1. 会議録本文
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000・会議録情報
委員氏名
委員長 服部一三君
副委員長 男爵 船越光之丞君
委員
伯爵 柳澤保惠君
子爵 前田利定君
男爵 村上敬次郎君
黒岡帯刀君
荒井賢太郎君
男爵 小早川四郎君
男爵 赤松範一君
男爵 郷誠之助君
加藤恒忠君
菅原通敬君
石橋謹二君
佐藤傳兵衞君
成清信愛君
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大正十年三月二十四日（木曜日）午後三時七分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=004400404X00119210324&spkNum=0
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001・服部一三
○委員長(服部一三君) 是カラ開會シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=004400404X00119210324&spkNum=1
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002・神鞭常孝
○政府委員(神鞭常孝君) 今日玆ニ關稅定率法中改
正法律案ノ大體ノ御說明ヲ一應イタシマス、此關稅
定率法ハ此度改正ヲ致シマシタノハ、ソレハ殆ド議場
デ御說明デアリマシタノデスガ、其主ナル點ハ鐵事
業ト云フモノニ對シテノ保護、奬勵ヲ圖ルト云フノ
ガ先ヅ最モ主ナル點デアリマス、次ニ造船事業ニ對
スル奬勵ト云フノガゴザイマス、尙ホ之ニ伴ヒマシ
テ亞鉛ト曹達ト云フヤウナモノニ付キマシテハ、是
ハ此意見ヲ特別議會ノ時ニ衆議院ニ於テモ又貴族院
ニ於キマシテモ調査ガ出來タナラバ成ルベク速ニ改
正案ヲ提出シテ、其事業ノ維持發達ヲシヤウト云フ
御希望ノ條件ガ付テ特別議會ノ際ニ改正案ヲ提出ヲ
致シマシテ通過イタシマシタ際ニサウ云フ希望條件
モ付テ居リマス、サウ云フモノニ對シテ政府ハ取急
ギ調査イタシテ今日ソレモ合セテ提案ニナッテ居リ
マス、其外尙ホ是等ノモノヲ改正イタシマスニ付テ
尙ホ他ニ之トノ關係品デアルトカ、或ハ又之ニ附隨
イタシテ他ニ二三改正ヲ致シタ點モアルノデアリマ
ス、是ハ尙ホ順序ヲ逐ヒマシテ說明ヲ致シタイト思
ヒマス、大體ノ斯ウ云フ意味ノ法案デアリマス、ソレ
デ關稅定率法ト云フモノハ明治四十四年以後只今ノ
現行法ガ實施シテ居リマスノデアリマス、何分ニモ
此以前ノ法律デゴザイマシテ、大體ニ於キマシテ重
量デアリマス詰リ百斤幾ラト云フヤウナ重量制ガ
主モニナッテ居リマス、所ガ其後ニ於キマシテ、物價ノ
奔騰ト云フコトガ甚ダ著シイモノガゴザイマシテ、
大體カラ申シマシテ、今ノ狀況カラ見テ此法律ガ適
合シナイ點ガアルヤウニ、各種ノ點ニ於テ見エテ居
ルノデアリマス又內地ノ產業狀態、海外トノ貿易關
係ト云フヤウナモノモ、段々時勢ガ變ッテ參ッテ居リ
マスデ是ハ早晩何トカシナケレバナルマイト云フヤ
ウナコトハ政府モ豫テ考ヘテ居ル點デハゴザイマス
ケレドモ何分ニモ全般ニ互ッテ改正イタシマスト云
フコトニナリマスト、御承知ノ如クニ、品目ガ非常ニ
多數ナモノデゴザイマシテ、調査ニ相當ニ時日ヲ要
シマスシ、又物價ノ關係等ガマダドウモ安定シテ居
ルト云フヤウナ狀態ニ至テ居リマセヌ關係カラ、之
ヲ此際直グ提案スルト云フマデノ運ビニハ至ッテ居
リマセヌノデアリマス、併シナカラ前申シマシタヤ
ウナ風ニ戰時中ヨリ大ニ勃興シテ居ッタ、折角勃興シ
テ居ッタ事業ガ平和ノ狀態ニ這入ッテ甚ダシク打擊ヲ
受ケテ居ル、併シ是ハ何トカシテ〓殘ッテ居ルモノダ
ケデモ、維持シタイ、又將來發達スル見込ノアルモノ
ハソレガ發達スルヤウナ方法ヲ取ッテ行キタイト云
フヤウナコトカラ、緊急ノモノト致シマシテ、全部ノ
改正案ヲ作出スマデ待ッテ居ルト云フコトハ面白ク
ナイコトデアル斯ウ云フ意味カラ致シマシテ、一部
分ノ改正デハゴザイマスガ、茲ニ部分的ノ改正案ヲ
提出シタヤウナ譯デゴザイマス、ソレカラ說明ノ順
序ト致シマシテ、此法律ノ大部分ハ說明表ニナッテ居
リマシテ、表ノ形ニナッテ居リマスカラ、矢張リ條文ヲ
逐ッテ說明申上ゲタ方ガ却ッテ明瞭ニナルカト思ヒマ
スカラ、一應條文ヲ逐テ御話ヲ致タイト考ヘマス、或
ハ重量ト云フヤウナ主モナル目的ヲ後ニシテ.、所謂
附隨的ノモノガ前ニナルト云フヤウニ、順序ノ〓倒
スルコトガアルカモ知レマセヌガ、ドウカソレハ豫
メ御含ミヲ願ヒマス、此關稅定率法中改正案ノ一番
先ニ出テ居リマスノハ、第二條ノ改正デゴザイマス
是ハ現行稅法ニ於キマシテハ、從價稅品ハ輸入港ニ
到著シタル時ノ價格ニ依ッテ課稅スルト云フコトニ
ナッテ居リマス、御手許ニ差上ゲテアル參考書ノ初メ
ノ方ニ對照シテアリマス、是此度鐵ノ關稅ニ付キマ
シテ、從來ハ從量制ニナッテ居リマス、詰リ百斤何程
ト云フ重量制ニナッテ居リマスノヲ大體ニ於キマシ
テ從價稅ニ改メマシテ、從價一割五分限度ノ稅ヲ掛
ケルコトニナッテ居リマス實ハ此前ノ議會ニ提案イ
タシマシタル改正案中デモ、染料ハ元重量稅デアリ
マシタモノヲ、從價稅ニ改メマシタ、是等ハ取扱ヒノ
點カラ申シマシテモ、間違ヒノナイ點カラ申シマシ
テモ、出來ルコトニナラバ重量稅ニ決メテ置ク方ガ
便利ニ思ヒマスケレドモ、併シ先刻申シマシタヤウ
ニ價格ノ變動、或ハ品質ノ相違ニ依ッテ、高イ物、安イ
物ガアル、ソレヲ小分ケヲシナケレバナラヌト云フ
ヤウナ關係カラ、差當ッテ從價稅ニシテ居ルノデアリ
マス、サウ云フ風ニ從價稅ガ澤山ニナッテ參ッタノデア
リマスガ、其從價稅ト云フモノハ何時ノ値段ヲ標準
ニシテ課稅スルカト云フコトガ、第二條ニ決マッテ
居ッタノデアリマスガ、ソレガ輸入港ニ到著シタル時
ノ價格ニ依ッテ課稅スルコトニ決マッテ居リマスノデ
大體ソレデモ宜シイノデアリマスガ併シナガラ、例
ヘバ今日ノ狀況ノ如キ、鐵ナドデ、去年這入ッテ來タ
物、或ハ一昨年這入ッテ來タ物ガ、其儘稅關ノ倉庫内
ニ置イテアルト云フヤウナモノガ澤山アリマス、今
後モ澤山斯ウ云フ物ガ、輸入港ニ到著シテカラ引取
ルマデニ、半年或ハ一年掛カルト云フヤウナモノガ
ゴザイマセウ、實際、輸入サレテカラ引取ラレルマデ
ニ、隨分價格ナドガ變動スル場合ガアリマスノデ、例
ヘバ新シク這入ッタ物ト、古クカラ這入ッテ稅關ノ倉
庫ニアッタ物ガ、同日ニ引取ラレルト云フヤウナ場合
ニ、同ジ物品ニ付テ、價格ノ異ナルト云フヤウナコト
ガ、段々起ッテ參ラウト思ヒマス、サウ云フ點ガ具合
ガ惡イノデ、總テ實際ニ輸入手續キヲスル場合ノ、其
時價格ヲ目安ニシテ課稅シヤウ、實際輸人手續キヲ
シテ引取ル際ニ近イモノニ依ッテ課稅スルト云フノ
デ、到著價格ニ依ルト云フコトニ改正シタモノデゴ
ザイマス、ソレカラ第九條ハ現行法ニ於キマシテハ
輸入原料品ヲ用ヒ命令ヲ以テ指定シタル物品ヲ製造
シ之ヲ外國へ輸出シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依
リ輸入稅ノ全部又ハ一部ノ拂戾ヲ爲スコトヲ得ト云
フヤウニ書イテアリマス、第二項ニハ輸入原料品ヲ
用ヰ命令ヲ以テ指定シタル肥料ヲ製造シタルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ「輸入稅ノ全部又ハ一部ノ拂
戾ヲ爲スコトヲ得」ト云フコトニナッテ居リマスト
コロデ第二項ノ方カラ申上ゲマシタ方ガ分リ易フゴ
ザイマスカラ、其方カラ申上ゲマスガ、此度ハ第二項
ノ肥料ヲ製造シタルトキニ、拂戾シヲスルト云フコ
トノ外ニ、「亞鉛華、厚○、二五ミリメートルヲ超エサ
ル亞鉛薄板」ノ輸入原料品ヲ用ヒテ製造シタ時ニ其
原料品ニ對シテモ、關稅ノ拂戾シヲシヤウト云フコ
トニナリマシタ、是ハ亞鉛華ノ稅金ヲ從來ヨリ四倍
程多ク引上ゲルノデ、其理由ハ內地ニ於ケル亞鉛事
業ノ維持ト云フコトノ爲ニ上ゲルノデアリマスガ、
之ヲ上ゲタ爲ニ、他ノ輸出事業、製造事業ニ影響ヲ及
ボスコトハ固ヨリナイノデアリマスガ、亞鉛ノ薄板
ヲ造ル者ニ對シテハ、其原料ヲ安クシテ、他ニ及ボス
影響ヲ避ケサセヤウト云フ、斯ウ云フ趣意デアリマ
ス、尙ホモウ少シ詳シク申シマスト、亞鉛華ハ「ペイ
ント」ノ材料デアリマシテ、亞鉛ノ薄板ト云フモノ
ハ輸出燐寸ノ包裝ニ使ハレルモノデ「ペイント」ノ
方ハ外國トノ競爭ガゴザイマシテ、稅金ヲ上ゲルコ
トハ出來マセヌ、サウ致シマスト原料ノ亞鉛華ガ高
クナリマスナラバ、「ペイント」ノ方ハ······内地デ製造
スル「ペイント」ノ方ハソレダケノ影響ヲ受ケマス、
然ルニ「ペイント」ノ關稅ト云フモノハ、今ノ行ハレ
テ居ル關稅ヲ動カスコトガ出來ナイ、サウスルト云
フト「ペイント」事業ガ折角成立チカケテ居ルノガ打
擊ヲ受ケル、而モ此事業ノ如キハ大ニ日本デサセタ
イト思ッテ居ル事業デゴザイマス、ソレデ一面ニ於テ
亞鉛ノ精煉事業ト云フモノヲ維持スルト云フノデ亞
鉛華ノ稅ヲ上ゲマスケレドモ、サウ云フ「ペイント」
ヲ造ルモノハドウシテモマダ外國ノ製品タル亞鉛華
ノ輸入ヲ仰ガナケレバナラヌヤウナ狀態デゴザイマ
ス、ソレデ其原料品ニ付テハ免除スル、斯ウ云フ意味
デス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=004400404X00119210324&spkNum=2
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003・服部一三
○委員長(服部一三君) チヨット間デ伺ヒマスガ、四
倍高クスルト云フノハ亞鉛ニ對シテデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=004400404X00119210324&spkNum=3
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004・神鞭常孝
○政府委員(神鞭常孝君) 亞鉛華ニ對シテデス、又
此亞鉛ノ薄板ノ方ハ是ハ先刻申上ゲマシタヤウニ燐
寸ノ輸出ニ使ヒマスル包裝トシテ必要ナ品物デアリマ
ス、從來トテモソレガ爲メニ無稅ニ致シテ居リマス、
今度モ亞鉛ノ事業ヲ奬勵イタシマスル爲ニ、矢張リ
ソレガ爲ニ薄板マデニ稅ヲカケルコトニナリマス
ト輸出燐寸ノ方ニ影響ガ多イ、此輸出燐寸ハ相當大
量出テ居リマスガ、今日デハ非常ニ悲境ニ陷ッテ居ル
ト云フ狀態デアルカラ、此輸出ノ方ニ成ルベク影響
ヲ及ボサセタクナイ、ソレ故ニ亞鉛薄板ノ方ハ矢張
リ從前ノ通リ無稅ニシタラ宜カラウ、斯ウ云フヤウ
ナコトデ亞鉛ノ薄板關稅ト云フモノハ動カサナイコ
トニシテ、亞鉛ハ矢張リ無稅ニ致シテ居リマス、所ガ
サウ致シマスルト、ソレデ燐寸ノ輸出ノ方ニハ差障
リハナイノデゴザイマスガ、日本デハ亞鉛ノ薄板ト云
フモノハ此頃造リカケテ居ルノデアリマス、ソレデ
此事業ガ、製品ノ方ハ外國品ガ無稅デ這入ッテ來ル、
而シテ原料ハ今迄ヨリモ四倍ノ高イ稅ヲカケルト云
フコトニナリマスト、是ハ薄板ノ製造事業ト云フモ
ノガ打撃ヲ受ケルト云フヤウナ關係ガゴザイマスノ
デ、此際ニ薄板ニ用ヒマスル原料ノ亞鉛華ノ輸入稅
ハ矢張リ稅金ノ拂戾若クハ免除ヲシヤウト云フ意味
デ此ニ加ヘタ譯デアリマス、サウ云フコトニ致シマ
シテ從來モ是ハ輸入稅ノ拂戾ト云フコトニナッテ居
リマス、併シ此拂戾ト云フコトニ致シマスルト、實ハ
手續上ニ於テハ煩瑣デゴザイマスシ、又兎モ角モ一
旦其物ヲ入レマス時ハ納稅ヲ致サナケレバナラヌ
ガ、後ニナッテ別途ノナニトシテ拂戾金ヲ受ケルノデ
アリマス、是ガ爲メニ或ハ政府ノ都合上ナドニ於キ
マシテ往々ニシテ拂戾ノ手續ガ多少遲レルト云フヤ
ウナコトモ有リ勝チノコトデ、サウ致シマスルト其
金利ダケデモ大分違ッテ來ル、又手續ノ點カラシテモ
兩方共簡便ニ成ルベク斯ウ云フコトハ致シタイト思
ヒマスノデ、拂戾ト云フコトヨリモ、最初ヨリ或ハ關
稅ノ免除ト云フ方法ガ出來ルナラバ宜イデハナイ
カ、斯ウ考ヘマシテ此度ハ免除モ出來ルコトニ此法
案ハ致シタ譯デアリマス、サウ致シマスルト、此結果
ト致シマシテ、兎モ角モ原料品ノ輸入ヲ致シテ參リ
マス其時ニハ稅金ハ納メナイデ引取ルコトガ出來
ル、併ナガラソレヲ引取ルニ付テソレヲ免除シマス
ルニ付テハソレハ確カニサウ云フ品物ノ製造ニ使
用サレタト云フコトヲ認メナケレバ、本當ニ免除ハ
出來ナイ、勘辨スル譯ニハ行キマセヌ、所ガ關稅ノ徵
收ノ方法ト致シマシテ、主トシテ物品ヲ引取ラシメ
マシテ、ソレニ依ッテ放シテ仕舞フト云フヤウナ關係
デアリマスルカラシテ、一旦默ッテ放シテ仕舞ヒマス
ト、後ニナッテ其稅金ヲ追徵スルト云フヤウナ點ニ付
テハ、大分代價ガ違ヒマシテ非常ニ不便デアル、ソレ
ハ一面ニ關稅ノ特徵ニナッテ居リマス、サウ云フ關係
ニナッテ居リマスカラ、其免除ヲ致シマス際ニ稅金ニ
相當スル擔保ヲ出サシテ置クコトニシタイト云フノ
デ、此第三項ヲ加ヘマシタ「前二項ノ規定ニ依リ輸入
稅ノ免除ヲ爲ス場合ニ於テハ輸入ノ際稅金ニ相當ス
ル擔保ヲ提供セシムルコトヲ得」斯ウ云フ規定ヲ新
ラシク加ヘラレタノデアリマス、サウ致シマシテ、サ
ウ云フ風ニ第二項ニ或ハ亞鉛華デアルトカ、或ハ亞
鉛ノ薄板デアルトカ斯ウ云フ原料ヲ製造スル場合
ニ、其原料品稅金ハ、今迄ハ拂戾デアッタノヲ今度ハ
免除ノ方法ヲ用ユルト云フコトニ致シマシタト同樣
ニ一項ニ是ハ物品ヲ造ッテ外國ニ輸出スル、其輸出
シタモノニハ此輸出奬勵ノ意味ヲ以チマシテ、原料
品ハ一旦稅ハ取ルケレドモ是ハ外國ニ其製品ヲ輸出
スレバ拂戾シテヤルト云フ法律デアリマシタノヲ、
是モ其趣意ハ少シモ變リマセヌノデ、拂戾ヲスルヨ
リハ前申シタヤウニ最初カラ關稅ヲ免除スルト云フ
方法ニ出タ方ガ便利デアルト云フコトデゴザイマシ
タノデ'是モ亦免除ト云フコトヲ此ニ加ヘマシタノ
デアリマス其免除ト云フコトヲ加ヘマシタ關係カラ
シテ、書キ方ガ少シ變リマシタケレドモ「輸入原料品
ニシテ命令ヲ以テ指定シタル輸出品ノ製造ニ使用ス
ルモノニハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ輸入稅ノ全部
又ハ一部ノ免除又ハ拂戾ヲ爲スコトヲ得」ト云フコ
トニ書キ方ヲ變ヘマシタ、意味ハ同ジデアリマス、今
マデハ拂戾ニ限ッテ居リマシタガ、此度ハ免除ト云
フ方法ヲ行ヒ得ルコトニシヤウト云フコトニ致シマ
シタ、第四項ハ是ハ從來カラアリマシタ條文デゴザ
イマス、何等變ッタコトハナイノデアリマス、此免除
品ヲバ「詐欺其ノ他不正ノ行爲ヲ·以テ」免除シ得テ、
サウシテ稅金ノ免除ヲ得タト云フコトニナリマスル
ト、是ハ關稅法ノ第七十五條ト云フノニ、關稅ノ連脫
ヲ圖リ又ハ關稅ヲ逋脫シタ者ハ是レ〓〓ノ制裁ヲ加
ヘルト云フ規定ガゴザイマス、其規定ヲ當然是ハ適
用サレマスカラシテ免除ノ方ニ付テハ問題ハゴザイ
マセヌ、唯拂戾金ヲ得ルト云フコトハ一旦關稅ヲ納
メマシテサウシテ後ニ別ニ拂戾金ヲ得ルト云フコト
ニナリマスレバ、不正ナ行爲ヲシテ拂戾金ヲ得タト
云フコトハ、果シテ關稅法ノ七十五條ニ申シマスル
關稅ノ通脫ヲ圖ッタモノデアルカ逋脫シタモノデア
ルカト云フ點ハ問題デアリマス、寧ロサウデハナイ
別ノ犯則行爲デアルト云フ風ナヤウニ思フノデ、ソ
レデ從來カラモ拂戾金ヲ得タ者ハ關稅法七十五條ノ
例ニ依リ處分スルト斯ウ云フ規定ガゴイザマシタ、
是ハ今囘モ元ノ通リ拂戾ト云フコトガアッテモ動カ
ス必要ハナイノデ元ノ通リニナッテ居リマス、ソレカ
ラ次ハ第十條、此度ハ「船舶ノ建造又ハ修繕ニ使用ス
ル鐵鋼材、艤裝品、艤裝品部分品、機關又ハ機關部分
品ニシテ命令ヲ以テ指定シタルモノニハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ其ノ輸入稅ヲ免除スルコトヲ得」斯ウ書
イテ置キマシタ、現行法ニハ「輸入製品ニシテ内國ニ
於テ製造スル船舶ニ備付ケ又ハ取付ケ輸入ノ日ヨリ
二年以内ニ該船舶ト共ニ輸出スルモノハ輸入稅ヲ免
ス但シ輸入ノ際稅金ニ相當スル擔保ヲ提供スルコト
ヲ要ス」ト云フ規定ガアリマシタノデ、是ハ從來內地
デ船舶ヲ製造イタシマス際ニ、ソレニ對シテハ造船
奬勵金ト云フヤウナ制度ニ依リマシテ、其造船事業
ノ奬勵ヲ圖ッテ居リマシタ、所ガ是ハ戰爭ノ當時デゴ
ザイマシタガ、造船奬勵金ノ制度ハ止メマシタノデ、
此平和克復イタシマシテカラ、造船事業モ戰時中ノ
狀況ト大層模樣ガ變ッテ來テ居リマス、將來此造船ヲ
如何ニシテ奬勵スルカ、如何ニシテヤッテ行クカト云
フコトニ付キマシテハ、色〓問題ニモナッテ居リマシ
タガ、大體ニ於キマシテ造船奬勵金ト云フモノヲ與
ヘルト云フコトハ無駄デアル、又今ノ財政ノ關係カラ
言ッテモ、サウ云フモノヲ與ヘルト云フコトハドウデ
アルカト云フコトハ是ハ本會議ニ於ケル國務大臣等
ノ御答辯モアッタ次第デアリマスガサウ云フ意味合
ヒデ見ルト、今囘造船奬勵金ノ代リニ寧ロ材料ノ輸
入稅ヲ免除シテ廉イモノヲ入レヤウト云フ意味デ
變ッタノデアリマスサウ致シテ是ハ外國へ輸出スル
船モ、又內地ニ止マル船モ此十條ノ適用ヲ受ケルノ
デアリマス、從來外國ヘノ輸出ハ-實ハ十條ノ一
項ノ中ノ命令ノ一部ハ輸入稅金ノ拂戾シノ命令ヲ以テ
定メテ居リマス、ソレカラ其外ニ此現行ノ第十條ノ
船舶ハ備付ケ船舶同樣ニ輸出スルモノニ免稅シテ居
リマス、ソレガ今度ハ輸出スルモノモ、內地ニ止マル
モノモ悉ク十條ノ規定ニ依リマスノデ、現行法十條
ハ必要ガ無イノデ、ソレデ十條ヲ買換ヘマシテ、今回
ノヤウナ規定ニ致シマシタ、ソレカラ次ハ輸人稅表
ノ改正デアリマス、是モ號ヲ逐ッテ御說明ヲシタイト
思ヒマス、一番初メニ番號ハ二十九ノ二中、木藍及甜
菜ニ改メルト云フノデアリマス、是ハ砂糖ヲ採リマ
スガ、甜菜ハ日本デモ北海道邊デ頻リニ試シテ居リ
マス、所デソレハ外國カラ種子ヲ採ッテ日本デヤルト
云フコトデアリマス、是ハ成ルベク奬勵ノ意味ヲ以
テ致シマスノデ、此木藍甜菜ノ二ツヲ加ヘタノデア
リマス、ソレヲ免除スル意味デアリマス、是ハ從來ハ
此項目ニアリマセヌ從ッテ其項目ノ中、藥用ノモノ
ヲ除キ一割五分掛ッテ居ッタノヲ、今度全部無料ニナ
ルノデアリマス、次ハ百十號ノ四圓五十錢トアルノ
ガ十二圓ニナリマス、其次ハ一圓七十錢ノヲ五圓ニ
改メルト云フノデ、百十號ハ七割、百十號「オレイン」
ガ七割、此「オレイン」ハ輸出工業ノ油類デ「オレイン」
「グリスリン」ト云フモノガゴザイマス、是ハ主タル
問題ハ「グリスリン」問題デ、此項目ニ這入ッテ居リマ
セヌ、「グリスリン」事業ニ付テハ戰爭ノ始マッタ當
時、染料其他藥品ナドヽ共ニ內地ニ於テモ「グリスリ
ン」工業ヲ發達サセル必要ガアルノデ、何トカ是ハ奬
勵シナケレバナラヌト云フコトデ、ドウシテモ「グリ
スリン」ノ關稅ヲ廢メタラドウカト云フ議論ガアリ
マシタ、日本ニハマダ當時ニ於テハ發達シテ居ラヌ
事業デアリマスガ、將來ドレホドニ發達シ得ル見込
ガアルカト云フコトハ技術上ノ問題デアリマス、又
「グリスリン」ト云フモノハ染料トシテ必要デアリマ
スガ主モニ使ハレルノハ「ダイナマイト」デアリマ
ス、「ダイナマイト」ノ價格ヲ續ゲルト云フコトハ考
ヘモノデアリマシテ、關稅ノ方法ニ依ラナイデ、製造
會計ニ對シテ利益ヲ保障シテヤル方法ヲ執リマシ
テ、現ニ其會社ガ出來テ居ル次第デアリマス、サウ云
フ關係デ「グリスリン」會社ガ出來テ居リマス、ソレ
ハ段々事業モ進步イタシ、技術上ニ於テモ段々進步
シタモノガ出來テ居リマスガ、唯〓ノ所ハ如何セム、
經濟狀態ガ甚ダ惡イノデ、マダ此事業ノ保護機關ハ
四年バカリ續キマスガ、此事業ハ何時マデ保護シテ
行クカト云フト、實際會社ガ損失ヲ招イテ居ルト云
フトドウカシテ多少經濟上オッツカッツノ所マデ行
クヤウニシナケレバナラヌ、ソレデナイト同ジヤッテ
モ當業者カラ致シテモ成ル程會社ト云フモノハ政
府ノ補助ヲ受ケテ居ッテモ、事業ハ何時マデモ缺損デ
アルト云フコトハ甚ダ奬勵ノ意味ニ適ハナイノデ、
ソレヲ何トカシテ、今少シ成立ツヤウニシタイ、然ル
ニ今申シタヤウニ「グリスリン」ト云フモノノ關稅ニ
付テハ「ダイナマイト」ノ關係ガアリマス「ダイナマ
イト」ヲ使用スルモノハ鑛山事業デアリマスガ鑛山
事業ガ今日ノヤウナ狀態デアリマスト、甚シク弱ッテ
号ル、殊ニ向ウデモ銅トカ石炭トカ云フモノハ皆甚
シキ狀態ニ居リマス、此際ソレト同時ニ一面ニ稅ヲ
上ゲルト云フコトハ、成ルベク控ヘルコトガ出來レ
バ、控ヘタイト考ヘマス、又「グリスリン」ノ關稅ト云
フモノハ、ナマヤサシイ保護デ成立テバ格別デアリ
マスガ、現在ノ計算カラ見レバ、今ノ關稅ヲ餘程高イ
稅金ニシナクテハチヨット計算ガ取レナイヤウニ
ナッテ居リマス、其際デアリマスカラ、此改正案ハ「グ
リスリン」ハ此保護ヲ受ケマセヌ、併ナガラ「グリス
リン」ト同時ニ造ル「オレイン」ト云フモノヽ側面カ
ラ此事業ヲ保護スル、是ハ油ノ百斤カラ致シテ今「グ
リスリン」ノ出テ居ルノガ七斤半デアリマス、ソレカ
ラ「スチアリン」ハ是ト違フヤウニ見エマスガ、四十
斤以上「フオルマリン」ハ五十斤デアリマス、ソコデ
「グリスリン」「スチアリン」ノ價格ハ略〓同ジヤウニ
似テ居リマス、實ハ「グリスリン」工業ト云フモノヽ
經濟ノ上カラハ「オレイン」ハ捌ケ口ガ良クナイノ
デ斯ウ云フ値段ニ行カナケレバ「グリスリン」工業
ハ長ク成立タヌノデアリマス「グリスリン」ノ方ハ七
割八割「オレイン」ノ方ハ數十斤取ルト云フ考デアリ
マス、先ヅ此方面ヲ上ゲル、此方面ヲ上ゲレバ影響ス
ル所ガ少イ、今ノ鑛山的ノ關係ノ「ダイナマイト」ヲ
引上ゲルコトハ、非常ナ關係ガ起ランデ濟ムト云フ
意味カラ「スチアリン」「オレイン」ノ方ノ稅金ヲ引上
ゲル斯ウ云フ見當ヲ付ケマシタ、此「スチアリン」ハ
主トシテ蠟燭ノ材料デアリマシテ「オレイン」ハ髪ノ
油ヲ洗フ時ニ使フモノデアリマス、ソレデ「スチアリ
ン」ノ競爭品ト致シマシテ「パラフインワックス」ト云
フモノガゴザイマス、是ハ御承知ノコトデゴザイマ
セウガ石油ヲ取リマス際ニ最後ニ取レルモノトシテ
取レルノデアリマス、是ハ蠟燭ノ中ニ多量ニ現在ニ
於テハ混ゼラレテ居リマス、一體ハ「スチアリン」デ
蠟燭ヲ造ルガ宜イノデアリマスガ、「スチアリン」ガ
高イ爲ニ「パラフイン」ヲ使フ、「パラフイン」ヲ使フ
結果曲リ易クナッテ蠟燭ニ火ヲ燃シテ居ルト曲ル、夏
ナドハ直キ曲ッテシマフ、或ハ火ヲ燈サズトモ蠟燭ガ
グニヤ〓〓ニナルノハ「パラフイン」ガ澤山使ハレテ
居ル爲メデ、惡イ蠟燭ト云フ意味デアリマス、「スチ
アリン」ノ用途ヲ廣メマスニハ「パラフイン」ト競爭ニ
ナリマスカラ「パラフイン」ノ稅モ上ゲテ行カナケレ
バナラヌ、斯ウ云フ意味ヲ以テ「スチアリン」ト共ニ
「パラフイン」ノ稅ヲ上ゲタ次第デアリマス、此「パラ
フイン」ニ二ツアリマシテ「融解點攝氏四十五度ヲ超
ヱサルモノ」無稅「其ノ他」ヲ今度上ゲタノデ、無稅ノ
方ハ「マッチ」ノ軸木ニ塗リマシテ、火ヲ引キ易イモノ
ニスルノデアリマス、融解點ノ低イモノデアリマス、
此方ハ從來カラ「マッチ」事業ノ爲ニ無稅ニシテ居リ
マス是ハ「スチアリン」トノ競爭品デナイノデアリマ
シテ蠟燭ナドニ使フノハ今少シ融解點ノ高イモノ
デ、之ニ稅ヲ掛ケテ居ルノデアリマス、是ガ「スチア
リン」ニ對スル大體ノコトデアリマス、次ニハ一六三
デ、七十錢ヲ一圓五十錢ニ改メル、是ハ曹達工業デア
リマス、苛性曹達、苛性加里ヲ主トスルモノデアリマ
ス、苛性加里、苛性曹達ハ始終同ジヤウナモノデ、同
ジヤウニ取扱ハレマスルカラ一〓ニヤッテ居リマス、
苛性曹達ハ戰時中ニ新シク起リマシタ事業デゴザイ
マス大分發達シタノデアリマス、併ナガラ經濟ノ點
ニ於キマシテ及バヌ事情ガアルヤウデアリマス、是モ
此前ノ議會ナドニ於キマシテモ、何トカ早クヤルヤ
ウニト云フ話ガアリマシテ、之ヲバ粗製ノモノ七十
錢ト云フノヲ一圓五十錢ニ上ゲタ、精製ノモノハ精
製シタ藥品デアリマシテ、是ハ別ニ問題ニハナリマ
セヌ是ハ大〓一圓五十錢位ニ引上ゲタナラバ內地ノ
生產ニ突合フダラウト云フコトデアリマス、次ハ「曹
達灰及天然曹達」是ハ從來ハ「炭酸曹達」「一曹達灰」
「二其ノ他」トナッテ居リマシタ所ガ、此曹達灰ト云フ
モノ、天然曹達ト申シマスモノハ自然ニ地中カラ浸
出シテ來ルモノヲ取ルモノデアリマスカラ、結局ハ
之ヲモウ一遍燒キマシテ曹達灰ニシテ使フカ或八、
其儘曹達灰ノ代リニ使フカ、要スルニ曹達灰トシテハ
扱ハヌ、寧ロ曹達灰ハ兎モ角一旦工程ヲ經マシテ、火
ニ掛ケテ灰ニシタモノデ、天然曹達ハ自然ニ出テ來
ル川途ハ同ジ關係デアル原料品デアリマス、是ハ從
來カラ問題ニナッテ居リマス、曹達灰ト同樣ノ扱ヒヲ
シヤウト云フコトニ致シマシテ此書キ方ヲ變ヘマシ
タノデアリマス、此曹達灰、天然曹達ト云フモノハ
カウ云フ自然物デアリマス、成分ガ多少區々ニナッテ
居リマス、其結果現在ノ關稅法デハ天然曹達ニ當ル
モノガナイノデアリマス、ソレデ或部分ハ二二九號
ノ「別號ニ揭ケサル藥材」ト云フヤウナ所ニ持ッテ參
リマシテ、或ハ二一五號ノ第一項ニ依リマシテ、或ハ
二二九號ニ依テ課稅スルト云フ色〓方々ニ跨ッテ課
稅シテ居リマシタ、今度ハ此處ニ纒メテ課稅スル、是
ハ天然物カラ來ルモノデアリマス、又曹達灰ト云フ
モノモ同樣ニナッテ居リマス、又「過酸化曹達」モ同樣
デアリマス、矢張リ是ハ曹達事業デアリマス是モ內
地ニ當時出來カケテ居リマス、是ハ四圓六十錢ノ所
ヲ十五圓六十錢ニ致シテ內地ノモノヲ維持サセヤウ
ト云フノデアリマス、次ハ「安息香酸曹達」硫酸「コカ
イン」是ハ醫藥デアリマス硫酸「コカイン」鹽酸「コカ
イン」是ハ醫藥デアリマス、此硫酸「コカイン」ト云フ
ノハ、元ノ稅ニハ鹽酸「コカイン」硫酸「コカイン」ト
一口ニ十九圓三十錢トナッテ居リマス、此度ハ鹽酸
「コカイン」ダケヲ他ノ藥品並ニ三割五分ニ引上ゲ
タ、又安息香酸曹達モ同樣ノ意味合デアリマス、元ハ
從價二割デアッタモノヲ引上ゲルノデアリマス、次ニ
二五九「石炭タール」「アスフアルト」ノヤウナモノデ
「瀝靑又ハ土瀝靑ノ製品ニシテ道路修築用ノモノ」是
ハ能ク近來這入ッテ參リマスルモノデ「タークレー
ン」トカ、是ハ能ク近來這入ッテ參リマスルモノデ石
炭「タール」ニ何カ多少ノモノヲ混ゼマシタリ幾ラカ
ノ工程ヲ加ヘマシテ、道路ニ敷キマスルド口〓〓ノ
黑イヤウナモノデアリマスル、是ハ道路修築用トシ
テ澤山這入ッテ參リマス、品質カラ申シマシテモ殆ド
「タール」ト餘リ選バナイヤウナモノデアリマス、從
來ノ課稅ノ上ニ於キマシテ、石炭「タール」ハ無稅ニ
ナッテ居リマス、其ノ他ノモノニ於キマシテハ先ヅ二
七〇、斯ウ云フ種類ノモノハ其性質カラ申シマシテ
モ石炭「タール」ト殆ド大差ノナイヤウナモノデアリ
マス、用途カラ申シマシテモ成ルベク斯ウ云フモノ
ハ廉ク入レサセタイト云フ考カラシテ、之ヲ石炭「タ
ール」ト同ジヤウニ無稅ニ致シマシタ、ソコデ二五
九ノ二ハ終リマシタ、次ニ四一八、是ハ一番終ヒノ
六一九ノ二ト云フノニ、「白金又ハ白金鹽類ヲ含
ム媒觸劑」無稅ト云フノヲ加ヘテ居リマス、ソレデ
是ハ從來ハ四一八號ノ「別號ニ揭ケサル石絨製品」
一塊粉及繊維狀ノモノ(白金粉ヲ有スルモノヲ含
ム)無稅ト斯ウアリマシタノデアリマス、此白金粉ヲ
有スルモノト云フノハ今度ハ六一九ノ二ニ持ッテ參
リマシテ「白金又ハ白金鹽類ヲ含ム媒觸劑」トシテ
獨リ此石絨ト混和シタモノトシテノミナラズ總テ媒
觸劑ヲ六一九ニ置イテ此方面カラシテ此項カラソレ
マルチノマシタノデアリマス、唯條文ノ整理ノ關係デ
後へ持ッテ行ッタノデアリマス四六二、是カラ鐵ノ
問題デアリマス、鐵ニ付キマシテハ是ハ政府ニ於キ
マシテモ臨時經濟調査會ニ付議イタシテ居リマス、
長イ間掛ッテイロ〓〓調査ヲ致シマシテ其答申ガ二
月十四日ニ出來マシテ、其大體ノ趣旨ニ依ッテ大體此
鐵ノ關稅ハ先ヅ原則トシテ從價一割五步ヲ掛ケテ行
ク、ソレカラ從來ソレ以上二割ト云フ課稅モ致シタ
モノガアリマスカラ、サウ云フモノハ此際下ゲル必
要ハナイカラ二割ヲ掛ケル、大體ハ從價一割五步、又
鐵ト申シマシテモ塊及錠ト云フヤウナ型ヲ備ヘタモ
ノハ、是ハ從價一割デ宜カラウト云フコトニ致シマ
シタ、是ハ大體經濟調査會ニ掛ケテ決議トシテ决メ
タ譯デアリマス、特ニ御斷リヲシテ說明シナケレバ
ナリマセヌノハ甲ノ銑鐵ト云フノデゴザイマス、是
ハ鐵ノ輸入ヲ見マシテ銑鐵ハ甚ダ多量ニ輸入セラル
ルモノデアリマシテ、鐵トシテ出シマシタバカリノ
モノデアリマス是ニモ矢張リ從價一割程度ノ稅ヲ掛
ケテ內地ノ鐵ノ精鍊事業ヲ保護シタイト云フ希望ガ
財政經濟調査會ニモ出テ居リマス、併ナガラ其銑鐵
ニ付マシテハ日英ノ間ニ稅率ノ協定ガアリマシテ、
百圓ニ付一圓三十錢ト云フコトニ協定シテ居リマ
ス、之ニ諸外國ノ條約國ハ大體ニ於キマシテ最惠國
約款ヲ持ッテ居リマシテ皆之ニ均霑イタシマス、條約
國デ最惠國約款ノナイ國ハ支那ダケデアリマス、ソ
レデ此際關稅率ヲ引上ゲルト云フコトニスルト其適
用ヲ受ケタルモノハ何カト云フト支那產ノ銑ダケデ
アリマス、支那カラ來ルノハ何カト云フト製鐵所ナ
ドヘ參リマス大冶ノ鐵、若クハ滿洲ニ於テ鞍山站、本
溪湖等ニ於ケル何レモ日本人ガ直接ニ經營シテ居ルモ
ノ若クハ日本人所有ノモノノミデアリマス、是ガ從價一
割ノ稅率ヲ掛ケラレルト云フト歐米カラ參リマスル
モノハ協定ニ依ル稅率ヲ掛ケルコトニナル、此間ニ
區別待遇ヲスルト云フコトハ面白クナイ、斯ウ政府
ハ考ヘタノデアリマス、銑鐵ノ關稅ヲ改正スルト云
フコトハ今ノ時機デナケレバナラヌコトニナル、協
定ガ決ッテカラデナケレバ今稅ヲ上ゲテモ實行ガ出
來ナイ、强イテ實行スレバ妙ナ片手落ナモノニナル、
斯ウ云フノデ銑鐵ノ關稅ノ改正ハ今囘ハ見合セタノ
デアリマス、ソレカラ此條約ノ存續期間中デモ何レ
ガ一方ノ政府ガ此協定稅率ヲ修正イタシタイ、斯ウ云
ウ希望ヲ持チマスト云フト何時デモ相手方ニソレヲ
申込ムコトガ出來ル、ソレヲ甲込ミマシタ際ニハ相
手方ハソレニ應ズルカ否ヤト云フ問題デアリマシ
テ、六箇月間其修正ガ同意イタサレナカッタ場合ニハ
其後一箇月以內ニ何時デモ協定稅率ノ廢棄ヲ相手方
ニ申込マレルノデアリマス、ソレハ六箇月ノ豫〓ヲ
以テ廢棄スルコトヲ申込ムコトガ出來ルノデアリマ
ス、其申込ニ相手方ガ應ズレバ問題ハナイノデアリ
マスガ應ジナカッタ場合ニハ一年ト一箇月デ詰リ廢
棄ノ意思ヲ發表スレバ協定ノ廢棄ガ出來ルノデアリ
マス、併シ最初ノ協定ハ是ハ種々ノ物品ヲ協定シテ
居リマスガ、其中デ例へバ銑鐵ノ協定ヲ改メタイト
云フヤウナ部分的ノ修正デアリマスカラ、ソレハ申
込マレルノデアリマス、併シ若シソレガ應ジマセヌ
時ハ廢棄ヲスルノハ銑鐵ノ稅率ダケヲ廢棄スルト云
フ譯ニハ參リマセヌ、是ハ條約ニ依ッテ協定サレテ居
リマスル協定全部ノ廢棄ニナリマス、其關係カラシ
テ日英協定ニ付テハ日本カラ行ク生絲デアルトカ、
其他各種ノ物品モ加ハッテ居リマス、羽二重デアルト
カ、サウ云フヤウナモノガ皆一一ニ廢棄サレルコト
ニナリマス、ソレデ果シテ此修正ヲ申込ムカドウカ
ト云フコトニ付テハ考慮中デアリマシテ、何等決定
イタシテ居リマセヌ、サウ云フヤウナ狀態デアリマ
ス、ソレカラ次ニ鐵ノ項目ハ澤山アリマスノデ、四百
六十七ガ亞鉛デアリマスガ、是ダケヲ拔キマシテ鐵
關係ノモノヲチヨット申上ゲマス、次ガ四百七十七釘
「リベツト」其他釘類、ソレカラ四百七十九金屬鋼、四
百八十二鐵道建設用材料、四百八十三迄ガズツト鐵
關係ノモノノミデアリマス、ソレカラ仕舞ノ六百五
機械部分品、是ガ鐵關係ノモノデアリマス、次ニ鐵製
品ノ類別ガアリマス、此中ノ品物デアリマス、大體ニ
於キマシテ鐵ガ斯ウ云フ風ニ稅金ガ引上ゲラレル、
サウ致シマスト云フト最初ニ斯ウ云フモノヲ材料ニ
シテ釘ヲ造ッテ居ルトカ、イロ〓〓此處ニ揭ゲマシタ
ヤウナ鐵製品若クハ鐵ヲ用ヒル機械類ト云フヤウナ
モノ或ハ其他ノモノヲ澤山製造イタサレテ居リマ
ス、是ガ原料ガ皆高クナリマス、原料ガ皆高クナリマ
スト〓度ハソレヲ製造シテ居ル人ハ、外國カラ來ル
モノニ對シテソレダケノ不利益ヲ被ムル譯デアリマ
ス、尤モ此鐵製品若クハ機械製造ト云フヤウナコト
ニ付テハ、是ハ實ハモット根本的ニ改正シナケレバナ
ラナイノデアリマス、ソレデ機械ノ關稅ハ如何ニス
ベキカ、機械ガ果シテ今ノ關稅デ內地ノ機械ノ製造
事業ヲ保護スルノニ十分デアルカ、或ハ又其ノ中デ
マダ迚モ日本デ出來サウモナイモノ、或ハ更ニ稅率
ノ度ヲ安クシテ外國品ヲ取ルガ宜イノデアルカドウ
カト云フヤウナコトニ付テ、別ニ是ハ考ヘナケレバ
ナラヌ點デアリマス、併ナガラ此調査ハ中〓是亦一ツ
ノ大事業デアリマス、ソレデ前以テ申シタヤウニ此
關稅定率法ノ改正ト云フモノハ實ハ全部改正ト云
フコトハ相當ニ他ノ點ニ於キマシテモ餘ホド考ヘナ
ケレバナラヌ點ガアリマスカラ、政府ニ於テハ考慮
中デアリマスノデ、兎モ角モソコ迄調査ガ附ク迄ト
云フコトデ、鐵ノ問題ナドモ抛ツテ置クト云フコ
トデモ時機ヲ失スルコトデアル、ソレデ此際兎モ角
モ此鐵ノ原料ノ上ッタ影響ヲ受ケル程度ニハ-其
影響ヲ受ケル程度ノ關稅ヲバ製品ノ方ノ關稅ニ於
テ引上ゲテ置クサウ致シマスレバ鐵ノ稅金ヲ上ゲ
タカラト言ウテ、ソレガ爲メニ機械其他ノ方ガ打擊
ヲ受ケルト云フコトモナクシテ權衡ヲ得ラルル斯
ウ云フ意味合ヲ以チマシテ釘以下金屬鋼ヲ皆多少宛
引上ゲテ居リマス、尤モ殆ド製鐵工場ニ於キマシテ同
時ニ造ルヤウナ物品モ、正式ニ分類イタシマスレバ
鐵製品、鐵工品ニ非ズト云フコトニナリマスガ、例へ
バ「レール」ノ類トカ其他二三ノモノガアリマス、斯
ウ云フモノハ或ハ今迄重量稅デアッタノガ從價稅ニ
此際改メテ鐵仲間ニシタノモアリマス、併ナガラ大
體ニ於キマシテ鐵製品及機械部分品ト云フヤウナモ
ノハ從價稅率ニナッテ居リマス······イヤ重量稅率ニ
ナッテ居リマス、ソレデ鐵ノ外ハ從價稅ニナリマシ
タ、之ヲ如何ニシテドノ程度迄引上ゲタナラバ權衡
ヲ得クルカト云フコトハ、是ハ計算ヲ仕出サナケレ
バナラナイ、是ハ大體斯ウ云フ方針ヲ以テ計算イタ
シタノデス、詰リ是等ノ物品ヲ造ルノニ用ヒラルヽ
材料ハ何デアルカ、例へバ釘ト云ヘバ釘ヲ造ル材料
ハ主トシテ鐵ノ線デアルト致シマスルト、其線ノ稅
金ガ幾ラ、サウシテ釘ヲ百斤造ルニハ線ハ幾ラ使用
サルヽカ、例ヘバソレガ一割ノ「ローズ」ガ出ルト致
シマスレバ百十斤要ル、サウスルト百十斤ニ對シテ
線ノ方ノ稅金ヲ引上ゲラレタ、其ノ引上ゲラレタ關
稅ヲ釘ノ所ヘ持ッテ來テ、ソシダケ加ヘテ來タ、ト云
フヤウナ方法デアリマス、總テ其計算デ其稅率ヲ動
カシテ居ルノデアリマス、一品一品ニ付テハ餘リ煩
瑣ニナリマスルカラ、一例ヲ以テ申上ゲルコトニ致
シテ置キマス、是ハ鐵ノ關係デアリマス、サウ云フ風
ニ鐵ガ改マリマシタガ、主トシテ鐵ヲ以テ製造ス
ル:鐵ヲ以テ材料ト致シマスモノハ斯ウ云フ風ニ
稅金ヲ改メマシタ、而シテ其中デ殊ニ船舶ノ材料ニ
付キマシテハ是ハ前申上ゲマシタ、ソレカラ次ハ今
拔カレマシタ亞鉛ノコトデアリマス、「四六七」ノ「亞
鉛、一塊錠及粒」ハ每百斤三圓ニ改メマシタ、今迄ハ
七十錢デス、亞鉛製造ハ戰時中起リマシタ、ソレ以前
ニモ日本ニ鑛石ガ出マスケレドモ、鑛石ノ儘獨逸ニ
輸出サレマシテ、外國デ以テソレヲ製造シテ亞鉛華
其他ノモノニシテ日本ニ輸入サレテ、日本デハ全然
精煉サレナイ、デ鑛石ヲ輸出スルト云フヤウナ狀態
デアリマス、戰時中是ハ軍需品ノ關係カラモ非常ニ
需要ガ多イモノデアリマシテ、價格ナドモ暴騰イタ
シマシタソレデ日本ニ於キマシテモ非常ニ到ル處ニ
亞鉛精煉事業ガ起ッタノデアリマス、勿論日本ノ亞鉛
鑛石バカリデハナイ、濠洲方面カラモ買約定ヲ致シ
マシテ、又支那方面カラモ支那ノ葉錢、穴明錢、アン
ナモノヲ日本ニ持ッテ來マシタ、ソレヲ溶カシテ其中
カラ亞鉛ヲ採ッテ、ソレヲ外國ニ賣ルトカ云フヤウナ
コトデ、非常ニ澤山亞鉛ノ精煉工場ガ起ッタノデアリ
マス、是ガ段々戰爭モ終熄イタシテ、亞鉛ノ價格ガ又
元〓通リ安クナッテ一面ニハ內地ノ石炭デアルトカ
何トカガ、非常ニ高クナッテ來テ、濠洲アタリノ亞鉛ノ
鑛石ト云フモノハ之ヲ自由ニ日本ニ持ッテ來ルコト
ハ出來ナクナル、運賃ハ非常ニ高クナル、各種ノ關係
ガ皆一度ニ參リマシテ、亞鉛ノ工場ト云フモノハ大
部分ハ既ニ閉鎖シテ仕舞ッタノデアリマス、現在殘ツ
テ居リマスノハ、日本デ以テ稍〓優良ナル鑛石ヲ有ツ
テ居リマス······鑛山ヲ自分デ持ッテ居ル所等ガ位上,
其命脈ヲ繋イデ居ルノデアリマス、ソレヲ申シマス
レバ三井ガ大牟田、龜岡ノ鑛山ヲ有ッテ居リマス、是
ハ普通ノ亞鉛デアリマス、ソレカラシテ高田ガ、高田
工場等ニ於キマシテ電氣亞鉛ノ製造ヲヤッテ居リマ
ス、大體ソレ位ニナッテ仕舞ッタ、ソレデ一時ハ非常ニ
日本ノ需要ドコロデハナク外國ニモ非常ニ輸出ヲシ
テ居ッタガ、スッカリ屏息シテ仕舞ッテ、今デハ日本ノ
需要ノ半額位ヨリ出ナイ譯デアリマス、是モ抛ット
キマシタナラバ更ニ損失ヲ重ネルダラウト云フャウ
ナ狀態デアリマス、是ガ爲メニ亞鉛工業ヲ何トカシ
テ維持サシタイ、是モ戰時中ハ軍需工業ト致シテ必
要ナル事業ヂアリマス、又他ノ工業ニ對シマシテモ
原料品ニ使ハレルモノデアル、何トカシテ折角起リ
カケタ事業ダカラ、セメテ維持サシタイ斯ウ云フノ
ガ趣旨デアリマス、ソレデ大體計算ヲ致シマシテ、普
通亞鉛ヲ標準ト致シマシテ計算シタノデアリマス、
先ヅ每百斤三圓位ノ平均關稅ヲ置イテ、內地ノ事業
ヲ成立ツヤウニシタイ斯ウ云フコトデ亞鉛ハ三圓ニ
シマシタ、前カラ致シマスト約四倍バカリノ增加ニ
ナッテ居リマス、私ニ此亞鉛ノ板ガ輸入サレルノデア
リマス、是ハ前申上ゲマシタヤウニ極ク薄イ板デ燐
寸ノ包裝用ニ使ハレルノデアリマス、是ハ從前カラ
モ無稅ニシテ居リマス、前ニ第七條ノ說明ノ時ニ申
上ゲマシタヤウニ、是ハ矢張リ無稅ニシテ置イタ方
ガ輸出品ノ輸出奬勵ト云フコトガ、此戰後ニ於キマ
シテハ殊ニ重大ナ必要ガアル、其他ノモノハ先ヅ大
體ニ於テ原料デ製品ハ百斤ヲ造リマスノニ原料百
斤位要ルモノダサウデアリマス、其中其ノ關係カラ
申シマシテ原料ヲ稅金ニ相當スル稅金高ヲ三圓三十
錢ト云フモノニ改メマシテ、是ハ前ニハ二圓十錢デ
アリマス、コレガ保護ガ薄クナッタヤウデアリマス
ガ實ハソレ程ノ必要ガナイノデアリマス、是ハ薄板
デナイ普通ノ板ト云フヤウナ物ハ三井ノ工場等ニ於
テモ併セテ造ッテ居リマス、其等モ稅率ヲ其儘ニシテ
其原料ガ騰ッタダケ高ク加ヘルト云フ必要ハナイト
認メテ居リマス、原料ノ稅金ハ其釣合ヲトッテ稅金ヲ
出シテ居ル次第デアリマス、ソレカラ次ハ木材デア
リマス、木材ノ六百十二、コレハ四月末「チーキ」材ヲ
今度無稅ニ致シマシタ是ハ申ス迄モナク「チーキ」
ハ殆ド全部軍艦ノ建造ニ使ハレルノデアリマス、第
十條ニ於キマシテ船舶ノ建造ヲ致シ又ハ修繕ニ使用
スル物品トシテ輸入稅ヲ免除スルコトガ出來ル法案
ニナッテ居リマスカラ、此方デモッテ免稅シテモ宜シ
イノデアリマス、コレハ一般ニハ稅金ヲ課ケナケレ
バナラヌ、例ヘバ鐵鑛材ノ如ク保護ノ必要アル立場
ノ上ニ於テモ動カスコトガ出來ナイケレドモ、特ニ
此用途ニ使フモノダケハ免除シヤウト云フノガ此十
條等ノ免稅ノ規程デアリマス、「チーキ」材ノ如キハ
殆ド船舶以外ニハ使ハレナイモノデアリマシテ、コ
レハ頭カラ免稅シテ宜シイ、寧ロ其方ガ宜イノデア
リマスト云フコトデ「チーキ」ヲ無稅ニシタノデアリ
マス、是ガ此法案ノ大體ノ說明デアリマス、尙此法律
ノ施行期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定メルト云フコトニ
ナッテ居リマス、コレハ成ル可ク斯ウ云フ關稅々率法ノ
如キハ成立イタシマスレバ餘リ長イ期間ヲ置カナイ
デ施行イタシタイ積リデアリマス、併ナガラ今度ノ
改正ノ中ニハ、之ヲ實際ニ取扱フモノハ原料デアリ
マシテ相當準備ヲ要シマス、從量稅ナラバ宜シイケ
レドモ從價稅ナゾニナリマスルト相當ノ調査モシナ
ケレバナラヌ關係モアリマスノデソレ等モアリマ
シテ實行上ノ方面カラ勅令ヲ以テ定メルト云フコト
ニ致シテ居リマス、コレハ重ネテデハアリマスケレ
ドモ成ル可ク速ク施行シタイ積リデアリマス、大體
サウ云フヤウナ譯デアリマシテ、尙御質問ニヨリマ
シテ御答へ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=004400404X00119210324&spkNum=4
-
005・服部一三
○委員長(服部一三君) 如何デスカ御質問ガアリマ
スレバ御質問ヲ續ケマセウカ御考ニ依ッテ明日
ニ致シマス、皆サン是デ十分御解リニナッテ御質問ナ
ケレバ散會イタシマス、今日ハ大分缺席サレタ方モ
アリマスカラ、其方々モ或ハ御質問ナサレタイ點モア
ルカモ知レマセヌ、今日コレデ決シテ了フノハチヨッ
ト皆サンノ意見ヲ何シテモ惡イト思ヒマスカラ、モ
ウ一度ハ開イタ方ガ宜カラウト思ヒマスガ、皆サン
是デ宜シケレバソレデハ明日トシテ今日ハ是
デ會ヲ閉ヂマス
午後四時十六分散會
出席者左ノ如シ
委員長服部一三君
副委員長男爵船越光之丞君
委員
子爵前田利定君
男爵村上敬次郞君
黑岡帶刀君
荒井賢太郞君
男爵小早川四郞君
男爵赤松範一君
男爵〓誠之助君
加藤恒忠君
佐藤傳兵衞君
成〓信愛君
政府委員
大藏省主稅局長松本重威君
大藏書記官神鞭常孝君
大藏技師矢部規矩治君
農商務省鑛山局長崎川才四郞君
農商務技師小西正二君
農商務技師野間譽雄君
遞信省管船局長若宮貞夫君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=004400404X00119210324&spkNum=5
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