1. 会議録本文
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000・会議録情報
大正十五年一月二十六日(火曜日)午後一時十四分開議
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議事日程 第六號
大正十五年一月二十六日
午後一時開議
第一 所得税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第二 大正九年法律第十二號中改正法律案(所得税法の施行に關する件)(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第三 地租條例中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第四 明治三十七年法律第十二號中改正法律案(地租徴收に關する件)(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第五 營業税法廢止法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第六 營業收益税法案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第七 資本利子税法案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第八 相續税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第九 通行税法廢止法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十 酒造税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十一 酒精及酒精含有飮料税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十二 麥酒税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十三 醤油税則廢止法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十四 自家用醤油税法廢止法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十五 織物消費税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十六 賣藥税法廢止法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十七 骨牌税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十八 清凉飮料税法案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第十九 大正九年法律第五十一號中改正法律案(朝鮮に移出する物品の内國税免除に關する件)(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第二十 地方税に關する法律案(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第二十一 明治四十一年法律第三十七號中改正法律案(地方税制限に關する件)(政府提出) 第一讀會(前會の續)
第二十二 市町村税地租法案(山本悌二郎君外十三名提出) 第一讀會(前會の續)
第二十三 市町村税地租法の施行に關する法律案(山本悌二郎君外十三名提出) 第一讀會(前會の續)
第二十四 地租條例中改正法律案(床次竹二郎君外二十三名提出) 第一讀會(前會の續)
第二十五 所得税法中改正法律案(床次竹二郎君外二十三名提出) 第一讀會(前會の續)
第二十六 大正九年法律第十二號中改正法律案(所得税法の施行に關する件)(床次竹二郎君外二十三名提出) 第一讀會(前會の續)
第二十七 明治四十二年法律第七號廢止法律案(國債の利子所得税免除に關する件)(床次竹二郎君外二十三名提出) 第一讀會(前會の續)
第二十八 市町村義務教育費國庫負擔法中改正法律案(床次竹二郎君外二十三名提出) 第一讀會(前會の續)
第二十九 日程第一乃至第二十一案の審査を付託すへき委員の選擧
第三十 關税定率法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十一 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第三十二 日本興業銀行外二銀行の對支借款關係債務の整理に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第三十三 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第三十四 簡易生命保險法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十五 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
第三十六 大正十四年勅令第二百四十五號(承諾を求むる件)(牛の傳染性肋膜肺炎の防遏に關する件) 第一讀會
第三十七 右議案の審査を付託すへき委員の選擧
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一 國務大臣の演説に對する質疑(前會の續)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=0
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001・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 諸般ノ報〓ヲ致サセ
マス
〔書記官朗讀〕
一議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
國有林野所在府縣市町村ニ對シ交付金下
付ニ關スル建議案
提出者
八田宗吉君堀切善兵衞君
志賀和多利君
馬政振作ニ關スル建議案
提出者八田宗吉君
(以上一月二十五日提出)
〔左ノ報告ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲
玆ニ揭載ス〕
一昨二十五日加藤內閣總理大臣ヨリ粕谷本
院議長宛大正十三年四月一日ヨリ同十四
年三月三十一日ニ至ル朝鮮總督府所屬、
臺灣總督府所屬及樺太廳所屬官有財產增
減異動報告ヲ受領セリ
一昨二十五日常任委員補關選擧ノ結果左ノ
如シ
第一部選出
豫算委員井上孝哉君(加藤久米四郞
君補關)
第二部選出
豫算委員中野正剛君(加藤鯛一君補
闕)
第七部選出
請願委員石原正太郞君(上埜安太郞
君補關)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=1
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002・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス御諮リヲ致スコトガアリマス、豫算
委員長ヨリ今後本會議中ト雖モ委員會及分
科會ヲ開催シタイトノ申出ガアリマス、之
ヲ許可スルニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=2
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003・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ之ヲ許可スルコトニ致シマス、議
事進行ニ關シテ發言ヲ求メラレテ居リマス、
之ヲ許シマス、原惣兵衞君
〔原惣兵衞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=3
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004・原惣兵衞
○原惣兵衞君 過日若槻内相ニ總理大臣ノ
御病體ヲ御尋致シマシタラ、至ノテ微恙
デアリマストノ御答ガアッタノデアリマス、
而シテ本日デ丁度指折リ數ヘテ四日目ニナ
ルノデアリマス、未ダ本日御出席ガナイノ
デ、私等-本員始メ國民ハ非常ニ心痛ニ
堪ヘヌ次第デアリマス、個人ト致シマシテ
モ、是程御氣ノ毒ナ事ハナク、又國家政務
ノ上ヨリ見マシテモ、洵ニ重大ナ事デアル
ト、吾々ハ思ウテ店ルノデアリマス、又國
民ト致シマシテハ、此御病氣ニ付テ、ドノ
位國家金體ノ政務ノ上カラ見マシテ、安危
ニ打タレテ居ルカハ分ラナイノデアリマ
ス、必ズ明日カラ御出席ガ出來ルトノ、若
槻内務大臣兼代理總理大臣ノ御囘答ガ、ア
リマシタナラバ、議員始メ國民ハ此位心配
致シテ居ルノデアリマスカラ、果シテ明日
カラ御出席ガ出來ルナラバ、豫算委員會ニ
於キマシテモ、又本會議ニ於キマシテモ、
議事ノ進行上ナリ、國民仝體ノ此重大ナル議
會ヲ控ヘマシテ、吾々ハ此位重要ナモノハ
ナイト思ウテ居ルノデアリマス、新聞紙ニ
依リマスレバ、非常ナ重態デアルト傳ヘル
新聞モアレバ、又サウデナクテ非常ニ輕微
デアルト傳ヘル新聞モアルノデアリマス、
吾々-本員始メ國民ハ果シテ何レガ眞ナ
リヤト云フコトニ付テノ心痛ノ念ハ、國民
一般ヲ舉ゲテサウ感ジテ居ル次第デアリマ
ス、此際若モ國民ヲ本當ニ安心サセ、本員
等ヲ安心セシメルト云フ御意思ガアルナラ
バ、明日カラ御出席ガ出來ナイ以上ハ、國
民モ安心シ此議會全體ノ-本員等ガ安心
スル爲ニ、責任アル醫師ノ診斷書ヲ公表セ
ラレルノガ、最モ適當シタルコトデアルト
吾々ハ信スルノデアリマス、サスレバ國民
モ安心シマスシ、又總理大臣御自身モ安心
シテ御靜養ガ出來ルコトヽ吾々ハ信ズルノ
デアリマス、願ハクバ此重大ナル議事ノ進
行ニ對シテ、議會劈頭ノ開會ニ對シマシテ、
此重大ナル議案ノ進行上、私ハ若槻サンノ
責任アル御答辯ヲ切ニ御願ヒスルノデアリ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=4
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005・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 若槻内務大臣
〔國務大臣若槻禮次郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=5
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006・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君) 只今原君カラ
御尋ガアリマシタガ、私ハ總理大臣ノ病氣
ハ遠カラズ全快スルダラウト思ウテ居リマ
スガ、明日必ズ出席セラレルト云フコトヲ
申上ゲルコトハ出來兼ネルノデアリマス、
併シ諸君ガ本議場ニ於テ、又豫算委員會ニ
於テ、色〓總理大臣ニ御尋ニナリタイコト
ガ御有リナサルコトハ十分承知ヲシテ居リ
やで、ソレ故ニ只今ノ狀態デモ無論各國務
大臣所管ノ事項ニ付テ御答辯申上ゲルノハ
勿論、國務大臣ノ一人トシテ總理大臣ニ御
尋ニナルコトデモ、國務大臣ノ一人カラ政
府ヲ代表シテ、責任ヲ以テ御答ヲシテ、決
シテ御不便ノナイヤウニ致スノデアリマス、
尙ホ原君ノ御心配ニナル點ハ政府ニ於テ
モ十分考慮致シテ居リマスカラ、御審議ノ
便利ノ減ゼナイヤウニスルコトニ付テハ、
十分心懸クル積リデ居ルノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=6
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007・原惣兵衞
○原惣兵衞君 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=7
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008・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 原君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=8
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009・原惣兵衞
○原惣兵衞君 只今御尋シマシタ醫師ノ診
斷書ノ公表ノ事ニ付テ····(此時發言スル
者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=9
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010・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 次ニ尙ホ議事進行ニ
關シテ發言ヲ求メラレテ居リマス、樋口秀
雄君-樋口秀雄君
〔樋口秀雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=10
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011・樋口秀雄
○樋口秀雄君 昨日三土忠造君ガ、政友會
御提出ノ地租委譲法案ヲ御說明ニナリマス
ル御演說ノ劈頭ニ於キマシテ、恐ラク三土
君ノ御記憶ノ間違デアッタラウトハ思ヒマ
スガ、〓育費ノ國庫負擔ニ關シテハ憲政
會ハ曩ニハ反對デアッタガ(「其通リ」ト呼フ
者アリ)後ニハ吾々ト一緒ニナッタト云フヤ
ウナ御說明ガアリマシタ、是ハ事實全ク相
違デアリマス、卽チ國庫負擔ト云フ文字ノ
初メテ現レマシタノハ諸君ノ多數ガ御記
憶ニナリマス通リ、寺内内閣ニ於テ最初ノ
一千万圓ヲ支出致シマスルトキニ、初
メテ國庫負擔法ト云フ名ヲ出シタノデアリ
マス、其前年マデ-第三十八議會ニ於キ
マシテ-解散ノ議會ニ於キマシテ、原敬
君ト政友會ノ方々ノ名ヲ以テ御提出ニナリ
マシタトキモ、市町村〓育費國康補助法ト
云フ意味デアリマス、卽チ負擔ト云フ文
字ニ對シテハ、吾々ハ此寺內內閣ニ於テ、
初メテ實行シマシタトキカラ出來夕案デ、
是ガ御同樣ガ同時ニ出シタ案デアリマス、
卽チ政友會及革新倶樂部ノ諸君ハ、國庫補
助ニ關スル建議案ト爲サレ、吾々ハ國庫補
助法案ト致シテ法律案デ出シタト云フダケ
ノ相違デアリマス、然ルニ此前ニ憲政會ガ
反對シタト云フコトヲ言ハレマスルノハ
憲政會ニ取ッテハ事實ノ辯明ヲ致サナケレ
バナラヌ、例ヘバ第三十六議會(「議事進行
ニ非ズ」「議長々々」ト呼ヒ發言スル者多シ)
卽チ第三十六議會、大正四年五月二十日カ
ラ六月九日ニ亙リマシタ此議會ニ於キマシ
テ、此問題ニ關シテ政友會ノ諸君カラ時ノ
政府ニ對シテ御質問ガアリマシタトキニ、
當時大隈内閣ノ文部大臣デアリマシタ一木
喜德郞君ヤ、憲政會ト致シマシテハ趣意ハ
御尤デアルガ、〓育費ノ全部ヲ國庫ガ負擔
致スト云フコトハ、道理上カラ反對致スト
申シタマデヾアリマシテ、其一部ノ補助ニ
付テハ率先吾々ガ提唱致シタノデアリマス
ルカラ、此事實ノ相違ヲ議長カラ三土君ニ
御交涉ヲ願ヲテ、此三土君ノ御演說ニナッタ
速記錄ノ文字ノ御訂正ヲ御交涉ヲ願ヒタイ
ト思ヒマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=11
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012・三土忠造
○三土忠造君 議長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=12
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013・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 三土忠造君、何デス
カ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=13
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014・三土忠造
○三土忠造君 只今樋口君ノ御發言ニ對シ
テ一身上ノ辯明ヲ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=14
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015・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 許シマス
〔三土忠造君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=15
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016・三土忠造
○三土忠造君 昨日當壇上ニ於キマシテ、
私ガ我黨ノ提出ニ係ル地租法案ノ提案理由ヲ
說明致シマシタ際ニ、〓育費ノ問題ニ論及
致シマシテ、〓育費國庫補助ト云フコトハ
吾々ガ地方ノ狀況ヲ考へテ率先之ヲ提唱致
シタノデアル、其際憲政會ノ諸君ハ之ニ反
對セラレタト云フコトヲ私ハ申シタノデア
リマス(「ノウ〓〓」)確ニ申シタノデアル、
ソレハ能ク御聽キヲ願ヒタイ、只今樋口君
ノ言ハレマシタノハ、當議場ニ於ケル限リ
ノ問題デアリマスガ、諸君御承知デアリマ
セウガ、大隈内閣ノ時代ニ於テ議會解散ニ
ナリマシタ、解散後ノ總選擧ニ於テ各黨各
派各、旗印ヲ揭ゲテ選舉ニ臨ンダノデアリ
せっ、其時分ニ吾々ハ〓育費ノ國庫補助ト
云フコトヲ熱心ニ提唱致シタノデアリマス
(拍手)其際ニ到ル處ノ選擧ノ演說ニ於キマ
シテ、憲政會ノ諸君ハ之ニ反對セラレテ
(「其通リ」ト呼フ者アリ)サウシテ左樣ナ事
ハ地方人士ハ喜ブデアラウケレドモ、財源
ナキヲ如何セントマデ申シタノデアリマ
ス、私ハ此事實ヲ指摘シテ申シタノデアリ
マスカラ、左樣御承知ヲ願ヒマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=16
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017・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 尙ホ只今樋口君ヨリ
議事進行ノ發議ニ於テ、一二土君ノ演說中誤リ
ガアルカラ、議長カラ其訂正ヲ命ズルヤウニ
ト云フ御要求ノヤウニ承リマシタ、議長ト
致シマシテハ、諸君ノ演說ノ內容ニ立入リ
マシテ、一々其正確デアルカ否ヤト云フコ
トニ付テ、之ヲ考ヘルコトハ出來ヌノデア
リマス(「其通リ」ト呼ヒ拍手起ル)ソレ故ニ
只今樋口君ノ御要求ニ對シマシテハ、遺憾
ナガラ議長ハ之ニ應ズルコトハ出來マセ
ヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=17
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018・廣岡宇一郎
○廣岡宇一郞君 議事ノ進行ニ關シテ一言
致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=18
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019・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 廣岡宇一郞君
〔拍手起リ「登壇」「登壇」ト呼ヒ其他發
言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=19
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020・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜〓ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=20
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021・廣岡宇一郎
○廣岡宇一郞君 只今樋口君ガ議事ノ進行
ニ關シテ述ベタ所ニ依リマスレバ、諸君所
屬ノ憲政會ガ從來〓育費國庫負擔ニ反對ヲ
シタト云フコトニ依フテ、國民ノ反感ヲ受ケ
ルコトヲ恐レ、之ヲ辯明スルニ外ナラナイノ
デアル(「ノウ〓〓」「ヒヤ〓〓」)ソレヲ述ブ
ルニ方ッテ名ヲ議事ノ進行ニ藉ルガ如キコト
ハ、此貴重ナル(此時發言者多ク聽取ス
ル能ハズ)議事ノ進行ヲ妨害スルモノデア
ル(「懲罰ニ付スベシ」ト呼フ者アリ)只今三
土君ガ辯明シタルガ如ク、曩ニ〓育費國庫負
擔ニ反對シタルコトハ明瞭ナル事實デアル
(拍手)然ルニ之ヲ曲言シテ自己ノ汚名ヲ雪
ガントスルガ如キハ不屆全極デアルト謂ハ
ナケレバナラヌ、議長ハ樋口君ノ如キ斯ノ
如キ議事進行ニ關スル發言ハ之ヲ禁止セ
ラレンコトヲ豫メ御注意申シテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=21
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022・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 只今廣岡君ノ御發議
モゴザイマシタケレドモ、議長ハ只今樋口
君ノ御述ニナルコトヲ承ッテ居リマシタガ、
稍、廣岡君ノ言ハルヽガ如キ嫌ナキニアラ
ズト思ヒマス、併ナガラ只今モ申述ベタ如
ク、三土君ノ演說ノ訂正ヲ議長ニ命ゼヨト
云フコトデアリマスルカラ、全ク議事進行
ニ關係ナシトハ申サレヌト思ハレルノデア
リマス、併ナガラ今後ニ於キマシテ諸君
ノ議事進行ノ御發言ト云フモノハ努メテ
其意義ヲ所謂議事進行ノ範圍ニ御止メアラ
ンコトヲ、私ハ玆ニ一般的ニ希望シテ置ク
次第デアリマス-是ヨリ日程ニ入リマ
ス、日程第一乃至第二十八ノ第一讀會ノ前
會ノ續ヲ開キマス、通告順ニ依ッテ其發言
ヲ許シマス-砂田重政君
第所得稅法中改正法律案(政府提
出)第一讀會(前會ノ續)
第二大正九年法律第十二號中改正法
律案(所得稅法ノ施行ニ關スル件)
(政府提出)第一讀會(前會ノ續)
第三地租條例中改正法律案(政府提
〓第一語會(前會ノ續)
第四明治三十七年法律第十二號中改
正法律案(地租徵收ニ關スル件)政
府提出)第一讀會(前會ノ續)
第五營業稅法廢止法律案(政府提出)
第一讀會(前會ノ續)
第六營業收益稅法案(政府提出)
第一讀會(前會ノ續)
第七資本利子稅法案(政府提出)
第一語會(前會ノ續)
第八相續稅法中改正法律案(政府提
也第一讀會(前會ノ續)
第九通行稅法廢止法律案(政府提出)
第一讀會(前會ノ續)
第十酒造稅法中改正法律案(政府提
也第一讀會(前會ノ續)
第十一酒精及酒精含有〓料稅法中改
正法律案(政府提出)
第一讀會(前會ノ續)
第十二麥酒稅法中改正法律案(政府
提出)第一讀會(前會ノ續)
第十三醤油稅則廢止法律案(政府提
出第一讀會(前會ノ續)
第十四自家用醬油稅法廢止法律案
(政府提出)第一讀會(前會ノ續)
第十五織物消費稅法中改正法律案
(政府提出)第一讀會(前會ノ續)
第十六賣藥稅法廢止法律案(政府提
出)第一讀會(前會ノ續)
第十七骨牌稅法中改正法律案(政府
提出)第一讀會(前會ノ續)
第十八清凉飮料稅法案(政府提出)
第一讀會(前會ノ續)
第十九大正九年法律第五十一號中
改正法律案(朝鮮ニ移出スル物品ノ
內國稅免除ニ關スル件)(政府提出)
第一讀會(前會ノ續)
第二十地方稅ニ關スル法律案(政府
提出)第一讀會(前會ノ續)
第二十一明治四十一年法律第三十七
號中改正法律案(地方稅制限ニ關ス
ル件)(政府提出)第一讀會(前會ノ續)
第二十二市町村稅地相法案(山本悌
二郞君外十三名提出)
第一讀會(前會ノ續)
第二十三市町村稅地租法ノ施行ニ關
スル法律案(山本悌二郎君外十三名
提出)第一讀會(前會ノ續)
第二十四地租條例中改正法律案(床
次竹二郞君外二十三名提出)
第一讀會(前會ノ續)
第二十五所得稅法中改正法律案床
次竹二郞君外二十三名提出)
第一讀會(前會ノ續)
第二十六大正九年法律第十二號中改
正法律案(所得稅法ノ施行ニ關スル
件)(床次竹二郞君外二十三名提出)
第一讀會(前會ノ續)
第二十七明治四十二年法律第七號廢
止法律案(國債ノ利子所得稅免除ニ
關スル件)(床次竹二郎君外二十三名
提出)第一讀會(前會ノ續)
第二十八市町村義務〓育費國庫負擔
法中改正法律案(床次竹二郞君外二
十三名提出)第一讀會(前會ノ續)
〔砂田重政君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=22
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023・砂田重政
○砂田重政君 諸君、私ハ只今議題ニナッ
テ居リマスル稅制ノ整理ニ關スル一切ノ事
項ニ亙ッテ、極メテ簡單ナル質問ヲシタイ
ト思フノデアリマス、唯こ私ノ質問ノ內容ニ
立入リマス前ニ、昨日大藏大臣ノ御演說ヲ
傾聽致シマシテ、其御演說ノ數字ノ中ニ非
常ナル誤リガアルノデハナイカト云フコト
ヲ疑フノデゴザイマス、隨テ先ヅ第一ニ大
藏大臣ニ此疑ノ事實ヲ質シテ、明瞭ニ根本
ヲ定メタ上デ質問ニ入リタイト思フノデア
リマス、卽チ昨日ノ大藏大臣ノ演說ノ中ニ
於テ、今囘ノ稅制ノ根本整理ヲ爲シタル最
大ノ要點ハ何處ニ在ルカト云ヘバ、卽チ其
御演說中ニ於テ直接稅タルト間接稅タルト
ヲ問ハズ、主トシテ中產階級以下多數國民
ノ負擔ヲ輕減センガ爲ニ、實ニ七千百七十
餘万圓ノ減稅ヲ行ヒタルニ拘ラズ、間接稅
ノ增額ハ嗜好品タル酒類、〓涼飮料及煙草
等ニ對スル負擔ニ於テ六千百餘万圓ヲ算ス
ルニ過ギズ、稅制整理ノ全體ヲ通ジテ、社會
政策的效果ノ顯著ナルコト疑ヲ容レザル所
ナリト御演說ニ相成ッタノデゴザイマス、
此御演說ノ數字ノ中ニ於テ、直接稅、間接
稅ヲ通ジテ七千百七十餘万圓ノ減稅ノ行ハ
レタコトハ、此通リニ相違ナイノデゴザイ
せっ、之ニ代ルニ酒類、清凉飮料及煙草ニ
對スル負擔ニ於テ增額ヲ爲シタルモノハ、
六千百餘万圓デアルト云フコトヲ、明瞭ニ
御演說ニナッテ居リマス、果シテ今回ノ此
增稅ガ、六千百餘万圓デアルカドウカ、私
ノ計算致ス所デハ、斯樣ナル金額デナイト
思フノデアリマス、若シ此金額ニ誤リアリ
ト致シマスルナレバ、今回ノ稅制ノ根本整理ノ
最大ノ理由ハ、根柢ヨリ破壞サレナケレバ
ナラヌノデアリマス、(拍手)是ニ於テ私ハ
先ヅ此點ヲ明瞭ニ大藏大臣ノ御答辯ヲ要求
スルノデアル、卽チ酒類全體ニ對スル稅金
ノ値上及清凉飮料ニ關スル新設稅ハ、計算
ノ通リニ相違ナイ、唯、茲ニ此六千百餘
万圓ノ增稅ヲシタト言ハルヽ中ニハ煙草ノ
益金二千二百二十餘万圓ヲ計上サレテ居ルノ
デアリマス、併ナガラ國民ニ負擔ヲ負ハセ
ル金高ハ、煙草ノ値上ニ依ッテ二千二百二
十餘万圓デハナイノデアリマス、此二千二
百二十餘万圓ト云フノハ、政府ガ純益トシ
テ一般會計ノ財源ニ充ツル金ガ二千二百二十
餘万圓デアル、全體ヲ通ジテ平均二割ノ値上
ヲシテ、是デ國民ニ負ハセル金ノ總高ハ是
ダケデハナイト思フノデアリマス、是ハ固
ヨリ總テノ租稅ハ、例ヘバ地租ニ致シマシ
テモ、營業稅ニ致シマシテモ、此豫算ノ計
數ノ上ニ現ハレルモノ、國民ニ負擔ヲ負ハ
セルモノハ、地租ノ七千四百万圓ト云ヘバ、
地方ノ交付金ヲ引イタモノデモナイ、徴稅
費ヲ引イタモノデモナイ、取上ゲタモノ全
體ガ豫算ノ上ニ現レテ居ルカラ、國民ノ負
擔ハ七千四百万圓ト云ヘマスガ、煙草ノ専賣
ノ益金ト云フノハ、國民カラ取立テタ中ニ
於テ或ハ煙草ノ内容ヲ改善スル費用モアリ
マセウ、又元賣捌人、小賣人ニ對シテ交付セ
ラルベキ手數料モ引カレテ居ル筈デゴザイ
せっ、隨テ是等ノモノヲ引イタ純益ハ、二
千二百万圓デアルガ、國民ノ負擔ト云フ國
民ノ側ニ立ッテ考ヘマスナラバ、此金額デ
ナイト云フコトハ明瞭ナ事實デアルト私ハ
考ヘマス、是ガ明瞭ニナリマスト、果シテ
煙草ノ値上ニ依ッテ國民ノ負擔ニ歸スル金
高ハ幾ラデアルカト云フコドヲ、明瞭ニ此
席ニ於テ御述ヲ願ヒ、此數字ヲ酒ト〓涼飮
料稅トニ合セタ數字ガ、今回ノ增稅ノ結果
ニナルモノト計算ヲシナケレバナラヌト思
フノデアリマス、私共同志ニ於テ調査致シ、
〓究致シマスルト、今囘ノ煙草ノ値上ノ總
髙ハ、平均ヲ致シマシテ二割デアリマス、而
モ之ニ依ッテ政府ガ收納致シマスル金高
ノ總計ハ、大正十年以來今日ニ至ルマデ二
億四千万圓ヲ下ッタコトハナイト思フノデ
アリマス、此二億四千万圓ニ對シテ値上ヲ
シタ後ニ於テモ、今迄ト同樣ノ賣高ガアル
モノト見ルナラバ、國民ノ負擔ニ歸スル金
ハ四千八百万圓以上デナケレバナラヌノデ
アリマス、併ナガラ是モ金高ニ依シテ計數
ヲ現ハスコトハ出來ナイノデアル、政府ノ
統計ノ示ス金高ノ中ニ、此金高ニ對シテ二
割ノ計算ヲ持ツコトハ出來ナイノデアル
要スルニ國民ノ負擔ニ歸スベキ範圍、政府
ガ發表致シテ居リマスル煙草ノ賣上個數ニ
對シ、個々ノ煙草ニ對シテ其賣上個數ニ今
囘ノ値上ノ金高ヲ掛ケタモノガ、卽チ國民
ノ負擔ニ歸スルモノデアルト信ズルノデア
リマス、之ニ依テ私共ハ大藏省ニ幾度カ個
個ノ煙草ニ對シテノ年々ノ賣上數量ノ統計
ヲ要求致シマシタガ、遺憾ナガラ是ハ大正
十年以後ノ分ハ無イト云フコトデ御帝シヲ
得ナカッタノデアリマス、併シ其以後ノ收
入ガ總テ增額ヲ致シテ居リマスル點ヨリ見
マスルナラバ、此十年ノ統計ヲ土臺トシテ
此計數ヲ現ハシテモ誤リデハナイト思フ
ノデアリマスガ、之ニ依ノテ計數ヲ現ハシ
マスト、少クトモ今日マデト同樣ノ賣上ガ
アルモノトスルナラバ、其金高ハ實ニ四千
八百七十六万七千圓ノ國民負擔ノ增加ニナ
ル譯デゴザイマス(拍手)若シ此酒類ノ値
上、〓涼飮料稅ノ新設ニ、更ニ吾々ノ考ヘ
テ居リマス數字ヲ現シ、今囘ノ稅制ノ整理
四夕國民負擔ノ計數ヲ現シマスナラバ、
少クトモ今囘ノ改革ニ依ッテ全國大多數ノ
民衆ニ二千四百万圓ノ增稅ヲ行ッタ結果ニ
ナルノデゴザイマス(拍手)併ナガラ煙草ノ
値上ニ依ヶテ今迄賣レタダケノ物ガ賣レナ
クナルト云フ數字ガ此所ニ現レテ來ルナラ
バ、是ハ別問題デアリマス、是ニ於テ先ヅ
此計數ノ幾何ガ國民ノ負擔トシテ現レルト
云ヲコトヲ、明瞭ニ大藏大臣ヨリ御答辯ヲ
願ヒ、且ツ其數字ニ依ッテ昨日御演說ニナ
リマシタ、演說ノ訂正ヲ願ハナケレバ、進
ンデ吾々ノ質問ノ根柢ヲ作リ上ゲルゴトガ
出來ナイノデゴザイマス、ドウカ此點ヲ明
瞭ニ願ヒタイト思フノデアリマス、唯-
言致シテ置キマスガ、少クトモ稅制ノ根本
整理ヲセラレタル大藏大臣ハ、此稅制整理
ニ因ル缺陷ヲ補フ爲ニ、煙草ノ二割ノ値上
ヲ行ハレタ以上ハ、是ガ全國民ニ如何ニ波
及スルカト云フコトハ、數字ノ上ニ於テ明
瞭ニ御調査ニナッタ後ニ於テ發表セラレタ
モノト信ズルノデゴサイマス、又其利益ガ
極端ニ少クナッタ、賣レナクナルト云フ事
實ガ現レタト假定致シマスナラバ、ワレハ
國民ノ購買力ニ超越シテ、無理ヤリニ煙草
ノ値段ヲ上ゲテ、國民ノ買フカサヘ無イヤ
ウナ實情ヲ此所ニ現シタモノト謂ハナケレ
バナラヌト思フ、若シ斯ノ加キ事實アリト
スレバ、煙草ヲ禁止スル目的ナラバ是デモ
宜シイ、稅制整理ノ財源ヲ得ル爲ニ買フコ
トノ出來ナイヤウナ苦痛ヲ國民ニ與ヘルト
云フコトニナッテハ、稅制ノ根本整理ノ目
的ト相反スルノデゴザイマス、仍テ私ハ此
點ニ對シテ、先ヅ大臣ノ明確ナル御答辯ヲ
願ヒマシテ、私ノ質問ニ移リタイト思ヒマ
ス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=23
-
024・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 濱口大藏大臣
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=24
-
025・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 只今ノ砂田君ノ
御質問ニ御答ヲ致シマスガ、此度ノ稅制ノ
整理ニ依ノテ減ジマシタ金ガ幾ラ、增シマシ
タ金ガ幾ラ、合計幾ラノ減少デアルト云フ
コトヲ昨日ノ說明ニ於テ申上ゲタノデアリ
さく、卽チ其增シマス金額ノ中、二千二百
二十餘万圓ト云フモノハ煙草ノ定價ノ引
上ニ依ッテ增シマス所ノ金額デアリマス、大
體ノ金額ニ於テ政府ハ此金額ヲ以テ煙草ノ
値上ニ因ル所ノ國庫ノ增收、卽チ國民ノ負
擔デアルト考ヘテ宜シイト信ジテ居ルノデ
ゴザイマス、只今砂田君ノ御質問ヲ承ッテ
居リマスレバ、從來ノ賣渡金額カラ申シテ、
ソシニ此度ノ政府ガ行,タト云フ所ノ大體
二割ノ値上ト云フモノヲ乘ジテ見レバ、其
金額ハ四千八百万圓位ニナル筈デアルト思
フ、隨テソレダケガ國民ノ負擔ニナルノデ
ハナイカ、斯ウ云フ意味ノ御質問ノヤウニ
拜聽ヲ致シタノデアリマスルガ、是ハ御承
知ノ通リ總テノ消費稅ニ付テ共通ノ現象デ
アリマスルガ、或ハ新稅ヲ起シ、或ハ增稅
ヲ行ハントスル場合ニ於テ、其施行ノ初年若
クハ數年ニ亙ッテ、消費ノ減少ヲ見ルト云フ
コトハ、何レノ時代ニ於テモ免ルベカラザ
ル所デアリマス、今囘ノ稅制整理ニ於キマ
シテモ、單リ煙草ノ定價ノ引上ニ依クテ煙
草ノ消費ニ減少ヲ生ズルバカリデハアリマ
セヌ、酒ノ稅ノ增率ニ依リマシテ、酒ノ消
費ニ減少モ生ズルノデアリマス、又〓凉飮
料稅ノ新設ニ依リマシテ、無稅デアッタ今
日ノ場合ヨリモ、相當ノ消費ノ減少ヲ見込
マナケレバナラヌノデ、何レモソレヲ見込
ンデアルノデアリマス、其消費減ヲ生ジタ
ル所以ガ、新稅若クハ層稅ノ結果デアルト
云フ故ヲ以テ、其消費ノ減ヲモ合シテ國民
ノ負擔增加ト御計算ナサルト云フコトハ、
是ハ一ツノ御計算ノ仕方デアラウト思ヒマ
スガ、私ハ左樣ニハ考ヘテ居リマセヌ、此
消費ノ減少ノ生ズルモノハ洵ニ已ムヲ得ナ
イコトデアリマスルガ、其殘リマシタ所ノ
消費ニ對シテ、此度ノ增稅ニ依シテ、幾ラノ
增牧ガ政府ノ方ニ殘ッタカト云フコトヲ以
テ、大體ニ於テ國民ノ負擔ノ增加ト政府ハ
認メテ居ルノデアリマス、併ナガラ此計算
ハ大分複雜シタ計算ガアラウト思ヒマスカ
ラ、何レ委員會ニ於キマシテ、詳細ニ御意
見モ承リ、又政府ノ所見ヲモ開陳スルコト
デアラウト思ヒマスガ、消費減カラ生ズル
所ノ其減少ト云フモノハ、是ハ新稅ニ依っ
テ生ジタル所ノ國民ノ負擔ト御解釋ニナル
ト云フコトハ少々無理デハナイカト考へ
マく、併シ是ハ一種ノ計算方法デアルカモ
知レマセヌ、政府ハ左樣ニハ考ヘテ居ナイ
ノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=25
-
026・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 砂田重政君
〔砂田重政君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=26
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027・砂田重政
○砂田重政君 只今ノ大藏大臣ノ御答辯ニ
依リマスルト、私ノ質問ノ趣意ガ恰モ從來
ノ賣高ニ對シテ、値上ヲシタヾケハ悉ク收
入ニナルト說明ヲシ、質問ヲシタ如キ御答
辯デゴザイマスルガ、私ハ初カラサウ云フ
風ナ質問ハシテ居ラヌ、唯〓併シ只今ノ御答
辯ニ依ッテ、今囘ノ煙草ノ値上ニ依フテ、政
府ノ收納スル金額二千一一百万圓、此値上ニ
依シテ國民ノ負擔スル金額トノ間ニ差ハナ
イト云フ御答辯ヲ得タノデゴザイマス、是
ニ於テ私ハ更ニ大キナ疑ヲ生ズルノデアリ
マス、卽チ過去ニ於テ二億四千万圓ノ賣上
ヲ得テ、サウシテ之ニ二割ノ增額ヲ今回行
ウテ、サウシテ之ニ依ッテ得ル金ガ僅ニ
二千二百万圓ナリト致シマスルナラバ、卽
チ從來ノ煙草ノ賣上ハドノ位減ル勘定ニナル
譯デアリマスカ、私ハ昨日大藏省ヨリ大正十
三年度ト、大正十四年ノ十二月ニ至ルマデノ
間ノ每月ノ賣上ノ數量ヲ表ニ依クテ要求ヲ致
シマシタ、其表ニ依ッテ見マシテモ、昨年ノ
十一月ノ七日ニ値上ヲ政シマシテ以來、僅カ
二箇月デアリマスルカラ、値上ヲシテ一番
數量ノ減ルト云フ時期デアル、其時期ニ於
テスラ十一月ニ於テハ一一千万圓ノ賣上高、
十二月ニハ二千二百万圓ノ賣上高ニナッテ
居ルノデアリマス、卽チ十三年、十二年、
十一年度ト每月ノ賣上ノ數量ニ於テ大キナ
差ガ出テ居ラヌト云フコトハ明瞭デゴザイ
ずっ、然ルニ其益金ノ二千二百万圓ヨリ利
益ヲ收メルコトガ出來ナイトスルナレバ、
此値上ニ依シテ國民ノ大多數ガ嗜好品デハ
アルガ、一日モ止メルコトノ出來ナイ煙草
ヲ買フカサヘ失ッタト云フ結果ニ見ナケレ
パナラヌノデアル、購買力ヲ失フヤウナ値
段ノ値上ヲシテ、煙草ヲ買フカスラ減ルト
云フコトヲ政府自身ガ御認ニナリ、此煙草
ノ禁止的値上ヲ行フト云フコトハ、是ハ現
在ノ社會狀態ニ鑑ミ社會政策ト云フコト
ニハ沒交渉デゴザイマスルカソレヲ伺ヒタ
イ、煙草ヲ止メルコトモ固ヨリ結構ナ事デ
アル併ナガラ今日ノ煙草ト云フモノハ一
種ノ贅澤品ニアラズシテ、喫ミ付ケタ者ニ
付テハ殆ド是ハ必需口四デアル、其證據ハ日
露戰爭ノ當時ニ煙草ノ供給ヲ受ケルコトノ
出來ナイ多數ノ兵卒、將校ガ棄テル煙草ヲ
待兼ネテ五人六人デ寄ッテ喫ンダト云フコト
ハ現實ニ之ヲ認メテ居ルノデアル(拍手)關
東ノ大震火災ノ當時ニ於テ或ハ丸ノ內デア
ルトカ、或ハ日比谷公園ニ避難シテ居ル人
人ヲ救済ニ上ッタ人々ガ、先ヅ一本ノ煙草
ヲ吳レト云フコトヲ有ユル方面ヨリ要望サ
レタ事實ハ、現大臣ト雖モ御永知ノ筈デア
ル、此煙草ニ極端ニ購買力ヲ失ウテシマッ
テ、二割ノ値上ヲシテスラ一一千二百万圓ヨ
リ增收ヲ得ルコトノ出來ナイヤウナ値上ヲ
シタト假定致シマスルナラバ、之ヲ一面ニ
於テ租稅ノ辻褄ヲ合ハスコトガ出來マセウ
〃、此値上ニ依シテ日々刻々ノ國民大多數
ハ煙草ノ高イト云フコトヲ喞タナケレバナ
ラヌノデアル、之ニ社會政策的ノ意味ガ何
所ニ在ルノデゴザイマスカ、先ヅ此點ヲ私
ハ明瞭ニ大藏大臣ヨリ御答ヲ願ヒ、更ニ進
ンデ私ハ是カラ私ノ疑問ト致シマスル點ヲ
順々ニ伺ヒタイト思ヒマス、ソレハ昨日大
藏大臣ノ御演說中ニモ、私ハ餘リ社會政策
ト云フ言葉ガ多數ニゴザイマシタカラ、大
藏大臣ノ演說ヲ數ヘテ見マスルト云フト、
社會政策ヲ十五遍仰セラレテ居ル而シテ
此社會政策ハ中產階級以下、悉クノ國民ニ
對シテ此政策ヲ行フト云フノガ此稅制整理
ノ根本趣旨デアルト仰セラレテ居ル、玆ニ私ハ
疑ヲ生ズルノデアル、卽チ今回ノ稅制整理
依ッテ、此負擔ノ輕減ヲ得ルモノヲ靜ニ考ヘ
テ見ルト、是ハ二ツニ分ケルコトガ出來ル
ノデアル、從來我國ニ於テ中產階級ト認メ
ラレタル人〓ニ對シテ減稅ヲ行フト云フコ
トガ一ツデアリマス、又從來庶民階級ト認
ノ、否全國民悉クノ負擔ニ歸シテ居ルト認
メラレテ居ル所ノ租稅ニ對シテノ整理ガ一
ツアル、卽チ玆ニ實例ヲ擧ゲテ申上ゲマス
ルナレバ、所得稅ノ如キ、地租ノ如キ、營
業稅ノ如キモノニ對スル減稅ヲ行ヒ、若ク
ハ其整理ノ爲スコトハ今マデ中產階級ト認
メラレタル人ニノ、一番最下級ニ居ル人〓
ニ對シテ、社會政策ヲ行フ爲ニ整理ヲスル
ノガ一ツ、通行稅、織物消費稅、其他是等
ノ消費稅ニ對スル整理ハ、全國民的ニ社會
政策ヲ行フト云フ趣旨デアルト思フノデア
リマス、ソコデ試ニ是等ノモノガドウ云フ
計算ニナッテ居ルカト云フコトヲ、此大藏大
臣ノ御演說ニ依シテ静ニ調査致シテ見マス
ルト所得稅、地租、營業稅、是等ノモノヽ
減稅ニ依ッテ、今マデ中產階級ト認メラレタ
人〓ニ對シテ行ハレル減稅ノ總高ハ三千
五百万圓デアル、而シテ此人〓ト同ジ程度
ノ人ニ對シテ今回新ニ課稅サレ、若クハ增
稅サレルモノハ相續稅ノ値上、ソレカラ資
本利子稅ノ創設デアリマス、此總高ハ相續
稅六百万圓資本利子稅一千四百万圓、合セ
テ二千万圓ノ增稅ヲ行ハレルノデアリマ
ス、隨テ今マデ中產階級ト認メラレタル人
人ニ對シテ、今囘減稅ヲ行ハレル金高ノ總
計ハ一千五百万圓ノ減稅ノ結果トナルト思
フノデアル、面シテ他ノ一面ニハ一般的國
民大衆悉クノ頭ノ上ニ減稅ヲ行ハレント欲
スルモノハ、織物消費稅ノ二千五百万圓、
通行稅ノ一千百万圓、醬油稅ノ七百万圓、
賣藥稅ノ一千万圓、合セテ五千三百万圓ノ
減稅ヲ一般國民的ニ行ハレルト云フコト
ニナル、其代リニ之ニ換ヘテ一般國民全體
ノ上ニ今囘課稅ヲサレルコトニナリ、曾稅
サレルコトニナッタモノハ酒ノ稅金ノ三千
三百万圓、〓涼飮料稅ノ四百万圓、煙草專
賣ノ値上ニ依ル二千二百万圓、合セテ五千
九百万圓ノ增稅ガ行ハレルト云フ結果ニナ
ルノデアリマス、サウスルト今マデ中產階
級ト認メラレタ人〓ニ對シテ行ウタ一千五
百万圓ノ減稅シタモノヲ、國民大衆全體ノ
負擔ノ上ニ轉嫁サレテ、玆ニ約六百万圓ノ
金ガ總テノ國民ノ上ニ增稅サレル結果ニナ
ルノデアリマス、此事ハ當然ノ歸結デアル、
財源ニ變化ナクシテ中產階級ノ一部ニ減
稅ヲ行ヒ、其行ヒタルモノハ何人カラ之ヲ
取ラナケレバナラヌト云フコトニナルカラ
大多數ノ民衆ニ對シテ是ガ課セラレルコト
ニナルト云フ歸結ハ當然デアリマス、之ヲ
實例ヲ擧ゲテ申シマスルナラバ、地租ヲ納
メズ營業稅ヲ納メズ、所得稅ヲ納メルコト
能ハザル大多數ノ小作人、或ハ勞働者、或
ハ小商人、若クハ勤労ニ依ッテハ生活スル人
人ハ唯、通行稅、織物消費稅、其他ノ消費稅
ニ於テ五千三百万圓ノ減稅ノ恩典ニ浴スル
代リニ、酒稅、〓涼飮料稅、煙草ノ値上ニ
依ッテ五千九百万圓ノ增稅ヲ受ケルト云フ
結果ニナル地租、營業稅等ヲ納メザル大多
數ノ國民ニハ、增稅ノ結果ニナルト云フコ
トハ明瞭ナ事實デゴザイマス(拍手)果シテ然
ラバ現政府ノ社會政策的施設ト云フコトハ、
或ル一部分ノ中產階級ニ對シテ之ヲ行ウ
テ、是等ノ租稅ヲ納ムル力無キ大多數ノ民
衆ニ增稅ヲ行フト云フコトガ、現政府ノ社
會政策的施設ト相矛盾セザルヤ否ヤト云フコ
トヲ伺ヒタイノデアリマス(拍手)是ハ數字ノ
上ニ於テ明瞭デゴザイマス、唯〓是ハ先刻當
初ニ伺ヒマシタ煙草專賣ノ收入、國民ノ課
稅ヲ二千二百万圓ト見テノ計算デアル、是
デ六百万圓ノ增稅ニナルノデアル、若モ吾
吾ガ考ヘル如ク二千二百万圓デナイト云フ
事實ハ明瞭デアリマス、此二千二百方圓ノ
益金ノ中ニハ、此益金ト云フモノヽ上ニ、
小賣人其他ノ者ニ對シテ交付サレル手數料
ガ引去ッテアル、更ニ其上ニ煙草ノ今囘更メ
テ葉煙草ノ買收費ノ增額ヲ行ハレル費用モ
此中ニ加味サレテ居ル以上ハ、此二千二百
万圓ヨリ多クノ金高ニナルト云フコトハ
如何ニ大藏大臣ト雖モ否認スルコトハ出來
ナイト思フ、サウスレバ卽チ現政府ノ政
策ノ通リニ此法律案ヲ通過サセマスレバ、
國民ノ大多數ニ對シテハ層稅ヲ行フト云フ
結果ニナルト云フコトヲ大藏大臣ハ御認
ニナルヤ否ヤ、若モ之ヲ御認ニナルナラバ、
其認メラレタル事實ガ政府ノ社會政策的施
設ト相矛盾セザルヤ否ヤト云フコトヲ明瞭
ニ御答ヲ得タイト思フノデアリマス、其次
ニハ今回ノ通行稅、織物消費稅、醬油稅、
賣藥稅ノ廢止ニ依リマシテ、多額ノ國民負
擔ノ輕滅ヲ行フト言ハレルノデゴザイマス
ガ、昨日ノ演說ニ依レバ、其中ノ通行稅ニ
對シテハ、之ヲ徹底的ニ國民負擔ノ輕減ニ
充テシムルヤウニ、交通機關ヲ監督シテ、
賃銀ノ値上ヲサセナイト云フ方針ヲ執シテ
居ルト云フコトヲ明瞭ニ御演說ニ相成リマ
シタガ、織物消費稅、或ハ醬油稅、賣藥稅
等ニ對シテハ此廢稅ヲ行ヒタル利益、總テ
ノ國民ニ徹底スルカ、中間經營者ノ利益ニ
收メラレルカト云フ問題ガ殘ッチ居ルノデ
アリマス、之ニ對シテ若モ政府ガ希望セラ
レ、政府ガ計畫サレタル如ク、是等ノ廢稅
ガ全國民ニ徹底致シマスルナレバ、尙ホ忍
ブベシデアル、若シ中間ノ經營者ニ悉ク若
クハ其一部分ガ收納セラレルコトニ相成リ
マスルナレバ、一面ニ於テハ政府ニ增稅ヲ
行ハレ、他ノ一面ニ於テハ中間利得ニ依ッ
テ何モノヽ廢減稅ノ恩澤ニモ浴スルコトノ
出來ナイト云フ結果ニ陷ルト思フノデアリ
マス、此點ニ對シテ政府ハ此賣藥稅、醬油
稅織物消費稅ニ對シテ、如何ナル具體的
政策ヲ御持チニナッテ居ルカト云フコトヲ、
明瞭ニ御答辯ヲ願ヒタイト思フノデアリマ
ス、此稅制整理案ガ出マスルト同時ニ、是
等ニ對シテ適當ナル具體的政策ガ此議會ノ
壇上ニ現レルコトヽ信ジテ居ルノデアリマ
スルガ、遺憾ナガラ今日迄此御説明ヲ聽ク
コトヲ得ズ、又政府ノ法律案其他ノモノヽ
中ニ之ヲ明瞭ニスルコトガ出來ナイノデゴ
ザイマス、之ヲ明瞭ニ御答辯ヲ得タイト思
フノデアリマス、次ニハ過日我黨ノ武藤金
吉君ノ質問ニ對シ、煙草ノ値上ニ付テハ社
會政策的ノ意味ヲ十分ニ加味〓究ヲシテヤッ
タノデアルカラ、官報ヲ熟讀ヲ願ヒタイト
云フ御答辯ヲ此壇上ニ於テサレタノデアリ
ママ、又昨日ノ演說ニ於キマシテモ、大藏
大臣ハ煙草ノ値上ニ付テ、國民ノ庶民階級
ニ對スル社會政策的ノ意味ヲ十分ニ加味シ
テ、其値上ヲ斷行シタノデアルト云フコト
ヲ明瞭ニ御說明ニ相成ッタノデゴザイマス、
私ハ此官報ヲ熟讀致シマシテ、又政府ノ煙
草ノ賣上ノ數量ニ關スル統計書モ熟讀ヲ致
シマシタ、然ルニ今回ノ値上サレマシタ煙
草ノ中ニ於テ、凡ソ一ケ年ニ三百万圓以上
ノ賣上ノアル煙草ニ對シテハ、僅ニ「バット」
ヲ除ク外ハ悉ク二割以上ノ値上デアル、
割何分臺ト云フ値上ヲ爲サレタモノハ、國
民ノ需要ノナイ賣レナイ煙草ダケデアリマ
ス(拍手)併ナガラマダ是ハ恕スベシデアル、
私ハ如何ニシテモ解スルコトノ出來ナイノ
ハ刻煙草ニ對シテノ政府ノ遣方デアル、卽
チ刻煙草ハ我國ニ於ケル極メテ庶民階級ノ
飮用品デアル、而モ此飮用品ノ中ニ於テ澤
山ヲ一時ニ買入レラレルコトノ出來ナイ人
人ノ便利ヲ圖ル爲ニ、四十匁入ト五匁入ノ二
ツニ分レテ居ル、所ガ〓回是ノ値上ニ對シ
テ政府ハ如何ナル政策ヲ御執ニナリ、如何
ニ社會政策的ノ意味ヲ御考慮ニナッタカト
云フコト、一番最下級ノ細民ノ喫ム五匁入
ノ刻煙草ニ對シテ「サッキ」ニ對シテハ二割
くなっ
ノ値上ヲサレ、四十匁入ノ稍、餘裕ノアル
人ノ喫ム「サツキ」ニ對シテハ一割八分ニ
ナッテ居ルノデアリマス、又四十匁入ノ「ア
ヤメ」ニ對シテハ一割六分ノ値上ヲサレテ
居ッテ、五匁入ノ「アヤメ」ニ對シテハ二割
五分ノ値上ヲサレテ居ルノデアリマス(拍
手)我國ノ煙草ノ中デ一番惡イト言ハレテ
居リマス「ナデシコ」ト云フモノ、四十匁入
ハ一割四分三厘、而シテ五匁入ノ殆ド自由
勞働者ノミガ喫ムヤウナ煙草ニ對シテハ
二割五分ノ値上ヲサレテ居ルノデアル拍
手)是デモ大藏省ニ於テ-大藏大臣ハ眞
ニ社會政策的ノ考慮ヲ拂テ、煙草ノ値上ヲ
サレタト言ハレルノデアリマスカ(拍手)政
府ノ社會政策トハ或ル一部分ノ國民ノミヲ
見テ、大多數ノ細民ノアルコトヲ忘レタル
社會政策デゴザイマスル(拍手)餘リニ其詭
辯ニ私ハ驚カザルヲ得ナイノデゴザイマ
ス、願ハクハ大藏大臣ハ官報ヲ熟讀セラレ、
大藏省ノ統計ヲ熟讀セラレテ御答辯ヲ願ヒ
タイト思フノデアリマス(拍手)更ニ私ハ今
回ノ此稅制ノ整理、昨年ノ三派聯立内閣ニ
於テ加藤總理大臣ヨリ稅制ノ根本改革ヲ爲
スト云フコトヲ明言セラレ、大藏大臣モ豫
算總會ノ席上ニ於テ、今囘ハ根本的ニ稅制
ノ整理ヲスルト云フコトヲ明言サレタノデ
アリマスルガ、吾々ノ期待シタル稅制ノ根
本整理ト云フノハ、國民ガ見テ其生活上ニ
立脚シテ、眞ニ首肯スルコトノ出來ル稅制
ノ整理ヲ望ンダノデアリマス、唯〓徒ニ右ノこ
モノヲ左ニ變ヘル、左ノモノヲ右ニ變ヘル
ト云フ稅制ノ整理ハ根本整理ニアラズシテ、
政治的ノ技巧ヲ弄スルト云フコトニ過ギナ
イノデアリマス、先刻來述ベマシタ如クニ、
今囘ノ地租ノ減稅ガドレダケノ力ヲ增ス
カ、民衆ニ對シテドレダケノ新シキ租稅意
識ヲ起サシメルデゴザイマセウカ、卽チ地
租ヲ減稅セラルヽコトニ依ッテ地主ハ喜ビ
マセウ、地價ヲ二百圓以下ハ免稅セラルヽ
コトニ依ッテ地主ハ喜ビマセウ、併ナガラ此
地租ヲ納メル能ハザル大多數ノ小作人ニ對
シテハ、何物ノ減稅ガ行ハレテ居ルノデゴ
ザイマセウカ、營業稅ニ對シテ輕減ガ行
ハレ、僅ニ四百何万圓ノ減稅ガ行ハレタト
云フコトニ對シテ、勞働者ニ對シテ、勤勞
生活ニ對シテ、幾ラノ減稅ガ行ハレテ居ル
ノデアルカ、何物ノ減稅モ行ハレテ居ラナ
イト云フコトニナレバ、徒ニ階級闘争ヲ激
シクスルダケノ是ハ法律案デハナイカ、小
作爭議ヲ奬勵スルヤウナ法律案デハナイカ、
若シ此私ノ質問ニ過ガアルナラバ、大藏大
臣ハ堂々ト反駁セラルレバ宜イノデアリ
アー、若シ諸君ニ於テ過アリト思ハレルナ
ラバ、十分御〓究ニナッテ討論ノ際ニ御答ニ
ナレバ宜イ····(「小作人ガ稅金ヲ納メル
カ」ト呼ヒ其他發言スル者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=27
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028・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=28
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029・砂田重政
○砂田重政君(續) 小作人ガ稅金ヲ納メル
コトスラ知ラザル諸君ダカラサウ云フコト
ヲ言フ、消費稅ハ誰ガ納メルノカ、今ノ間
接稅ハ何人ガ納メテ居ルカ、ソレ位ノ事ガ
分ラナイデ議會ノ壇上ニ立テルカ、諸君、
更ニ私ハ斯樣ナ事ヲ考ヘルノデアリマス、
卽チ織物消費稅ヲ廢止スル、賣藥稅ヲ廢止
スル、成程是ガ徹底ヲ致シマスレバ減稅ニ
ハナリマス、徹底スルヤ否ヤハ問題デアル
ガ、假ニ是ガ徹底シタト假定致シテ、此稅金
ハ庶氏階級ノ人々ニ取ッテハ一年ニ一遍病
ニ罹シタトキニ拂フ稅金デアリマス、之ヲ止
メテ、之ヲ止メル代リニ酒ノ稅金ヲ上ゲ、煙
草ノ値段ヲ上ゲ、水ニマデ稅金ヲ課シテ、
一寸一服スルノニモ稅金ガ高クナッタト云フ
コトデアリマスガ、一日ノ勞苦ヲ慰メル一
本ノ酒ニモ、其高クナッタコトヲ怨ムト云
フヤウナ遣方ヲスルヤウヲ此稅制ノ整理
恰モ年賦證文ヲ日濟證文ニ書替ヘルヤ
ウナ遣方デアルト考へルノデアリマス、玆
ニ國民ヲシテ眞ニ首肯セシムルダケノ何物
ノ新味ヲ持來ラシタカト云フコトヲ、私共
ハドウシテモ考ヘルコトガ出來ナイノデア
リマス、希クハ大藏大臣カラ是等ノ點ニ對
シテ吾々ヲ首肯セシメ、全國民ヲ首肯セシ
ムルダケノ御答辯ヲ承リタイト思フノデア
リマス
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=29
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030・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 只今ノ砂田君ノ
御質問ニ御答ヲ致シマス、第一ノ御質問ハ
煙草ノ値上ヲ行ノタニ付テ、煙草ノ消費ガ
ドレダケ減ズルト云フ見込デ豫算ヲ作ッタ
ノデアルカト云フ御趣意デアッタノデアリ
マス、是ハ煙草ノ各品種、卽チ口附、兩切、
竝ニ刻、其中ニモ御承知ノ通リ種目ガ多數
アルノデアリマスガ、其種目別ニ各、消費
ノ減少スル步合ヲ適當ニ見込ンデアリマ
ス、大體カラ申シマスレバ、口附ニ於キマ
シテハ消費ノ絕對減少スルト見込ミマシタ
モノガ一割、雨切煙草ニ於キマシテハ二分
五厘、刻煙草ニ、於キマシテハ五分ノ消費減
ヲ見タノデアリマス、是ハ絕對ノ消費減デ
アリマスルガ、尙ホ其外ニ口附カラ致シマ
シテ兩切ニ移リマスモノ、又刻ニ移リマス
モノ、又兩切カラ致シマシテ刻ニ移リマス
モノ、サウ云フモノハ其外デアリマス、其
移リマス所ノ步合ハ煙草ノ種類、名稱ニ依。ソ
テ悉ク違ノテ居リマス、是ハ專賣當局ニ於
テ多年ノ經驗ニ基イテ適當ナル所ノ步合ヲ
見込ンダノデアリマス、煙草ノ値上ヲスル
ニ當ッテ國民ノ消費ガ減少セナケレバナラ
ヌヤウナ値上ヲスルト云フコトハ社會政
策ニ反セズヤト云フ御質問デアリマス、是
ハ初メノ答辯ニモ申上ゲマシタ通リ、單リ煙
草ニ限ラズ、總テノ消費稅ハ增稅若クハ値
上ヲ致シマスレバ、當分ノ間必ズ消費ガ幾
何カ減ズルモノデアリマス、サウ云フ場合
ニ於テ消費ガ多少減ズルガ故ニ、是ハ社會
政策デハナイト云フ結論ヲ下サレルノハ餘
リニ結論ノ下シ方ガ早イヤウデアリマス、
第二ノ御質問ニ社會政策ノコトニ付キマシ
テ、種々ノ御批評ヲ加へラレタ、殊ニ中產
階級ニ對シテ行シタル所ノ社會政策的ノ減
稅ノ金額ト、增稅ノ金額トヲ比較サレ、差
引減少ノ金額ガ幾ラニナルト云フコトヲ擧
ゲラレ、中產階級ニ限ラズ一般國民ニ對ス
ル所ノ消費稅ノ減少シタル金額ガ幾ラト云
フコトヲ計算サレ、其反對ニ一般的ニ增加
シタル所ノ金額ヲ擧ゲラレマシテ、其差引
ハ幾ラノ增額デアルト一云フコトヲ述ベラレ
タノデアリマス、政府ノ計畫致シマシタ所
ハ初メカラ申上ゲテ居リマス通リ、直接國
稅ト間接國稅トノ區別ハ餘リニ多キヲ見ナ
カッタノデアリマス、又其社會政策ヲ行フ所
ノ目的物ガ、必シモ無產階級ニ限ルト云フ
コトモ申サナカッタノデアリマス、私ノ申ス
マデモナク社會政策ト申シマスレバ、無產
階級ニ對スル所ノ社會政策モアレバ、中產
階級ニ對スル所ノ社會政策モアリマス、無
產階級ニ對シテノミ社會政策ヲ行ヘバ、中產
階級ニ對シテ何等ノ社會政策ヲ行ハナクテ
モ宜シイト云フ御議論デアルナラパ率知ラ
ス、苟モ砂田君ニ致シマシテ左樣ナル御考
ヲ持シテ居ルノデハアルマイト想像致スノ
デアリマス、屢〓申スコトデアリマスケレド
モ、政府ノ趣旨ヲ明瞭ニ徹底セシムル爲ニ、
繰返シテ申上ゲテ置ク必要ガアルノデアリ
マス、今日ノ經濟狀態、社會狀態ニ於テハ
八百圓位ノ年收ノアル者ニ對シマシテ、所
得稅ヲ課スルト云フコトハ是ハ酷ナル稅
法デアルト云フコトハ、蓋シ御異論ハアル
マイト思フノデアリマス、月額百圓ニ充タ
ザル所ノ收入ヲ得テ居ル者ガ、如何ニ致シ
テ自分ノ生活ヲ維持シテ居ルカト云フコト
ヲ考ヘマスルト云フト、洵ニ吾々ハ一種言
フベカラザル所ノ感〓ニ打タレルノデアリ
さっ、其種類ノ階級ニ對シマシテ相當ニ所
得稅ヲ免除スルト云フコトハ、是ハ中產階
級ヲ保護スル上ニ於キマシテ、蓋シ當然ノ
事デハナイデアリマセウカ、先日モ吉植君
ノ御質問デアッタト思ヒマスガ、ソレニ對シ
テ御答申シマシタ通リ、此中產階級ハ國家
ノ中堅デアリマス、殊ニ國民道德ノ中堅デ
アリ、國民健康ノ中堅デアル、又國民常識ノ
中堅デアリマス、此國家ノ組織ヲ成ス所ノ
中產階級ガ、今日ノ如クニ日々ニ亡ビ行ク
ト云フ現象ヲ其儘傍觀ヲシテ居リマスト云
フコトハ國家將來ノ爲ニ非常ニ不幸デア
ルト思フノデアリマス、政府ハ此見地ヨリ
致シマシテ、無產階級ニ對スル社會政策ヲ
行ヒマスルト同時ニ、此度ノ稅制ノ整理ヲ
機會ト致シマシテ、中產階級ニ對シマシテ
モ相當ノ社會政策ヲ行フノデアリマス、若
シ其社會政策ヲ行フコトガ、惡イト云フ御
意見デアリマシタナラバ、討論ノ時ニ更メ
テ御意見ヲ承ルコトニ致シマス、加之、此
消費稅ノ中ニモ曾稅ヲ行ヒマシタル所ノモ
ノ、若クハ新ニ租稅ヲ掛ケマシタ所ノ品物
1、此免稅ヲ行ヒマシタル品物トヲ、其品
物ノ内容性質ニ付テ篤ト御〓究ヲ願ヒタイ
ト思フノデゴザイマス、砂田君ハ賣藥稅ハ
病氣ノ時デナケレバ要ラヌモノニ對スル所
ノ稅デアル、病氣ハ一年ニ一遍シカシナイ
モノデアルト云フ如クニ輕ク取扱ハレマス
ケレドモ、私ノ考ニ依リマスレバ、山間僻
地或ハ都會地ニ於ケル所ノ無產階級ノ人〓
ガ病氣ニ罹リマシタ時ニ於テ、醫師ノ診療
ヲ受クル資力ニ乏シク、醫者カラ藥ヲ貰フ
コトガ出來ナイ、ソレ程ノ生活ノ狀態ニ在
ル者ガ漸ク賣藥ニ依フテ自分ノ病氣ヲ癒シ、
生命ヲ保ツト云フコトハ洵ニ悲慘ナル狀態
デハアリマセヌカ、其悲慘ニ向ッテ之ニ課稅
ヲシテ居クタト云フ是マデノ狀態ハ、國家
ト致シマシテハ甚ダ無情ナル政治ヲ行ッテ
居ッタモノデアルト考ヘルノデアリマス、
砂田君ノ御意見ニ依リマスレバ、酒ヲ安ク
飮ミ、安イ煙草ヲ吸ッテ居リサヘスレバ、
病氣ノ時ニ藥ヲ飮マヌデモ宜シイト云フ御
議論デアレバ、吾々ノ意見ドハ大分違フ
ノデアリマス、私ノ承知スル所ニ依レ
バ-私ノ解釋スル所ニ依レバ此度政府ノ廢
セントスル所ノ通行稅、賣藥稅、醬油稅、綿
織物稅、是ハ絕對缺クベカラザル所ノ生活
必需品デアリマス、其反對ニ酒ト煙草ハ
人ニ依クテハ習慣的ニ中毒ヲ致シテ居ル人
モアルカモ知レマセヌケレドモ、大體カラ
申シマスレバ、決シテ絕對的ノ生活ノ必需品
デハナイノデアリマス、其絕對的ノ生活ノ
必需品ニ對スル所ノ課稅ノ減免ヲ行ハンガ
爲ニ、稍嗜好品ニ近イ所ノ品物ニ對シテ
新稅增稅ヲ課スルト云フコトハ、是ハ當然
ノ事デアラウト思ヒマス、(拍手)苟モ財政ノ
狀況ニ於テ餘裕ガアル時ナラバ率知ラズ、
歲入ヲ減少スルコトノ出來ナイト云フ今日
ノ我ガ財政ノ狀態ニ於テ、苟モ稅制ノ整理
ヲ圖ラントスルナラバ、其代リ財源トシテ
何人モ此酒ト煙草ニ眼ヲ著ケルノデアリマ
ス、此酒ト煙草ヲ逸シマシテ、サウシテ歲
入ニ增減ノナイ所ノ稅制整理ヲ行フト云フ
コトハ恐ラクハ不可能デアラウト思フノ
デアリマス(拍手)其次ニ御質問ニナリマシ
タ、此度政府ガ廢止シマス所ノ通行稅ト綿
織物消費稅ト賣藥稅ト醬油稅、是ハ社會政
策的ノ見地ヲ以テ政府ガ廢シタト云フノデ
アルガ、其中通行稅ニ關シテハ、通行稅ヲ
全廢シタ其故ヲ以テ、直ニ公共團體若ハ私
設ノ會社ガ其賃錢ヲ引上ゲルト云フコトガ
アッテハ、消費者ニ對シテハ何等ノ利益ガナ
イ、中間ノ機關ニ依ッテ利益ヲ〓斷サル
コトニナルノデハナイカト云フ御質問ガ
アッタニ對シマシテ、私カラソレハ政府ガ
相當ノ取締ヲ致シテ、濫ニ賃錢ノ引上ヲサ
セナイ方針デアルト云フコトヲ申上ゲマシ
タニ對シ、只今通行稅ニ付テハソレデ分ッ
タノデアルガ、他ノ三ツノ稅ニ付テハドウ
スルノデアルカ、織物稅ニ付テハドウスル
カ、醬油稅ニ付テハ如何ニスルカ、賣藥稅
ニ付テハ如何ニスルカ、政府ハ如何ナル方
法ニ依ッテ中間者ノ利益ノ壁斷ヲ禁止セン
トスルノデアルカ、若シ其禁止ガ出來ナカツ
タナラバ、消費者ハ折角ノ免稅ノ恩典ヲ受
クルコトガ出來ナイデハナイカト云フ御質
問デアッタ、是ハ如何ニモ御尤ナル御質問ト
拜承致シマス、砂田君ノ御意見ニ依リマス
レバ如何ナル事デモ政府ガ出來ルト御考
ニナッテ居ルヤウニ承リマス、サウ云フ事柄
ニ對シマシテ、政府ノ統制力ノ及プ範圍內
ニ於テハ相當ノ規定ヲ設ケ、相當ノ取締
ヲ致シマス、通行稅ニ關シマシテハ之ヲ廢
シタ時ニ於テ、或ハ公共團體若ハ私設會
社ノ者共ガ、此賃錢ヲ引上ゲルト云フコト
ニ對シマシテハ政府ガ之ヲ抑ヘル所ノ統
制力ヲ持ッテ居ルガ故ニ、之ヲ取締ルコトガ
出來ルノデアリマス、綿織物稅デアル、或
ハ賣藥稅デアル、醬油稅デアル、サウ云フ
營業者ニ對シマシテ、政府ハ其値段ヲ引上
ゲルト云フコトヲ禁止スルダケノ統制力ヲ
持ノテ居ナイコトハ是ハ申スマデモナイコ
トデアリマス、唯、私ガ期待致シマスル所
ノモノハ、當業者間ノ相互ノ競爭ニ依リマ
シテ、此免稅ヲ理由ト致シテ、一般ニ其商
品ノ値段ガ免稅額ダケ低下スルト云フコト
ヲ期待シテ居ル者デアリマス、加之、斯ノ
如キ事柄ニ對シマシテハ、消費者全體、卽
チ國民全體ノ宣傳ニ依リマシテ、消費者ノ
威力ヲ發揮致シマシテ、當業者ヲシテ免稅
額ダケ値段ヲ下ゲシムルト云フコトニ努力
ヲセンケレバナラヌデアラウト思フノデ
アリマス、若シ砂田君ノ如キ御心配ガ
アリマシテ、折角ノ減免稅ヲ致シテモ、
中間者ノ爲ニ〓斷サルヽ虞ガアルカラ、此
免稅ヲ見合スガ宜シイト云フ議論デアリマ
シタナラバ、總テノ消費稅ハ之ヲ減廢スル
コトガ出來ナイノデアリマス、私ハ左樣ナ
ルモノデハナカラウト考ヘマス、ソレカラ
今一ツノ問題ハ、矢張煙草ニ關スル御話デ
アッタノデアリマス、政府ガ煙草ノ定價ノ
引上ヲ行フニ當リマシテ、其煙草ノ各種目
ノ値段ノ定メ方ヲスル場合ニ於テ、社會政
策的ノ要求ヲ加味シタト云フコトヲ申上ゲ
マシタニ對シマシテ、事實ハサウナッテ居
ナイト云フ御質問デアッタノデアリマス、
其中デ刻煙草ノ定價ノコトニ付テ御引用ニ
ナリマシテ、殊ニ「アヤメ」「ハギ」「ナデシ
コ」等ノ下級品ニ於テ五匁ノ定價ノ引上ノ
率ガ重クシテ、四十匁ノ定價ノ引上ノ率ガ
輕イト云フコトハ、卽チ社會政策的ノ見地
ニ反シテ居ルデハナイカト云フ御疑ガアツ
タノデアリマス、是ハ砂田君モ煙草ノコト
ニ付テハ大分御〓究ノヤウデアリマスカ
ラ、御水知デアラウト考へマスガ、此「ハ
ギ」デアルトカ「ナデシコ」デアルトカ云フ
如キ、下級刻煙草ニ付テ申シマスルト云フ
ト、五匁ノ袋ノ賣行ト云フモノハ極メテ少
クテ、四十匁ノ賣行ガ極メテ多イ狀況デア
リマス、無論勞働階級其他無產階級ノ人と
ノ消費スル所ノ下級ノ煙草デアリマスケレ
ドモ、賣行ノ實際ニ徵シマスルニ、四十匁
ノ賣行ガ非常ニ多クテ五匁ノ賣行ハ非常
ニ少ナイノデアリマス、是ガ第一ノ點、第
二ハ「ナデシコ」ノ五匁ノ定價ハ引上前ニ
於テハ御承知ノ通リ四錢デアリマス、ソレ
ヲ五錢ニ引上ゲマシタ結果トシテ、差引一
錢卽チ四錢ニ對シテハ二割五分ト云フ
數字ガ出マスルガ、若シ此二割五分ト云フ數
字ヲ避ケントスルナラバ、四錢五厘若ハ四
錢六厘ト云フ如キ厘位ヲ附ケナケレバナラ
ヌ計算ニナリマス、是ハ「ナデシコ」ニ限リ
マセヌ、「ハギ」ニ於テモ亦同樣デアリマ
ス、六錢ヲ七錢ニ引上ゲマシタ結果トシ
テ、步合ニ於テ一割七分ノ引上ニナリマス
ルガ、其一割七分ノ引上ヲ低下セントスル
ナラバ、六錢五厘ト云フ端數ヲ附ケナケレ
バナラヌノデアリマス、併ナガラ中スマデ
モナク、煙草ハ卽チ商品デアリマス、其實
質ニ於キマシテハ消費稅ノ一種デアリマセ
ウガ、此實際ノ賣行、販賣ノ方法、取引ニ於
キマシテハ一ツノ商口ロデアリマス、其商品
ヲ政府ガ販賣スル時ニ於テ四錢五厘、六錢
五厘ト云フ端數ヲ附ケマスト云フコトガ、
果シテ取引ノ實際ニ適合スルヤ否ヤ、私
サウ云フコトハ賣行ノ關係上甚ダ宜シクナ
イ事デアラウト思ヒマシテ、玆ニ厘位ヲ切
上ゲテ五錢若クハ七錢ト致シタノデアリマ
ス、其結果偶然ニ只今御指摘ニナリマシタ
通リ、其引上ノ率ハ重クナッタノデアリマ
スルガ、是ハ所謂値頃ノ關係上已ムヲ得ナ
イコトデアリマス、最後ニハ地租ノ免稅點ニ
論及ヲサレマシテ、土地ノ所有者ニ對シテ
ハ地價二百圓未滿ノモノニ對シテハ免稅ヲ
スルト云フノデ恩典ヲ與ヘテアルニ反シ、
小作人ニ對シテハ何等ノ輕減ヲ致シテ居ナ
イデハナイカト云フ御質問デアッタノデ
アリマスルガ、申スマデモナク地租ニ關ス
ル限リニ於テ、小作人ニハ滅稅免稅ノ仕樣
ハナイノデアリマス(拍手)若シ免稅ヲスル
餘地ガアリマスルナラバ-其材料ガアリ
マスルナラバ、當然相當ノ事ヲ致スベキデ
アリマスケレドモ、小作人ニ對シテハ地租
ニ關スル限リ何等ノ方法ハナイノデアリマ
ス(拍手)是ニ於テ國民一般ノ消費ニ係ル
所ノ、屢、繰返シテ中シマスル通リ、綿織
物デアルトカ、或ハ賣藥、醬油、通行稅、サ
ウ云フモノニ對シテ相當ノ社會政策的ノ減
免ヲ行ヒマシタ結果、ソレガ小作人ニモ均
霑セラルヽト云フコトハ固ヨリ當然ノ事デ
アルト思ヒマス、是デ大體御答ハ終フタト
思ヒマス(拍手)
〔砂田重政君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=30
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031・砂田重政
○砂田重政君 私ハ成ベク細カイ問題ニ付
キマシテハ委員會ニ於テ御質問ヲ致シマ
ス、多クノ時間ヲ取リマスルコトハ出來
得ル限リ之ヲ愼ミマスルガ、只今ノ大藏大
臣ノ御答辯ハ、私ノ質問ノ五點ニ對シ悉ク
質問ノ趣旨ニ副ハザル御答辯ヲ爲サッテ居
ルノデアリマス(拍手)細カイ問題ノヤウデ
ゴザイマスルガ、煙草ノ五匁入ト四十匁入
トノ差額、五匁入ノモノハ賣レナイ品物デ
アル、賣レナイ品物ニハ値上ヲシタノダト
云フ御說明テゴザイマスルガ、大藏省ノ統
計ノ數字ヲ御覽ナサイ、個數ニ於テ-數
ニ於テハ四十匁入ヨリモ餘計ニ賣レテ居
ルノデアリマス(拍手)金高ニ於テコン、成
程細民階級ノ人ノ喫ムモノデアルカラ
金高ハ上ラナイノデアリマス、ソレデモ是
等ノモノハ悉ク二百万圓以上ノ賣上デア
ルヽ之ヲ少額ナルモノデアルト云フヤウナ
言葉ノ下ニ胡麻化シノ御答辯ハ御愼ミヲ願
ヒタイト思ヒマス、併ナガラ是等ノ點ハ何
レ委員會デ詳シク伺ヒマス、唯、茲ニ明瞭
ニ致シテ置キタイ點ハ先刻來私ノ質問シ
夕意味ハ、中產階級中ノ極メテ低イ中產階
級ノ人ミニ對シテ、所得稅、營業稅、是等ノ
モノ、減稅ヲ行フノニ反對スルト云フ意味ヲ
述ベタノデハゴザイマセヌ、是等ノモノニ
對シテ減稅ヲ行ウタ、其行ウタ金ヲ是等ノ
地位ヲ得ルコトノ出來ナイ細民ニ分賦シテ
負擔サシタト云フコトハドウ云フ譯カト伺
ウタノデアル(拍手)此意味ヲハッキリ致シ
マセヌト誤解ヲ來スノデアル、私ノ質問ノ要
領ハ、要スルニ政府ノ中產階級ニ對シテ、
減稅ヲ行フコトニ吾々反對ヲスルノデハナ
ィ、是ト同時ニ國民大多數、民衆悉クト云
ウテモ宜イ位ニ負擔ヲシテ居ル生活必要品
デアル消費稅、卽チ通行稅織物消費稅、
其他是等ノ今囘政府ノ提案サレテ居ル廢稅
ニ反對ヲスルト云フコトヲ申上ゲタノデハ
ナイ、併ナガラ之ヲ廢シ、サウシテ一部分
ノ中產階級ニ對シテ減稅ヲ行ハレタモノヲ
引括メテ、之ヲ全國民ノ頭ノ上ニ分賦スル
結果ハ、中產階級以下ノ大多數ノ庶民階級
ニ對シテ減稅ノ結果ニナラズシテ、是等ノ
人とニ層稅ノ結果ニナルコトヲ大藏大臣ハ
御認ニナルカドウカ、卽チ大藏省-大藏
大臣ノ方針ハ、或ル局部ノ一部ノ者ニ媚ピ
テ、大多數ノ民衆ニ增稅ヲ行フノデハアル
マイカト斯ウ云フノデアル、是ガ政府ノ社
會政策的施設ト相矛盾スルモノデナイカド
ウカト伺フノデアル、若シ是ガ矛盾シナイ
ト言ハルヽナラバ、現政府ノ主張ハ少數
ノ或ル有產階級ニ媚ビテ、大多數ノ無產階
級ヲ虐ゲル結果ニナルト私ハ思フノデアリ
マス、之ヲ明瞭ニ數字ヲ擧ゲテ、私ノ主張
ニ誤リアルナレバ、此壇上ニ於テ御答ヲ願
ヒタイノデアル(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=31
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032・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 濱口大藏大臣
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=32
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033・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 只今砂田君ノ御
質問ニナリマシタ一點デアリマス、是ハ私
明瞭ニ御答致シマス(「總テノ點ニ付テ」ト
呼フ者アリ)只今ハ此點ダケハ明瞭ニ致シ
テ置キタイト云フノデ、御質問ニナリマシ
タノハ一點デアリマス、其點ダケニ付テ御
答ヲスレバ宜シイト思ヒマス、ソレハ極メ
テ重要ナル事柄デアリマス、砂田君ノ御尋
ノ要旨ハ中產階級ノ中デ下ノ方ニ居ル所
ノ人〓ニ對スル所ノ負擔ハ、此度ノ政府ノ
稅制整理ノ計畫ニ依シテ幾ラカ減ジテ居ル
1、砂田君ガ數字ヲ御擧ゲニナッテ說明ニ
ナリマシタ、減ジテ居ル、其減ジテ居ル
モノヲ補塡スルガ爲ニ、無產階級ノ負擔ニ
ナルベキ所ノ消費稅ヲ上ゲテ居ル、卽チ中
產階級ノ負擔ヲ、無產階級ノ負擔ニ移シタ
モノデアルト云フコトヲ、政府ハ承認スル
ヤ否ヤト云フコトデアリマス、是ハ此度ノ
稅制整理ノ根本ニ對スル所ノ重大ナル點デ
アリマスルガ故ニ、明瞭ニ各辯ヲ致シマ
ス、政府ハ左樣ナル事ヲ斷ジテ承認ヲ致シ
マセヌ(拍手)砂田君ハ恐ラクハ一種ノ誤解
ヲ御持ニナッテ居ルノデハアルマイカト、
私ハ失禮ナガラ想像ヲ致シマス、若シ酒、
煙草ノ如キ所ノ嗜好品ヲ用ユル者ガ、無產
階級ノ人とノミデアッテ、中流以上ノ人〓
ハ酒モ飮マヌ、煙草モ喫マヌト云フコトデ
アッタナラバ、如何ニモ御說ノ通リデアリ
やっ、併ナガラ酒ニ致シマシテモ、此度値
上ヲ致シマシタ所ノ煙草ニ致シマシテモ
無產階級ノ人〓モ用ヒマスレバ、中產階級
プ人こモ之ヲ用ヒ、上流階級ノ人〓モ之ヲ
用ユルノデアリマス、卽チ國民全般ニ用ユ
ル所ノ品物デアリマスルガ故ニ、此酒、煙
草、〓涼飮料ニ對シ、新ニ稅率ヲ增加シ定
價ヲ引上ゲ、或ハ新ニ稅ヲ起シマシタ所
デ、ソレガ無產階級ノミノ負擔ヲ增加スル
ト云フコトニハナリマセヌ(拍手)中產階級
以上ノ者ニ向ッテモ、同樣ノ負擔ヲ課スル
モノデアリマスルガ故ニ、ソコデ砂田君ノ
所謂中流階級ノ負擔ヲ減少シタモノヲ、無
產階級ノ負擔ニ移スト云フコトニ對シテハ、
斷ジテ政府ハ承認ヲ致ス理由ガアリマセヌ
(拍手)
〔加藤鐐五郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=33
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034・加藤鐐五郎
○加藤鐐五郞君 今囘政府ガ提案サレマシ
タル稅制案ハ政府ガ屢、聲明サレル所、
及先日來ノ御演說ニ徵シテ見マスレバ
面ニ於テ負擔ノ均衡ヲ圖ルト共ニ、他面大
ニ社會政策ノ爲ニ稅制ヲ整理サレタト云フ
コトデアリマス、果シテ然リト致シマスレ
バ洵ニ慶賀スベキ事デゴザイマスルナレ
ドモ、退イテ之ヲ調査〓究致シマスル時ニ
於キマシテ、只今砂田君ノ御說ノアリマシ
タル如ク、私共ハ寧ロ社會政策ノ跡ガ薄イ
ノミナラズ、却テ社會政策ニ相反シタル點
多々アルヲ見ルノデゴザイマス、之ヲ個々
ノ稅目ニ付キマシテモ申述べタイコトモア
リマスルガ、是ハ此場合ハ遠慮致シマシテ、
他ノ機會ニ讓ルノデアリマスルガ、私ノ御
尋致シタイコトハ、昨日政友會ノ大口君ノ
質問ニ對シ、卽チ大口君ノ反社會政策的稅
制テハナイカト云フ質疑ニ對シマシテ、濱
口大藏大臣ハ個々ニ見レバ社會政策ニ相反
シタルモノアレドモ、大體カラ見レバ大ニ
社會政策ノ意義ヲ發揮シテアルノデアルト
ノ御答辯ガアッタノデアリマスルガ、私ハ
此答辯ニ對シマシテ、全ク相反シタル考ヲ
持ツノデアリマス、卽チ個々ニ就テ見レバ
局部々々大ニ社會政策ノ意義ガアルノデア
リマスルガ、大體ニ之ヲ見ル時ニ於キマシ
テ、社會政策ニ相反ジテ居ルト思フノデア
リマス、只今砂田君ヨリ致サレマシテ質疑サ
レタル點、私ハ之ニ對スル答辯ニ於テ稍〓要要
ヲ得タ如クデアリマスルガ、尙ホ明瞭ヲ欲シ
マスルガ爲ニ、大體直接稅、間接稅ノ二ツ
ニ別ケテ私ハ質疑致シテ見タイト思ヒマ
ス、先ヅ直接稅ノ方面ヨリ見マスレバ、濱
口藏相ハ所得稅ニ於テ免稅點ヲ引上ゲタ、
營業稅ニ於テモサウデアル、地租ニ於テモ
地價二百圓以下ノモノハ減ジタ、是レ洵ニ
社會政策ノ跡ヲ見ルノデアリマシテ、相續
稅ニ於キマシテモ左樣デアリマシテ、此額
約一千七八百万圓デアルト思フノデアリマ
ス、一面如何ニモ社會政策ガ斯樣ニ行ハレ
テ居ルヤウデアル、又藏相ハ中產以下ニ於
テ此千八九百万圓ヲ減ジタ代リニ、資產
階級ニ於テ資本利子稅ヲ新ニ設ケテ千四百
万圓位、相續稅ノ累進率ヲ高クシテ六百万
圓約二千万圓位資產富豪階級ニ新ニ負擔
ヲ課シタ、卽チ中產階級ニ一千九百万圓位
減ラシテ、資產階級ニ二千万圓位課シタ、
此事ヲ間キマスレバ如何ニモ社會政策ガ此
稅制ノ上ニ現レテ居ルヤウデアリマスル
ガ、今一步立入ッテ見ル時ニ於キマシテ、
其然ラザルヲ見出スノデアリマス、卽チ所
得稅ニ於キマシテモ、法人所得稅ノ改正ノ
爲ニ約半分ハ減ジテ居ルノデアリマス、地
租ニ於キマシテモ、大地主モ此一分減ノ爲
ニ是モ約半分程減ッテ居ルノデアリマス、營
業稅ニ於テモ、大約半分程減フテ居ルノデ
アリマシテ、此減ジラレタ額ガ又千八九百
万圓アルノデアリマス、是ハ資產階級-
比較的富豪階級、資產階級ガ減ジテ居ルノ
デアリマス、一面ニ於キマシテ二千万圓增
加シタト申サルヽガ、一面ニ於テ又是ト殆
ド同樣ナ額ガ減ッテ居ルノデアリマス、租
稅均衡ノ上ヨリ見マスレバ、或ハ結構デアリ
マスルガ、社會政策ノ意義カラ申シマスレ
バ、物ハ變レドモ新ニ左ノ手ニ二千万圓ノ
荷物ハ持ッタガ、從來右ノ手ニ持ッテ居ル殆
ド同樣ナ重サハ取ラレタト云フコトデアル
ノデアリマス、是デ政府ガ屢、言ッタ中產
階級ニ於テ千八九百万園減ジタ、資產階級
ニ於テ二千万圖新ニ殖シタ、斯ウ云フ廣告
吹聽ト云フモノハ殆ド帳消ニサレテ居ルノ
デアリマス、是ニ於テ此中產階級以下ニ於
テ減ゼラレマシタル千九百万圖位ノ此缺陷
ヲ、歲入ノ上カラ其儘切ッテ棄テマスレバ、
富豪階級ガ二千万圓殖エタコトデ、中流以
下ガ千八九万圓減リマシテ、社會政策ノ實
現ハ玆ニ見出サレルノデアリマスガ、政府
ハ歲入ニ著シキ變化ナキ程度ニ於テ今度ノ
稅制整理ハシタト云フコトデアリマスルガ
故ニ、然ラバ眞ニ社會政策ニ徹底セムトス
ルナラバ、此新ニ中產階級以下ニ於テ滅シ
タ所ノ額ヲ、資產階級ニ於テ更ニ加ヘネバ
ナラヌノデアリマス、然ルニ之ヲ先刻砂田
君ノ御說ノ如ク下ニーソレ以下ノ下層社
會ニ持ッテ來タ、政府ガ效能書ヲ吹聽サル
ルガ如キ社會政策ノ實ガ何處ニアルノデア
リマスカ、次ニハ此間接稅、通行稅以下ノ
消費稅、通行稅ニ於テ約一千万圓、織物、
綿織物、消費稅ノ廢止ニ依リマシテ約二千
四百万圓、賣藥稅ニ於テ一千万圓、醬油稅
ニ於テ六七百万圓、此額ガ昨日ノ御演說デ
約五千三百万圓許リト申サレタノデアリマ
スルガ、是レ結構デアリマス、併シ私ハ先
刻來ノ質問應答ヲ承ッテ居リマシテ、疑ナ
キヲ得ザルコトハ、通行稅ノ廢止ノ如キ、政
府ハ此通行稅ノ廢止ヲ公共〓體ニ於テ此機
會ニ値上スルニ對シテハ、出來ルダケカ
ヲ盡スト云フ御說デアリマシタガ、現ニ此
通行稅廢止ヲ目當ニシテ既ニ矩上ヲ計畫シ
テ居ル都市ガアルノデアリマス(拍手)現ニ
只今名古屋市ハ電鐵ノ四錢、通行稅ヲ文
ゼテ五錢、只今市會ニ通行稅ノ廢止ヲ目當
ニシテ之ヲヤッテ、市會ニ提案シツヽアル
ノデアリマス、是等ニ對シテ朱シテ當局ノ
大臣ハ責任ヲ以テ此賃金値上ヲ防止サレル
此聲明ガ出來得ルノデアリマスルカ、又賣
藥稅デアリマスルガ、是ハ如何ニモ私ハ只
今ノ藏相ノ御說ニ贊成ヲ致ス者デアリマ
ス、主義ニ於テ洵ニ結構ナルコトデアリマ
スルガ、是モデス、必ズ其內ニ自然々々ノ
間ニ、一般ノ買フ者ニハソレガ消エテ無ク
ナルノデアリマス、只今ハ一千万圓、之ニ
依シテ國民ノ負擔ガ免レタト云フユニニ:
ルノデアリマスルガ、自然ノ間、例ヘバ十
錢ノ藥-一錢ノ稅金-印紙ヲ貼ッテア
リマスル十錢ノ樂ガ、只今デハ一錢ヲ引イ
テ九錢ニ賣レルカモ知レマセヌ、併ナガラ
何時ノ間ニカ是ガ十錢ニナッテ來ル、是ハ
當然ノ事デアルノデアリマスガ、是モ私ハ
今ハ略シマス、仍テ此消費稅ニ依リマシテ、
約五千三百万〓減ラサレタノデアリマスル
ガ、之ヲ補塡スル爲ニ此頃中議論ノアル〓
凉飮料稅、或ハ骨脾稅、或ハ「アルコール」
ヲ含ム飲料、「ビール」、酒、斯ウ云フモノニ增
稅ヲサレル、之ニ對シマシテ昨日大口君カ
ラモ御議論ガアリマシタガ、私共ノ見ル所
ニ依リマスレバ、清涼飮料是ナドモ比較的
贅澤ノ部類ニ屬シテ居ル、之ニ增稅ヲスル
結構デアル、又骨牌稅、「ビール」是等モ
勿論後分贅澤ノ飮料ニナルノデアリマスル
ガ、唯、酒ニ至リマシテハ、私共如何カト
思ヒマスルガ、此議論モ私ハ省キマ
ス、要スルニ是等ニ依ッテ約四千万圓補塡
サレテ、殘ル所尙ホ千三百万圓、直接稅
ノ方デ約千五六百万圓、卽チ三千万圓程
尙ホ足ラナイノヲ、今度煙草ヲ持。テ
來テ之ヲ補塡サレルト云フ所ニ、私
共異議ガアルノデアリマス、先刻來-只
今モ政府ノ此稅制ニ對スル所ノ意義ヲ明カ
ニスル爲ニ、煙草ハ單リ下層ナ者ノミデナ
イ、上流中流ノ者モ之ヲ喫ムト云フ御辯明
ガアリマシタガ、是ハ當然ナ事デアリマス
ルガ、併ナガラ之ヲ我國ノ今ノ實際ノ有樣
ニ見マスルトキニ於キマシテ、資產階級ノ
人モ疑島ヲ吸フ、無產階級ノ人モ朝日、敷
島ヲ暖フ、其醫好ニ於テ、價ニ於テサウ大
シタル萬下差別ガナイノデアリマス、而シ
テ又官最デアルガ故ニ煙草ヲ一日ニ十箱宛
吸フ、貧乏人デアルガ故ニ半箱デ措クト云
フモノデアリマセヌ、果シテ然リト致シマ
スレバ、此煙草ハ誰ガ一番多ク買フカト言
ヘバ大多數ノ國民デアルノデアリマス、大
多數ノ國民、卽チ中產以下若クハ無產階級
ノ者ガ買フノデアリマス、然ラバ此中產階
級以下ノ減免サレタル所謂政府ノ社會政策
ナルモノノ資ハ、國民多數ノ無產階級ト申
シマスルカ、下層ナル國民ガ之ヲ負擔スル
コトニナルノデアリマス、卽チ是ガ社會政
策ニ大ニ相反シテ居ルト云フ點デアルノデ
アリマス、藏相ハ只今煙草ハ富豪モ吸フ、
單リ無產階級ノ者ノミデハナイト云フコト
ヲ御答辯ニナリマシタガ煙草ノ顧客ノ大多
數ガ無產階級ニ近キ者デアリマシタナラバ、
確ニ此中產階級ノ減免サレタル額ハ、無產
階級ガ負フト云フコトニナルノデアリマス
(拍手)是ニ對シテ堅白異同ノ辯デナクシテ
眞面目ノ御各辯ヲ私ハ促シタイト思フノデ
アリマス(拍手)殊ニ私ハ此際關稅ニ付テ一
言致シタイト思ヒマス、此頃來關稅ト稅制
トハ別個ノ問題デアルト云フ御說明ガアツ
タノデアリマス、當然デアリマス、關稅ノ
改正ト稅制ノ此整理トハ別個ノモノデハゴ
ザイマスルナレドモ、關稅ノ改正ノ結果、
平年一千九百万圓ヅツ增收入ガアルト云フ
コトデアリマス、多クノ御說ニ依レバ是以
上ノ收入ガアル、果シテ然ラバ別個ナル問
題デアリマスルガ、國民ノ財布ノ上カラ見
レバ別個ニシテ別個ナラズ〓言ハザルヲ得
ヌノデアリマス、此關稅ノ改正、此增收入
ニ依リマシテ受クル所ノ打撃ハ誰ガ一番多
イノデアリマスカ、我國ノ關稅ハ多ク原料
若クハ生活必需品デアリマス、仍テ之ニ依ッ
テ受クル所ノ打撃ハ中產以下下層ノ大多數
國民デアルノデアリマス、固ヨリ今回ノ關
稅ニ付キマシテモ贅澤ニ類シタルモノ若ク
ハ生活ノ必需品ニ對シテハソレ相當ノ改
正ガ行ハレテ居ルコトデアラウトハ思ヒマ
スナレドモ、大體ニ於テ是ハ國民多數ガソ
レダケ負擔ヲ負ハナケレバナラヌノデアリ
やっ、ソレト逆ノ方面カラ見マスレバ、產
業保護トカ、或ハ產業政策ノ上ヨリ見マシ
テ、理屈ハアルデアリマセウガ、此關稅改
正增收入ノ結果、利益ヲ受ケルノハ私ハ資
產階級デハナイカト思フノデアリマス、斯
ノ如ク觀察シ來リマスレバ、資產階級ハ資
本利子稅、相續稅ノ累進率ノ增加、斯樣ナ
コトニ依ッテ如何ニモ資產階級ガ新ニ負擔
ヲ多クシ、中產階級ニ如何ニモ社會政策ガ
行ハレテ居ルヤウデアリマスガ、實ハ是ハ
口ニ密アッテ腹ニ劒アル造方デアリマシテ、
民衆ヲ喜バシテ、而シテ最モ民衆ニ不利益
ナル負擔ヲ持タシムルモノデアリマスマイ
カ(拍手)何處ニ社會政策ノ意義ガアリマス
カ、私ハ社會政策-社會政策如何ニモ憲
政會諸君ノ一手販賣ノ如ク申サレルノデア
リマスガ、嘗テ平民ノ友タリシ濱口藏相ハ、
今ヤ此平民多數ノ民衆ノ利益ヲ裏切ッテ寧
口富豪ノ膝下ニ拜跪シタト云フ結論ニナル
ノデアリマス(拍手、「ノウ〓〓」)甚ダ私共·
遺憾ニ思フノデアリマス、是等ニ對シテモ
私ハ藏相ノ誠意アル所ノ御答辯ヲ煩シタイ
ト思フノデアリマス、私ハ此場合屢。問題
ニナリマシタガ、煙草ノ事ニ付テ極ク簡單
二一言シタイト思フ、從來モ煙草ノ値上ハ
アッタノデアリマスガ、是ハ煙草自體ノ採
算上、是ハ已ムヲ得ザルノ値上デアッタノ
デアリマス、原料品ガ高クナッテ算盤ガ合ハ
ナイト云フ煙草自體ヨリ來リシ所ノ値上デ
アッタノデアリマスルガ、今回ハ同ジ値上デ
アリマシテモ全然別箇ノ意味デアリマシ
テ、煙草自體ノ採算上ヨリ來ラズシテ、此
補塡ノ爲ノ値上デアルノデアリマス、是ニ
於テ私ハ藏相ニ御尋シタイ、此稅制案ハ議
會ヲ通過スルデアリマセウガ、併シ是ハ分
ラナイ、若シ此稅制案ガ不成立ニナッタ場合
ハ煙草ニ依ッテ得タル利益二千二百万圓ヲ
ドウナサルノデアリマスカ、是ハ決シテ普
通ノ自然增收デハナイノデアリマス、稅制
案ガ通過シタト云フ後ニコソ此煙草ノ增稅
ハ意義ガアリマスルガ、此稅制案ガ通過セ
ザリシトキハ此二千二百万圓ハドウナルノ
デアリマスカ(拍手)私ハ之ニ對シテ藏相ハ
ドウ云フ責任ヲ通過セザルトキニハ御持ニ
ナリマスカ、私ハ之ヲ伺ハザルヲ得ヌノデ
アリマス、煙草ハ今年ノ大正十四年度ノ豫算
ニ依ッテ見マスレバ、利益ハ一億三千万圓ト
思フノデアリマス、今度ノ豫算ニ依シテ見マ
スレバ、一億五千二百万圓位ニナッテ居ル
ノデアリマスルガ、煙草ノ賣上高ハ昨年
ハ二億四千万圓位デアリマシテ、利益ハ正
ニ六割位デアルト思フノデアリマス、是程
暴利ナルモノガ何處ニ在ルノデアリマスカ、
更ニ之ヲ二割上ゲルトキニ於キマシテハ
七割カ或ハソレ以上ノ利益ノアルコトデア
ルカモ知レマセヌノデアリマス、藏相ハ常
ニ物價調節、生活ノ安定ト云フコトヲ十年
一日ノ如ク主張サレルノデアリマス、昨年
ニ於キマシテモ緊縮財政、我國ノ財政ハ今
ノ儘ニシテ置イタナラバ破產スルデアラウ
ト云フ立場ヨリ致サレマシテ、緊縮、上下
心ヲ協セテ勤儉力行スベシト云フ所ヨリシ
テ、緊縮豫算デ六千八百万圓バカリ切去ラ
レタノデアリマス、是デ以テ物價ノ調節モ
出來ル、我國ノ財政モ救ヘルト御公言ニナ
リマシタガ、幸ニ我國ノ財政ハ破產ヲシナ
カッタ、然ルニ藏相ハ其舌ノ根未ダ乾カザル
二、色〓理由ハアルデアリマセウガ、本年
ハ十五億九千八百万圓ト云フ尨大ナル豫算
ヲ編成サレタノデアリマス、我國ノ財政ハ
御心配ニナッタヤウニ破產ヲシナカッタ破
產ヲシタノハ藏相ノ緊縮主義ガ破產シタノ
デアリマス(拍手)物價調節ノ此藏相ノ主義
モ亦破產シタノデアリマス、是等ニ對シマ
シテ〓相ハ如何ナル御所見ガアルノデゴザ
イマセウカ、私ハ先日吉植君ノ御說ニモ在
リマシタ如ク、加藤友三郞內閣ノ時ニ於キ
マシテ煙草ノ値下ヲ致シタノデアル、當時
政府ハ物價調節ノ爲ニ努力致シマシテ、煙
草ノ下級品ノ値下ヲ致シタ、其時ニ發表シ
タル聲明書ニ依リマスレバ、之ニ依ッテ國
庫ノ失フ所約六百万圓ニ近キモノガアル、
國庫トシテハ甚ダ是ハ苦痛ニハ感ズルナレ
ドモ、已ムヲ得ズシテ手本ヲ示シタト云フコ
トヲ發表致シタノデアリマス、藏相ハ-
平素物價調節ヲ叫バレタル濱口藏相ハ、之
ニ對シテドンナ御感ジガアルノデアリマ
スカ、「サーベル」内閣ト言タリ、官僚內閣ト
云フ加藤友三郞內閣デスラ引イタノデアリ
さく、私ハ是等ノコトニ就キマシテモ願ク
バ藏相ノ御感想ヲ承リタイト思フノデアリ
マス、之ハ要シマスルニ今回ノ此稅制整埋
ハ名極メテ美ニシテ、實ハ富豪ニ媚ビ、下
層社會ノ負擔ヲ重クシタノデアリマス、藏
相ノ只今ノ御聲明ハ吾等ノ見ル所ヲ以テス
レバ根柢ヨリ破壞サレタモノデアルト思フ
ノデアリマス、此點ニ付キマシテ今ノヤウ
ナ詭辯ヲ弄スルコトナクシテ、眞面目ニ吾
吾ノ會得スルヤウニ御答辯相成ランコトヲ
切望スル次第デアリマス(拍手)
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=34
-
035・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 只今加藤君ノ御
演說ヲ能ク承ッテ居リマシタガ、多クハ御意
見若クハ御批評デアリマス、其中御質問デ
アラウト私ガ思ヒマシタ其要點ニ付テ、二三
ノ御答ヲ致サウト思ヒマス、第一ニハ此度
ノ政府ノ稅制整理ニ依レバ、直接國稅ニ於
テ社會政策的ノ意味ヲ以テ地租ノ免稅ヲ新
ニ設ケ、營業稅ノ免稅點ヲ引上ゲ、所得稅
ノ免稅點ヲ引上ゲ、相續稅ノ免稅點ヲ引上
ゲテ、之ニ依シテ幾ラカノ減少ヲ見テ居ル
ノデアルガ、其反對ニ直接國稅ノ增加シテ
居ルモノハ、相續稅ノ上ノ方ノ稅率ノ引上
ガ幾ラ、資本利子稅ノ創設ニ依ッテ幾ラ、
差引キ幾ラノ減收ニ當ノテ居ル、然ルニ其
上ニ更ニ營業稅ノ廢止、營業收益稅ノ新設ニ
依ッテ四百餘万圓ノ減額ヲ示シテ居ル、所得
稅法ニ於テモ免稅點ノ引上以外ノ方法ニ
依シテ、五百餘万圓ノ減收ヲ示シテ居ル、
斯樣ニ致シテ見ルト直接國稅ノ減收ガ餘程
大キクナルヤウデアル、此免稅點以外ノ所
得稅ノ減收ト云フコトト、營業稅ノ減收ト
云フコトヽハ社會政策ニ合致シナイデハナ
イカト云フ御趣意ノヤウニ私ハ承リマシ
タ、若シ左樣ナ意味デアッタト致シマスル
ト、是ハ能ク御考慮ヲ願ハナケレバナラヌ
ト思ヒマス、此度ノ稅制整理ニ於キマシテ
ハ全部社會政策的ノ見地ノミニ基イタノ
デハアリマセヌ、主トシテ社會政策的ノ效
果ニ重キヲ置イタト云フコトハ申上ゲマシ
タ、主力ヲ社會政策ニ注イダコトハ勿論デ
アリマスケレドモ、此以外ニ於テ第二ノ目
的ト致シマシテ、事業ノ基礎ヲ鞏固ナラシ
ノ、產業ノ發達ヲ助成スルガ爲ニ行ッタノ
デアルト云フコトハ、昨日ノ說明ニ於キマ
シテモ極メテ明瞭ニ申上ゲテ置イタ積デア
リマス(拍手)卽チ加藤君ガ只今御指摘ニ
ナリマシタ所ノ免稅點以外ノ點ニ於ケル所
得稅法ノ改正ニ依ッテ生ズル所ノ五百數十
万圓ノ減稅、營業稅ヲ廢シテ營業收益稅ヲ
設ケマシタ其差引ノ減收ノ四百十餘万圓ト
云フモノハ、卽チ事業ノ基礎ヲ鞏固ナラシ
ノ、產業ノ發展ヲ圖ルト云フ見地ニ基イタ
ル改正デアリマシテ、是ハ社會政策トハ何
等ノ交涉ガナイノデアル、此事ハ現内閣ノ
稅制整理ノ計畫ノ全體ト致シマシテ、極メ
テ重要ナル點デアリマスカラ能ク御了解ヲ
願ヒ置キタイト思ヒマス、卽チ所得稅法ノ
改正ニ於キマシテハ、法人ノ留保所得ニ於ケ
ル所ノ累進的課稅ヲ廢止致シマシテ、最低限
度ノ比例ト爲シマシタコトハ是卽チ事業
ノ基礎ヲ鞏固ナラシメ、會社ノ積立金ヲ多カ
ラシムル所以デアリマス、現行ノ營業稅ヲ
全廢致シ、之ニ代フルニ純益ヲ標準トスル所
ノ營業收益稅ヲ設ケマシタコトハ是レ卽
チ商工業ノ發達ヲ助成セントスル所以デア
リマス、其他地租ノ點ニ於キマシテ一步減ヲ行
ハントスルノモ、是亦土地ノ負擔ヲ輕カラ
シメ、農村ノ振興ヲ圓シテ土地ニ對スル所
ノ投資ヲ容易ナラシメ、便利ナラシメント
スル爲デアリマシテ、何レモ產業ノ發展ヲ
助成スル爲デアリマス、隨テ此內閣ノ出シ
マシタ所ノ稅制整理ノ此諸案ノ中ニ於キマ
シテ、能ク御了解ヲ下サッテ、此點ハ如何
ニモ社會政策的ノ見地ニ基イタモノデア
ル此點ハ社會政策ニハ關係ナク、事業ノ
基礎ヲ鞏固ニ致シ、產業ノ發展ヲ助成セン
トスル趣意ニ出タルモノデアルト云フコトヲ
篤ト御了解ヲ得タイト思イマス、其次ニハ
酒煙草ノ事ニ付テ更ニ御述ニナリマシタ
ガ、是ハ屢、繰返シテ申シマシタカラ此上
更ニ說明ヲ中上ゲル必要モナイカト考ヘマ
ス、唯最後ニ御質問ニナリマシタ煙草ノ
値上ト云フコトハ物價ノ調節ニ反スルデハ
ナイカ、加藤友三郎內閣ノ時ニ於テ、物價
調節ノ一策ト致シテ煙草ノ下級品ノ値下ヲ
行ヒ、之ニ依シテ約六百万圓ニ近イ所ノ減
收ヲ敢テシタノデアル、然ルニ憲政會ハ從
前物價ノ調節ヲ力說致シテ居ッタニ拘ラズ、
此度煙草ノ値上ヲ實行致スト云フコトハ、
是ハ物價ノ調節ノ趣意ニ反スルモノデハナ
イカト云フ御疑デアリマス、此點ハ如何
ニモ御尤千萬トハ承リマスガ、併ナガラ
此煙草ノ値上ヲヤリマセヌケレバ、屡こ繰
返シテ申シテ居リマス通リ、通行稅ノ廢止
モ出來マセヌ、綿織物消費稅ノ廢止モ出來
マセヌ、醤油稅、賣藥稅ノ全廢モ出來ナイ
ノデアリマス、私ハ煙草ノ値段ヲ引下ゲル
ヨリモ、寧口國民生活ノ絕對的必要デアリマ
ス所ノ綿織物、賣藥、汽車、電車ノ運賃、
醬油ト云フヤウナモノヽ値段ヲ下ゲル方ガ
遙カニ物價調節ノ趣旨ニ合致スルモノデア
ルト云フコトヲ信ズルモノデアリマス拍
手)其次ニ御質問ニナリマシタコトハ煙草
ノ値上ハ昨年ノ十一月七日ニ之ヲ實行致シ
タノデアル、是ハ稅制整理ノ一方法デアル
ガ、若シ此機會ニ於テ不幸ニ致シテ政府ノ
稅制整理案ガ通過致サナカッタトキニ於テ
ハ煙草ノ値上ヲ先ンジテ行タル其責任
ヲドウスルカト云フ御質問デアッタヤウデ
アリマス、苟モ政府ガ國家國民ノ爲ニ必要
デアリ、且ツ適切デアルト云フコトヲ責任
上確信ヲ致シマシテ作,タル所ノ稅制整理
ノ諸案、是ハ諸君ノ御諒解ヲ得マシテ立派
ニ貴衆兩院ヲ通過スルコトヲ確信致シテ居
ルノデアリマス、其確信ナクシテ稅制整理
ノ法律案ヲ出スト云フガ如キ無責任ナルコ
トハ致シテ居リマセヌ、隨テ煙草ノ値上ヲ
實行致シマスルトキニ於テモ、是ト關聯ヲ
致シテ居ル所ノ稅制整理ノ諸案ハ、諸君ノ
御協賛ヲ得テ通過ニナルモノト信ジテヤッ
タノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=35
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036・加藤鐐五郎
○加藤鐐五郞君 私ハ他ニ質問者ノ方ミモ
多イノデアリマスルガ故ニ、政治道德ヲ重
ンジマシテ是デ省キマスガ、唯實際當面ノ
問題トナッテ居リマスル通行稅廢止後ノ電
車ノ値上問題デアリマス、現在名古屋市ノ
市會ニ是ガ提案ノ運ニナッテ居ルト云フコ
トデアリマス、之ニ對シテ果シテ市會ガ通
過致シマシタナラバ如何サレルカト云フコ
トヲ此場合當局大臣、ドナタデモ宜シイガ
御答辯ヲ願ヒタウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=36
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037・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 若槻内務大臣
〔國務大臣若槻禮次郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=37
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038・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君) 通行稅廢止ノ
利益ヲ公共團體ノ財源ニスルト云フコトノ
取締ハ政府ハ十分之ヲ致スノデアリマス
ガ、只今御質問ニナリマシタ名古屋ノ電氣
鐵道ノ賃金ノ事ハ承ル所ニ依レバ名古屋ノ
電氣鐵道賃金ハ從來割合ニ低イトカ云フ事
デアリマス、ソレ故ニ昨今サウ云フ論ガ出
テ居ルト云フコトデアリマスガ、政府ハ之
ニ對シテハ十分ナル調査ヲ致シ、然ル後政
府ノ意思ヲ決定スル積リデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=38
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039・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 議事進行ニ對シテ發
言ヲ求メラレテ居リマス、田淵豐吉君
〔田淵豐吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=39
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040・田淵豐吉
○田淵豐吉君 諸君私ハ此壇上カラ諸君ノ
眞面目ナル良心ニ愬へ、又國民ニ對シテ
諸君ノ任務ヲ十分ニ盡サレルヤウニ御願致
シタイト思フ、私ハ此頃田舍へ歸ノテ居タ
ガ、矢張深刻ナル所ノ人間ノ生活上ノ爭ガ
アルノデアル、此議會デ何カ知ランケレド
モ、最モ重要ナルモノハ此稅制ノ整理デア
ルト云フコトヲ政府モ言ヒ、諸君モ言ッテ
居ル、然ルニ此國民ノ重大ナル所ノ案ヲ議
シヤウトスルニ當ノテ、聞ク所ニ依レバ僅カ
四人位ノ者デ質問ヲ打切ッテシマフ、ソレ
モ本黨ト政友會ガ二人ツヽデ、他ノ新正會ヤ
無所屬ノ者ハ議論ガ出來ナイ、ソレ等ノモ
ノハ抛ッテ置イテ、四人ダケデ打切ッテシマ
フト云フコトデアル、其方法デ行クト、無
所屬ヤ新正會ノ者ハ數ガ少イカラ議論ガ出
來ナイト云フコトニナル、一體諸君ハ數ガ
多イトカ少イトカ云フケレドモ、數ガ多イ
ト云フヤウナコトハ駄目ダ、諸君ガ言フ所
ハ如何ナル事ヲ質問スルノデアルカ、唯と
數字ダケノコトデ、三千圓ヲ二千圓ニスル
トカ、四千圓ヲ三千圓ニスルトカ云フヤウ
ナ妥協論デ、此廣汎ナル稅制、國家國民ノ
大ナル問題ニ關スル方策ニ付テハ言ウテ居
ナイデハナイカ、況ンヤ此新正會、無所屬
ノ諸君ニハ色こノ意見ガアル、煙草ノ伯上ヲ
シテ、通行稅、織物稅、賣樂稅ヲ廢スルト
カドウダトカ言ッテ居ルガ、又一面ニハ家屋
稅ヲ新設シテ大ナル負擔ヲ國民ニ負ハシメ
ヤウトスル重大ナル問題モアル、ダカラ唯
單ニ一寸二十分ヤ三十分、或ハ一時間位時
間ガ遲レルト云フヤウナ問題デハアリマセ
ヌ、諸君ノ背後ニハ六千万國民ノ安危ガ繋
テ居ルノデアル、諸君ガ言ウテ居ル社會政
策ト云フコトハ、唯、議論ダケノ問題デハ
ナイ、此議場デ諸君ハ唯數ヲ以テ押通サウ
トシテ居ル、少數ノ者ヲ無視シテ、新正會
ヤ無所屬ハ少數デアルカラト言ッテ、弱イ
者ヲ苛メテ居ル、社會政策ノ外、此問題ハ
ドウデアル、諸君等ハ數ヲ以テ押通サウト
シテ居ルガ、少數黨ト雖モ其言フ所ハ諸君
等ヨリエライ所ガアル、例ヘバ名古屋ノ政
爭問題ニ就テモ此田淵豐吉起ッテ諸君ニ大
反對ヲシタデハナイカ、又昨年吾々ハ露西
亞ノ現狀カラ露西亞ノ公使館ヲ大使館ニシ
ロト云フコトヲ僕等ハ喧シク言ッタガ、果シ
テ大使館ニナッタデハナイカ、治外法權ノ事
ニシテモサウダ、僕ノ提案ハ通ッテ居ルデ
ハナイカ、何デモ諸君ハ反對ヲスルガ、吾
吾ニ跟イテ來テ居ルデハナイカ、シテ見ル
ト必シモ數ガ多イカラト言ッテモ、多イ
許リデハ何ニモナラヌ、此天定法ト人定
法-人定法ハ人間ノ生活ニ對シテ規定シ、
天定法ハ天ト人間トノ關係ヲ規定スルモノ
デハナイカ、然ルニ諸君ガ重大ナル此問題
ヲ議スルニ當ッテハ、少數ノ意見モ聽クベ
シ、況ヤ同僚ヲヤ、況ンヤ國民ヲ代表シテ
居ル無所屬、新正會五十人ノ者ニ一言モ質
問ノ機會ヲ與ヘナイデ、諸君ハ多數ヲ以テ
質問ヲ打切ラウトスル、ソレデ僕ガ先ニヤ
ルトカ誰ガ先ニヤルトカ言ッテ、私設委員
ガ議席間ヲ廻シテ居ルノハ何事デアル、故
ニ吾々ハ此討論ハ成ベク時間ヲ短クシテ早
クシマフヤウニシテ、五分デモ或ハ十五分
デモ、成ルベク多クノ人、各派ノ違シタ者
ニ質問ヲサセテ、最モ廣ク各派ノ人ニヤラ
セルコトガ日本人トシテ最モ必要ナコトデ
アル、賢明ノ者デモ多クノ意見ヲ聽カナイ
程馬鹿ナ者ハ無イ、諸君ハ賢イト思ウテ居
ルカ知ラヌガ、諸君ハ馬鹿ダ、サウ云フ者
ガ集ヲテ此議會デ議決スルカライケナイ、
ドウカ少數ノ者モ質問シ應答ノ出來ルヤウ
ニ願ヒタイ、諸君モ御水知ノ通リ二十五
名ガ交涉團體デアルカラ二十三名デハ
駄目デアル、委員モ何モ出セナイ、ソレデ
今朝ノ豫算總會ハドウカト云フト、現ニ憲
政會アタリノ人ハ默っテ居ルガ、本當ニ財
政論ヲ知ッテ居ル者ハ二人カ三人シカ居ラ
又、サウ言フヤウナ人ガヤッテ居ル、吾々
ハ馬鹿ダカモ知レマセヌガ、五年ナリ十年
ナリヤッテ居ルカラサウ馬鹿デナイヨ、諸
君考ヘテ見ナサイ、ソンナ人ガ集ッテモ駄
目ダ、故ニ諸君-諸君ハ成ベク多クノ人
ニ言ハセテ、廣ク議論ヲ聽イテ、サウシテ
良イ稅制ヲ拵ヘ、日本人ノ生活ヲ安定ニシ
向上ヲ圖ル爲ニ、諸君ハ成ベク多クノ者
ノ意見ヲ聽カレ、無所屬ノ者デモ、新正會
ノ者デモ、時間ハ短クテ宜シイ、五分デモ
十分デモ言ハセテ、衆智ヲ集メテ良イモノ
ヲ作リタイト云フコトヲ望ムノデアリマ
ス、ドウカ諸君ハ各派ニ二人トカ三人トカ
ト云フコトデナク、成ベク簡潔ニ議論ヲ盡
サシメタ後打切ルヤウニ願ヒタイト思フ、
甚ダ失禮デゴザイマスケレドモ、私ノ衷心
ヲ披瀝スル次第デゴザイマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=40
-
041・粕谷義三
○義長(粕谷議三君) 次ハ赤間嘉之吉君
〔赤間嘉之吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=41
-
042・赤間嘉之吉
○赤間嘉之吉君 成ベク簡單ニ質問ノ要點
ヲ述べテ見タイト思ヒマス、政府ハ負擔ノ
均衡、社會政策、斯ウ云フ意味ニ於テ稅制ノ
整理ヲスルト云フコトヲ仰セラレテ、諸般
ノ法律案ヲ御出シニナ〃テ居リマスルガ、
此中ニ付キマシテ、マダ整理ノ出來テ居ナ
イノガアルヤウニ私ハ思ヒマス、自作農保
護獎勵、斯ウ云フ法案モ御出シニナッテ居
リマスルガ、私ノ見マスル所デハ、登錄稅
法ノ如キハ何等御提案ニナッテ居リマセヌ、
登録稅ノ中デ見マスルト、或ハ地上權、小
作權ノ取得ニ付テ、不動產ノ價格ニ付テ千
分ノ二乃至五ノ登錄稅ガ掛カッテ居ル、今
日小作問題ノヤカマシイ各地ニ於テ、小作
爭議ガ盛ニ行ハレテ居リマスルトキニ、此
永小作権ノ取得ニ付テ、其永小作權ノ登錄
ヲスル場合ニ、不動產ノ價格ノ千分ノ二乃
至五ノ登錄稅ヲ課スルト一云フヤウナコトハ
考ヘナケレバナラヌ問題デアルト思ヒマ
ス、更ニ賃借權ノ取得、所謂小作ノ契約ヲ
致シマスルトキニ、小作人ノ方ガ賃借權ヲ
取得致シマスル場合ニハ不動產價格ノ千
分ノ一乃至二ノ登錄稅ヲ拂ハナケレバナラ
ヌト云フ、小作人カラ稅金ヲ取ルヤウナ事
ニナッテ居リマス、或ハ船舶ニ付キマシテ漁
業者ガ一葉ノ船ヲ借ル、サウ云フ場合ニ於テ
モ登錄ヲ致シマスルニハ、矢張登錄稅ハ船
舶ノ價格ノ千分ノ一乃至一一ノ登錄稅ヲ拂ハ
ナケレバナラヌト云フコトニナッテ居ル、
最モ甚シイノハ質權、抵當權デス、之ニ就
テ現ニ今自作農ノ保護獎勵ノ法律案ヲ出シテ
居ラルヽ所ノ政府ガ質權、抵當權-不動產
ニ對スル質權ヲ設定シ、或ハ抵當權ヲ設定
スル場合ニ、大キイ農民ハ問題デハゴザイ
マセヌケレドモ、中產以下ノ農民ガ、或
病氣ニ罹リ或ハ不慮ノ災難ニ罹シテ借金ヲ
シナケレバナラヌ、信用ハナイ、已ムヲ得ズ
自分ノ祖先傳來ノ不動產ヲ擔保トシテ借金ヲ
シナケレバナラヌト云フ場合ニ、其債權金
額-借金ヲスル金額ノ千分ノ六-千圓
ノ金ヲ借ルニハ六園モ借金稅ヲ拂ハナケレ
バナラヌト云フヤウナコトニナッテ居リマ
ス、誠ニ是ハ殘酷ナル稅デアルト考ヘル、
唯、法律ノ表面カラ申シマスルト云フト、
質權抵當權ノ取得トアリ、債權金額ノ千分
ノ六ト云フコトニナッテ居リマスルカラ、抵
當權ヲ取得スル人ガ稅金ヲ拂フヤウニ見エ
マスルケレドモ、今日全國幾百千ノ銀行ガ
金ヲ貸シテ居リマセウ、抵當權ヲ取ッテ金
ヲ貸シテ居リマスルガ、金ヲ貸ス場合ニ稅
金ヲ拂ッテ貸シテ居ル人ガ何處ニアリマセ
ウカト思ヒマス、皆斯ウ云フモノハ債務者
ノ方カラ稅金ヲ拂シテ居ルコトニナッテ居リ
マイ、借金稅位殘酷ナ稅ハナカラウカト考
ヘマス、或ハ通行稅ガ酷イトカ、自家用ノ醬
油ニ稅金ヲ課スルノハ酷イ、賣藥ノ稅金ハ
免除シナケレバナラヌト云フ政府ガ、此借
金稅ヲ矢張其儘ニ存置シテ居ルト云フコト
ニ氣付カナカッタト云フノハ、ドウ云フ譯デ
ゴザイマセウカト思ヒマス、單リ不動產ノ
ミデハゴザイマセヌ、或ハ船舶ニ付テ漁業
權或ハ著作權、特許、意匠、實用新案、
斯ウ云フモノヲ擔保ト致シマシテ金ヲ借リ
ル場合ハ、悉ク借金稅ヲ拂ハナケレバナラ
ヌト云フコトニナッテ居ル、或ハ文士ガ腦
漿ヲ絞ッテ一ツノ著作ヲスル、其著作ガ唯
一ノ財產デ、之ニ對シテ質權ヲ設定スルト
云フヤウナ場合ニ、矢張此借金稅ヲ取ラル
ルヤウナコトニナッテ居リマス、或ハ漁夫
ガ一葉ノ船ヲ唯一ノ財產ト致シテ居リマス
ルモノガ、矢張不慮ノ災難ニ罹リ、或ハ病
氣ニ罹ッテ之ヲ擔保トシテ金ヲ借リル場合
ニハ皆借金稅ヲ取ラルヽコトニナッテ居
ル政府ガ實際ニ社會政策ヲ行フト云フ御
考ガゴザイマスナラバ、斯ウ云フモノニ
向ッテハ先ヅ免稅ヲシナケレバナルマイカ
ト考ヘマス、又稅金ノ率ヲ見マシテモ、或
ハ鐵道ノ如キ、工場、財團、鑛業財團、漁
業財團、斯ウ云フ大キイ會社法人ガ、財團
ヲ擔保トシテ借金ヲ致シマスル場合ニハ、
債權金額ノ千分ノ一デアルガ、小サイ所ノ
農民或ハ漁業者、斯ウ云フ者ガ借金ヲ致シ
マスル場合ニハ、千分ノ六ノ稅金ヲ取ルト
云フ、コトニナッテ居ル、大キイ者カラハ千
分ノ一ノ稅金ヲ取リ、小サイ者カラハ千分
ノ六ノ稅金ヲ取ルト云フヤウナコトニナッ
テ居リマス、若モ政府ガ員ニ社會政策、或
ハ負擔ノ均衡ヲ圖ルト云フコトノ御考ガア
ルナラバ、先ヅ斯ウ云フモノニ改正ヲ加ヘ
ナケレバナラヌモノデハアルマイカト考へ
せで、他ノ稅金ト比較致シテ見マスルト
或ハ不動產、船舶等ノ所有權ヲ取得致シマ
スル場合、サウ云フ場合ト、富豪ガ或ハ石
油ノ鑛區ヲ取リ、或ハ石炭ノ鑛區ヲ取ル、
斯ウ云フ場合ニ一方ハ所有權ノ登錄ヲシ、
一方ハ試掘権、或ハ採掘權ノ登錄ヲ致シマ
スルガ、其場合ニ所有權ノ方デ見マスルト
云フト、場合ニ依シテ或ハ家督相續ノ場
合トカ、或ハ賣買ノ場合トカハ稅金ノ率ガ
違ヒマスケレドモ、不動產ノ場合ハ千分ノ
五乃至六十、船舶ノ場合ハ其船舶ノ價格ノ
千分ノ三乃至五十ト云フ稅金ヲ取リマス
ガ、一ツノ鑛區デ何十万圓、或ハ何百万圓
ト云フヤウナ試掘權、採掘權ノ設定ヲ致シマ
スル場合ニ、試掘權ノ場合ハ價格ノ如何ニ
拘ラズ一件ニ付テ百圓、採掘權ノ場合ハ一
件ニ付テ二百圓ノ登錄稅ヲ拂ヘバ宜シイト
云フコトニナッテ居ル、多ク富豪ガ權利ヲ
取得致シマスル所ノ鑛業採掘權ノ如キモノ
!、僅カナ農民ノ取得致シマスル所ノ不動
產、或ハ漁民ガ持ヲテ居リマス所ノ船舶ノ
場合、斯ウ云フ場合ニ、登錄稅ニ非常ナ差
ガアルコトニナッテ居リマス、是等モ此儘
ニ致シテ居ッテ、負擔ノ均衡ヲ得ルト云フ
コトガ言ハレルデアリマセウカ、ドウデア
リマセウカ、次ニ地租ノ問題、地租ノ問題
ハ或ハ地價二百圓以下ノ所有者ノ免稅點ヲ
設ケル、此問題ニ付テモ意見ガゴザイマス
ケレドモ、是ハ委員會ニ讓リマスガ、政府
ハ各種ノ事業ヲ致シテ居リマス、或ハ製鐵
事業ヲヤッテ居ル、或ハ石炭ノ採掘ヲヤッテ
居リマス、斯ウ云フ方面ニ於キマシテ、從
來人民ガ持ヲテ居リマス所ノ土地デアレバ、
皆地租ヲ課シテ居リマスガ、之ヲ一度政府
ガ買收致シマシテ、政府事業ノ用地ニ致シ
マスルト、官有地デアルガ爲ニ悉ク免稅
ヲサレルト云フ結果ニナッテ居ル、現ニ製
鐵所ノ土地ノ如キアレダケ、厖大ナル所ノ
土地ヲ占有致シマシテ、政府ハ事業ヲ致シ
テ居リマスルケレドモ、段々製鐵所ヲ擴張
スレバ擴張スルダケ、其所在地ノ地租金ハ
減ヲテ參リマス、隨テ之ニ課スル所ノ附加稅
モ取ルコトハ出來ナイト云フコトニナッテ
居リマス、ンコデ製鐵所ノ所在地ハ非常ニ
困難致シテ、製鐡所ニ課稅シヤウト云フコ
トヲ先年八幡市役所ニ於テ計畫致シマシタ
ケレドモ、遂ニ製鐵所ノ方カラ哀訴歎願ス
ルヤウニナッテ、交付金ト云フ名儀ヲ以テ
折合ガ付イテ居リマスガ、未ダ此外ニ海軍
省ノ方デ石炭ノ採掘ヲヤッテ居ル、商工省
ノ方デモ石炭ノ採掘ヲヤクテ居ルト云フヤ
ウナ所ニ於キマシテハ、從來ノ民有ノ田或
ハ畑、山林トカ云フヤウナモノガ官有ニナ
リマスルト、悉ク免稅シナケレバナラヌヤ
ウナコトニナッテシマヒマスシ、サウ云フ
方面ニハ或ハ政府事業ガ盛ニナル爲ニ、學
校ハ設ケナケレバナラヌ、道路ハ良クシナ
ケレバナラヌ、或ハ町村稅ノ負擔ハ段々重
クナッテ參リマスルガ、之ニ賦課スル所ノ
地租金ハ段々無クナッテ參リマスカラ、之
ニ對シテ附加稅ハ取ルコトガ出來ナイト云
フコトニナッテ參リマス、政府事業ガ盛ニ
ナル爲ニ、其地元ハ非常ニ迷惑スルト云フ
事情ニナッテ居リマス、先年明治三十八年
デアッタカ、鑛業法ヲ制定致シマスル時ニ、
從來政府事業デアル所ノ鑛業ニ對シテハ課
稅シナカッタ之ヲ鑛區稅及鑛產稅ハ政府事
業カラモ之ヲ取ルト云フコトニナルノデア
リマス、旣ニ鑛區稅、鑛產稅ヲ政府カラ之
ヲ取ルト云フコトニナリマスレバ、矢張斯
ウ云フ地租、鑛業用地、或ハ工場用地ト
カ、國有林野トカ云フモノカラ地租モ取リ
之ニ對シテ地元ノ府縣或ハ公共〓體カラ附
加稅ヲ課スルト云フコトガ當然デアラウト
思ヒマスルガ、今度ノ稅制整理ニハサウ云
フ點ニ及バナカッタノハ如何ナル理由デゴ
ザイマセウカ、次ニハ鑛業法ノ規定ニ在ル
所ノ鑛區稅及鑛產稅-今度ノ稅制整理ハ
多ク收益稅、收益ノ方ニ若眼セラレテ御改
正ニナッテ居リマスルヤウデアリマスガ、
此鑛區稅ノ如キ、是ハ一ツノ特許稅ト云フ
ヤウニ見ルコトモ出來マセウケレドモ、鑛
區ニ稅金ヲ課スルト云フコトニナリマスレ
バ收益ノ有無ニ拘ラズ、試掘ニ付テハ一
千坪ニ付テ三十錢、採掘ニ付テハ一千坪ニ
付テ六十錢ト云フ稅金ヲ取リマスガ、一四
ニ是ヨリ生產致シマスル所ノ鑛產物ニ付テ
ハ鑛產稅ヲ取ルコトニナッテ居リマス、
此鑛區稅ト云フヤウナコトニ付テモ少シ考
慮スベキ問題デハナイカト考ヘマス、鑛產稅
モ鑛產物ノ價格ノ百分ノ一ト云フコトニ
ナッテ居リマスガ、是モ既ニ營業稅ノ如キ
ハ營業收益稅ト云フモノハ收益ヲ標準ト
シテ御改正ニナッテ居ルノデゴザイマスカ
ラ、鑛產稅ノ如キモ矢張鑛業ノ收益ニ付テ
課稅スルト云フコトニ改メタ方ガ宜クハナ
イカト考ヘマスガ、斯ウ云フ點ニ付テモ御
考慮ヲ拂ハレタノデゴザイマセウカ、ドウ
デゴザイマセウカ、更ニ家屋稅ニ付テ見マ
スルト、是ハ餘程問題ガゴザイマスルケレ
ドモ、細カナル問題ハ是モ矢張委員會ニ讓
リマスガ、鑛業法トノ關係-鑛業法ノ第
八十八條ニ依リマスルト、鑛產稅ニ對スル
附加稅ノ外ハ、所在地ノ府縣市町村ハ鑛業
ニ對シ、又ハ坑夫、鑛產物、鑛區若ハ直接
鑛業用ノ工作物、器具、機械ヲ標準トシテ
課稅スルコトヲ得ズト云フコトニナッテ居
リマス、ソレデ鑛業用ノ建物、鑛業用ノ家
屋ニ付テハ此鑛業法ノ規定ニ依リマスルト
云フト、課稅スルコトハ出來ナイコトニ
ナッテ居リマス、今度ノ稅制整理ニ依リマ
スルト-新法ニ依リマスレバ家屋稅ハ課
シ得ルコトニナリマスルガ、前法ト後法ト
ノ關係ハ如何ニナリマスルカ、是ハ鑛業地
ニ於キマシテハ重大ナ關係ノアル問題デア
リマスルカラ一言御伺致シテ置キマス、更
ニ〓凉飮料稅ニ付テハ段々御質問モゴザイ
マシタガ、是モ或ハ學校生徒ガ修學旅行ヲ
致シマスルトカ、勞働者ガ一寸一服致シマ
スル場合ニ井戶ノ水ヲ飮ムノハ甚ダ危險デ
アル、殊ニ生徒ノ修學旅行ノ如キ、休憩ヲ
致シマスル間ニハ川ノ水ヲ飮ミ、井戶ノ水
ヲ汲ンデ飮ムト云フコトニナリマス、此場
合ニ於テ一本ノ「ラムネ」デ以テ渴ヲ醫スル
ト云フノハ保健衞生ノ上カラ以テ最モ必
要ナ事デアラウト思ヒマス、此點ニ付テ内
務大臣ナリ文部大臣ハ、如何ニ御考ニナッ
テ居リマスカ、一應御所見ヲ伺ヒタイト思
ヒマス、其他細カイ問題ニ付テ御伺シタイ
問題ガゴザイマスケレドモ、後ニ大分質問
者ガゴザイマスカラ他ハ委員會ニ讓リマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=42
-
043・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 濱口大藏大臣
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=43
-
044・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 赤間君ノ御質問
ニ御答ヲ致シマスルガ、赤間君ハ段々登錄
稅法ノ不備ニ付テ御質問ガアッタノデアリ
マス、其他鑛產稅竝ニ鑛區稅ノ不備ノ點ニ
付テモ御疑ガアッタヤウデアリマス、此度
ノ稅制整理ハ出來得ベクンバ租稅ノ全體ニ
亙リマシテ、洩レナク整理ヲ致シタイト云
フ希望ヲ持チマシタケレドモ、何分調査考
究ノ範圍ガ廣汎デアリマシタガ爲ニ、租稅
ノ全部ニ及プコトガ出來マセヌノデ、隨テ
登錄稅、鑛產稅、鑛區稅、其外赤間君ハ御
指摘ニハナラナカッタノデアリマスケレド
モ、砂糖消費稅、印紙稅ト云フガ如キモノ
ハ此度ノ整理ニハ遺憾ナガラ間ニ合ヒマ
セヌノデ、是ハ第二次ノ整理ニ譲ル外ハナ
イト考ヘマス、議會ノ終了後ニ於キマシテ
出得ル限リ速ニ調査立案ニ著手致ス考デア
リマス、左樣御水知ヲ願ヒマス官有地ノ
課稅ニ付キマシテハ是ハ、御尤デアリマ
ス、旣ニ國稅ヲ課シマセヌ以上ハ
〔粕谷議長議長席ヲ退キ小泉副議長代
リ著席〕
附加稅ヲ取ルコトガ出來マセヌ、隨テ其公
共團體ニ於テハ財政ノ經理上困難ヲ感ジテ
居ルト云フコトハ政府ニ於テモ察シテ居
ル所デアリマスガ、是ハ租稅ノ制度ト云フ
問題ヲ離レマシテ、他ノ方法ニ依シテ何ト
カ致スト云フコトヲ考究スル外ニハナカラ
ウト思ヒマス、其他〓涼飮料ノコトニ付キ
マシテハ、他ノ大臣カラ御答ガアラウト思
ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=44
-
045・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 若槻内務大臣
〔國務大臣若槻禮次郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=45
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046・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君) 赤間君ノ御質
問中、鑛業用ニ使ッテ居ル家屋ノ如キモノ
ハ從前地方稅ヲ課スルコトガ出來ナカッタ
ノデアルガ、今回家屋稅ヲ設クルニ付テ、
ソレニ課稅セラルヽヤウニナルカドウカト
云フ御質問デアラウト思ヒマス、鑛業法ノ
第八十八條ノ第二項ハ、依然トシテ殘シテ
居ル考デアリマス、此度ノ家屋稅ヲ規定シ
タ地方稅法ノ中ニハ何等ノ規定ガアリマセ
ヌカラ、當然此地方稅ノ除外トシテ鑛業法
第八十八條ノ第二項ガ通用ニナリマシテ、
直接鑛業用ノ工作物ニハ課稅セヌ、鑛業用
ニ使シテ居リマス家屋、卽チ炭坑納屋ト申ス
ヤウナモノハ、卽チ直接鑛業用ノ工作物デ
アリマスカラ、是ハ課稅スルコトガ出來ズ、
從前通リ免稅セラルヽ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=46
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047・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 岡田文部大臣
〔國務大臣岡田良平君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=47
-
048・岡田良平
○國務大臣(岡田良平君) 只今赤間君カラ
御尋ノゴザイマシタ〓凉飮料ニ關スル稅ヲ
設ケマスル爲ニ、修學旅行其他ノ際ニ於テ
學生ノ健康衞生上ニ及ボス影響如何ト云フ
御質問ガアッタノデアリマスガ、學生ガ多數
修學旅行等ヲ致シマスル場合二、飮料ハ其
土地ノ飮料ガ衞生上適當デアルト認メマシ
タ時ニハ是ハ生水ヲ用ヒルコトニ致シテ
「ルルノデアリマス、又其土地ノ飮料水ガ性
質不良デゴザイマシ夕時ニハ、煮沸シテ之
ヲ用ヒルト云フコトニ致シテ居リマス、其
際ニ數日人ノ生徒ニ「ラムネ」其他ノ〓凉飮
料ヲ供給スルト云フコトハ事實上出來マセ
ヌノデ、左樣ナ事ハ致シテ居ラナイ譯デア
リマスカラ(拍手)今囘ノ課稅ヲ致シマシテ
モ、此方面ニハ大シタ影響ハナカラウカト
考ヘテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=48
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049・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 森田金藏君
〔森田金藏君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=49
-
050・森田金藏
○森田金藏君 稅制整理ノ事ニ付キマシテ
一寸御伺シタイト思フノデアリマスガ、先
輩各位カラ數日ニ亙ッテ色ミナ御質問ガア
リマシテ、私ノ問ハントシテ居リマスコト
モ大半了解ヲ致スコトニナリマシタガ、此
度新ニ制定セラレマシタ營業收得稅ノコト
ニ付テ大藏大臣ニ御伺ヲシタイノデアリマ
ス、多年私共此富業ニ從事シテ居リマス者
ハ營業稅ノ不備ニシテ洵ニ不條理ナル法
律デアルト云フコトハ、度々當議場ニ於テ
モ愬ヘタノデアリマス、幸ニ政府ハ之ヲ用
ヒラレマシタカ、此度ノ稅制整理案ニ營業
稅ヲ全廢サレルト云フコトハ、實ニ立派ナ
ル御處置デアルト私共ハ思フノデアリマ
ス、所ガ此度ハ名ガ變ッテ營業收得稅ト出
タノデアリマス、無論稅ノ均衡ヲ保ツ爲ニ
ト云フ御趣旨ニハ違ヒナイカモ存ジマセヌ
カ、此度ノ御趣旨ノ中ニ社會政策ト云ヒ、
產業保護ト云ヒ、貿易ノ增進ト云ヒ、色之
ナ御趣旨ガアリマスルノニ、今御制定ニナッ
夕此收得稅ニ向ヒマシテ私ガ熟〓之ヲ見マ
スルノニ、此收得稅ニ關係シテアリマスル
一カラ十九マデニ係ル、卽チ營業者ニ限ッ
テ同ジ陛下ノ赤子デアルニモ拘ラズ、何等
カ差別的ノ待遇ヲ受ケルヤウナ感ジガ致シ
マスル(拍手)其理由ハ斯ウ云フコトデアリ
マス、大體稅ノ根本ハ所得稅ニ依シテ其大黑
柱トスル、サウシテ地租ト從來ノ營業稅ノ
二ツノ稅ガ之ヲ支ヘテ居ッタカノ如キ習慣
デアリマシタケレドモ、此營業稅ナルモノ
ハ御存知ノ通リニ、三十一年以後僅ニ起ッ
タ稅ガ段々膨脹シテ今日迄ニ至ノ夕稅デアッ
テ、稅トシテハ甚ダ不都合極マル稅デアル、
故ニ之ヲ改善サレルト云フコトハ洵ニ結構
デアリマスガ、大體所得稅ヲ御取ニナル以
上ハ營業牧得稅ヲ御取ニナルト云フコト
ハ矛盾デハナイカト思フ、何故ナレバ所得
稅ニハ其收得カラ起ッタ稅ガ無論這人ヲテ取
ラルベキモノデアッテ、サウシテ所得稅一本
取ラレテ、サウシテ營業上カラ起ッタモノモ
其所得ノ中ニ含味スベキモノデアル、此度
改正ニナリマスル地租ノ改正ニ於テモ、地
租ハ明年カラハ其賃貸價格ニ依シテ取ル
今年ハ前年ノ通リデアリマスガ、然フバ賃
貸價格ニ依ッテ地租ト云フモノハ地主ガ拂
フベキモノデアッテ、決シテ農家ノ農業行爲
稅デハナイ、明カニ此地租ト云フモノハ地
主ノ所得ニ依ッテ生ズル所ノモノデアル、故
ニ地主デアレバ必ズ此根本タル所得稅、ソ
レニ次イデ地租ヲ拂フ、所ガ何ゾ圖ラン現
ニ日本ニ居ル商工業ヲ營ンデ居ル所ノ多數
ノ人間ガ地租ヲ持ッテ居ル、サウスルト是ハ
所得稅ヲ拂ヒ、地租ヲ拂ヒ、營業行爲稅ト
云フ特別ノ稅ヲ拂フト云フコトニナル、他
ノ種族ノ方々ハ營業ヲ爲サラヌ-今度
ノ收得稅ニ依ッテ十九箇條ノ營業ヲ爲サラ
ヌ方々ハ所得稅ト地租ト此二ツヲ拂ヘバ
宜イコトデアル、同ジ國民デアッテ片一方
ハ農業ニ從事シテ農業行爲稅ハナイ、地租
ハアル、併ナガラ十九箇條ノ營業ヲ營ンデ
居ル多數ノ者ハ、產業ヲ立派ニ保護シテ內
國貿易ヲシテ盛ナラシメ、其內國ノ產業ヲ
モ甲カラ乙ニ之ヲ轉々賣買シテ、其經濟ヲ
シテ圓滿ナラシムル所ノモノハ卽チ商賣人
デアル、其商賣人ニ產業ヲ盛ナラシメ、貿
易ヲ盛ナラシメルト云フ大趣旨ニ反シタ此
重稅ヲ課セラレルト云フコトハ、商賣ト云
フコトヲ爲ス所ノ者ニ差別ノ待遇ヲサレテ
居ルカノ如ク、私ハ感ゼラレルノデアリマ
ス(拍手)故ニ此點ニ於テ他日政府ハ、〓、
此均衡上、又收支ノ關係上、此度ノ整理ハ
年納收入ヲ減サナイヤウニト云フ意味デ、
遺憾ナガラ此法律ハ拵ヘル、デアルケレド
モ、他日ンレハ取ルト、斯ウ云フ御意見デ
アリマスレバ、ドウモ國家有用ナ時二商賣
人ガ、明治三十一年以來二十八年間納メテ
來タ稅ノ所謂隋力デ-隋力稅ト私ハ申シ
タイト思フ、其隋力稅デアリマスカラ、必
要ナ國家有用ナモノデアレバ納メモ致シマ
セウト存ジマスケレドモ、斯ル稅ノ體系論
ニ於テ-小川先生モ昨日モ色ニ體系論ガ
ゴザイマシタガ、併シ體系論ニ於テ既ニ私
ハ矛盾シテ居ルト思フノデアリマス、ドウ
シテモ玆ニ大本トシテ、大黑柱トシテ所得
稅ガアル以上ハ、所得稅ニ次イデ財產ニ依
ル地租、或ハ家屋ニ依ル家屋稅、サウ云フ
風ニ此財產カラ生ズルモノハ已ムヲ得ヌガ、
併ニ商賣ヲスル、轉々產業ヲ盛ナラシメ、
貿易ヲ盛ナラシメ、國家ノ經濟ヲ圓滿ニス
ル所ノ業務ヲ掌ッテ居ル此營業者ノミガ、
第三者ニ一ツ違ヲタ稅ヲ受ケナケレバナラ
ヌト云フコトハ同ジ陛下ノ赤子トシテ、
差別待遇ヲ受ケテ居ルカノ如キ感ジガゴザ
イマスルガ、之ニ就テ大藏大臣ハ如何ニ御
考へ遊パサレマスカ、御聽キ申シタイ、是
ガ一ツデアリマス、極ク私ノ御尋スルコト
ハ簡單デアリマスガ、今申上ゲタ通リニ萬已
ムヲ得ズ此收得稅ハ此議會ガ通過シ、兩院
ガ通過シマシテ法律トナレバ從フコトニナ
ルデアラウト存ジマスガ、其暁ニ於テ私ハ
御尋申シテ置キタイコトガモウ二ツアル、
一ツハ此度ノ稅制整理ニ於テ所得稅ノ免稅
點ノ八百圓ヲ千二百圓マデ上ダラレ、サウ
シテ大藏大臣屢、御說明ニナルノニ、今日一
筒月ニ百圓以下ノ收入ノ者デ到底所得稅ヲ
拂フト云フコトハ酷デアル、故ニ之ヲ千二
百圓マデ上ゲタイト云フ御名論デアル、如
何ニモ私モサウ思フ、今日ノ物價カラ考へ
レバ、千二百圓ノ免稅點マデ御引上ニナッ
タト云フコトハ、確ニ社會政策ノ意味ガ含
ンデ居ルト思プ、然ラバ其極ク小サナ營業
ニ依ッテ收得スル所ノ者ノ免稅點ヲ四百圓
ニ限ラレタノハドウ云フコトデアルカ、所
得稅デスラ千二百圓マデノ免稅點ガアルノ
ニ、同ジ所得稅ヲ納メ、地租ヲ納メタ上ニ
營業行爲稅ヲ拂フ者ガ、其地租ヲ拂フダ
ケノ力モナイ、地租モ持ッテ居ラヌ、資本モ
少イ、サウ云フ小資本ヲ持ヲテ爲ス所ノ營業
者ニ四百圓ト云フ限定ヲ置カレタコトハ
是ハ所得稅ノ千二百圓トノ権衡ヲ保ヲテ居
ラヌモノデハナイカト思フノデアリマス、
此點ニ於テドウ云フ風ニソレハ權衡ヲ保,
テ居ルト云フ御明答ガアルナラバ伺ヒタイ
ト思フ、モウ一ツ私ガ伺ヒタイコトハ管
業ヲ爲ス所ノ者ガ、斯ノ如ク他ノ種族-
他ノ營業者ト申シタイ、他ノ業者ニハ課セ
ラレナイ營業行爲稅ヲ課セラレタ上ニ、尙
ホ其母體タル所得稅トノ權衡ニ、不權衡ナ
ル四百圓ノ免稅點ガアルト云フコトガ既ニ
不思議デアル、尙ホ其上ニ不思議デアリマ
スコトハ、此營業ヲ爲ス所ノ其商人ノ大小
ヲ論ゼズ、上ハ三菱商事會社ヨリ、三井物
產、下ハ各全國ニ速クテ居ル所ノ多數ノ營
業者ガ、此國家經濟ヲ圓滿ナラシメル所ノ
大ナル使命ヲ持ノテ、天職ニ任ジテ之ヲ爲シ
テ居ル所ノ者ニ向ッテ、所得稅ニスラ帳簿
ヲ調ベルト云フ規定ガナイノニ、此度新ニ
制定サレタ此二十五條ヲ見マスト、收稅官
吏ハ其店舗ニ至ッテ帳簿、物品ヲ檢査スルコ
トガ出來ルト書イテアル、又其二十六條ニ
ハ或ハ之ヲ組合ニ依フテ調べサセルト云フ
コトガ書イテアル、大體是ハ申告稅デアル、
國民ヲ御信用ナスッテ、政府ガ斯ノ如キ國
家有用ナル金デアルカラ、オ前達ハ辛抱シ
テ出セヨト云フ所ノ御趣旨デアルナラバ
申告ニ重キヲ御置キニナルト云フコトガ當
然ノ事デアルト思フ、然ルニ此申告稅デア
ルノニモ拘ラズ、獨リ營業者ノミガ何カ罪
人デアル、僞リヲ初カラ構成スルモノヽ如
タ假定サレ、サウシテ其店舗ニ至ッテ帳簿
ヲ調べ、又其器具ヲ調ベルト云フヤウナコ
トガ此法律ニ、而モ大正ノ此御代ノ法律ニ
置カレタト云フコトハ、私共當業者トシテ
ハ忍プベカラザルコトデアルト思フ、故ニ
大藏大臣ハ或ハ二十六條ニサウ云フ場合ハ
政府ハ同業組合、其他ノモノニ依フテ調ベ
サセルト云フコトモアルト書イテアルデハ
ナイカト仰セラレルカモ知レヌ、是ハ大ニ
違フ、二十五條ニ於テハ明ニ其官吏ガ店舖
ニ至ッテ帳薄及器具ヲ取調ベルト云フコト
ニナッテ居レバ、今日マデヤリ來ッタ營業稅
デモ政府ノ御役人ニ向シテ、多クノ國民ガ苛
飲誅求ヲサレルト云ウテ怨言ヲ放フタ所ノモ
ノハ此處ニアル、故ニ是ハドウシテモ御取
リニナッテ、申告ニ重キヲ置イテ、若シ其申告
ヲ僞ル者ニハ當然國法ヲ以テ重ク處セラレ
テ、國民ノ納稅思想ヲ政府ハ我物ナリ、今
日ノ政府ヲ支ヘテ居ルモノハ吾々デアル、
法律ガ決クタ以上ハ當然納稅ノ義務ノアル
モノデアルト云フ觀念ヲ御〓ニナルコソ、
大藏大臣ノ爲サルベキ仕方デアラウト私ハ
思フ、然ルニ大藏大臣ハ法律ノ制定ノ前ニ、
既ニ國民ヲ罪人デアルカノ如ク、或ハ僞リ
ノ申告ヲスルモノデアルト假定サレテ、此
法律ヲ制定サレタト一云フコトハ明治ノ御
代ニ於テ(笑聲起ル)甚ダ私ノ取ラヌ所デア
ル、明治ハ過ギテ大正トナッテ居レバ、尙更
改善サルベキモノデアラウト思フ、私ハ此
意味ニ於テ、此三ツノ箇條ニ對シテ明答ヲ願
ヒタイ、前ニ申上ゲタ差別的待遇ニナラヌ
カ、稅ノ本質カラ地租ヲ取リ、所得稅ヲ取ク
夕上ニ、尙ホ營業稅ヲ取ルト云フコトハ同ジ
臣民ニ差別ヲシテ居ルノデナイカト云フコ
トガ一ツ、モウ一ツ免稅點ヲ所得稅デスラ
千二百圓マデニ上ッテ居ルノニ、其收得稅ヲ
四百圓マデニ限ラレタト云フ其打算ハ何所
カラ來タカト云フコトヲ御伺致シタイ、モ
ウ一ツハ申告稅デアル、國民ノ思想ヲ善導
シテ政府ハ我物ナリ、政治ハ自分ノ雙肩ニ擔シ
テ居ルモノデアルカラ、國家有用ナ金ハ僞
ラズ納稅スペシト云フ所ノ此大本ニ遡ラシ
メルベク、申告ニ重キヲ置カシメ、若シ申
告ヲ僞ル者ハ是ハドウモ國家ニ向ッテ僞リ
ヲ爲ス者デアルカラ、此法律ニアル如ク相
當ナ稅ヲ課セラレ、或ハ罰則ニ問ハレルコ
トモ當然ノ歸結デアラウト私ハ思フノデア
リマス、サウシテ此度ノ營業收得稅ニ於テ
大藏大臣ハ他ノ先輩ノ御質問ニ對シテ御說
明ニナッテ、斯クシテ政府ハ六千四百万圓ガ
四百万圓程滅ルノダト云フヤウナ御說明デ
アル、或ハ五千九百万圓位ニナルト云フ、
是ハ法律ニアル如ク大正十六年度カラ始メ
ルコトデアリマシテ、無論推定デアラウト
思フ、ケレドモ此推定ハ何ニ依ァテー未
ダ申告セザル所ノ稅ヲ何ニ依ッテ斯ウ云フ
御推定ガ出來タカ、若シ此推定ノ仕方ニ依ッ
テ誤リアリトスレバ、已ムヲ得ズ、又苛斂
誅求ト云フヤウナ怨言ヲ受ケルヤウナ基ヲ
玆ニ貽シテ居リハシナイダラウカト思フノ
デアリマス、要領ハ四ツニ分レマスガ、斯ク
申上ゲマシタナラバ、能ク御分リ下サッタ
コトデアラウト思ヒマス、滿場ノ各位ニ於
テモ此點ハ御疑問デアッタラウト思フ、先輩
諸君ガマダ此點ハ御尋ニナラヌヤウニ考ヘ
マシタカラ、差出ガマシウゴザイマスガ御
尋ヲ致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=50
-
051・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郎君) 濱口大藏大臣
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=51
-
052・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 森田君ノ御質問
ニ御答ヲ致シマス、第一ニハ此度現行ノ營
業稅ヲ廢シテ、新ニ營業收益稅ヲ設クルコ
トニナッタガ、其營業收益稅ト云フノハ
營業ノ純益ヲ標準ニシテ課稅スルガ故ニ、
所得稅ト重複デハナイカト云フ意味ノ御質
問モアッタヤウデアリマス、是ハ屢、申シ
マス通リ、直接國稅ノ體系ハ今日ノ所得稅
ニ改善ヲ加ヘマシテ、之ヲ國稅ノ中樞ト致
シマシテ、其所得稅ニ固著致シテ居リマス
所ノ種々ノ缺點ヲ補完スルガ爲ニ、各種ノ
補完稅ヲ設ケテ其缺點ヲ補ヒ、其補完稅ト
シテ擇ビマシタノガ卽チ地租、營業收益稅、
資本利子稅テアリマス、家屋稅ハ是ハ他ノ
意味ニ依シテ地方ニ委ネタノデアリマス、
ソコデ地租ノ課稅樣準ハ今日ハ法定地價
デ、其法定地價ノ不公平ナルコトハ御水知
ノ通リデアリマスカラ、政府ハ之ヲ十七年
度カラ賃貸價格ニ改メル、ソレニ依ッテ大
體公平ヲ得セシメル、ソレカラ資本利子稅
ト云フモノハ從來ナカタノデアリマスガ、
是ガアリマセヌト云フト、他ノ資本ニ對シテ
補完稅ヲ取ッテ居ルニ拘ラズ、公債、社債
銀行預金等ニシテアル所ノ其財產ニ對シ
テ何等ノ課稅ガナイト云フコトハ、體系上
不都合デアルト云フ理由ヲ以テ、新ニ資本
利子稅ヲ設ケマシタ、ソコデ其次ハ營業稅
ノ順番デアリマスガ營業稅ハ今日ノ所、外
形標準稅デアリマスケレドモ、御承知ノ通
リ、此外形標準稅タルヤ、營業稅創設初年
タル明治三十年以來、惡稅タル所ノ非難ガ
絕エマセヌ、歷代ノ內閣之ニ向ッテ屢。局
部的ノ改正ヲ加ヘマシタケレドモ、何ト致
シマシテモ其標準ニナッテ居リマス所ノ資
本金額、賣上金高ト云フモノガドウシテモ
其收益ニ相伴ヒマセヌ、其收益ニ伴フモノ
ヲ標準ニシテ課稅ヲスルト云フコトハ應
能課稅ノ原則ニ反スル、當業者ノ負擔ガ甚
シイト云フノデ、數年ニ亙ツテ、若クハ十
數年ニ亙シテ非帝ナ苦情ガアッタノデアリマ
ス、其苦情ヲ根本的ニ救済スルガ爲ニハ是
迄ノヤウナ區々タル局部的ノ外形標準ノ改
正デハ迚モ追付クモノデナイ、隨テ寧ロ一
步ヲ進メテ、一足飛超エマシテデス、直ニ
其營業ノ收益ヲ捉ヘテ之ヲ課稅標準トスル
外ニハ營業稅法ノ改正ノ仕方ガナイノデア
リマス、是ニ於テ此度ノ改正案ニ於テハ營
業ノ純益ヲ押ヘテ、其課稅標準トスル所ノ
營業收益稅ヲ設ケタノデアリマシテ、其所
得稅ニ對スル所ノ關係ハ、恰モ地租ノ所得
稅ニ關スル關係ト、資本利子稅ノ所得稅ニ
關スル關係ト同一デアリマス、ソレヲ稱シ
テ重複課稅ト申スナラバ、申セナイコトモ
アリマスマイケレドモ、是ハ一般所得稅ニ
對スル補完稅デアリマスガ故ニ、組織ト當
然ノ事デアリマス仍テ一般所得稅ト營業收
益稅トハ重複スルモノデハナイ、若シソレ
ガ重複スルト云プナラバ地租モ重複スル
資本利子稅モ重複スルト謂ハナケレバナラ
ヌノデアリマス、其機會ニ於テ森田君ノ御
質問ニナリマシタ、商工業者ハ所得稅ヲ納
ノ、又營業收益稅ヲ納メ、其上更ニ營業稅
ニ使用致シテ居ル所ノ地租ヲ納メルト云フ
ナラバ、是ハ三重ノ稅ヲ納メルノデアル、
他ノ地主或ハ資本利子ヲ持ッテ居ル者ヲ見
ルト云フト、二重ニ納メテ居ルケレドモ、
三重ニ納メルコトハナイノニ、獨リ商工業
者ノミニ三重ノ課稅ヲ負擔セシムルト云フ
コトハ、差別待遇デハナイカト云フ御疑デ
アッタノデアリマス、土地ノ所有ハ其土地
カラ生ズル所ノ所得稅ヲ納メル、其他ニ地
租ヲ納メル、是ハ二度納メルノデアリマス、
所得稅ト補完稅トヲ納メル、資本利子ノ收
得ヲ致シテ居リマス者ハ、所得稅ノ第二種
稅ヲ納メル、其他ニ資本利子稅ト云フ補完
稅ヲ納メル、是モ二重ニナル計算デアリマ
ス、然ラバ商工業者ハ如何ト云ヒマスルト、
商工業者モ其商工業カラ生ジマス所ノ純益
ニ向ッテ所得稅ヲ納メル外ニ、此度ノ營業收
益稅ヲ納メレバソレデ宜シイノデアリマ
ス、其商工業者ガ營業ニ使用致シテ居リ
マスル所ノ土地ノ地租ハ之ヲ控除スルト云
フコトニ、此度ノ稅法ニハ致シテアリマス、
其點ハ決シテ三重ニハナリマセヌ、唯〓其
商工業者ガ商工業ニ關係ノナイ所ノ方面ニ
於テ、地主トシテ土地ヲ小作ヲシテ居ル、
或ハ耕作シテ居ルト云フ場合ニ於テハソ
レハ全然資格ガ違ヒマスカラ、地租ヲ納メ
ルト云フコトハ是ハ當然ノ事デアリマスケ
レドモ、其營業ニ使用シテ居ル土地ニ對シ
テノ地租ハ、營業收益稅カラ控除スルト云
フ規定ニナッテ居リマス、是ハ此度ノ法案
ノ第十條ノ三項ヲ御覽ニナルト云フト明カ
ニ記載シテアリマス(森田金藏君「能ク承知
シテ居リマス」ト呼フ)其次ニハ所得稅ノ免
稅點ヲ八百圓カラ千二百圓ニ引上ゲタルニ
拘ラズ、營業稅ノ免稅點ハ四百圓デアルト
云フコトハ所得稅トノ權衡上宜シキヲ得
テ居ナイト思フガドウカ、斯ウ云フ御質問
デアリマス、營業收益稅ノ免稅點ト、所得
稅ノ免稅點トハ權衡ヲ取ッテ比較スベキ
モノデハナイト考へマス、何トナレバ所得
稅ハ卽チ中樞タル所ノ一般所得稅デアリマ
ス、之ヲ補完スベキモノトシテ出來タモノ
ガ營業收益稅、資本利子稅デアリマスカラ、
營業收益稅ノ免稅點ハ、他ノ補完稅タル所
ノ地相ノ免稅點ト比較ヲ保クテ極メルベキ
モノト考ヘマス、一般稅タル所得稅ト比較
スベキモノデハナイト私ハ考ヘテ居リマ
ス、然ラバ地租ノ免稅點ハ如何ト云フト、
此度政府ノ法ニ依リマスレバ、田畑地價二
百圓トナッテ居リマスケレドモ、是ハ賃貸價
額ニ依ッテ課稅ヲスルト云フ新法ヲ設ケマ
スマデノ間ノ經過法デアリマス、賃貸價額ニ
依シテ免稅點ヲ設ケルコトニナリマスレバ、
其程度ハ果シテ何百圓デ一アルト云フコト
ハ今日私ハ貴任ヲ以テ明確ニ玆ニ說明ス
ルコトハ無論出來マセヌ、是ハ賃貸價額ノ
調査ノ結果ヲ待ッテ、大正十七年度ノ豫算
ヲ編成スル時ニ法律案ヲ出ス譯デアリマス
ガ、其法律案ヲ捉案ヲシマスル時機デナイ
ト云フト、其免稅點ヲ明確ニ申ス譯ニハ參
リマセヌガ、大體ノ見當ヲ申シテ見マスル
ト云フト、凡ン賃貸價格トシテ四百圓位、
卽チ純益ニシマスレバ五百圓見當ニナルデ
ハアルマイカト云フ、是ハ推測デアリマス
ガ、推測ヲ持シテ居リマス、其推測ト照シ
合セテ見マスルト云フト、營業稅ノ四百圓
ト云フノハ丁度地租ト權衡ヲ得タモノデア
リマス、御承知ノ通リ地租ハ純然タル所ノ
資產デアリマス、土地ノ所有者トシテハ之
ニ勤勞ノ分子ガ加ハッテ居リマセヌ純資産
デアリマス、其反對ニ營業ハドウカト申シ
マスルト、營業ハ資產ト勤勞トノ共同デア
リマス、共同ノ仕事デアリマス、隨テ營業收益
稅ノ免稅點ハ地租ノ免稅點ヨリモ、幾ラカ低
クテ、ソレデ権衡ガ保ツ譯デアリマス、若
シ地租ノ免稅點ガ收益ニ直シテ見テ五百圓
ニナルト致シマスレバ、營業ノ收益稅ノ免
稅點ハ四百圓デ、丁度相當ト考ヘタノデア
リマス、是ハ所得稅トノ權衡ヲ見ルベキモ
ノデハナイト考ヘマス、其次ハ營業收益稅
ハ申告稅デアルニ拘ラズ、其當業者ノ申告
ニ信賴セズシテ、帳簿ノ檢査ヲシ得ルト云
フ規定ヲ設ケテアルノハ是ハ酷デハアル
マイカト云フ御意見ノヤウデアリマス、此
營業者ノ帳簿ヲ檢査スルト云フ職權ヲ收稅
官吏ニ與ヘテアリマスノハ、此度ノ營業收
益稅ニ於テ初テ與ヘタノデハアリマセヌ、
現行ノ營業稅ニ於テ御承知ノ通リ其規定ガ
アリマス、此度ノ營業收益稅ニ於テハ、此點
ニ付テハ丁度現行法ノ第三十三條デアリマ
シタカ、其通リ一字一句モ違ハヌ條文ヲ設
ケタノデアリマス、併ナガラ是ハ檢査スル
コトガ出來ルト云フ權限ヲ稅務官吏ニ與ヘ
タノデアリマス、其權限ガアルト云フノデ
濫行ヲ致シテ、濫ニ之ヲ檢査スルト云フコ
トハ固ヨリ大藏省ト致シマシテ嚴重ニ之
ヲ監督ヲ致シマズ、唯、如何セン無論中ニ
ハ相當ノ所ノ申告ヲ爲サルヽ方モアリマス
ケレドモ、一般ヲ觀察〓シテ見マスルト云
フト、マダ納稅者ノ納稅思想ト云フモノガ
理想的ノ域ニ達シテ居リマセヌ結果トシ
テ、動〓トモスルト申告ヲ僞ルト云フ弊ガ
ナイデモアリマセヌ、其申告ヲ僞ッタ
場合ニ於テハ相當ノ制栽ヲ加フレバ宜
シイデハナイカト云フ仰セデアリマスガ、
其申告ヲ僞ッタカ否ヤト云フコトヲ如何ニ
シテ之ヲ判斷ヲシマスカ、申告ヲ僞ラセナ
イヤウニスルガ爲ニハ、此帳簿檢査ノ權限
ダケハ與ヘテ置クト云フコトガ、今日ノ狀
態ニ於キマシテハ必要ナ規定ト考ヘマシ
テ、今日ノ營業稅法ノ通リノモノヲ其儘活
シテ置イタノデアリマス、決シテ新ニ設ケ
タノデハナイノデアリマス、最後ノ御質問
ハ此度ノ稅制整理ニ依リマシテ新ニ設ケラ
ルベキ所ノ營業收益稅カラ生ズル歳入ハ、
今日マデ現行ノ營業稅法ニ依シテ政府ガ得
ベキ所ノ其歲入ニ對シテ四、五百万圓バカ
リノ減收ニナルト云フコトデアルガ、ソレ
ハドウシテサウ云フ計算ガ出來タカト云フ
御質問デアッタノデアリマス、是ハ獨リ營
業稅ニ限リマセヌ、總テノ稅目ニ於キマシ
テ、稅制整理ノ結果何千万圓增ス、或ハ何
百万圓減ルト申シマスルノハ、十四年度ノ
豫算ニ對シテ增減スル意味デハナイノデア
リマス、此稅制整理ト云フ事ガナカッタナ
ラバ、卽チ現行ノ制度ノ通リデアッタナラ
バ、大正十五年度ニ於テ幾何ノ收入ガ生ズ
ルデアラウカト云フコトヲ、政府ハ先ヅ計
算ヲ致シマシタ、是ハ御承知ノ通リ從來ノ
計算ノ方法ガ左樣ニナッテ居ルノデアリマ
ス、豫算ヲ編成スルトキニハ歳人ノ各科目ニ
付キマシテ最近ノ實績ニ照シ、前年度ノ豫
算ニ照シテ、サウシテ其增減ヲ見込ンデ當
該年度ノ豫算ヲ編成ヲ致シマス、其通リノ
方法ニ依ッテ現行制度ノ儘、卽チ稅制整理
ノナカッタ場合ニ於テハ、營業稅ノ收入ハ
例ヘバ六千万圓ナラバ六千万圓出ル筈デ
アルト云フコトヲ先ヅ算定ヲ致シマス、ソ
レカラ今度新ニ出ス所ノ營業收益稅ニ依ッ
テドレダケノ歲入ガ生ズルデアラウト云
フコトヲ、別途ノ方法ニ依シテ是亦計算ヲ
致シマス、其兩方ノ計算ヲ差引キマスト云
フト、玆ニ四百万圓若クハ五百万圓違ヒガ
出マス、尤モ營業收益稅ハ森出君モ御話ニ
ナリマシタ通リ、大正十六年分カラ施行致
シマス、十五年分ニ於テハ舊法ニ依リマシ
テ、サウシテ稅額ノ百分ノ八ヲ控除致シマ
ス、其百分ノ八ト云フ數ヲ定メタノハ十
六年分カラ生ズル所ノ新タナル營業收益稅
ノ收入ヲ標準トシテ、百分ノ八ト云フ數ヲ
定メタノデアリマス、簡單ニ中シ直シテ見
マスレバ、稅制整理ガナカッタ場合ニ於テ、
大正十五年度ニ於テ生ズベカリシ所ノ歲
入ニ對シ、四百万圓バカリ減少スルト云フ
目的ヲ以テ此稅率ヲ定メタノデアリマス、
之ニ依ッテ大體御水知ヲ願ヒマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=52
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053・森田金藏
○森田金藏君 此席カラ唯〓一言ダケ申上
ゲテ置キタイト思ヒマスガ、今二十五條ニ
付テ懇篤ナル御答辯ヲ得マシタ、是ハ法律
ニハ斯ウ書イテアッテモ、決シテ苛歛誅求
スルノデハナイ、若シ罪ヲ犯ス者ガアッタ
トキノ豫防デアル、政府ハ決シテサウ云フ
苛歛誅求ヲスルト云フ意味デナイト云フコ
トヲ大藏大臣ガ言明ニナリマシタコトヲ保
留シテ置キタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=53
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054・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 土屋清三郞君
〔土屋〓三郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=54
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055・土屋清三郎
○土屋〓三郎君 私ハ地租改正ノ問題ニ關
聯シテ大藏大臣ニ質問ヲ致シタイト思ヒマ
ス、今日我國ノ財政ヲ論ジマスル者ハ、遡フ
テ維新忽々ノ際ニ當リマシテ國家財政ノ基
礎ヲ成シマシタ所ノ地租ノ改正ノコトヲ忘
ルヽコトハ出來ナイト思フノデアリマス、
政府ハ今囘此地租條例ヲ政正スルコトニ
ナッタノデアリマスガ、私ガ此際御尋ヲ致
シタイト思ヒマスノハ、政府ハ明治六年地
租改正條例ニ基キ、土地丈量ノ爲ニ當時全
國人民ノ立替ヘテ置イタ所ノ金額、其當時
ノ約三千万圓、其一部ヲ償還シ大部分ヲ其
儘ニシテ居ルノデアルガ、之ヲドウスル考
デアルカ、之ガ私ノ質問致シタイ點デアリ
マス、卽チ明治六年地租改正條例ヲ發布セ
ラレマシテ、政府ハ全國ニ令シテ一齊二土
地ノ丈量ヲ致シ、人民ハ政府ト共ニ協力シ
テ萬難ヲ排シテ之ニ從事シ、明治十三年ニ
至フテ之ヲ終ッタノデアリマスガ、其費用ニ
關シマシテ、政府ハ全國各府縣ノ中、佐賀
縣及ビ長崎縣ニ對シテハ、其中ノ官有地ノ
測量費ヲ全部官費デヤリ、熊本縣ニ對シ
テハ縣民ノ反對ニ遭シテ途中カラ官有地ノ
測量ヲ官費ニ直シ、其後明治二十一年ニ至
リマシテ、福岡縣ノ鞍手郡外二郡ノ要求ニ
對シテ、官有地ノ測量費八千餘圓ヲ償還致
シテ居ルノデアリマス、鹿兒島縣カラハ其
以前ヨリ熱心ナル要求ガアリマシタ結果、
閣議ニ於テ之ヲ償還スベキモノト決シテ、
費用ノ調査提出ヲ命ジマシテ、二十四年ニ
至ッテ其調査ガ終了シテ縣カラ費用ノ償還
ノ請求ガ出マシタ、所ガ何故カ政府ハ詮議
ニ及バズトシテ之ヲ却下致シタノデアリマ
ス、承ル所ニ依リマスト、當時既ニ議會政
治ガ行ハレテ居リマシタノデ
〔小泉副議長議長席ヲ退キ粕谷議長復
席
二十一年ハ政府ノ考ダケデ之ヲ償却スルコ
トガ出來タケレドモ、是カラハ此費用ヲ償
還シヤウトスレバ、議會ニ豫算ヲ作ッテ提
出シナケレバナラヌ、然ルトキハ獨リ鹿兒
鳥縣バカリデナク、全國各府縣ヨリ續々此
要求ガ起ルデアラウ、財用多端ノ今日到底
之ニ應ズルコトガ出來ナイカラ、是ハ當分
止メタ方ガ宜シイト云フノデ、其儘ニナッ
テ居ルト云フコトデアリマス、斯ノ如ク全
國中、等シク政府ノ爲ニ費用ヲ立替ヘタニ
拘ハラズ、一部ノ府縣ニ對シテハ之ヲ償却
シ、他ノ多クノ府縣ニ對シテハ之ヲ償却セ
ズシテ其儘ニ居ルト云フコトハ、甚ダ公平
ヲ缺イテ居ルト思フノデアリマス、而シテ
其金額ハ前申シマシタ通リ、卽チ一部償却
シタルモノヲ差引キマスルト、當時ノ金-
明治十三年ノ終リノ計算ニ依リマシテ、二
千九百九万五千八百二十一一圓八十六錢ニナッ
テ居ルノデアリマス、是ハ政府ノ調査ニ依ノ
タモノデアリマス、假ニ年五朱ノ利子ヲ加
ヘマシテ、公債ノ如ク半期每ニ之ヲ元金ニ
加ヘテ參リマスト、昨年ノ終リマデ滿四十
五年間ニ於テ、少クトモ三億近クノ巨額ニ
達スルノデアリマス、當時ノ三千万圓ハ今
日ノ實際ドノ位ニ當ルデアリマセウカ、第
一議會當時ノ豫算八千万圓デアリマシタノ
ガ、今日殆ド其二十倍以上ニ達シテ居ル所
カラ見マスレバ、假ニ之ヲ其當時ト同ジト
致シマシテモ、三千万圓ノ金ハ今日優二六
億万圓ノ巨額ニ相當スルデアラウト思フノ
デアリマス、當時人民ガ非常ナ困難ニ堪ヘ
テ此金ヲ立替ヘタル結果ガ、僅々五十年ノ
間ニ我國ハ非常ナル進步發展ヲ致シタノデ
アリマスカラ、此際之ヲ地方ニ償却スルト
云フコトハ、政府トシヲ當然ノ義務デアラ
ウト思フノデアリマス、殊ニ今日地方ハ此
當時ノ丈量費ノ立替ガ原因トナッテ疲弊ニ
疲弊ヲ來シテ、今ヤ農村ハ滅亡ニ頻シテ「居
ル場合ニ於テ、依然此儘ニ放任シテ置クト
云フコトハ甚ダ政府ノ爲ニ執ラナイト思フ
ノデアリマス、政府ハ今稅制改正ヲ爲スニ
當リマシテ、此點ニ付テドウ云フ御考ヲ
持ッテ居ルカト云フコトヲ承リタイノデア
リマス、第二ハ賣藥稅ノ廢止ニ付テ御尋ヲ
致シマス、政府ハ今回ノ財政整理ニ際シテ
最モ重キヲ社會政策ニ置イテ、其意味ニ於
テ賣藥稅ヲ廢止スルト云フコトデアリマス
ルガ、一體政府ハ賣藥ヲ以テ病ノ治療ニ關
係アルモノト考ヘテ居ルノデアルカドウ
カ、又賣藥稅ノ由來ヲドウ御考ニナッテ居
ルノデアルカ、賣藥ニ對スル政府從來ノ方
針ヲ何時更へタノデアルカ、之ヲ御〓シタ
イノデアリマス、元來賣藥ト云フモノハ病
ニ關係ノナイモノデアル、病ニ關係ノナイ
所ノ嗜好品デアリマス、之ニ稅ヲ掛ケマシ
タノハ、之ヲ以テ當時諸般ノ衞生施設ヲ爲
ス所ノ經費ニ充テヤウトシテ、其財源トシ
テ之ニ課シタノデアリマス、隨テ賣藥ハ害
ノ無イト云フコトヲ原則トシテ、是ガ取締
ヲ爲シテ居ルノデアリマス、私ハ此事ニ付
テハ多ク辯ヲ費スノ必要ハアリマセヌ、之
ヲ立證スル爲ニ、當時此賣藥ニ稅ヲ掛ケル
コトニナリマシタ際、朝野ノ與論トモ見ル
ベキ其事情ヲ明カニ致シマスル爲ニ、玆
ニ此賣藥ニ稅ヲ課スルコトニ對シテ最モ共
鳴ヲセラレタ所ノ故福澤諭吉先生ガ時事新
報ニ筆ヲ執ラレタ其一節ヲ此處デ御紹介致
サウト思フノデアリマス、是ハ賣藥課稅論
トシテ明治十六年時事新報ニ揭載セラレ、
其結果トシテ都下ノ賣樂業者ノ爲ニ訴ヘラ
レテ一年半ノ繋爭ノ後ニ賣藥業者ノ敗訴
トナッタ由來ノアルモノデアリマス、極ク
簡單ニ其中ノ一節ヲ引例致シマス、費
藥課稅論、太政官第五十一號布告ニ付テ、
太政官ハ第五十一號ヲ以テ賣藥印紙稅ノ
規則ヲ布告シテ賣藥ノ定價一錢マデノモノ
ハ一厘ノ印紙稅ヲ徵シ、二錢マデハ二厘、
三錢マデハ三厘、以上同樣ノ割合ニシテ品
物ノ定價一割ノ稅ヲ課スルノ法ヲ定メラレ
タリ、新ニ課稅トアレバ随分世間ノ論柄タ
ルペキナレドモ、我輩ノ所見ニ於テハ此新
稅法ヲ以テ甚ダ當ヲ得タルモノナリト斷定
セザルヲ得ズ如何トナレバ、第一賣藥ハ
人ノ病ノ爲ニ效能ナキモノナリ、病ニ效ヲ
奏スベキ程ノ藥品ナレバ之ヲ誤リ用ヒテ害
ヲ爲スガ故ニ、政府ニ於テ之ヲ許サズ、無
效無害、之ヲ服スルモ可ナリ、服セザルモ
可ナリ、水ヲ飮ミ茶ヲ飮ムニ等シク、香ヲ
臭ギ胡椒ヲ嚙ムモ同樣ノモノニシテ、始メ
テ發賣ノ許可ヲ得ルモノナレバ、名ハ藥ニ
シテ實ハ病ニ關係ナキ賣物ナリ、之ニ稅ヲ
課シテ其品物ノ賣買ヲ左右變動スルモ、人
身ノ病理上ニ一毫ノ害ヲ致スコトナシ病ニ
關係ナキ品物デアル「第二、賣樂ハ、事實ニ」
無效ナルモ、寒村僻邑醫藥ニ不自由ナル土
地ニテハ尙ホ之ヲ服シテ情ヲ慰ムニ足ル
八 、藥力ノ實ヨリモ唯ダ藥名ノ妙ヲ以テ
冥々ノ效能ヲ見ルノ場合モアラント雖モ、
是亦課稅ノ爲ニ其效能ヲ減ズルコトナシ、
賣藥者ガ稅ヲ課セラレタラバ、其藥ノ代價
ヲ增スコトナラン、價ノ貴キ藥ハ效能モ亦
妙ナリ、畢竟病ニ關係ナクシテ、唯妄想ノ
情ニ關スルモノナレバ、藥ノ妙不妙ハ價ノ
貴賤ニアルノミ、故ニ課稅ノ爲ニ從前十錢
ノ品物ガ十一錢ニナリタレバ、則ナ一錢藥
效ヲ增スベシ、或ハ樂ノ量ヲ少クシテ其目
方ノ一割ヲ減ズルモ亦半減ニスルモ、其人
情ニ感ズル所ハ、守札ノ紙幅ヲ大小スルニ
異ナラズシテ、效用ハ依然タルベシ、水天
宮ノ御札小ナリト雖モ、金比羅ノ守札大ナ
リト雖モ、其靈驗ハ同一樣ナラム、第三、
今回ノ課稅ハ賣藥禁止ノ旨ニ出デタルモノ
カ、又ハ歳入增加ノ爲ニシタルモノカトノ
論アレドモ、我輩ニ於テ其主義ヲ問フヲ須
ヒス、規則發行ノ後ニ自然國中ニ賣藥ノ減
ズルコトモアラムカ、毫モ憂フルニ足ラズ、
或ハ依然トシテ其賣買ヲ增減スルコトアリ
トモ、唯其稅額ヲ以テ國庫ヲ富マスノミナ
ラムカ、甚ダ妙ナリ、人民ノ愚ナルハ意外
ナルモノニシテ、賣樂ノ無效ヲ知ラザルノミ
ナラズ、之ヲ信ジ之ヲ欲スルケレドモ錢ナ
キガ故ニ之ヲ買ハザルノミ、今後殖產ノ途
次第ニ進ミ、國民ノ富ヲ增スニ依っテ賣藥
ヲ買フ者モ次第ニ增加スベキヤ明カナリ、
全國一般ニ學問上ノ智識ヲ開キ、事物ノ原
則眞理ヲ辯ジ、賣藥ノ無效ナルコトヲ解悟
スルニ至ルハ蓋シ數百年ノ後ナルベシ、其
害ヲ證セントナラバ、現ニ智識ノ淵叢ト稱
スル官途ヲ見ヨ、口ニ天下ノ經濟ヲ論ジ政
治ノ得失ヲ談ジナガラ、其口ニハ流行ノ賣樂
ヲ甞メテ自得スルモノアルニアラズヤ」今日
政府ハ斯ノ如キ考デヤッテ居ルカモ知レナ
イ、モウ一ツ申上ゲマス「方今我國ニ於テ衞
生法ノ不完全ナルハ人ノ知ル所ナラム、國
民食用ノ品類ヲ調査シ、有益ノ食物ヲ奬勵
シ、新奇ノ物品ヲ探索シ、舶來ノ藥品ノミ
ヲ仰ガズシテ自國生產製造ノ物ヲ利用シ
テ、其ノ及ブ所ヲ廣クシ、本朝國有ノ疾病
ヲ〓究試驗シテ特ニ其治療法ヲ求メ、濕氣
疏通ノエヲ起シ、飮料〓水ノ供給ヲ便ニシ
全國衞生上ノ地圖ヲ製シテ健康地方ト不健
康地方トヲ區別シ、流行病ノ有無性質ヲ吟
味スル等、千條万件枚擧ニ遑アラズ、實ニ
一國ノ大事業ト云フ可シ、此ノ事業ヲ起ス
ニハ廣ク學醫ヲ集メザル可ラズ、各地方ニ
醫員モ派遣セザル可ラズ是等ノ費用ニ充
ツルニ今囘ノ新稅額ヲ以テスルハ不幸ノ
金ヲ幸ニ利用スルモノト云フ可シ」大體斯樣
ナ次第デアリマシテ、當時賣藥ニ課稅シタ
ト云フコトハ、賣藥ヲ以テ病ガ治ルナドト
云フ考ハ毛頭ナカッタノデアル、樂ノ爲ニ
ハ別ニ政府ハ藥品規則ヲ設ケテ、其藥品ハ
無稅デ販賣サセテ居ルデハアリマセヌカ、
然ルニ此稅ヲ廢スル其理由ガ、社會政策ノ
爲デアルト云フノハドウ云フコトデアリマ
セウ、今日世界各國ヲ見マスレバ、競ウテ
衞生施設ノ爲ニ力ヲ致シテ居ルノデアリマ
ス、社會政策モ亦之ヲ中心トシテ施設致シ
テ居ルノデアリマス、曾テ米國ノ大統領「ル
ーズヴエルト」ガ如何ニシテ米國ノ富源ヲ
保護スベキヤト云フコトニ付テ演說ヲセラ
レマシタガ、彼ハ其演說ニ於テ斯樣ニ申シ
テ居ルノデアル、吾々米國民ガ富源トシテ
第一ニ保存シナケレバナラヌノハ、米國ノ
國土、山林、鑛山等、卽チ土地及ビ其大產物
デアル、第二ハ米國建國ノ歷史、制度及ビ
社會組織ヲ保存スルコトデアルガ、第三ニ
是等ニモ增シテ最モ大切ナルモノハ吾々
米國民ノ精神的竝ニ肉體的ノ健全性ヲ保障
スルコトデアル(拍手)即チ之ガ爲ニハ-
我ガ米國ノ富源ヲ永久ニ保存スルガ爲ニハ、
吾々ハ全力ヲ盡シテ國民フ保健政策ニ力ヲ
致サナケレバナラヌト申シテ居ルノデアル
(拍手)歐洲大戰後各國ハ銳意國民衞生保健
ノ爲ニ力ヲ致シマシテ、英吉利、伊太利、
佛蘭西、其他戰後ニ於テ衞生保健省ヲ設ケ
タモノガ現ニ十箇國モアルノデアル、是等
ノ國ハ何レモ皆國民ノ健康ヲ保持スルト云
フコトガ、國家興隆ノ基礎デマルト云フノ
ヂ、之ガ爲ニハ殆ド其費用ヲ吝マナイノデ
アリマス、飜テ我國ヲ見マスルト國民ノ體
力ハ如何デアリマセウカ、今日吾々ハ平時
ニ於テ白人諸國ト經濟的ノ競爭ヲ致シテ居
ルノデアリマスケレドモ、我ガ國民ノ體力
ヲ彼等白人ノ體力ト比較シタナラバ、ドウ
云フ考ヲ起スデアリマセウ、而モ國內ニハ
假令バ一例ヲ擧ゲマスレバ、彼ノ癩患者ノ
如キ、今日我國ニハ約三万ノ患者ガ居ルノ
デアル、之ニ對シテ政府ハ僅ニ療養ノ途ナ
キ者ノミヲ、公費ヲ以テ救助致シテ居ルノ
デアリマシテ、其他ノ大部分ハ家庭ニ於テ
暗黑ナ部屋ノ中ニ押込メラレテ居ルノデナ
ケレバ、外國宣〓師ノ手ニ依っテ救濟ヲ致
サレテ居ルノデアル、凡ン世界ノ一等國若
クハ二等國ト稱スルモノヽ中ニ於テモ、己
ノ同胞ガ己ノ國內ニ於テ他國人ノ救濟ヲ受
ケテ晏如トシテ居ル國ガアルデアリマセウ
カ(拍手)之ヲシモ矢張看過スルト云フナラ
バ私ハ政府當局ノ良心ヲ疑ハザルヲ得ナ
イノデアリマス、其外寄生虫ノ如キ如何デ
アリマス、米國ハ曩ニ我ガ移民ヲ排斥スル
所ノ口實トシテ、十二指腸虫ガ居ルカラ之
ヲ一々檢査シナケレバ入レルコトガ出來ナ
イト言ッテ居ルニ、今日地方農民ガ十二指
腸虫及ビ蛔虫等ノ寄生虫ノ爲ニ、如何ニ其
勞働能率ヲ妨ゲラレテ居ルカト云フコトハ、
既ニ政府ニ於テモ十分御承知ノ筈デアル、
然ルニ調査ダケハシタガ、之ガ救濟ノ方法
ニ付テハ殆ド何等ノ施設ガナイノデハアリ
マセヌカ、僅ニ少額ノ金ヲ府縣ニ補助スル
ト云フニ止メテ、何等ノ施設ヲ致シテ居ラ
ナイノデアリマス、政府ガ眞ニ社會政策ヲ
考ヘルナラバ、先ヅ以テ是等ノ憐レムベキ
癩患者ノ救濟、或ハ精神病患者ノ救濟、其
他働クコトガ出來ナイ而シテ貧シキ者ノ階
級ニ向ッテ、相當ノ施設ヲスルコトガ當然デ
アラウト思フニ拘ラズ、漫然唯賣樂稅ヲ廢
シテ、之ガ社會政策ノ一端ナリト言フニ至〃
テハ、私共何ノ意タルヲ解スルニ苦シムノ
デアリマス(拍手)今日新聞紙ノ廣告ヲ見マ
スルト、賣藥ト云フモノガ如何ニ社會ニ害毒
ヲ流シテ居ルカト云フコトヲ看遁スコトガ
出來ナイデアリマセウ、一例ヲ擧ゲマスレ
バ彼ノ「ドラク」ト云フモノヽ廣告ヲ御覽ナ
サイ、其藥啻ニ病ニ關係ノ無イノミナラズ、
其廣告ノ惡辣ナル、何人モ是ガ健全ナル家
庭ニ入ルコトヲ快シトシナイデアリマセウ、
旣ニ或ル種ノ新聞ハ此廣告ノ揭載ヲ拒絕シ
メト云フ位マアル、其他之ニ類スル所ノ廣
告ハ殆ド枚擧ニ遑ナイ程デアリマスガ、今政
府ガ賣樂ノ爲ニ其稅ヲ廢シマシタナレバ、
ソレニ依ッテ賣藥業者ノ利得スル一千二百
万圓ト云フ莫大ナル金ハ何ニ變ルデアリマ
セウ、昨日內務大臣ハ地方僻遠ノ人ノ爲ニ
云々ト云フコトヲ賣樂稅廢止ノ理由トシテ
申サレタノデアリマスガ、地方ノ質朴ナル
人等ハ此廣告ニ誤ラレテ、田ヲ賣リ畑ヲ
賣シテ此賣樂ヲ買ッテ、サウシテ何等ソレガ
爲ニ得スル所ナク、却テ病ヲ重カラシメテ、
其投ジタル所ノ金ハ全ク彼等賣樂業者ノ懷
中ニ這入ッテシマフノデアリマス、此筆法ヲ
以テ行キマスナラバ、此一千二百万圓ノ金
ハ更ニ一層惡辣ナル宣傳費ニ變シテ、ソレ
ニ十倍スル所ノ一億二千万圓ノ莫大ナル金
ハ即チ彼ノ憫ムベキ地方僻遠ノ人々ノ懷中
ヲ掠ムル所ノ費用トナルデハアリマセヌ
カ、此問題ハ單ナル稅制上ノ問題デハアリ
マセヌ、其半面ニハ我國ガ從來執リ來ッ
タ所ノ衞生政策ノ根本ニ觸ルヽモノデアリ
マスカラ、私ハ此點ニ對シテハ明白ナル御
答辯ヲ仰ギタイノデアリマス、其次ハ同ジ
ク社會政策ノ爲ト稱シテ稅制整理ヲサレル
ト云フ〓涼飮料水ニ對スル課稅デアリマ
ス、一體政府ハ〓涼飮料水ト云フモノヲド
ウ御考ニナッテ居ルノデアリマセウ、〓涼
飮料水ハ御承知ノ通り保健上必要ナルモノ
トシテ嚴重ナル衞生警察監視ノ下ニ之ヲ許
可シテ居ル所ノ水デアル、酒麥酒ト同視
スルコトハ出來ナイノデアリマス、卽チ水
ヲ一層〓淨ニシテ、保健的ニシテ安全ニシ
夕所ノモノデアル、今日人身ノ七割以上ガ
水カラ成クテ居ルト云フコトハ誰モ承知シ
テ店ルコトデアリマセウ、卽チ水ハ他ノ食
物ト同樣ニ人身ニ一日モ缺クベカラザル所
ノ榮養品デアル、之ヲ制限スル爲ニ稅ヲ課
スルト云フナラバ、結局米ニモ稅ヲ課スル
ト云フコトニナルデアリマセウ、其思想ヲ
更ニ擴大スレバ極端十例デハアリマスケレ
ドモ、空氣ニモ日光ニモ稅ヲ課セネバナラ
ヌト云フコトニナルデハアリマセヌカ、政
府ハ一方ニハ保健衞生ノ立場カラ傳染病豫
防ノ爲ニ井戶ノ生水ヲ飮ンデハイカヌ、又
寄生蟲病ヲ防グ爲ニンコラニ流レテ居ル所
ノ水ヲ飮ンデハイケナイト云フノデ、常ニ
水ニ付テハ嚴重ナル取締ト訓示ヲ致シテ居
ルノデアリマス、此點カラ考ヘテ水トシテ
最モ安心デアル所ノ〓凉飮料水ノ如キハ
一層之ヲ奬勵シテ安價ニ普及セシムルト云
フコトガ政府ノ執ッテ居ル所ノ衛生政策上
當然デハアリマセヌカ、又法律ハ未靑年者
ニ對シテ酒ヲ飮ムコトヲ禁ジテ居ル、酒ニ
代ルモノトシテ飮酒ノ癖ヲ矯正スル一ツノ
手段トシテ、此〓涼飮料水ノ獎勵ノ如キハ
是亦適當ナモノデアル、之ヘニ對シテ課稅ヲス
ルト云フコトハ私共ドウシテモ之ヲ諒解ス
ルニ苦ムノデアリマス、曾テ亞米利加ガ禁
酒法ヲ施行致シマシタ結果、酒ノ稅ニ代フ
ルニ〓涼飮料水ニ稅ヲ課シマシタ當時、米
國ノ輿論ハ是ハ禁酒法ノ精神ニ反スルモノ
デアルト云フノデ、大統領ハ遂ニ此〓涼飮
料水ニ課稅スル法律ノ廢止ニ署名シタト云
フコトヲ政府ハドウ御覽ニナルノデアルカ
他山ノ石トシテ御一考ヲ煩スノデアリマ
ス、殊ニ今回關稅定率法ヲ改正シ、其中ニ
ハ酒石酸ノ如キ、枸櫞酸ノ如キ、或ハ果實
香料ノ如キ、是等ノ原料ニ對シテ殆ンド從
來ニ倍加スル所ノ稅ヲ課シテ居ルノデアル
卽チ〓凉飮料水ナルモノニ對シテ、二重
ノ課稅ヲ致サントシテ居ルノデアル、樂
ニアラザル所ノ賣藥ニ對シテハ稅ヲ課セズ
人身ノ生活ニ必要ニシテ最モ奬勵スベキ衞
生飮料水ニ對シテ課稅スルト云フコトハ社
會政策上甚ダ矛盾デハナイカ、以上ノ點ニ
付テ大藏大臣ノ御明答ヲ煩ハスノデアリマ
ス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=55
-
056・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 濱口大藏大臣
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=56
-
057・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 土屋君ノ第一ノ
御質問ハ明治六年ノ地租改正條例ヲ實行致
シマシタトキニ、民間ニ於テ土地ノ丈量費
用ヲ立替ヘテ居ル者ガアル、ソレヲ民間ニ
返スト云フコトガ必要デアラウト思フガ、
〓肘ハ如何ニ考ヘルト云フコトデアリマ
ス、明治六年ノ地租改正條例ニ依ッテ著手
致シマシタル地租改正ノ事業ハ、御承知ノ
通リ明治十四年ノ十二月ニ至ッテ完了致シ
マシタ、ソレガ爲ニ要シタル官民雙方ノ經
費ハ約三千七百万圓、其中官費ガ八百万圓
デ、民費ガ二千九百万圓デアッタコトハ只
今土屋君ノ申サレタ通リデアリマス、政府
ハ此民費デアッタ所ノ二千九百万圓ト云フ
モノヲ只今民間ニ返スト云フコトニ付テ
ハ、何等考ヲ致シテ居リマセヌ、而シテ
此事タルヤ、此度ノ提案ニ係ル所ノ地租條
例改正法律案ニモ、亦政府ノ方針ト致シテ
居リマス所ノ、地租ノ法定價格ヲ改メテ、賃
貸價格ニ依フテ課稅スルコトニスルト云フ
其稅制整理ノ事業ニ對シテ、何等ノ關係ヲ
有シナイ問題デアルト考ヘテ居リマス(伯
手)第二問ハ、賣藥ハ嗜好品ニシテ藥ニア
ラズ、明治十六年ノ福澤翁ノ論說ヲ御引用
ニナッテノ御演說デアリマシタ、其御演說
ハ謹デ承ッテ置キマス、承フテ置キマスガ、
政府ハ賣藥ハ嗜好品ニシテ藥ニアラズトハ
考ヘマセヌ、屢申シマス通リ、貧困ニシ
テ醫師ノ診療ヲ受ケルコトノ出來ナイ所ノ
病人ニ取ッテハ確ニ必要品デアルト確信ヲ
致シマス(拍手)第三問ハ〓凉飮料、是ハ保
健上必要品デアルト云フ御演說デアリマス
ガ、此方コン却テ嗜好品デアル、此度政府
ノ計畫ト致シマシテ、酒ノ稅ヲ七圓上ゲル
ソレニ伴ッテ麥酒ノ稅モ七圓上ゲマス、是ハ
現在ノ十八圓カラ二十五圓ニ上ゲマス、故
ニ其差ハ七圓デアリマスケレドモ、其割合
ハ約四割ニ當ル、財源ヲ作ル上ニ於テ已ム
ヲ得ザルコトヽハ申シナガラ、相當ノ重稅デ
アルト政府モ思フテ居リマス、斯樣ニ麥酒ノ
稅ヲ四割モ上ゲマスト、其稅源ヲ涵養スル
必要上、〓凉沈料ニ相當ナル課稅ヲシナケ
レバ、麥酒ノ消費ガ非常ニ減ズルト云フ虞
ガアリマス、隨テ酒造稅-廣イ意味デ言
ヒマス所ノ酒稅ノ資源ヲ涵養致シ、併セテ
稅制整理ニ因フテ生ズル所ノ財源ノ缺陷ノ
一部ヲ補塡センガ爲ニ、嗜好品タル〓凉飮
料ニ對シテ輕度ノ稅ヲ課スルト云フコトハ
是モ亦當然ノ事、且ツ已ムヲ得ザル事デア
ルト考ヘテ居リマスカラ、只今ノ土屋君ノ
御演說ハ拜聽致シテ置キマスケレドモ、政
府ハソレニ承服スル譯ニハ參ラヌノデアリ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=57
-
058・作間耕逸
○作問耕逸君 政府ノ提案ニ對スル質疑通
告ガ、マダ數名ヲ餘シテ居ルノデアリマス
ガ、既ニ質疑ハ二日ニ亙〓テ爲サレテ居リ
マスシ、隨テ本會議ニ於キマシテハ、此程
度ニ於テ打切リ、之ヲ以テ終結セラレンコ
トヲ望ミマス
〔「賛成」「賛成」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=58
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059・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ質疑打切ノ
動議ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=59
-
060・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議無シト認メマ
ス、仍テ質疑ハ終結致シマシタ、是ヨリ日
程第二十九、委員ノ選擧ニ移ルノデアリマ
スガ、之ニ先立ッテ御諮リ致シマス、卽チ
日程第二十二乃至第二十八ノ議員案モ、政
府案ト共ニ委員ニ併セ付託シテ審議ヲ進ム
ルコトヽ致シマシテ、日程第一乃至第二十
一ノ各案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ選擧ヲ
議題ト致シタイト思フノデアリマス、之ニ
對シテ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=60
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061・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議無シト認メマ
ス、仍テ日程第二十九、委員ノ選擧ヲ議題
ト致シマス
第二十九日程第一乃至第二十一案ノ
審査ヲ付託スヘキ委員ノ選擧発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=61
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062・作間耕逸
○作間耕逸君 日程第一乃至第二十八ノ各
案ヲ一括シテ議長指名特ニ三十六名ノ委員
ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=62
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063・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=63
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064・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、此場合內
閣ヨリ通牒ヲ受領致シマシタ、書記官ヲシ
テ朗讀致サセマス
〔書記官朗讀〕
大正十五年一月二十六日
内閣總理大臣臨時代理
內務大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
通牒
内閣總理大臣子爵加藤高明病氣ニ付本日
內務大臣若槻禮次郞ニ內閣總理大臣臨時
代理被仰付候
(拍手)起ル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=64
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065・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 次ハ日程第三十關稅
定率法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス
濱口大藏大臣
第三十關稅定率法中改正法律案(政
府提出)第一讀會
關稅定率法中改正法律案
關稅定率法中左ノ通改正ス
第四條本邦ノ船舶、生產品若ハ輸出品又
ハ本邦ヲ通過シタル物品ニ對シ他國ノ
船舶、生產品若ハ輸出品又ハ他國ヲ通
過シタル物品ヨリモ不利益ナル取扱ヲ
爲ス國ノ生產品若ハ輸出品又ハ其ノ國
ヲ通過シタル物品ニ對シテハ勅令ヲ以
テ物品ヲ指定、シ別表ニ定メタル關稅ノ
外其ノ物品ノ價格ト同額以下ノ關稅ヲ
課スルコトヲ得
第七條中第六號、第十號、第十一號、第
十五號、第二十號及第二十二號ヲ左ノ如
ク改ム
六本邦ニ派遣セラレタル外國ノ大使、
公使其ノ他之ニ準スヘキ使節ニ屬
スル自用品及在本邦外國大使館又
ハ公使館ニ屬スル公用口但シ本邦
ヨリ派遣シタル大使、公使其ノ他
之ニ準スヘキ使節ニ屬スル自用品
又ハ本邦大使館若ハ公使館ニ屬ス
ル公用品ニ對シ免稅ニ制限ヲ附ス
ル國ニ付テハ相互條件ニ依ル
十官立公立ノ學校、博物館、物品陳
列所等ノ營造物及命令ヲ以テ指定
シタル私立ノ學校ニ陳列スル標本
又ハ參考品ニシテ大藏大臣ノ認許
シタルモノ
十一慈善又ハ救恤ノ爲ニ寄贈セラレ
タル給與品及孤兒院、養老院、
施療病院等ノ慈善團體ニ寄贈セ
ラレタル物品ニシテ直接慈善ノ
用ニ供スルモノ
十五在外軍隊、軍艦又ハ公館ヨリ送
還シタル物品
二十外國航行ノ艦船ニ船用ノ爲引渡
ス物品但シ第十條ニ掲クル物品
ヲ除ク
二十二本邦ヨリ出港シタル船舶ニ搭
載シタル輸出貨物ニシテ該船
舶難破シタル爲積戾リタルモ
ノ但シ第八條又ハ第九條ニ依
リ輸入稅ノ免稅又ハ拂戾ヲ受
ケタル物品ヲ除ク
第七條第十一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
十一ノ二社寺、〓會又ハ禮拜堂ニ寄
贈セラレタル式典用具及禮
拜用具
第八條第六號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
六ノ二製作見本品トシテ輸入スルモ
第九條第二項ヲ左ノ如ク改ム
輸入原料品ニシテ茶鉛、厚〇·一七ミ
リメートルヲ超エサル亞鉛薄板又ハ命
令ヲ以テ指定シタル油又ハ油糟ノ製造
ニ使用スルモノニハ命令ノ定ムル所ニ
依リ其ノ輸入稅ノ全部又ハ一部ノ免除
又ハ拂戾ヲ爲スコトヲ得
別表ヲ左ノ如ク改ム
(別表)
輸入稅表
番號
一
二
九八七六五四三
一〇
一〇ノ二
-一
三
一三一
一四
五
一六
一七
一七ノ二
一八
一九
二〇
二
品名
第一類植物及動物(生活力ヲ有スルモノ)
植物、枝、幹、莖及根(栽植用又ハ接木用ノモノ)
培殖用菌類
一麹
二其ノ他
馬
牛
緬羊
山羊
豚
家禽類
魚介類
-種魚介及魚卵
其ノ他
蜜蜂
蠶種
別號ニ揭ケサル動物
第二類穀物、穀粉、澱粉類及植子
米及籾
大麥
パールバーレー
麥芽
小麥
オート
粟、黍及稗
高粱
玉蜀黍
蕎麥
豆類
-大豆
二小豆
三蠶豆
四綠豆
五豌豆
六落花生
甲脫殻セサルモノ
單位
從價
從從價價
從價
從價
従價
每百百
每
百百
每每每每
斤斤斤斤斤斤斤斤斤斤
百百百
每每
百百
每
每百
每百
每百
斤斤斤斤
每百
每百
每百斤
每百斤
稅率
無稅
無二無無一五無二稅割稅稅割分稅割
二無無二無割稅稅割稅
一〇〇0
〇·六〇
七一〇
二·七〇
〇·七七
〇·六五
〇·五〇
〇·二五
〇·三〇
〇·五〇
〇·七〇
〇·五五
〇·五五
〇·六五
〇·六五
一·二五
三
二三
二四
二五
二六
二六ノ二
二六ノ三
二七
二七ノ二
二七ノ三
二八
二八ノ二
二九
三〇
三
乙其ノ他
七其ノ他(醫藥用ノモノヲ除ク)
穀粉及澱粉類
-小麥粉
二オートミール
三コーンミール
四タピオカ、マニオカ及セーゴ
甲粉狀ノモノ
乙其ノ他
五コーンスターチ
六其ノ他
胡麻子
荏胡麻子
菜子及芥子
亞麻子
大麻子
蓖麻子
棉子
桐子
別號ニ揭ケサル採油用種子
アイヴオリーナット、ドウームナット其ノ他類似ノ
鈕釦製造用核子
インディアラッバー樹、ガタパーチャ樹、木藍及甜菜
ノ種子
クローヴァー其ノ他牧草ノ種子
別號ニ揭ケサル穀物及種子(醫樂用ノモノヲ除ク)一從
第三類飲食物及煙草
蔬菜、果實及核子
-砂糖、糖蜜、糖水又ハ蜂蜜ヲ以テ貯藏シタル
モノ
二其ノ他
甲蔬菜
甲ノ一罐詰ノモノ
甲ノ二罎話ノモノ
甲ノ三壺詰ノモノ
甲ノ四其ノ他
乙其ノ他
乙ノ一罐詰ノモノ
乙ノ二罎詰ノモノ
乙ノ三壺詰ノモノ
乙ノ四其ノ他
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
百
每每從每百
百斤斤斤斤斤價斤
百
每每每百
百
從價
價
每百共
容器
從容每容每容每器百器百器百價共斤共斤共斤
容每容每容每器百器百器百共斤共斤共斤
一·八〇
〇·五〇
一·八五
九·五五
五·六五
.〇〇
三割
四·五五
二·〇0
〇·五〇
〇·五〇
〇·八五
無一無無無無稅割稅稅稅稅
無稅
無稅
無稅
一割五分
一二·七〇
七·九〇
七·六〇
一·九五
三割
七·二五
八·五〇
三·二〇
三一ノ二
二二
Hund
三四
三五
三六
三七
三八
三九
四〇
四
四二
四三
四四
四五
四六
四七
イ生果
ロ乾果
ハ核子
ニ其ノ他
椰子
茶
紅茶
二紅茶粉
三其ノ他
マーテ其ノ他ノ茶代用物
咖啡
-種子
二其ノ他
チコリー其ノ他ノ咖啡代用物
コーコー(砂糖ヲ加ヘサルモノ)
ー種子
二其ノ他
胡椒
-種子
二其ノ他
カリー
-粉狀ノモノ
二其ノ他
マスタード
一粉狀ノモノ
二其ノ他
砂糖
-和蘭標本色相第十一號未滿ノモノ
二和蘭標本色相第十五號未滿ノモノ
三和蘭標本色相第十八號未滿ノモノ
四和蘭標本色相第二十一號未滿ノモノ
五其ノ他
木砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノ
糖密
一糖分ヲ蔗糖トシテ計算シタル重量全重量ノ
百分ノ六十ヲ超エサルモノ
二其ノ他
葡萄糖、麥芽糖及飴
蜂蜜
菓子
ジャム、フルートゼリー類
ピスケット(砂糖ヲ加へサルモノ)
每百斤
每百斤
百斤
從每
斤價
每百
每百斤
每百斤
百價斤
從每
每百斤
百
従每價斤
容每每器百百共斤斤
器百百共斤斤
從容每 容每每
器百價共斤
百
從容每器價共斤
百
每每每百
百
斤斤斤斤斤斤
每百
每百
每百
每百百
百
共斤共斤共斤共斤斤斤斤
容每容每容每容每每每
器百器百器百器百
四·〇〇
六·九〇
七·八五
三割
二·一〇
二二·六〇
六·八〇
六·〇〇
四割五分
一五·一〇
二五·一〇
三割五分
六·〇〇
四三·〇〇
七·三〇
二四·六〇
二五·二〇
三割
二三·三〇
三割
二·五〇
三·一〇
三·三五
四·二五
四·六五
七·四〇
一·三〇
二·五〇
-三·六五
七·二〇
三二·〇〇
一七·五〇
一三·三〇
四八
四九
五〇
五
五二
五二ノ二
五三
五四
五五
マカロニー、ヴァーミセリー其ノ他各種ノ麵類
果汁及糖水
一果汁(砂糖ヲ加ヘタルモノ)及糖水
甲罎入又ハ罐入ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
ソース
-樽入ノモノ
二其ノ他
食酢
但シ攝氏十五度ニ於テ百立方センチメートル中
ニ於ケル醋酸ノ重量十グラム以上一グラムヲ增
ス每ニ百リットルニ付三圓ヲ加フ
烏獸肉類
生鮮ナルモノ
甲牛肉
乙羊肉
丙豚肉
丁鯨肉
戊其ノ他
二罐詰、罎詰又ハ壺詰ノモノ
三其ノ他
甲ソーセージ
乙ハム及ベーコン
丙鹹肉
丁鹽鯨
イ尾肉
ロ其ノ他
戊其ノ他
魚介類
一生鮮ナルモノ
二罐詰、罎詰又ハ壺詰ノモノ
甲鰛油漬
乙其ノ他
三其ノ他
甲鹹魚及乾魚(單ニ蒸シ又ハ燒キタルモノ
ヲ含ム)
乙其ノ他
バター、人造バター及ギー
チース
コンデンスドミルク
一乾キタルモノ
二其ノ他
每百斤
容每每容每器百百器百共斤斤共斤
每
每リ,器百百ル共斤斤
容
〓〓ト
百百
百
從從從每每每價價價斤斤斤
每百斤
每百
斤斤
每百
百
從每每百價斤斤
從價
百斤
從每價
價價
每每從從
百斤
百斤
容毎容每器百器百共斤共斤
八·八〇
一五·三〇
〇·七〇
-一·〇〇
一·八〇
·八〇
八·〇〇
二·〇〇
四·〇五
四·〇〇
一割五分
割
二割五分
一六·五〇
一九〓五〇
五·六五
四·二〇
二·二五
一割五分
-割
二八·二〇
二割
-割
一割五分
二九〓六〇
二〇·五〇
一三·四〇
八·三〇
五六
五七
五八
五九
五九ノ二
六〇
六
六二
六三
六四
六五
六六
インファントフード
肉越爰斯
ペプトン、ソマトーゼ、ヘモグロビン其ノ他類似ノ
淺養食料
島卵(生鮮ナルモノ)
鳥卵液及鳥卵粉
-印貴粉
二卵百粉
三其ノ他
礦水、曹達水其ノ他砂糖又ハ酒精ヲ含マサル諸飮
料
清泊
支那酒(醸造シタルモノ)
麥酒
莓菊浦(ポート、シェリー、ヴェルモット、マデーラ、
マルサラ、サンラフフエル等ヲ含ム)
但シ攝氏十五度ニ於テ〇·七九四七ノ比重ヲ有
スルモノヲ純酒精トシ原容量百分中純酒精ノ容
量二十四ヲ超エサルモノ
罎人ノモノ
二其ノ他
甲原容量百分中純酒精ノ容量十四ヲ超エサ
ルモノ
イ攝氏十五度ニ於テ百立方センチメート
ル中ニ於ケル糖分ヲ葡萄糖トシテ計算
シタル重量一グラムヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
但シ攝氏十五度ニ於テ百立方センチメ
ートル中ニ於ケル糖分ヲ葡萄糖トシテ
計算シタル重量二十グラムヲ超エタル
モノハ二十グラム以上一グラムヲ增ス
每ニ百リットルニ付二十五錢ヲ加フ
乙其ノ他
但シ攝氏十五度ニ於テ百立方センチメー
トル中ニ於ケル糖分ヲ葡萄糖トシテ計算
シタル重量二十グラムヲ超エタルモノハ
二十グラム以上一グラムヲ增ス每ニ百リ
ットルニ付二十五錢ヲ加フ
シャンパン其ノ他ノスパークリングワイン
別號ニ揭ケサル酒類
-攝氏十五度ニ於テ〇·七九四七ノ比重ヲ有
スルモノヲ純酒精トシ原容量百分中純酒精
ノ容量七ヲ超エサルモノ
每
容每容器百器百共斤共斤
從價
每百斤
每百斤
每百斤
從價
每百リットル
每百リットル
每百リットル
毎百リットル
每百リットル
每百リットル
每百リットル
毎百リットル
毎百リットル
每百リットル
二四·三〇
八六·八〇
三割
四·五〇
三·五五
五·六五
-割
一六·〇〇
二八·一〇
二四·二〇
一六·四〇
八一·九〇
二六·七〇
四五·一〇
四一·七〇
一七〇·〇〇
二七·八〇
六六ノ二
六七
六八
六九
七〇
七
七十
二其ノ他
甲罎入ノモノ
乙其ノ他
但シ攝氏十五度ニ於テ〇·七九四七ノ比
重ヲ有スルモノヲ純酒精トシ原容量百分
中純酒精ノ容量五十以上一ヲ增ス每ニ百
リットルニ付一圓二十八錢ヲ加フ
鹽
別號ニ揭ケサル飮食物
-砂糖ヲ加ヘタルモノ
二其ノ他
煙草
一葉卷煙草、紙卷煙草及刻煙草
二咀嚼煙草
三嗅煙草
四其ノ他
第四類皮毛骨角齒牙甲殻類及其ノ製品
毛皮
緬羊皮及山羊皮
甲鞣シタルモノ
乙其ノ他
二其ノ他
毛皮製品(別號ニ揭ケサルモノ)
皮類(別號ニ揭ケサルモノ)
革類
-牛革、水牛革、馬革、緬羊革及山羊革
甲塗リタルモノ
乙染メタルモノ又ハ著色シタルモノ(ロー
ラーレザーヲ除ク)
丙其ノ他
丙ノ一牛革、水牛革及馬革
イ靴底革
イノ一バック、ベンド、パット、ストリッ
プ其ノ他之ニ類似スルモノ及
靴底形ニ栽チタルモノ
イノ二其ノ他
其ノ他
丙ノ二緬羊革及山羊革
イローラーレザー
ロ其ノ他
二羚羊革(摸造羚羊革ヲ含ム)
三豚革
四鰐魚革
每百リットル
每百リットル
從從價價
從每每從價斤斤價
每百斤
從從價價
從價
每百斤
百
従每每百價斤斤
每
百百
從每每百價斤斤斤
一二四·〇〇
七三·九〇
無稅
六割
四割
三十五割五分
二·二三
五·一七
三十五割五分
九·四〇
無
無五四稅割割稅
二割
一四五·〇〇
二七·一〇
一五·二〇
二割
八六·八〇
二四·〇〇
七四·四〇
二割
七三
七四
七五
七六
七七
七八
七九
八〇
八
八二
八三
八四
八五
八六
八七
八八
八九
九〇
九
九二
九三
九四
九五
甲一箇ノ重量百五十グラムヲ超エサルモノ
乙其ノ他
五リザードレザー
六屑
七其ノ他
革製品(別號ニ掲ケサルモノ)
機械用ノ帶及管
二帽子用裏革(摸造革ヲ含ム)
三其ノ他
甲貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石、
半貴石、眞珠、珊瑚、象牙又ハ鼈甲ヲ用
キタルモノ
乙其ノ他
獸毛(別號ニ揭ケサルモノ)
羽毛
-粧飾用ノモノ
二其ノ他
羽毛皮
羽毛製品及羽毛皮製品(別號ニ揭ケサルモノ)
クイルプリッスル及ホーンブリッスル
獸骨(醫樂用ノモノヲ除ク)
獸牙
獸牙製品(別號ニ揭ケサルモノ)
-象牙製ノモノ
二其ノ他
獸角(醫藥用ノモノヲ除ク)
獸蹄
獸筋
ブラッダー
貝殻
鼈甲
鼈甲製品(別號ニ揭ケサルモノ)
珊瑚
珊瑚製品(別號ニ揭ケサルモノ)
眞珠
海綿
別號ニ揭ケサル毛骨角齒牙甲殻類(醫藥用ノモノ
ヲ除ク)
一皮毛骨角齒才甲殻類製ロ(別號ニ揭ケサルモノ)
第五類油脂蠟及其ノ製品
植物性揮發油
-芳香性ノモノ
二其ノ他
每百斤
每百斤
百斤
從從每價價
每百斤
每百斤
從從價價
從價價
從
從價
從從價價
從從從從從價價價價價
從價價
從
二〇七·〇〇
一一三·〇〇
三九四·〇〇
二割
二割
三七·二〇
八八·八〇
無四五稅割割
無無無五無二四稅稅稅割稅割割
二五五四五無無無無無無四五割分割割割稅稅稅稅稅稅割割
四一割割
無稅
九六
九七
九八
九九
一〇〇
一〇一
〇二
〇三
〇四
-〇五
一〇六
一〇七
一〇八
〇九
-0
-一
-三
甲松精油
イ罐入又ハ樽入ノモノ
ロ其ノ他
乙其ノ他
亞麻子油
-罐入又ハ樽人ノモノ
甲ポイルド油
乙其ノ他
二其ノ他
蓖麻子油
罐入、樽入又ハ壺人ノモノ
二其ノ他
阿列布油
-罐入又ハ樽入ノモノ
二其ノ他
椰子油
落花生油
大豆油
棉子油
桐油
カメリヤ油
カカオバター
肝油
魚油及鯨油
獸脂
-豚脂
二牛脂
三其ノ他
コムパウンドラード
ステアリン
オレイン
礦油
-原油(トッピングシタルモノヲ含ム)及重油
割溫蒸餾法ニ依リ攝氏二百七十五度ニ至ル間
ニ於テ蒸餾スル液ノ原液ノ容量ニ對スル百分率
甲二十ヲ超エサルモノ
乙二十五ヲ超エサルモノ
丙三十ヲ超エサルモノ
丁三十五ヲ超エサルモノ
戊四十ヲ超エサルモノ
己其ノ他
但シ百分率四十五以上一ヲ增ス每ニ百ガ
ロンニ付七錢ヲ加フ
每百リットル
從價
從價
每百
價價斤
從從
百斤
從每價
百百百器百
從每每每每每每每容每價斤斤斤斤斤斤斤共
百百
百
百
百
百
每每每從每每斤斤斤價斤斤
百百
百
每百ガロン
每百ガロン
每百ガロン
每百ガロン
每百ガロン
每百ガロン
六·九五
一割五分
一割五分
三·七五
ー割
二割
一一·二〇
二割
無稅
一四·六〇
二·四五
四·六〇
二·五〇
四·四五
二·二五
六〇〇
一八·九〇
二割
無稅
九·〇〇
一·二〇
一割
九〇〇
一二·〇〇
五·〇〇
一·七〇
二·〇五
二·四〇
二·七五
三一〇
三·四五
一一三
一一四
一一五
-一五ノ二
一一五ノ三
一一六
一一七
-八
九
一二〇
一二一
二
二三
二
二五
二六
一二七
一二八
一二九
一三〇
一三一
三
Tell.
三四
一三四ノ二
一三五
一三五ノ二
二其ノ他(動植物性ノ油及脂、石鹼等ヲ含有
スル機械油ヲ含ム)
攝氏十五度ニ於ケル比重
甲〇·八七六二ヲ超エサルモノ
乙〇·九二一八ヲ超エサルモノ
丙其ノ他
ワセリン
-一箇ノ重量容器共一キログラムヲ超エサル
モノ
二其ノ他
バラフィンワックス
-融解點攝氏四十五度ヲ超エサルモノ
二其ノ他
漆蠟及植蠟
柏油
カーノーバワックス
蠟燭
石鹼
-薰香ヲ付シタルモノ
二其ノ他
薰香ヲ付シタル油、脂蠟及其ノ製品
香水
別號ニ揭ケサル油、脂、蠟
油脂蠟製品(別號ニ掲ケサルモノ)
第六類藥材、化學藥、製樂、其ノ調合品及爆發藥
ホップ
サフラン
セメンシナ
丁香
杏仁及苦扁桃仁
番木鼈
大風子、小豆蔻、肉豆蔻肉豆蔻花、華澄茄、コ
ロシント實コルヒクム子トンカ豆ヴァニラ
豆.アニース子、大茴香、小茴香、ストロファン
ツス子及アジョーワン子
甘草
吐根
人參
龍膽及ゲンチアンナ根
大黄
セネガ根
遠志
甘松
イリス根、コロムボ根、海葱、ヤラッバ根及ヴェチ
ヴァー
每百ガロン
毎百ガロン
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
內裝共
每百斤
每百斤容器
及內裝共
每百斤容器
及內裝共
從價
從價
每百斤
從價
每百斤
八·〇〇
七·〇〇
一·六〇
一五·九〇
三·五〇
無稅
一二·::
六〇〇
無稅
無稅
一三·一〇
、二八·六〇
五·七〇
七八·〇〇
九〇·〇〇
二割
二割五分
無稅
四三·〇〇
無無無無稅稅稅稅
無無無無二無無無稅稅稅稅割稅稅稅
四·八〇
無稅
一三六
一三七
一三七ノ二
一三七ノ三
一三八
一三九
一四、
四〇ノ二
一四〇ノ三
四〇ノ四
四〇ノ五
四
四ノ二
一四二
一四三
一四四
四五
一四六
一四七
一四八
一四九
一〇〇
一五一
一五二
一五三
一五四
一五五
一五六
一五七
一五八
一五九
一七〇
一六、
一六一ノ二
一六二
一六三
コカ葉、ヤポランヂ葉及バッチュリー葉
桂皮
キナ皮
コンジュランゴ皮、カスカラサクラダ、リナロヘ、
ローズウッド、サッサフラス木
沈香
白檀
一サンタラムアルブム
二其ノ地
麥角
麝香
安息香、阿魏、蘆薈及沒藥
美人膠
沒食子、五倍子、ミロバラン、檳榔子、オーク樹
皮、ミモサ樹皮、栲皮、クェブラチョー木片其ノ他
類似ノタンニン材料
阿仙藥其ノ他ノタンニン越幾斯
甘草越幾斯
バルサム
生インディアラッバー、生ガタバーチャ及其ノ代用
物
アラビアゴム、セルラック、松脂其ノ他別號ニ揭
ケサル護謨及樹脂(醫藥用ノモノヲ除ク)
阿膠
ゼラチン
魚膠
硫黄
黄燐、赤燐及硫化燐
ヨード
ブローム
亞鉛粉
硼酸
醋酸
乳酸
蓚酸
酒石酸
サリチール酸及アセチールサリチール酸
石炭酸
枸櫞酸
焦性沒食子酸
沒食子酸
タンニン酸
無水アムモニア
每百斤
每百斤
每斤
從價
每百斤
百百百
從每每每價斤斤斤
百
每每從每斤斤價斤
百百
百斤
每每百
斤
每每百百斤斤
每百斤
每百斤
百斤
從每
價
每百斤
無無稅稅稅
無
無稅
五一·九〇
無稅
三八五
無稅
-〇-〇0
無稅
無稅
稅稅
一無無
割
二〇·三〇
無稅
無稅
三-五
六六二〇。
七-0
二判
無稅
一三五·〇〇
三割五分
一·五〇
三·三〇
-一·〇〇
四〇·七〇
無稅
二三·七〇
四五·〇〇
一五·七〇
三三·〇〇
一四四·〇〇
三割
二三·六〇
無稅
一六四
一六五
一六六
一六七
一六八
一六九
一七〇
一七一
一七二
一七三
一七四
一七五
一七六
一七七
一七七ノ二
一七八
一七八ノ二
一七九
一〇〇
一八一
一八一ノ二
一八一ノ三
一八二
-八三
一八四
一八五
一八六
一八七
一八七ノ二
一八八
一八九
一hb
苛性曹達及苛性加里
ー精製ノモノ
二其ノ他
曹達灰及天然曹達
重炭酸曹達
過酸化曹達
硝酸曹達(智利硝石)
ー精製ノモノ
二其ノ他
硫酸曹達
-精製ノモノ
二其ノ他
硼酸曹達(硼砂)
硅酸曹達
クロール酸曹達
靑化曹達及靑化加里
硝酸加里(硝石)
鹽化加里及硫酸加里
-精製ノモノ
二其ノ他
クロール酸加里
重クローム酸加里及重クローム酸曹達
過滿俺酸加里
ヨード曹達
ヨード加里
ブローム水素酸、ブローム加里其ノ他別號ニ揭ケ
サルプローム鹽類
炭酸マグネシウム
鹽化バリウム
過酸化バリウム
過酸化水素
明礬
フェロ靑化曹達
フェリ靑化曹達
フェロ靑化加里(黃色皿滷鹽)
フェリ靑化加里(靑色血滷鹽)
次硝酸蒼鉛
次沒食子酸蒼鉛
鹽化アムモニウム
硫酸アムモニウム
-精製ノモノ
二其ノ他
炭酸アムモニウム及重炭酸アムモニウム
百百百
每每每每每斤斤斤斤斤
百
百
從價
從價
每百斤
每百斤
每百斤
從價
百百斤斤
每每每
百
斤斤
每百
每從斤價
百
百
百
百斤價斤斤價斤斤
百
每每每每從每每從每每
百
百斤
百斤
百斤
每百斤
從價
每百斤
一二·八〇
一·五〇
〇·三五
〇·九五
一五·六〇
二割
無稅
無無二稅稅割
一○
五八〇
無稅
三0五
無二稅稅割
無
五·一〇
六·九〇
一五五·〇〇
一二二·〇〇
三割五分
三·〇五
三·三五
二·五〇
三割
。·七〇
二·九〇
割
五〇〇
-一·七〇
八一·一〇
-三五·〇〇
二·三〇
二
無五稅割
三·四
一九〇ノ二
一九〓
一九二
一九二ノ二
一九二ノ三
一九三
一九四
一九五
一九五ノ二
一九六
一九七
一九七ノ二
一九八
一九九
一九九ノ二
二〇〇
二〇一
二〇二
二〇三
二〇四
二〇五
二〇六
二〇六ノ二
二〇六ノ三
二〇七
二〇八
二〇九
二〇九ノ二
二〇九ノ三
二〇九ノ四
二一〇
二一
二一二
二二ノ二
硫酸ニッケル及硫酸ニッケルアムモニウム
硫酸トリウム
硝酸セリウム
ラヂウム及ラヂウム鹽類
ロヂウム鹽類
醋酸石灰
アセトン
フォルマリン
ウロトロピン
木精
酒精
變性酒精
グリセリン
クロロフォルム
ヨードフォルム
ロンガリット、ブランキット、デクロリン其ノ他
類似ノ還元劑
デキストリン
乳糖
サッカリン其ノ他類似ノ甘味物
ナフタリン
龍腦、艾片及人造龍腦
サリチール酸曹達及サリチール酸曹達シオプロミ
ン
ザロール
安息香酸曹達
ベンゾール、トリューオル、ザイロール、ソルベン
トナフサ、アンスラセン、カーバゾール、クレオソ
ート油其ノ他別號ニ揭ケサルコールタール分餾物
コールタール分餾物ヨリ誘導シタル化學的生成品
(ベンザルデハイド、ナイトロペンゾール及ナイト
ロトリューオル以外ノ香料、石炭酸、サリチール酸、
ペークライト及醫藥ヲ除ク)
-アニリン及アニリンソルト
二其ノ他
アンチフェブリン
アンチピリン
ピラミドン
フェナセチン
サルヴァルサン類
サントニン
酪酸キニーネ
硫酸キニーネ
每百斤
斤斤
每每每百百百
斤
每百斤
每リットル
毎リットル
每百斤
每百斤
每百斤
百
斤斤
百
每每每每百
斤斤
每百斤
從價
每百斤
每百斤
百
每從從每斤價價斤
百
每百斤
百斤
グラム
每每每每每
斤斤
百
百斤
五·三五
無
無無稅稅稅稅
無
四
五·一三
五·一〇
三五·二〇
無稅
一·二〇
一·二〇
一八〇〇
二二·三〇
二〇二·〇〇
二三·七〇
一·七〇
'一一·二〇
六〇·〇〇
無稅
二五〇·〇〇
三割五分
二三·四〇
四三·三〇
無稅
一四·五〇
三割五分
三割五分
八二·〇〇
一六一·〇〇
六一·八〇
〇·七五
九·三〇
一三五·〇〇
六〇·〇〇
二一二ノ三
二一三
二一三ノ二
二一四
二四ノ二
二四三三
二型ノは
二一五
二三六
二一六二
二一七
二一七ノ二
二一八
二一九
二二〇
二二一
二二二
二二三
一三四
二二四ノ二
二二五
二二六
二二七
二二八
二二八ノ二
二二九
二三〇
二三一
二三二
エチール炭酸キニーネ
鹽酸モルヒネ及硫酸モルヒネ
燐酸コデイン
エタゴニン
コカイン
醯酸コカイン
硫酸コカイン
鹽酸シンコニーネ及硫酸シンコニーネ
炭酸クレオソート
炭酸グアヤコール
カゼイン
ペプシン
ペーキングバウダー
酒精劑
一フルートエッセンス、リキュールエッセンス
其ノ他類似ノモノ
二其ノ他
人造麝香
ヴァニリン、クマリン、ヘリオトロピン其ノ他別
號ニ揭ケサル類似ノ薰香性化學藥
齒磨粉、齒洗藥、化粧粉其ノ他別號ニ揭ケサル調
製薰香類
線否
殺蟲粉
蠅取紙
ローラーコンポジション
プラスター
ガーゼ、脫脂綿、繃帶、カットガット其ノ他類似ノ
外科用材料
膠囊
オブラート
別號ニ掲ケサル藥材、化學藥及製藥
藥材、化學藥及製藥ノ調合品(別號ニ揭ケサルモ
ノ)
爆發藥
-火藥
二ダイナマイト
三デトネートル
四フューズ
五其ノ他
カートリッヂ(装樂シタルモノ)
-装彈シタルモノ
甲金屬製ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
每每從從從每每從斤斤價價價斤斤價
百
每百斤
每百斤
每
斤斤
每百
毎リットル
毎リットル
每百斤
從從價價
每每每從百百百斤斤斤價
内每百共
裝
百
裝
從從從內每從價價價共斤價
百装百百百
從每內每每每價斤共斤斤斤
裝百共斤
從內每內每裝百
價共斤
二割
一三一五、〇
二一·四O
五分
五分
三割五分
一九·三〇
三八·八〇
三三·四〇
五八·一〇
無稅
一·五五
二九·三〇
二·一五
一·二〇
八一·五〇
五一割
割
四割
二四·三〇
六
一五·六〇
五九·七〇
三割
九〇·二〇
三割
二割割
二九·五〇
一.0.
三七·〇〇
三七·四〇
三割
四八·八〇
二七·一〇
三割
二三三
二三四
二三五
二三六
二三七
一二三八
二三九
二四○
二四一
二四二
二四三
二四四
二四五
二四五ノ二
二四六
二四七
二四八
二四九
二五〇
二五〇ノ二
二五〇ノ三
二五〇ノ四
二五一
二五二
二五三
二五四
二五五
二五六
二五七
銃砲彈(装藥シタルモノ)
煙火
燐寸
第七類染料、顏料、塗料及塡充料
天然藍
-乾キタルモノ
二液狀又ハ泥狀ノモノ
姜黃
紅花
-餅紅花
二其ノ他
ログウード
ログウード越後斯
燒糖
人造藍
別號ニ揭ケサル合成染料
-鹽基性染料
二直接染料
三酸性染料
媒染染料及酸性媒染染料
六五四硫化染料
建築染料
七油解染料
八其ノ他
酸化コバルト(吳須ヲ含ム)
金液
銀液及白金液
靑銅粉、アルミニウム粉其ノ他別號ニ揭ケサル類
似ノ金屬粉
プラッシアンブリュー
群靑
鉛白、鉛丹及リサージ
亞鉛白(酸化亞鉛及硫化亞鉛)
硫酸バリウム
リソポン
酸化チタニウム
白堊及ホワイチング
朱及辰砂
鷄冠石及雄黃
雖黃及ドラゴンスプラッド
カーポンブラック
漆
ヴァニシュ
價
從每從百斤
價
百
從每
斤價斤
每百
每百斤
每百斤
每百斤
每百
斤斤
每百
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
百斤
百斤
每從每每每百斤
價
百
斤斤
每
每
百百
每
百百百
斤斤斤價斤斤斤斤斤斤斤
百百
每每每從每每每每每
百
百
百
百百斤斤
每每每
百斤
三割
一二·七〇
三割
三三·七〇
二割
一·〇〇
一三·七〇
四·〇五
無稅
一·八五
一三·六五
四〇·〇〇
一五五·〇〇
〇七·〇〇
三五·〇〇
〇八·〇〇
七八·〇〇
八八·〇〇
〇〇·〇〇
三割五分
一二八·〇〇
一一·四〇
無稅
二八·〇〇
二三·四〇
一一·七〇
二·八〇
四·八五
○.八〇
二·三五
-割
-〇五
二六·八〇
一·八〇
無稅
一·九五
六·八〇
一九·四〇
二五八
二五八ノ二
二五九
二五九ノ二
二六〇
二六一
二六二
二六三
二六四
二六五
二六六
二六七
三六八
二七六九
〇
木タール
コールタール
ピッチ及アスファルト
コールタール、ピッチ又ハアスファルトノ製品ニ
シテ道路修築用ノモノ
靴墨
鉛筆
-鞘ニ入レサルモノ(心)
二其ノ他(金屬製ノ鞘ニ入レタルモノヲ除ク)
甲木鞘又ハ紙鞘ニ入レタルモノ
乙其ノ他
インキ
一寫字用又ハ筆記用ノモノ
二印刷用ノモノ
甲液狀又ハ混狀ノモノ
甲ノ一樽入ノモノ
イ黒色ノモノ
ロ其ノ他
甲ノ二其ノ他
乙固形ノモノ
三其ノ他
墨及朱量
聖筆及テーラースチョーク
アーチストカラー及アーチストペーント
ペーント
-コッパーベーント、インターナショナルコ
ンポジション、アンチフォーリングコンポジ
ション、アンチコロシーヴペーント其ノ他
類似ノ船底塗料
二バテントドライヤー
三エナメルベーント
四其ノ他
甲一箇ノ重量容器共六キログラムヲ超エサ
ルモノ
乙其ノ他
バッテー、マンガンバッテー、マリングリュービッ
ヲ其ノ他類似ノ填充料
-バッテー
二マンガンバッテー
三マリングリュービッチ
四其ノ他
封雄
別號ニ揭ケサル染料及顏料
別號ニ揭ケサル塗料
容每器共斤
從價
每グロフス
從價
容每器百共斤
百
百
器
容每從從從每容每從每百共斤價價價斤共斤價斤
器百
每
每器百百百共斤斤斤
容每
每
容百器百斤共斤
每
百
從從每從從從每價價斤價價價斤
百
無稅
無
稅稅
無
無稅
一三·六〇
二割
一·四五
二割五分
八·三五
三·四五
二割五分
二一·五〇
-一一·〇〇
二割五分
二割五分
二割五分
八一·五〇
七·四五
五·八〇
一七·二〇
一三·一〇
九·二〇
O
二割五五分分
罰
割五分
一
一製힌五五一分分〇
二
二七一
二七二
二七三
二七四
二七五
二七六
二七七
二七八
第八類絲縷、繩索及同材料
本類ノ物品カ二種以上ノ纖維ヲ以テ組成
ノ五ヲ超エサル纖維ハ絹及人造絹ヲ除クノ外分類上之ヲ交ヘサルモノト看
做ス
寶綿及繰綿(カード又ハコームシタルモノヲ含ム)
綿織絲
-單撚ノモノ及雙撚ノモノ
甲生ノモノ(瓦斯燒シタルモノヲ含ム)
イ英式番手二十四番ヲ超エサルモノ
ロ英式番手四十二番ヲ超エサルモノ
ハ英式番手六十番ヲ超エサルモノ
ニ英式番手八十番ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
乙單ニ源白シタルモノ
丙其ノ他
二其ノ飽
甲生ノモノ(瓦斯燒シタルモノヲ含ム)
乙其ノ他
綿絲及長十メートルノ重量三グラムヲ超エサル綿
線
-総造ノモノ
甲生ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
甲本製ノ絲卷ニ卷キタルモノ
乙其ノ他
亞麻、苧麻、ラミー、大麻、黄廉其ノ他別號ニ掲ケ
サル植物纖維
亞麻織絲
-單撚ノモノ
甲生ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
甲生ノモノ
乙其ノ他
亞麻絲及英式番手七番ヲ超エタル單撚絲ヲ撚合セ
タルモノニシテ長十メートルノ重量十二グラムヲ
超エサル亞麻線
-生ノモノ
二其ノ他
苧麻織絲及ラミー織絲
-生ノモノ
二其ノ他
苧麻絲、ラミリ縣及英式番手七番ヲ超エタル單撚
セラルル場合ニ於テ全重量ノ百分
百百百
每每每每斤斤斤斤
百
每百斤
加フ
加フ
每每百百斤
斤
每每百百斤斤
從絲每卷百價共斤
每每百百斤
每每百百斤
每每百百斤斤
每每百百斤斤
無稅
五·八〇
六·四〇
九·五〇
-一·〇〇
-一·三〇
生ノモノノ稅率ニ一圓ヲ
生ノモノノ稅率ニ三圈ヲ
三九·二〇
四一·二〇
三九·二〇
四一·二〇
七〇·一〇
三割
無稅
四七〇五
四〇·九〇
四四·九〇
四〇·九〇
四四·九〇
七·八〇
一二·〇
二七九
二八〇
二八一
二八二
二八四
二八五
二八六
二八七
二八八
二八九
二九〇
二九一
二九二
二九三
二九四
二九五
絲ヲ撚合セタルモノニシテ長十メートルノ重量十
二グラムヲ超エサル苧麻線及ラミー線
大麻織絲
黄麻織絲
大麻絲、黄麻絲及英式番手七番ヲ超エクル單撚絲
ヲ撚合セタルモノニシテ長十メートルノ重量十二
グラムヲ超エサル大麻禄及黃麻綠
羊毛、山羊毛及駱駝毛
-カード又ハコームシタルモノ
二其ノ他
毛織絲
染メサルモノ又ハ捺染セサルモノ
甲梳毛絲ト紡毛絲トヲ撚合セタルモノ
乙番手ノ異リタル絲ヲ撚合セタルモノ及輪絲
丙其ノ他
丙ノ一梳毛ノモノ
イメートル式番手三十二番ヲ超エサル
モノ
其ノ他
丙ノ二紡毛ノモノ
二其ノ他
毛綿織絲
-染メサルモノ又ハ捺染セサルモノ
二其ノ他
蘭
眞綿及ペニー
生絲(撚リタルモノヲ含ム)
-野蠶絲
二其ノ他
紡績絹織絲
ー野蠶製ノモノ
二其ノ他
絹絲
人造絹
別號ニ揭ケサル織絲
-絹入、人造絹入又ハ全屬入ノモノ
二其ノ他
別號ニ揭ケサル絲
テグス
綿粉、毛粉、絹粉及人造絹粉
屑又ハ故ノ纖維屑織絲及層絲
從從從價價價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
十錢ヲ加フ
每百斤
加フ
從價
價價
每從從
百斤
從從從價價價
從價
二割五分
割
一割
二七·一〇
一四·五〇
無稅
三三·-○
三三·一○
二七·七〇
三二·四〇
二二·五〇
染メサルモノ又ハ捺染セ
サルモノノ稅率ニ二圓五
一七·五〇
染メサルモノ又ハ捺染セ
サルモノノ稅率ニ三圓ヲ
無稅
無稅
無稅
二割五分
無稅
三割
三割
一二五·〇〇
三割
-割
二割五分
無稅
二割
無稅
二九六
二九七
二九八
別號ニ揭ケサル線、繩索、組紐及組繩
-綿製ノモノ
二亞麻、苧麻、ラミー、大麻、黄麻、マニラ
ヘムプノ一又ハ二以上ニテ製シタルモノ
三其ノ他
故ノ線、繩索、組紐及組繩(トリムミングニ屬ス
ルモノヲ除ク)
第九類布帛及布帛製品
一本類中布帛ナル名稱ハフェルト及編物ヲ包含スルモノトス
二本類中絹ナル名稱ハ人造絹ヲ包含スルモノトス
三本類ノ布帛カ二種以上ノ纖維ヲ以テ組成セラル
百分ノ五ヲ超エサル纖維ハ絹及人造絹ヲ除クノ外分類上之ヲ交ヘサル
モノト看做ス
四織物ノ絲數ハ其ノ絲數ノ最モ多キ部分ニ於ケル單撚絲ニ依リテ之ヲ計
算ス
五紋織布トハ經緯各二十ヲ超エタル絲ヲ以テ一意匠ヲ組織シタルモノヲ
謂フ
前項ノ絲數ヲ計算スル場合ニ於テ二以上ノ單撚絲ヨリ成ル撚絲又ハ引
揃ヘタル絲ハ之ヲ一トシテ計算ス
綿織物
-天鵞絨、プラッシュ其ノ他ノパイル織物(バ
イルヲ切リタルト否トヲ別タス)
二シュニル絲ヲ以テ織リタル布帛
三フランネル其ノ他ノ起毛布
四縮
五搦織布
六レースヲ織込ミタル布帛
七平織布(別項ニ揭ケサルモノ)
甲生地ノモノ
甲ノ一百平方メートルニ付五キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメー
トル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
十九ヲ超エサルモノ
ロイ二十七ヲ超エサルモノ
ハ三十五ヲ超エサルモノ
ニ四十三ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
甲ノ二百平方メートルニ付十キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメー
トル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
十九ヲ超エサルモノ
二十七ヲ超エサルモノ
ホニハロイ三十五ヲ超エサルモノ
四十三ヲ超エサルモノ
其ノ他
每百斤
每百斤
從價
每百斤
百
百
從從從每從每價價價斤價斤
每百百斤斤
每
每百斤
每百百斤斤
每
每每每百百百斤斤
斤
每百斤斤
每百
一八·二〇
六·〇〇
二割
〇·六〇
ヽ場合ニ於テ全重量ノ
八三·一〇
二割
二九·五〇
二
割割割
二
二三·〇〇
三〇·〇〇
三五·〇〇
五〇·〇〇
七〇〇
二〇〇〇
二四·〇〇
二六〇〇
三〇。
四〇·〇〇
甲ノ三百平方メートルニ付二十キログラ
ムヲ超エサルモノニシテ五ミリメ
ートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ十九ヲ超エサルモノ
ロ二十七ヲ超エサルモノ
ハ三十五ヲ超エサルモノ
ニ四十三ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
甲ノ四百平方メートルニ付三十キログラ
ムヲ超エサルモノニシテ五ミリメ
ートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ十九ヲ超エサルモノ
ロ二十七ヲ超エサルモノ
ハ三十五ヲ超エサルモノ
ニ四十三ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
甲ノ五其ノ他
乙單ニ漂白シタルモノ
丙其ノ他
八紋織布及繡織布(別項ニ揭ケサルモノ)
甲生地ノモノ
甲ノ一百平方メートルニ付五キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメー
トル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ十九ヲ超エサルモノ
ロ二十七ヲ超エサルモノ
ハ三十五ヲ超エサルモノ
ニ四十三ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
甲ノ二百平方メートルニ付十キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメー
トル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ十九ヲ超エサルモノ
ロ二十七ヲ超エサルモノ
ハ三十五ヲ超エサルモノ
ニ四十三ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
甲ノ三百平方メートルニ付一一十キログラ
ムヲ超エサルモノニシテ五ミリメ
ートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ二十七ヲ超エサルモノ
ロ三十五ヲ超エサルモノ
百百
每每每每每百斤斤斤斤斤
百
百
百百百
每每每每斤斤斤斤
百
每百斤
每百斤
ヲ加フ
圓ヲ加フ
每每百百
百斤斤斤斤斤
每毎百
每百
每每百百百
每斤斤斤斤斤
每百
每百
每百斤
每百斤
二·〇〇
五·〇〇
八·〇〇
二四·〇〇
三〇·〇〇
--
○
-七·〇〇
二二·〇〇
二五·〇〇
二三·〇〇
生地ノモノノ稅率ニ六圓
生地ノモノノ稅率ニ十五
三〇·〇〇
三五·〇〇
四五·〇〇
六〇·〇〇
八〇·〇0
二四·〇〇
三〇·〇〇
三四·〇〇
四〇〇〇
四七·〇〇
二四·〇〇
三二·〇〇
ハ四十三ヲ超エサルモノ
ニ其ノ他
甲ノ四百平方メートルニ付三十キログラ
ムヲ超エサルモノニシテ五ミリメ
ートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ二十七ヲ超エサルモノ
ロ三十五ヲ超エサルモノ
ハ四十三ヲ超エサルモノ
ニ其ノ他
甲ノ五其ノ他
乙單ニ漂白シタルモノ
丙其ノ他
九其ノ他
甲生地ノモノ
甲ノ一百平方メートルニ付五キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメー
トル平方内ニ於ケル經緯ノ絲數
イ十九ヲ超エサルモノ
ロ二十七ヲ超エサルモノ
ハ三十五ヲ超エサルモノ
ニ四十三ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
甲ノ二百平方メートルニ付十キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメー
トル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ十九ヲ超エサルモノ
ロ二十七ヲ超エサルモノ
ハ三十五ヲ超エサルモノ
ニ四十三ヲ超エサルモノ
ホ其ノ他
甲ノ三百平方メートルニ付二十キログラ
ムヲ超エサルモノニシテ五ミリメ
ートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ二十七ヲ超エサルモノ
ロ三十五ヲ超エサルモノ
ハ四十三ヲ超エサルモノ
ニ其ノ他
甲ノ四百平方メートルニ付三十キログラ
ムヲ超エサルモノニシテ五ミリメ
ートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イ二十七ヲ超エサルモノ
ロ三十五ヲ超エサルモノ
每百斤
每百斤
每每百百斤斤
每百斤
百斤
每每
百斤
ヲ加フ
圓ヲ加フ
每每
百百百百百斤斤斤斤斤
每每每
每
百百
每
斤斤斤斤斤
每每百百百
每
每百斤
每百斤
百斤
每每
百斤
百斤
每每
百斤
三七·〇〇
四二·〇〇
二二·〇〇
三〇〇
三五·〇〇
四〇·〇〇
三五·〇〇
生地ノモノノ稅率ニ六圓
生地ノモノノ稅率ニ十五
二四·〇〇
三二·〇〇
四〇·〇〇
五五·〇〇
七五·〇〇
二二·〇〇
二六九〇〇
二八·〇〇
三五·〇〇
四五·〇〇
七·〇〇
二〇·〇〇
二六·〇〇
三二·〇〇
一五·〇〇
八·〇〇
二九九
ハ四十三ヲ超エサルモノ
ニ其ノ他
甲ノ五其ノ他
乙單ニ漂白シタルモノ
丙其ノ他
亞麻、苧麻、ラミー、大麻又ハ黃麻ノ織物、其ノ交織
物及此等ノ纖維ト綿トノ交織物
一天鵞絨、フラッシュ其ノ他ノパイル織物(パ
イルヲ切リタルト否トヲ別タス)
二節布
三搦織布(節布ヲ除ク)
四漂白シタル平織ノ亞麻布及亞麻綿交織布(百
平方メートルニ付十七キログラムヲ超エサ
ルモノニシテ五ミリメートル平方內ニ於ケル經
緯ノ絲數二十五ヲ超エ四十ヲ超エサルモノ)
五平織布、紋織布及繡織布(別項ニ揭ケサルモ
ノ)
甲黃麻布
五ミリメートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲
數
イ四ヲ超エサルモノ
ロ十ヲ超エサルモノ
ハ二十ヲ超エサルモノ
ニ其ノ他
乙綿ト交織ノモノ
乙ノ一生地ノモノ
イ百平方メートルニ付四十キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメート
ル平方内ニ於ケル經緯ノ絲數
イノ一十ヲ超エサルモノ
イノ二二十ヲ超エサルモノ
イノ三三十ヲ超エサルモノ
イノ四四十ヲ超エサルモノ
イノ五其ノ他
其ノ他
乙ノ二其ノ他
丙其ノ他
丙ノ一生地ノモノ
イ百平方メートルニ付四十キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメート
ル平方内ニ於ケル經緯ノ絲數
イノ一十ヲ超エサルモノ
每斤斤
百百
每
每百斤
生地ノモノノ稅率ニ六圓
ヲ加フ
生地ノモノノ稅率ニ十五
圓ヲ加フ
從從從價價價
每
百百
價斤斤斤
從每每百
每每百百斤斤
百斤
每每
百斤
每百斤
每百斤
圓ヲ加フ
每百斤
二三·〇〇
二七·〇〇
二六·〇〇
二一二割割割
無稅
二·五〇
四·〇〇
七·四〇
割
〇·〇〇
二〇·〇〇
三〇·〇〇
四五·〇〇
五〇·〇〇
一二·〇〇
生地ノモノノ稅率ニ十二
一二·〇〇
三〇〇
三〇一
イノ二二十ヲ超エサルモノ
イノ三三十ヲ超エサルモノ
イノ四四十ヲ超エサルモノ
イノ五其ノ他
ロ其ノ他
丙ノ二其ノ他
六其ノ他
甲綿ト交織ノモノ
甲ノ一生地ノモノ
イ百平方メートルニ付四十キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメート
ル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イノ一十ヲ超エサルモノ
イノ二二十ヲ超エサルモノ
イノ三三十ヲ超エサルモノ
イノ四四十ヲ超エサルモノ
イノ五其ノ他
ロ其ノ他
甲ノ二其ノ他
乙其ノ他
乙ノ一生地ノモノ
イ百平方メートルニ付四十キログラム
ヲ超エサルモノニシテ五ミリメート
ル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
イノ一十ヲ超エサルモノ
イノ二二十ヲ超エサルモノ
イノ三三十ヲ超エサルモノ
イノ四四十ヲ超エサルモノ
イノ五其ノ他
ロ其ノ他
乙ノ二其ノ他
鳳梨、葛、マニラヘムプ、アゲーヴ其ノ他ノ核物織
維(綿、亞麻、苧底、ラミー、大麻及黃庭ヲ除ク)ノ織
物及其ノ交變物
五ミリメートル平方內ニ於ケル經緯ノ絲數
-四ヲ超エサルモノ
二十ヲ超エサルモノ
三二十ヲ超エサルモノ
四其ノ他
毛織物、毛綿交織物及毛又ハ毛綿ト絹トノ交織物
-天鵞絨、ブラッシュ其ノ他ノバイル織物(バ
イルヲ切リタルト否トヲ別タス)
甲絹入ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
甲毛製ノモノ
イ一平方メートルニ付百グラムヲ超エサ
ルモノ
ロ一平方メートルニ付二百グラムヲ超エ
サルモノ
每每每每百百百斤斤斤
百
每百
生地ノモノ
圓ヲ加フ
每每百百斤斤斤
每百
每百斤
每百斤
每百斤
圓ヲ加フ
百百百百斤斤斤
每每每每每每斤
百斤
百斤
圓ヲ加フ
從每每每百百百價斤斤斤
每每百百斤
每百斤
每百斤
二二·〇〇
四〇:.
六〇·〇〇
一八〇一
五〇0
ノ稅率ニ十二
〇
-五五八〇〇
一一·〇〇
三五·〇〇
一四〇·〇〇
〇〇
生地ノモノノ稅率ニ十二
一0
O
三0〇〇
四五·〇〇
六五·〇〇
-三·〇〇
生地ノモノノ稅率ニ十二
÷〇〇
○
一〇○
割
-八
五
五七·五〇
九七·五〇
三〇二
三〇三
ハ一平方メートルニ付五百グラムヲ超エ
サルモノ
ニ其ノ他
乙毛綿製ノモノ
イ一平方メートルニ付百グラムヲ超エサ
ルモノ
ロ一平方メートルニ付二百グラムヲ超エ
サルモノ
ハ一平方メートルニ付五百グラムヲ超エ
サルモノ
ニ其ノ他
丙毛絹製ノモノ及毛綿絹製ノモノ
丙ノ一絹ノ重量全重量ノ百分ノ十ヲ超エ
サルモノ
イ一平方メートルニ付百グラムヲ超エ
サルモノ
ロ一平方メートルニ付二百グラムヲ超
エサルモノ
ハ一平方メートルニ付五百グラムヲ超
エサルモノ
ニ其ノ他
丙ノ二絹ノ重量全重量ノ百分ノ二十五ヲ
超エサルモノ
イ一平方メートルニ付百グラムヲ超エ
サルモノ
ロ一平方メートルニ付二百グラムヲ超
エサルモノ
ハ一平方メートルニ付五百グラムヲ超
エサルモノ
ニ其ノ他
丙ノ三其ノ他
馬毛布(他ノ纖維ヲ交ヘタルモノヲ含ム)
絹織物及別號ニ揭ケサル絹入ノ織物
天鵞絨、プラッシュ其ノ他ノパイル織物(パ
イルヲ切リタルト否トヲ別タス)
甲絹製ノモノ
乙其ノ他
二篩布
三其ノ他
甲絹製ノモノ
イ野蠶絲布
ロ其ノ他
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
百斤
百
從從每每價價斤
百斤
從每每百斤
價
每百斤
每百斤
九〇·〇〇
六四·七〇
五五·〇〇
五二·五〇
六〇·四〇
三二·六〇
一四四·〇〇
一三六·〇〇
一二八·〇〇
一二〇·〇〇
一八八·〇〇
一八〇·〇〇
一七二·〇〇
六四○
四
割割
二
五二〇·〇〇
一八〇·〇〇
一割五分
二〇〇·〇〇
五二〇·〇〇
三〇四
三〇五
三〇六
三〇七
三〇八
三〇九
三一〇
三一一
三一二
乙其ノ他
イ絹ノ重量全重量ノ百分ノ十ヲ超エサル
モノ
ロ絹ノ重量全重量ノ百分ノ二十五ヲ超エ
サルモノ
ハ絹ノ重量全重量ノ百分ノ五十ヲ超エサ
ルモノ
ニ其ノ他
別號ニ揭ケサル交織布
-天鵞絨、プラッシュ其ノ他ノバイル織物(パ
イルヲ切リタルト否トヲ別タス)
二其ノ他
メリヤス地其ノ他類似ノ編ミタル布帛(起毛シタ
ルト否トヲ別タス)
-絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ他
甲一平方メートルニ付二百グラムヲ超エサ
ルモノ
乙一平方メートルニ付五百グラムヲ超エサ
ルモノ
丙其ノ他
レース地及網地
-窻掛地
甲綿製ノモノ
乙其ノ他
二蚊轆地
甲綿製ノモノ
乙其ノ他
三ヴェーリング
甲絹製又ハ絹入ノモノ
乙其ノ他
四漁網地及獵網地
五其ノ他
甲絹製又ハ絹入ノモノ
乙其ノ他
フェルト地
毛製又ハ毛綿製ノモノ
二其ノ他
刺繍布
ブックバインダースクロース
トレーシングクロース
アーチストカンヴァス
ウィンドーホルランド
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
從斤價
每百
從價
每百斤
每百斤
每百斤
從價
從價
每百斤
從價
百
從從每價價斤
從從價價
百
每從每每從從每百斤價斤斤價價斤
百
百
九〇·〇〇
一八〇·〇〇
二八〇·〇〇
三八〇·〇〇
二割
八六·一〇
四割五分
一三三·〇〇
六八·八〇
五五·七〇
二割五分
三割
一一四·〇〇
三割
六八〇·〇〇
三割
二割
四割五分
二割五分
九〇·五〇
二割五分
四割
三四·〇〇
七二·六〇
二割五分
四〇·八〇
三一三
三一四
三一五
三一六
三一七
三一八
三一九
三二〇
三二一
三三
三三
三二四
三二五
三二六
三二七
三二八
エムパイアクロース
革布
牀用油布及リノリューム
ルーフィングカンヴアス
タードカンヴァス
金剛砂布(硝子粉ヲ塗リタルモノヲ含ム)
防水布(護謨ヲ塗リ又ハ挿入シタルモノ)
一絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ他
護謨入布及護謨紐類
幅八センチメートルヲ超エタルモノ
甲絹人ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
甲織リタルモノ
イ絹人ノモノ
ロ其ノ他
乙其ノ他
イ絹入ノモノ
ロ其ノ他
インシュレーチングテープ(布帛ヲ用ヰタルモノ)
ラムプ心
タイプライターリポン
手巾(單製ノモノ)
-綿製ノモノ
二亞麻製ノモノ
三亞麻綿製ノモノ
四絹製又ハ絹入ノモノ
五其ノ地
浴中(單製ノモノ)
-綿製ノモノ
二其ノ他
ブランケット(單製ノモノ)
旅〓(單製ノモノ)
絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ他
地氈(單製連製ヲ別タス)
-毛製又ハ毛入ノモノ
甲バイル織ノモノ
甲ノ一パイルヲ組成スル絲カ一系ノモノ
イパイルヲ切リタルモノ
ロ其ノ他
百百
百
每從從每每每斤價價斤斤斤
百
價
每從
百斤
每百斤
每百斤
價
從從價
從從每從從百價價斤價價
百打
百
從從從每每
價價價打
百斤
從每
價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
三〇·五〇
四四·〇〇
一一·四〇
割
二割
七六五
四割
五八·二〇
一四八·〇〇
一一八·〇〇
四割
二割五分
四割
二割五分
二三·七〇
二割五分
二割五分
四八·七〇
八三·七〇
二割五分
五割
二割五分
七八·一〇
二割五分
四九·二〇
二三二·〇〇
一三九·〇〇
三六·一〇
二一·四〇
三二九
三三〇
-
三三一
三三三
三三四
三三五
甲ノ二其ノ他
イパイルヲ切リタルモノ
ロ其ノ他
乙フェルト製ノモノ
丙其ノ他
二大麻製又ハ黃麻製ノモノ
三其ノ他
テープルクロース(單製ノモノ)
-綿製、綿大麻製又ハ綿黄麻製ノモノ
二亞麻製又ハ綿亞麻製ノモノ
三毛製又ハ毛綿製ノモノ
四絹製、絹入ノモノ、金屬絲ヲ用キタルモノ又
ハ刺繡シタルモノ
五其ノ他
窻掛
-毛製又ハ毛綿製ノモノ
二絹製、絹入ノモノ、金屬絲ヲ用ヰタルモノ又
ハ刺繍シタルモノ
三其ノ他
甲レース製ノモノ
乙其ノ他
トリムミング
-リボン、レース、小緣、平紐、丸紐、組紐類
甲絹製、絹人及貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金
屬、貴石、半貴石、眞珠、珊瑚、象牙又ハ鼈
甲ヲ加ヘタルモノ
乙摸造貴石、硝子珠、卑金屬等ヲ加ヘタルモ
丙其ノ他
イレース編ノモノ、結リタルモノ又ハ刺
繍シタルモノ
ロ其ノ他
二其ノ他(總、ノット、ループ、スター等)
甲絹製、絹人及貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金
屬、貴石、半貴石、眞珠、珊瑚、象牙又ハ鼈
甲ヲ加ヘタルモノ
乙其ノ他
蚊幮
ハムモック
漁網及獵網
エーアクッション
-絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ他
百
百斤斤
百
從從從每每每
價價價斤
每百斤
每百斤
每百斤
從價
從價
從價
從價
每百
價斤
從
從價
從價
從
從價價
從從從從從價價價價價
每百斤
每百斤
四四·五〇
二七·二〇
一七·一〇
三割
二割五分
二割五分
一四二·〇〇
八〇·〇〇
一九二·〇〇
五割
三割五分
三割五分
五割
三九·五〇
三割五分
五割
四割
三四割割
五
四割割
三割五分
三割五分
二割
三一五·〇〇
一二四·〇〇
三三六
三三七
三三八
三三八ノ二
三三九
三四〇
三四一
三四二
三四三
三四四
三四五
三四六
三四七
ベッドクィルト及クッション
-絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ地
甲〓モヲ塡充シタルモノ
乙其ノ他
ホース及機械用ベルチング(織製ノモノ)
-綿製ノモノ
二其ノ他
濾過囊
瓦斯填充用囊
ガンニー愛
故ガンニー囊
襤褸
別號ニ揭ケサル布帛
別號ニ揭ケサル布帛製品
ー絹製、絹入及貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、
貴石、半貴石、眞珠、珊瑚、象牙若ハ鼈甲ヲ加
ヘタルモノ又ハ刺繍シタルモノ
二其ノ他
第十類衣類及同附屬品
本類中絹ナル名稱ハ人造絹ヲ包含スルモノトス
雨衣
-絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ他
シャーツ、フロント、カラー及カフス
肌衣(上下ヲ別タス)
メリヤス製ノモノ
甲綿製ノモノ
乙毛製又ハ毛綿製ノモノ
丙絹製又ハ絹入ノモノ
丁其ノ他
二其ノ他
甲絹製又ハ絹入ノモノ
乙其ノ他
手袋
一革製ノモノ
二革ト他物トヲ以テ製シタルモノ(絹入ノモ
ノヲ除ク)
三綿製、亞麻製、綿亞麻製、毛製又ハ毛綿製ノ
モノ
四絹製又ハ絹入ノモノ
五護謨製ノモノ
六其ノ他
從價
每百斤
每百斤
百
每從從從每斤價價價斤
百
從價
從價價
價
每從百斤
每百斤
百
價斤
從從從每
價價
價
從從價
每百斤
每百斤
每百斤
百
從從每價價斤
五割
一二四·〇〇
七八·一〇
四七·五〇
二割
二割
二割
二·五五
無稅
無稅
二割五分
五割
三割五分
五割
三一二·〇〇
一三四·〇〇
一六六·〇〇
二割五分
五割
二割五分
五割
三割五分
四五〇·〇〇
一七九·〇〇
二二六·〇〇
九四九·〇〇
二割五分
四割
三四八
三四九
三五〇
三五一
三五二
三五三
三五四
足袋
-綿製、毛製又ハ毛綿製ノモノ
二亞麻製又ハ綿亞麻製ノモノ
三絹製又ハ絹入ノモノ
四其ノ他
肩掛及襟卷
マフラー
甲絹製ノモノ
乙絹入ノモノ
丙其ノ他
二其ノ他
甲綿製、亞麻製、苧麻製、毛製又ハ毛綿製ノ
モノ
乙絹製ノモノ
丙絹人ノモノ(毛皮付又ハ羽毛入ノモノヲ
除ク)
丁毛皮製、毛皮付、羽毛製又ハ羽毛入ノモノ
戊其ノ他
襟飾
-絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ他
袴釣
-絹製又ハ絹入ノモノ
二其ノ他
衣服用ベルト
ー貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石、半貴
石、眞珠又ハ珊瑚ヲ用ヰタルモノ
二其ノ他
甲絹製又ハ絹入ノモノ
乙革製ノモノ
丙其ノ他
スリーヴサスペンダー及ストッキングザスベン
ダー類
-絹製又ハ絹入ノモノ
二金屬製ノモノ
三其ノ他
帽子及帽體
-貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石、半貴
石、眞珠、珊瑚、羽毛、造花等ヲ用キタルモノ
二其ノ他
甲絹製又ハ絹入ノモノ
イシルクハット及オペラハット
ロ支那帽子
每百斤
百斤
從從每價
價
每百斤
每百斤
從價
每百斤
每百斤
每百斤
從價
從價
斤
每每斤
每百斤
每百斤
從價
從從從價價價
價
每從從斤價
百
從價
每打
從價
二三二·〇〇
一三八·〇〇
五割
四割
八五三·〇〇
五三〇·〇〇
四割
一五九·〇〇
七五〇·〇〇
四〇〇·〇〇
五割
四割
一一·四〇
三·五五
四五四·〇〇
一〇二·〇〇
五割
四四五割割割
五割
四割
一七八·〇〇
五割
二八·八〇
五割
三五五
ハフード
ニ其ノ他
乙フェルト製ノモノ
乙ノ一帽子
イ羊毛製ノモノ
ロ其ノ他
乙ノ二帽體
イ形ツクリタルモノ
イノ一羊毛製ノモノ
イノ二其ノ他
ロ其ノ他
ロノ一羊毛製ノモノ
ロノ二其ノ他
丙バナマストロー其ノ他類似ノ植物纖維製
ノモノ
T麥稈製、經木製又ハ其ノ混製ノモノ
戊其ノ他
イヘルメット帽子
ロキャップ(布帛製又ハメリヤス製ノモ
ノ)
ハフード
ニ其ノ他
靴其ノ他ノ履物
長靴
甲革製ノモノ
乙護謨製ノモノ
丙其ノ他
二短靴
甲革製ノモノ
乙帆布製ノモノ
イ革底ノモノ
ロ其ノ他
丙絹製又ハ絹入ノモノ
丁其ノ他
三支那靴
甲絹製又ハ絹入ノモノ
乙其ノ他
四護謨製被覆靴
五スリッパー
甲革製ノモノ
乙布帛製ノモノ
乙ノ一絹製又ハ絹入ノモノ
乙ノ二フェルト製ノモノ
イ革底ノモノ
ロ其ノ他
從每價打
每每打打
毎每打打
從每價打
每每打打
從每每每價打打打
每每百百斤
斤
從價
每百斤
百
百
從從每每價價斤斤
每從從價價
百斤
每百斤
從價
從每百價斤
三·八〇
五割
七·五〇
一五·八〇
七·五〇
一五·八〇
〇·九五
二割
三五·六〇
六·二五
二〇·九〇
五·五五
三·五五
三割五分
一三四·〇〇
六五·七〇
四割
一三五·〇〇
八六·七〇
五七·八〇
五割
四割
四割
三割五分
六一·一〇
一一九·〇〇
五割
七六四0
四割
三五六
三五七
三五八
三五九
三六〇
三六一
三六二
三六三
三六四
三六五
三六六
乙ノ三其ノ他
丙其ノ他
六其ノ他
靴紐
鈕釦(貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石、半貴石、
眞珠、珊瑚、象牙又ハ鼈甲ヲ用キタルモノヲ除ク)
ーカフス鈕釦及シャーツ鈕釦
二其ノ他
甲包鈕釦
乙金屬築ノモノ
丙陶磁製又ハ硝子製ノモノ
丁アイヴォリーナット製ノモノ(摸造ノモノ
ヲ含ム)
戊骨製又ハ角製ノモノ
己其ノ他
パックル、フック及アイ類(貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタ
ル金局、貴石、半貴石、眞珠、珊瑚、象牙又ハ鼈甲ヲ
用ヰタルモノヲ除ク)
バックル
二フック及アイ
三シューフック及シューアイレット
四其ノ他
身邊粧飾用細貨類
別號ニ揭ケサル衣類、同附屬品及其ノ部分品
-毛皮製、毛皮付、羽毛製、羽毛入、絹製、絹入
及貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石半
貴石、眞珠、珊瑚象牙若ハ鼈甲ヲ用ヰタル
モノ又ハ刺繡シタルモノ
二其ノ他
第十一類製紙用パルプ、紙、紙製品、書籍及繪
書製紙用バルブ
-メカニカルパルプ
二其ノ他
印刷料紙
-アートペーパー
二其ノ他
甲有色ノモノ
乙其ノ他
イ一平方メートルノ重量五十八グラムヲ
超エサルモノ
ロ其ノ他
筆記用紙
圖書用紙
プロッチングペーパー
濾紙
從從從從價價價價
從價
裝百裝百
從內每內每價共斤共斤
從從從價價價
每百百斤
每斤
百
從從每價斤
價
從從價
價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每每每每每每百百百百百斤斤斤斤斤斤
百
四四四四割割割割
三割五分
一三七·〇〇
五四·五〇
三割五分
三割五分
三割五分
三割五分
三二·〇〇
四四·三〇
-一〇·〇〇
三割五分
五割
五割
三割五分
〇·二二
〇·二七
六·六〇
一·五五
.0
二·O
四·五五
七五〇
四十八〇
二〇
三六七
三六八
三六九
三七〇
三七一
三七二
三七三
三七四
三七五
三七六
三七七
三七八
三七九
三八〇
三八一
三八二
三八三
三八四
包装用紙及燐寸用紙(チッシューベーバーヲ除ク)
煙草用紙
壁紙
板紙
唐紙(各種)
摸造日本紙及チッシューペーバー
摸造羊皮紙パラフィンベーバー及ワックスペーパー
-金屬ノ箔右ハ粉ヲ用キタルモノ、押形ヲ付
シタルモノ又ハ捺染シタルモノ
二其ノ他
トレーシングベーバー
リソトランスファーペーパー
油紙
窻硝子用グラスペーバー
別號ニ揭ケサル紙
金屬ノ箔又ハ粉ヲ用ヰタルモノ
甲貴金屬ヲ用ヰタルモノ
乙其ノ他
二表面ニ著色シタルモノ
甲押形ヲ付シタルモノ
乙其ノ他
三捺染シタルモノ
甲押形ヲ付シタルモノ
乙其ノ他
四其ノ他
甲縮揉シタルモノ
乙其ノ他
ペーパーレース及ベーバーボーダー
-金局ノ治又ハ粉ヲ用ヰタルモノ
二其ノ他
白紙帳簿
-唐紙製ノモノ
二其ノ他
甲紙表装ノモノ
乙其ノ他
書式類
書狀用紙(箱入ノモノ)
封筒
一箱入ノモノ(書狀用紙共ノモノヲ含ム)
二其ノ他
アルバム
一革表装ノモノ
百
每從每
百斤價斤斤價斤
每百
從
每百
百百百
每每每每每每斤斤斤斤斤斤
百
百百
從價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
百
從每價斤
每百斤
每百斤
每百斤
百
百斤斤
箱毎每每每百斤
百共斤
百
從箱每價共斤
從價
二·四〇
三割
一四·四○
-七五
三割
三·一五
三·八五
三·二〇
二二·〇〇
三七·八〇
一五·一〇
一〇七·〇〇
三割
一〇·九〇
四·九五
三·三〇
五·三〇
四·一〇
一二·七〇
二割五分
三七·八〇
九·五〇
一九·七〇
三三·〇〇
五三·六〇
三八·四〇
三〇·三〇
三一·六〇
三割
五割
三八五
三八六
三八七
三八、
Homeot
三八九
三九〇
三九一
三九二
三九三
三九四
三九五
三九六
三九七
三九八
三九九
四〇〇
四〇一
四〇二
四〇三
四〇四
四〇五
四〇五ノ二
四〇六
二布帛表装ノモノ
甲絹製又ハ絹入ノモノ
乙其ノ他
三紙表装ノモノ
四其ノ他
テストペーバー
寫眞用バライタペーバー、鷄卯紙及感光紙
-バライタペーパー
二鷄卵紙
三プロマイドペーパー及プラチナムペーパー
四其ノ他
カーボンペーパー
金剛砂紙(硝子粉ヲ塗リタルモノヲ含ム)
ウォールボード
レーベル
骨牌
寫眞
書畫
-印刷シタルモ力
二其ノ他
カードカレンダー及ブロックカレンダー
繪葉書
クリスマスカード類
書籍、習字本、習書本、樂譜、新聞、雜誌其ノ他
別號ニ揭ケサル印刷物
設計圖
地圖、海圖及學術圖
紙幣、銀行劵、利札、株劵其ノ他ノ有價證劵
屑紙
別號ニ揭ケサル紙製品及パルプ製品
第十二類礦物及礦物製品
シリカサンド、クォルツサンド其ノ他別號ニ揭ケ
サル砂及礫
一著色シタルモノ
二其ノ他
フリント
パミスストーン(粉狀ノモノヲ含ム)
金剛砂、コランダムサンド、トリポリ其ノ他類似
ノ研磨用礦物材料
カーボランダム、アランダム其ノ他類似ノ研磨用
人造礦物材料
バスブリック
百百百
從從每每每價價斤斤斤
裝百
百
裝價共斤共斤共斤
裝百
從每每從每每從內每內每內每
百百
價斤斤價斤斤
百
百
每百斤
從每從百價斤價
從價
從價
每每百百斤
斤
四八·九〇
二〇·〇〇
一五·三〇
四割
二割
八·五五
八五·六〇
一三四·〇〇
四割
二七·三〇
六·三〇
三割
八〇·〇〇
-一三·〇〇
五割
三九·三〇
無稅
三割
五二·四
五割〇
稅稅稅
無無無無無
有限公司大學會理科技大學
無無無二稅稅稅割
無稅
二·一〇
一·〇〇
四〇七
四〇八
四〇九
四一〇
--
四四四三
一三
四一四
四一五
四一六
四一七
メタルポリシュ(別號ニ揭ケサルモノ)
-液狀又ハ泥狀ノモノ
二其ノ他
砥石
一人造ノモノ
二其ノ他
甲天然ノモノニシテ枠、柄等ヲ有セサルモノ
乙其ノ他
スレート及別號ニ揭ケサルスレート製品
-工ヲ加ヘサルモノ
二其ノ他
甲〓磨セサルモノ又ハ彫刻セサルモノ
イ屋背用板
ロ其ノ他
乙其ノ他
リングラフィックストーン
-工ヲ加ヘサルモノ
二其ノ他
ボルト、カーボナード其ノ他ノ黑色ダイヤモンド
貴石
半貴石及別號ニ揭ケサル半貴石製品
-切ラサルモノ又ハ磨カサルモノ
甲水晶
乙其ノ他
二其ノ他
甲機械用又ハ工業用ニ供スル爲形ツクリタ
ルモノ
乙其ノ他
石及石製品(別號ニ掲ケサルモノ)
-工ヲ加ヘサルモノ又ハ單ニ割リタルモノ
二其ノ他
甲〓磨セサルモノ又ハ彫刻セサルモノ
乙其ノ他
琥珀及琥珀製品(別號ニ揭ケサルモノ)
-工ヲ加ヘサルモノ
二其ノ他
甲機械用又ハ工業用ニ供スル爲形ツクリタ
ルモノ
乙其ノ他
屑琥珀
メーアシャウム、人造メーアシャウム及同製品
一工ヲ加ヘサルモノ
二其ノ他
毎容每百器百斤共斤
每百斤
從價
百
從從每價價斤
每百斤
從價
從從價價
從從價價
從從價價
從價
從從價價
從從價價
五·四〇
三·一〇
二一·五〇
一無割稅
無稅
〇·二〇
-割
三割五分
無稅
〇五○
無稅
五分
五
二割分
二割
五割
無稅
四一割割
二割
無五二稅割割
二割
四割
四一八
四一九
四二〇
四二一
四二二
四二三
四二四
四二五
四二六
四二七
四二八
四二九
四三〇
四三一
四三二
四三三
四三四
四三五
石絨及別號ニ揭ケサル石絨製品
-塊粉及纖維狀ノモノ
二絲
三板
四其ノ他
雲母及別號ニ揭ケサル雲母製品
一塊及粉
二板
甲著色セサルモノ又ハ粧飾セサルモノ
乙其ノ他
三板ヲ貼リ合セタルモノ又ハ布紙等ニ貼リ付
ケタルモノ
四其ノ飽
滑石及ソープストーン(粉狀ノモノヲ含ム)
燐礦石
カイナイト、キーゼライト、カーナライト其ノ他類
似ノ鹽類
石膏
-燒カサルモノ
二其ノ他
石膏製品
クリオライト
粘土
石墨
石墨製品(別號ニ揭ケサルモノ)
-坩堝
二其ノ他
石炭
コークス
磚炭
ポートランドセメント、ローマンセメント、プゾラ
ナセメント其ノ他類似ノ水硬セメント
セメント製品
-屋背用又ハ壁用ノ板(瓦ヲ含ム)
二其ノ他
甲磨カサルモノ、塗ラサルモノ又ハ影色セ
サルモノ
乙其ノ他
ドロマイト及マグネサイト(燒キタルト否トヲ別
タス)
別號ニ揭ケサル礦物及礦物製品
ー工ヲ加ヘサルモノ
二其ノ他
百斤
每每
百斤
每百斤
從價
每百
價斤
從
百
從每價斤
每百
從價斤
毎萬斤
從價
每百斤
從價
從價價
從
無稅
八·二五
四·〇五
一八·八〇
無稅
無稅
二割五分
三八·一〇
二
稅稅割
無無
無稅
無
〇四割五稅
四
無
稅稅稅
無無
六五
二割
無稅
Endone
-割
〇·三〇
三割
三割
三割五分
無稅
然稅
四三六
四三七
四三七ノ二
四三八
四三九
四四〇
四四一
四四二
四四三
四四四
甲粉碎シタルモノ又ハ燒キタルモノ
乙其ノ他
第十三類陶磁器、硝子及硝子製品
煉瓦(セメント製ノモノヲ除ク)
ー耐火煉瓦
二其ノ他
甲釉藥又ハ彩料ヲ施シタルモノ
乙其ノ他
イ孔ヲ穿チタルモノ
ロ其ノ他
瓦(粘土製ノモノ)
-釉樂又ハ彩料ヲ施シタルモノ
二其ノ他
アランダムタイル其ノ他類似ノモノ
耐火性粘土製品(別號ニ掲ケサルモノ)
-坩堝
二瓦斯レトルト
三ノッズル及ストッパー
四其ノ他
別號ニ揭ケサル陶磁器
貴金屬又ハ貴金屬ヲ鍍シタル金屬ヲ用ヰタ
ルモノ
二其ノ他
甲碍子
乙其ノ他
陶磁器ノ破片
硝子塊
硝子粉
硝子棒及硝子管
ーロュースズドシリカ製ノモノ
二其ノ他
硝子板
無色平面ノモノ
甲厚二·二ミリメートルヲ超エサルモノ
イ一平方メートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
乙厚四ミリメートルヲ超エサルモノ
イ一平方メートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
丙其ノ他
從價
每百斤
從價
價
從從價
每百斤
每百斤
從價
百
價斤
從從從每
價價
從價
價
從從價
價
從從價
價
每從百斤
メ每1百平ル方
ト
毎百平方
メートル
每百平方
メ1トル
每百平方
メートル
無稅
二割五分
〇·四五
二割
一割五分
一割五分
五·〇〇
三·〇五
二割
三〇〇
一割五分
一割五分
一割五分
五割
二割五分
四
割稅割
一一無
割
一割五分
一八·〇〇
一一·八〇
一八·四〇
四一·二〇
四六·六〇
四四五
四四六
四四七
四四八
四四九
四五〇
四五一
四五二
四五三
四五四
四五五
四五六
四五七
イ千平方センチメートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
二鍍銀シタルモノ
甲千平方センチメートルヲ超エサルモノ
乙其ノ他
三有色、著色又ハ砂磨ノモノ(條付ノモノ、エ
ンボッスシタルモノ其ノ他類似ノモノヲ除
ク)
甲一平方メートルヲ超エサルモノ
乙其ノ他
四條付ノモノ、エンボッスシタルモノ其ノ他類
似ノモノ
五其ノ他
金屬ノ線又ハ網ヲ入レタル硝子板
舷窻用硝子(綠ナキモノ)
スカイライトグラス
眼鏡用硝子(鑄タルモノ又ハ切リタルモノ)
光學用ノレンズ及プリズム(緣又ハ柄ナキモノ)
-磨カサルモノ
二其ノ他
顯微鏡用デッキグラス
顯微鏡用オプゼクトダラス
寫眞用乾板
-現象セサルモノ
二其ノ他
眼鏡
-貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、象牙又ハ鼈
甲ノ緣又ハ柄ヲ有スルモノ
二其ノ他
硝子鏡
一貴金屬又ハ貴金屬ヲ鍍シタル金屬ヲ用ヰタ
ルモノ
二其ノ他
硝子珠玉及硝子珠(摸造貴石、摸造金屬、摸造眞珠、
摸造珊瑚等ノ硝子珠玉ヲ含ム)
屑硝子
別號ニ揭ケサル硝子製品
-貴金屬又ハ貴金屬ヲ鍍シタル金屬ヲ用ヰタ
ルモノ
二其ノ他
每百平
メートル方ル方
每百平
メート
每百平
メ1トル方ル方
每百平
メート
私は 小
マイル方ル方
每百平
メート
每百平方
メ1トル
從價
每百平
1ト
從從從メ價價價ル方
從從從從價價價價
內每裝百
價共斤
從
從
價價
從
從價
從價
從債
從價
七六·五〇
一八五·〇〇
二O〇〇
二二〇·〇〇
六六·七〇
六八·九〇
五二·五〇
二割
五五·二〇
一割五分
二割
三割
一一三二割割割割
三三·〇〇
三割
五割
三割五分
五割
三割五分
四割
無稅
五割
四五八
四五九
四六〇
四六一
四六二
甲フューズドシリカ製ノモノ
乙其ノ他
第十四類鑛及金屬
鑛(燒キタルモノヲ含ム)、マット、ポットム及鑛滓
白金、イリヂウム、オスミウム、パラヂウム、ロヂウ
ム、インヂウム及ルセニウム
金
ー塊、錠、粒、板及帶
二管及線
三箔
四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
銀
一塊、錠、板及帶
二管及線
三箔
四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
鐵(別號ニ揭ケタル特殊鋼ヲ除ク)
塊及錠
甲銑鐵
乙スピーゲルアイゼン、フェロマンガニー
ス其ノ他ノ不可鍜性鐵合金
丙其ノ他
丙ノ一シートバー(ティンバーヲ含ム)
丙ノ二其ノ他
二條及竿(テー形、アングル形等ノ形狀ヲ有ス
ルモノヲ含ム)
三レール(フィッシュプレートヲ含ム)
四ワイヤロッド(卷キタルモノ)
五板
甲金屬ヲ鍍セサルモノ
甲ノ一厚〇·七ミリメートルヲ超エサル
モノ
イ硅素鋼板(全重量百分中硅素ノ重量
一以上ノモノ)
其ノ他
甲ノ二厚三ミリメートルヲ超エサルモノ
甲ノ三其ノ他
乙卑金屬ヲ鍍シタルモノ
乙ノ一錫鍛シタルモノ(葉鐵及葉鋼)
乙ノ二亞鉛鍍シタルモノ
乙ノ三其ノ他
六線(卑金屬ヲ鍍シタルト否トヲ別タス)
從從價價
從從價價
從從價價
每百斤
從價
每百斤
從價
每百斤
每百
從價斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
從價
從價
四二割割
無稅
無稅
無稅
二割
二割五分
無稅
無稅
二割
二割五分
無稅
〇·一〇
一割
〇·五〇
一割五分
一·一〇
〇·九五
一割八分
〇·三〇
一·九五
一·四〇
一·一〇
〇·七〇
二·八五
二割
一割八分
四六二ノ二
四六三
四六四
七リードワイヤ
八リポン
九帶(範鐵)
十パラゴンワイヤ(卑金屬ヲ鍍シタルト否ト
ヲ別タス)
十一線索及撚合線(卑金屬ヲ鍍シタルト否ト
ヲ別タス)
十二バープドツウィストワイヤ
十三筒及管(別號ニ揭ケサルモノ)
甲金屬ヲ鍍セサルモノ
甲ノ一エルボー及ジョイント
甲ノ二其ノ他
イ鑄タルモノ
ロ其ノ他
ロノ一內徑百五十ミリメートルヲ超
エサルモノ
口ノ二其ノ他
乙卑金屬ヲ鍍シタルモノ
十四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
特殊鋼
-全重量百分中ニッケル、クローム、タングス
テン、モリブデン又ハコバルトノ重量〇·五
以上若ハ硅素又ハマンガンノ重量一以上ヲ
含有スル塊、錠、條、竿及板(金屬ヲ鍛セサル
硅素鋼板ニシテ厚〇·七ミリメートルヲ超
エサルモノヲ除ク)
二全重量百分中炭素ノ重量〇·七以上ヲ含有
シ且燐及硫黃ノ各重量〇·○二以下ノ塊、錠、
條及竿
アルミニウム
-塊、錠及粒
二條、竿及板
三線及管
四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
銅
-塊及錠
二條及竿
三板
四線
甲金屬ヲ鍍セサルモノ
イ徑〇·五ミリメートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
乙卑金屬ヲ鍍シタルモノ
從從從價價價
從價
每百斤
從價
從價
每百斤
從從從價價價
從價
從價
百
百
從從每每價價斤斤
每百
每百斤斤斤
每百
每百斤
每百斤
每百斤
五一五分割分
一割五分
五〇五〇
二割
一割八分
一·〇〇
一割八分
一割五分
二割
無稅
一割八分
一割八分
三·二〇
一八·五〇
二割
五分
七〇〇
一五〇〇
一六·二〇
一九·三〇
一五·七〇
二〇·四〇
四六五
四六六
四六七
四六八
四六九
四七〇
四七一
五撚合線
六筒及管
甲金屬ヲ鍍セサルモノ
乙卑金屬ヲ鍍シタルモノ
七屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
鉛
一塊及錠
二板
三茶鉛
四線、紐及帶
五管
六屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
錫
一塊及錠
二板、線及管
三箔
四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
亞鉛
-塊、錠及粒
二板
甲ニッケルヲ鍍シタルモノ
乙其ノ他
イ厚〇·一七ミリメートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
三線及管
四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
ニッケル
-塊及粒
二條、竿及板
三線及管
四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
水銀及蒼鉛
安知母尼及硫化安知母尼
-塊及錠
二屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
眞鍮及靑銅
-塊及錠
二條及竿
甲スチームタービン用ノモノ
乙其ノ他
三板
四線
五筒及管
從價
每百
斤價斤
每從百
每百
價斤
從
價
每從斤
百
百斤
從每價
每百斤
每百斤
從價
每百
價斤
從
每百斤
百斤
從每價
每百斤
百
每每百斤斤
每每百斤斤
百
三割
二一·二〇
三割
七〇〇
四0
二割
無稅
二割
二·四五
無稅
三七五
二割
二二·五〇
無稅
三·〇〇
二割
無稅
四·三〇
二割
〇·四〇
無稅
二五·二〇
割
無無二稅稅
無稅
無稅
七·〇〇
二○○
一二·六〇
一二·八〇
一五·〇〇
四七二
四七三
四七四
四七五
四七六
四七七
四七七ノ二
四七八
甲金屬ヲ鍍セサルモノ
乙卑-金屬ヲ鍍シタルモノ
六箔
七屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
日耳曼銀
-塊及錠
二條、竿及板
三線及管
四屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
鑞
バビッツメタル其ノ他ノアンチフリクションメタル
塊及錠
二屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
鍍金銀シタル金屬
-鍍金線
二鍍銀線
三其ノ他
前記ノ金屬ニシテ別號ニ揭ケサル形狀ノモノ及別
號ニ揭ケサル金屬
-塊、錠及粒
二條、竿(テー形、アングル形等ノ形狀ヲ有ス
ルモノヲ含ム)、板、紐、帶、線、筒及管
三線索及燃合線
四箔
五屑及故(改造用ノミニ適スルモノ)
第十五類金屬製品
釘、ウッドスクリュー、ポールト、ナット、リヴェット
類(貴金屬ヲ用ヰタルモノ又ハ貴金属ヲ鍍シタル
モノヲ除ク)
ー鐵釘
甲金屬ヲ鍍セサルモノ
乙其ノ他
二銅釘
三ウッドスクリュー(鐵製ノモノ)
四ウッドスクリュー(眞鍮製又ハ靑銅製ノモ
ノ)
五ポールト、ナット及ワッシャー(鐵製ノモノ)
六鐵リヴェット
七ドッグスバイク(鐵製ノモノ)
八ブーツプロテクター(鐵製ノモノ)
九其ノ他
ペアリングボール
ベルトファッスナー(別號ニ揭ケサルモノ)
每每百百
斤斤斤斤
每百
每百
百
每從從每從斤價價斤價
百
百
從每價斤
每百斤
百
從每價斤
從價
從從從從價價價價
每百百斤斤
每
每百斤
每百斤
每
百百
每
百百
斤價斤斤斤斤斤
每從每每每百
百
七·五〇
一九·五〇
三八·三〇
七·〇〇
-割
一九·七〇
二割
割
七·三〇
五·七五
一割
九四·〇〇
八一·六〇
四割
一割
二割
分分
一割
二·四〇
三·八〇
二二·三〇
五·八五
三一·八〇
三·七〇
三·六五
二·四〇
七·五五
二割五分
二〇·〇〇
四七九
四八〇
四八一
四八二
四八三
四八四
四八四ノ二
四八五
四八五ノ二
四八六
-鐵製ノモノ
二其ノ他
金屬綱
-織リタルモノ
甲鐵製ノモノ(電鍍シタルト否トヲ別タス)
乙銅製、眞鍮製又ハ靑銅製ノモノ(エンドレ
スノモノヲ除ク)
丙其ノ他
二其ノ他
甲鐵製ノモノ(電鍍シタルト否トヲ別タス)
乙其ノ他
リヴェッテッドチューブ(鐵製ノモノ)
フレキシプルチューブ
一鐵製ノモノ
二其ノ他
鐵道建設用材料(別號ニ揭ケサルモノ)
-タイプレート及スリーバー
二其ノ他
電線支柱及電線支架用材料(別號ニ揭ケサルモ
ノ)
電線支柱及同部分品
二其ノ他
甲鐵製ノモノ
乙其ノ他
家屋、橋梁、船舶、船渠等ノ建設材料(別號ニ揭ケサ
ルモノ)
-鐵ノミヲ以テ製シタルモノ(卑金屬ヲ鍍シ
タルモノヲ含ム)
二其ノ他
天井、壁等ニ用ヰル金屬板(琺瑯ヲ施シタルモノ又
ハエナメルベーント、ヴァニシュ、漆等ヲ塗リタル
モノ)
瓦斯ホールダー、液體タンク及同部分品(鐵製ノモ
ノ)
壓搾瓦斯塡充用鐵製シリンダー
絕緣電線
-金屬ヲ以テ鎧裝シタルモノ
甲海底電信線及海底電話線
乙其ノ他
イインディアラッバー又ハガタパーチャヲ
用ヰタルモノ
ロ其ノ他
ロノ一電信電話用ノモノ
每百斤
從價
每百斤
每百斤
從價
百
從從每價價斤
從每百
價斤
百
從每價斤
從價
百斤
每每百
斤
每百
從價斤
從價
每從斤價
百
每百斤
每百斤
一九·四〇
二割
一四·八〇
七四·九〇
二割五分
五·八五
二割五分
二割五分
一六·一〇
二割
二·一五
二割五分
一割八分
一二·四〇
二九·二〇
三·六〇
二割五分
三割
二割
四·二五
無稅
二〇·〇〇
五·五〇
四八七
四八八
四八九
四九〇
四九一
四九二
四九三
ロノ二其ノ他
二其ノ他
甲フレキシブルコード
イ絹ヲ用ヰタルモノ
ロ其ノ他
乙其ノ他
イインディアラッバー又ハガタパーチャヲ
用ヰタルモノ
ロ其ノ他
漁用銛
錨(鐵製ノモノ)
鏈(別號ニ揭ケサルモノ)
-貴金屬ヲ用ヰタルモノ又ハ貴金屬ヲ鍍シタ
ルモノ
二其ノ他
甲鐵製ノモノ
イギーアリングチェーン
イノ一自轉車用ノモノ
イノ二其ノ他
ロ其ノ他
ロノ一一箇ノ重量五百グラムヲ超エサ
ルモノ
口ノ二其ノ他
乙其ノ他
機械用チェーンベルチング
懷中時計用鏈、眼鏡用鏈其ノ他身邊粧飾用鏈
-金製又ハ白金製ノモノ
二鍍金シタルモノ
三其ノ他
コック及ヴァルヴ類(貴金屬ヲ用ヰタルモノ又ハ貴
金屬ヲ鍍シタルモノヲ除ク)
-卑金屬ヲ鍍シタルモノ
二其ノ他
甲鐵製ノモノ
イ一箇ノ重量百キログラムヲ超エサルモ
ロ一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモ
ハ其ノ他
乙眞鍮製又ハ靑銅製ノモノ
丙其ノ他
蝶鋏、ハットフック及戶、窻家具等ニ用ヰル金
具
每百斤
從價
每百斤
百
從從每斤價價斤
每百
從價
每百
從價斤
每百
百
從從每價價斤斤
從每從價斤價
每百斤
每百斤
每百
從
百價斤價斤
從每
一一·二〇
二割五分
一八·〇〇
二六·〇〇
二割五分
二割
三·一五
五割
四九·六〇
二割五分
一八·一〇
五·三五
三割
二割
五割
-八·〇○
五割
七八·七〇
二二·九〇
一六·八〇
二割五分
四五·五〇
二割五分
四九四
四九五
四九六
四九七
-貴金屬ヲ用キタルモノ又ハ貴金屬ヲ鍍シタ
ルモノ
二卑金屬ヲ鍍シタルモノ
三其ノ他
甲鐵製ノモノ
乙眞鍮又ハ靑銅製ノモノ
丙其ノ他
鎖及鑰
-貴金屬ヲ用キタルモノ又ハ貴金屬ヲ鍍シタ
ルモノ
二卑金屬ヲ鍍シタルモノ
三其ノ他
甲鐵製ノモノ
乙眞鍮又ハ靑銅製ノモノ
丙其ノ他
白金製ノ坩堝及皿
工匠具、農具及同部分品(別號ニ揭ケサルモノ)
-鐵砧
二鐵槌
三レンチ及スパナー
四パイプカッター及ラッチェット
五トング、ニッパー及プライヤー
甲一箇ノ重量五キログラムヲ超エサルモ
ノ
乙其ノ他
六ヴァイス
七鑢
柄ニ嵌入スヘキ部分ヲ除キタル長
甲十センチメートルヲ超エサルモノ
乙二十センチメートルヲ超エサルモノ
丙三十センチメートルヲ超エサルモノ
丁其ノ他
八オーガー
九ストック及ダイス又ハスクリューブレー
ト
甲箱入ノモノ
乙其ノ他
十ショヴェル及スクープ
甲有柄ノモノ
乙其ノ他
十一鋸
十二其ノ他
ドリル、ビット、リーマー及スクリュータップ(柄又
從從價價
百斤
從每每百
價斤
從從價價
百斤
百斤
每從每每
價
斤
每
百百
每
百斤斤斤斤
每
每百
每斤
百百
每斤
每百斤
百斤
每每百斤
每百斤
每百
每百斤斤
每百共斤
箱
每百斤
每百斤
每百斤
每百
從價斤
五割
三割
一一·五〇
五五·一〇
二割五分
五
三割割
二二·〇〇
七〇·〇〇
二割五分
二〇八·〇〇
四·七五
六·八〇
二三·八〇
二五·三〇
二七·三〇
一五·〇〇
一二·六〇
三四·六〇
三二·六〇
二六·四〇
一七·八〇
二七·〇〇
三七·九〇
三四·八〇
八·七〇
四·六五
四四·三〇
二割
四九八
四九九
五〇〇
五〇一
五〇二
五〇三
五〇四
五〇五
五〇六
五〇七
五〇八
五〇九
五〇九ノ二
五一〇
五一一
五一二
ハ枠ヲ有セサルモノ)
スクリュージャック
刄物(別號ニ揭ケサルモノ)
-貴金屬ヲ用ヰタルモノ又ハ貴金屬ヲ鍍シタ
ルモノ
二其ノ他
甲ポッケットナイフ
イ柄ニ象牙、眞珠貝若ハ鼈中ヲ用キタル
モノ又ハ琺瑯ヲ施シタルモノ
其ノ他
乙テーブルナイフ
イ柄ニ象牙、眞珠貝若ハ鼈甲ヲ用キタル
モノ又ハ琺瑯ヲ施シタルモノ
ロ其ノ他
丙剃刀
イ有柄ノモノ
ロ其ノ他
丁其ノ他
テープルフォーク及スプーン
-貴金屬ヲ用キタルモノ又ハ貴金屬ヲ鍍シタ
ルモノ
二其ノ他
甲フォーク
乙スプーン
コルクスクリュー
罎口用キャプシュール
クラウンコルク
カートリッヂケース(金屬製ノモノ)
縫針、編針、留針類(身邊粧飾用ノモノヲ除ク)
一手縫用針
二縫衣機用針
三メリヤス機用針
四其ノ他
筆嘴
一金製ノモノ
二其ノ他
コッピープレッス
呼鈴及車用警鈴
自轉車用喞筒
消火器
ミートチョッパー
咖啡粉碎器
アイスクリームフリーザー
從價
每百斤
從價
每百箇
每百箇
每百箇
每百箇
百箇
從從每
價價
從價
每百箇
每百斤
每百斤
每千箇
每グロッス
從價
百斤
百斤
從每每每百
價斤
每打
ロツス
百
百斤價箇斤價
每每每從每每從每
百
百百斤斤
二割四分
一二·七〇
五割
二〇·九〇
一五·一〇
四七·四〇
一五·二〇
四〇·四〇
三割五分
三割五分
五割
一二·九〇
一五八·〇〇
四·一〇
一0
六
四割
一九一·〇〇
四六四·〇〇
二四九·〇〇
三割
六·七〇
〇·二五
三割
八六·九〇
四〇·三〇
三割五分
二一·一○
二〇·〇〇
二五·三〇
五一三
五一四
五一五
五一六
五一七
五一八
五一九
五二〇
五二一
五二二
五二三
五二四
製茶用及苛性曹達製造用鐵鍋
ストーヴ及同部分品(別號ニ揭ケサルモノ)
ー鑄鐵製ノモノ
甲琺瑯ヲ施シタルモノ
乙其ノ他
二其ノ他
電氣ストーヴ、電氣鏝其ノ他類似ノ電熱器
ラヂエートル
一鑄鐵製ノモノ
二其ノ他
寢臺及同部分品
金庫及貨幣匣
ナムバーリングマシン、デーチングマシン、チェツ
クバーフォレーター、ペンシルシャープナー其ノ他
類似ノモノ及同部分品
貨幣
-金銀貨幣
二其ノ他
甲本邦通貨
乙其ノ他
貴金屬製品及貴金屬ヲ用ヰ又ハ貴金屬ヲ鍍シタル
金屬製品(別號ニ揭ケサルモノ)
銅製品、眞鍮製品及靑銅製品(別號ニ揭ケサルモ
ノ)
-卑金屬ヲ鍍シタルモノ
二其ノ他
アルミニウム製品(別號ニ揭ケサルモノ)
鐵製品(別號ニ揭ケサルモノ)
-琺瑯ヲ施シタルモノ
二卑金屬ヲ鍍シタルモノ
三其ノ他
甲鑄鐵製ノモノ
イ一箇ノ重量五キログラムヲ超エサルモ
ロ一箇ノ重量五十キログラムヲ超エサル
モノ
ハ其ノ他
乙其ノ他
イ一箇ノ重量五キログラムヲ超エサルモ
ロ一箇ノ重量五十キログラムヲ超エサル
モノ
ハ其ノ他
從價
每百斤
百
從從每價價斤
百
從每從每百價斤價斤
從價
從價
從價
價
每從百斤
每百斤
百
從每價斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
二割
一七·七〇
一五·一〇
三割五分
三割五分
七·〇五
三割五分
一五·八〇
三割五分
三割
無稅
一無割稅
五割
三割五分
一二七·〇〇
九四·四〇
二三·〇〇
三割五分
一九·六〇
一〇·二〇
七·八〇
四五·一〇
二〇·七〇
一四·〇〇
五二五
五二六
五二七
五二八
別號ニ揭ケサル金屬製品
第十六類時計、學術器、銃砲、車輛、船舶及機械類
懷中時計
-金側又ハ白金側ノモノ
甲徑四十ミリメートルヲ超エサルモノ
イシリンダー機械ノモノ
其ノ他
乙其ノ他
イシリンダー機械ノモノ
ロ其ノ他
二銀側又ハ鍍金側ノモノ
甲徑四十ミリメートルヲ超エサルモノ
イシリンダー機械ノモノ
ロ其ノ他
乙其ノ他
イシリンダー機械ノモノ
ロ其ノ他
三其ノ他
甲シリンダー機械ノモノ
乙其ノ他
懷中時計部分品
-側(ウォッチグラスヲ附著シタルモノヲ含
ム)
甲金製又ハ白金製ノモノ
イ徑四十ミリメートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
乙銀製又ハ鍍金製ノモノ
イ徑四十ミリメートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他
丙其ノ他
二ムーヴメント(文字板及指針ヲ附著シタル
モノヲ含ム)
甲シリンダー機械ノモノ
乙其ノ他
三撥條
四鬚撥條
五文字板
六ウォッチグラス
七指針
八其ノ他
甲金製又ハ白金製ノモノ
乙其ノ他(機械用ノ石ヲ除ク)
置時計及掛時計
從價
每每箇箇
每每箇
箇
箇
每每
箇
每每箇箇
每每箇箇
每
箇箇
每
每
每箇箇箇
每
百
從從每每每每每百價價箇箇箇箇箇
百
從從從價價價
三割五分
一〇·五〇
一〇·九〇
一五·五〇
一五·九〇
一·二〇
二·五〇
一·三〇
二·六〇
一·〇五
二·三五
-〇·〇〇
一五·〇〇
〇·五五
〇·六五
〇·四〇
〇·六五
一·九五
〇·六〇
〇·三五
四·〇〇
三割
三割
四三五割割割
五二八ノ二
五二九
五三〇
五三ー
五三二
五三三
五三四
五三五
五三六
五三七
五三八
五三九
電氣時計(親時計及子時計ヲ含ム)
ウォッチマンスクロック其ノ他時刻ヲ記錄スル時計
置時計、掛時計、電氣時計、タワークロック及ウオツ
チマンスクロック其ノ他時刻ヲ記錄スル時計ノ部分品
ムーヴメント(文字板及指針ヲ附著シタル
モノヲ含ム)
甲ウォッチマンスクロック其ノ他時刻ヲ記錄
スル時計用ノモノ
乙其ノ他
イ一箇ノ重量一キログラムヲ超エサルモノ
ロ一箇ノ重量十キロダラムヲ超エサルモノ
ハ其ノ他
二撥條
三鬚撥條
四樂器
五其ノ他
クロノメーター及同部分品(懷中用ノモノヲ除ク)
鍼盤及同部分品
雙眼鏡及隻眼鏡
-貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石、半貴
石、眞珠、珊瑚、象牙、鼈甲又ハ貝殻ヲ用ヰタ
ルモノ
甲プリズムヲ用ヰタルモノ
乙其ノ他
二其ノ他
甲プリズムヲ用キタルモノ
乙其ノ他
望遠鏡
一一箇ノ重量一キログラムヲ超エサルモノ
二其ノ他
顯微鏡及同部分晶
直尺、曲尺、卷尺、ワイヤゲージ、スクリューピッチ
ゲージ、シックネスゲージ、ミクロメーター、プロ
トラクター、キャリパー、ディヴァイダー、レヴェル其
ノ他類似ノモノ
ー木製ノモノ
二金屬製ノモノ
三布帛製ノモノ
甲ケースヲ有スルモノ
乙其ノ他
四其ノ他
衡器(錘ノ有無ヲ別タス)
-臺秤
二其ノ他
衡器部分品及錘
瓦斯計
價
從從價
從價
每百斤
每百價斤
百
從從從每每每從價價價箇斤斤
每每斤斤
每每斤斤
從從每價價斤
百
從每價斤
百斤
從每每百斤
價
從從從價價價
三割五分
三割
三割
-四九·〇〇
八二·六〇
三割五分
四五·四〇
二·四〇
〇·二五
三割五分
二割
二割
一五·〇〇
三·〇〇
一五·〇〇
五·三〇
三·一0
二割
二割
六二·四〇
一割五分
二二九·〇〇
九二·〇〇
二割
-割五分
割
一割五分
五四〇
五四一
五四二
五四三
五四四
五四五
五四六
五四七
五四八
五四九
五五〇
五五〇ノ二
五五〇ノ三
五五一
五五二
-一箇ノ重量十キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量五百キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
四一箇ノ重量一萬キログラムヲ超エサルモノ
五其ノ他
水量計
-一箇ノ重量十キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量五十キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量百キログラムヲ超エサルモノ
四其ノ他
寒暖計
-體溫計(ケースノ有無ヲ別タス)
甲二重管式ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
晴雨計
-バログラフ
二アネロイドバロメーター
三其ノ他
アムベアメーター、ヴオルトメーター及ヴォルトア
ムペアメーター
ワットメーター
-ワットアワーメーター
二其ノ他
壓力計(ヴァキュアムゲージヲ含ム)
タコメーター、シップスログ、スチームエンジンイ
ンヂケーター、アネモメーターダイナモメータ
1サイクロメーター、ペドメーター其ノ他類似
ノモノ
電池
-蓄電池
二乾電池
三其ノ他
電池部分品(電氣用カーポンヲ除ク)
-エレクトロード
二其ノ他
醫療器、オーツペヂックインストルーメント及同
部分品(別號ニ揭ケサルモノ)
製圖器、測量器及同部分品(別號ニ揭ケサルモノ)
キャッシュレヂスター、計算機其ノ他類似ノモノ及
同部分品
タイプライター及同部分品
理化學器及同部分品(別號ニ揭ケサルモノ)
幻燈器、活動寫眞映寫器及同部分品
每斤斤
每百百百
每斤
每百
斤斤
每百
每每百百斤斤
每百百斤斤
每
1ス
從ケ每ケ每價共斤共斤
1ス
從價
每百斤
從價
每百斤
每百
從斤價斤
每百
從價
價
從每從百斤
價
從從價價
價
從從
價
從價
每百斤
從從價價
三一·四〇
二七·〇〇
一五·〇〇
九·〇〇
六·〇〇
五六·七〇
三二·三〇
二三·八〇
一一·九〇
二·三〇
六·六〇
二割
二割
一〇七·〇〇
二割
一四八·〇〇
五二·三〇
割
三四·〇〇
二割
二割
一七·三〇
二割五分
二割
二割五分
二割
二割
二割五分
九四·〇〇
二割
四制
五五三
五五四
五五五
五五六
五五七
五五八
五五九
五六〇
五六一
五六二
寫眞器
一活動寫眞用ノモノ
二顯微鏡用ノモノ及航空機用ノモノ
三其ノ他
寫眞器部分品
-レンズ
二カメラ
甲活動寫眞用ノモノ
乙顯微鏡用ノモノ及航空機用ノモノ
丙其ノ他
三製版用スクリーン
四其ノ他
蓄首器
蓄音器部分品及附屬品
樂譜用ノ板及園筒
甲樂譜入ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
樂器
-ピアノ
二オルガン
三ハーモニカ
四其ノ他
樂器部分品及附屬品
-オルガンリード
二ピアノピン(弦捲用ノモノ)
三鍵盤用象牙板
四其ノ他
電信機、電話機及同部分品(別號ニ揭ケサルモノ)
放送無線電話聽取用ノモノ
二其ノ他
銃砲及同部分品
-小銃
二拳銃
三其ノ他
鐵道車輛(別號ニ掲ケサルモノ)
鐵道機關車部分品、鐵道機關車用炭水車部分品其
ノ他ノ鐵道車輛部分品(別號ニ揭ケサルモノ)
車輪及車軸
二タイヤー
三スプリング
從從從價價價
從價
從從從從從
價價價價價價
從
百斤
從每每百
價斤
每百斤
每百
百價斤斤
從每
百
百
從從每每價價斤斤
從從價價
箇
從從每每
價價箇
每百斤
每百斤
每百斤
五二四割割割
三割
五五二五二四割割割割割割
七四·三〇
五七·四〇
五割
六〇·九〇
五七·四〇
二五·〇〇
四割
二八·〇〇
三○
二割
四割
四割
二割
七·四〇
五·三五
四割
三割
四·三〇
三·五〇
六·四〇
五六三
五六四
五六五
五六六
五六七
五六八
五六九
五七〇
五七一
五七一ノ二
五七二
五七三
四電車用コントローラー
五其ノ他
自動車
自動車部分品(原動力機ヲ除ク)
自轉車(サイドカーニ付テハ分離シテ第五百六十
六號ヲ適用ス)
モーターサイクル
甲機關付ノモノ
乙其ノ他
二其ノ他
自轉車部分品(原動力機及鏈ヲ除ク)
タイヤー
二リム、スポーク、ワッシャー及マッドガード
三ニップルハンドルバー、サッドル、ペダル、
スプロッケットウィール、ハップ(ブレーキ付
ノモノヲ除ク)及ローラーブレーキ
四コースターフレーキ、ギーアケース、フリ
ーウィール及ヴァルヴ
五其ノ他
別號ニ掲ケサル車輛及同部分品
船舶
機械力又ハ帆ヲ以テ運航スルモノ(噸數ヲ
以テ積量ヲ計算セサルモノヲ除ク)
甲船齡二十年ヲ超エサルモノ
乙其ノ他
二其ノ他
汽罐(メカニカルストーカーニ付テハ分離シテ第
五百七十一號ヲ適用ス)
-鑄鐵製ノモノ
二其ノ他
汽罐部分品及同附屬品(別號ニ揭ケサルモノ)
コルゲーテッドポイラーファーネスチュープ
二フランジドボイラープレート
三其ノ他
メカニカルストーカー
フューエルエコノマイザー
フィードウォーターヒーター
鐵道機關車及鐵道機關車用炭水車
機關車
甲汽力ニ依ルモノ
乙其ノ他
二炭水車
百
從從從每價價價斤
箇
每每
箇
每簡
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
從價
從價
總噸〓每噸
白芝總噸數每噸
從價
每百斤
每百斤
每百
每百斤斤
從價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
從價
二六·五〇
二
五割割割
三
九三·六〇
七七·六〇
二五·八〇
一四·〇〇
三一·九〇
六四·二〇
九九·五〇
三割五分
三割五分
一五·〇〇
二〇·〇〇
一割五分
五·〇〇
八·〇〇
二·七〇
五·七〇
二割
六·一〇
三·三五
一二·八〇
一二·〇〇
一五·九〇
二割
五七四
五七四ノ二
五七四ノ三
五七五
五七六
五七七
五七八
五七九
五七九ノ二
蒸汽機関車(軌條ヲ要セサルモノ)及ポータブルス
チームエンジン
ロードローラー
-スチームロードローラー
二モーターロードローラー
三其ノ他
コンクリートミキサー
スチームターピン
蒸汽機關(別號ニ揭ケサルモノ)
-一箇ノ重量二百五十キログラムヲ超エサル
モノ
二一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
四一箇ノ重量五萬キログラムヲ超エサルモノ
五其ノ他
瓦斯機關及石油機關
-一箇ノ重量百キロヴラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量二百五十キログラムヲ超エサル
モノ
三一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
四一箇ノ重量三千五百キログラムヲ超エサル
モノ
五一箇ノ重量一萬キログラムヲ超エサルモノ
六一箇ノ重量五萬キログラムヲ超エサルモノ
七其ノ他
ウオータータービン及ペルトンウィール
-一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量一萬キログラムヲ超エサルモノ
三其ノ他
發電機、電動機、廻轉變流機、周波數變換機、廻
轉變相機及發電子
-一箇ノ重量二十五キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量五十キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量百キログラムヲ超エサルモノ
四一箇ノ重量五百キログラムヲ超エサルモノ
五一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
六一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
七其ノ他
變壓機
-箇ノ重量二十五キログラムヲ超エサルモノ
二箇ノ重量五十キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量百キログラムヲ超エサルモノ
四一箇ノ重量二百五十キログラムヲ超エサル
モノ
每百斤
每百斤
百
從每從每價斤價斤
百
每百
每百
每百價斤斤斤斤
每百
從
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百
百價斤斤
從每
從
每百斤斤價
每百
每百斤
每百斤
每百
百斤斤
每
每百斤
每百
百斤斤
每
每百斤
每百
百斤斤
每
每百斤
一〇·四〇
一〇·六〇
-一·五0
二
一〇七割〇割
二
一○
一三·一○
一·三〇
八·二〇
一割五分
三〇·〇〇
二〇·〇〇
一七·七〇
一七·〇〇
四·七〇
-三·七〇
二割
二割
一五·二〇
四·九〇
四二·四〇
二四·九〇
二三·二〇
二〇·六〇
一七·七〇
一六·二〇
一五·八〇
二六·〇〇
六〇〇
-四〇〇
一三·〇〇
五八〇
五八一
五八二
五八三
五八四
五八五
五八六
五八七
五八八
五八九
五一箇ノ重量五百キログラムヲ超エサルモノ
六一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
七一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
八其ノ他
原動力機ト結合シタル發電機
-スチームタービント結合ツタルモノ
二其ノ他
別號ニ掲ケサル原動力機
ブロック及チェーンブロック
-木製ノモノ
二其ノ他
甲一箇ノ重量五キログラムヲ超エサルモノ
乙其ノ他
クレーン
一原動力機ト結合シタルモノ
二其ノ他
キャプスタン、ウィンチ、ウィンドラス其ノ他別號
ニ揭ケサルワインヂングマシン
原動力機ト結合シタルモノ
甲一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
乙一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
丙其ノ他
二其ノ他
浚渫機械
-組立テサルモノ
二其ノ他
バワーハムマー
汽力ニ依ルモノ
甲一箇ノ重量一萬キログラムヲ超エサルモ
乙其ノ他
二其ノ他
氣體壓縮機
-一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量一萬キログラムヲ超エサルモノ
四其ノ他
縫衣機
-脚部ヲ有セサルモノ(縫衣機ノ頭部ヲ含ム)
二其ノ他
縫衣機部分品及附屬品(針ヲ除ク)
-脚部及ペダル
二其ノ他
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
從從從價價價
從價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
百
從每價斤
每百
百價斤斤
從每
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百
價斤
從
一二·〇〇
一。.:0
九·〇〇
七·〇〇
二
割割割
二
二割五分
二六·九〇
一一·五〇
-二·一0
一〓·〇
二一·八〇
一八四〇
四·〇〇
一〇·三〇
八·九〇
二割
七·三五
四·八五
二割
二五·四〇
一九·二〇
-一·三〇
九·一五
一六·三〇
-一·一〇
六·七〇
二割五分
五九〇
五九一
五九二
五九三
五九四
五九五
五九六
五九七
五九八
潜水器及同部分品
潛水衣
二其ノ他
喞筒(別號ニ揭ケサルモノ)
鐵製ノモノ
甲一箇ノ重量百キログラムヲ超エサルモノ
乙一箇ノ重量五百キログラムヲ超エサルモノ
丙箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
丁一箇ノ重量一萬キログラムヲ超エサルモノ
戊其ノ他
二其ノ他
インゼクター及エゼクター
送風機
-扇風機
二其ノ他
水壓機
一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量五萬キログラムヲ超エサルモノ
四其ノ他
ニウマチックツール及ニウマチックマシン
ー一箇ノ重量二十五キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量百キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量五百キログラムヲ超エサルモノ
四其ノ他
別號ニ揭ケサル金屬工及木工機械(ローリングマシ
ン、ドローイングマシン、ネールメーキングマシ
ン、モールヂングマシン、フランヂングマシン、ベ
ンヂングマシン、リヴェッチングマシン等ヲ含ム)
ー一箇ノ重量二十五キログラムヲ超エサルモノ
二一箇ノ重量百キログラムヲ超エサルモノ
三一箇ノ重量五百キログラムヲ超エサルモノ
四一箇ノ重量千キログラムヲ超エサルモノ
五一箇ノ重量二千五百キログラムヲ超エサル
モノ
六一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサルモノ
七一箇ノ重量二萬キログラムヲ超エサルモノ
八一箇ノ重量五萬キログラムヲ超エサルモノ
九其ノ他
紡績機械、紡績準備機械、紡結絲整理機械、織布準
備機械及撚絲製造機械(ジンニングマシン、スコア
リングマシン、バンドリングマシン等ヲ含ム)
織布機
從每價箇
每
每百百百
每
百價價價斤斤斤斤
從從從每
百
從每價斤
從
每百斤價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百
百斤斤
每
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百
每百斤斤
每百斤
一六·〇〇
二割
八·七〇
四·三〇
三·四〇
一〇·一〇
一割五分
二割
一割五分
四三·〇〇
二割
一割五分
一一·五〇
七·八五
六·九五
一二二·〇〇
九四·四〇
六五·五〇
二二·〇〇
八四·四〇
五二·六〇
三〇·五〇
二四·二〇
二三·五〇
一八·五〇
一六九〇〇
九〇〇
八:〇
六·九〇
五九九
六〇〇
六〇一
六〇二
六〇三
六〇四
六〇五
一金屬製ノモノ百斤五·八五
二其ノ他從每
價一割五分
織布整理機械每百斤一〇·七〇
メリヤス機械
-一箇ノ重量五百キログラムヲ超エサルモノ每百斤四三·八〇
二其ノ他每百斤二五·六〇
絲布染色機械(捺染機械ヲ含ム)絲布漂白機械及マ
ーセライジングマシン從價一割五分
製紙機械及製紙準備機械從價二割
印刷機械
-一箇ノ重量二百五十キログラムヲ超エサル
モノ價二割
二其ノ他從每從百一六·五〇
別號ニ揭ケサル機械、價斤割
二
機械部分品(別號ニ掲ケサルモノ)
-ウィール(鐵製ノモノ)
甲齒車每百斤一一·八〇
乙其ノ他每百斤七·四五
二ロール及ローラー
甲鐵製ノモノ
甲ノ一彫刻シタルモノ從價二割
甲ノ二其ノ他
イ一箇ノ重量五キログラムヲ超エサル
モノ每百斤一九·四〇
ロ一箇ノ重量百キログラムヲ超エサル
モノ每百斤一七·二〇
ハ一箇ノ重量千キログラムヲ超エサル
モノ每百斤八·五五
ニ一箇ノ重量五千キログラムヲ超エサ
ルモノ每百五·四五
ホ其ノ他價斤
從一割五分
乙銅製、眞鍮製又ハ靑銅製ノモノ
イ彫刻シタルモノ每百二八·六〇
其ノ他百一七·三〇
丙銅眞鍮又ハ靑銅ヲ著セタルモノ從從每價價斤斤
割
丁其ノ他二割
三ミリングカッター、ギーアカッター及機械用鋸
甲圓形ノモノ、圓壔形ノモノ、圓錐形ノモノ
其ノ他類似ノモノニシテ徑二十センチメ
ールトヲ超エサルモノ從價二割五分
乙其ノ他從價一割五分
四紡績用及撚絲用スピンドル及フライヤー
(鐵製ノモノ)每百斤三一·七〇
六〇六
六〇七
六〇八
六〇九
六〇〇
六一一
六一二
五紡績用及撚絲用トラヴェラー
甲鐵製ノモノ
乙其ノ他
六紡績用及撚絲用ポビン
甲木製ノモノ
乙其ノ他
七カードカン
甲金屬製ノモノ
乙ヴァルカナイズドファイバー製ノモノ(底
ノ有無ヲ別タス)
イ金屬製ノ底ヲ有スルモノ
ロ其ノ他
丙其ノ他
八カードクロージング
甲皮革ヲ用ヰタルモノ
乙其ノ他
九杼
十筬(金屬製ノモノ)
十一製紙用フェルト(エンドレスノモノ)
十二製紙用金網(エンドレスノモノ)
十三スチームタービン部分品
十四其ノ他
第十七類雜品
コプラ
フノリ、石花菜及アイリッシュモッス
麥稈、薬パナマストロー、椰葉、蘭莞、差、
蔓、楊條其ノ他類似ノモノ
一漂白、染色又ハ著色シタルモノ
二其ノ他
籐
一割ラサルモノ
二其ノ他
竹
コルク及コルク製品
一樹皮
二板
二栓及輪
甲コルクノミニテ製シタルモノ
乙其ノ他
四層及故
五其ノ他
木材
裝百共斤
内每內每百
裝共斤
每百
從價斤
每百斤
每百斤
百斤
從每價
每百斤
百斤
每每每百斤
百斤
百斤
百
從從每每
價價斤
從從價價
每百斤
從價
從價
每百斤
從價
從價
一一三·〇〇
四三·九〇
二五·四〇
二割
一〇·三〇
五·〇〇
一七·八〇
二割
二八·〇〇
二四·八〇
三三·九〇
二二·三〇
七八·五〇
五六·〇〇
一割五分
二割
無無稅稅
一
分割
五
無稅
一·七〇
二割
一無割稅
一六·三〇
三割五分
無稅
二割
六一二ノ二
一三
六六
一
六五四
六六--
六一七
六一八
六一九
一單ニ切リ、挽キ又ハ割リタルモノ
甲花梨木、鐵刀木、黄楊木、紅木、紫檀及黑檀
(縞黑檀ヲ除ク)
乙リグナムヴァイタ
丙チーキ
マホガニー
己戊丁オーク
パイン、ファー、シダー、ヘムロック及スプ
ルース
己ノ一長二十センチメートル、幅七セン
チメートル、厚七ミリメートルヲ
超エサルシダー
己ノ二其ノ他
イ厚六十五ミリメートルヲ超エサルモノ
ロ厚百五十ミリメートルヲ超エサルモノ
ハ其ノ他(丸太及割材ヲ含ム)
庚桐
辛櫻欄竹
壬縞黑檀、ドロノキ、ハコヤナギ及胡桃
壬ノ二廣葉杉
癸其ノ他
イ厚百五十ミリメートルヲ超エサルモノ
ロ其ノ他(丸太及割材ヲ含ム)
二其ノ他
甲經木
乙木粉
丙燐寸軸木
丁其ノ他
包装用ノ箱、樽等ニ仕組ミタル板
-合板製ノモノ
二其ノ他
蓮草心及蓪草紙
フィルターマッス(植物質ノモノ)
薪材
木炭
-燃料用ノモノ
二其ノ他
骨炭
-徑一二五ミリメートルノ圓眼ヲ有スル篩
ヲ通過スルモノ
二其ノ他
白熱電燈球用フィラメント
電氣用カーボン(別號ニ揭ケサルモノ)
每百斤
從從價價
每立方メー
ルト
每百斤
從價
從價
從從價價
從價
每從從從斤價價價
百
每百
從價斤
每百
價斤
從
〇·五
分分稅稅○
五五無無
無稅
三·一〇
一·九五
無稅
〇九○
無稅
無稅
一割五分
六分
無稅
二割五分
二割
無稅
二割五分
二割五分
一割五分
二割五分
五·三五
無稅
·五五
二割
無稅
0·七五
二割
六二〇
六二一
六二二
六二三
六二四
六二五
六二六
-粉狀又ハ粒狀ノモノ
二其ノ他
甲一箇ノ重量三百グラムヲ超エサルモノ
乙其ノ他
白金又ハ白金鹽類ヲ含ム媒觸劑
製轄用眞田
-麥稈眞田
甲幅六·五ミリメートルヲ超エサルモノ
乙幅一〇·〇ミリメートルヲ超エサルモノ
丙其ノ他
二其ノ他
蓆(布帛ニ使用スル纖維以外ノ植物性材料ヲ以テ
製シタルモノ)
包蓆
二其ノ他
甲藺蓆
乙椰皮蓆
イ連製ノモノ
ロ其ノ他
丙其ノ他
麥稈、蘂、パナマストロー、椰葉、蘭菟、華、竹、籐、蔓、
楊條其ノ他類似ノモノノ製品(別號ニ揭ケサルモノ)
アムペラ囊
二其ノ他
傘柄、杖、鞭及其ノ手
-貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石、半貴
石、眞珠、珊瑚、象牙又ハ鼈甲ヲ用キタルモノ
二其ノ他
傘
-絹製又ハ絹入ノモノ
二紙製ノモノ
三其ノ他
木製品(別號ニ掲ケサルモノ)
-貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、貴石、半貴
石、眞珠、珊瑚、象牙又ハ鼈甲ヲ用キタルモノ
二其ノ他
甲花梨木、鐵刀木、黄楊木、紅木、紫檀及
黑檀ノ製品
乙其ノ他
イ額緣及天井緣
ロ曲木椅子
ハ管
每百斤
從價
每百斤
每從
百價斤斤價
百
從每
每百斤
每百
百價斤斤
從每
從價
從從價價
從每從百價箇價
從價
每百斤
百
從每價斤
從價
八·三〇
二割
八·三〇
無稅
三割
二一·七〇
一〇·九〇
二割五分
無稅
五·六五
-一·〇〇
一三·四〇
三割
無稅
三割五分
四五割割
五割
一二·二〇
三割五分
五割
一三·一〇
二五·三〇
三割五分
二割
六二七
六二八
六二九
ニ釘
ホ組立家屋
ヘ其ノ他
タードフェルト、タードペーバー其ノ他類似ノモ
ノ(屋背、船底等ニ用ヰルモノニシテタール、アス
ファルト、樹脂等ヲ施シタルモノ)
ボイラーフェルト
インディアラッパー製日及ガタパーチャ製品(別號
ニ揭ケサルモノ)
-インディアラッパー液
二インディアラッパーペースト、レクレームド
インディアラッバー其ノ他ヴァルカニゼーシ
ョンヲ施ササルインディアラッバー
三デンタルラッバー
四其ノ他
甲軟質ノモノ
甲ノ一塊
甲ノ二竿及紐
イ金屬、布帛、絲縷又ハ纖維ヲ附著シ
又ハ挿入シタルモノ
ロ其ノ他
甲ノ三板
イ金屬、布帛、絲縷又ハ纖維ヲ附著シ
又ハ挿入シタルモノ
ロ其ノ他
ロノ一厚一ミリメートルヲ超エサル
モノ
ロノ二其ノ他
甲ノ四管
イ金屬ヲ以テ内側又ハ外側ヲ鎧裝シタ
ルモノ
ロ其ノ他
ロノ一布帛、絲縷若ハ纖維ヲ附著シ
若ハ挿入シ又ハ金屬ヲ挿入シ
タルモノ
ロノ二其ノ他
甲ノ五帶(機械用ノモノ)
甲ノ六絲ストリップ、バンド、リング
及ワッシャー
イ金屬、布帛、絲縷又ハ纖維ヲ附著シ
又ハ挿入シタルモノ
ロ其ノ他
甲ノ七字消護謨
甲ノ八ウォーターボットル
每百斤
從價價
從
每百
價斤
從
從價
每
每內百百共斤斤
裝
從價
每百斤
從價
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
每百
每斤斤斤
百百
每
每百斤
每百斤
每百斤
每百斤
四·七五
二割五分
三割五分
三·七〇
二割
二割五分
五·〇五
八九·四〇
一割五分
二八·五〇
一割五分
二一·四〇
九五·六〇
五〇·三〇
一九·〇〇
一六·八〇
四九·三〇
二二·二〇
二九·六〇
五五·六〇
三六·〇〇
一〇九·〇〇
六三〇
六三一
六三二
六三二ノ二
六三三
六三四
六三五
六三六
六三七
六三八
六三九
甲ノ九チーツ
甲ノ十マット及マッチング
甲ノ十一其ノ他
乙其ノ他
乙ノ一塊條竿及板
乙ノ二管
乙ノ三リング及ワッシャー
乙ノ四櫛
乙ノ五其ノ他
層及故ノインディアラッバー及ガタパーチャ(改造
用ノミニ適スルモノ)
ヴァルカナイズドファイバー(竿、板及管ノ類)
-押形ヲ付シタルモノ
二其ノ他
セリュロイド及同製品(別號ニ揭ケサルモノ)
-塊、條、帶竿、板及管ノ類
二櫛
其ノ他
屑及故ノセリュロイド(改造用ノミニ適スルモノ)
ガラリス及同製品(別號ニ掲ケサルモノ)
-塊條螢竿、板及管ノ類
二其ノ他
フラッシュ及箒
一貴金屬、貴金屬ヲ銀シタル金屬、象牙又ハ
鼈甲ヲ用ヰタルモノ
二其ノ他
ラムプ、提燈及同部分品
-安全燈
二舷燈
三白熱電燈球
四ソケット及シェードホールダー
五瓦斯マントル
六醫療用ラムプ
七シャンデリヤ、ブラケット、スタンド、シェー
ド及同部分品
八其ノ他
寫眞用フィルム
感光性ノモノ
二現象シタルモノ
三其ノ他
ゼラチンペーパー
造花(摸造ノ葉、果實等ヲ含ム)及同部分品
化粧具匣
內每百共斤
裝
百價斤
從每
百斤
百斤
從內每每每每百
百價共斤斤
裝
每百百斤
每斤
裝百百
從從內每每價價共斤斤
每百價斤
從
從從價價
每從從
百價箇斤箇價價
每百
百
從每
從從價價
百裝百
裝
從從每從內每內每價價斤價共斤共斤
百
-一一·〇〇
二四·三〇
三割五分
三五·四〇
三八·九〇
四三·七〇
七三四·〇〇
三割五分
無稅
一·四〇
一七·八〇
五六·〇〇
三五五·〇〇
三割五分
二割
三六·四〇
三割五分
五割
三割五分
二割
二割
一二·八〇
八四九〇
五·三〇
二割
四割
三割五分
一·〇〇
八·二五
四割
八六·四○
五割
五割
六四〇ビリヤード、テニス、
遊戯具及同附屬品
テニス具、野球具、フットボール具及同附屬品
二其ノ他
六四一翫具
六四二雛形
六四三飼料
六四四麬
六四五米糠
六四六肥料(油槽、食用ニ適セサル乾魚、
骨灰、烏糞、過燐酸石灰、
六四七別號ニ揭ケサル物品
-未製品
二其ノ他
甲貴金屬、貴金屬ヲ鍍シタル金屬、
半貴石、眞珠、珊瑚、
ヰタルモノ
乙其ノ他
備考從量稅率ノ單位ハ圓トス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
大正十一年法律第二十二號及大正十四年
法律第二號ハ之ヲ廢止ス
本法施行前第九條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ
免除ヲ受ケタル物品ニ付テハ仍從前ノ例
二九ノ
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=65
-
066・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 諸君只今議題ト
ナリマシタル關稅定率法中改正法律案ニ付
キマシテ大體ノ說明ヲ致サウト思ヒマス、關
稅率ノ改正ニ付キマシテハ、曩ニ豫算案ニ關
スル說明ノ際ニ於テ、簡單ニ申述ベテ置キ
マシタ通リ、現行關稅率ハ明治四十三年ノ制
定ニ係リマシテ、其後十數年ノ間、僅ニ數回ノ
部分的改正ヲ加ヘラレタコトガアリマスガ、
其全般ニ互フテ改正ヲ致シマシタコトハ未ダ
一回モ無イノデアリマス、其間內外ノ經濟界
ハ著シク變化致シマシテ、殊ニ歐洲大戰亂以
來、物價竝ニ產業貿易ノ狀況ニ一大變動ヲ來
シマシタルガ故ニ、現行ノ稅率ハ重要產業保
護ノ點カラ見マシテモ、將又從價稅、從量稅
トノ權衡上ヨリ見マシテモ、甚シク現下ノ情
クリッケット、象棋其ノ他ノ
二割五分
從從從價價價
無無無無五五稅稅稅稅割割
骨粉、血粉、
石灰窒素等)無稅
從價一割
貴石、
象牙又ハ鼈甲ヲ用
五割
從從價價三割五分
勢ニ適合シナイヤウニナッタノデアリマス、
随ヒマシテ關稅率ノ一般的改正ニ付テハ、
是ハ歷代ノ內閣ニ於テ屢、企圖セラレタノデ
アリマスルガ、是ガ改正ハ國家ノ產業貿
易、竝ニ國民ノ經濟生活ニ影響スル所ガ極
メテ重大デアリマシテ、洵ニ容易ナラザル
事業デアリマスルガ爲ニ、今日マデ未ダ實
現スルニ至ラナカッタノデアリマス、現內
閣ニ於キマシテハ、從來屢〓聲明致シマシタ
ルガ如ク、是ガ改正ノ甚ダ必要デアッテ、
且ツ急務デアルト云フコトヲ認メマシテ、
大正十三年八月以來政府部內ニ關稅率改正
委員會ヲ設ケマシテ、關稅率ノ一般的改正
ニ關シマスル調査審議ニ當ラシメ、漸ク其
成案ヲ得マシテ、玆ニ多年ノ間朝野ノ問題
デアリマシタ所ノ關稅率ノ一般的改正案ヲ
提案スルニ至ッタ次第デアリマス、而シテ其
內容ノ詳細ニ就キマシテハ、之ヲ委員會ニ於
ケル說明ニ讓ル積リデアリマスガ、今回ノ
改正案ハ、歳入ノ增加ト云フコトハ一切之
ヲ目的ト致シマセヌ、又贅澤稅ヲ課シテ居
リマス、各種ノ物品ニ付キマシテハ贅澤稅
設置ノ趣旨ニ鑑ミテ、暫ラク之ニ手ヲ觸レナ
イコトニ致シテ調査ヲ進メタノデアリマス
而シテ改正ノ根本方針ハ、要スルニ内地產
業ノ生産條件ヲ有利ナラシメルト共ニ、重
要產業ニ付キマシテハ、外國品ノ競爭ニ對
シテ一樣ナル程度ノ保護ヲ加ヘ、他面消費
者ノ利害ヲ考慮致シマシテ、國民生活ノ安
定ヲ策シ、且ツ稅率ノ適當ナル按配ヲ圖ラ
ントスルニ在ルノデアリマス、卽チ第一ニ
產業方面ニ於キマシテハ、我國ニ生產ガ無
イ品物デアルカ、又ハ生產ハ有リマシテモ、
洵ニ乏シキ所ノ原料品ニ付キマシテハ、現
行稅率ノ通リ無稅又ハ低イ所ノ稅ヲ据置ク
ノ外、新ニ之ヲ無稅トスルニ努メマシテ、
第二ニハ重要產業デアッテ、今尙ホ發逹ノ
道程ニアリマスルモノ、及ビ將來新ニ成立
ノ見込アル者ニハ、外國品ノ競爭ニ對
シテ、一樣ナル程度ノ保護ヲ與フルコトニ
致シマシタ、第三ニハ事業ノ基礎ガ鞏固デ
アルカ、又ハ我國ノ生產ガ豐富デアリマシ
テ、外國品トノ競爭ニ堪へ得ルモノニ對シ
テハ、或ハ稅率ヲ輕減シ、若クハ現行稅率
据置ノ方針ヲ取ッタノデアリマス、第四ニ
ハ國民生活ノ必要品ニ對シマシテハ、稅率
ヲ輕減致シマシテ、成ベク低稅ニ致シ、若
クハ現行稅率ヲ据置クト云フコトヲ致シタ
ノデアリマス、第五ニハ嗜好的消費ニ屬ス
ル物品ニ對シテハ其消費ヲ抑制スル趣旨
ヲ以テ、相當ノ高稅ヲ課スルコトニ致シタ
ノデアリマス、其他各品目ニ關スル詳細ノ
事ハ、委員會ニ於テ申上ゲルコトニ致シマ
スルガ、課稅ノ技術上ヨリ致シマシテ、從
價稅ハ成ベク從量稅ニ改ムル方針ヲ取ッタ
ノデアリマス、尙ホ關稅定率法ノ全文ニ付
キマシテモ、其稅率改正ノ機會ニ於テ、之
ニ關聯ヲ致シ、又ハ時代ノ趨勢ト國稅行政
上ノ實際ニ稽ヘ、關稅ノ賦課免稅及拂戾
等ニ關シテ、一樣ナル改正ヲ加ヘルコトヽ
致シタノデアリマス、改正案ノ趣旨ハ大體
以上述ベタ通リデアリマシテ、歳入關係カ
ラ之ヲ考慮按配シタルモノデハナイノデア
リマスルガ、偶現行稅率ガ、御水知ノ通
リ十數年前ノ制定ニ係リ、現在ノ物價及產
業狀態ニ照シ、概シテ低率ニ過グルモノガ
多イノデアリマスルガ爲、其增率トナリタ
ルモノ褶當多數ニ上リマシタノト同時ニ、
從量稅ト製價稅トノ權衡トヲ正シマシタル
モノ少ナカラザル結果カラ致シマシテ、先
日モ申述ベマシタ通リ、此改正ニ依ッテ、
初年度ニハ約七百五十万圖、次年度以降約
千九百三十万圓ノ增收ヲ見ルベキ見込デ
アリマス、何卒御容議ノ上、速ニ御協賛ヲ
興ヘラレンコトヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=66
-
067・粕谷義三
○議長(精〓義三君) 是ヨリ通告順ニ依リ
質疑ヲ許シマス-山本芳治君
〔山本芳治君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=67
-
068・山本芳治
○山本芳治君 關稅ノ改正案ニ付キマシ
テ、國民生活ニ最モ密接ナル關係ガアリ、
且又我國ノ產業上重大ナル影響ヲ及ボス所
ノ綿絲ノ關稅問題ニ付テ、政府ニ御尋致シ
タイノデアリマス、綿絲ノ關稅廢止問題ハ
御承知ノ如クニ、昨年ノ議會ニ於キマシテ
ハ建議案トナリ、更ニ法律案トナッテ當議
場ニ現ハレマシテ、何レモ通過致シタノデ
アリマス、然ルニ意外ニモ今囘ノ改正案ヲ
見マスルト云フト、依然トシテ此關稅ガ存
置セラレテ居ル、元來綿絲ノ關稅ガ保護政
策カラ產レタモノデアルト云フコトハ說
明スルマデモナイノデアリマス、而シテ是
保護政策ホド完金ニ十全ニ其目的ヲ達成シ
タモノハ恐ラク東西古今ヲ通ジテアルマ
イト思フノデアリマス(拍手)今玆ニ細カイ
數字ヲ擧ゲテ一々說明スルコトハ致シマセ
又、唯、觀路ダケヲ申上ゲルノデアリマス
ガ、紡績ハ錘數ニ付キマシテハ、國定稅率
ヲ制定致シマシタ當時ニ比較致シマスルト
云フト、今日ハ八倍以上ニ及ンデ居ル、拂
込資金ヲ見マスルト云フト、矢張同ジヤ
ウナ割合デアル、又會社ノ積立金ノ如キハ
最近十數箇年間ニ於キマシテモ、十倍以上
ニ及ンデ居ルノデアリマス、又棉花ノ消費
量カラ申シマスレバ、國内消費ノ分ニ、支
那ノ分工場-此分ヲ加ヘマスルト云フト
英吉利ノ二百七十万俵ニ拮抗スルコトガ出
來ルノデアリマス、又御承知ノ如クニ紡績
會社ノ利益ノ多イコトハ申スマデモアリマ
セヌ、好況時代ハ暫ク別問題ト致シマシテ、
大正九年以後ノ一般工業ノ振ハナイ時期ニ
於キマシテモ、紡績業者ノ平均利益ハ一一割
以上ニ及ンデ居ルノデアリマス、有力會社
ノ利益ヲ平均致シマスレバ、純益ダケデ四割
ニ近イモノガアル、斯樣ニ此事業ハ偉大ナ
ル發達ヲ違ゲマシテ、保護政策ノ目的ヲ十
分ニ達シテ居ルノデアリマスガ、尙ホ今日
以後ニ引續イテ此保護政策ヲ續ケルト云フ
コトハ丁度寒サヲ避ケルガ爲ニ、温室ニ
入レタ植物ヲ夏ガ來テモ外ヘ出サナイノト
同樣デアル、是レ以上保護政策ヲ續ケルト
云フコトハ、百害アッテ一利無シト思フノデ
アリマス、ソコデ先ヅ政府ニ御尋致シタイ點
ハ綿絲ナリ綿絲ヲ原料トスル所ノ綿織物
類ガ、國民ノ必需品デアルコトハ說明スル
マデモナイ、殊ニ中產以下ノ國民ガ最モ多
ク之ヲ必要トスルノデアル、而シテ社會政
策ガ現內閣ノ表看板デアルコトハ、先刻砂
田君ガ說明シタ通リデアル、此國民ノ必需
品タル綿絲ノ價値ヲ上ゲル所ノ〓稅、卽チ
少數ノ資本家タル貿易業者ノ利益ヲ保護ス
ルガ爲ニ、一般國民ニ向テ生活必需ノ負擔
ヲ重クスルト云フコトガ現內閣ノ方針デア
ルヤ否ヤ、先ヅ此點ニ付テ政府ノ御所見ヲ
承リタイノデアル、次ニ御尋致シタイノハ、
今ヤ我國ノ綿織物ノ輸出ハ益〓盛大ヲ加ヘ
マシテ、輸出額ハ綿絲ニ比較致シマシテ三
倍以上ニ及ンデ居リマス、ンレ故ニ產業政
策ニ立脚シテ考ヘマスレバ、綿絲ヲ中心ト
セズシテ、綿織物ヲ中心トスベキコトハ、之
ヲ說明スルマデモナイ話、所ガ綿製品ノ貿
易ニ付キマシテハ現ニ支那ノ如キ競爭國
ガアル、ンコデ其原料タル綿絲ノ價格ガ騰
リマスレバ、自然競争ニ堪エナイ、卽チ貿
易ハ不振ニ陷ルト云フ懸念ガアルノデアリ
せっ、更ニ考慮シナケレバナラヌ問題ハ
我國ノ如キ總テノ生產品ニ亙ッテ原料ハ極
メテ少イノデアル、乏シイノデアル、而シ
テ人口ノ多イ國柄ニ於キマシテハ、綿絲ノ
如キ比較的少イ勞働ヲ必要トスル生產品、
ソレヨリカモ比較的多クノ勞働ヲ必要トス
ル所ノ綿製品ニ重ヲ置カナケレバナラヌ、
而シテ其生產品ヲ通ジテ、我國ノ勞働ヲ外
國ニ輸出スルコトノ方策ヲ樹立スルノ必要
ガアルト思フノデアリマス、斯樣ニ考ヘマ
スルト云フト、綿絲ノ價格ハ成ベク安クシ
テ、ソレニ依ッテ綿織物ノ輪出ヲ助ケルト云
フコトガ、政府ノ採ルベキ最モ適當ナル方
策デハアルマイカ、斯樣ニ考ヘルノデアリ
マス、然ルニ現政府ニ於キマシテハ、失業
問題ニ付テハ多大ナル苦心ヲ拂ッテ居ルト
言ハレル、殊ニ濱口藏相ノ如キハ口ヲ開
ケバ直ニ今日ノ我國ノ貿易ノ逆調ハ洵ニ
遺憾デアル官民一致協力シテ此逆調ヲ挽回
スルコトニ努力シナケレバナラヌ、斯樣ニ
言ハレルノデアリマスルガ、官民一致ト云
フコトヲ口ニ唱ヘラレナガラ一面ニ於テ
ハ輸出貿易ノ打撃ニナルヤウナ方法ヲ執ラ
レルノハ如何ナル譯デアルカ、此點ニ付キ
マシテモ政府ノ御答辯ヲ煩ハシタイノデア
リマス、或ハ政府ニ於キマシテハ此〓稅ヲ
廢止スレバ、國家ノ收入ガ減ル、斯樣ニ言
ハレルカモ知レマセヌガ、此關稅ニ依ッテ得
ル所ノ國家ノ收入ハ、僅ニ年々十數万圓ニ
過ギナイノデアル、殊ニ是ハ將來ニ亙ッテ
モ、決シテ增收ノ見込ハナイ、何故ナラバ
我國ノ貿易業者ハ、御承知ノ如ク聯合會ト
云フモノヲ組織シテ、一種ノ「トラスト」ヲ
組織シテ、外國ノ綿絲ニ此關稅ヲ盛リ掛ケ
タ金額、其金額ヨリカモ幾分安イト云フ所
デ、國内生產品ノ相場ヲ決定致シテ居リマ
スカラ、此關稅ガアル以上ハ、如何ニ安イ
外國ノ綿絲ト雖モ、此城壁ヲ乘越エテ我國へ
侵入スル餘地ハナイ、卽チ將來ニ於キマシ
テモ、此關稅ニ依フテ國家ノ收入ヲ圖ルト
云フコトノ望ハナイノデアリマス、ソコデ
私共ハ最後ニ政府ニ一言申上ゲタイノデア
リマスルガ、綿絲ノ關稅廢止ハ國民多數ノ
希望デアル、此多數ノ希望ガ此議會ニ反映
致シマシテ、昨年ノ議會ニハ建議案トナリ、
法律案トナリ、何レモ是ガ通過シタノデア
リマス、此建議案、法律案ノ中ニハ憲政會
案モアッタ、憲政會ノ諸君ハ一致シテ之ニ賛
成セラレタノデアリマス、現內閣ガ官僚內
閣デアルナラバイザ知ラズ、現內閣ガ國民
ノ意思ヲ代表スル政黨内閣デアリ、憲政會
內閣デアルコトハ天下モ之ヲ認メ、自ラ
モ之ヲ許シテ居ルノデアル、然ラバ何故ニ
斯ノ如キ國民ノ意思-恵政會ノ意見ノ明
瞭ナル問題ニ付テ、正反對ノ行動ヲ執ラレ
ルノデアルカ、是ハ憲政會ノ爲ニモ寔ニ遺
憾ニ存ズルノデアリマス(拍手)ソレ故ニ政
府ニ於キマシテハ、此國民生活ノ必需品夕
ル綿絲、我國ノ重要ナル輸出貿易品ノ原料
タル綿絲ノ其價格ヲ安クスル爲ニ、何故ニ綿
絲ノ關稅ヲ廢止セラレナカッタノデアルカ、
是等ノ諸點ニ付キマシテ政府ノ懇切ナル御
答辯ヲ煩ハシタイノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=68
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069・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 片岡商工大臣
〔國務大臣片岡直温君登壇〕
〔「簡單ニ願ヒマス」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=69
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070・片岡直温
○國務大臣〔片岡直温君) 成ルベク詳シク
申上ゲマセウ-只今ノ御質問ニ對シテ御
答ヲ致シマス、如何ニモ綿絲ニ關スル稅ノ問
題ニ付キマシテハ、前議會ニ於テ建議案モ當
議場ヲ通過シ、又法律案モ當院ハ通過致シ
テ居リマスル事ハ能ク承知致シテ居リマ
ス、既ニ衆議院ガ案ヲ通過致シマシタ以上
ハ其院議ヲ重ンズベキコトハ當然デゴザ
イマシテ、此點ニ於テハ重キヲ置キマシテ
考慮ヲ致シタノデゴザイマスルガ、其考慮
ノ結果綿絲ニ對シマスル關稅ハ、暫ク現行
ノ儘ニ置クコトヽ致シマシタ事ニハ十分ナ
ル理由ヲ持ッテ居ルト思ヒマス、先ヅ第一ニ
今日我國ニ於ケル綿絲ノ狀況ハ最初太絲ヨ
リ始マッテ、今中細ニ赴キツヽアルノデアリ
マス、而シテ海外ヨリ我國ニ這入リマスル
所ノモノハ多ク細絲ノ最モ精巧ロデデリ
せっ、(「日本ニモ出來ルゾ」ト呼フ者アリ)
固ヨリ絕無トハ申上ゲマセヌ、其傾向ヲ持ツ
テ居ル所デアリマス、然ルニ世界ノ大勢カ
ラ觀マシテ、支那ハ既ニ相當ノ綿絲布ヲ作
ルヤウニ進ミツヽアルコトハ、御承知ノ通
リデアリマス、今日本ノ綿絲ノ稅ヲ撤廢致
シマシタト申·シマシテモ、英吉利方面カラ
這入リマスルモノハ、前段申上ゲタ通リデ
ゴザイマスカラ、多ク這入ル所ト認ムベキ
ハ、支那デゴザイマセウガ、支那ハ今錘數
ニ於テ、施設致シツヽアル所ノモノヲ調べ
マシテモ、マダ三百万錘ニハ足ラナイノデ
アル、我國ノ製品ヲ壓倒シテ、安ク品物
ガ這入ッテ來ルト云フ趨勢ハ持ッテ居ナ
イ、ノミナラズ日本ノ此綿絲布ニ對シテ
ハ今御永知ノ通リ、支那ニ於テ關稅改正
ノ問題ガ討議サレテ居ル所デアリマス、其
結果直ニ影響ヲ及ボシテ來ル所ノ主ナルモ
ノハ綿絲布デアラウト思ヒマス、此關稅ノ
決定ノ狀況ヲ考慮スルト云フコトハ必ズ私
ハ必要デアラウト考ヘマス、今一ッノ理由
ハ、工場法ヲ施行スルコトニ相成ッテ居リマ
スルガ、是ハ今後三年ノ後ニ於キマシテハ操
業ノ時間ヲ短縮スル必要ガ起ルノデゴザイ
さっ、其短縮ノ結果、綿絲ノ現狀ニ於テ如
何ナル影響ヲ爲スカト云フコトモ、是モ考
慮スベキ一ッデアラウト思ヒマス、ソレカ
ラ今一ッ最モ考慮シナケレバナラヌノハ
世界ノ大勢上カラ太絲カラ段々ニ中細絲ニ
ナリ、細絲ニナッテ行クト云フ傾向ニナッテ
居リマスカラ、此世界ノ傾向ニ應ジテ、日
本ノ紡績業者タル者ハ、相當世界ノ趨勢ニ
應ズル施設ヲ立テヽ行カナケレバナラヌト
思フノデアリマス、然ラザレバ世界ノ競争
ノ上ニ於テ一大打撃ヲ避クルコトハ出來得
ナイ筈デアリマス、以上ノ三點ヲ考慮致シ
マスルト、餘程此點ニ付テハ調査ヲ致ス必
要ガアルト思ヒマス、又今ノ御質問中ニハ
現在ノ紡績業者ハ非常ノ儲ケヲ致シテ居
ル、斯ウ云フ御說デアッタノデアリマス、
如何ニモ多クノ會社中、確ニ二割乃至時ニ
依ノテハ四割程ノ配當ヲスル會社ヲ認メマ
ス、併ナガラ此配當ガ製造命社ノ別種ノ力
ヲ得ズシテ、單ニ其利益ガ生ジテ居ルカト
考ヘマスルト、サウハ見ラレヌノデアリマ
ス、卽チ曩ノ好況時代ニ相當ノ積立金ヲ拵
ヘテ、其積立金ニ依シテ原料ノ仕入等ニ對
シテ、金融上不利ノ利拂ヒヲ要シナイト云
フコトニ依シテ、玆ニ多クノ利益ヲ生ズルコ
トガアルノデアリマス、サウ云フ立場ニ在
ル會社ハ、利益ハ相當ニ擧ゲラルルノデア
リマスルガ、世界大戰ノ當時、竝ニ其以後
ニ於テ設立致シマシタ紡績會社ハ、今ハ甚
シキ悲況ニ陷ノテ居リマス、卽チ我國ニ於
ケル紡績ノ錘數ハ、約五百二十万錘ト思ヒ
マスガ、ソレガ全部ガ働テ居ルカト言へ
バ實際活動致シテ居ラヌノデアリマス、
活動ヲ能クシ能ハザル狀況デアルノデアリ
やっ、夫故ニ二、三ノ好イ所ノ會社ヲ押
、、紡績業全體ヲ顧ミズシテ、玆ニ關稅ノ
撤廢ヲ行フト云フコトハ早計ニ失スルノミ
ナラズ、之ヲ撤廢シタカラト云シテ安キモ
ノガ這人ルカト申シマスレバ、最初ニ申上
タ如ク支那ハマダ日本ニ安ク提供スルダケ
ノ素地ハ作テ居ナイノデアリマス、故ニ
廢シタラ大變安イモノヲ利用シ得ルトイフ
狀況ニハ決シテ到達ハ致サナイト思ヒマ
ス、是等ノ狀況ヲ綜合致シテ、現在ノ儘ニ
据置イタノデアリマス、綿織物ニ對スル御
意見モゴザイマシタガ、是ハ別段反對ノ意
見ヲ持ッテ居ル譯デハゴザリマセヌ、相當
綿織物ニ對シテ立行クヤウノ見當ノ下ニ稅
額ヲ持ノテ居ル積リデゴザイマス
〔山本芳治君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=70
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071・山本芳治
○山本芳治君 只今片岡サンカラ御答辯ヲ
伺ヒマシタガ、ドウモ御各辯ノ趣旨ガ私共
ニハ一向了解ガ出來ナイ、只今商工大臣ノ
御話ヲ聞キマスト云フト、將來或ハ操業短
縮ガ行ハルカモ知レナイト云フコトモ考慮
ノ中ニ置イテ、此關稅ヲ存置シタ、斯ウ言
ハレルノデアリマスガ、是ハ全ク實情ト正
反對ノ觀察ヲセラレテ居ルノデアル、元來
綿絲ニ付キマシテハ、關稅ト云フ一ツノ城
壁ガ設ケラレテ居ルカラ、國内ノ同業者ガ
一種ノ「トラスト」ヲ造ッテ、操業短縮ヲ營
ムコトガ出来ルノデアル、若シ此關稅ト云
フモノヽ城壁ガナカッタナラバ、國內ノ同
業者ガ操業短縮ヲ致シマスト云フト、外國
品ガ流レテ這人ルノデアリマスカラ、此操
業短縮ト云フコトノ弊害ガナクナル譯デア
リマス、此點ニ付キマシテ商工大臣ハ財界
ノ實情ト全ク正反對ノ觀測ヲ下サレテ居ル
ノデハアルマイカト思ヒマス、第二ニハ二
三ノ會社ハ大ナル利益ヲ得テ居ルカモ知レ
マセヌガ、一般ノ紡績業者ハ必ズシモサウ
デハナイノデアリマス、ト斯ウ言ハレタノ
デアリマス、私共決シテ二三ノ會社ヲ取っ
テ申シタノデアリマセヌ、全國ノ同業者ノ
平均利益ヲ申上ゲタノデアリマス、有力ナ
ル十大會社ノ平均利益ハ三割以上四割ニ近
イモノガアルノデアリマス、全體ノ紡績業
者ヲ通ジマシテモ、紡績聯合會ノ五十五社
ノ平均利益ハ二割五分ニ及ンデ居ルノデア
リマス、ソレ等ノ點ニ付キマシテハ商工
大臣ハ如何ナル調査ヲセラレテ居ルノカ知
リマセヌガ、私共モ比較的正確ナル統計ヲ
調ベテ居ル、併ナガラ是等ノ問題ニ付キマ
シテ正確ナル御答辯ヲ求メルト云フコト
ハ餘程困難デアラウト思ヒマスカラ、當
議場ニ於テハ是レ以上追窮ハ致シマセヌ
ガ、委員會ニ於テ質疑ヲ致スコトニ致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=71
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072・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 岩切重雄君
〔岩切重雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=72
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073・岩切重雄
○岩切重雄君 只今上程セラレマシタ關稅
定率法中改正法律案ニ對シマシテ、大藏大
臣ノ說明ヲ永リマスノニ、此改正案ハ勿論
歲入ノ增加ヲ目的トシテ居ナイト云フコト
ヲ先ヅ述ベラレタ、吾々ハ本關稅改正ガ、勿
論歲入ノ增加ヲ目的トスル所ノ改革案デア
ルナラバ、極メテ宜シクナイモノデアルト云
フコトヲ初メヨリ考へテ居ルノデアリマ
ス、隨テ政府ノ目的トサレル所モ、內地產
業ノ發達ヲ擁護シテ、一面ニハ國民生活ノ
基礎ノ上ニ立ッテ、物價間題ニ關聯致シタ上
ヨリ適當ナル注意ヲ拂ハレタモノデアラウ
ト云フコトヲ私ハ信ズルノデアリマス、然
ラバ御尋致シタイト思ヒマスガ、若シ保護
〓稅政策ト云フ立場カラシテ、此關稅政策
ヲ確立サレタトスルナラバ、最モ重大ナル
問題ハ內地產業ニ對スル關稅改革トノ連絡ヲ
如何ニ取ルカト云フ問題デアル、單ニ關稅
定率ヲバ、物價騰貴ノ關係ヨリシテ從價稅
ト從量稅トノ間ニ均衡ヲ得ル爲ニ改正ヲス
ルト云フ、唯〓其點デアルナラバ、是ハ極
メテ片手落ノ改正デナケレバナラヌ、是ダ
ケノ大改革ヲシテ、初テノ政府ノ大ナル事
業トシテ之ヲヤル以上ハ、內地產業ニ對ス
ル所ノ根本的ノ態度ト云フモノヲ、一四二
ハ定メテ掛ラナケレバ何モ私ハナラナイト
考ヘルノデアリマス、卽チ然ラバ此內地產
業ト云フモノニ對スル方針、卽チ基礎產業
ヲ先ヅ何レニ置クカト云フ問題デアリマ
ス、唯、內地ノ產業ニ對シテ漫然タルバラ
撒キ主義ヲ以テ關稅定率ヲ改正スルト云フ
意味デハナイデアラウト考ヘマスカラ、商
工大臣ナリ農林大臣ハ、我國ノ產業政策ノ
基調、卽チ目標ヲ何レニ置クカト云フコト
ヲ、極メテ抽象的デアルケレドモ、僅カバ
カリノ内地產業ノ中デ此目標ノ定ラナイ
理由ハナイト考ヘマスカラ、何レニ目標ヲ
置イテ居ラレルカト云フ、先ヅ此大キナ問
題カラ御尋致シタイト考ヘルノデアリマ
ス、次ニハ唯。一面ニ先程申シマス通リ、
關稅定率ヲ改正スルト云フパカリデハ宜シ
クナイ、產業政策ヲ如何ニスルカト云フ問
題ガ玆ニ起シテ參リマスト、產業ニ對スル基
調トナル問題ハ其一ツハ資金ノ問題デア
ル、目的ヲ何所ニ定メルカト云フコトガ先
ヅ定マリマスナラバ、次ニ起ル問題ハ資金
ヲ如何ニスルカ、產業政策ニ對スル金融ノ
問題スラモ念頭ニ置カズシテ、唯〓漫然之
ヲ改メルト云フニハ餘リニ改正ガ簡單過
ギルト私ハ考ヘルノデアリマス、現今ノ資
金問題ニ對シマシテ考ヘマスノニ、大藏大
臣ハ内閣組織ノ當初以來、或ハ銀行ノ併合
問題、其他預金部ノ改正等ニモ力ヲ盡シテ
居ラレマスガ、勿論銀行ニシロ、低利資金
ニシロ、其自體ガ目的デハナイ、銀行乃至
低利資金ノ終局ノ目的ト云フモノハ、內地
ノ產業ヲ如何ニ導クカト云フコトガ卽チ眼
目デナケレバナラヌ、例ヘバ銀行問題ニ付
テ一例ヲ申上ゲマスレバ、銀行ノ合同問題
ト云フ問題ハ、是ハ資金ノ充實ヲ圖,テ信
用制度確立ト云フ上カラ云ヘバ、極メテ重
大ナル問題デアリマスケレドモ、一面カラ
今日地方ノ所謂小企業者、殊ニ農村ト申ス
コトガ一番適當ダラウト考ヘマスガ、是等ノ
小企業者ガ最モ惱ンデ居ル所ノ問題ハ何デ
アルカト云ヘバ、地方ニ於ケル金利ノ非常
ニ高イト云フコトガ、今日ノ非常ナ問題デ
アル、若シ茲ニ大キナ某銀行ト云フヤウナ
モノヲバ合併シテ、地方ノ銀行組織ヲシテ、
大銀行組織ノ下ニ置クトスルナラバ、小企
業家ハ容易ニ、是等ノ銀行カラ金ヲ借出ス
コトハ不可能デアル(拍手)此事ハ曩ノ議會
ニ於キマシテモ大藏大臣ニ御尋致シマシ
タ、所ガソレハ小銀行ニ代ルベキモノハ支
店ガアルト云フコトデアッタ、併ナガラ今
日、ノ支店ガ本店ノ許可ナクシテ小企業者ニ
果シテ金ヲ貸スヤ否ヤ、必ズ一流銀行デア
レバ支店ハ益〓地方ニ濫設サレテ、多クノ
支店ハ其小サナ人ノ資金ヲ集メテ、是ハ必
ズ大資本家ニノミ之ヲ融迪スル所ノ機關ト
ナル(拍手)斯カル制度ノ下ニ銀行ノ目的ヲ
置カレルナラバ、農村ニ於ケル小企業家ハ
果シテ何所ニ此資金ヲ求メルノデアルカ、
資金ナクシテ如何ニ關稅ノ定率ヲ改メテモ、
資金ガナケレバ產業ノ興ル方法ハナイト私
ハ考ヘル、ソレニ對シテハ政府ハ低利資金
ノ問題ヲ言ハルヽカモ知レヌ、然ルニ現行
制度ノ下ニ於ケル低利資金問題ハ果シテ
十分ニ地方ニ是ガ還元サレテ居ルカ、是一
前ノ議會ニ於テモ預金部ノ改正法案ト云フ
モノモ通過致シタノデアリマスガ、只今十
後億ノ郵便貯金ナルモノガ、農村ニ還元サ
レル所ノ額ハ極メテ少イモノデアルト私ハ
考ヘル、况ヤ現內閣ノ財政計畫ノ中デ眼目
トサレテ居ル公債政策ニ付テ考ヘマシテモ、
一般ヨリ公債ヲ募ラナイト云フ美名ノ下
ニ、其財源ハ預金部ノ金ニ仰イデ居ルノデ
アル、然ラバ農村ニ還元シテコソ、初テ低
利資金ノ運用ヲ成スノデアル、而モソレハ
公債政策ノ財源トサレテ居ルノデアル、其
公債ノ一億五千万圓ト云フモノハ、鐵道計
畫ノ中へ繰入レラレル金ガ幾ラカ地方ニ
廻シテ來ルカモ知レナイケレドモ、後ハ帝都
復興ト植民地ニ對スル金デアリマスカラ、
農村ノ金ヲ取ッテ帝都復興ト植民地ニ之ヲ
廻ス、卽チ此低利資金ナルモノハマダ其
外ニモアルケレドモ、要スルニ是等ノ公債
ノ財源トナッテ、地万ニ還元シテ來ナイノ
デアリマス、其外遞信省ニ於ケル簡易保險
ノ低利資金ナドモアルケレドモ、斯ノ如キ
金融組織、地方ニ對スル金利ノ問題、金融
ノ問題ガ一方ニ解決セラレズシテ、單ニ此
關稅改革ノミヲ致スト云フコトハ、要スル
ニ是ハ片手落ノ處置デハナイカ、之ニ對シ
テハ如何ナル御考ガアルカト云フコトヲ先
ヅ伺ヒタイト思フノデアリマス、其次ニハ
原料ノ問題デアリマス、一面ニ關稅ヲ課
スル、併ナガラ關稅ヲ課スルト云フコトハ
產業ノ發達ヲ圖ルト云フコトデアル、然ラ
バ内地ニ於ケル原料問題、詰リ原料ノ管理
ト云フ問題ヲ如何ニスルカ、原料ニハ內地
ニ於テ出來ル所ノ原料ト、外國カラ持ッテ
來ル所ノ原料ガアルノデアリマスガ、内地
ノ原料ヲ中心トスル所ノ其根幹ハ農村ニ在
ルト私ハ思フ、此農村ニ於ケル原料ヲ保護
スルト云フ政策ニ對シテハ、此所ヘ質問シ
ナケレバナラヌ、此關稅改革ノ法文ノ中ニ
現レテ居リマスル所ノ小麥デアルトカ、或
ハ大豆、米畜產ノ如キモノニ對シテハ
今回ノ改正ヲ見マスト、大部分ハ保護關稅
ノ制度カラ遠ザカッテ居ルノデアリマス、
今日ノ農村ヲ保護セズシテ何ヲ政府ハ保護
シヤウトスルノデアルカ、工業上ノ品物ハ
外國カラ持ノテ來テモ宜シイケレドモ、我ガ
日本帝國ニ於テ農產物ノ發達ヲ圓ルト云フ
以外ニ、原料品ト云フモノハ我國ニハ無イ
ト私ハ思フ、殊ニ此天惠ノ多イ國、我國リ
如ク氣候ノ温暖デアル國ニ於テハ、何ヨリ
モ先ヅ此農產物ノ原料政策ト云フモノヲ確
立シナケレバナラヌ、然ルニ(「米ノ關稅ハ
ドウスル」ト呼フ者アリ)小麥ニシマシテ
モ、米ニシマシテモ、大豆ニシマシテモ、是ハ
所謂日用品物價問題ト云フ關係カラシテ、
之ニ關稅ヲ輕クスルト云フノデアリマセウ
ガ、若モ此所へ本當ニ徹底シタ政策ヲ執ル
ト云フナラバ、一面ニ關稅ヲ課シテ、大量
生產ヨリ資金ヲ融通シテ玆ニ物價ヲ引下ゲ
ルダケノ一面ニ產業的徹底シタ政策ガナケ
レバナラヌ、ソレヲ爲サズシテ關稅ノミニ
依シテ日本ノ產業ヲ支配シヤウトスルナラ
バ是ハ非常ナ不徹底ナル問題デアルト私
ハ考ヘル(「本黨ハドウシタ」「默レ」ト呼フ
者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=73
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074・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=74
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075・岩切重雄
○岩切重雄君(續) 况ンヤ殊ニ其中ノ一例
ヲ採ッテ考ヘレバ、畜產ノ如キハ本案ノ改正
ノ中ニ於テハ、支那ヨリ入ッテ來ル所ノ卵ノ
如キニ至ッテモ、之ヲ殆ド無稅トセラル
ルヤウナ態度ヲ執ッテ居ル、支那ヨリ一千万
以上ノ卵ガ入ル、支那ノ鷄ノ卵ハ日本ノ農
村ニ於テモ幾ラデモ是ガ奬勵ヲシヤウト思
ヘバ出來ルト思フ、是デモ一千万圓宛デモ
日本ノ財產カラ見レバ之ヲ抑ヘテ行ク方ガ
我國ノ利益デアル(拍手)是ダケノ僅ノモノ
デアル百万圓ニ過ギナイト一云フヤウナコ
トヲ考ヘテ居ルナラバ、我國產業ハ發達シ
ナイ、百万圓デモ二百万圓デモ片ッ端カ
ラ之ヲ保護シテ、其產業ノ發達ヲ圖ヲテ行
ケバ、更ニ我國ノ產業ト云フモノハ茲ニ發
達シテ來ルノデアリマス(拍手)是等ノ農產
物ニ對スル態度ハ、依然トシテ物價問題ト
云フ一點ヨリシテ、產業政策ニ依シテ物價
ヲ引下ゲヤウトセズシテ、關稅ト云フ關門
ヲ撤廢シテ物價ノ引下ヲ圖ラウトスルナ
ラバ、農村ニ對スル政策ハ極メテ不徹底デ
アルト謂ハナケレバナラヌト思フノデアリ
マス(拍手)次ニ工業原料ニ對シテノ政策ヲ
承リタトイ考ヘマスガ、例ヘバ此鐵ノ問題
ノ如キハ政府ハ如何ニサルヽノデアルカ、
此度ノ御提案ノ中ニ於キアシテハ、鐵ニ對
スル政策ハ分リマセヌ、依然トシテ其儘ニ
シテアル、是ハ他ノ法案ニ依ッテ或ハ豫算ノ
中ニ在ルノカモ分リマセヌガ、補助ニ依ッテ
之ヲヤルト云フコトデアルカ、果シテ之ニ
依ノテ我國ノ鐵ノ產業、所謂鐵ニ對スル原料
政策ト云フモノハ確立サルヽヤ否ヤ、將來
ニ於テハ再ビ如何ナル日ガ我國ニ來ラント
モ限ラナイ、國防政策ノ上カラ考ヘマシテ
モ、又工業上ノ立場カラ考ヘマシテモ、鐵
ニ對スル方針ト云フモノハ、今少シク徹底
シテ考ヘナケレバナラナイデハナイカ、
之ニ對シテ商工大臣ハ、果シテ如何ナル御考
ヲ持ッテ居ラレルカ、其次ニハ機械類デア
リマスガ、只今山本君カラ紡績ノ御質問モ
アリマシタガ、此機械ノ如キハ我國ニ於テ
ハ出來ナイモノデアル、ドウシテモ未ダ出
來ナイモノナラバ、ンレハ關稅ヲ寧口撤廢
シナケレバナラヌ、出來ルト云フ目安ノ附
イタモノニハ關稅ヲ課シテ、其產業ヲ導カ
ナケレバナラヌ、出來ナイモノニ對シテ關
稅ヲ以テ之ヲ抑ヘルト云フナラバ是ハ收
人主義ニ墮落シタル所ノモノデアルト私ハ
考ヘル(拍手)此機械製作品ノ如キモノニ對
シテ、尙ホ此重稅ヲ課セラルヽ理由ハ一體
何所ニ存ルノデアルカ、之ヲ聽キタイト考
ヘルノデアル、ソレカラ最後ニ聽キタイコ
トハ我國ハ度〓此議場ニ於テモ論議サレ
マス通リニ、極メテ人口ノ膨脹ガ多ク、而モ
材料ノ最モ少イ國デアル、此人口ガ多クシ
テ材料ノ少イト云フ問題ハ、今日我ガ日本
帝國ノ一番眼目ニナル問題デアルト私ハ考
ヘル、此人口ノ多イト云フコトヽ原料ノ少
イト云フ問題ガ言ハレル度ニ、此議會ニ於
テハ最モ是ガ重要ナル問題トナル時代ガ來
ナケレバ、本當ノ政治ト云フモノハ私ハ行
ハレナイト思フ、國氏生活ニ關係シテ考へ
ルナラバ、此材料ト人間ヲ如何ニ按排シテ
行クカ、是ダケノ產業ノ中デ、是ダケノ國
民ガ如何ニシテ飯ヲ食フカト云フ問題ガ一
番大事デアル、ソレデ私ノ此出發點カラシ
テ御尋ヲシテ見タイト思フコトハデス、何
時マデモ工業ト云フ問題ニ對シテ、保護關
稅ト云フ一點張デ行クノデアルカドウカ、
或ハ從前ニ於ケル英國或ハ獨逸ノ例ヲ取ッ
テ考ヘテモ、我國ノ產業政策ノ上ニ自由貿
易主義ノ精神ヲ採ッテ、嘗テ唱ヘラレタ所ノ
自由港問題、或ハソレガ宜シクナイトスルナ
ラバ、或ル自由港ノ區域ヲ拵ヘテ此處デ加エ
工業ヲヤル、ソレニ對シテハ倉庫ノ設備モ
立派ニヤッテ行ク、其土地ニ於テハ材料、原
料品ニ對スル金融ノ問題モ考ヘルト云フナ
ウナ意味カラシテ、自由港ノ主義ヲ今少シ
ク政府ハヤル意思ハナイノデアルカドウデ
アルカ、或ハ今日假置場デアルトカ、保稅
倉庫ガアルト言ハレルケレドモ、アノ程度
ノモノニ於テハ、未ダ中間加工工業ナルモ
ノハ、我國ニハ到底興ラナイト私ハ考ヘル
ノデアリマス、是等ニ對シテハ、政府ハ今
少シク徹底シタ政策ヲ執ラレル意思ハナイ
ノデアリマスカ、之ヲ聽キタイト思ヒマス、
ソレカラ最後ニモウ一ツアリマスガ、是ハ
新聞紙上ニ傳フル所ニ依ルト、政府ハ關稅
ノ常設委員會ヲ設置シテ、其委員會ニ依ッテ
勅令ヲ出シテ、關稅ノ定率ヲ隨時改メヤウ
ト云フ說ガアルト云フ如キコトヲ新聞デ見
ルノデアリマスルガ、是ハ果シテドノ程度
ニサウ云フ議ガアルノデアリマスカ、之ヲ
承リタイト考ヘルノデアリマス(拍手)
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=75
-
076・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 只今岩切君ノ御
質問ハ大分多岐ニ亘ッテ居リマシタノデ、私
ノ所管ニ屬スル事項ト、他ノ大臣ノ所管ニ
屬スル事項トガアッタノデアリマスカラ、
私ノ所管ニ屬スル事項ノミニ付テ御答ヲ致
シマシテ、他ノ御質問ニ對シマシテハ、ソ
レ〓〓所管大臣カラ答辯ニナルデアラウト
思ヒマス、第一ニ此度ノ關稅改正ニ依ッテ
政府ガ重要產業ヲ保護スルト云フコトヲ說
明シタノデアルガ、其重要產業ノ目標ハ如
何ト、斯ウ云フ御質問ノヤウデアッタノデ
アリマス、岩初君ノ御質問ノ趣旨ガ此關稅
定率法ノ改正ニ於テ、如何ナル重要產業ニ
對シテ保護ヲ加ヘテアルカト斯ウ云フ御質
問デアリマシタナラバ、私是ヨリ御答ヲ致
シマス、若シサウデナクシテ、一般的ニ此
關稅ニ關係ナク、日本ノ重要產業ノ目標如
何ト云フ御質問デアリマシタナラバ、ソレ
ハ商工大臣カラ答辯ヲサルヽデアラウト思
ヒマス、誠ニ私ノ解釋ニ從シテ此關稅定率
法ニ於テ保護セントスル所ノ重要產業ヲ二
三申上ゲマシテ、御答致サウト思ヒマス、
先刻ノ說明ノ際ニモ中上ゲマシタ通リ、此
度ノ關稅改正ニ於キマシテハ、無論歲入增
收ノ目的ヲ持ッテ居ナイコトハ、岩切君モ
御話ニナリマシタ通リデアリマスルガ、偖
內地ノ重要產業デアリマシテ、今尙ホ發達
ノ道程ニ在ルモノガアリマス、又今日ハ未
ダ發達ヲ致シテ居リマセヌケレドモ、之ニ
向シテ相當ノ保護關稅ヲ加ヘマスレバ、將
來新ニ成立ノ見込ガアルモノモアルト思ヒ
やく、サウ云フ品物ニ對シマシテハ、此度
ノ改止ニ於キマシテハ、外國品トノ競爭ニ
堪へ得ルト云フ其限度ニ於テ、一樣程度ノ
保護ヲ加ヘルコトニ致シタノデアリマス、
一二ノ例ヲ申上ゲテ見マスト云フト、例へ
バ毛織物デアリマス、此毛織物ノ輸入稅
ヲ相當ニ引上ゲテアリマス、是ハ稅表ヲ御
覽ニナレバ明瞭デアリマスルガ、此毛織物
ニ對シマシテハ相當ノ保護ヲ加ヘル方針ヲ
以テ稅率ヲ盛シテアリマス、其次ニハ機
械類デアリマス、無論機械類ノ全部デハア
リマセヌガ、重要ノ機械類ニシテ發達ノ途
中ニ在ルモノ、今日ハ途中ニ在ルト云フ程
度ニハ達シテ居ラヌケレドモ、之ヲ相當ニ
保護致シテ置ケバ、將來成立ノ見込ガ十分
デアルト云フ機械類ニ對シテハ、相當ノ保
護關稅率ヲ盛ッテアルノデアリマス、其詳
細ニ至ッテハ、委員會ニ於テ品物ニ就テ一〓
說明ヲ申上ゲマス、第三ノ例ヲ申シマスレ
バ、是亦全部ノモノデハアリマセヌガ、或ル
種類ノ藥品類デアリマス、之ニ對シマシテ
モ相當ノ保護ヲ加ヘマスレバ、內地ニ於テ
十分發達ノ見込ガアルト認メラルヽモノニ
限ッテ、相當ノ稅率ヲ盛ッテアルノデアリマ
ス、其次ニハ內地ニ於ケル事業ノ基礎ガ
鞏固ニナッテ居リマスルカ、又ハ內地ニ於
テ生產ガ十分デアリマシテ、外國品トノ競
爭ニ現在ノ狀態ニ於テ堪へ得ルト云フ品物
ニ對シマシテハ其稅率ヲ引上ゲルコトハ
無論致シテアリマセヌ、其品物ニ對シテハ
現行ノ稅率ヲ据置キマスルカ、或ハ或ル程
度ノ輕減ヲ致シタモノモアリマス、其据置
キマシタモノヲ申上ゲマスレバ、初ニ申
シマシタ機械類ノ外ノ或ル種類ノ機械デア
リマス、是ハ据置ニ致シテアリマス、ソレ
カラ先刻山本君カラ御質問ニナリマシタ所
ノ綿絲デアリマス、是モ現行ノ据置ヲ致シ
テアリマス、ソレカラ魚油及鯨油--鯨ノ
油デアリマスガ、斯ウ云フ品物ニ對シテハ
基礎ガ鞏固デアルト考ヘマシタガ故ニ、是
ハ現在一圓三十錢ノモノヲ無稅ニ致シテア
ルト云フモノモアリマスガ、此無稅ニ致シ
タ理由ハ、內地ニ於テ到底出來ル見込ガナ
イカラト云フ意味デハアリマセヌ、事業ノ
基礎ガ既ニ鞏固ニナッテ居ル、內地ニ於テ
生產ガ豐富デアッテ、此稅率ヲ廢メテモ外
國品トノ競爭ニ堪へ得ルト云フ其理由ヲ以
テ据置ニシテアルト云フ類デアリマス、
マダ他ニモアリマスケレドモ、是ハ委員會
ニ譲リマスルガ、若シ岩切君ノ御質問ガ其
意味デナクシテ、モウ少シ廣イ意味ニ於テ
全體ノ產業立國ト申シマスカ、或ハ重要產
業保護ノ目標如何ト云フ產業上ノ御質問デ
アリマシタナラバ、他ノ大臣カラ御答ニナ
ラウト思ヒマス、ソレカラ第二ノ御質問ハ
產業資金ニ關スル御質問デアッタノデアリ
せっ、關稅率ノ改正ニ依ッテ、內地ノ產業
ヲ相當ノ程度ニ於テ保護セントスル其趣旨
ハ分ッタト假定ヲ致シタ所デ、偖是ハ關稅
率ノ引上ゲノミニ依ッテ其產案ノ發達ハ出
來ルモノデナイ、其產業ノ發達ヲ圖ラント
スルナラバ、之ニ向フテ資金ヲ豐富ニ供給
ヲスルト云フ途ヲ開カナケレバナラヌト云
フ御意見デアッタノデアリマス、洵ニ是ハ御
尤千萬ナル當然ノ御意見、全然私ハ御同感
デアリマス、唯〓其資金ヲ供給スル方法如
何ト云フ問題デアリマスルガ、岩切君ハ低
利資金ノコトヲ申サレマシタ、或ハ預金部
ノ公債ノ引受ノコトヲ御話ニナリマシタ、
或ハ簡易保險ノ低利資金ノコトモ御話ニ
ナッタヤウデアリマスルガ、政府ノ保管ヲ
致シテ居リマス所ノ預金部ノ資金、或ハ簡
易生命保險ノ資金ト云フ如キモノヲ當テニ
致シマシテ、内地ノ產業資金ヲ供給スルト
云フコトハ、是ハ私ハ餘リ多クヲ望ムコト
ハ出來ナイモノデアラウト思ヒマス、固ヨ
リ餘裕ノアル限リ、又其運用ガ有利確實デ
アリマス限リハソレハ相當ノ融通ヲ預金
部カラモ致シマス、又簡易生命保險カラモ
致スデアラウト思ヒマスケレドモ、其資金
タルヤ是ハ限度ガアリマス、極メテ狹小ナ
ル限度デアリマス、其低利資金ヲ當テニ致
シマシテ、內地ノ產業ノ振興ヲ圖ルト云フ
コトハ是ハ抑〓期待スル者ノ無理デアリ
マシ、日本ノ產業ハサウ云フ政府ノ保管ヲ
致シテ居ル所ノ特別ノ資金ヲ低利デ借リ
テ、ンレニ依ッテ重要產業ノ發達ヲ圖ッテ、
外國トノ競爭ヲシヤウト云フ如キ考ヲ持シ
テ居フテハ、是ハ大變ナル間違デアラウト
思フ、然ラバ其資金ハドウシテ供給スルカ
ト云フ問題デアリマスルガ、岩切君ノ御說
ヲ承ッテ居リマスルト云フト、銀行ノ合併
ト云フコトヲ政府ガ特ニ獎勵ヲ致シテ居ル
ガ、其政府ノ奬勵ニ依ッテ銀行ノ合併ガ行ハ
ルヽト云フト、地方ノ小銀行ガ段々數ガ減
少致シ、其結果トシテ小企業者ニ向ッテノ
資金ノ供給ガ圓滿デナイト云フ結果ヲ生ズ
ルカラ、其點カラ見ルト云フト、銀行ノ合
併ト云フコトハ、小企業者ニ資金ノ供給ヲ
圖ル上ニ於テ宜シイ事デナイト云フヤウニ
聞エマスルガ、ソレハ私ハ必シモ左樣ニハ
考ヘマセヌ、只今モ御話ニナリマシタ通リ、
其支店ト云フモノヲ利用スルコトモ無論出
來マスルシ、又現在ノ銀行ト云フモノガ餘
リニ數ガ多イ、相當ニ合併ヲ致シマシタケ
レドモ、ソレデモ本店ノ數ハ、尙ホ千六百
有餘ヲ算スル、斯ノ如キ狀態ニ於キマシテ、
銀行ノ基礎鞏固ナリト申スコトハ出來マセ
又、數ガ如何ニ多クアリマシテモ、其營業
振ガ堅實ナラズ、其基礎ガ鞏固デナイトキ
ニ於テハ、資金ノ十分ナル供給ヲ望ムコト
ハ出來ナイノデアリマス、ソレ故ニ政府ノ
合併ヲ慫慂スル方針ト致シマシテモ、無限
ニ合併ヲセシムル積リデハアリマセヌ、相當
ノ程度ニ達スルマデノ奬勵ハ致シマス、其相
當ノ程度ニ達シタ所ニ於テモ、尙ホ地方ニ
於テ相當ノ小銀行ガ殘ルト云フコトハ、是
ハ明カナ事デアリマス、其殘ッタ銀行ハ競
爭者ノ少クナル結果トシテ、事業ノ經營ガ
堅實ニナリ、其資金ノ供給ガ豐富ニナルト
致シマスレバ、地方ノ小企業者ガ其銀行ヲ
利用シテ、資金ノ供給ヲ圓滿ナラシムルト
云フコトハ是ハ却テ小銀行ノ濫立ヲ來
シテ居ル所ノ現在ノ狀態ヨリモ、好都
合デアラウト信ズルノデアリマス、資金ノ
圓滿ナル供給ハ、何ト致シマシテモ政府ノ
事業ノ爲ニ民間ノ事業資金ヲ吸收シナイト
云フコトガ、要諦デアラウト思ヒマス、屢
屢申スコトデアリマスガ、從來ノ歷代ノ
内閣ニ於キマシテ、動モスルト云フト、政
府ノ財政計畫ノ都合上カラ、公債ノ發行ヲ
增加致シテ、民間ノ事業資金ヲ政府ノ事業
ノ爲ニ吸收ヲ致シ、其結果トシテ民間ノ事
業資金ハ缺乏ヲ致シマスカラ、民間ノ事業
ガ發達ヲシナイノデアリマス、金利ガ高ク
ナリマスカラ、民間デ事業ヲ起シテモ引合
ハヌノデアリマス、卽ヲ民間ノ經濟ニ對ス
ル所ノ政府ノ財政ノ壓迫ト云フモノハ是デ
アリマス、此內閣ハ此點ヲ深ク考慮致シマ
シテ、經濟ニ對スル財政ノ壓迫ヲ除クガ爲
ニ、屢說明ヲシマスル通リ、公債ノ新規
發行ヲ減少致シ、ソレニ依ッテ政府ノ都合
上カラ民間ノ事業資金ヲ奪フト云フコト
ハ、出來得ル限リ之ヲ制限致シテ、大正十
三年、十四年、十五年、此三箇年度ヲ通ジ
テ公債ヲ市場ニ公募シナイト云フ方針ヲ繼
續ヲ致シテ居リマス、此公債政策ノ方針ト
云フモノハ、卽チ民間ノ事業資金ヲ豐富ナ
ラシメル所以デアラウト政府ハ信ジテ居ル
ノデアリマス、更ニ政府ガ現在行シテ居リ
マス所ノ此貯蓄ノ奬勵ト云フコト、是亦民
間ノ資本ノ蓄積ヲ容易ナラシムル所以デア
リマス、民間ノ收入ガアリマシテモ、ソレ
ヲ不生產的ノ仕事ニ濫費スルト云フコトニ
ナルト、サナキダニ少イ所ノ日本ノ內地ノ
資金ノ蓄積ガ出來ナイノデアリマス、ソレ
故ニ零細ナル資金ヲ蓄積ヲ致シマシテ、之
ヲ立派ニ運用致シマシテ、事業資金ニ轉ゼ
シムルト云フコト、是亦現內閣ノ方針トス
ル所デアリマス、ノミナラズ今日モ或席ニ
於テ中シタコトデアリマスルガ、內地ノ資
金ガ豐富デナイト申シマスルコトハ、卽チ
民間ノ事業ニ固定ヲシタ部分ガマダ甚ダ多
イト云フコトガ、與ッテカヲ爲シテ居ルノ
デアリマス、財界ノ整理ト云フコトハ、卽
チ此固定ヲシテ居ル所ノ資本ヲ解放セシ
メ之ヲ流動資本ト致シマシテ、事業資金
或ハ商業資金ニ充當スルト云フコトガ、最
モ是ガ大切ナル事柄デアリマス、現內閣ガ
此整理緊縮ノ方針ヲ行ヒマシテ、民間ノ財
界ノ整理ノ促進ヲ努メテ居ルト云フノハ
卽チ財界ノ整理ガ進捗スルニ從ヒマシテ、
固定資本ガ浮イテ參リマシテ、流動資本ト
ナリ、ソレニ依ッテ民間ノ資金ノ供給ヲ圓
滿ナラシメントスル爲デアリマス、大體事
業資金ノ供給ノ方法ト致シマシテハマダ
他ニモ方法ガアラウト思ヒマスルガ、政府
ノ現在考ヘテ居ル所ハ右申上ゲル通リデア
リマス、マダ此土共ニ資金ノ供給ノ圓滿ヲ
圖リマスル方法ニ付テハ常ニ調査〓究ヲ
怠ラナイ所デアリマスガ故ニ、適當ナ方法
ガアリマシタナラバ、直ニソレヲ實行スル
ト云フコトニハ、少シモ躊躇スルモノデハ
ナイト云フコトヲ附加ヘテ申上ゲテ置キマ
ス、次ニ私カラ申上ゲルコトハ、自由港ノ
事柄デアリマス、自由港ノ問題ハ、是ハ中
中關係スル所ガ廣汎デアリマシテ、餘程調
査攻究ヲ要スル問題、政府ハ是迄トテモ此
自由港ノ問題ニ付テハ調査〓究ヲ致シテ居
リマスケレドモ、マダ愈、日本ノ貿易ノ狀
況ニ鑑ミ、又產業ノ狀態ニ照シマシテ、自
由港ヲ設置スルコトガ適當デアル、必要デ
アルト云フ結論ニマデハ達シチ居ナイノデ
アリマス、此自由港ノ設置ガナイ場合ト致
シマシテモ、現在ノ保稅倉庫デアルトカ、
或ハ假置場デアルトカ云フモノヲ、十分ニ
利用ヲ致シマスレバ、其足ラザル所ヲ適當
ノ程度ニ於テ補フコトガ出來ルデアラウト
考ヘマス、又此保稅倉庫竝ニ假置場ノ制度
ノ改革ニ付テモ、目下政府ニ於テ調査攻究
中デアリマスガ、或ハ此議會ニハ間ニ合ハ
ナイカ知レマセヌガ、若シ間ニ合ヒマセ
ヌデシタラ、次ノ議會ニ於テ提案スルノ順
序ニハ運ビ得ルデアラウト考ヘマス、要ス
ルニ自由港ノ設置ノ問題ニ付テハマダ之
ヲ設置スルガ宜イト云フ結論ニハ達シテ居
リマセヌ、調査〓究ノ範圍ヲ出テ居ラヌト
云フコトヲ中上ゲテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=76
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077・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 片岡商工大臣
〔國務大臣片圖直溫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=77
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078・片岡直温
○國務大臣(片岡直溫君) 只今岩切君ノ御
質問ニ極ク簡單ニ御答致シマス、只今ノ大
藏大臣ノ答辯ニ依リマシテ、御質問ノ大體
ハ私ノ領分マデ明瞭シタカト思ヒマス、其
中何時マデモ保護政策ヲ執ッテ、工業ノ成
立ッテ行クヤウナ主義ヲ持續スルカ、斯ウ云
フ御尋デアリマシタガ、是モ大藏大臣ノ說
明中ニ、モウ基礎ガ丈夫ニナッテ別段ノ保
護ヲ要シナイモノハ、關稅ヲ或ハ減ジ、或
ハ撤廢スル、將來多少ノ保護ヲ加フレバ目
的ヲ達スルモノニ向ッテ、關稅ヲ調節シタ
ト云フ、此說明デ御分リニナッテ居ルト思
ヒマス、今更申スマデモナク、世界ノ大勢
ハ自國ノ產業ヲ成立セシムル爲ニ種々ノ手
段ヲ執リ、保護ヲ加ヘツヽアルト云フコト
ハ、岩切君モ御承知ノ通リデアリマス、我
國ニ於テ特ニ其世界ノ大勢ニ反シタル行動ヲ
執レナイト云フコトハ分リ切ッテ居ルト思
ヒマス、ソレカラ次ノ御尋ノ鐵ノ問題デア
リマス、此鐵ノコトニ付キマシテハ先日
當議場ニ於テ說明ヲ致シマシタノデ、今又
之ヲ繰返スノ必要ハゴザイマスマイ、卽チ
鐵ノ製品中相當ノ保護ヲ加フベキモノニ對
シテハ、今囘ノ關稅ニ對シテ調節ガ致シテ
アルノデアリマス、其關稅ヲ見テナイモノ
ニ對シテハ、別段ノ手段ヲ執ルト云フコト、
ハ先達ッテ此處デ申上ゲタコトニ依ッテ御
諒解ヲ願ヒタイト存ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=78
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079・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 早速農林大臣
〔國務大臣早速整爾君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=79
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080・早速整爾
○國務大臣(早速整爾君) 最初ノ御尋ニ對
シマシテハ、大藏大臣竝ニ只今ノ商工大臣
ノ御答ニ任セマシテ、私ハ岩切君ノ此農產
物ニ對スル關稅ニ關シテ、御尋ニナッタコト
ニ對シテ御答ヲ致シタイト思ヒマス、農民
ノ利害一方カラ申シマセバ、御說ニモアリ
マシタガ、農業ヲ保護スルト云フコトガ非
常ニ必要デハナイカ、農產物ヲ保護スルコ
トノ洵ニ必要デアルト云フコトハ、一應道
理ノアル事デアリマシテ、私共モ之ヲ認メ
ル、併ナガラ先刻大藏大臣ガ、關稅ヲ改正
スル趣意ヲ說明致サレマシタル如ク、食料
品デアルトカ原料品デアルトカ云フモノ
ニ對シテハ、其需要ノ方面モ考ヘテ、此關
稅ヲ決メルト云フコトニシナケレバナラ
ヌ、言換ヘテ見レバ、生產者ト消費者トノ
間ノ調和ヲ圖ッチ、サウシテ此關稅ヲ決
メルト云フコトノ方針ヲ立テナケレバナラ
又、斯ウ云フコトニ相成ヶテ居ルノデアリ
マスカラシテ、唯.單リ生產者ヲ保護シナ
ケレバナラヌト云フ考カラ申セバ、農產物
ノ如キヲ何所マデモ關稅ヲ高メテ、之ヲ保
護スルト云フ必要ノ議論ハ成立ツノデアリ
マスケレドモ、併ナガラ同時ニ消費者側ノ
此農產物ヲ消費スルト云フ一方ノ方面カラ
又考ヘテ見マスレバ、關稅ヲ上ゲルガ爲ニ、
無暗ニ其物價ガ高クナルト云フコトハ之ヲ
防ガナケレバナラヌ、岩切君ハ關稅ニ依ッテ
物價ヲ調節スルトカト云フコトハイカナ
イデハナイカト云フ御說ヲ述ベラレタノデ
アリマス、是ハ關稅ニ依ッテ物價ヲ調節スル
ト云フ意味デアルヨリモ、免ニ角關稅ヲ上
ゲルガ爲ニ物價ガ騰貴スルト云フコトハ、
是ハ防ガナケレバナラヌト斯ウ云フ趣意ナ
ノデアリマス、其調和ヲ圖ラナケレバナラ
ヌト云フ點ニ於テ、農產物ノ如キハ保護ニ
失スルト云フコト〓イカナイ、餘リニ高イ
關稅ヲ課スルト云フコトハイカナイカラ、
宜シク適宜ノ程度ニ於テ之ヲ決定スルト云
フ方針ヲ執ッタノデアリマス、ソレデアリマ
スカラシテ据置ヲシテ、例ヘバ米デアルト
カ、小麥デアルトカ、大豆デアルトカ、小
麥粉ト云フヤウナ物ハ、現行ノ儘ニ据置ク
ト云フコトニ決マッテ居ルノデアル、殊更ニ
之ヲ無稅ニスルトカ、或ハ之ヲ輕稅ニスル
トカト云フコトニハ相成ッテ居ラヌノデア
リマス、其他多少低減ヲ致シタモノヽ中ニ
ハ低減ヲシテモ宜イ理由ガアッテ之ヲ低
滅スル、卽チ强テ内地ノ產業ヲ保護シナク
トモ、之ヲ稅金ヲ輕クシテモ差支ナイト云
フ部分ニ在ヶテハ、之ヲ低減シタモノモアル
デアリマス、岩切君ガ主トシテ御述ニナッタ
ノハ、第一ガ小麥ノ問題、第二ニハ此鳥卵
ヲ例ニ御引ニナッタノデアリマス、此小麥竝
ニ鳥卵ニ付テ世間ニ色こノ議論ガアル、是
ハ成ベク關稅ヲ高クシテ、之ヲ保護シナケ
レバナラヌト云フ議論ノアルコトハ、私共
能ク之ヲ承知致シテ居ルノデアリマス、併
ナガラ一方カラ申セバ、現ニ小麥ノ如キハ
私ガ申スマデモナク、全ク此主要ノ食料品
デアリマシテ、醤油ヤ味噌ノ製造ニ使フ、
或ハ麵類、麵麭等ニ之ヲ使用スルト云フコ
トハ申スマデモナイノデアル、一般ノ需要
モ非常ニ增加ヲ致シテ居ルノデアリマスカ
ラシテ、故ラニ此小麥ノ稅金ヲ上ゲテ、ソ
レガ爲ニ此食料品ノ價ヲ高クスルト云フコ
トハ考ヘモノデハナイカト思フノデアリマ
ス、鳥卵、是ハ如何ニモ今日ニ至ルマデ相
當ノ課稅ガシテアルノデアリマス、之ヲ幾
ラカ下ゲルト云フコトガ、今囘ノ關稅ノ改
正ノ案ニ現レテ來テ居ルノデアリマス、世
ノ中ニハ此鳥卵ニ付テハ無稅ヲ主張スル者
モアルノデアリマス、卽チ生活ノ必需品デ
アルト同時ニ、此人生ノ榮養ヲ得ル爲ニハ
最モ必要ナル品物デアルカラ、寧口之ヲ無
稅ニスベシト云フ說ヲ唱ヘル者モアル位ナ
モノデアリマス、今囘ノ關稅改正ニ於テハ、
之ヲ無稅ニスルト云フコトニハ出來ナイ、
或ル程度マデ多少稅率ヲ引下ゲタト云フコ
トニ止マルノデアリマス、是モ矢張生活ノ
必需品トシテハ考ヘナケレバナラヌ點デア
ルノデアリマスカラシテ、强テ農產物ヲ保
護シナケレバナラヌト云フ論ト、或ハ生活
ノ必需品デアルカラシテ、之ヲ餘リ價ヲ高
イモノニスルコトハイカナイト云フ議論
ト、其間ノ調和ヲ取ッテ、此關稅ノ改正ヲ決
メタ所以デアルト斯樣ニ御諒承ヲ願ヒタイ
ノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=80
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081・岩切重雄
○岩切重雄君 詳細ハ委員會ニ於テ御尋シ
マスガ、モウ一ツ私ガ御尋シタイ事ガアル、
ソレハ關稅常設委員會ニ關スル問題ガ世間
ニアリマスガ、是ハ果シテドウナッテ居リ
マスカト云フコトヲ御尋致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=81
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082・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 濱口大藏大臣
〔國務大臣濱口雄幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=82
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083・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 關稅常設委員會
ハ實行問題ト致シマシテハ、政府ハ設ケル
積リデアリマス、併ナガラソレヲ法律ヲ以
テ規定スル必要ハナイト考ヘマシタカラ、
法律案ニハ書イテアリマセヌガ、法律案通
過ノ後、實行ノ後ニ於テ相當ナル考慮ヲ致シ
マシテ、勅令ヲ以テ委員會ヲ設ケタイト考
ヘテ居リマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=83
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084・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 土井權大君
〔土井權大君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=84
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085・土井權大
○土井權大君 極メテ簡單ニ疑ガ質シタイ
ノデゴザイマスガ、其以前ニ一寸御尋申シ
テ置キタイノハ、早速農林大臣ハ小麥竝ニ
小麥粉ハ、所謂現行稅ト改正稅ト何等變リ
ガナイト、斯ウ云フ御話デゴザイマシタガ
如何ニモ形ノ上カラ眺ムレバ百斤ニ付テ七
十七錢、七十七錢ト斯ウナッテ居ル、併ナガ
ラ之ヲ所謂現行稅ヲ制定シタ當時ニハ二割
ソレカラ今度ハ一割二分弱ト斯ウナッテ居
ル、故ニ假ニ之ヲ從量稅トセズシテ、從價
稅ト云フ上カラ眺メマシタナラバ、確ニ此
小麥ハ減稅ニナッテ居ルト斯ウ私ハ考ヘル
ノデアリマスガ、此點ハ如何デアリマス
カ、ソレカラ又小麥粉ノ方ニ致シマシテハ
現行稅表ヲ眺メタナラバ、所謂三割四分ト
ナッテ居ル、然ルニ此改正ノ上カラ見タナラ
バ、二割一分弱ト斯ウナッテ居ル、是モ亦減
稅ト斯ウ私ハ考ヘルノデアリマスガ、此點
ヲ御伺致シタイノデアリマス、御承知ノ通
リ丁度第四十九議會ニ於キマシテ、小麥ト
云フモノハ我國ノ重要ナル產物デアル、故
ニ此產物ヲ保護シ、又之ヲ大事ニシナケレ
パナラヌト云フ趣意ヨリ致シマシテ、私
小麥ノ關稅竝ニ小麥粉ノ關稅引上ニ關スル
建議ヲ致シタ次第デアリマス、當時滿場ノ
御同意ヲ得タ次第デアリマスルガ故ニ、今
囘ハ確ニ其院議ヲ重ンジ、相當ノ引上アリ
シモノト考ヘテ居ッタノデアリマス、所ガ只
今申上ゲタ通リ、金目ノ上カラ言ウタナラ
バ、如何ニモ小麥ノミニ申シマシテモ、百
斤ニ付テ七十七錢、所謂改正ノ上ニ於テモ
七十七錢、併ナガラ其割合ノ上カラ言ウタ
ナラバ寧口減稅、所謂引上ニアラズシテ引
下ト云フガ如キ結果ニ相成シテ居ルノデア
リマス、ソコデ私ハ此ノ小麥ノコトニ付テ
餘程御〓究ヲ願ヒタイト思ヒマスルノハ、
我國ニ於テ最近過去五年間ノ消費額ハ幾ラ
デアルカト云フコトヲ取調ベマスルニ、大
臣モ御承知デアリマセウガ約八百五十万
石、斯ウ云フコトニ相成クテ居ルノデアリ
さく、內五百万石ガ內地ニ生產スル所ノ小
麥デアリマス、ソレカラ輸入サレル所ノ小
麥ガ三百五十万石ト斯ウナッテ居ルノデア
リマス、所ガ此輸入ト云フ狀態ト、內地ノ
耕作スル段別トノ比較ヲ調査ヲ致シマスル
ニ、年々此耕作段別ト云フモノハ滅ル、一方
ニ此輸入ト云フモノガ超過シツヽアル現象
ガアルノデアリマス、之ヲ數字デ申上ゲマ
スルナラバ、大正九年ニハ三千三百万圓ト
云フ此輸入ガアッタノデアリマス、十年ニハ
三千八百万圓トナリ、十一年ニハ六千五百万
トナリ、十二年ニハ五千百万トナリ、十三
年ニハ驚クベシ七千六百万圓ト斯ウナッテ
居ルノデアリマス、之ニ反シ內地排作段別
ノ統計ヲ眺メマスルト、大正九年ハ五十三
万町步デアリマス、ソレカラ十年ニハ五十
一万町、十一年ニハ五十万町、十二年ニハ
四十九万町、十三年ニハ四十七万町トナッ
テ居リマス、斯ウ云フコトニ遞減ヲ致シテ
居ル、反比例ヲ致シテ居リマス、一寸此際
御斷リヲ致シテ置キマスガ、小麥ノ所謂翰
入ト云フ統計ハ、小麥及小麥粉ヲ合計シタ
統計デアリマスカラ、左樣御永知ヲ願ヒマ
ス、斯樣ナ次第デアリマス故ニ、關稅政策
其宜シキヲ得テ、此事業ト云フモノ-此
小麥栽培業ト云フモノヲ保護スルデナカフ
タナラバ、此小麥耕作ト云フモノハ段々我
國ニハ無クナッテシマフ、斯ウ云フ統計ヲ示
シテ居ルノデアリマス、故ニ此關稅政策ヲ
以テ相當ノ價格ノ維持ヲ保タシメテ、此小
麥ヲ作ル人ヲ多ク拵ヘ、而モ此耕作段別ノ
增加ヲ圖ルト云フコトハ、吾々ノ常ニ唱ヘテ
居ルコトデアリマス、若シ左樣ナ保護ヲシ
ナカッタナラバドウナルカト申セバ農業
勞働者ノ收入ノ減額トナル、小麥ハ御承知
ノ通リ裏作デアリマス、裏作ヲ作ル者ハ農
業勞働者ガ小作人デアリマス、是等ノ方面
ノ牧入ガ少クナル、サウナレバ其耕作者ハ
ドウ言フカト云ヘバ、俺ノ收入ガ少イカラ
納付米ヲ負ケテ吳レ-納付米ヲ負ケテ吳
レ、是ガ名ケテ小作爭議デアリマス、小作
爭議ガ益〓頻出スル傾向ガ起ル、隨テ農村
ハ疲弊困憊ニ陷ル、斯ウ云フコトヲ此儘ニ
放仕致シマシタナラバ、サウナルコトハ火
ヲ賭ルヨリモ明カデアリマス、統計ガ明ニ
之ヲ示シテ居ル、之ニ反シマシテ、若シ此
價格ノ維持ヲ圖ル爲ニ關稅政策其宜シキヲ
得、更ニ農業者ト致シマシテモ、栽培技術
ノ進步ヲ圖リマシタナラバ、今日ニ於テ少
クトモ三割以上ノ增額ノ出來ルト云フコト
ハ、明ニ學理上相成ッテ居ルノデアリマス、
卽チ一方ニハ價格ノ維持ヲ圖リ、一方ニハ
栽培技術ノ進步ヲ圖ルコトニナッタナラバ
其結果ハドウナルカ、所謂農業勞働者ノ收
入ト云フモノガ增加シ、小作農業者ノ收入
ガ增加シ、隨テ小作爭議ガ緩和サレ、進ン
デハ農村ノ振興ト相成ルノデアリマス、更
ニ栽培ガ增加スルコトニナッタテラバ、此
小麥ト云フモノヲ外國カラ仰ガズトモ、我
國ニ於キマシテ、自給自足ノ對策ガ立チ得
ラルヽト云フ域ニ進ムコトモ期シ難イ事デ
アルト私ハ思ハナイノデアリマス、然ラバ
小麥ノ價格ノ程度ハドノ程度ニ用ヒタナラ
バ宜イカドノ程度デアルカト云ヘバ、ドウ
シテモ米ノ價格ノ七割マデハ小麥値ト云フ
モノハ保タシメナケレバナラヌ、是ハ昔カ
ラサウ言ウテ居ル、昔カラ言ウテ居ルノミ
ナラズ、丁度明治四十一年カラ大正十三年
迄ノ此統計ヲ眺メマシテモ、小麥ノ價格ガ
米ニ對シテ七割以上ヲ保ッテ居ル時ニハ、耕
作段別ガ多イ、斯ウ【ナッテ居ル、是ハ言ヘバ
諄ニシウゴザイマスカラ說明ハ致シマセ
又、議長ノ許可ヲ得テ速記錄ニ揭載スルコ
トニ致シマス、斯ウ云フヤウナ狀態ニナッテ
居ル、故ニドウシテモ小麥ノ値段ト云フモ
ノハ、米ノ値段ノ七割マデ保タシメナカツ
タナラバ、小麥耕作ト云フモノハ倒レテシ
マフ、然ルニ御承知ノ通リ我國ニ於キマシ
テハ、米穀法ト云フモノヲ制定シテ、米ノ
價格ノ調節、維持、或ハ需要供給ノ調節ナ
ドヲ圖ッテ居ル、現ニ價格ノ調節モ圖ラナケ
レバナラヌト云フ意味ヨリ致シマシテ、前
年ノ議會ニ於テ米穀法ノ一部ノ改正ト云フ
モノハ出來タノデアリマス、而シテ此米穀
所謂米、米穀ニアラズ米-米ノ價格ハ相當
ニ維持シ、而モ農民ノ懷口工合ト云フコト
ヲ考ヘテ米穀法ヲ運用スルコトニナッテ居
ルガ、ソレト同ジク此裏作デアル所ノ小麥
價格維持ト云フ方法ガ附イテ居ラナイノデ
アリマス、御水知ノ通リ米穀法ニハ-故
ニ理想カラ言フナラバ、米穀法ノ中ニ小麥
ノ價格ノ維持ト云フコトヲ拵ヘルノモ或ハ
理想カハ知レマセヌ、併ナガラ言フベクシ
テ今直ニ行フコトハ出來ナイ、幸ニ此關稅
ノ改正ト云フコトノ今日ニ相成シテ居ル時代
デアリマスカラ、跛ノ此制度ヲ完全ナル制
度ニ直シタナラバドウデアルカ、斯ウ云フ
私ハ考ヲ持フテ居ルノデアリマス、以上ノ事
情ニ依リマシテ、此際小麥ノ關稅ヲ引上ゲ
一面ニハ農村振興ノ實ヲ擧ゲ、他面ニハ重
要產業ニ保護ヲ與ヘ、以テ產業立國ノ大策
ニ資スルト云フコトガ、最モ今日ニ於テ急
務中ノ急務デアルト私ハ考ヘマス(拍手)然
ルニ政府ハ此擧ニ出デザリシ理由ハドウデ
アルカ、是ハ農林大臣カラ承リマシタガ、
更ニ之ニ就テ御尋致シテ置キタイノデアリ
マス、ドウ云フコトヲ御尋致スカト云ヘバ
何カ此小麥ノ關稅ヲ引上ゲタナラバ、國民
ノ生活ニ脅威ヲ與ヘルガ如ク申サレマシタ
ガ、私ガ建議致シマシタ當時ノ引上ハ、百
斤ニ付テ一圓五十錢ノ引上ト云フコトヲ主
張シタノデアリマス、今日ハ七十七錢デア
リマス、卽チ七十七錢ヲ一圓五十錢ニ引上
ゲタナラバ、七十三錢ノ百斤ニ付テ引上ト
ナルノデアリマス、一昨年幾ラ引上ニナッ
タカト言ヘバ二、五ヲ掛ケタラ一石幾ラガ
出ルノデアリマス、一圓八十二錢五厘、斯
ウ云フコトニナル、一圓八十二錢五厘、外
國カラ幾ラ來ルカト云ヘバ三百五十万石デ
アリマス、然ラバ幾ラノ合計ニナルカト云
ハハ六百三十八万七千五百圓トナルノデ
アリマス、內地ノ國民六千万人ヲ以テ之ヲ
割リマシタナラバ、僅ニ百斤ニ付キ一箇年
十錢六厘ト云フコトニナルノデアリマス、
一箇月ニハ八厘八毛、一日ニ二毛九絲トナ
ルノデアリマス、煙草ノ引上、酒ノ引上等
ヲ考ヘタナラバ極メテ輕微ナモノデアリマ
ス此點ニ付テ非常ニ此生活ニ脅威ヲ與ヘル
ト言ハレル所ノ、數字上ノ根據ハ何レニ在
ルカト云フコトヲ承リタイノデアリマス、
更ニ承リタイノハ、政府ハ衆議院多數ノ者
ガ、小麥課稅引上ニ贊成シタル場合、之二
同意スルノ雅量アリヤ否ヤ、此事ヲ最後ニ
承リタイノデアリマス、卽チ第一ニ御尋致
シタイノハ、現行關稅法ト改正案トハ同ジ
事デアル、引上ゲテモ居ラナケレバ引下ゲ
テモ居ラナイ、斯ウ言ハレマスルガ、私ヲシ
テ言ハシメタナラバ、確ニ此小麥及大麥ト云
フモノハ、關稅引下ト同ジ結果ヲ來シテ居
ル、此事フ第一ニ御尋致シタイノデアリマス、
之ニ對シテ如何ナル御意見ガアルカト云フ
コトヲ承リマス、ソレカラ第二小麥及小麥
粉ノ關稅ヲ引上ゲタナラバ國民生活ニ脅
威ヲ與ヘルト言ハレマスルガ、一日一人ニ
付キ二毛九絲、是デモ尙ホ國民ノ生活ニ脅
威ヲ與ヘルモノデアルカドウカ、酒ナリ煙
草ナリノ値上カラ考ヘタナラバ、是コン九
牛ノ一毛デアラウト私ハ考ヘルノデアリマ
ス、第三ニ衆議院多數ノ者ガ小麥關稅引上
ニ贊成シタル場合ハ、之ニ政府ハ同意スル
ノ雅量アリヤ否ヤ、此三點デアリマスf白
手)
〔參照〕次號ノ速記錄ノ終ニ揭載ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=85
-
086・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 早速農林大臣
〔國務大臣早速整爾君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=86
-
087・早速整爾
○國務大臣(早速整爾君) 土井君ノ御尋ニ
御答ヲ致シマス、私ガ現行ノ儘ダト申シマ
シタノハ現在行ハレテ居ル其儘ダト云フ
コトヲ申シタノデアリマス、物價ガ餘程變ッ
テ來タ、サウシテ前ハ從價稅デアッタノデ
アリマスガ、サウ云フ方カラ積算シテ割合
ヲ御出シニナレバ、或ハ價ノ數字ハ違ノテ
來ルカモ知ラナイノデアリマス、私ガ申シ
マシタノハ現行ノ儘据置ク-現在行ハ
レテ居ル儘デト申シマシタ譯デアリマスカ
ラ、左樣御水知ヲ願ヒタイ、ソレカラ小麥ノ
關稅ヲ上ゲレバ如何ニモ國民ノ生活ヲ脅威
スルヤウニ言ッタケレドモ、是ハ實ニ僅ノ相
違デアルカラシテ、大シテ左樣ニ國民ノ生
活ヲ脅威スルナドト云フ程ノ程度ノモノデ
ハアルマイ、斯ウ云フ風ノ御意見デアッタ
ノデアリマス、今土井君ガ御〓ニナリマシ
タ何厘何毛ト云フコトハドウ云フ風ノ仕
方カラ出テ居ルカ知リマセヌガ、消費スル
側カラ申セバ、小麥ト云フモノハ色ニノ所
ニ使ハレテ居リマスカラシテ、一人宛テ幾
ラニナルカト云フコトヲ積算ヲスルト云フ
コトハ甚グ而倒デアル、免ニモ角ニモ米ニ
次グ重要ノ食糧デアッテ、必要ナル醬油、
味噌ノ原料ニナッテ居リマシテ、御水知ノ
如ク又麵類、麵麭、今迄殆ド細民ノ食糧
品ニ小麥ト云フモノハ原料トシテ使ハレテ
居ル、殊ニ私共ノ調査シタ所ニ依リマスレ
バ矢張此小麥ノ需要ト云フモノハ主トシ
テ矢張農民ノ間ニ消費サレル、斯ウ云フヤ
ウナ狀況ニモ相成ッテ居ルノデアリマスカ
ラシテ、消費ノ側カラモ能ク考ヘナケレバ
ナラス、斯ウ云フコトヲ私ハ申シタノデア
リマス、現在ノ儘ニシテ置イタカラト云ッ
テモ、餘リ此農作者ニ對シテ非常ナル打擊
ヲ與ヘルコトハアルマイト私共ハ考ヘテ居
ルノデアル(拍手)小麥ノ價ガ非常ニ騰貴ス
レバ、小麥ノ作附ノ段別ハ殖エテ行クデア
ラウ、後ニハ自給白足モ出來ルデアラウト
云フ考ヘデアルガ、是ハ見樣デアル、果シ
テ自給自足ガ行ハレルデアラウカ、中ニハ
小麥ノ自給自足ヲ洵ニ困難ナ事デアルト唱
ヘテ居ル農學者モ居ル、學問上カラ割出シ
タト云フ農學者ニシテ左樣ナ學說ヲ唱ヘテ
居ル者モアル、小麥ノ價ガ騰貴シテモ作附
段別ガ割合ニ殖エナイト云フ過去ノ例モア
ル、斯ウ云フヤウナ事モアリマスシ、又外
國ノ小麥ガ非常ニ安イ時代デアルト云フコ
トヲ考ヘテハイケナイノデアッテ、却テ今
日デモ外國ノ小麥ハ相當ノ價ヲ持ッテ居ル、
斯ウ云フヤウナ場合ニ於テハ必シモ關稅
ヲ引上ゲテ、サウシテ小麥ノ價ヲ高クシ
テ-價格ヲ騰貴シテ之ヲ保護シナケレバ
ナラヌト云フ必要モ感ジナイカモ知ラナイ
ノデアリマス、斯樣ナ意味ニ於テ政府ハ生
產者ト消費者ノ間ノ調和ヲ圖ヲテ、此關稅
ヲ決メタト先刻私ガ中シタノデアリマス、
詳細ハ委員會デ諸君ノ御意見ヲ承ラナケレ
バナラヌト思ッテ店ルノデアリマス、最後
ニ御尋ニナリマシタ議會ガ小麥ノ關稅引上
ニ意見ガ一致シタ場合、政府ハ之ヲ容ルヽ
ノ雅量ガアルカ、斯ウ云フ風ノ御尋デアリ
やっ、ソレハ只今ノ所、政府ハ何トモ考へ
テ居ラヌノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=87
-
088・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 東〓實君
〔東〓實君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=88
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089・東郷實
○東〓實君 私ハ今囘御改正ニナリマシタ
關稅定率ノ中デ、專ラ農業方面ニ關スル質
疑ヲ致シタイ積リデ居ッタノデアリマシタ
ガ、曩ニ同僚岩切君、土井君等ヨリ御質疑
ニナリ、之ニ對シマシテ政府當局者ノ御答
辯ガアッタノデアリマシタカラ、大體私ノ
御尋セントスル所ノ問題ハ盡キタノデアリ
マス、故ニ成ベク細カイコトハ省略致シ
マスルガ、唯こ農林大臣ノ御答辯、御說明
ニ依リマシテ、色ミノ御趣旨ハ分リマシタ
ケレドモ、我國ニ於ケル最要ノ農作物タル
米、小麥、之ニ關聯シテ小麥粉等ニ對スル
關稅定率ニ付テノ御意見ニ關シテ、私ハ尙
ホ幾多ノ疑問ヲ持っテ居ルノデアリマス、
昨年ノ院議ニ於キマシテ、小麥粉ノ關稅引
上ニ關スル建議案ガ可決ニナッタ其院議ガ
アリ、又一面ニ於キマシテハ、我國ニ於ケ
ル小麥ノ作附ノ主ナル部分ヲ占メテ居ルノ
ガ水出ノ裏作デアッテ、而モ其裏作ノ收入
ガ小作人ノ收入ニ偉大ナル關係ヲ有スル立
場カラ申シマシテ、是等ノ小麥作ガ内地ニ
於テ相當ノ利潤ヲ得ル程度ニ價格ヲ維持シ
而シテ此作附ヲ增加スル點ニ出デラルヽノ
經濟政策ヲ力說セラレタル當局者ト致シマ
シテハ、當然爲サルベキコトデアルト私ハ
思フノデアリマス(拍手)故ニ是等ノ點ヲ現
當局ニ於テ御考慮ニナラナカッタコトハ
甚ダ遺憾デアルト云フコトヲ玆ニ申上ゲテ
置キマス、次ニ鳥卵ノ問題デアリマスル
ガ、之ニ就キマシテモ農林大臣ハ御說明ニ
ナリマシタケレドモ、私ハ多少異フタル意
見ヲ持ッテ居リマス、曩ニ濱口藏相カラ御
說明ガアリマシタヤウニ、關稅改正ノ趣旨
ハ、我ガ內國ニ於テ現在ハ大ナル位置ヲ占
メテ戰ナイニモ拘ラズ、保護ノ結果將來偉
大チ居發展テ爲物得ル產業〓ラ付キマシデ
ハ、チ相當展考慮ヲシタト云フ御話デアリマ
スルガ、此點カラ申シマスレバ、鳥卵ノ如
キハ正ニ其一ニ適合スベキモノデアルト私
ハ信ズルノデアリマス、現在我國ニ於キマ
シテ、國民ノ必要トスル鳥卵ノ中、內國ノ
生產ガ十分デナイ爲ニ、年ニ千五百万圓乃
至千八百万圓位ノ鳥卵ヲ隣邦支那其他ヨリ
輸入致シテ居ルノデアリマス、併シ此鳥卵
ハ今日ニ於テハ、我國ノ農村經營ニ適切
ナル施設ヲ行フニ於キマシテハ、確ニ自產
自給ノ出來得ベキ望ミノ最モ多イ所ノ產業
デアルト私ハ信ズルノデアリマス(拍手)現
ニ我國ニ於キマシテ愛知縣其他ニ於キマシ
テハ、養鷄事業ニ對シテ色こナ學術ヲ應用
シテ驚クベキ發達ヲ爲シテ居リマス、電氣
ヲ利用シ飼育ニ一大改善ヲ加ヘ一又其販路
ニ於キマシテモ非常ナ進步ヲ致シテ居ルノ
デアリマシテ、彼ノ丁抹ニ於ケル養鷄業ト同
ジ樣ナ意味ニ於テ、我國ニ於キマシテモ此問
題ヲ攻究致シマシタナラバ、千八百万圓ヤ
二千万圓ノ輸入ヲ防遏スルコトハ、洵ニ易々
タルモノト存ズルノデアリマス、故ニ私
ハ斯ノ如キ將來ヲ有スル農業ニ對シマシテ
ハ、相當ノ關稅ノ保護ヲ致スト云フコトガ、
產業政策上最モ適切ナリト思フノデアリマ
ス(拍手)現内閣ニ於キマシテハ、昨年農村
振興費ナルモノヲ御計上ニナリマシテ、其
中デ副業ニ對シマシテ重キヲ置カレ、少カ
ラザル經費ヲ投ジテ居ラレルノデアリマス
ルガ、此副業奬勵ノ意味カラ申シマシテモ、
養鷄ノ如キハ最モ前途ノアル產業ナリト思
フノデアリマス、一面ニ於テハ副業ノ奬勵
ヲサレ、一面ニ於テハ關稅ニ於テ、現在每
百斤六圓ナルモノヲ四圓五十錢ニ引下ゲン
トスルガ如キハ、私ハ矛盾セル政策ナリト
評シテ宜カラウト思フ、故ニ吾々ハ斯ノ如
キ將來ヲ有スル產業ハ、貿易ノ入超ヲ防グ
上カラ申シマシテモ、亦農村振興ノ上カラ
申シマシテモ、又國民ニ新鮮ナル卵ヲ供給
スルト云フ點カラ申シマシテモ、是ハ保護
ノ趣旨ニ於テ相當御考慮ノアルベキモノナ
リト信ジマスルガ、斯ノ如キ矛盾セル政策
ヲ執ァテモ、尙ホ現行ノ稅率ヲ引下ゲント
スル理由ヲ改メテ農林大臣ニ御伺致シマ
ス、併シ私ハ農業關稅ノ問題ハ、先程モ農
林大臣カラ御說明ニナルヤウニ、一面ニ於
テハ消費者ノ立場モ考慮シナケレバナラヌ
ノデアリマスカラ、是等ヲ考慮シテ定メル
ト云フ御話デアリマスルシ、結局是等ノ議
論ハ根本ノ方針ヲ確定スルニ非ズンバ、水
掛論ニナルモノト存ジマスルガ故ニ、私ハ
此機會ニ於キマシテ此根本方針、我國ニ於
ケル食糧政策、農業政策ノ根本ニ向ッテ少
シク御尋ヲ申上ゲテ見タイト思ヒマス、關
稅政策ガ農業ニ至大ナル關係ヲ有スルコト
ハ申上ゲルマデモアリマセヌ、此政策如何
ニ依シテ、其國ノ農業ガ或ハ榮ヘ或ハ衰へ
ル、甚ダ外國ノ例ヲ申上ゲマシテ失禮デア
リマスケレドモ、自由主義ヲ取ッタ英國ノ
農業ガ、見ル影モナク頽廢ヲ來タシ、過グ
ル世界ノ大戰爭ニ於キマシテハ、國民ノ必
要トスル食糧ノ僅ニ六分ノ一シカ內國デ生
產スルコトガ出來ナイ、後ノ六分ノ五ハ悉
ク之ヲ自己ノ植民地、若シクハ國外ヨリ輸
入スルト云フ立場ニ在,タノデアリマス、
斯ノ如キ憂フベキ狀態ニ在ッタ結果、彼ノ
偉大ナル海軍力ヲ持シテ居ル所ノ英國ノ海
軍ガ、食糧品輸入ノ爲ニ從事スル運送船ノ
護衞ニ從事スルト云フ結果、海軍其モノニ
全力ヲ擧グルコトノ出來ナカッタト云フ悲
哀ヲ持ッテ居ルノデアリマス、是ガ彼ノ戰
爭ヲシテ四年半ノ長キニ涉ラセタ主ナル原
因ノ一デアルト云フコトハ明カナル事實デ
アリマス、之ニ反シ獨逸ハ最モ農業ノ重キ
ヲ確信シ、商工業ノ發展ト共ニ、此點ニ最
善ノ努力ヲ致シマシタ結果、戰爭當時ニ於
キマシテハ國民ノ必要トスル食糧ノ六分ノ
五ハ內國ニ於テ生產ヲシテ居ッタ、僅二六
分ノ一ヲ海外カラ仰イデ居ッタノデアリマ
スルガ、此食糧自給ノ點ニ於テ優越デアツ
タ獨逸ガ世界ヲ敵ニ引受ケテ、而カモ四年
半ノ長キニ涉フテ、彼ノ戦爭ヲ持續スルコ
トガ出來タノデアリマス、此二ツノ事實ヲ
考ヘテ見マスレバ、其國ノ關稅政策ノ善惡
如何ニ依ッテ驚クベキ結果ヲ來ス、私ハ我
國ニ於キマシテ、現在旣ニ人口ノ增加ニ伴
ヒ、食糧ノ需要ハ益〓多クナッテ居ル、現
ニ內國ノ生產ヲ以テシテハ十分デナイ、今
數字ヲ擧ゲテ見マスレバ、大正十三年中ニ
輸入シマシタ主ナル食糧品、小麥ハ七千三
百万圓、米ガ七千万圓、豆類ガ六千万圓、
ソレニ小麥粉ノ百四十万圓ヲ加ヘマスレ
バ、二億四百四十万圓ノ多キニ達シテ居リ
マス、若シ今後我國ノ農業政策其宜シキヲ
得ズシテ、唯、徒ニ低廉ナル食糧ヲ得ルト云
フコトノミニ重キヲ置キマシテ、而シテ此主要
作物ノ作付ガ減退シ、益必要トスル食糧品
ノ多クヲ海外カラ輸入スルト云フ場合ニナ
タト致シマシタナラバ、我國ノ前途ハ寔ニ憂
フベキモノデナケレバナラヌト思ヒマス(拍
手)吾々ハ常ニ世界ノ平和ヲ希望致シテ居ル
ノデアリマス、併ナガラ世界ノ平和ハ國家
國民ヲ基礎トシテ之ヲ希フノデアッテ、國家
國民ヲ犧牲ニシテマデ世界ノ平和ヲ維持ス
ルコトハ出來ナイノデアリマス、故ニ吾々
ハ他日必ズ斯ノ如キ非常ノ場合ガアルコト
ヲ、常ニ忘レナイ事ガ大切デアルト思フ、
世間デハ此前ノ世界ノ大戰爭ヲ一期ト致シ
マシテ、再ビ斯ノ如キ戰亂ハ起ラザル如ク
考ヘル人ガアリマスケレドモ、私ハソレハ
間違デアルト思フ、最近ニ於ケル戰爭ノ主
ナル原因ハ、主トシテ經濟問題デアル、經
濟的分配ガ今日ノ如ク不公平デアリ、土地
ノ分配今日ノ如ク公平ヲ缺イテ居ル時代ニ
於キマシテハ、世界カラ戰爭ヲ取リ除ケル
コトハ出來ナイト思フ、戰爭ハ片々タル條約
文ヤロ約文デドウシテモ除ク譯ニ行キマセ
又、故ニ私共ハ常ニ此覺悟ヲ以テ國策ヲ確
立シナケレバナラヌト思ヒマスガ、假リニ
我國ノ農業政策其宜シキヲ得ズシテ、先程
申上ゲマシタヤウナ場合ガアッタト致シマ
シタナラバ、如何ニ我國ノ海軍ガ充實シ、
如何ニ我國ノ陸軍ガ充實致シテ居リマシテ
モ、過グル世界ノ大戰爭ニ於テ、英國ガ嘗
メタ如キ苦イ經驗、又獨逸ガ嘗メタ如キ苦
イ經驗ヲ嘗メナケレバナラヌト思フノデア
リマス、故ニ國家國民ノ前途ヲ安泰ノ位置
ニ置カントスルナラバ、先ヅ此重大ナル食
糧問題ノ解決ヲシナケレバナラヌノデアリ
やく、故ニ私ハ島國デアル我國ハ、國防ノ
第一線ハ農村ナリト信ズルノデアリマス、
故ニ國策ノ基礎ヲ此ニ置キ、此重大ナル問
題ヲ眞面目ニ攻究スルト云フコトガ今日ノ
急務ナリト思フノデアリマス(拍手)現内閣
ハ此根本問題、食糧政策、農業政策ニ向ヒ
マシテ、如何ナル御方針ヲ以テ處置ヲ爲サ
レツヽアルカ、而シテ是等ト關係致シマシ
テ、今囘御制定ニナリマシタ關稅定率ハ、
果シテ適切デアルカ、私ハ此重大問題ハ
若槻臨時總理大臣ノ辯明ヲ御願致ス次第デ
アリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=89
-
090・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 早速農林大臣
〔國務大臣早速整爾君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=90
-
091・早速整爾
○國務大臣(早速整爾君) 只今ノ御尊ニ對
シテ簡單ニ御答ヲ致シタイト思フノデアリ
マッ、先ヅ此鳥卯ニ付テ御尋デアッタノデ
アリマス、私共ハ內地ノ副業トシテ烏ヲ養ッ
テ居ル、ソレガドウナッテモ宜イト云フ考
ヲ持ッテ居ルノデハナイノデアリマシテ、
ンレハ矢張相當ニ成立っテ行クコトガ出來
ルト云フ考ヲ持フテ居リマス、唯〓今日ノ
狀況カラ見マスレバ、內國ノ供給ノミヲ以
テシテハ實際鳥卵ノ需要ヲ滿タスコトガ
出來ナイノガ現在ノ狀態デアル、ソレ故ニ
此鳥卯ト云ヘル、生活上誠ニ必要ダト見ラ
レテ居ルモノガ外國カラ這入ヲテ來ル、這
入ッテ來ルモノハ寧口之ヲ迎ヘテモ宜イデ
ハナイカ、サウシテ是ハ非常ニ價ガ違シテ居
ルノデアリマス、外國ノ品ト內國ノ品トノ
間ニハ、非常ニ其價ニ差ガアルカラ、或
少々關稅ヲ掛ケタ所ガ、矢張關稅ノ保護ノ
效能ヲ受ケルコトノ出來ナイ程ノ差ガアル
サウ云フ狀態デアリマスカラ、現在ノ狀態
カラ見レバ、此鳥卵ノ關稅ト云フモノヲ左
マデ高クシナクッテモ宜イデハナイカ、非
常ニ高クスレバ唯、價ガ上ルノミデアッテ、
此人生ニ必要ナル品物ガ無暗ニ高クナルト
云フコトハ、却テ國民ノ生活ニ對シテ安定
ヲ與ヘル所以デハナイト、斯ウ考ヘテ此鳥
卵ノ關稅ヲ引上ゲルト云フマデニ至テヌノ
ミナラズ、多少此關稅ハ引下ゲラレタト云
フ結果ニナッテ居ルノデアリマス、是ハ私
共ノ考デハ左樣ニ思フノデアル、事實ガ左
樣デアルト信ジテ居ルノデアリマス、ソレ
カラ農業政策トカ、食糧政策トカ云ウテ御
述ニナリマシタノハ、主トシテ御議論デアッ
ク、御意見ト承ッタノデアリマス、如何ニモ
御尤ナノデアリマス、今日我國ニ於テ農業
政策ヲ確立シナケレバナラヌ、食糧政策ニ
付テ何カ考ガナケレバナラヌト云フコト
ハ、言フマデモナイノデアリマス、政府ハ
固ヨリ食糧政策ニ付テモ一定ノ考ヲ持フテ
居ル、無論之ニ付テハ日本ノ食糧ノ充實ヲ
圖ラナケレバナラヌト云フ點ニ於テ、爲シ
得ルダケノ計畫ハ立テヽ居ルノデアリマス
唯此問題ガ頗ル重大デアルガ爲ニ、一時
ニ其成功ヲ期スルコトガ出來ナイ、例ヘバ
土地ノ利用ヲ擴張スルト云ッテモ、所謂土
地ヲ開墾スルト云〓テモ、唯一年ヤ二年ノ
間ニ十分ニ其成功ヲ期スルト云フコトガ出
來マセヌガ爲ニ、徐々ニ之ヲ行ハナケレバ
ナラヌト云フコトハ、一般經濟上ノ事情ト
シテモ亦已ムヲ得ナイコトデアル、サウ云
フ事ニ付テハ、僅カナガラモ今囘提出シタ
ル豫算ノ中ニ於テモ多少現レテ居ルト云フ
コトハ、一ツ御了水ヲ願ヒタイノデアリマ
ス、無論御說ノ通リニ何處マデモ此食糧政
策ヲ確立シテ、國家ノ爲ニ十分ナル計畫ヲ
立テナケレバナラヌト、斯樣ニ考ヘテ居ル
ト云フコトヲ、此席デ私ハ簡單ニ申上ゲテ
置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=91
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092・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 畔田明君
〔畔田明君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=92
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093・畔田明
○畔田明君 今囘政府ヨリ關稅定率法中ノ
改正法律案ヲ御提出ニナリマシテ、其御說明
ヲ承リマシタノデアリマス、而シテ此改正
案ヲ通ジ、御說明ヲ通ジマシテ、如何ニ政
府當局ガ御苦心ナサレタカト云フコトヲ拜
察致シマシテ、深ク敬意ヲ表スル者デアリ
マイ、併ナガラ大藏大臣ノ御說明ヲ拜聽致
シマシテ其内容ヲ考へマスルノニ、私ニ未
ダ十分諒解ノ出來ナイ數箇ノ點ガアルノデ
アリマス、要スルニ大藏大臣ノ御說明ハ二一
ノ點ニ歸著スル、其一ツハ内地重要產業
ノ保護デアル、他ノ一ツハ物價ノ變動ニ依
ル所ノ改正デアル、此二ツノ點、申スマデ
モナク一國ノ貿易ハ國際間ノ互惠ニ依シテ
成立スルモノデアリマス、單ニ一國ダケニ
依シテ成立スルモノデハナイコトハ分リ切っ
タ話デアリマス、然ルニ大藏大臣ノ御說明
ハ關稅政策ノ上ニ唯自國在シテ他國在ル
ヲ知ラザルガ如ク拜見出來ルノデアリマ
ス、何トナレバ大藏大臣ノ說明セラレル理
由ハ、唯内地經濟事情ノ二ツノ點ニ根據セ
ラレテ居ルノミデアル、我ガ貿易ノ依ッテ
成立致シマスル所ノ國際經濟事情ヨリノ理
由ニ付キマシテハ一言モ御說明ガナイノデ
アリマス、隨テ私ハ第一ニ我國國際經済事
情ノ環境ヨリ此改正法律案ノ必要ナル理由
ヲ承リタイノデアリマス第二ニ伺ヒタイノ
ハ協定稅率トノ關係デアリマス、御承知
ノ如ク英國ニ對シ、佛蘭西ニ對シ、伊太利
ニ對シ、我國ハ稅率ヲ協定致シテ居リマス
ル、其稅率ノ協定ト本改正法律案トノ關係
ニ付キマシテモ、大藏大臣ハ一言モ御說明
ガナイノデアリマス、之ヲ是非簡單デ宜シ
ウゴザイマスカラシテ、ハッキリ伺ヒタイ
ノデアリマス、第三ニ伺ヒタイノハ、關稅
定率法ノ第五條、所謂不當康賣ノ防止規定
ニ關スルコトデゴザイマスガ、之ヲ何故ニ
其儘ニ置カレダカ、卽チ改正ヲセラレナカソ
タ其理由ヲ承リタイノヂアリマス、不當康賣
ハ御承知ノ如クニ、貿易政策ニ於ケル所ノ
常道デハアリマセヌ、権道デアリマス、隨
テ私共ハ之ヲ認ムル者デハナイ、是認スル
者デハナイ、併ナガラ實際上ニ於キマシテ
ハ、此不當廉賣ト然ラザルモノトノ區別ヲ
見出スト云フコトハ非常ニ困難デアル、
此困難ノ事情ト云フモノハ、一部ノ當業
者ヲシテ廉價外國品ノ輪入ヲ抑制シテ、
サウシテ内地當業者ヲ不當ニ保護スルノ
條文ニ變リ易イノデアリマス、若シ斯樣
ノ事ガ度〓行ハレルナラバ、國内產業
ノ堅實ナル所ノ發展ハ、到底出來ル
モノデハナイ(拍手)是ハ從來不明ノ點デア
リマシタルガ故ニ、此際ハッキリ御說明ヲ
願ヒタイノデアリマス、第四ハ此關稅定率法
ノ改正ニ依リマシテ、内地重要產業ヲ保護
スルト云フコトヲ言ハレマシタガ、ソレト
同時ニ、更ニソレヨリモ必要デアリマスル、
卽チ產業ノ堅實ナル發達ノ基礎ヲ成シマス
生產費ノ低下ニ對スル所ノ政策ヲドウ執ラ
レタノデアルカ、之ヲ伺ヒタイ、斯ク申シ
マスナラバ我國ノ科學及技術ノ〓究ニ依リ
マス所ノ生產技術ガ未ダ幼稚デアルガ故ニ、
其處マデハ至ラヌト云フ御說明ガ或ハアル
カモ知レマセヌ、甚ダ失禮デアリマス
ガ-併ナガラ我國ニ於テ關稅政策ノ上ニ保
護主義ヲ取リマシタノハ今日初メテデハナ
イ、明治三十二年條約改正以來此主義ヲ取ッ
テ來タデアリマス、又四十三年ニ於テモ同
ジ趣旨ノ下ニ之ヲ改正致シマシタ、歐洲大
戰中ニ於キマシテハ相當ニ事業ガ繁榮致シ
タノデアリマス、斯樣ナ經過ヲ見マスルナ
ラバ我國ガ保護貿易主義ヲ取シタガ爲ニ、
國内ノ產業ガ是程マデニ發達シタト云フ其
結晶ヲ見ナケレバナラヌ、併シナガラ私ハ
不幸ニシテソレヲ見ルコトガ出來ナイノデ
アリマス、若シ强テ見ルナラバ、唯ッ
ノ紡績ガアルノミデアル、紡績工業ヲ除キ
マシテハ他ニ殆ド見ラレヌノデアリマス、隨
テ從來我ガ政府當局ガ產業ノ上ニ加ヘラレ
タ關稅カラ來ル所ノ保護ト云フモノハ何等
ノ效果ヲ呈シナイ、無駄デアッタト云フコト
ヲ認メラレルノデアリマス、故ニ若シ本當
ニ我產業ヲ保護セラレルナラバ、サウシテ
產業ノ堅實ナル所ノ發展ヲ期待セラレルナ
ラバ、生產費低下ノ點ニ一層力ヲ注ガナケ
レバナラヌト信ズルノデアリマス、是ガ私
ガ伺ヒタイ根據デアリマス、第五ニ伺ヒタ
イノハ物價騰貴ノ爲ニ從量稅率ガ實際上實
質上輕減セラレタカラシテ、關稅ノ引上ヲ
シナケレバナラヌ、斯ウ云フ御理由デアル
ノデアリマス、此理由ハ私ハ理由ニナラヌ
ト思フ、保護關稅其モノヽ性質カラ考ヘマ
スナラバ年ト共ニ、其稅率ヲ低ク致シマシテ
一定ノ期間後ニハ之ヲ無稅トスベキモノデ
アルノデアリマス、然ルニ關稅其モノノ規
定ニ於テハ變化ナクトモ、物價騰貴ノ爲ニ
段々ニソレガ低下シテ來タ、是ハ寧口抛ッテ
置カルベキ筈デアルニ拘ラズ、其物價騰貴
ヲ名トシマシテ引上ゲル理由ガ私ニハ了解
ガ出來ナイ、更ニ大藏大臣ハ社會政策ト云
フコトヲ力說セラレルノデアリマス、度〓
繰返シテ社會政策上ノ見地ヨリ關稅ニ付テ
御說明ガアル、今日ハアリマセヌデシタガ
過日來ノ本議院ノ質問ニ對シマシテ度〓其
御主張ガアッタ、併ナガラ此從量稅率ノ引上
ト云フコトハ、卽チ物價騰貴ヲ招來スル、
御永知ノ如クニ我國ハ久シク物價騰貴ニ苦
シンデ居ル、サウシテソレガ原因トナッテ
生活難ヲ來シテ居ルノデアリマス、然ルニ
此際更ニ從量稅率ヲ引上ゲマスルナラバ多
數國民ノ實質收入ハ減ジテシマフ、サウシテ
一部資本家ヲ益スル結果トナルノデアリマ
ス、卽チ大藏大臣ノ言ハレル社會政策ト云
フコトニ對シテハ、全然相反スル所ノ結果
ヲ生ズルノデアル、又同時ニ我產業ノ堅實
ナル所ノ發展ヲ阻止スルコトニナルノデア
リマス、效果ノナイコトニナルノデアリマ
ス、以上ノ五ツノ點ニ付ギマシテ政府當局ノ
御說明ヲ御願ヒ致シタイノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=93
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094・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 濱口大藏大臣
〔國務大臣濱口雄幸君登壇」発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=94
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095・濱口雄幸
○國務大臣(濱口雄幸君) 畔田君ノ御質問
ニ簡單ニ御答へ致シマス、國際關係ノ事ヲ
此度ノ稅率改正ニ擧ゲテナイデハナイカト
云フ御質問デアリマス、此關稅率ノ改正ハ
國定稅率ノ改正デアリマス、別ニ外國ノ事
ヲ見テ其稅率ヲ決メル必要ハナイカノヤウ
ニ考ヘマス、併シナガラ國定稅率ニ於テ斯
樣ナル稅率ヲ取リマシテモ、ソレガ爲ニ外
國ニ如何ナル影響ヲ及ボスカト云フコトハ
是ハ相當ニ考慮ノ中ニハ加ヘデアリマス、
御質問ノ意味ガ分リマセヌカラ其點ニ止メ
テ置キマス、第二ハ協定稅ハドウカト云フ
事デアリマス、此度ノ改正案ハ無論國定稅
率デアリマス、協定稅率ニハ更ニ關係ハナ
イ、殊ニ英國トノ協定稅ハ昨年三月十日限
リ消滅致シテ居リマス、金部國定ニナッテ
居リマス、佛蘭西ハ御承知ノ通リ「スライ
ヂングスケール」伊太利ハ定額デアリマス
是ハ關稅國定率改正ノ結果、當然伊太利ノ
分ハ其儘デアリマスガ、佛蘭西ノ分ハ變ル
譯ニナリマス、割合デ行クテ居リマスカ
ラ-ソレカラ關稅ノ保護ニ依ッテ如何ナ
ル產業ガ是マデ發達ヲシタカ、紡績以外ニ
ハナイデハナイカ、斯ウ云フ事デアリマシ
タガ、私ハ左樣ニ考ヘテ居リマセヌ、澤山
アリマス、主ナルモノヲ擧ゲテ見マスレバ
砂糖デアリマス、此製糖業ノ如キハ關稅率
ノ結果ト致シマシテ、從來非常ニ發達シタ
所ノ主ナル產業ノ一ツデアリマス、其他ニ
モ無論アラウト思ヒマス、物價騰貴ノ爲ニ
關稅ヲ引上ゲルノハ不可解デアルト云フ御
話デアリマシタガ、物價騰貴ノ結果トシテ
關稅ヲ上ゲタトハ私ハ直接ニ說明ヲシナ
カッタ積リデアリマス、從量稅ト從價稅ト
ノ關係ニ於テ、從價稅デアリマシタモノハ
物價騰貴ノ結果自然ニ稅ガ上リマスガ、從
量稅デアッタモノハ上リマセヌ、其權衡ヲ多
少正シタ點ガアリマス、物價騰貴ヲ直接ノ
原因ト致シテ、直ニ稅率ヲ引上ゲタ積リデ
ハナイノデアリマス、稅率ノ引上ト社會政
策トノ關係、是ハ國民生活ノ必需口四二屬ス
ルモノハ出來得ル限リ之ヲ据置キマスルカ、
或ハ輕減致シマスルカ、或ハ無稅ニスルコ
トニ出來ルダケ努力シタ積リデアリマス、
引上ゲマシタモノハ國民生活ノ必需品ニハ
餘リ關係ノ無イモノヲ主トシテ上ゲタノデ
アリマス、別ニ社會政策ニ反スルトハ考ヘ
テ居リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=95
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096・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 片岡商工大臣
〔國務大臣片岡直溫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=96
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097・片岡直温
○國務大臣(片岡直溫君) 只今畔田君ノ御
質問中不當廉賣ニ關スル事ガアッタノデア
リマス、此點ダケ私ヨリ御答へ致シマス、
御永知ノ通り大正九年七月關稅定率法第五
條ノ二ニ於テ、此不當廉賣取締ノ事ガ揭ゲ
テアルノデアリマス、其法律ニ依シテ勅令
ヲ以テ施行ノ方法ガ定メラレタ、卽チ不當
廉賣ノ審査會ヲ組織シ、其審査會ノ官制ガ
出來タノデアリマス、爾來當時ノ農商務
肖今ノ商工省内ニ於テ其組織ハ出来テ居
リマス、是マデニ調査會ヲ開キマシタ事モ
アルノデアリマスシ、又調査シタ品目モ少
クナイノデアリマス、何分勅令其者ガ餘
ニ簡單ニシテ明瞭ヲ缺クノデアリマス、所
謂不當廉賣ナルモノヽ定義ガハッキリシナ
イノデアリマス、ンレデ今回ハ勅令ヲ改正
致シマシテ、其點ヲ補フコトニ今調ベテ居
ル所デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=97
-
098・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 畔田君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=98
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099・畔田明
○畔田明君 簡單デアリマスカラ此席ヨリ
發言ヲ御許シヲ願ヒマス-只今大藏大臣
ヨリ又商工大臣ヨリ御答辯ヲ戴キマシテ、私
ノ質問ノ趣旨ニ付キマシテ、御了解下サル
點ガアッタヤウニモ、拜察致シマスルガ、全
然的ヲ外レタ御答辯ヲ戴イテ私ハ意外ニ感
ズルノデアリマス、ケレドモ既ニ時間ガナ
イカラシテ詳シクハ申シマセヌ、私ガ第一ニ
大藏大臣ニ致シタ質問ハ、國際經濟ノ事情
ノ環境ヨリ、此關稅定率法ノ改正ヲ御說明
ヲ願ヒタイト云フコトデアッタノデアリマ
ス、然ルニソレニ對スル大藏大臣ノ御答辯
ト云フモノハ、是ハ日本ガスルコトダカラ
日本ガ勝手ニシタノダト云フヤウニ拜水ス
ルノデアリマス、是ハ驚クベキ思想ド思ヒ
マス、尙ホ詳シク申上ゲマスルナラバ是ハ
鎻國的經濟思想ノ極端ナルモノト解セザル
ヲ得ナイノデアリマス、併ナガラ今日此場
合ニ於キマシテ私ハ詳シク申上ゲナイ、次
ノ機會ニ於キマシテ十分ニ大藏大臣ヨリ徹
底シタ御說明ヲ願ヒタイト云フコトヲ申上
ゲテ置キマシテ、私ノ質問ハ玆ニ打切リマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=99
-
100・作間耕逸
○作間耕逸君 本案ノ質疑ハ此程度ヲ以テ
終了セラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=100
-
101・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=101
-
102・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ質疑ハ終局致シマシタ、次ニ日程
第三十一、右議案ノ審査ヲ付託スヘキ委員
ノ選擧ヲ議題ト致シマス
第三十一右議案ノ審査ヲ付託ズヘ
キ委員ノ選擧発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=102
-
103・作間耕逸
○作間耕逸君 本案ハ議長指名特ニ二十七
名ノ委員ニ附託セラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=103
-
104・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=104
-
105・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=105
-
106・作間耕逸
○作間耕逸君 殘餘ノ日程及國務大臣ノ演
說ニ對スル質疑ヲ延期シ、明日定刻ヨリ特
ニ本會議ヲ開キ、其日程議了後質疑ヲ繼續
セラレンコトヲ望ミマス
〔「贊成」「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=106
-
107・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ動議ニハ御
異議ナシト認メマス、仍テ動議ノ如ク決シ
マス、御諮リヲ致スコトガアリマス、第四
部選出豫算委員加藤政之助君ヨリ常任委員
辭任ノ申出ガアリマシタ、許可スルニ御異
議ガアリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=107
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108・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 異議ナシト認メマス
仍テ許可致シマス、其部ノ諸君ハ速ニ補缺
選擧ヲ行ヒ報告アランコトヲ望ミマス、尙
ホ町野武馬君事故ニ付、一月二十九日ヨリ
二月十一日マデ請暇ノ申出ガアリマシタ許
可スルニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=108
-
109・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 異議ナシト認メマス、
仍テ許可致シマス、明日ノ日程ハ公報ヲ以
テ御通知致シマス、本日ハ是ニテ散會致シ
マス
午後七時二十四分散會
衆議院議事速記錄第五號中正誤
頁段行誤:F.
八八四二隱レイ隱レノナイ
衆議院議事速記錄第六號中正誤
頁段行誤正
一〇七二七緊縱緊縮
同三一0方計方針
一二一一一二ルカテラナルカナラナ
イカイカ
同二三政策ナルト政策ニナル
ト発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X00719260126&spkNum=109
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