第56回帝国議会　衆議院　本会議　第41号　昭和4年3月25日

1. 会議録本文

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• 000・会議録情報

  昭和四年三月二十五日（月曜日）午前十一時二分開議
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  　議事日程　第四十號
  　　昭和四年三月二十五日
  　　　午後一時開議
  　第一　鐵道營業法中改正法律案（政府提出、貴族院囘付）
  　第二　議院法中改正法律案（名川侃市君外三名提出）　第一讀會
  　第三　建築士法案（岡田忠彦君外六名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第四　工場法中改正法律案（千葉三郎君外五名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第五　司法代書人法中改正法律案（坂本志魯雄君外三名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第六　國定教科書官給法案（樋口秀雄君外六名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第七　東京府及神奈川縣に於ける震災の爲土地區劃整理を施行せる地區内の假建築著手期限延長に關する法律案（矢野鉉吉君外十四名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第八　廣島市に關する法律案（森保祐昌君外一名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第九　健康保險法中改正法律案（西尾末廣君提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第十　衞生組合法案（田崎信藏君外四名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第十一　衞生組合法案（大里廣次郎君外八名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第十二　傳染病豫防法中改正法律案（田崎信藏君外四名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第十三　公娼制度廢止に關する法律案（安部磯雄君外三名提出）　第一讀會の續（委員長報告）
  　第十四　北海道鐵道敷設速成に關する建議案（木下成太郎君外九名提出）
  　第十五　上野我孫子間電車速成に關する建議案（川島正次郎君外一名提出）
  　第十六　廣島市に鐵道局設置に關する建議案（岸田正記君外三名提出）
  　第十七　吉松八代間鐵道電化促進に關する建議案（松野鶴平君提出）
  　第十八　北海道漁港修築速成に關する建議案（木下成太郎君外九名提出）
  　第十九　滋賀縣に國立淡水養魚試驗場設置に關する建議案（富田八郎君外二名提出）
  　第二十　廣島市に貯金支局設置に關する建議案（岸田正記君外三名提出）
  　第二十一　大分縣野上村に區裁判所出張所設置に關する建議案（金光庸夫君提出）
  　第二十二　琵琶湖を中心とする國立公園設定に關する建議案（清水銀藏君外二名提出）
  　第二十三　六甲山を中心とする國立公園設定に關する建議案（蔭山貞吉君提出）
  　第二十四　尾張戸神社昇格に關する建議案（丹下茂十郎君提出）
  　第二十五　皇漢醫學に關する建議案（高橋熊次郎君外一名提出）
  　第二十六　山梨縣鹽山に區裁判所設置に關する建議案（田邊七六君提出）
  　第二十七　憲政功勞者表彰に關する建議案（村松恒一郎君提出）　（委員長報告）
  　第二十八　軍人傷痍記章令中改正に關する建議案（山下谷次君提出）　（委員長報告）
  　第二十九　一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定に關する建議案（山下谷次君提出）　（委員長報告）
  　第三十　恩給其の他の恩典に雇員在職年數通算に關する建議案（青木精一君提出）　（委員長報告）
  　第三十一　恩給法中改正に關する建議案（櫻内辰郎君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三十二　貴族院令中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第三十三　貴族院伯子男爵議員選擧規則中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第三十四　貴族院多額納税者議員互選規則中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第三十五　高等試驗令中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第三十六　官吏年功加俸令制定に關する建議案（水久保甚作君提出）　（委員長報告）
  　第三十七　陸海軍記念日を國家の祝日と爲すの建議案（蔭山貞吉君外二名提出）　（委員長報告）
  　第三十八　陸海軍記念日を國家の祝日と爲すの建議案（三浦虎雄君提出）　（委員長報告）
  　第三十九　朝鮮及臺灣施政調査會設置に關する建議案（神田正雄君外二名提出）　（委員長報告）
  　第四十　朝鮮に於ける鑛業助長に關する建議案（横堀治三郎君提出）　（委員長報告）
  　第四十一　臺灣總督府鑛業行政機關に關する建議案（横堀治三郎君提出）　（委員長報告）
  　第四十二　外客誘致に關する建議案（野田俊作君外三名提出）　（委員長報告）
  　第四十三　外客誘致に關する建議案（田中萬逸君外二名提出）　（委員長報告）
  　第四十四　行政整理調査機關設置に關する建議案（井上孝哉君外四十八名提出）　（委員長報告）
  　第四十五　公用文書等に用ゐる文字竝其の書き方及數字に關する建議案（池田敬八君外二名提出）　（委員長報告）
  　第四十六　帝國在郷軍人會國庫補助に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第四十七　帝國在郷軍人會國庫補助金を國庫支辨に移し其の金額増額に關する建議案（倉元要一君外五名提出）　（委員長報告）
  　第四十八　鹿兒島縣笠野原に航空隊設置に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第四十九　陸軍召募規則中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第五十　兵役義務者及癈兵待遇審議會に關する建議案（武藤山治君外二名提出）　（委員長報告）
  　第五十一　兵庫縣宍粟郡及神崎郡の聯隊區復舊に關する建議案（土井權大君提出）　（委員長報告）
  　第五十二　豫後備兵召集時期に關する建議案（高橋元四郎君提出）　（委員長報告）
  　第五十三　聯隊區管轄區域變更に關する建議案（豐田收君外二名提出）　（委員長報告）
  　第五十四　北海道帶廣町に第七師團歩兵一箇聯隊移轉設置に關する建議案（小池仁郎君提出）　（委員長報告）
  　第五十五　大分港修築速成に關する建議案（三浦數平君提出）　（委員長報告）
  　第五十六　山形縣加茂港及鼠ケ關港修築に關する建議案（奧山亀藏君提出）　（委員長報告）
  　第五十七　根室港修築擴張に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第五十八　多度津港重要港灣指定に關する建議案（山下谷次君提出）　（委員長報告）
  　第五十九　境港修築工事速成に關する建議案（矢野晋也君外四名提出）　（委員長報告）
  　第六十　港灣法制定に關する建議案（水島彦一郎君提出）　（委員長報告）
  　第六十一　町村吏員優遇に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第六十二　消防組員優遇に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第六十三　消防組員表彰法制定に關する建議案（淺川浩君外五名提出）　（委員長報告）
  　第六十四　刑餘者に對する保護善導に關する建議案（篠原和市君外一名提出）　（委員長報告）
  　第六十五　露店商保護に關する建議案（篠原和市君外一名提出）　（委員長報告）
  　第六十六　淺間山國立公園設定に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第六十七　八ケ嶽國立公園設定に關する建議案（篠原和市君外二名提出）　（委員長報告）
  　第六十八　輕井澤國立公園設定に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第六十九　長野縣南佐久郡松原湖を中心とする國立公園設定に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第七十　雲仙國立公園設定に關する建議案（西岡竹次郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第七十一　大臺ケ原山及大峰山を中心とする國立公園設定に關する建議案（岩本武助君提出）　（委員長報告）
  　第七十二　天の橋立國立公園設定に關する建議案（水島彦一郎君提出）　（委員長報告）
  　第七十三　嚴島を中心とする國立公園設定に關する建議案（藤田若水君外四名提出）　（委員長報告）
  　第七十四　大富士山國立公園設定に關する建議案（郡谷照一郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第七十五　磐梯山猪苗代湖を中心とする國立公園設定に關する建議案（石射文五郎君提出）　（委員長報告）
  　第七十六　大山を中心とする國立公園設定に關する建議案（豐田收君外二名提出）　（委員長報告）
  　第七十七　筑波山霞浦を中心とする國立公園設定に關する建議案（飯村五郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第七十八　小豆島及屋島を中心とする瀬戸内海國立公園設定に關する建議案（小西和君外三名提出）　（委員長報告）
  　第七十九　伊豆國立公園設定に關する建議案（岸衞君提出）　（委員長報告）
  　第八十　鎌倉葉山を中心とする國立公園設定に關する建議案（川口義久君提出）　（委員長報告）
  　第八十一　耶馬溪を中心とする國立公園設定に關する建議案（久恒貞雄君外二名提出）　（委員長報告）
  　第八十二　日光國立公園設定に關する建議案（高橋元四郎君提出）　（委員長報告）
  　第八十三　北海道登別温泉を中心とする國立公園設定に關する建議案（板谷順助君外一名提出）　（委員長報告）
  　第八十四　有珠岳洞爺湖及登別温泉を中心とする國立公園設定に關する建議案（岡本幹輔君外五名提出）　（委員長報告）
  　第八十五　霧島山國立公園設定に關する建議案（崎山武夫君外六名提出）　（委員長報告）
  　第八十六　國立公園調査機關設置に關する建議案（河上哲太君外一名提出）　（委員長報告）
  　第八十七　國立公園調査機關設置に關する建議案（磯部清吉君外十一名提出）　（委員長報告）
  　第八十八　瓜生坂隧道開鑿に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第八十九　ホテル業者補助に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第九十　長崎市にホテル建設に關する建議案（西岡竹次郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第九十一　新聞記者優遇に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第九十二　新聞記者の資格制定に關する建議案（飯村五郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第九十三　肝屬川治水に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第九十四　由良川改修に關する建議案（水島彦一郎君提出）　（委員長報告）
  　第九十五　木津川治水に關する建議案（伊坂秀五郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第九十六　安倍川本支流改修速成に關する建議案（松浦五兵衞君外一名提出）　（委員長報告）
  　第九十七　小貝川改修速成に關する建議案（飯村五郎君提出）　（委員長報告）
  　第九十八　赤川改修工事に關する建議案（清水徳太郎君提出）　（委員長報告）
  　第九十九　大淀川支流沖水川改修速成に關する建議案（水久保甚作君提出）　（委員長報告）
  　第百　北海道河川治水工事促進に關する建議案（山本厚三君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百一　相模川改修速成に關する建議案（胎中楠右衞門君提出）　（委員長報告）
  　第百二　北海道聲問川河口修築に關する建議案（淺川浩君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百三　勇拂原野開發竝勇拂川河口修築に關する建議案（岡本幹輔君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百四　武庫川改修に關する建議案（蔭山貞吉君提出）　（委員長報告）
  　第百五　猪名川改修に關する建議案（蔭山貞吉君提出）　（委員長報告）
  　第百六　宮崎縣五箇瀬川改修に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第百七　千代川改修工事速成に關する建議案（豐田收君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百八　荒川上流改修工事速成に關する建議案（田中千代松君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百九　河川使用許可に關する建議案（磯部清吉君外十名提出）　（委員長報告）
  　第百十　猿投神社昇格に關する建議案（岡本實太郎君提出）　（委員長報告）
  　第百十一　熱田神宮橿原神宮竝明治神宮崇祀に關する建議案（福井甚三君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百十二　藤原光親卿外四卿を奉祀する別格官幣社創設に關する建議案（庄司良朗君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百十三　伏見神社創設に關する建議案（今井健彦君提出）　（委員長報告）
  　第百十四　村落に關する制度の調査及整備に關する建議案（大竹貫一君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百十五　結核患者收容力増加に關する建議案（大里廣次郎君外八名提出）　（委員長報告）
  　第百十六　全國町村吏員互助組合に關する建議案（岩崎一高君外十六名提出）　（委員長報告）
  　第百十七　職業紹介營業者保護に關する建議案（平賀周君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百十八　震災の爲損害を被りたる東京市の財政補給に關する建議案（小久江美代吉君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百十九　融和事業の徹底に關する建議案（星島二郎君提出）　（委員長報告）
  　第百二十　北海道舊土人保護に關する建議案（岡本幹輔君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百二十一　温泉の調査研究機關設置に關する建議案（加藤知正君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百二十二　國立癌研究機關設置に關する建議案（藤沼庄平君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百二十三　鳥取縣三朝に温泉治療研究所設置に關する建議案（豐田收君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百二十四　國民保健衞生に關する建議案（土井權大君提出）　（委員長報告）
  　第百二十五　鳥取縣縣債償還方法變更に關する建議案（矢野晋也君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百二十六　北海道土功組合に關する建議案（木下成太郎君外九名提出）　（委員長報告）
  　第百二十七　北海道開發北進に關する建議案（木下成太郎君外九名提出）　（委員長報告）
  　第百二十八　公娼制度廢止に關する建議案（三宅磐君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百二十九　奈良市に美術學校建設に關する建議案（福井甚三君提出）　（委員長報告）
  　第百三十　奈良縣下に藥學專門學校建設に關する建議案（福井甚三君提出）　（委員長報告）
  　第百三十一　長野縣立北佐久農學校を國立畜産大學に昇格するの建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第百三十二　長崎市に七年制高等學校設置に關する建議案（西岡竹次郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百三十三　長崎縣に水産專門學校設置に關する建議案（西岡竹次郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百三十四　國立蠶絲大學設置に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第百三十五　愛知縣に高等蠶絲學校建設に關する建議案（岡本實太郎君提出）　（委員長報告）
  　第百三十六　靜岡縣に水産大學設置に關する建議案（倉元要一君外六名提出）　（委員長報告）
  　第百三十七　長崎市に商科大學及高等學校設置に關する建議案（本田英作君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百三十八　長崎市に高等水産學校設置に關する建議案（本田英作君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百三十九　廣島市に綜合大學設置に關する建議案（森保祐昌君外四名提出）　（委員長報告）
  　第百四十　四國に國立綜合大學設置に關する建議案（河上哲太君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百四十一　名古屋市に綜合帝國大學設置に關する建議案（田中善立君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百四十二　金澤市に綜合大學設置に關する建議案（佐藤實君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百四十三　郡山市に高等工業學校設置に關する建議案（粟山博君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百四十四　郡山市に高等師範學校設置に關する建議案（粟山博君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百四十五　福島縣に高等蠶絲學校設置に關する建議案（菅野善右衞門君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百四十六　福島市に高等蠶絲學校設置に關する建議案（粟山博君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百四十七　大隅半島に高等蠶絲學校設置に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第百四十八　鹿兒島縣鹿屋町に畜産大學設置に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第百四十九　旭川市に高等工業學校設置に關する建議案（淺川浩君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百五十　北海道帶廣町に高等農林學校設置に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百五十一　若松市に高等師範學校設置に關する建議案（石射文五郎君提出）　（委員長報告）
  　第百五十二　東京府松江町に高等工業學校設置に關する建議案（佐藤正君提出）　（委員長報告）
  　第百五十三　札幌市に高等師範學校設置に關する建議案（山本厚三君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百五十四　北海道に高等學校設置に關する建議案（山本厚三君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百五十五　北海道に高等工業學校設置に關する建議案（山本厚三君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百五十六　大阪市に綜合大學設置に關する建議案（平賀周君提出）　（委員長報告）
  　第百五十七　廣島市に高等商業學校設置に關する建議案（森保祐昌君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百五十八　文政改革に關する建議案（篠原和市君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百五十九　長野縣松代町に國立象山文庫設立に關する建議案（篠原和市君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百六十　國定教科書中略字採用及假名遣改定竝漢字制限に關する建議案（増田義一君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百六十一　小學校令中改正に關する建議案（森保祐昌君提出）　（委員長報告）
  　第百六十二　小學校令中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第百六十三　私立學校令中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第百六十四　教員免許令中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第百六十五　東京帝國大學農學部附屬農業教員養成所獨立に關する建議案（蔭山貞吉君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百六十六　東京帝國大學農學部附屬農業教員養成所獨立に關する建議案（山下谷次君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百六十七　家業補習教育改善に關する建議案（河上哲太君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百六十八　神代三御陵に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第百六十九　「エスペラント」を小學校及中學校教科目に編入に關する建議案（竹下文隆君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百七十　財團法人日本エスペラント學會國庫補助に關する建議案（竹下文隆君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百七十一　私立中等學校國庫補助に關する建議案（山下谷次君提出）　（委員長報告）
  　第百七十二　京都帝國大學に經濟學研究所設置に關する建議案（磯部清吉君外四名提出）　（委員長報告）
  　第百七十三　京都帝國大學に小兒保健衞生研究所設置に關する建議案（磯部清吉君外四名提出）　（委員長報告）
  　第百七十四　人工降雨法研究所國庫補助に關する建議案（星島二郎君提出）　（委員長報告）
  　第百七十五　澁川長野原間鐵道速成に關する建議案（木檜三四郎君提出）　（委員長報告）
  　第百七十六　常總鐵道買收に關する建議案（飯村五郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百七十七　日足鐵道速成に關する建議案（高橋元四郎君提出）　（委員長報告）
  　第百七十八　土浦久喜間及境古河間鐵道敷設速成に關する建議案（海老澤爲次郎君提出）　（委員長報告）
  　第百七十九　筑豐線二瀬長尾間鐵道敷設に關する建議案（久恒貞雄君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百八十　小倉港に關釜連絡船寄港に關する建議案（坂井大輔君提出）　（委員長報告）
  　第百八十一　國分大泊間鐵道速成に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第百八十二　肥前山口諫早間鐵道速成に關する建議案（本田英作君外五名提出）　（委員長報告）
  　第百八十三　關門隧道鐵道敷設速成に關する建議案（西岡竹次郎君外七名提出）　（委員長報告）
  　第百八十四　九州に於ける國際的遊覽線統一に關する建議案（松野鶴平君外十一名提出）　（委員長報告）
  　第百八十五　沖繩縣營鐵道買收に關する建議案（伊禮肇君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百八十六　沖繩縣營鐵道國營移管に關する建議案（亀割安藏君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百八十七　吉松八代間鐵道電化に關する建議案（深水清君提出）　（委員長報告）
  　第百八十八　鹿兒島本線二日市驛久大線大石驛間鐵道敷設に關する建議案（多田勇雄君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百八十九　鳥栖臼井間鐵道敷設に關する建議案（久恒貞雄君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百九十　大隅鐵道買收に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第百九十一　名古屋驛改良促進に關する建議案（小山松壽君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百九十二　小海小淵澤間鐵道速成に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第百九十三　磯部中込間鐵道速成に關する建議案（篠原和市君外二名提出）　（委員長報告）
  　第百九十四　佐久鐵道買收に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第百九十五　上田松本間鐵道速成に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第百九十六　中込松本間鐵道敷設速成に關する建議案（篠原和市君外三名提出）　（委員長報告）
  　第百九十七　上信鐵道敷設速成に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第百九十八　岩村田、岡谷間鐵道敷設に關する建議案（篠原和市君外一名提出）　（委員長報告）
  　第百九十九　平原停車場設置に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百　臼田池袋間鐵道速成に關する建議案（篠原和市君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百一　千種武節間鐵道敷設速成に關する建議案（岡本實太郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百二　岡崎多治見間鐵道敷設速成に關する建議案（岡本實太郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百三　岡崎多治見間鐵道敷設速成に關する建議案（丹下茂十郎君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百四　三國敦賀間海岸鐵道敷設に關する建議案（熊谷五右衞門君提出）　（委員長報告）
  　第二百五　伊豆循環鐵道敷設速成に關する建議案（郡谷照一郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百六　七尾輪島間鐵道速成に關する建議案（佐藤實君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百七　富士身延鐵道買收に關する建議案（篠原和市君外十五名提出）　（委員長報告）
  　第二百八　岐阜縣土岐津若は多治見より明知に至る鐵道敷設に關する建議案（岡本實太郎君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百九　鐵道敷設法別表中改正に關する建議案（匹田鋭吉君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百十　金澤八尾間鐵道速成に關する建議案（石坂豐一君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百十一　金澤八尾間鐵道速成に關する建議案（松村謙三君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百十二　東海道線原驛附近に於ける路線變更に關する建議案（庄司良朗君提出）　（委員長報告）
  　第二百十三　穴水飯田間鐵道速成に關する建議案（佐藤實君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百十四　金澤市に鐵道局設置に關する建議案（佐藤實君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百十五　新湊線延長、放生津驛新設に關する建議案（山田毅一君提出）　（委員長報告）
  　第二百十六　尼崎港に臨港鐵道敷設に關する建議案（蔭山貞吉君提出）　（委員長報告）
  　第二百十七　中舞鶴舞鶴連絡海岸鐵道敷設竝舞鶴新舞鶴間線路改良に關する建議案（水島彦一郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百十八　福知山線電化速成に關する建議案（蔭山貞吉君提出）　（委員長報告）
  　第二百十九　福知山線池田驛を川西驛と改稱するの建議案（蔭山貞吉君提出）　（委員長報告）
  　第二百二十　四國循環鐵道完成に關する建議案（村松恒一郎君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十一　四國循環鐵道完成に關する建議案（二神駿吉君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十二　尾道今治間連絡施設に關する建議案（河上哲太君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十三　中國勝山倉吉間鐵道速成に關する建議案（豐田收君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十四　下北條倉吉間鐵道速成に關する建議案（豐田收君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十五　若櫻新宮間鐵道敷設に關する建議案（豐田收君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十六　鳥取上井間鐵道電化に關する建議案（豐田收君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十七　生山多里間鐵道敷設に關する建議案（豐田收君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十八　中國及四國連絡施設に關する建議案（須之内品吉君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百二十九　智頭佐用間鐵道敷設速成に關する建議案（豐田收君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十　米子市に鐵道局設置に關する建議案（矢野晋也君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十一　東海道線西の宮驛擴張に關する建議案（前田房之助君提出）　（委員長報告）
  　第二百三十二　白石中村間鐵道速成に關する建議案（菅原傳君外七名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十三　栃尾鐵道國有移管に關する建議案（加藤知正君外十二名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十四　仙臺より古川を經て一の關に至る鐵道敷設に關する建議案（中島鵬六君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十五　古川一の關間鐵道敷設に關する建議案（菅原英伍君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十六　仙臺古川間鐵道速成に關する建議案（内ヶ崎作三郎君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十七　尻内花輪間鐵道敷設に關する建議案（中川原貞機君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百三十八　湖南鐵道敷設に關する建議案（石射文五郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百三十九　野岩羽鐵道速成に關する建議案（齋藤藤四郎君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十　野岩羽鐵道速成に關する建議案（高橋元四郎君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十一　柳津小出間及只見古町間鐵道速成に關する建議案（石射文五郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百四十二　柳津野澤間及坂下喜多方間鐵道敷設に關する建議案（石射文五郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百四十三　川俣浪江間鐵道敷設速成に關する建議案（粟山博君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十四　奧羽線福島米澤間電化速成に關する建議案（粟山博君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十五　前谷地氣仙沼間鐵道速成に關する建議案（小山倉之助君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十六　有壁池月間鐵道敷設に關する建議案（菅原英伍君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十七　浦河廣尾間帶廣高江間及靜内浦河間鐵道敷設速成に關する建議案（板谷順助君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十八　北海道鐵道敷設に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百四十九　北海道伊達紋別、札幌間鐵道敷設速成に關する建議案（板谷順助君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十　室蘭港臨港鐵道速成に關する建議案（岡本幹輔君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十一　北海道邊別美瑛間に停車場設置に關する建議案（淺川浩君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十二　釧路港海陸連絡施設に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十三　鐵道運輸規程改正に關する建議案（小池仁郎君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十四　北海道會及府縣會議員に對し鐵道無賃乘車證交付に關する建議案（水久保甚作君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十五　長野縣御牧原開發に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第二百五十六　浮島沼整理干拓に關する建議案（庄司良朗君提出）　（委員長報告）
  　第二百五十七　雨龍原野土地改良に關する建議案（神部爲藏君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十八　靜岡縣三方原國營開墾速成に關する建議案（井上剛一君外四名提出）　（委員長報告）
  　第二百五十九　千曲川河畔に國立養鯉試驗場設置に關する建議案（篠原和市君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十　長野縣埴科郡に國立種禽場設置に關する建議案（篠原和市君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十一　北海道根室郡に國立種馬所設置に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十二　山陰道出雲國に國立農業倉庫設立に關する建議案（原夫次郎君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十三　廣島縣に國立農業倉庫設置に關する建議案（藤田若水君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十四　米穀法中改正に關する建議案（宮澤裕君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十五　米價恢復維持に關する建議案（加藤知正君提出）　（委員長報告）
  　第二百六十六　米價政策に關する建議案（三輪市太郎君外六十名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十七　米穀價格政策に關する建議案（胎中楠右衞門君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百六十八　漁業奬勵に關する建議案（原耕君提出）　（委員長報告）
  　第二百六十九　遠洋漁業取締に關する建議案（澤本與一君提出）　（委員長報告）
  　第二百七十　沿岸漁業奬勵に關する建議案（平川松太郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百七十一　漁船保險法制定に關する建議案（平川松太郎君提出）　（委員長報告）
  　第二百七十二　養蠶組合法制定に關する建議案（加藤知正君外三名提出）　（委員長報告）
  　第二百七十三　産業組合製絲助長奬勵に關する建議案（加藤知正君外八名提出）　（委員長報告）
  　第二百七十四　神戸市立生絲檢査所國立移管に關する建議案（中井一夫君提出）　（委員長報告）
  　第二百七十五　宮崎鹿兒島兩縣下に於ける官營製炭廢止に關する建議案（矢野力治君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百七十六　高知縣下に於ける官行製炭事業廢止に關する建議案（坂本志魯雄君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百七十七　肥料政策に關する建議案（三輪市太郎君外六十名提出）　（委員長報告）
  　第二百七十八　自作農創設維持に關する建議案（三輪市太郎君外五十七名提出）　（委員長報告）
  　第二百七十九　沖繩縣渡久地漁港修築に關する建議案（漢那憲和君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百八十　沖繩縣渡久地漁港修築に關する建議案（亀割安藏君外二名提出）　（委員長報告）
  　第二百八十一　沼津漁港修築に關する建議案（庄司良朗君提出）　（委員長報告）
  　第二百八十二　北海道漁港竝船入澗築設に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百八十三　鹿兒島縣屋久島一湊灣に漁港築設に關する建議案（岩川與助君提出）　（委員長報告）
  　第二百八十四　鹿兒島縣種子島熊野に漁港築設に關する建議案（岩川與助君提出）　（委員長報告）
  　第二百八十五　宮崎縣美々津漁港修築に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第二百八十六　宮崎縣島野浦漁港修築に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第二百八十七　宮崎縣市振漁港修築に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第二百八十八　宮崎縣福良漁港修築に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第二百八十九　北海道伏古別漁港修築に關する建議案（板谷順助君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百九十　新湊漁港築設に關する建議案（山田毅一君提出）　（委員長報告）
  　第二百九十一　北海道甜菜糖業助長奬勵に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第二百九十二　馬政振作に關する建議案（中島鵬六君外一名提出）　（委員長報告）
  　第二百九十三　農民保護法令制定に關する建議案（水久保甚作君外一名提出）（委員長報告）
  　第二百九十四　森林火災保險法制定に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第二百九十五　林政調査會設置に關する建議案（東郷實君外十名提出）　（委員長報告）
  　第二百九十六　森林法中改正に關する建議案（東郷實君外十名提出）　（委員長報告）
  　第二百九十七　森林火災保險に關する建議案（東郷實君外十名提出）　（委員長報告）
  　第二百九十八　林野基本調査の速行に關する建議案（磯部清吉君外十名提出）　（委員長報告）
  　第二百九十九　林業金融に關する建議案（磯部清吉君外十名提出）　（委員長報告）
  　第三百　部落有林野整理に關する建議案（土井權大君外一名提出）　（委員長報告）
  　第三百一　震災荒廢林地復舊促進に關する建議案（鈴木英雄君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百二　開墾に伴ふ用排水主要工事國營に關する建議案（池田亀治君外二名提出）　（委員長報告）
  　第三百三　用排水幹線改良事業に關する建議案（胎中楠右衞門君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百四　相模川左岸用排水改良事業に關する建議案（胎中楠右衞門君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百五　公認競馬場移轉に關する建議案（中川原貞機君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百六　農業倉庫相互保險に關する建議案（池田亀治君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百七　地租委讓の場合に於ける耕地整理施行地の特典維持に關する建議案（池田亀治君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百八　收穫保險制度制定に關する建議案（岩川與助君提出）　（委員長報告）
  　第三百九　籾貯藏奬勵に關する建議案（胎中楠右衞門君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百十　煉乳業保護に關する建議案（山口恒太郎君外一名提出）　（委員長報告）
  　第三百十一　小諸郵便局昇格に關する建議案（篠原和市君提出）　（委員長報告）
  　第三百十二　大聖寺郵便局昇格に關する建議案（箸本太吉君提出）　（委員長報告）
  　第三百十三　宮崎縣上穗北村杉安に郵便局設置に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第三百十四　宮崎縣西郷村小八重に郵便局設置に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第三百十五　宮崎縣岩戸村煤市に郵便局設置に關する建議案（矢野力治君提出）　（委員長報告）
  　第三百十六　鹿兒島市に二等郵便局設置に關する建議案（岩川與助君提出）　（委員長報告）
  　第三百十七　長崎港基隆港間聯絡速達航路開始に關する建議案（本田英作君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百十八　北海道稚内より利尻禮文兩島に定期連絡航路開始に關する建議案（淺川浩君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百十九　石川縣舳倉島に燈臺設置に關する建議案（佐藤實君外一名提出）　（委員長報告）
  　第三百二十　戸崎鼻燈臺設置に關する建議案（二見甚郷君提出）　（委員長報告）
  　第三百二十一　沖繩縣下に燈臺設置に關する建議案（漢那憲和君外二名提出）　（委員長報告）
  　第三百二十二　沖繩縣下に燈臺設置に關する建議案（亀割安藏君外一名提出）　（委員長報告）
  　第三百二十三　電氣事業に關する建議案（奧山亀藏君提出）　（委員長報告）
  　第三百二十四　電氣事業に關する建議案（平賀周君外二名提出）　（委員長報告）
  　第三百二十五　電氣事業に關する建議案（井阪豐光君提出）　（委員長報告）
  　第三百二十六　電話事業改善に關する建議案（平賀周君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百二十七　無線電信裝置に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百二十八　北海道利尻禮文兩島に無線電話設置に關する建議案（淺川浩君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百二十九　室蘭港に海事部出張所設置に關する建議案（岡本幹輔君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百三十　北海道金田岬暗礁に航路標識設置に關する建議案（淺川浩君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百三十一　電信電話柱及支柱敷地手當増額竝支給方法改善に關する建議案（丹下茂十郎君提出）　（委員長報告）
  　第三百三十二　自動車製造工業に對し國庫補助に關する建議案（倉元要一君外九名提出）　（委員長報告）
  　第三百三十三　鑛業助成に關する建議案（横堀治三郎君提出）　（委員長報告）
  　第三百三十四　煙害防止水源涵養に關する建議案（武藤七郎君外二名提出）　（委員長報告）
  　第三百三十五　栃木縣に高等染織工業試驗場及國際染織參考館設置に關する建議案（栗原彦三郎君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百三十六　金産出奬勵に關する建議案（成清信愛君外二名提出）　（委員長報告）
  　第三百三十七　小商工業者保護に關する建議案（平賀周君外三名提出）　（委員長報告）
  　第三百三十八　執達吏登用規則中改正に關する建議案（土屋清三郎君提出）　（委員長報告）
  　第三百三十九　北海道帶廣町に地方裁判所設置に關する建議案（小池仁郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百四十　室蘭區裁判所に地方裁判所支部設置に關する建議案（岡本幹輔君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百四十一　福井縣志津村の裁判所管轄區域變更に關する建議案（佐々木久二君提出）　（委員長報告）
  　第三百四十二　名古屋市に少年審判所竝矯正院設置に關する建議案（椎尾辨匡君外一名提出）　（委員長報告）
  　第三百四十三　八重山區裁判所復舊に關する建議案（花城永渡君提出）　（委員長報告）
  　第三百四十四　鹿兒島縣垂水町に專賣局分工場設置に關する建議案（永田良吉君提出）　（委員長報告）
  　第三百四十五　小樽港に港務部設置に關する建議案（山本厚三君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百四十六　政府の保護監督を受くる會社及組合の會計檢査に關する建議案（篠原和市君外四名提出）　（委員長報告）
  　第三百四十七　亞炭鑛區税免除に關する建議案（丹下茂十郎君提出）　（委員長報告）
  　第三百四十八　在支商工業者に對する資力補救竝之か發展策に關する建議案（三好榮次郎君提出）　（委員長報告）
  　第三百四十九　雪害調査機關設置に關する建議案（松岡俊三君外七名提出）　（委員長報告）
  　第三百五十　雪害調査機關設置に關する建議案（永井柳太郎君外五名提出）　（委員長報告）
  　第三百五十一　雪害調査機關設置に關する建議案（熊谷五右衞門君外一名提出）　（委員長報告）
  　第三百五十二　決議案（不戰條約批准奏請の件）（尾崎行雄君外三名提出）
  　第三百五十三　決議案（貴族院に於ける兩税委讓案審議速進の件）（武藤山治君提出）
  　　　　━━━━━━━━━━━━━
  　　　　請願
  　第一　（特別報告第二號）一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定即行に關する請願外三件　（委員長報告）
  　第二　（特別報告第六號）婦人に公民權付與に關する請願外二件　（委員長報告）
  　第三　（特別報告第七號）明治記念國立大公園設定の請願　（委員長報告）
  　第四　（特別報告第一八號）軍人傷痍記章令改正即行に關する請願　（委員長報告）
  　第五　（特別報告第三〇號）長崎縣に高等水産教育機關設置の請願　（委員長報告）
  　第六　（特別報告第三九號）雨龍、美深間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第七　（特別報告第四三號）栃尾鐵道國有移管に關する請願　（委員長報告）
  　第八　（特別報告第四七號）町村吏員恩給法制定の請願　（委員長報告）
  　第九　（特別報告第五一號）人造絹織物消費税撤廢に關する請願　（委員長報告）
  　第十　（特別報告第五七號）多度津港を重要港灣に指定の請願　（委員長報告）
  　第十一　（特別報告第五八號）多度津港改修に對し國庫補助の請願　（委員長報告）
  　第十二　（特別報告第六四號）地租移讓の場合に於ける耕地整理施行地の特典維持に關する請願　（委員長報告）
  　第十三　（特別報告第六六號）苫前漁港修築の請願　（委員長報告）
  　第十四　（特別報告第六七號）齒前村に漁港築設の請願　（委員長報告）
  　第十五　（特別報告第六九號）紋別港修築工事擴張の請願　（委員長報告）
  　第十六　（特別報告第九三號）東京帝國大學農學部附屬農業教員養成所獨立の請願外一件　（委員長報告）
  　第十七　（特別報告第九五號）福知山線池田驛を川西驛に改稱の請願　（委員長報告）
  　第十八　（特別報告第一〇五號）士別、苫前間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第十九　（特別報告第一一二號）雄武、枝幸間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第二十　（特別報告第一一五號）帶廣、廣尾間鐵道速成に關する請願　（委員長報告）
  　第二十一　（特別報告第一一六號）瀧の上、上川間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第二十二　（特別報告第一二二號）一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定即行に關する請願外十件　（委員長報告）
  　第二十三　（特別報告第一二八號）婦人に公民權付與に關する請願　（委員長報告）
  　第二十四　（特別報告第一二九號）軍人傷痍記章令改正即行に關する請願外十二件　（委員長報告）
  　第二十五　（特別報告第一四三號）安倍川改修工事速成に關する請願　（委員長報告）
  　第二十六　（特別報告第一四四號）小貝川改修速成に關する請願　（委員長報告）
  　第二十七　（特別報告第一五二號）美國港修築の請願　（委員長報告）
  　第二十八　（特別報告第一五三號）壽都漁港修築の請願　（委員長報告）
  　第二十九　（特別報告第一五四號）根室町に國立種馬所設置の請願　（委員長報告）
  　第三十　（特別報告第一五八號）大臺ケ原山及大峰山脈を中心とする國立公園設定の請願　（委員長報告）
  　第三十一　（特別報告第一七二號）志津村を福井區裁判所管轄に變更の請願　（委員長報告）
  　第三十二　（特別報告第一七八號）尻内、毛馬内間鐵道に關する請願　（委員長報告）
  　第三十三　（特別報告第一八一號）濱頓別、枝幸間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第三十四　（特別報告第一八三號）天鹽沿岸鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第三十五　（特別報告第一八九號）一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定即行に關する請願外八件　（委員長報告）
  　第三十六　（特別報告第一九三號）婦人に公民權付與に關する請願外三十五件　（委員長報告）
  　第三十七　（特別報告第一九六號）軍人傷痍記章令改正即行に關する請願外七件　（委員長報告）
  　第三十八　（特別報告第二〇八號）根室港修築に關する請願　（委員長報告）
  　第三十九　（特別報告第二一二號）足尾銅山煙毒除害竝水源涵養の請願　（委員長報告）
  　第四十　（特別報告第二三九號）金澤、八尾間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第四十一　（特別報告第二四五號）一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定即行に關する請願外五件　（委員長報告）
  　第四十二　（特別報告第二五〇號）軍人傷痍記章令改正即行に關する請願外五件　（委員長報告）
  　第四十三　（特別報告第二五二號）東京帝國大學農學部附屬農業教員養成所獨立の請願外一件　（委員長報告）
  　第四十四　（特別報告第二六一號）一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定即行に關する請願外二件　（委員長報告）
  　第四十五　（特別報告第二七〇號）軍人傷痍記章令改正即行に關する請願外二件　（委員長報告）
  　第四十六　（特別報告第二七一號）東京帝國大學農學部附屬農業教員養成所獨立の請願外一件　（委員長報告）
  　第四十七　（特別報告第二七三號）藤原光親卿外四卿を奉祀する別格官幣社創建の請願　（委員長報告）
  　第四十八　（特別報告第二七九號）水郷利根を國立公園に指定の請願　（委員長報告）
  　第四十九　（特別報告第二八〇號）神崎郡を姫路聯隊區管轄に編入の請願　（委員長報告）
  　第五十　（特別報告第二八一號）宍粟郡を姫路聯隊區に編入の請願外一件　（委員長報告）
  　第五十一　（特別報告第三〇六號）金田岬沖合暗礁に航路標識設置の請願　（委員長報告）
  　第五十二　（特別報告第三〇七號）稚内、利尻、禮文間定期補助航路開始の請願　（委員長報告）
  　第五十三　（特別報告第三一三號）夕張川治水速成の請願　（委員長報告）
  　第五十四　（特別報告第三一七號）本建築著手猶豫に關する請願　（委員長報告）
  　第五十五　（特別報告第三二一號）大津村厚内漁港修築の請願　（委員長報告）
  　第五十六　（特別報告第三二二號）厚田漁港修築に關する請願　（委員長報告）
  　第五十七　（特別報告第三二三號）瀬棚港修築の請願　（委員長報告）
  　第五十八　（特別報告第三二四號）辨邊村に漁港築設の請願　（委員長報告）
  　第五十九　（特別報告第三三九號）國際補助語「エスペラント」を小、中學校教科目に編入の請願　（委員長報告）
  　第六十　（特別報告第三四〇號）日本「エスペラント」學會に對する國庫補助竝奬勵の請願　（委員長報告）
  　第六十一　（特別報告第三四一號）人工降雨法研究所に對し國庫補助の請願　（委員長報告）
  　第六十二　（特別報告第三四二號）私立中等學校に國庫補助金交付の請願外一件　（委員長報告）
  　第六十三　（特別報告第三四三號）旭川市に官立高等工業學校設置の請願　（委員長報告）
  　第六十四　（特別報告第三四七號）仙臺古川、一關間に鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第六十五　（特別報告第三四九號）尼崎市に臨港鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第六十六　（特別報告第三五〇號）深川町、下蘆別間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第六十七　（特別報告第三五二號）湖南鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第六十八　（特別報告第三五四號）柳津、小出間及只見、古町間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第六十九　（特別報告第三五六號）中村、白石間鐵道速成の請願外九件　（委員長報告）
  　第七十　（特別報告第三五八號）比布、愛別間鐵道速成の請願外一件　（委員長報告）
  　第七十一　（特別報告第三六九號）失效賣藥既貼印紙戻税に關する請願　（委員長報告）
  　第七十二　（特別報告第三七〇號）清凉飮料税撤廢に關する請願　（委員長報告）
  　第七十三　（特別報告第三七一號）玉川宮岩宮八幡宮再興に關する請願　（委員長報告）
  　第七十四　（特別報告第三七二號）千歳川改修竝沿岸土地改良工事施行に關する請願　（委員長報告）
  　第七十五　（特告報告第三七三號）由良川改修速成に關する請願　（委員長報告）
  　第七十六　（特別報告第三七四號）境港修築速成に關する請願　（委員長報告）
  　第七十七　（特別報告第三七五號）北海道既設土功組合救濟に關する請願　（委員長報告）
  　第七十八　（特別報告第三七六號）癩患者自由療養地區設定の請願　（委員長報告）
  　第七十九　（特別報告第三七七號）水力電氣事業と林産物輸送との調和に關する請願　（委員長報告）
  　第八十　（特別報告第三七八號）造林助成法制定に關する請願　（委員長報告）
  　第八十一　（特別報告第三七九號）林産物運搬設備助成擴張に關する請願　（委員長報告）
  　第八十二　（特別報告第三八〇號）相良漁港修築の請願　（委員長報告）
  　第八十三　（特別報告第三八一號）鰺ケ澤漁港修築の請願　（委員長報告）
  　第八十四　（特別報告第三八二號）遭難漁業者竝遭難漁船救恤費國家補助に關する請願　（委員長報告）
  　第八十五　（特別報告第三八三號）森林火災保險國營竝林業金融に關する請願　（委員長報告）
  　第八十六　（特別報告第三八四號）保險物評價委員設置に關する法律制定の請願　（委員長報告）
  　第八十七　（特別報告第三八五號）度量衡法中改正に關する請願外十五件　（委員長報告）
  　第八十八　（特別報告第三八六號）醫藥分業實施の請願外四十九件　（委員長報告）
  　第八十九　（特別報告第三八七號）笠野原飛行場に陸海軍飛行隊設置の請願　（委員長報告）
  　第九十　（特別報告第三八八號）舞鶴軍港廢止に伴ふ個人救濟の請願　（委員長報告）
  　第九十一　（特別報告第三八九號）垂水町大字海潟に無集配郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第九十二　（特別報告第三九〇號）三神村郵便取扱所を無集配郵便局に改定の請願　（委員長報告）
  　第九十三　（特別報告第三九一號）白河町字田町に無集配郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第九十四　（特別報告第三九二號）肥田村に無集配郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第九十五　（特別報告第三九三號）詫間村大字松崎に集配郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第九十六　（特別報告第三九四號）原別村に三等郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第九十七　（特別報告第三九五號）神前村に郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第九十八　（特別報告第三九六號）佐分利郵便局に集配事務開始の請願　（委員長報告）
  　第九十九　（特別報告第三九七號）足代郵便局に集配事務開始の請願　（委員長報告）
  　第百　（特別報告第三九八號）町屋郵便取扱所を集配局に改定の請願　（委員長報告）
  　第百一　（特別報告第三九九號）府中郵便局を二等局に昇格の請願　（委員長報告）
  　第百二　（特別報告第四〇〇號）志發、多樂、水晶、勇留の四島に無線電信局設置の請願　（委員長報告）
  　第百三　（特別報告第四〇一號）小野町より阪神へ直通電話架設の請願　（委員長報告）
  　第百四　（特別報告第四〇二號）千歳村字ママチに航空場設置の請願　（委員長報告）
  　第百五　（特別報告第四〇三號）小鳥谷村に區裁判所出張所設置の請願　（委員長報告）
  　第百六　（特別報告第四〇四號）金ケ崎町に水澤區裁判所出張所設置の請願　（委員長報告）
  　第百七　（特別報告第四〇五號）中頓別に區裁判所設置の請願　（委員長報告）
  　第百八　（特別報告第四〇六號）帶廣區裁判所に地方裁判所支部設置の請願　（委員長報告）
  　第百九　（特別報告第四〇七號）木竹薪炭其の他の鐵道賃輕減に關する請願　（委員長報告）
  　第百十　（特別報告第四〇八號）魚沼輕便線軌條改良竝延長に關する請願　（委員長報告）
  　第百十一　（特別報告第四〇九號）伊達紋別、札幌間鐵道敷設の請願外一件　（委員長報告）
  　第百十二　（特別報告第四一〇號）乙知部、中頓別間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第百十三　（特別報告第四一一號）水澤、十文字間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第百十四　（特別報告第四一二號）水澤、盛町間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第百十五　（特別報告第四一三號）大宮、青梅間鐵道敷設に關する請願　（委員長報告）
  　第百十六　（特別報告第四一六號）夕張川治水工事速成の請願　（委員長報告）
  　第百十七　（特別報告第四一八號）中村、白石間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第百十八　（特別報告第四一九號）上士幌、瀧の上間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第百十九　（特別報告第四二〇號）帶廣、高江間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第百二十　（特別報告第四二一號）日勝線速成の請願　（委員長報告）
  　第百二十一　（特別報告第四二二號）姫路、津山間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第百二十二　（特別報告第四二三號）勝田、上菅谷間鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第百二十三　（特別報告第四二四號）岡崎、多治見間鐵道速成の請願外一件　（委員長報告）
  　第百二十四　（特別報告第四二五號）根室本線を砂川驛分岐に變更の請願　（委員長報告）
  　第百二十五　（特別報告第四二六號）琴似村字新琴似に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百二十六　（特別報告第四二七號）佐用町に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百二十七　（特別報告第四二八號）邊別、義瑛間に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百二十八　（特別報告第四二九號）高津町に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百二十九　（特別報告第四三〇號）吾郷村大字乙原に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百三十　（特別報告第四三一號）谷峨信號場を普通驛に變更の請願　（委員長報告）
  　第百三十一　（特別報告第四三二號）苦竹信號所を普通驛に變更の請願　（委員長報告）
  　第百三十二　（特別報告第四三三號）踏切改良其の他に關する請願　（委員長報告）
  　第百三十三　（特別報告第四三四號）常總鐵道買收に關する請願外一件　（委員長報告）
  　第百三十四　（特別報告第四三五號）日本電氣鐵道株式會社設立許可促進に關する請願　（委員長報告）
  　第百三十五　（特別報告第四三六號）拓殖産業會館設立の請願　（委員長報告）
  　第百三十六　（特別報告第四三七號）朝鮮人訴訟代理業者に辯護士資格付與の請願　（委員長報告）
  　第百三十七　（特別報告第四三八號）北米合衆國菜豆關税引上の善後措置に關する請願　（委員長報告）
  　第百三十八　（特別報告第四三九號）甘藷燒酎税率引下に關する請願　（委員長報告）
  　第百三十九　（特別報告第四四〇號）煙草耕作者救濟に關する請願外六件　（委員長報告）
  　第百四十　（特別報告第四四一號）目黒町に煙草元賣捌店設置の請願　（委員長報告）
  　第百四十一　（特別報告第四四二號）再製鹽原料拂下價格に關する請願　（委員長報告）
  　第百四十二　（特別報告第四四三號）曾根八幡宮昇格に關する請願　（委員長報告）
  　第百四十三　（特別報告第四四四號）融和事業の積極的施設に關する請願　（委員長報告）
  　第百四十四　（特別報告第四四五號）重信川改修の請願　（委員長報告）
  　第百四十五　（特別報告第四四六號）四日市、敦賀間道路を國道に認定の請願外二件　（委員長報告）
  　第百四十六　（特別報告第四四七號）明世村、名古屋市間道路を國道に認定の請願　（委員長報告）
  　第百四十七　（特別報告第四四八號）釧路港海陸連絡施設速成の請願　（委員長報告）
  　第百四十八　（特別報告第四四九號）高砂港修築の請願　（委員長報告）
  　第百四十九　（特別報告第四五〇號）小鮎川治水竝用排水工事施行の請願　（委員長報告）
  　第百五十　（特別報告第四五一號）統内原野土地改良事業施行に關する請願　（委員長報告）
  　第百五十一　（特別報告第四五二號）大沼公園を國立公園に指定の請願　（委員長報告）
  　第百五十二　（特別報告第四五三號）大富士國立大公園設定に關する請願　（委員長報告）
  　第百五十三　（特別報告第四五四號）理髮營業取締規則統一其の他に關する請願　（委員長報告）
  　第百五十四　（特別報告第四五五號）眞室川驛より安樂城村方面に通する軌道敷設の請願　（委員長報告）
  　第百五十五　（特別報告第四五六號）沙留漁港修築の請願外一件　（委員長報告）
  　第百五十六　（特別報告第四五七號）青森市附近に公認競馬場設置の請願外一件　（委員長報告）
  　第百五十七　（特別報告第四五八號）高知縣國立種馬所復活の請願　（委員長報告）
  　第百五十八　（特別報告第四五九號）新庄町字萬場に無集配郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第百五十九　（特別報告第四六〇號）麻溝村に無集配郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第百六十　（特別報告第四六一號）田殿村に三等郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第百六十一　（特別報告第四六二號）滑津村字平名塚に三等郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第百六十二　（特別報告第四六三號）西谷郵便局に集配事務開始の請願　（委員長報告）
  　第百六十三　（特別報告第四六四號）寒川郵便局に集配事務開始の請願　（委員長報告）
  　第百六十四　（特別報告第四六五號）西郷郵便局に集配事務開始の請願　（委員長報告）
  　第百六十五　（特別報告第四六六號）西太良郵便局に集配事務開始の請願　（委員長報告）
  　第百六十六　（特別報告第四六七號）町村電話を既設電信線路に添架の請願　（委員長報告）
  　第百六十七　（特別報告第四六八號）樺島に燈臺設置の請願　（委員長報告）
  　第百六十八　（特別報告第四六九號）菅田町に區裁判所出張所設置の請願　（委員長報告）
  　第百六十九　（特別報告第四七〇號）眞室川村に區裁判所出張所設置の請願　（委員長報告）
  　第百七十　（特別報告第四七一號）本郷村に新見區裁判所出張所設置の請願　（委員長報告）
  　第百七十一　（特別報告第四七二號）倶知安町に區裁判所設置の請願　（委員長報告）
  　第百七十二　（特別報告第四七三號）大田原區裁判所に地方裁判所支部設置の請願　（委員長報告）
  　第百七十三　（特別報告第四七四號）東厚保村外六箇町村を船木區裁判所管轄に變更の請願　（委員長報告）
  　第百七十四　（特別報告第四七五號）琴似村に高等工業學校設置の請願　（委員長報告）
  　第百七十五　（特別報告第四七六號）生保内、花輪間鐵道敷設速成の請願　（委員長報告）
  　第百七十六　（特別報告第四七七號）増毛、江別間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第百七十七　（特別報告第四七八號）雨龍、佐久間鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第百七十八　（特別報告第四七九號）長柄驛を普通停車場に昇格の請願　（委員長報告）
  　第百七十九　（特別報告第四八〇號）中央線立町信號場附近に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十　（特別報告第四八一號）湯田村字中村附近に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十一　（特別報告第四八二號）兩國、御茶の水間高架鐵道中茅町に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十二　（特別報告第四八三號）山下村に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十三　（特別報告第四八四號）菱刈、薩摩大口間に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十四　（特別報告第四八五號）三津濱町に税關支署設置に關する請願　（委員長報告）
  　第百八十五　（特別報告第四八六號）三國、敦賀間海岸鐵道敷設の請願　（委員長報告）
  　第百八十六　（特別報告第四八七號）名寄支廳設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十七　（特別報告第四八八號）矢上村に區裁判所出張所設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十八　（特別報告第四八九號）精道村蘆屋に區裁判所出張所設置の請願　（委員長報告）
  　第百八十九　（特別報告第四九〇號）大岩村に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百九十　（特別報告第四九一號）高場郵便局に電信、電話事務開始の請願　（委員長報告）
  　第百九十一　（特別報告第四九二號）玉野郵便局に集配事務開始の請願　（委員長報告）
  　第百九十二　（特別報告第四九三號）廣丘村大字原新田に停車場設置の請願　（委員長報告）
  　第百九十三　（特別報告第四九四號）西明寺村に三等郵便局設置の請願　（委員長報告）
  　第百九十四　（特別報告第四九五號）上磯、松前兩鐵道速成の請願　（委員長報告）
  　第百九十五　（特別報告第四九六號）西脇町より阪神へ直通電話架設の請願　（委員長報告）
  　第百九十六　（特別報告第四九七號）一關に高等蠶業教育機關設置の請願　（委員長報告）
  　第百九十七　（特別報告第四九八號）荒川堤外地水難救濟施設に關する請願　（委員長報告）
  　第百九十八　（特別報告第五〇〇號）一時賜金癈兵に對する恩給支給法制定即行に關する請願外一件　（委員長報告）
  　第百九十九　（特別報告第五〇三號）軍人傷痍記章令改正即行に關する請願外一件　（委員長報告）
  　第二百　（特別報告第五〇四號）醫藥分業實施の請願外一件　（委員長報告）
  　第二百一　（特別報告第五〇五號）伊達紋別、札幌間鐵道敷設の請願外三件　（委員長報告）
  　　　　━━━━━━━━━━━━━
  　　　　質問
  　　一　日「ソ」漁業條約實施に關する質問（佐々木平次郎君提出）
  　　二　綱紀肅正に關する質問（小俣政一君提出
  　　三　煉乳業に關する質問（東郷實君提出）
  　　四　足尾銅山鑛毒に關する第三囘質問（栗原彦三郎君提出）
  　　五　檢事の職權濫用に關する質問（横山勝太郎君提出）
  　　六　亞細亞政策と裏日本啓發に關する再質問（山田毅一君外七名提出）
  　　七　栃木縣の秕政に關する質問（高田耘平君外四名提出）
  　　八　健康保險に關する質問（清水留三郎君提出）
  　　九　群馬縣警察部内官紀紊亂に關する質問（飯塚春太郎君外三名提出）
  　　十　刑餘者の保護及刑事政策施設に關する質問（岡田忠彦君外二名提出）
  　　　　━━━━━━━━━━━━━

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=0

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• 001・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　諸般ノ報告ヲ致サセ
  マス
  〔書記官朗讀〕
  一昨二十四日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係
  ル左ノ議案ニ對シ承諾スルコトヲ議決シ
  タル旨同院ヨリ通牒ヲ受領セリ
  昭和二年度第一豫備金
  支出ノ件
  昭和二年度特別會計第
  一豫備金支出ノ件
  昭和二年度特別會計豫
  備費支出ノ件
  昭和二年度豫備金外ニ
  於テ豫算超過及豫算外
  支出ノ件追加
  昭和二年度特別會計第
  二豫備金支出ノ件追
  加
  昭和二年度特別會計豫
  備金外ニ於テ豫算超過
  及豫算外支出ノ件追
  加
  昭和三年度第二豫備金
  支出ノ件
  昭和三年度豫備金外ニ
  於テ豫算外支出ノ件
  昭和三年度特別會計第
  二豫備金支出ノ件
  昭和三年度特別會計豫
  備金外ニ於テ豫算外支
  出ノ件
  一議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
  議院法中改正法律案
  提出者
  名川侃市君
  岩川與助君
  六甲山ヲ中心トスル國立公園設定ニ關ス
  ル建議案
  提出者
  皇漢醫學ニ關スル建議案
  提出者
  高橋熊次郞君
  山梨縣鹽山ニ區裁判所設置ニ關スル建議
  案
  提出者
  大分縣野上村ニ區裁判所出張所設置ニ關
  スル建議案
  提出者
  一政府ヨリ受領シタル答辯書左ノ如シ
  衆議院議員加藤鯛一君提出朝鮮ノ統治ニ
  (承諾ヲ求ムル件)
  兒玉右二君
  葛原猪平君
  (以上三月二十三日提出)
  蔭山貞吉君
  山下谷次君
  田邊七六君
  (以上三月二十三日提出)
  金光庸夫君
  (以上三月二十四日提出)
  關スル質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員久恒貞雄君提出我カ國法制上
  ニ於ケル女子ノ權利保護改善ニ關スル質
  問ニ對スル答辯書
  衆議院議員山邊常重君提出人造絹絲ト天
  然絹絲ニ關スル再質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員岡崎久次郞君提出養蠶業竝組
  合製絲奬勵助長ニ關スル質問ニ對スル答
  辯書
  衆議院議員牧山耕藏君外四名提出朝鮮ニ
  於ケル司法官ノ待遇ニ關スル質問ニ對ス
  ル答辯書
  衆議院議員高田耘平君外四名提出御警衞
  ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員山邊常重君提出小運送業者ノ
  待遇ニ關スル再質問ニ對スル各辯書
  衆議院議員池田敬八君外四名提出伊勢神
  宮式年遷宮ノ國民的奉祝ニ關スル質問ニ
  對スル答辯書
  衆議院議員牧山耕藏君外二名提出朝鮮國
  民協會ノ參政權付與ニ關スル建白書ニ關
  スル質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員中西六三郞君外一名提出言論
  取締ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  (以上三月二十四日受領)
  衆議院議員小俣政一君提出綱紀粛正ニ關
  スル質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員東〓實君提出煉乳業ニ關スル
  質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員栗原彥三郞君提出足尾銅山鑛
  毒ニ關スル第三囘質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員橫山勝太郞君提出檢事ノ職權
  濫用ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員高田耘平君外四名提出栃木縣
  ノ秕政ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員〓水留三郞君提出健康保險ニ
  關スル質問ニ對スル答辯書
  衆議院議員飯塚春太郞君外三名提出群馬
  縣警察部內官紀紊亂ニ關スル質問ニ對ス
  ル答辯書
  衆議院議員岡田忠彥君外二名提出刑餘者
  ノ保護及刑事政策施設ニ關スル質問ニ對
  スル答辯書
  (以上三月二十五日受領)
  朝鮮ノ統治ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月六日
  提出者加藤鯛
  朝鮮ノ統治ニ關スル質問主意書
  朝鮮統治ノ根本方針如何
  卽チ朝鮮ニ內地延長主義ヲ認メテ同化
  政策ヲ採リ或程度ノ參政權ヲ與ヘテ代
  表者ヲ帝國議會ニ送ラシメムトスル意
  思ヲ以テ進ミツツアルカ或ハ又自治制
  度ヲ確立セムトスルカ所見如何
  二現在統治ノ目標如何
  曩ニ齋藤總督ハ任地ニ臨ムヤ產業ノ開
  發ト治安ノ維持ニ大眼目ヲ置キ又一方
  ニハ言論ノ取締ヲ緩和シ新聞紙ノ發行
  ヲ許可スル等文化政策ヲ行フコトヲ統
  治ノ目標トシタリ
  然ルニ山梨總督ハ著任早早朝鮮人〓育
  第一主義ヲ標榜シタルモ後其ノ內容ニ
  變改ヲ加ヘタリト謂フ又極端ナル言論
  ノ壓迫ヲ爲シ近今思想運動及社會運動
  ヲ爲ス者多數逮捕セラレ爲ニ警察政治
  ヲ行フニ非サルカヲ疑ハシメツツアリ
  果シテ何ヲ統治ノ目標ト致シツツアリ
  ヤ
  三池上政務總監ハ本年一月八日最初ノ
  定例局部長會議ニ於テ現在府ノ諮問機
  關タル協議會ヲ決議機關タラシムヘシ
  トノ意味ヲ宣言シタリトノコトナルカ
  其ノ程度及內容如何
  又同時ニ兩班階級ノ保護ヲ力說シタル
  由ナルカ今日ニ至リテ其ノ必要何レニ
  アリヤ又斯ノ如キ主張ハ山梨總督ノ意
  見ト相違セサルヤ如何
  四〓育問題ニ付テ
  山梨總督ハ著任早早朝鮮人〓育第一主
  義ヲ標榜シテ一面一校主義ニ依リテ普
  通學校ノ增設ヲ計畫シタリト謂フカ其
  ノ理據ハ何レニアリヤ田心フニ〓育ノ大
  眼目ハ單ナル面ノ數ヤ兒童ノ數ニノミ
  基キテ漠然タル常識的判斷ノ下ニ校數
  ヲ增加スルコトニ非スシテ卽チ形式的
  ナル學校ノ數ノ問題ニ非スシテ實質的
  ナル卒業者ノ質ノ問題ニシテ被〓育者
  ノ數ノ曾加ヨリモ其ノ質ノ改善ヲ緊急
  ナリト信スルカ所見如何
  五共學主義ニ付テ
  普通學校ニ迄內鮮人共學主義ヲ採用ス
  ル方針ナリト聞クカ果シテ然リヤ
  六京城帝國大學卒業生ノ就職ニ付テ何
  等カノ對策アリヤ
  殖民地ニ於テ產業〓育ヲ施スヘキカ思
  想〓育ヲ施スヘキカハ餘程熟考スヘキ
  コトナリ然ルニ京城ニハ既ニ帝國大學
  アリテ法文科ハ第一回ノ卒業生ヲ本年
  初テ出スト謂フ
  又內地ノ官公私立ノ大學及專門學校ヲ
  卒業シテ歸鮮スル者年年二百名內外ア
  リトノコトナルカ之等ハ殆ト就職ノ途
  ナク爲ニ思想惡化シ相率キテ左傾團體
  ニ趨リ詭激ナル言動ヲ以テ我カ國ノ政
  策ニ反抗シツツアリ右ニ對シテ何等カ
  善導ノ方法ヲ考究シ居レリヤ如何
  七產米增殖ノ既定計畫ハ豫定通進捗シ
  ツツアリヤ如何
  本事業ハ大正十四年度以降十四箇年ノ
  繼續ヲ以テ六千五百萬圓ヲ補助シ而シ
  テ之ヲ奬勵促進セムトスルモノナルカ
  山梨總督ハ此ノ補助金殘額五千萬圓中
  ヨリ一千萬圓ヲ削減シテ之ヲ朝鮮人ノ
  〓育費ニ流用セムトシタルモ輿論ノ反
  對ニ逢ヒテ中止シタリトノコトナルカ
  如何
  本事業ハ我カ國ノ人口食糧問題ニ至大
  ノ關係アリ又鮮人ノ生活安定上ニモ至
  大ノ關聯ヲ有スル重大ナル國策ナルカ
  故ニ一時的ノ財源關係ニ依リテ變更ス
  ヘキモノニ非スト信スルカ如何
  又既定計畫カ遂行サレツツアルトスレ
  ハ增收ノ產米ニ對スル處置ハ如何ニス
  ルカ之カ對策アリヤ如何
  八農村疲弊ノ對策如何
  卽チ朝鮮ハ如何ナル方面ヨリ視ルモ農
  業本位國ナルヘシ然ルニ近今農村ノ疲
  弊ハ寧ロ悲慘ニシテ言語ニ絕スルノ狀
  勢ナリ從テ小作爭議モ曾加シ自殺者モ
  非常ニ增加シツツアリ
  自作農ノ創定、小作法ノ制定等ヲ爲ス
  意思ナキヤ又齋藤前總督時代ニ當時ノ
  下岡致務總監力發案シテ未タ實現ヲ見
  ルニ至ラサリシ農民ノ勞力ヲ生產化ス
  ル方法ハ如何ナリシヤ
  九恩賜基金貸出シノ內容如何
  山梨總督ハ府郡ノ恩賜基金一千七百三
  十九萬八千圓中ヨリ五箇年間ニ五百萬
  圓ヲ細民ニ貸與スルノ案ヲ立テ既ニ昭
  和三年度ニ百二十萬圓ヲ支出セリト謂
  フ果シテ然ルヤ此ノ貸金ハ事實ニ於
  テ囘收困難ナリトノコトナルカ若囘收
  出來サルトキハ何人ノ責任ナリヤ如何
  十朝鮮人內地渡航ノ狀勢及之カ對策如
  何
  朝鮮人ノ内地渡航ハ年年曾加シツツア
  リト謂フ然ルニ内地ニ於テハ中央ニ李
  起東及朴春琴氏等ノ相愛會アルノミ斯
  クテハ將來大ナル勞働問題ヲ起シ社會
  問題ト爲リ延テハ政治問題ト爲リ由由
  シキ結果ヲ招來スヘシト思フカ之ニ對
  シテ何等カノ對策アリヤ所見如何
  十一在滿鮮人ノ保護方針如何
  今ヤ滿洲一帶ハ靑天白日旗ノ掲揚ト共
  ニ時局モ亦變動ヲ免レス從ァ在滿鮮人
  ノ生活上ニモ多大ノ影〓テリリ信信之之
  ニ對シテ如何ナル保護ヲ與ヘツツアリヤ
  又其ノ人數及〓後ノ保護方針如何
  十二國境鐵道ノ進行程度如何
  國境鐵道ハ十二年計畫ニテ本年度ヨリ
  著手シタリト謂フカ鴨綠江岸ノ俗ニ拓
  殖鐵道ト謂フハ輕便鐵道ナリト聞クカ
  何故四呎八吋半ノ標準軌道制ヲ採用セ
  サリシヤ如何
  十三吉會線ノ反對ニ關スル對策如何
  日本ノ資金ニ依テ敷設セラルルヲ好マ
  サル鮮支人ハ聲息相通シテ反對行動ニ
  出テ吉林ノ學生ノ如キハ示威行列ヲ爲
  シ省長ヲ詰責セル等不穩ノ氣一帶ニ漲
  ルト謂フ現況竝〓後ノ對策如何
  十四取引所政策ニ付テ
  曩ニ當局ハ取引所ノ設置ヲ許可スルカ
  如キコトヲ暗示シテ甚シキ利權運動ヲ
  挑發シテ醜聞ヲ流セリ今後ノ方針如何
  十五總督府現在ノ囑託ハ何人アリヤ
  十六京城光凞門外土地拂下ニ付テ
  京城光凞門外新堂里府、墓地、火葬場
  敷地竝京城學校組合會所有林合計十四
  萬五千八百七十九坪ヲ一坪當リ三圓二
  十錢ニテ大阪ノ島德藏氏ニ賣却シタリ
  之ニ對シテ時價六七圓以上ノモノヲ三
  圓二十錢ニテ賣却スルモ不當ナリトテ
  府ノ協議會員間ニ反對アリシニ拘ラス
  遂ニ正式ニ手續ヲ了セル爲其ノ非ヲ鳴
  ラス者多シ當局ハ京城府尹ノ措置ヲ適
  當ト認ムルヤ如何
  然シテ池上政務總監ハ此ノ地ヲ博覽會
  ノ敷地ト爲サムトシタルモ山梨總督カ
  急遽他ニ決定シタル爲已ムナク現在ノ
  新町遊廓ヲ此ノ地ニ移轉セシメムトス
  ル下心アリトノ世評高シ其ノ意思アリ
  ヤ如何
  十七咸境北道沿岸ニハ從來トロール船
  ハ十隻ト制限サレアルヲ十五隻ニ爲サ
  ムトシ旣ニ一隻ハ下關市ノ某氏ニ許可
  ノ內諾ヲ與ヘタリトノコトナルカ眞疑
  如何
  十八賣位賣官ノ風說ニ付テ
  近今朝鮮人中ニハ賣位賣官昔日ノ朝鮮
  モ尙及ハス郡守ハ何百圓參與官ハ何千
  圓ナリト謂ヒ觸ラス者アリ斯ノ如キ風
  說盛ムニ行ハレテ如何ニシテ帝國ノ公
  明ナル政治ノ威信ヲ新附ノ民ニ保ツコ
  トヲ得ルヤ故ニ總督政治ノ威嚴ヲ保ツ
  爲ニ風紀紊亂ノ風說ニ鑑ミ官紀肅正ノ
  必要アリト認ム所見如何
  十九機密費削減ノ意思ナキヤ如何
  從來ノ機密費二十七萬圓ハ多キニ失ス
  ルノ憾ミアリ削減ノ意思ナキヤ
  二十山梨總督ノ言動ハ果シテ內鮮人ヲ
  心服セシメツツアリヤ如何
  右及質問候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員加藤鯛一君提出朝鮮ノ統治ニ
  關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員加藤鯛一君提出朝鮮ノ統治
  ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  一、朝鮮在住者ニ對スル參政權ノ問題ニ
  付テハ從來議會ニ於テ屢政府當局ヨリ
  答辯アリタル通リ民度ヲ考慮シ漸進的
  ニ施設畫策シツヽアリ
  ニ、朝鮮統治ノ目標ハ新附同胞ノ康福ヲ
  增進シ以テ併合ノ本旨ヲ實現スルニア
  リ產業、〓育、交通ハ勿論其ノ他各般
  ノ施設モ畢竟此ノ目標ノ外ニ出ルモノ
  ニアラズ
  三、京城、釜山、平壤、大邱等ノ府ニ對
  シテハ其ノ協議會ヲ決議機關タラシメ
  ントスル趣旨ヲ以テ目下折角調査中ナ
  リ
  廣ク兩班階級ノ職ヲ失ヘルモノニ對シ
  テハ適當ノ方策ヲ講ジ所謂朝鮮貴族中
  非常ノ困憊ニ陷レル者ニ對シテハ保護
  ノ途ヲ講ズルノ必要ヲ認メ居レリ
  四、朝鮮現時ノ初等〓育普及狀態ハ學齢
  兒童ノ就學率甚タ低シ唯急激ナル擴張
  ハ民力ニ副ハザルヲ以テ昭和四年度以
  降漸ヲ逐テ初等〓育ノ普及ヲ畫シ又質
  ノ改善内容ノ充實ニ付テハ初等〓育以
  外ニ對シテモ考慮セリ
  五、朝鮮ノ〓育ハ內鮮人共學ヲ以テ理想
  トセザルベカラザルモ初等〓育ニ迄之
  ヲ及ボスコトハ各般ノ事項ニ影響スル
  所甚大ナルヲ以テ目下調査研究中ナル
  モ師範學校、實業學校及專門學校以上
  ハ凡テ共學ノ制度ヲ富施シツツアリ
  六、京城帝國大學卒業生ハ本年三月其ノ
  第一囘法科四十人文科三十七人ヲ出ス
  コトトナリ居ルガ大部分ハ就職內定シ
  未定ノ分ニ對シテモ極力斡旋中ナリ
  內地ヨリ歸鮮スル各學校卒業生ノ年々
  多數ニ上ルハ事實ナリ之等ノ大部分ハ
  各自求職ノ途ヲ講ジ居ル狀況ナルモ總
  督府ニ其ノ就職ヲ依賴シ來ル者ニ對シ
  テハ出來得ル限リ同府ニ於テ援助シ居
  レリ
  七、產米增殖計畫ハ略豫定ノ通著々實行
  シツツアリ完成年限事業面積國庫補助
  金等當初ノ計畫ニ對シ何等變更ヲ加へ
  ズ之カ補助金ヲ削減シ他ニ流用セント
  スルガ如キハ斷ジテ考慮シタルコトナ
  シ
  曾收產米ノ處置ニ付テハ米穀法ノ適用
  農業倉庫ノ設置等ヲ必要ト認メ後者ニ
  付テハ旣ニ之カ實行ヲ計畫シ前者ニ付
  テハ攻究中ナリ
  八自作農ノ創定、小作法ノ制定等農村
  問題解決ノ必要ハ夙ニ之ヲ認メ目下委
  員會ヲ設ケ調査中ナリ
  九、臨時恩賜公債中ノ償還金百二十萬圓
  ヲ小農救濟資金トシテ勤農共濟組合ニ
  對シ貸付タルハ事實ナリ之ガ囘收ニ就
  テハ懸念ナキモノト認ム
  +、内地渡航ノ朝鮮人勞働者ニ對シテハ
  內鮮協和會其ノ他各地ニ支部ヲ有スル
  相愛會等ヲ介シ幾分ノ補助ヲ與ヘ相當
  保護ノ途ヲ講ジツツアリ
  十一、在滿鮮人ハ其ノ正確ナル數字ヲ知
  ル能ハザルモ約八十萬ト稱セラレ政府
  ハ既定ノ方針ニ依リ保護撫育ニ當リツ
  ツアリ
  東三省易幟ノ問題ハ別ニ在滿鮮人ノ生
  活ニ影響アリト認メ居ラズ
  十二、國境拓殖鐵道ニ付テハ一應計畫ヲ
  樹テタルコトアルモ未ダ具體化スルニ
  至ラズ尙考究中ニ屬ス
  十三、現在ニ於テハ表面差シタル反對行
  爲無シ
  十四、取引所問題ニ付テハ目下各般ノ事
  項ニ亙リ調査中ニシテ精查〓究ノ上其
  ノ結果ニ基キ適當ノ制度ヲ確立スルニ
  至ル迄ハ個々ノ設立出願ニ付テハ一切
  之カ詮議ヲ爲サザルコトニ取扱ヒツツ
  アリ
  十五、總督府囑託ノ現在數ハ七十八名ナ
  リ
  十六、光熙門外土地拂下ニ付テハ其拂下
  單價ハ時價相當ニシテ京城府尹ノ採リ
  タル措置ハ適當ト認ム
  博覽會又ハ遊廓敷地トシテ考慮シタル
  コトナシ
  十七、朝鮮沿岸ニ於ケルトロール漁業ハ
  朝鮮總督ノ許可ヲ受クルヲ要スル規定
  ナルモ現在一隻モ許可シタルコトナシ
  十八、賣位賣官等ノ風說ハ全然事實無根
  ナリ
  十九、機密費ハ曩ニ大正十四年度財政整
  理ノ際減額セラレタル所ニシテ更ニ之
  ヲ減額スル意思ナシ
  二十、山梨總督ノ言動ハ內鮮人ヲ心服セ
  シメツツアリト信ズ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  外務大臣男爵田中義
  我カ國法制上ニ於ケル女子ノ權利保護
  改善ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十一日
  提出者久恒貞雄
  我カ國法制上ニ於ケル女子ノ權利保護
  改善ニ關スル質問主意書
  時世ノ進運ト國民ノ覺醒トハ既ニ有限選
  擧制ヲ變改シテ普通選舉制度ヲ實現セシ
  メ今ヤ又普通選擧制ノ男子ノ專權ナルヲ
  撤廢シテ之ヲ女子ニモ擴充セシメムトス
  其ノ氣運ハ實ニ本期議會ニ於テ所謂婦選
  案ノ提出セラレテ而モ多クノ異論ナカリ
  シニ徵シテモ之ヲ觀取シ得ヘク女子ノ政
  治上ニ於ケル地位ノ向上ト權利ノ獲得ト
  ハ將ニ近ク之ヲ期待シ得ヘキナリ然ルニ
  翻テ之ヲ其ノ私生活上家庭上ノ地位ト權
  利トニ觀レハ其ノ男子ニ比シテ餘リニ低
  劣ナルニ驚カサルヲ得ス現ニ我カ國民法
  ニ於テハ多クノ婚姻故障ニ關スル條規ヲ
  存スルニ拘ラス婚姻ノ財產法的效果ニ關
  スル條規ヲ備フルコト甚夕尠ナク而モ其
  ノ夫婦財產制ニ至リテハ封建時代其ノ儘
  ノ內容ヲ有スル收益管理制度ニシテ殆ト
  妻ノ財產的獨立性ヲ認メス例ヘハ彼ノ糟
  糠ノ妻克ク貧苦ニ耐ヘテ其ノ子女ヲ養育
  シ夫ヲ助ケ夫ト共ニ働キテ以テ遂ニ一家ノ
  產ヲ積ミ夫ヲシテ其ノ名ヲ成サシメシ者
  一度夫ト離別シ若ハ夫ノ死ニ會スルヤ法
  律ハ之ヲ遇スルコト恰モ路傍ノ人ノ如シ
  夫ノ家產ニ對シ何等ノ要求スヘキ權利ヲ
  付與シ居ラサルハ勿論孤獨無援ノ寡婦ヲ
  保護シテ過去ノ辛苦ニ酬ユルニ何モノヲ
  モ存セス故ニ悲慘ナル事象ノ發生スルコ
  ト頻頻タルカ如キハ吾等ノ屢實驗シテ遺
  憾トスル所ニシテ其ノ因テ來ル所ハ當ニ
  女子ノ權利ト其ノ保護ニ關スル我カ國法
  制カ男子ノ其ニ比シ餘リニ低劣ナル缺陷
  アルカ爲ナリト謂ハサルヘカラス乃チ政
  府ハ我カ國ノ法制上特ニ刑事法竝民事法
  上女子ノ地位ノ改善權利ノ確立ニ付根本
  的ノ改正ヲ爲スノ必要アリト認メラレサ
  ルヤ否ヤ
  若認メラルルトセハ之カ實現ノ方策ニ付
  如何ナル用意ヲセラレツツアリヤ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員久恒貞雄君提出我カ國法制上
  ニ於ケル女子ノ權利保護改善ニ關スル質
  問ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員久恒貞雄君提出我カ國法制
  上ニ於ケル女子ノ權利保護改善ニ關ス
  ル質問ニ對スル答辯書
  政府ハ目下刑事法ニ付テハ刑法ノ改正、
  民事法ニ付テハ親族相續ニ關スル法規ノ
  改正ヲ企圖シツツアリテ女子ノ刑事法上
  竝ニ民事法上ニ於ケル地位ニ付テモ調査
  ヲ爲シツツアリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  司法大臣原嘉道
  人造絹絲ト天然絹絲ニ關スル再質問主
  意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十三日
  提出者山邊常重
  人造絹絲ト天然絹絲ニ關スル再質問主
  意書
  政府ノ答辯ニ依レハ人造絹絲ハ生絲ノ價
  格ニ影響スルモ其ノ需要領域ヲ侵食スル
  ノ事實ヲ認メスト又生絲ノ特長ヲ發揮シ
  生產費ヲ極力低減シ以テ人造絹絲ノ價格
  上ノ影響ヲ努メテ輕微ナラシメムトスト
  答辯シタレトモ此ノ如キ抽象的答辯ハ此
  ノ貿易上最重要ナル案件ニ對スル本員等
  ノ憂虞ヲ解クニ足ラス就テハ政府ハ深切
  懇篤ニ具體的答辯ヲ爲サムコトヲ望ム
  右及再質問候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員山邊常重君提出人造絹絲ト天
  然絹絲ニ關スル再質問ニ對シ別紙答辯書
  差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員山邊常重君提出人造絹絲ト
  天然絹絲ニ關スル再質問ニ對スル答辯
  書
  人造絹絲ト本邦生絲トノ關係ハ之レヲ最
  近十年間ニ於ケル情勢ニ見ルニ生產消費
  ノ數量ニ於テ世界ノ人造絹絲ハ約七倍半
  本邦生絲ハ約九割ノ增加ヲナセルモノト
  推定セラル面シテ此ノ本邦生絲ノ增加割
  合カ世界ノ人造絹絲ノ夫レニ比シ遙ニ小
  ナルコトカ人造絹絲ノ發達ニ影響セラレ
  タルニ因ルヤ否ヤヲ考フルニ本邦蠶絲業
  ハ養蠶ニ於テモ製絲ニ於テモ將夕又生絲
  輸出ニ於テモ大體ニ於テ自然的發達ヲ爲
  シツツアリ假ニ人造絹絲ノ此ノ急激ナル
  發達無カリシトスルモ生絲ノ之レ以上ノ
  進展ハ殆ト期シ得サリシ所ナルヘシト認
  メラル唯夕前記期間ニ於ケル兩者ノ價格
  ニ付テ見レハ人造絹絲ノ五割ノ低下ニ對
  シ生絲カ約六割ノ低下ヲ見タルハ主トシ
  テ人造絹絲價格低下ノ影響ニ因ルモノト
  認メラル是レ前答辯書ニ於テ人造絹絲カ
  專ラ生絲ノ價格ニ影響スルト雖生絲ノ需
  要領域ヲ著シク侵食セラレツツアルモノ
  ト認メ難シトナセル所以ナリ
  然リト雖人造絹絲ノ發達ノ急激ニシテ生
  絲ノ之レニ及ハサル現狀カ此儘推移セハ
  或ハ人造絹絲ノ爲ニ生絲カ其ノ生產消費
  增加ノ力ヲ十分ニ發揮シ得サルコトナシ
  トセサルヘキモ一面生絲ハ製絲技術及原
  料繭ノ改良ニ依リテ品質ヲ高上シ又桑
  圓、蠶品種、蠶兒飼育法ノ改良等ニ因ル
  原料繭價ノ低減竝製絲器械、操絲方法ノ
  改良ニ因ル製絲能率ノ增進等ヲ圖リテ生
  產費ヲ低下シ得ヘキ餘地尙尠カラサルヲ
  以テ此レ等ノ改善ヲ施スニ於テハ生絲ノ
  將來ハ必スシモ悲觀ヲ要セス本邦トシテ
  ハ斯クシテ蠶絲業ノ發達ニ努ムルヲ緊要
  ナリト認ム
  右及再答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  農林大臣山本悌二郞
  商工大臣中橋德五郞
  養蠶業竝組合製絲獎勵助長ニ關スル質
  問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十四日
  提出者岡崎久次郞
  養蠶業竝組合製絲獎勵助長ニ關スル質
  問主意書
  第乾繭取引ノ完成ハ養蠶業組織ノ根
  本ヲ爲ス第一ナリ然ルニ現在政府ノ
  實施セル共同繭倉庫及共同乾繭装置助
  成規則ニ基ク助成金ハ一箇年七十五萬
  圓ノ豫算ニシテ其ノ不十分ナルハ農林
  大臣ノ答辯ニ依ルモ明瞭ナル所ニシテ
  隨テ十分ナル目的ヲ達成スル能ハス政
  府ハ速ニ該助成金ヲ增額シ迅速ニ之カ
  完成ヲ期スルノ意思ナキヤ
  第二其ノ意思アリトセハ之カ具體案ヲ
  示サレタシ
  第三組合製絲ハ農村產業ニ出發スルモ
  ノニシテ我カ國刻下ノ現狀ニ見テ比較
  的合理ナル組織ト思ハサルヤ
  第四果シテ然リトセハ組合製絲ヲ助長
  シ以テ農村產業ノ發展ヲ圖リ蠶絲業永
  遠ノ計ヲ樹立スルノ意思ナキヤ
  第五意思アリトセハ之カ具體的方法ヲ
  說明セラレタシ
  第六生絲相場暴落ノ場合ニ當リ製絲家
  ハ多ク其ノ損失ヲ繭價ニ轉嫁スルハ政
  府當局ノ謂フカ如シ然ルニ製絲家ハ絲
  價安定融資補償法ニ依リ救濟ヲ受クル
  ノ途アルモ養蠶家ハ損失轉嫁ヲ受クル
  ノミニシテ何等救濟セラルルノ途ナキ
  ハ不均等ノ取扱ト思ハサルヤ
  第七今囘政府提出ノ絲價安定融資補償
  法案ノ而スカ如ク政府カ五年以内ニ暴
  落アリト憂慮シ其ノ法案ヲ制定スルナレ
  ハ其ノ根本タル農村蠶業家カ損失轉嫁
  ヲ受クル場合ヲモ慮リ豫メ其ノ損失災
  害ヲ豫防スルコトヲ至當ナリト信スル
  カ政府ノ見ル所果シテ如何
  第八若然リトセハ其ノ對策ヲ元サレタ
  シ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員岡崎久次郎君提出養蠶業竝組
  合製絲奬勵助長ニ關スル質問ニ對シ別紙
  答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員岡崎久次郞君提出養蠶業竝
  組合製絲獎勵助長ニ關スル質問ニ對ス
  ル答辯書
  -乾繭取引ノ普及ヲ速ナラシムルノ必要
  ナルハ政府ニ於テモ固ヨリ異論ナキ所
  ナルモ現在ノ助成金ノ曾加ニ付テハ今
  後ニ於ケル養蠶家ノ自覺ニ基ク要望ト
  其ノ實行ノ能力トニ應スル要アルヲ以
  テ豫メ詳細ナル具體案ヲ定メ難ク又組
  合製絲ハ養蠶ト製絲トヲ結合スル蠶絲
  業ノ合理的組織トシテ之レカ助長發達
  ヲ圖ルノ要アリト認ムルヲ以テ之レカ
  方策ニ關シ蠶絲委員會ニ諮問シテ講究
  セシメツツアリ
  二絲價安定融資補償法ハ絲價ノ暴落ノ
  場合ニ於テ之レヲ安定シ製絲家ノ事業
  ノ基礎ヲ維持セシムルノミナラス之レ
  ニ依リテ養蠶家カ損失ヲ轉嫁セラルルコ
  トヲ輕減スル所尠少ナラス更ニ進テ製
  絲家ノ損失轉嫁ヲ蒙ルコト無カラシム
  ル爲ニハ養蠶家カ組合製絲ノ如キ繭ノ
  販賣ヲ必要トセサル組織ニ依ルヲ適切
  トス尙ホ養蠶家救濟ノ爲政府カ繭ノ買
  入等ニ依リ繭價安定ヲ圖ラントスル案
  ノ如キハ其ノ趣旨ハ可ナルヘキモ現狀
  ニ鑑ミルトキハ實行困難ナリト認ム
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  農林大臣山本悌二郞
  朝鮮ニ於ケル司法官ノ待遇ニ關スル質
  問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十六日
  提出者牧山耕藏
  外四名
  第一號表
  (一)明治四十三年ト昭和
  元年及昭和二年トノ
  民刑訴訟及判事
  年別判事定員
  豫審事件件數
  明治四十三年二六、二四、二三四
  昭和元年一八三九七、二〇四五三五
  昭和二年一八六一〇二、三九五五五
  二)同上書記一人ノ負擔件數
  (
  年別書記定員件
  明治四十三年四二九
  昭和元年六九九
  昭和二年六·〇〇
  備考
  事件、檢事公訴及共助事件ノ總數ナリ
  今試ニ此ノ第一號表ニ就テ〓要ヲ指〓ス
  レハ明治四十三年ニ於ケル民刑訴訟竝豫
  審事件數二萬四千二百三十四件ニ對シ昭
  和元年ニハ九萬七千二百四件ニ翌二年ニ
  ハ十萬二千三百九十五件ニ激增シ判事及
  檢事各一人ノ負擔件數ノ步合ハ明治四十
  朝鮮ニ於ケル司法官ノ待遇ニ關スル質
  問主意書
  近時司法部ニ於ケル諸般ノ施設稍改善ノ
  途ニ就キ舊來ノ面目ヲ一新シタリト雖司
  法官ノ待遇尙行政官ニ比シ甚夕劣レルモ
  ノアリ高材逸足ノ士動モスレハ司法部ヲ
  去ラムトスルノ傾アリ而モ朝鮮ニ於ケル
  司法官ノ待遇ハ內地ノ司法官ニ比シ一段
  ノ低位ニ在リ今ニシテ之カ向上ヲ圖リ優
  奬ノ途ヲ講スルニ非スムハ人材地ヲ拂ヒ
  朝鮮ニ於ケル栽判所ニ對スル新附國民ノ
  信賴ハ將ニ疎薄ナラムトスルノ虞アリ洵
  ニ國家心腹ノ大患タリ朝鮮ニ於ケル判事
  檢事及書記何レモ此ノ所十數年來ノ定員
  ニ對シ事件ハ逐年增加スルノミニシテ左
  記第一號表ハ如實ニ其ノ眞相ヲ物語レリ
  新受件數竝判檢事一人ノ負擔件數
  -人負擔檢事公訴及檢事一人ノ負擔
  檢事定員
  步合共助事件件數步合
  九三一六三一四、二五〇二二六一
  五七七七一〇一、〇五四一、三一二五八
  五九八二一〇八、七五二一、三二五五九
  一人ノ負擔
  數件數增加步合
  件數步合
  五九、二三七一三八一一
  三、九六〇、六六〇五、八三三四二·三六六·九
  四、三一六、二〇三六、二五五四五·三七二·九
  件數ハ民事々件、刑事々件、豫審事件、民事雜事件(登〓〓、公證及戶籍事件ヲ含ム)刑事雜
  三年ニ比シ昭和元年ニ於テハ五倍八分翌
  二年ニ於テハ五倍九分ニ激增セリ特ニ驚
  クヘキハ書記一人ノ負擔件數ナリ卽チ明
  治四十三年ニ比シ昭和元年ニ於テハ六十
  六倍九分翌二年ニ於テハ七十二倍九分ト
  謂フ突飛ナル步合ノ增加ヲ示セリ更ニ之數ト比較セムニ左記第一一號表ハ其ノ間ノ
  ヲ內地ニ於ケル司法官ノ各一人ノ負擔件實狀ヲ審ニセリ
  第二號表
  内地(大正十五年度)民刑訴訟豫審及檢事新受事件
  (一)△印ハ步合
  朝鮮(昭和元年度)竝判檢事一人ノ負擔件敷
  判事檢事
  訴訟及豫審人負擔訴共助一人負擔
  定員件件步合定員公計件數步合
  民事刑事豫審計
  院四七七四二、一四一一一二三
  大審一、三八〇二、一〇四三、四八四△一〇〇一四二、一四一1△一〇〇
  스五三
  高等法院一〇大興味ニ 九人への五△一〇九三二元九ニー九△三五
  院大HIHB五
  控訴かつ五、三七四一、六七二七、〇四六△一〇〇三七一、六六八一、九九五Aヘ0
  覆審法院三一、五三一一七二一、五三一一二三
  三、九六五五、四九六△二二一一〇一、五三一△二八三
  地方裁判所一、〇〇四一〇一、二七五三六八四五八、七二三八九縣
  區裁判所二六四、三三九三、九五九三六九、五七三△一〇〇五一三三七九、四一八七九、三〇五△一〇〇
  地方法院及六三五一、四〇〇
  支廳一部份五八、七五八三一、二九五주요 O九〇、九〇三△セニ大九九六、一九八夏天 天九九、三六四스六
  内地一、一四一Hamelヘニ
  二七一、〇九三一〇五、〇五一三、九五九三八〇、一〇三△一〇〇天天三八三、二二七七九、六三二四六二、八五九△一〇〇
  計
  朝鮮一六九七、二〇四BH2O2一〇一、〇五四一ISHIN
  六三、三六九三二、九八五조80△一五七八二九七、八八八三、一六六△一五〇
  本表中ニハ故障及再審事件ヲ含ム
  備考内地定員ハ昭和二年七月一日現在、朝鮮ハ同年末現在ニヨル
  内地ニ於テハ本表定員ノ外豫備判事九十九名、豫備檢事四十六名アリ
  內地(大正十五年度)裁判所及檢事局取扱事件新受
  (二)
  朝鮮(昭和元年度)竝書記一人ノ負擔件數
  書記書記一人
  檢事檢事ノ負擔
  民事刑事豫審民雜刑雜計
  定員公訴共助件數步合
  内地五、三〇〇二七一、〇九三一〇五、〇五一三、九五九七、二九四、七七二一三、四四〇三八三、二二七七九、六三二八、一五一、一七四一、五三八100
  朝鮮六心〇六三、三六九三二、九八五入るG一、八八一、三五〇ちょん九七、八八八三、一六六二、〇八〇、三六六三、〇一五一大、
  備考民事雜件中ニハ登記事件ヲ含ム
  今第二號表ニ就テ其ノ〓要ヲ摘示スレ
  ノ割合ニシテ朝鮮ノ司法官ノ負擔件數ハ
  ハ假リニ内地ニ於ケル司法官ノ各一人ノ
  內地ノ司法官ノ五割乃至五割以上ノ負擔
  負擔件數ヲ一〇〇トシ之ヲ朝鮮ノ司法官
  ナリ若此ノ一人ノ負擔件數ヲ內地同様ニ
  ト比較スルニ
  判事檢事書記引下クルトスレハ幾何ノ增員ト爲ルヘキ
  內地一〇〇一〇〇〇〇カ左記第三號表ハ明ニ其ノ解答ヲ與フル
  朝鮮一五七一五〇一九六ニ十分ナリ
  第三號表(△印ハ減)
  判事檢事書記
  定員人所要增減定員人所要增減定員所要增減
  員員人員
  高等法院一〇一〇、九〇·〇三一、〇△二一〇
  覆審法院三三七〇、五三八·五一〇二八、四一八·四
  六九〇一、三五二、六六六二·六
  地方法院及支廳一四四二四七、〇一〇三·〇六九一一一、一四二·一
  計一六三二八、四一四二·四八一四〇、五五八·五
  今第三號表ニ就テ其ノ〓要ヲ摘示スレハ虐遇茲ニ至テ極マレリト謂フヘシ或ハ恐
  定員所要人員增員ル審理ノ粗延テハ法ノ適用ヲ誤ルナキカ
  判事一八六三二八四一四二、四ヲ軈テハ朝鮮ニ於ケル司法部ノ威信失墜
  檢事八二一四〇、五五八、五ノ端ヲ披クナキカヲ又更ニ左記弟四號表
  書記六九〇一、三五二、六六六二、六及第五號表ヲ閱スルニ於テ內地及朝鮮ニ
  卽チ判事ニ於テ七割六分檢事ニ於テ七割於ケル勅任判事人員ノ比較考察ヲ爲シ將
  一分書記ニ於テ實ニ九割二分ノ增員ヲ必又朝鮮ニ於ケル奏任判檢事ト普通行政官
  要トスルナリ斯ノ如ク兩兩相對照シ來レトノ比較考察ヲ爲スコトヲ得テ自ラ朝鮮
  ハ朝鮮ニ於ケル司法官ノ負擔能率ハ內地ニ於ケル栽判所職員卽チ司法官ノ待遇改
  ノ一人半分乃至二人分ニ相當スヘク酷待善ノ急ナルヲ感得首肯スルニ足ラム
  第四號表
  内地及朝鮮ニ於ケル勅任判檢事人員比較表(昭和三年九月調)
  内地朝鮮
  職名本俸豫算人員職名本俸豫算人員
  標準額標準額
  親任大審院長七、五〇〇一高等法院長六、五〇〇一
  同部長五、七〇〇八同部長五、七〇〇一
  勅任
  同判事五、二〇〇一三同判五、二〇〇一
  四、八〇〇一二事
  親任大審院檢事總長七、五〇〇一高等法院檢事長六、五〇〇一
  五、七〇〇四
  同檢事五、二〇〇二同檢事五、二〇〇一
  四、八〇〇ニ
  控訴院長六、五〇〇二勅任覆審法院長五、七〇〇三
  五、七〇〇五
  同部長五、二〇〇三同部長五、八〇〇一
  四、八〇〇三
  勅任同檢事長六、一〇〇二同檢事長五、七〇〇三
  五、七〇〇五
  同檢事五、二〇〇二同檢事四、八〇〇一
  四、八〇〇一
  地方裁判所長五、二〇〇二六地方法院長五、二〇〇一
  四、八〇〇一二九
  同檢事正五、二〇〇二六同檢事正五、二〇〇
  四、八〇〇二五
  以上親任勅任計
  判檢事總數一、七〇五
  判事檢事總數ニ對スル%
  勅任步合
  内地判檢事總數ハ昭和二年七月一日現在定員ナリ
  備考朝鮮判檢事總數ハ昭和三年九月一日現在定員ナリ
  第五號表
  昭和三年
  十一月現
  在定員本俸
  內地人奏任判檢事三八三、一〇〇
  司
  朝鮮人奏任判檢事三一、八〇〇
  法內地人計六七五、八〇〇
  計二六〇朝鮮人計七五、六〇〇
  合計七五一、四〇〇
  官
  内鮮人合計一人平均二、八九〇
  普通内地人奏任官三、四六〇
  行政
  官朝鮮人奏任官一、八〇〇
  備考朝鮮人ノ定額少キハ其大部分カ特別任用者ナル爲メナルヘシ
  尙朝鮮ニ於ケル地方法院長及同檢事正ニ
  シテ勅任ト爲シ得ルモノ現在ハ豫算上各
  一名宛ナルモ之ヲ內地ノ如ク全部ト爲ス
  ニハ各十名宛ノ增加ト爲リ假リニ京城、
  平壤、大邱、釜山、新義州ノ五法院在職
  者ニ對スル標準額ヲ五千二百圓其ノ他ノ
  六法院在職者ニ對スル標準額ヲ四千八百
  圓ト爲ストキハ奏任標準給トノ差ハ本俸
  ニ於テ三萬七千二百圓加俸ニ於テ一萬四
  千八百八十圓計五萬二千八十圓ノ曾額ヲ
  要シ外ニ事務費ニ於テ奏勅任官旅費差額
  一萬四百七十九圓ノ增額ヲ要スヘシ
  右各項ニ付職員ノ增加、待遇ノ改善、法
  院長檢事正全部ノ勅任等ニ關シ政府ノ所
  見如何之ニ對シ文書ヲ以テ詳細ナル答辯
  ヲ求ム
  右及質問候也
  昭和四年三月二十四日
  一六九一五
  二七三
  九、九一%五、五〇
  高等法院長同檢事長ハ東京及大阪ノ控訴院長同檢事長ト本俸豫算標準額同額ナリ
  豫算上ノ標準俸給一人當定額
  本俸ノ十備考
  加俸分ノ四本加俸計
  一、二四〇四、三四〇本俸ハ高等官俸給令別表第
  二表第一號ノ五級俸二當ル
  1一、八〇〇同九級俸ニ當ル
  內地人計九四六、c10
  朝鮮人計七五、六〇〇
  合計一、〇二一、c10
  1三、九三〇弱
  一、三八四四、八四四同四級俸ヨリ六
  ○圓多シ
  1一、八〇〇同九級俸ニ當ル
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員牧山耕藏君外四名提出朝鮮ニ
  於ケル司法官ノ待遇ニ關スル質問ニ對シ
  別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員牧山耕藏君外四名提出朝鮮
  ニ於ケル司法官ノ待遇ニ關スル質問ニ
  對スル答辯書
  朝鮮ニ於ケル司法關係職員ハ大正十三年
  末行政整理ノ際他ノ部門同樣相當減員セ
  ラレタルガ其ノ以後ニ於ケル取扱件數ノ
  增加ニ對シテハ關係職員ノ負擔輕減ニ付
  每年考慮スル所アリ行財政整理後昭和四
  年度迄ノ增員ハ判檢事勅任六人奏任一八
  人書記三一人ヲ算ス朝鮮ニ於テ職員ノ事
  務負擔割合ガ內地ヨリ大ナルハ獨リ司法
  關係ノミニアラズ殆ンド凡テノ部門ニ亙
  ル情況ナレバ今日直チニ司法職員ノミ內
  地ヲ標準トシテ增員スルガ如キハ困難ナ
  リ朝鮮ニ於ケル内地人奏任判檢事ノ平均
  俸給ハ三、一〇〇圓(加俸ヲ含メ四、三四
  (인)ニシテ内地ニ於ケル奏任判檢事平
  均俸給ハ三、一二〇圓ナレバ今日俸給定
  率ノ增額ハ其ノ必要ナキモノト認ム但シ
  判任官等比較的下級吏員ノ待遇改善ハ漸
  ヲ追テ實現ヲ期スル方針ノ下ニ之ガ所要
  經費ノ一部ハ昭和四年度豫算ニ計上セリ
  地方法院長及檢事正ノ勅任昇格ニ付テハ
  法院所在地取扱件數等各般ノ事情ヲ勘案
  シ必要ト認ムル範圍ニ於テ之ガ實現ヲ期
  スルコトヽシ所要經費ハ昭和四年度豫算
  ニ計上セリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  御警衞ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十六日
  提出者高田耘平
  外四名
  御警衞ニ關スル質問主意書
  栃木縣知事藤山竹一ハ數年前腦溢血病ニ
  罹リ現ニ身體ノ自由ヲ缺ク而シテ同患者
  力精神上ニモ亦缺陷アルハ醫界ノ定論ナ
  リト聞ク栃木縣ニハ那須、日光、鹽原ノ
  三箇所ニ御用邸設ケラレ畏クモ聖上
  皇后兩陛下ハ屢行幸啓ヲ仰セ出サレ縣
  民ノ等シク光榮トスル所ナリ而モ御警衞ノ
  重任ヲ有スル現知事藤山竹一カ前記ノ如
  ク精神上ニ缺陷アリトセハ御警衞上果シ
  テ違算ナキヲ期シ得ルト信スルヤ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員高田耘平君外四名提出御警衞
  ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員高田耘平君外四名提出御警
  衛ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  栃木縣知事藤山竹一ハ現ニ身體上精神上
  特異ノ缺陷アルコトナク隨ツテ質問ノ如
  キ憂アルモノト認メス
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  內務大臣望月圭介
  小運送業者ノ待遇ニ關スル再質問主意
  書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十九日
  提出者山邊常重
  小運送業者ノ待遇ニ關スル再質問主意
  書
  政府ノ答辯ニ依レハ大正八九年公認制度
  實施以來ノ取扱方法ニ過キスト果シテ然
  ルヤ亦非公認運送業者中ノ資力及信用厚
  キ者トハ何ヲ標準トシテ定メタル資力信
  用ナルカ更ニ特別小口扱集配付小口扱ハ
  合同運送業者ノミニ取扱ハシムルハ荷主
  及公衆ノ意思ニ反スル點多多アリト信ス
  殊ニ通知書發行ノ名目ノ下ニ合同會社ニ
  ハ一通ニ付金二錢ヲ交付セラレ居ルカ其
  ノ年額實ニ三十萬圓ニ達セルト聞ク之等
  ハ不公平ノ一例ニ過キス依テ更ニ政府ノ
  所見ヲ問フ
  右及再質問候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員山邊常重君提出小運送業者ノ
  待遇ニ關スル再質問ニ對シ別紙答辯書差
  進候
  〔別紙〕
  衆議院議員山邊常重君提出小運送業者
  ノ待遇ニ關スル再質問ニ對スル答辯書
  小運送ニ關スル鐵道省直營ノ作業タ
  ル特別小口扱及集配付小口扱ノ請負及
  之ニ附帶スル事務ヲ除キ、運賃後拂、
  判取簿ニヨル貨物引渡方法等ハ凡テ運
  送業合同以前モ既ニ公認運送取扱人ニ
  對シテ認メタル取扱方法ニ過キス
  二、非公認業者中ノ資力信用厚キ者ノ標
  準ハ大體公認業者ノ標準ニ準スル意味
  ナリ蓋シ大正十四年ニ於テ公認業者ノ
  整理ヲ行ヒタルトキヨリ運送業合同問
  題迄ノ間久敷ク運送業者ノ公認ヲ中止
  シタル爲メ各地方ニハ相當資力信用ア
  リテ而カモ公認セラレサルモノアリタ
  ルヲ以テ之ヲ合同ニ參加セシムルモ差
  間へ無キノ意ナリ
  三、特別小口扱及集配付小口扱ヲ合同運
  送業者ノミ指定シテ取扱ハシムルハ集
  配請負作業ノ性質又同作業能率增進上
  當然ニシテ鐵道省直接責ヲ負フテ小運
  送ヲ行フ以上荷主公衆ノ正當ナル意思
  ニ反スル理由ナシ
  四、鐵道省ハ集配作業ヲ請負ヒタル者ニ
  貨物通知書ヲ作成セシメ之ニ對シ該作
  成料ヲ支給スルハ本來貨物通知書ノ作
  成ハ鐵道自身ノ作業上ノ必要ヨリ爲ス
  モノニシテ之ヲ他ヲシテ爲サシムル場
  合ニハ之ニ對シ報酬ヲ支拂フコトハ當
  然ナルノミナラス之カ爲メニ戶口ヨリ
  戶口ニ至ル鐵道省直營ノ運送作業ノ統
  一簡易ヲ來シ接續時間ヲ短縮シ荷主公
  衆ニ便利ナリ
  其ノ支拂總額ハ一ケ年間ノ實蹟ヲ示ス
  ニ至ラサルモ質問ニヨル金額ヨリハ遙
  カニ少額ノ見込ナリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  鐵道大臣小川平吉
  伊勢神宮式年遷宮ノ國民的奉祝ニ關ス
  ル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十九日
  提出者池田敬八
  外四名
  伊勢神宮式年遷宮ノ國民的奉祝ニ關ス
  ル質問主意書
  今秋行ハセラルヘキ皇大神宮及豐受大神
  宮ノ式年造營ハ我カ國ノ重大事ニシテ其
  ノ遷御ハ皇祖奉齋ノ重要儀タリ從テ國民
  ノ擧ケテ奉祝セサルヘカラサル國家至重
  ノ儀典タルコト勿論ナリ政府ハ遷御ノ當
  日全國一般ニ休暇ヲ與へ或ハ官國幣社以
  下諸神社ニ於テ遙拜ノ祭式ヲ行ヒ或ハ各
  學校ニ於テ遙拜ノ式ヲ擧ケシメ其ノ他遷
  宮式當日成ルヘク參列者ノ範圍ヲ擴張シ
  多數ノ者ニ城內奉拜ノ機會ヲ與フル等國
  民ヲシテ大ニ之ヲ奉祝セシムルノ方法ヲ
  講スルノ意思ナキヤ
  抑兩宮ノ殿舍ハ二十一年目ニ造替セラル
  ルノ制ニシテ新殿造營成ルトキハ御神體
  ヲ舊殿ヨリ遷シ奉ルハ古來ノ恒例ナリ其
  ノ儀典ハ皇室典範ニ本ツク皇室祭祀令ニ
  明ニ規定セラルル所ニシテ神宮祭祀中最
  莊重ヲ極メ遷御ノ當日希クモ御親祭ヲ行
  ハセラルヘキ例規タリ明治年代ニ在リテ
  ハ明治二年同二十二年及同四十二年ノ三
  囘式年遷宮ノ儀ヲ行ハセラレ明治大帝ハ
  神儀出御ノ時刻ヲ期シ遙拜ノ儀ヲ行ハセ
  ラレタリト拜聞ス此ノ如ク兩宮ノ遷宮ハ
  我カ國最重ノ儀典タルニ拘ラス未タ國民
  全般ニ涉リ十分ニ之ヲ知悉セラレス爲ニ
  遷宮ニ對スル國民的ノ奉祝ニ缺クル所ア
  ルハ誠ニ遺憾ニ堪ヘサル所ナリ宜シク此
  ノ大儀ヲ全國ニ周知セシメ國民ヲシテ益
  皇祖皇宗ノ尊嚴ヲ奉拜シ皇室ノ威德ヲ敬
  仰セシメ以テ國體ノ精華ヲ發揮シ併セテ
  國民精神ノ作興ニ資セサルヘカラス況ヤ
  近時國民思想ノ動搖甚シク或ハ輕佻浮薄
  ノ行動ニ流レ動モスレハ過激危險ノ邪道
  ニ墮セムトスル趨向アルトキニ於テオヤ
  乃チ兩宮遷宮ノ式日ニ於テ國民的奉祝ヲ
  行フコト刻下ノ急務ナリト信ス是レ前段
  ノ如ク政府ノ所見ヲ質サムト欲ス
  右及質問候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員池田敬八君外四名提出伊勢神
  宮式年遷宮ノ國民的奉祝ニ關スル質問ニ
  對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員池田敬八君外四名提出伊勢
  神宮式年遷宮ノ國民的奉祝ニ關スル質
  問ニ對スル答辯書
  神宮式年遷宮ノ大儀ハ皇祖奉齋ノ最重要
  儀ニシテ擧國表慶奉賀ノ誠ヲ至スヘキ國
  家至重ノ儀典ナルヲ以テ其ノ當日ヲ國祭
  日トナサントスルハ誠ニ意義アルモノト
  信スルモ其ノ影響スル所亦少カラサル次
  第ナルヲ以テ目下愼重考究中ニ屬ス
  尙當日各地ニ於テ遙拜式ヲ擧行スルコト
  竝宮城内ニ於ケル參列者奉拜者ノ範圍ヲ
  擴張スルコト其ノ他可及限リ擧國奉祝ノ
  實ヲ擧クルノ方法ニ就テハ目下夫々攻究
  ヲ進メツツアリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  內務大臣望月圭分
  朝鮮國民協會ノ參政權付與ニ關スル建
  白書ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十日
  提出者牧山耕藏
  外二名
  朝鮮國民協會ノ參政權付與ニ關スル建
  白書ニ關スル質問主意書
  朝鮮ニ於ケル國民協會ニ於テハ朝鮮ニ衆
  議院議員選擧法施行ニ關シ別紙ノ如キ建
  白書ヲ政府ニ提出シタルカ之ニ對スル田
  中內閣總理大臣ノ所見如何
  右及質問候也
  〔別紙〕
  建白書
  政府ハ朝鮮ニ衆議院議員選舉法ヲ施行
  セラレムコトヲ望ム
  右建白ス
  理由
  一般國民ノ國政ニ參與スルハ立憲國民
  トシテ公權ノ行使タルト共ニ責務ノ遂
  行ニ外ナラス我國ハ昨年普通選擧法ノ
  實施ニ伴ヒ數萬ヲ以テ算スル内地在住
  ノ朝鮮人臣民ニハ衆議院議員ノ選擧權
  竝ニ被選擧權ヲ賦與セラレ內地人臣民
  ト全ク對等ノ地位ヲ獲得スルニ至レリ
  然レトモ朝鮮在住ノ帝國臣民ハ憲法有
  效區域外ニ置カレタルタメ參政權ノ分
  配ニ與ルコト能ハス國民タルノ榮譽ヲ
  去勢セラレ二千萬大衆ノ不幸之レヨリ
  甚シキハナシ下名等ハ帝國百年ノ長計
  ト朝鮮民衆ノ永久ノ幸福トニ思ヲ致シ
  玆ニ身ヲ挺シテ朝鮮ニ衆議院議員選擧
  法ヲ施行セラレムコトヲ帝國議會ニ請
  願スルコト三度最後ニ血ノ犠牲ヲ拂ヒ
  漸ク第四十四回帝國議會ノ採擇スルト
  コロトナリ爾來十有星霜ノ長キニ亙リ
  理ヲ盡シ情ヲ陳ヘテ政府ニ建白スルコ
  ト前後八囘ニ及ヒ就中閣下ニ建白ヲ繰
  返スコト玆ニ二囘今ヤ感極マリテ更ニ
  白スモ辭ナシ
  要スルニ朝鮮在住ノ民衆ニ參政權ノ賦
  與ヲ躊躇スル所以ノモノハ朝鮮ノ文化
  程度未タ內地ノソレニ及ハサルノ一事ニ
  アルカ如シ然リト雖內鮮ノ文化程度ニ
  徑庭アルカ故ニ國政參與ノ權利ヲ與ヘ
  ナハ反テ朝鮮ノ文化水準ヲシテ內地ト
  同一程度ニ向上セシムルノ結果ヲ招來
  スルヤ必セリ
  凡シ事物ニ逆ノ眞理アルコトヲ考慮セ
  サルヘカラス冀クハ閣下ノ賢明ヲ以テ
  朝鮮ノ時局ヲ洞察セラレ下名等ノ建言
  ヲ直ニ採納アラムコトヲ
  昭和四年二月十八日
  國民協會長金明溶
  外會員一同
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中養
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員牧山耕藏君外二名提出朝鮮國
  民協會ノ參政權付與ニ關スル建白書ニ關
  マル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員牧山耕藏君外二名提出朝鮮
  國民協會ノ參政權付與ニ關スル建白書
  ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  朝鮮ニ於テハ今尙完全ナル地方自治制ノ
  確立ヲ見ルニ至ラズ自治的訓練ニ於テモ
  缺クル所少カラザル等諸般ノ實情ニ鑑ミ
  今直チニ衆議院議員選擧法ヲ施行スルノ
  時期ニ達セザルモノト認ム
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  內閣總理大臣男爵田中義
  言論取締ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十一日
  提出者中西六三郞
  外一名
  言論取締ニ關スル質問主意書
  過ル三月十八日ノ本會議ニ於テ淺原健三
  君ノ警察權行使ニ關スル緊急質問ニ於テ
  同君ハ人民新報第五號ノ論說中「惡化思
  想ノ流行ハ、其幹部中樞ノ處分解決ニ依
  ラズンバ云々」「是等枚ハレザル誤レル徒
  輩ニ對シテハ淚ヲ以テ之ヲ斬ラザルベ
  カラズ云々」ノ辭句ヲ指摘シテ特定ノ人
  ヲ斬殺スル意義ナリト解シ卽チ故山本宣
  治代議士ノ横死ト因果關係ヲ有スト爲シ
  内務當局ノ取締ノ懈怠ヲ非難シタルニ對
  シ秋田内務政務次官ハ縷縷陳辯セラルル
  所アリシモ要スルニ淺原君ト辭句ノ解釋其
  ノ他ノ事情ニ何等別異ノ意見ヲ說クコトナ
  ク單的ニ「當局ト致シマシテハ言論ノ自由
  ヲ尊重スルト云フ意味合ヲ以チマシテ、
  アノ新聞ノアノ程度ノ記事ヲ禁止シナカ
  ツタノデアルト御了解ヲ得タイノデアリ
  マス」ト答辯ヲ與ヘラレタリ卽チ此ノ答辯
  ニ從ヘハ文書ヲ以テ主義思想ノ相違セル
  反對者ヲ斬殺スヘシトノ意思表示ヲ爲ス
  コトヲ以テ言論ノ自由範圍ナリト肯定シ
  タルモノノ如シ此ノ如キハ其ノ影響頗ル
  重大ナルヲ顧ミ重ネテ政府ノ眞意ヲ質シ
  言論取締ノ方針ヲ明確ナラシムル必要ヲ
  認ム之レ質問ヲ爲ス所以ナリ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十四日
  内閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員中西六三郞君外一名提出言論
  取締ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進
  候
  〔別紙〕
  衆議院議員中西六三郞君外一名提出言
  論取締ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  人民新報第五號中「惡化思想ノ流行ハ其
  ノ幹部中樞ノ處分解決ニヨラズンバ」云
  云「之等救ハレザル誤レル徒輩ニ對シテ
  ハ淚ヲ以テ之ヲ斬ラザル限リ世ヲ救ウ事
  ヲ得ナイ事ヲ如何トモスル事ハデキナイ
  ノデアル」云々ト記載セル記事全體ノ趣
  旨ハ所謂幹部中樞ノ排擊ヲ强調シタルモ
  ノニシテ主義思想ノ相違セル反對者ヲ斬
  殺スヘシトノ意味ニ非サルモノト認メラ
  ル
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十四日
  內務大臣望月圭介
  綱紀肅正ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十六日
  提出者小俣政一
  綱紀肅正ニ關スル質問主意書
  一宮田警視總監ハ田中首相ニ絡ム「西伯
  利出兵史」四册ノ原稿ヲ借リテ警察ノ
  權力ヲ以テ脅カシ一方金力ヲ以テ買收
  セント務メタガ失敗シ買收ニ應ジナケ
  レバ其ノ借リタ原稿ヲ返還シナイト謂
  フノデ其ノ著者廣田ナル者カラ昭和二
  年九月一日原稿橫領瀆職等デ告訴サレ
  タコトハナイカ
  一最初脅迫買收ニ失敗シ原稿ヲ返還シナ
  イノデ九月一日宮田總監ガ告訴サレル
  ヤ警視廳ハ其ノコトノ新間ニ發表サレ
  ルコトヲ恐レ記事差止ニ奔走シ官房主
  事ハ使ヲ廣田ノ宅ニ遣ツテ元談ニシテ
  吳レ金ハマグ多ク出スカラト謂ツテ賴
  ンダガ警察權ヲ振リ廻シ脅カサレテ買
  收ニ應ジタト謂ツテハ法治國民ノ恥辱
  デアルト機附ケラレ買收不能ニ終ツタ
  ト謂フガ如何
  一以上二度ノ買收交渉ニ失敗シタノデ今
  度ハ東京地方裁判所ノ檢事局ヲシテ廣
  田ヲ檢事局ニ呼ンデ檢事局ガ又買收交
  涉ヲシタガ廣田ガ應ジナカツタト謂フ
  ガ如何
  一廣田ガ檢事局ノ交涉ニモ應ジナイ其ノ
  儘ニシテ置クト宮田總監ノ詐欺罪及ビ
  瀆職ノ罪ハ免レヌコトトナルノデ其ノ
  罪ヲ免ルル爲其ノ借リタ原稿ヲ横領シ
  タノデハナイ行政處分ヲシタノダト稱
  シテ居ル
  當時民政黨ノ橫山勝太郞氏ハ廣田ノ爲
  ニ其ノ原稿取返シニ吉益檢事正ニ會見
  セラレタトキ同檢事正ハ原稿ヲ返還サ
  セル様盡力スルト謂フ話デアツタガ後
  デ宮田君ヲ調ベテ見タラ其ノ原稿ハ橫
  領シタモノデハナイ行政處分ヲシタノ
  デアル
  行政官廳ノ違法處分ニ對シテハ檢事局
  ハ裁判權ガナイト謂フノデ同事件ヲ不
  起訴ニシタト謂フガ如何
  一廣田ハ其レニ對シテ檢事局ニ告訴シテ
  居ル問題ハ行政處分ノ違法カ否カヲ告
  訴シテ居ルモノデハナイ借リタ原稿ヲ
  返サナイノハ横領カ詐欺デアリ更ニ瀆
  職罪ガ構成スル其ノ刑事問題ヲ告訴シ
  テ居ルノデアルト申シタガ檢事局ハ行
  政處分ニ藉口シテ此ノ事件ヲ不起訴處
  分ニ付シタト謂フガ如何
  一其處デ廣田ハ一方事件ヲ抗告スルト同
  時ニ警視廳ニ向ッテ抗議ヲ申込ミ借リ
  タモノヲ犯罪ヲ免レル爲行政處分ヲシ
  クト謂フナラ其レデヨイガ然ラバ其ノ
  法文ヲ明ニスル義務ガアル故ニ其ノ法
  文ヲ明ニスベシト書留返信料附キデ十
  數囘警視總監ニ照會シテモ一囘モ返事
  ヲシナイト謂フガ如何
  行政處分ヲシタラ請求サレナクトモ法
  文ヲ明市セナケレバナラヌ義務ガアル
  ト思フガ如何
  警視廳デハ行政執行法ノ法文ハ日常使
  ツテ居ルノデアルガ行政執行法第一條
  ノ規定デハ其ノ法文ノ精神カラシテ原
  稿ノ假領置ハ出來ナイト思フガ警視廳
  ハ常ニ斯ノ如キ誤ッタ解釋ヲシテ市民
  ヲ苦シメテ居ルノデハナイカ原稿ノ假
  領置ガ出來ル解釋ノ根據ヲ承リ度イ
  一警視廳ハ西伯利出兵史ノ原稿ガ軍事
  外交ニ害アリト謂フロ實ノ下ニ其ノ原
  稿ヲ押ヘテ居ルノダト謂フコトデアル
  ガ軍事外交ニ害ガアレバ法律ヲ犯シテ
  人ノ原稿ヲ押ヘルコトガ出來ルカ
  一著述家ノ原稿ハ加除修正シテ出スカ若
  クハ全ク放棄スルカモ知レナイモノデ
  アル著シ害ガアルナラ出版シタトキ處
  分シタラヨイデハナイカ人ノ未ダ公ニ
  セザル原稿ヲ無理ニ三日ノ約束デ借リ
  テ司法權ヲ振リ廻シテ强制的ニ買收ヲ
  强フルガ如キコトハ暴力行爲以上ノ暴
  力デハナイカ警視廳ハ西伯利出兵史ガ
  軍事外交ニ害ガアルト謂フカラ廣田ハ
  內容證明郵便ヲ以テ三度警視總監二立
  會演說ヲ申込ミ自分ハ國家ノ前途ヲ憂
  ウル者デアル警視總監ハ其ノ原稿ガ軍
  事外交ニ害ガアルト謂フガ私ハソウハ
  思ハヌ若シ警視總監ガソンナ頑迷ナコ
  トヲ謂フナラバ自己ノ謂フコトガ正シ
  イカ政友會ノ謂フコトガ正シイカ對論
  ヲヤラウ若シ私ガ敗ケタラ其ノ原稿ハ
  棄テル政友會ニモ天晴外交通ガ居ル筈
  デアル會場ハ帝國ホテルヲ用意スルカ
  ラ外交通ヲ出シテ吳レル樣對論ヲ申込ン
  ダガ一度トシテ此正正堂堂タル對論ヲ
  ヤルコトガ出來ズ行政處分ヲシタ法文
  サヘ示スコトガ出來ナカッタト謂フガ
  如何
  一所ガ段段調ベテ見ルト其ノ原稿ヲ假領
  置シタノハ行政執行法第一條ニ依ルモ
  ノデアルト謂フコトガ明カトナッタノ
  デ廣田ガ其ノ不法ヲ追及スルト警視總
  監ハ逃ゲ廻ッテ會ハナイ若シ廣田ニツ
  カマルト辯解ノ辭ガナイカラ廣田ノ追
  及急ナルヤ遂ニ廣田ヲ檢束シテ又買收
  交涉ヲ計リ廣田ガ應ゼヌノデ廣田ノ著
  述ノ問題ニ藉口シ內務省ハ廣田ノ著述
  ガ公然ノ手續ヲ經テ出版サレテ居ルモ
  ノヲ犯罪ノ目的ニ著シタ祕密出版ナリ
  トノ公文書ヲ僞造シテ十箇月間投獄シ
  テ控訴院檢事局ニ買收ヲ計ラシメタト
  謂フガ如何
  一昭和二年十月三十日ノ深夜十二時頃ニ
  警視廳ノ小津警部及ビ長谷川某ノ二名
  ハ廣田ノ留守宅ニ垣根ヲ乘リ越ヘチ家
  族ノ寢所ニ侵入シ明日試驗ガアルカラ
  困ルト謂フ中學三年生ノ小供ヤ老幼家
  族全部五名ヲ無理無態ニ拘禁シ深夜三
  時半頃迄交々家族ヲ脅迫シテ不實ナ證
  言ヲ强要シ廣田ノ宅ニ如何ナル人ガ出
  入スルカヲ尋ネ其ノ夜ハ留置シ翌日釋
  放スルニ當ツテ家族全體ニ拘禁サレタ
  コトヲ口外スルト承知セヌト脅カシテ
  固ク口止ヲシテ返シタト謂フガ如何
  一家族全體ヲ拘禁シタ理由ハ廣田ノ病氣
  ヲ尋ネル爲デアツタト謂フガ如何
  廣田ノ病氣ヲ尋ネル位ナコトデ深夜家
  族全體ヲ拘禁スルト謂フコトハ先頃ノ
  說〓强盗ノ誤認デ人權蹂躪ヲ行ツタ以
  上ノ人權蹂躪デハナイカ
  一廣田ノ家族ガ拘禁サレタ日モ廣田ハ西
  伯利出兵史ノ不法假領置ノ法文ヲ質ス
  ベク每日警視總監ヲ私宅官舍役所ニ訪
  問シテ居タ時デアツテ家族ヲ引致シタ
  日ニモ廣田ハ不自由ナ病體デ警視廳ニ
  三度モ宮田總監ヲ訪問シテ居ルノニ宮
  田君ハ逃ゲ廻ツテドウシテモ廣田ニ會
  ハナカツタト謂フガ如何
  一深夜家族全體ヲ拘禁シテ警視總監ヲ搜
  シ廻ツテ居ル廣田ノ居所ヲ尋ネルト謂
  フコトハ議會前ニ廣田ヲ葬ツテ置カン
  ト政友會ニ不利ダカラ昨年ノ對議會策
  ノ爲廣田ヲ投獄スル材料ヲ作ル爲斯ク
  モ慘虐ナ人權蹂躪ヲ行ツタモノデハナ
  イカ
  一警視廳ガ投獄ノ目的ヲ以テ材料ヲ揑造
  スレバ刑法ノ條文ヲ嚴格ニ取扱ヘバ借
  金ノ斷リ方ガ惡クテモ詐欺罪ニナルノ
  デアルカラ凡ソ刑法ニ觸レナイモノハ
  一人モ居ルマイ而モ投獄スルニ御念ガ入
  リ過ギテ居ル警視廳ハ課長ガ御目ニ掛
  リタイカラ一寸御出下サイト迎ヘニ行
  キ買收交涉ニ應ゼヌカラ議會前ニ投獄
  シタ然シ廣田ヲ投獄スルト「西伯利出兵
  史」ノ敵討ト見ラレルコトヲ恐レ警視廳ハ
  新聞ヲ利用シテ廣田ハ大變惡イ奴デア
  ルト謂フ宣傳ヲ都下ハ勿論全國ノ新聞
  ニ某ヲ通ジテ掲載サセタ而モ全國ノ新
  聞記事ガ同一デアル更ニ滑稽ナコトニ
  ハ新聞ニ書イタコトト視廳ガ廣田ヲ
  檢束シタ事實ハ違ツテ居ル警視廳ハ
  「西伯利出兵史」ヲ完全ニ横奪ノ目的ヲ
  以テ斯ルコトヲ全國ニ宣傳シ反對黨モ
  之ヲ問題ニシナイ樣ニ仕組ンダモノデ
  ハナイカ
  一新聞社ヲ調ベテ見ルト全ク其記事ハ警
  視廳ヨリ出タコトガ判ツテ其ヲ書イタ
  社ハ廣田ノ抗議ニ會ヒ警視廳ノ種子ヲ
  信ジテ書イタモノデ他意ナキコトヲ謝
  シタノデ廣田モ其レヲ許シ二、三社ダ
  ケ名譽毀損デ告訴ヲシテ居ル
  一刑事訴訟法ニ依ルト被疑者ノ名譽ノ爲
  斯ルコトハ祕密ヲ守ラナケレバナラヌ
  黨略ノ爲メ警視廳ガ全國ニ反對ノ惡宣
  傳ヲヤルト謂フガ如キハ實ニ許スベカ
  ラザル瀆職ノ行爲デアル之ハ政友會ノ
  幹部ガ相談シテ斯ルコトヲ警視廳ニヤ
  ラセタモノデハナイカ
  此ノ問題ガ田中首相ニ不利ナ西伯利出
  兵史ヲ彌縫スル爲ニ行ハレタモノデア
  ルト謂フニ至ツテハ現內閣ハ思想善導
  ヤ綱紀肅正ガ何處ニアルカ
  一而モ此等ノ不法、瀆職、人權蹂躪、强
  盜、脅迫、詐欺、公文書僞造行使等ノ
  罪名デ警視廳及ビ內務省ノ幹部ガ昨年
  十月廣田ヨリ告訴サレルヤ帝都ノ市民
  ハ强盜ニ見舞ハレテ警視廳ハ警戒手薄
  デ實績擧ラズ市民ノ非難ノ的ニナツテ
  居ルノニ昨年十月告訴提出以來今日ニ
  至ル迄廣田ニ尾行刑事ヲ附ケテ行動ヲ
  妨害シイヤガラセヲ遣ツテ居ル帝都ノ
  保安ヨリモ田中總栽ノ醜行ヲ彌縫スル
  コトガ大切デアル警視廳ノ政黨化ハ實
  ニ斯ノ如ク極端デアル警視廳非難ノ聲
  ノ起ルノモ亦故ナキデナイ
  一廣田ノ如キ意思ノ强固ナ者デアルカラ
  此ノ問題ヲ此處迄引續イテ來タガ若シ
  意思ノ弱イ者デアレバ自己ノ權利ヲ蹂
  躪サレル許リデナイ永久ニ葬ラレルコ
  トニナル日本臣民ハ法律ニ依ラザレバ
  權利ヲ侵サルルコトナシト謂フ憲法ヲ
  破ルモノデアル又警視廳ハ常習的ニ斯
  ル違法ヲ行ツテ居ルノデハナイカ果シ
  テ然ラバ恰モ狂人ニピストルヲ與ヘタ
  樣ナモノデ此ノ合法ノ暴力ニ依シテ國
  民ノ權利ヲ侵サレルコトニナレバ國民
  中ニハ法律以外ノ方法ヲ以テ之ニ對抗
  スル者ノ生レテ來ルノハ當然ナコトデ
  アル法律擁護ノ上カラスルモ思想問題
  ノ上カラシテモ警視廳ノ此ノ違法行爲
  ハ斷ジテ許スコトハ出來ナイ
  一廣田ノ西伯利出兵史ヲ無理ニ三日間ノ
  約束デ借リテ司法權ト金力ノ買收ニ應
  ゼヌカラトテ違法ニ領置シ其ノ不法ヲ
  追及スレバ今度ハ投獄シテ檢事局ガ買
  收ヲ計ル其レデ應ジナケレバ家族ヲ干
  乾ニシテ應ジサセ樣トスル何ト謂フ壓
  制政治デアルカ
  田中首相ノ醜行ヲ葬ランガ爲三年ニ亙
  ツテ無辜ノ民ヲ社會的ニ葬ラントシテ
  斯クモ亂暴ヲ行ヒ其レデ國民ノ思想ガ
  正シク導カレルト思フカ內閣諸公ハ此
  ノ事實ヲ何ト見ルカ
  一廣田ヲ投獄シタ問題ハ其ノ記錄ノ寫ガ
  私ノ手元ニアルカラ後デ質問スルガ內
  務省ハ何故廣田ノ公然ナ著作權ヲ有ス
  ル出版物ヲ面モ二分間カカレバ調バル
  モノヲ公文書ヲ僞造シテ祕密出版ノ證
  明書ヲ出シタノカ
  一内務省ハ此ノ僞造ハ係員ノ誤リト謂ツ
  テ居ルソウデアルガ斯ル謂ヒ拔ケヲ防
  備スル爲前以テ橋本辯護士ノ調査ニ依
  ルト內務省ノ係デハソンナ證明ハ出シ
  タ覺ヱハナイト謂ツテ居ル又僞造證明
  書ハ係ノ處ニアル印鑑及ビ其ノ係ノ筆
  跡ガ全ク違ツテ居ルガ内務省ガ人ニ刑
  法ノ罪ヲ被ハスル樣ナ證明ヲ僞造ス
  ト謂フコトハ穩カデナイ此ノ僞造證明
  書ハ如何ナル經緯ノ下ニ作製サレタモ
  ノカ
  一廣田ヲ投獄スル爲警視廳ト內務省ト結
  託シテ僞造シタモノデハナイカト思ハ
  レルガ如何
  一檢事局ハ此ノ公文書僞造ノ告訴ニ對シ
  僞造證ノ筆跡ノ主ヲ調べタカ其ノ告訴
  ハドウナツテ居ルカ
  一西伯利出兵史横奪告訴ノ內容ハ極メテ
  明瞭ナル違法デアルニ拘ラズ何故宮田
  總監ヲ起訴シナカツタカ行政執行法第
  一條ニ依リ「西伯利出兵史」ヲ假領置ス
  ルコトノ不當ハ一見明瞭ナコトデル況
  シヤ其ノ法文ノ適用ガ合法ナリトスル
  モ同條ニ依ル假領置期間ハ一箇月ヲ越
  ユルコトハ出來ヌ其ニ昭和二年八月ヨ
  リ同三年九月迄十四箇月假領置ヲ繼續〓ゑ
  シテ居ル斯ノ如ク適用スベカラザル法
  文ヲ適用シテ居ル不法ハ極メテ明瞭デ
  アル此ノ明明白白ナル犯罪事實ニ對シ
  何故檢事局ハ宮田總監ヲ起訴シナイカ
  而モ問題ハ公ノ瀆職デハナイカ斯クテ
  ハ餘リニ檢察事務ノ不公平デハナイ
  カ
  一内務省ハ宮田總監ヲ更迭スル必要ヲ認
  メヌカ
  行政執行法第一條ノ如キ日常使用サレ
  ル法文ニ對シ其ノ適用ヲ誤ル樣ナ疑ハ
  シキ者ヲ警視廳ノ幹部トシテ戴クコト
  ハ帝都ノ市民ハ實ニ危險デハナイカ
  一抑、此ノ「西伯利出兵史」ノ原稿ヲ橫奪
  スルニ當ツテハ昭和二年八月十五日某
  總務某書記官長某司法次官總監等ガ田
  中首相ガ腰越ノ別莊ニ滯在中「西伯利
  出兵史」ノ話ヲシテ田中總理カラ賴マ
  レテ以上ノ人人ガ協議シテ西伯利出兵
  史ヲ〓キ上ゲル計畫ヲシタモノデ然シ
  黨員ガ表面ニ關與シテハ買收ヲヤリ損
  ジタ場合ニ困ルカラト謂フノデ警視廳
  ヲ表面ニ立テテ買收交涉ヲ計ラセル樣
  ニナリ警視廳ヲ表面ニ立テテ置ケバ交
  滲不能ノ場合無茶ナコトガ出來ルト謂
  フノデ警視廳ヲ表面ニ立テテ買牧ヲ計
  ラセルニ至ツタトノコトデアルガ如何
  一此ノ關係ヲ立證スルモノハ昭和二年八
  月二十三日付司法次官ヨリ書記官長ニ
  宛テテ「トーインヲカンヨセシメテカ
  フコトフカ、ケイシチヨウニメイジテ
  バイシユウハカラレタシ」ト謂フ三重
  山田カラ發セラレタ電文ヲ見テモ明カ
  デアルト謂フガ如何
  一果シテ然ラバ田中總裁ニ絡ム不正ヲ發
  カレルコトヲ恐レテ政府ノ最高幹部ガ
  此ノ醜行ヲ蔽フ爲內務省ハ公文書ヲ僞
  造シ警視廳ハ法律ヲ犯シテ横奪ヲ働キ
  嚴正ナル司法ノ府ニアル司法次官ノ命
  デアルカ否カ知ラヌガ檢事ヲ使嗾シテ
  買收ヲ計ラシムルガ如キ綱紀ノ紊亂之
  ヨリ大ナルハナイ總理大臣ハ之ヲ何ト
  見ルカ
  一廣田ノ西伯利出兵史ノ内容ハ次ノ如キ
  モノデアルガ其レガ何處ガ惡イカ
  政友會ガ爵位迄辭サセテ總裁ニ載イ
  夕高橋氏ヲ辭サセテ從來政友會ニハ
  何等關係ノナイ田中氏ヲ總裁ニ迎ヘ
  タ高橋氏ガ追ヒ出サレタノモ金ノ爲
  デアツタ田中氏ガ迎へラレタノモ金
  デアツタ田中氏ノ〓里ノ關係軍人ト
  謂フ生活カラシテ物質ニ惠レナイ筈
  ノ田中大將ヲ金箱ト睨ンデ政友會ノ
  總裁ニ迎ヘラレタ其ノ金ハ西伯利出
  兵ニ依ツテ得タモノデアル如何ナル
  方法デ其ノ莫大ナル金ヲ儲ケタノカ
  西伯利出兵史ニハ其ノ事ガ書イテア
  ル其ノ他未ダ世間ニ現レザル幾多ノ
  問題ガ記述サレテ居ル而モ二千三百
  萬圓ノ機密費ト七億ト謂フ莫大ナ國
  帑ヲ使ツテ吾ガ國ガ得タモノハ何デ
  アツタカ非ヲ針小棒大ニ世界ニ宣傳
  サレ華府會議ニ於テ其ノ他ノ排日ニ
  於テ日本ノ立場ヲ害シ國家ノ威信ヲ
  傷ケタコト莫大デアル其レハ種々外
  國新聞ニ依ツテ明カデアル斯ル醜態
  ヲ知ラザルモノハ國民ノミデアル
  我ガ國ト露支トノ關係ハ極メテ重要
  デアル然ルニ現露政府ヲ討伐シタモ
  ノハ田中大將デアル其ノ誤ッタ行動
  ハ軈テ「ユフタ」ニ於ケル田中大隊ノ
  全滅ト爲リ尼港ノ慘劇トナツテ現レ
  タ日本ガ損害ヲ被ツタノハ既往ノ問
  題ノミデハナイ日本ガ日露戰爭ノ犠
  牲ニ依ツテ得タル昨年ノ日露漁業條
  約ニ依ル權利ハ正ニ空文ニ等シキ狀
  態トナツテ居ル田中總理ノ西伯利出
  兵ハ田中氏ノ爲ニハ今日ノ地位ヲ得
  ル素地ヲ作ッタ福ノ神デアルガ吾ガ
  國家ニ對シテハ非常ナル不利益ヲ來
  シテ居ル田中首相ハ支那出兵ニ於テ
  モ西伯利出兵ト同一ナ失態ヲ繰返シ
  テ居ル此ノ時代錯誤ノ事實ヲ指摘シ
  テ斯ル醜態ヲ繰返サザル樣痲痺セル
  軍事外交ニ投石ヲ爲スベク西伯利出
  兵史ヲ著シタモノデアル其レガ何處
  ガ惡イカ田中總理ニハ不利ナランモ
  我ガ國家ニ對シ何等害ヲ爲スモノデ
  ハナイ
  「西伯利出兵史」ノ著者モ共產主義者デ
  モナケレバ社會主義者デモナイ眞ニ國
  家的見地ニ立脚シテ書イテ居ルノデア
  ル政府ハ眞ニ軍事外交ニ害アリト謂フ
  ナラ著者ノ希望ヲ容レテ正正堂堂討論
  ヲヤル氣ハナイカ
  (一宮田總監ガ行政執行法第一條デ假領置
  ヲヤツタノハ行政官廳ノ違法處分ニ對
  シテハ行政栽判所ニ出訴ヲセナケレバ
  此ノ不法ヲ裁ク途ガナイ然ルニ行政栽
  判所ノ規定ハ列舉主義デ出訴ヲ許サレ
  テ居ルモノハ幾等モナイ其ニ行政執行
  法第一條ノ違法處分ニ對シテハ出訴ヲ
  許サレナイノデ廣田ガ如何ニアセツテ
  モ此ノ不法ヲ裁ク方法ガナイカラ大丈
  夫ダト宮田君ハ放言シテ居タト謂フコ
  トデアル斯クテハ警視廳ハ全ク無政府
  ニ等シイデハナイカ常ニ警視總監ガ斯
  ル取扱ヲシテ居テハ思想ノ惡化スルノ
  モ當然デハナイカ思想惡化ノ種ハ首相
  自ラ蒔イテ居ルノデハナイカ
  監視總監ノ行ツタ明明白白ナル犯罪ニ
  對シテ司法大臣ハ宮田君ヲ取調ベル氣
  ハナイカ
  一內務大臣ヲ監督者トシテ宮田君ノ此ノ
  瀆職行爲ニ對シテ監督ノ責任ヲ感ゼヌ
  カ
  一内務省ハ公文書ヲ僞造シ司法次官、書
  記官長等ガ其ノ不法行爲ノ指圖ヲシ警
  視總監ハ斯クモ慘虐ナル法律ヲ犯シ而
  モ此ノ問題ガ總理大臣ニ絡ム醜行ヲ發
  カレルコトヲ恐レテ之ヲ彌縫スル爲ニ
  行ハレタ數數ノ違法問題デアルガ首相
  ハ,身自ラ斯ノ如キ有樣デ輔弼ノ重責ヲ
  完ウシ得ルト思ハレルカ
  一而モ國民ノ師表タラザルベカラザル總
  理大臣ガ己ノ醜行ヲ蔽ハンガ爲斯クモ
  官紀ヲ紊亂シテ其レデ首相ハ如何ニシ
  テ國民ニ見エルカ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員小俣政一君提出綱紀肅正ニ關
  スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員小俣政一君提出網紀肅正ニ
  關スル質問ニ對スル答辯書
  -質問ニカヽル原稿假領置ノ處分ヲ爲
  シタル事實アリ如斯ハ從來ト雖其ノ例
  ナキニアラザルモ法ノ解釋トシテ妥當
  ナラザルモノト認メラルヽニヨリ將來
  ハ如斯處置ナカラシメムコトヲ期ス
  尙本件ニ關シ關係當局ニ於テハ脅迫買
  收人權蹂躪公文書偽造ノ事實ナキモノ
  上海支
  東京地方裁判所檢事局ニ於テハ質問
  ニ係ル告訴ヲ受理シタルコトアルモ檢
  事局カ司法次官ノ命ニ依リ質問ニ所謂
  買收交涉ヲ爲シタルコトナシ而シテ同
  檢事局ハ捜査犯罪ヲ構成スヘキ事實ナ
  キモノト認メ不起訴ノ處分ヲ爲シタル
  モノニシテ質問ニ係ル理由ニ依リ右ノ
  處分ヲ爲シタルモノニ非ス從テ更ニ宮
  田警視總監ヲ取調フルノ必要ヲ認メス
  司法次官ハ質問ニ係ル如キ公文書僞
  造ノ不法行爲ヲ指圖シタルコト無シ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  內務大臣望月圭介
  司法大臣原嘉道
  煉乳業ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月十九日
  提出者東〓實
  煉乳業ニ關スル質問主意書
  一煉乳外資ノ侵入ニ對スル政府ノ對策
  如何
  最近本邦金業界ヲ觀ルニ各種大事業ハ
  其ノ擴張ニ當リテ競フテ外債ヲ募集ス
  ルノ狀態ヲ示ス卽チ大正十四年ニ於テ
  東電、大同、東邦、宇治電ノ四社ハ紐
  育及倫敦ニ於テ外債ヲ募集シ其ノ額米
  貨九千百五十萬弗及英貨三百九十萬磅
  卽チ平價ニ換算シテ合計二億二千萬圓
  ニ達セリ更ニ昭和二年末ニ於テ信越電
  力外債七百六十五萬弗昨年一月ニ於テ
  日本電氣ノ九百萬弗六月ニ於テ東京電
  橙ノ七千萬弗及四百五十萬磅ト未會有
  ノ巨額外資ノ輸入ヲ見タリ卽チ大正十
  四年以降其ノ總額約三億一千萬圓餘ニ
  上レリ
  然ルニ最近米國ノ金融業者間ニ於テ啻
  ニ社債ノ引受應募ヲ爲スニ止マラス株
  式ヲモ取得シテ以テ利害關係ヲ密接ナ
  ラシメムトスル傾向ヲ元セリ現ニ昨年
  初頭日本電力外債引受元タル「シカゴ」
  ノ「ハリーフオーブス」カ日本電力ノ株
  式ヲ取得セリトノコトナリ又東電ノ外
  債引受元「ガランテイートラストコン
  バニー」ノ如キモ東電ノ株式ヲ十萬株
  所有セムト申込メリト傳ヘラル尙煉乳
  界ヲ觀ルニ昨年十月世界最大ノ煉乳會
  社タル「ネツスルアンドアングロスヰ
  ス」會社ハ在北海道大日本乳製品株式
  會社ヲ合併シテ內國法人タル資本金四
  百萬圓ノ新會社ヲ起シ其ノ株式ノ六十
  七「パーセント」ヲ把握セリ其ノ他本邦
  企業中外資ニ依リテ完全ニ統制セラル
  ル會社卽チ株式ノ過半數ヲ外人カ保有
  スルモノハ前述ノ日本電氣、東京電氣、
  大同燐寸及大日本乳製日ロネツスル會社
  ナルカ外資ノ輸入其ノ事自體ハ必スシ
  モ之ヲ排擊スヘキモノニ非ス本邦ノ如
  キ資本ノ比較的不足スル國柄ニ於テハ
  或程度迄其ノ必要ヲ認ムルモ前述四社
  ノ如ク其ノ株式ノ過半數ヲ外國資本家
  ニ依リテ把握セラレ彼等ノ驅使スル所
  ト爲ルコトハ果シテ策ノ得タルモノナ
  リヤ疑問ナキヲ得ス政府ハ斯ル外國資
  本ノ侵入ニ對シテ如何ナル對策ヲ有セ
  ラルルヤ
  二政府ハ純國產煉乳業ヲ徹底的ニ保護
  スルノ意思ナキヤ
  1本事業ハ從來原料砂糖戾稅、關稅
  等ニ依リテ國家ヨリ保護ヲ受ケツツ
  今日ニ至レリ其ノ生產ハ一千五百六
  十萬餘斤價格六百七十五萬餘圓ニ達
  シ其ノ品質ハ官立衞生試驗所、畜產
  試驗場ノ試驗ニ依リテ外國品ニ比シ
  總テノ點ニ於テ優越セルコトヲ認メ
  ラレタリ而モ年年約四百萬圓ノ煉乳
  ヲ輸入スルコトハ遺憾ナキ能ハス我
  カ國ノ乳製品消費高ハ昭和二年ニ於
  テ二千二百八十三萬斤一千五百萬圓
  ニ過キス故ニ之カ自給自足ハ政府ノ
  政策其ノ宜シキヲ得ルニ於テハ極メ
  テ容易ノコトニ屬ス政府ハ此ノ實狀
  ニ鑑ミ國稅定率ノ改正其ノ他適當ノ
  方法ヲ講シ斯業ヲ徹底的ニ保護スル
  ノ意思ナキヤ
  2又大日本乳製品ネツスル會社ハ內
  國法人ナリト雖其ノ株式ノ六十七
  「パーセント」ハ外資ニ依リ把握セラ
  レ而モ其ノ製品ニハネツスル社商標
  タル鷲印及ミルクメード印ヲ貼付シ
  テ發賣ス之レ準外國會社ト看做スコト
  ヲ得故ニ政府ハ其ノ製品ヲ巧ニ關稅
  ヲ免レタル外國品ト看做シ國稅ニ準
  スル特殊ノ課稅ヲ斯ノ會社製品ニ課
  スルノ意嚮ナキヤ
  3又本邦煉乳生產高ヲ見ルニ大正元
  年ヨリ同五年迄五箇年平均二百八十
  九萬斤ニ對シ昭和二年ニ於テハ一千
  五百六十四萬斤卽ヲ五倍半ニ達シ尙
  年年增加ノ傾向ニアリ故ニ内地ニ於
  テ自產自給ノ目的ヲ達スルト共ニ海
  外ニ向テモ販路ヲ調査擴張スルノ緊
  要ナルヲ認ム政府ハ本問題ニ對シ如
  何ナル程度迄助成ヲ爲サムトスルノ
  意思アリヤ
  三戾稅問題ニ關シ大日本乳製品ネツス
  ル社ニ對シ差別待遇ヲ爲スノ意思ナキ
  ヤ
  煉乳原料砂糖戾稅法ハ國內煉乳業保護
  奬勵ノ見地ヨリシテ明治四十一年一月
  第二十四回帝國議會ニ於テ協賛セラレ
  タル法律ニシテ其ノ趣旨ハ幼稚貧弱ナ
  ル內國煉乳業ヲ保護スルニアリ故ニ過
  般設立セラレタル大日本乳製品ネツス
  ル社ノ如キ大資本ヲ擁シ而モ背後ニ
  「ネツスルアンドアングロスキス」社ヲ
  有スル準外國會社ニ對シ原料砂糖戾稅
  ヲ行ヒ之ヲ保護スルハ本法ノ精神ニ反
  スルモノノ如ク認メラル政府ハ之ニ對
  シ差別待遇ヲ爲スノ意思ナキヤ
  四內地煉乳業者合同ニ關シ資金需要起
  リタル場合政府ハ之ニ低利資金ヲ供給
  シ之ヲ援助スルノ意思ナキヤ
  煉乳自產自給ノ目的ヲ達成シ更ニ進ム
  テ海外ニ其ノ販路ヲ擴張セムガ爲ニハ內
  地ニ於ケル各煉乳業者ノ合同ヲ計ルノ
  必要アリト認ム政府ハ右合同ニ關シ資
  金ヲ必要トスル場合ニハ之ニ低利資金
  ヲ供給シ之ヲ援助シ斯業ノ健實ナル發
  達ヲ助成スルノ意思ナキヤ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員東〓實君提出煉乳業ニ關スル
  質問ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員東〓實君提出煉乳業ニ關ス
  ル質問ニ對スル答辯書
  、昭和二年十一月以降大日本乳製品株
  式會社ハ「ネツスル、アンド、アング
  ロスキス」煉乳會社ト共ニ資本金ヲ四
  百萬圓トスル大日本乳製品及ネツスル
  會社ノ創立ヲ計畫シ昭和三年九月大日
  本乳製品株式會社株主總會ニ於テ札幌
  ニ新工場ヲ建設シ鷺印煉乳ノ商標ヲ獲
  得シテ其ノ製品ヲ販賣セムトスル假契
  約ノ承認ヲ決議シタルハ事實ナルモ定
  款其ノ他事實上未夕其ノ成立ヲ見ス從
  テ本邦煉乳業界竝酪農界ニ對スル之カ
  影響ニ付テハ種々ノ說アルモ全ク未知
  數ニシテ當局ハ之カ推移ニ關シ常ニ愼
  重調査ヲ怠ラス右ニ對スル具體的對策
  ニ付テハ計畫ノ實現ヲ俟チテ講究セム
  トス
  二、(1)(2)本邦煉乳業竝酪農界ト重大ナ
  ル關係ヲ有スルヲ以テ當局ニ於テモ目
  下愼重講究中ナリ
  (3)國產煉乳ノ販路ヲ海外ニ開拓スル
  ハ本邦煉乳業延テハ酪農業ノ發達上緊
  要ノ事項ナルヲ以テ大正十五年以降之
  カ海外販路調査事業ニ對シ相當助成シ
  ツツアルモ更ニ其ノ徹底ヲ期スルノ必
  要ヲ認メ目下講究中ナリ
  三、煉乳原料砂糖戾稅法制定ノ趣旨ハ之
  ニ依テ内地ニ於テ生產セラルル煉乳業
  ヲ奬勵セムトスルニ在リ故ニ現行法ノ
  下ニ於テハ內地ニ於テ生產セラルル煉
  乳ノ原料砂糖ニ對スル消費稅ハ煉乳製
  造業者ノ資本ノ内外ニ依テ區別スルコ
  トナク戾稅スルヲ適當ナリト認ム
  四政府ハ內地煉乳業ノ合同ノ必要ヲ認
  メ常ニ之ヲ慫慂シツツアルモ容易ニ實
  現ヲ見サルハ遺憾トスル所ナリ尙低利
  資金ノ供給ハ困難ナリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  農林大臣山本悌二郞
  大藏大臣三土忠造
  足尾銅山鑛毒ニ關スル第三回質問主意
  書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十日
  提出者栗原彥三郞
  足尾銅山鑛毒ニ關スル第三回質問主意
  書
  帝國議會ニ於ケル議員ノ質問權ハ上奏
  權表決權ト鼎立スル議員ノ三大權限ニ
  シテ政府ハ議員ノ質問ニ對シテハ議院法
  ノ條章ト慣例トヲ重ムシ誠心誠意ヲ以テ
  親切丁寧ニ各辯シ其ノ質サルル所ノ事相
  ヲ明ニスルニ力ムヘキハ當然ナリ然ルニ
  足尾銅山鑛毒問題ニ對スル田中總理大臣
  中橋商工大臣ノ答辯ハ悉ク虚僞ペテン瞞
  著ニシテ寸毫ノ誠意ナク專ラ鑛業主ノ不
  法行爲ヲ庇護スルニ汲汲タルノ觀アルハ
  頗ル遺憾ナリ政府ハ宜シク此ノ弊風ヲ改
  メ誠心誠意ヲ以テ答辯セムコトヲ望ム
  田中總理大臣ニ對スル質問
  本員カ本年二月二十三日付田中總理大臣
  ニ對スル足尾銅山鑛煙毒問題再質問ノ要點
  ハ足尾銅山ノ煙毒ハ我ガ帝室ノ重要ナル
  御財產タル日光奧御料林ノ大自然ヲ現在
  猛烈ニ枯死セシメツツアリ一鑛業主力帝
  室ノ御財產ニ加フル此ノ暴狀ヲ全國ヨリ
  來集スル觀光客、修學旅行學生數十萬人ニ
  目擊セシムル爲之等ノ學生ハ帝室竝國家
  ニ對スル思想上甚シキ惡影響ヲ受ケツツ
  アルノ事實ヲ指摘シ政府ハ思想善導上支
  障ナシト思惟スルヤ如何ト謂フニアリシ
  ナリ然ルニ田中總理大臣ノ答辯ハ
  足尾銅山ノ鑛害ニ關シテハ十數年前鑛
  煙害ヲ御料林ニ及ボシタルコトアルヲ
  以テ當時直チニ該方面ニ鑛煙ノ瀰漫セ
  ザル樣適當ノ方策ヲ講ゼシメ爾來極力
  之ガ防止ニ努メシメツツアリ
  ト答辯セルモノニシテ本員ノ質問トハ寸
  毫モ關係ナキ全ク別個ノ答辯ヲ與ヘタル
  モノナリ依テ已ムヲ得ス左ノ三點ヲ質問
  ス
  田中總理大臣ハ現在足尾銅山ノ煙毒
  カ畏レ多クモ我カ帝室ノ重要御財產タ
  ル日光奧御料林ヲ枯死セシメツツアル
  事ヲ否定スルヤ如何
  二田中總理大臣ハ足尾銅山ノ鑛業主カ
  白日公然帝室ノ御財產ニ加フル暴狀ヲ目
  擊シテ金國數十萬ノ學生カ帝室及國家
  ニ對スル思想上甚シキ惡影響ヲ受クル
  ヲ傍観シ補弼ノ責任上恐懼ニ堪ヘスト
  ハ思惟セサルヤ如何
  三田中總理大臣ハ大煙吐ノ築造其ノ他
  今日ノ學術經驗ニ於テ煙毒ヲ除害輕減
  シ得ヘシト信スル施設ヲ足尾銅山鑛業
  主ニ命シ我カ帝室ニ及ホセル莫大ナル
  損害ヲ豫防スル意思ナキヤ如何
  中橋商工大臣ニ對スル質問
  本員ノ第一質問ニ對スル商工大臣ノ答辯
  ト第二質問ニ對スル商工大臣ノ答辯トハ
  全然兩立シ得サル撞著ノ答辯ニシテ益商
  工大臣ノ眞意ノアル所ヲ知ルニ苦シム
  依テ左ノ三點ニ付誠心誠意ナル御答辯ヲ
  望ム
  -商工大臣ハ第一質問ニ對スル答辯ニ
  於テ差支ナシト認メ無設備地ニ毒泥渣
  ヲ堆積セシメタリト答辯シ第二質問ニ
  對シテハ現ニ毒泥渣ヲ堆積セシメツツ
  アル原堆積場ノ隣地ハ無設備地ナルモ
  將來其ノ外廓ニ豫防命令ニ準スル設備
  ヲ爲サシムルモノナレハ無設備地ニ堆
  積セシムルモ豫防命令違反ニ非スト答
  辯セリ然レトモ豫防命令第十三條ノ規
  定ヲ無視シ無設備地ニ毒泥ヲ堆積セシ
  ムルハ明ニ豫防命令違反ナリ商工大臣
  ハ如何ナル理由ヲ以テ豫防命令第十三
  條ニ違反シツツ豫防命令違反ニ非スト
  謂フヤ
  二商工大臣ハ足尾銅山鑛毒豫防命令第
  十三條ニ背キ無設備地ニ毒泥渣ノ堆積
  ヲ認許シタル以上ハ萬一此ノ不法認許
  カ原因ト爲リ鑛毒被害地方人民ニ損害
  ヲ被ラシメタル場合ハ當然其ノ損害ハ
  商工省ニ於テ負擔スヘキモノナリ商工
  大臣ハ其ノ覺悟及準備アリヤ如何
  三松木堆積場ニ關スル第一質問ニ對シ
  テハ毒水ヲ本山向間藤淨水場ニ導キ沈
  澱濾過等除害施設ヲ爲シツツアリト答
  辯シ第二質問ニ對シテハ有害物滲出ノ
  虞ナシト答辯セリ右二個ノ答辯ハ事實
  上兩立シ得サル答辯ナルカ商工大臣ハ
  其ノ何レヲ本氣ニテ答辯セルモノナリ
  ヤ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員栗原彥三郞君提出足尾銅山鑛
  毒ニ關スル第三囘質問ニ對シ別紙各辯書
  差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員栗原彥三郞君提出足尾銅山
  鑛毒ニ關スル第三回質問ニ對スル內閣
  總理大臣答辯書
  (一)往年御料林ニ被害ヲ及ポシタル事
  實ニ鑑ミ煙害ヲ除却輕減シ得ベキ施設
  ヲ鑛業主ニ命ジ損害ヲ豫防セシメツツ
  アルヲ以テ現在ニ於テハ煙害ヲ與フル
  虞ナキモノト思考ス
  (二)前述ノ通リナルヲ以テ特ニ學生ノ
  思想上甚シキ惡影響ヲ及ボスモノト思
  惟セズ
  (三)今日ノ學術經驗ニ於テ煙害ヲ輕減
  シ得ベシト信ズル最善ノ施設ヲ鑛業主
  ニ命ジ居レリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  〔別紙〕
  衆議院議員栗原彥三郞君提出足尾銅山
  鑛毒ニ關スル第三囘質問ニ對スル商工
  大臣答辯書
  (一)第二囘質問ニ對スル答辯ノ通リ豫
  防命令ニ基ク工事施行中ナル堆積場ノ
  内部ニ泥渣ヲ堆積セシメタルモノニシ
  テ豫防命令ノ違反ニ非ズ
  (二)前述ノ通リナルヲ以テ豫防命令ニ
  違反シタル不法認許ニ非ズ
  CII第二囘質問ニ對スル答辯ニ於テ所
  謂虞ナシトハ第一囘質問ニ對シ答辯シ
  タル如ク松木堆積場ニ就テハ淨水設備
  アル上、堆積物ノ性質モ他ノ堆積場ノ
  モノト異ル所アルヲ以テ一層有害物ノ
  流出スル虞ナキ旨ヲ答辯シタルモノニ
  シテ矛盾シタルモノニ非ズ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  商工大臣中橋德五郞
  檢事ノ職權濫用ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十日
  提出者横山勝太郞
  檢事ノ職權濫用ニ關スル質問主意書
  檢事鈴木銈太郞ハ佐賀地方裁判所檢事在
  職中職權ヲ濫用シテ左記ノ如キ不法ノ處
  分ヲ爲シタル事實アリ
  左記
  檢事鈴木銈太郞ハ佐賀地方裁判所檢事在
  職中菊池德治郞ニ對スル恐喝被疑事件ニ
  付(同人ハ當時民政黨佐賀縣支部顧問及
  日刊新聞佐賀每日新聞副社長ヲ爲シ居タ
  リ昭和二年十一月十日强制處分トシテ
  同栽判所豫審判事代理坂本原一裁判所書
  記野中虎雄ト共ニ佐賀市八幡小路一〇五
  番地佐賀毎日新聞社ニ來リ右坂本判事ノ
  同社ノ家宅搜索ニ立會タルカ其ノ際同檢
  事ハ同社内菊池德治郞使用ノ机ヨリ當時
  佐賀縣内務部長タリシ內海忠司カ前任地
  (愛媛縣內務部長)松山市ヨリ同人ニ宛テ
  タル社交上ノ信書封書一通ヲ擅ニ持チ去
  リ引續キ同日同市白山町十五番地在ノ同
  人ノ家宅搜索ニ立會シテ引揚ケタリ翌十
  一日同檢事ハ同栽判所豫審判事石原隆栽
  判所書記山田秀吉ト共ニ再ヒ同人方ニ來
  リテ同判事ノ家宅搜索ニ立會タルカ其ノ
  際同檢事ハ同人內緣ノ妻宮地タネニ對シ
  「昨日ハ夕刻ニナツテ書類ノ調査出來サリ
  シ故今一應書類ヲ出セ」ト命シ數百通ノ信
  書中ヨリ右內海忠司カ前任地松山市ヨリ
  同人ニ宛テタル信書封書三通ヲ持チ去リ
  タリ
  其ノ後右内海忠司ハ同年十二月一日付ヲ
  以テ突然休職ト爲レリ
  右內海內務部長ノ休職ニ付日刊福岡日
  日新聞昭和二年十二月六日發行五日夕
  刊第一五、八五九號ニ
  佐賀縣内務部長体職ニナツタ理由
  曩ニ收容サレタ新聞社長ニ氣脈ヲ通
  シタ嫌疑ト題シ
  佐賀縣內務部長內海忠司ハ一日付デ
  突然休職處分ニナツタ此處分ハ去ル
  十一月中旬同地刑務所ニ收容サレタ
  同縣民政派機關新聞佐賀每日新聞副
  社長菊池德治郞佐賀新間社長野口藤
  三同社記者藤島紫郞ノ三名ノ恐喝被
  疑事件ニ關連シテ居ルト云ハレテ居
  ル卽チ佐賀地方檢事局ノ鈴木檢事一
  行ガ先月十日被疑者菊池宅ノ家宅搜
  索ヲ行ツタ際内務部長カラ菊池ニ宛
  テタ最近ノ私信四五通ガ押收サレタ
  ガ此手紙ノ內容ガ一兩日前佐賀檢事
  局カラ司法省ニ報告サレ次テ內務省
  ノ耳ニ入ッタ結果早急ニ休職處分ニ
  附シタモノデアル司法省ガラ内務省
  ヘノ報告デハ內海氏ガ直接事件ニ關
  係ナイ事ダケハ判ツタガ內海氏ガ前
  記菊池氏等ト何カニ付ヶ氣脈ヲ通ジ
  テ居タ事ハ明カデ警察部長時代カラ
  種々ノ便宜ヲ與ヘテ居タヨウニナツ
  テ居ル尙休職ノ內海氏ハ〓里ガ京都
  デアルガ夫人產後ト令孃ノ學校關係
  デ當分佐賀ニ止ル由云々ト
  同新聞昭和二年十二月六日發行卽チ朝
  刊第一五八五九號ニ
  警察部長時代ニ非政友記者ト通謀シ
  テ居タ內海內務部長ト題シ
  佐賀縣内務部長內海忠司氏ノ休職理
  由ハタ刊所報ノ通リ菊池德治郞氏ノ
  家宅搜索ノ際發見サレタ內海氏ヨリ
  ノ私信ニ依ルモノト云ハレテ居ルガ
  右ハ同氏ガ佐賀縣警察部長在職時代
  ニ菊池氏等ト頻繁ニ交際シ菊池氏等
  ノ爲ニ種々便宜ヲ與ヘテ居タ事ガ判
  明シタノデ今囘ノ處分ニナッタモノ
  デアルト而シテ斯ノ如キ民政派機關
  新聞幹部ト關係淺カラヌモノアル內
  海氏モ佐賀縣内務部長ニ舞戾ッテ以
  來ハ餘程警戒シテ昔日ノ如キ濃厚ナ
  關係ヲ避ケテ居タモノデ未ダ菊池等
  ノ事件關係デ取調ベラレタヤウナ模
  樣ハナイガ休職トナツタ上ハ何時其
  事アルヤ圖ラレヌ云々
  トノ各記事揭載アリ
  其ノ後昭和三年二月九日佐賀地方裁判所
  檢事局ハ菊池德治郞內緣ノ妻右宮地タネ
  ヲ呼出シ昭和二年二月十一日鈴木檢事カ
  拙宅ヨリ持去リタル右内海ヨリ菊池ニ宛
  テタル信書三通(別紙寫ノ通)ヲ返還シタ
  ルモ其ノ前日同檢事カ佐賀每日新聞社ヨ
  リ持去リタル右内海ヨリ菊池ニ宛テタル
  信書一通ハ所在不明ナル故後日返還スル
  旨告ケタルモ今日ニ至ル迄返還セサルナ
  リ
  右事實ニ基キ左ノ質問ヲ爲ス
  第檢事ハ如何ナル權限ニ基キ右信書
  ヲ持チ去リタルヤ家宅捜索及物件ノ押
  收ハ豫審判事ノ權限ナリ鈴木檢事ハ豫
  審判事ノ家宅搜索ニ立會シタルニ過キ
  ス立會シタル檢事カ物件ヲ持チ去ルパ
  如何ナル理由ナリヤ(猶右信書ヲ豫審
  判事於テ押收シ居ラサルコトヲ立證ス
  ル爲搜索押收調書寫ヲ添附ス)
  第二鈴木檢事カ持チ去リタル右信害ハ
  菊池德治郞ニ對スル被疑事件トハ全然
  關係ナシ被疑事件ハ菊池カ大正十三年
  十二月佐賀市ニ本店ヲ有スル株式會社
  古賀銀行常務取締役草場義夫ヲ恐喝シ
  タリト謂フニアリテ當時菊池ハ内海忠
  司氏ト一面識ナシ同人カ群馬縣警察部
  長ヨリ佐賀縣警察部長ニ轉任シ來リタ
  ルハ大正十四年八月十八日ニシテ其ノ
  後大正十五年十二月十八日愛媛縣內務
  部長ニ轉シテ佐賀縣ヲ去リ昭和二年五
  月十七日佐賀縣内務部ニ轉シテ再ヒ
  佐賀縣ニ來リタルモノシテ同人ハ菊池
  ニ對スル被疑事件ニハ全然關係ナキモ
  ノナリ然ルニモ拘ラス鈴木檢事カ內海
  忠司ノ信書ノミヲ持チ去リタルハ甚タ
  奇怪ノ次第ニシテ何者カノ請託ヲ受ケ
  内海內務部長ヲ馘首スヘク其ノ材料ト
  シテ右信書ヲ持チ去リタルモノト思料
  セラル如何
  第三鈴木檢事カ持チ去リタル右信書ノ
  内容ハ何レモ社交上ノモノニシテ內海忠
  司カ佐賀縣警察部長ヨリ愛媛縣内務部
  長ニ轉シタル後ノ挨拶狀若ハ季節ノ見
  舞狀的ノモノニ過キサルナリ(鈴木檢事
  カ持チ去リタル右信書四通ノ內三通ハ
  別紙ノ通其ノ寫ヲ添附シ置キタリ)斯
  ル内容ノ書面ヲ何ノ必要アリテ持チ去
  リタルヤ鈴木檢事ノ行動ハ常識ヲ以テ
  ハ判斷シ難シ是レ前述ノ如ク同檢事ハ
  何者カノ請託ヲ受ケテ持チ去リタルモ
  ノト思料ス如何
  第四右ノ如ク內海忠司ト菊池德治郞ト
  ノ關係及右信書自體ヨリ見テ菊池ニ對
  スル被疑事件ト何等ノ關係ナキ信書ヲ
  又判事ニ依ラス檢事自身無斷ニテ持チ
  去リタルハ不法ナリ
  當時ノ佐賀地方裁判所檢事正赤羽乙二
  郞ハ之ヲ指揮命令シタルモノナリヤ如
  何
  第五前元福岡日日新聞ノ記事ニ依レハ
  右信書ノ內容ハ佐賀地方裁判所檢事局
  ヨリ司法省ニ報告サレ司法省ヨリ更ニ
  内務省ニ報告サレタル結果早急ニ內海
  內務部長ハ休職處分ニ付セラレタリト
  在リ
  此ノ新聞記事ハ其ノ後佐賀地方裁判所
  檢事局ヨリモ又司法省ヨリモ取消アラ
  サルヲ以テ一應眞實ナリト認メサルヘ
  カラス果シテ然ラハ司法省自身右檢事
  ノ不法處分ヲ認容シタルモノニシテ寔
  ニ重大問題ナリ斯如キハ全國ノ行政官
  ハ何等犯罪ノ嫌疑ナク只政府反對ノ政
  黨員ト交際アリタリトノ一事ヲ以テ檢
  事ニ依リテ常ニ其ノ地位ハ曾カサルル
  コトト爲ル之レ司法權ノ濫用ニシテ行
  政官全體ノ地位ニ關スル重大問題ナリ
  ト信ス政府ノ所見如何
  右及質問候也
  (別紙)
  裏
  面
  表
  面
  菊
  裏
  面
  麦
  面
  添附書類
  檢事カ持チ去リタル信書ノ寫三
  判事ノ搜索押收調書ノ寫通通
  三
  以上
  內海生
  八月二十九日
  菊池德治郞殿
  拜啓昨夜ハ突然參堂種々御馳走ニ相成候段奉深謝候粗軸一幅繪ノ巧拙ハ小生不明ニ候
  得共賛カ如何ニモ面白ク候間御新居御視迄差上度御新居ノ裝飾ニ御使用被下候ハヽ幸
  甚ニ存候右不取敢要用申上度如斯御座候
  八月二十九日
  内
  池大人
  虎皮下
  松山市御室町官舎
  内海忠司
  一月九日
  佐賀市白山町十五
  菊池德治郎様
  親展
  御懇書忝ク拜受致候西、本村兩氏御歸縣ノ趣面白キ話有之事ト存候赤嶺問題モ御手紙
  ニ依レハ順調ノ由好都合ト存候知事モ銀行問題ヲ
  願上候小生兩三日前ヨリ漸タ登廳常務ヲ執リ居候モ内務部方面ハ頓ト手持無沙汰ニテ
  當分見習ヒ格ニテ候呵々如仰佐賀在任中ハ大兄トハ骨肉ノ如キ親密關係ニテ當地ニ參
  リテハ往時ヲ追懷寂寞ノ感ニ不堪候西、本村兩氏御面會ノ節ハ
  敢御禮旁御返事迄如斯ニ候
  頓首
  海生
  控へ彼是苦慮ノ事ト存候可然御後援
  宜敷御風聲願上候不取
  頓首
  一月九日
  内海生
  菊池大人
  虎皮下
  裏松山市御室町官舎
  肉海忠司
  面二月七日
  表佐賀市白山町
  菊池德治郞樣
  面親展
  拜啓其後ハ御無沙汰仕候段御海容被成下度候御ハガキ寄書キ度々頂戴仕リ不相變御盛
  ナ模樣拜承羨望ニ不堪候當方御蔭樣ニテ昨今漸ク内務部長學ヲモ稍々修了御安心被下
  度候扨懸案中ノ佐賀署長モ彌々發令ノ趣及間候實ハ過日赤嶺氏ヨリ內報有之半信半疑
  ノ裡ニ官報ノ發令ヲ待居候次第ニ御座候右ハ如何ナル經緯ヨリ竹本氏ニ決定致候哉御
  聞及ニ候ハヾ御洩シ被下度候赤嶺君モ自身ニテ此際自重致ス旨申越シ候本人ノ爲ニモ
  自重スル事最モ得策ト存候大人ヨリモ本人ニ可然御訓戒ノ程願上候此際自重銳鉾ヲ收
  メテ他日ノ活躍ヲ期セシメ度存候本年議會モ意外ノ變化ニテ一時ハ一驚ヲ喫シ候得共
  各派共平和ヲ欲スル今日誠ニ結構ノ次第ト存候何分四國ノ山猿ト相成リ世間ノ模樣モ
  不明ニ有之御燐察被下度候中央政界ノ秘事等モ自然大兄ノ耳ニハ入リ居リ候事ト存候
  御差支ナキ限リ御洩シ被下度候古銀問題不相變紛亂ノ由新聞ニテ承知誠ニ縣財界ノ爲
  憂慮ニ不堪次第ニ御座候先ハ御無沙汰御詫旁御左右御伺迄如斯御座候頓首
  二月七日
  内海生
  菊池大人
  虎皮下
  搜索押收調書
  被疑者菊池德治郞
  外二名
  右者恐喝被疑事件ニ付昭和二年十一月十日佐賀市白山町十五番地菊池德治郞方ニ於テ
  豫審判事代理坂本原一ハ裁判所書記野中虎雄立會ノ上搜索及押收ヲ爲ス事左ノ如シ
  檢事鈴木銈太郎瀨戶致格及住居主ニ代ル宮地タネ立會シタリ
  搜索ノ場所又ハ物
  右家宅內全部
  搜索ノ結果左ノ物ヲ押收シタリ
  別紙目錄通リ
  搜索及押收ノ時
  自午後四時三十五分
  至午後六時
  昭和二年十一月十日
  佐賀地方裁判所
  裁判所書記野中虎雄
  豫審判事代理
  判事坂本原一
  押收目錄
  番號品目員數差出人備考
  四手帳九册佐賀市白山町
  宮地タネ
  五告訴狀控一通同
  六田中猪作差出一通同
  菊池德治郞宛封書
  七藤島紫郞差出-通同
  菊池德治郞宛封書
  搜索押收調書
  被疑者菊池德治郞
  外二名
  右者恐喝被疑事件ニ付昭和二年十一月十日佐賀市松原町八幡小路一〇五番地佐賀毎日
  新間社ニ於テ豫審判事代理判事坂本原一ハ裁判所書記野中虎雄立會ノ上搜索及押收ヲ
  爲スコト左ノ如シ
  檢事鈴木銈太郞瀨戶致格及佐賀毎日新聞社長西英太郞立會セリ
  搜索ノ場所又ハ物
  右家宅內全部
  搜索ノ結果左ノ物ヲ押收シタリ
  別紙目錄ノ通リ
  一搜索及押收ノ時
  自午後三時三十分
  至午後四時二十分
  昭和二年十一月十日
  佐賀地方裁判所
  裁判所書記野中虎雄
  豫審判事代理
  判事坂本原-
  押收目錄
  番號品目員數差出人備考
  二四上申書案-通佐賀每日新聞社長
  西英太郞
  二五計算書付約束手形一通同
  二六藤島紫郞差出一通同
  菊池德治郞宛封書
  本庄村公民差出
  二七佐賀毎日新聞社編-通同
  輯局葉書
  二八告訴狀控-通同
  二九追訴狀控-通同
  搜索押收調書
  被疑者菊池德治郞
  外二名
  右者ニ對スル恐喝被疑事件ニ付昭和二年十一月十一日佐賀市白山町十五番地菊池德治
  郞方ニ於テ豫審判事石原隆ハ裁判所書記山田秀吉立會ノ上搜索及押收ヲ爲ス事左ノ如シ
  檢事鈴木銈太郞同瀨戶致格竝ニ菊池德治郞內緣ノ妻宮地タネ立會ヒタリ
  搜索ノ場所又ハ物
  右家宅內全部
  一、搜索ノ結果左ノ物ヲ押收シタリ
  別紙目錄記載ノ通リ
  一、搜索及押收ノ時
  自午前十一時五十分
  至午後零時二十分
  昭和二年十一月十一日
  佐賀地方裁判所
  裁判所書記野中虎雄
  豫審判事石原隆
  押收目錄
  番號晶目員數差出人備考
  宮地タネ宛佐賀百佐賀市白山町
  二-六銀行ノ小口當座一册宮地ネ
  預金通帳タ
  菊池德治郞宛古賀
  二二銀行白山支店定期-葉同
  預金證書
  宮地ダネ宛佐賀百
  二三六銀行ノ擔保品預同同
  リ證
  以上
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員橫山勝太郞君提出檢事ノ職權
  濫用ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進
  候
  〔別紙〕
  衆議院議員橫山勝太郞君提出檢事ノ職
  權濫用ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  檢事鈴木銈太郞ハ佐賀地方裁判所檢事在
  職中菊池德治郞外二名ニ對スル恐喝被告
  事件ニ付昭和二年十一月十日及十一日豫
  審判事ノ爲シタル家宅搜索ニ立會ヒタル
  際內海忠司出菊池德治郞宛ノ信書ヲ領置
  シタルハ事實ナリ領置ニ係ル信書ハ合計
  三通ニシテ四通ニ非ス面シテ
  第一、檢事ハ其搜査ノ職權ニ基キ保管者
  ノ承諾ヲ得テ右信書ヲ領置シタルモノ
  ナリ
  第二、領置シタル信書ハ前記恐喝被告事
  件ニ關係ナキモ檢事ハ田時菊池德治郞
  ニ對シ別個ノ犯罪嫌疑ニ關スル風聞ヲ
  耳ニシ居リタルヲ以テ之カ狀況證據ノ
  資料トシテ承諾ヲ得テ他ノ書類(銀行
  通帳數通)ト共ニ右信書ヲ領置シタル
  モノニシテ何者ノ請託ヲモ受ケタルニ
  非ス又素ヨリ內海内務部長ノ進退ヲ左
  右スルノ材料ト爲シタルモノニ非ス
  第三、前項ニ對スル答辯ニ依リ了知セラ
  ルヘシ
  第四、本件信書ノ領置カ不法ニ非サルコ
  トハ第一項乃至前項ノ答辯ニ依リテ了
  知セラルヘシ
  右信書ノ領置ハ鈴木檢事獨自ノ栽量ニ
  出テタルモノニシテ當時ノ佐賀地方裁
  判所檢事正赤羽乙二郞ノ指揮命令ニ出
  テタルモノニ非ス
  第五、當省ハ右信書領置ニ付當時其ノ內
  容ノ報告ヲ受ケタルコト無ク又曾テ其
  ノ内容ヲ内務省ニ報生ロシタルコト無シ
  尙同內務部長ノ休職處分ノ如キハ當省
  ノ毫モ聞知セサル所ナリ
  質問書所載新間記事ノ取消ヲ爲ササリ
  シハ取消ヲ爲スノ必要ヲ認メサリシニ
  由ルモノナリ之ヲ以テ當省ニ於テ右記
  事ヲ承認シタルノ證左ト爲スヘカラス
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  司法大臣原嘉道
  栃木縣ノ枇政ニ關スル質問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十一日
  提出者高田耘平
  外四名
  栃木縣ノ稅政ニ關スル質問主意書
  栃木縣知事藤山竹一赴任以來僅ニ九箇月
  縣治上ニ現ハレタル秕政ノ大要左ノ如シ
  第佐賀縣警部補トシテ佐賀警察署ニ
  在勤中收賄罪ニテ刑ニ處セラレタル黑
  髪要八ヲ知事著任匆匆栃木縣警部ニ採
  用シ警察部州事課次席トシテ勤務セシ
  メタルハ警察官ノ威信ヲ失墜スルモノ
  ニシテ人事行政上ノ一大失態ナリ
  第二昭和三年八月喜連川警察署廳舍ノ
  新築寄附受入ヲ內諾シ八箇月ヲ經タル
  今日ニ至ルモ尙寄附受人ノ認可ヲ爲サ
  ス事實上工事ハ中止ノ狀態ニアリ之カ
  爲喜連川町民ヲシテ多大ノ損害ヲ被ム
  ラシム斯ノ如キ輕卒不注意ノ處置ハ官
  ノ威信ヲ害シ人民ニ不慮ノ損失ヲ來タ
  サシムルモノナリ
  第三昭和三年十二月二十日栃木縣屬官
  等數名共謀シテ縣會議事堂用ノ木炭ヲ
  窃取シ庶務課長ノ官舎ニ搬入セリ之レ
  長官ノ監督其ノ宜シキヲ失シタル結果
  ニシテ官紀紊亂ノ極ト謂フヘシ
  第四昭和三年十月下旬那須郡東那須野
  村金田村地方ヲ一區劃トシタル數百
  町步ノ耕地整理組合ニ對シ確固タル理
  由ナキニモ拘ラス電報ヲ以テ解散ヲ命
  シタリ之レ實ニ產業ノ發達ヲ阻害スル
  モノト謂フヘシ
  第五昭和三年十月三十日那須郡ニ行ハ
  レタル縣會議員補關選擧ニ方リ馬頭町
  ニ於テ開キタル民政黨所屬候補者ノ政
  見發表演說會ニテ衆議院議員工藤鐵男
  ハ「萬機公論ニ決スヘシ」トノ御誓諭
  ノ釋義中ニ演說ノ中止ヲ命セラレタリ
  其ノ他到ル所ノ演說會ニテ民政黨ノ辯
  士ハ中止ノ厄ヲ蒙リタリ之レ言論壓迫
  ノ甚シキモノナリ
  又大田原警察署ニ於テハ選擧委員タル
  衆議院議員高田耘平ヲ選擧ノ前日タル
  十月二十九日午後一時ヨリ午後七時迄
  詐言ヲ用キテ嚴重ナル取調ヘヲ爲シ數
  箇所ノ演說會ニ出席スルノ時期ヲ失セ
  シメタリ尙選擧ノ前數日ニ涉リ民政黨
  候補者ノ選擧委員、事務員、有權者多
  數ヲ續績警察署ニ召喚シ苛烈ナル取調
  ヘヲ行ヒタリ(政友派ニハ一人ノ召喚
  ヲ受ケタル者ナシ)然ルニ其ノ多數ノ
  內起訴セラレタル者ハ一人ノミナリ又
  以テ警察官ノ行動ノ如何ニ不公平ナリ
  シカヲ證スルニ足ラム卽チ此等ノ事實
  ハ反對派ニ對シ警察官ノ力ヲ以テ選擧
  運動ノ自由ヲ妨害シタルモノト謂フヘ
  シ警察部長中屋重治ハ投票當日自ラ各
  町村ノ投票所ニ入リ暗ニ投票人ニ威壓
  ヲ加ヘタルカ如シ
  以上ノ如キ極端ナル選擧干渉ノ行ハレ
  タルハ栃木縣ノ選擧界ニテ未曾有ノコ
  トナリ
  第六昭和三年十二月ノ栃木縣通常縣會
  ニ於テ數名ノ民政黨所屬議員ハ警察官
  ノ暴力ニ依リ議場外ニ拉致セラレ殊ニ
  議員大岡恆次郞ハ其ノ演說中數名ノ警
  察官ノ爲ニ演壇ヨリ擔キ降サレタリ斯
  ノ如キ非立憲ナル行動ノ演セラレタル
  ハ横暴ナル議長ノ命令ニ相應シテ參與
  員タル警察部長中屋重治カ巡査ヲ指揮
  シタル爲ナリト謂フニ至テ昨年ノ栃木
  縣會ハ全ク警察官ニ迫害ヲ加ヘラレ縣
  會議員ハ其ノ權能ヲ發揮ジ能ハサリシ
  モノニシテ實ニ聖代ノ一大不祥事ナリ
  第七知事藤山竹一ハ昭和四年度豫算ニ
  同年度ヨリ十箇年變續事業トシテ道路
  改良費七百万圓ヲ計上シ縣會ノ決議ヲ
  經タリ然ルニ知事ハ十箇年繼續五百九
  十八萬圓ノ新規起債ヲ政府カ認可スル
  ヤ否ヤ又國庫カ果シテ右道路改良事業
  費補助トシテ百五十三萬圓ヲ支出スル
  ヤ否ヤニ付政府ヨリ何等諒解ヲ得サル
  カ如シ斯ノ如キハ徒ニ無謀ノ道路計畫
  ヲ示シ黨勢擴張ヲ爲サムトスルモノナ
  リ
  第八昭和三年十二月ノ通常縣會ニ於テ
  昭和三年度追加豫算トシテ鬼怒川改修
  費分擔金六十一萬六千圓ヲ計上スヘキ
  ハ事理極メテ明白ナリ然ルニ知事ハ之
  ヲ計上セスシテ縣參事會ヲシテ代決セ
  シメムトス縣參事會ニ代決セシムルノ
  可否ハ玆ニ論議セサルモ此ノ費額ヲ計上
  セサル所以ノモノハ右分擔金六十一萬
  六千圓ハ全部起債ニ依ルノ外途ナキ財
  政狀態ニアルヲ以テ之ヲ提案セハ前項
  道路改良費ノ起債額ト合セ巨額ノ縣債
  ヲ起スノ已ムヲ得サルニ至リ縣會ノ反
  對ヲ受クルヲ顧慮シ故意ニ追加豫算計
  上ヲ爲ササルモノニシテ縣會ヲ侮辱シ
  縣政ニ對シ誠意ナキモノト認ムルノ外
  ナシ
  第九以上ノ外人權蹂躪、言論壓迫、通信
  機關ニ對スル迫害、許可認可ノ不公平
  人事行政ノ失態、黨勞擴張ノ爲ニスル各
  般ノ施設等秕政百出至ラサルナク縣ノ
  官公吏ハ勿論一般縣民皆其ノ堵ニ安ム
  セス縣當局ニ對スル怨嗟ノ聲ハ日ニ益
  甚シカラムトス
  以上ノ如キ栃木縣知事藤山竹一ノ秕政ニ
  對シ政府ハ如何ニシテ革正ノ實ヲ舉ケム
  トスルヤ右及質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員高田耘平君外四名提出栃木縣
  ノ稅政ニ關スル質問ニ對シ別紙答辯書差
  進候
  〔別紙〕
  衆議院議員高田耘平君外四名提出〓木
  縣ノ秕政ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  第黑髪要八ハ大正十一年所犯後改悛
  ノ情顯者ナルノミナラス刑ノ執行猶豫
  期間モ滿了シタルヲ以テ任命シタルモ
  ノナリ
  第二喜連川警察署廳含改築ニ關シテハ
  縣當局ニ於テ具體的計畫ヲ樹テタルコ
  トナク從テ質問ノ如キ事實ナシ
  第三栃木縣屬等カ同縣庶務課長宅ニ縣
  會議事堂用ノ木炭ヲ搬入シタル事件ハ
  官紀維持上遺憾トスル處ナルヲ以テ關
  係者ニ對シ夫々處分ヲ加ヘタリ
  第四那須野耕地整理組合ニ解散ヲ命シ
  クルハ組合員間ノ內紛竝ニ不正事件等
  ノ爲組合成立ノ見込ナク公益ヲ害スル
  モノト認メタルニ依ル
  第五縣會議員補闢選舉ニ關スル演說ニ
  對シ不當ナル制限ヲ爲シタルコトナ
  シ
  昨年十月那須郡補關選擧ニ際シ選擧委
  員クリシ高田耘平ヲ大田原警察署ニ招
  致シ取調ヲ爲シタルハ選擧違反ノ疑ア
  リタル爲ニシテ殊更選舉ノ自由ヲ妨害
  シクルモノニアラズ警察部長中屋重治
  カ授票人ニ威壓ヲ加ヘタル如キ事實ナ
  シ
  第六昨年ノ栃木縣通常懸會ニ於ヲ警察
  官カ警察權ノ行使ヲ爲シタルハ議長ノ
  正當ナル要求ニ基キタルモノナリ
  第七道路改良費ノ計上ハ黨勢擴張ノ爲
  ニ之ヲ爲シタルモノト認ムベキ事實ナ
  シ
  第八鬼怒川改修費ハ豫算編成ノ際主務
  省ヨリ金額決定ノ通知ナカリシヲ以テ
  本年三月九日ノ縣參事會ニ追加豫算ト
  シテ提出シタルモノナリ
  以上ノ如クニシテ藤山栃木縣知事ノ縣
  政ニ對スル措置ニ付テハ適正ヲ缺キタ
  ルモノト認メス
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  內務大臣望月圭介
  健康保險ニ關スル質問立意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十二日
  提出者〓水留三郞
  健康保險ニ關スル質問主意書
  全國商業會議所、各種工業團體、各
  勞働團體及各無產政黨竝事業主及被保
  險者ノ大多數ハ健康保險ニ於ケル藥劑
  ノ支給ハ悉ク藥劑師ニ一任スヘキコト
  ヲ要望シツツアリ政府ハ如何ニ認ムル
  ヤ
  二被保險者ハ保險醫ノ態度ノ甚シク不
  親切ナルヲ怨嗟シ粗診粗藥ノ不安ニ脅
  カサレツツアリト聞ク政府ハ之ニ對シ
  何等カ調査セラレタルコトアリヤ
  三政府カ日本醫師會ニ對シ支拂フ報酬
  中ノ藥價ノ約半額ヲ以テ日本藥劑師會
  カ藥劑ノ支給ヲ引請ケムコトヲ建議シ
  タル由ナルカ果シテ事實ナリヤ
  若事實ナリトセハ最經濟ニシテ而モ精
  確ヲ期シ得ル專門家タル藥劑師ニ調劑
  ヲ擔當セシメサルハ如何ナル理由ニ基
  クカ
  四政府ハ醫藥給付ニ關スル現行制度ヲ
  改廢シ經費ノ節滅ヲ圖ルト共ニ一面被
  保險者及事業主ノ希望ヲ充タシ健康保
  險法ノ運用ヲ圓滑ナラシムルノ意思ナ
  キヤ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員〓水留三郞君提出健康保險ニ
  關スル質問ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員〓水留三郞君提出健康保險
  ニ關スル質問ニ對スル答辯書
  健康保險施行ノ當初ニ於テハ關係各方
  面ノ一部ニ於テ同法ニ對スル理解ニ缺
  クル所アリ爲ニ濫診濫療ノ弊ヲ生シ惹
  テハ保險經濟ヲモ脅スカ如キ結果ヲ來
  スノ虞アリタルヲ以テ政府ニ於テハ醫
  療組織其ノ他諸點ニ亙リ改正ノ必要ア
  リヤ否ヤヲ考究シタルカ當時各方面ヨ
  リ徵シタル意見ニ依レハ藥劑ノ支給ヲ
  藥劑師ニ一任スヘキコトヲ可トスルモ
  ノモ無キニアラサリシモ其ノ大多數カ
  所謂醫藥分業ヲ要望シタルモノトハ認
  メラレス況ムヤ醫療給付ニ關スル諸種
  ノ弊ノ漸ク減少シタル〓日ニ於テハ其
  ノ要望ハ益々減少シタルモノト思料セ
  ラル
  二法律施行當初ニ於テハ多數保險醫中
  ニハ不親切ナル待遇ヲ爲シタル者モア
  リシヤモ測ラレサルモ其ノ後諸方面ノ
  事情改善シタルヲ以テ右ノ如キ事態ハ
  漸次消滅シツツアルモノト認メラル而
  シテ是等ノ事情ニ關シテハ當初特ニ調
  査ヲ爲シタルコトアリ其ノ後ニ於テモ
  政府ハ常ニ其ノ調査ヲ怠ラス政府ニ在
  リテハ視察員制度ヲ設ケテ之カ任ニ當
  ラシメツツアリ
  三日本藥劑師會ヨリ藥劑ノ支給ヲ引請
  ケムコトヲ建議シタル事實アリ而シテ
  所謂醫藥分業制度ヲ採用スルコトハ本
  邦ノ現狀ニ照シ又被保險者ノ多數カ之
  ヲ希望セサル實際ニ徵シ未タ其ノ時期
  ニ非スト認メラル而シテ現在ニ於テモ
  被保險者カ處方箋ニ依リ藥劑師ヨリ藥
  劑ノ支給ヲ受ケ得ル途開キアルモ之ヲ
  利用スル者尠シ
  四醫藥給付ニ關スル制度ニ付テハ政府
  ハ常ニ其ノ調査ヲ怠ラス之カ改善ニ努
  メツツアレトモ目下ノ狀況ニ於テハ現
  行制度ヲ以テ健康保險ノ醫療ヲ圓滑ニ
  施行スルニ最適シタル制度ナリト思料
  ス
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  內務大臣望月圭介
  群馬縣警察部內官紀紊亂ニ關スル質問
  主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十三日
  提出者飯塚春太郞
  外三名
  群馬縣警察部內官紀紊亂ニ關スル質問
  主意書
  -桐生博徒檢擧事件ニ關聯シテ昭和四
  年三月二十日地方警視桐生署長高山和
  助外二名ニ休職ヲ命シタル理由如何
  二桐生警察署對博徒トノ醜關係ハ十年
  來繼續セル問題ナリト聞ク然ルニ今回
  賭博事件ノミヲ檢擧シテ官吏ノ收賂ニ
  及ハサルハ何故ナルカ
  右及質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員飯塚春太郞君外三名提出群馬
  縣警察部內官紀紊亂ニ關スル質問ニ對シ
  別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員飯塚春太郞君外三名提出群
  馬縣警察部内官紀紊亂ニ關スル質問ニ
  對スル答辯書
  昭和四年三月二十日地方警視桐生警
  察署長高山和助外二名ニ對シ休職ヲ命
  シタルハ官廳事務ノ都合ニ依リ其ノ必
  要ヲ認メタルヲ以テナリ
  二、桐生警察署管内ニ於ケル賭博事件ハ
  今尙捜査中ナルヲ以テ其ノ進展ノ範圍
  不明ナリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  內務大臣望美春
  刑餘者ノ保護及刑事政策施設ニ關スル
  質問主意書
  右成規ニ依リ提出候也
  昭和四年三月二十三日
  提出者岡田忠彦
  外二名
  刑餘者ノ保護及刑事政策施設ニ關スル
  質問主意書
  近時帝都ノ内外兒暴慘虐ナル犯罪行
  爲頻發シ其ノ犯人ハ多ク前科ヲ有スル
  者タルノ事實アリ又累年ノ統計ヲ見ル
  ニ累犯者ノ數遞次增加スルノ趨勢ヲ呈
  ス是レ刑事政策ノ上ニ重大ナル缺陷ノ
  存スルカ爲ナリト思料ス政府ハ從來ノ
  刑事施設ニ刷新ヲ加フル計畫アリヤ
  二刑餘者ヲ保護シ社會同化ヲ計ルハ又
  累犯防止上最要ナル方策ナリ然ルニ現
  今ノ保護事業團體ノ資力微弱ニシテ充
  分其ノ機能ヲ發揮シ能ハサルノ狀態ニ
  アルヲ見ル是レ社會ノ本事業ニ對スル
  理解ヲ缺タニ因ルモ一面マタ政府ノ助
  成甚タ足ラサルニ基ク現時國庫ヨリ支
  出スル免囚保護事業奬勵費ハ少クトモ
  之レヲ五倍スルノ必要ヲ認ム政府ノ所
  見如何
  三刑餘者保護事業ヲ更ニ振張セシムル
  ニハ之レカ監督統制ノ方法宜シキヲ得
  サル可ラス之レカ爲メニ刑餘者保護ニ
  關スル法制ヲ確立シ從業者ニ必要ナル
  權能ヲ附與スルト共ニ職務上ノ責任ヲ
  負荷セシムルヲ可ナリト認ム政府ハ右
  ノ制度ヲ設クル準備アリヤ如何
  右及質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員岡田忠彥君外二名提出刑餘者
  ノ保護及刑事政策施設ニ關スル質問ニ對
  シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員岡田忠彥君外二名提出刑餘
  者ノ保護及刑事政策施設ニ關スル質問
  ニ對スル答辯書
  第一、政府ハ目下刑法竝ニ行刑法規ノ改
  正ニ著手シ累犯者ノ增加ヲ防止スルニ
  必要ナル刑事施設ニ付テモ調査ヲナシ
  ツヽアリ
  第二、政府ハ夙ニ釋放者保護ノ必要ナル
  ヲ認メ常ニ司法保護事業ノ助成ヲ怠ラ
  サルモノニシテ克ク國家財政ノ緩急ヲ
  計リ尙一層其ノ助成ノ完全ヲ期スルモ
  ノナリ
  第三、釋放者保護ニ關スル法制ノ制定ニ
  就テハ政府ハ刑法ノ改正ニ際シ之ヲ考
  慮シ適切ナル釋放者保護ノ方策ヲ樹立
  セムコトヲ期スルモノナリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  司法大臣原嘉道
  〔左ノ報〓ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲
  玆ニ揭載ス〕
  一去二十三日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係
  ル左ノ政府提出案ヲ可決シタル旨同院ヨ
  リ通牒ヲ受領セリ
  昭和二年法律第十五號中改正法律案
  噸稅法中改正法律案
  借入金整理ニ關スル法律案
  賠償金特別會計法中改正法律案
  電話事業公債法中改正法律案
  會計檢査院法中改正法律案
  同盟及聯合國ト獨逸國及其ノ同盟國トノ
  戰爭ニ因リ損害ヲ被リタル帝國臣民ノ追
  加救恤ニ關スル法律案
  製鐵所特別會計ニ於テ大藏省預金部ノ橫
  濱正金銀行ニ對スル債權ノ讓渡ヲ受クル
  コトニ關スル法律案
  登錄稅法中改正法律案
  關稅定率法中改正法律案
  大正九年法律第五十三號中改正法律案
  特許法中改正法律案
  實用新案法中改正法律案
  意匠法中改正法律案
  商標法中改正法律案
  酒造組合法中改正法律案
  陪審法中改正法律案
  船舶職員法中改正法律案
  無線電信法中改正法律案
  大禮帝室博物館復興翼賛會事業費ノ補助
  記念
  ニ關スル法律案
  關稅定率法中改正法律案
  大正十三年法律第二十四號中改正法律案
  製鹽地整理ニ關スル法律案
  救護法案
  造幣局特別會計法中改正法律案
  日本興業銀行法中改正法律案
  一去二十三日貴族院ヨリ囘付アリタル議案
  左ノ如シ
  鐵道營業法中改正法律案(政府提出)
  一去二十三日理事補闕選擧ノ結果左ノ如シ
  國定〓科書官給法案(樋口秀雄君外六名
  提出)委員
  理事高橋守平君(理事佐藤正君今二
  十三日委員辭任ニ付其ノ補
  關
  信託業法中改正法律案(若宮貞夫君外四
  名提出)外一件委員
  理事名川侃市君(理事名川侃市君本
  月十九日委員ヲ辭任シ昨二十
  二日再ヒ委員ニ選定セラレ理
  事ニ指定セラル)
  關稅定率法中改正法律案(政府提出)外一
  件委員
  理事栗原彥三郞君(理事中島彌團次
  君今二十三日委員辭任ニ付其
  ノ補闘)
  理事赤尾藤吉郞君(理事佐藤實君今
  二十三日委員辭任ニ付其ノ補
  闘
  一去二十三日議長ニ於テ選定シタル委員左
  ノ如シ
  憲政功勞者表彰ニ關スル建議案外二十七
  件委員
  山下谷次君横堀治三郞君
  水久保甚作君石坂豊一君
  村松恒一郞君漢那憲和君
  森保祐昌君栗原彥三郞君
  守屋榮夫君
  雪害調査機關設置ニ關スル建議案外二件
  委員
  木下成太郞君松岡俊三君
  田子一民君板谷順助君
  靑山憲三君高橋金治郞君
  藤井達也君鈴木安孝君
  富田八郞君小池仁郞君
  永井柳太郞君佐藤啓君
  松井文太郞君山田又司君
  松村謙三君堤〓六君
  小山邦太郞君高鳥順作君
  大分港修築速成ニ關スル建議案外七十三
  件委員
  三浦數平君矢野晋也君
  西岡竹次郞君水島彥一郞君
  石射文五郞君豐田收君
  木暮武大夫君加藤知正君
  伊坂秀五郞君戶澤民十郞君
  佐竹庄七君藤井啓一君
  山邊常重君石塚三郞君
  小瀧辰雄君〓水德太郞君
  龜井貫一郞君岸本康通君
  奈良市ニ美術學校建設ニ關スル建議案外
  四十五件委員
  福井甚三君倉元要一君
  竹下文隆君箸本太吉君
  平山岩彥君池田敬八君
  松尾四郞君斯波貞吉君
  二見甚〓君
  澁川長野原間鐵道速成ニ關スル建議案外
  八十件委員
  匹田銳吉君久恒貞雄君
  郡谷照一郞君蔭山貞吉君
  高橋熊次郞君二神駿吉君
  佐藤實君坂井大輔君
  飯村五郞君高島兵吉君
  菅村太事君戶田由美君
  長內則昭君谷口源十郞君
  福田五郞君大西正幹君
  千葉三郞君崎山武夫君
  長野縣御牧原開發ニ關スル建議案外五十
  五件委員
  加藤知正君庄司良朗君
  岩川與助君磯部〓吉君
  中島·鵬六君土井權大君
  池田龜治君篠原和市君
  齋藤藤四郞君海老澤爲次郞君
  齋藤太兵衞君村上國吉君
  重松重治君木村秀興君
  佐藤與一君小山邦太郞君
  奧村千藏君原耕君
  小諸郵便局昇格ニ關スル建議案外三十七
  件委員
  丹下茂十郞君矢野力治君
  平賀周君佐々木久二君
  勝正憲君西脇晉君
  奧山龜藏君野中徹也君
  小山邦太郞君
  一去二十三日ニ於ケル特別委員ノ異動左ノ
  如シ
  六大都市ニ關スル法律案外一件委員
  辭任土屋〓三郞君補闘小久江美代吉君
  辭任比佐昌平君補關高木益太郞君
  辭任大里廣次郞君補關橫山勝太郞君
  辭任瀨川光行君補關戶井嘉作君
  辭任吉川吉郞兵衞君補國宮原幸三郞君
  關稅定率法中改正法律案外一件委員
  辭任中島彌團次君補關栗原彥三郞君
  辭任倉元要一君補關水久保甚作君
  辭任橫堀治三郞君補闘永田良吉君
  辭任佐藤實君補闕赤尾藤吉郞君
  國定〓科書官給法案委員
  辭任瀨川光行君補關栗原彥三郞君
  辭任佐藤正君補闕澤本與一君
  建築士法案委員
  辭任沖島鎌三君補闕赤尾藤吉郞君
  信託業法中改正法律案外一件委員
  辭任臼田久內君補闕松尾四郞君
  一昨二十四日委員長及理事互選ノ結果左ノ
  如シ
  憲政功勞者表彰ニ關スル建議案(村松恒
  一郞君提出)外二十七件委員
  委員長山下谷次君
  理事水久保甚作君理事栗原彥三郞君
  大分港修築速成ニ關スル建議案(三浦數
  平君提出)外七十三件委員
  委員長伊坂秀五郞君
  理事加藤知正君理事〓水德太郞君
  雪害調査機關設置ニ關スル建議案(松岡
  俊三君外七名提出)外二件委員
  委員長木下成太郞君
  理事松岡俊三君理事永井柳太郞君
  理事堤〓六君
  奈良市ニ美術學校建設ニ關スル建議案
  (福井甚三君提出)外四十五件委員
  委員長福井甚三君
  理事倉元要一君理事松尾四郞君
  澁川長野原間鐵道速成ニ關スル建議案
  (木檜三四郞君提出)外八十管委員
  委員長匹田銳古君
  理事佐藤實君理事戶田由美君
  理事千葉三郞君理事崎山武夫君
  長野縣御牧原開發ニ關スル建議案(篠原
  和市君提出)外五十五件委員
  委員長土井權大君
  理事篠原和市君理事佐藤與一君
  小諸郵便局昇格ニ關スル建議案(篠原和
  市君提出)外三十七件委員
  委員長丹下茂十郞君
  理事矢野力治君理事淺川浩君
  一昨二十四日ニ於ケル特別委員ノ異動左ノ
  如シ
  雪害調査機關設置ニ關スル建議案外二件
  委員
  辭任鈴木安孝君補闕木村〓治君
  辭任富田八郞君補闘安原仁兵衞君
  澁川長野原間鐵道速成ニ關スル建議案外
  八十件委員
  辭任福田五郞君補闕岡本實太郞君
  辭任高橋熊次郞君補闘佐竹直太郞君
  辭任山貞吉君補闕上條信君
  辭任郡谷照一郞君補闕永田良吉君
  膠州灣舊租借地引渡ニ關スル條約實施ニ
  伴フ損害ノ補償ニ關スル法律案委員
  辭任高橋熊次郞君補闕板谷順助君
  小諸郵便局昇格ニ關スル建議案外三十七
  件委員
  辭任勝正憲君補關內ケ崎作三郞君
  辭任西脇晉君補闕淺川浩君
  辭任奧山龜藏君補闘石塚三郞君
  長野縣御牧原開發ニ關スル建議案外五十
  五件委員
  辭任村上國吉君補闕井上剛一君
  一今二十五日提出者ニ於テ撤回シタル質問
  主意書左ノ如シ
  日「ソ」漁業條約實施ニ關スル質問主意書
  提出者佐々木平次郞君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=1

  ---

• 002・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　是ヨリ會議ヲ開キマ
  ス、御諮リ致スコトガアリマス、貴族院議
  員杉田定一君去二十三日逝去セラレマシ
  タ、同氏ハ嘗テ本院議長ノ職務ニ鞅掌セラ
  レタ方デアリマシテ、洵ニ痛惜哀悼ノ至リ
  ニ堪ヘナイノデアリマス、就テハ院議ヲ以
  テ甲詞ヲ贈リタイト存ジマス、御異議アリ
  マセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=2

  ---

• 003・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ゴザイマセヌ
  ケレバ議長ノ手許ニ於テ起草シタル案文
  ガゴザイマスカラ、玆ニ朗讀致シマシテ諸
  君ノ御賛同ヲ求メマス
  衆議院ハ多年憲政ノ爲ニ盡瘁シ嘗テ本院
  議長ノ職務ニ鞅掌セラレタル貴族院議員
  正四位勳二等杉田定一君ノ長逝ヲ哀悖シ
  恭ク弔詞ヲ呈ス
  〔拍手起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=3

  ---

• 004・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ議長ニ於テ贈呈方ヲ取計ヒマス、
  左樣御了承ヲ願ヒマス-日程ノ第一、鐵
  道營業法中改正法律案ノ貴族院回付案ヲ議
  題ト致シマス、貴族院ニ於ケル修正ノ箇條
  ハ、旣ニ印刷シテ御手許ニ配付シテアリマ
  スカラ、御承知ノコトヽ思セマス、囘付案
  卽チ貴族院ノ修正ニ同意スルヤ否ヤヲ御諮
  リ致シマス、通告ガアリマス-若宮貞夫
  君
  第鐵道營業法中改正法律案(政府
  提出、貴族院囘付)
  鐵道營業法中改正法律案
  (小字及-ハ貴族院修正)
  鐵道營業法中改正法律案中貴族院囘付ノ箇
  所左ノ如シ
  第十八條ノ四前二條ノ規定ノ適用ヲ受
  ノ區問及其ノ
  クヘキ船舶ニ依ル運送ハ其ノ運送ノ狀
  態ニ於テ鐵道運送ニ附屬シタルモノニ
  限リ其ノ航路及之カ運送業者ハ命令ヲ
  以テ之ヲ定ム

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=4

  ---

• 005・若宮貞夫

  ○若宮貞夫君　本件ニ關スル貴族院ノ修正
  ハ其實質ニ於テ何等差支ナキモノト認メ
  マスルガ故ニ、本院ニ於テモ之ニ同意ヲセ
  ラレ然ルベシトノ意日元提出致シマス
  〔「賛成」「贊成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=5

  ---

• 006・松田源治

  ○松田源治君　貴族院ノ修正ハ衆議院ノ決
  議ト大ナル差違ハナイヤウデアリマスカ
  ラ、兩院協議會ヲ開ク程ノコトモアリマス
  アイ、仍テ同意致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=6

  ---

• 007・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　採決致シマス、貴族
  院ノ修正ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
  〔贊成者起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=7

  ---

• 008・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　起立多數、仍テ貴族
  院ノ修正ニ同意スルコトニ決シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=8

  ---

• 009・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　議事日程第二乃至第十三
  ハ暫ク之ヲ後廻シトセラレンコトヲ望ミ
  マス
  〔「賛成」「贊成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=9

  ---

• 010・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御異議
  アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=10

  ---

• 011・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ左樣決シマシタ、日程第十四乃至
  第二十六ニ揭ゲタル十三件ノ建議案ハ、去
  ル十九日本院ニ於テ可決セラレタル建議案
  議決方法ニ基キ一括シテ議題ト致シマス
  第十四北海道鐵道敷設速成ニ關スル
  建議案(木下成太郞君外九名提出)
  第十五上野我孫子間電車速成ニ關ス
  ル建議案(川島正次郞君外一名提出)
  第十六廣島市ニ鐵道局設置ニ關スル
  建議案(岸田正記君外三名提出)
  第十七吉松八代間鐵道電化促進ニ關
  スル建議案(松野鶴平君提出)
  第十八北海道漁港修築速成二關スル
  建議案(木下成太郞君外九名提出)
  第十九滋賀縣ニ國立淡水養魚試驗場
  設置ニ關スル建議案(富田八郎君外
  二名提出)
  差し下廣島市ニ貯金支局設置ニ關ス
  ル建議案(岸田正記君外三名提出)
  第二十一大分縣野上村ニ區裁判所出
  張所設置ニ關スル建議案(金光庸夫
  君提出)
  第二十二琵琶湖ヲ中心トスル國立公
  園設定ニ關スル建議案(〓水銀藏君
  外二名提出)
  第二十三六甲山ヲ中心トスル國立公
  園設定ニ關スル建議案(蔭山貞吉君
  提出)
  第二十四尾張戶神社昇格ニ關スル建
  議案(丹下茂十郞君提出)
  第二十五皇英醫學ニ關スル建議案
  四橋熊次郞君外一名提出)
  第二十六山梨縣鹽山ニ區裁判所設置
  ニ關スル建議案(田邊七六君提出)
  〔建議案及理由書ハ追テ別册ニ揭載ス〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=11

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• 012・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　右十三案ハ一括シテ木檜三
  四郞君提出、澁川長野鐵道速成ニ關ス
  ル建議案外八十件ノ委貝ニ併セ付託セラレ
  ンコトヲ望ミマス
  〔「賛成」「賛成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=12

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• 013・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナケレバ原君
  ノ動議ノ如ク決シマス、日程第二十七乃至
  五十四ハ、同一委員ニ付託セシ議案ナルニ
  依リ、一括議題トナスニ御異議アリマセヌ
  カ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=13

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• 014・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、日程第二十七、憲政功勞者表彰ニ關ス
  ル建議案外二十七案ヲ一括シテ委員長ノ報
  告ヲ求メマス-委員長山下谷次君
  第二十七憲政功勞者表彰ニ關スル建
  議案(村松恒一郞君提出)
  (委員長報告)
  第二十八軍人傷痍記章令中改正ニ關
  スル建議案(山下谷次君提出)
  (委員長報告)
  第二十九一時賜金癈兵ニ對スル恩給
  支給法制定ニ關スル建議案(山下谷
  次君提出)(委員長報告)
  第三十恩給其ノ他ノ恩典ニ雇員在職
  年數通算ニ關スル建議案(靑木精一
  君提出)(委員長報告)
  第三十一恩給法中改正ニ關スル建議
  案(櫻內辰郞君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三十二貴族院令中改正ニ關スル建
  議案(土屋〓三郞君提出)
  (委員長報告)
  第三十三貴族院伯子男爵議員選擧規
  則中改正ニ關スル建議案(土屋〓三
  郞君提出)(委員長報告)
  第三十四貴族院多額納稅者議員互選
  規則中改正ニ關スル建議案(土屋〓
  三郞君提出)(委員長報告)
  第三十五高等試驗令中改正ニ關スル
  建議案(土屋〓三郞君提出)
  (委員長報告)
  第三十六官吏年功加俸令制定ニ關ス
  ル建議案(水久保甚作君提出)
  (委員長報告)
  第三十七陸海軍記念日ヲ國家ノ祝日
  ト爲スノ建議案(蔭山貞吉君外二名
  提出)(委員長報告)
  第三十八陸海軍記念日ヲ國家ノ祝日
  ト爲スノ建議案(三浦虎雄君提出)
  (委員長報告)
  第三十九朝鮮及臺灣施政調査會設置
  ニ關スル建議案(神田正雄君外二名
  提出)(委員長報告)
  第四十朝鮮ニ於ケル鑛業助長ニ關ス
  ル建議案(横堀治三郞君提出)
  (委員長報告)
  第四十一臺灣總督府鑛業行政機關ニ
  關スル建議案(横堀治三郞君提出)
  (委員長報告)
  第四十二外客誘致ニ關スル建議案
  (野田俊作君外三名提出)
  (委員長報告)
  第四十三外客誘致ニ關スル建議案
  (田中万逸君外二名提出)
  (委員長報告)
  第四十四行政整理調査機關設置ニ關
  スル建議案(井上孝哉君外四十八名
  提出)(委員長報告)
  第四十五公用文書等ニ用キル文字竝
  其ノ書キ方及數字ニ關スル建議案
  (池田敬八君外二名提山)
  (委員長報告)
  第四十六帝國在〓軍人會國庫補助ニ
  關スル建議案(篠原和市君提出)
  (委員長報告)
  第四十七帝國在〓軍人會國庫補助金
  ヲ國庫支辨ニ移シ其ノ金額會額ニ關
  スル建議案(倉元要一君外五名提出)
  (委員長報告)
  第四十八鹿兒島縣笠野原ニ航穴隊設
  置ニ關スル建議案(永田良吉君提出)
  (委員長報告)
  第四十九陸軍召募規則中改正ニ關ス
  ル建議案(土屋〓三郞君提出)
  (委員長報告)
  第五十兵役義務者及癈兵待週審議會
  ニ關スル建議案(武藤山治君外二名
  提出)(委員長報告)
  第五十一兵庫縣宍粟郡及神崎郡ノ聯
  隊區復舊ニ關スル建議案(土井權大
  君提出)(委員長報告)
  第五十二豫後備兵召集時期ニ關スル
  建議案(高橋元四郞君提出)
  (委員長報告)
  第五十三聯隊區管轄區域變更ニ關ス
  ル建議案(豐田收君外二名提出)
  (委員長報告)
  第五十四北海道帶廣町ニ第七師團步
  兵一箇聯隊移轉設置ニ關スル建議案
  (小池仁郞君提出)(委員長報告)
  報告書
  一憲政功勞者表彰ニ關スル建議案(村松
  恒一郎君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一軍人傷痍記章令中改正ニ關スル建議案
  (山下谷次君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一一時賜金癈兵ニ對スル恩給支給法制定
  ニ關スル建議案(山下谷次君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一恩給其ノ他ノ恩典ニ雇員在職年數通算
  ニ關スル建議案(靑木精一君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一恩給法中改正ニ關スル建議案(櫻內辰
  郞君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一貴族院令中改正ニ關スル建議案(土屋
  〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一貴族院伯子男爵議員選舉規則中改正ニ
  關スル建議案(土屋〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一貴族院多額納稅者議員互選規則中改正
  ニ關スル建議案(土屋〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一高等試驗令中改正ニ關スル建議案(土
  屋〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓、候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一官吏年功加俸令制定ニ關スル建議案
  (水久保甚作君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一陸海軍記念日ヲ國家ノ祝日ト爲スノ建
  議案(蔭山貞吉君外二々石提出)
  一陸海軍記念日ヲ國家ノ祝日ト爲スノ建
  議案(三浦虎雄君提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ陸
  海軍記念日ヲ國家ノ祝日ト爲スノ建議」
  トシ別紙ノ通修正スヘキモノト議決致候
  此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙
  陸海軍記念日ヲ國家ノ祝日ト爲スノ建
  「皇國ノ興廢此一戰ニアリ」ヲ囘顧スルト
  キ吾人ハ實ニ日露戰爭當時ニ於ケル我カ
  帝國國民ノ意氣ヲ想起スルモノナリ卽チ
  奉天ノ大會戰ニ、日本海ノ大海戰ニ若一
  敗地ニ塗レムカ帝國今日ノ隆盛ハ期シ得
  サリシナラムカ果シテ然ラハ此ノ歴史的
  二大記念日ヲ永久ニ子孫ニ傳ヘ一ハ國民
  思想ノ涵養ニ一ハ國防觀念ノ充實ニ資ス
  ル眞ニ意義アラシムル所以ナリトス陸海
  軍當局夙ニ見ル所アリ年年雨大記念日ニ
  於テハ諸種ノ手段ヲ盡シテ國防觀念ノ充
  實ニ努メツツアルハ多謝スル所ナリ又本
  年帝都ニ於テハ市當局率先之カ主催者ト
  爲リ陸海軍當局ト協調此ノ兩日ヲ意義ア
  ラシメムトセルハ吾人ノ最意ヲ强ウスル
  所ナリ殊ニ聖上陛下此ノ兩日ニハ東京
  偕行社ニ或ハ水交社ニ行幸アラセラルル
  ト漏レ承ルハ吾人ノ更ニ感激恐懼ニ堪ヘ
  サル所ナリ故ニ政府ハ速ニ此ノ兩大記念
  日ヲ祭日同樣國家ノ祝日ニ定メラレムコ
  トヲ望ム
  右建議ス
  ノ報告書
  一朝鮮及臺灣施政調査會設置ニ關スル建
  議案(神田正雄君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一朝鮮ニ於ケル鑛業助長ニ關スル建議案
  (横堀治三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長半谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一臺灣總督府鑛業行政機關ニ關スル建議
  案(横堀治三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一外客誘致ニ關スル建議案(野田俊作君
  外三名提出)
  一外客誘致ニ關スル建議案(田中萬逸君
  外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ外
  客誘致ニ關スル建議」トシ別紙ノ通修正
  スヘキモノト議決致候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  外客誘致ニ關スル建議
  政府部内ニ外客誘致ニ關スル調査竝實行
  ヲ圖ルヘキ行政上ノ中心機關ヲ設ケ且海
  外宣傳費トシテ每年相當額ヲ支出セラレ
  ムコトヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一行政整理調査機關設置ニ關スル建議案
  (井上孝哉君外四十八名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一公用文書等ニ用ヰル文字竝其ノ書キ方
  及數字ニ關スル建議案(池田敬八君外
  二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一帝國在〓軍人會國庫補助ニ關スル建議
  案(篠原和市君提出)
  一帝國在〓軍人會國庫補助金ヲ國庫支辨
  ニ移シ其ノ金額增額ニ關スル建議案
  (倉元要一君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ帚
  國在〓軍人會國庫補助金ヲ國庫支辨ニ移
  シ其ノ金額增額ニ關スル建議」ト爲シ別
  紙ノ通修正スヘキモノト議決致候此段及
  報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  帝國在〓軍人會國庫補助金ヲ國庫支辨
  ニ移シ其ノ金額曾額ニ關スル建議
  我カ常國六千萬國民中現役兵タル血稅ヲ
  負擔シ之ヲ了シタル豫後備役在郷軍人ハ
  帝國國防ノ根幹トシテ帝國在〓軍人會ヲ
  組織シ一旦緩急アル場合ハ一身一家ヲ捧
  ケテ奉公ノ誠ヲ盡シ平時ニ在リテモ震火
  災水害其ノ他アラユル事變ニ對シテ常ニ犠
  牪的精神ヲ發揮シ國家社會ニ貢獻シツツ
  アルコトハ國民ノ等シク感激スル所ナリ
  殊ニ思想惡化ノ現狀ニ於テ其ノ正面ニ立
  テ親シク靑年團ヲ指導シ之ト共ニ其ノ侵
  潤ノ防波堤タルヘキモノハ眞ニ社會ノ中
  心タル在〓軍人ヲ措テ他ニ求ムヘカラサ
  ルハ極メテ明瞭ナル事實ナリトス然ルニ國
  家ハ之ニ酬ユルニ年額僅ニ二十五萬圓ノ
  補助金ヲ交付スルコトト爲シタルノミ斯
  ノ如キハ多大ナル犠牲ニ報ユル所以ノ道
  ニ非ス依テ相當ニ該金額ノ曾額ヲ期スル
  ト同時ニ之ヲ國庫支辨ニ移サレムコトヲ
  望ム
  右建議ス
  報告書
  一鹿兒島縣笠野原ニ航空隊設置ニ關スル
  建議案(永田良吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一陸軍召募規則中改正ニ關スル建議案
  (土屋〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一兵役義務者及癈兵待遇審議會ニ關スル
  建議案(武藤山治君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一兵庫縣宍粟郡及神崎郡ノ聯隊區復舊ニ
  關スル建議案(土井權大君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一豫後備兵召集時期ニ關スル建議案禽
  橋元四郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一聯隊區管轄區域變更ニ關スル建議案
  (豊田收君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道帶廣町ニ第七師〓步兵一箇聯隊
  移轉設置ニ關スル建議案(小池仁郞君
  提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長山下谷次
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔山下谷次君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=14

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• 015・山下谷次

  ○山下谷次君　此建議案ハ全部可決ニナリ
  マシタノデゴザイマスカラ、ドウゾ本院ニ
  於キマシテモ、滿場一致御賛成アランコト
  ヲ望ミマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=15

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• 016・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　只今委員長ノ報告ニ
  贊成ノ諸君ハ起立ヲ求メマス(「贊成」費
  成」ノ聲起ル)-御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=16

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• 017・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　異議ナシト認メマ
  ス、仍テ委員長ノ報告ノ通リ可決サレマシ
  タ、日程第五十五乃至第百二十八ハ同一委
  員ニ付託サレタル議案ナルニ依リ、一括議
  題トナスニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=17

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• 018・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　異議ナシト認メマ
  ス、日程第五十五、大分港修築速成ニ關ス
  ル建議案外七十三件ハ、一括シテ委員長ノ
  報告ヲ求メマス-委員長伊坂秀五郞君
  第五十五大分港修築速成ニ關スル建
  議案(三浦數平君提出)(委員長報告)
  第五十六山形縣加茂港及鼠ケ關港修
  築ニ關スル建議案(奧山龜藏君提出)
  (委員長報告)
  第五十七根室港修築擴張ニ關スル建
  議案(小池仁郎君外五名提出)
  (委員長報告)
  第五十八多度津港重要港灣指定ニ關
  スル建議案(山下谷次君提出)
  (委員長報告)
  第五十九境港修築工事速成ニ關スル
  建議案(矢野晋也君外四名提出)
  (委員長報告)
  第六十港灣法制定ニ關スル建議案
  (水島彥一郞君提出)(委員長報告)
  第六十一町村吏員優遇ニ關スル建議
  案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第六十二消防組員優遇ニ關スル建議
  案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第六十三消防組員表彰法制定ニ關ス
  ル建議案(淺川浩君外五名提出)
  (委員長報告)
  第六十四刑餘者ニ對スル保護善導ニ
  關スル建議案(篠原和市君外一名提
  追(委員長報告)
  第六十五露店商保護ニ關スル建議案
  (篠原和市君外一名提出)
  (委員長報告)
  第六十六淺間山國立公園設定ニ關ス
  ル建議案(篠原和市君提出)
  (委員長報告)
  第六十七八ケ嶽國立公園設定ニ關ス
  ル建議案(篠原和市君外一一名提出)
  (委員長報告)
  第六十八輕井澤國立公園設定ニ關ス
  ル建議案(篠原和市君提出)
  (委員長報告)
  第六十九長野縣南佐久郡松原湖ヲ中
  心トスル國立公園設定ニ關スル建議
  案(篠原和市君提出)(委員長報告)
  第七十雲仙國立公園設定ニ關スル建
  議案(西岡竹次郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  第七十一大臺ケ原山及大峰山ヲ中心
  トスル國立公園設定ニ關スル建議案
  (岩本武助君提出)(委員長報告)
  第七十二天ノ橋立國立公園設定ニ關
  スル建議案(水島彥一郞君提出)
  (委員長報告)
  第七十三嚴島ヲ中心トスル國立公園
  設定ニ關スル建議案(藤田若水君外
  四名提出)(委員長報告)
  第七十四大富士山國立公園設定ニ關
  スル建議案(郡谷照一郞君外一名提
  出(委員長報告)
  第七十五磐梯山猪苗代湖ヲ中心トス
  ル國立公園設定ニ關スル建議案(石
  射文五君提出)(委員長報告)
  第七十六大山ヲ中心トスル國立公園
  設定ニ關スル建議案(豊田收君外二
  名提出)(委員長報告)
  第七十七筑波山霞浦ヲ中心トスル國
  立公園設定ニ關スル建議案(飯村五
  郞君外一名提出)(委員長報告)
  第七十八小豆島及屋島ヲ中心トスル
  瀨戶內海國立公園設定ニ關スル建議
  案(小西和君外三名提出)
  (委員長報告)
  第七十九伊豆國立公園設定ニ關スル
  建議案(岸衛君提出)(委員長報告)
  第八十鎌倉葉山ヲ中心トスル國立公
  園設定ニ關スル建議案(川口義久君
  提出)(委員長報告)
  第八十一耶馬溪ヲ中心トスル國立公
  園設定ニ關スル建議案(久恒貞雄君
  外二名提出)(委員長報告)
  第八十二日光國立公園設定ニ關スル
  建議案(高橋元四郞君提出)
  (委員長報告)
  第八十三北海道登別溫泉ヲ中心トス
  ル國立公園設定ニ關スル建議案板
  谷順助君外一名提出)(委員長報告)
  第八十四有珠岳洞爺湖及登別溫泉ヲ
  中心トスル國立公園設定ニ關スル建
  議案(岡本幹輔君外五名提出)
  (委員長報告)
  第八十五霧島山國立公園設定ニ關ス
  ル建議案(崎山武夫君外六名提出)
  (委員長報告)
  第八十六國立公園調査機關設置ニ關
  スル建議案(河上哲太君外一名提出)
  (委員長報告)
  第八十七國立公園調査機關設置ニ關
  スル建議案(磯部〓吉君外十一名提
  出)(委員長報告)
  第八十八瓜生坂隧道開鑿ニ關スル建
  議案(篠原和市君提出)(委員長報告)
  第八十九ホテル業者補助ニ關スル建
  議案(篠原和市君提出)(委員長報告)
  第九十長崎市ニホテル建設ニ關スル
  建議案(西岡竹次郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  第九十一新聞記者優遇ニ關スル建議
  案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第九十二新聞記者ノ資格制定ニ關ス
  ル建議案(飯村五郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  第九十三肝屬川治水ニ關スル建議案
  (水田良吉君提出)(委員長報告)
  第九十四由良川改修ニ關スル建議案
  (水島彥一郞君提出)(委員長報告)
  第九十五木津川治水ニ關スル建議案
  (伊坂秀五郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  第九十六安倍川本支流改修速成ニ關
  スル建議案(松浦五兵衛君外一名提
  出(委員長報告)
  第九十七小貝川改修速成ニ關スル建
  議案(飯村五郞君提出)(委員長報告)
  第九十八赤川改修工事ニ關スル建議
  案(〓水德太郎君提出)(委員長報告)
  第九十九大淀川支流沖水川改修速成
  ニ關スル建議案(水久保甚作君提出)
  (委員長報告)
  第百北海道河川治水工事促進ニ關ス
  ル建議案(山本厚三君外五名提出)
  (委員長報告)
  第百一相模川改修速成ニ關スル建議
  案(胎中楠右衞門君提出)
  (委員長報告)
  第百二北海道聲問川河口修築ニ關ス
  ル建議案(淺川浩君外五名提出)
  (委員長報告)
  第百三勇拂原野開發竝勇拂川河口修
  築ニ關スル建議案(岡本幹輔君外五
  名提出)(委員長報告)
  第百四武庫川改修ニ關スル建議案
  (蔭山貞吉君提出)(委員長報告)
  第百五猪名川改修ニ關スル建議案
  (蔭山貞吉君提出)(委員長報告)
  第百六宮崎縣五箇瀨川改修ニ關スル
  建議案(矢野力治君提出)
  (委員長報告)
  第百七千代川改修工事速成ニ關スル
  建議案(豐田收君外一名提出)
  (委員長報告)
  第百八荒川上流改修工事速成ニ關ス
  ル建議案(田中千代松君外三名提出)
  (委員長報告)
  第百九河川使用許可ニ關スル建議案
  磯部〓吉君外十名提山)
  (委員長報告)
  第百十猿投神社昇格ニ關スル建議案
  (岡本實太郞君提出)(委員長報告)
  第百十一熱田神宮橿原神宮竝明治神
  宮崇祀ニ關スル建議案(福井甚三君
  外二名提出)(委員長報告)
  第百十二藤原光親卿外四卿ヲ奉祀ス
  ル別格官幣社創設ニ關スル建議案
  (庄司良朗君外五名提出)
  (委員長報告)
  第百十三伏見神社創設ニ關スル建議
  案(今井健彥君提出)(委員長報告)
  第百十四村落ニ關スル制度ノ調查及
  整備ニ關スル建議案(大竹貫一君外
  一名提出)(委員長報告)
  第百十五結核患者收容力增加ニ關ス
  ル建議案(大里廣次郞君外八名提出)
  (委員長報告)
  第百十六全國町村吏員互助組合ニ關
  スル建議案(岩崎一髙君外十六名提
  出(委員長報告)
  第百十七職業紹介營業者保護ニ關ス
  ル建議案(平賀周君外三名提出)
  (委員長報告)
  第百十八震災ノ爲損害ヲ被リタル東
  京市ノ財政補給ニ關スル建議案(小
  久江美代吉君外三名提出)
  (委員長報告)
  第百十九融和事業ノ徹底ニ關スル建
  議案(星島二郞君提出)(委員長報告)
  第百二十北海道舊土人保護ニ關スル
  建議案(岡本幹輔君外五名提出)
  (委員長報告)
  第百二十一溫泉ノ調査〓究機關設置
  ニ關スル建議案(加藤知正君外一名
  提出)不員長報告)
  第百二十二國立癌〓究機關設置ニ關
  スル建議案(藤沼庄平君外二名提出)
  (委員長報告)
  第百二十三鳥取縣三朝ニ溫泉治療〓
  究所設置ニ關スル建議案(豐田收君
  外二名提出)(委員長報告)
  第百二十四國民保健衞生ニ關スル建
  議案(土井權大君提出)(委員長報告)
  第百二十五鳥取縣縣債償還方法變更
  ニ關スル建議案(矢野晋也君外三名
  提出)(委員長報告)
  第百二十六北海道土功組合ニ關スル
  建議案(木下成太郎君外九名提出)
  (委員長報告)
  第百二十七北海道開發北進ニ關スル
  建議案(木下成太郞君外九名提出)
  (委員長報告)
  第百二十八公娼制度廢止ニ關スル建
  議案(三宅磐君外五名提出)
  (委員長報告)
  報告書
  一大分港修築速成ニ關スル建議案(三浦
  數平君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一山形縣加茂港及鼠ヶ關港修築ニ關スル
  建議案(奧山龜藏君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五〓
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一根室港修築擴張ニ關スル建議案(小池
  仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一多度津港重要港灣指定ニ關スル建議案
  (山下谷次君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一境港修築工事速成ニ關スル建議案矢
  野晋也君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一港灣法制定ニ關スル建議案(水島彥一
  郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一町村吏員優遇ニ關スル建議案(篠原和
  市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一消防組員優遇ニ關スル建議案(篠原和
  市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一消防組員表彰法制定ニ關スル建議案
  (淺川浩君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一刑餘者ニ對スル保護善導ニ關スル建議
  案(篠原和市君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一露店商保護ニ關スル建議案(篠原和市
  君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一淺間山國立公園設定ニ關スル建議案
  (篠原和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一八ヶ嶽國立公園設定ニ關スル建議案
  (篠原和市君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一輕井澤國立公園設定ニ關スル建議案(篠
  原和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長野縣南佐久郡松原湖ヲ中心トスル國
  立公園設定ニ關スル建議案(篠原和市
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一雲仙國立公園設定ニ關スル建議案술
  岡竹次郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一大臺ヶ原山及大峰山ヲ中心トスル國立
  公園設定ニ關スル建議案(岩本武助君
  提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一天ノ橋立國立公園設定ニ關スル建議案
  (水島彥一郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一嚴島ヲ中心トスル國立公園設定ニ關ス
  ル建議案(藤田若水君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一大富士山國立公園設定ニ關スル建議案
  (郡谷照一郎君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一磐梯山猪苗代湖ヲ中心トスル國立公園
  設定ニ關スル建議案(石射文五郞君提
  出
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一大山ヲ中心トスル國立公園設定ニ關ス
  ル建議案(豐田收君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一筑波山霞浦ヲ中心トスル國立公園設定
  ニ關スル建議案(飯村五郞君外一名提
  山
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小豆島及屋島ヲ中心トスル瀨戶內海國
  立公園設定ニ關スル建議案(小西和君
  外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一伊豆國立公園設定ニ關スル建議案(岸
  衞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鎌倉葉山ヲ中心トスル國立公園設定ニ
  關スル建議案(川口義久君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一耶馬渓ヲ中心トスル國立公園設定ニ
  關スル建議案(久恒貞雄君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一日光國立公園設定ニ關スル建議案
  橋元四郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道登別溫泉ヲ中心トスル國立公園
  設定ニ關スル建議案(板谷順助君外一
  名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一有珠岳洞爺湖及登別溫泉ヲ中心トスル
  國立公園設定ニ關スル建議案(岡本幹
  輔君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一霧島山國立公園設定ニ關スル建議案
  (崎山武夫君外六名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一國立公園調査機關設置ニ關スル建議案
  (河上哲太君外一名提出)
  一國立公園調査機關設直ニ關スル建議案
  (磯部〓吉君外十一名提出)
  右ハ本院ニ於テ雨案ヲ併合シ表題ヲ國
  立公園調査機關設置ニ關スル建議」トシ
  別紙ノ通修正スヘキモノト議決致候此段
  及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  國立公園調査機關設置ニ關スル建議
  國民ノ保健及〓化上國立公園ノ必要ナル
  ト近年各地方ヨリ國立公園設置ノ建議續
  出スルトニ鑑ミ政府ハ速ニ國立公園調査
  機關ヲ設ケ以テ國立公園ニ關スル政策ヲ
  樹立スルト共ニ適當ナル候補地ヲ選定シ
  之カ根本的計畫ヲ設定シ以テ官民ヲシテ
  據ル所アラシムヘシ
  右建議ス
  報告書
  一瓜生坂隧道開鑿ニ關スル建議案(篠原
  和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一ホテル業者補助ニ關スル建議案(篠原
  和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長崎市ニホテル建設ニ關スル建議案
  (西岡竹次郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一新聞記者優遇ニ關スル建議案(篠原和
  市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊塚秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一新聞記者ノ資格制定ニ關スル建議案
  (飯村五郞君外一名提山山)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一肝屬川治水ニ關スル建議案(木田良吉
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一由良川改修ニ關スル建議案(本島彦一
  郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一木津川治水ニ關スル建議案(伊坂秀五
  郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一安倍川本支流改修速成ニ關ス建議
  案(松浦五兵衞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小貝川改修速成ニ關スル建議案(飯村
  五郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一赤川改修工事ニ〓スル建議案(〓本德
  太郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂轉殿
  報告書
  一大淀川支流沖水川改修速成ニ〓スル建
  議案(水久保甚作君提山)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議快致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊飯秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道河川治水工事促進ニ國スル處議
  案(山本厚三君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議决致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊板秀五郎
  衆議院議長川原車
  報告書
  一相模川改修速成ニ關スル建議案(胎中
  楠右衞門君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔
  報告書
  一北海道聲問川河口修築ニ關スル建議
  (淺用浩君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂讓夏
  報告書
  一勇採原野開發竝勇拂川河口修築ニ關ス
  ル建議案(岡本幹輔君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一武庫川改修ニ關スル建議案(蔭山貞吉
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  餓此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長則源茂輔殿
  報告書
  一緒名川改修ニ關スル建議案(蔭山貞吉
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  〓和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣五箇〓川改修ニ關スル建議案
  (矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一千代川改修工事速成ニ關スル建議案
  (豐田收君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  〓和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  〓議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一荒川上流改修工事速成ニ關スル建議案
  (田中千代松君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一河川使用許可ニ關スル建議案(磯部〓
  吉君外十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一猿投神社昇格ニ關スル建議案(岡本實
  太郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一熱田神宮橿原神宮竝明治神宮崇祀ニ關
  スル建議案(福井甚三君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一藤原光親卿外四卿ヲ奉祀スル別格官幣
  社創設ニ關スル建議案(庄司良朗君外
  五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五譯
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一伏見神社創設ニ關スル建議案(今井健
  彥君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一村落ニ關スル制度ノ調査及整備ニ關ス
  ル建議案(大竹貫一君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一結核患者收容力會加ニ關スル建議案
  (大里廣次郞君外八名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂〓殿
  報告書
  一全國町村吏員互助組合ニ關スル建議案
  (岩崎一高君外十六名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一職業紹介營業者保護ニ關スル建議案
  (平賀周君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  一震災ノ爲損害ヲ被リタル東京市ノ財政
  補給ニ關スル建議案(小久江美代吉君
  外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一融和事業ノ徹底ニ關スル建議案(星島
  二郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道舊土人保護ニ關スル建議案會
  本幹輔君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一溫泉ノ調査〓究機關改置ニ國スル建議
  案(加藤知正君外一名提出.)〓
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊取秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一國立癌〓究機關設置ニ關スル建議案
  (藤沼庄平君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊飯秀五郎
  衆議院議長川原茂朝殿
  報告書
  一鳥取縣三朝ニ温泉治療〓究所設置ニ關
  スル建議案(豐田收君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一國民保健衞生ニ關スル建議案(土井權
  大君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鳥取縣縣債償還方法更ニ關スル建議
  案(矢野晋也君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議先議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道土功組合ニ關スル建議案(木下
  成太郞君外九名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道開發北進ニ關スル建議案(木下
  成太郞君外九名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郞
  衆議院議長川原茂輔版
  報告書
  一公娼制度廢止ニ關スル建議案(三宅磐
  君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長伊坂秀五郎
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔伊坂秀五郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=18

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• 019・伊坂秀五郎

  ○伊坂秀五郎君　建議案ノ委員會ノ報告ヲ
  致シマス、餘リニ簡單デハ、建議案ヲ提出
  セラレタ方ガ、俺ノ建議案ハ通タタカ、通
  ラナイカト云フコトガ御分リニナルマイト
  思フカラ、先ヅ建議案ノ趣意ヲ朗讀致シマ
  ス、(「朗讀ノ必要ナシ」ト呼フ者アリ)ソレ
  デハ建議案ヲ讀上ゲルコトガ御希望ガナイ
  ヤウデアリマスルカラ、委員長ニ於テモ是
  ハ頗ル聲量上ノ經濟デ歡迎ヲスル所デアリ
  マス、先ヅ委員會ニ於キマシテハ、御承知
  ノ如ク何分會期切迫ノ折柄デアリマシタカ
  ラ、極メテ簡潔ニ之ヲ議題ニ付シマシテ、
  滿場一致ヲ以テ、内務省所管ニ關スル港灣、
  或ハ國立公園、其他ノ所謂改修雜件等、七
  十三件ヲ議了致シタ譯デアリマス、大體ニ
  於テ是ハ皆可決致シマシタガ、唯、代公
  娼制度廢止ニ關スル建議案ガ出テ居ッタノ
  デアリマスガ此公娼ヲ只今廢止スルト云
  フコトハ、我國ノ國情ニ照ラシテ宜シクナ
  イト云フノデ、是ハ否決セラレマシタ、尙
  ホ此委員會ノ希望ト致シマシテハ、斯ノ如
  キ多數ノ建議案ヲ僅ノ期間ニ於テ議了スル
  コトハ至難デアル故ニ將來ハ斯樣ナ建議
  案等ニ對スル常設委員ヲ設ケテ、之ニ依テ
  極メテ愼重考査ヲスル必要ガアル、ト云云ココ
  トノ希望ヲ附ケテ可決スルコトニ致シマシ
  ク、左樣御承知ヲ願ヒマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=19

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• 020・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　右諸案ハ委員長ノ報
  告ニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=20

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• 021・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、孰レモ委員長報告ノ通リ可決サレマシ
  タ、日程第百二十九乃至第百七十四ハ、同
  一委員ニ付託シタル議案ナルニ依リ、一括
  議題トナスニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=21

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• 022・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、日程第百二十九、奈良市ニ美術學校建
  設ニ關スル建議案外四十五件ヲ一括シテ委
  員長ノ報告ヲ求メマス-委員長福井甚三
  君
  第百二十九奈良市ニ美術學校建設ニ
  關スル建議案(福井甚三君提出)
  (委員長報告)
  第百三十奈良縣下ニ藥學專門學校建
  設ニ關スル建議案(福井甚三君提出)
  (委員長報告)
  第百三十一長野縣立北佐久農學校ヲ
  國立盲產大學ニ昇格スルノ建議案
  (篠原和市君提出)(委員長報告)
  第百三十二長崎市ニ七年制高等學校
  設置ニ關スル建議案(西岡竹次郞君
  外一名提出)(委員長報告)
  第百三十三長崎縣ニ水產專門學校設
  置ニ關スル建議案(西岡竹次郞君外
  一名提出)(委員長報告)
  第百三十四國立蠶絲大學設置ニ關ス
  ル建議案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第百三十五愛知縣ニ高等蠶絲學校建
  設ニ關スル建議案(岡本實太郞君提
  出(委員長報告)
  第百三十六靜岡縣ニ水產大學設置ニ
  關スル建議案(倉元要一君外六名提
  出(委員長報告)
  第百三十七長崎市ニ商科大學及高等
  學校設置ニ關スル建議案(本田英作
  君外五名提出)(委員長報告)
  第百三十八長崎市ニ高等水產學校設
  置ニ關スル建議案(本田英作君外五
  名提出)(委員長報告)
  第百三十九廣島市ニ綜合大學設直ニ
  關スル建議案(森保祐昌君外四名提
  出)(委員長報告)
  第百四十四國ニ國立綜合大學設置ニ
  關スル建議案(河上哲太君外三名提
  山(委員長報告)
  第百四十一名古屋市ニ綜合帝國大學
  設置ニ關スル建議案(田中善立君外
  一名提出)(委員長報告)
  第百四十二金澤市ニ綜合大學設自ニ
  關スル建議案(佐藤實君外一名提出)
  (委員長報告)
  第百四十三郡山市ニ高等工業學校設
  置ニ關スル建議案(粟山博君外三名
  提出)(委員長報告)
  第百四十四郡山市ニ高等師範學校設
  置ニ關スル建議案(粟山博君外三名
  提出)(委員長報告)
  第百四十五福島縣ニ高等蠶絲學校設
  置ニ關スル建議案(菅野善右衞門君
  外五名提出)(委員長報告)
  第百四十六福島市ニ高等蠶絲學校設
  置ニ關スル建議案(栗山博君外三名
  提出)(委員長報告)
  第百四十七大隅半島ニ高等蠶絲學校
  設置ニ關スル建議案(永田良吉君提
  〓(委員長報告)
  第百四十八鹿兒島縣鹿屋町ニ畜產大
  學設置ニ關スル建議案(永田良吉君
  提出)(委員長報告)
  第百四十九旭川市ニ高等工業學校設
  置ニ關スル建議案(淺川浩君外一名
  提出)(委員長報告)
  第百五十北海道帶廣町ニ高等農林學
  校設置ニ關スル建議案(小池仁郞君
  外五名提出)(委員長報告)
  第百五十一若松市ニ高等師範學校設
  置ニ關スル建議案(石射文五郞君提
  山(委員長報告)
  第百五十二東京府松江町ニ高等工業
  學校設置ニ關スル建議案(佐藤正君
  提出)(委員長報告)
  第百五十三札幌市ニ高等師範學設
  置ニ關スル建議案(山本厚三君外五
  名提出)(委員長報告)
  第百五十四北海道ニ高等學校設置ニ
  關スル建議案(山本厚三君外五名提
  〓(委員長報告)
  第百五十五北海道ニ高等工業學校設
  置ニ關スル建議案(山本厚三君外三
  名提出)(委員長報告)
  第百五十六大阪市ニ綜合大學設置ニ
  關スル建議案(平賀周君提出)
  (委員長報告)
  第百五十七廣島市ニ高等商業學校設
  置ニ關スル建議案(森保祐昌君外二
  名提出)(委員長報告)
  第百五十八文政改革ニ關スル建議案
  (篠原和市君外二名提出)
  (委員長報告)
  第百五十九長野縣松代町ニ國立象山
  文庫設立ニ關スル建議案(篠原和市
  君外一名提出)(委員長報告)
  第百六十國定〓科書中略字採用及假
  名遣改定竝漢字制限ニ關スル建議案
  (曾田義一君外三名提出)
  (委員長報告)
  第百六十一小學校令中改正ニ關スル
  建議案(森保祐昌君提出)
  (委員長報告)
  第百六十二小學校令中改正ニ關スル
  建議案(土屋〓三郞君提出)
  (委員長報告)
  第百六十三私立學校令中改正ニ關ス
  ル建議案(土屋〓三郞君提出)
  (委員長報告)
  第百六十四〓員免許令中改正ニ關ス
  ル建議案(土屋〓三郞君提出)
  (委員長報告)
  第百六十五東京帝國大學農學部附屬
  農業〓員養成所獨立ニ關スル建議
  案(蔭山貞吉君外一名提出)
  (委員長報告)
  第百六十六東京帝國大學農學部附屬
  農業〓員養成所獨立ニ關スル建議案
  (山下谷次君外三名提出)
  (委員長報告)
  第百六十七實業補習〓育改善ニ關ス
  ル建議案(河上哲太君外一名提出)
  (委員長報告)
  第百六十八神代三御陵ニ關スル建議
  案(永田良吉君提出)(委員長報告)
  第百六十九「エスペラント」ヲ小學校
  及中學校〓科目ニ編入ニ關スル建議
  案(竹下文隆君外二名提出)
  (委員長報告)
  第百七十財團法人日本エスペラント
  學會國庫補助ニ關スル建議案(竹下
  文隆君外三名提出)(委員長報告)
  第百七十一私立中等學校國庫補助ニ
  關スル建議案(山下谷次君提出)
  (委員長報告)
  第百七十二京都帝國大學ニ經濟學研
  究所設置ニ關スル建議案(磯部〓吉
  君外四名提出)(委員長報告)
  第百七十三京都帝國大學ニ小見保健
  衞生〓究所設置ニ關スル建議案〓
  部清吉君外四名提出)(委員長報告)
  第百七十四人工降雨法〓究所國庫補
  助ニ關スル建議案(星島一一郞君提出)
  (委員長報告)
  報告書
  一奈良市ニ美術學校建設ニ關スル建議案
  (福井三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一奈良縣下ニ藥學專門學校建設ニ關スル
  建議案(福井甚三君提山四)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長野縣立北佐久農學校ヲ國立畜產大學
  ニ昇格スルノ建議案(篠原和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長崎市ニ七年制高等學校設置ニ關スル
  建議案(西岡竹次郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長崎縣ニ水產專門學校設置ニ關スル建
  議案(西岡竹次郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一國立蠶絲大學設置ニ關スル建議案篠
  原和市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一愛知縣ニ高等蠶絲學校建設ニ關スル建
  議案(岡本實太郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一静岡縣ニ水產大學設置ニ關スル建議案
  (倉元要一君外六名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長崎市ニ商科大學及高等學校設置ニ關
  スル建議案(本田英作君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長崎市ニ高等水產學校設置ニ關スル建
  議案(本田英作君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一廣島市ニ綜合大學設置ニ關スル建議案
  (森保祐昌君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一四國ニ國立綜合大學設置ニ關スル建議
  案(河上哲太君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一名古屋市ニ綜合帝國大學設置ニ關スル
  建議案(田中善立君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一金澤市ニ綜合大學設置ニ關スル處議案
  (佐藤實君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致候
  此段及〓告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一郡山市ニ高等工業學校設置ニ關スル建
  議案(粟山博君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト講決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一郡山市ニ高等師範學校設置ニ〓スル建
  議案(栗山博君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一福島縣ニ高等蠶絲學校設置ニ關スル建
  議案(菅野善右衞門君外五名提出)
  ー福島市ニ高等蠶絲學校設置ニ關スル建
  議案(栗山博君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ「福島
  3縣ニ高等蠶絲學校設置ニ關スル建議」ト
  爲シ別紙ノ通修正スヘキモノト議決致候
  此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  福島縣ニ高等蠶絲學校設置ニ關スル建
  議
  福島縣下ニ高等豫絲學校ヲ設置セラレム
  コトヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一大隅半島ニ高等蠶絲學校設置エ圖スル
  建議案(永田良吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト譲決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鹿兒島縣鹿屋町ニ畜產大學設置ニ關ス
  ル建議案(永田良吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一旭川市ニ高等工業學校設置ニ關スル建
  議案(淺川浩君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道帶廣町ニ高等農林學校設置ニ關
  スル建議案(小池仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一若松市ニ高等師範學校設置ニ國スル建
  議案(石射文五郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一東京府松江町ニ高等工盡學校舎ニニ
  スル建議案(佐藤正君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一札幌市ニ高等師範學校設置ニ國スル建
  議案(山本厚三君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三、
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道ニ高等學校設置ニ關スル建議案
  (山本厚三君外三名提山出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道ニ高等工業學校設置ニ關スル建
  議案(山本厚三君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一大阪市ニ綜合大學設置ニ關スル建議案
  (平賀周君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一廣島市ニ高等商業學校設置ニ國スル處
  議案(森保祐昌君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト〓決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一文政改革ニ關スル建議案(德原和市君
  外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長野縣松代町ニ國立象山文庫設立ニ■
  スル建議案(篠原和市君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一國定〓科書中略字採用及假名遣改定竝
  漢字制限ニ關スル建議案(增田義一君
  外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小學校令中改正ニ■スル建議案(森保
  祐昌君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト講決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小學校令中改正ニ關スル建議案(土屋
  〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一私立學校令中改正ニ關スル建議案(土
  屋清三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一〓員免許令中改正ニ關スル建議案(土
  屋〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一東京帝國大學農學部附屬農業〓員養成
  所獨立ニ關スル建議案(蔭山貞吉君外
  一名提出)
  一東京帝國大學農學部附屬農業〓員養成
  所獨立ニ關スル建議案(山下谷次君外
  三名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ東
  東帝國大學農學部附屬農業教員養成所獨
  立ニ關スル建議」トシ別紙ノ通修正スへ
  キモノト議決致候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  東京帝國大學農學部附屬農業〓員養成
  所獨立ニ關スル建議
  農業〓育ノ普及徵底ヲ■ルハ我カ國内外
  ノ情勢ニ鑑ミ最喫緊ノコトニ屬シ之カ爲
  ニハ優良ナル〓員ノ養成ヲ以テ其ノ根本
  ト爲ス仍テ政府ハ速ニ東京帝國大學農學
  部附屬農業〓員養成所ヲ獨立セシメ其ノ
  施設ノ充實ヲ圖ラムコトヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一實業補習〓育改善ニ關スル建議案〓
  上哲太君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一神代三御陵ニ關スル建議案(永田良吉
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一「エスペラント」ヲ小學校及中學校〓科
  目ニ編入ニ關スル建議案(付下文隆君
  外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一財團法人日本エスベラント學會國庫補
  助ニ關スル建議案(竹下文隆君外三名
  提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  曜和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一私立中等學校國庫補助ニ關スル建議案
  (山下谷次君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一京都帝國大學ニ經濟學〓究所設置ニ關
  スル建議案(磯部〓吉君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  11報告書
  一京都帝國大學ニ小兒保健衞生〓究所設
  置ニ關スル建議案(磯部〓吉君外四名
  提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一人工降雨法〓究所國庫補助ニ關スル建
  議案(星島二郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長福井甚三
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔福井甚三君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=22

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• 023・福井甚三

  ○福井甚三君　奈良市ニ美術學校建設ニ關
  スル建議案外四十五件ノ委員會ノ經過竝其
  結果ヲ御報告申上ゲマス、本委員會ハ直ニ
  政府委員ノ出席ヲ求メテ愼重審議ヲ致シテ
  政黨政派ニ拘ラズ、何レモ適切ナル建議案
  トシテ可決確定致シタノデアリマス、併シ
  此場合ニ詳細御報告申上ゲルコトヲ差控へ
  マスガ、各建議案ノ標題ト、提出者ノ名前
  ダケヲ御報告申上ゲマシテ、諸君ノ御賛成
  ヲ得タイト思ヒマス(「省略」「省略」ト呼フ
  者アリ)提出者ノ皆樣ガ左樣ニ省略ト云フ
  コトデアリマスルカラ、省略ヲ致シマス、
  四十六件ハ孰レモ適切ナル建議案トシテ、
  委員會ニ於テ可決確定ヲ致シマシタ此段御
  報告ヲ致シマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=23

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• 024・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　右四十六案ハ委員長
  報告ニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=24

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• 025・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、委員長ノ報告通リ可決サレマシター
  日程第百七十五乃至第一一百五十四ハ、同
  委員ニ付託シタル議案ナルニ依リ、一括議
  題トナスニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=25

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• 026・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス-日程第百七十五、澁川長野原間鐵道
  速成ニ關スル建議案外七十九件ヲ一括シテ
  委員長ノ報告ヲ求メマス、委員長匹田銳
  吉君
  第百七十五澁川長野原間鐵道速成ニ
  關スル建議業(木檜三四郞君提出)
  (委員長報告)
  第百七十六常總鐵道買收ニ關スル建
  議案(〓村五郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  第百七十七日足鐵道速成ニ關スル建
  議案(高橋元四郞君提出)
  (委員長報告)
  第百七十八土浦久喜間及境古河間鐵
  道敷設速成ニ〓スル建議案(海老澤
  爲次郞君提出)(委員長報告)
  第百七十九筑豊線一一瀬長尾間鐵道敷
  設ニ關スル建議案(久恒貞雄君外一
  名提出)(委員長報告)
  第百八十小會港ニ關釜連絡船寄港ニ
  ■スル建議案(坂井大輔君提出)
  (委員長報告)
  第百八十一國分大泊間鐵道速成ニ■
  スル建議案(永田良吉君提出)
  (委員長報告)
  第百八十二肥前山口諫早間鐵道速成
  ニ關スル建議案(本田英作君外五名
  提出)(委員長報告)
  第百八十三關門隧道鐵道敷設速成ニ
  關スル建議案(西岡竹次郞君外七名
  提出)(委員長報告)
  第百八十四九州ニ於ケル國際的遊覽
  線統一ニ關スル建議案(松野鶴平君
  外十一名提出)(委員長報告)
  第百八十五沖繩縣營鐵道買收ニ關ス
  ル建議案(伊禮肇君外二名提出)
  (委員長報告)
  第百八十六沖繩縣營鐵道國營移管ニ
  關スル建議案(龜割安藏君外一名提
  出)(委員長報告)
  第百八十七吉松八代間鐵道電化ニ關
  スル建議案(深水〓君提出)
  (委員長報告)
  第百八十八鹿兒島本線二日市驛久大
  線大石驛間鐵、道敷設ニ關スル建議案
  (多田勇雄君外二名提中)
  (委員長報告)
  第百八十九鳥栖臼井間鐵道敷設ニ關
  スル建議案(久恒貞雄君外一名提出)
  (委員長報告)
  第百九十大隅鐵道買收ニ關スル建議
  案(永田良吉君提出)(委員長報告)
  第百九十一名古屋驛改良促進ニ關ス
  ル建議案(小山松壽君外三名提出)
  (委員長報告)
  第百九十二小海小淵澤間鐵道速成ニ
  關スル建議案(篠原和市君提出)
  (委員長報告)
  第百九十三磯部中込間鐵道速成ニ關
  スル建議案(篠原和市君外二名提出)
  (委員長報告)
  第百九十四佐久鐵道買收ニ關スル建
  議案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第百九十五上田松本間鐵道速成ニ關
  スル建議案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第百九十六中込松本間鐵道敷設速成
  ニ關スル建議案(篠原和市君外三名
  提出)(委員長報告)
  第百九十七上信鐵道敷設速成ニ關ス
  ル建議案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第百九十八岩村田、岡谷間鐵道敷設
  ニ關スル建議案(篠原和市君外一名
  提出)(委員長報告)
  第百九十九平原停車場設置ニ關スル
  建議案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第二百白田池袋間鐵道速成ニ闘スル
  建議案(篠原和市君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二百一千種武節聞鐵道敷設速成ニ
  關スル建議案(岡本實太郞君提出)
  (委員長報告)
  第二百二岡崎多治見間鐵道敷書〓速成
  ニ關スル建議案(岡本實太郞君提出)
  (委員長報告)
  第二百三岡崎多治見間鐵道敷設速成
  ニ關スル建議案(丹下茂十郎君外二
  名提出)(委員長報告)
  第二百四三國敦賀間海鐵道敷設ニ
  關スル建議案(熊谷五右衞門君提出)
  (委員長報告)
  第二百五伊豆循環鐵道敷設速成ニ關
  スル建議案(郡谷照一郞君外一名提
  出(委員長報告)
  第二百六七尾輪島間鐵道速成ニ關ス
  ル建議案(佐藤實君外一名提出)
  (委員長報告)
  第二百七富士身延鐵道買收ニ關スル
  建議案(篠原和市君外十五名提出)
  (委員長報告)
  第二百八岐阜縣土岐津若ハ多治見ヨ
  リ明知ニ至ル鐵道敷設ニ關スル建議
  案(岡本實太郞君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二百九鐵道敷設法別表中改正ニ關
  スル建議案(匹田銳吉君外四名提出)
  (委員長報告)
  第二百十金澤八尾間鐵道速成ニ關ス
  ル建議案(石坂豐一君外一名提出)
  (委員長報告)
  第二百十一金澤八尾。間鐵道速成ニ關
  スル建議案(松村謙三君外四名提出)
  (委員長報告)
  第二百十二東海道線原驛附近ニ於ケ
  ル路線變更ニ關スル建議案(庄司良
  朗君提出)(委員長報告)
  第二百十三穴水飯田間鐵道速成ニ關
  スル建議案(佐藤實君外一名提出)
  (委員長報告)
  第二百十四金澤市ニ鐵道局設置ニ關
  スル建議案(佐藤實君外一名提出)
  (委員長報告)
  第二百十五新湊線延長、放生津驛新
  設ニ關スル建議案(山田穀一君提出)
  (委員長報告)
  第二百十六尼崎港ニ臨港鐵道敷設ニ
  關スル建議案(蔭山貞吉君提出)
  (委員長報告)
  第二百十七中舞鶴舞鶴連絡海岸鐵道
  敷設竝舞鶴新舞鶴間線路改良ニ關ス
  ル建議案(水島彥一郞君提出)
  (委員長報告)
  第二百十八福知山線電化速成ニ關ス
  ル建議案(蔭山貞吉君提出)
  (委員長報告)
  第二百十九福知山線池田驛ヲ川西驛
  ト改稱スルノ建議案(蔭山貞吉君提
  也(委員長報告)
  第二百二十四國循環鐵道完成ニ關ス
  ル建議案(村松恒一郞君外二名提出)
  (委員長報告)
  第二百二十一四國循環鐵道完成ニ關
  スル建議案(二神駿吉君外二名提出)
  (委員長報告)
  第二百二十二尾道今治間連絡施設ニ
  關スル建議案(河上哲大君外二名提
  出(委員長報告)
  第二百二十三中國勝山倉吉間鐵道速
  成ニ關スル建議案(豐田牧君外三名
  提出)(委員長報告)
  第二百二十四下北條倉吉間鐵道速成
  ニ關スル建議案(豐田收君外一名提
  山(委員長報告)
  第二百二十五若櫻新宮間鐵道敷設ニ
  關スル建議案(豐田收君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二百二十六鳥取上井間鐵道電化ニ
  關スル建議案(豐田收君外二名提出)
  (委員長報告)
  第二百二十七生山多里間鐵道敷設ニ
  關スル建議案(豊田收君外一名提出)
  (委員長報告)
  第二百二十八中國及四國連絡施設ニ
  關スル建議案(須之內品吉君外二名
  提出)(委員長報告)
  第二百二十九智頭佐用間鐵道敷設速
  成ニ關スル建議案(豐田收君外二名
  提出)(委員長報告)
  第二百三十米子市ニ鐵道局設置ニ關
  スル建議案(矢野晋也君外四名提出)
  (委員長報告)
  第二百三十一東海道線西ノ宮驛擴張
  ニ關スル建議案(前田房之助君提出)
  (委員長報告)
  第二百三十二白石中村間鐡道速成ニ
  關スル建議案(菅原傳君外七名提出)
  (委員長報告)
  第二百三十三栃尾鐵道國有移管ニ關
  スル建議案(加藤知正君外十二名提
  出)(委員長報告)
  第二百三十四仙臺ヨリ古川ヲ經テ一
  ノ關ニ至ル鐵道敷設ニ關スル建議案
  (中島鵬六君外二名提出)
  (委員長報告)
  第二百三十五古川一ノ〓間鐵道敷設
  ニ關スル建議案(菅原英伍君外四名
  提出)(委員長報告)
  第二百三十六仙臺古川間鐵追速成ニ
  關スル建議案(內ヶ崎作三郞外四名
  提出)(委員長報告)
  第二百三十七尻内花輪間鐵迫敷設ニ
  關スル建議案(中川原貞機君外三名
  提出)(委員長報告)
  第二百三十八湖南鐵道敷設ニ關スル
  建議案(石射文五郞君提出)
  (委員長報告)
  第一百三十九野岩羽鐵道速成ニ關ス
  ル建議案(齋藤藤四郞君外二名提出)
  (委員長報告)
  第二百四十野岩羽鐵道速成ニ關スル
  建議案(高橋元四郞君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二百四十一柳津小出間及只見古町
  間鐵道速成ニ關スル建議案(石射文
  五郞君提出)(委員長報告)
  第二百四十二柳津野澤間及坂下喜多
  方間鐵道敷設ニ關スル建議案(石射
  文五郞君提出)(委員長報告)
  第二百四十三川俣浪江間鐵道敷設速
  成ニ關スル建議案(粟山博君外三名
  提出)(委員長報告)
  第二百四十四奥羽線福島米澤間電化
  速成ニ關スル建議案(粟山博君外三
  名提出)(委員長報告)
  第二百四十五前谷地氣仙沼間鐵道速
  成ニ關スル建議案(小山倉之助君外
  三名提出)(委員長報告)
  第二百四十六有壁池月間鐵道敷設ニ
  關スル建議案(菅原英伍君外四名提
  出)(委員長報告)
  第二百四十七浦河廣尾間帶廣高江間
  及靜內浦河間鐵道敷設速成ニ關スル
  建議案(板谷順助君外三夕提出)
  (委員長報告)
  第二百四十八北海道鐵道敷設ニ關ス
  ル建議案(小池仁郞君外五名提出)
  (委員長報告)
  第二百四十九北海道伊達紋別、札幌
  間鐵道敷設速成ニ關スル建議案板
  谷順助君外三名提出)(委員長報告)
  第二百五十室蘭港·臨港鐵道速成ニ關
  スル建議案(岡本幹輔君外五名提出)
  (委員長報告)
  第二百五十一北海道邊別美瑛間ニ停
  車場設置ニ關スル建議案(淺川浩君
  外五名提出)(委員長報告)
  第二百五十二釧路港海陸連絡施設ニ
  關スル建議案(小池仁郞君外五名提
  出(委員長報告)
  第二百五十三鐵道運輪規程改正ニ關
  スル建議案(小池仁郞君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二百五十四北海道會及府縣會議員
  ニ對シ鐵道無負乘車證交付ニ關スル
  建議案(水久保甚作君外一名提出)
  (委員長報告)
  報告書
  一澁川長野原間鐵道速成ニ關スル建議案
  (木檜三四郎君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一常總鐵道買收ニ關スル建議案(飯村五
  郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一日足鐵道速成ニ關スル建議案(高橋元
  四郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一土浦久喜間及境古河間鐵道敷設速成ニ
  關スル建議案(海老澤爲次郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一筑豊線二瀨長尾間鐵道敷設ニ關スル建
  議案(久恒貞雄君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小倉港ニ關釜連絡船寄港ニ關スル建議
  案(坂井大輔君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一國分大泊間鐵道速成ニ關スル建議案
  (永田良吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一肥前山口諫早間鐵道速成ニ關スル建議
  案(本田英作君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一關門隧道鐵道敷設速成ニ關スル建議案
  (西岡竹次郞君外七名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一九州ニ於ケル國際的遊覽線統一ニ關ス
  ル建議案(松野鶴平君外十一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一沖繩縣營鐵道買收ニ關スル建議案伊
  禮肇君外二名提出)
  一沖縄縣營鐵道國營移管ニ關スル建議案
  (龜割安藏君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ「沖
  繩縣營鐵道ニ關スル建議」ニ改メ別紙!
  通修正スヘキモノト議決致候此段及報告
  候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  沖繩縣營鐵道ニ關スル建議
  沖繩縣ニハ未タ一哩ノ國有鐵道タモナク
  縣營ヲ以テ大正二年度ヨリエヲ起シ爾來
  漸次延長シテ現今三十哩ノ輕便鐵道ヲ經
  營シツツアルモ之カ改善ヲ要スルモノ尠
  カラス然ルニ縣財政ノ窮乏甚シク十分ノ
  資金ヲ投スルコト不可能ナリ殊ニ未成線
  嘉手納名護間二十六哩餘ノ延長ハ極メテ
  重要ナルモノナルモ現下本縣財政ノ狀態
  ニテハ到底遂行ノ見込ナキヲ以テ政府ニ
  於テハ本縣救濟ノ意味ニ於テ又一ハ國家
  的施設ノ恩惠ヲ均霑セシムル意味ニ於テ
  之ヲ國營ニ移管シ併セテ嘉手納、名護間
  ノ未成線ヲ國費ヲ以テ建設セラレムコト
  ヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一吉松八代間鐵道電化ニ關スル建議案
  (深水〓君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹四銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鹿兒島本線二日市驛久大線大石驛間鐵
  道敷設ニ關スル建議案(多田勇雄君外
  二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鳥栖臼井間鐵道敷設ニ、關スル建議案
  (久恒貞雄君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一大隅鐵道買收ニ關スル建議案(永田良
  吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一名古屋驛改良促進ニ關スル建議案(小
  山松壽君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小梅小淵澤間鐵道速成ニ關スル建議案
  (篠原和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹國銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一磯部中込間鐵道速成ニ關スル建議案
  (篠原和市君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一佐久鐵道買收ニ關スル建議案(篠原和
  市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一上田松本間鐵道速成ニ關スル建議案
  (篠原和市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一中込松本間鐵道敷設速成ニ關スル建議
  案(篠原和市君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一上信鐵道敷設速成ニ關スル建議案篠
  原和市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一岩村田、岡谷間鐵道敷設ニ關スル建議
  案(篠原和一君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一平原停車場設置ニ關スル建議案(篠原
  和市君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也.
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一臼田池袋間鐵道速成ニ關スル建議案
  (篠原和市君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一千種武節間鐵道敷設速成ニ關スル建議
  案(岡本實太郎君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一岡崎多治見間鐵道敷設速成ニ關スル建
  議案(岡本實太郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一岡崎多治見間鐵道敷設速成ニ關スル處
  議案(丹下茂十郞君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一三國敦賀間海岸鐵道敷設ニ關スル建議
  案(熊谷五右衞門君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一伊豆循環鐵道敷設速成ニ關スル建議案
  (郡谷照一郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一七尾輪島間鐵道速成ニ關スル建議案
  (佐藤實君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一富士身延鐵道買收ニ關スル建議案(篠
  原和市君外十五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一岐阜縣土岐津若ハ多治見ヨリ明知ニ至
  ル鐵道敷設ニ關スル建議案(岡本實太
  郞君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鐵道敷設法別表中改正ニ關スル建議案
  (匹田銳吉君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一金澤八尾間鐵道速成ニ關スル建議案
  (石坂豐一君外一名提出)
  一金澤八尾間鐵道速成ニ關スル建議案
  (松村謙三君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ金
  澤八尾間鐵道速成ニ關スル建議」トシ別
  紙ノ通修正スヘキモノト議決致候此段及
  報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  金澤八尾間鐵道速成ニ關スル建議
  石川縣金澤市ヨリ富山縣福光、福野、井
  波ノ各市街ヲ經テ八尾町ニ達スル線路ハ
  是等需給關係ノ密接ナル各市邑ヲ經過シ
  テ交通ノ敏活ヲ圖ルト共ニ富山ヨリ高山
  ニ通スル飛越線ニ聯絡シテ益其ノ機能ヲ
  發揮スベク特ニ田園遠ク開ケタル越中平
  原ノ南部ヲ通過シ来穀、薪炭、瓦、絹綿織物
  繭生絲、石灰等ノ物資極メテ曲豆富ナル
  ヲ以テ產業ノ振興上政府ハ速ニ本線ノ建
  設ニ著手セラレムコトヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一東海道線原驛附近ニ於ケル路線變更ニ
  關スル建議案(庄司良朗君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一穴水飯田間鐵道速成ニ關スル建議案
  (佐藤實君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一金澤市ニ鐵道局設置ニ關スル建議案
  (佐藤實君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致候
  此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一新湊線延長、放生津驛新設ニ關スル建
  議案(山田毅一君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致候
  此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一尼崎港ニ臨港鐵道敷設ニ關スル建議案
  (蔭山貞吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致候
  此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一中舞鶴舞鶴連絡海岸鐵道敷設竝舞鶴新
  舞鶴間線路改良ニ關スル建議案(水島
  彥一郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一福知山線電化速成ニ關スル建議案内容
  山貞吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一福知山線池田驛ヲ川西驛ト改稱スルノ
  建議案(蔭山貞吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一四國循環鐵道完成ニ關スル建議案村
  松恒一郞君外二名提出)
  一四國循環鐵道完成ニ關スル建議案三
  神駿吉君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ四
  國循環鐵道完成ニ關スル建議」トシ別紙
  ノ通修正スヘキモノト議決致候此段及報
  告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  四國循環鐵道完成ニ關スル建議
  愛媛縣大洲ヨリ高知縣中村町ニ至ル鐵道
  ハ四國南部ノ横斷線トシテ運輸交通ノ發
  達產業ノ開發上最重要ナル路線ナルヲ以
  テ一日モ速ニ之カ敷設完成ヲ要望ス尙又
  愛媛縣八幡濱ヨリ宇和、宮野下、宇和
  島城邊、高知縣宿毛、中村及窪川ヲ經テ
  須崎ニ至ル鐵道ハ鐵道線路網ニ編入セラ
  レタルモ未タ豫算ニ計上セラレサルハ甚
  タ遺憾トスル所ナリ思フニ本線ト大洲中
  村間鐵道ハ地方開發上互ニ密接ノ關係ヲ
  有スルノミナラス從來ノ交通系統上ヨリ
  見ルモ又地勢上ヨリスルモ其ノ速成ヲ見
  ルニ非サレハ鐵道本來ノ目的ヲ達シ難シ
  依テ政府ハ大洲中村間鐵道ヲ速成スルト
  共ニ南部海岸鐵道敷設ニ要スル經費ヲ豫
  算ニ計上シ速ニ工事ニ著手シ以テ四國循
  環鐵道ノ完成ヲ期セラレムコトヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一尾道今治間連絡施設ニ關スル建議案
  (河上哲太君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一中國勝山倉吉間鐵道速成ニ關スル建議
  案(豐田收君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一下北條倉吉間鐵道速成ニ關スル建議案
  (豊田收君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一若櫻新宮間鐵道敷設ニ關スル建議案
  (豐田收君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鳥取上井間鐵道電化ニ關スル建議案
  (豐田收君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一生山多里聞鐵道敷設ニ關スル建議案
  (豐田收君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一中國及四國連絡施設ニ關スル建議案
  (須之內品吉君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一智頭佐用間鐵道敷設速成ニ關スル建議
  案(豊田收君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一米子市ニ鐵道局設置ニ關スル建議案
  (矢野晋也君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一東海道線西ノ宮驛擴張ニ關スル建議案
  (前田房之助君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一白石中村間鐵道速成ニ關スル建議案
  (菅原傳君外七名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一栃尾鐵道國有移管ニ關スル建議案(加
  藤知正君外十二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一仙臺ヨリ古川ヲ經テ一ノ關ニ至ル鐵道
  敷設ニ關スル建議案(中島鵬六君外二
  名提出)
  一古川一ノ關間鐵道敷設ニ關スル建議案
  (菅原英伍君外四名提出)
  一仙臺古川間鐵道速成ニ關スル建議案
  (內ケ崎作三郞君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ三案ヲ併合シテ一案ト爲
  シ表題ヲ「他臺ヨリ古川メ經テ一ノ關ニ
  至ル鐵道敷設ニ關スル建議」トシ別紙ノ
  通修正スヘキモノト議決致候此段及報告
  候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  仙臺ヨリ古川ヲ經テ一ノ關ニ至ル鐵道
  敷設ニ關スル建議
  本鐵道ハ仙臺ヨリ古川ヲ經テ一ノ關ニ至
  ル鐵道ニシテ沿道一帶ハ無盡ノ資源ヲ豐
  藏スルモ交通機關完備セサルヲ以テ未タ
  之カ開拓ノ機運ニ至ラス爲メニ地方產業
  ハ遲遲トシテ振ハス文化ノ發達ニハ遲レ
  該地方ノ窮狀見ルニ忍ヒサルモノアリ故
  ニ本線敷設ハ宴ニ緊急ナル施設ナリト認
  ム依テ政府ハ此ノ實情ニ鑑ミ速ニ本線ヲ
  敷設ジ以テ此ノ地方ノ窮狀ヲ救濟シ國富
  ノ增進ニ資セラレムコトヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一尻内花輪間鐵道敷設ニ關スル建議案
  (中川原貞機君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一湖南鐵道敷設ニ關スル建議案(石射文
  五郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一野岩羽鐵道速成ニ關スル建議案(齋藤
  藤四郞君外二名提出)
  一野岩羽鐵道速成ニ關スル建議案(高橋
  元四郞君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ野
  岩羽鐵道速成ニ關スル建議」トシ別紙ノ
  通修正スヘキモノト議決致候此段及報告
  候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  野岩羽鐵道速成ニ關スル建議
  政府ハ山形縣米澤ヨリ日中ヲ經テ喜多方
  ニ至ル鐵道、福島縣上三寄ヨリ田島ヲ經
  栃木縣今市ニ至ル鐵道及栃木縣鹿沼ヨリ
  栃木ヲ經美城縣古河ニ至ル鐵道ヲ速成シ
  以テ運輸交通ノ發達ヲ促進セラレムコト
  ヲ望ム
  右決議ス
  報告書
  柳津小出間及只見古町間鐵道速成ニ關ス
  ル建議案(石射支五郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一柳津野澤間及坂下喜多方間鐵道敷設ニ
  關スル建議案(石射支五郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一川俣浪江間鐵道敷設速成ニ關スル建議
  案(粟山博君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一奧羽線福島米澤間電化速成ニ關スル建
  議案(栗山博君外三名提出)
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一前谷地氣紬沼間鐵道速成ニ關スル建議
  案(小山倉之助君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長用原茂輔殿
  報告書
  一有壁池月間鐵道敷設ニ關スル建議案
  (菅原英伍君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一浦河廣尾間帶廣高江間及靜内浦河間鐡
  道敷設速戒ニ關スル建議案(板谷順助
  君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長州原茂輔殿
  報告書
  一北海道鐵道敷設ニ關スル建議案(小池
  仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道伊達紋別、札幌間鐵道敷設速成
  ニ關スル建議案(板谷順動君外三名提
  出
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一室蘭港臨港鐵道速成ニ關スル建議案
  (岡本幹輔君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道邊別美瑛闘ニ停車場設置ニ關ス
  ル建議案(淺川浩君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一釧路港海陸連絡施設ニ關スル建議案
  (小池仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長用原茂輔殿
  報告書
  一鐵道運輸規程政正ニ關スル建議案不
  池仁郞君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長眞田銳𠮷
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道會及府縣會議員ニ對シ鐵道無賃
  乘車證交付ニ關スル建議案(水久保甚
  作君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔匹田銳吉君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=26

  ---

• 027・匹田鋭吉

  ○匹田銳吉君　日程第百七十五乃至第二百
  五十四ハ全部鐵道ニ關スル建議案デアリ
  やっ、委員會ヲ開キマシテ、八十一件ノ中
  下仁田三反田間鐵道敷設ニ關スル建議案、
  此一ツヲ除クノ外ハ、全部滿場一致ヲ以テ
  可決サレマシタ唯此決議ニ當リマシテ、
  斯樣ナ希望條件ガ提出ニナリマシテ、此希
  望條件モ併セテ決議シタノデアリマス、希
  望條件ヲ讀ミマス「鐵道建設ニ關スル建議
  案中事實上内立シ難キモノアラバ政府ハ
  宜シク調査ノ上適當ト認ムル線路ヲ採用セ
  ラレムコトヲ望ム」斯ウ云フノデアリマス、
  此段御報告致シマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=27

  ---

• 028・川原茂輔

  ○議長(用原茂輔君)　委員長ノ報告ニ御異
  議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=28

  ---

• 029・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ヌ、右八十件ハ何レモ委員長報告ノ通リ可
  決サレマシタ-日程第二百五十五乃至第
  三百十ハ、同一委員ニ付託シタル議案ナル
  ニ依リ、一括議題トナスニ御異議アリマセ
  ヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=29

  ---

• 030・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、日程第二百五十五、長野縣御牧原開發
  ニ關スル建議案外五十五件ハ、一括シテ委
  員長ノ報告ヲ求メマス-委員長土井權大
  君
  第二百五十五長野縣御牧原開發ニ關
  スル建議案(篠原和市君提出)
  (委員長報告)
  第二百五十六浮島沼整理干拓ニ關ス
  ル建議案(庄司良朗君提出)
  (委員長報告)
  第二百五十七雨龍原野土地改良ニ關
  スル建議案(神部爲藏君外五名提出)
  (委員長報告)
  第二百五十八静岡縣三方原國營開墾
  速戒ニ關スル建議案(井上剛一君外
  四名提出)(委員長報告)
  第二百五十九千曲川河畔ニ國立養鯉
  試驗場設置ニ關スル建議案(篠原和
  市君外二名提出)(委員長報告)
  第二百六十長野縣埴科郡ニ國立種禽
  場設置ニ關スル建議案(篠原和市君
  外一名提出)(委員長報告)
  第二百六十一北海道根室郡ニ國立種
  馬設置ニ關スル建議案(小池仁郞君
  外五名提出)(委員長報告)
  第二百六十二山陰道出雲國ニ國立農
  業倉庫設立ニ關スル建議案(原夫次
  郞君外三名提出)(委員長報告)
  第二百六十三廣島縣ニ國立農業倉庫
  設置ニ關スル建議案(藤田若水君外
  二名提出)(委員長報告)
  第二百六十四未穀法中改正ニ關スル
  建議案(宮澤裕君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二百六十五米價恢復維持ニ關ス
  建議案(加藤知正君提出)
  (委員長報告)
  第二百六十六米價政策ニ關スル建議
  案(三輪市太郞君外六十々石提出)
  (委員長報告)
  第二百六十七米穀價格政策ニ關スル
  建議案(胎中楠右衞門君外二名提出)
  (委員長報告)
  第二百六十八漁業奬勵ニ關スル建議
  案(原耕君提出)(委員長報告)
  第二百六十九遠洋漁業取締ニ關スル
  建議案(澤本與一君提出)
  (委員長報告)
  第二百七十沿岸漁業奬勵ニ關スル建
  議案(平川松太郞君提出)
  (委員長報告)
  第二百七十一漁船保險法制定ニ關ス
  ル建議案(平川松太郞君提出)
  (委員長報告)
  第二百七十二養蠶組合法制定ニ關ス
  ル建議案(加藤知正君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二百七十三產業組合製絲助長獎勵
  ニ關スル建議案(加藤知正君外八名
  提出)(委員長報告)
  第二百七十四神戶市立生絲檢査所國
  立移管ニ關スル建議案(中井一夫君
  提出)(委員長報告)
  第二百七十五宮崎鹿兒島兩縣下ニ於
  ケル官營製炭廢止ニ關スル建議案
  (矢野力治君外二名提出)
  (委員長報告)
  第二百七十六高知縣下ニ於ケル官行
  製炭事業廢止ニ關スル建議案(坂本
  志魯雄君外二名提出)(委員長報告)
  第二百七十七肥料政策ニ關スル建議
  案(三輪市太郞君外六十名提出)
  (委員長報告)
  第二百七十八自作農創設維持ニ關ス
  ル建議案(三輪市太郞君外五十七名
  提出)(委員長報告)
  第二百七十九沖繩縣渡久地漁港修築
  ニ關スル建議案(漢那憲和君外二名
  提出)(委員長報告)
  第二百八十沖繩縣渡久地漁港修築ニ
  關スル建議案(龜割安藏君外二名提
  出(委員長報告)
  第二百八十一沼津漁港修築ニ關スル
  建議案(庄司良朗君提出)
  (委員長報告)
  第二百八十二北海道漁港竝船入潤築
  設ニ關スル建議案(小池仁郞君外五
  名提出)(委員長報告)
  第二百八十三鹿兒島縣屋久島一湊灣
  ニ漁港築設ニ關スル建議案(岩川與
  助君提出)(委員長報告)
  第二百八十四鹿兒島縣種子島熊野ニ
  漁港築設ニ關スル建議案(岩川與助
  君提出)(委員長報告)
  第二百八十五宮崎縣美々津漁港修築
  ニ關スル建議案(矢野力治君提出)
  (委員長報告)
  第二百八十六宮崎縣島野浦漁港修築
  ニ關スル建議案(矢野力治君提出)
  (委員長報告)
  第二百八十七宮崎縣市振漁港修築ニ
  關スル建議案(矢野力治君提出)
  (委員長報告)
  第二百八十八宮崎縣福良漁港修築ニ
  關スル建議案(矢野力治君提出)
  (委員長報告)
  第二百八十九北海道伏古別漁港修築
  ニ關スル建議案(板谷順助君外一名
  提出)(委員長報告)
  第二百九十新湊漁港築設ニ關スル建
  議案)山田毅一君提出)(委員長報告)
  第二百九十一北海道甜菜糖業助長奬
  勵ニ關スル建議案(小池仁郞君外五
  名提出)(委員長報告)
  第二百九十二馬政振作ニ關スル建議
  案(中島鵬六君外一名提出)
  (委員長報告)
  第二百九十三農民保護法令制定ニ關
  スル建議案(水久保甚作君外一名提
  出(委員長報告)
  第二百九十四森林火災保險法制定ニ
  關スル建議案(矢野力治君提出)
  (委員長報告)
  第二百九十五林政調査會設置ニ關ス
  ル建議案(東〓實君外十名提出)
  (委員長報告)
  第二百九十六森林法中改正ニ關スル
  建議案(束〓實君外十名提出)
  (委員長報告)
  第二百九十七森林火災保險ニ關スル
  建議案(東〓實君外十名提出)
  (委員長報告)
  第二百九十八林野基本調査ノ速行ニ
  關スル建議案(磯部〓吉君外十名提
  也(委員長報告)
  第二百九十九林業金融ニ關スル建議
  案(磯部〓吉君外十名提出)
  (委員長報告)
  第三百部落有林野整理ニ關スル建議
  案(土井權大君外一名提出)
  (委員長報告)
  第三百一震災荒廢林地復舊促進ニ關
  スル建議案(鈴木英雄君外五名提出)
  (委員長報告)
  第三百二開墾ニ伴フ用排水主要工事
  國營ニ關スル建議案(池田龜治君外
  二名提出)(委員長報告)
  第三百三用排水幹線改良事業ニ關ス
  ル建議案(胎中楠右衞門君外三名提
  出)(委員長報告)
  第三百四相模川左岸用排水改良事業
  ニ關スル建議案(胎中楠右衞門君外
  三名提出)(委員長報告)
  第三百五公認競馬場移轉ニ關スル建
  議案(中川原貞機君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三百六農業倉庫相互保險ニ關スル
  建議案(池田龜治君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三百七地租委譲ノ場合ニ於ケル耕
  地整理施行地ノ特典維持ニ關スル建
  議案(池田龜治君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三百八收穫保險制度制定ニ關スル
  建議案(岩川與助君提出)
  (委員長報告)
  第三百九籾貯藏奬勵ニ關スル建議案
  (胎中楠右衞門君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三百十煉乳業保護ニ關スル建議案
  (山口恒太郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  報告書
  一長野縣御牧原開發ニ關スル建議案篠
  原和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一浮島沼整理干拓ニ關スル建議案(庄司
  良朗君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一雨龍原野土地改良ニ關スル建議案神
  部爲藏君外五提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一靜岡縣三方原國營開墾速成ニ關スル建
  議案(非上剛一君外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一千曲川河畔ニ國立養鯉試驗場設置ニ關
  スル建議案(篠原和市君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長野縣埴科郡ニ國立種禽場設置ニ關ス
  ル建議案(篠原和一君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道根室郡ニ國立種馬所設置ニ關ス
  ル建議案(小池仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一山陰道出雲國ニ國立農業倉庫設立ニ關
  スル建議案(原夫次郞君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一廣島縣ニ國立農業倉庫設置ニ關スル建
  議案(藤田若水君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一米穀法中改正ニ關スル建議案(宮澤裕
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一米價恢復維持ニ關スル建議案(加藤知
  正君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一米價政策ニ關スル建議案(三輪市太郞
  君外六十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一米穀價格政策ニ關スル建議案(胎中楠
  右衞門君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一漁業奬勵ニ關スル建議案(原耕君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一遠洋漁業取締ニ關スル建議葉(澤本與
  一君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一沿岸漁業奬勵ニ關スル建議案(平川松
  太郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  漁船保險法制定ニ關スル建議案(平川
  松太郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一養蠶組合法制定ニ關スル建議案(加藤
  知正君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一產業組合製絲助長獎勵ニ關スル建議案
  (加藤知正君外八名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一神戶市立生絲檢査所國立移管ニ關スル
  建議案(中井一夫君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書5
  一宮崎鹿兒島兩縣下ニ於ケル官營製炭廢
  止ニ關スル建議案(矢野力治君外二名
  提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノド議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一高知縣下ニ於ケル官行製炭事業廢止ニ
  關スル建議案(坂本志魯雄君外二名提
  出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井様大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一肥料政策ニ關スル建議案(三輪市太郞
  君外六十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一自作農創設維持ニ關スル建議案(三輪
  市太郞君外五十七名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一沖繩縣渡久地漁港修築ニ關スル建議案
  (漢那憲和君外二名提出)
  一沖繩縣渡久地漁港修築ニ關スル建議案
  (龜割安藏君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ雨案ヲ併合シ表題ヲ「沖
  繩縣渡久地漁港修築ニ關スル建議」トシ
  別紙ノ通修正スヘキモノト議決致候此段
  及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  沖繩縣渡久地漁港修築ニ關スル建議
  沖繩縣國頭郡本部村ノ鰹漁業ハ其ノ沿革
  頗ル古ク發達亦見ルヘキモノアリ大正九
  年初テ石油發動機船ノ建造ニ依リ漁場ノ
  擴張ヲ圖リ今ヤ更ニ進ムテ大型漁船ニ依
  リテ遠洋漁場ノ開拓ニ努力シツツアリ而
  シテ此等大小漁船ヲ收容スル渡久地港ハ
  沖繩本島北部ニ於ケル貨物ノ集散地ニシ
  テ文化ノ關門ナルノミナラス遠ク鹿兒島
  靜岡縣等ヨリ漁船ノ來泊スルモノ近年漸
  ク多キヲ加へ來レリ然ルニ同港ハ不幸ニ
  シテ港内水淺ク干潮時ニハ全ク干瀨ト爲
  リ滿潮時ト雖僅ニ五尺乃至八尺ヲ出テス
  港口附近亦遠淺ニシテ暗礁多ク船艇ノ操
  縱ハ平常ト雖極メテ困難ナリ況ヤ名物ノ
  颱風襲來スル際ニハ屢危險ヲ惹起シタル
  コトアリテ之カ修築ハ誠ニ焦眉ノ急務ニ
  屬ス然ルニ貧弱ナル村ノ財政ヲ以テシテ
  ハ到底如何トモスル能ハス窮之セル縣ノ
  財政亦之カ遂行ノ力ナキヲ遺憾トス是ニ
  於テカ擧縣一致政府當局ニ陳情セシコト
  一再ナラス當局亦吏員ヲ特派シテ現地ヲ
  調査セシメラレタルコトアリ依テ此ノ際
  政府ニ於テ之ヲ修築シ以テ沖縄縣下水產
  業發達ノ基礎ヲ與ヘラレムコトヲ望ム
  右建議ス
  報告書
  一沼津漁港修築ニ關スル建議案(庄司良
  朗君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道漁港竝船入澗築設ニ關スル建議
  案(小池仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鹿兒島縣屋久島一湊灣ニ漁港築設ニ關
  スル建議案(岩川與助君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鹿兒島縣種子島熊野ニ漁港築設ニ關ス
  ル建議案(岩川與助君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣美々津漁港修築ニ關スル建議案
  (矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣島野浦漁港修築ニ關スル建議案
  (矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣市振漁港修築ニ關スル建議案
  (矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣福良漁港修築ニ關スル建議案
  (矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道伏古別漁港修築ニ關スル建議案
  (板谷順助君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一新湊漁港築設ニ關スル建議案(山田毅
  一君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道甜菜糖業助長奬勵ニ關スル建議
  案(小池仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一馬政振作ニ關スル建議案(中島鵬六君
  外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一農民保護法令制定ニ關スル建議案(水
  久保甚作君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一森林火災保險法制定ニ關スル建議案
  (矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一林政調査會設置ニ關スル建議案(東〓
  實君外十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一森林法中改正ニ關スル建議案(東〓實
  君外十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一森林火災保險ニ關スル建議案(東〓實
  君外十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議决致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一林野基本調査ノ速行ニ關スル建議案
  (磯部〓吉君外十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一林業金融ニ關スル建議案(磯部〓吉君
  外十名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一部落有林野整理ニ關スル建議案(土井
  權大君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一震災荒廢林地復舊促進ニ關スル建議案
  (鈴木英雄君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一開墾ニ伴フ用排水主要工事國營ニ關ス
  ル建議案(池田龜治君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一用排水幹線改良事業ニ關スル建議案
  (胎中楠右衞門君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一相模川左岸用排水改良事業ニ關スル建
  議案(胎中楠右衞門君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一公認競馬場移轉ニ關スル建議案(中川
  原貞機君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一農業倉庫相互保險ニ關スル建議案池
  田龜治君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一地租委譲ノ場合ニ於ケル耕地整理施行
  地ノ特典維持ニ關スル建議案(池田龜
  治君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一收穫保險制度制定ニ關スル建議案(岩
  川與助君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一籾貯藏奬勵ニ關スル建議案(胎中楠右
  衞門君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一煉乳業保護ニ關スル建議案(山口恒太
  郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長土井權大
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔土井權大君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=30

  ---

• 031・土井權大

  ○土井權大君　日程第二百五十五、長野縣
  御牧原開發ニ關スル建議案外五十五件ハ、全
  會一致ヲ以テ可決致サレマシタ、特ニ篠原
  君、佐藤君、井上君ヨリ致サレマシテ「總テ
  此特別委員會ニ付託サレタル建議案ハ農村
  振興上最モ必要ナル案件デアルガ故ニ政府
  ハ豫算ノ許ス範圍ニ於テ速ニ其實現ヲ圖ル
  ベシ」斯ウ云フ希望條件ガアッタノデアリマ
  ス、此段御報告致シマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=31

  ---

• 032・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　委員長ノ報告ニ御異
  議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=32

  ---

• 033・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、孰レモ委員長報告ノ通リ可決セラレマ
  シタ-日程第三百十一乃至第三百四十八
  ハ同一委員ニ付託シタル議案ナルニ依リ、
  一括議題トナスニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=33

  ---

• 034・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、日程第三百十一、小諸郵便局昇格ニ關
  スル建議案外三十七件ハ、一括シテ議題ト
  致シマス、委員長ノ報告ヲ求メマス-委
  員長丹下茂十郞君
  第三百十一小諸郵便局昇格ニ關スル
  建議案(篠原和市君提出)
  (委員長報告)
  第三百十二大聖寺郵便局昇格ニ關ス
  ル建議案(箸本太吉君提出)
  (委員長報告)
  第三百十三宮崎縣上穗北村杉安ニ郵
  便局設置ニ關スル建議案(矢野力治
  君提出)(委員長報告)
  第三百十四宮崎縣西〓村小八重ニ郵
  便局設置ニ關スル建議案(矢野力治
  君提出)(委員長報告)
  第三百十五宮崎縣岩戶村煤市ニ郵便
  局設置ニ關スル建議案(矢野力治君
  提出)(委員長報告)
  第三百十六鹿兒島市ニ二等郵便局設
  置ニ關スル建議案(岩川與助君提出)
  (委員長報告)
  第三百十七長崎港基隆港間聯絡速達
  航路開始ニ關スル建議案(本田英作
  君外五名提出)(委員長報告)
  第三百十八北海道稚內ヨリ利尻禮文
  兩島ニ定期連絡航路開始ニ關スル建
  議案(淺川浩君外五名提出)
  (委員長報告)
  第三百十九石川縣舳倉島ニ發臺設置
  ニ關スル建議案(佐藤實君外一名提
  出(委員長報告)
  第三百二十戶崎鼻燈臺設置ニ關スル
  建議案(二見甚〓君提出)
  (委員長報告)
  第三百二十一沖繩縣下ニ燈臺設置ニ
  關スル建議案(漢那憲和君外二名提
  也(委員長報告)
  第三百二十二沖繩縣下ニ燈臺設置ニ
  關スル建議案(龜割安藏君外一名提
  出(委員長報告)
  第三百二十三電氣事業ニ關スル建議
  案(奧山龜藏君提出)(委員長報告)
  第三百二十四電氣事業ニ關スル建議
  案(平賀周君外二名提出)
  (委員長報告)
  第三百二十五電氣事業ニ關スル建議
  案(井坂豐光君提出)(委員長報告)
  第三百二十六電話事業改善ニ關スル
  建議案(平賀周君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三百二十七無線電信裝置ニ關スル
  建議案(小池仁郞君外五名提出)
  (委員長報告)
  第三百二十八北海道利尻禮文兩島ニ
  無線電話設置ニ關スル建議案(淺川
  浩君外五名提出)(委員長報告)
  第三百二十九室蘭港ニ海事部出張所
  設置ニ關スル建議案(岡本幹輔君外
  五名提出)(委員長報告)
  第三百三十北海道金田岬暗礁ニ航路
  標識設置ニ關スル建議案(淺川浩君
  外五名提出)(委員長報告)
  第三百三十一電信電話柱及支柱敷地
  手當增額竝支給方法改善ニ關スル建
  議案(丹下茂十郞君提出)
  (委員長報告)
  第三百三十二自動車製造工業ニ對シ
  國庫補助ニ關スル建議案(倉元要一
  君外九名提出)(委員長報告)
  第三百三十三鑛業助成ニ關スル建議
  案(横堀治三郞君提出)(委員長報告)
  第三百三十四煙害防止水源涵養ニ關
  スル建議案(武藤七郞君外二名提出)
  (委員長報告)
  第三百三十五栃木縣ニ高等染織工業
  試驗場及國際染織參考館設置ニ關ス
  ル建議案(栗原彥三郞君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三百三十六金產出奬勵ニ關スル建
  議案(成〓信愛君外二名提出)
  (委員長報告)
  第三百三十七小商工業者保護ニ關ス
  ル建議案(平賀周君外三名提出)
  (委員長報告)
  第三百三十八執達吏登用規則中改正
  ニ關スル建議案(土屋〓三郞君提出)
  (委員長報告)
  第三百三十九北海道帶廣町ニ地方栽
  判所設置ニ關スル建議案(小池仁郞
  君外五名提出)(委員長報告)
  第三百四十室蘭區裁判所ニ地方裁判
  所支部設置ニ關スル建議案(岡本幹
  輔君外五名提出)。(委員長報告)
  第三百四十一福井縣志津村ノ裁判所
  管轄區域變更ニ關スル建議案(佐々
  木久二君提出)(委員長報告)
  第三百四十二名古屋市ニ少年審判所
  竝矯正院設置ニ關スル建議案(椎尾
  辨匡君外一名提出)(委員長報告)
  第三百四十三八重山區裁判所復舊ニ
  關スル建議案(花城永渡君提出)
  (委員長報告)
  第三百四十四鹿兒島縣垂水町ニ專賣
  局分工場設置ニ關スル建議案(永田
  良吉君提出)(委員長報告)
  第三百四十五小樽港ニ港務部設置ニ
  關スル建議案(山本厚三君外五名提
  出(委員長報告)
  第三百四十六政府ノ保護監督ヲ受ク
  ル會社及組合ノ會計檢査ニ關スル建
  議案(篠原和市君外四名提出)
  (委員長報告)
  第三百四十七亞炭鑛區稅免除ニ關ス
  ル建議案(丹下茂十郞君提出)
  (委員長報告)
  第三百四十八在支商工業者ニ對スル
  資力補救竝之カ發展策ニ關スル建議
  案(三好榮次郞君提出)(委員長報告)
  報告書
  一小諸郵便局昇格ニ關スル建議案(篠原
  和市君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一大聖寺郵便局昇格ニ關スル建議案箸
  本太吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣上穂北村杉安ニ郵便局設置ニ關
  スル建議案(矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣西〓村小八重ニ郵便局設置ニ關
  スル建議案(矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一宮崎縣岩戶村煤市ニ郵便局設置ニ關ス
  ル建議案(矢野力治君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鹿兒島市ニ二等郵便局設置ニ關スル建
  議案(岩川與助君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一長崎港基隆港間聯絡速達航路開始ニ關
  スル建議案(本田英作君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道稚内ヨリ利尻禮文兩島ニ定期連
  絡航路開始ニ關スル建議案(淺川浩君
  外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一石川縣舳倉島ニ橙臺〓直ニ關スル建議
  案(佐藤實君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一戶崎鼻燈臺設置ニ關スル建議案(二見
  甚〓君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一沖繩縣下ニ燈臺設置ニ關スル建議案
  (漢那憲和君外二名提山山)
  一沖繩縣下ニ燈臺設置ニ關スル建議案
  (龜割安藏君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ雨案ヲ併合シ表題ヲ沖
  繩縣ニ燈臺設置ニ關スル建議」トシ別紙
  ノ通修正スヘキモノト議決致候此段及報
  告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  沖繩縣下ニ燈臺ニ關スル建議
  沖繩縣島尻郡喜屋武崎ハ沖繩本島ノ
  南端ニ突出シ同島東西交通ノ要衝ニ當
  ルノミナラス又南西諸島臺灣間ヲ連絡
  スル航路ノ重點ニ位ス且其ノ近海ハ頗
  ル豐富ナル漁場ニシテ出漁者多キ所屢
  目標ヲ失ヒテ漂流ノ災厄ヲ蒙ムルコト
  アリ
  二同縣宮古郡宮古島ノ北方ニ廣延スル
  八重干瀬ハ南西諸島臺灣間ヲ連絡スル
  航路ノ要衝ニ當ルノミナラス、又狩俣
  錨地ニ出入スル船舶ノ航路ニ橫ハリ航
  船ノ妨害ヲ爲スコト甚シク內外大小ノ
  船舶之ニ觸レテ生命財產ノ喪ハレタル
  モノ少カラス就中最著名ナルハ去ル明
  治三十五年六月帝國驅逐艦東雲ノ遭難
  ナリ是ヲ以テ狩俣錨地ニ出入スル船舶
  ハ深ク之ヲ恐レ必ス天明ヲ待テ此ノ地
  點ニ近ツクノ已ムヲ得サルニ至リ不利
  不便少カラス剩へ宮古列島ノ地勢低平
  目標ニ乏シキハ一層航海者ヲ困感セシ
  ム尙同礁ハ宮古郡鰹漁業ノ根據地トモ
  謂フヘキ池間島ニ近ク出入ノ漁船悉ク
  之ニ近接セサルヘカラサル必要アリ依
  テ喜屋武崎及八重干瀨ニ燈臺ヲ建設ス
  ルハ交通產業上缺クヘカラサルコトト謂
  ハサルヘカラス政府ハ宜シク速ニ調査
  ヲ遂ケ此ノ必要ニ應セラレムコトヲ望
  ム
  右建議ス
  報告書
  一電氣事業ニ關スル建議案(奧山龜藏君
  提出)
  一電氣事業ニ關スル建議案(平賀周君外
  二名提出)
  一電氣事業ニ關スル建議案(井坂豊光君
  提出)
  右ハ本院ニ於テ三案ヲ併合シテ一案ト爲
  シ表題ヲ「電氣事業ニ關スル建議」トシ
  別紙ノ通修正スヘキモノト議決致候此段
  及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  電氣事業ニ關スル建議
  電力供給區域ノ獨占及供給馬力ノ制限ヲ
  廢止シ料金ノ最高限度ヲ定ムヘシ
  右建議ス
  報告書
  一電話事業改善ニ關スル建議案(平賀周
  君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一無線電信装置ニ關スル建議案(小池仁
  郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道利尻禮文兩島ニ無線電話設置ニ
  關スル建議案(淺川浩君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一室蘭港ニ海事部出張所設置ニ關スル建
  議案(岡本幹輔君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘモノト議決致候
  此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道金田岬暗礁ニ航路標識設置ニ關
  スル建議案(淺川浩君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長河原茂輔殿
  報告書
  一自動車製造工業ニ對シ國庫補助ニ關ス
  ル建議案(倉元要一君外九名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鑛業助成ニ關スル建議案(横堀治三郞
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一煙害防止水源涵養ニ關スル建議案武
  藤七郞君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一栃木縣ニ高等染織工業試驗場及國際染
  織參考館設置ニ關スル建議案(栗原彥
  三郞君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一金產出奬勵ニ關スル建議案(成〓信愛
  君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小商工業者保護ニ關スル建議案(平賀
  周君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一執達吏登用規則中改正ニ關スル建議案
  (土屋〓三郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道帶廣町ニ地方裁判所設置ニ關ス
  ル建議案(小池仁郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一電信電話柱及支柱敷地手當增額竝支給
  方法改善ニ關スル建議案(丹下茂十郞
  君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一室蘭區裁判所ニ地方裁判所支部設置ニ
  關スル建議案(岡本幹輔君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一福井縣志津村ノ裁判所管轄區域變更ニ
  關スル建議案(佐々木久二君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スへキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一名古屋市ニ少年審判所竝矯正院設置ニ
  關スル建議案(椎尾辨匡君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一八重山區裁判所復舊ニ關スル建議案
  (花城永渡君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一鹿兒島縣垂水町ニ專賣局分工場設置ニ
  關スル建議案(永田良吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一小樽港ニ港務部設置ニ關スル建議案
  (山本厚三郞君外五名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一政府ノ保護監督ヲ受クル會社及組合ノ
  會計檢査ニ關スル建議案(篠原和市君
  外四名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一亞炭鑛區稅免除ニ關スル建議案(丹下
  茂十郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一在支商工業者ニ對スル資力補救竝之カ
  發展策ニ關スル建議案(三好榮次郞君
  提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長丹下茂十郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔丹下茂十郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=34

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• 035・丹下茂十郎

  ○丹下茂十郞君　日程第三百十一、小諸郵
  便局昇格ニ關スル建議案、篠原和市君提出、
  外三十七件ノ委員會ノ經過竝結果ヲ御報告
  申上ゲマス、其中日程三百二十一及三百二
  十二ハ、是ハ沖繩縣下ニ燈臺設置ニ關スル
  建議案デアリマシテ、同一ノ案デアリマス
  ガ故ニ、漢那憲和君外二名ノ提出ノ建議案
  ニ合併シテ審議スルコトニ致シマシタ、尙
  ホ日程三百二十三乃至三一百二十五ハ、電氣
  事業ニ關スル建議案デアリマシテ、是亦同
  一ノ案デアリマスカ故ニ、平賀周君二名ノ
  提出ノ案ニ合併致シマシテ審議致シマシ
  タ、而シテ此案ハ孰レモ適切且ツ必要ナル
  建議案トシテ可決セラレマシタ、以上御報
  告申上ゲマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=35

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• 036・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　委員長報告ニ御異議
  アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=36

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• 037・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ三十八案ハ孰レモ委員長報告ノ
  通リ可決致シマシタ-日程第三百四十九
  乃至三百五十一ハ、同一委員ニ付託シタル
  議案ナルニ依リ、一括議題トナスニ御異議
  アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=37

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• 038・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ヌ、日程第三百四十九、雪害調査機關設置
  ニ關スル建議案外二件ヲ一括シテ、委員長
  ノ報告ヲ求メマスー委員長木下成太郞君
  第三百四十九雪害調査機關設置ニ關
  スル建議案(松岡俊三君外七名提出)
  (委員長報告)
  第三百五十雪害調査機關設置ニ關ス
  ル建議案(永井柳太郞君外五名提出)
  (委員長報告)
  第三百五十一雪害調査機關設置ニ關
  スル建議案(熊谷五右衞門君外一名
  提出)(委員長報告)
  報告書
  一雪害調査機關設置ニ關スル建議案松
  岡俊三君外七名提出)
  一雪害調査機關設置ニ關スル建議案(永
  井柳太郎君外五名提出)
  一雪害調査機關設置ニ關スル建議案熊
  谷五右衞門君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ三案ヲ併合シテ一案ト爲
  シ表題ヲ「雪害調査機關設置ニ關スル建
  議トシ別紙ノ通修正スヘキモノト議決
  致候此段及報告候也
  昭和四年三月二十四日
  委員長木下成太郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  雪害調査機關設置ニ關スル建議
  政府ハ速ニ雪害ノ調査會ヲ設置スヘシ
  右建議ス
  附帶決議
  政府ハ豫備金支出ニ依リ昭和四年度ニ於
  テ雪害調査機關ヲ設置スヘシ
  〔木下成太郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=38

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• 039・木下成太郎

  ○木下成太郞君　御報告ヲ申上ゲマス、雪
  害調査機關設置ニ關スル建議案デアリマス
  ガ、本案ハ政友會ノ松岡俊三君外數名、及
  ビ民政黨ノ永井、小池兩君外數名、新黨俱
  樂部ノ熊谷五右衞門君外諸君ノ提案ニ係ル
  モノヲ、ソレヲ審議致シタノデアリマス、
  昨日午前ヨリ午後ニ亙リマシテ愼重ニ審議
  ヲ致シマシテ、サウシテ原案ノ通リ決定ヲ
  致シタノデアリマスガ、議員田子一民君ヨ
  リ致シマシテ、本件ハ最モ急施ヲ要スルモ
  ノデアル、政府ヲシテ至急ニ此機關ヲ設置
  セシムル要ガアルカラ、豫備金ヨリ此費用
  ヲ支出セシメテモ、昭和四年度ヨリ此事ヲ
  實行致シタイト云フ附帶決議ガ出タノデア
  リマス、仍テ政府モ之ニ同意ヲ致シマシ
  テー但シ此急施ノ程度ハ更ニ政府ハ調査
  ヲ致スノデアリマセウ、隨テ各派ノ共同致
  シタ此希望デアリマスガ故ニ、御互ガ政府
  ヲ鞭韃シテ、此實行ノコトニ努メナケレバ
  ナラヌト思ヒマス、就キマシテハ本案ニ對
  シテ永井柳太郞君カラシテ、賛成ノ演說ガ
  アル筈デアリマスルカラ、是ハドウゾ御聽
  取願ヒタイト思ヒマス、以上委員會ノ經過
  ヲ御報告申上ゲテ置キマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=39

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• 040・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御報告ニ御異議アリ
  マセヌカ
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=40

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• 041・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ委員長報告ノ通リ可決セラレマシ
  タ-議事進行ニ關シテ村松恒一郞君ヨリ
  發言ノ通告ガアリマス-村松恒一郞君
  〔村松恒一郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=41

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• 042・村松恒一郎

  ○村松恒一郞君　會期切迫ノ場合デアリマ
  スカラ、成ベク差控へタイト思ヒマシタガ、
  極メテ問題ハ重要デアリマスカラ、極ク簡
  單ニ一言致シタイト思ヒマス、ソレハ議事
  ノ進行ニ關シテ、建議案ノ取扱方ニ付キ、
  將來ノ爲ニ議長ニ御願ヲシテ置キタイト云
  フ事柄デアリマス、今日三百五十一件ノ建
  議案ガ短時間ニ、咄嗟ノ間ニ大部分可決セ
  ラレマシタト云フコトハ洵ニ結構ナコト
  デアリマスルガ、併ナガラ一面建議案ノ性
  質ニ鑑ミテ、甚ダ私ハ遺憾ニ考へルノデア
  リマス、言フマデモナク建議ハ議員ノ權能ニ
  於ケル極メテ大切ナモノデアルニモ拘ラ
  ズ、今回ハ本議會ニ於キマシテハ大問題
  ガ連續シテ提出サレマシタ關係モゴサイマ
  セウガ、開院式以來提出セラレタ建議案ガ
  三百五十一件ト云フモノ之ヲ一括シテ今
  日最後ノ日ニ上程セラルヽト云フヤウナ有
  樣デアル、ソレガ爲ニ提案者トシテモ提案
  ノ理由ヲ說明スル機會モナイシ、又委員會
  ニ於キマシテモ、政府ト意見ヲ交換スルト
  云フ機會モナイシ、殆ド謂ハミ闇カラ闇ニ
  葬ラレルト云フヤウナ有樣デ、是ハ甚ダ私
  ハ此建議案其モノヽ權威ノ爲ニ遺憾ニ考ヘ
  ルノデアリマス(拍手)現在ノ狀態ニ於キマ
  シテハ、殆ド請願ヨリモ、價値ノナイモノ
  ノ如クニ思ハレテモ、致方ナイト云フ狀態
  デアリマス、ソコデ是ハ先刻誰方カ、委員
  長カラモ御希望ガアリマシタガ、私モ至極
  御同感ノコトデアリマシテ、將來モウ少シ
  此建議案ト云フモノヲ、權威ノアルモノニ
  致シタイト思フノデアリマス、ソレニ付キ
  マシテハ御說ノ通リ、常設ノ委員ヲ設ケル
  ト云フコトモ、一ツノ方法デアリマセウガ、
  是ハ議院法ノ改正其他ノ手續モ要スル譯デ
  アリマスカラ、先ヅ應急ノ方法ト致シマシ
  テハ將來次ノ議會ニ於キマシテハ、提出ノ
  度每ニ上程ヲセラレマシテ、之ヲ委員ニ付
  託ヲシテ、後カラ出タモノモ順次ニ之ヲ上
  程シテ、其同ジ委員ニ付託ヲシテ、サウシ
  テ政府トノ意見ノ交換モ致シ、可決スベキ
  モノハ可決ヲスル否決スベキモノハ否決
  ヲスルト云フヤウニ、愼重審議ヲ重ネテ、
  初メテ其建議案ト云フモノモ權威ヲ生ズル
  コトデアラウト思フノデアリマスカラ、議長
  ハ將來此次ノ議會ヨリ、右ノ如キ方法ヲ執
  ラレンコトヲ希望スルノデアリマス、殆ド
  九十日間、提出セラレタ建議案ヲ、如何ニ
  一院限リノモノデアルカラ、後デモ宜シイ
  カラト云ッテ、最終ノ日マデ其儘打チヤッテ置
  クコトハ、無論此議院ヲ輕視スルモノデア
  ラウト思フノデアリマス、ドウカ此點ニ付
  キマシテハ議長ハ適當ナル方法ヲ執ラレ
  ンコトヲ希望致スノデアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=42

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• 043・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　議長

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=43

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• 044・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　一寸御待チ下サ
  イ-村松君ノ議事進行ニ關スル御發言
  ハ、洵ニ必要ナルコトヽ存ジマスガ此度
  ハ已ムヲ得ザル所デアリマス、御希望ニ付
  テハ將來考究致シタイト思フノデアリマ
  ス-原惣兵衞君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=44

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• 045・原惣兵衞

  ○原惣兵衛君　日程第三百五十二及第三百
  五十三ハ暫ク後廻シニセラレンコトヲ望
  ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=45

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• 046・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御異議
  アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=46

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• 047・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ是ヨリ請願ニ移リマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=47

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• 048・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　請願第八十八及第二百、醫
  藥分業實施ノ請願ハ、是ハ後廻シニセラレ
  ンコトヲ望ミマス
  〔「贊成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=48

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• 049・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御異議
  ナシト認メテ後廻シニスルコトニ決シマ
  ス、請願日程第一乃至第二百一ノ中、八十
  八二百ヲ除キタル請願全部ヲ一括シテ議
  題トナスニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼ヲ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=49

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• 050・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ委員長ノ報告ヲ求メマス-委員
  長岡田伊太郞君
  請願
  第(特別報告第二號)一時賜金癈兵
  ニ對スル恩給支給法制定卽行ニ關ス
  ル請願外三件(委員長報告)
  第二(特別報告第六號)婦人ニ公民權
  付與ニ關スル請願外二件
  (委員長報告)
  第三(特別報告第七號)明治記念國立
  大公園設定ノ請願(委員長報告)
  第四(特別報告第一八號)軍人傷痍記
  章令改正卽行ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第五(特別報告第三〇號)長崎縣ニ高
  等水產〓育機關設置ノ請願
  (委員長報告)
  第六(特別報告第三九號)雨龍、美深
  間鐵道敷設ノ請願(委員長報告)
  第七(特別報告第四三號)栃尾鐵道國
  有移管ニ關スル講願(委員長報告)
  第八(特別報告第四七號)町村吏員恩
  給法制定ノ請願(委員長報告)
  第九(特別報告第五一號)人造絹織物
  消費稅撤廢ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第十(特別報告第五七號)多度津港ヲ
  重要港灣ニ指定ノ請願(委員長報告)
  第十一(特別報告第五八號)多度津港
  改修ニ對シ國庫補助ノ請願
  (委員長報告)
  第十二(特別報告第六四號)地租移讓
  ノ場合ニ於ケル耕地整理施行地ノ特
  典維持ニ關スル請願(委員長報告)
  第十三(特別報告第六六號)苫前漁港
  修築ノ請願(委員長報告)
  第十四(特別報告第六七號)齒前村ニ
  漁港築設ノ請願(委員長報告)
  第十五(特別報告第六九號)紋別港修
  築工事擴張ノ請願(委員長張告)
  第十六(特別報告第九三號)東京帝國
  大學農學部附屬農業〓員養成所獨立
  ノ請願外一件(委員長報告)
  第十七(特別報告第九五號)福知山線
  池田驛ヲ川西驛ニ改稱ノ請願
  (委員長報告)
  第十八(特別報告第一〇五號)士別、
  苫前間鐵道敷設ノ請願(委員長報告)
  第十九(特別報告第一一二號)雄武、
  枝幸間鐵道速成ノ請願(委員長報告)
  第二十(特別報告第一一五號)帶廣、
  廣尾間鐵道速成ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第二十一(特別報告第一一六號)瀧ノ
  上、上川間鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第二十二(特別報告第一二二號)時
  賜金癈兵ニ對スル思給支給法制定卽
  行ニ關スル請願外十件(委員長報告)
  第二十三(特別報告第一二八號)婦人
  ニ公民權付與ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第二十四(特別報告第一二九號)軍人
  傷痍記章令改正卽行ニ關スル請願外
  十二件(委員長報告)
  第二十五(特別報告第一四三號)安倍
  川改修工事速成ニ關スル講願
  (委員長報告)
  第二十六(特別報告第一四四號)小貝
  川改修速成ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第二十七(特別報告第一五二號)美國
  港修築ノ請願(委員長報告)
  第二十八(特別報告第一五三號)壽都
  漁港修築ノ請願(委員長報告)
  第二十九(特別報告第一五四號)根室
  町ニ國立種馬所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第三十(特別報告第一五八號)大臺ケ
  原山及大峰山脈ヲ中心トスル國立公
  園設定ノ請願(委員長報告)
  第三十一(特別報告第一七二號)志津
  村ヲ福井區裁判所管轄ニ變更ノ請願
  (委員長報告)
  第三十二(特別報告第一七八號)尻
  内毛馬内間鐵道敷設ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第三十三(特別報告第一八一號)濱頓
  別、枝幸間鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第三十四(特別報告第一八三號)天鹽
  沿岸鐵道速成ノ請願(委員長報告)
  第三十五(特別報告第一八九號)時
  賜金癈兵ニ對スル恩給支給法制定卽
  行ニ關スル請願外八件(委員長報告)
  第三十六(特別報告第一九三號)婦人
  ニ公民權付與ニ關スル請願外三十五
  件(委員長報告)
  第三十七(特別報告第一九六號)軍人
  創痍記章令改正卽行ニ關スル請願外
  七件(委員長報告)
  第三十八(特別報告第二〇八號)根室
  港修築ニ關スル請願(委員長報告)
  第三十九(特別報告第二一二號)足尾
  銅山煙毒除害竝水源涵養ノ請願
  (委員長報告)
  第四十(特別報告第二三九號)金澤、
  八尾間鐵道速成ノ請願(委員長報告)
  第四十一(特別報告第二四五號)時
  賜金癈兵ニ對スル恩給支給法制定卽
  行ニ關スル請願外五件(委員長報告)
  第四十二(特別報告第二五〇號)軍人
  傷痍記章令改正卽行ニ關スル請願外
  五件(委員長報告)
  第四十三(特別報告第二五二號)東京
  帝國大學農學部附屬農業〓員養成所
  獨立ノ請願外一件(委員長報告)
  第四十四(特別報告第二六一號)時
  賜金癈兵ニ對スル恩給支給法制定卽
  行ニ關スル請願外二件(委員長報告)
  第四十五(特別報告第二七〇號)軍人
  傷痍記章令改正卽行ニ關スル請願外
  二件(委員長報告)
  第四十六(特別報告第二七一號)東京
  帝國大學農學部附屬農業〓員養成所
  獨立ノ請願外一件(委員長報告)
  第四十七(特別報告第二七三號)藤原
  光親卿外四卿ヲ奉祀スル別格官幣社
  創建ノ請願(委員長報告)
  第四十八(特別報告第二七九號)水〓
  利根ヲ國立公園ニ指定ノ請願
  (委員長報告)
  第四十九(特別報告第二八〇號神奇奇
  郡ヲ姫路聯隊區管轄ニ編入ノ請願
  (委員長報告)
  第五十(特別報告第二八一號)宍粟郡
  ヲ姫路聯隊區ニ編入ノ請願外一件
  (委員長報告)
  第五十一(特別報告第三〇六號)金田
  亢岬沖合暗礁ニ航路標識設置ノ請願
  (委員長報告)
  第五十二(特別報告第三〇七號)稚
  内、夙禮文閣定期補助航路開始
  ノ上計麗(委員長報告)
  第五十三(特別報告第三一三號)夕張
  川治水速成ノ請願(委員長報告)
  第五十四(特別報告第三一七號)本建
  築著手猶豫ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第五十五(特別報告第三二一號)大津
  村厚內漁港修築ノ請願(委員長報告)
  第五十六(特別報告第三二二號)厚田
  漁港修築ニ關スル請願(委員長報告)
  第五十七(特別報告第三二三號)瀨棚
  港修築ノ請願(委員長報告)
  第五十八(特別報告第三二四號)辨邊
  村ニ漁港築設ノ請願(委員長報告)
  第五十九(特別報告第三三九號)國際
  補助語「エスペラント」ヲ小、中學校
  〓科目ニ編入ノ請願(委員長報告)
  第六十(特別報告第三四〇號)日本
  「エスペラント」學會ニ對スル國庫補
  助竝獎勵ノ請願(委員長報告)
  第六十一(特別報告第三四一號)人工
  降雨法〓究所ニ對シ國庫補助ノ請願
  (委員長報告)
  第六十二(特別報告第三四二號)私立
  中等學校ニ國庫補助金交付ノ請願外
  件(委員長報告)
  第六十三(特別報告第三四三號)旭川
  市ニ官立高等工業學校設置ノ請願
  (委員長報告)
  第六十四(特別〓〓第三四七號)仙
  臺、古川、一關間ニ鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第六十五(特別報告第三四九號)尼崎
  市ニ臨港鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第六十六(特別報告第三五〇號)深川
  町下蘆別間鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第六十七(特別報告第三五二號)湖南
  鐵道敷設ノ請願(委員長報告)
  第六十八(特別報告第三五四號)柳
  津、小出間及只見、古町間鐵道速成
  ノ請願(委員長報告)
  第六十九(特別報告第三五六號)中
  村、白石間鐵道速成ノ請願外九件
  (委員長報告)
  第七十(特別報告第三五八號)比布、
  愛別間鐵道速成ノ請願外一件
  (委員長報告)
  第七十一(特別報告第三六九號)失效
  賣藥既貼印紙戾稅ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第七十二(特別報告第三七〇號)〓凉
  飮料稅撤廢ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第七十三(特別報告第三七一號)玉川
  宮岩宮八幡宮再興ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第七十四(特別報告第三七二號)千歳
  川改修竝沿岸土地改良工事施行ニ關
  スル請願(委員長報告)
  第七十五(特別報告第三七三號)由良
  川改修速成ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第七十六(特別報告第三七四號)境港
  修築速成ニ關スル請願(委員長報告)
  第七十七(特別報告第三七五號)北海
  道旣設土功組合救濟ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第七十八(特別報告第三七六號)癩患
  者自由療養地區設定ノ請願
  (委員長報告)
  第七十九(特別報告第三七七號)水力
  電氣事業ト林產物輸送トノ調和ニ關
  スル請願(委員長報告)
  第八十(特別報告第三七八號)造林助
  成法制定ニ關スル請願(委員長報告)
  第八十一(特別報告第三七九號)林產
  物運搬設備助成擴張ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第八十二(特別報告第三八〇號)相良
  漁港修築ノ請願(委員長報告)
  第八十三(特別報告第三八一號)鰺ケ
  澤漁港修築ノ請願(委員長報告)
  第八十四(特別報告第三八二號)遭難
  漁業者竝遭難漁船救恤費國家補助ニ
  關スル請願(委員長報告)
  第八十五(特別報告第三八三號)森林
  火災保險國營竝林業金融ニ關スル請
  願(委員長報告)
  第八十六(特別報告第三八四號)保險
  物評價委員設置ニ關スル法律制定ノ
  請願(委員長報告)
  第八十七(特別報告第三八五號)度量
  衡法中改正ニ關スル請願外十五件
  (委員長報告)
  第八十九(特別報告第三八七號)〓野
  原飛行場ニ陸海軍飛行隊設置ノ請願
  (委員長報告)
  第九十(特別報告第三八八號)舞鶴軍
  港廢止ニ伴フ個人救濟ノ請願
  (委員長報告)
  第九十一(特別報告第三八九號)垂水
  町大字海潟ニ無集配郵便局設置ノ請
  願(委員長報告)
  第九十二(特別報告第三九〇號)三神
  村郵便取扱所ヲ無集配郵便局ニ改定
  ノ請願(委員長報告)
  第九十三(特別報告第三九一號)白河
  町字田町ニ無集配郵便局設置ノ請願
  (委員長報告)
  第九十四(特別報告第三九二號)肥田
  村ニ無集配郵便局設置ノ請願
  (委員長報告)
  第九十五(特別報告第三九三)號詫間
  村大字松崎ニ集配郵便局設置ノ請願
  (委員長報告)
  第九十六(特別報告第三九四號)原別
  村ニ三等郵便局設置ノ請願
  (委員長報告)
  第九十七(特別報告第三九五號)神前
  村ニ郵便局設置ノ請願(委員長報告)
  第九十八(特別報告第三九六號)佐分
  利郵便局ニ集配事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第九十九(特別報告第三九七號)足代
  郵便局ニ集配事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第百(特別報告第三九八號)町屋郵便
  取扱所ヲ集配局ニ改定ノ請願
  (委員長報告)
  第百一(特別報告第三九九號)府中郵
  便局ヲ二等局ニ昇格ノ請願
  (委員長報告)
  第百二(特別報告第四〇〇號)志發、
  多樂、水晶、勇留ノ四島ニ無線電信
  局設置ノ請願(委員長報告)
  第百三(特別報告第四〇一號)小野町
  ヨリ阪神へ直通電話架設ノ請願
  (委員長報告)
  第百四(特別報告第四〇二號)千歳村
  字ママチニ航空場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百五(特別報告第四〇三號)小鳥谷
  村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百六(特別報告第四〇四號)金ケ崎
  町ニ水澤區裁判所出張所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百七(特別報告第四〇五號)中頓別
  ニ區裁判所設置ノ請願(委員長報告)
  第百八(特別報告第四〇六號)帶廣區
  裁判所ニ地方裁判所支部設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百九(特別報告第四〇七號)木竹薪
  炭其ノ他ノ鐵道賃輕減ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百十(特別報告第四〇八號)魚沼輕
  便線軌條改良竝延長ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百十一(特別報告第四〇九號)伊達
  紋別、れ幌間鐵道敷設ノ請願外一件
  (委員長報告)
  第百十二(特別報告第四一〇號)乙知
  部、中頓別間鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第百十三(特別報告第四一一號)水
  澤、十文字間鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第百十四(特別報告第四一二號)水
  澤、盛町間鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第百十五(特別報告第四一三號)大宮
  靑梅間鐵道敷設ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百十六(特別報告第四一六號)夕張
  川治水工事速成ノ請願(委員長報告)
  第百十七(特別報告第四一八號)中
  村、白石間鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百十八(特別報告第四一九號)上士
  幌瀧ノ上間鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百十九(特別報告第四二〇號)帶
  廣、高江間鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十(特別報告第四二一號)日勝
  線速成ノ請願(委員長報告)
  第百二十一(特別報告第四二二號)始
  路津山間鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十二(特別報告第四二三號)勝
  田、上菅谷間鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十三(特別報告第四二四號)岡
  崎、多治見間鐵道速成ノ請願外一件
  (委員長報告)
  第百二十四(特別報告第四二五號)根
  室本線ヲ砂川驛分岐ニ變更ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十五(特別報告第四二六號)琴
  似村字新琴似ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十六(特別報告第四二七號)佐
  用町ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十七(特別報告第四二八號)邊
  別美瑛間ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十八(特別報告第四二九號)高
  津町ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百二十九(特別報告第四三〇號)吾
  〓村大字乙原ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百三十(特別報告第四三一號)谷峨
  信號場ヲ普通驛ニ變更ノ請願
  (委員長報告)
  第百三十一(特別報告第四三二號)苦
  竹信號所ヲ普通驛ニ變更ノ請願
  (委員長報告)
  第百三十二(特別報告第四三三號)踏
  切改良其ノ他ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百三十三(特別報告第四三四號)常
  總鐵道買收ニ關スル請願外一件
  (委員長報告)
  第百三十四(特別報告第四三五號)日
  本電氣鐵道株式會社設立許可促進ニ
  關スル請願(委員長報告)
  第百三十五(特別報告第四三六號)拓
  殖產業會館設立ノ請願(委員長報告)
  第百三十六(特別報告第四三七號)朝
  鮮人訴訟代理業者ニ辯士資格付與
  ノ請願(委員長報告)
  第百三十七(特別報告第四三八號)北
  米合衆國菜豆關稅引上ノ善後楷置ニ
  關スル請願(委員長報告)
  第百三十八(特別報告第四三九號)甘
  藷燒酎稅率引下ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百三十九(特別報告第四四〇號)煙
  草耕作者救濟ニ關スル請願外六件
  (委員長報告)
  第百四十(特別報告第四四一號)目黑
  町ニ煙草元賣捌店設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百四十一(特別報告第四四二號)再
  製鹽原料拂下價格ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百四十二(特別報告第四四三號)曾
  根八幡宮昇格ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百四十三(特別報告第四四四號)融
  和事業ノ積極的施設ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百四十四(特別報告第四四五號)重
  信川改修ノ請願(委員長報告)
  第百四十五(特別報告第四四六號)四
  日市、敦賀間道路ヲ國道ニ認定ノ請
  願外二件(委員長報告)
  第百四十六(特別報告第四四七號)明
  世村、名古屋市間道路ヲ國道ニ認定
  ノ請願(委員長報告)
  第百四十七(特別報告第四四八號)釧
  路港海陸連絡施設速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百四十八(特別報告第四四九號)高
  砂港修築ノ請願長報告)
  第百四十九(特別報告第四五〇號)小
  鮎川治水竝用排水工事施行ノ請願
  (委員報報)
  第百五十(特別報告第四五一號)統内
  原野土地改良事業施行ニ關スル請願
  China Company Is長報告)
  第百五十一(特別報告第四五二號)大
  沼公園ヲ國立公園ニ指定ノ請願
  (委員長報告)
  第百五十二(特別報告第四五三號)大
  富士國立大公園設定ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百五十三(特別報告第四五四號)理
  髮營業取締規則統一其ノ他ニ關スル
  請願(委員長報告)
  第百五十四(特別報告第四五五號)眞
  室川驛ヨリ安樂城村方面ニ通スル軌
  道敷設ノ請願(委員長報告)
  第百五十五(特別報告第四五六號)沙
  留漁港修築ノ請願外一件
  (委員長報告)
  第百五十六(特別報告第四五七號)靑
  森市附近ニ公認競馬場ヲ監置ノ請願外
  一件(委員長報告)
  第百五十七(特別報告第四五八號)高
  知縣國立種馬所復活ノ主願
  (委員長報告)
  第百五十八(特別報告第四五九號)新
  庄町字萬場ニ無集配郵便局設置ノ請
  願(委員長報告)
  第百五十九(特別報告第四六〇號)麻
  溝村ニ無集配郵便局設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十(特別報告第四六一號)田殿
  村ニ三等郵便局設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十一(特別報告第四六二號)滑
  津村字平名塚ニ三等郵便局設置ノ請
  願(委員長報告)
  第百六十二(特別報告第四六三號)西
  谷郵便局ニ集配事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十三(特別報告第四六四號)寒
  川郵便局ニ集配事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十四(特別報告第四六五號)西
  〓郵便局ニ集配事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十五(特別報告第四六六號)西
  太良郵便局ニ集配事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十六(特別報告第四六七號)町
  村電話ヲ既設電信線路ニ添架ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十七(特別報告第四六八號)樺
  島ニ燈臺設置ノ請願(委員長報告)
  第百六十八(特別報告第四六九號)菅
  田町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百六十九(特別報告第四七〇號)眞
  室川村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十(特別報告第四七一號)本郷
  村ニ新見區裁判所出張所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十一(特別報告第四七二號)倶
  知安町ニ區裁判所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十二(特別報告第四七三號)大
  田原區裁判所ニ地方栽判所支部設置
  ノ請願(委員長報告)
  第百七十三(特別報告第四七四號)東
  厚保村外六箇町村ヲ船木區裁判所管
  轄ニ變吏ノ請願(委員長報告)
  第百七十四(特別報告第四七五號)琴
  似村ニ高等工業學校設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十五(特別報告第四七六號)生
  保內、花輪間鐵道敷設速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十六(特別報告第四七七號)增
  毛、江別間鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十七(特別報告第四七八號)雨
  龍佐久間鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十八(特別報告第四七九號)長
  柄驛ヲ普通停車場ニ昇格ノ請願
  (委員長報告)
  第百七十九(特別報告第四八〇號)中
  央線立町信號場附近ニ停車場設置ノ
  請願(委員長報告)
  第百八十(特別報告第四八一號)湯田
  村字中村附近ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百八十一(特別報告第四八二號)兩
  國、御茶ノ水間高架鐵道中芽町ニ停
  車場設置ノ請願(委員長報告)
  第百八十二(特別報告第四八三號)山
  下村ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百八十三(特別報告第四八四號)菱
  刈薩摩大口間ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百八十四(特別報告第四八五號)三
  津濱町ニ稅關支署設置ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百八十五(特別報告第四八六號)三
  國、敦賀間海岸鐵道敷設ノ請願
  (委員長報告)
  第百八十六(特別報告第四八七號)名
  寄支廳設置ノ請願(委員長報告)
  第百八十七(特別報告第四八八號)矢
  上村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百八十八(特別報告第四八九號)精
  道村蘆屋二區裁判所出張所設置ノ請
  願(委員長報告)
  第百八十九(特別報告第四九〇號)大
  岩村ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百九十(特別報告第四九一號)高場
  郵便局ニ電信、電話事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第百九十一(特別報告第四九二號)玉
  野郵便局ニ集配事務開始ノ請願
  (委員長報告)
  第百九十二(特別報告第四九三號)廣
  丘村大字原新田ニ停車場設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百九十三(特別報告第四九四號)西
  明寺村ニ三等郵便局設ノノ願願
  (委員長報告)
  第百九十四(特別報告第四九五號)上
  磯松前兩鐵道速成ノ請願
  (委員長報告)
  第百九十五(特別報告第四九六號)西
  脇町ヨリ阪神へ直通電話架設ノ請願
  (委員長報告)
  第百九十六(特別報告第四九七號)
  關ニ高等蠶業〓育機關設置ノ請願
  (委員長報告)
  第百九十七(特別報告第四九八號)荒
  川堤外地水難救濟施設ニ關スル請願
  (委員長報告)
  第百九十八(特別報告第五〇〇號)
  時賜金癈兵ニ對スル恩給支給法制定
  卽行ニ關スル請願外一件
  (委員長報告)
  第百九十九(特別報告第五〇三號)軍
  人傷痍記章令改正卽行ニ關スル請願
  外一件(委員長報告)
  第二百一(特別報告第五〇五號)伊達
  紋別、札幌間鐵道敷設ノ請願外三件
  (委員長報告)
  〔岡田伊太郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=50

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• 051・岡田伊太郎

  ○岡田伊太郞君　一昨日請願特別報告ノ大
  體ハ御報告ガ濟ンデ居リマスノデアリマス
  ガ、多數ノ件數デアリマスガ故ニ、一昨日
  ニ上程セラレル內ノ分モガ持越サレテアル
  モノガ、玆ニ現ハレテ居ルノデアリマス、
  只今上程セラレテ居リマス請願特別報告
  ノ日程ノ第一ヨリ二百一ニ至ル、此間ニ於
  キマシテ、特ニ取除クト云フ動議ガアリマ
  シテ、其事ニ決セラレテ居リマス、是ハ一
  言申シテ置カナケレバナラヌコトデアルト
  思フノデアリマス、全國各府縣カラハ五十幾
  件ト云フ多數ノ請願ガ出テ參ッタモノデア
  リマシテ、今一期前ノ議會ニモ此種ノ請願
  ガ出マシテ、其際ノ請願委員會ハ之ヲ採擇
  致シマシテ、採擇致シマシタ時分ニ、全國
  ニ普及スルコトハ暫ク別ト致シマシテ、大
  都市ダケハ之ヲ實施スベシト云フ意味ノ條
  件ヲ附シテ採擇セラレタモノデアリマス、
  今回モサウ云フヤウナ歷史ノアリシコトヲ、
  特ニ委員長ハ申シタニモ拘ラズ(「後廻シニ
  ナッテ居リマスヨ」ト呼フ者アリ)分ッテ居リ
  マス-ニモ拘ラズ、滿場一致デ是ハ採擇
  ニナッタモノデアリマス、然ルニ突然只今之
  ヲ除イテ報告スルコトニナリマシタノデア
  リマスカラシテ、其除イタ理由ニ付テハ私
  ハ申シマセヌ、除カレタコトダケハ申上ゲ
  ナケレバ、如何ナル件案種類ノモノガ如何
  ナル關係デ除カレタカト云フコトガ、諸君
  ニ徹底シナイ虞ガアルト思フカラ、此場合申
  シテ置イタノデアリマス、而モ請願委員會ニ
  於テハ、御醫者樣ガ幾名モ此委員ノ中ニ加
  ハッテ居ラレタノデアリマスカラシテ、若シ
  之ニ相當ノ御意見ガアルナラバ、其時現ニ
  十分討論ヲナサル餘地ガアッタラウト思フ
  ノデアリマス、只今報告ニナル間際ニナッ
  テ、此事ヲ策動セラレルト云フコトハ、私
  ハ甚ダ委員會委員ニ、對スル遺憾ガアルト思
  フノデアリマス別段御報告ニ對シテ、此
  時間ノ貴重ナル場合ニ於テ餘分ナ事ハ申シ
  マセヌガ、併ナガラ請願委員會ハ、御承知
  ノ如ク、議會ガ初マルト同時ニ最終マデ委
  員諸君ガ勵精セラレテ、而シテ一件々々、
  皆是ハ愼重審議ヲ致シテ、其結果御報告ヲ
  致スコトニシテ居ルモノデアリマス、此請
  願ノ狀勢ヲ私ハ申シタイノデアリマスケレ
  ドモ、甚ダ時間ヲ尊重シナケレバナラヌ多
  數ノ問題ガアルト云フコトデ、諸君ニハ記
  錄ニ依テ御承知ヲ願ヒタイト云フコトヲ申
  シマシタガ、此場合ニ五六分間ノ時間ヲ頂
  戴シマシテ、大勢ダケヲ申上ゲナケレバナ
  ラナイ、請願ノ一番多イノハ鐵道省所管デ
  アリマス、其次ハ遞信省所管デアリマス、
  續イテ內務或ハ司法、斯ク云フ風ニ參リマ
  スガ、其數字ノ上カラ見マスルナラバ如
  何ナルモノガ多イカト申シマスルト、鐵道
  ハ百數十件ニ上ッテ居リマス、中ニハ小サナ
  事柄、信號所デアルモノヲ地方ノ情勢之ヲ
  停車場ニ變更シテ貰ヒタイト云フヤウナ愛
  ラシイ請願モアリマスガ、大キナモノニナ
  リマスト、鐵道敷設法ニアル所ノ路線ノ速
  成敷設、是等ハ速成ニ於テ三十幾件、敷
  設ノ方ニ於テ五十幾件ト云フモノガアリマ
  ス、何レモ地方ノ產業ノ發達ニ伴ウテ必要
  缺クベカラザル線路ナリトシテ、要求シテ
  居ルコトハ申スマデモナイコトデアリマ
  ス、又中ニハ是ハ國家直接ニ施設ヲセラレ
  タシト云フノデハアリマセヌケレドモ、東
  海道線ト竝行スル所ノ日本電氣鐵道株式會
  社ノ請願ナドハ、目下ノ國有鐵道ノ情勢ニ
  見マスルナレバ、假令複線ニ致シマシテモ、
  部分的ノ複々線ヲ設ケマシテモ、貨客輸送
  ノ此激增ニハ到底竝立シテ行カナイ、是一
  ドウ致シテモ日本ノ此發展スル所ノ產業上
  ノ狀態、旅客ノ交通、其方面カラ數字的ニ
  遞增率ヲ見マスナラバ五年乃至七年、其
  先キ十年ニ至ルナラバ、此儘デハ到底輸送
  ガ持堪ヘテ行クコトガ出來ナイカラシテ、廣
  軌デアル所ノ高速度堪へ得ル電氣鐵道ヲ、比
  較的竝行線ニシテモ、國有鐵道ト業態ガ重
  ナラヌ方法ヲ以テ速成シタイ、之ヲ若シ實
  行ノコトニナリマスナラバ、資本金ハ二億
  五千万圓ヲ要スル事、而シテ年限ハ許可ヲ
  與ヘラレルナラバ五年乃至六年ノ中ニ實現
  スル、是ガ愈〓、實現セラレルナラバ、東京ヨ
  リ大阪方面ニ朝出ルナラバ、半日ノ仕事ヲナ
  シテ、サウシテ其日ニ歸シテ來ルト云フコト
  ノ出來ル、頗ル高速度ナモノデアリマシテ、
  又國家今日ノ情勢、此日本ノ勃興スル情勢カ
  ラ見マシテ、此位ノ程度ノモノハ此肝腎ノ
  兩大都市ヲ結付ケル所ノ交通機關トシテハ
  必要デアラウ、故ニ是ハ速ニ躊躇ナク許可
  ヲ與ヘテ實現セシメラレタイ、是ハ東京、
  大阪、中京方面ノ大事業家、大資本家ガ百
  數十名之ヲ發起シ、請願モ歷々タル實業家
  連ガ政黨政派ヲ綱羅シテ出願シテ居ルモノ
  デアリマス、然ルニ政府ハ是迄此許可ヲ與
  ヘル與ヘナイト云フコトニ付テハ、隨分躊
  躇ヲシテ居ッタヤウデアリマスルケレドモ、
  最早我國ノ時運之ニ躊躇スルヲ許サズ、速
  ニ許可スベシト云フコトニナリマシテ、所
  謂此請願委員會ハ殆ド滿場一致ヲ以テ、此
  案ノ採擇ヲ決シタモノデアリマス、斯ノ如
  キ大ナル問題モゴザイマスガ、又遞信省管
  郵便局ニシマスルト云フト、三等郵便局ヲ
  設置セラレタイ、電信電話ヲ早ク架設シテ
  貰ヒタイ、又ハ三等局ヲ二等局ニ進メラレ
  タイ、又管船方面デハ補助航路ヲドウ云フ
  コトニシテ貰ヒタイ、總テノ點ニ於テ、司
  法省デモ法律問題モ澤山アリマスルケレド
  モ、是ハ主トシテ裁判所、區裁判所、或
  區裁判所出張所、何レノ部ヲ見マシテモ、
  此請願ノ本體ハ何カラ出テ參リマスカト云
  フト、僻陬ノ地ノ產業ガ漸次與ッテ來ルニ
  從シテ、其物資ヲ都會へ持シテ行ク、都會ノ
  方ニ之ヲ送ル、所謂產業經濟的ニ是程國家
  ト致シマシテハ產業立國ニ適シタコトハナ
  イノデアリマス、此事態ガ請願ニ現ハレテ來
  テ居ルノデアリマスカラシテ、一件ノ請願デ
  モ四十五名ノ委員ガ愼重審議ヲシタコトハ、
  大抵間違タタ議ハ致シテナイ積リデアリ
  マイ、然ルニ玆ニ報告ノ間際ニナッテ、之ヲ
  創除シテ報告致サセルト云フコトハ、洵ニ策
  動シタ人々ニハ御氣ノ毒カ知ラヌケレド
  モ、私ハ請願委員會ノ權威ノ爲ニ、斯ノ如
  キコトハ當ラヌコトデアルト思ヒマス、以
  上ヲ以テ御報告ニ代ヘマスカラ滿場ノ諸君
  適當ナル御審議アランコトヲ望ミマス
  〔特別報告意見書ハ追テ別册ニ揭載ス〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=51

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• 052・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　採決ヲ致シマス、日
  程ノ八十八及第二百ハ後廻シニナッテ居リ
  さく、此二件ヲ除イ外委員長報告ニ付
  テ採決スル譯デアリマス、請願特別報〓ノ
  中ニハ、內容同一ノ諸法律案、建議案デ議
  決セラレタル結果、採擇ト看做サレタルモ
  ノ等モゴザイマスガ、其整理ハ議長ニ御一
  任ヲ願フコトヽシテ、委員長ノ報告通リ
  括シテ採擇ヲスルコトニ御異議アリマセヌ
  カ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=52

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• 053・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=53

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• 054・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　此際体憩ヲナシ、午後引續
  キ定刻ヨリ會議ヲ開カレンコトヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=54

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• 055・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　委員長報告通リ可決
  確定サレマシタ(拍手)暫時休憩ヲ致シマ
  ス
  午前十一時四十一分休憩
  午後二時五十六分開議

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=55

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• 056・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　体憩前ニ引續キ會議
  ヲ開キマス-御諮リ致スコトガアリマ
  ス、諸君、英國皇帝陛下ニハ我天皇陛下
  ニ對シ奉リ、同國ノ最モ高貴ナル「ガー
  ター」勳章御贈進ノ爲、特ニ御名代トシテ「グ
  ロスター」公殿下ヲ御遣ハシ遊バサレ、殿
  下ニハ愈〓本月二十八日ヲ以テ本國御出發ノ
  御事ト承ッテ居リマス、英國ト我國トノ交際
  ハ會テ同盟ノ誼ヲ結ビ、期滿チテ尙ホ其
  友誼益、親善ヲ加ヘツヽアルコトハ、兩國民
  ノ共ニ大ニ滿足スル所デアリマス、且ツ畏
  クモ我今上陛下ニハ、東宮ニ御座シマセ
  シ時英國ニ御渡航アラセラレ、彼ノ國ノ皇
  室ト國民トニ御親ミアリ、隨テ我々日本國
  民トシテ英國ノ皇室竝ニ其國民ニ對シ、
  層敬愛ノ情ヲ懷ク次第デアリマス、今回殿
  下ノ御來朝ヲ迎へ奉ルコトハ、我々同胞ノ
  欣喜措ク能ハザル所デアリマス(拍手)然ル
  ニ殿下ノ御到著ハ五月初旬ト承リマス、則
  チ帝國議會ハ閉會中デアリマスル故ニ、衆
  議院ハ豫メ院議ヲ以テ殿下御歡迎ノ意思ヲ
  表明シ奉リタク存ジマス、就テハ殿下御來
  朝ノ上ハ、殿下御歡迎ニ關スル一切ノ措置
  ヲ議長ニ一任セラレタク存ジマス(拍手)御
  贊成ノ諸君ハ敬意ヲ表スル爲ニ特ニ起立ヲ
  願ヒマス
  〔總員起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=56

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• 057・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　起立總員、滿場一致
  可決致シマシタ
  〔拍手起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=57

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• 058・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　議事進行ニ關シテ武
  藤山治君ヨリ通告ガアリマス-武藤山治
  君
  〔武藤山治君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=58

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• 059・武藤山治

  ○武藤山治君　議事進行ニ付テ御尋ヲ致シ
  タイ事ガアリマス、私ノ御尋ニ對シマシテ、
  議長ヨリ御答へ下サルコトガ出來マスナラ
  バ議長ヨリ、若シ議長ヨリ御答ノ出來ナイ
  コトデアリマスルナラバ、各派交渉會ニ於
  ケル有力ナル代表者ノ方カラ御答ヲ賜リマ
  シタナラバ、私ハ仕合セト存ジマス、私ノ
  議事進行上御尋致シタイト云フノハ私ノ
  提出致シマシタ所ノ決議案ヲ、何ガ故ニ本
  日最モ速ナル機會ニ於テ上程セラレナイカ
  ト云フ點デアリマス、其點ニ付キマシテ、
  私ガ御尋致シマス前ニ、私ノ提出致シマシ
  タ決議案ハ如何ナルモノナリヤト云フコト
  ヲ、一通リ御說明申上ゲルコトガ順序デア
  ルト考ヘルノデアリマス、私ノ提出致シマ
  シタ所ノ決議案ハ、貴族院ニ向ッテ兩稅委讓
  ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ムト云フ決議
  案デアリマス、私ハ此決議案ニ於テ、單ニ
  兩稅委讓案ノコトノミヲ掲ゲマシタケレド
  モ、私ノ信ジマシタ所ハ過日衆議院ヲ通
  過致シマシタ稅制整理案ノ中ニハ、兩稅委
  讓ノ外ニ地租ヲ五厘減ジ、營業收益稅ノ免
  稅點ヲ一千圓迄引上ゲルト云フ滅稅案ガ包
  含サレテ居ルノデアリマス、此減稅案ハ衆
  議院ニ於テ、民政黨ノ諸君ガ豫算返付ニ贊
  成セラレタガ爲ニ、形式上反對セラレタノミ
  デアリマシテ、實質的ニハ殆ド滿場一致ヲ
  以テ通過シタ所ノ減稅案デアリマス、然ル
  ニ是等ノ議案ヲ、衆議院ガ貴族院ニ送付致
  シマシテ以來、一箇月以上ヲ經過シテ居リ
  マス、然ルニ貴族院ハ雨稅委讓案ヲ審議未
  了ニ付シタノミナラズ、此極メテ簡單デア
  ル衆議院ヲ大多數デ通過シタ所ノ減稅案ヲ
  モ、併セテ審議未了ニセントシテ居ルノデ
  アリマス(拍手)此減稅案ガ如何ナルモノナ
  リヤト見マスレバ(「ソレガ議事進行カ」ト
  呼フ者アリ)地租ハ我國全國一千万人ノ納
  稅者ガアルノデアリマス、此一千万人ノ納
  稅者ノ地租ヲ五厘減ジ、是ト同時ニ營業者
  ニ對シ、四百圓以上一千圓ノ收益アル者ニ
  對シマシテ、全然營業收益稅ヲ免ズル、此
  地租及營業收益稅ノ減稅案デアリマス、諸
  君、一箇年四百圓ノ收入トハ、月三十三圓
  デアリマス、今日我國ニ於テ如何ニ財政ニ
  困難デアルト致シマシテモ、月三十三圓ノ
  營業收益ノアル者ニ營業收益稅ヲ課シ、千
  圓ノ收益アル者ト雖モ、僅ニ月八十三圓ノ
  收入デアリマス、是等大多數ノ小賣商人ノ
  營業收益ハ、筋肉勞働者ノ收入ト殆ド異ル
  所ガナイヤウナ狀態デアリマス(拍手)斯ノ
  如キ社會ニ於ケル中產以下ノ、今日最モ不
  景氣ノ爲ニ困苦難澁シテ居ル所ノ、營業者
  ノ營業收益稅ノ免稅點ヲ引上ゲルコトハ
  五十万人ノ小賣商人ヲ救フコトヽナリマ
  ス、又一千万人ノ地租ノ納稅者ノ中ニハ、
  今日農村ニ於テ最モ疲弊困憊ニ陷ッテ居ル
  所ノ、小地主ガ此恩典ニ浴スルコトガ出來
  ルノデアリマス、斯ル議案ニ對シマシテ、
  貴族院タルモノガ、兩稅委讓案ニ熱中スル
  爲全ク之ヲ忘却シタト云フコトハ私
  國民ノ利益ヲ代表スル衆議院トシテ、斷ジ
  テ一言ナカルベカラズト信ジマス(「政友會
  自繩自縛」ト呼フ者アリ)私ガ過日來貴族院
  ニ於ケル稅制整理案ニ對スル本會議、及委
  員會ニ於ケル速記錄ヲ細カク通覽致シマシ
  タ、所ガ貴族院ニ於ケル本會議、及ビ委員
  會ニ於テハ全部兩稅委讓案ノミノ質問デ
  アリマシテ、一言モ減稅案ニハ觸レテ居リ
  マセヌ、諸君、今貴族院ハ質問ヲ休止スル
  ト云フ理由ニ於テ、委員會ヲ中止サレテ居
  ルノデアリマス(「ソンナ議事進行ガアルカ」
  ト呼フ者アリ)貴族院ノ委員會ニ於ケル質
  問通告者ノ數ハ十二人デアリマスガ、箇
  月間ニ僅カ二人ヨリシカ質問ヲ終ラナカッ
  タコトハ驚クベキコトデアリマス、昨日私
  ガ手ニ致シマシタ所ノ、米國ニ於ケル不戰
  條約ニ關スル米國上院ノ議事ノ速記錄ヲ見
  マスルト、外交委員長「ポラー」氏ガ提案ノ
  說明ヲ爲シ、然ル後二十八人ノ質問者ガア
  リマシタケレドモ、二日間デ質問ヲ終シタノ
  デアリマス、貴族院ニ於テハ、衆議院ヨリ
  一箇月前ニ送付シタル所ノ稅制整理案ニ對
  シマシテ、之ヲ審議未了ニ終ラシメタト云
  フコトハ、何トシテモ衆議院ハ之ヲ看過ス
  ルコトガ出來ナイト申上ゲタノデアリマス
  (拍手)思フニ貴族院ノ諸公ハ、兩稅委讓案
  ト滅稅案トハ、政友會內閣ガ政治上不可分
  デアルト言ッタカラトノ理由ニテ、兩稅委讓
  案ト同時ニ、減稅案ヲモ葬リ去ラントスル
  モノデアルト、私ハ考ヘルノデアリマス、
  併ナガラ兩稅委讓案ト減稅案トハ、政治的
  ニハ不可分デアッテモ、法律的ニハ可分デ
  アッテ、現ニ衆議院ニ於テハ明ニ別箇ニ採決
  セラレタノデアリマス、若シ貴族院ノ諸公
  ガ、眞ニ中產以下ノ人々ノ今日ノ困苦ヲ考
  ヘラレタナラバ、私ハ此法律的ニ可分ナル
  所ノ減稅案ハ、直ニ通過サシタ筈デアルト
  思フノデアリマス(拍手)然ルニ近來貴族院
  ニ於テ最モ忌ムベキ政黨的行動ガ盛トナリ
  マシテ、濫ニ衆議院ヲ通過セル所ノ國民負
  擔ニ關スル此稅制整理案ヲ妨止シテ、サウ
  シテ政友會内閣ヲ苦シメル爲ニ、最モ大切
  ナル最モ必要ナル滅稅案ヲモ合セ葬リ去ラ
  レタト云フコトハ私ハ貴族院トシテ將來
  我國ニ於テ、單ニ貴族院對衆議院ノ問題デ
  アルノミナラズ、貴族院對國民ノ問題トシ
  テ論ゼナケレバナラヌノデアリマス(拍手)
  諸君、英國ニ於キマシテハ千九百十一年ニ
  國會法ヲ制定シテ、其中ニハ下院ヲ通過シ、
  會期ノ滿了スル一箇月以前ニ上院ニ廻付サ
  レタ金錢法案ガ、廻付後一箇月以內ニ承認
  ヲ拒否シ、又ハ議決ヲ爲サザル場合ニハ、
  下院ガ反對ノ意思ヲ表明セザル限リ、此法
  案ハ陛下ニ進達セラレテ、上院ノ不同意ニ
  拘ラズ其栽可ヲ經テ法律トナルト云フコト
  ニナッテ居リマス、然ルニ我國ノ上院ハ憲法
  ヲ以テ與ヘラレタル其特權ヲ、之ヲ最モ愼
  重ニ使用セズシテ、其特權ノ範圍ヲ超エテ、
  斯ル重要ナル減稅案ヲモ葬リ去ルト云フコ
  トハ、私ハ玆ニ再ビ申上ゲマス、何トシテ
  モ是ハ問ハザルベカラザル所ノ問題デアル
  ト考ヘルノデアリマス(拍手)是ヨリ私ガ何
  ガ故ニ此決議案ガ緊急デアルカ、其理由ヲ
  申上ゲタイト考ヘマス、私ガ此決議案ガ最
  モ緊急デアルト云フノハ、若シ此決議案ガ
  緊急上程サレテ衆議院ヲ通過スルナラバ、
  今日ト雖モ貴族院ハ尙ホ考慮ヲ爲ス餘地ガ
  アルノデアリマス(拍手)貴族院ハ委員會ヲ
  再開シテ、之ヲ可決シテ直ニ本會議ニ上ス、
  其時間ハ今晩ノ十二時マデアルノデアリマ
  ス、ノミナラズ、今一步進ンデ考ヘマスル
  ナラバ、政府ニ於テモ私ノ申上ゲル所ガ是
  ナリト思ヘバ、會期ヲ延長シテモ此減稅案
  ヲ通過セシムベク努力スル餘地ガ尙ホ存ス
  ルノデアリマス、私ノ此決議案ナルモノハ
  一刻ヲ爭フモノデアル、成ベク速ニ之ヲ上
  程シ、此問題ニ對シテ討議スル時間ヲ與ヘ
  ラレルト云フコトハ、私ハ衆議院議員トシ
  テ當然要求シナケレバナラヌ問題デアルト
  考ヘマス、諸君ノ中ニハ此決議案ハ衆議院
  ノ權限ヲ超エルモノデハナイカ、斯ウ云フ
  コトニ付テ、私ハ御心配ニナッテ居リハセヌ
  カト思フノデアリマス、私モ此點ニ付テハ
  十分ニ熟慮ヲ重ネマシタ、隨テ私ハ憲法學
  者ニマデ就テ此點ヲ確メタノデアリマス、
  所ガ憲法學者ノ私ニ說明セラレル所ハ、衆
  議院ガ貴族院へ送付シタ所ノ議案、殊ニ國
  民ノ負擔ニ關係スル議案ニ於テ、貴族院ニ
  向ッテ審議ヲ進メルコトヲ望ム所ノ決議ヲ
  爲スト云フコトハ、之ハ衆議院議員トシテ
  寧ロ爲サナケレバナラナイモノデアルト說
  明セラレタノデアリマス(拍手)斯ル重要ナ
  議案、貴族院ガ一箇月以上モ費シテ審議ヲ
  結了セズ、而モ其議案ノ中ニハ僅カ年四百
  圓以上一千圓ト云フ如キ少額ノ收益アル所
  ノ中產以下ノ小賣商人ノ營業牧益稅ヲ免
  ジ、地和一千万人ノ納稅者ニ五厘ヲ減ズル
  所ノ減稅案ガアルノヲ、雨稅委譲案ト共ニ
  併セ葬リ去ラレタト一云フコトニ對シテ、私
  ハ此決議案ニ依テ貴族院ニ向ッテ反省ヲ促
  スト云フコトハ、吾々國民大多數ノ意思ヲ
  代表スル者ノ當然ノ職責デアルト信ジテ、
  此決議案ヲ提出シタノデアリマス、然ルニ
  諸君ノ中ニハ、或ハ是ハ權限ヲ超エルモノ
  デハナイカトカ、或ハ時期ガ既ニ晩イデハ
  ナイカトカ、斯ウ云フヤウナ考カラ此決議
  案ヲ緊急上程セラレナイト云フコトハ、吾
  吾御互ニ國民ノ利益ヲ代表スル衆議院ノ議
  員トシテハ、遺憾千萬ニ私ハ考ヘルモノデ
  アリマス(拍手)故ニ私ハ先程申上ゲタヤウ
  ニ、議長閣下若クハ各派交涉會ニ於ケル所
  ノ代表者ノ中ノ諸君ヨリ、何ガ故ニ此決議
  案ヲ緊急上程ヲセラレナカッタカ、議事進行
  上此點ニ付テ御質問ヲ申上ゲテ、若シ滿足
  ナル答辯ヲ與ヘラレタナラバ、私ハ會期切
  迫ノ今日此決議案ヲ撤回スルニ吝ナラザル
  モノデアリマス(拍手)
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=59

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• 060・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ願ヒマス、武
  藤君ニ御各致シマスガ、武藤君ノ決議案ハ
  二十二日ニ御提出ニナッテ、卽チ本日ノ日程
  ニ上程シテアルノデアリマス、ソコデ之ヨ
  リ審議ヲ進メツヽアルノデアリマス、私ノ
  御答スルノハソレダケデアリマス、各派交
  涉會ノ諸君ガ御答ニナレバ是ハ別問題デア
  リマス-日程第二、議院法中改正法律案
  ノ第一讀會ヲ開キマス、提出者ノ趣旨辯明
  ヲ許シマス-提出者名川侃市君
  第二議院法中改正法律案(名川佩市
  君外三名提出)第一讀會
  議院法中改正法律案
  議院法中左ノ通改正ス
  第七十七條ニ左ノ但書ヲ加フ
  但シ當選後破產ノ宣告ヲ受ケタル者ハ
  此限ニ在ラス
  〔名川侃市君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=60

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• 061・名川侃市

  ○名川佩市君　破產者ガ被選擧權ヲ有シマ
  セヌコトハ、衆議院議員選擧法ノ第六條
  ニ規定シテアル通リデアリマス、又當選致
  シマシタ後ニ破產ノ宣告ヲ受ケマシタナラ
  バ其資格ヲ失フコトハ議員法第七十七條
  ニ規定シテアルコトハ比目樣ノ御承知ノ通リ
  デアリマス、併ナガラ破產ノ宣告ヲ受ケタ
  ル者、必シモ排斥スベキモノデハナイノデ
  アル、人格極メテ高クシテ、〓貧ニ甘ンジ
  テ居ルト云フ人ハ世間ニ於テ澤山アル、
  殊ニ政治家ニ於テ其數ガ多イト私ハ思フノ
  デアリマス、最近ノ學說ニ於キマシテモ、
  破產ノ宣告ガ人ノ身分上ニ效力ヲ及ボスト
  云フコトガ宜シクナイト云フコトハ、殆ド
  學證ノ一致シテ居ル所デアリマス、前ニ兒
  玉右二君其外數名、又土屋〓三郎君其外數
  名ノ方々ヨリ衆議院議員選擧法改正案ヲ提
  由セラレマシテ、ソレガ委員會ニ於テ目下
  審議中ニ屬スルノデアリマス、而シテ委員
  會ニ於キマシテハ、破産者ニ被選舉權ヲ與
  ヘルノハ相當デアルト云フ所ノ意見ハ極メ
  チ多イノデゴザリマスケレドモ、他ノ法律
  トノ比較上、色ヒト攻究スベキモノガゴザ
  リマスルカラ、會期切迫シテ居ル今日、之
  ヲ全部議了スルコトガ出來ズニ居ル次第デ
  ゴザイマス、併ナガラ一旦國民ノ奥望ヲ抱
  イテ當選致シマシタル衆議院議員ガ、破產
  ノ宣告ヲ受ケタルガ爲ニ、其資格ヲ失フト
  云フコトハ是ハ國民ノ期待ニ背タノミナ
  ラズ、洵ニ氣ノ毒ナル事情ニ於テ此宣告ヲ
  受ケテ其資格ヲ失フト云フコトハ實ニ堪
  ヘ忍ビヌ所デアリマス、又此被選資格ヲ失
  と、隨テ衆議院議員ノ資格ヲ失フ所ノ法律
  ヲ楯ニ執ヶテ、貪慾飽クナキ高利貸ナドガ此
  規定ヲ惡用致シマシテ、不當ナル要求ヲス
  ルト云フコトハ、世間ニ於テ其被害ガ決シ
  テ少クナイノデゴザイマス、ンレデゴザ
  リマスカラシテ、此衆議院議員選擧法改正
  ノ委員會ニ於キマシテ修正案ヲ出シテ、兎
  ニ角被選資格ヲ與ヘルカ與ヘヌカト云フコ
  トハ、餘程〓究スベキモノガアルガ、當選
  シタ者ニ付テハ其資格ヲ失ハヌコトダケニ
  修正案ヲ出サウヂヤナイカト云フ、委員諸
  君ノ澤山ノ意見ガアッタノデゴザリマスル
  カ、是ハ衆議院議員選擧法ノ改正デハ、其
  目的ヲ達セヌノデゴザリマシテ、議院法ヲ
  改正スルコトガ必要ナノデゴザリマスルカ
  ラ、修正動議ニ依テ其目的ヲ達スルコトガ
  出來マセヌ、其爲ニ會期切迫シタル今日デ
  ハゴザリマスルケレドモ、本案ヲ提出シタ
  次第デゴザリマス、ドウカ皆樣ノ御協賛ヲ
  得タイト思フノデゴザリマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=61

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• 062・原惣兵衞

  ○原惣兵衛君　本案ハ土屋〓三郞君提出衆
  議院議員選擧法中改正法律案外十九件ノ委
  員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミマス
  〔「賛成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=62

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• 063・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御呈議
  ナシト認メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシ
  タ-日程ノ第三、建築士法案ノ第一讀會
  ノ續ヲ開キマス、委員長ノ報告ヲ求メマ
  ス-委員長岡田忠彥君
  第三建築士法案(岡田忠彥君外六名
  提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
  報告書
  一建築士法案(岡田忠彥君外六名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十三日
  委員長岡田忠彦
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔岡田忠彥君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=63

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• 064・岡田忠彦

  ○岡田忠彥君　委員會ノ經過ヲ極メテ簡單
  ニ申上ゲマス、委員會ハ二十二日、二十三
  日ノ兩回ニ亙ッテ開キマシテ、出席者ノ總員
  ノ同意ノ下ニ可決致シタノデアリマス、其
  中ニ建築物ノ意義ハドウデアルカト云フ御
  質問ガアリマシテ、提案者ヨリ建築物ナル
  モノハ常識ニ於テ殆ド了解出來ルモノデ
  アル、殊ニ市街地建築物法ト云フ法律ガア
  リマスルニ依テ、其建築物ト云フ意味ニ大
  體ハ了解サレタイト云フ說明ガアッタノデ
  アリマス、ソレカラ第五條卽チ請負業者等
  ヲ兼ネ得ザルト云フ條項ノ意味ハドウデア
  ルカト云フ御質問ニ對シテハ兼ネ得ザル
  所ニ本法ノ妙用ガアルノデアルト云フ御答
  辯デアリマシタ、是ガ主ナル御答辯デア
  リ、應答デアリマシテ、出席全員ノ御同意
  ヲ得テ可決シタルモノデアリマス、ドウカ
  速ニ御同意アランコトヲ希望致シマス(拍
  き

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=64

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• 065・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　外ニ通告モアリマセ
  ヌカラ、本案ノ第二讀會ヲ開クニ御異議ア
  リマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=65

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• 066・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、本案ノ第二讀會ヲ開クコトニ決シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=66

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• 067・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　直ニ本案ノ第二讀會ヲ開
  キ、策三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
  リ可決セラレンコトヲ望ミマス
  〔「賛成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=67

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• 068・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、直チニ第二讀會ヲ開キ、議案全部ヲ議
  題ト致シマス
  建築士法案第二讀會(確定議)
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=68

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• 069・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議アリマセヌカ
  ラ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
  リ可決確定致シマシタ-日程ノ第四、工
  場法中改正法律案ノ第一讀會ノ續ヲ開キマ
  ス、委員長ノ報告ヲ求メマス-委員長岩
  崎一高君
  第四工場法中改正法律案(千葉三郞
  君外五名提出)
  第一讀會ノ續(委員長報告)
  報告書
  一工場法中改正法律案(千葉三郞君外五
  名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十三日
  委員長岩崎一言
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔岩崎一高君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=69

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• 070・岩崎一高

  ○岩崎一高君　本案ハ極メテ簡單ナ時間ニ
  關スルモノデアリマシタ爲ニ、委員會ニ於
  キマシテハ、唯〓政府ヨリ十分ニ調査〓究
  ヲ致シタイト云フ意思表示ガアリマシタ、
  外ニ別段ニ審議討論ヲ用ヰズ、滿場一致ヲ
  以テ可決致シマシタ、御報告申上ゲマス
  (柏手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=70

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• 071・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　外ニ通告ガアリマセ
  ヌ、本案ノ第二讀會ヲ開クニ御異議アリマ
  セヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=71

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• 072・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシタ、
  (「宣告ガ分リマセヌ」ト呼フ者アリ)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=72

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• 073・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　直ニ本案ノ第二讀會ヲ開
  キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
  リ可決セラレンコトヲ望ミマス
  〔「異議ナシ」「反對」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=73

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• 074・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、直ニ第二讀會ヲ開キ議案全部ヲ議題ト
  致シマス
  工場法中改正法律案第二讀會(確定議)
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=74

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• 075・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議アリマセヌカ
  ラ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
  リ可決確定致シマシタ(拍手)日程第五、司
  法代書人法中改正法律案ノ第一讀會ノ續ヲ
  開キマス、委員長ノ報告ヲ求メマス-委
  員長牧野賤男君-山本唯次君ニ代ッタサ
  ウデアリマス
  第五司法代書人法中改正法律案坂
  本志魯雄君外三名提出)
  第一讀會ノ續(委員長報告)
  報告書
  一司法代書人法中改正法律案(坂本志魯
  雄君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ別紙ノ通修正スヘキモノ
  ト議決致候此段及報告候也
  昭和四年三月二十三日
  委員長牧野賤男
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  (小字及-ハ委員會修正)
  司法代書人法中左ノ通改正ス
  律書
  「司法代書人法」ヲ「司法辨理人法」ニ改ム
  乃至第十條
  第一條、第二條及第三條中「司法代書人」
  律書
  ヲ「司法辨理人」ニ改ム
  第四條司法辨理人タルニハ檢定委員ノ
  考試ヲ受ケ所屬地方裁判所長ノ認可ヲ受
  クルコトヲ要ス
  前項ノ檢定委員及考試ニ關スル事項ハ
  司法大臣之ヲ定ム
  第五條乃至第十條中「司法代書人」ヲ司
  法辨理人一ニ改ム
  第九條ニ左ノ一項ヲ加フ
  前項ノ現定ハ司法辨理人カ自己ノ關與
  シタル非訟事件ニ付單ニ手續上ノ代理
  ヲ爲スコトヲ妨ケス
  律書
  第十一條同法辨理人ハ其ノ事務取扱ノ
  統一及矯正ヲ圖ル爲其ノ所屬地方裁判
  律書
  所每ニ一司法辨理人會ヲ設ケ地方裁判
  所長ノ認可ヲ受クヘシ
  律書律書
  第十二條司法辨理人ハ所屬司法辨哩人
  會ニ加入シ且其ノ會則ヲ遵守スヘシ
  第十一條ヲ第十三條ニ改メ同條中「司法
  律書
  代書人」ヲ「司法辨理人」ニ改メ「又ハ品
  位ヲ失墜スヘキ行爲ヲ爲シタルトキ」ノ
  下ニ「若ハ會則ニ違反シタル行爲ヲ爲シ
  タルトキ」ヲ加フ
  〔山本唯次君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=75

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• 076・山本唯次

  ○山本唯次君　司法代書人法中改正法律案
  ノ委員會ノ經過ヲ、委員長ノ牧野君ガ不在
  デアリマス爲ニ、理事トシテ私ガ御說明申
  上ゲマス、本案ハ代書人ガ代書人ト云フ名
  稱ヲ變ヘテ欲シイト云フ要求ガアリマス、
  ソレト又代書人ニナルニ試驗ヲ要スルト云
  フコトヽ、第三ニハ代書人ノ矯正ノ會ヲ造
  ルト云フ、此三ツノ理由ノ下ニ提案サレタ
  ノデアリマシタガ、委員會ハ民政黨ノ委員
  諸君、一松君、小久江君、藤田君、又政友會
  ノ方デハ、名川侃市君、鈴木五六君、私等ガ
  懇談ノ結果、委員名川君カラ修正案ガ出マ
  シテ、滿場一致デ此修正案ヲ可決シタ次第
  デアリマス、此修正案ハ「司法代書人法」ヲ
  「律書人法ト改ム」ト云フノデアリマシテ、
  「第一條、第二條、第三條中「司法代書人」ヲ
  「司法辨理人」ニ改ム」ト云フノヲ「律書人」ト
  修正シタノデアリマス、律書トハ法律ノ律
  ノ字ト書ト云フ字デス、ソレカラ原案ノ第
  四條「司法辨理人タルニハ檢定委員ノ考試
  ヲ受ケ所屬地方裁判所長ノ認可ヲ受クルコ
  トヲ要ス、前項ノ檢定委員及考試ニ關スル
  事項ハ司法大臣之ヲ定ム」ト云フノヲ削除
  致シマシタ、ソレカラ「第五條乃至第十條
  中「司法代書人」ヲ一司法辨理人」ニ改ム」ト
  アルノヲ「律書人」ト修正スル、又提案者ノ
  原案ノ「第九條ニ左ノ一項ヲ加フ、前項ノ規
  定ハ司法辨理人カ自己ノ關與シタル非訟事
  件ニ付單ニ手續上ノ代理ヲ爲スコトヲ妨ケ
  ス」トアルノヲ之ヲ削除シタノデアリマス、
  改正案ノ提出者ノ原案ノ第一條第二條ノ
  「司法辨理人」トアルノヲ「律書人」ト改メタ
  ノデアリマス、第十二條ト、原案ノ第十一條
  ガ、提出案デハ第十三條ニ改ッテ居ルノデ
  アリマスガ、此條文中ノ「司法辨理人」ト云フ
  ノヲ「律書人」ト修正シマシタ、此修正案ハ
  全員一致デ修正可決シタ次第デアリマスカ
  ラ、此段御報告申上ゲマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=76

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• 077・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　他ニ通告ガアリマセ
  ヌカラ、本案ノ第二讀會ヲ開クニ御異議ア
  リマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=77

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• 078・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=78

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• 079・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　直ニ本案ノ第二讀會ヲ開キ
  第三讀會ヲ省略シテ委員長報告ノ通リ可決
  セラレンコトヲ望ミマス
  〔「贊成」「賛成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=79

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• 080・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、直ニ第二讀會ヲ開キ議案全部ヲ議題ト
  致シマス
  司法代書人法中改正法律案
  第二讀會(確定議)
  〔「異議ナシ」「異識ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=80

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• 081・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ第三讀會ヲ省略シテ委員長報告ノ
  通リ可決確定致シマシタ(拍手)日程ノ第
  六國定〓科書官給法案ノ第一讀會ノ續ヲ
  開キマス、委員長ノ報告ヲ求メマス-矢
  野晋也君
  第六國定〓科書官給法案(樋口秀雄
  君外六名提出)
  第一讀會ノ續(委員長報告)
  報告書
  一國定〓科書官給法案(樋口秀雄君外六
  名提出)
  右ハ本院ニ於テ別紙ノ通修正スヘキモノ
  ト議決報告候也
  昭和四年三月二十三日
  理事矢野晋也
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  (小字及-ハ委員會修正)
  國定〓科書官給法
  ニ
  第一條市町村立尋常小學校兒童ノ要ス
  ル國定〓科書ハ全部之ヲ官給スルモノ
  トス
  第二條本法ノ適用ニ付テハ市町村組合
  ハ之ヲ市ト看做シ、町村組合及町村制
  ヲ施行セサル地域ニ於ケル町村ニ準ス
  ヘキ公共團體其ノ組合又ハ小學校設
  置區域ハ之ヲ町村ト看做ス
  本法ノ適用ニ付テハ市町村立尋常高等
  小學校ニ於テ尋常小學校ノ〓科ヲ授ク
  ヘキ部分ハ之ヲ市町村立尋常小學校ト
  看做ス
  附則
  本法ハ昭和五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
  本法施行ニ關スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ
  定ム
  希望條項
  本法案ハ義務〓育ノ本質ニ鑑ミ又一面社
  會政策上ノ見地ニ於テ時運ニ適應セル最
  必要トスル法案ト信ス故ニ萬一會期切迫
  セル爲審議ノ餘裕ナク兩院ヲ通過セサル
  場合ハ政府ハ次期帝國議會ニ政府案トシ
  テ本案ヲ提出セラレムコトヲ切望ス
  〔矢野晋也君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=81

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• 082・矢野晋也

  ○矢野晋也君　委員會ニ於キマシテハ、二
  三ノ字句ノ修正削除ヲ爲シ、更ニ此法案ガ
  審議未了ニナリマシタ場合ニ於テハ政府
  ハ次ノ議會ニ政府案トシテ之ヲ提出シテ貰
  ヒタイト云フ希望條件ヲ附シ、更ニ民政黨
  ノ委員諸君ハ賛否ヲ留保セラレマシタケ
  レドモ、多數ヲ以テ可決ヲ致シタ次第デア
  リマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=82

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• 083・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　質疑ノ通告ガアリマ
  ス-佐藤與一君
  〔佐藤與一君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=83

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• 084・佐藤與一

  ○佐藤與一君　只今上程ニナリマシタ國定
  〓科書官給案ニ付テ簡單ニ質問ヲ試ミント
  スル者デアリマス、併ナガラ本案ハ國定〓
  科書ノ配給ヲ容易ナラシメントスルモノデ
  アリマスカラ、私ハ只今ノ委員長ノ報告ニ
  對シテハ、別ニ異議ヲ挾ム者デハナイノデ
  アリマス、併ナガラ私ハ玆ニ議長竝ニ議員
  諸君ノ御許ヲ得マシテ、國定〓科書配給ニ
  ハ關係アリマセヌケレドモ、此國定〓科書
  ニ密接ノ關係ガアリ、殊ニ國家將來ノ重大
  ナル所ノ問題ニ付テ質問サセテ戴キタイノ
  デアリマス、ドウゾ御願致シマス、併シソ
  レハ極メテ簡單ニ致シマス、又先日ノ如ク
  議場ガヤカマシクナリマスト云フト、時間
  ガ長引クト云フコトヲ恐レマスガ故ニ、極
  メテ靜肅ニシテ戴キタイノデアリマス、御
  承知ノ通り議長席ハ神聖ナル所ノ議長席デ
  アリマス、此處ニ控ヘテ居ラレル所ノ議長
  ノ其神聖ナル議長ノ職權ヲ行使スルニ吝
  カナラヌコトデアルト信ズルノデアリマ
  ス、又諸君ノ議席ト雖モ神聖ナル議席デアル
  ト言ヒタイノデアリマス、故ニ諸君ハ諸君
  ノ神聖ナル議席ヲ神聖ニ保タレンコトヲ希
  望シテ已マヌノデアリマス、私ガ文部當局
  ノ御出席ヲ求メマシテ質問セント欲スル所
  ノモノハ國定〓科書假名遣ノ間題デアリ
  そう、御承知ノ通リ大正十三年十二月二十
  四日ニ於テ、支部省臨時國語調査會ニ於テ、
  假名遣改訂案ガ可決セラレタノデアリマス
  (「本案ニ關係ナイ」ト呼フ者アリ)併ナガラ
  其假名遣改訂案タルヤ、頗ル當ヲ得テ居ラ
  ヌ所ノ改訂案ガ出來タノデアリマス、卽チ
  此假名遣改訂案ハ、唯之ヲ學ブノニ手間ガ
  取レル、習フノニムヅカシイ、誤ナク之ヲ
  使フコトガ出來ナイト云フウウナ理由ヲ以
  テ、今迄我ガ日本ノ國ニ於テ昔カラ使ヒ來。ツ
  タ所ノ使ヒ方ヲ歷史的ニ尊重スルコトナ
  〃又國語ノ語格、文章ノ語格ヲ破壞シテ
  マデモ、新ナル所ノ案ヲ決定サレタノデア
  リマシテ、先年モ議會ニ於ケル所ノ問題ニ
  ハナリマセヌケレドモ、委員會ノ問題トナ
  リマシテ、當時ノ岡田支部大臣ハ之ニ對シ
  テ、國定〓科書ニハ此假名遣ヲ用キナイ、
  或ル時期ニ於テハ用ユルヤウニナルカモ知
  ラヌケレドモ、是ハ當分ハ用ヰナイノデアフ
  テ、此案ハ參考ニスルノデアルト云フ御答
  デアッタノデアリマス、ソレ故ニ私共ハ文
  部省ガ國定〓科書ニ、此文部省ノ臨時國語
  調査會ニ於テ改訂セラレマシタ所ノ假名遣
  ヲ、御用ヰニナラヌト云フコトハ信ジテ居
  ルノデアリマス、然ルニ近來奇怪ナコトニ
  ハ、鐵道省ガ之ヲ使ヲテ居ルノデアリマス、
  鐵道省ハ各驛名ヲ假名デ表兩スル際ニ於
  テ、全然此改訂案ヲ御用ヰニナッテ居ルガ如
  ク承知シテ居ルノデアリマス、例ヘバ彼ノ
  丹後ノ宮津デアル、「宮津」ノ〓ハ漢
  字ノ運ニ濁音ヲ附スルノデアリマスカ
  ラ、當然「ツ」ニ濁音ヲ附シタ「ヅ」デナケレ
  バナラヌノデアリマスガ、「ミヤス」ノ「ス」
  ニ濁音ヲ附シテ居ルノデアリマシテ、其假
  名ダケヲ見マスト、「ミヤズ」ト云フ所へ參
  リマシテモ、昔カラノ丹後ノ宮津デアルガ
  如キ心持ガシナイノデアリマス、或ハ我ガ
  新潟縣ニ「加治」ト云フ驛ガアリマス、一九九
  加、「ヂ」ハ明治ノ「治」デアリマス、當然
  「カチ」ニ濁音ヲ附シテ「カヂ」ト讀マセナケ
  レバナラヌノデアリマスノニ「シ」ニ濁音ヲ
  附シテ「カジ」ト讀マセテアルノデアリマ
  ス、甚ダ畏多イコトデアリマスケレドモ、
  若シ此筆法ヲ用ユルナラバ我ガ明治天皇
  陛下ノ御名前モ明治ノ「治」ハ「チ」ニ濁音ヲ
  附シタノデナクテ「シ」ニ濁音ヲ附シタノニ
  改正センケレバナラヌヤウニナルト思フノ
  デアリマス、文部當局ハ勿論斯ル無謀ナル
  コトハ、將來オヤリニナラヌデアラウト思
  フノデアリマスケレドモ、現ニ鐵道省ガ
  之ヲ用キテ居ルノデアリマス、鐵道省ト文
  部省トハ更ニ何ノ交涉ガナイカモ知レマセ
  ヌ-不統一ノ内閣デアリマスカラ、何ノ
  交涉ガナイカモ知レマセヌケレドモ、斯ル
  コトハ文部省ガ鐵道省ニ對シテ用ヰシメザ
  ルダケノ權能ヲ持ッテ戴キタイノデアリマ
  ス、私ハ簡單ニ質問スベク諸君ニ御約束致
  シマシタ故ニ-高橋金治郞君默リナサ
  イ、高橋金治郞君ハ私ノ同〓ヨリ選出サレ
  テ居ル所ノ代議士デハナイカ、同〓ヨリ選
  出サレテ居ッテ、殊ニ彼ノ請願委員會ノ際ノ
  如キ、自分ノ提案シタル所ノ、紹介シタル
  所ノ鐵道ノ案ニ付テ自分ガ居ラナイデ、私
  ノ爲ニ採擇スルヤウニナッタ恩義モ知ラナ
  イデ、彌次ルトハ何デス、何メ醜態デス、
  其醜態ハ何デスカ、私ハ先刻申上ゲマシタ
  如ク、議院ノ議席ヲシテ極メテ神聖ニ保ッ
  テ貰ヒタイト思フノデアリマス、私モ亦其
  樣ニシタイト常ニ心懸ケテ居ルノデアリマ
  ス、私ハ議會開會以來總理大臣、内務大臣、
  文部大臣等ニ對シテ、文〓ニ關シ各種ノ質
  問ヲセント欲シテ居ッタノデアリマス、然ル
  ニ是等ノ質問ヲスル所ノ時間ガナク、會期
  ハ經過シテ今日ニ及ンデ居ルノデアリマ
  ス、諸君御承知ノ通リ外交問題モ重要デア
  リマス、經濟財政ノ問題モ國家ノ緊要事デ
  アリマス、併ナガラ國家文〓ノ問題ガ是等
  ノ問題ニ比較シテ、更ニ重大ナルコトヲ思
  ハナケレバナリマセヌ(拍手)一國ノ總理大
  臣ト云フモノハ單ニ國務ノ變理ヲスルバカ
  リデナク、國民ノ指導者トシテ、我々國民
  ノ嚮フ所ヲ示シテ、我々國民ハ總理大臣ノ
  驥尾ニ付シテ行カナケレバナラヌノデアリ
  マス、然ルニ總理大臣ハドウデアルカ、內
  務大臣ノ内政ニ於ケル文部大臣ノ文〓ノ
  方面ニ於ケル、又吾々ガ大ニ論議シナケレ
  バナラヌモノガ多タアルノデアリマス、併
  ナガラ本日先刻諸君ニ御約束致シマシタ通
  リ、私ノ質問ハ極タ簡單ニ打切ルコトヲ約
  束シテ居リマス、此故ニ私ハ私ノ質問ヲ打
  切ルノデアリマスカラ、先刻御尋致シマシ
  タ所ノ此文〓問題ノ極ク僅ノ一點デアル所
  ノ國定〓科書ト文部省臨時國語調査會ニ
  於テ改訂ニナリマシタル假名遣ノ改訂案ニ
  付テ、明確ナル御答辯、ソレダケヲ要求シ
  テ降壇致シマス(拍手)
  〔政府委員安藤正純君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=84

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• 085・安藤正純

  ○政府委員(安藤正純君)　簡單ニ御答ヲ致
  シマス、能ク聽取レマセヌカラ、聽取レタ
  點ダケノ要點ト思フ所ダケヲ御答ヲ致シマ
  ス、假名遣ト字音ノ整理等ニ付キマシテハ、
  是ハ國民〓育上必要ナコトデアリマスカ
  ラ、國語調査會ニ於キマシテ調査ノ步ヲ進
  メツヽアッタノデアリマシテ、ソレハ大正
  十三年十一月ニ國語調査會ガ其改訂案ヲ發
  表致シタノデアリマス、併ナガラ文部省ト
  致シマシテハ、之ヲ未ダ國定〓科書ニ採用
  ハ致シテ居リマセヌ、是ダケ御答ヲ致シマ
  ス
  〔此時發言スル者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=85

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• 086・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=86

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• 087・佐藤與一

  ○佐藤與一君　簡單デスカラ此席カラ申シ
  せっ、現在ノコトハ只今ノ參與官ノ御答ニ
  依テ分リマシタガ、將來ノ御方針ヲ伺ヒタ
  イト思ヒマス、將來ノ方針ヲ伺ヒマス
  〔政府委員安藤正純君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=87

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• 088・安藤正純

  ○政府委員(安藤正純君)　將來ノコトハ此
  席デ御答ヲスル限デアリマセヌ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=88

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• 089・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　他ニ通告ガアリマセ
  ヌカラ、本案ノ第二讀會ヲ開クニ御異議ア
  リマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=89

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• 090・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=90

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• 091・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　直ニ本案ノ第二讀會ヲ開
  キ、第三讀會ヲ省略シテ委員長報告ノ通リ、
  可決確定セラレンコトヲ望ミマス
  〔「贊成」ノ聲起ル〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=91

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• 092・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ原君ノ動議ノ如ク直ニ第二讀會ヲ
  開キ、議案全部ヲ議題ト致シマス
  國定〓科書官給法案第二讀會(確定議)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=92

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• 093・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　他ニ御發議ガアリマ
  セヌカラ第三讀會ヲ省略シ、委員長報告ノ
  通リ可決確定致シマシタ(拍手)日程第七、
  東京府及神奈川縣ニ於ケル震災ノ爲土地區
  劃整理ヲ施行セル地區內ノ假建築著手期限
  延長ニ關スル法律案ノ第一讀會ノ續ヲ開キ
  せく、委員長ノ報告ヲ求メマス、委員長田
  崎信藏君
  第七東京府及神奈川縣ニ於ケル震災
  ノ爲土地區割整理ヲ施行セル地區內
  ノ假建築著手期限延長ニ關スル法律
  案(矢野鉉吉君外十四名提出)
  第一讀會ノ續(委員長報告)
  報告書
  一東京府及神奈川縣ニ於ケル震災ノ爲土
  地區劃整理ヲ施行セル地區內ノ假建築
  著手期限延長ニ關スル法律案(矢野銘
  吉君外十四名提出)
  右ハ本院ニ於テ表題ヲ「東京府及神奈川
  縣ニ於ケル震災ノ爲土地區劃整理ヲ施行
  セル地區內ノ假建築着手期限變更ニ關ス
  ル法律案」ニ改メ別紙ノ通修正スヘキモ
  ノト議決致候此段及報告候也
  昭和四年三月二十三日
  委員長田崎信藏
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  (小字及-ハ委員會修正)
  東京府及神奈川縣ノ市街地建築物法適用
  區域内ニシテ大正十二年九月ノ震災ニ罹
  リタル爲土地區劃整理ヲ施行シタル地區
  內ニ限リ假設建築著手期限ヲ左ノ如ク之
  變更
  ヲ延長ス
  一劇場、集會場、旅館、工場其ノ他ノ特
  殊建築ニシテ内務大臣ノ命令ヲ以テ指
  定スルモノニ付テハ昭和八年八月末日
  迄
  二前號ノ規定ニ依ルモノヲ除クノ外甲
  種防火地區内ニ又ハ其ノ内外二厘ル建
  築ニ付テハ昭和十三年八月末日迄
  〔田崎信藏君登壇】

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=93

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• 094・田崎信藏

  ○田崎信藏君　東京府及神奈川縣ニ於ケル
  震災ノ爲土地區劃整理ヲ施行セル地區内ノ
  假建築著手期限延長ニ關スル法律案ハ、六
  大都市法案ノ委員會ニ併託サレマシタ、此
  法律案ハ東京竝神奈川ニ於テ震災ノ爲ニ全
  部烏有ニ歸シテ、其後ノ復興事業ト致シマ
  シテ種々ナル法律ガアル中ニ、市街地建築
  物法ノ法律ヲ適用サレル爲ニ、震災ノ爲ニ
  三百年來ノ家ヲ亡クシテ其後ニ復興スル資
  力ノ無ク、建築ノ出來得ナイ狀況ニアル者
  ガ、今日ノ如ク經濟界ガ非常ナ不景氣デア
  リマスル故ニ、此防火區域内ノ方々ニ對シ
  テ特ニ從前ノ特別法ニ依テ此法律ヲ制定シ
  テ、罹災者ニ對シテ同情ヲ乞フベキ所ノ東
  京神奈川ノ市民ニ對スル重大ナル法律デア
  リマスガ故ニ、私ハ委員會ノ經過ヲ簡單ニ
  申述ベタイノデアリマスルガ、此案ハ各派
  一致ノ案デアリマスカラ、大體ニ其內容ダ
  ケヲ申上ゲタイト思フノデアリマス、是尺
  重大ナル法案デアリマスルガ故ニ、委員各
  位ガ熱誠ニ御質疑ニナリマシテ、政府委員
  ノ復興局長官ガ出席セラレマシテ、復興局
  長官ハ此法律案ガ出來タナラバ、洵ニ困ル、
  併ナガラ罹災者ニ對シテハ滿腔ノ同情ヲ
  致スガ故ニ、此東京神奈川ニ限リ建築ニ對
  シテ二千万圓ノ補償ヲ致シテ居リマス、卽
  チ補助金ヲ出シテ居ルノデアリマスカラ
  特ニ此補助金ノ全額ノ中、幾分デモ此困難
  ナ方ニ餘計ノ補助ヲスルコトニ依テ、政府
  ト妥協シヤウト云フコトデアリマシテ、委
  員長ハ再三交涉致シマシタガ、ドウシテモ
  ソレ以上ニ政府ガ同意致シマセヌ爲ニ、已
  ムヲ得ズ玆ニ此法律案ハ滿場一致可決サレ
  マシタノデアリマス、右簡單ニ御報告申上
  ゲテ責ヲ盡シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=94

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• 095・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　本案ノ第二讀會ヲ開
  クニ御異議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=95

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• 096・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
  タ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=96

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• 097・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　直ニ本案ノ第二讀會ヲ開
  キ、第三讀會ヲ省略シテ委員長報告ノ通
  リ可決セラレンコトヲ望ミマス
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=97

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• 098・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  シテ、直ニ第二讀會ヲ開キ、議案全部ヲ議
  題ト致シマス
  東京府及神奈川縣ニ於ケル震災ノ爲土
  地區劃整理ヲ施行セル地區内ノ假建築
  著手期限延長ニ關スル法律案
  第二讀會(確定議)
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=98

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• 099・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告
  ノ通リ可決確定致シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=99

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• 100・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　議事日程變更ノ緊急動議ヲ
  提出致シマス、卽チ此際日程第三百五十二、
  尾崎行雄君外三名提出ノ決議案ヲ繰上ゲ議
  題トシ、其審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマ
  ス
  〔「異議ナシ」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=100

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• 101・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  シテ原君ノ動議ノ如ク決シマス、日程ノ第
  三百五十二ノ決議案ヲ議題ト致シマス、提
  出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス、提出者尾崎行
  雄君
  決議案(不戰條約批准奏請ノ件)(提出
  者尾崎行雄君外三名提出)
  決議案
  決議
  昭和三年八月二十七日ヲ以テ帝國政府カ
  調印シタル不戰條約ノ趣旨目的ハ本院ノ
  最モ深ク贊成スル所ナリ但シ其ノ第一條
  ニ明記スルカ如ク「人民ノ名ニ於テ」宣言
  スルコトハ帝國憲法上重大ノ疑義ヲ生ス
  ルノミナラス我カ獨特ノ國體觀念ニ誤解
  ヲ來タスノ虞アリ然レトモ右條約ノ趣旨
  ヲ速ニ承認スルコトハ帝國ノ國是トシテ
  當然ノコトナルヲ以テ政府ハ右條約案ニ
  對シ適當ノ措置ヲ講シ急速御批准奏請ノ
  手續ヲ採ルヘシ
  右決議ス
  〔尾崎行雄君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=101

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• 102・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君　此決議案ハ諸君ノ御手許ニ
  廻シテアリマスカラ特ニ
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=102

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• 103・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=103

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• 104・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君(續)　說明スル必要モナイカ
  ト思ヒマスガ第一ハ衆議院ハ、此不戰條
  約其モノニ付テハ全部ノ贊成ヲ表スルモノ
  デアルト云フ·
  〔「大聲ニ願ヒマス」ト呼ヒ其他發言ス
  ル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=104

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• 105・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=105

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• 106・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君(續)　衆議院ノ意思ヲ明瞭ニ
  スルノガ目的デアリマス、第二ニハ、不戰
  條約其モノニハ贊成デアルケレドモ、不幸
  ニシテ其第一條ニ「人民ノ名ニ於テ」天皇陛
  下ガ戰爭放棄ヲ宣言シ給フト云フコトガア
  ル、之ヲ我憲法及ビ國體ヨリ考ヘマスト、
  「人民ノ名ニ於テ」ト云フ文字ヲ存シテ置ク
  コトハ、我國トシテハドウ考へテモ宜シク
  ナイト云フ意思ヲ矢張表明シナケレバナラ
  ヌト思ヒマス、而シテ第三ニハ、此意思ヲ
  表明シテ此文字ヲ保留スルト同時ニ、御批
  准ヲバ出來ルダケ早ク奏請ヲシテ、此條約
  ヲ有效ナラシメタイト云フ意見ヲ又發表致
  シタイ、此三ツガ目的デアリマス、不戰條
  約ニ賛成ト云フコトハ別ニ說明スル迄モナ
  ク本院ドナタモ異議ハナカラウト考ヘマ
  ス、同時ニ又第三ノ既ニ贊成ヲスル以上ハ、
  出來ルダケ早ク御批准ヲ奏請シテ、世界列
  國ニ協調ノ意ヲ表スルト云フコトモ、全院
  ノ御賛成デアラウト思ヒマス、然ルニ此第三
  ニ對シテ、我政府バ如何ナル故カ、遲々ト
  シテ批准奏請ノ手續ヲ運ビマセヌ、現調印
  國十五箇國ハ、モウ佛蘭西ヲ除イテハ全部批
  准濟ミデ、其批准書ヲ華盛頓政府ニ提出シ
  テアルノニ、單リ我國ガ遲々トシテ之ヲ致
  サヌ、佛蘭西ニハ遲延スベキ特別ノ事情モ
  アルコトハ推察致シマス、我國ハ何等特別
  ノ事情ハ、何處カラドナタガ考ヘテモ有リ
  得ナイノデアル、然ルニ政府ハドウシテモ
  御批准ノ手續ヲ取ラヌ、先達モ小泉君カラ
  ノ質問ニ依テ察知致シマスレバ、成タケ早
  ク手續スルトカ、手續中デアルトカ言ハレ
  マスルケレドモ、其後マダ樞密院ニ御諮詢
  ニナッタト云フ報告ニ接セヌノデアリマス、
  少シモ意ノアル所ガ解シ難イノデアル、何
  故早ク御批准ヲ奏請セヌノデアリマス、亞
  米利加ノ大統領-此條約ノ爲ニ最モ盡力
  シタル亞米利加ノ政府ハ、大統領ノ更迭ト
  共ニ、三月四日限リニ全部更ルト云フコト
  ハ既定ノ事實デ、而シテ前大統領政府ノシ
  タ仕事ノコトデ、最モ天下後世ニ向ッテ光榮
  ヲ遺スベキモノハ不戰條約ノ斡旋ト云フ
  コトモ、是亦疑ヲ容レナイ事實デアリマ
  ス、此與國ノ政府ガ全力ヲ擧ゲテ働キ、ソ
  レハ全世界ニ關係スル問題デアリ、而モ大
  統領ノ任期中、最モ重大且ツ光榮アル仕事
  トシテ扱ッタ所ノ問題ニ就キマシテハ、之ガ
  與親國タルモノハ出來ルダケ其政府ガ在職
  中ニ批准交換ノ手續ヲシテ、彼ニモ相當ノ
  滿足ヲ與ヘルト云フコトハ、國際禮儀當然ノ
  事デアル、然ルニ我政府ハ人間普通ノ禮儀
  ニ於テモ怠ノテ、何等ノ根據ヲ示ス能ハズシ
  テ、唯御批准奏請ヲ遷延シテ居ル、普通六
  箇月位ガ調印ト御批准ノ間ニアルノガ普通
  ダナゾト云フ、誠ニ緩漫迂遠ナル說明ヲ、
  當然此議場ニ於テ發表スル程ニ手續ヲ怠
  テ居ルノデアリマス、何故六箇月ノ餘裕ヲ
  置クノデアル、縱令他ノ急グヲ要セヌ所ノ
  條約ニ對シテハサウ云フ緩漫ナ手續ヲス
  ルノガ從來ノ慣例ニナッテ居ルニモセヨ、斯
  ノ如キ相手ノ政府ハ三月四日ニ於テ更ルト
  云フコトノ分ッテ居ル場合ニ於テ、從來緩漫
  ニシテ來タカラ、是モ矢張緩漫ニシテ宜イ
  ナゾト云フコトハ何處カラ見テモ出テ來
  ル所ノ論理デハゴザイマセヌ、然ルニ不幸
  ニシテ今ノ政府ハサウ云フコトヲ致シテ居
  ル、故ニ本員ハ玆ニ院議ヲ以テ速ニ御批准
  ノ奏請ヲ運ベト云フ意味ヲ發表致スノ必要
  ヲ感ジタノデアル、又ソレニ對シテ第一條
  ノ用語デアル「人民ノ名ニ於テ」ト云フ用語
  デアリマス、之ニ對シマシテハ、昨年以來
  世間ノ問題トナリ、當衆議院ニ於テモ中村啓
  二郞君邊リカラ、屡、政府ニ向ッテ此事ヲ質
  問致シマスルト、政府ハ之ニ向ッテ「人民ノ名
  ニ於テ」ト云フコトハ「國家ノ爲ニ」デアルト
  云フ意味デアル、文義デアルト總理大臣ガ
  中村君ニ向ッテ二度モ答ヘテ居ル、本員ノ質
  問ニ對シテモ同ジ事ヲ繰返シテ居リマス
  是ハ以テノ外ナ事デアッテ、普通ノ言葉ニハ
  人民ト云フ言葉、民族ト云フ言葉、國家ト
  云フ言葉、何レノ國ニ於テモ普通ノ使用法
  ニハ確然タル分界ガアル、何ノ原案者ガ苦
  ム所アッテ、國家ト云フ所ニ於テ殊更「人民」
  ト云フ文字ヲ用ヒルナゾト云フコトハアリ
  得ベカラザル事デアリマス、國家ト言ハウ
  ト思ヘバ英語ニモ、佛語ニモ、日本語ニ
  モ、何處ニモ、國家ト云フ文字ガアル、人
  民ト云フ意思ヲ表明スルニハ人民ト云フ言
  葉ガアル、民族ニハ民族ノ言葉ガアル、殊
  ニ英佛語ニ於テハ此境ガ最モ明確ニアルノ
  ニ、此處ニハ兎モ角普通人民ト云フ場合ニ
  用フベキ言葉ガ使シテアルノデアリマス、是
  ハ少クトモドウ公平ニ考ヘテモ、文義上カ
  ラ申セバ疑ヲ生ズベキ文字デアル、既ニ疑
  ヲ生ズベキ文字ト云フ事ガ分ッタナラバ、當
  局者トシテハ之ヲ我ガ憲法ニ照シ、我ガ國
  體ニ照シテ、疑ノ起ラヌヤウナ文字ニ修正
  スルノガ普通ノ遣方デアッテ、此修正ニ對シ
  テハ亞米利加政府ハ御修正ガアルナラバド
  ウゾ御出シ下サイト云フコトヲ、公文ヲ以
  テ二囘迄我ニ照會シテ居ルニ拘ラズ、其場
  合ニ於テハ修正ナシト答ヘテ、此「人民」ト
  普通理解セラルベキ言葉ヲ其儘存シテ置
  キ、而シテ調印ノ後ニ至ッテ後カラ是ハ「國
  家ト云フ意味デアルト說明スル、是ハ如
  何ニモ政府トシテハ遺憾ノ至リデアリマ
  ス、國家ト云フ意味ヲ使ヒタカッタナラバ、
  修正ヲ求メラレタトキニ、何故國家ト云フ
  文字ニ變ヘタイト云フ提議ヲセナカッタノ
  デアリマスカ、然ルニ其場合ニ於テハ何等
  ノ提議モ致サズシテ、後カラ詳細ニ意見ヲ
  交換シタトカ、或ハ提案國ノ說明ヲ求メタ
  トカ云フヤウナコトヲ發表致シテ居リマス
  ルガ、後カラ如何ニソンナ事ヲシテモ、ソ
  レハ殆ド無效デアリマス、殊ニ今ノ政府ガ
  亞未利加ト交涉シテ完全ナル了解ヲ得テ居
  ルト云フコトハ何ノコトデアルカ分リマ
  セヌ、私ニダケハ知ラセヤウト云フ外務大
  臣ノ話デアリマシタガ、公ニスル事ノ出來
  ナイモノヲ私ダケ知ルト云フコトハ私ノ
  好マザル所デアルカラ、是ハ私ノ方カラ御
  辭退ヲ致シタノデアリマス、公ニシテ宜シ
  イ事ナラバ出來ルダケ承リタイ、然ラズン
  バ本員一人之ヲ承ルト云フコトハ敢テ御辭
  退ヲ致スト··
  〔川原議長議長席ヲ退キ〓瀬副議長代
  リ著席〕
  御斷リヲシタノデアリマス(拍手)併シ辭退
  ハ致シマシタケレドモ、私ト雖モ政府ノ手
  ヲ經ズトモ色ミナ機關ヲ以テ、如何ナル交
  渉ヲ致シタカ位ノコトハ、一通リ知ルベキ
  便利ハ持フテ居ルノデアリマス、新聞ノ機關
  モアリ、通信員モアリ、色こナ朋友モア
  ル、而シテ政府ガ勿體ラシク隱シテ居ル所
  ノモノ、祕密ニシテ居ル所ノモノガ何デアル
  カト云フコトモ、私ニハチヤント分ッテ居
  リマス、實ニ詰ラヌコトデアリマス、「名ニ
  於テ」ト云フ文字ヲ「爲ニ」ト云フ文字ニ解
  釋シテモ差支ナイト云フ程度ノ談判交渉ニ
  過ギナイコトハ、想像ニ難カラヌノデアリ
  さく、之ヲ英語デ言フナラバ「イン·ザ·ネ
  ーム」ト云フノヲ「オン·ビハーフ」ト云フ
  コトニ解釋シテモ、亞米利加政府ハ少シモ
  異議ハナイト云フ位ノ書面ヲ取シテ、之ヲ鬼
  ノ首デモ取シタルガ如ク心得テ居ラルヽヤ
  ウデアル(拍手)洵ニ淺墓ナコトデ、語學〓
  師程度ノ問題、或ハ屬僚問題トシテハ左樣
  ナコトモ何等カノ價値ガアルカモ知レマセ
  ヌガ、吾々ガ國家ノ大事ヲ談ジ、國體ヲ論
  ジ、憲法ヲ論ズルニ當ッテ、ソンナ詰ラヌ事
  ハ殆ド價値ノナイ事デアリマス、「オン·ビ
  ハーフ」ト言ヘバ通常「爲ニ」ト譯スル「イ
  ンザ·ネーム」ト言ヘバ「名ニ於テ」ト譯ス
  、m、何方ニシテモ事實ニ於テハ同ジ事デア
  リマス、故ニ亞米利加政府ガ、斯ウ云フ意
  味ニ日本ガ解シタイト云フナラバ、ソレハ
  御勝手次第、異議ハナイト答ヘルノガ當リ
  前デアル(拍手)「名ニ於テ」ト云フコトハ
  「人民ニ代ッテ」ト云フコトデアル、「人民ノ
  爲ニ」ト云フコトニハ玆ニ二ツノ意義ヲ生
  ジマス、「人民ニ代ッテ」ト云フノガ一ツノ
  意味デアル、同時ニ「人民ノ名譽若クハ利
  益ヲ圖シテ」ト云フノガ他ノ意味デアリマ
  ス、通常此二ツノ意味ハ「オン·ビハーフ」
  ト云フ言葉カラ生ズル、卽チ議長ガ衆議院
  ノ爲ニ御禮ニ參內シタト云フナラバ、是一
  「代ッテ」ト云フ意味ノ「爲メ」デアル、同時
  ニ父ガ子ノ爲ニ保險ヲ付ケタト云フナラ
  バ子ノ利益ヲ圖ッテト云フ意味デアル、之
  ガ普通ノ「オン·ビハーフ」ト云フコトノ解
  釋デアル、代ッテスルカ、其名譽若クハ利益
  ヲ圖ル爲ニシタカ、此二ツヨリ外ハナイ、
  人民ニ代ッテ天皇ガ宣言シ給フト云フ意
  味デ政府ガ「爲ニ」ト云フノヲ使フナラバ
  唯ソレハ言葉ガ違フダケデ「人民ノ名ニ於
  テ」ト云フノモ「人民ノ爲メニ」ト云フノ
  モ、共ニ代ッテ宣言シ給フト云フコトニナ
  ルノデアッテ、言葉違ヒハ-少クモ文義ノ
  差ヲ生ゼヌコトハ、餘程下等ナ語學〓師ト
  雖モ知ッテ居ルベキ筈デアルガ、何ノ意味カ
  ソンナ事ヲ議會ニ總理大臣兼外務大臣ハ答
  ヘラレテ居ルノデアリマス、惟フニ總理大
  臣兼外務大臣ハ此「爲ニ」ト云フコトハ「代ッ
  テ」ノ意味デハナイ、丁度親ガ子ノ爲ニ保
  險ヲ付ケヌト云フヤウナ「爲ニ」デアッテ、
  卽チ我國民、人民-總理ハ之ヲ「國家」ト
  言ヒマス、「人民」ト云フ言葉ヲ强イテ國
  家」ト云フコトハ、隨分無理ナ事デアリマ
  スルケレドモ、假ニ其無理ヲ認メタ所ガ國
  家ノ爲ニ、卽チ國家ノ名譽若クハ利益ノ爲
  ニ天皇ガ宣言シ給ウタコトニ總理大臣ハ
  多分考ヘテ居ラルヽノデハナカラウカト想
  像セラレル、若シ果シテサウデアリマスル
  ト、當面ノ「人民ノ名ニ於テ」ト云フ非難ニ
  對シテハ、遁ゲ路ヲ此處デ得タト總理ハ考
  ヘテ居ラレルカモ知レマセヌケレドモ、若
  シ其意味デ此「爲ニ」ト一云フ言葉ヲ解釋致シ
  マスルト、不幸ニシテ總理大臣兼外務大臣
  ハ、此不戰條約ノ目的ヲ全ク誤解シテ居ル
  ト云フ根柢ノ上ニ立ツノデアリマス、不戰
  條約ハ一ノ國家若クハ一ノ民族或ハ一ノ人
  民ナドノ名譽利益ヲ圖ル、ソレヲ目的トシ
  テ結ンダモノデナイト云フコトハ不戰條
  約ノ前文ニ於テ三箇所モ書イテアル、全世
  界ヲ目的トシタモノデアル、人類ヲ目的ト
  シタモノデアル、總テノ民族ノ利益及名譽
  ノ爲ニ不戰條約ヲ致シタノデ、一ノ國家ヤ
  民族ヤ、人民ノ爲ニ不戰條約ハ結バレタモ
  ノデナイト云フコトハ前文ヲ見レバ直ニ
  分ルノデアリマス(拍手)然ルニ總理ハ「國
  家ノ爲メ」ト再三辯解ノ上デ通ゲ路ガ付イ
  タト考ヘテ居ルガ、若シ之ヲ其通リニ言フ
  ナラバ、總理ト云フ人ハ全ク不戰條約ノ目
  的眼目ヲ心得ズシテ調印シタト云フ責任ヲ
  取ラナケレバナラヌノデアリマス(拍手)此
  點ハ餘程重大ナ事件デアリマス、此處デ說
  明スル迄モナク、不戰條約ノ目的ハ他ノ條
  約ト同ジク前文ニ揭ゲテアリマス、其目的
  ハ人民ノ爲ニ此條約ハ結ブノデアルト書イ
  テアル、全世界ノ平和ノ爲ニスルノデアル
  ト書イテアル、同時ニ永久ノ平和ヲ維持ス
  ルノモ此不戰條約ノ目的デアル、故ニ國家
  ヤ民族ノ利益ヲ目的トシタモノデハナイ、
  全世界ヲ目的トシタモノデアル(拍手)此點
  ハ條約ノ根本義ニ關係スル事デアリマスカ
  ラ、ドウカ諸君、愼重ニ御〓究ヲ願ヒタ
  ィ、日本帝國ガ不戰條約ニ調印ヲシタケレ
  ドモ、其政府ハ條約ノ目的スラ理解シナカッ
  タト云フコトヲ總理ガ發表致サレテハ、是
  ハ國家ノ非常ナ面目ニ關係スル事デアリマ
  スルカラ、ドウゾ帝國ノ名譽ノ爲ニ、此政
  府ノ名譽ノ爲ニ、「國家ノ爲メ」ト總理ガ言
  フノハ決シテ我國家ノ々石譽ヤ利益ノ爲デハ
  ナイ、國家ニ代ッテ、卽チ人民ニ代ッテ天皇
  陛下ガ御宣言ニナルト云フ意味デアル、少
  シ遲シト雖モ今カラ明答ヲ願ヒタイノデア
  リマス、今日後刻出席セラレタナラバ、其
  點ダケハ明ニ致シテ置キマセヌト、全世界
  ニ向ッテ恥ヲ搔クコトノ已ムヲ得ザルニ陷
  ルノデアリマス、又我ガ衆議院ハ政府ヲシ
  テソレダケ國家ノ名譽ヲ守ラシムベキ權利
  且ツ義務ガアルト思ヒマス、不戰條約ハ決シ
  テ日本帝國ノ爲ヤ何カノ小サナ目的デ結ン
  ダモノデナイコトハ、世界ノ知識アル者ハ
  皆知ッテ居リマス、現ニ前文ニ書イテアルノ
  デアリマス(此時發言スル者多シ)御騒ギニ
  ナルベキ問題デハゴザイマセヌ、日本帝國
  ノ榮辱ニ關スル問題デアリマスカラ、冷靜
  ニ御考ヲ願ヒマス、全世界ニ對シテ結ンダ
  條約ヲ纔ニ一箇國ノ爲ニ結ンダト理解シタ
  國民ガアッタナラバ、是ハ全ク問題ノ眞相ヲ
  辨ヘナイ考デアリマス(「徽章ハドウシタ」
  ト呼ヒ其他發言スル者多シ)アナタ方ノ御
  騒ギニナルノハ是デセウ(此時尾崎行尾君
  徽章ヲ示ス)此國家ノ大事件ヲ論ズルニ當ッ
  テ、此位ナモノヲ問題ニスルヤウデハ迚モ
  駄目デアル、兎ニ角問題自身ハ大權事項デ
  アリ、同時ニ國體關係デアリマス、ドウゾ
  反對贊成ハ御隨意デアリマスルケレドモ、
  天皇陛下ノ大權事項ヲ議スルニ當ッテ、臣
  民タルノ禮儀ダケハ御守リヲ願ヒタイ拍
  手)殊ニ國體ノ尊嚴ヲ維持スル爲ニ發議ス
  ルニ當ッテハ、其發議者ハ如何ナル人間デア
  ラウトモ、諸君ニ於テハ相當ナ敬意ヲ表シ
  テ然ルベキコトデハナイカト思ヒマス拍
  手)今日此不戰條約ノ第一條ニ於ケル人
  民ノ名ニ於テ」ト譯スベキ言葉デアリマ
  ス、政府ハドウ譯シテモソレハ御勝手デア
  リマス、唯世界ノ何所ニモサウームフ譯語ハ
  通用セヌト云フダケノコトデアリマシテ
  ドンナ間違タタ釋釋ヲ下シ譯シテモ、ソ
  レハ隨意デアルガ、此文句ヲ使クタ以
  上ハ、普通ノ全世界ハ矢張人民ノ名ニ於
  テト云フ文義ニ理解致シマスルノガ、
  是ガ我ガ國體ニ關係スルコトハ非常ナ
  モノデアリマス、若シ我ガ日本帝國モ
  歐米ニ於ケル共和國或ハ君主ヲ奉戴致
  ストシテモ、其君主ハ人民カラ選バレタ
  モノデアルカ、或ハ人民ノ推戴スルノ間其
  位ニ在ルモノデアルカ、卽チ世襲的大統領
  ニ似タル位地ニ立ッテ居ル君主ヲ戴イテ居
  ルト云フ所ノ國ニ於テハ、君主國ト雖モ世
  ニ謂フ所ノ民主國デアリマスカラ、共和國
  ト實體ニ於テ大シタ變リハナイノデアリマ
  ス、ソレ等ノ國ト···(此時發言スル者多
  シ)議長、少シ御注意ヲ願ヒマス、若シ私
  ノ言ヒ方ガ惡ケレバ靜ニ御知ラセ下サレバ
  過ハ正シマス、同時ニアナタ方モ此大權事
  項ニ對シテハ、ドウシテモ臣民タルノ義務
  ハ御盡シニナラナケレバナラヌト思ヒマス
  (拍手)兎ニ角現在ノ歐羅巴、亞米利加ニハ
  共和國ト君主ヲ戴イタル民主國ト云フヨリ
  外ハゴザイマセヌ、所デ問題ハ我ガ日本帝
  國ハ此民主國ト同ジ國體ノモノデアルヤ否
  ヤト云フコトハ、冷靜ニ御考ヘニナラナケ
  レバナリマセヌ、他ノ民主國ト同ジ國體デ
  アルナラバ、彼等ガ最モ誇リトシテ居ル所
  ノ言葉、卽チ人民ノ名ニ於テト云フ言葉ヲ、
  帝國モ使フコトハ差支ゴザイマセヌ、若シ
  他ノ民主國ト日本ト同ジコトデアルト云フ
  コトヲ、諸君ガ御確信ニナルナラバ同ジ
  ヤウニ最モ誇リトスル所ノ人民ヲ主體トシ
  テ宣言ヲ發表シ、條約ヲ結ブト云フコト
  ハ、帝國ニ於テモ差支ナイコトニナリマス、
  若シサウデナクシテ、日本帝國ハ特異ノ國
  柄デアル、他ノ共和國、民主國-人民カ
  ラ選バレタル君主ヲ戴キ、人民ノ推戴スル
  間其位ニ居リ、同時ニ君臨ハ致スケレドモ、
  統治權ハ持タナイト云フ君主國ト違ッタル
  國デアルト云フコトヲ、諸君ガ御自信ニナ
  ルナラバ、人民ノ名ニ於テト云フ同ジ文章
  ヲ使フコトハ、餘程注意シナケレバナラヌ、
  容易ナラザル問題トナリマス(拍手)故ニ根
  本義ニ於テ日本帝國ハ他ノ歐羅巴ノ君主國
  ト同ジ國體ノモノデアルカ、或ハ違タ國
  體デアルカト云フコトダケハ冷靜ニ御〓
  究ヲ願ヒタイノデアリマス、旣ニ國體ガ違
  フナラバ、同ジ此用語ヲ此場合ニ於テ用フ
  ルト云フコトハドウ考ヘテモ不穩ナル働
  トナルコトハ疑ヲ容レマセヌ、何故條約第
  一條ニ於テ、歐米諸國、日本ヲ除イタル十
  四箇國ノ現調印國ガ「人民ノ名ニ於テ」ト云
  フ言葉ヲ使ッタカト云フコトヲ、御考ニナレ
  バ此用語ノ果シテ我國ニ適スルヤ否ヤハ
  直ニ分リマズ、昔ハ斯ウ云フコトヲ言明ス
  ルニ當ッテハ、出來ルダケ壯嚴、嚴肅ナ用語
  ヲ用ヒ、言葉ヲ用ヒ、其事態ヲ重大ニシタ
  イト云フコトハ如何ナル時期ニ於テモ人
  間ハ普通考ヘルコトデアリマスルカラ、列
  國ノ統治權者ガ條約ヲ結ブニ當ノテ、何ゾ
  モット一層壯嚴嚴肅ニシタイト云フ場合ニ
  於テハ、昔ハ多クハ神ノ名ニ於テト云フ言葉
  ヲ使"タノデアリマス、神ハ皇帝、大統領ヨ
  リカ、モット高イ者デアルト認メテ居リマ
  スルカラ、斯ウ云フ場合ニ於テ、神ノ名ニ
  於テ天皇陛下ガ宣言スルト仰セラレマス
  ルト、餘程ソレニ壯嚴嚴肅ノ感ヲ與ヘマス、
  所ガ世ノ中ノ段々進步スルニ隨フテ、帝王神
  權說ナドヽ云フコトモ、歐羅巴デハ兎ニ角
  餘リ流行ラナクナッタカラ、神ノ名ニ於テト
  云フ言葉ガ段々用ヒラレナクナッタ、然ラバ
  皇帝、大統領ダケデ宣言シテ、ソレデ嚴肅
  壯嚴ノ情ヲ十分ニ滿足セシムルコトガ出來
  ルカト考ヘマスルト、サウハ行カナイ、大
  統領ハ人民カラ選バレタ者デアッテ、亞米利
  加邊リデハ公ノ召仕、公僕ト申シテ居リマ
  ス、公僕ガ宣言シタヾケデハ餘リ壯嚴ニ聞
  エナイ、同時ニ君主デモ白耳義ノ民選君主
  デアリ、其他ノモノト雖モ、君臨スルダケ
  デ統治セナイ、卽チ我國デ言フナラバ昔
  ノ藩政、北條、足利、德川時代ノ陛下ハ
  君臨シ給フテアルケレドモ、全國ヲ支配ス
  ル權利ハ將軍ニ在ックト稍、似タル事態ガ、
  歐羅巴ノ君主國ニ於テハ行ハレテ居ル、此
  君主ガ「君主ノ名ニ於テ」ト宣言シタノデ
  ハドウシテモ大統領ガ宣言シタト同ジヤ
  ウニ、莊嚴々肅ノ感ヲ與ヘルコトニ不足ヲ
  感ズルノデアリマス、ソコデ時勢ノ變化ト
  シテ、又物ノ實體カラ申シマスト民主國
  ニ於テハ人民ト云フモノガ一番大切ナモノ
  デアル、大統領ハ人民ニ依テ選バレルノデ
  アリ、君主國ニ於テモ人民ニ依テ或ハ選バ
  レ或ハ推戴セラレテ居ルノデアッテ、歐羅巴
  ノ人民ガ廢サウトスレバ、隨意ニ廢スルコ
  トモ出來ルヤウナ國體ガ多クアルノデアリ
  マスカラ、是等ノ國ニ於テハ「神ノ名ニ於
  テ」ト云フ言葉ニ代ルベキモノヲ求ムレバ
  大統領ヲ作リ、君主ヲ戴キ、之ヲ選ブ所ノ
  人民ト云フモノガ實質ニ於テハ最モ重要ナ
  ルモノトナリマスルガ改ニ、近來ニ至フテ
  ハ大統領君主ダケデ宣言シテドウモ不足ヲ
  感ズル時ニハ、自分達ニ其權力ヲ與ヘテ吳
  レタ所ノ人民ヲ引出シテ「人民ノ名ニ於テ」
  ト云フ言葉ヲ「神ノ名ニ於テ」ト云フ代リニ
  遣フヤウニナッタト云フコトハ私ガ申スマ
  デモナイ、諸君ハ御承知ノ筈デアリマス(拍
  手)是ガ「人民ノ名ニ於テ」ト云フ言葉ノ出
  ル原因デアルガ、此原因ガ日本ニ果シテ通
  用スルヤ否ヤト云フコトハ帝國臣民タル
  者ハ餘程敬虔ノ念慮ヲ以テ考察シナケレバ
  ナラヌ譯デアリマス(拍手)況ヤ此言葉ヲ最
  モ先ニ使ッタノハ亞米利加-此條約ニ際
  シテ最初原案ヲ作ッタノハ佛蘭西ト亞米利
  加デアル、佛蘭西ノ提議デアリ、亞米利加
  ガ賛同致シタ、是ハ申スマデモナク純然タ
  ル共和國デアリマスルカラ、ドウシテモ「人
  民ノ名ニ於テ」ト云フ言葉ヲ使ハナケレバ
  莊。嚴々肅ノ度ガ餘程缺ケマス、後ニ是ト仲
  間ニナッタ十四箇國モ、日本ヲ除イテ其中ニ
  多少ノ君主國ハアリマスケレドモ、白耳義
  ハ人民ニ依テ選バレタル國王デアッテ、白
  耳義國王トスラ言ハズシテ「白耳義人ノ王」
  ト自ラ稱セラレル程ニ、人民カラ戴カレタ
  證據ヲ舉ゲテ居ル國柄デアル、英吉利モ國
  王ハ君臨スルケレドモ、統治セズト云フコ
  トヲ國體ノ最モ大切ナル事トシテ居ル國柄
  デアリマス、其他ノ伊太利ニシテモ、最モ
  近年人民カラ戴カレテ皇帝ノ位ニ居ラルヽ
  モノデアリマスカラ、是等ノ國ミニ於テ
  莊嚴ナル言葉ヲ使ハウト云フノナラバ、
  ドウシテモ「人民ノ名ニ於テ」ト云フ言葉
  ガ最モ適切莊嚴ナルコトニナルノデアリマ
  ス、所ガ我國ニ於テハ國體ガ全ク違ヲテ居リ
  マスカラ「人民ノ名ニ於テ」ト云フ言葉ヲ假
  ニ國民ノ爲メト言ッテモ、國家ノ名ニ於テト
  ドウ變ヘタ所ガ天皇陛下親シク御宣言ニ
  ナル程ノ莊嚴々肅ノ感ヲ全國人民ニ與ヘル
  コトハ出來ナイノデアリマス(拍手)本員等
  ニ反對スル諸君ト雖モ、天皇ノ名ニ於テ宣
  言セラレテハ莊嚴ガ足ラナイ、之ヲ「人民
  ノ名ニ於テ」ト言ヘバ餘程莊嚴ニナルト御
  考ニナル人ハ、此席上一人モナカラウト思
  ヒマス(拍手)旣ニソレガ考ヘラレナイ以上
  二八此場合ニ於テ此文字ヲ存シテ置クト
  云フコト、之ヲ此儘ニ調印ヲ致シタト云フ
  コトハ非常ナ失策デアリマス、既ニ「人民
  ノ名ニ於テ」天皇陛下ガ宣言シ給フ慣例
  ガ一度開クレバ、次ニハ人民ノ名ニ於テ條
  約ヲ締結シ給フコトニナル、總テ人民ノ名
  ニ於テスレバ陛下ハ人民ニ代ッテ仕事ヲ
  スルコト、恰モ歐羅巴ノ民選君主ト同ジヤ
  ウナ位置ニ段々ナルト云フコトハ所
  謂-漸次其處ニ至ルベキコトデアッテ、眞
  ニ帝室ヲ尊敬シ、國家ヲ重ンズル者ハ微ヲ
  防ギ漸ヲ杜グト云フコトニ付テハ、餘程意
  ヲ用ヒナケレバナラヌ筈ノモノデアル柏
  手)唯、是ハ言葉デアルカラ宜シイト申シマ
  ス人ガアルカモ知レヌガ、斯ノ如キ言葉ガ
  一度ビ使ハレマスレバ、ソレガ色ミナ變化
  ヲ經テ、遂ニ歐羅巴ノ民主國ト同ジヤウナ
  國體ニ、日本ガナルベキ虞ガアルノデアリ
  マス(拍手)ソレモ人民ガ果シテ其心ヲ以テ
  スルナラバ、時勢ノ變化已ムヲ得ヌト云フ
  コトモ言ハレルカ知レマセヌガ、其心ハ無
  イ、唯〓不注意ノ爲ニ、防微杜漸ノ注意ガ足
  ラナイガ爲ニ、知ラズ識ラズ其境遇ニ陷ッタ
  トアッテハ、御同樣天下後世ニ對シテ實ニ申
  譯ナイコトニナリハ致シマセヌカ、憲法制
  定者ハ微ヲ防ギ漸ヲ杜グト云フコトニ付テ
  伊藤公ヲ初メ非常ニ力ヲ入レテ居リマ
  スカラ、苟モ事帝室ニ關係シ、殊ニ大權事
  項ニ關係スル點ニ於テハ注意ノ上ニモ注
  意ヲ加ヘタコトハ憲法ノ條文ヲ御覽ニナ
  レバ分ルノデアリマス、只今其最モ著シキ
  事ヲ申シマスレバ、攝政殿下ヲ戴クト云フ
  コトハ普通國家ノ公務トシテ論議セラレ
  テ居ルコトデアリマスガ、我ガ憲法ノ制定
  者ハ攝政ヲ置クト云フコトハ帝室ノ事デ
  アッテ、國家ノ公務デハナイト云フ意味デア
  リマセウ、普通ハ之ヲ憲法ニ掲ゲテ居ルノ
  ニ、我國ダケニ於テハ之ヲ皇室典範ニ揭ダ
  テアル、何故ソレダケ注意ヲ致シマシタカ、
  コヽラハ是程ノ注意ハセナカッテモ宜カッタ
  ラウト私共ハ思ヒマスケレドモ、憲法起草
  者及制定シ給フ所ノ明治天皇陛下ハ、コ
  コラノ邊マデ注意シテ置カナケレバ、漸次
  變化ガ來ルト云フコトヲ深ク御考ヘニナツ
  タノデアリマセウ、攝政殿下ヲ戴クト云フ
  コトスラ、之ヲ憲法カラ省イテ白王室典範ニ
  揭ゲタノデアル、而シテ伊藤公ガ之ヲ解釋
  シテ、微ヲ防ギ漸ヲ杜グ目的デアルトカヲ
  籠メテ述ベテ居リマス、是マデニ注意シテ
  居ル、然ルニ今ハ「人民ノ名ニ於テ」ト、通
  常誰ガ讀ンデモ讀マルベキ言葉ヲ此處デ
  使ッテ、之ヲ改メズシテ、而モ辯護スルト云
  フニ至ッテハ、防微杜漸ノ志洵ニ缺ケタリト
  言ハレテモ、申譯ハナイト思ヒマスガ故
  ニ、是等ノ點ニ付テハドウゾ唯、今日一時ノ
  問題ト考ヘズシテ、子孫ニマデ及ビ、我ガ
  國體ヲ動カスカ動カサヌカト云フ問題デア
  ルト云フコトヲ御〓究願ヒタイノデアリマ
  ス、不幸ニシテ私ノ言議ガ皆間違ッテ居ッテ、
  少シモ其心配ガナイト云フナラバ、私トシ
  テハ是程ノ幸福ニ感ズルコトハゴザイマセ
  ヌケレドモ、恐ラク私ノ言フ所ハ、少シモ
  黨派ノ觀念ハナイ、政權ニ對スル慾モナ
  1、政府ニ對シテ好意モ惡意モ持タナイ
  ドチラカト云ヘバ比較的、昨年以來好意ヲ
  持チ來ッタト云フコトハ諸君モ御認メデア
  リマセウ、ソレガ爲ニハ親シキ舊友カラ大
  ニ反對セラレルマデ、此政府ヲバ私ハ助ケ
  來ッタノデアリマス、助ケルコトハ何等ノ役
  モナカッタカモ知レナイケレドモ、私トシマ
  シテハ四十年ノ友ニ背イテモ、稍〓之ヲ能ク
  助ケテ國ノ爲ナリト田心シタ場合ニハ助ケタ
  ノデアリマス、故ニ今日ニ至ッテ、强イテ此
  政府ヲ苛メヤウナドヽ云フ考ハ寸毫モアリ
  マセヌケレドモ、如何ニセン此帝室及國家
  ヲ本體トシテ考ヘル時ニハドウシテモ此
  心ガ浮ブノデアリマス、決シテ黨派ノ觀念
  ヤ、一時ノ氣マグレニ論ズル所ノ問題デナ
  イト云フコトダケハ御諒察ヲ願ヒタイノデ
  アリマス(拍手)殊ニ兩大政黨ハ斯ノ如キ大
  權事項、國體問題、同時ニ文義ノ解釋ト云
  フヤウナコトハ、人各、學ブ所ニ依テ判斷
  シ、良心ノ指命ニ依テ判斷スベキ問題デア
  リマスカラ、兩大政黨トモ賛成モドウゾ黨
  議ナドヲ以テ贊成セラレザルコトヲ希望ス
  ル同時ニ反對モ亦黨議ナドデ縛ッテ反對
  ヲ爲サラヌコトヲ希望スルノデアリマス、
  各、帝室ニ對スル忠愛ノ仝心慮ト、平生學ブ所
  ノ良心ニ從シテ、黨議ヲ離レテ此問題ヲ〓究
  セラレンコトヲ希望スルノデアリマス拍
  手)殊ニ今日公平ナル見地ヨリシテ、私ガ
  此問題ヲ思ヒマスルト、先ヅ國體及大權事
  項ニ對シテハ、此文字ヲ此儘ニ存シテ置ク
  コトハ、ドウシテモ許スベカラザルモノデ
  アルト云フコトハ、左迄多辯ヲ要セヌカト
  思ヒマス、然ラバ現在ノ政治的問題トシテ
  ドウアルカト云フト、餘程今日ノ扱ヒ方ヲ
  致シマスルト、政治的問題トシテ非常ニ困ッ
  タ結果ヲ生ズル心配ガアリマス、政府ハ是
  迄ノ中村君ニ對スル答辯、私ニ對スル答
  辯、小泉君ニ對スル答辯ニ於テ、再三再四
  是デ少シモ差支ナイ、餘程能ク愼重ニ考慮
  シテ見タガ少シモ差支ナイ、原案國、提案
  國タル亞米利加政府トモ、意見ノ詳細ナル
  交換ヲ致シテ見タガ差支ナイ、卽チ此通リ
  御批准ニナッテ、少シモ大權ニモ國體ニモ
  關係ハセヌト、明白ニ答ヘテ居リマス、私
  ハ此答辯ヲ弛メサセタイト云フ意味デハ
  却テ困ッテ居ルノデアリマス、斯ウ明白ニ
  答辯シテシマヒマスルト、動キガ取レマセ
  ヌ、所デ御批准ヲ請フニ當フテ、或ハ御礼
  准御諮問ノ機關トシテハ樞密院モアリマ
  ス、樞密院ノ構成分子ヲ御覽ニナレバ此
  不戰條約ガ此儘デ彼處ヲ通ラウト云フヤウ
  ナ想像ハ、公平ニ考ヘレバ誰方ニモ付ク筈
  ハゴザイマセヌ(拍手)樞密院ニハ憲法制定
  ニ當ッテ伊藤公ニ隨〓テ非常ニ是等ノ問題ヲ
  深ク〓究シタ、所謂防微杜漸ノ途ニ於テ餘
  程力ヲ用ヒタ人ガ大分アノ中ニハ這入ッテ
  居リマス、是等ノ人ガ苟モ伊藤公ト〓究シ
  タ目的ヲ忘レ地下ノ先輩ニ對スル所ノ義
  務ヲ忘レナケレバ、ドウシテモ此條約ハ是
  デ宜シイト云フ御答ハ出來ナイ筈デアリマ
  ス(拍手)又同時ニ憲法起草ニ向ッテハ參加
  セズトモ、餘程平生保守的ノ考ヲ以テ、殊
  ニ大權事項等ニ付テハ、特別ニ非常ニヤカ
  マシク論ジテ居ル所ノ人ガ、今尙ホ大分存
  シテ居リマス、是等ノ人ニモ少クトモ疑問
  ノ種トナリ、反對ノ理解ノ出來ベキ事柄ヲ
  其儘存シテ置イテ、サウシテ之ヲ御批准然
  ルベシト云フ奉答ハ、是等ノ人モ平生天下
  ニ發表シタル所ノ言議ニ對シテ、斷ジテ出
  來ナイ筈デアリマス(拍手)ソレト同時ニ、
  樞密院ニハ多年外交ニ盡シテ、英語、佛語其
  他條文ノ書方等ニ付テハ、今ノ政府ノ人ヨ
  リカ餘程堪能ナル人ガ大分居リマス、是等
  ノ人ガ此條文ヲ見レバ政府ガ如何ニ辯解
  シタ所ガ、其辯解ガ彼等ノ前ニ通ラウ筈ハ
  ゴザイマセヌ(拍手)卽チ是等ノ人モ平生ノ
  知ル所、久シク陛下ノ政府ニ仕ヘタ所ノ
  經驗ヲ忘レズ、且ツ之ヲ棄テサヘシナケレ
  バ此條約ヲ此儘ニシテ御批准然ルベシト
  云フ奉答ハ絕對ニ出來ナイ筈デアル(拍手)
  サウスルト、モウ樞密院ノ是デ宜シイト言
  ヒ得ル人ハ、殆ド殘リ少ナクナルト云フコ
  トハ苟モ政治眼ノ有ル人ニハ皆分ルベキ
  筈デアル(拍手)惟フニ政府ハ、亞米利加カ
  ラ得タ所ノ一囘カ二囘ノ文書ナドヲ以テ、
  樞密院ニ訴ヘル積リデアリマセウガ、左樣
  ナ文書ハ下等ナル屬僚ニハ多少役ニ立チマ
  ゼウガ、苟モ樞密顯問官達ノ前ニサウ云フ
  モノヲ見セレバ、唯嗤ハレルダケデアッテ、
  何等ノ價値ナキハ私ガ保證致シマス、價値
  アル文書ヲ得テ居ル氣遣ハナイノデアリマ
  ス唯彼等ガ無知無學ナルガ爲ニ、唯ソレ
  ヲ價値アリト誤解シテ居ルダケデアリマス
  (拍手)要スルニ此儘デ參レバ、ドウシテモ
  樞密院ハ無事ニハ通リマセヌ、第一條ニ付
  テハ必ラズ保留其他ノ手段ヲ執ラルヽデア
  ラウト思ヒマス、偖テ樞密院ハ、第一條ニ
  於ケル人民ノ名ニ於テト云フ言葉ハ、政府
  ガドウ之ヲ日本語デ言ッテモ同ジデアリマ
  ス、原文ハ些トモ變リハ致シマセヌ、國家ノ
  爲ト言ハウガ、國民ノ名ト言ハウガ、人民
  ノ名ニ於テト言ハウガ、原文ハ同ジコトデ
  アル、故ニ何ト言ッタ所ガ、此儘デハ先ヅ樞
  密院ノ人〓ガ、其平素ノ意見ヲ棄テズ、良
  心ヲ忘レザル限リハ、此問題ハ此儘デハ通
  ラヌコトハ請合デアリマス(拍手)偖テ此人
  民ノ名ニ於テト云フ言葉ヲ保留シテ、御批
  准ヲ奏請シ天皇陛下御嘉納ニナッテ、ソレ
  ヲ御批准ヲ遊バサレタトシタナラバ、政府
  ハドウスル積リデアリマス(拍手)平生ノ事
  ナラバ、其場合ニ於テ活路ハ開ケマセウ、
  多少面目サヘ顧ミヌナラバ、俗ニ謂フ耻ヲ
  知ラナイ手段ヲ執レバ、何トカ活路モ開ケ
  ヌコトハアリマスマイ、私ハ開ケルナラバ
  餘リ面目ヲ失ハナイ範圍ニ於テ、開カセテ
  ヤリタイト云フ氣モ、今尙ホ少シハ持シテ居
  ルノデアリマス、所ガ不幸ニシテ此事ハ大
  權事項デアル、國體關係ノ問題デアル、其
  重大問題ニ於テ政府ガ樞密院及陛下ノ御
  批准遊バサレタモノトハ、反對ノ意見ヲ以テ、
  人民ノ名ニ於テト云フ用語ヲ其儘存シテ宜
  シイト云フ案ヲ陛下ニ奉リ、樞密院ニ廻
  ハシタ、此責任ヲドウスルコトガ出來ルノ
  デアリマスカ(拍手)大權事項ニ於テ非常ナ
  ル過ヲ犯シ、國體關係ノ問題ニ於テ取返シ
  ノ付カナイ過ヲ犯シタ場合ニ於テ、時ノ政
  府ハドウスル餘地ガアルノデアリマスカ
  同時ニ是ハ政府バカリノ問題デナイ、今日
  如何ナル決議ガ此處デ出來ルカ知リマセヌ
  ガ、萬一私ノ希望ニ反シテ、諸君ノ多數ガ
  是迄ノ行掛リ若クハ黨派感情ニ囚ハレテ、
  斯ノ如キ問題ヲ誤ッタ決議ヲシテ、是デ差支
  ナイト政府ト同ジヤウナ意見ノ決議ヲシ
  タト假定スル、其後樞密院ガソレヲ否認シ
  天皇陛下モ否認シタ意見ヲ御容レニナツ
  夕時ニハ、此處デ決議ヲシタ諸君ハ議員タ
  ルノ職責ニ對シテドウナサル御考デアルカ
  (拍手)左樣ナ場合ニ於テ依然トシテ其職ニ
  居ノテモ、臣民タルノ義務ヲ盡セリト御考へ
  ニナリマスカ(拍手)政府トシテハ、先ヅ其
  場合ニ於テハドウシタ所ガ總辭職ヲシテ
  罪ヲ閾下ニ待ツヨリ外致方ガアリマスマイ
  ガ、議員ハドウナサルノデアルカ(拍手)迂
  濶ニ贊成シテ萬一左樣ナコトガ出來タナラ
  バ議員モ亦-賛成シタ人モ總テ辭職ヲ
  シテ罪ヲ闕下ニ待ツノガ當然ノ義デハナイ
  カト思フ(拍手)議員ハ全ク無責任デアル、
  如何ナルコトヲ決議シテモ、其責任ヲ取ラ
  ズト云フ程ノ、職責ヲ解セザル人デアルナ
  ラバ格別デアルガ、苟モ良心アリ職責ヲ重
  ンズル人デアルナラバ、萬一間違タ夕ニニ
  團體關係ニ於テ此議ガ御採用ニナラナカッ
  タラドウスルノデアリマス(「馬鹿」ト呼ヒ
  其他發言スル者多シ)馬鹿ト云フヤウナ下
  等ナ言葉ヲ御使ヒニナルコトハ御愼ミアツ
  テ然ルベシ、何ノ問題ダ、御同樣ニ只今ハ
  帝國ノ臣民トシテ冷靜ニ考フベキコトデハ
  ゴザイマスマイカ、議員ノ職責トシテ、苟
  モ大權事項、國體關係ノ問題ヲ若シ誤フテ決
  議ヲシテ、ソレガ眞正面カラ樞密院ニ廻サ
  レ陛下ノ御嘉納ヲ得ナカッタ時ニハ、ドウ
  シヤウカト云フ位ノコトハ今カラ考ヘテ
  置カナケレバナラヌコトデアリマス(拍手)
  唯一時ノ感情ニ制セラレテ、斯ノ如キ重大
  ナ問題ニ向ッテ輕卒ナ言議ヲ挾ムト云フコ
  トハ、諸君ノ爲ニ甚ダ惜ムノデアリマス
  (拍手)問題ニ依テハ如何ナル野人ト雖モ、
  少シハ敬虔ノ念ヲ持ッテ宜シイ筈デゴザイ
  マス(拍手)私ハ諸君ヲ非難スル爲ニ申シテ
  居ルノデハアリマセヌ、同僚トシテノ厚意
  ヲ以テ此注意ヲ與ヘテ居ルノデアリマス
  (拍手)ソレニ何ゾヤ人ノ厚意モ解セズシ
  テ、罵詈議謗ニ等シキ醜惡ナル言語ヲ放ツニ
  至ッテハ、全ク己ヲ辱メルモノト謂ハナケレ
  バナラヌ(拍手)兎ニ角政治家ト致シマシテ
  ハ、單ニ此決議ヲ此議院デドウ扱フカト云
  フコトダケヲ考ヘテ濟ムベキ筈ノモノデハ
  ゴザイマセヌ、其後之ガ御批准ガ濱ンデ、
  世界ニ對シテ一通リノ結末ノ著クマデノコ
  トハ、御同樣ニ考ヘナケレバ議員ノ職責
  ハ濟マヌノデアリマス、差當リ來ルノハ、
  只今申シタ樞密院トノ關係デアル、同時ニ
  陛下ガ此儘御批准ニナルカナラヌカト云
  フ問題デアル、是ハ帝國臣民トシテ、ドウシ
  テモ考ヘテ置カナケレバナラヌコトデハナ
  イカ(拍手)
  〔「ソレハ樞密院ノ權限デハナイカ」ト
  呼ヒ其他發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=106

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• 107・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=107

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• 108・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君(續)　何ヲ言フノデアルカ、
  何者デアル

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=108

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• 109・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=109

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• 110・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君(續)　問題ヲ辨ヘズニ何デア
  ルカ-内ニ於テハ帝室及國家全體ニ關ス
  ル問題デアリ、外ニ對シテハ殆ド全世界ニ
  關係スル所ノ不戰條約ニ對シテ、之ヲ議ス
  ルニ當ッテ醜惡ナル言語ヲ放チ、己自ラ己ノ
  體面ヲ汚スニ至ッテハ、實ニ慨嘆ノ至リニ堪
  ヘマセヌ(拍手)
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=110

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• 111・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス、
  加藤君、武田君、自分ノ席ニ御著キナサイ
  〔此時發言スル者多シ〕

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• 112・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=112

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• 113・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君(續)　何レ後刻總理大臣兼外
  務大臣モ此席ニ出席セラルヽト云フコトデ
  アリマスルカラ出席セラレタナラバ、與
  黨ノ諸君モ亦反對黨ノ諸君モ、其當事者ニ
  向ッテ〓日此處デ是迄ノヤウニ、此條約ハ殆
  ド完全無缺デアル、此儘御批准ヲ奏請スベ
  キモノデアルト
  〔此時發言スル者多ク議場騒然〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=113

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• 114・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君(續)　是迄政府ガ答辯ニ於テ
  述べタ如キ態度ヲ取リ、同時ニ與黨ノ諸君
  ガ之ヲ是認シタ場合ニ於テハ萬一私ノ言
  フガ如キ事態ガ、今後樞密院及其他ニ於テ
  起タタニハ、ドウスル積リデアルカト云フ
  コトヲ、一應總理兼外務大臣ニ確メテ置ク
  方ガ宜シイト思ヒマス、之ヲ確メズシテ諸
  君ハ、迂濶ナル擧動ヲ爲サレ夕時ニハ、政
  府ハ勿論ノコト、諸君モ亦進退谷マル位置
  ニ立ツノデアリマス、ドウゾ是等ノコトハ
  國家ノ爲、帝室ノ爲、又御自身ノ爲ニモ、
  能ク心ヲ鎮メテ御考ヘアランコトヲ希望シ
  マス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=114

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• 115・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　議事進行ニ關シ發
  言ノ通告ガアリマス、之ヲ許シマス、鶴見
  祐輔君-此發言ハ只今取消ニナリマシ
  タ、更ニ質疑ノ通告ガアリマス、田淵豐吉
  君-外務大臣ハ今御出席ニナリマセヌ
  ガ、他ノ政府委員ガ居ラレマス
  〔田淵豊吉君登壇〕

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• 116・田渕豊吉

  ○田淵豊吉君　議員尾崎行雄君ノ不戰條約
  ニ對スル決議案ニ付テ、私ハ政府及ビ尾崎
  君ニ聞キタイ、此問題ハ實ニ是ハ長ク續カ
  ヌカモ知レヌケレドモ、少クトモ百年間、
  五十年間ニ於テ世界ノ一ツノ問題ニナルデ
  アラウト私ハ思フ、尾崎君ハ「デモクラチツ
  ク」ノ代表者ノ心ヲ持チ、又同時ニ官僚的
  ノ心ヲ以テ居ル人デアルト私ハ思フ、又現
  政府ハ軍閥的官僚的思想ト、政友會ノ幾分
  カ民衆的思想トニ依テ、サウシテ此政治ヲ
  行ハントシテ居ル政府デアルト思フ、民政
  黨ノ態度ハ、是ハ私ハ如何ナル問題ニ付テ
  モ、政府ヲ苛メル爲ニ、其黨ノ力ヲ以テヤ
  ルヤウニ思フ、是等ノ前提カラ私ノ心ニ在
  リマシテ、ソレカラ私ハ此議論ヲ進メルコ
  トハ、諸君及ビ國民ニ對スル一ツノ義務デ
  アルト、間違シテ居ルカモ知レマセヌケレド
  モ、私ハ思フ、多分間違ッテ居ナカラウト私
  ハ思フノデアリマス、私ハ之ヲ帝國議會-
  日本ノ此小サイ議會ノミナラズ、世界ノ議
  會或ハ世界ノ會議及世界ノ國民ニ之ヲ言
  ウテ置キタイ、此不戰條約ハ必ズ行ハレル
  モノデナイ、悲ムベキ運命ヲ持ツ條約デア
  ルト云フコトヲ、斷言シテ私ハ憚ラナイ一
  人デゴザイマス、之ヲ亞米利加ノ大統領デ
  アラウト、誰デアラウト、私ハ公言シテ憚
  ラナイ一人デアル、是ダケガ一ツノ又大キ
  ナル-今ノ小サイ尾崎君ダトカ、民政黨
  トカ、政友會トカ、今直グ去ラントスル所
  ノ內閣トカ云フ問題デハナクシテ、不戰條
  約ト云フモノガ如何ナル動機ニ於テ、二十
  世紀ノ如何ナル時代ニ於テ、亞米利加ノ勃
  興時代ニ於テ、支那ノ狀態ニ於テ、如何ナル
  世界ノ軍事上、政治上、外交上、經濟上、社會
  主義ノ勃興ト共ニ、色々ナ關係ヲ以テ此條約
  ハ規定サレタモノデアッテ、決シテ單簡ニ來
  タモノデナイ、唯單ニ理想主義カラ來タ
  モノデナイト思フ、所ガ此理想主義者ハ此
  一ツノ事實ヲ捉マヘントシテ、平和ガ理想
  デアルト云フ意味カラシテ、之ヲ捉マヘン
  トスルコトハ適當ニ其處ヲ得タ、其時ヲ
  得タモノデアルト私ハ思フ、併ナガラ世界
  ハ旣ニ觀テ見ルト、過去ノ歷史ニ於テ何十
  遍、何百遍、何千遍、何億遍戰鬪ヲ續ケテ
  來テ居ル、向フヲ見レバ平和ハ人類ノ理想ガ
  アリ過去ヲ顧ミレバ戰鬪又戰鬪、血ノ雨
  デアリマス、骨ヲ碎キ屍山ヲ築イタ歐洲ノ
  大戰ガアッタデハナイカ、此大戰ノ創痍未ダ
  癒エザル時ニ當ッテ、突如トシテ不戰條約何
  カヲ出サウト云フノハ、彼等ハ彼等自ラノ
  罪ニ懲リズシテ、戰鬪艦ヲ大ニ亞米利加デ曾
  シナガラ、片ッ方ニ於テ不戰條約ヲ以テ世界
  ニ君臨シテ、サウシテ吾々ニ向ッテ之ヲ强イ
  ントスル傾向ノアルト云フコトハ、吾々國
  民トシテ肯ンズル所デナイノデアリマス、
  其根本的意味ニ於テ、民政黨ガ內閣ヲ取ル
  トカ、田中サンガ倒レルトカ、又日本帝國
  ノ小サイ運命ダケデハナイ、世界人類ノ運
  命、世界列國ノ關係ガ如何デアルト云フコ
  トハ、少シ賢明ナル所ノ尾崎君ハ知ッテ居ル
  筈デアラウト思フ、故ニ之ヲ雙手ヲ舉ゲテ
  贊成ハスルケレドモ、此案ガ來ルベキ三十
  年間ニ於テ、憐ムベキ案デアルト云フコト
  ヲ知シテ居ルニ違ヒナイト思フ、亞米利加ノ
  大統領二、斯ノ如キ誠意アル大統領ハ居ナ
  イノデアルト、私ハ斷言シテ憚ラナイノデ
  アル、斯ノ如キ不誠意ナル案ヲ出シテ、遲
  イノ速イノト云フコトハ、ソレハ各國ノ義
  理モアルケレドモ、ソレハ殆ド問題ニナラ
  ナイノデアル、實ニ下ラヌ不戰案デアル、
  此戰爭ヲシナイ、平和ニ人類相愛ノ精神ヲ
  以テ、基督〓的觀念ヲ以テ、世界ニ突進マウ
  ト云フ人類ノ自然ノ大ナル博愛ノ精神ハ、
  是ハ炳乎トシテ世界ノ終ヒマデモ續クデア
  ラウト私ハ思フ、併ナガラ此自然ト戰7場
  合ニ、慘酷ナル自然、慘酷ナル「ローオ
  ブ、ネチユア」此自然法ト人間トノ戰ヒ、延
  イテハ人間ト人間トノ戰ヒ、國民及ビ國家、
  或ハ世界人類ノ共同的目的ヲ進メンガ爲
  ニ、惡戰苦鬪シテ居ル者ガ、此慈悲ノ觀念、
  理想ノ觀念ト自然法トガ如何ニ調和センカ
  ト云フコトハ、非常ナ問題ニナッテ居リマス
  カラ歐洲大戰後、伊太利ノ代表者何カモ、
  經濟ト云フコトヲ良クシナケレバ、列國間
  ニハ戰爭ガ絕エヌ、故ニソレカラヤラナケ
  レバナラヌト言ウテ、色ミナ經濟會議ヲ起
  シタリ、色ミナル條約ヲ結ンデ、ドン〓〓
  ヤッテ居ル、所ガ片ッ方ハサウデハナイ、亞
  米利加ノ經濟主義ヲ十分ニ實行スル爲ニ、金
  ガアリ力ガアルカラ、突如トシテ不戰案ナ
  ドヲ出シテ來タ、日本ノヤウナ比較的軍閥
  的ニ國ヲ治メヤウトスル國ハ、何モサウ云
  フコトヲ言ハレタカラト云フテ恐ルヽニ足
  ラヌ、世界ニ戰ガ起レバ國ヲ賭シテ戰ッテ倒
  レテモ宜イ場合ガアリ得ルト思フノデアリ
  やっ、正義ノ戰爭モアレバ、腐敗シタ所ノ
  平和モアリマス吾々ハ正義ノ爲ニ戰ヒ、
  自由ノ爲ニ戰ヒ、平和ノ爲ニ戰フヤウナ場
  合ガアルト思フ、必シモ吾々ハ不戰バカリ
  ガ宜イノデナイト云フコトヲ、確信シテ居
  ル一人デアル、吾々ハ牛ヲ食ヒ、馬ヲ食ヒ鷄
  ヲ食ヒ、魚ヲ食シテ居ル、人類ガ寄ッテタカツ
  テ勝手ナコトヲシテ、一方ニ戰ハザラント
  欲シテモ、決シテ行ケルモノデナイ、列國
  ガ其希望ヲ持ッテ居ル間ニ、亞米利加ハ戰鬪
  艦ヲ增シ、彼等ノ金力ニ依テ日本ヲ壓シ、支
  那ヲ壓シ、英國ヲ潰サウトシテ居ルヤウ
  ナ傾向ノアルト云フコトハ、吾々チヤント
  見テ居ル、亞米利加ノ觀念ニ依ラナイ、況
  ンヤ大統領選擧ノ後三月四月、彼等ノ言フ
  所ニ依テ吾々ハ唯々諾々トシテ行クモノデ
  ナイト、私ハ固ク信ズル者デアリマス、過
  グル地方官會議ノ席上デ、華府會議ノ時ニ
  加藤全權ハ何モ知ラナイデ向フニ行ッタト
  云フコトヲ自身言フテ居ッタ、ソレ程日本ハ
  侮辱サレテ居ルノニ、今囘亞米利加ノ言フ
  ヤウニナルトカ、ナラヌトカ云フコトヲ言フ
  テ居ル、吾々ハ出來レバ、平和ハ必要デア
  ル、戰闘ニ戰鬪ヲ重ネル所ノモノハ、經濟
  主義カラ言ウテモ宜シクナイ、平和ヲ來サ
  ナケレバ經濟ハ勃興シナイ、經濟ガ興ラナ
  ケレバ分配モ旨ク行カナイ、又旨ク分配ヲシ
  ナケレバ國民ハ困ル、國民ガ疲弊スレバ國
  家ハ常ニ內亂ガ起ル「ストライキ」ガ起ル、
  世界ノ平和ガ紊レルト云フ意味カラシテ、
  吾々ハ平和ヲ愛シ、人類相愛ノ大精神ニ向
  テ遲レル者デハナイ、ケレドモ彼等ハ彼等
  自ラ愼マズシテ、彼等ノ威力ヲ以テ不戰條約
  ヲ世界ニ配布シテ、我ハ其救世者ノ先鋒ナ
  リト云フヤウナコトニ、吾々ハ直グソレニ
  附イテ行カナケレバナラヌト云フコト程、
  左樣ニ吾々ハ小弱國民族デハナイ、彼等ガ
  何ト言ハウト吾々ハ反對ナラバ堂々ト此
  條約ニ反對スベキデアルト思フ、其故ニ亞
  米利加ニ於テモ、是ガ反對デアル、贊成デ
  アルト云フ議論ガ起ッタト云フコトヲ
  議會デヤッタト云フコトヲ、吾々ハ新聞デ報
  道サレテ居ル、日本デハ其大キナ點ガナイ、
  コンナヤウニ亞米利加ガ何ト言ッテモ聽カ
  ヌ、日本モ聽カナケレバ聽カナイデ宜シ
  イ、ソレガ正義ノ誠ノ心デアル、出來ヌヤ
  ウナモノヲ出來ルヤウニ言ウテ置クト得デ
  アル、日本ハ軍閥ノ國デアルト言ハレルト
  損デアル、支那ニ侵略スル、或ハ外國ニ侵
  略スルト言ハレテハ損デアルカラ、ソレダ
  カラマア後ロヘ附イテ行ケト云フコトニ
  ナッタノダラウガ、向フデハ、ハア附イテ
  來タナト笑ッテ居ル、日本ガ附イテ來タナト
  言ウテ居ル

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=116

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• 117・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　質疑ノ要點ヲ言ッ
  テ下サイ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=117

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• 118・田渕豊吉

  ○田淵豐吉君(續)　問題ガ大ナレバ大ナル
  程疑ガ深クナリ大キクナルト云フコトヲ
  言ッテ置ク(拍手)故ニ私ハ此不戰條約ト云
  フモノハ、其精神ノ不純ナ點ガ非常ニ多イ、
  眞ノ平和論者ガ泣ク、基督ガ泣ク、オ前ハ
  何ヲ言フカト、亞米利加ノ大統領ヤ國民ニ
  向テ基督ハ泣クデアラウト思フ、博愛ノ精
  神カラ出タノデハナイ、彼等ハ經濟的平和
  論者デアル、亞米利加ノ「モンロー」主義ハ
  經濟的デアル、經濟的「モンロー」主義ヲヤ
  ラウトスル所ノ一ツノ現ハレニ過ギナイ、
  其精神ガ非常ニ不純ナモノデアル、ソレニ
  英國人ヤ日本人ガ寄ッテタカッテ、サウシテ
  有難イト云フヤウナモノデ、博愛的觀念カ
  ラ來タノデハナイト思フ、故ニ亞米利加ハ
  英國ニ向ッテ、モウ少シ眞面目ニ還レ、戰爭
  ヲシナイト云フコトハ、不戰條約ニ結バレ
  ルモノデハナクテ、吾々ノ惡戰苦鬪ニ依
  テー血ヲ流サヾル惡戰苦鬪ニ依テ解決サ
  レル實證ヲ得ナケレバナラナイト私ハ思フ
  ノデゴザイマス、若シ尾崎君ガ人類博愛ノ
  爲ニ鬪ハントセラルヽナラバ、日本帝國ガ
  人類博愛ノ爲ニ盡サナケレバ、畢竟低級ナ
  ル政黨ノ日本政治家ト何等選ブ所ガナイト
  私ハ思フノデアリマス、況ヤ區々タル所ノ
  名稱ノ問題ニ囚ハレテ、此人類博愛ノ大義
  ヲ有シナイ所ノ政治家デアルト謂ハナケレ
  バナラヌ、此點ニ付テ私ハ聞キタイ、小サ
  イ事ヲ言フマイ、帝國ノ運命何ゾ、世界ノ
  人類ノ爲メ、平和ノ爲ニ言ハナケレバナラ
  ヌ、日本帝國ト云フ一小島國ノコトヲ言フベ
  キデハナカラウト思フ、故ニ吾々帝國ノ運
  命ヲ捨テ、日本帝國ガ正義ノ先驅者トナッテ
  世界ヲ導ク爲ニ、日蓮ガ言ヒシ如ク、日本
  ガ拜マレル國ニナルト云フダケノ信念ヲ以
  テ、小サナ問題ヨリモ、寧ロ此正義ノ點ニ
  於テ、此不戰條約ガ果シテ神聖ナルモノデ
  アルカドウカ、又內田サンガ一旦特命全權
  大使トシテ、大命ヲ奉ジテ列强ト調印シタ
  所ノ此新條約ヲ如何ニ爲サル積リデアル
  カ、是モ一ツノ問題デハナカラウカト思フ、
  故ニ尾崎サンニ私ハ間キタイノハ、第一ニ
  此不戰條約ト云フモノハ實行シ得ザル所
  ノ條約デアルト思フ、之ヲ果シテ實行サレ
  テ居ルト思フカ、實行セラレナイケレドモ、
  書イタ方ガ宜イト思フカドウカ、其點ヲ私
  ハ聞キタイ、ソレカラ第二ニハ內田特命
  全權大使ガ大命ヲ奉ジテ、遙々ト亞米利加
  ニ波シテ、列國ノ前デ調印シタ所ノ日本帝國
  ノ使命ヲドウサレルノデアリマスルカ、若
  シソレガ惡イナラバ、其全權大使ヲ罷メサ
  シテ、ドウ云フコトヲ願フカ、總理大臣ハ
  責任者ナラバ、責任ヲ取ッテ次ノ內閣ヲシテ
  之ヲヤラシタラドウカ、卽チ内閣ヲ更ヘテ、
  帝國ノ運命ヲ完全ニ導キ、同時ニ世界人道
  ノ先驅者トナルナラバ、內閣ハ何遍更ヘテ
  モ宜カラウト思フ、內閣ハ誰ニヤラシテモ
  宜イ、ソレナラバ濱口サンニヤラシタラ善
  クヤレルカドウカ、故ニ私ハ政府ニ向ッテ聞
  キタイ、是ハ十五箇國カ何箇國カ知ラヌガ、
  ソレ等ノ國家ノ代表ガ寄ッテ極メタノヲ、
  日本ノ好ムヤウニ直シタ場合ニ、列强ガ果
  シテソレニ應ズルカドウカ、一々亞米利加
  カ其他ノ國々ヘ行ッタラ宜イノカ、亞米利加
  ガ通知ヲシテ吳レルノデアルカ、或ハ各國
  トモウ一度會議ミタヤウナモノヲ開クカ、
  或ハ電報其他デ問合ヲシテ、各國ノ承認ヲ
  得ルノデアルカドウカト云フコトヲ聞キタ
  イ、ソレニハドレ位ノ時日ヲ要スルモノデ
  アルカト云フコトヲ聞キタイ、果シテソレ
  ガ出來ルカドウカト云フコトヲ聞キタイ、
  一旦調印シタモノヲ、全權ヲヤラズシテ、
  其内閣ヲ更迭セズシテ、果シテ列國ニサウ
  云フコトヲ言ウテヤッテ見タ所デ、其言ウ
  コトヲ受ケルカドウカ、又其期間ガドウカ、
  ドウ云フ困難ガ橫クテ居ルカト云フコトヲ
  聞キタイ、サウシテ私ハ或ル人ガ言ウテ居
  ルガ、十五箇國ガ寄ノテヤッタノダカラ、佛
  蘭西モ日本モ一緒ニ調印批准ヲセナケレバ
  之ガ成立タヌト云フ、外ノ國ハ大變迷惑ヲ
  スル、向フノ早ク調印シタ國ニハ氣ノ毒デ
  アルト仰シヤッタヤウダガ、果シテ十五箇國
  ノ調印シタモノガ、其中デ一國ナリ二國ナ
  リ缺ケタナラバ、其條約ト云フモノヽ成立
  ガ全然無クナルカ、是ハ政府ニ聞キタイ、
  此所謂尊キ不戰條約ガ文ニ歸シテシマフ
  カドウカト云フコトヲ聞キタイ、ソレニ對
  スル各國ノ意嚮ヲ聞キタイ、ソレヲ感知シ
  テ居ルカドウカト云フコトヲ聞キタイ、ソ
  レカラ私ハ先ノ結論デ誤ル所ガアッタンデ
  ハイケマセヌカラ言ウテ置キマス、日本帝
  國ハ日本帝國デ立ッテ行ク、英國ハ英國デ、
  米國ハ米國デ立ッテ行ク、出來ルダケノカヲ
  注イデ平和ニ盡スト云フコトハ結構ナ事デ
  アル、唯徒ニ文字ノ末ニ拘泥シタリ、各國
  ノ利便ノ爲ニ斯ウ云フ改訂ヲ出シタリ、摺っ
  タ揉ンダノ結果、大山鳴動シテ鼠三匹ト云
  フヤウナコトニナリマシテハ、實ニ人間ノ
  言葉ヲ疑フト云フヤウナコトニナルカラ、
  斯ウ云フ重大ナルモノハ重大ニ取扱フベキ
  モノデアル、所ガ英國、日本、佛蘭西デア
  ラウガ、皆之ヲ輕こニ致シマシテ、提案者
  ノ亞米利加ヲ信ジテサウヤラウトシテ居ル
  所ニ、人類ノ罪惡ガアルト思フ、其潜ンデ
  居ル罪惡ヲ除去スルコトガ出來ルナラバ
  戰爭ヲ除去スルコトガ出來ルト思フ、之ヲ
  世界ノ人類、世界ノ各國ニ向ッテ私ハ聞キ
  タイノデス、必ズヤ尾崎君ト同ジ世界ノ所
  謂識者ハ、田淵ニ同感ヲ表スルデアラウト
  私ハ思フ、後ロヲ見レバ惡戰苦鬪、前ヲ見
  レバ光明デアリマス「越エナント思ヒシ、
  峯ニ來テ見レバ、尙行先ハ山路ナリケリ」
  中〓歐洲大戰ノ一回カ一一回ノ戰鬪デ、人類
  ノ爭ガ牧マルモノデナイト云フコトヲ私ハ
  思フ、故ニ吾々ハ思ヒヲ潜メ、心ヲ廣クセ
  ザレバ、或ハ議員ノ政治ニ於テモ、民政黨
  ノ諸君ガヤッタナラバ、政友會ハ「イン·ザ·.
  ネーム」ヲ持ッテ戰ウテ來ル、政友會ノ諸君
  ガヤレバ、民政黨ガ「イン·ゼ·ネーム·オブ·
  ピープルス」ヲ以テ反對シテ來ルト云フヤ
  ウナ工合ニ、此小サイ國家ノ中ニ於テモ、
  此小サイ機關ノ中ノ内閣ノ取遣リニ於テモ、
  既ニ戰鬪ガアルト云フコトハ、如何ニ此競
  爭心、名譽心、利慾心ガ、人類ニ深ク根差
  シテ居ルトカ云フコトハ一昭々トシテ明デ
  アル、故ニ此兩方カラ、卽チ形カラト實質
  カラトノ兩者相共ニ進ンデ行ク所ニ善イ所
  ガアルト、私ハ斷言シテ憚カラヌノデアリ
  やっ、第二ニ聞キタイノハ、此「イン·ザ·ネ
  ーム·オブ·ゼ·ピープルス」ト云フ語ヲ、日
  本カラバカリ言フカラオ可笑ク聞エル、不都
  合デアル、日本ニハ不都合ラシイ、更ニ又
  ハッキリト知ラヌケレドモ、外國語デ「シチ
  ズン」ト書ケバ我ガ國語デナイカラ、當
  リガ少シ柔ラカシクナッテ居ルコトモアル、
  又ソレダカラ餘計イカヌト云フ反對論モア
  ルカモ知レヌ私ノ聞ク所デハ「サブゼク
  ト」ハ臣民「シチズン」ト言ヘバ卽チ市民「シ
  チズン」ト言ヘバ市民、佛蘭西語デハ「シト
  アイヨン」臣民ハ「スゼ」ト云フ、日本デハ
  臣民卽チ「サブゼクト」ダカラ、向フデハ「サ
  ブゼクト」言ハレヽバ怒ル、日本デハ「シチ
  ズン」デハイケナイ、又良イ氣持ハシナイ
  ト云フヤウナ、一般的觀念ガアルラシイ、
  ソレカラ「ピープル」ト書イテ、何方ニモ片
  寄ッテナイカラ、人民トモ言ヘバ國民トモ
  譯シ得ルカモ知レヌト云フヤウナ點ニ重キ
  ヲ置イテ居ルノデアラウガ、サウ餘リ角ヲ
  立テ、言フ程ノ問題デハナイノヂヤナイカ知
  ラヌト思フ、サウシテ又其後ニ各國ノ憲法
  ナリ、其慣例ナリニ依テ、批准シ效力ヲ生
  ズルヤウニ之ヲ書イテ居ル以上ハ、其中ノ
  コトガ少シ位不便ノ文字ガアッテモ、工合ガ
  惡イノハナイノデハナイカト私ハ思フ、是
  ハ卑近ナ小サイ實例ヲ述ベタイ、例ヘバ望
  月內務大臣ガ田舍へ行ッテ、紀州ナリ其他デ
  村長サンヲ寄セテヤル場合ニハ、小學校長
  ガ開會ノ時ニ「閣下竝ニ諸君」ト言フデセ
  ウ、所ガ東京デ議員諸君ガ御寄リニナッテ、
  內務大臣モ御出デニナッテ居ル、又武藤由治
  サンヤ他ノ無產黨ノ諸君ガ居ル所デ「閣下
  竝ニ諸君」ト言ハナカッテモ怒ラナイデア
  ラウ、サウ云フヤウナモノデ、此例ハ適
  切ノ例ト云フノデハナイ、各國ヲ平等ニ
  見テ英國ノ如キ「キング」又ハ「エンベラ
  ー」ノ國モアレバ、王樣デ皇帝ノヤウ
  ナ國モアリマセウ、又白耳義ノヤウナ
  國モアルデセウ、又日本ノヤウナ國モ
  アルデセウ、和蘭ノヤウナ國モアルデ
  セウ、其他亞米利加ヤ佛蘭西ヤ色ミナ國々
  ガアッテ、皆悉ク憲法、慣例ニ依テ、其國
  民-其人民ノ感情ト云フ大キナモノニ支
  ヘラレテ、其國ガ治ッテ居ルト云フ譯デゴ
  ザイマセウ、詰リ色ニノ人種ガ寄集ッテ
  居ルヤウナ所ニアッテ、一人ノ人ガウント
  偉イ人ナラバ、其人ノ言フヤウニナルケレ
  ドモ、ソウデナイ場合ニハ大抵ハ大體、都
  合ノ好イヤウニスルノデハナイカ、是ハ協
  同ノ精神ト言ッテ-私ハヤリ難イト思フ
  ケレドモ、協同ノ精神ト言ウテ英國ハ英
  國ノ文字ヲ使ヒタイ、白耳義ハ白耳義ノ文
  字ヲ使ヒタイ、亞米利加ハ亞米利加ノ文字
  ヲ使ヒタイ、日本ハ日本ノ文字ヤニ口葉ヲ使
  ヒタイケレドモ、旣ニ英語ヲ以テヤッテ居ル
  ト云フノハドウデス、英語ノ「ピープルス」
  ト原文ニ調印シタモノト假定シテ-ソレ
  ヲ英語ニシナケレバナラヌト云フ、ソレガ
  旣ニ怪シイ、何故日本文デヤラナイカ、ザ
  ウシタナラバ日本ノ人ハ直グ分シテ好イ原
  語ノ中ニ潛ンデ居ル意味ガ明ニナッテ來ル、
  法文ノ上デ明デアルト一云フコトガ最モ良イノ
  デアリマス、日本ノ文字ヲ原文ニ當テナイ
  デ、悲ムベキ哉英吉利ヤ佛蘭西ノ文字ヲ使ッ
  テ居ルト云フ所ニ既ニ協同的、實用的精神
  ガ現レテ居ル、又中ニ書カレテ居ル文字ノ
  「ピープルス」ト云フコトハ、一般國民ハ何
  處ノ國ニモ大體ハ當嵌マル事デハアリマセ
  ヌカ、日本ニモ國民ガアリ向フニモ國民ハ
  アル、英國ハ英國、米國ハ米國、白耳義ハ
  白耳義、各國ノニ都合ノ好イ文字ヲ使ッタナ
  ラバ非常ニヤヽコシクナッテ、一々ヤルコト
  ハ中〓困難デアル、故ニ除外例ヲ設ケテ、
  日本ニ適當ナ名ヲ其處ニ入レテ置ケバ宜シ
  イノデアルガ、所ガ日本國ハ列國ノ間ニ强
  クナイ、傲慢デモ大膽デモナイ、今ハ大體
  事大主義ガアル、ケチナ根性ガアルカラ、
  內田サンモ外務大臣ヲ勤メタ人デアル、我
  ガ國體モ知ッテ居ル、馬鹿ナ人デナイケレド
  モ、サウ決メタノハ多分サウ云フ所カラ來
  テ居ルノデハナイカ、故ニ私ハ大臣ニ聞キ
  タイ-外務大臣ノ代理トシテ出席サレテ
  居ル森次官ニ仕方ガナケレバ聞キタイ、尙
  ホ外務大臣ニ後カラ聞キタイ、又森次官デ
  モ其點ニ付テ一定シタル外務省ノ意見ガア
  レバ私ハ聞キタイ、ソレハ果シテ政府ハ
  「インザ·ネーム·オブ·ザ·ピープルス」ト言
  ヘバ日本ノ國體ニ反スルト解釋スルカ、反
  シナイト言ヘバ宜シイ、ソレデ其政府ヲ倒
  スカ、倒サナイカハ問題デアル、之ヲ一旦
  調印シテ之ガ誤リデアルト御分リニナレ
  バ、又ソレヲヤリ直シテモ宜イ、其位マデ
  力ガ强ケレバ宜イガ、ソレガ中途半端デア
  ル、最初内田サンヲヤッテ印ヲ捺イテシマッ
  タカラハ、モウ遲イノデアル、ソコデ其儘
  ニシテシマフノガイケナイナラバ、直シテ
  シマッタラドウカ、サウシテ後デ日本ダケ除
  外例ヲ設ケテ條文ノ作成ヲ一年カ二年ノ長
  イ間ニヤッタラドウカ、カアル者ノ言ハ通
  ル、又誠意ノアルモノガ出來ル、間違ノテ居
  ルモノハ通ラナイデ、詰リハウルサクナッテ
  止メテシマフ、故ニ諸君ノ心ガ正シイカ、
  尾崎君ノ心ガ正シイカ、正義ノ觀念、博愛
  ノ信念ガ正シイナラバ、ソレニ向ッテ邁進ス
  ルガ宜カラウト思フ、私ハ英語ノ學者デモ
  何デモナイガ-日本國民ハ餘リ言ッテ居
  ナイ、是ハ唯英語ノ生嚙リノ人トカ、政黨
  ノ人とトカ、政黨ノ演說家ガ大分ヤカマシ
  ク言ッテ居ル、眞ノ愛國者モアリマセウガ、
  眞ニ世界協調ト云フ此條約ニ日本國民ガ精
  神ヲ傾ケタコトハ少イ、英國ハピチット行ッ
  テ居ルト聞イテ居ル、吾々田淵ノ如キトハ
  違フ、英國人ニハ大キナ襟度ガアッテ實際的
  デアルカラ、英國ノ政治ガ能ク行ハレテ居
  ルノデハナイカト思フ、尾崎君ハドウシテ
  モ此條文ヲ直サナケレバナラヌト言ヒ、又
  同時ニ此不戰案ハ人類ノ爲メ博愛ノ爲メデ
  チケ、一部ノ國家ヤ國民ノ爲メデナイト
  今言ハレテ居ッタ、ドウシテモ日本ハ御批
  准ヲ願フヤウニ、內閣デモ更ヘテヤラナケ
  レバナラヌト云フノデアルカ、或ハドウシ
  テモ此文字ヲ削ラナケレバナラヌト云フノ
  カ、是ハ一ツノ「ヂレンマ」ニ掛ッテ居ル矛
  盾ガアルヤウニ思フ、此文句ヲドウシテモ
  直サナケレバナラヌト云フノデアルナラ
  バ、若シ直ス時ニハ大臣ヲ更ヘナケレバナ
  ラヌト云フノカ、今ノ儘デハ樞密院ハ通リ
  難イ、他ノ尾崎君ヤ民政黨ガ反對ヲシテ、
  樞密院ノ人〓ノ心ヲ動カシテ居ルカモ分ラ
  ナイ、故ニ批准ガ却テ遲レテ居ル、ト云フ
  關係ニアルノデハナカラウカ、諸君ガ反對
  スルガ爲ニ遲レルト云フノデハナイカ、故
  ニドウシテモ我ガ日本帝國ノ爲ニ、吾々ノ
  正義ノ爲ニ、是ハドウシテモ直サナケレバ
  ナラヌト言フナラバ、批准サルベキデハナ
  カラウ、內田ヲ罰シ、田中ヲ罰シテモ此
  「ピープルス」ノ文字ヲ削ラナケレバナラヌ
  ト云フノガ、尾崎君ノ御提案ノ趣旨デアル
  カト云フコトヲ聞キタイ、ソルガハッキリシ
  ナケレバ根柢ガハッキリシナイ、私ハ亞米利
  加大統領ノ更迭期デアルトカ、外交ト云フ
  コトヨリハ我國ノ內輪ノ爭七、延イテハ世
  界ノ大ヲ見チイデ小サイ觀念ヲ持ノテ居ル、
  充實シタ觀念ヲ持ノテ居ルノデハナイカ、此
  點ニモ尾崎君ノ御意見ヲ聞キタイ、私ハサ
  ウニ云フヤウナ意味ニ於キマシテ、私ハ思フ
  クニハ日本ガ餘リ進ンデヤッタモノデハサ
  カラウト思フ、此案ガ旨ク通過シテモ、ド
  ウシテモ出來ナイ事業デアル、空支ニナル、
  ツコデ、日本ガ率先シテヤッタモノデハナ
  ず、亞米利加ガ進シデヤッタノデアル、日本
  ハ杜方ナシニヤッタモノデアルト云フコト
  ヲ、世界ニ暴露スル必要ガアル、ソレハ世
  界ガ一々探偵シテ居ルカラ、今頃ハチヤン
  ト電信デヽ倫敦ニモウ吾々ノ演說ガ達シテ
  活ルノデアル、或ハ華盛頓ニ飛ンデ居ルト
  云アヤウナ次第デアル、諸君ガ私ノ演說ヲ
  十分理解サレル前ニ、既ニ倫敦ナリ華盛頓
  ナリニ分ルヤウナ時代デアルガ-遙ニ吾
  吾ノ演說ガ先ニ行シテ却テ損ヲスル、國際的
  ノ問題ヲ生ズルサウ云フ場合ニ私達ハ決
  シテ隱シ立ヤ嘘デハイケナイ、眞實正義ヲ
  以テ行カナケレバナラナイ、サウシテ「ピー
  プルス」ト云フ文字ガ衝突ヲシテ-既ニ
  特命全權大使ノ内田サンガ調印シテ、半分ヤ
  リ損ナッテ居ルト云フ狀態デアリマス、シレ
  ガ卽チ間違クテ居ルト云フ日本ノ失ヲ蔽フ
  譯デハアリマセヌガ、是ハ各國ニ迷惑ヲ掛ケ
  ヌノデアルカラ、ソレハ內輪ニシタナラバ
  ドウデスカ、內政問題ニシテ實ハ斯々云フ
  意思デアッタト云フコトヲ大臣ガ釋明シ、而
  シテ其後ニ於テ日本帝國ノ憲法ノ規定ニ依
  テ批准ヲ奏請シ、サウシテ日本帝國ノ慣例
  ト精神ニ依ッテ行フト云フ後ノ條文ガアル譯
  デスカラ、ンレニ力ヲ入レテ、中ノ小サナ
  條文ニハ力ヲ入レナイト云フ精神デアラウ
  ト思フ斯樣ニスルコトガ諸君ノ御考デ
  アラウト思フ、私ハ英語學者デナイ、國
  際、外交上ノ事ニ付テハ至テ私ハ未熟ノ者
  デ分リマセヌケレドモ、或ハソレデモ大體
  ハ宜イノヂヤナイカト思フ、若シ直サナケ
  レバナラヌト云フコトガ明カニ決マッテ居
  ルト云フナラバ、此內閣ヲ更迭シ、内田伯
  ヲ罰スルト云フコトモ、從來ノ慣習ニ依レ
  バヤルコトモ出來ル、故ニドウカ諸君ハ尾
  崎サンノ案ニ付テモ、十分御考ニナッテ賛否
  ヲ決セラレテ、世界ノ前ニ於テ小サイ所ノ
  公約デモ、公約シタ以上ハ故ナク取返シノ
  付カヌヤウナ、後デ悔ムコトノナイヤウニ
  必ズ調印シタラ成ベク其精神ヲ守ルト云フ
  紳士的ニ、我ガ日本國民ハ信アル國民デア
  ルト云フコトヲ知ラシメルコトガ必要デハ
  ナイカ、若シ惡ケレバ斷々乎トシテ内閣ヲ
  何遍更ヘテモ此問題ハ讓ラナイト發表
  シ-自己ノ立場カラ見、又向フノ意見モ
  見テ行ケバ世界ノ立行ク自己ノ立場バカ
  リ見テ人類博愛ト言ッテモ、何等三文ノ價値
  モナイト思フ、此問題ハ帝國ノ名譽、ニ關ス
  ル重大ナル問題デアリマスカラシテ尾崎
  君モ支離滅裂ナル私ノ質問デハゴザイマス
  ケレドモ(笑聲)其精神ノ重大ナルコトヲ考
  ヘ、サウシテ精神上或ハ言ヒ得ル所ノ言葉
  ノ上ニ於キマシテ、明確ニ答ヘラレタイ、
  政府モ隱ス所ナクシテ此問題ニ答辯アラン
  コトヲ私ハ望ミマス、是ハ唯單ニ帝國議會
  ノ問題デアルノミナラズ、世界ノ問題デア
  ルト思フ「英國ノ議會、佛蘭西ノ議會竝ニ
  支那ニ於ケル所ノ、特殊的權利ヲ擁護セン
  トスル所ノ民政黨滿鐵ノ問題、支那ニ於ケ
  ル所ノ滿洲ノ問題ヲ以テ、特殊的權益ヲ增
  進シ確保スルト云フコトニ熱心ナル所ノ人
  ハ此不戰條約ガ東洋ニ於テ如何ナル關係
  ヲ有スルカト云フコトヲ、能ク知テ置カナ
  ケレバ、後來酷イ目ニ遭フト私ハ思フノデ
  ゴザイマス、問題ハ適切デアッテ、非常ナ人類
  ノ運命ニモ關スル重大ナ問題デゴザイマ
  ス、是ハ輕々タル尾崎君一人ガ此壇上ニ起シ
  テ決議案ヲヤッタカラ、直グ通スノ通サヌ
  ノト云フ輕イ問題デハナカラウト思フ、六
  箇月ノ間ニヤラナケレバナラヌト云フ問題
  デハナカラウ、重大ナ問題デアッテ、卽チ此
  不戰條約ハ實行仕難イ案デアルト云フコト
  ヲ惧レルカラ、平和ヲ熱愛シテ居ル一人デ
  アル田淵ト雖モ、此問題ニ付テハ世界及人
  類ニ向ッテ、之ヲ議政壇上カラ言ウテ置クト
  云フコトガ、人類ノ一責務デハナカラウカ
  ト想フノデゴザイマス、故ニ尾崎君ト其精
  神ヲ同ジウスル所モゴザイマセウ、異ナル
  點モゴザイマセウ、政府ト其見ル所ヲ異ニ
  シ、知ル所ヲ異ニスルコトモゴザイマセウ
  カラ、ドウカ誠實ニ答辯セラレテ、誠實ニ
  之ヲ決議シ、或ハ可決シ、或ハ否決シ去ラ
  レンコトヲ望ンデ、先ヅ尾崎君及ビ政府ニ
  之ヲ尋ネテ、此壇ヲ降ル者デアリマス諸
  君ガ其精神ノ在ル所ヲ知ラレンコトヲ望ン
  テ、此壇ヲ降ル者デアリマス
  〔尾崎行雄君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=118

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• 119・尾崎行雄

  ○尾崎行雄君　本員ハ幸カ不幸カ耳ガ能ク
  聞エマセヌカラ、折角ノ田淵君ノ御演說モ
  十分ニハ聽取レナカッタノデアリマス、併ナ
  ガラ大體ハ御答ヲ要スル質問デハナイノデ
  アッテ、アレダケ御話ニナレバ田淵君ハモウ
  御滿足ナノデアラウト思ヒマス、若シソレ
  デアルナラバ御答ハセナイ方ガ却テ宜カラ
  ウト思ヒマス、又問フコトハ條約ノ動機ガ
  不純デアルトカ、或ハ是ガ永績スルモノデ
  アルカナイカ、ソレハ外務大臣ニデモ御尋
  ニナッタラ如何デアリマセウカ、本員ニ向ッ
  テ問フベキコトデハナイ、本員ハ只今其樣
  ナ問題ニハ觸レテ居ラヌノデアリマス、第
  一條ノ用語ヲ保留シテ、速ニ御批准ヲ奏請
  シタラ宜カラウト云フダケガ、本問題ノ骨
  子デアリマスカラ、貴方ノ御質問ハ見當違
  デアリマス(拍手)又甚シキニ至ッテハ、內田
  ヤ田中ヲ罰シテモドウトカ斯ウトカ、ジン
  ナコトハ問題ニナリマセヌ、大權ノ事項ニ
  關係シテノ過チ、國體ノ尊嚴ニ對スル問題
  ニ付テ、一大臣ヤ一全權ヲ罰スルトカ罰セ
  ヌト云フガ如キ、ソンナ小サナコトハ問題
  ニスベキモノデハゴザイマセヌカラ、凡ソ
  物ノ大小輕重ノ區別モ少シハ御考ニナッテ、
  然ルベキコトヽ思フ(拍手)要スルニ貴方ノ
  質問ハ私カラ答辯スベキモノデハゴザイマ
  セヌ、又能ク聽カナイデ間違ノタ答辯ヲ致
  シテハ、却テ不都合カト思ヒマスルカラ、
  先ツ斯ウ云フコトガ御知リニナリタケレ
  議閉會後私ノ所ニ約訪ネニナレバ
  通リ御話ヲ致シマス
  〔政府委員森恪君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=119

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• 120・森恪

  ○政府委員(森格君)　田淵君ノ御質問ニ對
  シマシテ、便宜上一括致シテ御答ヲ申上ゲ
  やっ、是迄モ度々外務大臣ヨリ申上ゲマヌ
  通リ、政府ハ本條約ガ我ガ大權事項又ハ國
  體事項ニ反スル所アリトハ思ハナイクデア
  リマス、又田淵君ハ或ル假定ノ場合ヲ前提
  ト致サレテ、其ノ場合ニ處スル所ク道ヲ御
  尋ニナッタノデアリマスルガ、斯ル點ニ對シ
  マシテ、政府ノ所見ヲ申上ゲルコトハ、御
  遠慮申上ゲタイト思ヒマス、又現調印國ノ
  中デ、一國又ハ二國ガ缺ケタ場合ニ於ケ
  ル、本條約ヲ效力ニ付テ御質問デアリマス
  ルガ、條約シレ自體ガ和シテ居リマスル通
  リ一國又ハ二國ガ缺ケタ場合ニ於キマシ
  テハ、本條約ハ效力ヲ發生セザルモノト考
  ヘテ居リマス
  〔田淵豊吉君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=120

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• 121・田渕豊吉

  ○田淵豐吉君　先ヅ私ハ尾崎行雄君ノ私ニ
  對スル質問ニ對シテノ御答ニ付テ、私ハ尙
  ホ不十分デアリ、或ハ議員或ハ田淵ノ一身
  ニ關シテ、少シク侮辱シタ言動ヲ弄シテ居
  ルト云フコトハ尾崎先輩ノ最モ面白カラ
  ザル所ノ行動デアルト云フコトヲ、私ハ此
  席上デ申述ベル責任ヲ持ッテ居ルト思フノ
  デアリマス、私ハ尾崎サンハ何ニモナラヌ
  モノヲ此案ニ出スモノデハナカラウト思フ
  言葉ノ蔭ニハ行爲ガアリ、行爲ノ蔭ニハ心
  ガアリ、精神ガアル其精神ハ世界入間ノ
  感情及自然ノ法則ニ從テ、ソレガ行爲トナ
  リ食物トナリ、水トナリ、議會トナリ
  法律トナリ、吾々ニ還テ來ル、人間生活ノ
  土ニ實際的效力ヲ持ッテト云フ御考カラ來
  テ居ルノデハナカラウカト思フ故ニ其內
  容ニ何等意味ガ無イモノデアルナラバ唯
  國權々々、主權々々ト云ッテ、一ツノ木片ニ
  「マスト」ヲ立テ之ニ軍艦旗ヲ掲ゲタラ
  バソレハ日本ノ軍艦デアルト言フヤウナ
  人ト一緒デアル、サウ云フヤウナモノハ
  日本ノ軍艦デハナイ、矢張音體的內容ヲ有
  シタモノデアル、故ニ權利ノ内容ハ意面心デ
  アルトカ、權利"內容ハ卽チ利益デアルト
  カ云フヤウナ、常ニ具體的問題ヲ餘程加味
  シテ居ルト思フノデアリマス其主權カラ
  其國ノ機關及法律、政治ガ如何ニシテ起ル
  ノカト云フト、知ら見ミ豊論ニ觸レヌ議論ハ、
  所謂抽象論-抽象的抽象デアッテ、哲學ニ
  行キ、或ハ惡ク言ヘバ「カント」ノ一半面ニ
  過ギナイト思フ、尾崎君ガ其處迄突込ンデ
  言ハナイデモ、其蔭ニハ內閣ヲドウスルト
  カ、長島君ヲドウスルトカ、經濟問題ヲド
  ウスルトカ、國難ヲドウスルトカ云フ、皆
  實體的問題ヲ言ッテ居ルデハナイカ、故ニ此
  問題ヲ否決シタナラバ、各國ニドウ云フ影
  響ガ來ルカ、各國ノ主權ノ上ニドウ云フ影
  響ガ來ルカト云フ實體的考察ノ上カラ來タ
  モノデアラウト私ハ思フ、然ラバ此案ヲ提
  起スル上ハ、此忙シイ議會ニ於テ列國ノ環
  親ノ前ニ立ッテ尾崎長老ガスル演說ハ、最モ
  愼重壯重デナケレバナラヌト私ハ思フ、故
  ニ其不戰條約ト云フモノハ行ハレナイモノ
  デアルト云フナラバ、之ヲ殺シテシマッテハ
  世界ノ元氣ヲ殺グカラ氣ノ毒デアルト云フ
  ヤウナ意味モアッタノデゴザイマセウ、又森
  大官ノ答辯ニ必シモソレヲ一蹴スルノヂヤ
  ナイ、ソレハ假定的說論ダカラ逃ゲルト云
  フノハ、若シ各國ニ日本帝國ニ惡イヤウナ
  利益ガ來ルノデハナイカト云フコトヲ虞レ
  クノデアッテ、假定的デアルカラ逃ゲルト云
  フノデ、御遠慮申スト云フコトヲ言ハレタ
  ノデナカラウト思フ、併シ是ガ善イカ惡イ
  カ問題ダト思フ、尾崎君ハ其精神ガハッキリ
  シテ居ナケレバ何カミ間違シテ居ル、故ニ私
  ハ不戰條約ガ實行出來ルモノデアルカ出來
  ナイモノデアルカドウカト云フコトヲ聞キ
  タイ、此間モ國民思想問題ニ付テ言ウク、
  私ガ出來ヌコトニ付テ政黨ヲ責メルノハイ
  ケナイト云フコトヲ言ウテ居ルデハナイカ
  出來ヌモノハ出來ストハッキリ言フト云フ
  コトガ、議會及代議士ノ大ナル責任デハナ
  カラウカト思フ、出來ルカ出來ナイカ分ラ
  ヌモノヲ、鍬ヲ執ッテ働イテ居ル或ル人々、
  又樵夫ヲシテ居ル者ニ、不戰條約ガ出來タ
  ナラバ、總テノ兵器、軍艦モ撤廢サレルデ
  アラウ、隨テ平和ガ招來サレルデアラウト
  云フ安イ間違ヲタ安心ヲ與ヘテ、ソレ等ガ
  間違シタ考ヲ起シタナラバ、尾崎君ノ責任亦
  輕カラズト思フノデゴザイマス、故ニシレ
  ガ出來ルカ出來ナイカト云フコトハ、非常
  ニ重大ナ關係ヲ有スルモノデアラウト思
  フ言ヘナケレバ言ハヌデモ宜シ、ソレヲ
  問題デナイト言ハレルノハ、尾崎君ノ精神
  ヲ私ハ疑ハザルヲ得ナイノデアリマス、第
  二ニ於テ亞米利加ノ大統領ガ新ニ更ルカ
  ラ、ソレ等ノ人ニ向ッテ顏ヲ立テルト云ヒマ
  スケレドモ、亞来利加ノ大統領ガ更ルトカ
  更ラヌト云フ問題デハナイ、單ニ一ツノ內
  閣ガ潰レルトカ潰レヌトカ云フ問題デハナ
  イ、一國ノ生命モ賭シテ行ハナケレバナラ
  ヌ問題デアルト云フコトヲ、絕叫シテ居ル
  デハナイカ、然ルニ亞米利加大統領ガ更ル
  カラ、亞米利加大統領ノ顏ヲ立テルト云フ
  ノハドウ云フ譯デアルカ、私解スルニ苦ム
  ノデアル、サウ云フヤウナ論法ヲ以テ此帝
  國議會ニ論議セラレザルコトヲ尾崎君ニ忠
  告シテ置キタイ、更ニ第三ニハ私ハ尾崎君
  ガ國難決議案ノ時ニ私ノ質問ニ付テンレハ
  控室デ話シマセウト言ッタカラ、イカヌト私
  ガ言ウタ所ガ、尾崎君ハ遉ニ悟ノテ再ビ此壇
  上ニ戾ラレテ、諄々ト或ル程度マデ答ヘラ
  レタ、今日ハ田淵ヲ馬鹿ニシテ、サウ云フ
  コトハ控室デ言フトハ言ハズニ、家ニ來イ
  トハ何タル暴言デアルカ、帝國議會ノ此不
  戰條約ノ世界ニ知ラレントスル所ノ大問題
  ニ向ッテ、家ニ來テ吳レト云フノハ年輩ノ差
  ヲ以テ言フベキモノデハナイ、代議士ノ先
  輩如何ヲ以テ言フベキモノデハナイ、帝國
  議員ノ權能ヲ行使スル所ノ憲法上ノ權利デ
  ハナカラウカ、自己ノ榮譽、自己ノ力ヲ伸
  バサントスル所ノモノ又私見トハ明ニ區別
  スベキモノデアルト私ハ思フノデゴザイマ
  ス、故ニ尾崎君モ此點ニ付テ大ニ猛省セラ
  レテ、先年大隈伯ノ尾崎君ニ從ヘト言ハレ
  テ居ルヤウナ言モアリマシタ、私ハ尊敬シ
  テ居ル人デゴザイマスケレドモ、動モスル
  ト政友會ニ引摺ラレ、憲政會ノ策士ニ乘ゼ
  ラレテ、遂ニ其言動ヲ二三ニスルヤウナ點
  ガ幾分カアルト云フコトヲ私ハ憂ヘルノデ
  アリマス、吾々ハ法律ノ明文ヲ尊重シ、議
  員ノ體面ヲ保持シテ堂々トシテ其議論ノ正
  邪ノ上ニ於テ、斯ウ云フ問題ヲ決議シタイ
  ト云フ一人デアルニ拘ラズ、尾崎君ノ如キ
  先輩、愛國者ノ一人ガ斯ノ如キ言ヲ弄セラ
  レルト云フコトハ帝國議員ノ面目ヲ蹂躪
  スルモノデナイカト私ハ恐レルノデアリマ
  ス、尾崎君ハ又大ニ反省セラレテ可ナリデ
  アル、私ハ年齡ハ若輩デアルケレドモ、議
  員ノ一人トシテ之ヲ言フ、更ニ尾崎君ノ言
  明ヲ求メ、私ノ質問ニ對スル忠實ナル御答
  辯ヲ願ウテ此壇ヲ降ラントスル者デアリマ
  ス

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• 122・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　御答ハナイヤウデ
  アリマス、仍テ質疑ハ之ヲ以テ終了致シマ
  シタ、議事進行ニ關シテ發言ノ通告ガアリ
  やっ、此際之ヲ許シマス-鶴見祐輔君
  〔此時發言スル者多シ〕

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• 123・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郎君)　靜肅ニ願ヒマス
  〔鶴見祐輔君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=123

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• 124・鶴見祐輔

  ○鶴見祐輔君　本員ハ此際本決議案ノ取扱
  ニ付キマシテ··
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=124

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• 125・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郎君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=125

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• 126・鶴見祐輔

  ○鶴見祐輔君(續)　御伺致シタイコトガア
  ルノデアリマス、第一ニ私ハ議長ニ御尋ヲ
  致シタイト思ヒマスコトハ、本決議案ノ如
  キモノガ、此議場ニ於テ討論致サレルコト
  ハ實ニ絕好ノ機會ト思ヒマスガ故ニ、私
  平生考ヘテ居ルコトニ付テ議長ニ御尋ヲ致
  スノデアリマス、卽チ日本ノ議會ニ於キマ
  シテハ、外交問題ニ付テ深ク立入ッテ議論ヲ
  致ス爲ニハ吾々ノ手許ニ提供サレテ居ル
  所ノ材料ガ乏シイ爲ニ、民選議員トシテ、
  一切ノ民衆ノ利害休戚ニ最モ深キ關係ガア
  ル所ノ、或ハ條約ノ問題、其他ノ外交上ノ
  取極ノ問題ニ付キマシテ、吾々ガ詳細ニ議
  論ヲ致ス機會ヲ得難イノデアリマス、故ニ
  本決議案ノ如キ重大ナル外交上ノ討論ノア
  リマス際ニ、私ガ議長ニ御導ヲ致シテ置キ
  タイコトハ次第ニ外交ノ問題ニ付テ上下
  內院ニ於テ根本的ノ材料ニ付テ、立入ッタル
  所ノ議論ヲ致サネバナラヌ傾向ガ增加致ス
  ト思ヒマスガ故ニ、將來ニ於テハ或ハ國際
  聯盟ニ於テ討議致サレ、乃至ハ國際聯盟事
  務局ニ於テ登錄ヲ致サレルガ如キ條約等
  ハ之ヲ成ベク詳細ニ上下兩院ニ報告ヲ致
  サレ、竝ニ發表ヲ致サレ、議員ノ討論ニ便
  宜ヲ與フルヤウニ致スコトガ、將來外交間
  題ヲ論ズル上ニ於テ、吾々ニ有利デハアル
  マイカト考ヘマス、此點ニ付テ私ハ第一ニ
  議長ニ御尋ヲ致スノデアリマス(拍手)第二
  ニ私ガ
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=126

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• 127・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=127

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• 128・鶴見祐輔

  ○鶴見祐輔君(續)　政友會ノ諸君ニ向ッテ
  御尋ヲ致シタイ事ハ此尾崎行雄先生ガ提
  出致サレタル所ノ本決議案ノ文句ヲ御覽ニ
  ナレバ、敢テ是ガ內閣彈劾ト云フ如キ趣旨
  ヲ含ンデ居ナイコトハ明白デアルニ拘ラ
  ズ、斯ノ如キ重大ナル外交上ノ問題ニ付テ、
  殆ド黨派別ヲ以テ之ヲ爭ヒ、一箇ノ政治問
  題ト爲スガ如キ感ガアリマスガ、果シテ然
  リト致スナラバ本決議案ノ內容ヲ以テ之
  ヲ政治問題ト爲サレヤウトスル御考デアル
  カドウカ、本員ヲシテ申サシムルノナラ
  バ、本決議案ノ如キ討論ハ各黨各派ニ於テ
  政黨政派ヲ超越致ス所ノ自由問題ト致シ
  テ、各個人ノ確信ニ基イテ投票ヲ致スベキ
  モノデアルト思フノデアリマス(拍手)然ル
  ニ尾崎行雄先生ノ莊重ニシテ懇切ヲ極メタ
  ル演說ニ對シテ、當派的感情ヲ以テ之ヲ妨
  害ヲ致シ、或ハ之ニ反對ヲ致スト云フコト
  ハ卽チ本決議案ヲ以テ堂派問題ト爲サン
  トスルモノデアル(拍手)然ラバ私ハ諸君ニ
  伺ヒタイコトハ、本決議案ガ斯ノ如キ黨派
  的ノ區別ニ依テ本議場ニ於テ決定致サレタ
  ルト致スナラバ、是ト同樣ナル意味ノ決議
  ガ樞密院ニ於テ決定。致サレタル時ニ於テ
  ハ諸君ハ當然政治的ノ責任ヲ持タナケレ
  バナラヌト云フ結論ヲ生ズルノデアリマ
  ス、故ニ本案ノ討論竝ニ採決ニ關シ重要ナ
  ル點デアリマスルガ故ニ、私ハ此點ニ關シ
  テ政友會ヨリ明瞭ニ御答ヲ願ヒタイト思フ
  ノデアリマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=128

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• 129・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　鶴見君ノ御發言中
  議長ニ對シ質問セラレタル事ニ付テ辯明ヲ
  致シマス我國ニ於テハ條約締結ハ天皇
  ノ大權ニ屬シテ居リマス關係上、條約文ヲ
  一々當議場ニ發表セラレナイ慣例ノヤウデ
  ゴザイマス、併ナガラ政府ハ憲法第五十四
  條ニモアリマス通リ、議院ニ於テ何人ニテ
  モ發言サレルコトガ出來ルノデアリマスカ
  ラ、是等重要ナル問題ニ付テ議院ト緊密ノ
  關係ヲ保タレルコトハ大ニ望マシキコトデ
  アリマス、併ナガラ之ヲ議長ヨリ政府ニ强
  請スルト云フ譯ニハ參リマセヌ、此段御答
  ヲ致シテ置キマス、是ヨリ討論ニ入リマ
  ス-藤井達也君
  〔藤井達也君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=129

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• 130・藤井達也

  ○藤井達也君　諸君、本員ハ尾崎行雄君其
  他數名ニ依テ提出サレマシタル此決議案ニ
  向フテ、絕對ニ反對ヲ致スモノデアリマス、
  私ハ從來尾崎行雄ト云フ方ハ、洵ニU+C
  クラチック」ナ方デアルト考ヘテ居リマシタ
  カ、此度ノ決議案ヲ御出シニナリマシタノ
  デ、尾崎君ヲ裏切ッテ、却テ尾崎君ハ相當
  政治上ノ理解モナク、國際法上ノ見識モナ
  イ、淘ニ頑冥不靈ナ人デアルト現在考ヘテ
  居ルノデアリマス(拍手)更ニ洵ニ滑稽ト考
  ヘテ居リマスルノハ、尾崎君提案ニ對シマ
  シテ、民政黨ノ諸君ガ御賛成ニナッタ所以
  デアリマスル、御覽ノ如ク此不戰條約ハ
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=130

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• 131・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜〓ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=131

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• 132・藤井達也

  ○藤井達也君(續)　旣ニ十數箇國ニ依テ批
  准サレ、又承認サレテ居ルノデアリマス、
  其中ニハアノ英國ガゴザイマスル、只今モ
  尾崎君ノ說明ノ中ニモアリマシタガ、特ニ
  尾崎君ガ此不戰條約ヲ提案セラレマスル餘
  程前ノコトデアリマスルガ、不戰條約反對
  理由書ト云フモノガ提出サレテ居リマス
  ル此中ニ於キマシテ、曰ク英、白、伊等
  ノ君主ト雖モ、其君主ハ唯君臨スルダケ
  デ、統治セザル國柄デアルカラ、是等ノ國
  ト我國トハ同一ニスルコトガ出來ナイト云
  フ御議論デアリ、且又先程說明ヲ聽キマ
  スト、同ジヤウナ議論ト拜聽シタノデアリ
  マイ、然ルニ此君臨シテ統治セザルト言ハ
  レマスル英國ニ於キマシテハ、既ニ無條件
  ヲ以テ此案ヲ承認シテ批准致シテ居ルノデ
  アリマス、然ラバ私ハ民政黨ニ御尋シタイ
  ノデアル、昨年ノ春ノ臨時議會ニ於キマシ
  テ、齋藤隆夫君ガ壇上ニ立ッテ次ノヤウナ
  コトヲ御演說ニナリマシタ、而モ齋藤隆夫
  君ハ其當時民政黨ヲ代表ナサレタノデアリ
  マスルカラ、先ヅ民政黨ノ御意見デアルト吾
  吾ハ考ヘテ差支ナイト思フノデアリマス、
  アノ有名ナル議會中心政治ノ問題ニ關シマ
  シテ、此壇上ニ於キマシテ、議會中心政治
  ノ如何ナルモノデアルカト云フ御演說ガ
  アッタノデアリマス、其中ニ英國ヲ以テ民主
  主義ノ國トハ、何ヲ根據トシテ言フノデア
  ルカ、英國ハ昔カラ君主主義ノ國デアル、
  今日英國ノ主權ハ依然トシテ國王ノ手ニ握
  ラレテ居リマス、唯此主權ヲ行ハセ、ラレル
  ニ方ッテ、何處迄モ國民ノ意見、卽チ會議
  ノ意見ヲ中心トセラルヽニ依テ、國王ノ意
  見ト議會ノ意見トガ東西ニ分レタコトハ、
  尠クトモ二百年以上現ハレタコトガナイ、
  謂ハマ英國ノ政治ト云フモノハ、議會中心
  ノ政治ヲ行シテ居ルノデアル、此英國ノ議會
  中心政治コソ、洵ニ金科玉條ノ政治デア
  リ、吾々ノ議會政治ハ此英國ノ政治ヲ範ト
  スベキモノデアルト云フ御議論ニナッテ居
  ルノデアリマス
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=132

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• 133・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=133

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• 134・藤井達也

  ○藤井達也君(續)　サウシマスルト英國自
  體ガ無條件ニ於テ此不戰條約ナルモノ
  ヲ-此不戰條約ナルモノヲ承認シテ居リ
  マスルト致シマスルナラズ、民政黨ノ如キ
  ハ全ク雙手ヲ舉ゲマシテ、此案ニ第一ニ御
  賛成ニナラナケレバナラヌト思フノデアリ
  やっ、然ルニ此案ニ御反對ニナリマスルコ
  トハ、想フニ唯民政黨ノ諸君ハ此問題ヲ政
  爭ノ具ニ供シマシテ、政友會內閣ヲ御窘メ
  ニナルト云フ考以外ニ何モノモナク、唯尾
  崎君ノ煽動ニ引摺ラレタモノデアルト私ハ
  申上ゲルノデアリマス、諸君、此條約ハ我
  國ト亞米利加若クハ佛蘭西、十四箇國ノ各
  國一箇國ヲ捉ヘテ條約ヲ結ンダノデナイノ
  デアリマス、デアリマスカラ「シングル·デ
  クラレーシヨン」デモナク、又「バイテラ
  ル·デクラレーシヨン」デモナク、全ク「マル
  テラテラル·デクラレーシヨン」デアリマス
  カラ、世界列國ヲ基礎ニシテ、玆ニ他動的
  ニ宣言シタモノト謂ハナケレバナラヌト思
  ヒマス、然ルニ此條約ニ關係シマスル國ハ、
  例ヘバ日本ノ如ク君主〓憲政體ノ國モアリ
  マスレバ或ハ英國ノ如キ君主國モアリ、
  佛蘭西ノ如キ共和國モアリ、又亞米利加ノ
  如キ共和國モアリマス、殆ド世界ノ君主國
  若クハ共和國ガ共ニ力ヲ合セマシテ、此多
  邊的ノ不戰條約ヲ締結シタノデアリマス、
  列國互讓ノ精神ガナケレバ此條約ヲ締結
  スルコトハ全ク不可能デアルト謂ハナケレ
  バナラヌノデアリマス、此見地ヨリ考ヘマ
  スル時ニハ吾々ハ條約ノ内容ニ立入リマ
  シテ、之ヲ〓議スルニ當リマシテ、先ヅ銘
  銘ノ國ニノ憲法ノ條章ニ依リマシテ、是等
  ノ條約文ノ內容ヲ自ラ解釋シ、自ラ之ヲ是
  ナリト信ジマシテ、此條約ヲ締結スルヨリ
  外方法ガナイモノデアルト考ヘルノデアリ
  マス、更ニ又尾崎サンノ御議論ヲ承リマス
  ト、尾崎君ハ國際法ト云フモノニ關シテハ
  何等ノ御見識モ御了解モナイモノデアルト
  私ハ思フノデアリマス、何故カト申シマス
  ト、成程我國ノ憲法ニ於キマシテ、或ハ憲
  法ノ十三條ニ於テ、我國ノ天皇ガ所謂戰
  ヲ宣シ、和ヲ講ジ、若クハ條約ヲ締結スル
  權力ヲ持ッテ御在デニナリマスカラ、我國ノ
  陛下ガ條約ノ締結權ヲ持テ御在デニナル
  コトハ當然デアリマスケレドモ、一方所謂
  「イン、ザ、ネーム、オブ、ゼヤ」云々ト云
  フ言葉ヲ捉ヘテ、我國ノ憲法五十七條ニ於
  テ、司法權ハ裁判所ガ法律ニ依テ行フト云
  フコトガアリマスカラ、陛下ガ條約ヲ締
  結スルニ付テ、何デモ陛下ノ名ニ於テト云
  フ文句ヲ付ケナケレバ、條約ヲ締結スルコ
  トガ出來ナイト云フコトハ是ハ國際法ヲ
  知ラナイモノト申サナケレバナリマセヌ、
  現ニ亞米利加ノ憲法ニ於キマシテハ、憲法
  ノ條項ノ中ニハ、亞来利加ノ條約締結權ハ
  人民ニナイノデアリマス、成程人民ハ主權
  者デハアリマスケレドモ、條約ヲ締結スベ
  キ權利ハ、言フマデモナク大統領ニ憲法ニ
  依テ委任サレテ居リマスカラ、大統領ガ人
  民ノ名ニ於テ締結スルモノデナイト云フコ
  トニナッテ居リマス、更ニ佛蘭西ニ於キマシ
  テモ同樣デアリマス、是等ノ共和國ニ於テ
  ハ、全ク條約ノ締結權ハ大統領ニ歸屬シテ
  居リマスカラ、大統領ガ人民ノ名ニ於テ條
  約ヲ締結シナケレバ其條約ハ無效デアル
  ト云フヤウナ議論ハ、全ク出來ナイモノデ
  アルト斷言シテ憚ラヌノデアリマス、更
  ニ-餘リ言葉ガ細カクナリマスガ、中村
  啓二郞君カラ當議場ニ於キマシテ數〓拜聽
  致シマシタル「ピーブルス」ト云フ言葉ニ對
  シマシテ、一言尾崎サンニ私カラ答辯モシ、
  私カラ演說シナケレバナラヌノデアリマ
  ス、諸君、私ハ思フニ尾崎サンハ、先月ノ
  二月二十六日カノ中野正剛君、本多熊太郞
  君、尾崎行雄君ガ、交詢社デ晝飯ヲ食ベナ
  ガラ相談シタ結果ガ玆ニ現ハレタト思ヒマ
  スガ、本多熊太郞君ノ意見ヲ取リ來リマシ
  テ、本議場デ本條約ヲ恰モ鬼ノ首デモ取ッタ
  ヤウニ御攻撃ニナルガ、決シテ「ピープル
  ス」ト云フ言葉ハ、人民ト云フ言葉デナイ
  ト云フコトハ明瞭デアルト云フコトノ爲
  ニ、私ハ玆ニ朗讀スルノデアリマス「オック
  スフオード·ディクショナリー」ノ「ヴォリ
  ユーム、セヴン」卽チ第七卷ニ於テ「ピープ
  ルス」ト云フ言葉ガ明瞭ニ翻譯サレテ居リ
  てい、此言葉ニ依リマスト「ピープルス」ナ
  ルモノハ所謂「ネーション」デアルト云フコ
  トガ明瞭ニナッテ居ル、然ラバ「ネーション」
  ナル言葉ハ矢張又「オックスフォード、ディク
  ショナリー」ニ依リマスト「カントリー」若
  クハ「キングダム」斯ウ云フヤウニ明瞭ニ
  「カントリー」若クハ「キングダム」或ハ「ス
  テート」トナッテ居リマスカラ、此ノ「ピー
  プルス」ナルモノハ所謂「ネーション」ヲ意
  味シ、「ネーション」ハ國家ヲ意味スルモノ
  デアルト云フコトハ明瞭ニ申上ゲルコトガ
  出來ルノデアリマス(抬手)而モ私ハ尾崎行
  雄君ノ御議論ナルモノハ舊イ時代ノ思想ヲ
  御用ヒニナリマシテ、此條約文ヲ解釋ナサ
  ルモノデアルト謂ハナケレバナラヌノデア
  リマス、成程昔ノ時代ニ於キマシテハ、國
  家國家ト云フ言葉ヲ使ヒマシテ此國際間ノ
  條約ノ宣言ヲ致シマシタガ、最近特ニ彼ノ
  歐洲大戰後ニナリマスルト、多ク「ネーショ
  ン」デアルトカ「ステート」ト云フヤウナ語
  ヲ避ケ、取分ケ最近ニナリマスルト、國際
  條約ノ間ニ於キマシテハ國家ヲ意味スル時
  ニ方リマシテ所謂「ピープルス」デアルトカ、
  「ネーション」デアルトカ云フ語ヲ多ク使フ
  傾向ガアルト云フ國際法上ノ原則ヲ御知リ
  ニナラヌカラ、此問題ヲ惹起スモノデアル
  ト私ハ思フノデアリマス(拍手)諸君、現ニ
  「ピープルス」ト「ネーション」トノ使ヒ分ニ
  關シマシテハ、亞米利加ト日本若クハ世界
  列國ト、此國際不戰條約ニ關シマシテノ往
  復文書ニ依リマスト殆ド其使ヒ分ケト云
  フモノハ、或ハ「ピープルス」ヲ使ヒ、或ハ「ネ
  ーション」ヲ使ヒ、其間ニ洵ニ差別ガナイ程
  ニ使ッテ居ルノデアリマス、此意味ハ所謂最
  近ノ思想ニ於キマシテハ國家ト云フコトヲ
  現ハスニハ、時ニハ「ピープルス」デモ宜シイ
  シ、時ニハ「ネーシヨン」デモ宜シイト云フ
  思想ガ此條約文ニ現ハレ、所謂尾崎君ノ世
  界ノ人類ノ平和ノ爲ニ、人類ノ幸福ノ增進
  ノ爲ニハ此「ネーム、オブ、ピープルス」ト
  云フヤウナ所謂平民的ナ「ポピユラー」ナ言
  葉ヲ使ヒマシテ、此條約文ヲ締結シタノデ
  アリマスカラ、啻ニ之ヲ人民ノ名ニ於テト
  譯スルニ至リマシテハ世界最近ノ思想ニ
  對シ時代遲レノ尾崎君デアルト言ハザルヲ
  得ナイノデアリマス、私ハ此「ネーション」
  ト「ピープルス」ノ使ヒ分ケニ關シマシテ
  ハ、洵ニ各條約國ノ間ニ於キマシテ互ニ使ッ
  ナ居リマス所ノ意味ヲ考ヘテ見マスルト
  大體次ノヤウナ解釋ガ出來ルノデアリマス
  「ピープルス」ト云フニ〓葉ヲ使ヒマス時ハ
  多ク箇々ノ、各國家ヲ捉ヘマシテ「ピープ
  ルス」ト云フ言葉ヲ使ヒ、所謂世界全體ヲ
  集メマシテ是ヨリ箇々ノ國家ヲ指ス時ニハ
  「ネーション」ヲ用ヒルト云フコトガ大
  體此「ノート」卽チ公文書ノ中ニアルヤ
  ウニ解釋出來ルノデアリマス、デアリ
  マスカラ「ピープルス」ト云フ言葉ハ箇
  箇ノ國家ヲ言ヒ現ハス際ニ之ヲ使ヒ、
  サウシテ之ヲ綜合シタ際ノ國家ト云フコト
  ヲ表ハスニハ「ネーション」ヲ使フノモノデ
  アルト云フコトハ、明瞭ニナッテ居ルノデ
  アリマス、是ハ明瞭ナ話デアルト思ヒマス
  ガ、更ニ明瞭ニ之ヲ解決シナケレバナラヌ
  ト思ヒマスカラ-例ヘバ千九百二十三年
  ノ四月十三日ニ亞米利加合衆國ノ「ガヴア
  ーメント」政府ノ「ノート」ガ「グレート、ブ
  リテン」或ハ「ヂヤーマン」伊太利、サウシ
  テ日本ニ向ッテ送ラレテ居リマス、其內容ノ
  中ニ斯ウ云フヤウナ文句ガアリマスカラ、
  已ムヲ得ズ私ハ英語デ以テ之ヲ讀上ゲマス
  「ザ·ブレジイデント·オブ·ゼ·ジァーマン·エ
  ムパイヤ、ザ·プレジイデント·オブ·ゼ·ユ
  ーナイテッド·ステイツ·オブ·アメリカ、ザ.
  プレジイデント·オブ·ザ·フレンチ·レバブ
  リック、ヒズ·マヂエステイー·ザ·キング·や
  オブ·イングランド·アイルランド·アンド·
  ザ·ブリテイッシュ·ドミニオンズ·エンベラ
  ー·オブ·インデイヤ、ヒズ·マヂエステー·
  ザ·キング〓オブ·イタリーヒズ、マヂエス
  ティー·ゼ·エンペラー·オブ·ジヤパン、イー
  クォーリー、ディザイラス、ナツト、オンリ
  ー、オブ、パーペチュエイティイング、ザ、ハッ
  ピー、リレイションズ、オブ、ピース、アン
  ド、フレンドシップ、ナウ、エキジェスティン
  グ、アマング、ゼア、ピープルズ、バット、オ
  ールソー、オブ、アヴォイディング、ザ、デイ
  ンヂァー、オブ、ウオア、ビイトヰーン、オー
  ル、アザー、ネイシヨンズ、オブ、ザ、ウオー
  ルド」此文句中次ノ點ヲ特ニ御承知ヲ願ヒ
  タイ「アマング、ゼア、ピープルズ、バット、オ
  ルソー、オブ、アヴオイデイング、ザ、デイン
  ヂアー、オブ、ウオア、ビイトヰーン、オー
  ル、アザー、ネイシオンズ、オブ、ザ、ウオー
  ルド」トナッテ居リマス(拍手)此原語ヲ採リ
  マスト、殆ド皆世界列國ハ國家ト云フ意味
  ヲ採リマシテ此「ピープルス」ト云フ言葉ヲ
  解釋シタルモノナリト云フコトハ、公文書
  ニ依テ明瞭デアルト云フコトヲ斷言シテ憚
  ラナイノデアリマス(拍手)更ニ私ハ若シ唯
  單句ヲ採リマシテ「インゼ·ネームズ·オフ·
  ゼイア·レスペクティーブ·ピープルス」デア
  ルカラ、是ハ「人民ノ名ニ於テ」ト譯サナケ
  レバ夜モ日モ明ケヌト仰シヤイマスナラ
  バ、私ハ民政黨トハドウ譯スルカト云フ御
  尋ヲシタイノデアル(拍手)民政黨ヲ譯シタ
  ラ他ニ言葉ハアリマスマイ、「デモクラティツ
  ク·パーテイー」ト譯サナケレバナラヌ、「デ
  モクラテュツク·パーテイー」ト云フノハ共
  和國タル亞米利加以外ニハ存セナイト云フ
  コトヲ私ハ申上ゲルノデアル(拍手)サウ言
  ヒマスト、諸君ハイヤ立憲民政黨ダト云
  フ御答ニナルカモ知レマセヌケレドモ、成
  程立憲民政黨デアリマセウ、亞米利加ニ於
  キマシテモ明瞭ニ憲法ガアリマス、「コンス
  ティチュート」ト云フ憲法ガアル、サウスル
  ト民政黨ト云フ名ハ「コンスティチュート·
  デモクラテイック·パーテイー」デアルカラ、
  日本ノ國體ニハ相容レナイモノデアルト言
  ハザルヲ得ナイノデアル(拍手)唯言語ノ二
  三ヲ採リマシテ民政黨ガ亞米利加ノ「コン
  スティチュート·デモクラテイック·パーテ
  イー」デアルト吾々ガ考へヌト同樣ニ、此
  多邊的國際條約ニ關シマシテモ「イン·ゼ·
  ネームス·オブ·ゼイア·レスペクティーブ·
  ピープルス」ト云フニ口葉がアルカラ、之ヲ
  捉ヘテ直ニ此問題ガ所謂憲法違反デアルト
  云フヤウナ御議論ハ、先ヅ幼稚園ノ坊チヤ
  ンカ小學校ノ生徒ノ英四ノ解ラヌ人デナケ
  レバ言ハレナイ事デアルト言ハザルヲ得ナ
  イノデアル(拍手)更ニ私ハ然ラバ「リーグ·
  オブ·ネーシヨン」ト云フ言葉ヲ如何ニ御
  解釋ニナルカヲ尾崎サンニ御尋シタイ位デ
  アリマス、「リーグ·オブ·ネーシヨン」トハ
  如何ナル解釋デアルカ「ネーシヨン」ト云フ
  コトヲ人民デアル國民デアルト云フコトデ
  御解釋ニナリマスナラバ、國際聯盟ト云フ
  言葉ハ出來得ベカラザルモノデアルト云フ
  コトヲ言ハザルヲ得ナイノデアル、「ネーシ
  ヨン」ト云フ言葉ハ全ク國家ガ國家間ニ於
  キマシテ聯盟ヲ作ルノデアッテ、人間同志ガ
  聯盟ヲ作ルモノデハナイ、然ルガ故ニ我國
  ニ於キマシテモ天皇陛下ガ此「リーグ
  オブ·ネーシヨン」ナルモノニ御調印ニナ
  リ、御批准ニナッタト云フコトヲ考ヘマシ
  テモ、明瞭ニ「ピープルス」ナルモノガ「ネー
  シヨン」ヲ意味スルトセバ、條約ニ使用セ
  ル言葉ガ正シイモノデアルト謂ハザルヲ得
  ナイ、而モ此往復文書ノ全體ヲ見マスルト、
  洵ニ日本政府ニ致シマシテモ、又英國政府
  ニ致シマシテモ、是等君主國ト致シマシテ
  ハ、深甚ノ注意ヲ拂ウテ居ルノデアリマス、
  殆ド此條約ノ往復文書白ノ中ニハ「ピープル
  ス」ト云フヤウナ言葉ハ体ッテ居リマセヌ、
  皆「ステート」ト云フニ葉ヲ必ズ使用シテ居
  リマス、是ハ矢張リ亞米利加竝ニ佛蘭西等ノ
  言ヒマス「ピープルス」ト云フ言葉ハ、全ク
  「ステート」デアルト云フコトニ解釋シテ居
  ルカラダト考ヘマス、之ヲ信ジテ居リマス
  カラ往復文書ノ全體ニ於キマシテハ、殆ド
  「ガヴアーメント」トカ「ステート」ト云フ全
  ク國家ト云フ事以外ニハ何モ書イテナイト
  云フコトハ、明瞭ニ「ピープルス」ナルモノ
  ヲ解釋シテ居ルト私ハ思フノデアリマス
  (拍手)シレカラ「イシ·ザ·ネーム」ト云フ
  言葉ヲ使ヒマストキニハ、英文上ニ於テ種
  種ナ解釋ハアリマスケレドモ、斯ウ云フ時
  ニハドウ使ヒマスカ、私ハ諸君ニ嚴肅ニ宣
  言スル、例ヘバ平和ノ爲ニ、人道ノ爲ニ、
  自由ノ爲ニト云フヤウナ事ヲ言フ場合ニハ、
  「アイ·デクレーア·ソルムレイ·イン·ザ·
  ネーム·オブ·ヒユーマニテイ·エンド·リヴ
  アーテイー」ト云フ言葉ヲ使フ、ソレハ人
  道ノ名ニ於テ、或ハ平和ノ名ニ於テ、自由
  ノ名ニ於テト云フ言葉デナク、私ハ莊嚴ニ
  宣言スルノデアル、自由ノ爲ニ、人道ノ爲
  ニ之ヲ宣言スルト云フ際ニ「イン·ザ·ネー
  ム」ト云フ言葉ハ明瞭ニ使フノデアル、然ラ
  バ此條約文ニ於テ「イン·ザ·ネームス·オ
  ブ·ゼーア·レスペクテイーブ·ピープルス」
  云々ト云フ言葉ハ全ク「ザ·コントラクテン
  グ.パーテイ」タル「ヱムペラー」卽チ天
  皇ガ條約ヲ國家ノ爲ニスルト云フコトニ相
  違ナイノデアリマス、何トナレバ條約文ニ
  於キマシテモ、此名前ハ明瞭ニナッテ居リマ
  ス、條約文ニアルガ如ク「ヒズ·マヂヱステ
  ー、ゼ、ヱムベラー、オブ、ジヤパン」ト云フヤ
  ウニ明瞭ニナッテ居リマスカラ、天皇ガ謂ハ
  バ「ネーシヨン」ト云フ國家卽チ「イン、ザ、
  ネーム、オブゼイヤ、レスペクテイブ、ネー
  シヨン」ノ爲ニ嚴肅ニ宣言スルト解釋スベキ
  デ、之ニ相違アリ、誤解ガアルトハ絕對ニ
  信ジラレナイノデアリマス、尾崎サンノ議
  論ニ依ルト「イン、ザ、ネームス、オブ、ゼイヤ、
  レスベクテイブ」云々ト云フコトハ、莊嚴
  ナル言葉ニ使フト仰セラレマシタケレド
  モ、若シ無駄ニ莊嚴ノ言葉ヲ用ヒルナラ
  バ、イザ知ラズ、此樣ナ文句ヲ更ニ用ヒテ
  嚴肅ニスル必要ハナイノデアリマス、又既
  ニ「ソルムレイ」卽チ嚴肅ト云フ言葉ヲ條
  約文ノ宣言ノ前既ニ使用シテ居ル故、更ニ
  無用ニ「イン、ザ·ネーム」云々ノ文句ヲ使
  用シテ嚴肅ヲ表ハスコトハ無駄ナノデアリ
  マス、莊嚴ニ天皇ハ宣言スルノデアル、
  何ノ爲ニ宣言スルノデアルカ、所謂國家ノ爲
  ニ宣言スルモノデアルト解釋シマシテ、少
  シモ疑モ存在セズ、又斯ク解釋スルコトハ
  當然ト思フノデアリマス、尙且ツ御演說ノ
  中ニ、此條約ハ米國大統領「クーリッヂ」ガ
  辭職サレマシテ、「フーヴァー」ガ大統領ニ
  ナルヤウナ時デアルカラ、急イデ之ヲ批准
  シナケレバナラヌト云フヤウナ御議論デゴ
  ザイマシタガ、是ハ無用ナコトデ、御心配
  ハ要リマセヌ、現ニ亞米利加ノ如キ、曾テ
  「ウヰルソン」大統領ガ自ラ立ッテ國際聯盟
  ヲ提唱シ、歐洲ノ天地ヲ震駭セシムル程ノ
  大事ヲ實行セント致シマシタケレドモ、豈
  圖ランヤ、彼ガ國ニ歸リマスト、上院ガ之
  ヲ否認致シマシタ結果、現在國際聯盟ニ
  スラ加入シテ居ナイ、サウ云フ重大ナ國際
  聯盟ニ米國ガ加入シナイコトスラアルノ
  ニ、慌テヽ吾々ガ此不戰條約ナルモノニ參
  加シナケレバナラヌ、直ニ之ニ批准シナケ
  レバナラヌト云フヤウナ御議論ヲ爲サルヽ
  ノハ當ヲ得タモノニ非ズシテ、日本國家
  ノ權威ヲ無視シタモノデアルト謂ハザルヲ
  得ナイノデアリマス(拍手)更ニ此條ノ「ノ
  ート」ヲ見マスルト、皆其最後ノ終結ハ「ラ
  テイフイケーシヨン」批准ニアリト云フコ
  トヲ明瞭ニ書イテアル、其批准ノ意味ハ全
  ク國家ニ於キマスル憲法ノ條章ニ則ッテ、正
  當ナル手續ヲ踏ンデ之ヲ批准スベシト云フ
  コトニナッテ居リマスカラ、此條約ノ全體カ
  ヲ考ヘマスル時ニハ、此「インザ、ネーム
  ス、オブ、ゼイヤ、レスペクテイブ」云々
  ト云フ言葉ハ、我ガ政府ト致シマシテハ
  天皇陛下ガ國家ノ爲ニ旦言スルモノデアル
  ト云フコトヲ認メ、而シテ吾々ノ憲法ニ從
  ヒ、憲法ノ條項ニ從シテ、之ヲ批准致シマシ
  テモ、吾々ハ何等世界列强ニ向ヒマシテ彼
  此レ言ハレル要ハナイト考ヘルモノデアリ
  やっ、先程政府委員ノ御說明ガアリマシタ
  通リ、此條約ナルモノハ、尾崎サンハ十五
  箇國ガ原條約國ト仰セニナリマシタガ、サ
  ウデハアリマセヌ、七箇國ガ原條約國ニナッ
  テ居リマス、他ノモノハ加入シタニ過ギナ
  イノデアリマス、兎ニ角此原條約國ガ、若
  シ此不戰條約ニ少シデモ修正ヲ加ヘルコト
  ガアリマシタナラハ、此條約ハ全然不成立
  ニ終ルモノデアルト云フコトヲ、御了解願
  ヒタイノデアリマス、デアリマスカラ若シ
  私ガ一步讓リマシテ、尾崎サンノヤウナ御
  議論ニ共鳴シテモ、尙ホ吾々ハ絕對ニ國際
  上ノ見地ヨリ考ヘテ、此決議案ニ反對シ否
  認シナケレバナラヌノデアリマス、卽チ「イ
  ン、ザ、ネーム、オヴ」云々ナルモノハ
  是レ〓〓デアルト云フ誤タ見解ニ一歩讓リ
  マシテ、若シモ之ニ修正スルヤウナコトガ
  アリマシタナラバ、尾崎君ノ言ハレル世界
  人類平和ノ爲ト云フコトカラ考ヘマシテ
  モ、列國間ノ信義カラ考ヘマシテモ、全ク
  此不戰條約ナルモノヲ不徹底ニセシムルノ
  ミナラズ、不戰條約ヲ全滅セシムルコトニ
  ナリ、其責任ハ日本國全體、特ニ天皇
  陛下ガ負ハナケレバナラヌト云フコトヲ
  御考ニナリマシタナラバ、輕々ナル考ヲ以
  チマシテ、本議場ニ決議ヲ出スト云フコト
  ハ出來ナイト、吾々ハ信ズルノデアリマス、
  苟モ此樣ナ條約ハ世界人類平和ノ爲デア
  リ、其御言葉ノ中ニ於キマシテ、假ニ多少
  ノ不穩當ノコトアリト致シマシテモ、日本
  政府ガ之ヲ國家ノ爲ニト云フ解釋ヲ致シ
  マスルナラバ、當然此議論カラ考ヘ、此文
  意解釋カラ考ヘマシテモ、正シイコトデア
  ルカラ、本員等ハ滿場政府ノ處置ニ贊成ヲ
  與ヘ、此政府ノ執リマスル處置、政府ト諸
  國トノ間ニ於キマスル旣往ノ往復文書竝ニ
  其他ノ物ヲ信用致シマシテ、暫ク政府ノ執
  ル態度ヲ認メマシテコン、初メテ陛下ガ憲
  法十七條ニ於キマシテ、和ヲ講ジ、若クハ
  戰ヲ宣シ、或ハ條約ヲ締結シマス主權ト云
  フモノヲ尊重スル所以ナノデアリマスガ、
  之ニ反シテ輕率ニ斯ノ如キ議論ヲ議會デヤ
  リマスコトハ、洵ニ陛下ニ對シマシテモ、
  畏多イコトデアルト私ハ考ヘル次第デアリ
  マス、以上簡單ニ述ベマシタル事項ニ依リ
  マシテ、私ハ本決議案ヲ絕對多數ヲ以テ否
  決アランコトヲ深ク希望シテ已マヌ次第デ
  アリマス(拍手)
  〔中村啓次郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=134

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• 135・中村啓次郎

  ○中村啓次郞君　只今提案サレテ居リマス
  ル決議案ノ論點ニ付キマシテハ、既二一月
  ノ二十四日當本會議ニ於キマシテ、又二月
  四日ノ豫算委員會ニ於キマシテ、私ノ考ノ
  大體ハ盡シテアルノデアリマス、又院外ニ
  於キマシテモ、昨年ノ九月以來屢、卑見ヲ開
  陳致シテ居ルノデアリマスカラ、相當御承
  知下サレ居ルコトヽ考ヘマスカラ、此場合
  私ハ極メテ簡單ニ贊成ノ意ヲ表シテ見タイ
  ト思フノデアリマス、暫クノ間御〓聽ヲ煩
  シマス、此問題ハ國體ニ關スル問題デア
  〃、憲法ニ關スル問題デアルトシテ、爭ウ
  テ居ルノデアリマスカラ、斯樣ナ重大ナ問
  題ハ政友會ニ於カセラレマシテモ、嘗テ南
  北正〓問題ノ起リマシタ時分ニ、國體ニ關
  スル、皇統ニ關スル問題ハ是ハ政黨ニ關
  係ノナイト云フコトデ、自由。討議ニナッタ
  次第デアリマス、斯樣ナ次第デアリマスカ
  ラ、政黨政派ノ考ヲ持タナイデ、日本帝國
  ノ忠良ナル國民トシテ御〓聽アランコトヲ
  切ニ希望スルノデアリマス、私共ハ此問題
  ガ國體及憲法ニ牴觸致シテ居ルト見テ居ル
  ノデアリマス、アナタ方ガ憲法及國體ニ牴
  觸シテ居ラレナイト考ヘテオアリデアルナ
  ラバ、ソレハ私共トアナタ方ト國體ニ關ス
  ル觀念ノ相違デアルノデアリマスガ、ドウ
  カ私共ヲシテ其所見ヲ盡サシムルコトヲ希
  望スルノデアル「イン·ゼ·ネーム·オブ」ハ
  名ニ於テヾアリ、名ニ於テハ「イン·ゼ·ネ
  ーム·オブ」デアルト云フコトハ、我ガ憲法
  制定以來久シキニ亙ッテ一回モ疑義ヲ生ジ
  タル文字デハナイノデアル、卽チ名ニ於テ
  ト言ヘバ、權力ノ無イ者ガ權力ノ有ル者ニ
  代ッテ權力ヲ行フモノデアルト云フコトハ
  言フ迄モナイコトデアル、是ハ憲法ノ第十
  七條ノ中ニ「攝政ハ天皇ノ名ニ於テ大權ヲ
  行フ」ト規定セラレ、憲法第五十七條ニハ
  「司法權ハ天皇ノ名ニ於テ法律ニ依リ裁判
  所之ヲ行フ」ト規定サレテ居ルニ依テ明瞭
  デアル、旣ニ名ニ於テト云フコトハ、權力
  ノ無キ者ガ權力ノ有ル者カラ授權セラレテ
  其權力ヲ代行スルト云フコトデアルガ「ピ
  ープルス」ト云フ文字ガ人民ト云フコトデ
  アレバ、陛下ハ人民ニ代ッテ-人民ガ國
  家意思ヲ表示スル所ノ主體トナルノデアツ
  テ、天皇陛下ハ此人民ニ代ッテ國家意思ヲ
  表示スルト云フコトニ相成レバ、我ガ帝國
  ノ國體及憲法ノ上ニ影響ヲ及ボスコトハ言
  フ迄モナイコトデアル、只今藤井君ハ或ハ
  民政黨ノ民政ヲ「デモクラシー」ト譯スルト
  云フヤウナコトヲ申シテ居リマスガ、併シ
  同君ノ英語知識ヨリ致シマシテハ、私共ハ
  驚クノ外ナイノデアル、民政黨ハ固有名詞
  デアル藤井達也君ノ名前ヲ譯シ得ザルト
  同ジデアッテ、民政黨ヲ英語ニ釋譯スルト云
  フガ如キハ、實ニ英語ヲ解セザルノ甚シイ
  モノデアルト謂ハナケレバナラヌ「ピープ
  ルス」ヲ只今藤井君ハ「ネーシヨン」ト言
  フ「ネーシヨン」ハ國家デアル、國家デアル
  ト云フヤウナコトヲ申セバ、是モ明ニ締約
  國「ザ·ハイコントラクチブ·パーテイース」
  卽チ締約國「ゼアー」モ國デアル、國ガ國ノ
  名ニ於テト云フコトニ相成ルノデアッテ、文
  法ノ上ニ、恰モ民政黨ノ民政ヲ「デモクラ
  シー」ト譯スルト同ジヤウニ、語學ノ知識
  ヲ疑ハナケレバナラヌノデアル、此問題ハ
  政府ニ於テモ、人民ノ名ニ於テト云フコト
  デアレバ、不都合デアルト云フコトヲ考へ
  テ居ルノデアル、卽チ問フニ落チズシテ語
  ルニ落チ、昨年ノ九月ニ自分ガ之ニ對スル
  意見ヲ發表シタ時ニ、政府側ノ者ハ翌日ノ
  都下ノ新聞紙ニ於テ、一齊ニ人民ノ名ニ於
  テヾハナイ、人民ノ爲ニト云フコトデ亞米
  利加ノ方ノ了解ヲ得テ居ルノデアル、人民
  ノ爲ニト云フコトデ、亞米利加ノ方ノ解釋ニ
  對スル留保ヲ得テ居ルノデアルカラ、吾々
  ニ於テ何等ノ失態ハ無イト云フコトヲ聲明
  シテ居ルノデアル、是ガ人民ノ名ニ於テト
  云フコトデアレバ、國體及憲法ニ牴觸スル
  ト云フコトヲ政府ハ考へ、少クトモ憲法若
  ハ國體ニ紛更ヲ生ズルト云フ嫌ヒガアル位
  ノコトヲ政府ハ考ヘテ居タニ相違ナイノ
  デアル、ソレデ人民ノ名ニ於テト云フノヲ、
  人民ノ爲ニト云フ了解ヲ得タノデアル、然
  ルニ今日ニ於テ、卽チ此議會ニ於テハ自分
  ノ質問ニ對シテ、國家ノ爲ニト答辯サレタ
  ノデアル、國家ノ爲ニト答辯サレマシタカ
  ラ、私ハ政府ニ向ッテ、外務大臣ニ向ッテ、貴
  方ガ君主ガ國家ノ爲ニ宣言スルト云フコト
  ヲ御話ニナルナラバ、君主ト國家トノ關係
  ハドウ云フ關係デアルカ、ソレカラ國家
  トハ如何ナル意義ヲ有スルノデアルカ、是
  等ノ問題ハ憲法上重大ナル問題デアルノデ
  アル是等ノ點ヲ明ニシナケレバ、此問題
  ノ解釋ハ出來ナイノデアル、ソレデ田中外
  相ニ向ッテ、國家ノ意義如何、國家ト云フノ
  ハ如何ナルコトニ考ヘテ居ルノデアルカ、
  外務大臣ハ答辯スル所ハナカッタノデアル、
  ソレデアリマスカラ、私ハ重ネテ外務大臣
  ニ向ッテ言葉ヲ他ノ方面ニ變ヘテ御尋シタ
  ノデアリマス、貴方ハ是迄人民ノ爲ニト云
  フ解釋ヲ亞米利加ニ了解サセテ、之ニ依テ
  此「インザ·ネーム·オブ」ノ問題ノ切拔ケヲ
  致サウト考ヘテ居ッタノデアル、所デ今日ニ
  於テハ國家ノ爲ニト云フコトニ變ッタノ
  デアルガ、國家ノ爲ニト言フ以上ハ何力
  茲ニ貴方ガ國家ノ爲ニト云フコトヲ適當デ
  アルト考ヘタ動機ヲ考ヘナケレバナラナイ
  ノデアル、ソレハ恐クハ貴方ハ美濃部博士
  ニ聽イテ、美濃部博士ハ私ガ此意兒ヲ發表
  シタ當時ニ「ピーブル」ト言フカラ、玆二人
  民ト云フコトニ相成ッテ不都合ヲ來スノデア
  ル、憲法ニ牴觸スルノデアルガ、國家ノ
  爲ニ、或ハ國家ノ名ニ於テト云フコトデア
  レバ、差支ナイト云フヤウナコトヲ、美濃
  部博士ガ言ッテ居ル、ソレデ〓迄人民ノ爲ニ
  ト云フ了解ヲ得テ居ッタノヲ、美濃部博士ノ
  〓ニ聽イテ、國家ノ爲ニト云フコトニ變更
  シタノデハアルマイカ、果シテ然ラバ此國
  家ト云フ文字ハ、美濃部博士ノ說ニ從ヘバ
  國家トハ國民ノ團體デアル、天皇ハ國民ノ
  一員ナリ、天皇ニ統治權ナシ、天皇ハ統
  治權運用ノ機關ナリ、斯樣ニ申シテ居リマ
  スガ、外務大臣モ此美濃部博士ノ說ニ從ッ
  テ、國家ハ國民ノ〓體ナリ、天皇ハ國民ノ
  一員ナリ、天皇ニ統治權ナシ、天皇ハ
  統治權運用ノ機關ナリ、此學說ヲ承認シタ
  ノデアルカト云フコトヲ聞イタノデアル、
  所デ外務大臣ハ又之ニモ答フル所ガナカツ
  タノデアリマス、此問題ハ人民ノ名ニ於テ
  人民ニ代シテ天皇陛下ガ條約ヲ締結スルコ
  トニ相成リマシテハ、日本ノ國體、日本ノ
  憲法ニ牴觸スルコトハ明デアル、是ト同時
  ニ天皇陛下ガ國家ニ代ッテ國家ノ爲ニ戰
  爭放棄ノ條約締結ヲ致スト云フコトモ、日
  本帝國ノ憲法違反デアルト謂ハナケレバナ
  ラナイノデアシ、天皇ガ國家ノ爲ニ外部ニ
  向ッテ國家意思ヲ宣言スルト云フコトデア
  リマスレバ、是ハ國民主權主義又ハ國家主
  權主義ト相成ルノデアル(此時發言スル者
  多シ)是ハ憲法ノ問題デアル、默シテ御聽キ
  ナサイ、卽チ天皇ハ國家ノ爲ニ、外部ニ
  向ッテ國家意思ヲ發表シ、他國ト條約ヲ締結
  スルト云フコトデアレバ、是ハ國民主權主
  義或ハ國家主權主義ト相成ルノデアル、斯
  樣ナ國民主權主義、國家主權主義ヲ高調シ
  チ、日本帝國ノ如キ天皇純正主權主義ヲ
  破毀セントスルコトハ吾々斷ジテ許スコ
  トガ出來ヌノデアリマス、是ガアナタ方ト
  國體ノ觀念ニ於テ、憲法擁護ノ觀念ニ於テ、
  與セザル所デアルノデアル(此時發言スル
  者多シ)オ前達ト話ヲシテ居ルノデハナイ、
  外務大臣ハ斯ク言ッテ居ルノデアル、本員ノ
  質問ニ對シテ、外務大臣ハ國家ノ爲ニ君主
  ガ宣言スルト云フ意味デアルト云フコトヲ
  言フテ居ル、ソレデアルト云フト、天皇ハ
  國家ニ代ッテ宣言スルノデアッテ天皇純
  正主權主義ガ紛更ヲ見ルノデアル(拍手)特
  ニアナタ方ニ申シテ置キタイノハ我ガ日
  本帝國憲法ノ十三條ニハ宣戰、講和及條
  約ノ締結權、此三大權ト云フモノハ擧ゲテ
  天皇陛下ノ大權デアッテ、人民ハ勿論國民
  モ國家モ斯樣ナ權力ヲ更ニ持クテ居テナイ
  ノデアル(拍手)人民ハ之ニ關與スル能ハザ
  ルコトハ言フ迄モナシ、國民モ國家モ此
  天皇ノ大權、天皇ノ三ツノ大權ニ對シテ、
  何人モ容喙スルコトヲ許サナイノハ、我帝國
  ノ國體、我帝國ノ憲法ノ示ス所デアルノデ
  アル(拍手)(「何ヲ言ウテ居ル」ト呼ヒ其他
  發言スル者多シ)憲法論ハアナタ方ニハ分
  リマセヌ
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=135

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• 136・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=136

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• 137・中村啓次郎

  ○中村啓次郎君(續)　以上ニ依リマシテ私
  ガ此「イン·ザ·ネームス·オブ·ザ·ビープル
  ス」此問題ニ於ケル尾崎君ノ提案ニ贊成ノ
  趣意ヲ明ニシタノデアル、尙ホ私ハ此場合
  ニ過日私共ノ同僚小泉又次郞君カラシテ外
  務大臣ニ向ッテ、不戰條約ノ批准奏請ニ關ス
  ル督促的質問ヲ致シタル場合ニ、外務大臣
  ハ斯ル條約ハ調印カラ批准マデノ間六箇月
  位アルノハ當リ前デアルト云フヤウナ答辯
  ヲ致シタノデアリマス、私ハ此答辯ハ不戰
  條約ノ本質カラシテ、眞ニ遺憾極マル答辯
  デアルト思フノデアリマス、國際聯盟規約ノ
  如キハ、是ハ違反國ニ對シテ國際聯盟規約ノ
  仲間ガ制裁ヲ加ヘルコトハ出來ルノデアリ
  マスルケレドモ、不戰條約ハ何等法律的ノ制
  栽ヲ加ヘルコトハ出來ナイノデアル、制裁
  ヲ加ヘルコトノ出来ナイ條約デアリマスル
  カラ、何處迄モ道德的ニ友誼ノ發露ト云フ
  モノガ此條約ノ性質ノ上ニ最モ重大ナル關
  係ヲ有スルノデアル、ソレガ先程尾崎君ノ
  言ハレタヤウニ、亞米利加ノ大統領ガ三月
  ノ四日ヲ以テ次ノ大統領ト更迭ヲ致スノデ
  アル、此更迭ノ前ニ日本帝國-此六大國
  ノ中デモ最モ有力ナル日本帝國ノ批准ヲ得
  タイト云フコトハ、自分ノ在職中ノ光榮ト
  云フモノヲ擔ヒタイト云フ所カラ考ヘマス
  レバ、此日本ノ批准ヲ受ケタイト云フコト
  ヲ熱望スルコトハ當然デアル、此熱望ヲ裏
  切ッテ、亞米利加ノ大統領ヲシテ失望セシメ
  ナガラ、尙ホ六箇月位掛ルノハ當リ前デア
  ルト云フヤウナコトヲ言フノハ、道德的友
  誼ヲ基礎トシテ立タナケレバナラヌ不戰條
  約ノ本質ニ向シテ、直ニ遺憾デアルト謂ハナ
  ケレバナラナイノデアル(柏手)不戰條約ハ
  世界人類ノ福祉ヲ增進スル爲ニ締結スルノ
  デアル、世界人類ノ福祉ヲ增進スルコト
  ハ速ニ一日モ早ク世界人類ノ福祉ヲ增進
  スルコトニ努メナケレバ相成ラナイノデア
  ル、殊ニ世界ノ平和ノ爲、世界人類ノ福祉ヲ
  增進スル爲ニハ、上御一人ハ造次ニモ〓沛ニ
  モ大御心ヲ碎カセ給ウテ居ルノデアル、此
  御大御心ニ對シテモ輔弼ノ任ニ當ル所ノ者
  ハ速ニ批准ヲ奏請シテ、此世界人類ノ福
  社ヲ增進スルコトニ努メナケレバ相成ラナ
  イノデアル、私ハ現内閣ガ此批發ヲ遲ラシ
  テ居ルノハ、故意ニ遲ラシテ居ルノデナシ
  ニ、〃此「イン·ザ·ネームス·オヴ·ザ·ピープ
  ルス」ト云フ此問題ガ、如何ニモ我帝國ノ
  國體、憲法ノ上ニ紛淆ヲ來ス、ソレデアル
  カラ不戰條約モ成立シ、我ガ國體、憲法ノ
  上ニモ紛清ヲ來サナイヤウニ致スノニハ
  陛下ニ向ッテ批准奏請ノ前ニ當ッテ、世界
  列强ニ對シテ然ルベキ了解ヲ得ル爲ニ、今
  日迄日ヲ送シテ居ルモノデアルト考ヘテ居
  ルノデアル、然ルニ全クサウデナシニ、此
  帝國議會ヲ恐ルヽコト虎ノ如ク、此帝國議
  會ノ終了ヲ待チ、其閉會後ニハ樞密顧問官
  ニ對シテ或種ノ運動ヲ爲シテ、敢テ日本帝
  國ノ憲法ヲ蹂躪シ、我ガ日本帝國ノ國體ヲ
  毀損シテ顧ミナイト云フヤウナ態度ヲ執ル
  ナラバ、吾々ハ大日本帝國忠良ノ臣民ノ名
  ニ於テ、現内閣ヲ倒壊シナケレバ相成ラナ
  イノデアル(拍手)之ヲ要スルニ、速ニ憲法
  違反、國體ニ牴觸スルヤウナ點ヲ是正シテ、
  而シテ不戰條約ニ對スル批准ノ奏請ノ途ヲ
  執ラルヽコトニ贊成ヲスルノデアリマス、
  此意味ヲ以テマシテ決議案ニ贊成シタ自分
  ノ意見ヲ大體申上ゲタ次第デアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=137

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• 138・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　以上ヲ以テ討論ハ
  終結致シマシク、是ヨリ採決ヲ致シマス、
  本案ニ賛成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
  〔賛成者起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=138

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• 139・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　起立少數デアリマ
  ス、仍テ本案ハ否決セラレマシタ(拍手)議
  事進行ニ關シ發言ガ通告セラレテ居リマ
  ス、此際之ヲ許シマス、山田教一君
  〔山田毅一君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=139

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• 140・山田毅一

  ○山田毅一君　諸君、本員ハ去ル二月六日
  亞細亞政策ト裏日本啓發ニ關スル質問趣意
  書ヲ政府ニ提出致シテ居シタノデアリマス
  然ル所其後恆例ト相成テ居リマスル所ノ、
  每火曜日卽チ提出者ノ趣旨辯明ヲ許シ、竝
  ニ其意見ヲ主張スベキ此各週ノ火曜日ニ於
  テ、其後一回モ吾々議員ノ言權ヲ許可致
  サナイノデアリマス、諸君、現内閣ガ成立
  致シマシテ以來、卽チ第五十三回ノ議會ニ
  際會致シマシテモ、現政府ハ如何ナル理由
  ヲ以テカ、議員ノ權能ヲ無視シ、動トモス
  レバ議會政治ヲ否認スル如キ態度ヲ執ッテ
  居ルコトヲ遺憾トスルノデアリマス、卽チ
  諸君、第五十三議會ハ昭和二年五月三日ニ
  召集サレマシテ、九日迄約一週間ノ開會ヲ
  見タノデアリマス、此第五十三議會ノ劈頭
  ニ於テ、諸君モ御承知ノ如ク、囘顧シマスレ
  バ田中總理大臣ハ、總理大臣ト致シマシ
  デモ、又外務大臣ト致シマシテモ、國民ニ
  向ッテ一遍ノ施政方針演說ヲシナカッタノデ
  アル、諸君、歷代ノ內閣ニ於テハ、其內閣
  組閣當時ニ於テ、直ニ次ニ開カレタル議會
  ニ於テハ、現內閣ハ斯樣ナ考ヲ以テ內治外
  交ノ方針ニ當ルト云フ所ノ施政方針ノ演說
  ヲ致スノガ當リ前ノコトデアル、然ルニモ
  拘ラズ、當時吾々國民ニ向ッテ-國民大多
  數ニ向ッテ、如何ナル考ヲ以テ政治ヲスルカ
  ト云フコトニ付テハヽ一言半句ダニ現內閣
  ハ施政方針ノ演說ヲ爲サズ、而シテ僅ニ一
  週間ノ會期ニ於テ諸君御承知ノ如ク、アノ
  重大ナル「モラトリアム」ヲ布イタ後ノ、卽
  チ臺灣銀行救濟法案、其他ノ重大問題ニ付
  テ、此議會ト云フモノヲ終始致シタノデア
  ル、而シテ第五十四議會ニ於テモ、諸君、
  第五十四議會ハ昭和二年ノ十二月二十四日
  ニ召集サレマシテ、翌年ノ一月二十二日ニ
  解散ニナッタノデアル、此解散當時ニ於キマ
  シテモ、總理大臣竝ニ閣僚ハ、自己ノ施政
  方針ニ付テ、勝手氣儘ノ議論ヲ吐イテ居ル、
  吾々在野黨ニ屬スル人〓ニ向ッテ、一言半句
  ダニ質問ヲ許サズシテ、直ニ此五十四議會
  ト云フモノヲ解散致シタノデアル、更ニ第
  五十五議會、諸君、第五十五議會ハ卽チ昭
  和三年ノ四月二十日ニ召集サレタノデア
  ル而シテ會期二週間、卽チ五日九日ニ其
  會期ヲ終シタノデアリマスガ、此會期中ニ於
  キマシテモ、六日間約一週間ト云フモノハ
  卽チ彼ノ二囘ノ停會ニ依テ吾々ノ言論ヲ封
  ジタノデアル、而モ〓囘吾々ハ通常議曾二
  於テ、吾々議員ノ本能ヲ十分ニ徹底的ニ發
  揮セシムベク、吾々ハ重大ナル法案デアル、
  此從來是迄虐ゲラレテ居タ所ノ此裏日本
  ノ住民ノ將來啓發ニ對スル、又對外關係ニ
  於テ最モ重大ナル施設ヲ要シマスル所ノ
  此重大ナル質問ニ對シマシテ、政府ハ何等
  ノ質問ノ機會ヲ與ヘナイノデアル(拍手)私
  ハ敢テ此議場ヲ通ジマシテ、此吾々議員ノ
  權能ヲ發揮スル所ノ言論ヲ封ジ、現內閣ガ、
  議會ヲ無視スルガ如キ、又吾々議員ノ權能
  ヲ無視スルガ如キ、此態度ニ對シマシテ
  敢テ私ハ玆ニ緊急ノ質問ヲ致シタイノデア
  リマス(拍手)諸君、吾々ハ此裏日本ニ住シ
  テ居リマスル所ノ國民ヲ代表シテ-從來
  歷史的ニ最モ虐ゲラレテ居ッタノデアリマ
  スルガ、今ヤ此日本ノ對外方針ノ轉換セン
  トスル此重大ナル時期ニ際シマシテ、政黨
  政派ヲ超越シテ、內閣ノ此對外方針ノ轉換
  竝ニ內地ノ啓發施設ト云フコトニ付テハ
  十分ナル考慮ヲ拂ッテ戴キタイト思フノデ
  アリマス(拍手)諸君、今日ハ最終ノ議會ニ
  際會シテ居リマスルガ、內々御話ヲ承ル所
  ニ依リマスト、本日モ此質問ノ日程ヲ茲ニ
  揭載サレテ居ルノデアリマスガ、併ナガラ
  今ヤ政府案ガ議了サレタル後、休憩サレテ、
  更ニ十二時ニ至ル間ニ於テ吾々ノ質問ノ要
  領ト云フモノガ-私ハ此議會ニ於テ議員
  ノ權能ヲ無視スルガ如キ、議員ノ權能ヲ壓
  迫スルガ如キ、此現內閣ノ議會ニ對スル態
  度ニ付テ、十分質問ヲシテ置カナケレバナ
  ラヌト思フノデアリマス(拍手)諸君(此時
  發言スル者アリ)私ハ聲ガ嗄レテ居リマス、
  御聽キ難イ點ハ御諒永ヲ願ヒマス、諸君、
  吾々ハ玆ニ先程武藤山治君ノ前例ヲ以テ見
  マスルナラバ吾々ハ假令此質問ノ內容ヲ
  當議場ニ於テ說明スルコトガ出來マセヌデ
  モ、吾々ハ最モ重大ナル案ノ質問者デアリ
  マスルガ故ニ、吾々ハ現下ノ我ガ帝國ノ地
  位ニ鑑ミマシテ、十分ニ諸君ノ御後援ヲ哀
  願シテ政府當局ノ意見ヲ吾々ハ聽取シタイ
  ト思フノデアリマス、諸君、從來我國ニハ
  歷史的ニ之ヲ顧ミテ見マスルト云フト、從
  來交通ノ關係、世界文明ノ發展致シテ來マ
  シタ其跡ヲ顧ミマスルト云フト、ドウシテ
  モ日本ノ西南方面カラ表日本、卽チ太平洋
  ニ面スル方面ハ、最モ時勢ニ先ンジテ啓發
  サレタノデアリマス、隨テ文明的機關ノ施
  設ト云フモノハ、同地方ニ重キヲ置キマシ
  テ、吾々東北及北陸或ハ山陰ニ住居致シテ
  居ル所ノ、裏日本ノ住民ト云フモノハ明
  治ノ維新以來非常ニ虐待ヲサレテ居リマシ
  テ常ニ政治的啓發ノ上ニ於テ、文明的施
  設ノ方ニ於キマシテモ、吾々ハ頗ル遺憾ト
  致シテ來タノデアリマス、今ヤ我ガ帝國ノ
  外交關係ヲ顯ミテ見マスルナラバ、諸君御
  承知ノ如ク、卽チ吾々當面ノ對外的ノ競爭
  者デアリマシタ所ノ露西亞卜云フモノハ
  今日其勢力ヲ失墜致シ、而シテ又亞細亞大
  陸ニ於テ非常ナ勢力ヲ持シテ居リマシタ所
  ノ獨逸ノ如キハ亞細亞大陸ヲ横斷シテ、
  卽チ靑島ニ於テ彼ノ根據地ニ據テ、其政策
  ヲ斷行シテ來タノデアリマス、卽チ日〓戰
  爭、日露戰爭竝ニ日獨戰爭ノ後ニ於テハ
  ドウシテモ對外關係ノ勢力ト云フモノハ、
  大亞細亞ニ於テ、支那ニ於テ、吾々ノ最モ
  今後力ヲ注グ對外關係ニ於テ、十分ノ施設
  ヲ盡シ、又吾々ノ將來國民ノ競爭者デアル
  所ノモノハ、ドウシテモ太平洋ヲ隔ッタル所
  ノ亞米利加デアラネバナラヌ、又南ハ南洋
  ヲ通ジテ新嘉坡ヲ根據トシテ勢力ヲ持ノテ
  居ル所ノ英國ニ對シテハ、相當ノ施設ヲシ
  ナケレバナラヌト思フノデアリマス、諸君、
  先程田淵君ノ御演說ノアリマシタ通リニ、
  將來或ハ不戰條約ガ締結サレマシテモ、國
  際聯盟ガ如何ニ吾々ニ向ッテ其條約ヲ强ヒ
  マシテモ、或ハ平和人道ノ爲ニ、如何ニ吾
  々ノ先輩ガ努力致シマシテモ、將來人類ノ
  爭鬪ト云フモノハ止ムベキモノデナイ、卽
  チ此地球上ノ表面カラ、此戰爭ト云フモノ
  ヲ吾々ハ除去スルコトハ出來ナイノデア
  ル、然ラバ吾々ハ民族的ニ亞米利加ニ向ク
  テ、或ハ英國ニ對シテ「アングロサクソン」
  ノ民族ニ向ッテ、一大生存競爭ヲ敢テシナケ
  レバナラヌト思フノデアリマス、諸君、日
  本現在ノ外交的關係ハ、此點ニ於テ最モ重
  キヲ置クコトヲ緊要ナル問題ナリト考ヘル
  ノデアリマスガ、諸君、ソレニ付テモ將來
  日本ガ彼ノ有力ナル國民ヲ相手ニシテ、吾
  吾ハ生存競爭ニ向フテ戰テ行ク場合ニ於
  テ、或ハ恐ル、一旦緩急アル場合ニ於テハ
  彼ノ獨逸ガ北海カラ、或ハ國境カラ大戰後
  封鎖サレマシテ、有ユル軍需品或ハ糧食、
  或ハ被服、總テノ物資ニ向"テ、其糧道ヲ絕
  タレタルト同ジク、我ガ日本ノ〓來ガ若シ
  不幸ニシテ此太平洋上カラ封鎖サレ「ブロッ
  ケード」サレタ場合ヲ、吾々ハ不幸ニシテ
  考察致シマスルナラバ、卽チ吾々ノ將來自
  給自足ノ途ト云フモノハドウシテモ對内
  關係ニ於テ求メザルヲ得ナイノデアル卽
  チ諸君、吾ガ内地ニ於キマシテモ、今日吾
  吾ノ糧食デアル所ノ日米ノ如キ-米ノ如
  キハ既ニ五六百万石ノ不足ヲ告ゲテ居ルノ
  デアル、更ニ又之ヲ補充センガ爲ニ、或
  朝鮮米、或ハ臺灣米ノ如キモノヲ移入シテ、
  僅ニ其補充ヲ圖シテ居ルノデアリマス、而シ
  テ又吾々ノ衣服ハ外國カラ輸入シテ居ル、
  亞米利加、印度ヨリ其原料ヲ得テ居ル、或
  ハ又吾々ノ衣服ノ卽チ木綿ノ原料デアリマ
  ス綿ノ如キモ、總テノ物資ト云フモノヲ吾
  吾ハ外國カラ輸入ヲ受ケテ居ルノデアル、
  或ハ燃料ニ付テモ、或ハ石炭、石油ニ付テ
  モ、總テノ吾々ノ國家ノ必需品ト云フモノ
  ハ、注ニ外國カラ輸入サレルノデアル、將
  來ノ日本帝國ノ自給自足ヲ圖ル所以ノモノ
  ハ、卽チ亞細亞大陸デアラネバナラヌ、對西
  伯利ノ問題、對滿蒙ノ問題、對外關係ニ於
  テ、我ガ國民ノ自給自足ヲ圖ルコトハド
  ウシテモ對亞細亞政策ヲ立テヽ產業開發ニ
  努力シナケレバナラヌト思フノデアリマ
  ス、諸君、將來ノ吾々國民ノ自給自足ヲ圖
  ル上カラ勘考致シマシテモ、更ニ又吾々ガ
  西伯利ニ對スル交通ノ關係、或ハ滿蒙、或
  ハ亞細亞ハ或ハ支那、南朝鮮ノ開發、或ハ
  是迄開カレナカッタ所ノ北朝鮮ノ開發、斯ウ
  云フ方面ニ向ッテ吾々ハ交通ヲ頻繁ナラシ
  ノ、產業的ニ彼找ノ平和的交通ヲ開イテ、
  日本將來ノ自給白足ヲ圖ルト云フコトハ、
  最モ緊安缺クベカラザルモノデアルト思
  フ此場合ニ於キマシテ、私ハ先ヅ國防ノ
  見地カラ申シマスナラバ、北樺ノ開發ニ大
  ニ努力シナケレバナラヌ、卽チ其交通ノ點
  ニ於テ、產業ノ開發ノ點ニ於テ、或ハ燃料
  問題、總テノ點ニ付テ、國防上北樺太ノ開
  發ヲ吾々ハ圖ラナケレバナラヌ、更ニ北海
  道ノ開發ニ付キマシテモ、之ヲ產業的ニハ
  黑田長官ガ初期ノ長官時代以來、第一期計
  畫、第二期計畫

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=140

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• 141・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　山田君ノ御發言ニ
  付テハ干渉ハ致シマセヌケレドモ、議事進
  行トシテ許シタノデアリマスカラ、議事進
  行ニ關スル點ニ御制限アランコトヲ希望致
  シマス

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• 142・山田毅一

  ○山田教一君(續)　諸君、而シテ此北海道
  ノ開發ト云フコトニ付テモ、卽チ非常ナ緊
  縮政策ヲ執。ンテ居リマシタ若槻内閣時代ニ
  於テ、世界ノ大勢ニ醒メテ、以テ二十年計
  畫、約九億數千万圓ト云フ豫算ヲ可決致シ
  タコトガアリマス、更ニ裏日本、卽チ靑森
  縣或ハ秋田縣、山形縣、新潟、富山縣、
  石川縣、福井縣、京都府、鳥取縣或ハ島根
  縣其他山陰ノ裏日本海ニ面スル所ノ各地
  方ハ或ハ此間カラ問題ニナッテ居リマス
  所ノ、一年ノ中十一月カラ翌年ノ五月頃迄
  ハ、多クハ雪ニ聞ザヽレテ居ル、天然的ニ、
  不幸ナル地勢的ニ、全ク惠マレナイ所ノ裏
  日本ニ居住シテ居ル

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• 143・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　山田君

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• 144・山田毅一

  ○山田毅一君(續)　諸君、斯樣ナ關係デアン
  テ、地理的關係カラ見マシテモ、歷史的關
  係カラ見マシテモ、氣候風土ノ關係カラ見
  マシテモ

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• 145・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郎君)　山田君··

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• 146・山田毅一

  ○山田教一君(續)　最モ不幸ナル地方、此
  裏日本ニ居住シテ居ル者ノ爲ニ、將來諸君
  ハ政府ト共ニ最モ同情ヲ以テ諸般ノ施設ヲ
  圖ッテヤラナケレバナラヌト思フノデアリ
  さん、況ヤ對米關係、對英關係、亞細亞問
  題ガ非常ニ紛糾致シテ居ル今日、殊ニ先程
  第一回ノ政府ノ答辯書ニ於テ書カレテアリ
  マス所ノ政府ハ南滿洲ノ產業開發ノ爲
  二、彼ノ吉會鐵道ノ開通ニ努力致シテ居ル
  ト云フコトデアリマスガ、其吉會鐵道ガ今
  ヤ開通ヲ見ルト云フ時ニ、ドウシテモ是迄
  開發セラレザル北朝鮮竝ニ裏日本、殊ニ敦
  賀ニ通ズル汽船ノ連絡、或ハ新潟、或ハ浦
  鹽トノ關係、是等ノ交通或ハ產業ノ關係ヲ
  圓滑ナラシメテ、將來ハ最モ茲ニ產業的ニ
  亞細亞大陸ノ開發ニ努メナケレバナラヌト
  思フノデアリマス、私ハ此點カラ致シマシ
  テ更ニ是カラ後ニ質問スル機會ガアリ
  又時間ガアレバ尙ホ詳細ナル點ヲ說明スル
  考デアリマスガ、要スルニ政府ハ何故ニ此
  議會ヲ無視シ、吾々議員ノ言論ヲ壓迫スル
  態度ヲ執ラルヽカ、卽チ此議會ガ始マリマ
  シタ以前カラ、內閣ガ組織サレテ以來、此
  政府ガ吾々ノ言論ヲ壓迫シ、卽チ議員ノ權
  能ヲ無視スルガ如キ態度ヲ執ッテ居ルト云
  フコトニ付テ、私ハ議長ヲ通ジテ政府ノ言
  明ヲ得タイト思フノデアリマス、ノミナラ
  ズ議長ハ、何故ニ今期議會ニ於テ吾々ノ質問
  ヲ許サナカッタカト云フコトヲ、議長ヨリ簡
  單明白ナル御答辯ヲ御願致ス次第デアリマス

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• 147・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　日程變更ノ緊急動議ヲ提出
  致シマス、卽チ此際日程ヲ變更シ、北海道
  鐵道株式會社所屬鐵道外十三鐵道等買收ノ
  爲公債發行ニ關スル法律案、貴族院囘付ヲ議
  題トシ、其審議ヲ進メラレン〓トヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=147

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• 148・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　原君ノ動議ニ御異
  議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=148

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• 149・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　御異議ナシト認メ
  マス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ、只今
  原君ヨリ御說明ノ貴族院ノ修正案ハ、先刻
  諸君ノ御手許ニ配付サレテアルト思ヒマ
  ス、卽チ貴族院ハ曩ニ本院ノ可決シタル北
  海道鐵道株式會社所屬鐵道外十三鐵道等買
  收ノ爲公債發行ニ關スル法律案ニ付キ、同
  院ニ於テ修正囘付シタノデアリマス、仍テ
  議院法第五十五條ニ依リ、本院ニ於テ之ヲ
  同意スルヤ否ヤヲ討論シナケレバナリマセ
  又、是ヨリ討論ニ入リマス-原惣兵衞君
  北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十三鐵
  道等買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
  (政府提出、貴族院囘付)
  北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十三鐵
  道等買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
  (小字及-ハ貴族院修正)
  岩手輕便鐵道株式會社所屬鐵道及同會社ノ兼
  北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十
  業ニ屬スル索道外七鐵道買收ノ爲公債發行ニ
  三鐵道等買收ノ爲公債發行ニ關ス
  關スル法律案
  ル法律案
  政府ハ左ノ鐵道及兼業ニ屬スル索道買收
  ノ爲之ニ必要ナル額ヲ限度トシ公債ヲ發
  行スルコトヲ得
  北海道鐵道株式會社所屬鐵道
  岩手輕便鐵道株式會社所屬鐵道及
  同會社ノ兼業ニ屬スル索道
  -釜石鑛山株式會社所屬鐵道
  信濃鐵道株式會社所屬鐵道
  池田鐵道株式會社所屬鐵道
  -新潟臨港株式會社所屬鐵道
  長岡鐵道株式會社所屬鐵道中來迎
  寺寺泊間
  中國鐵道株式會社所屬鐵道
  兩備鐵道株式會社所屬鐵道中兩備
  福山府中町間
  藝術鐵道株式會社所屬鐵道中備後
  庄原三次間
  簸上鐵道株式會社所屬鐵道
  -宇和島鐵道株式會社所屬鐵道
  阿南鐵道株式會社所屬鐵道
  -博多灣鐵道汽船株式會社所屬鐵道
  中西戶崎宇美間及酒殿旅石間

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=149

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• 150・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　本案ハ既ニ衆議院ニ於テ絕
  對多數ヲ以テ通過シタモノデアリマシテ、貴
  族院ノ修正ニ對シテ吾々ハ不同意ヲ表スル
  者デアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=150

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• 151・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　木檜三四郞君
  〔木檜三四郞君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=151

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• 152・木檜三四郎

  ○木檜三四郞君　只今議題トナッテ居リマ
  スル北海道外十三線ノ買收法律案デアリマ
  スガ、吾々ハ本案ニ對シマシテハ、委員會
  ニ於テ其買收ノ適否、若シソレガ適當デア
  ルトスレバ、其買收ノ時期、卽チ經濟界ノ
  切迫シテ居ル今日ノ時代ニ於テ、其買收ガ
  適當デアルヤ否ヤ、更ニ又其價格ハ如何デ
  アルヤ是等ノ點ヲ調査致シマシテ、深切ナ
  ル判斷ヲ與ヘント致シタ、所ガ委員會ニ於
  テハ政友會ノ多數ノ爲ニ阻止セラレテ、
  吾々ハ調査ガ未完了デアッタノデアリマス、
  ソレ故ニ、本會議ニ於キマシテハ、遺憾ナ
  ガラ北海道鐵道外十三線路ニ對シテハ、調
  査未了ノ爲ニ吾々ハ全部ニ對シテ買收反對
  ヲ表シタノデアリマス(拍手)此度貴族院ヨ
  リ審議ノ結果修正ヲ致サレテ、所謂六線路
  削除サレタノデアリマス、吾々ハ前ニ申上
  ゲタヤウニ、所謂調査未了ノ爲ニ全部否決
  ノ意味デアッタノデアリマス、幸ニ〓ヤ貴族
  院ノ方デ調査致シタ結果ハ、其六線路ヲ削
  除致スト云フ意見デアリマス、卽チ吾々ノ
  意見ニ近イノデアリマス、此意味合ニ於テ、
  吾々ハ貴族院送付ノ本案ニ對シテ全部贊成
  ノ意ヲ表スル者デアリマス(拍手)

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• 153・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　之ヲ以テ討論ハ終
  結セラレマシタ、仍テ採決致シマス、貴族
  院ノ修正ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
  〔賛成者起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=153

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• 154・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　起立少數ト認メマ
  ス、仍テ貴族院ノ修正ニ同意セザルコトニ
  決シマシタ(拍手)就キマシテハ議院法第五
  十五條ニ依テ協議會ヲ求メナケレバナリマ
  セヌ、之ヲ求メル爲ニハ同時ニ協議委員
  ノ數ヲ定メ及其選擧ヲ行フ必要ガアルノデ
  アリマス、仍テ協議委員ノ數及其選擧ノ方
  法ヲ議題ト致シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=154

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• 155・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　兩院協議委員ノ數ハ十名ト
  シ、直ニ議場ニ於テ選擧セラレンコトヲ望
  ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=155

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• 156・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　原君ノ動議ニ御異
  議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=156

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• 157・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　御異議ナシト認メ
  マス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、卽チ協
  議委員ノ數ハ十名トシ、其選擧ノ方法ハ當
  議場ニ於テ選擧スルニ決シタノデアリマ
  ス、是ヨリ兩院協議委員ノ選擧ヲ行ヒマス、
  念ノ爲ニ此際申上ゲテ置キマス、投票ハ無
  記名投票デアリマス、無記名ニチ十名ヲ連
  記セラレ、木札ノ名刺ヲ添ヘテ御持參アラ
  ンコトヲ望ミマス、是ヨリ點呼ヲ行ヒマス
  〔書記官氏名ヲ點呼ス〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=157

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• 158・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　投票漏ハアリマセ
  ヌカ-投票漏レハアリマセヌカ
  〔「アリマス」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=158

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• 159・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　投票漏ハアリマセ
  ヌカ-投票漏ナシト認メマス、投票函聞
  鎖-開匣
  〔「議長定足數ヲ缺イテ居リマス」ト呼
  フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=159

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• 160・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　投票點檢中ハ定足
  數ヲ要シマセヌ
  〔書記官投票及名刺ノ數ヲ計算ス〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=160

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• 161・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　投票總數ハ三百六
  十八票デアリマス、名刺ノ總數ハ三百六十
  七票デアリマス、投票數ガ名刺數ヨリ一票
  超過致シテ居リマス、此場合ニ於キマシテ
  ハ衆議院規則第六條ニ依リマスト「投票
  ノ數名刺ノ數ニ超過シタルトキハ更ニ投票
  ヲ行ハシムヘシ但シ選擧ノ結果ニ異動ヲ及
  ホササルトキハ此ノ限ニ在ラス」トアリマ
  ス、選擧ノ結果ニ異動ヲ及ボスヤ否ヤハ、
  點檢ノ結果ヲ見ナケレバ分リマセヌ、ソレ
  故ニ此儘點檢ハ繼續致シマス、是ヨリ投票
  ノ點檢ヲ命ジマスガ、此際豫メ一言致シテ
  置キマス、投票中ニ被選擧人全部同一ノモ
  ノガ多數アリマシタ場合ニハ本院ノ先例
  ニ依リマシテ同一投票ハ便宜計算シテ讀上
  ゲマス、尙モ印刷セル投票ハ、是亦先例ニ
  依テ有效ト認メマス
  〔書記官投票ヲ讀上ク〕

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• 162・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　投票ノ結果ヲ書記
  官長ヨリ報告致サセマス
  〔中村書記官長朗讀〕
  二百十六點高橋光威君
  二百十六點若宮貞夫君
  二百十六點木下成太郞君
  二百十六點松浦五兵衞君
  二百十六點松野鶴平君
  二百十六點井出繁三郞君
  二百十六點岡田忠彥君
  二百十六點匹田銳吉君
  二百十六點堤〓六君
  二百十六點大內暢三君
  百五十點八木逸郞君
  百五十點牧山耕藏君
  百五十點木檜三四郞君
  百四十九點橫山金太郞君
  百四十九點工藤鐵男君
  百四十九點岡本實太郞君
  百四十八點野村嘉六君
  百四十八點神部爲藏君
  百四十八點田中千代松君
  百四十八點石塚三郞君
  二點定塚門次郞君
  一點原夫次郞君
  點戶井嘉作君
  點戶田由美君
  一點小山倉之助君
  一點武富濟君
  點中野正剛君
  點點栗原彥三郞君
  一點山崎傳之助君
  點松尾四郞君
  點寺島權藏君
  點佐藤啓君
  -點三宅磐君
  點〓水留三郞君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=162

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• 163・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　右ノ通デアリマス
  カラ、投票總數ガ名刺數二一西超過致シマ
  シテモ、投票ノ結果ニハ異動ヲ及ポシマセ
  又、仍テ衆議院規則第六條但書ニ依リ、本
  投票ハ之ヲ有效ト致シマス、本投票ノ結果
  高橋光威君、若宮貞夫君、木下成太郞君、
  松浦五兵衞君、松野鶴平君、井出繁三郞君、
  岡田忠彥君、匹田銳吉君、堤〓六君、大內
  暢三君、以上ノ十名ノ諸君ガ當選セラレマ
  シタ(拍手)
  〔參照〕
  北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十三鐵道
  等買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案兩院
  協議會協議委員選擧投票者氏名左ノ如シ
  石坂養平君石坂豐一君
  岩崎一高君岩本武助君
  岩川與助君磯部尙君
  磯部〓吉君磯野庸幸君
  伊坂秀五郞君伊原五郞兵衞君
  井口延次郞君井上孝哉君
  井出繁三郞君池田龜治君
  今井健彥君板谷順助君
  出井兵吉君原惣兵衞君
  鳩山一郞君秦豐助君
  濱田國松君八田宗吉君
  箸本太吉君林路一君
  西岡竹次郞君西方利馬君
  西村茂生君堀切善兵衞君
  星島二郞君土井權大君
  富田八郞君豊田收君
  大澤寅次郞君大口喜六君
  大橋亦兵衞君大崎〓作君
  小川平吉君小野寺章君
  岡田忠彥君岡田伊太郞君
  沖島鎌三君若宮貞夫君
  渡邊德助君加藤知正君
  加藤久米四郞君加藤鐐五郞君
  川口義久君川島正次郞君
  河上哲太君蔭山貞吉君
  粕谷義三君上條信君
  金光庸夫君龜割安藏君
  菅野善右衞門君吉植庄一郞君
  吉木陽君橫堀治三郞君
  高橋光威君高橋金治郞君
  高橋熊次郞君高山長幸君
  田邊熊一君田子一民君
  田中亮一君竹内友治郞君
  竹下文隆君立川太郞君
  胎中楠右衞門君武田德三郞君
  丹下茂十郞君津雲ヽ國利君
  中村亨君中島守利君
  中島鵬六君中井一夫君
  中川原貞機君中橋德五郞君
  中谷貞賴君中野猛雄君
  鳴海文四郞君名川侃市君
  成〓信愛君永田良吉君
  向井倭雄君武藤七郞君
  內田信也君内野辰次郞君
  上埜安太郞君上塚司君
  植原悅二郞君野田俊作君
  熊谷巖君熊谷直太君
  久山知之君久原房之助君
  國枝捨次郞君郡谷照一郞君
  倉元要一君葛原猪平君
  山本唯次君山本悌二郞君
  山本愼半君山口義一君
  山口恒太郞君山崎猛君
  山崎達之輔君山下谷次君
  矢野晋也君矢野力治君
  矢本平之助君安原仁兵衞君
  松村光三君松浦五兵衞君
  松岡俊三君松野鶴平君
  松田三德君松實喜代太君
  牧野賤男君牧野良三君
  前田米藏君枡谷音三君
  藤沼庄平君藤井達也君
  福井甚三君二神駿吉君
  小谷節夫君木暮武太夫君
  兒玉右二君遠藤柳作君
  靑木雷三郞君靑木精一君
  靑山憲三君安藤正純君
  赤尾藤吉郞君秋田清君
  有馬秀雄君佐々木久二君
  佐々木平次郞君佐藤安之助君
  佐藤實君佐竹直太郞君
  坂本志魯雄君坂井大輔君
  齋藤巖君齋藤藤四郞君
  木村〓治君木本主一郞君
  木下成太郞君岸田正記君
  宮古啓三郞君宮澤裕君
  宮脇長吉君宮川一貫君
  三輪市太郞君三土忠造君
  三浦數平君三井德寶君
  水久保甚作君島田俊雄君
  嶋居哲君庄司良朗君
  庄晋太郞君〓水鐵藏君
  篠原和市君志賀和多利君
  平賀周君平井信四郞君
  廣、圖宇一郞君廣瀨爲久君
  匹田銳吉君肥田琢司君
  久恒貞雄君森矗昶君
  森恪君森正則君
  森田政義君望月圭介君
  元田肇君鈴木吉之助君
  鈴木英雄君鈴木五六君
  鈴木巖君菅原傳君
  砂田重政君須之內品吉君
  井本常作君井上剛一君
  石塚三郞君飯塚知信君
  飯塚春太郞君池田敬八君
  一宮房治郞君伊禮肇君
  原脩次郞君原夫次郞君
  濱口雄幸君坂東幸太郞君
  西脇晋君西村丹治郞君
  西英太郞君本田英作君
  本田恒之君戶井嘉作君
  戶田由美君富田幸次郞君
  小野重行君小峰滿男君
  小久江美代吉君小山倉之助君
  小川〓太郞君大野敬吉君
  大西正幹君大里廣次郞君
  岡本實太郞君岡本幹輔君
  奧山龜藏君長內則昭君
  川崎安之助君川崎克君
  河西豐太郞君勝田永吉君
  勝正憲君神田正雄君
  神部爲藏君加藤鯛一君
  漢那憲和君橫山勝太郞君
  横山金太郞君吉川吉郞兵衞君
  高木益太郞君高木正年君
  高橋守平君高橋元四郞君
  高田耘平君高島兵吉君
  田中万逸君田中千代松君
  田中養達君田中隆三君
  武內作平君武富濟君
  賴母木桂吉君谷口源十郞君
  俵孫一君添田敬一郞君
  土屋〓三郞君堤康次郞君
  中村啓次郞君中島彌團次君
  中崎俊秀君永井柳太郞君
  村上國吉君村松恒一郞君
  紫安新九郞君內ケ崎作三郞君
  野田文一郞君野中徹也君
  野村嘉六君則元由庸君
  栗原彥三郞君工藤鐵男君
  黑金泰義君山田又司君
  山田道兄君山田毅一君
  山邊常重君山道襄一君
  八木逸郞君松田竹千代君
  松田源治君松尾四郞君
  松本忠雄君松井文太郞君
  松村謙三君前田房之助君
  枡谷寅吉君牧山耕藏君
  增田義一君町田忠治君
  藤澤幾之輔君藤田若水君
  藤井啓一君福田五郞君
  降旗元太郞君深水〓君
  小山松壽君小山谷藏君
  小泉又次郞君小坂順造君
  小池仁郞君木檜三四郞君
  海老澤爲次郞君寺島權藏君
  田昌君安倍邦太郞君
  淺川浩君佐藤正君
  佐藤與一君佐藤啓君
  佐竹庄七君櫻內辰郞君
  櫻內幸雄君齋藤隆夫君
  齋藤太兵衞君柵瀨軍之佐君
  作田高太郞君澤本與一君
  木村秀興君木村小左衞門君
  岸衞君三宅磐君
  宮原幸三郞君〓水留三郞君
  〓水德太郞君下元鹿之助君
  重松重治君定塚門次郞君
  平川松太郞君松定吉君
  廣瀨德藏君比佐昌平君
  森峰一君森田茂君
  森保祐昌君粟山博君
  鈴木富士彌君鈴木憲太郞君
  菅原英伍君菅村太事君
  杉浦武雄君末松偕一郞君
  千葉三郞君大竹貫一君
  太田信治郞君河崎助太郞君
  田崎信藏君檀野禮助君
  鶴見祐輔君堤〓六君
  武藤山治君藤原米造君
  小山邦太郞君小寺謙吉君
  三宅利平君水谷長三郞君
  椎尾辨匡君井坂豐光君
  原耕君本多貞次郞君
  東〓實君沼田嘉一郞君
  大內暢三君小野寅吉君
  高鳥順作君瀧正雄君
  津崎尙武君鶴岡和文君
  熊谷五右衞門君眞鍋勝君
  二見甚〓君寺田市正君
  赤塚正助君崎山武夫君
  岸本康通君志村〓右衞門君
  森肇君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=163

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• 164・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　只今御當選ニ相成
  リマシタ協議委員ノ諸君ハ、直ニ本院交涉
  室ニ御參集ノ上、議院法第六十條、兩院協
  議會規程第十二條ニ依リ、兩院協議會ノ議
  長副議長ヲ各、一名ヅヽ互選セラレンコト
  ヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=164

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• 165・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　議事日程變更ノ緊急動議ヲ
  提出致シマス、卽チ此際日程ヲ變更シ、府
  縣制中改正法律案、貴族院囘付案、市制中
  改正法律案、貴族院回付案、町村制中改正
  法律案、貴族院回付案、北海道會法中改正
  法律案、貴族院囘付案、北海道地方費法中
  改正法律案、貴族院囘付案ヲ、一括議題ト
  セラレンコトヲ望ミマス
  〔「賛成」「贊成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=165

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• 166・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　原君ノ動議ニ御異
  議アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 167・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　御異議ナシト認メ
  マス、仍テ日程ハ原君ノ動議ノ如ク變更セ
  ラレマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=167

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• 168・松田源治

  ○松田源治君　總理大臣、內務大臣、大藏
  大臣ガ來ナケレバ審議ハ出來マセヌ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=168

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• 169・清瀬一郎

  ○副議長(清瀨一郞君)　申上ゲマス、田中
  總理大臣兼外務大臣ハ只今貴族院ニ出席中
  デアリマス、併ナガラ内務大臣ガ此處ニ見
  エテ居リマス、貴族院ニ於ケル右五案修正
  ノ箇所ハ先刻印刷シテ御手許ニ配付シテア
  リマス、右五案ノ貴族院回付ノ修正案ヲ一
  括シテ、之ニ同意ヲ與フルヤ否ヤヲ議題ト
  致シマス、此件ニ付テハ質疑ノ通告ガアリ
  マイ、仍テ先ヅ之ヲ許シマス-〓水留三
  郞君
  府縣制中改正法律案(政府提出、貴族
  院囘付)
  府縣制中改正法律案
  (-ハ貴族院修正)
  府縣制中改正法律案貴族院回付ノ箇所左
  ノ如シ
  第四條ニ左ノ二項ヲ加フ
  府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經內務大臣
  ノ許可ヲ受ケ前項ノ規定ニ依ル選擧區
  ヲ分チテ數選舉區ト爲スコトヲ得
  前項ノ規定ニ依リ選舉區ヲ分ツ場合ニ
  於テ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
  ム
  第十五條第一項ニ左ノ但書ヲ加へ同條第
  四項中「市町村ノ區域」ヲ「第一項ノ規定
  ニ依ル投票區ノ區域」ニ改ム
  但シ第四條第三項ノ規定ノ適用ニ依リ
  市ノ區域内ニ數選舉區アルトキハ其ノ
  選舉區ニ依ル
  第四十一條第三號中「夫役現品ノ試課徵
  收」下ニ「竝ニ府縣費ノ分賦ヲヲヘ同條
  第一號ヲ第二號トシ以下順次繰下ゲ同條
  ニ左ノ一號ヲ加フ
  -府縣條例及府縣規則ヲ設ケ又ハ改
  廢スルコト
  第七十八條第二項第六號中「賦課徴牧ス
  ル事」ヲ「賦課徴收シ竝ニ府縣費ヲ分賦ス
  ルコト」ニ改ム
  第百三條府縣稅トシテ賦課スルコトヲ
  得ベキモノ左ノ如シ
  直接國稅ノ附加說
  營業稅
  三雜種稅
  府縣ハ法律ノ定ムル所ニ依リ其ノ費用
  ヲ市町村ニ分賦スルコトヲ得
  府縣稅ノ賦課徵收及府縣費分賦額ノ徵
  收ニ關シテハ本法其ノ他ノ法律ニ規定
  アルモノノ外勅令ヲ以テ之ヲ定ムルコ
  トヲ得
  第百八條第一項中「營業稅附加稅」ヲ削ル
  第百十一條ニ左ノ一項ヲ加フ
  前項ノ規定ハ府縣費ノ分賦ニ之ヲ準用
  ス
  第百三十八條ノ二本法ニ於ケル直接國
  稅ノ種類ハ内務大臣及大藏大臣之ヲ定
  1ム
  附則
  本法中第四十一條ノ府縣費分賦ニ關スル
  改正規定、第七十八條、第百三條、第百
  八條及第百十一條ノ改正規定竝ニ第百三
  十八條ノ二ノ規定ハ昭和六年度分ヨリ之
  ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅
  令ヲ以テ之ヲ定ム
  本法施行ノ際必要ナル規定ハ命令ヲ以テ
  之ヲ定ム
  市制中改正法律案(政府提出、貴族院
  囘付)
  市制中改正法律案
  (小字及-ハ貴族院修正)
  市制中改正法律案貴族院囘付ノ箇所左ノ
  如シ
  第一號中「國稅」ヲ「直接國
  第百十七條第一項ヲ左ノ如ク同條第二
  稅及」ニ
  項中「直接府縣稅」ヲ「府縣稅」ニ改ム
  市稅トシテ賦課スルコトヲ得ベキモノ
  左ノ如シ
  直接國稅及府縣稅ノ附加稅
  二地租、家屋稅及戶數割
  三特別稅
  第百一一十三條中「市稅及其ノ賦課徴收ヲ
  「市稅ノ賦課徴收」ニ改ム
  附則
  本法中第百十七條ノ改正規定ハ昭和六年
  度分ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行
  ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
  本法施行ノ際必要ナル規定ハ命令ヲ以テ
  之ヲ定ム
  町村制中改正法律案(政府提出、貴族
  院囘付)
  町村制中改正法律案
  (小字及-ハ貴族院修正)
  町村制中改正法律案貴族院回付ノ箇所左
  ノ如シ
  第一號中「國稅」ヲ「直接
  第九十七條第一項ヲ左ノ如ク、同條第二
  國稅及」ニ
  項中「直接府縣稅」ヲ「府縣稅」ニ改ム
  町村稅トシテ賦課スルコトヲ得ベキモ
  ノ左ノ如シ
  直接國稅及府縣稅ノ附加稅
  地租、家屋稅及戶數割
  三特別稅
  第百三條中「町村稅及其ノ賦課徴收」ヲ
  「町村稅ノ賦課徵收」ニ改ム
  附則
  本法中第九十七條ノ改正規定ハ昭和六年
  度分ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行
  ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
  本法施行ノ際必要ナル規定ハ命令ヲ以テ
  之ヲ定ム
  北海道會法中改正法律案(政府提出、
  貴族院回付)
  北海道會法中改正法律案
  -ハ貴族院修正)
  北海道會法中左ノ通改正ス
  北海道會法中左ノ通改正ス
  第一條第二項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
  北海道廳長官ハ北海道會ノ議決ヲ經內
  務大臣ノ許可ヲ受ケレ相項ノ規定ニ依ル
  選擧區ヲ分チテ數選舉區ト爲スコトヲ
  得
  前頃ノ規定ニ依リ選擧區ヲ分ツ場合ニ
  於テ必要ナル規定ハ勃合ヲ以テ之ヲ定
  ム
  第八條第三號中「夫役現品ノ賦課徴收」ノ
  下ニ「竝ニ北海道地方費ノ分試ヲ加ヘ同
  條第一號ヲ第二號トシ以下順次繰下ゲ同
  條ニ左ノ一號ヲ加フ
  北海道條例及北海道規則ヲ設ケ又
  ハ改廢スルコト
  第十條第二號ヲ左ノ如ク改ム
  二北海道會成立セザルトキ、招集ニ
  應ゼザルトキ、府縣制第五十四條ノ
  規定ノ準用ニ依ル除斤ノ爲會議ヲ開
  クコト能ハザルトキ又ハ北海道廳長
  官ニ於テ北海道會ヲ招集スルノ暇ナ
  シト認ムルトキ北海道會ノ權限ニ屬
  スル事件ヲ北海道會ニ代ハリテ議決
  スルコト
  附則
  本法中第八條ノ北海道他方費ノ分賦ニ關
  スル改正規定ハ昭和六年度分ヨリ之ヲ施
  行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ
  以テ之ヲ定ム
  本法施行ノ際必要ナル規定ハ命令ヲ以テ
  之ヲ定ム
  北海道地方費法中改正法律案(政府提
  出、貴族院回付)
  北海道地方費法中改正法律案
  (-ハ貴族院修正)
  北海道地方費法中左ノ通改正ス
  第三條中「地租ヲ賦課セサル」ヲ削ル
  第八條ノ三中「第七十五條」ノ上ニ「第三
  條ノ二、」ヲ加へ「第百三條第二項、」ヲ「第
  百三條第二項第三項、第百十一條第二
  項、三「第百三十條」ヲ「第百一一十九條」
  三段人
  附則
  本法中第三條ノ改正規定及第八條ノ三ノ
  北海道地方費ノ分賦ニ關スル改正規定ハ
  昭和六年度分ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規
  定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
  本法施行ノ際必要ナル規定ハ命令ヲ以テ
  之ヲ定ム

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=169

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• 170・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　御出デニナリマセ
  ヌカ
  〔「居ナイジヤナイカ」「議長々々」ト呼
  フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=170

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• 171・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　静肅ニ願ヒマ
  ス-静肅ニ願ヒマス御出デニナリマセヌ
  カラシテ、抛棄セラレタモノト認メマス-
  質疑ヲ終リマシタ、討論ニ入リマス-秦
  豐助君

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=171

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• 172・秦豐助

  ○秦豐助君　簡單デアリマスルカラ當席カ
  ラ御許シヲ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=172

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• 173・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　許シマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=173

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• 174・秦豐助

  ○秦豊助君　貴族院カラノ修正ニ付キマシ
  テハ、私ハ此場合ニ於テ之ニ同意ヲ表シタ
  イト思フノデアリマス、一万、(低聲
  聽取スル能ハス)ノモノデアル、一方ハ稅
  法ノ改正ニ伴フ所ノ改正ノ所ヲ削ッタモノ
  デアリマスカラ、兩件トモ本日ノ場合ハ之
  ヲ····(低聲聽取スル能ハス)ニ付テ、吾々
  ハ同意ヲ表シテ差支ナイト考ヘルノデアリ
  マス(拍手)
  〔小川〓太郞君登壇〕
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=174

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• 175・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=175

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• 176・小川郷太郎

  ○小川〓太郞君　私ハ今問題トナッテ居リ
  マス議案ニ付キ貴族院ノ修正ニ同意スベキ
  モノデアルト云フコトヲ主張致シタイノデ
  アリマス、其理由ヲ簡單ニ述べマス、此貴
  族院ノ修正ハ二ツノ重要ナル點ニ歸著スル
  ト思ヒマス、其一ツハ小選擧區制ノ精神ヲ
  以テ本院ノ修正致シマシタモノヲ創除スル
  ト云フコトデアリ、モウ一ツハ地租委譲、
  營業收益稅委譲ニ伴フ所ノ稅制整理ニ關聯
  スル條項ヲ悉ク修正スルト云フコトデアリ
  さく、私ハ此貴族院ノ修正ハ謂ハヾ兩方ニ
  刃ヲ持シテ居ル劍ノ如キモノデアルト思フ
  ノデアリマス、第一ハ此刃ヲ以テ小選擧區
  制ノ魂ヲ薙切ッタノデアリマス、第二ハ此刃
  ヲ以ヲ兩稅委讓ニ伴フ稅制整理ヲ薙切ッタ
  ト思フノデアリマス(拍手)此小選擧區制ノ
  問題、兩稅委讓ノ問題ハ、本院ガ五十六議
  會ヲ通シテ激シク戰ッタ大イナル題目デア
  リマス、貴族院ノ修正ハ此二ツノ題目ニ引
  導ヲ渡スモノデアルト考ヘルノデアリマス
  (拍手)此點ニ於キマシテ私ハ、此貴族院ノ
  修正ナルモノハ重大ナル意義ヲ持ッテ居ルモ
  ノデアルト考ヘルノデアリマス、兩稅委讓
  ニ關シマシテハ貴族院ハ其稅制特別委員
  會ニ於テ質問ノ休止ヲシタト云フコトデア
  リマス、質問ノ休止ト云フコトガ、法律上ド
  ウ云フコトニナリマスカ、私ハ玆ニ敢テ之
  ヲ問ヒマセヌ、併シ之ヲ今議題トナッテ居リ
  マス所ノ地方制度ノ法律案ニ關シマシテ、
  貴族院ノ加ヘタル修正ニ見マスルノニ、貴
  族院ハ明白ニ兩稅委譲及ビ之ニ伴フ稅制整
  理ニ全ク反對スルト云フ意思ヲ表示シタル
  モノト見ルベキデアリマス(拍手)其意思ハ
  兩稅委譲ニ關スル諸稅法案ノ法文ノ中ニハ
  現レテ居リマセヌガ、此地方制度ニ關スル法
  律案ノ法文ノ中ニ現レテ居ルノデアル(拍
  手)此修正ガ成立ヲ致シマスレバ、兩稅委
  讓成立ノ餘地ハ寸毫モアリマセヌ、今政友
  會ノ秦君ハ此貴族院ノ修正ニ對シテ同意
  ヲ與フベシト申サレマシタガ、サウ致シマ
  スレバ今後政友會ハ兩稅委讓ガ貴族院ニ
  於テ審議未了デアッタ、否決セラレタモノデ
  ナイト云フコトヲ斷ジテ言フコトハ出來ナ
  イノデアリマス、更ニ此修正ハ意義ヲ持ッテ
  居リマス、〓水君カラ質問ガアル筈デアリ
  マシタガ、遂ニ其機會ガナカッタノデアリマ
  スケレドモ、此貴族院ノ修正ニ對シマシテ
  ハ、政府ガ同意ヲ表セラレテ居ルニ相違ナ
  イト思フノデアリマス、若シ政府ガ同意ヲ
  表セラレナカッタナレバ、今日茲ニ議題トチ
  ラヌト私ハ信ズル者デアリマス、政府ガ之
  ニ同意ヲ與ヘラレテ居ルト云フコトデアレ
  バ政府モ亦兩稅委譲ハ成立セナイデモ妨
  ゲナイト認メラレタモノト謂ハナケレバナ
  ラヌ、言葉ヲ換ヘテ言ヘバ兩稅委讓ハ成
  立タナイ方ガ宜イト云フ感ジヲ持ッテ居ラ
  レルノデナイカト思フノデアリマス、若シ
  然ラザレバ信念ヲ以テ天下ニ問ヒ、信念ヲ
  以テ衆議院ニ臨ミ、而モ固キ決心ヲ以テ吾
  吾ニ說明セラレテ居ッタノデアリマス以上、
  最後ノ五分間迄ヲモ兩稅委讓ノ不成立ニナ
  ラヌヤウ、之ヲ妨ゲラレナケレバナラナイ
  ノデアリマス、然ルニ〓ヤ議題トナッテ居ル
  法案ノ法文ニモ、兩稅委讓ノ不成立ヲ明ニ
  スルニ至ッテハ、政府當局モ兩稅委讓ノ非ナ
  ルコトヲ認メラレタモノデアルト謂ハナケ
  レバナラナイノデアル、政友會竝ニ政府ノ
  重大ナル看板ハ下ゲ卸サレタモノト斷ゼザ
  ルヲ得ナイノデアリマス、大政黨ノ面目何
  レニ在リヤ(拍手)政府ノ威信何レニ在リヤ
  ト云フ者ガアッテモ、私ハ辯明スル言葉ハナ
  イト思フノデアリマス、尙ホ政府及政友會
  ハ、今議題ニナッテ居ル地方制度ニ關スル法
  律案ヲ地方分權ノ一ノ形デアルトシ、地方
  分權ダケハ生キテ居ルト言ハレルカモ知レ
  ナイ、併ナガラ三土藏相ニ依テ屢〓說明セラ
  レタ通リニ、今議題ニナッテ居ル地方制度ノ
  改善中ニモ、地方分權ノ一ツノ形ハアリマ
  セウガ、地租委譲、營業收益稅委譲ソレ自
  身ガ、地方分權ノ一ツノ形デアル、而シテ
  ソレガ同時ニ地方分權ノ手段デアルト、斯
  ウ三土藏相ハ言ハレタノデアリマス、若シ
  サウデアルトスレバ、兩稅委讓ガ成立セナ
  ケレバ、地方分權ノ手段ハ無クナルノデア
  リマス(拍手)ソレト同時ニ、地方分權ノ或
  ル部分ハ無クナルノデアリマス、卽チ地方分
  權ハ半分暗礁ノ上ニ乘上ゲタモノト謂ハザ
  ルヲ得ナイノデアリマス、斯ノ如ク考ヘテ
  見マスト、此貴族院ノ修正ナルモノハ、重大
  ナル意義ヲ持ッテ居リマシテ、政友會ノ重要
  ナル政策ガ皆諸共ニ滅ンダト云フ記念デア
  ルト謂ヘルノデアリマス、此修正ハサウ云
  フヤウナ重大ナル意義ヲ持ッテ居ルノデア
  リマス上ニ、吾々ノ主張ハ之ニ依リ貫徹ス
  ルノデアリマス、卽チ此修正ハ吾々ノ意見
  ニ外ナラナイノデアリマス、吾々ハ此修正
  ニ同意ヲ與フベキモノデアルト云フコトヲ
  主張スルノデアリマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=176

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• 177・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　討論ハ終結致シマ
  シタ、議題ト致シマシタ五案ノ貴族院修正
  ハ、一括シテ採決ヲ致シマス、右修正ニ同意
  ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
  〔賛成者起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=177

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• 178・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郎君)　起立多數、起立多
  數デアリマス、五案トモ貴族院修正ニ同意
  ヲ與フルニ決シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=178

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• 179・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　此際暫時休憩セラレンコト
  ヲ望ミマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=179

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• 180・清瀬一郎

  ○副議長(〓瀨一郞君)　原君ノ動議ニ御異
  議ナイト認メマス仍テ暫時休憩致シマス
  午後八時一分休憩
  午後九時二十九分開議
  〔左ノ報〓ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲
  玆ニ揭載ス〕
  一政府ヨリ受領シタル答辯書左ノ如シ
  衆議院議員山田毅一君外七名提出亞細亞
  政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ對ス
  ル答辯書
  (以上三月二十五日受領)
  亞細亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質
  問主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十一日
  提出者山田毅
  外七名
  亞細亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質
  問主意書
  曩ニ亞細亞政策ト裏日本啓發ニ關スル質
  問主意書ヲ提出セルニ對シ政府ハ外務大
  臣田中義一氏ノ名ヲ以テ答辯セラレタル
  カ今之ヲ見ルニ我カ對西比利亞政策ト對
  滿蒙政策ノ一部ニ就テ答辯セラレタルノ
  ミニシテ裏日本卽チ日本海ヲ圍ル內地
  各地方ノ啓發ニ就テハ一語ノ答辯セラル
  ル所ナキハ本員等ノ頗ル遺憾トスル所ナ
  ルヲ以テ今改メテ本問題ニ對スル再質問
  ヲ提出スルモノナリ
  惟フニ帝國カ開港シテ海外ト交通ヲ初メ
  次テ維新ノ鴻業成ルヤ我カ開國ニ緊密ノ
  關係ヲ有セル下關長崎鹿兒島兵庫等ノ關
  西各地及下田横濱函館等或ハ東京大阪京
  都ヲ中心トスル各地ニ關係ヲ有スル人士
  ノ蹶起ト爲リ就中蔭長土ノ諸先輩ハ此等
  各地ヲ舞臺トシテ奮鬪セルヲ以テ維新以
  來約半世紀ニ反リテ帝國興隆ニ要スル施
  設ノ多クハ此等政治ノ要路ニ當レル人士
  ノ〓土タル地方ニ傾注セラレ太平洋ニ面
  セル所謂表日本ノ要津ハ啓發施設セラレ
  港灣ニ於テ交通ニ於テ通信事業ニ於テ文
  化ノ恩惠ニ浴スルコト甚シク以テ今日ニ
  至レルハ維新以來諸先輩ノ努力ニ依ル所
  甚大ナルモノアリト雖思フニ是レ全ク地
  理的關係ノ然ラシムルコトナリトス
  飜テ之ヲ歷史的ニ觀察スレハ數千年以來
  我カ民族發展ノ經過ヲ見タルハ謂フ迄モ
  ナク太平洋ヲ舞臺トシテ帝國發展ノ跡歷
  然タルモノアリ爲ニ開化ノ道程ハ表日本
  ニ面スル各地西南部地方ヨリ北陸束北各
  地方ニ及ヒタルニ鑑ミ今日ノ文化的施設
  モ亦之ニ準シ特ニ維新以來ノ施設ハ表日本
  ヲ主トシ裏日本各地ハ常ニ之ニ從タルノ
  觀アリキ而シテ我カ明治時代ハ英米獨露
  佛ノ各國カ亞細亞大陸ヲ生存競爭ノ好舞
  臺ト爲シ互ニ其ノ勢力ノ扶植ニ努力セル
  ヲ以テ第一ニ國防上ノ施設ト是ニ伴フ交
  通通信產業上ノ施設ハ專ラ表日本ノ要津
  ヲ主トシ我カ各殖民地ノ啓發施設モ亦是
  ニ伴ヒタリ卽チ露國ノ東漸南下ノ政策ト
  獨逸ノ南洋施設ト亞細亞大陸横斷政策ニ
  對シテ我カ滿蒙政策ト朝鮮啓發ニ關スル
  施設ハ官民共ニ萬全ノ努力ヲ傾注セルモ
  ノニシテ南滿洲ノ特權ヲ獲得セルモノ十
  萬ノ生靈ト二十億ノ犠牲ヲ拂ヒテ尙且其
  ノ後巨額ノ投資ヲ爲セル其ノ經過ヲ見レ
  ハ是レ悉ク對露對獨政策ニ對スル施設ニ
  外ナラス
  然ルニ歐洲大戰後露獨兩國カ東南洋ニ於
  ケル失脚以來我カ大陸政策ハ一變シ其ノ
  國防的施設ハ反テ南太平洋上ニ或ハ北方
  樺太北海道ノ啓發ト共ニ北太平洋上ニ集
  中スルノ必要アルハ英國ノ新嘉坡軍港ノ
  擴築ト米國海軍ノ大擴張ノ跡ヲ見ルモ明
  白ナル所ナリトス
  果シテ然ラハ我カ國防的施設ノ完成ト共
  ニ一旦緩急アル場合ハ自給自足ノ立場ヨ
  リ內地ノ產業的施設ハ勿論西比利亞滿蒙
  及支那大陸各地ヨリ軍需品及其ノ他食料
  物資ノ提供ヲ求メ以テ往年獨逸カ北海及
  國境ヨリ食料物資ヲ封鎖セラレタルニ鑑
  ミテ我カ需要供給ヲ十分ナラシムルニハ
  此等亞細亞大陸ニ對スル產業的啓發ニ努
  力スルト共ニ是ニ面スル裏日本トノ聯絡
  ニ就テ各地ノ文化的施設ヲ完備スルノ必
  要アリ今ヤ日露戰役當時ノ我カ國防狀態
  ト比較スルニ對馬水道ハ十分ノ海防施設
  ヲ見津輕海峽又嚴重ナル防備アリ若夫レ
  宗谷海峽ニ至リテハ日露ポーツマウス條
  約ニ依リテ防備ヲ施ササルコトニ決定セ
  ルモ一朝事アルトキハ直ニ其ノ施備ヲ爲
  ス用意アリト聞ク而シテ間宮海峽ニ至リ
  テハ人モ知ル如ク海底淺クシテ艦船ノ通
  行自由ナラサルノミナラス而モ年中ノ大
  半ハ結氷シテ是レ又艦船ノ航行自由ナラ
  ス故ニ日本海ノ今日ハ恰モ我カ湖水ノ如
  ク會テハ狂瀾怒濤セル此ノ大海モ平靜ナ
  ル湖上ニ異ナラス以テ航行ノ自由ヲ得ル
  カ爲ニ舞鶴軍港ノ必要ヲ認メサルニ至リ
  今ヤ要港トシテ其ノ設備ヲ整フルノミ之カ
  爲ニハ我カ亞細亞大陸ニ對スル政策ハ往
  年ノ軍國主義ヲ乗テテ專ラ產業的ニ之ヲ
  啓發スヘキノミ隨テ之ニ對スル我カ日本
  海ニ面スル裏日本沿岸ノ設備ハ專ラ產業
  的ニ啓發ニ資セムカ爲諸般ノ設備ヲ完成
  セサルヘカラス然ルニ歷代ノ我カ內閣ハ
  此ノ點ニ留意セス表日本ニ對比スルニ頗
  ル冷淡ノ感アルハ遺憾至極ナリトス今試
  ニ其ノ施設ノ諸點ヲ列擧シテ質問スレハ
  左ノ如シ
  內國關係
  一旣ニ對露政策ニ一大變遷ヲ見タル今日
  我カ國防計畫ハ對米政策ヲ考慮シテ之
  ヲ確立セサルヘカラス是カ爲ニハ樺太及
  千島北海道ニ對シテ國防上ノ一大施設
  ヲ爲ササルヘカラサル現狀ナルニ拘ラ
  ス本員等ノ觀ル所ニ依レハ政府ハ之ヲ
  閑却シツツアルヲ遺憾トス卽チ樺太ノ
  在住邦人ハ大正十四年度末ニ於テハ十
  八萬三千七百四十二人其ノ他朝鮮人外
  國人合セテ三千五百有餘人土著人千七
  百有餘人アルノミ卽チ其ノ後ノ增加ヲ
  見越シテモ二十萬人弱ノ人口ヲ有シ之
  ニ對スル政府ノ補給ハ年年多少ノ差ア
  リト雖明治四十年ニ於テ六十二萬九千
  四百六圓大正元年ニ於テ五十九萬一千
  八百十九圓大正十五年ニ於テ百五十七
  萬七千三百四十三圓程度ニ過キス而シ
  テ其ノ財政ハ僅ニ繰入金及公債ヲ發行
  シ又ハ特別會計ヲ以テ漸ク自給自足ヲ
  圖ルノミ面シテ其ノ自治制度ニ於テハ
  未夕半官半民ノ制度ヲ以テ之ニ臨ミ住
  民ノ約九割ヲ占ムル同島ヲ目スル植民
  地扱ヲ爲シ漸ク〓期議會ニ於テ島民ニ選
  擧權ヲ付與スヘシトノ法律案ヲ提出セ
  ラレタルニ過キサルノ狀況ヲ見テハ如
  何ニ同島ノ啓發ニ對シ不熱心且怠慢ヲ
  極メツツアルカヲ想像スルニ足ラム而
  モ其ノ產業的施設ニ對シテハ動モスレ
  ハ黨利黨略ヲ以テシ其ノ施政ヲ紊亂シ
  鐵道問題港灣ノ設備ハ國防產業ノ見地
  ヲ離レテ啻ニ政黨的觀念ヨリ其ノ施設
  ヲ誤レル如キハ豐眞鐵道ノ敷設問題ニ
  絡マル兎角ノ批評ノ如キ眞岡港本斗港
  ノ修築ノ如キ今ニ識者ヨリ一大非難ア
  ルハ全ク國家的見地ヲ離レテ政黨的地
  方的觀念ニ左右セラレタル跡歷然タル
  モノアルヲ奈何セム政府ハ北海道トノ
  連絡ニ付テ「モルジー」灣築港ノ考ヲ有
  スルカ如何又眞岡ノ開港ハ左ノミ之ニ
  經費ヲ投スルノ必要ナク寧ロ不凍港タ
  ル本斗港ノ一大修築ニ全力ヲ傾倒シ以
  テ大泊ノ缺陷ヲ補ヒ樺太唯一ノ關門ト
  スヘク而シテ同港ニ因テ國防及產業上
  ノ使命ヲ果タササルへカラス又同島ノ
  產業的啓發ト共ニ國防上ヨリ同地ニ守
  備隊ノ設置及航空的設備ヲ必要トスル
  カ政府ハ果シテ之等ニ對スル對策ニ付
  テ如何ナル考慮アリヤ將又近ク內地一
  停車場ノ改築ニ付テ數千萬圓ヲ投セム
  トシツツアルカ其ノ啓發ニ對スル樺太
  補給金ニ付テ今一層層額スルノ考ナキ
  ヤ將又其ノ植民計畫產業的啓發ニ伴フ
  道路鐵道ノ計畫ニ付テ如何ナル對策ヲ
  有スルカ例令ハ榮濱ヨリ東海岸敷香ニ
  到リ幌內川ヲ遡リ日露合辦シテ亞港ニ
  通スル鐵道敷設ノ計畫アリヤ如何將又
  林業政策竝水產及採炭會收計畫ニ關ス
  ル對策如何
  二北海道拓殖計畫ハ既ニ黑田長官時代以
  來第一期ノ十年計畫ヲ終リ以テ第二期ノ
  十年及十五年計畫モ終了シ今ヤ第三期
  ノ計畫ニ當リ財政緊縮ヲ標榜セル若槻
  內閣ニ於テ其ノ啓發ノ必要上九億數千
  萬圓ノ國費ヲ投シテ二十箇年計畫ヲ確
  立シタルハ既ニ公知ノ事實ナルモ現内
  閣ニ於テ不安定ナル自然會收ヲ見込ミ
  公債政策ヲ以テ其ノ補給ヲ爲サムトシ
  ツツアルモ其ノ內容ニ付テハ明確ナル
  施設ノ方針ヲ知ル能ハス拓殖事業交通
  道路網ノ計畫港灣ノ修築其ノ他產業的
  施設及國防施設ニ伴フ陸海航空ノ設備
  ニ付テ十分ナル對策ヲ有スルヤ如何
  昭和四年度ノ拓殖計畫層加額三百二十
  九萬七千七百九十二圓ヲ計上セルモ政
  府ハ之ヲ以テ果シテ十分ナリト信スル
  ヤ而シテ其ノ使途内容ニ付詳細ナル說
  明ヲ求ム將又前述ノ如クムハ宗谷海峽
  ノ海防ニ對スル詳細ナル說明ヲ乞フ
  三1津輕海峽ノ防備ニ付テハ既ニ完成セ
  ルモノト信スルモ更ニ其ノ目的ヲ完ウ
  スル爲ニ產業的啓發ヲ件フ津輕半島循
  環鐵道ノ計畫ヲ有スルヤ奈何又同地方
  ノ津輕岩木山ノ造林計畫ヲシテ之ヲ民
  業ニ移スノ意圖アリヤ如何更ニ又岩館
  鰺ケ澤三厩深浦ノ漁港設備ニ付テ如何
  ノ對策ヲ有スルカ而シテ同地方ノ產業
  啓發ノ爲ニ岩木川ノ改修十三潟ノ浚渫
  ニ對スル方策如何將又岩館鰺ケ澤間ニ
  通スル鐵道速成ニ付テ其ノ繰上對策如
  何
  2從來八郞潟ノ埋立問題ニ付テハ官民
  共ニ多年考究セル地方產業啓發ノ重大
  問題ナルカ之カ埋立ニ對スル政府當局
  ノ所見奈何又船川港土崎漁港羽後牛澤
  港酒田港加茂港ノ改築ニ對スル速成ノ
  程度如何
  3中央本州連絡ノ爲新潟縣湯澤ヨリ群
  馬縣水上ニ通スル鐵道工事ノ現狀如何
  同シク中央本州連絡ノ爲急務ヲ要スル
  富山縣八尾ヨリ岐阜縣高山ヲ經テ美濃
  太田ニ通スル鐵道速成ノ現狀如何更ニ
  又福井ヨリ大野ヲ經テ深戶美濃町ニ通
  スル鐵道速成ノ現狀如何
  4富山縣新湊漁港及魚津漁港修築ニ關
  スル計畫奈何更ニ裏日本唯一ノ貿易港
  タル伏木修築工事ノ現狀ト將來表日本
  トノ交通連絡ノ爲同港ヲ起點トシ城端
  ヨリ岐阜白川ヲ經テ美濃町ニ通スル鐡
  道計畫竝ニ氷見七尾間氷見羽咋間鐵道
  施設計畫ニ對スル方針如何更ニ新湊驛
  ヨリ放生津ニ至ル引込線ニ對スル計畫
  如何伏木港ハ既ニ大正十三年度ヨリ昭
  和十年度迄ノ經續費總額五百萬圓ナ
  リシカ本年度以降三百十八萬六千六百
  五十四圓トシ六萬三千二一百四十六圓ヲ
  節減シタル理由如何而シテ將來對岸貿
  易港トシテ百萬噸以上ノ輸出貿易額ヲ
  有スル同港ヲシテ北陸ノ商業中心地タ
  ル高岡市ニ運河ヲ以テ通スル計畫ヲ有
  スルヤ否ヤ又能登半島ノ中島輪島間鐵
  道速成ノ現狀如何七尾港ノ修築ニ對シ
  テハ十年計畫三百五十萬圓ヲ計上セル
  モ眞ニ同港ノ發展ヲ期セムトセハ外海
  ニ通スル暗礁破碎ノ完成ヲ期セサルヘ
  カラス今期計畫ニ於テハ此ノ點ニ關シ
  如何ナル計畫アリヤ更ニ地形上裏日本
  ノ中部ニ位スル富山縣ユ五野ヶ原ニ大陸
  ニ對スル產業竝國防上ノ對策トシテ航
  空設備ヲ爲スノ考ナキヤ如何
  5敦賀港ノ修築ニ對シテハ大正十三年
  度ヨリ昭和十年度迄ノ繼續費五百萬圓
  中本年度以降三百十八萬六千六百五十
  四圓ヲ計上シ六萬三千三百四十六圓ヲ
  節約シタル理由如何而シテ城崎四ケ浦
  漁港修築ニ對スル對策如何
  6舞鶴港ノ修築費ニ對シテ昭和四年度
  ヨリ同十三年度迄ノ續費トシ總額二
  百三十萬圓ヲ計上セルカ同港ヲシテ貿
  易専門ノ開港場トスル方策ナリヤ海防
  的設備ヲ將來無用トスル考ナリヤ如何
  又舞鶴ヨリ網野ヲ經テ豐岡城崎ニ通ス
  ル海岸線速成ノ現狀如何
  7賀露綱代漁港出雲大社港小伊津港濱
  田港ニ對スル施設如何鳥取縣倉吉町ヨ
  リ伯州津山ニ至ル鐵道計畫ノ現況如何
  又鳥取縣智頭ヨリ加茂ヲ經テ津山ニ至
  ル鐵道中國勝山ヨリ石鍵ヲ經テ廣島縣
  落合ニ至ル鐵道石見江津ヨリ廣島縣三
  次ニ至ル鐵道計畫山口縣飯浦ヨリ奈古ヲ
  經テ東萩ニ通スル鐡道同正明市ヨリ阿
  川ニ通スル鐵道計畫竝其ノ速成對策如
  何
  更ニ又境港修築ニ關シテ大正十一年度
  ヨリ昭和四年度迄繼續費百九十四萬圓
  ヲ計上シ本年度ヲ以テ其ノ工事ヲ完了
  スル豫定ナルモ政府ハ之ヲ以テ十分ト
  認メルヤ否ヤ
  8更ニ中西部ノ表日本ヨリ裏日本ニ通
  スル最短距離ニシテ物資運輸上國防產
  業上肝要ナル三重縣四日市港ヨリ三重
  郡海藏、羽津、大矢知、八郷、下野、
  員辨郡大長、稻部、大泉、大泉原、笠
  田山郷、阿下喜、東藤原、白瀨、立
  田、岐阜縣時村、多良、一之瀨、蒔田、
  關ケ原、滋賀縣長濱ヲ經テ福井縣敦賀
  港ニ達スル道路ヲ國道ニ編入シ之ヲ自
  動車道路トスルニ對スル考アリヤ右對
  策奈何
  四本年度ノ豫算ニ付テ鐵道ノ建築改良費
  ノ使途ヲ見ルニ現内閣ハ兎角ノ批評ア
  ル黨略的新線增設及ヒ私設鐵道買收ニ
  全力ヲ傾注シ建設費ニ八千萬圓ノ公債
  ヲ發行シテ八十一線ノ建設經常費ニ投
  シ改良費ヲ減シテ建設費ヲ增加シ之カ
  爲ニ國債償還金ノ減少ヲ來シ我カ對外
  信用ヲ失墜シタルノミナラス内ニ此ノ
  黨略的施設ヲ以テ改良費ノ不足ヲ來サ
  シムル結果屢鐵道事故ヲ生シツツアル
  ハ最近ノ列車〓覆事件ニ徵スルモ顯著
  ナル事實ナリ殊ニ貴族院ニ於テ佐竹三
  吾氏及靑木周三氏ノ質問ニ仍リテ暴露
  サレタル堂略的建設ニ伴フ不営買收或
  ハ不急鐵道建設ヲ企圖シタルコト歷然
  タルモノアリ之ヲ全國的ニ鳥瞰スレハ
  政府ノ本年度ニ計畫セル新線ノ增加ハ
  大局ヨリ觀テ殆ト急務ヲ要セサルモノ
  アリ我カ國鐵道ノ現狀ヲ見レハ新線ヲ
  急務トセスシテ却テ改良ニ重キヲ置ク
  ヘキコトハ識者ノ等シク認ムル所ナリ
  ト信ス
  試ニ裏日本ト表日本ヲ通スル各線ノ運轉
  系統竝其ノ現狀ヲ見レハ此ノ所說必ス
  シモ不當ニ非サルヲ發見スヘシ卽中部
  日本ヲ横斷スル信越線及北陸線ヲ見ム
  カ普通列車ハ兎モ角裏日本ニ往復スル
  乘客ノ特ニ利用スル其ノ急行列車ニ於
  テ食堂車ノ設備ナク其ノ客車ノ如キハ
  最舊式ナルモノヲ併用シ其ノ多クハ製
  造後二十年以上ヲ經過セルモノ大半ニ
  シテ乘客ノ不便ト危險ヲ感スルコト甚
  シキモノアリ往年鐵道當局ニ付テ何故ニ
  食堂車ヲ連結セサルヤト詰問セルニ此
  ハ全ク輕井澤隧道ノ通過ニ當リテ電力
  不足牽引力ノ少キカ爲トノコトナリシ
  カ現在ニ於テ本線ノ一列車編成ハ六輛
  連結ヲ以テスルヲ常トセルカ往往ニシ
  テ七輛八輛ヲ連結スルコトヲ目擊ス此
  ノ事實ヲ以テシテ一食堂車ヲ連結セラ
  レサルノ理由何處ニ在リヤ
  殊ニ某運輸局長ノ如キハ食堂車ノ連結
  ハ二等以上ノ客ノミニ利用セラレ一般
  普通客ニ取リテハ贅澤車タルノ觀ナキ
  能ハス故ニ一部少數ノ人ノ便利ヲ計ル
  ヨリモ寧口客車ヲ增結シテ普通客ノ使
  用ニ便セムトスト謂ヘル如キハ一般乘
  客ヲ侮辱セルモノニシテ今日食堂車ノ
  連結ヲ以テ贅澤ナリト思惟スル如キハ
  僻見モ甚シク況ヤ滿員立錐ノ餘地ナキ
  時機屢ナル時ニ當リ一般乘客ニ取リテ
  ハ食堂車コソ一種ノ休憩所タリ又必需
  食糧品ノ補充所タルニ於テハ何等此ノ
  增結ニ反對スルノ理由ナキニ非スヤ況
  ヤ牽引力ヲ有セストノ如キハ全ク事實
  ニ相違セリ卽チ現ニ本員等ノ如キハ同
  線往復ノ途上「ボギー」」一等車ヲ增結シ
  テ七輛乃至八輛運轉ヲ爲セルコトヲ屢目
  擊ス殊ニ昨昭和三年七月頃ニ於テ橫川
  驛火力發電所ノ電力增設ヲ見又矢ケ崎
  發電所丸山發電所ノ新設ヲ見從來ノ千
  九百「キロワット」ニ對シ三千「キロ」ヲ
  增加セル事實アリ更ニ東電ノ輕井澤開
  閉所ノ買八ヲ爲シタル筈ナリ之ニ依リ
  テ輕井澤隧道ノ牽引力ヲ曾加セシニ見
  ルモ一二車輛增結ニ何等ノ支障ナキニ
  非スヤ
  政府ハ何故ニ〓以テ〓堂車一輛位ノ增
  結ヲ爲シ長途旅客ノ便宜ニ資セサルヤ
  列車增結ニ伴フ「プラットホーム」延長
  ノ經費ヲ增大視スルハ抑末節ノミ之レ
  コソ眞ニ不急ノ建設費ヲ節シ以テ改良
  費ニ充當スヘキ緊要ナル問題ニ非ス
  ヤ
  以上ノ意味ニ於テ信越線及北陸線ノ急
  行列車ヲ更ニ增發セシムルノ考アリヤ
  奈何將又靑森ヨリ裏日本ヲ通シ山口縣
  ニ至ル急行列車ノ運轉ヲ爲サシムルノ
  計畫アリヤ如何更ニ又信越北陸兩線ヲ
  中心トシ裏日本一帶ノ復線計畫ニ就テ
  如何ノ考慮ヲ有スルヤ惟フニ裏日本ノ
  地ハ地勢由嶽海ニ迫リ鐵道ハ隨所ニ隧
  道ヲ有シ之カ通過ニ際シテハ車窓ヲ密
  閉セルモ前述ノ如ク二十年以上ヲ經過
  セル車輛ヲ常用セルヲ以テ窓ノ隙間ヨ
  リ煤煙カ脈脈トシテ闖入シ來リ其ノ不
  愉快謂フヘカラス殊ニ盛夏ニ際シテハ
  此ノ煤煙ト密閉セル車內ノ暑氣ニ往往
  ニシテ急病者ヲ出スコト少カラス實ニ
  乘客虐待モ亦甚シト謂フヘシ政府ハ須
  ラク之等多ク隧道ヲ有スル地方ノ電化
  ヲ實現スヘキナリ卽チ山陰本線ノ電化
  米原今庄間糸魚川泊間或ハ倶利加羅隧
  道ノ如キ其ノ他同樣ノ箇所ニ對スル電
  化施設ニ付テ如何ノ方針ヲ有スルヤ
  若果シテ以上ノ裏日本一帶ノ鐵道關係
  ニ對スル改良ヲ最近ニ於テ具體化スル
  コト能ハストセハ卽チ表日本ニ對スル
  施設ヲ先ニシ裏日本ニ對スル總テノ計
  畫ヲ後廻シトスル考ナリトセハ同地方
  ノ乘客ニ對シ公平ノ見地ヨリ其ノ運賃
  ヲ遞減スルノ考ナキヤ否ヤ殊ニ裏日本
  運轉ノ列車ニ對シ何故ニ最惡ノ煤炭ヲ
  使用スルヤ
  更ニ裏日本中部ニ位シ乘客貨物ノ集散
  最殷盛ナル高岡市ニ鐵道局設置ノ意思
  ナキヤ而シテ本員等ノ不可解トスル所
  ハ鐵道特別會計法ノ規定スル所ニ依レ
  ハ鐵道ノ建設改良費ハ鐵道益金ヲ以テ
  之ニ充當スルヲ原則トスルトノ明文ア
  ルニ拘ラス殊更ニ不良ノ新線建設ノ爲
  ニ尨大ナル公債ノ發行ヲ敢テシ啻ニ民
  間經濟ヲ壓迫スルノミナラス之ヲ以テ
  兩稅委讓ノ補塡財源ニ充當スルニ非ス
  ヤトノ非難ノ專ラナルニ對シ政府當局
  者竝鐵道當路者ノ之ニ對スル所見如
  何
  現ニ釜石花卷間ノ新線計畫ノ如キ普通
  一哩當リ建設費約二十萬圓ナルニ拘ラ
  ス一哩百萬圓以上ノ建設費ヲ計上シテ
  之カ施設ニ著手セムトスルカ如キハ何
  人ヲ以テシテモ其ノ不生產的ニシテ不
  急鐵道タルコトハ否ミ難キ所ナリ況ヤ
  此ノ新線計畫ニ投スル費用ヲ以テ裏日
  本鐵道ノ改良ノ幾分ヲ速成スルコトヲ
  得ヘシト信スルニ於テオヤ
  尙又裏日本ニ面スル適當ナル數箇所ノ
  地點ニ於テ交通產業國防ノ見地ヨリ無
  線電信局設置ノ意思ナキヤ奈何
  五元來我カ國ノ交通網トシテ鐵道汽船ノ
  發達ハ過去ノ半世紀ニ於テ偉大ナルモ
  ノアリキ卽チ明治五年九月新橋橫濱間
  ノ鐵道十八哩ノ創設セラレテヨリ以來
  昭和ノ現代ニ至ル迄既ニ內地ノ鐵道ハ
  一萬哩以上ヲ突破シ沿海ノ航路又日本
  郵船大阪商船其ノ他ノ社外船カ内外航
  路網ヲ擴張シ以テ世界的距離ノ短縮ヲ
  實現セルハ頗ル脅威ニ値スル所ナルモ
  之ヲ諸外國ニ比スレハ未タ甚シキ遜色
  アルヲ免レス而シテ其ノ自動車ニ依ル
  交通網ノ不完全ナルハ言外ニ絕スル所
  ニシテ我カ國ノ自動車ヲ利用シ得ル道
  路ハ殆ト從來ノ國道線ニ依ルノ外ナク其
  ノ國道線モ多クハ往年ノ徒步駕籠牛馬
  車ニ適用セラレタル儘ニシテ今ヤ吾人
  ハ將來國防產業ノ點ヨリ全國中肝要ノ
  地點ヲ結ヒ付クル道路ノミニテモ汽車
  船ノ交通機關ヲ補充スル意味ニ於テ
  是非共國道ヲ自動車道路ニ改造スルコ
  トノ急務ヲ痛感セルカ幸ニシテ大正十
  年頃ヨリ內務省ハ此ノ點ニ著眼シ先ツ
  東京ヨリ下關ニ至ル東海山陽兩道ノ國
  道線ヲ四十四米幅ノ混凝土「アスフア
  ルト」道路ト爲スヘク各府縣協議シ旣
  ニ東京府ハ其ノ工事ヲ完成シ神奈川縣
  ト共ニ京濱國道ヲ開通シ阪神間ノ道路
  モ同シク完成セルハ既ニ世人ノ知ル如
  シ從テ之ニ通スル橋梁ノ如キモ耐震耐
  水火頗ル牢固ナル架設ヲ爲シツツアル
  コトハ川崎鐵橋ニ付テ見ルモ明ナリ
  又他府縣ニ於テモ豫算ノ關係上未タ起
  工セサルモノアリト雖モ聞ク所ニ依レ
  ハ目下鐵道省ニ於テ計書中ノ下關門司
  間ノ海底隧道ノ如キハ相俟テ九州ニ通
  スル大道路タルヘシ兎ニ角表日本ニ於
  ケル大道路網ノ近キ將來ニ於ケル完成
  ハ慶賀ニ堪ヘサル所ナルカ偶將來ノ世
  界的交通關係ヲ顧慮セハ現下是非共東
  京ヲ中心トシタル表日本ト裏日本ト相
  通スル自動車道路網ノ完成コソ急務中
  ノ急務ナリト信ス政府ノ對策果シテ奈
  何
  此ノ意味ニ於ケル道路ハ東京府ヨリ埼
  玉群馬長野新潟富山ニ通スル本州中部
  ヲ横斷スル自動車道路網ヲ必要トシ將
  來歐洲西比利亞滿蒙日本米國等ヲ結付
  ケル世界的交通路ニシテ「ロンドン」「パ
  リ」「ベルリン」「モスコー」浦鹽、伏木、
  横濱、桑港ヲ連絡スル汽車汽船ト竝ヒ
  完成シ其連絡設備ヲ十分ナラシムヘキ
  モノト信ス
  1試ニ本州ヲ横斷スル道路ノ現狀ヲ見
  ルニ東京市ヨリ小石川ヲ經テ板橋ニ通
  スル道路ハ所所狭小ナル道尠カラサル
  モ板橋ヨリ蕨浦和大宮上尾桶川ヨリ鴻
  巢町ニ至ル道路ハ稍見ルヘキモノアリ
  熊谷深谷本庄ヲ過キテ群馬縣ニ入レハ
  道路狹小所所自動車ノ來往ニ不便ナル所
  アルモ新町倉賀野高崎附近ニ至ル迄ハ
  稍來往ニ不便ナク板鼻安中原市松井田
  町碓氷町ニ至ル間モ稍良好唯確氷峠ニ
  掛リテハ「カーブ」何レモ危險ノ箇所少
  カラス以テ之ヲ見レハ埼玉群馬、内縣下
  ノ道路ハ〓シテ良好且橋梁モ修繕セラ
  レツツアル兩縣下ノ努力亦見ルヘキモ
  ノアリ併シナカラ其ノ道路標ノ不明確
  ト不十分ナルハ遺憾ニ堪ヘス
  輕井澤、追分間ハ良好ニ小諸附近ニ至
  リテハ稍危險上田屋代附近千曲川ノ架
  橋又危險千萬篠ノ井川中島長野間ハ比
  較的良好斯クテ東京ヨリ長野ニ至ル間
  ハ自動車ヲ以テ平均二十五哩速度ニテ
  疾走シ不休ニテ尙八時間ヲ要スルノ行
  程ニアリ上野長野間ノ汽車約八時間ヲ
  要スルニ比スレハ若歐米ニ於ケル自動
  車道路網ノ如ク完成ノ曉ニ於テハ更ニ
  約二時間ヲ減スルヲ得ヘシ
  若夫レ長野新潟國境ニ至テハ危險謂フ
  ヘカラス古田町ヨリ中〓村ヲ過キ牟禮
  村ノ邊リハ國道ト謂フモ名ノミニテ馬
  車スラ容易ニ通セス野尻湖畔ヨリ田口、
  關山村ニ至ルモ又危險新井町ヲ過キ高
  田市ニ向フ間ハ稍良好ニ直江津ヨリ柏
  崎及糸魚川ニ通スル海岸線ハ稍平坦ナ
  ルモ自動車道路網タルニハ未タ前途遼
  遠ナリ若夫レ新潟富山ノ國境ナル親不
  知ノ嶮ニ至リテハ名ハ國道ト謂フモ車
  馬ノ往來スラ杜絕シテ路上尙雜草繁茂
  ヲ見ル現狀既ニ然リ之ヲ以テ見ルニ表
  日本ト裏日本トヲ通スル唯一ノ交通ハ
  僅ニ單線ノ鐵道アルノミ一朝事アル場
  合此ノ鐵道ニ故障アリトセムカ國防ノ
  急事平時ノ產業何ヲ以テ之ニ代ヘムト
  スルカ況ヤ裏日本一帶ノ沿岸國道ノ現
  狀推シテ知ルヘキノミ而モ表日本ニ比
  シテ山嶽海ニ迫リ多大ノ危險ヲ感シツ
  ツアルニ於テオヤ是ヲ聞ク大正八年政
  府ハ全國ノ道路網ヲ完成セムカ爲ニ一
  大計畫ヲ立テ向フ三十箇年ノ計畫ヲ以
  テ二億八千二百八十萬圓ノ公債ヲ發行
  シ國道二千里其ノ他ノ道路四百里(+)
  大都市計畫ニ關聯スルモノヲ含ム)ノ
  完成ヲ期セムトスル計畫ナリシカ爾來
  緊縮政策ニ禍セラレ非募債主義ヲ嚴守
  セル結果從來僅ニ每年三百五十萬圓ヲ
  內務省ハ各府縣ニ對スル道路橋梁費ノ
  補助トシテ計上シ來レルカ昭和四年度
  ヨリ之ヲ六百五十萬圓トシタルモ而モ
  未タ全國ノ道路網完成上九牛ノ一毛タ
  ニ値セス此ノ目的遂行ノ爲ニ特ニ裏日
  本ハ表日本ト連絡スル叙上ノ自動車道
  路網竝裏日本沿岸道路ノ完成ニ對スル
  國防產業的見地ヨリ內務陸軍當局ノ方
  針如何
  六大陸ノ產業啓發ニ伴フ裏日本トノ連
  絡航路ニ付テハ現在實ニ幼稚ノ域ヲ脫
  セス卽チ沿岸各地ノ連絡ヲ圖ル內海航
  路ハ伏木港ヲ起點トシテ北方北海道樺
  太ノ定期航路ニ從事セル船舶ハ日本郵
  船大阪商船ノ外僅少ノ社外船アルノミ
  ニシテ近近僅ニ二三千噸級ノ船舶アル
  ノミ若夫レ對外貿易ニ至リテハ浦鹽敦
  賀間ノ直通航路アルノ外浦鹽及北鮮地
  方ニ航行スル船舶ハ伏木敦賀ノ兩港ヲ
  起點トシ新潟、伏木、七尾、敦賀、元
  山、〓津、浦鹽ノ各港巡回ヲ定期トス
  ル二、三社外船アルノミニシテ是等諸
  會社ノ經營ニ就テハ遞信省朝鮮總督府
  及各縣ノ補助ヲ得テ僅ニ經營ニ當レルノ
  現狀ナリ而モ之等ノ會社ハ補助金ヲ目
  的トセルヲ以テ各地ニ寄港シ眞ニ對岸
  貿易ノ實績ヲ擧クルコト能ハサルノ憾
  アリ
  政府ハ吉會鐵道ノ開通ニ伴ヒ大陸各地
  及裏日本トノ交通貿易ノ益頻繁ナラム
  トスルニ鑑ミ將又西比利亞內地ノ產業
  的啓發ニ伴ヒ〓日ヨリ彼我交通機關ノ
  完備ニ努力スルノ必要アリト認ム政府
  ハ果シテ元山、〓津、浦鹽各地ト境港、
  舞鶴、敦賀、七尾、伏木、新潟、凾館、
  小樽、大泊諸港ト此等各地ト適當ニ直
  通航路ノ開始計畫ヲ有スルヤ否ヤ
  七裏日本各地ハ〓ネ天候險惡特ニ冬期十
  一月頃ヨリ翌年四月頃ニ至ル迄積雪ニ
  閉ササレ農業ハ固ヨリ商工業ニ從事ス
  ルモノノ業績ハ表日本ノ各地ニ比スレ
  ハ風雪ノ爲其ノ成績ノ擧ラサルコト夥
  シキモノアリ加之〓育衞生土木建築交
  通等ノ點ニ於テ其ノ恩惠到底表日本ノ
  住民ニ比スヘクモアラス思フニ此ハ地
  勢ノ然ラシムル所已ムナキモ政府トシ
  テハ國民生活安定ノ公平ナル見地ヨリ
  負擔ノ輕減ヲ爲サシムルカ將又國家的
  施設ニ依リテ其ノ間ノ方策ヲ講スルノ
  考慮アリヤ近ク本院ニ於テモ有志議員
  ノ要望ニ基キ雪害調査機關設置ニ關ス
  ル意見モアリ益輿論ノ隆起ヲ見ムトセ
  ルカ此等ニ對シ政府ハ調査セルコトア
  リヤ若アリトセハ其ノ內容如何
  元來裏日本ノ啓發ニ關シテハ都會地ノ
  施設ハ別トシテ農村漁村山村ニ區別シ
  テ各其ノ啓發ニ關スル施設ヲ要ス敢テ
  政府ノ所見ヲ問フ
  對西比利亞關係
  對西比利亞關係ニ付テハ曩ニ貿易關係漁
  業關係利權關係等ニ就テ詳細ナル答辯ヲ
  得タルヲ滿足トスルモ左ノ數點ニ付テ更
  ニ答辯ヲ求ム
  一水產業ニ從事シ「カムチヤツカ」「オホ
  ーツク」海沿海州等ニ出漁スル者ノ大
  部分ハ裏日本ノ住民ナリ而シテ彼等ハ
  漁區ヲ選定シ之カ權利料手數料ヲ支拂
  フニ當テ「ソヴエート」政府側ハ日本ノ
  貨幣ヲ以テスルコトヲ强要シ其ノ額數百
  万圓ニ上レリト聞クカ政府ノ調査セル
  所ニテハ其ノ總額如何ノ程度ニ上レリ
  ヤ最近十年間ノ年度割額ヲ提出セラレ
  タシ
  二聞ク所ニ依レハ日本貨幣ノ行方ニ付テ
  重大ナル問題ヲ生シツツアル如シ卽チ
  日本內地ニアリテ近年我カ國體ノ基礎
  ヲ危フセムトシ我カ國ニ取リテハ最危
  險ナル結社其ノ實行方法ヲ講セムトス
  ル者アルニ當リ彼等ノ運動費ニシテ其
  ノ出所ハ殆ト不明ナリト認ム時ニ露國
  政府ヨリ浦鹽斯德及哈爾賓ニ支店ヲ有
  スル朝鮮銀行或ハ露國極東銀行ヲ經テ
  送金アリタルヤノ風聞アルモ一モ其ノ
  證據ノ發見セラレサルヲ常トス若シ普
  通銀行ヲ經テ彼等ノ手ニ收受セラレム
  トスルカ卽チ銀行ニ依テ其ノ貨幣ハ交
  換セラレサルヘカラス然ルニ內地銀行
  ト謂ヒ世界ノ各銀行ト謂ヒ未タ之等ノ
  事實ヲ發見セラレサル所以ノモノハ露
  國內ニ運ハレタル日本貨幣ニ就テ大ナ
  ル疑ヲ挿マサルヲ得ス
  是等ノ點ニ就テハ國體上思想上重大ナ
  ル關係ヲ有スルヲ以テ特ニ政府ノ答辯
  ヲ求ム
  三更ニ日露通商條約締結以前西比利亞ニ
  於テ日本人ノ所有シタル凡ユル方面ノ
  權利ハ今ニシテ繼承セラレサルモノ多
  シ是等ノ權利ハ〓將タ如何ノ狀況ニア
  ルカ
  四露國革命擾亂當時ニ際シ西比利亞及沿
  海州ニ於テ商業農業其ノ他ニ從事セル
  邦人ノ損害賠償要求ノ交涉〓末ニ就テ
  詳細ナル說明ヲ求ム又賠償セラレタル
  金額ヲ示サレムコトヲ求ム更ニ又將來
  ノ方針如何
  對朝鮮關係
  一朝鮮カ我カ統治ノ恩惠ニ浴シテヨリ二
  十年韓國時代ヨリ帝國ハ支那ノ勢力ニ
  拮抗シ露國ノ南下政策ニ對抗シ國運ヲ
  賭シテ其ノ獨立ヲ援ケ延テ我カ統治ノ
  下ニ之カ併合ヲ實現スルヤ對支對露ノ關
  係上交通產業上ノ啓發ハ釜山ヨリ京城
  ヲ經テ新義州ニ至ル朝鮮半島ノ西南部
  ノ開發ニノミ努力シ遼東半島ノ我カ手
  中ニ歸スルヤ旅順大連ヲ起點トシテ奉
  天長春ニ通スル南滿鐵道ヲ我力特殊權
  益ノ中心トシテ滿洲ノ啓發ニ努力シ來
  レルハ又勢ノ已ムヘカラサリシ所ニシ
  テ戰時中犠牲ニ供シタル十萬ノ生靈ト
  二十億ノ國帑ハ勿論爾來數十億ノ巨費
  ヲ投シテ其ノ啓發ニ努力シ我カ大陸政
  策ノ起點ハ專ラ同地方ニ集中セラレタ
  ルノ感アリキ然ルニ今ヤ露國ノ勢力カ
  舊時ニ非サル今日同地方ノミニ資本ヲ
  集中シ努力ヲ捧クルコトハ果シテ策ノ
  得タルモノナリヤ如何
  二惟フニ朝鮮半島ハ大陸ノ殖產興業竝政
  治外交的ニ其ノ生命ヲ掌握スル所ナリ
  ト信ス是レ恰モ中古伊太利半島カ歐洲
  ニ號令シ羅馬力政治ノ中心地タリシト
  髣髴タルモノアリ然ルニ今日ニ於ケル
  伊太利半島ト朝鮮半島トヲ對比セムカ
  彼ハ一世ノ英傑「ムッソリーニ」ノ奮起
  ニ依リ正ニ内政ヲ整へ軈テハ歐洲大陸
  ニ政令セムトスルノ勢ヲ示シツツアリ
  而モ大陸ニ對スル交通產業ノ現狀ヲ見
  ルニ世界ノ嶮タル「アルプス」ノ高峰ヲ
  貫キテ既ニ十三條ノ鐵道ヲ歐洲大陸ニ
  放射シ以テ產業交通ニ便シ將來ノ活躍
  ニ資シツツアリ
  飜テ我カ朝鮮半島ヲ見ヨ現在ニ於テハ
  滿洲ニ通スル鐵道僅ニ一線ノミ昨年十
  月一日僅ニ京城ヨリ元山ヲ經テ會寧ニ
  通スル北鮮鐵道ノ完成ヲ見タルモ今ヤ
  吉會線ノ成ルヘクシテ成ラサルハ是レ
  果シテ如何
  政府ハ先ノ答辯ニ於テ吉會線開通ノ交
  涉ニ努力シツツアル旨言明セルモ近時
  對支交涉ノ不振ト共ニ士〓會鐵路ノ案件
  ハ旣ニ奉天省ノ諒解ヲ得タルモ地元官
  憲タル吉林省ノ反對ニ會ヒテ未タニ交
  涉停頓ヲ見ツツアルハ頗ル遺憾トスル
  所ナリ
  朝鮮當局ハ曰ハク「南北咸鏡道ノ北境
  ハ九千尺ノ白頭山脈聳エテ附近人跡未
  踏ノ森林岩石アリ到底鐵道道路ノ開通
  ニ便ナラス目下森林鐵道ノ計畫アルモ
  仲〓容易ノ事業ニ非ス」ト
  惟フニ是等ノ計畫ハ多少ノ經費ヲ必要
  トスルモ人力ヲ以テ自然ヲ征服シツツ
  アル今日ニ於テハ到底不可能ノコトニ
  非ス要スルニ今日迄ノ政府當局ハ前述
  ノ如ク西南朝鮮及滿鐵沿線ノミニ全力
  ヲ傾注シ北鮮地方竝東南滿洲地方ノ產
  業的啓發ニ就テハ更ニ考慮セス從テ朝
  鮮半島ヲ起點トスル我カ大陸政策ニ付
  テ眼孔頗ル狹小ナリシコトヲ憾マサル
  ヘカラス
  今後政府ノ朝鮮ヲ基礎トスル大陸ノ產
  業啓發ニ付テ果シテ如何ノ對策ヲ有ス
  ルヤ交通、拓殖、警備、〓育、衞生等
  諸般ノ答辯ヲ乞フ
  三以上朝鮮ニ於ケル交通通信產業ノ啓發
  ニ努力スルト共ニ兎角ノ批評アル〓育
  方針ヲ確定シ眞ニ内鮮融和ノ實ヲ擧ク
  ヘシ政府ハ〓後五十年百年以後ニ於ケ
  ル內鮮融和ノ實蹟ヲ擧クル爲內鮮人結
  婚ヲ奬勵スルノ政策ヲ樹テ之ヲ助成ス
  ルノ方針ヲ執リ居ルヤ聞ク所ニ依レハ
  朝鮮合併以來僅ニ四百餘名ノ結婚アル
  ニ過キスト果シテ然ルヤ其ノ經過竝ニ
  眞相ヲ問フ
  四又歐洲大戰以來當局ハ民族自決ノ提唱
  ト獨立運動竝共產的過激思想ノ傳播ニ
  對シテ近時奈何ノ態度ヲ執リツツアリ
  ヤ彼ノ萬蔵擾キ以來治安警察上ノ所見
  ヲ問フ特ニ昨年三月十五日內地ニ於ケ
  ル彼ノ共產的暴擧ニ連座セル者ノ檢擧
  ヲ見タル外朝鮮人ニシテ鮮内ニ於テ檢
  擧セラレタル者數千名アリト聞ク其ノ
  人數及其ノ過程奈何
  五更ニ朝鮮警備ニ就テ世人ハ多ク國境ニ
  於ケル警備方針ヲ論議シツツアルモ本
  員等ノ見ル所ニ依レハ反テ右ノ如ク思
  想ノ變遷ニ伴テ南部朝鮮ニ於テ勞働問
  題(多クハ小作爭議)反動運動及共產的
  運動ノ激烈ナルヲ認ム東學黨ノ反亂中
  心地タリシ晋州、光州、全州ノ如キ地
  方ニ駐屯軍ノ增加ヲ計ルノ必要アリト
  認ム當局ノ方針奈何
  六又北鮮啓發及大陸ト内地トノ聯絡ヲ圓
  滑ナラシムル爲ニハ〓津港ノ修築擴張
  及雄基築港ノ必要アリ當局是ニ對スル
  方針奈何其ノ他具體的ニ提示ヲ乞フ
  對滿洲關係
  一滿洲ニ於ケル邦人ノ事業ハ滿鐵ノ事業
  以外ニ殆ト見ルヘキモノナク大小會社
  及個人ノ事業トシテハ今ヤ支那人ニ壓
  倒セラレテ將來發展ノ見込全然皆無ト
  認ム其ノ理由ハ玆ニ省略スルモ恐ラク
  在留同胞及當局ト雖認識スル所ナルヘ
  シ我カ人口增加ニ伴フ移殖民ノ關係ヨ
  リ果シテ奈何ノ對策ヲ有スルヤ
  二商租權問題ノ解決モ右對策中ノ重大ナ
  ル懸案ナルヘシト思フ政府ハ之ニ就テ
  如何ナル交涉ヲ爲シツツアリヤ其ノ經
  過ヲ問ヒ且將來ノ方針ヲ答辯セラルヘ
  三吉會線ハ吉林及敦化間ノ數十哩ヲ連聯
  シ且現在ノ會寧ニ至ル私設線ヲ買收セ
  ハ南滿洲ノ貨物ハ速ニ日本海ヲ經テ我
  カ國及諸外國ニ輸出セラルヘキカ該線
  開通ニ關シテ政府ハ奉天省ト交涉セル
  〓末及其ノ結果如何ナル程度ニ進行シ
  ツツアリヤ
  又之ニ伴フ西原借款ノ交渉經過ニ就テ
  御提示ヲ希フ
  四地理的關係ヨリ政府ハ關東廳ヲ大連ニ
  移轉セシムルノ考ナキヤ又南滿洲鐵道
  株式會社ノ本社ヲ長春或ハ奉天ニ移轉
  セシムル考ナキヤ這ハ將來奧地ニ對ス
  ル產業啓發ニ對シテ必要ナル條件ト認
  ム所見奈何
  對支關係
  抑中華民國新政府カ建設セラレテ其ノ
  軍政時代ヨリ訓政時代ニ人レル今日迄
  彼等ノ如何ニ困難辛苦ト戰ヒツツ現在
  南北支那ノ統一ニ努力シ來レルカハ深甚
  ノ同情ヲ以テ彼等ニ對セサルヘカラス
  從來支那ハ日〓戰爭以前迄ハ眠レル老
  大國トシテ全世界ヨリ恐怖ノ念ヲ以テ
  迎ヘラレタルカ日〓日露ノ戰役ヲ經テ
  漸ク支那政府ノ實力ハ疑問トサレ列國
  ヨリ侵略橫暴ノ態度ヲ以テ對セラレタ
  リ是ニ於テカ古來ノ支那國民性及政治
  的ニ覺醒セル孫逸仙等力從來ノ個人主
  義ヲ捨テテ國家主義國民主義ノ下ニ全
  支那ヲ統一セムトシ範ヲ歐米及日本ニ
  執テ其ノ政體ヲ變革シ諸制度文物ヲ現
  代世界ノ大勢ニ順應スルカ如ク彼ノ三
  民主義、五權憲法ヲ確立シテ茲ニ新ラ
  シキ中華民國ヲ建設セムトシテ革命ノ
  呱呱タル聲ヲ廣東ノ地ニ擧ケタルヨリ
  玆ニ十有八年爾來四方ノ同志ヲ糾合シ
  北伐ニ向ヒ革命ノ軍ヲ進メタルカ此ノ
  問〓朝ハ倒壞シ或ハ黎元洪ノ大總統タ
  ルアリ幾多ノ波瀾ヲ經テ遂ニ張作霖力
  北京ニ據テ天下ニ號令セムトスル時代
  ト爲レリ然ルニ彼カ勢威失墜ノ結果奉
  天ニ走リ將ニ到著セムトスルニ當リテ
  彼ノ列車爆發事件ノ珍事ヲ惹起ス本員
  等ハ昨年衆議院ヨリ支那視察團ニ加ハ
  リ親シク其ノ當時ノ狀況ト其ノ死因等
  ニ就テ調査スル所アルモ今玆ニハ國際
  間ノ重大問題トシテ敢テ是カ眞相ヲ詰
  問セサルヘシ
  現ニ今期議會ノ貴衆雨院ニ於テ滿洲ニ
  於ケル某重大事件ニ就テ繰リ返シ質問
  應答アリタルモ政府ハ遂ニ其ノ眞相ヲ
  明白ニセサリシ彼ノ奇怪ナル事件ナリ
  思フニ恐ラクハ現政府ノ下ニ於テハ其
  ノ眞相ヲ公表スルノ期ハ永遠ニ非サル
  ヘシト雖日支ノ國交上是レ誠ニ遺憾ト
  スル所ナリ
  而シテ〓ヤ東三省又靑天白日旗ヲ揭揚
  シテ南方國民黨政府ト共鳴シ和平統一
  ノ事ヲ擧ク此ノ間我カ政府ノ統一阻止事
  件アリ露國過激派ノ誘惡跳梁スルアリ
  又最近革命軍カ北伐中或ハ南京、漢口
  事件又ハ濟南事件ノ如キ諸問題ヲ惹起
  シテ彼等新政府ハ内外ニ非常ナル困難
  ト努力トヲ經テ漸ク今日ニ至リ全國統
  一ノ形ヲ不完全ナカラモ實顯スルニ至
  レリ
  然ルニ彼等新政府ノ要人竝有識階級ノ
  多數ハ將來亞細亞ノ平和ヲ確立スル爲
  ニモ日支ノ提携ヲ計リ有無相通シ物資
  ノ供給ヲ圓滑ナラシメ兩國カ政治的ニ產
  業的ニ深ク締盟スルコトハ實ニ世界ノ
  平和ヲ確立スル所以ナリト、異口同音ニ
  提唱セルノ事實ト彼等ノ唱フル所ノモ
  ノハ「支那ハ嘗テ日本ニ文物制度ヲ移
  入シテ其興國ノ爲ニ微力ヲ致シタル時
  代アリキ然ルニ今日ノ日本ハ明治維新
  以來一躍シテ世界ノ一等國ト爲リ文物
  諸制度日本ニ學フヘキ點多多アリ故ニ
  吾人ハ日本ヲ師トシ兄トシテ其ノ指導
  ヲ受ケ以テ兩國提携ノ實ヲ擧ケムトス
  ルモノナリ故ニ日本國民ハ時代ニ覺醒
  セル中華民國ヲシテ一日モ速ニ建國ノ方
  略ヲ定メシメ新國家建設ニ對スル吾人ノ
  努力ヲ助成指導シ以テ其ノ目的ノ貫徹ニ
  大ナル援助ヲ與ヘラレムコトヲ」ト謂
  ヘルハ彼等大多數ノ希望ナリシコト支
  那各地ニ於ケル官民トノ會談ニ於テ本
  員等ノ親シク聽牧セル所ナリキ果シテ
  然ラハ支那現在ノ政府ハ完全ニ南北ノ
  和平統一ヲ圖リ獨立國家トシテ活動ス
  ルコトヲ得ルヤ否ヤハ未タ多少ノ疑問
  ナシトセサルモ少クトモ本員等ノ所見
  ヲ以テセハ孫逸仙ノ遺訓タル彼ノ三民
  主義五權憲法ヲ以テ建國ノ方針ト爲シ
  今ヤ和平統一ニ全國民協力シテ最大ノ
  努力ヲ爲シツツアルハ疑フヘクモ非ス
  斯クテ彼等カ個人主義ヲ排シテ國家主
  義民族主義ノ下ニ群雄各裁兵ヲ斷行シ
  關稅政策ヲ改正シ稅制ヲ確立シ國立銀
  行ヲ設置シテ國民經濟ノ圓滑ヲ計リ〓
  育衞生交通產業ノ諸制度ヲ制定實施シ
  ツツアルノ現狀ヲ見レハ實ニ彼等ハ眞
  劍味ヲ帶ヒテ活動シツツアルモノト認
  ム
  此ノ秋ニ當リ彼等カ謂ヘル如ク眞ニ日
  支ノ提携ヲ計ラムト欲セハ現在支那國
  民間ニ燃エツツアル此ノ國家的氣運ヲ
  究メ徒ニ外部ヨリ壓迫ヲ以テ彼等ニ臨
  マムトスルカ如キハ大戰後ノ世界的國
  際關係ノ趨勢ト國交關係ヲ知ラサル時
  代逆行ノ態度ト謂ハサルヘカラス而シ
  テ又日支ノ將來ヨリ束亞政策ニ甚大ナ
  ル惡影響ヲ及ホシ延テハ世界ノ平和ニ
  重大ナル結果ヲ來サシムヘキモノト信
  ス
  卽チ我カ對亞細亞政策上將來我カ自給
  自足ヲ計ラムトスル點ヨリ又對世界政
  策ヲ實施スルニ當リ以上ノ對支關係ニ
  就テハ深甚ノ考慮ヲ以テ具ノ外交方針
  ヲ確立シ以テ彼我國民ノ提携ヲ計ラサ
  ルヘカラス從テ從來ノ我カ政府特ニ加
  藤若槻内閣時代ニ於テハ此ノ點ニ深キ
  注意ヲ拂ヒ而シテ彼ノ若キ支那國家ノ
  成立ニ援助ヲ與ヘムトスルノ方針ニ出
  テタルハ爭フヘカラサル事實ナリトス
  然ルニ現内閣ニ至リテハ組閣早早對支
  出兵ヲ斷行シテ徒ニ支那國民ノ反感ヲ
  誘發シ爲ニ對支貿易ニ大ナル支障ヲ來
  シタルハ如何ニモ對支關係及對亞細亞
  政策上遺憾ニ堪ヘス更ニ又前述ノ如ク
  滿洲ニ對スル諸懸案ニ就テハ或ハ東方
  會議或ハ大連會議ノ開催ニ依リテ彼等
  ノ反感ヲ買ヒ爲ニ排日ノ一大示威運動
  ヲ惹起シタルヲ見ルモ我カ對支外交及
  貿易產業ノ關係ニ甚大ノ惡影響ヲ來シ
  タルモノト信ス政府ハ果シテ將來ノ對
  亞細亞政策ニ就テ斯ル見地ヨリ對支政
  策從來ノ方針ヲ拾テテ速ニ撤兵ヲ斷行
  シ通商條約ノ改正ヲ急キ其ノ獨立ヲ承
  認スルノ考ナキヤ以上ノ諸問題ニ聯關
  シタル對亞細亞政策果シテ奈何徒ニ米
  國其ノ他諸外國ニ漁夫ノ利ヲ獲得セラ
  ルルカ如キハ本員等ノ敢テ執ラサル所
  ナリトス
  本員等ハ今第五十六回帝國議會開會中
  未タ一囘ノ質問日ヲ與ヘラレサルニ依
  リ茲ニ文書ヲ以テ再質問ヲ爲スノ已ム
  ナキニ至レリ政府ハ此ノ會期中ニ於テ
  速ニ右ニ對スル答辯アラムコトヲ望ム
  右及再質問候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長川原茂輔殿
  衆議院議員山田教一君外七名提出亞細亞
  政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ對シ
  別紙答辯書差進侯
  〔別紙〕
  衆議院議員山田教一君外七名提出亞細
  亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ
  對スル答辯書
  內國關係
  モルジー灣築港ニ付テ未ダ考慮シタルコ
  トナシ
  樺太ニ對スル補給金ニ付テハ一般財政ノ
  關係ト樺太開發ノ必要トヲ考慮シ適當ニ
  補助ヲ爲サムトス
  榮濱ヨリ敷香迄ノ鐵道ハ樺太鐵道株式會
  社ニ於テ近ク敷設開通ヲ見ル可ク亞港迄
  ノ日露合辨ニ付テハ考慮シタルコトナ
  樺太ノ道路、鐵道、林業政策及採炭增收
  計畫ニ付テハ夫々愼重ノ考慮ヲ重ネ計畫
  ヲ樹テ其ノ一端ニ付テハ旣ニ著手ヲ見タ
  ルモノアリ
  對朝鮮關係
  -朝鮮半島ノ開發ハ西南部ノミニ偏倚
  シ居ラズ全鮮ニ涉リ努力シツヽアリ
  二鮮內ノ鐵道敷設ハ昭和二年度帝國議
  會ノ協賛ヲ經タル計畫ノミニテモ國境
  ニ亙ルモノ三線ヲ數フル狀況ニシテ吉
  會線ヘノ聯絡等ニ付テハ深慮ヲ致シ居
  ルモノナリ
  三〓育ニ關シテハ其ノ方針夙ニ確定シ
  居レリ內鮮人ノ結婚ニ就キテハ法規上
  障害ナク實行シ得ルコトトナリ居レ
  リ
  四思想犯ノ取締竝赤化思想ノ防遏ニ付
  テハ常ニ最善ノ努力ヲ致シツツアリ
  昭和三年度中朝鮮ニ於ケル共產黨事件
  ニ關スル檢擧人員ハ四八五名ナリ
  五所謂過激思想防遏ノ手段トシテ特ニ
  南朝鮮ニ駐屯軍ヲ增加スルガ如キハ其
  ノ必要ヲ認メズ
  六〓津及雄基港ノ修築ニ就テハ既ニ繼
  續費トシテ其ノ計畫ニ對スル協賛ヲ仰
  キ目下著々工事進行中ニシテ尙雄基港
  ニ對シテハ更ニ其ノ擴張計畫ヲ樹テ昭和
  四年度豫算ニ計上シテ議會ノ協賛ヲ經
  タリ
  對滿洲關係
  關東廳及南滿洲鐵道株式會社ノ移轉ニ關
  シテハ目下ノ所何等考慮シ居ラズ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議員山田教一君外七名提出亞細
  亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ
  對スル答辯書
  對西比利亞關係
  ー本邦漁業者カ露國側ニ納付スル金額
  ハ漁區貸付料以外諸種ノ稅金公課及手
  數料ナル處最近十年間支拂ヒタル右金
  額ハ大約左表ノ通ニシテ日本貨ヲ以テ
  支拂ヒタルハ大正十年及十一年ノ二年
  ニ止マル尤モ昨年漁場ニ於テ稅金手數
  料ノ一部ニ對シテ日本貨ニテ納付方ヲ
  强安シタル事實アルモ其ノ金額ハ前記
  貸付料ニ比シ極メテ少額ナリ
  大正八年七、二〇〇、〇〇〇留
  九年九、〇〇〇〇〇〇留
  十年二五〇、〇〇〇圓
  十一年五〇〇、〇〇〇圓
  十二年三〇〇、〇〇〇金留
  十三年四七〇、○○○金留
  十四年四六〇、〇〇〇留
  十五年五〇〇、〇〇〇留
  昭和二年七七〇、〇〇〇留
  三年二、一五〇、〇〇〇留
  備考前表中大正八年及九年ニ於テ金
  額ノ多大ナルハ露貨暴落ニ因ルモノ
  ニシテ十年及十一年ハ所謂自治出漁
  時代ニシテ後年當時ノ未納額ヲ合計
  二百七拾五萬圓ト算出シテ決濟シ又
  十二年及十三年ハ單位ヲ金留ト定メ
  約付ノ場合時価相場ニ依ルコトトセ
  リ而シテ十四年以降ハ實際ニ於ケル
  露貨相場ノ動搖ニ拘ハラズ露賃ニ依
  ルコトトナレリ
  二露國側ニ於テ其有スル日本貨幣ヲ如
  何ナル使途ニ充當シツヽアリヤハ判明
  セズ
  三日露基本條約締結以前西比利亞ニ於
  テ日本人ノ有シタル權利ニシテ原狀囘
  復又ハ損害賠償ヲ要求スベキモノハ帝
  國臣民ノ露國政府ニ對スル請求權問題ト
  シテ同條約附屬議定書(甲)第二條第三
  項ノ豫見スル日露兩國政府間ノ將來ノ
  商議ニ於テ調整セラルベキモノトス
  四露國政變及西比利亞事變ノ爲被リタ
  ル本邦人ノ損害賠償要求問題ハ日露基
  本條約附屬書議定書(甲)第二條第三項
  ニ依リ日露兩國政府間ノ將來ノ商議ニ
  於テ調整セラルルコトトナリ居ル次第
  ニシテ政府ハ將來適當ナル時機ニ本問
  題ノ滿足ナル解決ヲ遂ゲンコトヲ期シ
  ツツアリ
  對滿洲關係
  政府ハ滿洲ニ對スル我國ノ關係ノ重
  要ナルニ鑑ミ同地方ニ於ケル我同胞ノ
  平和的發展ノ障害タル治安ノ紊亂ヲ來
  サザル樣特ニ細心ノ注意ヲ拂ヒ來レリ
  其ノ結果過般支那本部ノ禍亂モ遂ニ滿
  洲地方ニ波及スルコトナカリシハ同慶
  ノ次第ナリ此ノ情況ノ下ニ政府ハ將來
  ト雖從不通滿洲ニ對スル支那ノ主權及
  列國民ノ商工業上ノ機會均等主義ヲ尊
  重スルト共ニ同地万ニ對スル邦人ノ經
  濟的發展ノ爲最春ノ努力ヲ拂フ所存ナ
  リ
  二商租權問額ハ從來久シキニ亙ル懸案
  ニシテ政府ハ引續キ之ガ解決ニ努力中
  ナルモ右解決ノ方針ニ付テハ茲ニ言明
  ノ限ニアラズ
  三吉會線開通ニ關シテハ政府ニ於テハ
  折角努力中ナルモ交涉ノ內容ニ付テハ
  未ダ說明ノ時期ニ至ラズ
  對支關係
  現內閣ノ對支方針ハ從來屢と議會其ノ他
  ニ於テ說明シタルカ如ク支那ノ國民的要
  望ニ對シテハ之ニ同情シ可及的之ニ應ス
  ルノ覺悟ヲ有スルモノニシテ何等支那ニ
  對シ徒ラニ外部ヨリ壓迫ヲ加ヘムトスル
  ガ如キ考ヲ有セザルノミナラズ又之ヲ敢
  テシタルコトナシ曩ニ濟南方面ニ出兵シ
  タルハ多數ノ我居留民保護ノ爲止ムヲ得
  ザル措置ニ出テタルモノニシテ近ク濟南
  事件モ解決スベキニ付同方面ニ在ル日本
  軍モ撤去セシメラルベク如斯ニシテ日支
  間諸懸案モ漸次解決ノ上ハ固ヨリ及ブ限
  リ支那國民ノ建設的努力ニ援助ヲ與ヘム
  コトヲ期ス
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  外務大臣男爵田中義
  衆議院議員山田毅一君外七名提出亞細
  亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ
  對スル答辯書
  內國關係ノ部
  二昭和二年ニ於テ前內閣ノ樹立セル現
  行北海道第二期拓殖計畫ハ施行尙僅ニ
  二年ニ過キサルモ其ノ財源ハ甚シク豫
  期ト反シ更ニ適切ノ方途ヲ講ズルニア
  ラザレバ計畫ノ遂行ヲ期スル能ハズ依
  テ政府ハ北海道拓殖計書調査會ヲ設ケ
  之カ促進ニ關シ考究審査ヲ爲サントス
  昭和四年度拓殖費曾加額三百二十餘万
  圓ハ政府ニ於テモ固ヨリ十分ナリトハ
  認メザルモ財源其ノ他ノ關係上已ムヲ
  得ズ此ノ程度ニ止メタリ其ノ增加內容
  ノ重大ナルモノハ移住獎勵、開墾助成
  民有未墾地ノ開發等ニ要スル殖民費八
  十四万圓造田及容土補助等ニ要スル
  土地改良費四十四万圓殖民道路新設ニ
  要スル道路橋梁費二十三万圓港灣ノ繰
  上修築等ニ要スル港灣費七十六万圓鐵
  道軌道助成ニ要スル經費四十七万圓等
  トス
  三1、岩木川本川筋及支川十、川山田川
  沿岸湛水地ハ二万町步ニ達スヘク之カ
  除去ノ方法トシテ岩木川河口十三潟ヲ
  四万八千立坪ヲ浚渫シテ洪水ノ快疏ヲ
  圖リ一面同潟ノ水戶口ヲ堀割シ突堤ヲ
  設ケテ同口ノ閉塞ヲ根絕セントスルニ
  アリ之カ浚渫土量一万四千立坪トス
  2船川港修築工事ハ明治四十四年度
  ヨリ縣ニ於テ施行中ニシテ昭和五年度
  ヲ以テ完了ノ豫定ニシテ今ヤ其ノ大部
  ノ工事ヲ竣ヘタリ
  土崎港修築工事ハ曩ニ河川工事ノ一部
  トシテ河口ノ改良ヲ施行シタルモ昭和
  三年度ヨリ二百五十万圓ヲ以テ港灣修
  築ヲ企〓シ目下工事中ニ屬ス
  酒田港ハ河川工事ノ一部トシテ河港改
  修工事ヲ施行シツツアリ
  加茂、平澤兩港ノ修築ハ地方ノ獨力經
  營スル所ニシテ詳ナラズ
  4、新湊漁港及魚津漁港修築計畫ニ付
  テハ目下富山縣ニ於テ考究中ナリト間
  クモ其內容詳ナラズ
  伏木港旣定工費五百萬圓中六萬三千三
  百四十六圓節減シタルハ工事ノ關係ト
  政府財政ノ都合ヲ考慮シ整理セリ
  伏木港ヨリ高岡市ニ通スル運河計畫ノ
  有無ニ付テハ政府ニ於テ考慮シタルコ
  トナシ
  現七尾港修築計畫ニ於テハ工費ノ關係
  上暗礁除却ヲ施行セザルモ將來財政ノ
  許ス限リ之ヲ施行ノ方針ナリ
  5敦賀港修築費ニ節約ヲ加ヘタルハ
  國庫財政ノ都合ト工事施行ノ狀況トニ
  由ル
  明年度ヨリ實施セムトスル舞鶴港
  修築工事ハ地方產業開發ノ見地ヨリ極
  メフ必要ニシテ港灣トシテノ施設ヲ有
  スルモ同港ノ海防的使命ヲ沒却シタル
  モノニアラズ
  7、濱田港ハ漁港トシテ縣ニ於テ相當
  設備ヲ爲スベク目下施行中ナルモ綱代
  大社、小伊津港ニ付テハ其ノ內容詳ナ
  ラズ
  境港修築ニ關シテハ目下本港ノ港勢ヨ
  リ見ルトキハ現計畫ヲ以テ足レリト認
  ム
  8三重縣四日市市ヨリ關ヶ原村及滋
  賀縣下長濱町ヲ經テ福井縣敦賀港ニ達
  スル道路ハ其ノ一部關ケ原村敦賀町間
  ハ既ニ十二號國道ニ屬シ、殘部タル四
  日市市ヨリ關ヶ原付間ハ府縣道トシテ
  規律スルモ敢テ支障ナシト認ム
  五產業開發ノ爲メ道路ヲ改良シテ自動
  車ノ機能ヲ國民生活ニ利用スルノ必要
  ナルハ言ヲ俟タザル所ニシテ政府ハ夙
  ニ道路改良事業ノ助成ニカムル所アリ
  昭和四年度ニ於テモ道路改良費豫算ヲ
  曾額シテ國道ノ改良ヲ助成スルノ外新
  ニ產業ノ開發ニ必要ナル府縣道ノ改良
  ヲ期スル所アリ昭和五年度以降ニ於テ
  モ財政ノ許ス範圍ニ於テ叙上ノ目的ヲ
  遂行セムトスル方針ナルヲ以テ之ガ完
  成ノ曉ニ於テハ自動車ノ利用ニ適スル
  道路ハ全國ニ普及シ獨リ裏日本ト表日
  本トヲ連絡スル道路ニ限ラズ重要ナル
  道路ハ漸次改良セラルルニ至ルベシ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  内務大臣望月圭介
  衆議院議員山田毅一君外七名提出亞細
  亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ
  對スル答辯書
  帝國國防方針ト北邊ノ防備ニ就テ
  帝國ノ國防方針ニ就テハ之ヲ具體的ニ
  述ブルコトハ避ケタキモ交通機關ノ發
  達ニ伴ヒ列國間ノ距離ハ益〓短縮シ國
  際關係一層錯綜複雜ヲ來スヘキ將來ニ
  ~於デハ限定セル某一國ニ對スル政策ヲ
  基調トシテ國防方針ヲ定ムルガ如キハ
  危險ナリ而シテ帝國北邊ノ防備ニ關シ
  テハ關係當局モ亦從來ヨリ其ノ必要ヲ
  認メ萬遺算ナキヲ期シツツアリ
  二樺太ニ常備部隊竝航空的施設ノ要否
  二錢一
  外敵ノ侵襲ニ對シ之ニ對抗スル爲樺太
  ニ常備部隊ヲ設置スルコトニ就テハ交
  通機關ノ發達セル今日臨機適當ノ措置
  ヲ講シ得ベク政府ハ差シ當リ之カ常置
  ノ必要ヲ認メアラズ又同島ニ於ケル航
  空的施設ニ就テハ將來其ノ要度ヲ加フ
  ベク目下〓究中ナリ
  三宗谷海峽ノ海防ニ就テ
  軍事ノ機密ニ屬シ各辯スルヲ得ズ
  四津輕半島循環鐵道ノ要否ニ就テ
  津輕半島循環鐵道ハ津輕海峽防備上ノ
  見地ヨリセバ差シ當リ其ノ必要ヲ痛感
  スル程度ニアラズ
  五富山縣立野ケ原ニ航空設備ヲ爲スニ
  就テ
  軍部トシテハ目下ノ處其ノ意思ナシ
  六裏日本ニ無線電信局設置ニ就テ
  國防ノ見地ヨリ平時施設トシテハ現有
  無線局ノ外差シ當リ增設ノ意思ナシ
  七裏日本ト表日本トヲ連絡スル自動車
  道路網竝裏日本沿岸道路完成ニ就テ
  軍部トシテハ希望スル所ナルヲ以テ國
  防上必要ナル道路ニ就テハ內務當局ト
  協議ヲ重ネ逐次實施中ナリ
  八南鮮ニ常備部隊增加ノ要否ニ就テ
  南鮮ノ統治上該方面ニ常備部隊ノ增加
  ニ就テハ政府モ亦十分其ノ必要ヲ認メ
  アルモ國家財政上ノ見地ヨリ今直ニ之
  ヲ實現シ得ザルヲ遺憾トス之カ爲軍部
  ニ於テハ所要ニ應シ該方面ニ行軍、演
  習ヲ實施スル等ノ手段ヲ講ジ兵備ヲ補
  フコトニ配慮シアリ
  九〓津港ノ修築擴張及雄基築港ニ就テ
  軍部トシテハ其ノ實現ヲ希望シアリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  陸軍大臣白川義則
  衆議院議員山田敍一君外七名提出亞細
  亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ
  對スル答辯書
  內國關係ノ部
  -千島及北海道ニ於ケル水產業ニ關ス
  ル件
  千島ニ於ケル水產業ハ中部千島ニ於ケ
  ル漁業上ノ價値不明ニシテ每年調査ヲ
  行ヒツツアルノ外一般ニ相當ノ漁利ヲ
  收メツツアリ尙將來同地方ニ於ケル水
  產ノ發達上十分ノ考慮ヲ拂ハムトス北
  海道ニ於ケル水產業ニ關シテハ拓殖計
  畫ニ於テ考慮セラレツツアル外農林省
  ニ於テモ其ノ發展ニ付十分ノ努力ヲナ
  サムトス
  三津輕岩木山造林計畫ニ關スル件
  津輕岩木山國有林ノ造林計畫ハ附近國
  有林ト共ニ施業ノ計畫ヲ樹テ岩木山ノ
  風致ヲ考慮シ水源ヲ涵養シ一面地方ノ
  用薪材ノ供結ニ資スル方針ヲ以テ植伐
  ノ計畫ヲ著々實行シツツアル狀況ナル
  ヲ以テ民業ニ移スコト能ハズ
  漁港設備ニ關スル件
  本省ニ於テ實施セル漁港修築獎勵ハ地
  方公共團體ヨリ補助ノ申請アリタル場
  合財政ノ許ス範圍ニ於テ之ヲ詮議スル
  方針ニシテ政府ニ於テ積極的ニ自ラ修
  築スル方針ニアラザルニ付第三項揭記
  ノ漁港ニ付テモ縣ニ於テ其修築工事計
  畫及豫算ヲ定メ補助申請アリタル場合
  ハ之ヲ考慮スルモノトス
  八郎潟ノ理立ニ關スル件
  八郎潟ハ政府ニ於テ一應調査ヲ遂ゲタ
  ルモノニシテ適當ノ設計ニ依リ干拓ヲ
  爲シ耕地トシテ利用シ得ル見込ナルモ
  甚シク大規模ノ事業ナルヲ以テ主要工
  事國營ノ方法ニ依ルニ非レバ實行シ難
  シト認メラレ〓究中ナルモ未ダ實行ノ
  運ニ至ラズ
  七裏日本啓發ニ關シ農村漁村山村ニ區
  別シテ施設ヲ爲スノ件
  政府ハ從來農村、漁村、山村ノ振興ニ
  關シテハ夫々其ノ實情ニ應ジ必要ナル
  施設ニ努メ來リシ處ニシテ尙夫等ノ施
  設ヲ爲スニ當リ裏日本ニ對シテハ其ノ
  特有ノ事情ヲ考慮シ施設ヲ怠ラザル所
  ナリ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  農林大臣山本悌二郞
  衆議院議員山田毅一君外七名提出亞細
  亞政策ト裏日本格發ニ關スル再質問ニ
  對スル答辯書
  裏日本各地ト浦鹽及北鮮方面トノ間ニ於
  ケル定期航路トシテハ現在敦賀浦鹽間
  (遞信省命令航路大阪商船會社經營)小
  樽浦鹽、七尾、伏木、新潟、船川、靑
  森函館間(遞信省命令航路、川崎汽船會
  社經營)伏木、七尾、浦鹽、〓津其他北
  鮮諸港、新舞鶴間(國庫補助富山及石川
  兩縣命令航路北陸汽船會社經營)〓津
  其他北鮮諸港宮津、舞鶴又ハ新舞鶴、敦
  賀間(朝鮮總督府命令航路、朝鮮郵船會
  社經營)等ノ補助的施設アルノ外敦賀〓
  津間(北日本汽船會社經營)其他ノ自由航
  路アリ己ニ相當ノ連絡設備ヲ存スルモ將
  來吉會鐵道ノ完通、西比利亞內地ノ產業
  的開發等ニ因リ彼我相互間ニ於ケル交通
  貿易ノ進展スルニ伴ヒ更ニ必要ニ應シ時
  勢ニ適應シタル海上連絡機關ノ整備ヲ圖
  ルコトニ努ムベシ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  遞信大臣久原房之助
  衆議院議員山田教一君外七名提出亞細
  亞政策ト裏日本啓發ニ關スル再質問ニ
  對スル答辯書
  鐵道省所管事項ニ關シテハ篤ト考慮スベ
  シ
  右及答辯候也
  昭和四年三月二十五日
  鐵道大臣小川平吉
  一去十三日田中內閣總理大臣ヨリ元田議長
  宛本年一月三十一日本會議ニ於ケル國務
  大臣ノ演說ニ關スル山崎延吉君ノ質疑ニ
  對スル答辯書ヲ受領セリ
  昭和四年三月十三日
  內閣總理大臣男爵田中義
  衆議院議長元田肇殿
  衆議院議員山崎延吉君本年一月三十一日
  本會議ニ於ケル國務大臣ノ演說ニ關スル
  質疑ニ對シ別紙答辯書差進候
  〔別紙〕
  衆議院議員山崎延吉君本年一月三十一
  日本會議ニ於ケル國務大臣ノ演說ニ關
  スル質疑ニ對スル答辯書
  農村ノ電化ニ付テハ遞信省ニ於テモ夙ニ
  其ノ必要ヲ認メ、農村ニ對スル電氣供給
  ノ普及ニ關シ常ニ電氣事業者ヲ督勵シツ
  ツアリ、然レドモ
  CIV地況ノ關係等ニ依リ電氣事業者ヨ
  リ一般的ニ電氣ノ供給ヲ困難トスルガ
  如キ場合ニハ、旣許可區域ニ於テモ產
  業組合ニ對シ電氣事業ノ經營ヲ許可ス
  ルノ方針ヲ採リ、以テ一村乃至一部落
  等ニ於ケル電氣利用ノ實情ニ適應セシ
  メンコトヲ圖リ
  (二)散在セル部落等ニ配電設備ヲ普及
  セシムルガ爲メ、已ムヲ得ズ工事費ノ
  一部ヲ需要者ニ負擔セシムルニ當リテ
  ハ、事業者ヲシテ適當ナル要求ヲ爲サシ
  メザルヤウ、適當ニ之ヲ制限スルノ方
  法ヲ講ジ、以テ電燈又ハ電力ノ普及ヲ
  一助ケ、
  (三)農村ニ對シ電氣利用ニ關スル周知獎
  勵ノ途ヲ講ジ之ヲ助長スルト共ニ、
  一面電氣事業者ニ對シテハ料金其ノ他
  供給條件ヲ出來得ル限リ輕減セシメ、
  農村電化ヲ全カラシムルヤウ地方廳ノ
  斡旋ニ俟チ、
  (四)農事電化ノ上ニ適應スベキ電動機及
  電線ノ標準仕樣等ヲ制定スル爲メ昭和
  三年度ニ於テ電氣學會ニ對シ補助金ヲ
  交付シ旣ニ其ノ調査ヲ了ヘ、多量生產
  ニ便シ依リテ農事用電氣機器ヲ低廉ナ
  ラシムルニ資シ、更ニ目下
  (五)農村ニ於ケル電線路ノ普及ヲ圖ル爲
  メ配電線ニ關スル施設取締規定ヲ現在
  ヨリ緩和スルノ途ヲ〓究シツツアル等
  種々農村電化ノ實現ニ努メツツアリ、乍
  併本件ハ重大ナル問題ナルヲ以テ尙一層
  注意ヲ拂ヒ、農村ニ於ケル電氣利用ノ普
  及ニ力ヲ致サントス
  右及答辯候也
  昭和四年三月十三日
  遞信大臣久原房之助

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=180

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• 181・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　休憩前ニ引續キ會議
  ヲ開キマス、質問一ハ提出者ノ申出ニ依リ
  撤回ヲ許シマシタ、又其他ノ質問ハ何レモ
  答辯書ヲ受領シタルニ依リ日程ヨリ之ヲ除
  キマス、議事進行ニ付テ極ク簡單ナ發言ヲ
  シタイト云フ山邊富重君ノ通告デアリマス
  カラ、山邊君ニ發言ヲ許シマス
  〔山邊常重君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=181

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• 182・山邊常重

  ○山邊常重君　諸君、本員ハ議事進行ニ關
  シマシテ議長ニ御伺致シタイノデアリマ
  ス、本員ハ一月二十四日附ヲ以チマシテ、
  重要ナル質問ヲ政府ニ提出シタノデアリマ
  ス、ソレハ政黨政派ヲ超越致シマシテ、人
  造絹絲ト天然絹絲ニ關スル質問デアリマ
  ス、之ニ對シマシテ政府カラ答辯書ガ參ッテ
  居リマスルガ、其答辯書ダケデハ私共ハ滿
  足スルコトガ出來マセヌ、ソレニ付キマシ
  テ意見ノ陳述ヲ致シタイト思ヒマシタ、所
  ガ今日迄吾々ニ其機會ヲ與ヘラレナイコト
  ハ實ニ吾々議員ノ言論ヲ壓迫シ、吾々議
  員ノ權能ヲ無視シタルモノデアルト思ヒマ
  ス(拍手)尙又小運送業者ノ待遇改善ニ關ス
  ル質問書ヲ提出致シマシタ所、政府ヨリ同
  ジク答辯書ガ參リマシタガ、矢張此答辯書
  ニハ私共滿足スルコトガ出來ナイノデアリ
  マイ、ソレニ付キマシテ遺憾ニ存ジテ、再
  三迫リマシタケレドモ、會期切迫ノミナラ
  ズ數時間後ハ、會期ガ終リマス、今日ハ私
  共モ其機會ガ與ヘラレヌト云フコトハ、實
  ニ吾々ノ議員ノ言論ノ自由及議員ノ權能ヲ
  無視セラレタルモノデアルト思フノデアリ
  やっ、此點ニ付キマシテ議長ハ將來吾々ニ
  斯ノ如キ言論ノ壓迫、議員ノ權能ヲ無視セ
  ラレナイコトヲ希望シテ已マナイ次第デア
  リマス、之ニ付キマシテ、議長ハ明快ナル
  御答辯ヲ願ヒタイノデアリマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=182

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• 183・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　只今山邊君ヨリノ御
  發言デアリマシタガ、議長ハ未ダ曾テ言論
  ノ壓迫ヲ致シマセヌ-原惣兵衞君

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• 184・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　日程變更ノ緊急動議ヲ提出
  致シマス此際日程ヲ變更シ、第二號昭和
  四年度歲入歳出總豫算追加案、貴族院囘付
  案ヲ議題ト爲シ、其審議ヲ進メラレンコト
  ヲ望ミマス
  〔「賛成」「賛成」ト呼フ者アリ〕

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• 185・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御異議
  アリマセヌカ
  〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

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• 186・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナシト認メマ
  ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ、第二號
  昭和四年度歳入歳出總豫算追加案ヲ議題ニ
  供シマス修正箇所ハ朗讀致サセマス
  (第二號)昭和四年度歲入歲出總豫算
  追加案(政府提出、貴族院囘付)
  〔書記官朗讀〕
  (第二號)昭和四年度歳入歳出總豫算追加
  案中貴族院囘付ノ箇所左ノ如シ
  「昭和四年度歲入歳出追加額ヲ各六十万
  八千五十八圓ト定ム」ヲ「各九万七千五百
  圓ト定ム」ニ改ム、「歳入臨時部、第九款
  前年度剩餘金繰入六十万八千五十八圓」
  ヲ「九万七千五百圓」ニ改ム「第一項前年
  度剩餘金繰入、六十万入千五十八圓」ヲ
  「九万七千五百圓」ニ改ム「歳山經常部農
  林省所管第十款自作農創設維持助成費五
  十一万五百五十八圓」削除、「第一項俸給
  十五万六千七百八十圓」削除「第二項事務
  費十二万二千九百十四圓」削除「第三項道
  府縣經費補助二十三万八百六十四圓」削
  除「農林省所管合計六十万八千五十八圓」
  ヲ「九万七千五百圓」ニ改ム

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• 187・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　質疑ノ通告ハアリマ
  セヌ、直ニ討論ニ入リマス、通告順ニ依テ
  發言ヲ許シマス-秦豐助君
  〔秦豐助君登壇〕

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• 188・秦豐助

  ○秦豐助君　只今貴族院カラシテ回付致シ
  マシタ修正ニハ、吾々ハ同意ヲ表スル者デ
  アリマス、ソレハ自作農竝ニ肥料管理ニ關
  スル所ノ此法律案ガ、會期切迫ノ爲ニ審議
  未了ニナルト云フヤウナ場合ニナッテ居リ
  マスカラ、今日ノ場合洵ニ已ムヲ得ザルコ
  トヽ私ハ信ズルノデアリマス

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• 189・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　高田耘平君
  〔高田耘平君登壇〕

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• 190・高田耘平

  ○高田耘平君　極メテ簡單ニ貴族院修正ニ
  同意ノ意見ヲ申上ゲヤウト思ヒマス、只今
  政友會ヲ代表シテ秦豐助君ヨリ修正案ニ御
  同意ノ意味ノ御話ガアリマシタガ、遺憾ナ
  ガラ其意味ハ明瞭致シマセヌデシタ、但シ
  是ハ已ムヲ得ナイデアラウト私ハ思ヒマ
  ス、肥料管理及自作農維持創定ト云此二
  ツノ問題ハ、現內閣ガ農村振興ノ二大政策
  トシテ、内閣組織以來非常ニ大袈裟ニ世間
  ニ宣傳サレタルモノデアリマス、故ニ吾々
  ハ政友會ノ二大政策トシテ、御標榜ニナル
  以上ハ、モウ少シ徹底的ニ眞ニ農家ノ利益
  ヲ圖リ得ル立派ナル案ヲ御提出ニナルモノ
  デアルト信ジテ居リマシタ、若シ眞ニ農村
  ノ利益幸福ヲ增進スル意味ニ於テノ御提案
  デゴザイマシタナラバ、私ハ農村振興ノ爲
  ニ喜ンデ之ニ同意スルニ吝ナラザル者デゴ
  ザイマス、然ルニ此案ノ御提案ガ、政府ニ
  於テ其時機ヲ失シタト私ハ思ヒマス要ス
  ルニ是ハ、農林當局ガ非常ニ事功ヲ舉グル
  ニ急デアリマシタケレドモ、閣僚ノ多クノ
  者ハ、大體ニ於テ內心之ニ御同意ニナラナ
  カッタ結果デアルト私ハ思フノデアリマス
  (拍手)若夫レ、眞ニ現内閣ノ二大政策デア
  リマシタナラバ、何故ニ政府ハ開會劈頭ニ、
  此二大法案ヲ御出シニナラナカッタノデゴ
  〃ザイマスカ(拍手)加之御提案ニハナリマシ
  タケレドモ時機ヲ遲レテ御提案ニナリマ
  シタガ、選擧區制ヲ改正スルト一云フ時代逆
  行ノ案ヲ急ニ御提案ニナリマシタ(拍手)之
  ガ爲ニ肥料管理案ニ付キマシテハ、約一週
  間モ本院ニ於テ討議ヲ遲延セシメタト云フ
  事柄ハ要スルニ是レ貴族院ニ於テ審議未
  了ニ終ル原因ヲ成シタモノデゴザイマシテ、
  政府ソレ自身ガ此兩案ノ通過ニ付テノ信念
  ヲ缺イタ結果デアルト私ハ思フノデゴザイ
  マス(拍手)吾々ハ此兩案共、殊ニ肥料管理
  案ノ如キモノニ付キマシテハ、其内容ガ甚
  ダ不徹底デゴザイマシテ、國庫ニ損害ヲ及
  ボスコトハ極メテ明白デアリマス、而シテ政
  府ハ常識的ニ、安キ肥料ヲ農民ニ此方法ニ
  依テ供給シ得ルト稱シナガラ、本會議ニ於
  テモ、委員會ニ於テモ、如何ナル方面ヨリ吾
  吾ガ進メテ行ッテモ、決シテ今日ノ商賣人ガ
  農家ニ供給スルヨリモ、安ク一般農家ニ肥
  料ヲ供給スルト云フコトニ付テ、具體的ノ御
  答ガ出來ナカッタノデゴザイマス(拍手)卽
  チ此肥料管理案ニ依テハ、到底農民ニ對シテ
  安キ肥料ヲ供給シ能ハザルノミナラズ臨
  時賣ト云フ暴騰ノ場合ニ於テ、價格ノ調節
  ヲ圖ルト云フ其爲ニハ、商賣人ガ却テ脅威
  ヲ感ジ、仕入品ノ買控ヘヲ爲ス、ソレガ爲
  ニ却テ配給ノ圓滑ヲ缺キ、尙ホ價格ノ不安
  定ヲ來スコトハ、極メテ明ナル事實デゴザ
  イマス(拍手)吾々ハソレ等ノ理由ニ依テ管
  理法案ニ付テ、或ハ之ニ附隨スル豫算ニ付
  テ、反對シタノデゴザイマス、但シ私ハ此
  際誤解ノナイヤウニ申上ゲテ置カナケレバ
  ナラヌ事柄ハ、吾々ハ農民ニ對シテ、成ベ
  ク安キ肥料ヲ供給スルト云フ事柄ハ、極メ
  テ結構ノコトデアリマシテ、一日モ早ク執
  ラナケレバナラヌ手段デアルト存ジマス、
  然ラバ如何ニスレバ宜シイカ、吾々ノ固ク
  信ズル所ニ依レバ地方ノ產業組合ヲシ
  テ、全國購買聯合組合ヲ通ジテ、或ハ又直
  接ニ輸入商或ハ硫安ノ製造會社ヨリ直接ニ
  取引ヲセシムルノ方法ヲ、全國購買聯合組
  合ヲ通ジテ、或ハ其斡旋ニ依テ或ハ又政府
  ガ農林省ニ其意味ニ於テノ官吏ヲ設ケ、而
  シテ直取引ヲセシムルコトニ依テ、政府ハ
  何等國庫ニ損失ヲ來スノ虞ナキノミナラ
  ズ、政府ガ自分ガ買入レテ產業組合ニ賣ル
  ヨリモ、モット安キ肥料ヲ直接ニ供給シ得ル
  ト云フコトハ是ハ事理極メテ明白ナコト
  デアルト私ハ信ジマス、故ニ吾々ハ不徹底
  ナル管理案ニ反對シ、無論此豫算ニ反對
  シ、卽チ貴族院ノ修正ニ同意スルト同時
  ニ、將來農家ヲシテ安キ肥料ヲ消費セシム
  ル爲ニハ只今申上ゲマシタ通リ、產業組
  合ヲシテ直接ニ製造會社及輸入商ヨリ買ハ
  シムルト云フコトニ依テ、完全ニ其目的ヲ
  達スルト云フコトヲ、玆ニ言明シテ置タ次
  第デゴザイマス、第二ハ自作農ノ維持創
  定ノ案ノ豫算ノコトデゴザイマス、是モ御
  承知ノ通リ、吾々ハ反對シタノデゴザイマ
  ス、併ナガラ吾々ノ反對致シマシタ所以ハ、
  自作農維持創定ノ仕事其モノニハ、無論
  同意スルノデゴザイマス、故ニ前內閣時代
  ニ於テ、御承知ノ通リ相當ノ案ヲ立テヽ
  之ニ著手シテ居ル次第デゴザイマス、吾々
  ハ若シ政府ガ今度ノ議會ニ於テモ、吾々ノ
  內閣ノ時代、卽チ前內閣時代ニ於テ、實行
  シタル通リ、成ベク償還ノ期限ヲ短クシテ、
  成ベク利子ヲ少クシテ、尠クトモ三分五厘
  程度ニシテ、サウシテ政府ガ案ヲ作シテ御出
  シニナレバ、全然御同意申上ゲタイト思ッテ
  居ッタノデゴザイマス、然ルニ政府ハ要ラザ
  ル特別會計ヲ設ケ、何等特別會計ノ必要ナ
  キニモ拘ラズ、故ラニ特別會計ヲ設ケタノ
  デゴザイマス、何故特別會計ノ必要ガナイ
  カト言ヘバ、三千万圓ノ預金部ノ貸付金ハ、
  三十五箇年間ニ亙シテ公債ヲ發行セズトモ、
  必ズ繼續的ニ之ヲ貸付ケ得ルコトハ是ハ
  大藏大臣ガ委員會ニ於テ確ニ聲明シタ所デ
  ゴザイマス、既ニ大藏大臣ガ御聲明ニナリ
  マシタ以上ニハ、玆ニ公債發行ト云フ必要
  ハ全然アリマセヌ、公債發行ノ必要ガナケ
  レバ玆ニ特別會計ヲ設クル理由モゴザイ
  マセヌ、卽チ要ラザル特別會計ヲ設ケ、之
  ニ依テ無益ノ費用ヲ要スルト云フコトガ、
  第一ノ缺點ト存ジマス、第二ニハ四分八厘
  デ政府ガ預金部ヨリ借入レテ、小農ニ對ス
  ル貸付ハ五分デアル、其間ニ二厘ノ利鞘ヲ
  儲ケルト云フコトガ、私ハ甚ダ宜シクナイ
  コトデアルト思フノデゴザイマス(拍手)卽
  チ一方ニ於テハ、簡易生命保險ノ貸付ニ依
  テ、自作農タルモノハ二十五箇年ノ償還期
  限デ、年三分五厘デ其目的ヲ達スル、而シ
  テ政府ノ今度ノ計畫ニ依ル貸付ハ年五分ノ
  利子ニシテ、而シテ三十五箇年ノ長キ期間
  ヲ要スルト云フ極メテ不公平ナル結果ヲ來
  スノデゴザイマス(拍手)
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=190

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• 191・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜ニ願ヒマス-靜
  ニ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=191

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• 192・高田耘平

  ○高田耘平君(續)　更ニ今回ノ計畫ノ重大
  缺點ト見ルベキモノハ
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=192

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• 193・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ-靜肅ニ願
  ヒマス-靜ニ願ヒマス、色と支障ガ起レ
  バ段々ト演說ハ長クナリマス、靜ニドウゾ
  御聽取ヲ願ヒマス

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• 194・高田耘平

  ○高田耘平君(續)　重大ナル缺點ハ自作農
  創定ニ重キヲ置イテ、維持ト云フ名前ガア
  ルガ、其創定シタルモノヲ維持スルト云フ
  意味デアリマシテ、殆ド維持ト云フコトニ
  付テ、本案ノ計畫ハ重キヲ置カナイノデゴ
  ザイマス、吾々ハ創設モ必要デゴザイマス
  ガ、創設ヨリモ寧ロ將來ハ維持ニ重キヲ置
  クト云フコトガ、極メテ適當ナル方法デア
  ルト信ジテ居ル次第デゴザイマス(拍手)之
  ヲ要スルニ、此政府ノ計畫ヲ實行致シマス
  レバ一方ハ三分五厘、一方ハ五分、方
  ハ二十五箇年、一方ハ三十五箇年、斯樣ニ
  不公平ナ政策ガ殊ニ小作農階級ニ對シテ行
  ハレルニ至ッテハ、私ハ國家ノ爲ニ洵ニ憂フ
  ベキ現象ヲ呈スルト固ク信ズル次第デゴザ
  イマス(拍手)斯樣ナ理由ニ依テ、吾々ハ自
  作農維持創定ノ特別會計法及豫算ニ反對シ
  タノデゴザイマス、併ナガラ呉々モ申シマ
  ス、今日ニテモ政府ガ其非ヲ悟ッテ、其不公
  平デ惡イコトヲ悟ッテ、今デモ三分五厘ノ案
  ヲ御出シニナレバ、今日直ニ御同意申上ゲ
  ルト云フコトヲ玆ニ申上ゲル次第デゴザイ
  マス(拍手)卽チ吾々ハ肥料管理案ニ反對ス
  ルヒ、自策ナキニアラズ、國ノ經費ヲ要セ
  ズニ、安キ肥料ヲ農民ニ供給スル方法ガア
  ル、自作農創定維持ニ付テハ、今囘ノ提案
  ニハ反對スルトモ、三分五厘ノ科子ヲ以テ
  二十五箇年ノ償還期限ニ依テ、將來此計畫
  ヲ持續スルモノデアルト云フコトヲ言明シ
  テ置ク次第デアリマス(拍手)私ハ此重大問
  題ハ政府ノ農村振興ニ關スル所ノ重要ナル
  政策トシテ標榜サレタモノデアルカラシ
  テ、マサカニ全然政友會ガ此修正案ニ御同
  意ナサルヤウナコトハナイト思ッテ居リマ
  シタ所ガ(「仕方ガナイヂヤナイカ」ト呼フ
  者アリ)仕方ガナイノデゴザイマセウガ、
  其厚顏ナルコトハ洵ニ驚クモノデゴザイマ
  ス(拍手)私ハ此意味ニ於キマシテ、貴族院
  ノ修正ニ喜ンデ同意致シマス、農村振興ノ
  爲ニ同意致シマス
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=194

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• 195・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜ニ願ヒマス-靜
  ニ願ヒマス、外ニ發言ノ通告ハアリマセヌ
  カラ討論ヲ終局致シマシタ、採決ヲ致シマ
  ス、貴族院ノ修正ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ求
  メマス
  〔賛成者起立〕

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• 196・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　起立多數デアリマ
  ス、仍テ貴族院ノ修正ニ同意スルコトニ決
  シマシタ(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=196

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• 197・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　議事日程變更ノ緊急動議ヲ
  提出致シマス、卽チ此際日程ヲ變更シ、北
  海道鐵道敷設速成ニ關スル建議案、上野我
  孫子間電車速成ニ關スル建議案、廣島市ニ
  鐵道局設置ニ關スル建議案、吉松八代間鐵
  道電化促進ニ關スル建議案、北海道漁港修
  築速成ニ關スル建議案、滋賀縣ニ國立淡水
  養魚試驗場設置ニ關スル建議案、廣島市ニ
  貯金支局設置ニ關スル建議案、大分縣野上
  村ニ區裁判所出張所設置ニ關スル建議案外
  五件ノ十三案ヲ一括シテ議題ト爲シ、委員
  長ノ報告ヲ求メ、其審議ヲ進メラレンコト
  ヲ望ミマス
  〔「贊成」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=197

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• 198・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御異議
  ナイト認メマス、仍テ日程ハ變更セラレマ
  シタ、北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議案
  外十二件ヲ一括シテ議題ト爲シ委員長ノ報
  告ヲ求メマス、委員長崎山武夫君
  第十四北海道鐵道敷設速成ニ關スル
  建議案(木下成太郞君外九名提出)
  (委員長報告)
  第十五上野我孫子間電車速成ニ關ス
  ル建議案(川島正次郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  第十六廣島市ニ鐵道局設置ニ關スル
  建議案(岸田正記君外三名提出)
  (委員長報告)
  第十七吉松八代間鐵道電化促進ニ關
  スル建議案(松野鶴平君提出)
  (委員長報告)
  第十八北海道漁港修築速成ニ關スル
  建議案(木下成太郞君外九名提出)
  (委員長報告)
  第十九滋賀縣ニ國立淡水養魚試驗場
  設置ニ關スル建議案(富田八郞君外
  二名提出)(委員長報告)
  第二十廣島市ニ貯金支局設置ニ關ス
  ル建議案(岸田正記君外三名提出)
  (委員長報告)
  第二十一大分懸野上村ニ區裁判所出
  張所設置ニ關スル建議案(金光庸夫
  君提出)(委員長報告)
  第二十二琵琶湖ヲ中心トスル國立公
  園設定ニ關スル建議案(〓水銀藏君
  外二名提出)(委員長報告)
  第二十三六甲山ヲ中心トスル國立公
  園設定ニ關スル建議案(蔭山貞吉君
  提出)(委員長報告)
  第二十四尾張戶神社昇格ニ關スル建
  議案(丹下茂十郞君提出)(委員長報告)
  第二十五皇漢醫學ニ關スル建議案
  (高橋熊次郞君外一名提出)
  (委員長報告)
  第二十六山梨縣鹽山ニ區裁判所設置ニ
  關スル建議案(田邊七六君提出)
  (委員長報告)
  報告書
  一北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議案
  (木下成太郞君外九名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一上野我孫子間電車速成ニ關スル建議案
  (川島正次郞君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一廣島市ニ鐵道局設置ニ關スル建議案
  (岸田正記君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一吉松八代間鐵道電化促進ニ關スル建議
  案(松野鶴平君提出)
  右ハ本院ニ於テ深見〓君提出吉松八代間
  鐵道電化ニ關スル建案議決ノ結果議決
  ヲ要セサルモノト議決致候此段及報告候
  也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一北海道漁港修築速成ニ關スル建議案
  (木下成太郎君外九名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一滋賀縣ニ國立淡水養魚試驗場設置ニ關
  スル建議案(富田八郞君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一廣島市ニ貯金支局設置ニ關スル建議案
  (岸田正記君外三名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報〓候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一大分縣野上村ニ區裁判所出張所設置ニ
  關スル建議案(金光庸夫君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  -琵琶湖ヲ中心トスル國立公園設定ニ關
  スル建議案(〓水銀藏君外二名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一六甲山ヲ中心トスル國立公園設定ニ關
  スル建議案(蔭山貞吉君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一尾張戶神社昇格ニ關スル建議案(丹下
  茂十郞君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一皇漢醫學ニ關スル建議案(高橋熊次郞
  君外一名提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  報告書
  一山梨縣鹽山ニ區裁判所設置ニ關スル建
  議案(田邊七六君提出)
  右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長匹田銳吉
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔崎山武夫君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=198

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• 199・崎山武夫

  ○崎山武夫君　本日新ニ日程第十四北海道
  鐵道敷設速成ニ關スル建議案外十二件ノ議
  案ガ議題トナリマシタガ、右ノ中第十七吉
  松八代間鐵道電化促進ニ關スル建議案ハ先
  ニ本會議ニ於テ議決サレタノデアリマスカ
  ラ、是ハ不用ト認メマシテ、是ハ議題ト致
  シマセヌデシタ、其他ハ委員全部ノ賛成ヲ
  得マシテ可決サレタノデアリマス、右報告
  致シマス
  〔「贊成」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=199

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• 200・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　右十三案ヲ一括シテ
  採決ヲ致シマス、十三案ノ委員長報告ニ贊
  成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
  〔贊成者起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=200

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• 201・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　起立多數、何レモ委
  員長ノ報告通リ可決確定致シマシタ

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=201

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• 202・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　日程變更ノ緊急動議ヲ提出
  致シマス、卽チ此際日程ヲ變更シ、水久保
  君提出酒造稅法中改正法律案ヲ議題トナ
  シ、委員長ノ報告ヲ求メ其審議ヲ進メラレ
  ンコトヲ望ミマス
  〔「賛成」「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=202

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• 203・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御異議
  ナシト認メマス、仍テ日程ハ變更セラレマ
  シタ、酒造稅法中改正法律案ノ第一讀會ノ
  續ヲ開キマス-委員長ノ報告ヲ求メマ
  ス、委員長高橋熊次郞君
  酒造稅法中改正法律案(水久保甚作君
  提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
  報告書
  一酒造稅法中改正法律案(水久保甚作君
  提出)
  右ハ本院ニ於テ否決スヘキモノト議決致
  候此段及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  委員長高橋熊次郞
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔高橋熊次郞君登壇〕

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• 204・高橋熊次郎

  ○高橋熊次郞君　此委員會ニ付テ報告致シ
  マスルノハ本議會ニ於ケル最終ノ委員會
  デアリマシテ、掉尾ノ雨フヲシテ熱心ニ委員
  諸君ガ審議ヲ盡サレタ事柄デアリマス、而
  シテ其結果ニ於テハ民政黨ノ諸君モ、政
  友會ノ諸君モ、新黨倶樂部ノ諸君モ、各派
  一致デ終末ヲ告ゲタノデアリマスルカラ、
  其意味ニ於テ暫時ノ間御幸抱ヲ願ヒマス、
  特ニ森保君ニ敬意ヲ表シテ置キマス、而シ
  テ是ハ御承知置ノ通リニ、濁酒ソレカラ甘
  藷燒酎、卽チ「濁リ酒」ト「甘諸燒酎」ニ關ス
  ル稅率ノ輕減ヲ目的トスル法律ノ改正案デ
  アルノデアリマス、隨テ下層ノ消費階級ニ
  同情アル者、殊ニ農民ニ同情アル人ハ、此
  場合靜肅ヲ保タルベキコトダト思フノデア
  リマス、苟モ之ヲ阻止スル者ハ全然農民ヤ
  下層階級ノ消費者ヲ裏切ル者デアリ、何等
  是等ニ同情ヲ持タナイ者デアルト認メラル
  ルト云フコトヲ、豫メ諸君ハ御承知置ヲ願
  ヒタイト思フノデアリマス、而シテ此濁酒
  ニ付キマシテハ、從來モ論議ガアッタノデア
  リマス、而シテ曩ノ稅制ノ改正ニ當リマシ
  テハ、大ニ是ハ論議サレタノデアリマスル
  ガ、少數デ是ハ問題ニナラナカッタガ、今
  回水久保君提出ノ改正案ニ依リマシテ、之
  ヲ輕減セントスルモノデアリマス、然ルニ
  此濁酒竝ニ甘諸燒酎ニ對スル稅率ニ輕減ヲ
  致スト云フコトニナリマスレバ、稅額ニ於
  テ非常ナル減收ヲ來ス虞ガアル、只今財政
  難ノ今日ニ於テ、租稅ノ中デ其大宗デアル
  所ノ酒造稅ノ減收ヲ來スト云フコトハ、財
  政計畫上忍ビ得ザルコトデアルカラト云フ
  ヤウナ意味ヲ以テ、大藏當局ニ於テハ餘リ
  賛成ノヤウナ御意見ガナカッタノデアリマ
  ス、併ナガラ農民ノ負擔ヲ輕減致シ殊ニ農
  業經濟助長ニ至大ノ影響ヲ來サシムルト云
  フコトハ、農村疲弊ノ場合ニ殊ニ必要デア
  ルト云フヤウナ意味カラ致シテ、色ニト議
  員ト政府ノ間ニ質問應答ガアッタノヂアリ
  ママ、而シテ結局委員間ニ於キマシテモ、
  此問題ハ稅ノ收入ニ大ナル關係ガアルノデ
  アリマスカラシテ、議會モ終末ニ近イタ今
  日ニ於テ、是ガ解決ヲ急卽ニ見ルト云フコ
  トノ困難ナル事情ヲ察知スルノデアルカラ、
  希望條項ヲ決議シテ之ヲ一先ヅ否決ヲ致ス
  コトニ諒解ヲ得タノデアリマス、ソレデ希
  望條件ハ斯樣ナモノデアリマス、卽チ希望
  條項、「政府ハ農村竝ニ都市ニ於ケル下層
  階級ノ消費經濟ヲ緩和スルト共ニ、內地米
  ノ消費節約及米以外ノ農作物ノ生產ヲ助長
  スル爲メ濁酒及米以外ノ原料ヲ以テ醸造シ
  タル燒酎ニ對スル稅率ノ輕減ニ關スル法案
  ヲ次期議會ニ提出セラレンコトヲ望ム」此
  希望條項ヲ可決致シマシテ遺憾ナガラ水久
  保君提出ノ酒造稅法中改正法律案ハ委員會
  ニ於テ否決致シタノデアリマス、ドウカ此
  意味ニ於テ、諸君モ此問題ハ將來〓究サレ、
  又農民竝ニ下層下級ノ消費階級ニ滿足ヲ與
  ヘルヤウニ、政府ニモ要望致シ、諸君モ亦
  其心掛デ議會ニ再ビ臨マレンコトヲ-而
  モ是ハ五十一議會ニ於テ若槻內閣ニ於テ大
  增稅ヲ爲シタ跡始末ヲ爲ス意味ニ於テ、民
  政黨ノ諸君ハ特ニ御注意ヲ願ヒタイト云フ
  希望ヲ殘シテ御別レヲ致ス次第デアリマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=204

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• 205・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　採決致シマス
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=205

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• 206・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜〓ニ願ヒマス、本
  案ノ第二讀會ヲ開クヤ否ヤヲ御諮リ致シマ
  ス、委員長ノ報告ハ否決デアリマス、本案
  ノ第二讀會ヲ開クニ賛成ノ諸君ハ起立-
  起立ナシ、仍テ本案ハ第二讀會ヲ開カザル
  コトニ決シマシタ

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• 207・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　此際永井柳太郞君ノ緊急質
  問ヲ上程スル筈デアリマスガ、大臣ガ出席
  デナケレバ本案ヲ上ゲルコトガ出來ナイト
  云フヤウナ關係ガアリマスカラ、暫時此際
  休憩ヲ望ミマス
  〔「贊成」ト呼フ者アリ〕

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• 208・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　御異議ナイト認メマ
  シテ、暫時休憩ヲ致シマス
  午後十時六分休憩
  午後十一時二十九分開議

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• 209・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　休憩前ニ引續イテ會
  議ヲ開キマス
  〔此時發言スル者多シ〕

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• 210・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　一寸御待下サイ-
  暫ク御待下サイ、只今··
  〔此時發言スル者多シ〕

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• 211・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ-只今田中
  內閣總理大臣ヨリ通牒ガ參リマシタ、之ヲ
  朗讀致シマス
  通牒
  本月二十六日貴族院ニ於テ帝國議會閉院
  式執行被仰出候
  〔拍手起ル〕

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• 212・原惣兵衞

  ○原惣兵衞君　日程變更ノ緊急動議ヲ提出
  致シマス、地方鐵道法中改正法律案、貴族
  院囘付案ヲ議題ト爲シ、其審議ヲ進メラレ
  ンコトヲ望ミマス
  〔「贊成」「賛成」ト呼フ者アリ〕

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• 213・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　原君ノ動議ニ御異議
  ナイト認メマス、仍テ日程ハ變更セラレマ
  シタ、地方鐵道法中改正法律案、貴族院回
  付案ヲ議題ト致シマス
  地方鐵道法中改正法律案(政府提出貴
  族院囘付)

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• 214・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　修正ノ箇所ハ印刷シ
  テ配付シテアリマシタガ、印刷ニ誤ガアリ
  マシタカラ、ソレハ取消シマシテ、貴族院
  ヨリ回付セラレタル箇所ヲ朗讀致サセマス
  〔書記官朗讀〕
  地方鐵道法中改正法律案中貴族院囘付ノ
  箇所左ノ如シ
  第三十二條全文ヲ削ル
  第三十三條ヲ第三十二條ニ改メ同條中ノ
  第三十一條ノ規定ヲ前條ノ規定ニ改ム
  第三十三條ノ二ヲ第三十三條ニ改ム
  第三十六條ノ二ヲ第三十六條ノ三トシタ
  ル條中第三十三條ノ規定ヲ第三十二條ノ
  規定ニ改ム
  第三十六條ノ二中第三十三條ノ二ヲ第三
  十三條ニ改ム
  第三十六條ノ五中第三十三條ノ二ヲ第三
  十三條ニ改ム

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• 215・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　通告順ニ依テ發言ヲ
  許シマス-秦豐助君
  〔秦豐助君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=215

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• 216・秦豐助

  ○秦豐助君　只今議題ニナリマシタ貴族院
  カラノ修正案ノ箇處ニ付キマシテハ、此改
  正ノ條項ハ買收鐵道ニ付キマシテ、更ニヨ
  リ良キ改正ヲ加ヘントシタノデアリマス、
  併ナガラ此問題ハ貴族院ニ於テ其必要ナシ
  ト認メラレマシテ削除サレタノデアリマス
  ガ、是ハヨリ良クスルモノヲ、ソレデナク
  テモ宜シイト云フノデゴザイマスカラ、程
  度ノ問題デアリマスノデ、此場合ニ於テ
  吾々ハ之ニ同意ヲ表スル次第デアリマス拍
  き

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• 217・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　〓水德太郞君
  〔〓水德太郞君登壇〕

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• 218・清水徳太郎

  ○〓水德太郞君　吾々ハ秦君ト共ニ本案ノ
  修正ニ賛成スル者デアリマス、唯其理由ハ
  違フノデアリマス、簡單ニ理由ヲ申述ベマ
  ス、本條ノ改正ノ趣旨ハ元ミ地方鐵道ヲ買
  收スルニ當リテ其價格ヲ增ス場合ヲ認メテ
  其恩典ヲ加ヘヤウト云フ規定デアルノデア
  リマス、隨テ此規定ハ地方鐵道改正案ノ骨
  子デアッタノデアリマス(拍手)隨テ之ヲ削
  除サレルコトニ依テ鐵道大臣ノ面目ハ丸潰
  レニナッタノデアリマス(拍手)洵ニ御氣ノ
  毒ニ存ズルノデアリマス、併シ此規定ノ削
  除ハ洵ニ御尤ノモノガアルノデゴザイマス、
  本條ノ規定サレタ所ノ元こノ趣旨ハ、地方
  鐵道ヲ買收スル場合ニ、自發的デナクテ强
  制的ニ買收ヲスル場合ガアル場合ニ於テ、
  洵ニ御氣ノ毒デアルカラ、營業ノ狀況ニ依
  テ普通ノ買收價格ノ百分ノ五以內ヲ加算ス
  ルコトハ出來ルト云フ現定デアルノデアリ
  マス(拍手)併シ此度ノ買收計畫ハ十四線ニ
  亙リマシテ何レモ强制的デナクシテ、殆ド
  總テガ自發的ニドウカ御願致シマス、是非
  御願致シマスト云フヤウナ、色ニナ運動ヲ
  續ケタモノデアル、隨テ普通ノ買收價格デ
  モ十分デアルノデアリマス、是ハ百分ノ五
  以内ノ恩典ヲ加ヘル理由ハ、少シモ認メラ
  レナイノデアリマス、隨テ此度ノ必要以外
  ノ買收價格ヲ決メル必要モナイノデゴザイ
  マスカラ、本員ハ之ヲ削除スルコトニ贊成
  スル者デアリマス、尙ホ此規定ノ提案サレ
  タノハ、私設鐵道ノ買收ガ本院ヲ通過シタ
  後ニ出テ來タノテアリマス(拍手)是ハ頗ル
  不純ナ動機ガアッタモノデアリマス、故ニ其
  黨略カラ吾々ハ此削除ニ賛成スル者デアル
  ノデアリマス、貴族院ニ於キマシテハ、此
  鐵道敷設法ヲ握リ潰シ、鐵道買收ノ十一線ノ
  內六線ヲ削除シ、併セテ本案ヲ削除シタモ
  ノハ卽チ··
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=218

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• 219・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ願ヒマス

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=219

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• 220・清水徳太郎

  ○〓水德太郎君(續)　吾々ハ此意味ニ於テ
  贊成スル者デアリマス(拍手)

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=220

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• 221・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　貴族院ノ修正ニ同意
  ノ諸君ハ起立-採決ヲ致シマス、議長ノ
  宣告ガ能ク徹底シテ居ナイノデ、更ニ宣告
  ヲ致シマス-採決ヲ致シマス、貴族院ノ修
  正ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
  〔賛成者起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=221

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• 222・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　起立多數、貴族院ノ
  修正ニ同意スルコトニ決シマシタ、北海道鐵
  道株式會社所屬鐵道外十三鐵道等買收ノ爲
  公債發行ニ關スル法律案兩院協議會成案ヲ
  議題ト致シマス、兩案協議曾議長ノ報〓ヲ求
  メマス-高橋光威君
  北海道株式會社所屬鐵道外十三鐵道
  等買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
  兩院協議會成案(協議會議長報告)
  報告書
  岩手輕便鐵道株式會社所屬鐵道及同會
  社ノ兼業ニ屬スル索道外七鐵道買收ノ
  爲公債發行ニ關スル法律案
  右別紙ノ通兩院協議會成案成立セリ依テ
  及報告候也
  昭和四年三月二十五日
  兩院協議會議長高橋光威
  衆議院議長川原茂輔殿
  〔別紙〕
  岩手輕便鐵道株式會社所屬鐵道及同會社
  ノ兼業ニ屬スル索道外七鐵道買收ノ爲公
  債發行ニ關スル法律案兩院協議會成案貴
  族院議決案ノ通トス
  〔高橋光威君登壇〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=222

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• 223・高橋光威

  ○高橋光威君　兩院協議會ノ經過竝ニ結果
  ニ付テ御報告申上ダマス、議長ニハ私ガ當
  選致シマシタ、是ヨリ先、衆議院側ニ於テ
  ノ議長ニハ、不肖高橋、副議長ニハ大內暢
  三君、貴族院側ニ於キマシテハ、一條公爵
  ガ議長ニ、松浦伯爵ガ副議長ニ當選セラレ
  タノデアリマス、而シテ、私ト一條議長ト
  ノ抽籤ノ結果、私ガ協議會ノ議長ニ當選シ
  タノデアリマス、斯樣ニシテ、議事ヲ開キ
  マシタガ、此場合衆議院側ヨリ互讓ノ精神
  ヲ以テ、六線削除セラレタ中、三線復活ヲ
  要求シタノデゴザイマス、所ガ貴族院側ニ
  於テハ、絕對ニ之ニ反對セラレマシタ、結
  局採決ノ結果、貴族院ノ修正案ニ反對ノ者
  ガ九人、貴族院ノ修正案維持ノ者ガ十人、
  斯樣ニシテ衆議院ノ反對說ガ破レマシタ、
  貴族院ノ修正案ガ多數ヲ以テ可決セラレタ
  譯デアリマス、此段御報告申上ゲマス拍
  き
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=223

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• 224・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ願ヒマス-
  採決ヲ致シマス-採決ヲ致シマスガ、玆
  ニ松田源治君ヨリ成規ノ賛成ヲ得テ、記名
  投票ヲ以テ可否ヲ決シタイト云フ申出ガア
  リマス、
  〔此時發言スル者多シ〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=224

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• 225・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ願ヒマス-
  靜肅ニ願ヒマス、記名投票ノ要求ガアリマ
  スケレドモ、最早時間ガ十五分デ以テ十二
  時ニナリマスカラ、卽チ採決ハ起立デヤリ
  タイト思ヒマス
  〔「採決」「採決」ト呼ヒ其他發言スル者
  多ク議場騒然〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=225

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• 226・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　靜肅ニ願ヒマス-
  兩院協議會議長ノ報告ニ對シテ、松田源治君
  ヨリ定規ノ賛成ヲ得テ、記名投票ヲ以テ採
  決スベシトノ要求ガアリマス、ケレドモ時
  間ガゴザイマセヌカラ、起立ニ依リタイト
  思ヒマス
  〔此時發言スル者多ク議場騒然〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=226

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• 227・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　只今宣告致シマシタ
  通リ時間ガアリマセヌカラ、卽チ起立ヲ
  以テ採決致シマス
  〔「計論」「討論」「記名投票ノ要求ガアル
  ヂヤアリマセヌカ」ト呼ヒ其他發言ス
  ル者多ク議場騒然〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=227

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• 228・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　只今···(此時發言
  スル者多ク議場騒然聽取スル能ハス)靜肅
  ニ願ヒマス、-只今宣告致シマシタ通
  リ··(此時發言スル者多ク議場騒然)静肅
  ニ願ヒマス-只今宣告致シマシタガ、記
  名投票ヲ致セバ最早時間ガアリマセヌカ
  ラ卽チ記名投票ヲ致シマセヌデ、起立ヲ
  以テ採決致シタイト思ヒマス
  〔此時發言スル者多ク議場騒然〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=228

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• 229・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　只今ノ兩院協議會議
  長ノ報告ニ賛成ノ方ハ起立
  〔賛成者起立〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=229

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• 230・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　少數ト認メマス
  〔「異議アリ」「異議アリ」」ト呼ヒ其他發
  言スル者多ク議場騒然〕

  発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005613242X04119290325&spkNum=230

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• 231・川原茂輔

  ○議長(川原茂輔君)　異議ノ申立ガゴザイ
  マスカラ、記名投票ヲ以テ採決スル筈デゴ
  ザイマスガ、最早十二時迄ニ十五分シカ時
  間ガアリマセヌ、故ニ已ムヲ得ズ本案ノ議
  事ヲ中止致シマス-諸君、第五十六回帝
  國議會ハ本日ヲ以テ會期終了致シマシタ、
  今期議會ニ於キマシテ、政府ヨリ提出セラ
  レマシタ議案ハ豫算案十二件、承諾案二
  十五件、法律案九十件デアリマシテ、全部
  之ニ協賛ヲ與ヘマシタ、議員ヨリ提出セラ
  レタル法律案、上奏案、建議案ハ四百四十
  件デアリマス、此外決議案、重要動議、質
  問及請願ガ多數ゴザイマシテ、過去數年中
  最モ多忙ナル議會デゴザイマシタ、爲ニ本
  會議ヲ開クコト實ニ四十一囘、委員會及部會
  ヲ開クコト四百四十八囘、兩院協議會ヲ開
  キタルコト一囘デアリマシタ、殊ニ三月九
  日、以來、殆ド連日本會議ヲ開イタノデア
  リマス、斯ノ如キハ議會開設以來未會有ノ
  コトニ屬シマス、然ルニ諸君ニ於カセラレ
  テハ、日夜御精勵此多數ノ議案ヲ〓ネ議了
  致サレマシタ、私ハ玆ニ諸君ノ御勞劬ニ對
  シテ深ク感謝致シマス、尙ホ議案ノ總數及
  經過ニ付キマシテハ、速記錄ニ依テ報告致
  シマス、是ニテ散會致シマス
  〔拍手起ル〕
  午後十一時五十二分散會
  〔左ノ報〓ハ朗讀ヲ經サルモ参照ノ爲
  玆ニ揭載ス〕
  一今二十五日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係
  ル左ノ政府提出案ヲ可決シタル旨同院ヨ
  リ通牒ヲ受領セリ
  (第一號)昭和四年度歲入歲出總豫算追加
  案
  (特第一號)昭和四年度特別會計歲入歳出
  豫算追加案
  (第三號)昭和四年度歳入歲出總豫算追加
  案
  (特第三號)昭和四年度各特別會計歳入歲
  出豫算追加案
  (追第二號)豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
  契約ヲ爲スヲ要スル件
  大正十四年法律第五十一號中改正法律案
  昭和二年及三年ニ於ケル支那事件ニ關ス
  ル一時賜金トシテ交付スル公債發行ニ關
  スル法律案
  軌道法中改正法律案
  非訟事件手續法中改正法律案
  米穀需給調節特別會計法中改正法律案
  (追第一號)豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
  契約ヲ爲スヲ要スル件(一般會計農林省
  所管自作農創設維持補助金ノ件)
  又同日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係ル左ノ
  致府提出案ヲ否決シタル旨同院ヨリ通牒ヲ
  受領セリ
  (特第二號)昭和四年度各特別會計歲入歲
  出豫算追加案
  (追第一號)豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
  契約ヲ爲スヲ要スル件(特別會計農林省
  所管肥料管理ノ件)
  又同日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係ル左ノ
  議案ニ對シ第二讀會ヲ開カサルコトヲ議決
  シタル旨同院ヨリ通牒ヲ受領セリ
  六大都市ニ關スル法律案(本院提出)
  一今二十五日貴族院ヨリ回付アリタル議案
  左ノ如シ
  府縣制中改正法律案(政府提出)
  市制中改正法律案(政府提出)
  町村制中改正法律案(政府提出)
  北海道會法中改正法律案(政府提出)
  北海道地方費法中改正法律案(政府提出)
  北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十三鐵道
  等買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案(政
  府提出)
  地方鐵道法中改正法律案(政府提出)
  (第二號)昭和四年度歳入歲出總豫算追加
  案
  一議員ヨリ提出シタル質問主意書左ノ如シ
  人造絹絲ト天然絹絲ニ關スル第三回質問
  主意書
  提出者山邊常重君
  小運送業者ノ待遇ニ關スル第三回質問主
  意書
  提出者山邊常重君
  (以上三月二十五日提出)
  一今二十五日ニ於ケル特別委員ノ異動左ノ
  如シ
  澁川長野原間鐵道速成ニ關スル建議案外
  八十件委員
  辭任佐竹直太郞君補闕平井信四郞君
  辭任坂井大輔君補闕丹下茂十郞君
  人造絹絲ト天然絹絲ニ關スル第三囘質問
  主意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十五日
  提出者山邊常重
  人造絹絲ト天然絹絲ニ關スル第三回質
  問主意書
  本問題ハ實ニ政黨政派ヲ超越セル國家ノ
  大問題デアリマス政府ノ答辯ニ依レバ人
  造絹絲ハ專ラ生絲ノ價格ニ影響スト雖
  需要數量ガ今日迄漸增ノ傾向ヲ持續セル
  ガ故ニ生絲ノ需要領域ヲ侵蝕サレナイト
  申サレテ居ラレマスガ私ハ決シテサウデ
  ナイト思フノデアリマス
  今統計ノ示ス所ニ依リマスト米國ニ於ケ
  ル人造絹絲ノ消費高ハ大正七年ニハ五百
  九十二萬一千封度デアリマシタノガ昭和
  二年ニハ九千百二十一萬一千封度デアリ
  マシテ實ニ約十六倍ノ增加率ヲ示シテ居
  リマス又米國ニ於ケル生絲ノ消費高ハ大
  正七年ニハ三千二百八十六萬五千封度デ
  アリマシタノガ昭和二年ニハ七千四百萬
  五千封度デアリマスルガ故ニ約二倍强ノ
  曾加ニ過ギヌ
  又日本ニ於ケル人造絹絲ノ消費高ハ大正
  七年ニハ僅ニ十七萬七千二百六十封度デ
  アリマシタノガ昭和二年ニハ實ニ千百二
  十九萬九千五百七十封度デアリマス其ノ
  增加率ノ步合ハ驚ク勿レ六十三倍强デア
  リマス
  而シテ其價格點ヨリ見マスルニ日本帝人
  B格ハ五十「デニール」一封度ノ相場ハ現在
  二圓十八錢見當デアリマス又米國「ビス
  コース」B格ハ一封度ノ相場ハ現在一弗
  四十仙位ヂアリマス故ニ其ノ差ハ僅デア
  リマス
  又生絲ハ十四中一封度ノ現在ノ相場ハ五
  弗見當デアリマス十四中ト申シマスルト
  繭五粒ヲ以テ一筋ノ絲ヲ繰ルノデアリマス
  故ニ價格ノ點カラハ生絲ハ到底人造絹絲
  ト競爭スルコトハ不可能デアリマス
  又本邦ノ生絲輸出金額ノ上カラ見マシテ
  モ昭和元年ニハ七億五千百六十餘萬圓デ
  アリマスガ昭和三年度ニハ輸出ノ數量ハ
  增加シテ居リマスガ金額ハ七億二千三百
  餘萬圓デアリマシテ約三千萬圓程ノ減額
  デアリマス
  以上ノ諸點ヲ綜合シテ考ヘマスルト皆之
  レ人造絹絲ノ爲ニ直接又ハ間接ニ天然絹
  絲ガ如何ニ壓迫サレツツアルカト謂フコト
  ガ明カデアリマス嘗テハ外國婦人ノ下著
  ニ絹織物ヲ用ヰル傾向ヲ呈シマシテ餘程
  生絲ノ用途ガ擴張サレタコトモアリマシ
  タガ價格ガ餘リニ高過ギル爲ニ今日デハ
  殆ド人絹ニナツタノデアリマス
  此ノ如キ傾向デアリマスルガ故ニ天然絹
  絲ハ識ラス知ラスノ間ニ人絹ノ爲ニ需要
  領域ノ上ニ又其ノ價格ノ上ニ於テ非常ナ
  ル壓迫ヲ受ケツツアルノデアリマス然ル
  ニ政府ハ生絲品質ノ改良生產費ノ遞減等
  ニ依リテ之ヲ補ハント申サレテ居リマス
  ガ旣ニ繭、絲共ニ改善ヲ加ヘラレテ居リ
  マスル結果今日ヨリ以上ニ之ヲ改良スル
  コトハ中々容易ナコトデハナイト思フノ
  デアリマス又政府ハ桑園ノ改良、飼育法
  ノ改善又ハ蠶絲業法ノ改正或ハ絲價安定
  補償法若クハ乾繭倉庫等ニ重キヲ置カレ
  テ居ラレル樣デアリマスガ其レ位ノ施設
  及方策位デハ到底人造絹絲ニ對抗スルコ
  トガ出來得ナイト思フノデアリマス若シ
  對抗出來得ナイトスレバ五十七萬餘町步
  ノ桑園ト二百萬戶ノ養蠶家ト四十二萬八
  千釜ヲ有スル二萬五千五百戶ノ製絲家ノ
  將來ヲ如何ニスルカト謂フ結論ニナルノ
  デアリマス
  サナキダニ生絲ノ下落ハ繭ノ下落ト爲リ
  繭ノ下落ハ米價ノ下落ヲ助長スル一因ト
  爲ルノデアリマス今日ノ農村ハ實ニ疲弊
  困憊ノ極ニ達シテ居リマス農民ノ心理狀
  態ハ自己ガ生キル爲ニハ何事デモ敢テ爲
  サントスル實ニ寒心スベキ現狀ニアルノ
  デアリマス
  聞ク所ニ依リマスレバ或貧弱町村ノ如キ
  ハ通學兒童ガ晝食スルコトガ出來ナイデ
  他ノ兒童ノ前ヲ繕フ爲ニ空ノ辨當箱ヲ持
  チテ登校スル兒童ガアルト聞キ及ビマス
  實ニ悲慘ノ極デアリマス而モ其ノ大原因
  ハ種々アリマセウケレドモ重ニ絲價下落
  米價ノ下落デアリマス政府ハ蠶絲委員會
  ノ審議ニ依リ其ノ成案ニ依リテ種々實行
  ニ努力スルト申サシテ居リマスガ其ノ案
  ノ多クハ只生絲其ノモノノ改善改良ニ過
  ギズシテ如何ニスレバ此ノ恐ルベキ强敵
  タル人造絹絲ニ對抗シ得ルカト謂フ卽チ
  將來ノ大方策ヲ考慮セラレテ居ラレルカ
  ドウカ政府ノ所見ヲ伺ヒタイノデアリマ
  ス
  右及質問候也
  小運送業者ノ待遇改善ニ關スル質問主
  意書
  右成規ニ據リ提出候也
  昭和四年三月二十五日
  提出者山邊常重
  小運送業者ノ待遇改善ニ關スル第三回
  質問主意書
  小運送業者ハ鐵道ト等シク交通經濟上重
  大ナル使命ヲ有スルモノデ鐵道貨物收入
  一箇年二億萬圓ニ對シ小運送賃銀ハ一箇
  年三億萬圓ノ多額ニ達シ國民生活ノ上ニ
  日常大ナル關係ガアルノデアリマス然ル
  ニ鐵道省ハ此ノ重大ナル小運送業ニ對シ
  テ極度ノ差別待遇ヲ敢行シテ運輸ノ圓滿
  ヲ缺キツヽアリマス曩ニ本員ヨリ之レガ
  質問書ヲ政府ニ提出致シマシタガ其ノ答
  辯書ヲ見ルニ誠意ノ認ムベキモノガナイ
  カラ更ニ質問スル次第デアリマス
  三月十八日付政府答辯書ニ依レバ鐵道省
  ハ差別扱ノ口實トシテ資力信用アルモノ
  ヲ考慮シ鐵道作業上ノ利便ニ基キ處理ス
  ルト謂フモ資力信用ノ程度ヲ而ス何物モ
  ナイノデアル
  資力信用ヲ標準トスルナラバ其ノ標準程
  度ヲ示サレタイガ法規命令ノ上其ノ他ニ
  於テモ何等其ノ根據ナキノミナラズ只獨
  占セシムル爲メノ便宜上ニ出テタルモノ
  多クシテ實際作業上ノ點カラ見ルト何等
  ノ利便ナキノミナラズ寧ロ作業上ノ不便
  不利ヲ忍ビテ迄モ處理ナシ居ルモノデ事
  務上ノ細別ニ就テ述ベルナラバ澤山アル
  ガ之レハ漸ヲ逐フテ述ベタイ而シテ鐵道
  省ハ大正八九年公認制度實施以來ノ取扱
  方法ナリト曲辯シテ差別扱ヲ爲スガ公認
  制度ニハ一定ノ標準ヲ元シテ其ノ資力信
  用ノ根據ノ基ニ其ノ取扱ヲ爲シタルモノ
  ニシテ指定運送取扱人ノ現制度ハ一般公
  衆ノ利便ニ根據ナク鐵道自己ノ利便ニ基
  キ獨占的一種ノ壓迫ヲ加ヘテ合同ヲ慫慂
  シタル合同運送店ヲ指定運送人ト指定シ
  相次運送ノ受託關係ノ美名ノ下ニ一部業
  者タル指定運送人ノ利益保護ヲ主體トシ
  テ定メタル現制度ナルガ故ニ一般公衆ノ
  利便ト相反シ遂ニ全國商工會議所ガ差別
  扱ノ撤廢ヲ決議シ鐵道省ノ反省ヲ促シ交通
  機關ノ開放ヲ要求スルニ至リタルモノナ
  リサレバ鐵道省ハ何等ノ待遇便益ヲ與ヘ
  不公平ナル取扱ヲ加へズト謂フモ其ノ實
  際上ノ取扱ガ一般公衆ニ不便不利ヲ與フ
  ルノミナラズ經濟上ノ發展ヲ阻害シ鐵道
  作業上其能率ヲ減退セシムルコト多ク其
  ノ實例ヲ擧グレバ
  -判取簿引渡ノ不公平
  指定運送人ニハ貨物判取薄ヲ設ケ印判
  承認ニ依リ引渡ヲ爲スモ非指定運送業
  者ニハ發送地ヨリ來ル甲片ト引換ノ上
  ニ非ザレバ荷物ヲ引渡サズ故ニ現ニ貨
  物ハ到著シ居リナガラ荷主ニ引渡ヲ爲
  ス能ハズ鐵道ノ輸送ハ安全敏活ニシテ
  一般荷主ノ利便ヲ圖ルガ使命タルニ故
  意ニ非指定人ニノミ荷渡ノ不敏活ヲ來
  サシムルガ如キハ甚ダ運輸政策上不公
  平ナル差別扱デアル
  二特別小口扱ノ不公平
  合同非合同又ハ指定非指定ノ區別ナク
  一般公衆ニ此ノ取扱ヲ開放シテ集配料
  金ヲ鐵道省ハ支拂フベキモノデアル然
  ルニ鐵道省ハ現在合同業者ニハ集配料
  トシテ百斤ニ付六大都市ハ二十三錢其
  ノ他ハ二十錢ノ小運送補助金ヲ鐵道省
  ニ於テ仕拂ヒ非合同業者及一般公衆ニ
  ハ全然之ヲ支拂ハズ思フニ鐵道省ハ軌
  上ニ於ケル大輸送機關ニシテ陸上道路
  輸送タル小運送機關トハ自ラ別アリ然
  ルニ鐵道省ハ軌上以外ノ卽チ道路輸送
  ニ對シ指定運送人ノミ集配料ヲ支拂ン
  ハ鐡道運賃ノ低減ニ反シ一般荷主ニ對
  シテ不公平ナル措置タリ荷物ノ輸送ハ
  荷主ヲ本位ニシテ對策ヲ講ゼザルベカ
  ラザルハ謂フ迄モナシ現制度ニ於テハ
  一般公衆ノ利害相反スルモノアリサレ
  バ特別小口扱ヲ開放シ營業獨占ノ弊害
  ヲ除キ一般荷主ノ公平ヲ期スベシ
  尙ホ此ノ扱ニ對シテ鐵道省ハ前記集配
  料金ヲ仕拂フノ外通知書作製料トシテ
  一通ニ付キ二錢宛ヲ交付シ居レリ此ノ
  總額年約三十萬圓ニ達セリ之レモ一般
  荷主ニ對シテ不公平ナル措置ニ付キ合
  同非合同ノ差別ナク一般運送業者ニ仕
  拂フベキモノナルニ指定業者ノミニ制
  限シテ交通機關ノ公道ヲ不自由ナラシ
  ムル不公平デアル
  三後拂契約ヲ指定業者ニノミ制限スルノ
  不公平
  鐵道省ハ合同業者ニハ貨物運賃納金上
  後拂扱ニ於テ公債擔保ヲ認メナガラ非
  合同業者ニハ其ノ資力信用ノ如何ヲ問
  ハズ國家ノ發行スル所ノ公債ヲモ否認
  シテ後拂契約上之レヲ認メザルハ不當
  モ甚ダシキ差別扱デアル
  四貨物取扱ノ迅速ヲ圖ル爲メ運送業者
  ノ記號使用ヲ指定運送人ノミニ認メタ
  ルハ不公平
  鐵道省ハ合同業者ノ荷物託送上其ノ記
  載方ニ於テ記號卽チ10ノ如キヲ認メナ
  ガラ非合同業者ハ之ヲ認メズ住所番地
  氏名等ヲ詳記セシメテ作業上ノ不敏活
  ヲ敢テ行ハシメテ居ルモ運送規則第十
  二條ニ依ル「特ニ定ムル場合」ハ運送業
  者ヲ指稱スルモノナルニ獨リ合同業者
  ノミニ之レヲ許スハ不當ナリ一般荷主
  公衆ノ利便ヲ圖ル上ニ於テ非合同業者
  ニモ記號使用ヲ認ムベキモノヲ强テ差
  別ヲ附スルモノデアル
  五扱數量ノ標準ニ依リ發行スル無償乘
  車證ヲ非指定業者ニ之レヲ許ササルハ
  不公平
  指定運送人ニ對スル無賃乘車證交付規
  程ニ依レバ一箇年五百噸以上送貨ノ者
  ニ對シテハ二枚以上交付サレ居ルモ
  非合同業者ニハ其ノ送貨數量ノ如何ヲ
  問ハズ全然交付セズ同ジ運送業ヲ營ミ
  鐵道輸送ノ荷主ニアリナカラ甚ダシキ
  片手擁護ノ方針タリ一般荷物發送噸數
  ニ依リ合同非合同ノ差別ナク交付スベ
  キモノナルニ强イテ不公平ナル差別扱
  ヲ爲シ居ルモノデアル
  尙ホ鐵道ノ公定料金ト實際取扱料金ナ
  ルモノヲ比較シテ見ルト
  料金比較表
  小口扱公定料金實際取扱料金
  六大都市百斤ニ付
  二十三錢十五錢乃至十八錢
  其ノ他同二十錢六錢乃至十五錢
  卽チ鐵道ノ公定料金其ノモノガ實際取
  扱料金ヨリ高クシテ其ノ高キ料金ヲ以
  テ鐵道省ノ取次ニ依ル貨物ヲ引受クベ
  キ義務アルモノナリト交通上ノ智識經
  驗ヲ有セザル多數一般公衆ヲ籠絡シテ
  表面上鐵道省直營作業ノ必要上生ジタ
  ル請負事業關係ナリト稱シ以上述ブル
  差別扱ヲ爲シツツモ不公平ナル取扱ヲ
  加ヘズト謂ヒ從テ差當リ現在ノ取扱ヲ
  變更スル意思ナシト曲辯スルコトハ獨
  リ經濟上ニ及ボス弊害ノミナラズ公平
  ナリト稱シテ不公平ナル差別扱ヲ繼續
  スル現制度ハ軈テ國民思想ノ上ニ憂フ
  ベキ惡影響ヲ及ボスモノナルコトハ明
  カニシテ之ノ差別扱ハ軈テ思想國難ニ
  導クノミナラズ經濟國難ニ陷ルモノナ
  リト信ズ政府ノ所見ヲ問フ
  右及質問候也
  本會期ニ於ケル議案ノ總數及結果
  豫算案十二件可決
  決算一作是認ス
  國有財產曾減總計算書及國有財產現在額
  總計算書三件是認ス
  承諾ヲ求ムル議案
  二十五件承諾ヲ與フ
  政府提出法律案九十件可決
  議員提出法律案九十一件
  內
  可決シタルモノ二十七件
  否決シタルモノ一件
  議決ヲ要セスト決シタルモノ
  作
  撤回シタルモノ六件
  未決ノモノ五十五件
  上奏案件可決
  建議案三百四十八件
  內
  可決シタルモノ
  三百三十六件
  否決シタルモノ件
  議決ヲ要セスト決シタルモノ
  件
  撤囘シタルモノ九件
  未決ノモノ件
  決議案八件
  內
  可決シタルモノ件
  否決シタルモノ五件
  撤回シタルモノ件
  未決ノモノ件
  重要動議十五件
  內
  可決シタルモノ九件
  否決シタルモノ四件
  撤回シタルモノ祚
  懲罰事犯ノ件四件
  內
  可決シタルモノ三件
  懲罰事犯ニ非スト決シタルモノ
  一件
  囘付案十一件
  內
  同意シタルモノ十件
  同意セザルモノ件
  兩院協議會ノ成案ヲ得タルモ議決ニ
  至ラス
  請願千四十三件
  內
  採擇又ハ採擇ト看做シタルモノ
  七百六十二件
  政府ニ參考トシテ送付シタルモノ
  百七十四件
  不採擇ニ決シタルモノ
  四十五件
  未了ノモノ六十三件
  內譯ニ於テ一件多キハ一請願ヲ分割シ
  其ノ一部ヲ採擇シ一部ヲ政府ニ參考ト
  シテ送付シタルモノアルニ依ル
  質問五十三件
  內
  書面ニテ答辯アリタルモノ
  五十件
  撤回シタルモノ作
  答辯ナキモノ二件
  緊急質問八件
  口頭ニテ答辯アリタリ
  衆議院議事速記錄第三十九號中正誤
  頁段行誤正
  八八八一二〇配遇者配偶者
  同二同上同上
  衆議院議事速記錄第四十號中正誤
  頁段行誤正
  九六四三三七午後三時五午後三時五十
  十分五分

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