1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治三十七年十二月三日(土曜日)午後一時十六分開議
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議事日程 第二號 明治三十七年十二月三日
午後一時開議
第一 臨時事件費支辨に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三 非常特別税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第五 鹽專賣法案(政府提出) 第一讀會
第六 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第七 相續税法案(政府提出) 第一讀會
第八 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第九 酒造税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十一 酒精及酒精含有飮料税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十三 麥酒税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十五 沖繩縣酒類出港税則中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十六 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十七 酒母、醪及麹取締法案(政府提出) 第一讀會
第十八 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第十九 酒造組合法案(政府提出) 第一讀會
第二十 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十一 登録税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十三 關税定率法附屬輸入税表中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十五 鑛業法案(政府提出) 第一讀會
第二十六 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十七 明治三十七年勅令第百七十七號(承諾を求むる件)(政府提出)
第二十八 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第二十九 明治三十七年勅令第二百十二號(承諾を求むる件)(政府提出)
第三十 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三十一 明治三十七年勅令第二百二十五號(承諾を求むる件)(政府提出)
第三十二 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
第三十三 明治三十七年勅令第二百二十八號(承諾を求むる件)(政府提出)
第三十四 右議案の審査を付託すへき委員の選舉
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001・松田正久
○議長(松田正久君) 開會致シマス、諸般ノ報告ヲ致シマス
〔書記朗讀〕
政府委員左ノ通仰付ラレタル旨桂內閣總理大臣ヨリ通牒アリ
外務省所管事務政府委員外務省通商局長石井菊次郞君
委員長及理事左ノ通當選セラレタリ
豫算委員長栗原亮一君同理事櫻井駿君
同理事伊藤德太郞君神崎東藏君
懲罰委員長磯部同同同同理理理理松本孫右衞門君
請願委員長竹越與引發起者有其者事事事事福島勝太郞君
同理事永島龜代司君福井三郞君
同理事木下謙次郞君
東尾平太郞君決算委員ニ當選セラレタリ
福井三郞君ヨリ市制町村制中改正法律案ヲ提出セラレタリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=1
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002・松田正久
○議長(松田正久君) 會議ヲ開クニ先立チマシテ、聊カ申シタイコトガゴザリマス、一
昨日諸般ノ報告中、議長副議長及議員ニ對スル宮中御待遇ノ厚キコトハ、旣ニ諸君
ノ聽取ラレタコトヽ思ヒマスルガ、誠ニ陛下ノ優渥ナル御思召ニ出デタルモノト存ジマス
レバ、感激ノ至リニ堪ヘヌ次第デゴザリマス、此國家大難ノ時局ニ當リマシテ、此ノ如キ事
柄ニマデ殊恩ヲ蒙リマスルノハ畢竟國民ヲ重ンジ給フ御叡慮ニ出デタルコトヽ思ヒマシ
テ、我國民ノ忠君愛國ノ情ヲシテ益:切ナラシムルニ至ル者ト思ヒマス、吾議員ハ新
陳交代、移動ノ多キニ致セ、本院トシテハ此一事ニ於テ、永遠無窮二記憶スベキコトヽ
存ジマスルカラ、議長ハ玆ニ一言ヲ致シテ置キマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=2
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003・松田正久
○議長(松田正久君) 御諮リヲ致シマスルガ、滿洲軍ニ對シ及帝國艦隊ニ對シテ、慰
問狀ヲ發セラレテハ如何デアラウカト思ヒマスルカラ···
(「贊成々々一ノ聲起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=3
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004・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ御異議ナイモノト認メマシテ、先ヅ滿洲軍ニ對スル慰問
狀ノ草案ヲ、議長ノ手許ニ於テ書キマシタカラ、今之ヲ朗讀致シマス
滿洲軍ニ對スル慰問狀
我ガ滿洲軍ハ遠征萬里懸軍十月銳ヲ摧キ堅ヲ拔キ激戰奮闘茲ニ數十囘兵氣益く
旺ニシテ我ガ武維レ揚レリ是レ國民ノ感激シテ措カサル所ナリ時祁寒ニ際シテ勞劬
更ニ大ナラム衆議院ハ特ニ院議ヲ以テ熱誠ノ忱ヲ彰ハシ將校士卒ノ勇健ヲ祈ル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=4
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005・松田正久
○諦長(松田正久君) 御異議ガアリマセヌカ
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=5
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006・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ滿洲軍ニ對スル慰問狀ハ、可決セラレタルモノト認メマ
ス、次ニ帝國聯合艦隊ニ對スル慰問狀ノ草案ヲ朗讀致シマス
帝國聯合艦隊ニ對スル慰問狀
我カ帝國聯合艦隊ハ遠征以來玆ニ十閱月常ニ風濤ノ間ニ立チ萬死ヲ冒シ百難ヲ
排シテ族順ノ封鎖ヲ全フシ今ヤ敵艦ヲシテ珍滅ニ瀕セシム其ノ功洵ニ偉ナリ是レ國民
ノ感激シテ措カサル所ナリ時祁寒ニ際シテ勞劬更ニ大ナラム衆議院ハ特ニ院議ヲ以テ
熱誠ノ忱ヲ彰ハシ將校士卒ノ勇健ヲ祈ル
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=6
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007・松田正久
○議長(松田正久君) 御異議アリマセヌナラバ、可決シタルモノト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=7
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008・寺内正毅
○陸軍大臣(寺內正毅君) 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=8
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009・松田正久
○議長(松田正久君) 寺內陸軍大臣ノ演說
(陸軍大臣寺內正毅君登壇〕
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=9
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010・寺内正毅
○陸軍大臣(寺內正毅君) 唯今滿洲軍ニ對シマシテ、慰問狀ヲ發セラルヽコトガ、全
會一致ヲ以テ可決セラレマシタコトニ付テ、一言御挨援ヲ中シマス、御承知ノ如ク我滿洲
軍ハ、出征以來七箇月間ニ於テ、十五囘ノ大戰ヲ致シマシタ、每戰ニ勝ヲ奏シマシタノ
ハ、固ヨリ首將ノ計畫ノ宜シキヲ得タモノデモゴザリマスルシ、又戰鬪ニ從事致シマスル將
校下士卒ノ勇武之ヲ致シタト云フコトモ、、明カデゴザイマスルガ又第一ニ此有力ナル忠
誠ナル國民ノ後援ノ、大ニ與ッテ居ルト云フコトヲ信ジマス、今日マデノ間、出征以來可
ナリ强敵ト相對シ、炎暑ト相鬪ヒ、今日ノ成績ヲ得マシタノハ、誠ニ吾〓モ諸君ト共ニ悅
ブ所デゴザイマス、又旅順ノ方向ニ於キマシテハ、攻圍軍ハ旅順攻圍以來、日トナク夜トナ
ク決死ノ兵ト又堅城鐵壁ト鬪ヒツヽアルノデ、日々ニ其功ヲ進メツヽアル次第デアリマス、
殊ニ今期ニ於キマシテハ又-今ヨリハ又勁敵ト一層ノ冱寒ト共ニ戰ハナケレバナラヌ次第
デゴザイマス、斯ル際ニ於キマシテ、國民ノ大多數ヲ代表セラルヽトコロノ諸君ヨリ、慰問
ヲ發セラルヽト云フコトハ、出征軍ニ取リマシテハ、非常ナル感激ニ堪ヘヌコトデアラウト考
ヘマス、因テ將來倍、奮勉努力、最終ノ目的ニ進ムコトヽ考ヘマス、本大臣ハ玆ニ一言ノ
謝意ヲ表シマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=10
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011・山本權兵衞
○海軍大臣(男爵山本權兵衞君) 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=11
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012・松田正久
○議長(松田正久君) 山本海軍大臣ノ演說
(海軍大臣男爵山木權兵衞君登壇〕
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=12
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013・山本權兵衞
○海軍大臣(男爵山木權兵衞君) 唯今當議場ニ於カレマシテ、議長閣下ヨリ出征
帝國ノ艦隊ニ對シ、慰問狀ノ御諮リガゴザイマシタガ滿場一致ヲ以テ可決セラレマシタ、
慰問狀ノ御趣意ハ取敢ズ電報ヲ以チマシテ出征艦隊ニ知ラシメ、諸君ノ熱誠ナル御趣
意卽チ國民ノ聲ヲ知ラセマシタナラバ、出征艦隊ノ將士ニ於キマシテハ非常ナル感動
ヲ以テ之ヲ迎ヘルデアラウト確信致スノデゴザイマス、開戰以來既ニ十箇月餘ヲ經過致
シマシタガ、此間數度ノ戰ニ於キマシテ、艦隊ハ善ク戰ヒ善ク勝チ、今ヤ敵ヲシテ旅順竝
ニ浦鹽ノ兩港ニ屈伏セシメ、而シテ直接間接ニ之ヲ封鎖シ、確實ニ今ヤ成功ヲ收メツヽ
アリマスルノハ、畏レ多クモ是レ大元帥陛下ノ御威稜ニ因ルコトハ勿論デゴザイマスル
ケレドモ、亦以テ國民ノ忠勇ナル援護ト帝國艦隊ノ忠勇義烈ノ然ラシムルトコロニ依リ
マシテ、此效果ヲ收メツヽアルト一云フコトヲ信ズルノデゴザイマス、今ヤ戰鬪ニ加フルニ互
寒ノ期ニ臨ミ、風浪雨雪ト相鬪ヒ、具サニ艱苦ヲ嘗メツヽゴザイマスルケレドモ、時局ノ前
途ハ益ニ遼遠ニシテ、士氣旺盛ナルコトヲ諸君ニ紹介致シマス、就キマシテハ我海軍ノ將
士ハ申スマデモナク、國民ハ各〓其本分ヲ明カニシ、能ク其事ニ從ヒマシテ、終局ノ目的
ヲ收メンコトヲ、諸君ト共ニ偏ニ期待シテ己マザル次第デゴザイマス、本大臣ハ是ニ於キ
マシテ政府ヲ代表シ、深ク諸君ニ向ヒマシテ感謝ノ意ヲ表シ置キマス
〔拍手起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=13
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014・桂太郎
○內閣總理大臣(伯爵桂太郞君) 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=14
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015・松田正久
○議長(松田正久君) 桂總理大臣ノ演說
(內閣總理大臣伯爵桂太郞君登壇〕
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=15
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016・桂太郎
○內閣總理大臣(伯爵桂太郞君) 諸君、本大臣ハ臨時議會ニ於キマシテ、諸君ト共
ニ軍國ノ大事ヲ翼贊スルノ光榮ヲ荷ヒマシタガ、今ヤ時局ニ關スル要務ヲ議スルタメニ玆
ニ再ビ諸君ト相會同スルコトヲ得マスルノハ、本大臣ノ最モ歌幸トスル處デゴザイマス諸
君、開戰以降我軍ガ連戰連捷、戰局漸次其步ヲ進メマスルノハ一ニ陛下ノ御稜威
ニ因ル次第デゴザイマス、而シテ陸海軍人ガ作戰宜シキヲ得、隆暑ニ耐ヘ冱寒ヲ冒シ、
萬難ヲ凌イデ克ク其忠勇ヲ致シマスルノト、國民ガ一致協同愛國ノ至誠ヲ竭シ、資源ノ
培養ニ勉メ、軍資ノ供給ヲ豐ニスル等、此時局ニ處スルノ途ヲ但何テ居リマスルトハ亦
實ニ今日アル所以デアルト云フコトヲ疑ヒマセヌ、併ナガラ前途ハ尙遼遠デゴザイマスル、
本大臣等ハ諸君ト共ニ聖旨ヲ奉體致シマシテ、堅忍持久、終局ノ目的ヲ達シマスル
コトノ責任ハ重且ツ大ナルコトデアルト信ジマス、前議會ニ於キマシテ、諸君ノ協贊ヲ得
マシタル臨時軍事費豫算ノ期限モ、既ニ其終リニ近ヅキマシタガ、時局ノ趨勢ハ、前途尙
十分ナル計畫ヲ要シマスル次第デゴザイマスル、而シテ其計畫ノ大要ハ既ニ聖旨ヲ奉ジ
マシテ、提出致シ置キマシタトコロノ豫算案及法律案等ニ依ッテ、諸君ノ御承知ニナッテ
居ルコトヽ存ジマスル、本大臣ハ諸君ト共ニ當初ノ決心ニ基キマシテ、交戰ノ目的ヲ貫
徹スルト申スコトニ付キマシテハ、苟モ遺算ナキヤウ致シタイト存ジマス、又明治三十八年
度ノ豫算案其他ノ議案ニ付キマシテモ諸君ガ愼重審議、速ニ協贊ヲ與ヘラレマスルコ
トハ、本大臣等ノ切ニ希望致シマス次第デゴザイマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=16
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017・松田正久
○議長(松田正久君) 曾禰大藏大臣ノ演說
〔大藏大臣男爵曾禰荒助君登壇〕
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=17
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018・曾禰荒助
○大藏大臣(男爵曾禰荒助君) 唯今總理大臣ヨリ、此時局ニ於キマスル豫算案竝
ニ法律案ニ付、一言セラレマシテゴザリマス本大臣ハ更ニ豫算ノコトニ付キマシテ、諸君
ノ御耳ニ入レヤウト考ヘマス(「大キナ聲デヤレ」ト呼フ者アリ)私ハ玆ニ明治三十八年
度ノ豫算竝ニ臨時軍事費追加豫算ヲ、諸君ニ紹介致シマス、此今日ノ國家未曾有ノ
時局ニ方リマシテ、不肖ガ諸君ト共ニ戰時ノ財政經畫ニ任ジテ、其討究ヲ爲スコトヲ得
マスルノハ、誠ニ光榮ノ至リト存ジマス、日露事件ノ開始以來、旣ニ一年ニ垂ント致シ
マスルガ、國民ハ能ク空前ノ負擔ニ堪ヘ、將士ノ作戰經畫ト相待ヲテ戰局ノ前途ヲシ
テ、聊カノ支障モナイヤウニ至ッテ居リマスルハ、固ヨリ陛下ノ御稜威ニ賴リマスルコト
デハゴザイマスルガ、抑〓又國民ガ所謂舉國一致奉公ノ精神ヲ發揮シタルガタメニ外ナ
ラヌコトデゴザイマセウト信ジテ疑ヒマセヌ、故ニ此〓ニ付キマシテハ、私ハ諸君ト共ニ此
國家ノ前途ニ對シ、今日ニ於テ此昌運ヲ見ルコトヲ祝シマスルト同時ニ國民ノ隆盛ヲ圖
ルコトニ付キマシテハ、大ニ御互ニ盡サナケレバナラヌコトヽ信ジマス既ニ御手許ニモ週ッテ
居リマスル如ク今ヤ戰局ノ進行ニ伴ヒ、臨時軍事費ノ追加ヲ要シ、再ビ之ヲ國民ノ敵愾
心ニ訴フルノ必要ニ迫ッテ居リマス、臨時軍事費ノ追加額ハ陸海軍ヲ合セテ七億圓ニ
ナリマスル、外ニ臨時公債ノ利子等ニ要シマスル費額八千万圓ヲ加フルトキハ、臨時事
件ノタメニ要スル豫算ノ總額ハ、七億八千万圓ニ達スルノ計算デアリマス、固ヨリ戰局
ノ變化如何ニ依リマシテハ又多少ノ增減ハ免レヌコトデゴザイマセウ、然レドモ政府ニ
於キマシテハ、出來得ル限リ節約ノ方針ヲ以チマシテ、豫算ヲ調製シテ居リマスシ又此
施行ニ際シマシテモ、十分ニ注意ヲ致シマシテ、冗費ノナカラヌヤウニ致スト云フコトニ、
決心ヲ持ッテ居リマス、臨時軍事費ノ財源ト致シマシテハ、通常歲計ヲ節約シテ、其
剩ッタモノヲ繰入レ及特別會計ノ資金ヲ融通スルノ外ニ、一面ニ於キマシテハ、新ニ租
稅ヲ增徵シ、尙新ラシイ税源モ加ヘマス、又一面ニハ公債ヲ募集シ、竝ニ一時借入金ヲ
爲シマシテ、兩々相侍シテ支辨スルト云フ經晝デゴザイマス、而シテ今囘ノ增稅總額ハ、約
八千二百万圓程デゴザイマシテ、公債及一時借入金ノ總額ガ五億六千六百万圓程ニ
ナリマス、併ナガラ右ノ公債及一時借入金ノ中デ、約一億二千万圓ト云フモノハ、旣
公債募集濟トナリマシテ、是ハ今日ノ議題ニモ上ッテ居リマスルガ、先日英吉利竝ニ亞
米利加ノ方デ發行致シマシタ、故ニ明年度ニ於キマシテ、實際募集又ハ借入ヲ要スル額
ハ約四億五千万圓デゴザイマス本大臣ハ此經畫ヲ立テマスルニ方リマシテハ、內ハ國民
ノ負擔力ガドレダケアルカ、又ドレダケナラ宜イカト云フコトヲ熟考シ、外ニ對シマシテハ我
財政ノ信用ヲ維持スルコトニ努メマシテ、此戰時唐政ノ基礎ガ動搖セヌヤウニ、卽チ
戰時財政ノ基礎ヲ鞏固ニスル途一ニ此手段ニ依ルノ外ナキヲ信ジタトコロデ、拵ヘタ譯デ
ゴザイマス、明治三十八年度ノ通常豫算ハ、今日ノ時局ニ鑑ミマシテ、極力節約ヲ努メ
マシタ、卽チ其剩ストコロハ約一億二千万圓、是ハ悉ク臨時事件費ノ財源ニ流用致シ
マシタ、抑〓明年度ノ歲計ハ臨時事件費トヲ合セテ見マスルト云フト、約十億圓ニ垂
ント致シマスル、實ニ空前ノ豫算デゴザイマスル、國家今日ノ時局ニ際シマシテ、誠ニ已
ムヲ得ザル數デゴザリマス、本大臣ハ諸君ト共ニ國家當面ノ急ヲ充タスニ際シ、能ク大
局ニ觀テ愆ナカランコトヲ期シテ居ル次第デアリマス、戰時財政經畫ノ詳細ニ至ッテハ
議事ノ進行ニ伴ヒ、漸次十分ニ御說明ヲ致シマセウト思ヒマス、本大臣ハ諸君ガ愼重ノ
審議ヲ盡サレ、速ニ協賛ヲ與ヘラレンコトヲ望ミマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=18
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019・松田正久
○議長(松田正久君) 是ヨリ議事日程ニ移リマスガ、第一日程卽臨時事件費支辨
ニ關スル法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略致シマス
第臨時事件費支辨ニ關スル法律案(政府提出)第一讀會
第一條臨時事件費支辨ノ爲政府ハ一時借入金ヲ爲シ、國庫債劵ヲ發行シ、
特別會計ニ屬スル資金ヲ繰替使用シ及公債ヲ募集スルコトヲ得
前項ノ一時借入金、、國庫債券及公債ノ額ハ通シテ四億五千萬圓以內トス
第二條明治三十六年勅令第二百九十一號、明治三十七年法律第一號、同年
勅令第二百二十八號及本法ニ依ル國庫債劵及公債ノ發行價格差減額ヲ補
塡スル爲必要アル場合ニ於テハ前條ノ制限以外ニ國庫債券ヲ發行シ公
債ヲ募集シ又ハ一時借入金ヲ爲スコトヲ得
第三條前二條ニ依ル一時借入金、國庫債券及特別會計ニ屬スル資金繰替
ヲ整理償還スル爲必要アル場合ニ於テハ第一條ノ制限以外ニ公債ヲ發行
スルコトヲ得
第四條政府ハ臨時軍事費出納上一時ノ不足ヲ補充スル爲其ノ歲入ヲ以テ
償還スヘキ大藏省證券ヲ發行スルコトヲ得
前項大藏省證劵ニ關シテハ前項ニ規定スルモノノ外總テ大藏省證券條例
ノ規定ヲ適用ス
第五條一時借入金、國庫債券及公債ノ利率、募集借入ノ方法規約、据置年
限及償還年限ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條本法ニ依リテ發行スル國庫債劵及公債ニ關シテハ本法ニ規定スル
モノノ外整理公債條例ヲ適用ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=19
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020・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 第二日程ニ移ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=20
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021・松田正久
○議長(松田正久君) 發言者ガ無ケレバ、第二ノ日程ニ移リマス
第二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=21
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022・江藤新作
○江藤新作君(二百十九番) 本員ハ此委員選舉ノ方法ニ付テ希望ヲ述べ、且ツ諸
君ノ御贊成ヲ得タイト思ヒマス、從來多クノ場合ニ於テ、特別委員ノ選舉ハ、議長ノ指
名ニナッテ居リマシタガ、本日現ハレテ居ル日程ハ、眞ニ重大ノ關係ヲ有ンテ居ルモノデア
リマスカラ、成ルベク選舉ノ方法ヲ鄭重ニシテ、各部ニ於テ選擧致シマシテ、後其全數ヲ
通算スルコトニ致シタイト思ヒマスカラ、其通諸君ノ御贊成ヲ希望致シマス(「異議ナシ
異議ナシ」「贊成々々」ノ聲起ル)此希望ハマダ議場ニ現ハレテハ居リマセヌガ、第一ヨリ二
十三ニ至ルマデノ議案ニ向ッテ、同樣ノ希望ヲ有ッテ居リマスカラ、併セテ諸君ノ御贊成
ヲ希望致シマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=22
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023・島田三郎
○島田三郞君(二百七十八番) 唯今ノ發議ニ對シテ、反對ノ趣意ヲ述ベタイト田心ヒ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=23
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024・松田正久
○議長(松田正久君) 演壇ニ御登リヲ
〔島田三郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=24
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025・島田三郎
○島田三郎君(二百七十八番) 諸君、唯今ノ發議ハ寔ニ簡單ナモノデゴザイマスガ、
實ハ本會ノ會議ヲ全部支配スベキトコロノ、重要ノ關係ノアル發議デゴザイマスカラ、本
員ハ今日ノ議場ノ形勢ヲ通覽致シマシテ、本員ノ反對ノ說ガ事實ニ行ハレルヤ否ヤニ
付イテ、懸念致シマスルケレドモ、併ナガラ一般ノ形勢ト竝ニ國民ノ希望ニ對シテ、時局
ニ關係ノアル重大ノ疑問デアリマスカラ、本員ノ反對ノ理由ヲ表明致シマシテ、同時ニ意
志ノアル所ヲ議場ニ訴ヘ、間接ニ國民ニ訴ヘルタメニ一言ヲ述ベマス、甚ダ申スコトガ以
前ニ遡リマスケレドモ、元來唯今ノ發議ハ議院規則ノ本文ヲ正シク解釋セラレテ、鄭
重ニ扱フト云フコト、鄭重ニ扱フト云フコトハ、發議者ト同意デアリマス、而カモ文字竝ニ
外觀ニ於テ之ヲ鄭重ニ扱フガ如ク見エルニ拘ハラズ、事實ハ之ニ反對デアルトコロノ證ヲ
舉ゲヤウト思ヒマス(拍手起ル)尙又十年來若モ此議會ニ御臨ミニナリマシテ、議會ノ歷
史ヲ御記憶ノ御方ハ、十年來特別委員ノ選舉ハ議長ニ任セマシタ、卽チ議院規則ノ
六十三條ノ第一項ヲ用井ズシテ、第二項ヲ用井ルコトヲ、一定ノ慣例トシテ、唯今マデ
弊害ヲ見ナイノデアリマス、之ガタメ議場竝ニ委員ノ間ガ圓滑ニ行ハレテ、至極原案ヲ
說明セラルヽ政府モ便利ヲ得、竝ニ之ヲ審議討論致シマスル議會モ、非常ナ便利ヲ得
テ居ルノデアリマス、是ハ總テ御承知ノ如ク、我議場ノ有樣ハ、英國ノ如ク未ダ政黨ガ全
局ヲ制スルニ至ラズシテ、離合常ナク、尙且少數意見ノ參考ヲ必要トスル議會ノ形勢デ
アルコトハ、達觀スル者ノ皆認ムルトコロデゴザイマス、之ガタメニ議長ノ特選ニ任セマスレバ
有ラユル異種類ノ意見ヲ徵シテ、之ヲ委員ノ中ニ發表セシメテ、問フベキモノハ問ヒ、質
スベキハ質シ、注意スベキハ注意シテ、略〓完璧ノモノト仕上ゲテ、之ヲ議場ニ出シマスト
キハ議場デ無益ノ爭論ヲ爲サズシテ、議案ヲ討議スルコトガ出來ルノデゴザイマス、若シ諸
君ガ此慣例ヲ破リマシテ、唯今ノ發議者ノ如ク致シマスレバ、常任委員ヲ選舉シタル歷
史ハ、明ニ大多數ヲ占メテ居ルトコロノ政進二黨ノ諸君ガ、多數ヲ委員ノ中ニ御組入レ
ニナルト云フコトハ、何人モ見ル所デゴザイマス(「ヒヤミニ」ト呼フ者アリ)是ハ本員ハ少シ
モ之ニ向ッテ異存ハナイ、多數ノ者ガ議會ヲ制スルト云フコトハ議會ノ常則デアルカラ、之
ニ對シテハ議論ハナイノデゴザイマスガ、若モ之ヲシテ平日ノ議會タラシムレバ、本員ハ此
壇ニ登ッテ態〓諸君ノ御聞ヲ煩ハサヌノデゴザイマスガ、併ナガラ今日ノ形勢ハ平常ト違ッ
テ居リマス、國民ハ平生種々ナル議論ノアルニ拘ハラズ、舉國一致ノ此簡單ナル神聖ノ
熟字ノ下ニ、對外ノ精神ヲ發揮シテ居リマスカラ、議會モ亦黨派ヲ代表セラルヽ領袖諸
君ハ、飽マデ十有餘年ノ間、政府ト爭フベキハ爭ヒ、質スベキハ質シテ、種々ナル經歴ヲ
有ッテ居ラルヽニ拘ハラズ、今日國民ノ心ヲ心トシテ議會ニ列スル政黨諸君ハ、此擧國
一致ノ實績ヲ議會ノ上ニ舉グラレンコトヲ、專念一意ノ志デナケレバナラヌト本員ハ信ジ
マ、吾〓力微ナリト雖モ、此神聖ナル義務ニ向ッテハ重大ナル心服ヲ以テ居リマシ
テ、之ニ服從スル心得デゴザイマス、此事ニ至ッテハ議員諸君ノミナラズ、政府當局ノ方モ
同ジ精神ヲ以テ、其誠ヲ披瀝シテ、議院ニ莅マレタト確信致シマス、ソレ故ニ舉國一致ノ
實ヲ身ゲント致シマスレバ國民ヲシテ總テノ代表ノ思想ヲ表ハサシメルコトガ必要デアル
ト思ヒマス、若モ常任委員ノ選舉ノ如キ、總テノ者ガ多數ノ黨派ノ委員ヲ以テ調査セシ
メルト云フコトニナリマスルナレバ、勢ヒ議場ニ其異論者ハ異議ヲ唱ヘナケレバナラヌ、其
注意ヲ與ヘナケレバナラズ、質問モ致サナケレバナラヌト云フノデ、議場ノ經過ハ委員會
ノ中ニ總テ終ルベキモノヲ、議場ノ問題トシナケレバナラヌ不便ヲ現ハスハ議事ノ經過
ニ於テ、特ニ軍國議會ノ形勢ニ於テ、本員ハ好マザル處デゴザイマス、是ハ唯議事ノ便
不便ヲ本員ガ論ズルノデゴザイマスケレドモ或人ノ公ニ述ベタルトコロノ言葉ハ本員
等ハ確ニ國民ヲ皷舞シ、國民ヲ警戒シタルトコロノ立派ナル言論デアルニ拘ハラズ、之
ヲ傳ヘ傳ヘテ外ニ及ボスト、恰モ雪ヲ雪上ニ轉バスガ如ク、轉輾シテ意味ガ違ッタコトガ
傳ハルノデアリマス此舉國一致ノ精神ヲ此議場ニ發揮シテ、國民一致ノ實績ヲ現ハス
ニハ種々ナル意見ガアルナラバ、委員會ノ中ニ總テノ注意ヲ集メ、總テノ質問ニ答ヘテ、圓
滿ノ結果ヲ現ハスガ、外軍人ニ對スル國民ノ誠デハアルマイカト思フ、畏クモ陛下ノ御
言葉ヲ奉戴シテ、斯ノ如キ態度ヲ取ルガ必要ナコトデアラウト思フ、本員ノ知リ得ルトコ
ロノ見解ニ於テハ、縦令少ノ異議ガアッテモ、大事小事ノ比較ヲ取ッテ、本會ニハ餘リ異
論ヲ發言シナイト云フ、誠ニ親切ナル考ヲ持ヲテ居ル議員諸君ヲ、本員ハ數ヘ舉ゲルコ
トガ出來ル、定メテ此會ニ臨ンデ居ル諸君ハ、言ハズトモ斯ノ如キ精神ヲ持ッ居ラルヽデ
アラウト思フ然レバ委員會ニ於テ多クノ異議ヲ集メ、多クノ考ヲ集メルト云フコトガ、今
日ニ於テ必要デアラウト思フ是ハ唯今感謝狀ヲ決議致シマシタトコロノ、軍人ニ對スル
誠ノ行ヒデハアルマイカト思フ、感謝ト云フノハ言葉ト文章ヲ以テ盡スベキデナクシテ、
實ノ行ヲ以テ軍人ニ對スルガ、本員ハ必要デアルト感ジマスカラ、成ルベク軍國ノ議會ニ
ハ少シノ異議ガアッテモ、此議場ニ斯ノ如キ異議ノ爭ハ減ジテ、一瀉千里ノ勢ヲ以テ、
必要ナル軍費ヲ豐カニ供給スルコトヲ、快ク決議致シタイト思フ、然ラザレハ勢一方ニハ
時局ニ對シテ、斯ノ如キ擧動ヲナスノ必要ガアリ、一方ニハ一時ニイロ〓〓ノ目論見ニ
亙ル增稅及新稅ト云フモノガアルノデゴザイマスカラ、アラユル異ッタル事柄及イロ〓〓ノ
便不便ヲ、議會ノ上ニ言ヒ現ハシテ、同ジ額ノ稅ヲ取ルニモ、國民ニ痛苦ヲ與フル度合
ノ少ナカランコトヲ望ムガ、議會ガ國民ニ對スル神聖ノ職分デアルト本員ハ信ズル、唯今
ノ發議ノ如ク、此慣例ヲ破ルノハ何故デアルカ、本員ハ解シ得ラレマセヌノミナラズ、慣
例ヲ破ッテ、委員會ニ於テ政府委員ニ質間ヲナス能ハズンバ、已ムヲ得ズ國民代表者
ハ、本會ニ於テ委員諸君ガ再度聞カルヽヲ厭フ所ノ質問ガ出ルト思フ、本員ハ深ク此
組織ニ於テ惜ムノデアリマス、若シ委員會デ質問ヲ盡シ終フスレバ、此議場ニ再度質問
ヲ爲ス必要ガナイノニ、議事ノ經過ニ於テ、今日ノ時局ニ於テ、外ニ對スル義務ニ於テ、
國民ニ對スル職分ニ於テ、本員ハ何故ニ十年來違ハザル慣例ヲ、此軍國議會ニ限テ變
更サレテ、唯多數黨ノ意見ヲ以テ一時ノ急ヲ救ハントセラルヽガ、本員ノ疑ノ解ケザルト
コロデアリマス、議會ハ國民ヲ代表スルノデ、少數黨ノ意見モ神聖トシテ崇敬スルガ、議會
ノ好慣例デハアルマイカト思フ、況ンヤ今日ノ時局ニ於テ、斯ノ如キ必要ヲ一層感ズル
ノデアル、此事ガ議會ノ神聖ニ關係アルヲ確信スルガ故ニ、諸君ヲ煩ハシテ此決議ニ反
對ヲシ、是迄ノ慣例通ニアラユル意見ヲ集メテ、委員會ニ於テハ討論審査ノ大切ナル場
所トシテ、之ヲ本會ニ出シタル以上ハ、一瀉千里ヲ以テ、斯ノ如キ軍費ヲ支給スル圓滿
ノ議會ノ行動ヲ取ルコトヲ、切ニ望ムノデアル、若シ此事ガ行ハレズシテ斯ノ如キトコロ
ヘ修正ヲ加ヘテ、民ノ痛ミヲ減ジタイト云フトキニ委員會デ其事ガ行ハレヌデ、本會デ
モ圓滿ニ成立ヌデアルト、他日嘆息ヲ漏ラス者ガアレバ、之ヲ發議シタ者之ヲ贊成シ、
之ヲ實行シタ諸君ノ責任ニ屬スルノデ、本員ハ此意見ヲ表明シタルガタメニ、本員ハ其
責任ヲ免ルヽモノデアルト思フ委員會ニ於テ緊要ナル發議モ成ルタケ見合スト、已ムヲ
得ズシテ本會ニ於テ異論アル者カラシテ議論ガ出タナラバ、此事ヲ發議サレタル諸君ノ
責任デアラウト思フ斯ノ如キ重大ノ責任ヲ、殊ニ此場合ニ於テ取ルノ必要ハナクシテ、
却テ圓滿ナル議會ノ進行ヲ助ケ、外ハ軍人ニ對シ國民ニ對シ議會ノ職務ヲ適當ニ行
フガ必要ノコトデアルト思フ、故ニ本員ハ此發議ニ反對ヲ表シ、從來ノ慣例ヲ維持致シ
タイト思ヒマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=25
-
026・松田正久
○議長(松田正久君) 鳩山和夫君
〔鳩山和夫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=26
-
027・鳩山和夫
○鳩山和夫君(二百二十九番 極メテ小ナル如キ形ノアル問題ヲ、此大ナル議事ヲス
ル前ニ、玆デ議スルノハ、何カ場處ガ違フヤウナ一應感ガアリマスガ、私ハサウ思ハナイノ
デアル、島田君モ御同論ト見エテ、此問題ヲ重大視シテ、玆ニ御登壇ナサレタノデアラ
ウ、島田君ノ御論ヲ伺ヒマスト、要スルニ反對ノ理由ハ三ツ、第一ハ慣例ニ背クト云フ
コト第二ニハ議場ニ於テ質問ガ起ッタトキニ議場ガ大分騷シクナル、第三ハ舉國一致ノ
實ヲ妨ゲル、先ヅ要シテ見マスルト斯ウ云フ風ニ要セラレマスガ、御當人ノ御演說ハサ
ウ云云ヤウニチャント、キチント要領ハ舉ゲテナイノデアル、若シ是ダケニ要領ヲ約メ舉ゲル、
ニハ、大分苦心ヲ致シマス、第一ニ慣例ニ背クト云フコトデアルガ、新タニ選出セラレタル
議員ナラバ免モ角多年議席ニ列セラレタル島田三郞君ガ、慣例ニ背クト云ハレルノハ、
ドウ云フコトデアルカ、旣ニ御忘レニナッタナラバ、慣例彙纂ヲ見レバ能ク改メラルヽデアラウ
ト思フ、各部ニ於テ選舉ヲ行ヒ、而シテ之ヲ通算シタト云フコトハ一囘二囘ノコトデハナ
イノデアル、ソレハ彙纂ヲ見レバ直グ分ル、卽江藤君ノ發議ハ、慣例ニハ少シモ背イテ居
ラナイノデアル、ソレカラモウ一ツハ、委員會ニ於テ質問ヲシタリナンカシテ、能ク盡シテ置カ
ナイト、議場ニ於テ大分質問シナケレバナラヌト云フ、是ハ委員トナラザル人ノ權利デアツ
テ、サウ云フコトハイクラデモスルガ宜イノデアル、議場ハ唯形式ダケニ此處ニ集ル處デハナ
イノデアル、質問モ爲スベシ、討論モ爲スベシ、十分ニ〓究シテ、ソレガ世ノ中ニ傳レバ、卽
チ此議場ナルモノガ如何ニ鄭重ニ審議シタイト云フコトガ、世間ニ發表シテ、此議會ノ
意志ト云フモノガ、國民ニ能ク分ル、ソレヲ唯委員會ノミニ於テ質問ヲシ委員會ノミニ
於テ討論ヲスル、此處へ來テ-此議場ヘ來テハ唯形式デ可否ノ決ヲ採ルノミデアルト
云フコトニシタナラバ、此議場ト云フモノハ眞ニ平々凡々詰ラナイモノニナッテシマフダラウト
思フ、今一ツハ舉國一致ノ實ヲ妨ゲルト云フヤウニ承ッタガ、是ハドウモドウ云フ所カラシテ、
委員ノ選舉ガ舉國一致ノ實ヲ妨ゲルノデアルカ、委員選舉ノ方法ト舉國一致トノ間ノ
聯絡ガ、餘程付キニグイト思フ此思想ノ聯絡ハ私ニハ能ク分ラナイ、分ラナイケレドモ島
田君ハ斷定セラレタノデアルカラ、何カ理由ガアルカハ知リマセヌガ、ドウモ、其聯絡ガ分リマ
セヌカラシテ、是ハ實ハ答辯ノ仕方ガ無イノデアル、サリナガラ江藤君ノ發議ヲ聽イテ見ル
ト、吾ミハ重大ナル議事ヲ爲スノデアルカラシテ、其下調ヲスルトロコノ委員ハ、之ヲ鄭重ニ選
舉シヤウト云フノデアル吾ミガ委員ノ選舉ニ鄭重ナル方法ヲ執リマシテ、適任者ヲ舉ゲ
ヤウトスルノガ、何故ニ舉國一致ノ實二北曰クノデアリマスルカ、、或ハ島田君ノ演說中ニ、サウ
スルト政進ノ二大黨ガ委員ヲ壟斷シテシマッテ、外ノ者ガ省カレテシマフト云フヤウナ風ニ取レ
ル言葉ガアリマシタケレドモ、各部デ選舉致シマシテモ、吾〓ハ自由ノ意思ヲ以テ、適任者
ト認ムル人ヲ選舉スルノデアルカラ、島田君ノ如キ若シ適任者ト認メラレタナラバ無論
御當選爲サルデアリマセウガ、若シ適任者ト認メラレナカッタナラバ、當選シナイマデノ話デア
ル、御自身デハ如何ニ己レガエライト思ウテモ、他ガ認メテ吳レナケレバ仕方ガナイ話デア
ル、斯ウ云フ次第デアリマスカラ、必シモ各部選舉ニ於テ、政進二黨ガ舉ガルト極ッテ居
ナイ、併シ多分結果ハサウナルデアラウト思フ、サウナルデアラウト思フノハ政進一八
ハ自分ノ黨派ニ居ル人ガ、今日ノ政治世界ニ立テハ、一番適任者テアルト思ソノデア
ル、御一人一人ト致シテハ、如何カ知レマセヌケレドモ併ナガラ此一黨ノ人ハ我黨
屬スル所ノ者ヲ、最モ自分ノ意志ヲ達スルニ近イ政友ト心得テ居ルノデアル、其政友ヲ
我ハ選舉スルコトニナルデアラウト思フ、其人ガ最モ適任者ト思フノデアル、併ナガラ其外
ニ或技術上カ何カニ付イテ、黨ニ其人ヲ得ズシテ、或ハ他ノ黨或ハ中立黨ニ、特別ノ技
能ヲ有ッテ居ル人ガアッテ、之ヲ委員ニ舉ゲナケレバナラヌト云フ場合ニハソレガ國
家ノ利益デアルト斷定スル場合ニハ其特別ノ技能アル人ハ、ヤハリ委員ノ中ニ加ヘラル
ルデアラウト思フノデアル、詰リ此選舉方法ハ特別ノ選舉デアルノデハナクシテ、却テ法律
ガ認メテアル選舉デアル議院規則ノ六十三條ヲ御引キニナリマシタケレドモ、是ハ第二
項ニ議長ガ指名スルコトヲ得トアッテ、議長ニ特別ノ便法ヲ與ヘタノデアル、普通ハ委員
ト云フモノハ選舉スルノガ當然デアル、其故ニ議院法ニ於キマシテハ、特別委員ハ議院
ニ於テ之ヲ選舉スルト規定シテアッテ、衆議院規則ニ於テ議長指名ト云フ便法ヲ、ッ
用井出シタグケデアル卽チ本式ニ依タテ委員ヲ選舉シヤウト云フ案デアリマスルカラ、之
ニ對シテ反對スルノハ、チト無理若クバ愚癡デアラウト考ヘマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=27
-
028・松田正久
○議長(松田正久君) 小河源一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=28
-
029・望月長夫
○望月長夫君(二百四十六番) 討論終結ノ動議ヲ私ハ出シタイ、此問題ハ理窟ヲ
言葉デ言ロテ見レバ長イコトガ饒舌レルカモ知レヌケレドモ、唯今贊成反對ノ兩論ヲ承
ツタノデ趣意ハ分ツテ居ル、ツレ故ニ私ハ緊急動議ヲ出シテ、討論終結ノ動議ヲ提出致
シマス
〔「贊成々々」ト呼フ者アリ〕
〔小河源一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=29
-
030・小河源一
○小河源一君(三百五十五番) 諸君、私ガ發言權ヲ得マシタ、諸君、私ハ本案ニハ
反對ヲ致スモノデゴザイマス、江藤君ヨリ本案ヲ提出致サレマシタ其趣旨ハ、其言葉ノ
上ヨリ察シマスレバ、大事ナル所ノ問題デアルカラ、選舉ヲ用井テ適任者ヲ選ンデ、而シ
テ愼重ニ委員會ヲ致シタイト云フ御趣意デゴザイマス、此言葉ノ通デアリマスルナラバ洵
ニ立派ナ事デゴザイマスルガ、果シテ此選舉ノ結果ガ左樣ナ美風ニ伴フデゴザイマセウカ、
又本案ヲ提出致シマシタルトコロノ精神ハ、果シテ左樣ナ意見ヨリ出デタモノデアリマセウ
カ、私共ハ大ニ疑ハザルヲ得ナイノデゴザイマス、全體此議會ニ於キマシテハ成ルベク公
平ヲ保ツト云フコトハ、論ズルマデモナイ事柄デアル多數ノ政黨ガアリマスレバ其政黨
ガ勢力ヲ得ルト云フコトハ、無論已ムヲ得ナイコトデアル是ハ自然ノ勢デゴザイマスガ、
併ナガラ其中ニモ無益ナル不公平ヲ現スト云フコトハ議會ニ於テ愼ムベキ事デアルトシ
ナケレバナラヌノデゴザイマス、此委員會ニ於キマシテ他黨他派ノ者ガ其意見ヲ洩ラスガ
タメニ、僅ニ一名二名三名ノ少數ノ者ガ加ッテ、其同志者、其黨派ノ者ノ意見ヲ洩ラ
シタカラト云ッテソレガタメニ委員會ニ何程ノ妨ガアリマセウ、ソレガタメニ多數ノ政黨ハ
損害ヲ受ケルト云フコトガアリマセウカ、啻ニ各派ノ意見ヲ疏通致スト云フ利益ハアッテ
モ、ソレガタメニ多數政黨ガ、少シモ損失ヲ受ケルト云フコトハ無イノデアル、然ルニモ拘ラ
ズ、之ヲモ他ノ者ヲ壓シテ少シモ意思ヲ洩ラサナイト云フコトハ天下ニ對シマシテ議會ハ
公平ナモノデアルト云フコトヲ、發表致シタルモノデアルト云ハレマセウカ、曩ニ島田君ガ述
ベラレマシタ、島田君ガ慣例ニ反クト云フコトヲ述ベタノデ、大ニ擊タレマシタケレドモ、島
田君ト雖モ斯ル慣例ハ一囘モ無カッタト云フ趣意デハアリマスマイ、斯ノ如キ慣例ガ多
ク行ハレ、善良ナル慣例トシテ行ハレテ居ッタト云フコトデアル、又議場ヲ騒スト言ハレタコ
トニ對シテモ反駁ガアリマシタガ、議場ハイクラデモ騷イデ宜イ、ナンボデモ自由ニ論ズルハ
宜イト云フコトデアリマシタガ、無論其通デアリマス併ナガラ是ハ論ズルノ必要アッテ論ズ
ルコソ宜イノデアッテ、成ルベク左樣ナ議論ハ議場デ騒ガサナイ中ニ鎭メルコトガ出來テ、無
益ナ騒擾ヲ議場ニ於テ惹起サナイヤウニスルト云フノハ、議會ノ善良ナル美風デバゴザイマ
セヌカ、又擧國一致ノ態度ニ背クト云フコトハ分ラナイト云フコトデアルガ、公平ヲ維
持シ若クハ利益ノタメニ斯ル事ヲ爲スナラバ免モ角モ、唯多數壓迫ヲ行ハントスルガタメ
ニ少シノ利害ニ關係ナイ場合ニ、他派ノ者ヲ一人モ其委。員ニ入レナイト二ムフガ如キ心ヨ
リシテ、斯ノ如キ問題ヲ故ラニ持出スト云フガ如キハ舉國一致ノ精神ニ副フモノデハナ
イノデアル、若シ議長ガ指名ヲ致シテ見マシタナラバ議長ハ必ヤ公平ノ處置ヲ校ラルヽ
デアリマセウ、又公平ノ處置ヲ取ラナケレバナラヌ、是ニ於テカ議長ニ公平ノ事柄ヲ行ハ
シテハナラヌ、左樣ニナッテハナラヌト云フタメニ、斯ル案ヲ持出スト云フコトニ付イテハ反
對ヲシナケレバナラヌノデ(拍手スル者アリ)諸君、願クハ天下滿目ノ環視ノ中ニ開ケタル
此議會ニ、甚シキ不公平ノ行ハルヽコトノナイヤウニ、十分御考ニナッテ、ドウカ吾ミノ希
望ノ達セラルヽヤウニ御決議アランコトヲ希望致シマス
(拍手スル者アリ「討論終結」ト叫フ者アリ「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=30
-
031・松田正久
○議長(松田正久君) 討論終結ノ動議ニ贊成者ガアリマスカ
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=31
-
032・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ定規ノ贊成ガアルト認メテ採決シマス、江藤新作君ノ
動議、卽チ各部通算ノ說ニ同意者ハ起立ナサイ
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=32
-
033・松田正久
○議長(松田正久君) 多數ト認メマス、江藤君ノ說ニ決シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=33
-
034・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 此委員ハ九名ト致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=34
-
035・松田正久
○議長(松田正久君) 九名ノ說デスカ〓発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=35
-
036・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 九名デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=36
-
037・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ九名ノ委員ニ付託スルコトニ致シマス、議事日程ノ第
三ニ移リマス、非常特別稅法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略シマス
第三非常特別稅法中改正法律案(政府提出)第一讀會
非常特別稅法中左ノ通改正ス
第一條臨時事件ニ因リ生シタル經費ヲ支辨スル爲本法ニ依り租稅ヲ增徵
シ若ハ賦課シ又ハ印紙ヲ增貼シ若ハ貼用セシム
第二條左ニ掲クル租稅ニ付テハ關係法規ノ定メタル稅額ノ外左ノ割合ノ
稅額ヲ增徵ス
-地租
市街宅地地價百分ノ二十五箇五
郡村宅地地價百分ノ十箇五
其ノ他ノ土地地價百分ノ三箇六
二營業稅營業稅法ニ依ル稅額十五割
三所得稅
第一種所得
甲株主二十一人以上又ハ株
主及社員ノ數二十一人以
上ヲ以テ組織シタル株式
會社又ハ株式合資會社所得稅法ニ依ル稅額十五割
乙其ノ他ノ法人
所得金額五千圓未滿所得稅法ニ依ル稅額八割
所得金額一萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十四割
所得金額一萬五千圓未滿所得稅法ニ依ル稅額一一十割
所得金額二萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額ニ一十八割
所得金額三萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額三十六割
所得金額五萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額四十一ハ割
所得金額十萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額五十八割
所得金額十萬圓以上所得稅法ニ依ル稅額七十一割
第三種所得
所得金額五百圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十割
所得金額千圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十一割
所得金額五千圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十三割
所得金額一萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十四割
所得金額一萬五千圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十五割
所得金額二萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十七割
所得金額三萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額十九割
所得金額五萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額一一十一割
所得金額十萬圓未滿所得稅法ニ依ル稅額二十四割
所得金額十萬圓以上所得稅法ニ依ル稅額二十七割
四酒稅
酒造稅法ニ依ル酒類
第一種石ニ付金二圓
第二種石ニ付金二圓
第三種一石ニ付金二圓
第四種-石ニ付金二圓
第五種石ニ付酒精分一度每ニ金十錢
麥酒石ニ付金五十錢
酒精又ハ酒精含有飮料
原容量百分中純酒精ノ容量二
十以下ノモノ一石ニ付金二圓
原容量百分中純酒精ノ容量二
十ヲ超ユルモノ一石ニ付原容量百分中純酒精ノ
容量一箇每ニ金十錢
沖繩縣酒類出港稅酒造稅法ニ依ル酒類ニ對スル增
徵稅率ニ同シ
五砂糖消費稅
第一種百斤ニ付金五十錢
々第二種百斤ニ付金二圓三十錢
第三種百斤ニ付金三圓八十錢
第四種百斤ニ付金四圓二十錢
六醬油稅
醬油稅則第二條本文ニ依ル場合
醬油諸味一石ニ付金五十錢
溜製成一石ニ付金五十錢
醬油稅則第二條但書ニ依ル場合
醬油諸味一石ニ付金二十五錢
溜製成一石ニ付金二十五錢
七登錄稅
不動產ニ關スル登記
登錄稅法第二條第三號ノ登記不動產價格千分ノ二十
登錄稅法第二條第四號ノ登記不動產價格千分ノ十
從來保有セル所有權ノ保存不動產價格千分ノ三
華族世襲財產ノ創設不動產價格千分ノ五
船舶ニ關スル登記
登錄稅法第三條第三號ノ登記船舶價格千分ノ三十
登錄稅法第三條第四號ノ登記船舶價格千分ノ十
從來保有セル所有權ノ保存船舶價格千分ノ二
登錄稅法第六條及第六條ノ二ニ
依ル登錄稅
課稅標準ノ千分比例ヲ以テ稅
率ヲ定メタルモノ課稅標準千分ノ一
一箇所每ニ又ハ一件每ニ稅額
ヲ定メタルモノ
稅額金十圓ナルトキ金五圓
稅額金五圓ナルトキ金二圓
稅額金三圓ナルトキ金二圓
稅額金二圓ナルトキ金一圓
稅額金一圓ナルトキ金五十錢
稅額金五十錢ナルトキ金二十錢
鑛業ニ關スル登錄
試掘權ノ設定每一件金二十五圓
增區又ハ增減區ニ依ル試掘權
ノ變更每一件金十圓
相續以外ノ原因ニ因ル試掘權
ノ移轉每一件金十圓
採掘權ノ新規登錄每一件金五十圓
增區又ハ增減區ニ因ル採掘權
ノ變更每一件金二十五圓
相續以外ノ原因ニ因ル採掘權
ノ移轉每一件金二十五圓
八取引所稅
商品、有價證劵賣買各約定代金高萬分ノ六
國債及地方債證券同萬分ノ二
九狩獵免許稅
一等金二十圓
二等金二十圓
三等金五圓
十鑛區稅
試掘鑛區一千坪每ニ一箇年金一一十錢
採掘鑛區一千坪每ニ一箇年金二十錢
十一賣藥營業稅
每方劑一箇年ノ製造高ニ對ス
ル定價總額三百圓未滿ノモノ金一圓
同五百圓未滿ノモノ金三圓
同千圓未滿ノモノ金五圓
同二千圓未滿ノモノ金七圓
同三千圓未滿ノモノ金十圓
同五千圓未滿ノモノ金十五圓
金二十圓
同国同EXPERIESノノノ金三十圓
金四十圓
同五萬圓未滿ノモ金五十五圓
同七萬圓未滿ノモノ金七十圓
同十萬圓未滿ノモノ金八十五圓
同十萬圓以上金百圓
十二印紙稅
印紙稅法第四條ニ揭ケタル證
書帳簿但シ約束手形及判取帳
2回分印紙稅金一錢
判取帳印紙稅金五錢
約束手形
金高千圓以下印紙稅金一錢
金高五千圓以下印紙稅金四錢
金高一萬圓以下印紙稅金十三錢
金高二萬圓以下印紙稅金二十八錢
金高三萬圓以下印紙稅金五十八錢
金高五萬圓以下印紙稅金一圓十八錢
金高十萬圓以下印紙稅金二圓三十八錢
金高十萬圓ヲ超ユルモノ印紙稅金四圓九十八錢
十三輸入稅
大砲、小銃、拳銃、刀劒、砲彈、
裝藥其ノ他諸兵器從價五分
權衡及尺度從價一割
晴雨計從價五分
坩堝(各種)從價一割
刃物(別項ニ揭ケサルモノ)從價五分
電燈器械及同部分品從價五分
消防器及同部分品從價五分
農具、工匠具及同部分品從價五分
樂品及同附屬品從價一割
理學器、化學器、測量器、外科
器其ノ他諸學術器(別項ニ揭
ケサルモノ)從價五分
寫眞器及同部分品從價一割五分
蓄音器及同部分品從價一割
眼鏡及同部分品從價一割
獵銃及同部分品從價一割
電話機及同部分品從價五分
寒暖計從價一割
關稅定率法附屬輸入稅表第二
類ニ揭クル物品但シ生卵ヲ除
ク從價一割五分
生卵從價一割
關稅定率法附屬輸入稅表第三
類ニ揭クル物品
甲絹製及絹入ノモノ、金銀
珠玉入ノモノ、白金製、
金製及銀製ノモノ從價二割
乙其ノ他各種從價一割五分
關稅定率法附屬輸入稅表第四
類ニ揭クル物品但シ酒精(アル
コール)各種變性アルコール
各種酒精劑(阿片丁幾ヲ除ク)
龍腦、艾片、寫眞用古魚胃謨
及附屬ノ沃度意撒兒、麝香、
人造麝香、松脂、曹達灰及苛
性曹達ヲ除ク從價五分
酒精(アルコール)每リートル六錢
各種變性アルコール每リートル六錢
各種酒精劑(阿片丁幾ヲ除ク)每リートル六錢
龍腦及艾片從價一割
寫眞用古魯胃謨及附屬ノ沃度
意撒兒從價一割
麝香及人造麝香從價一割
關稅定率法附屬輸入稅表第五
類ニ揭クル物品但シ酸化古拔
爾篤、金液、銀液及白金液、乾
藍及ロクウードヲ除ク從價五分
關稅定率法附屬輸入稅表第六
類ニ揭クル物品但シ恩玻瓈片
(尋常ノモノ)プレート玻瓈片
(水銀ヲ塗リタルト否トヲ別
タス)屑玻瓈及粉玻瓈ヲ除ク從價一割
關稅定率法附屬輸入稅表第七
類ニ揭クル物品但シ綿種子ヲ
除ク從價一割
關稅定率法附屬輸入稅表第八
類ニ掲クル物品但シ獸骨獸毛
(羊毛、山羊毛及駱駝毛ヲ除
ク)牛皮及水牛皮(生、乾若ク
ハ鹽漬等ノ治理ヲ經サルモノ)
象牙、屑象牙、鼈甲、屑鼈甲及
貝殼ヲ除ク從價五分
鎭鍮
條、竿及板從價五分
筒及管從價五分
螺旋釘從價五分
銅
條、竿及板從價五分
釘從價五分
筒及管從價五分
線從價五分
銅貨及白銅貨從價五分
日耳曼銀
板竿及線從價五分
鐵及軟鋼從價五分
線索(電鍍シタルト否トラ
別タス)從價五分
鉛
板從價五分
筒及管從價五分
鋼(軟鋼ニ非サルモノ)
線(傘骨用凹形ノモノ)從價五分
線索(電鍍シタルト否トヲ
別タス)從價五分
黄銅
板從價五分
條及竿從價五分
釘從價五分
筒及管從價五分
別項ニ揭ケサル釘及螺旋釘從價五分
提囊用金具從價一割
キヤプシエール(罎ノ口ニ用
井ル金具)從價五分
戶鎖、戶鈕、戶栓、蝶鋏類從價一割
金銀其ノ他金屬箔及粉但シ靑
銅粉ヲ除ク從價一割
金銀器(別項ニ揭ケサルモノ)從價一割
鍍金銀器(別項ニ揭ケサルモ
〓從價一割
壁爐、置爐及附屬品從價一割
貨幣匣從價一割
傘骨及附屬金具
其ノ他別項ニ揭ケサル各種ノ從價一割
金屬製品但シ建築材、橋梁材、
電線支柱其ノ他類似ノ材料ヲ
除ク從價一割
關稅定率法附屬輸入稅表第十
類ニ揭クル物品但シ椰子油、
石油、亞麻子油、松精油及スチ
ヤリンヲ除ク從價五分
石油從價二割
集畫帖(寫眞用及郵便切符貼
用ノモノ)從價一割
白紙帳簿及書式類從價一割
墨汁(寫字用及筆記用ノモノ)從價五分
唐紙類(各種)從價五分
鉛筆
甲金製及白金製ノモノ從價一割
乙其ノ他各種從價五分
筆嘴
甲金製ノモノ從價一割
乙其ノ他各種從價五分
封蠟從價五分
藁紙從價五分
其ノ他各種ノ文具從價一割
砂糖(和蘭標本色相第十五號未滿)從價二割五分
糖蜜從價二割
糖水從價二割
毛フヱルト地從價一割五分
支那締緬從價割
支那絹紬從價一割
支那絹繻子從價一割
支那絹紋繻子從價割
絹綿繻子從價一割
刺繡絹布及刺繡絹綿布從價一割
其ノ他各種ノ絹布(純絹ト他
物ヲ交ヘタルトヲ別タス但シ
絹ノ重量超過スルモノ)從價一割
フヱルト氈從價一割五分
總帷
甲絹製及絹入ノモノ從割二割
乙其ノ他各種從價一割五分
護謨紐類從價一割
手巾
甲綿製、麻製及麻綿製ノ
モノ(單製)從價一割五分
乙絹製及レース製ノモノ從價二割
蚊〓(各種)從價一割五分
革布(家具等ニ用井ルモノ)從價一割五分
油布及リノリユム(牀ニ用井
ルモノ)從價一割分
檯衣
甲絹製及絹入ノモノ從價二割
乙其ノ他各種從價一割五分
浴巾(單製連製ヲ別タス各種)從價一割五分
綿線及苧麻線從價五分
其ノ他各種ノ布帛製品
甲絹製及絹入ノモノ從價二割
乙其ノ他各種從價一割五分
諸製造煙草從價十割
支那酒(釀造シタルモノ)從價三割
〓酒從價三割
各種ノ酒類但シ麥酒、黑麥酒、シ
ヤムパン及類似ノ沸騰酒支那
酒(釀造シタルモノ)、ポルト〓
ココゴ
酒、シヱリー、ウヱルモット及
葡萄酒(赤白ヲ別タス)ヲ除ク每リートル五錢
沈香從價一割
琥珀
甲加工セサルモノ從價一割
乙加工シタルモノ從價一割
動物但シ牛、馬、驢、騾綿羊、
山羊及鷄ヲ除ク從價五分
石絨(板)從價五分
竹材(工ヲ加ヘサルモノ)從價五分
革帶、帆布帶及帆布管(機械ニ
用井ルモノ)從價五分
衝球臺及附屬品從價一割
磚瓦(建築用ノモノ)從價五分
ブラシ及箒(各種)從價一割
杖及鞭從價一割
乘車、自轉車及同部分品從價一割
貨車從價五分
セリュロイド
乙工ヲ加ヘタルモノ從價一割
白堊及ホワイチング從價五分
木炭及骨炭從價五分
粘土(各種)從價五分
焦炭從價五分
珊瑚(加工シタルト否トヲ別
タス)從價一割
苧麻繩索(船用ト否トヲ別タス)從價五分
玻瓈刀從價五分
金剛砂從價五分
金剛砂布及砂紙從價五分
金剛砂砥其ノ他各種ノ砥石從價五分
煙花(各種)從價一割
造花從價一割
額緣及天井緣從價一割
海羅從價五分
家具(新故ヲ別タス別項ニ揭
ケサルモノ)從價一割
テンニス、クリッケット、象棋其
ノ他ノ遊戲具(別項ニ揭ケサ
ルモノ)從價一割
阿膠(普通)從價五分
石膏從價五分
象牙製品(別項ニ揭ケサルモノ)從價一割五分
金銀細貨類(貴石、眞珠等ヲ嵌
メタルト否トヲ別タス)從價一割
貼札(罎鑵等ニ用井ルモノ)從價五分
ラムプ、提燈及同部分品從價一割
皮革製品(別項ニ揭ケサルモノ)從價一割
麥芽從價五分
マッチ(各種)從價一割
支那蓆(一卷四十碼)從價五分
椰皮蓆從價五分
其ノ他各種ノ地蓆從價五分
油畫、水畫、石版畫、著色石版
畫、寫眞畫、法帖、其ノ他別項
ニ揭ケサル各種ノ書畫類從價一割
瀝靑、木參兒及石炭爹兒從價五分
巴黎灰從價五分
骨牌(各種)從價一割
石墨從價五分
磁器及陶器(別項ニ揭ケサル
モノ)從價一割
貴石及眞珠從價一割
貴石及眞珠(假製ノモノ)從價一割
パッテ井!從價五分
籐(割キタルト否トヲ別タス)從價五分
馬具從價一割
白檀從價一割
靴墨(各種)從價五分
吸煙器具(阿片吸煙具ヲ除ク)從價一割
滑石(塊粉ヲ別タス)從價五分
スパルテリー(製帽用ノモノ)從價五分
海綿從價五分
石類(別項ニ揭ケサルモノ)
甲建築用其ノ他工作ヲ經
サルモノ從價五分
乙裝飾用若クハ家具用其
ノ他工作ヲ經タルモノ從價一割
丙肖像其ノ他彫刻シタル
モノ從價一割
紫檀從價五分
化粧具匣從價一割
鼈甲製品從價一割
翫具(各種)從價一割
旅櫃提囊及佩袋從價一割
傘類
甲絹及絹入ノモノ從價一割
乙其ノ他各種從價一割
傘柄及率手(金銀製ヲ除ク)從價五分
紫檀器及黑檀器從價一割
其ノ他稅目中ニ揭ケサル生粗
若クハ未製品但シ帽體、製〓
用裏革、紐綱(時計彈條製造用
及傘骨製造用ノモノ)ヲ除ク從價五分
其ノ他稅目中ニ揭ケサル全製
若クハ半製品從價五分
前項第三號株主又ハ株主及社員ノ數ハ其ノ事業年度間ノ最多數ニ依ル
第一項第十一號ノ定價總額ハ前年中ノ總額ニ依ル
第三條左ノ割合ニ依リ小切手ニ印紙稅、砂金採取業者ニ砂金採取地稅、汽
車電車、汽船ノ乘客ニ通行稅、織物ニ消費稅、米及籾ニ輸入稅ヲ課ス
一小切手印紙稅一通每ニ金一錢
二砂金採取地稅
河床採取區域一町每ニ一箇年金三十
錢
河床ニ非サルモノ採取區域一千坪每ニ一箇年金三
十錢
三通行稅
二百哩又ハ二百海浬以上
一等金十錢
二等金七錢
三等金四錢
二百哩又ハ二百海浬未滿
一等金八錢
二等金五錢
三等金三錢
百哩又ハ百海浬未滿
一等金六錢
二等金四錢
三等金二錢
五十哩又ハ五十海浬未滿
一等金三錢
二等金二錢
三等金一錢
四織物消費稅織物價格百分ノ十五
五米及籾輸入稅從價一割五分
通行稅ヲ賦課スヘキ場合ニ於テ汽車、電車又ハ汽船ニシテ等級ヲ分タサ
ルモノニ在リテハ三等ノ稅額ヲ適用シ二等級ニ分チタルモノニ在リテハ
二等三等ノ稅額ヲ適用シ四等級以上ニ分チタルモノニ在リテハ最初ノ二
等級ヲ以テ一等二等ト爲シ其ノ他ハ總テ三等ノ稅額ヲ適用ス
貸切、定期又ハ囘數乘船車若ハ多人數乘船車ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於
テハ通行稅ハ第一項第三號稅額ノ五倍トス
第五條ノ二行政訴訟ノ書類ニハ其ノ正本ニ左ノ金額ノ印紙ヲ貼用スヘシ
但シ裁判所書記ニ口述シテ調書ヲ作ラシメタルトキハ其ノ調書ニ印紙ヲ
貼用スヘシ
一訴狀金七圓
二故障金一圓
三證據調ノ申立金一圓
五四判決ノ送達ヲ求ムル申立金一圓
期日ノ變更、辯論ノ延期又ハ辯論
期日ノ指定ノ申立金四十五錢
從參加ノ申請金四十五錢
九八七六忌避ノ申請金四十五錢
費用額確定ノ申請金四十五錢
答辯書其ノ他前各號ニ揭ケサル申
立又ハ申請金二十五錢
裁判費用ヲ濟〓スルコトノ假免除アリタル場合ノ外前項ニ依リ印紙ヲ貼
用セサル行政訴訟ノ書類ハ其ノ效ナキモノトス但シ印紙ヲ貼用セス又ハ
貼用スルモ不足アルトキハ裁判所ハ相當印紙ヲ貼用セシメ之ヲ有效ナラ
シムルコトヲ得
第五條ノ三小切手ノ印紙稅ニ付テハ印紙稅法第六條、第八條、第九條、第
十一條、第十三條及第十四條ノ規定ヲ適用ス
第五條ノ四砂金採取地稅ヲ徵收スル場合ニ於テ一町未滿又ハ一千坪未滿
ノ端數ハ一町又ハ一千坪トシテ計算ス
第五條ノ五砂金採取地稅ハ每年十一一月中ニ翌年分ヲ前納スヘシ
砂金採取業ノ許可又ハ採取地ノ變更ニ依リ新ニ負擔シ又ハ不足セル砂金
採取地稅ニシテ初年ニ係ルモノハ之ヲ卽納スヘシ
前項ニ依り納付スヘキ砂金採取地稅ハ月割ヲ以テ之ヲ計算ス砂金採取業
ノ廢止ノ年ニ係ルモノ亦同シ
第五條ノ六通行稅ハ汽車、電車又ハ汽船營業者之ヲ徵收シ一箇月每ニ取
纒メ翌月十日迄ニ之ヲ政府ニ納付スヘシ
汽車、電車又ハ汽船營業者カ前項ニ依リ徵收スヘキ通行稅ヲ納付セサル
トキハ國稅徵收法ニ依リ該營業者ヨリ之ヲ徵收ス
外國行ノ汽船ニ乘シ外國ニ赴ク者ニハ通行稅ヲ課セス
當該官吏ハ汽車、電車又ハ汽船營業者ノ帳簿書類ヲ檢査スルコトヲ得
第五條ノ七米及籾輸入稅ニ付テハ關稅法及關稅定率法中有稅品ニ關スル
規定ヲ準用ス
第六條、第七條、第十條、第十一條、第十二條、第十三條、第十四條、第十五條、
第十六條、第十七條、第十八條、第二十條、第二十一條中「毛織物又ハ石油」ヲ
「織物」ニ改ム
第八條中「毛織物及石油」ヲ「織物」ニ改ム
第九條中「毛織物」ヲ「織物」ニ改ム
第二十二條第三項中「營業稅及所得稅」ヲ「營業稅、所得稅及鑛區稅ニ改ム
第二十四條削除
第二十五條削除
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ不動產及船舶ニ關スル登錄稅ニ關シテ
ハ明治三十八年四月一日ヨリ、鑛業ニ關スル登錄稅及試掘鑛區稅ニ關シテ
ハ鑛業法施行ノ日ヨリ、輸入稅ニ關シテハ本法發布後六箇月ヲ經テ之ヲ施
行ス
地租、營業稅、所得稅、賣藥營業稅ニ關シテハ明治三十八年分ヨリ本法ヲ適
用ス但シ明治三十八年分賣藥營業稅前半年分ノ增徵額ハ本法施行後一箇月
內ニ之ヲ納ムヘシ
明治三十八年分鑛區稅ノ增徵額及砂金採取地稅ハ本法施行ノ月ヨリ月割ヲ
以テ計算シ本法施行ノ日ヨリ六十日以內ニ之ヲ納ムヘシ
本法施行前鑛業條例ニ依リ鑛業ニ關スル出願ヲ爲シ既ニ非常特別稅法ニ依
ル登錄稅ノ增徵額ヲ納メタル者鑛業法ニ依リ其ノ事項ニ付鑛業原簿ニ登錄
ヲ受クルトキハ更ニ本法ニ依ル增徴額ヲ納ムルコトヲ要セス
自用ニ供スルモノヲ除クノ外本法施行前ヨリ織物ヲ製造シ本法施行後引續
キ之ヲ製造セムトスル者ハ本法施行後三十日以內ニ政府ニ申告スヘシ但シ
毛織物ニ關シテハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ期間內ハ從前ノ製造ヲ繼續スルコトヲ得発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=37
-
038・松田正久
○議長(松田正久君) 發言ノ請求者ガナケレバ議事日程第四ニ移リマス
第四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=38
-
039・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 本案ハ三十六名ノ委員ヲ、前ノ例ニ依ッテ普通選舉
トナルノデゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=39
-
040・松田正久
○議長(松田正久君) 如何デアリマスカ、恆松君ノ動議ニ贊成ノ諸君ハ起立ヲナサイ
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=40
-
041・松田正久
○議長(松田正久君) 多數ト認メマス、恆松君ノ動議ノ通決定致シマス、議事日
程ノ第五鹽專賣法案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略シマス
第五鹽專賣法案(政府提出)第一讀會
鹽專賣法
第一條政府ハ鹽ノ專賣權ヲ有ス
第二條政府ハ便宜ノ地ニ鹽取扱所ヲ設置シ鹽ノ收納及賣渡ヲ取扱ハシム
第三條鹽ハ政府又ハ政府ノ命ヲ受ケタル者ニ非サレハ之ヲ外國ヨリ輸入
シ又ハ本法ヲ施行セサル地ヨリ移入スルコトヲ得ス
第四條鹽ハ政府ノ許可ヲ受ケタル者ニ非サレハ之ヲ製造スルコトヲ得ス
第五條政府ヨリ賣渡シタル鹽ニ非サレハ所有シ、所持シ、讓渡シ、質入シ
又ハ消費スルコトヲ得ス但シ納付期日前若ハ正當ノ事由ニ因リ納付ヲ遲
延シタル場合ニ於テ又ハ製造者ノ自家用ノ爲所有、所持スルハ此ノ限ニ
在ラス
第六條政府ハ製鹽地ノ區域又ハ鹽ノ製造期間若ハ生產高ヲ制限スルコト
ヲ得
前項ニ依ル制限ハ鹽ノ試製ニ之ヲ適用セス
第七條鹽製造者ノ製造シタル鹽ハ政府之ヲ收納ス但シ命令ノ定ムル制限
數量以內ノ鹽ニシテ鹽製造者ノ自家用ニ供スルモノ又ハ政府ヨリ賣渡シ
タル鹽ニ依リ再製シタル鹽ハ此ノ限ニ在ラス
第八條鹽ノ賠償價格ハ政府之ヲ定メ豫メ公示スヘシ
第九條鹽ヲ製造セムトスル者ハ製鹽ノ方法、採鹹地名、地番、製鹽段別、製
鹽場、貯藏場及一年ノ生產見込高ヲ定メ政府ニ申請シ許可ヲ受クヘシ之
ヲ變更セムトスルトキ亦同シ
第十條鹽ノ製造業ト鹽ノ賣買業トハ同一ノ場所ニ於テ相兼ヌルコトヲ得
ス但シ政府ノ賣渡シタル鹽ニ依リ再製スルハ此ノ限ニ在ラス
第十一條相續ニ因リ鹽ノ製造ニ承繼シタルトキハ其ノ旨政府ニ屆出ツヘ
シ
相續ニ因ルノ外鹽ノ製造ヲ承繼セムトスルトキハ政府ノ許可ヲ受クヘシ
第十二條鹽製造者鹽ノ製造ヲ廢止セムトスルトキハ少クトモ一箇月前ニ
政府ニ申告スヘシ但シ政府ノ許可ヲ受ケテ製造ヲ廢止スルハ此ノ限ニ在
ラス
第十三條鹽製造者本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタル
トキハ政府ハ製造ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第十四條鹽製造者鹽ヲ製造シタルトキハ總テ之ヲ政府ニ納付スヘシ但シ
第七條但書ニ該當スルモノハ此ノ限ニ在ラス
政府ハ鹽製造者ヲシテ前項ニ依リ納付スヘキ鹽ヲ其ノ指定シタル者ニ引
渡スヘキコトヲ命スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ政府カ鹽ノ數量ヲ定メ
引渡ヲ命シタルトキ製造者之ヲ政府ニ納付シタルモノト看做ス
第十五條鹽製造者鹽ヲ納付シタルトキハ政府ハ鑑定人ヲシテ其ノ品質ヲ
鑑定セシメ相當ノ賠償金ヲ交付スヘシ
製造者前項ノ鑑定ニ不服ナルトキハ再鑑定ヲ求ムルコトヲ得但シ賠償金
ノ請求ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
再鑑定ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條鹽製造者ノ納付セムトスル鹽ニシテ其ノ品質甚シク粗惡ナルモ
ノニ付テハ政府ハ更ニ相當ノ處理ヲ爲シタル上納付スヘキコトヲ命スル
コトヲ得
第十七條政府ハ鹽ノ製造又ハ包裝ノ方法、納付場所、納付期日及其ノ運
搬通路ヲ定ムルコトヲ得
第十八條政府ハ定價ヲ以テ鹽ノ賣渡ヲ爲スヘシ但シ必要ト認ムルトキハ
競爭ニ付スルコトヲ得
第十九條左ニ揭クル鹽ニ付テハ政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ定價
ヲ以テ之ヲ賣渡スコトヲ得
外國ニ輸出スルモノ
二命令ヲ以テ指定スル用途ニ使用スルモノ
前條ニ依リテ賣渡シタル鹽ニシテ命令ノ定ムル用途ニ使用セラレタルト
キハ命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ下付ス
第二十條政府ハ命令ヲ以テ定メタル數量以上ニ非サレハ鹽ノ賣渡ヲ爲サ
ス
第二十一條鹽賣買業者ハ鹽ニ他物ヲ混和シテ販賣スルコトヲ得ス
第二十二條鹽製造者及鹽賣買業者ハ帳簿ヲ調製シ政府ノ指示ニ從ヒ營業
ニ關スル要件ヲ記載スヘシ
第二十三條當該官吏ハ採鹹地、製鹽場、貯藏場其ノ他鹽ノ所在ト認ムル
場所ニ立入リ鹹水、鹽器具、器械、建築物又ハ帳簿書類ヲ檢査スルコト
ヲ得
當該官吏監督上必要ト認ムルトキハ前項ノ物件ニ封印ヲ施スコトヲ得
第二十四條當該官吏ハ運搬中ニ在ル鹽ヲ檢査シ其ノ出所及到著先ヲ質問
スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該官吏監督上必要ト認メタルトキハ其ノ運搬ヲ停止
シ又ハ荷物若ハ船車ニ封印ヲ施スコトヲ得
第二十五條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ十圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處
シ其ノ犯罪ニ係ル鹽ハ之ヲ沒收ス既ニ讓渡シ又ハ消費シタルトキハ第十
八條ノ賣渡定價ニ相當スル金額ヲ追徵ス
-第三條、第四條又ハ第五條ニ違反シタル者
二許可ヲ受ケサル土地ニ於テ鹽ヲ製造シタル者
三情ヲ知リテ政府ヨリ賣渡ササル鹽ヲ讓受ケタル者
第二十六條鹽製造者正當ノ事由ナクシテ政府ノ指定シタル者ニ引渡ヲ爲
ササルトキハ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス政府ノ指定シタル運搬通
路ニ依ラスシテ鹽ヲ運搬シタルトキ亦同シ
第二十七條鹽製造者政府ノ定メタル製造期間外ニ於テ鹽ヲ製造シ又ハ政
府ノ許可シタル場所以外ニ於テ鹽ヲ製造シ若ハ貯藏シタルトキハ五圓以
上百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル鹽ハ之ヲ沒收ス情ヲ知リテ其ノ
場所ヲ供與シタル者亦同シ
第二十八條前條ニ該當スル場合ヲ除クノ外鹽製造者許可ヲ受ケスシテ第
丸條ニ依リ許可ヲ受ケタル事項ヲ變更シタルトキハ三圓以上三十圓以下
ノ罰金ニ處ス
第二十九條第十條ニ違反シタル者ハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十條第十一條又ハ第十二條ニ違反シタル者ハ二圓以上二十圓以下
ノ罰金ニ處ス
第三十一條鹽賣買業者第二十一條ノ規定ニ違反シタルトキハ五圓以上五
十圓以下ノ罰金ニ處ス其ノ犯罪ニ係ル物件ハ之ヲ沒收ス
第三十二條鹽製造者又ハ鹽賣買業者其ノ營業ニ關スル帳簿ヲ調製セス又
ハ其ノ記載ヲ怠リ若ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキハ三圓以上三十圓以下
ノ罰金ニ處ス
第三十三條當該官吏ノ尋問ニ對シ虚僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ當該官吏ノ職務
執行ヲ拒ミ之ヲ忌避シ若ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ三圓以上三十圓以
下ノ罰金ニ處ス其ノ刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第三十四條政府ヨリ賣渡ササル鹽ニシテ犯人以外ノ所有ニ係ルモノハ政
府之ヲ收納ス此ノ場合ニ於テハ他物ヲ混和シタル鹽ヲ除クノ外第十五條
ニ準シ賠償金ヲ交付ス
第三十五條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタル者ニハ
刑法ノ減輕再犯加重及數罪倶發ノ例ヲ用井ス
第三十六條鹽製造者、鹽賣買業者カ未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本
法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ當業者ニ適用スヘキ罰則ハ
之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有ス
ル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第三十七條鹽製造者又ハ鹽賣買業者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇
人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命
令ノ規定ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出サルノ故ヲ以テ處罰ヲ免カ
ルルコトヲ得ス
第三十八條間接國稅犯則者處分法及明治三十三年法律第五十二號ノ規定
ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
間接國稅犯則者處分法中收稅官吏及稅務署長ニ屬スル職務ヲ行フヘキ官
吏ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十九條鹽製造者其ノ製造ノ許可ヲ取消サレ又ハ鹽製造者若ハ鹽賣買
業者其ノ業務ヲ廢止スルモ製鹽場、貯藏場又ハ販賣場ニ鹽ノ現在スル間
ハ仍本法ノ規定ヲ適用ス
第四十條本法ニ依リ收納シタル鹽ノ賠償金ノ仕拂ニ關シテハ主任ノ官
吏ニ現金前渡ヲ爲スコトヲ得
附則
第四十一條本法ハ明治三十八年六月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第四十四條
第四項及第四十五條ハ此ノ限ニ在ラス
第四十二條本法ハ勅令ヲ以テ指定シタル地方ニ之ヲ施行セス
第四十三條本法施行ノ際鹽消費者ノ所有ニ係ル鹽ニ關シテハ第五條ヲ適
用セス
第四十四條本法施行ノ際製造者ノ所有又ハ所持スル鹽ハ政府ニ納付スヘ
シ此ノ場合ニ於テハ第十五條ニ準シ賠償金ヲ交付ス
本法施行ノ際販賣ノ目的ヲ以テ所有シ又ハ所持スル鹽ニ付テハ百斤ニ付
金一圓五十錢ノ割合ニ依リ鹽稅ヲ納ムヘシ
前項ノ鹽ヲ所有シ又ハ所持スル者ハ其ノ數量及所在ヲ政府ニ申告スヘシ
申告ヲ怠リ又ハ不正ノ申告ヲ爲シタルトキハ其ノ數量ニ對スル稅金ノ三
倍ニ相當スル罰金ニ處ス
鹽稅ノ徵收ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二項ニ依ル納稅濟ノ鹽ハ政府ノ賣渡シタル鹽ト看做ス
納稅期日前ニ於ケル鹽ノ所有又ハ所持ニ關シテハ第五條ヲ適用セス
第四十五條本法發布前ヨリ鹽ヲ製造スル者ハ本法發布ノ日ヨリ三箇月以
內ニ命令ノ定ムル所ニ依リ許可ヲ受クヘシ
前項ニ依リ許可ヲ受ケタル者ハ第九條ニ依リ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
第四十六條本法施行ノ際鹽ヲ製造スル者ハ本法施行ノ日ヨリ一箇月以內
ニ本法ニ依リ許可ヲ受タヘシ其ノ期間內ハ鹽ノ製造ヲ爲スコトヲ得発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=41
-
042・松田正久
○議長(松田正久君) 發言ノ請求者ナケレバ日程第六ニ移リマス
第六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=42
-
043・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 此委員ハ二十七名、選舉ハ前例ノ通、各部通シ
テi.
(贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=43
-
044・鈴木そう兵衞
○鈴木摠兵衞君(三百四十四番) 質問ガアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=44
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045・松田正久
○議長(松田正久君) モウ是ハ委員ノ選擧デスー-恆松君ノ動議ニ異議ハアリマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=45
-
046・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ異議ナキモノト認メテ、恆松君ノ動議ニ決シマス、議事
日程第七ニ移リマス、相續稅法案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略シマス
第七相續稅法案(政府提出)第一讀會
相續稅法
第一條相續開始シタルトキハ開始地カ帝國內ニ在ルト否トヲ問ハス又被
相續人若ハ相續人カ帝國臣民タルト否トヲ問ハス本法施行地ニ在ル相續
財產ニハ本法ニ依リ相續稅ヲ課ス
第二條被相續人カ本法施行地ニ住所ヲ有スルトキハ左ニ揭クル財產ヲ以
テ本法施行地ニ在ル相續財產トス
一本法施行地ニ在ル動產及不動產
二本法施行地ニ在ル不動產ノ上ニ存スル權利
三前二號ニ揭ケタルモノ以外ノ財產權
被相續人カ本法施行地ニ住所ヲ有セサルトキハ前項第一號及第二號ノ財
產ヲ以テ本法施行地ニ在ル相續財產トス
船舶ノ所在ハ船籍ノ所在ニ依ル
相續開始前一年內ニ本法施行地內ヨリ本法施行地外ニ轉シタルモノノ住
所又ハ船籍ハ本法施行地內ニ在ルモノト看做ス
第三條被相續人カ本法施行地ニ住所ヲ有スルトキハ相續開始ノ際本法施
行地ニ在ル相續財產ノ價額ニ相續開始前一年內ニ被相續人カ本法施行地
ニ在ル財產ニ付爲シタル贈與ノ價額ヲ加ヘ其ノ中ヨリ左ノ金額ヲ控除シ
タルモノヲ以テ課稅價格トス
一公課
二被相續人ノ葬式費用
三債務
被相續人カ本法施行地ニ住所ヲ有セサルトキハ相續開始ノ際本法施行地
ニ在ル相續財產ノ價額ニ相續開始前一年內ニ被相續人カ本法施行地ニ在
ル財產ニ付爲シタル贈與ノ價額ヲ加ヘタルモノヨリ左ノ金額ヲ控除シタ
ルモノヲ以テ課稅價格トス
一其ノ財產ニ係ル公課
二其ノ財產ヲ目的トスル留置權、特別ノ先取特權、質權又ハ抵當權ヲ以
テ擔保セラルル債務
三其ノ財產ニ關スル贈與ノ義務
永代借地權ハ相續稅ノ課稅價格ニ算入セス
第四條相續財產ノ價額ハ相續開始ノ時ノ價額ニ依ル
土地、建物、船舶地上權、永小作權及定期金ニ付テハ政府ハ左ノ方法ニ依
リ其ノ價格ヲ評定ス
一土地ニ付テハ賃貸價格ノ二十倍、建物ニ付テハ其ノ十倍ヲ以テ其ノ
價額トス
二船舶ニ付テハ其ノ製造費中ヨリ製造後ノ年數ニ應シ一年ニ付其ノ二
十五分ノ一宛ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ價額トス但シ製造後二十
年ヲ經過シタルモノハ製造費ノ五分ノ一ヲ以テ其ノ價額トス
一年ニ滿タサル端數ハ之ヲ一年トシテ計算ス
三地上權ニ付テハ左ノ金額ヲ以テ其ノ價額トス
殘存期間十年以下
ナルモノ地上權ノ目的タル土地ノ賃貸價格二倍
殘存期間三十年以
下ナルモノ地上權ノ目的タル土地ノ賃貸價格五倍
殘存期間五十年以
下ナルモノ又ハ存
續期間ノ定ナキモ
ノ地上權ノ目的タル土地ノ賃貸價格七倍
殘存期間百年以下
ナルモノ地上權ノ目的タル土地ノ賃貸價格十倍
殘存期間百年ヨリ
長キモノ地上權ノ目的タル土地ノ賃貸價格二十倍
四永小作權ニ付テハ左ノ金額ヲ以テ其價額トス
殘存期間十年以下
ナルモノ永小作權ノ目的タル土地ノ賃貸價格二倍
殘存期間三十年以
下ナルモノ又ハ存
續期間ノ定メナキ
モノ永小作權ノ目的タル土地ノ賃貸價格五倍
殘存期間五十年以
下ナルモノ永小作權ノ目的タル土地ノ賃貸價格七倍
五有期定期金ハ其ノ殘存期間ニ於ケル總金額ヲ以テ其ノ價額トス但シ
一年ノ定期金ノ二十倍ヲ超ユルコトヲ得ス
七六無期定期金ハ其ノ一年ノ定期金ノ二十倍ヲ以テ其ノ價額トス
終身定期金ハ目的トセラレタル人ノ年齡ニ依リ左ノ期間ニ於ケル定
期金ノ總額ヲ以テ其ノ價額トス
十年
三十歲未滿ノ八年
夲卒手厚手手中國語法人類作者者者者者者四六年年
二年
一年
前項ニ於テ土地又ハ建物ノ賃貸價格ト稱スルハ貸主カ公課、修繕費、保險
料其ノ他土地又ハ建物ノ維持ニ必要ナル經費ヲ負擔スル條件ヲ以テ之ヲ
賃貸スル場合ニ於テ貸主ノ收得スヘキ金額ヲ謂フ
第五條條件附權利、存續期間ノ不確定ナル權利又ハ訴訟中ノ權利ニ付テ
ハ政府ノ認ムル所ニ依リ其ノ價格ヲ評定ス
第三條ニ依リ控除スヘキ債務金額ハ公正證書ヲ以テ證明スルモノノ外政
府カ確實ト認メタルモノニ限ル
第六條課稅價格カ家督相續ニ在リテハ千圓、遺產相續ニ在リテハ五百圓
ニ滿タサルトキハ相續稅ヲ課セス
第七條軍人、軍屬ノ戰死又ハ戰爭ノ爲受ケタル傷痍疾病ニ起因シタル死
亡ニ因リ相續開始シタルトキハ相續稅ヲ課セス但シ傷痍者又ハ疾病者ニ
シテ負傷又ハ發病後一年ヲ經過シ死亡シタルトキハ此ノ限ニ在ニス
第八條相續稅ハ課稅價格ヲ左ノ各級ニ區分シ其ノ各區分ニ對シ相續人ノ
種類ニ從ヒ遞次ニ各稅率ヲ適用シテ之ヲ課ス
家督相續
稅率
課稅價格相續人カ被相續人ノ家族シタル者相續人カ被申續人ノ指定民法第九百八相續人カ民法第
タル直系卑屬ナルトキ十二條ニ依リ選定セラレ九百八十五條ニ
嫡出子ナルトキ庶子又ハ私生タル者、被相續人ノ家族依リ選定セラレ
子ナルトキルトキタル直系、屬屬又ハ入夫ナタル者ナルトキ
五千圓以下ノ金額千分ノ十二千分ノ十七千分ノ十五千分ノ二十
五千圓ヲ超ユル金額千分ノ十五千分ノ二十千分ノ十七千分ノ二十五
一萬圓ヲ超ユル金額千分ノ十七千分ノ二十五千分ノ二十千分ノ三十
二萬圓ヲ超ユル金額千分ノ二十千分ノ三十千分ノ二十五千分ノ三十五
三萬圓ヲ超ユル金額千分ノ二十五千分ノ三十五千分ノ三十千分ノ四十
四萬圓ヲ超ユル金額千分ノ三十千分ノ四十千分ノ三十五千分ノ四十五
五萬圓ヲ超ユル金額千分ノ三十五千分ノ四十五千分ノ四十千分ノ五十
七萬圓ヲ超ユル金額千分ノ四十千分ノ五十千分ノ四十五千分ノ五十五
每ニ(百萬圓二至テ止ム)十萬圓ヲ超ユル金額ハ其ノ五萬圓千分ノ五ヲ加フ千分ノ五ヲ加フ千分ノ五ヲ加フ千分ノ五ヲ加フ
遺產相續
稅率
課稅價格相續人カ直系界屬ナルトキ相續人カ配偶相續人カ其
庶子又ハ私生者又ハ直系尊ノ他ノ者ナ
嫡出子ナルトキ子ナルトキ屬ナルトキルトキ
千圓以下ノ金額千分ノ十五千分ノ二十千分ノ十七千分ノ二十五
千圓ヲ超ユル金額千分ノ十七千分ノ二十五千分ノ二十千分ノ三十
五千圓ヲ超ユル金額千分ノ二十千分ノ三十千分ノ二十五千分ノ三十五
一萬圓ヲ超ユル金額千分ノ二十五千分ノ三十五千分ノ三十千分ノ四十
二萬圓ヲ超ユル金額千分ノ三十千分ノ四十千分ノ三十五千分ノ四十五
三萬圓ヲ超ユル金額千分ノ三十五千分ノ四十五千分ノ四十千分ノ五十
四萬圓ヲ超ユル金額千分ノ四十千分ノ五十千分ノ四十五千分ノ五十五
五萬圓ヲ超ユル金額千分ノ四十五千分ノ五十五千分ノ五十千分ノ六十
七萬圓ヲ超ユル金額千分ノ五十千分ノ六十千分ノ五十五千分ノ六十五
十萬圓ヲ超ユル金額ハ其ノ五萬圓千分ノ五ヲ加フ千分ノ五ヲ加フ千分ノ五ヲ加フ千分ノ五ヲ加フ
每ニ(百萬圓ニ至テ止ム)
外國ノ法律ニ依リ開始シタル相續ニ關シテハ遺產相續ニ關スル稅率ヲ準
用ス
相續人二人以上アル場合ニ於テ其ノ適用スヘキ稅率相異ナルトキハ其ノ
最低キ稅率ヲ適用ス
第九條相續人ノ廢除若ハ其ノ取消ニ關スル裁判ノ確定前又ハ相續ノ承認
若ハ抛棄前ト雖政府ハ必要ニ依リ其ノ推定家督相續人又ハ推定遺產相續
人ニ對スル稅率ヲ適用シ相續稅ヲ課スルコトヲ得
相續人アルコト分明ナラサルトキハ稅率ノ最高キ相續人ニ對スル稅率ヲ
適用シテ相續稅ヲ課ス
前二項ニ依リ課稅シタル後相續人確定シタルトキハ稅率ノ適用ヲ改訂シ
稅金ノ差額ヲ追徵シ又ハ還付ス
第十條相續稅ヲ課セラレタル後三年以內ニ於テ更ニ相續開始シタルトキ
ハ前ノ相續額ニ對スル相續稅ニ相當スル相續稅ヲ免除ス
相續稅ヲ課セラレタル後五年以內ニ於テ更ニ相續開始シタルトキハ前ソ
相續額ニ對スル相續稅ノ半額ニ相當スル相續稅ヲ免除ス
第十一條相續人ハ相續開始ヲ知リタル日ヨリ遺言執行者又ハ相續財產管
理人ハ就職ノ日ヨリ三箇月以內ニ相續財產ノ目錄及相續財產ノ價額中ヨ
リ控除セラルヘキ金額ノ明細書ヲ政府ニ提出スヘシ
相續カ帝國外ニ於テ開始シタルトキ又ハ前項ノ書類ヲ提出スヘキ者カ帝
國內ニ住所ヲ有セサルトキハ前項ノ期間ハ六箇月トス
相續人確定シタルトキハ前二項ノ書類ヲ提出スルト同時ニ又ハ其ノ確定
ノ日ヨリ一箇月以內ニ相續人ノ相續關係ヲ記載シタル書面ヲ政府ニ提出
スヘシ
第十二條戶籍吏左ノ事項ニ關スル屆書ヲ受理シタルトキハ之ヲ收稅官廳
ニ報告スヘシ
一死亡又ハ失踪
二戶主ノ隱居又ハ國籍喪失
三戶主カ婚姻又ハ養子緣組ノ取消ニ因リテ其ノ家ヲ去リタルコト
四入夫婚姻ニ因リ女戶主カ戶主權ヲ喪失シタルコト
五戶主タル入夫ノ離婚
第十三條課稅價格ハ政府之ヲ決定ス
課稅價格ヲ決定シタルトキハ政府ハ之ヲ相續人、遺言執行者又ハ相續財
產管理人ニ通知スヘシ
第十四條相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人前條ノ決定ニ對シ異議
アルトキハ通知ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ申立テ再審査ヲ求ムルコ
トヲ得
相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人帝國內ニ住所ヲ有セサルトキハ
前項ノ期間ハ之ヲ三箇月トス
第十五條前條ノ請求アリタルトキハ相續稅審査委員會ノ諮問ヲ經テ政府
之ヲ決定ス
審査委員會ノ組織及會議ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條相續稅ハ一時ニ之ヲ納付スヘシ但シ稅金額百圓以上ナルトキハ
相續稅ニ相當スル擔保ヲ提供シ三年以內ノ年賦延納ヲ求ムルコトヲ得
前項ニ依リテ年賦延納ヲ求メムトスル者ハ第十三條ノ通知ヲ受ケタル後
二十日以內ニ政府ニ出願スヘシ
相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人帝國內ニ住所ヲ有セサルトキハ
前項ノ期間ハ三箇月トス
第十七條第十四條ノ審査ヲ求メタル場合ト雖相續人、遺言執行者又ハ相
續財產管理人ハ通知ヲ受ケタル金額ニ依リ稅金ヲ納付スヘシ
第十八條相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人ハ相續稅ヲ納付シ又ハ
其ノ延納ノ許可ヲ受ケタル後ニ非サレハ遺贈ノ辨濟ヲ爲スコトヲ得ス
第十九條相續財產ヲ以テ相續稅ヲ完納スルコト能ハサルトキハ相續開始
前一年內ニ被相續人ヨリ本法施行地ニ在ル財產ノ贈與ヲ受ケタル者ハ其
ノ限度ニ於テ不足額ヲ納付スヘシ但シ相續稅ノ延納ヲ許可シタル場合ニ
於テハ此ノ限ニ在ラス
第二十條相續稅ノ審査ニ參與シタル者ハ其ノ審査ニ關スル事項ヲ他ニ漏
洩スルコトヲ得ス
第二十一條相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人期限內ニ第十一條ニ
依ル書類ヲ提出セサルトキハ政府ハ期間ヲ定メテ催告ヲ爲スコトヲ得
相續人二人以上ナル場合ニ於テハ政府ハ其ノ一人ニ對シテ前項ノ催告ヲ
ナスコトヲ得
前二項ノ場合ニ於テ相續人、遺言執行者又ハ相續財產管理人其ノ期間內
ニ書類ヲ提出セサルトキハ政府ノ認ムル所ニ依リ課稅價格ヲ決定シ催告
ニ關スル費用及稅金ノ十分ノ一ニ相當スル金額ヲ相續人、遺言執行者又
ハ相續財產管理人ヨリ徵收スルコトヲ得
相續人二人以上ナル場合ニ於テハ各相續人ハ前項ノ徵收金ニ付連帶納付
ノ責ニ任ス
第三項ノ金額ノ徵收ニ關シテハ國稅徵收法ノ規定ヲ準用ス
第二十二條左ニ掲クル場合ニ於テ本法施行地ニ在ル不動產及船舶以外ノ
財產ニ付爲シタル贈與ノ價額カ五百圓以上ナルトキハ遺產相續開始シタ
ルモノト看做シ其ノ財產ノ價額ヲ課稅價格トシテ本法ニ依リ相續稅ヲ課
ス
一被相續人カ推定家督相續人又ハ推定遺產相續人ニ贈與ヲ爲シタルト
キ
二分家ヲ爲スニ際シ若ハ分家ヲ爲シタル後本家ノ戶主又ハ家族カ分家
ノ戶主又ハ家族ニ贈與ヲ爲シタルトキ
前項ノ遺產相續ニ關シテハ第十條ノ規定ヲ適用セス
第二十三條第十一條ニ依リ提出シタル書類ニ虛僞ノ記載ヲ爲シタル者其
ノ他不正ノ所爲ヲ以テ相續稅ノ通脫ヲ圖リ又ハ通脫シタル者ハ其ノ通脫
シ又ハ通脫セムトシタル稅金ノ三倍ニ相當スル罰金ニ處ス
第二十四條第二十條ニ違反シタル者ハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス」
前項ニ依リ處罰セラレタル者ハ其ノ職ヲ失フ
第二十五條府縣市町村其ノ他ノ公共團體ハ相續稅ノ附加稅ヲ課スルコト
ヲ得ス
附則
本法ハ明治三十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=46
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047・鈴木そう兵衞
○鈴木摠兵衞君(三百四十四番) 政府委員ニ質問致シマス、此相續稅法案ノ百
万圓ヲ限度トシテアルコトヽ、ソレカラ第二ニハ此動產不動產ト云フモノヽ區別ニ於テ
ハ、ドノ邊マデノ區域ヲ取ラルヽモノデアルカ、此法文ノ上ニ於テハ不明瞭デゴザイマス
〔政府委員若槻禮次郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=47
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048・若槻禮次郎
○政府委員(若槻禮次郞君) 百万圓ヲ以テ限度ト致シマシタコトハ、詰リ程度ノ問
題デゴザイマシテ今日ノ我國ニ於テハ、丁度コヽラ邊デ止メル方ガ適當デアルト云フノ
デ、斯ウ致シタ、尙動產不動產ノ區別ハ、ソレハ民法ノ規定シテアル通デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=48
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049・松田正久
○議長(松田正久君) 發言ノ請求者ナケレバ、議事日程第八ニ移リマス
第八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=49
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050・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 此委員ハ十八名トシテ選舉スル、ヤハリ各部通ジテト
云フ
(「贊成々々」ト呼フモノアリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=50
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051・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=51
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052・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議採用サレルモノト認メマス、議事日程第
九ニ移リマス、酒造稅法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略致シマス
第九酒造稅法中改正法律案(政府提出)第一讀會
酒造稅法中左ノ通改正ス
第一條ノ二此ノ稅法ニ於テ〓酒ト稱スルハ米、米麴及水ヲ原料トシ醱酵
セシメ又ハ酒酵母ヲ加ヘテ醱酵セシメ之ヲ濾過シタルモノヲ謂フ
左ニ揭クルモノハ〓酒ト看做ス
一前項原料ノ外麥、粟、玉蜀黍、稗、〓酒粕又ハ燒酎ヲ原料トシ醱酵セシ
メ又ハ酒酵母ヲ加ヘテ醱酵セシメ之ヲ濾過シタルモノ
二〓酒又ハ〓酒ト看做シタルモノヲ粕漉シタルモノ
三〓酒又ハ前二號ニ依リ〓酒ト看做シタルモノエ其ノ容量百分ノ一以
內ノ燒酎又ハ酒精ヲ混和シタルモノ
第一條ノ三此ノ稅法ニ於テ濁酒ト稱スルハ米、米麴及水ヲ原料トシテ醱
酵セシメ又ハ酒酵母ヲ加ヘテ醱酵セシメ之ヲ濾過セサルモノヲ謂フ
前項原料ノ外麥、粟、玉蜀黍若ハ稗ヲ原料トシ醱酵セシメ又ハ酒酵母ヲ加
ヘテ醱酵セシメ之ヲ濾過セサルモノハ濁酒ト看做ス
第一條ノ四此ノ稅法ニ於テ白酒ト稱スルハ米又ハ米麴ト〓酒、濁酒、味
淋燒酎又ハ酒精トヲ混和シテ碾碎シタルモノヲ謂フ
前項原料ノ外水ヲ混和シテ碾碎シタルモノハ白酒ト看做ス
第一條ノ五此ノ稅法ニ於テ味淋ト稱スルハ米又米麴ト〓酒、味淋、燒酎又
ハ酒精トヲ混和シ濾過タルモノヲ謂フ
前項原料ノ外味淋粕又ハ水ヲ混和シ濾過シタルモノハ味淋ト看做ス
第一條ノ六此ノ稅法ニ於テ燒酎ト稱スルハ〓酒粕ヲ蒸餾シタルモノヲ謂
フ
左ニ揭クル物品ヲ原料トシテ蒸餾シタルモノハ燒酎ト看做ス
二一〓酒
濁酒
四三味淋粕
米麥、粟、黍、稗若ハ甘藷ト麴及水トヲ原料トシ醱酵セシメ又ハ酒酵
母ヲ加ヘテ醱酵セシメタルモノ
第四條第一項ヲ左ノ如ク改ム
酒類ヲ製造スル者ニハ其ノ造石數ニ應シ左ノ割合ヲ以テ造石稅ヲ課ス
第一種酒精分二十度以下ノ〓酒
濁酒白酒、味淋及酒精分三
十度以下ノ燒酎一石ニ付金十五圓
第二種酒精分三十五度以下ノ燒酎一石ニ付金二十圓
第三種酒精分四十度以下ノ燒酎一石ニ付金二十五圓
第四種酒精分四十五度以下ノ燒酎一石ニ付金三十圓
第五種酒精分二十度ヲ超ユル〓酒、
濁酒、白酒、味淋及精酒分四
十五度ヲ超ユル燒酎一石ニ付酒精分一度每ニ金七
十五錢
第十二條第三號中「第二種ノ酒類」ヲ「燒酎」ニ改ム
第二十條削除
第二十一條削除
第二十二條中「酒母、醪又ハ」ヲ削ル
第二十三條削除
第二十三條ノ二削除
第三十三條削除
第四十條削除
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=52
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053・松田正久
○議長(松田正久君) 發言ノ請求者ナケレバ議事日程第十ヲ議題ト致シマス
第十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選擧発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=53
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054・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 是ハ第三日程ノ委員ニ付託センコトヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=54
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055・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フモノアリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=55
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056・松田正久
○議長(松田正久君) 別段異議ナキモノト認メテ恆松君ノ動議ノ如ク決定シマス、
議事日程第十一ニ移リマス、酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律案ノ第一讀會ヲ
開キマス、朗讀ハ省略シマス
第十一酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律案(政第一讀會
府提出)
酒精及酒精含有飮料稅法中左ノ通改正ス
第三條ノ二本法ニ於テ葡萄酒ト稱スルハ葡萄ノ汁液ヲ醱酵セシメタルモ
ノヲ謂フ
左ニ揭クルモノハ葡萄酒ト看做ス
-葡萄ノ汁液ニ糖分ヲ補充シテ其ノ百分ノ二十四ニ達スル限度迄精製
糖ヲ加ヘテ醱酵セシメタルモノ但シ葡萄ノ汁液一石ニ付精製糖二十
五斤ヲ超ユルモノハ此ノ限ニ在ラス
二葡萄ノ汁液又ハ前號ニ依リ精製糖ヲ加ヘタル葡萄ノ汁液ヲ純炭酸石
灰ヲ以テ除酸シ醱酵セシメタルモノ
三葡萄酒又ハ前二號ニ依リ葡萄酒ト看做シタルモノニ其ノ容量百分ノ
一以內ノ酒精ヲ混和シタルモノ
第三條ノ三本法ニ於テ果實酒ト稱スルハ葡萄ヲ除クノ外果實ノ汁液ヲ醱
酵セシメタルモノヲ謂フ
葡萄ヲ除クノ外果實ノ汁液ニ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ糖分ヲ補充シ又
ハ其ノ酸ヲ稀釋シ醱酵セシメタルモノハ果實酒ト看做ス
第四條中「及葡萄實ヲ以テ釀造シタル葡萄酒」ヲ削ル
第二十四條ノ二葡萄酒及果實酒ニハ第五條、第十三條、第十四條及第十九
條乃至第二十三條ノ規定ニ限リ本法ヲ適用ス
免許ヲ受ケスシテ葡萄酒又ハ果實酒ヲ製造シタル者ハ五圓以上五十圓以
下ノ罰金ニ處ス
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前ヨリ葡萄酒ヲ製造シ本法施行後引續キ之ヲ製造セムトスル者ハ
本法施行後一箇月以內ニ政府ノ免許ヲ受クヘシ其ノ期間內ハ從前ノ製造ヲ
繼續スルコトヲ得発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=56
-
057・松田正久
○議長(松田正久君) 發言ノ請求者ナケレバ議事日程第十二ヲ議題ト致シマス
第十二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=57
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058・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 是ヲ前ノ委員ニ付託セラレンコトヲ-其次ノ二十マ
デハ總テ前委員ニ付託セラレンコトヲ願ヒマス、前ト云ヘバ第三ノ日程発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=58
-
059・松田正久
○議長(松田正久君) 議事日程第十二ハ恆松君ノ動議ニ、異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=59
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060・松田正久
○議長(松田正久君) 異議ナケレバ恆松君ノ動議ノ如ク決定致シヤス、議事日程
第十三ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略シマス
第十三麥酒稅法中改正法律案(政府提出)第一讀會
麥酒稅法中左ノ通改正ス
第一條ニ左ノ二項ヲ加フ
本法ニ於テ麥酒ト稱スルハ麥芽、「ホツプ」及水ヲ原料トシ麥酒酵母ヲ加
ヘテ醱酵セシメタルモノヲ謂フ
前項原料ノ外麥芽ノ重量十分ノ三以內ノ米ヲ原料トシ麥酒酵母ヲ加ヘテ
醱酵セシメタルモノハ麥酒ト看做ス
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=60
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061・松田正久
○議長(松田正久君) 發言ノ請求者ナケレバ議事日程第十四ヲ議題ト致シマス
第十四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=61
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062・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 此登錄稅法中改正法律案ハ、是ハ相續稅法案ニ附
帶シタ問題デゴザイマシテ、此委員ニ併セ付託センコトヲ願ヒマス、而シテ其委員ハ初メ
十八名ト云ヒマシタガ、更ニ二十七名ト改メタイト云フ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=62
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063・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ニ照會致シマスガ、暫ラク御待チナサイ、マダ其議題ニ
入リマセヌ-第十四ハ異議ナキヲ以テ、恆松君ノ動議ノ如ク決シマス、議事日程第
十五ニ移リマス、朗讀ハ省略シマス
第十五沖繩縣酒類出港稅則中改正法律案(政府提出)第一讀會
沖繩縣酒類出港稅則中左ノ通改正ス
第一條沖繩縣內ニ於テ製造シタル〓酒、濁酒、白酒、味淋又ハ燒酎ヲ帝國
內ノ他ノ地方ヘ移出スルトキハ旅客ノ携帶品タルト否トヲ問ハス其ノ石
數ニ應シ酒造稅法第四條ノ稅率ニ依リ出港稅ヲ課ス
附則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=63
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064・松田正久
○議長(松田正久君) 發言者ナケレバ日程第十六ニ移リマス
第十六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=64
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065・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 十六ナラヤハリ前ノ委員··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=65
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066・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=66
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067・松田正久
○議長(松田正久君) 異議ナキモノト認メテ、恆松君動議ノ如ク決定致シマス、議
事日程第十七ニ移リマス
第十七酒母、醪及麴取締法案(政府提出)第一讀會
酒母、醪及麴取締法
第一條本法ハ酒造稅法ニ依リ酒類ノ製造免許ヲ受ケスシテ酒母又ハ醪ヲ
製造スル者、販賣ノ爲ニ麴ヲ製造スル者及麴ヲ請賣スル者ニ之ヲ適用ス
第二條酒母、醪又ハ麴ヲ製造セムトスル者ハ製造場一箇所每ニ政府ノ免
許ヲ受クヘシ
第三條酒母、醪又ハ麴ノ製造者及麴ノ請賣者ハ帳簿ヲ調製シ酒母、醪又
ハ麹ノ製造出入ニ關スル事實ヲ詳細明瞭ニ記載スヘシ
第四條收稅官吏ハ酒母、醪若ハ麴ノ製造場又ハ麴ノ販賣場ニ臨ミ酒母、
醪又ハ麴、其ノ原料、製造用容器、器具、器械、建築物若ハ帳簿書類ヲ檢査
スルコトヲ得
收稅官吏監督上必要ト認ムルトキハ前項ノ物件ニ封印ヲ施スコトヲ得
第五條收稅官吏ハ運搬中ニ在ル酒母、醪又ハ麴ヲ檢査シ其ノ出所又ハ到
達先ヲ質問スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ監督上必要ト認ムルトキハ收稅官吏ハ其ノ運搬ヲ停止
シ又ハ荷物若ハ船車ニ封印ヲ施スコトヲ得
第六條酒母、醪又ハ麴ノ製造者其ノ製造ヲ廢止スルモ製造場內ニ酒母、
醪、麴、製造用容器、器具又ハ器械ノ現存スル間ハ收稅官吏ハ其ノ製造場
ニ臨ミ建築物又ハ其ノ現在品ヲ檢査シ又ハ之ニ封印ヲ施スコトヲ得
第七條醪ハ之ヲ讓渡シ、質入シ、飮料トシテ消費シ又ハ收稅官吏ノ承認ヲ
受ケスシテ製造場外ヘ移出スルコトヲ得ス
第八條酒母ハ政府ノ交付シタル買入認許證ヲ所持スル者ニ讓渡スノ外讓
渡シ又ハ質入スルコトヲ得ス
酒母ハ政府ノ交付シタル買入認許證ヲ所持スル者ニ讓渡シタル場合ノ外
收稅官吏ノ承認ヲ受ケスシテ製造場外ヘ移出スルコトヲ得ス
第九條免許ヲ受ケスシテ酒母醪若ハ麴ヲ製造シタル者又ハ第七條若ハ
第八條ニ違反シタル者ハ三十圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處シ仍其ノ酒母
醪ハ濁酒ト看做シ酒造稅法ニ依リ其ノ總石數ニ對シ直ニ造石稅ヲ徵收ス
第十條酒母、醪又ハ麴ノ檢査ヲ免カレ又ハ免カレムトシタル者ハ十圓以
上二百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十一條酒母、醪若ハ麴ノ製造者又ハ麴ノ請賣者酒母、醪又ハ麴ノ製造出
入ニ關スル帳簿書類ヲ隱匿シタルトキハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ
帳簿ヲ調製セス又ハ其ノ記載ヲ怠リ若ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキハ三
圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十二條收稅官吏ノ尋問ニ對シ虚僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ收稅官吏ノ職務執
行ヲ拒ミ之ヲ忌避シ若ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ三圓以上三十圓以下ノ
罰金ニ處ス其ノ刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第十三條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタル者ニハ刑
法ノ減輕、再犯加重、數罪倶發ノ例ヲ用井ス
第十四條酒母、醪若ハ麴ノ製造者又ハ麴ノ請賣者カ未成年者又ハ禁治產
者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ當業者ニ適
用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ營業ニ關シ成年者ト同
一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十五條酒母、醪若ハ麴ノ製造者又ハ麴ノ請賣者ハ其ノ代理人、戶主、家
族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基
キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出サルノ故ヲ以
テ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第十六條間接國稅犯則者處分法及明治三十三年法律第五十二號ハ本法又
ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタル者ニ之ヲ準用ス
第十七條酒母、醪又ハ麴ノ製造者ニシテ其ノ製造ヲ廢止シタルトキハ其
ノ旨政府ニ申告スヘシ
第十八條第九條又ハ第十條ノ處罰ヲ受ケタル者ニ對シテハ政府ハ酒母、
醪又ハ麴ノ製造ノ免許ヲ取消スコトヲ得
附則
第十九條本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第二十條本法施行前酒造稅法第二十條ニ依リ酒母又ハ醪製造ノ免許ヲ受
ケタル者ハ本法ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
第二十一條本法施行前ヨリ麴ヲ製造シ本法施行後引續キ之ヲ製造セムト
スル者ハ本法施行後十五日以內ニ本法ニ依リ免許ヲ受クヘシ
前項ノ期間內ハ從前ノ製造ヲ繼續スルコトヲ得
第二十二條沖繩縣及東京府下小笠原島伊豆七島ニハ本法ヲ施行セス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=67
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068・松田正久
○議長(松田正久君) 發言者ナケレバ議事日程第十八ニ移リマス
第十八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=68
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069・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) ヤハリ前ノ委員デゴザイマス
(「異議ナシ」ト呼フモノアリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=69
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070・松田正久
○議長(松田正久君) 異議ナケレバ恆松君動議ノ如ク決定致シマス、議事日程第
十九ニ移リマス、朗讀ハ省略シマス
第十九酒造組合法案(政府提出)第一讀會
酒造組合法
第一條本法ニ於テ酒類製造者ト稱スルハ〓酒、濁酒、白酒、味淋又ハ燒酎
ヲ製造スル者ヲ謂フ
第二條酒類製造者ハ稅務署管內ヲ一區域トシ酒造組合ヲ設クルコトヲ得
但シ土地ノ狀況ニ從ヒ特別ノ區域ニ依ルコトヲ得
第三條酒造組合ハ組合員協同一致シテ營業上ノ弊害ヲ矯正シ信用ヲ保持
スルヲ以テ目的ト爲ス
第四條酒造組合ヲ設置セムトスルトキハ其ノ區域內ニ於ケル酒類製造者
三分ノ二以上ノ同意ヲ得創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ政府ノ認可ヲ受ク
へシ
二種以上ノ酒類ノ製造者組合ヲ設置セムトスルトキハ各種每ニ其ノ三分
ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第五條酒造組合設置ノ認可アリタルトキハ其ノ區域內ニ於ケル同種酒類
ノ製造者ハ當然其ノ組合員ト爲ル
第六條酒造組合ハ組合相互ノ氣脈ヲ通シ其ノ目的ヲ達スル爲酒造組合聯
合會ヲ設置スルコトヲ得
酒造組合聯合會ヲ設置セムトスルトキハ其ノ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定
シ政府ノ認可ヲ受クヘシ
第七條酒造組合及酒造組合聯合會ハ法人トス
第八條酒造組合又ハ酒造組合聯合會ノ定款ノ變更ハ政府ノ認可ヲ受クヘ
シ
第九條酒造組合又ハ酒造組合聯合會ハ營利事業ヲ爲スコトヲ得ス
第十條政府ハ酒造組合又ハ酒造組合聯合會ノ決議又ハ其ノ役員ノ行爲ニ
シテ法令若ハ定款ノ規定ニ違背シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決
議ヲ取消シ、其ノ行爲ヲ制止シ、役員ノ改選ヲ命シ又ハ組合若ハ聯合會
ノ解散ヲ命スルコトヲ得
第十一條本法ニ規定スルモノノ外酒造組合及酒造組合聯合會ニ關スル事
項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
第十二條本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十三條酒造稅法ニ依リ設立シタル酒造組合ハ本法施行ノ日ヨリ本法ニ
依リ設立シタルモノト看做ス
前項ノ酒造組合ニシテ其ノ區域內ニ於ケル酒類ノ製造者各種每ニ三分ノ
二以上ヨリ成立スルトキハ同區域內ニ於テ未タ組合ニ加入セサル同種酒
類ノ製造者ハ本法施行ノ日ヨリ當然組合員ト爲ル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=70
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071・松田正久
○議長(松田正久君) 發言者ナケレバ議事日程第二十ヲ議題ト致シマス
第二十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=71
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072・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 是モ前ノ委員デゴザイマス、ヤハリ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=72
-
073・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ノ如ク、前委員ニ附託スルコトニ、御異議ハアリ
マセヌカ
(「異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=73
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074・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議ノ如クニ決定シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=74
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075・松田正久
○議長(松田正久君) 議事日程第二十一ニ移リマス朗讀ハ省キマス
第二十一登錄稅法中改正法律案(政府提出)第一讀會
登錄稅法中左ノ通改正ス
第二條第一項第一號中「千分ノ七」及第二號中「千分ノ十五」ヲ「千分ノ五」ニ
改メ第二十號ヲ削ル第三條第一項第二號中「千分ノ六」ヲ「千分ノ三」ニ改メ
第十三號ヲ削ル
第十四條鑛業權ニ關シ鑛業原簿ニ登錄ヲ受クルトキハ左ノ區別ニ從ヒ登
錄稅ヲ納ムヘシ
一試掘權ノ設定每一件金七十五圓
二試掘權ノ變更
增區又ハ增減區每一件金三十五圓
減區每一件金十圓
三試掘權ノ移轉
相續每一件金十圓
相續以外ノ原因ニ因ル移轉每一件金三十五圓
四採掘權ノ設定
新規登錄每一件金百五十圓
鑛區合併每一件金五十圓
鑛區分割設定鑛區每一箇金五十圓
五採掘權ノ變更
鑛區訂正每一件金五十圓
增區又ハ增減區每一件金七十五圓
減區每一件金二十圓
六採掘權ノ移轉
相續每一件金二十圓
相續以外ノ原因ニ因ル移轉每一件金七十五圓
七抵當權ノ設定
新規登錄債權金額千分ノ六
鑛業法第三十五條第二項ニ基キ
爲シタル承諾及協定ニ因ル設定每一件金五圓
九八順位ノ變更ニ因ル抵當權ノ變更每一件金十圓
抵當權ノ移轉
相續每一件金五圓
相續以外ノ原因ニ因ル移轉每一件金十圓
十共同鑛業權者ノ脫退每一件金五圓
十一滯納處分以外ノ原因ニ因ル鑛業
權又ハ抵當權ノ處分ノ制限債權金額千分ノ四
十二廢業ニ因ル鑛業權ノ消滅每一件金五圓
十三登錄ノ更正、變更又ハ抹消每一件金十錢
債權金額ニ因リ課稅額ヲ定ムル場合ニ於テ一定ノ債權金額ナキトキハ債
權目的タルモノノ價格ヲ以テ債權金額ト看做ス
附則
本法ハ明治三十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ鑛業原簿ノ登錄ニ付テハ
鑛業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前鑛業條例ニ依リ鑛業ニ關スル出願又ハ屆出ヲ爲シ既ニ登錄稅ヲ
納メタル者鑛業法ニ依リ其ノ事項ニ付鑛業原簿ニ登錄ヲ受クルトキハ更ニ
登錄稅ヲ納ムルコトヲ要セス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=75
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076・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 此登錄稅法案ハ前ニ申シタ通、相續稅法案ニ附帶ヲ
シタモノデアリマスカラ、其委員ニ付託ヲ願ヒタイ、ソレカラ人數ハ二十七名ト改メタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=76
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077・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君、暫ク御待チナサイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=77
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078・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) ハイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=78
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079・松田正久
○議長(松田正久君) 御異議ガナケレバ議事日程第二十二ニ移リマス-恆松君
第二十二右議案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=79
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080・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 改メテ申シマス、是ハ登錄稅法案ノ委員ニ付託致シ
マシテ、人數ハ曩ニハ二十七名ヲ、誤ッテ十八名ト申シタカ知リマセヌガ、全ノ二十七
名ト云フコトニ致シタイト思イマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=80
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081・松田正久
○議長(松田正久君) 是ガ登錄稅法ノ委員デアリマスゾ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=81
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082・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 登錄稅ノ委員ハ前ノ相續稅ノ委員ノ方ニ付託シテ、
其人數ヲ二十七名ト改メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=82
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083・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=83
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084・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議ノ如ク決定シマス、-議事日程第二
十三ニ移リマス、朗讀ハ省略致シマス
第二十三關稅定率法附屬輸入稅表中改正法律案第一讀會
(政府提出)
關稅定率法附屬輸入稅表中左ノ通改正ス
第二種中一五一四ノ一鐵礦」ヲ削リ「五一四ノ二」ヲ「五一四ノ一」ニ改メ五一
八ノ次ニ左ノ如ク加ヘ以下「五一八ノ四」迄順次繰下ク
五一八ノ一金銀礦及鐵礦
附則
本法ハ發布後六箇月ヲ經テ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=84
-
085・松田正久
○議長(松田正久君) 發言ガナケレバ議事日程第二十四ニ移リマス、議事日程第
二十四ニ付イテ御發言ハアリマセヌカ
第二十四右議案ノ審查ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=85
-
086・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 是ハ前ノ非常特別稅委員ノ方ニ付託致シタイト思ヒ
マス
(「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=86
-
087・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君動議ノ如ク、非常特別稅法案ノ委員ニ付託スルコト
ニ御異議ハアリマセヌカ
異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=87
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088・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議ノ如ク決定シマス-議事日程第二十
五ニ移リマス、朗讀ハ省略シマス
第二十五鑛業法案(政府提出)第一讀會
鑛業法
第一章總則
第一條本法ニ於テ鑛業ト稱スルハ鑛物ノ試掘及採掘竝之ニ附屬スル選鑛
及製鍊ノ事業ヲ謂フ
第二條本法ニ於テ鑛物ト稱スルハ金鑛、銀鑛、銅鑛、鉛鑛、蒼鉛鑛、錫鑛、安
質母尾鑛、水銀鑛、亞鉛鑛、鐵鑛、硫化鐵鑛、格魯謨鐵鑛、滿俺鑛、タングス
テン鑛、砒鑛、燐鑛、黑鉛、石炭、亞炭、石油、土瀝靑及硫黃ヲ謂フ但シ砂鑛
ハ此ノ限ニ在ラス
第三條未タ掘採セサル鑛物(廢鑛ヲ含ム)ハ國ノ所有トス
第四條本法ニ於テ鑛業權ト稱スルハ試掘權及採掘權ヲ謂フ
鑛業權者ハ鑛區ニ於テ其ノ認可ヲ受ケタル鑛物ヲ掘採シ及之ヲ取得スル
權利ヲ有ス但シ鑛區ノ重複シタル場合ニ於テハ鑛業權者ハ互ニ其ノ權利
ヲ制限セラル
第五條帝國臣民又ハ帝國法律ニ從ヒ成立シタル法人ニ非サレハ鑛業權者
ト爲ルコトヲ得ス
第六條本法ニ規定シタル鑛業權者ノ權利義務ハ鑛業權ト共ニ移轉ス
木法ノ規定ニ依リ爲シタル手續其ノ他ノ行爲ハ鑛業ヲ出願セムトスル者
鑛業出願人、鑛業權者、十地所有者又ハ關係人ノ承繼人ニ對シテモ其ノ效
力ヲ有ス
第七條二人以上共同シテ鑛業ヲ爲シ又ハ之ヲ爲サムトスルトキハ內一人
ヲ選定シテ代表者ト爲シ鑛山監督署長ニ屆出ツヘシ其ノ屆出ナキトキハ
鑛山監督署長之ヲ指定ス
代表者ハ國ニ對シ共同鑛業出願人又ハ共同鑛業權者ヲ代表ス
共同鑛業出願人又ハ共同鑛業權者ハ組合契約ヲ爲シタル者ト看做ス
第八條本法ニ於テ鑛夫ト稱スルハ鑛業ニ從事スル勞役者ヲ謂フ
第九條本法ニ於テ鑛區ト稱スルハ鑛業權ノ登錄ヲ得タル土地ノ區域ヲ謂
フ
鑛區ノ境界ハ直線ヲ以テ之ヲ定メ地表境界線ノ直下ヲ限トス其ノ面積ハ
石炭ニ在リテハ五萬坪以上其ノ他ノ鑛物ニ在リテハ五千坪以上トシ共ニ
六十萬坪ヲ超ユルコトヲ得ス但シ鑛利保護上又ハ鑛區分合上已ヲ得サル
場合ニハ六十萬坪ヲ超ユルコトヲ得
同一ノ鑛區ニ於テハ二以ム上ノ鑛業權ヲ設定スルコトヲ得ス但シ其ノ目的
異種ノ鑛物ナルトキ及第三十六條ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十條宮城、離宮、神宮及皇陵ノ周圍三百間以內竝要塞地帶第一區內ノ場
所ハ之ヲ鑛區ト爲スコトヲ得ス
陸海軍所轄ノ軍港、要港、火藥製造所、火藥庫及彈藥庫ノ周圍ニ一百間以內
竝要塞地帶第二區及第一一區內ノ場所ハ所轄官廳ノ許可ヲ受クルニ非サレ
ハ之ヲ鑛區ト爲スコトヲ得ス
前二項ニ揭ケタル場所ハ所轄官廳ノ許可ヲ受クルニ非サレハ鑛業ノ爲之
ヲ使用スルコトヲ得ス
第十一條鐵道、軌道、道路、運河、河湖、沼池、堤塘、社寺境內地、墓地、公園
地其ノ他ノ營造物及建物ノ地表地下トモ其ノ周圍三十間以内ノ場所ニ於
テハ所轄官廳ノ許可、所有者及關係人ノ承諾ヲ受クルニ非サレハ鑛業ヲ
爲シ又ハ鑛業ノ爲之ヲ使用スルコトヲ得ス但シ所有者及關係人ハ正當ノ
理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ス
第十二條鑛業出願地又ハ鑛區ノ訂正、增減及改正ノ出願ニ付テハ鑛業ノ
出願ニ關スル規定ヲ準用ス
第十三條本法ニ於テ鑛業稅ト稱スルハ鑛區稅及鑛產稅ヲ謂フ
第十四條本法ハ第六章及第八章ノ規定ヲ除クノ外國ノ鑛業ニ之ヲ適用ス
第二章鑛業權
第十五條鑛業權ハ物權トシ不動產ニ關スル規定ヲ準用ス但シ民法第百七
十九條第一項ノ規定ハ此ノ限ニ在ラス
第十六條鑛業權ハ不可分トス
第十七條鑛業權ハ相續、讓渡、滯納處分及强制執行ノ目的タルノ外權利ノ
目的タルコトヲ得ス但シ採掘權ハ抵當權ノ目的ト爲スコトヲ得
第十八條試掘權ノ存續期間ハ登錄ノ日ヨリ二箇年トス
前項ノ期間ハ鑛區ノ增減又ハ改正ノ爲變更セラルルコトナシ
第十九條鑛業權及抵當權ノ設定、變更、移轉、消滅竝處分ノ制限ハ鑛業原
簿ニ登錄ス共同鑛業權者ノ脫退ニ付テモ亦同シ但シ鑛業權ノ處分ヲ制限
セラレタルトキハ廢業ノ登錄ヲ爲スコトヲ得ス
前項ノ登錄ハ登記ニ代ルモノトス
登錄ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十條前條第一項ニ揭ケタル事項ハ相續、期限ノ到來ニ因ル鑛業權ノ
消滅竝第四十二條及第四十三條ノ競賣ノ場合ヲ除クノ外登錄ヲ爲スニ非
サレハ其ノ效力ヲ生セス
第二十一條鑛業ヲ爲サムトスル者ハ願書ニ鑛區圖ヲ添ヘ試掘ニ付テハ鑛
山監督署長、採掘ニ付テハ農商務大臣ニ出願スヘシ
第二十二條鑛業出願人ハ名義ノ變更ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ試
掘ニ付テハ鑛山監督署長、採掘ニ付テハ農商務大臣ニ屆出ヲ爲スニ非サ
レハ其ノ效力ヲ生セス
第二十三條採掘出願人ハ出願地ニ其ノ採掘セムトスル鑛物ノ存在スルコ
トヲ證明スヘシ
第二十四條農商務大臣ニ於テ試掘出願地採掘ニ適スルモノト認メタルト
キハ採掘ノ出願ヲ命スヘシ
前項ノ場合ニ於テ命令書到達ノ日ヨリ六十日以內ニ採掘ノ出願ヲ爲ササ
ルトキハ試掘ノ出願ハ之ヲ許可セス
前二項ノ規定ハ農商務大臣ニ於テ採掘出願地仍試掘ヲ要スルモノト認メ
タル場合ニ之ヲ準用ス
第二十五條採掘出願地ノ位置形狀鑛床ノ置位形狀ト相違シ鑛利ヲ損スル
モノト認メタルトキハ農商務大臣ハ其ノ訂正ノ出願ヲ命スヘシ
前項ノ場合ニ於テ命令書到達ノ日ヨリ六十日以內ニ訂正ノ出願ヲ爲ササ
ルトキハ採掘ノ出願ハ之ヲ許可セス
第二十六條採掘出願地ノ位置形狀鑛床ノ位置形狀ト相違シ鑛利ヲ損スル
モノト認メタルトキハ採掘出願人ハ其ノ訂正ヲ出願スルコトヲ得
第二十七條鑛業出願人ハ出願地ノ增減ヲ出願スルコトヲ得
第二十八條試掘出願地出願ノ當時鑛區ト重複スル場合ニ於テ同種ノ鑛物
ナルトキハ其ノ重複スル部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス
第二十九條採掘出願地出願ノ當時他人ノ鑛區ト重複スル場合ニ於テ同種
ノ鑛物ナルトキハ其ノ重複スル部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス但シ第
三十六條ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
第三十條採掘出願地他人ノ試掘出願地ト重複スル場合ニ於テ同種ノ鑛
物ナルトキハ其ノ重複スル部分ニ付テハ第二十四條第一項及第二項ノ規
定ヲ準用ス
第三十一條鑛業出願地他人ノ鑛區ト重複スル場合ニ於テ異種ノ鑛物ナル
トキハ鑛山監督署長ハ之ヲ鑛業權者ニ通知スヘシ
鑛業權者ハ前項ノ通知書到達ノ日ヨリ六十日以內ニ自ラ其ノ鑛業ヲ出願
スルコトヲ得
前二項ノ規定ハ第三十六條及豫メ鑛業權者ノ承諾ヲ得タル場合ニハ之ヲ
適用セス
第一項ノ出願他人ノ鑛業ニ妨害アリト認メタルトキハ之ヲ許可セス
第三十二條公益ヲ害スルモノト認メタルトキ又ハ鑛業ノ價値ナシト認メ
タルトキハ鑛業ノ出願ヲ許可セス
第三十三條試掘出願地又ハ採掘出願地重複スルトキハ其ノ重複スル部分
ニ付テハ願書發送ノ日ノ先ナル者優先權ヲ有ス願書發送ノ日同一ナルト
キハ鑛山監督署長ハ之ヲ各出願人ニ通知スヘシ此ノ場合ニ於テ出願人ハ
其ノ通知書發送ノ日ヨリ六十日以內ニ協議ヲ調ヘ之ヲ屆出ツヘシ
出願人前項ノ屆出ヲ爲ササルトキハ抽籤ニ依リ優先權者ヲ定ム
前二項ノ規定ハ第二十五條、第二十六條、第三十一條第二項及第三十六條
ノ場合ニハ之ヲ適用セス
試掘出願地採掘出願地ト重複スル場合ニ於テ願書發送ノ日同一ナルトキ
ハ其ノ重複スル部分ニ付テハ採掘出願人ハ優先權ヲ有ス
第三十四條試掘出願人同種ノ鑛物ニ付更ニ採掘ノ出願ヲ爲シタル場合ニ
於テ出願地重複スルトキハ其ノ重複スル部分ニ付テハ採掘ノ出願ハ試掘
願書發送ノ日ニ於テ試掘ノ出願ニ代リタルモノト看做ス但シ前條第四項
ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項本文ノ規定ハ採掘出願人同種ノ鑛物ニ付更ニ試掘ノ出願ヲ爲シタル
場合ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ第二十四條及第二十五條ノ場合ニ於ケル期限經過後ノ出
願ニ之ヲ適用セス
第三十五條採掘權者ハ鑛區ノ合併又ハ分割ヲ農商務大臣ニ出願スルコト
ヲ得鑛區ノ一部ヲ分割シテ之ヲ他ノ鑛區ニ合併セムトスルトキ亦同シ
抵當權ノ設定アル場合ニ於テ前項ノ出願ヲ爲サムトスルトキハ抵當權者
ノ承諾及抵當權ノ順位ニ關スル協定ヲ經ヘシ
第三十六條鑛床ノ位置形狀ニ依リ鄰接スル他人ノ鑛區ニ掘進スルノ必要
アルトキハ鄰接鑛業權者ノ承諾ヲ經テ鑛區ノ訂正ヲ出願スルコトヲ得但
シ鄰接鑛業權者ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ス
第三十七條第二十五條第一項、第二十六條、第二十七條及第三十三條第三
項ノ規定ハ之ヲ鑛區ニ準用ス
第二十五條第一項ニ該當スル場合ニ於テ命令書到達ノ日ヨリ六十日以內
ニ出願ヲ爲ササルトキハ農商務大臣ハ採掘權ヲ取消スヘシ
抵當權ノ設定アル場合ニ於テ鑛區ノ減少ヲ出願セムトスルトキハ豫メ抵
當權者ノ承諾ヲ經ヘシ
第三十八條錯誤ニ因リ鑛業ノ出願ヲ許可シタルトキハ農商務大臣ハ鑛區
ノ改正ヲ命シ又ハ鑛業權ヲ取消スヘシ
前項ノ改正ヲ命シタル場合ニ於テ命令書到達ノ日ヨリ六十日以內ニ出願
ヲ爲ササルトキハ農商務大臣ハ鑛業權ヲ取消スヘシ
第三十九條鑛業公益ヲ害スルモノト認メタルトキハ農商務大臣ハ鑛業權
ヲ取消スヘシ
第四十條鑛業權者正當ノ理由ナクシテ登錄ノ日ヨリ一箇年以內ニ事業
ニ著手セス若ハ一箇年以上休業シタルトキ又ハ施業案ニ依ラスシテ採掘
ヲ爲シタルトキハ農商務大臣ハ鑛業權ヲ取消スコトヲ得
第四十一條鑛業權者第七十二條ノ命令ニ從ハサルトキハ農商務大臣ハ鑛
業權ヲ取消スコトヲ得
第四十二條採掘權取消ノ登錄アリタルトキハ鑛山監督署長ハ直ニ之ヲ抵
當權者ニ通知スヘシ
抵當權者ハ前項ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ採掘權ノ競賣ヲ請
求スルコトヲ得但シ第三十八條第一項及第三十九條ノ規定ニ依ル採掘權
取消ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
採掘權ハ前項ノ期間內又ハ競賣ノ手續完結ノ日迄競賣ノ目的ノ範圍內ニ
於テ仍存續スルモノト看做ス
競賣ニ依ル賣得金ハ競賣ノ費用及抵當權者ニ對スル債務ノ辨濟ニ充テ其
ノ殘金ハ國庫ニ歸屬ス
競買人ハ採掘權取消ノ登錄アリタル時ニ於テ採掘權ヲ讓受ケタルモノト
看做ス
第四十三條前條ノ規定ハ採掘權者廢業シタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十四條採掘權者ハ命令ノ定ムル所ニ從ヒ施業案ヲ鑛山監督署長ニ差
出スヘシ其ノ之ヲ變更シタルトキ亦同シ
採掘權者ハ施業案ニ依ルニ非サレハ採掘ヲ爲スコトヲ得ス
第四十五條鑛山監督署長ハ理由ヲ示シテ施業案ノ變更ヲ命スルコトヲ得」
前項ニ依リ變更シタル施業案ハ鑛山監督署長ノ許可ヲ受クルニ非サレハ
之ヲ變更スルコトヲ得ス
第四十六條採掘權者ハ命令ノ定ムル所ニ從ヒ坑內實測圖及鑛業簿ヲ鑛業
事務所ニ備ヘ置キ且其ノ複本ヲ鑛山監督署長ニ差出スヘシ
第四十七條鑛業權者ハ命令ノ定ムル所ニ從ヒ鑛業ニ關スル明細表ヲ鑛山
監督署長ニ差出ス>>
第四十八條試掘ニ依リテ得タル鑛產物ハ鑛山監督署長ノ許可ヲ受クルニ
非サレハ之ヲ處分スルコトヲ得ス
第四十九條鄰接鑛業權者其ノ他ノ利害關係人ハ他人ノ鑛區ニ付鑛山監督
署長ニ其ノ實地調査ヲ出願スルコトヲ得
出願人ハ前項ノ調査ニ要スル人夫及物品ヲ供スヘシ
第三章土地使用
第五十條本章ニ於テ關係人ト稱スルハ第五十二條乃至第五十四條及第
五十六條ノ通知前使用又ハ收用スヘキ土地ニ關シテ權利ヲ有スル者及其
ノ通知後ニ於テ通知前ヨリ既存セル權利ヲ承繼シタル者ヲ謂フ
第五十一條本章ニ於テ補償金ト稱スルハ對價、使用料其ノ他土地所有者
及關係人ノ通常受クヘキ損失ニ對スル補償金ヲ總稱ス
第五十二條鑛業ノ出願又ハ鑛業ノ爲必要アルトキハ鑛業ヲ出願セムトス
者鑛業出願人又ハ鑛業權者ハ鑛山監督署長ノ許可ヲ得テ他人ノ土地
ニ立入リ測量又ハ檢査ヲ爲スコトヲ得
前項ノ許可ヲ得タル者他人ノ土地ニ立入ラムトスルトキハ豫メ土地占有
者ニ通知スヘシ
第五十三條前條ノ規定ニ依ル測量又ハ檢査ノ爲必要アルトキハ鑛山監督
署長ノ許可ヲ得テ障碍物ヲ除却スルコトヲ得
前項ノ許可ヲ得タル者障碍物ヲ除却セムトスルトキハ豫メ其ノ所有者及
占有者ニ通知スヘシ
第五十四條鑛業上急迫ノ危險ヲ防ク爲必要アルトキハ鑛業權者ハ鑛山監
督署長ノ許可ヲ得テ直ニ他人ノ土地ニ立入リ又ハ之ヲ使用スルコトヲ得」
前項ノ場合ニ於テ鑛業權者ハ遲滯ナク之ヲ土地占有者ニ通知スヘシ
第五十五條前三條ニ依リ所有者及關係人ノ受ケタル損失ニ對シテハ其ノ
請求ニ依リ補償金ヲ拂渡スヘシ
第五十六條鑛業權者ハ左ニ揭クル目的ノ爲必要アルトキハ他人ノ土地ヲ
使用スルコトヲ得
一錐鑚孔、坑口又ハ坑道ノ開穿
二鑛物、土石、爆發藥、用材、薪炭、鑛滓又ハ灰燼ノ置場ノ設置
三選鑛場又ハ製鍊場ノ建設
四鐵道、軌道、道路、運河、溝渠、管樋、池井、索道又ハ電線ノ開設
五其ノ他鑛業上必要ナル工事又ハ工作物ノ施設
前項ノ規定ニ依リ鑛業權者他人ノ土地ヲ使用セムトスルトキハ鑛山監督
署長ノ許可ヲ受クヘシ
鑛山監督署長前項ノ許可ヲ與ヘタルトキハ之ヲ土地所有者及關係人ニ通
知スヘシ
前項ノ通知ノ後鑛業權者ハ其ノ土地ニ關スル權利ヲ取得スル爲土地所有
者及關係人ニ協議ヲ爲スヘシ
第五十七條土地ノ使用三箇年以上ニ亙ルトキ又ハ土地ノ形質ヲ變更スル
トキハ所有者ハ其ノ收用ヲ請求スルコトヲ得
第五十八條土地ノ一部ヲ收用スルニ因リテ殘地ヲ從來用井タル目的ニ供
スルコト能ハサルトキハ土地所有者ハ其ノ全部ノ收用ヲ請求スルコトヲ
得
第五十九條土地ヲ使用又ハ收用スルトキハ土地所有者及關係人ニ補償金
ヲ拂渡スヘシ
第六十條土地ノ一部ヲ使用又ハ收用スルニ因リテ殘地ノ價格ヲ減シ其
ノ他殘地ニ關シ損失ヲ生スヘキトキハ其ノ補償金ヲ拂渡スヘシ
第六十一條土地ヲ使用又ハ收用スルニ因リテ通路、溝渠、墻柵其ノ他ノ
工作物ノ新築、改築、增築又ハ修繕ヲ爲スノ必要ヲ生スルトキハ其ノ補
償金ヲ拂渡スヘシ
第六十二條第五十六條ノ通知ノ後土地ノ形質ヲ變更シ工作物ノ新築、改
築增築若ハ大修繕ヲ爲シ又ハ物件ヲ附加增置セムトスルトキハ土地所
有者又ハ關係人ハ鑛山監督署長ノ許可ヲ受クヘシ許可ヲ受ケスシテ之ヲ
爲シタル者ハ之ニ關スル補償金ヲ請求スルコトヲ得ス
第六十三條第五十六條ノ通知ノ後事業ヲ廢止又ハ變更シタルニ因リテ土
地所有者又ハ關係人ノ受ケタル損失ニ對シ鑛業權者ハ其ノ補償金ヲ拂渡
スヘシ
第六十四條土地所有者及關係人ハ鑛業權者ヲシテ補償金ニ付相當ノ擔保
ヲ供セシムルコトヲ得
第六十五條土地ノ使用又ハ收用ノ協議調ヒ裁決確定シ又ハ判決アリタル
トキハ補償金又ハ擔保ノ裁決確定セサルトキト雖鑛業權者ハ其ノ裁決ニ
依ル補償金ヲ供託シ又ハ擔保ヲ供シテ土地ヲ使用又ハ收用スルコトヲ得
第六十六條鑛業權者葡償金ノ拂渡若ハ供託ヲ爲サス又ハ擔保ヲ供セサル
トキハ土地所有者及關係人ハ土地ヲ用ウルコトヲ拒ムコトヲ得
第六十七條土地ヲ收用スルトキハ收用ノ時期ニ於テ所有權ハ鑛業權者之
ヲ取得シ其ノ他ノ權利ハ消滅ス
土地ヲ使用スルトキハ其ノ權利ハ使用ノ時期ニ於テ鑛業權者之ヲ取得シ
其ノ他ノ權利ハ使用ノ期間其ノ行使ヲ停止セラル但シ使用ヲ妨ケサルモ
ノハ此ノ限ニ在ラス
第六十八條土地ノ使用ヲ終リタルトキハ鑛業權者ハ土地ヲ原狀ニ復シ又
ハ原狀ニ復セサルニ因リテ生スル損失ニ對シ補償金ヲ拂渡シテ之ヲ返還
スヘシ
第六十九條先取特權、質權又ハ抵當權ハ其ノ目的物ノ使用又ハ收用ニ因
リテ債務者ノ受クヘキ補償金ニ對シテモ之ヲ行フコトヲ得但シ其ノ拂渡
前ニ差押ヲ爲ス)>
第七十條土地ノ使用及收用ニ關スル規定ハ水ノ使用ニ關スル權利ニ之
ヲ準用ス
第四章鑛業警察
第七十一條鑛業ニ關スル警察事務ハ命令ノ定ムル所ニ依リ農商務大臣及
鑛山監督署長之ヲ行フ
第七十二條鑛業上危險ノ虞アリ又ハ公益ヲ害スルノ虞アリト認メタルト
キハ農商務大臣ハ鑛業權者ニ其ノ豫防又ハ鑛業ノ停止ヲ命スヘシ
急迫ノ危險ヲ防ク爲必要アルトキハ鑛山監督署長ハ前項ノ處分ヲ爲スコ
トヲ得
第七十三條農商務大臣ハ採掘權者ニ技術ニ關スル管理者ノ選任又ハ改任
ヲ命スルコトヲ得
管理者ノ資格及職務ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十四條鑛業權消滅シタル後ト雖一箇年間ハ農商務大臣及鑛山監督署
長ハ第七十二條ノ規定ニ準シ其ノ鑛業權ヲ有セシ者ニ對シテ危害豫防ニ
關スル設備ヲ爲スヘキコトヲ命スルコトヲ得
前項ノ命令ヲ受ケタル者ハ危害豫防ノ目的ノ範圍內ニ於テ鑛業權者ト看
做ス
第五章鑛夫
第七十五條採掘權者ハ鑛夫ノ雇傭及勞務ニ關スル規則ヲ定メ鑛山監督署
長ノ許可ヲ受クヘ
第七十六條鑛業權者ハ命令ノ定ムル所ニ從ヒ鑛夫名簿ヲ鑛業事務所ニ備
ヘ置クヘ
第七十七條鑛業權者鑛夫ヲ解雇シタル場合ニ於テハ其ノ請求ニ依リ雇傭
ノ期間、業務ノ種類、技能、賃金及解雇ノ事由ヲ記載シタル證明書ヲ與フ
ヘシ
第七十八條鑛業權者ハ每月二囘以上期日ヲ定メ通貨ヲ以テ鑛夫ニ其ノ賃
金ヲ支拂フヘシ
第七十九條農商務大臣ハ命令ヲ以テ鑛夫ノ年齡及就業時間竝婦女、幼者
ノ勞役ノ種類ヲ制限スルコトヲ得
第八十條鑛夫自己ノ重大ナル過失ニ因ラスシテ業務上負傷シ疾病ニ罹
リ又ハ死亡シタルトキハ鑛業權者ハ命令ノ定ムル所ニ從ヒ鑛夫又ハ其ノ
遺族ヲ扶助スヘシ
第六章鑛業稅
第八十一條鑛業權者ニハ鑛業稅ヲ課ス
金鑛、銀鑛及鐵鑛ニ付テハ鑛產稅ヲ課セス
第八十二條鑛業權者ニハ其ノ鑛業ニ付營業稅ヲ課セス
第八十三條鑛區稅ハ鑛區一千坪每ニ每年試掘ニ付テハ十錢、採掘ニ付テ
ハ四十錢トス但シ一千坪未滿ハ之ヲ一千坪ト看做ス
第八十四條鑛區稅ハ每年十二月中ニ翌年分ヲ前納スヘシ
第三十五條第一項ニ依ルモノヲ除クノ外鑛業權ノ設定若ハ變更ノ登錄ニ
依リ新ニ負擔シ又ハ不足セル鑛區稅ニシテ其ノ登錄ノ年ニ係ルモノハ之
ヲ卽納スヘシ
前項ニ依リ納付スヘキ鑛區稅ハ月割ヲ以テ之ヲ計算ス鑛業權ノ存續期間
滿了ノ年ニ係ルモノ亦同シ
第八十五條鑛產稅ハ鑛產物ノ價格ノ百分ノ一トス
鑛產物ノ價格ハ主要ナル市場ノ平均相場ヲ標準トシ農商務大臣之ヲ告示
ス其ノ告示セサルモノハ之ヲ檢定ス
壁八十六條鑛產稅ハ每年三月中ニ前年分ヲ納付スヘシ但シ鑛業權消滅ノ
場合ニ於テハ卽納スヘシ
第八十七條共同鑛業權者ノ納稅義務ハ連帶トス
第八十八條收稅官吏ハ鑛業ニ關スル書類及物件ヲ檢査スルコトヲ得
第八十九條北海道、府縣及市町村ハ鑛業稅ニ對シ各本稅百分ノ十五以內
ノ附加稅ヲ課スルコトヲ得
前項ノ附加稅ノ外北海道、府縣及市町村ハ鑛業ニ對シ又ハ鑛夫、鑛產物、鑛
區若ハ直接鑛業用ノ工作物、器具、機械ヲ標準トシテ課稅スルコトヲ得ス
前二項ノ規定ハ北海道及沖繩縣ノ區竝間切島其ノ他町村ニ準スヘキモノ
ニ之ヲ準用ス
第七章訴願訴訟及裁決
第九十條鑛業ニ關スル出願ノ許可又ハ拒否ニ不服アル者ハ訴願ヲ提起
スルコトヲ得違法ニ權利ヲ傷害セラレタリトスルトキハ行政訴訟ヲ提起
スルコトヲ得
第九十一條第十一條又ハ第三十六條ノ承諾ヲ拒マレタル者及其ノ承諾ヲ
得ルコト能ハサル者ハ鑛山監督署長ノ裁決ヲ申請スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ不服アル者ハ訴願ヲ提起スルコトヲ得違法ニ權利ヲ傷害セ
ラレタリトスルトキハ行政訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第九十二條鑛業權ノ取消ニ不服アル者ハ訴願ヲ提起スルコトヲ得違法ニ
權利ヲ傷害セラレタリトスルトキハ行政訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第九十三條土地ノ使用若ハ收用、補償金又ハ擔保ニ付協議調ハサルトキ
又ハ協議ヲ爲スコト能ハサルトキハ鑛業權者ハ鑛山監督署長ノ裁決ヲ申
請スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ不服アル者ハ訴願ヲ提起スルコトヲ得違法ニ權利ヲ傷害セ
ラレタリトスルトキハ行政訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第九十四條處分又ハ裁決ノ通告書ヲ受ケタル日ヨリ三十日ヲ經過シタル
トキハ訴願又ハ行政訴訟ヲ提起スルコトヲ得ス
前項ノ期間ハ處分又ハ裁決ノ通告書ヲ受ケサル者ニ付テハ其ノ公示ノ日
ヨリ之ヲ起算ス
第八章罰則
第九十五條鑛業權ヲ有セスシテ鑛物ヲ掘採シタル者又ハ詐僞ノ所爲ヲ以
テ鑛業權ヲ得タル者ハ一一年以下ノ重禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
過失ニ因リ鑛區外ニ侵掘シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第九十六條前條ノ場合ニ於テハ其ノ掘採シタル鑛物ヲ沒收ス既ニ之ヲ讓
渡シ又ハ消費シタルトキハ其ノ代金ヲ追徵ス
第九十七條第十條第三項若ハ第十一條ノ規定ニ違背シタル者又ハ第七十
二條若ハ第七十四條第一項ノ命令ニ從ハサル者ハ二百圓以下ノ罰金ニ處
ス
第九十八條第四十四條若ハ第四十五條第二項ノ規定ニ違背シタル者、第
四十五條第一項若ハ第七十三條第一項ノ命令ニ從ハサル者又ハ第七十九
條若ハ第八十條ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違背シタル者ハ百五十圓以
下ノ罰金ニ處ス
第九十九條第四十六條乃至第四十八條、第七十六條又ハ第七十八條ノ規
定ニ違背シタル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第百條第五十三條第一項ノ許可ヲ受ケスシテ障碍物ヲ除却シタル者又
ハ第七十五條ノ規定ニ違背シタル者ハ五十圓以下ノ罰金ニ處ス
當該官吏ニ對シテ鑛業ニ關スル書類若ハ物件ノ檢査ヲ拒ミ又ハ之ヲ妨ケ
タル者ハ罰前項ニ同シ但シ其ノ刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第百一條第七十七條ノ規定ニ違背シタル者ハ二十圓以下ノ罰金ニ處ス
第百二條詐僞其ノ他不正ノ所爲ヲ以テ鑛業稅ヲ免レ又ハ免レムトシタル
者ハ其ノ脫稅金額三倍ニ相當スル罰金ニ處ス
第百三條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違背シタル者ニハ刑
法ノ減輕、再犯加重及數罪倶發ノ例ヲ用井ス
第百四條鑛業權者カ未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基
キテ發スル命令ノ規定ニ依リ鑛業權者ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理
人ニ適用ス但シ鑛業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラス
第百五條鑛業權者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者
ニシテ其ノ業務ニ關シ本法ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出サルノ故ヲ
以テ本法ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
本法ニ基キテ發スル命令中別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外其ノ命令ニ規
定セル罰則ニ付テモ亦同シ
第百六條前二條ノ場合ニ於テハ禁錮又ハ拘留ノ刑ニ處スルコトヲ得ス
第百七條明治三十三年法律第五十二號ノ規定ハ本法又ハ本法ニ基キテ發
スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
附則
第百八條本法ハ明治三十八年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
鑛業條例ハ之ヲ廢止ス
第百九條鑛業條例ニ依ル試掘ノ認可ハ試掘權ノ登錄ト看做ス
第百十條日本坑法ニ依ル借區ノ許可及鑛業條例ニ依ル採掘ノ特許ハ採掘
權ノ登錄ト看做ス但シ鑛業條例第四十一條第二項ニ定メタル面積ニ滿タ
サル鑛區ニ對スルモノハ其ノ期限ノ到來ニ因リテ消滅ス
第百十一條本法施行前ニ於ケル官廳所屬ノ採掘區域ハ採掘鑛區トシ本法
施行ノ日ニ於テ採掘權ノ登錄ヲ得タルモノト看做ス
第百十二條鑛業條例ニ依ル採掘權ノ書入ノ登錄ハ抵當權ノ登錄ト看做ス
第百十三條第七十四條ノ規定ハ本法施行前ニ試掘認可又ハ採掘特許ノ消
滅シタル場合ニモ之ヲ適用ス但シ一箇年ノ期間ハ其ノ消滅ノ日ヨリ之ヲ
起算ス
第百十四條日本坑法ニ依リ借區ノ許可ヲ得タル者及鑛業條例ニ依リ試掘
ノ認可又ハ採掘ノ特許ヲ得タル者ハ本法施行ノ日ヨリ六十日以內ニ明治
三十八年分ノ鑛區稅又ハ其ノ不足額ヲ納付スヘシ其ノ鑛區稅ハ月割ヲ以
テ計算ス
第百十五條明治三十八年分ノ鑛產稅ハ本法施行前ニ得タル鑛產物ニ付テ
モ之ヲ課ス
第百十六條第八十九條ノ規定ハ明治三十八年度分ノ稅ニ限リ之ヲ適用セス
第百十七條鑛業條例ニ依リテ爲シタル處分、手續其ノ他ノ行爲ハ本法中
之ニ相當スル規定アル場合ニ於テハ本法ニ依リテ之ヲ爲シタルモノト看
做ス
第百十八條本法施行前ニ爲シタル處分ニ對スル訴願、裁定請求、行政訴訟
又ハ民事訴訟ニ關シテハ鑛業條例ノ規定ニ依ル
第百十九條鑛業條例ニ依リ試掘又ハ採掘ヲ出願シタル鑛區ノ面積ニ付テ
ハ鑛業條例第四十一條第二項ノ規定ヲ適用ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=88
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089・松田正久
○議長(松田正久君) 發議ガナケレバ議事日程第二十六ニ移リマス
第二十六右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=89
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090・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 是ハ十八名ノ委員ヲ、議長カラ指名ト云フコトニシテ、
諸君ニ滿足ヲ與ヘタラ宜カラウト思ヒマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=90
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091・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ノ如ク、議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スルコ
トニ、御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=91
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092・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議ノ如ク決定シマス-議事日程第二十
七ニ移リマス、朗讀ハ省略シマス
第二十七明治三十七年勅令第百七十七號(承諾(政府提出)
ヲ求ムル件)
勅令第百七十七號
第一條流通セシムルノ目的ヲ以テ外國ニ於テノミ流通スル金銀貨、紙幣、
銀行券、、帝國官府發行ノ證劵ヲ僞造シ又ハ變造シタル者ハ重懲役又ハ輕
懲役ニ處ス
金銀貨以外ノ硬貨ヲ僞造シ又ハ變造シタル者ハ輕懲役又ハ二年以上五年
以下ノ重禁錮ニ處ス
第二條流通セシムルノ目的ヲ以テ僞造又ハ變造ニ係ル前條ニ記載シタル
物ヲ帝國若ハ外國ニ輪入シタル者ハ前條ノ例ニ同シ
第三條情ヲ知テ僞造又ハ變造ニ係ル第一條ニ記載シタル物ヲ行使シ若ハ
流通セシムルノ目的ヲ以テ授受シタル者ハ輕懲役又ハ六月以上五年以下
ノ重禁錮ニ處ス
收得シタル後其ノ僞造又ハ變造ナルコトヲ知テ行使シ若ハ流通セシムル
ノ目的ヲ以テ授付シタル者ハ其ノ名價三倍以下ノ罰金ニ處ス但シ二圓以
下ニ降スコトヲ得ス
第四條第一條ノ僞造又ハ變造ノ用ニ供シ若ハ供セシムルノ目的ヲ以テ器
械若ハ原料ヲ製造シ授受シ若ハ準備シ又ハ帝國若ハ外國ニ輸入シタル
者ハ六月以上五年以下ノ重禁錮ニ處ス
第五條前數條ニ規定シタル輕罪ヲ犯サムトシテ未タ遂ケサル者ハ未遂犯
罪ノ例ニ照シテ處斷ス
第六條本令ニ規定シタル罪ヲ犯シ禁錮ノ刑ニ處スル者ハ六月以上二年以
下ノ監視ニ付ス
第七條本令ニ規定シタル罪ヲ犯シタル者僞造又ハ變造ニ係ル第一條ニ記
載シタル物ノ未タ行使セラレサル前ニ於テ官ニ自首シタルトキハ主刑ヲ
免除スルコトヲ得
第八條僞造又ハ變造ニ係ル第一條ニ記載シタル物ハ裁判ニ依リ沒收スル
場合ノ外何人ノ所有ヲ問ハス行政ノ處分ヲ以テ之ヲ官沒ス
第九條僞造又ハ變造ニ係ル第一條ニ記載シタル物ニハ明治九年布告第五
十七號ヲ準用ス
附則
本令ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治三十六年勅令第七十三號ハ之ヲ廢止ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=92
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093・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 此二十七カラ三十四マデハ、一括ノ議題トシテ同一
委員ニ付託致シタイト思ヒマス
〔「異議ナシ」ノ聲起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=93
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094・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ノ如ク、三十四マデ一括シテ議スルコトニ、御
異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=94
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095・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ一括シテ議題ニ付シマス
第二十八右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第二十九明治三十七年勅令第二百十二號(承諾ヲ求ムル件)(政
府提出)
勅令第二百十二號
徵兵令中左ノ通改正ス
第四條中「後備兵役ハ」ノ下ニ「陸軍ハ十箇年海軍ハ」ヲ加フ
第五條補充兵役ハ陸軍ニ在リテハ十二箇年四箇月海軍ニ在リテハ一箇年
ニシテ其ノ年所要ノ現役兵員ニ超過スル者ノ中所要ノ人員之ニ服ス
第六條第二項中「後備兵役及第一補充兵役ヲ終リタル者」ヲ「陸軍ニ在リテ
ハ後備兵役又ハ召集セラレタル補充兵ニシテ其ノ役ヲ終リタル者海軍ニ在
リテハ後備兵役ヲ終リタル者」ご飯人
第十七條第一項第二項中「第一補充兵」ヲ「陸軍補充兵」ニ改メ第三項ヲ削ル
第二十四條中「第一補充兵」ヲ「陸軍補充兵」ニ改ム
附則
本令ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
木令施行ノ際ニかとん第一朝葬長及第二補充其ハ前後ノ服役ヲ通後
二箇年四箇月ニ滿ツル迄補充兵役ニ服セシム
本令施行ノ際第一國民兵役ニ在ル陸軍出身者ニシテ服役尙五箇年ニ滿タサ
ル者ハ五箇年ニ滿ツル迄後備兵役ヲ終リタル者ニ在リテハ後備兵役ニ、第
一補充兵役ヲ終リタル者ニ在リテハ補充兵役ニ服セシム
第三十右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第三十一明治三十七年勅令第二百二十五號(承諾ヲ求ムル件)
(政府提出)
勅令第二百二十五號
第一條俘虜監督者監視者又ハ護送者ニ對シ反抗若ハ暴行ノ所爲アル者ハ
重禁獄ニ處シ其ノ情輕キ者ハ六月以上五年以下ノ輕禁錮ニ處ス
第二條俘虜共謀シテ多衆前條ノ所爲アルトキハ首魁ハ死刑ニ處ス其ノ他
ノ者ハ有期流刑ニ處シ其ノ情輕キ者ハ重禁獄ニ處ス
第三條俘虜共謀シテ多衆逃走ノ所爲アルトキハ首魁ハ有期流刑ニ處シ其
ノ情重キ者ハ死刑ニ處ス其ノ他ノ者ハ重禁獄ニ處シ其ノ情輕キ者ハ六月
以上五年以下ノ輕禁錮ニ處ス
第四條宣誓解放ヲ受ケタル俘虜宣誓ニ背ク者ハ重禁獄ニ處シ其ノ宣誓ニ
背キ兵器ヲ操リ抗敵スル者ハ死刑ニ處ス
第五條俘虜逃走セサル宣誓ヲ爲シ之ニ背ク者ハ重禁獄ニ處ス其ノ他ノ宣
誓ニ背ク者ハ輕禁錮ニ處ス
第六條第一條乃至第三條ノ規定ハ再ヒ俘虜ト爲リタル者ノ前ニ俘虜タリ
シトキニ犯シタル罪ニ之ヲ適用セス
附則
本令ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第三十二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉
第三十三明治三十七年勅令第二百二十八號(承諾ヲ求ムル件)
(政府提出)
勅令第二百二十八號
政府ハ臨時事件費支辨ノ爲公債一億二千萬圓ヲ募集スルコトヲ得
前項公使ニ呵シテニ明治三十年法律第一號の三條及第四條ノ規定ヲ
ス
第三十四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=95
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096・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 此委員ハ各案每ニ九名ヅヽ、卽チ議長ノ指名ト云フ
コトニ顧ヒマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=96
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097・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君動議ノ如ク、議長指名ノ委員ニ付託スルコトニ、御異
議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=97
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098・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君ノ動議ノ如ク決定致シマス-恆松君ニチヨツ
ト照會シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=98
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099・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 相續稅法案ノ場合ニハ、十八名ノ委員ト申シタヤウデ
スガ、アトノ登錄稅法案ニ附帶シタモノデアリマスカラ、更ニ委員ノ數ヲ改メマシテ、增加
シテ二十七名トスルト云フコトノ動議ヲ提出致シマス、左樣御承知ヲ願ヒマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=99
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100・松田正久
○議長(松田正久君) 恆松君ノ動議ニ御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ノ聲起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=100
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101・松田正久
○議長(松田正久君) 然ラバ恆松君動議ノ如ク決定致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=101
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102・恒松隆慶
○恆松隆慶君(百五十九番) 委員ノ選舉ハ直チニ行ハレンコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=102
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103・江藤新作
○江藤新作君(二百十九番) 各部ノ選舉ハドウナサイマスカ、議長ノ宣告ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=103
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104・松田正久
○議長(松田正久君) 是ヨリ直チニ各部ニ於テ選舉セラレテ、議長マデ御報告ヲ望ミ
マス、其間休憩シマス
午後二時三十分休憩
午後四時二十分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=104
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105・松田正久
○議長(松田正久君) 休憩前ニ引續キ會議ヲ開キマス、各種ノ報告ヲ致シマス
〔書記朗讀〕
議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
商業會議所法中改正法律案
提出者井上角五郞君森田卓爾君淺野陽吉君
關野善次郞君鈴木摠兵衞君大石熊吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=105
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106・松田正久
○議長(松田正久君) 各部ニ於テ選舉シタル委員ノ氏名ヲ報告致シマス
〔書記朗讀〕
當選セラレタル委員左ノ如シ
臨時事件費支辨ニ關スル法律案
森久保作藏君澤田郞寧君君鳥海哲四郞君
毛里保太郞君林小一久保田與四郞君
平岡浩太郞君佐治幸平君森田卓爾君
非常特別稅法案外七件
村野常右衞門君原敬君素
中林友信君木暮武太夫君
櫻荻野芳藏君森懋君下松富口後原
井駿君野田卯太郞君時吉雄夫藏敏郞平六君君君君君君君
東尾平太郞君石井信君池橫瀨村武瀧丹江時秀愛時吉直夫藏敏郎
河原林義雄君渡邊修君秀愛
米澤紋三郞君鈴木藤三郞君井
田中定吉君多田作兵衞君田惟貞君
波多野傳三郞君柴角田眞平君關野善次郞君
松本長平君四朗君大熊三之助君
飯島省三郞君石田仁太郞君佐々木正藏君
國井庫君西村眞太郞君加藤政之助君
鹽專賣法案
濱名信平君鈴木友治郞君永島龜代司君
際空港第2島津良知君古賀庸藏君
用視政管 2000 000耕三君麥田宰三郞君神鞭知常君
三郞君合田福太郞君安念次左衞門君
德藏君大·表紙は工藤善助君
井上甚太郞君森隆君宮井茂九郞君
柳田藤吉君乾肥美山鈴禰龍彥君池松豐記君
長谷場純孝君塚龍君梅大野石熊吉君
村松龜一郞君奈良吉君初實君
相續稅法案外一件
立川雲平君昌巖君山本繁藏君
北村左吉君磯石漆川〓君吉植庄一郞君
雞湯見出千千壽介君部四郞君關直彥君
次郞君〓水隆德君伊夫岐資弼君
木村格之輔君首藤陸三君影山甚右衞門君
阿部德二郞君中村〓一郞君鳥山啓二郞君
武內美代吉君竹田柚木慶二君
小參君千代觀物語言語
平北林問 高具雄君鹿關齋島藤春
大阪府社創辦 古書館輕鬆性 熱熱難 熱熱性 熱性桂吉君者君君君
榮秀金大阪商店
井上與一郞君堤 分
持田若佐君坂本金彌君元三郞君
橫山一平君
明治三十七年勅令第百七十七號(承諾ヲ求ムル件)
廣瀨久政君遠藤良吉君哲藏君
澤來太郞君淺見竹太郎君松江本藤吉君
大
加瀨禧逸君蘆田鹿之助君武藤金吉君
明治三十七年勅令第二百十二號(承諾ヲ求ムル件)
前島元助君〓水松三郞君籾木卿太郞君
國谷亨君高橋金治君木下謙次郞君
武市庫太君寺井純司君淺羽靖君
明治三十七年勅令第二百二十五號(承諾ヲ求ムル件)
安藤新太郞君長谷部倉藏君坂元英俊君
鳩山和夫君神崎東藏君牧野逸馬君
石田貫之助君花井卓藏君久保伊一郞君
明治三十七年勅令第二百二十八號(承諾ヲ求ムル件)
植木元太郞君西山彰君山崎良純君
長谷川豐吉君朝倉鐵藏君井手武右衞門君
石谷傳四郞君菊地武德君岡田治衞武君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=106
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107・松田正久
○議長(松田正久君) 議長指名ノ委員ノ氏名ヲ報告致シマス
〔書記朗讀〕
指定シタル委員左ノ如シ
鑛業法案
伊藤傳右衞門君松本孫右衞門君藤金作君
神前修三君遊田〓吉君靑柳信五郞君
堀田連太郞君波多野傳三郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=107
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108・松田正久
○議長(松田正久君) 次會ノ議事日程ハ追テ公報ヲ以テ通知致シマスルガ、但シ來
ル六日ハ休會ニ致シマス、本日ハ是ニテ〓會
午後四時二十七分〓會
衆議院議事速記錄第二號正誤
頁段行誤正頁段行誤正
六上一九小川源一君小河源一君八上三三浦政德君三浦盛德君
同下七田中卯吉君田口卯吉君九上二七古賀庸三君古賀庸藏君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X00319041203&spkNum=108
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