第21回帝国議会　衆議院　本会議　第18号　明治38年2月18日

1. 会議録本文

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• 000・会議録情報

  　明治三十八年二月十八日（土曜日）午後一時九分開議
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  　　議事日程　第十七號　明治三十八年二月十八日
  　　　　午後一時開議
  　　第一　居留民團法案（政府提出）　第一讀會
  　　第二　右議案の審査を付託すへき委員の選舉
  　　第三　擔保附社債信託法案（政府提出、貴族院送付）　第一讀會
  　　第四　右議案の審査を付託すへき委員の選舉
  　　第五　司法官試補實地修習期間減縮に關する法律案（政府提出、貴族院送付）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第六　裁判所管轄區域變更に關する法律案（寺井純司外三名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第七　裁判所管轄區域變更に關する法律案（澤田寧提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第八　會計法中改正法律案（森本駿提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第九　家祿賞典祿處分法中改正法律案（荻野芳藏外十三名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　　第十　所得税免除に關する法律案（大畑純次提出）　第一讀會
  　　第十一　蠶絲業組合法案（上埜安太郎外八名提出）　第一讀會
  　　第十二　會計法中改正法律案（小川平吉外一名提出）　第一讀會
  　　第十三　水産銀行設立に關する建議案（森茂生提出）　（委員長報告）
  　　第十四　體育に關する建議案（星野仙藏外十一名提出）　（委員長報告）
  　　第十五　盲人保護に關する建議案（奧野市次郎外一名提出）
  　　第十六　馬匹改良に關する建議案（小田文行外二名提出）
  　　第十七　（特別報告第二號）旱害地租特別免除の請願　會議
  　　第十八　（特別報告第四號）水利組合條例改正の請願　（委員長報告）
  　　第十九　（特別報告第五號）所得税法中改正の請願　（委員長報告）
  　　第二十　（特別報告第六號）畜牛結核病豫防法廢止の請願外一件　（委員長報告）
  　　第二十一　（特別報告第七號）鑛毒被害地地價修正再調査の請願外四件　（委員長報告）
  　　第二十二　（特別報告第八號）所得税法中調査委員選舉規定に關する請願　（委員長報告）
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• 001・松田正久

  ○議長(松田正久君)　開會致シマス、諸般ノ報告ヲ致シマス
  〔書記朗讀〕
  貴族院ヨリ左ノ政府提出案ヲ送付セラレタリ
  鐵道抵當法案
  貴族院ヨリ左ノ議案ヲ提出セラレタリ
  戰時補助船舶奬勵ニ關スル法律案
  議員ヨリ左ノ議案ヲ提出セラレタリ
  高等水產〓育機關設置ニ關スル建議案
  提出者井上甚太郞君合田福太郎君靑地雄太郞君
  恆松隆慶君ヨリ各府縣下ニ於ケル土地ノ賣買譲與等ノ登記申請ニ關スル質問主
  意書ヲ提出セラレタリ
  委員長及理事互選ノ結果左ノ如シ
  日本勸業銀行法中改正法律案
  委員長齋藤良輔君理事鈴置倉次郞君
  外國ニ於ケル銀行事業ニ關スル法律案
  委員長原敬君理事守屋此助君
  明治二十九年法律第六十三號ノ有效期間ニ關スル法律案
  委員長大岡育造君理事「花井卓藏君
  (西村丹治郞君
  國稅徵收法中改正法律案
  委員長古井由之君理事野上嘉平君
  在外指定學校職員退隱料及遺族扶助料法案
  委員長神鞭知常君理事小川平吉君
  農會法改正法律案
  委員長井上甚太郞君理事濱田國松君
  郡市町村會議員ノ選舉ニ關スル法律案
  委員長榎本次郎右衞門君理事靑柳信五郞君
  貴族院ハ本院送付ニ係ル政府提出遠洋漁業奬勵法改正法律案ヲ可決シ明治三
  十七年勅令第二百二十五號ヲ承諾スルコトヲ議決シ及本院提出俘虜處罰ニ關ス
  ル法律案ヲ可決シタル旨同院ヨリ通牒アリタリ
  委員長中倉万次郞君ヨリ二月十三日ヲ以テ報告シタル國本培養ニ關スル建議案
  委員長報告書ヲ撤囘セラレタリ
  〔左ノ質問書ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス)
  各府縣下ニ於ケル土地ノ賣買讓與等ノ登記申請ニ關スル質問書
  右成規ニ據リ提出候也
  明治三十八年二月十八日
  提出者恆松隆慶贊成者瀧口吉良
  外三十二名
  各府縣下ニ於ケル土地ノ眞護與等ノ登記申請ニ關スル質問主意書
  各府縣下ニ於テ土地ノ賣買讓與等ノ登記ヲ申請スルニ當リ登記吏員ハ申請人カ
  登記書ニ記載スル實際價格ニ對シ强テ之ヲ高價ニ引直サシメ多價ノ印稅ヲ拂ハシム
  ルノ理由如何
  右及質問候也
  提出理由書
  各府縣下ニ於テ土地ノ賣買讓與等ノ登記ヲ申請スルニ當リ登記吏ハ申請人ノ記
  載セル價格ヲ以テ多クハ低廉不當ナリトシテ其事實ノ如何ヲ問ハス直チニ之ヲ受
  理スルコトヲ肯セス又申請人ニシテ吏ノ意ニ從ハサルニ於テハ日ヲ經ルモ猶登記ヲ
  了サシメス是等ノ申請者ハ其煩ニ堪ヘサルヲ以テ已ムヲ得ス不平ヲ忍ヒ吏員ノ指定
  ニ任セ賣買讓與ノ價を以上ニ引直スヲ以テ爲メニ多額不當ナル印稅ヲ拂フニ至ル
  斯ル次第ナルヲ以テ登記吏トノ應答往々纏ラス其結果他ヨリ來リシモノハ遂ニ空シ
  ク滯留ヲ爲ササルヲ得サルト云フカ如キ有樣ナリ人民ノ苦情誠ニ尠カラス島根縣ニ至リ
  テハ殊ニ甚シト爲ス畢竟登記吏員カ縣下ノ情況ニ暗ク一途ニ反別ノ廣狹如何ヲ以
  テ標準ヲ定ムルニ依ルカ抑モ亦中央政府ハ、登記料等ヲ各府縣ニ割當テテ登記吏ヲ
  シテ爾カ取扱ハシムルニ依リテ然ルカ以上ノ例ハ他ノ府縣ニ於テモ往々之アルモ島根
  縣三於ゲルカ如下茲シマ取扱フナス會ニ炒ト此ク比較的主事-留置
  根縣下ニシテ此ノ如ンハ縣下人民ノ迷惑亦甚シカラスヤ是等ニ對スル政府ノ監督
  命令等ハ如何ナル手續ニ依テ行ハレ居ルヤ是レ質問ヲ提出スル所以ナリ

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• 002・松田正久

  ○議長(松田正久君)　荒川五郞君ヨリ學制問題ニ關スル件ニ付キ、質問演說ノ通
  告ニナッテ居リマスカラ、之ヲ許可致シマス-荒川五郞君
  〔荒川五郞君登壇〕

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• 003・荒川五郎

  ○荒川五郞君(三百四十六番)　諸君、私ハ〓育上ノ大問題デ、多年朝野ノ間ニ
  蟻フテ居リマスル學制改革ノ問題ニ付キマシテ、文部大臣ニ質問書ヲ提出シテ置キマシ
  タ併シ今日ハ段々重要ナ議案モ控ヘテ居ルコトデモゴザイマスシ、私モ風邪致シテ居リマス
  ノデ、簡單ニ其質問ノ趣意ヲ遂ベヤウト思ヒマス、諸君、此學制改革問題ニ付キマシテ
  ハ曩ニハ帝國議會ノ問題ニモナリマシタ、我衆議院ニモ一度ナラズ之ニ付イテハ建議
  致シタコトガゴザイマス。是ニハ大岡君ナドノ建講ニナッタヤウニ心得テ居リマス、貴族院
  ニ於テモ同樣ナ建議ガゴザイマス、其際貴族院デ此學制問題ヲ專ラ主張セラレタノハ
  現任文部大臣久保田譲君テゴザイマシタ、其人達ガ頻リニ論議シ、唱道セラレテ居リマ
  シタ、所ガ其久保田譲君ガ、今日交部大臣ノ位ニ就カレマシタニ付イテハ、天下ハ舉ゲ
  テ之ヲ歡迎致シ我〓育ノ面目ハ定メテ一新スルデアラウト、待設ケテ居ッタノデゴザイマ
  ス、果セルカナ、、文部大臣ハ爾來鏡意ニ、是ガ調査〓究ニ從事セラレタト見エマシテ、昨
  年ノ一月二十五日ノ日附ヲ以テ、〓育制度及〓育行政ノ改正ノ方針ト題シテ、三十
  箇條ノ學制改革ニ關スル要目ヲ、訓示ニナリマシタノデゴザイマス、其訓示ノ前文ニハ、
  〓育學問ノ方法ハ、決シテ舊套ニ安ンジテハナラヌ、世ノ問題ニモナッテ居ルコトデ、此
  際銳意ニ改良シテ、群議ヲ解決シナケレバナラヌト云フコトヲ、述ベラレテ居リマス、所ガ
  兩來一年有餘ノ今日ニ至リマシテ、更ニソレニ付イテ施設經營セラレタト云フコトハ
  聞カヌノミナラズ、竊ニ承リマストコロニ依レバ、今日ノ時節柄デアルト云フノデ、御評
  議ノ上デ、此調査實施ノ事ハ擧ゲテ延期セラレタト云フコトニ聞イテ居リマス、諸君モ
  此訓示ニ付イテハ御承知モゴザイマセウ此中ニハ時局ノ終結ヲ待クンケレバナラヌ
  箇條モゴザイマス、併シ時局ニハ關係シナイ、又經費ニモ關シナイノミナラズ、此時局ニ
  際シテ一層急ヲ要スル、早ク施設シナケレバナラヌコトモ其三十箇條ノ中ニハ澤山ゴザイ
  マスノデ、此三十箇條ノ項目ニ付イテハ、、〓育社會モソレ意見ガアル、恐クハ文部
  大臣其人ニ於テモ之ヲ以テ十分ナモノ、完全ナモノトハ或ハセラレヌカモ知レマセヌガ
  隨ッテ私ハ今日此三十箇條ニ付イテ、一々細說スルコトハ致シマセヌガ、併シ大體ノ上、
  今日ノ事實ニ上ッテ居ル上デ、少シク此疑ヲ質サナケレバナラヌコトガアル、此要目ノ中
  テ、義務〓育ヲ擴張スルコト、卽チ小學ノ義務年限ラ延ベルトカ、或ハ此學校ノ系統ヲ
  正スト云フヤウナコトノタメニ、現在ノ學校ノ組織ニ變更ヲ來スガ如キ、或ハ視學制度
  ノ機關ヲ改メルト云フヤウナコトニナリマシテハ是ハ巨數ノ人民ニ直接ノ影響ガゴザイ
  マスノミナラズ、大ニ施設スル上ニ於テモ、經費ヲ要スルコトデ、是等ノコトハ或ハ戰後ヲ
  特につ、徐ロニ實施スルノ方法ヲ採ラネバナラヌ必要モアルカモ知レマセヌガ、其中ニ就キマ
  シテハ段々此一體ノ制度問題ニ關セズシテ、中ノ庶務ノ事柄ニ關スル事ガ、此三十箇
  條ノ中ニモ段々アル例ヘテ申シマスレバ。大學ノ講義ノ制度ヲ改メルト云フコトヽカ或
  ハ學校〓育氣性ノ養成方、ソレカラ普通學校ノ三育ニ付イテノ方針、又小學校ノ學
  科米目ヲ改正シテ、學年ノ負擔ヲ輕クスルトカ、或ハ試驗制ノ弊害ヲ除去スルトカ、又
  私立學校ノ監督法ヲ改メテ往クトカ云フヤウナコトハ決シテ時局ニ關係ガナイノミナ
  ラズ此改正要目ヲ發布セラルヽト同時ニテモ、是ハセネバナラヌ位ノモノデアラウト考ヘ
  ル、是等ハ卽チ今日ノヤリ方ガ、宣クナイト云フコトヲ、此言外ニ意味シテ居ル、サウシ
  テ宜クナイト云フコトヲ言ヒナガラ、一年有餘ノ今日ニ至ッテ、更ニ其施設ヲ見ナイト云
  フノハゝ果シテ如何デアル私ハ別ニ是等ヲ論ジテ、大ニ文部大臣ノ曠職ヲ、ドウト云フノ
  デハ決シテゴザイマセヌ、攻擊的ノ質問ヲ以テドウト云フヤウナ精神ハゴザイマセヌガ併
  シ少シク事實ノ上ニ就イテ考ヘテ見マスレバ、昨年ノ二月、蕗西亞ノ宣戰ノ御布告ニナ
  リマシタ其當時文部省ハ地方廰ヘ通機ヲ發シテ、此〓育費ノ節減ハドウデアル〓員
  ヲ減ズル場合ハドウデアル、或ハ學級ノ減ズルコト、二部〓授ノ施行ハドウデアルト云フ
  ヤウナコトニ付イテ、文部ノ御方針ガ示サレテ居リマス是ヲ見マスルト云フト、今日ノ時
  節柄デアルカラ、何モ彼モ抑ヘテヤッテ、マルデ檢束ヲ加ヘヤウト云フヤウナ意味デアルト
  云フコトハ、此通牒ニ依ッテ、明カニ見ルコトガ出來ルノデゴザイマス、サウ云フ通牒ガ出
  マシタニ付イテハ或地方デハ學校ハ時局中切如何ナルコトガアッテモ〓員ノ月
  給ハ上ゲナイ、總テノ施設ハシナイトカ云フヤウナ、內定ヲシタ所モ、段々アルヤニ聞イ
  テ居リマス所ガ昨年ノ七月帝國大學ノ卒業式ニ於テ天皇陛下ガ文部大臣ニ御
  沙汰ヲ賜ッタ是ハ短イ訓令デゴザイマスカラチヨット申上ゲマスガ文部省訓令六號「叡
  聖文武ナル天皇陛下ハ軍國多事ノ時ニ當リ此炎熱ヲモ厭ハセラレス畏クモ本月十
  一日ヲ以テ帝國大學ニ御臨幸アラセラレ且親ク本大臣ヲ召シテ左ノ御沙汰ヲ賜
  ヘリ」其御沙汰ハ「軍國多事ノ際ト雖モ〓育ノ事ハ忽ニスヘカラス其局ニ當ル者克ク勵
  〓ら「大大医中心地疆ノ都曾在は良数の"呼和シ齒ヲシ發行。同僚
  者一般ニ告知ス庶幾クハ國ヲ舉ケテ聖意ノ在ル所ヲ奉體シ益〓奮勵シテ〓育ノ效
  果ヲ完ウセンコトヲ、明治三十七年七月十二日文部大臣久保田譲」此御沙汰ノ出マ
  スルヤ是ハ文部ノ御方針ガ惡ルイカラ、サウ云フ御沙汰ガ出ク譯テモゴザイマスマイ、
  日露ノ戰爭タルヤ、此結果ガ如何ニ付キマスルニ拘ハラズ、我日本ノ國情ニ大ナル變動
  ヲ來スベキハ苟モ常識アルモノヽ皆認メテ居ルトコロデゴザイマス、必シモ友部大臣ガ是
  ニタマゲラレテ、斯ウト云フコトハゴザイマスマイ併シ此御沙汰ガ出マシテ以來或ハ交
  部講習會ニ於ケル文部大臣ノ演說、或ハ地方官會議ニ於キマスルトコロノ文部大臣
  ノ演說等ハ餘程趣キガ變ッタヤウニ見エマスルノデアル、是等ハ吾〓ガ、此文部ノ訓令
  ヲ奉ジテ國民ノ一人トシテ、此大切ナル〓育ヲ見マスル上ニ付イテハ甚ダ疑ナキ能ハナ
  イ次第デゴザイマスル彼ノ高等〓育會議ノ如キ、是ハ文部大臣ガ在野ノ日、殊ニ自カ
  ラ主唱シテヤラレタ位ノモノデゴザイマス然ルニ一旦大臣ノ職ニ就カレマスルヤ、昨年ニナ
  リマシテ、每年一囘開クトー云フコトハ削ッテシマウテ、一年ニ〓カウガ、三年ニ開クマイガ、
  差支ノナイト云フヤウナコトニセラレマシタノデアリマス、殆ド此高等〓育會議ノ效能ト
  云フモノハ、ナイト云ウテモ宜イト一云フヤウナ、先ヅヤリ方ニナッテ居リマスソレモ必シモ每
  年開ク問題ガナイノニ、開ク必要ハゴザイマセス、併シ此學校問題ト云ヒ、若クハ國定〓
  科書ノ如キハ東久世伯ナド、國家ノ最高顧問府ニ居ラレル人ガデス、此意見ヲ出サレ
  テ、此意見ガ出タガタメニ、〓育社會ニドレダケノ影響ヲ與ヘテ居ルカ知ラヌソレ等ヲモ
  顧ミズニ斯ウ云フコトヲ出サレタ位ノ大事ノモノ宜シク文部ニモ愼重ナル注意ヲシテ、
  啻ニ之ヲ原〓ノ地位ニ立ッテ、自カラ其位置ヲ辯護スルニ止ラズシテ此親切ナル忠告ハ、
  大ニ〓究ノ材料ニ致シ、他山ノ石ハ、以テ高等〓育會議ナドノ〓究ニモ、備ヘル必要ガ
  アラウト思ヒマス、ソレカラ本議會ニ現ハレマシタ、彼ノ禁酒法案、此酒ヲ飮ムトカ或
  煙草ヲ吸フトカ云フコトハ是ハ人ノ道德倫理ノ上、若クハ衞生思想ノ上、ニ訴フベキコ
  トデゴザイマス、全體法律トスルコトカラガ違フ(「簡單々ケ」ト呼フ者アリ)是等ハ〓育者
  ガ、最モ注意ヲ要スル〓育者ノスベキ仕事ノ、一番大キナ仕事テアル、〓育者ノスベキ仕
  事ヲ、法律ヲ以テ侵サウト云フコトハ卽チ〓育ノ位置ニ對シテ、之ヲ甘受スルコトガ出
  來ルコトデゴザイマスカ、若シ〓育ガ盛ンニナリ、〓育ノ大目的ヲ達スルコトガ出來ヌナラ
  法律ヲ以テ規定スベキコトデモ、人ノ道德倫理ノ思想ノ上ニ、之ヲ規定ヲ要シナイト
  云フコトニナラネバナラヌ、是ガ卽チ〓育者ノ希望デナクテハナラヌ、、然ルニ此〓育者ノス
  ベキ仕事ノ大眼目、其重モナル仕事ノ中デゴザイマスル、サウ云フ道德倫理衞生ノコトヲデ
  ス、法律デモッテ極メヤウト云フコトハ〓育ガスベキ仕事デアルガ、〓育ノ力ガナイ、〓育
  ガ萎靡シテ居ルノデアルカラ、之ヲ法律ヲ以テ國家ノ威力ヲ以テ矯救ヲシナケレバナ
  ラヌト斯ウ云ハルヽノハ言葉ヲ換ヘテ云ヘバ、我〓育ヲ侮辱シタモノト云ハナケレバナラ
  ヌ、(「ヒヤノ」ト呼フ者アリ)〓育ノ大目的ニアルモノヲ、其箇條ヲ法律ヲ以テ極メ、薫
  陶スベキ〓育家ノスベキ仕事ヲ、法律ヲ行フ人ノ手ニ委シヤウト云フヤウナ法律案ハ實
  ニ〓育家ノ責任ヲ問フトコロノ問題ト云ウテ、宜シカラウト思フ、然ルニ文部ハドウデアリ
  マスルカ此問題ニ對シテ事柄ハ宜シイ併シ實行ガムヅカシイト仰セガアル實行ノ難易
  ハ是ハ別問題デアル、事柄ガ宜シイカドウカ、〓育家ノスベキ此第一ノ仕事ヲ法律家ニ
  押付ケラレテサウシテヤラレヤウト云フノニ、〓育ガ能ウシナイカラ、立法家ガ出テヤッテヤ
  ルゾト言ハレルノニ、其責任ヲ問ハルヽ問題ニ當ヲテ、事柄ガ宜シイト云フノハ、甚ダ意外
  ナル御言葉デハナイカト考ヘル世ノ中ガ之ヲ文部ノ無、]足ト嘲リ、或ハ薄志弱行ト罵
  ルモノアルモ何ヲ以テカ之ヲ辯ズルコトガ出來マセウ、全體今日ノ〓育上ニハ兔角總テ
  サウシテ形式ノコトニ流レテ、實地實用ノ上ニ於テ缺ケテ居ルトコロガアルヤウニ考ヘマス、
  視學官ヲ置イテ、視學制度ヲ實施スルニ致シマシテモ、或ハ學校ガ綺麗デアルトカ、或
  帳面表簿ガ能ク整頓シテ居ルトカ云フヤウナコトガ視察ノ重モナル仕事ノヤウニ見エ
  ル大事ナ國民ノ氣性ヲ養成スル〓育ノ大眼目ニ於テハ大目的ノ上ニ於テハ甚ダ
  閑却セラレテ居ルカノヤウニ考ヘル此間新聞ニモゴザイマシタガ、高等學校ニ於テ學生
  ガ〓室ニ這入ッテ授業時間ガ來テモ、五分經ッテモ〓師ガマダ來ラレナイ、十分經ッテモ
  ヤッテ來ナイト云フコトガゴザイマシタ、是ハ啻ニ〓授ノ時間ヲ損ヲスル、或ハ十分後ルレ
  バ、十分生徒ノ損ニナルト云フヤウナ、是ハ此ニ々タル問題デアル(「簡單々々」ト呼フ者アリ)
  勿論簡單ニヤリマス、此ニ々タル問題デアルガ、此時間ヲ守ルト云フ習ハハ兔角日本ノ人
  ガ時間ニ構ハナイ、時間ノ大切ナルコトヲ知ラナイト云フコトヲ云ウテ居ル、時間ヲ守ラナ
  ケレバナラヌ約束ヲ守ラナケレバナラヌト云フコトヲ〓ヘナガラ、實地ニ〓育者ガスル仕
  事ヲ見レバ、サウ云フ時間ヲ十分モ二十分モ平氣デヤッテ居ルヤウナ有樣デアル今日サ
  ウ云フヤウナコトデ、ドウシテ時間ヲ守ル習慣ヲ養フコトガ出來ルカ、ドウシテ規律ヲ正シ
  テ品位品性ヲ養フコトガ出來マセウカ、、是等ノコトハ日々ニ見エテ居ルコトデ、先ニ吉
  植君デゴザイマシタカ、外國ニ往クノハ大變ナ儲ニナルト言ハレマシタガ、成程儲ガアルカ
  モ知レマセヌ、併シ外國デハ朝六時カラ起キテ、夕方ノ六時マデ仕事ヲスル其中デ休
  ム時間ガ、飯ヲ〓フ時ト煙草ヲ喫ムトキトアルダケデ、時間ヲ大切ニシテヤッテ居ルノデア
  ルヽ若ジ日本アモアヽ云フ風ニ社會ノ風儀ガアッテ居ッテ時間ヲ守ッテ往ッタナラバ今ノ日
  本ノ內ニ於テモアンダケノ諸ケハ確カニ出來ヤウト思フ今日朝起キル時間ガ極ラヌ、起
  キテ仕事ヲスル圖雜談ヲシタリ、煙草ヲ喫シダリ、マルデ住事ヲシテ居ルノデアルカ、遊ンデ
  居ルノデアルカ分ラヌ、之ヲ若シ時間ヲ守ル規律アル人ニ育ックナラバソレグケデモ實物ノ
  上ニ-唯物的ニ申シテモ、今ノ日本ヲ倍ニスルコトガ出來ル倍ノ仕事ヲデカスコト
  ガ出來ルノデアル是等ハ〓育上ノ單ニ學科ヲ〓ヘルトカ、講義ヲシテ聞カセルトカ云フヤ
  ウナ、些細ナコトデ、ナクシテ、日本國民ノ精神氣風ノ上ニ、大關係ヲ來スコトデアラウト
  思フ、(「簡單々々」ノ聲起ル)モウ少シデ御シマヒニナリマス、一體斯ウ云フヤウニ精神〓
  育ト云フコトニハ、力ヲ盡サレテ居ナイ軍人が、死生ノ間ニ我一身ヲ賭シテヤリマスルノ
  ガ、之ヲマア世間デハ名譽ダトカ義務ダトカ云フ議論モアリマスガ私共ヲ以テ考ヘレバ
  名譽トカ義務トカ云フ區々タルモノヽタメ二、ナカ〓〓此一身ガ捨アラレルモノデナイ其
  國民ノ決心ガ、卽チ我仕事ヲスベキ務メノ神聖デアル、我身體ハ天皇陛下ニ捧ゲテア
  ルモノデアルト云フ此一ノ精神、ソレガ卽チ是デ働クトキニ單ニ義務トカ名譽トカ一ムフ
  區々タル問題デハナカラウト思フソレデアルカラ此連戰連捷ヲ致シテ居ルノデアル今總
  テ此人ヲ育テルノ二、何ノ仕事ヲスルニシテモ皆其精神-我仕事ヲ神聖ニスルト一ムフ
  神聖ト云フ心ニ觀念ヲ持ッテ仕事ヲスルヤウナ人ヲ養成スルノガ、卽チ〓育ノ大目的デ
  アラネバナラヌ、所ガ今日ノ有樣ハサウデナイ、其證據ニハデス、曩ニ文部大臣ガ、〓育ノ
  效果ト題シテ御演說ニナック是ハ本議會ノ問題ニナリマシテゴザイマスルガ、其〓育ノ效
  果ト云フコトハ何ガ擧ゲテアルカト云ヘバ何處ノ學校デナンボ卒業シタ、學士ガナンボ
  出タ、新智識ガ幾ラアルト云フヤウナ是等有形ノコトヲ算ヘテ、是ガ〓育ノ效果デアル
  ト言ハレルノハ甚ダ國家〓育ノタメニ殘念ノ至リデアルト考ヘルドウカ此〓育ハ是カ
  ラ精神ノ上ニデス、單ニ議論ヲスルコトハ容易デアル-私ハ久保田大臣ヲ以テ決シテ
  議論家トハ致サナイ、議論バカリノ人トハ勿論思ハナイケレドモガ、今日マデニ或ハ議論
  セラレマシタトコロト、實地ノコトトハドウデアル、此大臣ノ要目三十箇條ト云フモノハ旣
  ニ文部大臣久保田譲ト云フ銘ヲ打ッテ、天下ニ示サレタ以上ハ、之ニ對シテハ決シテ
  有耶無耶ノ裡ニ葬ル譯ニハ往クマイト考ヘルドウカ此〓ニ付イテ明確ナル答辯ヲ望ミマ
  ス此位ニシテ置キマス

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• 004・松田正久

  ○議長(松田正久君)　恆松隆慶君カラ各府縣ニ於ケル土地ノ賣買讓與等ノ登記
  申請ノ件ニ付イテ、質問演說ノ通告ニナッテ居リマスカラ之ヲ許シマス-恆松隆慶君

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• 005・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　私ハ唯今議長ノ報告ニナリマシタ質問書ヲ御手許ニ
  差上ゲテ置キマシタガ、此場合此席ヨリ聊カ申述ベマス、(「登壇シ給ヘ」ト呼フ者ア
  リ)長クナリマスカラ此席カラ此質問ヲ出シマシタノハ各府縣ニ於キマシテ土地
  ノ賣買議與等ヲ致シマスル際ニ、登記所ニ於キマシテハ、實際ノ賣買價格以外ノ價格ニ
  訂正ヲナサシメテサウシテ印紙ヲ貼用セシムルノデアリマス之ガタメニ一般ノ申請書ハ
  誠ニ困ルノデアル、是ハ辯護士ノヤウナ理窟家デアレバ、抗議ヲ申込ミマスガ、ナカ〓〓普
  通ノ百姓等ハサウ云フコトヲ致スコトハ出來ナイノデアル又登記史ノ言フコトヲ肯カナイ
  時ニハ之ガタメニ一日モ二日モ滯在シナケレバナラヌカラ、甚ダ迷惑デアルガ不當ナル事ヲ
  知リツヽ遺憾ナガラ印紙ヲ貼用シツヽアルノデアル、此事ニ付イテハ昨年ノ暮豫算分科
  會ニ於テ、大藏省ノ政府委員ニ向ヒ、印紙收入ヲ高ムルガタメニ、斯樣ナ苛酷ナコトヲ
  各府縣ニ割付ケテ居ルノデアルカト云フコトヲ尋ネマシタトコロガ、大藏省ニ於テハ殺し
  サウ云フコトハナイト云フコトデアルガ、一般ニサウ云フヤウナ傾キデ是等ノ申請者ハ登記
  吏ガ印紙ノ押賣ヲスルガ如キ感ジヲ抱イテ居リマス、別ケテ島根縣ナドノ僻隅ナ土地
  ニ於テハ、尙一層ソレガタメニ苦痛ヲ感ズルノデアリマスカラ、此等ハ何カ各府縣ノ登記
  所ニ割付ケテ居ルノデアルカ實際賣買價額以外ナ價額ヲ示シテ、ソレニ應ゼザレバ登
  記ヲ與ヘナイト云フヤウナコトニナッテ居ルノデアリマスカ、是等ノコトニ付イテ、實際ノ模
  樣ヲ、當局者ガ能タ調査サレテ、相當ナ答ヲ得タイノデゴサイマス、此場合デゴザイマス
  カラ、唯簡單ニ申述ベテ置キマス、マダ詳シク申上ゲタイノデスガ、諸君ノ御倦怠ヲ壓ヒ
  マシテ委細ハ質問書ニ提出ノ理由ガ書イテゴザイマスカラ、ソックリ其儘ニ速記錄ニ
  載セテ貰フコトニ致シマス、サウシテ政府ヨリ相當ノ御答ヲ願ヒタイノデアリマス

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• 006・松田正久

  ○議長(松田正久君)　諸君ニ御諮リヲ致シマスガ詰願委員會ノ第二分科會ヲ唯
  今ヨリ開キタイト云フ請求ガアリマスガ、許スコトニ御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕

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• 007・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ許スコトニ致シマス、是ヨリ日程ニ入ッテ會議
  ヲ開キマス、議事日程第一居留民團法案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略致シマス
  第居留民國法案(政府提出)第一讀會
  居留民國法案
  第一條專管居留地、各國居留地、雜居地其ノ他ニ住居スル帝國臣民ノ狀態
  ニ依リ外務大臣ニ於テ必要ト認ムルトキハ地區ヲ定メ其ノ地區內ニ住居
  スル帝國臣民ヲ以テ組成スル居留民團ヲ設立スルコトヲ得
  居留民團ノ廢置分合又ハ其ノ地區ノ變史ニ關スル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ
  定ム
  第二條居留民團ハ法人トシ官ノ監督ヲ受ケ法令又ハ條約ノ範圍內ニ於テ
  其ノ公共事務及法令、條約又ハ慣例ニ依リ之ニ屬スル事務ヲ處理ス
  第三條居留民團ニ吏員及居留民會ヲ置ク
  第四條居留民會ノ組織、居留民團吏員又ハ居留民會議員ノ任免、選舉、任
  期、給與及職務權限等ニ關スル事項竝居留民團ノ財產、負債、營造物、經費
  ノ賦課徵收及會計ニ關スル事項ハ合令ヲ以テ之ヲ定ム
  第五條居留民團ハ領事、公使及外務大臣順次ニ之ヲ監督ス但シ土地ノ情
  況ニ依リ第次ノ監督ヲ省略スルコトヲ得
  前項監督ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
  第六條居留民團設立ノ際其ノ地區內ニ住居スル帝國臣民ノ共同財產及負
  債ノ處分其ノ他本法施行ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
  (政府委員石井菊次郞君登壇〕

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• 008・石井菊次郎

  ○政府委員(石井菊次郞君)　本案ハ外國ニ在ル各居留地雜居地其他ニ居住シテ
  居リマス帝國ノ臣民團體ノ或者ニ對シマシテ、法人ノ資格ヲ公認スルノ法律案デアリ
  マス、政府ハ我在外居留民圜體ノ現狀ニ鑑ミマシテ、之ヲシテ秩序アル健全ナル發達ヲ
  得セシメンガタメニハ是ニ公共團體ノ資格ヲ與フルヲ以テ、最モ適切ニシテ、且緊要ノ
  コトヽ認メマシテ、本案ヲ提出シタル次第デゴザイマス、而シテ過日望月君ノ建議案、卽
  チ居留地ヲ法人トナス。云フコトヲ以テ主タル限目ノ一トスルトコロノ建議案ヲ、殆ド滿
  場一致ヲ以テ可決セラレタル諸君ニ向ッテ本案ノ必要ナル所以ヲ諄々シク申上グル必
  要ハナカラウト存ジマスカラ、是ハ省略致シマス、速ニ協贊ヲ與ヘラレンコトヲ希望致シ
  マス

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• 009・久保伊一郎

  ○久保伊一郞君(三百六十一番)　チヨット私ハ御尋ヲ致シタイノデスガ、在外帝國
  居留地ノ居留民團ニ此法案ヲ施行スルト云フコトデアリマスガ、今日デハ餘程其箇所ガ
  多數ニナッテ居ルト思ヒマスガ、所謂我帝國ノ支配ヲナス權利ノアル場所ヲ承ッテ、置キ
  タイ
  〔政府委員石井菊次郞君登壇〕

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• 010・石井菊次郎

  ○政府委員(石井菊次郞君)　唯今ノ御質問ノ趣意ガ明カニ分リマセヌガ、既ニアル
  帝國ノ居留民ノ團體ノコトデゴザイマスガ、或ハ本法律案ヲ執行スルノ、將來ノコトニ關
  スル御質問デゴザイマスカ、其〓ヲ明カニ··

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• 011・久保伊一郎

  ○久保伊一郞君(三百六十一番)　現在此居留民團トシテ、設立ヲ許サウト云フ資
  格ノアル場所ヲ聞クノデス

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• 012・石井菊次郎

  ○政府委員(石井菊次郞君)　勿論此法律ハ、帝國ニ於テ領事裁判權ヲ有スル所デナ
  ケレバ執行シ難イ事柄デゴザイマシテ、今日其必要ニ迫ッテ居リマスノハ〓國及韓國
  デゴザイマス、〓國ノ方ハ多クハゴザイマセヌガ、韓國ノ今日開港場ノ多タハ、此居留民
  團法案ノ執行ヲ必要トスルト政府ハ認メテ居リマス

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• 013・久保伊一郎

  ○入保伊一郞君(三百六十一番)　其外ニハ無イデスカ

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• 014・石井菊次郎

  ○政府委員(石井菊次郞君)　〓國及韓國ノ以外ニハ、今日ノトコロデハゴザイマセヌ

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• 015・松田正久

  ○議長(松田正久君)　發言者ナケレバ、議事日程第二、右議案ノ審査ヲ付託スヘキ
  委員ノ選舉ヲ議題ト致シマス
  第二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉

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• 016・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本案ハ九名ノ委員、議長ノ指名ヲ望ミマス

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• 017・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本案ハ議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スルト云フ、恆松君ノ
  動議デアリマスガ御食議ハアリマヒヌカ
  (「異議ナシ異議ナシノ聲起ル〕

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• 018・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ、其通ニ決シマス、次ニ御諮リヲ致シマスガ、
  渡良瀬川沿岸地方特別地價修正法中改正法律案ノ委員會ヲ開キタイト云フ請求ガ
  アリマスガ、許シテ差支アリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕

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• 019・松田正久

  ○議長(松田正久君)　異議ガナケレバ許スコトニ致シマス、議事日程第三、擔保附社
  債信託法案ノ第一讀會ヲ開キマス、朗讀ハ省略致シマス
  第三擔保附社債信託法案(政府提出貴族院送付)第一讀會
  擔保附社債信託法大字ハ原案
  小字及ーハ貴族院修正案)
  總
  第一章通則
  第一條本法ニ於テ信託會社ト稱スルハ擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營
  ム會社ヲ謂フ
  ○セムト모요!
  第二條社債ニ物上擔保ヲ附〓スルトキハ○社債ヲ發行スル會社ト信託會社
  トノ信託契約ニ依リ定メタル條款ニ從ヒ之ヲ發行スヘシ
  第三條本法ニ依ル信託ノ引受ハ之ヲ商行爲トス
  ○ルコトヲ得
  第四條社債ニ附ス〓ヘキ物上擔保ハ左ニ揭クルモノニ限ル
  一動產質
  二證書アル債權質
  三不動產抵當
  五四船舶抵當
  鐵道抵當
  六工場抵當
  七鑛業抵當
  第五條擔保附社債ニ關スル信託事業ハ特別ノ法律ニ依ル場合ヲ除クノ外
  主務官廳ノ免許ヲ受クルニ非サレハ之ヲ營ムコトヲ得ス
  第六條信託會社ハ銀行事業ヲ除クノ外他ノ事業ヲ兼ヌルコトヲ得ス
  第七條信託會社ノ資本又ハ金錢ヲ目的トスル出資ノ總額ハ百萬圓ヲ下ル
  コトヲ得ス
  第八條信託會社ハ資本又ハ金錢ヲ目的トスル出資ノ拂込金額カ五十萬圓
  ニ達スル迄其ノ事業ニ著手スルコトヲ得ス
  第九條信託ノ業務ハ主務官廳ノ監督ニ屬ス
  口座9.
  第十條主務官廳ハ何時ニテモ信託會社ヲシテ。事業ノ報告ヲ爲サシメ又ハ
  業務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
  第十一條主務官廳ハ信託會社ノ業務又ハ會社財產ノ狀況カ信託事業ノ執
  〇四)
  行ニ適セスト認ムルトキハ〓事業ノ停止又ハ業務執行方法ノ變更ヲ命シ其
  ノ他委託會社及社債權者ノ利益ヲ保護スルニ必要ナル命令ヲ發スルコト
  ヲ得
  第十二條信託會社カ法令、定款若ハ主務官廳ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ
  ○其ノ
  害スル行爲ヲ爲シタルトキハ主務官廳ハ。事業ノ停止若ハ取締役ノ改選ヲ
  命シ又ハ免許ヲ取消スコトヲ得
  第十三條擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ專業トスル會社ハ免許ノ取消ニ
  因リテ解散ス
  第十四條信託會社カ免許ノ取消ニ因リテ解〓シタルトキハ主務官廳ハ利
  害關係人ノ請求ニ因リ〓算人ヲ選任ス
  第十五條商法第八十八條、第八十九條、第九十六條第二項第百條、第二百二
  十六條第二項、第二百二十八條第二項又ハ第二百三十二條ニ定ムル〓算
  人ノ選任又ハ解任ハ主務官廳ニ於テ之ヲ爲ス
  商法第二百二十八條第二項ニ依ル請求ハ委託會社又ハ社債權者集會ニ於
  テモ之ヲ爲スコトヲ得
  第十六條信託會社ノ〓算ハ主務官廳ノ監督ニ屬ス
  主務官廳ハ何時ニテモ前項ノ監督ニ必要ナル檢査ヲ爲スコトヲ得
  會社
  第十七條會社カ外國ニ於テ物上擔保附壯價ヲ募集セムトスルトキハ主務
  官廳ノ許可ヲ受ケ外國會社ト信託契約ヲ締結スルコトヲ得
  前項ノ規定ニ依リ信託ヲ引受ケタル外國會社カ日本ニ支店ヲ有セサルト
  ム
  キハ日本ニ於ケル代表者ヲ定メテ其ノ氏名及住所ヲ主務官廳ニ屆出ツヘ
  シ
  商事會社ハ前項ノ代表者タルコトヲ得
  第二項ノ規定ニ依リ代表者ヲ定メタルトキハ遲滯ナク其ノ氏名及住所又ハ商號及本店ヲ主務官
  廳ニ屆出ヘシ
  ○信託
  日本ニ於ケル外國會社ノ代表者ハ信託事務ニ關シテハ。會社ノ取締役又
  ハ之ヲ代表スル社員ト同一ノ權限ヲ有ス
  第二章信託證書
  第十八條信託契約ハ信託證書ニ依リ之ヲ締結スヘシ
  第十九條信託證書ニハ左ノ事項ヲ記載シ委託會社及受託會社ノ代表者之
  ニ署名スヘシ
  一委託會社及受託會社ノ商號
  二社債ノ總額
  各社債ノ金額
  社債發行ノ價額又ハ其ノ最低價額
  八七六五四三社債ノ利率
  社債償還ノ方法及期限
  利息支拂ノ方法及期限
  債券ニ記載スヘキ事項ノ表示及利札附ナルトキハ其ノ旨ノ表示
  先○擔保ヲ附シタル
  九擔保ノ獲類、目的物、領を、前順位ノ信樣ノ金額其ノ他目的物ニ關
  擔保權者ニ對抗スルコトヲ得ヘキ權利ノ表示
  十第三十二條ニ依ル社債ナルトキハ其ノ事實及各會社ノ負擔部分
  十一委託及受託ノ表示
  十二證書作成ノ年月日
  各社債ノ金額ハ均一ナルカ又ハ最低額ヲ以テ整除シ得ヘキモノナルコト
  3錢、
  第二十條信託證書ハ委託會社及受託會社ニ於テ各自其ノ一通ヲ保存スヘ
  シ
  前項ノ信託證書ハ其ノ原本ヲ本店ニ、其ノ謄本ヲ各支店ニ備ヘ置クヘシ
  第二十一條信託證書ノ原本又ハ謄本ハ委託會社ノ株主、債權者又ハ社債
  應募者ノ請求アルトキハ營業時間內何時ニテモ之ヲ閱覽セシムヘシ
  第三章社債募集
  第二十二條信託契約ニ依り物上擔保附社債ヲ募集スル會社ハ左ノ事項ヲ
  公〓スヘシ
  二一第十九條第一項第一號乃至第七號及第十號ニ揭ケタル事項
  物上擔保附社債ナルコト
  三信託證書ノ表示
  四擔保ノ價格ヲ知ラシムルニ必要ナル程度ニ於テ第十九條第一項第九
  號ニ揭ケタル事項ノ〓要ノ表示
  六五前ニ社債ヲ募集シタルトキハ其ノ償還ヲ了ヘサル總額
  會社ノ資本及拂込ミタル株金ノ總額
  七最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存スル財產ノ額
  八信託證書若ハ其ノ謄本ヲ應募者ノ閲覽ニ供スヘキ時及場所
  前項ノ公告ハ受託會社ノ承認ヲ得テ之ヲ爲スヘシ
  第二十三條委託會社ハ信託契約ニ依リ社債ノ募集ヲ受託會社ニ委任スル
  コトヲ得此ノ場合ニ於テ信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ受託會社ハ債券
  ノ發行、社債ノ償還及利息ノ支拂ニ關スル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
  第二十四條前條ノ場合ニ於テハ第一一十二條第一項ニ掲ケタル公告ハ受託
  會社ニ於テ之ヲ爲スヘシ
  前項ノ公〓ニハ受託會社カ委託會社ニ代リテ社債ノ募集ヲ爲ス旨ヲ記載
  スヘシ
  第二十五條受託會社ハ信託契約ノ定ムル所ニ依リ社債ノ總額ヲ引受クル
  コトヲ得
  前項ノ場合ニ於テハ第一一十二條及前條ニ定メタル公〓ヲ爲スコトヲ要セ
  ス
  第二十六條前條第一項ノ場合ニ於テ受託會社ハ其ノ引受ケタル社債ヲ分
  割シテ之ニ相當スル債劵ノ發行ヲ委託會社ニ請求スルコトヲ得
  受託會社カ信託契約ニ依リ債券發行ノ權限ヲ有スルトキハ委託會社ニ通
  知シテ前項ノ債券ヲ發行スルコトヲ得
  第二十七條受託會社カ第二十五條第一項ニ依リ引受ケタル社債ヲ讓渡サ
  ムトスルトキハ其ノ旨ヲ公告スヘシ
  前項ノ公〓ニ記載スヘキ事項ニ付テハ第二十二條第一項ノ規定ヲ準用ス
  受託會社ハ社債ヲ讓受ケムトスル者ノ請求アルトキハ營業時間内何時ニ
  テモ信託證書又ハ其ノ謄本ヲ閱覽セシムヘシ
  第二十八條受託會社カ前條ノ規定ニ依リ社債ヲ讓渡シタル場合ニ於テハ
  口座部
  委託會社ニ代リテ○社債ノ償還及利息ノ支拂ニ關スル一切ノ行爲ヲ爲ス權
  限ヲ有ス
  第二十九條委託會社又ハ受託會社ハ信託契約ノ定ムル所ニ從ヒ第三者ヲ
  シテ社債ノ總額ヲ引受ケシムルコトヲ得
  前項ニ依ル社債總額ノ引受ハ之ヲ商行爲トス
  第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ハ其ノ引受ケタル社債ヲ分割シ
  テ之ニ相當スル債券ノ發行ヲ委託會社ニ請求スルコトヲ得
  受託會社カ信託契約ニ依リ債券發行ノ權限ヲ有スルトキハ受託會社ニ對
  シテ前項ノ請求ヲ爲スコトヲ得
  第三十條第二十五條第二項、第二十七條第一項、第二項及第二十八條ノ
  規定ハ前條第一項ニ依リ第三者カ社債ノ總額ヲ引受ケタル場合ニ之ヲ準
  用ス
  第三十一條委託會社又ハ受託會社ハ信託證書ノ謄本ヲ第二十九條第一項
  ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ交付スヘシ
  前項ノ謄本ハ委託會社又ハ受託會社ノ代表者之ニ署名シテ原本ト相違ナ
  キコトヲ認證スヘシ
  第二十七條第三項ノ規定ハ第一項ノ謄本ニ之ヲ準用ス
  第三十二條會社ハ合同シテ社債ヲ發行スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ社
  債ノ募集ヲ受託會社ニ委任シ又ハ受託會社ヲシテ社債ノ總額ヲ引受ケシ
  ムヘシ
  第三十三條前條ノ場合ニ於テハ受託會社ハ債券ノ發行、社債ノ償還及利
  息ノ支拂ニ關スル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
  第三十四條委託會社ハ商法第二百四條第二項ノ規定ニ從ヒ左ノ事項ヲ登
  記スヘシ
  一第十九條第一項第一號乃至第三號、第五號乃至第七號、第九號及第十
  號ニ揭ケタル事項
  二第二十二條第一項第二號及第三號ニ揭ケタル事項
  三第二十三條ニ依ル委任又ハ第二十五條第一項ニ依ル引受アリタルト
  キハ其ノ事實
  四第二十九條第一項ニ依ル引受アリタルトキハ其ノ事實及引受人ノ氏
  名又ハ商號
  第四章債券
  第三十五條信託證書ニ依ル債券ニハ左ノ事項ヲ記載スヘ
  第十九條第一項第一號乃至第三號、第五號乃至第七號ニ掲ケタル事項
  二第二十二條第一項第二號及第三號ニ揭ケタル事項
  三債券ノ番號
  四前條第三號及第四號ニ掲ケタル事項
  第三十六條受託會社ハ委託會社カ信託契約ノ條款ニ適合スル債券ヲ發行
  シタルトキハ其ノ請求ニ依リ債券カ信託證書ニ依ル債券ナルコトヲ證明
  シテ之ヲ委託會社又ハ其ノ指定シタル者ニ引渡スヘシ
  動用ノ說明ハ各倍数ニ記載シノ要死會社ノ取締役又ハ之ヲ代表スル
  之ニ署名スルニ依リテ之ヲ爲ス
  第三十七條信託證書ニ依ル債券ハ前條ノ證明アルニ非サレハ其ノ效力ヲ
  生セス
  第三十八條受託會社カ委託會社ニ代リテ債券ヲ發行シタルトキハ其ノ旨
  ヲ各債券ニ記載シ受託會社ノ取締役又ハ之ヲ代表スル社員之ニ署名スヘ
  シ
  前項ノ場合ニ於テハ前一一條ノ規定ヲ適用セス
  第三十九條受託會社カ委託會社ニ代リテ債劵ヲ發行シタルトキハ商法第
  二百六條ニ依ル記載ハ受託會社ニ於テ之ヲ爲シ商法第二百七條ニ依ル請
  求ハ受託會社ニ對シテ之ヲ爲ス
  第五章社債原簿
  第四十條會社カ物上擔保附社債ヲ發行シタルトキハ社債原簿ニ商法第
  百七十三條ニ揭ケタルモノノ外左ノ事項ヲ記載スヘシ
  一第十九條第一項第一號、第七號、第九號及第十號ニ掲ケタル事項
  二第三十四條第二號乃至第四號ニ揭ケタル事項
  第四十一條委託會社ハ社債原簿ノ謄本ヲ作成シテ之ヲ受託會社ニ交付ス
  ヘシ
  前項ノ謄本ハ受託會社ノ取締役又ハ之ヲ代表スル社員之ニ署名シテ原本
  ト相違ナキコトヲ認證ス、
  第四十二條受託會社ハ前條ノ謄本ヲ其ノ本店ニ備ヘ置キ社債權者ノ請求
  アルトキハ營業時間內何時ニテモ之ヲ閱覽セシムヘシ
  第四十三條社債原簿ノ記載ニ變更ヲ生シタルトキハ其ノ都度委託會社ハ
  取締役又ハ之ヲ代表スル社員ノ署名シタル書面ヲ以テ之ヲ受託會社ニ通
  知スヘシ
  受託會社ハ前項ノ書面ヲ受ケタルトキハ之ヲ社債原簿ノ謄本ニ添附シテ
  保存スヘシ
  第四十四條受託會社カ委託會社ニ代リテ債券ヲ發行シタルトキハ社債原
  簿ハ受託會社ニ於テ之ヲ作成シ其ノ本店ニ備ヘ置クヘシ
  商法第百七十一條第二項ノ規定ハ前項ノ塲合二之ヲ準用ス
  第四十五條前條第一項ノ場合ニ於テハ受託會社ニ於テ社債原簿ノ謄本ヲ
  作成シテ之ヲ委託會社ニ交付スヘシ
  第四十一條第二項、第四十二條、第四十三條及商法第百七十一條第二項ノ
  規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
  第四十六條委託會社又ハ受託會社カ社債原簿ヲ作成シタルトキハ其ノ謄
  本ヲ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ交付スヘシ
  第四十一條第二項及第四十三條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
  第四十七條委託會社、受託會社又ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額
  ヲ引受ケタル者カ社債原簿ノ記載ニ變更ヲ生スヘキ取扱ヲ爲シタルトキ
  ハ其ノ都度書面ヲ以テ社債原簿ヲ備フル會社ニ之ヲ通知スヘシ
  第六章社債權者集會
  第四十八條受託會社又ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタ
  ル者ハ必要アルトキハ何時ニテモ社債權者集會ヲ招集スルコトヲ得
  第四十九條委託會社又ハ社債總額ノ十分ノ一ニ當ル社債權者ハ集會ノ目
  的及其ノ招集ノ理由ヲ記載シクル書面ヲ受託會社又ハ第二十九條第一項
  ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ提出シテ社債權者集會ノ招集ヲ請求
  スルコトヲ得
  前項ノ請求ヲ受ケタル者カ其ノ請求アリタル後二週間內ニ集會招集ノ手
  續ヲ爲ササルトキハ其ノ請求ヲ爲シタル者ハ主務官廳ノ許可ヲ受ケ其ノ
  招集ヲ爲スコトヲ得
  第五十條第十五條第二項、第八十九條、第九十四條又ハ第九十九條ニ定
  メタル集會ハ社債總額ノ十分ノ一ニ當ル社債權者ニ於テ自ラ之ヲ招集ス
  ルコトヲ得
  前項ノ招集ハ信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ受託會社本店ノ所在地ニ於
  テ之ヲ爲スヘシ
  第九十四條又ハ第九十九條ニ定メタル集會ハ委託會社モ亦自ラ之ヲ招集
  スルコトヲ得
  第五十一條商法第百五十六條ノ規定ハ社債權者集會ノ招集ニ之ヲ準用ス
  第五十二條社債權者集會ノ決議ハ信託契約ニ別段ノ定アル場合ヲ除タノ
  外行使セラレタル議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス但シ第六十四條、第六
  十七條第一項、第七十五條、第八十五條、第八十六條及第九十七條第一項ニ
  總社債權者ノ半數以上ニシテ社債總額ノ半數以上ニ當ル社債權
  者カ議決權ヲ行使シ
  記載シタル事項ノ決議ハ總議決權ノ過半數カ行使セラレタル場合ニ非サ
  レハ之ヲ爲スコトヲ得ス
  商法第百六十一條第二項乃至第四項ノ規定ハ社債權者集會ノ決議ニ之ヲ
  準用ス
  集會ニ出席セサル社債權者ハ信託契約ニ別段ノ定アル場合ヲ除タノ外書
  面ヲ以テ議決權ヲ行フコトヲ得
  各社債權者ハ社債ノ最低金額每ニ一箇ノ議決權ヲ有ス但シ社債ノ最低金額ノ十
  一倍以上ヲ有スル社債權者ノ議決權ハ信託契約ヲ以テ之ヲ制限スルコトヲ得
  第五十三條第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者又ハ其ノ
  代表者ハ社債權者集會ニ出席シテ發言シ又ハ書面ヲ以テ意見ヲ述フルコ
  トヲ得
  第五十四條受託會社ノ代表者ハ社債權者集會カ第八十九條第二項ニ規定
  シタル事項ニ付摺集セラレタル場合ヲ除タノ外之ニ出席シテ發言シ又ハ
  書面ヲ以テ意見ヲ述フルコトヲ得
  第五十五條社債權者集會ヲ招集スル者ハ前二條ニ揭ケタル者又ハ其ノ代
  表者ニ招集ノ通知ヲ發スヘシ
  商法第百五十六條第一項及第二項ノ規定ハ前項ノ通知ニ之ヲ準用ス
  第五十六條社債權者集會又ハ之ヲ招集シタル者ニ於テ必要ト認ムルトキ
  ハ委託會社ニ通知シテ其ノ代表者ノ出席ヲ求ムルコトヲ得
  第五十七條社債權者集會招集ノ手續又ハ其ノ議決ノ方法カ本法又ハ信託
  契約ノ條款ニ違反スルトキハ委託會社、受託會社又ハ各社債權者ハ其ノ
  決議ノ無效ノ宣告ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
  前項ノ請求ハ決議ノ日ヨリ一箇月內ニ之ヲ爲スヘシ
  社債權者カ第一項ノ請求ヲ爲ストキハ其ノ債劵ヲ供託シ且招集ヲ爲シタ
  ル者ノ請求ニ因リ相當ノ擔保ヲ供スヘシ
  第五十八條社債權者集會ニ於テ決議スヘキ事項ハ本法ニ規定アルモノノ
  メ
  外特ニ信託契約ニ定。タルモノニ限ル
  第五十九條社債權者集會ヲ招集シタル者ハ決議錄ヲ作成スヘシ
  第六十條受託會社ハ社債權者集會ノ決議錄ノ原本又ハ謄本ヲ本店及支
  店ニ備ヘ置クヘシ
  受託會社ハ委託會社又ハ社債權者ノ請求アルトキハ營業時間內何時ニテ
  モ前項ノ決議錄ヲ閱覽セシムヘシ
  カ
  第六十一條受託會社以外ノ者ハ決議錄ヲ作成シタルトキハ自ラ其ノ原本
  ヲ保存シ其ノ謄本ヲ受託會社ニ交付スヘシ
  前條第二項ノ規定ハ前項ノ謄本ニ之ヲ準用ス
  第六十二條社債權者集會ノ費用ハ受託會社又ハ第二十九條第一項ニ依リ
  社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ於テ招集シタル場合ヲ除クノ外集會ヲ招集
  シタル者ニ於テ之ヲ負擔ス
  第六十三條社債權者集會ノ決議ハ受託會社之ヲ執行ス但シ其ノ性質カ受
  託會社ニ於テ執行スルコトヲ許ササルトキハ集會ニ於テ之ヲ執行スヘキ
  者ヲ定ム
  第六十四條信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ社債權者集會ニ於テ一人又ハ
  數人ノ代表者ヲ選任シ其ノ決議スヘキ事項ノ決定ヲ之ニ委任スルコトヲ
  得
  代表者ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者又ハ社債總
  額ノ千分ノ一以上ヲ有スル者ノ中ヨリ之ヲ選任ス
  代表者數人アル場合ニ於テ集會ニ於テ別段ノ定ヲ爲ササルトキハ代表者
  ノ權限ニ屬スル事項ハ其ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
  第六十五條代表者ハ第六十三條但書ニ該當スル場合ニ於テハ其ノ權限ニ
  屬スル事項ヲ自ラ執行シ又ハ他人ヲシテ執行セシムルコトヲ得,
  第六十六條代表者就任シタルトキハ其ノ公告ヲ爲シ委託會社、受託會社
  及第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ之ヲ通知スヘシ
  第六十七條社債權者集會ハ何時ニテモ代表者ヲ解任シ又ハ其ノ權限ヲ變
  更スルコトヲ得
  前項ノ場合ニ於テハ集會ハ其ノ公〓ヲ爲シ委託會社及第二十九條第一項
  ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ之ヲ通知スヘシ
  第七章信託契約ノ效力
  第六十八條受託會社ハ公平且誠實ニ信託事務ヲ處理スヘシ
  第六十九條受託會社ハ委託會社及社債權者ニ對シテ善良ナル管理者ノ注
  意ヲ以テ信託事務ヲ處理スル義務ヲ負フ
  第七十條信託契約ニ依ル物上擔保ハ信託證書ニ記載シタル總社債ノ爲
  ニ受託會社ニ歸屬ス
  且
  受託會社ハ總社債權者ノ爲ニ擔保權ヲ保存シ及實行スルノ義務ヲ負フ
  第七十一條社債權者ハ其ノ債權額ニ應シ平等ニ擔保ノ利益ヲ享受ス
  第七十二條信託契約ニ依ル物上擔保ハ社債成立以前ニ於テモ其ノ效力ヲ
  生ス
  第七十三條民法第三百四十八條、第三百七十五條及商法第二百七十七條
  ノ規定ハ信託契約ニ依ル擔保權ニ之ヲ適用セス
  第七十四條受託會社ハ委託會社トノ契約ヲ以テ擔保ヲ追加スルコトヲ得
  第七十五條受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ依リ委託會社トノ契約ヲ以
  テ擔保ヲ變更スルコトヲ得
  第七十六條前二條ノ契約ハ信託契約ト同一ノ效力ヲ有ス
  第七十七條第七十四條及第七十五條ノ契約ハ委託會社及受託會社ノ代表
  者ノ署名シタル書面ヲ以テ之ヲ爲シ委託會社及受託會社遲滯ナク各自之
  ヲ公告スヘシ但シ知レタル社債權者及第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總
  額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知スヘシ
  前項ノ契約證書ニハ第二十條及第二十一條ノ規定ヲ準用ス
  第七十八條信託契約ニ依ル擔保權ハ總社債權者ノ爲ニノミ之ヲ行使スル
  コトヲ得
  第七十九條委託會社カ定期ニ社債ノ一部ヲ償還スヘキ場合ニ於テ其ノ償
  還ヲ遲延シ二箇月ヲ經過シタルトキハ受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ
  依り一定ノ期間內ニ支拂ヲ爲スヘキ旨及其ノ期間內ニ支拂ヲ爲ササルト
  キハ社債ノ總額ニ付期限ノ利益ヲ失ハシムル旨ヲ委託會社ニ催告スルコ
  トヲ得
  委託會社カ前項ノ期間內ニ支拂ラ爲ササルトキハ社債ノ總額ニ付期限ノ
  利益ヲ失フ
  第一項ノ催告ハ書面ヲ以テ之ヲ爲スヘシ
  第八十條前條ニ依リ受託會社カ期限ノ利益ヲ失ヒタルトキハ受託會社ハ
  遲滯ナク之ヲ公〓スヘシ但シ知レタル社債權者及第二十九條第一項ニ依
  リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知スヘシ
  第八十一條前二條ノ規定ハ委託會社カ社債ノ利息ノ支拂ヲ遲延シ三箇月
  ヲ經過シタル場合ニ之ヲ準用ス
  第八十二條社債カ期限ニ至リ辨濟セラレス又ハ委託會社カ社債ノ辨濟ヲ
  完了セスシテ解散シタルトキハ受託會社ハ遲滯ナク社債權者集會ノ決議
  ニ依リ擔保權ヲ實行スヘシ
  民法第三百五十四條ノ規定ハ信託契約ニ依ル動產質及債權質ニ之ヲ適用
  セス
  第八十三條受託會社ハ總社債權者ノ爲ニ付與セラレタル執行力アル正本
  ニ基キ擔保物ニ付强制執行ヲ爲シ又ハ競賣法ニ依ル競賣ノ申立若ハ委任
  ヲ爲スコトヲ得
  前項ノ場合ニ於テ債權者ニ對スル異議ハ受託會社ニ對シテ之ヲ主張スル
  コトヲ得
  第八十四條受託會社ハ信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ社債權者ノ爲ニ債
  權ノ辨濟ヲ得ルニ必要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
  第八十五條受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ依リ總社債ニ付支拂ヲ猶豫
  シ、不履行ニ因リテ生シタル責任ヲ免除シ又ハ和解ヲ爲スコトヲ得
  第八十六條受託會社ハ社債權者集會ノ決議ニ依リ總社債權者ノ爲ニ訴訟
  行爲ヲ爲シ又ハ破產手續ニ屬スル一切ノ行爲ヲ爲スコトヲ得
  第八十七條受託會社カ第八十二條、第八十五條又ハ前條ニ揭ケタル行爲
  ヲ完了シタルトキハ遲滯ナク之ヲ公〓スヘシ但シ知レタル社債權者及第
  二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知ス
  ヘシ
  第八十八條受託會社カ社債權者ノ爲ニ辨濟ヲ得タル金額ハ遲滯ナク債權
  額ニ應シテ各社債權者ニ交付スヘシ
  受託會社カ前項ノ金額ヲ自己ノ爲ニ費消シタルトキハ民法第六百四十七
  條ノ規定ヲ準用ス
  社債權者ヲ確知スルコト能ハサルトキ又ハ社債權者カ受領ヲ拒ミ若ハ受
  領スルコト能ハサルトキハ受託會社ハ其ノ社債權者ノ爲ニ前項ノ金額ヲ
  供託スヘシ
  受託會社ハ必要アル場合ニ於テハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ
  引受ケタル者ニ第一項及第三項ノ行爲ヲ委任スルコトヲ得
  第八十九條受託會社カ總社債權者ノ爲ニ爲スヘキ行爲ヲ怠リタルトキハ
  主務官廳ハ社債權者集會ノ申請ニ因リ特別代理人ヲ選任シテ之ヲ爲サシ
  ムルコトヲ得
  社債權者ト受託會社トノ利益相反スル場合ニ於テ總社債權者ノ爲ニ裁判
  上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス必要アルトキ亦前項ニ同シ
  第九十條本法ニ依リ總社債權者ニ代リテ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲
  ス場合ニ於テハ各別ニ社債權者ヲ表示スルコトヲ要セス
  第九十一條受託會社ハ委託會社ニ對シ信託事務ノ處理ニ付相當ノ報酬ヲ
  請求スルコトヲ得
  信託契約ニ別段ノ定ナキトキハ民法第六百四十八條第二項及第三項ノ規
  定ハ信託契約ニ之ヲ準用ス
  第九十二條委託會社ハ受託會社カ信託事務ヲ處理スルニ付正當ニ支出シ
  タル一切ノ費用及支出ノ日以後ニ於ケル其ノ利息ヲ償還シ及過失ナクシ
  テ受ケタル一切ノ損害ヲ賠償スル義務ヲ負フ
  受託會社ハ信託事務ヲ處理スルニ付要スル費用ノ前拂ヲ委託會社ニ請求ス
  ルコトヲ得
  前二項ノ規定ハ第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニ關
  シ之ヲ準用ス
  第九十三條信託契約ニ依ル物上擔保ハ前條第一項ノ規定ニ依リ受託會社
  ニ生スヘキ債權ノ爲ニモ其ノ效力ヲ有ス
  受託會社ハ前項ノ債權ニ付社債權者ニ優先シテ擔保物ヨリ辨濟ヲ受クル
  權利ヲ有ス
  第九十四條受託會社カ故意若ハ過失ニ因リ物上擔保ヲ消滅セシメ又ハ其
  ノ價格ヲ減少セシメタルトキハ主務官廳ハ委託會社又ハ社債權者集會ノ
  申請ニ因リ受託會社ヲシテ相當ノ金額ヲ供託セシムルコトヲ得此ノ場合
  ニ於テハ委託會社カ供託金ノ上ニ質權ヲ設定シタルモノト看做ス
  前項ノ質權ハ信託契約ニ依ル物上擔保ト看做ス
  第九十五條委託會社、第六十四條第一項ニ依リ選任セラレタル代表者又
  ハ社債總額ノ十分ノ一以上ニ當ル社債權者ハ何時ニテモ受託會社ニ於ケ
  ル擔保物保管ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
  無記名式ノ債券ヲ有スル者ハ其ノ債券ヲ受託會社ニ供託スルニ非サレハ
  前項ノ檢査ヲ爲スコトヲ得ス
  第九十六條民法第二百九十八條第三項ノ規定ハ信託契約ニ依ル質權ニ之
  準
  ヲ随用セス
  第八章信託事務ノ承繼及終了
  第九十七條受託會社ハ信託契約ノ定ムル所ニ依リ又ハ委託會社及社債權
  者集會ノ同意アルトキハ信託事務ヲ承繼スヘキ會社ヲ定メテ辭任スルコ
  トヲ得
  信託事務ヲ○トキハ第十七條第一項ノ規定
  第十七條第一項ノ規定ス承機スタ會計カ外國會社チェ塲合ニ之ラ準
  第九十八條受託會社ハ已ムコトヲ得サル事由アルトキハ主務官廳ノ許可
  ヲ受ケ辭任スルコトヲ得
  第九十九條受託會社カ其ノ義務ニ違反シ又ハ信託事務ヲ處理スルニ不適
  任ナルトキ其ノ他正當ノ事由アルトキハ主務官廳ハ委託會社又ハ社債權
  者集會ノ申請ニ因リ受託會社ヲ解任スルコトヲ得
  第百條前二條ノ規定ニ依リ受託會社カ辭任シ若ハ解任セラレタルトキ
  又ハ免許ヲ取消サレ若ハ解散シタルトキハ主務官廳ハ更ニ受託會社ヲ選
  任シテ信託事務ヲ承繼セシムヘシ
  ○託託事務ノ
  第百一條第九十七條ニ依ル0承繼ハ委託會社、前受託會社及新受託會社ノ
  代表者ノ署名シタル契約書ヲ作成スルニ因リテ其ノ效力ヲ生ス
  前項ノ契約ヲ締結シタルトキハ各會社ハ遲滯ナク書面ヲ以テ之ヲ主務官
  廳ニ屆出ツヘシ
  前條ニ依ル承繼ハ新受託會社ニ對スル主務官廳ノ命令書ヲ交付スルニ因
  リテ其ノ效力ヲ生ス
  信託事務
  第百二條受託會社ノ承繼ハ第九十七條ニ依ル場合ニ於テハ委託會社、前
  受託會社及新受託會社、第百條ニ依ル場合ニ於テハ委託會社及新受託會
  社遲滯ナク各自之ヲ公告スヘシ但シ知レタル社債權者及第二十九條第一
  項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者ニハ各別ニ之ヲ通知スヘシ
  第百三條第九十七條ニ依リ定メラレ又ハ第百條ニ依リ選任セラレタル新
  受託會社ハ前受託會社ノ締約シタル條款ニ從ヒ信託事務ヲ處理スヘシ
  社債權者又ハ委託會社ノ爲ニ前受託會社ニ歸屬シタル權利義務ハ前受託
  會社ノ辭任解任、免許ノ取消又ハ解散ノ時ニ遡リテ新受託會社ニ移轉ス
  但シ前受託會社ノ契約違反又ハ不法行爲ニ因リテ生シタル責任ハ此ノ限
  ニ在ラス
  第百四條前受託會社ノ不法處分ニ因リ質物ノ占有ヲ得タル者カ惡意ナリ
  シトキハ新受託會社カ其ノ者ノ爲ニ占有ヲ奪ハレタルモノト看做ス
  第百五條前受託會社ノ取締役、之ヲ代表スル社員、〓算人又ハ破產管財人
  ハ遲滯ナク其ノ委託會社又ハ社債權者ノ爲ニ保管スル物及信託事務ニ關
  スル書類ヲ新受託會社ニ移付シ其ノ他信託事務ヲ新受託會社ニ引繼ク爲
  必要ナル一切ノ行爲ヲ爲スヘシ
  前項ニ揭ケタル引繼ヲ元了シタルトキハ各會社ハ共同シテ書面ヲ以テ之
  ヲ主務官廳ニ屆出ツヘシ
  前項ノ屆書ニハ移付シタル物ノ目錄ヲ添附スヘシ
  第百六條承繼ニ關スル事務ハ主務官廳ノ監督ニ屬ス
  第十六條第二項ノ規定ハ前項ノ監督ニ之ヲ準用ス
  第百七條受託會社カ信託事務ヲ終了シタルトキハ總計算書ヲ作成シテ之
  ヲ公〓スヘ
  第九章罰則
  第百八條き第五條ノ規定ニ違反シテ擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營ム者
  ハ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス
  第百九條左ノ場合ニ於テハ會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、〓算人、破
  產管財人、第八十九條ノ特別代理人又ハ外國會社ノ代表者ヲ十圓以上千
  圓以下ノ過料ニ處ス
  一第六條ノ規定ニ違反シタルトキ
  二第八條ノ規定ニ違反シタルトキ
  本法ニ依ル主務官廳ノ命令ニ違反シタルトキ
  六五四三本法ニ依ル主務官廳ノ檢査ヲ妨ケタルトキ
  第十七條第一項又ハ第九十七條第二項ノ規定ニ違反シタルトキ
  本法ニ依リ債券ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ不正ノ記載ヲ爲シ
  タルトキ
  七委託會社ニ於テ債券ヲ發行シタル場合ニ於テ第三十六條ニ定メタル
  手續ヲ履行セスシテ之ヲ交付シタルトキ
  九八第七十條第二項ニ依ル擔保權ノ保存又ハ實行ヲ怠リタルトキ
  第八十八條第一項又ハ同條第三項ノ規定ニ違反シタルトキ
  十第九十五條第一項ニ依ル檢査ヲ妨ケタルトキ
  十一第百五條第一項ニ定メタル事務ノ引繼ヲ怠リタルトキ
  十二社債權者集會ノ決議ニ依ルヘキ場合ニ於テ之ニ依ラス又ハ之ニ違
  反シタルトキ
  十三社債權者集會又ハ其ノ代表者ニ對シテ不實ノ報告ヲ爲シ又ハ事實
  ヲ隱蔽シタルトキ
  第百十條左ノ場合ニ於テハ會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、〓算人、破
  產管財人、第二十九條第一項ニ依リ社債ノ總額ヲ引受ケタル者、第六十四
  條ノ代表者、第八十九條ノ特別代理人又ハ外國會社ノ代表者ヲ五圓以上
  五百圓以下ノ過料ニ處ス
  本法ニ定メタル屆出、公告若ハ通知ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公
  告若ハ通知ヲ爲シタルトキ
  二本法ニ依リ交付スヘキ書類ヲ交付セス又ハ之ニ不正ノ記載ヲ爲シタ
  ルトキ
  三本法ニ依リ閱覽ヲ許スヘキ書類ヲ正當ノ理由ナクシテ閱覽セシメサ
  リシトキ
  四本法ニ依リ備ヘ置クヘキ書類ヲ備へ置カス、之ニ記載スヘキ事項ヲ
  記載セス又ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ
  第百十一條非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ本章ニ定
  メタル過料ニ之ヲ準用ス
  附則
  第百十二條本法ニ依リ署名スヘキ場合ニ於テハ記名捺印ヲ以テ署名ニ代
  フルコトヲ得
  第百十三條擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營ム合名會社及合資會社ノ設
  立登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ非訟事件手續法第百七十九條第
  二項ニ揭ケタル書面ノ外主務官廳ノ免許書又ハ其ノ認證アル謄本ヲ添附
  ス>>
  既設ノ會社カ擔保附社債ニ關スル信託事業ヲ營ム免許ヲ受ケタルニ因リ
  其ノ登記ヲ申請スルトキ亦前項ニ同シ
  第百十四條信託會社ノ登記スヘキ事項ニシテ主務官廳ノ免許ヲ要スルモ
  ノニ付テハ免許書ノ到達ノ日ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
  第百十五條主務官廳カ第十一條又ハ第十二條ノ規定ニ依リ事業ノ停止ヲ
  命シ又ハ免許ヲ取消シタルトキハ登記所ハ主務官廳ノ囑託ニ因リテ其ノ
  登記ヲ爲スヘシ
  第百十六條本法ニ依ル社債ノ登記ノ申請書ニハ非訟事件手續法第百九十
  一條ニ揭ケタル書面ノ外信託證書ヲ添附スヘシ
  第百十七條本法ニ依ル社債ノ登記事項ニ變更ヲ生シクルトキハ委託會社
  ノ取締役又ハ之ヲ代表スル社員ハ遲滯ナク其ノ登記ヲ申請スヘシ
  前項ノ登記ノ申請書ニハ其ノ變更ヲ證スル書類ヲ添附スヘシ
  第百十八條信託契約ニ依ル擔保權設定ノ登記ニ付テハ受託會社ヲ登記權
  利者トス
  第百十九條信託契約ニ依ル擔保權設定ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ不
  職產管理法第百十
  ヲ表示スルヲ以テ足ル
  第百二十條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
  〔政府委員石渡敏一君。豆〕〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=19

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• 020・石渡敏一

  ○政府委員石渡敏一君　擔保附社債信託法案ニ付イテ、チヨット提出ノ理由ヲ一言
  速ベテ置キマス、現行ノ商法ニ據リマシテモ、會社ハ社債ヲ發スルコトハ出來ルノデゴザイ
  又、併ナガラ茲ニ擔保ヲ附ケルト云フ〓ニナリマスト、ドウモ困難デアル出來ナイト云
  フ說ガアリマスノデス、法律上ノミカラ論ジマシタナラバ、社債ニ擔保ヲ附ケルコトハ出來
  ルト言フヤウニ思ハレルノデス併ナガラ此細カイ手續ノ〓ケテ居ルトコロカラ、實際社債
  ニ擔保ヲ附ケルコトハ出來ナイノデ、ソレ故現行法ノ下ニ於テ、社債ニ擔保ヲ附ケルコト
  ハ出來ナイト云フ說ガ、先ヅ至當デアルカ知ラヌト思フノデアリマス此說ヲ至當ト認ム
  ル以上ハ、何カ此弊ヲ救フノ手續ガ無ケレバナラヌ、卽チ社債ニ擔保ヲ附ケ、其擔保ヲ
  鞏固ニシテ、債權者ノ利益モ圖レバ債務者ノ利益モ圖ルト云フ必要ヲ認メマシテ、播
  保附社債信託法案ヲ制)疋シタノデアリマス、ドウカ此案ニ付イテ贊成アランコトヲ希望
  致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=20

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• 021・松田正久

  ○議長(松田正久君)　發言ノ請求ガナケレバ、議事日程第四、右議案ノ審査ヲ付託
  スベキ委員ノ選舉ヲ議題ト致シマス
  第四右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=21

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• 022・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十八番)　本案ハ重要ノ議案デアリマスカラ、議長指名ノ十八名
  ノ委員ニ付託スルコトヲ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=22

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• 023・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本案ヲ議長指名ノ十八名ノ委員ニ付託スルト云フ、恆松君
  ノ動議ニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=23

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• 024・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ、恆松君ノ動議ノ通決定ヲ致シマス、次ハ
  議事日程第五、司法官試補實地修習期間減縮ニ關スル法律案ノ第一讀會ヲ繼續
  レ、委員長ヨリ報告ヲ致シマス
  第五司法官試補實地修習期間減縮ニ關第一讀會ノ續(委員長)
  スル法律案(政府提出貴族院送付)報〓
  〔中西光三郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=24

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• 025・中西光三郎

  ○中西光三郞君(七十九番)　諸君私ハ司法官試補實地修習期間減縮ニ關スル法
  律案ノ委員會ノ經過ト結果ヲ御報〓ニ及ビマス、此委員會ハ前後三囘開キマシテ、昨
  日漸ク決議ヲ致シマシタノデゴザイマス、隨分此案ニ就キマシテハ種々ナ質問モゴザイマ
  スレバ、意見モゴザイマシテ、一時ハ隨分差縺レタ問題ニナリマシタノデゴザイマス、遂
  昨日ニ至ッテ條件付キ決議ヲ致シマシテ、委員ヨリ提出ノ條件ヲ司法大臣ガ甘ンジテ
  承諾ヲセラレマシタガ故ニ委員會ハ全會一致ヲ以テ、原案ヲ可決致シマシタ、其條件
  タルヤ是マデ司法官試補ヲ判檢事ニ致シマスル時ノ試驗ハ形式的ノヤウナ試驗ヲセラ
  レタヤウデアリマスルガ、今後ハ形式ニ亙ラズシテ、實際效用ノアルヤウナ試驗ヲセラレタ
  イト云フ、希望ト、モウ一ツデ、此法律ハ今後三箇年間效力ヲ有スルト云フコトデアリ
  マスルガ、最早今度デ三囘モ、斯ノ如キ單行法ヲ發シテ、斯樣ナ姑息ナコトヲ繰返シテ
  來タノデアリマス、此法律ノ有效期限內ニハ、政府ハ必ズ十分ノ取調ヲセラレテ、構成
  法ヲ以テ改正ヲセラレルカ、若クハ他ノ方法ヲ以テ差支ノナイヤウナ運ビヲ付ケルヤウニ
  致シテ、此度ノ如キ姑息ナコトヲモウ一度ビ繰返スヤウナコトノ、斷ジテナイヤウニシテ貫
  ハネバナラヌト云フコトヲ、委員ヨリ申出マシテ、ソレニ對シマシテ、司法大臣ハ委細了承
  シマシタ、必ズ其通實行ヲ致シマセウト云フコトヲ明言セラレマシタノデゴザイマス、之二
  依タテ漸ク委員ハ然ラバト云フコトデ、全會一致ヲ以テ可決ヲ致シマシタノデゴザイマ
  ス、此段御報告ニ及ビマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=25

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• 026・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　此法律ハ標題ハ頗ル長ウゴザイマスケレデドモ、事柄ハ
  唯年期縮小デ簡單ナノデゴザイマスドウカ讀會ヲ省略シテ確定セラレムコトヲ望ミマス
  〔「贊成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=26

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• 027・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本案ハ讀會ヲ省略スル恆松君ノ動議ニ異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=27

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• 028・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ讀會ヲ省略シテ討議ニ付シマス
  司法官試補實地修習期間減縮ニ關スル法律案確定議

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=28

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• 029・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　委員長報告通異議ハアリマセメ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=29

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• 030・松田正久

  ○議長(松田正久君)　委員長報告通御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=30

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• 031・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ委員長報告通リ本案ハ可決確定致シマス、
  議事日程第六、裁判所管轄區域變更ニ關スル法律案ノ第一讀會ヲ繼續シ、委員
  長ヨリ報告ヲ致シマス-寺井純司君
  第六裁判所管轄區域變更ニ關スル法律案(寺井純司君外三
  名提出)
  〔寺井純司君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=31

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• 032・寺井純司

  ○寺井純司君(二十四番)　報〓致シマス、木案ハ靑森縣ヲ函館控訴院ノ管轄ヨリ
  分割致シマシテ宮城控訴院ノ管轄ニ變更致シマスル案デゴザイマシテ、委員會ハ當
  局大臣ノ辯明モ聽キマシテ、前後二囘開會致シマシタガ一人ノ異議ハナク、原案ノ儘
  ニ可決致シマシタノデゴザイマス、今其理由ノ一二ヲ御報道致シマスガ、靑森縣ハ元ト宮
  城上等裁判所ノ管轄ニ屬シテアッタンデゴザイマスルガ、明治十四年中函館控訴院ヲ新
  設セラレタルトキ、函館控訴院ノ管轄ニ變更セラレタノデゴザイマス、全體靑森ト宮城ノ
  間ハ陸路九十八里餘デゴザイマシテ而モ當時ハ馬車モナク、、腕車モナク實ニ馬ノ背ニ
  依シノ、往復旅行ニ二十日モ費シタノデゴザイマス其際デゴザイマスレバ、函館控訴院新
  設ノ際ニ之ニ編入セラレタノハ當時ハ相當ノ處分デハアッタノデハゴザイマスケレドモ今
  ハ鐵道モ開通致シマシテ、靑森ト宮城ノ間ハ、僅カニ八時間內デ到達スルノデゴザイマ
  ス試ニ今日ノ晩方靑森ヨリ汽車ニ乘リマスレバ翌朝早ク宮城ニ著クノデゴザイマス、
  サウシテ十分當日ノ中ニ用ヲ濟マシテ、又晩方汽車ニ乘リマシテ、翌朝靑森ニ歸ルコト
  ハ出來ルノデゴザイマス、斯ノ如クデゴザイマスレバ訴訟人ハ勿論、囚人護送ニモ地方費
  ノ節減ヲ非常ニ來スコトガ出來ルノデゴザイマス、實ニ官民共ニ其便益ヲ受ケルコトハ
  少ナクナイノデゴザイマス、然ルニ函館ハ之ト大ニ趣ヲ異ニシテ表面ハ定期航海モ立ッテ
  ハ居リマスルガ、風濤ノ場合デ、其定期ヲ誤ルコトハ度々デゴザイマシテ、時ニ依リマシ
  テハ二日モ三日モ出帆スルコトガ出來ヌノデゴザイマス而シテ空シク靑森ニ滯在スル
  コトガ往々アルバカリデハナイ、或場合ニハ一旦出帆シマシテモ、途中カラ歸航シタリ、若
  クハ難ヲ避ケルガタメニ、海中ニ碇泊スルコトハ間々アルノデゴザイマス、ソレ等ノタメニ控
  訴院ニテハ豫期ノ通開廷スルコトハ出來ナイノデゴザイマス、依止控訴院ガ常ニ事務
  ノ澁滯ヲ來シテ居ルノモ、畢竟スルニ靑森ト云フ一ノ不便利ナル管轄ガアルガタメデゴザ
  イマス、左ノ如ク事實明瞭デゴザイマスルガタメニ、委員會ニ於テ、政府モ同意致シマシ
  タデゴザイマスカラ、ドウゾ委員會決議ノ通滿場一致ヲ以テ可決セラレンコトヲ希望致シ
  マス
  (「贊成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=32

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• 033・望月長夫

  ○望月長夫君(二百四十六番)　チヨット司法大臣ニ質問ガ致シタイ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=33

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• 034・吉植庄一郎

  ○吉植庄　一郞君(七十三番)委員長ニ質問ガアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=34

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• 035・望月長夫

  ○望月長夫君(二百四十六番)　唯今ノ委員長ノ報告ニ依ルト、政府ハ本案ニ御同
  意ガアッタト云フコトデアル、ソレニ付イテ司法大臣ノ御方針ガ伺ヒタイノデアル(「ヒ
  ヤ〓〓」ト呼フ者アリ)仰地方人民ノ便否ヲ申セバ、本案ハ頗ル歡迎スベキ法案デア
  ル又私ノ了簡ヲ申セバ先日大阪控訴院ノ管轄ノ變更案ニ反對ヲ致シマシタト同
  ノ趣旨ヲ以テ、本案ハヤハリ贊成ヲ致スベキモノト考ヘルサリナガラ政府ハ地方人民ノ
  希望、地方人民ノ便否ヨリモ、裁判事務ノ分配トカ云フコトニ重キヲ置イテ大阪控訴
  院ニ付イテハ管轄ノ變更ヲ自ラ提案セラレテサウシテ本案ニ付イテハデス、函館控訴院
  ナルモノハ、日本全國ノ控訴院中デ一番ニ事務ノ少ナイ所、然ルニダ、此事務ヲ割イテ
  日本ノ控訴院中ノ第三位カ第四位ニ位スル事務ヲ持ッテ居ル控訴院ニ移スト云フコ
  トニ、同意ヲナサレバ先日ノ地方人民ノ便否ハ省ミズシテ、事務ノ分配ヲ主ニシタト云
  フ趣旨ハ此本案ニ同意セラルヽ場合ニハ全ク沒却セラルヽモノト思フ、此案ニ贊成ニ
  相成ルトスレバ前日ノ案ハ間違ト言ハナケレバナラヌ、ソレ故ニ更ニ司法大臣ニ御尋ヲ
  シマスノハ寧ロ此方ガ當然デアル、此法案ニ贊成ナサルノガ當然デアルトハ思ヒマスル
  ガ、司法省ハ裁判管轄ナルモノニ付イテハ所謂地方人民ノ便否トカ、何トカ云フモノヨ
  リハ事務ノ分配、寧ロ件數ノ分配ヲ主ニセラルヽノデアルカ、將又地方人民ノ便否ヨ
  據ラナケシバナラナイ特別ノ例ト云ハレルナラバ、是ニ付イテハ特ニサウ云フ理由ガアルノ
  デアルカ、司法省ノ方針ガ餘リニブラツイテ居リマスカラ、或ハドウモ大阪控訴院管轄變
  更ノ交換トシテ是ニ御同意ニナッタノデハナイカト云フ疑ガアリマスカラ其〓ニ對シテ
  司法省ノ方針ダケヲ伺ッテ置キマス
  〔司法大臣波多野敬直君登壇〕

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• 036・波多野敬直

  ○司法六臣(波多野敬直君)　御答辯致シマス、裁判管轄ノ變更ハ、固ヨリ地方人
  民ノ便不一ト事務ノ分配ト、此二ツニ依ッテ居リマス、ソレデ御承知ヲ請ヒマス
  〔吉植庄一郞君登壇し

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=36

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• 037・吉植庄一郎

  ○吉植庄一郞君(七十三番)　唯今司法大臣ノ答辯ノ要領ヲ得ナイコトハ言フマデ
  モナイ話ニアアルガ委員會ガ此案ニ對シテ全會一致ヲ以テ贊成ヲシタト云フニ至ッテハ、其
  無定見ナルニ驚カザルヲ得ナイノデアル、一昨日ノ議會ニ於テ名古屋ト大阪ト廣島トノ
  大爭ニナック時分ニ、其議論ノ根據トナッテ勝敗ヲ決シタノハ其件數ガ大阪ノ方ガ非
  常ニ多クシテ、之ヲ處理スルノ日數ヲ非常ニ多ク要スルタメニ、人權ヲ損スルコトガ少ナ
  カラヌサウ云フコトハ司法上ノ見地カラ考ヘル時分ニハ是ガ最モ有力ナル議論ノ骨
  子トナッタノデアル之ヲ以テ滿場ガ或ハ北陸各方面ノ人ハ、嫁ニ往クコトハイヤダト云ツ
  テ駄々ヲ揑ネルニ拘ハラズ、左樣アルコトハ顧慮スルコトガ出來ナイ、此司法上ノ見地ヨ
  リ據ナク御氣ノ毒デアルケレドモ一昨日ノ議會ト云フモノハ北陸地方ノ無理ニ忌ヤ
  ガルノヲ割イテ、名古屋ニ合併セシメタト云フノガ、議場ノ大勢デアッタノデアル、司法大
  臣ハ是ニ贊成ヲ表シテ、殆ド之ヲ歡迎スルガ如クニ贊成ヲシテ置キナガラ、今日ニ於テ此
  函館ノ控訴院全國控訴院中ニ一番件數ノ少ナイトコロノ、函館ノ控訴院、此控訴
  院ヲ割イテ靑森縣ダケヲ割イテ、宮城縣ニ移ス、是モ贊成デゴザルト云フガ如キ、無識
  無定目ナナルニ至ッテハ、所謂伴〓大臣ノ御名前ヲ差上ゲルノ外仕方ガナイノデアル、何等
  ノ陋體デアルカ、唯今委員長ハ此日限ノ〓ニ於テ、函館ト靑森ノ間、及宮城ト靑森ノ
  間ノ時間ノコトニ付イテ、段々說明サレマシタケレドモ、委員長ハ靑森近在ノ方デアル
  ト云フカラ、モウ少シアノ邊ノ事情ヲ御存ジデアルト思ヒマシタ、所ガ八時間ニシテ宮城
  ニ達スル汽車ガアル、何時間ニシテ靑森ト函館トノ定期航海ノ時間ガアルト云フコトヲ
  聞キタイノデアル、函館ト靑森ノ間モ、同ジク八時間ニシテ交通スルコトガ出來ルノデア
  ル、又冬ニナル時分ニハ、三日モ四日モ船ノ中ニ停滯シテ客人ガ居ナケレバナラヌ、ト云フ
  ヤウナコトガアルト云フコトヲ聞キマシタガ恐クハ是ハ今ヨリ三十年バカリ昔ノ御話デゴザ
  イマセウ、今日ハ定期航海ノ便ガ開ケマシテ、左樣ナ不便ノコトノアッタコトハ本員等ハ
  一年ニ一囘若クハ二囘之ヲ聞ク、屢〓是アルモノト云フガ如キコトハ、全ク虛構ノ言辭
  デゴザイマス、斯樣ナ虛構ノ事實ヲ捉ヘ來ッテ、事情ヲ知ラザル諸君ヲ、瞞過セントスルガ
  如キ委員長ノ報告ハ甚ダ失當ナリト本員ハ認ムル、之ヲ要スルニ北海道ハ元來其人
  口ニ於テハ僅カテ百二十万人ニ過ギナイノデアル卽チ僅カニ一府縣ノ人口ニシカ足ラヌ
  ノデアリマス、此一府縣ノ人口ニ足ラヌトコロノ北海道ノソレヨリ、靑森ヲ割イテ此百二十
  万ノ人口ノ北海道ニ、一控訴院ヲ存在スルト一ムフコトハ蓋シ全國ノ控訴院中ニ、之ヲ
  ドンナ形ノモノニシテ置カウト云フノデアルカ、是ハ實ニ偏頗極マルトコロノ議論デアッテ
  殆ド論ズルニ足ラヌ、餘リ不思議ナル議論デアラウト思フノデアリマス、是ハ言ヘバ幾ラデモ
  理窟ハアリマスケレドモモウ司法大臣ノ無識無定見ナルコトヲ玆ニ言明シ、委員長ノ說
  明ノ甚グ我田引水ナルコトヲ辯ジテ、此壇ヲ退キマス-反對テス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=37

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• 038・松田正久

  ○議長(松田正久君)　發議者ナケレバ本案ノ第二讀會ヲ開クヤ否ヤノ決ヲ採リマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=38

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• 039・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本案ハ反對論者モゴザイマシタガ、免ニ角直チニ二讀
  會ヲ開カレンコトヲ望ミマス
  〔「ノウノ」又「贊成々々」ト呼ソ者アリ〕

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• 040・望月長夫

  ○望月長夫君(二百四十六番)　採決ハドウナッタ·····

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=40

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• 041・松田正久

  ○議長(松田正久君)　直チニ第二議會ヲ開クト云フ恆松君ノ動議ニ贊成者ハ、起
  立ヲ望ミマス
  起立者多數

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• 042・松田正久

  ○議長(松田正久君)　多數多數ト認メマス
  (「異議アリ」「異議アリ」又「異議ナシ二異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 043・松田正久

  ○議長(松田正久君)　靜肅ヲ望ミマス、直チニ第二讀會ヲ開キマス、本案ノ全部ヲ
  議題ニ供シマス
  裁判所管轄區域變更ニ關スル法律案第二讀會

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• 044・望月長夫

  ○望月長夫君(二百四十六番)　私ハ議長ニ注意ヲ願ヒタイ、凡ソ議會ニ於ケル最後
  ノ仕事ハ卽チ採決デアル、此採決ガ滿場ノ人ニ徹底セズシテ、卽チ多クノ人ノ腦裏ニ
  明瞭セザル如キ採決ニナルト云フコトハ、本議會ノタメニ、私ガ甚ダ遺憾ニ存ズルノデアル、
  尤モ議員ノ喧噪ト云フガ如キコトハ、一部ノ累ヲナスデアリマセウ、サリナガラ議長ハ議場
  ヲ鎭靜セシメテ、然ル後ニ宣告ヲナサル權利ガアル、又議長ノ命令ヲ奉ゼザル議員ヲ退
  去セシムル權利ヲ議長ハ持ッテ居ル、過日ノ狩獵法案ノ如キモ、實ハ多クノ人ヲ滿足セ
  シメザリシ憾ミガアルト思ヒマス(「無用々々」ト呼フ者アリ議場騒然)斯ノ如ギ不明瞭ノ
  決議ノ致方ハ、帝國議會ノ威信ヲ損ジ、帝國議會ノ決議ノ效力ヲシテ、甚ダ輕カラシム
  ル結果ガアルト、私ハ思フノデアリマス、議長ニ於テハ、此採決ノ宣告ニ付イテハ十分
  議員ニ徹底スルヲ待ッテ、固ク規則ヲ遵奉シテ御ヤリニナルコトヲ、切ニ希望致シマス

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• 045・松田正久

  ○議長(松田正久君)　今議長ニ忠告ヲ致サレタルトコロノ望月君ノ御言葉ニ對シテ、
  一言辯ジナケレバナラヌ、議長ニ於テハ、議長ノ宣告ハ十分徹底致シテ居ルト認メテ居
  ルノデアル(「ヒヤノ」ト呼フ者アリ)ソレ故ニ起立者ハ多數デアル多數ノ人ガ起立ス
  ル位デアッタナラバ、議長ノ宣告ガ徹底致サヌト云フコトハ決シテナイノデアル
  〔「ヒヤノ公平」「望月君マデ起立致シテ居リマス」ト呼フ者アリ、笑聲起ル)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=45

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• 046・松田正久

  ○議長(松田正久君)　發言者ナケレバ委員長ノ報告通本案ハ可決致シタモノト認メ
  マス
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=46

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• 047・松田正久

  ○議長(松田正久君)　然ラバ第二讀會ヲ了リ、委員長ノ報告通決定ヲ致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=47

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• 048・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　直チニ三讀會ヲ開イテ確定セラレンコトヲ望ミマス
  (「贊成々々」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=48

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• 049・松田正久

  ○議長(松田正久君)　直チニ第三讀會ヲ開クト云フ恆松君ノ動議ニ御異議ハアリ
  マセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=49

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• 050・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ直チニ第三讀會ヲ開キマス
  裁判所管轄區域變更ニ關スル法律案第三讀會
  異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=50

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• 051・松田正久

  ○議長(松田正久君)　發言者ナケレバ本案ハ採用致シマス
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=51

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• 052・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本案ハ採用ニ確定致シマス、議事日程第七、裁判所管轄區
  域變更ニ關スル法律案ノ第一讀會ヲ繼續シ委員長ヨリ報告ヲ致シマス-寺井純
  司君
  第七裁判所管轄區域變更ニ關スル法律案第一讀會ノ續(委)温多
  (澤田寧君提出)報告
  〔寺井純司君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=52

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• 053・寺井純司

  ○寺井純司君(二十四番)　報告致シマス、本案ハ靜岡地方裁判所管轄內、藤枝
  區裁判所管轄中、榛原郡ヲ掛川區裁判所管轄ニ變更スル案デゴザイマシテ委員會ハ
  前後二囘開會致シマシタガ、當局大臣及政府委員ノ辯明ヲ聞キマシテ、僅カニ字句ヲ
  修正致シマシテ、人ノ異議ナク可決致シマシタ、今字句ノ修正ト可決ノ理由ヲ簡單
  ニ御話申シマス、本案附則ノ末項ニ本法施行前ニ於テ出訴シタル事件ハ受訴裁判所
  ノ管轄トス」トアルノヲバ「本法施行前藤枝區裁判所ニ於テ受理シタル事件ハ同區裁
  判所之ヲ裁判ス」ト修正致シタノデゴザイマス、是ハ少シモ意味ヲ變シタノデハゴザイマセ
  ヌ、デ唯分リ好クスルタメニ、字句ヲ改メタルニ止マルノデゴザイマス、又可決致シマシタ理由
  ハ、榛原郡ハ元ト掛川區裁判所ノ管轄デアッタノデゴザイマス、然ルニ明治三十三年藤枝
  區裁判所ヲ新設致シマシタ時分ニ、同區裁判所ノ管轄ニ移シタノデゴザイマスルガ、其後
  藤枝裁判所ヲ閉鎖致シマシテ、其事件ハ靜岡裁判所ニ於テ今取扱ッテ居ルノデゴザイ
  マス之ガタメニ榛原郡ノ人民ハ極メテ近イ所ニアル掛川區裁判所ニ出訴スルコトガ
  出來マセズニ、遠ク離レテ居リマスル靜岡裁判所マデ出テ、出訴シナケレバナラヌノデゴザ
  イマス、實ニ不便不利益ナルコトハ極メテ明瞭デゴザイマスルカラ、委員會ハ全會一致ヲ
  以テ可決致シマシタシ尙當局大臣モ政府委員で同意致シマシタコトデゴザイマスレバ
  本會ニ於テモ、滿場一致ヲ以テ可決セラレンコトヲ希望致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=53

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• 054・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本案ハ直チニ二讀會ヲ開カレンコトヲ望ミマス
  〔「贊成々々」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=54

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• 055・松田正久

  ○議長(松田正久君)　今恆松君ヨリ直チニ本案ノ二讀會ヲ開ク動議ヲ提出セラレマ
  シタガ、御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=55

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• 056・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ、直チニ第二讀會ヲ開キマス
  裁判所管轄區域變更ニ關スル法律案第二讀會

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=56

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• 057・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　一讀會ニ於テ、三讀會ヲ略シテ、委員長報告通決定
  セラレンコトヲ望ミマス
  〔「贊成々々」ノ聲起ル)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=57

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• 058・松田正久

  ○議長(松田正久君)　全部ヲ議題ニ供シマスルガ、發言者ナケレバ、直チニ第三讀會
  ヲ開クセ否ヤノ決ヲ採リマス
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=58

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• 059・松田正久

  ○議長(松田正久君)　直チニ第三讀會ヲ開クニ御異議ハアリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=59

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• 060・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ第三讀會ヲ開キマス
  裁判所管〓區域變更ニ關スル法律案第三讀會

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=60

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• 061・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　二讀會ノ通

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=61

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• 062・松田正久

  ○議長(松田正久君)　委員長ノ報告通御異議ハアリマセヌカ
  「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=62

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• 063・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ委員長ノ報告通決定致シマス、識事日程第
  八會計法中改正法律案ノ第一讀會ヲ繼續シ委員長ヨリ報告ヲ致シマス-藤金
  作君
  第八會計法中改正法律案(森本駿君提第一讀會ノ續委員長
  151報告
  藤金作君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=63

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• 064・藤金作

  ○藤金作君(百三十一番)　會計法中改正法律案ノ委員會ノ結果ヲ報告致シマス、
  本案ハ委員曾ニ於テハ、三囘程委員會ヲ開キマシテ、其結果五名ニ對スル三名ノ反對
  デ、本案ハ修正可決致サレマシタ、修正ノ報告文ハ、諸君ノ御手許ニ囘シテゴザイマスル
  ケレドモ、御便宜ノタメニチヨット簡單デゴザイマスカラ、玆デ修正ノ字句ダケヲ申上ケマス
  原案ハ「第八條豫備金ヲ以テ支辨シタルモノハ次ノ帝國議會ニ提出シ其ノ承諾ヲ求ムルヲ
  要ス」之ヲ委員會ニ於テ修正シマシタ文字ハ「豫備金ノ支出アルトキハ次ノ帝國議會ニ
  提出シ其ノ承諾ヲ求ムルヲ要ス」斯ウ修正致シタ譯デゴザイマス、至極案ハ簡單デアリマ
  スルガ、此案ノ提出ニ對シマシテハ政府ハ同意ヲ表スルコトガ出來ナイ、ト云フ趣意ヲ
  主張致シマシタノデゴザイマス、又委員會ノ中三名ノ諸君ダケハ政府委員ト意見ヲ同
  一ニシテ、本案ニ反對ヲ主張セラレタノデゴザイマス、併ナガラ此豫備金支出ニ關スル法
  律案ハ最モ重大ナル總テノ豫算ノ保障ヲスルト云ウテモ宜カラウト思ヒマス、此豫備金
  支出ノコトハ餘程當局者ニ責任ヲ持タセ、重要ナル手續ニシテ、會計上決シテ豫備
  金ノ支出ノ粗漫ニ流レナイヤウニ注意ヲスルトコロヨリ、提出致シタ案デゴザイマスル政
  府ニ於テハ、此案ノ如クナリマスルト云フト、餘程此事後承諾ヲ求ムルコトニハ、骨ヲ折
  ラネバナラヌノデゴザイマス、政府ガ骨ヲ折ッテ手續ヲ致スト同時ニ豫備費ヲ支出シタト
  コロニ於テハ、餘程議會ノタメニ大ニ利益ニナルコトデゴザイマス卽チ國家ノ利益トナル
  コトデゴザイマス此〓ニ付イテハ、大ニ政府ト提出者ト押間答ハ午前ヨリ引續イテ午
  後ニ至ルマデ致シタ結果デゴザイマス、私ハ玆ニ簡單ニ報告ヲ致シテ置キマスルガ、若シ
  政府ニ於テ尙此上ニ反對ノ意見ガアリマスレバ、提出者森本君ヨリ十分ナル此提出理
  由ヲ述ベルデゴザイマセウト存ジマス、委細ノコトハ速記錄ニ載セテ、諸君ニ御週シニナッ
  テ居リマスカラ、御承知下サルヤウニ致シタイ、此案ハ政府ハ悅ンデ居マセヌ案デゴザイマ
  スカラ、成タケ本會ハ大多數ヲ以テ御決定ニナラナケレバ、行先キニ甚ダ憂フルトロロガ
  ゴザイマス、宜シク御贊成ヲ願ヒマス
  〔政府委員荒井賢太郎登壇)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=64

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• 065・荒井賢太郎

  ○政府委員(荒井賢太郞君)　唯今日程ニ上ッテ居リマスル、會計法中ノ改正法律
  案此案ニ就キマシテハ旣ニ最初御提出ニナリマシタ時分ニ政府ハ同意ヲ致シ兼ネル
  ト云フコトヲ申上ゲテ置キマシタ所デ委員會ヲ御開キニナリマシテ、其席デモ段々政府
  ノ此案ニ對シテ同意ヲ致スコトガ難イ、ト云フ〓ヲ種々申上ゲマシタケレドモ不幸ニシ
  テ委員會ハ遂ニ政府ノ意見ガ通リマセヌデ、先ノ案ヲ修正ニナッテ、可決ニナリマシタダ
  ガ修正ニナリマシタトコロデアリマシテモ、ヤハリ同ジコトデアリマシテ、政府ガ此案ニ對シ
  テドウシテモ御同意致スコトガ出來ヌト申シマスルノハ、會計法ノ規定ト申シマスノハ餘
  程政府ノ會計ヲ取締ルト云フ〓ニ付イテ、嚴密ナル方針ヲ取ッテ出來テ得ルノデゴサイ
  マスソレデ會計ノコトニ關シマシテハ豫算竝ニ決算、其豫算ニ付イテハ何ケノ書類
  ヲ添付シテ出セト云ッテ、極ク精細ナル細目ニ渉ルモノヽ規定ヲ設ケテ、御承知ノ通ニ
  大部ノ豫算案トナッテ、議會ノ協賛ヲ求ムルノデ、其費用ノ筋道ノ分ルヤウニシテ、協
  贊ヲ求ムルコトニナッテ居リマス、ソレカラ決算ニ至リマシテモ、種々ニ嚴密ナル決算書ヲ
  添付シテ、提出スルト云フコトニナッテ居リマス、ソレデアリマスルデ、此事後承諾ヲ求メ
  マスル時分ニモ、豫備金ヲ以テ支出シマシタモノハ、精細ニ其支出ノ事績ヲ明カニシテ、
  提出スルト云フコトニ今日マデナッテ居リマスデ凡ソ豫算ハドノ位アッテドノ位不足ヲ
  生ジタ、其支出ヲシタ中ニ付イテ、ドノ位ヲ要シテ、ドノ位殘ッテ居ル、ドノ位ハ已ムヲ得
  ズ、翌年度ニ繰越シタト云フヤウナ、詳シイ計算書ガ付イテ、支出ノ〓末ヲ明ニシテ、提
  出スルト云フコトニナッテ居リマス、是ハ總テ政府ノ會計ヲ嚴密ニシテ行クト云フコトカ
  致シテ、計算書ト云フモノヲ最モ正確嚴密ナルモノヲ取シテ提出スルコトニナッテ居リ
  マスソレデ致シマスルニハ、ドウシテモ年度ヲ經過致シマシテ、出納機關ガ閉鎖ヲシテ、
  出納ガ完結シテカラデナクテハ、其事ガ出來ナイ然ルニ本案ノ如ク御改正ニナリマスル
  ト、到底年度經過ト云フコトヲ待タナイノデアリマスカラ其豫備金ノ支出ガ僅カ
  ニ提出ノ手續ニ著手ヲシタ、而シテ其支出ト云フモノガ、未ダ完全ニ完結シナイト申
  シテ宜シイトキニ、是ガ提出ニ相成ルノデゴザイマス、デアリマスルカラシテ豫備金ヲ以テ
  支辨シタルトコロノモノヲ、承諾ヲ受ケルト云フコトノ精神ニ於キマシテ、唯今ノ會計法
  ノ見テ居ルノトハ、大ニ精神ヲ異ニスル、之ヲ政府ノ方デ考ヘマスルト、ドウモ會計ノ粗
  漫ニ流ルヽト云フコトノ虞レガアリハシナイカト云フ考ヲ持ッテ居リマスデ或ハ此支出ニ對
  シテ豫算ト同一ナ形式ノ書類ヲ付ケテ出シタラ宜カラウト云フコトデゴザイマスガ、決
  算ハ固ヨリ豫算デナイノデアッテ支出ヲシタトコロノモノニ承諾ヲ受クルノデゴザイマスノ
  ミナラズ、豫算ト同一ノ形式ヲ以テ、之ヲ致シマシタトコロガ、支出ヲシタ事績ハ一向明
  カニナラヌト云フトキニ出スト云フ結果ニナル、ソレハ會計法案ニ唯今嚴密ナル主義ヲ
  撮り、居ル趣意ニ反スルト考ヘテ居ル、ソレハ會計ノ粗漫ニ流ルヽト云フ結果ヲ來シハ
  シナイカト云フ考ヲ持ッテ居ルデ、ノミナラズ此樣ナ改正ニナリマスルト、此事ハ度々申上
  ケマシタガ、到底其年度ニ於テ支出シタモノヲ直グニ其年度ニ於テ開ク議會ニ提出スルト
  云フコトハ到底出來ナイト云フコトニナル、事實上前日マデニ支出シタモノヲ、悉ク計
  算書ヲ作ッテ議會ニ提出スルト云フコトハ到底出來ナイコトニナラウト思フ、其時間ガ許
  サナイト云フ結果ガ起リハシナイカト云フ虞ガゴザイマス、デ唯今ノ會計法ト申シマスルノ
  ハ五月出納期ニ閉鎖ニナッタモノヲ其年ノ冬ノ議會ニ提出スルト云フ順序ニナッテ居リ
  マスナラ、決シテ此間ニ於テ長ク期間ヲ要スルト云フコトデハアリマセヌ會計ノ嚴密ヲ
  守ルト云フコトガ、其支出ノ〓末ヲ明ニスルト云フダケニ、計算書ヲ付ケテ出スト云フコ
  トガ極ク相當ナコトヽ思フノデアリマスデアリマスルカラシテ此案ニ付イテハドウシテモ
  政府ハ御同意ヲ致スコトガ出來ナイノデゴザイマスカラ、ドウゾ本案ハ御否決ナランコトヲ
  希望致マス
  〔森本駿君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=65

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• 066・森本駿

  ○森本駿君(百四十七番)　諸君、會計法中改正法律案ニ付キマシテ、唯今政府委
  員ノ反對演說ガアリマシタ、若シ此演說ガナクバ私モ登壇スル必要ガナイト思ヒマシタ
  ガ、既ニ反對演說ガアリマシタトシマスレバ、一應簡單ニ此改正ノ必要ナル所以ヲ申上
  ゲテ、諸君ノ御贊同ヲ仰ギタイト考ヘルノデゴザイマス、政府委員ノ答辯ハ委員會ニ於
  キマシテモ遺漏ナク聽取ッテ、サウシテ互ニ討論ヲ盡シタ結果、此案ハ大多數ヲ以テ修
  正ノ上、通過スルト云フコトニナリマシタノデゴザイマス、而シテ唯今政府委員ノ言ハレル
  トコロヲ聽イテ見マスト、要領ハ二ツニ歸著スルダラウト思フ、斯ノ如ク改正ニナリマスル
  ト、會計上粗漫ニ流レル嫌ガアル、第二ハ短期ノ議會ノ時分ニハ實際之ヲ行フコトガ
  出來ヌト云フコトニ歸著スル憂ガアルカラシテ、現行ノ通ニシテ置キタイト云フ希望ニ過ギ
  ナイコトヽ思ヒマス、會計上粗慢ニ流レルト云フコトハ、何故ニ粗漫ニ流レルカト云フト豫
  備費ハ一年ヲ通ジテ、計算ヲ明カナラシメナラレバナラヌノデアル、然ルニ是ガ分割セラレ
  ルト云フコトニナルト、其周密ナル計算ヲ附加ヘルコトガ出來ヌノデアッテ、豫算決算ニ
  於ケルガ如ク、皆相當ニ周密ナル計算書ガ付カナケレバナラヌノニ、年度半バニ於テ事後
  承諾ヲ受クルコトガアルト云フト、全部ニ通ジテ計算ヲ見ルト云フコトガ出來ヌ、従う)
  粗漫ニ流レテ、會計ノ監督ガ嚴重ニナラヌト云フ憂ガアルト云フコトニ歸著シタイト思ヒ
  マスガ、此〓ハ政府ノ言ハレルガ如キ憂ハ私ハナイト思フ、、若シ豫備費ヲ支出スルトキニ、
  粗漫ナル支出ヲスルト、事後承諾ニ當ッテ、隨分困難ヲ感ズルコトガアルケレドモ、會計
  法ノ改正ガ斯ノ如クナレバ支出スルマデニ、十分ノ調査ヲ遂ゲテ、愈々支出スルコトニ於
  テハ、相當ノ設計ハ是ニ附屬シテ居ラナケレバナラヌノデアル、唯決算ト符合セヌト云
  フコトハ或ハ年度半バニ出スト云フコトデ繰越シマデモ明言スルコトハ出來ヌト云フ憂
  ガアルト云ハルヽガ知ラヌガ、事後承諾ハ決算ノ報告デハナイノデアル、詰リ決算其事ヲ
  云フヨリカ、支出其事ノ當否ヲ事後承諾ニ依ッテ、求ムルト云フニ過ギナイコトヽ存ジテ
  居ルサウスレバ豫算ノ豫備費ヲ支出セラルヽニ當ッテ、是〓ノモノニ付イテ支出シタガ、
  之ハ相當デアルカ、不當デアルカ、承諾スベキモノカ否ヤト云フコトニ依ッテ極メルト云フコ
  トニナルデアラウト思フ、其中事業半バデ、承諾ヲ受ケナケバナラヌト云フヤウナ場合ガアリ
  トスレバ、此場合ニ於テハ豫備金ヲ支出シタノガ果シテ不當デアルト云ヘバ、事業ノ途中
  ニ於テ差止メラルヽト一云フノハ已ムヲ得ヌコトデアラウト思フ、例ヘバ今日決算テ問題ニ
  ナッテ居ル旭川事件ノ支出ノ如キモノガ、豫備費カラ出サレテ居ルト假定シタナラバソレ
  ヲ途中デ差止メデ差止メテ中止スル途モアラウト思ヒマスガ、之ガ出來タ後ニ至ッテハ、如
  何トモ仕方ガナイト云フコトニ歸著スルコトニナル、此〓ハ不當ノ支出ガシテアレバ縱令
  事ノ途中デアッテモ、差止メルノハ已ムヲ得ヌコトニナッテ、嚴ニ監督ヲスル上カラ云フト
  途中カラ差止メラルヽヤウナ支出ヲシナイヤウニ、豫メ調査ヲ遂ゲテ、事後承諾ヲ求ムル
  トキニハ必ズ承諾ガ通過スル見込ノ付イタモノニダケ支出スルコトガ、寧ロ會計監督ヲ嚴重
  ニスル所以デ之ガ若シ不承諾ニナッタ場合ニハ困ルト云フ心配ノアル間ハ尙像備費
  ノ濫出ヲスル嫌ガ免レヌコトニナルト思フカラ斯樣ニ改正セラルヽガ、寧ロ至當デ是デコ
  ソ監督ガ十分ニ行屆クコトデアラウト田心フソレカラ短期ノ議會ニ於テハヽ到底出スコト
  ガ出來ヌデアラウト云フコトデアルガ、既ニ支出ニナッタナラバソレダケノ支出スベキダケノ
  計算ハ出來テ居ルノデアルカラ、之ヲ纏メテ出スニ短期ノ議會デアッテモ決シテ差支ハ
  ナイト思フ、今日議會ヲ召集セラレテ、直グ同日又開會ニナルモノデナイカラ、ソレマデノ
  コトハ豫メ提出スル見込ヲ以テ整理致サレテ、議會召集後ニ尙豫備費ノ支出ガアッテモ
  蓋シ一二件ニ過ギヌデアラウカラ、ソレヲ附加ヘテ出スト云フコトハ到底間ニ合ハヌト云
  フヤウナ憂ハナイカト考ヘマスカラ、斷然此改正ニ依テ故障ヲ生ズル憂ハナク、此會計ノ
  監督ヲ嚴重ニスル上ニハ、十分之ガ改正ノ精神ヲ貫徹サセルノ必要ヲ認メマスカラド
  ウカ御贊同ヲ希望スルノデアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=66

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• 067・花井卓藏

  ○花井卓藏君(三百七番)　森本君ニ質問ガアリマス、私ハ私ハ贊成シヤウト思ッテハ
  居ルガ、一ツ重要ナルコトデ、後ニ疑義ヲ生ズルコトガアラウト思ヒマスカラ、此議場ニ於
  テ明ニシテ置キタイ、アナタノ原案ニ依ルト今囘ノ修正ニ依タテ、初メノ御趣意ハ九分
  通リハ沒却セラルルヤウニナッタト存ジマスガ、今御尋シタイノハ支出アルトキハト云フハ
  支出ソレ自身デナイノハ明カデアルカラ、要スルニ修正ノ趣意ハ豫備金支出目錄ノ承諾
  ヲ求メル、ト斯ウ見テ宜シイカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=67

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• 068・森本駿

  ○森本駿君(百四十七番)　決シテサウデハナイ、承諾ヲ求ムルトキニハ豫備金支出ノ
  承諾ヲ求ムルノデ、豫備金支辨ノ承諾ヲ求ムルノデハナイ、ソレ故支出アルトキハ承諾ヲ
  求ムルヲ要スト云フト事實ニ符合セシムルコトニナルノデス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=68

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• 069・花井卓藏

  ○花井卓藏君(三百七番)　モウ一ツアル事ヲ鄭重ニスル御趣意ナラ格別デアルガ、
  全體ノ豫算ニ對スル決算ヲ審査スル場合ニ、ヤハリ本問ニゴザイマス、部分モ包含セラル
  ル趣意デアルカラ審査ガ二重ニナリハシナイカー詰リ此第八條ノ修正ニ依リ、次ノ議
  會ニ提出サレテ、其承諾ヲ求ムル、斯ウナル、ソレカラ又豫備金モ豫算ノ目ニアルコトハ
  疑ヒナク豫算ハ總テ決算ノ審査ヲ經ナケレバナラヌカラ斯ノ如キ場合ニ於テハ既ニ當
  初次ノ議會ニ於テ承諾ヲ得テ居ルカラ、最早二重ノ審査ヲ求ムルニ及バヌト云フ趣意
  デアリマスカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=69

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• 070・森本駿

  ○森本駿君(百四十七番)　ソレハ現行ト少シモ變リハナイ、承諾ハ承諾、決算ハ決
  算トナリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=70

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• 071・花井卓藏

  ○花井卓藏君(三百七番)　宜シイ、ソレナラ私ハ贊成致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=71

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• 072・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本案ニ付イテ二讀會ヲ開クヤ否ヤノ決ヲ採リマス、本案第二
  讀會ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ又「異議アリ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=72

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• 073・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガアリマスカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕e

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=73

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• 074・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ第二讀會ヲ開クコトニ決定致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=74

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• 075・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　直ニ第二讀會ヲ開カレンコトヲ望ミマス
  〔「贊成々々ト」呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=75

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• 076・松田正久

  ○議長(松田正久君)　直チニ第二讀會ヲ開クコトニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=76

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• 077・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ直ニ第一一讀會ヲ開キマス、委員長報告通リ
  御異議アリマセヌカ
  會計法中改正法律案第二讀會
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=77

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• 078・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ委員長報告通決シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=78

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• 079・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　直ニ三讀會ヲ開イテ確定セラレンコトヲ希望致シマス
  〔「贊成々々」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=79

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• 080・松田正久

  ○議長(松田正久君)　恆松君動議ノ如ク直ニ第三讀會ヲ開イテ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ノ聲起ル)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=80

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• 081・松田正久

  ○議長(松田正久君)　ソレデハ直ニ第三讀會ヲ開キマス、第二讀會ノ決議通リ御異
  議アリマセヌカ
  會計法中改正法律案第三讀會
  (「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=81

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• 082・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ本案ハ確定致シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=82

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• 083・大岡育造

  ○大岡育造君(百六十四番)　是ヨリ六十三號ノ委員會ヲ開クニ付イテ退席シタウゴ
  ザイマス同時ニ委員諸君ノ退席ヲ希望致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=83

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• 084・松田正久

  ○議長(松田正久君)　大岡君ヨリ六十三號ノ委員會ヲ開會スルニ付キ退席ノ請求
  ガアリマスガ、許可シテ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=84

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• 085・松田正久

  ○議長(松田正久君)　然ラバ許可スルコトニ決シマス-次ハ議事日程第九、家祿
  電與祿處分法中改正法律業第一讀會の禮續ニ委員お願い致作ヲ致シ
  第九家祿賞典祿處分法中改正法律案第一讀會ノ續(委員長
  (荻野芳藏外十三名提出)報告
  [野尻邦基君登壇]

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=85

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• 086・野尻邦基（首藤邦基）

  ○野尻邦基君(三百七十五番)　家祿賞典祿處分法改正法律案ノ委員會ノ結果
  ヲ御報道致シマス此案ハ家祿賞典祿處分法中ニ不備ノトコロアルヲ補フタメニ設ケタ
  ル法デゴザイマスルデ、調査ヲ致シテ見マシタトコロガ此法案ニ類スル如キモノ、森林原野メ
  拂下法案ノ如キハ既ニ行政裁判所ニ訴訟ヲ提起スルコトヲ許シテアリマスルガ、此案
  ニハ行政裁判所ニ出訴ヲ致ス明文ガゴザイマセヌ、全ク之ハ當初法案ヲ制定ニナル時分
  ニ取漏ラサレタモノデアラウト云フ提案者ノ意見デゴザイマシテ尙調査ヲ致シテ見マスル
  トコロガ、至當ナル法案ト認メマシタノデ、然ルニ原案ニハ不許可ノ處分ヲ受ケタルモノ
  ニ對シテ、出訴ヲ許スコトニナッテ居リマスルガ、ソレデハ或ハ幾分ノ許可ヲ得マシテモ、亦
  幾分ノ許可ヲ得ナイモノハ出訴ヲスルコトガ出來ナイト云フヤウニ疑ヒガアリマスルソレヲ
  明瞭ニスルタメニ、御手許ニ御囘シ申シテアリマスル通リニ、修正ヲ加ヘテ、委員會多
  數ヲ以テ、之ヲ可決致シマシタ政府委員ニモ質問ヲ致シタレバ政府モ出願ニ對シテ
  鄭重ニ扱フコトデアルカラ、決シテ此案ニハ不同意ハ唱ヘマセヌ、同意ヲ致スト云フ答デ
  アリマスル仍テ多數ヲ以テ修正案ノ通リニ可決ヲ致シマシタノデアリ·マス、此段御報告
  ヲ致シマス
  (政府委員水町袈裟六君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=86

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• 087・水町袈裟六

  ○政府委員(水町袈裟ハ君)　此家祿賞典祿ノ處分法中ノ改正法律案ニ付キマシ
  テハ政府ノ之ニ付イテ考ヘマスルトコロノコトハ委員會ニ於キマシテ委細申上ゲテ置キ
  マシタ併シ又此際重ネテ申上ゲテ置キマスルコトハ必要デアラウト考ヘマシテ、一言茲デ
  申上ゲテ置キマス家祿處分ヲバ鄭重ニ致シマシテ、請求者ノ權利ノ保護ヲバ、致スト云
  フトコロノ御趣意ト考ヘマス、其御趣意ニ對シマシテハ、政府ニ於キマシテ少シモ異存ヲ
  申述ベヤウガナイノデゴザイマス、ヤハリ委員長御報告ノ通リ御同意ヲ申スト云フ外ハナ
  イノデス、併シ此案ノ實行上ノ事實ニ付キマシテ講究ヲ更ニ致シマスルト、果シテ此案
  ノ御提出ノ趣意ト能ク適スルコトノ出來ルモノデアルカ否ヤ餘程政府ハソレニ付イテハ不
  安ノ念ヲ懷イテ居リマスル御承知ノ通リ秩祿處分ノ件數ヲ申シマスルト、十二万七千
  件少シ越シテ居リマス、行政裁判所ノ現在ノ事務ノ進行ノ具合ヲ以テ申シマスルト、
  年ニ一千件以上ヲ捌キマスルコトハ、殆ド見込ミナイヤウデゴザイマス此中假リニ半數ダ
  ケガ行政裁判所ニ出ルモノト致シマシテモ六万二十年バカリノ年限デス、若シ多大ノ
  經費ヲバ費シマシテ一箇年ニ万件ノ件數ヲ扱フト云フコトガ出來ルヤウニ致シマシテ
  モヤハリ五年バカリ掛リマス、其長イ年月ノ間ニ於キマシテ、請求者ガ被ムルコトノアル
  バキトコロノ種々ノ迷惑ヲ想像致シマスルト、木案ノ趣旨ニハ政府ハ贊成致シマシテモ、
  此案ノ成立ヲバ希望スルト云フコトノ斷言ハ出來マセヌデゴザイマス、ソレガタメニ政府自
  ラモ是ハ今日マデ斯ウ云フ提議モ致サヌデ居リマスル次第デゴザイマス、ワレ等ノ〓ハ尙
  篤ト御熟考ヲ仰ギタイト存ジマス
  〔此時發言ヲ求ムル者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=87

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• 088・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　討論ハ止メテ、直チニ二讀會ヲ開カレンコトヲ望ミマ
  ス澤山ノ請願人ガ困ヲテ居ルコトハ分ッテ居リマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=88

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• 089・松田正久

  ○議長(松田正久君)　發言者ナケレバ、本案ノ二讀會ヲ開クヤ否ヤノ決ヲ採リマス、
  本案二讀會ヲ開クコトニ御異議ハアリマセヌカ
  〔異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=89

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• 090・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ二讀會ヲ開クコトニ致シマス、委員長報告通リ
  御異議アリマセヌカ
  家祿賞典祿處分法中改正法律案(荻野芳藏外十三名第二讀會
  提出)
  (「委員長報告通リ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
  [「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=90

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• 091・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ第二讀會ハ委員長ノ報告通リ決定ヲ致シマ
  ス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=91

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• 092・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　直チニ三讀會ヲ開イテ確定セラレンコトヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=92

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• 093・松田正久

  ○議長(松田正久君)　直チニ三讀會ヲ開クニ御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=93

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• 094・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ直チニ三讀會ヲ開キマス、委員長報告通り御
  異議アリマセヌカ
  家祿賞典祿處分法中改正法律案第三讀會
  異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=94

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• 095・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ本案ハ確定致シマス議事日程第十、所
  得稅免除ニ關スル法律案ノ第一讀會ヲ開キマス朗讀ハ省略致シマス
  第十所得稅免除ニ關スル法律案(大畑純次提出)第一讀會
  在外出征ノ陸海軍隊ニ屬シ戰役ニ關スル事務ヲ執ル者ニハ明治三十八年分
  ヨリ平和克復ノ年マテ其ノ俸給給料手當ニ付所得稅ヲ免除ス
  〔大畑純次君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=95

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• 096・大畑純次

  ○大畑純次君(二百六十六番)　私ハ提案ノ趣意ヲ述べマシテ、諸君ノ御贊同ヲ得
  タイト思ヒマスル是ハ所得稅法ニ於キマシテ軍人ノ出征中ニ係ル俸給ハ所得稅ヲ
  免除スルト云フノ規定モゴザイマスルケレドモ軍族ナリ其他事務員ニ付イテハ其規定ガ
  アリマセヌ、然ルニ日露ノ開戰以來今日マデノ模樣ヲ見マスルト云フト、通譯官トカ、軍
  醫トカ、主計トカ云フ人ガ、或ハ負傷ヲ爲シ、或ハ戰死ヲシテ居ルノデス、又赤十字社救
  議員ノ如キハ、國際法ニ於キマシテ卽チ彼我ノ別ナク軍人ノ負傷ヲ救護致シマスルモノデ
  アリマスル其他交通機關ニ關スル人、鐵道隊ニ屬スル人、或ハ野戰郵便ニ屬スル人ト
  カ云フモノハ戰線ニ立ッテ戰爭コソ致シマセヌケレドモ、卽チ軍人ト行動ヲ一ニ致シマシ
  テ、其軍人ヲ助ケテ居リマスカラ、總テ是レ危險ナ事務ヲ執ッテ居ルノデ、然ルニ軍人ニ
  對シマシテハ所得稅ヲ免除スルノ恩典ガゴザイマスルケレドモ、軍族其他ノ事務員ニ對
  シテハ、其恩典ヲ蒙ルコトガナイノデ、誠ニ不權衡ト考ヘマス、又國民ガ滿洲軍ヲ優遇
  シマスルトコロノ精神ニ付キマシテモ、斯ノ如ク軍人ニ恩典ヲ與ヘテ、軍族ニ恩典ヲ與ヘ
  ヌト云フコトハ、其當ヲ得タモノデナイト考ヘマシテ、本案ヲ提出シマシタ、此法律ニ不備
  ナルトココガアリマスルナラバ、委員會ニ於テ御修正ノ上御贊成ヲ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=96

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• 097・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本案ハ九名ノ委員ヲ議長指名ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=97

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• 098・鈴木そう兵衞

  ○鈴木摠兵衞君(三百六十四番)　チヨット一言質問ヲ致シマス平和克復ノ年マデ
  トアリマスガ、凱旋ノ場合ニ方ッテ、假ニ十一月カ十二月二平和克復ニナッテ、其本人ハ翌
  年ノ六月カ八月凱旋スルトキニハ、在外デアリナガラ、ヤハリ所得稅ヲ納メネバナリマセヌガ、
  其邊ハ提出者ノ御考ハ如何デアリマスカ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=98

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• 099・大畑純次

  ○大畑純次君(二百六十六番)　此案バカリデナク、總テノ案ニモ平和克復ノ年マデ
  ドアリマスカラ、ソレニ依ッタノデアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=99

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• 100・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　九名ノ委員、議長指名ヲ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=100

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• 101・松田正久

  ○議長(松田正久君)　議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スルト云フ恆松君ノ動議ニ御
  異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=101

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• 102・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ其通リ決定ヲ致マス-議事日程第十一、
  蠶絲業組合法案ノ第一讀會ヲ開キマス、議案ノ朗讀ヲ省略致シマス-上埜安太
  郞君
  第十一蠶絲業組合法案(上埜安太郞君外八名提出)第一讀會
  蠶絲業組合法
  第一條本法ニ於テ蠶絲業有ト稱スルハ養蠶ヲ爲ス者、蠶種若ハ生絲ヲ製
  造スル者又ハ蠶種、繭絲及屑物ノ賣買ニ從事スル者ヲ謂フ
  第二條蠶絲業者ハ業務ノ改善ヲ圖リ弊害ヲ矯メ其ノ利益ヲ增進スル爲本
  法ニ依リ各業者各別ニ紀合ヲ設置スヘシ
  組合ハ郡市以上ノ區域ニ依リ其ノ地區ヲ定ムヘシ
  土地ノ狀況ニ依リ前條規定ノ各業者ハ聯合組合ヲ設置スルコトヲ得
  第三條組合ヲ設置セムトスルトキハ地方長官創立委員ヲ選定スヘシ
  創立委員ハ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘ
  第四條組合ト同一地區內ニ於テ組合員ト同一ノ業ヲ營ム者ハ組合設置ノ
  日ヨリ組合員ト看做ス
  第五條組合ハ相互ノ氣脈ヲ通シ其ノ目的ヲ達スル爲組合ノ決議ニ依リ地
  方及中央聯合會ヲ設置スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ創立總會ヲ開キ定
  款ヲ議定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
  第六條組合及組合聯合會ハ法人トス
  組合及組合聯合會ハ營利事業ヲ爲スコトヲ得ス
  第七條組合及組合聯合會ノ定〓ノ變更ハ各其ノ定款ノ規定ニ從セ之ヲ環
  定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
  第八條組合及組合聯合會ハ左ノ役員ヲ置クヘシ
  組合ニハ
  組長一名
  副組長若干名
  評議員若干名
  組合聯合會ニハ
  會長名
  副會長若干名
  評議員若干名
  前項ノ役員ノ外定款ノ規定ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
  役員ハ組合ニ於テハ組台員中ヨリ組合聯合會ニ於テハ聯合會ヲ組織スル
  組合ノ組合員中ヨリ之ヲ選舉シ農商務大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ハ
  第九條組長ハ其ノ組合、會長ハ其ノ組合聯合會ヲ統轄シ其ノ事務ヲ擔任
  ス
  副組長ハ組長、副會長ハ會長ノ事務ヲ輔佐シ組長及會長故障アルトキ之
  ヲ代理ス
  評議員ハ組長若ハ會長ノ諮詢ニ應シ及事務施行ノ狀況ヲ監査スルモノト
  ス
  副組長及副會長若ハ評議員ハ定款ノ規定ニ依リ組長及會長ノ擔任スル事
  業ノ一部ヲ分掌スルコトヲ得
  組長、副組長又ハ會長、副會長共ニ故障アルトキハ評議員之ヲ代理ス
  第十條組合及組合聯合會ハ各其ノ定款ニ於テ檢査規定ヲ設ケ組合員ノ營
  業品ヲ檢査スルコトヲ得
  組合及組合聯合會ハ各其ノ定款ニ於テ違約者ニ關スル規定ヲ設ケ違約者
  ニ對シ過怠金ヲ徵シ違約物品ヲ沒收スルコトヲ得
  第十一條組合及組合聯合會ノ經費ノ豫算竝徵收法ハ各其ノ定款ノ規定ニ
  從ヒ之ヲ議定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘ
  經費ノ決算及業務成蹟ハ每年少クトモ一囘組合員ニ公示シ農商務大臣ニ
  報告ス->
  第十二條組合及組合聯合會ハ其ノ事務ニ關シ行政廳ニ建議スルコトヲ得
  又其ノ諮問アルトキハ答申スヘシ
  第十三條組合及組合聯合會ハ農商務大臣又ハ地方長官ノ命シタル官吏ノ
  臨檢ヲ拒ムコトヲ得ス又其ノ質問ニ對シ確實ニ答辯スヘキモノトス
  第十四條農商務大臣ハ必要ト認ムルトキハ組合ノ地區ノ範圍、營業ノ種
  類又ハ定款ノ變更ヲ命スルコトヲ得
  第十五條組合若ハ組合聯合會ノ決議又ハ其ノ役員ノ行爲ニシテ法律命令
  ニ違背シ又ハ公益ヲ害シ又ハ其ノ目的ニ違背シ又ハ監督官廳ノ命シタル
  事項ヲ執行セサルトキハ農商務大臣ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
  一組合若ハ組合聯合會ノ解散又ハ其ノ業務ノ停止
  二役員ノ解職
  三決議ノ取消
  但シ解職セラレタル役員ハ以後三箇年間役員タルコトヲ得ス
  第十六條組合若ハ組合聯合會解散ヲ爲サムトスルトキハ其ノ事由ヲ具シ
  農商務大臣ノ認可ヲ受ク)>
  第十七條地方長官ハ其ノ管內ニ於ケル組合及組合聯合會ヲ監督シ必要ア
  ルトキハ意見ヲ具シ農商務大臣ノ處分ヲ請フヘシ
  第十八條農商務大臣ハ組合及組合聯合會ニ關シ其ノ職權ノ一部ヲ地方長
  官ニ委任スルコトヲ得
  第十九條組合員ニシテ轉業、廢業若ハ地區ヲ轉シタル場合ニ在リテモ組
  合員タリシトキノ負擔金ハ辨償ノ義務アルモノトス
  第二十條十三條、十九條ノ規定ニ違背シタル者ハ二圓以上百圓以下ノ過
  料ニ處ス
  前項ノ過料ニ付テハ非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ヲ
  準用ス
  第二十一條組合又ハ組合聯合會ノ聖票若ハ檢査證ヲ營業品ニ僞リテ附シ
  タル者又ハ僞造、變造ノ證票若ハ檢査證ヲ營業品ニ附シタル者ハ十五日
  以上六月以下ノ重禁錮又ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
  附則
  第二十二條地方長官ハ土地ノ情況ニ依リ農商務大臣ノ認可ヲ得テ組合ヲ
  組織セシメサルコトヲ得
  第二十三條本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
  第二十四條重要物產同業組合法ニ依リテ設立シタル蠶絲業ニ關スル同業
  組合及聯合會竝地方長官ノ認可ヲ經テ設置シタル蠶絲業組合ニシテ本法
  ニ牴觸セサルモノハ本法ニ依リ設立シタルモノト看做ス
  (上埜安太郎君登壇)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=102

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• 103・上埜安太郎

  ○上埜安太郞君(百七十七番)　諸君、私モ此提出者ノ一人デゴザイマスルカラ、簡單
  ニ御話申上ゲタイト思ヒヤス、諸君モ御承知ノ通、此蠶絲業ハ、我國ノ物產ノ中デモ重
  要ナルモノデゴザイマシテ、是ノ盛衰消長ニ依リマシテハ國家經濟ニハ多大ノ影響ヲ及
  ボシマスノデ、ソレデアルカラ此國利ヲ圖ル上ニ於テモ、益〓進進步發達ヲ〓ランケレバナラ
  ヌコトデアルト、私共ハ思フノデアリマス、然ルニ今日ノ現狀ヲ見マスルト云フト、益〓粗製
  濫造ニ流レマシテ、外國ノ市場ニ於テハ信用ヲ失フノデアリマス是ガ故ニ一日モ早ク之
  ヲ救濟セナケレバナラヌト思フノデアリマス併ナガラ之ヲ救濟致シマスルニハ個々ノ力
  デ奈何トモスル事ガ出來ナイ、完全ナル組合法ヲ說ケマシテ、之ヲ救濟セナケレバナラヌ
  コトデアルト、私共ハ信ズルノデアリマス此儘デ致シテ置キマシタナラバ實ニ此蠶絲業ノ
  前途ハ誠ニ憂慮ニ堪ヘヌヤウナ次第デアリマス殊ニ諸君モ御承知ノ如ク內地デ消
  費致シマスル品物ト違ヒマンテ、外國ヘ輸出致シマスルモノハ品物ヲ一定ニセナケレバナ
  ラヌノデアリマス品物ヲ揃ヘナケレバナラヌノデアリマス、此品物ヲ一定致シマスニハド
  ウシテモ組合ニ力ヲ與ヘルコリ外ナイノデアリマス、之ガ組合法ヲ設ケマスルノガ、第一ニ
  必要ヲ感ジテ居ルノデアリマス又此間本議會ヲ通過致シマシテ、最早法律トナリ發布
  致サレマシタ、彼ノ蠶絲豫防法案デアリマス、此法案ヲ實施致シマスルニ付キマシテモヤ
  ハリ此組合ト云フモノガ域立テテリリシシナラバ非常ニ是ヲ行フ上ニ於テ、便利ナルコ
  トデアルト思フノデアリマス尙詳シイコトニ至リマシテハ委員會ニ於テ十分述べル考デ
  アリマス、尙一言申シテ置キタイノハ、此問題ハ多年當議會ニ現ハレマシテ近クハ十八
  議會ニ於テ政府ニ此組合法案ヲ提出セヨト云フコトガ滿場一致ヲ以テ可決シテ居ル
  ノデアリマス是ガ故ニ多數ノ諸君ハ最早此必要ヲ御認メニナッテ居ルコトデアラウト私
  ハ思フノデアリマス又此當業者ニ於キマシテモ蠶絲業ノ有力ナル諸君ガ大會ヲ開キ
  マシテ、此大會ニ於テハ是非此組合法ヲ設ケテ呉レイト云フコトヲ決議致シテ居ルヤウ
  ナ次第デコザイマス、ドウカ諸君ニ於テモ、此問題ニ付イテハ、御贊戌アランコトヲ希望致
  ショッ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=103

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• 104・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本案ハ九名ノ委員、議長指名ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=104

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• 105・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本業ハ議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スル恆松君ノ動議ニ御
  異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=105

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• 106・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ、其通決定致シマス、議事日程第十二、
  會計法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、議案ノ朗讀ハ省略致シマス小川
  平吉君
  第十二會計法中改正法律案(小川平吉君外一名提第一讀會
  田
  會計法中左ノ通改正ス
  第十二條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
  國務大臣ハ憲法第七十條ノ場合ヲ除クノ外豫備費ノ定額以外ニ豫算超過
  又ハ豫算外ノ支出ヲ爲スコトヲ得ス
  第十六條曾計檢査院ノ檢査ヲ經テ政府ヨリ帝國議會ニ提出スル總決算ハ
  總豫算ト同一ノ樣式ヲ用非左ノ事項ヲ明記シテ翌々年度ノ帝國議會開會
  ノ始ニ於テ之ヲ提出スヘシ
  歲入ノ部
  歲入豫算額
  調定濟歲入額
  收入濟歲入額
  收入未濟歲入額
  歲出ノ部
  歲出豫算額
  豫算決定後增加歲出額
  仕拂命令濟歲出額
  翌年度繰越額
  〔小川平吉君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=106

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• 107・小川平吉

  ○小川平吉君(三百二十六番)　極メテ簡單ニ提出ノ理由ヲ述ベマス、此私ノ改正
  案ハ二箇條アルノデゴザイマスルガ、初メノ分ハ會計法第十二條ニ、第二項ヲ加ヘヤウ
  ト云フノデアリマス、其趣意ハ、今日マデ比政府ハ屢第一豫備金、第二豫備金ノ外
  ニ或ハ剩餘金等ノ名目ヲ以チマシテ、豫備費以外ノ金ヲ屢s勝手ニ支出ヲ致シテ居
  リマスノデゴザイマス、然ルニ政府ノ支出スベキ金ハ固ヨリ豫算ニ定メタル金額ヲ以テ支
  出スルコトハ、之ハ原則デアル〓ニ豫備費ト云フモノガ豫算ニ超過シタ場合、若クハ豫
  算外ノ支出アル場合ニ備ヘテ置クノデゴザイマシテ、豫備費ヲ使フト云フノガ、既ニ變則
  デアル其豫備費ガナイト云ウデ、ソレ以上或ハ剩餘金等ノ名目ヲ以テ、屢く金ヲ支出
  致シマスノハ實ニ不當ノ次第デアリマスニモ拘ハラズ、政府ハ是マデ度〓右ノ支出ヲ
  致シテ居リマス彼ノ百三十銀行事件ヲ初メトシテ、是マデ度ミアルノハ既ニ諸君ノ御
  承知ノ通デアル、然ルニ此豫算外ノ支出若クハ豫算ニ定メタル金額ニ超過シタ場合ト
  云フモノハ、豫備費ヲ以テ限ラレテ居ル譯デアル豫備費以外ノ支出ヲ爲スト云フノ
  ドウシテモ憲法七十條ニ依ル場合デナケレバ出來ナイ筈デアル、之ハ實ハ法律ヲ以テ規
  定スルヲ俟タナイヤウナ事柄デゴザイマスケレドモ、、現ニ是マデ政府ガ屢s不當ノ支出ヲ敢
  テシテ居リマスルカラシテ、已ムヲ得ズ玆ニ法文ヲ設ケマシテ明ニ支出スルコトガ出來ナイト
  云フコトヲ規定シテ置カウト云フノデゴザイマス、ソレカラ今一ツノ方ハ、會計法第十六條
  ノ修正デゴザイマスルガ、案ニ書イテアルトコロハ大層長ウゴザイマスルガ、其實本案ハ此
  十六條ニ持ッテ往キマシテ、翌々年度ノ帝國議會開會ノ初ニト云フコトヲ入レルダケデゴザ
  イマス卽チ此決算書ト云フモノヲ提出スルニ付イテ、今日マデハ、法律ニ提出ノ期限ガ
  定メテナイ、提出期限ガ定メテナイタメニ御承知ノ通三十四年度ノ決算書ト云フモノ
  ヲ、今度ノ議會ニ提出シテアルト云フヤウナ始末ニナッテ居リマス、ノミナラズ平生デゴザイ
  マシテモ帝國議會開會ノ初ニ於テ、提出スルト云フコトハ、少ナイヤウニ思フ何時モ開
  會致シマシテカラ餘程久シク經ッテカラ決算書ヲ出スト云フヤウナ譯ニナッテ居リマス、
  殊ニ今年度ノ議會ニ向ッテ、三十四年度ノ決算書、三十五年度ノ決算書ヲ一〓ニ出
  シテ寄越シタト云フヤウナ始末ニナッテ居ル、然ルニ此決算書ハ豫算ト同ジコトデ、最モ
  大切ナモノデアッテ、決算ニ對スル審査權ト一ムフモノハ、恰モ豫算ノ議決權ト同ジク、財
  政ノ監督上ニ於テハ車ノ兩輪トモ申スベキ大切ナモノデアルニ拘ラズ、是マデ此提出期
  間ノ定メノ無イガタメニ今ノ如キ甚ダ緩漫ニ失シタル提出方ヲ致シテ居リマス又從ッテ
  此決算ト云フモノヲ、政府デモ甚グ輕ク見ル吾〓モ又年月ノ久シキヲ經ルガタメニ、之
  ヲ自然輕ク見ルト云フ風ノ虞ガアル、政府ニ於テハ、丁度森本君提出ノ會計法改正案
  ニ於ケル理由ト同ジコトデ年所ヲ經ルノ久シキニ從ツテ自然此責任ノ觀念ガ薄ラギマス
  カラ、甚ダ、此財政監督ノ精神ニ反スル結果ニナッテ參リマス、デソレデゴザイマスカラシ
  テ、玆ニ此翌ヶ年度帝國議會開會ノ初メニ於テト云コトヲ加ヘマシテ、卽チ決算書ノ提
  出期〓ヲ定ムル、且之ヲ帝國議會ノ開會ノ初メニ於テ提出サセルト云フコトハ、財政ノ
  監督ノ實ヲ舉ゲ、政府ヲシテ又決算提出ト云フコトニ重キヲ措カシムルト云フニハ、此條ガ
  必要デアルト云フ考デ提出致シマシタ、詳細ノコトハ委員會ニ於テ十分ニ說明ヲ致シマ
  スドウゾ贊成ヲ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=107

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• 108・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本案ハ九名ノ委員、議長ノ指名アランコトヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=108

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• 109・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本案ハ議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スル恆松君ノ動議ニハ
  異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=109

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• 110・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ其通決定シマス、議事日程第十三、水產銀
  行設立ニ關スル建議案ヲ討議ニ付シマス-濱名信平君
  第十三水產銀行設立ニ關スル建議案(森茂生提出)(委員長報告)
  〔濱名信平君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=110

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• 111・濱名信平

  ○濱名信平君(八十番)　水產銀行ニ關シマスル委員會ノ經過ヲ報告致シマスル、委
  員會ハ數囘開會致シマシテ、懇ロニ調査ヲ致シマシテ、審議ノ結果ハ御手許ニ豫テ御配
  付致シマシタヤウナコトニ、此建議案ノ末交ニ於キマシテ多少ノ修正ヲ加ヘマシタ、サウシテ
  審議ヲ結了致シマシタノデ、此修正ノ理由ノ大要ヲ一ツ申述ベヤウト思ヒマス、此實業社
  會ニ於キマシテ、保護政策ハ一般ニ認メラレテ、隨分當局者ニ於キマシテモ種々ナル計
  畫種々ナル方法ヲ以テ奬勵保護ヲセラレテ居ルコトデゴザイマシテ、農工商業等ニ對シマ
  シテハ隨分今日ノトコロデハ方法等ヲ盡サレテカラニ遺リナク事業ノ發達奬勵等ニ從
  事セラレテ居ルノデアリマスケレドモ偖テ此水產ノ一〓ニ至テハドウカト顧ミマスト農
  工商等ノ事業ノ發達奬勸ヲ求メテ居ラルヽ點ニ比シマシテ、甚ダ水產事業ノ奬勵ヲ求
  ムル一〓ニ於テハ冷淡ニ打過ギテ居ルノデアリマス、例ヘバ農工銀行ノ如キモノハ相當
  ニ成立シマシテカラニ農工者ニ向ヒマシテハ、資本ノ融通機關モ今日デハ設備致サレテ
  居ル又其他ノ事業ニ付キマシテモ種々ナル方法ガ立ッテ居リマスルガ、此水產ノ如キ事
  業ニ至ッテハ今日デハ僅カニ遠洋漁業奬勵法案デアル或ハ又水產組合ヲ設立スル位ノ
  方法ニ過ギナイコトデアリマシテ、此漁業家ノ現狀ニ付イテ此事業ヲ發達セシムルト云フ
  トコロノ根本的ノ保護ノ政策ガ立ッテ居ラヌノデアリマス、段々調査ヲシテ見ルト、此漁業
  家ノ現状ト云フモノハ一番困難ヲシテ居ルノハ、此漁業ノ資本ナノデアリマス、區々タル
  費用ノ奬勵保護ヂヤナイノデアリマス、此漁業上ノ現狀ヲ見マスルト云フト、全ク一二ノ
  髙利ニ依ッテ其事業ヲ致シテ居ルト云フヤウナモノデアリマシテ、之ガタメニ幾許ノ漁利ガ
  ゴザイマシテモ遂ニハ失フトコロガ多クシマシテ、ナカ〓〓以テ此漁業ノ發達改良等ヲ圖ル
  ニ遑ナイト云フ現狀ニナッテ居ルノデアリマス、然ルニ今日ノトコロデハ是等卽チ水產ノ發
  達ヲ圖ルトコロノ完全ナル-漁業社會ニ向テ資本ノ融通機關ノナイト云フコトハ
  誠ニ此業ヲ進步セシムルニ付キマシテハツノ缺點カト思ヒマスル次第デ殊ニ此水產業
  ニ付キマシテハ段々今日ノ場合デ見マスルト云フト、陸產ニ比シマシテ、此生產力ト云フ
  モノハ、將來決シテ讓ルモノデハナカラウト思フノデアリマス、然ルニ今日ニ於キマシテハ、此
  儘ニ放任シテ置キマスレバ、水產事業ハ退步スルトモ決シテ進ムトキニハ達シマイト思フノ
  ガ、甚ダ憂トスルトコロデアリマス、之ニ付キマシテハ段々政府ノ出席ヲ求メマシテ、政府委
  員ニ今日マデノ經過ヲ尋ネテ見マシテゴザイマスケレドモ、政府ニ於キマシテハ、此水產銀
  行ヲ立テルト云フコトニ付キマシテハ大藏省ノ意見ハ斯樣ナコトニナッテ居リマス一體銀
  行ト云フコトニシテ、奬勵保護ヲスルト云フ以上ハ貸付クベキトコロノ此漁業社會ノ現
  狀ガ最モ今日調査ヲ要スルトコロデアル然ルニ今日ノ現狀ハドウナッテ居ルカト申シマス
  ルト、未ダ此水產地方ニ於テ、漁區ト云フモノガ、定マッテナイ、此漁區ト云フモノヲ定メ
  タ後デゴザイマセヌデハ銀行トシテ商業資本ヲー營業資本ヲ融通シマシタトコロガ是
  ガ囘收ノ〓ニ至ッテ、甚ダ心配ニナルモノデアリマスカラ、先以テ是等ノ漁區ト云フモノ
  制定ヲ先ニスルト云フ、大藏省ノ意見デアリマス、是ハ至極尤ナコトデアラウト思ヒマシテ、
  尙農商務省ノ政府委員ニ就キマシテ是等ノ調査ヲシマシタトコロガ、幸ニモ農商務省
  ノ方デハ夙ニ是等ノ計畫ニ從事致サレマシテ、今日ニ於キマシテハ、卽チ此漁區ノ改造
  トモアルベキ、水產組合ノ如キハ、殆ド三千有餘ノ組織ヲ見テ居ルト云フコトデアリマス
  一步進ミマスレバ是等ガ卽チ漁業上ニ於ケル所謂漁區ト云フモノガ、定マルノデゴザイマ
  シテ、最早是等ノ調査モ不日ニシマシテ整頓致スヤウナ氣運ニナッテ居ルト申スコトデアリ
  マス、シテ見マスルト大藏省ノ方ニ於キマシテモ此調査サヘ出來スルナラバ固ヨリ此水
  產事業ハ一大物產ノコトデアルカラシテ、之ニ保護ノ機關銀行ヲ置クト云フコトニ付イ
  テハ敢テ異論ハナイト云フコトデアル、ト斯ウ云云ヤヤナコトデアリマシテ、農商務省、大藏
  省共ニ此銀行ノ設立ニ付キマシテハ、敢テ反對ハナイノゴザイマス、サリナガラ玆ニ一ツノ
  考フベキコトハ今日ハ既ニ御互ヒ心配ヲ致シテ居リマスルトコロノ、日露ノ關係ニナッテ
  居リマス若シ、此原案者ノ如クニ次ノ議會ニ於テ此案ヲ出セヨト云フコトハ前途遼遠
  ナル此大問題ノ今日ニ當ッテ、建議ト申シテハ少シク穩ナラヌコトデハアルマイカ、又旣ニ
  農商務省ニ於テ、調査中ノ一〓カラ考ヘマスレバ、此銀行組織ノコトニ付イテ、餘リ細
  カニ原案ニ書イテアリマスル如クニ建議シマスルコトモ穩デアルマイカ、卽チ一方ニ於テハ
  銀行組織ノコトハ、卽チ當局者ガ調査ノ結果ニ任カスル、又一方ニ於テハ次ノ議會ト
  云ハズシテ、調査ガ成立次第ニ此銀行ノコトヲバ議會ニ提出セシムルト云フノガ、誠
  穩當ノコトデアラウト云フコトニ、委員ニ於キマシテハ審査ヲ致シマシテ、遂ニ御手許ニ週
  シマシタヤウナ具合ニ中央ニ大銀行、地方ニ小銀行ヲ設ケルナント云フヤウナ交字ヲ
  除キ、又次ノ議會ニ提出セヨト云フコトヲ除キマシテ、調査ヲ遂ゲテ議會ニ提出セヨト云
  フ、斯ウ云フヤウナ文案ニ修正ヲ致シマシテ、政府委員モ是ニ付イテハ不同意モナク又
  委員ニ於キマシテモ滿場一致デ決議ヲ致シマシタコトデゴザイマスカラ願クバ此事業ハ
  實ニ重要ナルコトデゴザイマシテ、寧口今日カラ建議ヲ致シマシテモ、尙調査ニ幾許ヲ要
  スルコトデアリマセウシ、且又日露戰後ノ經營ト致シマシテハ、誠ニ是等ノ力ニ依リタウゴ
  ザイマス、又賴ラザルヲ得ヌ事業デアラウカト思ヒマスカラ、今日ニ是ヲ建議スルコトハ
  最モ急要ノ問題ト存ジマス、願クハ滿場ノ贊成ヲ得テ、之ヲ可決致シタウゴザイマスカラ
  宜シク御贊成アランコトヲ希望シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=111

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• 112・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本建議案ハ最モ時局ニ對シテ適當ノ案デゴザイマス、
  此水產ノコトヲ發達スルニハ、斯ウ云フ議案ガ必要デアル、全會一致デ贊成アランコトヲ
  望ミマス
  〔拍手起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=112

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• 113・松田正久

  ○議長(松田正久君)　發議者ガナケレバ本案ノ可否ヲ採リマス、委員長ノ報告通リ
  異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=113

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• 114・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ委員長報告通リ此建議案ヲ採用スルコトニ
  決シマス(拍手起ル)議事日程第十四、體育ニ關スル建議案ヲ討論ニ附シマス、由布惟
  義君
  第十四體育ニ關スル建議案(星野仙藏外十一名(委員長報告)
  提出)
  〔由布椎義君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=114

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• 115・松田正久

  ○議長(松田正久君)　是ニ於テチヨット諸君ニ御歌リシマスガ、府縣制中改正法律案
  ノ委員會ヲ開キタイト云フ請求ガ出マシタガ、許シテ御異議アリマセヌカ
  (「異議ナシ」ト呼フ者アリ)

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• 116・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ許スコトニ致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=116

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• 117・由布惟義

  ○由布惟義君(百七十八番)　御報〓ヲ致シマス、體育ニ關スル建議案ノ委員會ノ結
  果ヲ申上ゲマス本案ニ對シマシテハ一人ノ不同意論者ガアリマシテソレニ對スル五人
  ノ多數ヲ以テ可決ニ相成リマシタル次第デゴザイマスル其可決ニナリマシタル理由ハ、本
  案ニ添付シテアリマスル理由書ノ通リデ別ニ變ルコトハナイノデゴザイマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=117

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• 118・松田正久

  ○議長(松田正久君)　橫井時雄君
  〔橫井時雄君登壇〕

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• 119・横井時雄

  ○橫井時雄君(百二十九番)　諸君、私モ此建議案ノ委員ノ一人デゴザイマシタガ、
  不幸ニシテ建議案ニ對スル反對者ノ唯一人デアッタノデアリマス、其故ニ少數意見ヲ提出
  スル資格ヲモ得ルコトガ出來ナカッタノデアリマス、諸君モ御承知ノ通り今ヤ我國ノ二百六
  十有餘ノ中學校其他ノ高等學校ニ於テ、多クハ擊劍及柔術ノ設ガアリマシテサウシテ、其
  學生ハ自由ニ柔術ヲ習ヒ擊劍ヲ習フコトガ出來ルヤウニナッテ居ルノデアリマス、又近
  年ソレ等ノ體育及此武術ノ奬勵ハ頗ル全國ニ行渡シテ參リマシテ、是ヨリ其設ケノナ
  イ學校ニ於テモ、自然ニ其設ガ完備シテ來ルト云フ傾キガ現ハレテ來ルト云フコトハ著
  シキ徴候デアリマス殊ニ此度ノ日露戰爭ニ依リマシテ、一層尙武的ノ氣象ガ發揮セラ
  レテ、益〓其傾向ヲ盛ナラシメルト云フコトモ、是ハ最モ明ナル現象デアリマス、然ルニ何
  ノ必要ガアッテ此ノ如キ建議案ヲ今日提出セネバナラヌカト云フ一ノ問題ヲ考ヘテ見ナケ
  レバナラヌ、其提出者ノ意志ハドコニアルカト申シマスト、卽チ建議案ノ文句ガ最モ明カ
  ニク)ヲ證明シテ居ル「但シ中學桂度一年生ヨリ三年生マデハ劍柔二道トモ體操式ノ如
  ク號令ヲ以テ形ヲ應用シ四年生以上ニハ技術ヲ〓習セシムルコトー是ハ但書、其本文ハ
  ドコニアルカト申スト「政府ハ宜シク中學程度以上ノ諸學校ニ體育正科トシテ劍道柔
  遵ヲ加フヘシ」卽チ今日ハ其生徒ノ體格ニ、斯ウ云フモノヲ生徒ガスキ好ム、又其生徒ノ
  學力ノ如何ニ依ッテ或ハ〓師ノ勸メニ據リ、或ハ友人ノ勸メニ據リ、或ハ先輩若クバ父
  兄ノ勸メニ據ッテ、自由ニ劍道若クバ柔道ヲ習フコトガ出來ルノデアリマスカラ今日ヨ
  リ以後ハ、ソレヲ正科ニ規則ノ中ニ加ヘマシテ、サウシテ如何ナル生徒デモ課業トシ
  〓今ヤ兵式體操及普通ノ體操ヲヤッテ居ル以上ニ、課業トシテ柔道ト擊劍トヲ習ハ
  シメルト云フ是ハ趣意デアリマスソレデアリマスルカラシテ如何ニ其人ノ體ガ不適當デ
  ゴザイマシテモ、若シ劍道ト柔道トヲ修メテ、或規定ノ〓數ヲ取ラナケレバ、則チ其〓
  ニ於テ落第スルト云フ危險ガアルノデゴザイマス又或ハ肋膜炎ヲ病ムトカ、或ハ腦ガ弱
  イトカ又其他ノ故障ニ於テ、サウ云フ風ニ劍道柔道ヲ習フト云フコトガ、不適合デアル
  ト云フ者デモソレヲ習ハナケレバナラヌ、正科デアリマスカラ不適合デアルト云フコトガ出來
  九十二ソレノミナラズ高等學校ニ於テ第一第二、第三ト云フヤウナ、極ク進ンダ高等
  學校ニ於テ、高等商業學校ニ於テ高等工業學校ニ於テ行フ、若クバ其以上ノ東京帝
  國大學及京都帝國大學ニ此文面通リデアリマスレバドウシテモ、ソレヲ行ハナケレバナラ
  ヌト云フ譯ニナルノデアリマス私ハソレ等ノ點カラ考ヘテ見テモ、今日此建議ヲスルト云
  フコトハ甚グ隱當ヲ缺イテ居ル現ニ此ノ如キ尙武的氣象ハ十二分ニ發揮セラレテ居
  ル、ワレヲ益發揮スルコトガ、却テ極端ニ走ルト、害ヲ及ボス恐ガアルノデアリマス、其通リ
  ニ文部省デ行フコトニナルト、吾子弟ハ非常ニ迷惑ヲ惹起ス、或ハ危害ヲ惹起スコト
  ☆ナイトモニ言ヘヌ、卽チ今日ノ中學校ダケデ論ジマスレバ今日ノ中學校ノ課業ハ二十八
  時間若クハ三十時間デアル、ソレニ體操ノ時間ガ三時間アリマス、其三時間ノ一時間ヲ
  以テ柔道ノ時間トナシ他ノ一時間ヲ以テ、劍道ノ時間ニ充テルトシマスト、サウスルト後ト
  ハ一時間シカ兵式體操普通體操ヲ行フコトガ出來ナイ、今兵式體操ガ此中學生徒以
  上ノ學生ニ與ヘラレテ居ルノハ何ノタメカト申シマスレバ、卽チ兵式體操ヲナシ普通體
  操ヲナスト云フノガ、一ノ條件デ、猶豫ヲ與ヘテアル、其時間ヲ減ジテ擊劍ナリ柔道ナリ
  ヲヤルノハ、善イコトニ相違ナイ、餘裕ノアル人體力ニ於テ知識ノ方面ニ於テ、餘裕ノ
  アル人ガ、ヤルノハ善イコトニ違ヒアリマセヌガ、誰ニモ彼ニモソレヲヤラセルト云フノハ却
  テ其軍隊ノ組織ノ上カラ申シマシテモ、徵兵猶豫ヲ與ヘルト云ア條件ガ、餘程減ヲテ來
  ルコトニモナル、總テソレ等ノ點カラ、之ヲ考ヘテ見マスルナラバ、此建議案ハ今日其必
  要ヲ見ナイノデアリマス、又此建議案ノ說明書ニ依ッテ見マシテモ提出者ガ此前ニ說
  明セラレマシタトコロニ依ッテ見マシテモ擊劍ト柔道ヲヤラナケレバ、殆ド大和魂ハ我國
  ニ消ヘ去ルガ如ク仰セラレタノデアリマスソレハ其擊劍ト柔道ニ依テテ幾分カ尙武
  的精神ヲ養ヒ、又所謂鍊膽操術トカ云フノデ、膽ヲ錄ルト云フコトガアルカ知リマセヌケ
  レドモ其鍊ッタ膽ヲ如何ニシテ使フカト云フコトガ、問題デアル若シ其人ガ明カナル倫
  理上ノ智識ヲ持タナイトキニハ、膽ヲ鍊ッタガ、其鍊ッタ膽ヲ、惡ルイ方ニ使フコトモ、隨
  分アルノデアリマス、デアリマスカラ、此道德ノ修養ト云フモノハ擊劍若クハ柔道、或ハ
  「ベースボール」、其他運動上ノコトカラ來マスケレドモ亦其普通ノ〓育ノ仕方ニ大ニ依ルノ
  デアリマシテ、是ハ〓育ノ任ニ當ル人ガ大ニ考ヘベキ問題デアッテ其鍊膽ノ術ヲ唯擊劍ト
  柔術ダケニ、占領サレテシマフコトハ頗ル是ハ不都合ナル說テアルト申サネバナラヌト私
  ハ考ヘル(「モウ宜シ」ト呼フ者アリ)マダ少シ言ハナケレバナラヌ、ドウシテモ、今日斯ノ如
  キ尙武的氣性ヲ甚シク過度ニ奬勵スル必要ハナクシテ、寧ロ或ル意味カラ申シマシタナラ
  バ此戰後ノ經營ナドト云フコトニナッテ來マスト、ドウシテモ他ノ方面ノ極ク平和的ノ氣
  風ヲ、モウ少シ養ッテ實業上ニ於テモ、商業上ニ於テモ、又銀行ノ取引ニ於キマシテモ我
  日本人ニモウ少シ從來ヨリモ信用ヲ加ヘルコトニナラナケレバ戰後ノ經營ハ迚モ之ヲ
  成功スルコトハ出來マセヌ(「ノウ〓〓」又「ヒヤ〓」ト呼フ者アリ)唯戰爭バカリシテ居
  レバ、ソレデ國ト云フモノガ維持サルヽナラバ、三百年以前ニ西班牙ガ戰爭バカリシテ、
  ドウシテ其國ガ維持出來ナカッタカ、尙武ノ精神ヲ過度ニ奬勵シテ、平和的發達シナカッ
  タナラバ西班牙ガ世界第一ノ大國デアッタガ、二百年經タヌ中ニ、第三流第四流ニ落
  チタデハナイカ、今日我日本ガ戰爭ニ勝ッタト云ッテモ戰後ノ經營ニ非常ニ寬大ナル、非
  常ニ進歩シタル非常ニ大膽ナル方針ヲ以テ〓育ノ方面ニ於テ、改革ヲ行ハナケレバナ
  ラヌ、決シテ保守的方略ニ依ッテ、此國ヲ維持スルコトハ出來ヌト、固ク信ズルノデアル、斯
  ノ如キコトハ間接ノ影響デアリマスケレドモドウカ諸君ハ此建議案ヲ決議スルナラバ、斯
  ノ如キ間接ノ影響が起ヲテ來ルコトヲ、御記憶アランコトヲ切ニ希望スルノデアル
  〔拍手起ル〕
  〔小澤愛次郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=119

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• 120・小澤愛次郎

  ○小澤愛次郞君(百八十六番)　唯今橫井時雄君ハ、政府委員ノ御說明ヲナサルヤ
  ウナ恰モ政府カラ賴マレタヤウナ御演說デアル(「ノウノ」又「ヒヤノ」ト呼フ者アリ)
  ドウゾ少々此今日ノ體育ノ建議案上云フモノハ吾ミガ最モ必要ヲ感ジマシテ提出
  ヲ致シマシタモノデアル過日政府委員トイロ〓〓質問應答ラ致シマシタ時分ニ、政府委
  員モ贊成ナノデ、此趣意ハ贊成デアル贊成デアルケレドモ其方法手段(「立法ノ眼ヲ
  以テ見ルベシ」ト呼フ者アリ)-其方 手段ニ依ッテ大ニ是ハ困ルト云フ御議論デアタ
  タ、ソレハ第一ニ困ルト云フノハ、唯今ノ體操科ハ兵式體操ト普通體操ト云フノガア
  ル、其他イロ〓〓ノ課目ガアルカラ、之ヲ入レルト云フコトハ甚ダ困難デアルト云フノガ一
  ツ、ソレカラ第二ニハ今日ノ此形ト云フモノハ一定ノ式ヲ用井ルコトデナケレバ甚ダ
  困ル、イロノノ流義カラ、取ルト云フコトハ甚ダ混雜デアルカラ困ルト云フ說明デア
  ルデ私共是ニ向ッテ解釋ヲ下シマシタ、是ハ所謂手段方法ナンデ、此體操ノ時間ガ、成
  程一月ニ或ハ二十八時間トカ、一週間ニ三時間ト云フコトデゴザイマセウケレドモ兵
  式體操、普通體操ノ中、、兵式體操ヲ主トシテ、普通體操ヲ從トスル劍道ノ方ヲ主トシ
  テ、柔道ノ方ヲ從トスルト云フコトハ其學校ノ狀況、又其地方ノ狀況ニ依ッテ、幾ラデ
  モ取捨選釋ハ行ハレル、免ニ角劍道柔道ヲ入レルト云フコトハ、最モ必要デアルト、私共
  ハ考ヘルノデアリマシテ、吾〓委員ハ五人ニ對スル一人ノ大多數ヲ以テ決議ヲ致シタノ
  デソレカラ第二デス、第二ノ一定デナケレバ困ルト云フ一定ノ方法ナドハ譯ノナイコト
  デス(笑聲起ル)今日ハ體育會ト云フモノモゴザイマセウ、武德會ト云フモノモゴザイマセ
  ウ、國庫ガ補助ヲシテ居ル體育會ト云フモノガアル是等ニ向ッテ一定ノ形ト云フモノ
  ヲ拵ヘサセテ十本ナリ十五本ナリ、一定ノ形ヲ拵ヘサセテ(笑聲起ル)サウシテ全國ニ一
  定ニ普及サセルコトハ、何ノ容易ナコトデアリマセヌカ(笑聲起ル)然ラバ此時間ノ制限ナ
  ドハ、決シテ論據トスルニ足ラナイ、ソレカラ反對ノ御議論中ニハ此尙武ノ氣性ト云フモノ
  ハ、是ハ昔ノモノデアッテ、今日ハ不必要ト云フヤウナ、守舊デアル、古キヲ守ルモノデ、是ガイ
  カヌト云フ、是ガ私ハ大反對デアリマス、或ハ「チヨン」髷ト云フカ知リマセヌケレドモ、是ガ
  大反對此今日ノ時局ニ當ッテ此渺々タル日本國ガ(笑聲起ル)世界一等國ト戰ッテ今
  日勝ツト云フノハ何デアリマスカ是ハ一片ノ武士道一片ノ武士的精神ト云フモノ
  ガ、日本國ニ充滿シテ居ル、其結果デアリマシテ、其中身ハ何デアルカト云ヘバ卽チ三十
  年來鍛ヘ上ゲタル三尺ノ秋水(笑聲起ル)其中ニ一片ノ愛國心所謂武士道ト云フモ
  ノガ籠ッテ居ルカラシテ、今日此大勝利ヲ得タ結果デアリマシテ、成程之ヲヤラナケレバナ
  ラヌト云フ譯デハナイケレドモ兔ニモ角ニモ、此尙武ノ氣性氣風ガ三十年來養成サ
  レ來ック所ノ尙武的氣性ガ、此國運勃興ノトキニ當ッテ、大ニ煥發ヲシタト云フコトデアル
  ノデセウ(笑聲起ル「ナール程」ト呼フ者アリ)ソレハ成程武術ヲヤラナイモノガ、戰地ニ往ツ
  テ勝ツタト云フソレハ所謂皮想ノ論デアル、其三千年來ノ尙武ノ氣象ト云フモノガアル
  カラ、武術ヲ知ラヌ者ニモ愛國心、武士道ト云フ精神ガ籠ッテ居ッテ、今日戰ニ勝ッタ
  ノデアル若モサウデナカッタナラバ私ハ今日ノ結果ヲ得ルコトガ出來ナイノデアラウト思
  フノデアリマス(笑聲起ル)是ハ一笑ニ附スル問題デハナイ、之ヲ入レルト入レヌトハ國
  家ノ元氣ノ消長ニ大關係ヲ來スノデアル、又此中學校ナドノ生徒ニ入レルト云フコトハ
  日本國ノ人民タルモノハ、劒ノ使ヒ方、又劒ノ向フカラ打込ンデ來ルトキニ、ドウシテ之
  ヲ受ケル、又コチラカラ斬込ムトキニハ、ドウト云ム、進退掛引ノ具合ト云フモノハドウ
  シテモ之ヲ〓ヘナケレバナラヌ、所謂日本國民トシテハ、其位ノコトハ知ラナケレバナラヌ
  ト私ハ考ヘテ居リマス、サウシテデス、今日ノ文部省ガ、ソレヲ今日隨意科トシテ奬勵シ
  テ居ルデハアリマセヌカ、(笑聲起ル)若モ諸君ガ御笑ナサルナラバ、文部省ガ之ヲ廢シタラ
  宜カラウ、然ルニソレヲ奬勵シテ居ルデハナイカ、唯方法ガ甚ダ困ルト云フノデアルカラシテ、
  何ノ差支モナイノデアル之ヲ入レテ其方法手段ノ如キハ政府ガ宜シク攻究スベキ問題
  デ、吾〓ハ之ヲ入レロ、入レテヤックラ宜カラウト云フコトヲ、建議スレバ足ルノデアル、方法
  手段-採用シテ廿バリリナナドハ、敢テ問フ所ニアラズドウカ滿場ノ諸君御贊成アランコ
  トヲ希望致シマス
  〔拍手起リ「討論終結」又「採決々々」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=120

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• 121・松田正久

  ○議長(松田正久君)　討論終結ニ御異議ガナケレバ、本案ノ決ヲ採リマス、採
  決致シマス是ニハ贊成反對同樣ニアルヤウデアリマスルカラ、先ヅ此委員長ノ報告ニ贊
  成ノ方カラ決ヲ採リマスー委員長ノ報告ニ贊成ノ諸君ハ起立ヲ請ヒマス
  起立者

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=121

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• 122・松田正久

  ○議長(松田正九君)　少數ト認メマス
  〔「多數」又「少數」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=122

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• 123・松田正久

  ○議長(松田正久君)　議長ハ少數ト認メマス
  異議アリリ」「「議議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=123

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• 124・小澤愛次郎

  ○小澤愛次郞君(百八十六番)　議長-異議ヲ申立テマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=124

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• 125・松田正久

  ○議長(松田正八君)　異議ノ申立ニ贊成者ガアリマスカ
  (「アル〓ヽ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=125

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• 126・松田正久

  ○議長(松田正久君)　然ラバ異議ノ申立ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
  〔書記官起立者ノ數ヲ〓檢ス〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=126

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• 127・松田正久

  ○議長(松田正久君)　異議ノ申立ニ定規ノ贊成者ガアリマスルカラ、記名投票ヲ以
  テ可否ヲ決シマス閉鎖、投票ノ方法ニ付イテ、念ノタメ宣告致シマスガ、委
  員長ノ報告ヲ可トスルモノハ白イ札ヲ持ッテ御出ナサイ、是ニ反シテ否トスル者ハ、靑
  イ札ヲ持ッテ御出デナサイ、氏名〓呼ヲ始メマス
  〔書記官氏名ヲ點呼ス〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=127

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• 128・松田正久

  ○議長(松田正久君)　投票漏ハアリマセヌカー-投票漏ハナイト認メマス、開匣致シ
  マス-開鎖
  〔書記官投票ノ數ヲ計算ス〕

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• 129・松田正久

  ○議長(松田正久君)　投票ノ結果ヲ報告致シマス
  〔廣瀨書記官朗讀〕
  出席總員百九十七
  可トスル者九十六
  否トスル者百零一
  〔拍手起ル〕
  〔參照〕
  〔本案贊成者氏名〕
  大竹貫一君大見邊敬昌君淺靖君
  岡井藤之丞君荒藤逸吉太次君君君河永渡寬二君君日水向羽輝德武
  雄倉茂七郞君崎瀨谷井畑東禧桂牧純野廣中〓隆君君
  竹內正志君君關口安太郞君肥塚龍君
  近江谷榮次君須梅神加藏君田寺敬信君平吉君
  飯島省三郞君野初實君小山田信藏君澤中小田西川新作君
  乾奈良吉君見千次郞君佐籐伊助君耕治郞君
  川島瀧藏君星野仙藏君安島重三郞君河井重藏君
  齋藤宇一郞君平岡浩太郞君管澤重雄君田村惟昌君
  野上嘉平君波多野傳三郞君江藤新作君犬養毅君
  安念次左衞門君角田眞平君小田文行君井手武右衞門君
  山根正次君鹿島秀麿君阿部勇治君市田兵七君
  野口源一郞君伊夫伎資弼君首藤陸三君關春茂君
  齋藤良輔君藤澤幾之輔君金岡又左衞門君望木村格之輔君
  鈴木久次郞君森田卓爾君榎本次郞右衞門君長夫君
  平島松尾君神藤才一君大石熊吉君松飛 月 月九郞君
  橋金治君湯入山江武郞君竹村良貞君大土記の
  上澤高田寧君壽介君天野董平君小澤愛次郞君
  埜安太郞君石根本正君堀田連太郞君漆淺見竹太郞君
  谷〓愼君川〓君社島美之助君昌巖君
  中藤鞍金作君佐藤虎治郞君村野常右衞門君向坂弘君
  村〓一郞君城重雄君大久保辨太郞君〓水松三郞君
  武後滿藤文一郞君森肇君山崎良純君宮本嘉樂君
  義雄君福岡精一一〇麥田宰三郞君丹尾賴馬君
  〔本案反對者氏名〕
  塚重平君奧村善右衞門君蘆田鹿之助君野尻邦基君
  ればこれに南條吉左衞門君是永歲太郞君七里〓介君
  正中君服部小十郞君井上與一郞君栗原宣太郞君
  國松君岡本金太郞君三輪信次郞君小林仲次君
  口小君野田supp遠山正和君古賀庸藏君
  藤三君立川浜田 貴中西光三郞君望月右內君
  中村雄藏君海 謙謙次郎君景山甚右衞門君廣瀨久政君
  吉植庄一郞君重圖薫五郞君征矢野半彌君內山吉太君
  原敬君工藤善助君瀧口吉良君鈴木藤三郞君
  池田惟貞君東左右君丹後直平君美禰龍彥君
  田中吉君山森隆君鈴木友治郞君中林友信君
  古井由之君多田作兵衞君橫井時雄君宮井茂九郞君
  林小參君築山和君西村專太郞君米澤紋三郞君
  鳥海哲四郞君福島勝太郞君栗塚省吾君島津良知君
  竹越與三郞君江藤哲藏君遊田〓吉君籾木卿太郞君
  竹田千代足君菅原傳君米田武八郞君荻野芳藏君
  橫山寅一郎君關根柳介君須藤吉君富島暢夫君
  牧野逸馬君山本幸彥君高木龍藏君小田貫君
  林有造君中澤楠彌太君楠目玄君松本大吉君
  持田若佐君鵜飼退藏君寺井純司君北村左吉君
  靑柳信五郞君田中藤次郞君兼松凞君橫井甚四郞君
  河上英君松井源內君柳田藤吉君松本孫右衞門君
  脇榮太郞君阿部德三郞君西山彰君長登君
  長谷川豐吉君遠藤良吉君宮古啓三郞君由布惟義君
  磯部四郞君石井信君村松愛藏君中倉万次郞君
  坂元英俊君

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• 130・松田正久

  ○議長(松田正久君)　投票ノ結果ニ依リマシテ、本案ノ反對者ハ多數デアリマスカ
  ラ、本案ハ否決ニナリマス、議事日程第十五、盲人保護ニ關スル建議案、議案ノ朗讀ハ
  省略致シマス
  第十五盲人保護ニ關スル建議案(奧野市次郞君外一名提出)
  盲人保護ニ關スル建議案
  鍼按二業ハ一定ノ法規ノ下ニ盲者ニ限リ特ニ之ヲ免許スヘシ
  但シ盲者ニアラスシテ從來該業ヲ營ム者ハ仍之ヲ繼續セシメ醫師看護婦
  看護人ハ除外トス
  右建議ス
  〔奧野市次郞君登壇〕

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• 131・奧野市次郎

  ○奧野市次郞君(百五十四番)　諸君、木員ガ提出ヲ致シマシタ盲人保護ニ關スル
  建議案ニ付イテ、聊其理由ヲ述ベテ、諸君ノ御贊同ヲ仰ギタイト思ヒマスルデス、此建
  議案ノ要旨ハ鍼ト按摩ノ二業ヲ盲人ノ専業ト致シテ、尤モソレガタメニハ一定ノ取締
  規則ヲ制定ヲ致シテ、其試驗ヲ受ケシメテ、其下ニ免許ヲ與ヘルノデアリマスル併ナガ
  ラ今日盲人ニアラズシテ、現ニ鍼按ノ二業ヲ營ンデ居ルモノモアルノデゴザイマスカラ、此
  等ハ其業ヲ奪フト云フガ如キ事ヲ爲スニアラズシテ、是ハ固ヨリ其繼續ヲサセテ差支ハナ
  イノデアリマスル、又醫師、看護婦、看護人ノ如キモノハ相當ノ試驗ヲ受ケ、相當ノ學
  力アル者デアリマスルカラ、是ハ又按摩ヲ致シマシテモ、卽チ此按摩ノ免許ヲ受ケテ致シテ
  モ、差支ハナイ、斯ウ云フコトニ致シテ、詰リ鍼按摩ノ二業ヲ、盲人ノ專業ニ致シテ、盲人
  ノ保護ヲ致シタイト云フノガ、此提出案ノ骨子デアリマスル、其理由ハ簡單ニソコニ書イ
  テ置イタノデアリマシタガ、少シク其理由ヲ敷演シテ、諸君ノ〓聽ヲ瀆シタイト思ヒマスルデ
  ス、暫クノ間時間ヲ與ヘラレンコトヲ切望致シマスルデス、(拍手スル者アリ)生存競爭ノ
  世ノ中ニ在テハ、彼ノ力アル者、强キ者、此等ト彼ノ力ナキ者、弱キ者トノ間ニハ、勢ヒ
  競爭ヲ免レヌノデアリマスル、故ニ此競爭場裡ニ立ッテ、五分々々ノ太刀討ノ出來ナイ者、
  卽チ不具者ニ對シテハ、國家或ハ社會ガ、之ニ對シテ相當ノ保護ヲ與フルト云フコトハ
  時ノ古今ト、所ノ東西トヲ問ハズ、、等シク今日マデ實現シテ居ルトコロノ現象ナリト信ジテ
  居ルノデアル(「ヒヤノ」ト呼フ者アリ)我國ニ於テモ、夙ニ此主義ガ行ハレテ居ルノデアリ
  マスルデス、彼ノ王朝ノ昔悲田院ヲ置イテ、窮民ヲ救じ、施藥院ヲ置イテ窮民ニ藥ヲ施ス
  道ガアルガ如キコトヲシタノハ近世社會主義ト同一ノ政策デアルト、私ハ信ジテ居リマ
  ス、又支那ノ未開ノ時代ニアッテスラ、鰈寡孤獨癈疾ノモノヲ恤ムト云フコトハ、王者爲
  政ノ第一要義トナッテ居ルノデアリマスル而シテ近世歐洲ノ趨勢如何ト見マスレバ或
  ハ宗〓ヨリ起ッタルトコロノ慈善ノ主義、或ハ人道ノ主唱、此等ニ依ッテ到ル處ニ訓盲
  院或ハ盲啞院等ノ設ケナキ所ハナイノデアリマスル、我國ニ於キマシテモ、固ヨリ訓盲
  或ハ盲啞院ト云フヤウナモノノ備ハアリマスル、然レドモデス、我國古來唯一ノ良キ習慣
  トシテ居ルモノガ一ツアル、ソレハ何デアルカト云ヘバ盲人ガ他ノ外國ノ如クニ國家若ク
  ハ社會カラ、特別ノ補助ヲ受ケズ、特別ニ國費ヲ以テ支辨ヲ受ケズシテ、獨立獨行シテ
  社會ニ立ッテ生存シテ往ケルト云フコトガ、我國古來ノ國粹デアルノデス、ソレハ何デアル、
  卽チ鍼安摩ト云フモノガ、盲人ノ專業トナッテ來ッタノデアリマシテ、此鍼按摩ノ二業ニ
  依夫、盲人ハ安ラケキ生活ヲ送ッテ居ッタノデアリマスル、然ルニ維新以來此制度ハ廢シ
  テシマッタノデアル維新前マデハ種々ナル制度ガアッタノデス、從ッテ此制度ノ下ニ盲人ハ
  生存シテ居リ、競爭場裡ニ立ッテ、彼ノ目ノ明イタ者ト、五分々々ノ太刀討ノ出來ルヤ
  ウニマデ進ンデ居ッタノデアリマスルケレドモ、維新ノ結果トシテ、彼ガ賴ミト致シテ居ッタ
  トコロノ特別保護ノ道ト云フモノハ、無クナッタノデス、是ニ於テ、本員ハ我國古來左樣ナ
  良習美風ガアッタナラバ、明治聖代ノ賜ト致シテ、古來ノ如キ特典ヲ與ヘルコトハ出來ヌ
  カモ知レヌ、時勢ノ權衡ニ依ッテ、-然レドモ近世文明ノ主義ニ合シ、サウシテ日本ノ
  國粹ニ適順シタル間ニ於テ、盲人ヲ保護スルタメニ、此ノ如キ道ヲ制定スルト云フコトハ、
  寧ロ當然ノ事デアルマイカト信ズルノデアリマスル、我國ノ盲人ハ、之ヲ歷史ノ先蹤ニ正シ
  テ見マスルノニ、畏クモ皇室トノ間ニ免ルベカラザルトコロノ關係ガアル歷史ヲ一ツ持ッデ
  居ッテ、ソレカラ此盲人ト云フモノヲ待遇スルニハ、或ハ檢校勾當ノ官ヲ以テシテ、之ニ音
  樂ノコトヲ掌ラシメタコトモアルノデアル(「ヒヤノ」ト呼フ者アリ)ズット降リマシテ、德
  川氏ノ時代ニ至リマシテ、彼ノ伊勢ヨリ杉山和一ガ東京へ出テ、四代將軍ノ按摩ヲ致
  シタル功ニヨッテ、時ノ將軍ハ彼ニ何カ欲シイモノハナイカト云フコトヲ問ハレタラ、彼盲人
  ハ將軍ニ向ッテ、何モ別ニ欲シイモノハナイケレドモ、唯一ツ目ガ欲シイト言ッタノデアル兩
  眼ヲ失ウタルトコロノ者ガ、時ノ政府ノ元首ヨリ、何ガ欲シイカト言ハレタラ、一ツ目ガ欲
  シイト言ッタンデアル、諸君、決シテ是ハ笑フベキコトデハナイノデス、兩眼ヲ盲シタ者ガ、一
  ツノ目ガ欲シイト云フコトハ、千万金ノ賜ニモ換ヘ難キトコロノモノデアラウト思フノデス、
  (「ヒヤ〓〓」ト呼フ者アリ)四代將軍ハ、之ヲ聽イテ大ニ之ヲ憐ンデ、卽チ地ヲ本所ノ-
  ツ目ニ相シテ、此處ニ屋敷ヲ賜ハッタ、卽チ是ガ關東總經屋敷ノ濫觴デアル、京都ニハ
  此總官ヲ支配スルトコロノ、職屋敷ト云フモノガアッテ、全國ノ盲人ガ、皆京都ヘ來ッテ官
  ヲ受ケタモノデアル、サウシテ一ツ目ノ總錄屋敷ハ關東ノ總檢校ヲ支配スル所ノ屋敷ト
  ナッテ居ッタ、斯ノ如ク東西相呼應シテ、或ハ朝廷ノ下ニ或ハ幕府ノ下ニ、種々ナル特權、
  多クノ保護ガアッテ、サウシテ此生存競爭ノ社會ニ立ッテ、目ノ見ユル所ノ者トノ競爭ヲ致
  シテ居ッタノデアル、然ルニ今申シマス通此明治四年ニ舊制度ガ破レマシテカラ以來ト云
  フモノハ、左樣ナコトハ全ク其跡ヲ失フヤウニナッタ、然レドモ積年盲目ハ此按摩ト鍼ノ二
  業ニ依ッテ、其家ヲ立テヽ居ッタト云フ餘德ガアッタガタメニ此餘德ニ依ッテ、今尙今日
  ノ有樣ヲ繫ギテ居ルノデゴザイマスケレドモ、是ヲ以テ維新當時ニ於ケル此制度ノ上ヨリ
  來リ、習慣ノ上ヨリ來ッタ保護ノ厚キニ較ベテ見マシタナラバ轉タ盲人ノタメニ一滴ノ淚
  ヲ灑ガナイコトヲ得ナイノデアリマス吾〓ハ國家ノ保護ヲナス、國家ノ政治ヲ施ス上ニ於
  テ、甲ニ厚クシテ乙ニ薄キト云フガ如キ、偏頗ナル政策ヲ執ルモノデハアリマセヌ、又之ヲ
  好ムモノデハアリマセヌ、殊ニ盲人デアルガ故ニ不盲人デアルガ故ニ、其間ニ斯樣ナル格
  段アレヨト云フノデハナイ、然レドモ國家社會ハ其爭フベキトコロノ程度ノ上ニ出デ、爭フ
  ベカラザル一ノ段階ガアッタナラバ、此缺陷ヲ補フガタメニ、相當ノ保護ヲ與ヘルノハ、決
  シテ偏頗ナル政策デハナイト信ズルノデアリマス、一定ノ試驗規則ノ制定ガ出來テ、其下ニ於
  テ試驗ヲ受ケテ按摩鍼ヲ行ヒ、均シク按摩鍼ヲ行フダケノ力ガ盲人ト盲人デナイモノトノ
  間ニ出來タトシテ、御覽ナサイ盲デナイトコロノモノガ、盲ヨリ或〓ニ於テ便利ヲ有ッテ居ルノ
  デアル、社會交通ノ便利ヲ有ッテ居ルノデアル、境遇上ノ便利ヲ有ッテ居ルノデアル、其交
  通上境遇上ノ便利ト云フモノヲ償フダケハ、盲者ニ對シテ國家社會ガ一部分ノ保護ヲ
  與ヘルト云フコトハ卽チ彼ヲシテ競爭場裡ニ平均ノ勢ヲ得セシムルノデマリマスカラ、決
  シテ偏頗ナル政策ト云フコトハ出來ヌト確信シテ居リマス、(「簡單」ト呼フ者アリ)マダモ
  ウ暫ク······然ルニデス、今日ノ按摩鍼ノ社會ノ有樣ヲ見マスト、如何デアルト申シマスレ
  バ、眼明キノ按摩が漸々ニ殖ヘテ參リマシテ、今ヤ將ニ盲ノ壘ヲ摩シテ、盲以上ノ數ニ上
  ラントスル形勢ガ見エルノデアリマス、サウシテ其眼明キノ按摩ガドウ云フ種類デアルカト
  云ヘバ、體格屈强ニシテ、按摩鍼ノ如キコトヲシナクテモ、或ハ百姓ヲ致シテモ、或ハ勞働
  者トナッテモ何ヲ致シテモ一人ノ生計ヲ營ムニ差支ノナイトコロノ男子ガ、不幸ニシテ
  社會ノ同情ト社會ノ保護ニ依ラナケレバ、獨立スルコトノ出來ヌト云フ-盲目デナケ
  レバ出來ズ、盲目ニ最モ適當致シタルトコロノ按摩鍼ノ領分ニ踏込ムト云フコトハ、甚ダ私
  ハ社會ノ上ヨリ見テ、默視スルコトノ出來ヌコトデアリマス、併ナガラ、此コトハ決シテ今
  日ニ始マッタノデハアリマセヌ、安政年間ニ吉田久庵ナルモノガ、日本橋ノ四日市ニ按摩
  ノ場所ヲ設ケタノデアリマス、彼ノ時ノ社會ノ弱〓ニ乗ジ、彼ノ參勤交代ノタメ、諸國ノ
  留守居ヤ、或ハ此屋敷ノ方ヘ來テ居ルトコロノ田舎武士ガ、內ヘ公然ト女ヲ引入レルコ
  トハ出來ヌノデアルカラ、名ヲ按摩ニ托シテ女弟子ノ按摩ヲ募ッテ、之ヲ其屋敷ヘ伽ガテ
  ラニ遣ッタノデアル、今日女ノ按摩ノ澤山出來タノハ之ガ濫觴デアル、固ヨリ眼明キノ
  按摩デス、サウシテ彼ハ紅粉ヲ粧ヒ、綺羅ヲ飾ッテ、參勤交代ノタメニ江戶ニ滯在スル
  トコロノ若侍ハ、我一ト之ヲ聘シタタメニ、由來盲按摩業デアッタモノガ、多ク此眼明キ
  按摩ノタメニ取ラレタノデアル、是ニ於テ文久年間デアリマシタカ、盲ノ按摩數十名ハ、
  吉田久庵ノトコロニ寐込ヲ致シテ、眼明キノ按摩ノタメニ、自分達ノ商賣ヲ取ラレルカ
  ラ、ドウカ取ラレナイヤウニシテ吳レ、然ラズンバ御前ノ家ヘ寐込ムカラト云ッテ、申出テカ
  ラ、ソコデ之ヲ南町奉行ヘ訴出テヽ、南町本行ガ裁判ヲ下シタ、其裁判ハドウ云フ裁判
  デアッタカ、眼明キノ按摩ハ自宅ニ於テー自宅ヨリ外ニ出ルコトハナラヌ、盲ノ按摩ハ到
  ル處笛ヲ吹イテ流シテ宜シイト云フ裁判ガ下ッタノデアル、今日ト雖モ諸君ガ此輦載ノ下
  ニ於テ諸君ノ御旅宿ニ於テ、表ヲバ按摩上下五百文ト云ッテ通ル按摩ハ皆盲目デア
  ル決シテ眼ノ明イタモノハ流シテハ居ラヌ、是ハ其時代ノ美風ガマグ少シ遺ッテ居ルノデ
  アル、サウ云フヤウナ有樣デ、此眼明按摩ト云フモノヽ殖ヘタノハ安政年間吉田久庵ガ
  帷ヲ下シテヨリ起ッタノデアリマス、今日ニ於テ益〓ソレガ甚シクナッタノデアル參動交代ノ
  田舍ノ侍ガ居ル時分デモ、サウデアッタデアリマセウガ、今日之ガ帝國ノ大都府トナッテ、
  諸國ヨリ澤山人ガ集ッテ來ル、ソコデ眼ノ明イタ届强ノ按摩、若クハ紅粉ヲ粧ヒ綺羅ヲ
  飾ッタ按摩ヲ-男ノ按摩トハ別ノ問題ニ屬スルケレドモ、此問題ハ尤モ風紀問題ニ
  關係ヲ有ツモノデアリマス、デ盲目ハ何カラ起ルカト云フコトハ、固ヨリ病理上ノ〓究ニ俟
  タナケレバナラヌ、種々ナル原因モアリマセウガ、多クハ黴毒カラト聞クノデス、若モ黴毒カ
  ラ盲人ガ起ルト致シマスレバ黴毒ノ紹介ヲシ黴毒ノ媒介ヲスルトコロノ、彼ノ眼明按摩
  ト云フモノヽ中ノ彼ノ婦女子ノ眼明按摩ノ跡ヲ絕ツト云フコトガ大ニ徽毒ヲ豫防スル
  上ニ效力アリ、又社會ノ風俗ノ保護ノ上ニモ、大ナル影響ノアルコトヽ信ズル而シテ、此盲
  ニ對シテ特別ノ保護ヲ血ハヘ、試驗ヲ受ケテ、サウシテ按摩鍼ト云フモノガ、盲人ノ專業
  デアルト云フコトニ致シマシタナラバ、今後デス、若シ政府ガ法律ヲ制定シ、取締規則ヲ
  作ッテ、其下ニ之ヲ統一スルト云フコトニナリマシタナラバ、今眼明キノ一代 -宜ウゴザ
  イマスガ、ソレカラ後ハ眼明キガナクナッテ盲バカリニナルノデアリマスガ、サウスルト今日カ
  ラ心アルトコロノ眼明キノ按摩ハ早ク改悛ノ意ヲ表スルデアラウト思フ-改悛ノ意ヲ
  生ズルデアラウト思フ、成程憫ムベキ盲ノ領分ニ立入ッテ、自分ガ糊口ヲシテ居ルト云
  フコトハ、男子ノ耻デアル宜シク今ノ間ニ覺悟ヲ致サナケレバナラヌト云ウテ、彼等ガ盲
  ノ領分ヲ侵スコトヲ止メテ、眼明キノ仲間ヘ這入ッテ、競爭場裡ニ立ッテ、農夫トナリ工
  夫トナリ、種々ナル方面ニ力ヲ盡シマスレバ、又國家ノ公益デハアリマスマイカ、之ニ付
  イテ世間一二ノ批評ガゴザイマス、其批評ノ一ニハ個人ノ營業ノ自由ヲ奪フノガ如何
  ト云フ說ガアル、吾ミハ決シテ個人ノ自由ヲ奪フモノデハナイ、今申シマスル通、今日旣ニ
  既得權トナッテ居ル所ノ業ヲ奪取スルモノニアラズ、又眼明キガ絕對ニ按摩鍼ガ出來ヌ
  ト云フノデナイ、眼明ト雖モ、醫者トナリ看護婦トナリ、看護人トナッタナラバ、彼等ハ自
  由ニ按摩ヲスルコトガ出來ルノデアル、少シモ個人ノ營業ノ權利ヲ蹂〓スルト云フノデ
  ハアリマセヌデス、又檢査ヲ受ケタナラバ盲デモ眼明キデモ差支ナイデハナイカ、然ルニ盲
  バカリニスルト云ウタナラバ、此按摩鍼ト云フ業ノ進步妨グルモノデハアルマイカ、私共ガ
  今日マデ專門大家ノ意見ヲ聞キ、調査ヲ致シテ見マスルノニ、此按摩鍼ト云フモノ
  ハ、全ク指頭ノ業デアル指ノ先キデスル業デアル、指頭ノ感覺、卽チ觸感ハ盲目ハ餘
  程地ノ者ニ較ベテ見マスレバ、銳敏ニシテ且確實ナルモノデアル甚ダ斯樣ナ例ヲ茲ニ引
  クノハ如何デゴザイマスルケレドモ曾テ本院議員タリシトコロノ高木正年君モ過日モ會
  ヒマシタガ、君曰ク、自分ガ議員ニナッタトキハ、左樣ニ感ジナカッタケレドモ盲目後自分ノ
  動作ニ付イテ感ズルニ、著シク足ノ先キ若クハ指ノ先キノ感覺ガ銳敏ニナッタト云フコトヲ
  話サレマシタ、卽チ此接摩鍼ハ專ラ指頭ノ藝デアル、指頭ノ職業デアル、サウシテ此指頭
  ノ職業ハ觸覺ノ銳敏確實ナルモノト伴フノデアル、シテ見レバ此按摩鍼ト云フモノハ、盲
  人ニハ最モ適當致シタルトコロノコトデアルト私ハ信ジマスル、ケレドモ決シテ盲人デナイモ
  デアルカラ出來ヌトハ言ハヌ、出來ヌトハ言ハヌケレドモ、一方ニ彼等ハ前言フ通リ除外
  ノ途ガアッテ出來ルノデアリマスカラ、愈〓彼ガ按摩ノ大家トナリ、鍼ノ大家トナリ、按摩ノ
  博士トナリ、鍼ノ博士トナラントスルナラバ、其學藝ヲ攻究スルガ宜シイ、我國ニハ大寶
  令ヲ見テ見マスルト、古來典藥寮ニハ、醫博士ガアリ、醫師ト云フモノガアル、是ト同時
  ニ按摩師二人、按摩博士一人ト云フモノガアル、按摩生十人、鍼師五人、鍼博士一
  人、鍼生二十人アッテ是ハ大寶令ノアッタ時分カラ既ニ日本ニハ按摩鍼ト云フモノガアッ
  タノデアル、ソレガ時ニ消長アッテ、今日ノ如ク旺隆ヲ見テ居ルノデアルケレドモ、若シ是
  ガ日進學術ノ進步ニ伴ウテ固ヨリ採ルベキモノデアルト致シマシタナラバ、彼ノ歐米ニ行
  ハレルトコロノ「マッサーヂー」ト少シモ擇プトコロハナイ、現ニ日本ニ滯在スルトコロノ外國
  人ナドハ「マッサーヂー」ニシヤウカ、日本ノ按摩ニシヤウカ、ドチラニシヤウカト云フト、某
  國ノ公使ノ如キハ、ドウモ「マッサーヂー」ロリハ日本ノ按摩ノ方ガ宜イカラ、シテ呉レト
  云フ注文ガアルト云フコトヲ聞イテ居ルノデアリマス、サウ云フ譯デアリマシテ、決シテ盲
  人ニバカリ限ッテ許スト、ソレガタメニ此二ツノ道ガ衰微ヲスルナドト云フコトハ、毫頭ナイ
  ト信ジマスシテ見レバ本員ガ今玆ニ提出ヲ致シマシタル建議ノ趣意ニ依ッテ、政府ガ此
  保護ノタメニ法律ヲ制定スルカ、若クハ行政命令其他ノ取締方法ヲ制定致シテ、ソレニ
  依ッテ此保護ノ實ヲ舉ゲルヤウニスルカ、是等ノコトハ須ラク調査ノ上至急ニ致シテ貫ヒ
  タイモノデアルト存ズルノデアリマス、諸君、我國ハ外ニ向ヲテ强露ト戰ヒ、連載連捷シツ
  ツアルノデアル、外ニ向ヲテ帝國主義ノ發展ヲ見テ居ル次第デアル、外ニ向ッテ帝國主義
  ノ發展シテ居ル時代ニハ、內ニ於テハ極メテ微細ナル社會問題ノ下底ニマデ眼光ヲ徹底
  シテ、憐レムベキトコロノ境遇ニアルモノヲ救フト云フコトハ寧ロ我國ヲ大ナラシムル所
  以デアルト信ズルノデアリマス、唯國家主義帝國主義ノ發展バカリニ眼眩ンデ、此貴重ナ
  ル社會問題ノ解決ヲ怠リ、此貴重ナル慈善、博愛、平等、人道ニ適合シタル問題ノ
  解決ヲ誤ルト云フコトガアリマシテハ、殊ニ取返シノナラヌ千載ノ恨事デアルト確信ヲシテ
  居ル次第デアリマスル、希クハ諸君ハ、私ガ今述ベマシタトコロノ趣意ノ全部ニ付イテ、御
  同情ヲ垂レマシテ、此憐レムベキ盲人、此國家社會ガ當然保護シナケレバナラヌトコロノ盲
  人ノ境遇ニ向ッテ、一片同情ノ淚ヲ垂レテ、此建議案ノ通過ニナルヤウニシテ戴キタイト
  恩ヒマスル終リニ臨ンデ諸君ガ自分ノ愚論ニ向ッテ、長キ間ノ時間ヲ與ヘラレタルトコロ
  ノ御厚意ニ對シ、謹ンデ敬意ヲ表シマス
  〔拍手起ル〕

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• 132・遠山正和

  ○遠山正和君(百五十七番)　チヨット質問ガアル-政府ニ質問ガアルノデアル、チ
  ヨット發言ヲ許シテ貰ヒタイ

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• 133・松田正久

  ○議長(松田正久君)　遠山正和君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=133

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• 134・遠山正和

  ○遠山正和君(百五十七番)　私ノ御尋ネスルノハ簡單ナンデスガ、此唯今ノ問題ニ
  付イテ、イヅレ是ハ委員ニ付託ニナッテ調ベハアリマセウガ、簡單ニ此場合デ御尋シタイノ
  ハ鍼灸術ノ營業者ニ對シテ、内務省ハ明治十八年ニ達ヲ出シテ居ルソレハ相當ノ修業
  ト、相當ノ履歷トヲ閱シテ、ソレデ免許ヲ與ヘルト云フコトヲ達シテ居ル、此達ニ基イテ、
  從來ドウ云フ方法ヲ以テ、此鍼灸術ノ營業者ニ免許ヲ與ヘ來ヲテ居ルゾ、此數ガ何程
  ノ數デアリマスルカ、御尋シタイ
  〔政府委員山縣伊三郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=134

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• 135・山縣伊三郎

  ○政府委員(山縣伊三郞君)　唯今御尋ユナリマシタ二ツニ對シマシテハ、唯今調ベタ數
  字等ヲ持ッテ居リマセヌデ、イヅレ是ハ委員ニ御付託ニナルデアラウト思ヒマスカラ、其節
  詳細ニ申上ゲルコトニ致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=135

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• 136・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　本案ハ卽決ニシテモ宜シイヤウナ問題デゴザイマスガ、
  少シ鄭重ヲ要スルガタメニ、九名ノ委員ヲ議長指名ニセラレンコトヲ望ミマス
  〔「贊成々々」ノ聲起ル〕

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• 137・松田正久

  ○議長(松田正久君)　本案ヲ議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スル恆松君ノ動議ニ
  御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ)

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• 138・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ナケレバ其通リ決、九致シマス-議事日程第十六、馬
  匹改良ニ關スル建議案ヲ議事ニ附シマス、議案ノ朗讀ヲ省略シマス-小田文行君
  第十六馬匹改良ニ關スル建議案(小田文行外二名提出)
  馬匹改良ニ關スル建議案
  馬匹ノ改良ハ刻下ノ急務タルノミナラス國運ノ發展ト共ニ將來ノ一大事業ナリトス
  依リテ政府ハ速ニ適當ナル方法ヲ定メ其ノ實行ヲ期セムコトヲ望ム
  右建議ス
  〔小田交行君登壇〕

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• 139・小田文行

  ○小田文行君(二百三十六番)　諸君、私ハ本案提出者ノ一人トシテ此理由ヲ述ベ
  マスルノハ、甚ダ光榮ニ存ジマスル、併ナガラ此問題ハ大ナル問題デモアリ、且其施設方
  法ノ如キハ專門ノ人ト雖モ困難ナコトヽシテ居リマスルコトデアリマスカラ、無論素人ノ私
  ニハ十分ノ說明ハ出來ナイノデアリマスルカラ極ク簡單ニ其要領ダケヲ御話ヲ致シマシテ、
  諸君ノ贊成ヲ得ヤウト思ヒマス此馬匹改良ノコトニ付キマシテハ、夙ニ政府モ見ル所ア
  リ又帝國議會モ之ニ翼贊セラレテ、是マデモ其方針ヲ實行サレテ居リマスノハ、殊ニ結
  構デアリマス併ナガラ此現在ノ馬匹ナルモノハ、今ノ儘ナル政府ノ方針デ、其事業ヲ遣
  リ通シマシタナラバ國運ノ進步ト發達ニ伴ウテ往クコトガ出來ルヤ否ヤト云フコトニ付キ
  マシテハ、誰人モ此儘デハ出來ナイト云フコトハ、分ルコトデアラウト思ヒマス、吾〓提出
  者モ亦左樣ニ考ヘマシテ、此案ヲ提出シタノデゴザイマス、諸君モ御承知ノ通リ此事
  業ナルモノハ、他ノ事業トハ違ヒマシテ、少ナクモ十年カ二十年ノ後ニアラザレバ其效果
  ヲ見ルコトハ出來ナイノデゴザイマス、ソレ故ニ現在ニ於テ他ノ物品ト比較シマシテ、同等
  ナル資格ヲ有ッテ居リマシテモ、一倍ノ勢力ヲ加ヘテ、改良ニ從事シナケレバ、暫時ニシテ
  此馬ノ如キ牛ノ如キモノハ、後レヲ取ルノデゴザイマス、故ニ此馬匹ノ改良ノ問題ノ如キ
  ニ至リマシテハ、殆ド一年ノ後レハ、十年ノ後レニナルト云フコトデゴザイマス、此事ハ實
  ニ此產馬或ハ馬匹ノ改正ニ適當シテ、相當ノ事柄ト思ヒマス、先ヅ吾〓提出者ガ急
  務ト致シマスル其大要ノ一二ヲ舉ゲマスレバ第一種馬所ノ擴張ト改良ハ、是ハ目下ノ
  急務デアラウト思フ是ハ皆樣モ御承知ノ通、政府ハ先年卽チ日清戰役後、此種馬
  所ノ必要ヲ認メラレテ、二十九年ヨリ三十五年マデノ間ニ二箇所ノ種馬牧場ト數箇
  所ノ種馬所ヲ設定セラレマシタ、此種馬所ニ飼育サレテ居ルトコロノ種馬ヲ以テ、民間
  ノ種馬ニ配合ヲサレルノデゴザイマス、併ナガラ此種馬ハ、至ッテ僅カナモノデ、此數箇所
  ニ飼ハレテ居ル馬ハ、僅カ二百十一頭ホカナイノデゴザイマス、ソレモマダ其中ニ二歳モアツ
  テ、全ク使用スルコトガ出來ナイノガアルト思ヒマス、之ヲ全國ノ八十五万有餘ノ馬ニ配
  當ヲスルト云フコトデアリマスカラ、如何ニモ不足シテ居ルコトニナッテ居ル、殊ニ其中ニ貴
  種ナル種馬ノ如キハ極ク少ナイ、僅カニ二十五頭シカ居ラヌト云フ譯デゴザイマス、ソレデ
  或専門學者ノ獨逸ヤ佛蘭西ノ此馬ニ付イテノ調査ノ報告ヲ見マスト、獨逸デハ五箇所
  ノ種馬牧場ニ、十八箇所ノ種馬所ガアッテ、之ヲ飼育スルトコロノ馬ハ、二千九百九十
  八頭程アルト云フコトデ、之ニ蕃殖スル牝馬ヤ何カヲ併セマスルト、殆ド八千九百ト云フ
  ヤウナ馬ガアル、佛國ニ於テモ又三千四百五十頭ノ種馬ヲ、國家ガ有ッテ居ルト云フコ
  トデ、是ハ誠ニ盛ンナル事ダト思ヒマスル、旁く我國ノ產馬業ヲ發達シマスルニハ賣
  此種馬所ノ擴張ト改良ナルモノガ、必要ニ迫ッテ居ルコトヽ思ヒマス、殊ニ皆樣ノ御案內
  ノ如ク一方ニハ此改良ノ方法トシテ、、彼ノ去勢術ナド、云フコトモ、實勢ニ奬勵シテ行
  ハレテ居ル、是ニ依フテモ、速ニ此補助スベキ方法ヲ講ジナクテハナラヌト思ヒマス、ソレ
  カラモウ一ツハ馬政ト云フモノガ確立シテ居ラヌ、此馬政ト云フモノハ、實ニ必要デアル
  ト思ヒマスル、是ハヤハリ他外國ノ產馬地一ハ、何レノ國ニモ此馬政ト一云フモノガアッテ、
  十分ニ立シテ、活動シテ居ルヤウニ思ヒマス、我國ニハヤハリ是ハマダ立ッテ居リマセヌ
  ガ、此馬政ト云フモノモ、此產馬ノ改良ト云フコトヲ圖ルニ付イテハ至極必要ナコトデア
  リマスル、終リニ臨ミマシテ、チヨット一言致シマスルガ、此馬ノコトニ付イテハ、私ガ申スマ
  デモナク、皆既ニ此必要ノコトハ御認メデアルコトデアラウケレドモ唯之ヲ其儘ニ差措キマシ
  テハ容易ニ發達ノ時期ガナイコトデアリマス、現在今囘ノ日露ノ戰役ニ於テモ如何
  ニ此馬ニ付イテノ不足ヲ感ジテ居ルト云フコトハ御承知ノ次第デアリマスカラ、ドウカ
  諸君ニ於カレマシテモ、宜シク御贊成ヲ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=139

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• 140・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　是ハ九名ノ委員、議長指名ヲ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=140

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• 141・松田正久

  ○議長(松田正久君)　恆松君ノ動議、本案ヲ議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スルト
  云フコトニ、御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 142・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナケレバ、其通決シマス-是ヨリ議事日程ノ十七
  以下、卽チ特別報告ニ係ル議事ヲ開キマスルガ、其中ノ第十七、旱害地租特別免除ノ
  請願ト云フ、此問題ニ付イテハ既ニ委員長ヨリ先ニ報告ニナッテ居リマス、而シテ是ト
  同性質ノ法律案ガ、委員ニ付託サレテアリマス、ソレ故ニ議事ガ延期トナッテ居リマス
  ガ、既ニ此同性質ノ法律災害地地租免除ニ關スル法律案ハ、本月四日ハ通過シテ居
  リマス、全ク此請願ト同性質ノモノデアリマス故ニ、是マデノ例ニ依リマシテ、此十七ノ
  日程ハ議スルヲ要セザルコトニナリマシタカラ、御異議ガナケレバ此問題ヲ省キマス
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 143・松田正久

  ○議長(松田正久君)　御異議ガナイモノト認メテ、此十七ハ省キマスル、議事日程十
  八以下ハ未ダ報告ニナッテ居リマセヌカラ、請願委員長ヨリ報告ヲ併セテ同時ニ致シマス
  第十八(特別報告第四號)水利組合條例改正ノ(委員長報告)
  請願
  第十九(特別報告第五號)所得稅法中改正ノ請(委員長報告)
  願
  第二十(特別報告第六號)畜牛結核病豫防法廢(委員長報告)
  止ノ請願外件
  第二十一(特別報告第七號)鑛毒被害地地價修(委員長報告)
  正再調査ノ請願外四件
  第二十二(特別報告第八號)所得稅法中調査委(委員長報告)
  員選擧規定ニ關スル請願
  〔竹越與三郞君登壇)

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• 144・竹越與三郎

  ○竹越與三郞君(八十四番)　日程十八ニ上ッテ居リマス、水利組合條例改正ノ請
  願ハ、新潟縣ノ平民山崎久太郞外三百八十名カラ提出サレマシタ、紹介者ハ竹村良
  貞君、丹後直平君デアリマス、此趣意ハ水利組合條例ハ、數年實驗ノ結果トシテ、小
  サキ水利組合ニ向ヲテハ、效能ガアルケレドモ、數十里ニ亙ル灌漑數百町ニ亙ル水利組
  合ニ向クテハ、甚ダ盡サヾルトコロガアッテ、便利ガ少ナイカラ修正シテ貰ヒタイト云フ請
  願デゴザイマス、其不都合デアルト云フ一例ヲ舉ゲマスレバ、例ヘバ水上ニ於テ故意ニ堤
  防ヲ傷ケテ水ヲ流サレテシマウテ、水下ノ者ヲ苦シメルコトガアル、サウ云フ場合ニモ今日
  ノ水利組合條例デハ間ニ合セノ應急ノ手當ノ付ケヤウガナイ、斯ウ云フコトモ一ノ不自
  由デアリマス、ツレカラ此水利組合條例ハ、主トシテ組合組織ニ重キヲ置イテ、其水利ヲ
  保護スルト云フ精神ニ於テ、缺ケテ居ルノデ、此法律ノ結果トシテ、地方水利ノ習慣口
  碑ト云フモノガ段々減ジテ、唯權力ノアルモノガヤタラニ暴ヲ逞ウスル結果トナッテ、地方ノ
  人民ニ取メラ、甚ダ痛苦ガ多イ、又其水利ノ組合ノ管轄者ハ一二ノ町村長ニ托スルト
  云フヤウノコトハ小サキ組合ニハ宜イケレドモ大キナ組合ニ取ッテハナカ〓〓盡スコト
  ガ出來ザル事情ガアッテ、甚ダ不都合ナル結果ヲ生ズル、斯ウ云フ譯デアルカラ、水利
  組合條例ヲ改正シテ貫ヒタイト云フ請願デアリマス請願委員ハ其細目ニ至ッテハ悉
  ク同意スルコトハ出來ザルモ、大躰ノ趣意ニ於テ院議ニ付スベキモノト、決定シタ次第
  デアリマス、第十九ノ所得稅法中改正ノ請願ト云フノト、第二十二ノ所得稅法中調
  査委員選擧ニ關スル請願、此二ツハ同性質ノモノデ、卽チ所得稅調査委員ガ、郡部
  ト市部ト同ジク混合シテ、選舉セラレルノデ、利害ガ異ナッテ因ルト云フトコロカラ、ドウ
  ゾ之ハ郡市別々ニシテ貰ヒタイト云フ請願デアリマス、是ハ此前ニ名古屋ノ商業會議所
  ヨリノ請願ガアリマシテ、本員ハ此報告ヲ諸君ニ向ッテシマシタトコロガ、諸君ハ之ヲ院議
  ヲ以テ採ルベキモノト云フ、御決議ガアリマシタ、而シテ政府ハ同一ナ性質ヲ持ッテ居
  ル法律案ヲ出シマシテ、諸君ハ之ヲ御協賛ニナッテ、數日前通過致シマシタ、私ハ政府
  ガ請願ニ向ッテ、注意ヲ拂ッテ民論ヲ容レルコト、此一事ノ如ク多クノモノニ向ッテモ、等
  シク容レテ貫ヒタイト思フノデアリマス、第二十ノ日程ニアリマスル、畜牛結核病豫防法
  廢止ノ請願、東京市ノ中澤惣次郎外千三十三名カラ提出シタモノデアリマス、其請願
  ノ趣旨ハ、今日ノ畜牛結核病豫防法ハ、甚ダ效能ガナイ、而シテ弊害ガ多イ、故ニ廢
  止シテ貫ヒタイト云フコトデ、其效能ガナイト云フ一例ハ、今日ノ豫防法ニ於テモ、病
  牛ト認メラレタモノハ悉ク撲殺スルノデナク、重病ニ限シテ撲殺シテ、輕病ハ其儘ニシテ
  置クト云フコトデアル斯ノ如キ區々タル扱デハ、豫防スルコトガ出來ヌト云フコトハ、事
  實デアル、ソレカラ此獸類カラノ病氣ハ、人體ニ影響ヲセヌト云フ學說ガアル、然ルニ此豫
  防法ハ其學說ニ反シタコトヲ、原則トシテ居ルコトハ、間違デアルト云フコト、ソレカラ又
  牛ニ「ツベルクリン」注射ヲシテモ、ソレハ完全ナル豫防法デナイト云フコト、ソレカラ獸醫
  ガ、病牛ヲ試驗スルニ方ッテ、其方法ガ甚ダ不統一デアッテ、或ハ之ニ依ヲテ損ヲスル者
  ガアル、故ニ人民ハ其病苦ニ堪ヘヌト云フコトデアル、又モウ一ツノ理由ハ、サウ云フコ
  トデ甚ダ不完全ナル方法ニ依ッテ、檢査シナガラ、ヤタラニ病牛ト看做シ、之ヲ撲殺スル
  カラ、國家ニ取ッテハ多大ナル損失デアルト云フコト、、又サウ云フ方法ヲ以テ、獸醫ガ認メ
  次第ニ牛ヲ撲殺スルカラ、西洋種ノ牛ヲ所有シテ居ル者ニ取ッテハ、甚ダ不安心デアル、
  又ソレガタメニ畜牛ノ發逹ヲ妨ゲラレル、斯ウ云フ譯デアルカラ、此結核豫防法ハ廢止
  シテ貰ヒタイト云フ、請願デアリマス、請願委員ハ篤ト審査ヲシマシタガ、其趣意ハ大體
  ニ於テ、尤モト思フケレドモ、併シ免ニ角之ハ修正スベキモノデアラウガ、廢止シテ貫ヒタ
  イト云フ請願ダカラ、今ノ豫防法ノ不完全ナルコトヲ認メルコトニ於テハ一致スルカラ
  兔ニ角是ハ院議ニ附スベキモノト、斯ウ決定ヲシマシタ、此決定ヲ諸君ガ御討議ニナル
  ニ付イテ、御參考トシテ戴キタイコトハ、此廢止ノ請願ガ、請願委員會ニ於テ決定シタ
  ル後ニ、本院ニ於テ一議員ヨリ此畜牛結核病豫防法修正ノ案ガ出テ居リマス若シ
  廢止ト云フコトヲ御決定ニナルナラバ、此修正案ト云フモノニ付イテハ、多少ノ妨ゲデハナ
  イカト思フ、故ニ之ハ此事ヲ御考ニナッテ、ドチラカニ御決定ヲ願ヒタイ、其次ニ二十一
  ノ日程ニ上ッテ居リマスルノハ群馬縣ノ鑛毒被害地地價修正ヲ、再調査シテ貫イタイ
  ト云フ請願デアリマス、之ハ群馬縣新田郡鳥ノ〓村、同實泉村、同寶泉村ノ大字脇屋
  同別所村、新田郡之ハ强戶村ト讀ミマス、同山田郡、毛里田村、此五箇村
  ノ地價ヲ修正スルコト、他ト同樣ニシテ貰ヒタイト云フ、請願デアリマスルガ、之ハ委員
  會ニ於テ院議ニ附スベキモノト決定致シマシタ次第デアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=144

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• 145・松田正久

  ○議長(松田正久君)　今請願委員長ヨリ報告ニナリマシタ、日程ノ第十八水利組合
  條例ノ改正ノ請願、先以テ是ヲ討議ニ附シマスル

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=145

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• 146・松田正久

  ○議長(松田正久君)　委員長ノ報告通り御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=146

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• 147・松田正久

  ○議長(松田正久君)　然ラバ採擇スルコトニ決シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=147

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• 148・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　此次ノ日程ヨリ二十二マデヲ一括シテ、意見ヲ述ベタ
  ウゴザイマス、或ハ議シ或ハ議スルニ及バズト云フコトヲ·

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=148

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• 149・松田正久

  ○議長(松田正久君)　議長ニ考ガアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=149

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• 150・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　私ハ丁度議長ノ考ト同ジダラウト思フ
  〔笑聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=150

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• 151・松田正久

  ○議長(松田正久君)　第十九卽チ所得稅法中改正ノ請願、是ハモウ法律案ガ通
  過シマシタカラ、議スルノ必要ハ見ナイト考ヘマスガ、御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=151

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• 152・松田正久

  ○議長(松田正久君)　然ラバ是ハ省キマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=152

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• 153・恒松隆慶

  ○恆松隆慶君(百五十九番)　二十ト二十一ハ一括シテ、之ハ延期ノ法律案ガ既ニ
  出テ居リマスカラ、暫ク是ハ延期ニナルガ宜カラウト思ヒマス、仕舞ノ二十二ハ是ハ法律
  ガ決定ニナッテ居ルカラ、之モ議スルニ及バヌト思ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=153

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• 154・松田正久

  ○議長(松田正久君)　二十ト二十一、此二案ハ恆松君ヨリ延期シタイト云フコトデ
  アリマスガ、御異議ハアリマセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=154

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• 155・松田正久

  ○議長(松田正久君)　然ラバ此二案ハ延期ニ決シマス、其次ノ二十二ハ是ハモウ法
  律案ガ濟ンデ居リマスカラ、議スルコトハ不必要用ト認メルト云フコトニ、御異議ハアリ
  マセヌカ
  〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=155

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• 156・松田正久

  ○議長(松田正久君)　然ラバ之ハ議セザルコトニ決シマス-諸般ノ報告ヲ致マス
  政府ヨリ左ノ議案ヲ提出セラレタリ
  外國裁判所ノ囑托ニ因ル共助法案
  政府ハ左ノ議案ヲ撤囘セリ
  藥品營業竝ニ藥品取扱規則中改正法律案
  議員ヨリ左ノ議案ヲ提出セラレタリ
  府縣制中改正法律案
  提出者高橋安爾君板倉中君
  郡制中改正法律案
  提出者板倉中君高橋安爾君
  委員ヲ指定スル左ノ如シ
  居留民團法案
  竹越與三郞君松本君平君哲
  三井忠藏君兼松凞君大福江繩井藤久三雄郞藏君君君
  木下謙次郞君山口熊野君
  擔保附社債信託法案
  宮井茂九郞君神前修三君谷義三君
  元田肇君古賀庸藏君井西洋芋
  弁護石田孝吉君堀關大橫粕戶(〓〓〓)
  總大家 A 安 局 印 刷 局 分川眞田德三郞君直產糖
  和八 一 一 一 一 一 一 一守屋此助君田通過ぎは
  奧田義中澤楠彌太君濱口擔君
  所得稅免除ニ關スル法律案
  山本繁造君漆昌巖君福岡精一君
  大畑純次君鈴木摠兵衞君天野張るよ
  野木善三郞君井手武右衞門君永見寛二君
  蠶絲業組合法案
  工藤善助君井上甚太郞君上埜安太郎君
  南條吉左衞門君國須藤嘉吉君平島松尾君
  朝倉鐵藏君谷亨君淺野順平君
  會計法中改正法律案
  森本駿君新井章吾君三輪傳七君
  宮崎榮治君藤井牧太君久保伊一郞君
  竹村良貞君大熊三之助君小川平吉君
  盲人保護ニ關スル建議案
  中林友信君奧野市次郞君根本正君
  大竹貫一君飯島省三郞君星野仙藏君
  富島暢夫君三輪信次郞君山根正次君
  馬匹改良ニ關スル建議案
  瀨下秀夫君池田惟貞君阿部德三郞君
  佐藤里治君小田文行君齋藤勘七君
  關春茂君關口安太郞君丹尾賴馬君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=156

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• 157・松田正久

  ○議長(松田正久君)　次囘ノ議事日程ハ追テ公報ヲ以テ通知ニ及ビマス、本日ハ是
  ニテ散會致シマス
  午後四時四十一分散會

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002113242X01819050218&spkNum=157

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