1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
輸出組合法中改正法律案
重要輸出品工業組合法中改正法律案
重要産業の統制に關する法律案
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委員氏名
委員長 侯爵 大久保利武君
副委員長 男爵 中島久萬吉君
侯爵 中御門經恭君
伯爵 樺山愛輔者
子爵 曾我祐邦君
服部金太郎君
菊池恭三君
大川平三郎君
山崎龜吉君
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昭和六年三月十七日（火曜日）午前十時三十四分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=0
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001・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) 是ヨリ開會
イタシマス、本日ハ此輸出組合法中改正法
律案、重要輸出品工業組合法中改正法律
案、此兩案ヲ一括シテ議題トナシタイト思
ヒマスガ、御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=1
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002・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) ソレデハ左
樣イタシマス、尙ホ政府ヨリシテ更ニ御說
明デモアリマスレバ伺ッテ議事ニ入リタイ
ト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=2
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003・俵孫一
○國務大臣(俵孫一君) 只今委員長ノ御話
ニナッテ居ル輸出組合法中改正法律案ト重
要輸出品工業組合法中改正法律案、此兩案
ヲ一括イタシマシテ、玆ニ尙ホ御說明ヲ申
上ゲテ御審議ノ御參考ニシタイト思ヒマ
ス、先ヅ輸出組合法中改正法律案ノコトニ付
テ御說明ヲ申上ゲテ置キマス、現行ノ輸出
組合法ハ曩ニ協賛ヲ經テ發布イタサレテ居
ルノデアリマスルガ、我ガ國ノ輸出貿易ニ
秩序ト統制トヲ與ヘマシテ、海外販路ノ開
拓ヲ圖ルト云フコトヲ目的トシテ居ルノデ
アリマスガ、今囘ノ改正ハ現行法律ノ施行
ノ實蹟ニ鑑ミマシテ、尙ホ且ツ輸出貿易ノ
現狀ニ照シマシテ、現行法ノ缺點ト思ハレル
點ヲ補正ヲシ、本組合法ノ本來ノ目的ヲ達
成スル意味ニ外ナラヌノデアリマス、其要
點ヲ以下項ヲ分チマシテ御說明ヲ申シテ置
キタイト思ヒマス、第一ニハ輸出組合ノ事
業範圍ヲ擴張シテ參ッタ點デアリやっ、ソ
レハ海外ノ新販路ヲ開拓スル意味ニ於キマ
シテ、組合ヲシテ進ンデ組合貝ノ取扱ッテ
居ル商品ヲ組合ガ買取っテ、輸出事業其モノ
ヲ組合ガ行フト云フコトニ改正ヲシタイト
云フコトガ一ツト、其輸出事業ヲ組合其モ
ノガ引取ッテスルト云フコトト共ニ、組合員
ニ營業上ノ資金ノ貸付ヲ爲シ、又ハ組合員
ノ貯金ノ受入ヲ爲スト、斯ウ云フ財務的金
融便宜ヲ組合ガヤルト云フコトニ致シマシ
テ、以テ輸出貿易上最モ重大ナル關係ノア
ル金融ノ便ヲ圖ルト、斯ウ云フコトガ改正
案ノ趣旨ノ第一デアリマス、第二ハ輸出貿
易ノ營業上ノ弊害ヲ監督スル、此監督スル
點ヲ尙ホ稍〓嚴密ニ致シタイ、組合ガ組合
ノ事業ト致シマシテ、組合員ノ事業經營ノ
制限ヲ行フ場合ニ於キマシテ、其制限ノ具
體的規定ヲ定メマシテ、其具體的規定ハ主
務大臣ノ認可ヲ受ケシムルト云フコトニ致
シマシテ、其制限ノ具體的規定ノ適否、之
ヲ十分ニ主務大臣ガ審査シテ之ヲ指導監督
スルト云フコトニ致シタイノデアリマス、
同時ニ營業上ノ弊害ニ付テモ單ニ事後ノ矯
正手段、監督手段ニ止マラズシテ、事前ニ
主務大臣ガ組合又ハ組合員ニ對シテ豫防的
命令ヲ發スルト云フコトノ出來ルヤウニ致
シタイ、是ガ第二ノ點デアリマス、第三ノ
點ハ同一種類ノ輸出ヲ業トスル所ノモノヲ
以テ組織スル輸出組合又ハ組合員ニ對シマ
シテハ、同業組合ヘ加入ヲシナイコトガ出
來ル、又加入ヲシテ居シテモ脫退スルト云
フコトノ出來得ル規定ヲ一箇條入レタノデ
アリマス、是ハ輸出組合ニ於キマシテハ、同
業組合ソノモノガ營業上ノ弊害矯正又ハ組
合トシテノ組合員ノ利益ヲ增進スル、斯ウ云
フ公益的方面ノ任務ヲ同業組合ガ持ッテ居
ルノデアリマスガ、此輸出組合ニ於テモ其
公益的方面ノ機能ト合セテ、經濟的方面ノ
機能ヲ合セ行フト云フコトニ致シタイト云
フノガ此輸出組合法ノ精神デアリマスカ
ラ、敢テ同業組合ヲ脫退セシメテ見テモ、更
ニ同業組合ノ行ハヌト欲スル所ノ公益的ノ
方面ノ事柄ハ卽チ營業上ノ弊害ヲ矯正ス
ルト云フガ如キ事柄ハ、是ハ輸出組合ニ於
テモ十分ニ目的ヲ達シ得ルノミナラズ、輸
出組合ニモ入ッテ居リ同業組合ニモ入ッテ
居ルト云フコトニナリマスト、組合員ヲシ
テ二重負擔ヲセシメルト云フコトニ相成リ
マスカラ、此輸出組合ニ入ッテ居ルモノハ
同業組合ヲ脫退シテモ宜シイ、加入セヌデ
モ宜シイト云フコトニ致シタイト云フノデ
アリマス、第四ニハ保證責任制度ヲ認メタ
點デアリマス、從來輸出組合ハ有限責任ト
云フコトヲ原則トシテ居ルノデアリマスケ
レドモガ、定款ニ定メテ其有限責任ト云フ
程度ヲ尙ホ越エタ保證責任制度ヲ、之ヲ組
合ニ認メテ定款ニ此コトヲ規定セシメ、以
テ外部ニ對スル組合ノ信用ヲ增大シテ、組
合ノ業務執行ニ便ナラシメルト云フコトニ
致シタイノガ第四ノ點デアリマス、第五ノ
點ハ組合總會ニ於ケル組合員ノ決議ト云フ
モノノ割當ヲ稍、緩和シマシテ、卽チ加入
者ノ唯頭數ヲ以テ組合ノ決議權ト云フモノ
ヲ割當テルコトニシマスルト云フト、大企
業家ハ其組合ニ加入スルコトヲ好マナイト
云フヤウナ點ガアリマスカラ、詰リ輸出業
ノ完全ナル統制ヲ期スル爲ニハ、大輸出業
者モ此組合ニ加入セシメルト云フ必要ガア
リマスカラ、玆ニ決議權ノ緩和ヲ致シマシ
テ、以テ大輸出業者モ亦此組合ニ加入ヲシ易
イヤウニスルト云フコトニ致シタイト云フ
ノデゴザイマス、第六ニハ輸出組合ノ聯合
會制度ヲ認メマシテ、輸出業者ノ全國的統
制ヲ付ケルト云フコトニ致シタノデアリマ
ス、是ハ申上ゲル迄モナク輸出組合ト云フ
モノハドウシテモ商品ノ種類ニ依リ、或ハ
取引市場、海外市場ノ狀況ニ依ッテ、一〓ニ
全國的ノ地區ニスルト云フ風ナコトガ出來
得ナイノデアリマスカラ、從ッテ此地方々々
ニ輸出組合ガ出來テ居リマスカラ、之ヲ統
轄シテ全國的ノ統制ヲスルト云フノニハド
ウシテモ聯合會制度ヲ認メナケレバナラヌ
ト云フコトニナリマスカラ、ソレデ聯合會
制度ヲ設ケル、斯ウ云フコトガ第六デアリ
マス、要スルニ現行ノ輸出組合法モ矢張リ
公益方面ト經濟方面ト、兩方ノ方面ガ此法
律ノ組立デ於テアルノデアリマスルケレド
モガ、今囘ハ其兩方面ノ機能ヲ尙ホ擴大セ
シメ、現行ノ輸出組合法ノ趣旨ガ尙ホ徹底
スルヤウニ缺點ヲ補正シタト云フコトニ止
マルノデアリマス、以上ヲ以テ輸出組合御
說明ヲ止メテ置キマシテ、次ニ重要輸出品
工業組合法ノ說明ヲ申上ゲテ置キタイト思
ヒマス、現行ノ重要輸出品工業組合法、是
モ亦輸出組合法ト同樣ニ公益的ノ弊害矯正
ノ意味ト、ソレカラ金融其他財務的經濟方
面ノ規定ト、此兩樣ヲ有シテ居ルノデアリ
N 、之ヲ此度改正シタ其趣旨ハ先ヅ第一
ニ法律ノ題目ヲ變ヘタコトデアリマス、從
來ノ重要輸出品工業組合ト云フモノヲ、唯
輸出品ニ限ラズシテ廣ク重要工業品全體ニ
此法律ガ適用サレルヤウニ致シタノデアッ
テ、從ッテ法律ノ題號ヲ重要輸出品ノ五文字
ヲ削ッテ、單ニ工業組合法ト云フコトニ改
正ヲシタイト云フノデアリマス、趣旨ハ今
申上ゲマシタ如ク、輸出品ニ限ラズ內地向
ニ付テモ、重要ナル工業品ハ此組合法ニ依〃
テ統制スルト云フ趣旨デアリマス、ナゼ斯
ウ云フ風ニスルカト言ヒマスルト云フト、
段々我國ノ工業ノ發展ノ爲ニ此改善ヲ圖ル、
殊ニ我國ノ中小工業ノ改善ヲ圖ルト云フコ
トニスルニ付キマシテハ、ドウシテモ此工
業組合ト云フモノヲ設ケシメテ、之ニ依ッテ
一方ニ於テハ營業上ノ弊害ヲ除去シ、一方
ニ於テハ經濟的ノ助成ヲ與フルト云フコト
ニセヌケレバ相成ラヌト思フノデアリマス
ガ、之ヲ單リ輸出品ニ限ラズ、廣ク內地向
キノ工業品ニ向ッテモ此趣旨ノ下ニ工業組
合ヲ作ルコトニ致シタイ、御承知ノ通リニ
中小工業者ノ今日ノ累ハ經濟方面ノ缺陷ガ
最モ大ナル累デアル、此經濟方面ニ向,
テ廣ク、殊ニ中小工業ノモノニ對シテ廣
ク經濟的ノ便宜ヲ與ヘルト云フコトニスル
コトガ今日ノ最モ急務トスルノミナラズ、
一面ニ於キマシテハ產業ノ現狀ニ於テ、
同業者間ニ於テ連絡統制ヲ缺クガ爲ニ不必
要ナル競爭ヲシテ居ル、ソレガ爲ニ却ッテ共
倒レノ窮狀ニ立ツト言"タガ如キコトハ如
何ニモ工業發展ノ障害ヲ爲スモノデアリマ
スカラ、ソレ故ニ此改正ヲシテ組合ヲ廣ク
及ボセシムルト同時ニ、工業家ヲシテ秩
序統制ヲ與ヘテ、以テ仲間同士ノ無謀ノ
競爭ヲ制限シ、竝ニ經濟的金融ヲ付ケル
ト云フコトニ致シタイト云フコトガ此工業
組合法ノ改正ノ根本デアリマス、ソレニ付
キマシテ此工業組合法ハ、衆議院ニ於キマ
シテ大分論議ガアッタノデゴザイマス、其論
議ノ點ハ何所デアルカト申シマスルト云フ
ト、モト〓〓政府ノ提案ノ改正案ハ、今度
ノ衆議院ニ於ケル所ノ論議ノ點ニハ觸レテ
居ナカッタノデアリマス、卽チ政府ノ提案以
外ニ現行法ノ工業組合法ノ第九條、此第九
條「工業組合又ハ其ノ組合員ハ其ノ營業
ニ關スル重要物產同業組合法ニ依ル同業組
合ニ加入セス又ハ之ヨリ脫退スルコトヲ得」
ト云フ斯ウ云フ規定ガアルノデアリマス、
現行法ニシテモ第九條ノ同業組合カラ離レ
テモ宜シイ、斯ウ云フ規定ガアリマスルガ、
是ハ今囘全ク改正ヲシタカッタ、デゴザイマ
スルガ、現行法ハ此工業組合ハ輸出品ノ組
合デアルカラシテ其適用ノ範圍ガ極ク狹カツ
タ、今度政府ガ改正ヲスルノハ輸出品ニ限
ラズ廣ク內地向キノ工業品ニ致シマシテモ
工業組合ヲ奬勵スル、作ラサウト云フコト
ニスル以上ハ第九條ノ法ノ適用ガ廣クナ
ル、サウナリマスト云フト從來同業組合ト
云フモノガ、廣ク輸出品內地品全體ニ亙ッテ
同業組合ガ出來テ居リ、同業組合ノ結合ガ
相當ニ固イ、又相當ナ沿革ヲ有ノタ、歷史ヲ
有ッタ營業上ノ弊害除去ニ付テハ、斯業ノ發
達ノ爲ニ貢獻ヲ致シタ所ノ同業組合ガ、斯
ウ云フ改正ニ依"テ內地向キノ組合モ輸出
向キノ組合モ同樣ニ同業組合ヲ脫退シ得ル
ト云フコトニナルト、殆ト同業組合ノ存立
ヲ危ウスル、詰リ同業組合ノ脫退者ガ多ク
ナッテ來テ、是デハ到底同業組合ハ成立タ
又、斯ウ云フ心配ガ生ジテ參ッタノデアリ
やく、御承知ノ通リ同業組合ハ營業上ノ弊
害除去デアリマスカラ、公益デアリマスカ
ラ、强制的ニ同業者ヲ加盟サシテ居ルノデ
アリマス、從來カラ工業組合ナリ、先刻說
明ヲ申上ゲマシタ輸出組合ナリハ、何レモ
任意デアリマス、公益機能ハアリマスガ、
同時ニ經濟的機能ガアリマスルカラ、或
共同ノ事業ヲ爲ストカ、或ハ金融ノ途ヲ圖
ルト言フコトニ關シマシテハ、損益ノ計算
ガ立チマスカラ、之ニ强制的ノ加入ヲ厭ヤ
ダト云フ者ヲ、之ヲ損益ノ負擔ヲ均分スル
譯ニ行キマセヌカラ、斯ウ云フ經濟的ノ機
能ヲ有スル所ノ工業組合ナリ、輸出組合ハ
是ハ何レモ任意デアリマス、同業組合ハサ
ウデアリマセヌ、同業組合ハ營業上ノ弊害
ヲ除去スルノデアリマスカラ、强制的ニ加
入スルト云フコトニナッテ居リマス、第九條
ハ其例外デアリマス、其例外ヲ輸出業ダケ
ニ限局シタ次第ハ餘リ影響ハナイガ、之ヲ
內地向ノ工業ニモ廣ク之ヲ適用スルコトニ
ナルト、同業組合ハ全ク其存立ヲ失フ、是
ガ同業組合ノ當業者諸君ノ非常ナ心配デアッ
タノデアリマス、私共ハ衆議院ニ於テ說
明シテ居ル所ノ理由ハ此處デ辯明スル必要
ハナイ、何トナレバ、此處ニ修正ヲ加ヘタ
ニ付テ同意ヲシマシタノデ辯明スル必要モ
アリマセヌガ、簡單ニ申上ゲマスレバ、私
共ハ其心配ハ要ラヌト思フ、現行法ガ、旣
ニ輸出業者ガ工業組合ヲ作ルマデニ第九條
ガアル、輸出業者ニ對シテ第九條ガ此同業
組合ニ對シテ左程害ヲ爲サナカッタナラバ、
之ヲ內地向ノ組合ニシタカラト云ッテ、決シ
テ組合ヲ滅スガ如キ、成立ヲ害スルガ如キ
コトハナイトノ說明ヲ加ヘテ、全ク同業組
合ノ諸君モ心配ハ𣏌憂ニ止マルト云フ話ヲ
シタノデアリマスガ、併ナガラ兎ニ角心配
デアルカラ之ニ對スル修正ヲシテ見タイ、
斯ウ云フ衆議院ノ委員ノ諸君モ希望デアリ
マシタ、斯ウ云フ意味ハ現ニ輸出業者ニ對
スル組合ニ付テハ斯ウ規定ガアッテモ、現在
ニ害ヲシテ居リマセヌカラ、現狀ヲ維持ス
ルトシ、現狀以上ニ廣ク此九條ノ適用ヲセ
シムルコトヲ止メマウ、從ッテデス、第九條
ノ修正ハ御手許ニアリマスガ如ク、「重要輸
出品ノ製造ニ關スル工業組合及其ノ組合員
ハ」、斯ウ云フコトニ上ニ言葉ヲ附ケ加ヘタ
ノデアリマス、現行法ガ御覽ノ通リニ重要
輸出品ノ製造ニ關スル工業組合」、之ヲ重要
輸出品ヲ取シテ、内地向ノ奴モ廣ク重要工產
品トシタノデアリマスルカラ、ソレデ困ルト
云フノデアリマスカラ、之ヲ現行法ノ第一
條ノ重要輸出品ノ製造ニ關スル工業組合又
ハ其一組合員ハ同業組合ニ不加名又ハ脫退
スルト云フト現狀維持ニナル、現狀維持ニ
ナレバ反對論者モ其以上ノ心配ハナイ、斯
ウ云フコトニ落著シタノデアリマス、ソレ
故ニ第九條ノ規定ハ詰リ今申上マシタ通リ
ニ、現行法ノ第九條ノ働キヲ其限度ニ止メ
タ其爲ニ矯正ヲシタノデアル、斯ウ云フコ
トニ御承知置キヲ願ヒタイ、從ッテ說明ガ前
ニ遡リマスガ、輸出組合ノ中ニモ先ッキ說明
シタ如ク第九條ニ類スル規定ガアリマシテ、
今度ノ改正ノ中ニ輸出組合、卽チ輸出組合
ノ組合員ガ「同業組合ニ加盟セス又ハ之ヨ
リ脫退スルコトヲ得」トアリマシテ、此規
定ハ不思議ニ通ッタ、ナゼ通ッタカト云フト
之ハ輸出業者デアル、要スルニ現行ノ重要
輸出品工業組合法ノ第九條ガ存シテ居ル、
之ハ衆議院ノ委員諸君モ認メテ居ル、而シ
テ輸出組合ノ方ニ此規定ガアッテモ、是ハ輸
出業者デアルカラ同業組合ノ組合員タル一
部ノ人デアリマスルカラ、是ハ害ガナイカ
ラ、是ハ差支ヘナイ、斯ウナッテ居リマスカ
ラ、輸出組合ノ方ノ其規定ハ少シモ論議ナ
ク通過イタシテ居ルノデアリマス、斯ウ云
フ關係デアリマス、要スルニ此工業組合法
ノ改正案ハ、之モチヨット先キニ輸出組合ノ
時ニ申上ゲマシタ如ク、工業組合ハ一面ニ
於テハ營業上ノ弊害矯正正防ト云ッタ如キ、
公益的方面ノ機能ヲ有ノテ居リマスト同時
ニ、組合員ノ經濟的助成、財務的援助ト、
斯ウ云フ方面ノ機能ヲ有ッテ居リマス、此兩
翼ノ機能ヲ有ッテ居ルモノガ、此工業組合法
デアリマスカラ、之ガ今度ハ矢張リ其働キ
ヲモウ一層廣ク、モウ一層强ク致シマスル
爲ニ、今度ノ改正法案ヲ提出シタ譯デアリ
マス、此組合法ニ依リマシテ希クバ重要工
產品、主トシテ中小工業ノ工業者ニ對シテ
營業上ノ弊害除去及金融的便宜ヲ與ヘルコ
トニ致シ、以テ我ガ國ノ重要工產品ノ發達
發展ヲ圖ルト、斯ウ云フコトノ趣意デアリ
マス、ドウゾ十分御審議ノ上協贊ヲ與ヘラ
レルヤウニ希望イタシマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=3
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004・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) 是ヨリ質疑
ニ入リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=4
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005・大川平三郎
○大川平三郞君 只今大臣ノ御說明ニ依リ
マスト束縛シテ、必ズ或ル一ツノ事業ハ組
合ヲ作ラネバナラヌ、ソレカラ又或ル事業
ニ從事シテ居ルモノハ組合員ニナラネバナ
ラヌト云フ拘束ハナイノデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=5
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006・俵孫一
○國務大臣(俵孫一君) ソレガゴザイマセ
又、任意デス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=6
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007・大川平三郎
○大川平三郞君 ソレガ任意デアルトスル
ト、折角色ミ御〓究ノ上ニ出來タ此法律ガ
全ク其實用ノ效果ガ擧ラナイヤウナ懸念ガ
アリマスマイカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=7
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008・俵孫一
○國務大臣(俵孫一君) ソイツハナカラウ
ト思ヒマスノハ、其御答ハ兩樣ノ御答ヲシ
ナケレバナラヌト思ヒマスルガ、第一ハ同
業者ノ營業上ノ弊害デスガ、同業者ノ營業
上ノ弊害ニ付キマシテハ輸出組合法ニモ亦
此工業組合法ニモ、何レモ其同業者ニ對シ
テ營業上ノ弊害ガアッタ場合ニ於テ、加入セ
ザル第三者ニ之ヲ其强制スルコトガ出來ル
ト云フ規定ガアリマス、工業組合法ノ之ハ
修正イタシマセヌガ、現行ノ第八條デス、
御手許ニアリマス工業組合法ノ第八條ハ「營
業上ノ弊害ヲ豫防シ又ハ矯正スル爲必要ト
認ムルトキハ行政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ工業組合ノ組合員ニ非サル者ニシテ其
組合ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有ス
ルモノヲシテ其組合ノ定ムル取締又ハ制限
ニ依ラシムルコトヲ得」之ガ世ニ所謂「アウ
トサイダー」第三者ヲ强制スルコトガ出來
ルト云フ規定ガ現行法ニモアル、此意味ガ
又輸出組合ニモアリマスガ、詰リ任意ハ任
意デアリマスケレドモ、營業上ノ弊害例へ
バ粗製濫造ヲシテ困ルトカ、或ハ組合ノ檢
査ヲスルト云フ第七條ノ如キ、其前ノ條ノ
第七條ノ如キ檢査ヲスルノデ、此ノ檢査ス
ル人ガドウシテモ組合ダケデハ困ルカラ、
組合員外ノ製品モ檢査スルト云フコトニセ
ヌケレバイケマセヌガ、之ハ第八條ニ依ッテ
組合員外ノモノニ對シマシテモ、必要ト認
メルナラバ、行政官廳ノ認可サヘ受ケルナ
ラバ、第三者ニ對シテ檢査ノ强制ガ出來ル、
其他ノ弊害、營業上ノ弊害ノ矯正ガ出來ル
ト云フコトニナッテ來マスカラ、公益方面ニ
於キマシテモ其點ニ付テ任意ニ致シマシテ
モ差支ヘナイ、ソレカラ經濟的方面ニ例へ
バ金ヲ借リタイトカ、所ハ金融ノ便宜ヲ得
タイトカ、是ハマア任意デ、何モ其便宜ヲ
得タイモノハ入レテヨシ、入ラヌモノハ他
ニ融通出來得ルモノデアルト斯ウ云フコト
ガ出來マスカラ、斯ウ云フ組合ノ性質上斯
ウ云フ組合ハ任意ニシマシテモ其第一條、
第八條ノ如キ公益方面ニ於キマシテハ弊害
ノ除去モ出來マスシシマスカラ差支ヘナイ
ト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=8
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009・大川平三郎
○大川平三郞君 私ハイロ〓〓ノ點デ實驗
ガアリマスルノデスガ、組合ヲ設ケテ仕事
ヲシテ行ク場合、何レノ場合デモ一人カ二
人殊ニ有力ナモノガ組合ニ入ラナイデ、サ
ウシテトウ〓〓統制ガ行ハレズ、ソレガ爲
ニ矢張リ廉賣競爭ヲヤラレルト云フコトデ
非常ニ困ッテ居ル場合ガ多イノデス、實際上
ハソコデ今ノ御質問ヲ申上ゲタ譯デアリマ
スルケレドモ、此第八條ニ依ッテ組合ニ入。
テ居ラヌモノデモ、行政官廳ノ命令デ取締
ノ付クヤウニシテ置クト云フコトデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=9
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010・俵孫一
○國務大臣(俵孫一君) 全クサウデアリマ
ス、ソレカラソレニ付テハ實例ガ最近ニア
リマス、簡單ニ說明ヲ申上ゲレバ御諒解ガ
出來ルト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=10
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011・吉野信次
○政府委員(吉野信次君) 御尋ネノ點デゴ
ザイマスガ、矢張リ今御話ノ通リ折角組合
法ヲ作リ、統制ヲ致シマシテモナカ〓〓二
三ノモノガ入ラナイデイケマセヌ、折角生
產制限ヲヤッテモ、或ハ販賣價格ヲ協定シマ
シテモ、亂レルト云フコトガヨクアリマスガ、
ソレデ實ハ現行法ニ於キマシテモ二三其實
例ガアリマシテ、適用シタコトガゴザイマス
ノデ、例ヘバ愛知縣ノ瀨戶ニ於キマシテ
「スープ」茶碗デアリマストカ、「コーヒー」茶
碗デアリマストカ、アア云フ輸出向ノ陶器ト
云フヤウナモノニ付テ、生產數量ノ制限、
價格ノ協定ト云フモノヲ組合デヤリマシタ
ガ、ドウシテモ組合ニ入リマセヌモノガ三
人アリマシテ、幾ラ生產制限ヲシテモ、自
分ハ別ダト云フノデ、自分ハ組合ヨリ安ク
賣ルト云フコトデ、ドウシテモイカナカッ
ク、ソコデ此第八條ヲ適用イタシマシテ、
組合ニ入ラナイモノデモ、組合ノ地區內デ
同ジ營業ヲスルモノデアルカラ、是ハ組合
ノ決メタ統制ニ依ラナケレバナラヌト云フ
コトニ致シマシタ爲ニ、其三人ノ者モドウ
モ已ムヲ得ズ、之ニ服シナイ譯ニ行カナク
ナリマシタノデ、生產制限ナリ、價格ノ協
定ナリニ否應ナシデ應ズルコトニナッテ、其
結果ハ其商品ニ付テ非常ニ安定シテ參リマ
シタノデアリマス、却ッテ組合ガ商人ノ方ヨ
リモ安クテ取引ガ出來マスカラ、前ヨリモ
注文ガ多クナッテ、値段モ非常ニ安定シタト
云フノデ、三人ノ人モ是ハドウモ矢張リ入。ツ
タ方ガ宜イト云フノデ、向フノ方カラ組合
ニ入ッテ來マシテ、今ハ圓滿ニナッテ居ルト
云フ、斯ウ云フヤウナ大體狀況デアリマス、
現行法ハ營業上ノ弊害ヲ矯正スルト云フダ
ケデゴザイマシテ、ドウモ事後デナイト發
動ガ出來マセヌノデゴザイマスカラ、ソコ
デ今度ノ改正案ノ御手許ニモ差上ゲ
テアリマスガ、豫防ヲスル場合ニモ······
事前ニ於テモ此八條ヲ適用出來ルト云フコ
トニ致シテ居リマシテ、今度ノ改正ニ依ッ
テ、一層適切ニ御心配ノ點ハナクナリマス、
斯樣ナ次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=11
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012・大川平三郎
○大川平三郞君 是ハ私ノ考デハ此法律ノ
最モ重要ナル點デアリマシテ、是ガドウモ
餘程宜イ按配ニ行キマセヌト云フト、是一
折角ノ法律ガ全然用ヲナサヌヤウニナル位
ナ重要ナモノカト思ヒマス、此八條ト云フ
モノハ、ドウモ組合ノ營業上、事業上ニ害
ガアルト思フ時ニハ、主務大臣ニ御願ヲシ
テ、サウシテ相當ナ處分ヲシテ戴クト云フ
コトニ是ハナルノデアリマスガ、多ク仲間
へ入ラヌト云フ連中ハ非常ニ强イヤツガ多
イ、大臣デモ御處分ニハ御困リノヤウナノ
ガアル、今ノ御話ノ瀨戶フ例ノ如キハ相手
ガ小サイノデスカラ命令ニ服從シテ話ガ分
ルノデスケレドモ、我ミノ遭遇シテ居ル場
合ニ於テハ非常ニ大キナヤツデ甚ダ困ルノ
ガ多イノデアリマス、ソコデ是ハ申上ゲテ
モドウモ困ルト仰シヤルヤウナ事柄ガ實際
上多イノデアリマス、ソレ等ノ點モモウ一
ツ考慮シテ、此條項ハ考ヘテ戴カナケレバ
ナラヌコトダラウト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=12
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013・吉野信次
○政府委員(吉野信次君) 尙ホ御心配モゴ
ザイマシタカラ附加ヘテ申上ゲマスガ、合
理局デ縞三綾ト云フ輸出綿布ノ此統制ヲ致
シマシタ、是ハ大體ハ中小業者ダケノ何デ
ゴザイマスガ、唯ダ一ツ三重縣ニ東洋紡ガ
工場ヲ持ッテ居リマシテ、同ジモノヲヤッテ
居リマス、ソレデ從來工業組合ハ中小工業
ノ組合デゴザイマスカラ、大紡績業者ナド
ハ之ニ入ラヌノガ仕來リデゴザイマス、ド
ウシテモ入リマセヌノデゴザイマス、ソコ
デ今度統制ヲヤリマス際ニ縞三綾ノ方ハ、
矢張リ生產數量ト云フモノヲ月ニ七十万
反、八十万反ト決メマシテ、ソレ以上生產
イタシマス時ニハ特別ナ超過料ト云フ所
ノ手數料ヲ取ラヌトイカヌト云フノデ、事
實生產制限ヲヤッテ居リマス、ソコデ東洋紡
ノ問題ガ、直グニ其問題ニ打當ッテ參リマシ
タノデ、ソコデ之ヲ運用イタシマシタ、東
洋紡ハ中ミ組合ニ入リマセヌ、愛知縣ノ工
業組合ノ地區ヲ三重縣マデ擴張イタシマシ
テ、其地區內ニアルモノハ組合員ト同ジ資
格ヲ持ッテ居ルモノダト云フ譯デ、東洋紡ト
雖モ其統制ノ網ハ免レルコトハ出來ナイノ
ダト、斯ウ云フ關係ニナリマシタノデ、實
ハ東洋紡モマア不平ハゴザイマスケレド
モ、旣ニ決メタ統制ニハ從ヒマシテ、割當
ヲ貰ヒマシテ、今月〓二千反トカ三千反ト
カノ程度貰"テ、ソレ以上ハ作ラヌ、斯ウ云
フヤウニヤッテ居リマシテ、御心配ノ點モゴ
ザイマシタガ、ソレモ矢張實例モゴザイマ
スノデ、實ハ思切ッテ商工省トシテハヤリマ
シタノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=13
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014・樺山愛輔
○伯爵樺山愛輔君 先刻政府委員ガアノ瀨
戶ノコトニ付テ御話ニナリマシタガ、マア
入ラナイト云フ人達ノ心持ハ、マア謂ハヾ
善意ヲ以テ出來ルダケ己ノ利益ヲ相當ニ圖
ラウト云フヤウナル考ヲ以テ、ソンナコト
ヲ云フノダラウト思ヘルノデスガ、チヨット
大川サンノ先刻言ハレルヤウニ私モ感ジテ
居ル、多少自分ノマア關係シテ居ッタヤウナ
仕事ノ上カラ思フノデスガ、偶ニハ故意ニ
コヂッテコヂッテデスネ、モウドウシテモ其
組合ノ中ニ入ッテ居ルモノト逆ニ行クト云
フヤウナ場合ガ生ジ易イノデアルカラ、何
トカモウ少シ此取締又ハ制限ニ依ラシムル
コトヲ得ト云フ風ニナッテ居ルガ、モウ少シ
强クスルコトハ出來ナイモノデアルカト云
フ感ジヲ私ハ持ッテ居リマスノデスガ、チ
ヨット発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=14
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015・吉野信次
○〓府委員(吉野信次君) 御尤デゴザイマ
シテ、此法律ハ取締又ハ制限ニ依ラシムル
コトヲ得ト、詰リ是ハ行政官廳ニ其權限ヲ
與ヘテ居リマスノデ、其與ヘラレタル權限
ニ依ッテ、行政官廳ハ一定ノ手續ヲ致シマス
ト必ズソレニ從ハネバナラヌ、斯ウ云フコ
トニナッテ居リマス、ソレデ此法律ノ制裁
ハ過料五百圓ト言ッテ僅カナ制裁デゴザイ
そう、府縣ナドニ於キマシテハ矢張リ相當
此規定ニ依リマシテ、例ヘバ檢査ニ服シロ
ト言ッテモ、自分ハ組合員デナイカラ組合
ノ檢査ハヤラヌト云フヤウナ場合ガアル、
其場合デモ省令デ檢査ヲ受ケナケレバ外國
ヘ出セナイト云フ省令ヲ出シテ居リマス、サ
ウシマスト否ヤデモ應デ組合ノ檢定ヲ受ケ
ナケレバナラヌ、サウ云フ省令ガナイ場合デ
モ縣令デ檢査ヲ受ケルト云フコトヲ規定イ
タシマシタ時ニ、今ノ御話ノヤウニ故意ニド
ウシテモ聞カヌト云フ時ニハ、之ヲ差押ヘ
マシテ相當金額ノモノヲ封印イタシマス譯
デゴザイマス、現ニ其實例モゴザイマシテ、
數万圓ノモノヲ一年二年ノ長キニ亙ッテコ
ヂリマシテ、封印シタト云フ實例モ實ハゴ
ザイマス、可ナリ强カナ制裁デゴザイマス
カラ、結局其問題モ圓滿ニ片ヅキマシタ、
サウシテ其本人モ今日デハ組合ニ入ッテ組
合ノ役員ヲシテ、世話ヲシテ居ルト云フヤ
ウナ工合デ、最初ハコヂリマスト隨分御話
ノ通リ面倒ニナリマシテ、例ヘバ地區ガイ
ケナイト云フコトニナルト、外ノ地區マデ
工場ヲ持ッテ行クト云フヤウナ不經濟マデ
ヤリマスガ、サウ云フコトマデヤリマスノ
デ、コチラモ逃ゲタ所マデ地區ヲ擴張シテ、
ドコマデモ追隨シテ行クト云フヤウナコト
ニナッテ居リマシテ、色ミヤッテ居リマスカ
ラ、相當御心配ノヤウナ點モ此規定デ取締
ラレルコトニナッテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=15
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016・大川平三郎
○大川平三郞君 先キニモ申上ゲマシタ
ガ、此八條ノ問題ガ此法律ノ全體中最モ重
要デアリマシテ、之ニ對シテハドウモ我と
ハ考慮ヲ致シタイト思ヒマス、モウ申上ゲ
ルマデモナイ只今ノ產業狀態ト云フモノハ、
中ミ皆ナ相當ニ力ヅイテ參リマシテ、其力
ヅイタ有力ナ人達ガ相爭フノデアリマスカ
ラ、餘程旨ク統制ヲヤリマセヌト云フト、
此弊害ト云フモノハ實ニ慘澹タルモノニナ
リマス、現在皆ナ各方面ノ事業ガソレニナツ
テ居ルノデアリマシテ、此方面ノ力ニ依ッテ
ドウカ其無用ノ競爭ヲ避ケテ、商賣ヲ旨ク
行クヤウニシタイト云フノガ商工大臣ノ大
イニ御心配遊バス所ト思ヒマスガ、其御心
配ノ結果トシテ、八條ノ文字ノ如キハ隨分
苦ンダ後ニ出來タ文字ト私ハ解釋イタス
ノデアリマス、併シモウ少シ此點ニ付テハ
私共一ツ〓究イタシテ意見ヲ申述ベタイト
思フテ居リマス、ドウシテモモウ少シ嚴重ニ
取締ノ方法ヲ立テテ頂カヌト、唯其弊害ノ
アッタ時分ニ主務大臣ニ申上ゲテ制裁ヲシ
テ頂クト云フコトデハ、是ハ頗ル手緩イコ
トニナルヤウニ思フノデス、餘程ソレハモ
ウ辛辣ニ大臣ニシテ頂イテヤッテ行カナケ
レバナラヌコトニナルノデス、サウ云フ懸
念ガ非常ニ深イノデアリマスカラシテ、何
レ此點ニ付テハモウ一應能ク〓究シテ一ツ
私共ノ意見ヲ申述べテ見タイト考ヘテ居リ
マス譯デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=16
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017・俵孫一
○國務大臣(俵孫一君) 大川君ノ只今ノ御
意見卽チ御憂慮ハモウ我〓共全然御同感デ
アリマス、實ハ目下ノ此產業界ノ狀況ガ詰
リ背ニ腹ハ代ヘラレヌト言ッタヤウナ狀態
デアルデアリマセウ、無暗ニ競爭ヲ致シマ
シテ、自分デモモウ生產費ヲ切ッテ損ヲシテ
賣ヲテ居ル、誠ニドウモソンナコトヲ此所デ
申上ゲルト云フコトハ、萬々御承知ノ御方
ニモ申上ゲルヤウナ譯デ餘計ナコトデアリ
マスルガ、何故ニ一體損ヲシテ物ヲ製造ス
ルカト云フコトニ付テ、我〓共ハ實ハ其心
裡狀態ノ理解ガ出來能ハヌト言ッタヤウニ
我〓素人ニハ考ヘラレルノデアリマスガ、
大川君ノ如キ實業家ノ御方ミノ前デソンナ
コトハマア······其言フ先生達ノ心裡狀態ハ
能ク御承知デアラウト思ヒマスガ、我ニニ
ハ分カラヌ、其位ニ其無謀ナル競爭ヲシテ
詰リ自分モ傷キ人モ倒スト言ッタヤウナ風
ナ、申サバ混亂狀態ト言ヒマスカ、或ハ戰
亂狀態ト言ヒマスカ、產業界ノ狀態ガ誠ニ
其混濁限リノナイ狀態デアル、此狀態ヲド
ウスレバ宜イカト云フコトニ付テ、實ハ非
常ナル苦心ヲ致シテ居ルノデアリマス、斯
ウ云フ見地ヨリ致シマシテ、是デハドウモ
第一ニ統制ト云フコトヲシナケレバナラヌ、
當業者間ノ統制ガツカヌケレバナラヌ、斯
ウ云フ亂暴者ヲ取締ルコトモ出來ルシ、亂
暴者ノ爲ニ全體ガ詰リ破壞サレル、今日ノ
不景氣ハ是ハ別ノ原因カラモアリマセウ
ガ、不景氣ノ出發ニ於テ斯ウ云フ亂暴者ガ
出テ來テ、彌ヤガ上ニ產業狀態ヲ混亂ニ陷
ラシムルト云フコト其モノガ、益〓不景氣ヲ
助長スルト云フガ如キヤウナ風ナコトニ相
成ッテ居ル、殊ニ是ハマア申上ゲヌデモ御分
カリノ通リニ、輸出物ニ付テ見マスルト、
後ニ後ニ値ガ下ガッテ來、價格ノ安定ヲ缺ク
ガ爲ニ、却ッテ我國ノ輸出ガ其澁滯シ輸出ガ
妨害サレル、斯ウ云フ點ニ於テノ苦情ガ商
工省ニモ頻繁トシテ外國ノ商務館若クハ貿
易員カラヤッテ來ルト云フガ如キ狀態デア
リマスカラ、是デハ放ッテ置ケナイ、是デハ
我國ノ產業上ニモ我國ノ海外貿易ノ發展ニ
モ、此狀態ヲ統制シテ相當ノ制限ヲスルト
云フコトニセヌケレバイカヌト云フ程ノ問
題ニ逢著シマシテ、玆ニ商工省ノ合理局ニ
於キマシテモ相談ヲ致シマシテ、產業統制
ニ關スル法律案ヲ實ハ提案シテ居ルノデア
リマス、卽チ後刻若クハ後日機會ヲ得テ、
產業統制ニ關スル法律案ノ說明ヲ申上ゲマ
スガ、此委員會ニ於テモ申上ゲテ見タイト
思フノデアリマス、只今大川君ノ御懸念ノ
如ク其產業統制ヲ······此產業混亂狀態ニア
ルモノヲ統制スルニ付テハ、專ラ其產業統
制ニ關スル法律案ニ依フテ其通過ヲ見ルコ
トニ於テ是等ノ統制ヲツケタイ、斯ウ思ヒ
マスノデアリマス、此組合法ハ趣旨ハ同ジ
デス、趣旨ハ同ジデスケレドモガ、工業組
合ト云フモノハ御承知ノ通リニ中小工業家
ガ此組合ノ力ニ依ッテ、自ラ金融ノ便宜ヲ與
へ自ラガ共同動作ニ依ッテ營業上ノ便宜ヲ
得ル斯ウ云フコトデ、大イニ中小企業家ノ
結合ト云フコトヲ主體トシテ居ル、從ッテ第
八條ノ如キ「アウトサイダー」第三者ノ加盟
セザルモノ迄モ强制スルト云フ規定ガアル
ノデアリマスガ、產業統制法ニ依リマスト
云フト、モウ頭カラ詰リ統制、協定ヲ第三
者ニ及ボシテ行クト云フ規定ガ、モット嚴シ
イ規定デアリマス、マアソレデ誠ニ大川君
ノ御心配ノ現狀ハ非常ナドウモ混亂狀態デ、
困ッタモノデ、始末ガ付カヌト云フコトニ鑑
ミマシテ、一方ニ於テハ產業統制法ニ依ッテ
統制ヲシ、一方ニ於テハ工業組合法ノ改正
ヲシテ今ノ統制ノ不備ナリ、又經濟的現狀
ノ不備ナ點之ヲ匡正シテ行カウ、斯ウ云フ
コトニ當局者ハ考ヘテ居ルノデアリマス、
只今大川君ノ御心配ノ如キハ御尤モ千萬デ
アリマス、我ミモ全然御心配ノ點ニハ御同
感デアルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=17
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018・大川平三郎
○大川平三郞君 今ノ產業統制ノ法律案ハ
現ニ政府ハ提出セラレテ居リマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=18
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019・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) ソレハ私カ
ラ一應申上ゲマスガ、產業統制法案ハ本會
議ヘ上ボリマシテ、サウシテ我ミノ委員會
ニ矢張リ付議サレテ居リマス、產業統制法
ヲ提案シテ居リマス、私カラ其コトヲ申上
ゲマス、彙報ニモ出テ居リマスカラ······私
第八條ニ付テ政府委員ニチヨット御尋イタ
シタイト思ヒマスガ、只今大川君カラシテ
實際ノ事情カラ色ミ御話ヲ申述ベラレマシ
テ政府カラ御答辯ガアリマシタガ、此第八
條ノ取締又ハ制限ニ依ラシムコトヲ得ト云
フ事柄ハ、營業上ノ弊害ヲ匡正スルト云フ
マア消極的ナル場合ニ之ハ止マッテ居ルン
デスガ、將來······現在モサウデスガ、將來
モ尙ホ中小工業家ノ間ニモ又大工、大產業
家ノ人ノ間ニ於テモ、始終先刻御話ノヤウ
ニナッタ事柄モ出テ來マシテ、統制上行政官
廳デアアモシタイ、斯ウモシタイト云フ場
合ガ出テ來ルコトト思フノデアリマスガ、
今迄ノ御經驗上消極的ナ何ニ止メズ、尙ホ
進ンデ積極的ノ場合モ出テ來ルコトデアラ
ウト思ヒマスガ、或ハ公益ノ、斯ウ云フ公
益ノミ、組合法ノ公益ヲ增進スルトカ、社
會ノ爲ニ斯ウ云フ風ニシタイトカ、同ジ地
區內ニ於ケル同ジ組合員タル資格ヲ有ッテ
居ルモノガ、斯ウ云フコトヲヤッテ貰ヒタイ
トカ積極的ナ場合モ非常ニ是カラ出テ來ル
コトガアッテ、統制上必要ナ場合モアルヤウ
ニ思ハレルノデアリマスガ、併シ是ハマア
民間ノ營業上ニ非常ニ干涉スル點デアッテ、
行政官廳ガ之ヲ强制取締ト云フコトハ、是
ハ餘程愼重ナ手段ヲ要スルコトト思フノデ
アリマスガ、併シ今日ノ此事業界ノ混亂、
又秩序ノ立テ難イ場合ニ於テハ積極的ニ取
締ル必要モアルト存ジマスガ、併シ今マデ
ノ經驗上、營業上ノ弊害ヲ矯正スルト云フ
消極的ノ案ダケデ行ケル御考デアリマセウ
カ、或ハモウ少シ積極的ノ場合マデモ法律
ノ表ニ現ハシテ、サウシテ統制ヲ圖ルト云
フヤウナ必要ヲ御感ジデナイノデスカ、其
邊ノ所ハドンナモノデスカ、一ツ伺ヲテ置キ
タイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=19
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020・吉野信次
○政府委員(吉野信次君) 御尤モノ御尋デ
アリマス、私共モ全然同ジ感ヲ實ハ有ッテ居
リマス、ソレハ實ハ今囘ノ改正デ文字ハタッ
タ五ツデアリマスケレドモ、「豫防シ又ハ」ト
改正法ニ揭ゲテ今囘提案イタシマシタノハ
詰リ其精神デアッタノデアリマス、今マデノ
現行法通リデゴザイマスト、「營業上ノ弊害
ヲ矯正スル爲」ト云フダケシカゴザイマセヌ
カラ、事實ニ於テ弊害ガ顯著デナイト發動
ガ出來マセヌノデアリマス、所ガ既ニ弊害
ヲ生ジタト云フ時ニハ業界ハ混亂イタシマ
シテ、最早ドウニモ斯ウニモ手ガ著ケヤウ
ガナイ、八條ヲ發動イタシマシテモ其目的
ノ大半ヲ達セラレナイト云フ憾ミガゴザイ
マスカラ、事前ニ豫防スルト云フコトデ行
カウ、ソレデ文字上カラ申シマスト、矢張
リ豫防ト云フ字ヲ加ヘマシテモ消極ニ流レ
テ居ルガ如クニ思ハレマスケレドモ、是尺
今御話ノ通リ產業ノ自由主義ニ對スル一ツ
ノ重大ナ制限ナノデアリマスカラ、ヨリ宜
シイト云フコトノ爲ニ之ヲヤルト云フコト
モ、法律觀念トシテハ如何カト思ハレル節
モアリマスノデ、ソコデ是ハ唯運用ニ於キ
マシテ積極的ノコトヲヤッタ方ガ宜シイ、其
解釋ヲ······積極的ノコトヲヤラナケレバ卽
チソコニ弊害ヲ生ズル虞ガアルノダ、斯ウ
云フ風ニマア强イテ理論上ノ滿足ヲ求メマ
シテ、ソレデ營業上ノ弊害ヲ豫防スル爲ニ
モ結果ニ於テハマダ現ハレテ居リマセヌケ
レドモ、將來サウ云フ懸念ガアル場合ニ於
キマシテモ本條ヲ適用スルコトガ出來ル、
斯ウ云フ風ニ、是ハ書方モ問題デ、文字ハ
甚ダ簡單デゴザイマスケレドモ、實ハ全ク
同ジ考ヲ以チマシテ今度改正案ヲ提案イタ
シタ次第デゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=20
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021・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) サウスルト
更ニ御尋ネヲ致シマスガ、豫防ト云フ文字
デ先刻述ベタ積極的ノ取締リノ方モ運用上
デ目的ヲ達スルコトガ出來ルダラウ、斯ウ
云フ御考デアリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=21
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022・吉野信次
○政府委員(吉野信次君) 一部分ハソレニ
依ッテ達セラレルモノト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=22
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023・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) ソレカラ先
刻名古屋ノ例デ御話ガゴザイマシタガ、其
地區ヲ擴張スル、是ハドノ位ノ範圍ニ出來
得ルモノデゴザイマスカ、擴ゲルト云フコ
トハ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=23
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024・吉野信次
○政府委員(吉野信次君) 御承知ノ通リ同
業組合ノ場合ニ於テハ原則トシテ一府縣ダ
ケニ限ッテ居リマシテ、特別ナ場合デナケレ
バ二府縣ニ跨ラセナイト云フ從來ノ取扱例
デアリマス、工業組合ノ場合ニハ此行政區
劃ノ府縣ト云フコトヲ餘リ頭ニ置カナイ
デ、產業地區ト云フコトデマアヤルコトニ
致シテ居リマス、從ヒマシテ今ノ御話ノヤ
ウナ地區ノ擴張ト云フ場合デ、愛知縣ト三
重縣ト云フヤウナ境ヲ接シテ居ル場合ハ無
論デアリマスシ、實際問題ト致シマシテ大
阪府ト福岡縣ト云フ例モ今生ジテ居リマス
ノデアリマス、境ヲ接シテ居ナイデ一ツノ
地區ト云フコトハドウモチヨット工合ガ惡
イヤウナ風ニモ思ハレマスケレドモ、產業
地區ノ抽象的ノ觀念カラ行ケバサウ云フコ
トモ認メテ宜カラウ、斯ウ云フ私共ノ取扱
デ、是ハマア現實ノ問題ニモナッテ居リマ
スガ、マダソレヲ決定シタ譯デハゴザイマ
セヌケレドモ、サウ云フマア心持デ居リマ
ス、又當業者カラ色ミサウ云フ風ナ質問モ
出マシタ、其地區ノ擴張ト云フコトニ付キ
マシテハ必要ガアレバ、產業地區デアレバ
非常ニ廣ク、極端ナコトヲ言ヒマスレバ大
阪府ト北海道ト云フヤウナ場合ニモ、尙
ツノ地區デヤル積リデアルト云フコトヲ商
工大臣カラ言明サレタヤウナ筋合ニナッテ
居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=24
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025・大川平三郎
○大川平三郞君 重要產業ノ統制ニ關スル
法律案ガ同一ノ委員會ニ附託サレマシタコ
トハ此彙報デ只今見マシタノデスガ、此重
要產業ノ統制案ト云フノハ全ク其文字ノ如
ク最モ重要ナルモノト考ヘマシテ而シテ是
ガ完全ニ輸出ニ關スル問題ト矢張リ關係ガ
アルヤウニモ考ヘラレルノデアリマシテ、
而シテ其中デ重要產業ノ統制ノ問題ノ方ガ
最モ重大デ、重要デアルト云フヤウニモ私
ハ感ジマスノデ、願クバ此重要產業ノ統制
案ト云フコトヲ先ヅ第一ニ議シテ頂イタナ
ラバドウデアラウカ、若クハ之ヲ三者一括
シテト云フヤウナコトニシテ議事ヲ進メテ
戴イタラドウカト思ヒマスガ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=25
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026・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) 委員長ガ申
上ゲマスルガ、實ハ此產業ノ統制ニ關スル
法律案ハ後デ附託サレマシタモノデ、御話
ノ如ク三案共餘程關係ノアル法案デアリマ
スガ、併シ先ヅ重要輸出品工業組合、ソレ
カラモウ一ツノ輸出組合法、此兩案ニ付テ
十分質疑ヲ致シマシテ略、此質疑ノ終ッタ
所デ、統制案ニ移ッタラドウカト云フ考デ
マダ大川君ハ御出席ガ遲カッタモノデアリ
マスカラ、冒頭ニ皆サンニ御諮リシテ、サ
ウシテ此兩案ヲ先キニ議題トスルト云フコ
トニ皆サンノ御承諾デ此二ツヲ先キニ議題
ニ供シタノデアリマス、併シ皆サンノ御意
見デ三案共一緒ニシタ方ガ宜イト云フコト
デアレバ三案共一緒ニシテモ宜シウゴザイ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=26
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027・中島久萬吉
○男爵中島久萬吉君 如何デゴザイマスカ
大分牽聯シテ居ル所デアリマスカラ、三案
一括シテ議題ニ御上セニナッタ方ガ···発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=27
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028・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) チヨット速
記ヲ
〔速記中止〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=28
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029・大久保利武
○委員長(侯爵大久保利武君) ソレデハ今
日ハ是デ散會イタシマス
午前十一時四十三分散會
出席者左ノ如シ
委員長侯爵大久保利武君
副委員長男爵中島久萬吉君
委員
伯爵樺山愛輔君
大川平三郞君
山崎龜吉君
國務大臣
商工大臣俵孫一君
政府委員
商工政務次官橫山勝太郞君
商工省工務局長吉野信次君
商工省貿易局長立石信郞君
商工書記官長崎榮十郞君
臨時產業合理局事務官竹內可吉君
遞信省管船局長侯爵廣幡忠隆君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=005903488X00119310317&spkNum=29
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