1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
辯護士法改正法律案（政府提出）
法律事務取扱の取締に關する法律案（政府提出）
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會議
昭和八年三月十六日（木曜日）午後零時九分開議
出席委員左の如し
委員長 星島二郎君
理事 小野寺章君 理事 山本芳治君
理事 一松定吉君 理事 作田高太郎君
磯部尚君 牧野賤男君
高橋泰雄君 宮澤清作君
松木弘君 紅露昭君
小林かなえ君 武富濟君
内藤正剛君 横山金太郎君
井上剛一君
出席政府委員左の如し
司法政務次官 八並武治君
司法省刑事局長 木村尚達君
委員長の許可を得て出席したる者左の如し
内務書記官 大村清一君
本日の會議に上りたる議案左の如し
辯護士法改正法律案（政府提出）
法律事務取扱の取締に關する法律案（政府提出）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=0
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001・星島二郎
○星島委員長 是ヨリ開會致シマス、都合
ニ依リ午後一時迄休憩致シマス
午後零時十分休憩
午後一時五十七分開議発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=1
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002・星島二郎
○星島委員長 休憩前ニ引續キ開會致シマ
ス、昨日小委員會ノ經過ノ中間報告ヲ致シ
マシタガ、唯第五條ノ第一號ノ問題ト、第
五十五條ノ削除ノ問題ガ縣案ノ儘殘ヲテ居
リマシタ、兩條トモ修正スベシトノ意見ガ
甚ダ强クアッタノデアリマスケレドモ、第五
條ノ第一號ノ修正ヲ是非共通セト云フ强イ
主張ノ爲ニ、第五十五條ハ、本案ヲ通過サ
ス熱心ノ爲ニ修正セザルコトヽナリマシ
ク、其他ノ條文ニ付キマシテハ、字句ノ修
正、例ヘバ繰下トナッタ箇條ノ爲ニ、自然數
字ガ變ッテ參リマシタ、其邊ハ印刷ニ致シ
テ、只今御手許ニ配付致シマスカラ、ソレ
ニ依ッテ御諒承ヲ願ヒタイト思ヒマス、小委
員會ノ經過竝ニ結果ニ付キマシテハ、以上
ノ通リデアリマス
尙ホ修正ノ結果、昨日申上ゲマセヌデシ
タガ、附則ノ中デ、附則第三項ノ「又ハ」
ノ次ニ「一年以上ノ」ヲ入レ、「之ヲ」ノ次
ニ「〓役又ハ一年以上ノ」ヲ入レ、「禁錮」
以下「以上ノ刑」ノ字句ヲ削ルコトニナリ
マシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=2
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003・小野寺章
○小野寺委員 此際政府ニ御確メヲ致シテ
置キタイ點ガ二ツアルノデアリマス、其
ハ辯護士法ト、法律事務取扱ノ取締ニ關ス
ル法律トヲ、二ツニ分ケテ規定サレルコト
ニナッタノデアリマスルガ、元來法律事務取
扱ノ取締ニ關スル法律案ハ、辯護士法ノ內
容ヲ成スベキモノデアルト吾々ハ考ヘテ居
ルノデアリマス、然ルニ特ニ之ヲ御分ケニ
ナッタコトニ對シマシテ、多少危懼ノ念ヲ
有ッテ居ルノデアリマス、其譯ハ是ガ法律事
務取扱ノ取締ニ關スル法律案ヲ分離セラレ
テ、單行法ト致サレタ結果ト致シマシテ、
單純ニ此法律其物ヲ目標トシテ、所謂三百
代言ナル者ガ此法律ノ延期ヲ策シテ、色々
ノ策動ヲ致スニ相違ナイト思フノデアリマ
ス、是ガ若シ辯護士法ノ內容ヲ成スモノニ
ナッテ居リマスルナラバ、單ニ此法律其物ヲ
目標トシテ延期サレルト云フ譯ニ行カヌ、卽
チ辯護士法全體ノ延期ヲ策サナケレバナラ
ヌノデアリマスカラ、自然問題ガ大キクナ
テ、延期ガ不可能トナルト考ヘルノデアリ
マ×·るソコデ吾々ハ辯護士法ト同一ノ運命
ニ取扱ハルベキ此法律事務取扱ノ取締ニ關
スル法律ハ、辯護士法施行期日タル昭和十
一年四月一日、是ハ矢張同法律モ同時ニ
施行サレルコトニ相成ルノデアリマスガ、
兩方トモ延期シナイ、必ズ實行スルト云フ
コトノ御言明ヲ得タイト云フ考デアリマ
ス
モウ一ツハ法律事務取扱ノ取締ニ關スル
法律案中ノ第一條ノ但書デアリマスガ、「正
當ノ業務ニ附隨シテ爲ス場合ハ此ノ限ニ在
ラズ」ト云フ文句ガアリマス、正當ノ業務ニ
附隨シテ之ヲ爲ストハ如何ナルコトデアル
カ、疑義ガアルノデアリマス、卽チ興信所
ノ如キモノガ債權ノ取立、仲裁、和解等ヲ
盛ニ今日ヤッテ居ル、主觀的ニ見タナラバ、
自分ハ正當ノ業務ヲヤッテ居ルノダ、併ナガ
ラソレニ附隨シテ是モ仕事ノ序ニヤッテ居
ルノダ、矢張是ハ附隨ダ、或ハ信託會社デ
モサウ云フコトガアリマセウ、色々ナ意味
ニ於テ此解釋ノ仕樣ニ依リマシテハ、正當
ノ業務ニ附隨ト云フコトハ非常ナ廣イ意味
ニ解サレテ、本法ノ制定ノ趣旨ヲ沒却スル
ヤウニ相成ルト思フノデアリマス、ソレ故
ニ此範圍ヲ此際解釋上明確ニシテ置クコト
ガ必要デアラウト思ヒマス、其點ニ關シ政
府ノ解釋ヲ此際御聲明アランコトヲ望ムノ
デアリマス、是ダケヲ御確メ致シテ置キマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=3
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004・八並武治
○八並政府委員 只今御質問ニナリマシタ
第一點ニ付キマシテハ、私ヨリ御答ヲ致シ
タイト思ヒマス、第二點ハ解釋ノ問題デア
リマスルカラシテ、木村刑事局長ヨリ御答
スルコトノ方ガ宜シイカト存ジマスカラ、
左樣致シタイト存ジマス、只今ノ御質問ノ
第一點ハ此度辯護士法ノ改正ヲ行フニ付
テ、ソレニ附隨ヲ致シテ居ル所ノ法律事務
取扱ノ取締ニ關スル法律案、此二ツノ法案
ニナッテ居ルノデアルガ、法律事務取扱ノ取
締ニ關スル法律案ハ、所謂非辯護士ヲ取締
ルコトガ主トナッテ居ルノデアリマスガ、此
法律ガ運動ヤ、其他ノコトニ依ッテ、本體ヲ
成ス所ノ辯護士法ト分離サレテ施行サレル
ヤウナコトガアッタナラバ、洵ニ宜シクナ
イ、政府ハ必ズ此二ツノ法律案ヲ殆ド同一
體ト見テ、一方ダケヲ延期スルコトハナイ
デアラウト思フガ、此際ナイト云フコトヲ
言明ヲシテ貰ヒタイ、斯ウ云フヤウナ御質
問デアッタト考ヘテ居リマス、御承知ノ通リ
法律事務取扱ノ取締ニ關スル法律案ヲ提出
スル少シ以前ニ於テハ、非辯護士ノ轉業期
間ヲ或ハ五年ニスルトカ、三年ニスルトカ
云フコトヲ法文ノ中ニ書イタコトモアルノ
デアリマス、其時ニ於テ三年ト云フ年期ヲ
法文ノ中ニ書イテ置クナラバ、又運動其他
ニ依ッテ此單行法ダケガ引離サレル虞ガア
ル。サウ云フヤウナ色々ナ說モ行ハレタノ
デアリマシテ、又有力ナ方ガ御出ニナッテ、
ドウモ是デハ運動ノ餘地ガアルト云フヤ
ウナ忠言ヲ戴イタコトモアルノデアリマ
ス、吾々ハ決シテ三年ト云フコトヲ文句ノ
中ニ書イテ居ッテモ、是ダケヲ辯護士法ト引
離シテ、運動ニ依ッテ延期スルト云フ考ハ、
絕對ニナイノデアリマスケレドモ、サウ云
フ疑ヲ挾ム餘地ガアルト云フコトノ御忠言
ニ從ッテ、其三年ノ轉業期間トモ見ルベキ文
字ヲ全然削ッタノデアリマス、而シテ辯護士
法ノ附則ト致シテ「本法ハ昭和十一年四月
一日ヨリ之ヲ施行ス」ト書イテアリマスシ、
又法律事務取扱ノ取締ニ關スル法律ト云フ
モノニモ、附則トシテ同ジク「本法ハ昭和
十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス」ト云フ風
二、ハッキリ施行スル期日ヲ法律ノ上ニ現ハ
シタノデアリマス、此法律ノ上ニ現ハレタ
ト云フコトハ、只今申シマシタヤウナ疑ガ
アッタノデアリマスカラ、其疑ヲ避ケル爲
ニ,ハッキリ玆ニ其期日ヲ指定シテ、法律ト
致シタノデアリマス、若シ假ニ勅令デアリ
マスナラバ、サウ云フ疑ガ相當ニ挾マルヽ
コトデアラウト思ヒマスガ、勅令ハ特ニ避
ケテ、法律ノ中ニ其施行期日ヲ二ツノ法律
ガ全然同一期ニ指定シテアルト云フコトヲ
現ハス爲ニ、實ハ苦心ヲ致シタノデアリマ
ス、サウ云フ次第デアリマスルカラシテ、
本法デアリマス所ノ辯護士法ハズン〓〓先
ニ進ンデ行キ、其附隨トモ云フベキ法律事
務取扱ノ取締ニ關スル法律ダケガ延ビ延ビ
ニナルト云フコトハ、現在ニ於テ全然考ヘ
テ居リマセヌ、又政府トシテモ之ヲ引離シ
テ延期スベキ性質ノモノデハナイト云フコ
トヲ考ヘテ居リマス、故ニ御質問ノ疑ノ點
ハ全然ナイ、言ヒ換ヘレバ政府ハ一方ヲ離
シテ延期スルト云フ觀念ハ、全然ナイト云
フコトヲ此場合言明ヲ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=4
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005・木村尚達
○木村政府委員 只今ノ第二ノ問題ニ付テ
御說明ヲ致シマス、此法律事務取扱ノ取締
ニ關スル法律案ノ第一條ニ所謂正當ノ業務
ニ附隨シテト云フコトガ書イテアリマス
ガ、此意義ハ、例ヘバ信託會社ガ、信託業法
ノ第五條ニ據ッテ兼業シテ居ル不動產賣買
ノ媒介、或ハ金錢若クハ不動產ノ貸借ノ媒
介、或ハ財產ノ管理、處分、貸借、又ハ債
權ノ取立ノ代理事務ヲ營ムコトガ出來ルコ
トニナッテ居リマス、又貯蓄銀行モ、同貯蓄
銀行法ノ第五條デ、債權ノ取立ヲ營ミ得ル
ト云フコトニナッテ居リマス、ソレデ此正當
ノ業務ト云フノハ、是等ノモノヲ意味スル
モノト御解釋ヲ願ヒタウゴザイマス、サウ
シテ是等ノ正當ナル業務ノ順當ナ遂行ヲ期
シマスルニハ、本人ノ意見ニ基イテ、或ル
一定ノ範圍內ニ於テハ、或ハ債權額ヲ少シ
變更スルトカ、或ハ返濟期ヲ延バシテ見ル
トカ、或ハ家賃トカ、地代ヲ增減スルトカ、
是等ノ行爲ヲ爲ス必要ガ當然生レテ來ルト
思ヒマス、然ルニ若シ是等ノ行爲ノ總テヲ
全ク禁遏シテシマウト致シマスレバ、遂ニ
ハ正當ノ業務ノ遂行ヲ非常ニ困難ナラシメ
ルノデアリマス、ソレデ是等ノ附隨シタ行
爲ガ、其當時ノ社會ノ通念上、正當業務ノ
遂行上已ムヲ得ザルモノト認メマスル限リ
ハ、ドウモ是ハ許サネバナルマイト云フ趣
旨デ、正當ノ業務ニ附隨シタコトハ此限リ
ニ在ラズト云フ但書ヲ入レタ所以デアリマ
ス、今小野寺サンノ仰シヤイマシタ興信所
ガ第一條ノヤウナ事ヲヤッテ居ルト云フコ
トデアリマスガ、事情ヲ知リマセヌガ、假
ニサウ云フモノガ出來ルモノトスレバ、ソ
レハ興信業トハ全ク懸離レタモノデ、少シ
モ其事業遂行ニ切離シノ出來ナイ仕事ト
認メラレマセヌカラ、サウ云フ場合ハ、當
然此第一條ニ依ッテ禁止セラレルモノト云
フ風ニ考ヘテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=5
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006・星島二郎
○星島委員長 昨日中間報告ヲ致シマシタ
ノデ、大體終ッテ居リマスケレドモ、刷物ガ
出來マシタカラ、之ヲ此儘速記錄ニ止メル
コトニ致シタイト思ヒマスガ、御異議ハア
リマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=6
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007・星島二郎
○星島委員長 便宜上サウ取計ヒタイト思
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=7
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008・武富濟
○武富委員 只今ノ木村政府委員ノ御答デ
アリマスガ、信託業ノ外ニ豫想サレテ居ラ
ヌノデアリマスカ、唯正當ノ業務ニ附隨ス
ルト云フ抽象的ノ文字ニナルト、許サレテ
居ル業務ガ正當デアレバ、事實上ソレニ附
隨スルト云フヤウナコトハヤッテモ宜イノ
ダト云フ疑ヲ普通ノ人ハ有ツダラウト思ヒ
やる、信託業法竝ニ貯蓄銀行法デ其業務ニ
關係シタモノヽミト、斯ウ云フノデスカ、
其他ニ例ガアルノデスカ、ナイノデスカ、
其點ヲ伺ッテ置キタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=8
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009・木村尚達
○木村政府委員 信託業法ノ第五條、或ハ
貯蓄銀行法ノ第五條ニ揭ゲテアリマス、今
申上ゲタヤウナ種類ノコトハ、矢張個人ト
シテモヤルコトガアルト思ヒマス、例ヘバ
土地家屋ノ差配業、是ハ矢張信託業法ニ書
イテアル業務ト內容ハ同ジデアリマス、是
等ノ法令或ハ認可、或ハ許可ニ基イテ出テ
來ル正當ノ業務ハアルト思ヒマス、唯其業
務ヲ遂行スル上ニ於テ是ガ非デモ、ソレガ
無クンバ遂行ガ出來ナイト云フヤウナ場合
ノミガ附隨シテ居ル、サウ云フ風ニ解釋シ
テ居リマス、今ノ興信業ノヤウナモノハ全
ク懸離レタ問題デ、興信業ノ事務ガ許サレ
テ居ルカラ、隨ッテ整理、仲裁、和解モシテ
宜イト云フ、廣イ意味ニ解スベカラザルモ
ノデアルコトハ當然ノコトヽ考ヘテ居リマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=9
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010・武富濟
○武富委員 差配ノ例ガ出マシタガ、其他
ニハ何ニモ例ハゴザイマセヌカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=10
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011・木村尚達
○木村政府委員 差配業、其他債權ノ取立
ナドモ貯蓄銀行法ニ許サレテ居リマス、其
他一々記憶シテ居リマセヌガ·····発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=11
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012・武富濟
○武富委員 政府委員デサヘ其點ハ分ラヌ
ト云フ位デスカラ、吾々ニモ分ラヌノハ當
然デ、況シテ一般ノ人ニ正當ノ業務ニ附隨シ
タト云フコトガ分ル筈ガアリマセヌ、貯蓄
銀行法、信託業法、差配、此三ツシカ擧ゲ
ラレナイデ、其他ハ分ラヌ、サウスルト許
サレタ業務デアッテ、ソレニ附隨シテ居ルカ
ラト云フ主張ハ、幾ラデモ出來ルヤウナ恰
好ノ場合ヲ想像スルコトガ出來ル、サウ云
〓
フ譯ノ分ラヌ條文デアリマス、分ルヤウナ
條文ニシナケレバナラヌ、分ルヤウニスル
三、法令ニ定メタルモノハ此限リニ在ラ
ズトカ、或ハ列擧スルトカ、正當ノ業務ニ
不可分的ノモノ、ソレヲヤラナケレバ正當
ノ業務ノ遂行ガ出來ヌト云フ內容ヲ成シテ
居ル場合トカ、何トカシナイト、正當ノ業務
ニ附隨ト云フ字句ハ、非常ニ廣汎ニナリマ
シテ、直接ニ附隨シテ居ッテモ附隨、間接ニ
附隨シテ居ッテモ附隨ト云フヤウナ漠然タ
ル法律ヲ定メテ置イタノデハ、將來疑義ガ
生ジテ解決ニ苦シム、此委員會ニ於テ木村政
府委員ガサウ言ハレタカラト云ッテ、一部クノ
解釋ニピッタリ來ヌト問題ヲ貽ス虞ガアリ
マスカラ、此點ハ一ツ政府委員ニ於テモ、
モウ少シ御考究願ッテ事重大デアリマスカ
ラ、實際ノ例ハ僅カ三ツデアッテ、其外ハ分
ラヌ、分ラヌ儘ニ付シテ行クト云フコトハ、
容易ナラヌ結果ヲ生ズルト考ヘマス、政府
委員ノ御考ヲモウ一遍承ッテ置キタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=12
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013・木村尚達
○木村政府委員 只今擧ゲマシタヤウナ事
實ヲ類推シテ考ヘル以外ニハ方法ハナイト
考ヘマス、ソコデ正當ノ業務ト云フコトニ
ナリマスト、大體法令ニ基クカ、或ハ官廳ノ
認可、許可ニ基ク業務ダト、抽象的ニサウ
申上ゲル以外ニ方法ハナイト思ヒマス、問
題ハ附隨ト云フコトダト思ヒマス、其附隨
ト云フ言葉ハ、其正當ノ業務其モノヲ遂行
スル上ニ於テ、其當時ノ社會ノ通念上、或
ハ本人ノ代理トナリ、或ハ一寸シタ和解ヲ
スルトカ、或ハ仲裁ヲスルトカ云フコトヲ
爲サナケレバ、其正當ノ業務遂行ト云フコ
トハ非常ニ困難ニナル、サウ云フ場合ガ卽
チ附隨シタ行爲カト思フノデアリマス、ソ
コデ若シ其行爲ヲ爲サナクテモ、正當ノ業
務ノ遂行ニ少シモ影響ノナイ場合ハ、無論
此一條デ禁遏サルヽモノト考ヘテ居リマ
ス、矢張類推シテ考ヘルヨリ仕方ガナイ、
正當ノ業務ト云フノハサウ云フモノダト思
ヒース発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=13
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014・武富濟
○武富委員 此委員會ノ席上デハ分ッテ居
ルノデアリマス、木村サンガ仰シヤルコト
モ分ッテ居ル、ソレハ法律家デアッテ專門ノ
人間ダカラ分ッテ居ル、所ガ一般ノ社會ノ人
人カラ申シマスルト、正當ノ業務ニ從事シ
テ居ル人間デモ附隨シテ居ルカラ、一々ソ
レハ司法省ガ取締ル譯ニモ參リマセヌシ、
ソレヲ取消スト云フコトモ關係者トシテ面
倒デアリマシテ容易ナラヌ結果ニナリマス
カラ、モウ少シ何トカ旨イ文句ニデモ考ヘ
直シテ戴イテ、疑ノナイヤウニスル譯ニハ行
キマセヌカ、正當ノ業務ニ附隨スル、例
バ公ノ周旋所ガ許サレテ居ル、是ハ官廳ノ
許可ヲ得テヤッテ居ルガ、公衆ノ業デアルカ
ラ附隨シテ居ルコトニナリマスト、或ル程
度ノコトヲシテモ差支ナイヤウニ本人モ思
ウシ、世間モ認メルシ、取締ガ困難デアリ
マス、事實ハ附隨デセウケレドモ、モット直
接ニ附隨シテ居ル事柄デアッテ、其業務ノ內
容ヲ成シテ居ル事柄デアルト云フコトヲ、
直チニ明ニ認メルコトガ出來ルヤウナ法文
デモ案出下サル餘地ハナイモノデアリマセ
ウカ、他ニ御考慮ノ餘地ナシト云フコトニ
ナリマスカ、モウ一遍伺ヒタイト思ヒマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=14
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015・木村尚達
○木村政府委員 此但書ハ實ハ司法省ニ設
ケラレマシタ委員會デモ總テノ人ガ腦漿ヲ
搾リマシテ、今申上ゲマシタヤウナ內容ヲ
現ハス文字トシテハ、此但書以外ニハナカ
ラウ、サウ云フコトデ決定シタノデアリマ
シテ、ドウモ是レ以上ニハッキリシタ文字ト
云フモノハ今ノ所困難デハナイカト考ヘテ
居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=15
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016・作田高太郎
○作田委員 一寸議事進行ニ付テ申上ゲマ
ス、今武富サンノ御質問モ頗ル有意義ノ御
質問デアリマスガ、實ハ御承知ノ通リ、委
員會カラ小委員ヲ設ケ、小委員ノ修正案モ
提案ニナッテ居ルノデアリマシテ、私ハ委員
長ニ希望ヲ致シテ置クノデアリマスガ、此
際修正案ニ對シテ政府ノ意見ヲ御求メ下サ
レバ、玆ニ大體小委員會案ト云フモノガ上
ルノデアリマスカラ、ソレニ付テハ成ベク
早イコトヲ希望致シマスガ、重要ナ質疑ハ
御許シニナリ、サウシテ採決ニ御進ミニナ
ルヤウニ御進行願ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=16
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017・星島二郎
○星島委員長 ソレデハ皆樣ニ御諮リシマ
スガ、實ハ逐條的ニ一々疑義ヲ質シテ行ケ
バ際限ガナイノデ、其爲ニ逐條的ニスルコ
トハ控ヘマシテ、小委員會ガ設ケラレ、サ
ウシテ小委員ノ審議ニ委セラレタノデアリ
マス、其結果小委員會ノ經過及ビ結果ヲ先
般御報〓致シタヤウナ次第デアリマシテ、
此席デ一々ヤラレルコトハ此審議ニ甚ダ困
ル次第デアリマス、併シ御主張ノ點ハ洵ニ
御尤ト思ヒマスガ、ソレハ練リニ練ッテ先
程ノヤウニ妥協シタ譯デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=17
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018・武富濟
○武富委員 病氣デ缺席シテ居ッテ、最後ノ
一日ニ出テ餘リ論ズルコトハ皆樣ニ御迷惑
デアリマセウガ、事重大デアリマスカラ伺ツ
テ置クノデアリマス、附隨ト云フノガドウ
シテモ頭ニビッタリト來ナイノデアリマス、
事重大デアルカラ、又小委員會ヲ開イテモ
差支ナイ、例ヘバ正當ノ業務ニ直接附隨シ
タルモノト云フ風ニ、「直接」ト云フ二字ヲ
入レヽバ疑ハナクナルヤウニ考ヘマスガ、
政府委員ハドウ御考ニナリマスカ、サウ云
フ事ヲ入レヌデモ分ッテ居ルト云フ御考デ
アルナラバ、委員會全體ガサウ云フ御考ナ
ラバ是レ以上ハ論ジマセヌ、「直接」ト云フ
文字ヲ入レヽバピッタリ分ルト思ヒマス、此
點ニ付テ御考慮ノ餘地ガアリマスカドウ
カ、最後ニ政府委員ノ御意見ヲ確メテ置キ
タイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=18
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019・木村尚達
○木村政府委員 政府トシマシテハ此法案
ノ立案ノ趣旨カラ見マシテモ、此法案通リ
デ武富サンノ仰シヤルヤウナ趣旨ニ十分解
釋出來ルダラウト云フ考デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=19
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020・星島二郎
○星島委員長 先程御報〓致シマシタ小委
員會ノ修正條項ノ文字ヲ一、二修正シタイ
ト思ヒマス、第二十一條中但書ノ次ニ但シ
「他ノ」ト云フ字ガ落チテ居リマス、ソレカ
ラ「第二十一條ヲ第二十二條トシ」ノ「ト
シ」ヲ削リ、「ニ改メ」トシ、ソレカラ「第四十
九條第一項中トアル其「中」ヲ取ル、先程
作田委員ヨリ御尋ガアリマシタガ、此際此
修正條項ニ付キマシテ、政府ノ同意アルヤ
否ヤヲ確メタイト思ヒマス、小委員會ニ於
キマシテハ司法大臣ノ意ノアル所ハ聽キマ
シタケレドモ、玆ニ正式ニ政府ノ意見ヲ發
表願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=20
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021・紅露昭
○紅露委員 其前ニ一寸一言伺ッテ置キタ
イ、二十一條ノ但書ヲ司法省ハ御入レニナ
ルト云フ御話デアリマスガ、但書ニ「但シ
法令ニ別段ノ規定アル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ」法令ト云フコトニナリマスト、勅令其
他ノ命令モ總テ含ムヤウニ考ヘマスガ、其
點ノ御解釋ハ如何デスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=21
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022・八並武治
○八並政府委員 其通リデアリマス-只
今小委員會ニ於テ御決定ニナリマシタ修正
案ヲ拜見致シマシタガ、其初メニアリマス
ル「第五條第一號ヲ左ノ如ク改ム、一黴役
又ハ一年以上ノ禁錮ニ處セラレタル者」斯
ウ云フ記載ガアルノデアリマスルガ、此點
ニ付テハ政府ハ反對ノ意ヲ表スルノデアリ
マス、其理由ヲ簡單ニ申述ベマス、第五條ハ
此辯護士法改正ニ於キマシテモ、重大ナ條
項デアリマシテ辯護士ノ品位向上ヲ圖リ、
社會ノ信用ヲ維持スルト云フコトニナレ
バ、相當ノ方デナケレバナラヌコトハ無論
ノコトデアリマスルガ、禁錮以上ノ刑ニ處
セラレタ方ガ、其儘其地位ニ居ルト云フコ
トハ如何ガナモノデアラウカト云フコトモ
一ツ考ヘラレル重點デアリマスガ、尙ホ最
モ重大ナル問題ハ辯護士ノ所謂試驗ヲ受ケ
ル資格デアリマス、辯護士ノ試驗ヲ受ケル資
格ヲ見マスルト云フト、皆禁錮以上ノ刑ニ
處セラレタル方ハ受ケルコトガ出來ナイ、
卽チ受驗資格ガナイノデアリマス、受驗資
格ナキ人ガ試驗ヲ受ケタ後ニ於テハ、禁錮
ニ處セラレテモ宜イ、斯ウ云フヤウナコト
デアリマスルト云フト、全然釣合ト云フモ
ノガソコニ滅却サレルノデアリマス、受驗
資格ノ點ニ付テハ、澤山ノ辯護士以外ノ問
題モアリマスルガ、高等試驗令ノ第三條ト
カ、普通試驗令第五條トカ、或ハ巡査ノ試
驗ヲスルコトデサヘ禁錮以上ニ處セラレタ
ル方ハ受驗資格ガナイト決定サレテ居ルノ
デアリマス、サウ云フ次第デアリマスカ
ラ、受驗ヲスル資格ハナイノデアル、併ナ
ガラ辯護士ニナッタ後デアレバ禁錮以上ニ
處セラレテモ、ソレハ何等差支ナイト云フ
コトハ、ドウシテモ今日ノ法制ノ建前ノ上
カラ行ッテ辯解ノ餘地ハナカラウト政府ニ
於テハ考ヘテ居ルノデアリマス、先程一寸
一言申シマシタ通リニ、辯護士法ノ全體ノ
建前ト云フモノガ辯護士ノ品位ヲ重ンジ、
社會ノ信用ヲ保持スルト云フコトガ今度ノ
改正ノ一眼目ニモナッテ居ルヤウナ次第デ
アリマスルカラ、此改正ニハ政府トシテハ
如何ニ考ヘマシテモ、御同意ヲ申シ兼ネル
ト云フコトヲ此處ニ申上ゲル次第デアリマ
ス、ソレカラ其後ニ澤山ノ條項ガアリマス
ルガ、是ハ昨日ノ小委員會ニ於テモ懇談的
ニ一項々々ニ付テ、實ハ熟談ヲ申上ゲタノ
デアリマス、其熟談ノ結果實ハ政府ニ於テ
モ、御同意ヲ申上ゲタノデアリマス、併シ
御同意ヲ申上ゲタコトニ付キマシテモ、實
ハ一言申上ゲナクチヤナラヌコトハ、此澤
山ノ修正ノ點ニ付キマシテハ、政府トシテ
モ實ハ非常ニ苦シイ所ガアルノデアリマ
ス、原案ヲ飽迄モ支持致シタイト云フ點ガ
澤山アルノデアリマスガ、長イ間ノ懸案デ
アリマスル所ノ辯護士法ガ提出サレタノデ
アリマスルカラ、政府ニ於テモ忍ブダケハ
忍ンデ、先ヅ大ナル所ノ缺點ガナイナラ
バ、此案ヲ本會議ニ於テ早ク上程ヲ願ッテ、
兩院ノ協贊ヲ經テ、本年ハドウカ之ヲ公布
致シタイト云フ衷情ノ上カラ致シマシテ、
忍ブベカラザル點マデモ實ハ忍ンデ、御同
意ヲ申上ゲタノデアリマスカラ、ドウカ其
點ヲ委員諸君ニ於テモ、御諒承ヲ御願致ス
次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=22
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023・作田高太郎
○作田委員 一寸一點質疑ヲシテ置キタイ
ノデアリマス、今紅露君ノ御聽キシタコト
ニ關聯シテヾアリマスガ、多分紅露君ノ意
味ハ私ノ聽キタイヤウナコトデアラウト思
フノデアリマスガ、此二十一條ノ但書ノ他
ノ法令ト云フコトニナレバ、法律及命令ヲ
含ムコトニナルノデアリマスルガ、實ハ最
初「法律」ニト云フ積リデ居ッタノデアリマ
スガ、「法令」ト云フコトニナッテ居ルノデ、
今更仕方アリマセヌガ、勅令、省令デ折角二
十一條ニ與ヘラレタ權利ト云フモノガ蹂躙
ト云フカ、非常ニ危クナルト云フ虞ヲ持ツ
テ居ルモノガ澤山アルノデアリマス、「令」
ト云フコトノ適用ハドウ云フ場合ヲ豫想シ
テ御考ニナッテ居ルカト云フコトヲ御聽キ
シテ置キタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=23
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024・木村尚達
○木村政府委員 作田サンノ御質疑ニ御答
致シマス、法令ト云フコトヲ字義通リニ解
釋致シマスレバ、矢張勅令省令等モ入ルモ
ノト思ヒマスルガ、現在ニ於テ省令勅令ト
云フヤウナモノデ辯護士ノ此問題ニ對スル
權利ヲ否認シテ居ルヤウナ事例ハ一ツモア
リマセヌ、將來ニ於キマシテモ法律ニ態々
認メテアルノニ、異ッタ勅令ヤ省令ノ出ルヤ
ウナコトハ絕對ナイモノト認メテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=24
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025・星島二郎
○星島委員長 此機會ニ私ヨリ內務當局ニ
一言釋明ヲ求メタイト思ヒマス、今囘辯護
士法ガ通過スルコトニナリマスレバ、第四
章ニ於キマシテ、辯護士會ハ法人トスト云
フ規定ガ通ル譯デアリマス、法人ト云フモ
ノハ政府ノ解釋ニ依リマスレバ、公法人ト
云フ意味ニナルノデアリマスルガ、然ル場
合ハ辯護士會所有ノ不動產等ニ付キマシ
テ、免稅ノ行ハレルコトヽ思ヒマスルガ、
其點ニ付キマシテ當局ノ御言明ヲ得タイト
思ヒマス-內務省財務課長大村〓一君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=25
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026・大村清一
○大村內務書記官 政府委員ガ一寸差支ヘ
テ居リマスノデ、私代理デ答辯サシテ戴キ
タイト思フノデアリマス、只今委員長カラ
御確メニナリマシタ點ニ付キマシテハ、實
ハ市制ノ百二十一條第三項ニ於キマシテ
「國府縣市町村其ノ他公共團體ニ於テ公用
ニ供スル家屋物件及營造物ニ對シテハ市稅
ヲ賦課スルコトヲ得ス但シ有料ニテ之ヲ使
用セシムル者及使用收益者ニ對シテハ此ノ
限ニ在ラス」ト云フ明文ガアルノデアリマ
ス、是ト同樣ノ明文ガ町村制ノ方ニモゴザイ
マス、從ッテ公共團體ニ對シマシテハ課稅ヲ
-市稅、町村稅ヲ課ケナイト云フ建前ニ
相成ッテ居リマス、更ニ此規定ハ府縣稅ノ方
ニモ準用ニ相成ッテ居リマス、ソレデアリマ
スカラ、府縣稅モ免稅ニナッテ居ル譯デアリ
マイ、所デ此公共團體ニ辯護士會ガ當ルカ
當ラナイカト云フ點ニ付キマシテハ、從來
ノ辯護士法ニ付キマシテハ、法人ト云フコ
トガ明記サレテナカッタノデアリマスカラ、
多少議論ガゴザイマシタガ、辯護士會モ從
來公共〓體ニ屬スルモノト云フヤウニ取
扱ッテ居ッタノデアリマス、今囘ノ辯護士法
ニ依リマスト、法人ト云フコトモ明記致サ
レマシタノデゴザイマスカラ、其點ニ對ス
ル疑義ハ一層明ニ除却サレタト云フヤウニ
考ヘテ居リマス、隨テ辯護士會ガ只今讀上
ゲマシタ公共團體ニ該當スルモノトシテ取
扱ヘルコトヽ考ヘテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=26
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027・小野寺章
○小野寺委員 質疑ハ此程度デ打切リマシ
テ討論ヲ省略致シマシテ、可決セラレンコ
トヲ望ミマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=27
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028・星島二郎
○星島委員長 小野寺君ノ動議ニ御異議ア
リマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=28
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029・星島二郎
○星島委員長 御異議ナイト認メマス、就
キマシテハ、小委員會ニ依ッテ決定シタル、
先刻御報告シマシタ修正案ニ付テ決定致シ
タイト思ヒマス、此修正案ニ依ッテ修正シ
タル以外ノ點ハ其儘デアリマシテ、ソレニ
付テ御異議ノナイ方ハ起立ヲ願ヒマス
〔贊成者起立〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=29
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030・星島二郎
○星島委員長 起立全員、卽チ本案ハ小委
員會ニ於キマシテ修正シタル通リ、本委員
會ニ於キマシテ全會一致ヲ以テ可決確定致
シマシタ、-續イテ法律事務取扱ノ取締
ニ關スル法律案ニ付キマシテ審議致シタイ
ト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=30
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031・八並武治
○八並政府委員 法律事務取扱ノ取締ニ關
スル法律ニ付キマシテハ、第一條ニ付テ小
委員會ニ於テ御懇談ニナッタ點ニ付キマシ
テ、只今修正案トシテ御提出ニ相成ッタノ
デアリマスルガ、此點ニ付テハ同意ヲ表シ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=31
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032・小野寺章
○小野寺委員 本案ハ質問モナシ、又討論
ノ必要モナイト思ヒマスカラ、之ヲ省略致
シマシテ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=32
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033・星島二郎
○星島委員長 小野寺君ノ御動議ニ御異議
アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=33
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034・星島二郎
○星島委員長 御異議ナイモノト認メマ
ス、仍テ修正通リ可決確定致シマシタ、是
デ散會致シマス
午後二時四十四分散會
〔參照〕
辯護士法改正法律案中左ノ通修正ス
第五條第一號ヲ左ノ如ク改ム
-懲役又ハ一年以上ノ禁鋼ニ處セラ
レタル者
同條第二號中「三年」ヲ「一一年」ニ改ム
第六條第二項中「第二十二條乃至第二十
五條」ヲ「第二十三條乃至第二十六條」
三ツ五人
第十五條第六號ヲ左ノ如ク改ム
六總會ノ決議ニ因リ辯護士會解散シ
タルトキ
第十八條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ他ノ辯護士事務所ニ於テ共同シテ
執務スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第二十一條辯護士又ハ辯護士タリシ者
ハ其ノ職務上知得シタル祕密ヲ保持ス
ル權利ヲ有シ義務ヲ負フ但シ他ノ法令
ニ別段ノ規定アル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第二十一條ヲ第二十二條ニ改メ以下順次
繰下グ
第二十六條第一項中「帝國議會」ノ下ニ
「若ハ地方議會ノ」ヲ加ヘ同條第二項中
「役員」ヲ「業務執行社員、取締役」ニ改ム
第三十四條中「第三十條」ヲ「第三十一
條三國八
第三十八條第六號ヲ削リ第七號ヲ第六號
ニ改メ以下順次繰上グ
第四十四條中「停止シ又ハ辯護士會ノ解
散ヲ命ズル」ヲ「停止スル」ニ改ム
第四十七條中「第三十一條」ヲ「第三十
二條」二六六
第四十九條第一項第三號ヲ削ル
第五十條中「又ハ之ニ解散ヲ命ジ」ヲ削
ル
附則第三項ヲ左ノ如ク改ム
舊刑法ノ重罪ノ刑又ハ一年以上ノ禁錮ニ
處セラレタル者ハ第五條ノ規定ノ適用ニ
付テハ之ヲ懲役又ハ一年以上ノ禁錮ニ處
セラレタル者ト看做ス
法律事務取扱ノ取締ニ關スル法律案中左
ノ通修正ス
第一條中「紛議ニ關シ」ノ下ニ「鑑定、ㄴ
アカノ
第三條辯護士ニ非ザル者ハ利益ヲ得ル
目的ヲ以テ辯護士、法律事務所其ノ他之
ニ類似スル名稱ヲ使用スルコトヲ得ズ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006413131X00619330316&spkNum=34
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