1. 会議録本文
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000・会議録情報
明治四十一年三月十九日(木曜日)
午前十時六分開議
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議事日程 第十六號 明治四十一年三月十九日
午前十時開議
第一 滿洲に於ける領事裁判に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第二 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第三 感化法中改正法律案(政府提出衆議院送付) 第一讀會
第四 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第五 北海道國有未開地處分法改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第六 衆議院議員選舉法中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第七 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第八 日本水産銀行法案(衆議院提出) 第一讀會
第九 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十 漁業法中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十一 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十二 市制中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十三 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十四 町村制中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十五 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十六 明治三十四年法律第三十九號中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十七 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第十八 明治三十年法律第三十九號中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第十九 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第二十 關税定率法輸入税表中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第二十一 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
第二十二 地租條例中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第二十三 右議案の審査を付託すへき特別委員の選舉
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=0
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001・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ諸般ノ報告ヲ致シマス
〔東久世書記官朗讀〕
一昨十七日本院ニ於テ同意ノ議決ヲナシタル衆議院囘付政府提出刑法施行
法案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又同意ノ旨ヲ衆議院ニ通知セリ
同日本院ニ於テ修正議決シタル左ノ政府提出案ハ卽日之ヲ衆議院ニ送付セリ
陸軍刑法施行法案
海軍刑法施行法案
同日本院ニ於テ採擇ヲ議決シタル左ノ請願ハ各意見書ヲ付シ卽日之ヲ政府
ニ送付セリ
砂糖營業稅輕減ニ關スル請願
新案變聲音符採用ノ請願
北海道鐵道買收ニ關スル請願
渡良瀨川沿岸地方特別地價修正漏地地價修正ノ請願
渡良瀨川水害救治ノ請願
樺太島鰊刺網漁業否認ノ請願
廣島江津間鐵道速成ノ請願
庄內川改修ニ關スル請願
日露戰役ニ際シ城津居留被害民救濟ノ請願
酒造稅法中改正ノ請願
畑地租特免ノ請願
寺院ニ關スル法律制定ノ請願
租稅整理案ノ營業稅法改正案中物品販賣業稅率ノ甲種ニ豆類及菜種ノ二
種ヲ加フルノ請願
郡ノ境界變更ノ請願
酒造稅納期改正ノ請願
畑地租免除ノ請願
同日各特別委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
水利組合法案特別委員會
委員長伯爵萬里小路通房君副委員長濱口吉右衞門君
關稅定率法輸入稅表中改正法律案特別委員會
委員長子爵鍋島直彬君副委員長子爵三島彌太郞君
同日委員長ヨリ北海道國有未開地處分法改正法律案修正報告書ヲ提出セリ
同日衆議院ヨリ政府提出軍人恩給法中改正法律案ハ本院ノ議決ニ同意シ奏
上シタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
明治四十年法律第三十一號中改正法律案
公證人法案
同日衆議院ヨリ左ノ同院提出案ヲ受領セリ
衆議院議員選擧法中改正法律案
市制中改正法律案
町村制中改正法律案
質屋取締法中改正法律案
從三位子爵土御門晴榮君
昨十八日子爵議員補闕選擧ニ當選セラル
同日委員長ヨリ請願委員會特別報告第六號ヲ提出セリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=1
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002・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ本日ノ會議ヲ開キマス
〔伯爵正親町實正君發言ノ許可ヲ求ム〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=2
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003・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 正親町伯爵ハ何デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=3
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004・正親町實正
○伯爵正親町實正君 是ヨリ地方稅制限ニ關スル法律案ノ特別委員會ヲ開キ
やく、御差支ナクバ退席ヲ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=4
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005・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 正親町伯爵ノ特別委員會へ退席ノ要求ハ許可イタ
シテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=5
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006・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、昨十八日本院議員ニ當選
セラレマシタ土御門子爵ノ部屬ハ第八部ニ編入シ其席次ハ本多子爵ノ次席ニ
著席ノ通リ確定イタシマシタ、本會期モ切迫ヲ〓ゲマシタニ依リマシテ議案
配付後及各讀會ニ於ケル定規ノ日數ハ短縮イタシテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=6
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007・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=7
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008・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第一、滿洲ニ於ケル領事裁判ニ關スル法
律案、政府提出、第一讀會、議案ノ朗讀ハ本日ハ總テ省略イタシテ御異存ゴ
ザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=8
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009・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマスカラ省略イタシマス、外務
大臣林伯爵
〔左ノ通牒文及議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ茲ニ載錄ス以下之
ニ傚フ〕
滿洲ニ於ケル領事裁判ニ關スル法律案
右
勅旨ヲ奉シ帝國議會ニ提出ス
明治四十一年三月十六日
內閣總理大臣侯爵西園寺公望
司法大臣松田正久
外務大臣伯爵林董
滿洲ニ於ケル領事裁判ニ關スル法律案
第一條明治三十二年法律第七十號第九條乃至第十二條ノ規定ハ滿洲ニ於
ケル領事裁判ニ之ヲ適用セス
第二條滿洲ニ於ケル領事官ノ豫審ヲ爲シタル重罪ノ公判ハ關東都督府地
方法院之ヲ管轄ス
第三條滿洲ニ駐在スル領事官ノ管轄ニ屬スル刑事ニ關シ國交上必要アルト
キハ外務大臣ハ關東都督府地方法院ヲシテ其ノ裁判ヲ爲サシムルコトヲ得
第四條滿洲ニ於ケル領事官ノ爲シタル裁判及前二條ニ依リ關東都督府地
方法院ノ爲シタル裁判ニ對スル上訴ハ終審トシテ關東都督府高等法院之
ヲ管轄ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前受理シタル訴訟事件及非訟事件ニ關シテハ總テ從前ノ例ニ依ル
〔國務大臣伯爵林董君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=9
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010・林董
○國務大臣(伯爵林董君) 從來、滿洲ニ於キマシテ領事裁判ニ對スル上訴ハ
長崎地方裁判所及長崎控訴院ニ於テ之ヲ管轄イタシテ居リマシタ、又領事官
ノ豫審ヲナシタル重罪ノ公判ハ長崎地方裁判所ニ於テ之ヲ管轄シテ居リマス
ノデアリマスガ、今日ニナリマスト關東都督府ニ法院ヲ置キマシテ租借地竝
ニ鐵道敷地内ノ裁判ヲ管轄シテ居リマスニ付キマシテハ、其沿道ニアリマス
所ノ領事裁判ノ上訴モ亦關東州ノ法院ニ、高等法院ニモッテ行キマスコトヲ
最モ便利ト考ヘマスニ依ッテ、從來ノ仕來リヲ廢メマシテ關東都督府ノ法院
デ之ヲ管轄スルヤウニ致ジマス見込デ此案ヲ提出イタシマシタノデアリマ
ス、宜シク御賛成ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=10
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011・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御質問モナイト認メマスカラ、特別委員ノ選
擧ニ移リマス、諸君ニ此際伺ヒマスガ、本日ノ特別委員ハ總テ議長ガ指名ト
心得テ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=11
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012・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=12
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013・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第三、感化法中改正法律案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會、原內務大臣
感化法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
威化法中改正法律案
感化法中左ノ通改正ス
第三條感化院ニ關スル經費ハ北海道地方費及府縣ノ負擔トス
第五條感化院ニハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ヲ入院セシム
滿八歲以上十八歲未滿ノ者ニシテ不良行爲ヲ爲シ又ハ不良行爲ヲ爲
スノ虞アリ且適當ニ親權ヲ行フモノナク地方長官ニ於テ入院ヲ必要
ト認メタル者
二十八歲未滿ノ者ニシテ親權者又ハ後見人ヨリ入院ヲ出願シ地方長官
ニ於テ其ノ必要ヲ認メタル者
三裁判所ノ許可ヲ經テ懲戒場ニ入ルヘキ者
第十一條ノ二國庫ハ道府縣ノ支出ニ對シ勅令ノ定ムル所ニ從ヒ六分ノ
乃至二分ノヲ補助ス
第十三條ノ二府縣ハ共同シテ感化院ヲ設置スルコトヲ得
前項感化院ノ管理及費用分擔ノ方法ハ關係地方長官ノ協議ニ依リ之ヲ定
ム若シ協議調ハサルトキハ內務大臣之ヲ定ム
第十三條ノ三第五條ニ該當スル者ニシテ別ニ命令ヲ以テ定メタル者ハ之
ヲ國立感化院ニ入院セシムルコトヲ得
第六條乃至第九條、第十一條、第十二條及第十三條ノ規定ハ國立感化院ニ
之ヲ準用ス
第十四條中「府縣會ノ決議ヲ經」ヲ削ル
第十五條ヲ削ル
〔國務大臣原敬君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=13
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014・原敬
○國務大臣(原敬君) 此感化法ハ御承知ノ通リ刑法ノ改正ニ付キマシテ十四
歲未滿ノ者ハ罰セザルコトニナリマシタノト懲治場ト云フモノノ制ノ廢サ
レマシタニ付キマシテ、此感化法ヲ改正イタスノ必要ヲ認メタ譯デアリマス、
又各府縣ニ於テ感化院ヲ設ケマスニ付キマシテハ國庫ヨリ相當ノ補助ヲ與
ヘテ其成立ヲ促シタイト考ヘマスルシ、又場合ニ依リマシテハ國立ノ感化院
ヲ作ルノ必要アリト認メマシテ、ソレ等ノ點ニ於テ感化法ノ改正ヲ提出イタ
シマシタル次第デアリマス、宜シク御審査ノ上、御協賛ヲ希望イタシマス
〔男爵船越衞君發言ノ許可ヲ求ム〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=14
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015・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 船越男爵ハ何デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=15
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016・船越衞
○男爵船越衞君 チヨット質問ヲ致シタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=16
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017・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 宜シウゴザイマス宜シウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=17
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018・船越衞
○男爵船越衞君 本案ハ卽チ明治三十三年三月ノ法律ノ改正ニナッテ居リマ
スガ、此間ニ府縣ノ中デ感化院ヲ設立シタ所ガアリマスカ、若シアレバ何所
何所ニアルカ、其成績ハ斯ク斯クト云フコトヲ承ハリタイ、シテ此十三條ニ
「府縣ハ共同シテ感化院ヲ設置スルコトヲ得ート、是デ見ルト云フト府縣デハ
出來難イデ、共同サセテ、共同シテサスト云フヤウニナッテ居ルガ、共同ナ
ラバ果シテ出來ルカ如何、且ツ今凡ソノ費用モ分ラヌカモ知ラヌガ、斯ウ云
フ改正ヲシテ出セバ各府縣共同シテヤルト凡ソドノ位ノ費用ガ掛ルカト云フ
コトノ凡ソ見込ガアレバ此三箇條ヲ伺ヒマス
〔國務大臣原敬君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=18
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019・原敬
○國務大臣(原敬君) 唯今、船越男爵ノ御質問デアリマスガ、唯今表ヲ持參
イタシテ居リマセヌカラ確タルコトハ御答ヘ致シ兼ネマスガ、今日成立イタ
シテ居ル所ノ感化院ハ各地ニ於テ誠ニ僅カナ數デアリマス、然ルニ先刻申シ
マシタヤウニ刑法ノ改正ニ依リマシテハ成ルベク各地ニ之ヲ設ケサセルヤウ
ナ方針ヲ取ラヌケレバナラヌト考ヘマス、又之ヲ成立サセマスニ付キマシテ
ハ恰モ癩豫防法ノ實施ナドノヤウナ關係ト同樣デアリマシテ、相當ノ補助
ヲ國庫ヨリ與ヘナケレバナラヌト云フ必要ヲ認メマシテ此改正案ヲ提出シタ
次第デアリマス、經費ノ點ニ付キマシテ凡ソノ見込モアル譯デアリマスケレ
ドモ、是ハ地方ニ依リマシテ狀況ヲ異ニシテ居リマスカラ極メテ〓略ノ外申
上ゲ兼ネマスケレドモ、併シ國庫ヨリ補助スル所ノモノハ左ホド多額ナモノ
デハナイ見込デアリマス、尙ホ委シイコトハ委員會等ニ於キマシテ、ソレソ
レ表ヲ以テ御答へ致スコトニ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=19
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020・徳川家達
○議長(公爵徳川家達君) 議事日程第五、北海道國有未開地處分法改正法律
案、政府提出、第一讀會ノ續、委員長報告
北海道國有未開地處分法改正法律案
右別册ノ通リ修正セリ依テ及報告候也
明治四十一年三月十七日
右特別委員長
侯爵大炊御門幾麿
貴族院議長公爵德川家達殿
特別委員ノ修正ニ係ル條ノミヲ載錄
ス小字ハ修正文、ハ削除ノ符號
第十四條土地ノ賣拂又ハ第三條第二項ニ依ル貸付ヲ受ケタル者法令ノ規
○未成功地ノ全部ニ付賣拂又ハ貸付ノ
定又ハ豫定ノ事業方法ニ違反シタルトキハ。其ノ賣拂又ハ貸付ノ處分ハ
處分ヲ取消スヘシ此ノ場合ニ於テ拓殖上又ハ土地整理上支障アリト認ムルトキハ其ノ成功地ノ
一部又ハ全部ニ付亦同シ
之ヲ取消スヘシ但シ賣拂代金ハ之ヲ還付セス
賣拂ヒタル土地ニ付テハ賣拂代金ハ之ヲ還付セス
前項ノ場合ニ於テ拓殖上又、土地稽部士支際ナシト認ムルトキニ其
功地ノ一部又ハ全部ヲ付與スルコトヲ得
第十八條天災其ノ他避クヘカラサル事故ニ因ルニ非スシテ貸付地ヲ返還
〓第十四條第一項ノ處分
シ又ハニ實府名ノ付與ノ處分ノ取消ヲ受ケタル島合二於テ我採シタ
木アルトキハ其ノ相當代價ヲ辨償セシム
第十九條民有ト爲リタル土地ニ對スル地租ハ事業成功期間滿了ノ翌年ヨ
リ起算シ十年ノ後ニ非サレハ之ヲ賦課セス但シ素地ノ儘使用スル土地又
ハ交換若ハ第四條、第十四條第二項ニ依リ付與シタル土地ニ對シテハ民
有ト爲リタル翌年ヨリ起算ス
第二十條土地ノ賣拂又ハ付與ヲ受ケタル者六月以內ニ其ノ原因ニ依リ登
○ヲ請フトキ又ハ土地臺帳ニ登錄スル
記〓又ハ登錄ノ申請ヲ爲ストキハ其ノ登錄稅ヲ免除ス
前項ノ登記ノ申請ヲ爲ス者ハ其ノ申請書ニ本法ニ依リ處分セラレタル土
地タルコトヲ記載スルコトヲ要ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十五條ノ期間ハ舊法ニ依リ付與又ハ貸付シタル土地ニ付テハ仍從前ノ例
ニ依ル但シ本法施行ノ日ヨリ起算シテ第十五條ノ期間ヲ超ユルコトヲ得
|ス
ニ對シテハ本法ノ特定地ニ關スル規定ヲ適用ス
舊法第三條第一項ニ依リ貸付シタル土地ハ之ヲ本法ノ特定地ト看做ス
○賣拂ヒ交換若ハ
舊法ニ依リ0付與シタル土地ノ免租期間ハ仍從前ノ例ニ依ル但シ其ノ期間
本法施行ノ日ヨリ起算シ十年ヲ超ユルモノハ之ヲ十年ニ短縮ス
[子爵曾我祐準君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=20
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021・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 北海道國有未開地處分法改正法律案、此案ノ報告ハ委員
長大炊御門侯爵ガナサルベキ所デアリマスガ、此委員會ニハ度〓御〓席ニナ
リマシタニ依ッテ便宜上、私ヨリ報〓ヲ致シマス、本案ノ審査ハ色〓餘ホド
込入ッタ次第デアリマシタニ依ッテ、一ト通リ御報告ヲ致シマスニハ少シ時
間ヲ要シマスカラ豫メ御斷リヲ申上ゲテ置キマス、第一ニ本案ノ由來ニ就イ
テ少シ申上ゲタウゴザイマス、本案ハ北海道ニ取ッテハ最モ重要ナル法律デ
アリマス、北海道ノ如キ土地ニ餘リアッテ人ノ足ラヌ所ニ於キマシテハ、其餘
リアル未開墾地ヲ開キマシテ足ラザルノ所ノ人ヲ導キ集メルト云フコトガ何
ヨリ大切デアリマス、申スマデモナイソレガ唯一ノ重要ナコトデアリマス、左
樣ナ譯デアリマスカラ未開墾地ノ處分ニ付イテノ法律、未開墾地處分法ノ歷
史ニ溯ッテ見マスレバ、是ハ明治五年ニ始マッテ居リマス、其後幾度カ改正變更
アリマシテ、サウシテ現在法トナッテ居リマス現在法ハ三十一年ノ三月ニ規
定サレタ所ノ法デアリマス、現在法ニ於キマシテハ大小地積、卽チ大キナ地積
デモ小サイ地積デモ委シク云ヘバ小作人ヲ入レテ耕ヤス所ノ大地主卽チ大農
トモ云フベキモノ、又自分自ラ働イテ人ヲ使ハズニ自分デ耕ヤス小民卽チ小
農、此大農デアラウトモ小農デアラウトモ、又ハ耕作地デアラウトモ牧場デア
ラウトモ木ヲ植ヱル所ノ種樹地デアラウトモ皆ナ無代價デ付與スルコトニ今
日デハ相成ヲテ居リマス、其以前ハ色ミアリマシタガ、現在ハ左樣ニナッテ居
リマス、サウシテ開墾ノ上デ愈自分ノモノニ所有權ヲ決メル時分ニ政府ガ金
ヲ取ッテ決メタ時モアリマス、唯〓ハ無償付與ト云フコトニナッテ居リマス、
卽チ初ニ開墾ヲ願フトキハ無償デ貸與シテ、サウシテ成功ノ上、無償付與ス
ルコトニナッテ居リマス、是ガ現在法デアリマス、之ニ伴ヒマス所ノ法律ハ
種々アリマスケレドモ大趣意ハ左樣ナ譯ニナッテ居リマス、今度政府カラ提
出サレタ案ト申シマスルノハ大ニ其趣意ヲ異ニ致シマシテ、大地主ニ對シテ
ハ、卽チ小作人ヲ入レテ開ク所ノ大地主ニ對シテハ卽金拂下法ヲ用井ル、斯
樣ニナッテ居リマス、牧地デアラウトモ又耕地デアラウトモ樹林地デアラウ
トモ大地主ニ對シテハ價ヲ取ッテ、賣拂ッテ、サウシテヤルト云フコトニ
ナッテ居リマス、又小地主卽チ自分デ自ラ耕ヤス所ノ小農ニ對シテハ從前ノ
通リデアリマス、今日マデ北海道ニ於テ旣ニ處分サレタル土地ノ廣サト云フ
モノハ百三十萬町步バカリデアリマス、百三十萬町步バカリデアリマス、ソ
レカラ尙ホ此先キ處分セラルベキ土地ノ廣サト云フモノモ是モ大〓百三十萬
町步バカリデアリマス、或ハ百二十八萬町バカリデアリマス、委シイコトハ
分リマセヌガ、其外ニ尙ホ泥炭地ト云ッテ使用ニ供シ難イ地所モアリマス
政府ノ見込マレル所デハ百二十八萬町步バカリノ中デ耕作地トスベキモノガ
四十六萬町步パカリノ積リ、卽チ農業地ニシマス所ハ····其内ノ四分ノ三ト
云フモノハ小農ニヤル積リデアル、サウシテ四分ノ一ト云フモノ卽チ十一萬
五千町步バカリハ大農地、其他牧地トシテ七十七萬町步、樹地トシテ六萬町
步バカリノ見込デアリマス、此牧場樹林地ト云フモノハ決シテ小農ニハ出來
ヌコトデアリマスカラ、卽チ是ハ大農ニ屬シマスカラ、牧場林地ノ方ハ大農
ノ方ガ多ウゴザイマスガ、總面積ニ對シテハ大農ノ仕事ニ屬スベキモノガ非
常ニ多イノデアリマス、ソレデ今度改正ノ法案ヲ出サレマシタル趣意ノ重モ
ナルモノヲ申シマスレバ第一ハ弊害矯正デアリマス、第二ハ地權ノ利用、第
三ハ新財源、此三ツガ重モナル趣意デアリマス、ソレデ弊害ノ重モナルモノ
ハ、政府ノ申ス所デハ弊害ノ重モナルモノハ現今大地積ヲ無代價卽チ無償デ
以テ貸付若クハ無償デ付與スルニ依ッテ、是ガ弊害ノ基デアル、又地價モ立
木ノ價ト云フモノモ昨今ハ非常ニ以前トハ違ッテ、非常ニ昨今ハ價ガ出テ來
タ、ソレ故ニ尙ホ益〓縱シヤ興業ニ志ノ無イモノデモガ、良イ土地ヲ澤山ニ
占メテ置イテ他日大ナル利ヲ得ヤウ、斯樣ナ心ヲ以テ無暗ニ願出ル又無暗
ニソレヲ商賣ノ樣ニシテ居ル者モアッテ、土地ヲ得ムコトヲ欲シテ居ル、其
內ニハ仲買人ノ樣ナ者ガ出來テ種々雜多ノ弊害ガアル、是ガ一面ニハ拓殖ヲ
阻害スルノ甚シキモノデアル、俗ニ云フ山荒シ、地喰ヒナドト云フノハ此事
デアリマス、政府デハ山荒シトカ地喰ヒトカ云フ言葉ハ用井テ居ラレマセヌ
ガ、世間デサウ云フモノデアリマセウ、斯ノ如キモノハ矯正セネバナラヌ、
是ガ第一ノ趣意デアリマス、第二ハ地權ノ利用、卽チ土地ノ權利ノ利用、唯
今マデハ大農ニ對シテ土地ヲ貸付シテアルニ依ッテ抵當ニモナリ兼ネル、勿
論賣買モ出來ズ、金融上ニ不都合デアル、然ルニ今度ハ卽金デ賣拂フコトニ
スルニ依ッテ直ニ融通ガ付キ、卽チ擔保ニモ供スルコトガ出來、又之ヲ賣ル
コトモ出來ル樣ニシテ此缺點ヲ償フ、是ガ第二、第三ニハ新財源、是マデハ
無償デアッタモノヲ有償ニ致シマシタカラ、是ガ財源ニナルノハ明カナコト
デアッテ、別ニ說明ヲ要シマセヌ、此政府ノ希望通リナラシムレバ、四十一
年度ヨリ六十一年度ニ互ッテ二十年間ニ約九百萬圓クラ井ノ土地代價ガ得ラ
ルルデアラウ、政府ノ元ノ考ヘ通リデ賣レルナラバ斯ノ如キ大金ヲ得ルデア
ラウ、併ナガラ此計算ハ漠然タルモノデ、政府モ屹度一段步何圓、一町步幾
ラニ賣レルト云フコトヲ決メタノデハナイ、ザット推算シタダケヂヤト云フ
話デアリマス、況ヤ是ハ一一十年先キノコトデアリマスカラ、政府モ勿論確然ト
見込ガ立ッタ譯デアリマセヌガ、ザット九百萬圓得ラレルデアラウト云フ計算
ガ出タサウデアリマス、サウシテ此新財源ヲ得タナラバ之ヲ以テ北海道ニ必
要ナル施設ノ費用ニ費ヤスト云フ考ヘデアリマス、尤モ申スマデモナイ北海
道ノコトハ特別會計デアリマセヌカラ其金ガ直ニ北海道ニ使ヒ得ル譯デハア
リマセヌガ、一ノ財源ガアレバ大藏省ニ持ッテ行ッテモ北海道ニ出ス所ノ金
ガ得易イト云ノ趣意デアリマス、デ右ノ理由トシテ尙ホ政府ハ申サロマスニ
交通ノ便モ今日デハ大ニ開ケタ、物價モ略~平均シタ、土地材木ニ付イテハ
大ニ價格ヲ增シタ、今日ハイツマデモ舊法ヲ墨守スベキ時デハナイト口ヲ極
メテ北海道ノ進步發達ヲ稱揚サレ、又大ニ前日ト同ジカラザルコトヲ喋々說
カレマシタ、右ハ本案ノ歷史竝ニ提出ノ理由デアリマスガ、第一讀會ノ初ニ
於テ此案ニ付イテハ國務大臣カラモ政府委員カラモ此席ニ於テハ何等ノ說明
モアリマセヌデシタカラ諸君ガ此案ヲ決セラレルニ、ドウ云フ趣意デ出タモ
ノデアルカト云フコトノ御疑念ガアラウト思ヒマシテ、此案ヲ判斷サルル御
便利ノ爲ニ以上御話シ申シタ次第デアリマス、第二ニハ委員會ノ經過、竝
第一讀會ノ都合ヲ申上ゲマス、本委員會ハ去ル六日以來、十七日ニ至ルマデ數
囘開キマシタ、本案ノ性質トシテ之ニ伴フ施行規則ノ調査ト云フノハ最モ必
要ナコトデアリマス委員會ニ於テハ此事情アルガ爲ニ初メ數囘ハ全ク本案
ニ付イテノ調査デハナクテ此案ニ伴フ所ノ施行法ノ手續ノ質問ニ數囘ヲ費ヤ
シマシタ、其數囘ヲ費ヤシタ後、初メテ本案ノ質問ニ及ビ、更ニ進ンデ討論ニ
入リマシタ、討論ニ至リマシテ第一竝ニ第二ノ論者ハ共ニ原案反對論者デア
リマス、第一ノ論者ノ申サレマス重ナル趣)意ハ、政府委員ガ與ヘタル所ノ說
明書、竝ニ統計表等ヲ調査スレバ實ニ杜撰ナモノデアル、政府ノ立論ノ根據
ハ甚ダ不確實ナモノデアル、起案者ハ北海道ノ土地ニハ甚ダ精通シ居ラレヌ
ガ如キ感ヲ起スノデアル、本案第一ノ主眼タル弊害矯正ノ如キハ甚ダ御同意
ヲスル所デアル、サリナガラ其實効ニ至ッテハ大ニ疑ヒヲ存スル、却ッテ以
前ヨリモ弊害ヲ釀成スル所ノ機會ガ多クハナリハセヌカト云フホド疑フノデ
アル、大體ヲ摘ンデ申セバ斯ウ云フ譯デアリマス、第二ノ反對論者ハ北海道
ノ拓殖ハ今モ尙ホ前日ノ如ク困難デアル、前日ヨリハ宜カラウガ今モ尙ホ困
難デアル、說明書ニアル如キ樂ナモノデナイ、交通機關ノ如キモ全體ヲ通觀
スレバ尙ホ不便ナ所ガ澤山アル、物價ノ如キモ隅ミマデ平均シタトハ言ハレ
ナイ、又北海道ニ於テ企業ト云フモノハ何企業ニ限ラズ利益ガサウ多イモノ
デハナイ、現ニ失敗シテ產ヲ破ッタ者ハ數ヘラレヌホド澤山アルト、例ヲ引
キ證ヲ擧ゲテ改正案ヲ非難サレマシタ、又最モ强ク土地賣拂ニハ反對サレマ
シタ、此案ノ如クナラバ是ハ謂ハユル角ヲ矯メテ牛ヲ殺スモノデアル、移民
ノ心志ヲ阻喪シ開拓事業ヲ阻害スルモノト判定セザルヲ得ヌト第二ノ反對論
者ハ反對ヲサレマシタ第三ノ論者ハ議論デハアリマセヌ一ツノ建議ヲサレ
マシタ、其コトハ案其物ヨリモ之ニ伴フ所ノ附屬ノ規定ノ手加減ニ依ッテ大
ニ寬嚴ノ度ヲ異ニスル、大ニ事實上ニ異動ヲ生ズベキモノデアル、故ニ委員
中ヨリ三名ノ小委員ヲ選出シテ政府ニ交涉イタシテ施行規則ニ付イテ十分ニ
政府ノ意見ヲ確ノ、然ル後ニ本案ヲ決定シタナラバ宜カラウ、斯ノ如キ建議
ガ出マシタ所ガ、委員會ハ小委員說ヲ容レマシテ、直ニ三人、卽チ北垣男爵、
原保太郞君、ソレニ本員、此三人ガ其小委員ニ選バレマシテ、政府ト交渉ヲ
始メマシタ、第三ニハ小委員ノ經過報告ヲ申シマス、右ノ譯ニ依ッテ小委員
ハ直ニ政府ト交涉ヲ始メマシテ種々協議ヲ致シマシタ、然ル後、一ツノ協議
事項ト云フモノヲ交涉中ニ拵ヘマシタ、之ヲ讀ミ上ゲマスガ、實ハ委員會速
記錄ノ第六號ノ初ニ載ッテ居リマスカラ、速記錄ヲ御持チノ方ハ宜シウゴザ
イマスガ、御持合セノ無イ御方ノ爲ニ一應協議事項ヲ朗讀シマス
第土地賣拂代價ニ付テ
一農耕適地賣價ハ一町步金四圓五十錢以内卽チ一千坪ニ付一圓五十錢
以內トス
二牧畜適地賣價ハ一町步金三圓以内卽チ一千坪ニ付一圓以內トス
三植樹適地賣價ハ一町步一圓五十錢以内卽チ一千坪ニ付五錢以內トス
以上價格ハ明治五年以來同十九年迄實施シタル北海道土地賣貸規則ノ賣
價ニ則リタルモノナリ
第二未開地ノ立木賣拂ノ方法ニ付テ
未開地ノ立木ハ農耕適地、牧畜適地ニ對シテハ其地積內ニ於ケル可用立
木ノ二割ヲ付與スルモノトス
第三地積制限ニ付テ
-農耕適地ハ五百町步卽チ百五十萬坪
二牧畜適地ハ八百町步卽チ二百四十萬坪
三植樹適地ハ八百町步卽チ二百四十萬坪
以上ノ事項ハ之ヲ勅令ヲ以テ規定スルコト
小委員ドモ初メノ希望ハ此三箇條ヲ法律ノ正文ニ加ヘラレムコトヲ希望シタ
ノデアリマス、併シ斯ノ如クシマスルニハ種々ノ手數ガ要リマスシ、ナカナカ
急ノ間ニ合ヒマセヌノミナラズ、從前ニ於キマシテモ是等ノ制限ハ勅令若ク
ハ訓令ヲ以テ規定シテアリマシタニ依ッテ、勅令ニ加ヘルコトニ同意ヲ致シ
マシタ、尤モ施行規則ノ勅令ニハ此外ニ色〓規定サルベキコトハ澤山アリマ
ス、故ニ此施行規則ノ勅令モ完全ニ何モ彼モ含有シタ所ノ立案ハ面倒デアリ
マス、又我〓ガ必シモ關係スル必要ノモノデモアリマセヌニ依ッテ、唯此三件
ノミヲ協議事項ト致シマシテ、今朗讀シタヤウナ文、卽チ一種ノ約束ミタヤウ
ナモノガ出來マシタ次第デアリマス、唯〓朗讀シマシタ第一項ハ賣拂ノ地價
ノ制限デアリマスガ、初メ政府ハ之ニ對シテ耕作地九圓、牧畜適地六圓、植樹
ノ地ガ三圓、シカモソレハ最高價額デハナク、平均九圓、六圓、三圓、斯ノ如
クスル見込デアリマシタ、委員等ハ實ハ其積リノ餘リ高價ナルノニハ驚キマ
シタ、色〓政府カラ提出サレタ材料ニ依リマシテ調ベテモ見マシタガ、ドウ
モ今日斯ノ如ク高ク見ルノハ、チト不當デアラウト云フ鑑定ヲ委員デハ下シ
マシタ、サウシテ委員ノ方デハ三圓、二圓、1四、此三種ニシマシテ、ソレ
ヲ最高價額ト致シテハ如何ト云フコトヲ交涉イタシマシタケレドモ、政府ハ
堅ク爭ヒマシテ今少シ高イ所ニシテ置キタイト云フコトデアリマシタカラ、
前ニ朗讀シマシタル如ク、四圓五十錢、三圓、一圓五十錢此三種ニ中折レト
云フ譯ニ、詰リ落著シマシタ、尤モ其朗讀シマシタ通リ最高價額デゴザイマ
シテ、決シテ平均價額デハアリマセヌ、ソレ故ニ若シモ其土地ノ惡ルイ所ニ
ナリマシタナラバ耕作地デ云ヘバ最高價額ガ四圓五十錢デアリマスカラ、段
々惡ルイ所ハ二圓、一圓、マダ惡ルイ所ハ一圓以下ニ這入ルト云フヤウナコト
ニナリマスノハ自然ノ勢ヒデアリマス、況ヤ牧畜地ノ如キハ極ク廉イモノニ
ナラウト思ヒマス、事實ニ於テハ政府ノ主張ヨリハ三分ノ一クラ井ニモナラ
ウカトマア思ヒマス、其上ニ是ハ賣ル物デアリマスカラ買ヒ手ガ無ケレバ政
府ハ自然直段ヲ下ゲテ行クヨリ仕樣ガアリマスマイト思ヒマス、第二項ハ立
木ノ件デアリマス、是ハ法律ニハ何モ見エマセヌ一モ明文ニハ見エマセヌ、
併シ拓殖上ノ關係ハ最モ大ナルノハ此立木ノコトデアリマス、ソレデ重要事
項ト認メマシテ委員ノ交涉ノ一條件ト致シマシタ、元來ハ立木代ハ全ク大農
デアラウトモ小農デアラウトモ全部吳レタモノデアリマスガ、昨四十年ノ二
月以來ハ大小農トモニ立木ノ二割ダケヲ無償付與シテ、八割ダケヲ官ニ取ル
ト云フコトニ改メマシタ、是ハ現在ノ處分法ニハ何等ナイ所デアリマス、是
ハ訓令デサウ改メマシタ、然ルニ今度政府ノ考デハ此法實行ト共ニ更ニ改メ
マシテ小農ニハ全部ヲ遣ハス、今マデ二割シカ遺ハサナカッタノヲ全部ヲ遣ハ
ス今マデト申シマスノハ昨年ノ二月以後ノコトデアリマス、サウシテ大農
ニハ二割ヲ遣ハシ居ッタノヲバ全部取上ゲル、卽チ政府ハ卽金デ賣拂フ、斯樣
ニスル考デアリマシタ、政府ハ斯ノ如キ考デアリマシタニ依ッテ我ミドモ考
ヘマシタノニ、此小農ニ對シテ全部ヲ與ヘルコトニスルノハ厚キニ從フコト
デアリマスカラ異論ノ有リヤウハ無シ、今マデ二割シカヤラナカッタノヲ全
部ヤルト云フコトデアリマスカラ是ハ異論ハアリマセヌ、寧口大賛成デアリ
マズ、大農ハ元來元ハ全部デアッテ、昨年以來二割ヤルコトニナッテ居ッタ、ソレ
ヲ今度ヤラナイト云フコトハ隨分ヒドイデアラウ、斯ノ如クナレバ小作人ノ小
屋掛ヲスル材木サヘ他カラ求メテ來ナケレバナラヌコトエナルデアラウ、牧
場デアレバ牛馬ノ出ナイ爲ニ柵ヲ設ケル、其柵ニ用井ル材木サヘモ買ハナケ
レバナラヌコトニナリハセヌカ、ソレ故ニ先刻朗讀シマシタ如ク大農ニ對シ
テモ二割ダケハ無償付與ニ致シタイト云フ交渉ヲ致シマシテ、政府モ之ヲ容
レテ左樣ナリマシタ、唯樹林ヲ造ル所ノ土地ダケハ是ハ別ニ大シタ材木ノ必
要モアルマイニ依ッテ材木ガアレバ皆賣拂フ、卽チ大農ニハヤラナイ、斯ウ云
フコトニ協議事項デハ決リマシタ、又立木ノ價ハ平均ドレ位ノ積リデアルカ
ト云ヘハ、平均一町步ニ付イテ十二圓五十錢ト云フ積リデアル、尤モ立木ノ
コトデアリマスカラ、マルデ無イ所モアリマス、ハダカ山モアルガ、ソレモ
平均シテ十二圓五十錢ト云フ、斯ウ云フ定メデアリマスカラ、一方ニハ餘程高
イ木ガナクテハナラヌカラ、ドレ位ノモノガアラウカト云フコトヲ問ヒマシ
タラ、宜シイ所ハ三四十圓、一町步ニ付イテ三四十圓ノ價アル所モアラウト思
ウテ居ル、是ハチト高過ギハセヌカト思ヒマスケレドモガ、此賣拂方法ニ付イ
テ能ク承ッテ見マスルト、政府ハ評價員ト云フモノヲ置キ、其材木ノ價ヲ評價
セシメ、サウシテ賣ル、賣ル趣意ト云フモノハ別ニ其地主タルベキ所ノ卽チ土
地ヲ買フ所ノ人ニ迷惑ノ掛ラヌヤウナ其場所相當ノ價ニ賣ル、趣意ニ於テハ
別シテ其新ニ賣ル所ノ地主、新ニ得ムトスル所ノ地主ニ迷惑ノ掛ラヌヤウニ
スルト云フコトデアリマスルニ依ッテ、是ハ如何ニ高ク政府ガ見テモ其所ノ相
場ガ廉ケレバ廉イ、又果シテ高ケレバ高イ、別ニ是ハ開拓者.ニ取ッテハ直接ニ
何等ノ利益モ無ケレバ損害モ無イト思ヒマスルニ依ッテ、此事ニ付イテハ別ニ
協議事項ニモ加ヘズ、又多ク議論モゴザイマセヌデアリマシタ第三ノ今ノ事
項ハ大農ヘ賣拂フ地積ノ制限デアリマスガ、是ハ政府ノ初メノ考デハ新法ト
共ニ從來ノ地積ヲ減ジ耕地五百町步デアッタノヲバ二百町步ニ、牧畜植樹地
八百町步デアッタノヲ五百町步ニ減ズル卽チ五百町步ヲ二百町步ニ、八百町
步ヲ五百町步ニ減ズルト云フ見込デアッタガ、斯ノ如クナッテハ或ハ大農家ガ
經濟ノ合ハナイト云フ理由ヲ以テ段々企業者ガ減ルデアラウト云フ心配ガア
リマスニ依ッテ從前ノ如ク据置カレムコトヲ希望イタシマシタ、是ハ政府モ直
ニ同意サレマシタ、以上三項共ニ悉ク是ハ大農ノ權利ニ係ルコトデアリマス
ガ、小農ニ付イテハ如何ト云フニ、先刻モ申シマシタ通リ政府ノ今度ノ案ト申
シマスモノハ、小農ニ付イテハ頗ル寬裕ニナッテ居リマス、地積ノ如キモ從前
ハ五町步ニ限ラレテ居ッタノヲ、小農ニ對シテハ十町步マデ場所ニ依ッテハ許
ス、又立木ノ如キモ昨年以來二割ノミ無償付與スルトナッテ居ッタノヲ今度
ハ全部ヲ付與スルコトニナリマシタ、此全部付與スルト云フコトハ實際、是
ヨリ外ニ仕樣ガナイカラデアラウト推察シマシタケレドモ、兎ニ角、小農ニ
取ッテハ幾ラカ寬典ニナリマス、故ニ小農ニ付イテハ何等要求スル所モナケ
バイ政府ノ意見外ニコチラカラ何モ氣付キヲ申シタコトモアリマセス、之
ヲ要シマスルニ此法案ガ通過イタシマスレバ、此協議事項ヲ以テ勅令デ定メ
テ實行ヲサレル曉ニハ、大農ニ取ッテ現行法トドンナ違ヒガアルカト申シマ
スト、其重モナルモノハ、是マデハ土地ガ無償貸付デアッタノヲ、今度ハ賣拂
フ、卽チ卽金上納トナル、是ガ第一ノ變リデアリマス、サウシテ其價ハ先キ
ニ申シマスル如ク最高····一番高イ所ガ四圓五十錢、惡ルイ所ハ段々遞減ス
ル耕地トシテ一番良イ所ハ四圓五十錢、惡ルイ所ハ遞減スル、牧畜地ノ良
イ所ハ三圓、惡ルイ所ハ遞減スル、樹林地ノ一番良イ所ハ一圓五十錢、サウ
シテ惡ルイ所ハ遞減スル、斯ウ云フコトニナルノデアリマス、サウシテ又一
方ニソレト同時ニ今度ハ賣拂デアルガ爲ニ所有權ガ直ニ生ジテ來マス、今マ
デハ貸付デアルカラ所有權ハアリマセヌデアッタガ、今度ハ金ヲ出シテ買取
ル爲ニ直ニ所有權ガ生ジマス、是ハ又開墾者ナリ牧畜者ナリ大農ノ方ノ利益
デアラウト考ヘマス、其他ノ多少ノ違ヒハ本案ノ逐條ニ付イテ申シマス積リ
デアリマスカラ茲ニハ略シ置キマス、協議事項ノ三件ニ付キマシテノ說明ハ
唯今申シタ通リデアリマスガ、一言申添ヘテ置キタイノハ、今日ニ於テハ尙ホ
北海道ニ大農ヲ引入ルルノ必要アルヤ否ヤト云フ一點デアリマス、何人モ今
日ニ於テハ尙ホ必要アリト答ヘルデアリマセウ、況ヤ此牧畜業ノ如キハ今後
何人モ多ク望ヲ北海道ニ屬シテ居リマス、又北海道ニ最モ適當ナ業デアリマ
セウ、尙ホ此上、日本ニ多クノ牧畜場ヲ作ラナケレバナラヌト云フコトハ
何人モ感ジテ居ルコトデアリマセウ、此牧畜業ノ如キコトハ到底小農デハ出
來能ハヌコトデアリマス、ソレ故ニ北海道ノ事業ニ付イテ企業者ヲ阻喪セシ
メズ、開拓業ヲ阻害セシメズ、尙ホ益〓進ンデ盛ナラシムルコトハ第一ノ緊
要事件ト思ヒマス、古語ニモ水〓ケレバ魚棲マズト云フコトガゴザイマスカ
ラ、遺利ガ無ケレバ民ガ入リマセヌニ依ッテ、多少ノ遺利ハ企業者ニ得セシ
ムル所ガナケレバ決シテ開墾ノ事業ハ進ムマイト堅ク信ズルノデアリマス、
是等ハ小委員會ノ最モ主張シタル根源ノ理由デアリマス、然ル後此報〓ハ委
員會ノ容ルル所トナリマシテ、再ビ討議ニ移リマシタガ、反對贊成ノ議論ガ又
再ビ委員會ニ起リマシテ、一時ハナカナカ盛デアリマシタ、尋イデ大體議ニ付
イテ委員長ガ採決サレマシタガ、タシカ二人ニ對スル六人ト心得テ居リマス、
二人ニ對スル六人ヲ以テ可決イタシマシタ、サウシテ第二讀會ニ移ルベシト
云フコトニ相成リマシタ、第四ニハ第二讀會ニ付イテ申上ゲマス、第二讀會デ
アリマスニ依ッテ逐條審議ニ移ルコトニナリマシタガ、其初ニ當リマシテ先キ
ニ反對ヲサレタ所ノ一人ガ申サレマスニ、本案ノ土地賣拂ニ對シテハ自分ハ
絕對ノ反對論者デアッタガ小委員ノ非常ナル盡力、又政府モ大ニ讓ラレ其賣
價ニ於テモ半價以下ニモ下ゲラレ、制限モ置カレタ、斯クナッテ見レバ自分
ハドコマデモ持論ハ反對デアッタケレドモガ、最早格別反對ヲ主張スル必要
モ無イニ依ッテ、モウ異議ハ申サヌ、卽チ此修正案ニ諸君ノ盡力ニ對シテモ
贊成セズニハ居レヌニ依ッテ贊成スル、斯ノ如ク申サレマシタ、他ノ一人ノ
反對者ハ此時分ハ退席サレマシタニ依ッテ第二讀會以後ニ於キマシテハ全會
一致ヲ以テ此修正ヲ致シマシタ、政府モ亦修正ニ付イテハ總テ同意ヲ表セラ
レマシタ、今ヨリ修正ノ條項ニ付イテ少シク說明ヲ致シマス、本案ノ第二條、
卽チ「土地ノ賣拂」云々、是ガ先キニ申シマスル所ノ最モ重モナル本案ノ以前
ト違ッタ所ノ條項デアリマス、第三條ノ所ニ「特定」ト云フ字ガアリマスガ、
是ハ元ノ區劃割ト申シタ小農ニ與ヘル所ノ地面ノコトデアリマス、是ハココ
デハ何トモ書イテアリマセヌガ、先キニ申シマシタル通リ是マデ五町デアリ
マシタガ以後ハ十町マデヤルト云フコトニナリマシタ、併シ普通ハ五町ヲ以
テ目的トスル、地味ガ惡ルイトカ地形ガ惡ルケシバ十町マデニ及ブト云フ趣
意デアリマス、其他大〓以前ト同樣ナ條項デアリマスカラ、一々各條ニ就イテ
說明ハ致シマセヌガ、第十四條、是ニハ比較的、大キナ修正ヲシテアリマス、
併ナガラ事實ハ殆ド同ジコトデアリマス、此原案ノ言葉ノ立テ樣ガドウモ穩
デナイ、此言葉ノ立テ樣デ見ルト約束通リ行ハナカッタモノハ開墾シタ所モ
開墾セヌ所モ皆引上ゲテ仕舞フ、サウシテ問ヘガ無ケレバ開墾シタ所ダケハ
幾ラカヤルト云フ風ニナッテ居リマス、是ハ現行法トモ言葉ノ立テ樣ガ違フ、
ソレデ今度ハソレヲ約束ノ全部ニ於テ約束ニ違ッテ居ラウガ、開墾シタダケ
ハ兎ニ角、本人ニヤッテ約束通リ開墾シナカッタ未開墾地ヲ取上ゲル、其場合
ニナッテ土地ノ整理上ノヤウナコトデ已ムヲ得ヌトキハ開墾シタル所モ取上
ゲル、兎モ角モ開墾シタ所ダケヤッテ、開墾シナイ所ヲ取上ゲル、斯ノ如クシ
タ方ガ穩デアルト委員デハ認メマシテ此案ヲ出シマシタ、ソレカラ二項ノ所
デゴザイマスガ、此二項ハ元ハ一項ニアリマシタノデアリマス、是ハ少々不穩
ノヤウニ聞エマス、一度賣拂ッタモノヲ約束通リ開墾ヲセネバ取消スト云フ
論デアリマスカラ、貸シタ物ナラ宜イケレドモ賣ッタ物ヲ取消ス、又取上ゲ
ルト云フコトニナルト、サウスルト代價ヲヤラナイト云フコトデアリマスカ
ラ、チヨット見マスト隨分穩カナラヌ無理ナコトノヤウニアリマスケレドモ、
是ハ北海道ノ事情ニ少シク御通ジニナッテ居ル御方ハ能ク御承知ノ筈デアリ
マスガ、北海道ノ弊害タルヤ其大キナ土地ヲ占領シテ手ヲ著ケズシテ、サウ
シテ周圍ノ人ガ勉强シテ働ケバ自然其土地ガ騰ガル、自分ハ懷ロ手ヲシテ居
ッテ儲ケヤウトシテ居ル者モ澤山アッテ、何モセヌモノハ取上ゲルト云フコ
トハ北海道ノ事實ニ徵シテドウシテモ置カナケレバナラヌト云フ必要ナ事柄
ト考ヘマス、理窟ヲ言ヘバ無理ノヤウニ聞エマスケレドモ實際、北海道ヲ開
クニハ最モ先キニ其弊害ヲ止メナクチヤナラヌ、ソレデ餘儀ナク「前項ノ場
合ニ於テ賣拂ヒタル土地ニ付テハ賣拂代金ハ之ヲ還付セス」取上ゲテ仕舞フ
ト斯樣ニナラネバナラヌト思ヒマシテ、委員ガ之ヲ修正シタノハ文字ノ並べ
樣デアリマス、此趣意ハ原案ニモアリマシタガ、委員モ之ニ贊成ヲ致シマシ
タ、是ハ餘儀ナク贊成シナケレバナラヌ條項ト思ヒマス、又拓殖ニ從事スル
者ハ初メニ此約束デ行クノデアルカラ、ソレガイヤナラ行カヌマデノコトデ、
此約束ニ依ッテ行クノデアリマスカラ、アトニナッテ小言ノ言ヒ樣ハアルマ
イト思ヒマス、十五條ニ付イテハ少シ以前ト違ヒマス所ノ第一號ノ「一年」ト
アル所ガ元「二年」デアリマシテ、第二號ノ「二年」トアルノガ元「三年」デアリ
マシテ、是ハ小事件デアリマスカラ別段說明ヲ致シマセヌ、第十八條ノ修正
ハ、是ハ十四條ノ修正ノ先ヅ結果デアリマス、別ニ說明ハ致シマセヌ、第十
九條、是ニハ二タ所修正ニナッテ居リマスガ、北海道デハ是マデハ鍬下ト申
スガ如キ時間ガ甚ダ長クアリマシテ、開墾イタシマシテ、サウシテ已ニ所有
權ガ歸シマシテヨリ凡二十箇年ノ免租デアリマス、隨分長イ免租デアリマス、
然ルニ此度ハソレヲ十箇年ニ致シタイ、斯ウ云フ案デアリマス、併ナガラ二
十箇年ヲ十箇年ニスルト言ヘバ半分ニ縮メルヤウデアリマスケレドモ、事實
ハ少シクソレヨリモ寬裕ナンデ、ナゼナラバ今度十箇年デ開墾スルト云フ約
束ヲシテ、若シ五箇年ニ開墾シテ仕舞ヒマシテモ其開墾年間ノ間ガ十箇年間
ト云フコトデアリマスカラ、初メ十箇年中ニ成功スル約束ガ五箇年間ニ成功
シテモ矢張リソレハ縮メマセヌノデアリマスカラ、著手シテ二十箇年ノ後デ
ナケレバ稅ガ付カヌト云フコトニナリマス、以前デ見マスレバ成功シテ既得
權、卽チ所有權ヲ得レバソレカラ二十年ト云フ譯デアリマスカラ、若シモ急
イデ開墾スレバ十箇年ノモノハ五箇年ニシテ開墾シテ仕舞ウテ著手ノ初メヨ
リ二十五箇年目ニ稅ガ附セラレルト云フ譯ニナリマスカラ、全ク十箇年縮ン
ダトハ言ヒ難ウゴザイマス、是ハ同意イタシマシタ、先キノ十四條第二項ヲ
削リマシタ是ハ自然ノ結果デアリマス、二十條ノ修正ハ是ハ唯登錄ノ申請ト
云フコトハ事實ニ於テ必要ガナイト云フコトデ、臺帳ニ登錄スルト云フコト
ヲ書イタダケデアリマス、登錄トカ云フモノハ申請シナイモノダサウデアリ
やす、私ハ至ッテ不案内デアリマス、ソレカラ附則ニ行キマスト、附則ノ一
號ハ元ノ儘、是ハ四號マデアリマスガ、此二號ト四號ハ同一ノ理由デ削減イ
タシマシタ、同一理由デアルニ依ッテ一〓ニ申上ゲマス、是ハ以前ノ法ニ依
ッテ土地ノ貸付ヲ受ケテ居ッタ者ハ、是ハ原案ヲ見マスト今度ノ法ハ主トシテ、
ソレヲ期限ヲ短カメルト云フコトデアリマス、是ハ先ヅ既得權ミタヤウナモ
ノデ、純粹ナル旣得權ト言ヒ得ルヤ否ヤハ知リマセヌケレドモ、旣ニ約束ノ
旣得權ミタヤウナモノニナッテ居ル、法ヲ變ヘルカラト言ッテ、アトカラ追
ッカケテ年期ヲ縮メルト云フコトハ穩カデアルマイト云フノデ、兩方トモ是ハ
削リマシタ、政府モ同意ヲナサレマシタ、第三項ノ修正ハ意味ニ於テハ違ヒ
マセヌガ、文字ガ穩カデナイ、「本法特定地ト看做ス」トアリマスケレドモ、是
ハ特定デナイモノヲ特定地ト看做スト云フトヲカシイカラ何カ書キ樣ガアル
マイカト云フコトデ「特定地ニ關スル規定ヲ適用ス」ト斯樣ニ變へマシタノ
デアリマス、此報告ヲ終リマスニ付キマシテ委員ノ多數、若クハ委員一同トモ
申シ得ラレマスカ知レマセヌガ、少クトモ多數デアリマス、委員多數ノ本案
ニ對スル觀念ニ付イテ一言申上ゲマス、目下北海道ノ弊害矯正ノ必要ナルコ
トハ是ハ多ク天下ノ認ムル所デアラウト思ヒマス、新長官ガ銳意熱心ニ之ニ
從事サルルノハ大ニ多トスル所デアリマス、又私ドモ甚ダ喜ブ所デアリマス、
併ナガラ此改正案ハ果シテ幾バクノ效ヲ奏スベキカト云フコトハ、豫メ何ト
モ申兼ネルヤウナ心地イタシマス、畢竟法律ト云フモノハ死物デアル、人間ハ
活物デアル死物ノミニ依賴シテ大ニ改良ヲ圖ル如キハ抑〓餘リ當ヲ得タルコ
トデアルマイト思ヒマスノデアリマス、サリナガラ此際面目ヲ改メ人心ヲ
洗スルニハ法律ノ改正ハ又決シテ必要ナイトハ思ヒマセヌ、謂ハユル人心ヲ
一洗セシメ、面目ヲ改メル、是ハ今日必要デアルニ依ッテ、此際法律ノ改正
モ亦必要ナシトハ認メマセヌ、是ガ一ツノ觀念デアリマス、又本案ノ新財源
ヲ得ルト云フコトニ付イテハ是ハ我ガ國家ノ今日ノ財政ノ困難ナル折柄デア
リマスニ依ッテ多少ニ拘ラズ其途アリト聞ケバ勿論贊成スルノハ當リ前ノコ
トデ···當然ノコトデアリマス、サリナガラ餘リ又財源ヲ求ムルニ急ニシテ、
諺ニ謂ハユル鹿ヲ逐フ者ハ山ヲ見ズト云フヤウナコトニナリマシテハ、拓殖
ノ事業ヲ阻害スルニ至ルヤモ測ラレナイ、ソレ故ニ我〓委員ハ本案ヲ議スル
ニ當リマシテ此邊ヲ斟酌イタシマシテ、餘リ山ヲ見ナイヤウナコトヲシナイ
ダケノ注意ヲ致シタ積リデアリマス、又此案ノ改正モ時ニ取ッテ必要ノコト
デアラウト云フ觀念ヲ持チマシタ、是ガ第二ノ觀念デアリマス、故ニ協議事
項ニ於キマシテモ本案ノ修正ニ於キマシテモ此位ノ制限ヲ立テタナラバ、適
當デアルト信ジマシテ、卽チ此案ヲ修正可決イタシマシタ次第デアリマス、
ドウカ諸君ニ於キマシテ此委員等ノ考ヘマシタ所ヲ、ドウゾ能ク御參考クダ
サッテ、ドウカ本案ノ可決セラレムコトヲ偏ニ希望シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=21
-
022・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御發言モ無イト認メマスカラ採決ヲ致シマ
ス、本案ノ第二讀會ヲ開クベシトスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=22
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023・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=23
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024・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 直ニ第二讀會ヲ請求イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=24
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025・田中芳男
○田中芳男君 賛成
〔其他「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=25
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026・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 曾我子爵ノ本案ノ第二讀會ヲ直ニ開ク說ヲ可トス
ル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=26
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027・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=27
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028・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第二讀會ヲ開キマス、本案全部ヲ問題ニ供シ
マス····特別委員會ノ報告ヲ可トスル諸君ノ起立ヲ請ヒマス
起立者多數発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=28
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029・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 過半數ト認メマス、是デ第二讀會ハ終リマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=29
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030・曾我祐準
○子爵曾我祐準君 直ニ第三讀會ヲ開カレムコトヲ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=30
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031・大田原一清
○子爵大田原一〓君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=31
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032・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第三讀會ヲ開イテ御異存アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=32
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033・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=33
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034・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 直ニ第三讀會ヲ開キマス、全部御異存ゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=34
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035・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=35
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036・黒田長成
○侯爵黑田長成君 此際動議ヲ提出イタシマス、ソレハ一昨十七日配付ノ公
證人法案ハ條數モ多シ且ツ會期切迫ノ際デアリマスカラ、唯今ヨリ議事日程
ヲ變更シテ、此公證人法案ノ第一讀會ヲ開カレテ、速ニ委員付託ニナラムコ
トヲ希望イタシマス、玆ニ日程變更ノ動議ヲ提出イタシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=36
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037・廣澤金次郎
○伯爵廣澤金次郞君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=37
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038・川村鐵太郎
○伯爵川村鐵太郞君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=38
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039・寺島誠一郎
○伯爵寺島誠一郞君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=39
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040・堀田正養
○子爵堀田正養君 贊成
〔其他「贊成」ト呼フ者アリ.〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=40
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041・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 黑田侯爵ノ議事日程追加ノ動議ニ對シテハ御異存
ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=41
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042・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=42
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043・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 是ヨリ公證人法案第一讀會ヲ開キマス
公證人法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因テ議院法第五十四條ニ依リ及送付
候也
明治四十一年三月十七日
衆議院議長杉田定
貴族院議長公爵德川家達殿
小字ハ修正、
ハ削除ノ符號
公證人法
第一章總則
第一條公證人ハ當事者其ノ他ノ關係人ノ囑託ニ因リ法律行爲其ノ他私權
ニ關スル事實ニ付公正證書ヲ作成シ及私署證書ニ認證ヲ與フルノ權限ヲ
有ス
第二條公證人ノ作成シタル文書ハ本法及他ノ法律ノ定ムル要件ヲ具備ス
ルニ非サレハ公正ノ效力ヲ有セス
第三條公證人ハ正當ノ理由アルニ非サレハ囑託ヲ拒ムコトヲ得ス
第四條公證人ハ法律ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外其ノ取扱ヒタル事件
ヲ漏泄スルコトヲ得ス但シ囑託人ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス
第五條公證人ハ他ノ公務ヲ兼ネ、商業ヲ營ミ又ハ商事會社若ハ營利ヲ目
的トスル社團法人ノ代表者若ハ使用入ト爲ルコトヲ得ス但シ司法大臣ノ
許可ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス
第六條公證人其ノ職務ノ執行ニ付囑託人其ノ他ノ者ニ損害ヲ加ヘタルト
キハ其ノ損害カ公證人ノ故意又ハ重大ナル過失ニ因リテ生シタル場合ニ
限リ之ヲ賠償スルノ責ニ任ス
第七條公證人ハ囑託人ヨリ手數料、日當及旅費ヲ受ク
公證人ハ前項ニ記載シタルモノヲ除クノ外何等ノ名義ヲ以テスルモ其ノ
取扱ヒタル事件ニ關シテ報酬ヲ受クルコトヲ得ス
手數料、日常及旅費ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條區裁判所ノ管轄區域內ニ公證人ナキ場合又ハ公證人其ノ職務ヲ行
フコト能ハサル場合ニ於テハ司法大臣ハ其ノ區裁判所ヲシテ管轄區域內
ニ於テ公證人ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ判事差支アルトキハ裁判所書記ヲシテ公證人ノ事務ヲ
取扱ハシムルコトヲ得
第九條本法及他ノ法令中公證人ノ職務ニ關スル規定ハ公證人ノ事務ヲ取
扱フ判事又ハ裁判所書記ニ之ヲ準用ス但シ第七條ニ依ル手數料、日當及
旅費ハ國庫ノ收入トス
第二章任免及所屬
第十條公證人ハ地方裁判所ノ所屬トス
各地方裁判所所屬公證人ノ員數ハ區裁判所ノ管轄區域每ニ司法大臣之ヲ
定ム
第十一條公證人ハ司法大臣之ヲ任シ及其ノ屬スヘキ地方裁判所ヲ指定ス
第十二條左ノ條件ヲ具備スル者ニ非サレハ公證人ニ任セラルルコトヲ得
ス
帝國臣民ニシテ成年以上ノ男子タルコト
二一定ノ試驗ニ合格シタル後六月以上公證人見習トシテ實地修習ヲ爲
シタルコト
試驗及實地修習ニ關スル規程ハ司法大臣之ヲ定ム
第十三條判事、檢事又ハ辯護士タルノ資格ヲ有スル者ハ試驗及實地修習
ヲ經スシテ公證人ニ任セラルルコトヲ得
第十四條左ニ揭クル者ハ公證人ニ任セラルルコトヲ得ス
一禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者但シ二年以下ノ禁錮ニ處セラレタル
者ニシテ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル
トキハ此ノ限ニ在ラス
二破產又ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケ復權セサル者
三禁治產者及準禁治產者
四懲戒ノ處分ニ因リ免官若ハ免職セラレタル者又ハ辯護士法ニ依リ除
名セラレタル者ニシテ免官、免職又ハ除名後二年ヲ經過セサル者
第十五條司法大臣ハ左ノ場合ニ於テ公證人ヲ免スルコトヲ得
-公證人免職ヲ願出テタルトキ
二公證人期間內ニ身元保證金又ハ其ノ補充額ヲ納メサルトキ
三公證人身體又ハ精神ノ衰弱ニ因リ其ノ職務ヲ執ルコト能ハサルニ至
リタルトキ
前項第三號ノ場合ニ於テハ所屬地方裁判所ヲ管轄スル控訴院ニ於ケル懲
戒委員會ノ議決ヲ經ヘシ
第十六條公證人第十四條第一號乃至第三號ニ該當スルニ至リタルトキハ
當然其ノ職ヲ失フ
第三章職務執行ニ關スル通則
第十七條公證人ノ職務執行ノ區域ハ其所屬地方裁判所ノ管轄區域ニ依ル
第十八條公證人ハ司法大臣ノ指定シタル地ニ其ノ役場ヲ設クヘシ
公證人ハ役場ニ於テ其ノ職務ヲ行フコトヲ要ス但シ事件ノ性質カ之ヲ許
ササル場合又ハ法令ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限ニ在ラス
公證人ハ其ノ役場內ニ住居スヘシ但シ司法大臣ノ許可ヲ得タルトキハ此
ノ限ニ在ラス
第十九條公證人ハ任命ノ辭令書ヲ受ケタル日ヨリ十五日以內ニ所屬地方
裁判所ニ身元保證金ヲ納ムヘシ
身元保證金ノ額ハ土地ノ情況ニ從ヒ三百圓以上千圓以下ノ範圍內ニ於テ
司法大臣之ヲ定ム
身元保證金ノ額ニ不足ヲ生シ補充ノ命令ヲ受ケタルトキハ其ノ命令ヲ受
ケタル日ヨリ三十日以内ニ其ノ不足額ヲ補充スヘシ
公證人身元保證金ヲ納メサル間ハ其ノ職務ヲ行フコトヲ得ス
第二十條身元保證金ヲ還付スヘキ場合ニ於テハ其ノ身元保證金ノ上ニ
權利ヲ有スル者ニ對シ六月ヲ下ラサル期間内ニ申出ツヘキ旨ヲ公〓スヘ
シ
身元保證金ハ前項ノ期間ヲ經過スルニ非サレハ之ヲ還付セス
身元保證金ハ他ノ公課及債權ニ先チテ之ヲ第一項ノ公告費用ニ充ツ
第二十一條公證人ハ其ノ職印ノ印鑑ニ氏名ヲ自署シ之ヲ所屬地方裁判所
ニ差出スヘシ
公證人前項ノ印鑑ヲ差出ササル間ハ其ノ職務ヲ行フコトヲ得ス
第二十二條公證人ハ左ノ場合ニ於テ其ノ職務ヲ行フコトヲ得ス
囑託人、其ノ代理人又ハ囑託セラレタル事項ニ付利害ノ關係ヲ有ス
ル者ノ配偶者、四親等內ノ親族又ハ同居ノ戶主若ハ家族タルトキ親
族關係カ止ミタル後亦同シ
二囑託人又ハ其ノ代理人ノ法定代理人又ハ保佐人タルトキ
三囑託セラレタル事項ニ付利害ノ關係ヲ有スルトキ
四囑託セラレタル事項ニ付代理人若ハ輔佐人タルトキ又ハ代理人若ハ
輔佐人タリシトキ
第二十三條公證人職務上署名スルトキハ其ノ職名、所屬及役場所在地ヲ
記載スヘシ
第二十四條公證人ハ所屬地方裁判所長ノ認可ヲ受ケテ筆生ヲ置キ執務ノ
補助ヲ爲サシムルコトヲ得
前項ノ認可ハ必要ナル場合ニ於テハ何時ニテモ之ヲ取消スコトヲ得
第二十五條公證人ノ作成シタル證書ノ原本、其ノ附屬書類及法令ニ依リ
公證人ノ調製シタル帳簿ハ事變ヲ避クル爲ニスル場合ヲ除クノ外之ヲ役
場外ニ持出スコトヲ得ス但シ裁判所又ハ豫審判事ノ命令又ハ囑託アリタ
ルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ書類ノ保存及廢毀ニ關スル規程ハ司法大臣之ヲ定ム
第四章證書ノ作成
第二十六條公證人ハ法令ニ違反シタル事項、無效ノ法律行爲及無能力ニ
因リテ取消スコトヲ得ヘキ法律行爲ニ付證書ヲ作成スルコトヲ得ス
第二十七條公證人ハ日本語ヲ用ウル證書ニ非サレハ之ヲ作成スルコトヲ
得ス
第二十八條公證人證書ヲ作成スルニハ囑託人ノ氏名ヲ知リ且之ト面識ア
ルコトヲ要ス
若·
公證人囑託人ノ氏名ヲ知ラス又パ之ト面識ナキトキハ其ノ本籍地又ハ寄
○又ハ氏名ヲ知リ且
留地ノ市區町村長ノ作成シタル印鑑證明書ヲ提出セシメ○其ノ人違ナキ
面識アル證人二人ニ依リ
コトヲ證明セシムルコトヲ要ス但シ囑託人外國人ナルトキハ警察官吏又
ハ帝國ニ駐在スル本國領事ノ證明書ヲ以テ印鑑證明書ニ代フルコトヲ得」
急迫ナル場合ニ於テ公證人法律行爲ニ非サル事實ニ付證書ヲ作成スルト
キハ前項ノ手續ハ證書ヲ作成シタル後三日內ニ證書ノ作成ニ關スル規定
ニ依リ之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ手續ヲ爲シタルトキハ證書ハ急迫ナル場合ニ非サルカ爲其ノ效力
ヲ妨ケラルルコトナシ
第三十四條第三項ノ規定ハ第二項ノ證人ニ之ヲ準用ス
第二十九條囑託人日本語ヲ解セサル場合又ハ聾者若ハ啞者其ノ他言語ヲ
發スルコト能ハサル者ニシテ文字ヲ解セサル場合ニ於テ公證人證書ヲ作
成スルニハ通事ヲ立會ハシムルコトヲ要ス
第三十條囑託人盲者ナル場合又ハ文字ヲ解セサル場合ニ於テ公證人證書ヲ作成スルニハ立會人ヲ
立會ハシムルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ囑託人立會人ヲ立會ハシムルコトヲ請求シタル場合ニ之ヲ準用ス
三
第三十〓條代理人ニ依リ囑託セラレタル場合ニ於テハ前二條ノ規定ハ其
ノ代理人ニ之ヲ適用ス
二
第三十一條代理人ニ依リ囑託セラレタル場合ニ於テ公證人證書ヲ作成ス
ルニハ其ノ代理人ノ權限ヲ證スヘキ證書ヲ提出セシメ其ノ權限ヲ證明セ
シムルコトヲ要ス
前項ノ證書カ認證ヲ受ケサル私署證書ナルトキハ其ノ證書ノ外其ノ署名
者ノ本籍地又ハ居留地ノ市區町村長ノ作成シタル印鑑證明書ヲ提出セシ
メ證書ノ眞正ナルコトヲ證明セシムルコトヲ要ス但シ其ノ署名者外國人
ナルトキハ第二十八條第二項但書ノ規定ヲ準用ス
證書ノ作成ニ關スル規定ニ依リ代理又ハ其ノ方式ノ欠缺ヲ追完シタルト
キハ證書ハ其ノ欠缺アリタルカ爲效力ヲ妨ケラルルコトナシ
三
第三十二條第三者ノ許可又ハ同意ヲ要スヘキ法律行爲ニ付公證人證書ヲ
作成スルニハ其ノ許可又ハ同意アリタルコトヲ證スヘキ證書ヲ提出セシ
メ其ノ許可又ハ同意ヲ證明セシムルコトヲ要ス
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十三條公證人證書ヲ作成スルニハ立會人ヲ立會ハシムルコトヲ要ス
第三十四條通事及立會人ハ囑託人又ハ其ノ代理人之ヲ選定スルコトヲ要
ス
立會人ハ通事ヲ兼ヌルコトヲ得
左ニ揭クル者ハ立會人タルコトヲ得ス
-未成年者
二第十四條ニ揭ケタル者
三自ラ署名スルコト能ハサル者
四囑託事項ニ付利害ノ關係ヲ有スル者
五囑託事項ニ付代理人若ハ輔佐人タル者又ハ代理人若ハ輔佐人タリシ
者
六公證人又ハ囑託人若·ハ其ノ代理人ノ配偶者、四親等內ノ親族、同居
ノ戶主若ハ家族、法定代理人、保佐人、雇人又ハ同居人
七公證人ノ筆生
第三十五條公證人證書ヲ作成スルニハ其ノ聽取シタル陳述、其ノ目擊シ
タル狀況其ノ他自ラ實驗シタル事實ヲ錄取シ且其ノ實驗ノ方法ヲ記載シ
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第三十六條公證人ノ作成スル證書ニハ其ノ本旨ノ外左ノ事項ヲ記載スル
コトヲ要ス
一證書ノ番號
二囑託人ノ住所、職業、氏名及年齡若法人ナルトキノ其ノ名稱及事務
所
三代理人ニ依リ囑託セラレタルトキハ其ノ旨及其ノ代理人ノ權限ヲ證
スヘキ證書ヲ提出セシメ其ノ權限ヲ證明セシメタルコト竝其ノ代理
人ノ住所、職業、氏名及年齡
四囑託人又ハ其ノ代理人ノ氏名ヲ知リ且之ト面識アルトキハ其ノ旨
五第三者ノ許可又ハ同意アリタルコトヲ證スヘキ證書ヲ提出センメ其
ノ許可又ハ同意ヲ證明セシメタルトキハ其ノ旨及其ノ事由竝其ノ第
三者ノ住所、職業、氏名及年齡若法人ナルトキハ其ノ名稱及事務所
六市區町村長ノ作成シタル印鑑證明書又ハ警察官吏若ハ領事ノ證明書
ヲ提出セシメ人違ナキコト又ハ證書ノ眞正ナルコトヲ證明セシメタ
ルトキハ其ノ旨及其ノ事由
七氏名ヲ知リ且面識アル證人ニ依リ人違ナキコトヲ證明セシメタルトキハ其ノ旨及其ノ事由
竝其ノ證人ノ住所、職業、氏名及年齡
急追ナル場合ニ於テ人違ナキコトヲ證明セシメサリシトキハ其ノ旨
八八七七八○又ハ立會人○又ハ立會人
通事ラス會ハシメタルトキハ其ノ旨及其ノ事由英其ノ通事2/住
所、職業、氏名及年齡
十九立會人ノ住所、職業、氏名及年齡
十作成ノ年月日及場所
第三十七條公證人證書ヲ作成スルニハ普通平易ノ語ヲ用井字畫ヲ明瞭ナ
ラシムヘシ
接續スヘキ字行ニ空白アルトキハ墨線ヲ以テ之ヲ接續セシムヘシ
數量、年月日及番號ヲ記載スルニハ壹貳參拾ノ字ヲ用ウヘシ
第三十八條證書ノ文字ハ之ヲ改竄スルコトヲ得ス
證書ニ文字ヲ挿入スルトキハ其ノ文字及其ノ箇所ヲ欄外又ハ末尾ノ餘白
、囑託人又ハ其ノ代理人
ニ記載シ公證人。及立會人之ニ捺印スルコトヲ要ス
證書ノ文字ヲ削除スルトキハ其ノ文字ハ尙明ニ讀得ヘキ爲字體ヲ存シ削
〓、囑託人又ハ其
除タルケ數及商所ヲ欄外又ハ未尾ノ餘自ニ記載シ公證人長立會人之
ノ代理人
ニ捺印スルコトヲ要ス
前三項ノ規定ニ違反シテ爲シタル訂正ハ其ノ效力ヲ有セス
第三十九條公證人ハ其ノ作成シタル證書ヲ列席者ニ讀聞カセ又ハ閱覽セ
シメ囑託人又ハ其ノ代理人ノ承認ヲ得且其ノ旨ヲ證書ニ記載スルコトヲ
要ス
通事ヲ立會ハシメタル場合ニ於テハ前項ノ外通事ヲシテ證書ノ趣旨ヲ通
譯セシメ且其ノ旨ヲ證書ニ記載スルコトヲ要ス
前二項ノ記載ヲ爲シタルトキハ公證人及列席者各自證書ニ署名捺印スル
コトヲ要ス
列席者ニシテ署名スルコト能ハサル者アルトキハ其ノ旨ヲ證書ニ記載シ
公證人及立會人之ニ署名捺印スルコトヲ要ス
〇、囑託人又ハ其ノ代理人
證書數葉ニ渉ルトキハ公證人。及立會人ハ每葉ノ綴目ニ契印ヲ爲スコト
三四八
○、囑託人若ハ其ノ代理人
證書ハ公證人○又ハ立會人ノ契印ニ依リ其ノ全部ノ連綴明白ナル場合ニ
於テハ前項ニ違反シタルカ爲其ノ效力ヲ妨ケラルルコトナシ
第四十條公證人ノ作成スル證書ニ他ノ書面ヲ引用シ且之ヲ其ノ證書ニ
し、囑託又ハ其ノ代理人
添附スルトキハ公證人、及立會人其ノ證書ト添附書面トノ綴目ニ契印ヲ
爲スコトヲ要ス
前三條ノ規定ハ前項ノ添附書面ニ之ヲ準用ス
前二項ニ依ル添附書面ハ公證人ノ作成シタル證書ノ一部ト看做ス
第四十一條代理人ノ權限ヲ證スヘキ證書、市區町村長、警察官吏又ハ領事
ノ證明書、第三者ノ許可又ハ同意ヲ證スヘキ證書其ノ他ノ附屬書類ハ公
證人ノ作成シタル證書ニ之ヲ連綴スヘシ
〓、囑託人又ハ其ノ代理人
公說人及又文人人證書上共ノ附屬書類よ~徳目八附屬書類相互ノ繼
ニ契印ヲ爲スヘシ
第四十二條證書ノ原本滅失シタルトキハ公證人ハ旣ニ交付シタル證書ノ
認可ヲ受ケ
正本又ハ謄本ヲ徵シ所屬地方裁判所長ノ指定シタル官吏ノ立會ヲ以テ原
本ノ全文ヲ謄寫シ滅失シタル證書ニ代ヘテ之ヲ保存スルコトヲ要ス
公證人滅失シタル證書ノ原本ノ全文ニ付前項ノ手續ヲ爲スコト能ハサル
トキハ有用ノ部分及證書ノ法式ニ關スル記載ノミニ付其ノ手續ヲ爲スコ
トヲ得
前項ノ證書ニハ所屬地方裁判所長ノ認可ヲ受ケ滅失シタル證書ニ代ヘテ之ヲ保存スル旨及其ノ
前二項ノ證書ニハ第一項又ハ第二項ニ依リ謄寫シタル證書ナルコト及其
認可ノ年月日ヲ記載シ公證人之ニ署名捺印スルコトヲ要ス
ノ謄寫ノ年月日ヲ記載シ公證人及立會官吏之ニ署名捺印スルコトヲ要ス
第四十三條公證人ハ囑託人ヲシテ印紙稅法ニ依リ證書ノ原本ニ印紙ヲ貼
用セシムヘシ
第四十四條囑託人、其ノ承繼人又ハ證書ノ趣旨ニ付法律上利害ノ關係ヲ
有スルコトヲ證明シタル者ハ證書ノ原本ノ閱覽ヲ請求スルコトヲ得
〓及第五項、〇一
第二十八候第二項收め(京第三十後遊筆二于_候年)二項ノ規
定ハ前項ニ依リ公證人證書ノ原本ヲ閱覽セシムヘキ場合ニ之ヲ準用ス
公證人囑託人ノ承繼人ニ、證書ノ原本ヲ閱覽セシムヘキ場合ニ於テハ承繼
人タルコトヲ證スヘキ證書ヲ提出セシメ其ノ承繼人タルコトヲ證明セシ
ムヘシ
第三十一條第二項ノ規定ハ前項ニ依リ提出セシムヘキ證書ニ之ヲ準用ス」
檢事ハ何時ニテモ證書ノ原本ノ閱覽ヲ請求スルコトヲ得
第四十五條公證人ハ證書原簿ヲ調製シ記入前其ノ所屬地方裁判所長ノ契
印ヲ請フヘシ
地方裁判所長ハ其ノ枚數ヲ表紙ノ裏面ニ記載シ職氏名ヲ署シ職印ヲ押捺
シ每葉ノ綴目ニ職印ヲ以テ契印ヲ爲スヘシ
第四十六條證書原簿ニハ證書ノ作成毎ニ進行ノ順序ヲ逐ヒ左ノ事項ヲ記
入スヘシ
-證書ノ番號及種類
二囑託人ノ住所及氏名若法人ナルトキハ其ノ名稱及事務所
三作成ノ年月日
第三十七條及第三十八條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ證書ノ作成ヲ記入スヘキ帳簿ニ關シ法令ニ別段ノ定アル
場合ニ之ヲ適用セス
第四十七條囑託人又ハ其ノ承繼人ハ證書ノ正本ノ交付ヲ請求スルコトヲ
得
○及第五項、〇一二
第二十八條第一項及第二項八第三十〇條、第三十一條第一項及第二項竝第
四十四條第三項及第四項ノ規定ハ前項ニ依リ公證人證書ノ正本ヲ作成ス
ヘキ場合ニ之ヲ準用ス
第四十八條證書ノ正本ニハ左ノ事項ヲ記載シ公證人之ニ署名捺印スルコ
トヲ要ス
證書ノ全文
二正本タルコト
三交付ヲ請求シタル者ノ氏名
四作成ノ年月日及場所
前項ノ規定ニ違反スルモノハ證書ノ正本タルノ效力ヲ有セス
第四十九條數事件ヲ列記スル證書又ハ數人各自ニ關係ヲ異ニスル證書ニ
付テハ有用ノ部分及證書ノ方式ニ關スル記載ヲ抄錄シテ其ノ正本ヲ作成
スルコトヲ得
前項ノ正本ニハ抄錄正本タルコトヲ記載シ前條第一項第二號ノ記載ニ代
フルコトヲ要ス
第五十條公證人證書ノ正本ヲ交付シタルトキハ其ノ證書ノ末尾ニ囑託
人又ハ其ノ承繼人何某ノ爲正本ヲ交付シタル旨及其ノ交付ノ年月日ヲ記
載シ之ニ署名捺印スヘシ
第五十一條囑託人、其ノ承繼人又ハ證書ノ趣旨ニ付法律上利害ノ關係ヲ
有スルコトヲ證明シタル者ハ證書又ハ其ノ附屬書類ノ謄本ノ交付ヲ請求
スルコトヲ得
○及第五項、〇一二
第二十八條第一項及第二項の第三十〇條、第三十一條第一項及第二項竝第
四十四條第三項及第四項ノ規定ハ前項ニ依リ公證人證書ノ謄本ヲ作成ス
ヘキ場合ニ之ヲ準用ス
第五十二條證書ノ謄本ニハ左ノ事項ヲ記載シ公證人之ニ署名捺印スヘシ
證書ノ全文
二謄本タルコト
三作成ノ年月日及場所
第五十三條證書ノ謄本ハ其ノ一部ニ付之ヲ作成スルコトヲ得
前項ノ謄本ニハ抄錄謄本タルコトヲ記載スヘシ
第五十四條前二條ノ規定ハ證書ノ附屬書類ノ謄本ノ作成ニ之ヲ準用ス
第五十五條證書又ハ其ノ附屬書類ノ謄本ヲ請求スル者ハ之ニ記載スヘキ
事項ヲ自ラ記載シ公證人ノ署名捺印ノミヲ請求スルコトヲ得
公證人前項ノ謄本ニ署名捺印シタルトキハ其ノ謄本ハ公證人自ラ之ヲ作
成シタルト同一ノ效力ヲ有ス
第五十六條證書ノ正本若ハ謄本又ハ其ノ附屬書類ノ謄本數葉ニ涉ルトキ
ハ公證人ハ每葉ノ綴目ニ契印ヲ爲スヘシ
第三十七條及第三十八條ノ規定ハ證書ノ正本及謄本竝其ノ附屬書類ノ謄
本ノ作成ニ之ヲ準用ス
第五十七條第十八條第二項ノ規定ハ公證人遺言書ヲ作成スル場合ニ、第
○乃至二
二十八條、第三十一條及第三十三條ノ規定ハ公證人拒絕證書ヲ作成スル
場合ニ之ヲ適用セス
第五章認證
第五十八條公證人私著證書ニ認證ヲ與フルニハ當事者其ノ面前ニ於テ證
書ニ署名若ハ捺印シタルトキ又ハ證書ノ署名若ハ捺印ヲ自認シタルトキ
其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
私署證書ノ謄本ニ認證ヲ與フルニハ證書ト對照シ其ノ符合スルコトヲ認
メタルトキ其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
私署證書ニ文字ノ挿入、削除、改竄、欄外ノ記載其ノ他ノ訂正アルトキ
又ハ破損若ハ外見上著ク疑フヘキ點アルトキハ其ノ狀況ヲ認證文ニ記載
スルコトヲ要ス
第五十九條認證ヲ與フヘキ證書ニハ登簿番號、認證ノ年月日及其ノ場所
ヲ記載シ公證人及立會人之ニ署名捺印シ且其ノ證書ト認證簿トニ契印ヲ
爲スコトヲ要ス
第六十條第二十六條乃至第三十四條、第三十七條、第三十八條竝第三十
九條第五項及第六項ノ規定ハ私署證書ニ認證ヲ與フル場合ニ之ヲ準用ス
第六十一條公證人ハ認證簿ヲ調製スヘシ
第四十五條ノ規定ハ認證簿ノ調製ニ之ヲ準用ス
第六十二條認證簿ニハ認證ヲ與フル每ニ進行ノ順序ヲ逐ヒ左ノ事項ヲ記
入スヘシ
-登簿番號
二囑託人ノ住所及氏名若法人ナルトキハ其ノ名稱及事務所
三證書ノ種類及署名捺印者
四認證ノ方法
五立會人ノ住所及氏名
六認證ノ年月日
第三十七條及第三十八條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六章代理兼務及受繼
第六十三條公證人疾病其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ職務ヲ行フコ
○又ハ之ニ鄰接スル區裁判所ノ管轄區域
ト能ハサルトキハ同一區裁判所ノ管轄區域〇內ノ公證人ニ代理ヲ囑託ス
ルコトヲ得
公證人前項ニ依リ代理ヲ囑託シタルトキハ遲滯ナク其ノ旨ヲ所屬地方裁
判所長ニ屆出ツヘシ其ノ代理ヲ解キタルトキ亦同シ
第六十四條公證人前條第一項ニ依リ代理ヲ囑託セス又ハ之ヲ囑託スルコ
○又ハ之ニ
ト能ハサルトキハ所屬地方裁判所長ハ同一區裁判所ノ管轄區域〓內ノ公
鄰接スル區裁判所ノ管轄區域
證人ニ代理ヲ命スルコトヲ得
公證人其ノ職務ヲ行フコトヲ得ルニ至リタルトキハ地方裁判所長ハ前項
ノ代理ヲ解クヘシ
第六十五條公證人ノ代理者前二條ニ依リ其ノ職務ヲ行フノ役場ハ代理セ
ラルル公證人ノ役場トス
公證人ノ代理者職務上署名スルトキハ代理セラルル公證人ノ職氏名、所
屬。役場所在地及其ノ代理者タルコトヲ記載スヘシ
第二十二條ノ規定ハ代理セラルル公證人ノ外其ノ代理者ニモ之ヲ適用ス
第六十六條公證人ノ死亡、免職、失職又ハ轉屬ノ場合ニ於テ所屬地方裁判
所長必要ト認ムルトキハ其ノ指定シタル官吏ヲシテ遲滯ナク役場ノ書類
ニ封印ヲ爲サシムヘシ
第六十七條公證人ノ死亡、免職、失職又ハ轉屬ノ場合ニ於テ直ニ後任者
Q
ノ任命セラレサルトキハ所屬地方裁判所長ハ同一區裁判所ノ管轄區域〓內
ハ之に鄰接スル區裁判所ノ管轄區域
ノ公證人ニ兼務ヲ命スルコトヲ得
後任者其ノ職務ヲ行フコトヲ得ルニ至リタルトキハ地方裁判所長ハ前項
ノ兼務ヲ解クヘ
第六十八條公證人ノ免職、失職又ハ轉屬ノ場合ニ於テハ後任者又ハ兼務
者ハ前任者ト立會ヒ遲滯ナク書類ノ授受ヲ爲スヘシ
死亡其ノ他ノ事由ニ因リ書類ノ授受ヲ爲スコト能ハサル場合ニ於テハ後
任者又ハ兼務者ハ所屬地方裁判所長ノ指定シタル官吏ノ立會ヲ以テ書類
ヲ受取ルヘシ
第六十六條ニ依ル書類ノ封印後ニ命セラレタル後任者又ハ兼務者ハ所屬
地方裁判所長ノ指定シタル官吏ノ立會ヲ以テ封印ヲ解キ書類ヲ受取ルヘ
第六十九條前條ノ規定ハ兼務者カ書類ヲ更ニ他ノ公證人ニ引渡スヘキ場
合ニ之ヲ準用ス
第七十條兼務者職務上署名スルトキハ兼務者タルコトヲ記載スヘシ
前任者又ハ兼務者ノ作成シタル證書ニ依リ後任者カ其ノ正本又ハ謄本ヲ
作成スル場合ニ於テ署名スルトキハ後任者タルコトヲ記載スヘシ
第七十一條公證人ノ死亡、免職、失職又ハ轉屬ノ場合ニ於テ定員ノ改正ニ
因リ後任者ヲ要セサルトキハ司法大臣ハ同一區裁判所ノ管轄區域内ノ公
證人ニ書類ノ引繼ヲ命スヘシ
第六十八條及前條第二項ノ規定ハ前項ニ依リ書類ノ引繼ヲ命セラレタル
公證人ニ之ヲ準用ス
第七十二條第六十六條、第六十七條、第六十八條第三項及第七十條第一
項ノ規定ハ公證人ノ停職ノ場合ニ之ヲ準用ス
兼務者前項ニ依リ其ノ職務ヲ行フノ役場ハ停職者ノ役場トス
第七十三條第六十八條及第六十九條ノ規定ハ區裁判所カ第八條ニ依リ公
證人ノ職務ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス
第七章監督及懲戒
第七十四條公證人ハ所屬地方裁判所長ノ監督ヲ受ク
地方裁判所長ハ區裁判所ノ一人ノ判事又ハ監督判事ヲシテ其ノ管轄區域
内ノ公證人ニ對スル監督事務ヲ取扱ハシムルコトヲ得
第七十五條司法大臣及控訴院長ハ司法行政ノ監督ニ關スル規定ニ準シ公
證人ヲ監督ス
第七十六條前二條ノ監督權ハ左ノ事項ヲ包含ス
公證人ノ不適當ニ取扱ヒタル職務ニ付其ノ注意ヲ促シ及適當ニ其ノ
職務ヲ取扱フヘキコトヲ之ニ訓令スルコト
二職務ノ內外ヲ問ハス公證人ノ地位ニ不相應ナル行狀ニ付之ニ諭〓ス
ルコト但シ諭〓ヲ爲ス前其ノ公證人ヲシテ辯明ヲ爲スコトヲ得セシ
ムヘシ
第七十七條監督官ハ公證人ノ保存スル書類ヲ檢閱シ又ハ其ノ指定シタル
官吏ヲシテ之ヲ檢閱セシムルコトヲ得
第七十八條囑託人又ハ利害關係人ハ公證人ノ事務取扱ニ對シ抗〓ヲ爲ス
コトヲ得
前項ノ抗告ハ本章ニ揭ケタル監督權ニ依リ之ヲ處分ス
第七十九條公證人職務上ノ義務ニ違反シタルトキ又ハ品位ヲ失墜スヘキ
行爲アリタルトキハ懲戒ニ付ス
第八十條懲戒ハ左ノ五種トス
譴責
二千圓以下ノ過料
三年以下ノ停職
四轉屬
五免職
第八十一條過料、停職、轉屬及免職ハ懲戒委員會ノ議決ニ依リ司法大臣之
ヲ行フ
譴責ハ司法大臣之ヲ行フ
第八十二條各控訴院ニ懲戒委員會ヲ設ク
懲戒委員會ハ之ヲ設置シタル控訴院ノ管轄區域內ノ地方裁判所所屬ノ公
證人ニ對スル懲戒ヲ議決ス
懲戒委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八十三條公證人ノ懲戒手續ト刑事裁判手續トノ關係及其ノ職務停止ニ
付テハ判事懲戒法ノ規定ヲ準用ス
公證人ノ停職ニ關スル規定ハ其ノ職務停止ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十四條過料ヲ完納セサルトキハ檢事ノ命令ヲ以テ之ヲ執行ス
前項ノ執行ニ付テハ非訟事件手續法第二百八條ノ規定ヲ準用ス
公證人ノ納メタル身元保證金ハ第二十條第三項ノ場合ヲ除クノ外他ノ公
課及債權ニ先チテ之ヲ過料ニ充ツ
附則
第八十五條本法ニ於テ市區町村長ト稱スルハ之ヲ置カサル地ニ在リテハ
其ノ職務ヲ行フ吏員ヲ謂フ
第八十六條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八十七條公證人規則ハ之ヲ廢止ス
第八十八條本法施行ノ際公證人タル者ハ別ニ任命ノ辭令書ヲ用井ス本法
ニ依ル公證人トシ其ノ役場所在地ヲ管轄スル地方裁判所ノ所屬トス
第八十九條公證人規則ニ依リ公證人ノ設ケタル役場ハ本法ニ依ル役場トス
第九十條公證人規則ニ依リ差入レタル身元保證金ハ本法ニ依リ納メタ
ル身元保證金トス
第九十一條公證人規則ニ依リ囑託セラレタル代理者又ハ命セラレタル兼
任者ハ本法ニ依ル代理者又ハ兼務者トス
第九十二條本法施行前ニ著手シタル公證人ノ職務上ノ行爲ハ本法ニ依リ
之ヲ完結ス
第九十三條本法施行前ニ著手シタル公證人規則第五十八條、第五十九條
及第六十一條ノ手續ハ本法ニ依リ之ヲ完結ス
第九十四條本法施行前ニ公證人ノ事務取扱ニ對シテ爲シタル抗〓ハ公證
人規則ニ依リ之ヲ完結ス
第九十五條本法施行前ニ爲シタル公證人ノ行爲ニシテ公證人規則ニ違反
スルモノハ本法ニ依リ之ヲ懲戒ニ付ス但シ本法施行前ニ開始シタル懲罰
手續ハ公證人規則ニ依リ之ヲ完結ス
〔政府委員河村讓三郞君演壇ニ登ル]発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=43
-
044・河村讓三郎
○政府委員(河村讓三郞君) 現行ノ公證人規則ハ大分以前ノ制定ニ係リマシ
テ、其後實施セラレマシタル民法商法等ノ規定ト調和ヲ缺イテ居リマス、又
公證人ノ職務トシテ規定セラレタル範圍ガ狭隘ニ失シマシテ今日進步シタ
ル社會ノ需要ニ應ズルコトガ出來マセヌ、就中、公證人ノ職務執行ヲ正確ニ
致シ、其風紀ヲ嚴正ニシテ以テ公正證書ノ信憑力ヲ厚ウスルノ點ニ於テ不完
全タルコトヲ免レマセヌ是等ノ缺點ヲ補フ爲ニ新ニ立法スルノ必要ヲ認メ
マシテ本案ヲ提出イタシタ次第デゴザイマス、衆議院ニ於キマシテ多少修正
ヲ加ヘラレマシタガ、何レモ枝葉ノ點ニ過ギマセヌ、又相當ノ理由アリト認
メマシテ、政府ニ於キマシテモ之ニ同意ヲ致シマシタ、會期切迫ノ際、甚ダ
恐縮デゴザイマスガ、速ニ御審議ヲ願ヒタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=44
-
045・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 別ニ御質問モ無イト認メマスカラ特別委員ノ選擧
ニ移リマス、此特別委員モ議長指名デ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=45
-
046・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=46
-
047・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第六、衆議院議員選擧法中改正法律案、
衆議院提出、第一讀會
衆議院議員選擧法中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四千一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
衆議院議員選擧法中左ノ通改正ス
第十三條第二項ヲ左ノ如ク改ム
政府ノ請負ヲ爲ス者又ハ主トシテ政府ノ請負ヲ爲ス法人ノ役員ハ被選擧
權ヲ有セス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=47
-
048・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第八ニ移リマス、日本水產銀行法案、衆
議院提出、第一讀會
日本水產銀行法案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
日本水產銀行法
第一章總則
第一條日本水產銀行ハ水產業ノ改良發達ノ爲資本ヲ貸付スルヲ以テ目的
トスル株式會社ニシテ其ノ本店ヲ東京市ニ置ク
第二條日本水產銀行ノ資本金ハ一千萬圓トス但シ株主總會ノ決議ニ依リ
政府ノ認可ヲ受ケテ資本金ヲ增加スルコトヲ得
第三條日本水產銀行ノ各株式ノ金額ヲ五十圓トス
第四條日本水產銀行ノ存立時期ハ設立免許ノ日ヨリ五十箇年トス但シ株
主總會ノ決議ニ依リ政府ノ認可ヲ受ケテ之ヲ延長スルコトヲ得
第二章重役
第五條日本水產銀行ニ總裁一人理事四人監査役三人ヲ置ク
總裁ハ日本水產銀行ヲ代表シ其ノ事務ヲ總理ス
理事ハ總裁ヲ補助シ定款ノ定ムル所ニ從ヒ日本水產銀行ノ業務ヲ分掌ス」
監査役ハ日本水產銀行ノ業務ヲ監査ス
第六條總裁ハ百株以上ヲ所有スル株主中ヨリ政府之ヲ命シ其ノ任期ヲ三
箇年トス
理事ハ百株以上ヲ所有スル株主中ヨリ株主總會ニ於テ選擧シ其ノ任期ヲ
三箇年トス
監査役ハ五十株以上ヲ所有スル株主中ヨリ株主總會ニ於テ之ヲ選擧シ其
ノ任期ヲ二箇年トス
第三章營業
第七條日本水產銀行ハ左ノ事業ヲ營ムモノトス
一年賦償還ノ方法ニ依リ不動產ヲ抵當トスル貸付
二定期償還ノ方法ニ依リ不動產又ハ船舶ヲ抵當トスル貸付
三漁業權ヲ抵當トスル貸付
四國債證劵、地方債證劵、社債券又ハ株劵ヲ質トスル貸付
五水產業ニ關スル會社ノ社債劵ノ應募又ハ引受
六爲替、荷爲替及水產物ヲ擔保トスル貸付
七預リ金及保護預リ
八手形ノ割引
九水產業ニ關スル信託業務
十法律ニ依リ設定シタル水產業ニ關スル財團ヲ抵當トスル貸付
前項第八號ノ手形ハ割引依賴人ヨリ水產物又ハ水產業ニ關スル會社ノ株
券、債劵ヲ擔保ニ供スルモノニ限ル
第八條日本水產銀行ハ市町村ニ對シ無擔保ニテ年賦若ハ定期償還ノ方法
ニ依リ貸付ヲ爲スコトヲ得
法律ニ依リ設立シタル漁業組合、水產組合又ハ產業組合ニハ年賦若ハ定
期ノ償還方法ニ依リ無抵當貸付ヲ爲スコトヲ得
水產業者組合ヲ設ケ連帶責任ヲ以テ借用ヲ申出タルトキハ其ノ信用ノ確
實ナルモノニ限リ定期償還ノ方法ニ依リ無抵當貸付ヲ爲スコトヲ得
第九條日本水產銀行ハ營業上餘裕アルトキハ國債證劵、地方債證劵又ハ
社債劵ヲ買入レ又ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ確實ナル銀行ニ預金ヲ爲スコ
トヲ得
第十條日本水產銀行ハ日本銀行、日本勸業銀行及日本興業銀行ノ代理店
トナルコトヲ得
第十一條日本水產銀行ハ本法ニ記載セサル業務ヲ營ムコトヲ得ス
第十二條日本水產銀行ハ第七條第一項第一號乃至第四號、第十號及第八
條ノ貸付ヲ爲シタル場合ニ於テ債務者カ貸付ノ目的ニ反シ貸付金ヲ使用
シタルトキハ償還期限前ト雖其ノ貸付金全部ノ償還ヲ要求スルコトヲ得
第四章準備金
第十三條日本水產銀行ハ每營業年度準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補フ爲利
益ノ百分ノ八以上ヲ積立テ及利益配當ノ平均ヲ得セシムル爲利益百分ノ
二以上ヲ積立ツヘシ
第五章政府ノ監督及補助
第十四條政府ハ日本水產銀行ノ業務ヲ監督ス
第十五條日本水產銀行ハ其ノ定款ヲ變更セムトスルトキハ主務大臣ノ認
可ヲ受クヘシ
第十六條日本水產銀行ニ於テ支店又ハ代理店ヲ設置シ若ハ改廢セムトス
ルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
主務大臣ニ於テ支店又ハ代理店ヲ必要ナリトスルトキハ日本水產銀行ニ
命シテ之ヲ設置セシムルコトアルヘシ
第十七條日本水產銀行ハ株主ニ配當金ノ分配ヲ爲サムトスルトキハ主務
大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第十八條主務大臣ハ必要ナリト認ムルトキハ日本水產銀行ノ貸付割引ノ
金額及方法ヲ制限スルコトヲ得
第十九條主務大臣ハ日本水產銀行ノ營業上法律命令又ハ定款ニ背戾シ若
ハ公益ヲ害スル事件アリト認ムルトキハ之ヲ制止スヘシ
第二十條日本水產銀行ハ主務大臣ノ命令ニ從ヒ其ノ營業ニ關スル諸般ノ
景況及計算報告書ヲ差出スヘシ
第二十一條政府ハ日本水產銀行管理官ヲ置キ主務大臣ノ指揮ヲ受ケ日本
水產銀行ノ業務ヲ管理セシム
第二十二條日本水產銀行管理官ハ何時ニテモ日本水產銀行ノ金庫、劵書
庫、帳簿及諸般ノ文書ヲ檢査スルコトヲ得
日本水產銀行監理官ハ株主總會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シテ意見ヲ陳述
スルコトヲ得
第二十三條政府ハ日本水產銀行拂込資本金ニ對シ一箇年百分ノ五ヲ補助
スヘシ
第二十四條前條ニ依ル政府ノ補助年限ハ其ノ創立初季ヨリ十箇年トス
第六章罰則
第二十五條日本水產銀行ニ於テ左ノ事犯アルトキハ總裁及理事ヲ百圓以
上千圓以下ノ過料ニ處ス但シ事犯ニ關セサルモノハ此ノ限ニ在ラス
一第十一條ノ規定ニ反シ本法ニ記載セサル業務ヲ營ミタルトキ
二本法ニ於テ認可ヲ受クヘキ場合ニ其ノ認可ヲ受ケサルトキ
附則
第二十六條日本水產銀行設立發起人ハ設立委員十五名ヲ選擧シ主務大臣
ノ認可ヲ受ケ設立ニ關スル一切ノ事務ヲ處理セシム
第二十七條設立委員ハ定款ヲ作リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタル後株主ヲ募
集ス
第二十八條設立委員ハ株主ノ募集ヲ終リタルトキハ株式申込證ヲ主務大
臣ニ提出シ銀行設立ノ認可ヲ禀請スヘシ
前項ノ認可ヲ受ケタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク各株式ニ付第一囘ノ拂
込ヲ爲サシムルコトヲ要ス
第二十九條創立總會終結シタルトキハ設立委員ハ其ノ事務ヲ日本水產銀
行總裁ニ引渡スヘシ
第三十條日本水產銀行ニ關シ本法ニ規定セサル事項ハ明治二十三年法
律第七十二號銀行條例ヲ適用ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=48
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049・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十ニ移リマス、漁業法中改正法律案、衆
議院提出、第一讀會
漁業法中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
漁業法中左ノ通改正ス
第七條漁業權ハ物權トシ不動產ニ關スル規定ヲ準用ス但シ民法第百七十
九條第一項ノ規定ハ此ノ限ニ在ラス
漁業權ハ相續、讓渡、共有、貸付、滯納處分、强制執行及抵當權ノ目的ト爲
スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ其ノ登錄ヲ受クルニ非サレハ第三者ニ對抗スルコト
つきは、
前項ノ登錄ハ登記ニ代ルモノトス登錄ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
地先水面專用ノ漁業權ヲ處分スルハ行政官廳ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第九條ノ二漁業權取消ノ登錄アリタルトキハ行政官廳ハ直ニ之ヲ抵當權
者ニ通知スヘシ
抵當權者ハ前項ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ漁業權ノ競賣ヲ請
求スルコトヲ得但シ前條第一項ノ規定ニ依ル漁業權取消ノ場合ハ此ノ限
ニ在ラス
漁業權ハ前項ノ期間内又ハ競賣ノ手續完結ノ日迄競賣ノ目的ノ範圍內ニ
於テ仍存續スルモノト看做ス
競賣ニ依ル賣得金ハ競賣ノ費用及抵當權者ニ對スル債務ノ辨濟ニ充テ其
ノ殘金ハ國庫ニ歸屬ス
競落人ハ漁業權取消ノ登錄アリタル時ニ於テ漁業權ヲ讓受ケタルモノト
看做ス
第九條ノ三前條ノ規定ハ漁業權者廢業シタル場合ニ之ヲ準用ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=49
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050・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 此特別委員ハ第八ノ日本水產銀行法案ト同一委員
デ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=50
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051・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマズ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=51
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052・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十二、市制中改正法律案、衆議院提出、
第一讀會
市制中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
市制中左ノ通改正ス
第九十三條市内ニ住所ヲ有セス又ハ三箇月以上滯在スルコトナシト雖モ
市内ニ於テ土地家屋物件ヲ所有シ使用シ若クハ占用シ又ハ營業所ヲ定メ
テ營業ヲ爲シ又ハ市內ニ於テ特定ノ行爲ヲ爲ス者ハ其士地家屋物件營業
若クハ其收入ニ對シ又ハ行爲ニ對シテ賦課スル市稅ヲ納ムル義務ヲ負フ
其法人タルトキモ亦同シ但シ國ノ事業又ハ行爲ニ對シテハ此限ニ在ラス
第九十四條納稅者ノ市外ニ於テ所有シ使用シ若クハ占有スル土地家屋物
件若クハ其收入又ハ市外ニ於テ營業所ヲ定メタル營業若クハ其收入ニ對
シテハ市稅ヲ賦課スルコトヲ得ス但數市町村ニ涉リ營業所ヲ定メテ營業
ヲ爲シ且其營業又ハ其收入ニ對スル本稅ヲ分別シテ納メサル者ニ對シ關
係市町村ニ於テ附加稅ヲ賦課スルトキハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第九十五條住所滯在數市町村ニ渉ル者ノ收入ニ對シ市稅ヲ賦課スルトキ
ハ其收入ヲ關係市町村ニ平分シ其一部ニノミ賦課ス可シ但土地家屋物件
又ハ營業所ヲ定メタル營業ヨリ生スル收入ハ此限ニ在ラス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=52
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053・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十四、町村制中改正法律案、衆議院提
出、第一讀會
町村制中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
町村制中左ノ通改正ス
第九十三條町村內ニ住所ヲ有セス又ハ三箇月以上滯在スルコトナシト雖
モ町村內ニ於テ土地家屋物件ヲ所有シ使用シ若クハ占有シ又ハ營業所ヲ
定メテ營業ヲ爲シ又ハ町村內ニ於テ特定ノ行爲ヲ爲ス者ハ其土地家屋物
件營業若クハ其收入ニ對シ又ハ行爲ニ對シテ賦課スル町村稅ヲ納ムル義
務ヲ負フ其法人タルトキモ亦同シ但國ノ事業又ハ行爲ニ對シテハ此限ニ
在ラス
第九十四條納稅者ノ町村外ニ於テ所有シ使用シ若クハ占有スル土地家屋
物件若クハ其收入又ハ町村外ニ於テ營業所ヲ定メタル營業若クハ其收入
ニ對シテハ町村稅ヲ賦課スルコトヲ得ス但數市町村ニ渉リ營業ヲ爲シ且
其營業又ハ其收入ニ對スル本稅ヲ分別シテ納メサル者ニ對シ關係市町村
ニ於テ附加稅ヲ賦課スルトキハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第九十五條住所滯在數市町村ニ渉ル者ノ收入ニ對シ町村稅ヲ賦課スルト
キハ其收入ヲ關係市町村ニ平分シ其一部ニノミ賦課ス可シ但土地家屋物
件又ハ營業所ヲ定メタル營業ヨリ生スル收入ハ此限ニ在ラス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=53
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054・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十四ノ特別委員ハ議事日程第十二ノ市
制中改正法律案ノ特別委員ニ付託シテ御異存ゴザイマセスカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=54
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055・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=55
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056・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十六、明治三十四年法律第三十九號中
改正法律案、衆議院提出、第一讀會
明治三十四年法律第三十九號中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
明治三十四年法律第三十九號中左ノ通改正ス
第二條ノ二永代借地權ノ競賣ニ付テハ本法ニ別段ノ定メアルモノヲ除ク
ノ外民事訴訟法及競賣法中不動產ノ競賣ニ關スル規定ヲ準用ス
第二條ノ三競賣ノ申立書ニハ永代借地劵ヲ添附スヘシ申立人地劵ヲ提出
スルコト能ハサルトキハ地方廳ノ認證アル地劵ノ謄本ヲ添附スヘシ
第二條ノ四裁判所ハ競賣開始ノ決定ヲ爲スト同時ニ職權ヲ以テ競賣ノ申
立アリタルコトヲ地方廳ニ通知スヘシ
地方廳ニ於テ前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ競賣手續中地劵ニ移轉ノ記載
ヲ爲スコトヲ得ス
第二條ノ五民事訴訟法第七百條第一項又ハ競賣法第三十三條第一項ノ場
合ニ於テハ裁判所ハ競落人カ取得シタル永代借地權ノ移轉ノ記載ヲ地方
廳ニ囑託スヘシ
前項ノ場合ニ於テ申立人ヨリ提出シタル地券アルトキハ囑託書ニ之ヲ添
附スヘシ
第二條ノ六地方廳ニ於テ前條ノ囑託ヲ受ケタルトキハ遲滯ナク地劵ニ永
代借地權ノ移轉ノ記載ヲ爲シ之ヲ裁判所ニ返還スヘシ
第二條ノ七地方廳カ第二條ノ五ノ囑託ヲ受ケタル場合ニ於テ囑託書ニ地
劵ノ添附ナキトキハ地劵名義人ニ對シ地劵ノ提出ヲ命スヘシ
地劵名義人カ地劵ヲ提出シタルトキハ遲滯ナク其ノ地劵ニ永代借地權ノ
移轉ノ記載ヲ爲シ之ヲ裁判所ニ送付スヘシ
第二條ノ八地劵名義人カ地券ヲ提出セサルトキハ地方廳ハ競落人ニ對シ
更ニ新地劵ヲ發給スヘシ
提出セサル地券ハ新地劵ノ發給ニ因リテ其效力ヲ失フ
第二條ノ九前條第一項ノ規定ニ依リ發給スヘキ地劵ハ地方廳ノ記錄ニ基
キ原地劵ノ全文ヲ揭ケテ之ヲ作成シ且競落人ノ氏名、國籍、住所、新地劵
發給ノ原因、其ノ日附及地方長官ノ官氏名ヲ記入シ官印ヲ押捺スヘシ
第二條ノ十地方廳カ第二條ノ八第一項ノ規定ニ依リ新地劵ヲ發給スルト
キハ其ノ地劵ニ永代借地權ノ移轉ノ記載ヲ爲シ遲滯ナク之ヲ裁判所ニ送
付スヘシ
第二條ノ十一地券カ第二條ノ八第二項ノ規定ニ依リ其ノ效力ヲ失ヒタル
トキハ地方廳ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ舊地劵名義人ニ通知シ且官報及新聞紙
ヲ以テ公〓スヘシ
第二條ノ十二地方廳ニ於テ永代借地權ノ移轉ヲ地劵ニ記載シタルトキハ
遲滯ナク其ノ永代借地ノ所在地ヲ管轄スル登記所ニ其ノ旨ヲ通知スヘシ」
前項ノ通知書ニハ地劵ノ謄本ヲ添附スヘシ
第二條ノ十三管轄登記所ニ於テ前條ノ通知ヲ受ケタルトキハ職權ヲ以テ
永代借地權ノ移轉、競落ニ因リテ消滅シタル永代借地權上負擔記入ノ抹
消及競賣申立記入ノ抹消ノ登記ヲ爲スヘシ
第二條ノ十四裁判所ハ第二條ノ六ノ規定ニ依リ地劵ノ返還ヲ受ケタルト
キ又ハ第二條ノ七第二項及第二條ノ十ノ規定ニ依リ地劵ノ送付ヲ受ケタ
ルトキハ遲滯ナク之ヲ競落人ニ交付スヘシ
第二條ノ十五競落ヲ爲サスシテ競賣手續ヲ完結シタルトキハ裁判所ハ遲
滯ナク其ノ旨ヲ地方廳ニ通知スヘシ
第二條ノ十六永代借地權ノ競賣ニ關スル規定ハ競賣ニ代ヘテ入札拂ヲ爲
ス場合ニ之ヲ準用ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=56
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057・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第十八ニ移リマス、明治三十年法律第三
十九號中改正法律案、衆議院提出、第一讀會
明治三十年法律第三十九號中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
明治三十年法律第三十九號中左ノ通改正ス
第二項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
改良地區內ニ於ケル土地所有者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得其ノ同意者ノ
所有スル土地ノ面積及地價カ改良地區內ニ於ケル土地ノ面積及地價ノ三
分ノ二以上ニ當ルトキハ第一項ノ許可ヲ申請スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ特別ノ價値用途アル土地ヲ改良地區ニ編入セラレタル
爲異議アル者ハ改良施行許可ノ日ヨリ十五日以内ニ訴願スルコトヲ得但
シ訴願ノ裁決前ニ在リテハ事業ニ著手スルコトヲ得ス
第三項中「前二項」ヲ「第一項又ハ第二項」ニ改ム発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=57
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058・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 諸君ニ御諮リヲシマスガ、議事日程第十八ノ法案
ハ第十六ノ法案ノ特別委員ニ付託シテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=58
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059・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=59
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060・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第二十ニ移リマス、關稅定率法輸入稅表
中改正法律案、衆議院提出、第一讀會
關稅定率法輸入稅表中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
關稅定率輸入稅表中左ノ通改正ス
一二醋酸同八、〇〇
-三四ノ二醋酸石灰同〇、四一
一三四ノ三アセトン同一五、一三
附則
本法ハ明治四十一年十月一日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=60
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061・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第二十ノ關稅定率法輸入稅表中改正法律
案ハ曩ニ議長ガ選定イタシマシタ委員ニ付託シテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=61
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062・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 議事日程第二十二ニ移リマス、地租條例中改正法
律案、衆議院提出、第一讀會
地租條例中改正法律案
右本院提出案及送付候也
明治四十一年三月十四日
衆議院副議長箕浦勝人
貴族院議長公爵德川家達殿
地租條例中左ノ通改正ス
第四條第一項第六號「鐵道用地」ヲ「鐵道用地、軌道用地」ニ改ム
同條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
軌道用地ノ區域ニ關シテハ私設鐵道法第四十一條ノ規定ヲ準用ス
附則
本法ハ明治四十一年分地租ヨリ之ヲ適用ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=62
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063・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 此際、議長ハ諸君ニ一言申上ゲタウゴザイマスガ、
議事日程第十六ト第十八ト同一委員ト云フコトヲ申シマシテ、ソレデ御異議
ナイト云フコトデ宣告ヲ致シマシタガ、アレハ議長ノ申誤リデアッテ、議事
日程第十八ト議事日程第二十二ノ法案ト同一委員ト云フ意味ニ御了解ヲ願ヒ
タイト思ヒマス、ソレデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=63
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064・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 御異議ナイト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ書記官
長ヲシテ朗讀イタサセマス
〔太田書記官長朗讀〕
滿洲ニ於ケル領事裁判ニ關スル法律案特別委員
子爵岡部長職君三好退藏君淺田德則君
男爵木梨精一郞君山川健次郞君男爵小早川四郞君
室田義文君穗積八束君辰巳楢太郞君
感化法中改正法律案特別委員
伯爵德川達孝君子爵大久保忠順君男爵船越衞君
男爵波多野敬直君男爵眞田幸世君關〓英君
伊澤修二君鎌田榮吉君土居通博君
公證人法案特別委員
伯爵廣澤金次郞君子爵本莊壽巨君男爵長松篤業君
馬屋原彰君富井政章君野崎啓造君
石渡敏一君菊池武夫君高木豐三君
衆議院議員選舉法中改正法律案特別委員
伯爵寺島誠一郞君子爵牧野忠篤君男爵伊達宗敦君
男爵大浦兼武君男爵本多副元君男爵山内豐政君
-木喜德郞君岩村兼善君堀之內庄右衞門君
日本水產銀行法案外一件特別委員
伯爵吉井幸藏君子爵山口弘達君男爵小澤武雄君
村田保君男爵靑山元君男爵中島久万吉君
石井省一郞君安廣伴一郞君日高榮三郞君
市制中改正法律案外一件特別委員
伯爵柳澤保惠君子爵土御門晴榮君男爵島津珍彥君
男爵藤大路親春君森山茂君古莊嘉門君
兒玉淳一郞君內藤宇兵衞君道源權治君
明治三十四年法律第三十九號中改正法律案特別委員
子爵松平乘承君子爵松平親信君子爵森〓君
男爵前島密君男爵二條正麿君奧山政敬君
柴田家門君秋月新太郞君澤原俊雄君
明治三十年法律第三十九號中改正法律案外一件特別委員
子爵野宮定穀君子爵松平直平君男爵武井守正君
男爵千秋季隆君西村亮吉君千頭〓臣君
馬屋原二郞君田島竹之助君森廣三郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=64
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065・徳川家達
○議長(公爵德川家達君) 次ノ議事日程ハアトヨリ御通知ニ及ビマス、本日
ハ是デ散會ヲ致シマス
午前十一時二十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=002403242X01619080319&spkNum=65
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