1. 会議録本文
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000・会議録情報
大正十五年三月二十五日(木曜日)午前十時四十九分開議
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議事日程 第三十六號
大正十五年三月二十五日
午前十時開議
質問
一 大東文化協會に關する質問(山枡儀重君提出)
二 明治神宮表參道鋪装工事に對する道路法の運用に關する質問(横山勝太郎君提出)
三 軍部の公金取扱方法に關する再質問(清瀬一郎君提出)
四 醫學博士濫造に關する質問(山田道兄君提出)
五 製鐵所經營に關する質問(千葉三郎君提出)
六 下關漁港速成に關する質問(秋田寅之介君提出)
七 水産及海運業保護の爲特殊銀行設置に關する質問(秋田寅之介君提出)
八 學校教育の方針及水産學校設置に關する質問(秋田寅之介君提出)
九 國務大臣彈劾制度樹立に關する質問(黒住成章君提出)
十 「ラヂヲ」放送取締に關する質問(谷原公君提出)
十一 島根縣會議員選擧干渉に關する質問(寺田市正君提出)
十二 地方青年會の指導監督に關する質問(關直彦君提出)
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第一 北海道御料拂下地の地租免除に關する法律案(一柳仲次郎君外九名提出) 第一讀會
第二 北海道御料拂下地免租年期に關する法律案(東武君外三名提出) 第一讀會
第三 漁業法中改正法律案(谷原公君外二名提出) 第一讀會
第四 漁業財團抵當法中改正法律案(中村嘉壽君提出) 第一讀會
第五 民事訴訟法中改正法律案(谷原公君外一名提出) 第一讀會
第六 大正十四年法律第四十七號衆議院議員選擧法中改正法律案(望月圭介君外二十二名提出) 第一讀會
第七 大正十四年法律第四十七號衆議院議員選擧法中改正法律案(林田龜太郎君外一名提出) 第一讀會
第八 大正十四年法律第四十七號衆議院議員選擧法中改正法律案(東武君外二名提出) 第一讀會
第九 大正十四年法律第四十七號衆議院議員選擧法中改正法律案(廣瀬徳藏君外二名提出) 第一讀會
第十 治安警察法中改正法律案(清瀬一郎君外一名提出) 第一讀會
第十一 治安警察法中改正法律案(安藤正純君外三名提出) 第一讀會
第十二 治安警察法中改正法律案(田中善立君外二名提出) 第一讀會
第十三 大阪市に關する法律案(廣瀬徳藏君外十一名提出) 第一讀會
第十四 神戸市に關する法律案(砂田重政君外三名提出) 第一讀會
第十五 名古屋市に關する法律案(田中善立君外二名提出) 第一讀會
第十六 京都市に關する法律案(森田茂君外六名提出) 第一讀會
第十七 横濱市に關する法律案(平沼亮三君外二名提出) 第一讀會
第十八 寺院現境内地無償下戻に關する法律案(安藤正純君外四名提出) 第一讀會
第十九 寺院現境内地無償下戻に關する法律案(福井甚三君外四名提出) 第一讀會
第二十 古社寺保存法中改正法律案(田中萬逸君外四名提出) 第一讀會
第二十一 會計檢査院法中改正法律案(武藤山治君外一名提出) 第一讀會
第二十二 牧野法案(八田宗吉君提出) 第一讀會
第二十三 造林助成法案(東武君外十名提出) 第一讀會
第二十四 違警罪即決例中改正法律案(横山勝太郎君提出) 第一讀會
第二十五 違警罪即決例廢止法律案(原夫次郎君外三名提出) 第一讀會
第二十六 家祿引直處分法案(隅田豐吉君外五名提出) 第一讀會
第二十七 家祿賞典祿治與未濟に關する法律案(福田五郎君外七名提出) 第一讀會
第二十八 北海道拓殖銀行法中改正法律案(小池仁郎君外四名提出) 第一讀會
第二十九 日本勸業銀行法中改正法律案(小池仁郎君外四名提出) 第一讀會
第三十 農工銀行法中改正法律案(小池仁郎君外四名提出) 第一讀會
第三十一 煙草專賣法中改正法律案(森恪君外九名提出) 第一讀會
第三十二 著作權法中改正法律案(内ヶ崎作三郎君外三名提出) 第一讀會
第三十三 特別都市計畫法中改正法律案(關直彦君外八名提出) 第一讀會
第三十四 借家法中改正法律案(横山勝太郎君外一名提出) 第一讀會
第三十五 産業組合中央金庫法中改正法律案(由谷義治君外五名提出) 第一讀會
第三十六 果物罐詰原料砂糖戻税法案(中村嘉壽君外十一名提出) 第一讀會
第三十七 大正十二年法律第三十三號中改正法律案(工場法中改正の件)(清瀬一郎君提出) 第一讀會
第三十八 刑事訴訟法中改正法律案(原夫次郎君外二名提出) 第一讀會
第三十九 未成年者飮酒禁止法中改正法律案(山口政二君外十二名提出) 第一讀會
第四十 恩給法中改正法律案(丸山浪彌君外二名提出) 第一讀會
第四十一 恩給法中改正法律案(松實喜代太君外三名提出) 第一讀會
第四十二 恩給法中改正法律案(山口政二君外三名提出) 第一讀會
第四十三 大正十三年法律第二十四號中改正法律案(贅澤品等の輸入税に關する件)(高橋熊次郎君外二名提出) 第一讀會
第四十四 土地收用法中改正法律案(廣瀬徳藏君外三名提出) 第一讀會
第四十五 蠶種業法案(二木洵君提出) 第一讀會
第四十六 社交舞踏取締法案(柏田忠一君外一名提出) 第一讀會
第四十七 輸出羽二重精練業法中改正法律案(森田金藏君提出) 第一讀會
第四十八 發行權法案(増田義一君外六名提出) 第一讀會
第四十九 移住組合法案(樋口秀雄君外七名提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第五十 能代港に臨時線敷設に關する建議案(信太儀右衞門君外八名提出)
第五十一 奧羽線神島米澤間電化速成に關する建議案(西方利馬君外四名提出)
第五十二 上山田、後藤寺間鐵道敷設に關する建議案(坂井大輔君外一名提出)
第五十三 伊佐鐵道速成に關する建議案(森肇君外五名提出)
第五十四 篠栗長尾間鐵道速成に關する建議案(赤間嘉之吉君外一名提出)
第五十五 關門海底鐵道速成に關する建議案(則元由庸君外六名提出)
第五十六 諫早長崎間鐵道改良に關する建議案(則元由庸君外四名提出)
第五十七 一戸荒屋間鐵道速成に關する建議案(柏田忠一君提出)
第五十八 中央線電化に關する建議案(藤田胸太郎君外四名提出)
第五十九 倉吉勝山間鐵道速成に關する建議案(山谷徳治郎君外一名提出)
第六十 佐賀神崎爾驛中間に停車場設置に關する建議案(加藤十四郎君外一名提出)
第六十一 小海小淵澤間鐵道速成に關する建議案(篠原和市君外四名提出)
第六十二 裏九戸鐵道建設に關する建議案(柏田忠一君提出)
第六十三 田名部大間間鐵道速成に關する建議案(工藤鐵男君提出)
第六十四 京若鐵道速成に關する建議案(山口嘉七君外二名提出)
第六十五 今坂鐵道速成に關する建議案(高橋光威君外一名提出)
第六十六 兩國萬世橋驛間鐵道速成に關する建議案(鈴木隆吉外六名提出)
第六十七 伊野宇佐間鐵道速成に關する建議案(大石大君提出)
第六十八 山田蕨野間鐵道速成に關する建議案(大石大君提出)
第六十九 阿波池田山田間鐵道工事速成に關する建議案(大石大君外二名提出)
第七十 崎山江川崎間鐵道速成に關する建議案(大石大君提出)
第七十一 佐川松山間鐵道速成に關する建議案(大石大君提出)
第七十二 阿波池田、川之江間鐵道速成に關する建議案(小野寅吉君外三名提出)
第七十三 四國循環鐵道阿土南海岸線敷設に關する建議案(谷原公君外二名提出)
第七十四 上田松本間鐵道敷設に關する建議案(篠原和市君外九名提出)
第七十五 中込高崎間鐵道速成に關する建議案(篠原和市君外九名提出)
第七十六 奧羽線福島米澤間電化速成に關する建議案(大島要三君外六名提出)
第七十七 長尾篠栗間鐵道速成に關する建議案(大里廣次郎君外一名提出)
第七十八 敦賀京都間鐵道速成に關する建議案(平井光三郎君提出)
第七十九 後藤寺、上山田間鐵道敷設に關する建議案(大里廣次郎君外一名提出)
第八十 米澤、日中間鐵道速成に關する建議案(西方利馬君外五名提出)
第八十一 熱海大仁間鐵道速成に關する建議案(黒田重兵衞君外五名提出)
第八十二 定山溪喜茂別間鐵道敷設速成に關する建議案(山本厚三君外六名提出)
第八十三 深川下蘆別間鐵道敷設速成に關する建議案(神部爲藏君外六名提出)
第八十四 余市余別間鐵道敷設に關する建議案(澤田利吉君外六名提出)
第八十五 米原今庄間鐵道電化速成に關する建議案(谷口宇右衞門君外三名提出)
第八十六 江差上磯間鐵道速成に關する建議案(一柳仲次郎君外六名提出)
第八十七 美倉橋驛設置に關する建議案(作間耕逸君提出)
第八十八 金津大野間鐵道敷設に關する建議案(熊谷五右衞門君外一名提出)
第八十九 山陰鐵道本線電化速成に關する建議案(原夫次郎君外二名提出)
第九十 島根縣に鐵道局設置に關する建議案(原夫次郎君外二名提出)
第九十一 南隅鐵道速成に關する建議案(津崎尚武君外一名提出)
第九十二 小郡萩間鐵道敷設速成に關する建議案(渡邊祐策君外三名提出)
第九十三 福山、出雲今市間及來島、木次間鐵道速成に關する建議案(嶋居哲君外三名提出)
第九十四 延宇鐵道建設に關する建議案(中山貞雄君外二名提出)
第九十五 福山、出雲今市間及來島木次間鐵道速成に關する建議案(栗延敬太郎君外二名提出)
第九十六 千種武節間鐵道速成に關する建議案(岡本實太郎君外一名提出)
第九十七 富山市に鐵道局設置に關する建議案(高見之通君外三名提出)
第九十八 佐原松岸間鐵道速成に關する建議案(今井健彦君外三名提出)
第九十九 米澤日中間鐵道速成に關する建議案(齋藤金吾君外六名提出)
第百 大町糸魚川間鐵道速成に關する建議案(植原悦二郎君外二名提出)
第百一 北海道拓殖鐵道補助期限延長に關する建議案(丸山浪彌君外四名提出)
第百二 朝鮮に於ける鐵道の普及に關する建議案(牧山耕藏君外十四名提出)
第百三 北海道鐵道敷設速成に關する建議案(松實喜代太君外三名提出)
第百四 仙山鐵道の起工に關する建議案(石川長右衞門君外一名提出)
第百五 佐賀住の江間臨港線敷設に關する建議案(福田五郎君外三名提出)
第百六 東京驛東部乘降場設置速成に關する建議案(井本常作君提出)
第百七 板谷峠の防雪設備に關する建議案(齋藤金吾君外一名提出)
第百八 訪歐飛行の成功者たる安邊大尉外三名に對する賞與金下附に關する建議案(三善清之君外一名提出)
第百九 訪歐飛行賞金下附に關する建議案(長岡外史君提出)
第百十 航空竝國防に關する建議案(長岡外史君提出)
第百十一 長崎五島佐世保間電話開設に關する建議案(牧山耕藏君外六名提出)
第百十二 福岡壹岐長崎間電話開設に關する建議案(牧山耕藏君外六名提出)
第百十三 堺郵便局昇格に關する建議案(山口義一君外四名提出)
第百十四 通信機關普及に關する建議案(箕浦勝人君外十九名提出)
第百十五 福井市に遞信局設置に關する建議案(谷口宇右衞門君外三名提出)
第百十六 金澤陸軍無線電信所移管に關する建議案(青山憲三君外二名提出)
第百十七 海洋調査機關設置に關する建議案(中村嘉壽君外七名提出)
第百十八 室蘭港に海事部出張所設置に關する建議案(手代木隆吉君外六名提出)
第百十九 清酒及專賣麥酒に關する建議案(湯淺凡平君提出)
第百二十 農業銀行設置に關する建議案(田中萬逸君外一名提出)
第百二十一 勞働銀行法制定に關する建議案(井本常作君提出)
第百二十二 印紙税法改正に關する建議案(森田金藏君外一名提出)
第百二十三 國税徴收交付金増額に關する建議案(八田宗吉君提出)
第百二十四 大藏省令第二十八號を廢止し之に代るへき法律制定に關する建議案(武藤山治君外二名提出)
第百二十五 徴兵制度の改革竝現役下士兵卒待遇改良に關する建議案(三善清之君外一名提出)
第百二十六 戰病死者遺族竝癈兵の子弟に對し官公立學校授業料減免に關する建議案(松井郡治君外八名提出)
第百二十七 軍人傷痍記章令中改正に關する建議案(山下谷次君提出)
第百二十八 文制改革に關する建議案(篠原和市君外三名提出)
第百二十九 脚氣病研究に關する建議案(中原徳太郎君外三名提出)
第百三十 水戸市に文科大學設置に關する建議案(菊池謙二郎君提出)
第百三十一 民族博物館設立に關する建議案(山枡儀重君提出)
第百三十二 國立蠶絲大學設立に關する建議案(篠原和市君外五名提出)
第百三十三 盛岡市に高等師範學校設置に關する建議案(柏田忠一君提出)
第百三十四 福島市に高等蠶絲學校設置に關する建議案(大島要三君外六名提出)
第百三十五 福岡市に高等師範學校設置に關する建議案(大里廣次郎君外一名提出)
第百三十六 政治教育普及に關する建議案(古林喜代太君外一名提出)
第百三十七 國民教育改善に關する建議案(荒川五郎君提出)
第百三十八 郡山市に高等師範學校設置に關する建議案(粟山博君外四名提出)
第百三十九 郡山に高等師範學校設置に關する建議案(粟山博君外三名提出)
第百四十 八鹿町に高等蠶絲學校建設に關する建議案(齋藤隆夫君外三名提出)
第百四十一 圖書館普及竝圖書館敷地免税に關する建議案(河上哲太君外二名提出)
第百四十二 福井縣に高等水産學校設置に關する建議案(山口嘉七君外二名提出)
第百四十三 福井市に高等師範學校設置に關する建議案(谷口宇右衞門君外二名提出)
第百四十四 金澤市に綜合大學設置に關する建議案(佐藤實君外四名提出)
第百四十五 北海道綜合大學の完成竝高等教育機關設置に關する建議案(東武君外三名提出)
第百四十六 書道振興に關する建議案(竹原樸一君外四名提出)
第百四十七 體育奬勵に關する建議案(杉浦武雄君外四名提出)
第百四十八 加古川改修工事完成に關する建議案(多木久米次郎君提出)
第百四十九 高砂港修築に關する建議案(多木久米次郎君提出)
第百五十 室蘭港海陸連絡工事促進に關する建議案(栗林五朔君外二名提出)
第百五十一 河川使用許可に關する建議案(東武君外十名提出)
第百五十二 青森港第二期修築に關する建議案(工藤鐵男君提出)
第百五十三 稚内築港速成に關する建議案(淺川浩君外六名提出)
第百五十四 留萌港速成に關する建議案(淺川浩君外六名提出)
第百五十五 勇拂原野開發竝河口修築速進に關する建議案(手代木隆吉君外六名提出)
第百五十六 横濱港防波堤築造に關する建議案(戸井嘉作君外五名提出)
第百五十七 鶴見川改修速進に關する建議案(戸井嘉作君外三名提出)
第百五十八 大淀川改修に關する建議案(長峰與一君外四名提出)
第百五十九 肝屬川改修速成に關する建議案(津崎尚武君提出)
第百六十 筑後川改修工事に伴ふ犠牲的地域善後策に關する建議案(加藤十四郎君提出)
第百六十一 岸和田港修築費國庫補助に關する建議案(井阪豐光君外六名提出)
第百六十二 那賀川改修に關する建議案(谷原公君外一名提出)
第百六十三 木津川改修速成に關する建議案(長田桃藏君外一名提出)
第百六十四 煙毒防止水源涵養に關する建議案(武藤金吉君外五名提出)
第百六十五 雄物川改修工事竣功年度繰上竝河口修築規模擴張に關する建議案(村山喜一郎君外一名提出)
第百六十六 由良川改修の調査速行に關する建議案(村上國吉君提出)
第百六十七 最上川治水工事速成に關する建議案(石川長右衞門君外一名提出)
第百六十八 渡良瀬川改修工事速進に關する建議案(阿由葉勝作君外二名提出)
第百六十九 北海道港灣修築に關する建議案(黒住成章君外三名提出)
第百七十 北海道漁港竝船入澗築設に關する建議案(黒住成章君外三名提出)
第百七十一 寺泊港修築に關する建議案(中村貞吉君外二名提出)
第百七十二 敦賀港修築に關する建議案(山口嘉七君外三名提出)
第百七十三 大淀川架橋に關する建議案(長峰與一君外三名提出)
第百七十四 岸和田港修築補助に關する建議案(山口義一君外二名提出)
第百七十五 古物商取締法改正に關する建議案(藏園三四郎君提出)
第百七十六 村落に關する制度の調査及整備に關する建議案(野原種次郎君外二名提出)
第百七十七 部落問題の國策樹立に關する建議案(有馬頼寧君外十二名提出)
第百七十八 尾張戸神社昇格に關する建議案(丹下茂十郎君提出)
第百七十九 鵜戸神社昇格に關する建議案(津崎尚武君提出)
第百八十 社會政策の遂行に關する調査機關設置の建議案(丸山浪彌君外四名提出)
第百八十一 人體寄生蟲の豫防奬勵に關する建議案(宮島幹之助君外六名提出)
第百八十二 花柳病豫防法制定に關する建議案(宮島幹之助君外六名提出)
第百八十三 國立癩療養所設置に關する建議案(中林友信君外四名提出)
第百八十四 國立精神病院設置に關する建議案(中原徳太郎君提出)
第百八十五 潮來十六島を中心とする水郷國立公園設定に關する建議案(今井健彦君外一名提出)
第百八十六 淺間山國立公園設定に關する建議案(篠原和市君外七名提出)
第百八十七 吉崎及東尋坊を中心とする國立公園設定に關する建議案(熊谷五右衞門君提出)
第百八十八 高野山國立公園設定に關する建議案(松山常次郎君提出)
第百八十九 新聞記者待遇に關する建議案(篠原和市君外八名提出)
第百九十 市町村吏員優遇に關する建議案(八田宗吉君提出)
第百九十一 市町村の整理改善に關する建議案(荒川五郎君外一名提出)
第百九十二 雨龍原野土に關する建議案(神部爲藏君外六名提出)
第百九十三 北海道土地改良に關する建議案(岡田伊太郎君外三名提出)
第百九十四 北海道土功組合事業助成に關する建議案(松實喜代太君外三名提出)
第百九十五 報徳社普及奬勵に關する建議案(山宮藤吉君外一名提出)
第百九十六 鹿兒島縣大島郡救濟に關する建議案(祷苗代君提出)
第百九十七 社交舞踏取締に關する建議案(加藤知正君外三名提出)
第百九十八 移動警察制度新設に關する建議案(原夫次郎君外一名提出)
第百九十九 北海道舊土人保護に關する建議案(手代木隆吉君外六名提出)
第二百 重要府縣道改良に關する建議案(生方大吉君外二名提出)
第二百一 大日本聯合青年團國庫補助に關する建議案(東郷實君外三名提出)
第二百二 兵庫縣警察費國庫下渡金増額に關する建議案(砂田重政君外十名提出)
第二百三 警察費國庫下渡金増額に關する建議案(戸井嘉作君外八名提出)
第二百四 水道費國庫補助金増額に關する建議案(松浦五兵衞君外十一名提出)
第二百五 消防組經費國庫補助竝に消防組員優遇に關する建議案(倉元要一君外十三名提出)
第二百六 婦人兒童の賣買禁止に關する國際條約に對し帝國政府の留保條件撤廢竝娼妓取締規則改正に關する建議案(星島二郎君外一名提出)
第二百七 肥料政策確立に關する建議案(齋藤藤四郎君外五名提出)
第二百八 黄色光線應用國立蠶業試驗場設置に關する建議案(篠原和市君外三名提出)
第二百九 五島珊瑚採取奬勵に關する建議案(牧山耕藏君外九名提出)
第二百十 全國蠶絲業者に對し補成資金融通に關する建議案(佐藤富十郎君提出)
第二百十一 農村の金融に關する建議案(床次竹二郎君外十二名提出)
第二百十二 國有林の文化的施設に關する建議案(村山喜一郎君提出)
第二百十三 森林法中改正に關する建議案(東武君外十名提出)
第二百十四 國有林野所在市町村に對し交付金下付に關する建議案(東武君外十名提出)
第二百十五 林野基本調査の速行に關する建議案(東武君外十名提出)
第二百十六 森林火災保險に關する建議案(東武君外十名提出)
第二百十七 公有林野官行造林事業促進に關する建議案(東武君外十名提出)
第二百十八 民林局設置に關する建議案(村山喜一郎君提出)
第二百十九 不要存置國有林野整理處分に關する建議案(大島要三君外六名提出)
第二百二十 森林政策の根本方針確立に關する建議案(太田信治郎君外二名提出)
第二百二十一 小作農保護に關する建議案(床次竹二郎君外十二名提出)
第二百二十二 乳製品國産奬勵に關する建議案(一柳仲次郎君外六名提出)
第二百二十三 株式取引所に於ける二重上場廢止に關する建議案(中山貞雄君提出)
第二百二十四 正米市場法制定促進に關する建議案(作間耕逸君外二名提出)
第二百二十五 正米市場設置に關する建議案(福井甚三君外二名提出)
第二百二十六 勞働會議所設立に關する建議案(松本君平君提出)
第二百二十七 商業會議所法中改正に關する建議案(兒玉實良君外三名提出)
第二百二十八 我か國國號の統一顯正に關する建議案(由谷義治君提出)
第二百二十九 陸海軍大臣文官制採用に關する建議案(清瀬一郎君提出)
第二百三十 恩給其の他の恩典に雇員在職年數通算に關する建議案(青木精一君提出)
第二百三十一 一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定に關する建議案(山下谷次君提出)
第二百三十二 朝鮮人訴訟代理業者に辯護士資格付與に關する建議案(田中萬逸君外一名提出)
第二百三十三 朝鮮及臺灣施政調査機關設置に關する建議案(神田正雄君外三名提出)
第二百三十四 帯廣區裁判所に地方裁判所支部設置に關する建議案(小池仁郎君外六名提出)
第二百三十五 室蘭區裁判所に地方裁判所支部設置に關する建議案(手代木隆吉君外六名提出)
第二百三十六 野付牛町に區裁判所設置に關する建議案(小池仁郎君外六名提出)
第二百三十七 呉區裁判所管轄區域變更に關する建議案(渡邊伍君外二名提出)
第二百三十八 倶知安町に區裁判所設置に關する建議案(小池仁郎君外六名提出)
第二百三十九 北海道に區裁判所竝地方裁判所支部設置に關する建議案(東武君外三名提出)
第二百四十 家産制度制定に關する建議案(浦野謙朗君提出)
第二百四十一 刑餘者に對する法令差別待遇撤廢竝之か救治に關する建議案(原夫次郎君外二名提出)
第二百四十二 國儀國典の制定整理に關する建議案(荒川五郎君提出)
第二百四十三 速記士法制定に關する建議案(黒住成章君外二名提出)
第二百四十四 教育職員の恩給事項に關する建議案(加藤知正君提出)
第二百四十五 建議及請願に對し政府の報告を要求するの建議案(林田龜太郎君外三名提出)
第二百四十六 滿蒙開發に關する建議案(永田善三郎君外三名提出)
第二百四十七 岡崎市に高等師範學校設置に關する建議案(近藤重三郎君提出)
第二百四十八 細民秀才子弟高等專門教育國費補助に關する建議案(佐藤實君提出)
第二百四十九 富山市に高等師範學校設置に關する建議案(寺島權藏君外二名提出)
第二百五十 千葉縣立高等園藝學校移管に關する建議案(今井健彦君外六名提出)
第二百五十一 岡崎大井間岡崎多治見間鐵道建設に關する建議案(近藤重三郎君提出)
第二百五十二 平小名濱間鐵道敷設に關する建議案(比佐昌平君外六名提出)
第二百五十三 飛騨縦貫鐵道速成に關する建議案(牧野良三君提出)
第二百五十四 中津川下呂間鐵道敷設速成に關する建議案(牧野良三君提出)
第二百五十五 岩國日原間鐵道速成に關する建議案(永田新之允君外一名提出)
第二百五十六 羽犬塚、宮原、竹田間鐵道敷設に關する建議案(有馬頼寧君外四名提出)
第二百五十七 福島猪苗代驛間鐵道建議に關する建議案(大島要三君外六名提出)
第二百五十八 新潟縣下に鐵道局設置に關する建議案(山本悌二郎君外十五名提出)
第二百五十九 都市計畫特別税制に關する建議案(折原巳一郎君外五名提出)
第二百六十 利根川及荒川改修工事速成に關する建議案(神谷彌平君外三名提出)
第二百六十一 七尾港改修に關する建議案(佐藤實君外二名提出)
第二百六十二 市町村長及市町村吏員の優遇に關する建議案(高山長幸君外三名提出)
第二百六十三 黒部峽谷に國立公園設定に關する建議案(寺島權藏君提出)
第二百六十四 魚津漁港兼避難港修築に關する建議案(寺島權藏君提出)
第二百六十五 警察官の待遇改善に關する建議案(大島要三君外六名提出)
第二百六十六 樺太地方制度の設定竝衆議院議員選擧法施行に關する建議案(小池仁郎君外一名提出)
第二百六十七 五ケ瀬川及大瀬川治水に關する建議案(佐藤重遠君外四名提出)
第二百六十八 琶琵湖を中心とする國立公園設定に關する建議案(兼松寅太郎君外二名提出)
第二百六十九 市町村及水利組合の用排水施設に對し補助金下付及低利資金貸付に關する建議案(大石大君外一名提出)
第二百七十 丸龜港改築國庫補助に關する建議案(三善清之君提出)
第二百七十一 川内川改修速成に關する建議案(寺田市正君外三名提出)
第二百七十二 尾道開港場設置に關する建議案(嶋居哲君提出)
第二百七十三 建築士法制定に關する建議案(小西和君外十名提出)
第二百七十四 煙草收納標本に關する建議案(岡本實太郎君外三名提出)
第二百七十五 贅澤品等の輸入税に關する法律中改正に關する建議案(井阪豐光君外二名提出)
第二百七十六 國有雜種財産處分に關する建議案(大島要三君外六名提出)
第二百七十七 税務官の待遇改善に關する建議案(大島要三君外六名提出)
第二百七十八 福井縣大野郡富田村に葉煙草假收納所設置に關する建議案(猪野毛利榮君提出)
第二百七十九 田畑地租全免に關する建議案(多木久米次郎君提出)
第二百八十 民間飛行競技會開設に關する建議案(清水留三郎君外四名提出)
第二百八十一 北海道薄荷生産保護に關する建議案(松實喜代太君外三名提出)
第二百八十二 漆樹栽培奬勵に關する建議案(佐藤實君外二名提出)
第二百八十三 陸軍軍樂隊派遣所設置に關する建議案(紺野九右衞門君外七名提出)
第二百八十四 薩哈嗹州撤兵の爲損害を被りたる者の救濟に關する建議案(山本厚三君外七名提出)
第二百八十五 尼港漁業者の損害救濟に關する建議案(佐々木平次郎君提出)
第二百八十六 生命保險制度改正に關する建議案(岡田温君外二名提出)
第二百八十七 決議案(帝國軍隊の威信保持に關する件)(清瀬一郎君外一名提出)
第二百八十八 決議案(内閣總理大臣の責任に關する件)(望月圭介君外十二名提出)
第二百八十九 議員高橋熊次郎君懲罰事犯の件 (委員長報告)
第二百九十 (特別報告第二號)元屯田兵豫備役服務期間を公務員在職年に通算の請願外四件 (委員長報告)
第二百九十一 (特別報告第三號)恩給法中一部改正の請願 (委員長報告)
第二百九十二 (特別報告第四號)故増本忠兵衞氏贈位の請願 (委員長報告)
第二百九十三 (特別報告第五號)元寇殉難者の爲に廣島村に別格官幣社建設の請願 (委員長報告)
第二百九十四 (特別報告第六號)天皇陛下御肖像竝勅語の奉掲取締の請願 (委員長報告)
第二百九十五 (特別報告第七號)天皇陛下御肖像竝勅語奉掲物取扱に關する請願 (委員長報告)
第二百九十六 (特別報告第八號)産婆法制定の請願外四十一件 (委員長報告)
第二百九十七 (特別報告第九號)國立吃音矯正機關設置の請願 (委員長報告)
第二百九十八 (特別報告第一〇號)鍼灸師法制定の請願 (委員長報告)
第二百九十九 (特別報告第一一號)公設診療所設置の請願 (委員長報告)
第三百 (特別報告第一二號)草津温泉附近に國費を以て癩患者收容部落建設の請願 (委員長報告)
第三百一 (特別報告第一三號)青森市、荒川村間連絡架線道路新設の請願 (委員長報告)
第三百二 (特別報告第一四號)渡良瀬川改修の請願 (委員長報告)
第三百三 (特別報告第一五號)鴛泊漁港修築の請願 (委員長報告)
第三百四 (特別報告第一六號)初山別村漁港修築速成の請願 (委員長報告)
第三百五 (特別報告第一七號)天賣漁港修築の請願 (委員長報告)
第三百六 (特別報告第一八號)枝幸漁港修築速成の請願 (委員長報告)
第三百七 (特別報告第一九號)船泊村に避難港築設の請願 (委員長報告)
第三百八 (特別報告第二〇號)與北自作農創定組合に低利資金貸付の請願 (委員長報告)
第三百九 (特別報告第二四號)臘虎膃肭獸の獵獲解禁の請願外一件 (委員長報告)
第三百十 (特別報告第二五號)膃肭獸の海上獵獲解禁の請願 (委員長報告)
第三百十一 (特別報告第二六號)重要物産同業組合法改正の請願 (委員長報告)
第三百十二 (特別報告第二七號)兵役者優遇の請願 (委員長報告)
第三百十三 (特別報告第二八號)東黒田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百十四 (特別報告第三〇號)万倉郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百十五 (特別報告第三一號)山佐郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百十六 (特別報告第三二號)上早川村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百十七 (特別報告第三三號)平谷郵便局に電信、電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百十八 (特別報告第三四號)徳久郵便局に集配竝電信事務開始の請願 (委員長報告)
第三百十九 (特別報告第三五號)寶殿郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百二十 (特別報告第三六號)寶殿郵便局に電信、電話竝特設電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百二十一 (特別報告第三七號)二川村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百二十二 (特別報告第三八號)久利郵便局に電信、電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百二十三 (特別報告第三九號)一志波瀬郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百二十四 (特別報告第四〇號)川口村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百二十五 (特別報告第四一號)上田村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百二十六 (特別報告第四二號)石打村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百二十七 (特別報告第四三號)擇捉島、根室間に無線電信架設の請願 (委員長報告)
第三百二十八 (特別報告第四四號)朝鮮人訴訟代理業者に辯護士資格付與の請願 (委員長報告)
第三百二十九 (特別報告第四五號)朝鮮辯護士資格付與の請願 (委員長報告)
第三百三十 (特別報告第四六號)本別村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第三百三十一 (特別報告第四七號)郡山區裁判所管轄區域現制維持の請願 (委員長報告)
第三百三十二 (特別報告第四八號)精神振興院設立の請願 (委員長報告)
第三百三十三 (特別報告第四九號)私立中等學校協會に國庫補助金交付の請願外一件 (委員長報告)
第三百三十四 (特別報告第五〇號)私立中等學校に國庫補助金交付の請願外一件 (委員長報告)
第三百三十五 (特別報告第五二號)新設伯備南線中簡易停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百三十六 (特別報告第五三號)姫津鐵道龍野町經由の請願 (委員長報告)
第三百三十七 (特別報告第五四號)邊別、美瑛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百三十八 (特別報告第五六號)帖佐、入來間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百三十九 (特別報告第五七號)姫津線速成の請願 (委員長報告)
第三百四十 (特別報告第五八號)神岡村上横内及新宮村に姫津鐵道停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百四十一 (特別報告第五九號)木次、三次間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百四十二 (特別報告第六〇號)吉野町に停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百四十三 (特別報告第六二號)宇都宮、岩瀬間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百四十四 (特別報告第六三號)女川、松島間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百四十五 (特別報告第六四號)益田、萩間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百四十六 (特別報告第六五號)徳佐、大井間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百四十七 (特別報告第六六號)寒河江、富澤間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百四十八 (特別報告第六七號)釧路網走間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百四十九 (特別報告第六八號)石見益田驛に公衆電信取扱開始の請願 (委員長報告)
第三百五十 (特別報告第六九號)廣島、濱田鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百五十一 (特別報告第七〇號)花卷、釜石間鐵道國營の請願 (委員長報告)
第三百五十二 (特別報告第七一號)白河、廣田間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百五十三 (特別報告第七二號)村松村村松郷に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百五十四 (特別報告第七三號)中庄郵便局に特設電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百五十五 (特別報告第七四號)猿投郵便局に特設電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百五十六 (特別報告第七五號)江刈郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百五十七 (特別報告第七六號)新殿村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百五十八 (特別報告第七七號)西海村に三等集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百五十九 (特別報告第七八號)河内郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十 (特別報告第七九號)佐東郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十一 (特別報告第八〇號)奧上林郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十二 (特別報告第八一號)口總郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十三 (特別報告第八二號)堺郵便局を一等局に昇格の請願外一件 (委員長報告)
第三百六十四 (特別報告第八三號)吉川郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十五 (特別報告第八四號)豐永郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十六 (特別報告第八五號)美袋郵便局に特設電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十七 (特別報告第八六號)眞金郵便局に特設電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十八 (特別報告第八七號)下竹莊郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百六十九 (特別報告第八八號)下竹莊郵便局に電車事務開始の請願 (委員長報告)
第三百七十 (特別報告第八九號)三國郵便局竝吉永郵便局に電信、電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百七十一 (特別報告第九〇號)小貝村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百七十二 (特別報告第九一號)三輪村に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百七十三 (特別報告第九二號)太市村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百七十四 (特別報告第九三號)東藤島村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百七十五 (特別報告第九四號)垣生郵便局に電信竝集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百七十六 (特別報告第九五號)讚豫線多喜濱驛前に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百七十七 (特別報告第九六號)都賀行村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百七十八 (特別報告第九七號)利島村に無線電信架設の請願 (委員長報告)
第三百七十九 (特別報告第九八號)南種子村に國立燈臺設置の請願 (委員長報告)
第三百八十 (特別報告第九九號)落石燈臺に霧笛附設竝納沙布水道に航路標識施設の請願 (委員長報告)
第三百八十一 (特別報告第一〇一號)稻垣村に登記所設置の請願 (委員長報告)
第三百八十二 (特別報告第一〇二號)帶廣區裁判所に地方裁判所支部設置の請願 (委員長報告)
第三百八十三 (特別報告第一〇三號)小學校竝中等學校に神祇科加設の請願 (委員長報告)
第三百八十四 (特別報告第一〇四號)特別保護建造物及國寶修理補給金増額の請願 (委員長報告)
第三百八十五 (特別報告第一〇五號)國際補助語「エスペラント」に關する請願 (委員長報告)
第三百八十六 (特別報告第一〇六號)福山、出雲今市間及來島、木次間鐵道速成の請願外一件 (委員長報告)
第三百八十七 (特別報告第一〇七號)湖西鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百八十八 (特別報告第一〇八號)下長苗代村字高館に停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百八十九 (特別報告第一〇九號)農具品輸送運賃規程改正の請願 (委員長報告)
第三百九十 (特別報告第一一〇號)一の關、大船渡間鐵道速成竝大船渡港を第二種重要港灣に指定の請願 (委員長報告)
第三百九十一 (特別報告第一一一號)萩小郡間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百九十二 (特別報告第一一二號)根室本線布部に停車場新設の請願外一件 (委員長報告)
第三百九十三 (特別報告第一一四號)盛岡、山田間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百九十四 (特別報告第一一五號)御坊町に停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百九十五 (特別報告第一一六號)能代、機織間鐵道を本線に引直しの請願 (委員長報告)
第三百九十六 (特別報告第一一七號)尼崎驛貨車運輸系統變更の請願 (委員長報告)
第三百九十七 (特別報告第一一八號)大間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百九十八 (特別報告第一一九號)富山鐵道の買收竝延長に關する請願 (委員長報告)
第三百九十九 (特別報告第一二〇號)鯖江、大河原間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百 (特別報告第一二一號)柳津、野澤間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百一 (特別報告第一二二號)根室原野殖氏軌道敷設の請願 (委員長報告)
第四百二 (特別報告第一二三號)厚床、標津間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百三 (特別報告第一二四號)碓氷迂囘鐵道敷設速成の請願外一件 (委員長報告)
第四百四 (特別報告第一二五號)川之江、池田間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百五 (特別報告第一二六號)余市、余別間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百六 (特別報告第一二七號)石打、鹽澤兩驛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百七 (特別報告第一二八號)大郡鐵道北部速成の請願 (委員長報告)
第四百八 (特別報告第一三三號)江差、上磯間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百九 (特別報告第一三四號)北見瀧の上、苫前間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百十 (特別報告第一三六號)佐原、松岸間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百十一 (特別報告第一三七號)益田驛、大朝村間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百十二 (特別報告第一三八號)姫津鐵道豫定線實行の請願 (委員長報告)
第四百十三 (特別報告第一四〇號)恩給法改正に關する請願 (委員長報告)
第四百十四 (特別報告第一四二號)天皇陛下御肖像奉掲取締の請願 (委員長報告)
第四百十五 (特別報告第一四三號)石見益田驛に公衆電信取扱開始の請願 (委員長報告)
第四百十六 (特別報告第一四四號)私立中等學校に國庫補助金交付の請願 (委員長報告)
第四百十七 (特別報告第一四五號)私立中等學校協會に國庫補助金交付の請願 (委員長報告)
第四百十八 (特別報告第一四六號)恩給法中一部改正の請願 (委員長報告)
第四百十九 (特別報告第一四七號)廣島、濱田間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百二十 (特別報告第一四八號)町村吏員に對する恩給法制定の請願 (委員長報告)
第四百二十一 (特別報告第一四九號)故魚住逸治氏竝故岩本須三郎氏贈位の請願 (委員長報告)
第四百二十二 (特別報告第一五〇號)御陵確認の請願 (委員長報告)
第四百二十三 (特別報告第一五一號)百分の五以下の人造絹絲混入綿織物消費税免除の請願 (委員長報告)
第四百二十四 (特別報告第一五二號)佐伯税務署復活の請願 (委員長報告)
第四百二十五 (特別報告第一五三號)畜産品輸入關税に關する請願 (委員長報告)
第四百二十六 (特別報告第一五四號)「カセイン」輸入關税引上に關する請願 (委員長報告)
第四百二十七 (特別報告第一五五號)「バター」輸入關税引上の請願 (委員長報告)
第四百二十八 (特別報告第一五六號)萩港開港の請願 (委員長報告)
第四百二十九 (特別報告第一五七號)工業用鹽特價供給の請願 (委員長報告)
第四百三十 (特別報告第一五八號)鹽價統一の請願 (委員長報告)
第四百三十一 (特別報告第一五九號)大鹽出張所管内に於ける鹽賠償價格變更の請願 (委員長報告)
第四百三十二 (特別報告第一六〇號)對露損害賠償に關する請願 (委員長報告)
第四百三十三 (特別報告第一六一號)宮崎神宮を勅祭社に陞進の請願外三件 (委員長報告)
第四百三十四 (特別報告第一六二號)宮崎神宮別宮狭野神社分立竝昇格の請願 (委員長報告)
第四百三十五 (特別報告第一六三號)名寄町に支廳設置の請願 (委員長報告)
第四百三十六 (特別報告第一六四號)鶴見川改修速成の請願 (委員長報告)
第四百三十七 (特別報告第一六五號)納内村、音江村間石狩川に橋梁架設の請願 (委員長報告)
第四百三十八 (特別報告第一六七號)勝浦港を漁港に指定竝施設改善の請願 (委員長報告)
第四百三十九 (特別報告第一六八號)多摩川改修竝水源涵養費國庫支辨の請願 (委員長報告)
第四百四十 (特別報告第一六九號)鰺ケ澤漁港修築の請願 (委員長報告)
第四百四十一 (特別報告第一七〇號)天鹽漁港修築竝天鹽川河口改修の請願 (委員長報告)
第四百四十二 (特別報告第一七一號)拔海漁港修築の請願 (委員長報告)
第四百四十三 (特別報告第一七二號)余別漁港修築の請願 (委員長報告)
第四百四十四 (特別報告第一七三號)落石漁港外五港修築の請願 (委員長報告)
第四百四十五 (特別報告第一七四號)古平漁港修築の請願 (委員長報告)
第四百四十六 (特別報告第一七五號)農村振興の請願 (委員長報告)
第四百四十七 (特別報告第一七六號)肥料原價供給竝平準米價維持に關する請願 (委員長報告)
第四百四十八 (特別報告第一七七號)鳥野神社に國有林野下戻の請願 (委員長報告)
第四百四十九 (特別報告第一七八號)國有林野に關する請願外十五件 (委員長報告)
第四百五十 (特別報告第一七九號)大正十四年勅令第二百四十五號に關する請願 (委員長報告)
第四百五十一 (特別報告第一八〇號)根室郡に國立種馬所設置の請願 (委員長報告)
第四百五十二 (特別報告第一八一號)商業會議所法中改正の請願外五件 (委員長報告)
第四百五十三 (特別報告第一八二號)陸軍厰舍建設の請願 (委員長報告)
第四百五十四 (特別報告第一八三號)御所郵便局に電話竝集配事務開始の請願 (委員長報告)
第四百五十五 (特別報告第一八四號)雨郷村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百五十六 (特別報告第一八五號)荒川村に集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百五十七 (特別報告第一八六號)東武藝村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百五十八 (特別報告第一八七號)濱四郷村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百五十九 (特別報告第一八八號)楯山村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百六十 (特別報告第一八九號)布施村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百六十一 (特別報告第一九〇號)三芳村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百六十二 (特別報告第一九一號)色麻郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第四百六十三 (特別報告第一九二號)知三郵便局に電話事務開始の請願 (委員長報告)
第四百六十四 (特別報告第一九三號)宇部驛前に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百六十五 (特別報告第一九四號)佐用村に特設電話架設の請願 (委員長報告)
第四百六十六 (特別報告第一九五號)温泉村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百六十七 (特別報告第一九六號)糸生村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百六十八 (特別報告第一九七號)小諸郵便局を二等局に昇格の請願 (委員長報告)
第四百六十九 (特別報告第一九八號)飯地村に三等集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百七十 (特別報告第一九九號)大田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第四百七十一 (特別報告第二〇〇號)小樽市長橋町方面に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百七十二 (特別報告第二〇一號)根室、上海間に命令補助航路開始の請願 (委員長報告)
第四百七十三 (特別報告第二〇二號)漁船法制定促進の請願 (委員長報告)
第四百七十四 (特別報告第二〇三號)辨邊村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四百七十五 (特別報告第二〇四號)教育の機會均等門戸開放に關する請願 (委員長報告)
第四百七十六 (特別報告第二〇五號)私立大學專門部卒業者優遇の請願 (委員長報告)
第四百七十七 (特別報告第二〇六號)烏山、馬頭間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百七十八 (特別報告第二〇七號)廿日市、津和野間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百七十九 (特別報告第二〇八號)市川村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百八十 (特別報告第二〇九號)深川町、下蘆別間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百八十一 (特別報告第二一〇號)札幌、増毛間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百八十二 (特別報告第二一一號)杉田村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百八十三 (特別報告第二一二號)中湧別、網走間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百八十四 (特別報告第二一三號)山東村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百八十五 (特別報告第二一四號)名張、松坂間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百八十六 (特別報告第二一五號)吉塚、篠栗間鐵道に電車併用の請願 (委員長報告)
第四百八十七 (特別報告第二一六號)下諏訪、鹽尻間直通鐵道敷設反對竝同區間現在線電化の請願 (委員長報告)
第四百八十八 (特別報告第二一七號)能代、五所川原間鐵道を大釋迦驛に延長の請願 (委員長報告)
第四百八十九 (特別報告第二二〇號)商業會議所法中改正の請願外十一件 (委員長報告)
第四百九十 (特別報告第二二一號)恩給法中一部改正の請願外三件 (委員長報告)
第四百九十一 (特別報告第二二二號)産娑法制定の請願外一件 (委員長報告)
第四百九十二 (特別報告第二二五號)故赤禰武人氏贈位の請願 (委員長報告)
第四百九十三 (特別報告第二二六號)田畑の地價修正に關する請願 (委員長報告)
第四百九十四 (特別報告第二二七號)黒糖及白下糖消費税免除の請願外一件 (委員長報告)
第四百九十五 (特別報告第二二八號)蓄音機及附屬品等の關税改正の請願 (委員長報告)
第四百九十六 (特別報告第二二九號)亞鉛引針金關税引上の請願 (委員長報告)
第四百九十七 (特別報告第二三〇號)仙崎港開港の請願 (委員長報告)
第四百九十八 (特別報告第二三一號)萬國貨幣法統一の請願 (委員長報告)
第四百九十九 (特別報告第二三二號)貯蓄銀行より他銀行への預金利子に對する所得税免除の請願 (委員長報告)
第五百 (特別報告第二三三號)貯蓄銀行に對する營業税免除の請願 (委員長報告)
第五百一 (特別報告第二三四號)鹿兒島縣に於ける煙草作に關する請願外七件 (委員長報告)
第五百二 (特別報告第二三五號)尼港漁業者の損害救濟に關する請願 (委員長報告)
第五百三 (特別報告第二三六號)縣社呑香稻荷神社神代神樂補助の請願 (委員長報告)
第五百四 (特別報告第二三七號)部落問題に關する國策確立の請願 (委員長報告)
第五百五 (特別報告第二三八號)青年團に國庫補助の請願 (委員長報告)
第五百六 (特別報告第二三九號)聲問川河口修築に關する請願 (委員長報告)
第五百七 (特別報告第二四〇號)石狩川に橋梁架設の請願 (委員長報告)
第五百八 (特別報告第二四一號)渡良瀬川改修の請願 (委員長報告)
第五百九 (特別報告第二四二號)音江村、深川町間石狩川に橋梁架設の請願 (委員長報告)
第五百十 (特別報告第二四三號)高砂港、國包間に運河開鑿の請願 (委員長報告)
第五百十一 (特別報告第二四四號)十勝土功組合救濟の請願 (委員長報告)
第五百十二 (特別報告第二四五號)開墾主要工事國營の請願 (委員長報告)
第五百十三 (特別報告第二四六號)小貝川第二期改修工事促進の請願 (委員長報告)
第五百十四 (特別報告第二四七號)相坂川治水に關する請願 (委員長報告)
第五百十五 (特別報告第二四八號)旭橋改築の請願 (委員長報告)
第五百十六 (特別報告第二四九號)常呂川河口改修の請願 (委員長報告)
第五百十七 (特別報告第二五〇號)雄物川河口修築工事擴張の請願 (委員長報告)
第五百十八 (特別報告第二五一號)寺泊築港に關する請願 (委員長報告)
第五百十九 (特別報告第二五二號)重信川改修の請願 (委員長報告)
第五百二十 (特別報告第二五三號)石狩川治水計畫に依る堤外地買上の請願 (委員長報告)
第五百二十一 (特別報告第二五四號)血液循環治療法規制定の請願外二件 (委員長報告)
第五百二十二 (特別報告第二五五號)藤原藤房卿墳墓竝遺物保存の請願 (委員長報告)
第五百二十三 (特別報告第二五六號)十和田湖を中心とする國立公園設置の請願 (委員長報告)
第五百二十四 (特別報告第二五七號)旭川市に米穀貯藏庫設置の請願 (委員長報告)
第五百二十五 (特別報告第二五八號)沖繩縣に於ける分蜜糖業保護に關する請願外一件 (委員長報告)
第五百二十六 (特別報告第二五九號)渡良瀬川水源涵養に關する請願 (委員長報告)
第五百二十七 (特別報告第二六〇號)漁業法中改正の請願 (委員長報告)
第五百二十八 (特別報告第二六一號)水質汚濁豫防法制定の請願 (委員長報告)
第五百二十九 (特別報告第二六二號)魚市場法制定の請願 (委員長報告)
第五百三十 (特別報告第二六三號)國立水産試驗場設立の請願 (委員長報告)
第五百三十一 (特別報告第二六四號)水産教育振興の請願 (委員長報告)
第五百三十二 (特別報告第二六五號)膃肭獸保護條約存廢に關する請願 (委員長報告)
第五百三十三 (特別報告第二六六號)狩野川治水計畫變更の請願 (委員長報告)
第五百三十四 (特別報告第二六七號)水産物の増殖奬勵の請願 (委員長報告)
第五百三十五 (特別報告第二六八號)水産會に對する國庫補助金増額の請願 (委員長報告)
第五百三十六 (特別報告第二六九號)機船底曳網漁業取締の請願 (委員長報告)
第五百三十七 (特別報告第二七〇號)雄武漁港修築の請願 (委員長報告)
第五百三十八 (特別報告第二七一號)壽都漁港修築の請願 (委員長報告)
第五百三十九 (特別報告第二七二號)辨邊村市街地附近に漁港築設の請願 (委員長報告)
第五百四十 (特別報告第二七三號)野澤町に國立養鯉試驗場設置の請願 (委員長報告)
第五百四十一 (特別報告第二七四號)廣尾漁港修築の請願 (委員長報告)
第五百四十二 (特別報告第二七五號)福山漁港修築の請願 (委員長報告)
第五百四十三 (特別報告第二七六號)幌泉漁港修築の請願 (委員長報告)
第五百四十四 (特別報告第二七七號)國見村小丹生灣に漁港避難港設備速成の請願 (委員長報告)
第五百四十五 (特別報告第二七八號)四ケ浦に避難漁港築設の請願 (委員長報告)
第五百四十六 (特別報告第二七九號)苫前村に漁港兼避難港築設の請願 (委員長報告)
第五百四十七 (特別報告第二八〇號)三石漁港修築の請願 (委員長報告)
第五百四十八 (特別報告第二八一號)臘虎、膃肭獸獵業解禁の請願 (委員長報告)
第五百四十九 (特別報告第二八二號)足尾銅山煙毒除害竝水源涵養の請願 (委員長報告)
第五百五十 (特別報告第二八三號)鑛業法中改正の請願 (委員長報告)
第五百五十一 (特別報告第二八四號)實用新案權存續期間延長の請願 (委員長報告)
第五百五十二 (特別報告第二八五號)商業會議所法中改正の請願外八件 (委員長報告)
第五百五十三 (特別報告第二八六號)一の關、大船渡間鐵道速成竝大船渡港を第二種重要港灣に指定の請願 (委員長報告)
第五百五十四 (特別報告第二八七號)「バター」輸入關税引上の請願 (委員長報告)
第五百五十五 (特別報告第二九〇號)吉塚、篠栗間鐵道に電車併用の請願 (委員長報告)
第五百五十六 (特別報告第二九一號)肥料原價供給竝平準米價維持に關する請願 (委員長報告)
第五百五十七 (特別報告第二九二號)恩給法中一部改正の請願 (委員長報告)
第五百五十八 (特別報告第二九三號)元屯田兵豫備役服務期間を公務員在職年に通算の請願 (委員長報告)
第五百五十九 (特別報告第二九四號)故今里傳兵衞重幸氏贈位の請願 (委員長報告)
第五百六十 (特別報告第二九五號)恩給年金擔保低利資金貸下の請願 (委員長報告)
第五百六十一 (特別報告第二九六號)皇子空也上人御陵確定の請願 (委員長報告)
第五百六十二 (特別報告第二九七號)在外指定學校教員の恩給に關する請願 (委員長報告)
第五百六十三 (特別報告第二九八號)乳製品の輸入關税引上に關する請願 (委員長報告)
第五百六十四 (特別報告第二九九號)府縣社以下神社神職の俸給國庫補助の請願 (委員長報告)
第五百六十五 (特別報告第三〇〇號)癩療養所設置指定地取消の請願外二十三件 (委員長報告)
第五百六十六 (特別報告第三〇一號)油谷港修築に關する請願 (委員長報告)
第五百六十七 (特別報告第三〇二號)瀬棚港修築の請願 (委員長報告)
第五百六十八 (特別報告第三〇三號)木津川治水の請願 (委員長報告)
第五百六十九 (特別報告第三〇四號)高砂港改修の請願 (委員長報告)
第五百七十 (特別報告第三〇五號)留萌港修築速成の請願 (委員長報告)
第五百七十一 (特別報告第三〇六號)吉崎及東尋坊を中心とする國立公園設置の請願 (委員長報告)
第五百七十二 (特別報告第三〇七號)支笏湖及其の附近を國立公園地域に編入の請願 (委員長報告)
第五百七十三 (特別報告第三〇八號)國有林野及國有河川所在町村へ國庫補助金交付の請願 (委員長報告)
第五百七十四 (特別報告第三〇九號)神惠内村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第五百七十五 (特別報告第三一〇號)下關漁港速成の請願 (委員長報告)
第五百七十六 (特別報告第三一一號)西島牧村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第五百七十七 (特別報告第三一二號)串本港を漁港に指定の請願 (委員長報告)
第五百七十八 (特別報告第三一三號)入舸村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第五百七十九 (特別報告第三一四號)様似漁港修築の請願 (委員長報告)
第五百八十 (特別報告第三一五號)磯谷村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第五百八十一 (特別報告第三一六號)家内工業保護の請願 (委員長報告)
第五百八十二 (特別報告第三一七號)陸軍職工規則改正に關する請願 (委員長報告)
第五百八十三 (特別報告第三一八號)毛原郵便局に電信竝電話事務開始の請願 (委員長報告)
第五百八十四 (特別報告第三一九號)斜古丹村に無線電信架設竝三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百八十五 (特別報告第三二〇號)下小阿仁村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百八十六 (特別報告第三二一號)五千石郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第五百八十七 (特別報告第三二二號)小野田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第五百八十八 (特別報告第三二三號)深良村に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百八十九 (特別報告第三二四號)細呂木驛附近に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百九十 (特別報告第三二五號)美九里村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百九十一 (特別報告第三二六號)太田村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百九十二 (特別報告第三二七號)七谷村大字黒水に郵便局設置の請願外一件 (委員長報告)
第五百九十三 (特別報告第三二八號)三庄村西庄に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百九十四 (特別報告第三二九號)藤澤村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百九十五 (特別報告第三三〇號)西太美村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第五百九十六 (特別報告第三三一號)佐用郵便局に電話事務開始の請願 (委員長報告)
第五百九十七 (特別報告第三三二號)野田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第五百九十八 (特別報告第三三三號)加賀郵便局に電信竝電話事務取扱開始の請願 (委員長報告)
第五百九十九 (特別報告第三三四號)六合村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百 (特別報告第三三五號)北濃村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百一 (特別報告第三三六號)福本郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百二 (特別報告第三三七號)津輕新城郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百三 (特別報告第三三八號)宇治郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百四 (特別報告第三三九號)上郷村大字黒田に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百五 (特別報告第三四〇號)大幡郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百六 (特別報告第三四一號)三重縣南、北牟婁郡沿岸に燈臺設置の請願 (委員長報告)
第六百七 (特別報告第三四二號)菅田町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第六百八 (特別報告第三四三號)西足寄村に登記所設置の請願 (委員長報告)
第六百九 (特別報告第三四四號)竹田村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第六百十 (特別報告第三四五號)壬生川町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第六百十一 (特別報告第三四六號)國安村に登記所設置の請願 (委員長報告)
第六百十二 (特別報告第三四七號)義務教育年限延長竝補習教育費國庫補助の請願 (委員長報告)
第六百十三 (特別報告第三四八號)岡崎市に高等師範學校設置の請願 (委員長報告)
第六百十四 (特別報告第三四九號)女子高等教育振興に關する請願 (委員長報告)
第六百十五 (特別報告第三五〇號)薩摩義士の事蹟を國定教科書に採録の請願 (委員長報告)
第六百十六 (特別報告第三五二號)故月照、信海兩上人に大師號下賜の請願 (委員長報告)
第六百十七 (特別報告第三五三號)岡崎、多治見間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第六百十八 (特別報告第三五四號)岡崎、大井間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第六百十九 (特別報告第三五五號)下曾我驛構内に地下道開鑿の請願 (委員長報告)
第六百二十 (特別報告第三五六號)江丹別村に簡易停車場新設の請願 (委員長報告)
第六百二十一 (特別報告第三五七號)青郷村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六百二十二 (特別報告第三五八號)濱吉田、坂元驛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六百二十三 (特別報告第三五九號)芽室、「トムラウシ」間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第六百二十四 (特別報告第三六〇號)上磯鐵道速成に關する請願 (委員長報告)
第六百二十五 (特別報告第三六一號)松前鐵道速成の請願 (委員長報告)
第六百二十六 (特別報告第三六二號)濱田町西部に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六百二十七 (特別報告第三六三號)六日市村字浦柄に停車場新設の請願 (委員長報告)
第六百二十八 (特別報告第三六四號)有間川地内に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六百二十九 (特別報告第三六五號)御杖村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六百三十 (特別報告第三六七號)米原、今庄間鐵道電化速成の請願外二件 (委員長報告)
第六百三十一 (特別報告第三六八號)北條驛を起點とする房南沿岸迂囘鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第六百三十二 (特別報告第三六九號)狩野川治水計畫變更の請願 (委員長報告)
第六百三十三 (特別報告第三七〇號)金鵄勳章年金令改正に關する請願外三件 (委員長報告)
第六百三十四 (特別報告第三七一號)「バター」輸入關税引上の請願外一件 (委員長報告)
第六百三十五 (特別報告第三七二號)田畑の地價修正に關する請願 (委員長報告)
第六百三十六 (特別報告第三七三號)廣島、濱田間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第六百三十七 (特別報告第三七四號)蒟蒻粉の輸入關税引上の請願外二件 (委員長報告)
第六百三十八 (特別報告第三七五號)家祿賞典祿に關する請願 (委員長報告)
第六百三十九 (特別報告第三七六號)海外醜業婦取締の請願外一件 (委員長報告)
第六百四十 (特別報告第三七七號)千曲川改修工事速成の請願 (委員長報告)
第六百四十一 (特別報告第三七八號)常呂川治水に關する請願外二件 (委員長報告)
第六百四十二 (特別報告第三七九號)敦賀港内「うねり」防止に關する請願 (委員長報告)
第六百四十三 (特別報告第三八〇號)泊村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第六百四十四 (特別報告第三八一號)仙法志村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第六百四十五 (特別報告第三八二號)商工會法制定の請願 (委員長報告)
第六百四十六 (特別報告第三八三號)賀名生神宮創建の請願 (委員長報告)
第六百四十七 (特別報告第三八四號)湧別川治水の請願 (委員長報告)
第六百四十八 (特別報告第三八五號)晩生内道路石狩川渡船場に架橋の請願 (委員長報告)
第六百四十九 (特別報告第三八六號)新宮川治水に關する請願 (委員長報告)
第六百五十 (特別報告第三八七號)香深漁港修築の請願 (委員長報告)
第六百五十一 (特別報告第三八八號)沙留港修築の請願 (委員長報告)
第六百五十二 (特別報告第三八九號)上中山村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百五十三 (特別報告第三九〇號)清水村八幡に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百五十四 (特別報告第三九一號)八幡村大字山名に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百五十五 (特別報告第三九二號)田面郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百五十六 (特別報告第三九三號)室生村大字田口に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百五十七 (特別報告第三九四號)夙川停留所附近に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百五十八 (特別報告第三九五號)下大野郵便局に集配竝電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第六百五十九 (特別報告第三九六號)美穗郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百六十 (特別報告第三九七號)二條郵便局に電信、電話事務開始の請願 (委員長報告)
第六百六十一 (特別報告第三九八號)秋鹿郵便局に電信、電話事務開始の請願 (委員長報告)
第六百六十二 (特別報告第三九九號)久里村に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百六十三 (特別報告第四〇〇號)松尾郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百六十四 (特別報告第四〇一號)五領ケ島村大字兼定島に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百六十五 (特別報告第四〇二號)大宜味郵便局に電信事務開始の請願 (委員長報告)
第六百六十六 (特別報告第四〇三號)國府村に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百六十七 (特別報告第四〇四號)秋目郵便局に電信事務開始の請願 (委員長報告)
第六百六十八 (特別報告第四〇五號)大都河村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百六十九 (特別報告第四〇六號)牛道村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百七十 (特別報告第四〇七號)壹岐瀬戸浦郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百七十一 (特別報告第四〇八號)山口縣阿武郡高山岬に燈臺設置の請願 (委員長報告)
第六百七十二 (特別報告第四〇九號)袖川郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百七十三 (特別報告第四一〇號)阿古郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第六百七十四 (特別報告第四一一號)奧浦村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第六百七十五 (特別報告第四一二號)名寄町に地方裁判所支部設置の請願 (委員長報告)
第六百七十六 (特別報告第四一三號)倶知安町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第六百七十七 (特別報告第四一四號)桐生市に區裁制所設置の請願 (委員長報告)
第六百七十八 (特別報告第四一五號)婦人辯護士制度制定に關する請願 (委員長報告)
第六百七十九 (特別報告第四一六號)書道振興奬勵の請願 (委員長報告)
第六百八十 (特別報告第四一七號)美倉橋驛設置の請願 (委員長報告)
第六百八十一 (特別報告第四一八號)信越線龜田、沼垂間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六百八十二 (特別報告第四一九號)東北本線三戸、劍吉間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六百八十三 (特別報告第四二〇號)東海道線總持寺前踏切竝鶴見神社脇踏切改造に關する請願 (委員長報告)
第六百八十四 (特別報告第四二一號)東海道線安養寺前鐵橋及排水施設改善の請願 (委員長報告)
第六百八十五 (特別報告第四二二號)船岡村に停車場新設の請願 (委員長報告)
第六百八十六 (特別報告第四二三號)鐵道敷設法別表第八十八に關する請願 (委員長報告)
第六百八十七 (特別報告第四二四號)野付牛町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第六百八十八 (特別報告第四二五號)瀧の上、上川間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第六百八十九 (特別報告第四二七號)山野線輕便鐵道延長に關する請願 (委員長報告)
第六百九十 (特別報告第四二八號)商業會議所法中改正の請願外一件 (委員長報告)
第六百九十一 (特別報告第四二九號)産婆法制定の請願 (委員長報告)
第六百九十二 (特別報告第四三〇號)宮崎神宮を勅祭社に陞進の請願外二件 (委員長報告)
第六百九十三 (特別報告第四三一號)恩給法中一部改正の請願 (委員長報告)
第六百九十四 (特別報告第四三三號)川之江、池田間鐵道速成の請願外四件 (委員長報告)
第六百九十五 (特別報告第四三四號)國號の稱呼使用に關する請願 (委員長報告)
第六百九十六 (特別報告第四三五號)府縣社以下神社神職敍位に關する請願 (委員長報告)
第六百九十七 (特別報告第四三六號)故沼田喜平次氏贈位の請願 (委員長報告)
第六百九十八 (特別報告第四三七號)活字角の設定及活字種類限定の請願 (委員長報告)
第六百九十九 (特別報告第四三八號)安塚税務署復活の請願 (委員長報告)
第七百 (特別報告第四三九號)山林銀行設立の請願 (委員長報告)
第七百一 (特別報告第四四〇號)關税定率法第七條中比重の制限撤廢に關する請願 (委員長報告)
第七百二 (特別報告第四四一號)小型寫眞器及部分品輸入關税に關する請願 (委員長報告)
第七百三 (特別報告第四四二號)寫眞用「フイルム」輸入關税に關する請願 (委員長報告)
第七百四 (特別報告第四四三號)香料關税改正に關する請願 (委員長報告)
第七百五 (特別報告第四四四號)府縣社以下神社經費を地方團體より供進の請願 (委員長報告)
第七百六 (特別報告第四四五號)府縣社以下神社の社格改稱の請願 (委員長報告)
第七百七 (特別報告第四四六號)東牟婁郡役所存置に關する請願 (委員長報告)
第七百八 (特別報告第四四七號)府縣知事公選の請願 (委員長報告)
第七百九 (特別報告第四四八號)貧弱町村の合併に關する請願 (委員長報告)
第七百十 (特別報告第四四九號)町村會議長を議員中より互選の請願 (委員長報告)
第七百十一 (特別報告第四五〇號)府縣發布の諸規則に關する請願 (委員長報告)
第七百十二 (特別報告第四五一號)煙突取締規則制定の請願 (委員長報告)
第七百十三 (特別報告第四五二號)傳染病豫防法中「コレラ」に關する規定改正の請願 (委員長報告)
第七百十四 (特別報告第四五三號)著作權法中改正の請願 (委員長報告)
第七百十五 (特別報告第四五四號)差別的言動取締法制定の請願 (委員長報告)
第七百十六 (特別報告第四五五號)理髪師試驗制度實施の請願外一件 (委員長報告)
第七百十七 (特別報告第四五六號)倶知安土功組合救濟の請願 (委員長報告)
第七百十八 (特別報告第四五七號)北海道に於ける土功組合事業助成の請願 (委員長報告)
第七百十九 (特別報告第四五八號)石狩川河口改修の請願 (委員長報告)
第七百二十 (特別報告第四五九號)美國港修築の請願 (委員長報告)
第七百二十一 (特別報告第四六〇號)那賀川改修の請願 (委員長報告)
第七百二十二 (特別報告第四六一號)北見國拓殖軌道敷設の請願 (委員長報告)
第七百二十三 (特別報告第四六二號)北海道に於ける地方鐵道及軌道事業助成に關する請願 (委員長報告)
第七百二十四 (特別報告第四六三號)沖繩縣に於ける軌道經營會社に國庫補助の請願 (委員長報告)
第七百二十五 (特別報告第四六四號)醫藥分業實施の請願外百九件 (委員長報告)
第七百二十六 (特別報告第四六五號)按摩術假免許鑑札下付の請願 (委員長報告)
第七百二十七 (特別報告第四六六號)按摩術、「マツサージ」術を盲人の專業と爲すの法規制定の請願 (委員長報告)
第七百二十八 (特別報告第四六七號)無藥療術法規制定の請願 (委員長報告)
第七百二十九 (特別報告第四六八號)醫師法第十三條改正に關する請願 (委員長報告)
第七百三十 (特別報告第四六九號)多久和の城趾保存の請願 (委員長報告)
第七百三十一 (特別報告第四七〇號)後鳥羽上皇隱岐御遷幸御順路調査の請願 (委員長報告)
第七百三十二 (特別報告第四七一號)温泉保護政策樹立速成の請願 (委員長報告)
第七百三十三 (特別報告第四七二號)宮崎縣野尻原開田に關する請願 (委員長報告)
第七百三十四 (特別報告第四七三號)旭川市に正米市場及米穀貯藏倉庫設置の請願 (委員長報告)
第七百三十五 (特別報告第四七四號)中込町に國立鯉苗配給場設置の請願 (委員長報告)
第七百三十六 (特別報告第四七五號)中込町に國立食用蛙試驗場設置の請願 (委員長報告)
第七百三十七 (特別報告第四七六號)露領に於ける本邦小漁業者救濟の請願 (委員長報告)
第七百三十八 (特別報告第四七七號)水産防疫費國庫支辨の請願 (委員長報告)
第七百三十九 (特別報告第四七八號)水産單科大學設立の請願 (委員長報告)
第七百四十 (特別報告第四七九號)關西及九州に高等水産學校設置の請願 (委員長報告)
第七百四十一 (特別報告第四八〇號)水産増殖法制定の請願 (委員長報告)
第七百四十二 (特別報告第四八一號)漁村振興に關する請願 (委員長報告)
第七百四十三 (特別報告第四八二號)齒舞村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第七百四十四 (特別報告第四八三號)八雲町漁港修築の請願 (委員長報告)
第七百四十五 (特別報告第四八四號)樞要漁區に於ける漁港速成の請願 (委員長報告)
第七百四十六 (特別報告第四八五號)猿拂村に簡易漁港築設の請願 (委員長報告)
第七百四十七 (特別報告第四八六號)蘭法華漁港修築の請願 (委員長報告)
第七百四十八 (特別報告第四八七號)鰹漁業保護に關する請願 (委員長報告)
第七百四十九 (特別報告第四八八號)珊瑚礁發見費國庫補助の請願 (委員長報告)
第七百五十 (特別報告第四八九號)國産製乳事業振興に關する請願 (委員長報告)
第七百五十一 (特別報告第四九〇號)牛乳の脂肪檢定に關する請願 (委員長報告)
第七百五十二 (特別報告第四九一號)家畜傳染病豫防法中改正の請願 (委員長報告)
第七百五十三 (特別報告第四九二號)薄荷の外國市況調査竝生産者保護に關する請願 (委員長報告)
第七百五十四 (特別報告第四九三號)國産品の消費奬勵に關する請願 (委員長報告)
第七百五十五 (特別報告第四九四號)鑛業法改正に關する請願 (委員長報告)
第七百五十六 (特別報告第四九五號)三都和村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百五十七 (特別報告第四九六號)川西村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百五十八 (特別報告第四九七號)坂下町字上町に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百五十九 (特別報告第四九八號)若松市榮町に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十 (特別報告第四九九號)石切所村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十一 (特別報告第五〇〇號)播丹鐵道社驛前に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十二 (特別報告第五〇一號)神指村黒川に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十三 (特別報告第五〇二號)高田町下町に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十四 (特別報告第五〇三號)中瀬村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十五 (特別報告第五〇四號)吉田村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十六 (特別報告第五〇五號)東北本線北白川驛前に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十七 (特別報告第五〇六號)北下浦村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十八 (特別報告第五〇七號)小原村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百六十九 (特別報告第五〇八號)長野村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百七十 (特別報告第五〇九號)安村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百七十一 (特別報告第五一〇號)木郎村字白丸に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百七十二 (特別報告第五一一號)撫養町大字黒崎に無集配三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百七十三 (特別報告第五一二號)西栗栖村に集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第七百七十四 (特別報告第五一三號)鹿又郵便局移轉竝同局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百七十五 (特別報告第五一四號)中名田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百七十六 (特別報告第五一五號)四っ濱郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百七十七 (特別報告第五一六號)有福郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百七十八 (特別報告第五一七號)遠山郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百七十九 (特別報告第五一八號)下原田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十 (特別報告第五一九號)夏井郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十一 (特別報告第五二〇號)天橋立郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十二 (特別報告第五二一號)馬來田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十三 (特別報告第五二二號)中萩郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十四 (特別報告第五二三號)大船渡郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十五 (特別報告第五二四號)赤生津郵便局に集配竝電信事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十六 (特別報告第五二五號)美和郵便局に電話竝集配事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十七 (特別報告第五二六號)淨法寺郵便局に電信事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十八 (特別報告第五二七號)吉良見郵便局に電信事務開始の請願 (委員長報告)
第七百八十九 (特別報告第五二八號)利賀村に電信架設の請願 (委員長報告)
第七百九十 (特別報告第五二九號)吉和郵便局に電信又は電話事務開始の請願 (委員長報告)
第七百九十一 (特別報告第五三〇號)日見郵便局に電信、電話事務開始の請願 (委員長報告)
第七百九十二 (特別報告第五三一號)古賀郵便局に電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第七百九十三 (特別報告第五三二號)勝賀瀬、小川及上八川各郵便局に電信、電話事務開始の請願 (委員長報告)
第七百九十四 (特別報告第五三三號)漁業用無線電信電話の施設奬勵の請願 (委員長報告)
第七百九十五 (特別報告第五三四號)刑餘者の身元證明に關する請願 (委員長報告)
第七百九十六 (特別報告第五三五號)池田町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第七百九十七 (特別報告第五三六號)中頓別に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第七百九十八 (特別報告第五三七號)遠輕村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第七百九十九 (特別報告第五三八號)似灣村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第八百 (特別報告第五三九號)山瀬村に大館區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第八百一 (特別報告第五四〇號)宮川村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第八百二 (特別報告第五四一號)常滑町に登記所設置の請願 (委員長報告)
第八百三 (特別報告第五四二號)上寶村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第八百四 (特別報告第五四三號)御嵩區裁判所出張所管轄區域變更の請願 (委員長報告)
第八百五 (特別報告第五四四號)小濱區裁判所に地方裁判所甲號支部設置の請願 (委員長報告)
第八百六 (特別報告第五四五號)實業補習教育振興の請願 (委員長報告)
第八百七 (特別報告第五四六號)大學及高等學校の授業に關する請願 (委員長報告)
第八百八 (特別報告第五四七號)谷川士清大人の學徳を國定教科書中に編纂の請願 (委員長報告)
第八百九 (特別報告第五四八號)大崎驛貨物支線敷設計畫變更の請願 (委員長報告)
第八百十 (特別報告第五四九號)中央線電化速成の請願 (委員長報告)
第八百十一 (特別報告第五五〇號)魚沼輕便線軌條改良竝延長の請願 (委員長報告)
第八百十二 (特別報告第五五一號)群馬總社驛西部乗降口新設の請願 (委員長報告)
第八百十三 (特別報告第五五二號)興部、濱頓別間鐵道經由路に關する請願 (委員長報告)
第八百十四 (特別報告第五五三號)引田、徳島間鐵道經由路に關する請願 (委員長報告)
第八百十五 (特別報告第五五四號)姫津鐵道豫定地通過の請願外一件 (委員長報告)
第八百十六 (特別報告第五五五號)姫津鐵道豫定線一部變更の請願 (委員長報告)
第八百十七 (特別報告第五五六號)山野、水俣間鐵道起工年度繰上の請願 (委員長報告)
第八百十八 (特別報告第五五七號)高梁、東城間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第八百十九 (特別報告第五五八號)倉吉、勝山間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第八百二十 (特別報告第五五九號)境、飯能間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第八百二十一 (特別報告第五六〇號)深川、雨龍間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第八百二十二 (特別報告第五六一號)福島、猪苗代間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第八百二十三 (特別報告第五六二號)大垣、金澤間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第八百二十四 (特別報告第五六三號)新居濱、高知間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第八百二十五 (特別報告第五六四號)平、小名濱間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第八百二十六 (特別報告第五六五號)酒田、眞室川驛間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第八百二十七 (特別報告第五六六號)平岡村新在家に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百二十八 (特別報告第五六七號)名寄、上名寄間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百二十九 (特別報告第五六八號)琴似村新琴似に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百三十 (特別報告第五六九號)大和村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百三十一 (特別報告第五七〇號)程け谷、戸塚兩驛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百三十二 (特別報告第五七一號)濱松、舞坂兩驛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百三十三 (特別報告第五七二號)徳久村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百三十四 (特別報告第五七三號)西栗栖村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第八百三十五 (特別報告第五七四號)御堂驛信號場を停車場に變更の請願 (委員長報告)
第八百三十六 (特別報告第五七五號)二枚橋信號場を停車場に變更の請願 (委員長報告)
第八百三十七 (特別報告第五七六號)小坂信號所を停車場に變更の請願 (委員長報告)
第八百三十八 (特別報告第五七七號)美幌町舊市街に簡易乘降場設置の請願 (委員長報告)
第八百三十九 (特別報告第五七八號)癈兵の國有鐵道無賃乘車に關する規定中改正の請願 (委員長報告)
第八百四十 (特別報告第五七九號)有磨村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第八百四十一 (特別報告第五八〇號)穗高村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第八百四十二 (特別報告第五八一號)鷹栖村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第八百四十三 (特別報告第五八二號)網走港開港に關する請願 (委員長報告)
第八百四十四 (特別報告第五八三號)網走、千島及東察加間定期補助航路開始の請願 (委員長報告)
第八百四十五 (特別報告第五八四號)網走港修築工事擴張の請願 (委員長報告)
第八百四十六 (特別報告第五八五號)網走町に地方裁判所設置の請願 (委員長報告)
第八百四十七 (特別報告第五八六號)鬼鹿村に船入澗修築の請願 (委員長報告)
第八百四十八 (特別報告第五八七號)根北鐵道敷設速成の請願 (委員長報告)
第八百四十九 (特別報告第五八八號)商業會議所法中改正の請願外一件 (委員長報告)
第八百五十 (特別報告第五八九號)元屯田兵豫備役服務期間を公務員在職年に通算の請願外一件 (委員長報告)
第八百五十一 (特別報告第五九〇號)一の關、大船渡間鐵道速成竝大船渡を第二種重要港灣に指定の請願外八件 (委員長報告)
第八百五十二 (特別報告第五九一號)釧路、網走間鐵道速成の請願外四件 (委員長報告)
第八百五十三 (特別報告第五九二號)落石漁港外五港修築の請願 (委員長報告)
第八百五十四 (特別報告第五九三號)厚床、標津間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第八百五十五 (特別報告第五九四號)金鵄勳章年金令改正に關する請願外八件 (委員長報告)
第八百五十六 (特別報告第五九五號)町村有給吏員退隱料法制定に關する請願 (委員長報告)
第八百五十七 (特別報告第五九六號)在外指定學校教員の恩給に關する請願 (委員長報告)
第八百五十八 (特別報告第五九七號)國立水産試驗場設立の請願 (委員長報告)
第八百五十九 (特別報告第五九八號)機船底曳網漁業取締の請願 (委員長報告)
第八百六十 (特別報告第五九九號)魚市場法制定の請願 (委員長報告)
第八百六十一 (特別報告第六〇〇號)癩療養所設置指定地取消の請願外六件 (委員長報告)
第八百六十二 (特別報告第六〇一號)恩給法中一部改正の請願 (委員長報告)
第八百六十三 (特別報告第六〇二號)國有林野に關する請願 (委員長報告)
第八百六十四 (特別報告第六〇三號)常呂川治水に關する請願 (委員長報告)
第八百六十五 (特別報告第六〇四號)鑛業法改正の請願 (委員長報告)
第八百六十六 (特別報告第六〇五號)書道振興に關する請願 (委員長報告)
第八百六十七 (特別報告第六〇六號)落石漁港外五港修築竝厚床標津間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第八百六十八 (特別報告第六〇七號)女子高等教育振興に關する請願 (委員長報告)
第八百六十九 (特別報告第六〇八號)産婆法制定の請願 (委員長報告)
第八百七十 (特別報告第六〇九號)血液循環治療法規制定の請願 (委員長報告)
第八百七十一 (特別報告第六一〇號)中湧別、網走間鐵道速成の請願 (委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=0
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001・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 諸般ノ報告ヲ致サセ
マス
〔書記官朗讀〕
一議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
〓育職員ノ恩給事項ニ關スル建議案
提出者加藤知正君
金鵄勳章旭日章年金改正ニ關スル建議案
提出者秋田寅之介君
新潟縣下ニ鐵道局設置ニ關スル建議案
提出者
山本悌二郞君高橋光威君
松井郡治君山田又司君
加藤知正君石黑大次郞君
大竹謙治君吉原義雄君
增田義一君山田助作君
石塚三郞君關矢孫一君
建部遯吾君中村貞吉君
高鳥順作君富永孝太郞君
川內川改修速成ニ關スル建議案
提出者
寺出市正君兒玉實良君
東〓實君陣軍吉君
建議及請願ニ對シ政府ノ報告ヲ要求スル
ノ建議案
提出者
林田龜太郞君砂田重政君
牧山柑藏君古林喜代太君
尾道開港場設置ニ關スル建議案
提出者嶋居哲君
建築士法制定ニ關スル建議案
提出者
小西和君磯部尙君
井口延次郞君高木益太郞君
作間耕逸君平野光雄君
戶澤民十郞君關直彥君
佐々木安五郞君田崎信藏君
中村啓次郞君
滿蒙開發ニ關スル建議案
提出者
永田善三郞君戶澤民十郞君
森恪君町野武馬君
一議員ヨリ提出セラレタル質問主意書左ノ
如シ
「ラヂヲ」放送取締ニ關スル質問主意書
提出者谷原公君
島根縣會議員選擧干涉ニ關スル質問主意
書
提出者寺田市正君
地方靑年會ノ指導監督ニ關スル質問主意
書
提出者關直彦君
(以上三月二十四日受領)
決議案(帝國軍除ノ威信保持ニ關スル件)
提出者
〓瀨一郞君湯淺凡平君
決議案(內閣總理大臣ノ責任ニ關スル件)
提出者
望月圭介君武藤金吉君
東武君山本条太郞君
濱田國松君若尾璋八君
秋田〓君山本博二郞君
三土忠造君秦豐助君
大口喜六君堀切善兵衞君
前田米藏君
(以上三月二十四日提出)
一政府ヨリ受領シタル答辯書左ノ如シ
衆議院議員藤澤萬九郞君外一名提出綱紀
粛正ニ關スル再質問ニ對スル各辯書
衆議院議員神崎勳君提出〓酒釀造業官營
ニ關スル質問ニ對スル答〓書
衆議院議員長田桃藏君外一名提出京都府
會決議無效ニ關スル再質問ニ對スル答辯
衆議院議員千葉三郎君提出製鐵所經營ニ
關スル質問ニ對スル答辯書
衆議院議員横山勝太郞君提出明治神宮表
參道鋪裝工事ニ對スル道路法ノ運用ニ關
スル質問ニ對スル答辯書
(以上三月二十四日受領)
綱紀肅正ニ關スル再質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
大正十五年三月十五日
提出者藤澤萬九郞
外一名
綱紀肅正ニ關スル再質問主意書
本年二月十六日附ヲ以テ提出シタル滋賀
縣ニ於ケル綱紀市正ニ關スル質問ニ對シ
三月二日附內務省開地第五號ヲ以テセル
答辯書ニ依レハ宇治川電氣株式會社及旭
絹織株式會社ヨリ寄附ヲ申出テ知事ニ於
テ其ノ希望ヲ容レ公益法人タル琵琵湖協
會ノ資ト爲スヲ最適當ト認メ同協會ニ於
テ之ヲ受納スルコトトシタル旨ヲ述フル
モ元來該寄附ハ兩會社ノ自發的ニ出テサ
ルノミナラス却テ全ク縣當局ノ强要ニ依
ルモノナリ卽チ宇治川電氣株式會社ニ對
シテハ嘗テ大正十三年ノ渴水ニ際シ其ノ
命令條項ニ基キタル引水制限ノ交涉ヲ爲
セシニ會社ハ之ニ應セサルノミナラス却
テ橋傑ノ態度ヲ示シタルニ依リ爾來縣當
局トノ間ニ意志ノ疎隔ヲ來セシニ其ノ後
會、同會社ノ事業經營上琵琶湖ノ水利使
用期限ノ延長ヲ要スルニ至リ會社ヨリ右
許可ノ出願アリシモ荏苒決セス而モ會社
ノ懇請ニ依リ遂ニ五萬圓ノ寄附ヲ强要ン
漸クニシテ許可セシナリ而シテ會社ハ此
ノ寄附ニシテ若縣ノ歲入ニ加ヘラレムカ
自然關係ノ地方縣ヨリ同樣ノ寄附ヲ强要
サルノ懼アルカ爲ニ殊更ニ縣ノ歲計ニ編
入セサルヲ條件ト爲シタルハ公知ノ事實
ナリ又旭絹織株式會社ニ關シテハ嘗テ其
ノ工場擴張ノ要アリシニ其ノ所用敷地カ
保勝地域内タルノ故ヲ以テ縣ニ出願セシ
モ容易ニ許サレス會ハ宇治川電氣株式會社
ヨリ前述ノ寄附ヲ得タルヲ以テ亦之ト同
シク五萬圓ノ寄附ヲ强要シ會社ハ已ム
ナク之ニ應シ辛ウシテ工場擴張ノ許可ヲ
得タルナリ而シテ縣當局ハ以上ノ寄附ニ
依リ得タル資金ヲ以テ新ニ琵琶湖協會ヲ
組織シ縣廳官吏ノミニ依リ其ノ資金ノ處
分ヲ爲シ後ニ縣民間ニ之カ批難ノ聲アル
ニ方リ倉中單ニ諮問機關ニ過キサル評議
員ニ縣民ノ有志ヲ囑託シ唯其ノ寄附金處
分ノ報告ヲ爲シタルノミニシテ出納其ノ
他一切ノ權限ハ之ヲ該協會ノ理事タル縣
廳官吏ノ手ニ委シツツアリ
素ヨリ許可ト寄附トハ各其ノ問區別アリ
ト謂フヘシト雖以上ノ經緯ニ徵シ且一方
曩ニ提出シタル質問書ニ明ナルカ如ク或
ハ水利使用ニ關スル命令條項ノ改定或ハ
縣ナリ農事試驗場ニ及ホス影響等縣民ノ利
害ノ爲閉却シ得サル事柄ヲ全全度外視シ
タル事實ニ依リ之ヲ綜合スルトキハ這次
滋賀縣當局ノ執リタル行動ニ對シ縣民ハ
深ク疑惑ノ威ヲ懷キツツアルハ極メテ明
確ナリ
斯ル疑惑ヲ生セシムル行爲ヲ敢テシテモ
尙綱紀ヲ紊亂シタルモノニ非スト揚言シ
得ルヤ
右及再質問候也
大正十五年三月二十四日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員藤澤萬九郞君外一名提出羽紀
肅正ニ關スル再質問ニ對シ別紙答辯害差
進候
〔別紙〕
內務省閣地第十三號
衆議院議員藤澤萬九郞君外一名提出網
紀由正ニ關スル再質問ニ對スル答辯書
滋賀縣知事ハ字治川電氣体式會社及旭絹
織株式會社ニ對シ寄附ヲ强要シタル事實
ナシ
右及答辯候也
大正十五年三月二十四日
內務大臣若槻禮次郞
〓酒釀造業官營ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
大正十五年三月十六日
提出者神崎動
〓酒釀造業官營ニ關スル質問主意書
〓酒釀業官營ハ需用者ノ負擔ヲ公平ナラ
シメ而モ需用者ノ負擔ヲ增サスシテ國家
ノ收益ヲ增大スヘキハ事實ナリト信ス其
ノ結果ハ社會政策上極メテ有益ナル施設
タルノミナラス亦以テ國家財政上有利ナ
リトス政府ハ果シテ之ニ對シテ如何ナル
所見ヲ有スルヤ
右及質問候也
大正十五年三月二十四日
內閣總理大臣若槻禮大郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員神崎勳君提出〓酒釀造業官營
ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員神崎動君提出〓酒釀造業官
營ニ關スル質問ニ對スル答辯書
酒類專賣ニ付テハ前議會竝ニ今議會ニ於
テ既ニ衆議院ノ建議アリ又坊間ニ於テモ
一大財源トシテ之ヲ主張スル者アルモ官
營事業ノ擴張ニ付テハ篤ト考慮ヲ要スル
ノミナラス政府ニ於テ調查シタル結果ニ
依レハ酒類ハ左記理由ニ依リ專賣ニ適セ
サルモノト認ム
財政上ノ目的ヲ以テ酒類專賣ヲ行フ
ニ方リテハ製造ト爲スヘク、販賣専賣
ヲ以テシテハ財政上ノ目的ヲ達スルニ
不充分ナリ、酒類ノ專賣ヲ行フトキハ
其ノ生產費ヲ低減シ酒質ノ向上ヲ圖ル
等有利ナル點ナキニ非サルモ酒類ハ未
夕完全ナル機械的工程ヲ以テ製造スル
コトヲ得ス多年ノ慣行ニ從ヒ製造セラ
レツヽアルモノニシテ今日ノ狀況ニ於
テハ官營トスルニ適セス
二、酒類ハ其ノ製造竝ニ貯藏中ニ於テ變
敗ノ危險ヲ伴ヒ今日ノ科學ニテハ未タ
絕對的ニ之ヲ防止スルコトヲ得サルモ
ノナルカ故ニ其ノ經營甚夕困難ニシテ
官營ニ依リ良好ナル成蹟ヲ舉ケ得ヘキ
ヤ否ハ疑問ナリ
三、酒類製造ハ現今我國ニ於ケル重要ナ
ル產業ニシテ若シ之ヲ專賣トスルトキ
ハ約一万二千ヲ算スル酒造業者ヲ首ト
シ多數ノ失業者ヲ生スヘシ、殊ニ財界
不況ノ今日民業ヲ奪フハ不可ナリ
四酒類ノ大部分ヲ占ムル〓酒ノ製造時
期ハ普通冬期ニ限ラレ人員使用上不經
濟ニシテ官營事業タルニ適セス
五、酒類專賣ヲ行フトキハ其ノ販賣價額
ヲ一定スルノ必要アルモ其ノ品質ハ製
造場ノ位置、使用原料、氣候、醸造技
術貯藏方法等ニ依リテ異ナリ假ニ之
ヲ幾多ノ等級ニ區分シテ價額ヲ一定セ
ムトスルモ殆ト不可能ナリ
六、政府ノ調査スル所ニ依レハ特ニ專賣
ノ爲ニ價額ノ引上ヲ行ハサル限リ現行
租稅ノ制度ニ比シ財政上多大ノ增收ヲ
期シ得ヘキヤ否甚タ疑問ナリ
右及答辯候也
大正十五年三月二十二日
大藏大臣濱口雄幸
京都府會決議無效ニ關スル再質問主意
書
右成規ニ據リ提出候也
大正十五年三月十六日
提出者長田桃藏
京都府會決議無效ニ關スル再質問主
意書
本月四日本員等ノ提出シタル京都府會決
議無效ニ關スル質問ニ對シ答辯ヲ與ヘラ
レタルモ其ノ主旨甚タ了解シ難キモノ多
シ依テ更ニ再質問ヲ爲スコト左ノ如シ
第一ノ答辯ノ主旨ハ京都府會ハ市部會
郡部會市郡聯帶會ヲ交互ニ同一ノ議場
ニ於テ開會スル慣例ニシテ現ニ市部會
開會中ナルニ拘ラス郡部會聯帶會カ同一
議場ニ入リテ爲シタル決議ハ法律上無
效ナリト謂フニ在リ本件ノ事實ハ第一
囘質問書ニ詳述シタルカ如ク市部會カ
故意ニ議場ヲ占領シテ開ケ渡ササルカ
故ニ郡部會聯帶會ハ交互ニ會場ヲ使用
スルノ慣例ニ依ラムト欲スルモ能ハス
且此ノ慣例タル必シモ墨守セサルヘカ
サルモノニ非サルカ故ニ知事ニ對シ他
ノ場所ニ於テ開會セムコトヲ要求シタ
ルモ知事ハ拒ムテ之ニ應セス殊ニ會期
ノ最終日ニシテ既ニ時間ノ餘裕ナキカ
故ニ止ムヲ得ス同一議場ニ入リテ開會
シ而モ會場ノ手廣ナルカ故ニ何等支障
ナク同時ニ二會ヲ開キ議事ヲ了ヘタル
ナリ然ルニ答辯ニ依レハ法律上無效ナ
リト謂フモ本員等ハ府縣制其ノ他之ニ
關聯スル法規上助ル規定ヲ見出ス能ハ
ス所調法律上トハ何レノ法律ノ謂ヒナ
ルカ其ノ條項ヲ明示サレムコトヲ望ム
且夫レ之ヲ無效ナリト決定スルトキハ
今後會場ヲ占領シテ他ノ曾議ヲ妨クル
ノ暴擧ハ容易ニ行ハレ每會斯ル紛議ヲ
繰返スニ至ルヘシ府自治ノ將來ノ爲實
ニ寒心ニ堪ヘサルモノアリ政府ノ所見
ヲ確メムト欲スル所以ナリ
第二ノ答辯ノ主旨ハ郡部會聯帶會ノ決
議ヲ無效ナリト決スル以上ハ其ノ決議
スヘキ事件ニ付府知事カ善後ノ處置ヲ
講スルハ當然ナリト謂フニ在リ素ヨリ
其ノ言ノ如シ併シ乍ラ斯ノ如キハ本員
等ノ問ハムト欲スル所ニ非ス本員等ノ
質問ハ卽チ百步ヲ譲リテ郡部會聯帶會
ノ決議ヲ無效ナリト假定スルモ其ノ決
議ニ依リテ意思ノ表示ハ明確ナリ然レ
ハ則チ内務大臣ハ知事ニ對シ其ノ表示
サレタル意思ノ全部ヲ採ルヘシトノ指
揮ヲ與ヘラレタルヤ否ニ在リ今其ノ表
示サレタル意思ノ一例ヲ擧クレハ府立
水產講習所指導船建造費ノ如キ現在ノ
指導船ハ〓後尙數年ノ使用ニ堪ユヘク
且漁撈科生徒ハ僅ニ十名內外ニテ殆ト
有名無實ノ施設ニシテ漁業者ハ之カ爲
ニ何等恩惠ノ受クヘキモノナキニ拘ラ
ス之カ建造費ハ主トシテ漁業者ニ賦課
スルノ方策ヲ執リ從來最惡稅トシテ逐
年稅額ヲ低下シツツアリシ漁業採藻稅
ヲ倍加シ且收入ノ一トシテ見込メル漁
業組合ノ寄附金ノ如キ之ヲ强要シツツ
アルモ反對ノ聲ハ頗ル高ク從テ其ノ收
入ハ甚タ不確實ナリト謂ハサルヘカラ
ス故ニ郡部會ハ輿論ノ聲ニ聞テ此ノ建
造費ヲ削除シタリ是等ノ如ク明確ニ表
示サレタル意思ハ之ヲ採用スヘシト指
揮サルルカ將又知事カ府民怨嗟ノ聲ヲ
顯ミス原案ヲ執行セムトスルトキハ之
ヲ認容サルルカ要スルニ本員等ノ問ハ
ムト欲スル所ハ前述ノ如ク假ニ郡部會
聯帶會ノ決議ヲ無效トスルモ其ノ表示
サレタル意思ノ全部ヲ採テ以テ善後ノ
處置ノ資料ト爲シ輿論政治ノ本旨ニ從
フヘシトノ指揮ヲ與ヘラルルヤ否ニ在
リ
第三ノ答辯ノ主旨ハ郡部會聯帶會カ參
事會議場ニ於テ開會セムコトヲ要求シタ
ルモ知事カ之ヲ拒絕シタル事實ヲ認メ
スト謂フニ在リ本員等ハ徒ニ事實ヲ揑
造シテ人ヲ誣フルカ如キ不德ヲ爲スモ
ノニ非サルコトヲ承知サレタシ此ノ答
辯タル若知事ヨリ直接ノ申出ニ因レル
モノナリトスレハ苟モ一府縣ノ長官ト
シテ自己ノ責任ヲ回避セムカ爲ニ此ノ
虛僞ノ言ヲ敢テス驚クノ外ナシト雖斯
ノ如キコトノ之レアルヘシトモ思ハレ
ス恐クハ知事直接ノ申出ニアラス仲介
者ノ錯誤ニ原因スルモノナラムカ要ス
ルニ知事ノ拒絕シタルハ確的ノ事實ナ
リ又假令他ノ要求ハ之レナシトスルモ
京都府廳内ニハ一時ノ會場ニ充ツヘキ
場所ナキニ非サルニモ拘ラス知事カ何
等臨機ノ處置ヲ施サス爲ニ斯ル紛議ヲ
招クニ至リタルハ之レヲシモ尙知事ハ
相當ニ職貴ヲ盡シタルモノト認メラル
ルヤ否
右及再質問候也
大正十五年三月二十四日
內閣網理大臣若槻禮次郎
衆議院議長粕谷義三殿
議院議員長田桃藏君外一名提出京都府
會決議無效ニ開スル再質問ニ對シ別紙答
辯書差進候
〔別紙〕
內務省閣地第十四號
衆議院議員長田桃藏君外一名提出京都
府會決議無效ニ關スル再質問ニ對スル
答辯書
第一市部會開會中ハ同時ニ其ノ議場ニ於
テハ郡部會又ハ連帶會ヲ開會シ得ヘカ
ラサルヲ以テ市部會議場ニ於テ郡部會
又ハ連帶會議員カ爲シタル會議ハ無效
ナリトス
第二、目下調査中
(三重県)郡部會、連帶會カ參事會議場ニ於
テ開會セムコトヲ要求シタルニ對シ知
事ニ於テ之ヲ拒絕シタル事實ヲ認メサ
ルハ曩ニ答辯シタル通ナリ又本件知事
ノ措置ニ關シテハ其ノ職責ヲ盡ササル
モノト認ムルヲ得ス
右及答辯候也
大正十五年三月二十四日
內務大臣若槻禮次郞
製鐵所經營ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
大正十五年三月二十日
提出者千葉三郞
製鐵所經營ニ關スル質問主意書
ー大正十三年度豪鐵所特別會計受入ノ
總生產品ノ決算價格八千八百十一萬二
千八百七十ニ圓十六錢ノ內譯(イ生產
品ニ在リテハ鋼片重軌條棒鋼型鋼鋼板亞
鉛引鋼板錻力板線材及製釘材外輪等口
副生產品ニ在リテハ硫酸安母尼亞「ピツ
チ」「タール」油「ペンゾール」等ニ付十
二年度ヨリ繰越タルモノト十三年度中
ニ受入タルモノトニ區別シテ各數量金
額單價)如何
二大正十三年度受入ノ總材料素品ノ決
算價格一億二千四百六十二萬四千四百
八圓八十八錢四厘ノ內譯(鐵鑛石滿俺
鑛石銑鐵石炭石灰石鋼地滿俺〓亞鉛錫
等ヲ十二年度ヨリ繰越タルモノト十三
年度中ニ受入タルモノトニ區別シテ各
數量金額單價)如何
三大正十三年度ヨリ十四年度ニ繰越タ
ル貯蓄材料其ノ他物品ノ決算價格五千
三百九十八萬七千二百八十四圓ノ內譯
(イ生產品口副生產品ハ第一項ノ例ニ
做ヒハ材料素品ハ第二項ノ例ニ做ヒ各
數量金額單價)如何
右及質問候也
大正十五年三月二十四日
内閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員千葉三郞君提出製鐵所經營ニ
關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員千葉三郞君提出製鐵所經營
ニ關スル質問ニ對スル答辯書
製鐵所ニ於ケル生產品、材料素品等ノ受
入及繰越ニ關スル內容ノ數量、金額等ハ
畢竟生產及購入ノ原價ニ屬シ之等ヲ而ス
コトハ同所賣買事務ノ運用上支障トナル
所眇少ナラサルノミナラス延テハ本邦一
般製鐵鋼業ノ對外商策上不利ヲ招クノ虞
ナキヲ保シ難シト認メラルルニ依テ本件
ハ之ヲ公示シ難シ
右及答辯候也
大正十五年三月二十四日
商工大臣片岡直溫
明治神宮表參道鋪裝工事ニ對スル道路
法ノ運用ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
提出者横山勝太郞
明治神宮表參道鋪装工事ニ對スル道路
法ノ運用ニ關スル質問主意書
東京市ハ明治神宮表參道ノ鋪裝工事
ヲ爲シタリトノ理由ニ依リ道路受益者
トシテ沿道ノ住民ニ對シ巨額ノ負擔金
ヲ課セムトセリ然レトモ旣設ノ道路ニ
對シ鋪装工事ヲ爲シタレハトテ沿道住
民ハ著シキ利益ヲ受クルモノニ非ス抑
明治神宮ノ表參道ハ全國ヨリノ參拜者
ノ爲ニ開設セラレタル準國道ニシテ神
宮境内ノ延長ト看做スヘキモノナルカ
故ニ其ノ鋪装工事費ノ如キハ沿道住民
ノ負擔スヘキ性質ノモノニ非ス故ニ東
京市カ今囘神宮沿道ノ住氏ニ對シ負擔
金ヲ課セムトスルハ道路法第三十九條
ニ違背スルモノト思料ス政府ノ所見如
何
二假ニ違法ニ非ストスルモ
イ大正九年中新設セル明治神宮表參
道ノ土地ノ代價若ハ移轉料ノ如キハ
約半額ヲ寄進スルノ特志ヲ以テ買收
又ハ移轉ニ應シタルモノナリ
ロ明治神宮表參道ハ一年ヲ通シテ數
日ヲ除クノ外常ニ寂寞タル狀態ニシ
テ沿道商賈ノ受クル利益ハ極メテ尠
少ナリ土產物商飮食店ノ如キハ疲弊
困憊ノ極ニ達シ居ルモノナルニ今回
沿道住民ニ對シ巨額ナル負擔金ヲ課
スルハ其ノ處置不當ナリ
ト思料ス政府ノ所見如何
三負擔金ヲ課スルハ適當ナリトスルモ
其ノ金額ニ關シテハ前第二ノ事情ヲ斟
酌スルノ必要アリト思料ス政府ノ所見
如何
右及質問候也
大正十五年三月二十四日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員橫山勝太郞君提出明治神宮表
參道鋪裝工事ニ對スル道路法ノ運用ニ關
スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
內務省衆土第一號
衆議院議員橫山勝太郞君提出明治神宮
表參道鋪装工事ニ對スル道路法ノ運用
ニ關スル質問ニ對スル答辯書
東京市長カ明治神宮表參道ノ舖装工事ニ
因リ著シク利益ヲ受ケタル者ニ對シ其ノ
工事費ヲ負擔セシムル目的ヲ以テ此ノ旨
ヲ豫メ告〓シタルハ事實ナリ然レトモ既
設ノ道路ヲ鋪装シタルニ因リ沿道住民カ
著シキ利益ヲ受クルハ顯著ナル事實ニシ
テ其工事カ鋪裝ナルノ故ヲ以テ著シキ利
益ナシト謂フヘキニ非ス
明治神宮表參道モ亦一般道路ニ外ナラサ
ルヲ以テ道路法第三十九條ノ規定ニ依リ
受益者ニ工事費ノ一部ヲ負擔セシムルハ
違法ニ非ス
道路法第三十九條ノ規定ニ依リ負擔セシ
ムヘキ負擔金ハ妥當ナルコトヲ要シ沿道土
地ノ狀況其ノ他諸種ノ事情等ヲ斟酌シテ
決定スヘキハ勿論ニシテ右負擔ニ付テハ
東京市道路評議會ノ審議ヲ經東京市長ノ
定メタル道路鋪装工事費負擔規程ノ定ム
ルトコロニ依ルモノニシテ東京市内ニ於
ケル他ノ負擔實例ニ徵スルトキハ妥當ナ
ル處置ト思料ス
負擔金ノ算定ニ關シテハ諸種ノ事情ヲ酔
酌スルノ必要アリ鋪装工事費ヲ負擔セシ
ムル場合ニ於テノ其道路ヲ新設シタル場合
ニ於ケル特殊ノ事情ノ如キモ道路ノ新設
ニ相次テ鋪装工事ヲ施行シタル場合等ニ
於テハ相當配田スルノ必要アルモノト思
料ス
右及答辯候也
大正十五年三月二十四日
內務大臣若槻禮次郞
一昨二十四日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係
ル左ノ議案ヲ可決シタル旨同院ヨリ通牒
ヲ受領セリ
日本興業銀行外二銀行ノ對支借款關係債
務ノ整理ニ關スル法律案(政府提出)
關稅定率法中改正法律案(政府提出)
大正十五年度歲人茂出總豫算案竝大正十
五年度各特別會計歲入歲出豫算案
豫算外國庫ノ負擔トナルヘキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件
一昨二十四日貴族院ニ於テ本院ノ回付ニ係
ル左ノ政府提出案ニ對シ本院ノ修正ニ同
意シタル旨同院ヨリ通牒ヲ受領セリ
民事訴訟法中改正法律案(政府提出)
民事訴訟法中改正法律施行法案(政府提
也
〔左ノ報告ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲
玆ニ揭載ス〕
一昨二十四日議長ニ於テ辭任ヲ許可シタル
常任委員左ノ如シ
第一部選出
懲罰委員橫山勝太郞君
第三部選出
懲罰委員武富済君
第九部選出
懲罰委員平川松太郎君
一昨二十四日常任委員補關選擧ノ結果左ノ
如シ
第五部選出
懲罰委員野田俊作君(岩崎幸治郞
君萬圓)
第七部選出
微〓委員來柄七郞君(渡邊伍君補
學
一昨二十四日理事福團選舉ノ結果左ノ如シ
議員梅田寛一君ノ行動ニ關スル調査ノ件
(關直彥君提出)委員
理事靑木福一君(理事板野友造君
今二十四日辭任ニ付其ノ補
問
一昨二十四日委員長及理事互選ノ結果左ノ
如シ
獸醫師法案(政府提出、貴族院送付)委員
委員長服部英明君
理事
高橋熊次郞君高木第四郞君
民事訴訟費用法中改正法律案(政府提出、
貴族院送付)外九件委員
委員長井坂豐光君
理事
圖本實太郞君磯部尙君
產業組合法中改正法律案(政府提出、貴族
院送付)委員
委員長荒川五郞君
理事
高草美代藏君丹下茂十郞君
移住組合法案(樋口秀雄君外七名提出)委
員
委員長藤井敬慎君
理事津崎尙武君
一昨二十四日議長ニ於テ選定シタル委員左
ノ如シ
獸醫師法案委員
信太儀右衞門君服部英明君
丸山五郞君佐々木春作君
八田宗吉君髙橋熊次郎君
高木第四郞君宮島幹之助君
土屋〓三郞君
民事訴訟費用法中改正法律案外九件委員
平川松太郞君菅原英伍君
廣瀨德藏君岡本實太郞君
磯部尙君熊谷直太君
黑住成章君〓坂豐光君
兒玉實良君
產業組合法中改正法律案委員
荒川五郞君由谷義治君
下元鹿之助君二木淘君
伊坂秀五郞君高草美代藏君
東郷實君丹下茂十郞君
松山兼三郞君
北海道農地特別處理法案委員
山本厚三君澤田利吉君
神部爲藏君淺川浩君
中野寅吉君村山喜一郞君
栗山博君松實喜代太君
岡田伊太郞君齋藤珪次君
三善〓之君藤田包助君
靑木精一君高見之逋君
栗林五州君丸山浪彌君
奥野小四郞君坂東幸太郞君
移住組合法案委員
神田正雄君藤井敬慎君
吉原義雄君中村巍君
渡邊伍君靑柳郁次郞君
吉木陽君津崎尙武君
丸山浪彌君
金〓勳章年金ニ關スル法律案外一件委員
佐藤實君加藤十四郞君
平井光三郞君古川〓君
山口義一君靑木精一君
小野義一君中林友信君
宮崎友太郞君
一昨二十四日議員梅田寛一君ノ行動ニ關ス
ル調査ノ件委員板野友造君濱田國松君戶
澤民十郞君東武君辭任ニ付其ノ補闘トシ
テ靑木精一君秦豊助君平川松太郞君志賀
和多利君ヲ海軍々備制限ニ關スル條約ノ
實施ニ件フ損害ノ補償ニ關スル法律案委
員秋田寅之介君辭任ニ付其ノ補闊トシテ
能谷直太君ヲ大正十三年度第一豫備金支
出ノ件外七件(承諾ヲ求ムル件)委員安保
庸三君辭任ニ付其ノ補關トシテ嶋居哲君
ヲ孰レモ議長ニ於テ選定セリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=1
-
002・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、本日ノ日程ニ揭ゲマシ夕質問竝ニ保留
サレテアリマス意見ノ陳述ハ、都合ニ依リ
マシテ、是ハ後廻シニ致シタイト思ヒマス、
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=2
-
003・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナイト認メマ
ス、左樣ニ取計ヒマス、議事進行ニ關シテ
發言ヲ求メラレテ居リマス、之ヲ許シマ
ス-田淵豊吉君
〔田淵豐吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=3
-
004・田淵豐吉
○田淵豐吉君 諸君、會期將ニ終ラントス
ル時ニ當ッテ、私ハ今ノ所デハ三ツノ問題ニ
付テ、議事進行ニ付テ聞キタイト思フノデ
アリマス細カイ十分ナコトハ言ヘナイカ
モ知レマセヌガ、ドウカ十分カ二十分以内
ノ所デ御〓聽願ヒタイ、第一ニ私ハ諸君ノ
注意ヲ促シ、議長ガ如何ナル考ヲ持シテ居
ルカト云フコトヲ聞ヤ、又其調査ヲシテ戴
キタイソレハ傍聽劵ノ點デアリマス、是
ハ非常ニ煩ハサレテ居ル點モアリマス傍
聽劵ト云フモノハ是ハ裁判所ノ如キモノ
デ國家ノ權力ノ下デ行クモノデアル、議
員ノ私スベキモノデハナイト思ヒマス、法
理上、理窟上サウデアル、所ガ英國其他ニ
於テハ議員ノ特權的ニ之ヲ見テ居ル、又警
備ノ問題カラシテ能ク分シタ人、必要ノ人ニ
遣ルト云フコトカラ新ウ云フ事ガ起フタノ
カモ知レマセヌガ、獨逸ニ於キマシテハ「ビ
スマーク」時代カラ先年マデ四十人ヲ限ク
テ、公衆一般ノ外人デモ總テニ與ヘラレタ
ノデアリマス、其結果賣リ買ヒスル者モ起
テ、少シノ弊害ガゴザイマシタ、或ハ廊
下ノ外デ一時間モ三時間モ立ッテ、行列ヲ
作ノテ居ルヤウナ狀態モゴザイマシタガ、
私共外國人トシテ大變便宜ヲ與ヘラレマシ
タ、日本ニ於キマシテハ大體二枚宛議員
ニ與ヘルト云フコトハ座席ノ關係モアリ
マスカラ、餘リ多ク與ヘラレヌ、サウシテ
官吏トカ其他ノ追加ノ臨時劵ヲ發行シテ居
ルガ、田舎カラモ來マスカラ、ドウシテモ
上ゲナケレバナラヌ、議事中ニ呼出サレテ
閉口シテ居ルコトガアルノデアリマス、之
ヲ如何ニ處置スルカト云フコトハ此閉會
ノ時ニ當ノテ能ク考ヘテ置ク必要ガアルト
思ヒマス、私ハ此點ニ付テ議長及諸君ニ御
諮リヲ願ヒタイノハ之ヲドウスルカ私
ハ少クトモ此妥協點ヲ今日取リマシテ、五
十枚トカ百枚ト云フモノヲ一般公衆ニ與ヘ
ルト云フコトニシテハドウデアラウカト云
フコトヲ思フノデアリマス、或ハ朝鮮ノ人
ナドハ日本國民デアリナガラ代議士ヲ選
擧區カラ出シテ居ナイト云フコトカラ、此
處ニ來ルコトガ出來ナイ、或ハ同ジ選擧區
デモ、或ハ中村君デハイケナイ、田淵君デ
ハイヤダト云フ人ガアル、デアリマスカラ、
外ノ人ハ知ラヌカラト云ウテ來ナイ人モア
ルト思ヒマスサウシテ代議士ニ關係ノア
ル人デ、サウ必要モナイ人ガ來ルサウシ
テ政治ニ氣ヲ著ケテ居ル人デモ四、五年モ
掛ッテ議會ニ來ラレナイト云フコトガアル、
故ニ是ハ日本帝國ノ議會デアッテ、日本帝國
臣民ハ少クトモ之ニ傍聽スルノ權利ガ與ヘ
ラレナケレバナラヌト思ヒマス、之ヲ如何ニ
處理スルカト云フ問題デアリマス、警務課
デ間キマスルト暴行サレテハ困ルト云フ
點モアリマスカラ、身分ヲ十分證明シテ吳レ
ナケレバ危ナイト云フヤウナコトモ聞イテ
居リマス然ラバ各市町村ノ役場デ其身分
ヲ保證シタ者ニハ一般民衆ニ與ヘルモノ
トシテ、五十名ナリ百名ヲ限テ臨時傍聽
券ヲ與ヘルト云フコトニシタラドウカ、是
ハ私ハ議會ノ混雑ヲ防ギ、或ハ公衆一般ノ
爲ヲ思シテ、サウシナケレバナラヌ問題デア
ラウト思フノデアリマス、之ヲ諸君ニ御諮
リシタイ、又議長ハ如何ナル考ヲ持シテ居
ルカト云フコトヲ聞キタイノデアリマス、
請リ裁判所ニハ誰デモ行ケルノデアリマ
ス、私ハ米國ナドハ能ク知リマセヌガ、「コ
ングレス」ナドニ於テハ、自由ニ這入レ
ルト云フコトヲ聞イテ居リマス、英國ナド
ハサウ云フコトハナカラウト思ヒマス、獨
逸デハシレヲヤッテ居ルト思ヒマス、先年
モヤッテ居リマシテ便宜ヲ與ヘラレマシタ、
サウスレバ議員ノ特權デナク、一般國民ニ
與ヘルト云フコトニナリハシナイカト思フ
ヤウナ狀態モアルノデアリマス、今日ハソ
レハ決ッテ居リマセヌガ、此妥協點ニ至シテ
五十枚、百枚ト云フモノヲ一般公衆ニ與ヘ
ルト云フコトニシタラドウカ議員ノ手ヲ
經ズシテ此傍聽席ニ這入ルコトニシタラド
ウカト思ヒマス、此點ニ付テ議長及諸君ノ
考ヘヲ聞イテ置キタイ、卽チ〓究シテ置キ
タイ、第二ノ問題ハ議院ノ總テノ設備及
議院ノ官吏、立法府ニ關係アル所ノ行政官
吏ノ俸給ヲ如何ニスルカト云フ問題デアリ
マス、或ハ歲費問題其他ノ問題デモ大藏省
ニ言ウテ行クト、他省ト同ジヤウナ均衡ヲ
取シテヤルカラ出シ澁シテ困ル、ソレデ議院
ノ設備ガ十分ニ出來ナイ、待遇ガ出來ナイ
ト云フ不平ガアルノデアリマス、亞米利加
邊リデハ立法府ノ豫算ハ第一ニ取ルト云
フコトデアリマス、日本ハ之ヲ如何ニスベ
キカト云フ問題デアリマス、之ニ就テ諸君
ノ考慮ヲ頰ハサナケレバナラヌ、而シテ差
迫クタ問題ハ守衞其他ノ薄給デ護衞ノ任
ニ當リ、議員ノ暴行ヲ整理シ竝ニ議員ノ
保護ニ付テ努メテ居リマスガ、之ヲ如何ニ
スルカト云フ問題デテリマス、守衛ハ議員
ノ身體トカ、傍聽人ノ身體ヲ十分ニ取締ル
ト云フコト、或ハ之ヲ保設スルト云フヤフ
ナ色ミナ點ガ、政治上ノ活動ガ議院ニ集シテ
來ルト必要デアラウト思フノデアリマス、
サウシテ今日守衞及給仕ナドノ月給ハ非
常ニ少イト云フコトデアリマス給仕ナン
カ現ニ其善シ惡シハ知リマセヌガ、餘リ面
白クナイ問題ガアル、貴族院ノ給仕ガ五
十名程、二月ニ五日間程-是ハ能ク知リ
マセヌガ「ストライキ」ヲヤッテ時間ヲ短縮
シテ、給料ノ値上ヲシロト云フコトニ付
テ貴族院ニ問題ガ起。テ店ルト云フコト
ハ私ハ聞イタノデアルガ、或一ツノ日本
ノ今日ノ狀態ガ貴族院ニ這入シテ居ルト云
フコトヲ明ニ〓シテ居リマス、ソレデ守衞
長ハ自分ノ俸給ヲ割イタトカ、或ハ新聞ニ
依レバ之ヲ三錢上ゲタト云フコトモ聞イテ
居ル、卽チ五十錢乃至五十五錢位貫シテ居ツ
タノデアルガ、是ハ實ニ少イ、又九時カラ
四時マデト云フコトモ、時間モ二時間モ
引張ラレテ辨當一ツ呉レルト云フ狀態デア
リマス是ハ事ガ小サイガ、其上ノ守衞ハ
ドウデアルカト云フト(「簡單々々」ト呼フ
者アリ)簡單ニシマス東京ノ警視廳ノ警
官ノ俸給平均額ハ五十三圓デアルニ拘ラ
ズ、帝國議會ノ最モ神聖ナル威嚴ヲ保チ、
暴動ヲ防イデ諸君ノ身體ヲ保護スル所ノ守
衞ガ幾ラデアルカト云フト、僅ニ四十五圓
ノ平均ニナッテ居ルト云フ狀態デゴザイマ
ス、非常ニ簿給デゴザイマス、サウシテ仝
部受ケル者デモ僅カ六十五圓カ六十七圓位
デゴザイマス、斯ウ云フ問題ニ付テ吾々ハ
何トカ之ヲシチケレバ、到底吾々ノ身體ヲ
保護スルコトハ出來マセヌ、諸君、此間デモ
院外圍ガ迫クテ來テ、私ヲ叩イテ負傷サセ
テ居ルト云フコトハ重大ナル問題デアル、
然ルニ非常ニ守衛ノ手當ガ少クテ、サウ云
フ場合ニ防衛ノ出來ナイ守衞ガアルデハナ
イカ、守衞ハ諸君ノ身體生命ト云フモノヲ
託サレテ居ル非常ニ重大ナル任務ノアル
者デアル然ルニ拘フズ守衞ニ相當ノ月給
モ與ヘズ、待遇モ與ヘズ、武器モ與ヘズ、
而シテ諸君ガ侮辱シテ、サウシテ之ニ十分
ノ待遇ヲシナイト云フコトデ、ドウシテ議
會ノ神聖ガ保タレマセウカ議會ノ神聖ガ
保テナイカラ、或ハ院外團ノ闖入トナリ
僕等ノ負傷トナッタノデアル是ハサウ云
フコトガ原因ニナッデ居ルノデアリマス
斯ウ云フコトガアルト世間デ大ニ警戒ヲシ
ナケレバナラヌ、今ヤ玆ニ議會ヲシマハフ
トスル時ニ當ノテ、如何ニ此守衛ノ待遇ヲ
好クスルカト云フコトニ付テ諸君ガ御考
慮ニナラナイカラ、到底吾々ノ生命、身體
ノ保設ト云フコトハ出來ナイ、隨ヲテ非常ナ
ル混亂ヲ持來シテ居ルト云フヤウナ狀態デ
アル故ニ吾々ハ良イ所ノ守衞ヲシテ相當
ナル俸給ヲ與ヘテ、サウシテ根本カラ或
ノ改造ニ任ジナケレバナラヌト私ハ思フノ
デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=4
-
005・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 田淵君〔此時「止
メロ」「止メロ」「議事進行ニ關係ハナイ」ト
呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=5
-
006・田淵豐吉
○田淵豐吉君(續) マア聽キ給ヘ重大問
題デアル(「關係ガナイヂヤナイカ」ト呼フ
者アリ)關係ガアル現ニ僕等ハ叩カレテ
居ル、院外國カ闖人シテ來夕時、誰ガ警備
ノ任ニ當ルカ、諸君ガ餘〓ナ事ヲスルカラ
自然議會ガ混亂スル混亂ヲスル時ニハ誰
ガ防グカ(拍手、發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=6
-
007・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜〓ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=7
-
008・田淵豐吉
○田淵豐吉君(繪) 守衞ヲ毆レ々々ト云フ
コトヲ無所屬所ト本黨トノ間デ言ノテ居ッタ
デハナイカ、諸君ガ守衞ヲ毆レト云フコト
ハ何タル事デアル、サウシテ無言備ナルモ
ノニ付テ非常ナ壓迫ヲ加ヘテ居ルデハナイ
カソレデ議會ノ神聖ガ保タレルカ諸君
ガ保テナイカラサウ云フコトガ起ルノデハ
ナイカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=8
-
009・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 田淵君-ドウゾ簡
單ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=9
-
010・田淵豐吉
○田淵豊吉君(續) 故ニサウ云フ點ニ付テ
モ吾々ハ根本的ニ改革ヲシナケレバ決シ
テ全體ガ旨ク行カナイト云フコトヲ諸君ノ
前ニ絕叫スルノデアル、第三ニ於キマシテ
ハ私ハ資問會ノ問題ニ付テ、是ハ議事進行
ト直接ニ關係ヲ持シテ居リマス(「關係ナイ」
ト呼フ者アリ)關係ガアリマス、此問題ニ
付テハ諸君ガドンナニ御騒ギニナッテモ、私
ハ降壇ヲシナイカラ其御積リデ(「シッカリ
ヤレ」「早クヤレ」ト呼フ者アリ)早クハヤリ
マセヌ、査問會ノ問題ニ付テ私ハ議長及諸
君ニ聞キタイ、私ハ三百万圓事件ヲ中野君
ガ出シタガ爲ニ、遂ニ政友會ニ一撃ヲ加ヘ
タカラ、政友會ハ之ニ「レベンヂ」ヲ加ヘル
復讐ト云フ觀念ガアンタカナカッタカ知ラヌ
ガ、世間デハアッタト稱シテ居ルソレデ
以テ遂ニ中野君ニ對シテノ陸軍大臣ノ答辯
トナッテ居ル、所ガ陸軍大臣ト云フモノハ
田中君ノ推薦サレタ所ノ人デアル、田中君
ガ參議官ト成リ込ンデ、サウシテ遂ニ他ノ
大將ニヤラセナイデ、宇垣君ニヤラセタノ
デアル、故ニ宇垣陸車大臣ハ實ハ政友會ノ
地盤カラ推薦サレテ、憲政會ノ閣僚ニ列シテ
居ル人デアル、是ハ私ハ先カラ知ンテ居ッタノ
デアル、故ニ宇垣君ニ投ゲル所ノ此中野君ノ
石ハ、同時ニ彼等ノ閣僚デアル所ノ總理大臣ニ
中ノテ居ルノダ、故ニ之ヲ彈クト云フト、政友
會カラ直グ附込ンデ字垣君ガプウー〓言ノ
テ困ルノデ宇垣君ニ對シテ惡イト云フノデ、
成ベク此問題ヲ不問ニ付シヤウト云フ形跡
ガ見エル、故ニ三百万圓問題ト云フモノハ査
問會ニ掛ケテ、査問ニ付シタカドウカト
云フコトヲ聞キタイ、何故ニ中野正剛ノ此
査問會ヲ-私ハ餘リ査問會ハ嫌ヒダケレ
ドモ諸君ガ出シタ問題デハナイカ、然ラ
バ相當ニ之ヲ査問ニ付シテ三百万圓ヲドウ
シテ審議シナイノカ、何ガ爲ニ延會シテ審
議シナイノデアルカ、延會シナケレバ中野
ノ方ヲ半分ヤンテ片ノ方ヲ何故牛分ヤラナイ
ノカ、諸君、私ハ惡イ考デ言フノデアリマ
セヌ、松島事件ト三百万圓問題ト云フモノ
ヲ互ニ相殺シテ、他ノクダラヌ新聞ガドウ
ダ斯ウダト云ッテ露西亞邊リノ新聞ヲ出シ
テ來テ、ソンナ事デ習シタ揉ンダヲヤッテ、
中野君ノ爲ニ善イカ惡イカソンナ事ハ知
ラナイ、尙モ此三ツノ問題ガ出テ居ル以上
ハ三百万圓問題ヲヤル氣ナラバ、何故査
問會ヲ御開キニナラヌノカ、松島問題ノ如
キハ卽チ憲政會ニ非常ナ關係ガアリマシ
テ、憲政會ガ危イト云フノデ之ヲ相殺的ニ
ヤラナイノデアルカドウカ、査問會ヲ御開
キニナッタノハ如何ナル問題ノ爲ニ査問會
ヲ御開キニナッタノデアルカドウカ、如何ナ
ル爲ニ此三百万圓問題及此松島事件ヲ査問
ニ付サナイカト云フコトヲ私ハ諸君ニ聽キ
タイノデアル、諸君ハ小サイ所ノ中野正剛
氏ノ査問會ダケヲヤッテ、他ノ査問會ヲ何
故開カナイカ、十万圓ノ行衛ニ囂々トシテ
非常ニヤカマシク言ッテ居ルコトハ意味ガ
アルケレドモ、一方ニ於テハ何百万圓モ
取シタト云フ大阪邊リニ起ッテ居ル事件ニ付
テ、何故之ヲ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=10
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011・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 田淵君ニ注意シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=11
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012・田淵豐吉
○田淵豊吉君(續) 此三百万ニ付テ何故査
問目ガ開カレナイカト云フコトヲ聽キタ
イ、故ニ私ハ議長ニ向ッテ·発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=12
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013・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 田淵君、議事進行ニ
付テ御述ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=13
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014・田淵豐吉
○田淵豊吉君(續) 議事進行ニ關シテ述べ
マス、故ニ此委員會ヲ御開キニナラヌ積リ
カ、開カナイ積リデ-何故御開キニナル
ノカト云フコトヲ私ハ聽キタイ、國民ヲ愚
弄スルモ亦甚シイト思ヒマスカラ、此問題
ニ付キマシテ、委員長及議長カラ的確ナル
御答辯ヲ得タイト思フノデアリマス、商シ
テ傍聽劵及守衞ノ待遇、或ハ議員諸君ノ歳
費ト云フヤウナ問題、或ハ査問會ノ問題ニ
付テ、議長ヨリ御答辯ヲ願ヒタイ、又十分
ニ御答辯出来ナケレバ次ノ議會マデニ十
分ニ本問題ニ付テ御〓究ヲ願ヒタイ、査問
會ノ問題ニ付テモ的確ナル御答辯ヲ委員長
及議長カラ聞カナケレバ私ハ國民ノ爲ニ
私ノ貴務ヲ果スコトガ出來ナイカラ、此ニ
立ッテヤッタ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=14
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015・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 只今田淵君ガ御述ニ
ナリマシタ傍聽劵、竝ニ守衞ノ待遇ノ事ニ
付キマシテハ議長ニ於テモ考慮致シテ置
キマス、尙ホ査問會ノ事ヲ御尋デアリマシ
タガ、査問會ハ御承知ノ通リ每日進行シテ
居ルヤウデアリマス、是ダケ御答シテ置キ
マス
〔田淵豐吉君「シテ居ルヤウデアルト
ドゥ云フ意味デアルカ」ト呼フ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=15
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016・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 菊池謙二郞君
〔菊池謙二郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=16
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017・菊池謙二郎
○菊池謙二郞君 諸君、私ハ議事進行ト云
フコトニ付テ嘗テ發言ヲ求メタコトハ無イ
ノデアリマス併ナガラ私竊ニ思フ、議事
進行ノ發言ト云フモノハ無所屬ノヤウナ一
人一黨、殆ド勢力ヲ有シナイ者ニ取シテノ
天ノ賜物デアルト考ヘルノデアリマス
從來嘗テ議事進行ニ付テ發言ヲ求メテハ居
リマセマカッタガ、此議場ノ有樣ヲ見マスト
云フト、甚シク言論ヲ壓迫スルノデアリマ
ス(ノウ〓〓)吾々ハ言ハント欲スルコト
モ、質問ノ打切、討論ノ打切デ以テ言フコト
ガ出來ナイコトガ屢、デアリマス(ヒヤ〓〓)
此議會ニ於キマシテモ、私ハ重要問題ニ付
テ五度質問ノ通告ヲ爲シ、討論ノ通告ヲ爲
シマシタガ、一回モ發言ヲ許サレナカッタ
ノデアリマス、斯ノ如キハ多數ノ諸君ガ一
人ノ吾々ニ向シテ、言論ノ壓迫ヲ加ヘルモノ
ト思フノデアリマスカラシテ、今日ハ議事
進行ト云フ天ノ賜物ヲ以テ、玆ニ議事進行
ニ關スル事ニ付テノミ一言ヲシタイト思
フノデアリマス(拍手)ソレハ昨日ノ議事ニ
關スルコトデアリマス昨日ノ造船ノ補償
問題ト云フモノハ極メテ重大ナル問題デア
ルト私ハ考ヘマス少クトモ二ツノ點ニ於
テ嘗テ類例ノナイ重大ナル問題デアルト考
ヘル第一點ハ斯ノ如キ法律ヲ施行スルト
云フト、將來不當支出ト云フヤウナモノガ
屢〓行ハレハセヌカ政府ガ契約モシナイ、
豫約モシナイ、註文スルカモ知レヌト云フ
ヤウナコトデ所謂勸告、其勸告ヲ爲シタカ
ラト云ウテ賠償ヲスルト云フヤウナコトガ
將來行ハレルト云フト、自治團體ニ付テモ
斯ノ如キコトヲ許サナケレバナラヌ、市町
村ノ財政ト云フモノハ非常ニ紊亂スルト私
ハ考ヘル、實ニ惡シキ例ヲ作ル所ノ法律デ
アッテ、洵ニ重大ナル問題デアルト考ヘル、
第二ハ思想問題デアル、政友會ノ東君ガ思
想問題ニ付テ縷々御陳述ニナリマシタ、私
モ斯ノ如キコトニ付テハ極メテ憂ヘテ居ル
ノデアッテ、同意ヲスルノデアリマスケレ
ドモ、東君ノ質問ハ如何ニ取締ヲスルカ
如何ニ處置スルカト云フコトデアリ、文部
大臣ノ答辯モ亦取締ニ關スル事ノミヲ言ウ
テ居ッテ、思想惡化ノ原因ニハ少シモ觸レ
テ居ラナカッタノデアリマス、私ハ思想問題
ノ原因ヲ作ル其源ハ、權力者ト富豪トガ結
託スルト云フコトガ、最モ重大ナル事デア
ルト考ヘル諸君、社會王義ノ基調ハ何デ
アルカ、社會主義ニハ穩健ナル社會主義モ
アリマセウ、又過激ナル社會王義モアリマ
セウガ、如何ナル社會主義モ其基調ハ富豪
對氏衆デアル、貧富ノ懸隔ノ甚シキヲ憂ヘ
テ富メル者ハ益〓富ミと貧ナル者ハ益〓
貧ナリト云フヤウナ傾向ヲ排斥シテ、名數
民衆ノ生活ヲ向上セシムルト云フノガ社會
主義ノ基調デアリマス、諸君、斯ノ如キ主
張ヲ有スル社會主義ニ向ノテ、益〓其主張ヲ
激成セシムルモノハ何デアルカト云フノ
ニ、富豪ト權力者ト結託シテ、而シテ貧者
ヲ壓迫スルト云フコトガ大ナル原因テアル
ノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=17
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018・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 菊池君ニ注意シマス、
御議論ニ涉フヌヤウニ、詠事進行ニ關スル
発言ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=18
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019・菊池謙二郎
○菊池謙二郞君(續) 斯ノ如ク重大ナル問
題ニ對シテ、本議場ニ於テ愼重審詠ヲシナ
ケレバナラヌノデアリマス、諸君、然ルニ
何デアルカ、昨日本會議ニ於テ討論ヲスル
際ニ反對論者ト云フノハ猪野毛君ノミデ
アッタ、壇上ニュッタノハ猪野毛君ノミデアツ
タ賛成論者ハ內田君ノミデアッタ、其次ニ
反對論ヲ此壇上デ述ベルコトニナッテ居ノタ
ノハ斯ク申ス私デアル、此重大ナル問題ニ
付テハ須ラク玆デ慎重審議ヲ爲シ言論
ノ自由ヲ許シテ、御互ニ其長所短所ヲ比較
スベキモノデアリマセウ、然ルニ何ジヤ、
唯、一人ノ反對論者ニ對シテ、サウシテ直
ニ討論終結ノ動議ヲ多數デ以テ可決スルト
云フコトハ、是レ實ニ言論壓迫デハナイカ、
諸君ハ國民ノ聲ヲ聞カント欲スル者デナイ
ト私ハ考ヘル、諸君、尙ホ申上ゲタイコト
ハ議長ノ處置デアル、昨日議長ハ採決ニ際
シテ、斯ノ如キ重大ナル問題ヲ何故ニ御異
議ハアリマセヌカト云フ一言デ決シタノデ
アル、何故ニ之ヲ採決ニ問ハヌノデアルカ、
可ト否ノ採決ニ何故ニ問ハヌノデアル、多
數ノ諸君ハ異議ナイト云ウテ起立モ命ジナ
イカラ、吾々モ唯、坐ッテ居ッテ諸君ノ仲間
入ヲシタヤウナ形ニナル(「ソレデ宜イ」ト
呼フ者アリ)ソレデ宜イノデアリマセヌ、
諸君、斯ノ如キコトハ明ニ起立ニ問フナリ、
或ハ投票ヲスルナリ、サウシテ國民ニ向ッテ
明カナル態度ヲ如何ナル議員ガ持シテ居ル
カト云フコトヲ元サナケレバナラヌノデア
リマス而モ此問題ニ付テハ吾々聞クニ忍
ビザル噂ヲ聞イテ居ル、此聞クニ忍ビザル
噂ノ潜ムヤウナ問題ハ、吾々議員ノ賛成、
反對ト云フモノヲ何カニ依シテ明ニシナケ
レバナラヌト思フノデアリマス、議長ハ斯
ノ如キ問題ニ付テ、粕谷議長デハアリマセ
ヌガ、何故ニ明カナル採決法ヲ用ヰナカツ
タカト云フコトヲ私ハ質問スルノデアリマ
ス、是デ終リト致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=19
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020・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 只今菊池君ヨリ昨日
ノ採決ノ方法ニ付テノ御尋デアリマシタガ、
當時議長ハ滿場ニ異議ナキヤ否ヤヲ御諮リ
ヲシテ、異議ノ聲ヲ聞カナカッタ爲ニ、斯ノ
如ク採決ヲ致シタノデアリマス併シ尙
ホ菊池君ノ御注意ニ付キマシテハ、將來ト
モ注意ヲ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=20
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021・井本常作
○井本常作君 議事日程變更ニ關スル緊急
動議ヲ提出致シマス、此際日程一一百八十九、
議員高橋熊次郞君懲罰事犯件ヲ特ニ繰上
ゲ上程シ、其審議ヲ進メテレンコトヲ望ミ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=21
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022・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 井本君ノ日程變更ノ
動議ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=22
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023・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變史セラレマシタ卽チ日
程第二百八十九、議員高橋熊次郎君懲罰事
犯ノ件ヲ議題ト致シマス、懲罰事犯ノ議事
ハ祕密會デアリマスカラ傍聽人ノ退場ヲ命
ジマス
第二百八十九議員高橋熊次郞君懲罰
事犯ノ件
午前十一時二十分祕密會ニ入ル
午後書時十八分祕密會ヲ終ル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=23
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024・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 是ヨリ會議ヲ公開致
シマス-傍聽人ヲ入場セシメマス-高
橋熊次郞君ノ入場ヲ許シマス-祕密會ノ
結果ヲ報告致シマス、祕密會ニ於テハ議員
高橋熊次郞君懲罰事犯ノ件ヲ議決致シマシ
タ、仍テ此議決ニ基キ宣告ヲ致シマス、高
橋熊次郞君懲罰事犯ノ件ハ謝辭ヲ朗讀セ
シムルコトニ決定致シマシタ此決定ニ基
キマシテ、高橋君ニ此謝辭ノ朗讀ヲ命ズベ
キデアリマスガ、只今高橋君ハ御著席ニナッ
テ居リマセヌ、仍テ適當ノ機會ニ議長ヨリ
之ヲ命ジマス-議事ノ進行ニ關シテ吉良
元夫君ヨリ發言ヲ求メラレテ居リマス-
吉良元夫君
〔吉良元夫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=24
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025・吉良元夫
○吉良元夫君 私ハ眞ノ議事ノ進行ニ付テ
申述ベタイト思フノデアリマス、實ニ會期
ハ本日ヲ以テ終リト致シマスノデアリマシ
テ、本日ノ公報ヲ拜見致シテ見マシテモ、
マダ審議未了ニ屬スル案件中、最モ必要ナル
モノガ二百八十八件ノ多キニ上ッテ居ルノ
デアリマス、然ルニ午前中、突如トシテ憲
政會ニ於テハ此高橋熊次郞君懲罰事犯ノ件
ヲ日程變更ノ上出サレタノデアリマス、吾々
ハ非常ニ不思議ニ考ヘルノデアル(「ヒヤ
ヒヤ」、拍手)高橋熊次郞君ノ徵心罰云々ノコ
トノ如キハ冷靜ニ考ヘテ見マスレバ賣
言葉ニ買言葉アアンテ(「ヒヤ〓〓」、拍手)
何モ帝國ノ上ニ於テ、憂フベキヤウナ事ガ
頻發スルヤウナ虞ハナイノデアル(「討論デ
ハナイカ」ト呼フ者アリ)ソレニモ拘ラズ、
斯ノ如キ閑問題ヲ突如トシテ此日程ニ載セ
テ、之ヲ可決スルガ如キハ、實ニ多數橫暴
ノ甚シイモノデアリマス(「ヒヤ〓〓」、拍
手)本日此日程ニ上ッテ居リマス所ノ二百
八十八件ト云フ中ニ於テ、吾々ノ信ズル所
ニ依レバ、極メテ帝國ノ爲ニ重而女ナル法案
若クハ建議案ガアルノデアル(拍手)然ルニ
之ヲ現當局ノ洵ニ無氣無力ニ依シテ、此議會
ト云フモノヲ延長モセズシテ、此二百八十八
件ト云フヤウナ大多数ノ案件ヲ有耶無耶ニ
置イテ、審議未了ノ儘ニ葬リ去ルヤウナ目
的ヲ以テヤッテ居ラルヽモノト信ズルノデ
アル(拍手)洵ニ國家ノ爲ニ不深切極マル内
閣ト謂ハザルヲ得ヌノデアル、吾々ハ斯樣
ナル不都合千萬ナル事例ト云フモノハ帝
國ノ五十一議會マデニ全ク慣例ニ於テ無イ
コトデアル(拍手、發言スル者アリ)斯ノ如
キ不都合ナ事ヲヤルト云フコトハ吾々如
何ニシテモ議員トシテ默過スルコトヲ忍ビ
ヌノデアル(拍手、「無用々々」ト呼フ者ア
リ)實ニ是ハ國家ノ爲ニ驚カザルヲ得ヌコ
トヲオヤリニナルノデアル、斯樣ニ審議未
了ニ屬スベキ豫定ノ案件中ニハ極メテ帝
國ノ爲ニ重大ナル問題ニ關スルモノモ含マ
レテ居ルノデアルソレニモ拘ラズ今日ハ
十時ヨリ開イテ、午前中ハ斯ノ如ク論ズル
ニモ足リナイ所ノ懲罰事犯ノ件デ以テ費ス
ト云フヤウナコトハ實ニ不都合極マル事
ト私ハ思フノデアリマス(「何故ソンナコト
ヲサセタ」ト呼フ者アリ)眞ニ憲政會內閣ガ
帝國ヲ思ヒ、帝國ノ進蓮ヲ策スルト云フコ
トニ誠意ガアルナラバ何故議會ヲ延長シ
テ以テ、斯ノ如キ重大ナル法案ヲ審議未了
ニ付セズシテ、適當ナル解決ヲ爲サヌノデ
アルカ、然ルニ此內閣ハ其支持シテ居ル所
ノ與黨ガ足リナイ爲ニ妥協苟合、以テ一
時ヲ糊至スルガ故ニ、斯ノ如キ議會ニ於テ
不成績ヲ來シタノデアルト思フノデアル
(拍手)洵ニ實ニ驚カザルヲ得ヌ、此五十一
議會ノ經過ニ於テハ帝國ノ議會史ニ於テ
曾テ前例ニナイヤウナ實ニ驚カザルヲ得ヌ
不成績デアル、是ハ全ク此內閣ノ罪ト私ハ
信ズルノデアル、吾々ハ甚ダ慙愧ニ堪ヘヌ
ノデアリマスカラシテ何故ニ斯ノ如キ重
大ナル案件アルニモ拘ラズ、之ヲ審議未了
ノ儘、此五十一議會ヲ閉ヅルノデアルカ、
私ハ甚ダ議事進行ノ爲ニ悲マザルヲ得ヌト
云フコトヲ叫ンデ置クノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=25
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026・作間耕逸
○作間耕逸君 日程變更ニ關スル緊急動機
ヲ提出致シマス、卽チ大正十三年度第一豫
備金支出ノ件外七件、承諾ヲ求ムル件ヲ此
際特ニ上程シテ議題ト爲シ、委員長ノ報告
ヲ求メ、其審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマ
ス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=26
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027・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=27
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028・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナイト認メマ
ス、仍テ日程ヲ變更シ、卽チ茲ニ大正十三
年度第一豫備金支出ノ件外七件、承諾ヲ求
ムル件ヲ議題ト致シ、委員長ノ報告ヲ求メ
マス-阿由葉勝作君
大正十三年度第一豫備
金支出ノ件
大正十三年度特別會計
第一豫備金支出ノ件
大正十四年度第二豫備
金支出ノ件
大正十四年度第二豫備
金外ニ於テ豫算外支出
ノ件
大正十四年度特別·等(承諾ヲ求
第二豫備金支出ノ件ムル件し
大正十四年度特別會計
豫備金外ニ於テ豫算超
過及豫算外支出ノ件
臨時車事費特別會計豫
備費支出ノ件
自大正六年二月二十六日
至大正九年六月二十五日臨
時軍事費特別會計豫備
費外ニ於テ豫算超過支
出ノ件
報告書
一大正十三年度第一豫備金支出ノ件(承
諾ヲ求ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
大正十三年度第一豫
備金支出ノ件委員長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一大正十三年度特別會計第一豫備金支出
ノ件(水諾ヲ求ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及〓告候也
大正十五年三月二十五日
大正十三年度特別會計第
一豫備金支出ノ件委員長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一大正十四年度第二豫備金支出ノ件(永
諾ヲ求ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
大正十四年度第二豫
備金支出ノ件委員長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一大正十四年度豫備金外ニ於テ豫算外支
出ノ件(水諾ヲ求ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
大正十四年度豫備金外ニ於
テ豫算外支出ノ件委只長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一大正十四年度特別會計第二豫備金支出
ノ件(承諾ヲ求ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
大正十四年度特別會計第
二豫備金支出ノ件委員長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一大正十四年度特別會計豫備金外ニ於テ
豫算超過及豫算外支出ノ件(承諾ヲ求
ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
大正十四年度特別會計豫
備金外ニ於テ豫算超過及
豫算外支出ノ件委員長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一臨時軍事費特別會計豫備費支出ノ件
(承諾ヲ求ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
臨時軍事費特別會計豫
備費支出ノ件委員長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
-自大正六年二月二十六日臨時軍事費特別
至大正九年六月二十五日
會計豫備費外ニ於テ豫算超過支出ノ件
(承諾ヲ求ムル件)
右ハ本院ニ於テ承諾ヲ與フヘキモノト議
決致候此段及報告也
大正十五年三月二十五日
自大正六年二月二十六日
至大正九年六月二十五日
臨時軍事費特別會計豫
備費外ニ於テ豫算超過
支出ノ件委員長
阿由葉勝作
衆議院議長粕谷義三殿
〔阿由葉勝作君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=28
-
029・阿由葉勝作
○阿由葉勝作君 只今日程ニ上リマシ夕大
正十三年度第一豫備金支出外七件ノ委員會
ノ經過及結果ヲ御報告致シマス、此委員會ハ
丁度二回開會致シマシタ委員ヨリ質問ヲ致
シ、政府委員モ亦誠意ヲ以テ答辯セラレタ
ノデアリマス、委員ノ中〓瀨一郞君ヨリ臨
時軍事費特別會計豫備費支出ニ對シマシテ、
又臨時軍事費特別會計豫備費外ニ於テ豫
算超過支出ノ件、此二件ノ中ノ陸海軍ノ所謂
機密費ニ關係シタモノハ承諾ヲ與ヘナイ、斯
樣ナ意見ガ出マシタノデアリマス、其外ニ
於キマシテハ〓瀨君モ五件トモ政府提出
ヲ永諾スルト云フコトニ御異存ガナイノデ
アリマス、其他ニ委員石坂君ヨリ政府提出
ノ八件全部ニ對シテ承諾ヲ與ヘル斯ウ云
フ動議ガ出マシタ、採決ノ結果、石坂君ノ
八件、全部ニ對シテ承諾ヲ與ヘルト云フコ
トガ多數デ委員會ハ之ヲ可決致シタノデア
リマス、尙ホ〓瀨君ヨリ御意見ガアルカ知
リマセヌガ、委員會ニ於ケル純過及結果ヲ
御報告致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=29
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030・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 反對演說ノ通告ガア
リマス之ヲ許シマス-〓瀨一郞君
〔〓瀨一郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=30
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031・清瀬一郎
○〓瀨一郞君 議案輻湊ノ際デアリマスカ
ラ、簡單ニ吾々ノ立場ヲ明ニ致シテ置キマ
ス、今議題トナッテ居リマスル承諾案ノ中
ニ臨時軍事費特別會計豫備費ノ中ニ於キ
マシテ陸海軍ノ機密費トシテ使用サレマ
シタ三百九十五万四千四百八十二圓是ガ
一 、ソレカラ同ジク豫備費外ニ於テ豫算
超過支出、所謂責任支出ノ中ニ於キマシテ、
陸海軍ノ機密費四百五十万四千四百四十四
圓此一口、以上二口ニ付キマシテ吾々ハ
承諾ヲ與ヘズ、他ノモノニ付テハ承諾ヲ與
ヘルト云フ立場デアリマス、此機密費ニ關
スル問題ハ前日來私竝ニ尾崎氏ヨリ既ニ
論ゼラレテ居リマスカラ、最早之ニ關スル
形式上ノ議論ハ用ヰマセヌ唯一言ダケ
留保致シテ置キタイノハ委員會ニ於テ速
記ヲ停止シテノ報告デアリマスカラ、私
詳シク此處デ申スコトハ憚リマスケレドモ、
此機密費ノ大部分ハ大正七年八年ニ使ハレ
テ居ル所ガ大正九年十年ニ至ッテ、此機密
費ト同ジ內容ノ費目ガ、今度ハ露軍援助費
ト云フ名目ニ變)ノテ使ハレテ居ル一事デア
リマス此露軍ガ何モノデアリシカハ矢
張筆記停止中ノ言葉デアリマスカラ此處ニ
ハ發表致シマセヌ、唯〓彼ノ西伯利出兵ノ
目的ガ、初メハ「チヱッコ、スロバキア」ノ
救援、後ニハ西伯利ノ秩序維持、最後ニハ
殘留ノ邦人竝ニ朝鮮人ノ取締ト云フコトデ
アッタノデス、終始露西亞ノ內政干涉ト云フ
コトハシナイト云フ帝國ノ聲明デアッタ、
然ルニ此機密費竝ニ前ニ紹介致シマシタ露
軍援助費ト云フモノガ、此目的ニ反シテ居
ルト云フコトハ公然ノ祕密デアル(拍手)而
モ亦今囘ノ議會ニ於テ其一端ヲ景露ンラ居
ル單リ形式上吾々ハ立法協費ヲ經ナイ經
費デアルカラ、玆ニ反對スルト云フノミナ
ラズ、大正三年以來帝國ノ信用ヲ以テ世界
ニ發表シタル戰爭目的ニ違反シタル經費デ
アル(靑木精一君「非國民」ト呼フ)貴方ノ伸
シヤルコトハ分シテ居リマス(「非國民默レ」
ト呼フ者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=31
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032・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 静〓ニ-前〓ニ願
ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=32
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033・清瀬一郎
○〓瀨一郞君(續) 靑木君ノ仰シヤルコト
ハ私モ分ツテ居ル一國ノ運命ヲ負ッテ立ツ豪
傑ト云フ者ハ時ニハ議會ノ協賛ヲ經ナイ
非常處分ト云フコトモヤリマス、現ニ英吉
利テハ彼ノ「セシル、ローズ」ハ之ヲヤッ
テ居ル、非常處分ヲヤルダケノ豪傑ハ又決
心ガナケレバナラス、ソレガ成功スルト一
代ノ豪傑デアル代リニ、ソレガ失敗スレバ
將來政界ヨリ敗退スルダケノ決心ガナケレ
バナラヌ(拍千)然ルニ此機密費ヲ使ッタ結
果ハドウデアルカ、露軍ノ一部ヲ援助シタ
結果ハ他ノ部ヨリ反抗ヲ受ケテ、出テ來
タモノハ尼港ノ虐殺事件、是ダケノ決心ガ
ナケレバ立法機關ノ意思ニ反シテ活動スル
コトハ出來ナイノデアリマス、成功ナスッタ
ナラバ我國開闢以來ノ豪傑デアルサル代
リニ失敗シタラ腹ヲ切ラナケレバナラヌト
云フノガ武士ノ常道デアル、靑木君ノ仰シ
ヤルコトハ私ハ諒解シナイデハナイ、此大
英斷ヲ爲サッタ家傑ニ付テハ敬意ヲ表スル
ガ、失敗シタ以上ハ議會ガ承認シナイト云
フコトハ明カナ事デアル(ヒヤ〓〓)是等ノ
事ニ關シテハ尙ホ詳細討論スル時期ガ到
達致シマセウ、歷史ガ之ヲ證明スル、今日
ハマダ其時期ガ早イカモ知レマセヌ、後世
ノ歷史家ハ必ズ此點ニ付テ筆ヲ染ムルニ相
違ナイ、是ハ私共ガ此機密費ニ向シテ、如何
ニモ國家的立場ヨリシテ協賛シ能ハザル所
以デアリマス、尙ホ他ノ部分ニ向シテ、吾々
ハ已ムヲ得ザルモノトシテ承諾ヲ與ヘマシ
タガ、玆ニ又憲法理論上甚ダ困シタ事ハ事
後水諾ト云フモノハ經費ヲ使シタ最近ノ
議會ニ出シテ之ヲ承諾スルト云フコトガ今
迄ノ先例デ、現ニ第三十六議會大隈内閣ノ
時ニハ矢張臨時軍事費ノ責任支出、同年
ノ五月十六日マデニ使タモノヲ、六月ニ
開イタ議會デ以テ承諾ヲ求メテ居ルノデア
リマス、別ノ事デハナイ是ト同ジ性質ノ
同シ機密費デアル、同ジ責任支出デアリマ
スソレヲ大正四年ニ於テハ立憲的ニ直グ
次ノ二十日モ經タヌ間ニ起シタ議會ニ承諾
ヲ求メテ置キナガラ、世ノ中ガ段々進歩ス
ルニ拘ラズ、大正九年ニ爲シタル責任支出
ヲ大正十五年ノ議會ニ承諾ヲ求メルト云フ
コトハ如何ニモ-是ハ今ノ内閣ノ責任
デハアリマセヌ、前任者、前々任者ノ責任
デアリマスガ、如何ニモ私ハ間違。タ事ト
思フノデアリマス此間違ガ一ツモウ一
ツハ此事後永諾ト云フモノハ憲法第六十
四條第二項ニ依ルモノデハナイ、單ニ責任
解除ノ意味ノ承諾デアリマスルガ故ニ豫
備金ノ承諾ヲ一括シテ、同ジ法規ノ上ニ於
テ承諾ヲ求メラレルト云フコトモ誤ッテ居
リマス、是等ノ二項ハ承諾ハ與ヘマスルケ
レドモ、理論ヲ正ス爲ニ吾々ハ留保致シテ
置クノデアリマス、以上ノ立場ヲ以テ
部ニ付テハ不承諾ヲ唱ヘ他ノ一部ニ付テ
法律的見解ヲ留保致シテ承諾スルト云フノ
ガ吾々ノ立場デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=33
-
034・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 是ニテ討論ハ終局致
シマシタ、採決ヲ致シマス、只今議題ニ供
シマシタ八件ノ豫備金支出其他ノ承諾ヲ求
ムル件ノ中デ、最後ノ二案、卽チ臨時軍事
費特別會計豫備費支出ノ件、同ク大正六年
二月二十六日ヨリ大正九年六月二十五日ニ
至ル臨時軍事費特別會計豫備費外ニ於テ豫
算超過支出ノ件ヶ此二案ニ對シマシテハ、只
今〓瀨君ヨリ反對ノ御意見ガアリマシタ、
仍テ先ヅ最初ノ六案、卽チ大正十三年度第
一豫備金支出ノ件外五件ニ付テ採決ヲ致シ
マス、此各案ニ付テ委員長ノ報告ニ御異議
アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=34
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035・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ承諾ヲ與ヘルコトニ決シマス次
ニ只今宣告ヲ致シマシタ以外ノ臨時軍事
費特別會計豫備金支出ノ件外一案ニ對シテ、
委員長ノ報告ニ賛成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔賛成者起立〕
〔「賛成」「反對」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=35
-
036・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 起立多數デアリマ
ス仍テ承諾ヲ與ヘルコトニ決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=36
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037・作間耕逸
○作間耕逸君 重ネテ議事日程變更ノ緊急
動議ヲ提出致シマス、卽チ攻府提出、民事
訴訟用費法中改正法律案、同氏事訴訟用印
紙法中改正法律案、同商事非訟事件印紙法
中改正法律案、同非訟事件手續法中改正法
律案、同人事訴訟手續法中改正法律案發
言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=37
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038・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=38
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039・作間耕逸
○作間耕逸君 續同競賣法中改正法律
案.同民法中改正法律案、同破產法中改正
法律案、同明治三十二年法律第五十號中改
正法律案及同刑事訴訟法中改正法律案ノ十
案ヲ此際(發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=39
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040・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=40
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041・作間耕逸
○作間耕逸君(續) 特ニ上程シ、一括シテ
議題ト爲シ、委員長報告ヲ求メ、其第一讀
會ノ續ヲ開カレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=41
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042・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ日程變更ノ
動議ニ御異議アリマセスカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=42
-
043・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ日程ハ變更セラレマシタ、卽チ茲
ニ民事訴訟費用法中改正法律案外九件ヲ
一括シテ、其第一讀會ノ續ヲ開キマス、委
員長井坂豊光君
民事訴訟費用法中改正法律案(政府提
出、貴族院送付)
第一讀會ノ續(委員長報告)
民事訴訟用印紙法中改正法律案(政府
提出、貴族院送付)
第一讀會ノ續(委員長報告)
商事非訟事件印紙法中改正法律案政
府提出、貴族院送付)
第一讀會ノ續(委員長報告)
非訟事件手續法中改正法律案(政府提
出、貴族院送付)
第一讀會ノ續(委員長報告)
人事訴訟手續法中改正法律案、(政府提
出、貴族院送付)
第一讀會ノ續(委員長報告)
競賣法中改正法律案(政府提出、貴族
院送付)第一讀會ノ續(委員長報告)
民法中改正法律案(政府提出、貴族院
送付)第一讀會ノ續(委員長報告)
破產法中改正法律案(政府提出、貴族
院送付)第一讀會ノ續(委員長報告)
明治三十二年法律第五十號中改正法律
案(外國人ノ署名捺印及無資力證明ニ
關スル件(政府提出、貴族院送付)
第一讀會ノ續(委員長報告)
刑事訴訟法中改正法律案(政府提出、貴
族院送付)第一讀會ノ續(委員長報告)
報告書
一民事訴訟費用法中改正法律案(政府提
出、貴族院送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
民事訴訟費用法中
改正法律案委員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一民事訴訟用印紙法中改正法律案(政府
提出、貴族院送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
民事訴訟用印紙法中
改正法律案委員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一商事非訟事件印紙法中改正法律案
(政府提出、貴族院送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致候
此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
商事非訟事件印紙法
中改正法律案会員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一非訟事件手續法中改正法律案
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
非訟事件手續法中
改正法律案委員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一人事訴訟手續法中改正法律案(政府提
山貴族院送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
人事訴訟手續法中
改正法律案を員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一競賣法中改正法律案(政府提出、貴族院
送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議定致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
競賣法中改正法律案ふ員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一民法中改正法律案(政府提出、貴族院送
U
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
民法中改正法律案委員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一破產法中改正法律案(政府提出、貴族院
送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
破產法中改正法律案委員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一明治三十二年法律第五十號中改正法律
案(外國人ノ署名捺印及無資力證明ニ
關スル件)(政府提出、貴族院送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
明治三十二年法律第五十
號中改正法律案委員長
井坂豐光
衆議院議長粕谷義三殿
報告書
一刑事訴訟中改正法律案(政府提出、貴族
院送付)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
大正十五年三月二十五日
刑事訴訟中改正法律案委員長
井坂豊光
衆議院議長粕谷義三殿
〔井坂豐光君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=43
-
044・井阪豐光
○井坂豐光君 民事訴訟費用法中改正法律
案外九件ノ委員會ノ經過ヲ極メテ簡單ニ御
報告致シマス該委員會ハ昨日本日ノ二日
間ニ亙リマシテ委員諸君ニ於カレマシテ
愼重審議ノ結果、政府原案ヲ可決スルコト
ニ相成リマシタ、詳シクハ速記錄ニ於テ御
覽ヲ願ヒマス、玆ニ御報告致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=44
-
045・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 質疑ノ通告ガアリマ
セヌカ直ニ採決致シマス十案ノ二讀會ヲ
開クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=45
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046・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ第二讀會ヲ開クニ決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=46
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047・作間耕逸
○作間耕逸君 十案ヲ一括シテ直ニ其第二
讀會ヲ開キ、第三請會ヲ省略シテ何レモ委
員長報告ノ通リ可決セラレンコトヲ望ミマ
ス
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=47
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048・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ動議ニ御異
議ナシト認メマス仍テ直ニ十案ノ第二讀
會ヲ開キ、議案全部ヲ議題ト致シマス
民事訴訟費用法中改正法律案
第二讀會(確定議)
民事訴訟用印紙法中改正法律案
第二會讀(確定議)
商事非訟事件印紙法中改正法律案
第二讀會(確定議)
非訟事件手繪法中改正法律案
第二讀會(確定議)
人事訴訟手續法中改正法律案
第二讀會(確定議)
競賣法中改正法律案第二讀會(確定議)
民法中改正法律案第二讀會(確定議)
破產法中改正法律案第一一語會(確定議)
明治三十二年法律第五十號中改正法律
案(外國人ノ署名捺印及無資力證明ニ
關スル件)第二讀會(確定議)
刑事訴訟法中改正法律案
第二讀會(確定議)
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=48
-
049・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告
ノ通リ可決確定致シマシタ、是ニテ食事ノ
爲メ約一時間程休想致シマス
午後零時四十四分休憩
イ
午後二時五十七分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=49
-
050・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 休憩前ニ引續イテ會
議ヲ間キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=50
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051・作間耕逸
○作間耕逸君 議事日程變更ニ關スル緊急
動議ヲ提出致シマス卽チ望月圭介君外十
二名提出決議案、內閣總理大臣ノ責任ニ關
スル件ヲ此際特ニ繰上ゲテ議題トナシ續
イテ〓瀨一郞君外一名提出決議案、帝國軍
除ノ威信保持ニ關スル件、是亦特ニ繰上ゲ
テ議題トナシ〓各、提案者ノ趣旨辯明ヲ求
人、其審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=51
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052・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ日程變更ノ
動議ニ御異議アリマセマカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=52
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053・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ日程ハ變更セラレマシタ、即チ茲
ニ日程第一一百八十八望月圭介君外十二名
提出、決議案ヲ議題ト致シマス、提出者ノ
趣旨辯明ヲ許シマス-山本悌二郞君
第二百八十八決議案(内閣總理大臣
ノ責任ニ關スル件)(望月圭介君外十
二名提出)
提出)
決議案
決議
內閣總理大臣若槻禮次郞君ノ統率スル與
黨憲政會ハ神聖ナル議會ニ於テ荒唐無稽
ノ言辭ヲ弄シ由テ以テ國民ノ疑感ヲ釀シ
軍紀ヲ紊亂シ士氣ヲ廢頽セシメムトシタ
ル不逞ノ擧動ヲ支持シ其ノ非ヲ知リテ之
ヲ悛ムルノ道ヲ盡サス光輝アル國軍ノ名
譽ヲ毀損シ國家ノ基礎ヲ危カラシメムト
ス若槻總理大臣ハ須ラク政黨内閣ノ本義
ニ鑑ミ其ノ責ニ任スヘシ
右決議ス
〔山本悌二郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=53
-
054・山本悌二郎
○山本悌二郞君 趣旨辯明ニ先ダチマシ
テ、尙ホ一應決議案ノ朗讀ヲ致シマス「決
議內閣總理大臣若槻禮次郎君ノ統率スル
與黨憲政會ハ神聖ナル議會ニ於テ荒唐稽無
ノ言辭ヲ弄シ由テ以テ國民ノ疑惑ヲ醸シ
軍紀ヲ紊亂シ士氣ヲ廢頽セシメムトシタル
不逞ノ擧動ヲ支持シ、其ノ非ヲ知リテ之ヲ
悛ムルノ道ヲ盡サス光輝アル國軍ノ名譽ヲ
毀損シ國家ノ基礎ヲ危カラシメムトス若槻總
理大臣ハ須ラク政黨内閣ノ本義ニ鑑ミ其ノ
責ニ任スヘシ、右決議ス」(拍手)是デアリ
マス惟フニ我ガ國軍ガ明治大帝ニ依ッテ
創設セラレマシテカラ此方、内ニ在ッテハ社
會ノ安寧秩序ノ維持、外ニ在ッテハ國利國
權ノ發揚進展ニ向,テ國軍ノ貢献シタル所
ハ洵ニ偉大ナルモノガアルト信ズルノデア
リマス殊ニ我ガ國際的位置ニ新紀元ヲ劃
スル所ノ日〓、日露ノ兩戰役ヨリ、更二大
正三、四年ノ戰役ニ至ルマデ此戰役ニ依ン
テ牧メ得タル效果ハ主トシテ我ガ國車ノ
忠勇ナル將卒ノ奮闘ノ賜物ト申サナケレバナ
ラヌト思フノデアリマス、吾々ハ軍國主義
者デハアリマセヌ、併ナガラ此我ガ國軍ノ
義勇奉公ノ誠ハ而シテ之ニ依ッテ國家ノ
爲ニ盡セル所ニ至ッテハ、吾々ト共ニ國民
人モ異存ハナイト信ズル者デアリマスサ
レバコソ國民ハ、厚キ尊敬ト深キ信賴ヲ以テ
我ガ國軍ヲ後援シ來ッタノデアリマス、我國
ノ歲計ノ半バヲ陸海軍兩軍ノ經費ニ投ジテ
吝マザル所以モ畢竟、此深キ信賴ト厚キ尊
敬ニ基因シテ居ルノデアリマス、他面ヨリ
見レバ、我ガ國車ガ斯ノ如キ功績ヲ擧ゲ得
タリト云フコトハ國民ガ之ニ到シテ力强
キ後援ヲ與ヘタ爲デアルト云フコトモ、亦
爭フベカラザル事實デアルノデアリマス、
故ニ將來ニ於テ我ガ問軍ヲシテ能ク護國ノ
任務ヲ盡シテ、撥亂反正ノ實ヲ擧ゲテ、以
テ我ガ國家ヲ秦山ノ安キニ置カシメントス
レバ卽チ此國民ト國軍トノ間ノ心理的結
合ヲシテ、益鞏固ナラシメナケレバナラ
ヌノデアリマス(此時發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=54
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055・粕谷義三
○議長(粕谷義二君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=55
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056・山本悌二郎
○山本悌二郞君(續) 近時極端ナル所ノ左
傾的思想ガ國民ノ一部ヲ浸潤シテ、此金甌
無缺ノ國體、此世界無比ノ社會組織ニ向ッ
テ、是ガ破壞ヲ企テントスル不逞ノ徒スラ
モ輩出スルニ至タト云フコトハ洵ニ憂
慮ニ堪ヘザル現象デアルノデアリマスル
之ニ加フルニ、亦露ノ革命的共產主義ノ宣
傳ハ極メテ組織的ニ我國ニ向シテ施サレ
ツヽアルト云フコトハ是亦事實デアリマ
スル此宣傳ハ極メテ隱微ノ間ニ行ハレテ
居リマスルケレドモ、極メテ力强ク行ハレ
テ居ルト云フコトハ、御同樣ニ之ヲ知ッテ
置カナケレバナラヌノデアリマス(拍手)而
シテ此赤露宣傳ノ主トシテ目指ス所ハ何レ
ニ在ルカト申シマスレバ、卽チ學生ト軍隊
ニ向シテ主力ヲ注イデ居ルノデアリマス
此事實ニ直面シテ、想ヲ我國ノ將來ニ致シ
マスレバ、我國ハ實ニ安危興亡ノ巷二立ッ
テ居ルト申シテモ、決シテ過言デハナイデ
アラウト信ズルノデアリマス恰モ此際此
時、去ル三月四日議員中野正剛君ハ我ガ
國軍ノ內部ニ不正醜穢ノ事實アリト斷言ヲ
シタノデアリマスル、此軍隊ニ不正醜穢ノ
事實ガアッタト云フコトヲ、此公開ノ席上ニ
於テ議員ノロヨリ之ヲ斷言シタト云フコト
ハ實ニ容易ナラザル事件デアルノデアリ
マスル(拍手)中野君ヨリ指摘サレタル事柄
ガ、全ク事實ニアラズシテ全然荒唐無稽
ノ事デアッタト云フコトハ、陸軍大臣ノ繰返
シテノ言明、竝ニ總理大臣ノ之ニ對スル裏
書ニ依シテ明カナノデアリマスル斯ノ如
ク事實ハ荒唐無稽デアルト云フコトガ明ニ
ナッテ居ルニ拘ラズ、中野君ハ頑トシテ悛
ムル所ナク、而シテ政府ノ與黨、憲政會ノ
諸君モ亦動。ニモスレバ此中野君ノ主張、中
野君ノ態度ヲ庇護シ、支持セントスルガ如
キ態度アルニ至ッテハ實ニ不可思議千萬ト
申サナケレバナラヌメデアル(拍手)此ニ
至ッテ若槻總理大臣ニ對スル所ノ責任問題
ガ起ッテ參ルノデアリマスル若槻君ハ憲
政會總裁トシテ、內閣ヲ組織シ、其首班ニ
列シテ居ラレルノデアル而シテ憲政會所
屬ノ一員中野君ハ會ノ同意ヲ得テ、此無
根ノ事實ニ立脚セル議案ヲ提出シタル以上
ハソレガ黨議デアルトカナイトカ····此
時發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=56
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057・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=57
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058・山本悌二郎
○山本悌二郞君(續) 或ハ若槻總裁ガ豫
メ之ヲ知ッテ居ナイト云フガ如キコトハ問
題デハアリマセヌ、天下萬衆ノ見ル所、若
槻總裁ノ政治上ノ責任ハ斷ジテ遁ルヽコト
ガ出來ナイノデアリマス(拍手)唯〓吾々ハ
玆ニ當時提出ノ責任ニ付テ之ヲ追究セント
スル者デハアリマセヌ
〔發言スル者多ク議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=58
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059・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 暫ク靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=59
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060・山本悌二郎
○山本悌二郞君(續) 併ナガラ事柄ハ旣
ニ-事柄ハ旣ニ無根ト判明シタル以上ハ
憲政會總裁デアリ、而シテ總理デアル所ノ若
槻君ハ直ニ而モ急速ニ、其與堂憲政會ヲ
シテ其議案ヲ撤回、若クハ少クトモ國軍ニ
關スル所ノ一部分ヲ取消サシメナケレバナ
ラナイ筈デアリマス(拍手)少クトモ-少
クトモ-私ハ敢テ申ス、少クトモ此國軍
ニ關スル部分ダケハ虛僞デアルガ故ニ之
ヲ取消サシメテ、而シテ國軍ニ向ンテ投ゼ
ラレタル所ノ暗影ヲ、速ニ一掃スルニ努メ
ナケレバナラヌノデアリマス(拍手)是ハ憲
政會總裁トシテ、又總理大臣トシテ、當然
執ラナケレバナラナイ措置デアッタノデア
リマス、然ルニ若槻君ハ此當然執ルベキ措
置ヲ執ラズシテ、與黨ノ諸君ガ動モスレバ
此虛僞ナル事實ニ基ケル所ノ中野君ノ聲明
ヲ庇護支持セントスルガ如キ態度ニ向ラン
ハ見テ見ヌ振リヲシテ何等爲ス所ナキニ
至ッテハ驚カザルヲ得ナイノデアリマス
(拍手)加之-加之(發言者多ク議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=60
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061・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=61
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062・山本悌二郎
○山本悌二郞君(續) 一昨日ノ-加之一
昨日若槻總理ハ議員三土忠造君ノ質問ニ對
シテ、此事件ハ今ヤ査問會ニ掛ッテ居ルノ
デアルガ故ニ、自分トシテハ手ヲ下ス必要
ガナイト云フガ如キ意味ヲ以テ答辯サレテ
居ルノデアリマス、是ハ又實ニ驚キ入ルノ
他ハナイノデアル、査問會ハ査問會デアル
總理大臣ハ總理大臣デハアリマセヌカ、既
ニ
〔笑聲起リ發言者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=62
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063・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 静肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=63
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064・山本悌二郎
○山本悌二郞君(續) 旣ニ-既ニ總理大
臣トシテ事ノ無根ナルコトヲ認メタ以上
ハ-既ニ總理大臣トシテ事ノ無根ナルコト
ヲ認メタ以上ハ自己ノ與黨ヲシテ其爲ス
ベキ所ヲ爲サシムレバ則チ可ナリデアル
査問會ニ顧慮スルノ必要ガ何レニ在ルノデア
リマセウカ(拍手)ソレトモ-ソレトモ査
問會ノ結果ヲ見タ上デト云テ御考デヾモア
リマセウカ、若シソレナラバ實ニ容易ナラ
ザルコトデアルト考ヘルノデアル(拍手)果
シテ査問會ノ結果ニ依シテ御考ヲ爲サルト
云フコトデアルナラバ曩ニ陸軍大臣ガ事
ノ無根ナリトシテ聲明セルコト、竝ニ之ニ
裏書セル所ノ總理大臣若槻君ノ此聲明ヲ、
吾々何ト心得テ宜シイノデアリマセウカ
(拍手)
〔「判斷ハ君ノ自由ダ」ト呼ヒ其他發言
スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=64
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065・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜〓ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=65
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066・山本悌二郎
○山本悌二郞君(續) 議會ノ-議會ノ查
問ニ待タナケレバ分ラナイト云フヤウナ事
柄デ若シ是ガアッタナラバ議會ノ査問ニ
待タナケレバナラナイヤウナ不明ノ事柄
貴方ノ-總理大臣貴方ノ閣僚ノ陸軍大臣
ガ玆ニ無根ナリト斷言シ、而シテ貴方亦之
ヲ保證サレタト云フコトデアッタナラバ、之
ハ實ニ容易ナラザルコトデアルノデアリマ
ス(拍手)吾々ハ斯樣ナコトハ信ゼント欲ス
ルモ信ズル能ハザルノデアリマス、果シテ
然ラバ則チ査問會ノ結果ガドウデアラウト
モ、ソンナコトハ顯慮スル必要ハナイノデ
アッテ、總理大臣トシテ執ルベキ途ハ自カ
ラ定ッテ居ルデハアリマセヌカ(拍手)然ル
ニモ拘ラズ言ヲ左右ニ託シテ、遂ニ今日マ
デ此措置ヲ執ラザルニ至ッテハ吾々ハ總
理大臣ノ心理ヲ疑ハザルヲ得ナイノデアリ
マス(拍手)若シ人有リ、春秋ノ筆法ヲ以テ
我ガ國車ト國民ノ間ヲ離間スルノ端緒ヲ若
槻君開ケリト云フコトデアッタナラバ拍月
手)若槻總理大臣ハ何ノ言葉ヲ以テ之ニ御
應ヘナサルデアリマセウカ(拍手)
〔「田中義一ハドウナル」ト呼ヒ其他發
言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=66
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067・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=67
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068・山本悌二郎
○山本悌二郞君(繪) 固ヨリ中野君ノ主
張與當諸君ノ此行動ニ依ッテ直ニ我ガ
國民ト我ガ國軍トノ不和ヲ來スコトハアリ
マセヌ、我ガ國軍ハ左樣ナル(拍手)薄弱ノ
基礎ノ上ニ立シテ居ルノデハアリマセヌ(拍
手)併ナガラ千里ノ堤防モ蟻穴ヨリ崩ル
トカ申スコトガアル通リ、此中野君ノ如キ
言論竝ニ彼ニ對シ之ヲ支持庇護スルガ如キ
與黨諸君ノ態度ヲ、此儘ニシテ置キマシタ
ナラバ將來ニ於テ我ガ國家ノ基礎ヲ撼搖
スルガ加キ、不祥事ヲ惹起スル導火線トモ
ナリ得ベキ性質ノモノデアリマス(拍手)此
極メテ-極メテ危險ナル-此極メテ危
險ナル事實ニ直面シナガラ、若槻總理大臣
ハ之ヲ速ニ萌芽ニ於テ彈壓シテ之ヲ絕滅ス
ルノ策ヲ執ラズシテ
〔此時發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=68
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069・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 生方君ニ注意シマス
〔生方大吉君「承知シマシタ」ト呼フ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=69
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070・山本悌二郎
○山本悌二郞君(續) 何等拱手シテ觀ル外
ナキニ至ッテハ果シテ總理トシ、又總裁
トシテノ責任ヲ盡シ得タリト申スコトガ出
來マセウカ(拍手)吾々ハ若槻總理ガ、晚蒔
ナガラモ其非ヲ悟ノテ、或ハ此措置ヲ執ラル
ルデアラウカトモ想像ヲ致シテ、心待チニ
今日マデ待ッタノデアリマス、併ナガラ議
會最終ノ日タル今日ニ於テ、若槻總理ハ此
措置ニ未ダ出デナイノデアリマス、斯ノ如
クシテ、其儘ニ此成行ニ放任シテ、其結果
トシテ、我ガ國軍ニ纏フ所ノ一抹ノ疑雲ガ
全然消エ去ラントシテ、未ダ消工去ラザル
ノ狀態ニ置クト云フコトガ、是ガ果シテ總
理大臣トシテノ責任ヲ能ク盡セルモノト申
スコトガ出來マセウカ(拍手)若シモ斯樣ナ
ルコトガ端緒トナッテ、將來我ガ國民ト我
ガ國軍トノ間ニ、自然必理的ノ、乖離ヲ來
スト云フガ如キコトガアッタナラバ、其原因
ヲ作リシ若槻總理ハ如何ニシテ上陛下ニ
對シ奉リ、下國民ニ向。シテ其罪ヲ謝スルコ
トガ出來マスルカ(拍手)吾々ハ只今マデ
待ッテ居ッタノデアル、或ハ若槻總理カ斯ノ
如キ措置ヲ執ラルヽデアラウカト云フコト
ヲ待シテ居タニモ拘ラズ今日マデ何等之ニ
對シテ爲ス所ガナイ以上ハ事玆ニ至。ソテ
ハ已ムヲ得ズ、吾々議員ノ權能ニ依。ッテ其
責任ヲ糺シ、其處決ヲ促サントスルノガ卽
チ本案提出ノ理由デアリマス(拍手)
〔國務大臣若槻禮次郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=70
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071・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君) 只今ノ問題ニ
ナッテ居リマス(發言スル者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=71
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072・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜〓ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=72
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073・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君)(續) 決議案ヲ
議セラルヽ場合ニ於テ、簡單ニ申上ゲテ置
クコトガ極メテ必要デアルト存ジマス、故
ニ茲ニ簡單ニ私ハ申上ゲマス、大正七八年
頃ニ於ケル軍事費中、機密費ノ支出ガ當ヲ
得タリヤ否ヤト云フ事柄ハ現內閣ノ關係
スル所ヂハアリマセヌ(拍手)當時ノ事實ヲ
承知シテ居ラルヽ現陸軍大臣ガ事實ヲ問
ハレタノニ對シテ事實ヲ擧ゲテ答辯セラ
レタルノハ、洵ニ相當ノ事デアッタノデアリ
マイ、中野代議士ガ當時ノ支出ヲ不當ナリ
トシテ質疑ヲ爲サレタ事柄ハ同代議士
ノ意見デアリマシテ、私ノ關知スル所テハ
ナイノデアリマス(拍手)中野代議士ノ論議
ノ當否ハ別ト致シマシテ、同代議士ガ陸軍
ノ信用ヲ傷クル惡意ノ無イコトハ疑ナイノ
デアリマス(發言スル者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=73
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074・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=74
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075・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君)(續) 又帝國陸
軍ノ光輝アル名聲ハ、決シテ中野君ノ論議
ニ依ッテ少シモ傷ケラレテ居ル所ハナイノ
デアリマス(拍手)代議士ノ惡意ノナイ論議
ニ對シテハ一々之ニ干涉セナイコトハ是
ハ各政黨ニ於テ常ニ行ハレテ居ル所デアリ
マス(拍手發言スル者アリ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=75
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076・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=76
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077・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君)(續) 政黨ノ幹
部タル諸君ハ之ヲ承認セラレルコトデアル
ト信ジテ居ルノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=77
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078・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 望月小太郞君
〔望月小太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=78
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079・望月小太郎
○望月小太郞君 諸君、私ハ此決議案ニ反
對致スベク其趣意ヲ極メテ簡潔ニ述ベマ
スル只今提案者山本君ニ依リテ朗讀セラ
レマシタ此決議案ヲ見マスレバ、吾々憲政
會卽チ政府ノ與黨ガ其黨員ノ行動ニ共鳴
シタル結果、遂ニ光輝アル國軍ノ名譽ヲ毀
損シ、國家ノ基礎ヲ危カラシメントスルモ
ノデアル隨テ憲政會總裁タル現若槻首相
是ガ貴ニ任ズベシト云フ結論デアリマス
偖テ此結論ニ對シテ提出者ノ其理由ト致ス
所ハ卽チ吾々同僚ノ一人中野君ガ去ル四
日ニ於ケル所ノ其動議ノ說明中引續イテ
六日ニ於テ政友會ノ秋田君ノ首相及陸軍大
臣ニ對スル質問應各ノ結果、同君卽チ中野
君ノ言論ハ荒唐無稽デアッテ、其影響スル所
ハ帝國國民ノ疑惑ヲ醸シ、軍紀ヲ紊亂シ
士氣ヲ廢頽スルト云フコトデアリマス、隨
テ此第一ノ荒唐無稽ノ言辭ヲ弄シタト云フ
コト次ニ第二、其影響トシテ國民ノ間ニ
右ノ如キ惡感情ヲ起シタト云フ、此二點ガ
解決致シタナラバ第三ノ結論ハ自ラ雲散
霧消〓シ(拍手)随テ愛國心ニ富メル政友會
諸君ノ此決議案ノ目的モ到達セラレヤウト
思フニ付テ、本員ハ是ヨリ此第一第二ニ
向ッテ自分ノ意見ヲ述べテ、諸君ノ御參考ニ
供シタイノデアリマス(拍手)第一中野君ガ
去ル四日同僚小川、小泉、秋田、鳩山諸君
ノ行動調査ニ關スル緊急動議ノ其最終ノ目
的ハ當時世上ニ流布シ來レル田中政友會
總裁ニ對シテ有リ得ベカラザル、又信ジ難
キ其疑惑ニ對シ、之ヲ一掃スルニアラザレ
バ「一田中大將ヲ助ケントシテ陸軍全般ヲ
傷ケルモノナリ陸軍軍紀ノ破滅茲ニ其端ヲ
發セムコトヲ恐ルヽニアリ子モ亦其憂ヲ同
ジウシ之ヲ矯正スルコトノ極メテ緊要事ナ
ルヲ思ヒ」云々トアル、前第一師團長タリ
シ石光眞臣氏ノ文書竝ニ曾テ陸軍ニ在職セ
シ前科者ナガラモ、其陳連書中ニハ如何
ニモ第三者カラ見マスレバ疑惑ノ結果未
ダ解ケザルト云フガ如キ疑ヲ持ツ、此二書類
ヲ證據トセラレテ、此疑惑ヲ一掃シ、益こ
帝國車紀ノ作興及其士氣ノ緊張ヲ喚起致シ
テ、光輝アル我帝國陸軍ノ名譽ヲ磐石ノ安
キニ置カントスル所ノ此動機ハ丁度政友
會諸君ガ本日只今此決議案ヲ提出セラレタ
所ノ、其愛國ノ至情ト同曲異巧ノモノト斯
樣ニ信スルノデアリマス(拍手)唯、御承知
ノ如ク中野君ノ性質タル、熱血燃ユルガ如
キ其愛國至情ノ迸ルヽ所ハ此二人ノ書類
ヲ過信シタ結果、言往々奇矯ニ失シタコト
ハ、本員モ亦之ヲ認ムルニ躊躇壽著シマセヌ
〔此時發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=79
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080・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜〓ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=80
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081・望月小太郎
○望月小太郞君(續) サレバトテ中野氏自
身ガ當初ヨリ此二書類ヲ以テ、荒唐無稽ナ
ルモノト信ジツヽ之ニ共鳴シタモノデア
ルト斷言セラルヽノハ寧口刻吏ガ獄ヲ裁
クヤウナ殘酷ナ仕方デハナカラウト思フノ
デアル(拍手)現ニ去ル六日秋田君ノ質問ニ
對シ、議會アッテ以來其勤勉精勵、其〓廉潔
白諸君モ我等モ共ニ推稱スルアノ名譽ア
ル陸軍大臣ハ何ト言ハレマシタカ、速記
錄ニ依テ見マスルト、陸軍大臣ハ斯樣ニ言
ハレテ居ル、卽ナ「石光氏ノ書類ハ所謂眞
僞未詳ノ世ノ中ノ說ヲ捉ヘテ、サウシテ自
己ノ獨斷ニ依テソレガ事實デアルガ如ク認
定ヲシテ」云々ト言ハレテ居リマス、又三
瓶某ノ書類ニ對シテハ「免ニ角書イテアル
事柄其モノガ私ニハドウモ荒唐無稽ノモノ
ノヤウニ考ヘラレマス」ト、此鍊逹堪能ナ
ル陸軍大臣デスラ、其時ニ於テ斯クマデ
言ハレタ、況ヤ軍人ナラザル中野君況ンヤ
感受性ノ最モ强烈ナル中野君ガ、此二ツノ
書類ニ對シテ斷定的ニ傾キ易イ言論ヲ弄シ
タカラト云ッテ、ソレヲ以テ忽チ不逞不純
ノ左傾的意圖ヲ以テ、帝國ノ軍隊ニ云々セ
ントスルガ如ク誣ユルコトハ諸君トシテ
寧ロ殘酷千萬ト申サヾルヲ得ナイ(拍手)況
ヤ本問題ハ既ニ司直ノ手ニ移ノテ居ル以上
ハ遠カラザル間ニ斯ル疑フベカラザル所
ノ事實ハ必ズヤ雲散霧消致シテ、帝國ノ
光輝アル陸軍ノ名譽ハ之ニ依シテ益〓其光
彩ヲ發揮スルモノデアルト、御同樣ハ信ジ
ナケレバナラヌノデアリマス(拍手)第二ニ
憲政會ノ總裁タル現首相若槻禮次郎君ガ、
其黨員ノ言動ニ對シテ責任ヲ取レトノ御論
鉾ニ對シテハ政黨政治ノ上ニ於テ、我等
憲政會ヨリ長キ歴史アル苦勞人ノ集シタ政
友會トシテハ、寧口難キヲ他人ニ求メルモ
ノト言ハザルヲ得ナイ(拍手)諸君、言フマ
デモナキコト、凡ン黨ノ政策ニ關シテハ
其大體ノ事ニ付テ當議ニ於テ決メマセウケ
レドモ、其議員ノ持シテ居ル所ノ材料ノ正否、
眞僞若クハ其議場ニ於ケル一言一句ノ末節
マデモ、之ヲ見テ行クト云フヤウナコトハ、
實際諸君ニモ出來マスルカ(拍手、此時發言
スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=81
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082・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 静肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=82
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083・望月小太郎
○望月小太郞君(續) 本來去ル四日中野君
ノ動議ハ此疑問ニ包マレル田中總裁ノ名
譽ノ爲メ、又主トシテ我陸軍ノ名譽ノ爲メ、
氣ノ毒ナガラ小川君以下ノ行動ヲ調査スベ
シト云フ、疑問ノ其動議此動議ニ對シテ
吾々黨員ガ其目的ハ卽チ吾々議會ノ神聖
ヲ保ツ爲メ、帝國陸軍ノ名譽ヲ保ツ爲ニ、其目
的ニ共鳴シタカラト云フテ、其言論ノ末々
ニマデ共同責任ヲ取レト云フガ如キコトハ
寧口不可能ヲ他人ニ强ユルモノト言ハザル
ヲ得ナイ(拍手)況ヤ一黨ノ總裁ニ向シテ其
責任ヲ全擔セヨト云フニ至ッテハ如何ニ諸
君ノ議論ガ矛盾シテ居ルト云フコトハ論
ヨリ據去ル十二日政友會諸君ガ賛成セ
ラレテ提出セラレタ、彼ノ中野君處決問題
ノ唯一ノ材料タル「クラスノ、イズナミヤ」
ト云フ露國新聞、此新聞以外其他ノ證據
殆ド昨日ノ査問會ニ於テ全ク效果ヲ失ッタ
殘ル此唯一ノ新聞、而モ此新聞ハ三派聯合
ノ內閣以來國禁トシテ、我國ニ輸入スルコ
トノ出來ナイ其新聞ヲ手ニシタ所ノ、其牧
野君ノ此微妙ナル行動ニ付テハ、本員何ト
モ此所ニハ申サヌ(拍手)併シナガラ此國禁
ヲ犯シテマデモ共產黨宣傳ノ其機關新聞ヲ
此所ニ提供シタト云7責任ヲ、政友會ノ署
名シタ諸君迄ガ共同貴任ガ取ラレマスカ
(拍手)又田中總裁ガ其責任ガ取ラレヤウ筈
ガナイト同時ニ、我黨總裁ガ中野君ノ一言
一句ニ對シテノ責任マデモ取レト云フガ如
キコトハ卽チ不可能ヲ他人ニ强ユルモノ
デアルト、斯樣ニ申上ゲタイノデアル、(拍
手)殊ニ昨日ニ於テ中野君ノ査問會モ既ニ
決定致シマシタ、隨テ當時牧野君ヨリ提出
セラレタル決議案ノ運命モ定シテ參リマス
レバ是等ノ事情ヲ之ヲ總裁若クハ我黨全體
ニ向シテ轉嫁セントスルコトハ立憲政體ノ
下ニ於ケル議員ノ言論ニ向ノテ、束縛的牽制
ヲ加ヘル惡例ト云フコトヲ申述ベテ置キタ
イノデアル(拍手)次ニ中野君ノ言論ヨリ致
シテ、第二點ノ我國民ノ疑惑ヲ醸シ、軍紀
ヲ紊亂シ、士氣ヲ廢頽云々ノ影響ニ至リマ
シテハ、此中野君ノ動議ニ依リテ爾來數日
問吾々ハ委員會ニ於テ、本會議ニ於テ、若
クハ査問會ニ於テ質問應各論議ノ結果ハ
此光輝アル陸軍ハ彌、其光輝ヲ增シ、世上
ノ疑雲ハ正ニ一掃セラレント致シテ居ル
其證據ガ玆ニ確的ニ擧ッテ居ル、卽チ前段モ
申シタ議會以來未曾有ノ名陸軍大臣トモ謂
フベキ宇垣君ガ、此議場ニ於テ何ト言ハレ
タ秋田君ノ質問ニ對シテ斯ク言明セラレ
テ居ル、卽チ「今日ニ於キマス所ノ陸軍ノ趨勢
ハ、石光氏ガ在職致シテ居ノタ當時ヨリハ
私ハ確ニ軍規ノ點ニ於テモ、士氣ノ點ニ於
テモ大ニ緊張シ、且旺盛ニナリツヽアルト
云フコトヲ玆ニ斷言シテ憚ラヌ者デアリマ
ス」(拍手)諸君、帝國ヲ代表シ、内閣ヲ代表
シ吾人ノ信賴敬愛スル我陸軍ヲ代表スル
陸軍大臣ノ此言明ニ滿足致シタナラバ諸
君何ノ疑ヲ遺ス餘地ガアリマセウ(拍手)論
ジテ此ニ至リマスレバ本決議案ノ理由タ
ル部第二ガ(發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=83
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084・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=84
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085・望月小太郎
○望月小太郎君(續) 斯ノ如ク釋然トシテ
氷解スルト云フ以上ハ其結論タル諸君ノ
決議案ノ其最終文句ノ、光輝アル國軍ノ名譽
ヲ毀損シ、國家ノ基礎ヲ危クナラシメント
ノ此文字ハ全ク一片ノ杞憂トナッテシマツ
タノデアル(拍手)本員ハ重ネテ言フ、御同
樣ノ此討論ニ依リテ我帝國ノ陸軍ハ愈、四
海ニ其光輝ヲ發揚シ、國家ノ基礎ハ天壤無
窮愈ガ上ニモ秦山ノ安キニ置カルヽト云フ
コトガ明白ニナッタノデアル(拍手)語ヲ換
ヘテ言ヘバ此決議案ノ提出ニ依シテ、當
若槻總理大臣竝ニ殊ニ宇加陸軍大臣ニ向。シ
テ、政友會諸君ヨリ頌德未ヲ提出セラレタ
ト同ジ結果ニ轉化スルニ至ッタコトヲ衷心
ヨリ喜ブト共ニ、此決議案ニ反對スル次第
デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=85
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086・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 小久保喜七君
〔小久保喜七君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=86
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087・小久保喜七
○小久保喜七君 私ハ山本君ニ賛成ヲ致シ
マスル理由ヲ申上ゲマス、凡ン一國ノ盛衰
興亡ト云フモノハ一國ノ國軍ノ元氣ノ
旺盛ト否トニ在ルト云フコトハ何人モ御
承知ナノデアル、而シテ國軍ノ元氣ヲ維持
スルト云フコトハ國軍ヲ名譽ノ地位ニ置
クト云フコトヽ國民ガ信賴ヲ致シテ此國
軍ノ後援ヲ爲スト云フコトニ在ルノデアリ
マス(拍手)此點ニ付キマシテハ山本君ガ諸
君ニ明ニ申上ゲ、又我ガ日本ノ國軍ハ非常
ニ國家ニ貢獻ンタト云フコトモ述ベラレタ
ノデアリマスガ、私ハ一言此處デ中上ゲタ
イト云フノハ、我ガ日本ノ國軍、卽チ日本
ノ軍隊ガ此處迄行シタ原因ハ何デアルカト
申シマスレバ決シテ是ハ偶然デハナイノ
デアリマス、私共ハ此點ニ向ヒマシテハ深
ク平生感佩〓シテ居ル者デアリマス卽チ
國軍ノ此ニ至リマシタノハ一ハ我ガ日本
ノ國民性ノ然ラシムル所ニ在ルトハ申シマ
スルガ、何ト申シマシテモ第一ニ御心配ニ
相成シタノハ卽チ明治天皇デアリマス
此明治天皇ハ御承知ノ通リ、明治五年ニ徵
兵令ヲ布カレテ以來、幾度カ詔勅ヲ出サレ
タノデアリマスガ、其詔勅中ノ二ツヲ私ハ
引イテ見タイト思フノデアリマス、卽チ明
治十五年ノ詔勅ニハ「我國ノ軍隊ハ世々天
皇/統率シ給フ所ニンアル」ト云フ御言葉ヲ
以テ起サレテ居ル、而シテ其次ニハ一次、
汝等軍人ノ大元帥ナルソ、サレハ朕ハ汝等
ヲ股肱ト賴ミ、汝等ハ朕ヲ頭首ト仰キテツ
其親ハ特ニ深カルヘキ」ト云フ御言葉ガア
ル、又明治三十八年ノ詔ニハ「朕惟フニ我軍ノ
名譽ハ帝國ノ光榮ト共ニ更ニ汝等ノ資務ヲ
重カラシメ」ト云フ御言葉ガアル、卽チ明
治三十八年ノ此勅諭ト云フモノハ軍隊ノ
名譽ト國家ノ名譽ト云云モノハ不可分デア
ルト云フコトヲ、諸君明カニセラレテ居ル
ノデアリマス(拍手)又今上皇帝ガ卽位ノ初
メニ大正元年ノ七月三十日ノ勅諭ノ中ニハ
「朕玆ニ特ニ」ト云フ御言葉ガアル、而シテ
「朕ハ朕カ統率スル所ノ軍隊ハ、卽チ是レ
皇考ノ慈育愛憮シ給ヒタル所ノ軍隊ナルヲ
念ヒ、汝等軍人ノ忠勇ニ信倚シ皇考ノ遺業
ヲ紹述シ倍、皇國ノ光成ヲ顯彰シ偲兆ノ福
耐ヲ增進センコトヲ冀フ」ト斯樣ニ勅諭ガ
出テ居ルノデアリマス諸君此軍隊デア
リマス此軍隊ト云フモノニ付キマシテハ
苟モ政治ニ志ノ有ル者ハ朝ニ在ルト野ニ在
ルトヲ問ハズ、此軍隊ノ名譽ト云フモノハ
長ク保持シ、而シテ國氏ヲシテ此軍隊ニ信
賴セシメテ、益〓後援ノ實ヲ學ゲシムルト
云フコトハ私ハ注意致スノガ、是ガ政治
ニ從フ者一日モ忘ルベカラザルコトヽ思フ
ノデアリマス(拍手)諸君、諸君ハ山本君ノ
御演說ノ時ニ何カ御冷笑ノ動作ガアッタ
ヤウデアリマスガ、私ハ兔ニ角四日ニ此議
場デ、述ペマシタ中野君ガ、此軍隊ノ首腦者
ガ金塊ヲ橫領致シタ、機密費ヲ横領シタト
云フ言葉ハ橫領ト言ヘバ言葉ハ奇麗デア
リマスガ、詰リ盜ンダコトデアル、軍隊ノ
首脳者ガ金塊ヲ盜ミ軍隊ノ首腦者ガ此機密
費ヲ盜ンダト云フ言葉ハ、私ハ中野君トハ
官テノ友人デアリマスガ、其動機ノ如何ヲ
問ハズ、我ガ日本ノ軍隊ニ向シテ名譽ヲ傷
ケ(拍手)又此言葉ニ依テ我ガ日本國ノ國民
ト云フモノヽ軍除ニ對シマスル信賴ト云ス
モノハ薄ライダト云フコトノ事實ハ何
人デモ否定スルコトハ私ハ出來ナイト思フ
ノデアリマス(拍手)諸君、實ハ私ハ驚イタ、斯
ノ如キ事實ガアルトスレバ是ハ大問題デ
アルト云フテ、實ハ非常ニ憂慮ヲ致シタノ
デアリマスガ、六日ノ議場ニ於テ我ガ黨ノ
秋田君ガ陸軍大臣ニ質問ヲ致シタ結果デ安
心ヲ致シタノデアリマス、陸軍大臣ハ悉ク
是虚構ノ言葉デアル、卽チ荒唐無稽ノ語デ
アルト言ハレタ、然ルニ本月十一日ノ議場
ニ於テ杉浦君ガ此壇上デ御述ニナッタ言葉
モ只今ノ望月君ノ御述ニナッタ言葉ノ中
ニモ、陸軍大臣ガ「私ニハドウモ荒唐無稽
ノモノノヤウニ考ヘマスルダカラ打遣ラカ
シテ今日ニ至ッタモノデアリマス」ト云フ言
葉ヲ摑ヘテ此間ノ杉浦君モ御立論只今
ノ望月君モ御立論デアルガ、是ハ陸軍大臣
ガ斷定ニ至リマスルマデノ途中ノ言葉デア
リマスヨ、斯ウ云フ言葉ノシマヒニドウ斷
定シタカト思フト陸軍大臣ハ「豫テ私ハ
荒唐無稽ト考ヘテ店リマシタカラ、昨日速
記錄ヲ拜見致シマシテモ同樣ノ考ヲ持ノテ
居リマス、卽チ陸軍ノ內部ニ於テ機密費ヲ
取扱フ所ノ人ガ一小部分タリト雖モ個人ノ
懷中ニ入レルトカ、何トカ云フコトハ毛頭
認メナイノデアリマス」尙ホソレカラ斯ウ
云フコトガアル「サウシテ昨年ノ三月盡日
限リニ今ノ臨時軍事費ハ打切ニナリマシタ
(此時發言スル者アリ)何デス、能ク御聽ナ
サイ、議論ダケハ明ニシタイト思フ〓
無禮ナ言ハ吐キマセヌ「今ノ臨時軍事費ハ
打切リニナリマシタ、又臨時軍事費モ年々會
計儉査院ノ臨時儉查ヲ經テ、サウシテ昨年
三月盡日ニ打切ニナリマシタ、今決算ヲ致シ
マシテ近ク大藏省方面ニ廻シ、ソレ相當ノ
機關ノ審査ヲ經ル運ビニナッテ居リマス」ト
云フ斷言デアル斯樣ノ斷言ニ至リマスル
途中ノ言葉ヲ摑ヘテ云々スルト云フコトニ
至ッテハ少々望月君ニモ似合ハヌノデア
リマス(拍手)偖玆ニ我黨ノ秋田君ガ總理大
臣ニ向ッテ御導シタ、總理大臣ハ此答辯ヲ
是認スルカ、其次ハ(「何デアルカ」ト呼フ
者アリ)其次ハ黨ノ動イタ動キニ付テハ責
任ヲ持ツカ、而シテ第三番目ニ、此度ノ中
野君ノ動作ニ付テハ責任ヲ取ルカト言ハレ
タ時ニ、六日ノ議場ニ於テ總理大臣ハ明ニ
御答ニナッタ、卽チ陸軍大臣ノ答辯ハ相當
ト認メル、責任ヲ取ル又與黨ノ行動ハ責
任ヲ取ル併シ此中野君ノ行動ハ卽チ一個
人ノ行動ナルガ故ニ、責任ハ取レスト云フ
御言葉デアッタガ、實ハ其當時不思議ニ考
,不思議ニ考ヘタガ、吾々ハ何カ總理
大臣ノ考違デハナイカ、今一度押シテ、而
シテ後ニ總理大臣ニ向シテ一ノ行動ヲ執ル
ノガ至當ト考ヘテ、實ハ私ハソレニハ及バ
ヌトノ考ヲ持シテ居ッタガ、我黨ノ幹部諸公
ハ愼重ニモ二十三日ノ議會ニ於テ御承知ノ
通リ、三土君ガ四箇條ノ質問ヲ致シタ、四
箇條ノ質問ニ依シテ全ク機密費ト云フガ如
キモノハ濫ニ使フコトハ出來ナイモノデ
アル面シテ金塊ノ如キハ此時ニハ質問ヲ
セマガ、其前ニ明ニナッテ居ルソコデ總
理大臣ニ更ニ質問ヲ致シタ時ニ、總理大臣
ハ何ト言ノダ、矢張此時モ同一ノ答辯ヲシ、
今日亦同一ノ答婦ヲシタ、此處ガ問題デア
ル諸君、中野氏ノヤッタコトハ知ラナカ
タ、聽カナカッタト云ハルヽガ、併ナガラ
院内總務ノ許可ヲ得テ此壇上ニ登シテヤッテ
一黨ガ支持シタコトハ是ガ卽チ政治社會
ノ所謂黨諏ト云フモノデアル(拍手)之ヲ黨
議デナイト云フノハ實ニ牽強附會デアル
是ハ實ニ道辭デアリマス、尙ホ其後ノ動作
ヲ見レバ果シテ如何デアリマスカ若槻
總理大臣ハ己ノ黨派ニ歳費問題ノ起ッタ時
ハドウデアル歳費問題ノ起ッタ時ニハ黨
ニ諮ラズ、之ヲ提出シタト云フノデ院內
總務ノ諸君ハ辭職ヲシタデハナイカ(拍手)
總理大臣ハ自分ノ與黨數人ヲ呼ンデ、貴方
方ガ之ヲ飽迄斷行スルナラバ、自分ハ辭ス
トマデ言ノタト私共ハ聞イテ居ル(拍手)諸
君、歳費ノ問題ト軍隊ノ問題ハ固ヨリ同一
ニ論ズペキモノデナイ、一體國軍ト云フコ
ニ向シテ總理大臣ハ重キヲ置クノ志ガ少イ
ノデアル而シテ代表ヲ致シタ演說者ハド
ウデアル、望月君ノ如キハ國軍ノ大名譽ニ
關係スル事ニ對シ、只今ノ演說ニ於テ末節
云々ノ言葉アルニ至ッテハ驚クノ外ナイ
ノデアリマス、此大問題ニ向シテ總理大臣
ハ陸軍大臣ノ言フコトヲ是認シ、是ト反對
ノ中野君ノ行動ヲモ認メテ、全黨ノ行動ヲ
暗々裡ニ之ヲ見逃スト云フニ至リマシテハ
私ハ前後撞著、立憲ノ大道ヲ知ラザル御方
デアルト思フノデアリマス(拍手)ノミナラ
ズ總理大臣ハ軍隊ノ重イコトヲ知ラナイ、
我日本ノ軍隊ト云フモノハ特別ノ軍隊デア
ルト云フコトヲ知ラザルノ結果ニ出ヅルコ
トデアラウト思フノデアリマス、仍テ私ハ
茲ニ大正元年七月三十一日ノ詔勅全部ヲ奉
讀致シマス「朕玆ニ大統ヲ嗣キ列聖ノ遺烈
ヲ承ケ萬世一系ノ帝祚ヲ踐ムニ方リ特ニ朕
カ親愛スル陸海軍人ニ告ク惟フニ皇考簔ニ
汝等ニ軍人ノ粘神五箇條ヲ訓諭シ一誠以テ
之ヲ貫クヘキヲ示シ給ヘリ汝等軍人ハ夙夜
此聖調ヲ奉體シ累次ノ征戰ヲ經國威ヲ宣揚
シ皇基ヲ恢弘シ以テ曠古ノ偉績ヲ翼成シタ
リ朕ハ朕ガ統率スル所ノ軍隊ハ皇考ノ慈育
愛撫シ給ヒタル所ノ軍隊ナルヲ念ヒ汝等軍
人ノ忠勇ニ信倚シ皇考ノ遺業ヲ紹述シ倍、
皇國ノ光威ヲ顯彰シ億兆ノ福祉ヲ增進セン
コトヲ冀フ汝等軍人ハ皇考ノ遺調ニ由リ以
テ直ニ之ヲ朕カ躬ニ效シ愈こ奉公ノ志ヲ鞏
クシ思索ノ選ヲ慎ミ字內ノ大勢ニ鑑ミ時世
ノ進運ニ伴ヒ拮据勵精各其ノ本分ヲ竭シ朕
カ股肱タルノ實ヲ擧ケ以テ皇謨ヲ扶冀セン
コトヲ期セヨ」此詔ヲ一度總理大臣ガ御考
ヘニナッタナラバ、我ガ軍隊ノ士氣ト云フ
モノハ如何ニ國家ノ重大事デアルカ、天皇
陛下ガ如何ニ御心ヲ用ヰ居ラルヽト云フ事
ガ明デアル然ルニ若槻首相ノ統率スル與
黨ガ、全力ヲ注イデ之レヲ傷クルニモ拘ラ
ズ、平然之ヲ顧ミザルガ如キ行動ノアル以
上、斯ノ如キ總理大臣ハ一日モ其職ニ在ル
コトハ國家ノ爲ニ害アリト確信スルノデ
アリマス、何卒滿場ノ大多數ヲ以テ本彈劾
案ニ御贊成アランコトヲ希望致シマス拍
き)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=87
-
088・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 田崎信藏君
〔田崎信藏君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=88
-
089・田崎信藏
○田崎信藏君 私(發言一時ニ起ル議場
騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=89
-
090・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=90
-
091・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 斯ノ如ク政友會ノ諸君
ガ自己ノ出シタ決議案ニ對シテ、未ダ賛成
スルカ反對スルカ分ラナイモノニ向ッテ妨
害ヲスルニ至シテハ其愚劣ナルコト實ニ
此決議案ヲ傷ケルモノデアル(拍手起リ、
又發言スル者多ク、議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=91
-
092・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=92
-
093・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 是ガ卽チ陸軍ニマデ及
ブ所ノ疑惑ヲ一層諸君ガ大ナラシムルモノ
デアル(發言スル者アリ議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=93
-
094・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=94
-
095・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 私ハ今政友會ノ諸君ヨ
リ上程サレマシタ此決議案ニ對シマシテ、
反對ノ意思ヲ表示スル者デアリマス、拓
手、發言スル者アリ議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=95
-
096・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 静〓ニ願ヒマス-
靜〓ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=96
-
097・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 諸君、苟モ內閣總理大
臣ノ進退ニ對シテ決議案ヲ決議スルニ於テ
(議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=97
-
098・粕谷義三
○議長(粕谷表三君) 静肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=98
-
099・田崎信藏
○田崎信藏君(緒) 最モ議場ノ神聖ヲ保タ
ナケレバナラヌノデアリマス然ルニ此政
友會ノ態ハ、全ク汝ニ出デヽ汝ニ歸ル所ノ
最モ愚劣ナル行爲デアリマス先刻ヨリ政
友會ノ長老デアル所ノ山木君、竝ニ小久保
君ノ賢明ナル諸氏ノ賛成ノ御議論ヲ承リマ
シテ(發言スル者アリ議場騷然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=99
-
100・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=100
-
101・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 此御議論クルヤ私共第
三者ヲシテ首肯セシムル所ノ價値ノナイモ
ノデアリマス先ヅ私ハ第一ニ此決議案ノ
字句ノ中ニ於テ「決議、內閣總理大臣若槻
禮次郞君ノ統率スル與黨憲政會ハ神聖ナル
議會ニ於テ荒唐無稽ノ言辭ヲ弄シ」(議場
騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=101
-
102・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 田崎君、田崎君
靜肅ニ願ヒマス諸君、是ハ內閣ノ進退ニ
關スル重大ナル問題デアリマスカラ、ドウ
ゾ賛否共ニ互ニ靜甫ニ御聽取アランコトヲ
望ミマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=102
-
103・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 「神聖ナル議會ニ於テ
荒唐無稽ノ言辭ヲ弄シ由テ以テ國民ノ疑惑
ヲ醸シ軍紀ヲ紊亂シ士私ヲ廢頽セシメムトシ
タル不逞ノ舉動ヲ支持シ其ノ非ヲ知リテ之
ヲ悛ムルノ道ヲ盡サス」ト第一ニアリマス
荒唐無稽ノ言葉ナルヤ、私ハ荒唐無稽ト云
フコトハ卽チ政友會ノ諸君ガ荒唐無稽ノ
言辭ヲ弄シテ居ルト云フ事實ヲ一言致シテ
見タイノデアリマス、(拍手)後程中野君ノ
査問ニ關スル委員會ノ報告ガアリマス、其
報告ヲ····(議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=103
-
104・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜出ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=104
-
105・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 聞クト私ガ今申スコト
ガ諸君ノ最モ省ミル所ノ要點デアルコトヲ
知ルコトガ出來ルノデアリマス、(拍手)其
査問委員會ニ於キマシテ中野君ノ言辭ガ荒
唐無稽ナリト言ヒマスルガ、政友會諸君ガ
提出シタ所ノ·(發言スル者アリ議旧塲騒
然発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=105
-
106・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜甫ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=106
-
107・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 其露文ノ「コンピー」ハ
全ク文章ヲナサナイ所ノ露文デアッタノデ
アル又帝國議會ノ院外ニ於テ夜十一時ニ
內幸町デ强奪ニ遺ウタナドヽ云フコトハ
實ニ荒唐無稽ノ言辭ヲ弄シテ居ルノデハナ
イカ(拍手)此荒唐無稽ナル言辭ヲ弄シテ
人ヲ陷レントスルニ至テテ、、西國
ノ爲ニ最モ悲ムベキデアル、(拍手)依テ荒唐
無稽ト云フコトハ、全ク政友會諸君ノ作タ
コトデアルト云フコトヲ私ハ玆ニ斷言スル
ノデアリマス次ニ軍政内ノ不正行爲ト云
フコトハ政友會ノ諸君ノミハ之ヲ信ジマ
セヌケレドモ、日本帝國ノ臣民ノ全部ト言
ヒタイ程(議場騷然)多クハ此陸軍ノ不正
行爲ニ對シテハ疑ヲ懷イテ居ルノデアリマ
ス、(拍手)何ガ故ニ斯ク疑ヲ懷クカト言へ
抑〓事ノ初ハ三瓶ナル元陸軍大將田中
義一ノ配下デアッタ者ガ、司法省ニ向ッテ告
訴ヲ致シマシタコトニ依テ其端ヲ發シタノ
デアリマス、(拍手)是ガ故ニ萬人ハ我ガ陸
軍ノ首腦者ノ一部ニ對シテ、最モ疑ノ眼ヲ
以テ見テ居ルノデアリマス、諸君ガ吾々ノ
如キ取ルニ足ラナイト云ア自ラ卑シクスル
ト云フ諸君ノ此行爲ハ一層疑ヲ大ナラシ
ムルモノデアリマス(拍手、發言スル者ア
リ議場騷然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=107
-
108・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 諸君、先刻モ申シマ
シタガ、ドウゾ靜〓ニ御聽取ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=108
-
109・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 軍政内ノ不正行爲ヲ、
私ハ第一第二、第三ニ分ケテ中上ゲテ見
タイト思ヒマス、ハ今中シマシタ三瓶主
計ノ司法有ニ告訴致シテ居ル事實デアリマ
ス、次ニハ山梨大將ガ自ラ執筆ヲ致シマシ
テ、サウシテ新聞ニ揭ダマシタル所ノ記錄
ニ依ルト、陸車ノ金ヲ普通ノ官省ノ習慣ト
シテ官金ヲ白ラ某銀行ニ預金ヲ致シ、又
ハ公債ヲ買ノタト云フコトヲ、白ラ執筆致
シテ白署致シテ居ル以上ハ、是亦疑ハザル
ヲ得ヌノデアリマス(拍手)而モ其山梨ナル
者ハ衆議院議員梅田寬一氏ヲシテ議員ヲ
誘惑サセタ爲ニ、其査問委員會ニ於テハ
梅田寬一ハ自ラ決スベシト云フ決議ヲシ
タ、ソレ程帝國議會ノ神聖ヲ毀ケテ居ルノ
デアリマス(議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=109
-
110・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜甫ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=110
-
111・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 此銀行ニ金ヲ預ケ、公
債ヲ買入レテ、其利子利札ハ如何ニ處分シ
タカ、其事ハ又陸軍大臣モ疑義ヲ持テ居ル
ノデアリマス、又第三ニ大正九年ノ一月二
十四日、二千五百七十万圓ト云フ大金ヲ、
而モ帝國議會ガアルニ拘ラズ、責任支出ヲ
以テ支出致シマシタ、其中ニ全ク今度ノ疑
惑ヲ懷ク所ノ因ヲナシテ居ルモノガアルノ
デアリマス、勅令ノ名ニ依ア臨時ノ軍事費
トシテ支出致シマシタ、其金ガ最モ怪シイ
ノデアリマス(拍手)而モ同月二十二日ニ
此議會ニ於テ普通選擧法案ガ提出サレ
テ、政友會ノ原總理大臣ハ階級爭鬪ト云フ
名ノ下ニ、不法ナル解散ヲ致シタ時ノ議會
ノ前デアルノデアリマス(議場騒然)恥ヲ知
レバ靜肅ニスルコン卽チ諸君ハ賢明ナル遣
リ方デアル、騒ゲバ騒グ程「アラ」ガ出ルゾ、
(拍手、議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=111
-
112・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 静粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=112
-
113・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 此原內閣ノ時ニ議會ニ
承認ヲ得ベキ手續ガ爲シ得ルニ拘ラズ責
任支出ヲ以テ、勅令ノ名ニ依シテ二一千五百
七十万圓ト云フ大金ヲ出シタト云フコト
ハ卽チ國民ヲ疑惑ニ導イ夕所ノ責任ハ陸
軍ニ在ルノデアル(拍手、議場職然)今小久
保君ガ此ニ於テ勅諭ヲ朗讀サレマシタ、其
勅諭ガ卽チ舊式政治家ガ以テ之ヲ利用スル
所ノ一枚看板デアル惡例デアルノデアル
(拍手、議場騷然)斯ノ如キ行爲ハ卽チ軍隊
ノ看板ヲ以テ無稽ノ事ヲ玆ニ申シテ、サウ
シテ總理大臣ヲ傷ケントスルニ至ッテハ
其陋劣ナル心事、政友會ノ所爲ハ實ニ唾棄
スベキ遣方デアル(拍手)諸君、此
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=113
-
114・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=114
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115・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 決議案ノ最後ニ光輝ア
ル國軍ノ名ヲ傷ツケルト云フコトハ軍隊
ノ名ニ依クテ、或ハ畏多クモ天皇ノ名ニ隱
レテ惡事ヲ爲サントスル者ハ卽チ却テ國
軍ノ光輝ヲ傷ツケルモノデアリマス(拍
手)最後ニ一若槻總理大臣ハ須ク··
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=115
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116・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 静粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=116
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117・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 政黨內閣ノ本義ニ鑑··
其貴ニ任スヘシ」ト書イテアリマス諸君、
責任内閣ニ對シテ、昨日マデ共ニ内閣ヲ組
織シテ、サウシテ政黨内閣ダ、ソラ何ダト
言ッテ居ッテ、何等意味ヲ成サナイ所ノ大臣
二三ハ罷メテ、而モ
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=117
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118・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 静粛ニ願ヒマス-
志賀君ニ注意致シマス-靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=118
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119・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 最後ニ今申上ゲマシタ
若視總理大臣ニ對シテ、政黨內閣ノ本義ニ
鑑ミ、其責ニ任ズベシト云フノデアリマス、
然ラバ問ハン、政友會ノ總裁田中義一氏
ハ三百万圓問題ノ今査問ニ付セラレテ
國民ノ疑惑ニ在ルノデアル、國民ガ最モ
疑ヲ懷イテ居ルノデアル、其疑ヲ懷キマス
ル理由ヲ一二申シマスト、私共平素最モ崇
拜致シマスル所ノ犬養···
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=119
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120・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=120
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121・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 毅氏ガ、政黨ノ首領ハ
金ガナケレバ勤マラヌト云フ格言ヲ致シテ
政友會ニ入ッタノデハナイカ、政黨ノ首領ガ
金ガナケレバ勤マラヌトスレバ田中義一
ガ召抱へ議員ヲ造ルノニハドウシテモ數
百万ノ金ガ要ルノデアリマス(拍手、議場騒
然此日本ノ官民ガ疑ヲ懷ク所ノ政黨ノ首
領田中義一ハ軍隊ヲシテ傷ツケントスル
所ノ張本人デアル(拍手)又政黨政治ニ對シ
テ貴任ヲ知ラナイ所ノ軍関政治家デアルガ
故ニ、自ラ省ミテ-人ヲ咎メントスルナ
ラ自ラ省ミルガ宜シイ(拍手議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=121
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122・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 静肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=122
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123・田崎信藏
○田崎信藏君(續) 然ラバ先ヅ軍陣ノ血祭
ニ、政友會總裁カラ金ヲ貰ッテシマッタモン
ダカラ、先ヅ諸君ハ田中ヲ抛リ出シテカラ
此決議案ヲ出サナケレバナラヌ、田中ヲ抛
リ出シテカラ此決議案ヲ出セバ吾々ハ賛成
シテヤルノデアル(議場騒然、拍手)諸君、
田中大將ガ、金ガ無ケレバ政治家ハ勤マラ
ナイト云フ首領ヲ諸君ノ仲間ニ引入レルニ
付テハ其處ニ國氏ガ最モ疑ヲ懷クベキ所
ノ疑點ノ大ナルモノヲ與ヘテ、サウシテ政
黨内閣ノ責任ダカラ、若槻總理大臣ニ辭セ
ト云フコトハ天ニ向シテ自ラ唾スルノデ
アルカラ、諸君ノ身體ニ掛カル(議議騷然、
拍手)私ハモウ少シ此決議案ハ意味ヲ成シ
テ居ルカト思ヘバ泰山鳴動シテ鼠一疋ナ
ラ宜シイガ、泰山鳴動シテ蚤一疋モ飛出サ
ヌト云フ(議場騒然)其實荒唐無稽消稽極マ
ル決議案デアル、故ニ本員ハ玆ニ反對ノ(意
思ヲ表明スル者デアル(拍手、議場騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=123
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124・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 静肅ニ願ヒマス-
靜〓ニ-森恪君
〔「議長」「議長」ト呼フ者アリ〕
〔森恪君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=124
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125・森恪
○森恪君 諸君、(拍手)私ハ望月圭介君外
我ガ同僚諸君ノ提出致シマシタル決議案
ニ賛成ノ意見ヲ述ベント欲スル者デアリ
マス只今田崎君ヨリ縷々御陳辯ニナリマ
シタガ、之ニ對シマシテハ私ハ之ヲ論駁
致ス價値無シト考ヘルノデアリマス(拍手)
卽チ現內閣ヲ支持スル憲政會ノ代表者望月
小太郞君ノ論旨ニ對シマシテ、吾々ノ所信
ヲ披瀝致シ、吾々ノ決議案ノ道理アルコト
ヲ茲ニ關明致セバ事足レリトスル者デア
リマス(拍手)望月君ハ極メテ美辭麗句ヲ御
竝ベニナッテ、我ガ陸軍ノ光輝アル堅實ナ
ル內容ヲ玆ニ陳述セラレ、殊ニ現陸軍大臣
ニ向シ、信任的稱讚ノ辭ヲ玆ニ申述ベラ
レタノデアリマス(「其通リ」ト呼フ者アリ)
而シテ此決議案ノ由シテ生ジマシタル所ノ
中野正剛君ノ人トナリ、其爲シタル事ニ對
シマシテ、幾多ノ言ヲ爲サレタノデアリマ
スルガ、之ヲ要約シテ見マスルト云フト、
中野正剛君ハ其性極メテ熱烈ナル感受性ニ
富ンダ人デアル、故ニ此人ノ言フコトヲ悉
ク取上ゲテ、之ヲ大キク取扱フト云フコト
ハ慘刻ナリト云フコトガ望月小太郞君ノ論
旨デアッタノデアリマス、卽チ語ヲ換ヘテ
申シマシタナラバ、此人ノ爲ス所ハ價値ナ
キモノデアルト云フコトガ望月君ノ論旨ニ
相成ルノデアル(拍手)又他ノ一面ニ依リマ
スルト云フト、吾々ハ中野正剛君ノ動議ハ
是レ憲政會ノ堂議ナリト信ジタノデアリマ
スルケレドモ、過般其總裁タル若槻禮次郞
君ガ此席ヨリ、是レ黨議ニアラズト述ベラ
レ今又望月小太郞君ガ此意味ヲ繰返サレ
タ、卽チ是ニ於テ問題ハ極メテ局限セラレ
ルノデアル吾々ノ決議案ノ要旨ハ何デア
ルカ卽チ吾々ハ中野君ノ爲シタル所ハ憲
政會ノ黨議ナリト云フコトニ其基調ヲ置イ
テ居ルノデアル(拍手)吾々ノ置キマスル此
基調ニ誤ガアッタナラバ、私ハ玆ニ强ヒテ登
壇ヲ致リナイノデアル又此中野君ノ首行
動ガ、軈アハ是レ我ガ陸軍ノ構威ノ上ニ大
ナル關係アリト吾々ハ信ジタルガ故ニ、之
ヲ論ゼント致シタノデアルガ、望月小太郞
君ノ述ブルガ如ク、中野君ノ行爲重キヲ置
クニ足ラズト致シマシタナラバ、此事柄ハ
其趣旨ヲ極メテ薄メルノデアル、併ナガラ
吾々ハ斷ジテ左樣ニハ考ヘナイノデアル、
現ニ中野正剛君ガ動議ヲ提出セラレマシタ
ル所ノ形式ハ如何デアッタカ、諸君ハ言論
ニ依シテ、或ハ總理大臣ハ詭辯ヲ弄シテ吾
吾ヲ瞞着セラレルカモ知レナイノデアルガ
(拍手)竝ニ中野正剛君竝ニ之ヲ支持スル人
々ニ依)ノテ執ラレタル所、ノ手續其モノガ明
ニ是レ憲政會ノ當議デアルト云フコトヲ物
語ンテ居ルノデアル(:相手)私ハ議小課ヨリ
寫シヲ玆ニ取リマシテ之ヲ明ニ致スコト
ガ出來タノデアル、卽チ私カ之ヲ讀上ゲマ
ス大正十五年三月四日ノ日附デアル、「議
員小川平吉君、同小泉策太郞君、同秋田〓
君、同鳩山一郞君ノ行動ニ闇シ調査スヘシ
トノ緊急動識右成規ニ依リ提山候也、大
正十五年三月四日提出者中野正剛、賛成者
憲政會員一 〓〓トナッテ居ルノデアリマス
(拍手、發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=125
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126・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜〓ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=126
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127・森恪
○森恪君( 道議會ノ論戰ニ當ノテ、與黨野
黨相對シテ戰フ場合ニ、其一黨ノ一員ガ提
出者トナリ、之ニ費成スル者憲政會員一同
ナリト致シマシタナラバ、一同ノ者ガ是レ
責任ヲ負フコトハ當然デアリ(拍手)其總裁
若槻君ガ責任ヲ負ハズシテ、何人ガ此責任
ヲ負フノデアル(拍手)然ルニ政治ノ公明
ヲ主張致シテ居ル所ノ現内閣總理大臣ガ、
國民全體ガ此手續書類ノ內容ヲ見ル機會ナ
キ其間〓ニ乘ジテ、欺瞞ヲ以テ陸軍大
臣ノ態度ニ恐レヲ爲シ、一黨員ノ言動ニ犠
牲ヲ拂シテ、サウシテ此事態ヲ瞞著セント
スルガ如キハ卑怯未練ナル總理大臣ト申
シテ差支ナイノデアリマス(拍手)卽チ吾々
ハ此基調ニ於テ中野正剛君ノ爲シタル事
ハ其行爲ハ斷ジテ枝葉末節ニアラズ、是
レ憲政會ヲ代表スル所ノ言論ナリ、此憲政
會員ノ支持致シテ居リマスル言論ハ、明ニ我
ガ陸軍全體ニ向ッテ一大汚點ヲ印スル所ノ
モノデアルト吾々ハ信ズルノデアル(拍手)
殊ニ議只清瀨一郞君ニ依ッテー豫算總會ニ
於テ〓瀨君ノ質問ニ對シ、陸軍大臣ガ縷々
御答辯ニナリマシタル其末節ニ於テ、陸軍
大臣ハ極メテ割切ナル態度ヲ以テ斯ノ如キ
結論ヲ爲シテ居ラレルノデアリマス(謹聽)ノ
「之ヲ要シマスルノニ、由來軍隊ノ壞レテ來
ルト云フ筋途ヲ辿シテ見マスト、之ヲ諸外國
ノ例ニ照シテ見マシテモ、多クハ虛構若ク
ハ誇大ノ浮說ヲ流布シテ、サウシテ軍隊ヲ
中傷シ或ハ之ヲ攪亂スルト云フヤウナ輩ガ
妄動スルコトニ依。シテ、多クハ軍隊ノ破壞
ヲ來シテ居ルノデアリマス、ダカラ此點ニ
付テハ軍務ノ局ニ當シテ居ル吾々ハ、國民
ト共ニ大ニ相戒メ相共ニ注意シテ行カナク
レバナラヌコトヽ信ジマス」ト云フ、此劃切
ナル結論ヲ以テ、陸軍大臣ハ滿腔ノ不滿ヲ
議會ニ訴ヘテ居ラレルノデアリマス卽チ
此言ヲ直見致シテ見マシタナラバ與黨憲
政會ノ諸君ハ此黨議ト看做スベキ正當ノ
手續ヲ以テ、自己ノ支持シナケレバナラナ
イ所ノ陸軍大臣ヲ彈劾致シタルガ如キ行動
ニ相成ルノデアル、以上ノ如キ見地ニ於
テ、吾々ハ此決議案ヲ出スコトハ啻ニ政
冶ノ公明ノ爲ノミナラズ、我ガ軍隊其モノヽ
威信ヲ保持スル上ニ必要ナリト私共ハ考へ
ルノデアル(拍手)此趣旨ヲ蹂躪致シテ居ル
所ノ黨員ヲ節制ヲ以テ正シ得ザル所ノ無
爲無力ナル所ノ總理大臣ハ宜シク自省ス
ベシト云フコトガ吾々ノ結論デアリマス、
以上ノ如キ趣旨ヲ以テ此決議案ニ贊成ノ意
ヲ表スル者デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=127
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128・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 是ニテ討論ハ終局致
シマシタ此採決ハ起立ニ依ッテ之ヲ決シ
ヤウト思ヒマス
〔「記名投票」「記名投票」「贊成」「賛成」
ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=128
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129・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 記名投票ノ要求ガア
リマス、其要求ニハ成規ノ賛成アリト認メ
マスカラ記名投票ヲ以テ決シマス(拍手)本
決議案ニ贊成ノ諸君ハ白票デアリマス、反
對ノ諸君ハ靑票デアリマス、木札ト名刺ヲ
持參アランコトヲ望ミマス-只今ノ宣告
ハ誤リマシタ-閉鎖-氏名點呼ヲ命ジ
マス
〔書記官氏名ヲ點呼ス〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=129
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130・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 投票漏ハアリマセヌ
カ-投票漏ナシト認メマス、投票 函閉
鎖-開函-開鎖
〔書記官投票ノ數ヲ計算ス〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=130
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131・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 投票ノ結果ヲ書記官
長ヨリ報告致サセマス
〔中村書記官長朗讀〕
投票總數三百五十
可トスル者白票百三十七
否トスル者靑票二百十三
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=131
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132・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 只今ノ投票ノ結果ニ
依リマシテ決議案ハ否決セラレマシタ
〔參照〕
望月圭介君外十二名提出ノ決議案ニ對シ
可トスル議員ノ氏名左ノ如シ
磯部尙君板野友造君
岩崎勳君今里準太郞君
今井健彥君石井三郞君
石坂豐一君石原正太郞君
飯村五郞君井上敬之助君
井上孝哉君井上虎治君
井口延次郞君伊坂分五郞君
秦豐助君濱口吉兵衞君
濱田國松君濱田精藏君
八田宗吉君鳩山一郎君
原惣兵衞君西澤定吉君
西方利馬君本田義成君
堀切善兵衞君星島二郞君
土井權大君長田桃藏君
大竹謙治君大口喜六君
小川平吉君小野義一君
岡田伊太郞君若尾幾太郞君
若尾璋八君若宮貞夫君
渡邊伍君渡邊祐策君
加藤知正君加藤久米四郞君
兼松寅太郞君笠原忠造君
河上哲太君川口義久君
海原〓平君吉津度君
吉植庄一郞君吉木陽君
吉村伊助君米原於蒐男君
竹原樸一君竹內友治郞君
田中定吉君高井商二君
高木音藏君高橋熊次郞君
土屋興君中島守利君
中村巍君中村〓造君
難波〓人君向井倭雄君
內田信也君內野辰次郞君
植原悅二郞君上埜安太郎君
來栖七郞君熊谷巖君
黑住成章君倉元要一君
工藤十三雄君矢野鉉吉君
山本芳治君山本悌二郞君
山本愼平君山本条太郞君
山口義一君山口恒太郞君
山下谷次君山內範造君
山崎達之輔君松本眞平君
松岡俊三君松實喜代太君
牧野良三君藤井忠兵衞君
藤田胸太郞君藤田包助君
藤用〓助君一六洵君
古川〓君小久保喜七君
小泉策太郞君小橋藻三衞君
兒玉右二君神崎勳君
近藤達兒君安藤正純君
靑木精一君靑山憲三君
靑柳郁次郞君秋田寅之介君
秋田〓君赤間嘉之吉君
有馬賴寧君東武君
齋藤珪次君齋藤藤四郞君
榊原經武君佐々木文一君
佐々木春作君佐々木長治君
坂井大輔君坂梨哲君
木戶豐吉君木村政次郞君
宮崎三之助君宮本逸三君
三善〓之君三土忠造君
篠原和市君志賀和多利君
嶋居哲君廣瀨爲久君
廣岡宇一郞君平山爲之助君
森〓昶君森恪君
望月圭介君瀨沼伊兵衞君
砂田重政君鈴木隆君
菅原傳君隅田豐吉君
杉宜陳君吉良元夫君
猪野毛利榮君
否トスル議員ノ氏名左ノ如シ
石黑大次郞君飯塚春太郞君
井上利八君一柳仲次郞君
橋本喜造君原脩次郞君
服部英明君土生影君
早速整爾君羽田彥四郞君
西英太郞君戶井嘉作君
戶澤民十郞君富田幸次郞君
中馬興丸君大津淳一郞君
大島要三君大里廣次郞君
小野重行君岡本實太郎君
奥村千藏君片岡直溫君
川崎安之助君神谷彌平君
神田正雄君神部爲藏君
加藤政之助君加藤鯛一君
加藤六藏君加藤十四郞君
河野正義君河野曉君
河波荒次郞君金澤安之助君
橫山勝太郞君橫山一格君
横山金太郞君吉田磯吉君
高木益太郞君高木正年君
高橋元四郞君賴母木桂吉君
武富濟君田中万逸君
田中武雄君田中善立君
谷口宇右衞門君谷口源十郞君
俵孫一君中原德太郞君
中村貞吉君中野寅吉君
中野猪之助君中野實君
永田善三郞君永井柳太郞君
村上國吉君村上紋四郞君
村松龜一郞君紫安新九郞君
室木彌次郞君生方大吉君
內ケ崎作三郞君野村嘉六君
黑田重兵衞君工藤鐵男君
栗延敬太郞君山田又司君
山田助作君山田道兄君
山口嘉七君由本勝次君
山本厚三君山枡儀重君
山道襄一君松井郡治君
松本忠雄君松田三德君
丸山五郞君町田忠治君
古屋慶隆君深井功君
藤澤幾之輔君藤井敬愼君
福田五郞君小島4u作君
小寺乗a吉祥小山松本君
木檜三四郞君近藤重三郞君
紺野九右衞門君寺島權藏君
手代木隆吉君淺賀長兵衞君
淺川浩君阿由葉勝作君
靑木知四郞君蟻川五郞作君
荒井建三君安達謙藏君
作間耕逸君佐竹庄七君
佐藤實君佐藤球三郞君
齋藤隆夫君齋藤仁太郞君
齋藤金吾君木村小左衞門君
由谷義治君三木武吉君
三橋四郞次君箕浦勝人君
斯波貞吉君〓水留三郞君
信太儀右衞門君下元鹿之助君
重松重治君廣瀨德藏君
平沼亮三君平野光雄君
比佐昌平君森田茂君
望月小太郞君關矢孫一君
關俊吉君鈴木富士彌君
杉浦武雄君菅原英伍君
菅村太事君井坂豐光君
池田龜治君池田泰親君
岩切重雄君原夫次郞君
原田佐之治君原田十衞君
本多貞次郞君星廉平君
堀喜幸君富田愿之助君
東〓實君陣軍吉君
折原巳一郞君小島善作君
小川〓太郞君大園榮三郞君
大麻唯男君大城幸之一君
奧野小四郞君加藤鐐五郞君
柏田忠一君兼田秀雄君
金光庸夫君神村吉郞君
高鳥順作君高木第四郞君
丹下茂十郞君田中隆三君
谷原公君津崎尙武君
中村四郞兵衞君中村啓次郞君
中山貞雄君長峰與一君
植場平君浦野謙朗君
則元由庸君熊谷五右衞門君
藏園三四郞君栗林五朔君
八木逸郞君前田房之助君
前田兼寶君牧山耕藏君
松田源治君福井甚三君
小橋一太君兒玉實良君
寺田市立君櫻內幸雄君
佐藤重遠君岸本賀昌君
宜保成晴君三輪市太郞君
宮崎友太郞君宮島幹之助君
志波安一郞君〓水市太郎君
〓水長〓君平田民之助君
森肇君林田龜太郞君
富永孝太郞君堤〓六君
土屋〓三郞君武藤嘉門君
野原種次郞君山口政二君
增田義一君松山兼三郞君
佐々木安五郞君佐々木平次郎君
佐藤潤象君〓瀨一郞君
湯淺凡平君鷲野米太郞君
武藤山治君小林彌七君
古林喜代太君森田金藏君
堀田義次郞君高島兵吉君
成田榮信君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=132
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133・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 〓瀨一郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=133
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134・清瀬一郎
○〓瀨一郞君 只今ノ採擇ノ結果、竝ニ先
日來ノ討論ノ模樣ニ依リ、院議ノ存スル所、
自ラ明カデアリマスガ故ニ、私ノ決議案ハ
撤回致シマス
〔「賛成」「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=134
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135・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 只今〓瀨君ヨリ決議
案敬囘ノ申出ガアリマシタ、之ヲ許スニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=135
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136・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナイト認メマ
ス仍テ撤回ヲ許シマス、此際議事進行ニ
關シテ發言ヲ求メラレテ居リマス、之ヲ許
シマス-猪野毛利榮君
〔猪野毛利榮君登壇〕
〔此時發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=136
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137・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=137
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138・猪野毛利榮
○猪野毛利榮君 私ハ議事進行ニ付テ御尋
ヲ致シタイコトガアリマスソレハ只今ノ
如キ派手ナ問題ニアラズシテ、極ク地味ナ
問題デアリマス、只今ノ狀態ヲ見マスト
日程ガマダ法律案、或ハ建議案、請願其他
ノモノヲ併セマシテ、八百數十件ヲ餘シテ
居ルノデアリマス、此八百數十件ナルモノ
ハ決シテ輕イ案件デハナイト私ハ見テ居ル
ノデス、ソコデ私ハ此事柄ニ付テ總理大臣
ト議長ニ御尋ヲ致シタイト思フ、先ヅ最初
ニ總理大臣ニ伺ヒタイコトハ、會期ヲ延長
シテ此八百數十件ノ重要案件ノ始末ヲ付ケ
ル誠意ト決心ガアルヤ否ト云フコトデアル、
先日勞働組合法案ノ上程ニ際シ總理大臣
ハ此壇上ニ於テ述べラレタ、勞働調停法案
及治安警察法ノ改正法案ト共ニ、竝ンデ組
合法案ハ出スベキモノデナイカト云フコト
ヲ、井上君デアリマシタカ申サレタ時ニ於
テ、是モ必ズ此壇上ニ運フコトデアルト信
ジテ疑ハヌト總理大臣ハ申サレタノデアル
然ルニ今日ノ狀態ヲ見レバ三ツ竝ンデー
是ハ色ミノ問題カラ考ヘテ見レバ鍋ノ脚ノ
如ク、此三ツハ離スコトノ出朱ヌ性質ノ問
題デアル、ソレヲ二ツダケ切離シテ後ト
一ツダケ殘シテ居ルノデアル總理大臣ハ
必ズ此議場ニ於テ是ノ解決ガ出來ルト云フ
ヤウナ先日ハ口吻デ居タノデアル、然ル
ニ今日ノ模樣ヲ見、昨日ノ閣議ノ狀態ヲ承
レバ最早會期ハ延長ヲセナイ、是デ打切
ルト云フヤウナ御相談ガアッタト云フコト
ヲ私共承ッテ居ルノデアル、若槻總理大臣ハ
正直ヲ以テ吾々ハ信ジテ居ッタ、若槻總理大
臣ノ斷言シタコトハ大抵ハ間違ハナカラウ
虛僞ヲ言フ人デハナカラウト思ッテ居ッタ
然ルニ今日ノ狀態カラ考ヘテ見レバ惡意
ハナカッタニセヨ、·結果ニ於テ行ハレヌト
云フ狀態ニナルノデアル併ナガラ會期延
長ト云フコトハ憲法上ニ於テ或ル程度迄
許サレテ居ル、昨年ノ如キハ三囘ニ亙テ
會期ノ延長ヲ奏請以シタノデアル、今日此
殘ッテ居ル所ノ八百數十件ノ問題ヲ見ナサ
イ、此中ニハ非常ニ國民ノ實生活ニ離ルベ
カラザル所ノ重大案件ガアルノデアル只
今ノ政友會ノ出サレ夕決議案モ、或ハ大切
デアラウケレド、國氏ノ實生活トハ是ハ大
シタ關係ガアルカナイカ分ラヌ、午前中カ
ラ此問題ノ爲ニ各派ガ交涉會ヲ閉ク聞會
ガ遲レル、多大ナル時間ヲ空費致シテ居ッタ
ノデアル、黨派ニ嚴立セル我々ハ此ノ卷キ
添ヲ食ノテ誠ニ遺憾ノ次第デアリマス、依
テ議長ニ私ハ是カラ御尋シタイノデアル
ガ、今日モ去年ノ如ク建議案ノ如キモノヲ
一束ニシテ、此處ノ速記者ニ渡シテシマウノ
デアルカ、此何百件ノ建議案中ニハドレ位
國民ノ要求ガ入ッテ居ルカ分ラヌノデアル、
又議案具モノニ依シテ議長ナリ又諸君ナリ
ガ甲乙ノ差別ヲスルコトハイカヌ、現ニ法
律案ノ如キハドウデアル、政府ノ出シタ法
律案ハ僅カ二ツダケシカ殘ンテ居ナイノデ
アル、然ルニ議員ガ出シタル法律案ハ五
十餘件ヲマダ殘シテ店ルノデアル議員ガ出
シタモノト、政府ガ出シタモノトハ是位
ノ區別ヲシテ居ル(「是カラヤルノダ」ト呼
フ者アリ)又昨日ハドサクサ紛レニ通過サ
シタ所ノ造船所ノ賠償法案ノ如キモノハ、
日程ニモ上セズシテ突如トシテ之ヲ通過サ
シタ(「例ガ澤山アル」ト呼フ者アリ)斯ウ云
フヤウト多數ノ人ニ疑ハレテ居テ、不純ナ問
題ハ、國民ノ實生活トハ餘リ關係ノナイ問題
デアル或ハ酉原借款ノ跡始末ノ問題デモ
サウデス兩方合シテ一億二千万圓カラノ
大金ニナッテ居ルガ、コンナ問題ハ國民ノ
實生活ト何等關係ノナイコトデアル(「議
長」「議長」ト呼ヒ發言スル者多シ)極ク少數
ノ銀行業者、或ハ汽船會社ナドノ要求デア
ル今日此議會ニ於ケル所ノ議案ノ中デ、
眞ニ國民ノ聲ヲ聞カント欲スルナラバ
此建議案トカ請願ヲ措イテ、人民ノ聲ト云
フモノハ議會ニ現ハレテ居ナイデハナイカ
(「馬鹿ナコトヲ言フナ」ト呼フ者アリ)諸君
ガ此何百件ト云フ國民ノ叫ビヲ一束ニシテ、
サウシテ之ヲ速記者ニ渡スト云フヤウナコ
トハ全ク是ハ消化セズシテ鵜呑ミニスル
ト同樣デハナイカ、尙ホ又懲罰委員會ノ問
題等モ他ニ餘ノテ居ル、或ハ又恩給年金ノ
問題ナドモ、軍人ナドハ多年命感ケノ運動
ヲ致シテ居ッタノデアル、是ナドモホンノ
責任遁レニ、冗談半分ニ昨日此處ニ上セテ、
サウシテ此結末ヲ告ゲズシテ終ラセヤウト
云フコトハイケナイト思フ又杳問ニ付セ
ラレタル所ノ人ミノ如キハドウデアルカ、
如何ナル結果ニナンタカ、査問ニ付セラレ
タル人ミノ結末ヲ著ケズシテ、議長ハ此
問題ヲドウ云フ風ニオヤリニナル積リデア
ルカ、アヤフヤニ議案ヤ問題ヲ時間刀來タ
カラト言ッテ葬ルベキモノデハナイ、懲罰
ニ付スベキ性質ノモノナラバ、無罪ナラ無
罪有罪ナラ有罪トハツキリシタ方ガ宜イ
有耶無耶ニ之ヲ葬ルト云フコトハドウ云フ
コトデアルカ、査問ニ付セラレタル問題デ
モサウデアル、政友會ノ小川君デモ、秋田
君デモ、或ハ鳩山君ノ如キモノガ、色ミ此
疑惑ノ今日ハ的ニナッテ居ル、是ナドモ本當
ニヤッタノカ、ヤラヌノカ、明ニ此議會デ
結末ヲ若ケタラ宜イデハナイカ、有耶無耶
ノ間ニ諸君ハ人ニ疑ヲ懸ケテ、中野君ノ問
題デモサウデアル、ハッキリシテ議會ハ始
末ヲ著ケテヤッタラ宜イデハアリマセヌカ
諸君ガ此結末ヲ明カニセヌ時ニ於テハド
ウシテモ國民ハ議會ヲ信用ヲシナイ(「議事
ノ妨害ハ止セ」ト呼フ者アリ)私共ハ成ベク
人民ノ聲卜云フモノヲ議會ニ現サント考へ
ルノデアリマス、諸君ハ徒ニ大實業家トカ、
銀行家トカ、其他持權者級ノ人こノ精神ト
希望トノミヲ議會ニ現ハシ、之ヲ進行リシ
テ、何夕故ニ此多數國民ノ卽チ庶民ノ聲ヲ
議會ニ進行サセナイノデアルカ此點ニ付
テ議長及ビ總理大臣ノ所見ヲ永リタイト存
ズル次第デアリマス(拍手)
〔國務大臣若槻禮次郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=138
-
139・若槻禮次郎
○國務大臣(若槻禮次郞君) 只今ノ所デハ
會期ノ延長ヲ奏請スル意思ヲ政府ハ持ッテ
居リマセヌ、併シ議事ノ模樣ニ依リマスレ
バ奏請センケレバナラヌカモ知レマセヌ
ガ、只今ノ所デハ延長ヲ奏請スル意思ハ持
タヌノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=139
-
140・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 尙ホ猪野毛君ニ御答
致シマス、此多數ノ法律案其他ノ議案ヲ如何
ニスルカト云フ御尋デアリマシタガ、此會
期將ニ盡キントスル今日マデ、多數ノ法律
案其他ノ議案ガ殘ッテ參リマシタ事ハ議
長ノ甚ダ遺憾トスル所デアリマス、併ナガ
ラ是モ議事進行ノ都合ニ依リマシテ、洵
已ムヲ得ナイ紹果テアッタト思ヒマス、面シ
テ之ヲ如何ニ處理スルカト云フコトニ付テ
ハ、是ハ偏ニ諸君ノ御決議ニ俟シノ外ハナイ
ノデアリマス(「ヒヤ〓〓」)又査問會ノ結果
云々ト云フコトデアリマシタガ是モ査
問會ニ於テ相當ニ審議ヲ進メラレテ居リ
マシテ、必ズ何等カノ玆ニ報告ノアルコト
ト信ジマス之ヲ以テ御答ト致シマス一伯
手)只今貫族院ヨリ第三號大正十五年度歲
入歳出總豫算追加案、特第二號大正十五年
度各特別會計歲人歳出豫算追加案、此兩案
ガ囘付サレマシタ此際日程ヲ變更シテ之
ヲ議題トスルニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=140
-
141・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ日程ヲ變更シテ雨案ヲ議題ト致シ
マス、修正ノ箇所ヲ朗讀致サセマス
第三號大正十五年度歳入歲出總豫算追
加案(貴族院回村)
〔書記官朗讀〕
大正十五年度歲人歳出總豫算追加案
(第三號)
右貴院ノ送付ニ係ル政府提出案本院ニ於
テ修正議決セリ依テ議院法第五十五條ニ
依リ及回付候也
大正十五年三月二十五日
貴族院議長公爵徳川家達
衆議院議長粕谷義三殿
(小字及-ハ貴族院修正)
大正十五年度歲入歳出總豫算追加中貴族
院囘付ノ箇所左ノ如シ
豫算
第一條大正十五年度歲入歳出追加額ヲ
七百五拾九萬貳千貳百九拾八圓
各七百七拾喜貳千八百四拾圓ト定ム
其ノ款項ノ金額ハ別朋甲號歲入歳出豫
算ニ據ルヘシ
甲號
歲入臨時部
第九款前年度剩餘金繰入
七、四九七、三一八
七、六〇七、八六〇
第一項前年度剝餘金繰入
七、四九七、三一八
七、六〇七、八六〇
七、五九二、二九八
歲八總計七、七〇二、八四〇
歲出經常部
內務省所管
二八、八三〇
第四款社會局三三二三一
九、五三四
第一項俸給二〇
一九、二九六
第二項事務費一〇三
一七八、六○
第十一款地方廳二〇九、七○
四四三四
第一項俸給五〇、四三四
三七、一七
第二項事務費五九二七六
二〇七、四四〇
内務省所管合計二四二、九四一
大藏省所管
第十一款國債整理基金繰入
七七六、七〇〇
八五一、七四〇
第一項國債整理基金繰入
七七六、七
八五一、七四〇
歲出經常部合計
、一二四、五六六
一三五、0八
七、五九二、一九八
歲出總計七、七〇二、八四〇
特第二號大正十五年度各特別會計歲入
歲出豫算追加案(貴族院囘付)
大正十五年度各特別會計歲入歳出豫算
追加案(特第二號)
右貴院ノ送付ニ係ル政府提出案本案ニ於
テ修正議決セリ依テ議院法第五十五條ニ
依リ及回付候也
大正十五年三月二十五日
貴族院議長公爵德川家達
衆議院議長粕谷義三殿
(小字-及ハ貴族院修正)
大正十五年度各特別會計歲入歳出豫算追
加中貴族院囘付ノ箇所左ノ如シ
大藏省所管
國債整理基金
歳入
第一款國債整理基金收入
七七六、七
公소、七四〇
第一項一般會計ヨリ受入
七七六、七〇
八五一、七四〇
歲出
第一款國債整理基金支出
七七六、七〇〇
八五、七四〇
第一項國債整理基金支出
七七六、七
八五一、七四〇
〔藤澤幾之輔君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=141
-
142・藤澤幾之輔
○藤澤幾之輔君 只今議長ヨリ報告セラレ
マシタ衆議院カラ送付致シマシタ豫算ニ
對シマシテ、貴族院ニ於テ修正セラレマシ
テ、御承知ニナッタ通リ囘付セラレタノデ
アリマス、其修正ノ箇條ハ二ツデアリマス、
一ツハ労働組合法案ガ衆議院ニ於テ、只今
御承知ノ通リニ特別委員會ノ手ニ在リマシ
テ未ダ決定セラレマセヌ、隨テ貴族院ニ於
キマシテハ同法ノ施行ニ要シマスル所ノ經
費約三万五千圓ヲ削除致シタノデアリマ
スソレカラ次ハ海軍軍備制限條約ニ關係
致シマシタ所ノ補償公債ノ額ガ、是亦御承
知ノ通リ二千二百万圓デアッタモノヲ、本院
ニ於キマシテ之ヲ二千万圓ト修正致シテ
貴族院ニ送付致シタノデアリマス、隨テ其
交付公債ノ利拂等ノ爲ニ要シマスル所ノ金
額約七万五千圓ヲ貴族院ニ於テ削除セラレ
タノデアリマシテ、是亦本院ノ修正ノ當然
ノ結果デアルノデアリマス特別會計ノ方
ハ此影響デアリマシテ、是亦別ニ論ズル所
ハナイノデアリマス、卽チ二ツ共ニ當然ノ
修正ト看做スベキモノデアリマスカラ、本
院ニ於キマシテハ之ニ贊成ヲ致シマシテ、
之ヲ承認スルコトニ致シタイト考ヘマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=142
-
143・砂田重政
○砂田重政君 只今貴族院ヨリ囘付セラレ
マシタ追加豫算案ハ一旦衆議院ニ於テ可
決致シマシタモノニ對スル修正ヲ加ヘラレ
タノデアリマシテ、尙ホ其内容ニ付キマシ
テハ愼重ニ〓究シタ上ニ於テ賛否ヲ決シ
タイト思ヒマス、(「ヒヤ〓〓」「ノウ〓〓」)
此日程ハ後週シニサレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=143
-
144・松田源治
○松田源治君 貴族院ノ修正ハ當然ノ結果
デアリマス勞働組合法ノ不成立、海軍軍
備制限ニ伴フ賠償案ノ二百万圓ガ削除サレ
タ當然ノ結果デアリマス、今朗讀ノアッタ
如ク極メテ明瞭デアリマス、吾々ハ貴族院
ノ修正ニ同意致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=144
-
145・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 只今砂田君ニ依ッテ
述ベラレマシタル御說ハ、採決延期ノヤウ
デアリマス、其延期說ニ付テ採決致シマス、
之ニ賛成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔賛成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=145
-
146・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 起立少數デアリマ
ス、延期說ハ否決セラレマシタ-直ニ原
案ニ付テ採決ヲ致シマス、兩案ノ貴族院ノ
修正ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔賛成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=146
-
147・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 起立多數デアリマ
ス兩案共員族院ノ修正ニ同意スルニ致シ
マシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=147
-
148・作間耕逸
○作間耕逸君 議事日程變更ニ關スル緊急
動議ヲ提出致シマス、卽チ日程第二百九十
乃至第八百七十一ノ請願特別報告中、日程
第七百二十五、卽チ特別報告四百六十四號
醫藥分業實施ノ請願外百九件ハ暫シ後廻シ
ト爲シ、衝餘ノ五百八十一件ノ分ヲ此際特
ニ繰上ゲテ一括議題ト爲シ、請願委員長ノ
報告ヲ求メ、其審議ヲ進メラレンコトヲ望
ミマス
〔「賛成」「賛成」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=148
-
149・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 只令作間君ニ依ァテ
提出セラレマシタル日程變更ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ノ聲起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=149
-
150・粕谷義三
○議長(粕谷義ニ君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ日程第二百九十ヨリ日程第八百七
十一ニ至ル請願ノ中、第七百二十五ヲ除
キマシタル各請願ニ付テ、之ヲ一括議題ニ
供シマス、此際委員長ノ報告ヲ求メマス
-池田龜冶君
第二百九十(特別報告第二號)元屯田
兵豫備役服務期間ヲ公務員在職年ニ
通算ノ請願外四件(委員長報告)
第二百九十一(特別報告第三號)恩給
法中一部改正ノ請額(委員長報告)
第二百九十二(特別報告第四號)故增
本忠兵衛氏贈位ノ請願(委員長報告)
第二百九十三(特別報告第五號)元寇
殉難者ノ爲ニ廣島村ニ別格官醫社建
設ノ請願(委員長報告)
第二百九十四(特別報告第六號)天皇
陛下御肖像竝勅語ノ奉揭取締ノ請
願(委員長報告)
第二百九十五(特別報告第七號)天皇
陛下御肖像竝勅語奉揭物取扱ニ關ス
ル請願(委員長報告)
第二百九十六(特別報告第八號)產婆
法制定ノ請願外四十三件
(委員長報告)
第二百九十七(特別根告第九號)國立
吃音矯正機關設置ノ請願
(委員長報告)
第二百九十八(特別報告第一〇號)鍼
灸師法制定ノ請願(委員長報告)
第二百九十九(特別報告第一一號)公
設診療所設置ノ請願(委員長報告)
第三百(特別報告第一二號)草津溫泉
附近ニ國費ヲ以テ癩患者收容部落建
設ノ請願(委員長報告)
第三百一(特別報告第一三號)円木林
市荒川村間連絡架線道路新設ノ請
願(委員長報告)
第三百二(特別報告第一四號)渡良瀨
川改修ノ請願(委員長報告)
第三百三(特別報告第一五號)鶯泊漁
港修築ノ請願(委員長報告)
第三百四(特別報告第一六號)初山別
村漁港修築速成ノ請願(委員長報告)
第三百五(特別報告第一七號)天賣漁
港修築ノ請願(委員長報告)
第三百六(特別報告第一八號)枝幸漁
港修築速成ノ請願(委員長報告)
第三百七(特別報告第一九號)船泊村
ニ避難港築設ノ請願(委員長報告)
第三百八(特別報告第二〇號)與北自
作農創定組合ニ低利資金貸付ノ請願
(委員長報告)
第三百九(特別報告第二四號)臘虎膃
肭獸ノ獵獲解禁ノ請願外一件
(委員長報告)
第三百十(特別報告二五號)膃肭獣ノ
海上獵獲解禁ノ請願(委員長報書)
第三百十一(特別報告第二六號)重要
物產同業組合法改正ノ諸願
(委員長報告)
第三百十二(特別報告第二七號)兵役
者優遇ノ請願(委員長報告)
第三百十三(特別製告第二九號)東黑
田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百十四(特別報告第三〇號)万倉
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百十五(特別報告第三一號)山佐
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百十六(特別報告第三二號)上早
川村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百十七(特別報告第三三號)平谷
郵便局ニ電信、電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百十八(特別報告第三四號)德久
郵便局ニ集配竝電信事務間始ノ請願
(委員長報告)
第三百十九(特別報告第三五號)實殿
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百二十(特別報告第三六號)實殿
郵便局ニ電信、電話竝特設電話事務
開始ノ請願(委員長報告)
第三百二十一(特別報告第三七號)二
川村ニ無集配郵便局設圓ノ請願
(委員長報告)
第三百二十二(特別報告第三八號)久
利郵便局ニ電信、電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百二十三(特別報告第三九號)一
志波瀨郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百二十四(特別報告第四〇號)川
口村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百二十五(特別報告第四一號)上
田村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百二十六(特別報告第四二號)石
打村ニ郵便局設置ノ可願
(委員長報告)
第三百二十七(特別報告弟四三號)擇
捉島、根室間ニ無線電信架設ノ請願
(委員長報告)
第三百二十八(特別報告第四四號)朝
鮮人訴訟代理業者ニ辯護士資格付與
ノ請願(委員長報告)
第三百二十九(特別報告第四五號)朝
鮮辯護士資格付與ノ請願
(委員長報告)
第三百ド(特別報告第四六號)本別
村ニ區萩判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第三百三十一(特別報告第四七號)郡
山區裁判所管轄區域現制維持ノ請願
(委員長報告)
第三百三十二(特別報告第四八號)精
神振興院設立ノ請願(委員長報告)
第三百三十三(特別報告第四九號)私
立中等學校協會ニ國庫補助金交付ノ
請願外一件(委員長報告)
第三百三十四(特別報告第五〇號)私
立中等學校ニ國庫補助金交付ノ請願
外一件(委員長報告)
第三百三十五(特別報告第五二號)新
設伯備南線中簡易停車場設置ノ請願
(委員長報告)
(特別報告第五三號)姫
第二弾由ノ請願
(委員長報告)
第三百三十七(特別報告第五四號)邊
別羊瑛間ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第三百三十八(特別報告第五六號)帖
佐々、入來間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第三百三十九(特別報告第五七號)姫
津線速成ノ請願(委員長報告)
第三百四十(特別報告第五八號)神岡
村上横内及新宮村ニ姫津鐵道停車場
設置ノ請願(委員長報告)
第三百四十一(特別報告第五九號)木
次、三次間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第三百四十二(特別報告第六〇號)吉
野町ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第三百四十三(特別報告第六二號)宇
都宮、岩瀨間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第三百四十四(特別報告第六三號)女
川、松島間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第三百四十五(特別報告弟六四號)益
田、萩間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第三百四十六(特別報告第六五號)德
佐、大井間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第三百四十七(特別報告第六六號)寒
河江、富澤間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第三百四十八(特別報告第六七號)釧
路網走間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第三百四十九(特別報告第六八號)石
見益田驛ニ公衆電信取扱開始ノ請願
(委員長報告)
第三百五十(特別報告第六九號)廣島
濱田間鐵道速成ノ請願(委員長報告)
第三百五十一(特別報告第七〇號)花
卷、釜石間鐵道國營ノ請願
(委員長報告)
第三百五十二(特別報告第七一號)白
河廣田間鐵道敷置ノ請願
(委員長〓告)
第三百五十三(特別報告第七二號)村、
松村村松〓ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百五十四(特別報告第七三號)中
庄郵便局ニ特設電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百五十五(特別報告第七四號)猿
投郵便局ニ特設電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百五十六(特別報告第七五號)江
刈郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百五十七(特別報告第七六號)新
殿村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百五十八(特別報告第七七號)西
海村ニ三等集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百五十九(特別報告第七八號)河
内郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十(特別報告第七九號)佐束
郵便局ニ、集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十一(特別報告第八〇號)奧
上林郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十二(特別報告第八一號)口
總郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十三(持別報告第八二號)堺
郵便局ヲ一等局ニ昇格ノ請願外一件
(委員長報告)
第三百六十四(特別報告第八三號)吉
川郵便局ニ集配事務闇始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十五(特別報告第八四號)豐
永郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十六(特別報告第八五號)美
袋郵便局ニ特設電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十七(特別報告第八六號)眞
金郵便局ニ特設電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十八(特別報告第八七號)下
竹莊郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百六十九(特別報告第八八號)下
竹莊郵便局ニ電信事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三百七十(特別報告第八九號)三國
郵便局竝吉永郵便局ニ電信、電話事
務開始ノ請願(委員長報告)
第三百七十一(特別報告弟九〇號)小
貝村ニ郵使局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百七十二(特別報告第九一號)三
輪村ニ無集配三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百七十三(特別報告第九二號)太
市村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百七十四(特別報告第九ニ號)東
藤島村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百七十五(特別報告第九四號)垣
生郵便局ニ電信竝集配事務開始ノ請
願(委員長報告)
第三百七十六(特別報告第九五號)讃
豫線多喜濱驛前ニ無集配科便局設置
ノ請願(委員長報告)
第三百七十七(特別報告第九六號)都
賀行村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第三百七十八(特別報告第九七號)利
島村ニ無線電信架設ノ請願
(委員長報告)
第三百七十九(特別報告第九八號)南
種子村ニ國立燈臺設置ノ請願
(委員長報告)
第三百八十(特別報告第九九號)落石
燈臺ニ霧笛附設竝納沙布水道ニ航路
標識施設ノ請願(委員長報告)
第三百八十一(特別報告第一〇一號)
稻垣村ニ登記所設置ノ請願
(委員長報告)
第三百八十二(特別報告第一〇二號)
帶廣區栽判所ニ地方裁判所支部設置
ノ請願(委員長報告)
第三百八十三(特別報告第一〇三號)
小學校竝中等學校ニ神祇科加設ノ請
願(委員長報告)
第三百八十四(特別報告第一〇四號)
特別保護建造物及國寶修理補給金增
額ノ請願(委員長報告)
第三百八十五(特別報告第一〇五號)
國際補助語「エスペラント」ニ關スル
請願(委員長報告)
第三百八十六(特別報告第一〇六號)
福山、出雲今市間及來島、木次間鐡
道速成ノ請願外一伴(委員長報告)
第三百八十七(特別報告第一〇七號)
湖西鐵道敷設ノ請願(委員長報告)
第三百八十八(特別報告第一〇八號)
下長苗代村字高館ニ停車場設置ノ請
願(委員長報告)
第三百八十九(特別報告第一〇九號)
農具品輸送運賃規程改正ノ請願
(委員長報告)
第三百九十(特別報告第一一〇號)一
ノ關、大船渡間鐵道速成竝大船渡港
ヲ第二種重要港灣ニ指定ノ請願
(委員長報告)
第三百九十一(特別報告第一一一號)
萩小郡間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第三百九十二(特別報告第-一二號)
根室本線布部ニ停車場新設ノ請願外
一件(委員長報告)
第三百九十三(特別報告第一一四號)
盛岡、山田間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第三百九十四(特別報告第一一五號)
御坊町ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第三百九十五(特別報告第一一六號)
能代、機織間鐵道ヲ本線ニ引直シノ
請願(委員長報告)
第三百九十六(特別報告第一一七號)
尼崎驛貨車運輸系統變更ノ請願
(委員長報告)
第三百九十七(特別報告第一一八號)
大問鐵道速成ノ請願(委員長報告)
第三百九十八(特別報告第一一九號)
富山鐵道ノ買收竝延長ニ關スル請願
(委員長報告)
第三百九十九(特別報告第一二〇號)
魚計上大河原間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第四百(特別報告第一二一號)柳津、
野澤間鐵道敷設ノ請願(委員長報告)
第四百一(特別報告第一二二號)根室
原野殖民軌道敷設ノ請願
(委員長報告)
第四百二(特別報告第一二三號)厚
床、標津間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第四百三(特別報告第一二四號)碓氷
迂囘鐵道敷設速成ノ請願
外一件(委員長報告)
第四百四(特別報告第一二五號)川之
江、池田間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第四百五(特別報告第一二六號)余
市、余別間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第四百六(特別報告第一二七號)石
打、鹽澤兩騎間ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第四百七(特別報告第一二八號)大郡
鐵道北部速成ノ請願(委員長報告)
第四百八(特別報告第一三三號)江
差、上磯間鐵迫速成ノ請願
(委員長報告)
第四百九(特別報告第一三四號)北見
瀧ノ上、苫前間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第四百十(特別報告第一二六號)佐
原松岸間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第四百十一(特別報告第一三し號)益
田驛、大朝村間鈑追敷設ノ請願
(委員長報告)
第四百十二(特別報告弟一三八號)姫
津鐵道豫定線實行ノ請願
(委員長報告)
第四百十三(特別報告第一四〇硫)恩
八給法改正ニ關スル請願(委員長報告)
第四百十四(特別報告第一四二號)天
皇陛下御肖像奉揭取締ノ請願
(委員長報告)
第四百十五(特別報告第四三號)石
見益田驛ニ公衆電信取扱開始ノ請願
(委員長報告)
第四百十六(特別報告第一四四號)私
立中等學校ニ國庫補助金交付ノ請願
(委員長報告)
第四百十七(特別報告第一四五號)私
立中等學校協會ニ國庫補助金交付ノ
請願(委員長報告)
第四百十八(特別報告第一四六號)恩
給法中一部改正ノ請願(委員長報告)
第四百十九(特別報告第一四七號)廣
島、濱田間鐵迫速成ノ請願
(委員長報告)
第四百二十(特別報告第一四八號)町
村吏員ニ對スル恩給法制定ノ請願
(委員長報告)
第四百二十一(特別報告第一四九號)
故魚住逸治氏竝故岩本須三郞氏贈位
ノ請願(委員長報告)
第四百二十二(特別報告第一五〇號)
御陵確認ノ請願(委員長報告)
第四百二十三(特別報告第一五一號)
百分ノ五以下ノ人造絹絲混入綿織物
消費税免除ノ請願(委員長報告)
第四百二十四(特別報告第一五二號)
佐伯稅務署復活ノ請願(委員長被告)
第四百二十五(特別報告第一五三號)
畜產品輸入關稅ニ關スル請願
(委員長報告)
第四百二十六(特別報告第一五四號)
「カセイン」輸入閣税引上ニ關スル請願
(委員長報告)
第四百二十七(特別報告第一五五號)
「バター」輸入關稅引上ノ請願
(委員長報告)
第四百二十八(特別報告第一五六號)
萩巷開港ノ請願(委員長報告)
第四百二十九(特別報告第一五七號)
工業用鹽特價供給ノ請願
(委員長報告)
第四百三十(特別報告第一五八號)鹽
價統一ノ請願(委員長報告)
第四百二十一(特別報告第一五九號)
大鹽出張所管內ニ於ケル鹽賠償價格
變更ノ請願(委員長報告)
第四百三十二(特別報告第一六〇號)
對露損害賠償ニ關スル請願
(委員長報告)
第四百三十三(特別報告第一六一號)
宮崎神宮ヲ勅祭社ニ陞進ノ請願外三
件(委員長報告)
第四百三十四(特別報告第一六二號)
宮崎神宮別宮狭野神社分立竝昇格ノ
請願(委員長報告)
第四百三十五(特別報告第一六三號)
名寄町ニ支廳設置ノ請願
(委員長報告)
第四百三十六(特別〓告第一六四號)
鶴見川改修連成ノ詰願(委員長報告)
第四百三十七(特別報告第一六五號)
納內村、音江村間石待川ニ橋葉架設
ノ請願(委員長報告)
第四百三十八(特別報告第一六七號)
勝浦港ヲ漁港ニ指定竝施設改善ノ請
願(委員長報告)
第四百三十九(特別〓告第一六八號)
多摩川改修竝水源涵養費國庫支辨ノ
請願(委員長報告)
第四百四十(特別報告第一六九號)鰺shib
ヶ澤漁港修築ノ請願(委員長報告)
第四百四十一(特別報告第一七〇號)
天鹽漁港修築竝天照川河口改修ノ請
願(委員長報告)
第四百四十二(特別報告第一七一號)
拔海漁港修築ノ請願(委員長報告)
第四百四十三(特別報告第一七二號)
余別漁港修築ノ請願(委員長報告)
第四百四十四(特別報告第一七三號)
落石漁港外五港修築ノ請願
(委員長報告)
第四百四十五(特別報告第一七四號)
古平漁港修築ノ請願(委員長報告)
第四百四十六(特別報告第一七五號)
農村振興ノ請願(委員長報告)
第四百四十七(特別報告第一七六號)
肥料原價供給竝平準米價維持ニ關ス
ル請願(委員長報告)
第四百四十八(特別根告第一七七號)
鳥野神社ニ國有林野下戾ノ請願
(委員長報告)
第四百四十九(特別報告第七八號)
國有林野ニ關スル請願外十五件
(委員長報告)
第四百五十(特別毘告第一七九號)大
正十四年勅令第二百四十五號ニ關ス
ル請願(委員長報告)
第四百五十一(特別報告第一八〇號)
根室郡ニ國立種馬所設置ノ請願
(委員長報告)
第四百五十二(特別報告第一八一號)
商業會議所法中改正ノ請願外五件
(委員長報告)
第四百五十三(特別報告第一八二號)
陸軍緻舎建設ノ請願(委員長報告)
第四百五十四(特別報告第一八三號)
御所郵便局ニ電話竝集配事務開始ノ
請願(委員長報告)
第四百五十五(特別報告第一八四號)
兩〓村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百五十六(特別報告第一八五號)
荒川村ニ集配三等郵他局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百五十七(特別報告第一八六號)
東武藝村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百五十八(特別報告第一八七號)
濱四郷村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百五十九(特別報告第一八八號)
樋山村ニ三等郵便局設鐵ノ請願
(委員長報告)
第四百六十(特別報告第一八九號)布
施村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百六十一(特別報告第一九〇四坑)
三芳村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百六十二(特別報告第一九一號)
色麻郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第四百六十三(特別報告第一九二號)
知三郵便局ニ電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第四百六十四(特別報告第一九三號)
宇部驛前ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百六十五(特別報告第一九四號)
佐用村ニ特設電話架設ノ請願
(委員長報告)
第四百六十六(特別報告第一九五號)
溫泉村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百六十七(特別報告第一九六號)
糸生村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百六十八(特別報告第一九七號)
小諸郵便局ヲ二等局ニ昇格ノ請願
(委員長報告)
第四百六十九(特別報告第一九八號)
飯地村ニ三等集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第四百七十(特別報告第一九九號)大
田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第四百七十一(特別報告第二〇〇號)
小樽市長橋町方面ニ無集配郵便局設
置ノ請願(委員長報告)
第四百七十二(特別報告第二〇一號)
根室、上海間ニ命令補助航路開始ノ
請願(委員長報告)
第四百七十三(特別報告第二〇二號)
漁船法制定促進ノ請願(委員長報告)
第四百七十四(特別報告第二〇三號)
辨邊村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第四百七十五(特別報告第二〇四號)
〓育ノ機會均等門戶開放ニ關スル請
願(委員長報告)
第四百七十六(特別報告第二〇五號)
私立大學專門部卒業者優遇ノ請願
(委員長報告)
第四百七十七(特別報告第二〇六號)
鳥山、馬頭間鐵追速成ノ請願
(委員長報告)
第四百七十八(特別報告第二〇七號)
廿日市、津和野間錫道敷設ノ上訓願
(委員長報告)
第四百七十九(特別報告第一一〇八號)
市川村ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第四百八十(特別報告第二〇九號)深
川町下蘆別間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第四百八十一(特別報告第二一〇號)
札幌、增毛間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第四百八十二(特別報告戶二一一部、
杉田村ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第四百八十三(特別報告第二一二號)
中湧別、網走間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第四百八十四(特別報告第二一三號)
山東村ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第四百八十五(特別報告第二一四號)
名張、松坂間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第四百八十六(特別報告第二一五號)
吉塚、篠栗間鐵道ニ電車併用ノ請願
(委員長報告)
第四百八十七(特別報告第二一六號)
下諏訪、鹽尻間直通鐵道敷設反對竝
同區間現在線電化ノ請願
(委員長報告)
第四百八十八(特別報告第二一七號)
能代、五所川原問鐵道ヲ大釋迦驛ニ
延長ノ請願(委員長報告)
第四百八十九(特別報告第二二〇號)
商業會議所法中改止ノ請願外十一件
(委員長報告)
第四百九十(特別報告第二二一號)恩
給法中一部改正請願外三件
(委員長報告)
第四百九十一(特別報告第二二二號)
產婆法制定ノ請願外一件
(委員長報告)
第四百九十二(特別報告第二二五號)
故赤禰武人氏贈位ノ請願
(委員長報告)
第四百九十三(特別報告第二二六號)
田畑ノ地價修正ニ關スル請願
(委員長報告)
第四百九十四(特別報告見二二七號)
黑糖及白下糖消費稅免除ノ請願外
件(委員長報告)
第四百九十五(特別報告第一二八號)
蓄音機及附屬品等ノ關稅改正ノ請願
(委員長報告)
第四百九十六(特別報告第二二九號)
亞鉛引針金關稅引上ノ請願
(委員長報告)
第四百九十七(特別報告第二三〇號)
仙崎港開港ノ請願(委員長報告)
第四百九十八(特別報告第二三(適)
萬國貨幣法統一ノ請願(委員長報告)
第四百九十九(特別報告第二三二號)
貯蓄銀行ヨリ他銀行ヘノ預金利子ニ
對スル所得稅免除ノ請願
(委員長報告)
第五百(特別報告第二三三號)貯蓄銀
行ニ對スル營業稅免除ノ請願
(委員長報告)
第五百一(特別報告第二三四號)鹿兒
島縣ニ於ケル煙草作ニ關スル請願外
七件(委員長報告)
第五百二(特別報告第二三五號)尼港
漁業者ノ損害救濟ニ關スル請願
(委員長報告)
第五百三(特別報告第二三六號)縣社
呑香稻荷神社神代神樂補助ノ請願
(委員長報告)
第五百四(特別報告第二三七號)部落
問題ニ關スル國策確立ノ請願
(委員長報告)
第五百五(特別報告第二三八號)靑年
團ニ國庫補助ノ請願ノ(委員長報告)
第五百六(特別報告第二三九號)聲問
川河口修築ニ關スル請願
(委員長報告)
第五百七(特別報告第二四〇號)石待
川ニ橋梁架設ノ請願(委員長報告)
第五百八(特別報告第二四一號)渡良
瀨川改修ノ請(委員長報告)
第五百九(特別報告第一一四二號)音江
村、深川町間石狩川ニ橋梁架設ノ請
願(委員長報告)
第五百十(特別報告第一一四三號)高砂
港國包間ニ運河開鑿ノ請願
(委員長報告)
第五百十一(特別報告第一一四四號)十
勝土功組合教育ノ請願(委員長報告)
第五百十二(特別報告第一一四五號)開
墾主要工事國營ノ請願(委員長報告)
第五百十三(特別報告第二四六號)小
貝川第二期改修工事促進ノ詰願
(委員長報告)
第五百十四(特別報告第二四七號)相
坂川冶水ニ關スル請願(委員長報告)
第五百十五(特別畏告第一一四八號)旭
橋改築ノ請願(委員長報告)
第五百十六(特別報告第一一四九號)常
呂川河口改修ノ請願(委員長報告)
第五百十七(特別報告第二五〇號)雄
物川河口修築工事擴張ノ請願
(委員長報告)
第五百十八(特別報告第一一五一號)寺
泊築港ニ關スル請願(委員長報告)
第五百十九(特別報告第一一五二號)重
信川改修ノ請願(委員長報告)
第五百二十(特別報告第一一五三號)石
狩川治水計畫ニ依ル堤外地買上ノ請
願(委員長報告)
第五百二十一(特別報告第一一五四號)
血液循環治療法規則制定ノ請願外一
件(委員長想告)
第五百二十二(特別報告第二五五號)
藤原藤房卿墳墓竝遺物保存ノ請願
(委員長報告)
第五百二十三(特別報告第二五六號)
十和田湖ヲ中心トスル國立公園設置
ノ請願(委員長報告)
第五百二十四(特別報告第一一五七號)
旭川市ニ米没断藏庫設置ノ請願
(委員長報告)
第五百二十五(特別報告第一一五八號)
沖繩縣ニ於ケル分密糖業保護ニ關ス
ル請願外一件(委員長報告)
第五百二十六(特別報告第二五九號)
渡良瀨川水源涵養ニ關スル請願
(委員長報告)
第五百二十七(特別報告第二六〇號)
漁業法改正ノ請願(委員長報告)
第五百二十八(特別報告第一六十一號
水質汚濁豫防法制定ノ請願
(委員長報告)
第五百二十九(特別報告第一一六二號)
魚市場法制定ノ請願(委員長報告)
第五百三十(特別報告第一一六三號)國
立水產試驗場設立ノ請願
(委員長報告)
第五百三十一(特別報告第二六四號)
水產〓育振興ノ請願(委員長報告)
第五百三十二(特別報告第二六五號)
膃肭獸保護條約存廢ニ關スル請願
(委員長報告)
第五百三十三(特別報告第一一六六號)
狩野川治水計書變更ノ請願
(委員長報告)
第五百三十四(特別報告第二六七號)
水產物ノ層殖獎、動ノ請願
(委員長報告)
第五百三十五(特別報告第二六八號)
水產會ニ對スル國庫補助金層額ノ請
願(委員長報告)
第五百三十六(特別報告第二六九號)
機船底曳網漁業取締ノ請願
(委員長報告)
〇〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓事速記錄第三十七號
第五百三十七(特別報告第二七〇號)
雄武漁港修築ノ請願(委員長報告)
第五百三十八(特別報告第二七一號)
壽都漁港修築ノ請願(委員長報告)
第五百三十九(特別報告第二七二號)
辨邊村市街地附近ニ漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第五百四十(特別報告第二七三號)野
澤町ニ國立養鯉試驗場設置ノ請願
(委員長報告)
第五百四十一(特別報告第二七四號)
廣尾漁港修築ノ請願(委員長報告)
第五百四十二(特別報告第二七五號)
福山漁港修築ノ請願(委員長報告)
第五百四十三(特別報告第二七六號)
幌泉漁港修築ノ請願(委員長報告)
第五百四十四(特別報告第二七七號)
國見村小丹生灣ニ漁港避難港設備速
成ノ請願(委員長報告)
第五百四十五(特別報告第二七八號)
四ヶ浦ニ避難漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第五百四十六(特別報告第二七九號)
苫前村ニ漁港兼避難港築設ノ請願
(委員長報告)
第五百四十七(特別報告第二八〇號)
三石漁港修築ノ請願(委員長報告)
第五百四十八(特別報告第二八一號)
臘虎、膃肭獸獵業解禁ノ請願
(委員長報告)
第五百四十九(特別報告第二八二號)
足尾銅山煙毒除害竝水源涵養ノ請願
(委員長報告)
第五百五十(特別報告第二八三號)鑛
業法中改正ノ請願(委員長報告)
第五百五十一(特別報告第二八四號)
實用新案權存續期間延長ノ請願
(委員長報告)
第五百五十二(特別報告第二八五號)
商業會議所法中改正ノ請願外八件
(委員長報告)
)
二(完)
(
第五百五十三(特別報告第二八六號)
一ノ關、大船渡間鐵道速成竝大船渡
港ヲ第二種重要港灣ニ指定ノ請願外
件(委員長報告)
第五百五十四(特別報告第二八七號)
「バター」輸入關稅引上ノ請願
(委員長報告)
第五百五十五(特別報告第二九〇號)
吉塚、篠栗間鐵道ニ電車併用ノ請願
(委員長報告)
第五百五十六(特別報告第二九一號)
肥料原價供給竝平準米價維持ニ關ス
ル請願(委員長報告)
第五百五十七(特別報告第二九二號)
恩給法中一部改正ノ請願
(委員長報告)
第五百五十八(特別報告第二九三號)
元屯田兵豫備役服務期間ヲ公務員在
職年ニ通算ノ請願(委員長報告)
第五百五十九(特別報告第二九四號)
故〓里傳兵衞重幸氏贈位ノ請願
(委員長報告)
第五百六十(特別報告第二九五號)恩
給年金擔保低利資金貸下ノ請願
(委員長報告)
第五百六十一(特別報告第二九六號)
皇子空也上人御陵確定ノ請願
(委員長報告)
第五百六十二(特別報告第二九七號)
在外指定學校〓員ノ恩給ニ關スル請
願(委員長報告)
第五百六十三(特別報告第二九八號)
乳製品ノ輸入關稅引上ニ關スル請願
(委員長報告)
第五百六十四(特別報告第二九九號)
府縣社以下神社神職ノ俸給國庫補助
ノ請願(委員長報告)
第五百六十五(特別報告第三〇〇號)
癩療養所設置指定地取消ノ請願外二
十三件(委員長報告)
第五百六十六(特別報告第三〇一號)
油谷港修築ニ關スル請願
(委員長報告)
第五百六十七(特別報告第三〇二號)
瀨棚港修築ノ請願(委員長報告)
第五百六十八(特別報告第三〇三號)
木津川治水ノ請願(委員長報告)
第五百六十九(特別報告第三百四號)
高砂港改修ノ購買(委員長報告)
第五百七十(特別報告第三〇五號)留
萌港修築速成ノ請願(委員長報告)
第五百七十一(特別報告第三〇六號)
吉崎及東尋坊ヲ中心トスル國立公園
設置ノ請願(委員長報告)
第五百七十二(特別報告第三百七號)
支笏湖及其ノ附近ヲ國立公園地域ニ
編入ノ請願(委員長報告)
第五百七十三(特別報告第三〇八號)
國有林野及國有河川所在町村ヘ國庫
補助金交付ノ請願(委員長報告)
第五百七十四(特別報告第三〇九號)
神恵内村ニ漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第五百七十五(特別報告第三一〇號)
下關漁港速成ノ請願(委員長報告)
第五百七十六(特別報告第三一一號)
西島牧村ニ漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第五百七十七(特別報告第三一二號)
串本港ヲ漁港ニ指定ノ請願
(委員長報告)
第五百七十八(特別報告第三一三號)
入舸村ニ漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第五百七十九(特別報告第三一四號)
樣似漁港修築ノ請願(委員長報告)
第五百八十(特別報告第三一五號)磯
谷村ニ漁港築設ノ請願(委員長報告)
第五百八十一(特別報告第三一六號)
家内工業保護ノ請願(委員長報告)
第五百八十二(特別報告第三一七號)
陸軍職工規則改正ニ關スル請願
(委員長報告)
第五百八十三(特別報告第三一八號)
毛原郵便局ニ電信竝電話事務開始ノ
請願(委員長報告)
第五百八十四(特別報告第三一九號)
斜古丹村ニ無線電信架設竝三等郵便
局設置ノ請願(委員長報告)
第五百八十五(特別報告第三二〇號)
下小阿仁村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第五百八十六(特別報告第三二一號)
五千石郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第五百八十七(特別報告第三二二號)
小野田郵便局ニ集配事務開始ノ請
願(委員長報告)
第五百八十八(特別報告第三二三號)
深良村ニ無集配三等郵便局設置ノ
請願(委員長報告)
第五百八十九(特別報告第三二四號)
細呂木驛附近ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第五百九十(特別報告第三二五號)美
九里村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第五百九十一(特別報告第三二六號)
太田村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第五百九十二(特別報告第三二七號)
七谷村大字黑水ニ郵便局設置ノ請願
外一件(委員長報告)
第五百九十三(特別報告第三二八號)
三庄村西庄ニ無集配郵便局設置ノ請
願(委員長報告)
第五百九十四(特別報告第三二九號)
藤澤村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第五百九十五(特別報告第三三〇號
西太美村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第五百九十六(特別報告第三三一號)
佐用郵便局ニ電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第五百九十七(特別報生第三三二號)
野田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第五百九十八(特別報告第三三三號)
加賀郵便局ニ電信竝電話事務取扱開
始ノ請願(委員長報告)
第五百九十九(特別報告第三三四號)
六合村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第六百(特別報告第三三五號)北濃村
ニ郵便局設置ノ請願(委員長報告)
第六百一(特別報告第三三六號)福本
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百二(特別報告第三三七號)津輕
新城郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百三(特別報告第三三八號)宇治
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百四(特別報告第三三九號)上〓
村大字黑田ニ無集配郵便局設置ノ請
願(委員長報告)
第六百五(特別報告第三四〇號)大幡
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百六(特別報告第三四一號)一二重
縣南、北牟婁郡沿岸ニ燈臺設置ノ請
願(委員長報告)
第六百七(特別報告第三四二號)菅田
町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百八(特別報告第三四三號)西足
寄村ニ登記所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百九(特別報告第三四四號)竹田
村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百十(特別報告第三四五號)壬生
川町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百十一(特別報告第三四六號)國
安村ニ登記所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百十二(特別報告第三四七號)義
務〓育年限延長竝補習〓育費國庫補
勁ノ讃願(委員長報告)
第六百十三(特別報告第三四八號)岡
崎市ニ高等師範學校設置ノ請願
(委員長報告)
第六百十四(特別報告第三四九號)女
子高等〓育振興ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百十五(特別報告第三五〇號)薩
摩義士ノ事蹟ヲ國定〓科書ニ採錄ノ
請願(委員長報告)
第六百十六(特別報告第三五二號)故
月照、信海兩上人ニ大師號下賜ノ請
願(委員長報告)
第六百十七(特別報告第三五三號)圖
崎多治見間鐵市敷設ノ請願
(委員長報告)
第六百十八(特別報告第三五四號)岡
崎、大井間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第六百十九(特別報告第三五五號)下
曾我驛構內ニ地下道聞鑿ノ請願
(委員長報告)
第六百二十(特別報告第三五六號)江
丹別村ニ簡易停車場新設ノ請願
(委員長報告)
第六百二十一(特別報告第三五七號)
靑〓村ニ停車場設置ノ話願
(委員長報告)
第六百二十二(特別報告第三五八號)
濱吉田、坂元驛間ニ停車場設置ノ請
願(委員長報告)
第六百二十三(特別報告第三五九號)
芽室、「トムラウシ」間鐵道速成ノ請
願(委員長報告)
第六百二十四(特別報告第三六〇號)
上磯鐵道速成ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百二十五(特別報告第三六一號)
松前鐵道速成ノ請願(委員長報告)
第六百二十六(特別報告第三六二號)
濱田町西部ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第六百二十七(特別報告第三六三號)
六日市村字浦柄ニ停車場新設ノ請願
(委員長報告)
第六百二十八(特別報告第三六四號)
有間川地内ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第六百二十九(特別報告第三六五號)
御杖村ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第六百三十(特別報告第三六七號)米
原今庄間鐵道電化速成ノ請願外二
件(委員長報告)
第六百三十一(特別報告第三六八號)
北條驛ヲ起點トスル房南沿岸迂回鐵
道敷設ノ請願(委員長報告)
第六百三十二(特別報告第三六九號)
狩野川治水計畫變更ノ請願
(委員長報告)
第六百三十三(特別報告第三七〇號)
金鵄勳章年金令改正ニ關スル請願外
三件(委員長報告)
第六百三十四(特別報告第三七一號)
「バター」輸入關稅引上ノ請願外一
件(委員長報告)
第六百三十五(特別報告第三七二號)
田畑ノ地價修正ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百三十六(特別報告第三七三號)
廣島、濱田間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第六百三十七(特別報告第三七四號)
蒟蒻粉ノ輸入關稅引上ノ請願外二件
(委員長報告)
第六百三十八(特別報告第三七五號)
家脉賞典祿ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百三十九(特別報告第三七六號)
海外醜業婦取締ノ請願外一件
(委員長報告)
第六百四十(特別報告第三七七號)千
曲川改修工事速成ノ請願
(委員長報告)
第六百四十一(特別報告第三七八號)
常呂川治水ニ關スル請願外二件
(委員長報告)
第六百四十二(特別報告第三七九號)
敦賀港内「ウネリ」防止ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百四十三(特別報告第三八〇號)
泊村ニ漁港築設ノ願(委員長報告)
第六百四十四(特別報告第三八一次元
仙法志村ニ漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第六百四十五(特別報告第三八二號)
商工會法制定ノ請願(委員長報告)
第六百四十六(特別報告第三八三號)
賀名生神宮創建ノ請願(委員長報告)
第六百四十七(特別報告第三八四號)
湧別川治水ノ請願(委員長報告)
第六百四十八(特別報告第三八五號)
晩生內道路石狩川渡船場ニ架橋ノ請
願(委員長報告)
第六百四十九(特別報告第二八六號)
新宮川治水ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百五十(特別報告第三八七號)香
深漁港修築ノ請願(委員長報告)
第六百五十一(特別報告第三八八號)
沙留港修築ノ請願(委員長報告)
第六百五十二(特別報告第三八九號)
上中山村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第六百五十三(特別報告第三九〇號)
〓水村八幡ニ無集配郵便局設置ノ請
願(委員長報告)
第六百五十四(特別根告第三九一號)
八幡村大字山名ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第六百五十五(特別報告第三九二號)
田面郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百五十六(特別報告第三九三號)
室生村大字出口ニ無集配三等郵便局
設置ノ請願(委員長報告)
第六百五十七(特別報告第三九四號)
夙川停留所附近ニ無集配郁便局設置
ノ請願(委員長報告)
第六百五十八(特別報告第三九五號)
下大野郵便局ニ集配竝電信、電話事
務開始ノ請願(委員長報告)
第六百五十九(特別報告第三九六號)
美穂郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百六十(特別報告第三九七號)二
條郵便局ニ電信、電話事務開始ノ請
願(委員長報告)
第六百六十一(特別報告第三九八號)
秋鹿郵便局ニ電信、電話事務開始ノ
請願(委員長報告)
第六百六十二(特別報告第三九九號)
久里村ニ無集配三等郵便局設置ノ請
願(委員長報告)
第六百六十三(特別報告第四〇〇號)
松尾郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百六十四(特別報告第四〇一號)
五領ヶ島村大字兼定島ニ無集配三等
郵便局設置ノ請願(委員長報告)
第六百六十五(特別報告第四〇二號)
大宜味郵便局ニ電信事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百六十六(特別報告第四〇三號)
國府村ニ無集配三等郵便局設置ノ請
願(委員長報告)
第六百六十七(特別報告第四〇四號)
秋目郵便局ニ電信事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百六十八(特別根告第四〇五號)
大都河村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第六百六十九(特別報告第四〇六號)
牛道村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第六百七十(特別報告第四〇七號)壹
岐瀨戶浦郵便局ニ集配事務開始ノ請
願(委員長報告)
第六百七十一(特別報告第四〇八號)
山口縣阿武郡高山岬ニ戀臺設置ノ請
願(委員長報告)
第六百七十二(特別報告第四〇九號)
袖川郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百七十三(特別報告第四一〇號)
阿古郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第六百七十四(特別報告第四一一號)
奥浦村ニ郵便局設置ノル願
(委員長報告)
第六百七十五(特別報告第四一二號)
名寄町ニ地方裁判所支部設置ノ請願
(委員長報告)
第六百七十六(特別報告第四一三號)
倶知安町ニ區裁判所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百七十七(特別報告第四一四號)
桐生市ニ區裁判所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百七十八(特別報告第四一五號)
婦人辯護士制度制定ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百七十九(特別報告第四一六號)
書道振興癸勵ノ請願(委員長報告)
第六百八十(特別報告第四一七號)
美倉橋驛設置ノ議願(委員長報告)
第六百八十一(特別報告第四一八號)
信越線龜田、沼垂間ニ停車場設置ノ
請願(委員長報告)
第六百八十二(特別門告第四一九號)
東北本線三戶、劍吉間ニ停車場設置
ノ請願(委員長報告)
第六百八十三(特別報告第四二〇號)
東海道線總持寺前略切竝鶴見神社脇
踏切改造ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百八十四(特別報告第四二一號)
東海道線安養寺前鐵橋及排水施設改
善ノ請願(委員長報告)
第六百八十五(特別報告第四二二號)
船岡村ニ停車場新設ノ請願
(委員長報告)
第六百八十六特別報告第四二三號)
鐵道敷設法別表第八十八ニ關スル請
願(委員長報告)
第六百八十七(特別報告第四二四號)
野付牛町ニ區裁判所設置ノ請願
(委員長報告)
第六百八十八(昭和43年)報告第四二五號)
瀧ノ上、上川間算道速成ノ請願
(委員長報告)
第六百八十九(特別報告第四二七號)
山野線輕便鐵道延長ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百九十(特別報告第四二八號)商
業會議所法中改正ノ請願外一件
(委員長報告)
第六百九十一(特別報告第四二九號)
產婆法制定ノ請(委員長報告)
第六百九十二(特別報告第四三〇號)
宮崎神宮ヲ勅祭社ニ陞進ノ請願外二
件(委員長報告)
第六百九十三(特別報告第四三一號)
恩給法中一部改正ノ請願
(委員長報告)
第六百九十四(特別浪告第四三三號)
川之江、池田間鐵道速成ノ請疑外四
件(委員長報告)
第六百九十五(特別損告第四三四號)
國號ノ稱呼使用ニ關スル請願
(委員長報告)
第六百九十六(特別報告第四三五號)
府縣社以下神社神職〓位ニ關スル請
願(委員長報告)
第六百九十七(特別報告第四三六號)
故沼田喜平次氏贈位ノ請願
(委員長報告)
第六百九十八(特別報告第四三七號)
活字角ノ設定及活字種類限定ノ請願
(委員長報告)
第六百九十九(特別報告第四三八號)
安塚稅務署復活ノ請願(委員長報告)
第七百(特別報告第四三九號)山林銀
行設立ノ請願(委員長報告)
第七百一(特別報告第四四〇號)關稅
定率法第七條中比重ノ制限撤廢ニ關
スル請願(委員長報告)
第七百二(特別報告第四四一號)小型
寫眞器及部分品輸入關稅ニ關スル請
願(委員長報告)
第七百三(特別報告第四四二號)寫眞
用「フイルム」輸入關稅ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百四(特別報告第四四三號)香料
關稅改正ニ關スル詰願(委員長報告)
第七百五(特別報告第四四四號)府縣
社以下神社經費ヲ地方〓體ヨリ供進
ノ請願(委員長報告)
第七百六(特別報告第四四五號)府縣
社以下神社ノ社格改稱ノ請願
(委員長報告)
第七百七(特別報告第四四六號)東牟
婁郡役所存置ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百八(特別報告第四四七號)府縣
知事公選ノ請願(委員長視告)
第七百九(特別報告第四四八號)貧弱
町村ノ合併ニ關スル頭
(委員長報告)
第七百十(特別報告第四四九號)町村
會議長ヲ議員中ヨリ互選ノ請願
(委員長報告)
第七百十一(特別根〓第四五〇號)府
縣發布ノ諸規則ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百十二(特別報告第四五一號)煙
突取締規則制定ノ請願(委員長報告)
第七百十三(特別報告第四五二號)傳
染病豫防法中「コレラ」ニ關スル規定
改正ノ請願(委員長報告)
第七百十四(特別報告第四五三號)着
作權法中改正ノ請願(委員長報告)
第七百十五(特別報告第四五四號)差
別的言動取締法制定ノ請願
(委員長報告)
第七百十六(特別報告第四五五號)理
髮師試驗制度實施ノ請願外一件
(委員長報告)
第七百十七(特別報告第四五六號)倶
知安土功組合救濟ノ請願
(委員長報告)
第七百十八(特別報告第四五七號)北
海道ニ於ケル土功組合事業助成ノ請
願(委員長報告)
第七百十九(特別報告第四五八號)石
狩川河口改修ノ請願(委員長報告)
第七百二十(特別報告第四五九號)美
國港修築ノ請願(委員長報告)
第七百二十一(特別報告第四六〇號)
那賀川改修ノ請願(委員長報告)
第七百二十二(特別報告第四六一號)
北見國拓殖軌道敷設ノ請願
(委員長報告)
第七百二十三(特別報告第四六二號)
北海道ニ於ケル地方鐵道及軌道事業
助成ニ關スル請願(委員長報告)
第七百二十四(特別報告第四六三號)
沖縄縣ニ於ケル軌道經營會社ニ國庫
補助ノ請願(委員長報告)
第七百二十六(特別報告第四六五號)
按摩術假免許鑑札下付ノ請願
(委員長報告)
第七百二十七(特別報生第四六六號)
按摩術「マツサージ」衛ヲ盲人ノ專
業ト爲スノ法規制定ノ請願
(委員長報告)
第七百二十八(特別報告第四六七號)
無藥療術法規制定ノ請願
(委員長報告)
第七百二十九(特別報告第四六八號)
醫師法第十三條改正ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百三十(特別報告第四六九號)多
久和ノ城趾保存ノ請願(委員長報告)
第七百三十一(特別報生第第七七號)
後鳥羽上皇隱岐御選幸御順路調査ノ
請願(委員長報告)
第七百三十二(特別報告第四七一號
溫泉保護政策樹立速成ノ請願
(委員長報告)
第七百三十三(特別報告第四七二號)
宮崎縣野尻原開田ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百三十四(特別報告第四七三號)
旭川市ニ正米市場及米れ貯藏倉庫設
置ノ請願(委員長報告)
第七百三十五(特別報告第四七四號)
中込町ニ國立鯉苗配給場設置ノ請願
(委員長報告)
第七百三十六(特別報告第四七五號)
中込町ニ國立食用蛙試驗場設置ノ請
願(委員長報告)
第七百三十七(特別報告第四七六號)
露領ニ於ケル本邦小漁業者救濟ノ請
願(委員長報告)
第七百三十八(特別報告第四七七號)
水產防疫費國庫支辨ノ請願
(委員長報告)
第七百三十九(特別報告第四七八號)
水產單科大學設立ノ請願
(委員長報告)
第七百四十(特別報告第四七九號)關
西及九州ニ高等水產學校設置ノ請願
(委員長報告)
第七百四十一(特別報告第四八〇號)
水產增殖法制定ノ請願(委員長報告)
第七百四十二(特別報告第四八一號)
漁村振興ニ關スル請願(委員長報告)
第七百四十三(特別報告第四八二號)
齒舞村ニ漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第七百四十四(特別報告第四八三號)
八雲町漁港修築ノ請願(委員長報告)
第七百四十五(特別報生第四八四號)
樞要漁區ニ於ケル漁港速成ノ請願
(委員長報告)
第七百四十六(特別報告第四八五號)
猿拂村ニ簡易漁港築設ノ請願
(委員長報告)
第七百四十七(特別報告第四八六號)
蘭法華漁港修築ノ請願(委員長報告)
第七百四十八(特別報告第四八七號)
鰹漁業保護ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百四十九(特別報告第四八八號)
珊瑚礁發見費國庫補助ノ請願
(委員長報告)
第七百五十(特別報告第四八九號)國
產製乳事業振興ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百五十一(特別報告第四九〇號)
牛乳ノ脂肪檢定ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百五十二(特別報告第四九一號)
家畜傳染病豫防法中改正ノ請願
(委員長報告)
第七百五十三(特別報告第四九二號)
薄荷ノ外國市況調査竝生產者保護ニ
關スル請願(委員長報告)
第七百五十四(特別報告第四九三號)
國產品ノ消費奬勵ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百五十五(特別報告第四九四號)
鑛業法改正ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百五十六(特別報生第四九五號)
三都和村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百五十七(特別報生第四九六號)
川西村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百五十八(特別報告第四九七號)
坂下町字上町ニ三等郵使局設置ノ請
願(委員長報告)
第七百五十九(特別報告第四九八號)
若松市榮町ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十(特別報告第四九九號)石
切所村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十一(特別報告第五〇〇號)
播丹鐵道社驛前ニ三等郵便局設置ノ
請願(委員長報告)
第七百六十二(特別報告第五〇一號)
神指村黒川ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十三(特別報告第五〇二號)
高田町下町ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十四(特別報告第五〇三號)
中瀨村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十五(特別報告第五〇四號)
吉田村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十六(特別報告第五〇五號)
東北本線北白川驛前ニ郵便局設置ノ
請願(委員長報告)
第七百六十七(特別報告第五〇六號)
北下浦村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十八(特別報告第五〇七號)
小原村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百六十九(特別報告第五〇八號)
長野村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百七十(特別報告第五〇九號)安
村ニ無集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百七十一(特別報告第五一〇號)
木郞村字白丸ニ無集配三等郵便局設
置ノ請願(委員長報告)
第七百七十二(特別報告第五一一號)
撫養町大字黑崎ニ無集配三等郵便局
設置ノ請願(委員長報告)
第七百七十三(特別報告第五一二號)
西栗栖村ニ集配郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第七百七十四(特別報告第五一三號)
鹿又郵便局移轉竝同局ニ集配事務開
始ノ請願(委員長報告)
第七百七十五(特別報告第五一四號)
中名田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百七十六(特別報告第五一五號)
四ツ濱郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百七十七(特別報生第五一六號)
有福郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百七十八(特別報告第五一七號)
遠山郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百七十九(特別報告第五一八號)
下原田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十(特別報告第五一九號)夏
井郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十一(特別報告第五二〇號)
天橋立郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十二(特別報告第五二一號)
馬來田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十三(特別報告第五二二號)
中萩郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十四(特別報告第五二三號)
大船渡郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十五(特別報告第五二四號)
赤生津郵便局ニ集配竝電信事務開始
ノ請願(委員長報告)
第七百八十六(特別報告第五二五號)
美和郵便局ニ電話竝集配事務開始ノ
請願(委員長報告)
第七百八十七(特別報告第五二六號)
淨法寺郵便局ニ電信事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十八(特別報告第五二七號)
吉良見郵便局ニ電信事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百八十九(特別報告第五二八號)
利賀村ニ電信架設ノ請願
(委員長報告)
第七百九十(特別報告第五二九號)吉
和郵便局ニ電信又ハ電話事務開始ノ
請願(委員長報告)
第七百九十一(特別報告第五三〇號)
日見郵便局ニ電信、電話事務開始ノ
請願(委員長報告)
第七百九十二(特別報告第五三一號)
古賀郵便局ニ電信電話事務開始ノ請
願(委員長報告)
第七百九十三(特別報告第五三二號)
勝賀瀨、小川及上八川各郵便局ニ電
信電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第七百九十四(特別報告第五三三號)
漁業用無線電信電話ノ施設奬勵ノ請
願(委員長報告)
第七百九十五(特別報告第五三四號)
刑餘者ノ身元證明ニ關スル請願
(委員長報告)
第七百九十六(特別報告第五三五號)
池田町ニ區裁判所設置ノ請願
(委員長報告)
第七百九十七(特別報告第五三六號)
中頓別ニ區裁判所設置ノ請願
(委員長報告)
第七百九十八(特別報告第五三七號)
遠輕村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第七百九十九(特別報告第五三八號)
似灣村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第八百(特別報告第五三九號)山瀨村
ニ大館區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第八百一(特別報告第五四〇號)宮川
村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第八百二(特別報告第五四一號)常滑
町ニ登記所設置ノ請願(委員長報告)
第八百三(特別報告第五四二號)上實
村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第八百四(特別報告第五四三號)御嵩
區栽判所出張所管轄區域變更ノ請願
(委員長報告)
第八百五(特別報告第五四四號)小濱
區裁判所ニ地方裁判所甲號支部設置
ノ請願(委員長報告)
第八百六(特別報告第五四五號)貝業
補習〓育振興ノ請願(委員長報告)
第八百七(特別報告第五四六號)大學
及高等學校ノ授業ニ關スル請願
(委員長報告)
第八百八(特別報告第五四七號)谷川
士〓大人ノ學德ヲ國定〓科書中ニ編
纂ノ請願(委員長報告)
第八百九(特別報告第五四八號)大崎
驛貨物支線敷設計畫變更ノ請願
(委員長報告)
第八百十(特別報告第五四九號)中央
線電化速成ノ請願(委員長報告)
第八百十一(特別報告第五五〇號)魚
沼輕便線軌條改良竝延長ノ請願
(委員長報告)
第八百十二(特別報告第五五一號)群
馬總社驛西部乘降口新設ノ請願
(委員長報告)
第八百十三(特別報告第五五二號)興
部濱頓別間鐵道經由路ニ關スル請
願(委員長報告)
第八百十四(特別報告第五五三號)引
田德島間鐵道經由路ニ關スル請願
(委員長報告)
第八百十五(特別報告第五五四號)姫
津鐵道豫定地通過ノ請願外一件
(委員長報告)
第八百十六(特別報告第五五五號)姫
津鐵道豫定線一部變更ノ請願
(委員長報告)
第八百十七(特別報生第五五六號)山
野、水俣間鐵道起工年度繰上ノ請願
(委員長報告)
第八百十八(特別報告第五五七號)高
梁東城間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第八百十九(特別報告第五五八號)倉
吉、勝山間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第八百二十(特別報告第五五九號)境、
飯能間鐵道速成ノ請願(委員長報告)
第八百二十一(特別報告第五六〇號)
深川、雨龍間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第八百二十二(特別報告第五六一號)
福島、猪苗代間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第八百二十三(特別報告第五六二號)
大垣、金澤間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第八百二十四(特別報告第五六三號)
新居濱、高知間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第八百二十五(特別報告第五六四號)
平、小名濱間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第八百二十六(特別報告第五六五號)
酒田、眞室川驛間鐵道敷設ノ請願
(委員長報告)
第八百二十七(特別報告第五六六號)
平岡村新在家ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第八百二十八(特別報告第五六七號)
名寄、上名寄間ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第八百二十九(特別報告第五六八號)
琴似村新琴似ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第八百三十(特別報告第五六九號)大
和村ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第八百三十一(特別報告第五七〇號)
程ヶ谷戶塚兩驛間ニ停車場置ノ
請願(委員長報告)
第八百三十二(特別報告第五七一號)
濱松、舞坂雨驛間ニ停車場設置ノ請
願(委員長報告)
第八百三十三(特別報告第五七二號)
德久村ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第八百三十四(特別報告第五七三號)
西栗栖村ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第八百三十五(特別報告第五七四號)
御堂驛信號場ヲ停車場ニ變更ノ請願
(委員長報告)
第八百三十六(特別報告第五七五號)
二枚橋信號場ヲ停車場ニ變更ノ請願
(委員長報告)
第八百三十七(特別報告第五七六號)
小坂信號所ヲ停車場ニ變更ノ請願
(委員長報告)
第八百三十八(特別報告第五七七號)
美幌町舊市街ニ簡易乘降場設置ノ請
願(委員長報告)
第八百三十九(特別報告第五七八號)
癈兵ノ國有鐵道無賃乘車ニ關スル規
定中改正ノ請願(委員長報告)
第八百四十(特別報告第五七九號)有
磨村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第八百四十一(特別報告第五八〇號)
穂高村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第八百四十二(特別報告第五八一號)
鷹栖村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第八百四十三(特別報告第五八二號)
綱走港開港ニ關スル請願
(委員長報告)
第八百四十四(特別報告第五八三號)
網走、千島及東察加間定期補助航路
開始ノ請願(委員長報告)
第八百四十五(特別報告第五八四號)
網走港修築工事擴張ノ請願
(委員長報告)
第八百四十六(特別報告第五八五號)
綱走町ニ地方裁判所設置ノ請願
(委員長報告)
第八百四十七(特別報告第五八六號)
鬼鹿村ニ船入潤修築ノ請願
(委員長報告)
第八百四十八(特別報告第五八七號)
根北鐵道敷設速成ノ請願
(委員長報告)
第八百四十九(特別報告第五八八號)
商業會議所法中改正ノ請願外一件
(委員長報告)
第八百五十(特別報告第五八九號)元
屯田兵豫備役服務期間ヲ公務員在職
年ニ通算ノ請願外一件(委員長報告)
第八百五十一(特別報告第五九〇號)
一ノ關、大船渡間鐵道速成竝大船渡
港ヲ第二種重要港灣ニ指定ノ請願外
八件(委員長報告)
第八百五十二(特別報告第五九一號)
釧路、綱走間鐵道速成ノ請願外四件
(委員長報告)
第八百五十三(特別報告第五九二號)
落石漁港外五港修築ノ請願
(委員長報告)
第八百五十四(特別報告第五九三號)
厚床、標津間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
第八百五十五(特別報告第五九四號)
金鵄勳章年金令改正ニ關スル請願外
八件(委員長報告)
第八百五十六(特別報告第五九五號)
町村有給吏員退隱料法制定ニ關スル
請願(委員長報告)
第八百五十七(特別報告第五九六號)
在外指定學校〓員ノ恩給ニ關スル請
願(委員長報告)
第八百五十八(特別報告第五九七號)
國立水產試驗場設立ノ請願
(委員長報告)
第八百五十九(特別報告第五九八號)
機船底曳網漁業取締ノ請願
(委員長報告)
第八百六十(特別報告第五九九號)魚
市場法制定ノ請願(委員長報告)
第八百六十一(特別報告第六〇〇號)
癩療養所設置指定地取消ノ請願外六
件(委員長報告)
第八百六十二(特別報告第六〇(株)
恩給法中一部改正ノ請願
(委員長報告)
第八百六十三(特別報告第六〇二號)
國有林野ニ關スル請願(委員長報告)
第八百六十四(特別報告第六〇三號)
常呂川治水ニ關スル請願
(委員長報告)
第八百六十五(特別報告第六〇四號)
鑛業法改正ノ請願(委員長報告)
第八百六十六(特別報告第六〇五號)
書道振興ニ關スル請願(委員長報告)
第八百六十七(特別報告第六〇六號)
落石漁港外五港修築竝厚床標津間鐵
道速成ノ請願(委員長報告)
第八百六十八(特別報告第六〇七號)
女子高等〓育振興ニ關スル請願
(委員長報告)
第八百六十九(特別報告第六〇八號)
產婆法制定ノ請願(委員長報告)
第八百七十(特別報告第六〇九號)血
液循環治療法規制定ノ請願
(委員長報告)
第八百七十一(特別報告第六一〇號)
中湧別、網走間鐵道速成ノ請願
(委員長報告)
〔池田龜治君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=150
-
151・池田亀治
○池田龜治君 只今議題トナッテ居リマス
ル特別報告ニ係ル請願五百八十二件ノ中、
一件ヲ除イタ五百八十一件ニ付テ報告致シ
マスガ、此際一寸附加ヘテ申上ゲテ置キタ
イコトハ作間君ノ動議ニ依リマシテ日程
第二百九十乃至第八百七十一カラ、第七百
二十五ヲ除イテ殘餘ノモノヲ日程ニ上セル
ト云フ御發議デアッタヤウデアリマスガ、
此中ニ九件ト云フモノハ他ノ議案ノ關係上
是カラ削除スベキモノガアルノデゴザイマ
スカラ、之ヲ除イタモノト致シテ御報告〓
シマス、卽チ削除致スベキモノハ日程第四
百五十、第六百三十三、第六百四十一、第
八百六第八百二十六、第八百四十八、第
八百五十二、第八百五十五、第八百六十四、
此九件ガ除カレルノデアリマス、爾餘ノ五
百七十三件ニ付テ御報告ヲ中シテ置キマ
ス、ソレカラ尙ホ此外ニ二十八件ガ矢張目
的ヲ同クスル議案トノ關係上、是モ日程カ
ラ除イテアルノデアリマス、本日玆ニ日程
ニ上シテ居リマス各案件ニ付テハ分科會
及總會ニ於キマシテハ、紹介議員竝ニ政府
當局ト質疑應谷ヲ重ネ、愼重審議ノ結果、
何レモ滿場一致ヲ以テ採擇ト決シタノデア
リマス、詳細ハ委員會ノ速記錄ニ依ッテ御
覽ヲ願ヒマス、何卒通當ナル御審議アラン
コトヲ望ミマス(拍キ)尚此場合ニ於テ請願委
員會ニ於ケル經過ノ〓要ヲ申上ゲマスガ、
昨日最後ノ委員総會ヲ開キマシテ、其開會
迄ニ受理シタ請願ノ總數ハ一千二百七十件
デアリマス、是が審査ニ當リマシテハ、前
後二十回ノ總會及分科會ヲ開キマシテ、愼
重ニ審議致シマシタ、其結果全部ノ審査ヲ
終了致シマシク內、採擇ト決シタルモノ
ハ一千六十四件、政府ニ參考送付ト決シタ
ルモノハ二百三件、不採擇ト決シタルモノ
ハ三件、斯樣ナ結果ニ相成リマス、右御報
告申シテ置キマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=151
-
152・作間耕逸
○作間耕逸君 只今一括議題ニナリマシタ
請願、特別報告ハ、委員長報告ノ通リ採擇セ
ラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=152
-
153・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 作間君ノ動議ニハ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=153
-
154・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ各請願ハ之ヲ採擇スルコトニ決シ
マシタ
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=154
-
155・作間耕逸
○作間耕逸君 是ヨリ議員提出ノ法律案ヲ
逐次審議セラレルノデアリマスルガ、今ヤ
愈、會期盡クルノ今日、尙ホ議案幅輳ノ折
柄デアリマスルカラ、議員提出ノ法律案ハ
提出者ハ登壇セズ、自席ヨリ五分以內ニテ
趣旨辯明セラレルコトヲ望ミマス(「賛成」
ト呼フ者アリ)但シ趣旨辯明ニ代ヘテ、議
長ノ承認スル程度ノ書面ヲ速記錄ニ揭載ス
ルコトヲ求ムル者ガアリマシタナラバ、此
御許ヲ願ヒタイノデアリマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=155
-
156・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 一寸御待チ下サイ只
今ノ作間君ノ動議ヲ採決致シマス前ニ一言
致シタイト思ヒマス、只今決議採擇ニナリ
マシタ日程第二百九十乃至八百七十一ノ請
願ノ中デ、委員長ノ御述ニナリマシタ如ク、
旣ニ議决セラレタ法律案建議案ト其內容ヲ
同一ニスルモノガアリマス、是等ノ整理ハ
議長ニ御一任ヲ願ヒタイト思ヒマス、之ヲ
御諮リ致シマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=156
-
157・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ其通リ取計ヒマス、尙ホ只今作間
君ニ依シテ提出セラレマシク動議ハ御異議
アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=157
-
158・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、日程第一、
第二ハ同種ノ議案デアリマスカラ、一括議
題ト爲スニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=158
-
159・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第一、北海道御料拂下地ノ地
租免除ニ關スル法律案、日程第二、北海道
枸料拂下地免租年期ニ關スル法律案、右兩
案ノ第一讀會ヲ開キマス、淺川浩君
第北海道御料拂下地ノ地租免除ニ
關スル法律案(一柳仲次郎君外九名
提出)第一讀會
北海道御料拂下地ノ地租免除ニ關スル
法律案
北海道ニ於ケル御料地ニ屬スル土地ニシ
テ開拓セラレ民有ト爲リタルモノニ對ス
ル地租ハ民有ト爲リタル年ヨリ起算シ十
年ノ後ニ非サレハ之ヲ賦課セス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ハ本法施行前本法ニ該當スル土地ト
爲リタルモノニシテ未タ地價ノ設定ナキ
モノニモ亦之ヲ適用ス
北海道御料拂下地ノ地租免除ニ關スル
法律案理由書
北海道ニ於ケル國有未開地ニシテ民有ニ
歸シタルモノニ對シテハ十年乃至二十年
ノ免租年期ヲ付與セラルル規定ナルモ獨
リ御料地拂、下民有ニ歸シタルモノニ對シ
テハ地租條例ニ依リ直ニ地租ヲ課セラル
ルカ如キハ等シク北海迫ノ土地ニ對シ其
ノ保護厚薄太シキニ失スルモノアリ依テ
速ニ本法ヲ制定シ相當免租期間ヲ付與ス
ルハ稅制ノ統一上最緊切ナルヲ認ム是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
第二北海道御料拂下地免租年期ニ關
スル法律案(東武君外三名提出)
第一讀會
北海道御料拂下地免租年期ニ關スル法
律案
第一條北海道ニ於ケル御料地ニシテ民
有又ハ公有ト爲リタル土地ニ對シテハ
民有又ハ公有ト爲リタル年ヨリ二十年
以内ノ免租年期ヲ許可ス
前項土地ノ内開墾ヲ爲シ又ハ開墾ニ等
シキ勞費ヲ加ヘタル土地ニシテ免租年
明ニ至リ地味成熟ニ至ラサルモノニ付
テハ更ニ年期ノ延長ヲ許可スルコトヲ
得但シ通シテ三十五年ヲ超ユルコトヲ
得ス
第二條前條ニ依リ免租年期又ハ其ノ延
長ノ許可ヲ受ケムトスル者ハ政府ニ申
請スヘシ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ハ本法施行前本法ニ該當スル土地ト
爲リタルモノニシテ未タ地價ノ設定ナキ
モノニモ亦之ヲ適用ス
北海道御料拂下地免租年期ニ關スル法
律案理由書
北海道國有未開地ニシテ民有又ハ公有ト
爲リタルモノニ對シテハ二十年以内ノ免
租年期ヲ許可セラルルノ規定ナルモ御料
地ニ屬スル土地ニシテ之カ拂下ヲ爲シ民
有又ハ公有ト爲リタルモノニ對シテ直ニ
地租ヲ課セラルルカ如キハ甚タ均衡ヲ失
スルモノト謂ハサルへカラス故ニ速ニ本
法ヲ制定シ以テ稅制ノ統一公平ヲ期スル
ノ要アリト認ム是レ本案ヲ提出スル所以
ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=159
-
160・淺川浩
○淺川浩君 日程第一ニ付キマシテ提案ノ
理由ヲ簡單ニ說明致シマス、日程第一北
海道御料拂下地ノ地租免除ニ關スル法律案
デアリマス、御承知ノ通リ北海道ノ開拓ハ、
先帝陛下ノ大詔ニ依リマシテ、明治三年北
海道ニ開拓使ヲ置カレマシタ以來、北海道
ノ開發ノ爲ニ幾多制度ノ變遷ヲ見ツツ來リ
タルニ、明治八年以來開拓ノ先驅トシテハ
电田兵制度ヲ採ル等其開拓ヲ進行致シマ
スル爲ニ、尙ホ人口稀薄ニ致シマシテ、開
拓ノ進捗ヲ圖ル事能ハザルヲ以テ、明治ノ
中葉ニ於キマシテ、御料即チ皇室ノ御稜威
ヲ以テ開拓ヲ進行致スベク、御料ニ約百三
十万町步ト云フモノヲ所屬サレマシテ以
來、御料ニ於キマシテハ此開墾可能地ニ對
シテ順次貸付ヲ致シマシテ、移民ノ奬勵ヲ
致シマシタ所、御料ニ於キマシテハ、時勢
ニ順應セラレ、順次解放致シ、或ハ個人ニ
或ハ公有地ニ、之ヲ賣拂ハレツヽアルノデ
アリマス、然ルニ北海道ニ於ケル一般固有
未開地ハ、十箇年乃至二十箇年ノ保護免租
ヲ與ヘテアルノデアリマス、同ゾ北海道ニ
於ケル千古斧鉞ノ入ラザル未開地ヲ開拓致
シマスル御料地ニ對シマシテ、之ニ何等ノ
保護免租ヲ與ヘラレナイノデアリマスカ
ラ、卽チ北海道ニ於ケル未開地ニ對スル保
護免租ノ法律ニ均霑、シムベキ趣旨ヲ以チ
マシテ、本案ヲ提ム〓シマシタ理由デアリ
マチ何卒滿場ノ御賛成ヲ願フ次第デアリ
マス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=160
-
161・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 東武君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=161
-
162・東武
○東武君 只今第一ノ北海道御料拂下地ノ
免租ニ關スル法律案ノ說明ガアリマシタ、
內容ハ前ト同樣デ、是ハ北海道ノ開墾地ハ
民有地ニ地價ヲ附スルニ至ル時ハ二十箇
年特別免租ノ恩典ガアルノデアリマス
〔柏谷議長議長席ヲ退キ小泉副議長代リ
著席〕
御料地ナルモノガアリマシテ、其御料地ナ
ルモノガ今回拂下ゲラレテ、矢張民有
地トナリマスノデ、同ジク民有地ト同樣ニ、
地租免除ノ恩典ヲ受ケルト云フコトハ當然
デアリマスガ故ニ、此點ニ付キマシテハ
政府モ既ニ法律案ヲ提出シナケレバナラヌ
筈ニナッテ居ルノデアリマスガ、本年ハ時
期ガ遲レタ爲ニ、政府提出法律案ヲ見ルコ
トガ出來ナカッタ爲ニ、已ムヲ得ズ今日此法
案ヲ出シタ次第デアリマス、何卒御賛同ヲ
請フ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=162
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163・井本常作
○井本常作君 兩案ヲ一括シテ委員ノ數ヲ
九名トシ、議長ニ於テ指名セラレンコトヲ
望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=163
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164・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナシト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマス、只今委員付託ニナリマシタ北海道
御料拂下地ノ地租免除ニ關スル法律案外一
件ノ委員ヲ直ニ指名致シマス、淺川浩君、
神戶爲藏君、澤田利吉君、松實喜代太君、岡
田伊太郎君、黑住成章君、栗林五朔君、九
山浪彌君、坂東幸太郞君-只今指名致シ
マシタ諸君ハ、直ニ四委員室ニ御參集ノ上、
委員長理事ヲ互選シ、引續キ審議ヲ進メラ
レンコトヲ望ミマスー-日程第三及第四ハ
同種ノ議案ナルニ依リ、一括議題ト爲スニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=164
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165・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ第三、漁業法中改正法律案、
第四、漁業財團抵當法中改正法律案ノ第一
讀會ヲ開キマス、提案者ノ趣旨辯明ヲ許シ
やく、中村嘉壽君
第三漁業法中改正法律案(谷原公君
外二名提出)第一讀會
漁業法中改正法律案
漁業法中左ノ通改正ス
第二十四條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ場合ニ於テハ之ニ相當ノ補償ヲ
爲スコトヲ得
漁業法中改正法律案理由書
漁業者ハ漁場ヲ主タル生活上ノ資源トセ
ルモノナルニ拘ラス現行法ノ如ク無償收
用ニテハ其ノ生活ヲ脅スコト頗ル大ナリ
故ニ他ノ方法又ハ場所ヲ以テ補充シ難キ
漁業ヲ公益上制限シ停止シ又ハ免許ノ取
消ヲ爲ス場合ニハ之ニ相當ノ補償ヲ爲サ
ムトスルニアリ是レ本案ヲ提出スル所以
ナリ
第四漁業財團抵當法中改正法律案
(中村嘉壽君提出)第一讀會
漁業財團抵當法中改正法律案
漁業財團抵當法中左ノ通改正ス
第二條第一項中「同一人」ノ下ニ「又ハ數
人」ヲ加フ
漁業財團抵當法中改正法律案理由書
漁業財團抵當法ノ缺陷ヲ補ヒ其ノ本來ノ
目的ニ基キ水產金融ノ圓滑ヲ圖ル必要ア
リ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=165
-
166・中村嘉壽
○中村嘉壽君 此日程第三、第四、二案ノ
中第三ニ付キマシテハ、既ニ谷原公君カラ
說明書ガ出テ居リマスカラ、私ハ日程第四
ニ付テノミ說明致シマス、本案ハ昨年本議院
ヲ通過致シマシタ所ノ漁業財團抵當法ニ對
スル改正法律案デアリマス、此法律ノ第二
條ノ中ニ「漁業財團ハ左ニ揭クルモノニシ
テ同一人ニ屬スルモノ」ト云フノガゴザイ
マスルノヲ「同一人」ノ下ニ「又ハ數人」ト云
フノヲ加ヘルノデゴザイマス、其理由ハ我
國全國漁業權ノ數ガ四万一千三百八ゴザイ
マス、ソレカラ其推定價額ガ二億五千三百五
十一万三千四百四十八圓、其中百九十九件、
卽チ五「パーセント」ニ對スル所ノ金額ガ百
五十八万五千八百二十四圓デゴザイマス、
是ダケガ卽チ貸付ニナッテ居リマス、サウシ
テ漁業船ノ數ガ三十一万二千三百二十隻、
是ダケアリマシテ、其價格ガ二億四千百万
圓位ノモノデアリマス、斯ノ如ク多數ノ財
產ガアリ、其他ニ養魚場ガ九百八十二箇所、
其價格ガ二千二百万圓以上ノモノデゴザイ
やっ、漁具ノ價格ガ約一億圓デゴザイマシ
テ、卽チ漁業ニ投資シテアル所ノ擔保價格
ハ約六億以上ノモノデゴザイマス、之ニ對
シマシテ我ガ各種ノ銀行ノ貸シタ所ノモノ
ハ極メテ少イ金デゴザイマス、昨年本法案
ガ通過致シマシタ時ニ、私共ハ希望條件ヲ
述ベマシテ、政府ハ此案ヲバ本當ニ實行ス
ル御積リデアルナラバ私共ガ申シマシタ
ヤウナ修正案ヲ容レテ戴キタイト云フ希望
ヲ申上ゲテ置キマシタガ、如何ナル御都合
カ、各派ノ方々ハ皆贊成シテ居ラレタニ拘ラ
ス、此修正ガ出來ナカッタノデ、甚ダ遺憾
ニ思シテ居リマシタガ、此一年ノ間實行致シ
マシタ結果、僅ニ三十万圓ノ金ガ特殊銀行
カラ漁業家ニ貸サレタノデアリマス、其三
十万圓ノ貸付ト云フモノモ僅ニ是ハ或ル保
險會社カラ「トロール」會社ガ借リテ居フタ
ノヲ、利息ノ安イ所ノ勸業銀行カラ借リル
ヤウニ轉換シタニ過ギナイノデアリマス、
斯ウ云フヤウナ工合ニ、只今出來テ居リマ
ス所ノ法律ハ全ク裝飾品ニ過ギナイノデ
ゴザイマスカラ、是非各派ノ方々モ全ク黨
派ヲ超越シテ、日本ノ水産業ノ爲ニ本改正
案ヲバ通過セシメテ戴カレンコトヲ切ニ望
ミマス
〔補足〕
只今議題トナリタル漁業法中改正法律案
ニツキ其趣旨ヲ簡單ニ辯明致シマス
漁業法第二十四條ニヨレハ船舶ノ航行碇
泊、繫留水底電線ノ敷設若クハ國防其他軍
事上必要アルトキ又ハ公益上害アルトキハ
主務大臣ハ免許シタル漁業ヲ制限シ停止
シ又ハ免許ヲ取リ消スコトヲ得トアリマシ
テ主務大臣ハ自由栽量ニ基ク漁業權ノ制限
ニ關シ廣イ権限ヲ附與セラレテ居リマス
カ然シカヽル場合ニ自由栽量テ相當ナル
補償ヲ爲シ得ル權限ハ附與セラレテ居ナ
イノデアリマス
飜テ漁業者ノ生活狀況ヲ觀ルト就中細民
漁業者ハ古クヨリ良港灣ノ近傍ニ居ヲ占
メ其地先水面ヲ占用シテ簡易ナル地曳網
ノ如キ漁具ヲ使用シ家族ノ共力テ漸ク生
計ヲ維持セル者カ尠クナイノデアリマス
然ルニ文化ノ發達ニ伴ヒ港灣ノ大修築其
他漁業法第二十四條所定ノ事故カ屢起リ
マシテ漁民カ生活資料ヲ得ル唯一ノ漁場
ガ往々犠牲ニ供セラレ失業者スラ生スル
ノデアリマスカラカヽル場合ニ相當ノ補償
ヲ爲サシムル必要カアルノテアリマス
彼ノ土地收用法又ハ公有水面埋立法等ト
對照シテモカヽル場合ノ補償ハ當然カト
存シマス然シ乍漁業權ノ範圍内容ハ多種
多樣テアツテ〓海ノ漁業等ハ直ニ其補充
水面ヲ獲ラレル〓トモアリマスカラ主務大
臣ニ一種ノ自由栽量權ヲ與ヘヨロシク實
狀ニ對照シテ適當ナル補償方法ヲ講シタ
イトノ趣旨テ本案ヲ提出シタ次第テアリ
マスカラ何卒御審議ノ上御賛成アランコ
トヲ御願ヒシマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=166
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167・井本常作
○井本常作君 兩案ヲ一括シテ議長指名九
名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=167
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168・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ、日程第五、民事訴訟法中改正法
律案ノ第一讀會ヲ開キマス、提出者ノ趣旨
辯明ヲ許シマス-藏園三四郞君
第五民事訴訟法中改正法律案(谷原
公君外一名提出)第一讀會
民事訴訟法中改正法律案
民事訴訟法中左ノ通改正ス
第六百四十五條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但其爲タル開始決定ニ對シ執行停止
ノ處分アリタルトキハ此限ニ在ラス
民事訴訟法中改正法律案理由書
民事訴訟法第六百四十五條ノ規定ハ解釋
上競賣法及國稅徴收法ニモ準用セラルル
結果一旦競賣手續ノ開始決定又ハ不動產
ノ差押アリタル以上ハ抵當權質權等ヲ有
スル優先債權者ト雖單ニ其ノ進行ヲ待ツノ
外ナシ然ルニ競賣開始決定アルヤ債務者
ハ之ヲ爭ヒ其ノ執行停止ヲ受ケ訴訟上ノ
解決ヲ待ツヲ常トス而モ其ノ期間往往ニ
シテ數年ニ涉リ遂ニ優先權ヲ有名無實ナ
ラシムルノミナラス今ヤ此ノ規定ヲ惡用
シテ一般債權者ヲ苦シムル者續出セルヲ
以テ競賣聞始決定ニ對スル停止處分アリ
タル後ハ他ノ債權者ニ其ノ權利ヲ自由ニ
行使セシメムトスルニアリ是レ本案ヲ提
出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=168
-
169・藏園三四郎
○藏園三四郞君 是ハ詳細辯明書ニ明瞭デ
アリマスカラ說明ヲ略シマス
〔補足〕
只今上程サレマシタル民事訴訟法中改正
法律案ニツキ其趣旨ヲ簡單ニ辯明致シマス
現行民事訴訟法ノ不完全ナルコトハ公知
ノ事實テ其第五編迄ハ已ニ根本的改正カ
議了セラレ第六編以下ニ付テモ速ニ改正
方院議ヲ以テ希望セラレタル次第テアリ
マス、本案ハ其第六編中、最モ不都合ニ
シテ改正ノ已ムナキモノニ對スル應急策
テアリマス卽チ民事訴訟法第六百四十
五條ニヨレハ不動產ニ對シ一旦强制競賣
ノ開始決定アリタル以上ハ更ニ同一物件
ニ對シテ强制競費ノ開始決定ヲ許ササル
規程カアリマシテ競賣法ニモ此規程カ解
釋上準用セフレテ居ルノテアリマス、素
ヨリ一旦開始セラレタル競賣カ進行スル
場合ハ更ニ開始決定ノ必要ハアリマセヌ
カ實際問題トシテハ債権者カ競賣開始決
定ヲ受ケマスト債務者カ之ニ對スル異議
ヲ申立テ競賣ノ停止命令ヲ受ケ長期間ニ
涉ツテ爭ヒ容易ニ解決カ付カナイノテア
リマス爭ノ當事者間ニ於テハ競賣實施ノ
遲延ハ忍ハネハナリマスマイカ、係爭者
以外ノ者殊ニ民法上質權、抵當權ノ如キ
優先權アル債權者カ自己ノ權利ヲ實行ス
ルコト能ハスシテ利息請求權ヲ有名無實
ナラシメ延ヒテ金融ノ硬第ヲ來スニ至ツ
テハ到底看過スヘカラサル問題ナリ況ヤ
近時債務者ハカヽル法ノ缺陷ヲ惡用シテ
正當ナル債務者ヲ殊更ニ迫害スル傾向顯著
ナル場合ニ於テハ之ヲ防止スル爲一旦開
始セラレタル競賣カ停止ノ處分アリタル
場合ニハ他ノ者ヨリ更ニ競賣ノ進行ヲ圖
リ得ル途ヲ開キ弊害ヲ除カントシテ本案
ヲ提出シタノテアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=169
-
170・井本常作
○井本常作君 本案ハ議長指名九名ノ委員
ニ付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=170
-
171・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ、日程第六乃至第九ハ同一議案デ
アリマスカラ、一括議題トスルニ御異議ア
リマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=171
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172・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナイト認
メマス、仍テ日程第六、大正十四年法律第
四十七號、衆議院議員選擧法中改正法律案、
外三件ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯
明ヲ許シマス-有馬賴寧君〓〓〓〓〓
第六大正十四年法律第四十七號衆議
院議員選舉法中改正法律案(望月圭
介君外二十二名提出)第一讀會
大正十四年法律第四十七號衆議院議
員選擧法中改正法律案
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中左ノ通改正ス
第七條第一項ヲ削ル
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中改正法律案理由書
衆議院議員選舉法ハ第五十回帝國議會ニ
於テ改正セラレタリト雖畢竟納稅資格撤
廢ニ急ナリシ爲憲政ノ運用上尙不備ノ點
尠シトセス就中華族ノ戶主ニ對シ依然選
擧權及被選舉催ヲ與ヘサルハ舊法制限選
擧ノ場合ハ格別國民一般ニ參政權ヲ認メ
タル普選法ニ於テハ其ノ精神ニ悖リ立憲
政治ノ本義ニ反ス是レ本案ヲ提出スル所
以ナリ
第七大正十四年法律第四十七號衆議
院議員選擧法中改正法律案(林田龜
太郞君外一名提出)第一讀會
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中改正法律案
大正十四年法律第四十七號衆議院議員選
舉法中左ノ通改正ス
第百四十五條中「又ハ北海道廳支廳長」ヲ
「北海道廳」支廳長又ハ樺太廳支廳長」ニ
改ム
第百四十五條ノ二本法中地方長官トア
ルハ樺太ニ在リテハ樺太廳長官ニ之ヲ
適用ス
別表中北海道第五區ノ次ニ左ノ一項ヲ加
フ
樺太六
附則
本法施行ニ關スル細則竝期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中改正法律案理由書
樺太ハ從來植民地ナルノ理由ヲ以テ衆議
院議員選擧區タルヲ得サリシト雖同地在
住ノ邦人既ニ二十萬ヲ超へ而シテ民法刑
法民事訴訟法刑事訴訟法及裁判所構成法
等ノ如キ重受ナル國法ノ旣ヘ悉ク施行セ
ラレ加之住民ハ既ニ兵役及納稅ノ義務ニ
服シ實質上内地ト寸毫ノ差ナキニ拘ラス
參政ノ權利ヲ享有スル能ハサルハ不當モ
亦甚シト謂ハサルヘカラス今ヤ普通選擧
主義ノ下ニ編成セラレタル選擧法將ニ施
行セラレムトス樺太唯リ此ノ聖代ノ恩澤
ニ浴スル能ハサルノ理アラムヤ是レ本案
ヲ提出スル所以ナリ
第八大正十四年法律第四十七號衆議
院議員選擧法中改正法律案(東武君
外二名提出)第一讀會
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中改正法律案
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中左ノ通改正ス
第百四十五條中「又ハ北海道廳支廳長」ヲ
「北海道廳支廳長又ハ樺太廳支廳長」ニ改
ム
第百四十五條ノ二本法中地方長官トア
ルハ樺太ニ在リテハ構太廳長官ニ之ヲ
適用ス
別表中北海道第五區ノ次ニ左ノ一項ヲ加
フ
樺太二人
附則
本法施行ニ關スル細則竝期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中改正法律案理由書
時勢ノ趨勢ニ鑑ミ樺太ニ衆議院議員選舉
法ヲ施行スルノ必要ヲ認ム之レ本案ヲ提
出スル所以ナリ
第九大正十四年法律第四十七號衆議
院議員選擧法中改正法律案(廣瀨德
藏君外二名提出)第一讀會
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中改正法律案
大正十四年法律第四十七號衆議院議員選
擧法中左ノ通改正ス
別表中大阪府第一區乃至第四區ヲ左ノ如
ク改ム
北區
第一區此花區四人
西淀川區
東淀川區
第二區西區區天
港
第三區東區三人
東成區
-南區
浪速區
第四區天王寺區
住吉區五人
西成區
大正十四年法律第四十七號衆議院議員
選擧法中改正法律案理由書
大阪市ハ大正十四年四月一日近接ノ東成
西成兩郡ヲ其ノ地域ニ編人シテ市域ヲ擴
大シ編入地域ヲ分割シテ五區ト爲スト共
ニ舊市ノ四區ヲ分割シテ之ヲ八區ト爲シ
タル外舊區ヲ分割スルニ際シ先ツ區ノ境
界ヲ變更シタル爲一方ニ於テ同一市内ニ
於テ隔絶シタル選擧區ヲ生シタルト共ニ
一方ニ於テ區ノ廢置分合ニ因リ現在ノ區
ハ名實共ニ別表ニ符合セサル爲法律ノ運
用ニ支障ヲ來スニ至レリ是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=172
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173・有馬頼寧
○有馬賴寧君 只今上程サレマシタ日程第
六ノ提案ノ理由ヲ簡單ニ申上ゲマス、選擧
法中ノ第七條ノ第一項「華族ノ戶主ハ選擧
權及被選擧權ヲ有セス」トアリマス、此
項ヲ削除致シタイノデアリマス、此事ハ前
議會ニ於キマシテ本院ヲ通過シタノデアリ
マスケレドモ、一方貴族院ノ賛成ヲ得ルコ
トガ出來マセヌ爲ニ、此選擧法改正ノ際ニ
實施ヲ見ルコトガ出來ナカッタノデアリマ
ス、華族ノ戶主ニ衆議院ニ於ケル所ノ選擧
權竝ニ被選擧權ヲ與ヘルト云フコトハ是
ハ當然ナ事デアルト思フノデアリマス、華
族ノ戶主ガ貴族院ヲ通シテ國政ニ參與出來
ルカラ、衆議院ニ於ケル選擧權竝ニ被選擧
催ヲ與ヘルコトガ必要デナイト云フヤウナ
コトヲ考ヘル人モアルノデアリマスルケレド
モ、是ハ所謂二院制度ト云フコトヲ誤解シ
テ居ルノデアリマシテ、サウ云フコトハ言
得ベカラザルコトヽ思フノデアリマス、又
華族ノ戶主ガ衆議院ニ選舉權竝ニ被選擧權
ヲ持チマシテモ、是ハ決シテ弊害ガアルト
云フ譯デハナカラウト考ヘルノデアリマ
ス、及ビ貴族院ノ改革ト云フコトハ各派ノ
非常ニ必要ヲ認メラレテ居ル所デアリマス
ルガ、貴族院ノ改革ト云フコトハ貴族院自
身ノ自覺ニ俟ツコトガ極メテ必要デアル、
貴族院ノ自覺ヲ促シマスル爲ニハ、貴族院
ノ人〓ヲシテ矢張總テノ國民ト同等ニ國政
ニ參與スル所ノ權利ヲ與ヘラレルコトガ、
最モ必要デアラウト思ヒマス、此理由ニ依
リマシテ私ハ之ヲ提出スル次第デアリマ
ス、願クバ諸君ノ御賛成ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=173
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174・林田龜太郎
○林田龜太郞君 日程第七ハ、樺太ニ選擧
法ヲ施行シヤウト云フ問題デアリマス、樺
太ノ文化カラ見マシテモ、人口カラ見マシ
テモ、且又諸般ノ法律ガ行ハレテ居ル所カ
ラ見マシテモ、徴兵令ヲ施行セラレタル點
カラ見マシテモ、又國稅ヲ負擔シテ居ル上
ニ於テモ、ドウシテモ樺太ニ選舉法ヲ施行
スベキ既ニ時機ガ倒著シテ居ルト信ズル
ノデアリマス、故ニ私共ハ此案ヲ提出致シ
マシテ、玆ニ諸君ノ御協賛ヲ願フ次第デア
リマスガ、憲法ヤ法律ナドニ關係致シマシ
タコトニ付テ、少シ〓究ヲ要スルコトガア
リマスノデ、是ハ旣ニ書イタ物ヲ御手許ニ
差出シテ置キマシタ、願クバ其點ダケハ速
記錄ニ掲載スルコトヲ御許シヲ願ヒマシ
テ、本案ハ直ニ委員ニ御付託ニナリマシテ、
委員會カラ早速ニ御報告ヲ求メラレンコト
ヲ望ミマス
〔補足〕
大正十四年法律第四十七號衆議院議
員選擧法中改正法律案ノ說明
私ハ只今院議ニ附セラレタル大正十四年
法律第四十七號衆議院議員選擧法中改正
法律案、換言スレバ樺太ニ衆〓議議員選
擧法ヲ施行スル法律案、提出ノ理由ヲ陳
述致シマス
樺太ハ人情風俗凡テ內地ト異ル所ナリ、
實際北海道ノ延長トモ見ルヘキ處テアリ
やっ、而シテ其文化ノ程度ヲ見マスル
ニ-之ヲ計ル最モ適當ナルハ〓育テア
リマス、第十七囘樺太廳治一班ニ依リマ
スルト、學齡兒童白ニ對スル就學步合ハ九
九、六七トナリテ居マシテ全國ノ平均九
九、三〇ニ比スルモ遙ニ上位ニ在リマス、
又樺太ニハ法例ヲ始メトシテ民法、商法、刑
法、民事訴訟法、刑事訴訟法、裁判所構成
法、行政裁判所法等ガ行ハレ、貨醫法モア
レバ、國稅法モアリ、又百三十餘万圓ノ
租稅ヲ負擔シテ居レバ、又大正十三年カラ
徴兵令ヲ施行セラレ其内地ト異ル所ハ殆
トアリマセヌ
且人口モ既ニ二十万ヲ突破シテ居マス
カラ之ニ北海道同樣參政權ヲ附與スルコ
トハ當然ト思考シマス
斯ル當然ノ理由アルニ拘ハラス、今日マ
テ樺太ニ參政權カ附與セラレサリシ所以
ノモノハ只憲法ノ間違ノタ解釋ニ基クノ
テアリハシマイカト思考致シマス、私ハ此
點ニ就テ少シク意見ヲ述ヘテ見タイト思
ヒマス
新領土ニ帝國憲法カ行ハルヽヤ否ヤニ就
テ始メテ論戰カ行ハレタノハ臺灣カ併合
サレタ時デアリマス
明治二十九年三月二十六日(第九議會)議
員高田早苗君ハ
臺灣ト云フ所ハ憲法以外ノ處ト云フコ
トニ御看做ニナツテ居ルカ
ト云フ質問ヲ發シタ、之ニ對シ政府委員
水野遵君ハ
政府ノ見ル所デハ、行ヒ得ヘキダケハ
無論行ハレル、例ヘハ天皇ノ大權ノ
如キハ主權ノ移動ト同時ニ臺灣ニ行ハ
レテ居ル、併シ乍ラ其他憲法第二章以
下ノ臣民ノ權利表務、徴兵ノ義務、租
稅ノ義務ト云フヤウナモノハ行ハレナ
イ
ト答辯シタ、實ニ驚キ入ツタ答辯デアリ
やっ、此答辯ニ對シアハ當然高田博士ハ
突込ンダ
唯政府ノ考タケテ憲法ノ此部分タケハ
臺灣ニ行ツテ宜シイ、此部分タケハ行
ハレナイ、ソレテ濟ムト云フ筈ハナ
イ、····政府カ自分勝手ニ其一部ヲ應
用シタリ、シナカツタリスルト云フコ
トハ憲法ヲ蹂躪スル擧動ト云ハネハナ
ラヌ
此至當ノ質問ニ對シテ政府委員ハ見解ノ
相違ト稱シテ一言モ辯解ヲ試ミナカツタ
ノテアリマス、
蓋シ帝國憲法ハ至尊ノ思召ヲ以テ臣民ニ
賜ハリタルモノ、夫ヲ政府カ勝手ニトノ
部分ハ行ハレ、トノ部分ハ行ハレヌト放
言スルト云フコトハ何タル大膽不敵ノ擧
動テアリマセウ、是レモシモ憲法紛更ト
云ハスシテ何ヲカ憲法紛更ト云ワウ
現今ハ些細ナコトマテ國務大臣ノ答辯テ
ナケレハ滿足セヌカ當時斯ル重大ナル問
題スラ一政府委員ニ任セタノハ頗ル奇異
テアルカ、政府委員素ヨリ一己ノ考ヲ以テ
斯ル重大ナル事件ニ付答辯シ得ヘキ筈
ナイ、必スヤ首相ノ意見ニ基イタニ相違ナ
イ、而シテ當時內閣ノ首班ハ伊藤博文伯
テアッテ、伯ハ憲法ノ制定者タル關係
上、此ノ解釋ハ朝野ノ間ニ非常ニ重要視
セラレタノテアリマス
私ハ此答辯ヲ間クヤ直ニ伊藤伯ヲ訪フテ
水野政府委員ノ答辯ノ非違ヲ詰問シタ
ガ、伯ハ堅ク執シテ動カレナカツタ、併
シ伯ハ後年此ノ解釋ノ間違デアッタコト
ヲ覺リ、是レガ爲メニ許多ノ難問題ヲ惹
起シタルコトヲ語リ、伯ノ政治生涯中ノ
三大失策ノ隨一ニ數ヘラレタノデアリマ
ス
素ヨリ伊藤內閣カ斯ク解釋シタルニ就テ
ハ相當ノ〓究ヲ積ンダニ相違アリマセ
又、特ニ內閣顧問ロエスレルノ如キハ
上表シテ之ヲ力爭シタガ井上教子薨シ
ター明治二十八年三月十三日-後ノ
伊藤公ハ憲法問題ニ就テハ翼ヲ喪ツタ鳥
ノ如ク、殆ト翱翔ノ自由ヲ失ツタノテア
リマス
全體憲法ハ種々ノ定義ハアリマシヨウカ
詰ル所-民約ト欽定ノ差コソアレ-
治者ト被治者ノ約束ニ過ギナイ、故ニ此
約束ヲ爲シタル當事者-換言スレハ憲
法ノ範圍內ニ在ル〓國ハ之ヲ憲法ニ明記
スルヲ例トス、隨テ此明記シタルモノノ
外ハ全然憲法ノ恩澤ニ浴スルコトハ出來
ナイハ論ヲ待タナイ、此理由ニ依リテ帝
國憲法ニハ之ヲ施行スヘキ範圍ヲ元シテ
ナイカラ憲法ノ行ハルノハ當時ノ版圖ニ
限リ、將來帝國ノ版圖ニ入ルヘキモノハ
之ヲ包含シナイコトハ明白テアリマス
民約憲法ハ其約束ニ參加シタル國々ノ憲
法デアルカラ、將來其國ノ版圖ニ入リタ
ルモノニ之ヲ施行セントセハ治者タル國
家ノ宣言ガナケレバナラヌ、又欽定憲法
ハ其主權者カラ國民ニ與ヘラレタルモノ
デアルカラ新ニ版圖ニ入リタルモノニ對
シテハ何ノ約束モナイ、故ニ憲法發布以
後帝國ノ版圖ニ入リタルモノニ對シテハ
天皇ハ詔勅ヲ以テ特種ノ憲法ヲ賜ハル
コトモ出來レハ憲法ノ全部又ハ一部ヲ
施行セラルヽコトモ勝手デアル、只天
皇カ詔勅ヲ發シテ其意見ヲ發表セラルヽ
マテハ新版圖ニハ憲法ハナイノテアル
然ルニ一部ノ學者ハ帝國憲法ノ前文ニ
「將來ノ民由」ト云ヘル字ニ拘泥シテ帝國
憲法ガ新版圖ニモ行ハルヽト主張スルガ
如キ又天皇ノ統治權ガ新版圖ニ行ハル
ルヲ見テ、我天皇ノ大權カ、外國ノ例
ノ如ク、憲法ニ依リテ得ラレタルカ如ク
ニ想像シ、新版圖ニハ統治權ノミ行ハルヽ
ト云フカ如キ、實ニ抱腹絕倒ニ勝ヘナイ
ノテアリマス
斯ル間違ツタ解釋ヲ取ツタ結果トシテ臺
灣ニ對シテハ所謂六三問題起リ、朝鮮ニ
對シテハ明治四十四年法律第二十號、樺
太ニ對シテマテモ明治四十年法律第二十
五號ノ發布トナリ、法律ヲ以テ立法ノ委
任ヲ爲サネバナラヌコトニナツタノハ實
ニ已ムヲ得サル次第テ、其源ヲ謬リタカラ
コンナ奇怪ナ仕事ヲシナクテハナラヌノ
テアリマス
一木博士今ノ宮內大臣モ私ト同論ァア
リマスカ今日ニ至シテハ之ヲ改ムルノ至
難ヲ主張サレマス、併シ私ハ必スシモ左
樣テナイト思考シマス
蓋シ天皇ハ外國ノ如ク統治權ヲ憲法ニ
得ラレタルモノテハナイ、憲法ハ天皇
ヨリ賜ハリタルモノテアル、故ニ憲法發
布以後帝國ノ版圖ニ入リタルモノニ對シ
テ天皇ハ詔勅ヲ以テ特種ノ憲法ヲ賜ハ
ルコトモ出來ル、又帝國憲法ノ全部又ハ
一部ヲ角行セラルヽコトモ出來ル、カ
1天皇ノ只召-ヲ待タスシテ憲法ノ一片
タリトモ行ハルヘキモノテハ決シテアリ
マセヌ、内閣ノ意見ヲ以テ一部ヲ限リ新版
圖ニ施行スルト云フカ如キハ實ニ憲法ヲ
紛更スルノテアリマス、故ニ朝鮮ヤ臺灣
ノ參政權請願ニ對シテモ私ハ常ニ此理由
ヲ述ヘテ之ヲ戒飭シ而シテ一方ニ於テハ
原內閣以來朝鮮及臺灣ニ附與セラルヘキ
憲法ノ取調局ヲ設ケ十年ヲ期シテ立憲ノ治
下ニ致サンコトヲ建議シタノテアリマスカ、
未タ御採用ニ至ラナイノハ私ノ常ニ遺憾
トスル所テアリマス
然ラハ樺太モ新版圖ノ一テアルカラ臺灣
及朝鮮ト同ク詔勅降下アルマテ何時マテ
モ放棄シテオイテ宜シイカト云フニ私ハ
決シテ然ラスト思考シマス、樺太ハ臺灣
ヤ朝鮮トハ全然其趣ヲ異ニスルカラ臺灣
ヤ朝鮮ニハ特別ノ憲法ヲ附與スルニシテ
モ樺太ニハ其必要カナイ、我帝國憲法ヲ其
儘執行シテモ差支ナイト思考致シマス、
否最早一日モ拾テ置クヘキテハアリマセ
ヌ、左ニ其理由ヲ申述へマシヨウ
私ハ樺太ハ臺灣ヤ朝鮮トハ全ク其趣ヲ異ニ
シテ居ルト申シマシタ、第一樺太ハ名ハ
新版圖アアリマスカ實ハ昔カラ我帝國ノ一
部テアツタノテアリマスカ明治八年千島ト
交換ノ名義テ露國ニ取ラレタノテアリマ
ス、夫レカ三十年ノ後卽チ明治三十八年
ポーツマス條約ニ依リ再ヒ我有ニ歸シタ
ルノテアリマスカラ、風俗習慣カ内地ト
異同ナキハ素ヨリ常然テアリマス
第二ニ其人口モ臺灣ヤ朝鮮ト違ヒ前者ハ
內地人ハ其人口ノ百分ノ四、八朝鮮テハ
百分ノ二、三ニ過キナイノテアリマスカ、
樺太テハ全然反對テ百分ノ九十九マテハ
內地人テアリマス、彼ノ北海道ノ如キハ
內地人百人ニ對シ土人ハ六、六ノ割合テア
ルノニ既ニ參政權ヲ得タリトスレバ樺太
ニ與フヘカラサル埋由ハナイノテアリマ
ス
加之ナラス樺太ハ我北門ノ鎖鑰テアリマ
ス、其盛衰興亡ハ我國防上ノ上ニモ、國
民經濟ノ上ニモ、將又人口ノ調節ノ上ニ
モ各種ノ關係カアリマス、而シテ之ヲ紹
介シ之ヲ發展セシムルノ道ハ只其代表ヲ
議會ニ送ルヨリ急ナルハアリマセヌ、故
ニ樺太ハ他ノ新領土ト切離シテ取扱フ必
要カアリマス、
私ノ立論ヨリ申セハ天皇ヨリ帝國憲法
ヲ樺太ニ施行ストノ勅諭カアレハ何ノ異
議ヲ挾ム餘地カアリマセヌ此事カ果シテ
御採用ニナルヤ否ヤハ私共ノ敢テ窺知ス
ル所テハアリマセヌカ斯ル詔勅カ降下シ
マシタナラハ例ノ法律第二十五號ノ如キ
ハ全然無用トナリ、幾多ノ便宜カ得ラレ
官民共ニ非常ニ景ヒマシヨウカ、事憲法
ニ屬シマスカラ私共ノ之ヲ實際ニ主張ス
ル譯ニハ參リマセヌ
以上述フル所ハ卽チ私ノ理想テアリマ
ス卽チ憲法ハ新版圖ニ行ハレナイト云
フ見地カラ述ヘタノテアリマス、現在
我政府カ新版圖ニモ憲法カ行ハレツツア
リトノ解釋ヲ執リタル以上樺太ニ參政權
ヲ與フルノ法律案ヲ提出スルニ何ノ妨ケ
モナイノテアリマス
是レ本案ヲ提出シタル所以テアリマス
終ニ申述ヘマスカ第四十四回帝國統計年
鑑ニ依レハ大正十四年十月一日ノ人口ハ
二十万三千五百四人テアリマスカラ内地
ノ例ニ倣ヒ二人ヲ配シタノテアリマス、
但樺太ハ其廣サ殆ント北海道ノ半テアリ
マシテ而シテ定員ハ僅カ二名テアリマス
カラ之ヲ一選舉區トスルニハ餘リ大過キル
ト思ヒマス、故ニ之ヲ二區ニ分割スル必
要アラウト思ヒマスカ私ハ內情ニ通シマ
セヌ爲メ原案ニハ單ニ一一名トシテオキマ
シタ又消息通ノ談ニ依リマシテハ二十五
歲以上ノ男子ハ七万人以上アルトノコト
デスカラ選擧人ノ數カラ見テモ決シテ内
地ヨリ劣リテハ居マセヌ
土人ニ就テハ私ハ其狀況ヲ悉知シテ居リ
マセヌカラ確乎タル意見ハ申上兼ネマス
カ、既ニ北海道ノアイヌニ選擧權ニ附與
セラルル以上樺太土人ニ對シテ之ヲ拒ム
ニモ當ラヌト存シマス
率土ノ濱王土ニアラサルナク、普天ノ下
王臣ニアラサルハナシ、樺太ニ憲法ヲ施
行スルハ明治大帝ノ皇献ヲ恢宏スル所
以國光ヲ發揚スル所以テアリマス、伏
シテ願クハ協賛ヲ與ヘラレンコトヲ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=174
-
175・東武
○東武君 只今林田君カラ說明ニナリマシ
タ第七ノ日程、次ノ第八ノ日程デアリマス
ガ、是モ矢張同樣ノ案デアリマス、一言私
カラ簡單ニ申上ゲマス、御許シヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=175
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176・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 許可致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=176
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177・東武
○東武君 此第八ノ說明ハ矢張樺太ニ選擧
法ヲ施行スルト云フ案デアリマスガ、最早
時代ハ樺太ニ於テ選擧法ヲ施行スル時期ニ
到達シタモノト認メテ此案ヲ提出シタ次第
デアリマス、其詳細ノ理由ニ至リマシテハ
說明書ヲ議長ノ手許ニ差出シテアリマスカ
ラ御揭載アランコトヲ希望シテ、直ニ委員
付託ニセラレテ、之ヲ報告セラレンコトヲ
望ミマス
〔補足〕
日程第三十三、大正十四年法律第四十
七號衆議院議員選舉法中改正法律案
(東武君外二名提出)
提案趣旨辯明(石坂豐一)
本案ハ樺太ニ衆議院議員選擧法ヲ施行ス
ル爲ノ法案テアリマス
御承知ノ如ク樺太ハ我カ領有ニ歸シテ以
來二十年ヲ經テ居リマス、同地ハ北絶冱
寒ノ地トシテ最初ノ間ハ拓殖ノ進度至テ
遲々タルモノテアリマシタカ大正八九年
頃ヨリ長足ノ進歩ヲ告ゲ昨年十月一日簡
易國勢調査ニ於テ人口二十万二千五百四
人ヲ示シテ居リマス小學校令ハ領有直後
實施セラレ大正十年ニハ更ニ從來ノ不完
全ナル官立、私立ノ小學校ヲ全部公立ノ
制度ニ改メ〓員俸給ヲ全額國庫支辨ニ移
シ義務〓育ノ實績決シテ內地ニ遜色ヲ見
サル程度ニ達シテ居リマス、中等〓育ト
シテハ中學校三、高等女學校二校ニ達シ
テ居リマス又地方制度モ不完全ナガラ大
正十一年四月ヨリ實施シ旣ニ四年ノ經驗
ヲ積テ居リマス、大正十三年ニハ徴兵令、
戶籍法モ施行セラレタノテアリマス、其
ノ他公法、私法ノ殆ント全部カ彼ノ地ニ
施行セラレテアルコトハ別表ノ通リテアリマ
ス而シテ二十万二千五百四人內土人ト稱
スル者千六百五十七人、殘留外國人百十七
人支那人二百四十四人朝鮮人千三百六
十九人、其ノ他ノ二十餘万民ハ全部內地
ニ於テ自治制度ノ下ニ立チ各種ノ選擧權
ヲ行使シタル經歷ヲ有スル同胞テアリマス、
其ノ内二十五歳以上ノ男子約七万三千人
ヲ算スルノテアリマス、斯ル狀況ナルニ拘
ラス彼ノ地ニ未タ選擧法ノ施行ナキハ國
民ノ政治生活ニ對スル公平ナル待遇ニア
ラスト思フノテアリマス御水知ノ如ク北
海道ニ選舉法ノ始メテ施行サレタノハ
樺太管內國勢調査表
世帶
支廳別男
十四年九年
十四年
全管三九、一六八二一、四六一一二二、二〇三
豐原支廳管內八、三四三五、〇〇一二三、八六四
大泊支廳管內一〇、九一三五、三四六三六、〇四〇
眞岡支廳管內七、〇八八四、九三五一九、五七八
本斗支廳管內三、四〇〇二、〇四〇一一、一八七
泊居支廳管內五、三四四二、九〇七一六、七〇二
元泊支配管內二、八二五五三四一〇、五五九
敷香支廳管內一、二五三六九七四、〇四〇
刑務所ニThem
大正十四年十月一日現在人口ノ男十二万二千人ノ内、
ト見積ル卽ヲ有權者數七万三千人强トス
大正十三年末
本籍者一一々、五六七人
一九二六戶
寄留者二六四四六戶
一三二、七一四人
明治三十二年デアリマス、夫レト比較スレ
ハ樺太ニ選擧法ヲ施行スルコトハ遲レタ
ル感力アルノテアリマス今ヤ内地ニ於テ
ハ下級團體迄モ今期議會ニ於テ凡テ納稅
要件ヲ撤シテ普ク選擧權ヲ付與セラレタ
ノテアリマス、然ルニ獨リ彼ノ地ニ對シ
之ヲ度外視スルコトハ理由ナキコトヽ信
スルノテアリマス思フニ多年彼ノ地ヲ選
擧法施行區域外ニ措キタルハ朝鮮臺灣
等ト同樣植民地ナルカ故ニ之ト同一取扱
ヲ爲サントスル理由ト一ツハ制度文物尙
ホ創始ノ時代ニ在テ選舉法實施ハ尙早ナ
リトノ理由ニ外ナラサルモノト察セラル
ノテアリマス併シナカラ槿太ニ於ケル社
會組織ハ朝鮮、臺灣ノ夫レト全然異ルノ
テアリマス而シテ他ノ理由タル尙早ナリ
トノ點ハ旣ニ前陳ノ如ク制度支物ノ發達
ニ鑑ミ最早取ルニ足ラナイノテアリマス
斯ノ如ク論シ來レハ樺太ニ選擧法ヲ施行
シ内地同樣ニ在住者ニ參政權ヲ付與スル
コトハ當然ノコトヽ信シマス何卒諸君ノ
御協賛ヲ願ヒマス
(大正十四年十月調)
人口
女計
九年十四年九年十四年九年
六二、三二七八一、三〇二四三、五七二二〇三、五〇四一〇五、八九九
一五、三六二一七、九七七一〇、三一八四一、八四一二五、六八〇
一五、〇七〇一五、三六一一一、三〇二五九、四〇一二六、三七二
一三、一〇八一五、二二九一〇、三二四三四、八〇七二三、四三二
四、九一五七、二八四四、二四三一八、四七一九、一五八
七、四二〇一〇、〇〇八五、三〇九二六、七一〇一二、七二九
二、一三八五、二七一九八八一五、八三〇三、一二六
四、一八五二、一六五一、〇八一六、二〇五五、二六六
一二九七七二三九一三六
二十五歳以上ノ者ヲ約六割强
樺太ニ施行ノ法律
全部施行
一郵便法
郵便爲替法
一郵便貯金法
一鐵道船舶郵便法
一電信法
以上明治四〇年勅第六四號
一法例
裁判所構成法
裁判所構成法施行條例
執達吏規則
一執達吏手數料規則
一辯護士法
一民法
一民法施行法
一明治三十五年法律第五十號
(年齡計算)
地所質入書人規則
一明治三十七年法律第十七號
(記名ノ國債ヲ目的トスル質權ノ設定)
一不動產登記法
一利息制限法
一明治三十二年法律第四十號
(失火ノ責任)
一明治三十三年法律第十三號
(軍人軍屬ノ遺言ノ確認)
-供託法
一明治三十二年法律第五十號
(外國人ノ署名捺印及無資力證明)
-商法
商法施行法
一明治三十三年法律第十七號
(商法中署名スヘキ場合)
一爆發物取締規則
一明治二十二年法律第三十四號
(決鬪罪)
一明治三十八年法律第六十六號
(外國ニ於テ流通スル貨幣紙幣銀行劵
證券仍過變造及模造ニ關スル件)
一民事訴訟法
一民事訴訟法施行條例
一民事訴訟署用法
民事訴訟用印紙法
人事訴訟手續法
商事非訴事件印紙法
一非訟事件手續法
一明治三十二年法律第五十三號
(銀行ニ關スル法律ニ定メタル過料)
以上明治四〇年勅令第九四號
一競賣法
一明治三十二年法律第六十七號
(外國人ノ抵當権)
刑事訴訟法
一外國艦船乘組員ノ逮捕
留置ニ關スル援助法
一明治十四年太政官達第八十二號
(司法官吏ヨリ巡査及兵員要求使用手
續
一明治十四年第五千九號布告
(治罪法中豫審判事勾引狀ヲ發シ勾引
セシメタル被告人留置方)
一明治十四年司法省達甲第五號
(司法上警察事務上巡査ニ於テ警部代
理方)
一明治十四年司法省達甲第七號
(治罪法第三百十五條裁判言渡ノ謄本
ヲ求ムル者費用上納額)
一外國裁判所ノ囑託ニ因ル共助法
一會計法
一行政執行法
一治安警察法
出版法
一質屋以締法
以上明治四〇年勅第九五號
一陸軍軍人軍屬違書罪處分例
一海軍軍人軍屬違警罪處分例
一戒嚴令
一軍機保護法
一軍用電信法
一海上衝突豫防法
一徴發令
一陸地測量保條例
以上明治四〇年第二五七號
一行旅病人及行旅死亡人取扱法
右明治四〇年勅第三一八號
一刑法
一刑法施行法
一監獄法
以上明治四一年勅第一九二號
一陸軍刑法
一陸軍刑法施行法
一海軍刑法
一海軍刑法施行法
以上明治四一年勅第二一二號
一行政裁判法
右明治四一年勅第二五四號
一關稅法
一關稅定率法
一噸稅法
以上明治四二年勅第二三號
一印紙犯罪處罪法
右明治四二年勅第一一六號
一煙草專賣法
右明治四二年勅第一二一號
一新聞紙法
右明治四二年勅第一三三號
一砂糖消費稅法
右明治四二年勅第一五二號
一砂鑛法
右明治四二年勅第一七八號
一公證人法
右明治四二年勅第一九○號
一古物商取締法
一遺失物法
水難救護法
一明治三十三年法律第十五號
(飮食物其ノ他ノ物品取締)
以上明治四三年勅第二七號
一織物消費稅法
右明治四三年勅第二〇五號
一漁業法
右明治四〇年勅第九七號、明治四一年勅
第二五一號、明治四四年勅第四號
一貨幣法
一銀行條例
一通貨及證劵模造取締法
以上明治四四年勅第六五號
一明治四十四年法律第五十八號
(租稅外諸收入金整理)
以上明治四四年勅第一二〇號
一藥品營業竝藥品取扱規則
右明治四四年勅第一四八號
一工場抵當法
右明治四五年勅第一一七號
一明治四十五年法律第一二號
(臘虎膃肭獸獵獲禁止)
以上明治四五年勅第一三五號
一間接國稅犯則者處分法
一工業用酒精酒類其ノ他酒類含有飮料戾
稅法
一明治三十三年法律第五十二號
(法人ニ於テ租稅ニ關シ事犯アリタル
場合)
一明治三十四年法律第十號
(酒精酒類其他酒精含有飮料輸出下炭
金)
以上大正元年勅第十二號
一保管金規則
右大正元年勅第十四號
一明治三十九年法律第三十四號
(國債)
一明治四十二年法律第八號
(登錄國債ノ擔保充用)
一明治四十二年法律第九號
(政府ニ對スル保證金其ノ他ノ擔保ニ
供シタル國債ノ買入銷却)
以上大正元年勅第三六號
一刑事略式手續法
右大正二年勅第七三號
一無線電信法
右大正四年勅第一八六號
一大正四年法律第十八號
(法人ノ役員處罰)
以上大正四年勅第一一三〇號
一豫約出版法
右大正五年勅第一六號
一國庫出納金端數計算法
右大正五年勅第五七號
一印紙稅法
右大正五年勅第一二九號
一海底電信線保護萬國聯合條約罰則
右大正五年勅第一八六號
一大正五年法律第十號
(證劵ヲ以テスル歲入納付)
以上大正五年勅第二五五號
一精神病者監護法
右大正六年勅第三〇號
一大正六年法律第二十九號
(造船奬働金下付停止)
以上大正六年勅第七一號
一軍事救護法
右大正六年勅第二〇四號
一紙幣類似證劵取締法
右大正七年勅第二六〇號
一軍需工業動員法
右大正七年勅第三六八號
一土地收用法
右大正八年勅第二三四號
一地方鐵道法
一鐵道抵當法
以上大正一〇年勅第七六號
一刑事訴訟費用法
右ナ正一〇年勅第一七五號
一鑛業抵當法
右大正一〇年勅第三〇八號
一貯蓄銀行法
右大正一〇年勅第四五五號
一擔保附社債信託法
右大正一一年勅第五二號
一國稅徵收法
右大正八年勅第三六七號、大正一一年勅
第五三號
一種痘法
右明治四三年勅第二七號、大正一一年勅
第六三號
一鑛業法
右明治四〇年勅第二四一號、明治四五年
勅第一四一號、大正一一年勅第二〇六號
一砂鑛區稅法
右大正一一年勅第二〇六號
一大正十一年法律第二十二號
銅.眞鍮及靑銅ノ輸入稅)
以上大正一一年勅第三○四號
一商業會議所法
右大正一一年勅第四〇四號
一破產法
一和議法
以上大正一一年勅第五○三號
一度量衡法
右大正一二年勅第九九號
一特許法
一實用新案法
意匠法
一商標法
一辨理士法
以上大正一二年勅第三一一號
一刑事訴訟法
右大正一二年勅第二一六號
一國籍法
一戶籍法
一寄留法
一明治三十一年法律第一一十一號
(外國人ヲ養子、入夫トナス件)
一明治三十三年法律第九十四號
(國籍喪失者ノ權利)
以上大正一三年勅第八八號
一徵兵令
右大正一三年勅第一二五號
一贅澤品等ノ輸入稅ニ關スル件
右大正一三年勅第一七○號
一治安維持法
右大正一四年勅第一七五號
一鐵板ノ輸入稅ニ關スル件
右大正一四年勅第二三六號
一部施法
一訴願法(第一條第一號乃至第六號ヲ除
き
以上明治四一年勅第二五三號
一傳染病豫防法(第二二條第二四條及第
二五條ヲ除キ)
以上明治四三年勅第二七號、大正一一年
勅第六三號
一水路測量標標例(官有地ニ關スル規定
ヲ除キ)
以上大正二年勅第三一三號
一產業組合法(第九條第二項第七九條第
百六條及第百七條ノ規定竝產業組合中
央會ニ關スル規定ヲ除キ)
以上大正四年勅第八八號
一登錄稅法(第三條第四條第五條第六條
ノ二第一項第三號第八條乃至第一三條
及第一六條第一項第一號第二號ヲ除
き)
以上大正一〇年勅第一七一號
一森林法第七十六條乃至第九十四條及第
百二條
以上大正一一年勅第六四號
一少年法(保護處分ニ關スル規定ヲ除キ)
以上大正一一年勅第五二七號
一船舶法第一條乃至第三條第二十二條及
第二十三條
以上大正一三年勅第九三號発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=177
-
178・中野寅吉
○中野寅吉君 簡單ニ今林田氏及東氏ノ提
出ニ係ルモノデアリマス、是ハ私ハ四十九
議會ニ於テ建議案トシテ出シタノデ、我ガ
憲政會モ樺太ニ選擧法施行ト云フコトハ非
常ニ贊成シテ居リマス、此段一言申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=178
-
179・井本常作
○井本常作君 各案ヲ一括シテ鳩山一郞君
外八名提出、大正十四年法律第四十七號衆
議院議員選擧法中改正法律案ノ委員同一委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=179
-
180・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決シ
マシタ、日程第十三乃至第十七-只今ノハ
誤リマシタ、日程第十乃至第十二ハ同種議
案デアリマスカラ一括議題ト爲スニ御異議
アリマセヌカ
〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=180
-
181・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナイト認
メマス、仍テ第十、治安警察法中改正法律案
外二件ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯
明ヲ許シマス-提出者山口政二君
第十治安警察法中改正法律案(〓瀨
一郞君外一名提出)第一讀會
治安警察法中改正法律案
治安警察法中左ノ通改正ス
第五條第一項中第三號乃至第五號ヲ削リ
第六號ヲ第三號ニ、第七號ヲ第四號ニ改
ム
治安警察法中改正法律案理由書
第五十囘議會ニ於テ成立シタル衆議院議
員選擧法ニ於テハ神官神職僧侶其ノ他諸
宗〓師竝官公私立學校ノ〓員學生生徒ハ
獨リ衆議院議員選擧權ヲ有スルノミチラ
ス其ノ被選擧權ヲモ有スルコトト爲レリ
既ニ被選擧權ヲ有スル者ニ對シ政治結社
ノ加入ヲ禁スルトキハ立憲政治ノ運用ニ
支障ヲ來スヘキハ明白ナリ故ニ之ヲ制限
シタル治安警察法第五條第一項第三號第
四號ノ削除ヲ必要トス
近來女子ニ關スル問題ニシテ解決ヲ迫ル
モノ二三ニシテ止マラス參政權ノ要求ハ
其ノ一ナリ其ノ法律上社會上ノ地位ノ改
善其ノ二ナリ從テ此等ノ目的ノ爲合法的
ノ結社ヲ承諾スルノ必要アルヲ以テ前記
治安警察法第五條第一項第五號ノ削除ヲ
必要トス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第十一治安警察法中改正法律案安
藤正純君外三名提出)第一讀會
治安警察法中改正法律案
治安警察法中左ノ通改正ス
第五條第一項中第三號及第四號ヲ削リ第
五號ヲ第三號ニ改メ以下順次繰上ク
治安警察法中改正法律案理由書
本法ハ遠ク明治三十三年ノ制定ニ係リ時
代ノ進運ニ適應セサルノ憾アリ卽チ大正
十一年之カ一部ノ改正ヲ見更ニ今期議會
ニ於テ政府カ改正案ヲ提出シタル所以ナ
リ然ルニ改正案ニ於テ依然トシテ神官神
職僧侶其ノ他諸宗〓師官公私立學校ノ〓
員學生生徒ノ政治結社加入制限ヲ存置シ
タルハ改正衆議院議員選擧法ニ於テ此等
ニ對シ被選擧権ヲ認メタル趣旨ニ對シ事
實ニ於テ明白ナル矛盾ナリト信ス是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ
第十二治安警察法中改正法律案(田
中善立君外二名提出)第一讀會
治安警察法中改正法律案
治安警察法中左ノ通改正ス
第五條第一項中第三號ヲ削リ第四號ヲ第
三號ニ改メ以下順次繰上ク
治安警察法中改正法律案理由書
本法ハ遠ク明治三十三年ノ制定ニ係リ時
代ノ進運ニ適應セサルノ憾アリ卽チ大正
十一年之カ一部ノ改正ヲ見更ニ今期議會
ニ於テ政府カ改正案ヲ提出シタル所以ナ
リ然ルニ改正案ニ於テ依然トシテ神官神
職僧侶其ノ他諸宗〓師ノ政治結社加入制
限ヲ存置シタルハ改正衆議院議員選擧法ニ
於テ此等ニ被選擧權ヲ認メタル趣旨ニ對
シ事實ニ於テ明白ナル矛盾ナリト信ス是
レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=181
-
182・山口政二
○山口政二君 日程第十ノ議案ハ治安警察
法中改正法律案デアリマス、卽チ治安警
察法中第五條第一項中第三號、第四號、
第五號ヲ除キマシテ神官、神職、僧侶其
他諸宗〓師、官公私立學校ノ〓員、學生、
生徒及女子ニ對シテ、政治上結社加入ノ自
由ヲ得セシメヤウト云フ議案デアリマス、
女子ニ對スル部分ハ第五十議會ニ於キマシ
テ旣ニ本院ノ院議トナッタノデアリマシテ、
其他ノ點ニ付キマシテハ選擧法改正ノ結
果、此改正ハ當然ノ事ト考ヘルノデアリマ
スルカラ何卒諸君ノ御協賛ヲ得タイノデア
リマス(拍手)
〔補足〕
治安警安法法中改正法律案提案ノ趣旨ヲ
辯明致シマス
治安警察法第五條第一項中、其ノ第五號
ヲ削リ、女子ニ對シテ、政治結社加入ノ
自由ヲ得セシメヤウトスル議案ハ第五
十議會ニ於テ諸君ノ御協賛ヲ得タノテア
リマス、既ニ本院ノ院議トナツテ居ルノ
テアリマスカラ、此點ニ關スル趣旨辯明
ハ之ヲ省略致シマス、次ニ今回ハ治安警
察法第五條第一項中、更ニ第三號及第四
號ヲ削リ、神官、神職、僧侶其ノ他諸宗〓
師及官立、公立、私立學校ノ〓員、學
生、生徒ニ對シテ政治結社加入ノ自由ヲ
得セシメヤウトスルノテアリマス、此ノ
點ニ就キマシテハ、第五十議會ノ特別委
員會ニ於テ、政友本黨ノ原夫次郞君ヨリ、
提案者ハ何故女子ニノミ政治結社加入ノ
自由ヲ得セシメヤウトスルカ、神官、神
職其他ニ對シテハトウシテ改正案ヲ出サ
ナイカトノ質疑カアリマシタカ、當時ハ
恰モ、所謂普選法案ノ成否未定ノ時テア
リマシタカラ、本員ハ普選法成立後ノ議
會ニ於テ是非トモ此ノ點ノ改正案ヲ提出
致シタイト、御答シテ置キマシタ、改メ
テ申上クルマテモナク、現行ノ衆議院議
員選擧法ハ、官立、公立、私立學校ノ學
生、生徒ニハ、選擧權、被選擧權共ニ與ヘ
テ居リマセヌ、又神官、神職、僧侶其ノ
他諸宗〓師、小學校〓員ニハ、被選擧權
ヲ與ヘテ居リマセヌカ、大正十四年法律
第四十七號、改正衆議院議員選擧法ニ於
テハ、之等ノ者ニ對シテ或ハ選擧權、被
選擧權ヲ、或ハ被選擧權ヲ與ヘテ居ルノ
テアリマス、衆議院議員選擧法カ斯ク改
正サレタル以上、治安警察法第五條第
一項中、第三號及第四號ヲ削除シ、以上
列擧セル者ニ政治結社加入ノ自由ヲ得セ
シメルノハマコトニ當然ノコトト考へ
やべ、是レ本案ヲ提出スル所以テアリマ
ス、何卒御審議ノ上、御協賛ヲ與ヘラレム
コトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=182
-
183・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 安藤正純君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=183
-
184・安藤正純
○安藤正純君 日程第十一ハ矢張治安警察
法中改正法律案デアリマシテ、此趣意ハ只
今山口政二君ノ說明ヲセラレタ通リデアリ
マス、唯〓山口君ガ提出ノ案ト本案ト違フ
所以ハ山口君ノ方ノハ之ニ女子ヲ加ヘラレテ
アルノデアリマスガ本案ハ神官、僧侶、諸宗
〓師竝ニ小學校教員及ビ學生生徒ノ政治結
社ニ加入ノ出來ルヤウニスル爲ニ、治安警
察法ノ第五條ニ改正ヲ加ヘタイト云フノデ
アリマス、但シ玆ニ婦人ノ政治結社ニ加人
スルコトヲ私共ガ除キマシタノハ、婦人ノ
政治結社加入ガ惡イノデハアリマセヌ、唯〓
婦人ノ政治結社加入ヨリモ、神官、僧侶、
諸宗〓師、小學校〓員及學生生徒ノ政治結
社加入ノ方ガモット急務デアル、殊ニ是等
ノ神官、僧侶、諸宗〓師及小學校〓員ハ普
選ノ結果、被選擧權ヲ得ルノデアリマスルカ
ラ、當然ノ結果ト致シマシテ政治結社ノ加
入ヲ、一日モ早クセシムルコトガ必要ト云
フコトヲ信ジマシテ、本案ヲ提出シタ所以
デゴザイマス、何卒速ニ御審詠アランコト
ヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=184
-
185・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 田中善立君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=185
-
186・田中善立
○田中善立君 日程第十二ノ提出理由ヲ簡
單ニ申シマスト、本案ハ第五條第一項中第
三號ヲ削ルノデアリマス、卽チ神官神職、
僧侶、其他諸宗〓師ノ政治結社加入制限ヲ
撤廢スルト云フノデアリマス、何卒御賛成
ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=186
-
187・井本常作
○井本常作君 各案ヲ一括シテ政府提出勞
働組合法案ノ委員ト、同一委員ニ併セテ付
託セラレンコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=187
-
188・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナシト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ、日程第十三乃至第十七ハ同種議
案デアリマスカラ、一括議題ト爲スニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=188
-
189・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第十三、大伯市ニ關スル
法律案、日程第十四、神戶市ニ關スル法律
案、日程第十五、名古屋市ニ關スル法律案、
日程第十六、京都市ニ關スル法律案、日程
第十七、横濱市ニ關スル法律案ノ第一讀會
ヲ開キ提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス、廣瀨
德藏君
第十三大阪市ニ關スル法律案(廣瀨
德藏君君十一名提出)
第一讀會(確定議)
大阪市ニ關スル法律案
第一條大阪市ハ從來ノ區域ニ依リ之ヲ
府縣ノ區域外トス
第二條大阪市ハ法人トス官ノ監督ヲ承
ケ法令ノ範圍內ニ於テ其ノ公共事務竝
從來法令若ハ慣例ニ依リ府若ハ市ニ屬
スル事務及將來法律勅令ニ依リ市ニ屬
スル事務ヲ處理ス
第三條大阪市ハ勅令ノ定ムル所ニ從ヒ
交通衞生ニ關スル警察事務ヲ處理ス
第四條市制中市稅ノ賦誅ニ關スル規定
ノ外府縣稅ノ規定ヲ準用ス
從來府ニ於テ賦課スル賦金ノ徵收ニ付
テハ市稅ニ準シ市ニ於テ之ヲ賦課シ其
ノ支辨ハ從前ノ規定ニ據ル
第五條大阪市ハ内務大臣之ヲ監督ス
第六條市制中府縣知事又ハ府參事會ノ
權限ニ屬スル事項ハ内務大臣之ヲ行フ
第七條市制中監督官廳ノ處分決定裁定
又ハ栽決ニ關シ出訴シ得ヘキ事項ニ付
テハ直ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ
得
第八條市制中府参事會ニ於テ市會又ハ
市參事會ニ代リテ處置スヘキ事項ハ內
務大臣ノ許可ヲ經テ市長之ヲ處置シ次
ノ市會又ハ市參事會ニ報告スヘシ
第九條市制以外ノ法令ニ依リ府會參事
會ノ權限ニ屬スル事項ハ市會參事會
之ヲ行フ
第十條本法ニ規定スルモノノ外總テ市
制ノ規定ニ據ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
大阪市ニ關スル法律案理由書
大阪市ノ我カ國ニ於ケル地位其ノ人口其
ノ財力其ノ事業等ノ現狀ニ照シ一般市制
外ニ特別ノ制度ヲ施クヲ適當トス是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ
第十四神戶市ニ關スル法律案(砂田
重政君外三名提出)
第一讀會(確定議)
神戶市ニ關スル法律案
第一條神戶市ハ從來ノ區域ニ依リ之ヲ
府縣ノ區域外トス
第二條神戶市ハ法人トス官ノ監督ヲ承
ケ法令ノ範圍內ニ於テ其ノ公共事務竝
從來法令若ハ慣例ニ依リ縣若ハ市ニ屬
スル事務及將來法律勅令ニ依リ市ニ屬
スル事務ヲ處理ス
第三條神戶市ハ勅令ノ定ムル所ニ從ヒ
交通衞生ニ關スル警察事務ヲ處理ス
第四條市制中市稅ノ賦課ニ關スル規定
ノ外府縣稅ノ規定ヲ準用ス
從來縣ニ於テ賦課スル賦金ノ徵收ニ付
テハ市稅ニ準シ市ニ於テ之ヲ賦課シ其
ノ支辨ハ從前ノ規定ニ據ル
第五條神戶市ハ内務大臣之ヲ監督ス
第六條市制中府縣知事又ハ府參事會ノ
權限ニ屬スル事項ハ內務大臣之ヲ行フ
第七條市制中監督官廳ノ處分決定裁定
又ハ裁決ニ關シ出訴シ得ヘキ事項ニ付
テハ直ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ
得
第八條市制中縣參事會ニ於テ市會又ハ
市參事會ニ代リテ處置スヘキ事項ハ内務
大臣ノ許可ヲ經テ市長之ヲ處置シ次ノ
市會又ハ市參事會ニ報告スヘシ
第九條市制以外ノ法令ニ依リ縣會縣參
事會ノ權限ニ屬スル事項ハ市會市參事
會之ヲ行フ
第十條本法ニ規定スルモノノ外總テ市
制ノ規定ニ據ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
神戶市ニ關スル法律案理由書
神戶市ノ我カ國ニ於ケル地位其ノ人口其
ノ事業等ノ現狀ニ照シ一般市制外ニ特別
ノ制度ヲ施クヲ適當トス是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ
第十五名古屋市ニ關スル法律案日
中善立君外二名提出)
第一讀會(確定議)
名古屋市ニ關スル法律案
第一條名古屋市ハ從來ノ區域ニ依リ之
ヲ縣ノ區域外トス
第二條名古屋市ハ法人トス官ノ監督ヲ
承ケ法令ノ範圍內ニ於テ其ノ公共事務
竝從來法令若ハ慣例ニ依リ縣若ハ市ニ
屬スル事務及將來法律勅令ニ依リ市ニ
屬スル事務ヲ處理ス
第三條名古屋市ハ勅令ノ定ムル所ニ從
ヒ交通衞生ニ關スル警察事務ヲ處理ス
第四條市制中市稅ノ賦課ニ關スル規定
ノ外縣稅ノ規定ヲ準用ス
從來縣ニ於テ賦課スル賦金ノ徵收ニ付
テハ市稅ニ準シ市ニ於テ之ヲ賦課シ其
ノ支辨ハ從前ノ規定ニ據ル
第五條名古屋市ハ內務大臣之ヲ監督ス
第六條市制中縣知事又ハ縣參事會ノ權
限ニ屬スル事項ハ內務大臣之ヲ行フ
第七條市制中監督官廳ノ處分決定裁定
又ハ栽決ニ關シ出訴シ得ヘキ事項ニ付
テハ直ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ
得
第八條市制中縣參事會ニ於テ市曾又ハ
市參事會ニ代リテ處置スヘキ事項ハ內
務大臣ノ許可ヲ經テ市長之ヲ處置シ次
ノ市會又ハ市參事會ニ報告スヘシ
第九條市制以外ノ法令ニ依リ縣會縣參
事會ノ權限ニ屬スル事項ハ市會市參事
會之ヲ行フ
第十條本法ニ規定スルモノノ外總テ市
制ノ規定ニ據ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
名古屋市ニ關スル法律案理由書
名古屋市ハ中部日本ノ中樞ニシテ近時ノ
發展ハ都市計畫ノ施設ト相俟テ著シキモ
ノアリ我カ國ノ工業地帶トシテ唯一ノ中
心的都市タリ此ノ巨然タル大市ヲ律スル
他ノ地方邊阪ノ小都市ト同一ノ制度ヲ以
テスルカ如キハ決シテ時代ノ要求ニ順應
シ大都市タル面目ヲ發揮セシムル所以ノ
途ニ非ス此ノ故ニ名古屋市ヲ內務大臣直
轄ノ自治體タラシメ依テ以テ市制ヲ恢宏
シ事業ヲ振興シ其ノ繁榮發達ヲ圖ルハ切
實ナル時運ノ要求タリ是レ本案ヲ提出ス
ル所以ナリ
第十六京都市ニ關スル法律案(森田
茂君外六名提出)第一讀會(確定議)
京都市ニ關スル法律案
第一條京都市ハ從來ノ區域ニ依リ之ヲ
府縣ノ區域外トス
第二條京都市ハ法人トス官ノ監督ヲ承
ケ法令ノ範圍內ニ於テ其ノ公共事務竝
從來法令若ハ慣例ニ依リ府若ハ市ニ屬
スル事務及將來法律勅令ニ依リ市ニ屬
スル事務ヲ處理ス
第三條京都市ハ勅令ノ定ムル所ニ從ヒ
交通衞生ニ關スル警察事務ヲ處理ス
第四條市制中市稅ノ賦課ニ關スル規定
ノ外府縣稅ノ規定ヲ準用ス
從來府ニ於テ賦課スル賦金ノ徵收ニ付
テハ市稅ニ準シ市ニ於テ之ヲ賦課シ其
ノ支辨ハ從前ノ規定ニ據ル
第五條京都市ハ內務大臣之ヲ監督ス
第六條市制中府縣知事又ハ府參事會ノ
權限ニ屬スル事項ハ內務大臣之ヲ行フ
第七條市制中監督官廳ノ處分決定裁定
又ハ栽決ニ關シ出訴シ得ヘキ事項ニ付
テハ直ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ
得
第八條市制中府參事會ニ於テ市會又ハ
市參事會ニ代リテ處置スヘキ事項ハ內
務大臣ノ許可ヲ經テ市長之ヲ處置シ次
ノ市會又ハ市參事會ニ報告スヘシ
第九條市制以外ノ法令ニ依リ府會府參
事會ノ權限ニ屬スル事項ハ市會市參事
會之ヲ行フ
第十條本法ニ規定スルモノノ外總テ市
制ノ規定ニ據ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
京都市ニ關スル法律案理由書
京都市ノ我カ國ニ於ケル地位其ノ人口
其ノ財力其ノ事業等ノ現狀ニ照シ一般市
制外ニ特別ノ制度ヲ施クヲ適當トス是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
ゆん白
第十七横濱市ニ關スル法律案(平沼
亮三君外二名提出)第一讀會(確定議)
横濱市ニ關スル法律案
第一條横濱市ハ從來ノ區域ニ依リ之ヲ
府縣ノ區域外トス
第二條横濱市ハ法人トス官ノ監督ヲ承
ケ法令ノ範圍內ニ於テ其ノ公共事務竝
從來法令若ハ慣例ニ依リ縣若ハ市ニ屬
スル事務及將來法律勅令ニ依リ市ニ屬
スル事務ヲ處理ス
第三條横濱市ハ勅令ノ定ムル所ニ從ヒ
交通衛生ニ關スル警察事務ヲ處理ス
第四條市制中市稅ノ賦課ニ關スル規定
ノ外府縣稅ノ規定ヲ準用ス
從來縣ニ於テ賦課スル賦金ノ徵收ニ付
テハ市稅ニ準シ市ニ於テ之ヲ賦課シ其
ノ支辨ハ從前ノ規定ニ據ル
第五條横濱市ハ內務大臣之ヲ監督ス
第六條市制中府縣知事又ハ府參事會ノ
權限ニ屬スル事項ハ內務大臣之ヲ行フ
第七條市制中監督官廳ノ處分決定栽定
又ハ裁決ニ關シ出訴シ得ヘキ事項ニ付
テハ直ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ
得
第八條制中縣參事會ニ於テ市曾又ハ
市參事會ニ代リテ處置スヘキ事項ハ內
務大臣ノ許可ヲ經テ市長之ヲ處置シ次
ノ市會又ハ市參事會ニ報告スヘシ
第九條市制以外ノ法令ニ依リ縣會縣參
事會ノ權限ニ屬スル事項ハ市會市參事
會之ヲ行フ
第十條本法ニ規定スルモノノ外總テ市
制ノ規定ニ據ル
附
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
横濱市ニ關スル法律案理由書
横濱市ハ一般都市ト事情ヲ異ニスルモノ
有リ殊ニ復興途上ニアルコトトテ諸般施
設ノ敏速ヲ要スル等一般市制外ニ特別ノ
制度ヲ施クヲ適當トス是レ本案ヲ提出ス
ル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=189
-
190・廣瀬徳藏
○廣瀨德藏君 大阪市ニ關スル法律案ノ提
案理由ヲ說明致シマス、本案ハ大阪市ニ特
別ナル自治制度ヲ布クコトヲ目的トスル法
律案デアリマス、我國ノ地方制度ハ割一ノ
主義ヲ採ノテ居リマスガ爲ニ、人口三万カ
五万、一年ノ歲計十万カ十五万ト云フ小都
會ト、人口ハ數百万、歲計ハ數千万若クハ
一作圓ヲ超エルヤウナ都會ト、同ジ制度ヲ
施行シテ居ルノデアリマス、然ルニ大都會
ニ於テハ小都會ト違ノテ自治ノ範圍ガ非常
ニ廣ク、又之ヲ運用スル機關ニ於テモ、小
都會トハ非常ニ違フテ居ルノデアリマス、
然ルニ之ヲ他ノ小都會ト同ジク府縣知事ノ
監督ノ下ニ置キ、煩雑ナ監督ヲヤルト云フ
コトハ自治ノ圓滿ナル發達ヲ期スル所以
デハナイ、此故ニ大都市ニ對シテハ特別
ナル制度ヲ設ケントスルノガ本案ノ趣旨デ
アリマス、殊ニ大阪市ハ東京ト相竝ンデ
我國ノ大都會デアルコトハ勿論デアリマス
ガ、昨年ノ四月一日接近致シテ居リマスル
所ノ二ツノ郡ヲ大阪市ニ編入ヲ致シマシ
タ、人口ハ二百十一万ヲ超エ、歲計ハ一億
五千万ニ近ク、其面積亦六十三平方哩ヲ
超ユルノデアリマシテ、我國第一ノ都會デ
アルノデアリマスカラ、之ニ向ッテ特別ナ
ル制度ヲ設クルコトハ、自治制度ノ發達上
缺クベカラザルコトヽ考ヘルノデアリマス、
而シテ本案ハ昨年本院ヲ通過致シマシタモ
ノト殆ド同樣デアリマス、唯。第三條ニ於
テ交通、衞生、警察事務ヲ加ヘタノガ異ナ
ルダケデアリマスカラ、何卒速ニ通過セラ
レンコトヲ希望致ス次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=190
-
191・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 日程第十四、神
戶市ニ關スル法律案ノ趣旨說明ハアリマセ
ヌカ、森田金藏君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=191
-
192・森田金藏
○森田金藏君 今議題トナッテ居リマスル
神戶市ニ關スル法律案ハ、只今大阪市ノ說
明ニ御述ニナッタコトヽ大同小異デアリマ
ス、ソレデドウシテモ是ハ特別市制ヲ布イ
テ戴カナケレバナラヌ、理由ノ一ツトシテ
申上ゲテ置キタイコトハ神戶市ハ人口將
ニ八十万ニ垂ントシテ居ル、而シテ我國ノ
貿易ノ中心地デアル、サウシテ港ハ大玄關
ヲ爲シテ居ルノデアリマス、内外人ノ出入
ノ關係、又貿易ノ關係カラ考ヘマシテモ、
ドウシテモ他ノ都市ト違タタ別別市制ヲ布
ク必要ガアルノデアリマス、故ニドウカ此
意味ニ於キマシテ、賢明ナル諸君ノ御賛成
ヲ得テ、此案ノ通過センコトヲ希望致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=192
-
193・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 日程第十五、名
古屋市ニ關スル法律案ノ趣旨辯明ハアリマセ
セヌカ、田中善立君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=193
-
194・田中善立
○田中善立君 本案ノ理由ハ第十三、第十
四ト同シデアリマスカラ、別ニ之ヲ述ベマ
セヌ、何卒御賛成ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=194
-
195・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 日程第十六、田
崎信藏君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=195
-
196・田崎信藏
○田崎信藏君 本案ハ京都市ニ關スル法律
案デアリマス、大阪、東京ニ次グ所ノ大都
市デアリマス京都ニ於キマシテ、是非特別
ノ市制ヲ布カレンコトヲ望ムガ故ニ、本法
律案ヲ提案シタ次第デアリマス、卽決可決
セラレンコトヲ特ニ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=196
-
197・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 日程第十七、横
濱市ニ關スル法律案ノ趣旨辯明ハアリマセ
ヌカ、平沼亮三君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=197
-
198・平沼亮三
○平沼亮三君 前數案ト同樣ノ理由デアリ
マく、特ニ横濱市ハ震災後ノ復興途上ニ在
リマスカラ、特ニ痛切ニ威ジマス、何卒御
贊成ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=198
-
199・井本常作
○井本常作君 各案ヲ一括シテ讀會ヲ省略
シ、原案ノ通リ卽決可決セラレンコトヲ望
ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=199
-
200・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=200
-
201・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ讀會ノ順序ヲ省略シテ全部ヲ
可決確定致シマシタ、日程第十八、乃至第
二十八同種議案デアリマスカラ、一括議題
ト爲スニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=201
-
202・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第十八、寺院現境內地無
償下反ニ關スル法律案、日程第十九、寺院
現境內地無償下戾ニ關スル法律案、日程第
二十、古社寺保存中法改正法律案ヲ一括シ
テ第一讀會ヲ開キ、各提出者ノ趣旨辯明ヲ
許シマス、安藤正純君
第十八寺院現境內地無償下戾ニ關ス
ル法律案(安藤正純君外四名提出)
第一讀會
寺院現境內地無償下戾ニ關スル法律案
第一條寺院境內地ニシテ現ニ國有ニ屬
スル現境內地ハ申請ニ依リ之ヲ其ノ寺
院ニ下戾スヘシ
第二條本法ニ依ル下戾ノ申請ハ大正十
八年四月三十日迄ニ之ヲ主務大臣ニ差
出スヘシ
第三條此ノ申請ニ對スル處分ニ付不服
アル者ハ其ノ指令ヲ受ケタル日ヨリ三
箇月内ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ
得
第四條第一條ニ依リ下戾ヲ受ケタル者
ハ其ノ境内地及立木竹ノ所有權ヲ取得
ス
前項ニ依リ所有權ヲ取得シタル者ハ其
ノ土地及立木竹ニ付第三者ノ現ニ有ス
ル權利ヲ害スルコトヲ得ス
第五條本法ニ依リ下戾ヲ受ケタル境内
地及立木竹ハ地方長官ノ許可ヲ受クル
ニ非サレハ之ヲ譲渡シ又ハ地上權抵富
權若ハ質權ノ目的ト爲スコトヲ得ス
第六條本法施行前行政處分又ハ裁判所
ノ判決ヲ受ケタル者ト雖本法ニ依リ下
戾ノ申請ヲ爲スコトヲ妨ケス
附則
本法ハ大正十五年五月一日ヨリ之ヲ施行
ス
寺院現境内地無償下戾ニ關スル法律案
理由書
寺院境內地ニシテ現ニ國有ニ屬スル現境
內地及立木竹ハ之ヲ其ノ寺院ニ下反スヲ
以テ適當ナル處分ナリト認ム是レ本案ヲ
提出スル所以ナリ
第十九寺院現境內地無償下戾ニ關ス
ル法律案(福井甚三君外四名提出)
第一讀會
寺院現境内地無償下戾ニ關スル法律案
第一條寺院境内地ニシテ現ニ國有ニ屬
スル現境内地ハ申請ニ依リ之ヲ其ノ寺
院ニ下戾スヘシ
第二條本法ニ依ル下反ノ申請ハ大正十
八年四月三十日迄ニ之ヲ主務大臣ニ差
出スヘシ
第三條此ノ申請ニ對スル處分ニ付不服
アル者ハ其ノ指令ヲ受ケタル日ヨリ三
箇月内ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ
得
第四條第一條ニ依リ下戾ヲ受ケタル者
ハ其ノ境内地及立木竹ノ所有權ヲ取得
ス
前項ニ依リ所有權ヲ取得シタル者ハ其
ノ土地及立木竹ニ付第三者ノ現ニ有ス
ル權利ヲ害スルコトヲ得ス
第五條本法ニ依リ下戾ヲ受ケタル境内
地及立木竹ハ地方長官ノ許可ヲ受クル
ニ非サレハ之ヲ讓渡シ又ハ地上權抵當
權若ハ質權ノ目的ト爲スコトヲ得ス
第六條本法施行前行政處分又ハ裁判所
ノ判決ヲ受ケタル者ト雖本法ニ依リ下
戾ノ申請ヲ爲スコトヲ妨ケス
附則
本法ハ大正十五年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
寺院現境內地無償下戾ニ關スル法律案
理由書
寺院境内地ニシテ現ニ國有ニ屬スル現境
内地及立木竹ハ凡テ之ヲ其ノ寺院ニ下戾
シ繁雜ナル國有地ノ整理ヲ爲スト共ニ各
寺院ノ基本財產ヲ增殖セシムルヲ以テ適
當ノ處置ナリト認ム是レ本案ヲ提出スル
所以ナリ
第二十古社寺保存法中改正法律案
(田中萬逸君外四名提出)第一讀會
古社寺保存法中改正法律案
古社寺保存法中左ノ通改正ス
第十六條中「十五万圓乃至二十万圓」ヲ
「二十五万圓以上」ニ改ム
古社寺保存法中改正法律案理由書
古社寺保存ノ現狀ニ照シ國庫ヨリ支出ス
ヘキ金額ヲ增加スル必要アリ是レ本案ヲ
提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=202
-
203・安藤正純
○安藤正純君 簡單ニ日程第十八ノ提出理
由ヲ說明致シマス、本案ハ明治ノ初年ニ誤シ
テ國有トナリマシタ、寺院ノ現境内地ヲ
無償交付スルト云フ案デゴザイマシテ、旣
ニ本院ヲ法律案トシテ通過スルコト七回ニ
及ンデ居リマス、而シテ政府モ之ニ對シテ
ハ賛成ノ意ヲ表シテ居ルノデゴザイマスル
カラ、願クハ直ニ御審議ヲ下サイマシテ、
從來通リ可決セラレンコトヲ希望スルノデ
ゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=203
-
204・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 福井甚三君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=204
-
205・福井甚三
○福井甚三君 只今上程サレマシタ寺院現
境內地無償下戾ニ關スル法律案ニ付キマシ
テハ、本案ハ既ニ我ガ衆議院ニ於テ法律案
トシテ通過致シタルコト前後七回、建議案
トシテ通過致シタルコト二囘、其歴史ヲ持ッ
テ居ル法律案デアリマスカラ、何卒滿場一
致ノ御賛成ヲ得テ可決アランコトヲ切望致
シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=205
-
206・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 日程第二十八、
趣旨辯明ハアリマセヌカ-之ニテ趣旨辯明
ヲ終ヘマシタ、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=206
-
207・井本常作
○井本常作君 各案ヲ一括シテ議長指名九
名ノ委員ニ付託セラレムコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=207
-
208・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍ッテ動議ノ如ク
決シマシタ、-日程第二十一、會計檢查
院法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ、提出
者ノ趣旨辯明ヲ許シマス、-武藤山治君
第二十一會計檢査院法中改正法律案
(武藤山治君外一名提出)第一讀會
會計檢査院法中改正法律案
會計檢査院法中左ノ通改正ス
第十三條第四號ヲ左ノ如ク改ム
四政府ヨリ補助金若ハ特約保證ヲ與
ヘ又ハ政府カ出資ノ義務ヲ有スル團
體及公立私立諸營造ノ收支ニ關スル
決算
同條第四號ノ次ニ左ノ一號ヲ加へ第五號
ヲ第六號ニ改ム
五政府ニ於テ重役ヲ任命スル銀行會
社ノ收支ニ關スル決算
第十四條第三號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
四前條第四號及第五號ノ團體及諸營
造ノ決算カ正當ナルヤ否ヤ
會計檢査院法中改正法律案理由書
政府ニ於テ出資ノ義務ヲ有スル〓體又ハ
總裁副總裁頭取副頭取理事等ノ重役ヲ任
命スル特種銀行又ハ特種會社ノ會計ハ政
府ヨリ補助金ヲ受クル會社及其ノ他ノ〓
體ト同シク其ノ收支ニ關スル決算ヲ會計
檢査院ノ檢査ニ付スルノ必要アリト認ム
是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=208
-
209・武藤山治
○武藤山治君 私ノ提出致シマシタ會計
檢査院法中改正法律案ハ、資本金以上ノ損失
ヲナシタ特殊銀行、一億圓以上ノ滯リ貸ヲ生
ジタ特殊銀行ハ到底大藏大臣ノ監督ノ下
ニ置クベキモノデナイ、會計檢査院ノ檢査
ニ附スベキモノデアルト云フ理由ニ依ッテ
此改正案ヲ提出致シタノデアリマス、議會
會期切迫シテ諸君ノ十分ナル御審議ヲ仰グ
コトガ出來ヌノハ、甚ダ遺憾ニ存ズルノデ
アリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=209
-
210・井本常作
○井本常作君 本案ハ武藤金吉君外十九名
提出議院法中改正法律案ノ委員ト同一委員
ニ併セテ付託セラレムコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=210
-
211・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍シテ動議ノ如ク
決シマシタ-日程第一一十二牧野法案ノ第
一讀會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマ
ス-八田宗吉君
第二十二牧野法案(八田宗吉君提出)
第一讀會
牧野法案
牧野法
第一條本法ニ於テ牧野ト稱スルハ馬產
ニ供用スル放牧地又ハ採草地タル林野
ヲ謂フ
第二條市町村、馬ニ關スル畜產組合及
牧野組合ノ使用スル牧野ハ主務大臣ノ
認可ヲ經ルニ非サレハ其ノ用途ヲ變更
スルコトヲ得ス
第三條主務大臣ハ左ノ場合ニ於テハ市
町村、馬ニ關スル畜產組合又ハ牧野組
合ニ貸付料ヲ徴シ國有地ヲ牧野トシテ
貸付スルコトヲ得
馬產ノ維持經營若ハ振興上必要ア
ルトキ
二牧野トシテ適當ナル國有地アルト
キ
第四條主務大臣ハ左ノ場合ニ於テハ既
ニ貸付セル國有地ノ還付ヲ命スルコト
ヲ得但シ天災其ノ他已ムヲ得サル事由
アルトキハ此ノ限ニ在ラス
國有地ノ貸付ヲ受ケタル者之ヲ牧
野ノ目的以外ニ使用シタルトキ
二貸付ヲ受ケタル後之ヲ牧野トシテ
完全ニ使用セサルトキ又ハ全ク之ヲ
牧野トシテ使用セサルトキ
三貸付ヲ受ケタル者之ヲ他人ニ轉貸
シタルトキ
四貸付地ニ關シ主務大臣ノ命令ニ從
ハサルトキ
第五條牧野ニ關スル事項ヲ審議スル爲
地方ニ牧野委員會ヲ置ク
前項牧野委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第六條第二條ノ認可又ハ第三條及第四
條ノ處分ニ付テハ主務大臣ハ地方牧野
委員會ノ議ニ付スルヲ要ス
第七條牧野ノ貸借期間ハ契約ニ於テ別
ニ期間ヲ定メサリシトキハ十五箇年ト
ス
前項ノ期間ハ之ヲ更新スルコトヲ得
第八條主務大臣ハ牧野ノ保護管理及放
牧經營ニ關シ必要ナル命令ヲ發スルコ
トヲ得
前項ノ場合ニ於テ主務大臣ハ必要ナル
補助金ヲ交付スルコトヲ得
第九條牧野ノ共同使用ヲ爲ス者ハ其ノ
牧野ノ改良ヲ圖ル爲牧野組合ヲ設立ス
ルコトヲ得
第十條牧野組合ハ營利ヲ目的トセサル
社團法人トス
第十一條牧野組合ニ關スル規定ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第十二條第二條ノ規定ニ違反シタル者
ハ百圓以下ノ過料ニ處ス
第十三條非訟事件手續法第二百六條乃
至第二百八條ノ規定ハ前條ノ過料ニ之
ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
牧野法案理由書
馬產ハ國防ノ充實產業ノ發達農村ノ振興
等ニ直面スル最重要ナル產業ノ一ナリ故
ニ政府ハ其ノ改良發達ヲ圖ラムカ爲速ニ
牧野法ヲ制定シ以テ近時全ク採草地ノ缺
乏ヲ告ケツツアル馬產地ノ窮狀ヲ救濟シ
其ノ奬勵ヲ期セラレタシ是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=211
-
212・八田宗吉
○八田宗吉君 簡單ニ申述ベマス、此牧野
法案ハ曾テ議員吉良元夫君等ヨリ建議案ト
シテ此法案ヲ制定スベク政府ニ要望シテ決
議シタルモノヲ、今回法律案トシテ提案致
シタノデアリマス、國防上カラ申シマシテ
モ、産業上カラ中シマシテモ、馬匹ノ增殖
ヲ圖ラナケレバナラヌト云フコトハ、申ス
マデモナイト考ヘルノデアリマス、然ルニ
此馬匹ハ漸次減少シシヽアルト云フ狀況ニ
ナッテ居リマスルコトハ、洵ニ憂慮スベキ
重大事デアルト考ヘルノデアリマス、國防
上カラ申シマスルト云フト、飛行機、自動
車、斯樣ナ科學ヲ利用シタル所ノ兵器ガ加
ハッテ來タ今日ニ於キマシテハ馬匹ノ如
キモノハ必要ガナイト間々考ヘル者ガアリ
マスケレドモ、實際ハサウデナイノデアリ
やっ、日露戰爭ノ時ハ兵員百人ニ付テ馬ガ
十九位ニナッテ居リマスガ、先年ノ歐洲戰
爭ニ於キマシテハ百人ニ付テ三十五ト云
フ數ヲ要スルヤウニナッテ居ル、卽チ兵士
ノ數ノ三分ノ一ノ馬ハドウシテモナクテハ
ナラヌト云フコトニナッタノデアリマス、
故ニ馬ノ繁殖ヲ圖ルト云フコトハ國家ノ大
問題デアル、然ルニンレガ減ジツヽアルト
云フコトニ付テ能ク調べマシタ結果ハ、牧
野ガ漸次減少シツヽアル爲デ、優良ナル馬
ヲ產出スルコトガ出來ズ、又生產者モ經費
多クシテ此事業ノ不利益ナル結果生產ヲ致
ス者ガ少クナッタト云フ原因ガ大原因デア
リマス、ソコデ牧野法案ヲ制定シテ此弊害
ヲ除クコトガ急務デアルト吾々ハ考ヘルノ
デアリマス、仍テ歐洲各國ニ於テ現ニ實行シ
ツヽアル所ノ法令等ヲ參酌シマシテ、此法
案ヲ作成スルニ至ッタノデアリマス、本員
ハ各縣ノ產馬聯合會ガ年々東京ニ產馬大會
ヲ開キ、其決議ヲ以テ熱心ナル要望ヲ以テ
本牧野法案實施ノ速カナラムコトヲ期シツ
ツアル誠意ヲ代表シテ、玆ニ提案致シタ次
第デアリマス、ドウカ御賛成ヲ願ヒマス
〔補足〕
國防上竝ニ產業上ニ於テ馬ノ繁殖ヲ圖ル
コトノ極メテ必要ナルコトハ本員カ說明
スル迄モナイト存シマス
國防上ヨリ申シマスト昔ヨリ兵馬ト稱シ
人間ト馬トカ武力ノ主ナルモノ御勅諭中
ニモ兵馬ノ大權ハ朕カ統フル所ニシテト
ノタマワセラレテ居ル人動モスレハ兵器ノ
進步シタル今日飛行機、自働車等ノ現出
シタル今後ノ戰爭ニ在ッテハ馬ナトノ必
要少ナクナレルヲ考フルノテアリマスル
カ事實ハ決シテ然ラス近キ歐洲戰爭ノ結
果ハ益、馬ノ必要ヲ感シシメタノテアリマ
ス卽チ普佛戦爭ノ當時ハ兵士百人ニ付馬
十五、五日露戰爭ニ至リテ兵士百人ニ付馬
十九、○ニ至リ更ニ先年歐洲戰爭アラユ
ル科學ノ力ヲ利用シタル此戰爭、飛行機、
自働車ハ中迄モナクアリトアラユルカヲ
以テシタル歐洲戰爭ノ結果ハ馬ヲ要スル
コト實ニ兵員百ニ付三十コンマノ五ニ至
リ兵員ノ三分ノ一ノ馬ナケレハ戰爭ハ到
底ナシ能ハサルヲ示シタモノテアリマシ
テ益〓兵馬ハ卽チ武力ノ主體テアルコト
ヲ立證〓スニ至リマシタ
然ラハ國防上武力ノ源泉トモ稱スヘキ馬
產ノ情況カ全國中如何ニナツテ居ルカ馬
ノ生產ハ全國各地平均ニナツテ居ルカ軍
ノ動員完結ノ遲速ハ軍ノ勝敗ニ關ス動員
完結ヲ速カナラシメントスルニハ此馬
ノ生産地ヲ各地平均ナラシメサルヘカラ
ス然ルニ馬ノ主ナル生產地ハ御承知ノ通、
東北、關東、北海迫、九州テアリマシテ卽
チ國ノ一方ニ偏シテ居ル之ヲ數字ヲ以テ
〓括的ニ申シマスト昨年ノ統計年鑑ニヨ
リマスト全國百五十七万頭ノ馬、國防上
此馬ノ數ハ決シテ失フヘカラサル數テア
リマス
此百五十万頭中北海道カ二十万頭東北六
縣カ四十万頭關東カ二十二万頭、九州七
縣カ三十八万三千頭是テ總數百二十万
頭其他近幾(一万七千六百頭)、中國(四
万四千二百頭)、四國(四万百頭)、東海(三
万三千頭)、北陸(六万二千六百頭)、東山
(九万六千五百頭)、ノ六道二府二十三縣
テ漸ク三十万頭テアリマシテ甚シキ不平
均テアリマス馬ノ生產地ハトウシテモ牧野
ノアル處解遠地ニ限ラルヽヲ示シテ居ル
譯テアリマス斯樣テアリマスカラ一朝動
員下令トナリマスト師團ノ武力充實ノタ
メニハ馬匹ノ徵募管區ニヨリ馬ノ少ナキ
地方ノ師團ハ遠ク東北方面ヨリ中國近幾、
四國ノ師團ニ微募セラルヽ事ニナル現ニ
本員ノ〓里會津ナトハ〓第二師團ニ屬シテ
居リマスカ馬ハ悉ク四國ノ丸龜第十一師
團北陸ノ金澤第九師團ノ所要馬匹ニ徴發
セラルヽ事ニナツテ居リマス馬ヲ所有セ
サルモノハ徵募セラルヽ事ナソ平氣テア
リマスルカ國家ニ徵募セラルヽモノ
負擔ハ容易デナイノデス故ヲ以テ吾々ハ
常ニ馬ノ生產者タル吾々〓里ノ農業者ニ
我と馬ノ生產者ハ實ニ國家ニ爲ス事ハ甚
大テアル馬ノ少ナキ地方ノ人とハ吾々馬
產者ノ馬ニ依リテ御蔭ニヨリテ其地方ノ
師團ノ動員完結ヲナシテ居ル結局戰爭テ
アノ馬ノ少ナイ地方ノ師團カ勝ツタノハ
我と馬產者ノ力與テ誠ニ大ナリ馬產者ノ
御蔭デアルト申スヘキテアル近ク日露ノ大
勝ニ依テ日本ノ世界ニ於ケル位置ノ定マッ
タノハ畢竟武力ノ源泉タル强健ナル體
軀ヲ有スル兵ト馬トノ供給地タル東北、
九州等ノ賜物デアル我等大ニ誇リテ可ナ
リ
東北ハ一山百文タトカ束北方面ハ收支償
ハンカラ鐵道ハカケル事カ出來ナイ利益
カナイモーカランカラナト申スモノアラ
ハ宜シク國家カ今日ノ富强ヲ致シ馬ノ少
ナイ地方カ却テ發「展シ繁榮シツヽアルハ
誰ノ御蔭夕東北ナトノ致シタル卽チ國
家ノ命スル他地方ヨリモ重キ負擔ニ堪ヘ
タル貢献シタル恩恵テアルソト威張ラサ
ルヘカラスト申シテ居ル次第テアリマス
馬ノ我國國防上ニ於ケル位置斯ノ如ク重
且ツ大ナリ又農業上ヨリ申シマシテモ耕
耘輸送、肥料ノ基本タル厩肥等ハ馬ニ伴
フモノテアリマス今日ノ輿論タル農村振
興問題ノ上ヨリシテ誠ニ忽諸ニ附シ能ハ
サル大問題テアル
然ルニ此馬匹カ近年殊ニ軍縮ノ大打撃ヲ
被リタル處ニ生產費ノ昂騰卽チ馬ノ飼料
ヤ手間賃等生產費ノ昂騰ハ馬ヲ生產スル
コトカ頗ル利益少ナキ情態ニナリマシタ
ル爲メニ馬生產地ハ漸次馬ノ生產減退價
格ノ低下ヲ示シテ參リマシタ本員ハ玆ニ
福島縣ノ一例ヲ擧ケマスト最近卽チ昨十
四年中ニ於キマシテ馬ノ駒糶頭數ガ一万
八百九十九頭テ其總價格百二十万四千七
百十一圓一頭ノ最高千一一百圓最低十一圓
平均百十四圓十二錢之ヲ十三年ニ比スル
ニ頭數ニ於テ一千九十頭減シ總價格ニ於
テ二十五万三千八百四圓ヲ減シ平均一頭
ノ値段テハ十圓十六錢減少ヲ示シ更ニサ
カノホツテ十一年ノ駒糶成績ニヨリ衰頽
ノ跡ヲ見レバ頭數ハ一千百六十五頭價格
ニ於テ五十四万一千六百九十三圓平均値
段ニ於テ三十三圓九十四錢ノ激減ヲ示シ
テ居ル各縣各地此例ト等シキヲ信シマス
政府ハ國防上百五十万頭ノ馬ハドーシテ
モナカルヘカラストシテ居リマスルニ當
テ此情況ハ誠ニ痛心ニ堪エサル事ト存シ
マス
前中シタル通關束、東北、九州、北海道
トイフ樣ニ僻陬地卽チ牧野ノアル所馬產
アリテ馬ノ生產ト牧野ノ有無ハ密接ナル關
係ヲ有シテ居ル馬ハ牧野ナカルヘカラス
其歸ヲ作リ骨格ヲ作ル上ニ於テ牧野ナク
ンハ馬ハ益〓低下スル改良ヲ望ム能ハス
然ルニ此馬ヲ養フニ缺クヘカラサル牧野
ニ對シテ一面開墾助成法ヲ以テ原野開墾
ノ奬勵ヲナシ又一面營林局等カ年々殖林
等ノ施設ヲナスカ爲メニ馬ノ飼養ヲ獲ル
道ヲ狹マメラレ牧野カ、減少シ遂ニ放牧
スヘキ地域ナキノ情況ニ陷リツヽアル是
等ノ事カ最大原因ヲナシ馬ノ減少トナリ
ツツアルハ誠ニ憂フヘキ事ト考ヘマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=212
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213・井本常作
○井本常作君 本案ハ議長指名九名ノ委員
ニ付託セラレムコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=213
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214・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
ハ御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク
決シマシタ-日程第二十三、造林助成法
案ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯明ヲ
許シマス-村山喜一郞君
第二十三造林助成法案(東武君外十
名提出)第一讀會
造林助成法案
造林助成法
第一條私有林及社寺有林ノ造林ヲ獎勵
スル爲主務大臣ハ本法ノ定ムル所ニ依
リ其ノ造林者ニ助成金ヲ交付スルコト
ヲ得
第二條助成金ハ左ニ揭クル造林ニ要ス
ル費用ニ對シ之ヲ交付ス但シ一箇所ニ
於ケル植栽面積三反歩ニ充タサルモノ
ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
本法施行以前ヨリ木竹ナキ原野山
岳又ハ荒蕪地ニ於ケル木竹ノ植栽
二天然林ノ伐採跡地ニ於ケル植栽
三立木散生地ニ於ケル植栽
第三條前條ニ依リ助成金ヲ受クヘキ造
林費ハ左ノ費用トス
-新植費
二前號新植地ノ下刈費但シ新植後三
年ヲ經過シタルモノニ付テハ此ノ限
ニ在ラス
第四條助成金ノ額ハ前條各號ノ費用ノ
三分ノ一又ハ當該地方ニ於テ普通ニ要
スト認ムヘキ前條各號ノ費用ノ三分ノ
一ヲ超過スルコトヲ得ス
第五條助成金ノ交付ヲ受ケムトスル者
ハ前年度十二月未日迄ニ造林費用見込
書ヲ事業終了後三箇月以内ニ事業決算
書ヲ添へ助成金交付申請書ヲ地方長官
ニ差出スヘシ
附則
本法中前年度十二月末日トアルハ大正十
五年度ニ限リ之ヲ當該年度六月末日トス
造林助成法案理由書
全國國土ノ約六割ヲ占ムル林地ヲ以テシ
テ尙國民所要ノ木材ヲ供給スル能ハス外
國產木材ノ輸入年ヲ逐フテ劇增シ造林企
畫ハ益衰退甚シキヲ見ル是レ實ニ我カ國
林業界ノ現狀ニシテ識者ノ憂惧措ク能ハ
サル所ナリ卽チ斯ノ如クニシテ已マスム
ハ斯業ノ基礎ハ遂ニ其ノ根柢ヨリ破壞セ
ラルルヲ免レサルノミナラス延テ水力用
水ノ源ヲ溷渴シ國土保安上ノ危害ヲ頻發
スルニ至ルハ必然ノ數ニシテ其ノ影響ス
ル所ノ廣且大ナルヤ絮說ヲ須タサル所ナ
リ翻テ我カ國ニ於ケル民間林業ノ振ハサ
ル所以ヲ考フルニ外ニ在リテハ外國產木
材ノ輸入ニ依リ强大ナル壓迫ヲ受ケ内ニ
在リテハ當業者ノ自覺未夕完カラサル等
種種ノ原因存スト雖其ノ最根本的ナルモ
ノハ之ヲ斯業固有ノ特質ニ歸セサルヘカ
ラス蓋斯業ハ他ノ產業ト其ノ趣ヲ異ニシ
短年月ノ間ニ其ノ成果ヲ收ムコト能ハサ
ルモノナルヲ以テ產業ノ一般的動因タル
營利的打算ノミニ依リテ其ノ發展ヲ望ム
コト能ハス加フルニ財力大ニ疲弊シ社會
思想ノ安定ヲ缺ケル現代ノ我カ國ニ於テ
企業者ノ心理カ斯業ニ傾キ難キモ亦止ヲ
得サル所ナリ
今ヤ世界ニ於ル木材生產ハ益減退ノ徵ヲ
呈シ木材飢饉ノ襲來ハ唯時ノ問題トシテ
其ノ必至ヲ疑フノ餘地ナキノ秋ニ方リ我
カ國ト事情ヲ同フスル世界各國カ競フテ
之カ對策ノ講究ニ腐心シ其ノ結果民間林
業奬勵上ノ一手段トシテ造林費ノ國庫補
助ヲ行フモノノ多キ所以ノモノ決シテ偶
然ニ非サルナリ
以上ノ理由ニ依リ本員等ハ國家カ公有林
ニ對シ現ニ與ヘツツアル恩典カ其ノ事業
ノ發展ニ資スル所頗ル大ナルノ事實ニ鑑
ミ我カ國林野面積ノ大半ヲ占ムル私有林
及社寺有林ニ對シテモ相當補助ノ途ヲ講
セラレ以テ斯業ノ振興ニ資セラレムコト
ヲ望ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=214
-
215・村山喜一郎
○村山喜一郞君 本案ハ曩ニ第五十議會ニ
於テ本院ヲ通過シタルモノト同一ノ案デア
リマス、本案ハ政黨政派ヲ超越シマシテ、
各政派ノ共同ノ案トシテ提出致シタノデア
リマス、卽チ目下將ニ來ラムトスル所ノ本
材飢饉ニ備ヘムガ爲ニ、全國林野ノ約半數
ヲ包擁致シテ居リマスル私有林、及社寺有
林ニ對シテ國家ハ相當助成ノ方法ヲ講ズベ
シト云フ、斯樣ナ法律案デアリマス、何卒
御賛成アラムコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=215
-
216・井本常作
○井本常作君 本案ハ日程第二十二ノ委員
ト同一ノ委員ニ併セテ付託セラレムコトヲ
望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=216
-
217・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ日程第二十四、及第二十五ハ同種
ノ議案デアリマスカラ、一括議題トナスニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=217
-
218・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナイト認
メマス、仍テ第二十四、違警罪卽決例中改
正法律案第二十五、違警罪卽決例廢止法律
案ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯明ヲ
許シマス-橫山勝太郎君
第二十四違警罪即決例中改正法律案
(横山勝太郞君提出)第一讀會
違警罪卽決例中改正法律案
違警罪卽決例中左ノ通改正ス
第二條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ言渡ヲ爲シタル時ハ之ト同時ニ
刑事訴訟法第百十五條ニ掲クル者ノ内
適當ト認ムル者へ通知スヘシ
第三條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ正式栽判ノ請求ハ被告人ノ爲ニ
前條第二項ノ者ヨリモ亦之ヲ爲スコト
ヲ得
第七條ノ二警察官署ニ檢束引致セラレ
タル者及ヒ拘留處分ヲ受ケタル者ノ接
見及ヒ信書ニ關シテハ刑事訴訟法第四
十五條第百十一條第百十二條監獄法及
ヒ同施行細則中接見及ヒ信書ニ關スル
規則ヲ準用ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
這警罪卽決例中改正法律案理由書
方今我カ警察界ハ非常ナル進歩ヲ爲シ警
察官ノ素質モ亦大ニ向上シタルモノアリ
ト雖全國ノ警察署ニ於テ人民ヲ檢束シ或
ハ犯罪ノ嫌疑ニ因リ被疑者ヲ引致シタル
場合或ハ拘留處分ノ言渡ヲ爲シタル場合
故ナク親族故舊若ハ辯護士トノ接見ヲ許
サス延テ正式裁判ヲ申立ツルノ機會ヲ失
ハシムルモノ鮮カラス此ノ如キハ人權蹂
臟ノ甚シキモノニシテ實ニ國民ノ信賴ス
ヘキ警察ノ威信ヲ失墜スルモノ甚夕大ナ
リト謂ハサルヘカラス之レ制度ノ不完全
ナルニ起因スルモノナリト認ム本員等ハ
個人ノ人權自由ヲ尊重セサルヘカラサル
立憲法治國ノ原則ニ基キ民衆ト極メテ密
接ナル關係ヲ有スル警察制度ヲ改善シ現
行刑事訴訟法ノ精神ヲ一貫セシメ以テ人
權尊重ノ實ヲ明ニセムトス之レ本案ヲ提
出スル所以ナリ
第二十五違警罪卽決例廢止法律案
(原夫次郞君外三名提出)第一讀會
違警罪卽決例廢止法律案
違警罪卽決例ハ之ヲ廢止ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
違警罪卽決例廢止法律案理由書
違警罪即決例ハ大日本帝國憲法發布前明
治十八年九月二十四日ノ制定ニ係リシモ
ノニシテ憲法第五十七條ノ規定ニ則リ制
定セラレタル栽判所構成法及刑事訴訟法
ノ本旨ニ副ハサルノミナラス爲ニ人權ヲ
蹂躪スルコトノ甚シキモノアルヲ認ム是
レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=218
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219・横山勝太郎
○横山勝太郞君 本案ハ警察署ニ於ケル違
警罪ノ卽決ニ對スル正式裁判ノ申立ノ權利
ヲ確保スルノ目的ヲ以テ、違警罪卽決例ニ
改正ヲ加ヘムトスルモノデアリマス、具理由
ノ詳細ハ理由書ニ揭載シテアリマスカラ、
ソレヲ以テ理由ノ陳述ト致シマス、何卒御
賛成アラムコトヲ望ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=219
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220・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 原夫次郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=220
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221・原夫次郎
○原夫次郞君 年々歲々五十万乃至六十万
ノ人間ガ殆ド此憲法違反ノ法律ニ依ノテ處
罰セラルヽト云フ、是ハ天下ノ惡法デアル
ノデアリマス、之ヲ廢止セムガ爲ニ本案ヲ
提出致シタ次第デアリマス、御賛成ヲ願ヒ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=221
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222・井本常作
○井本常作君 兩案ヲ一括シテ政府提出勞
働組合法案外三件ノ委員ニ併セテ付託セラ
レムコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=222
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223・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郎君) 井本君ノ動議ニ
ハ御異動ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク
決シマシタ-日程第二十六、及第二十
七ハ同種ノ議案デアリマスカラ、一括議題
トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=223
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224・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナイト認
メマス、仍テ第二十六、家祿引直處分法案
第二十七、家祿賞典祿給與未濟ニ關スル法
律案ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯明
ヲ許シマスー隅田豐吉君
第二十六家祿引直處分法案(隅田豐
吉君外五名提出)第一詰會
家祿引直處分法案
家祿引直處分法
第一條明治二年藩政改革ノ爲滅祿ヲ受
ケタル舊和歌山藩士族中同年十二月太
政官布告ノ祿制率ヨリ多額ノ波祿ヲ受ケ
タル者ハ右祿制ノ率ニ引直シ其ノ不足額
ヲ明治三十年法律第五號第一條ニ準據
シテ給與ス
第二條本法ノ給與ヲ受ケムト欲スル者
ハ本法施行ノ日ヨリ滿一箇年以內ニ其
ノ理由及證據ヲ具シ地方廳ヲ經由シテ
大藏大臣ニ願出ツヘシ
第三條木法ニ規定ナキモノハ明治三十
年法律第五十號ノ規定ヲ適用ス
家祿引直處分法案理由書
舊和歌山藩ハ維新更始ノ御趣旨ヲ遵奉シ
皇國御維持ノ目的ヲ以テ朝命ヲ奉シ明治
二年二月十五日郡縣ノ體表ニ從ヒ卒先シ
テ溶政ヲ改革シ大ニ士卒ノ祿ヲ減シ微兵
制度ヲ實施シタリ爲ニ其ノ後法律ニ依リ
改革ヲ行ヒタル諸舊藩ノ士卒ニ比シ多額
ノ減祿ヲ被リタリ是レ全ク朝旨遵奉ノ結
果此ノ不幸ヲ來シタルモノニシテ他舊藩
士卒ノ減祿ト大ニ其ノ趣ヲ異ニス是レ第
十三囘帝國議會ニ於テ本藩ニ對スル家祿
引直請願ノ異議ナク兩院ヲ通過シ尙第十
四囘及第四十五回議會ニ衆議院ニ於テ本
案ト同一趣旨ノ法案可決セラレ又第四
十六回及第五十回議會ニ衆議院ニ於テモ
全會一致ヲ以テ可決確定セラレシ所以ナ
リ故ニ該議決ノ趣旨ニ據リ明治二年十二
月二日太政官布告ノ祿制率ニ引直スヲ至
當ナリトス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第二十七家祿實典祿給與未濟ニ關ス
ル法律案(福田五郎君外七名提出)
第一讀會
家祿賞典祿給與未濟ニ關スル法律案
第一條明治三年九月十日藩制施行以後
家祿賞典祿ヲ有シタル者及其ノ家名承
繼人ニシテ明治九年第百八號布告及同
年第百五十二號布告ニ依リ公債證書ヲ
給與スル迄ノ間ニ於テ其ノ祿高ニ對ス
ル全部ノ給與ヲ受ケサル者若ハ相當類
ノ給與ニ不足アル者ハ明治三十年法律
第五十號家祿賞典祿處分法及明治三十
二年法律第八十四號家祿賞典祿處分法
施行法ヲ準用シ祿高〓蓮ノ爲發行スル
公債證書ヲ以テ之ヲ給與ス但シ國事ニ
關スル犯罪ノ爲家祿賞典祿ヲ沒收セラ
レタル者亦同シ
第二條前條ノ給與ヲ受ケムトスル者ハ
本法施行ノ日ヨリ六箇月以内ニ其ノ理
由及證據ヲ具シ地方廳ヲ經由シテ大藏
大臣ニ願出ツヘシ
第三條前條ノ願出ニ對シ處分ヲ受ケタ
ル者其ノ處分ニ不服アルトキハ其ノ指
令ヲ受取タル日ヨリ六箇月以内ニ行政
栽判所ニ出訴スルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
家祿賞典祿給與未濟ニ關スル法律案理
由書
明治三年九月十日藩制施行以後家祿賞典
祿ヲ有シタル者ニ對スル給與未濟ノ內明治
九年太政官第百八號布生及同年第百五十
二號布告施行以後ノ分ハ明治三十年法律
第五十號ニ依リ給與シタルモ明治三年九
月十日藩制施行ヨリ明治九年ニ至ル間ノ
給與未濟ノ分ハ同法ノ範圍ニ屬セサルモ
ノトシテ給與ヲ爲ササルハ同法ノ不備ニ
因ルモノナルヲ以テ同法ヲ準用シテ其ノ
給與ヲ爲スヘキ法律ノ制定ヲ第四十五囘
議會ニ建議シタルモ政府ハ同法案ノ提出
ヲ爲サス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=224
-
225・隅田豐吉
○隅田豐吉君 本案ハ屢〓當院ヲ滿場一致
ヲ以テ可決通過致シマシタル法案デアリマ
ス、而シテ大體ノ要旨ハ議長ノ御手許マデ
差出シテアリマスカラ、何卒速記錄ニ御掲
載ヲ御願ヒ致シマス、ドウゾ相變ラズ御賛
成ノ程ヲ切ニ御願スル次第デアリマス
〔補足甲〕
只今上程セラレタル本案ハ〔屢〓當院ニ提
出セラレ然モ常ニ滿場一致ノ御賛成ヲ得
テ可決セラレマシタ法案テアリマス
本案大體ノ要旨ハ明治一一年二月十五日舊
和歌山藩カ朝旨ヲ奉シテ藩政ノ大改革ヲ
ナシタ然リ他藩ニ卒先シテ士族ノ處分ヲ
ナシ祿制ノ大改革ヲ致シタノテアリマス
夫レハ寧ロ苛酷峻嚴ナル者テアツテ從來
祿高ノ十分一甚シキハ一一十分ノ一ニ減祿
致シタノテアリマス
本案ハ夫ヲ明治二年十二月二日朝廷ニ於
チ旗本士族ノ祿高整理ノ爲ニ發セラレタ
ル太政官布告第千百四號ノ祿制ニ準據シ
引直シテ處分シテ貰ヒタイト云フノテア
リマス而シテ其理由トスル所ハ御承知ノ
如ク德川幕府倒レテ王政復古シ明治新政
府ノ樹立セラレタル當時ニ於テ吾廟堂ニ於
テノ政治家カ最モ苦心ヲ極メタル點ハ何
テアルカト申スニ各藩ニ於ケル藩政改革
乃至士族ノ處分テアツタノテアリマス然
リ如何ニシテ兵馬ノ實權ヲ中央ニ牧メル
カニアツタノテアリマス是カ大問題テアリ
然モ難問題テアツタノテアリマス其當時ヲ
回顧スレハ東北ノ天地戰塵尙未タ熄マス人
心恟々甚夕不安ノ狀態デアツタノテアリ
マスカ廟堂ニ於ケル政治家卽チ三條公岩
倉公ハ如何ニシテ各藩政ノ改革及士族ノ
處分ヲナスヘキカヲ審議セラレタル結果
先ツ德川親藩ノ一タル紀州藩ニ命シテ大
改革ヲナサシメ而シテ他藩ニ模範ヲ示サ
セヨウト云フ事ニナリ玆ニ廟議ヲ一決シ
明治元年十二月二十九日朝廷ヨリハ當時
藩主德川茂承侯ニ敕旨ヲ降シテ貴藩ハ他
藩ニ卒先シ大改革ヲセヨト嚴命セラレタ
ノテアリマス紀州藩ハ直ニ敕旨ヲ奉シテ
改革ニ著手シ然モ敕命アリテヨリ二ケ月
以内卽チ明治二年二月十五日ニ前申述ヘ
タ如キ太英斷ノ處置ヲ執ッタノテアリマ
ス而モ士族ノ大減祿ヲ爲シタ而已ナラス
其大減祿ヲナシタル者ヲ以テ郡縣ノ制ヲ
布キ徵兵令ヲ布イタノテアリマス四民皆
兵ノ基礎ヲ作リ遠ク獨乙ヨリ士官ヲ聘シ
洋式訓練ヲ致シタノテアリマス是ハ今日
吾陸軍ノ組織ノ嚆矢ト相成シタノテアリ
マス序ナカラ一言致シマス其後ノ事テア
リマスカ各藩主カ藩籍ヲ奉還スルニ當リ
紀藩ヨリハ同時ニ大砲一一百門ト銃二万挺
ヲ献納シタノテアリマス以上ノ如ク紀州
藩ハ至誠奉公藩政ノ大改革ヲナシタルニ
ヨリ朝廷ハ更ニ他藩ニ命シテ改革ヲ致サ
シメタノテアリマス他藩ニ命令シタルハ明
治二年六月二十五日テアリマス而シナカ
ラ他藩ハ急ニ決行致サナカッタノテアリ
マス而シテ屢〓朝廷ヨリ督促ヲ受ケテ改
革シタル他藩減祿ノ程度ハ二分ノ一乃至
四分ノ一テアリマス之ヲ紀州藩ノ改革ニ
比スレハ實ニ宵攘ノ差テアリマス斯ノ如
ク他藩ノ改革ハ區々テアリマシタカ其後
ニ於テ明治二年十二月二日旗本士族ノ爲
ニ祿制ヲ布カレマシタ其苛酷ナル祿制ヲ
見マシテモ尙紀州藩ノ減祿ヨリ頗ル寬大
ナル者テアリマス
處テ其後二於テ明治三十年法律第五十號
ヲ以テ明治三年九月十一日以後ニ於テ家
祿賞典祿等ノ錯誤處分ニ對シテハ法律ヲ
以テ救濟スルコトニ相成ツタノテアリマ
スカ併シナカラ紀州藩カ至誠奉公敕旨ヲ
奉シテ大改革ヲナシ國家ノ爲ニ盡シタル
大減祿モ大功績モ明治三年九月十一日以
前ノ處分ニ屬ストノ意味ニ於テ明治三十
年法律第五〇號ノ恩典ニ浴スルコトハ出
來ナイノテアリマス是ニ於テ紀藩士族一
同ハ此不公平ナル處置ニ甘ンスル能ハス
玆ニ家祿引直ノ處分ヲ願ヒタイト明治三
十二年ヨリ三十三年ニ至リ當院提出セラ
レタノテアリマス第四十五議會第四十六
議會ニ於テ提出セラレ更ニ昨五十議會ニ
於テ本員外五名ノ提出ニヨリ提出シタル
處幸ニ當院ニ於テハ滿場一致ノ御賛成ノ
下ニ通過シダノテアリマス貴族院ニ於テ
ハ特別委員會ニ於テ委員ノ一人阪本彰之
助君ノ発議ニテ「本案ハ政府ニ於テモ調査
中ナリト云ハレ且震災ノ爲ニ必要ノ書類モ
燒失シタトノ政府委員ノ答辯ナレハ須ラ
ク延期ノ意味ニテ否決スヘシ」トテ否決
サレ從テ本會議モ同樣ノ意味ニテ否決サ
レタノテアリマス今囘本員等ハ提案ニ當
リテ先ツ以テ貴族院竝ニ政府ニ諒解ヲ得
ルヲ捷徑トシテ充分トハ申サレナイカ稍と
諒解ヲ得テ居ル心算テアリマス左樣ノ
次第テアリマスカヲ何卒當院ニ於テハ相
變ラス御協賛アランコトヲ切望スル者テ
アリマス
〔補足乙〕
紀藩祿制大改革
明治二年已年二月十五日
一御國政大改革津田又太郞ヘ御委任ニ付
粗平均祿出法ニ准シ祿制改革セラル職
制改正モ連帶發布ト雖モ職制ノ部ニ分
記シ爰ニ省ク
御意書(明治元年十二月二十九日太
政大臣)
天下ノ大勢一變シ門間ニ不均人才ヲ登
庸致府藩縣一治之制度相立候樣
天朝被仰出候付テハ御趣意謹テ奉體一
新更始自今領地高二十分ノ一ヲ我等暮
シ方宛ト相定メ
朝廷ノ職務竝治民ニ付テノ用度之外ハ
一切右二十分ノ一ヲ以テ費用ニ供ス可
シ就テハ家中ノ者共ニ別帳割ノ通無役
高相定文武ノ職ニ居ル者ハ別段定ノ通
役高ヲ遺スヘシ抑領地五十万石ハ勤王
治民ノ爲メ所賜ニシテ敢テ一人ノ私ス
ベキニアラサレハ其方共ニ於テモ受來
ノ如行高ハ卽チ我等カ勤王治民ヲ佐ク
ル爲メニテ敢テ私スヘモ者ニアラサル
ノ理ヲ辨へ各其職分ヲ盡シ我等ト共ニ
天朝ノ御趣意ヲ遵奉可仕事
明治二年十二月二日(布)(太政官)第千
百四號
先般各藩大義名分之紊壞ヲ正シ海外諸
國之形勢ヲ察シ以テ其封土ヲ奉還ス依テ
大ニ公論衆議ヲ被爲盡府藩縣一途之政
令ニ歸シ天下ト共ニ綱紀ヲ更張被遊度
御主意ニ付更ニ知藩事ニ被任隨テ家祿之
制被爲定藩々ニ於而モ維新之御政體ニ
基キ追々改正可致就而ハ中下大夫士以
下之稱被廢都テ士族及卒ト稱シ祿制相
被定候爾後各其地方官ニ於テ可爲貫屬
旨被仰出候條篤ト御主意ヲ奉體シ銘
々命ヲ守リ其職ヲ可盡候事但知行所
一同上地被仰付總テ廩米ヲ以テ賜候事
一大夫士以下之面々今般家祿御定相成候
ニ付而者其家來共三代以上相恩之者ハ
相應之御扶助可被下候間姓名竝ニ從前
之祿扶持米等取調早々可申出事
但舊主ニ於テ扶持致シ候儀ハ可爲勝
手事
規則
一祿制二十一等ニ分チ土族ハ十八等ニ止
候事
但士族ノ元高十三石ニ滿タス卒ノ元
明治二年十二月布告祿制ト舊和歌山藩減祿比較表
元高知行免二ツ本藩知行免四ツ
五分ニ引直シ高
一万石未滿九千六千二百五十石
石迄未滿五千六百二
十五石迄
八千石迄五千石〓
高八石ニ滿サル者ハ是迄通ノ事
一元祿ハ現今被宛行候高ヲ以テ定候事
一舊來同心之輩ハ卒ト可稱事
一祿制ハ總テ現石高ヲ可稱事
一祿制當年ハ是迄之通來春ヨリ可減事
一祿ハ都面廩米ニテ賜候間其觸頭ニテ取
糺大藏省へ可申出事
祿制
一元祿万石未滿九千石迄現米二百五十石
一同九千石未滿八千石迄二百二十五石
一同八千石未滿七千石迄二百石
一同七千石未滿六千石百七十五石
一同六千石未滿五千石迄百五十石
一同五千石未滿四千石迄百三十五石
一同四千石未滿三千石迄百二十石
一同三千石未滿二千石迄百五石
同二千石未滿千五百石迄九十石
同千五百石未滿千石迄七十五石
同千石未滿八百石迄六十五石
同八百石未滿六百石迄五十五石
同六百石未滿四百石迄四十五石
同四百石未滿三百石迄三十五石
同三百石未滿二百石迄二十八石
同二百石未滿百五十石迄二十二石
一同百五十石未滿百石迄十六石
一同百石未滿八十石迄十三石
一同八十石未滿六十石迄十一石
同六十石未滿四十石迄九石
同四十石未滿三十石迄八石
同三十石以下是迄ノ通
但免二ツ五分四拾五入之法ヲ以テ計ニ
切上ケ可申事
以上
但表中何石迄トアルハ前行未
滿何石迄ノ事但末段迄ハ此限
ニアラス
祿制滅祿現米高本藩減祿現米高差額△不足額
人間額
二百五十石二百五十石ヨリヨリ
二百十九石迄○三十一石迄
二百二十五石二百石〇二十五石
七千石迄四千三百七十五二百石百七十五石八斗○二十四石二斗
石迄
六千石迄三千七百五十石百七十五石百五十石O二十五石
迄
五千石迄三千百二十五石百五十石百二十五石〇二十五石
迄
四千石迄二千五百石迄百三十五石百石〇三十五石
三千石迄千八百七十五石迄百二十石七十五石0四十五石
二千石迄千二百五十石迄百〇五石五十石○五十五石
五百石迄九百三十七石五斗迄九十石三十七石五斗〇五十二石五斗
石迄六百二十五石迄七十五石二十五石0五十石
四六八千千百石迄五百石迄六十五石二十石○四十五石
百石迄三百七十五石迄五十五石二十石○三十五石
百石迄二百五十石迄四十五石二十石○二十五石
百八十七石五斗
三百石迄迄切米百石ヨリ三十五石二十石0十五石
七十五石迄
二百石迄百二十五石迄二十八石二十石0八石
切米五十石迄
九十三石七斗迄
百五十石迄切米三十七石五二十二石二十石0二石
斗迄
百石迄六十二石五斗迄十六石二十石四石
切米二十五石迄
八十石迄五十石迄十三石十四石△石
切米二十石迄
以上十八等ヲ士族トス士族十三石以下是迄ノ通
六十石迄切米二十石未滿十一石十石未滿七石五0三石五斗
十五石迄斗
四十石迄切米十五石未滿九石五石O四石
十石迄
三十石迄切米十石未滿八八石四石0四石
石迄
以上三等卒トス八石以下是迄ノ通
明治九年八月五日第百八號一永世祿ノ者ヘハ
家祿賞典祿ノ義永世一代式ハ年限ヲ以金祿元高賞典祿アルモノハ家祿ヲ合計
給與有之候處期限ヲ改メ明治十年ヨリシ元高トス
別紙條例之通公債證書ヲ以一時ニ下賜年限
候條此旨布告候事(壹萬圓以上ヨリ千圓以上マテヲ略ス)
明治九年八月五日千圓未滿九百圓以上七ヶ年七分五厘
大攻大臣三條實美九百圓未滿八百圓以上八ヶ年分
金祿公債證書發行條例七百圓以上八ケ年二分五厘
第一條六百圓以上八ヶ年半分
華士族及平民トモ各自ノ家祿賞典祿給五百圓以上八ヶ年七分五厘
與ノ制限ヲ改メ一時ニ之ヲ下渡スコト四百五十圓以上九ヶ年分
トナシ公債證書ヲ付與スヘシ四百圓以上九ヶ年二分五厘
三百五十圓以上九ヶ年半分
三百圓以上九ヶ年七分五厘
二百五十圓以上十ヶ年分
二百圓以上十ヶ年二分五厘
百五十圓以上十ヶ年半分
百五十圓未滿百圓以上十一ヶ年分
右一ヶ年六分ノ利子ヲ給ス
百圓未滿七十圓以上十一ヶ年半分
七十圓未滿五十圓以上十二ヶ年分
五十圓未滿四十圓以上十二ヶ年半分
四十圓未滿三十圓以上十三ヶ年分
三十圓未滿二十五圓以上十三ヶ年半分
二十五圓未滿以下十四ヶ年分
右一ヶ年七分ノ利子ヲ給ス
終身祿ノ分ハ右永世祿年限十分ノ五ヲ
給ス
但利子ハ永世祿ノ割合ニ同シ
〔補足〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=225
-
226・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 福田五郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=226
-
227・福田五郎
○福田五郞君 本法モ屢。本衆議院ヲ通過
シタ法案デアリマス、今囘モ御貧成ヲ願ヒ
タイト思ヒマス、其趣旨ハ明治三年ヨリ九
年ニ亙ル間、政府ハ家祿、賞典祿給與ノ際
ノ不足分ガアリマスノデ、其缺陷ヲ補フ爲
ニ本案ノ提出ヲ致シタ次第デアリマスカ
ラ、御賛成ヲ願ヒマヌ
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=227
-
228・井本常作
○井本常作君 兩案ヲ一括シテ安藤正純君
外四名提出、寺院現境內地無償下戾ニ關ス
ル法律案外二件ト同一ノ委員ニ併セテ付託
セラレムコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=228
-
229・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ勸議ニ
御異議ナイト認メマス仍テ動議ノ如ク決
シマシタ-日程第二十八乃至三十ハ同種
ノ議案ナルニ依リ一括議題トスルニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=229
-
230・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ第二十八、北海道拓殖銀行法
中改正法律案、第二十九、日本勸業銀行法
中改正法律案、第三十、農工銀行法中改正
法律案ノ第一語會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯
明ヲ許シマス-小池仁郞君
第二十八北海道拓殖銀行法中改正法
律案(小池仁郞君外四名提出)
第一讀會
北海道拓殖銀行法中改正法律案
北海道拓殖銀行法中左ノ通改正ス
第八條第四項中「漁業組合、」ノ下ニ「水產
組合、」ヲ加フ
北海道拓殖銀行法中改正法律案理由書
水產業ノ改良發達ヲ圖ル爲水產組合ノ施
設ヲ助長スルニ必要ナル金融ノ途ヲ啓ク
ノ要アリ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第二十九日本勸業銀行法中改正法律
案(小池仁郞君外四名提出)第一讀會
日本勸業銀行法中改正法律案
日本勸業銀行法中左ノ通改正ス
第十五條第三項中「漁業組合、」ノ下ニ「水
產組合、」ヲ加フ
日本勸業銀行法中改正法律案理由書
水產業ノ改良發達ヲ圈ル爲水產組合ノ施
設ヲ助長スルニ必要ナル金融ノ途ヲ啓ク
ノ要アリ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第三十農工銀行法中改正法律案(小
池仁郞君外四名提出)第一讀會
農工銀行法中改正法律案
農工銀行法中左ノ通改正ス
第七條ノ三中「漁業組合、」ノ下ニ「水產組
合、」ヲ加フ
農工銀行法中改正法律案理由書
水產業ノ改良發達ヲ國ル爲水產組合ノ施
設ヲ助長スルニ必要ナル金融ノ途ヲ啓ク
ノ要アリ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=230
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231・小池仁郎
○小池仁郞君 本案ハ本邦產業ノ大宗デア
ル年額六億圓ニ達スル水產業ニ對シテ、金
融ノ途ヲ開キタイト云フ趣旨ヲ以テ、三銀
行法ノ改正ヲ致サムトスルノデアリマス
速ニ御賛成可決アラムコトヲ希望致シマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=231
-
232・井本常作
○井本常作君 各案ヲ一括シテ谷原公君外
二名提出漁業組合法案外一件ノ委員ト同一
委員ニ併セテ付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=232
-
233・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ勳議ニ
御異議ナイモノト認メマス、仍テ動議ノ如
ク決シマシタ、日程第三十一、煙草專賣法
中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ
趣旨辯明ヲ許シマス-砂田重政君
第三十一煙草專賣法中改正法律案
(森恪君外九名提出)第一讀會
煙草專賣法中改正法律案
煙草專賣法中左ノ通改正ス
第六條政府ハ每年耕作スヘキ煙草ノ種
類耕作段別及葉煙草ノ賠償價格竝收納
ニ對スル適用標本ヲ定メ豫メ之ヲ公元
ス
收納ニ對スル適用標本ハ政府ノ命スル
官吏及耕作者ノ選擧スル審査員之ヲ決
定ス
耕作者ノ選擧スル審査員ノ選舉ニ關ス
ル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
煙草專賣法中改正法律案理由書
葉煙草賠償價格ハ其ノ需給ノ關係ト生產
費額トニ依リ調定スヘク殊ニ生産者收支ノ
狀態ヲ觀察シ少クトモ其ノ生產費額ノ最低
限度以上ヲ基礎トスヘキ專賣事業ノ主タ
ル原料トシテ當然ナリトス然ルニ從來政
府ノ公示セル葉煙草賠償價格ハ往往其ノ
生產費ヲ償フニ足ラスシテ耕作者ノ損失
ヲ招ク場合尠シトセス曾テ既往ニ於テ賠
償價格ハ數度ノ引上ケヲ見タリト雖児ニ
收納ニ際シ耕作者ト專賣局トノ間ニ紛爭
ヲ醸ス等遺憾ノコト極メテ多シ之レ蓋適
用標本ノ決定其ノ當ヲ得サル結果ニ外ナ
ラス斯ノ如ク標本ハ重大ナル關係アルニ
拘ラス專賣法中ニ規定スル所ナク單ニ同
法施行細則ニ標本設備ノ規定トナリテ取
扱ハルルニ過キサルハ當ヲ得サルモノナ
リ適用標本ハ賠償價格ヲ體現スルモノナ
レハ其ノ公定ニ他ノ國家公用徵收ト等シ
ク民間立會人ヲ參與セシメ其ノ査定ノ結
果ニ依リ公定セラルルヲ最至當トス政府
ノ獨斷公定ハ動モスレハ耕作者ノ疑惑ヲ
醸スモ亦弊ノ一ナリ故ニ全國主要產地ヨ
リ適當ナル審査員ヲ選擧ニ依リ參與セシ
メ以テ公正ニ決定スヘキ要アリ是レ本案
ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=233
-
234・砂田重政
○砂田重政君 是ハ議長ノ手許ニ趣旨辯明
書ガ出テ居リマスカラ、說明ヲ省キマシテ、
之ヲ速記錄ニ載セテ戴クコトニ願ヒタイ
〔補足〕
煙草專賣法中改正法律案提案理由說明
本改正案ハ政府カ葉煙草收納ニ際シテ決
定スル賠償價格ノ基本トナルヘキ標本ノ
決定ニ就テ葉煙草耕作者側ノ選出セル審
査員ヲ參加セシムルコトトスルモノテア
リマス、從來賠償價格ニ關シ耕作者ヨリ
頻々トシテ政府ノ決定ニ對シ不服ヲ申立
テ紛紜ヲ醸スハ確カニ評價ノ基本タル標本
ノ決定ヲ政府單獨ニ其ノ欲スルカ儘ニ決
定シ耕作者ヨリハ何等ノ主張ヲ容ルヽ能
ハサルカ如キ手續ヲ今日モ猶ホ固守スル
點カ耕作者ノ心理狀態ヲ疑惑ニ導キ相爭
ハシムルニ至ルモノテアリマス、之レ等
ノ點ハ御手許ニ配附セラレ居ル理由書ニ
記載シタ通リテアリマス、此ノ故ニ以上
ノ缺點弊竇ヲ除去センカ爲メ葉煙草ノ賠
償價格ヲ決定スル標準トナルヘキ標本葉
煙草ノ決定ニ當リ政府ノ官吏ノ外葉煙草
耕作人ノ代表者ヲ加ヘマシテ最モ公平ニ
之ヲ決定セシメントスルノカ本案提出ノ
趣意テアリマス何卒宜敷御審議賛成ヲ表
セラレ可決セラレンコトヲ希望致ス次第
テアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=234
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235・井本常作
○井本常作君 本案ハ八田宗吉君提出、牧
野法案外一件ノ委員ト同一委員ニ併セ付託
セラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=235
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236・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ、日程第三十二、著作權法中改正
法律案ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ趣旨辯
明ヲ許シマス-內ケ崎作三郞君
第三十二著作權法中改正法律案内
ケ崎作三郞君外三名提出)第一讀會
著作權法中改正法律案
著作權法中左ノ通改正ス
第一條中「複製スルノ權利」ヲ「複製シ若
ハ公表スルノ權利」ニ、「各種ノ脚本及樂
譜ノ著作權」ヲ「各種ノ脚本、活動寫眞映
畫及樂譜ノ著作權」ニ改メ同條第二項ノ
次ニ左ノ一項ヲ加フ
各種ノ脚本ノ著作者ハ之ヲ小說又ハ其ノ
他ノ形態ニ依ル著作物ニ變更スル權利
ヲ有シ、小說又ハ其ノ他ノ形態ニ依ル著作
物ノ著作者ハ之ヲ各種ノ脚本ニ變更ス
ル權利ヲ有シ、文藝學術ノ著作物、各
種ノ脚本又ハ音譜ノ若作者ハ之ニ依リ
蓄音器音譜盤、活動寫眞映畫其ノ他著
作物ヲ機械的ニ演出シ又ハ演述スル裝
置ヲ製作スル權利ヲ有ス
第二條著作權ハ制限ヲ附シ又ハ附セス
シテ之ヲ譲渡スルコトヲ得
第二條ノ二著作權者ハ他人力著作物ノ
複製、興行其ノ他者作権ノ內容ニ屬ス
ル行爲ヲ爲スニ付許諾ヲ與フルコトヲ
得
第二條ノ三著作権ノ讓渡又ハ前條ノ許
諾ハ權利者ノ書面ニ依ル意思表示アル
ニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
前項ノ規定ニ反シ權利者ノ書面ニ依ル
意思表示ナキニ拘ラス前條ノ行爲ヲ爲
ス者アルトキハ權利者ハ其ノ行爲ヲ爲
シタル者ニ對シ其ノ行爲ヨリ生シタル
利益ノ全部ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
第二條ノ四著作權讓渡ノ場合ニ於テ左
ノ行爲ヲ爲ス權利ハ別段ノ契約ナキ限
リ移轉セサルモノトス
-著作物ヲ翻譯スルコト
二小說又ハ其ノ他ノ形態ニ依ル文藝
ノ著作物ヲ各種ノ脚本ニ變更スルコ
ト竝各種ノ脚本ヲ小說又ハ其ノ他ノ
形態ニ依ル文藝ノ著作物ニ變更スル
コト
三音ヲ機械的ニ複製スルノ用ニ供ス
ル機器ニ寫調スル爲著作物ヲ利用ス
ルコト
四活動寫眞術ニ依リ複製スル爲著作
物ヲ利用スルコト
圖書彫刻寫眞其ノ他美術ノ範圍ニ屬ス
ル著作物ノ所有權ノ讓渡ハ別段ノ契約
ナキ限リ著作權ノ譲渡ヲ包含セス
第二十九條ニ左ノ一項ヲ加フ
小說、脚本又ハ其ノ他ノ文藝ノ著作物
ニ付原著作者ノ創意ニ係ル梗〓、主題
又ハ主要人物ノ性格其ノ他ニ關シ原著
作物ノ主要ナル部分ヲ模做シタルトキ
ハ著作權ヲ侵害シタルモノトス
第三十條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項第三號ノ場合ニ於テ著作者生存
スルトキハ其ノ同意ヲ求ムルコトヲ要
ス若シ著作者カ同意ヲ求メラレタル後
一月内ニ確答ヲ發セサルトキハ之ニ同
意シタルモノト看做ス
第三十二條ノ四無線電話装置ニ依リ他
人ノ著作物ヲ放送スル者ハ僞作者ト看
做ス
第三十五條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ著作者ノ眞ノ氏名ヲ表示セサル場
合ト雖其ノ顯著ナル筆名又ハ其ノ他ノ
通稱ヲ用キタルモノハ之ヲ變名著作物
ト看做サス
第三十六條第一項中「其ノ興行ヲ差止ム
ルコトヲ得」ノ下ニ「民事ノ出訴又ハ刑事
ノ起訴前ト雖民事訴訟法ニ規定スル假差
押又ハ假處分ノ要件ヲ具備スルトキ亦同
シ」ヲ加フ
第三十七條中「五十圓以上五百圓以下ノ
罰金」ヲ「三年以下ノ懲役又ハ三千圓以下
ノ罰金」ニ改ム
第三十八條中「三十団以上三百圓以下ノ
罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下
ノ罰金」ニ改ム
第三十九條中「百圓以下ノ罰金」ヲ「六月
以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金」ニ改
ム
第四十條中「三十圓以上五百圓以下ノ罰
金」ヲ「三年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ
罰金」ニ改ム
第四十一條中「二百圓以下ノ罰金」ヲ그
年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金」ニ改
ム
第四十二條中「百圓以下ノ罰金」ヲ「六月
以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金」ニ改
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
著作權法第二條ノ三及第二條ノ四ハ本法
施行前ニ爲シタル讓渡又ハ許諾ニ付テハ
之ヲ適用セス
著作權法第三十條第三項ハ本法施行前ニ
拔萃〓輯ン發行シタル複製物ニ付テハ之
ヲ適用セス
著作權法中改正法律案理由書
現行著作權法ハ時代ノ趨勢ニ伴ハス不備
ノ點少カラスト認ム是レ本案ヲ提出スル
所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=236
-
237・内ヶ崎作三郎
○内ヶ崎作三郞君 現行ノ著作權法ハ明治
三十二年ノ制定ニ係ルモノデアリマス明
治四十三年及大正九年ノ兩度ニ極メテ輕微
ナル改正ヲ經タノデアリマスルガ、大部分
依然トシテ變リハナイノデアリマス、一體
著作権ハ無形的財產權デアリマス、近時印
刷術ノ進步ニ伴ヒマシテ、著作權ノ侵害サ
レルコトガ多クナッタノデアリマス、隨テ
之ヲ保護スル必要ヲ生ズルノデアリマス、
特ニ演劇、活動寫眞、「ラヂヲ」ノ普及發達
ニ伴レマシテ、益〓其必要ヲ感ズルニ至ッタ
ノデアリマス、昨年以來劇壇ニ於テ無斷改
作及無斷上演等ガ頻々トシテ起シテ參リ
マシタノデ、現行法ノ不完全ナルコトハ愈〓
明確トナッタノデアリマス、仍テ著作權法
ノ改正ニ付テハ、著作者側ニ於テ熱心ナル
要求ト運動ガ起ッタノデアリマス、私共モ
此切實ナル要求ニ共鳴致シマシテ、各派協
同シテ改正法律案ヲ提出致シマシタル次第
デアリマスガ、提案理由書ハ議長ノ御手許
ニ差出シテアリマフカラシテ、議長ノ御許
シヲ得マシテ、速記錄ニ留メタイト思フノ
デアリマス、何卒御協賛ヲ賜ハランコトヲ
希望致シマス
〔補足〕
改正理由說明書
第一條第一項中改正ニ付キ
現行法ニ於テハ著作者ハ其著作物ヲ複製
スルノ權利ヲ專有スル旨ヲ示シタルニ過
キス然レトモ單ニ複製ナル用語ノミヲ以
テハ未タ廣汎ナル著作權ノ內容ヲ示スニ
十分ナラス例ヘハ未公表ノ著作物ヲ公表
シ、脚本ヲ上演シ、講演ヲ演述スルカ如
キ行爲ヲ以テ所謂複製ノ範圍ニ包含スル
モノト爲スハ用語上妥當ナリト謂フヘカ
ラス依テ玆ニ著作者ハ著作物ヲ複製スル
權利ヲ專有スル外之ヲ公表スル權利ヲ專
有スル旨ヲ規定シ著作權ノ内容ノ廣汎ニ
亙ルコトヲ示シタリ
第一條第二項中改正ニ付キ
活動寫眞映畫モ亦之ヲ以テ文藝學術若ハ
美術ノ範圍ニ屬スル著作物ヲ形象化スル
コトヲ得ルモノナルカ故ニ之ニ付キ著作
權ノ成立スヘキハ言ヲ俟タス而シテ映畫
ハ興行(上演)ヲ唯一ノ目的トスルモノナ
ルカ故ニ映畫ノ著作權ハ當然與行權ヲ包
含スヘキモノトス然ルニ現行法ニ於テハ
「各種ノ脚本及樂譜ノ一若作權ハ興行権ヲ
包含シ云々」トアルカ故ニ却テ脚本及ヒ
樂譜以外ノ著作物ノ興行權ヲ認メサルカ
如キ觀ナキニ非ス依テ玆ニ映畫ノ著作權
モ亦興行權ヲ包含スルコトヲ明ニシタリ
第一條第三項挿入ニ付キ
現行法ニ於テハ著作者カ例ヘハ小說ヲ脚
本ニ又ハ脚本ヲ小說ニ變更スルカ如ク原
著作物ノ表現形態ヲ變更スル權利ヲ有ス
ルヤ否ヤ竝ニ原者作物ニ依リ蓄音器音譜
盤活動寫眞映畫、其他著作物ヲ機械的
ニ演出シ又ハ演述スル装置ヲ製作スル權
利ヲ有スルヤ否ヤニ付テハ明文ナシ然レ
トモ是等ノ權利モ亦著作權ノ內容ニ屬ス
ヘキハ當然ナルヲ以テ玆ニ規定ヲ設ケ其
旨ヲ明ニシタリ故ニ不法ニ他人ノ著作物
ノ表現形態ヲ變更スル者ハ之ニ因リテ當
然新ニ著作權ヲ取得スルコトナク却テ原
著作物ノ著作權ヲ侵害スルニ至ルモノト
ス但シ新著作物ト看做サルヘキ場合ハ此
限ニ在ラス蓄音器音譜盤又ハ活動寫眞映
畫等ノ製作ニ付キ亦同シ
第二條第二項挿入ニ付キ
著作權ハ性質上其内容ノ一部例ヘハ與行
權又ハ飜譯權ニ限リテ之ヲ讓渡シ又或地
域若ハ期間ヲ限リテ之ヲ讓渡スルコトヲ
妨ケサルモノトス然ルニ現行法ニ於テ
ハ此種ノ讓渡ヲ認ムル明文ナシ故ニ現行
法上斯ル讓渡ハ之ヲ許ササルモノトスル
議論ヲ生スルニ至ルヘシ(例ヘハ大正十
四年一月十八日東京地方裁判所判決)依
テ明文ヲ以テ此種ノ讓渡ト雖モ一般ニ之
ヲ爲シ得ヘキコトヲ認メ次條ニ規定スル
債權的效果ノ發生ヲ伴フ許諾ノ方法ト相
並ヒテ著作物利用ノ機會ヲ益〓多カラシ
ムルコトヲ期シタリ而シテ著作權ノ一部
ノ譲渡ニ因リ讓受人カ著作權ノ内容ニ包
含セラルル權利ヲ取得シタルトキハ讓受
人ハ其讓受ケタル權利ニ付キ又讓渡人ハ
其譲渡ヲ爲ササル權利ニ付キ各著作權者
トシテ共ニ本法ノ適用ヲ受クルモノト
ス
第二條ノ二挿入ニ付キ
著作權者ハ其有スル權利ノ範圍內ニ於テ
他人カ著作物ノ複製、興行、其他著作權
ノ内容ニ屬スル行爲ヲ爲スニ付キ許諾ヲ
與へ以テ自ラ著作物ノ利用ニ伴フ財產上
ノ利益ヲ牧ムルト共ニ他人ニ對シ著作權
上ノ利益ヲ授與スルコトヲ得ヘキハ特ニ
本條ノ規定ヲ俟タサル當然ノ事理ニ屬ス
唯著作權ノ讓渡ト相並ヒテ著作物利用ノ
方法ヲ示シ且ツ次條ニ於テ讓渡及ヒ許諾
ノ兩者ニ通シテ其要件ヲ定ムルカ爲メ玆
ニ本條ヲ挿入シタルニ過キス而シテ右ノ
行爲ノ許諾ハ著作權ノ一部ノ譲渡カ讓渡
セラルル權利ノ範圍ニ付キ物權的效力ヲ發
生スルト異リ單ニ許諾者ト被許諾者トノ間
ニ債權關係ヲ發生セシムルニ過キス著作
權ノ一部ヲ讓受ケタル者モ亦其有スル權
利ノ範圍内ニ於テ他人ニ右ノ行爲ノ許諾
ヲ與フルコトヲ得ルハ言ヲ俟タス
第二條ノ三挿入ニ付キ
本條ノ挿入ハ本改正法案ノ眼目ニシテ佛
國ニ於ケル一七九一年一月一三日-一
九日興行物ニ關スル法律ト其精神ヲ同ウ
スルモノトス右佛國法律ハ當時無斷上演
ニ對スル救濟手段トシテ劇作家ノ運動ニ
基キ制定セラレタルモノニシテ同法ニ依
レバ生存スル著作者ノ著作物ハ其明元的
ニシテ書面ニ依ル承諾アルニ非サレハ之
ヲ上演スルコトヲ許サス若シ之ニ反スル
トキハ其上演ノ收益ノ全部ハ著作者ノ利
益ニ於テ之ヲ沒收スル旨ヲ規定セリ續テ
一七九一年七月一九日-八月六日興行
物ニ關スル法律モ亦右ノ趣旨ヲ認メ且ツ
之ヲ擴充シタリ其後佛國著作權法規ノ基
礎タル一七九三年七月一九日-二四日
各種ノ文書ノ著述者、作曲者、畫工及ヒ
圖工ノ權利ニ關スル法律ニ於テハ更ニ範
圍ヲ擴張シテ著述者、作曲者、畫工、圖
工等及ヒ其相續人若ハ權利承繼人ノ請求
アルトキハ著作者ノ明示的ニシテ書面ニ
依ル承諾ナクシテ印刷又ハ版刻セラレタ
ル發行物ノ總テノ複製ヲ押收スヘキ旨ヲ
規定シ今日ニ及ヘリ又英國ニ於テモ一九
一一年著作權法ノ修正及ヒ統一ニ關スル
法律ヲ以テ著作權ノ譲渡及ヒ著作權ニ關
スル利益ノ授與ハ權利者カ書面ヲ作成シ
之ニ署名スルニ非サレハ其效力ヲ生セサ
ルコトヲ規定シ居レリ又最近實施セラレ
タル「カナダ」ノ一九二一年(竝ニ一九二
三年)著作權法ノ修正及ヒ統一ニ關スル
法律ニ於テモ亦右ト同一ノ規定ヲ設ケタ
リ本條ノ規定ハ右ノ立法例ニ基キ權利ノ
讓渡又ハ行爲ノ許諾ハ書面ニ依ル明示ノ
意志表示ヲ以テスルコトヲ要件トシ以テ讓
渡又ハ許諾ノ成立及ヒ範圍ヲ明確ニシ無
斷上演、無斷飜刻、其他ノ侵害行爲ヲ防
止スル趣旨ニ出ツルモノトス而シテ本條
第二項ニ於テ著作權者ニ收益ノ全部ヲ收
得スルコトヲ得シメタルハ侵害行爲ニ因
リテ得タル利益ヲ侵害者ニ保持セシムヘ
キ理由ナキノミナラス著作權者ヲシテ不
法行爲ニ因ル損害賠償ノ請求ニ代フルコ
トヲ得シメ以テ賠償ノ請求ニ際シ常ニ問
題トナル損害額ノ證明ノ困難ヲ實際ニ於
テ除去スルコトヲ得シメントスルニ在ルモ
ノトス而シテ右ノ收益ノ收得ハ賠償ノ請
求ヲ排斥スルモノニ非サルカ故ニ著作權
者ハ收益ノ全部ヲ收得スルト共ニ更ニ損
害アルトキハ其賠償ヲ請求スルコトヲ得
ヘキハ言ヲ俟タス
第二條ノ四挿入ニ付キ
著作權ノ讓渡ノ場合ニ於テ多數ノ當事者
ハ本條ニ揭クル如キ權能ハ之ヲ自己ニ留
保セント欲スルヲ通常トス依テ本條ニ揭
クル如キ權能ハ反對ノ意思表示ナキ限リ
移轉セサルモノト規定シタリ故ニ斯ル權
能ヲモ移轉セシメントセハ讓渡ニ關スル
書面ニ於テ特ニ其旨ヲ明示スルコトヲ要
スルモノトス又著作物ノ讓渡カ著作權ノ
譲渡ヲ包含セサルコトハ當然ノ法理ナリ
本條第二項規定ノ實益ハ寧ロ他人ノ注文
ニ依リ美術ノ範圍ニ屬スル著作物ヲ製作
シタル如キ場合ニ於テ特約ナキトキハ製作
者ニ於テ最初ノ著作權者ト爲ルコトヲ元
ス點ニアルモノト謂フヘシ但シ寫眞ニ付
テハ第二十五條ニ特別規定アリ
第二十九條第二項挿入ニ付キ
原著作物ノ全部又ハ其主要ナル部分ヲ模
做スルトキハ原著作物ノ著作權ヲ侵害ス
ルモノトス而シテ原著作物ノ全部ヲ其儘
模倣シタル場合ニ於テハ疑義ヲ生スル餘
地ナキモ之ニ或程度ノ變更ヲ加ヘテ模倣
シタル場合ニ於テハ疑義ヲ生スルヲ免レス
依テ本條ハ其疑義ノ最モ頻繁ニ生スル小
說脚本又ハ其他ノ文藝ノ著作物ニ付キ
內容上著作物ノ個別性ヲ識別スヘキ主要
點ヲ例元シ其點ヲ模倣スルニ於テハ著作
權ノ侵害ヲ生スヘキコトヲ示シ主トシテ
內容ノ方面ヨリ著作權侵害ノ成否ヲ判斷
スヘキ一般的標準ヲ示シタルモノトス
而シテ原著作物ニ依據シタル場合ト雖モ
右ノ點ニ關シ原著作物ノ主要ナル部分ヲ
模倣シタリト認ムヘカラサル場合卽チ新
著作物ト看做サルヘキ場合ニ於テハ著作
權ノ侵害ヲ生セス第十九條ノ規定ハ主ト
シテ外形的方面ヨリ規定シ本條ノ改正規
定ト兩者相俟テ文藝ノ著作物ニ於ケル著
作権ヲ完全ニ保障スルコトヲ得ルモノト
ス
第三十條第三項挿入ニ付キ
普通〓育上ノ修身書及ヒ讀本ノ目的ニ供
スル爲メ既ニ發行シタル他人ノ著作物中
ヨリ正當ノ範圍內ニ於テ拔萃蒐輯スルコ
トハ公益上一般ニ之ヲ許スヘキ十分ノ理
由アルハ言ヲ俟タス然レトモ此場合ト雖
モ尙ホ原著作者ノ意思ヲ全ク無視スルハ
亦妥當ヲ缺クモノト謂ハサルヘカラス蓋
シ原著作者ハ自己ノ著作物中ノ特定ノ一
部カ修身書又ハ讀本中ニ蒐輯セラルルコ
トヲ正當ノ理由ニ基キ希望セサルコトア
ルヘク又其蒐輯セラルルコトハ之ヲ厭ハ
サルモ其場合ニハ自ラ多少ノ訂正ヲ施ス
コトヲ希望スルコトアルヘシ而シテ斯ル
希望ハ洵ニ相當ナリト謂ハサルヘカラス
加之原著作者ノ意向ヲ考慮スルコトヲ要
セサルモノトセハ編輯者ハ擅ニ拔萃シテ
原著作物ノ作意ヲ害スルコトアルニ至ル
ヘシ況ンヤ原著ノ誤植ヲ其儘踏襲スルカ
如キ失態サヘ往々之レアリト謂フニ於テ
オヤ依テ本案ニ於テハ原著作者ノ意向ヲ
尊重シ編輯者ハ原著作者カ生存スル限リ
豫メ其同意ヲ求ムルコトヲ要スルモノト
シ原著作者ニ更ニ考慮ノ機會ヲ與フルコ
トトシタリ然レトモ他方ニ於テ原著作者
ノ怠慢ヲ防クカ爲メ原著作者カ同意ヲ求
メラレタル後一箇月內ニ確答ヲ發セサル
トキハ同意シタルモノト看做シ編輯者ニ
於テ任意ニ拔萃蒐絹シテ發行スルコトヲ
得ルノ途ヲ設ケタリ
第三十二條ノ四挿入ニ付キ
無線電話ハ近時ノ流行ナリ著作者ハ自己
ノ著作物ヲ放送スルコトニ依リテ之ヲ公
表スルコトヲ得ヘキカ故ニ放送權モ亦今
後著作權ノ重要ナル一內容ヲ爲スニ至ル
ヘシ又之ト同時ニ他人ノ著作物ヲ不法ニ
放送スルコトニ依リテ著作權ヲ侵害スル
者ヲ生スヘキコトモ亦豫想スルニ難カラ
ス依テ蓄音器ノ流行ニ伴ヒ曩ニ挿入シタ
ル第三十二條ノ三ノ規定ニ做ヒ不法ノ放
送者ヲ以テ僞作者ト同一ニ取扱フヘキコ
トヲ明ニシタリ
第三十五條第二項中改正ニ付キ
著作者カ眞ノ氏名ヲ其著作物ニ表〓セサ
ルトキト雖モ顯著ナル筆名其他ノ通稱ヲ
表示スルニ於テハ一般世人ハ其著作物ノ
何人ノ著作ニ係ルカヲ容易ニ知リ得ヘキ
カ故ニ斯ル著作物ハ之ヲ天然居士著ト云
フカ如ク全ク著作者ノ何人ナルカヲ知リ
難キ變名著作物ト同一ニ取扱フヘキモノ
ニ非ス曾テ此點ニ關シ實際問題ヲ生シタ
ルコトアリ依テ本條ニ但書ヲ設ケ右ノ趣
旨ヲ明ニシ疑義ヲ一掃シタリ而シテ眞ノ
氏名ニ非サル筆名其他ノ通稱カ顯著ナル
ヤ否ヤノ認定ハ全ク事實問題ニ屬スルモ
ノトス
第三十六條第一項中改正ニ付キ
現行法ニハ「僞作ニ關シ民事ノ出訴又ハ
刑事ノ起訴アリタルトキ云々」トアルカ故
ニ著作權侵害ニ關スル民事ノ訴又ハ公訴
ヲ提起シタル後ニ非サレハ僞作ノ疑アル
著作物ノ發賣頒布又ハ〓行ノ差止又ハ差
押ノ爲メ假差押若ハ假處分ヲ求ムル
コトヲ得サルヤノ疑ナキニ非ス現ニ此點ニ
關シ實際問題ヲ生シタルコトアリ依テ民
事ノ訴又ハ公訴ノ提起前ト雖モ一般ノ要
件ヲ具備スルニ於テハ右ノ假差押若ハ假
處分ヲ求メ得ヘキモノナルコトヲ特ニ明
ニシタリ
第三十七條以下改正ニ付キ
現行法ニ依レハ著作權侵害罪ニ對スル罰
金ノ最高額ハ五百圓ナリ然レトモ斯クノ
如キハ現時ノ經濟事情ニ照シ刑罰ノ目的
ヲ達シ難キ場合ヲ生スルノ虞アルノミナ
ラス特許權侵害罪ニ對シテハ五年以下ノ
懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處スルニ比
シ權衡ヲ失スルモノト認ム依テ最高額五
千圓ニ達スルコトヲ得シメ夫レ夫レ各條
所定ノ最高額ヲ改メタリ
改正法律案附則第二項及ヒ第三項ニ付
キ
本改正規定施行前爲シタル讓渡又ハ許諾
竝ニ同施行前拔萃蒐輯シ且發行シタル複
製物ニ付テハ改正規定ヲ適用セスシテ從
前ノ儘トシ改正規定適用ノ結果生スヘキ
一時ノ煩雜ヲ避ケタリ
以上発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=237
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238・井本常作
○井本常作君 本案ハ政府提出出版物法案
ノ委員ト同一委員ニ併セテ付託セラレンコ
トヲ望ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=238
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239・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ、日程第三十三、特別都市計畫法
中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ、提出者ノ
趣旨辯明ヲ許シマス-作間耕逸君
第三十三特別都市計畫法中改正法律
案(關直彥君外八名提出)第一讀會
特別都市計畫法中改正法律案
特別都市計畫法中左ノ通改正ス
第三條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ニ依リ土地區劃整理施行地區ニ編
入シタル宅地ト雖一定ノ區域内ニ於ケ
ル土地所有者及借地法ニ謂フ借地權者
其ノ總數ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得タ
ルトキハ主務官廳又ハ公共〓體ハ其ノ
宅地ニ限リ土地區割整理ヲ施行セサル
コトヲ得
第五條中「土地所有者」ノ下「及」ヲ削リ
「借地法ニ謂フ借地權者」ノ下ニ「及借家
法ニ語フ借家権者」ヲ加へ同條ニ左ノ一
項ヲ加フ
整理委員ノ任期ハ選擧ノ期日ヨリ二箇
年トス
第六條第二項中「之ヲ補償スヘシ」ノ下ニ
「土地區劃整理施行ノ爲住所又ハ營業所
ヲ廢スルニ至リタルトキ亦同シ」ヲ加フ
第八條第一項中「一割以上ヲ」及「一割ヲ
超ユル」ヲ削ル
第十一條ニ左ノ一項ヲ加フ
耕地整理法第八十八條第二項ノ規定ハ
前項ノ處分ニ對シ訴願又ハ行政裁判所
ニ出訴アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第十二條土地區劃整理委員ハ自己又ハ
其ノ代表スル法人ノ換地處分ニ關スル
部分ノ議事ニ付表決ノ數ニ加ハルコト
ヲは、
第十三條土地區劃整理委員自己又ハ第
三者ノ利益ヲ圖リ其ノ任務ニ背キタル
行爲ヲ爲シタルトキハ五年以下ノ懲役
又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
土地區劃整理委員土地區劃整理施行用
地ノ賣買父換ヲ周旋シ報酬ヲ受ケ又ハ
之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ刑法第
百九十七條ノ規定ヲ適用ス
前項ノ場合ニ於テ其ノ報酬ヲ交付提供
スハ約束シタル者ハ刑法第百九十八條
ノ規定ヲ適用ス
特別都市計畫法中改正法律案理由書
現行ノ特別都市計畫法中ノ土地區劃整理
ニ關スル規定ハ都市ノ實際ノ狀態ト市民
ノ經濟生活ヲ無視シ又區割整理委員中橫
暴私曲ヲ圖ルノ餘地尠カラス之カ爲罹災
民ノ反感ヲ惹起シ反テ區劃整理ノ進行ヲ
妨クルノ實況ニ在リ仍テ如上ノ一部ヲ改
正シテ土地區劃整理ヲ公正通切ニ行ヒ以
テ其ノ圓滑ナル速成ヲ計ラムト欲ス是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=239
-
240・作間耕逸
○作問耕逸君 本案ハ土地區劃整理ノ現在
ノ制度ニ不備缺陷ガ多イノデアリマスルカ
ラ、之ヲ改善スル趣旨デ提出シタノデアリ
せい、併ナガラ提案ノ理由ハ迚モ十分ヤ二
十分ノ時間デハ盡セマセヌカラ、議長ノ手
許ニ趣意ヲ書面ニ認メテ提出致シマス、宜
シク速記錄ニ御掲載ノ程ヲ願ヒマス
〔說明補足〕
本案ハ區劃整理改善論一端ノアラワレテ
アリマス乍併決シテ私ノ一家言テナイ實
ニ罹災市民多數ノ熱誠ヲコメタル輿論ノ
結晶テアリマス特ニ諸君ノ愼重ナル御審
議ヲ願ワナケレハナラヌノテアリマス
カ、其詳細ナル點ハ總テ委員等ニ讓リ茲
ニ提案理由ノ樣〓丈ケヲ說明致シマス
本案ハ復興事業ノ一部タル土地區劃整理
ノ現行法制ノ内、著シク不備缺陷ナリト
認ムル點ヲ改善シ、以テ新事業ヲ圓滿且
ツ迅速ニ遂行セシメントスル趣旨ニ外ナ
ラナイノテアリマス固ヨリ土地ノ區劃整
理ハ復興事業ノ一部ニ過キナイ、而カモ
之カ其ノ前提テアリマスル爲メ、區劃整
理カ遲廷シテ廷テ復工全體ノ進行ヲ凝滯
セシムル傾向ノアルノハ東京橫濱ノ多數
市民ヲ始メ、一般ニ遺憾トスル所テアル、
恐ラク政府モ御同感テアロウト察スル、
其制度ノ缺陷ヲ改善シ、進行ノ障害ヲ除
去シヨウトスルノカ、本案ノ精神テアリ
マッ、元來現行ノ復興計畫殊ニ土地ノ區
カラ整理制度ノ如キハ帝國未會有ノ大震
火災ノ直後、急速其對策方針ヲ詮義セラ
ルヽニ當リ、何人モ未タ如斯場合ノ經驗
智識カアロウ筈カナイ、從ツテ各方面カ
ラ種々ナル意見カ出テ其根本ノ計畫及豫
算ノ計上ニ屢次縮少削減的ノ變更ヲ重ネ
來レル經過ハ諸君ノ能ク御水知ノ通リテ
アル、是ハ固ヨリ單ニ其計劃ヲ踏襲シタ
ルニ過キサル現内閣ノ責テハナイ、又現
復興當局ノ罪許リテモナイカ、已ニ何人
ト雖モ如此空前ノ大事業ニ多クノ經驗ト、
確カナル智識ヲ有テ居ル筈カナイ以上、
本事業ノ進行ニ伴フテ、種々豫期セサリ
シ難問題ノ生シテ來ルノハ、決シテ無理
カラヌコトテ、其ノ之ヲ解決スル爲メニ
法律ノ改正ヲ爲スコトモ亦必然ノ徑路ニ
シテ斯テコン反テ事業ノ成功ヲ收メ得ル
所以テアロウト信スルノテアル
サテ大震火災後ノ帝都復與事業ハ帝都ノ
形體ヲ調へ市民生活ノ安全ト向上トヲ期
スヘキ國家的重大ノ事業トシテ固ヨリ一
日ヲ緩ウスヘキテナイカ此機會ニ於テ聊
カ此事業ノ經過ト成績トヲ考覈スル必要
カアル大正十三年三月內閣告〓ニ依レハ
復興事業ハ六箇年間ノ繼續事業トナリ大
正十四年度中ニハ復興全事業ノ約六割ヲ
結了スヘキ筈ニナッテ居ル而カモ事實ハ
前途尙ホ遼遠ノ觀カアル現行都市計畫中、
土地區割整理事業ヲ除ク復興計畫ニ對シ
テハ勿論現內閣ノ施設ニ贊同スルモノテア
ルカ復興計畫中ノ一部分トシテ又其前提
トシテ行ハルル土地區削整理ノ制度か不
完全ニシテ缺陷多キ爲メ全般ノ復興事業
ヲ〓害スルコトハ實際尠クナイノハ爭レ
ナイ
元來區劃整理ヲ行フコトカ帝都ノ復興テ
ハ無イ區劃整理ヲ行ハストモ帝都ノ復興
ハ期シ得ラルヽノミナラス不完全ナルコ
ト現行制度ノ如クンハ寧ロ反テ區劃整理
ヲ廢止スルコトカ帝都ノ復興ヲ促進スヘ
キ唯一ノ捷徑テアル、現ニ山ノ手方面ノ
燒失ヲ免レタル部分ノ都市計畫ハ區劃整
理ヲ行ハスシテ著手セラルヽ方針ニナソ
テ居ルノテアル、之ヲ豫算面ニ見ルモ帝
都復興費ハ國及ヒ市ノ分ヲ合シテ五億七
千參百餘萬圓ナルモ此ノ內區劃整理費ハ
復興事業費全體ノ一割ニモ滿タサル僅々
四千二百五十萬圓ニ過キナイ而カモ此ノ
小事業ヲ前提トシ區劃整理カ完了スルニ
非サレハ帝都ノ復興ヲ實現シ難キ現行制
度ナルカ故ニ不完全ナル區劃整理ノ停頓
ニ妨ケラレテ肝腎ノ帝都復興カ進捗セサ
ル現狀テアル若シ此ノ區劃整理事業ノミヲ
根本的ニ改廢スルニ於テハ、帝都ノ復興
ハ一瀉千里ノ勢ヒヲ以テ進行スルコトヲ
疑ハナイ、現ニ復興局ノ事業ハ街路運河
公園等其ノ仕事ノ種類モ多ク區劃整理ハ
其ノ一部分ニ過キナイ而シテ區劃整理ニ
直接ノ關係ナキ方面ノ街路橋梁等ノ工事
ハ比較的進捗シツヽアルノヲ見ルモ、慥
カニ之ヲ證スルニ足ルノテアル
帝都ノ區劃ヲ根本的ニ教正理スルコトハ理
想トシテハ結構テアル又震災直後ノ焼野
原時代ニ於テ未タ家屋ノ建設セラレサル
以前、乃至ハ家屋ノ建設ヲ停止シテ燒野
原ノ儘ノ土地ニ急遊斷行スルニ於テハ何
人モ異論ナイ區劃整理事業モ圓滿迅速ニ
進捗完了シタ事テアラウト考ヘラレタノ
テアルカ爾來既ニ足掛四箇年ヲ經過シテ
全市殆ト本建築ニ讓ラサル假建築物櫛比
シタル今日ニ於テ依然トシテ燒野原時代
ト見ラレタル震災當年十二月ノ第四十七
臨時議會翌十三年六月ノ第四十九臨時議
會ニ於テ協賛可決セラレタル法律ト豫算
トヲ以テ卽チ當時ニ於テハ東京市ノ如キ
モ未タ燒跡ニ復歸セサル者多ク假建築ハ
眞ノ應急的粗造バラックニシテ、空地ハ固
ヨリ多カツタ、其當局ノ豫算ニ係ル建物及
居住者移轉費ノ如キモ此粗造バラックヲ八
十七万五千坪見當ニ坪當リ二十七圓五十
錢ヲ乘シタル二千五百萬圓弱ヲ算スルニ過
キナイ、且ツ建物ノ性質上其移轉モ容易ニ
出來得ルモノト推測ヲ下シテ此法律ト豫算
カ出來夕其當時ノ計算推測トシテハ或ハ
多ク誤テ居ナカツタカモ知レナイ然ルニ
其後一方建物ノ增築改築ヲ禁制セス寧ロ
之ヲ放任シ置ケルト當時ハ罹災市民ノ復
興ノ意氣盛ンナリシトニ相俟テ建築戶數
ハ日ニ月ニ激增シ、今日ニ於テハ約五倍ニ
近キ四百万坪ニモ達シ、其性質モ半永久
的ノモノニ改築セラレ其建築費又ハ價格
モ數倍ニ上リ是面空地モ亦大ニ減少ス
ルニ至リマシタ、然ルニ移轉費ハ依然ト
シテ足掛四年以前ノ二千五百万圓ヲ以テ
之ヲ處理セントスルノテアル、其處ニ自
ラ無理ノ生スル樣ニナツタノハ當然テア
ル固ヨリ豫算既定ノ範圍内ニ於テ彼此多
少ノ流通融通ハ爲シ得ラルトスルモ既定
豫算ヲ以テ豫定年度內ニ、復興ヲ完成スル
コトハ到底覺束ナク、事業ノ中途ニシテ
豫算ハ不足ヲ告ケ當局ハ日暮レテ途遠ク
進退是レ窮マルノ立場ニ惱マサルヽコト
ナイトハ限ラナイ、罹災市民ハ大震大火
ニ依リ物質上精神上受ケタル大打撃ハ
未タ癒スルニ至ラス剰サヘ爾來財界ノ不
景氣ヲ繼續シテ收入ハ減シ、生計費ハ嵩
ム、表面ハ兎ニ角内面ハ眞ニ今尙ホ途方
ニ暮ルヽ者多シ、此際此時罹災市民ニ對
シ依然トシテ當初定メタル少額ノ經費ト
手輕ナル計畫ヲ以テ建物ノ總移動ヲ强ヒ
ントスル此處ニ自然ト一大無理カ生シタ
ノテアル
如此市民ノ經濟生活ノ實際ヲ輕視シ漸ク
罹災民ノ一生懸命的努力ヲ以テ略ホ震災
前ニ復舊シタル今日ニ當リ尙ホ且ツ全市
六十六地區ノ建築物ヲ殆ント總移動セシ
メントスルカ如キハ殆ント理解ナク同情
ナキヤリ方ニシテ動モスレハ罹災市民
中、區劃整理事業ヲ呪フモノアリ延イテ
累ヲ帝都復興事業ニ迄モ及ホサントスル
形勢アルハ憂慮ニ耐エサル次第テアル若
シ市民ノ意思ニ反シテ市民ノ權利ニ屬ス
ル土地、借地権、借家權、ヲ管權ノ威力
ニ依リ强イテ處分シ移動セシメントスルニ
於テハ多數ノ市民ノ中ニハ或ハ如何ナル
行動ニ出スルモノアルヤモ測リ難ク假リ
ニ反對ノ聲ナシトスル〓今日ノ既定像算
ヲ以テ燒失地全都ノ家屋ヲ總移動セシメ
ントスルカ如キハ餘リニ困難過キル事業
ト謂ワナケレハナラヌ
復興計畫中、區劃整理事業ノ如何ニ困難
ニ陷リツヽアルカハ事業カ豫定ノ十分ノ
一ニモ達シ居ラサルニ徵シテモ分ル、卽チ
區劃整理ハ其性質上、復興事業ヨリモ一
步ヲ先ンシテ進マネハナラヌモノテアル
カ大正十三年三月內務省告示百三十二號
ニヨル時ハ大正十四年度中ニ區劃整理全
事業ノ七割八分九厘ヲ完成スヘキ豫定ト
ナツテ居ルカ十四年度モ剩ス所僅ニ三箇
月ニ滿タス而カモ事業ハ其十分ノ一ヲモ
終了シテ居ナイ、卽チ東京全市六十六地
區中移轉命令ヲ終了シタルモノハ國ノ執
行カ十五地區ノ內三地區アルモ市ノ執行
五十一地區ノ內未夕一地區モナシ而カモ
實際ニ於テ家屋ノ移動ヲ了リタルモノハ
土木工事ヲ加算シ一年有半ヲ費シテ僅ニ
駿河臺方面ノ第六地區ノ一地區ト日本
橋濱町方面ノ第十二地區ノ一部分ノミ
而モ此地區モ後日ニ至リ解決ノ困難ヲ豫
想セラルル〓算勘定ト補償金ノ問題ニハ
全然手ヲ染メテ居ナイ有樣テアル、復興
當局ノ宣傳ニハ單ニ換地決定ノ決議ヲ經
タルハ五十餘地區移轉命令ヲ發シタルハ
二十餘地區トノコトテアルカ是レ寧ロ机
上ノ事務ニ屬スル部分カ又ハ比較的手數
ト經費トヲ要セサル方面ニ著手シツツア
ル程度ニ止マリ眞ノ困難多キ事業ノ主ナ
ル所ハコレカラテアル此經過ヨリ一地區
假リニ一年ヲ要ストシ全市六十六地區ノ
區劃整理ノ完了ニハ實ニ十數年又ハ數十
年ヲ要スルコトトナリ若シ夫レ歐米ノ前
例ヨリ打算スルニ於テハ二百餘年ヲ要ス
ヘシトノ說スラモアル此ノ區劃整理ヲ完了
スルニ非サレハ現行制度ニアリテハ帝都
ノ復興ハ完成シナイノテアルトハ市民モ
政府モ共ニ當感スル所テアロウ幸ヒニ家
屋ノ移動ヲ完了シ得タリトスルモ其ノ後
ニ於ケル宅地及借地殊ニ借地權ノ〓算勘
定ノ徵收交附カ果シテ完全ニ解決シ得ラ
ルヘキカ現行制度ニアリテハ換地ノ決定
家屋ノ移動後ニ非サレハ〓算金ヲ何程徵
收セラルヘキカ不明ナリト云フ不安アリ
移動後過大ノ徵收金ヲ命セラルヽモ果シ
テ市民カ苦情ナクシテ徵收ニ應スヘキヤ
如何否徵收ニ應シ得ヘキ資力ヲ有セサル
者モ少クナイノテハアルマイカ其ノ邊ヲ
考慮ニ加フヘキ必要カアル
彼是觀シ來レハ現行區劃整理カ制度ニ缺
陷多ク事業困難ニシテ爲メニ帝都復興ノ
大事業ヲ阻害スルモノ眞ニ甚大ナルモノ
アリ仍リテ其制度ノ改正ヲ行ヒ帝都復興
事業中區劃整理ニ關スル部分ノミノ事業
ヲ多少縮少改定シ以テ經費ノ不足難ヲ緩
和スルト共ニ事業ノ完成ヲ急キ斯クシテ
帝都復興ノ促進ヲ圖ラントスル次第テア
リマス
但シ本案ハ現行制度ノ不備缺陷ノ内只其
最モ主要ナル點ノミヲ改ムルニ止メント
スルモノテアル
以下本案ノ各條項ニ付キ簡單ニ其趣旨ヲ
說明スレハ、先ツ第八條ノ改正ハ土地一
割無償提供ヲ廢止セントスルノテアル現
行制度ニアリテハ燒失地ノ民有宅地約七
百萬坪ノ內凡一割ニ相當スル五十六萬坪
ノ宅地及ヒ借地權ヲ無償ニテ沒收セント
スルモノテアルカ都市計畫法第十二條ニ
ハ「宅地トシテノ利用ヲ增進スル爲メ」卽
チ私益ノ爲メニ區劃整理ヲ施行シ得ル旨
ノ規定アリ、道路、廣場、河川、港灣、
公園等ノ新設擴築ト云フカ如キ公益ノ爲
メ國家事業ノ爲メニハ區劃整理ヲ行フヘ
キモノニ非サルノ趣旨ヲ規定ス、一面帝國
憲法第二十七條ニハ所有權ノ不可侵ヲ規
定シ其第二項ニ於テ「公益ノ目的以外ニ
臣民ノ所有權ヲ侵スヘカラサル」旨ヲ規
定スルカ故ニ現行區劃教正理事業中公益ヲ
目的トスル部分ノ施行(約百〇九万坪ノ
割合ニ依リ)ハ都市計畫法第十二條ニ違
犯シ、同事業中私益ヲ目的トスル部分ノ
施行(約二十餘万坪ノ割合ニ依リ)ノ爲メ
ニ土地一割ヲ沒收セントスルハ憲法第二
十七條ニ違反ス
其土地ノ一割收用カ假リニ都市計畫ノ遂
行上眞ニ已ムヲ得ストスルモ代償ヲ與ヘ
ス無償ニテ人民ノ所有權ヲ沒收セント
スルハ帝國憲法ノ趣旨ニ反シ各國憲法中
ニモ其類例ヲ見ス必ス後日ニ至リ一割取
戾シノ運動請願等ノ擡頭スルニ到ルコト
アルヘク誠ニ後年ノ禍根ヲ遺スモノタルヲ
失ハス現ニ他ノ關係ニ於テモ明治初年以
來斯ノ種ノ類例ハ乏シクナイノハ諸君モ
御承知通リテアル其無償沒收セラルヘキ
金額ハ土地ノ時價ニ依リテハ一億一千二
百万圓乃至二億圓ト計上セラレ實際ニ於
テモ赤理義ニ於テモ其强行ヲ認容スヘキ
ニ非ス市民ノ反對尠カラサル所以ト思ハ
ル
當局者ハ都市計畫ノ結果、地價騰貴シ著
シク利益ヲ受クルカ故ニ都市計書法第
六條第二項ノ規定ニヨリ受益者負擔金ノ意
味ヲ以テ土地一割ヲ無償沒收セントスル
モノラシイケレトモ區劃整理施行ノ結果
罹災市民カ皆一樣ニ地價一割ヲ利益シ得
ルノ事實アルヘキ筈ナク受益者負擔金ハ整
理施行後、受益ノ事實ニ基キ「其ノ受ク
ル利益ノ限度ニ於テ負擔セシムルコト」
ヲ要ス漫然將來ヲ豫想シ約一割ヲ利益ス
ルテアロウトノ想像ヲ以テ而カモ實際ニ
於テハ各地區每ニ受益ノ率ヲ異ニスルノ
テアルカ夫レニモ拘ラス事前ニ各地區押
シナヘテ受益者負擔金一割ヲ天引沒收ス
ル其ノ上又區劃整理タノ完成後ニ於テハ更ニ
受益者負擔金ヲ斷然課スルコトハナイト
ノ法令上ノ保證モナイノニ差當リ事前ニ
一割ヲ無償提供セシメントスルハ彼是混
淆ノ議論ニシテ受益者負擔金ハ受益者負
擔金ノ賦課法令ニ據リテノミ行フコトヲ
得ヘク之ヲ要スルニ區訓整理ニヨル土地
一割ノ天引沒收ハ現行法令竝ニ立法ノ精
神ニ於テ之ヲ認容スヘキテナイ
以上ノ法律論ノ外ニモ實際ニ於テハ地主
ノ一割ノ無償提供ハ直チニ爾餘ノ貸地ニ
對スル地料ノ値上ヲ爲シテ牧入ノ增加ヲ
計リ、之ヲ以テ差當リ一割減損ノ埋合ヲ
圖ル結局損失以上ノ囘收ヲ得ルコトトナ
ル、然ラバ一方地主ノ一割無償提供ノ負
擔ハ地料ノ値上トナツテ借地人ニ轉稼セ
ラレ延テハ家賃ノ値上トナツテ更ニ多數
ノ借家人へ轉稼セラルヘク自然物價ノ騰
貴ト生活難トヲ助長スルノ因トナリ、社
會政策ニモ反スルノ施設トナツテ其結果
カ顯ハレテ來ル旁〓純眞ナル法理ノ上ヨ
リモ市民ノ經濟生活ノ上ヨリモ此點ノ改
正ヲ止ムヲ得ナイト信スルノテアル
是レ一割無償提供ニ廢止セントスル所以
テアル次ニ第三條ノ改正ハ場所ニ依リテ
ハ市民多數ノ意嚮ヲ以テ區割整理ヲ部分
的ニ止メントスルノテアル、一割ノ土地
無償沒收ヲ廢止スルノ結果ハ現行計畫ニ
於テ必要ナル沒收地五十六万坪ヲ有償ニ
テ買收スルニ非サレハ現行計畫ハ逐行シ
難キ事トナリ右五十六万坪ノ土地代金約
一億一千二百万圓乃至二億圓ヲ必要トス
ル次第トナルカ這ハ燒失地六十六地區ヲ
裏ノ裏、隅カラ隅マテ殘ラス耕地整理法
ノ準用ニ依リテ總移動セシメントスル爲
メニ要スル經費ニシテ總移動ヲ行フカ爲
メニハ多額ノ經費ト長キ年月ト市民ノ反
對ト多大ノ困難ヲ件フモノナルガ故ニ震
災直後燒野原時代ニ立案セラレタル總移
動ノ區割整理計畫ハ民家櫛比シテ略ホ災
前ノ狀態ニ復舊シタル今日ニ至リテハ旣
ニ其施行ノ機會ヲ逸シタルモノナルカ故
ニ其隅カラ隅マテノ總移動計畫ヲ中止シ
區劃整理ノ施行ハ當該地區ノ內特定ノ部
分ヲ限リ過半數ノ意志ニ基キ必要部分ヲ
限局シテ事業ヲ縮少シ既定豫算ノ範圍内
ニ於テ爲シ得ル程度ニ止メ以テ土地一割
ノ沒收ヲ廢止スルコトニ因リテ生スル經
費ノ不足額ヲ新規要求セサラシムル見込
ミテアル、之ヲ實際問題トシテ觀ルモ一旦
區劃整理地區ニ編入シタル宅地ノ内テモ
場所ノ實況ニ依リ必スシモ區劃整理ヲ此
際施行スルニモ及ハナイ部分カアル其一
例ヲ擧クレハ或ハ既往ニ於テ市區改正ヲ
實行シ又ハ電車線路布設開通等ノ爲メ道
路ノ擴築若クハ整理ヲ爲シタトカ或ハ現
在ニ於テ既ニ相當廣キ道路又ハ正シキ道
路ヲ成シ左程ノ不便宜ヲ威セス若クハ都
市ノ體栽ヲ備へ居レルトカ或ハ周圍ノ環
境ニ依リ現在ノマヽニ爲シ置クトモ他ニ
大ナル影響ナク莫大ナル經費ヲ投シテ之
ヲ施行スル丈ケノ場所ト認ムルニ足ラナ
イトカ是等ノ一定ノ區域ニ限リ-固ヨ
リ其場所ハ特別ニ之ヲ限定スルノテアル
カ····其區域内ノ地主又ハ借地人カ總數
ノ二分ノ一以上ノ決議アルトキハ政府又
ハ市ハ其部分ノ地域ニハ土地區劃整理ハ
之ヲ施行セサルコトモ出來、又土地ノ狀
況ニ依リテハ他ノ便宜ナル方法ヲ以テ區
割整理ニ代ユルコトモ出來、而シテ直チ
ニ進ンテ其他ノ復興事業ニ移ラシムル畢
竟之ヲ居住者多數ノ意〓ト施行者ノ權限
ニ委セシムル-之ト申スモ必要ナキ部
分ニハ經費ト手數トヲ省キテ之ヲ必要ア
ル部分ニ振當テ增加シテ區劃整理ヲ施行
スル區域ニ全力ヲ傾注セシメ成ルヘク樂
ニ且早ク進行セシメタイ微衷ニ外ナラナ
イノテアリマス、是レ第一一條ヲ改正シテ總
移動ヲ部分的ニ中止セントスル所以テア
ル、之ハ第五條ノ改正テアル、次ハ區劃整
理委員ニ借家人ノ代表ヲ加へ度イト云フ
コト、現行制度ニアリテハ土地所有者及
借地權者ヨリ代表者トシテ區劃整理委員
ヲ選出スルニ過キサルモ全市民ノ八割乃
至九割餘ヲ占ムル借家人ハ帝都復興ノ事
實上ノ功勞者ニシテ且ツ區割整理ニハ直
接重大且ツ密接ノ關係ヲ有スル家屋占有
ノ權利者ナルカ故ニ借家人中ヨリ整理委
員ヲ選出セシメントスルモノテアル、而
シテ借家人ハ啻ニ建物ノ占有權者テアル
ハカリテナク造作、店舗等ニ付テノ權利
ヲモ有スル者亦甚夕多イ中ニハ地主以上、
借地人以上ノ資金ヲ投シテ居ル者モ尠ク
ナイ、家主ハ他處ニ住シテ居ルモノテアソ
テモ借家人コンハ其地區ニ現在生活シ
又ハ營業シ居ル者テアル、此實際上最モ
直接且深刻ナル利害關係者ヲ全部排除ス
ル現行制度ハ決シテ區劃整理ヲ圓滑ニ又
適切ニ遂行シ得ル途テナイト信スル、卽チ
折角區割整理委員會ノ決議カ出來テモ其
實行性ニ乏シイノハ當然テアル加之我
等ハ又今日ノ思想問題ノ上ヨリスルモ、
是非之ヲ加フルヲ可ト信シ第五條ヲ改正
セントスルノテアル、四ハ第六條ノ改正、
區書整理ノ爲メ住所店舖ヲ失フ者ニ對ス
ル補償ヲ與ヘタイ、區書整理ノ爲メ換地又
ハ建物ノ移轉先カ敷地面積ノ縮少ニ依リ
又ハ其地位形狀如何ニ依リ從來ノ住所或
ハ營業ヲ移轉先テハ到底持續スルコトカ
出來ナイ、此場合ニハ他ニ其住居又ハ營
業ヲ轉シ去ル外ハナイ、是レハ氣毒テア
ルカ全ク區書整理施行ノ爲メテアルト謂
ハネハナラヌ、現行法ハ單ニ建物ノ移轉ニ
因リテ受タル損害ヲ賠償スルニ止マレト
モ之ト共ニ之ヨリ一步進ンテ移轉ニ依リ
テ住居又ハ營業所ヲ廢スルニ至リタル者
ノ損害ヲ賠償スルコトヲ特ニ且明ニ規定
シテ置キ度、是レハ市民ノ居住權、營業
權保護ノ爲メニ當然ナル改正テアル許リ
テナク、斯ク改ムルニ於テハ市民ノ中ニ
ハ其狹少ナル新換地移轉先ヲ爭ソス寧ロ
之ヲ抛棄シ此機會ニ於テ相當ノ補償ヲ得
テ他ニ退轉セントスル者ヲモ生シ、區劃
整理ノ進行上ニモ一ノ障害ヲ減スル次第
トナル、是レ第六條ヲ改正セントスル次
第テアル第六ハ第十一條ノ改正テ不當
違法ノ處分ノ執行停止ノ手續ヲ明ニシテ
置キ度イ、元來本法ニ準用セラルヽ都市
計畫法令ニ基キ規定シタル事項ニ付キ行
政廳ノ處分ニ不服アル者ハ訴願スルコト
ヲ得、尙ホ違法處分ニ因リ權利ヲ毀損セ
ラレタリトスル者ハ行政訴訟モ出來ルト
ノコトニハナッテ居リマスカ-吾々ハ
斯樣ニ解釋シテ居ル-而カモ其訴願ノ
裁決又ハ訴訟ノ判決アルマデノ間一時其
執行ヲ假ニ停止スルノ規定ヲ加ヘ置カナ
ケレハ訴願ヤ訴訟ノ效果ヲ實際ニ收ムル
途カナイ、區劃整理ヲ公正ニ遂行セント
ナレハ利害關係ヲ有スル市民ノ權利ヲ尊
重シ之ヲ不當又ハ違法ノ處分ノ爲メニ侵
害シ放シニスルコトヲ避ケネハナラヌノ
ハ勿論テアリマス之カ第十一條ノ改正趣
旨テアリマス、第七、第五條中ノ一部改
正、第十二條、第十三條ヲ追加セントス
ルモノテ區劃整理委員ノ權限又ハ其監督
ニ關スル規定ヲ一層明確ニ致シタキコト、
區劃整理委員中ニハ或ハ横暴專恣ニ過キ
ルモノモアリ、或ハ用地ノ賣買等ニ立入
リ私利ヲ營ムモノモアリ、復興當局亦委
員會ノ決議ヲ容易ニ得ント焦慮スル所ヨ
リ、彼等ノ意ヲ迎ユルコトアル等ノ事實
アルハ利害相反スル他ノ關係者ノ損害ヲ
來シ反感ヲ招キ爲メニ一般ニ事業ノ信用
ヲ毀キ其進行ヲ阻害スル一因トナルニ至
ルノ虞レアリ、仍テ區劃整理委員ノ任期、
表決權、背任行爲用地賣買周旋ノ報酬受
授等ニ付キ相當ノ制限ヲ附スルノ必要ヲ
痛感シタ次第テアリマス、是レ第五條卜
ノ一部改正、第十二條、第十三條ヲ追加
シタ趣旨テアル、却說或ハ今日ニ至リ今
更斯樣ノ案ヲ提出シ、假リニ幸ニシテ兩
院ヲ通過スルトシテモ時機カ遲イ、計畫
ハ立テ居ル、豫算ハ定マツテ居ル、既ニ
多數ノ地區ハ區劃整理委員會ノ決議ヲ經
テ居ル、又其移轉命令ヲ發シタ所モ尠クナ
イ、今トナリテハ此法律ノ改正ガアレハ
反テ事業ノ前途ヲ混雜セシムルモノテア
ルトノ批難カアルカモ知レナイ、復興當
局ヨリハ殊ニ此ノ趣旨ノ攻撃カ出ルテア
ロウ、而カモ今日現ニ進ンテ居ルノハ寧
ロ机上ノ事務テアツテ實地ノ作業ハ大ニ
遲レテ居ルコトハ前ニ述ヘタ通リテア
ル、事實事業カ既ニ施行完了シタ部分ハ
夫レテ宜シイ、夫レハ仕合セノコトタ、
乍併未タ實地ノ作業ノ進マナイ多數ノ地
區-而カモ最モ困難ノ多イ方面ハ此改
正ニ依テ一時事務ノ上ニ仕直ヲ致ストモ
其方カ事業ノ前途ハ樂トナリテ經費-
手數-年月ノ上ヨリ觀レハ反テ少額ト
ナリ圓滿トナリ迅速トナルコトハ明瞭テ
アル、醫師カ腫物ノ手術ヲ施シテ回復ヲ
速カナラシムルト同シ道理テアル、時
ノ損失モ結果ニ於テ利益トナル、而シテ
少シク計畫ヲ改メレハ此ノ改正ヲ容ルヽ
コトモ容易テアル、又已ニ法律カ改正セ
ラルヽ以上像算モ多少ハ更正セラルヘク
都市計畫委員會ノ決議計畫モ未夕實施ニ
至ラサル部分ハ今ノ間ニ相當ノ變更改正
ヲ加フルコトモ當然テ、都市計畫委員會
ノ計畫決議アルカ爲メ不備缺陷ノ多イ法
律ニ對シテ我ミカ此儘改正ヲ加フル事
ガ出來ナイト云フノハ眞ニ主客〓倒テ、
帝國議會ヲ輕侮スルモノテアル、我等ハ
眞ニ此大事業ノ前途ノ爲メヲ慮リ、一 〓
ハ市民ノ權利保護ノ爲メニ提案シタノデ
アルカ一面ハ慥カニ政府及當局ノ立場ヲ
考へ結果ニ於テ施設ヲ促進援助スル爲メ
ニ提案シタノテアル
復興當局ハ須ラク意地ト偏執ヲ去リ虛心
坦懷此案ヲ迎ヘラルヽト共ニ、本院ノ諸
君ハ殊ニ理解ト同情トヲ以テ御協賛アラ
ンコトヲ切望致シマス
〔參照〕
東京市土地區割整理制度改善意見
先ヅ東京市會及衆議院ノ決議ヲ揭グルコ
ト左ノ如シ
(一)東京市會ノ土地區劃整理ニ關ス
ル建議
我ガ東京市ハ曩ニ未曾有ノ慘禍ヲ蒙リタ
ルモ爾來各人ノ努力ニヨリ以テ今日ノ
復舊ヲ見ルニ至レリ然ルニ帝都復興ノ根
幹ト稱スル土地區劃整理事業遲々トシテ
進捗セサルハ畢竟其方法市民ノ實生活ニ
適セズ實施上ノ困難ト市民ニ及ボス損失
ノ甚大ナルモノアルニヨラズンバアラズ
今ヤ財界不況ニ際會シテ罹災市民ハ一層
生活ノ安定ヲ〓キ帝都復興上誠ニ寒心ニ
堪ヘス依テ理事者ハ更ニ改善方法ヲ考究
シ帝都ノ復興ニ善處セラレンコトヲ望ム
(大正十四年二月二十日全會一致可決)
(二)衆議院ニ於ケル區劃整理改善建
議
(憲政會代議士作間耕逸氏外八名ハ同賴
母木桂吉氏外二十五名ノ賛成ヲ得テ大
正十四年三月六日衆議院ニ左ノ土地區
劃整理ノ方法改善ニ關スル建議案ヲ提
出シ全會一致可決セリ)
大震火災ノ中心タル束京市ニ於イテハ以
來漸クンノ復舊ヲ見ルニ至リタレドモ復
興事業ノ中土地區劃整理ノ進捗セザルハ
畢竟其方法市民ノ實生活ニ適セズ實施上
ノ困難ト市民ノ損失甚大ナルニ因ル今ヤ
財界ハ益、不況ニ沈帝シ罹災民ノ生活一
曆ノ安定ヲ缺キ復與ノ前途寒心ニ堪ヘザ
ルモノアリ依シテ政府ハンノ實況ニ鑑ミ
整理施設ノ未ダ進捗セザル今日ニオイテ
幹線道路橋梁等ハ別トシソノ他ハ主トシ
テ市民ヲシテ自治的ニ決定セシムル等ソ
ノ方法ニ適當ノ改正ヲ加ヘ以テ復興ニ善
處セラレムコトヲ望ム
這回東京市區劃整理委員、同補缺員、
同參與員及改善同盟會役員會合ノ上更
ニ各區十名宛ノ特別委員ヲ選定シ特別
委員ハ討議ノ末玆ニ區劃整理制度改善
意見ヲ違フルコト左ノ如シ
其總論
半身不隨ノ都市計畫ニシテ其無謀、
世界ニ類例ナシ
第帝都百年ノ大計トシテ區劃整理ヲ
必要トセバ其半分ニ該ル罹災地方面ニ
ノミ今日之ヲ强行セザルベカラザル理
由ナク燒失ヲ免レタル各區ニモ亦タ區
劃整理ヲ行フニ非ザレバ帝都整理ノ體
容ヲ爲サズ半身不隨ノ計畫ニ止マルハ
無意味ニシテ文明國ニ其類例ヲ見ズ當局
者ハ震災ニ依リ燒失シタル地區ニ對シ
之ヲ機會トシテ行フモノナリト言ハン
モ震災後既ニ三週年ヲ經過シ燒失地區
ニ於ケル建築物ノ整備程度ハ決シテ殘
存地區ニ比シテ優劣ヲ見ズ從ッテ區劃
整理ノ難易ハ兩者甲乙ナキガ故ニ政府
ハ宜シク半身不隨的ノ姑息ナル方針ヲ
改メテ全市ニ亙ル百年ノ大計ヲ樹立セ
ラルルトセバ格別、然ラザレバ寧口全
市ニ互リ之ヲ爲サザルニ如カズ
(貴族院ノ希望竝ニ工政會建議趣旨參
照
陸上一部ニ膠著シテ水上ヲ顧ミズ
第二今次ノ區劃整理計畫ハ單ニ陸上一
部ニノミ拘泥シテ水上ノ關係ヲ顧慮シ
タル跡ナク水陸運輸交通上ノ設備ニモ
一大缺陷アリ文明國ノ大都市計畫トシ
テハ其一隅ニ膠著シテ三隅ヲ忘レタル
ノ觀ヲ免レズ宜シク築港、河渠、河岸
地共同物揚場ノ不整理不始末等ニ關
シ大處高處ヨリ立案ヲ新タニセラルル
ニ非ザレバ區劃整理ノ眞價ヲ發揮スル
ニ足ラズ況ンヤ苦キ經瞼アル消防用水
ノ缺乏、宮城附近堀水ノ變色腐敗及各
河川ノ臭氣紛々等ニ關シテハ何等之ガ
改善ノ提案ナキニ於テオヤ
建築資金ノ財源ニ就テ成算無シ
第三本年四月二十二日ヨリ施行セラレ
タル防火地區ニ就テ其財源ヲ明市スル
所ナク(約七億圓ヲ要ス)殊ニ財界不況
ノ極點ニアル今日疲弊セシ罹災民ニ之
ヲ負擔セシムルハ事實不可能ニ屬シ燒
跡千四十八万坪ノ內、防火地區百七十
萬坪新增加七万五千坪ニ對シ僅ニ千八
百万圓ノ補助金下附ノ如キ其效果甚ダ
薄シ、其他地區ノ建設ニ付固定資本ト
シテ化石スベキ莫大ナル建築費(十五
億圖)ノ爲メニ罹災民ハ進退維レ窮マ
リ倒產又ハ退轉スルモノ續出スルニ至
ルノ虞レアリ(四十一万一千戶燒毀)
勅令第四百十四號ノ精神ニ反シ信ヲ
天下ニ失フ
第四大正十二年勅令第四百十四號ヲ以
テ大正十七年八月末日迄ハ建築物法ニ
據ラズシテ假建築ヲ爲スコトヲ得ル旨
期間ヲ明元セラレ且當時閣議ニ於テ後
藤氏ノ二年說破レ他ノ大臣ノ五年說勝
ヲ占メシコト公ケトナリタルガ故ニ市
民ハ右期日マデハ當然假建築物ヲ存續
シ得ルモノト信用シテ四苦八苦ノ末七
億ノ巨資ヲ投ジ且米獨等舶來ノ物資ヲ
用ヒ現存ノ家屋ヲ建設ンタルモノナリ
然ルニ其後大正十二年十一月二十日ノ
發意ニ係ル後藤式區劃整理移動命令ニ
依リテ突如右建物ヲ破壞若シク移轉、
改築ヲ强制スルガ如キハ單純ナル法令
問題ニ非ズ實ニ政治道德上ヨリシテ當
局自ラ信ヲ天下國民ニ失フ所以ナルガ
故ニ斷ジテ之ヲ忍容スベキモノニ非ス
移轉、改築ヲ爲シ能ハザル者ニ對シテ
ハ當然右勅令ノ期間中、延期ヲ許スヲ
至當トス今ヤ内外多事經濟的國難ニ直
面シ市況ノ沈衰、罹災民ノ慘苦今日ヨ
リ甚シキハナシ國ヲ擧ゲテ勤儉節約ヲ
急トスル現下ノ國情ニ照ラシ篤ト考慮
アランコトヲ乞フ
土地一割無償沒收ハ憲法ニ違犯ス
第五加藤高明氏ガ甞テ後藤式計畫ニ付
其實行雜ニ屬スル旨ノ意見ヲ發表セラ
レタルコトハ新聞記事(大正十三年九
月一日發行都新聞等參照)ニ依リ市民
ノ諒知スル處ナリ又江木翼氏ハ「土地
無償沒收ハ憲法第二十七條ノ違反ナ
リ」ト主張セラレタリ今更現行區劃整
理ヲ是認セラルル理由ナシ、玆ニ官報
附錄ノ議事錄中ヨリ江木、水野兩貴族
院議員ノ所說ヲ揭ゲ以テ吾人ノ改善
意見ノ根據ヲ的確ニス
帝國議會ニ於ケル現司法大臣江木翼
君ノ憲法違犯論
(貴族院速記錄ヨリ轉載)
江木翼君土地區劃整理ナルモノハ私
ノ信ズル所ニ依リマスレバ、土地ノ利
用ヲ增進スル爲ニ爲ス所ノ仕事デア
ル、土地ノ利用、土地ノ利用ト言ハヾ
所謂私益デアル、土地ノ利用其モノハ
決シテ公益デハナイノデアリマス、間
接ニハ公益ヲ增進スルコトモゴザイマ
セウガ、其本體ハ所有權ノ利用價格ト
云フモノヲ增進シヤウト云フコトガ目
的デアルト思フノデアリマス、現ニ行
ハレテ居リマス所ノ耕地整理ノ方法ニ
致シマシテモ、耕地ノ利用償値ト云フ
モノヲ增進シヤウト云フコトガ目的デ
ゴザイマスルガ故ニ、耕地整理其モノ
ハ決シテ公用デハナイノデアリマス、
公益ノ仕事デナイト見ナケレバナラヌ
ト思フノデアリマス、又法律ノ文言ニ
モ明ニ「宅地ノ利用ヲ增進スル爲ニ、宅
地トシテノ利用ヲ增進スル爲ニ土地區
劃整理ヲ行フコトガ出來ル」ト云フコ
トヲ都市計畫法ノ十二條ニハ明ニ規定
ヲ致シテ居ルノデゴザイマス、然ルニ、
尙ホ斯ノ如ク私ハ主トシテ私益ト申シ
タ方ガ宜イト思ヒマスガ、斯ルコトヲ
行フ場合ニ、必要ガアル場合ニハ固ヨ
リ、或ハ道路デアルトカ、或ハ溝渠デア
ルトカ云フヤウナモノヲ付換ヘヲス
ル、付換ヲスル場合ニ於テハ前ニアツ
タ所ノ道路敷地ナリ、或ヒハ溝渠ノ敷
地ト云フモノハ之ヲ民有ニ繰込ム、更
ニ新シク出來タ所ノ道路ナリ、溝渠ナ
リト云フモノハ之ヲ官有トスル、所謂
交換ヲ許ス、是ハ耕地整理法ニモ認メ
從テ耕地整理法ヲ準用イタシテヤリマ
シタ所ノ土地區劃整理ニ於テハ明ニ
認メテ居ルノデアリマス、卽チ廢止シ
タルモノニ代ルベキモノハ無償デ之ヲ
國有ノ土地ニ編入ヲスルト云フコトハ
明ニ致シテ居ルノデゴザイマス所デ私
ガ疑義ヲ懷キマスル點ハ今回ノ法案ニ
於キマシテハ區劃整理ヲ行政廳ナリ、
若クハ修正案ニ依リマスル所ノ區割組
合等ニ於テ實行スル斯ル政廳、若クハ
公共團體等ニ於テ區劃整理ヲヤル場合
ニ於テ道路ヲ擴築スル、道路擴築ト云
フ如キコトハ區劃整理トハ關係ナイ問
題デ、所謂都市計畫トシテ大イナル道
路ノ擴築ガ出來ルノデアリマスルガ、之
ヲ同時ニ實行スル爲ニ、澤山ノ潰地ヲ
要スルコトニナル、此澤山ノ潰地ガ、
若シ一割以上ニナッタ場合ニ於テハ
一割マデハ無償デ是等ノ土地ト云フモ
ノヲ國庫ニ、國有ニ編入ヲスル、言·
バ沒收ヲスル、ト云フ趣意ニ法律案ハ
ナッテ居ルノデアリマス、此點デアリ
やっ、私ガ御尋ヲ致サムト欲スル點ハ
···斯ル所謂民有ノ土地所有權ヲ無償
ニ國庫ニ沒收ヲスルト云フガ如キコト
ハ如何ナル根據ニ依テ之ヲナサルノデ
アルカト云フ點ガ私ガ第二ニ承ラムトス
ル點デアリマス、申上ゲマスルマデモナク
所有權ノ規定ハ殆ド根本的ノ規定ガ憲
法ニ揭ゲラレテアルト思フノデアリマス、
此由來ヲ尋ネマスルニ、往昔ハ勝手ニ所
有權ヲ或ハ領主ナリ、或ハ國家ナリ、或
ハ寺院ナリガ沒收シタ、此公ケノ沒收
ニ對シテ所有權ヲ擁護スルト云フコト
ガ、或ハ革命ノ目的トナリ、屢、變遷ヲ
致シマシテ、遂ニ所有權ニ關スル根本
ノ思想ガ出來、此思想ガ固ヨリ我國ノ
古來アッタ思想ニ違ヒアリマセヌガ、
現レテ憲法二十七條トナッタト思フノ
デアリマス、從ヒマシテ憲法二十七條
ノ書方ト云フモノハ他ノ臣民ノ權利義
務ヲ認メタル書方ト根底的ニ書方ヲ異
ニ致シテ居ルノデアリマス、他ノ條項
ニ依テ言ハヾ、例ヘバ「日本臣民ハ法
律ノ定ムル所ニ從ヒ兵役ノ義務ヲ有ス
日本臣民ハ法律ニ依ルニ非ズシテ逮捕
監禁審問處罰ヲ受クルコトナシ」ト云
フガ如キ法律アッテ初メテ是等ノ行爲
ガ國家ニ出來ルト云フコトヲ認メテ居
ルノデゴザイマスルガ、所有權ニ至ツ
テハ「日本臣民ハ其ノ所有權ヲ侵サル
ルコトナシ」、恰モ佛蘭西革命ノ當時出
來マシタ所ノ權利宣言ノ言葉ヲ其儘用
ヰテ居ルト言ツテモ宜シイノデアリマ
ス、サウシテ第二項ニ公益ノ爲メ必要
ナル處分ハ法律ノ定ムル所ニ依ル「元
來所有權ナルモノハ不可侵ノモノデア
ル、公用徴收ト云フコトヲヤルニハ初
メテ法律デ出來ルノデアルゾ」斯ウ云
フコトヲ規定イタシテ居ルノデアリマ
ス、而シテ其公用徴收ノ法律ハ土地收
用法デアルトカ、或ハ徵發令デアルト
カ、或ハ近頃出來マシタ所ノ非常徵發
令デアルトカ云フモノニ至リマンテ
モ、特ニ目的ヲ定メ、或ハ國防デアル
トカ、或ハ官廳ノ用デアルトカ、或
公益ノ爲デアルトカ云フ目的ヲ明示イ
タシマシテ、初メテ所有權ヲ徵收スル
コトヲ許シテ居ルノデアリマス、而カ
モ其所有權ヲ徵收スルニ當ッテハ必ズ
代償ヲ與ヘナケレバナラヌコトニナッ
テ居ルノデアリマス、私ハ我ガ帝國憲
法ガ施行サレマシテ、未ダ會テ代償ナ
シニ所有權ヲ沒收シタ例ト云フモノ
ハ、犯罪ノ爲ニ所有權ヲ沒收スル場合
ノ外ハナイト思フ、然ルニ玆ニ土地區
劃整理ヲヤル場合ニ當ッテ一割ト云ア
モノハ取ルコトガ出來ル實、
私ハ恐ロシキ法律テハナイカト考
ヘタノデアリマス、全ク所有權ニ
對スル所ノ憲法ノ保障ト云フモノハ無
クナッタヤウナ感ガ致スモノデアリマ
ス露西亞ノ「ポルシエヴイーキ」ノ憲
法ニ至リマスト、イキナリ所有權ト云
フモノハ强奪シテ仕舞フテ、無償デア
ル未ダ曾テ無償デ仕事ヲスルモノハ
ナイト思ヒマスガ、露西亞ニ限ノテ無
償デアル、總テノ農地ナリ、工場ナリ
會社ナリ、銀行ナリヲ國家ニ沒收シタ、
假令一割デアリマセウトモ、五分デア
リマセウトモ、無償デ之ヲ沒收スルコ
トハ何トシテモ私ニハ理解ガ出來ナイ
ノデアリマス、而カモ此一割ヲ沒收ス
ルトイフコトハ、ドウナルカト申シマ
スルト、ナカ〓〓莫大ナル徵收····沒
收デアリマス、假ニ政府ガ計畫シテ行
ハレマス所ノ區割整理ノ仕事ト云フモ
ノヲ、全部行政廳ナリ自治團體デヤル
ト致シマスルト、約七百萬坪····燒跡
ノ七百萬坪ノ區割整理ヲヤラレルト云フ
コトニナッテ居ルラシイ、七百萬坪
ノ一割、七十萬坪ト云フモノハ沒收セ
ラレル、假ニ坪二百圓、政府ノ單價ト
致シテ居リマスル一一百圓、是ハ甚ダ不
當デアルト云フコトヲ傳エテ居ル人モ
アリマス、銀行ニ擔保ニナッテ居ル價
格位ガソンナモノデアラウカト云フコト
ヲ傳ヘラルヽ人モアリマスルガ、假
政府ノ單價ニ致シマシテモ一億四千萬
圓ト云フ莫大ナル財產ヲ國家ハ無償デ
國民カラ沒收スルコトニナルノデアリマス、
若シ之ニ所謂傳ヘラルル如ク五百圓單
價ニモシナケレバナラヌコトニナリマ
シタナラバ、三億五千萬圓ト云フ莫大
ナル財產ヲ一舉ニシテ國家ノ有ニ移サ
ウト云フ結果ニナルト思フノデアリマ
ス、斯ノ如キ立法令ガ出來マスト云フ
コトハ如何ニモ私ハ其根據ヲ知ルニ
苦シムノデアリマス、或ハ言ハレルカ
モ知レマセヌ、區劃整理ヲヤレバ必ズ
其區劃ニ在ル處ノ地主或ハ借地權者ト
云フモノハ非常ナル利益ヲ受クルノ
デアル、デアルカラ、一割ヤソコラ取シ
テモ差支エナイノデアル、是ハ實ニ私
ハ驚キ入ルノデアリマス、區劃整理ヲ
爲スニ當リマシテ、利益ヲ受クル地主
ガアリマスレバ、所謂受益者ト云フモ
ノガ其區劃整理ノ費用ヲ負擔スルノ
義務ガアルト云フコトハ都市計畫法
ノ定ムル所デアリマスルガ故ニ若シ非
常ニ之ガ爲ニ利益ヲ受クル地主ガ有リ
マスレバドシドシ其費用ノ全部若ク
ハ一部ヲ其地主ニ負擔セシメラレテ差
支ナイノデアル、左樣ナ規定ガ別ニ在
ルノデアル、何モ其土地ノ一割ヲ政府
ニ徵收ナサルルト云フヤウナ或ハ自治團
體ガ徵收スルト云フガ如キ規定ヲ設ケナ
イデモ費用ヲ徵收シマスル方法ハ他ニ
出來テ居ルノデアル、此規定ヲ準用サレ
マスルニ於キマシテハ何等ノ差支ガ
ナイノミナラズ、此規定デアリマスレ
バ、甚ダ其均衡ノ能ク取ラレタル所ノ
處分ヲ爲スコトガ出來ルノデアリマ
ス、此案ノ八條ノ如キ方法ニ據リマス
ルド、ドウ云フ結果ガ出來ルカト申シ
マスルト、例ヘバ銀座通リナリ、或ハ
日本橋通リナリニ面接シタル所ノ地區
ガアルト致シマス、例ヘバココニ五百
坪ナリ、一千坪ナリノ土地ヲ持ツテ居
ラレル人ガアルト致シマス、此人ハド
ウデアルカト云フト、銀座通リナリ、
或ハ日本橋通リト云フモノハ今囘ノ
地區計畫ニハアリマセヌガ故ニ、地區
計畫ノ爲ニハ何等利益ハ受ケルモノ
デナイ、土地整理ヲヤリマシタ所デ、
左マデ大シタ利益ヲ受クルコトモ望マ
レナイ、唯裏通リ二十四間幅ノ大キナ
通リガ出來ルヤウナ位ノモノデアリマ
ス、然ルニ若シ一朝ニシテ、ココニ區
劃整理ノ組合ガ出來ルトカ云フコトニ
ナリマスト、表通リデアルト、裏通リ
デアルトヲ問ハズ、總テ組合ノ中ニ編
入サレテ仕舞フノデアル、サウシテ少
クトモ一割ト云フモノハ、頭カラハネ
ラレテ仕舞フノデアリマス、天引キニ
取ラレテ仕舞フノデアル、一千坪持ツ
テ居ッタモノハ百坪ト云フモノハ
利益ヲ受ケヤウガ、受ケマイガ、時ト
シテハ損ヲ受ケルカモ知レナイ、受損
者ニナルカモ知レナイ、受損者ニナッテ
モ一割ト云フモノハ天引サレルト云フ
結果ニナリマス、何ト不公平ナ結果ニ
ナルト思フ、之ヲ所謂衡平ト云フ觀念
カラ考ヘテ見マシテモ斯ノ如キ方法ヲ
執リマスト云フコトハ甚ダ理據ヲ得
ルニ難キコトノヤウニ思フノデアリマ
ス、ソコデ先ヅ第一ニ私ハ斯カル方法
ヲ執ラレルニ付キマシテ、何力根據ガ
アルカ、私ハ憲法ノ規定ニ違背シテ居
ル所ノ案デハナイカト實ハ極論ヲ致シ
タイト思フノデアリマス
此ノ區劃整理ナルモノハ耕地整理法ヲ
適用シテ居ルト云フコトモ政府ニ於テ
モ御認メニナッテ居ルコトデアラウト
思フ、其ノ耕地整理法ナルモノト云フ
モノハドウデアルカト云フト、是八
實際ニ當ッタ方ハ澤山居ラレルデアリ
マセウガ、コヽニ作場道ガアル、、一
ニ用水路ガアル、コヽニ惡水路ガアル、
之ヲ取變へテコッチヘヤル、色ミト此
變改ヲスルガ故ニ其代リニナッタ所ノ
道路溝渠ト云フモノハ、之ヲ國有ニ編
入スルト云フコトガ規定シテアル、ソ
レデアルカラ道路ナリ或ハ溝渠ナリ、
元アッタ所ノモノト、新シク出來タモ
ノト更地處分ヲヤル、更ヘルト云フコ
トハ一向差支ヘナイノデアル、是ハ土
地區割整理ナルモノガ、今回ノ如キ大
キナル都市計畫ト云フモノヲ豫想シテ
居ルノヂヤナイノデアリマス、所ガ今
囘ハドウデアルカト云フト、土地區劃
整理ヲヤラナイデモ、百七十萬坪カラ
二百萬坪內外ノ土地ト云フモノヲ收用
スルコトニナッテ居ル、假ニ普通ノ狀
態ニ於テ、同意ヲ得テヤル場合ニ於テ
로드
-同意ヲシナイ場合ニハドウナルカ
ト申シマスト、政府ハ百七十萬坪ナリ
二百萬坪ノ土地ト云フモノハ全部有
償ニ之ヲ收用シナケレバナラヌト云フ
コトハ申スマデモナイコトヽ思フノデ
アリマス、然ルニ玆ニ所謂土地區劃整
理ト云フモノガ中ニ挾マリマシタ故
ニ、其中ノ七十萬坪、八十萬坪ト云フ
モノヲ無償デ國家ガ之ヲ沒收スルト云
フコトニナル、是ハ何ト辯明サレマシ
テモ、ソレヨリ他ニナイト思フ、斯ノ
如キコトヲナサルト云フコトガ、抑と
所有權ト云フモノヲ尊重ナサラナイ、
所有權保護ノ規定ト云フモノヲ考ヘテ
居ラレナイノデハナイカ、斯樣ニ考ヘ
ル、政府委員ガ如何ニモ御了解ガナイ
ノヲ悲シムモノデゴザイマスガ、私ト
雖モ都市計畫委員會ノ議ヲ經テ內務大
臣ガ計畫ヲ定メルト云フコトハ承知イ
タシテ居リマス、去リナガラ議ヲ經ナ
ケレバナラヌ、議ハ議決ナンデアル、
決シテ諮問スルノデハナイノデアル、
政府ノ頭デハ委員會ナリ、中央委員會
ナリ、地方委員會ナリト云フモノハ
ドウセ官選ノモノガ多ク居ルノダ、
ダカラ政府ノ言ヒナリニナルノダ
マア都市計畫ナント云フモノハ
自治デナイ、官治テンダ、內務大臣ハ
官選ノ都市計畫委員長デアルノダ、斯
フ云フヤウナ御考デ或ハ居ラレルノカ
知レマセヌガ、ソレハ私ハ此法律ガ委
員會ヲ設ケテ居ル所ノ趣旨ヲ蔑視セラ
レル次第デハナイカト思フノデアリマ
スガ、是等ノ點ニ付テハ重ネテ申ス必
要ハアリマセヌ、アリマセヌ、如何ニ
モ此耕地整理ナリ、區劃整理ノコトニ
付テ無理解デ居ラレル、從來耕地整理
ナンゾガアリマシタ場合ニ、一割ナ
リ一割五分ナリノ耕地ヲ道路ナリ或ハ
堤塘ナリノ敷地ニ編入スルト云フヤウ
ナコトハアルモノデハナイ、又縱シア,
テモ、ソレハ總テ其私有地ノ利用ヲ增
ス爲デアル、所ガ今回ノ計畫ハドウデア
ルカト云ヘバ、燒跡ニ大キナル都市計
畫ヲヤラウ、之ニ百七十萬坪要ルノダ、
其中ノ七十萬坪ハ先ヅ以テ地主ニ頭割
リニ掛ケテヤルノダ、斯ウ云フコトニ
ナルノデアリマス、從來ノ耕地整理ヤ、
或ハ淺草ノ燒跡ニアリマシタ所ノ區劃
整理ナドトハマルデ違ヒマス從來ノ耕地
整理ナルモノハドウデアルカ、唯露地ヲ
整理シテ、或ハ玆ニ三間幅ノ道路ヲ作
ルト云フモノナンデアリマス、所ガ今
囘ハ全ク道ノ無イヤウナ所ニ持ッテ二十
四間幅十八間幅ノ道路ヲ作ルノデアル、
ンコデ其必要ナル潰地ハ地主カラ一割
ト云フモノヲ先ヅ以テ天引シテ取ッテ
仕舞フノデアル、是ハ私ハ何トシテモイ
カヌト思フノデアリマス、斯樣ナコト
ヲ法律デヤリマシタ場合ニハ必ズ後
デ禍ガ起ルノデアリマス、本議場ハ左樣
ナル問題ニ付テ屢々煩ヲ受ケタノデア
リマス、山林ノ下戾シ、秩祿處分ノ下
戾シハ屡々受ケタ、ソレハ何デアルカ
ト云フト、法制ノ缺陷ヲ後デ議會ガ尻
拭ヒヲシタノデアリマス、私ハ敢テ玆
ニ斷言ヲシテ置イテモ宜イ、コヽ數年ヲ
出デズシテ、此一割ヲ取戾スト云フ要求
ガ東京市民カラ蔚然トシテ起ルト云フ
コトヲ私ハ斷言シテ宜シイト思フ、斯
樣ナコトハ私ハ甚ダ申シタクナイノデ
アリマスガ、此法律案ハ甚ダ其點ニ付
テハ惡イ、斯樣ニ斷言ヲ致シマス
水野鍊太郞君唯〓江木君ノ質問ニ對
シテ松本政府委員ノ答辯ガアッタノデ
アリマスガ、此御答辯ニ對シテハ政府ノ意
見トハ認メマスガ、果シヲ御答辯ヲ總理大
臣若クハ內務大臣モ認メラレテ居ルノデ
アルカドウカト云フ私ハ御答ヲ得タイ、
江木君カラ云ハレマスガ如クニ、果シテ
左樣ナルコトデアリマスレバ、今後政府ハ
非常ニ御困リノ立場ニ陷リヤシナイカ
ト云フコトヲ私ハ憂フルノデアリマス、
丁度審議會ノ決議、若クハ帝國議會ノ
決議、評議會ノ決議、種々ナ點ニ於テ
御困難ヲ今日デモ御感ジニナッチ居ル
ト思ヒマスガ、今度尙ホ一層御面倒ナ
コトニナリハセヌカト私ハ衷心ヨリ憂
フルノデアリマス、結局帝國議會ノ決
議ト、先程ノ御答辯ニ依リマスレバ都
市計畫委員會ノ決議トノ間ニ矛盾ガ行
ハレマシテ、政府ハ非常ニ困ヲ夕立場
ニ陷リハシナイカ、政府ガ困タ立場
ニ立ツコトハ假リニ宜シイト致シマシ
テモ、是ガ爲ニ帝都復興ノ進行ニ支障
ヲ來シハシナイカト云フコトヲ私ハ憂
フルノデアリマス、折角吾々ハ東京帝
都ノ復興ニ衷心ヨリ同情ヲ表シ、一日
モ速カニ是ガ復興ノ擧ラムコトヲ希望
シ居ルノデアリマス、此度總理大臣
ハ誠意ヲ以テ衆議院ノ修正ヲ御認メニ
ナリ、審議會ノ決議ニモ服從ニ相成シ
タノハ全ク帝都ノ復興ヲ一日モ速
カナラシメタイト云フ誠心誠意カ
ラ御出シニナツタ事ト束心ヨリ
總理大臣ノ所謂誠心誠意ニ敬意ヲ
表シテ居ルノデアル、然ルニ只今松本
法制局長官ノ御答辯ニナリマシタコト
テアリマスルト、今後私ハ非常ニ御困
リニナルコトト憂フルノデアル、政府
ノ御困リハマダ宜イケレドモ帝都復興
ノ事業ニ支障ヲ來スト云フコトヲ私ハ
非常ニ衷心ヨリ憂ヘテ居ル、左樣デア
リマスカラ松本政府委員ノ答ヘラレタコ
トハ果シテ總理大臣ノ意思デアルカ、
果シテ内務大臣ノ意思デアルカト云フ
コトヲ一言承リタト思フ、希ハクバ私
ハモウ少シ慎重ニ御考慮ニナッテ御答
ニナッタラ如何デアラウカト思フ、
江木君ノ御質問モ實ニ其點ヲ憂ヘテ居
ラルヽコトヽ思フ、私モ此答辯ヲ間キ
マシテ實ニ之ヲ憂ヘテ居ルノデアリマ
ス、希ハクバ慎重ニ御考慮ニナッテ御
答辯ニナッテハ如何カト云フコトヲ私
ハ憂ヘマスル爲ニ、玆ニ一言先ヅ事實
ヲ御質問スル次第デアリマス
國務大臣(子爵後藤新平君)唯今水野
鍊太郞君ヨリ實際上ニ顧ミテ帝都復興
ノ事業ノ完成ノ上ニ、松本政府委員ノ
答辯ノ如クデアッテハ支障ヲ生ジハセ
ヌカト云フコトヲ憂ヘル、斯ウ云フコ
トデ、果シテ是ガ總理大臣若シクハ內
務大臣ノ意思デアルヤ否ヤト云フヤウ
ナ御尋ネダト考ヘマス、此點ニ對シマ
シテハ政府ニ於テハ法理ノ〓究上ニ付
テ松本政府委員ノ解釋セラレタヤウニ
考ヘテ居リマス、而シテ是ガ實行ニ付
テ支障ヲ生ズル點ニ付テ考慮スベキモ
ノハ考慮スル積リデ居ルノデアリマス、
此上ノ所ドノ邊ニ支障ヲ生ズルカニ付
イテ政府モ十分ニ考慮ハ致シテ居リマ
スガ、尙ホ法理ノ解釋上カラ其支障ヲ
推測スル許リデハイカヌノデアリマス
カラ、此實行上ニ付テ如何ナルコトガ
アルカ、又之ヲ如何ニ圓滿ニ行フカニ
付テ方法ガアルカハ十分考慮スル積リ
デアリマス、併シナガラ此答辯ノコト
ニ付テハ之ヲ尊重イタシマシテ之ニ依
テ其支障ノ無キヤウニ考慮シテ行キタ
イト考ヘテ居ル譯デアリマス、如何ナ
ル支障ガ來ルヤ否ヤト云フコトニ付テ
或ハ其足ラザル所ノモノガアリマシタ
ナラバ宜ク考慮ヲ致ス積リデ居リマス
〔參照〕
借家人ヲ度外ニ置クハ普選ノ趣旨ニ
反ス
第六借家人ハ借家法ノ下ニ家屋ノ使用
權ヲ有スル者トシテ區割整理ニ直接重
大ノ關係ヲ有ス其借家人ノ承諾ヲ得ズ
シテ單ニ法ノ力ニ依リ改築、移轉ヲ强
行セントスルハ不可能ナリ殊ニ況ンヤ
普選實施ノ今日東京市民ノ約八割ヲ有
スル借家人ニ區劃整理委員ノ選舉、被
選擧ノ權利ヲ付與セザルハ普選ノ趣旨
ニ反ス市民ノ大部分タル中產階級以下
ノ借家人ヲ度外視スルノ結果人心ノ不
安ヲ來シ延テ社會ノ安寧ヲ破壞スルガ
如キコト無キヲ要ス
富貴權門ニ屈シ多數市民ノ實生活ニ
適セズ
第七復興計畫ニ付テハ先ヅ復興審議
會同參與等ノ制度ハ有名無實ニ歸シ
復興評議員ノ如キ多クハ後藤系ノ者ノ
ミニテ組織シ一夜作リノ山田技師案ニ
唯々諾々賛成シタルニ過ギズシテ眞ニ
都市ノ衆智ヲ集中シタル計畫ニアラズ
又決シテ現內閣ノ立案ニ係ルモノニア
ラズ元來都市計畫ハ都市ノ經濟的便利
ヲ圖リ商工業盛ニ行ハレ市民生活ノ本
據ニ永久的故障ノ起ラザルコト將來經
濟上ノ負擔ガ過重ニ上ラザルコト、經
濟、交通、衞生、建築等ニ愼重注意ス
ルコトヲ必要トスルモノナルニ此點ノ
調査ヲ甚シク缺如セリ而シテ一面、日
本銀行、三井銀行、三越吳服店、住友
銀行、帝國劇場及ビ國技館ノ如キ富豪
若シクハ娯樂場ハ區劃整理ノ爲メ何等
ノ移動ヲ受ケズ中流以下ノ市民ハ遠慮
ナク移動セラルルモノ多ク甚ダ不公平
ナリトノ聲高シ又之ガ當該官タリシ直
木復興局長官ハ議會ニ於テ後藤式區割
整理ニ付「斯ウ云フ困難ニ遭ハウトハ
當局者ハ思ッテ居ナカッタ」ト其眞情ヲ
告白セリ又以テ東京ニ於ケル經濟、人情
風俗ノ如何ヲ識ラザル者ガ這般特種ノ事
業ヲ遂行スルノ至難ナルコトヲ知ルニ
足ルベシ元來東京ノ事情ニ精通セザル
モノガ後藤氏ノ招電ニ基キ或ハ北海
道ヨリ或ハ關西ヨリ急遽上京シ來リ官
僚式非常識ノ計畫ヲ組立テ之ニ對シ世
間ノ非難甚シキノミナラズ官廳公衙ニ
モ協調連絡ヲ缺キ彌々之ガ實施ニ方リ
市民ノ迷感スルモノ頗ル多シ就中耕地
整理法ヲ以テ市街宅地ニ適用セントス
ルガ如キ寔ニ言語道斷ノ沙汰ナリ
當初三十五億ノ計畫ハ縮少大削減ノ
末、結局政府ノ豫算ニ對シ伊東、江木
高橋三委員ハ斯ル少額ノ豫算ニテハ到
底不足更ニ二三倍ヲ要スル旨ノ演說ア
リシ事ハ復興審議會ノ議事錄ニ徵シ明
確ナリ然ルニ當局ハ豫算ヲ增加セズ此處
分ヲ遂行セントスルハ慘酷至極ナリト
信ズ其一例ハ營業ノ損害ヲ全然計上セ
ズ借家人ニ對シテハ坪平均七圓五十錢
動產移轉料ノ補償ニ止マル豫算ヲ組立
テ其輿論ノ攻撃ヲ受クルヤ殆ド答辯ノ
言詞ナキガ如キニ徵スルモ明カナリ
場所ノ移動ハ商工業者ニ大打擊ナリ
第八示來市街地ノ營業ハ商工ノ別ナク
從來ノ場所ヲ移動スルハ新世帶新開業
ト同樣ノ苦辛ヲ積ムコトヲ要シ從テ區
劃整理ノ爲メニ轉々セシメラレタル罹
災民ハ移轉ノ爲メ惹起スル不便ト損害
トハ積算ノ出來ヌ程莫大ノ打擊ヲ受ケ
容易ニ回復スルコト能ハザルモノアリ
宜シク市區改正實施以來大正十年迄實
施セシモノ又ハ現ニ山ノ手方面ニ於ケル
都市計畫等ノ方式ノ如ク其地盤ニ移動
ナキ程度ノモノニ改正ヲナスノ要アリ
國費節約ノ折柄、市費ノ濫費甚シ
第九東京市ハ土地區劃整理事業ノ政府
貸付金ニ對シテ三十ヶ年五分ノ利子ヲ付
シテ之ヲ均等償還スルノ義務ヲ有ス然ル
ニ東京市ハ將サニ市債額貳億八千萬圓
(大正十四年六月末現在)ニ上ラント
ス、而シテ政府ハ本年度ニ於テ約二億
四千萬圓ノ國費ヲ節約セルニ拘ハラズ
東京市ハ何等節約ノ事跡ナク濫費ニ累
スルニ監費ヲ以テス故ニ市民ハ市債償
還ノ前途ニ付甚シキ不安ヲ抱クモノナリ
殊ニ市電ハ損壞シ道路ハ修築又修築、
市民ハ殆ンド其負擔ニ堪ヘズ況ンヤ
一層之ヲ擴張シ前途維持費支出ノ見込
乏シキニ於テオヤ
一割沒收ノ目的以外ニ區劃整理ハ無
意義ナリ
第十元來換地トハ甲ノ土地ヨリ乙ノ土
地ニ移ルコトヲ指スモノナルニ現行
(後藤式)區劃整理ハ建物ヲ何處へモ移
轉セズ現在ノ土地ニ殘ルモノヲモ之レ
ヲ換地ト云ヒ其ノ意義市民ノ常識ニ背
反スルノミナラス同一ノ復興計畫ニ付
市場、公園ノ如キハ敷地居住者ニ換地ヲ
與ヘズ其ノ方針一貫セザル措置ニ出デ
且ツ市街宅地ノ元地及換地査定ノ爲メ
地主、借地人、借家人間ニ幾多ノ紛爭
ヲ生ジ市民ノ思想ヲ惡化セシムルニ至
ルノ虞レアリ
將來ノ盛衰、變遷ヲ顧慮セス
第十一東京市ハ接續町村ノ發展、築港、
埋立地、地下鐵道敷設等ニ依リ繁華ノ
中心ニ變遷ヲ生スルハ免レザル處、今
俄カニ二十四間等ノ大道路ヲ定ムルモ
更ニ之ヲ移スノ必要ヲ生ズルコトアル
ベシ則チ這種根本ノ計畫ヲ確定セス又
水陸聯絡ノ未定ナル今日、區訓整理ノ
ミヲ急グハ緩急本末ヲ〓倒セルモノナ
リ
虛僞無謀ノ宣傳ニヨリテ市民ヲ曾威
ス
第十二前内閣當時卽チ大正十三年四月
八日復興局ノ宣傳ニ基キ各新聞紙上ニ
「復興局ノ測量ハ大正十三年八月上旬
ヲ以テ終了シ同十五日頃ヨリ杭打ヲ始
メ三箇月ノ猶豫期間ヲ設ケテ區劃整理
地區內ノバラックニ立退ヲ命ズ」トノ記
事在リ次デ復興局ノ名ヲ以テ區割整理
ノ結果全般ニ亙リ一齊ニ九月頃カラ移
動ヲ求ムル旨發表シタリ
玆ニ於テ罹災民ガ疲弊困憊ノ裡ヨリ凡
ユル艱難ヲ冐シ辛酸ヲ盡シ刻苦經營バ
ランクニ於テ營業ヲ開始シ漸ク小康ヲ
保チツヽアルニ際シク)ニ臨ムニ右等
机上ノ空想ニ基キ古來孰レノ國ニモ實
驗シタルコトナキ區劃理法ヲ動行セ
ントス市民生活ノ脅威、居住安定ノ
侵奪、之ヨリ慘酷ナルハナシ今日不景
氣ノ招〓、失業者ノ增加ハ斯ル無謀ノ
宣傳モ其一原因タルコト疑ヒナシ、速
カニ之ヲ除去スルノ必要アリ
區割整理ト竝進スベキ諸政策未ダ實
現セズ
第十三復興計畫ニ付キ當時ノ政府ガ明
言セシ商工又ハ建築補助資金ノ下付又
ハ土地建築會社ノ設立ヲ始メ區劃整理
ト竝進スベキ政策未タ實現セズ獨リ區
劃整理ノミ進行ヲ促スハ失當ナリ
重要機關、關係官廳ト何等ノ連絡ナシ
第十四當局ハ株式米穀綿絲等產業上重
要ノ機關タル取引所ノ位置ニ付豫メ計
畫シタル事迹ナク又魚類靑物市場ノ如
キモ不親切極マル措置ヲ施シタルヲ以
テ遂ニ不穩ノ事態(松本樓襲撃事件等)
ヲ惹起シタルコトアリ又タ市場ノ敷地
ニ就テモ大藏省ト市當局トノ間連絡ナ
ク倍額以上豫算ニ嗣語ヲ生ジ玆ニ二年
間今日迄確定ヲ見ルニ至ラズ常ニ當業
者ヲシテ不安ノ狀態ニ置ケリ實ニ迷惑
千萬ノコトヽ云フベシ
郊外ノ新開地ヲ閑却シテ國帑ヲ不經
濟ニ徒消ス
第十五或者ハ「東京市內ノ復興事業ト
シテ執行スル區劃整理ノ面積ハ國ノ執
行スル地區ニ於テ約八十二万二千坪市
ノ執行スル地區ニ於テ約七百四十一万
七千坪合計九百二十三万九千坪ニシテ
事業費ハ國ノ分八百七十五万圓市ノ分
三千三百九十五万千圓合計四千二百七
十万千圓坪當リ四圓六十錢餘ニシテ郊
外ノ整理ニ比シ九倍以上ヲ要ス又之ヲ
逆ニ考ヘ市內ノ整理費四千二百七十万
圓ヲ以テ郊外ノ土地區調整理ヲ施行ス
ルモノトスレバ約八千三百四十万坪ノ
大地域ガ整理セラル於是乎徒ニ金ノカ
カリ混雜ノ起リ實施ノ容易ナラザル市
內ニ於テ區劃整理ヲ行フヨリモ寧口郊
外ニ之ヲ施行シテ其組織アル統一アル
合理的進步發展ヲ促サザルベカラズ」
ト云ヘリ蓋シ歐米ノ都市計畫方法之ニ
則リ又我ガ關西方面ニ於ケル當局ノ方
針之ニ近キモノアリ我ガ東京ニ於テモ
大ニ反省熟慮セザルベカラズ
其二各論
幹線街路ノ一割沒收ヲ有償提供トス
ルハ至當ナリ
第區劃整理ニ付キ國道又ハ府道ニ編
入セラルル幹線街路ノ爲メニ潰スル宅
地ニ對シテハ當然政府又ハ府ガ之ヲ負
擔スベキ理義ニシテ此部分ニ充當スル
私有地マデ無償提供セシメラルヽハ根
本的ニ非違アリ仍ッテ無償提供ハ區劃
整理ノ根本義タル宅地利用ノ部分ニ止
メラルベシ
〓算勘定ニ立替分納ノ制ナキハ非ナリ
第二換地ノ決定ニ依リ地主又ハ借地人
ニ交付セラルベキ〓算金ハ換地ガ從前
ノ地面ヨリ其標準價格低下ノ爲メ交付
スベキ必要ノ金額ヲ先ヅ算出シ之ヲ他
ノ納付スベキ義務アルモノニ按分的ニ
割當シ且ツ相當分納ノ方法ヲ設ケ交付
スベキ権利アル者ニ對シテハ一時事業
施行者ニ於テ立替支辨ノ途ヲ講ゼラル
-ハノ、然ラザレバ移轉建築及ビ休業ノ
痛苦ノ外尙ホ亦タ〓算金ノ前拂ヲ爲ス
ハ「泣顏ニ蜂」ノ感アルヲ免ガレズ、
現行制度ニアリテハ共同建築ハ不可
能ナリ
第三防火地區ノ内ニ於テ狹小ナル而積
ノ借地ニ不燃燒性ノ堅固ナル建物ヲ獨
自ニ建築スルコトハ經濟上若シクハ工
事上殆ド容易ノ業ニアラズ接續借地人
間ニ於テ共同建築ト爲シ之ヲ分割使用
スルハ實際上便利ナルガ如キモ各借地
ノ期限ニ異同アル爲メ法律上ノ困難ア
リ仍シテ借地權ノ期限ヲ區劃整理地域
ニ於テハ換地確定ノ日ヨリ更新シテ其
均等性ヲ認ムルノ立法ヲ爲スノ要アル
ベシ、若シ夫レ斯クノ如クセバ復興局
ハ換地ニ充當スル爲メ現在ノ如ク更地
ノ所有權ヲノミ買上グルニ及バズ廣ク
借地人トノ合意ヲ以テ借地權借家權ヲ
モ買收シ之ヲ利用スルコトヲ得ベク換
地移動ノ融通上自他ノ便益一層ヲ加フ
ペシ
換地狹少トナルノ結果、借地借家人
ハ居所ヲ失フモノ續出ス
第四所有地又ハ借地ノ換地ハ減步ノ率
ト土地ノ位置ニ依リテハ面積縮少地形
窮屈ノ餘リ建物ヲ建築スルモ其利用乏
シキカ若クハ殆ド其利用ニ堪ヘザル爲
メ地主或ハ借地人ハ自ラ其換地ヲモ併
用シテ自己ノ建築敷地ノ中ニ充テント
シ其結果從前ノ借地人ハ其借地ヲ止ム
ルノ已ムヲ得ザルニ至リ又從前ノ借家
人ハ新タナル貸家ノ建築ヲ望ミ得ザル
ニ至ル場合アリ成程換地ノ設計ニヨリ
從來ノ建築敷地ノ口數ハ滅ゼザルベキ
モ如上ノ事由ニ依リ實際ニ居住又ハ營
業ヲ喪フ者多キヲ疑ハズ
斯クノ如キハ全ク帝都建設ノ新事業タ
ル區劃整理ノ結果其犧牲トナリテ從前
ノ居住若クハ營業ヲ喪失スルモノナル
ヲ以テ事業施行者ハ宜シク之ニ相當ナ
ル補償ノ途ヲ講ゼラルベシ
新換地ノ形狀不完全ニシテ利用ニ堪
エザルモノ續出ス
第五換地ノ形狀ハ各地區ニ於テ比較的
間口狹ク臭行長ク或ハ之ニ類シテ更ニ
形ヲ爲シ或ハ不規律ナル多角形ヲ
爲スモノアリ是等ハ單ニ換地ノ面積ノ
加減ヨリ數理的ニ按配サレタル結果ナ
ランモ土地ノ利用殊ニ建築工事ノ關係
ニ於テ不經濟不便宜極マルコトアリ、
換地ノ設計ヲ爲スニ當リテハ防火地區
ノ種別、建築工事ノ關係ニ付キ其方面
ノ當局トモ充分協議ノ上不便ノ規則ヲ
改正セラルベシ
非常口不淨口ノ設定ニ付各種ノ困難
ヲ伴フ
第六換地ニ於ケル各建物ノ非常口不淨
ロヲ地主借地人ノ隨意ノ場所ニ設ケシ
ムルトセバ共通シタル裏地ノ路次口ヲ
失フベク之ヲ協定セシメントスルモ其
成立セザル場合アリ加フルニ本建築ニ
當リテハ市街地建築物法ニ依リ敷地ノ
內ニ一割乃至四割ノ餘地ヲ留保セザル
ペカラズ、左ナキダニ縮小シタル地坪
ノ利用率ハ益〓減殺セラルベキヲ以テ
法定ノ餘地ヲ裏口ニ存シ之ヲ連通シテ
共用路次ニ充テシメ以テ宅地利用ノ經
濟ヲ一舉雨得ナラシムル爲メ法規ノ改
正ヲ必要トス
繩延ノ處分ニ付地主、借地人ノ蒙ル
非違少カラズ
第七實地ノ繩延ニ付キ地主又ハ借地人
ヨリ誤謬訂正ノ出願ヲ其筋ニ爲スノ機
會ヲ得ザリシ者白ラ之ヲ實測センガ爲
メ相當ノ方法ニ依リ隣地關係者ニ立會
ヲ求メ而モ隣地者尙ホ之ニ應ゼザルト
キハ實測面積確定又ハ推定ノ手續ニ付
キ適當ノ立法ヲ望ム若シ夫レ實地ニ延
坪ノ存スルコト明確ナルニ拘ラズ單ニ
登記又ハ臺帳面ニ依リ之ヲ處分セント
スルハ非違ノ甚ダシキモノト認ム
各地區ノ減歩率不平等ニシテ全市民
ニ對シ公平ヲ缺ク
第八各地區ニ依リ減步率ニ著シキ等差
アルハ區劃整理ノ根本義タル公平ノ觀
念ニ反ス一地區內ニ於ケル減歩率ノ差
別ハ補償清算等ノ方法ニ依リ不公平ヲ
除去シ得ベシト雖モ各地區間ノ減歩率
ニ差別アルハ等シク震災地ノ市民ニ對
シ帝郡復興ノ爲ニ施爲セラルル政策ト
シテハ正當ニアラズ復興當局ハ宜シク
地區內ニ於ケル減步率ノ公平ヲ期スル
ト共ニ各地區間ノ減步率ニ付キ等差ナ
カラシムルカ又ハ之ヲ尠カラシムルニ
付一般ニ公平ヲ期スルノ途ヲ講ゼラル
ベシ
家主ガ家屋ヲ移築セザル場合ハ借家
人ハ居所ヲ失フ
第九家主ガ自己ノ都合ニ依リ換地ノ上
ニ家屋ヲ移築セズ借家人ヲシテ居所ヲ
失ハシムルガ如キ場合ニハ家主ニ對シ
相當ノ期間內ニ其ノ建築ヲ命ズベク而
モ尙其建築ヲ爲サヾル者ニ對シテハ相
當ナル解決ヲ爲サシムル趣旨ノ立法ヲ
望ム、
借地權ナクシテ便宜家屋ヲ建築シタ
ルモノ居所ヲ失フ
第十借地權ナクシテ家屋ヲ假建築シ居
ル從來ノ借家人ハ現在一時的ノ土地ノ使
用契約ニ基クカ然ラザレバ何等ノ契約
ニ基カズ震災直後ノ假居狀態ヲ其儘繼
續シ居レルモノアリ爾來漸次家主(卽チ
借地人又ハ地主)借家人(假建築物所有
煮間ニ於テ協定シ契約ヲ更新シタル
モノアルモ尙未確定ノモノ頗ル多シ是
等ニ對シ家主ガ現在ノ關係ニ甘ンジ居
レルハ換地決定シテ自ラ本建築ヲ爲シ
得ル時期迄ノコトヽ思惟シ居レルガ爲
メニシテ之ニ反シ借家人ハ假建築物ノ
存續許可期限(現在ニ於テハ大正十七
年八月末日)迄ハ自己ノ假建築ヲ其儘
換地ニ移轉存續セシメントシ家主ハ一
旦之ヲ移轉セシムル以上ハ換地ノ借地
ニ借家人ノ其ノ儘居据ラレンコトヲ虞
レ兩者ノ間ニ深刻ナル紛爭ヲ惹起セシ
ムル不安アリ是レ換地決定本建築若手
許可ノ時期ト假建築存續許可ノ時期ト
一致セザル爲メニ因ルモノニシテコノ
場合家主ハ借家人假建築物ノ移轉ヲ欲
セズシテ之ニ反對シ而モ自ラハ急遽借
家人ニ貸與スル貸家ノ本建築ヲ爲サヾ
ルニ於テハ家主ノ意向ニ依リ借家人ハ
實際ニ於テ其ノ居所ヲ失フコトヽナリ
借地借家臨時處理法第三條第六條ノ規
定モ家主ガ貸家ヲ建築シタル場合ニ借
家人ノ優先借家權ヲ認ムルニ止マリ建
築セザル本問題ノ如キ場合ニ何等之ヲ
救済スルニ足ラズ延イテ社會問題思想
問題ノ上ニモ重大ナル影響ヲ及ボスノ
虞アルヲ以テ此場合兩者間ノ兩全的解
決策ノ立法ニ付キ充分考慮セラルベシ、
縮少ノ坪數ニヨリ移轉補償ヲ算定セ
ラルヽハ實損害ヲ償フニ足ラズ
第十一建築物ノ移轉補償ハ專ラ縮少ノ
坪數ニ依リテ算出セラルヽモ實際ニ於
テハ其坪數以外ニ亙リテ改修再築スル
ノ必要アル場合多シ而モ之ニ對スル補
償ノ與ヘラレザルハ市民ノ實損害ヲ償
フニ足ラズ
此點ハ市又ハ鐵道省等ニ於テ多年實際
ニ慣行シ來レル如ク實際改築ヲ必要ト
スル坪數ヲ基礎トシテ算定セラルヽ樣
改正セラルベシ、
工程日數ニ依リ休業補償ヲ算定セラ
ルヽハ實損害ヲ償フニ足ラズ
第十二休業補償ハ當該建物ノ移轉工事
中ノミ之ヲ認メラルヽモ其工事ノ前後
ニ於テ近隣ニ於ケル工事ノ影響ヲ受ク
ルトキハ實際ニ於テ營業休止ノ已ムヲ
得ザルニ至ルコト尠カラズ依ッテ各建
物所在ノ「ブロツク」ヲ本位トシ當該
「プロツク」ノ移轉工事ノ著手ヨリ完了
マデノ期間ニ依リ補償セラルベシ、
自己地域内ニ於ケル移動ニ對シ移轉
料ノ支出ナキハ失當ナリ
第十三換地設計實施ノ爲メニハ自己ノ
所有地内ニ於テ若シクハ自己ノ借地内
ニ於テ自己ノ建物ヲ移轉スルノ必要ニ
迫マラルヽコトアリ此場合ニ於テ移轉
命令ヲ發セラレタルモノハ移轉補償ヲ
與ヘラルベシト雖モ命令ヲ發セラレザ
ルモノハ必ズシモ然ラズ仍ッテ移轉命
令ノ發セラレザルモ實際ニ於テ移轉ヲ
必要トスルトキハ移轉補償ヲ與ヘラル
八、
上下水道瓦斯等、附屬設備ノ移動ニ
困難多シ
第十四各戶ニ於ケル引込上下水道、電
燈、電話、瓦斯其他附屬ノ設備物件ニ對
スル移動ノ補償ハ市民生活ノ實際問題ト
シテハ最モ重要ナル部分ナルニ拘ラズ比
較的ニ閑却セラルヽノ傾向アリ(實際經
費ノ總額ニ對スル豫算總額ノ尠少ナル
ニ徵スルモ其一端ヲ知ルベシ)是等ハ
事業施行者ガ市民ノ宮際生活ニ通曉セ
ザルノ致ス所ナリ
從業者使用人ニ休業補償ヲ支出セザ
ルハ非ナリ
第十五建物異動ニ伴フ休業ノ場合ニハ
其建物ニ於ケル事業ノ從業者使用人ヲ
モ休業セシムルニ至リ殊ニ工場ニ於ケ
ル勞働者ノ如キハ最モ直接ナル影響ヲ
受ク、是レ亦區劃整理事業ニ伴フ重要ナ
ル社會的問題ノ一ナリ事業施行者ハ此場
合ニ於ケル是等人〓ニ對スル補償ノ途
ニ就テモ相當施設セラルベキ必要アリ
移動設計ノ原案圖ハ地下埋設物、地
下鐵道等ヲ基礎トセズ
第十六各地區ニ於ケル移動設計ノ原案
圖ヲ觀ルニ道路ノ如キハ參謀本部ノ測
量地圖ヲ主ナル基本トセラルヽ如シ然
レドモ參謀本部ノ測量圖ハ陸軍ノ攻防
ニ資スル爲メ作成セラレタルコト勿論
ナレバ市街宅地ト道路境下水口等ニ重
キヲ置カレズ從ッテ杜撰ノ點尠カラザ
ルノミナラズ防火地區ノ區別、地下埋
設物ノ現在及ビ將來地下鐵道ノ豫定線
等ニ就テハ之ヲ原案圖ニ明元セラレザ
ルガ故ニ建物ノ異動ヲ講ズルニ當リテ
モ建築種別地下埋設物、地下水道工事
等ノ關係ニ付テハ考慮ノ資料完備セズ
市街ノ區劃整理ノ原案圖トシテハ更ニ
明確ト精密ヲ期スルノ必要アリ、
市民ノ實損害額ニ對シテハ增額ノ査
定更正ヲ必要トス
第十七移轉實施ノ結果休業及ビ移轉ニ
付キ實際ニ豫定以上ノ金額ノ損害ヲ蒙
リタルトキハ「通常生ズベキ損害」ノ認
定ヲ擴張シテ相當ナル增額ヲ爲スタメ
査定ノ更正ヲ爲サルベシ、固ヨリ多少
ソ損害ハ市民トシテ帝都復興ノ爲メニ
犧牲的觀念ヲ以テ負擔スルハ當然ナレ
ドモ假令僧額ノ更正ヲ受ケタリトテ直
接間接ノ損害ト苦痛ハ決シテ其全部ヲ
償フニ足ラザルヤ勿論ナリ、
補償金及〓算金ハ移轉命令送達以前
ニ之ヲ確定明示スルヲ必要トス
第十八補償金及〓算金ノ決定以前ニ移
轉ヲ命ゼラルヽハ市民ノ不安ヲ增スノ
ミナラズ經濟上ノ準備ヲ講ズルノ遑ナ
ク又各地區ノ豫算ニ付キ之ヲ其地區ノ
者ニ毫モ知ラシメザルハ誤解ヲ招クノ
基ナリ故ニ補償及〓算ニ付テハ豫メ利
害關係人ニ告知シ遅クモ移轉命令ノ發
令以前ニ之ヲ決定シ市民ヲシテ成ルベ
キダケ命令ヲ俟タズシテ自ラ移轉スル
ノ覺悟ヲ爲サシムル等公正ニシテ且ツ
交涉的ノ態度ト方法ニ出デラルベシ、
補償審査會ノ制度ハ高級單一ニシテ
正確適切ナル補償ノ審查ヲ期待シ難
シ
第十九補償審査會ハ市民ノ經濟生活ノ
實際ニ通ゼズ偶、之ニ通ズルモ其數尠
キヲ以テ地區廣ク問題多キ補償事件ニ
付キ比較的高級ニシテ單一ナル現在ノ
審査會ノミヲ以テシテ其審査ノ實際ニ
適切ニシテ其周到ナルコトヲ期シ難キ
遺憾アリ
仍シテ各地區毎ニ市民ヨリ選出スル補
償審査會ヲ設ケ現在ノ審査會ノ初審機
關タラシメラルヽコト(若シ已ムヲ得
ザレバ區割整理委員會ニ其権限ヲ附與
セラルベシ)ヲ望ム
借家人階級ヲ整理委員會ニ加ヘズシ
テハ事業ノ遂行ヲ期シ難シ
第二十都市ノ宅地ニ對スル區割整理ヲ
以テ單ニ土地ノ處分トノミ認ムルハ耕
地整理ト宅地整理トヲ同一視スル根本
的誤解ニシテ市街地ノ整理ハ土地及建
物ヲ包含スルノ處分ト認ムベキハ當然
ナリ從フテ地主借地人ノ外借家人ヲ以
テ主ナル利害關係者トスベク殊ニ燒跡
ナル所謂下町地域ニ於テ都市ノ繁榮ヲ
實際ニ形成スル借家人ヲ除外スルハ都
市區劃整理ノ眞義ニ反ス加之彼等ノ多
クハ多額ノ權利金又ハ造作代金ヲ支拂
ヒ家屋ニ對スル一部ノ權利者タルガ故
ニ專ラ居住ノ關係アルニ止マラズ經濟
上ノ利害ヲモ兼有スル者ナリ或ハ之ヲ
利害關係者ニ加フルトキハ事業ノ圓滿
ナル遂行ヲ期スル能ハズト云フモ之ヲ
除外スル場合亦事業ノ圓滿ナル遂行ヲ
期シ難シ或ハ又借家人ヲ加フルトキハ
其他ノ利害關係者ヲモ加入セシメザル
ベカラザルニ至リ際限ナシト云フモ借
家人ト他ノ利害關係者トハ自ラ其程度
ヲ異ニス主ナル利害關係者トシテ地主
借地人及借家人ノ三者ニ制限スルニ於
テ何人カ異論アランヤ、依ッテ各地區ノ
區劃整理委員會ニ借家人代表ヲ追加セ
ラルヽ樣規定ノ改正ヲ望ム
市民ヲ度外視シテ整理委員ニノミ依
賴スルトモ事業ハ圓滿ニ遂行シ難シ
第二十一區割整理委員ニノミ依賴シ其
決議ノミヲ尊重シ委員外ノ利害關係ア
ル市民ハ之ヲ除外シテ祕密ト爲シ彼等ヲ
シテ賴ラシムベシ知ラシムベカラズ底
ノ態度ニ出ヅルハ文化ノ中心タル帝都ノ
市民ニ臨ムノ態度ニアラズ又決シテ事
業ヲ圓滿迅速ニ遂行シ得ル所以ニアラ
ズ斯クノ如クンバ委員會ノ決議アリタ
レバトテ其決議ノ執行ニ困難アリ寧ロ
決議前地區民ノ諒解ヲ得ルニ努ムレバ
決議ハ暇取ルトモ其後ノ進行容易ナリ
事業全體ノ行程ヨリ見レバ兩者同ジト
スルモ其圓滿ヲ期スルニ於テハ寧口後
者ニ利アリ現ニ復興當局ガ委員會ノ決
議ニ焦慮セラルヽ結果委員ヲ厚遇シ現
ニ却ッテ迷惑ヲ感ズル委員スラアリ而
シテ其結果ハ委員ト利害相反スル方面
ノ市民ノ反感ヲ激成セシメ却ッテ事業
ノ施行困難ヲ加フル狀況ニ在リ
依ッテ其具體的方法ノ一トシテ區劃整
理委員會ノ外ニ其下ニ各「ブロツク」每
ニ地主借地人借家人ヨリ成ル權利者會
ヲ認メ復興當局又ハ區割整理委員ト市
民トノ間及市民同志トノ間ニ於ケル事
業ノ諒解及遂行ニ關スル機關トシテ其
決議ハ斷然多數決ヲ以テ施行シ少數ノ
異議者ヲ追隨セシムトセバ事業進行上
各方面ニ利スルコト尠カラザルベシ
地質地盤ノ强弱等ニ付何等ノ調査ヲ
遂ゲズシテ豫定圖ヲ作製セルハ非ナ
リ
第二十二今次ノ區劃整理豫定ノ設計ヲ
見ルニ地下埋設物地質地盤ノ强弱等ニ
就キ何等調査ヲ遂ゲ之ヲ基礎トシテ計
畫シタルノ事實ナシ況ンヤ政府ノ許可
セシ四十一哩餘ノ地下鐵道線路ノ如キ
復興局ガ何等〓究ヲナサザリシコトハ
其明言スル處ナリ
然ルニ大正十二年大震災ノ跡ヲ見ルニ
地質地盤ノ强弱ニヨリテ被害ノ程度甚
シキ等差アリシコトヲ認ム地質地盤ノ
如何ヲ基礎トシテ建築物竝ニ道路商工
業地帶別等ニ付ソレ〓〓設計立案セラ
ルルコトヲ要ス
整理以前ニ於テ整理後ノ地價及盛衰
ヲ豫想シ〓算金ヲ決定スルハ不當ナ
リ
第二十三當局ガ土地整理後ノ地價ガ直
チニ騰貴スルモノト假定シテ〓算金ノ
支拂ヲ算定スルハ不當ナリ整理後ノ金
融地主ノ新規負擔ノ累加市況ノ振不振
及自然的ニ當該地區ノ盛衰ヲ來タスベ
キ數年數十年後ノ現象ヲ今日何人モ輙
ク豫知シ得ベキ筈ナシ然ルニ整理直後
ニ於テ將來ノ地價ノ上下、街衢ノ盛衰ヲ
豫定シテ〓算金ヲ微集セラルルコトハ
理不盡ナリ宜シク相當年處ヲ經過スル
ニ從ヒ實蹟ニ微シテ利益アラバ受益金
ヲ課スルコトニ改善セラルペシ(江木
翼氏、伊東已代治氏ノ所說論據參照)
整理後ノ地價ノ算定ニ當リ幅員ノ廣
狹ヲ以テ上下ヲ率スルハ正誥ヲ得難
シ
第二十四整理後直面スベキ道路ガ廣ク
ナレバトテ地價ガ向上シ當該地區ガ繁
盛ヲ來タスモノトハ斷ジ難ク例ヘバ小
賣商店街ニアリテハ道路ノ適當ニ狹キ
コトガ殷賑ヲ來タスノ第一要件タルコ
トハ大阪道頓堀、京都京極、東京淺草、
下谷佐竹町、池ノ端仲町、神田表神保
町等ノ比較的狹キガ故ニ繁華ヲ見ツヽ
アルノ實例之ヲ證ス之ト反對ニ下谷御成
街道ノ如キ幅員廣キニ過グルガ故ニ小
賣商店ノ殆ド立チ行カザルガ如キ是レ
ナリ巴里ノ市會報告書ニモ同一ノ實情
記載アリ地價ノ算定等ニ當リ主トシテ
道幅ノ廣キニ重キヲ措クハ皮相ノ觀察
ニシテ市民ノ甚夕迷惑スル所ナリ
區割整理ノ解決セザル爲メ借地權者
ハ收益ナクシテ地代ヲ支拂ヒ來レル
損害ニ對シテ補償ノ途ナシ
第二十五借地權者ニアリテハ震災直後
今日ニ至ルマデ區割整理ノ解決セザル
爲ニ借地上ニ家屋ヲ建築セズ空地ノ儘
ニ放任スルノ已ムヲ得ズシテ借地ノ目
的ヲ達スル能ハズ而カモ一方地主ニ對
シテハ所定ノ借地料ヲ支拂ヒ來レルガ
故ニ此ノ間借地權者ノ蒙レル實損額莫
大ナリ是等モ亦タ區劃整理ノ爲メ通常
生ジタル損害トシテ補償セラルベシ、
復興局ガ公言セシ豫定期日內ニ事業
ノ竣工シタル實例皆無ナルタメ市民
ノ經濟的ニ蒙ル迷惑ト損失甚大ナリ
第二十六今日マデ復興局ガ新聞ヲ利用
シ大々的ニ發表シ來レル豫定事業ハ其
公約セル期日内ニ竣成シタル實例皆無
ニシテ遷延又遣延、殆ド信ヲ措クニ足
ラズ政府ガ責任ヲ以テ確實ニ豫定事業
ノ著手及ビ竣成期日ヲ明示シ其公約ヲ
實行セラルヽニ於テハ市民ハ夫レ〓〓
各個ニ執ルベキ企業、計畫、賣買、立
案等ニ付損失ヲ見ズシテ相當ニ計畫ス
ルコトヲ得ペキモ今日ノ如キ實狀ニテ
ハ市民ハ五里霧中、殆ド適從スル所ヲ
知ラズ政府ハ嚴重ニ責任ヲ重ンジ公約
ヲ實行スルコトヽシテ豫定計畫、就中
實施期日順序ヲ明示セラルベシ、
假建築物ノ存續期間ヲ相當延長スル
ヲ至當トス
第二十七區割整理ニヨリ家主ニ於テ假
建築物ヲ移轉シ修築改築ヲナス場合ニ
ハ其建築物ニ對シテハ現行ノ大正十二
年勅令第百十四號ノ期間ヲ延長シ相當
長期間ハ法令ニヨリテ更ニ改築ヲ命ゼ
ラルヽ事ナキ樣ノ規定ヲ望ム蓋シ家屋
ノ改築ニ當リテハ其費用ハ轉嫁サレテ
必ズ借家人ノ負擔ニ歸スルガ故ニ先ヅ
社會政策上借家人ノ利益ノ保護ヲ必要
トスレバナリ、
震災前ノ制定ニ係ル現行市街地建築
物法ハ大震災後ノ帝都ノ實情ニ適セズ
第二十八現行市街地建築物法ハ震災前
ノ制定ニ係リ東京市ノ實情ニ適セザル條
項甚ダ多ク其手續モ繁文褥禮ニ失セリ
因シテ之ガ改善ヲ望ム
借地權者ニ〓算金ヲ課スルノ重大問
題ニ付法ノ根據ヲ明白ニセザルハ非
ナリ
第二十九借地人ニ〓算金ノ徵收交付ヲ
爲スヤ否ヤハ當局ガ必然決定公布スベ
キコトナルニ何等ノ成案ナク本年三月
十二日神田ノ區劃整理委員ヨリ此質問
ヲ受クルヤ書面ヲ以テ「目下協議中追
テ答辯スベシ」ト云ヒ此至大ノ重要事項
スラ今日尙ホ之ヲ放擲シテ曖昧ニ付セ
リ然ルニ震災地ノ借地人數ハ十二萬人
バラック數四十七八萬軒ニ上ル利害關
係者アルニ拘ハラズ斯ル緩怠ノ態度ニ
出デ法令ヲ以テ之ヲ明白ニセザルハ不
都合ナリ
區劃整理委員ノ不正不法ノ行爲、不
當ノ決議ヲ防止スルノ適法ナシ
第三十區劃整理委員ノ不正不法ノ行爲
ニ付テハ整理委員ヲ彈劾免黜ノ規定ナ
ク又其職務ノ執行ニ付忌避回避ノ規定
ナキヲ奇貨トシ自己及ビ緣故者ノ住
宅ヲ其利益ノ場所ニ換地スル等ノ不都
合續出シ復興局モ亦夕稍、こモスレバ之
ニ迎合スルノ惡弊アルヲ以テ自己及ビ
親族緣者ノ利害ニ關スル場合ハ他ニ公
平ナル議決ノ方法ヲ設ケ不當ノ決議ヲ
防止スルノ必要アリ
〓算勘定ノ算定ニ公平ヲ缺クノ危險
アリ且ツ算出方法ソノ當ヲ得ズ
第三十一現行制度ニヨル〓算勘定ノ算
出方法ハ指數及ビ減歩ヲ基準トシ整
理後ニ於テ整理前ニ相當スル價格ノ土
地ヲ交附シ其過不足分ハ金錢ヲ以テ徵
收交附スルノ規定ナルガ故ニ整理委員
會ガ指數ノ査定ニ公平ヲ缺キ若シクハ其
査定ヲ誤リタル場合ニハ地區關係者ハ
公平ヲ得ルノ途ナク迷惑少カラズ又一
割以上ノ減歩率ニ對スル補償金ハ整理
前ノ各所有面積ニ地價ヲ乘ジタル整理
前ノ土地財產ニ比例シテ按分配當スル
ガ故ニ減歩ナクシテ且ツ〓算金ノ交附
ヲ受クル者ニ對シテモ更ニ補償金ヲ交
附スルノ結果ヲ生ジ補償金ノ本質ニ反
スルガ加キ矛盾ヲ來タスハ根本ニ於テ
〓算金算出ノ方法其當ヲ得ザルニ由ル
モノトス宜シク指數査定ノ公平ノ如上
ノ矛盾ヲ除去スルノ方法ヲ講ゼラルベ
シ
〓算金及換地ノ決定ニ付再審更正ノ
途ナシ
第三十二〓算金ノ徴收交附又ハ換地ノ
査定ニ付テハ耕地整理法第六條ノ規定
ニ依リ異議ヲ述ブルコトヲ得ザルノ現
行制度ナルモ區劃整理委員會ニ於ケル
右ノ査定ガ不當ナル場合ナキヲ保シ難
キガ故ニ其査定ニ不服ナル者アル時ハ
再審更正ヲ求メ得ベキ規定ヲ制定シ以
テ〓算勘定竝ニ換地決定ノ公平ト正當
トヲ期セラルベシ(以上)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=240
-
241・井本常作
○井本常作君 本案ハ議長指名ノ九名ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=241
-
242・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=242
-
243・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ其通リ決シマス、日程第三十
四借家法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ
提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-横山勝太
郞君
第三十四借家法中改正法律案(横山
勝太郞君外一名提出)第一讀會
借家法中改正法律案
借家法中左ノ通改正ス
第三條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
賃貸借ノ存續期間ハ營業店鋪ニ使用ス
ルモノニ付テハ五年其ノ他ニ使用スル
モノニ付テハ三年トス
當事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ
期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ從フ
賃借人ノ解約申入ハ第一項ノ期間ヲ經
過シタル後ナルコトヲ要ス
第五條ノ二賃貸人ハ建物ノ借賃敷金
造作代金ノ外權利金其ノ他特殊ノ利益
ヲ收受スルコトヲ得ス但シ賃借人カ其
ノ建物ニ付特殊ノ利益ヲ收要シ得ヘキ
情況アリテ賃貸人カ裁判所ノ許可ヲ得
タル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第五條ノ三建物ノ賃貸借ヲ爲ス場合ニ
於テ賃貸人ハ賃借人ヨリ借賃三月分以
上ノ敷金ヲ收受スルコトヲ得ス
第五條ノ四前二條ノ規定ハ之ヲ差配人
其ノ他賃貸人ニ代テ建物ノ管理ヲ爲ス
者ニ準用ス
第五條ノ五前三條ノ規定ニ反スル場合
ニ於テハ民法第七百八條ヲ適用セス
第五條ノ六敷金ヲ收受シタルトキハ賃
貸人ハ其ノ翌月ヨリ賃貸借終了ノ前月
迄年三分六厘ノ利息ヲ附スルコトヲ要
ス賃借人カ借賃ノ支拂ヲ怠リタルトキ
ハ賃貸人ハ其ノ月ノ利息ヲ支拂フコト
ヲ要セス
第六條中「前五條」ヲ「前十條」ニ改ム
第八條ノ二裁判所カ建物ノ占據者ニ對
シ其ノ明渡ヲ宣言スル場合ニ於テハ申
立ニ因リ總テノ事情ヲ斟酌シテ相當ナ
ル期間ノ猶豫ヲ許與スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ期間及債
權者ノ損害賠償其ノ他必要ナル事項ヲ
定メテ同時ニ宣言スヘシ
第八條ノ三前條ノ猶豫期間ノ許與ヲ得
タル者カ裁判所ノ定メタル事項ヲ履行
セサルトキハ裁判所ハ申立ニ因リ相手
方ノ意見ヲ聽キ決定ヲ以テ明渡ノ猶豫
ニ關スル宣言ヲ取消スコトヲ得
前項ノ決定ニ對シテハ不臘ヲ申立ツル
コトヲ得ス
第十一條但書ヲ左ノ如タ改ム
但シ賃貸借ノ期間及賃貸人ノ解約申入
ノ猶豫期間ニ付テハ既ニ經過シタル期
間ヲ算入ス
借家法中改正法律案理由書
中產階級以下殊ニ收入尠キ營業者又ハ俸
給生活者カ住宅店鋪ニ關シ大ナル困難ト不
安ヲ威シ居ルハ默止スヘカラサル狀態ニ在
リ加之現行借家法ヲ以テシテハ未タ借家
爭議ヲ未然ニ防止スルニ足ラサル點アリ
是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=243
-
244・横山勝太郎
○横山勝太郞君 本案ハ借家人殊ニ營業ヲ
爲ス借家人ノ利益ヲ保護スルノ目的ヲ以テ提
案致シタルモノデアリマス、其一部ハ嘗テ
本院ヲ通過致シタルコトモアルノデアリマ
スルカラ、何卒御協賛アランコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=244
-
245・井本常作
○井本常作君 本案ハ日程第三十三ノ委員
ト同一委員ニ併セテ付託セラレンコトヲ望
ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=245
-
246・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ、日程第三十五、產業組合中央金
庫法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ、提出
者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-提出者由谷義
治君
第三十五產業組合中央金庫法中改正
法律案(由谷義治君外五名提出)
第一讀會
產業組合中央金庫法中改正法律案
產業組合中央金庫法中左ノ通改正ス
第十三條第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加へ第
二號ヲ第三號ニ改メ以下順次繰下ク
二所屬產業組合聯合會又ハ所屬産業
組合ニ對シ三十箇年以內ノ年賦償還
貸付ヲ爲スコト但シ其ノ金額ハ特別
資源ニ依ルモノヲ除キ拂込濟出資金
ニ付テハ其ノ四分ノ一、產業債劵ニ
依ル資金ニ付テハ其ノ一一分ノ一ヲ超
ユルコトヲ得ス
同條ニ左ノ二號ヲ加フ
六所屬產業組合聯合會又ハ所屬產業
組合ノ爲ニ國債證劵、地方債證劵又
ハ政府ノ保護セル特殊銀行會社ノ發
行スル債券ノ委託賣買ヲ爲スコト
七所屬產業組合聯合會又ハ所屬產業
組合ノ爲ニ有價證劵保護預リヲ爲ス
コト
第十四條中「第二號」ヲ「第三號」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
產業組合中央全庫法中改正法律案理由
書
產業組合聯合會又ハ產業組合カ計畫組織
的事業ノ遂行ヲ爲スニハ相當長期ニ亙ル
年賦償還貸付ヲ必要トスルハ論ヲ俟タサ
ル所ニシテ中央金庫法ノ制定ニ當リ本項
ヲ脫セルハ重大ナル過誤ナリトス而シテ
聯合會及組合ノ餘裕金若ハ積立金ノ運用
ニ關シ確實ナル有價證券ノ取扱ニ付便宜ヲ
與へ聯合會及組合ノ爲ニ有價證劵ノ保護
預リヲ爲スノ必要亦論議ヲ要セサル所ナ
リ仍テ茲ニ金庫ニ對シ之ニ當然ノ機能ヲ
付與シ政府ノ產業組合ニ對スル低利資金
ハ金庫ヲシテ取扱セシメ全國產業組合ノ
中央金融機關タルノ名〓ヲヲウセシムル
ハ國運振興上喫緊ノ要務ナリトス是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=246
-
247・由谷義治
○由谷義治君 現行ノ中央金庫ノ營業規定
ハ全國一万四千ノ產業組合ノ中央金融機
關トシテ見マシテモ、主トシテ農村振興ノ
根本的金融機關ト見マシテモ、又一般的ニ
全國ノ中產者及小產者ノ生計ノ救濟及發展
ニ關スル原動力トシテ見マシテモ、遺憾ノ
點ガ極メテ多イノデアリマス、此意味ニ於
キマシテ、本改正案ハ全國農民及產業組
合中央會等ノ意見ヲ參的致シマシテ、時代
ニ適應スベク發案シタ次第デアリマス、何
卒御協賛アランコトヲ願フ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=247
-
248・井本常作
○井本常作君 本案ハ議長指名九名ノ委員
ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=248
-
249・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマス、日程第三十六、果物罐詰原料砂糖
戾稅法案ノ第一讀會ヲ聞キ、提出者ノ趣旨
辯明ヲ許シマス-中村嘉壽君
第三十六果物罐詰原料砂糖戾稅法案
(中村嘉壽君外十一名提出)第一讀會
果物罐詰原料砂糖戾稅法案
果物罐詰原料砂糖戾稅法
第一條砂糖色相和蘭標本第十五號以上
ノ砂糖ヲ果物罐詰ノ原料ニ使用シタル
者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ消費稅ニ相
當スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求スルコ
トヲ得
第二條前條ニ依リ金額ノ下付ヲ請求セ
ムトスル者ハ申請書ニ消費稅ヲ納付シ
又ハ擔保ヲ提供シタルコトヲ證スヘキ
書類ヲ添付スルコトヲ要ス
第三條收稅官吏ハ第一條ニ依リ承認ヲ
與ヘタル砂糖ヲ使用スル場所ニ就キ原
料製品器具器械及帳簿書類ヲ檢査シ其
ノ他監督上必要ト認ムル處分ヲ爲スコ
トヲ得
附則
本法ハ大正十五年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
果物罐詰原料砂糖戾稅法案理由書
果物罐詰ハ需要極メテ廣ク國際的産業ナ
ルカ故ニ之カ發達ヲ圖ルハ刻下ノ急務ナ
リ之レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=249
-
250・中村嘉壽
○中村嘉壽君 本案ハ現今果物ノ罐詰ニ對
シテ用ヰテ居リマス所ノ砂糖ノ消費稅ヲ
バ、戾シテ戴キタイト云フノデゴザイマス、
特ニ臺灣ニ於キマシテハ「パイナップル」ノ
製造、竝ニ是ガ栽培ヲ奬勵シテ居リマシテ
奬勵金ヲ出シテ居リマス、然ルニ伊太利ト
ノ協約ニ依リマシテ、是ト矛盾スル所ノ政
策ガ行ハレテ居リマスカラ、之ヲ獎勵スル
コトガ事實ニ於テ出來マセヌノデス、ソレ
故ニ此砂糖ノ戾稅ヲ年々「バイナップル」ニ
對シテ約八万圓、飽ノ果物ニ對シテ約八万
圜ノ戾稅ヲ致シマスト云フト、此「パイナッ
プル」ノ栽培及罐詰ノ製造ガ獎勵セラレル
ノデゴザイマス、現今布哇ニ於キマシテハ
過去十八年ノ間ニ殆ド何物モナカッタ所ノ
罐詰ガ、約一億圓ノ產額ヲ爲シテ居ルノデ
ゴザイマス、布哇ハ現今ノ有樣ニ於キマシ
テ約二万五千英町ノ土地ヲ持フテ居リマス
ルガ、我ガ臺灣ニ於キマシテハ之ニ倍スル
所ノ五万英町ノ好適地ヲバ持ッテ居リマス、
若シ此土地ヲ以テ此業ヲバ適當ニ奬勵致シ
マシタナラバ、年々二億ノ產業ガ出來ルト
云フコトニナリ、且ツ極メテ安イ所ノ賃銀
ヲ以テ働ク生蕃十万ノ人ニ仕事ヲ與ヘルコ
トガ出來ルノデゴザイマスカラ、ドウゾ此
法案ヲバ通過サセテ戴キタイノデゴザイマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=250
-
251・井本常作
○井本常作君 本案ハ禱苗代君外十二名提
出砂糖消費稅法中改正法律案ノ委員ト同
一委員ニ併セテ付託セラレンコトヲ望ミマ
ス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=251
-
252・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ、日程第三十七、大正十二年法律
第三十三號中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ、
提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-〓〓一郞
君
第三十七大正十二年法律第三十三號
中改正法律案(工場法中改正ノ件)
(〓瀨一郞君提出)第一讀會
大正十二年法律第三十三號中改正法律
案
大正十二年法律第三十三號中左ノ通改正
ス
附則第二項ヲ削ル
附則
本法ハ大正十二年法律第三十三號施行ノ
日ヨリ之ヲ施行ス
大正十二年法律第三十三號中改正法律
案理由書
大正十二年法律第三十三號ニ於テハ幼年
職工ノ範圍ヲ舊法ノ十五歲トアリシヲ十六
歳ニ擴張シ幼年職工及女子ノ深夜業禁止
ノ時間ヲ舊法ニ於テ午後十時ヨリ午前四
時トアリシヲ午後十時ヨリ午前五時ト改
メタリ而シテ其ノ附則第二項ニ於テ此等
ノ法則ノ實行ヲ同法施行後三年間ハ之ヲ
猶豫スヘキコトヲ定メタレトモ該法律ハ
發布以來約三年ヲ經過スルモ未タ其ノ施
行期日決定ノ勅令ノ發布ヲ見ル能ハス今
日ニ於テ其ノ施行期日決定ノ勅令發布セ
ラルルモ前記附則第二項ノ削除アルニ非
サレハ右法律所期ノ目的ニ添ハス是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=252
-
253・清瀬一郎
○〓瀨一郞君 大正十二年法律第三十三號
ハ工場法ノ改正法律案デアリマス、此法
律ニ於キマシテ、保護幼年者ノ範圍ヲ十六
歳ニ擴張致シ、深夜業ノ制限ヲ致シテ居ル
ノデアリマス、此拘束ハ大正八年華盛頓會
議ノ結果ヲ參酌シテ揭ゲタモノデアリマ
ス、而ンテ此法律ハ三月三十日ニ發布セラ
レマシタガ、幼年工ノ保護ト深夜業禁止ハ
實施後三年間ヲ猶豫スルト云フコトニナッ
テ居リマシタ、然ルニ此法律ガ發布サレタ
儘デ三年ノ今日ニ至ルマデ實施サレテ居リ
マセヌ、政府ノ聲明ニ依リマシテハ、近ク
之ヲ實施スルト云フコトデアリマスルガ、
三年ノ猶豫期間ヲ設ケタ附則ヲ削除致シマ
セヌト、今日實施致シマシテモ、此附則ハ
今カラ三年後、卽チ法律成立當時カラ六年
後初メテ施行サレルコトヽ相成リマシテ、
立法本來ノ目的ヲ達シマセヌニ依シテ、此
附則第二號ヲ撤廢致シタイト云フ案デアリ
マス、何卒御協賛ヲ願ヒタイ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=253
-
254・井本常作
○井本常作君 本案ハ政府提出、勞働組合
法案外五件ノ委員ト同一委員ニ併セ付託セ
ラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=254
-
255・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議ナイト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ日程第三十八、刑事訴訟法中改正
法律案ノ第一讀會ヲ開キ提出者ノ趣旨辯明
ヲ許シマス-原夫次郞君
第三十八刑事訴訟法中改正法律案
(原夫次郞君外二名提出)第一讀會
刑事訴訟法中改正法律案
刑事訴訟法中左ノ通改正ス
第二百五十五條削除
第二百五十六條削除
第二百五十七條削除
刑事訴訟法中改正法律案理由書
刑事訴訟法中儀事カ未タ公訴ヲ提起セサ
ルニ先チ授査ノ必要上强制處分ヲ求ムル
コトヲ得ヘキ新規定ニ關シテハ其ノ實施
ノ跡ニ鎖ミ餘弊甚大ニシテ到底時世ノ進
運ト法ノ期待ニ副ハサルモノアルヲ認ム
是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=255
-
256・原夫次郎
○原夫次郞君 刑事訴訟法中、檢事ガ未ダ
公訴ヲ提起セザルニ先ダチマシテ、搜査ノ
必要上强制處分ヲ求ムルコトヲ得ルト云フ
規定ニ關シマシテハ其實績ノ跡ニ鑑ミマ
スト、餘擊甚ダ大デアッテ、到底時勢ノ進
運ニ其法ノ精神ハ副ハナイモノデアルコト
ヲ認メマシタカラ、本案ヲ提出シタ次第デ
アリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=256
-
257・井本常作
○井本常作君 本案ハ日程第五ノ委員ト同
一委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=257
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258・小泉又次郎
○議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニハ
御異議ナシト認メマス、仍テ動議ノ如ク決
シマシタ-此場合一言致シマス、先刻懲
罰事犯ノ會議ニ於キマシテ、高橋熊次郞君
ニ謝辭ヲ朗讀セシムルコトニ決シタノデア
リマス、仍テ同君ニ謝辭ノ朗讀ヲ致サセマ
ス、高橋熊大郞君ノ登壇ヲ求メマス-高
橋熊次郞君
〔高橋熊次郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=258
-
259・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君 私ハ御水知ノ通リ東北男
兒デアリマス、東北男兒ハ由來鈍重ノ素質
ヲ帶ビテ居リマス、一度ハ白河關外一山百
文ノ誹ヲ天下ヨリ受ケタモノデアリマス、
併ナガラ吾々ハ名利ニ依フテ志ヲ一二スル
底ノ者デハアリマセヌ、正ヲ履ンデ恐レズ、
義ヲ取ッテ動カザルコト泰山ノ如キ趣ガア
ルノデアリマス(拍手)併ナガラ自分ノ心ニ
思ハザルコトヲ白々シク述ベタリ、或ハ己
ノ信ゼザル所ヲ人ニ物言ウタリスルコト
ハ吾々ノ恥トシテ居ル所デアリマス、況
ヤ我黨ハ自由黨ノ昔ヨリ正義自由ヲ旗印ト
シテ進ンデ來テ居ル大政黨デアリマス、其
黨員タル私ガ己ノ心ヲ裏切シテ、自己ノ良
心ヲ裏切ッテ院議ナリトシテ、多數ノ横暴
ノ結果作成セラレタル「不當ノ言辭ヲ爲シ
タルハ議員ノ職分ヲ顧ミス慚愧ニ堪ヘス」
ナドノ文句ハ東北男見ノ名譽ノ爲ニ、光輝
アル我黨ノ名譽ノ爲ニ、私ハ斷ジテ朗讀致
シ兼ルノデアリマス、左樣デアリマスルガ
故ニ、甚ダ失禮カモ知レマセヌガ、謹ンデ
之ヲ議長ニ御返上申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=259
-
260・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 只今高橋熊次郞
君ハ院議ヲ重ンゼズ、院議ニ從ハナイト云
フコトデアリマス、仍テ懲罰ニ付スルコト
ニ決シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=260
-
261・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君 辯明ヲ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=261
-
262・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 高橋熊次郞君ノ
辯明ハ許シマセヌ
〔「何故許サヌ」「ソンナ不法ナコトガア
ルカ」ト呼フ者アリ〕
〔高橋熊次郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=262
-
263・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君 一身上ノ辯明ヲ何故許サ
ヌ-何故許サヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=263
-
264・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 高橋君ニ降壇ヲ
命ジマス-更ニ日程ヲ繼續致シマス、日
程第三十九、未成年者飮酒禁止法中改正法
律案ノ第一語會會開キマス、提出者ノ趣旨
辯明ヲ許シマス-竹原樸一君-山口政
二君
第三十九未成年者飮酒禁止法中改正
法律案(山口政二君外十二名提出)
第一讀會(確定議)
未成年者飮酒禁止法中改正法律案
未成年者飮酒禁止法中左ノ通改正ス
「未成年者飮酒禁止法」ヲ「飮酒取締法」ニ
改ム
第一條第一項、第三項及第二條中「未成
年者」ヲ「二十五歲未滿ノ者」ニ改ム
第三條中「第一條第二項、第三項」ノ上ニ
「第一條第一項ノ規定ニ違反シタル者(但
シ未成年者ヲ除ク)又ハ」ヲ加フ
附則
本法ハ大正十五年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
未成年者飮酒禁止法中改正法律案理由
書
大正十一年法律第二十號未成年者飮酒禁
止法ハ民法上ノ成年期ヲ限度トシテ適用
セラルルモ心身ノ完成ハ二十五歲以後ニ
在リテ飮酒ノ惡習ニ陷リ易キハ寧口二十
歲以後二十五歲以前ニ在レハ眞ニ法律ノ
目的トスル所ヲ達成セムトセハ現行法ヲ
改正シテ普ク二十五歲未滿ノ者ニ適用ス
ルコトト爲ササルヘカラス斯ノ如クスル
トキハ靑年團員車隊及學生ノ殆ト全部ヲ
禁酒セシムルコトヲ得テ一面勸行上ノ便
宜ニモ合スヘシ是レ本案ヲ提出スル所以
ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=264
-
265・山口政二
○山口政二君 未成年者飮酒禁止法ヲ改正
致シマシテ、其適用年齡ヲ二十五歳ノ者ニ
マデ引上ゲヤウト云フノデアリマス、其理
由ハ明カデゴザイマシテ、殊ニ各派ノ協同
提案デモゴザイマスカヲ、直ニ第二讀會、
第三讀會ヲ省略致シマシテ、卽決可決アラ
ンコトヲ望ム者デアリマス
〔補足〕
未成年者飮酒禁止法中改正法律案
提案ノ趣旨辯明ヲ致シマス
提案ノ要旨ハ「未成年者飮酒禁止法」ヲ
「飮酒取締法」ニ改メ、同法中「未成年者」
トアルヲ「二十五歲未滿ノ者」ニ改メマシ
テ、其ノ適用年齡ヲ延長セントスルニ在
リマス、其ノ理由ハ、大正十一年法律第
二十號、未成年者飮酒禁止法ハ心身ノ完
成セナイ未成年者ニ酒ヲ飮マセルノハ
健康上ヨロシクナイカラ先ヅ未成年者ニ
禁酒ヲサセテ、漸次飮酒ノ惡習カラ國民
ヲ救ヒ出サウトイフ目的ヲ以テ制定セラ
レタノデアリマス、然ルニ心身ノ完成ハ
實ニ二十五歲以後デアリマシテ、飮酒ノ
惡習ニ染マリ易イノハ寧口成年トナツテ
カラ二十五歲位ノ間デアリマスカラ、眞
ニ現行法ノ目的トスル所ヲ達成シヤウト
致スナラハ、之ヲ改正致シマシテ普ク二
十五歳未滿ノ者ニ適用スルコトト致サネ
ハナリマセヌ、斯ク改正致シマスルト、靑
年團員、軍隊及學生ノ殆ント全部ヲ禁酒
セシメルコトガ出來マシテ、現行法ヨリ
モ一層勵行サレ易クナルワケテアリマ
ス、是レ本案ヲ提出スル所以テアリマ
スカラ、何卒御協賛ヲ與ヘラレムコトヲ
望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=265
-
266・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 山口君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=266
-
267・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御議ナシト認メ
やく、仍テ動議ノ如ク決シマシタ
〔「起立ニ諮ウテ下サイ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=267
-
268・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ガアルヤ
ウデアリマスカラ、採決致シマス、讀會ノ順
序ヲ省略致シマシテ··
〔「議長ノ宣告ハ分リマセヌ」ト呼フ者
アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=268
-
269・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御〓聽ヲ願ヒマ
ス-更ニ宣告ヲ致シマス、日程第三十九
ハ讀會ノ順序ヲ省略シテ確定スルト云フノ
動議デアリマス、其動議ニハ御異議アリマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=269
-
270・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 賛成ノ諸君ノ起
立ヲ求メマス
〔賛成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=270
-
271・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 多數デアリマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
四十、乃至四十二ハ同一議案デアリマスカ
ラ、一括議題ト爲スニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=271
-
272・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第四十、恩給法中改正法
律案、第四十一、恩給法中改正法律案、四
十二、恩給法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開
キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-丸
山浪彌君
第四十恩給法中改正法律案(丸山浪
彌君外二名提出)第一讀會
恩給法中改正法律案
恩給法中左ノ通改正ス
第百三條第一項中「屯田兵ノ現役」ノ下ニ
「及之ニ準スヘキ屯出兵ノ服役」ヲ加フ
附則
本法ハ大正十二年十月一日ヨリ本法ニ該
當スヘキ者ニ之ヲ適用ス
恩給法中改正法律案理由書
屯田兵ハ豫備役中ト雖軍隊編制ノ下ニ在
リテ大隊長中隊長等現役將校ノ指揮監督
ヲ受ケ各自武器被服其ノ他ノ附屬品ヲモ
給與セラレアリ而シテ軍事調練ハ勿論衞
兵當番等ノ諸勤務ニ服シ現役中ト異ルナ
シ故ニ之ヲ改正スルノ要アリ是レ本案ヲ
提出スル所以ナリ
第四十一恩給法中改正法律案(松實
喜代太君外三名提出)第一讀會
恩給法中改正法律案
恩給法中左ノ通改正ス
第百三條第一項中「屯田兵ノ現役」ノ下ニ
「及之ニ準スヘキ屯田兵ノ服役」ヲ加フ
附則
本法ハ大正十二年十月一日ヨリ本法ニ該
當スヘキ者ニ之ヲ適用ス
恩給法中改正法律案理由書
屯田兵ハ豫備役中ト雖軍隊編制ノ下ニ在
リテ大隊長中隊長等現役將校ノ指揮監督
ヲ受ケ各自武器被服其ノ他附屬品ヲモ給
與セラレアリ而シテ軍事訓練ハ勿論衞兵
當番等ノ諸勤務ニ服シ現役中ト異ルナシ
故ニ之カ改正スルノ要アリ是レ本案ヲ提
出スル所以ナリ
第四十二恩給法中改正法律案(山口
政二君外三名提出)第一讀會
恩給法中改正法律案
恩給法中左ノ通改正ス
第九十一條第一項中「加算ス」ノ下ニ在
外指定學校職員其ノ職務シ以テ外國ニ一
定ノ期間引續キ在勤シタルトキ亦同シ」
3/99
附則
本法ハ大正十五年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
恩給法中改正法律案理由書
在外指定學校職員ハ殖民地ニ在勤スル者
ト同シク〓ネ邊陬不健康若ハ危險ノ地域
ニ勤務スル者ニシテ從テ俸給手當等ニ於
テモ殖民地在勤者ト大差ナシ然ルニ臺灣
朝鮮關東州樺太又ハ南洋群島ニ在勤スル
公務員ニ付テハ恩給法第九十一條ニ依リ
恩給年數加算ノ規定アルニ拘ラス在外指
定學校職員ニ對シテ之レナキハ甚シク權
衡ヲ失スト謂フヘシ既ニ第四十六囘議會
ニ於テハ貴衆兩院共ニ本院ト同趣旨ノ請
願ヲ採擇シ第五十囘議會ニ於テ衆議院亦
然リ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=272
-
273・丸山浪彌
○九山浪彌君 本案ハ北海道屯田兵ノ豫備
役服務期間ハ、屯田兵現役服務期間ト同樣
デ、何等ノ相違ガアリマセヌカラ、此豫備
兵モ恩給年ニ通算セラルヽヤウニ改正セラ
レンコトヲ希望スルノ案デアリマス、御賛
成ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=273
-
274・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 松實喜代太君
-東武君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=274
-
275・東武
○東武君 第四十一ハ矢張第四十ト內容ハ
同一デアリマス、詳細ハ書面ヲ以テ議長ノ
手許マデ差上ゲテ置キマス、適當ナル御處
置ヲ頗ヒマス
〔補足〕
本案ハ恩給法ヲ改正シテ北海道ノ元屯田
兵豫備役ニ服シタル者ニ對シテモ恩給ノ
恩典ニ浴セシムルノ法案テアル北海道ノ
元屯田兵制ハ明治八年制定セラレ同三十
七年九月廢止セラレタノテアル此ノ三十
年ノ長キ間屯田兵ハ一面ニ於テハ北門警
備ノ任ニ膺リ軍務ニ服シ他面ニ於テハ開
拓ノ先驅ト爲リ榛莽刑棘ヲ斫リ開キ耕耘
ニ從事シ所謂兵農兼務ノ本分ヲ盡クシ國
家ニ對シ多大ノ貢献ヲ爲シタルノミナラ
ス日〓目露ノ兩役ニ從軍シ赫々タル勳功
ヲ奏シタノテアル元屯田兵ハ此ノ如キ歴
史ヲ有スルニモ拘ハラス僅カナル食費其
ノ他ノ給與ヲ與ヘラレタル爲ニ特別ノ任
務····例令ハ靴工縫工ノ如キ····ニ服シ
タルモノハ別トシテ一般屯田兵服務期間
ハ恩給年限ニ加算セラレナカツタノデア
ル而シテ元屯田兵ハ一般屯田兵服務期間
ヲ恩給年限ニ加算セラレンコトノ請求ヲ
屢〓本院ニ提出シ本院亦之ヲ採擇シタノ
テアル然ルニ大正十二年第四十六議會ニ
於テ一般恩給法改正案カ提出セラレタル
際政府原案ニ依レハ矢張リ元屯田兵ハ恩
給ニ浴スルコトカ出來ナイコトニナツテ
居ツタノテアル私ハ此事ヲ大ニ遺憾ニ思
ヒ同志ノ諸君ト共ニ原案ヲ修正シテ一般
屯田兵ノ服務期間ヲ恩給年限ニ加算スル
コトニ努力シタノテアル然ルニ玆處ニ問
題トナッタ事柄ハ政府ハ屯田兵現役ノ期
間ヲ恩給年限ニ加算スルコトニハ同意ヲ
表セラレタルモ豫備役ヲ加フルコトニハ
同意シナカッタノテアル私ハ當時恩給法
改正案ノ特別委員テアリマシタカラ私ヨ
リ豫備役ヲモ加フルコトノ動議ヲ提出シ
三善代議士ノ賛成ヲ得タルモ政府ノ同意
ナキノ故ヲ以テ私ノ動議ハ成立スルニ至
ラナカッタノテ遺憾ナカラ此問題ハ取リ
殘サレテ今日ニ至ッタノテアル偖屯田兵
ノ豫備役期間ヲ何故恩給年限ニ加算セナ
ケレハナラヌカト申セハ屯田兵ノ豫備役
ハ名ハ豫備役テアルモ實ハ現役ト何等異
ナル所ナク現役同樣軍務ニ服シタノテア
ル一般師團ニ於ケル豫備役トハ全然相違
シテ居ルノテアル師團ノ豫備役ハ現役カ
終ルト直チニ歸〓スルカ屯田兵ノ豫備役
ハ在〓其儘テアルカラ軍務ニ服スルニ別
段召集スル必要カナイカラ常ニ現役同樣
ニ取扱ハレテ居ツタノテアル由來屯田兵
ハ兵制制定當初卽チ明治八年ヨリ同二十
三年迄十六年間ハ唯夕單ニ屯田兵服役ト
稱シ現役トカ豫備役トカトイフ役種ノ區
別ハナカツタノテアルカ明治二十三年ニ
至リ屯田兵ノ條例ヲ改正シテ現役竝豫備
役ト云フ役種別ヲ設ケタノテアル此改正
ノ理由ハ主トシテ從來ノ如クニシテ置ケ
ハ給與ヲ與ヘナケレハナラナイカラ豫備
役ト云フ名稱ニシテ給與ヲナクスル爲ノ
手段卽チ經費節減ニ過キナカツタノテア
ル斯ノ如クニシテ豫備役ニナツタモノハ
給與ハ廢止セラレタルモ勤務ハ矢張リ現
役ト同樣ニテ現役滿期後引續キ常備平時
編成表ニ基キ現役兵ト共ニ現役大隊ニ依
然編入シアリテ其ノ起居ノ定則モ亦一般
ノ軍隊内務書及屯田兵服務規定ニ依リ現
役同樣服務セシメラレ又定期演習義務演
習屯田給與令ニ依ル諸勤務ノ外每年檢閱
ヲ受ケ常ニ軍事竝拓地開墾ニ服シ軍紀風
紀其ノ他身上ニ關スル事ハ一切現役兵ト
同シク所屬現役隊長ノ指揮下ニ屬シテ居
ウク事ハ屯田兵ニ關スル規定ニヨリ明白
テアル以上ノ事柄ノ事實ナル事ハ其ノ當
時屯田兵ノ隊長竝關係將校ノ證明書ニヨ
リ明カテアル其ノ說明書ナルモノハ左ノ
如キモノテアル
屯田兵役服務證明書
小官ハ明治二十三年屯田步兵第四大隊長
トシテ赴任明治二十八年臨時第七師團制
定ニ際シ輜重縱列長ニ轉任
屯田兵ハ家族制度ニシテ其任務ハ單ニ兵
員ノミナラス家族モ亦服務ノ義務ヲ有シ
其編制屢々變更セラレ豫備役滿期ニ至ル
マチ現役大隊ニ編入中隊長以下現役將校
ヲ配屬シ特殊ノ取扱ヲ爲シタルハ要スル
ニ軍事〓育ノ訓練及指揮監督ノ必要然ラ
シメタルナリ豫備役ハ一日六時間已内ノ
演習ハ手當ヲ支給セスシテ現役ト共ニ時
時演習ノ義務ニ服シ之レヲ義務演習ト名
稱セリ故ニ屯田兵ノ豫備役ハ一般師團兵
ノ豫備役トハ事實ニ於テ大ナル相違ナリ
獨リ服役ノ相違ノミナラス身上ノ拘束モ
更ニ嚴重ナル規定ニ據リ拘束セラレタル
モノナルヲ以テ名ハ豫備役ナルモ其服役
ナルモ其服役義務ノ情況ハ現役同樣ト認
ムルヲ適當トス
右證明ス
大正十二年十一月
陸軍步兵中佐栃内元吉印
證明書
小官ハ明治二十年室蘭屯田兵獨立中隊附
トシテ赴任シ永山屯田步兵第三大隊副官
ヨリ第七師割副官ニ轉シ屯田兵制廢止ニ
至ルマテ其事務ヲ專任セリ
屯田兵ノ豫備役ナルモノハ必任義務兵ノ
豫備役トハ全然其赴ヲ異ニシ豫備役滿期
ニ至ルマテ現役隊ト共ニ軍隊編制下ニア
リテ大隊長中隊長小隊長等ノ現役將校ヲ
配屬シ指揮監督ヲ受ケ平常各自ニ武器被
服及装具ヲ貸與シアリテ軍事訓練ハ勿論
衞兵當番等ノ諸勤務ニモ服役セシメタル
モノナリ
殊ニ明治二十七八年日〓戰役前ノ豫備役
中當時ハ東洋ノ風雲急ナリシヲ以テ軍事
訓練ニ一層重キヲ置カレ規定ノ軍事〓育
ノ外ニ屢々義務演習ヲ(一日六時間以內
ノ訓練ニハ手當ヲ支給セス)實施シアリ
尙ホ身分ノ取扱モ規定ニヨリ常ニ拘束セラ
レタルモノナルヲ以テ其服役義務ノ實ニ
於テハ名ハ豫備役ナルモ殆ント現役ト同
樣ト認ム
大正十二年十一月
元第七師團副官
陸軍步兵中佐大塚嘉輝印
證明書
小官ハ明治二十年屯田步兵第三大隊長ト
シテ赴任シタリ
屯田兵豫備役中ノ服務ハ現役ト同樣中隊
ヲ編成シ中隊長小隊長等ノ現役將校ヲ配
屬シ曹長給養係兵器係ヲ置キ各自ニハ武
器被服其他ノ携行品ヲ給與シテ軍事訓練
ヲナシ其他衞兵當番等ノ諸勤務ニ服務セ
シメタリ
屯兵豫備役中ノ軍事〓育ハ當時東洋ノ風
雲穩カナラス訓練ノ一日モ忽諸ニ附スヘ
カラス規定以外ニ義務演習ト稱へ召集手
當ヲ支給セス一日六時間以內ノ軍事〓育
ヲ實施セリ故ニ現役ト同樣ニ何等異ラス
一而寧ロ以上ノ苦痛ヲ與ヘタルハ事實ナ
リ
而シテ屯田兵豫備役中ノ服役ハ一般常備
師〓兵ノ豫備役服務トハ全然其赴ヲ異ニ
セルモノナリ
右證明ス
大正十二年十二月
陸軍步兵大佐野崎貞次印
證明書
屯田兵ノ豫備役ナルモノハ必任義務兵ノ
豫備役トハ全然其赴ヲ異ニシ豫備役中ト
雖現役中ト同樣軍隊編制下ニアリテ大隊
長中隊長小隊長等現役將校ノ指揮監督ヲ
受ケ各自兵器及附屬品等ヲ給與セラレ軍
事訓練ハ勿論衞共當番等ノ諸勤務ニモ服
役セシモノナリ日〓戰役數年前ヨリ東洋
ノ風雲急ナリシヲ以テ内地師團ヨリ優秀
ノ將校ヲ轉屬セシメラレ一層軍事〓育ニ
重キヲ置カレ特ニ訓令ヲ發シア日時ヲ層
加シ訓練セシモノナリ
以上ハ小官カ屯田步兵第三大隊長タリシ
當時ノ事實ナル事ヲ證ス
大正十二年十二月
陸軍少將渡邊水哉印
認定書
屯田兵ナルモノハ豫備役中ト雖モ現役中
ト同樣軍隊編制下ニアリ軍事〓育ヲ受ケ
特ニ日〓戰役前後ニ於テハ一層訓練ニ重
キヲ置キタルコト各證明者ノ言ノ眞正確
實ナルコトヲ認定ス
大正十二年十二月
前屯田兵團參謀長
後東部都督部參謀長
陸軍大將男爵淺田信與印
以上申述ヘタルカ如ク屯田兵豫備役ハ實
際ニ於テ現役同樣ノ勤務ニ服シタノテアル
カ而カモ恩給ニ浴スル事カ出來ナイノテ
アル其ノ結果トシテ左ノ如キ非常ナル不
公平カ生スノテアル、其レハトウ云フ事
テアルカト申セハ明治八年ヨリ十七年迄ニ
應募ノ屯田兵ハ屯田服役ヲ現役ト見做
サレタル爲メ又明治二十五年以降應募ノ
屯田兵ハ豫備役ノ名稱ヲ廢シテ現役期間
ヲ七年又ハ八年ニ延長セラレタル爲メ恩
給ニ浴スル事カ出來夕ノテアルカ其ノ中
間卽チ明治十八年以後同二十四年迄ノ間
ニ應募シタルモノハ前申述ヘタル豫備役
ニ編入セラレタル爲ニ同シ勤務ニ服シテ
モ恩給ニ浴スルコトノ出來ナイ大ナル不
公平ヲ來タシタノテアル斯樣ナル次第テ
アリマスカラ本案ヲ通過セシメ國家カ恩
給ヲ受クヘキ者ニ對スル不公平ヲ是正シ
元屯田兵一般ニ恩給ノ恩典ニ浴セシメン
コトヲ切ニ希フノテアリマス何卒諸君ノ
御協賛ヲ願フト同時ニ政府竝貴族院カ諸
公ニモ御賛同ヲ御願スル次第テアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=275
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276・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 山口政二君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=276
-
277・山口政二
○山口政二君 本案ハ恩給法第九十一條ヲ
改正致シマシテ、在外指定學校職員ノ恩給
年限通算加算ノ規定ヲ新ニ設ケヤウト致ス
ノデアリマス、理由ハ理由書ニ明白ニ揭載
致シテ居ルノデアリマスルカラ、諸君ノ御
協賛ヲ願ヒタイノデアリマス
〔補足〕
恩給法中改正法律案ノ提案ノ趣旨ヲ辯明
致シマス
在外指定學校職員ハ、植民地ニ在勤スル
者ト同シク、〓ネ邊陬、不健康若ハ危險
ノ地域ニ勤務スル者テアリマシテ、從ッテ
俸給、手當等ニ於テモ、植民地在勤者ト
大差アリマセン、然ルニ、臺灣、朝鮮、
關東州、樺太又ハ南洋群島ニ在勤スル公
務員ニ付テハ恩給法第九十一條ニ依リ
恩給年數加算ノ規定カアリマスルカ、在
外指定學校職員ニ對シテ之カ規定ヲ缺イ
テ居ルノハ、甚タシク權衡ヲ失シテ居ル
ノテアリマス是レ本案ヲ提出スル所以テ
アリマシテ、既ニ第四十六議會ニ於テハ、
貴衆兩院共ニ本案ト同趣旨ノ請願ヲ採擇
シテ居リマス、又第五十議會ニ於テモ、
我カ衆議院ハ同樣ノ請願ヲ採擇シテ居ル
ノデアリマスカラ、何卒速ニ御協賛ヲ與
ヘラレムコトヲ望ミマス、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=277
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278・井本常作
○井本常作君 各案ヲ一括シテ議長指名九
名ノ委員ニ附託セラレンコトヲ望ミマス
〔「賛成」「賛成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=278
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279・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
ハ御異議ナシト認メマス、仍テ動議ノ如ク
決シマシタ、-日程第四十三、大正十三
年法律第二十四號中改正法律案ノ第一讀會
ヲ〓キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマ
ス-高橋熊次郞君
第四十三大正十三年法律第二十四號
中改正法律案(贅澤品等ノ輸入稅ニ
關スル缶)(高橋熊大郞君外二名提
き第一讀會
大正十三年法律第二十四號中改正法律
案大正十三年法律第二十四號中左ノ通改
正ス
別表輸入稅表番號七二中「甲塗リタル
モノ」ノ下ニ「(單仁鞣製ヲ除ク)」ヲ加フ
大正十三年法律第二十四號中改正法律
案理由書
大正十三年七月法律第一一十四號ニ依リ革
類一ノ甲塗リタルモノハ總テ從價十割ノ
關稅ヲ賦課セラルルコトトナレリ而シテ
右品目中ニ入ルヘキモノハ「クローム」鞣
製、「パテント」革及仁鞣製ノ二種ニシテ
前者ハ禮服用靴又ハ帶革ニ使用セラレ後
者ハ下級從業員學生帽等ノ眉庇顎革變革
ニノミ使用セラレ孰レモ本邦製革ノ技術
上俄ニ其ノ代用品作製ノ見込ナシ爲ニ後
者卽チ單仁鞣製ノ增率ハ下級ノ消費者ニ
對シ徒ニ苦痛ヲ感セシムルノ實狀ナリ惟
フニ單仁鞣製ノモノハ本來贅澤品扱ヲ爲
スヘキモノニ非ス寧口社會政策上保護ス
ヘキモノニシテ本法ニ包含セシメタルハ
當ヲ得ス而モ内地產業奬勵ノ效果俄ニナ
シトセハ速ニ除外スヘキモノト信ス是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
〔高橋熊次郞君登壇〕
〔此時發言スル者多ク議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=279
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280・高橋熊次郎
○高橋熊太郞君 サウワー〓〓騒ガヌデモ
宜カラウ、發言ヲ聽ケバ分ル
〔「何故登壇ヲ許シタカ」ト呼ヒ其他發
言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=280
-
281・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 一言致シマス、
只今高橋君ノ登壇ヲ許シマシタノハ、日程第
四十三ノ趣旨辯明デアリマスガ、
〔「各派ノ申合セニ違ッテ居ル」「議長ハ
何故登壇ヲ許シタノカ」ト呼ヒ其他發
言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=281
-
282・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 高橋君ハ趣旨辯
明ヲ自席デスルコトニ致サレマシタ
〔發言スル者多ク議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=282
-
283・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 静粛ニ願ヒマ
ス-高橋熊次郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=283
-
284・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君 私ハ本案ノ提出者ト致シ
マシテ、其趣旨ヲ簡單ニ辯明致シマス、只今
ハ議事進行ト間違ヘテ、私ハ登壇ヲ致シタ
ノデアリマス、議事進行ハ先ニアルノガ當
然デアルト思フ(發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=284
-
285・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=285
-
286・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 是ハ大正十三年法律
第二十四號中改正法律案、卽チ贅澤品ノ輸
入稅ニ關スル件デアリマスルガ、是ハ「エナメ
ルド、レザー」、卽チ「エナメル」ヲ施シタ鞣
皮ノ中デ、下級從業員ヤ學生、軍隊等ガ用
キルモノニ對シテ、其稅率ノ改正ヲ願ヒタ
イ、斯ウ云ムフヤウナ改正ノ法律案デアリマ
ス、其大要ハ摘錄致シマシテ、議長ノ御手
許ニ差上ゲテアリマスカラ、議事錄ニ掲載
アランコトヲ望ンデ、私ハ此程度ニ說明ヲ
止メテ置キマス
〔補足〕
衆法第五一號
大正十三年法律第二十四號中改正法律
案ニ關スル提案趣旨
提案趣意書
-此品目中ニ入ルベキモノ左ノ如シ
Aパテントサイズ革
Bパテントカーフ革
Cパテントキツト革
D大牛薄ゴム革
E大牛厚ゴム革
F大牛荒目革
G肉色ゴム革
二、以上ハ本邦製革ノ技術其道程ニ入ラ
ス製作不可能ニ屬シ、今後モ容易ニ
完成ノ見込ナキモノニシテ、全部輸入
ヲ仰グノ狀態ナリ、而シテ此項目品ハ
大正十三年七月三十日贅澤品關稅トシ
テ、十割ニ層率サレシモ、右ノ內、前
者ノABCクローム鞣製バテント革
ハ何レモ禮服用靴又ハ帶革ニ使用ス
ルモノナリ、後者ノDEFGノ單仁鞣
製ハ、何レモ學生帽軍帽ノ眉庇、顎革、
鬢革等ニノミ使用サル、今囘ノ改正案
ハ後者ニ對シテノミナリ、此品タル
ヤ、風雨發汗ニ對スル耐久力、嚴寒酷
暑ニ對スル對抗力、共ニ之ニ匹敵スル
代用品ナシ、加之單價何レモ低廉ニシ
テ坪五六十錢(新關稅施行前ノ市價)ノ
モノナルカ故ニ、贅澤關稅ノ增率ニヨ
リテ原價ニ對シ、非常ナル高價トナリ、
學生軍人等ノ消費者ニ徒ニ苦痛ヲ感セ
シメ居リ、贅澤關稅ヲ課スルノ理由ヲ
認メサルノミナラス、軍事上將夕又社
會政策ニモ大ナル惡影響ヲ及シ居レ
リ、從テ當事者ノ苦心タルヤ、著シク
現行一般關稅率ノ不備ヲ利用シテ、裁
斷滑リ革トシテ(從量稅)、又帽子眉サ
シトシテ作製四割ノ從價稅ヲ以テ輸入
シ居レリ、依ツテ以テ該關稅率ノ不當
ナル事推知シ得ヘシ、
抑モ此ゴム革ニ對スル課稅タルヤ、大
藏當局ノ全然原案決定ノ時ニ、調査不
備ノ結果ナル事、當局モ明言シ居ル次
第故、一刻モ早ク改正サルヘキモノナ
リト信ス、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=286
-
287・井本常作
○井本常作君 本案ハ鑄苗代君外十二名提
出、砂糖消費稅法中改正法律案外一件ノ委
員ニ併セテ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=287
-
288・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 井本君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=288
-
289・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御異議ナイト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-議
事進行ニ關シテ發議ノ通告ガアリマス、此
場合之ヲ許可致シマス-高橋熊次郞君
〔高橋熊次郞君登壇〕
〔發言スル者多ク議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=289
-
290・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御靜〓ニ願ヒマ
ス-御靜〓ニ願ヒマス
〔「議長寺田ニ注意セヌカ」「寺田ニ退場
ヲ命ゼヨ」ト呼ヒ、其他發言スル者多
シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=290
-
291・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 寺田君靜〓ニ願
ヒマス-寺田君御著席ヲ願ヒマス
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=291
-
292・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御著席ヲ願ヒマ
ス-諸君ノ御著席ヲ願ヒマス-静〓ニ
願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=292
-
293・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君 本五十一議會ノ會期モ餘
ス所僅ニ本日ニ迫クタノデアリマス、而シ
テ此議會ニ於テ、此最後ノ日ニ於テ、私
議事進行ニ付テ發言ヲ求ムルト云フコトハ
遺憾ニ感ズル次第デアルノデアリマス、而
シテ諸君ハ
〔「寺田ニ退場ヲ命スベシ」ト呼ヒ其他
發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=293
-
294・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郎君) 寺田君、御著席
ヲ願ヒマス
〔「議長不公平デハナイカ」ト呼ヒ其他
發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=294
-
295・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 靜粛ニ願ヒマ
ス-寺田君御著席ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=295
-
296・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 大分議場ガ騒ガシイ
ノデ、私ハ咽喉ヲ痛メテ居リマスルガ爲メ、
議場ニ徹底シナイコトヲ虞レルガ故ニ、鎭
靜ニナルノヲ待ッテ居ル次第デアリマス、斯
ノ如ク喧騒ヲ極メルト云フト、私ガ發言ガ
出來ヌト云フコトニナル、サウスルト非常
ニ時間ガ要リマスルカラ、時間ノ節約上御
静粛ニ願ヒタイト斯樣ニ私ハ考ヘテ居ルノ
デアリマス、面シテ私ハ斯ノ如ク喧騒ヲ極
メルト云フコトハ、畢竟スルニ皆ノ感情ガ
何カノ原因ニ於テ刺戟サレル、先ヅ第一議
場ノ設備ガ宜シクナイト云フコトハ其一ツ
ノ大ナル原因デアルダラウト斯樣ニ考ヘテ
居ル次第デアリマス(拍手)左樣デアリマス
ルガ故ニ、議長ニ於テハソレ〓〓政府當局
ニ向ッテ、議場ノ改造ヲ命ズルト云フコト
ヲ爲スッタラ宜カラウ、斯樣ニ考ヘテ居ル
次第デアリマス、第一吾々ハ此事ハ議事
ノ進行ヲ圖ル上ニ於テ必要缺クベカラザル
コトデアル、是ハ今日バカリノコトデハナ
イ、來年モアリ、再來年モアルコトデアル
ノデアリマス、而シテ私ハ是ハ議事進行ニ
關スル第一點ヲ述べテ居ルノデ進行ニ付テ
ノ希望ハ第二、第三ト續クノデアリマス、
而シテ此議場ノ空氣ヲモウ少シク新鮮ニ致
シマセヌト云フト、議員ノ咽喉ヲ害シ、或
ハ肺炎ヲ起シ、或ハ風邪ノ原因ト相成シテ
居ルノデアリマス、此議會ニ於テ必要缺ク
ベカラザル國務大臣ノ中デ、大藏大臣ノ如
キハ風邪デ數日間床ニ臥シテ居ラルヽト云
フコトヲ聞イテ居ル、是ハ要スルニ議場ノ
空氣ガ甚ダ穢レテ居ルト云フコトデアリハ
セヌカト斯樣ニ考ヘテ居ルノデアリマス、
左樣デアリマスカラ、之ニ對シテハソレ相
當ノ設備ヲ要スルコトヽ私ハ考ヘテ居ル
ソレノミナラズ此掃除ノ仕方ナドヲ見テ居
リマシテモ、恐ラクハ議長ニ於カレマシテ
モ之ニ付テ見間サレタルコトヽ思フノデア
リマス、吾々ノ退場ノ後ニハ數人ノ掃除夫
ガ參ッテ之ヲ掃除ヲ致ス、座芥ガ濠々トシ
テ煙ノ如ク堂內ニ滿々トシテ居ルノデアリ
マス、而シテ其塵芥ガ一度宙ニ飛ンダモノ
ガ再ビ沈下ヲ致シテ、面シテ此議場内ニ相
モ變ラズ充滿シテ居リマス、左樣デアリマ
スカラ吾々ノ健康ヲ害スルコトハ寧口箒
ノ先ニ引掛カル所ノ大キナ芥ナドデハナ
イ、斯ル大キナ塵芥ハ決シテ吾々ノ衙生狀
態ニ何等ノ關係ガ無イ、空氣中ニ飛散シテ
居ルヤウナ細カナ塵芥コソ吾々ノ咽喉ヲ痛
メル原因ニナリ、吾々ノ病氣ヲ起ス所ノ源
ト相成ルノデアリマス、左樣デアリマスカ
ヲ文明ノ進步シタル、文化ノ發達シタル今日
ニ於テ、何ガ故ニ此座芥ヲ十分ニ吸收シ得
ル所ノ眞空装置ノ「ヴアキアム、ブルーム」
ト言ッタヤウナ掃除器ヲ用キテ、而シテ塵
芥ヲスッカリ取去ラスノデアルカ、サウシ
タナラバモウ少シ空氣ガ〓潔ニナル、又一
方ニ於テ換氣ノ方法ヲモウ少シ考ヘタラ宜
カラウ、徒ニ「スチーミング」ナドヲ不注意
ニヤルカラ、皆此議場ニ入ルト逆上セ上ッ
テ、而シテ威情ニ或ル刺戟ヲ受ケテ、正當
ナル議論モ耳ニ入ラヌト云フコトニナルノ
デアル、左樣デアルカラシテロノ惡イ人ナ
ドハ、マルデ大ガワア〓〓ト云シテ居ル如
キモノデアルナドト云フコトガ憲政會アタ
リカラ出テ來ル、左樣デアリマスル故ニ、
議長ニ於カレマシテハ是等ノ事ハ十分御注
意ニナリ、政府ノ當局者ニ向シテソレ〓〓
議場ノ設備改善ニ付テ御注意アランコトヲ
第一ニ希望スル次第デリマス、而シテ私ハ
今日ノ政府ノ措置ニ就テ不滿ノ點アリト認
ノ、又議員ノ中ニモ政府ノ施設ヲ謳歌スル
ト云フヤウナコトニ付テモ、餘リニ總テノ
方面ヲ丸呑ニ爲サルヤウナ形ガアルヤウニ
思ハレル、而シテ今日立憲政治ニ於テ待合
政治ナドト云フコトハ許スペカラザル所デ
アル、然ルニモ拘ラズ連日連夜ニ涉ッテ現
內閣ハ此待合政治、卽チ諒解政治、苟合ノ
政治ト云フモノヲヤッテ居ルノデナイカ、
政友會ノ奴等ガナドト申シマスルケレド
モ、總理大臣ハ此席ニ於テ其事實ヲ適確ニ
認メテ、ツレハ宜シクナイコトデアルカラ、
以後十分注意ヲスルト此壇上デ言ハレタノ
デハナイカ(拍手)又貴族院等ニ於カレマシ
テモ、祕密會ノ席上ニ於テ、是ハ甚ダ宜シ
クナイコトデアルカラ注意ヲセイト云フコ
トニ對シテ、將來ハ十分ナル注意ヲ致スト
云フコトニ相成"テ居ル、左樣デアリマス
カラ斯ル待合政治ト云フヤウナモノハ、妥
協苟合ノ忌ハシキ政治ヲヤル所ノ唯一ノ醜
惡機關デアルノデアル、左樣デアルカラ斯
ウ云フ機關ヲ備ヘテ置クト云フコトハ甚
ダ宜シクナイト吾々ハ考ヘテ居ルノデアリ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=296
-
297・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 髙橋君、議事進
行ニ付テノミ御話ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=297
-
298・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 今ノハ議事進行ニ關
係ノアルコトデアリマス、左樣デアリマス
ガ故ニ、斯ル待合政治ナドト云フモノヲ根
絕スル爲ニ、此政治ヲ議會ニ於テ十分ニ監
督ヲ致サナケレバナラヌト吾々ハ考ヘテ居
ルノデアリマス、然ルニモ拘ラズ議會ノ眞
中ニ於キマシテ、公々然斯ノ如キコトガ行
ハルヽト云フコトハ何事デアルカト云フ
コトヲ吾々ハ論ジテ居ッタノデゴザイマス
(拍手)サウシテ私ハ是ニ於テ議長ニ御問シ
タイコトハ斯ノ如ク天下ノ認メテ非ナリ
トシ、議員ノ大部分モ之ヲ非ナリトシテ居
ル事實ヲ、議員ガ捉ヘテ之ヲ批評スルト云
フコトハ果シテ議會ノ神聖ヲ汚スモノナ
リヤ否ヤト云フコトノ解釋ニ付テ、議長ニ
第一ニ伺ヒタイト思フノデアリマス、而シ
テ吾々言論ノ自由ヲ許サレテ居ル、而シテ
吾々ノ言葉ノ上ニ、修辭上ニ於テ如何ナル
點マデ吾々ハ許サレテ居ルノデアルカ、吾
々ハ絕對ニ俗語ト云フモノ、方言ト云フモ
ノヲ此議場ニ於テ禁ゼラレテ居ルノデアル
カ、否ヤト云フコトヲ伺ヒタイト思フノデ
アリマス、デ方言ト云フモノハ私ハ最モ
卒直ニ最モ簡單ニ自分ノ意思ヲ表明スル所
ノ最モ便宜ナル所ノ方法ナリト私ハ斯樣
ニ考ヘテ居ル、何モ漢字制限ヲヤラウト云
フヤウナ聲ノ高イ今日ニ於テ、無暗ニムヅ
カシイ字句バカリ列ベテ居ルト云フコトハ、
決シテ是ハ結構ナコトデモ何デモナカラウ
ト吾々ハ考ヘテ居ル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=298
-
299・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 議事進行ニ關シ
テノミ發言ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=299
-
300・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 私ハ議事進行ニ付テ
ノミ言ウテ居リマス、吾々ノ發言ハドノ程度
ノ登言ナラバ宜シイ、ドノ程度ノ發言ナラバ
惡イカト云フコトヲ論ジテ居ルノデアリマ
ス、何ガ故ニ議事進行ニ關スルコトデナイ
ト言フノカ、吾々ハ大ナル關係ヲ持ヲテ居ル
ト恩フ、吾々ハ斯ノ如キ一ツノ疑義ヲ明カ
ニシナケレバ、吾々ハ議事ヲ進メル譯ニ行
カヌ、斯ル意味ニ於テ私ハドノ程度マデ俗
語ガ許サレルノデアルカト云フコトヲ言ッ
チ居ルノデアル、卽チ私ハ實例ヲ擧ゲテ申
シテ見マスト、私ガ過日用ヰタ所ノ言語ノ
中ニ、妥協苟合ト云フコトヲ申スニ拘ラズ、
此妥協苟合ト云フ代リニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=300
-
301・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 高橋君、議事進
行ニ關係ガアリマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=301
-
302・高橋熊次郎
○高橋熊次郎君(續) 議事進行ニ關係ガア
リマス、私ノ發言言論ノ自由ヲ私ハ束縛サ
レルヤウニ感ジテ店リマス、ソレデアリマ
スカラ私ハ言論ト云フモノハドノ程度ニ
於テ許サレルカト云フコトヲ質問スルノデ
アリマス、私発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=302
-
303・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 議長ノ注意ヲ聽
キマセヌカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=303
-
304・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 私ハ議長ノ注意ヲ聽
カナイ譯デハナイノデアリマス、私ハ議事
進行ニ關スル點ノミヲ御許シニナックト申
サレマスケレドモ、議事進行ト云フモノハ
私ハ一言ニシテ盡スコトガ出來ヌノデアリ
マス、ソレデアリマスカラ議事進行ニ關ス
ル點ヲ申述ベテ居ル、一言デ畫セト云フヤ
ウナコトハ、議長ハ言論ノ壓迫ヲスルト云
フモノデナイカ(拍手)從來ノ慣例ヲ見マシ
テモ、議事進行ト云フコトヲ一語デ盡シタ
例ハアリマセヌ、左樣デアリマスカラシテ
議長ノ御誠意ハ私ハ十分ニ恐察ヲシテ居リ
マス、併ナガラ議長ノ御言葉ハ一言デ以テ、
此私ノ議事進行ニ關スル趣旨ヲ述ベヨト云
フ意味デナカラウト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=304
-
305・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 重ネテ申シマ
ス、御〓聽ヲ願ヒマス、議事進行ニ關スル
點ノミノ御發議ヲ求メタノデアリマス、-
言ニシテ盡セト云フ意味ヲ以テ申シタノデ
ハアリマセヌ、ソレ故ニ議事進行ニ關スル
點ノミニ付テノ御發言ヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=305
-
306・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 私ハ議事進行ニ關ス
ル主ナル點ト云フモノハ卽チ私ハ言論自
由ノ權利ヲ保有シテ居ルト云フコトヲ信ジ
テ居ル、吾々議員ハ議場内ニ於テ言論ノ自
由ハ許サレテ居ル、然ルニモ拘ラズ議場ノ
空氣ヲ見マスト云フト、言論ノ自由ト云フ
モノハ壓迫サレテ居ルヤウデアル、而シテ
其言論ノ自由ト云フモノガ、更ニ進ンデ其
論旨ニ非ズシテ、其用語マデモ局限セラレ
ルト云フヤウナコトニ相成ッチ居ルノデア
ルソレデアルカラ其用語ト云フモノハ、
ドノ程度マデ認メラレルノデアルカ、ドノ
程度ハ認メラレナイカト云フコトニ付テ、
私ハ伺ッテ居ルノデアリマス、其點ヲ伺ッテ
居ルノデアリマスカラ、ンレニ對シテ私ノ
抱ク疑義ヲ明ニシナカッタナラハ、明敏ナル
議長ト雖モ御判斷ニ苦マレルデアラウト
私ハ斯樣ニ考察シテ居ルノデアリマス、ソ
レ故ニ私ハ玆ニ如何ナル意味ノコトヲ申ン
テ居ルノデアルカト一云フコトヲ明ニスル爲
ニ、陳述シテ居ルノデアリマス、議長ニ於
カレマシテハ、幸ニ了承セラレンコトヲ希
望スル次第デアリマス
〔此時發言スル者多ク、議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=306
-
307・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 靜肅ニ願ヒマ
ス-靜粛ニ願ヒマス-高橋君發言ヲ繼
續ナサイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=307
-
308・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 左樣デアリマスガ故
ニ、私ハ曾テ自分モ申述べタコトモアルノ
デアリマスガ、此事ハ漢語デ申上ゲレバ意
義ガ徹底ヲ致サナイト思ヒマシタガ故ニ
之ヲ方言デ以テ····俗語デ以テ演說シタノ
デアリマス、而シテ漢語デ以テ之ヲヤレバ
何等法規ニハ觸レナイ、又議院ノ神聖ヲ汚
サナイ、又議員ト致シテノ體面ヲ汚サナ
イコトニ相成ルガ、之ヲ俗語デ以テ演說ヲ
致スト云フト、只今中述べタヤウナ趣旨ニ
觸レルト云フコトニ相成ルト云フノハド
ウ云フ譯デアルカト云フコトヲ私ハ了解ニ
苦ムノデアリマス、ソレカラ又形容詞ト云
フモノモアル、此形容詞ト云フモノハドレ
ダケノ範圍デ吾々ニ引用スルコトヲ許シテ
居ラルヽノデアルカ形容詞ト云フモノハ
吾々議會ノ言論ニ於テ絕對ニ御禁止ニナル
ノカ否ヤト云フコトヲ私ハ御尋致シタイト
思フノデアリマス、又玆ニ假定ノ事實ガア
ル假定ノ事實ヲ捉ヘテ論議ヲ進メルコト
ガアリマスガ、此假定ノ事實ト云フモノハ、
果シテ吾々ノ言論ニ於テ許サレテ居ルヤ否
ヤ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=308
-
309・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 高橋君暫ク-
高橋君ハ再三議長ノ注意ヲ聽キマセヌ、仍
テ高橋君ノ發言中デアリマスルガ、其發言
ヲ禁ジマス-高橋君ノ降壇ヲ命ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=309
-
310・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 何故ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=310
-
311・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 御答致シマセ
ヌ、降壇ヲ命ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=311
-
312・高橋熊次郎
○高橋熊次郞君(續) 降壇ヲ命ジマスダケ
デハ分ラナイノデハナイカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=312
-
313・小泉又次郎
○副議長(小泉又次郞君) 此場合一言致シ
マス、只今高橋君ノ御發言中、議事進行ニ關
スル先決問題トシテ政友會一同、尤モ提出
者ハ志賀和多利君デ「副議長ハ議事ノ進行ニ
關シテ不公平ノ行動アリト認ム宜シク反省處
決スヘシ」ト云フノ發言ヲ求メラレテ居リマ
ス(「其通リ」ト呼フ者アリ)此場合副議長ニ
於テハ何等不公平ハナイト思ヒマスガ(「ヒ
ヤヒヤ」拍手)苟且ニモ斯樣ナ動議ヲ出スト
云フ發言ノ通告ノアリマスル以上ハ、政治
家ト致シマシテ暫ク議長ニ席ヲ譲ルコトニ
致シ、暫時休憩ヲ致シマス(拍手)
午後六時三十五分休憩
午後九時四十九分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=313
-
314・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 休憩前ニ引續イテ會
議ヲ開キマス、只今內閣總理大臣ヨリ通牒
ガアリマシタカラ之ヲ朗讀致シマス
本月二十六日貴族院ニ於テ帝國詠會聞會
式執行被仰出候
〔拍手、議場騒然〕
静肅ニ願ヒマス-休憩前ニ志賀和多利君
ヨリ議事進行トシテ緊急動議ヲ提出セラレ
テ居リマス、此際其趣旨辯明ヲ許シマス-
志賀和多利君
〔志賀和多利君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=314
-
315・志賀和多利
○志賀和多利君 諸君、私ハ議事進行ニ關
シテ先決動議ノ提出ヲ致シタノデアリマ
ス、其動議ノ趣意ヲ玆ニ先ヅ讀上ゲマス「副
議長小泉又次郞君ノ議事進行ニ關スル行動
ハ不公平ト認ム、宜シク反省處決スヘシ」
ト云フノデアリマス(拍手)卽チ副議長小泉
又次郞君ニ對シテ不信任ノ意思ヲ表示スル
ノデアリマス、諸君、吾々ハ昨年ニ於キマ
シテ議事ノ進行ヲ圓滑ナラシメ、議場ノ整
理ヲ公平ナラシムル爲ニ、議長、副議長ノ
黨籍離脫ノコトヲ決議致シタノデアル(發
言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=315
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316・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 静粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=316
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317・志賀和多利
○志賀和多利君(繪) 此昨年ノ決議ノ提出
者ガ憲政會ノ小山松壽君デアッタコトハ、諸
君御水知デアリマセウ、然ルニ黨籍ヲ離脫
シテ公平ナル立場ニ在ラザルベカラザル所
ノ小泉又次郞君ガ、先程諸君ノ御覽ノ通リ
極メテ不公平ナ遣方ヲヤッタノデアリマス
(「ノウ〓〓」拍手)先ヅ第一ニ其邊ニ居レマ
ス寺田市正君ガ、屢〓議事妨害ヲ致シマス
ノヲ不問ニ付ンテ居ッタノデゴザイマス
(「ノウ〓〓」、拍手)卽チ寺田君ガアノ態度
ヲ以テヤッタノヲ、小泉副議長ハ雲煙過眼
ニ付シテ居ッタノデアリマス、而シテ政府與
黨デアル所ノ憲政會諸君ガ、喧々囂々恰モ
露西亞ノ犬ノ騒グガ如ク(拍手)〓ギマスル
場合ニ於テ、目ヲツムンテ知ラザル風ヲシテ
居タノデアリマス、之ヲ不公平ト言ハズ
シテ何ヲカ不公平ト言フノデアリマセウ
(狛手)「議事効害」ト呼フ者アリ)諸君、私
ハ小泉君ニ對シテ、政治家トシテノ小泉君
ニ對シテ常ニ敬意ヲ表シテ居ル一人デアリ
ス、併ナガラ小泉副議長ガ先程私ノ此動議
ヲ提出致シマシタ場合ニ於テ、私ハ政治家
トシテ此壇ヲ去ルト云フコトヲ言ハレタノ
ヲ聞キマシテ、如何ニモ副議長トシテノ御
考ガ足リナイト云フコトヲ氣ノ毒ニモ感ジ
タノデアリマス(「ノウ〓〓」「謹聽々々」)諸
者、議長ト云フモノガ不信任決議案ヲ突付
ケラレマシタ場合ニ於テ、其職務ヲ他ニ讓ッ
テ退席ヲ致スト云フコトハ從來本議場ノ
先例デアルノデアリマス、其根本ノ思想ハ
何ヨリ出テ來タノデアラウカ、申スマデモ
ナク議員タル者ノ一身上、自己ノ事ニ關ス
ル議事ヲ看過スルコトガ出來ナイト云フ根
本思想ヨリ出發ヲスルノデアリマス(此時
發言スル者多シ)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=317
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318・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス-
靜肅ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=318
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319・志賀和多利
○志賀和多利君(續) 小泉君ガ此明白ナル
事理ヲモ解スルコト能ハズシテ、而シテ政
治家トシテヾアルカラ此席ヲ議長ニ譲リマ
スト云フ一言ヲ以テ、玆ニ退場致サレマシ
タ事ニ付テ、私カニ彼ガ議長トシテノ才幹
ナキ事ヲ明白ニ物語ッテ居ルト云フコトヲ
信ズル者デアリマス(拍手)併ナガラ是ハ必
シモ無理デハアリマセヌ、小泉副議長トシ
テハ荷ガ勝チ過ギテ居ル、其小泉副議長ハ
從來野黨ノ鬪士トシテ、或ハ憲政會ノ幹事
長トシテ、或ハ憲玫會ノ總務トシテ、野黨
ノ戰ニ於テ先鋒ニ立ッタル諷爽タル英姿ヲ
見マシテ、小泉君ニ極メテ憧憬ノ念ヲ生ジ
タノデアリマス、併ナガラ一度副議長ニナ、ソ
テカラノ造方ノマヅイコトヽ言ッタラ、言
語道斷デアルノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=319
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320・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 志賀君ニ注意致シマ
ス、成ベク簡單ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=320
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321・志賀和多利
○志賀和多利君(續) 議長ヨリ簡單ト云フ
御注意モアリマスケレドモ、小泉副議長ノ
不信任ヲ算ヘマスニ付テハ小泉副
議長就職以來ノ總テノ事ヲ列擧シナケ
レバ、此不信任ノ動議ノ趣意ハ徹底ヲ
致サヌノデアリマス、諸君、從來小泉君ガ
議場ニ出ラレマシタ場合ニ於テ、如何ナル
失策ガアッタカ、小泉君自身モ屢〓認メラレ
テ居ルデアリマセウ、大凡小泉君ガ此壇上
ニ登ラレマシタ時ニ於テ、爭ヒノ出ナカッタ
コトハ寧口珍ラシイ位ノモノデアルノデア
リマス(拍手)恥ヲ知レト云フ言葉ガアルト
スルナラバ苟クモ副議長ノ職ニ在シテ其職
ヲ盡スコト能ハザル小泉君、自ラ恥ヲ知ラ
ザルベカラザルモノデアルト信ズルノデア
リマス諸君、私ハ小泉君ガ憲政會ノ出身
デアッテ、昨年ノ議場ノ大勢ニ鑑ミラレマシ
テ、議長、副議長トモ黨籍ヲ離脫致サレマ
シタガ爲ニ、此小泉君ノ態度ハ餘程改善セ
ラレルコトヲ期シテ居ッタノデアリマス然
ルニ本年ニ至マリシテモ、此議會ニ於テ頻々
トシテ起ル失策ト云フモノハ一ニ小泉
副議長ノ遣方ノ惡イト云フコトノ結果ニ外
ナラヌノデアリマス、(發言スル者多シ)諸
君ガ靜〓ニナレバ靜ニ論步ヲ進メマス(「議
長」「議長」ト呼ヒ其他發言スル者多ク議場
騒然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=321
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322・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜肅ニ願ヒマス-
靜〓ニ願ヒマス-請君傍聽席ノ騷擾ノ爲
ニ休憩致シマス
午後十時四分休憩
午後十時九分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=322
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323・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 御著席ヲ願ヒマ
ス-休憩前ニ引續イテ會議ヲ開キマス-
志賀和多利君
〔志賀和多利君登壇〕
〔此時發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=323
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324・粕谷義三
○議長(柏谷義三君) 御静ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=324
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325・志賀和多利
○志賀和多利君 諸君、只今傍聽席ニ於キ
マシテ意外ナル事柄ガ起ッタガ爲ニ、此議
場ノ混亂シタルガ爲ニ、一時休憩スルノ已
ムヲ得ザルニ至ッタノデアリマス、而モ其
騒擾タルヤ憲政會ノ院外圍某(此時發言ス
ル者多シ)ガ彼處デ盛ニ活躍シテ店ッタノデ
アリマス、斯ノ如クニシテ與黨諸君ハ
〔此時發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=325
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326・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜粛ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=326
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327・志賀和多利
○志賀和多利君(續) 與黨諸君ハ衆議院ニ
壓迫ヲ加ヘテ、此議事ノ進行ヲ妨害セント
スルコトハ如何ニモ恐シキ感ガスルノデア
リマス(拍手)其下ニハ一群ノ人ハ隊ヲ揃ヘ
テ····(議場强然聽取スル能ハス)向フノ方
デハ院外團ノ靑年ガ亂暴ヲ致スト云フコト
ハ何事デアリマセウカ
〔此時發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=327
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328・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 志賀君、要旨ヲ御述
ベヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=328
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329・志賀和多利
○志賀和多利君(續) 動議ヲ提出致シマシ
タ所以ノ趣意ハ斯ノ如キ事態ノ頻發スル
ト云フコトハ卽チ小泉副議長ノ遣方ガ惡
カツタ結果デアルト云フコトヲ確信スルガ
爲デアリマス(拍手)元來先程ノ副議長ガ不
公平ナル處置ヲヤラレマシタノハ何ノ爲デ
アラウカ、此副議長ノ不公平ヲ致サレマシ
タ原因ト云フモノハ、正ニ是レ中野正剛君
ノ査問會ノ議事ヲ遮二無二此議場ニ掛ケナ
ケレバナラヌト云フ眞意ノ發露ガ、偶〓、小〓
泉副議長ヲシテ斯ノ如ク不公平ナラシメタ
モノデアルト斷言セザルヲ得ナイノデアリ
マス、抑〓中野問題ト何ゾヤ、卽チ中野
正剛君ノ露西亞ヨリ十万圓ノ金ヲ貰シテ、
赤化宣傳ニ從事スルト云フコトデハナイカ、
(此時發言スル者多シ)此査問會ニ關スル委
員會ニ於テ、與黨竝ニ准與黨ガ大多數ヲ以
テ中野君ヲ不問ニ付スト云フ決議ヲ致シ
テ、其決議ト云フモノヲ此議場ニ上セタイ
ト云フガ爲ニ、小泉副議長ハ不公平ナル處
置ヲ致シタノデアリマス、寺田市正君ガ立
上ッテ腕ヲ揮フテ妨害スルノモ、亦其精神ノ
發露ニ外ナラヌノデアリマス(拍手)憲政會
ノ諸君ガ私ノ演說ヲ妨害セントセラレルモ
亦此精神ノ發露ニ外ナラヌノデアリマス、
諸君、憲政會ノ心持ガ副議長ニ移リマシテ、
斯ノ如キ不公平ナル處置ヲ執ルト云フコト
ニ至リマシテハ或ハ小泉君ヲ貴メルヨリ
モ、憲政會ノ諸君ヲ責メタ方ガ本質デアル
カモ知レナイノデアリマス、併ナガラ小泉
君ハ既ニ黨席ヲ離脫シテ居ル(議場騒然)
默シテ御聞キニナレバ分リマス、諸君、小
泉副議長ノ不公平ナル處置ハ、正ニ諸君ガ
現在ノ狀態ニ於テ、私ニ對シテ謾罵ヲ加へ
ル行爲ニ基ク結果ニ外ナラナイデハナイ
カ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=329
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330・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 志賀君、一寸御待チ
下サイ、只今紫安新九郞君ヨリ志賀和多利
君懲罰ノ動議ガ提出セラレマシタ、懲罰動
議ハ先決問題デアリマスカラ、志賀君ノ發
言ヲ····(議場騒然聽取スル能ハス)此動議
ヲ····(議場騒然聽取スル能ハス)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=330
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331・志賀和多利
○志賀和多利君(續) 紫安君ニ伺ヒマス、
紫安君ハ何ガ爲ニ私ヲ懲罰ニ付シタカ、ソ
ンナ亂暴ナコトヲシテ國家ノ政治ヲ議スル
コトガ出來ルカ、紫安君(議場騷然)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=331
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332・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 志賀君-志賀君、
降壇ヲ願ヒマス-降壇ヲ命ジマス
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=332
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333・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 志賀君ノ退場ヲ命ジ
マス-志賀君ノ退場ヲ命ジマス
〔議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=333
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334・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 諸君、御降リヲ願ヒ
マス-御降リヲ願ヒマス
〔「休憩々々」ト呼フ者アリ議場騷然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=334
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335・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 暫時休憩致シマス
午後十時二十二分休憩
午後十一時五十七分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=335
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336・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 靜〓ニ願ヒマス-
靜〓ニ願ヒマス
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=336
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337・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 休憩前ニ引續キ開會
致シマス、既ニ會期モ
〔議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005113242X03719260325&spkNum=337
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338・粕谷義三
○議長(粕谷義三君) 旣ニ時間モアリマセ
ヌカラ、是ニテ〓會致シマス
午後十一時五十八分散會
本會議ニ於ケル議案ノ總數及結果
豫算案十一件
內
可決シタルモノ九件
撤回シタルモノ二件
決算及國有財產增減總計算書
四件是認ス
承諾ヲ求ムル議案九件承諾ヲ與フ
政府提山法律案八十六件
內
可決シタルモノ八十二件
否決シタルモノ件
撤回シタルモノ件
未決ノモノ一件
議員提出法律案六十八件
內
可決シタルモノ八件
否決シタルモノ二件
議決ヲ要セスト決シタルモノ
四件
撤回シタルモノ件
消滅シタルモノ一件
未決ノモノ五十二件
上奏案一件可決
建議案三百五十五件
內
可決シタルモノ百十四件
撤回シタルモノ二件
未決ノモノ二百三十九件
決議案六件
內
可決シタルモノ一
否決シタルモノ一件件件
撤回シタルモノ一
未決ノモノ一件
重要動議十二件
内
可決シタルモノ六件
撤回シタルモノ一件
未決ノモノ五件
懲罰事犯ノ件五件
內
可決シタルモノ二件
未決ノモノ三件
懲罰委員付託中ノモノ一件
回付案二件同意シタリ
請願千二百七十四件
内
採擇又ハ採擇ト看做シタルモノ
九百五十四件
政府ニ參考トシテ送付シタルモノ
二百三件
不採擇ニ決シタルモノ三件
未了ノモノ百十四件
質問六十三件
內
口頭又ハ書面ニテ答辯アリタルモノ
六十一件
答辯ナキモノ二件
緊急質問十二件
口頭ニテ答辯アリタリ
〔左ノ報告ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲
玆ニ揭載ス〕
一今二十五日貴族院ヨリ回付アリタル議案
左ソ如シ
(第三號)大正十五年度歲入歳出總豫算追
加案
(特第二號)大正十五年度各特別會計歲入
歲出豫算追加案
議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
家祿賞典祿處分法施行法中改正ニ關スル
建議案
提出者大麻唯男君
(以上三月二十五日提出)
一議員ヨリ提出セラレタル質問主意書左ノ
如シ
〓水市制施行後ノ監督ニ關スル質問主意
書
提出者高橋熊次郞君
(以上三月二十五日提出)
一政府ヨリ受領シタル答辯書左ノ如シ
衆議院議員山枡儀重君提出大東文化協會
ニ關スル質問ニ對スル答辯書
衆議院議員〓瀨一郞君提出軍部ノ公金取
扱方法ニ關スル再質問ニ對スル答辯書
衆議院議員山田道兄君提出醫學博士濫造
ニ關スル質問ニ對スル答辯書
衆議院議員秋田寅之介君提出下關漁港速
成ニ關スル質問ニ對スル答辯書
衆議院議員秋田寅之介君提出水產及海運
業保護獎勵ノ爲特殊銀行設置ニ關スル質
問ニ對スル答辯書
衆議院議員秋田寅之介君提出學校〓育ノ
方針及水產學校設置ニ關スル質問ニ對ス
ル答辯書
衆議院議員黑住成章君提出國務大臣彈劾
制度樹立ニ關スル質問ニ對スル答辯書
衆議院議員谷原公君提出「ラヂヲ」放送取
締ニ關スル質問ニ對スル答辯書
衆議院議員關直彥君提出地方靑年會ノ指
導監督ニ關スル質問ニ對スル答辯書
(以上三月二十五日受領)
大東文化協會ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
大束文化協會ニ關スル質問主意書
同會設立認可申請ノ際募集積立ノ契
約ヲ爲セシ二十二万五千圓ノ基金ハ未
タ殆ト拂込マレス經常費ニ充ツヘキ寄
附金モ亦極メテ少額ニシテ銀行ヨリノ
借入金ヲ以テ一時ヲ糊塗シツツアルカ
如キハ同會ノ基礎薄弱ニシテ且文化事
業トシテハ不適當ナル方法ナリト考へ
サルヲ得ス政府ノ所見如何
二右ノ如ク基金及寄附金ノ募集意ノ如
クナラサルハ大震災ノ影響ナリト辯解
シツツアルカ如キモ三十餘名ノ同會理
事ハ孰レモ天下知名ノ士ニシテ現代思
湖ノ惡傾向ヲ憂慮シテ其ノ職ニ就シ人
人ナルカ故ニ我カ國經済ノ現情ニ於テ
シテモ年額數万圓ノ募金ハ易易クルヘ
キ筈ナリ然ルニ斯ノ如クナルハ彼等ノ
誠意ノ缺クル所アルニ職由スト疑ハサ
ルヲ得サルナリ斯ノ如ク曠職ノ嫌アル
人人ニ依リテ我カ國ノ思想界カ善導セ
ラルルモノト考フルヲ得ス政府ノ所見
如何
三同會ニ對スル國庫補助金ハ同會ノ經
營ニ係ル大東文化學院ノ經營ニ要スル
經費ノ一部トシテ交付スルモノナルコ
トハ第四十六回議會豫算追加提案理由
書ニ明ナリ然ルニ大東文化學院ニ要ス
ル經費ハ年額十三万圓ニ滿タス而モ住
友男爵ノ指定寄附金一万圓アリ卽チ國
庫補助金ノ一部ヲ以テ之ヲ經營シ同時
ニ殘餘ノ金額三萬餘圓ハ之ヲ同會ノ一
般經費ニ充當シツツアルハ國庫補助ノ
精神ヲ沒却シ大東文化學院ノ事業ヲ阻
害シツツアルモノナリト謂フヘシ政府
ハ國庫補助金ノ使用ヲ學院ノ經費ニ制
限シテ其ノ發達ヲ企圖スル意思ナキヤ
四同會ノ學院以外ノ經費支出(國庫補
助金ヲ含ム)ノ狀況ヲ見ルニ本會事業
遂行ニ寄與セサル冗費多額ニ失マル疑
ヒアル事實アリ政府ハ之カ調査ヲ爲シ
タルコトアリヤ
五政府ハ同會ノ收支計算ニ關シ會計檢
査院ヲシテ調査セシムル意思ナキヤ
六同會ノ狀態斯ノ如クナリトセハ大東
文化學院ノ經營ヲ他ノ經營者ヲシテ之
ニ當ラシムル意思ナキヤ
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員山枡儀重君提出大束文化協會
ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
大正十五年三月十五日衆議院議員山枡
儀重君外三十一名提出大東文化協會ニ
關スル質問ニ對スル答辯
一二豫定寄附金ノ收納ハ協會當局者ニ
於テ常ニ力メツヽアル所ナルモ大震災、
一般財界ノ不振等ノ影響ニ因リ必スシ
モ所期ノ如ク進捗セサルヲ遺憾トス政
府ハ尙協會ヲ整備シ其基礎ヲ確實ナラ
シムル樣督勵ヲ加フヘシ
三、四五、六大東文化協會ニ對スル
補助金ハ獨リ學院ノ事業ニ對スルノミ
ニアラスシテ廣ク同協會ノ事業ニ對シ
テ之ヲ交付スルモノナリ尙政府ハ協會
ノ經費ニ關シテハ一層詳密ナル調査ヲ
加へ事業ノ遂行ヲ誤ラシメサル樣力ム
ヘシ
右及答辯候也
大正十五年三月二十三日
文部大臣岡田良平
軍部ノ公金取扱方法ニ關スル再質問主
意書
右成規ニ據リ提出候也
提出者〓瀨師
軍部ノ公金取扱方法ニ關スル再質問主
意書
-本員カ過般政府ニ對シ我カ國軍部ノ
公金取扱方法ニ關シ質問ヲ發シ殊ニ公
金ヲ私設銀行ニ預金シタル場合ノ利息
收入竝之ヲ以テ公債ヲ購入シタル場合
ニ於ケル公債利札ヨリ生スル收益ハ何
人ノ牧入ト爲リ居ルヤニ付糺シタルニ
對シ政府ハ本月十六日附ヲ以テ字垣陸
軍大臣ノ名ヲ以テ答辯ヲ爲シタリ而シ
テ其ノ冒頭ニ於テ
永年ニ亙リ我軍部ノ官金カ軍事當局
個人ノ名義ヲ以テ民間銀行ニ預金セ
ラレ又ハ公債證書ニ投資セラレタル
事實ナシ
ト謂ヘリ
右ハ「永年ニ亙リ」テハ斯ノ如キコトヲ
爲ササリシモ一時的ニハ斯ノ如キコト
ヲ爲シタリトノ意ナリヤ若ハ絕對ニ其
ノコトナシトノ意ナリヤ
二前項ノ如キ再質問ヲ爲ス所以ノモノ
ハ他ナシ宇坦陸相ノ前前任者山梨半造
氏ハ本月六日東京朝日新間紙上ニ於テ
一バク大ノ公金ヲ銀行ヘ預入シタル
ハ事實ダ預入者ノ名義ニ我輩ソノ
他ノ名義ヲ使ツテキルガ之ハ何處
ノ役所デモアル事務上ノ慣例デア
ル
ト發表シ且其ノ翌七日ノ前記同新聞紙
上ニ自ラ該新聞紙ニ訂正ノ申込ヲ爲シ
右記事ニ關シ
甚大ノ公金トアルモ單ニ公金ノミナ
ラズ官金モ含マレテヰル
ト明言セリ故ニ前記記事中「公金」ト在
ルヲ「公金及ヒ官金」ト訂正シタル文章ト
シテ山梨前陸軍大臣ハ之ヲ確言シテ憚
ラサルモノナリ然レトモ此ノ言ハ現陸
相ノ答辯ト抵觸ノ嫌アリ尤現陸相ハ
「永年ニ亙リテハ其事ナシ」一時的ニハ
其事アリト謂ヒタル迄ナリト言ハハ格
別ナレトモ此ノ點疑義ヲ生スルニ付廣
ク國民ノ疑惑ヲ解ク爲明確ナル答辯ヲ
與ヘラレタシ
三又右山梨前陸軍大臣ハ同シク三月六
日ノ東京朝日新聞紙上ニ於テ
一銀行利子ハ低イ故高利ノ公債ニ買
ヒ換ヘシタノモ事實官房ノ主計モ
買ヒニ行ツタコトダラウ皆我輩ノ
命令デアル
ト發表セリ尙同前陸相ハ此ノ點ニ對シ
翌七日ノ同紙上ニ於テ此ノ件ニ關シ
余ノ命令ニテ公債ヲ買ハシメタ如ク
アルガ余ハ「シベリヤ」臨時軍事費中
ノアル種ノ項目ニ依ル曹用ヲ以テ二
三囘公債ヲ購入セシメタノミデ各會
ノ分ハソノ會自ラ購入シタモノデア
ル
ト訂正申込ヲ爲セリ前日ノ發表及此ノ
日ノ訂正ニ依レハ前陸軍大臣ハ「シベ
リヤ」臨時軍事費中ノ或種ノ項目ノ費
用ヲ以テ二三回公債ヲ購入ゼルコトヲ
確認セリ而モ宇垣現陸軍大臣ハ前述ノ
如ク永年ニ亙リテ公債購入ヲ爲サスト
答辯セリ此ノ兩者ノ言說ヲ綜合スレハ
宇垣陸相ノ答辯ハ「永年ニ亙リ」テハ其
ノ事ナケレトモ二三囘其ノ事(公債購
入)ヲ爲シタルコトハ別ニ之ヲ否定セ
サルモノト解スルノ外ナシ宇垣氏モ現
陸相トシテ國家ノ大官ナルト同時ニ山
梨氏モ宇垣氏ノ先輩且前任者トシテ其
ノ言說ヲ輕視スヘキニ非ス此等ノ點ニ
付詳密ナル發表アルコトカ我カ軍部ノ
威信ヲ保ツ所以ナリト信ス
四尙前記宇垣陸相ノ答辯中ノ官金中ニ
ハ機密費ヲ包含スルモノナリヤ若ハ宇
垣氏ハ機密費ハ議會ニ報告ヲ要セサル
モノトシテ之ヲ除外シタルモノニ付答
辯ヲ爲サレタルモノナリヤ
五又機密費ヲ一旦國庫ヨリ引出シタル
後各其ノ用途ニ使用セラルル迄ノ間ニ
於テモ此ノ金額ヲ官金又ハ公金ト見テ
答辯シタルモノナリヤ若ハ此ノ中間期
ニ於ケル機密費ハ旣ニ官金又ハ公金タ
ルノ性質ナキモノトシテ之ヲ除外シテ
ノ答辯ナリヤ
六「シベリヤ」出兵ノ經費卽チ臨時軍費
特別會計法ニ依ル豫算ニハ「臨時軍事
費」ノ一項ト「豫備金」ノ一項アルノミ
機密費ノ立法科目アルコトナシ然ルニ
近來政府ノ發表ノ中ニハ此ノ內ニ機密
費(約二千四百萬圓)アリト稱シ其ノ內
容ノ發表ヲ拒ムモノノ如シ
之ヲ拒ムノ法規上ノ根據如何
右及再質問候也
大正十五年三月二十五日
内閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員〓瀬一郞君提出軍部ノ公金取
扱方法ニ關スル再質問ニ對シ別紙答辯書
差進候
〔別紙〕
衆議院議員〓瀨一郞君提出軍部ノ公金
取扱方法ニ關スル再質問ニ對スル答辯書
山梨大將ノ談話ナリトシテ新聞紙ニ
揭載セラレタル言說ニ就テハ答辯ノ限
リニ非ス
二、既ニ答辯シタル如ク軍部ノ官金力個
人ノ名義ヲ以テ民間銀行ニ預金セラレ
又ハ公債證書ニ投資セラレタル事實ナ
シ
三、機密費ハ一旦國庫ヨリ支出シタル後ハ
直ニ其ノ用途ニ使用スルモノナリ假ニ
若干時受領者カ所持スル場合アリトス
ルモ該全員ノ性質ハ尙官金タルコトヲ
失ハス但シ機密費ノ性質上其取扱方ニ
就イテハ一般官金ノ例ニ依ラサルモノ
トス
四、臨時軍事費機密費力立法科目ニ在ラ
サルコトハ過去戰役ニ於テモ同一ニシテ
機密費ハ勅裁ヲ仰クニ當リ臨時軍事費
ノ一目トシテ其金額ヲ限定セラレ特ニ
他費目ヨリノ流用ヲ許サレス
尙機密費ハ其ノ性質上公表シ能ハサル
用途ニ使用スルモノナルヲ以テ之カ使
途ハ發表ノ限リニ非ラサルモ國庫ノ歲
出トシテ支出セル金額ハ會計檢査院ニ
證明シアリ
右及答辯候也
大正十五年三月二十三日
陸軍大臣字垣成
醫學博士濫造ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
提出者山田道兄
醫學博士濫造ニ關スル質問主意書
近年醫學博士ノ濫造ハ國民一般ノ顰蹙措
ク能ハサル所テ此ノ事ハ獨リ學界ノ權威
ヲ傷クル計リテナク社會ニ實害ヲ與フル
コト些カラスト信スルノテ本員ハ前議會
ニ於ケル豫算總會テ政府ニ對シ其ノ弊害
ヲ指摘シテ警告スル所カアツタ時恰モ文
部大臣ハ外セヌ用事テ委員會席ニアラス
他ノ政府委員ヨリ瞹昧ナル答辯ヲ得夕次
第テアル
然ルニ爾來醫博ノ濫造ハ依然トシテ改マ
ラス其ノ學位濫授ヲ以テ我カ國醫學ノ進
歩セルニ依レリトスラ辯明セムトシテ居
ル誠ニ不論理至極ノ事共ト謂フヘキテア
ル若我カ邦ニ於テ最進步セル學問カアリ
トセハ醫學ニ非ス理學ニ非ス哲學ニ非ス
漢學テアリ國學テアラネハナラヌ然ルニ
文學博士ハ其ノ學位授與ニ極メテ愼重ノ
態度ヲ執ル各大學力醫博ニ限リテ盛ニ濫
造ヲ爲スハ其ノ理由甚タ薄弱ト謂フヘキ
テアル或ハ外國ノ例ナトヲ云爲スルモノ
モナイテハナイカ我カ國ニ於テハ博士ナ
ル學位ハ實ニ大催ニ屬スル榮譽テアツタ
程テ今モ猶學界ノ催感ヲ標示セル特別ノ
稱號ラアル之ヲ濫授スル如キハ實ニ奇怪
至極トイフヘキテアル
試ニ醫學博士ト他ノ博士ノ數ヲ比較シテ
見ルニ
舊學位令ニ依ル博士ノ數
學位種別總數
法學博士二二二人
醫學博士八四四
工學博士三八七
藥學博士三六
文學博士一九
理學博士-八二
農學博士-四
林學博士三八
獸醫學博士二六
二、〇四〇
更ニ大正九年學位令改正サレ各官公私立
ノ大學テ博士ヲ推薦ヲ爲スニ至ツテ以來
ノ數ヲ見ルトキハ
新學位令ニ依レル博士數
自大正十年六月二十一日
至大正十四年十月一日
大學別醫學其他ノ總計
博士博士
人
京一-一四一조二人一
都二四四三二一二六六
學大國帝北九東京東北-六三
〇七
州三二〇三四六六四一人=
=エ二六
海道八一一
東京商大0
大阪醫大四三八
慶六四
應六
早稻四一三三五八三
中院央田000四一三三
明國學
治0
新潟醫大七〇
長崎醫大○
岡山醫大〇八三八二七
京都府立八三八二〇
慈惠會0
千葉醫大三三
計八七〇一八七一、〇五七
(備考○印ハ其ノ科ヲ有セサルニ依
ルモノ)
右兩表ヲ通計スルトキハ大正十四年十月
一日現在ニ於テ新舊博士六ノ總數三千九十
七名中醫學博士ハ稍其ノ半數テアルカ大
正九年學位令改正以來ニ出來タル博士數
ヲ見ルトキハ爾來五箇年餘ニシテ千五十
七博士ヲ作ノテ居ルカ內八割ニ相當スル
八百七十名ハ實ニ醫學博士テ其ノ濫造ノ
甚シキハ何人モ此ノ比率ヲ見ハ明テアル
卽チ大正十年六月以來我カ邦テハ每一日
ト二十時間ニシテ醫學博士一人宛ヲ生ミ
出シテ居ル
博士號ノ授與ニ關シテハ以前カラ種種ナ
ル裏面ノ情實詰ヲモ耳ニセヌテハナイカ最
近各大學ノ醫博推薦ハ全ク飯ノ種ニ大學
ノ暖簾テモ分ケテヤルカノ樣ナ外觀ト內
情カ明ニ窺ヒ知ラレルノテアル
本員ハ學術ノ〓究者ニ對シテ敬意ヲ拂フコ
トヲ惜ムモノテハナイカ直接人類ノ生命
ト國民保健トニ關係ノ直接セル醫師ニ對
シ博士ト謂フ信用狀ヲ濫發スルコトカ如
何ニ實害ヲ社會ニ與フルモノテアルカ本
員等ハ此ノ弊害ニ直面シテ實ニ默視シ難
イノテアル
政府ハ之ニ對シテ速ニ適當ノ改革ヲ斷行
シ以テ其ノ弊ヲ除クノ手段ヲ講スヘキコ
トヲ切望シテ本質問ヲ爲ス所以テアル
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員山田道兄君提出醫學博士濫造
ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員山田道兄君提出醫學博士濫
造ニ關スル質問ニ對スル答辯書
既ニ授與セラレタル學位中醫學博士ハ其
ノ最モ多キヲ占ムルモ凡ソ學位ハ學位令
ノ定ムル所ニ依リ論文ヲ提出シテ大學々
部〓員會ノ審査ヲ經之ニ合格シタル場合
ニ限リ授與セラルル所ニシテ而カモ學位
令ハ學部〓員會ノ審査ニ合格セル論文ノ
印刷公表ヲ要スヘキモノト定メタルカ故
ニ苟モ學位ヲ濫授スルカ如キ事實ヲ生ス
ルコトナシ
右及答辯候也
大正十五年三月二十五日
文部大臣岡田良平
下關漁港速成ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
提出者秋田寅之介
下關漁港速成ニ關スル質問主意書
四面環海ノ我カ國ニ於テ水產業ノ保護獎
勵就中漁港施設ノ完備ハ眞ニ急務中ノ急
務テアリマスカラ關係地方ニ於テハ勿論
全國各漁業家專門家等モ日夜寝食ヲ忘レ
テ其ノ完成ノ爲ニ努力シテ居リマス而シテ
之カ實現ノ遲速ハ國家經濟ノ上ニ又海外貿
易振興ノ上ニ將又國民生沽問題ト密接ナ
關係ヲ持チ延テハ國運ノ消長ニモ多大ノ
影響ヲ及ホスモノテアリマスカラ農業ニ
次タノ國策テ水產業ノ爲ニ大ニ考慮セネ
ハナラヌ緊要事テアリマス前農商務省當
局ハ疾ニ之ヲ認メ大正七、八年頃ヨリ全
國ニ亙リ大小漁區十數箇所ニ付テ調査ノ
步ヲ進メ國庫ノ補助ヲ與ヘ既ニ完成シタ
モノ又ハ工事中ノモノカアリマス中ニモ
銚子港カ漁港トシテ旣ニ築造ニ著手セラ
レテ居ルコトハ國家ノ爲慶賀ニ堪ヘナイ
所テアリマス然ルニ銚子港ハ水產物ノ
集散上必要テアルコトハ勿論ナレトモ其
ノ大半ノ目的ハ避難港トシテ築造セラル
ルモノト考ヘラレマス之ニ反シテ下關ハ
等シク大漁業地トシテ東ニ銚子西ニ下關
ト稱セラレテ居リマスカ下圖港ノ築造ハ
單ニ下關市トカ山口縣トカ謂フ一地方的
ノ偏狹ナ問題テナク我カ帝國ノ大問題ト
シテ扱ハネハナラスモノテアリマス特ニ
下關ト唇商輔車ノ關係ニアル朝鮮總督府
朝鮮水產組合及釜山商業會議所等モ大ニ
之ニ共鳴サレ大正十二年及十三年ノ兩度
ニ時ノ總理大臣農商務大臣及大藏大臣ニ
禀申書ヲ提出シテ益下關漁港實現ノ促進
ニ努力シテ居リマス謂フ迄モナク下關ハ
尨大ナ支那各地西比利亞朝鮮ノ各天地ニ
無限ノ供給所ヲ抱擁シ社會的ニ重大ナ
使命ヲ持ツ許リテナク內地沿岸ハ勿論朝
鮮近海遠クハ支那臺灣ノ近海等頗ル廣汎
ナ漁區ヲ控へ殊ニ天與ノ利地ヲ占メ年年
船舶ノ出入ト其ノ集散高ヲ增加シ更ニ將
來益其ノ趨勢ヲ助長スヘキ地ニ位シ全國
漁業家ノ根據地テアルト謂フモ敢テ過言
テハナイト思量スルモノテアル現在下關
港ヲ根據トシテ出入スル「トロール」船ハ
政府ノ制限許可數七十隻ノ中六十隻ノ多
數ヲ占メ此ノ外捕鯨船三十餘隻ノ大部分
竝ニ發動船底曳綱船五百五十餘隻カアル
是等ハ山口縣丈ケテナク他府縣ニ船籍ヲ
置クモノモ多數アレトモ事實上ハ下關ヲ
根據トシテ活動シ現代日本ニ於ケル違洋漁
業船ノ全體ノ約八割ハ一齊ニ下關ヲ根據ト
シテ活動シテ居ル狀態テアリマス其ノ他鮮
魚ノ蓮撥發動船及普通汽船等五百隻餘ア
リ是等ヲ綜合スレハ一箇月平均下關ニ入
港スル船數ハ實ニ三千艘以上ノ多數ニ上
リ其ノ陸揚スル水產物ハ鮮魚ノミテモ一
箇年間合計十數萬噸ニ達シ之ニ鹽乾業
所謂鹽乾魚其ノ他一般ノ水產物ヲ加フル
トキハ其ノ數量ハ實ニ莫大ナモノテアリ
マス又輸入額ハ六千萬圓以上ニ達シ尙漁
港不完備ノ爲ニ下關ヲ經由セスシテ朝鮮
支那臺灣近海カラ直接內地各方面ニ輸入
セラルル額カ三千五百餘萬圓テ之ヲ合計
スルト一箇年ヲ通シ其ノ金額ハ一億圓內
外ニ達シ之ヲ東ノ大漁港銚子ノ集散高一
箇年四百餘萬圓ニ比シ二二十五倍ニ相
當シ又世界無二ノ大漁港ト稱セラルル英
國ノ「グリンスピー」ニ比較シテモ漁區及
漁獲高ニ於テ下關ハ遙ニ之ヲ凌篤シテ居
ルコトハ確實テアル今之カ統計二三ヲ擧
クレハ英國ノ漁業區域水深二百米突迄ノ
總面積ハ六十七萬八千九百平方里テ之ニ
對シ日本近海ノ百尋以內ノ總面積ハ九十
二萬四千四百八十三平方里テ四割以上モ
廣大テアル又歐洲大戰前千九百十二年卽
チ我カ大正元年ニ「グリンスピー」ノ年額
陸楊ハ十九萬百二十九噸夫ヨリ「アパー
デイン」十一萬千八百七十六噸「ヤーモー
ス」九萬四百五十四噸「口ーエストク」八
萬六百三十七噸「ハル」八萬四千七百五十
四噸テ我カ下關港ハ汽車輸送丈ケテモ一
年間十二萬噸以上ニ達シ之ニ下關ヲ通過
スル汽船其ノ他ニ依リ輸送サルルモノヲ
合スレハ萬國ノ五割以上ニ及ヒ實ニ下關
漁港ハ世界一ノ冠稱ヲ付シテモ差支ナシ
ト思量スルモノテアリマス然ルニ斯ノ如
ク水產物ノ輸出入高ニ達シテ居ルニモ拘
ラス夫等船舶ノ漁獲物陸揚場トシテハ唯
僅ニ下聞「ステーシヨン」構内ノ一小部分
長サ四十間幅三間位ノ外ニハ尺寸ノ岸壁
モナク此ノ狹隘ナ箇所ニ於テ年額十數萬
噸ノ漁獲物ヲ貨車ニ積載スルノテ漸ク貨
車五六輛宛ヨリ連結運轉スルコトカ出來
ス刺へ右貨車ヲ次驛幡生迄持行キ入換ヲ
爲シ〓次數回引出シ漸ク一列車ヲ連結ス
ル煩瑣ヲ見ナケレハナラス又大多數ノ船
舶ハ岸壁ナキ爲海岸ヲ離ルル遠キ沖合ニ
碇泊シ其ノ多數船舶蝟集ノ結果ハ接觸衝
突等ノ危難頻出シ其ノ混亂狀態ハ實ニ名
狀スヘカラサルモノカアル許リテナク漁
獲物及是等漁船ノ必需品積降シノ荷役ニ
要スル無益ナ費用竝漁船運搬船等ノ碇泊
時間ヲ延長セシメ之ヨリ生スル冗費ヲ合
スレハ年額少クトモ五百萬圓内外ニ達ス
斯ノ如キ無益ナ冗費ハ自然水產物ノ價格
ニ加算サレ國家ノ不經濟ト國民生活上ノ
脅威ハ實ニ甚大ナルモノテアリマス故ニ
第四十九回議會ニ請願採擇サレ更ニ本員
ハ第五十議會ニ建議案ヲ提出シ委員會及
本會議共滿場一致決定シテ居ルニモ拘ラ
ス政府ハ徒ニ財政緊縮ヲ盾ニ之カ施設ヲ
遷延セラルルハ實ニ遺憾千萬テアル下關
漁港ノ冗費ハ前述ノ如ク一箇年間五百萬
圓ノ多額ニ達シ政府ノ補助ヲ仰カムトス
ル金額ハ漁港築造費全額七百萬圓ノ半額
卽チ三百五十萬圓夫レモ現今政府ノ方針
ヲ考慮シテ一回ニ補助ヲ受ケムトスルモ
ノテナク數箇年ニ分割シテ補助ヲ得ムト
スルモノテ補助金ノ少額ニ比シテ國家利
益ノ多大ナルコトハ一目瞭然何人モ異存
ノアルヘキ筈ナシト信シマス右事實ニ鑑
ミ緩急宜シキヲ得大小ノ度合ニ應シ玉石
混淆セサル樣爲政者ハ大ニ注意ヲ要スル
所テ國ノ輿論ニ副ハムコトヲ切望シテ止
マヌノテ本員ハ先日モ委員會ニ於テ農林
大臣ニ質問シタノテアリマス之ニ對シ早
速農林大臣ノ答辯カアリマシタカ私ハ滿
足スルコトヲ得マセヌ又大藏省當局ヨリ
ハ何等答辯カアリマセヌカラ再質問ヲ致
ス次第テアリマス政府ノ誠意アル御答辯
ヲ願ヒマス
政府ハ第五十回議會ニハ必要ヲ認メ豫算編
成ノ際下關漁港築造費ノ提案アリシモ大
藏省ニテ創除サレタトノコトテアルカ現
農林省當局ハ之カ豫算編成ヲサレタノテ
アルカ否カサレナイトスレハ必要ヲ認メ
ラレナイノテアルカ
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員秋田寅之介君提出下關漁港速
成ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員秋田寅之介君提出下關漁港
速成ニ關スル質問ニ對スル答辯書
下關市ハ大正十二年六月市會ノ決議ヲ經
テ其漁港調査設計ヲ本省ニ禀請スルト共
ニ其修築國庫補助ノ申請アリ本省ハ其必
要ヲ認メサルニアラサルモ財政其他ノ事
情アリ未タ其袖助ノ目的ヲ達スル能ハス
將來通當ノ時期ニ於テ其修築獎勵ヲ考慮
セムトス
右及答辯候也
大正十五年三月二十五日
農林大臣早速整爾
水產及海運業保護奬勵ノ爲特殊銀行設
置ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
提出者秋田寅之介
水產及海運業保護獎勵ノ爲特殊銀行設
置ニ關スル質問主意書
四而海ヲ環ラシ潮ハ暖寒二流ヲ通シ凡ユ
ル魚族ト無盡藏ノ天產ヲ海洋ニ放置スル
我カ國水產業及世界ノ船舶界ニ雄飛シチ
輸入超過ノ貿易狀態ヨリ生スル海外拂ヲ
危クモ喰ヒ止メテキル帝國海運業ノ保護
獎勵ノ爲ニ特殊銀行ノ設置ヲ見ルニ至ラ
ナイノハ前途益發展ノ餘地ヲ存スル斯業
ノ進步發達ヲ阻害シ延テハ陸產物ヲ以テ
シテハ到底國民ノ口腹ヲ充シ得サル國情
ノ下ニ在ツテハ重大ナル食糧問題ノ解決
ニ支障ヲ及ホシ其ノ他貿易關係ニ於テ國
民經濟上誠ニ大ナル影響ヲ來スモノテア
リマス
然ルニ一方ニ於テハ内地ノ日本興業銀行日
本勸業銀行、各府縣農工銀行ヲ始トシテ朝
鮮ニハ朝鮮殖產銀行東洋拓殖銀行北海道
ニハ北海道拓殖銀行臺灣ニハ臺灣銀行等
ノ設立カアリ各重要產業ノ爲ニ金融ノ途ヲ
開キ斯業ノ進歩發達ヲ助長シテ居ルニ拘
ラス獨リ水產海連兩業ニ對シテ之カ機關
ナキハ甚タ遺憾ノコトト思ヒマス
政府ハ此ノ水產海運ト謂フ帝國二大產業
ノ保護奬勘ノ爲ニ將又國家經濟ノ爲ニ特
殊銀行ヲ設立スルノ意思ハナイノテアル
カ其ノ所見ヲ伺ヒタイ
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員秋田寅之介君提出水產及海運
業保護奬勵ノ爲特殊銀行設置ニ關スル質
問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員秋田寅之介君提出水產及海
運業保護奬勵ノ爲特殊銀行設置ニ關ス
ル質問ニ對スル答辯書
水產海連兩業ノ金融ヲ充實スル方法トシ
テ特殊銀行ヲ設置スルノ必要アリヤ否ヤ
ハ一般金融制度ノ調査ト相俟テ攻究スル
考ナリ
右及答辯候也
大正十五年三月二十五日
大藏大臣濱口雄幸
學校〓有ノ方針及水產學校設置ニ關ス
ル質問主意書
右成規ニ、據リ提出候也
提出者秋田寅之介
學校〓育方針及水產學校設置ニ關スル
質問主意書
近時國氏〓育思想ノ向上ニ伴ヒ續續
各種官公私立〓育機關ノ設立ヲ見ル
ニ至レルハ國家ノ爲誠ニ慶賀ニ堪ヘサ
ル次第テアリマス然ルニ是等〓育機關
中ニ國體ノ尊嚴ヲ冒瀆シ光輝アル歷史
ニ汚點ヲ印シ國家ノ基礎ヲ紊スカ如キ
モノヲ生スルコトアルヲ聞クハ眞ニ眞
ニ我カ國思想上深憂ニ堪ヘナイ所テア
リマス例ヘハ(一)學校ニ於テ祝祭日ニ
校門ニ國旗ヲ揭揚セス(一一)右祝祭日ノ
式場ニ於テ勅語ヲ捧讀セス(三)忠勇ナ
ル軍人ノ靈ヲ祭レル招魂祭ニ參拜セシ
メス而モ當然ナリトスルモノアルカ如
キ實ニ國民〓育上見逃スヘカラサルモ
ノカアリマス是等ニ對シ文部當局ハ若
取調ヘノ上斯ルコトカ事實ナリトシタ
ナラハ如何ナル處置ヲ採ラムトスルカ
又斯ル事實アリトスレハ文部當局ノ重
大ナル監督不行屆ノ致ス所ト信スルヲ
以テ明確ナル答辯ヲ願ヒマス又斯ルコ
トハ放任シテ省ミナイ方針テアルカ伺
ヒタイ
二我カ國ハ領土狹少耕スニ土地少ク農
業ノ前途甚夕心細キモノカアリマス然
ルニ一方面積ニ比シ海岸線ノ長キコ
トハ實ニ世界ニ冠絕シ無限ノ寶庫ヲ四
而ノ大洋ニ藏スル點ニ於テハ他ニ其ノ
類ヲ見サル所テアリマス斯ノ如キ國情
ノ下ニアル我カ水產業カ他業ノ隆隆タ
ル發達ニ比シテ常ニ遲レ走セノ觀カア
ルノハ國家ノ爲遺憾ニ堪ヘマセム其ノ
原因ハ種種アリト思ヒマスカ就中斯業
ノ爲ニ専門〓育ヲ施ス水產學校ノ不足
ニ基ク所最大テアルト信シマス我カ國
漁民ノ大半ハ専門〓育ヲ受クルコトヲ
得ナイ爲古來ノ儘ノ漁獲法ヲ以テ其ノ
業ニ從事スル現狀テアリマス本員ハ斷
シテ此ノ現狀ニ滿足スルコトヲ得マセ
ム卽チ我カ國水產業上最肝要ノ地テア
ル(本日提出ノ下關漁港速成ニ關スル
質問主意書參照)天與ノ世界的一大漁
業地下關市ニ水產學校ヲ設置シ以テ一
ハ我カ國水產業ノ進步發達ヲ計ルト共
ニ他方中等學校入學難緩和ニ資スルヲ
最通切緊要ナルコトテアルト信シマス
此ノ意味ニ於テ右ノ主旨ニ基キ政府ノ
所見ヲ伺ヒタイ
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員秋田寅之介君提出學校〓育ノ
方針及水產學校設置ニ關スル質問ニ對シ
別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員秋田寅之介君提出學校〓育
ノ方針及水產學校設置ニ關スル質問ニ
對スル答辯書
一、例〓セラレタル如キ事實ハ未タ報告
ニ接タルコト無キモ若シ實實リリ
ル場合ニ於テハ適當ノ措固ヲ講セント
ス
二、政府ハ目下下關市ニ水產學校ヲ設置
スル意志無シ
右及答辯候也
大正十五年三月二十五日
文部大臣岡田良平
國務大臣彈効制度樹立ニ關スル質問主
意書
右成規ニ據リ提出候也
提出者黑住成章
國務大臣彈劾制度樹立ニ關スル質問出
意書
立憲政治ハ國民多數ノ意思ヲ基調トシテ
統治ノ方針ト爲ス責任政治ナリ隨テ政府
者ノ責任ハ最公明正大苟クモ國民ヲシテ
寸毫ノ疑感ナカラシムルコトヲ要ス是レ
憲政ヲ行フ國家カ孰レモ責任内閣制ヲ採
ル所以ニシテ又大臣彈効制度ヲ設クルヲ
常トスル所以ナリト信ス卽チ世界ノ立憲
國ヲ通シテ國務大臣ノ政治上ノ非違ヲ問
責スル爲ニ彈効制度ヲ設ケサルハナシ
英米佛伊、白、匈、西、和葡
T、支、「チエク、スロヴァキァ」「ポーラ
ンド」「エストニア」等皆然リ然ルニ我
カ國ニ於テハ憲法第五十五條第一項ニ
「國務大臣ハ天皇ヲ輔弼シテ其ノ責ニ任
ス」ト規定スルノミニシテ大臣ノ非違ヲ
糺斷スヘキ何等具體的規定アルコトナシ
故ニ從來國務大臣ニシテ法規ヲ無視シ院
議ヲ蹂躪シテ議會ヨリ難詰セラルルモ毫
モ省ミサル者尠カラスト雖制度上之ヲ如
何トモ爲シ得サルノ狀ナリ
斯クテハ政治ノ公明ヲ失シ政治道德上遺
憾トスヘキモノ尠カラス延テハ國民思想
ノ惡化ヲ助長スルニ至ルノミナラス又大
臣ノ非行責任ヲ曖昧ニ付スルハ當該大臣
ノ政治的人格ヲ保護スル所以ニ非スト信
ス吾カ邦憲法制定當時大臣彈劾法制ヲ設
ケサリシ所以ノ理由ハ政テ今日之ヲ論ス
ル要ナシ現下ノ政情ニ鑑ミ速ニ大臣彈劾
制度ヲ設クル必要アリト思料ス政府ハ政
治道德墮落ノ源泉ニ心シ政治向上革新ノ
爲國務大臣彈劾法ノ制定準備ノ爲調査會
ヲ設クルノ意ナキカ
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員黑住成章君提出國務大臣彈劾
制度樹立ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書
差進候
〔別紙〕
衆議院議員黑住成章君提出國務大臣彈
助制度樹立ニ關スル質問ニ對スル答辯
書
政府ハ目下調査會設置ノ意思ナシ
右及答辯候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
「ラヂヲ」放送取締ニ關スル質問主意書
右成規ニ據リ提出候也
提出者谷原公
「ラヂヲ」放送取締ニ關スル質問主意書
昨年「ラヂヲ」放送開始以來狂燥的流行ヲ
呈シ今ヤ聽取者三十萬ニ達セリ然ルニ放
送局ハ三箇所ニ過キサルヲ以テ米國ノ如
ク専門的放送ヲ爲シ得サル關係上自然總
テノ放送ヲ聽取スルノ狀況ニアリ殊ニ近
時放送曲目ノ行詰リヲ生シ漸次俗惡低調
ノ内容ヲ有スル音樂等ヲ放送シ社會風〓ヲ
害スル虞アルノミナラス其ノ放送時刻ヨ
リスルモ學生兒童ノ白習時間ニ相當シ其
ノ影響スル所尠カラス政府ハ文〓ノ方面
ヲモ深ク考慮シ嚴密ナル取締ヲ爲ス必要
アリト信ス政府ノ所見果シテ如何
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員谷原公君提出「ラヂヲ」放送取
締ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
〔別紙〕
衆議院議員谷原公君提出「ラヂヲ」放送
取締ニ關スル質問ニ對スル答辯書
放送無線電話放送內容ノ取締ニ付テハ放
送開始以來政府ハ愼重ナル注意ヲ拂ヒ現
ニ關係官廳ト密接ナル連絡ヲトリ放送事
項ハ其ノ放送前ハ勿論放送中ト雖モ嚴重
ナル査閱ヲ爲シ公安公益ヲ害シ風俗ヲ紊
ルカ如キ虞アル事項ハ悉ク其ノ放送ノ停
止ヲ命シ居レリ又放送時間ノ按排ニ關シ
テモ充分ナル注意ヲ拂ヒ努メテ學生兒童
ノ自習時間ニ惡影響ナキ樣取計上居レリ
尙將來ト雖政府ハ嚴重取締ヲ勵行シ文〓
上萬遺憾ナキヲ期スヘシ
右及答辯候也
大正十五年三月二十五日
遞信大臣安達謙藏
地方靑年會ノ指導監督ニ關スル質問主
意書
右成規ニ據リ提出候也
大正十五年三月二十四日
提出者關直彥
地方靑年會ノ指導監督ニ關スル質問主
意書
地方ノ靑年會ナルモノハ多ク青年ノ
修養ヲ目的トス從テ今日普通選舉ノ實
施ヲ前ニシテ政治思想ノ涵養社會問題
ノ〓究ニ努ムルハ固ヨリ其所ナリ
然ルニ地方官中ニハ此ノ事理ヲ解セ
ス地方靑年ノ政治修養ノ會合ヲ忌避シ
又ハ壓迫スルモノアルヤニ仄聞ス
現ニ長野縣下ニ於テモ最近南安曇郡
倭靑年會ノ發起ニ係ル擬國會竝南安曇
郡聯合靑年會發起ノ社會講演會ノ開會
ニ付縣當局ト此等ノ會合主催者トノ間
ニ係爭ヲ生シタリト聞ク
一、此等ノ問題ニ關スル政府ノ所見ヲ求ム
右及質問候也
大正十五年三月二十五日
內閣總理大臣若槻禮次郞
衆議院議長粕谷義三殿
衆議院議員關直彥君提出地方靑年會ノ指
導監督ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差
進候
〔別紙〕
衆議院議員關直彥君提出地方靑年會ノ
指導監督ニ關スル質問ニ對スル答辯書
靑年會ハ修養ヲ目的トスル團體ナルヲ以
テコノ目的ヲ達スル爲ニ行ハルル諸般ノ
施設ニ對シテハ政府ハ何等之ヲ忌避シ又
ハ壓迫スルコトナシト雖修養ノ範圍ヲ逸
脫シ政治運動又ハ社會運動ニ亙ル嫌アル
場合ニ於テハ之ヲ默視スルコト能ハサル
場合無キヲ保セス
右及答辯候也
大正十五年三月二十五日
文部大臣岡田良平
一今二十五日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係
ル左ノ議案ヲ可決シタル旨同院ヨリ通牒
ヲ受領セリ
府縣制中改正法律案(政府提出)
市制中改正法律案(政府提出)
町村制中改正法律案(政府提出)
北海道會法中改正法律案(政府提出)
北海道地方費法中改正法律案(政府提出)
水利組合法中改正法律案(政府提出)
徴發令中郡及郡長ニ關スル規定ノ適用ニ
關スル法律案(政府提出)
明治三十三年法律第七十三號衆議院議員
選擧法中改正法律案(政府提出)
大正十四年法律第四十七號衆議院議員選
擧法中改正法律案(政府提出)
衆議院議員ノ選擧權ニ關スル法律案(政
府提出)
北海道會議員及府縣會議員ノ選擧權及
被選舉權竝市町村會議員ノ公民權ニ關ス
ル法律案(政府提出)
土地收用法中郡長ノ職務ヲ定ムル規定ノ
適用ニ關スル法律案(政府提出)
大正九年ニ於ケル尼港事變及「オコーツ
ク」事變ノ爲損害ヲ被リタル者ノ救恤ニ關
スル法律案(政府提出)
勞働爭議調停法案(政府提出)
治安警察法中改正法律案(政府提出)
暴力行爲等處罰ニ關スル法律案(政府提
出)
大正十三年法律第十號中改正法律案政
府提出)
海軍軍備制限ニ關スル條約ノ實施ニ伴フ
損害ノ補償ニ關スル法律案(政府提出)
特別都市計畫法第五條ノ土地區割整理ニ
伴フ〓算金及補償金ニ關スル法律案政
府提出)
製鐵業奬勵法改正法律案(政府提出)
製鐵所特別會計法案(政府提出)
大正九年法律第五十三號中改正法律案
(政府提出)
土地賃貸價格調査法案(政府提出)
都市計畫法中改正法律案(政府提出)
(第一號)大正十五年度歳入歳出總豫算追
加案
(第二號)大正十五年度歲入歲出總豫算追
加案
(特第一號)大正十五年度各特別會計歲入
歲出豫算追加案
舊慣ニ依リ永小作權者カ地租額負擔ヲ約
シタル田畑ノ地租免除ニ關スル法律案
(本院提出)
一今二十五日貴族院ニ於テ本院ノ回付ニ係
ル左ノ議案ニ對シ本院ノ修正ニ同意シタ
ル旨同院ヨリ通牒ヲ受領セリ
產業組合法中改正法律案(政府提出)
獸醫師法案(政府提出)
一今二十五日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係
ル左ノ議案ヲ否決シタル旨同院ヨリ通牒
ヲ受領セリ
議院法中改正法律案(政府提出)
一議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
決議案(議長ノ處決ニ關スル件)
提出者箕浦勝人君
外五名
(以上三月二十五日提出)
一今二十五日議員ヨリ敬囘セラレタル議案
左ノ如シ
決議案(帝國軍隊ノ威信保持ニ關スル件)
提出者〓瀨一郎君
外一名
一今二十五日議長ニ於テ選定シタル委員左
ノ如シ
北海道御料拂下地ノ地租免除ニ關スル法
律案外一件委員
淺川浩君神部爲藏君
澤田利吉君松實喜代太君
岡田伊太郞君黑住成章君
栗林五朔君丸山浪彌君
坂東幸太郞君
漁業法中改正法律案外四件委員
村上紋四郞君山本勝次君
山宮藤吉君三橋四郞次君
靑山憲三君高草美代藏君
秋田寅之介君中村嘉壽君
谷原公君
民事訴訟法中改正法律案外一件委員
岡本實太郞君平川松太郞君
服部英明君菅原英伍君
熊谷直太君磯部尙君
黑住成章君原夫次郞君
谷原公君
寺院現境内地無償下戾ニ關スル法律案外
四件委員
中原德太郞君田中万逸君
太田信次郞君安藤正純君
大口喜六君隅田豊吉君
山下谷次君中林友信君
福井甚三君
牧野法案外二件委員
岡本實太郞君村山喜一郞君
栗延敬太郞君高橋元四郞君
八田宗吉君二木洵君
赤間嘉之助君藏圍三四郞君
富谷考太郞君
特別都市計畫法中改正法律案外一件委員
吉川吉郞兵衞君村上國吉君
橫山一格君安藤正純君
近藤達兒君矢野鉉吉君
折原巳一郞君沼田嘉一郞君
畔田明君
產業組合中央金庫法中改正法律案委員
由谷義治君深井功君
荒川五郞君二木洵君
山內範造君長田桃藏君
高草美代藏君吉松忠敬君
丹下茂十郞君
恩給法中改正法律案外二件委員
蟻川五郞作君信太儀右衞門君
金田平兵衞君松實喜代太君
岡田伊太郞君內野辰次郞君
井出繁三郞君丸山浪彌君
馬場義興君
一今二十五日委員長及理事互選ノ結果左ノ
如シ
北海道農地特別處理法〓(丸山浪彌君外
六名提出)委員
委員長高見之通君
理事
神部爲藏君松實喜代太君
九山浪彌君
金鵄勳章年金ニ關スル法律案(佐藤實君
外二名提出)外一件委員
委員長平井光三郞君
第理事
加藤十四郞君古川〓君
北海道御料拂下地ノ地租免除ニ關スル法
律案外一件委員
委員長栗林五朝君
理事
淺川浩君松實喜代太君
一今二十五日常任委員補關選擧ノ結果左ノ
如シ
第一部選出
懲罰委員山口嘉七君(橫山勝太郞君
補闘)
第三部選出
懲罰委員加藤鯛一君(武富済君補關)
第九部選出
懲罰委員奧村千藏君(平川松太郞君
補闕)
一今二十五日常任委員理事、補閣選擧ノ結
果左ノ如シ
懲罰委員
理事加藤鯛一君(理事式富済君昨二十
四日辭任ニ付其ノ補闘)
理事倉元要一君(理事渡邊伍君昨二十
四日辭任ニ付其ノ補關)
一今二十五日金鵄勳章年金ニ關スル法律案
外一件委員小野義一君辭任ニ付其ノ補闘
トシテ坂井大輔君ヲ大正十四年法律第四
十七號衆議院議員選擧法中改正法律案委
員砂田重政君辭任ニ付其ノ補闕トシテ石
坂豐一君ヲ孰レモ議長ニ於テ選定セリ
一大正五年二月十八日ノ議決ニ依リ同種議
案通過ノ結果採擇シタルモノト見做シ今
二十五日政府ニ送付シタル請願書左ノ如
シ
金鵄勳章年金令改正ニ關スル請願
通
一六九
農林省ニ蠶絲局設置ノ請願一
蠶絲局設置ノ請願一
養蠶組合法制定ノ請願一
在〓軍人會國庫補助ノ請願三
小出、柳津間鐵道速成ノ請願ー
恩根內、咲來間ニ停車場設置ノ調願
濱頓別、興部間及枝幸、小頓別問鐵道
速成ノ請願一
民間航空事業開發ノ請願一
羽幌、下「サロベツ」間鐵道速成ノ請願
-
瀧川、新十津川間鐵道敷設ノ請願一
貴生川、加茂間鐵道速成ノ請願二
小頓別枝幸間鐵道速成ノ請願一一
名寄、羽幌間鐵道速成ノ請願
羽幌、留萌間鐵道速成ノ請願一
根室港修築ノ請願-
大正十四年勅令第二百四十五號ニ關ス
ル請願一
興部、濱頓別間鐵道速成ノ請願一
鶴岡市ニ高等師範學校設置ノ請願
鶴岡、高松間鐵道敷設ノ請願
常呂川治水ニ關スル請願
左澤、荒砥間鐵道速成ノ請願一一一一四--
實業補習〓育振興ノ請願
酒田、眞室川驛間鐵道敷設ノ請願
根北鐵道敷設速成ノ請願
釧路、網走間鐵道速成ノ請願五
一今二十五日參考トシテ政府ニ送付シタル
請願書左ノ如シ
元屯田兵一時恩給ニ關スル請願-
恩給法中增加恩給ノ一部改正ノ請願三
恩給法中戰死公病死者竝癈兵遺族ニ關
スル規定改正請願三
戶籍法中改正ノ請願一
利島村ニ三等郵便局設置ノ請願-
妊娠中ノ女囚取扱ニ關スル請願-
一時賜金癈兵ニ對スル恩給法制定其ノ
他ニ關スル請願
一時賜金癈兵ニ對スル恩給法制定ノ請
願
軍人傷痍記章條例改正ノ請願一一四四
退官者賜金ニ關スル請願
增加恩給ノ範圍ニ關スル請願
恩給法中加給ニ關スル規定改正ノ請願
恩給法中遺族扶助料增額ノ請願
元森林監守在職年ヲ公務員在職年ニ通
算ノ請願ー
天照皇太神祭日制定ノ請願
五箇條ノ御誓文奉讀ニ關スル請願一
價格三圓五十錢以内ノ著尺織物消費稅
廢止ノ請願-
下級麻織物消費稅免除ノ請願一
薪炭販賣業者ニ對スル營業收益稅免除
ノ請願-
染料關稅ニ關スル請願
關稅定率法中改正法律案別表第十一類
修正ノ請願
被服改良調査機關設置ノ請願
本山村ニ郵便局設置ノ請願
獨學者ニ「得士」ノ學位授與ノ請願
改名ノ許可ニ關スル請願
軍人傷痍記章條例改正其ノ他ニ關スル
請願六
故澤才兵衞氏贈位ノ請願一
皇位竝紀元算定ニ關スル請願一一
皇位ノ正〓ニ關スル請願
官營印刷業ノ制限ニ關スル請願八二
林野ノ所有確認ニ關スル請願一
織物消費稅ニ關スル請願一
人造絹絲輸入關稅引上反對ノ請願
唐木原料ニ對スル奢侈稅免除ノ請願二
貯蓄銀行ニ於ケル貯金通帳ノ印紙稅免
除ノ請願
貯蓄銀行法第九條ニ依ル支拂保證免除
ノ請願一
貯蓄銀行法第九條中改正ノ請願一
貯蓄銀行法第一條中改正ノ請願
貯蓄銀行法第十三條中改正ノ請願
皇太神宮神苑内ニ於ケル奉獻戰捷紀念
品移轉ノ請願-
衆議院議員選擧法中改正ノ請願-
色丹郡ニ衆議院議員竝北海道會議員選
擧法施行ノ請願
府縣制竝市町村制改正ノ請願
市町村消防組ニ國庫補助ノ請願
肥料官營原價販賣ノ請願
海面ニ於ケル行政區域制定ノ請願
「コレラ」豫防ニ關スル請願-
漁業法改正ニ關スル請願二
佛〓各宗派管長ニ貴族院議員互選資格
付與ノ請願二
貴族院伯子男爵議員選舉規則中改正ノ
請願
「ダイヤモンド」關稅引下ノ請願ー
森稅務署復活ノ請願
產業組合ニ對スル煙草小賣指定反對ノ
請願一
富田村ニ葉煙草假收納所設置ノ請願一
郡役所存置ニ關スル請願八
僧侶及諸宗〓師ノ政治結社加入ニ關ス
ル請願二
酒精含有飮料ノ釀造、輸入竝販賣禁止
ニ關スル請願
穀類搗精取締法制定猶豫ノ請願
靜岡縣ニ帝國大學設立ノ請願
盲學校及聾啞學校ノ初等部ヲ義務〓育
ト爲スノ請願
仙山鐵道經由路ニ關スル請願
養老資金給與法制定ノ請願
恩給制限ノ請願
國民貯金法制定ノ請願
沼田町ニ國庫補助金下付ノ請願
北海道ニ於ケル地方鐵道軌道建設費補
助ニ關スル請願
野幌官林ニ森林公園設置ノ請願
借家人救濟ニ關スル請願-
刑法中改正ニ關スル請願二
義務〓育年限延長保留ノ請願一
自强術ヲ國民體操トシテ公認採用ノ請
願
小倉市、日田町間鐵道ヲ國有鐵道ニ編
入ノ請願-
曆法改正ノ請願一
帝國議會開會中帝國將來ノ國策討議日
特設ノ請願-
恩給法第九十條改正ノ請願-
月章弔旗制定ノ請願
司法官辯護士等ノ資格ニ關スル請願
醤油稅存置ノ請願
澱粉關稅引下反對ノ請顯
政府專賣品ノ元賣捌權ヲ在〓軍人會聯
合分會ニ付與ノ請願-
安倍神社ヲ國幣社ニ昇格ノ請願-
縣社息栖神社ヲ官幣社ニ昇格ノ請願
改正工場法附則削除竝寄宿舍監督制度
實施ノ請願-
公娼制度廢止ノ請願-
牛乳營業ノ取締ヲ農林省ニ移管ノ請願
-
東京市土地區劃整理ニ關スル請願二
鵡川ノ木材流送ニ閉スル請願-
沼田、六日町間縣道ヲ自動車道路ニ編
入ノ請願ー
籾ノ政府專賣ニ關スル請願
度量衡ニ關スル請願
滿洲產石炭使用ニ關スル請願
氣象人造〓究會設置ノ請願ー
防石鐵道買收ノ請願-
自百第七十七建議案
一昨二十四日議事日程第百九十
理由書
第七十七帝國在〓軍人會國庫補助ニ
關スル建議案(佐々木春作君外四名
提出)
帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第七十八蠶絲局設置ニ關スル建議案
(武藤金吉君外四名提出)
蠶絲局設置ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ茲
ニ之ヲ贅セス
第七十九高等師範學校設置ニ關スル
建議案(佐々木春作君外五名提出)
高等師範學校設置ニ關スル建議案理由
書
中等〓育ハ義務〓育ニ亞テ必要喫緊ナル
コト今更贅言ヲ要セス我カ國ノ現狀ハ此
ノ緊要ナル中等〓育ヲ擔當スヘキ中等〓
員ノ不足ヲ感スルヤ切實ナルモノアリ政
府當局ニ於テモ之カ補充ニ腐心シツツア
ルハ事實ナリ殊ニ我カ東北ニハ未夕中等
〓員養成ノ機關タル高等師範學校ノ設置
ナク之カ設置ヲ希望スルヤ年久シキモノ
アリ而シテ〓育者養成地トシテハ輕佻浮
華淫靡驕奢ノ巷ヲ避ケ質實剛健ノ氣質ヲ
涵養スルニ適スル所ナラリルヘカラス然
ルニ山形市ハ東北ノ殆ト中心地ニシテ山
河秀麗〓育者ヲ養成スルニ最適當ノ地ト
認ムルモノナリ政府ハ宜シク玆ニ見ル所
アリテ一日モ早ク高等師範學校ヲ山形市
ニ設置セラレムコトヲ望ム是レ本案ヲ提
出スル所以ナリ
第八十臼井鳥栖間鐵道敷設ニ關スル
建議案(赤間嘉之吉君外三名提出)
臼井烏栖間鐵道敷設ニ關スル建議案理
由書
北九州ノ業業地タル筑豊地方ノ石炭鑛ハ
海岸ニ近キ運搬ノ至便ナル地方ヨリ漸次
開發セラレ運搬ノ不便ナル山間地方ハ其
ノ聞發甚タ遲ク從テ夙ニ開發セラレタル
地方ハ漸次末期ニ近ツ十遲レテ開發セラ
レタル地方ハ今ヤ其ノ盛時ニ達シ若ハ之
ヨリ漸ク盛時ニ進マムトシツツアリ臼井
驛附近ハ海岸ヲ距ルコト最遠キ山間地方
ニ在リテ現在及將不ニ於ケル石炭鑛ノ中
心タラムトスル狀態ニ在リ是等ノ地方ヨ
リ採掘スル石炭ハ門司若松地方ヨリ船積
スルモノノ外折尾博多方面ヲ迂回シテ遠
ク鳥栖久留米熊本地方ニ汽車輸送ヲ爲ス
モノ亦尠カラス更ニ炭鑛地方ノ需要品タ
ル坑木木材米穀其ノ他ノ雜貨ハ遠ク鹿兒
島熊本久留米長崎地方ヨリ前記線路ヲ迂
回シテ移入セラルルモノ其ノ大部ヲ占ム
故ニ其ノ運賃ハ結局物價ニ加算セラレ
惹テ諸般ノ製造工業品ノ價格ニモ影響シ
鐵道船舶等ニ要スル石炭モ勢ヒ高カラサ
ルヲ得サルコトトナル今本建議ニ據ル鐵
道ヲ敷設スルトキハ臼井鳥柄間ニ於テ現
在ノ哩程ノ約七分ノ一位ニ短縮スルヲ得
ヘク之カ炭價ノ上ニ及ホス影響ハ至大ナ
ルモノアラム又秋月ハ舊幕時代ニ於ケル
秋月藩ノ所在地ニシテ廢藩置縣後秋日縣
ヲ置カレタルコトアリ葛粉及日本紙ノ若
名ナル產地ニシテ又木材木炭等ノ產地夕
リ甘木町ハ郡役所稅務署中學校高等女學
校其ノ他ノ公衝學校等アリ地方一帶ニ生
產スル絣晒木綿木蠟米麥菜種等ノ物資ノ
集散地タリ更ニ其ノ南方太刀洗ハ陸軍ノ
飛行場アリ是等ノ地方ヲ貫通シテ鳥栖驛
ニ達スレハ九州線ノ大驛ニシテ鹿兒島線
及長崎線ノ分岐點タリ以上ノ如クニシテ
本線ノ敷設ハ產業上及交通上最急要ノモ
ノタルヲ信ス之レ本案ヲ提出スル所以ナ
リ
第八十一肥前山口諫早間鐵道速成ニ
關スル建議案(則元由庸君外六名提
出
肥前山口諫早間鐵道速成ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第八十二八戶久慈間鐵道速成ニ關ス
ル建議案(柏田忠一君提出)
八戶久慈間鐵道速成ニ關スル建議案理
由書
靑森縣八戶岩手縣久慈間ノ鐵道ハ岩手靑
森兩縣ノ產業文化開發ノ爲竝國防ノ關係
上一日モ速ニ其ノ完成ヲ期セサルヘカラ
ス殊ニ該鐵道ノ沿線ニハ世界的大砂鐵鑛
ノアルアリ國家經濟上ヨリスルモ政府ハ
宜シク既定ノ完成期ヲ繰上ケ之カ達成ニ
努ムヘシ是レ本建議案ヲ提出スル所以ナ
リ
第八十三警察官ノ待遇改善ニ關スル
建議案(本田義成君提出)
警察官ノ待遇改善ニ關スル建議案理由
書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第八十四左澤荒砥間鐵道速成ニ關ス
ル建議案(西方利馬君外五名提出)
左澤荒砥間鐵道速成ニ關スル建議案理
由書
本鐵道ハ山形縣左澤線ノ終點ト同縣荒砥
8月までに
線ノ終點トヲ連絡スル線ニシテ既ニ鐵道
敷設法ニ依リ敷設スヘキコトヲ決定セル
モノニシテ運輸交通ノ發達促進鐵道事業
ノ增收ヲ圖ル上ニ於テ重要ナル線ナリ是
レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第八十五國有林野所在府縣市町村
ニ對シ交付金下付ニ關スル建議案
(八田宗吉君外二名提出)
國有林野所在府縣市町村ニ對シ交付金
下付ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第八十六馬政振作ニ關スル建議案
(八田宗吉君提出)
馬政振作ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第八十七京都市ニ國立音樂學校設置
ニ關スル建議案(森田茂君提出)
京都市ニ國立音樂學校設置ニ關スル建
議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第八十八越美線速成ニ關スル建議案
(猪野毛利榮君外一名提出)
越美線速成ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第八十九帝國在〓軍人會國庫補助ニ
關スル建議案(蟻川五郞作君外二名
提出)
帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第九十二見港三田間鐵道敷設ニ關ス
ル建議案(多木久米次郞君提出)
二見港三田間鐵道敷設ニ關スル建議案
理由書
兵店縣二見港ヨリ山陽線土山驛及三木町
ヲ經テ福知山線三田驛ニ至ル鐵道ノ建設
ハ福知山線ヲ迂回スルニ比シ其ノ距離ヲ
短縮スルコト往復六十哩ニ及ヒ經濟ト時
間ノ節約莫大ナル爲之カ完成ノ曉ニ於テ
ハ神戶以西山陽四國九州臺灣朝鮮滿洲方
面ト山陰北陸方面トヲ往來スル旅客ハ爭
フテ之ヲ利用スルニ至ルノミナラス從來
交通機關不備ナル爲開發遲遲タリシ播州
東部ノ平野ハ本線ノ敷設ニ依リテ產業上
經濟上ノ大發達ヲ期シ得ヘキヤ明ナリ殊
ニ本線路ハ殆ト山岳河川ト稱スヘキモノ
ナキヲ以テ建設費ヲ要スルコト尠ク人口
稠密ノ地方ヲ通過スル結果收益モ亦自ラ
大ナルヲ疑ハス是レ本案ヲ提出スル所以
ナリ
第九十一帝國軍人後援會國庫補助ニ
關スル建議案(加藤政之助君外三名
提出)
帝國軍人後援會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
國防ハ國民的基礎ノ上ニ存ス而シテ之カ
義務ヲ代表シテ義勇奉公國難ニ赴ク者ハ
軍人ナリ國民ハ宜シク正當ノ理解ヲ以テ
世界ノ現狀ニ顕ミ國防ヲ重ムシ軍人ヲシ
テ其ノ生計ニ後顧ノ憂ナカラシムヘシ若
夫レ國防ヲ誤解シ軍備ヲ輕視シ軍人ヲ疎
外シ爲ニ軍人志望者ヲ減シ或ハ徴兵忌避
者ヲ增スノ主因ヲ釀スコトアルニ至ラム
カ是レ眞ニ國家ノ深憂ナリ
帝國軍人後援會思ヲ此ニ致スコト久シ大
ニ國防ノ眞義ヲ闖明シテ軍人竝其ノ遺家
族ノ救護慰藉ニ努メ延テ思想ノ善導ニ盡
サムト欲スルモ如何セム資力乏シクシテ
理想ノ萬一ヲ行フ能ハス玆ニ國庫ノ補助
ヲ得テ此ノ國家多難ノ際ニ報效セムト欲
ス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第九十二帝國在〓軍人會國庫補助ニ
關スル建議案(中林友信君外五名提
出
帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セスト雖既ニ本案ハ第五十囘議
會ニ於テ通過シタルモノニシテ政府モ相
當ノ調査考慮スル所アルヘキヲ以テ速ニ
明年度ヨリ實施セラルルヲ緊要ナリト認
ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第九十三金鵄勳章竝旭日章年金改正
卽行ニ關スル建議案(中林友信君外
九名提出)
金鵄勳章竝旭日章年金改正卽行ニ關ス
ル建議案理由書
明治二十三年制定當時ニ於テハ金鵄動章
功七級年金白圓ハ米三十俵ニ相當シ名譽
勳章ト相俟テ衆庶羨望ノ的トナリ武動赫
赫タルヲ示シタリ然ルニ時勢ハ變化シ大
戰後物價ハ騰貴シタルニ依リ國家ハ功勞
者ヲ優遇スルノ意味ニ於テ恩給ハ再三改
正增額セラレタルニ拘ラス單リ拔群ノ武
功者タル金到勳章拜受者並年金付受勳者
ニ對シ其ノ年金增額ノ改正ナキハ誠ニ失
當ニシテ忠勇ナル武勳者ヲ遇スルノ途ニ
非ス第四十九囘第五十囘議會共ニ此ノ建
議ハ既ニ認メラレタルニ拘ラス政府ハ今
尙其ノ改正ヲ實施セサルハ實ニ遺憾トス
依テ速ニ相當增額ノ改正ヲ爲シ本院ノ建
議ノ趣旨ヲ實行セラレムコトヲ望ム是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
第九十四養蠶組合法制定ニ關スル建
議案(山田道兄君提出)
養蠶組合法制定ニ關スル建議案理由書
養蠶ハ我カ國農村第一ノ副業ニシテ輸出
ノ大宗タル生絲ノ原資タリ近年飼蠶家ハ
自發的ニ組合ヲ組織シテ相互ノ利益ヲ計
リツツアルノ際政府ハ進ムテ本法ヲ制定
シテ蠶業家ノ利益增進ヲ計ルハ當然ノ處
置ナリト信ス是レ本案ヲ提出スル所以ナ
リ
第九十五猿投神社昇格ニ關スル建議
案(岡本實太郎君提出)
猿投神社昇格ニ關スル建議案理由書
縣社猿投神社ハ愛知縣西加茂郡猿投村大
字猿投山ニ鎭座在ラセラレ主神ハ大碓尊
ヲ祭リ後ニ垂仁天皇及景行天皇ヲ合祀シ
奉リタルモノナリ
大碓尊ハ景行天皇ノ御長子ニ在シマシ小碓
尊卽チ日本武尊ト御雙十ナリ景行天皇ノ
四十年命ヲ奉シテ美濃國ニ封セラレ地方
守護開拓ノ大任ニ膺ラセラレ大ニ治績
擧ケサセラレシカ同五十三年五月猿投山
中ニテ毒蛇ニ觸レ御年四十二歲ニシテ薨
シ給ヘリ因リテ同山上ヲ御陵ノ地ト爲サ
レタリサレハ本社ノ祭式ハ古來村民相傳
ヘテ御社式ト稱へ葬具ヲ用ヒテ祭式ヲ行
フ蓋尊ヲ葬ルノ式ニ擬セシモノナラム明
治八年二月〓部省ヨリ權大錄ヲ派シテ實
地ニ就キ埋葬ノ地ヲ檢シ御墓所ト確定シ
官有地第一種ニ編入ヌ反別一町三反一畝
十五歩御墓所ノ周圍ニ玉垣ヲ繞ラス明治
九年墓掌慕丁ヲ置キ明治十七年守部ヲ置
カル
大碓尊薨シテ後七十年卽チ仲哀天皇元年
勅願ニ依リ山陵タル猿投山ノ山麓ニ神社
ヲ創シテ尊ヲ祭リ御父景行天皇ト御祖父
垂仁天皇トヲ合祀シ奉リ更ニ年ヲ經テ御
陵ノ東ニ御父ノ宮ヲ建テテ之ヲ奉祀シ御
陵ノ西ニ宮ヲ建テテ御祖父ノ宮ヲ奉祀シ
三社互ニ三神ヲ合祀シ山麓ニ在ルヲ本社
トシ山上山陵ノ東ニ在ルヲ東宮ト西ニ在
ルヲ西宮ト稱シ奉ル此ノ三社ヲ併セテ猿
投神社ト奉稱ス卽チ
本社祭神三柱正殿大碓尊
左景行天皇
相殿右垂仁天皇
東宮祭神三柱正殿景行天皇
左大碓尊
相殿右垂仁天皇
西宮祭神三柱正殿垂仁天皇
左大確尊
相殿右景行天皇
ナリ
神位ハ仁壽貞觀以來歴階陞位シ正一位ニ
マシマシ畏クモ後一一條天皇ハ正一位猿投
神社ナル勅額ヲ又一條天皇ハ神領一千戶ヲ
御納在ラセラル又歴代ノ執權職或ハ將軍
職ノ崇敬厚ク北條相模守時宗ハ七百餘町
ノ神領ヲ足利尊氏ハ八百貰ヲ豐臣秀吉ハ
又八百貫ヲ寄進シ慶長七年六月德川家康
ハ社領高七百七十六石ヲ供進シ德川氏歷
代ノ將軍ハ同樣引續キ供進セラレタリ
御造營本社社殿勅使殿拜殿太鼓橋御奥殿
神饌所廻廓御供殿神主籠所神子樂人籠所
惣門西門大橋御朱印價神庫遺跡社務所遺
跡御旅所制札烏居一ノ鳥居盥嗽所石燈籠
數基神宮寺遺跡(以上本社)東宮社殿同拜
殿同神輿殿遺跡同中門同神饌所遺跡同籠
所遺跡同盟嗽所同石燈籠西宮社殿同盟嗽
所同石燈籠等結構莊麗ナリ
攝社末社トシテ本社境内ニ八柱神社八幡
宮嚴島姫社熱田社東宮境內ニ八住神社内
アシスイカマミワケ
宮社外宮社葦瞰竈見別社息長田別社武田
社富士社藥師堂西宮境内ニ八柱神社三輪
社觀音堂等アリ
祭式(正月元旦)左義長祭(正月五日)西宮
御田植神事(同六日)東宮御田植神事
(同七日)五穀樣神事(同十五日)御田植
祭(二月午日)端午(五月五日)神嘗祭(七
月七日)掃除(九月三日)未刻籠(九月七
日)大祭(九月八日九日)卯祭(十一月上
卯ノ日)宮籠(十二月晦日)ノ例祭莊重
ニ執行サル
其ノ他實物古文書數多存スレトモ爰ニハ
省略ス
社格ハ延喜式內ニ列シ明治五年五月十八
日額田縣ニ於テ縣社ニ列セラレタリト雖尊
ノ御陵ト同所ニ靈宮ノ奉祀セラレタルハ稀
ニ見ルノ例ニシテ此ノ靈跡タル猿投神社
ニ對シ僅ニ縣社ヲ以テ遇セラルルハ洵ニ
恐懼ニ堪ヘス國民思想善導上敬神ノ觀念
ヲ喚起向上セシムルコトハ必須ノコトタ
リ然ルニ近時動モスレハ此ノ念衰ヘムト
シ祭祀振ハス社殿ノ荒廢セムトスル虞ア
レトモ支持ノ途乏シク甚夕憂心スヘキモ
ノアリ願クハ政府ニ於テ官幣社トシテ昇
格セラレ國民崇敬ノ的トシテ一般ノ敬神
觀念ヲ喚起セシメラレムコトヲ望ム是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
第九十六高等蠶絲學校建設ニ關スル
建議案(岡本實太郞君外二名提出)
高等蠶絲學校建設ニ關スル建議案理由
書
蠶絲ハ本邦輸出貿易品ノ首位ヲ占メ其ノ
額今ヤ一箇年八億數千萬圓ニ達シ國家經
濟上重要ナル意義ヲ有スルト共ニ蠶絲業ノ
消長ハ國運ノ隆替ト相關スルヤ至大ナリ
サレハ極力斯業ノ改善ヲ圖リ其ノ發達ヲ
期スルノ要アルハ言ヲ俟タサルナリ蓋其
ノ策多多アルヘシト雖斯業ニ任スル優秀
ナル技術者ヲ養成シ斯業ノ改善ヲ策スル
ノ素養アル當業者ヲ〓育スルノ施設ニ若
クハナシ試ニ本邦ニ於ケル此ノ種〓育機
關ノ現狀ヲ査フルニ高等程度ノ専門學校
トシテハ僅二三箇所ヲ有スルニ過キスシ
テ各校年年相當ノ卒業生ヲ輩出スト雖未
夕以テ足レリトセス更ニ其ノ發達ヲ將來
ニ認ムヘキ本邦蠶絲業ノ現狀ヨリスルモ
尙一二ノ高等蠶絲學校ヲ增設スルノ急務
ナルヲ信ス而シテ愛知縣ハ長野縣ニ次ク
ノ蠶絲縣ニシテ其ノ位置全國ノ中央ニ位
シ交通ノ便斯業ノ發達優ニ他府縣ニ凌駕
スルモノアルヲ以テ高等蠶絲學校建設地
トシテ最適地ナリ仍テ政府ハ愛知縣下ニ
高等蠶絲學校ノ建設ヲ爲サムコトヲ望ム
是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第九十七若松市ニ高等師範學校設置
ニ關スル建議案(町野武馬君外一名
提出)
若松市ニ高等師範學校設置ニ關スル建
識案理由書
東北ニハ未タ中等〓員養成ノ機關タル高
等師範學校ノ設置ナキハ實ニ遺憾トスル
所ナリ然ルニ會津若松市ハ往年忠孝ノ龜
鑑トシテ懦夫ヲモ起タシムヘキ壯烈無
比ナル白虎隊ヲ出シ一般ノ士風質實剛健
加フルニ山河秀麗〓育者ヲ養成スルニ最
適當ノ地ナリト認ム是レ本案ヲ提出スル
所以ナリ
第九十八自營林業奬勵ニ關スル建議
案(村山喜一郞君提出)
自營林業奬勵ニ關スル建議案理由書
農村振興ノ急務タルヤ論ヲ俟タス然ルニ
其ノ策ヲ建ツルモノ往往狹義ノ農作ニ
ノミ跼蹙シテ他ヲ知ラス其ノ爲施設ノ肯
綮ニ合セサルモノ尠カラス抑我カ國農村
ノ大半ヲ占ムル山村ニ於テハ農林兩業ハ
車ノ兩輪ノ如ク相輔ケテ村落ノ經濟ヲ支
持スルモノナルノミナラス勞働ノ關係ニ
於テモ農閑ノ時季ハ恰モ林業多忙ノ時季
ナルヲ常トスルヲ以テ小農ハ農林雨業ヲ
共營スルニ依リ始テ充分ニ其ノ勞力ヲ換
價シ其ノ生計ノ安定ヲ圖ルヲ得ルナリ之
ヲ以テ小農ニハ各相當面積ノ森林ヲ經營
セシメ自ラ植栽シ自ラ撫育シ自ラ伐採セ
シムルヲ必要トス是レ農村生活ノ安定向
上ヲ策スル所以ナルノミナラス又一ニハ
我カ國土ノ約六割ヲ占ムル林野ノ利用ヲ
集約周到ナラシメ二ニハ林業及其ノ思想
ヲ普及スルノ良法タリ而シテ小農自營ノ
林業ヲ興サムトセハ之カ爲其ノ植栽ニ供
スル林地ヲ必要トス幸ニ彼ノ部落有林
野ナルモノアリ其ノ而積約百九十萬町步
(大正十二年地方林務一班)ニ亙リ其ノ大
部分ハ現ニ荒廢シテ國利ヲ損シ治水上ノ
效用ヲ空シウスルコト大ナリ從來ノ政策
ハ强ア之ヲ町村ナル公共〓體ノ所有ニ移
シテ植栽ヲ行ハシメムトセシモ町村ハ其
ノ資力足ラサルヲ以テ造林進捗セス加フ
ルニ彼等農民ハ古來ノ慣行ニ基キ其ノ林
野ニ於テ自由採取ノ権利卽チ入會權ヲ保
育スルヲ以テ此ノ權利ヲ消除スル爲相當
ノ賠償ヲ爲スニ非サレハ植栽ヲ爲スコト
能ハサルナリ部落有林野ノ造林斯如ク
振ハサルニ反シ所謂記名共有山林ナルモ
ノヲ分割シタル成蹟又ハ部落有林野ノ地
上權ヲ分割シタル成蹟ヲ檢スルニ殆ト總
テ分割ト同時ニ造林サレタルヲ見ル因テ
惟フニ部落有林野ノ荒廢ヲ防キ其ノ造林
ヲ促進スル最良ノ方法ハ之ヲ各農民ニ分
割貸與シテ植林セシムルニ在リ故ニ政府
ハ農村生活ノ安定向上ヲ圖リ且部落有林
野ノ荒廢ヲ防止シ其ノ植林ヲ促進スル目
的ヲ以テ部落有林野ヲ分割シ各農民ヲシ
テ八十年間ノ地上權ヲ取得セシムルノ施
設ヲ爲シ以テ其ノ植林ヲ奬勵セラレムコ
トヲ望ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第九十九廣濱鐵道速成ニ關スル建議
案(河野曉君外二名提出)
廣濱鐵道速成ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百澁川長野原間鐵道速戒ニ關スル
建議案(木檜三四郞君提出)
澁川長野原間鐵道速成ニ關スル建議案
理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百一帝國在〓軍人會國庫補助ニ關
スル建議案(長田桃藏君外四名提出)
帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
本案ハ每年建議ヲ當院決議シ政黨政派ノ
政策主義ノ異同ニ非ス眞ニ滿場一致可決
セルニ對シテ政府ハ速ニ其ノ實施ヲ斷
行セラルヘシ蓋在〓軍人三百万ノ團體ハ
平素更ニ修養ヲ爲サシメ有事ニ在テハ實
ニ國家ノ干城タラシメムトスルノ主旨ニ
於テ必要且緊要ナル案件トス是レ本案ヲ
提出スル所以ナリ
第百二福井縣三國港築港竝竹田川改
修ニ關スル建議案(熊谷五右衞門君
提出)
福井縣三國港築港竝竹田川改修ニ關ス
ル建議案理由書
福共縣三國港ハ縣下三大河川ノ湊合セル
九頭龍川及竹田川ノ河口ニ位シ通舟ノ區
域甚夕廣ク之カ交通ノ便否ハ全縣下產業
ノ發展ニ影響スル所大ナルノミナラス本
港ノ築港事業ハ陸ニ鐵道ヲ有スル今日海
陸連絡上實ニ緊切ノ事業ナリトス依テ政
府ハ速ニ調査ヲ遂ケ少クトモ二千噸級以
上ノ船舶出入ニ支障ナキ程度ニ於テ築港
ヲ爲シ以テ一ハ國家有事ノ際ニ備ヘ一ハ
地方海陸產業ノ發展ニ資シ日本海沿岸海
陸交通ノ良商港タルニ至ラシメムコトヲ
望ム尙本港築港ニ付曩ニ第四十回乃至第
四十二囘議會及第五十回議會ニ亙リ本院
ヨリ四度之ヲ建議シタルモ今ニ何等ノ施設
著手ナキハ誠ニ遺憾トスル所ナリ又九頭
龍川沿岸ハ先年國費ヲ以テ改修ノ工ヲ竣
ヘタルモ當時港内及竹田川沿岸ノ設備ヲ
閑却シタル爲水勢竹田川ニ逆流シ爲ニ三
箇町十四箇村ニ亙ル竹田川沿岸ハ年年水
害ヲ被リ書地ヲ荒廢シ住宅ヲ浸水シ關係
町村民ノ慘狀實ニ言語ニ絕スルモノアリ
而シテ三國港ノ築港及竹田川改修ノ如キ
到底微力ナル地方資力ノ能ク堪ユル所ニ
非ス依テ政府ハ速ニ調査ヲ遂ケ三國港築
港ト共ニ竹田川及其ノ支流兵庫川改修ノ
實ヲ舉ケラレムコトヲ望ム是レ本案ヲ提
出スル所以ナリ
第百三養蠶組合法制定ニ關スル建議
案(加藤知正君外三名提出)
養蠶組合法制定ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ茲
ニ之ヲ贅セス
第百四興部濱頓別間鐵道速成ニ關ス
ル建議案(淺川浩君外六名提出)
興部濱頓別間鐵道速成ニ關スル建議案
理由書
本鐵道線路ハ名寄線興部驛ヨリ分岐シ宗
谷線濱頓別驛ニ連絡スル海岸線ニシテ沿
線數萬町步ノ肥沃ナル未墾地ノ開拓竝沿
海漁業振興上關却スヘカラサルハ今更言
ヲ要セス速ニ本鐵道ヲ起工シ沿線海陸開
發速進ニ資スルノ緊切ナルヲ認ム是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ
第百五北海道ニ高等學校設置ニ關ス
ル建議案(一柳仲次郞君外六名提出)
北海道ニ高等學校設置ニ關スル建議案
理由書
北海道ハ其ノ面積六千百方里人口約二百
五十萬ヲ有シ中學校數十九卒業生八百餘
名ヲ算シ近キ將來ニ於テ校數三十四卒業
生一千四百名以上ニ出ツヘキ狀況ニ在リ
然ルニ此等卒業生ヲ收容スヘキ高等學校
一モナク只僅ニ北海道大學ニ豫科ヲ置ク
ニ過キス而シテ右豫科ハ同大學入學志望
者ノミヲ收容スルモノニシテ其ノ修了者ハ
他ノ大學ニ自由入學ノ便宣ヲ有セサルノミ
ナラス同大學ハ單ニ農醫工ノ三科ヲ置ク
ニ過キサルヲ以テ他ノ分科大學人學者ニ
ハ何等ノ便宜ナキモノナリ北海道ノ面積
人口中學卒業者數及高等學校入學志望者
數等各方面ヨリ考察シ公平ニ全國各地方
ト比較〓究スルトキハ何人モ北海道ニ高
等學校設置要望ノ至當ナルヲ認ムヘシ特
ニ北海道ハ開拓未タ其ノ半ニアリ拓殖上
益人材ヲ要スルハ勿論移民ヲ招來スル點
ヨリスルモ〓育機關ノ完備ヲ期スルハ緊
要トスル所ナリ更ニ新領土樺太トノ關係
ヲ考察スルニ於テ一層其ノ必要ヲ感セス
ムハ非ス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百六留萌羽幌間鐵道速成ニ關スル
建議案(淺川浩君外六名提出)
留萌羽幌間鐵道速成ニ關スル建議案理
由書
本鐵道線路ハ天鹽國沿岸ヲ貫通シテ留萌
線ニ連絡スル路線ニシテ大正十七年度迄
ノ繼續事業トシテ留萌ヨリ起工中ノ所先
ノ事業年度割改定ニ依リ一一十四年度迄繰
延延長セラレタルモ中間鬼鹿迄既ニ土工
竣工ノ工程ニアリ前途僅ニ七里ノ近距離
ニシテ數箇年ヲ延長セラレムカ同沿岸ノ
如キ海路一線ノ船便ニ依ルモ常ニ風演高
ク適當ノ寄港地ナキ爲運輸交通ノ不便不
利甚大ニシテ其ノ開發ノ遲遲タルモノ原
因之ニアリ同沿線一體鐵道ノ開通ヲ待ツ
ヤ久シ然ルニ年度割改定延長ノ爲同地方
ノ開發上更ニ一頓挫ヲ來シ至大ノ影響ヲ
被ルモノト認ム是レ本案ヲ提出スル所以
ナリ
第百七高等工業學校設置ニ關スル建
議案(一柳仲次郞君外六名提出)
高等工業學校設置ニ關スル建議案理由
書
北海道ハ豐富ナル工業資源ヲ有シ石炭ノ
產出水利ノ便等將來工業地トシテ發展ス
ヘキ充分ノ素質ヲ有スルノミナラス今ヤ
產業經營ノ一轉機ヲ畫セムトス卽チ現ニ
工場ノ設置セラルルモノ全道ヲ通シ染織
八十三機械及器具百五十五化學八十三飮
食物三百七十雜工場四百六十四特別
工場十二合計一千百六十七ニ達シ之ニ
從事スル職工徒弟ノ數三萬二千四百九
十人ニ及ヒ其ノ總產額一億五千六百二十
五萬圓ヲ出テ農產額ノ一億二千四百二十
萬圓ヲ凌駕スルノ實況ニアルノミナラス
各種鑛物ノ理藏無盡ニシテ之カ採掘製鍊
ノ事業益發達ヲ遂ケ戰後財界ノ不振ノ爲
其ノ勢ヲ阻止セラレツツアルモ尙總產額
ハ四千三百萬圓ヲ下ラス宜シク斯業ノ發
達ヲ策シ將來我カ國ノ一大工業地タラシ
ムルノ用意アルヘキナリ輓近拓殖ノ振興
ニ伴ヒ中等學校ノ新設擴張セラルルモノ
漸ク多ク現ニ校數十九ヲ算シ卒業生ノ增
加亦比年著シキモノアリ是等ノ中斯業ニ
志アル者ニ對シ高等工業ノ〓育ヲ修メシ
ムルハ將來一大工業地タルヘキ北海道ト
シテ最緊要ノコトナリ是レ本案ヲ提出ス
ル所以ナリ
第百八小頓別枝幸港間鐵道速成ニ關
スル建議案(淺川浩君外六名提出)
小頓別枝幸港間鐵道速成ニ關スル建議
案理由書
本鐵道線路ハ宗谷線小頓別驛ヨリ分岐シ
枝幸港ニ通スルモノニシテ此ノ距離九里
間肥沃ナル幌別德志別「ポール別」ノ三大
原野ヲ貫通シ沿線各原野共通シテ尙五千
餘戶ノ移住民ヲ收容スルノ餘地アルモ交
通不便ノ爲開發ノ遲遲タル遺憾ニ堪ヘス
又枝幸港ハ冬季流氷去來スルアリ船便爲
ニ杜絕シ缺航頻頻同港經由上記三大原野
ニ出入ノ物資就中糧食缺乏等ノ虞アリ依
テ本線ヲ速成シ同地方開發速進ニ資スル
ノ緊切ナルヲ認ム是レ本案ヲ提出スル所
以ナリ
第百九宗谷線恩根内咲來間ニ停車場
設置ニ關スル建議案(淺川浩君外六
名提出)
宗谷線恩根内咲米間ニ停車場設置ニ關
スル建議案理由書
拓殖進捗ニ伴ヒ同地方面ハ既ニ集約的農
業ニ依ルノ時期ニ達シ運輸交通漸次頻繁
ヲ極メ隨テ輸出入貨物ノ呑吐夥多ナルニ
拘ラス恩根內咲來問ノ距離七哩八分ニシ
テ其ノ不便尠カラス地方民ハ大正五年來
當局ニ向テ驛舍敷地其ノ建築費ノ無條件
寄附ヲ爲シ置驛ノ要請ヲ爲シ來レルモノ
ナリ依テ速ニ該地ニ停車場ヲ設置セラレ
ムコトヲ望ム是レ本案ヲ提出ズル所以ナ
リ
第百十根北鐵道速成ニ關スル建議案
(小池仁郞君外六名提出)
根北鐵道速成ニ關スル建議案理由書
本鐵道線路ハ根室國風連西別春別標津ノ
四大原野ヲ貫通シ更ニ北見國斜里原野ヲ
横斷スルモノニシテ右四大原野ノ内ニハ
賣拂又ハ貸付地トシテ公〓セラレタルモ
ノ約二萬五千町步區畫濟未公元地十三萬
町步未測地約十五萬町步ヲ算シ北海道中
稀有ノ廣大ナル移民地ナリ然ルニ現移住
者僅ニ二千戶ニ過キス開拓ノ步武遲遲ト
シテ進マサルハ一ニ海陸交通機關ノ缺如
ニ職由ス故ニ大正十八年起工セラルヘキ
厚床驛ヨリ標津迄三十六哩ハ其ノ敷設年
度ヲ繰上クルト共ニ斜里驛ヨリ越川驛遞
附近迄約十哩餘ヲ急速效設シテ拓殖植民
ニ便シ以テ如上農村地ノ發展ヲ促シ標津
以北二十里針里以東二十餘里知床半島ノ
兩面竝對岸千島ノ水產林產鑛產畜產ノ開
發ニ一生面ヲ開クヘキナリ次テ殘部ノ工
程ヲ進メ以テ釧路根室網走三港ノ連絡ヲ
完成スルハ東部北海道拓殖促進上ノ大策
ナリト信ス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百十一北海道甜菜糖業補助法制定
ニ關スル建議案(小池仁郞君外七名
提出)
北海道甜菜糖業補助法制定ニ關スル建
議案理由書
北海道ノ地質氣候ハ甜菜耕作ニ適スルノ
ミナラス斯業ノ發展ハ循環的ニ畜產業ヲ
振興スル關係アリ加フルニ甜菜ノ耕作ハ
地力ヲ回復スルモノナルカ故ニ所謂掠奪
農業ノ弊ヲ救ヒ農民ノ收入ヲ安定スルコ
トト爲リ其ノ結果ハ拓殖ノ事業ヲ進捗シ
内地ヨリ移民ヲ招來シテ本邦ノ人口調節
ニ資シ且榮養食糧ノ供給ヲ增加スルヲ以
テ年年輸入スル數千萬圓ノ砂糖及數百万圓
ノ乳製品ヲ防止スルニ至ルヘシ然ルニ甜
菜ハ集約的及科學的耕作ヲ要スルモノア
ルニ拘ラス創業日尙淺キヲ以テ農民ノ收
支未タ相償ハス頗ル困憊ノ狀態ニ在リ是
ニ於テカ斯業ノ苦痛ヲ輕減スル方法ハ從
來以上ニ甜菜代金ヲ引上若ハ奬勵金ヲ增
額スルノ外ナキモ製糖業者ハ積年莫大ノ
損失ヲ被リ現狀ノ儘ニテモ自滅ノ外ナキ
窮地ニ在ルヲ以テ其ノ餘力ナキハ勿論ナ
リ依テ當分ノ內北海道ニ於ケル甜菜糖ニ
課スル消費稅金ノ三分ノ二ヲ減シ之ヲ農
村ニ補助シテ當面ノ難境ヲ救濟スルノミ
ナラス進ムテ將來ノ發展ヲ圖ルコトハ國
家ノ急務ナリト思料ス是レ本案ヲ提出ス
ル所以ナリ
第百十二有珠岳洞爺湖及登別溫泉ヲ
中心トスル國立公園設定ニ關スル建
議案(手代木隆吉君外六名提出)
有珠岳洞爺湖及登別溫泉ヲ中心トスル
國立公園設定ニ關スル建議案理由書
有珠岳洞爺湖及登別溫泉ヲ中心トシ支笏
湖定山溪及羊蹄山ヲ抱擁スル自然〓ハ一
方海洋ニ瀕シ森林湖沼瀑布高原等ノ風光
ニ富ミ雄大豪壯他ニ其ノ比ヲ見サルト共
ニ又實ニ幽遼ノ趣ヲ失ハス加フルニ本邦
著名ノ登別溫泉「カルルス」溫泉定山溪溫
泉ヲ始頗ル多數ノ溫泉隨所ニ湧出シ眞ニ
帝國北方ノ樂園ナリ政府ハ速ニ此ノ所ニ
國立公園ヲ設定スヘク區域ヲ示シテ其ノ計
畫ヲ樹テ以テ之カ實現ヲ促進セラレムコ
トヲ望ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百十三余市漁港修築ニ關スル建議
案(澤田利吉君外六名提出)
余市漁港修築ニ關スル建議案理由書
北海道余市郡余市町ハ古來鰊漁場トシテ
著名ノ地且本道水產業ノ中心タル積丹半
島ノ咽喉部ヲ扼シ其ノ位置小樽雨館ノ兩
商港トモ密接ノ關係ヲ有シ國民ノ食料問
題ニ資スヘキ遠洋漁業ノ策源地トシテモ
唯一ノ港灣ナリトス然レトモ一朝風波ノ
襲來スルコトアラムカ人命及漁獲物器具
等多大ナル損害ヲ受ケ爲ニ斯業ノ發達ヲ
阻害スルコト尠カラス政府ハ速ニ漁港ヲ
修築シ且臨港ノ設備ヲ爲シ北方海田間發
ノ實ヲ擧ラレムコトヲ望ム之レ本案ヲ提
出スル所以ナリ
第百十四鴛泊港修築ニ關スル建議案
(淺川浩君外六名提出)
鴛泊漁港修築ニ關スル建議案理由書
北海道利尻郡鴛泊村鴛泊灣ハ古來鰊漁ヲ
以テ著名ナリ灣内廣ク多數船舶ノ碇泊ニ
適スト雖唯束風ヲ凌クニ困難ナルコトヲ憾
トス今之ヲ修築シテ漁船ノ避難港タラシ
ムレハ宗谷海峽附近ニ於ケル無盡藏ノ漁
利ヲ開發シ得ルノミナラス宗谷線ノ開通
ニ伴フ海陸ノ施設將ニ竣ラムトスルノ時
ニ於テ其ノ最短距離ニ在ル鴛泊港ハ當然
聯絡港トシテ交通ニ便益スル所至大ナル
モノアルヲ疑ハス政府ハ速ニ漁港修築工
事ヲ實施セラレ一擧雨全ノ策ニ出テラレ
ムコトヲ望く是レ本案ヲ提出スル所以ナ
リ
第百十五廣尾港修築速成ニ關スル建
議案(小池仁郞君外六名提出)
廣尾港修築速成ニ關スル建議案理由書
廣尾港ハ十勝國唯一ノ海ロニシテ襟裳岬ノ
左方ニ在リテ太平洋ニ面ス其ノ沖合ハ寒
暖二潮流交錯シ定著回游ノ魚族ニ富ム政
府カ北海道漁港築設ノ急要ナルヲ認メ曩
ニ八漁港ノ修築ヲ定メ大正十年度以降漸
次豫算ヲ計上シ其ノ工事モ進捗セリ本港
ハ卽チ此ノ八漁港ノ一タリ又一方陸ハ帶
廣廣尾間四十八哩ノ鐵道モ大正十五年度
ヨリ其ノ敷設ニ著手スルコトニ決セリ故
ニ本港ヲ速ニ修築シ併セテ海陸交通ノ機
關ヲ整へ以テ前面ノ大海田ヲ開發シ後方
南十勝二十萬町步ノ平原ヲ開拓スルハ帝
國食糧問題解決ノ一關鍵タルヲ失ハス殊
ニ客年十二月下旬沖合漁場ヨリ歸來セル
漁船ハ港内怒濤ノ爲ニ妨ケラレ著岸スル
能ハス轉覆シ遂ニ四十八名ノ生命ヲ犧牲
ニ供シ多大ノ損害ヲ生スルノ悲慘事ヲ惹
起セリ依テ本港ヲ修築シ安全ナル避難地
ヲ設定スルハ前面ノ海田開發上急務ナリ
ト信ス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百十六釧路港海陸連絡ニ關スル建
議案(小池仁郞君外六名提出)
釧路港海陸連絡ニ關スル建議案理由書
釧路港ハ北海道東部三千餘方里海陸物產
集散ノ中心地ニシテ政府ハ明治四十二年以
來約六百九十餘萬圓ヲ投シテ築港工事ニ
著手シ將ニ大正十五年ヲ以テ竣工ヲ告ケム
トス釧綱釧美ノ二鐵道ハ近ク北見國ニ開通
シテ其ノ豐富ナル物資ヲ集中スヘク根室
線ハ釧路十勝根室ノ三國ヲ連結集中スヘク
又釧勝二國ニ於ケル炭田ノ採掘增加ハ鑛
業者一齊ノ金畫スル所其ノ實現ハ悉ク築
港工事ノ完成ニ伴フハ謂フヲ俟タサル所
ナリ將又日米間航路ノロ短短離ノ要商ニ
在ルヲ以テ世界的交通ノ關係ニ顧ミ海陸
連絡ノ設備ヲ整ヘ内ハ產業ノ開發ヲ資ケ
外ハ米亞ノ交通ヲ便ニスルハ緊要ナリト
信ス是レヲ以テ釧路市ハ橋南一帶ノ港岸
ヲ埋立テ岸壁築設ヲ企畫シ又私設ノ臨港
鐵道ハ已ニ完成ヲ告ク此ノ際宜シク政府
ハ速ニ鐵道省ヲシテ橋北ノ港岸ヲ整理シ
海陸連絡ノ設備ヲ完成セシメ以テ釧路港
ノ命使ヲ完カラシメムコトヲ望ム是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ
第百十七室蘭港海陸連絡施設速成ニ
關スル建議案(手代木隆吉君外六名
提出)
室蘭港海陸連絡施設速成ニ關スル建議
案理由書
室蘭港ハ膽振日高十勝一帶ノ地方及石狩
ノ半部ヲ其ノ勢力圈內ニ收メ最近一箇年
間ニ於ケル內外輸出入ノ貨物總噸數二百
萬噸價格金一億五千萬圓ヲ算シ出入船舶
ノ噸數三百萬噸ニ達ス而モ近ク長輪金
山ノ兩鐵道完成シ又日勝京極二線ノ敷設
ヲ見ルニ至ラハ貨物ノ集散更ニ一段ノ激
增ヲ來スヤ必セリ就中夕張空知其ノ他ノ
炭礦ヨリ本港ヲ經テ内外ニ輸出セラルヘ
キ石炭ハ期年ナラスシテ現在ニ倍加シテ
其ノ數量四百萬噸ニ達スヘキノ情勢ニア
リノミナラス當港ハ米亞航路ノ最短距離
ノ要衝ニ在ルヲ以テ海外船舶ノ出人益輻
湊セムトス然ルニ當港ハ其ノ海陸連絡ニ
何等施設ノ見ルヘキナキハ產業上交通上
恂ニ遺憾ニ堪ヘサル所ナリ仍テ政府ハ此
ノ際速ニ海陸連絡ノ設備ヲ整へ室蘭港ノ
使命ヲ完カラシメムコトヲ望ム是レ本案
ヲ提出スル所以ナリ
第百十八根室港修築工事ニ關スル建
議案(小池仁郞君外六名提出)
根室港修築工事ニ關スル建議案理由書
根室築港ハ大正九年度ニ起シ大正十三年
度ニ於テ完成ノ豫定ニシテ工費百一萬八
千三百四十五圓ヲ支出シ港口辨天島ヲ利
用シ其ノ南端ニ防波堤一千三百尺ヲ築設
シ港內ヲ浚渫シテ被覆面積十五萬坪ヲ得
ルノ設計ニシテ既定防波堤ノ工事ハ之ヲ
築了セリ然レトモ港口北東ニ展開セルヲ
以テ貨物出入ノ最頻繁ナル夏秋初冬ノ候
ハ北東風連吹ノ季節ニ當リ風力又强大船
舶貨物ニ及ホス損害僅少ニ非サルナリ故
ニ速ニ第二期工事ノ設計ヲ立テ新ニ紅烟
岬ト辨天島ノ北端ニ防波堤ヲ築造シ被覆
面積十五萬坪ヲ安全ナル碇泊港タラシム
ルト同時ニ既定防波堤ノ浚渫ハ干潮面下
十尺ノ水深ヲ保有セシメ得ルコトニ改メ
荷役棧橋ノ築設ニ便シ以テ近時發展ノ域
ニ進メル對支貿易ヲ助長シ太平洋「オコ
ツク」海ノ遠洋漁業及鮮魚輸送船舶ノ安
全ナル根據地タラシムヘシ是レ本案ヲ提
出スル所以ナリ
第百十九鐵道敷設法中改正ニ關スル
建議案(小池仁郞君外六名提出)
鐵道敷設法中改正ニ關スル建議案理由
書
北海道開發ノ情況ト既設幹線鐵道トノ關
武田信
係ニ鑑ミ關係地方開發ノ爲ニ敷設ヲ要望
ス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百二十苫小牧廣尾間鐵道速成ニ關
スル建議案(手代木隆吉君外六名提
也
苫小牧廣尾間鐵道速成ニ關スル建議案
理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ茲
ニ之ヲ贅セス
第百二十一釧路網走間鐵道速成ニ關
スル建議案(小池仁郞君外六名提出)
釧路綱走間鐵道速成ニ關スル建議案理
由書
本業提出ノ理山ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百二十二京極紋鼈間及京極壯瞥間
鐵道速成ニ關スル建議案(手代木隆
吉君外六名提出)
京極紋鼈間及京極壯瞥間鐵道速成ニ關
スル建議案理由書
本鐵道ハ膽振國京極ヨリ喜茂別壯瞥ヲ經
テ紋鼈ニ至ル四十六哩ノ線路及京極ヨリ留
壽都ヲ經テ壯瞥ニ至ル二十九哩ノ線路ニ
シテ其ノ沿線ニハ開拓スヘキ土地廣ク木
材鑛物等ノ天然物ニ富ミ北海道開發上重
要路線ノ一ナリ且本鐵道ハ小樽室蘭兩港
ヲ連絡スル最短線路ニシテ軍事上及地方
交通上重要ノ地位ヲ有スルモノナリ故ニ
政府ハ速ニ之ヲ建設シ地方ノ利源開發ト
運輸交通ノ發達ニ資セラレムコトヲ望ム
是レ太案ヲ提出スル所以ナリ
第百二十三高等師範學校設置ニ關ス
ル建議案(一柳仲次郞君外六名提出)
高等師範學校設置ニ關スル建議案理由
書
中等〓員ノ養成機關ハ東京廣島ノ兩高等
師範學校及東京奈良ノ兩女子高等師範學
校ニシテ其ノ卒業生ノ數現下ノ需要ヲ充
タスコト能ハサル狀態ニ在リ而シテ北海
道ハ遠隔ノ地ナルヲ以テ此等卒業者、其
ノ就任ヲ希望スル者少ク有資格〓員ノ配
置ニハ年年甚シキ困難ヲ感シツツアリ北
海道旣設中學校及新設スヘキ豫定ノモノ
ヲ合スレハ其ノ數五十有餘ヲ超へ益其ノ
困難ヲ見ムトス依テ北海道ノ中心札幌市
ニ高等師範學校ヲ設置シ以テ北海迫ニ於
ケル有資格〓員ノ配置ヲ容易ナラシメム
トス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百二十四小樽港及函館港ニ港務部
設置ニ關スル建議案(山本厚三君外
六名提出)
小樽港及函館港ニ港務部設置ニ關スル
建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百二十五野岩羽鐵道速成ニ關スル
建議案(八田宗吉君外一一名提出)
野岩羽鐵道速成ニ關スル建議案理
由書
本鐵迫ハ沿線森林礦物ニ富ミ地方開發上
必要ナルノミナラス奧羽線ヨリ東京ニ至
ル間ノ距離ヲ短縮スル一大幹線ニシテ且
東北本線復線ノ作用ヲ爲ス最重要ノ線路
タリ然ルニ政府ハ近ク本線ノ一部タル福
島縣若松市ヨリ田島ニ至ル問喜多方ヨリ
日中ニ至ル間ノ鐵道工事ニ著手セラレム
トスルモ本鐵道ヲ完成スルニ非サレハ未
タ以テ充分ノ機能ヲ發揮スル能ハサルモ
ノト認ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百二十六柳津小出間及只見古町間
鐵道速成ニ關スル建議案(八田宗吉
君提出)
柳津小出間及只見古町間鐵道速成ニ關
スル建議案理由書
ヲクライリ
本鐵道ハ禍島縣ノ寶庫クル古來御藏入ノ
名稱アル只見川沿岸一帶ノ地ヲ縫ヒ上越
線小出驛ニ通スル線路ニシテ地方開發上
必要ナル線路ナリ是レ本案ヲ提出スル所
以ナリ
第百二十七湖南鐵道建設ニ關スル建
議案(八田宗吉君提出)
湖南鐵道建設ニ關スル建議案理由書
本鐵道ハ會津若松ヨリ猪苗代湖ノ南岸ニ
沿ヒ白河町ニ至ル間ノ國道越後街道ヲ通
スルモノニシテ沿線森林礦物等ノ物資ニ
富ミ且風光明媚ノ絕勝地タリ依テ地方產
業ノ振興文化ノ普及上本線路ノ須要ナル
コトハ敢テ多言ヲ要セス是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ
第百二十八林業金融ニ關スル建議案
(東武君外十名提出)
林業金融ニ關スル建議案理由書
我カ國木材ノ自給ヲ策シ且森林效用ヲ全
クセムカ爲山林ノ荒廢ヲ防止シ其ノ繁殖
ヲ圖ルノ緊要ナルハ論ヲ俟タス然ルニ林
業ハ其ノ投資ヲ回收スルニ數十年ヲ要シ
此ノ間永ク資本ヲ固定セサルヘカラサル
ヲ以テ山林ヲ抵當トスル金融ノ途アルニ
非サレハ林業ノ經營ハ甚タ困難ナリ而モ
山林ハ其ノ林木未熟ノ時期ニ於テ之ヲ賣
却スルコト容易ナラサルヲ以テ普通ノ金
融業者ハ森林ヲ抵當トスル金融ニ應セス
特殊不動產銀行ノ如キスラ多クハ又然リ
トス斯ノ如クムハ林業者ハ其ノ造林資金
ヲ得ル能ハサルヘク是レ最近外材ノ輸人
甚タ多キニ拘ラス造林事業カ次第ニ衰頽
シツツアル一因タラスムハ非ス此ノ狀態
ヲ繼續セハ外材ノ輸入ハ次第ニ增加シ内
地ノ山林荒廢シテ國土保安ノ效空シカラ
ムトス政府ハ今ニ於テ適當ナル施設ヲ爲
シ林業金融ノ途ヲ開カレムコトヲ望ム是
レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百二十九國立公園調査機關設置ニ
關スル建議案(東武君外十名提出)
國立公園調査機四設置ニ關スル建議案
理由書
政府ハ夙ニ國立公園設置ノ必要ヲ認メ
旣ニ全國ニ亙リテ之カ候補地ノ實地調
査ヲ行ハレ一方國民亦大ニ之ニ共鳴シ
テ熱心ニ其ノ實現ヲ希望シ每議會ニ於テ
之カ設置ヲ要望スルモノ頗ル多ク其ノ建
議及請願ニシテ已ニ衆議院ヲ通過セルモ
ノ三十有餘ヲ算スルニ至レリ
由來國立公園事業ナルモノハ單ニ國民ノ
保健及〓化上重要ナル施設タルノミナラ
ス風景ノ保護大然記念物ノ保存上著大ナ
ル任務ヲ有シ殊ニ之ヲ海外先進國ノ實際
ニ徵スルモ國立公園ノ設置ハ風景資源ヲ
活用スル一種ノ對外的經濟事業トシテ國
家財政上ニ貢獻スル所尠カラサルモノア
リ然ルニ近時産業ノ發達ニ伴ヒ山紫水明
ノ地ニシテ他日國立公園候補地トシテ囑
目セラルヘキ地方ニ於テ風景ヲ破壞スル
事業頻頻行ハレツツアルハ正ニ由由敷國
家的大損害ヲ招致スルモノト謂ハサルヘ
カラス而モ國立公園事業ナルモノハ山水
動植物等所謂自然物ヲ對象トスルモノナ
ルヲ以テ之カ大成ニ長年月ヲ要スルハ海
外諸國ニ於ケル實績ニ付テ見ルモ明ナリ
トス左レハ此ノ際政府ハ先ツ以テ國立公
園調査機關ヲ設ケテ速ニ我カ國情ニ適切
ナル國立公園政策ヲ樹立シ更ニ之カ候補
地ノ選定ト根本計畫ノ設定ヲ爲シ以テ官
民ヲシテ據ル所アラシメ國立公園ノ發達
ニ資スルハ洵ニ刻下ノ急務ナリトス是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
第百三十立木ニ關スル法律改正ニ關
スル建議案(東武君外十名提出)
立木ニ關スル法律改正ニ關スル建議案
理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百三十一金鵄勳章旭日章年金改正
ニ關スル建議案(古川〓君外二名提
出
金鵄勳章旭日章年金改正ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳悉セルヲ以テ
玆ニ之ヲ贅セス
第百三十二高田市ニ高等農林學校設
置ニ關スル建議案(富永孝太郞君外
三名提出)
高田市ニ高等農林學校設置ニ關スル建
議案理由書
國富ノ增進ヲ圖リ民力ノ涵養ヲ策セムト
セハ之ヲ農林業ノ發達ニ竢ツコト甚夕大
ナリ而シテ農林業ノ發達ハ最新ノ學術技藝
ニ負フ所多キコト言ヲ要セス北陸ノ地面
績廣汎ニシテ地味亦頗ル豐饒興農植林
ノ業ニ適ス若最新學術技藝ノ應用ニ於テ
缺クル所ナキヲ得ムカ生產ヲ增加シテ國
益ニ資スルコト大ナルヤ疑ヲ容レサルナ
リ不幸北陸四縣(新潟石川福井富山)ニ亙
リテ未タ之カ專門的學校ノ設立ヲ見ス之
レ吾人ノ夙ニ甚タ遺憾トスル所ニシテ地
方識者ノ間ニ高等農林學校設立ノ急務ヲ
說ク者アル所以ナリ由來高田市ハ之ヲ歷
史ニ徵シ周圍ノ狀況ニ鑑ミ〓育地トシテ
最適當ナルコト衆目ノ一致スル所ナリ〓
ヲ此ノ地ニ高等農林學校ヲ設立シテ以テ
直接ニハ農村ノ振興及地方ノ發展ニ資シ
更ニ進ムテハ國力ノ增進ニ資スル所アラ
ムトス依テ政府ハ速ニ高等農林學校ヲ高
田市ニ設立セラレムコトヲ望ム是レ本案
ヲ提出スル所以ナリ
第百三十三磐梯山猪苗代湖ヲ中心ト
スル國立公園設定ニ關スル建議案
(八田宗吉君外一名提出)
磐梯山猪苗代苗ヲ中心トスル國立公園
設定ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百三十四國有林野法中改正ニ關ス
ル建議案(八田宗吉君提出)
國有林野法中改正ニ關スル建議案理由
書
國有林野中ニハ地元及附近ノ民衆ニ對シ
深甚ナル關係アルモノ頗ル多シ然リ而シ
テ現行法ニ據レハ受託者ニ對スル報償甚
タ輕微ニシテ受託者ヲ利スル所少ナキヲ
以テ其ノ報償ヲ厚クシテ地元人民ニ國有
林野ノ保護ヲ委託シ以テ森林受設ノ念ヲ
助長スルト同時ニ民業ニ利便ヲ付與スル
コトヲ圖ラムトス是レ本案ヲ提出スル所
以ナリ
第百三十五川俣浪江間鐵道建設速成
ニ關スル建議案(大島要三君外六名
提出)
川俣浪江間鐵道建設速成ニ關スル建議
案理由書
本線ハ東北本線ト海岸線トノ中間ニアル
富源開發ノ目的ヨリ鐵道豫定線ニ編入セ
ラレタルモノナリ現今松川驛ヨリ川俣町
迄起工中ニ屬スルモ之ヲ浪江驛迄貫通セ
シメ常磐線(海岸線)ニ連絡セシムルニ非
サレハ其ノ目的ヲ達成シ能ハス是レ本案
ヲ提出スル所以ナリ
第百三十六國有林野不要存置林處分
ニ關スル建議案(大島要三君外六名
提出)
國有林野不要存置林處分ニ關スル建議
案理由書
國有林野法ニ據ル不要存置國有林野ノ賣
拂ニ付テハ大小林區署ノ專管ニ屬スト雖是
カ監督ノ責任ハ固ヨリ主務省ニ在ルハ謂
フヲ俟タス近時所轄林區署ノ拂下ノ成績
ヲ觀ルニ〓シテ其ノ價格ハ從來ニ比シ十
倍乃至二十倍以上ニシテ而モ緣故ヲ有ス
ル所ノ關係者ニシテ是ニ應セムカ殆ト家
產ヲ傾クルノ苦痛ヲ視ルハ其ノ倒頻頻タ
ルモノアリ加フルニ其ノ拂下價格標準ノ
如キモ眞ニ不同ニシテ甲地ト乙地トノ差
著シキモノアリ且又成地ノ賣買價格標準
ニ至リテハ人民ノ私費ヲ投シテ開墾成功
シタルニモ拘ラス民間賣買價格ヨリ却テ
高價ニ上リ人民ハ其ノ代金ノ負擔ニ堪ヘ
スシテ空シク返地スル者多多アルヲ以テ
徒ニ荒廢ニ委スル等實地ノ慘狀甚シキニ
依リ法規ノ範圍內ニ於テ最良ノ方法ヲ採
リ成ルヘク價格ヲ一定シテ輕減ヲ加へ人
民ノ苦痛ヲ除キ地方農村ノ振興ニ資セラ
レムコトヲ期スルニ在リ是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ
第百三十七福島市ニ國立倉庫設立ニ
關スル建議案(大島要三君外六名提
出
福島市ニ國立倉庫設立ニ關スル建議案
理由書
福島縣福島市ハ東北奧羽兩鐵道ノ分岐點
ニシテ米穀ノ生產地タル宮城山形秋田地
方トノ交通利便ナルト東北ニ唯一ノ日本
銀行支店ノ設置アリテ金融ノ便ヲ圖ルニ
最便宜ナリ故ニ該地ニ國立倉庫ヲ設立ス
ルハ最妥當ナリト信ス是レ本案ヲ提出ス
ル所以ナリ
第百三十八泉崎岩沼間改良工事速成
竝宇都宮福島間複線工事速成ニ關ス
ル建議案(大島要三君外六名提出)
泉崎岩沼間改良工事速成竝宇都宮福島
問複線工事速成ニ關スル建議案理由書
本鐵道線路ハ元日本鐵道株式會社ノ建設
ニ係リ其ノ後磐越東線磐越西線及奧羽線
其ノ他幾多ノ支線及地方鐵道ノ連絡スル
幹線ナルヲ以テ客貨ノ輻輳甚シク輸送混
雜ヲ極メ幾多ノ事故ヲ發生セルノミナラ
ス輸送上不便其ノ極ニ達シ居ルニモ拘ラ
ス國有後ニ於ケル現今モ尙且舊態ヲ改メ
ス線路ハ高低屈曲甚シク東北一圓ノ交通
運轉上支障甚シ是レ本案ヲ提出スル所以
ナリ
第百三十九福相鐵道速成ニ關スル建
議案(大島要三君外六々口提出)
福相鐡道速成ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ茲
ニ之ヲ贅セス
第百四十婦人參政ニ關スル建議案
(坂東幸太郞君外三名提出)
婦人參政ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ茲
ニ之ヲ贅セス
第百四十一鳥栖臼井間鐵道敷設ニ關
スル建議案(大里廣次郞君外二名提
出
鳥栖臼井間鐵道敷設ニ關スル建議案理
由書
鹿兒島本線鳥栖驛ハ全九州鐵道綱ノ心臟
ニシテ此ノ驛ヨリ福岡縣ノ三井朝倉二郡
ヲ經テ筑豐線臼井驛ニ向テ鐵道ヲ敷設連
結スルコトハ卽チ九州縱貫線ノ完成ニシ
テ其ノ結果南九州ノ長崎鹿兒島宮崎縣方
面ヨリ熊本佐賀縣ヲ經テ北九州ニ通達ス
ル所謂大動脈トナリ殊ニ福岡縣三井朝倉
兩郡ノ如キ最產物ノ多キ有力ナル地方ノ
連絡成ルトキハ其ノ間諸種產物ノ交換ト
哩程ノ大ナル短縮ノ上ニ頗ル便益ヲ得ル
ト共ニ運輸ノ外太刀洗飛行場アルカ故更ニ
軍事上極メテ重大ナル關係ヲ有ス以上ノ如
ク本線ノ敷設ハ交通ト產業發展上最急務
ナリト信ス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百四十二東京帝國大學農學部附屬
農業〓員養成所獨立ニ關スル建議案
(山本愼平君外一名提出)
東京帝國大學農學部附屬農業〓員養成
所獨立ニ關スル建議案理由書
農村振興ヲ圖ルノ途ハ固ヨリ一ニシテ足
ラスト雖恆久ノ方策ハ農業〓育ノ普及徹
底ニ在リト謂フヘク之カ爲ニハ優良ナル
〓員ヲ養成スルヲ以テ最大ノ要件ト爲サ
サルヘカラス然ルニ〓員養成ノ施設ヲ見
ルニ僅ニ農業〓員養成所ヲ東京帝國大學
農學部ニ附設シ或ハ農業專門學校生徒ニ
學資ヲ補給スル等姑息ノ方法ヲ以テ一時
ヲ糊塗シツツアルノ實情ナリ現時地方農
業學校ハ三百數十校ニ上リ而モ今後益增
設擴張ヲ要スルモノアリ加フルニ師範〓
育ノ改善竝農業補習學校〓員養成所ノ完
成モ亦優良ナル農業〓員ニ俟ツモノ益切
ナルトキニ當リ其ノ〓員養成敍上ノ如ク
ナルニ於テハ農業〓育ノ發達ヲ圖リ農村
ノ振興ヲ期スルコト甚タ難ク今日ニシテ對
策ヲ講スルニ非サレハ國家ノ前途洵ニ寒
心ニ堪ヘサルモノアリ
飜テ中學校師範學校高等女學校ノ〓員養
成ヲ見ルニ早ク四箇ノ獨立機關ヲ設ケ以
テ斯〓育ノ發達普及ヲ促進セルニ拘ラス
農業學校〓員ノ養成ニ關シテハ其ノ施設
ノ不備ナルコト前述ノ如シ由來農業學校
〓員ハ啻ニ其ノ學術ニ精通セルノミナラ
ス〓育ニ對スル深キ理解ト强キ信念トヲ
有シ〓育的技能亦優秀ナラサルヘカラス
而シテ斯ノ如キ〓員ノ養成ニハ特設ノ機
關ニ依リテ〓養ヲ施スノ緊切ナルヤ論ヲ
俟タス
然ルニ現在唯一ノ農業教員養成機關タル
東京帝國大學農學部附屬農業〓員養成所
ハ農學部カ本〓ニ移轉後其ノ處置ヲ如何
ニスルカニ關シテスラ未夕成案ナキモノ
ノ如シ實ニ農村振興一日ヲ忽ニスヘカラ
サルノ秋農業〓員養成機關ノ不備今尙斯
ノ如キハ最遺憾ナリト謂ハサルヲ得ス
顧ミルニ東京帝國大學農學部附屬農業〓
員養成所ハ創立以來三十年ノ歷史ヲ有シ
此ノ間本邦農業〓育界ニ貢獻セルコト實
ニ尠カラス政府ハ此ノ際該〓員養成所ヲ
獨立セシメ以テ權威アルモノタラシムヘ
シ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百四十三北海道河川治水工事速進
ニ關スル建議案(神部爲藏君外六名
提出)
北海道河川治水工事速進ニ關スル建議
案理由書
北海道ノ各河川ハ原始的奔流ノ狀態ニア
リ此ノ間應急ノ治水工事ヲ施行セシモノ
アリト雖全局的ニ奔流ノ慘害ヨリ見ルト
キハ九牛ノ一毛ニ過キス拓殖ノ進捗ニ伴
ヒ原始ノ林相ハ田圍ノ領域ヲ擴大シ來ル
モ之ニ反シ年ト共ニ奔流汎濫ノ度ヲ高メ
區域ヲ擴大セラレ堤地ノ崩壊良圃及農產
物ノ流失家屋人畜ノ慘害死傷尠カラス故
ニ國土國富ノ保全タルノミナラス道民ヲ
シテ安堵セシメ此ノ慘害ヨリ救ヒ出スヘ
ク之カ治水工事ヲ速進セラレムコトヲ望
ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百四十四岩内築港速成ニ關スル建
議案(澤田利吉君外六名提出)
岩内築港速成ニ關スル建議案理由書
北海道岩內郡岩內港ハ北海道西海岸中小
樽函館ニ次ク須要ノ港灣ニシテ漁業商業
ノ中樞地タリ然ルニ既定漁港工事遲遲ト
シテ進捗セサル爲漁船ハ其ノ定繫場ヲ失
ヒ駸駸トシテ發達セル沖合漁業大ニ阻害
セラレ一般產業モ亦其ノ發達ヲ見サルハ
甚タ遺憾トスル所ナリ故ニ政府ハ速ニ未
成部分ノ起工ニ著手セラレ之カ完成ヲ期
セラレムコトヲ望ム之レ本案ヲ提出スル
所以ナリ
第百四十五無線電信ノ装置ニ關スル
建議案(小池仁郞君外六名提出)
無線電信ノ裝置ニ關スル建議案理由書
根室國花咲郡ノ各島及千島國列島ノ中擇
捉國後、色丹三島ノ生產年類ハ將二一
千二百萬圓以上ニ達シ住民五千人ヲ超ヘ
每年ノ出稼者六千人ヲ算スヘシ此等地方
ノ交通通信機關ハ三線ノ命令補助航路一
箇年約六十回ハ大小船舶ノ不定期船及一
線ノ海底電線アルノミ冬季五箇月間ハ航
路全ク杜絕シ海底電線亦屢故障ヲ生シテ
通信ノ用ヲ爲ササルコトアリ曾テ明治三
十七年二月露國ニ對スル宣戰ノ詔勅ヲ拜
セス漸ク半歲ノ後ニ至リテ國運ヲ賭スル
ノ大戰ニ參加セリ大正九年二月議會ノ解
散ヲ知ラス五箇月ノ後ニ於テ僅ニ選舉投
票ヲ行フ若夫レ住民ニ兵役ノ義務ナク又
選擧ノ權利ヲ與ヘサレハ何ヲカ謂ハム去
リナカラ之レ齊シク日本國民ナリ嗟何ソ
夫慘タルヤ更ニ產業上ニ被ル不幸不便ニ
至リテハ謂フニ忍ヒサルモノアリ宜シク
政府ハ速ニ無線電信ヲ裝置シ通信機關ノ
不備ヲ補ヒ以テ住民ノ不便不幸ヲ除去ス
ルハ正ニ當局者ノ義務ナリト信ス是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ
第百四十六京濱蓮河速成ニ關スル建
議案(湯淺凡平君提出)
京濱運河速成ニ關スル建議案理由書
京濱間ノ運輸交通ヲ便ニシ危險ヲ除去シ
運賃ヲ低減シ依テ以テ產業ノ發展貿易ノ
振興ヲ計ルニアリ是レ本案ヲ提出スル所
以ナリ
第百四十七實業補習〓育振興ニ關ス
ル建議案(高橋熊次郞君外四名提出)
實業補習〓育振興ニ關スル建議案理由
書
國民ノ文化ヲ增進シ產業ノ發達思想ノ安
定ヲ期スルニハ〓育ノ機會均等ヲ圖リ民
衆一般ノ知德ヲ高ムルヲ以テ根本ト爲ス
然ルニ我カ國ニ於テハ小學校修了者年年
百二十萬人ヲ算スト雖其ノ大多數ハ義務
〓育ヲ卒レハ全ク學校〓育ヲ離レテ直ニ
職業ニ從事スルノ情況ナリ此等多數靑年子
女ノ〓育ニ任スヘキモノハ實業補習〓育
ニシテ職業ニ關スル智能ヲ進メ公民タル
ノ訓練ヲ施ス等皆之ニ俟タサルヘカラサ
ルニ實業補習學校ノ大半ハ猶未タ一名ノ
專務〓員ヲモ有セス其ノ內容甚夕備ハラ
サルノ實情ナリ仍テ速ニ斯〓育ノ制度及
施設ヲ根本的ニ改善刷新シテ之カ振興ヲ
圖リ以テ產業ノ進展社會ノ堅實ナル發達
ヲ期セムトス是レ本案ヲ提出スル所以ナ
リ
第百四十八越美線速成ニ關スル建議
案(谷口宇右衞門君外二名提出)
越美線速成ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ茲
ニ之ヲ贅セス
第百四十九受驗資格撤〓ニ關スル建
議案(山下谷次君提出)
受驗資格撤廢ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百五十瀨戶內海ヲ中心トスル國立
公園設定ニ關スル建議案(山下谷次
君外一名提出)
瀨戶内海ヲ中心トスル國立公園設定ニ
關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百五十一野岩羽鐵道速成ニ關スル
建議案(高橋元四郞君外二名提出)
野岩羽鐡道速成ニ關スル建議案理由書
本鐵道ノ建設ヲ急要トスル理由ハ其ノ開
通ノ曉ニ於テ喜多方驛以西ノ磐越線米澤
驛以北ノ奧羽線ニ於ケル沿道ノ行旅及物
資ノ搬出ニ對シテ其ノ東京ニ達スル距離
ヲ非常ニ短縮シ得ルニ依リ交通機關トシ
テ能率ヲ十分ニ發揮シ得ルト倶ニ上杉鷹
山遣業地トシテノ米澤各種特產物及工業
都市トシテノ會津物產ヲ普ク中外ニ紹介
シ且米澤會津ノ兩平野ヲ遺憾ナク開發ス
ルコトヲ得ルハ勿論日光線鹿沼驛ノ以北
ニ於ケル沿線ノ重疊タル山巒蓊鬱タル森
林ノ間ニ於テモ亦鑛產製材ノ事就スヘク
牧畜發電ノ業興スヘク以テ大ニ永久的ニ
國家ノ福利ヲ增進スルコトヲ得ルヤ必セ
リ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百五十二日足鐵道速成ニ關スル建
議案(高橋元四郞君外一名提出)
日足鐵道速成ニ關スル建議案理由書
夫レ日光ハ世界的遊覧地トシテ自然ノ秀
麗ト人工ノ精華ト相俟テ雙美ヲ成ス所年年
參拜者三十萬ヲ數フ而シテ又足尾ハ金三
萬六千匁銀四百四十萬匁銅二千三百萬
斤ノ年額ヲ產出スル東洋無二ノ銅山所在地
ニシテ其ノ人口三萬ヲ下ラス卽チ直ニ西
シテ關東第一ノ機業地タル相生及之ニ亞ケ
ル機業地ノ伊勢崎ヲ經以テ群馬縣廳下ノ
前橋ニ達スヘシ要スルニ此ノ日光足尾兩鐵
道ヲ連絡スル該線路ノ完成ハ啻ニ內外人
ニ對スル觀光探勝ノ便有リト爲スノミナ
ラス其ノ行政上ニ益スル所亦頗ル大ナリ
況ヤ栃木群馬雨縣下ニ渉レル深山幽谷ノ
間ニ於テ林產鑛產等無盡ノ寶庫ヲ開發シ
以テ永遠ニ國家ノ富源ニ供シ得ルモノアル
ニ於テヲヤ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百五十三日光國立公園設定ニ關ス
ル建議案(高橋元四郞君外一名提出)
日光國立公園設定ニ關スル建議案理由
書
大自然ノ形成シタル雄大偉麗ナル景勝地
ハ素ト是レ人類全般ノ享有セル渾圓球上
ノ至珍至寶ニシテ決シテ一時代ノ特產物若
ハ一領域ノ専有物ニ非ス然リ則チ其ノ領
域內ニ幸ニシテ此ノ景勝ヲ有シ特ニ廣大
無邊ノ天惠地澤ニ浴セル國民ハ徹上徹下
其ノ天然美ヲ保護スルハ勿論更ニ加フルニ
人爲的ノ精華ヲ以テシ雄大ニ雄大ヲ重ネ
偉麗ニ偉麗ヲ添へ其ノ勞費ノ許ス限リ年
所ヲ顧ミス以テ之ヲ大成シ且之ヲ開放シ
季ニ隨ヒ節ニ應シ中外ノ人類ト倶ニ怡樂
ノ資ニ供シ以テ互ニ百年ノ壽ヲ保チ優ト
シテ黄金世界ヲ現出スルノ永遠策ヲ樹立
セサルヘカラス況ヤ當然ノ結果トシテ國
家ノ財政上及國民ノ經濟上ニ綽綽トシテ
餘裕ヲ生スルアルニ至ルハ敢テ言ヲ要セ
サルモノナルニ於テオヤ
抑我カ日光ハ本邦山水美ノ鍾ル所ニシテ
亦金碧燦然タル二社一寺ハ日本建築美ノ
極マル所其ノ中ニ就テ一坪ノ工費二萬四
千五百圓ヲ要シタル日光廟ノ如キハ洵ニ
世界稀有ノ國實ニ屬シ稻荷川ノ溪谷美ハ
日光第一ノ神祕境タリ其ノ峯巒ノ重疊タ
ル間其ノ溪流ノ潺湲タル邊到ル處ニ華嚴
以下無數ノ瀑布有リ海拔四千二百尺ノ中
禪寺湖畔ハ山氣陰森トシテ夏尙寒ク同シ
ク八千二百五十尺ノ奧白根ハ樹影蓊欝ト
シテ畫亦暗シ其ノ間ニ俗ニ御花畑ト稱ス
ル高山植物ノ見學地タル戰場ケ原有リ養
生保健ニ最好適セル溫泉有リ更ニ西シテ
金精峠ヲ越エ以テ群馬縣ニ入レハ二三ノ
水光〓螢ナル湖沼ハ秀靈ナル四圍ノ山容
ヲ涵シテ畫ヨリモ美ニ以テ船スヘク以テ
釣スヘク其ノ地域ノ廣キ其ノ趣味ノ饒キ
其ノ風景ノ大ナル眞ニ國立公園候補地ト
シテ海內ニ其ノ比ヲ見スト言フモ決シテ
過褒ニ非サルナリ
政府モ亦茲ニ見ル所有リ則チ此ノ日光ヲ
以テ國立公園ニ適セリト爲シ特派ノ専門
家ハ既ニ其ノ調査ヲヲ了セリト聞ク且又
第五十回帝國議會及本期議會ニ於テ國立
公園調査會設置ニ關スル建議案ヲ提出セ
ラレタルニ徵スルモ則チ本問題ニ對スル
機運ハ全ク熟セリト認ムルヲ以テ政府ハ
速ニ適正ナル法規ヲ制定シ此ノ日光ヲ中
心トシタル栃木群馬兩關係ノ一大仙寰ヲ
國立公園ニ指定シ公ニ官民ヲシテ其ノ據
ル所ヲ領得セシメ以テ其ノ連絡統一ヲ確
保シタル計畫ノ上ニ著著完全ナル世界的
國立公園ノ實現ヲ促進セラレムコトヲ望
ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百五十四沖繩縣救済ニ關スル建議
案(宜保成晴君外十六名提出)
沖繩縣救済ニ關スル建議案理由書
沖繩縣救濟問題ハ昨年第五十回議會ニ衆
議院ニ於テ各派ヨリ同樣ナル建議案ヲ提
出シ全會一致ヲ以テ通過セリ
議會終了後政府ハ內務大藏農林鐵道ノ各
省ヨリ人ヲ派シ親シク視察調査ヲ途ケ十
五年度豫算中ニ沖繩縣救濟資金トシテ七
十餘萬圓ヲ計上セルモ極度ニ疲弊セル沖
繩縣ノ狀態ハ斯ノ如キ小額ヲ以テ救濟シ
能ハサルコトハ蓋政府ト雖同感ナリト信
ス
世界戰爭後ノ財界ノ恐慌ハ仝國一般ニ亙
レルモ沖縄縣ニ於テハ殊ニ甚シク今ヤ縣
民ノ慘憺タル狀態ハ見ルニ忍ヒサルモノ
アリ
移輪出入ニ於テ大正八年ヨリ大正十四年
ニ至ル七箇年間ノ移輸入超過額一千八百
三十六萬九千餘圖ニシテ一箇年平均二百
六十二萬四千餘圓ニ當リ國庫關係ニ於テ
大正十三年度國庫收入ハ租稅及稅外收入
合シテ七百二十一萬一千四百四十四圓ニ
シテ國庫ヨリ支出シタル額百七十萬圓ヲ
差引五百五十餘萬圓ノ國庫實收入トナレ
リ縣民ノ外國竝縣外移住民ノ送金受取勘
定ヲ以テ差引モ大正十三年度ニハ六百餘
萬圓ノ通貨流出ヲ來タセリ
貧弱ナル沖繩縣ヨリ年年斯ノ如キ多額ノ
通貨流出ヲ見ルトキハ近キ將來ニ於テ財
的破綻ノ運命ニ陷ルハ火ヲ睹ヨリ明ナリ
現ニ縣民ノ設立セル三銀行全部破綻ノ狀
態ニ陷リ國稅縣稅町村稅ノ滯納者續續增
加セリ卽チ大正十二年度ノ國稅調定額五
百十萬七千八百七十五圓ニ對シ滯納額三
十九萬九千七百四十九圓ニシテ其ノ調定
額ノ約八分ニ當リ縣稅大正十三年度調定
額八十二萬八千六百六十一圓ニ對シ滯納
額十萬千百五十一圓ニシテ其ノ一割二分
强ニ當リ町村稅大正十三年度調定額百七
十六萬八千三百八十一圓ニ對シ滯納額二
十四萬七千七百六十圓ニシテ其ノ一割四
分ニ當ル國稅滯納者大正十年度五千七百
九十三人ナリシカ大正十二年度ニハ八
千八百九十四人ニ增加シ縣稅ノ滯納者大
正七年度三千二百三十五人ナリシカ大正
十二年度ニハ五萬一千一百十四人ニ激增
セリ
大正十二年度ニ於テ農業者カ銀行其ノ他
金利業者ヨリ融通ヲ受ケタル金額ハ六百
四十七萬八千圓ニシテ農家一戶當八十九
圓トナル若個人間ノ貸借關係ヲ精査シタ
ラムニハ農家ノ八割ハ正ニ負債ノ重荷ニ
苦メラレツツアリト稱セリ
我カ國耕地ノ一戶平均ハ一町一反ニシテ
沖繩縣ハ七反五畝步人口一方里平均二千
二百人ニ對シ沖繩縣ハ四千人ナリ
縣下七割五分ヲ占ムル農民ハ自ラ耕作シ
得タル甘藷ヲ以テ食糧トシ甘蔗作ニ依リ砂
糖ヲ製造シテ金ニ替へ生計ヲ維持シツツ
アルモ大正十年以來糖價暴落セル爲生產
費ヲ償フ能ハサル狀態ニアリ卽チ大正十
三年度ノ計算ニ依レハ砂糖一反當收入七
十圓二十錢ニシヲ其ノ生產費七十四國四
十三錢ニ営差引四圖二十三錢ノ損失ヲ來
タセリ
米麥豆ノ如キ食糧品ハ移人ニ仰キ唯一ノ
換金農産物タル砂糖ハ前述ノ通ナルヲ以
テ縣民ノ生活ハ實ニ慘憺タルモノナリ要
スルニ
一年年多額ノ通貨ハ流出シ
一唯一ノ移出產物ニシテ沖繩縣經濟ノ生
命トモ稱スヘキ砂糖ハ生產費ヲ償フ能
ハス
一縣稅町村稅ハ膨張シテ負擔ニ惱マサレ
一米麥豆等ノ食糧品ハ移入ニ伸クヲ以テ
米穀法及關稅法ニ依ル一般農產物ノ保
護政策ニハ却テ脅威ヲ受ク
一交通(鐵道)〓育等國家施設ノ恩典ニ浴
セス
沖繩縣ノ狀態上述ノ如シ
政府ハ沖繩縣ノ根本的救濟ノ實ヲ擧クル
爲速ニ北海道拓殖計畫ノ如キ徹底的方策
ヲ樹テラレムコトヲ望ム是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ
第百五十五樣似漁港修築ニ關スル建
議案(手代木隆吉君外六名提出)
樣似漁港修築速成ニ關スル建議案理由
書
北海道日高國際裳沖合ハ寒暖兩潮接衝ノ
影響圈內ニ屬シ本邦屈指ノ漁場ナリト雖
完全ナル漁船ノ避難港ナキ爲未タ其ノ實
摩ノ関拓ヲ見ルニ至ラス故ニ政府ハ地方
關發ノ爲樣似村ニ漁港ヲ修築セラレムコ
トヲ望ム之レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百五十六羽幌下沙流別間鐵道敷設
速成ニ關スル建議案(淺用浩君外六
名提出)
羽幌下沙流別間鐵道敷設速成ニ關スル
建議案理由書
本線ハ既ニ鐵道敷設法別表ニ編人セラレ
タルモノナルモ未タ其ノ起工年度決定セ
ラレサルヲ以テ沿線二箇町三箇村民ハ請
願及陳情ヲ重ネ之カ敷設速成ヲ迫リツツ
アリ由來本線ハ卽チ天鹽國ノ北部ニシテ
日本海ニ面シ陸上一線ノ地方費支辨道路
アルモ未タ車馬ノ通行スラ完全ナラス又
海上ニ一線ノ航路アルモ冬期西北風暴ク
海陸物產ノ積取リ搬出ニ少カラサル便宜
ヲ缺キ爲ニ沿岸陸上ノ開發及漁業ノ不振
ナルモノアリ同浩岸開發ノ遲遲タル實ニ
本鐵道敷設ノ晩キニ原因スルモノナリ是
レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百五十七壽都漁港修築速成ニ關ス
ル建議案(澤田利吉君外六名提出)
壽都漁港修築速成ニ關スル建議案理由
書
北海道壽都郡壽都町沿岸一帶ハ有望ナル
漁場ナリシカ湖流變化ノ爲近來魚族ノ襲
來頓ニ減少シ沖合漁業ヲ開拓セサレハ到
底其ノ地方ノ開發ヲ爲シ得サルノ狀態ニ
アリ而シテ之カ急務トスル所ハ漁業汽船
ノ碇泊避難スヘキ漁港ヲ得ルニアリ故ニ
政府ハ連ニ壽都漁港ヲ修築シ此ノ地方ノ
發展ヲ期セラレムコトヲ望ム是レ本案ヲ
提出スル所以ナリ
第百五十八船舶村ニ避難港築設ニ關
スル建議案(淺川浩君外六名提出)
船泊村ニ避難港築設ニ關スル建議案理
由書
北海道禮文郡船泊村ハ世界三大漁場ノ一
ニ數ヘラルル北見國禮文島ノ最北端ニ位
シ各種海產物ノ產額多キモ輓近鰊群ノ襲
來減退シ爲ニ鰊建網免計漁場場百六十餘
統中就業セシモノ僅ニ八十有餘ニ過キサ
ルノ狀況ニ陷リ今ヤ死活ノ岐路ニ逢著セ
リ而シテ之カ救濟ノ方法ハ避難港ヲ築又
シテ發動機ニ依ル漁船操縦ノ便ニ備へ以
テ漁獲方法ノ革新ヲ企圖スルニ在リ故ニ
政府ハ速ニ同村ニ避難港ヲ築設シ以テ地
方開發ヲ期セラレムコトヲ望ム之レ本案
ヲ提出スル所以ナリ
第百五十九名寄羽幌間鐵道敷設速成
ニ關スル建議案(淺川浩君外六名提
出)
名寄羽幌間鐵道敷設速成ニ關スル建議
案理由書
本線ハ鐵道敷設法ニ於ケル豫定線タリシ
モ今ニ其ノ起工ニ至ラス沿線開發上甚タ
遺憾トスルモノナリ卽チ本線ハ日本海ニ
面スル羽幌町ヨリ宗谷線ノ樞要驛名寄町
ヲ經テ函館線ニ直通シ又名寄ニテ交叉シ
網走線ニ直通スルモノニシテ本沿線ハ無
限ノ炭礦及森林地帶ナルモ運輸交通ノ途
ナキ爲開發ニ至ラス國富增進上重大ノ影
響アリト認ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百六十京濱運河遠成ニ關スル建議
案(戶井嘉作君外一名提出)
京濱運河速成ニ〓スル建議案理由書
東京横濱雨市岡ノ運輸交通ヲ便ニシ船舶
ノ航行ヲ安全ニシ從テ運賃ノ低減ヲ計ル
ト共ニ自然南岸ニ工場地帶ヲ作リ吾カ國
貿易ノ振興ヲ計リ產業ノ發達ニ資セムト
ス之レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百六十一蠶絲局設置ニ關スル建議
案(樋口秀雄君外十六名提出)
蠶絲局設置ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ茲
ニ之ヲ贅セス
第百六十二京濱運河速成ニ關スル建
議案(若尾幾太郞君外一名提出)
京濱運河速成ニ關スル建議案理由書
東京横濱兩市間ノ運鹼交通ヲ便ニシ船舶
ノ航行ヲ安全ニシ從テ運賃ノ低減ヲ計ル
ト共ニ自然兩岸ニ工場地帶ヲ作リ吾カ國
貿易ノ振興ヲ計リ產業ノ發達ニ資セムト
ス是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百六十三新町小海間鐵道建設ニ關
スル建議案(井本常作君外四名提出)
新町小海間鐵道建設ニ關スル建議案理
由書
本鐵道ハ國有鐵道高崎線新町驛ヨリ分岐
シ藤岡鬼石神川上野各都邑ヲ通シ長野縣
佐久鐵道小海驛ニ達シ以テ南毛西武各地
方ヲ縱斷スル線路ナリ由來本線ハ十石峠
街道ト稱シ關東ヨリ信越方面各地ニ通ス
ル樞要幹線ニシテ國道中仙道ニ對立シ裏
日本交通ノ要路ニ當リ其ノ距離四十五哩
而シテ近ク大正十八年高崎線復線工事完
成ニ、什ヒ信越線確氷ノ峻嶺ニ施設セラレ
タル舊時代ノ設備竝輸送力ノ現狀ニ鑑ミ
本鐵迫ニ依リ運輸ノ增進ト連絡ノ圓滑ヲ
圖リ之カ不安不便ヲ除去シ產業ノ開發經
濟ノ振興ニ資スルト共ニ一朝國家有事ノ
際國防ノ完全ヲ期スル上ニ於テ最緊要ナ
ル線ニシテ更ニ小海ヨリ中央線小淵澤ニ
至ル國有鐵道完成ト相俟チ關東甲信ノ連
絡ハ勿論更二關西各地方竝身延鐵道ニ依
リ〓水港ニ通シ東海道各方面ニ達シ表日
本及裏日本ヲ完全ニ連絡スル最捷徑路タル
ヘク本線使命ノ重大ナルコト信越中央雨
幹線ニ匹敵シ本州中央部ニ於ケル最重要
最急施ヲ要スル所ナリ而シテ沿線到ル所
景勝ニ富ミ產物頗ル饒ニシテ更ニ將來本
鐵道ノ完備ヲ待ツモノ枚擧ニ遑ナク就中
群馬縣多野埼玉縣秩父兩郡ニ跨ル國有林
ハ面積數萬町歩千古斧鐵ヲ加ヘサル美林
ニシテ良材ニ富メルコト全國ニ冠タリ實
ニ國家ノ寶庫トシテ推賞セラルル所ナリ
又埼玉縣大瀧中津川ノ全山無盡藏ノ鐵礦
ヲ產シ其ノ質其ノ量海内無比之カ開發ハ
直ニ鐵ノ自給自足トナリ國防ノ獨立ヲ期シ
得ラルヘク尙沿線到ル所無限ニ石灰岩蛇
紋岩石綿石材露出點在シ神流川流域ノ砂
利ノ採掘利用等天與ノ富源實ニ豐富ニシ
テ之カ開發ハ一ニ交通完備ヲ待ツノ外ナ
ク又上信甲武ノ國境ヲ縱走セル森林地帶
ハ山岳旅行家待獵家ノ渇仰措カサル所上
信國境附近ノ高原ハ避地トシテ將來ヲ
鳴望セラレ之ニ配スルニ鑛泉到ル所ニ湧
出シ都人士ノ行樂ニ最興趣深カルベキ探
勝線ナリ故ニ本線建設ハ啻ニ沿線地方文
化ノ發展產業ノ振興ヲ期スルノミナラス國
防上ノ見地ヨリスルモ速ニ敷設ノ要アリ
依テ鐵道敷設法ニ依ル豫定線路ニ編入シ
速ニ計畫ヲ立テ建設ニ著手セラレムコト
ヲ望ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百六十四下仁田三反田間鐵道建設
ニ關スル建議案(井本常作君外四名
提出)
下仁田三反田間鐵道建設ニ關スル建議
案理由書
本線ノ沿線各地ハ蒟蒻養蠶米作養鯉其ノ
他林產物石材等產物豐富ニシテ他ニ其ノ
比ヲ見サルノ〓アリ依テ經濟上ヨリスル
モ其ノ必要ナルコト自明ノ理ナリ故ニ政
府ハ速ニ本鐵道建設ノ方策ヲ立テラレム
コトヲ望ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百六十五金澤市ニ鐵道局設置ニ關
スル建議案(佐藤實君外四名提出)
金澤市ニ鐵道局設置ニ關スル建議案理
由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百六十六出雲大社宍道湖及中海ヲ
中心トスル國立公園設定ニ關スル建
議案(原夫次郞君外二名提出)
出雲大社宍道湖及中海ヲ中心トスル國
立公園設定ニ關スル建議書理由書
神代ニ於テ八百萬神ノ御集會アリシ出雲
大社ノ神域ヲ中心トシテ出雲國一圓到ル所
古來傳說及國民ノ口碑ニ芳シキ神社佛閣
散在シ現時賽者踵ヲ接スルノ有樣ナリ又出
雲大社所在地方ヨリ伯耆國大山ニ至ルノ
間宍道湖及中海ヲ中心トシ此ノ地一帶ハ
山紫水明ニシテ所謂日本三景ノ遠ク及ハ
サル所一度山陰鐵道ノ開通セシヨリ此ノ
地ニ來遊スル者年一年增加ノ狀アリ眞ニ國
民的一大樂園タリ故ニ政府ハ速ニ國立公
園ノ計畫ニ著手シ交通機關ノ整備其ノ他
ノ設備速進ヲ計ラレムコトヲ望ム是レ本
案ヲ提出スル所以ナリ
第百六十七福島縣松川浦ニ避難港兼
漁港築設ニ關スル建議案(佐藤富十
郞君外三名提出)
福島縣松川浦ニ避難港兼漁港築設ニ關
スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ是ヲ贅セス
〔補足〕
福島懸相馬郡松川浦ニ避難港及漁港築設
ニ關スル建議案ニ對スル主旨辯明
當避難港ハ昨五十議會ニ於テ建議案トシ
テ提出滿場一致可決今議會ニ再ヒ提出致
シタルハ萬止ムヲ得サル所ニシテ同避難
港ハ近海六十里間ニ漁船ノ避難スヘキ個
所無キカ故ニ漁船ハ急激ナル風波ノ爲メ
ニ年々歲々難破船多ク爲メニ漁業壯丁ヲ
失フコト其ノ多キヲ加工爲メニ近海漁村
二十五ヶ濱ハ其ノ危險ニ腦マサレ漁業ニ
從事スルニ當リ多クハ出漁ノ時機ヲ失シ尠
ナカラサル生活難ニ陷リ殆ト見ルニ不忍加
フルニ船溜リト稱スル個所無キカ爲メニ
發動附漁船ヲ使用スル能ハス此點ニ於テ
ハ最モ不便不利ヲ减シ漁業社會ノ一般ヨ
リスルモ六十里間ニ船溜リナキ個所ハ全
國ヲ通シ一モ有之ヲ見ス斯ノ如キハ全ク
均霑ヲ缺キタルモノト云フヘシ松川浦ハ
舊中村城ヲ去ル三哩ノ地點ニシテ今ヤ電
車鐵道モ既ニ起工ニ著手シ福相鐵道ノ終
點ニ位シ將來發展スヘキハ確實ニシテ政
府ハ速ニ調査セラレ避難港修築ニ著手セ
ヲレンコトヲ地方相馬双葉二十万人ノ切
望ニ堪エサル所ナリ工費ハ僅ニ八十万圓
ヲ以テ足ルト雖モ其效果ハ實ニ驚ク可キ
モノアリ先ツ漁業ニ於テ一ヶ年百万圓ヲ
層シ壯丁ヲ死ニ至ラシメサル莫大ノ利益
アリ且ツ地方發展ニ資スル利益ハケタシ
莫大ナルモノニシテ數字ニ表ハスコトヲ
得サルモ國家ノ事業トシテハ其ノ工費ノ
僅少ナルニモ拘ラス其ノ利益ノ莫大ナル
ハ他ニ比類ナキ避難及漁港ニシテ政府ハ
之カ調査シタランニハ一第縮ヲ標榜スルト
雖、斯ノ如キ國益ヲ無視スル能ハザルヘ
シト信ス故ニ本員ノ主旨辯明ハ間短ナリ
ト雖モ一度政府ハ實査スルノ責任アルモ
ノト信ス政府ハ直チニ調查セラレンコト
ヲ希望ノ至リニ堪ヱス
第百六十八金澤市ニ高等師範學校設
置ニ關スル建議案(佐藤實君提出)
金澤市ニ高等師範學校設置ニ關スル建
議案理由書
近來中等〓育ノ向上發達ニ連レテ之ニ要
スル中等學校〓員ノ需要年ヲ追フテ共ニ
增加シツツアルニ拘ラス供給之ニ供ハサ
ルハ頗ル遺憾ニシテ殊ニ我カ北陸地力ハ
永ク文運ノ進步ニ遲レ〓化ノ普及薄キ恨
アリシモ近時稍其ノ面目ヲ更新セルノ慨
アリシモ各般ノ施設之ニ伴ハス就中中等
〓員ノ缺乏ハ此ノ機會ヲ助成スルニ一大
障壁ナルハ世ノ擧ケテ認ムル所ナリ石川
縣金澤市ハ氣候風土及地理的關係ノ見地
カラ最好適地タリ此ノ地ヲトシ該校設置
ノ曉ハ裏日本文化ノ進展期シテ待ツヘキ
ノミ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百六十九遠信鐵道速成ニ關スル建
議案(山本勝次君外一名提出)
遠信鐵道速成ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ之
ヲ贅セス
第百七十越中島線敷設速成ニ關スル
建議案(太田信治郞君外二名提出)
越中島線敷設速成ニ關スル建議案理由
書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百七十一拓殖省設置ニ關スル建議
案(〓水留三郎君外二名提出)
拓殖有設置ニ關スル建議案理由書
我カ國ハ領土狹隘ニシテ資源豐ナラス人
口ノ過剩ト食糧ノ不足愈甚シカラムトス
內ニ人口ノ分布ヲ按配シテ產業ノ興隆ヲ
圖ルト共ニ海外ニ邦人移植ノ途ヲ開キ糧
ヲ國外ニ需メテ人口ト食糧トノ調節ヲ圖
リ資本ノ投下ト相俟テ產業ヲ異域ニ進メ
貿易ヲ振興スルハ我カ國刻下ノ狀況ニ處
スヘキ最喫緊ノ要務ニシテ亦實ニ國本培
養ノ長計タリ政府ハ速ニ移植民政策ヲ確
立シテ拓殖事業ノ保護獎勵及移植民ノ指
導獎勵ニ努ムルヲ要ス
然ルニ此等ノ事務ヲ統轄スル中央行政機
關ヲ見ルニ其ノ機關區區ニ岐シテ統一的
經營ヲ爲スニ便ナラス且其ノ規模餘リニ
小ニシテ微微トシテ振ハス拓殖行政ノ實
效ヲ擧クルニ遺憾ノ點少カラス依テ政府
ハ速ニ一省ヲ設置シ以テ拓殖行政ノ實績
ヲ擧ケムコトヲ望ム是レ本案ヲ提出スル
所以ナリ
第百七十二民間航空事業促進ノ爲政
府ノ施設ニ關スル建議案(安藤正純
君提出)
民間航空事業促進ノ爲政府ノ施設ニ關
スル建議案理由書
國防上產業上交通上民間航空事業ノ促進
ヲ要スルコト言ヲ待タス是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ
第百七十三溫泉法規制定ニ關スル建
議案(平川松太郞君外三名提出)
溫泉法規制定ニ關スル建議案理由書
我カ邦溫泉ノ豐富ナルコト外國ニ其ノ比
ヲ見サル所ナリ從テ温泉地帶竝溫泉業ノ
保護奬勵ニ付テハ政府ハ相當ノ留意ヲ要
スヘキニ從來之等ノ保護ニ付テハ單ニ各
府縣令ニ委ネ溫泉地タル同町村内ニ於ケ
ル濫掘ヲ禁止スル外現ニ湧出セル溫泉ヲ
完全ナル財產權トシテ之ヲ認ムルノ法規
ヲ缺ク斯ノ如キハ溫泉ニ對スル企業心ト
溫泉業ノ發達ヲ阻害スルモノナルカ故ニ
鑛業法若ハ漁業法ノ如ク溫泉ニ付テ土地
ト分離シタル權利ヲ認メ單獨ニ之ヲ處分
シ若ハ抵當權ノ目的タリ得ル法規ヲ設ケ
以テ其ノ權利ヲ確實ニ保護シ且金融ノ便
利ヲ得セシムルハ機宜ノ方策ナリト認ム
是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百七十四帝國在〓軍人會國庫補助
ニ關スル建議案(作間耕逸君外二名
提出)
帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ明ナルヲ以テ玆
ニ是ヲ贅セス
第百七十五鶴岡、羽前高松間鐵道敷
設ニ關スル建議案(石川長右衞門君
外七名提出)
鶴岡、羽前高松間鐵道敷設ニ關スル建
議案理由書
月山朝日嶽ノ山彙一帶古來斧鉞ヲ入レサ
ル大森林ヲ有シ其ノ他無量ノ鑛產物ヲ藏
スルモ之ヲ搬出スル機關ナキヲ以テ天與
ノ富源モ開發スルニ由ナキヲ遺憾トスル
ヤ久シ若夫レ左澤線ヲ延長シ縣道六十里
越街道ニ沿フテ鶴岡市ニ至ル鐵道ヲ敷設
スルニ於テハ是等ノ富源ハ容易ニ開發セ
ラルヘシ更ニ哩數ヨリ見レハ山形鶴岡間
ハ之カ爲約四十五哩トナリ陸羽線經由ノ
七十四哩餘ナルニ比シ二十九哩餘短縮セ
ラル假ニ二十九哩ノ短縮ハ本鐵道ヲ敷設
スル主ナル理由タラストスルモ新庄迂回
ヲ唯一ノ通路ト賴レル村山庄內地方相互
ノ運輸交通關係ハ現在ニ於テスラ遺憾ノ
點尠カラス況ヤ將來此ノ關係益繁劇ヲ加
ヘムトスルニ於テオヤ殊ニ羽越沿岸線ハ
今ヤ全通セラレタレハ仙山鐵道カ豫期ノ
如ク速成ヲ見ルニ至ラムカ東北日本ノ表
裏關係ハ之カ爲更ニ契結ヲ鞏固ニシ延テ
東北振興ノ一大動力トナルヤ必セリ之レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
第百七十六酒田眞室川間鐵道敷設ニ
關スル建議案(齋藤金吾君外一名提
出
酒田眞室川間鐵道敷設ニ關スル建議案
理由書
本線ハ山形縣下酒田ヨリ觀音寺ヲ經同縣
下奥羽本線眞室川驛ニ直通スルモノニテ
所謂飽海平野ノ中心ヲ橫斷スルモノナリ
本線ハ往古ヨリ交通セル道路アリテ最上
地方トノ通商ハ一ニ之ニ依リシモノナリ
加フルニ酒田築港工事完成ノ上ハ豐富ナ
ル米穀ノ產出ト無盡藏ナル最上山林ノ利
用ト相俟テ地方經濟上ノ發逹亦驚クヘキ
モノアラムトス故ニ政府ハ速ニ本鐵道敷
設ノ計畫ヲ樹テ以テ地方ノ開發ニ資セラ
レムコトヲ望ム之レ本案ヲ提出スル所以
ナリ
第百七十七鶴岡市ニ高等師範學校新
設ニ關スル建議案(齋藤金吾君外一
名提出)
鶴岡市ニ高等師範學校新設ニ關スル建
議案理由書
近年中等〓育ノ勃興ニ伴ヒ中等〓員ノ需
用年ト倶ニ急ヲ告ケツツアルニ拘ラス供
給之ヲ充タスニ足ラサルハ我カ〓育界ノ
爲甚夕遺憾ニ堪ヘサル所ナリ殊ニ東北ノ
地ハ永ク文運ノ進步ニ遲レ近年ニ至リ旺
然トシテ發展ノ機運ヲ見ルニ至レルモ諸
般ノ施設之ニ伴ハス特ニ中等〓員ノ缺乏
ハ此ノ機運ヲ助長スル上ニ一大障礙タル
コト識者ノ觀ル所ヲ同ウスル所ナリ
山形縣鶴岡市ハ周圍ノ狀況〓育地トシテ
最好適ナルヲ以テ此ノ地ニ高等師範學校
ヲ設立シ優良ナル中等〓員ヲ養成スルハ
東北文化ノ向上ヲ圖リ帝國〓育ノ發達ニ
資スル所以ナリト信ス之レ本案ヲ提出ス
ル所以ナリ
第百七十八荒砥左澤間鐵道速成ニ關
スル建議案(石川長右衞門君外八名
提出)
荒砥左澤間鐵道速成ニ關スル建議案理
由書
本鐵道ハ山形縣左澤線ノ終點ト長井線ノ
終點トヲ連結スルモノニテ旣ニ鐵道敷設
法ニ依リ決定セルモノニシテ本線ノ連絡
ヲ見テ運輸交通ノ發達ヲ期スヘシ之レ本
案ヲ提出スル所以ナリ
第百七十九庄原區裁判所管轄區域變
更ニ關スル建議案(渡邊伍君外二名
提出)
庄原區裁判所管轄區域變更ニ關スル建
議案理由書
庄原區裁判所ハ最近ノ建設ニ係ル從テ僅
ニ十八箇町村ヲ管轄スルニ過キス其ノ事
件數ノ如キモ附近區裁判所ニ比シ均衡ヲ
缺クコト大ナリ尙町村ノ利便關係ヨリ之
ヲ見レハ從來其ノ管轄ヲ定ムルニ郡ヲ以
テ標準ト爲シタル關係上庄原區裁判所所
在地ヨリ最近距離ニアル前記各町村モ却
テ遠隔セル福山三次區栽判所ノ管轄ニ屬
シ大ナル不便ヲ生シ居レルハ左記ノ表ニ
依リ明ナリ故ニ區裁判所事務ノ均衡ヲ保
ツト同時ニ地方人民ノ利便ヲ圖ルノ要ア
リ是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
福山區裁判所及三次區裁判所管轄ノ
内庄原區栽判所管轄ニ更アリタキ
各町村里程表
一廣島縣甲奴郡(福山區裁判所管轄)
庄原町迄福山市迄
町村名ノ里程ノ里程
田總村三里一町十八里八町
上川村四里五町十八里十三町
領家村六里二十一町十七里三十三
町
甲奴村六里二十四町十七里三十五
町
吉野村八里五町十三里三十町
矢野村八里二町十二里七町
上下町八里六町十五里三十一
町
〓嶽村九里二十町十一里十一町
階見村十里五町十一里三十町
一廣島縣神石郡(福山區裁判所管轄)
高光村五里三十町十四里十五町
永渡村五里十一町十四里二町
古川村六里八町十三里十八町
一廣島縣比婆郡(三次區裁判所管轄)
町村名庄原町迄三次町迄
ノ里程ノ里程
口南村三里四町七里十二町
口北村四里十八町六里十六町
上高野七里十三町十里二十町
山村
下高野八里十町九里十五町
山村
第百八十貴生川加茂間鐵道速成ニ關
スル建議案(高井商二君外三名提出)
貴生川加茂間鐵道速成ニ關スル建議案
理由書
本線ハ草津線貴生川驛(私設近江鐵道起
點ヨリ分岐シ滋賀縣甲賀郡京都府相樂
郡ノ各町村ヲ經テ關西本線加茂驛ニ連絡
スルモノニシテ該地方ノ產業竝文化ノ發
展ヲ促進シ延テ國利民福ノ增進ニ資スル
事實ニ多大ナルモノアリ現ニ本線ハ旣ニ
第四十六回議會ニ於テ八箇年繼續事業ト
シテ之カ建設計畫ヲ決定セラレ大正十三
年度ヨリ起工準備ニ著手セラルヘキモノ
ニシテ地方民ハ狂喜シテ其ノ完成ヲ翹望
シツツアリシニ突如財政緊縮ノ爲大正十
六年度迄之カ著手ヲ延期セラレタルハ遺
憾ニ堪ヘサル所ナリ依テ政府ハ速ニ本線
敷設工事ニ着手セラレムコトヲ望ム是レ
本案ヲ提出スル所以ナリ
第百八十一淡水魚族增殖施設ニ關ス
ル建議案(藤澤萬九郞君提出)
淡水魚族增殖施設ニ關スル建議案理
由書
湖沼河川其ノ他ノ淡水水域ハ吾カ國土ニ
普ク其ノ面積廣汎ニシテ無限ノ利源ヲ包
藏シ之カ開發ヲ圖ルハ巨多ノ食糧增加ヲ招
來スルノミナラス農村振興ニ寄與スル所
亦尠カラス然ルニ現時ニアリテハ之カ施
設ハ主トシテ地方事業ニ委ネ國家事業ト
シテ觀ルヘキモノナキハ斯業發展上ノ一
大缺陷ニシテ國家ノ一大損失ナリ元來湖
沼河川卽チ淡水魚族ノ棲息水域ハ全國約
百五十萬町步ニシテ之ニ投スル國費ハ僅
ニ三四萬圓ニ上ラス之レ斯業ノ振ハサル
一原因ナリ今ヤ地万產業振興ノ啓朝野ニ
充チ食糧生產增加ノ急ヲ叫フノ時ニ當リ
之カ試驗〓究ノ機關ヲ完備シ以テ淡水水
面ノ利用ヲ普及促進セシメ國立種苗場ヲ
設立シ魚介種苗ノ配給ヲ圓滑ナラシメ地
方事業民間事業ノ根幹ヲ樹立シ其ノ增殖
機能ヲ發展普及セシムルハ實ニ刻下ノ急
務ナリ
由來滋賀縣ハ是等ノ施設ヲ完備スヘキ場
所トシテ夫ノ琵琶ノ大湖ヲ擁シ其ノ水深氣
溫共ニ其ノ〓究ニ好適ナルノミナラス幾多ノ
河川ニ富ミ且吾カ國ノ中央ニ位シ交通機
關又整備セルヲ以テ淡水魚族ノ增殖機關
設備上最好適當タルハ敢テ多言ヲ要セサ
ルナリ加之内地產ノ鱒ハ逐年減少シ獨リ
琵琶湖產ノ鱒ノミ之カ放流事業ノ爲僅ニ
現狀ヲ維持シツツアルニ徵シ琵琶湖ヲ利
用シ鱒ノ放流事業ノ國營ヲ期スルハ最適
切ナル施設ナリト信ス因テ政府ハ速ニ滋
賀縣ニ於テ之カ施設ヲ完成セラレムコト
ヲ望ム是レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百八十二關ヶ原木ノ本間鐵道速成
ニ關スル建議案(藤澤萬九郞君外二
名提出)
關ケ原木ノ本間鐵道速成ニ關スル建議
案理由書
本線ハ岐阜縣關ケ原驛ヨリ滋賀縣木ノ本
驛ニ達シ東海道線ト北陸線トヲ澤狀ニ連
絡スルモノニシテ他日延テハ三重縣四日
市ニ至リ太平洋ト日本海トヲ通シ併セテ
敦賀港ト四日市港トヲ連絡シ貿易產業支
化ノ發展竝國防ノ用ニ資スル頗ル多大ナ
ルモノアリ現ニ本線ハ旣ニ第四十六回議
會ニ於テ八箇年繼續事業トシテ之カ建設
計畫ヲ決定セラレ大正十三年度ヨリ起工
準備ニ著手セラルヘキモノニシテ地方民
ハ之カ完成ヲ熱望シツツアリアリシニ突
如トシテ財政緊縮ノ爲大正二十年度迄之
カ著手ヲ延期セラレタルハ遺憾ニ耐ヘサ
ル所タリ依テ政府ハ速ニ本線敷設工事ニ
著手セラレムコトヲ望ム是レ本案ヲ提出
スル所以ナリ
第百八十三北海道治水ニ關スル建議
案(岡田伊太郞君外三名提出)
北海道治水ニ關スル建議案理由書
本道ノ各河川ハ未タ治水工事ヲ加フルノ
遑ナクシテ原始的狀態ニアルモノ殆ト其
ヲ全般ヲ占ム而シテ今ヤ拓殖ノ進展シテ
森林ハ伐採セラレ上流原野ハ開拓セラル
ルニ從ヒ土砂ヲ流出シテ河底ヲ埋沒シ
山野雨水ヲ潴留スルノ力モ亦次第ニ減セ
ラレ一朝出水ニ會スルヤ其ノ急激ナル增
水ハ縱横ニ暴威ヲ逞フシ或ハ河岸ヲ決潰
シ或ハ流身ヲ變轉シ年年沃土ヲ荒亡シ生
產物ノ流滅ニ歸スルモノ擧ケテ數フヘカ
ラス北海道廳調査ニ依ルニ國費支辨ノ二
十六河川ノミニテモ明治四十二年以降大
正九年ニ至ル各年平均水害額四百二十三
萬餘圓ニ達ス而シテ浸水ノ爲ニ開發ヲ得
サル沃土ノ面積八萬四千餘町步ニ及フ若
是ニ適當ノ治水工事ヲ施スニ於テハ年年
ノ慘害ヲ除去スルノミチラス浸水地ノ開
發ニ依テ一箇年三千六十餘萬圓ノ收益ヲ
擧ヶ得ヘシト謂フ然ルニ前記河川ノ内唯
僅ニ石狩川本支流ノ一部常呂十勝川竝釧
路川ニ對シテノミ治水ノ計畫ヲ立テ目下施
工中ナリト雖其ノ工費年額ノ不足ニ加フ
ルニ數次事業ノ繰延ニ遣ヒ之カ竣成ハ數
年乃至十數年ノ後ニ俟タサルヘカラサル
ノ狀況ニアリ本道治水ノ前途洵ニ遼遠ナ
リト謂ハサルヘカラス故ニ政府ハ旣定計
畫ノ促進ヲ圖ルト同時ニ未タ計畫ノ樹立
セサル河川ニ對シテハ速ニ根本的計畫ヲ
立テ逐次其ノ工ヲ進メ治水事業ノ完成ヲ
期セラレムコトヲ望ム是レ本案ヲ提出ス
ル所以ナリ
第百八十四東京都制急施ニ關スル建
議案(作間得逸君外二十三名提出)
東京都制急施ニ關スル建議案理由書
大東京都制ハ市民多年ノ要望ニシテ今ヤ
國論ノ主ナルモノト爲レリ仄聞スル所ニ
依レハ政府ハ既ニ其ノ調査ヲ了シテ提案
ノ準備了レリト果シテ然ラハ其ノ內容ニ
關シ一部ノ非議ヲ顯ミス斷乎トシテ之ヲ
提出シ國民ノ輿論ヲ實現シ政府ノ都市政
策ヲ完成セラルヘシ是レ本案ヲ提出スル
所以ナリ
第百八十五北海道甜茶糖業補助ニ關
スル建議案(松實喜代太君外三名提
也
北海道甜菜糖業補助ニ關スル建議案理
由書
北海道ノ地質氣候ハ甜菜耕作ニ適シ現在
作付段別八千町歩一箇年收量二億四千萬
斤ナルモ逐年著シク作付段別竝收量ヲ增
加シ其ノ奬勵宜シキヲ得ハ將來ニ於テ其ノ
段別八萬町步一箇年精製樹四億斤ヲ產出
シ併セテ副業トシテ畜產ノ勃興ヲ促シ本
邦ニ於テ年年輸人スル數千萬圓ノ砂糖及
數百萬圓ノ乳製品ヲ防止シ對外貿易ノ逆
調轉換ニ資スルコト甚大ナルノミナラス
斯業ノ發展ハ地力ノ維持增進竝農家經濟
ノ安固ヲ圖リ延テ拓殖事業ノ進捗ニ甚大
ナル效果ヲ及ホスハ言ヲ俟タサル所ナリ
然ルニ甜菜ノ耕作ハ集約的及科學的耕作
ヲ要スルモノアルニ拘ラス北海道ニ於テハ
斯業ノ創始日楢淺キヲ以テ未タ收支相
償フノ程度ニ達セス顔ル困憊ノ狀態ニ在
リ是ニ於テ耕作者ノ苦痛ヲ輕滅スル方法
ハ從來以上ニ甜菜代金ヲ引上クルカ又ハ
獎勵金ヲ增額スルノ外ナク而モ製糖業者
ハ積年莫大ノ損失ヲ被リ現狀ノ儘ニテハ
全ク買入代金引上ケノ餘力ナキヲ以テ當
分ノ內北海道ニ於ケル甜菜糖ニ課セラル
ル消費稅ニ對シ其ノ三分ノ二ニ相當スル
金額ヲ農村甜茶耕作者ニ補助シ以テ當面
ノ窮境ヲ救ヒ進ムテ將來斯業ノ發展ヲ圖
ルハ喫緊ノ要務ナリト思料ス是レ本案ヲ
提出スル所以ナリ
第百八十六帝國在〓軍人會國庫補助
ニ關スル建議案(松岡俊三君提出)
帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百八十七帝國在〓軍人會國庫補助
ニ關スル建議案(池田泰親君提出)
帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百八十八衞生組合法制定ニ關スル
建議案(大里廣次郞君外三名提出)
衞生組合法制定ニ關スル建議案理由書
顯フニ現在ノ衞生組合法ハ明治三十年法
律第三十六號傳染病豫防法ノ一條規ニ端
ヲ發シ法人組織ニ非スシテ全國統一的ノモ
ノニ非ス從テ其ノ構成及施設區區ニシテ
其ノ相互間ノ連絡ニ甚タ不便ニシテ且〓
ネ權限微弱ナルカ爲實績ヲ擧ケルコト頗
ル困難ニシテ時代ノ進運ニ適應セス依テ
單行法律トシテ衛生組合法ヲ制定シ是カ
機能ノ發揚ヲ期スルコトハ刻下ノ急務ナ
リト思考ス故ニ政府ハ內外ノ狀態ニ鑑ミ
速ニ是カ制定ノ計畫ヲ立テラレムコトヲ
望ム之レ本案ヲ提出スル所以ナリ
第百八十九京都高等蠶業學校ニ製絲
科設置ニ關スル建議案(川崎安之助
君外一名提出)
京都高等蠶業學校ニ製絲科設置ニ關ス
ル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
第百九十拓殖省設置ニ關スル建議案
(牧山耕藏君外八名提出)
拓殖省設置ニ關スル建議案理由書
本案提出ノ理由ハ本文ニ詳ナルヲ以テ玆
ニ之ヲ贅セス
衆議院議事速記錄第二十六號中正誤
頁段行誤正
六七八二二五佐藤重遠君ノ次ニ藤井敬
愼君ヲ加フ
七四二三二八議論ヲ以テ議論ノミヲ
以テ
同四三ハ行
七四三一九進步進捗
關稅引上ト米穀法ノ運
三一八云フモノ用
同同三六ソレヲ除カ行
レテ
同四三所衍
或ハ其他ニ
七四國ニ二五現ハレテ居衍
ル所ノ外
何二二六米粟
三六內國內地
同同同同同朝鮮米
三七先ヅ朝鮮米
三二三雜穀外米
買四三分衍
七四五一四ノ
ー點
同岡七其間ニ內地米ニ比
シ其間ニ
圖二人ニートン米ミートン米
同三〇ニートン米ミートン米
同三二ニートン未ミートン米
同同同同同同同同三六ニートン米ミートン米
二二八米穀法ヲ衍
三同三九生產階級消費階級
三米及小麥米及籾
同出來ナイト出來ナイコ
岡六思フトヲ知リ
同同七本年ノミニ本年ノ經驗
付テニ付テ
同付テ付テ左樣ニ
八米小麥米扨
同同同同
同同同同同。 大ナル衍
一四米麥米籾
同一七米麥ノ關係米籾ノ關稅
同四三二參ル譯ニ居ル譯ニ
根本國策、根本國策ト
七四六一ー之ヲシモシテ關稅引
上ヲ
同同一九出來上ルト出來ルトシ
シテモテモ
同同四三主產增加率生產增加率
同三一泥土ニナツ塵芥ノ中へ
テ
同三〇聲拘ラズ拘ラズ
同同
四三八シ、又今日併シ今日
七四七一二七域位地
同同三四私共ハ私共ハ關稅
ヲ引上ゲ
同三七農民組合ノ農民組合ガ
同同エモ甘受シナイ看過シナイ
農民ノ種々農民ノ純ナ
同同二五ナルル
同同二八忠誠ノ意忠誠ノ誠意
七四八一三〇關稅ノ稅率關稅々率
ニ依ッテノ引上ニ
同同三依ッテ
二二八本黨ノ街
同同五十錢ノ
同三二五十餘ノ
所謝國民ハ
同同三六所謂國民ハ一人一年平
均
同四一五責努ヲ責務ヲ
同同三二餘剩能力餘剩勞力
七四九一四工用デアル工業用デア
ル
此輸入ヲ與此輪入ヲ調
七五〇一四〇ヘテベテ
同二三改正スル引上ゲル
同同人新製品粉製品
衆議院議事速記録第三十三號中正誤
頁段行誤正
八八五四四永田善三郞衍
君
衆議院議事速記錄第三十五號中正誤
頁段行誤正
九三二一四延期院議
九五〇四三標準價格賃貸價格
其標準地ノ
同五標準賃貸價其標準地ヲ
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