大田原一清
○子爵大田原一〓君 贊成
〔其他「贊成」ト呼ブ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=59
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060・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 此採決モ御異議ガゴザイマセネバ兩案束ネテ致シ
マス
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=60
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061・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 德川伯爵ノ讀會ノ省略ノ動議ハ定規ノ贊成ガアッ
タト認メマス、讀會省略ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=61
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062・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 三分ノ二以上ト認メマス、兩案トモ御異存ハゴザ
イマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=62
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063・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 然ラバ兩案トモ可決セラレマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=63
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064・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十六ニ移リマス、司法官試補實地修習
期間減縮ニ關スル法律案、第一讀會ノ續、特別委員長報告、島津伯爵
司法官試補實地修習期間減縮ニ關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決ス依テ及報告候也
明治三十八年一月三十一日
右特別委員長
伯爵島津忠亮
貴族院議長公爵德川家達殿
〔伯爵島津忠亮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=64
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065・島津忠亮
○伯爵島津忠亮君 司法官試補實地修習期間減縮ニ關スル法律案ノ特別委員
會ノ結果ヲ御報告イタシマス、此案ハ是マデ三囘ホド議院ニ出マシテ、イツ
モ議院ノ贊同ヲ得テ速ニ通過イタシタノデアリマス、極簡單ナ案デ此精神ト
申スモノハ詰リ司法官試補デ判檢事ノ補闕ヲ補フ爲ノモノデアリマシテ、極
簡單ナモノデアリマシテ、承レバ目今ノ所、判檢事ノ不足ハ凡ソ八十人內外
デアルト云フコトデアリマス、ソレデ一日モ早ク其闘ヲ補フト云フコトハ必
要デアリマスニ依テ此案ノ必要ヲ感ジテ提出ニナリマシタ次第デゴザイマ
ス、委員會ニ於キマシテモサシテ之ニ付テ議論モアリマセヌガ、此三年間ト
申スノヲ當分ノ內ニシタイト云フ見込ノ人モアリマシタガ、討論ノ末、結局
原案ノ儘デ宜カラウト云フコトニ可決イタシタノデアリマス、ソレデ願クハ
滿場ノ諸君モ御贊成アッテ速ニ通過セムコトヲ希望イタシマス、簡單ナ故ニ
讀會省略ヲ希望イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=65
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066・本荘壽巨
○子爵本莊壽巨君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=66
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067・大原重朝
○伯爵大原重朝君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=67
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068・入江爲守
○子爵入江爲守君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=68
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069・調所廣丈
○男爵調所廣丈君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=69
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070・坊城俊章
○伯爵坊城俊章君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=70
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071・松平正直
○男爵松平正直君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=71
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072・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) マダドウモ讀會省略ニハ定規ノ贊成ガ無イヤウデ
アリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=72
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073・大田原一清
○子爵大田原一〓君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=73
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074・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成
〔其他「贊成」ト呼ブ者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=74
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075・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 島津伯爵ノ讀會省略ノ動議ハ定規ノ贊成ガアリマ
シタ、讀會省略ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=75
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076・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 三分ノ二以上ト認メマス、委員長報告通リデ御異
存ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=76
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077・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 然ラバ可決セラレマシタ、此ニ於テ本日ノ議事ハ
終リマシタ、御委託ニ相成リマシタ特別委員ノ氏名ヲ御報告イタシマス、書
記官長ヲシテ朗讀イタサセマス
〔太田書記官長朗讀〕
鐵道抵當法案特別委員
子爵曾我祐準君子爵大宮以季君子爵堀田正養君
子爵鳥居忠文君子爵三島彌太郞君男爵前島密君
男爵小澤武雄君村田保君男爵平田東助君
男爵川口武定君古市公威君藤田四郞君
都筑馨六君高木豐三君小幡篤次郞君
擔保附社債信託法案特別委員
子爵堤功長君子爵岡部長職君子爵新莊直陳君
松岡康毅君名村泰藏君平山成信君
小松原英太郞君山脇玄君男爵吉川重吉君
男爵藤大路親春君馬屋原彰君富井政章君
木下廣次君菊池武夫君穗積八束君
日本興業銀行法中改正法律案特別委員
伯爵正親町實正君伯爵大村純雄君子爵水野直君
男爵尾崎三良君男爵岡內重俊君男爵長松篤棐君
中島永元君南〓茂光君五藤正形君
外國ニ於ケル銀行事業ニ關スル法律案特別委員
子爵黑田和志君子爵牧野忠篤君男爵赤松則良君
男爵船越衞君男爵山內豐政君男爵諫早家崇君
富田鐵之助君宮島誠一郞君田代保之君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=77
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078・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ノ議事日程ハ分リ兼ネマスカラ、アトヨリ御通
知イタシマス、本日ハ是デ散會イタシマス
午前十時四十三分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002103242X00819050201&spkNum=78
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