1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
大正二年三月八日(土曜日)午後一時五分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第八號 大正二年三月八日
午後一時開議
質問
一 内閣の政綱に關する質問(林毅陸君提出)
━━━━━━━━━━━━━
第一 京都帝國大學臨時政府支出金に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第二 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第三 裁判所構成法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第五 判事及檢事の休職竝判事の轉所に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第六 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第七 裁判所廢止及名稱變更に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第八 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第九 裁判所管轄區域に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第十一 判事懲戒法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十二 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第十三 産牛馬組合法改正法律案(廣澤辨二君外一名提出) 第一讀會
第十四 蠶絲法中改正法律案(西谷金藏君外六名提出) 第一讀會
第十五 降雹被害地地租免除に關する法律案(春田祐清君外二名提出) 第一讀會
第十六 米及籾移入税廢止に關する法律案(大内暢三君外一名提出) 第一讀會
第十七 議院法中改正法律案(花井卓藏君外一名提出) 第一讀會
第十八 裁判所構成法中改正法律案(高柳覺太郎君外五名提出) 第一讀會
第十九 刑法施行法中改正法律案(高木益太郎君提出) 第一讀會
第二十 治安警察法中改正法律案(野添宗三君外一名提出) 第一讀會
第二十一 水道條例中改正法律案(井上角五郎君外五名提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十二 私設運河法案(漆昌巖君提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十三 農家の副業に關する建議案(井上角五郎君外八名提出)
第二十四 立憲思想養成に關する建議案(石橋爲之助君提出)
第二十五 新潟築港速成に關する建議案(若杉喜三郎君外四名提出)
第二十六 武相横斷鐵道急設に關する建議案(井上篤太郎君外二名提出)
第二十七 小柳津式農法に關する建議案(小西和君提出)
第二十八 (特別報告第一號)池田町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二十九 (特別報告第二號)高梁區裁判所手莊村出張所設置の請願 (委員長報告)
第三十 (特別報告第三號)旭川區裁判所士別出張所設置の請願 (委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=0
-
001・大岡育造
○議長(大岡育造君) 諸般ノ報告ヲ致サセマス
〔書記朗讀〕
一議員ノ異動左ノ如シ
兵庫縣郡部選出議員柴崎鹿之助君退職ニ付キ其補關トシテ水野正己君當選
セラレタリ
一政府ヨリ提出セラレタル讚案左ノ如シ
裁判所構成法中改正法律案
判事及檢事ノ休職竝判事ノ轉所ニ關スル法律案
裁判所廢止及名稱變更ニ關スル法律案
裁判所管轄區域ニ關スル法律案
判事懲戒法中改正法律案
一議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
議院法中改正法律案
提出者花井卓藏君石田仁太郞君
立憲思想養成ニ關スル建議案
提出者石橋爲之助君
新潟築港速成ニ關スル建議案
提出者若杉喜三郞君高橋光威君田邊熊一君
佐野喜平太君加藤勝彌君
武相橫斷鐵道急設ニ關スル建議案
提出者井上篤太郞君安村竹松君福井準造君
裁判所構成法中改正法律案
提出者高柳覺太郞君高木益太郎君野添宗三君
石田仁太郞君濱田國松君關直彥君
刑法施行法中改正法律案
提出者高木益太郞君
治安警察法中改正法律案
提出者野添宗三君濱田國松君
小柳津式農法ニ關スル建議案
提出者小西和君
辯護士法改正法律案
提出者岡田泰藏君鵜澤總明君田源治君
佐々木文一君高木益太郞君阪福松田又郎 君
花井卓藏君加瀨禧逸君北條
一議員ヨリ提出セラレタル質問主意書左ノ如シ
六國借款ニ關スル質問
提出者紫安新九郞君
國務大臣ノ政治的非行ニ關スル質問
提出者阪本彌一郞君坂口仁一郞君
陪審制度ニ關スル質問
提出者齋藤隆夫君
一常任委員辭任ノ申出アリタル議員左ノ如シ
第九部選出請願委員村井善四郞君
第八部選出決算委員鈴置倉次郞君
(左ノ報〓ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス〕
一去四日議長ニ於テ選定シタル委員左ノ如シ
關稅定率法中改正法律案
稻茂登三郎君藏內次郞作君小泉策太郞君
小川藏次郞君高木正年君岡崎久次郞君
木村良君加賀卯之吉君風間禮助君
衆議院議員選舉法中改正法律案
鵜澤總明君東武君橫田千之助君
武滿義雄君木津太郞平君松浦五兵衞君
關八木逸郞君串本康三君川眞田德三郞君
和知君島勘次郞君藤澤幾之輔君
安東敏之君津相末良介君齋藤隆夫君
八田裕二郞君花井卓藏君小泉又次郞君
私立學校用地免租ニ關スル法律案
日下義雄君高島茂平君島田俊雄君
太田直次君樋口喜輔君山田禎三郞君
荒川五郞君久保通猷君林毅陸君
所得稅法中改正法律案
鶴原定吉君渡邊修君濱本義顯君
井上敏夫君本出保太郞君田
戶狩權之助君小久保喜七君手米次穰君君
塚正
吉次君橫山寅一郞君安藤新太郞君
吉〓工田 藤崟太郞君高木益太郎君
圓助君七平田 明治 明地方公里藤宇一郞君
森田俊左久君〓介君岡齋八君
加藤政之助君大野龜三郞君平出喜三郞君
笠原忠造君大西五一郞君石橋爲之助君
羽越沿岸鐵道建設ニ關スル建議案外二件
長晴登君根岸峮太郞君加藤勝彌君
金子圭介君伊東知也君齋藤宇一郞君
目黑孝平君小山谷藏君阿由葉鎗三郞君
臺灣ニ於ケル棉花栽培奬勸ニ關スル建議案
田邊熊一君井上篤太郞君高嶺朝〓君
西風重遠君三浦盛德君靑地雄太郞君
木村良君渡邊國重君原脩次郎君
一委員長及理事左ノ通リ當選セラレタリ
關稅定率法中改正法律案委員會
委員長藏內治郞作君理事岡崎久次郞君
衆議院議員選舉法中改正法律案委員會
武滿義雄君
委員長鵜澤總明君理事關和知君
齋藤隆夫君
臺灣ニ於ケル棉花栽培奬勵ニ關スル建議案委員會
委員長田邊熊一君理事井上篤太郞君
所得稅法中改正法律案委員會
渡邊修君
委員長鶴原定吉君理事小久保喜七君
高木益太郞君
私立學校用地免租ニ關スル法律案委員會
委員長荒川五郞君理事林毅陸君
羽越沿岸鐵道建設ニ關スル建議案外二件委員會
委員長長晴登君理事目黑孝平君
一常任委員ノ補關選舉ニ左ノ通リ當選セラレタリ
第四部豫算委員三谷軌秀君(濱岡光哲君補關)
第四部決算委員有田溫三君(田川大吉郞君補闕)
第六部豫算委員法橋善作君(菊池侃二君補闕)
第六部請願委員高橋直治君(法橋善作君補闕)
第八部請願委員半谷〓壽君(柵瀨軍之佐君補闕)
決算委員會理事田川大吉郞君辭任ニ付其補缺トシテ橋本太吉君當選セリ
〔左ノ質問書ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ玆ニ揭載ス〕
內閣ノ政綱ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
大正二年二月二十七日
提出者林毅陸贊成者尾崎行雄
外三十名
內閣ノ政綱ニ關スル質問主意書
一政黨內閣ハ憲政ノ運用上必要ナリト信ス之ニ關スル現內闇ノ所見如何
二現行官制ニ據レハ陸海軍大臣ハ現役大中將ニ限レリ現內閣ハ之ヲ以テ憲政
ノ運用ニ支障ナキモノト認ムル平
三現行文官任用令ハ憲政ノ運用上速ニ之ヲ改正シ人材登用ノ門ヲ開クノ必要
アリト信ス之ニ關スル現内閣ノ所見如何又現內閣ニ於テ之ヲ改正スルノ意アリ
トセハ其ノ範圍如何
四陸軍二箇師團增設問題ハ西園寺內閣〓覆ノ動機トナリタルモノナリ現內閣ハ
此ノ增設ヲ實行スルノ意ナリヤ如何
五現內閣ハ減稅ノ意味ニ於ケル稅制整理案ヲ本議會ニ提出シ大正二年度ヨリ
之ヲ實行セムトスルヤ如何若之ヲ實行ストセハ其ノ見積金額如何
右及質問候也発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=1
-
002・大岡育造
○議長(大岡育造君) 唯今報告ノ常任委員辭任ノ申出ニ付テハ、之ヲ許可スルニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=2
-
003・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガアリマセヌカラ許可スルコトニ決シマス、同時ニ其部ノ
諸君ハ本日散會後補缺選舉ノ上御屆出アランコトヲ希望致シマス、質問ニ移リマス、
提出者林毅陸君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=3
-
004・林毅陸
○林毅陸君 總理大臣ハ御見エニナラヌノデスガ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=4
-
005・大岡育造
○議長(大岡育造君) マダ出席ガアリマセヌ、今日ハ出席スルダラウト思ヒマス、特ニ
注意シテアリマスカラ·
〔林毅陸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=5
-
006・林毅陸
○林毅陸君 私ノ質問ハ、前囘院議ニ依リマシテ總理大臣ノ出席ヲ求メテ、然ル上
デ種々辯明スル筈ニ致シテ居ッタノデアリマス、本日一時ヨリ此質問ノ日程ニ上ッテ居ルコ
トハ公報ニモ明白デアルシ、總理大臣ハ必ズ一時マデニ御出席ニナルコトヽ私ハ思ッテ居ツ
タノデアリマスガ、マダ御見エニナラヌ、或ハ暫クスレバ御見エニナル筈ダト云フコトデアリ
マスガ、更ニ此上ニ待ツト云フコトモ無益デアリマスカラ、直チニ私ノ質問ノ趣意ヲ申述ベ
ヤウト思フノデアリマス、質問ヲ始ムベキ時間ガ明白ナルニモ拘ラズ、其時間マデニ出席シ
ナイト云フコトハ、甚ダ是ハ不親切ナル行爲デアルト私ハ思フ(「ヒヤノ」ト呼フ者アリ)
併シナガラ間モナク御見エニナルト云フコトデアレバ、先ヅソレデモ宜シイ、ワレハ擱キマシ
テ免モ角私ノ質問ノ趣意ヲ是カラ申上ゲマス、私ノ質問ハ五箇條ニナッテ居ルノデアリマ
入、是ハ此前二月二十七日ノ午前中ニ提出シテ置イタノデアリマス、文書ニ依テ提出シ
テ置イタノデアリマス、然ルニ其日ノ午後ノ本會議ニ於キマシテ、段々議員諸君ヨリ質問
ガ現ハレ、其質問ハ多ク私ガ問ハント欲スルトコロノ問題ニ觸レタノデアリマス、所ガ山本
總理大臣ノ其時ノ御返辭ニハ、ドウカ文書ニ依テ質問ヲシテ貰ヒタイト云フノデ、答辯
ヲ與ヘラレナカッタノデアリマス、幸ヒ私ハ文書ニ依テ質問ヲ出シテ置イタノデアリマスカラ、
必ズ是ニ對シテハ充分ノ御答辯ガアルベキ筈ダト信ジテ居ルノデアリマス、且ツ其後私ノ
問ハント欲シタル問題ニ付テハ委員會-豫算委員會等ニ於キマシテ、度々問題トナク
タヤウデアリマス、是ハ詰リ是等ノ問題ニ對シテ非常ナル注意ヲ各方面ノ議員諸君ガ
拂ッチ居ルト云フコトノ證據デアリマスカラ、卽チ私ガ玆ニ問フトコロノ此質問ニ對シテノ
贊成者ト云フ者ハ、唯紙ノ上ニ書イタ數バカリデハナイ、非常ニ多數ノ賛成者ガ私ノ質
問ノ後ニアルト云フコトヲ私ハ信ズルノデアリマスカラ、總理大臣ニ於テモ充分ノ敬意ヲ
以テ御答辯ニナルコトデアラウト信ズルノデアリマス、扨私ノ質問ノ第一ハ、政黨内閣ハ
憲政ノ運用上必要ナリト信ズ、是ニ關スル現內閣ノ所見如何ト云フノデアリマス、デ是
ハ別段多ク說明スル必要ノナイ程ニ明白ナ事柄デアリマス、凡ソ憲政ノ運用ニ於テ、政
黨內閣ナルモノガ〓ク可ラザルモノデアリ又避ク可ラザルモノデアルト云フコトハ、多ク說
明ヲ待タズシテ明白ナルコトデアリマス、デ此政治組織ノ上ニ於テノ根本ノ問題ガ、未ダ
我國ニ於テハ充分ニ決セラレテ居ラナイ、其爲メニ種々ノ紛爭ヲ生ジ、殊ニ昨年ノ冬以
來ヤカマシク天下ヲ騒ガシタト云フ問題ノ如キモ、要スルニ此政治組織ノ根本ノ問題ガ
極ッテ居ラナイカラデアル、此根本ノ問題ノ極ラザルタメニ長ク其爭ニ時ヲ費シマシテ、實
地ノ政策上ノ問題ノ〓究ガ自然後週シニセラレ、踈ソカニセラレル、充分ノ注意ヲ拂ハ
レナイト云フコトガアリマス、甚ダ是ハ殘念ノ次第デアリマスカラシテ、成ルベク速ニ此政
治組織ノ根本問題ヲ定メテシマッテ、上下共ニ其嚮フトコロノ方針ヲ決シテシマフ、面シ
テ實地ノ政策上ニ付テ互ヒニ爭フ、其方ノ〓究ヲスルト云フコトニ早ク移リタイト云フノ
ガ吾ミノ希望デアリマス、之ヲ爲サナイ以上ハ何時マデモ何時マデモ昨年ノ冬以來ノ騷
ギヲ繰返サネバナラヌト思フノデアリマス、故ニ斯カル面白クナイ、又國家ノタメニハ不幸
ナル事柄ヲ避ケマスルタメニ、此政黨內閣ト云フモノハ憲政上ニ必要ナモノデアルト云ラコト
ヲ、明白ニ原則トシテ極メテ置ケバ、今後ハ此原則ハ誰モ破レナイ、而シテ其以外ノ問題ニ於
テ互ニ爭フトカ〓究シヤウト云フ風ニ致シタイト云フノガ、私ノ希望デアリマスノデ、總理大
臣山本伯ハ政黨政治ニハ大ニ好意ヲ表セラレテ居ルト云フコトデアル、否好意ノミナラズ
政黨政治ガ然ルベキコトデアルト、御認メニナッテ居ルガ如クニ、私ハ推測スルノデアリマ
ス、若シ官制上ノ不自由ガチカッタナラバ、政友會ニ入會シテモ宜シイノヂアルガト云フ
御考デアッタヤウニ承シテ居リマスルカラ、政黨政治ト云フモノニ付テハ多分御異議ノナイ
筈デアル、就テハ御異識ノナイモノデアルナラバ、其意見ヲ明白ニ此處デ承ッテ置クト云
フコトハ、甚ダ國家ノタメニ幸ヒデアルト思フノデアリマス、政黨內閣ハ憲政ノ運用上必要
ナモノデアルト云フコトヲ明言シテ、而シテ此原則ニ基イテ將來ハ政治ヲ執ルベキ筈ノモ
ノデアル、又自分モ其考ヘデアルト」云フコトヲ明言シテ戴クコトガ出來マスルナラバ、甚ダ
幸デアルト思フノデアリマス、尙此事ニ附屬シテ總理大臣ニ御尋シタイト思フノハ、若シ
愈〓私ガ推測スル如ク政黨內閣ノ主義ニ御同意デアル、憲政ノ運用上政黨內閣ノ制
度ト云フモノハ必要デアルト云フコトニ御同意デアル、御贊成デアリマスルナラバ、現在ノ
形ニ於テノ山本内閣ハ、此見地カラ見テ申シ分ナキモノデアルト山本伯ニ於テモ御考デア
ルヤ否ヤ、是モ序ニ承リタイト思フ、若又山本伯ニシテ政黨主義ヲ必要トハ認メナイ、サウ
云フモノハ憲政ノ運用ニ必要トハ思ハナイト云フ御考デアルトスルナラバ-サウデハアリ
マスマイガ、假リニサウ云フコトガアリト假定スルナラバ、今日政友會ト提挈シテ居ラレル
コトハ、政黨政治ノ趣意ヨリ來リタルニアラズシテ、單ニ一時ノ便宜ノ爲ニ妥協提挈ノ手
段ヲ執ッテ居ラレルダケノコトデアルカ、其邊ヲモ添ヘテ承リタイト思フノデアリマス、六一
第二ニ私ノ御尋致シタイト思フノハ、陸海軍大臣ノ任用ニ付テノ制限ノ問題デアリマ
ス、御承知ノ如ク現役大中將ニアラザレバイケナイト云フ窮屈ナル制限ガアル、此事ニ關
スル質問デアリマス、デ是ハ申スマデモナク憲政上ニ於テノ重大ナル問題デアリマス、ヤハリ
是ガ政治組織ノ主義ノ上ヨリ見タル根本ノ大問題デアリマスノミナラズ、是ハ昨年西園
寺內閣ガ倒レ桂內閣ガ起ル其前後ヨリ致シテ、我國ノ重大ナル問題ニナッテ、今尙明白
ニ解決ヲ告ゲズニ居ルトコロノモノデアリマス、單ニ此時機ニ御尋ネ申スト云フヤウナ問
題デモ何デモナイ、實際宿題トナリ現在ノ間題トナッテ眼ノ前ニ現ハレテ居ル、如何ニシテ
モ此解決ヲ告ゲネバナラナイト云フコトニナッテ居ル、サウ云フ問題デアリマスカラ、是ニ付
テハ一層明白ナル御答辯ヲ煩ハサネバナラナイト思フノデアリマス、(拍手スル者アリ)此
事ニ付キマシテハ一月ノ二十一日政友會ヨリ致シマシテ、今ノ內閣ノ閣員タル松田原
元田三君ノ如キモ提出者トナラレマシテ、サウシテ桂內閣ニ質問セラレタノデアル、面シテ
是等三君ヲ初メ、ソレニ屬スル政友會ノ意見ハ申スマデモナク此陸海軍大臣ノ任用令
ニ於テノ制限ヲバ、憲政ノ運用ニ差支アルモノデアル、支障アリト認メテ而シテ其改正ノ
必要ナルヲ認メタノデアリマス、西園寺內閣ハ勿論此問題ニ苦シメラレテ、是ハ實ニ憲政
運用上ニ支障アルモノト斯ウ認メタノデアル、今ノ山本內閣ハ政友會ノ政策ヲ實行スル
コトヽ承ハッテ居ル、又前ノ西園寺內閣ノ延長シタルモノト見做スベキモノデアルト云フ
コトヲ承ハッテ居ル、然ラバ此重大問題ニ付テモ必ズ前ノ政友會ガ認メ、又西園寺內
閣ガ認メタルト同ジキ意見ヲ執ッテ居ラルヽニ相違ナイト私ハ思フノデアリマス、卽チ此
制限ハ憲政ノ運用上ニ差支アルモノデアルト御認メニナリ、從ッテソレヲ改正セネバナラ
ナイト云フ御意見デアラウト考ヘルノデアリマスルガ、其御考ヲ此處デ明白ニ國民ノ前ニ
言明セラレマシタナラバ、時局ヲ明白ナラシムルニ於テ甚ダ喜ブベキコトデアラウト思フノデ
アリマス、現在山本伯ノ閣員トシテ重要ナル地位-私ハ重要ナルト信ジテ居リマスル
ガ、重要ナル內閣員ノ位地ニ立ッテ居ラレル松田君ナリ、原君ナリ、元田君ハ、此問題
ニ付テハ種々ノ因緣ヲ有シテ居ラレマスノデアルカラ、必ズ此ノ如キ憲政ノ運用ニ差支ア
ル制限ヲ-サウシテ是ガタメニハ西園寺內閣ノトキニ散々苦シメラレタト云フ綠故ノア
ル此問題、之ヲ解釋スルニ付テノ充分ノ御抱負ガアルダラウト信ズルノデアリマス、定メシ
山本內閣ニ御入リニナリマスルトキニハ、是等三君ハ此重要問題ニ付テ豫メ山本總理
大臣ト打合セヲセラレタデアラウト私ハ推測スル、政治家ノ進退ハ決シテ輕〓シク爲スベキ
モノデナイ、大臣ノ椅子ニ就ク、總理大臣ト話ヲシテ其仲間ニ入ラウ、內閣ノ仲間ニ入ラ
ウト云フニ付テハ、重要ナル政策ニ付テハ豫メ打合セスベキ筈デアル、殊ニ前ノ政變以
來特殊ノ關係アル時局ニ於テノノッピキナラナイ問題トナッテ、眼前ニ橫ハッテ居ルト云フ
此事柄ニ付テハ、必ズ一應山本總理大臣ニ打合セヲシテ、此問題ハ斯ウ云フ成行ニ
ナッテ居ル、吾ミハ斯ウ云フ考デアル、斯ウ云フ立場ニ居ル、總理大臣ハドウデアル、吾〓
ガ執リ來ッタトコロノ意見ト同ジデアルナラバ、喜ンデ吾〓モ內閣員トナラウト云フ位ノコ
トハ必ズ爲サレタデアラウト私ハ想像スルノデアリマス(拍手起ル)立憲政治家ノ進退ハ
徒ニ無方針無定見、唯誘ヒヲ受ケタカラ大臣ノ椅子ニサヘ著ケバ宜シイト云フ譯ノモノ
デナイ(拍手起ル)必ズ豫メ此問題ニ付テノ協議ハセラレタ筈デアル然ラバ今日此問題
ハ既ニ明白ニ內閣ニ於テハ極マッテ居ルコトデアラウト私ハ思フ、然ルニ過日來山本總理
大臣ハ、此問題ニ付テ明白ナル答ヲ與ヘラレナカッタノデアリマス、是ハ多分文書ニ依ル
質問デナカッタカラカモ知レナイ、併シ幸ニ本員ハ文書ニ依ヲテ御尋ヲ致シテ居ルカラ、宜
シイ待ッテ居ッタノデアルト云フヤウナ譯デ、定メシ明白ナ答ヲ與ヘテ國民ノ疑惑ヲ御解キニ
ナルデアラウト本員ハ信ゼント欲スルノデアリマス(拍手起ル)私ハ此問題ニ對スル總理大
臣ノ御答辯ニ依リマシテ、此內閣ガ立憲主義ノ上カラ見テ如何ナル價値ヲ有スルカト
云フコトヲ、判斷スル材料ニ致シタイト思フノデアル、同時ニ松田原元田三君ガ、大臣ト
シテ御入リニナッテ居ルガ、此三君ガ政治家トシテハ如何ナル人デアル、責任ヲ知ル人デ
アルヤ否ヤト云フコトヲ判斷スル材料ニ致シタイノデアル(拍手起ル)第三ニ本員ノ問ハン
ト欲スルハ文官任用令ニ關スルコトデアリマス、此文官任用令ガ憲政ノ運用ニ差支ノア
ルモノデアルト云フコトハ、最早多ク論ヲ俟タナイ、私ハ此事ニ付テ長ク諸君ノ〓聽ヲ
煩ハス必要ハナカラウト思フノデアリマス、總理大臣ガ豫算委員會ノ席上デ、此問題ニ
付テ一議員ニ御答ニナッタトコロニ依リマスルト、文官任用令ヲ改正スルヤ否ヤハ未ダ明
言スル能ハズト云フコトデアル、此ノ如キ答ハ吾〓ノ滿足スルヲ得ナイノデアリマス、第一
現在ノ文官任用令ヲ改正スル必要アリト認メラルヽヤ否ヤ明白ニ承リタイ、原則ニ於
テ必要アリト御認メニナッタトスルバ、第二ニハ如何ナル範圍ニ於テ如何ナル程度ニ於テ
此任用令ヲ改正セントセラレルノデアルカ、ソレヲ承リタイノデアリマス、此問題ハ憲政ノ
運用ニ伴フ多年懸案トモ云フベキモノデアリマス、殆ド國民ハ其改正ヲ要求スルニ於テ
一致シテ居ルノデアリマスルカラ、定メシ山本總理大臣モ吾ミニ對シ滿足スベキ答辯ヲ與
ヘラレルデアラウト豫期致スノデアリマス、第四ノ二個師團增設問題、是ハ前ノ陸海軍
大臣任用ニ關スル件ト同ジク、昨年ノ冬以來實地ノ問題トシテ政治社會ノ重大ナル
注意ヲ惹イテ居ルトコロノモノデアル、是ハ突發シタ問題デモナク、物好キニ出テ來タモノデ
何デモナイノデアリマシテ、種々ノ關係、西園寺內閣ノ倒レタトキヨリノ關係上、明白ニ
解決シナケレバナラナイ筈ニナッテ居ルトコロノモノデアリマスルカラ、是非山本總理大臣
ニ於テ充分ノ滿足スベキ御答辯ヲ得タイト思フノデアリマス、是マデ豫算委員會等ニ於
テ、總理大臣ノ述ベラレタトコロニ據リマスルト、大正二年度ニ於テハ二個師團增設ハ
豫算ニ計上シテナイト云フコトデアル、是ハ說明デアッテ討論ヂヤナイ、豫算ヲ見レバ大
正二年度ノ豫算ニ計上シテナイト云フノハ分ッテ居ル、ソレダケノコトデハ益ニナラナイノ
デアッテ、此二個師團增設ナルモノヲバ必要ト認ムルノデアルカ認。メナイノデアルカ、本年大
正二年度ノ豫算ニ之ヲ計上シナイノハ、、唯財政上ノ都合ノミデアッテ、腹ノ中デハ之ヲ或
ハ實行スル、實行シタイト云フ考ヘデ居ルノデアルカ、其邊ガ明白ニナラナイト吾〓ハ滿足
スルコトハ出來ナイノデアリマスノデ、豫算委員會ニ於ケル質問及之ニ對スル當局者ノ
答辯等ニ依リマスルト、此二個師團問題ニ對スル政府ノ態度ガ、啻ニ曖昧デアルノミナ
ラズ、頗ル奇怪デアルト云フノハ、總理大臣ハ必要デアルカ必要デナイカ未ダ分ラナイト云
フコトデアル、唯大正二年度ニ於テハ歲計ニ上ボシテ居ラナイ、豫算ニ上ポシテ居ラナ
イ、併シ必要デアルカ必要デナイカ分ラナイト云フコトダケノコトデアルガ、陸軍大臣ガ說
明セラレ答辯セラレタモノヲ見マスルト云フト、更ニ一歩ヲ進メテ居ル、陸軍大臣ハ二個
師團增設ノ必要ヲ認メテ、大正三年度ヨリハ之ヲ實行スルニ決シテ居ラルヽカノ如クニ
見受ケラレルノデアリマス、斯ク見受ケラルヽガ如キ答辯ヲシテ居ラルヽノデアリマス、是ガ
甚ダ私ハ奇怪ダト思フ、陸軍大臣ハ陸軍省ノ大臣デハナイ、內閣ノ大臣デアルベキ筈デ
アル、議會ニ出デヽ議員ノ質問ニ答ヘルト云フニ至ッテハ、單ニ陸軍省ノ省內ニ於ケル
意見ヲ代表スベキモノデハナイ、政府ノ代辯者トシテ政府ノ意ノアルトコロヲ述ベル筈ノモ
ノデアル、然ルニ政府ノ代辯者トシテ述ベルベキ其人ノ言フ事柄ハ、總理大臣ノ言フコ
トヽ充分一致シテ居ラナイト云フノハ、甚ダ可笑シイ話ト私ハ思フ、或ハ從來屢〓見タ
ルガ如ク、陸軍省ナルモノハ內閣以外ニ一種ノ獨立ノ存在ヲ保ッテ、內閣ハ內閣デアル、
陸軍省ハ陸軍省デアルト云フコトニナッテ居ッテ、內閣トシテノ意見ニハ關係セズ、單ニ
陸軍大臣ガ自分ノ意見トシテ答辯ヲスルト云フノデアルカ、果シテ然リトスルナラバ是ハ
奇怪ナル事柄デアル、立憲政治ノ行ハルヽ國ニ於テ、斯ル事柄ガ許シ得ラルベキ筈ハナ
イノデアリマス、惟フニ此邊ハ何等カノ間違ヒガアルダラウト私ハ推測スル、若シモ陸軍大
臣ハ二個師團增設ノ必要ヲ認メ、機ヲ見テヤル積リデアルト云フコトヲ言ヒ、而シテ總理
大臣ハイヤ二個師團增設ノ必要不必要ハ未ダ〓究中デアル、未ダ分ラナイト云フヤウナ
コトデアリマスレバ、國民ハ甚ダ其間ニ惑ヒヲ生ゼザルヲ得ナイノデアリマス、デ政府ニ於テ
二個師團增設ノ必要ヲ認メ、之ヲ爲スノ意向デアルト云フコトデアルナラバ、國民ノ前
ニ正直ニソレヲ言明シテ戴キタイノデアル、總理大臣ニ聞クト云フト何ダカ分ラナイ、陸軍
大臣ニ聞クト云フトヤハリサウダ、サウ云フ要領ヲ得ナイコトノ間ニ國民ヲシテ判斷ヲ爲
スニ迷ハシムルトニフフトハ、甚ダ宜シキヲ得ナイコトヽ信ズルノデアリマス、元來西園寺
內闇ハ此問題ニ對シテ斷然反對シタノデアリマス、政友會又然リデアリマス、故ニ西園
寺內閣ノ延長シタルモノテアッテ、政友會ノ政策ヲ實行スル筈デアルト云フコトヲニロハレテ
居ル山本內閣ハ、必ズ此事ニ斷然反對ノ態度ヲ示スベキ筈デアルト私ハ思フ、之ニ付
テ山本總理大臣ノ申サレルコトニ私ハ甚ダ了解シ難キコトガアルノデアリマス、ソレハ豫
豫委員會ノ席上デアッタノデアリマスガ、西園寺內閣ハ海軍擴張ヲ急務中ノ急務ナリト
考ヘテ其計畫ヲ立テタケレドモ二個師團增設案ハ財政ノ都合上見合セラレタノデアルト
云フコトヲ言ッテ居ラルヽノデアル、西園寺內閣ガ二個師團增設ニ反對シタト云フノハ單
ニ財政上ノ意味デハナイト私ハ信ジテ居ル、必要ガ無イト考ヘタカラデアル、ワレハ西園寺
侯ガ政友會ノ大會ニ於テ演說セラレタトコロニ依ッテ明白デアリマス、其中ニ卽チ一月十
九日政友會ノ大會ニ於テ、西園寺侯ハ二個師團問題ニ付キマシテ、財政上ノ狀態ニ
見ルモ之ヲ大正二年度ヨリ實行スルコトノ出來ナイノハ勿論、國際上ノ關係ヨリ見ルモ
急設ノ必要ヲ認メズ(拍手スル者アリ)此ノ如ク明言セラレタノデアル、決シテ單ニ財政
上ノ都合カラバカリ二個師團問題ニ反對シタノデハナイ、是ハ西園寺侯ガ總裁トシテ言
ハレタバカリデハナク、更ニ此趣意ヲ敷衍シ充分其意味ヲ明カニシタ御方ガアル、ソレハ卽
チ松田正久氏デアリマシテ、西園寺侯ノ演說ガアリテカラ約十日間程經チマシテ、大阪
ニ於ケル二月一日ノ憲政擁護大會ノ席上ニ於キマシテ(拍手スル者アリ)斯ウ云フコトヲ
言ッテ居ル、内閣ガ-此西園寺內閣ノ倒レタ原因ニ就キマシテ、二個師團問題ニ說及
ヒ、此二個師團ノ增設タルヤ世界刻下ノ狀況ヨリ見ルモ其必要ハ毫モ認メラレナイト、此
ノ如ク松田正久氏ガ言ウテ居ルノデアル(拍手スル者アリ)此大阪ノ憲政擁護大會ニ於
ケル松田氏ノ演說ハ種ケノ新聞ニ報道セラレ、其報道ハ皆一致シテ居リマスルカラー
此〓ニ於テ一致シテ居リマスルカラ決シテ是ハ間違ヒトハ思ハレナイ、要スルニ西園寺侯
ノ政友會大會ニ於テ述ベラレタル趣意ヲ、更ニ敷術シ多數ノ人ニ聞カシムルガタメニ大阪
ニ於テ此演說ヲセラレタノデアラウト私ハ思フ、サレバ西園寺內閣ガ二個師團問題ニ反
對シタト云フコトハ、單純ナル財政上ノ意味バカリデハナイ、其必要ヲ認メナイノデアル、
國際ノ狀況ヨリ見テ其必要ヲ認メナイト云フ〓カラ來テ居ルト私ハ思フ、假リニ財政上
ニ於テ工夫ガ附クニ致シマシテモ、國際上ノ關係ヨリ見テ必要ハナイト云フノデ、此案ニ
反對セラレタノデアルト私ハ確信スル(拍手スル者アリ)果シテ然リトスルナラバ此西園寺
閣ノ延長デアル政友會ノ政策ヲ實行スル筈ノ山本內閣ハ、當然又同ジヤウノ理由ヲ以
テ、此二個師團增設ニ反對セラルベキ筈デアルト私ハ思フ、西園寺內閣トハ特別ノ關
係ガアリ、政友會トモ特別ノ關係ノアル筈ナル其政治家ノ口ヨリシテ、西園寺侯ノ意
見トハ違フ政友會ノ意見トハ違フコトノ考ヲ述ベラレテ、西園寺内闇ハ唯財政上ノ都
合カラ此問題ニ反對セラレタノデアルト御說明ニナルト云フコトハ、甚タ恐入ッタ次第デ
アリマシテ、山本伯トシテ誤解ノ甚ダシキモノデアルト私ハ思フ(拍手起ル)免ニ角此二個
師園增設問題ハ西園寺內閣ヲ倒シタル關係深キ重大問題デアリマシテ、今日之ヲ暖
昧ニ附シ去ルコトハ出來ナイノデアル、西園寺侯ガ意見ヲ發表シ、又次デ松田正久氏
ガ其意見ヲ發表シテ居ル、今日ニ至ルマデ世界ノ形勢ハ臺モ變ジテ居ラナイ、今日ニ至ッ
テ俄ニ意見ヲ更メナケレバナラヌト云フ事情ハ生ジテ居ラヌト思フノデアル、故ニ必ズ現
內閣ニ於テモ前同樣ノ說ヲ採ラルベキ筈デアル、殊ニ松田君ナリ原君ナリ元田君ナリ純
粹ニ前ノ西園寺內閣ト聯絡シ、純粹ニ政友會ト結ンデ居ル其政治家ニ於テ、責任上
必ズ此二個師團問題ニハ啻ニ大正二年ニ於テバカリデナイ、必要有ルヤ否ヤト云フ〓
カラ見テモ反對セラルベキ筈デアルト考ヘルノデアリマス、併シ之ニ付テハ甚ダ政府今日マ
デノ態度不明デアリマシテ、說明頗ル曖昧デアルガタメニ、國民ハ非常ニ迷ウテ居ルノデ
アル、或ハ無益ノ迷ヒデアルカモ知レマセヌガ、免ニ角迷ウテ居ルノデアリマスカラ、何卒總
理大臣ニ於テ明白ニ此事ニ付テ御答辯ヲ下サイマシテ、決シテサウ云フ譯デナイ、心配
スルニ及バヌ、ヤハリ前ノ西園寺內閣及政友會ノ執リ來リタル意見ト同一デアルト云フ
コトヲ明カニシテ戴キタイノデアリマス、終リニ第五ノ質問ト致シテ本員ガ揭ゲマシタノハ
減稅ノ事デアリマス、大正二年度ヨリ減稅ヲ行フヤ否ヤ、又行フトスルナラバ其見積金
額ハ幾何デアルカト云フ事デテリマス、此事ニ付テ既ニ度ミ豫算委員會ノ問題トナリ、政
府當局ヨリ度〓御答辯モアッタヤウデアルガ、其答辯ニハ要領ヲ得ザルモノモ甚ダ多ウカッ
タガ、此事實ヲ稍〓明白ニシタ〓ニアルノデアリマス、併シ此本會議ニ於テ此〓ニ付テ明
白ニ答辯セラレ、減稅ハ大正三年度ニ於テ是ダケノ事ヲ實行スル積リデアル、大正三年
トカ四年トカ云フ先キノ事マデ聽キタクナイ、現在スグ次ナル此ノ二年ニドレダケノ減稅、
ドレダケノ意見ヲ實行スルト云フ〓ヲ、充分ニ玆ニ御答ヲ願フナラバ甚ダ幸デアルト思
フノデアル以上申上ゲマスル五箇條ノ點ガ卽チ本員ノ問ハント欲スル所ノ問題
デアリマス、之ニ付テハ必ズ厚意ヲ以テ、誠意ヲ以テ、總理大臣ヨリ御答アル事ト信ジ
マスルガ、或ハ將來ノ事柄ハ此處デ答辯ガ出來ナイト云フヤウナ御說ガナイトモ限ラヌ
ガ、本員ハ敢テ將來ノ事ヲ聽クノデナイ現在ノ意見ヲ聽クノデアリマス、現在今日ニ於
テ總理大臣ハ是等ノ問題ニ付テ如何ナル意見ヲ有スルカト云フコトヲ伺フノデアリマシ
テ、未來記ヲ强イテ問フよ云フノデナイ、尙是等ノ問題、殊ニ其中ニ於キマシテモ政治ノ
組織問題ニ關シ、憲政ノ運用上ニ關スルト云フ種類ノモノニ至リマシテハ最モ重大デア
ル、全國民ガ非常ナル注意ヲ以テ其事ニ對スル政府ノ答如何ト云フコトヲ俟ッテ居ル
ノデアリマスカラ、願クバ要領ヲ得タル明白ナル而シテ國民ヲ滿足セシムルニ足ルダケノ御
答辯ヲ煩ハシタイト思フノデアリマス、是等ハ決シテ黨派ノ問題デナイ、一內閣ノミノ問
題デナイ、國家國民ニ行豆ッテノ大問題デアリマス、決シテ一黨派ノ見地カラ、或ハ一
內閣ノ見地カラ一時ヲ綱續シ糊塗シ、而シテ足レリト云フ如キ性質ノ問題デナイノデア
リマスカラ、何卒誠意ヲ以テ是等ノ問題ニ御答辯ヲ煩ハシタイノデアリマス(拍手起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=6
-
007・相島勘次郎
○相島勘次郞君 議長···発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=7
-
008・大岡育造
○議長(大岡育造君) 此場合ニチヨット御諮リヲシマス、請願ノ第三分科會ニ於テ、
本會議中委員會ヲ開キタイト云フ請求デアリマス、許可シテ差支アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=8
-
009・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ許可スルコトニ致シマス、尙此場合ニ附加ヘ
テ申シテ置キマス、成ベク本會ト委員會ノ日ヲ分ッタル以上ニハ、非常ニ急グ場合デナ
クハ臨時ノ請求ヲ御遠慮ニナルヤウニ致シタイノデアリマス-相島君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=9
-
010・相島勘次郎
○相島勘次郞君 唯今林君ノ質問ハ無論總理大臣ニ對スルノデアリマスガ、併シ其
關係スル事ハ此處ニ出席シテ居ラルヽ元田君松田君等モ答辯ノ出來ルヤウナ事モ隨分
アルヤウデアリマスカラ、是等ハ政府ノ答辯ト云フ譯デナイガ、立憲國ノ立憲大臣タル責
任トシテ、玆ニ御答辯ト云フカ何ト云フカ、自分ノ考ヲ述ベテ宜カラウト思ヒマス(拍手
起ル)
(内閣總理大臣伯爵山本權兵衞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=10
-
011・山本權兵衞
○內閣總理大臣(伯爵山本權兵衞君) 諸君、去ル二十七日本議院ニ於キマシテ、
犬養君ヨリノ御質問モ承リマシタシ、又唯今林君ヨリノ質問モ其內大體同ジモノモゴザ
イマスル、右ニ關シマシテハ目下熟慮審議中デゴザイマスニ依ッテ、今ヨリ三日間中ニ御
答ヲ致シマスル、左樣御承知置ヲ顧ヒタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=11
-
012・竹越與三郎
○竹越與三郞君 唯今總理大臣ヨリ三日ノ猶豫ヲ得タイト云フコトデアリマシタガ、
本員等ハ此猶豫ヲ與フルニ躊躇スルモノデアリマセヌ、但シ三日間ノ後ニ滿足ナル返
答ヲ得ザル時ハ、吾〓ハ此希望ヲ表明シ遂行スルタメ、他ノ方法ヲ執ルト云フコトヲ玆ニ
聲言シテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=12
-
013・大岡育造
○議長(大岡育造君) 此場合ニ紹介ヲ致シマス、兵庫縣ノ補缺選舉ニ依ッテ當選
セラレタ水野正己君ガ御出席デゴザイマス、御紹介ヲ致シマス
〔水野正己君起立)
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=13
-
014・大岡育造
○議長(大岡育造君) 日程第一、京都帝國大學臨時政府支出金ニ關スル法律案
ノ第一讀會ヲ開キマス-議案ノ朗讀ハ省略シマス
第一京都帝國大學臨時政府支出金ニ關スル法律案第一讀會
(政府提出)
京都帝國大學臨時政府支出金ニ關スル法律案
火災復舊ノ費用ニ充ツル爲大正元年度乃至大正三年度ニ於テ總額金十二萬
圓ヲ每年度豫算ノ定ムル所ニ依リ帝國大學特別會計法第二條ノ金額ノ外一
般會計ヨリ京都帝國大學特別會計ニ繰入ルヘシ
〔政府委員福原鐐二郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=14
-
015・福原鐐二郎
○政府委員(福原鐐二郞君) 昨年ノ十月ニ京都帝國大學ノ理工科大學ガ火災ニ
罹リマシタ、化學〓室及設備ノ全部ヲ燒失致シマシタ、其復舊ノ費用トシテ京都大
學資金ヲ以テ處辨ヲ致ス筈デアリマスガ、復舊ノ費用ガ巨額デアリマシテ、資金ノカヲ
以テ全部ヲ負擔スルト云フコトハ出來マセヌノデ、已ムヲ得ズ不足額ヲ國庫ヨリ補給ス
ル必要ニ依リマシテ、本案ヲ提出シタ次第デアリマス、ドウゾ御協賛ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=15
-
016・大岡育造
○議長(大岡育造君) 日程第二右議案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ選擧ヲ議題ト致
シマス
第二右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=16
-
017・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名ノ九名委員ニ付託セラレン事ヲ望ミマス
(「贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=17
-
018・大岡育造
○議長(大岡育造君) 本案ヲ議長指名九名ノ委員ニ付託スルニ御異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=18
-
019・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ右ノ如ク決シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=19
-
020・荒川五郎
○荒川五郞君 先刻議長ノ宣告モアリマシタガ、旣ニ本議會ハ三分ノ二モ經過致シ
テ居リマスデ、委員會ヲ今日ノ二時ニ開クコトニ公報ニモ出テ居ルノデアリマス、ソレデ私
立學校用地免租ニ關スル委員會ヲ、二時カラ直チニ開クコトヲ御許シニナリタウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=20
-
021・大岡育造
○議長(大岡育造君) 滿場御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=21
-
022・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナイヤウデアリマスカラ許可シマス、日程第三、第
五、第七、第九、第十一ハ何レモ關聯シタル議案デアリマスカラ一括シテ議題ト致シマ
ス、御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=22
-
023・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ナケレバ一括シテ說明ヲ求メマス-松田司法大臣
第三裁判所構成法中改正法律案(政府提出)第一讀會
裁判所構成法中改正法律案
裁判所構成法中左ノ通改正ス
第十三條ノ二區裁判所ノ判事差支ノ爲或ル事件ヲ取扱フコトヲ得ス且同
裁判所ノ判事中其ノ代理ヲ爲シ得ヘキ者ナキ場合ニ於テ其ノ事件緊急ナ
リト認ムルトキハ地方裁判所長ハ地方裁判所判事ニ其ノ代理ヲ命スルコ
トヲ得
第十四條中「二百圓」ヲ「五百圓」ニ改ム
第十五條區裁判所ハ此ノ法律又ハ他ノ法律ニ特別ノ規定アルモノヲ除ク
外非訟事件ニ關ル事務ヲ取扱フノ權ヲ有ス
非訟事件中登記事務ハ裁判所書記ヲシテ之ヲ取扱ハシムルコトヲ得
第十六條區裁判所ハ刑事ニ於テ左ノ事項ニ付裁判權ヲ有ス但シ第二ニ記
載シタル罪ハ豫審ヲ經サルモノニ隈ル
第拘留又ハ科料ニ該ル罪
第二有期ノ懲役若ハ禁錮又ハ罰金ニ該ル罪
第十六條ノ一及第十六條ノ二ヲ削リ第十六條ノ三ヲ第十六條ノ二ニ改ム
第十七條ノ二司法大臣ハ區裁判所ニ屬スル事務ノ一部分ヲ取扱フ爲區裁
判所出張所ノ設置ヲ命スルコトヲ得
第二十一條中「每年」ヲ削ル
第三十七條中第二號ヲ削リ第三號ヲ左ノ如ク改ム
第二地方裁判所ノ第一審トシテ爲シタル決定及命令ニ對スル法律ニ
定メタル抗告
第四十條中「五人」ヲ「三人」ニ改ム
第四十一條中「五人」ヲ「三人」ニ、「七人」ヲ「五人」ニ改ム
第五十條第一號ヲ左ノ如ク改ム
第終審トシテ
(,3)地方裁判所及控訴院ノ第二審判決ニ對スル上告
(白)地方裁判所ノ第二審トシテ爲シタル決定及命令竝ニ控訴院ノ
決定及命令ニ對スル法律ニ定メタル抗告
第五十三條中「七人」ヲ「五人」ニ改ム
第七十三條中「及第七十五條」ヲ「乃至第七十五條」ニ改ム
第七十四條ノ二司法大臣ハ裁判事務上必要アルトキハ控訴院又ハ大審院
ノ總會ノ決議ニ依リ判事ニ轉所ヲ命スルコトヲ得
第八十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
書記ハ司法大臣之ヲ任シ及之ヲ補ス司法大臣ハ大審院長控訴院長檢事總
長檢事長ニ各〓其ノ裁判所又ハ檢事局ノ書記ヲ地方裁判所長檢事正ニ各〓
其ノ裁判所及其ノ管轄區域內ノ區裁判所又ハ檢事局及其ノ局ノ附置セラ
レタル地方裁判所管轄區域內ノ檢事局ノ書記ヲ任シ及補スルノ權ヲ委任
スルコトヲ得
第九十五條中「控訴院長」ヲ「地方裁判所長」ニ改ム
第百三十六條ノ二合議裁判所長檢事總長檢事長檢事正ハ其ノ監督ニ屬ス
ル判事若ハ檢事ヲシテ司法行政事務ノ一部分ヲ取扱ハシムルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前裁判所ノ受理シタル訴訟ニ付テハ管轄ニ關スル從前ノ規定ヲ適
用ス但シ本法ニ依リ其ノ裁判所ノ管轄ニ屬スルモノハ此ノ限ニ在ラス
第五判事及檢事ノ休職竝判事ノ轉所ニ關スル法律案第一讀會
(政府提出)
判事及檢事ノ休職竝判事ノ轉所ニ關スル法律案
第一條裁判所構成法中改正法律竝裁判所廢止及名稱變更ニ關スル法律ノ
施行ニ際シ司法大臣ハ判事及檢事中二百三十二人ヲ限リ休職ヲ命スルコ
トヲ得但シ判事ニ休職ヲ命スルニハ願ニ依ル場合ヲ除クノ外大審院ノ總
會ノ決議ヲ經ルコトヲ要ス
第二條前條ノ規定ニ依リ休職ヲ命セラレタル判事及檢事ニハ現俸三分ノ
一ヲ支給ス但シ在職二十五年以上ノ者ニハ二分ノ一迄ヲ支給スルコトヲ得
第三條第一條ニ揭ケタル法律施行ノ際ニ限リ裁判所構成法中判事ノ轉所
ニ關スル規定ハ之ヲ適用セス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七裁判所廢止及名稱變更ニ關スル法律案(政府提第一讀會
四
裁判所廢止及名稱變更ニ關スル法律案
第一條新島區裁判所、八丈島區裁判所、父島區裁判所、松戶區裁判所、佐倉
區裁判所、一宮本〓區裁判所、佐原區裁判所、木更津區裁判所、太田區裁判
所特別所 氏の號人誌」、龍ケ崎區裁判所、眞岡區裁判所宇都宮地方
裁判所管內
大田原區裁判所、佐野區裁判所、越ケ谷區裁判所、幸手區裁判所、大宮烏裁
判所、沼田區裁判所、中之條區裁判所、太田區裁判所判所管內前橋地方裁、富岡區裁
判所前橋地方裁、藤枝區裁判所、吉原區裁判所、掛川區裁判所、〓澤區裁
判所管內
判所、飯山區裁判所、大町區裁判所、福島區裁判所判所管內長野地方裁、岩村田區裁
判所、三條區裁判所、柏崎區裁判所、糸魚川區裁判所伏見區裁判所、木津
區裁判所、園部區裁判所、峰山區裁判所、池田區裁判所、ヽ茨木區裁判所、枚
方區裁判所、岸和田區裁判所、富田林區裁判所、松山區裁判所夢幻の時
奈良地方裁ヽに するに
內、高田區裁判所判所管內伊丹區裁判所、明石區裁判所、柏原區裁判
所、社區裁判所、龍野區裁判所、村岡區裁判所、水口區裁判所、八幡區裁判
所判所管內時大大不理地方裁、今津區裁判所、妙寺區裁判所、撫養區裁判所、富岡區裁判所
德島地方裁ヽ川島區裁判所、赤岡區裁判所、須崎區裁判所、三本松區裁判所、
判所管內
觀音寺區裁判所、一宮區裁判所、津島區裁判所、牟田區裁判所、西尾區裁
判所、新城區裁判所、松阪區裁判所、龜山區裁判所、八幡區裁判所岐阜地方
裁判所管
内、大垣區裁判所、三國區裁判所、武生區裁判所、大野區裁判所、小濱區裁
魚頭雞
判所、小松區裁判所、大聖寺區裁判所、高濱區裁判所、飯田區裁判所方舟町
所管、魚津區裁判所、杉木新區裁判所、竹原區裁判所、庄原區裁判所、德山區
內
裁判所、柳井津區裁判所、、船木區裁判所、木次區裁判所、今市區裁判所、八
幡濱區裁判所、片上區裁判所、新見區裁判所、笠岡區裁判所、勝山區裁判所、
溝口區裁判所、大村區裁判所、武生水區裁判所、武雄區裁判所、伊萬里區裁
判所、甘木區裁判所、吉井區裁判所、福島區裁判所福岡地方裁佐伯區裁判
判所管內
所、杵築區裁判所、玉津區裁判所、三角區裁判所、御船區裁判所、高瀨區裁
判所、人吉區裁判所、知覽區裁判所、加治木區裁判所、高千穗區裁判所、宮
古區裁判所那覇地方裁、八重山區裁判所、大河原區裁判所、田島區裁判所、
判所管內盛岡地方裁、
新庄區裁判所、長井區裁判所、花卷區裁判所、福岡區裁判所判所管內水
澤區裁判所、能代區裁判所、花輪區裁判所、湯澤區裁判所、野邊地區裁判
函館地方裁、壽都區
所、鰺ケ澤區裁判所、五所川原區裁判所、福山區裁判所判所管內
裁判所、紗那區裁判所及厚岸區裁判所ハ之ヲ廢止ス
第二條行事區裁判所ヲ行橋區裁判所ト、豆田區裁判所ヲ日田區裁判所ト、中
村區裁判所福島地方裁ヲ相馬區裁判所ト改稱ス
判所管內
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ニ依リ廢止セラレタル裁判所ノ受理シタル事件ハ其ノ裁判所ノ管轄區
域ヲ管轄スル同等ノ裁判所ニ於テ受理シタルモノト看做ス
本法ニ依リ廢止セラレタル裁判所ノ管轄區域カ二箇以上ノ同等ノ裁判所ノ
管轄ニ分屬スルトキハ其ノ裁判所ノ受理シタル事件ハ裁判所管轄區域表ニ
依リ管轄權ヲ有スル裁判所ニ於テ受理シタルモノト看做ス
前項ノ規定ニ依リ裁判所ヲ定ムルコト能ハサルトキハ其ノ事件ハ廢止セラ
レタル裁判所ノ所在地ヲ管轄スル同等ノ裁判所ニ於テ受理シタルモノト看
做ス
本法ニ依リ廢止セラレタル裁判所ノ爲シタル裁判其ノ他ノ行爲ハ前三項ノ
規定ニ依り定リタル裁判所ニ於テ之ヲ爲シタルモノト看做ス
第二項乃至第四項ノ規定ハ事件ノ差戾又ハ移送ヲ受ケタル裁判所カ本法ニ
依リ廢止セラレ本法施行後ニ其ノ差戾又ハ移送ノ判決ノ確定シタル場合ニ
之ヲ準用ス
第九裁判所管轄區域ニ關スル法律案(政府提出)第一讀會
裁判所管轄區域ニ關スル法律案
裁判所管轄區域別表ノ通定
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前裁判所ノ受理シメル事件ハ其ノ裁判所ニ於テ之ヲ完結ス
(別表)
控訴院
地方
裁判所
東京
橫濱
裁判所管轄區域表
區裁
判所
東京
八王子
橫濱
横須賀
小田原
浦和
川越
管轄區域
東京府ノ内
東京市荏原郡豐多摩郡北豊島郡南足立郡
南葛飾郡大島利島新島式根島
地內島早島鵜渡根島神津島恩走島
紙苗島三宅島大野原島御藏島簡凝波島
八丈島小島靑ケ島鳥島小笠原島
硫黃島南硫黃島北硫黃島南島島中ノ島島
東京府ノ内
南多摩郡北多摩郡西多摩郡
神奈川縣ノ内
橫濱市久良岐郡橘樹郡都筑郡錢食郡
高座郡津久井郡
神奈川縣ノ內
橫須賀市三浦郡
神奈川縣ノ内
足柄下郡足柄上郡中郡愛甲郡
埼玉縣ノ内
北足立郡南埼玉郡北葛飾郡
入間郡ノ内
鶴瀬村南畑村宗岡村水谷村三芳村
北埼玉郡ノ内
加須町騎西町志多見村鴻莖村三田ヶ谷村
高柳村大禮羽村原道村種足村
元和村村君越村村田ケ谷村東村不動岡村
利島村本店街三保持川邊村樋造川村
大桑村鹽野村要宵
埼玉縣ノ内
入間郡ノ内
川越町所入間川町坂戶町
越生町町町岡野岡村村町古谷村南古谷村
仙波村村大井村柳瀨村
松井村山福金富高飯村三奧東小福芳豊指村三ケ鳥村
元狹山村角田原子岡階野澤村金手子村藤
兼村富村日東澤村村
堀村
田面澤村村野村勝呂村植柏高梅入大入宮木原萩圓西田間寺村村村村村村村村
大家村川村毛呂村山根村
山口村吾妻村名細村重 鶴ケケ霧島村
管川村高麗村東吾野村村
水高富村元加治村加治村精明村
原市場村南高麗村
浦和
千葉
水戶
熊谷
千葉
北條
八日市
場
水戶
土浦
比企郡ノ内
小見野村中山村八ツ保村伊草村三保谷村
出丸村
秩父郡ノ内
名栗村吾野村
埼玉縣ノ内
大里郡兒玉郡
北埼玉郡ノ内
忍町羽生町井泉
共和村埼玉村村村忍田田村村村
東村町成下持廣
星宮村第 穀長野太須屈太川田影巢井俣村
北河原村菊森軒蛋餅條田村
岩瀨村南河原村村村村
手子林村中
中島村
比企郡ノ内
松山町谷川町福田村宮前村
唐子村菅小八和田村大河村
村玉七大川〓岡村村村
竹澤村平村明覺村龜井村
今宿村高坂村野本村東吉見村南吉見村
西吉見村北吉見村
秩父郡ノ內
大宮町小鹿野町橫瀨村蘆ヶ久保村高篠村
原谷村皆野村三森白島村樋口村
野上村國神村商店街矢納村日野澤村
下吉田村大田村尾田蒔村長上吉田村
倉尾村三田川村國鮮町大瀧若村村白川村
中川村久那村徳川氏影森村大椚村
槻川村大河原村
千葉縣ノ内
千葉郡市原郡東葛飾郡印旛郡長生郡
君津郡夷隅郡
千葉縣ノ內
安房郡
千葉縣ノ内
匝瑳郡海上郡香取郡山武郡
茨城縣ノ内
水戶市東茨城郡西茨城郡那珂郡久慈郡
多賀郡
鹿島郡ノ内
鉾田町夏海村大谷村沼前村巴村村
德宿村諏訪村新宮村上島村白島
茨城縣ノ内
新治郡稲敷郡行方郡北相馬郡
筑波郡ノ内
谷田部町筑波町北條町小張村板橋村
久賀村三島村谷井田村眞瀨村豐村
島名村旭村鹿島村十和村福岡村
東京
宇都宮
前橋
靜岡
下妻
宇都宮
栃木
前橋
高崎
靜岡
沼津
下田
濱松
上〓村作岡村菅間村田井村小田村
小野川村葛城村大穗村田水山村長崎村
鹿島郡ノ内
鹿島町大同村中野村波野村豐郷村
豐津村高松村中島村輕野村若松村
矢田部村東下村
茨城縣ノ内
眞壁郡結城郡猿島郡
筑波郡ノ内
吉沼村高道祖村
栃木縣ノ内
宇都宮市河内郡上都賀郡芳賀郡鹽谷郡
那須郡
栃木縣ノ内
下都賀郡安蘇郡足利郡
群馬縣ノ内
前橋市勢多郡利根郡佐波郎新田郡
山田郡邑樂郡
群馬郡ノ内
澁川町伊香保町總社町東村元總社村
駒寄村古卷村明治村豐秋村金島村
長尾村白〓井村小野上村
群馬縣ノ内
高崎市多野郡北甘樂郡碓水郡吾妻郡
群馬郡ノ内
倉賀野町金古町室田町佐野村岩鼻村
大類村瀧川村京ケ島村新高尾村中川村
塚澤村六〓村長野村久留馬村本店
車〓村箕輪村相馬村上郊村要先時
國府村〓里村桃井村片岡村
靜岡縣ノ内
靜岡市安倍郡庵原郡志太郡
榛原郡ノ内
中川根村上川根村
靜岡縣ノ內
駿東郡田方郡富士郡
靜岡縣ノ內
賀茂郡
靜岡縣ノ内
濱松市濱名郡引佐郡磐田郡周智郡
小笠郡
榛內
町金谷町相良町勝間田村坂部村
台灣的國字山田崎初倉村五和村下川根村萩間村
村村地頭方村御前崎村白羽村
甲府
長野
com
甲府
谷村
長野
上田
松ホ
上諏訪
飯田
伊那
新潟
新發田
山梨縣ノ內
甲府市西山梨郡東山梨郡東八代郡西八代部
南巨摩郡中巨摩郡北巨摩郡
山梨縣ノ内
南都留郡北都留郡
長野縣ノ内
長野市上水内郡下水內郡下高井郡上高井郡
更級郡ノ内
稻荷山町更級村八幡村桑原村鹽崎村
川柳村信田村大信級村日原村
牧郷村更村村信里里岡村村村村和村布施村
御厨村中津府今笹共稻里村
井村
青木島村眞島村小島田村西寺尾村東福寺村
榮村
埴科郡ノ内
松代町清野村四條村豐榮村東條村
寺尾村
長野縣ノ内
小縣郡北佐久郡南佐久郡
壇科郡ノ内
屋代町坂城町南條村中之條村戶倉村
五加村埴生村杭瀬下村森村倉科村
爾宮縣村
更級郡ノ内
村上村力石村上山田村
長野縣ノ内
松本市東筑摩郡西筑家郡南安曇郡北安曇郡
長野縣ノ内
諏訪郡
長野縣ノ內
下伊那郡
長野縣ノ内
上伊那郡
新潟縣ノ内
新潟市西蒲原郡中蒲原郡
南蒲原郡ノ内
三條町加茂町裏館村栗林村井栗村
大崎村下條村田上村大島村長澤村
森町村鹿峠村本成寺村福島村
三島郡ノ内
大河津村
新潟縣ノ内
北蒲原郡東蒲原郡
新潟
京都
村上
長岡
六日町
高田
相川
京部
宮津
舞鶴
福知山
大阪
新潟縣ノ內
岩船部
新潟縣ノ內
長岡市古志郡北魚沼竈別羽第
三島郡ノ内
鬼 飯町寺泊町出雲崎町片貝村熱湯餃子
各〓の深才村日越村王寺川村(昭和
宮本村大積村日吉村脇野町村大津村
黑川村桐島村島田村西越村塚山村
南蒲原郡ノ内
今町見附町大面村坂井村新潟村
圧川村葛卷村中之島村
新潟縣ノ內
南魚沼郡中魚沼郡
新潟縣ノ內
高田市中頸城郡東頸城郡西頸城郡
新潟縣ノ內
佐渡郡
京都府ノ内
京都市愛宕郡葛野郡乙調郡紀伊郡
宇治郡久世郡綴喜郡相樂郡南桑田郡
北桑田郡船井郡
京都府ノ内
與謝郡中部竹野郡熊野郡
京都府ノ内
加佐郡ノ内
舞鶴町餘部町新舞鶴町岡田上村岡田下村
岡田中村丸八江村京村由良村神崎村
四所村高野村中筋雲池ノ內村餘內村
志樂村村
倉梯村與保呂村朝來村東大浦村
西大浦村
京都府ノ内
天田郡何應郡
加佐郡ノ内
河守町河守上村河西村河東村有路上村
有路下村
大阪府ノ內
大阪市西成郡東成郡三島郡豐能郡
北河内郡
中河内郡ノ内
八尾町長吉村北高安村瓜破村中高安村
矢田村南高安村堅下村堅上村孔舎筒村
枚同村枚岡南村池島村三野郷村高井田村
大戶村意岐部村英田村楠根村東六郷村
大阪
大阪
神戶
奈良
堺
神戶
篠山
姫路
豐岡
洲本
奈良
五條
玉川村市施村西六郷村曙川村北江村
西郡村龍華村若江村久寶寺村彌刀村
加美村小阪村長瀬村異村三木本村
南河内郡ノ內
柏原村太田村志紀村
大阪府ノ内
堺市皇北部泉南郡
南河内郡ノ内
富田林町長野町新堂村伴
石川村磯長村山田村白喜
條木志村村村
河内村赤阪村千早村東金高川中大
錦郡村彼方村市新野村天野村村村村村村村村
三日市村加賀田村天見村川上村草浦岡向西
南八下村北八下村古市村駒ヶ谷村西
國分村玉手村狭山村三都村大
野田村日置莊村黑山村丹南村丹北村
平尾村埴生村高鷲村藤井寺村小山村
道明寺村
中河内郡ノ内
天美村布忍村松原村三宅村惠我村
兵庫縣ノ内
神戶市武庫郡川邊郡有馬郡明石郡
美靄郡
兵庫縣ノ内
多紀郡水上郡
兵庫縣ノ内
姫路市飾磨郡印南郡加古郡加東部
加西郡多可郡神崎3揖保郡赤穗郡
佐用郡失粟郡
兵庫縣ノ内
城崎郡出石郡餐父郡朝來郡美方郡
兵庫縣ノ内
津名郡三原郡
奈良縣ノ内
奈良市添上郡生駒郡山邊郡磯城郡
宇陀郡
吉野郡ノ内
四〓村高見村小川村上龍門村
奈良縣ノ内
宇智郡南葛城郡北葛城郡高市郡
吉野郡ノ内
上市町下市町十津川村大淀村天川村
野迫川村賀名生村秋野村上北山村下北山村
吉野村宗檜村大塔村丹生村黑瀧村
中龍門村龍門村川上村白銀村中莊村
大津
和歌山
德島
大津
產根
長濱
和歌山
田邊
御坊
新宮
徳島
脇町
高松
國樔村
滋賀縣ノ内
大津市滋賀郡栗太郎野渕謂甲賀郡
滋賀縣ノ内
大上郡愛知郡神前舘蒲生聖
滋賀縣ノ内
阪田郡東淺井郡伊香郡高島郡
和歌山縣ノ内
和歌山市海草郡那賀郡伊都郡有田郡
和歌山縣ノ内
西半婁郡
東牟婁部ノ内
大島村
日高郡ノ内
南部町下山路村中山路村上山路村龍神村
寒川村上南部村〓川村高城村岩代村
和歌山縣ノ內
日高郡ノ内
御坊町印南町衣装村白崎由良村
志賀村比井崎村和田村村東內原村
三六所
西内承村湯川村生 屋村村松原村
矢田村早蘇村丹鹽村稻藤野原田口船着村
川中村名田村村村眞妻村
川上村
切目村切目川村
和歌山縣ノ内
東牟婁郡ノ内
新宮町古座町高池町三輪崎町勝浦町
西向町田原村明神村色川村三尾川村
小川村七川村下里村太地村上太田村
下太田村那智村宇久井村三津ノ村高田村
小口村請川村敷屋村本宮村四村
三里村北山村九重村玉置口村
德島縣ノ內
德島市名東郡勝浦郡那賀郡海部郡
名西郡板野郡
德島縣ノ内
美島部麻植郡司波郡三好郡
香川縣ノ內
高松市香川郡木田部大川郡小豆部
綾歌郡ノ内
府中村端岡村山內村陶村畑田村
瀧宮村羽床村羽床上村西分村山田村
千疋村粉所
名古屋
高松
高知
名古屋
安濃津
丸龜
高知
安藝
中村
名古屋
岡崎
豊橋
安濃津
上野
四日市
山田
木本
岐早
香川縣ノ内
丸龜市仲多度郡三豐郡
綾歌郡ノ內
坂出町宇多津町金山村西津圧村村
松山村王越村加茂村川富土林熊器田村村村
川西村飯野村坂本村法勳寺村
栗熊村岡田村長炭村造田村美合村
高知縣ノ内
高知市土佐郡長岡郡香美郡吾川郡
高岡郡
高知縣ノ內
安藝郡
高知縣ノ内
幡多郡
愛知縣ノ內
名古屋市愛知郡東春日井郡西春日井郡丹羽郡
葉栗郡中島郡海東郡海西郡知多郡
愛知縣ノ内
額田郡幡豆郡碧海郡西加茂郡東加茂郡
愛知縣ノ內
豐橋市渥美郡八名郡寶飯郡南設樂郡
北設樂郡
三重縣ノ內
津市安濃郡河藝郡鈴鹿郡一志郡
飯南都
多氣郡ノ内
東黑部村下御絲村大淀村上御絲村明星村
齋宮村相可村西外城田村佐奈村津田村
丹生村五ヶ谷村川添村
三重縣ノ内
阿山郡名貨郡
三重縣ノ內
四日市市三重郡員辨郡桑名郡
三重縣ノ内
宇治山田市度會郡志摩郡
多氣郡ノ内
三懶谷村荻原村領内村大杉谷村
三重縣ノ内
南牟婁郡北半婁郡
岐阜縣ノ内
岐阜市稻八葉郡羽島郡本海巢津郡郡山養縣老郡郡
不破郡安郡揖斐郡
武儀郡郡上郡
加茂郡ノ内
岐阜
福井
金澤
富山
御嵩
高山
福井
敦賀
金澤
七尾
輪島
富山
高岡
廣島
田原村富岡村
岐阜縣ノ内
可兒郡土岐郡惠那郡
加茂郡ノ内
太田町川邊町下麻生町八百津町古井村
山之上村蜂屋村加茂野村坂祝村富田村
加治田村伊深村三和村下米田村上米田村
和知村久田見村潮南村飯地村福地村
蘇原村黑川村西白川村東白川村佐見村
岐阜縣ノ内
大野郡吉城郡益田郡
福井縣ノ内
福井市足羽郡吉田郡坂井郡大野郡
今立郡丹生郡南條郡
福井縣ノ内
敦賀郡三方郡遠敷郡大飯郡
石川縣ノ内
金澤市石川郡河北郡能美郡江沼郡
石川縣ノ内
鹿島郡羽咋郡
石川縣ノ内
鳳至郡珠洲郡
富山縣ノ内
富山市上新川郡中新川郡下新川郡婦負郡
富山縣ノ内
高岡市射水郡水見郡東礪波郡西礪波郡
廣島縣ノ內
廣島市安佐郡山縣郡
安藝郡ノ內
海田市町上瀬野村下瀬野村牛田村戶坂村
溫品村府中村仁保島村船越村奥海田村
畑賀村中野村熊野村矢野村坂村
矢賀村中山村
佐伯郡ノ内
廿日市町嚴島町町大町
五日市町古田村谷內津八幡竹村
村
平良村小方村村村原野口內音斐村村村村村町
上水内村原木宮三栗河草増四砂和谷淺大井水觀己
村村村
石内村玖原友野內和村村村村前得
玖波村島村油見村
津田村吉和村
賀茂郡ノ内
西條町西高屋村東高屋村吉土實村賀永村
板城村〓田村寺西村川上村西志和村
大
廣島
廣島
吳
尾道
福山
三次
山口
東志和村造賀村下三永村御薗宇村吉川村
熊野跡村志和堀村原村下見村
豐田郡ノ内
大河村戶野村竹仁村乃美村川源村
椹梨村豐田村入野村久芳村田万里村
小谷村
廣島縣ノ內
吳市
安藝郡ノ内
音戶町警固屋町本圧村燒山村大屋村
吉浦村江田島村渡子島村倉橘島村上蒲刈島村
下蒲刈島村
佐伯郡ノ内
三高村沖村大柿村高田村中村
鹿川村津久茂村深江村飛渡瀬村
賀茂郡ノ内
内海町阿賀町仁方町早田原村上黑瀬村
中黑瀬村下黑瀨村内海跡村三津口村川尻村
廣村〓原村乃美尾村野路村中切村
廣島縣ノ內
尾道市御調郡世羅郡
沼隈郡ノ内
松永町瀨戶村津之郷村赤坂村金江
本郷村東村西村村
山南村柳神村
今津村津村藤江村浦崎村百島村
高須村山波村
豐田郡ノ内
忠海町瀬戶田町御手洗町大草村高坂村
長谷村沼田東村佐江崎村大乘村豐濱村
久友村大崎南村西野村西生口村南生口村
東生口村北生口村鷺浦村船木村本村
南方村田野浦村須波村吉名村木長谷〓村
大崎中野村東野村高根島村名荷村大村
沼田西村小泉村下北方村上北方村善入寺村
賀茂郡ノ內
竹原町三津町莊野村東野村下野村
廣島縣ノ内
深安郡蘆品郡神石郡甲奴郡
沼隈郡ノ内
鞆町千年村横島村田島村熊手野村村
水呑村田尻村走島村〓分村山
草戶村神島村佐波村
廣島縣ノ內
雙三郡高田郡比婆郡
山口縣ノ内
吉敷郡佐波郡都濃郡美禰郡
審
山口
岡山
鳥取
萩
岩國
下關
岡山
玉島
高梁
津山
鳥取
倉吉
米子
松江
濱田
山口縣ノ内
阿武郡大津郡
山口縣ノ內
玖珂郡熊毛郡大島郡
山口縣ノ内
下關市豐浦郡厚狹郡
岡山縣ノ内
岡山市御津郡赤磐郡和氣郡邑久郡
上道郡兒島郡
吉備郡ノ内
總社町庭瀬町足守町眞金村高松村
生石村服部村阿曾村池田村菅谷村
福谷村岩田村日近村大井村
都窪郡ノ内
撫川町茶屋町早島町妹尾町加茂村
庄村中圧村豐洲村福田村
岡山縣ノ内
淺ロ郡小田郡後月郡
都窪郡ノ内
倉敷町大高村帶江村萬壽村菅生村
中洲村〓音村常盤村山手村三須村
吉備郡ノ内
岡田村川邊村二万村穗井田村吳妹村
箭田村薗村新本村山田村久代村
秦村神在村
岡山縣ノ内
上房郡川上郡阿哲耶
吉備郡ノ内
下倉村水內村日美村富山村大和村
岡山縣ノ内
苫田郡勝田郡英田郡久米郡眞庭郡
鳥取縣ノ內
鳥取市岩美郡八頭郡氣高郡
鳥取縣ノ內
東伯郡
島取縣ノ内
西伯郡日野郡
島根縣ノ内
松江郡八束郡能義郡仁多郡大原郡
飯石郡簸川郡
島根縣ノ內
那賀郡
院
松江
松山
長簡
益田
大森
西〓
松山
大洲
西條
今治
宇和島
長崎
鳥原
佐世保
島根縣ノ内
美漁郡鹿足部
島根縣ノ内
邏摩部安濃郡邑智郡
島根縣ノ内
周吉郡穩地郡知夫鄭海士郡
愛媛縣ノ內
松山市温泉郡伊豫郡上浮穴部
愛媛縣ノ內
喜多部西宇和郡
愛媛縣ノ內
新居郡宇摩郡屬桑郎
愛媛縣ノ內
越智郡
愛媛縣ノ內
北宇和郡東宇和部南宇和第
長崎縣ノ内
長崎市北高來部
西彼杵郡ノ内
上長崎村小ケ倉村土井首村深村村
伊王島村高島村蚊燒村高木母燒
脇岬村樺島村爲石村川村
七龜伊茂野香木
日見村村喜々津村田浦島浦草原濱堀村村村村村村村村村村
時矢釜 高 分
長與村戶津上村村
大串村萌松江村福雪平長大村
見島島松村村村村神浦村
多以良村瀨戶村
黑崎村三重村式小榊村
浦上山里村西浦上村
東彼杵郡ノ内
大村町三浦村鈴田村大村西大村
萱瀨村竹松村福重村松原村千綿村
彼杵村川棚村下波佐見村上波佐見村
長崎縣ノ内
南高來郡
長崎縣ノ内
佐世保市
東彼杵郡ノ内
宮村廣田村折尾〓村早岐村江上村
崎針尾村日宇村佐世村
西彼杵部ノ内
面高村黑瀬村瀨川村
北松浦郡ノ内
黑島村小佐々村佐一村吉井村世知原村
中里村山口村大野村皆瀨村柚木村
佐賀
福网
平戶
福江
毆原
佐賀
唐津
福岡
飯録
久留米
柳河
小倉
行種
長崎縣ノ內
壹敲郡
北松浦郡ノ内
平戶町平村大島村生中野村
吉月村村志々伎村
獅子村紐方差戶村中津良村津
笛吹村前村柳村平村神浦村
南田平村田平村星鹿村村志佐村
區御島厨
上志佐村調川村今〓村村麗島村
江迎村鹿町村
長崎縣ノ内
南松浦郡
長崎縣ノ内
下縣郡上縣郡
佐賀縣ノ内
佐賀市佐賀郡神埼郡三養基郡小城郡
杵島郡藤津郡西松浦部
佐賀縣ノ内
東松浦郡
福岡縣ノ內
福岡市筑紫郡粕屋郡宗像鄙早良郡
糸島郡朝倉郡
福岡縣ノ内
嘉穗郡鞍手郡
福岡縣ノ内
久留米市三井郡浮羽郵
三瀦郡ノ内
島飼村荒木村安武村大善寺村西牟田村
六原村三瀦村
福岡縣ノ內
山門郡三池郡八女郎
三瀦郡ノ内
大川町城島町江上村青木村三又村
大溝村木佐木村木室村大莞村蒲池村
田口村濱式村久間田村川口村大野島村
福岡縣ノ內
小倉市門司市企救郡遺賀郡
福岡縣ノ内
京都郡築上郡田川鄭
大分縣ノ内
大分市大分郡
速見都ノ内
日出町別府町御豐町杵築町
坂崎越村町原岡村大神村
石垣村朝日村川藤
東村北杵築村八村東山香村中山香村
長簡
大分
大分
日杵
竹田
中津
日目
熊本
山浦村上村南端村北由布村南由布村
東國東郡ノ内
國東町富來町武藏町安岐町上國崎村
豐崎村旭日村中武藏村西武藏村朝來村
西安岐村南安岐村奈狩江村大內村
西國東郡ノ内
朝田村田原村
北海部郡ノ内
川添村丹生村大在村小佐井村佐賀市村
神崎村
大野郡ノ内
大飼町
大分縣ノ内
南海部郡
北海部郡ノ内
臼杵町佐賀關町一尺屋村佐志生村下ノ江村
海邊村下北津留村上北津留村南津留村下浦村
青江村津組村日代村四浦村保戶島村
大野郡ノ内
川登村田野村野津市村戶上村南野津村
重岡村小野市村
大分縣ノ内
直入郡
大野郡ノ内
三重町百枝村新田村菅尾村白山村
合川村收口村南〓方村長谷川村上緒方村
小富士村緒方村上井田村東大野村今市村
西大野村井田村長谷村柴原村
大分縣ノ内
下毛區宇佐郡
西國東郡ノ内
髙田町河內村田染村東都甲村西都甲村
車地村吳崎村西眞玉村中眞玉村上眞玉村
白野村三浦村岬村三重村
東國東郡ノ内
竹田津町上伊美村伊美村姫島村熊毛村
來浦村
遠見郡ノ内
立石町
大分縣ノ内
目田郡玖珠郡
熊本縣ノ內
熊本市飽託郡宇土郡下益城郡五名郡
上益城郡ノ内
御船町甲佐町木山町濱町河原村
木倉村高木村宮内村飯野村秋津村
熊本
山鹿
宮地
八代
天草
白水村津森村大島村六嘉村乙女村
下矢部村七瀧村廣安村御嶽村中島
白旗村龍野村福田村白糸村瀧川村村村
名連川村瀧尾村水越村豐秋村陣
小坂村
菊池郡ノ内
大津町原水村津田村瀬田村陣内村
平眞城村譲川村北會志村泗水村合志村
西合志村田島村
同蘇郡ノ内
錦野村山西村
天草郡ノ内
登立村維和村上村中村湯島村
熊本縣ノ内
鹿本郡
菊池郡ノ内
隈府町旭野村河原村水源村道間村村
龍門村砦城北村戶﨑村花房
村村〓泉村
菊池村加茂川
熊本縣ノ内
阿蘇郡ノ内
宮地町高馬見原町内牧町中通村
梨森村町山田村南小國村北小國村
古城村坂
尾ケ石村黑川村野尻村草部村白水村
色見村長久木野村波野村永水村
尾陽村村村小峯村
產山村管柏
上益城郡ノ內
朝日村
熊本縣ノ内
八代郡葦北郡球磨郡
熊本縣ノ内
天草郡ノ內
本渡町富岡町牛深町阿村道甫村
志柿村大楠村
赤﨑村上津浦村下津浦村
御所浦村浦村棚底村宮田村下浦村
櫨宇土村楠浦村大多尾村佐伊津村御領村
鬼村二江村坂瀨川村都呂々村福連木村
高海濱池村大江村富津村宮地岳村宮野河内村
魚貫村久玉村今津村〓良木河内
深村村
島子村栖本村宮地村本戶村本村
野村城河原村新合村町田村龜場村
姫手村志岐村須子村大浦村高戶村
島月中田村碇石村
樋村下津深江村小田床村
急浦村早浦村久留村
鹿兒島
宮崎
那覇
仙臺
鹿兒島
川內
鹿屋
大島
宮崎
飫肥
都城
延岡
那覇
仙臺
古川
石卷
登米
鹿兒島縣ノ內
鹿兒島市鹿兒島郡揖宿郡川邊郡始良郡
伊佐郡熊毛郡
日置郡ノ內
下伊集院村中伊集院村上伊集院村郡山村日置村
吉利村永吉村伊作村田布施村阿多村
囎唹郡ノ内
財部村末吉村
鹿兒島縣ノ内
薩摩郡出水郡
日置郡ノ内
串木野村西市來村東市來村
鹿兒島縣ノ內
肝屬郡
囎唹郡ノ内
岩川村恆吉村市成村松山村東志布志村
西志布志村月野村野方村大崎村
鹿兒島縣ノ内
大島郡
宮崎縣ノ內
宮崎郡東諸縣郡兒湯郡
宮崎縣ノ内
南那珂郡
宮崎縣ノ内
北諸縣郡西諸縣郡
宮崎縣ノ内
東白杵郡西白杵郡
沖繩縣
宮城縣ノ內
仙臺市宮城郡名取郡瓦理郡伊具郡
柴田郡刈田郡黑川郡
宮城縣ノ内
志田郡加美郡玉造郡遠田郡粟原郡
宮城縣ノ内
牡鹿郡桃生郡
本吉郡ノ内
十三濱村
宮城縣ノ内
登郡
本吉郡ノ内
柳津町横山村
宮城縣ノ内
本吉郡ノ内
福島
山形
氣仙沼
福島
相馬
郡山
白河
若松
平
山形
米澤
鶴岡
酒田
氣仙沼町志津川町戶倉村入谷村歌津村
小泉村御嶽村大谷村階上村松岩村
新月村鹿折村唐桑村大島村
福島縣ノ内
福島市信夫郡伊達郡安達郡
福島縣ノ内
相馬郡
福島縣ノ內
安積郡田村郡
福島縣ノ内
西白河郡岩瀬郡石川郡東白川郡
福島縣ノ內
若松市北會津郡耶麻郡河沼郡大沼郡
南會津郡
福島縣ノ内
石城郡雙葉郡
山形縣ノ内
山形市南村山郡東村山村西村山郡北村山郡
最上郡
東置賜部ノ内
中川村
山形縣ノ內
米澤市南置賜郡西置賜郡
東置賜郡ノ内
高畠町赤湯町宮内町小松町二井宿村
屋代村龜岡村和上〓村糠野目村
沖〓村吉野村金郡山田村村村漆山村梨〓村
大塚村大川村中吉島村伊佐澤村
山形縣ノ内
西田川郡ノ内
鶴岡町大山町加茂町稻生村大寶寺村
湯田川村田川村念珠關村福榮村溫海村
山戶村豐浦村上〓村大泉村西〓村
東〓村榮村京田村
東田川郡ノ内
大泉村村山添村黃金村
東村黑本川〓村
廣沼瀬村村泉村藤渡齋
橫山村榮島川島前村村村村
東榮村手押向切村村文長〓八村村狩
澤得川
十六合村
山形縣ノ内
飽海郡
東田川郡ノ内
大和村八榮里村常萬村余目村新堀村
榮村廣野村
秋田
盛岡
遠野
宮古
一關
秋田
本莊
大舘
横手
大曲
西田川郡ノ內
袖浦村
岩手縣ノ內
盛岡市巖手郡紫波郡稗貫郡和賀郡
二戶郡九戶郡
膽澤郡ノ內
相去村
巖手縣ノ內
上閉伊郎
巖手縣ノ內
下閉伊郡
巖手縣ノ內
西磐井郡東磐井郡氣仙郡江刺郡
贈澤郡ノ内
水澤町前澤町佐倉河村眞城村姉体村
白山村古城村衣川村小山村南都田村
若柳村永岡村金ケ崎村
秋田縣ノ内
秋田市南秋田郡河邊郡山本郡
由利郡ノ内
下濱村
秋田縣ノ內
由利郡ノ内
本莊町矢島町〓田 町
象潟町吉野上平濱澤村町上金〓浦村町
子野田
小出村院內村川内村直根村笹子村
西瀧澤村鮎川村東瀧澤村玉米村千種町
石澤村小友村南內越村北內越村現在時
下川大内村上川大内村大正寺村松ケ崎村道川村
秋田縣ノ内
北秋田郡鹿角郡
秋田縣ノ内
雄勝郡
平鹿郡ノ内
横手町增田村町沼館町大
山内村榮村町醍淺醐舞十文字村三見重森
植田村睦合村吉福地村里村村村町
八澤木村舘合村口村 明治田根森村旭
朝倉村境町村黑川村
秋田縣ノ内
仙北郡
平鹿郡ノ内
角間川町川西村
靑森縣ノ内
靑森
函館
靑森
弘前
八戶
函館
江差
札幌
室蘭
靑森市東津輕郡北津輕郡下北郡
上北郡ノ内
七戶町野邊地町橫濱村天間林村甲地村
浦野舘村大深内村六ヶ所村
南津輕郡ノ内
畑岡村
中津輕郡ノ内
新和村
靑森縣ノ內
弘前市西津輕郡
中津輕郡ノ內
〓水村和德村豐田村堀越村千年村
駒越村岩木村相馬村東目屋村西目屋村
藤代村大浦村船澤村高杉村裾野村
南津輕郡ノ内
黑石町女鹿澤村富木舘村野澤村大杉村
浪岡村五〓村六〓村十二里村常盤村
藤﨑村光田寺村田舎舘村中郷村山形村
猿賀村尾上村各町淺瀬石村大光寺村
柏木町村竹舘村消費税尾崎村石川村
大鰐村藏舘村碇ケ關村
靑森縣ノ內
三戶郡
上北郡ノ内
三本木町法奥澤村藤坂村四和村六戶村
百石村下田村三澤村
北海道ノ內
函館區龜田郡上磯郡茅部郡山越郡
松前郡
北海道ノ內
檜山郡爾志郡久遠郡太櫓郡瀨棚郡
奥尻郡
北海道ノ内
札幌區札幌郡千歳郡石狩郡厚田郡
濱益郡夕張郡
空知郡ノ内
岩見澤町沼貝村栗澤村三笠山村幌向村
北村
樺戶郡ノ内
月形村浦臼村
北海道ノ内
室蘭郡有珠郡幌別郡白老郡
虻田郡ノ内
虻田村辨邊村
勇拂郡ノ内
図館
札幌
根室
浦河
小樽
岩肉
旭川
增毛
稚內
根室
釧路
帶廣
網走
豊原
苫小牧村安平村厚眞村鵡川村井日戶村
萠別村生鼈村似灣村累標村穗別村
邊富內村
北海道ノ内
浦河郡樣似郡幌泉郡三石郡靜內郡
新冠郡沙流郡
北海道ノ内
小樽區小樽部高島郡孤路郡余市郡
古平郡美國郡積丹郡
北海道ノ内
岩內郡古宇郡磯谷郡歌葉郡壽都郡
島收郡
虻田部ノ内
倶知安村東倶知安村眞狩村狩太村
北海道ノ内
上川郡(酷)雨龍郡上川郡(蘇)中川郡(〓〓)
空知郡ノ內
瀧川町砂川村歌志内村蘆別村江部乙村
音江村上富良野村下富良野村南富良野村
樺戶郡ノ内
新十津川村
勇拂郡ノ内
占冠村
北海道ノ内
增毛部留萠部苫前郡天鹽郡
北海道ノ内
宗谷郡枝幸郡利尻郡禮文郡
北海道ノ内
根郡花咲郡野付郡標津郡目梨郡
國後室郡色丹郡紗那郡振別邸擇捉郡
藥取郡得撫郡新知郡占守郡
北海道ノ内
釧路郡白糠郡足寄郵阿寒那川上郡
厚岸郡
北海道ノ内
廣河西郡河東郡上用郡(計畫)中川郡(計画)十勝耶
尾郡
北海道ノ內
網走郡斜里郡當呂郡紋別郡
樺太ノ内
西能登呂岬燈臺用地西北端ヨリ自主山稻穂山雨龍山留多加山ヲ
連繫スル山脈ヲ趁ヒ多蘭泊ト中里トノ各北端ヲ連繫スル線ニ至
リ其ノ交叉點ヨリ同續ヲ東ニ留多加川ニ至リ其ノ交又點ヨリ河
流ヲ〓リテ中野南方合流點ニ至リ同合流點ヨリ一直線ニ留多加
山ニ至リ同山ヨリ野田寒岳釜伏山惠須取山ヲ連繋スル山縣ヲ趁
ヒ國境ニ至ル各線ヲ境界トシ其ノ東海豹島
樺太
樺太ノ内
西能登呂岬燈壹用地西北端ヨリ白主山稻德山雨龍山留多加山ヲ
連繫スル山脈ヲ趁ヒ多蘭泊ト中里トノ各北端ヲ連翳スル線ニ至
眞岡リ其ノ交叉點ヨリ同線ヲ東ニ留多加川ニ至リ其ノ交又點ヨリ河
流ヲ遡リテ中野南方合流點ニ至リ同合流點ヨリ一直線ニ留多加
山ニ至リ同山ヨリ野田寒岳釜伏山惠須取山ヲ連繫スル山脈ヲ趁
ヒ國境ニ至ル各線ヲ境界トシ其ノ西海馬島
第十一判事懲戒法中改正法律案(政府提出)第一讀會
判事懲戒法中改正法律案
判事懲戒法中左ノ通改正ス
第九條中「五人」ヲ「三人」ニ、「七人」ヲ「五人」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔司法大臣松田正久君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=23
-
024・松田正久
○司法大臣(松田正久君) 唯今議長ノ宣告ニ依リマシテ、日程第三ヨリ第十一ニ
至ルマデガ一括シテ議題ニ付セラレタノデゴザイマス、卽チ其第一ハ裁判所構成法中改
正法律案デアリマス、裁判所構成法ハ其實施以來玆ニ二十有餘年ヲ經過シテ居リマ
スガ、此間ニ於テ實際ノ經驗ニ依リマシテ、多少〓正ノ點ヲ見出シ、此事ハ世間ノ學
者及實際家ニ於テモ略〓其意見ハ一致致シテ居ル位テゴザイマスル、故ニ今般政府ハ行
政及財政ノ整理ヲ實行セントスルニ當リマシテ、此裁判所構成法ノ改正ヲ期スルノデゴ
ザイマスル、卽チ其要點ヲ申シテ見マスレバ、第一ニハ區裁判所ノ權限ヲ擴張致スノデ
アリマス、御承知ノ如ク是マデ民事ノ訴訟トシテハ二百圓以下デゴザイマシタノヲ、此改
正案ニ依ッテハ之ヲ五百圓以下ニ致ス、是ガ第一デゴザイマスル、又刑事ト致シテハ第
一ハ拘留及科料ニ當ル罪、第二ハ豫審ヲ經ザルトコロノ有期ノ懲役若クハ禁錮又ハ罰
金ニ當ル罪ヲ管轄スルコトニ致シタノデゴザイマス、扨又第二ニハ是マデ合議裁判ノ構成
ハ大審院七人控訴院五人地方裁判所三人デゴザイマシタノヲ、此構成ノ人員ヲ減
ジマシテ、大審院ノ合議ヲ五人ニ改メ、控訴院ノ五人ヲ三人ニ改メル、是ガ卽チ第二
ノ要點デゴザイマスル、又第一一ノ要點ハ、上告ヲ統一スルガ爲メニ、總テ上告審ハ之ヲ大
審院ノ管轄ニ歸スル、是ガ第三ノ要點デアリマスル、第四ニハ司法行政上必要アルトコ
ロニシテ判事ニ轉所ヲ命ズルコトガゴザイマスガ、現行ノ裁判所構成法ニ依ッテ見マスレ
バ、其意ニ反シテ轉所ヲ命スルコトハ出來ヌト云フコトニナッテ居ルノデアル、是ハ司法
行政上甚ダ不便ヲ感ジマスカラ、裁判事務上必要ト認メマストキニハ大審院ノ總會
ノ決議ヲ以テ、判事ノ轉所ヲ命ズルコトヲ得ル、斯ウ云フコトニ致シタノデゴザイマス、此
他少シ事務ノ簡捷ヲ計ルタメノ改正ガゴザイマスケレドモ、是ハ滅ニ少ナル問題デゴサイ
マスル、先ヅ構成法中ノ改正ノ要點ハ以上述ブル通リデゴザイマスル、之ニ次ギマシテ裁
判所廢止及名稱變更ニ關スル法律案ヲ提出致シマシタ、是ハ此現行ノ區〓判所設置
以來、裁判所所在地ト他地方トノ關係ニ於キマシテ、諸般ノ交通機關ガ餘程發達ヲ
致シタコトニナリマシテ、所ニヨリマシテハ之ヲ廢シテ他ニ合併ヲ致スト云フコトノ便利ヲ認
メマシテカラ、卽チ裁判所廢止及名稱ノ變更法律案ヲ提出致シタ次第デゴザイマス、
扨又右ノ二法律案ヲ實施スルニ付キマシテ、玆ニ判事及檢事ノ休職竝ニ判事ノ轉所
ニ關スル法律案ト云フモノヲ提出致シタデゴザイマスル、以上ノ二法律案ガ實施ヲスルコ
トニナリマスレバ、判事檢事ノ中ヨリシテ二百三十二人ヲ限ッテ休職ヲ命ズルノ必要ガ
出來テ來ルノデアリマスル、然ルトコロニ判事檢事ノ人員ハ憲法及現行ノ構成法ニ於テ
保障ヲ致シテアリマスルカラシテ、漫リニ之ニ休職ヲ命ズル譯ニモ參リマセヌ、故ニ出來
得ル限リ鄭重ノ手續ヲ盡スガ必要デアラウト考ヘル、ソレ故ニ判事ニ休職ヲ命ズル場合
ニ於キマシテハ、願ニ依ル者ハ別段デアル、願ニ依ル場合ヲ除クノ外ハ大審院ノ總會ノ
決議ヲ以テ之ニ休職ヲ命ズルコトヲ得ルト云フコトニ致シタノデゴザイマス、其次ニハ裁
判所管轄區域ニ關スル法律案デゴザイマスルガ、是ハ前ノ裁判所廢止及名稱變更ニ
關スルトコロノ法律案ノ實施ヨリ必要ニナリマスルカラ、此管轄區域ノ法律案ヲ提出致
シタ譯デゴザイマス、又判事懲戒法中改正法律案、本案ハ曩ニ大審院及控訴院ノ合
議ノ方法ヲ改メマシテ、七人ヲ五人ニ致シ、五人ヲ三人ニ致シタ、其結果トシテ判事
懲戒法中ノ改正ヲ要スル譯ニナリマスルカラ、此改正法律案ヲ提出致シタ次第デゴザイ
マスル、何卒會期モ切迫ノ今日デゴザイマスレバ、速ニ審議ヲ遂ゲラレテ御協賛アランコ
トヲ希望致シテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=24
-
025・花井卓藏
○法學博士(花井卓藏君) 質問ガアリマス、區裁判所ノ權限ヲ擴張セラルヽ結果、
刑事ノ事件ニ關シマシテハ殆ド大部分ニ付テ單獨裁判制ヲ認メラルヽト同ジコトニ相成
ルヤウニ考ヘマス、區裁判所ノ權限ノ擴張ハ、本員固ヨリ異存ハアリマセヌ、併ナガラ現
在ニ於ケル區裁判所ノ判事、彼ニ此ノ如キノ權限ヲ授ケテ運用ノ上ニ國民ハ安心ヲ爲
シ得ラルヽヤ否ヤト云フコトニ付キマシテハ、本員實際ノ取扱ニ接シテ憂慮ニ堪ヘヌノデ
アリマス、初メテ試驗ニ及第ヲシ任ゼラレテ判事ニナリシ者ハ、何事ノ經驗ヲ有スル
コトナク、直ニ區裁判所ノ判事トナリ得ル今日ノ狀態デアル、偶〓相應ノ年齡ヲ以テ其
職ニ在ル者ハ寧ロ物ノ用ヲ爲サヾル地方裁判所控訴院ナドニ於テ採用スルニ躊躇スル
役ニ立タザルトコロノ人物ノミデアリマス、此法律案ヲ迎フルト同時ニ、司法省當局者
ハ現在ノ區裁判所ノ判事ヲ改善スルト云フノ觀念ヲ有シテ居ラルヽノデアルカ、現在ノ
儘デ滿足スルト云フ御趣意デアルカ、之ヲ第一ニ伺ッテ置キタイノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=25
-
026・松田正久
○司法大臣(松田正久君) 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=26
-
027・大岡育造
○議長(大岡育造君) 松田司法大臣
〔司法大臣松田正久君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=27
-
028・松田正久
○司法大臣(松田正久君) 花井君ノ御尋デゴザイマスルガ、此事ハ此度裁判所構
成法ヲ改正スルニ付テノ問題デモゴザイマセヌ、本官就任以來殊ニ此度ノ就任ハ日
最モ淺イコトデゴザイマスルガ、前々ヨリシテ司法部ニ奉職致シタルトキヨリ、此區裁判所
ノ判檢事ト云フモノハ最モ重キヲ置カンケレバナラヌ、今日ノ如キ任用ノ有樣デハ最モ人
民ニ直接スルトコロノ下級ノ區裁判所ノ判檢事ハ最モ其適材ヲ得ンケレバナラヌ、學校
ヲ卒業シタナリノ人ヲ持ッテ行ッテ、日々多クノ事件ヲ區裁判所ニ於テ取扱ハセルト云フコ
トハ、甚ダ覺束ナイ次第デアル、故ニ此任用法ハ改正ヲ加ヘンケレバナラヌト云フコトハ、
本官常ニ主張致シテ居ル所デゴザイマス、況ヤ此度區裁判所ノ權限ヲ擴張致スコトニナリ
マスレバ、花井君ノ御話ノ如ク刑事其他民事ニ於テモ餘程ノコトニナリマスルカラ、是ヨリ
此法律ノ實施以後ニ至リマスルト、一層此事ニ注意ヲ致シテ、最モ良キ判事ヲ區裁判
所ニ向ケルコトニ致スト云フコトハ、本官ガ今日期シ居ルトコロデゴザイマスルカラ、其事
ハドウカ右ノヤウニ御承知ヲ願ヒタイノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=28
-
029・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 休職轉所ニ關スルコトニ付キマシテ伺ッテ置キタイノデアリマ
조々、裁判所ノ組織ノ變更、又ハ裁判所ノ廢止ノ場合ニ於ケル判事休職ノ規定ハ、裁
判所構成法ニ存在致シテ居ルノデアル、此度提出ニナリマシタルモノハ、裁判所構成法
ノ規定ノ適用ニ、或ハ該當シナイカモ知レマセヌ、然レドモ似タル規定タルニ於テハ當局
モ御認メニナラナケレバナラヌト思フノデス、之ヲ裁判所構成法ノ改正ノ形式ニ則ラズシ
テ、獨立立法ヲ企テラレタル理由ハ那邊ニ存スルノデアルカ、又現行裁判所構成法ノ
此種ノ規定ニ依レバ、太審院ノ總會ノ決議ヲ經ルト云フノ條規ハ存在致シテ居ラヌノ
デアリマスガ、此案ニハ司法大臣ハ固ヨリ休職ヲ命ジ得ルノ權能ハアルノデアリマスガ、併
ナガラ大審院ノ總會ノ決議ト云フモノヲ經由シナケレバナラヌ、此ノ如キ規定ニナッテ居
ル一面ヨリ考ヘテ見マシタナラバ、休職ニ關スル保障ヲ立テラレタモノトモ解シ得ラレル
ノデアル、若シ然リトスレバ現ニ行ハレテ居リマスル今日ノ構成法ノ上ニ存在致シテ居ル
モノモ、尙且大審院ノ總會ノ決議ヲ經ルト云フノ保障ノ規定ヲ要スルヤウニナラナケレ
バ、筋ガ貫カヌト思フノデアリマスガ、何レ此案ノ通過ノ曉ニ於キマシテハ、現行構成法
ニ於ケル司法大臣ガ休職ヲ命ジ得ベキ規定ノ分モ、大審院ノ總會ノ決議ヲ經ルト云フ
保障ヲ立テラルヽ御趣旨テアルカ、ドウカト云フコトヲ伺ッテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=29
-
030・松田正久
○司法大臣(松田正久君) 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=30
-
031・大岡育造
○議長(大岡育造君) 松田司法大臣
〔司法大臣松田正久君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=31
-
032・松田正久
○司法大臣(松田正久君) 此外別ニ此裁判所構成法ニ向ッテ改正ヲ加ヘルト云フ
考ハ持ッテ居リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=32
-
033・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 問ノ答ニナラヌノデアリマスガ、司法次官ガ大臣ノ後ロニ立ッ
テ居ラルヽヤウデアリマスカラ、ソレデモ宜シイ
〔政府委員法學博士小山溫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=33
-
034・小山温
○政府委員(法學博士小山溫君) 唯今ノ花井君ノ御尋ニ御答致シマスガ、裁判所
構成法ニゴザイマスノハ、裁判所ノ組織變更等ノ場合ニ於キマシテ、命ヲ待タシムト云フ
規定ガゴザイマスガ、大方其事ヲ仰シヤルノデアラウト存ジマス、裁判所構成法ニハ御承知
ノ通リ其所謂待命ト、ソレカラ精神身體ノ衰弱ニ依ル退職ト、此二ツガ判事ガ職ヲ退
ク時ノ規定ニナッテ居リマス、ソレデ此今囘ノコトニ花井君モ仰シヤッタヤウニ極ク能ク似
テ居ルノガ、待命ノ規定デアリマス、裁判所ノ權限組織變更ノ場合ニ過剰員ノ生ジ
タ時分ニ職ヲ退カシテ命ヲ待タシメテ置クト云フ規定デアリマスガ、私共ノ解釋デハ是ハ
極ク小サイ變更デゴザイマストカ、或ハ一裁判所ガ廢止サレタトカ云フヤウナ、極メテ少
數ノ場合デアリマシテ、其處ニ缺位ヲ生ズルト命ヲ待タシメテ其缺位ヲ補ハス、斯ウ云フ
場合ノ規定ト信ジテ居ルノデアリマス、今日ノヤウナ二百三十何名ト云フヤウナ多數デ
ゴザイマスト、到底命ヲ待タシメテ置イテ、サウシテ缺位ヲ生ズル、ソレヲ補シテ往クト云
フヤウナ運ビニ參リマセヌ、ソレデゴザイマスカラ今般ノ休職ノ法律案ハ、是ハ今囘ノ改
正法律ヲ實施スル時ノミ適用スル積リデアリマス、尙此構成法ノ待命ニハ觸レマセヌデ、
其儘ニ存シテ置ク、斯ウ云フ考デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=34
-
035・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 本案ハ通ジテ行政整理ニ關係ヲ持ツベキ案ナリト認メテ居
ルノデスガ、其何レタルニ拘ラズ、二百三十二人ノ休職ヲ命ズルニ於テ之ヲ金額ニシテ
減ジ高總數ハドレ程デアリマスカ-念ノタメ申シテ置キマスガ、行政整理ノ結果ト云
フコトノタメニ御迷惑ヲ御感ジニナルナラ、唯數字ダケデ宜シウゴザイマス、必ズシモソレヲ
問フノ考デハアリマセヌ
(政府委員法學博士小山溫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=35
-
036・小山温
○政府委員(法學博士小山溫君) 御答致シマスガ、唯今精覈ニ數字ヲ申上兼ネマ
スデゴザイマスガ、約俸給ニ於テ四十万圓位ハ減ジ得ル見込デ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=36
-
037・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 ソレハ休職給ヲ除イテデスカ、全體デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=37
-
038・小山温
○政府委員(法學博士小山溫君) 休職給ヲ除イテト申シマスト、御分リニナラヌ
カ知リマセヌガ、休職給ハ凡ソ要ル方ガ百五十万圓位デアラウト思ヒマス、ソレハ增ス方
ニナリマス、四十万程ハ減ズル方デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=38
-
039・大岡育造
○議長(大岡育造君) 次ノ日程ニ移リマス-右議案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ
選擧ヲ議題ニ供シマス
右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員ノ選舉発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=39
-
040・松田源治
○松田源治君 司法大臣ノ說明ニナリマシタ議案ハ、總テ關聯セル議案ナルニ依リ、
議長指名十八名ノ委員ニ一括シテ付託セラレンコトヲ希望致シマス
〔「贊成」又「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=40
-
041・大岡育造
○議長(大岡育造君) 議長指名十八名ノ委員ニ一括シテ付託スルニ御異議ハアリ
マセヌカ
(「異議ナシ」ノ聲起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=41
-
042・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ其ノ如ク決シマス-日程第十三、產牛馬
組合法改正法律案、提出者廣澤辨二君
第十三產牛馬組合法改正法律案(廣澤辨二君外(第一讀會)
一名提出)
產牛馬組合法改正法律案
產牛馬組合法
第一條牛又ハ馬ノ生產ニ從事スル者ハ本法ニ依リ組合ヲ設置スルコトヲ
得
組合ノ地區ハ郡市以上ノ區域ニ依リ之ヲ定ムヘシ但シ特別ノ事由アルト
キハ地方長官ノ認可ヲ得テ此ノ制限ニ依ラサルコトヲ得
第二條組合ハ牛馬ノ改良及組合員ノ共同ノ利益ヲ圖ルヲ以テ目的トス
監督官廳ハ必要ト認ムルトキハ組合ヲシテ種牛馬ノ供給、牛馬ノ系統登
錄若ハ牛馬ノ共濟保險ヲ爲サシメ又ハ糶場ヲ設ケシムルコトヲ得
第三條組合ヲ設置セムトスルトキハ其ノ地區內ニ於テ組合員タルヘキ者
ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ地方長官ノ認
可ヲ受クヘシ但シ牛ノ生產ニ從事スル者及馬ノ生產ニ從事スル者相合シ
テ組合ヲ設置セムトスルトキハ各別ニ三分ノ二以上ノ同意ヲ要ス
第四條組合設置ノ地區內ニ於テ組合員ト同一ノ業ヲ營ム者ハ其ノ組合ニ
加入スヘシ
第五條組合ノ經費ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合員之ヲ負擔ス
組合經費徵收ノ方法ハ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ
第六條組合ニ於テ負債ヲ起サムトスルトキハ起債ノ方法、利息ノ定率及
償還ノ方法ヲ定メ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ其ノ之ヲ變更セムトスルト
キ亦同シ
第七條組合ハ相互ノ氣脈ヲ通シ其ノ目的ヲ達スル爲組合聯合會ヲ設クル
コトヲ得
組合聯合會ノ經費ハ聯合各組合ノ負擔トス
第八條主務大臣ハ必要ト認ムルトキハ地方又ハ地區ヲ指定シ組合又ハ組
合聯合會ノ設置ヲ命スルコトヲ得
第九條組合及組合聯合會ノ普及發達及聯絡ヲ圖ル目的ヲ以テ主務大臣ノ
認可ヲ受ケ組合中央會ヲ設クルコトヲ得
組合中央會ハ組合及組合聯合會ヲ以テ會員トシ其ノ經費ハ會員ノ負擔ト
ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ本項以外ノ者ト雖會員ト爲ルコトヲ得
第十條組合、組合聯合會及組合中央會ハ法人トシ營利事業ヲ爲スコトヲ
得ス
第十一條監督官廳ハ何時ニテモ組合又ハ組合聯合會及組合中央會ノ事業
ニ關スル報告ヲ徵シ事業ニ付認可ヲ受ケシメ事業及財產ノ狀況ヲ檢査シ
其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十二條組合、組合聯合會又ハ組合中央會ノ決議若ハ役員ノ行爲ニシテ
法令、行政官廳ノ命令若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル虞アリト認ル
トキハ監督官廳ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一決議ノ取消
二役員ノ解職
三組合、組合聯合會又ハ組合中央會ノ解散又ハ其ノ業務ノ停止
第十三條組合及組合聯合會ハ地方長官ニ組合中央會ハ主務大臣ニ各其ノ
事務ニ關シ建議スルコトヲ得又諮問アルトキハ答申スヘシ
第十四條本法ニ規定スルモノノ外組合、組合聯合會又ハ組合中央會ノ設
立、管理、分合、解散、〓算其ノ他ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十五條第四條ノ規定ニ違反シタルモノハ二圓以上二百圓以下ノ過料ニ
處ス
前項ノ過料ニ付テハ非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ヲ
準用ス
附則
第十六條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
明治三十三年法律第二十號產牛馬組合法ハ本法施行ノ日ヨリ之ヲ廢止ス
第十七條前條第二項ニ依リ設ケタル產牛馬組合又ハ產牛馬組合聯合會ハ
本法ニ依リ設立シタルモノト看做ス
〔廣瀨辨二君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=42
-
043・廣澤辨二
○廣瀨辨二君 私ハ產牛馬組合法改正法律案ノ提出者ト致シマシテ、其提出ノ理
由ヲ簡單ニ申上ゲヤウト思ヒマス、諸君ハ御承知ノ如ク我國ノ馬匹ニ付テハ、二大戰役
ニ於ケル不結果ノコトヽ及ビ爾來官民共ニ本業ニ向ッテ力ヲ盡シテ居ルト云フコトハ、
略〓御承知ノコトヽ考ヘマス、政府ニ於カレテモ前年二百万近クノ金額ヲ費シ、民間ニ
於テハ此所ニ書イテ置キマシタ產牛馬組合ト云フ數百ノ組合ヲ設ケテ、之ヲ國家事業
トシテ-國家的事業ト看做シテ此業ニ努メテ居ル譯デアリマス、然ルニ吾〓ノ見ルト
コロニ依リマスト、國家事業デハアリ政府モ數百万ノ金ヲ費シテ本業ヲ奬勵シテ居リマ
スケレドモ、本業ヲシテ鞏固ナル發達ヲ遂ゲシムルタメニハ、ドウシテモ此組合ノ力ヲ鞏固
ニシ、組合ノ力ニ賴ラナケレバ目的ヲ達スルコトガ出來ナイト見テ居ルノデアリマス、自然
サウ云フ見地カラ此現行ノ產牛馬組合法ノ改正ヲ必要ト致シタ譯デアリマス、而シテ內
容ニ入リマスト、二ツノ此處ニ提出ノ理由ヲ持ッテ居リマスガ、其一ハ現行ノ法律ハ今
日ヨリ十有餘年卽チ明治三十九年ニ出來マシタ法律デアッテ、其當時ハ畜產業モ甚ダ
振ハズ、今日カラ見マスレバ甚ダ幼稚テアッタノデス、隨ッテ其時出來タ法律デアリマスカ
ラ、今日ノ進步シタ場合ニハ伴ハナイ〓ガ、卽チ不備ノ點ガ見エルノデアリマス、其不備ナ
〓ヲ補フト云フノガ一ノ理由デアリマス、尙モウ一ツハ本法ハ卽チ現行產牛馬組合法
ハ特別ノ法律トハ言ヒ難イ、ナゼナレバ是ハ重要物產同業組合法ト云フ法律ヲ準用スル
コトニナッテ居ルノデアリマス、卽チ本法運用ニハ他ノ法律、重要物產同業組合法ト云フ
法律ヲ借テ來ナケレバ動キガツカヌト云フヤウナ法律ノ出來接排ニナッテ居ル、然ルニ此ノ
重要物產同業組合法ト云フ法律ノ主眼ハ何デアルカト言ヘバ、言葉ヲ簡略ニ申シマス
レバ一ノ取締法、卽チ當業者ノ營業上ノ弊害ヲ矯メルト云フヤウナノガ趣意ニナッテ出來
テ居ル法律デアリマス、然ルニ吾〓ノ方ノ產牛馬組合法ノ目的ハ、牛馬ノ改良發達ヲ圖
ルト云フ目的デ出來テ居ルノデ、言ハヾ積極的ノ目的デ法律ガ出來テ居ルノデアリマス、ソ
レ故ニ一方ノ消極的ノ法律ト、ドウシテモ一致出來ナイ〓ガアルノデアリマス-一致シ
ニクイ〓ガアルノデアリマス、然ルニ之ヲ今强イテ準用スルト云フヤウナコトニナッテ居ルタメ
ニ、實地ノ上ニ於テハ甚ダ不都合ヲ感ジテ居ル次第デゴザイマス、故ニ之ヲ集メマシテ
一ツノ單行法ト致シテ、不便ヲ避ケタイト云フノガ第二テゴザイマス、此二箇ノ理由ガ主ナ
ル提出シタ理由デゴザイマス、此處ニチヨット附加ヘテ申上ゲテ置キマスルガ、此法律案
ハ昨年ノ春、卽チ二十八議會ニ出サレマシテ、而シテ本院ヲ通過シテ居ルトコロノ法律
案デゴザイマスル、再ビ卽チ提出致シタト云フコトニナルノデゴザイマス、何卒ドウカ御贊
成アランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=43
-
044・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=44
-
045・大岡育造
○議長(大岡育造君) 本案ヲ議長指名九名ノ委員ニ付託スルニ御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=45
-
046・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ其如ク決シマシタ-日程第十四、蠶絲
法中改正法律案、第一讀會ヲ開キマス、武藤金吉君
第十四蠶絲法中改正法律案(西谷金藏君外六名提第一讀會
〓
蠶絲法中改正法律案
蠶絲業法中左ノ通改正ス
第二十六條中「府縣ノ負擔トス」ヲ「國庫ノ負擔トス」ニ改メ但書ヲ創ル
第二十七條削除
〔武藤金吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=46
-
047・武藤金吉
○武藤金吉君 蠶絲法中改正法律案ノ提出者ノ一人ト致シマシテ、其理由ノ說明
ヲ致シマス、蠶絲業法中ノ第二十六條ノ「府縣ノ負擔トス」ト云フノヲ「國庫ノ負擔ト
ス」ト改メルノデアリマス、其但書ニ「但半額以內ハ府縣ノ負擔」トアリマスノヲ之ヲ削除
致シマスノデアリマス、第二ハ同法中ノ第二十七條ヲ削除致シマス、是ハ蠶絲手數料
ヲ徵收スルコトニナッテ居ルノヲ徵收シナイコトニ致シタイト云フ案デアリマス、諸君、此
蠶絲業法ヲ制定スルトキノ法律ノ精神ハ、蠶絲業ハ殆ド生命デアリマシテ此手數料ヲ
取リ、又府縣ノ負擔トシテ强制檢査ヲ行フ上ニ於テスルト云フコトハ不當テアルト云フ
議論ハ、此法律ヲ制定スル當時ニ議論ガアッタノデアリマス、如何ニセン財政ガ困難デア
ルガ故ニ、此但書ヲ付ケテ此法律ヲ制定スル時分ニ、財政ノ直ルマデ此儘ニ致シテ置ク
ト云フコトガ、此法律ヲ制定スル當時ノ精神デアッタノデアリマス、諸君、我國ノ蠶絲業
ハ諸君モ御承知ノ通リ、今日ハ既ニ蠶絲ニ於テ一億五千万圓ヲ昨年ハ輸出ヲ致シテ
居リマス、又其他蠶絲カラ製スル物ニ付キマシテ、羽二重ニ於テ三千万圓、又加工染
織ヲ致シタ物ニ付キマシテ一千万圓、屑絲其他出殼等ガ一千万圓、漸ク二億万圓ヲ
輸出スルコトガ出來タノデアリマス、今ヨリ四十年前僅ニ千万圓デアリシモノガ、輸出貿
易ノ上ニ於テ二十倍ノ進步ヲ致シテ居リマス、更ニ世界蠶業ト比較ヲ致シテ見マシタナ
ラバ兩三年前マデハ-世界ノ產額ハ一昨年マデハ二千四百万「キログラム」デアッタ
モノガ、昨年ハ俄ハ產額ヲ增シマシテ二千六百万「キログロム」ノ增加ヲ致シテ居リマス、
而シテ我日本ハ其產額ノ百分ノ三十八ヲ漸ク占ムルコトニナリマシタ、歐羅巴諸國ハ
百分ノ三十一デアリマス、支那全體ガ百分ノ三十一デアリマス、又我國ノ輸出貿易ノ
大體カラ見マシテモ、四割七分ヲ占メテ居ルノデアリマス、而シテ農家ノ副業ト致シマス
レバ、實ニ五百有餘万ノ農家ノ中テ百六十万戶、養蠶ヲ爲サザル所ハナイ、養蠶ヲ爲
サザル縣ハナイヤウナ今日ニ至リマシテ、我國ノ輸出貿易ノ均衡ハ僅ニ此蠶絲業ニ依ッテ
保タレテ居ル、我國ノ今日ノ對外貿易ノ均衡ハ此蠶絲業ニ依ッテ保タレテ居ルト云フコ
トハ、事實デアリマス、而シテ近來蠶絲業法ヲ制定ヲ致シマシテ、蠶種ノ-蠶ノ種ヲ改
良シテ商品タル生絲ヲ改良スルト云フ議論ハ當業者ニ依ッテ唱道セラレ、又此製作業
ニ於テハ唱道サルルコトニナリマシタガ、事實ニ於キマシテハ未ダ其奬勵保護ノ途ガ備ハリテ
居リマセヌ、唯此蠶絲業法人蠶絲ノ製造ヲ改良致シマシテ、繭質ノ統一ヲ圖ルト云
フ目的ハ立ッテ居リマスルガ、强制檢査ハスルケレドモ、手數料ハ蠶絲製造人カラ取
ル、又蠶絲ヲ製造スル府縣カラ取ルト云フコトニナッテ、誠ニ此蠶絲業ニ對シマシテ國
家ノ思典ハ未ダ善ク行涉ッテ居ラヌノデアリマス、諸君、而シテ尙世界ノ趨勢ハ年々歲々
一割四五分ヅツノ增加ヲ以テ此蠶絹絲ヲ買ッテ行クト云フコトニナルノデアリマス、而
シテ日本ハ歐羅巴ト戰ヒ支那ト戰ッテ、一昨年ハ橫濱ノ輸出額ハ一一十六万梱デアッ
タモノガ、昨年ハ三十万梱ニナッテ居リマス、又價ノ上カラ申シマスレバ、實ニ全世界ノ
蠶絲ノ製產額ハ七億万圓ニナッテ居リマスルガ、我日本ハ唯今申シタ通リ二億シカ取ツ
テナイ、ソレハドウ云フ譯カト云フト、蠶絲ノ改良ハマダ完全ニ出來テ居ナイ、日本ノ蠶
絲ハ數百種ニナッテ居ル、歐羅巴支那ノモノト較ベマシテ甚ダ優劣ガ甚シイノデアリマ
ス、歐羅巴ノ絲ハ現ニ縱絲ニ造ルトコロノモノハ百分ノ中八十九デアリマス、支那ノ絲
ハ百分ノ六ニナッテ居ル、日本ノ絲ハ百分ノ一三四ト云フ一半ニ達シナイト云フヤウナ
現狀デアリマス、是ハ未ダ蠶絲ノ改良ト云フモノガ十分ニ出來テナイ、統一整理ト云フ
モノガ出來テナイ結果デアリマス、此蠶絲業法ハ此蠶絲ヲ改良シテ繭質ノ統一ヲ圖ッテ、
我ガ輸出貿易ヲシテ歐羅巴ヤ支那ノ絲ニ敗ケナイダケノモノヲ造ルト云フ精神デ出來タノ
デアリマス、然ルニ此法律ハ蠶絲製造人カラ手數料ヲ取リ、府縣ノ負擔トシテ此費用
ヲ取ルト云フコトニナッテ居ル、一面ニ於テハ强制的ニ檢査ヲシテ、嚴重ナル法律ヲ設ケ
テアルニモ拘ハラズ、製造人カラ之ヲ取ルト云フコトハ理窟ニ於テ當ラナイノミナラズ、非
常ナル當業者ノ苦痛デアルト同時ニ、我國唯一ノ蠶業ヲ發達スル目的ニ副ハナイノデア
リマス、故ニ此法律ヲ制定スル當時ノ精神ニ基キマシテ、此法律ヲ改正ヲ致シマシテ、府
縣ノ負擔トナッテ居ルモノヲ、國庫ノ負擔トシ、又二十七條ノ手數料ヲ徵收スルコトニ
ナッテ居ルモノヲ之ヲ全廢ヲ致シタイト云フノガ本案提出ノ理由デアリマス、今ヤ我國ハ
實ニ民力休養ヲ圖リ、、經費ノ節減ヲ圖リ、一面ニ於テハ吾〓ノ負擔ノ輕減ヲ圖ルト同時
ニ、蠶業ノ發達ヲ圖ルト云フ時代ニナッテ居リマス、歷代ノ内閣ハ〓業ノ奬勸ヲナシ、面シテ
貿易ノ增進ヲ圖ルト云フコトヲ、口ニハ言ヒ文字ニハ書イテ居リマスケレドモ、實際ノ問題
ニ付テハ少シモ行ッテ居ナイ、動モスレバ農商務省アタリデハ金ガ無イカラ出來ナイト申ス
ノデアリマス、金ガ無イカラ此蠶業ノ奬勵ノ策ヲスルガ宜シイノデアリマス、見渡セバ
今日アタリモ此重大ナ案ヲ出シテ居ルノニ、農商務大臣大藏大臣ノ御出席ガナイ、實
ニ我國ノ當局者ハ斯ウ云フ實際ノ問題ニ對シテモ不親切デアルヤウデアリマス、是等ニ
付テハ更ニ委員會ニ於テハ十分ニ理由ノ說明ヲシヤウト思ヒマスガ、願クハ滿場一致ヲ
以テ御贊成アランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=47
-
048・松田源治
○松田源治君 今武藤君ノ申サレマス通り、本案ハ重大ナル議案テゴザイマスカラ、讚
長指名十八名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=48
-
049・大岡育造
○議長(大岡育造君) 議長指名十八名ノ委員ニ付託スルニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=49
-
050・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガゴザイマセヌカラ其如ク決シマシタ、日程第十五、降
雹被害地地租免除ニ關スル法律案、三輪市太郞君
第十五降電被害地地租免除ニ關スル法律案(春田祐第一讀會
〓君外二名提出)
降雷被害地地租免除ニ關スル法律案
第一條明治四十五年以後府縣又ハ北海道ニ於テ降雹ノ爲收穫皆無ニ歸シ
タル土地ノ地租ハ其ノ年分ニ限リ之ヲ免除ス
第二條前條免除ノ申請ハ本法施行後一箇月以内ニ所轄稅務署ニ申出ツヘ
シ此ノ期間ヲ經過シタルトキハ免除ノ處分ヲ受クルコトヲ得ス
明治三十六年法律第三號ニ依リ地租延納ヲ出願シタル者ハ本法ニ依リ地
租免除ノ出願ヲ爲シタル者ト看做ス
第三條本法ニ依リ被害調査中ハ其ノ土地ノ地租ノ徵收ヲ猶豫ス
第四條本法ニ依リ免除シタル地租ハ法律上總テノ納稅資格中ヨリ控除セ
ス
〔三輪市太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=50
-
051・三輪市太郎
○三輪市太郞君 諸君、私ハ本案ノ提出者ノ一人トシテ提出ノ理由ヲ簡單ニ說明ヲ
致シマス、明治四十五年四月十九日ニ愛知縣丹羽郡ヲ中心トシテ三十町幅三里半
ニ亙ル所ノ區域ガ最モ電害ガ甚シクゴザイマシテ、其他其區域外ト雖モ多少ノ害ハアリ
マシタ、尙數里隔テマシタル海東郡ニモ同樣ニ、六町幅ホド二里ニ亙ル所ニ雹害ガゴザイ
マシテ、其他神奈川縣ニモアルヤウデゴザイマスガ、私ハ丹羽郡及海東郡ニ於ケル災害ノ
最モ激甚ナル處へ、其降雹ノアリマシタル翌日ヨリ數日間ニ亙ッテ實地路查ヲ致シマシ
ク、實ニ其慘狀ハ僅カニ降電ノ時間ハ十五分間デアリマスガ、積リマシタノハ三寸乃至
七寸ノ雹ガ積リマシテ、或ハ廂トカ高塀ノ側トカ、風ノ吹週シノ都合ニ依シテハ二尺三尺
ニモ及プト云フヤウナ有樣デゴザイマシテ、其電ノ大キサ四五分乃至一寸以上ノ徑モア
ルト云フヤウナ雹ガ降リマシタノデ、當時測候所ニ就テ聞イテ見テモ、古來ヨリ未曾有ノ
降雹デアルト云フコトデゴザイマシテ、其當時麥ノ穗ノ出盛ッテ居ルノヲ根本ヨリ一二
寸上カラ切リ盡サレ、或ハ桑ノ木ノ如キハ、彼ノ地方ハ養蠶ノ最モ盛ンナ所デゴザイマ
シテ、桑園等モ澤山アリマスル、其桑國モ枚ハ皮ヲ剝ガレ、幹ニモ害ヲ及ボシテ、御承
知ノ通リ桑園ハ一年ニシテ出來得ルモノデナイ、其損害ハ甚シイモノデアッテ、根絕ヤシヲセ
ンケレバナラヌ結果ニナッテ、數年モ損害ヲ被ッテ居ル譯アゴザイマス、ナカ〓〓其激シカツ
タコトハ尙人畜ヲ死傷シ家屋ヲ壞倒ナラシムルト云フヤウナ有樣デゴザイマシテ、到底吾ミ
ノ說明シ能ハザル所デアリマシテ、其當時ノ狀況ヲ諸君ニ參考ノタメ種々ノ寫眞ヲ取ッ
テ置キマシタ、諸君ニ一々御迴シ致シタイガ餘リ餘計デアリマセヌカラ御控室ノ方ニ出
シテアリマスカラ、ドウカ御一覽ヲ願ヒタイノデアリマス、尙又數字ニ亙ルコトハ是亦本ニ
致シテアリマスカラ、是モ諸君ニ一々御週シスル程ノ部數ハアリマセヌカラ、ドウカ願クハ御
一覽ヲ下サレバ幸甚ノ至リト存ジマス、實ハ本案ハ曩ニ森茂生君カラ提案サレマシタ災
害地地稅免除法案ト能ク似テ居リマスカラシテ、本員モ其提出者ノ一人且特別調査
委員ノ一人デアリマスカラシテ、其案ニ附加ヘヤウト思ヒマシタガ、從來ノ例ヲ見マスルニ、
明治四十三年水害地ノ免租、地租免除ニ關スル法律案モ出マシタガ、政府ヨリ出テ居
リマスルガ、其當時稍〓、類似ノ案モ出マシテ、ソレヲ調査委員ノ方ニ於テ附加ヘタ所ガ、
貴族院ニ於テハ常ニサウ云フモノヲ除カレテ、ドウモ總テノ速記錄ヲ見マスルニ貴族院ニ
於テハ單行法ナラバ容レラレルカノヤウニ見受ケマシタカラシテ、ヤハリ之ヲ別物トシテ本
案ヲ提出致シタ次第デアリマス、尙又適切テ例ハ明治三十五年第十六議會ニ電害ノ
地租特別處分法案ガ新井章吾君外二名ヨリ提出サレマシテ、是亦政府モ同意ヲサレ
テ、同年三月十七日法律第一一十六號ヲ以テ處分法ヲ發布サレテ居ルノデゴザイマス、
殆ド本案ト段別ニ於テモ-當時ノ段別ハ僅ニ一千四百町步程デゴザイマシタガ、本
員ノ提出セル所ハ二千町步以上ニモ亙リマシテ、其當時ノ被害ノ程度ト、今囘トヲ比
較スルト、今囘ノ方ガ甚シカッタヤウニ測候所等ニ付テ聞クトコロデハ、ドウモ事實ノヤウ
デゴザイマスルデ、ドウカ諸君ニ於テモ實際其當時ノ慘狀ヲ極メタノハ、各新聞ガ其慘
狀ヲ見ルニ忍ズトシテ義捐金等ヲ募集致シテ救濟シタ、此一事ヲ以テモ諸君ガ慘狀ノ
甚シタカッタト云フコトノ御推定ガ出來ヤウカト思ヒマスル、何卒滿場ノ諸君、罹災者ヲ
不憫ト思召シテ御同情アランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=51
-
052・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名九名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=52
-
053・大岡育造
○議長(大岡育造君) 本案ヲ議長指名九名ノ委員ニ付託スルニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=53
-
054・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ右ノ如ク決定シマス-日程第十六、米及
籾移入稅廢止ニ關スル法律案、第一讀會ヲ開キマス-石橋爲之助君
第十六米及籾移入稅廢止ニ關スル法律案(大內暢三第一讀會
君外一名提出)
米及籾移入稅廢止ニ關スル法律案
朝鮮ヨリ移入スル米及籾ハ無稅トス
附則
本法ハ大正二年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
〔石橋爲之助君登壇〕
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=54
-
055・石橋爲之助
○石橋爲之助君 本案ハ極メテ簡單ナ法律案デアリマシテ、朝鮮ヨリ移入スル米及籾
ヲ來ル七月一日ヨリ無稅トスルト云フ案デアリマス、極メテ簡單デアリマスガ問題ハ數年
來ノ懸案デアリマシテ、願クバ速ニ實行ニ至ランコトヲ希望スルタメニ出シマシタ案デゴザ
リマス、目下他ノ特別委員會ニ關稅定率法ノ改正法律案ガ審査サレツヽアリマスガ、
其案ガ通過致シマスレバ此案ハ別ニ出スニ及バナイノデアリマス、併シマダ其運命ガ何レ
ニ決スルヤ分リマセヌ故ニ、特ニ此案ヲ提出シタ譯デアリマス、此案ニハ一般的ノ外米輸
入稅免除ト云フ先キニ申シマシタ法案ニ對シテ、別ノ理由ヲ有シテ居ルノデアリマス、卽チ
米價ノ調節、延テハ生活難ノ緩和ト云フコトニ重大ナル關係ヲ有シテ居ルコトハ申スマ
デモナイノデアリマスガ、特ニ朝鮮米ト云フモノニ對シテハ、更ニ緊切ナル理由ガ伴ッテ居
リマス、卽チ朝鮮ハ我ガ帝國ノ一部デアッテ、是ハ外國デナイト云フコトガ一ツデアリマス、
ソレカラ朝鮮開發ト云フコトハ農作殊ニ此米作ヲ奬勵スルヲ以テ最モ重要ナルモノト
致シマスル、特ニ朝鮮ノ開發ハ我帝國ガ非常ニ力ヲ注イデ居ルトコロノ事柄デアリマス
ル故ニ其目的ニ副フベク此朝鮮米ノ移入稅ヲ免ズルト」ムフコトハ、最モ是ハ必要ニ感
ズル次第デアリマス、サウシテ啻ニ朝鮮ノ開發ガ出來ルノミナラズ、朝鮮人ノ購買力ヲ增
シマスナラバ、從ッテ內地カラ朝鮮へ移出スルトコロノ製造品ガ益〓販路ヲ擴メル譯ニナリ
マスルカラ、雙方ニ取ジテ非常ナ利益ヲ產ミ出シテ來ルトコロノ是ハ案デアリマス、減稅ノ
程度ハ僅ニ六七十万圓ニ過ギマセヌガ、之ヲ廢スルガ爲ニ得ルトコロノ利益ハ、朝鮮及
ビ母國ニ於テ幾ラニ上ルカハ推測セラレル以上デアラウト考ヘルノデアリマス、唯一ツ懸
念セラレル〓ハ、特ニ朝鮮米ノ移入ダケヲ無稅トスルナラバ、他ノ外國米ガ朝鮮ヲ經由
シテ這入ッテ來ル時ニ、之ヲ防グ方法ハ如何デアラウカト云フ〓ガ懸念セラレルダラウト思
ヒマス併シ其〓ニ付テハ元來他ノ外國米ト朝鮮米トハ其形狀ヲ異ニ致シテ居リマシ
テ、一見シテ區別ガ付クノデアリマス、尙又他ノ外國米ガ朝鮮ヲ經由シテ日本ニ入リマ
ストスルト、ソレニ要スルイロノ〓ノ費用ヲ計算致シマスレバ、關稅ヲ免ゼラレル程度ト
大ナル相違ヒハナイノデアリマシテ、其金額ノ調査ハ出來テ居リマスル、故ニ若シ委員會
ニ於テ必要ガアリマスレバ御參考ニ申上ゲテモ宣シカラウト思ヒマスガ、唯今ハ略シテ置
キマス、斯樣ナ次第デアリマスル故ニ、別段其他ノ外米ガ朝鮮米ヲ裝ウテ連稅ヲ爲スト
云フヤウナ憂ハ、是ハ防グ途ハ確ニアルコトヲ信ズルノデアリマス、故ニ願クバ此案ヲシ
テ速ニ實行ニ至ラセラルヽヤウニ、諸君ノ御贊成アランコトヲ希望スルノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=55
-
056・日向輝武
○日向輝武君 朝鮮カラ來ルトコロノ穀類ニ課稅ヲスルト云フコトハ、同ジ領土內ヨリ
入ル貨物ニ對シテ、關稅ノ障壁ヲ設ケルト云フコトデ、是ハ一種ノ變態デアッテ、無論長
ク存續スベキモノデナイト考ヘルノデアリマス、併ナガラ先年帝國ガ朝鮮半島ヲ併有致シ
マシタ時分ニ、關稅ニ關スル狀態ハ依然トシテ何等ノ變更ヲ加ヘナイ、デ當時ヨリ十年
卽チ明治四十三年ヨリ十年間ハ關稅ニ付テハ、何等ノ變更ヲ加ヘナイト云フコトヲ列
國ニ向ッテ宣言シテ居ルノデアリマス、勿論解釋ノ仕方ニ依リマシテハ何等差支ハナイカ
モ知レナイ、併ナガラ朝鮮カラ來ルトコロノ米ハ多額デハアリマセヌガ、ケレドモソレダケガ無
稅ニナッテ入リマスレバ、日本ニ入ルトコロノ米ハ啻ニ朝鮮ノミデナイ、蘭貢米其他ノ外
國米ガ皆入ッテ來ルノデアリマスカラ、是等ハ勿論其影響ヲ受ケ從ッテ是等ノ米ヲ輸出國
ハ是ニ對シテ抗議ヲ申込ムノ懸念アリト私ハ信ズルノデアリマスガ、提案者ハ其〓ニ付テ
卽チ四十三年韓國併有ノ際ニ宣言シタルトコロノ關稅ハ、十年間現狀ノ儘ニ置クト云
フコトヽ、朝鮮米ヲ無稅ニシ、サウシテ外ノ國ノ外國米ノ輸入ニ影響ヲ來スコトニ付テノ
輸出國ノ異議等ニ付テノ御〓究ハ出來テ居リマスルカ、ソレ〓尙更ニ伺ヒタイノハ、此
案ハ主トシテ移入稅ニ付テノ案デアリマスルガ、朝鮮カラ米ヲ出スニハ輸出稅ト云フモノ
ガ掛カッテ居ルヤウニ思ヒマス、唯今御演說中ニ伺ヒマスニ、朝鮮ノ產業ハ主トシテ農業
デアル、唯一ノ產業ハ農業デアル、農業中ノ主要ナル產物ハ米其他ノ穀類デアリマス、
ソレニ向ッテ輸出稅ヲ課スルハ朝鮮ノ產業ヲ開發スル所以デナイ、提案者ハ何故ニ輸入
稅ト合セテ朝鮮ニ於ケル輸出稅ノ撤廢ヲ主張シナイノデアルカ、或ハ朝鮮ノ歲入ニ於テ
輸出稅撤廢ガ影響スルト云フ惧ナキニシモアラズト云フコトモアリマスガ、併シ其高ハ私
ハ存ジマセヌガ、極メテ僅々タル高デアッテ、殆ド數フルニ足ラナイ高デアラウト思フ、其朝
鮮輸出稅ニ付テノ提案ヲ何故ニ爲ナイノカ、其二〓ヲ承リタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=56
-
057・石橋爲之助
○石橋爲之助君 御答致シマス、第一ノ御尋ノ關稅十年据置宣言ト牴觸セザルヤ
否ヤ、是ハ提案者ハ牴觸シナイト解釋致シテ居リマス、尙外務當局者ガ居ラレタナラバ
御答ガアラウト信ジマスガ、私ノ牴觸シナイト信ズル理由ヲ簡單ニ申シマス、朝鮮ノ關稅
据置宣告ニ關スル範圍ハ、朝鮮ノ輸出輸入稅デアリマシテ、內地ノ輸出輸入稅デアリ
マセヌノデスカラ、此方ノ輸入稅ト云フ方ニハ別段牴觸ハナイト信ジマス、ソレカラ第二
ノ御尋ネハ朝鮮ノ米穀輸出稅、是レ多年私其主張致シマシテ、遂ニ其目的ヲ達シマシ
テ昨年來免稅ニナッテ居リマス、ソレデ是ガ免稅ニナッタ位デアリマスカラ、關稅十年据
置ノ問題ハモウ其時ニ一部分解決サレタモノデアリマシテ、朝鮮ヨリ輸出スル卽チ朝鮮
ノ輸出輸入稅ニ關スル宣言スラ其一部分ヲ廢サレタニ拘ラズ、列國ガ別段ノ抗議ヲシ
ナカッタノデアリマスカラ、第一問ニ對シテモ決シテ他ノ列國カラ交渉ノアル筈ハナイト信
ズルノデアリマス、尙其邊ノ詳シイ事情ハ外務省竝ニ朝鮮總督府ノ政府委員カラ御答
アラバ結構ト思フ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=57
-
058・日向輝武
○日向輝武君 序ニモウ一ツ-輸出稅ノコトハ一向存ジマセヌデシタガ能ク分カリマ
シタ、尙朝鮮併有ノ際ノ宣言ハ朝鮮ニ於ケル關稅ノ狀態ヲ其儘存置スルト云フノデアッ
テ、日本ト朝鮮ノ間ノ關稅關係ニ關スル明白ナ宣言ト思フノデアリマス、勿論曩ニ申上
ゲマシタ通リ、解釋ニ依ッテハ疑義ノアルト云フコトハ申上ゲテ置キマシタガ、免ニ角日本
ト朝鮮トノ關稅關係ハ、其儘存シテ變更ガナイト云フ以上ハ、ヤハリ向フカラ來ルモノヽ
關稅ヲ日本デ廢スルト云ヘバ、日本ト朝鮮トノ關稅關係ニ一大變化ヲ來スコトニナルカ
ラ宣言ニ背反シヤシナイカト思フ、又日本ノ關稅定率ハ國定稅率ニ依ッテ定メルノデア
リマスカラ、日本デ勝手ニヤリマスガ、併ナガラ朝鮮米ノミ單リ廢スルト云フ問題ニナリマ
スルト、又是モ考慮シナケレバナラナイ、列國ニ異議ハナイカト云フ〓ニ付テハ御答ガナイ
ヤウデアリマスカラ其點ヲ併セテ····発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=58
-
059・石橋爲之助
○石橋爲之助君 私ノ信ズル所ハ先刻申シマシタコトデ大抵盡キテ居ルト思ヒマスカ
ラ、尙御質問ガアレバ委員會デ····発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=59
-
060・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名九名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=60
-
061・大岡育造
○議長(大岡育造君) 本案ハ議長指名九名ノ委員エ付託スルコトニ御異議アリマセ
ヌカラ、左樣ニ決シマス、次ハ日程第十七、議院法中改正法律案、提出者花井卓藏君
第十七議院法中改正法律案(花井卓藏君外一名提第一讀會
번
議院法中改正法律案
議院法中左ノ通改正ス
第三十三條第一項ヲ削ル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=61
-
062・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 簡單デアリマスカラ此席デ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=62
-
063・大岡育造
○議長(大岡育造君) 登壇ヲ求メマス
〔法學博士花井卓藏君登壇〕
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=63
-
064・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 諸君、問題ハ甚ダ簡單デアルノデアリマス、唯〓究スベキ事
項ハ頗ル重大ナルモノデアリマスルガ故ニ、數言ヲ述ベテ御贊同ヲ得タイト思ヒマス、停
會ニ關スル規定ハ日本ノ國法ノ上ニ二ツアルノデアリマス、第一ハ憲法第七條デアリマ
ス「天皇ハ帝國議會ヲ召集シ其ノ開會閉會停會及衆議院ノ解〓ヲ命ス」此ノ如クニ
規定セラレテアリマス、申スマデモナク天皇ノ命ジ給フ停會デアリマス、又其一ハ議院法
第三十三條デアリマス、「政府ハ何時タリトモ十五日以內ニ於テ議院ノ停會ヲ命スルコ
トヲ得」此ノ如クニ規定セラレテアルノデアリマス、文理上ヨリ見マスレバ恰モ政府停會ヲ
命シ得ベキ權能ヲ有スルカノ如クニ解セラルヽノデアリマス、卽チ憲法ニ依レバ天皇停會
ヲ命ジ給ヒ、議院法ニ據レバ政府停會ヲ命ジ得ベキ權アルカノ如クニ解セラヽノデアル、
併ナガラ停會ヲ命ズルノ權能ハ何等ノ說明ヲ要スルマデモナク、天皇ノ大權ニ屬スベキ
モノデアリマシテ、政府ニ存屬スベキモノデハナイノデアリマス、停會ハ議會ノ成立ヲ解カズ
シテ權能ノ行使ヲ中絕スルモノデアリマスルカラシテ、卽チ議會ノ活動ノ停止ト云フコトニ
ナルノデアリマスカラシテ、大權ノ作用ニ依リマシテ初メテ發動スベキ性質ノモノデアラウト
信ズルノデアリマス、加之停會ノ效果ハ二ツノ大ナルモノヲ包含スルノデアリマス、其一
ハ實質ニ於テハ會期ノ短縮ト云フコトニナルノデアル、憲法第四十二條ニハ「帝國議會
ハ三箇月ヲ以テ會期トス」此ノ如クニ規定セラレテアル、此規定アルニ拘ラズ停會十日若ク
ハ十五日、若クハ二十日ト云フコトニ相成リマシタナラバ九十日ノ會期ハ、十日十五日
若クハ二十日ヲ減ゼラレルト云フコトニナル效果ヲ見ルノデアリマス、又他ノ一面ニ於キ
マシテハ、停會中議事機關ノ活動ヲ停止セラルヽノデアリマスカラシテ、議院ノ有スル職
權ト云フモノヽ抑壓ヲ見ルト云フ結果ニ相成ルノデアリマス、此ノ如キコトハ大權ノ作
用ニ屬スベキモノデアッテ、政府自ラ擅ニ行ヒ得ラレザルコトハ論ズルマデモナイコトデアラ
ウト思フノデアル、然ルニ讀上ゲマシタルガ如ク、明白ニ憲法第七條ノ規定アルニ拘ハラ
ズ、議院法第三十三條ニ於テ政府ハ-政府ハ何時タリトモ議會ノ停會ヲ命ズルコト
ヲ得ト此ノ如キ規定ガアリマスルカラシテ、此規定ヲ若シ文字ノ通リ適用ヲ受ケベキモ
ノト致シマシタナラバ、天皇ノ大權ヲ侵スモノト解センケレバナラヌノデアル、私ハ憲法第
七條ハ停會ニ關スル根本規定デアッテ、議院法第三十三條ハ其執行規定デアル、若ク
ハ機關規定デアルト云フコトノ當否ハ、ソレハ〓究ヲ致シテ居リマセヌ、併ナガラ執行規
定ト致シマシテモ、機關規定ト致シマシテモ「政府」ト云フ文字ヲ加ヘテ居リマスル以上
ハ、之ヲ解シテ「天皇ハ」ト讀ム譯ニハ參リマセヌ、又「天皇ノ政府ハ」ト讀ム譯ニモ參リ
マセヌ、現ニ「天皇ノ政府ハ」ト云フ意味ニ讀マシメント欲スル〓ニ付キマシテハ、議院法ハ
常ニ必ズ「勅命ヲ奉シテ」ト一云フ文字ヲ加ヘテ居ルノデアル、三十三條ニハ特ニ「勅命ヲ奉
シテ」ト云フ文字ハナイノデアリマスカラシテ、恰モ日本ノ國法ノ上ニ於テハ天皇ノ大權ニ
屬スベキ停會、政府ノ任意ニ爲シ得ベキ停會、此二ツノモノヽアルカノ如クニ解セラレテ
モ巳ムヲ得ヌノデアリマス、幸ニ致シマシテ今日マデ憲法第七條ニ依ッテ停會ヲ命ゼラレ
タル事實ハゴザリマスガ、議院法第三十三條ニ依ッテ停會ヲ命ゼラレタルコトハナイノデア
リマス、併ナガラ能ク停會ノ命ノ降ル場合ヲ想像致シテ見マスルト云フト、文字ノ上ニハ
憲法第七條トシテゴザイマスケレドモ、實質ノ上ニ於キマシテハ、議院法第三十三條ノ
趣旨ニ則ッテ、濫リニ停會ヲ奏請シテ、而モ當然ニ政府自ラ停會ヲ爲シ得ベキ權能ノアル
モノヽ如クニ心得テ、之ヲ濫リニスルノ弊アルコトハ、吾〓ノ實驗スルトコロニ係ルノデアリ
さく、故ニ此兩立スベカラザルトコロノ規定ヲ削リ去リマシテ天皇ノ大權ヲ明カニ致シ
マシテ、解釋上ノ疑ヒヲ避ケルト云フコトハ最モ必要ナリト認メマスルガ故ニ、本案ヲ提出
致シマシタ、但改正ノ方法ニ付テハ種々ナル議論ガアルノデアラウト思フ、本案ノ如ク削除
ト云フコトニ於テモ私ハ目的ハ達セラヽルト思フノデアル、或ハ「政府ハ」ノ下ニ「勅命ヲ奉
シテ」ト云フ文字ヲ加ヘテモ宜シイカトモ考ヘマス、孰レニ致シマシテモ、重大ナル〓究事
項デアリマスルカラシテ、委員ニ付託セラレマシテ、相當ナル審議ヲ盡サルヽト云フコトハ議
院ノ面目トシテ必要ナルコトヽ信ジマスルガ故ニ、諸君ノ御贊同ヲ求ムル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=64
-
065・松田源治
○松田源治君 チヨット花井君ニ三ツ程質問致シタイー委員會ニ付シテ愼重ニ之
ヲ審議スルト云フコトニ本員モ同意デアリマスガ、先ヅ其前ニ三箇ノ質問ヲ花井君ニ致
シタイト思ヒマス、ソレハ成程交理解釋ニ依リマスレバ、憲法ノ七條ニハ「天皇」ト書イテ
アル、ソレカラ三十三條ニハ「政府」ト書イテアル、政府ト天皇ハ同一ニナッテ居ルト云フ
コトモ當ニ花井君ノ所說ノ通リデアリマス、本員ハ理論解釋ニ依リマスレバ、天皇ノ
大權ナルモノハ立憲國ニ於テ天皇神聖ノ大義ヲ維持スルタメニ必ズ政府ノ機關ヲ通
過シテ天皇ノ大權ハ行ハセラルヽコトヽ私ハ確信シテ居ルノデアリマス、從ッテ憲法七
條ニ天皇トアリ議員法三十三條ニ政府トアルト雖モ、理論上ノ解釋トシテハ此政府ハ
天皇陛下ノ政府ト解釋シテ毫モ差支ナイト本員ハ考ヘルノデアリマス、花井君ハ勅ヲ
奉ジテ政府ト云フヤウナコトガ議院法ニアルト云フコトデアリマスガ、ドウモサウ云フコトハ
ナイヤウデアリマス、議案ヲ提出セルニモ政府ハ勅令ヲ奉シテ議案ヲ提出スルノデアリマス
カラ、憲法ノ天皇ハ議院法ニ於テ之ヲ手續法ト致シテ、議院法ノ政府ナルモノハ
天皇陛下ノ政府ト解シテ、大權ノ行動ハ立憲國ニ於テハ總テ政府ヲ通過シテ施行サル
ベキモノデアルト云フコトニ解釋スレバ、此憲法附屬ノ重大ナル議院法ヲ動カス必要モナ
ク、今日マデノ慣例ニ於テ其運用ハ宜シキヲ得テ居ルノデアル、議院法ノ如キハ花井君モ
御承知ノ通リ文字ノ通リニ解釋スルヨリモ、是ハ慣例トカ先例トカヲ重ンジテ、サウシテ
運用ノ妙ヲ得ルコトハ、議院國ニ於テハ最モ必要ダラウト本員ハ考ヘルノデアリマスカラ、
敢テ斯ル改正ヲナシテ重大ナル議院法ヲ動カス必要ハナカラウト思ヒマスガ、是ハ如何デ
アルカ、此〓ガ一ツト、ソレカラモウ一ツハ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=65
-
066・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 一ツ宛デハイケマセヌカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=66
-
067・松田源治
○松田源治君 一ツ宛デモ宜イ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=67
-
068・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 唯今ノ御質問ノ趣意ハ二ツアル、第一段ニ於キマシテハ松
田君ノ解釋セラルヽガ如キ意見ヲ立テル者モアル、ソレハ如何ナル人ガ立テヽ居ルカト言
ハ、松田君等ノ憲法解釋トハ全然反對ノ地位ニ立ツ、若クハ吾〓トハ憲法解釋ニ於
テ根本義ヲ異ニシテ居リマス穂積博士ガ說イテ居リマス、併ナガラ其〓ハ私ハ必ズシモ
否定スルノデハナイ、其論モ一例デアル、此ノ如クニ伺ッテ居リマス、ソレカラ勅命ヲ奉ジ
テ天皇ノ政府ハト云フ場合ニ、勅命ヲ奉ズルト云フ文字ヲ使ッテ居ル規定ハナイト仰シヤ
ルガ、幾ラデモアリマス、餘リ遠イモノヲ申上ゲテハ御不便デアラレマセウ、直グ近イトコ
ヲ申上ゲマス、議院法ノ三十三條ガ問題ニナッテ居ル、第三十六條ニアルノデアリマス、
「閉會ハ勅命ニ由リ兩議院合會ニ於テ之ヲ舉行スヘシ」ト、之ヲ御承知ヲ願ッテ置キマ
ス、次ヲ伺ヒマセウ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=68
-
069・松田源治
○松田源治君 ソレカラ第二デスナ、第二ハ此三十三條ノ一項ヲ削除致シマスルト云
フト、卽チ天皇陛下ノ政府ハ無期限ニ議會ヲ停會スルコトガ出來ル、卽チ「十五日以
內ノ期限ノ停會ヲ命スルコトヲ得」ト云フコトヲ削除スレバ、無期限ニ議會ヲ停會シテモ
宜シイト云フ解釋ガ出來ル、又憲法解釋上是ハ當然ノコトヽ本員ハ信ズルノデアル、併
シ憲法ノ解釋ハ必ズ文面通リノ解釋ヲ要シナイデ、大部分ハ此憲法政治ハ責任政治
德義政治デアリマスカラ、若シモ政府ガ此十五日以內ト云フ制限ガ無クナッタノヲ幸ヒ
トシテ、無期限ノ停會ヲ致シテ議院ノ權能ヲ蹂躙スルト云フコトニナッタ時分ニ於テハ、
輔弼ノ責任タル大臣ノ責任ト致シテ、若シモ不法ナルコトヲスレバ議會ガソレ〓〓ノ權
能ヲ以テ彈効スルカラ、假令之ヲ削除致シタトコロガ、サウ云フコトハ起ラナイト云フ御
意見デアリマスカ、之ヲ削除シテ無期限ニ停會ヲ命ジテモ宜イト云フ御意見デアリマスカ、
其〓ヲ···発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=69
-
070・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 最モ重大ナル御質問デアリマシテ、本員ノ本案ニ付テ考慮
ヲ最モ凝ラシタモノハ其點デアリマス、結論ハ松田君ト同樣デアリマス、全體停會ト云フ
モノヽ期間ヲ議院ノ上ニ於テ定ムルト云フコトノ當否カラシテ、私ノ頭ノ上ニハ惑ウテ居
ルノデアリマス、天皇ノ命ジタマウ停會、大權ノ作用ニ基クトコロノ停會、期限ノ有無ニ
拘ラズ憲法ノ精神ヲ精神トシテ濫リニ十五日、又十五日以內ト云フヤウナコトノアリ得
ベカラザルコトヲ私ハ信ジヤウト思フノデアル、併ナガラ爰ニ期間ヲ取リ停會又停會、甚ダ
シキニ至ッテハ之ヲ數度ビスレバ會期ハ無クナルト云フヤウノ結果ヲ見ル、此ノ如キハ一種ノ
準解散ト同ジヤウナ結果ヲ見ル憂フベキコトデアリマス、幸ニシテ議員法ガ十五日以上
ト定メテ居ルニモ拘ラズ、採ッテ無期限ニスルト云フ場合、是等ノ虞ナキカト云フコトハ、
松田君ノ御質問ノ通リ政府ノ意見ニ依リマシテハ必ズ懸念ニ耐ヘヌ〓デアリマス、今日
ノ政府ハ懸念ニ耐ヘヌ分ニ屬スルカ屬セヌカト云フコトハ、松田君ノ判斷デ、今日ノ政
府ハヤハリ懸念ニ耐ヘルト云アコトヲ言明スルノガ安心デアラウト思フ、間違ガナイ所デア
ラウト思フノデアリマス、斯ル場合ヲ慮レバ、結論トシテ救濟ノ途如何ト云フ御尋ニナリ
さく、其御尋ニナリマスレバ松田君ノ御論通リ、固ヨリ補弼ノ責ヲ問フノデアリマス、サウ
云フ考デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=70
-
071・松田源治
○松田源治君 モウ一ツアリマス、是モ餘程重大デアリマス、花井君モ成程同シ考ヲ
採ッテ居ル、詰リ天皇ノ大權事項、天皇ノ大權事項ハ立法事項ハ相對峙シテ兩々
之ヲ侵スコトヲ得ズ、大權事項ハ必ズ天皇ノ勅令ヲ以テ、法律ニアラズシテ勅合ヲ以
テナサナケレバ天皇ノ大權ヲ侵ス、從ッテ憲法第七條ノ「天皇ハ帝國議會ヲ召集シ
其ノ開會閉會停會及衆議院ノ解散ヲ命ス」ト云フコトハ、是ハ無論天皇ノ大權事
項デアル、然ルニ此大權事項ヲ否定シテ大權事項ノ施行ヲナスニ付テ、議院法ナル法
律ヲ以テ規定シテ居ルノデアル、是レ天皇ノ大權ヲ侵シ奉ルノデアルト云フ議論ガ出
來ルノデアリマス、日本ノ憲法ニアル大權事項、立法事項ハ餘程注意シテ起草者ガ書
イタノデアリマスガ、之ヲヤハリ法律ノミヲ改メテ天皇ノ大權ヲ侵シ奉ルコトハ、救濟
ガ出來ルヤ否ヤ、卽チ本員ハ此說ヲ採ッテ居ル、其說ニ付テハ後ニ委員會等ニ於テ論
ズル積リデアリマスガ、卽チ天皇ノ大權命令ハ-天皇ノ大權事項ハ勅令ニアラズン
バ規定ハ出來ナイト云フ考ヲ採ルナラバ、縱令花井君ノ通リ議院法ノ第三十三條ヲ削
除シテモ、天皇ノ大權ヲ明ラカニシテ解釋上疑ヲ避ケルコトハ出來マイカト考ヘルノデ
アリマス、是ニ對スル花井君ノ御意見如何発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=71
-
072・花井卓藏
○法學博士花井卓藏君 ソレモ一說デアリマス、本員ノ意見モ略〓同ジデアル、併ナガ
ラ今ハ議院法第三十三條ニ憲法第七條ヲ侵スガ如キ規定ガアルガ故ニ、之ヲ立法事
項トシテ議院法ニ規定シタル事ノ當否ハ別論、別論ト言ハンヨリハ寧ロ松田君ト同感ト
云ッテ宜イノデアリマスガ、免ニ角議院法第三十三條ヲ無視セザル以上ハ、此法ガ存在
シテ居リマス是ダケノ問題ニ縮メテ今ハ諸君ノ意見ヲ問フダケノコトデアリマス、尙質問ガ
ゴザイマスレバ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=72
-
073・松田源治
○松田源治君 本案ハ憲法附屬ニ屬スル重大ナル問題デアリマス、本員等モ頗ル疑問
ニシテ居ル所デアリマスカラ、委員ニ付シテ愼重審議ヲ致シタイカラ、議長指名ノ九名
ノ委員ニ付託セラレンコトヲ希望シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=73
-
074・大岡育造
○議長(大岡育造君) 議長指名ノ九名ノ委員ニ付託スルコトニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=74
-
075・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ右ノ通リ決シマス、次ハ日程第十八、裁判
所構成法中改正法律案、第一讀會ヲ開キマス、高柳覺太郞君
第十八裁判所構成法中改正法律案(高柳覺太郞君第一讀會
外五名提出)
裁判所構成法中改正法律案
裁判所構成法中左ノ通改正ス
第四十條中「五人」ヲ「三人」ニ改ム
第四十一條中「五人」ヲ「三人」ニ「七人」ヲ「五人」ニ改ム
第五十三條中「七人」ヲ「五人」ニ改ム
附則
本法ハ大正二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=75
-
076・高柳覺太郎
○高柳覺太郞君 此席カラ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=76
-
077・大岡育造
○議長(大岡育造君) 登壇ヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=77
-
078・松田源治
○松田源治君 撤囘デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=78
-
079・高柳覺太郎
○高柳覺太郞君 本案ハ數日前本員ヨリ提出シタ所テアルノデアリマス、所ガ昨日ニ
至リ同一意旨ノ法律案ガ政府ヨリ提出ニナリマシテ、先刻之ガ議ニ登ヲテ委員ニ付セ
ラレテ居ルノデアリマス、故ニ此案ヲ議會ニ上ス必要ガゴザイマセヌカラ撤囘致シマス、唯序
ナガラ申上テ置キタイ事柄ハ、少クトモ政府ガ吾〓ノ希望ノ一部ヲ容レテ、此議會ニ吾
吾ト同一主旨ノ法律案ヲ提出シタコトハ誠ニ其勞ヲ感謝スルノデアリマス、流石ハ松田
氏ハ立憲主義ノ大臣デアル、世間ガ何ト云ウテモ立憲主義ノ大臣デアルヤウデアリマス、
願クバ其他ノ大臣モ此松田君ニ傚ッテ、行政財政ノ整理ニ關スル諸法案ハ、速ニ當議
會ニ提出サレンコトヲ希望シテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=79
-
080・大岡育造
○議長(大岡育造君) 撤囘ニ付テ御異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=80
-
081・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナイト譯マス、日程第十九、刑法施行法中改正法
律案第一讀會、提出者高木益太郞君
第十九消法施行法中改正法律案(高木益太郞君)提第一讀會
田
刑法施行法中改正法律案
刑法施行法中左ノ通改正ス
第五十五條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
上告裁判所ハ上〓棄却ノ場合ト雖モ執行猶豫ノ言渡ヲ爲スコトヲ得
〔高木益太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=81
-
082・高木益太郎
○高木益太郞君 本案ハ簡單ナル案デ、刑法施行法第五十五條第二項ニ一條
項ヲ附加ヘタイト云フノデアリマス、ソレハ上告裁判所ハ上告棄却ノ場合ト雖モ刑
ノ執行猶豫ノ言渡ヲナスコトガ出來ルト云フ趣意ノ條文ヲ加ヘタイト云フノデアリマ
ス、是ハ刑法施行法第五十五條第二項ニ、刑ノ施行猶豫ノ言渡ハ上訴裁判所ニ
於テモ之ヲ爲スコトガ出來ル規定ガゴザイマス、然ルニ實際ニ於テハドウ云フ工合ニ此條
文ガ適用セラレテ居ルカト云フコトヲバ調査シテ見ルト、我最高法院タル大審院ハ、明
治四十一年ノ「れノ千〇四十九號」ノ刑事々件以來、刑法第五十五條第二項ノ規
定ト云フモノハ上〓裁判所ガ原判決ヲ破棄シタ場合ニ限ッテ、刑ノ執行猶豫ノ言渡ヲ
ナスコトガ出來ルト云フ趣意デアル、斯ウ云フ判斷ヲ下サレタ、上告ヲ棄却スル場合ニ
於テハ縱令被告ノ犯情ガ憫諒スベキモノデアッテ、刑ノ執行猶豫ヲナスベキ原因ガアル場
合デモ、尙法律ノ解釋ノ上カラ全然執行猶豫ノ請求ヲ退ケマシテ、爾來今日ニ至ルマ
デ其判例ヲ固執シテ居ラレルノデアリマス、併ナガラ同一ノ裁判所ガ破毀ノ場合、破棄
ヲシテ自カラ刑ヲ言渡ス場合ニ於テ、刑ノ執行猶豫ヲ言渡スコトガ出來ヌ、上告ヲ棄
却スル場合ニ於テ其原因ガアッテモ尙出來ナイノデアル、斯ウ云フ事ニ解釋スルト云フコト
ハ權衡ノ上カラ致シマシテモ甚ダ失當デアルト信ジマス、玆ニ今日ノ實況カラ申シマスト、
執行猶豫ノ範圍ヲ擴張スルコトハ、刑事政策ノ上ニ於テ最モ必要ナルコトヽ信ジマス、
玆ニ本案ヲ提出シテ諸君ノ御審議ヲ煩ハシマス、而シテ本案ハ昨年本院ニ於テ全會一
致ヲ以テ可決ニナッタノデアリマスカラ、本年モ亦同一ニナランコトヲ希望スルノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=82
-
083・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名ノ九名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=83
-
084・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=84
-
085・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ松田君發議ノ通リ決シマス、日程第二十、
治安警察法中改正法律案、第一讀會-野添宗三君
第二十治安警察法中改正法律案(野添宗三君外一第一讀會
名提出)
治安警察法中改正法律案
治安警察法中左ノ通改正ス
第二條第四項中「選擧權ヲ行フヘキ者及被選舉權ヲ有スル者ニ限リ」ヲ「公
衆ヲ」ニ改ム
第四條中「屋外ニ於テ公衆ヲ會同シ」ヲ「第二條ノ集會ニ非スシテ屋外ニ於
テ公衆ヲ會同シ」ニ改ム
第五條第二項ヲ左ノ如ク改ム
未成年者、公權剝奪及停止中ノ者ハ公衆ヲ會同スル政談集會ノ發起人タ
ルコトヲ得ス
同條第三項ヲ削ル
〔野添宗三君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=85
-
086・野添宗三
○野添宗三君 本案ハ第二十七囘及第二十八囘ノ帝國議會ニ於テ、本院ニ提出
セラレクル案ト同一ノモノデアリマス、改正ノ要旨ハ治安警察法第二條中ニ、法令ヲ以テ
組織致シマスル議會ノ議員選擧準備ノタメ開キマスル所ノ集會ハ、投票日ヨリ前五十
日以內ナラバ特ニ屆出ヲ要シナイト云フコトニナッテ居ルノデアリマス、併ナガラソレハ制
限ガアリマシテ、其集會ニ加ハル所ノ人ハ選舉權ヲ行フコトヲ得ルタメ、卽チ選舉有權
者竝ニ被選舉權ヲ有スルモノニ限ラレテ居ルノデアッテ、其他ノ人ガ集會ニ參加致シマス
ル場合ニハ無屆デハ出來ナイ、斯ウ云フコトニナッテ居ル、ソコデ改正ノ要旨ハ、其集會者
ハ獨リ選舉權ヲ行フベキモノ及ビ被選舉權ヲ有スルモノニ限ラズシテ、一般公衆ヲ會同
スル場合ニ於テモ、亦投票ノ日以前五十日以內ナラバ、無屆デ集會ヲ催スコトガ出來
ルト云フ趣意ニ改正シタイノガ一ツデアリマス、ソレカラ第二ハ現行法ニ依レバ屋外集會
ヲ開キマス場合ニ於テハ、十二時間以前ニ會同スベキ場所年月日時、及ビ若シ運動ヲ
要スル場合デアッタナラバ、運動ノ道筋ヲ屆出ナケレバナラヌト云フコトニナッテ居ルノデア
リマスケレドモ、是ハ甚ダ便宜ヲ缺ク規定デアッテ、普通一般ノ場合ノ如ク三時間以前
ニ屆出ヲスレバ宜イト云フコトニ致シタイ、斯ウ云フ趣意ニ外ナラヌノデアリマス、要スルニ
屋外ニ於ケル集會ヲ成ベク便宜ニナスコトヲ得ルヤウナ手續ニ改メタイト云フニ過ギナイ、
ソレカラ第三ノ點ハ、現行法ニ依レバ女子及未成年者ハ公衆ヲ會同スル所ノ政談集合
ニ會同スルコトガ出來ナイト云フコトニ相成ッテ居リマスケレドモ、現今ノ國狀ニ鑑ミレバ、
女子ト雖モ亦未成年者ト雖モ、政談集合ノ傍聽等ヲナサシムルニ於テ敢テ差支ナイ、斯
ウ云フ精神ヨリ改正ヲ加ヘント欲スルモノデアリマス、要スルニ此改正案ハ法律ヲ以テ組
織致シマシタル議會ノ議員選舉準備ノ爲ニスルトコロノ集會、及ビ一般政談集會ニ對
スル現行法上ノ理由ナキ制限ヲ廢止セントスルニ在ルノデアリマス、願クバ御協賛ヲ仰ギ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=86
-
087・日向輝武
○日向輝武君 本員ハ政府委員ニ御尋ヲ致シマス、此案ハ唯今提出者ノ述ベタ通リ
前々議會ニ於テ葬ラレタル案デアル、甚ダ憲政ノ發達ノ上ニ於テ遺憾ヲ感ジテ居ルノデ
アリマス、全體此靑年學生ニ、政治的集會ニ出席セシメテ政談演說ヲ聽クコトガ、法
律ヲ以テ禁ズルト云フコトハ、實ニ譯ノ分ラヌ話、其理由ハ何レニ在ルカト云フコトヲ政
府委員ノ御答辯ヲ願ヒタイ、多分勉學〓究ノ妨害ニナルト云フコトデアラウト思フ、若シ
勉學ノ妨害ニナルト云フコトデアレバ、單リ政治的集會ニ出席スルノミデナイ、外ニ勉
學ノ妨害ニナルモノハ澤山アルノデアル、何故ソレ等ニ對シテ相當ノ制限ヲ加ヘナイノデ
アルカ、「ベースボール」ノ如キ「フートボール」ノ如キ、寄席ノ如キ劇場ノ如キ、若クハ講談
ノ如キ、盡ク是レ勉學ノ妨害タラザルナシデアッテ、其妨害ノ程度ハ政治的集會ニ出席シ
テ高尙ナ議論ニ耳ヲ傾ケルヨリ勉學ノ妨害ニナルコトハ一層甚シイ、然ルニ政治的集會
ト靑年ノ間ニハ、法律ノ鐵壁ヲ以テ此間ヲ防ギ、サウシテ一方ノ娯樂場ノ方ハ自由ニ之
ヲ出入セシムルト云フノハ、前後甚シキ矛盾デハナイカト思フ、全體此法律ハ明
治十四年ニ出來タモノデ、當時西南戰爭ノ餘波ヲ受ケテ政府ハ戰爭ノ餘威ヲ以テ民
間ノ志士ヲ壓服スルタメニ拵ヘタ法津デアッテ、實ニ暴逆政府ノ遺物デアル、然ルニ其
後改良ヲ加ヘタコトハ確カデアリマスケレドモ、要スルニ其精神ハ立憲治下ノ憲法ノ精
神ト相容レナイ、然ルニ此專制政治ノ遺物タル當時民間ノ志士ヲ壓服シタ治安警察
法ナルモノガ、政友會ノ保護ニ依ッテ今尙存在シテ居ルノハ不思議ナコトデ、私ハ政友會
ノ御列席ノ代議士諸君ニ御注意ヲ願ヒタイ、斯ノ如キモノガ政友會ノ黨議ニ依ッテ廢
棄サレナイノハ、如何ニモ政友會ノ面目ニ關セヌカト思ヒマス、此案ノ出タトキニ能ク御
注意ヲ願ヒタイト思ヒマス、啻ニソレノミナラズ立憲治下ノ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=87
-
088・大岡育造
○議長(大岡育造君) 日向君、唯今ハ何デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=88
-
089・日向輝武
○日向輝武君 唯今ハ質問ヲシテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=89
-
090・大岡育造
○議長(大岡育造君) 誰ニ質問シテ居ルノデスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=90
-
091・日向輝武
○日向輝武君 政府委員ニ質問シテ居ルノデス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=91
-
092・大岡育造
○議長(大岡育造君) アナタノ質問ハ政府委員ノ耳ニ響イテハ居リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=92
-
093・日向輝武
○日向輝武君 響イテ居ルト思ヒマス、此法律ノ精神ハ何故ニ存シテ居ルカト云フノ
デス、併ナガラ詰ラナイコトヲ言フノデハアリマセヌガ、私ノ言ッタコトガ分ッテ居レバ、御列
席ノ政府委員、所管事務ノ政府委員ガ御出ニナレバ御答辯ヲ煩シタイト思ヒマス、ド
ナタカ御出ニナリマスカ
(政府委員法學博士水野鍊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=93
-
094・水野錬太郎
○政府委員(法學博士水野鍊太郞君) 唯今ノ日向君ノ御問ニ御答致シマスガ、治
安警察法ニ於テ「未成年者ハ政治上ノ集會ニ會同シ若クハ發起人タルコトヲ得ス」ト
云フ規定ガアリマスガ、其趣旨ハ治安警察法上ノ理由ト致シマシテハ、未成年者ノ如
キ尙未ダ十分ナル智能ヲ備ヘザルモノハ、成ベク政治上ノ會ナドニハ集會スルコトハ宜ク
ナイ、斯ウ云フ趣旨ヲ以テ出來テ居ルノデゴサイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=94
-
095・松田源治
○松田源治君 本案ハ前ノ日程、卽チ第九刑法施行法中改正法律案ト同一ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望エマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=95
-
096・大岡育造
○議長(大岡育造君) 本案ヲ刑法施行法中改正法律案ト同一委員ニ付託スルニ
御異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=96
-
097・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ハアリマセヌカラ、其如クニ決シマス、日程第二十一、
水道條例中改正法律案
第二十一水道條例中改正法律案(井上第一讀會ノ續(株)
角五郞君外五名提出)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=97
-
098・大岡育造
○議長(大岡育造君) 理事紫安新太郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=98
-
099・紫安新九郎
○紫安新九郞君 新九郞デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=99
-
100・大岡育造
○議長(大岡育造君) 新九郞君
〔紫安新九郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=100
-
101・紫安新九郎
○紫安新九郞君 委員長ニ代リマシテ委員會ノ經過ヲ御報告致シマス、水道條例中
改正法律案ニ付キマシテハ、委員會ハ二囘開キマシテ政府委員ノ出席ヲ求メ愼重ニ審
議致シマシタルトコロ、第二十一條ノ次ニ左ノ一條卽チ「第二十二條中市又ハ市長トア
ルハ北海道及沖繩ニ在リテハ區又ハ區長トシ府縣費トアルハ北海道ニ在リテハ北海道
地方費トス」此一條ヲ加ヘテ全會一致ヲ以チマシテ可決致シマシテゴザイマス、何卒諸
君ニ於カレマシテモ御贊成アランコントヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=101
-
102・大岡育造
○議長(大岡育造君) 本案ノ二讀會ヲ開クヤ否ヤヲ決シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=102
-
103・松田源治
○松田源治君 直チニ二讀會ヲ開キ三讀會ヲ省略シテ可決確定セラレンコトヲ希望
シマス
〔「贊成「イイ」」呼呼者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=103
-
104・大岡育造
○議長(大岡育造君) 直チニ二讀會ヲ開キ三讀會ヲ省略シテ可決確定スルニ御異
議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕
水道條例中改正法律案第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=104
-
105・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ナイト認メマス、因テ本案ハ委員長報告通リ可決確
定致シマシタ-日程第二十二、私設運河法案第一讀會ノ續-漆昌巖君
第二十二私設運河法案(漆昌嚴君提出)第一讀會ノ讀(株)委員長し
〔漆昌巖君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=105
-
106・漆昌巖
○漆昌巖君 私設運河法案ノ委員會ノ經過ト結果ヲ御報告致シマス委員會ハ三囘
開キマシテ、政府ニモ質問ヲ致シ、且ツ提出者タル本員ヨリモ提案ノ理由ヲ十分申上
ゲマシテ、本案ニハ大體ニ於テ政府モ御同意デアッタノデゴザイマス、然ルニ政府ニ昨年
建議案ヲ出シテゴザイマシタカラ、相當ノ御調ベガアッテ、此御調ニナッタモノヲ參考トシ
テ御迴シヲ願ッテ、此參考書ニ就イテ十分ニ又審議ヲ致シマシテ、此參考書ヲ卽チ修正
案ト致シマシテ、文字其他ヲ修正致シマシタ、而シテ此修正ニ係リマシタノハ、ドウ云フ
所ガ原案ト相違ヲ致シテ居ルカト申シマスルト、原案ハ「私設運河法案」トゴザイマスル
ノヲ「私設」ト云フコトヲ除イテ、サウシテ原案ハ會社ガヤルヤウニ出來テ居リマシタノヲ、修
正案デハ國又ハ公共ノ團體、其他會社等デ出來ルト云フコトニ致シマシタ、故ニ此表題
ニ於キマシテ「私設」ト云フコトヲ取リマシテゴザイマス、ソレカラ原案ヲ十九條ニ「政府ハ
公益上必要ト認ムルトキハ拂込資本金ニ對シ工事著手ノ日ヨリ滿五箇年間ハ年五分
以下ニ相當スル金額ヲ補助スルコトヲ得」トゴザイマシタノヲ、之ヲ削除サレマシタノデス、
其削除サレマシタ理由ハ公益事業デアルカラ政府ハ出來得ル限り、斯ウ云フ補助規定
ヲ置クモ宜イガ、今日ノ財政ノ都合上政府ガ此規定ヲ設ケテ補助ヲスルト云フコトハ甚
ダ困難デアルカラ、先ヅ之ヲ削除シテ置キタイ斯ウ云フコトテ〓ザイマシタ、又委員中デ
ハ斯ウ云フ御說モアッタノデス、是ハ未墾地ノ如キデ此運河ヲ拵ヘタガタメニ一大財源ヲ
得ルト云フ樣ナ場合ニ於テハ、政府ハ進シデモ國ガ斯ウ云フ所ニ運河ヲ開鑿スルト云フ
コトハ必要デアル、然ル場合ニ於テ民間ガ此事業ヲ企畫スルト云フトキニハ、補助ヲス
ルト云フコトハ、何ノ差支モナイ譯ダラウト思フガト云フ御尋モゴザイマシタ、政府ハサウ
云フ場合ニ於テハ、必要ナル場合又財政上ノ都合ニ於テハ、斯ウ云フ規定ガ無クモ、
既ニ今日水道下水等ハ法律ノ規定ヲ以テ補助スルノデハナイ、是ハヤハリ規定ハ無クモ、サ
ウ云フ法規ハ無クモ、ヤハリ補助ハシテアルノデアル、ヤハリサウ云フ場合ニハ豫算ニ計上スル
コトガ出來ルノデアルカラ、免ニ角今日ノ財政上此箇條ハ削除シテ置キタイ、斯ウ云
フコトデゴザイマシテ、是ハ削除ニナリマシタ、ソレカラ第十條ノ「政府ハ交通機關ノ完備
ヲ圖ル爲保護上必要ト認ムルトキ又ハ工事上必要缺クヘカラサルモノト認ムルトキハ、
運河敷地以外ノ官地ヲ特ニ拂下及貸下又ハ公有水面ノ埋立ヲ許可ス」ト云フコトヲ削
除サレマシタ、是ハ別ニ此規定ハ無クモ官有地取扱規則其他ニ付テ、斯ウ云フ場合ニ
ハ差支ナイ限リハ政府ハ許可スルト云フコトガアルノデアル、此箇條ヲ入レルノ必要ヲ認
メヌカラ、却テ之ヲ取ッタ方ガ宜カラウト云フ政府ノ希望デゴザイマスカラ、是故ニ委員
會ハ削除致シマシタ、ソレカラ二十一條第二十一一條ト云フノハ、是ハ原案ニ於テハ會社
本位ニ出來テ居ッタノデゴザイマスカラ、會社ノ重役ガ不取締ノコトヲシタ場合ニ、十圓
以上千圓以下ノ科料ニ處スト云フ科料ノ規定デゴザイマシタガ、是ハ國又ハ公共團體
ガスルト云フ今度ノ修正案デゴザイマスカラ、全然是ハ必要ナシトシテ削除致シマシタ、
以上ノ如ク修正案ガ出來マシタガ、文字其他ノ修正ニ付テハ尙修正案ニ就イテ御覽
下サルヤウニ願ヒマス、ドウゾ宜シク発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=106
-
107・大岡育造
○議長(大岡育造君) 本案ノ二讀會ヲ開クヤ否ヤヲ諮ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=107
-
108・松田源治
○松田源治君 本案ハ直ニ二讀會ヲ開キ、三讀會ヲ省略シテ可決確定サレンコトヲ
望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=108
-
109・大岡育造
○議長(大岡育造君) 直チニ二讀會ヲ開キ三讀會ヲ省略シテ可決確定スルコトニ御
異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ異議ナル」ノ聲起ル〕
私設運河法案(漆昌巖君提出)第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=109
-
110・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ全部委員長報告通リ確定シマシタ-日
程第二十三、農家ノ副業ニ關スル建議案ヲ議題ニ供シマス-小出五郞君
第二十三農家ノ副業ニ關スル建議案(井上角五郞君外八名提出)
農家ノ副業ニ關スル建議案
農家ノ副業ニ關スル建議
農家ノ副業ヲ奬勵スルハ目下ノ急務ナリトス政府ハ須ラク相當ノ方法ヲ立
テテ之カ實行ヲ期スヘシ
右建議ス
〔小出五郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=110
-
111・小出五郎
○小出五郞君 本員ハ農家ノ副業ニ關スル建議案提出者ノ一人トシテ說明致シマ
ス、方今都市ノ繁昌スル割合ニ我農村ノ繁盛ガ之ニ伴ハヌ、又我國ガ古來農業國デア
ルニ拘ハラズ、商工業ノ發達スル割合ニ此農民ノ繁盛ト云フコトガ伴ハナイノハ如何ナ
ル理由デアルカ、種々ノ理由モゴザイマセウガ、吾〓ノ最モ注意センケレバナラヌト考ヘマス
ルノハ、此農家ガ田畑ノ耕作ヲスルノニ、春夏秋冬)エエズ此田畑ノミノ耕作ヲシテ居ッテ
ハ、ドウモ餘暇ガ生ズルノデアル、ナゼ餘暇ガ生ズルカト云ヘバ氣候ノ關係モゴザイマセウ、
又耕作ノ種類ニ依ッテ年中從事スルコトノ出來ナイ性質ノモノモゴザイマセウ、此餘暇ニ
ドウスルカ、寒國ニ於テハ唯單ニ圍爐裡ニ火ヲ焚イテサウシテ暮シテ居ル、暑イ地方ニ於
テハドウデアルト云ヘバ、午睡ヲシテ居ル、此ノ如キハ田畑耕作ノ農業ニハ甚ダ堪ヘラレ
ヌデモアリマセウガ、此期間ヲ利用シテ副業ニ從事スル方法ヲ知ラナイカラデアラウト思
ヒマス、無論副業モ今日マデ隨分行ハレテ居リマス、精覆ナル調査ハ分リマセヌケレド
モ、農商務省ノ大體ノ調ベニ依リマシテモ侮ルベカラサル副業ノアルコトガ見ラレテ居ル、
卽チ一年中ニ三億七百二十七万餘圓ト云フモノガ、副業ニ依ッテ年々產出セラレテ居
ルノデアリマス、是ガ充分ナル保護奬勵ノ方法ガ行ハレテ、而シテ是ダケノ產額ヲ得ラレ
テ居ルカト言ヘバ、從來ノ有樣ハ決シテ左樣ナ保護奬動ハサレテ居ラヌノデアル、ノミナ
ラズ偶〓保護奬動ノ方法ヲ講ゼントスレバ、甚ダトンチンカンノ事ヲヤッテ居ル、卽チ土地
ノ狀況モ考ヘズ、氣候ノ狀態モ考ヘズ、不適當ナル副業ヲ奬動シテ大失敗ヲシタリ、若
クハ原料ノ存在モ調査セズシテ濫リニ副業ノ奬勵ヲヤリカケテ居ル、是等ハ皆滑稽ニ
了ッテ居ル位デアリマス、畢竟當局者ニ於テ充分副業ト云フコトニ付テモ調査セズ、又
奬勵方法ニ充分ナル力ヲ盡サヌ結果デアラウト考ヘマス、私ハ此農產ヲ保護スル上ニ
於テハ、普通ノ耕作ハ勿論デアルガ、副業ニ付テモ充分ナル注意ヲ拂フ必要アリト
確信スルノデアリマス、卽チ先ヅ此副業ハ如何ナル性質ノモノカ、又ツレガ適當デアルカト
云フコトニ付テ充分ナル調査ヲシテ、而シテ之ヲ適當ナル場所ニ向ッテ奬勵シ廣ク知ラ
シムルト云フコトノ途ヲ採ラナケレバナラヌト思フノミナラズ、唯ダ斯ウ云フ種類ノ副業ガ
アルカラ、オヤリナサイト云フギリデハイカヌト思ヒマス、相當ナル資本ヲ之ニ與フル方法モ
講ジナケレバナラヌ、又相當ナル資本ヲ與ヘ相當ナル機械ヲ與ヘ、相當ナル販賣ノコトマ
デモ親切ニ〓ヘ、之ヲ助ケテイカナケレバナラヌト考ヘルノデアリマス、是等ノ方法ニ付テ
ハ遺憾ガラ今日ハ充分ナル方法ガ行ハレテ居ラヌノデアリマス、故ニ本案ハ政府ニ向ッテ
此副業奬勵ニ關スルトコロノ相當ナル方法ヲ取ルベキコトニ努メラレンコトヲ建議スルモ
ノデアリマス、尙ホ詳細ナル其奬勵ノ方法等ハ委員會ニ於テ精シク說明致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=111
-
112・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名九名ノ委員ニ付託セランコトヲ望ミマス
〔「贊成々々」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=112
-
113・大岡育造
○議長(大岡育造君) 議長指名九名ノ委員ニ付託スルコトニ御異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=113
-
114・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ其ノ如ク決シマス-第二十四、立憲思想
養成ニ關スル建議案、提出者石橋爲之助君
第二十四立憲思想養成ニ關スル建議案(石橋爲之助提出)
立憲思想養成ニ關スル建議案
立憲思想養成ニ關スル建議
政府ハ全國ノ公私立諸學校ニ訓令シ每年紀元節ノ式日ニ於テ在來ノ如ク建
國ノ大典ヲ記念スルト同時ニ明治二十二年二月十一日憲法發布ノ大典ヲモ
記念セシムルカ爲舉式中必ス憲法發布ノ勅語ヲ朗讀セシメ竝其ノ御趣旨
ニ副フヘキ訓話ヲ爲サシメ以テ立憲思想ノ養成ヲ普カラシメムコトヲ望ム
右建議ス
〔石橋爲之助登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=114
-
115・石橋爲之助
○石橋爲之助 本建議案ノ趣意ハ每年紀元節ノ式日ニ、全國ノ各學校デ此建國ノ
大典ヲ紀念スルト同時ニ、明治二十二年二月十一日御發布ニナリマシタトコロノ憲法發
布ノ大典ヲモ紀念セシムルタメニ、此式日ノ式ノ間ニ必ズ憲法發布ノ勅語ヲ朗讀セシメ
テ、其趣意ニ適フトコロノ訓話ヲ爲サシムルヤウニ、政府ガ全國ノ各學校ニ訓令セラレンコ
トヲ望ムト云フ趣意デアリマス、帝國憲法ハ他國ノ例ニ見ルガ如ク革命ノ結果デナクシ
テ、流血ノ慘ヲ見ルガ如キ不祥ノ事實ナクシテ先帝陛下ガ吾〓國民ニ下シ賜ハリタル
トコロノ有難キ千載不磨ノ大典デアリマス、然ルニ國民一般ハ自ラ他國ノ例ニ見ルガ如
〓、自ラ其革命ヲ運動シテ得タ結果デアリマセヌコトノタメニ、折角斯ノ如キ有難キ憲法
ヲ戴キナガラ、其有難味ヲ感ズル念ノ比較的薄イト云フヤウナコトハ、實際ニ吾〓ノ見
受ケルトコロノ例デアリマス、ドウシテモ此憲法政治ヲ完備セシメマスニハ、國民一般ニ此
立憲ノ思想ヲ普及セシムルト云フコトガ最モ根本的ニ必要デアリマス、ソレ故ニ今後ハ斯
ウ云フ風ニ全國諸學校ニ於テ、兒童ニ學生ニ其趣意ヲ吹込ムト云フコトヲ努メラルヽヤ
ウニセンコトヲ希望スル譯デアリマス、斯ウ云フコトハ別段訓令致サズトモ、今日ノ〓育
者ハ既ニ實行スベキ筈トハ存ズルノデス、併シ今日マデサウ云フ實例ヲ餘リ見受ケマセヌノ
ハ、〓育者ガ氣ガ弱クシテ少シデモ在來ノ習慣ニ違フタトコロノコトヲナセバドウ云フ答メ
ヲ受ケルカモ知レヌト云フヤウナ、サウ云フ要ラザル心配ヲシテ爲サヌモノガ多數ニアルノ
デハナイカト考ヘマス、故ニ政府ハ積極的ニ此式日ニハ斯ノ如クナスベシト云フ訓令ヲ發セ
ラレマシタナラ、帝國ノ〓育者ハ其旨ヲ奉ジテ、必ズ此立憲思想ノ養成ト云フコトニ段
段力ヲ盡スコトガ多クナルデアラウト信ズルノデアリマス、故ニ此案ヲ提出致シマシタノデ、
願クハ諸君ノ御贊成アランコトヲ希望致シマス(拍手起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=115
-
116・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名九名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス
(「贊成々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=116
-
117・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ議長指名九名ノ委員ニ付託スルコトニ決シ
マス-日程第二十五、新潟築港速成ニ關スル建議案、之ヲ議題ト致シマス、若杉
喜三郞君
第二十五新潟築港速成ニ關スル建議案(若杉喜三郞君外
四名提出)
新潟築港速成ニ關スル建議案
新潟築港速成ニ關スル建議
新潟港ハ日本海岸ニ於テ最古キ歷史ヲ有シ所謂五港ノ一ナルニモ拘ラス其
ノ實之ニ適ハサルハ信濃川河口ニ於ケル土砂ノ堆積セルカ爲ナリシモ今ヤ
其ノ河口改修工事追々進捗シ加之浚渫船ヲ使用セシ以來河口ノ深度平均十
數尺ヲ保ツニ到レリ而シテ大河津分水工事ノ竣工セシ曉ニハ必スヤ二十五
尺以上三十尺ノ深度ヲ保ツヘキハ當路者ノ言明スル所ナリ然リト雖猶實際
ニ於テ良港タラシメムトセハ啻ニ河口改修ヲ以テ足レリトスヘキニ非ス必
スヤ充分ナル築港ノ設備ヲ爲ササルヘカラス、特ニ露國カ旅順、大連ヲ失ヒ
今ヤ浦鹽港ニ全力ヲ傾注スルノ時ニ當リ其ノ對岸ニシテ最近距離ナル新潟
港ヲシテ名實相伴フコトヲ得セシムルハ路國ハ勿論歐洲トノ交通竝貿易上
喫緊ノ事項ナリトス、況ンヤ新潟縣ニハ陸上ノ設備トシテ米穀ノ產出一箇
年二百五十萬石餘、石油ノ產額ハ今ヤ日進月步ノ好運ニ際會シ到底鐵道ノ
運搬力ヲ以テ輸出シ得サルノ好況ニ在リ、又一面交通機關トシテハ岩越線
羽越線ハ漸次工ヲ進メ以テ益新潟築港ノ急ヲ促スニ至レリ故ニ政府ハ直ニ
案ヲ立テ可成速ニ工事ニ著手スルノ運ニ至ラシメムコトヲ望ム
右建議ス
〔若杉喜三郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=117
-
118・若杉喜三郎
○若杉喜三郞君 極メテ簡單ニ本案提出ノ理由ヲ申上ゲマス、新潟港ハ日本海岸
ニ於キマシテ最モ古キ歷史ヲ有シ、所謂五港ノ一デアリマスニモ拘ハラズ、其實ノ之ニ適
シマセヌノハ信濃川河口ニ於ケル土砂ニ基キマスルノデアリマス、然ルニ今ハ河口改修工事
モ既ニ進捗致シマシタ、加之浚渫船ヲ使用致シマシテカラ此方ト云フモノハ、深度ハ平均
十數尺ヲ保ツコトニ相成リマシタノミナラズ、數年後ニ至リマシテ大河津分水工事ガ竣
工ヲ告ゲマシタ曉ニハ、必ズヤ二十五尺乃至三十尺ノ深度ヲ保チ得ルデアラウト云
フコトハ、當局者モ言明シテ居ルコトデアリマス、併ナガラ是ハ唯河口改修工事デ、決シ
テ港デハナイノデスカラ、港ヲ成スニハ未ダ更ニ幾多ノ費用ヲ要スルノデアリマス、眼ヲ轉ジ
テ露國ノ方ヲ見マスルト、日露戰爭ノ結果トシマシテ露國ハ族順大連ヲ失ヒマシテ以來
ト云フモノハ、浦鹽斯德ノ經營ニ全力ヲ傾注シテ居ル有樣デアリマス、然ルニ我日本ハ
對岸ニ條約ニアルトコロノ五港ノ一ナル新潟港ヲ有シナガラ、其設備ハ何等シタコトガナ
イノデアリマス、然ルニ新潟附近ハ御承知ノ如ク陸上ノ設備ニハ殆ド申分ナイ位ニ、米
穀ノ產出ハ一箇年二百五十万乃至三百万石近クモ出來ルノデアリマス、石油ノ產額
モ今ヤ日進月步ノ好運ニ際會シテ居リマシテ、到底鐵道ノ運搬力ヲ以テ之ヲ輸出シ得
ザルノ好況デアルノデアリマス、又一面交通機關トシテハ、岩越線、羽越線、其他越後
鐵道ナドモ漸次工ヲ進メテ來マシテ、益〓新潟港ノ設備ヲシテ急ナラシムル譯デアリマス、
ドウブ提出ノ理由ハ斯ノ如キ次第デアリマスルカラ、何卒此意味ヲ御諒察下サリマシテ御
贊成アランコトヲ乞ヒマス
〔「贊成々イ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=118
-
119・松田源治
○松田源治君 本案モ議長指名九名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=119
-
120・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ、本案モ議長指名九名ノ委員ニ付託スルコト
ニ決シマシメ-日程第二十六、武相橫斷鐵道急設ニ關スル建議案、井上篤太郞君
第二十六武相橫斷鐵道急設ニ關スル建議案(井上
篤太郞君外二名提出)
武相橫斷鐵道急設ニ關スル建議案
武相橫斷鐵道急設ニ關スル建議
東京府下大崎驛ヨリ分岐シ東海道線松田驛ニ達スヘキ鐵道ハ交通上及土地
開發上極メテ重要ナル線路ニシテ其ノ急設ヲ要スル甚切ナルモノアリ故ニ
政府ハ速ニ調査ヲ遂ケ相當ノ措置ヲ爲スヘシ
右建議ス
〔井上篤太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=120
-
121・井上篤太郎
○井上篤太郞君 本案経出ノ理由ヲ簡單ニ申述ベマス、此鐵道ハ府下大崎驛カラ
東海道ノ松田ヘ拔ケマス鐵道デゴザイマス、其沿道ハ武藏國橘樹郡、都筑郡、相模國
高座郡、愛甲郡中郡之ヲ經マシテ足柄上郡ノ今ノ松田驛ヘ拔ケマスノデアリマスノ
デアリマスカラ、此線路ヲ繪圖ニ描イテ見マスルト、丁度唯今ノ東海道ノ官線ガ弓ナリ
ニナッテ松田ヘ參ッテ居ルトコロヘ、丁度弦ヲ張ッタヤウナ眞直ナ鐵道ニナルノデアリマス、
松田マデハ新橋カラ參ルト、タシカ五十三哩餘アルト思ヒマスガ、此鐵道ガ出來マスルト
新橋カラ品川ヲ入リマシテ大崎ヘ參リマシテ、大崎カラ分岐シテ參リマスト、丁度四十
哩程デ間ニ合フコトニナリマス、丁度十三哩程近クナリマス、サウシテ此地方カラ出來マ
ス物產ハ養蠶ノ非常ニ盛ナ所デゴザイマスルカラ、蠶ノ繭生絲之ヲ第一ト致シマス、ソレカ
ラ、米、麥、雜穀、薪炭、木材、煙草、斯ウ云フ風ナ產物ガ澤山ゴザイマス、ソレカラ又之
ニ入リマスル貨物ト致シマスルト、肥料ヲ始メト致シマシテ、日用品トシマシテハ種々ノ雜
貨ガ輸入サレテ來ルノデ、此鐵道ガ出來マスルト此地方ノ開發ノ上ニ於テハ非常ナ利
益ガゴザイマス、ソレカラ交通ノ上ニ於テハドウカト云フコトヲ調ベテ見マスルト、交通ノ上
ニ於キマシテハ、今申上ゲマシタ通リ東海道迴リヲ致シマスヨリモ僅ノ間デ、十三哩モ近
クナル其上ニ此線路ハ彼ノ大山詣、富士詣、道了詣等一年間ニハ二十万乃至三十万
ト云フ多大ノ參詣人ノ出テ參リマスル最モ捷徑トナッテ、此人々ニモ非常ナ便宜ヲ與ヘル
ノデゴザイマス、ソレカラモウ一ツ近キ將來ニ於テ東海道ガ廣軌鐵道ニナッテ、熱海ヲ迂
迴シテ參リマスルト云フコトニナリマスルト、國府津カラ沼津マデノ間ノ唯今ノアノ線路
隧道ノ多イ線路、アノ線路ハ全ク閑却サレルコトニナル、此閑却サレタ線路ニハアナタ方
モ御承知ノ通リ、一ツノ工場デ一箇年ノ產額十二万三四千圓位製造スル所モアリマ
ス、又其會社ハ一箇年ニ十万圓以上ノ賃金ヲ拂フモノモアリマス、ソレカラ富士詣ノ上
下ヲ致シマス、御殿場驛、佐野驛ト云フヤウナ澤山ナ客ヲ呑吐スル停車場モアルノ
デアリマス、此閑却サレタ東海道ノ舊イ線路ト云フモノト、丁度是トガ結付キマシテ、非
常ニ困却サレベキ棄ラレルベキ線路ヲ活カシテ來ルコトニナリマスカラ、鐵道院ノ收入トシ
テモ十分利益ナ線路ニナラウト考ヘマス、斯カル次第デアリマスカラ、ドウゾ御贊成アラン
コトヲ希望致シマス(拍手起ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=121
-
122・松田源治
○松田源治君 本案ハ議長指名九名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=122
-
123・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナケレバ議長指名九名ノ委員ニ本案ヲ付託致シマ
ス-日程第二十七、小柳津式農法ニ關スル建議案、小西和君
第二十七小柳津式農法ニ關スル建議案(小西和君提出)
小柳津式農法ニ關スル建議案
小柳津式農法ニ關スル建議
小柳津式農法(天理農法)ハ愛知縣人小柳津勝五郞ノ發明ニ係リ明治四十年
以來千葉、茨城、埼玉、東京、巖手、宮城、靜岡、神奈川、愛媛、熊本、新潟等各府
縣ノ一部ニ行ハレ之ヲ米麥作其ノ他ノ農作ニ施シテ頗ル見ルヘキノ成績ヲ
舉ケツツアリ該農法ハ未タ以テ完全ナル良法ニハ非サルヘシト雖特殊ナル
肥料ノ製法ヲ首メ播種耕作ノ方法等著シク在來ノ方法ニ異ナレルモノアリ
之カ取捨ト經營ノ方法ヲ誤ラサルニ於テハ在來ノ方法ニ勝ルノ結果ヲ擧ケ
依テ以テ農作物ヲシテ多大ノ增收ヲ告ケシメ延テ本邦ノ農界ニ一新生面ヲ
開クヲ得ヘシ故ニ該農法ニ關スル實際ノ試驗ヲ行ヒ以テ其ノ可否ヲ斷定シ
果シテ相當ノ成績ヲ見ルニ於テハ須ク之ヲ奬勵シテ其ノ普及ヲ謀ルヘキナ
リ而シテ該農法ノ如キ特殊ノモノニ在リテハ啻ニ試驗ノ方法ヲ誤ラサルニ
止ラス誠實ト熱心ヲ以テ事ニ當ラサルヘカラス從テ之ヲ發明者或ハ發明者
ニ準スヘキモノニ一任シ政府ハ爲ニ相當ノ費用ヲ支給スルノ策ヲ執ラレム
コトヲ望ム
右建議ス
〔小西和君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=123
-
124・小西和
○小西和君 此小柳津式農法ニ關スル建議案ノ要點ハ、二倍若ハ二倍以上ノ收穫
ガアル模樣ニ見ヱマスルトコロノ改良農法デアリマス、其農法ニ對シテ果シテ宜イモノデア
ルカ、果シテ宜イモノデナイカト云フコトヲ試驗致スタメニ、發明者又ハ發明者ニ凖ズベ
キ者ニ向ッテ、相當ノ費用ヲ政府カラ支出シテ貰ヒタイト云フ希望ナノデアリマス、固ヨリ
政治的ノ大問題デハアリマセヌケレドモ、我日本ノ人口ノ過半ヲ占メ、サウシテ我國產
ノ重大ナル部分ヲ占メテ居ルトコロノ農作物、此二ツニ對スル未曾有ノ重大問題タルヲ
失ハナイノデゴザイマス、申マデモナク農家ハ夙夜孜々黽勉致シテ、一合ノ米一本ノ大根
タリトモ澤山ニ穫リタイト努メテ居リマス、政府ノ當局者或ハ農學者其他ノ人々モ農業
ノ改良進步發達ニ付テハ相當ノ注意〓究ヲ致シテ居リマス、而モ未ダ經濟ヲ度外視セ
ナイ範國ニ於テ、一二割位ノ增收ヲスラモ期スルコトガ出來ナイト云フヤウナ狀態ニアル
ノデアリマス、此時ニ當シテ小柳津式農法ノ發明ガアッタト云フコトハ、免ニモ角ニモ我
國ノ農業上誠ニ喜ブベキ現象デアルト存ジマス、新聞紙ノ傳フルトコロニ依レバ發明者
小柳津勝五郞翁ハ、一昨六日逝去サレタサウデアリマス、誠ニ愁傷ニ堪ヘナイ次第デ
ゴザイマスケレドモ、此發明者ガ殘シタ所ノ改良農法ハ今後益〓其光ヲ放チ、サウシテ國
家ニ大ナル貢獻ヲスルト云フコトハ必ズシモ期シ難イコトデナイト思ウテ居リマス、此方法
ハ薰炭肥料ト唱ヘル所ノ特種ノ肥料ニ、ソレニ所謂小柳津式ノ耕作法ト云フ特種ノ耕
作方法ヲ施シテ、面モソレガ極メテ輕便デアル、極メテ簡單ナ方法デアルニモ拘ラズ、優三
倍以上ノ增收ガ得ラルヽト云フヤウナ次第デアリマシテ、未ダ以テ理想的ノ方法トハ申シ
難イトハ致シマシテモ、少クトモ唯今マデニ見ルコトノ出來ナカッタ一種ノ新シイ方法タルヲ
失ハナイノデゴザイマス、此新シイモノニハ兔角害ガ伴ヒ易イノデアリマシテ、御承知ノ石灰
ヲ肥料トシテ用ヒマス如キハ、土地ニ對シテ或ル障害ヲ殘シマスルタメニ、容易ニ之ヲ推奬
スルコトハ出來マセヌガ、此薰炭肥料ノ如キハ決シテサウ云フ心配ハナイノデアリマス、現
在此農法ヲ實地ニ行ッテ居リマスルモノハ、關東方面、東北地方ト東海道、四國、九州
方面ノ一部分ニ行ハレテ居ルノデアリマス、何レモ相當ノ成績ヲ舉ゲテ居ルヤ
ウデアリマスルガ、此農法ニ對シテ農商務省ノ一部ノ人〓及一部ノ農學者其他ニ反
對ノ聲ヲ放ツ者ガアリマシテ、此農法ノ普及ヲ阻害スルヤウニ見エルノデアリマス、而
モ追ミニ發逹シツヽアリマスルガ、是ガタメニ農家ハ果シテ之ヲ採用シテ宜イノカドウ
デアルカト云フコトニ迷ウテ居ル者ガ少クナイノデアリマス、故ニ此際ニ果シテ宜イモノデア
ルカ否ヤト云フコトヲ試驗致シテ、實際之ヲ奬勳シ普及シテ宜イモノトナリマシタナラバ、
須ラク其實行ニ努メラレンコトヲ望ムノデアリマシテ、是ガ愈〓立派ナモノデアル、サウシテ全
國ニ普及スルト云フコトニナッタナラバ、喧シイ〓物問題是等ハ容易ニ解決出來マスシ、
又日本ノ國家經濟ノ上ニ大ナル利益ヲ與ヘ、農村ノ疲弊ヲ恢復スルノミナラズ、更ニ農
村ヲシテ發達セシメ農家ニ幸福ヲ與ヘ、サウシテ國家ヲ富强ナラシムルニ於テ大ナル效果
ガアルコトヲ信ジマス、要スルニ此農法ハ我農業社會ニ一新生面ヲ開クモノタルコトヲ疑
ヒマセヌ、是レ本案ヲ提出スル理由デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=124
-
125・松田源治
○松田源治君 本案ハ日程第二十三ノ農家ノ副業ニ關スル建議案ト同一委員ニ付
託セラレンコトヲ望ミマス
(「異議ナシ異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=125
-
126・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガアリマセヌカラ、本案ハ農家ノ副業ニ關スル建議案ト
同一委員ニ付託スルコトニ決シマス、日程第二十八乃至三十ノ請願ハ一括シテ議題ニ
供シマス、委員長植場平君
第二十八(特別報告第一號)池田町ニ區裁判所(委員長報告)
出張所設置ノ請願
第二十九(特別報告第二號)高梁區裁判所手莊(委員長報告)
村出張所設置ノ請願
第三十(特別報告第三號)旭川區裁判所士別(委員長報告)
出張所設置ノ請願
〔植場平君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=126
-
127・植場平
○植場平君 特別報告第一號請願文書表ノ第六號デアリマス、池田町ニ區裁判所
田張所設置ノ請願、請願者ハ德島縣三好郡池田町長島崎傳吉提出デアリマス、紹
介議員ハ大久保弁太郞君、此請願ノ要旨ハ意見書ニ詳カデアリマス、請願委員會ハ
反覆審査ヲ致シマシタ結果、本請願ハ至當ナルモノト見マシテ採擇ニ決定致シマシタ、
次ノ請願ハ特別報告第二號、請願文書表ノ三十二號デアリマス、高梁區裁判所手莊
出張所設置ノ請願デアリマス、請願者ハ岡山縣川上郡手莊村長赤松佳衞外三名デ
アリマス、紹介議員ハ西村丹治郞君、本請願ノ要旨ハ別紙意見書ニ詳カデアリマス、
本案ニ對シマシテモ請願委員會ハ反覆審査ヲ致シマシタ結果、採擇ニ決定致シマシタ、
次ノ請願ハ特別報告第三號請願文書表ノ五十九號デアリマス、旭川區裁判所士別
出張所設置ニ關スル請願デアリマス、請願者ハ北海道天鹽國上川郡士別村平民農菅
原太吉外七名デアリマス、紹介議員ハ東武君デアリマス、本請願ノ要旨ハ別紙意見書
ニ詳カデアリマス、是亦請願委員會ハ反覆審査ヲ致シマシタ結果、至當ノ請願ト見マ
シテ採擇ニ決定致シマシタ、此段御報告ヲ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=127
-
128・大岡育造
○議長(大岡育造君) 委員長ノ報告ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=128
-
129・大岡育造
○議長(大岡育造君) 御異議ガナイト認メマス、更ニ報告ガアリマス
〔書記朗讀〕
一議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
登錄稅法中改正法律案
提出者高木正年君高木益太郞君
一議員ヨリ提出セラレタル質問主意書左ノ如シ
現內閣ノ施政竝議員ノ質問應答ニ關スル質問
提出者澤來太郞君
陸軍壯丁ノ體格不良ノ傾向ニ關スル質問
提出者田川大吉郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=129
-
130・大岡育造
○議長(大岡育造君) 付託セラレタル委員ノ指名ハ公報ヲ以テ報告致シマス、次囘
ノ日程ハ公報ヲ以テ通知致シマス、本日ハ是ニテ散會
午後四時九分散會
衆議院議事速記錄第六號正誤
頁段行誤正
四七下三十年以上丁年以上発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=003013242X00719130308&spkNum=130
-
本文はPDFでご覧ください。
3. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。