1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十年三月十四日(木曜日)
午後一時三十六分開議
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議事日程 第二十六號
昭和十年三月十四日
午後一時開議
第一 民事訴訟法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二 兵役法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第三 勞働者災害扶助法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第四 工場法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第五 鑛業法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第六 札幌軌道株式會社及矢作水力株式會社所屬軌道の經營廢止に對する補償の爲公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第七 宮崎縣營鐵道及軌道竝に大隅鐵道株式會社所屬鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 家事調停法案(星島二郎君外四名提出) 第一讀會
第九 家事調停法案(中村三之丞君外二名提出) 第一讀會
第十 畜産組合法中改正法律案(高田耘平君外四名提出) 第一讀會
第十一 公證人法中改正法律案(一松定吉君外八名提出) 第一讀會
第十二 公證人法中改正法律案(野田文一郎君提出) 第一讀會
第十三 昭和八年法律第五十三號辯護士法中改正法律案(宮澤清作君外四名提出) 第一讀會
第十四 昭和六年法律第四十號廢止法律案(重要産業の統制に關する件)(森田福市君外一名提出) 第一讀會
第十五 國民保健施設充實に關する法律案(野田文一郎君外五名提出) 第一讀會
第十六 行政執行法中改正法律案(一松定吉君外三名提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十七 營業收益税法中改正法律案(中谷貞頼君外二名提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十八 司法保護法案(小林かなえ君外三名提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十九 司法保護法案(手代木隆吉君外三名提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十 久慈川改修竝水源地治水促進に關する建議案(中井川浩君提出) (委員長報告)
第二十一 大和川改修速進に關する建議案(福井甚三君外二名提出) (委員長報告)
第二十二 阿武隈川下流改修に關する建議案(佐々木家壽治君提出) (委員長報告)
第二十三 國道第三十三號路線一部變更竝改修促進に關する建議案(牧山耕藏君外一名提出) (委員長報告)
第二十四 國道改良工事繼續に關する建議案(中田正輔君提出) (委員長報告)
第二十五 國道第十五號路線改修速進竝奈良大阪間縣道國道編入に關する建議案(福井甚三君外一名提出) (委員長報告)
第二十六 神浦的山兩港灣を指定港灣編入竝修築に關する建議案(牧山耕藏君外一名提出) (委員長報告)
第二十七 長崎縣早岐瀬戸浚渫に關する建議案(牧山耕藏君外一名提出) (委員長報告)
第二十八 大津今津間及今津敦賀間府縣道國道編入に關する建議案(服部岩吉君外二名提出) (委員長報告)
第二十九 西宮京都間に産業道路新設に關する建議案(蔭山貞吉君外四名提出) (委員長報告)
第三十 北海道港灣漁港修築速成に關する建議案(山本厚三君外四名提出) (委員長報告)
第三十一 北海道港灣漁港修築速成に關する建議案(木下成太郎君外十三名提出) (委員長報告)
第三十二 市町村吏員優遇に關する建議案(松尾孝之君外三名提出) (委員長報告)
第三十三 警察署長待遇改善に關する建議案(松尾孝之君外二名提出) (委員長報告)
第三十四 警察官の待遇改善に關する建議案(本田義成君外一名提出) (委員長報告)
第三十五 橿原神宮神苑に於て紀元二千六百年祭擧行に關する建議案(福井甚三君外六名提出) (委員長報告)
第三十六 橿原神宮崇祀に關する建議案(福井甚三君提出) (委員長報告)
第三十七 官幣大社廣田神社を神宮に昇格に關する建議案(蔭山貞吉君提出) (委員長報告)
第三十八 琵琶湖運河開鑿竝大阪附近大工場地帶建設に關する建議案(松山常次郎君提出) (委員長報告)
第三十九 癩療養所擴張竝癩研究所設置に關する建議案(川淵洽馬君外一名提出) (委員長報告)
第四十 癩療養所の位置選定に關する建議案(蔭山貞吉君提出) (委員長報告)
第四十一 防火建築振興に關する建議案(蔭山貞吉君提出) (委員長報告)
第四十二 鑛産税附加税分割賦課に關する建議案(田島勝太郎君外四名提出) (委員長報告)
第四十三 鑛産税附加税分割賦課に關する建議案(松尾孝之君外四名提出) (委員長報告)
第四十四 北海道石炭鐵道運賃低減に關する建議案(松尾孝之君提出) (委員長報告)
第四十五 鐵道運賃引下促進に關する建議案(藤井啓一君外一名提出) (委員長報告)
第四十六 鐵道運賃低減に關する建議案(保良淺之助君提出) (委員長報告)
第四十七 名古屋千種兩驛間にガソリンカー停車場設置に關する建議案(瀬川嘉助君外二名提出) (委員長報告)
第四十八 諫早大村兩驛間に停車場設置に關する建議案(佐保畢雄君提出) (委員長報告)
第四十九 牟岐線の線路決定に關する建議案(眞鍋勝君提出) (委員長報告)
第五十 名古屋龜山間復線工事速成に關する建議案(松田正一君提出) (委員長報告)
第五十一 關ケ原木ノ本間鐵道敷設に關する建議案(仙波久良君外二名提出) (委員長報告)
第五十二 小名木川越中島間鐵道速成に關する建議案(眞鍋儀十君外二名提出) (委員長報告)
第五十三 盛釜石間鐵道線路決定に關する建議案(高橋壽太郎君提出) (委員長報告)
第五十四 荒砥左澤間鐵道速成に關する建議案(佐藤啓君提出) (委員長報告)
第五十五 楯岡寒河江間鐵道速成に關する建議案(佐藤啓君提出) (委員長報告)
第五十六 北海道鐵道敷設速成に關する建議案(山本厚三君外四名提出) (委員長報告)
第五十七 北海道鐵道敷設速成に關する建議案(木下成太郎君外十三名提出) (委員長報告)
第五十八 伊佐鐵道豫定線決定に關する建議案(佐保畢雄君提出) (委員長報告)
第五十九 伊萬里佐世保間鐵道速成に關する建議案(江藤源九郎君外一名提出) (委員長報告)
第六十 肥前鹿島佐世保間省營自動車運輸開始に關する建議案(佐保畢雄君提出) (委員長報告)
第六十一 早岐鹿島間省營自動車運輸開始に關する建議案(牧山耕藏君外二名提出) (委員長報告)
第六十二 白石高畠間省營自動車運輸開始に關する建議案(佐々木家壽治君外一名提出) (委員長報告)
第六十三 大都市交通統制審議會設置に關する建議案(世耕弘一君外三名提出) (委員長報告)
第六十四 日本刀鍛造奬勵に關する建議案(栗原彦三郎君外六名提出) (委員長報告)
第六十五 我か帝國國名の稱呼使用に關する建議案(熊谷五右衞門君提出) (委員長報告)
第六十六 我か帝國國名の稱呼使用に關する建議案(佐藤與一君提出) (委員長報告)
第六十七 長崎縣早岐町を船舶檢査執行地指定に關する建議案(牧山耕藏君外一名提出) (委員長報告)
第六十八 膽振日高兩支廳管内を煙草耕作區域編入に關する建議案(松尾孝之君外三名提出) (委員長報告)
第六十九 膽振日高兩支廳管内を煙草耕作區域編入に關する建議案(手代木隆吉君外四名提出) (委員長報告)
第七十 農業用礦油輸入税免除に關する建議案(多田滿長君提出) (委員長報告)
第七十一 農産物加工試驗場設置に關する建議案(服部岩吉君提出) (委員長報告)
第七十二 信濃川魚梯改造に關する建議案(原吉郎君外三名提出) (委員長報告)
第七十三 原料牛乳及乳製品事業統制に關する建議案(手代木隆吉君外四名提出) (委員長報告)
第七十四 北海道農家負債整理に關する建議案(山本厚三君外四名提出) (委員長報告)
第七十五 機船底曳網漁業取締勵行に關する建議案(大島寅吉君外三名提出) (委員長報告)
第七十六 北海道馬産振興に關する建議案(手代木隆吉君外四名提出) (委員長報告)
第七十七 萬國博覽會開催に關する建議案(竹澤太一君外四名提出) (委員長報告)
第七十八 萬國博覽會開催に關する建議案(頼母木桂吉君外四名提出) (委員長報告)
第七十九 中等學校入學試驗制度改革に關する建議案(松尾孝之君外二名提出) (委員長報告)
第八十 長崎市に高等水産學校設置に關する建議案(向井倭雄君外四名提出) (委員長報告)
第八十一 史蹟名勝天然紀念物保存法中改正に關する建議案(坂東幸太郎君外四名提出) (委員長報告)
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請願
第一 (特別報告第三號)傷痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺族に恩給及其の他に依る金融施設實施の請願 (委員長報告)
第二 (特別報告第四號)祭祀禮典振興に關する請願 (委員長報告)
第三 (特別報告第五號)倶知安町に税務署設置の請願 (委員長報告)
第四 (特別報告第七號)燃料用酒精の製造及輸入税免除其の他に關する請願外一件 (委員長報告)
第五 (特別報告第一一號)按摩術營業取締規則改正の請願 (委員長報告)
第六 (特別報告第一二號)省令に依る理髮營業取締規則發布促進の請願外一件 (委員長報告)
第七 (特別報告第一八號)中頓別村に農事試驗場支場設置の請願 (委員長報告)
第八 (特別報告第一九號)温泉保護法制定の請願 (委員長報告)
第九 (特別報告第二〇號)戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其の他に關する請願外一件 (委員長報告)
第十 (特別報告第二一號)地久節を奉祝日と爲すの請願 (委員長報告)
第十一 (特別報告第二二號)貴族院佛教各宗派管長議員互選規則制定の請願 (委員長報告)
第十二 (特別報告第二三號)貴族院伯子男爵議員選擧規則中改正の請願 (委員長報告)
第十三 (特別報告第二四號)八戸港を開港地に指定の請願 (委員長報告)
第十四 (特別報告第二五號)函館港に港務部設置の請願 (委員長報告)
第十五 (特別報告第二六號)御尊影取扱取締法制定の請願 (委員長報告)
第十六 (特別報告第二七號)僧侶及諸宗教師の政治結社加入に關する請願 (委員長報告)
第十七 (特別報告第二八號)馬淵川改修の請願 (委員長報告)
第十八 (特別報告第二九號)常呂川治水工事速成の請願 (委員長報告)
第十九 (特別報告第三一號)公有水面埋立法改正の請願 (委員長報告)
第二十 (特別報告第三二號)都市計畫に依る寺院境内地受益者負擔金免除に關する請願 (委員長報告)
第二十一 (特別報告第三三號)北見に製糖工場設置の請願 (委員長報告)
第二十二 (特別報告第三四號)函館市に北海道工業試驗場支場設置の請願 (委員長報告)
第二十三 (特別報告第三五號)國有原野拂下に關する請願 (委員長報告)
第二十四 (特別報告第三六號)鬼怒川流域に灌漑用貯水池設置の請願 (委員長報告)
第二十五 (特別報告第三九號)鹿屋飛行場に格納庫竝軍需品倉庫設置の請願 (委員長報告)
第二十六 (特別報告第四一號)江刺家村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第二十七 (特別報告第四二號)元加治村に無集配郵便局設置の請願外一件 (委員長報告)
第二十八 (特別報告第四三號)小齋郵便取扱所を無集配局に改定の請願 (委員長報告)
第二十九 (特別報告第四四號)上麻生郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三十 (特別報告第四五號)岩倉郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三十一 (特別報告第四六號)野田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三十二 (特別報告第四七號)上熊野郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三十三 (特別報告第四八號)日島郵便局に電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三十四 (特別報告第四九號)北海道北鮮諸港間命令定期航路開設の請願 (委員長報告)
第三十五 (特別報告第五〇號)瀧川町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第三十六 (特別報告第五一號)下川根村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第三十七 (特別報告第五二號)湯野村字田原に高梁區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第三十八 (特別報告第五三號)刈谷町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第三十九 (特別報告第五四號)岩内區裁判所廳舍改築の請願 (委員長報告)
第四十 (特別報告第五六號)町村立小學校舍新増改築費國庫補助法制定の請願 (委員長報告)
第四十一 (特別報告第五七號)宗教法制定の請願 (委員長報告)
第四十二 (特別報告第五八號)寺院佛堂國有現境内地竝墓地無償下戻の請願 (委員長報告)
第四十三 (特別報告第五九號)凶作對策として氣象海洋觀測所設置の請願 (委員長報告)
第四十四 (特別報告第六一號)鐵道共濟組合購買部託送貨物運賃八割引撤廢の請願 (委員長報告)
第四十五 (特別報告第六二號)高知、本山間省線「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第四十六 (特別報告第六三號)士別驛温根別間省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第四十七 (特別報告第六四號)矢掛、倉敷間に省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第四十八 (特別報告第六五號)清音、西總社間省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第四十九 (特別報告第六六號)觀音寺、仁尾、詫間間に省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第五十 (特別報告第六七號)東城驛上下町間に省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第五十一 (特別報告第六八號)三雲、八幡間省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第五十二 (特別報告第六九號)倶知安驛より定山溪温泉及洞爺湖温泉に至る區間に省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第五十三 (特別報告第七六號)前郷、矢島間鐵道繰上起工の請願 (委員長報告)
第五十四 (特別報告第七七號)中川村に汽動車停留場設置の請願 (委員長報告)
第五十五 (特別報告第七八號)新高尾村に汽動車停留場設置の請願 (委員長報告)
第五十六 (特別報告第七九號)江丹別村字下江丹別に簡易停車場設置の請願 (委員長報告)
第五十七 (特別報告第八三號)農村窮乏匡救に關する請願 (委員長報告)
第五十八 (特別報告第八五號)戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其の他に關する請願外四件 (委員長報告)
第五十九 (特別報告第八七號)省令に依る理髮營業取締規則發布促進の請願外二十五件 (委員長報告)
第六十 (特別報告第九三號)町村立小學校舍新増改築費國庫補助法制定の請願 (委員長報告)
第六十一 (特別報告第九六號)本郷村大字大年に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第六十二 (特別報告第九七號)西海村大字高屋に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第六十三 (特別報告第九八號)日露戰役當時城津在留民被害救濟の請願 (委員長報告)
第六十四 (特別報告第九九號)財團法人日本少年指導會に對し國庫より助成金下附の請願 (委員長報告)
第六十五 (特別報告第一〇〇號)唐津區裁判所廳舍改築擴張に關する請願 (委員長報告)
第六十六 (特別報告第一〇一號)留邊蘂町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第六十七 (特別報告第一〇二號)上士幌村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第六十八 (特別報告第一〇四號)鹿兒島高等農林學校演習林拂下に關する請願 (委員長報告)
第六十九 (特別報告第一〇五號)白棚鐵道買收の請願 (委員長報告)
第七十 (特別報告第一〇六號)青森函館間航路貨物運賃率改正の請願 (委員長報告)
第七十一 (特別報告第一〇九號)旭田村大字落合に停車場設置の請願 (委員長報告)
第七十二 (特別報告第一一〇號)札沼線中金澤、中小屋兩驛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第七十三 (特別報告第一一一號)新庄村に簡易停車場設置の請願 (委員長報告)
第七十四 (特別報告第一一二號)諫早停車場構内廣場擴張の請願 (委員長報告)
第七十五 (特別報告第一一三號)函館驛改築に關する請願 (委員長報告)
第七十六 (特別報告第一一四號)青森函館間定期航空路開設の請願 (委員長報告)
第七十七 (特別報告第一一五號)元北海道廳森林監守の恩給に關する請願 (委員長報告)
第七十八 (特別報告第一一七號)國會議事堂内に聖徳太子尊像奉安の請願外二件 (委員長報告)
第七十九 (特別報告第一一八號)砂糖消費税入目免除に關する請願 (委員長報告)
第八十 (特別報告第一一九號)製油用大豆關税免除率改正の請願 (委員長報告)
第八十一 (特別報告第一二〇號)柿本神社を別格官幣社に昇格の請願 (委員長報告)
第八十二 (特別報告第一二一號)品川神社創建に關する請願 (委員長報告)
第八十三 (特別報告第一二四號)加古川治水工事續行の請願外一件 (委員長報告)
第八十四 (特別報告第一二五號)大富村地内最上川に治水工事實施の請願 (委員長報告)
第八十五 (特別報告第一二六號)阿賀川治水工事促進に關する請願 (委員長報告)
第八十六 (特別報告第一二七號)罹災救助基金法附則第二十四條の運用に關する請願 (委員長報告)
第八十七 (特別報告第一二八號)罹災救助基金法附則の適用繼續に關する請願 (委員長報告)
第八十八 (特別報告第一二九號)映畫對策確立實施に關する請願 (委員長報告)
第八十九 (特別報告第一三二號)荻伏漁港修築の請願 (委員長報告)
第九十 (特別報告第一三三號)頓別原野土地改良促進の請願 (委員長報告)
第九十一 (特別報告第一三六號)國有林野特賣に關する請願 (委員長報告)
第九十二 (特別報告第一三七號)五郷山部分林無償下附に關する請願 (委員長報告)
第九十三 (特別報告第一四二號)膃肭獸獵獲解禁に關する請願 (委員長報告)
第九十四 (特別報告第一四三號)能生漁港修築工事完成の請願 (委員長報告)
第九十五 (特別報告第一四四號)明石港修築擴張の請願 (委員長報告)
第九十六 (特別報告第一四五號)中川村大字川山に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第九十七 (特別報告第一四六號)檜枝岐村に三等郵便局設置の請願外一件 (委員長報告)
第九十八 (特別報告第一四七號)岩月村大字入田付に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第九十九 (特別報告第一四八號)關平村に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第百 (特別報告第一四九號)大山田村大字大山田上郷に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百一 (特別報告第一五〇號)金子郵便取扱所を無集配局に改定の請願 (委員長報告)
第百二 (特別報告第一五一號)津田郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第百三 (特別報告第一五二號)青方郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第百四 (特別報告第一五三號)稻荷山驛前郵便局に集配竝電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第百五 (特別報告第一五四號)北海道香港眞韮南洋諸港間に命令定期航路開設の請願 (委員長報告)
第百六 (特別報告第一五五號)甑島航路國庫補助に關する請願 (委員長報告)
第百七 (特別報告第一五七號)深川町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第百八 (特別報告第一五八號)三笠村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百九 (特別報告第一五九號)市山村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百十 (特別報告第一六〇號)豐頃村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百十一 (特別報告第一六一號)海老町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百十二 (特別報告第一六二號)桶川町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百十三 (特別報告第一六四號)各種學校の教科目中に宗教科目を加ふるの請願外三件 (委員長報告)
第百十四 (特別報告第一六五號)小學校教員俸給全額國庫支辨の請願 (委員長報告)
第百十五 (特別報告第一六六號)實業補習學校青年訓練所義務制竝該經費國庫支辨の請願 (委員長報告)
第百十六 (特別報告第一六七號)阿寒國立公園地帶週遊省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第百十七 (特別報告第一六八號)美幌、弟子屈間省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第百十八 (特別報告第一七〇號)專用側線諸料金免除に關する請願 (委員長報告)
第百十九 (特別報告第一七一號)川越村大字鹿賀に簡易停車場設置の請願 (委員長報告)
第百二十 (特別報告第一七二號)上士幌線速成の請願 (委員長報告)
第百二十一 (特別報告第一七五號)岩國、萩間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百二十二 (特別報告第一八二號)戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其の他に關する請願外一件 (委員長報告)
第百二十三 (特別報告第一八三號)傷痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺族に恩給及其の他に依る金融施設實施の請願外一件 (委員長報告)
第百二十四 (特別報告第一八八號)傷痍軍人待遇に關する請願 (委員長報告)
第百二十五 (特別報告第一八九號)傷痍軍人受恩給者救濟機關設置の請願 (委員長報告)
第百二十六 (特別報告第一九〇號)無償傷痍軍人待遇に關する請願 (委員長報告)
第百二十七 (特別報告第一九三號)外交科試驗に西班牙語を加ふるの請願 (委員長報告)
第百二十八 (特別報告第一九四號)玉津税務署復活に關する請願 (委員長報告)
第百二十九 (特別報告第一九五號)伊丹税務署廳舍改築の請願 (委員長報告)
第百三十 (特別報告第一九六號)濟生會診療機關用地免租の請願 (委員長報告)
第百三十一 (特別報告第一九七號)酒類販賣業免許制度制定の請願 (委員長報告)
第百三十二 (特別報告第一九八號)自家用濁酒釀造許可に關する請願 (委員長報告)
第百三十三 (特別報告第一九九號)伊弉諾神社の社號を神宮に改稱の請願 (委員長報告)
第百三十四 (特別報告第二〇〇號)多賀城神宮創建に關する請願 (委員長報告)
第百三十五 (特別報告第二〇一號)荒川護岸工事速成の請願 (委員長報告)
第百三十六 (特別報告第二〇三號)田尻川改修の請願 (委員長報告)
第百三十七 (特別報告第二〇四號)新宮川治水工事急施の請願 (委員長報告)
第百三十八 (特別報告第二〇五號)風水害地小河川に砂防工事施行の請願外三件 (委員長報告)
第百三十九 (特別報告第二〇六號)清凉飮料水營業取締規則改正の請願 (委員長報告)
第百四十 (特別報告第二〇七號)人工甘味質取締規則一部改正の請願 (委員長報告)
第百四十一 (特別報告第二〇八號)「ヂフテリヤ」患者治療費國庫負擔に關する請願 (委員長報告)
第百四十二 (特別報告第二〇九號)大津河口改修工事促進の請願 (委員長報告)
第百四十三 (特別報告第二一〇號)幾春別川治水促進の請願 (委員長報告)
第百四十四 (特別報告第二一一號)十勝川治水工事區域延長の請願 (委員長報告)
第百四十五 (特別報告第二一三號)標茶村に製糖工場設置の請願外一件 (委員長報告)
第百四十六 (特別報告第二一五號)浦河漁港に第二期擴張工事施行の請願 (委員長報告)
第百四十七 (特別報告第二一八號)大間港修築工事速成の請願 (委員長報告)
第百四十八 (特別報告第二二〇號)産業技術員身分保證に關する請願 (委員長報告)
第百四十九 (特別報告第二二二號)時局匡救水産施設實施繼續の請願 (委員長報告)
第百五十 (特別報告第二二三號)沿岸漁業振興に關する請願 (委員長報告)
第百五十一 (特別報告第二二四號)漁村金融改善に關する請願 (委員長報告)
第百五十二 (特別報告第二二五號)漁村指導機關整備に關する請願 (委員長報告)
第百五十三 (特別報告第二二六號)漁船保險制度創設の請願 (委員長報告)
第百五十四 (特別報告第二二七號)水質汚濁防止に關する請願 (委員長報告)
第百五十五 (特別報告第二二八號)海洋調査機關擴充整備に關する請願 (委員長報告)
第百五十六 (特別報告第二二九號)水産會法改正に關する請願 (委員長報告)
第百五十七 (特別報告第二三〇號)水産會技術員助成費増加の請願 (委員長報告)
第百五十八 (特別報告第二三一號)北洋及南洋漁業の統制振興に關する請願 (委員長報告)
第百五十九 (特別報告第二三二號)水産國策審議會設置の請願 (委員長報告)
第百六十 (特別報告第二三三號)鰮の生棲及蕃殖状態調査に關する請願 (委員長報告)
第百六十一 (特別報告第二三四號)災害復舊助成均霑に關する請願 (委員長報告)
第百六十二 (特別報告第二三五號)堰堤に魚道設置勵行の請願 (委員長報告)
第百六十三 (特別報告第二三六號)産馬用地として國有林野一部開放の請願 (委員長報告)
第百六十四 (特別報告第二三七號)裝蹄師法制定の請願 (委員長報告)
第百六十五 (特別報告第二三八號)震災保險法制定の請願外十一件 (委員長報告)
第百六十六 (特別報告第二三九號)大津村字生花苗に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百六十七 (特別報告第二四〇號)都賀行村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百六十八 (特別報告第二四一號)小倉村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百六十九 (特別報告第二四二號)羽地村大字饒平名に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百七十 (特別報告第二四三號)三澤村に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第百七十一 (特別報告第二四四號)莊内郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第百七十二 (特別報告第二四五號)深川郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第百七十三 (特別報告第二四六號)在所郵便局に集配竝電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第百七十四 (特別報告第二四七號)大野町西谷村間に電信電話の架設の請願 (委員長報告)
第百七十五 (特別報告第二四八號)北千島に郡司大尉の名を冠したる燈臺設置の請願 (委員長報告)
第百七十六 (特別報告第二四九號)新潟北鮮間航路優秀船就航の請願 (委員長報告)
第百七十七 (特別報告第二五〇號)朝鮮に參政權實施の請願 (委員長報告)
第百七十八 (特別報告第二五一號)舊韓國將校竝相當官及准士官に扶助金下賜の請願 (委員長報告)
第百七十九 (特別報告第二五五號)加美村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百八十 (特別報告第二五六號)日美村大字美袋に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百八十一 (特別報告第二五七號)遠輕町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百八十二 (特別報告第二五八號)士幌村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百八十三 (特別報告第二五九號)江ノ浦村外二箇村を長崎區裁判所管轄に變更の請願 (委員長報告)
第百八十四 (特別報告第二六〇號)高知刑務所移轉に關する請願 (委員長報告)
第百八十五 (特別報告第二六一號)刑務所に於ける武道具製造販賣廢止に關する請願 (委員長報告)
第百八十六 (特別報告第二六二號)皇子空也上人御墳墓確定に關する請願 (委員長報告)
第百八十七 (特別報告第二六四號)倉敷、新見兩驛間に「ガソリンカー」運轉開始の請願 (委員長報告)
第百八十八 (特別報告第二六五號)高梁より地頭及田原に至る區間に省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第百八十九 (特別報告第二六六號)熊野中邊路省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第百九十 (特別報告第二六七號)山本、豐濱間に省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第百九十一 (特別報告第二六八號)宍粟驛驛名變更に關する請願 (委員長報告)
第百九十二 (特別報告第二六九號)漬物類鐵道運賃輕減に關する請願 (委員長報告)
第百九十三 (特別報告第二七〇號)徳島港に船車聯帶運輸實施の請願 (委員長報告)
第百九十四 (特別報告第二七一號)徳島、高知間直通列車運轉に關する請願 (委員長報告)
第百九十五 (特別報告第二七二號)阿久根町大字大川に簡易停車場設置の請願 (委員長報告)
第百九十六 (特別報告第二七三號)中洲村大字酒津に季節假停車場設置の請願 (委員長報告)
第百九十七 (特別報告第二七四號)仙鐵管内地方鐵道竝軌道補助救濟の請願 (委員長報告)
第百九十八 (特別報告第二七六號)戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其の他に關する請願外九件 (委員長報告)
第百九十九 (特別報告第二七七號)傷痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺族に恩給及其の他に依る金融施設實施の請願外十二件 (委員長報告)
第二百 (特別報告第二八〇號)省令に依る理髮營業取締規則發布促進の請願外二件 (委員長報告)
第二百一 (特別報告第二八二號)僧侶及諸宗教師の政治結社加入に關する請願 (委員長報告)
第二百二 (特別報告第二八三號)貴族院伯子男爵議員選擧規則中改正の請願 (委員長報告)
第二百三 (特別報告第二八四號)寺院佛堂國有現境内地竝墓地無償下戻の請願 (委員長報告)
第二百四 (特別報告第二八五號)都市計畫に依る寺院境内地受益者負擔金免除に關する請願 (委員長報告)
第二百五 (特別報告第二八六號)宗教法制定の請願 (委員長報告)
第二百六 (特別報告第二八七號)貴族院佛教各宗派管長議員互選規則制定の請願 (委員長報告)
第二百七 (特別報告第二八八號)各種學校の教科目中に宗教科目を加ふるの請願外六件 (委員長報告)
第二百八 (特別報告第二九〇號)小學校教員俸給全額國庫支辨の請願 (委員長報告)
第二百九 (特別報告第二九二號)農村窮乏匡救に關する請願 (委員長報告)
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(左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す)
一政府より提出せられたる議案左の如し
民事訴訟法中改正法律案
(以上三月十二日提出)
一昨十三日貴族院より受領したる政府提出案左の如し
兵役法中改正法律案
勞働者災害扶助法中改正法律案
工場法中改正法律案
鑛業法中改正法律案
一議員より提出せられたる議案左の如し
日本音樂を女學校教科目に編入に關する建議案
提出者 山本芳治君
京濱國道新設に關する建議案
提出者
三上英雄君 安藤正純君
(以上三月十一日提出)
一議員より提出せられたる質問主意書左の如し
怪文書取締に關する質問主意書
提出者 中村不二男君
(以上三月十三日提出)
一去十二日岡田内閣總理大臣より左の通發令ありたる旨の通牒を受領せり
陸軍省法務局長 大山文雄
第六十七囘帝國議會陸軍省所管事務政府委員被仰付
一去十二日に於ける特別委員の異動左の如し營業收益税法中改正法律案(中谷貞頼君外二名提出)委員
辭任 川島正次郎君 補闕 土倉宗明君
一昨十三日に於ける特別委員の異動左の如し
産繭處理統制法案(政府提出)外二件委員
辭任 綾部健太郎君 補闕 瀬川嘉助君
營業收益税法中改正法律案(中谷貞頼君外二名提出)委員
辭任 土倉宗明君 補闕 川島正次郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=0
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001・濱田國松
○議長(濱田國松君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、御諮リスルコトガアリマス、第六部選
出豫算委員野中徹也君、第八部選出豫算委
員生田和平君、右常任委員辭任ノ申出ガアリ
マス、之ヲ許可スルニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=1
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002・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ガナイト認メ
VV、仍テ許可スルコトニ決定シマシタ、
其部ノ諸君ハ速ニ補鬪選擧ヲ行ハレ、御屆
アランコトヲ希望致シマス-日程第一、
民事訴訟法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ
マス-司法大臣小原直君
第一民事訴訟法中改正法律案(政府
提出)第一讀會
民事訴訟法中改正法律案
民事訴訟法中左ノ通改正ス
第五百七十條第一項第二號中「一个月」ヲ
「三个月」ニ改ム
同條第二項中「然レトモ」ヲ削リ「第三號
乃至第八號」ヲ「第一項第三號乃至第八
號」ニ改メ同項ノ前ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第二號ノ場合ニ於テ食料又ハ薪炭
ニ各數種ノモノアルトキハ執達吏ハ債
務者ノ利益ヲ考慮シテ差押ヲ爲ササル
範圍ヲ定ムルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ執達吏ハ一應差押ヲ
爲シタル上執行裁判所ニ差押フ可キ物
ノ指定ヲ求ムルコトヲ得此指定ニ對シ
テハ當事者ハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第五百七十條ノ二差押ニ因リ債務者カ
其生活上囘復スルコト能ハサル窮迫ノ
狀態ニ陷ルノ恐アル場合ニ於テ債務者
カ誠實ニシテ債務履行ノ意思アリ且債
權者ノ經濟ニ甚シキ影響ヲ及ホササル
モノト認ム可キ顯著ナル事由アルトキ
ハ裁判所ハ債務者ノ申立ニ因リ前條ノ
規定ニ依ルノ外必要ナル限度ニ於テ差
押フルコトヲ得サル財產ヲ定ムルコト
ヲ得
前項ノ裁判ヲ爲シタル後ニ於テ理由消
滅シ又ハ事情變更シタルトキハ裁判所
ハ當事者ノ申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ
前項ノ裁判ヲ取消シ又ハ之ヲ變更スル
コトヲ得
第五百二十二條第二項ノ規定ハ前二項
ノ場合ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ開始シタル强制執行ニ付テ
ハ仍從前ノ例ニ依ル但シ第五百七十條ノ
二ノ規定ハ本法施行前ニ開始シタル强制
執行ニ付テモ亦之ヲ適用ス
國稅徵收法第十六條第二號中「一箇月」ヲ
「三箇月」ニ改ム
附則第二項本文ノ規定ハ前項ノ規定ヲ適
用スル場合ニ關シ之ヲ準用ス
〔國務大臣小原直君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=2
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003・小原直
○國務大臣(小原直君) 只今上程ニナリマ
シタ民事訴訟法中改正法律案ニ付キ提案ノ
理由ヲ說明致シマス、本案ハ農業者等ノ生
活安定ニ資セントスルモノデアリマシテ、
此問題ニ付キマシテハ、御承知ノ通リ去ル
第六十五囘ノ帝國議會ニ際シ、貴族院ニ於
キマシテ、農業者等ノ窮狀緩和ニ關スル決
議モアリ、旁〓政府ト致シマシテハ關係各省
協議ヲ重ネマシタル結果、民事訴訟法中差
押ニ關スル規定ヲ適當ニ改正スベキモノト
考ヘマシテ、茲ニ本案ヲ提出スルニ至ッタ次
第デアリマス、本案ニ於キマシテハ現行
民事訴訟法ノ强制執行ニ關スル規定中、第
五百七十條第一項第二號ニ、債務者及ビ其
家族ニ必要ナル一个月間ノ食料及ビ薪炭ヲ
差押フルコトヲ得ザルモノトシテ居リマス
ノヲ、三个月間ノ食料及ビ薪炭ト改メマシ
テ、生活ノ保障ノ程度ヲ擴張シ、更ニ右ノ
外一般ニ差押ニ因ッテ債務者ガ生活上囘復
スルコト能ハザル窮迫ノ狀態ニ陷ル恐アル
場合ニ、裁判ニ依ッテ必要ナル限度ニ於テ財
產ヲ保留スルコトノ出來ル途ヲ開カントス
ルモノデアリマス、斯クシテ番ニ農業者ノ
ミナラズ、小商工業者其他ノ窮狀ヲモ、相
當ニ緩和スルコトガ出來ルモノト信ズルノ
デアリマス、尙ホ本案ニ於キマシテハ、右
ノ如ク民事訴訟法ヲ改正致シマシタコトヽ
均衡ヲ得セシムル爲ニ、國稅徵收法ノ規定
ヲモ改正シテ、三个月間ノ食料及ビ薪炭ハ、
國稅滯納處分ニ依リマシテモ、之ヲ差押へ
ルコトヲ得ザルモノト致シ、兩者相俟ッテ窮
狀緩和ノ實ヲ擧ゲタイト考ヘタノデアリマ
ス、何卒此趣旨ニ御贊同下サイマシテ、速
ニ御審議ノ上御協贊アランコトヲ希望スル
次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=3
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004・濱田國松
○議長(濱田國松君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=4
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005・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 本案ハ藤田若水君外四名
提出、借地借家調停法中改正法律案外六件
ノ委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=5
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006・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=6
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007・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
ニ、兵役法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ
マイル陸軍政務次官士岐章君
第二兵役法中改正法律案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
兵役法中改正法律案
兵役法中左ノ通改正ス
第十一條現役兵ニシテ靑年學校ノ課程
又ハ之ト同等以上ト認ムル課程ヲ修メ
タル者ノ在營期間ハ六月以內之ヲ短縮
スルコトヲ得
前項ニ規定スル課程ノ修得ノ程度、認
定及在營期間短縮ニ關スル事項ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四條中「翌年一月中ニ」ヲ「其ノ年
十一月中ニ」ニ、「其ノ年一月中ニ」ヲ「其
ノ前年十一月中ニ」ニ改ム
第三十九條第一項第五號中「感化院」ヲ
「少年〓護院」ニ改ム
第五十一條第一項中「徴兵檢査ヲ行フ」ノ
下ニ「戶籍ノ記載ノ錯誤ノ爲徵兵檢査ヲ
受クベキ者ニシテ之ヲ受ケザリシモノヲ
發見シタルトキ亦同ジ」ヲ加フ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前靑年訓練所ノ訓練又ハ之ト同
等以上ト認メラレタル訓練ヲ修了シタル
者ノ在營期間短縮ニ關シテハ仍從前ノ例
口腔ん
〔政府委員子爵土岐章君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=7
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008・土岐章
○政府委員(子爵土岐章君) 只今上程ニナ
リマシタ兵役法中改正法律案ヲ提出スルニ
至リマシタ理由ヲ御說明申上ゲマス、近ク
靑年訓練所ト實業補習學校トヲ併合致シマ
シテ、新ニ靑年學校ヲ設ケラルヽコトヽナ
リマシタノデアリマスガ、其併合ノ目的竝
ニ新舊施設ノ内容ヨリ見マシテ、新ニ設ケ
ラレル靑年學校ニ付テモ、靑年訓練所ニ於
ケルト〓ネ同樣ノ趣旨ニ於テ、在營期間短
縮ノ制ヲ認メルコトガ適當デアルト存ジマ
スノデ、之ニ關スル所要ノ改正ヲ致シタイ
ト思ヒマス、次ニ壯丁ノ徵兵適齢屆ハ
月末迄ニ差出スコトニナッテ居リマスノニ
對シ、市町村長ガ壯丁ノ人員ヲ調査致シマ
スノハ一月ノ初メデアリマシテ、兩者ノ間
ニ連絡ガナイノデアリマスガ、徵集準備上、
市町村長ガ壯丁人員ヲ調査致シマスニ當ツ
テ、單ニ戶籍ノ上ダケデハ承知シ得ナイ事
項ガ增加シテ參リマシテ、市町村長ハ其資
料ニ困難シテ居ル實情ニアリマスノデ、此
際徵兵適齢屆ヲ市町村長ノ壯丁人員調査前
ニ提出致サセマシテ、之ヲ調査ノ資料トス
ルコトガ適當ト考ヘルノデアリマス、以上
ハ今囘法律案ヲ提出スルニ至リマシタ主要
ノ事項デアリマシテ、其他ハ從來ノ經驗ニ
基キマシテ、明ニシテ置キタイ事項、及ビ
他ノ法令ノ改廢ニ伴フ事項ヲ附加ヘテ提出
致シタ次第デアリマス、何卒愼重御審議ノ
上、御協贊アランコトヲ希望致シマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=8
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009・濱田國松
○議長(濱田國松君) 質疑ノ通〓ガアリマ
ス、之ヲ許シマスー宮脇長吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=9
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010・宮脇長吉
○宮脇長吉君 簡單デアリマスカラ、此席
カラ發言致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=10
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011・濱田國松
○議長(濱田國松君) 許シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=11
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012・宮脇長吉
○宮脇長吉君 私ノ質問ハ陸軍大臣ニ答辯
ヲ願ヒタイト思ヒマスガ、陸軍大臣ハ他ニ
事情ガアリマシテ御出席ガアリマセヌノ
デ、軍務局長カラ御答辯願ヒマス
從來ノ成績ニ徵シ、靑年訓練所ノ訓練
ヲ習得シタル者ニ、在營期間ヲ六箇月短縮
スルモ、其能力ニ於テ一般兵ニ比シ遜色ナ
キヤ
二、靑年訓練所ノ訓練ヲ修了シクル者ニ、
在營期間ヲ短縮スルノ特典ヲ與フル結果ト
シテ、靑年訓練所ノ成績ヲ豫期ノ如ク擧ゲ
アルモノト思惟シ居ルヤ
三、靑年學校ノ課程ヲ修メタル者ト、從來
ノ靑年訓練所ノ訓練ヲ修了シタル者トヲ比
較シ、現役兵ノ豫備〓育トシテノ點ヨリ見
テ、卽チ〓練科ノ實績ヨリ見テ其ノ優劣見
込如何
四、兵役法第十一條制定ノ際、現役在營
期間ニ長短ヲ附スル爲、軍隊〓育ヲ複雜ナ
ラシムルノミナラズ、軍隊練成上一大支障
ヲ生ズベシトノ疑念ヲ抱クモノアリシガ、
其結果果シテ如何
五、現行法ニハ現役兵ニシテ靑年訓練所ノ
訓練又ハ之ト同等以上ト認ムル訓練ヲ修了
シタル者云々トアリ、然ルニ改正法ニハ課
程ヲ修メタル者云々トアリ、「修了」ハ卒業
ノ意味ニシテ「修メ」ハ中途退學者ヲモ含ム
モノト考ヘル、其結果第二項ニ新ニ課程ノ
修得ノ程度ト云フ字句ヲ挿入シアリ、果シ
テ如何ナル理由ナリヤ
此點ヲ御伺シマシテ、御答辯如何ニ依リマ
シテハ、私再質問致シマス
〔政府委員永田鐵山君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=12
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013・永田鐵山
○政府委員(永田鐵山君) 只今ノ御質問ニ
御答ヲ申上ゲマス、第一ノ御質問ハ、從來
ノ成績ニ徵シマシテ、靑年訓練ノ修了者ニ
對シマシテ六箇月ノ短縮ヲ致シテ居リマス
ルガ、ソレニ依ッテ軍人トシテノ能力ニ低下
ヲ來サナイカドウカト云フ御趣旨デアッタ
ト思ヒマス、靑訓終了者ニ對シマシテ、從
來步兵ニ於キマシテハ、六箇月以內ノ年限
短縮ヲ實施致シテ居リマスルガ、大體之ニ
依リマシテ軍隊〓育ノ成果ニ支障ハ來シテ
居ラナイト存ジテ居リマス、ソレカラ第二
ノ御質問ハ、少シ御質問ガ御早ウゴザイマ
シタノデ、能ク聽取レマセヌデシタノデ、
第三ノ御質問ニ付テ御答申上ゲマス、今度
ノ制度ニ依リマスル靑年學校ノ課程ヲ了ヘ
タ者ト、從來ノ靑年訓練ノ〓練ノ課程ヲ了
ヘタ者ト、實績ノ上ニ於テ優劣ニ付テノ見
込ハドウカト云フ御尋ノヤウニ拜シマシ
タ、大體ニ於キマシテ、今囘ノ制度ニ依リ
マスル靑年學校ノ〓練ノ課程ヲ了ヘマシタ
者ト、從來ノ靑年訓練ノ課程ヲ了ヘマシタ
者ト、成果ニ於テ大ナル差ナイモノト考ヘ
テ居リマス、次ニ第四ノ御質問ハ靑年訓
練ヲ了リマシタ者ト、然ラザル者トニ於キ
マシテ、兵役年限ニ長短ガアリマスルガ、
之ニ依ッテ軍隊〓育ヲ複雜ニシ、其他軍隊〓
育上不利ヲ受ケテハ居ラヌカト云フ御趣旨
ト拜シマシタガ、長短ノアリマスルノハ、
或ル程度ノ不利ハ感ジテ居リマス、併ナガ
ラ其不利ヲ忍ンデ居リマスノハ、靑年訓練
ト云フ施設ガ、國家ノ爲ニ極メテ重要デア
リマシテ、又之ヲ習得致シマシタ者ニハ、
年限ヲ短縮スル特典ヲ附スルノガ至當デア
ルト云フコトニ重點ガ置カレマシテ、其結
果多少ノ不便ハゴザイマスルガ、之ヲ忍ン
デ居ルモノト考ヘテ居リマス、第六ノ御質
問ハ、法文ニ關シテノ御質問デアリマスル
ガ、新シイ法文ニ於キマシテハ、課程ヲ經
タル者ト云フヤウナ意味ニナッテ居リマシ
テ、隨テ次ノ但書デ、一定ノ別ニ定ムル所
ノ課程ヲ了レバ宜シイト云フコトニナッテ
居リマスルガ、是ハ單ナル法律技術ノ問題
デゴザイマシテ、從來ハ靑年訓練ノ〓練竝
ニ學科ノ時間ガ定マッテ居リマシテ、比較的
少イ時間デアッタノデアリマス、ソレヲ全部
終了致シマシタ者ニハ、年限短縮ノ特典ヲ
與ヘテ居ッタノデアリマスガ、今囘ハ靑年學
校ニナリマシテ、靑年學校ニ於キマスル課
程ハ、從來ノ靑年訓練所ト靑年學校ヲ合一
シマシタ關係上、從來ノ靑年訓練ニ於キマ
スルモノニ比シマシテ、學科ノ分量、時間
ガ著シク長クナッテ居リマス、デアリマスカ
ラ此靑年學校ノ全課程ヲ終了シタ者ニ、特
典ヲ與ヘルト云フノデアリマスト、從來ト
趣旨ガ變ッテ參リマシテ、著シク澤山ノ學科
ノ〓育ヲ受ケタ者ニ、初メテ特典ヲ與ヘル
ト云フコトニナリマシテ、從來ノト相違ガ
出來テ參リマス、デアリマスカラ今囘ハ靑
年學校ノ課程ノ中ノ一定分量、卽チ從來ノ
靑年訓練所デ〓育シマシタ學科竝ニ〓練ノ
分量ニ、大體該當シマスル分量ヲ別ニ規定
致シマシテ、ソレダケノ課程ヲ經タ者ニ、
年限短縮ノ特典ヲ與ヘルト云フコトニ致シ
タ次第デアリマス、以上御答申上ゲマス
〔宮脇長吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=13
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014・宮脇長吉
○宮脇長吉君 只今ノ軍務局長ノ御答辯中、
諒承シタ點モアレバ、尙ホ重ネテ御伺シタ
イ點モアル、之ニ付キマシテハ何レ他ノ機
會ニ御伺シタイト思ヒマス、今ノ御答辯中
最モ重要ナ點ハ靑年訓練ヲ終了シタ者ニ
六箇月間ノ現役在營期間ヲ短縮シテモ、尙
且ツ軍事上ノ要求ニ大體副フ、斯ウ云フ意
味ノ御答辯デアリマス、私ハ是ハ頗ル重要
ナ問題ダト思フ、卽チ靑年訓練所ノ訓練ノ
程度ニ於テ、二年ノ在營年限ヲ一年半ニ短
縮シテ尙且ツ可ナリトスルナラバ、目下ノ
兵役法ニ私ハ相當考慮シ、在營年限ニ付テ
十分〓究ノ餘地アリト思フノデアリマス、
固ヨリ靑年訓練所ノ訓練ヲ經タ者ニ、卽チ
今囘ノ改正案ノ靑年學校ノ卒業者ニ、六箇
月間ノ年限短縮ノ特典ヲ與フルコトハ軍
事ノ要求以外ニ他ニ相當ナ理由ガアリマセ
ウ、併ナガラソレニシマシテモ、ソレヲ忍
ンデ尙且ツヤリ得ルナラバ、私ハ此處デ大
ニ考慮センケレバナラヌ、吾々ノ考フル所
デハ在營年限ノ問題ハ、單ニ軍隊〓育ノ
程度、時間ノミニ付テハ論ゼラレヌ、此點
ニ付キマシテ吾々ハ相當ノ考慮ヲ拂ハンケ
レバナラヌ、故ニ單ニ戰鬪技術、戰鬪能力
ヲ或點マデ與フルモノデアルナラバ、私ハ
在營年限ヲ短縮シ得ルカト思ッテ居リマス
ガ、併ナガラ軍隊ノ練成ト云フモノハ單
ニ〓育時間ノミヲ以テ論ゼラレ得ナイ、〓
育時間ノ外ニ、或ル期間軍隊ト云フ所ニ在
營セシメ、此間ノ起居、躾ニ於テ、精神上
ノ效果ヲ得ルト云フコトガ必要デアル、吾
吾ハ斯ウ云フ點カラ、極メテ愼重ナ注意ヲ
拂ヒ、果シテ在營年限ヲ幾ラニシテ宜シイカ
ト云フコトヲ、平素〓究シテ居ッタ一人デア
リマスガ、今ノ御答辯ニ依ッテ、靑年訓練所
ノ訓練ニ依ッテ、二年ヲ一年半ニシ得ルナラ
バ玆ニ私ハ重大ナル問題ガ起ル、斯ウ思
フノデアリマス、吾々ガ是ニ於テ申上ゲタ
イノハ、果シテ然ラバ寧ロ此場合進ンデ軍
隊ノ制度ニ改正ヲ加ヘ、一般現役兵ノ在營
期間ヲ短縮スルノ意思アリヤ否ヤ、是ハ無
條件デハアリマセヌ、卽チ軍隊ノ制度ニ改
正ヲ加ヘタ後デアリマス、詳言致シマスル
ナラバ、軍隊デヤッテ居リマス實情ヲ見レ
バ、當番勤務中雜役ニ隨分澤山ナ人員ヲ使ッ
テ居ル、此雜役ヲ廢シテ、又一方ニ於テ工
卒制度ニ改正ヲ加ヘマシテ、之ニ依ッテ〓育
ノ程度ヲ低下セシメズシテ、在營年限ヲ短
縮スルコトノ餘地アルモノト見テ居リマス
ガ、之ニ關シテハ如何ナル御考ヲ有ッテ居
ラレマスカ、尙ホ私之ニ關シ簡單ニ要ヲ摘
ンデ申述ベマスナラバ、現役在營期間ハ殆
ド二箇年デアリマスガ、其實情ヲ檢討政シ
マスルナラバ、驚ク程當番勤務ナル名稱ノ
下ニ、軍隊〓育以外ノ雜役ニ服シテ居リマ
シテ、其他ノ工卒、馬取扱等ノ爲メ〓育ヲ
阻害スルコトハ軍隊ノ實情ニ通ズル者ノ
等シク痛嘆シテ居ル所デアリマス、是ガ例
ヲ一々擧ゲマスコトハ其煩ニ堪ヘマセヌ
ガ、私今其一二ノ例ヲ擧ゲマスナラバ、或
ハ戰場勤務ニ何等關係ナイ所ノ被服兵器ノ
手入レニ多數ノ人員ヲ使用シ、或ハ徒步部
隊ノ兵ニ、戰場ニ皆關係シテナイ所ノ馬ノ
取扱ニ、相當期間〓育シテマデモ、現役在
營期間、馬丁ノ代リニ使用シテ居ル如キ、或
ハ戰場勤務ニ何等關係ナイ所ノ「ミシン」ノ
縫方マデヤラセルガ如キ、其著名ナ事例デ
アリマス、而シテ其目的ハ何等軍隊ノ訓練
ニ關係ハナク、專ラ經費ノ節減デアリマス、
是ガ爲メ軍隊〓育ノ實情ヲ見マスナラバ、
初年兵ノ上半期ニ於テハ完全ニ〓育ハ出來
マスガ、其下半年ト云フモノハ、雜役ノ爲
ニ大ナル支障ヲ受ケテ居ル、殊ニ二年兵ノ
上半期ト云フモノハ、步兵隊以外ニアッテ
ハ〓育日數ハ各隊ヲ通ジテ一週二日ヲ要
望シテ居リマスガ、其事實ハ一週一囘デア
リマス、卽チ六分ノ一デアリマス、サウシ
テ此原因ハ、前申シタヤウニ雜役制度ニ基
クモノデアリマシテ、此制度採用ノ目的ハ
軍事費ノ節減ニ外ナラヌ、卽チ此雜役制度
ナルモノハ端的ニ申シマスナラバ、國費
ヲ減ズル爲メ現役在營期間ヲ倍以上ニ延
期シテ居ルモノト言ッテモ差支ナイノデア
リマス、一般兵役ニ服スル者ノ家庭ノ狀況
ト、一般國民ノ納稅者ノ實情ニ照シマスル
ナラバ、私ハ是ハ由々シキ社會問題デアル
ト思ッテ居リマス、此問題ヲ此處デ是レ以
上論ズルコトハ寧ロ避ケタイト思フノデ
アリマス、故ニ單ニ社會問題トシテ考
ヘマシテ、此雜役制度ハ速ニ廢スベキ
モノト思ヒマス、吾々ハ軍部大臣ガ
廣義ノ國防ノ見地ヨリ、眞ニ庶民階級救助
ノ爲メ關心ヲ持タレマスナラバ、是ガ爲ニ多
少ノ他ノ省ノ所管事項ニ容喙スル前ニ、先
以テ自己ノ所管內ニ於テ、是ガ救助ニ資ス
ベキ事項アルヤ否ヤヲ考慮スルコトガ先決
問題ト思ッテ居リマス(拍手)果シテ然ラバ
雜役制度ヲ廢シ、傭人ヲ以テ之ニ替ヘ、一
般ニ在營年限ヲ短縮スルガ如キハ、農村初
メ一般庶民階級ニ對スル同情ノ迸リトシテ、
軍部大臣トシテ考慮スベキ問題デアルト信
ジテ居リマス(拍手)又單ニ軍隊〓育上ノ見
地ヨリシマシテモ、此雜役制度ヲ廢スルコ
トハ、假令全〓育時間ヲ均一ト致シマスル
モ、〓育上非常ニ有利デアル、卽チ〓育ノ
斷續ヲ避ケ、〓育ノ成果ヲ擧ゲル點ニ於テ、
大ニ有利デアルト思ヒマス、ノミナラズ兵
ヲ雜役ニ服セシメザルコトニ依ッテ、兵ノ氣
位上、有利デアル、形而上ノ效果ガアルト
思ヒマス、又國家ノ保護ニ任ズル神聖ナル
義務ヲ有ッテ在營スル兵ニ對シ、經費ノ關係
ヨリ雜役ニ服サセルガ如キハ失當ナリト信
ジテ居リマス、近時國民ノ軍隊ニ對スル批
判力ハ著シク向上シツヽアリマスルガ、此
現況ニ於テハ、速ニ此制度ヲ改正スベキモ
ノデアルト信ジテ居リマス、過去ニ於テハ
軍事費增加ノ關係上、其實現困難ナル點ガ
アリマシタラウガ、今日ノ如ク軍部ガ好調
ニアッテ、其要求主張ガ貫徹シ易イ此好機ニ
於キマシテ、多年ノ問題タル此積弊ヲ、是
非トモ解決スベキモノデアルト思ッテ居リ
やっ、若シ經費ノ關係上出來ヌト申シマス
ナラバ、玆ニ其言葉其モノガ、如何ニ多ク
ノ雜役ヲ使ッテ居ルカヲ物語ルモノデアリ
マス
次ニ御伺致シタイコトハ、現行徵兵令第
十一條ニ依ル所ノ現役在營期間短縮ノ特典
ハ、事實上步兵隊ノミニ適用セラレテ居ル
ノデアリマスルガ、必任義務兵役制度ニ於
テ、兵科ニ依ッテ在營期間ニ長短ヲ附スルコ
トハ、私ハ各種ノ點ヨリ見テ面白クナイコ
トヽ思ヒマス、故ニ若シ全陸軍ヲ通ジテ雜
役ノ廢止ヲ斷行スルコト困難ナリトスレバ、
過渡的、暫定方法トシテ、玆ニ本兵役法改
正ヲ、兵科ヲ通ジ均等ナラシムル爲ニ、步兵
以外ノ各隊ニ雜給、雜費ヲ增加シマシテ、以
テ靑年學校ノ課程ヲ修メタル者ニハ各兵
科ヲ通ジ同一ノ在營期間短縮ヲ行フヤウニ
シテハ如何デアリマセウカ、之ニ對スル陸
軍當局ノ御答辯ハ、私ハ是非陸軍大臣カラ
御伺致シタイト思ヒマス、本日ハ生憎大臣
ガ出テ居リマセヌカラ、此旨ヲ能ク傳ヘラ
レテ、適當ノ機會ニ御答辯アランコトヲ御
願致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=14
-
015・濱田國松
○議長(濱田國松君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=15
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016・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 本案ハ議長指名九名ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=16
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017・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=17
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018・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決定シマシタ-日程
第三乃至第五ハ關聯セル議案デアリマスカ
ラ、一括議題トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=18
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019・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第三、勞働者災害扶助法中改
正法律案、日程第四、工場法中改正法律案、
日程第五、鑛業法中改正律法案、以上三案
ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス-內務大
臣後藤文夫君
第三勞働者災害扶助法中改正法律案
(政府提出、貴族院送付)第一讀會
第四工場法中改正法律案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
第五鑛業法中改正法律案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
勞働者災害扶助法中改正法律案
勞働者災害扶助法中左ノ通改正ス
)
第一條第一項第二號、ヲヲノ如ク改ム
(
(ロ)鐵道、軌道若ハ索道ノ運輸事業
又ハ水道、電氣若ハ瓦斯ノ事業ヲ
營ム者ガ其ノ事業ノ爲ニスル直營
工事竝ニ此等ノ事業ニ於ケル使用
中ノ工作物(作業ノ運行ニ直接關
係ナキモノヲ除ク)ニ關スル注文
ニ依ル工事
第四條第一條第一項第一號又ハ第四號
ノ事業ガ專ラ同一ノ注文者ノ注文ニ依
リ爲サルルモノナルトキハ其ノ注文者
モ亦其ノ事業ニ付事業主トス船舶ヨリ
若ハ船舶ヘノ貨物ノ積卸ノ作業(動力
ニ依リ運轉スル揚重機ヲ用フルモノニ
限ル)ニシテ注文ニ依リ爲サルルモノ
)又ハ同項第二號ロノ注文ニ依ル工事ニ
(
付テハ其ノ注文者(數次ノ注文ニ依ル
場合ニ於ケル上級注文者ヲ含ム)モ其
ノ注文ニ依ル作業又ハ工事ニ關シ亦同
前項ノ注文者ガ扶助ノ請求ヲ受ケタル
トキハ勞働者ヲ使用シテ事業ヲ爲ス者
ニ對シ、尙數次ノ注文ニ依ル場合ニ於テ
ハ其ノ下級注文者ニ對シテモ先ヅ催告
スベキ旨ヲ請求スルコトヲ得前條第三
項但書ノ規定ハ此ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四條ノ二事業主本法ニ基キ扶助ヲ爲
シタルトキハ事業主ハ其ノ扶助ノ價額
ノ限度ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責
ヲ免ル
事業主及勞働者ノ出捐スル共濟組合勅
令ノ定ムル所ニ依リ事業主ヲシテ扶助
ヲ爲スヲ要セザラシムル給付ヲ爲シタ
ルトキハ事業主ハ其ノ給付ノ價額ノ限
度ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責ヲ免
ル
第四條ノ三本法ニ基キ扶助ヲ受クルノ
權利ハ二年間之ヲ行ハザルトキハ時效
ニ因リ消滅ス
第四條ノ四本法ニ基キ扶助ヲ受クルノ
權利ハ之ヲ讓渡シ又ハ差押フルコトヲ
得ズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
勞働者災害扶助法ニ基キ扶助ヲ受クルノ
權利ノ時效ニシテ其ノ進行ガ本法施行前
ニ始リタルモノニ付テハ仍從前ノ例ニ依
ル但シ本法施行ノ日ヨリ起算シ其ノ殘期
ガ二年ヨリ長キトキハ其ノ日ヨリ起算シ
テ第四條ノ三ノ規定ヲ適用ス
工場法中改正法律案
工場法中左ノ通改正ス
第十五條ノ二工業主前條ノ規定ニ基キ
扶助ヲ爲シタルトキハ工業主ハ其ノ扶
助ノ價額ノ限度ニ於テ民法ニ依ル損害
賠償ノ責ヲ免ル
工業主及職工ノ出捐スル共濟組合勅令
ノ定ムル所ニ依リ工業主ヲシテ扶助ヲ
爲スヲ要セザラシムル給付ヲ爲シタル
トキハ工業主ハ其ノ給付ノ價額ノ限度
ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責ヲ免
ル
第十五條ノ三第十五條ノ規定ニ基キ扶
助ヲ受クルノ權利ハ二年間之ヲ行ハザ
ルトキハ時效ニ因リ消滅ス
第十五條ノ四第十五條ノ規定ニ基キ扶
助ヲ受クルノ權利ハ之ヲ讓渡シ又ハ差
押フルコトヲ得ズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
工場法第十五條ノ規定ニ基キ扶助ヲ受ク
ルノ權利ノ時效ニシテ其ノ進行ガ本法施
行前ニ始リタルモノニ付テハ仍從前ノ例
ニ依ル但シ本法施行ノ日ヨリ起算シ其ノ
殘期ガ二年ヨリ長キトキハ其ノ日ヨリ起
算シテ第十五條ノ三ノ規定ヲ適用ス
鑛業法中改正法律案
鑛業法中左ノ通改正ス
第八十條ノ次ニ左ノ三條ヲ加フ
第八十條ノ二鑛業權者前條ノ規定ニ基
キ扶助ヲ爲シタルトキハ鑛業權者ハ其
ノ扶助ノ價額ノ限度ニ於テ民法ニ依ル
捐害賠償ノ責ヲ免ル
鑛業權者及鑛夫ノ出捐スル共濟組合命
令ノ定ムル所ニ依リ鑛業權者ヲシテ扶
助ヲ爲スヲ要セザラシムル給付ヲ爲シ
タルトキハ鑛業權者ハ其ノ給付ノ價額
ノ限度ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責
ラーメン
第八十條ノ三第八十條ノ規定ニ基キ扶
助ヲ受クルノ權利ハ二年間之ヲ行ハザ
ルトキハ時效ニ因リ消滅ス
第八十條ノ四第八十條ノ規定ニ基キ扶
助ヲ受クルノ權利ハ之ヲ讓渡シ又ハ差
押フルコトヲ得ズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
鑛業法第八十條ノ規定ニ基キ扶助ヲ受ク
ルノ權利ノ時效ニシテ其ノ進行ガ本法施
行前ニ始リタルモノニ付テハ仍從前ノ例
ニ依ル但シ本法施行ノ日ヨリ起算シ其ノ
殘期ガ二年ヨリ長キトキハ其ノ日ヨリ起
算シテ第八十條ノ三ノ規定ヲ適用ス
〔國務大臣後藤文夫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=19
-
020・後藤文夫
○國務大臣(後藤文夫君) 只今議題トナリ
マシタ勞働者災害扶助法中改正法律案、工
場法中改正法律案、竝ニ鑛業法中改正法律
案ノ三案ヲ一括シテ、提案ノ理由ヲ御說明
申上ゲタイト存ジマス
勞働者災害扶助法ハ土石砂鑛採取事業、
土木建築、鐵道、軌道若ハ乘合自動車ニ依
ル運輸事業、竝ニ貨物積卸ノ事業等ニ適用
セラレテ居ルノデアリマスガ、本法施行後
ノ情況ヲ見マスルト、鐵道、軌道若ハ索道
ノ運輸事業、又ハ水道、電氣若ハ瓦斯ノ事
業ニ於ケル各種ノ工事ニ於ケル各種ノ工事
ニ付キマシテハ其事業主ノ直營工事ニ付
テノミ本法ノ適用ヲ見テ居リマスル爲ニ、
其事業ノ運營上常ニ行ハレテ居リマスル小
修理、其他ノ保存的工事デアリマシテモ、
若シソレガ注文ニ依ッテ爲サルヽ場合ニハ、
其工事ハ本法ノ適用外ニアルコトヽナリマ
シテ、彼此均衡ヲ失ヒマスルノデ、改正法
案ニ於キマシテハ、後者ニ於テモ本法ヲ適用
スルコトヽ致シマシテ、不均衡ヲ除カント
シタ次第デアリマス、次ニ注文ニ依ル作業
若クハ工事ト云フモノヽ中デ、船舶貨物ノ
積卸作業、又ハ鐵道、軌道若クハ索道ノ運
輸事業、水道、電氣若クハ瓦斯事業ニ於ケ
ル保存的ノ工事ニ於テハ、其作業若クハ工
事ガ、其事業ノ運營上極メテ密接ナ關係ガ
アリマス、而モ其作業若クハ工事ヲ引受ケ
ル者ノ中ニハ資力ノ薄弱ナル者モ少クア
リマセヌノデ、勞働者ノ災害扶助ノ全キヲ
期スル爲ニ、扶助責任者ヲ單ニ勞働者ノ直
接ノ使用者デアル者ノミニ止メズ、斯ル作
業若クハ工事ノ注文者ニモ及ブト云フコト
ニ致シタノデアリマス、隨テ勞働者ノ災害
扶助ト損害賠償トノ關係ニ付キマシテハ
勞働者災害扶助法施行令第三條ニ扶助ヲ受
クベキ者ハ、民法ニ依ッテ同一ノ原因ニ付テ
損害賠償ヲ受ケマシタ時ニハ事業主ハ扶
助金額カラ其金額ヲ控除スルコトガ出來ル
ト云フ規定ニナッテ居リマスケレドモ、多ク
ノ場合ニ於テハ本法ニ基ク扶助ハ、民法
ニ依ル損害賠償ニ先ッテ迅速ニ爲サレテ居
ルト云フヤウナ關係ガアリマスルノデ、改
正法案ニ於キマシテハ、事業主ガ成規ノ扶
助ヲ爲シタル場合ハ、其爲シタル扶助ノ價
額ノ限度ニ於テハ民法ニ依ル損害賠償ノ責
任ヲ免ルヽコトヽシテ、事業主ガ同一原因
ニ付テ二重ノ負擔ヲ受クルコトナカラシメ
ント致シマシタノデアリマス、又扶助請求
權ノ性質ニ鑑ミマシテ、特ニ二年ノ短期ノ
時效ヲ設ケマシテ、ソレト共ニ其權利ノ讓
渡、差押ヲ禁ズルコトヽ致シマシタ
工場法中改正法律案竝ニ鑛業法中改正法
律案ハ、右ニ述ベマシタ趣旨ト同樣ノ理由
ヲ以チマシテ、職工又ハ鑛夫ノ災害扶助ト
損害賠償トノ關係其他ニ付テ、勞働者災害
扶助法ノ改正法案ト同樣ノ改正ヲ致シタ次
第デアリマス、何卒御審議ノ上御協贊アラ
ンコトヲ切望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=20
-
021・濱田國松
○議長(濱田國松君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=21
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022・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 日程第三乃至第五ノ三案
ヲ一括シテ、議長指名十八名ノ委員ニ付託
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=22
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023・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=23
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024・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
六及第七ハ、同一委員ニ付託シタル議案デ
アリマスカラ、一括議題トナスニ御異議ア
リマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=24
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025・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第六、札幌軌道株式會社及矢
作水力株式會社所屬軌道ノ經營廢止ニ對ス
ル補償ノ爲公債發行ニ關スル法律案、日程
第七、宮崎縣營鐵道及軌道竝ニ大隅鐵道株
式會社所屬鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル
法律案、以上兩案ヲ一括シテ第一讀會ノ續
ヲ開キマス、委員長ノ報〓ヲ求メマス-
委員長名川侃市君
第六札幌軌道株式會社及矢作水力株
式會社所屬軌道ノ經營廢止ニ對スル
補償ノ爲公債發行ニ關スル法律案
(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
第七宮崎縣營鐵道及軌道竝ニ大隅鐵
道株式會社所屬鐵道買收ノ爲公債發
行ニ關スル法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
報〓書
一札幌軌道株式會社及矢作水力株式會社
所屬軌道ノ經營廢止ニ對スル、補償ノ爲
公債發行ニ關スル法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月十三日
委員長名川侃市
衆議院議長濱田國松殿
報告書
一宮崎縣營鐵道及軌道竝ニ大隅鐵道株式
會社所屬鐵道買收ノ爲公債發行ニ關ス
ル法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月十三日
委員長名川侃市
衆議院議長濱田國松殿
〔名川侃市君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=25
-
026・名川侃市
○名川侃市君 只今上程サレマシタ宮崎縣
營鐵道及軌道竝ニ大隅鐵道買收ノ爲公債發
行ニ關スル法律案、札幌軌道及矢作水力軌
道經營廢止ニ因ル補償ニ付キ公債發行ニ關
スル法律案、此兩案ノ委員會ノ經過及結果
ヲ御報告申上ゲマス、委員會ハ會議ヲ開キ
マスコト五日ニ亙リ、質問ヲ爲サレタル人
ハ十一人ニ達シタノデアリマス、其質問竝ニ
之ニ對スル政府ノ答辯ノ詳細ハ、會議錄ニ
就キ御覽ヲ願フコトヽ致シマシテ、此處ニ
ハ簡單ニ其質問中ノ二、三ノモノヽ要領ヲ
御報告スルニ止メタイト思フノデアリマ
ス、或ル委員ハ現內閣ニ於テハ鐵道省旣
定ノ建設計畫ニ付キ、之ヲ變更スル方針デ
アルカドウカト云フコトヲ質問致シマシタ
所ガ、政府ハ鐵道省旣定ノ計畫ハ、格段ナ
ル障碍ノ發見セラレザル限リ、之ヲ變更セ
ザル方針デアルト答辯致シマシタ
宮崎縣營鐵道及同軌道ハ、國有鐵道ノ內
海線、卽チ內海ヨリ志布志ニ至ル線路ニ沿
ウテ居ルモノデアリマス、此線ハ志布志榎
原間ハ昭和九年度、榎原細田間ハ昭和十年
度、細田内海間ハ昭和十五年度ニ竣工ノ豫
定ニナッテ居ルノデアリマシテ、此買收ノ爲
ニ公債發行ノ協贊ヲ求メラレテ居ル所ノ此
鐵道竝ニ軌道ハ、昭和十年度ヨリ工事ニ著
手致シマス油津內海間建設線ノ一部ニ該當
致シテ居リマスノデ、之ヲ買收改築スルノ
必要ガアルノデアルト云フ說明ガアリマシ
タ、此點ニ付キマシテ一委員ヨリ、該建設
線ハ內海ヨリ宮崎ニ至ル間ハ、國有鐵道ノ
建設線ニ入ッテ居ラヌノデアルカラ、內海迄
國有鐵道ガ建設サレテ居ッテモ、內海ヨ
リ宮崎ニ至ル間交通上國有鐵道ガナイト
云フト不便ガアル、此點ニ付テ鐵道省ハ如
何ニスル積リデアルカト云フ質問ガアリ
マシテ、政府ハ之ニ對シテ內海宮崎間ハ
其間ニ存在シテ居リマスル輕便鐵道ヲ買
收シテ、之ヲ改築スル計畫デアルト答辯
致シマシタ、又或ル委員ヨリ、此建設線ハ
目下志布志方面ヨリ起工シテ工事ヲ進メテ
居ラルヽケレドモ、此線ハ宮崎方面ヨリモ
利用サレルモノデアルカラ、宮崎ニ接近シ
テ居ル內海方面ヨリモ起工シ、卽チ兩端起
工ニ依ッテ工事ヲ促進スルト云フ計畫ハナ
イノデアルカト云フ質問ガアリマシタガ、
政府ハ之ニ對シマシテ、志布志方面ハ、志
布志都城ノ間ニ日豐線ニ連絡スル國有鐵道
ガ旣ニ開通シテ居ルカラ、建築材料ノ運搬、
工事ノ種類等ノ都合ニ依ッテ、志布志方面ヨ
リ起工シテ工事ヲ進メテ居ル譯デアル、內
海ノ方面カラ起工スルト云フコトハ內海
宮崎間ノ輕便鐵道ノ設備ヲ以テシテハ、建
築材料ノ運搬等ニ不便ガアルカラ、此方ノ
起工シテ居ナイ譯デアルト云フ答辯ガアリ
マシタ、大隅鐵道ハ鹿兒島縣ノ申良驛ヨリ
古江ニ至ル線デゴザイマシテ、此鐵道ヲ買
收スルノハ、國有鐵道古江線、卽チ志布志カ
ラ古江ニ至リマスル所ノ鐵道ガ、志布志串
良間ハ十年度、串良古江間ハ十三年度ニ竣
エスル豫定ニナッテ居リマシテ、串良カラ古
江ニ至リマスル間ハ、昭和十年ヨリ起工ス
ルコトニナッテ居リマスカラ、此大隅鐵道ヲ
買收改築ノ必要ガアルノデアルト云フ政府
ノ說明ガアリマシテ、一委員ヨリ、大隅鐵道
ハ兩三年來損失ガ相次イデ居ッテ、赤字ヲ出
シテ居ル、而モ此鐵道ハ建設ノ初ニ於テ、
地方交通開發ノ爲ニ、地元民ハ非常ナ犠牲
ヲ拂ッテ、敷地ナドモ極端ナ安イ値段ヲ以テ
提供シタモノデアルニ拘ラズ、兩三年ノ非
常ナル營業成績ノ不良ノ際ニ、之ヲ買收セ
ラレルト云フコトハ、非常ニ買收價格ガ安
クナッテ、會社株主ノ損失ハ非常ナモノデア
ル、ソレニ今年ハ同地方ニ大演習モアルコ
トデアルカラ、大演習ノ濟ンダ後ニ買收ヲ
實行スルト云フ意思ハナイカト云フ質問ヲ
セラレタノデアリマスガ、政府ハ之ニ對シ
マシテ、該買收線路ニ當リマスル串良鹿屋
間ハ、、昭和十年六月ニ起工スル豫定ニナッテ
居リマシテ、先ニ申シマシタ通リニ、此線
ハ昭和十三年迄ニ完成シナケレバナラヌノ
デアルカラ、買收ヲ大演習後トスルト云フ
コトニナルト、同會社ノ決算期ガ五月ト十
月ニナッテ居リマスル爲ニ結局明年ノ五月
以後デナケレバ買收ガ出來ヌト云フコトニ
ナリ、此建設計畫ニ非常ナ齟齬ヲ來シマス
カラ、ソレマデ待ツコトガ出來ヌト云フ答
辯ガアッタノデアリマス
ソレカラ經營廢止ニ依ッテ補償致シマス
札幌軌道ハ、是ハ國有鐵道ノ函館本線札幌
驛附近ヨリ、石狩國札幌郡茨戶停留場ニ至ル
間ニ建設セラレテ居リマス「ガソリン」ヲ動
力トスル所ノ軌道デゴザイマスルケレドモ、
是ハ國有鐵道ノ札沼線ガ、昭和九年十一月
開通致シマシタ爲ニ、是ト接近竝行シテ居
リマスル此軌道ハ多大ノ影響ヲ受ケテ、營
業ヲ繼續スルコトガ出來ヌカラシテ、經營
廢止ヲ認可シタモノデアルト云フ說明ガアッ
タノデアリマス、又矢作水力軌道ニ付キマ。
シテハ、國有鐵道中央線ノ大井驛ヨリ明知
線ノ岩村驛ニ至ル間ニ架設シテアル線デア
リマスケレドモ、此線モ國有鐵道ノ明知線
ガ、大井驛ヨリ明知ニ至ルマデヲ、大井方
面ヨリ鐵道省ガ工事ニ著手致シマシテ、昭
和九年一月二十六日ニ岩村マデ是ガ開通致
シマシタ、其爲ニ是ト接近竝行シテ居リマ
ス本軌道ガ多大ノ影響ヲ受ケテ、營業ヲ繼
續スルコトガ出來ヌカラシテ、經營ヲ廢止
スルト云フノヲ認可シタノデアルト云フ說
明ガゴザイマシテ、一委員ヨリ、斯ル國有
鐵道ノ豫定線ニ竝行シテ居ルモノハ其國
有鐵道建設ノ際ニ、成ベク其鐵道ヲ買收シ
テ、之ヲ改築スル方ガ利益デハナイカ、又
私設鐵道ノ敷設ヲ認可スル際ニハ、其鐵道
線ガ國有鐵道ノ建設豫定線ニ當ッテ居ル場
合ニハ其許可ニ付テ十分ノ留意ヲスベキ
要ハナイカト云フ質問ガゴザイマシテ、內
田鐵道大臣ハ、許可ニ付テハ同感ノ意ヲ述
ベラレテ、又建設竝行線ニ付テハ、是ガ改
築スルコトノ出來ルモノハ買收スルノデア
ルケレドモ、改築シテ國有線ニ使用スルコ
トガ出來ヌモノハ、買收ガ出來ヌト云フ答
辯ガアッタノデアリマス、又一委員ヨリ、札
幌軌道ノ經營廢止ト同時ニ、省線石狩、厚
田、濱益方面カラノ交通系絡ニ付キマシテ
ハ、河川ヲ利用シタ所ノ釜谷臼停車場ヲ
設置シテ、札幌軌道經營廢止ニ伴フ交通上
ノ不便ヲ緩和スル所ノ計畫ガ、鐵道省ニア
ルカナイカト云フコトノ質問ガアッタノデ
アリマス、又此軌道ノ經營廢止後ニ殘存材
料殊ニ自動車等ヲ利用致シマシテ、國有
鐵道トノ運輸連絡ニ當ラスト云フコトニ付
テハ、政府ハ之ニ相當ノ便利ヲ與ヘル所ノ
意思ガアルカドウカト云フ質問ガアッタノ
デアリマス、政府ハ其質問中、停車場ノ設
置ニ付キマシテハ、十分調査ノ上ニ決定ス
ル積リデアル、又札幌軌道ハ經營困難ノ爲
ニ廢止シタモノデアルカラシテ、其線ノ
跡ニ直チニ乘合自動車ヲ許可スルト云フコ
トニ付テハ考慮ヲ要スルケレドモ、ソレ等
ノ殘存材料ヲ利用致シマシテ、國有鐵道ノ
培養交通機關ヲ作ル爲ニ、其他ノ地ニ交通
機關ヲ設備スルト云フコトニ付テハ、鐵道
省トシテ十分ノ便宜ヲ與ヘル積リデアルト
云フ答辯ガアリマシタ、又一委員ヨリハ、
我國ノ私設鐵道中ニ、國有鐵道ノ運輸系絡
上竝ニ公益上ヨリ致シマシテ、之ヲ買收ス
ルノ必要ニ迫ラレタルモノハ、非常ニ多クノ
線ニ上ッテ居ルノデアル、然ルニモ拘ラズ本
年度ニ於テ買收セラレタルモノハ僅ニ二十
七哩餘デアリ、買收價額ハ七八十万圓ニ過
ギザルト云フ狀態デアッテハ、如何ニモ食
足ラヌ感ジガスル、宜シク大々的ニ是等ノ
私設鐵道ヲ買收シテ、以テ交通運輸ノ連絡
ヲ圓滑ニセラレタイト云フ所ノ希望ヲ述べ
ラレタノデアリマス、又一委員ヨリハ、下
關門司間ノ連絡ハ隧道ニ依ル積リデアルカ、
又ハ陸橋ニ依ル積リデアルカ、若シ隧道ニ
依ルトスルナラバ其計畫ノ內容ハドウ云
フモノデアルカト云フヤウナ點ニ付テ質問
セラレ、又此隧道ヲ掘鑿スルニ致シテモ、
單ニ經費トカ又ハ技術トカ云フコトノミニ
重キヲ置カズシテ、國家ノ施設ト云フ大所
高所カラ考ヘテ、是マデ門司市及下關市ト
云フモノヽ港灣其他ノ交通ノ施設ニ付テ、
國家ガ巨額ノ資ヲ費シテ居ルト云フ所ニ思
ヲ及ボシテ、善處セラレル所ノ意息ガアル
カドウカト云フ質問ガゴザイマシテ、之ヘ
對シテ內務當局ハ、此交通機關ニ付テハ目
下隧道ニ依ルカ、陸橋ニ依ルカヲ考究中デ
アルト答辯セラレ、陸軍側ニ於テハ、國防
上陸橋ヨリモ隧道ガ至當デアルト思フ、又
隧道掘鑿ノ場所ニ付テハ、空中カラ發見ノ
容易ナラザル地點ヲ選ブ必要ガアルト云フ
答辯ヲセラレマシタ、鐵道當局ニ於キマシ
テハ、此連絡ハ隧道ニ依ルノガ便利デアル
ト信ジテ、隧道ヲ掘鑿スル積リデアル而
シテ其隧道ヲ單線ニスルカ、複線ニスルカ、
又ハソレニ加ヘテ道路マデモ併セテ隧道デ
掘鑿スルカト云フヤウナコトハ、目下〓究
中デアル、昭和十年中ニハ何トカ之ヲ確
定スル積リデアルト云フコトノ答辯ガアリ
マシタ、尙又隧道ヲ掘鑿スルニ付テモ、成
ベク門司市、下關市ノ繁榮ヲ奪ハザルヤウ
ニ、十分ノ留意ヲスルト云フ答辯ガアッタ
ノデアリマス、斯クテ兩案共各別ニ採決ニ
入ッタノデアリマスガ、兩案共滿場一致之ニ
贊成セラレテ可決セラレタノデアリマス、
此段御報告ヲ中上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=26
-
027・濱田國松
○議長(濱田國松君) 兩案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=27
-
028・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=28
-
029・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 直チニ兩案ノ第二讀會ヲ
開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=29
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030・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=30
-
031・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ兩案ノ第一一讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
札幌軌道株式會社及矢作水力株式會社
所屬軌道ノ經營廢止ニ對スル補償ノ爲
公債發行ニ關スル法律案
第一讀會(確定議)
宮崎縣營鐵道及軌道竝ニ大隅鐵道株式
會社所屬鐵道買牧ノ爲公債發行ニ關ス
ル法律案第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=31
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032・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、兩案共委員長
報告通リ可決確定サレマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=32
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033・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 議事日程變更ノ緊急動議
ヲ提出致シマス、卽チ此際日程第二十乃至
第八十一ノ建議案、及請う日程第一乃至第
二百九ヲ繰上ゲ、其審議ヲ進メラレンコト
ヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=33
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034・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=34
-
035・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更サレマシタ、日程第二
十乃至第八十一ハ建議委員ニ付託シタル
議案デアリマスカラ、一括議題トナスニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=35
-
036・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第二十、久慈川改修竝水源地
治水促進ニ關スル建議案外六十一件ヲ一括
シテ議題ト致シマス、建議委員長ノ報〓ヲ
求メマス-田中祐四郞君
第二十久慈川改修竝水源地治水促進
ニ關スル建議案(中井川浩君提出)
(委員長報告)
第二十一大和川改修速進ニ關スル建
議案(福井甚三君外二名提出)
(委員長報告)
第二十二阿武隈川下流改修ニ關スル
建議案(佐々木家壽治君提出)
(委員長報告)
第二十三國道第三十三號路線一部變
更竝改修促進ニ關スル建議案(牧山
耕藏君外一名提出)(委員長報告)
第二十四國道改良工事繼續ニ關スル
建議案(中田正輔君提出)
(委員長報告)
第二十五國道第十五號路線改修速進
竝奈良大阪間縣道國道編入ニ關スル
建議案(福井甚三君外一名提出)
(委員長報告)
第二十六神浦的山兩港灣ヲ指定港灣
編入竝修築ニ關スル建議案(牧山耕
藏君外一名提出)(委員長報告)
第二十七長崎縣早岐瀨戶浚渫ニ關ス
ル建議案(牧山耕藏君外一名提出)
(委員長報告)
第二十八大津今津間及今津敦賀間府
縣道國道編入ニ關スル建議案(服部
岩吉君外二名提出)(委員長報告)
第二十九西宮京都間ニ產業道路新設
ニ關スル建議案(蔭山貞吉君外四名
提出)(委員長報告)
第三十北海道港灣漁港修築速成ニ關
スル建議案(山本厚三君外四名提出)
(委員長報告)
第三十一北海道港灣漁港修築速成ニ
關スル建議案(木下成太郞君外十三
名提出)(委員長報告)
第三十二市町村吏員優遇ニ關スル建
議案(松尾孝之君外三名提出)
(委員長報告)
第三十三警察署長待遇改善ニ關スル
建議案(松尾孝之君外二名提出)
(委員長報告)
第三十四警察官ノ待遇改善ニ關スル
建議案(本田義成君外一名提出)
(委員長報告)
第三十五橿原神宮神苑ニ於テ紀元二
千六百年祭擧行ニ關スル建議案(福
井甚三君外六名提出)(委員長報告)
第三十六橿原神宮崇祀ニ關スル建議
案(福井甚三君提出)(委員長報〓)
第三十七官幣大社廣田神社ヲ神宮ニ
昇格ニ關スル建議案(蔭山貞吉君提
出(委員長報告)
第三十八琵琶湖運河開鑿竝大阪附近
大工場地帶建設ニ關スル建議案(松
山常次郞君提出)(委員長報告)
第三十九癩療養所擴張竝癩〓究所設
置ニ關スル建議案(川淵洽馬君外一
名提出)(委員長報告)
第四十癩療養所ノ位置選定ニ關スル
建議案(蔭山貞吉君提出)
(委員長報告)
第四十一防火建築振興ニ關スル建議
案(蔭山貞吉君提出)(委員長報告)
第四十二鑛產稅附加稅分割賦課ニ關
スル建議案(田島勝太郞君外四名提
〓(委員長報告)
第四十三鑛產稅附加稅分割賦課ニ關
スル建議案(松尾孝之君外四名提出)
(委員長報告)
第四十四北海道石炭鐵道運賃低減ニ
關スル建議案(松尾孝之君提出)
(委員長報告)
第四十五鐵道運賃引下促進ニ關スル
建議案(藤井啓一君外一名提出)
(委員長報告)
第四十六鐵道運賃低減ニ關スル建議
案(保良淺之助君提出)(委員長報告)
第四十七名古屋千種兩驛間ニガソリ
ンカー停車場設置ニ關スル建議案
(瀨川嘉助君外二名提出)
(委員長報告)
第四十八諫早大村兩驛間ニ停車場設
置ニ關スル建議案(佐保畢雄君提出)
(委員長報告)
第四十九牟岐線ノ線路決定ニ關スル
建議案(眞鍋勝君提出)(委員長報〓)
第五十名古屋龜山間復線工事速成ニ
關スル建議案(松田正一君提出)
(委員長報告)
第五十一關ケ原木ノ本間鐵道敷設ニ
關スル建議案(仙波久良君外二名提
出)(委員長報告)
第五十二小名木川越中島間鐵道速成
ニ關スル建議案(眞鍋儀十君外二名
提出)(委員長報〓)
第五十三盛釜石間鐵道線路決定ニ關
スル建議案(高橋壽太郞君提出)
(委員長報告)
第五十四荒砥左澤間鐵道速成ニ關ス
ル建議案(佐藤啓君提出)
(委員長報告)
第五十五桶岡寒河江間鐵道速成ニ關
スル建議案(佐藤啓君提出)
(委員長報告)
第五十六北海道鐵道敷設速成ニ關ス
ル建議案(山本厚三君外四名提出)
(委員長報告)
第五十七北海道鐵道敷設速成ニ關ス
ル建議案(木下成太郞君外十三名提
出(委員長報〓)
第五十八伊佐鐵考豫定線決定ニ關ス
ル建議案(佐保畢雄君提出)
(委員長報告)
第五十九伊萬里佐世保間鐵道速成ニ
關スル建議案(江藤源九郎君外一名
提出)(委員長報〓)
第六十肥前鹿島佐世保間省營自動車
運輸開始ニ關スル建議案(佐保畢雄
君提出)(委員長報〓)
第六十一早岐鹿島間省營自動車運輸
開始ニ關スル建議案(牧山耕藏君外
二名提出)(委員長報告)
第六十二白石高畠間省營自動車運輸
開始ニ關スル建議案(佐々木家壽治
君外一名提出)(委員長報告)
第六十三大都市交通統制審議會設置
ニ關スル建議案(世耕弘一君外三名
提出)(委員長報告)
第六十四日本刀鍛造奬勵ニ關スル建
議案(栗原彥三郞君外六名提出)
(委員長報告)
第六十五我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ
關スル建議案(熊谷五右衞門君提出)
(委員長報告)
第六十六我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ
關スル建議案(佐藤與一君提出)
(委員長報告)
第六十七長崎縣早岐町ヲ船舶檢査執
行地指定ニ關スル建議案(牧山耕藏
君外一名提出)(委員長報告)
第六十八膽振日高兩支廳管內ヲ煙草
耕作區域編入ニ關スル建議案(松尾
孝之君外三名提出)(委員長報告)
第六十九膽振日高兩支廳管內ヲ煙草
耕作區域編入ニ關スル建議案(手代
木隆吉君外四名提出)(委員長報告)
第七十農業用礦油輸入稅免除ニ關ス
ル建議案(多田滿長君提出)
(委員長報告)
第七十一農產物加工試驗場設置ニ關
スル建議案(服部岩吉君提出)
(委員長報告)
第七十二信濃川魚梯改造ニ關スル建
議案(原吉郞君外三名提出)
(委員長報告)
第七十三原料牛乳及乳製品事業統制
ニ關スル建議案(手代木隆吉君外四
名提出)(委員長報告)
第七十四北海道農家負債整理ニ關ス
ル建議案(山本厚三君外四名提出)
(委員長報〓)
第七十五機船底曳網漁業取締勵行ニ
關スル建議案(大島寅吉君外三名提
四(委員長報告)
第七十六北海道馬產振興ニ關スル建
議案(手代木隆吉君外四名提出)
(委員長報告)
第七十七萬國博覽會開催ニ關スル建
議案(竹澤太一君外四名提出)
(委員長報告)
第七十八萬國博覽會開催ニ關スル建
議案(賴母木桂吉君外四名提出)
(委員長報告)
第七十九中等學校入學試驗制度改革
ニ關スル建議案(松尾孝之君外二名
提出)(委員長報告)
第八十長崎市ニ高等水產學校設置ニ
關スル建議案(向井倭雄君外四名提
出)(委員長報告)
第八十一史蹟名勝天然紀念物保存法
中改正ニ關スル建議案(坂東幸太郞
君外四名提出)(委員長報告)
久慈川改修竝水源地治水促進ニ關スル
建議案
久慈川改修竝水源地治水促進ニ關ス
ル建議
茨城縣久慈川ハ全國稀ニ見ル急流ニシテ
且荒廢河川ナルカ故ニ年々出水シ沿岸民
ハ多大ノ損害ヲ被ルニモ拘ラス之カ改修ヲ
行ハサル爲到ル處耕地ハ崩潰シ而モ近時
其ノ荒廢益〓甚シク上流地方一夜ノ降雨
ニモ屢〓氾濫シ沿岸民ハ降雨每ニ戰々兢
兢タル有樣ナリ政府ハ此等ノ事實ヲ認メ
旣ニ調査ニ著手セラレタルモ爾來二年未
タ完了セス然ルニ之カ改修ハ該地方ノ實
情ニ徵シ一日モ忽ニスヘカラサル狀態ナ
ルヲ以テ速ニ調査ヲ了シ工事ニ著手セラ
レムコトヲ望ム
又久慈川ノ水源地一帶ハ所謂古生層地帶
ナル爲降雨每ニ土砂流失シ之ヲ下流ニ押
流シテ河床ヲ高メツヽアリ現ニ該地方ハ何
時如何ナル大崩潰ヲ惹起スルヤモ計リ難
キ危險地區ノ多々アルコトハ當局ノ調査
ニ依ルモ瞭ナル事實ニシテ治水上寔ニ憂
慮ニ堪ヘサル狀態ナリ此ノ際政府ハ速ニ
此等山地ノ溪支流ニ至ル迄根本的工事ヲ
施シ地盤ノ安全ヲ圖ラレムコトヲ望ム
殊ニ該地方ハ東北地方ニ境ヲ接シ甚シク
冷害ヲ被レル地帶ナリ現ニ茨城縣ニ於ケ
ル米作減收ノ七割ハ同地方ノ不作ニ因ル
モノニシテ河口ノ久慈町ハ六割九分七厘、
中部ニ位スル大賀村ハ四割九厘、水源地
方ノ黑澤村ハ四割四分一厘ノ減收ナリ(何
レモ前五箇年平均ニ比較)斯ノ如ク該地
方ハ年々水害ニ加フルニ凶作ニ遭遇シ非
常ナル困窮ニ陷リツヽアリ仍テ政府ハ從
來機會アル每ニ爲シタル斯ル地方ヲ救濟
スヘシトノ言明ニ鑑ミ速ニ久蒸川ノ治水
治山ノ施設ニ著手セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一久慈川改修竝水源地治水促進ニ關スル
建議案(中井川浩君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
大和川改修速進ニ關スル建議案
大和川改修速進ニ關スル建議
大和川ハ流域面積四十六方里灌漑段別二
万五千町步ヲ包有シ數箇支川ト共ニ灌漑
河川トシテ重要ナルモ僅ニ早天連續セハ
用水忽チ涸渴シ一朝大雨來ラムカ隨所ニ
堤防決潰シテ洪水氾濫シ沿岸ノ被害甚大
ナルヲ常トス殊ニ非常災害トモ稱スヘキ
彼ノ明治三十六年大正六年ノ水害ノ如キ
又昭和五年ノ大洪水ノ如キ其ノ被害額實
ニ數百萬圓ニ達シ爾來沿岸民ノ不安頗ル
大ナルモノアリ一度此ノ水禍ニ襲ハレム
カ多年ノ努力モ瞬時ニシテ水泡ニ歸シ容
易ニ舊態ニ復スルコト能ハス其ノ結果生
命財產ニ致命的ノ損傷ヲ與ヘ其ノ慘害想
像以上ナルハ吾人ノ幾度カ經驗スル所ナ
リ而シテ奈良縣ノ如キ人口僅ニ六十萬ニ
過キサルニ其ノ縣債ハ現在旣ニ五百十七
萬餘圓ノ巨額ニ達シ而モ其ノ中三百五十
餘萬圓ハ實ニ之カ災害復舊費ニ要シタル
起債ニシテ此ノ儘推移セムカ沿岸被害地
ノ產業ハ萎靡シ縣債ハ災害ト共ニ增加ス
ルノミニテ縣財政ヲ危殆ニ瀬セシメ前途
憂慮ニ堪ヘサルモノアリ之カ根本的解決
ニ依リ災禍ヲ除去シ以テ民力ヲ涵養シ縣
財政ノ安定ヲ圖ルハ刻下ノ緊要事ナリト
ス更ニ昭和六年冬突發セル大阪府下峠ノ
地辷リハ遂ニ大和川及其ノ對岸地域ヲ隆
起セシメ之カ應急工事費トシテ國、地方
分擔金百八十餘萬圓ヲ要シタルニモ拘ラ
ス本年度限リ之ヲ打切ラルルニ至リテハ
治水上甚タ遺憾トスル所ナリ又地勢ヨリ
考察スルニ奈良盆地ハ有史以前ニ於テハ
水ヲ湛ヘテ湖水タリシモノニシテ大和川
ナル排水路ヲ生シタル爲始テ耕地ト爲リ
シヲ以テ一朝此ノ流路ヲ杜塞セハ再ヒ往
昔ノ湖水ト化スヘキ虞アル所ナリ之ヲ以
テ政府ハ速ニ本川竝支川ヲ國ノ直轄河川
トシ旣ニ調査濟ノ根本的改修計畫ニ依テ
之ヲ實施シ沿岸民多年ノ慘苦ヲ救ヒ延テ
產業ノ振興促進ヲ圖ルハ刻下焦眉ノ急務
ナリト認ム政府ハ宜シク之カ經費ヲ昭和
十年度追加豫算又ハ昭和十一年度豫算ニ
計上シ之カ改修工事ヲ實施セラレムコト
マヨハ
右建議ス
報〓書
一大和川改修速進ニ關スル建議案(福井
甚三君外二名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
阿武隈川下流改修ニ關スル建議案
阿武隈川下流改修ニ關スル建議
政府ハ速ニ阿武隈川下流ヲ改修シ沿岸ヲ
シテ水害ノ災禍ヨリ免レシメラレムコト
ヲルエム
右建議ス
報〓書
一阿武隈川下流改修ニ關スル建議案(佐々
木家壽治君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
國道第三十三號路線一部變更竝改修促
進ニ關スル建議案
國道第三十三號路線一部變更竝改修
促進ニ關スル建議
國道第三十三號路線中長崎縣早岐町及折
尾瀨村地内ニ屬スル路線ノ一部ヲ變更シ速
ニ之カ改修ヲ實現セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一國道第三十三號路線一部變更竝改修促
進ニ關スル建議案(牧山耕藏君外一名
提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
國道改良工事繼續ニ關スル建議案
國道改良工事繼續ニ關スル建議
國道改良ハ從來一年限リノ事業トシテ豫
算ヲ計上セラレタルニ動モスレハ經費其
ノ他ノ關係ニ依リ事業ノ中途ニ於テ之ヲ
繰延へ又ハ中止セラルル場合少カラス斯
ノ如キハ國道改良ノ目的ニ副ハサルノミ
ナラス地方民ヲ困惑セシムルコト多大ナ
リ仍テ政府ハ之ヲ繼續事業ニ改メラレム
コトヲ望ム
右建議ス
報告書
一國道改良工事繼續ニ關スル建議案(中
田正輔君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
國道第十五號路線改修速進竝奈良大阪
間縣道國道編入ニ關スル建議案
國道第十五號路線改修速進竝奈良大
阪間縣道國道編入ニ關スル建議
國道第十五號路線中京都奈良和歌山間竝
奈良大阪間ノ交通ハ近來著シキ發達ヲ招
來シ自動車其ノ他ニ依ル交通ノ頻繁ハ累
年其ノ度ヲ高メツツアルヲ以テ當局ニ於
テモ既ニ此等道路ノ改修ノ必要ヲ認メ著
著其ノ工事ヲ進行セラレツツアルモ僅少
ノ豫算ニテハ折角ノ改修モ其ノ效果ヲ發
揮スルコト甚タ遠ク洵ニ遺憾トスル所ナ
リ殊ニ昭和十五年橿原神宮神苑ニ於ケル
紀元二千六百年大式典擧行迄ニ完成スヘ
キ第十五號路線改修ノ如キハ國家的大使
命ヲ有スルハ勿論產業ノ振興竝觀光上資
スル所甚タ大ナルモノアリト謂ハサルヘ
カラス又奈良大阪間ノ如キハ既ニ兩端ハ
改修セラレ其ノ中間大阪府南河內郡國分
ト奈良縣添上郡治道トノ間僅ニ三里餘ノ
ミ國道ニ非サル爲改修セラレス都鄙聯絡
上不利不便多ク實ニ遺憾ノ極ミナリ仍テ
政府ハ曩ニ樹立シタル道路計畫ヲ改定シ
更ニ國道路線ノ範圍ヲ擴張スルト共ニ速
ニ國道改良計畫ヲ實行セラレムコトヲ望
ム
右建議ス
報告書
一國道第十五號路線改修速進竝奈良大阪
間縣道國道編入ニ關スル建議案(福井
甚三君外一名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
神浦的山兩港灣ヲ指定港灣編入竝修築
ニ關スル建議案
神浦的山兩港灣ヲ指定港灣編入竝修
築ニ關スル建議
政府ハ長崎縣北松浦郡大島村神浦、的山
兩港灣ヲ指定港灣ニ編入シ且國庫補助ヲ
以テ速ニ修築セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一神浦的山兩港灣ヲ指定港灣編入竝修築
ニ關スル建議案(牧山耕藏君外一名提
〓
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
長崎縣早岐瀨戶浚渫ニ關スル建議案
長崎縣早岐瀨戶浚渫ニ關スル建議
政府ハ長崎縣東彼杵郡早岐瀨戶ヲ浚渫セ
ラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一長崎縣早岐瀨戶浚渫ニ關スル建議案
(牧山耕藏君外一名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
大津今津間及今津敦賀間府縣道國道編
入ニ關スル建議案
大津今津間及今津敦賀間府縣道國道
編入ニ關スル建議
府縣道大津今津線及今津敦賀線ハ起點ヲ
國道第二號線ニ發シテ京阪神ノ三大都市
ト連絡シ西近江路卽チ大津市、滋賀、高
島ノ兩郡ヲ縦貫シテ日本海唯一ノ國際港
敦賀ニ達シ更ニ海ヲ隔テテ滿洲國商工業
ノ中心哈爾賓ニ通スル要路ニ當レリ洵ニ
日滿兩國經濟中心地ヲ連結スル國家產業
經濟上重要ナル路線ト謂フヘシ殊ニ沿道
高島郡饗庭野ハ本路線ノ中央ニ位シ我カ
國有數ノ陸軍演習地トシ第四、第十六及
第九師團ノ各部隊交、來往シ軍馬ノ往復
年中絕ユルコトナク從テ本路線ハ軍事上
亦樞要ノ路線ナリ若シ夫レ一朝有事ニ際
會セムカ國防上絕大ノ使命ヲ有スルハ敢
テ贅言ヲ要セス仍テ政府ハ右兩路線ヲ速
ニ國道ニ編入セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一大津今津間及今津敦賀間府縣道國道編
入ニ關スル建議案(服部岩吉君外二名
提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
西宮京都間ニ產業道路新設ニ關スル建
議案
西宮京都間ニ產業道路新設ニ關スル
建議
近時京阪神ノ交通ハ益、.殷盛ヲ極メツヽア
リ曩ニ京阪國道ハ政府ノ補助ヲ得テ完成
セリト雖殆ト京阪兩都市ノ交通ヲ擔當ス
ルニ止マリ兵庫縣阪神地方ニ對シテハ大
大阪市街ヲ經山スル爲多大ノ時間ヲ空費
スルノ狀況ニ在リ故ニ此ノ際阪神地方ト
京都トノ捷路タル西宮京都間ニ產業道路
ヲ構築セハ目下發展途上ニ在ル西宮港竝
尼崎附近ニ活況ヲ呈セシムルハ勿論更ニ
神戶港トノ交通ヲ一層圓滑ナラシメ產業
ノ進展期シテ俟ツヘキモノアリ故ニ政府
ハ本產業道路ノ促成ヲ期スルト共ニ特ニ
補助ヲ與ヘラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一西宮京都間ニ產業道路新設ニ關スル建
議案(蔭山貞吉君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
北海道港灣漁港修築速成ニ關スル建議
案
北海道港灣漁港修築速成ニ關スル建
議
政府ハ北海道拓殖計畫ニ依リ修築セラル
ヘキ港灣漁港ヲ左記ノ如ク速成ヲ圖ラレ
ムコトヲ望ム
一左ノ四港ノ完成年度ヲ三年間繰上クル
コト
函館港、小樽港、室蘭港、釧路港
一根室港ノ完成年度ヲ二年間繰上クルコ
ト
一左ノ二港ノ完成年度ヲ一年間繰上クル
コト
余市港、廣尾港
一左ノ五港ニ對シ速ニ擴張工事ヲ施工ス
ルコト
稚內港、岩內港、留萠港、網走港、
紋別港
一修築豫定ノ箇所タル左ノ九港ヲ速ニ起
工スルコト
枝幸、釣懸、幌泉、增毛、福山、瀨
棚羽幌、壽都、霧多布
一左ノ箇所ニ對シ緩急順序ヲ圖リ小漁港
(船入澗)ヲ速ニ修築スルコト
渡島支廳管內
尻岸內、森、靜狩、八雲、知內、
茂別、落部、上磯、長萬部、木古
内、戶井
膽振支廳管內.
蘭法華、伊達、有珠、苫小牧、伏
古別
日高支廳管内
靜內、春立、庶野、門別、賀張、
新冠、佐瑠太
石狩支廳管內
石狩、厚田、濱益
留萠支廳管內
天鹽、遠別、初山別、鬼鹿
宗谷支廳管內
頓別、拔海、仙法志、西稚內、「エ
サンベ」、、「ヲシコントマリ」、尻曰、
鬼志別、東上泊
網走支廳管內
「チツプトマリ」、鐺沸、常呂、湧
別
十勝支廳管內
厚內、大津
釧路支廳管內
厚岸、昆布森
根室支廳管內
落石、花咲、標津、野付灣、齒舞、
泊古釜布、留別、紗那、年萠、
別飛、禮文磯、溫根沼、二本城(國
後)、片岡灣(占守)、鑑鉢、加熊
別村上灣(幌莚)、武魯頓(新知)、
床丹、小舟(得撫)
後志支廳管內
入舸、歌棄、永豐、鹽谷
檜山支廳管內
上ノ國、久遠、太櫓
室蘭市
追直、祝津志
右建議ス
北海道港灣漁港修築速成ニ關スル建議
案
北海道港灣漁港修築速成ニ關スル建
議
政府ハ北海道拓殖計畫ニ依リ修築セラル
ヘキ港灣漁港ヲ左記ノ如ク速成ヲ圖ラレ
ムコトヲ望ム
一左ノ四港ノ完成年度ヲ三年間繰上クル
コト
函館港、小樽港、室蘭港、釧路港
一根室港ノ完成年度ヲ二年間繰上クルコ
一左ノ二港ノ完成年度ヲ一年間繰上クル
コト
余市港、廣尾港
一左ノ五港ニ對シ速ニ擴張工事ヲ施工ズ
ルコト
稚內港、岩內港、留萠港、網走港、
紋別港
一修築豫定ノ箇所タル左ノ九港ヲ速ニ起
工スルコト
枝幸、釣懸、幌泉、增毛、福山、瀨
棚羽幌、壽都、霧多布
一左ノ箇所ニ對シ緩急順序ヲ圖リ小漁港
(船入澗)ヲ速ニ修築スルコト
渡島支廳管內
戶井、尻岸內、森靜狩、八雲、
知內(本村)、茂別、落部、上磯、
長萬部、木古內
膽振支廳管內
蘭法華、伊達、苫小牧、伏古別
日高支廳管內
靜內(本村)、三石(本村)、庶野、
門別、新冠
石狩支廳管內
石狩、厚田、濱益
留萠支廳管內
天鹽、遠別、初山別、鬼鹿、天賣
宗谷支廳管內
頓別、拔海、仙法志(本村)、鬼志
別東上泊
網走支廳管內
「チツプトマリ」、鐺沸、常呂、湧
別佐呂間湖
十勝支廳管內
昆布刈石、大津、厚舞
釧路支廳管內
厚岸、昆布森
根室支廳管內
落石、花咲、標津、野付灣、齒舞、
泊古釜布、留別、紗那、年萠、
別飛、禮文磯
室蘭市
舟見町(追直)、祝津志
後志支廳管內
入舸、歌棄、永豐、鹽谷
右建議ス
報〓書
一北海道港灣漁港修築速成ニ關スル建議
案(山本厚三君外四名提出)
一北海道港灣漁港修築速成ニ關スル建議
案(木下成太郎君外十三名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ別紙ノ通修
正スヘキモノト議決致候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
北海道港灣漁港修築速成ニ關スル建
議
政府ハ北海道拓殖計畫ニ依リ修築セラル
ヘキ港灣漁港ヲ左記ノ如ク速成ヲ圖ラレ
ムコトヲ望ム
一左ノ四港ノ完成年度ヲ三年間繰上クル
コト
函館港、小樽港、室蘭港、釧路港
一根室港ノ完成年度ヲ二年間繰上クルコ
ト
一左ノ二港ノ完成年度ヲ一年間繰上クル
コト
余市港、廣尾港
一左ノ五港ニ對シ速ニ擴張工事ヲ施工ス
ルコト
稚內港、岩內港、留萠港、網走港、
紋別港
一修築豫定ノ箇所タル左ノ九港ヲ速ニ起
工スルコト
枝幸、釣懸、幌泉、增毛、福山、瀨
棚、羽幌、壽都、霧多布
一左ノ箇所ニ對シ緩急順序ヲ圖リ小漁港
(船入澗)ヲ速ニ修築スルコト
渡島支廳管內
尻岸內、森靜狩、八雲、知內、
茂別、落部、上磯、長萬部、木古
内、戶井
膽振支廳管內
蘭法華、伊達、有珠、苫小牧、伏
古別
日高支廳管內
靜內、春立、庶野、門別、賀張
新冠、佐瑠太、三石
石狩支廳管內
石狩、厚田、濱益
留萠支廳管內
天鹽、遠別、初山別、鬼鹿、天賣
宗谷支廳管內
頓別、拔海、仙法志、西稚內、「エ
サンベ」、「ヲシコントマリ」、尻
臼、鬼志別、東上泊
網走支廳管內
「チツプトマリ」、鐺沸、常呂、湧
別、佐呂間湖
十勝支廳管內
厚內、大津、昆布刈石
釧路支廳管內
厚岸、昆布森
根室支廳管內
落石、花咲、標津、野付灣、齒舞、
泊、古釜布、留別、紗那、年萠、
別飛、禮文磯、溫根沼、二木城(國
後)、片岡灣(占守)、鐳鉢、加熊
別、村上灣(幌莚)、武魯頓(新知)、
床丹、小舟(得撫)
後志支廳管內
入舸、歌棄、永豐、鹽谷
檜山支廳管內
上ノ國、久遠、太櫓
室蘭市
舟見町(追直)、祝津志
右建議ス
市町村吏員優遇ニ關スル建議案
市町村吏員優遇ニ關スル建議
政府ハ國家基礎團體ノ劇務ニ從事スル市
町村吏員ニ對シ敍位敍勳ニ關スル內規ヲ
改正シ又ハ特別褒章條例ヲ設定スル等適
切ナル優遇制度ヲ設定シ速ニ之ヲ實施セ
ラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一市町村吏員優遇ニ關スル建議案(松尾
孝之君外三名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
警察署長待遇改善ニ關スル建議案
警察署長待遇改善ニ關スル建議
政府ハ警察署長ノ待遇ヲ改善スルノ途ヲ
講セラレムコトヲ望ム
右建議ス
警察官ノ待遇改善ニ關スル建議案
警察官ノ待遇改善ニ關スル建議
警察官ハ社會ノ安寧秩序ヲ維持シ人命財
產ヲ保護シ民衆ノ幸福ヲ增進スル重大責
任ヲ有スル者ニシテ其ノ職務ノ繁劇ナル
想像ノ外ニアリ然ルニ其ノ待遇ヲ見ルニ
最薄給ニシテ其ノ地位體面ヲ保ツニ頗ル
困難ナル實情ニアルコトハ何人モ認ムル
所ナリ之ヲ歐米諸國ノ警察官ト比較スレ
ハ雲泥ノ相違アルコト亦明ナル事實ナリ
今ヤ社會情勢ハ世界的ニ變化シ世相益〓惡
化シ殊ニ犯罪ハ文化ノ進展ニ伴ヒ科學的
思想的ノモノ續出シツツアル狀態ナリ之
ニ處スルノ途ハ警察官ノ地位ヲ向上シ學
識ヲ高メ以テ其ノ活動ニ俟タサルヘカラ
サルハ當然ナリ從テ國家ハ速ニ警察官ノ
待遇ヲ改善シ以テ生活ノ安定ト地位ノ向
上トヲ圖ルコトハ目下ノ急務ニシテ且其
ノ能率ヲ增進スル所以ナリトス卽チ待遇
改善ハ物質的待遇ト精神的待遇トノ改善
ヲ實行スヘク本件ニ關シ衆議院ハ屢〓建
議シタリト雖未タ其ノ實現ヲ見ルニ至ラ
ス亦貴族院ニ於テモ同樣ノ建議アリ可決
セラレタルニモ拘ラス此等ニ對シ政府ハ
何等ノ方策ヲ講セサルハ甚タ遺憾ニ堪ヘ
サル所ナリ本案ハ國民全體ノ希望ト謂フ
モ敢テ過言ニ非ス政府カ單ニ考慮ニ藉口
シテ之ヲ實現セサルハ國民ノ希望ヲ無視
スルモノト謂ハサルヘカラス卽チ本問題
ハ一日モ忽ニスヘカラサルモノナルヲ以
テ政府ハ速ニ案ヲ具體化シ實行セラレム
コトヲ望ム
右建議ス
報告書
一警察署長待遇改善ニ關スル建議案松
尾孝之君外二名提出)
一警察官ノ待遇改善ニ關スル建議案本
田義成君外一名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ「警
察官ノ待遇改善ニ關スル建議」ト爲シ別
紙ノ通修正スヘキモノト議決致候此段及
報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
警察官ノ待遇改善ニ關スル建議
警察官ハ社會ノ安寧秩序ヲ維持シ人命財
產ヲ保護シ民衆ノ幸福ヲ增進スル重大責
任ヲ有スル者ニシテ其ノ職務ノ繁劇ナル
想像ノ外ニアリ然ルニ其ノ待遇ヲ見ルニ
最薄給ニシテ其ノ地位體面ヲ保ツニ頗ル
困難ナル實情ニアルコトハ何人モ認ムル
所ナリ之ヲ歐米諸國ノ警察官ト比較スレ
ハ雲泥ノ相違アルコト亦明ナル事實ナリ
今ヤ社會情勢ハ世界的ニ變化シ世相益〓
惡化シ殊ニ犯罪ハ文化ノ進展ニ伴ヒ科學
的思想的ノモノ續出シツヽアル狀態ナリ
之ニ處スルノ途ハ警察官ノ地位ヲ向上
シ學識ヲ高メ以テ其ノ活動ニ俟タサルヘ
カラサルハ當然ナリ從テ國家ハ速ニ警察
官ノ待遇ヲ改善シ以テ生活ノ安定ト地位
ノ向上トヲ圖ルコトハ目下ノ急務ニシテ
且其ノ能率ヲ增進スル所以ナリトス殊ニ
部下警察官ノ指揮監督ヲ爲ス警察署長ノ
待遇改善ハ最必要ナリト認ム卽チ待遇改
善ハ物質的待遇ト精神的待遇トノ改善ヲ
實行スヘク本件ニ關シ衆議院ハ屢〓建議
シタリト雖未タ其ノ實現ヲ見ルニ至ラス
亦貴族院ニ於テモ同樣ノ建議アリ可決セ
ラレタルニモ拘ラス此等ニ對シ政府ハ何
等ノ方策ヲ講セサルハ甚タ遺憾ニ堪ヘサ
ル所ナリ本案ハ國民全體ノ希望ト謂フモ
敢テ過言ニ非ス政府カ單ニ考慮ニ藉口シ
テ之ヲ實現セサルハ國民ノ希望ヲ無視ス
ルモノト謂ハサルヘカラス卽チ本問題ハ
一日モ忽ニスヘカラサルモノナルヲ以テ
政府ハ速ニ案ヲ具體化シ實行セラレムコ
トヲ望ム
右建議ス
橿原神宮神苑ニ於テ紀元二千六百年祭
擧行ニ關スル建議案
橿原神宮神苑ニ於テ紀元二千六百年
祭擧行ニ關スル建議
來ル昭和十五年ハ神武天皇橿原宮ニ御卽
位アラセラレデヨリ二千六百年ニ相當シ
神宮御鎭座以來五十年ニ當ルヲ以テ此ノ
年ヲ期シ神宮ノ規模結構ヲ壯大ニシ遠ク
皇祖肇國ノ理想ヲ恢弘シ天皇ノ偉績
鴻業ヲ景仰シ奉ルト共ニ國民精神ノ仲張
徹底ヲ期シ我カ神聖ナル國體ノ精華ヲ益〓
中外ニ宣揚スルコトノ喫緊ナルヲ思フ政
府ハ宜シク昭和十五年ヲ期シテ橿原神宮
神苑ニ於テ莊嚴盛大ナル紀元二千六百年
大式典ヲ擧行シ報本反始ノ至誠ヲ表明シ
依テ以テ彌カ上ニモ日本精神ノ高揚ニ努
メラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一橿原神宮神苑ニ於テ紀元二千六百年祭
擧行ニ關スル建議案(福井甚三君外六
名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
橿原神宮崇祀ニ關スル建議案
橿原神宮崇祀ニ關スル建議
橿原神宮ハ建國ノ鴻業ヲ大成シ給ヘル
皇祖神武天皇ヲ奉齋シ伊勢神宮ニ亞キ國
民崇敬ノ中樞ニシテ其ノ尊嚴ナルコト一
般官國幣社ト同一視スヘキニ非ス國家ノ崇
祀スル神社中格別ノ由〓アル神宮ナリ今
ヤ昭和十年度ヨリ宮域ノ整備ニ著手セラ
ルルト雖其ノ內容尙充實ヲ缺クモノアリ
テ國家崇祀ノ實ヲ揚クルニ足ラサルハ寔
ニ恐懼ニ堪ヘサル所ナリ政府ハ宜シク國
勢ノ進展ニ顧ミ又紀元二千六百年大祭典
ヲ擧行シ以テ報本反始ノ至誠ヲ表明セム
トスル國民ノ熱望ニ鑑ミ速ニ左ノ事項ヲ
實行シ以テ橿原神宮ノ崇祀ヲ尊嚴ナラシ
メ國民思想ノ善導上遺憾ナキコトヲ期セ
ラレムコトヲ望ム
一內務省直轄タラシムルコト
職制ノ改正ヲ行フコト
供進金ヲ增額スルコト
右建議ス
報告書
一橿原神宮崇祀ニ關スル建議案(福井甚
三君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
官幣大社廣田神社ヲ神宮ニ昇格ニ關ス
ル建議案
官幣大社廣田神社ヲ神宮ニ昇格ニ關
スル建議
官幣大社廣田神社ハ天照大神ノ荒魂(ア
ラミタマ)ヲ祭神トシテ奉祠セラル而シ
テ大神ノ和魂(ニギミタマ)ハ宮中賢所及
伊勢神宮ノ內宮ニ祭神トシテ奉祠セラル
卽チ荒魂ハ和魂ニ對スル御魂ニマシマシ
武神ニシテ進取的、活動的ナルハ荒魂ニ
シテ、平和ノ神ニシテ文神ナルハ和魂ナ
リ抑〓、、當社ニ天照大神ノ御魂ノ分神ヲ
奉祠セラルルニ至リシハ今ヨリ千七百三
十四年前ニシテ當時ノ攝政ノ宮神功皇
后三韓征伐ノ砌和魂ヲ王船ノ鎭護ト爲シ
荒魂ヲ軍ノ先鋒ト爲シ給ヒテ師船ヲ進メ
ラレシナリ此ノ兩御魂ノ御加護ニ依リ大
勝ヲ博シ凱旋セラレ務古ノ水門(今ノ西
宮沖)ニ御歸還アラセラルルヤ天照大
神ノ「我カ荒魂ハ皇居ニ近ツク可ラス當
ニ御心廣田ノ國ニ居ラシムヘシ」トノ神
誨ニ依リ皇后自ラ奉齋セラレタルナリ
爾來歷朝ノ御尊崇特ニ厚ク又源賴朝、豐
臣秀吉等ノ武將カ武神トシテ特ニ奉祠セ
ルハ日本紀其ノ他國史ニ明ナリ而シテ明
治四年官幣大社ニ列セラレタルモ御祭神
ニ對シ奉リ奉祀尙盡サヽル所アリ誠ニ恐
懼ノ至ニ堪ヘサルヲ以テ伊勢神宮ニ準シ
テ崇祀ヲ尊嚴ニシ神宮ニ昇格セラルヘキ
モノナリト信ス近時非常時ノ反映トシテ
忠臣、武將ヲ祭ル神社ニ對シ國民ノ崇敬
ノ念益〓熾ナルノ秋斯ル最高武神ノ奉祀
セラレタル神社ヲ國民ニ周知セシムルハ
最緊要ナリ斯ノ如ク本社ハ全國有數ノ靈
社ナルニ拘ラス其ノ神殿ノ造營頗ル粗雜
ナルハ他社ニ見サル所ナリ仍テ政府ハ本
社ヲ神宮ニ昇格スルト共ニ財政ノ許ス範
圍ニ於テ速ニ其ノ神殿ヲ改築セラレムコ
トヲ望ム
右建議ス
報告書
一官幣大社廣田神社ヲ神宮ニ昇格ニ關ス
ル建議案(蔭山貞吉君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
琵琶湖運河開鑿竝大阪附近大工場地帶
建設ニ關スル建議案
琵琶湖運河開鑿竝大阪附近大工場地
帶建設ニ關スル建議
一琵琶湖北方鹽津敦賀間ニ於テ大切取
工事ヲ行ヒ大阪ヨリ枚方、宇治、瀨田
ヲ經テ敦賀ニ至ル間一萬噸級ノ船舶ヲ
通スヘキ運河ヲ開鑿シテ日滿運輸交通
ノ幹線路ヲ確保スルコト
一前記琵琶湖北方鹽津敦賀間大切取工
事施行ノ結果琵琶湖ノ出水量ハ北方日
本海ニ放流セラルルコトトナリ宇治以
西京阪一帶ノ地ハ將來洪水ノ憂ナキ安
全地域トナルヘシ更ニ枚方附近ニ於テ
分水工事ヲ行ヒ大阪市ノ東方ヲ南流セ
シメ西轉シテ大和川下流ニ接近シ大阪
灣ニ注カシム又前記運河ハ大阪築港突
堤北方附根附近ニ起リ新淀川敷ヲ通過
シ更ニ大體淀川線ニ沿ヒテ琵琶湖ニ通
セシムルコトニ依リ宇治以西運河沿岸
地及枚方以西附替川沿岸地ニ於テ面積
約一千八百萬坪卽チ將來飽和狀態ニ達
スル時ハ人口三百萬人ヲ包容スルニ足
ルヘキ工場地域ヲ出現セシムルコト
琵琶湖ニ水源ヲ求メ京都、大阪、神
戶、明石ヲ經テ高砂ニ至ル一帶ノ地域
ニ於ケル將來ノ推定人口一千五百萬人
ニ對スル給水ヲ行フヘキ上水道幹線工
事ヲ行フコト
右ハ我カ國運ノ飛躍的發展ヲナシツツア
ル現狀ニ顧ミテ極メテ緊要ナル國策タル
コトヲ信ス政府ハ宜シク之カ實現ヲ期スル
爲特ニ委員會ヲ組織セラレ其ノ指導ノ下ニ
前記企畫ノ具體案ヲ作製スルニ必要ナル調
査費ヲ計上シ今後三箇年ヲ期シテ右具體
案ヲ樹立シ之ヲ公表セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一琵琶湖運河開鑿竝大阪附近大工場地帶
建設ニ關スル建議案(松山常次郞君提
出
右ハ本院ニ於テ別紙ノ通修正スヘキモノ
ト議決致候此段及報告候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
琵琶湖運河開鑿竝大阪附近大工場地
帶建設ニ關スル建議
一琵琶湖北方鹽津敦賀間ニ於テ大切取
工事ヲ行ヒ大阪ヨリ枚方、宇治、瀨田
ヲ經テ敦賀ニ至ル間一萬噸級ノ船舶ヲ
通スヘキ運河ヲ開鑿シテ日滿運輸交通
ノ幹線路ヲ確保スルコト
一前記琵琶湖北方鹽津敦賀間大切取工
事施行ノ結果琵琶湖ノ出水量ハ北方日
本海ニ放流セラルルコトトナル又桂川
ヲ神崎川ニ連絡セシメテ北方ヨリ流下
スル雨水ヲ神崎川ニヨリテ大阪灣ニ注カ
シム次ニ木津川ノ水流ヲシテ暫ク淀川
敷ヲ流下セシメ枚方附近ニ於テ分水工
事ヲ行ヒ木津川ノ水流ヲシテ大阪市ノ
東方ヲ南流セシメ大和川下流ニ近ツキ
テ西方ニ轉向シ大阪灣ニ放流セシム以
上ノ處理ニヨリ宇治以西淀川筋ハ洪水
ノ憂ナキ安全地帶トナルヘシ卽チ大阪
築港突堤北方附根附近ニ起リ新淀川敷
ヲ通過シ更ニ大體淀川線ニ沿ヒテ琵琶
湖ニ通スル運河ヲ構築スルトキハ運河
沿岸及琵琶湖沿岸一帶ノ地ハ良好ナル
工場地域トナル又右大船運河ヨリ分岐
シテ艀船運河ヲ構築スルトキハ隨所ニ
相當良好ナル工場地域ヲ形成スルコト
ヲ得ヘシ琵琶湖沿岸ノ利用或ハ艀船運
河ノ延長ニヨリ如何程ニテモ其ノ區域
ヲ擴張シ得ヘキモ面積千八百萬坪將來
飽和狀態ニ達スル場合ニ於テ三百萬人
ヲ收容スヘキ工場地域ヲ以テ其ノ規模
トスルコト
-琵琶湖ニ水源ヲ求メ京都、大阪、神
戶、明石ヲ經テ高砂ニ至ル一帶ノ地域
ニ於ケル將來ノ推定人口一千五百萬人
ニ對スル給水ヲ行フヘキ上水道幹線工
事ヲ行フコト
右ハ我カ國運ノ飛躍的發展ヲナシツツア
ル現狀ニ顧ミテ極メテ緊要ナル國策タル
コトヲ信ス政府ハ宜シク之カ實現ヲ期ス
ル爲特ニ委員會ヲ組織セラレ其ノ指導ノ
下ニ前記企畫ノ具體案ヲ作製スルニ必要
ナル調査費ヲ計上シ今後三箇年ヲ期シテ
右具體案ヲ樹立シ之ヲ公表セラレムコト
マルチノ
右建議ス
癩療養所擴張竝癖〓究所設置ニ關スル
建議案
癩療養所擴張竝癩〓究所設置ニ關ス
ル建議
政府ハ速ニ癩療養所ヲ擴張シ同時ニ癩〓
究所ヲ設置セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一癩療養所擴張竝癩〓究所設置ニ關スル
建議案(川淵洽馬君外一名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スベキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
癩療養所ノ位置選定ニ關スル建議案
癩療養所ノ位置選定ニ關スル建議
政府カ癩患者ノ保護ニ關シ特ニ留意シツ
ツアルハ多トスル所ナルモ其ノ療養所ノ
設置ニ關シテハ該病ノ傳染性ニ鑑ミ一層
注意ヲ要スヘキモノアリ卽チ從來往々大
都市ノ附近ニ療養所ヲ設置セル爲患者ハ
本能上屢〓禁ヲ犯シ市街地ニ出入シ爲ニ
意外ノ紛擾ヲ釀セシコト一再ニシテ止マ
ラス故ニ政府ハ此ノ際從來不適當ナル位
置ニ設置セル療養所ノ移轉ハ勿論今後設
置セムトスルモノハ特ニ外部トノ交通容
易ナラサル離島又ハ隔絕地ニ選定設置セ
ラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一癩療養所ノ位置選定ニ關スル建議案
(蔭山貞吉君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
防火建築振興ニ關スル建議案
防火建築振興ニ關スル建議
政府ハ帝都及五大都市其ノ他ノ大都市ノ
現狀ニ鑑ミ防火、防空、防風、防水等ノ
見地ヨリ左記四項目ヲ都市計畫事業トシ
テ實現ヲ期セラレムコトヲ望ム
-現行防火地區ノ完成竝擴張
現行甲種防火地區內ニ於テ本建築ヲ促
進シ尙該地區ヲ商工業中心地其ノ他必
要ナル地帶ニ擴張スルノ必要切ナルモ
ノアリト信ス蓋シ現在帝都ニ於ケル耐
火建築物ノ數ハ木造ノ約百分ノ一其ノ
面積ハ甲種防火地區約百五萬坪中僅ニ
九分ノ一ニ過キサレハナリ
二防火建築補助金交付地域ノ擴張
政府ハ大震災後東京、橫濱兩市ノ燒失
地區內ヲ限リ甲種防火地區ニ於ケル本
建築ニ對シテ一坪平均約四十圓ノ補助
金ヲ交付セルモ防空的見地ヨリ前兩市
以外ノ都市ノ樞要地區ニ於ケル本建築
ニ對シ亦之ヲ交付スルノ必要アルヲ認
ム現ニ大阪府ニ於テハ之カ實施ノ計畫
アリ
三防火建築ニ對スル低利資金融通
防火建築ノ自發的振興ハ速ニ期待シ能
ハサルヲ以テ政府ハ右資金ヲ一層容易
且低利ニ融通ノ途ヲ講スルノ必要アル
ヲ認ム卽チ政府ハ大震災以來大ニ防火
建築ヲ奬勵セルモ其ノ遲々タル所以ノ
モノハ資金調達ノ困難ナルニ基因スル
所大ナレハナリ
四官公署學校等ノ公共的建築物ハ總テ
永久的構造ト爲スヘシ
此等建築物ニ付耐久性ノ必要ナルハ贅
言ヲ要セサル所ニシテ特ニ非常時ニ際
シテハ最有用ナル避難所タルコトヲ得
ヘシ
右建議ス
報〓書
一防火建築振興ニ關スル建議案(蔭山貞
吉君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議案
鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議
政府ハ昭和六年法律第六十五號鑛業法中
改正ノ趣旨ニ鑑ミ府縣制第百八條第一項
及市制町村制施行令第四十一條第二項ノ
鑛產稅附加稅分割賦課ノ規定ヲ適當ニ改
正セラレムコトヲ望ム
右建議ス
鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議案
鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議
政府ハ昭和六年法律第六十五號鑛業法中
改正ノ趣旨ニ鑑ミ府縣制第百八條第一項
及市制町村制施行令第四十一條第二項ノ
鑛產稅附加稅分割賦課ノ規定ヲ適當ニ改
正セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議案
(田島勝太郞君外四名提出)
一鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議案
(松尾孝之君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ別紙ノ通(內
容同一)修正スヘキモノト議決致候此段
及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議
政府ハ昭和六年法律第六十五號鑛業法中
改正ノ趣旨ニ鑑ミ府縣制第百八條第一項
及市制町村制施行令第四十一條第二項ノ
鑛產稅附加稅分割賦課ノ規定ヲ適當ニ改
正セラレムコトヲ望ム
右建議ス
北海道石炭鐵道運賃低減ニ關スル建議
案
北海道石炭鐵道運賃低減ニ關スル建
議
政府ハ北海道石炭鐵道運賃ノ低減ヲ速ニ
斷行セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一北海道石炭鐵道運賃低減ニ關スル建議
案(松尾孝之君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
鐵道運賃引下促進ニ關スル建議案
鐵道運賃引下促進ニ關スル建議
政府ハ現行鐵道運賃ヲ全般的ニ引下クル
ト共ニ其ノ貨物等級ノ均衡ニ付亦適當ナ
ル改正ヲ斷行セラレムコトヲ望ム
右建議ス
鐵道運賃低減ニ關スル建議案
鐵道運賃低減ニ關スル建議
政府ハ速ニ現行鐵道運賃ヲ全般的ニ低減
シ貨物等級ノ均衡ニ付テモ適應シタル改
正ヲ斷行セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一鐵道運賃引下促進ニ關スル建議案藤
井啓一君外一名提出)
一鐵道運賃低減ニ關スル建議案(保良淺
之助君提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ「鐵
道運賃引下促進ニ關スル建議」ト爲シ別
紙ノ通修正スヘキモノト議決致候此段及
報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
鐵道運賃引下促進ニ關スル建議
政府ハ現行鐵道運賃ヲ全般的ニ引下クル
ト共ニ其ノ貨物等級ノ均衡ニ付亦適當ナ
ル改正ヲ斷行セラレムコトヲ望ム
右建議ス
名古屋千種兩驛間ニガソリンカー停車
場設置ニ關スル建議案
名古屋千種兩驛間ニガソリンカー停
車場設置ニ關スル建議
政府ハ名古屋市ノ最近ニ於ケル急激ナル
膨脹發展ノ狀況ニ鑑ミ交通機關整備ノ爲
名古屋千種間ノ適當ナル地點ニ「ガソリ
ンカー」停車場ヲ設置セラレムコトヲ望
ム
右建議ス
報〓書
一名古屋千種兩驛間ニガソリンカー停車
場設置ニ關スル建議案(瀨川嘉助君外
二名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
諫早大村兩驛間ニ停車場設置ニ關スル
建議案
諫早大村兩驛間ニ停車場設置ニ關ス
ル建議
大村線諫早、大村兩驛間ニ停車場ヲ設置
セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一諫早大村兩驛間ニ停車場設置ニ關スル
建議案(佐保畢雄君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
牟岐線ノ線路決定ニ關スル建議案
牟岐線ノ線路決定ニ關スル建議
牟岐線(德島縣內豫定線)中那賀郡新野町
ヲ通過スル線路ハ夙ニ國道ニ沿ヒ之ト竝
行スルコトニ豫定セル所昨年十一月ニ至
リ突如之ヲ變更セラレタリ政府ハ須ラク
其ノ地勢ニ鑑ミ其ノ發展ヲ考慮シ地方百
年ノ大局ヨリ觀テ從來ノ豫定通復活セラ
レムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一牟岐線ノ線路決定ニ關スル建議案眞
鍋勝君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
名古屋龜山間復線工事速成ニ關スル建
議案
名古屋龜山間復線工事速成ニ關スル
建議
政府ハ速ニ關西本線名古屋驛龜山驛間鐵
道ノ復線ヲ敷設シ輸送時間ノ短縮ヲ圖ラ
レムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一名古屋龜山間復線工事速成ニ關スル建
議案(松田正一君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
關ケ原木ノ本間鐵道敷設ニ關スル建議
案
關ヶ原木ノ本間鐵道敷設ニ關スル建議
政府ハ東海道線關ケ原ヨリ北陸線木ノ本
ニ至ル鐵道線路ヲ速ニ敷設セラレムコト
マヨハ
右建議ス
報告書
一關ケ原本ノ本間鐵道敷設ニ關スル建議
案(仙波久良君外二名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
小名木川越中島間鐵道速成ニ關スル建
議案
小名木川越中島間鐵道速成ニ關スル
建議
政府ハ速ニ小名木川越中島間ノ鐵道ヲ敷
設シ東京ヲ中心トシタル全國各地ノ交通
運輸ノ圓滑迅速ヲ期セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一小名木川越中島間鐵道速成ニ關スル建
議案(眞鍋儀十君外二名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
盛釜石間鐵道線路法定ニ關スル建議案
盛釜石間鐵道線路決定ニ關スル建議
岩手縣気仙郡盛ヨリ上閉伊郡釜石ニ至ル
鐵道線路ノ選定ニ付テハ盛ヨリ北向シテ
山間部落ヲ通スル線路(山ノ手線ト假稱
ス)ト盛ヨリ南折シテ海岸方面ニ出テ海
岸部落ニ沿フテ北上スル線路(海岸線ト
假稱ス)トノ二途アリ此ノ兩線路ヲ比較
スルニ山ノ手線ハ產業上價値比較的乏シ
キ地方ヲ經由スルニ過キサルモ海岸線ハ
所謂三陸漁場ノ中ニ在リテ最有望ナル越
喜來綾里等ニ近ク通過スルヲ以テ鐵道開
通ノ效果頗ル大ナルモノアリト信ス仍テ
政府ハ速ニ其ノ實情ヲ調査シ線路ノ決定
ヲ誤ルコトナカラムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一盛釜石間鐵道線路決定ニ關スル建議案
(高橋壽太郞君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
荒砥左澤間鐵道速成ニ關スル建議案
荒砥左澤間鐵道速成ニ關スル建議
政府ハ速ニ長井線荒砥驛、左澤線左澤驛
間二十五粁餘ノ鐵道ヲ敷設シ以テ兩驛間
ノ連絡ヲ速成セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一荒砥左澤間鐵道速成ニ關スル建議案
(佐藤啓君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
楯岡寒河江開鐵道速成ニ關スル建議案
楯岡寒河江間鐵道速成ニ關スル建議
政府ハ奥羽本線楯岡驛ヨリ村山平野ヲ橫
斷シ左澤線寒河江驛ニ至ル鐵道ヲ速成セ
ラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一楯岡寒河江間鐵道速成ニ關スル建議案
(佐藤啓君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議案
北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議
政府ハ北海道内左記國有鐵道ノ敷設ヲ速
成セラレムコトヲ望ム
一國有鐵道豫定線ノ敷設速成
一渡島國函館、釜石間
一膽振國京極、紋鼈間
一膽振國八雲、後志國利別間
一膽振國京極、壯瞥間
一日高國浦河、十勝國廣尾間
一膽振國鵡川、石狩國金山間
一膽振國「ペンケオロロツプナイ」、
石狩國登川間
一石狩國札幌、天鹽國增毛間
一石狩國白石、膽振國追分間
一石狩國廣島、膽振國苫小牧間
一石狩國比布、下愛別間
一石狩國「ルベシベ」、北見國瀧ノ上
間
一日高國高江、十勝國帶廣間
一十勝國三股、石狩國「ルベシベ」間
一十勝國芽室、「トムラウシ」間
一石狩國朱鞠內、天鹽國羽幌間
一北見國幌別、小頓別間
一北見國枝幸、雄武間
一北見國中佐呂間、常呂間
一北見國留邊蘂、伊頓武華間
一釧路國釧路、北見國相生間
一釧路國菱川、標茶間
一根室國標津、北見國斜里間
一天鹽國羽幌、遠別間
二國有鐵道未成線ノ工事繰上速成
一渡島國木古內、江差間
一渡島國木古內、福山間
一天鹽國遠別、下沙流別間
一北見國興部、雄武間
一北見國枝幸、濱頓別間
一北見國常呂、網走間
一釧路國標茶、根室國中標津間
一天鹽國名寄、石狩國朱鞠內間
三國有鐵道豫定線ニ編入起工
一十勝國三股、北見國伊頓武華間
一石狩國沼田ヨリ多度志ヲ經テ旭川
ニ連絡スル間
一渡島國江差、福山間
一渡島國江差、後志國瀨棚間
一渡島國森ヨリ厚澤部ヲ經テ江差ニ
連絡スル間
一後志國余市、余別間
一石狩國定山溪ヨリ膽振國紋鼈又ハ
虻田若ハ豐浦ニ連絡スル間
一石狩國岩見澤、厚田間
一石狩國瀧川、濱益間
一石狩國深川、下蘆別間
一石狩國栗山、廣島間
一石狩國近文、比布間
一天鹽國士別、北見國瀧ノ上間
一天鹽國士別、石狩國添牛內間
一石狩國朱鞠內、天鹽國美深間
一石狩國朱鞠內、天鹽國遠別間
一石狩國朱鞠內、天鹽國佐久間
一天鹽國美深、北見國雄武間
一北見國遠輕、佐呂間間
一石狩國歌志內ヨリ根室本線ニ連絡
スル間
一北見國野付牛、佐呂間間
一北見國美幌、釧路國弟子屈間
一十勝國大樹、日高國浦河間
一十勝國厚內、大樹間
一十勝國〓水又ハ御影若ハ新得ヨリ
日高國佐瑠太又ハ膽振國邊富內ニ
連絡スル間
一石狩國幾春別、下富良野間
一膽振國倶知安ヨリ後志國赤井川、
明治鑛山ヲ經テ南小樽ニ連絡スル
間
四國有鐵道臨港線ノ速成
一釧路臨港線
一紋別臨港線
一網走臨港線
右建議ス
北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議案
北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議
政府ハ北海道內左記國有鐵道ノ敷設ヲ速
成セラレムコトヲ望ム
一國有鐵道豫定線ノ敷設速成
一渡島國函館、釜石間
一膽振國京極、紋鼈間
一膽振國八雲、後志國利別間
一膽振國京極、壯瞥間
一日高國浦河、十勝國廣尾間
一膽振國鵡川、石狩國金山間
一膽振國「ペンケオロロツプナイ」、
石狩國登川間
一石狩國札幌、天鹽國增毛間
一石狩國白石、膽振國追分間
一石狩國廣島、膽振國苫小牧間
一石狩國比布、下愛別間
一石狩國「ルベシベ」、北見國瀧ノ上
間
一日高國高江、十勝國帶廣間
一十勝國三股、石狩國「ルベシベ」間
一十勝國芽室、「トムラウシ」間
一石狩國朱鞠內、天鹽國羽幌間
一北見國幌別、小頓別間
一北見國枝幸、雄武間
一北見國中佐呂間、常呂間
一北見國留邊蘂、伊頓武華間
一釧路國釧路、北見國相生間
一釧路國菱川、標茶間
一根室國標津、北見國斜里間
一天鹽國羽幌、遠別間
二國有鐵道未成線ノ工事繰上速成
一渡島國木古內、江差間
一渡島國木古內、福山間
一石狩國札幌、中德富間
一天鹽國遠別、下沙流別間
一北見國興部、雄武間
一北見國枝幸、濱頓別間
一北見國常呂、網走間
一釧路國標茶、根室國中標津間
三國有鐵道豫定線ニ編入起工
一十勝國三股、北見國伊頓武華間
一石狩國沼田ヨリ多度志ヲ經テ旭川
ニ連絡スル間
一渡島國江差、福山間
一渡島國江差、後志國瀬棚間
一渡島國森ヨリ厚澤部ヲ經テ江差ニ
連絡スル間
一後志國余市、余別間
一石狩國定山溪ヨリ膽振國紋鼈又ハ
虻田若ハ豐浦ニ連絡スル間
一石狩國岩見澤、厚田間
一石狩國瀧川、濱益間
一石狩國深川、下蘆別間
一石狩國栗山、廣島間
一石狩國近文、比布間
一天鹽國士別、北見國瀧ノ上間
一天鹽國士別、石狩國添牛內間
一石狩國朱鞠內、天鹽國美深間
一石狩國朱鞠內、天鹽國佐久間
一天鹽國美深、北見國雄武間
一北見國遠輕、佐呂間間
一石狩國歌志內ヨリ根室本線ニ連絡
スル間
一北見國野付牛、佐呂間間
一北見國美幌、釧路國弟子屈間
一十勝國大樹、日高國浦河間
一十勝國浦幌、大樹間
一十勝國〓水又ハ御影若ハ新得ヨリ
膽振國邊富內又ハ占冠附近ヲ經テ
夕張線ニ連絡スル間
一石狩國幾春別、下富良野間
一膽振國倶知安ヨリ後志國赤井川、
明治鑛山ヲ經テ南小樽ニ連絡スル
間
四國有鐵道臨港線ノ速成
一釧路臨港線
一紋別臨港線
一網走臨港線
右建議ス
報告書
一北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議案
(山本厚三君外四名提出)
一北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議案
(木下成太郞君外十三名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ別紙ノ通修
正スヘキモノト議決致候此段及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
北海道鐵道敷設速成ニ關スル建議
政府ハ北海道內左記國有鐵道ノ敷設ヲ速
成セラレムコトヲ望ム
一國有鐵道豫定線ノ敷設速成
一渡島國函館、釜石間
一膽振國京極、紋鼈間
一膽振國八雲、後志國利別間
一膽振國京極、壯瞥間
一日高國浦河、十勝國廣尾間
一膽振國鵡川、石狩國金山間
一膽振國「ペンケオロロツプナイ」、
石狩國登川間
一石狩國札幌、天鹽國增毛間
一石狩國白石、膽振國追分間
一石狩國廣島、膽振國苫小牧間
一石狩國比布、下愛別間
一石狩國「ルベシベ」、北見國瀧ノ上
間
一日高國高江、十勝國帶廣間
一十勝國三股、石狩國「ルベシベ」間
一十勝國芽室、「トムラウシ」間
一石狩國朱鞠内、天鹽國羽幌間
一北見國幌別、小頓別間
一北見國枝幸、雄武間
一北見國中佐呂間、常呂間
一北見國留邊蘂、伊頓武華間
一釧路國釧路、北見國相生間
一釧路國菱川、標茶間
一根室國標津、北見國斜里間
一天鹽國羽幌、遠別間
二國有鐵道未成線ノ工事繰上速成
一渡島國木古內、江差間
一渡島國木古內、福山間
一石狩國札幌、中德富間
一天鹽國遠別、下沙流別間
一北見國興部、雄武間
一北見國枝幸、濱頓別間
一北見國常呂、網走間
一釧路國標茶、根室國中標津間
一天鹽國名寄、石狩國朱鞠內間
三國有鐵道豫定線ニ編入起工
一十勝國三股、北見國伊頓武華間
一石狩國沼田ヨリ多度志ヲ經テ旭川
ニ連絡スル間
一渡島國江差、福山間
一渡島國江差、後志國瀨棚間
一渡島國森ヨリ厚澤部ヲ經テ江差ニ
連絡スル間
一後志國余市、余別間
一石狩國定山溪ヨリ膽振國紋鼈又ハ
虻田若ハ豐浦ニ連絡スル間
一石狩國岩見澤、厚田間
一石狩國瀧川、濱益間
一石狩國深川、下蘆別間
一石狩國栗山、廣島間
一石狩國近文、比布間
一天鹽國士別、北見國瀧ノ上間
一天鹽國士別、石狩國添牛內間
一石狩國朱鞠內、天鹽國美深間
一石狩國朱鞠內、天鹽國遠別間
一石狩國朱鞠內、天鹽國佐久間
一天鹽國美深、北見國雄武間
一北見國遠輕、佐呂間間
一石狩國歌志內ヨリ根室本線ニ連絡
スル間
一北見國野付牛、佐呂間間
一北見國美幌、釧路國弟子屈間
一十勝國大樹、日高國浦河間
一十勝國浦幌、大樹間
一十勝國厚內、大樹間
一十勝國〓水又ハ御影若ハ新得ヨリ
日高國佐瑠太若ハ膽振國邊富內ニ
又ハ占冠附近ヲ經テタ張線ニ連絡
スル
一石狩國幾春別、下富良野間
一膽振國倶知安ヨリ後志國赤井川、
明治鑛山ヲ經テ南小樽ニ連絡スル間
四國有鐵道臨港線ノ速成
一釧路臨港線
一紋別臨港線
一網走臨港線
右建議ス
伊佐鐵道豫定線決定ニ關スル建議案
伊佐鐵道豫定線決定ニ關スル建議
伊佐鐵道未成部分平戶口、佐世保間ハ海
岸地方ニ線路ヲ敷設セラルルヤウ決定ア
ラムコトヲ望ム
右建議ス
伊萬里佐世保間鐵道速成ニ關スル建議
案
伊萬里佐世保間鐵道速成ニ關スル建
政府ハ地方交通運輸助長ノ目的ヲ以テ伊
萬里佐世保間鐵道建設工事ノ速進ヲ企圖
セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一伊佐鐵道豫定線決定ニ關スル建議案
(佐保畢雄君提出)
一伊萬里佐世保間鐵道速成ニ關スル建議
案(江藤源九郞君外一名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ「伊
佐鐵道平戶口北佐世保間ノ工事速進ニ關
スル建議」ニ改メ別紙ノ通修正スヘキモ
ノト議決致候此段及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
伊佐鐵道平戶口北佐世保間ノ工事速
進ニ關スル建議
伊佐鐵道ノ工事未著手區間タル平戶口北
佐世保間ハ沿線一帶農產鑛產其ノ他ノ物
資ニ富ミ佐世保市トノ取引關係極メテ緊
密ニシテ交通運輸頗ル頻繁ナルニ拘ラス
北佐世保佐々間ニ私設佐世保鐵道アルノ
ミニシテ不便尠カラス殊ニ佐々平戶口間
ハ未タ全然鐵道ヲ有セサル現狀ニ在リテ
關係地方民ハ切ニ建設工事ノ急施ヲ希望
スルノミナラス豫定線問題ニテ關係町村
間相對峙シテ讓ラス動モスレハ地方自治
ノ關係ヲモ紛更セムトスルノ虞アリ依テ
政府ハ速ニ線路ヲ測量確定シ其ノ工事ヲ
急施セラレムコトヲ望ム
右建議ス
肥前鹿島佐世保間省營自動車運輸開始
ニ關スル建議案
肥前鹿島佐世保間省營自動車運輸開
始ニ關スル建議
長崎本線肥前鹿島驛ヨリ嬉野町、早岐驛
ヲ經テ佐世保驛ニ至ル省營自動車ノ運輸
ヲ速ニ開始セラレムコトヲ望ム
右建議ス
早岐鹿島間省營自動車運輸開始ニ關ス
ル建議案
早岐鹿島間省營自動車運輸開始ニ關
スル建議
長崎縣東彼杵郡早岐町ヨリ折尾瀨村、
下波佐見村、上波佐見町、佐賀縣嬉野町
ヲ經テ鹿島町ニ至ル省營自動車ノ運輸ヲ
開始セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一肥前鹿島佐世保間省營自動車運輸開始
ニ關スル建議案(佐保畢雄君提出)
一早岐鹿島間省營自動車運輸開始ニ關ス
ル建議案(牧山耕藏君外二名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ表題ヲ肥
前鹿島佐世保間省營自動車運輸開始ニ關
スル建議」ト爲シ別紙ノ通修正スヘキモ
ノト議決致候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
肥前鹿島佐世保間省營自動車運輸開
始ニ關スル建議
長崎本線肥前鹿島驛ヨリ嬉野町、早岐驛
ヲ經テ佐世保驛ニ至ル省營自動車ノ運輸
ヲ速ニ開始セラレムコトヲ望ム
右建議ス
白石高畠間省營自動車運輸開始ニ關ス
ル建議案
白石高畠間省營自動車運輸開始ニ關
スル建議
政府ハ速ニ宮城縣白石町ヨリ山形縣高畠
町ニ至ル間ニ省營自動車ノ運輸ヲ開始シ
以テ地方開發ニ資セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一白石高畠間省營自動車運輸開始ニ關ス
ル建議案(佐々木家壽治君外一名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
大都市交通統制審議會設置ニ關スル建
議案
大都市交通統制審議會設置ニ關スル
建議
政府ハ大都市交通統制ノ爲速ニ其ノ審議
會ヲ設置セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一大都市交通統制審議會設置ニ關スル建
議案(世耕弘一君外三名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
日本刀鍛造奬勵ニ關スル建議案
日本刀鍛造奬勵ニ關スル建議
政府ハ日本刀鍛造奬勵ノ爲現在刀工ノ作
品中軍刀トシテ適當ナルモノヲ陸海軍ニ
買上ケシメラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一日本刀鍛造奬勵ニ關スル建議案(栗原
彥三郞君外六名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ關スル建議
案
我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ關スル建
議
我カ帝國ノ國名ハ帝國憲法ニ於テ又天
皇ノ大權ニ基ケル榮典ノ勳記ニ於テ亦國
璽ニ於テ「大日本帝國」タルコトハ一點ノ
疑ヲ容レサル所ナリ然ルニ政府ハ語源暖
味ナル「ジヤポン」又ハ「ジヤパン」ナル語
ヲ以テ我カ帝國ノ國名トシテ認容シ之ヲ
國際上ノ用語トシ條約文ニ使用スルカ如
キハ實ニ我カ帝國ノ威信ニ關スルノミナ
ラス現下ノ非常時局ニ際シ國民精神ノ作
興緊切ノ折柄國名ノ尊重ヲ懸念セサルカ
如キハ誠ニ遺憾ニシテ且愛國觀念ニ缺如
セル取扱ナリト謂ハサルヘカラス之ヲ諸
外國ノ例ニ徵スルニ魯西亞、支那ノ如キ
我カ政府ニ抗議シ露西亞、中華民國ト夫
レ夫レ改稱ヲ要求シ我カ政府亦之ヲ承認
シタル實例アリ政府ハ須ラク速ニ世界ニ
向テ「大日本帝國」タル帝國國名ノ稱呼使
用ヲ明確ニ宣言スヘシ
右建議ス
我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ關スル建議
案
我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ關スル建
議
我カ帝國ノ國名ハ帝國憲法ニ於テ又天
皇ノ大權ニ基ケル榮典ノ勳記ニ於テ亦國
璽ニ於テ「大日本帝國」タルコトハ一點ノ疑
ヲ容レサル所ナリ然ルニ政府ハ語源曖昧
ナル「ジヤパン」又ハ「ジヤポン」等ノ語ヲ
モ我カ帝國ノ國名トシテ認容シ之ヲ國際
上ノ用語トシテ條約文ニ使用スルカ如キ
實ニ我カ帝國ノ威信ヲ損スルコト尠少ナ
ラス政府ハ速ニ世界ニ向テ「大日本帝國」
ナル帝國國名ノ稱呼使用ヲ明白ニ宣言ス
ヘシ
右建議ス
報告書
一我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ關スル建議
案(熊谷五右衞門君提出)
一我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ關スル建議
案(佐藤與一君提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ別紙ノ通修
正スヘキモノト議決致候此段及報告候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議員濱田國松殿
〔別紙〕
我カ帝國國名ノ稱呼使用ニ關スル建
議
我カ帝國ノ國名ハ帝國憲法ニ於テ又天
皇ノ大權ニ基ケル榮典ノ勳記ニ於テ亦國
璽ニ於テ「大日本帝國」タルコトハ一點ノ
疑ヲ容レサル所ナリ然ルニ政府ハ語源暖
眛ナル「ジヤポン」又ハ「ジヤパン」ナル語
ヲ以テ我カ帝國ノ國名トシテ認容シ之ヲ
國際上ノ用語トシ條約文ニ使用スルカ如
キハ實ニ我カ帝國ノ威信ニ關スルノミナ
ラス現下ノ非常時局ニ際シ國民精神ノ作
興緊切ノ折柄國名ノ尊重ヲ懸念セサルカ
如キハ誠ニ遺憾ニシテ且愛國觀念ニ缺如
セル取扱ナリト謂ハサルヘカラス之ヲ諸
外國ノ例ニ徵スルニ魯西亞、支那ノ如キ
我カ政府ニ抗議シ露西亞、中華民國ト夫
レ夫レ改稱ヲ要求シ我カ政府亦之ヲ承認
シタル實例アリ政府ハ須ラク速ニ世界ニ
向テ「大日本帝國」タル帝國國名ノ稱呼使
用ヲ明確ニ宣言スヘシ
右建議ス
長崎縣早岐町ヲ船舶檢査執行地指定ニ
關スル建議案
長崎縣早岐町ヲ船舶檢査執行地指定
ニ關スル建議
長崎縣早岐町ヲ船舶檢査執行地ニ指定セ
ラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一長崎縣早岐町ヲ船舶檢査執行地指定ニ
關スル建議案(牧山耕藏君外一名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年二月二十三日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
膽振日高兩支廳管內ヲ煙草耕作區域編
入ニ關スル建議案
膽振日高兩支廳管內ヲ煙草耕作區域
編入ニ關スル建議
政府ハ北海道膽振日高兩支廳管內ヲ煙草
耕作區域ニ編入セラレムコトヲ望ム
右建議ス
膽振日高兩支廳管內ヲ煙草耕作區域編
入ニ關スル建議案
膽振日高兩支廳管內ヲ煙草耕作區域
編入ニ關スル建議
政府ハ北海道膽振日高兩支廳管內ヲ煙草
耕作區域ニ編入セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一膽振日高兩支廳管內ヲ煙草耕作區域編
入ニ關スル建議案(松尾孝之君外三名
提出)
一膽振日高兩支廳管內ヲ煙草耕作區域編
入ニ關スル建議案(手代木隆吉君外四
名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ別紙ノ通(內
容同一)修正スヘキモノト議決致候此段
及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
膽振日高兩支廳管內ヲ煙草耕作區域
編入ニ關スル建議
政府ハ北海道膽振日高兩支廳管內ヲ煙草
耕作區域ニ編入セラレムコトヲ望ム
右建議ス
農業用礦油輸入稅免除ニ關スル建議案
農業用礦油輸入稅免除ニ關スル建議
政府ハ速ニ農業用礦油ノ輸入稅ヲ免除セ
ラレムコトヲ望ム
右建議ス
報告書
一農業用礦油輸入稅免除ニ關スル建議案
(多田滿長君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
農產物加工試驗場設置ニ關スル建議案
農產物加工試驗場設置ニ關スル建議
政府ハ農產物加工奬勵ノ爲道府縣ヲシテ
農產物加工試驗場ヲ設置セシムヘク之カ
助成ノ途ヲ講セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一農產物加工試驗場設置ニ關スル建議案
(服部岩吉君提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
信濃川魚梯改造ニ關スル建議案
信濃川魚梯改造ニ關スル建議
大正十二年信濃川大河津分水路開通セラ
レ更ニ又最近新潟縣三島郡寺泊町地先新
信濃川河口ニ於ケル第二床固堰堤築造セ
ラレテヨリ信濃川及魚野川ニ於ケル魚族
ハ著シク減退シ漁獲亦激減シ沿岸漁民ノ
不幸頗ル甚大ナリ之カ爲屢、政府ニ請願
シ挽囘施設ヲ要望セル結果大河津堰堤及
第二床固ニハ何レモ魚梯ヲ設置セラレタ
リト雖其ノ施設全カラス且出水ノ場合ヲ
除クノ外通水ナク魚族ノ遡上亦不良ニシ
テ爲ニ近年ノ如キハ漁獲殆ト皆無ノ狀態
ナリ其ノ原因ニ付詳細調査セル結果新信
濃川兩堰堤ニ於ケル魚梯設備ノ不完全ナ
ル爲魚族カ遡上シ得サルニ起因セルコト
明瞭トナレリ若シ此ノ儘放任スルトキハ
古來幾百年ノ歷史ヲ有スル信濃川全川ノ
漁業ハ廢止ノ已ムヲ得サルニ至リ之ニ從
事スル漁業者ハ生活ノ資源ヲ奪ハルル狀
況ニ在ルヲ以テ政府ハ速ニ兩地點ニ於ケ
ル魚梯ヲ改造セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一信濃川魚梯改造ニ關スル建議案(原吉
郞君外三名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
原料牛乳及乳製品事業統制ニ關スル建
議案
原料牛乳及乳製品事業統制ニ關スル
建議
政府ハ本邦現下ノ酪農業及乳製品事業ノ
狀勢ニ鑑ミ法令ノ制定其ノ他適當ノ方法
ヲ以テ原料牛乳及乳製品事業ヲ統制セラ
レムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一原料牛乳及乳製品事業統制ニ關スル建
議案(手代木隆吉君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
北海道農家負債整理ニ關スル建議案
北海道農家負債整理ニ關スル建議
政府ハ曩ニ第六十四囘議會ニ於テ農村負
債整理組合法案ヲ提出シ兩院ノ協贊ヲ經
テ昭和八年三月二十九日之ヲ公布シ同年
八月一日ヨリ實施シタリト雖該法ハ北海
道ノ實情ニ適セス農家ノ負債ヲ整理スル
コト殆ト不可能ナルヲ以テ政府ハ速ニ北
海道農家負債整理ヲ助長スル爲適切ナル
特別法ヲ制定セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一北海道農家負債整理ニ關スル建議案
(山本厚三君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
機船底曳網漁業取締勵行ニ關スル建議
案
機船底曳網漁業取締動行ニ關スル建
議
政府ハ速ニ機船底曳網漁業取締ニ關シ有
效適切ナル方法ヲ講シ其ノ勵行ヲ期セラ
レムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一機船底曳網漁業取締勵行ニ關スル建議
案(大島寅吉君外三名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
北海道馬產振興ニ關スル建議案
北海道馬產振興ニ關スル建議
北海道ノ馬產振興ニ關シ政府ハ左記事項
ニ對シ適當ノ施設ヲ爲サレムコトヲ望ム
馬ノ增殖及血液更新ニ關スル基本施
設
二放牧ニ依ル生產費低減、資質向上ニ
就テノ施設
三育成及調〓事業ノ普及
四飼料政策ノ樹立
五指導職員ノ普及
六衞生施設ノ充實
右建議ス
報告書
一北海道馬產振興ニ關スル建議案(手代
木隆吉君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
萬國博覽會開催ニ關スル建議案
萬國博覽會開催ニ關スル建議
政府ハ昭和十五年東京市ニ萬國博覽會ヲ
開催セラレムコトヲ望ム
右建議ス
萬國博覽會開催ニ關スル建議案
萬國博覽會開催ニ關スル建議
政府ハ昭和十五年東京市ニ萬國博覽會ヲ
開催セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一萬國博覽會開催ニ關スル建議案(竹澤
太一君外四名提出)
一萬國博覽會開催ニ關スル建議案(賴母
木桂吉君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ別紙ノ通
(內容同一)修正スヘキモノト議決致候此
段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
萬國博覽會開催ニ關スル建議
政府ハ昭和十五年東京市ニ萬國博覽會ヲ
開催セラレムコトヲ望ム
右建議ス
中等學校入學試驗制度改革ニ關スル建
議案
中等學校入學試驗制度改革ニ關スル
建議
政府ハ中等學校入學試驗ノ弊害著シキニ
鑑ミ速ニ適當ナル改革ヲ斷行セラレムコ
トヲ望ム
右建議ス
報〓書
一中等學校入學試驗制度改革ニ關スル建
議案(松尾孝之君外二名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
長崎市ニ高等水產學校設置ニ關スル建
議案
長崎市ニ高等水產學校設置ニ關スル
建議
長崎市ニ高等水產學校ヲ設置セラレムコ
トヲ望ム
右建議ス
報〓書
一長崎市ニ高等水產學校設置ニ關スル建
議案(向井倭雄君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
史蹟名勝天然紀念物保存法中改正ニ關
スル建議案
史蹟名勝天然紀念物保存法中改正ニ
關スル建議
皇族ノ故地、武將ノ城砦壘郭、歷史的人
物ノ故地古戰場等保存記念ニ關スル適切
ナル方途ヲ講セラレムコトヲ望ム
右建議ス
報〓書
一史蹟名勝天然紀念物保存法中改正ニ關
スル建議案(坂東幸太郞君外四名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月二日
建議委員長田中祐四郞
衆議院議長濱田國松殿
〔田中祐四郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=36
-
037・田中祐四郎
○田中祐四郞君 只今上程サレマシタ建議
案ノ委員會ノ經過竝ニ結果ノ御報〓ヲ致シ
マス、建議案ノ提出總數ハ二百三十九件デ
アリマス、本日上程ノ六十二件ハ、委員會
第四囘及第五囘デ審議ヲ終了シタ分デアリ
やっ、大體ト致シマシテ鐵道速成トカ、自
動車運輸トカ、國道又ハ河川改修等ガ多イ
ノデアリマス、殊ニ目ニ立チマスノハ、皇
紀二千六百年ヲ控ヘマシテ、種々ノ事業ノ
開催ノ建議ガアリマス、又日本帝國ノ稱呼
ノ强調ノ建議トカ、或ハ琵琶湖運河開鑿ノ
建議等モアリマス、委員會ニ於キマシテハ
一案每ニ提出者ノ說明ヲ聽キ、又政府委員
ノ所見ヲ質シマシテ、愼重審議ヲ致シマシ
テ、可決シタルモノガ四十一件、併合修正
シタルモノガ二十件、修正シタモノガ一件
デアリマス
此中デ特ニ本會議ニ於キマシテ聲ヲ高ク
シテ報〓スベク決定致シマシタ議案ガアリ
マス、先ヅ第一ニ警察官ノ待遇改善ニ關ス
ル件デアリマス、是ハ警察署長ノ待遇改善
ヲモ含ム意味デアリマスガ、此案ハ屢〓本院
ニ於テ可決シタルモノデアリマスガ、未ダ
ニ其實現ヲ見テ居リマセヌコトハ甚ダ遺憾
デアリマス、社會ノ安寧秩序ヲ維持シ、人
命財產ヲ保護シテ、民衆ノ幸福ヲ增進スル
重大責任ヲ有スル警察官ニシテ、職務繁忙
ナルニ、其待遇ハ極メテ薄ク、洵ニ同情ス
ベキ次第デアリマス、政府ハ速ニ是等警察
官ノ待遇改善ノ實ヲ擧ゲラレタイト云フ案
デアリマス、近頃警察官ノ醜惡事實ガ發覺
スルコトモ少クナイヤウデアリマスガ、是
レ一ハ生活ノ不安定ニ因ルコトモ、亦其原因
ヲ成スモノガ少クナイト思フノデアリマ
ス、生活ノ安定ト地位ノ向上トヲ圖ルコト
ハ、目下ノ急務デアルト云フノデアリマス、
次ニ萬國博覽會開催ニ關スル建議デアリマ
スガ、來ルベキ二千六百年ニ際シマシテ、
我國ノ文化ヲ發揚スル上ニ、此開催ガアリ
マスレバ洵ニ結構ナコトヽ存ジマス、政府
モ十分意ヲ用ヒテ居ラレルヤウデアリマス
ガ、更ニ一層進ンデ、其開催ニ努力セラレ
ンコトヲ希望スル意味ニ於キマシテ、可決
致シタノデアリマス、ソレカラ中等學校入
學試驗制度改革ニ關スル建議デアリマス
ガ、現在ノ中等學校入學試驗ノ弊害ハ、兒
童ノ心身ヲ害スルノミナラズ、國家社會ノ
爲メ實ニ憂慮スベキ問題デアリマス、所謂
受驗地獄ノ稱アル所以デアリマシテ、洵
悲痛至極ノ次第デアリマスガ、政府當局ハ
速ニ根本的改善ヲ講ズルノ必要ガアリマス
カラ、適當ナル方策ヲ樹立サレタイト云フ
コトデアルノデアリマス、次ニ防火建築振
興ニ關スル建議デアリマス、是ハ防空、防
風防水ト云フ意味モ含マレテ居ルノデア
リマス、帝都竝ニ五大都市ノ現狀ニ鑑ミマ
シテ、都市計畫事業トシテ、其實現ヲ期セ
ラレタイ、又低利資金ノ融通等ニ付テモ、
大藏當局ノ考慮ヲ一層進メラレルコトニシ
タイト云フノデアリマス、此他、大津今津
間及今津敦賀間府縣道國道編入ニ關スル
建議、及西宮京都間ニ產業道路新設ニ關ス
ル建議デアリマス、一ツハ滿洲國ト敦賀ト
ノ連絡ガ完成シマスレバ、洵ニ重要ナル路
線デアルト存ジマス、又一ツハ、京阪神三
大都市ノ連絡接近ノ上ヨリ見マシテ、洵
重要ナル緊要ナル路線デアルト思フノデア
リマス、故ニ政府ハ之ニ就テ大ニ考慮セラ
レンコトヲ望ム次第デアリマス、ソレカラ
官幣大社廣田神社ヲ神宮ニ昇格ニ關スル建
議デアリマス、廣田神社ハ、其祭神ガ天照
大神ノ荒魂ヲ祠ラレテアルノデゴザイマス
天照大神ノ御魂ガ我國ノ最高ノ祭神ト致
シマシテ、宮中賢所竝ニ伊勢ノ內宮ニ奉祠サ
レテ居リマスルガ、其御魂ハ所謂和魂ト申
シテ居リマシテ、廣田神社ノ方ハ、其御分
神デアル荒魂ト稱セラレテアル御神靈デア
リマス、一ツハ文神デアリ、荒魂ノ方ハ武
ノ神樣デアルト云フコトデアリマスルノデ、
是ハ神宮トシテ最モ尊嚴ニ國民ガ崇メ奉ルヤ
ウニ御祠リスルト云フコトガ當然デアルト、
斯ウ云フ意味カラ此建議ガ出テ居ルノデ
アリマス、最後ニ癩療養所擴張竝ニ癩〓究
所設置、及其位置選定ニ關スル建議デアリ
どく、是ハ目下ノ施設ガ洵ニ遺憾ノ點ガ多
イノデアリマシテ、社會問題トシテ見遁ス
コトノ出來ナイ問題デアリマス、傳染性ヲ
有スルモノデアリマスカラ、此對策、位置
及施設ニ付テ十分ニ政府ハ意ヲ注ガレテ、
其目的ノ徹底ヲ期セラレタイト云フコトデ
アリマス、此他、市町村吏員ノ官吏任用ト
カ、鑛產稅附加稅分割賦課ニ關スル建議等
ガアリマスガ、詳細ノコトハ速記錄ヲ御覽
ヲ願ヒマシテ、此處デハ是ダケヲ簡單ニ御
報告申上ゲテ置キマス、何卒速ニ審議ヲ進
メラレテ、可沢セラレンコトヲ希望致シマ
ス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=37
-
038・濱田國松
○議長(濱田國松君) 日程第二十乃至第八
十一ノ建議案、六十二件ヲ一括シテ採決ヲ
致シマス、委員長報〓ハ、此六十二件ノ中、
日程第三十八ハ修正シタモノデアリマシ
テ、日程第三十ト第三十一、日程第三十三ト
第三十四、日程第四十二ト第四十三、日程
第四十五ト第四十六、日程第五十六ト第五
十七、日程第五十八ト第五十九、日程第六
十ト第六十一、日程第六十五ト第六十六、
日程第六十八ト第六十九、日程第七十七ト
第七十八、以上ハソレ〓〓二案ヲ併合ヲ致
シテ一案ト爲シ、修正致シタモノデアリマ
ス、其他ノ四十一件ハ何レモ可決デアリマ
ス、以上六十二件ハ委員長報告通リ決スル
ニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=38
-
039・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ六十二件ハ何レモ委員長報告通リ
確定致シマシク(拍手)-請願日程第一乃
至第二百九ハ、請願特別報〓デアリマスカ
ラ、例ニ依リ一括シテ議題ト致シマス、請
願委員長ノ報告ヲ求メマス-委員長山本
愼平君
請願
第(特別報告第三號)傷痍軍人竝戰
公傷病死者傷痍軍人遺族ニ恩給及其
ノ他ニ依ル金融施設實施ノ請願
(委員長報告)
第二(特別報〓第四號)祭祀禮典振興
ニ關スル請願(委員長報〓)
第三(特別報〓第五號)倶知安町ニ稅
務署設置ノ請願(委員長報告)
第四(特別報告第七號)燃料用酒精ノ
製造及輸入稅免除其ノ他ニ關スル請
願外一件(委員長報〓)
第五(特別報告第一一號)按摩術營業
取締規則改正ノ請願(委員長報〓)
第六(特別報〓第一二號)省令ニ依ル
理髪營業取締規則發布促進ノ請願外
一件(委員長報告)
第七(特別報告第一八號)中頓別村ニ
農事試驗場支場設置ノ請願
(委員長報告)
第八(特別報告第一九號)溫泉保護法
制定ノ請願(委員長報告)
第九(特別報〓第二〇號)戰公傷病死
者竝傷痍軍人遺族優遇其ノ他ニ關ス
ル請願外一件(委員長報〓)
第十(特別報〓第二一號)地久節ヲ奉
祝日ト爲スノ請願(委員長報〓)
第十一(特別報〓第二二號)貴族院佛
〓各宗派管長議員互選規則制定ノ請
願(委員長報告)
第十二(特別報〓第二三號)貴族院伯
子男爵議員選擧規則中改正ノ請願
(委員長報告)
第十三(特別報〓第二四號)八戶港ヲ
開港地ニ指定ノ請願(委員長報告)
第十四(特別報〓第二五號)函館港ニ
港務部設置ノ請願(委員長報告)
第十五(特別報〓第二六號)御尊影取
扱取締法制定ノ請願(委員長報告)
第十六(特別報〓第二七號)僧侶及諸
宗〓師ノ政治結社加入ニ關スル請願
(委員長報〓)
第十七(特別報〓第二八號)馬淵川改
修ノ請願(委員長報告)
第十八(特別報告第二九號)常呂川治
水工事速成ノ請願(委員長報〓)
第十九(特別報〓第三一號)公有水面
埋立法改正ノ請願(委員長報告)
第二十(特別報〓第三二號)都市計畫
ニ依ル寺院境內地受益者負擔金免除
ニ關スル請願(委員長報告)
第二十一(特別報〓第三三號)北見ニ
製糖工場設置ノ請願(委員長報告)
第二十二(特別報〓第三四號)函館市
ニ北海道工業試驗場支場設置ノ請願
(委員長報〓)
第二十三(特別報〓第三五號)國有原
野拂下ニ關スル請願(委員長報告)
第二十四(特別報〓第三六號)鬼怒川
流域ニ灌漑用貯水池設置ノ請願
(委員長報告)
第二十五(特別報〓第三九號)鹿屋飛
行場ニ格納庫竝軍需品倉庫設置ノ請
願(委員長報〓)
第二十六(特別報〓第四一號)江刺家
村ニ郵便局設置ノ請願(委員長報告)
第二十七(特別報告第四二號)元加治
村ニ無集配郵便局設置ノ請願外一件
(委員長報告)
第二十八(特別報告第四三號)小齋郵
便取扱所ヲ無集配局ニ改定ノ請願
(委員長報告)
第二十九(特別報告第四四號)上麻生
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三十(特別報告第四五號)岩倉郵便
局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三十一(特別報告第四六號)野田郵
便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三十二(特別報〓第四七號)上熊野
郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報〓)
第三十三(特別報〓第四八號)日島郵
便局ニ電信電話事務開始ノ請願
(委員長報告)
第三十四(特別報〓第四九號)北海道
北鮮諸港間命令定期航路開設ノ請願
(委員長報告)
第三十五(特別報〓第五〇號)瀧川町
ニ區裁判所設置ノ請願(委員長報告)
第三十六(特別報告第五一號)下川根
村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第三十七(特別報告第五二號)湯野村
宇田原ニ高梁區裁判所出張所設置ノ
請願(委員長報告)
第三十八(特別報〓第五三號)刈谷町
ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第三十九(特別報〓第五四號)岩內區
裁判所廳舍改築ノ請願(委員長報告)
第四十(特別報告第五六號)町村立小
學校舍新增改築費國庫補助法制定ノ
請願(委員長報告)
第四十一(特別報告第五七號)宗〓法
制定ノ請願(委員長報〓)
第四十二(特別報告第五八號)寺院佛
堂國有現境內地竝墓地無償下戾ノ請
願(委員長報告)
第四十三(特別報告第五九號)凶作對
策トシテ氣象海洋觀測所設置ノ請願
(委員長報告)
第四十四(特別報告第六一號)鐵道共
濟組合購買部託送貨物運賃八割引撤
廢ノ請願(委員長報告)
第四十五(特別報〓第六二號)高知、
本山間省營「バス」運輸開始ノ請願
(委員長報告)
第四十六(特別報〓第六三號)士別驛
溫根別間省營自動車運輸開始ノ請願
(委員長報告)
第四十七(特別報〓第六四號)矢掛、
倉敷間ニ省營自動車運輸開始ノ請願
(委員長報〓)
第四十八(特別報告第六五號)〓音、
西總社間省營自動車運輸開始ノ請願
(委員長報告)
第四十九(特別報〓第六六號)觀音
寺、仁尾、詫間間ニ省營自動車運輸開
始ノ請願(委員長報〓)
第五十(特別報告第六七號)東城驛上
下町間ニ省營自動車運輸開始ノ請願
(委員長報告)
第五十一(特別報告第六八號)三雲、
八幡間省營自動車運輸開始ノ請願
(委員長報〓)
第五十二(特別報〓第六九號)倶知安
驛ヨリ定山溪溫泉及洞爺湖溫泉ニ至
ル區間ニ省營「バス」運輸開始ノ請願
(委員長報告)
第五十三(特別報〓第七六號)前郷、
矢島間鐵道繰上起工ノ請願
(委員長報告)
第五十四(特別報告第七七號)中川村
ニ汽動車停留場設置ノ請願
(委員長報告)
第五十五(特別報告第七八號)新高尾
村ニ汽動車停留場設置ノ請願
(委員長報〓)
第五十六(特別報〓第七九號)江丹別
村字下江丹別ニ簡易停車場設置ノ請
願(委員長報〓)
第五十七(特別報告第八三號)農村窮
乏匡救ニ關スル請願(委員長報告)
第五十八(特別報告第八五號)戰公傷
病死者竝傷痍軍人遺族優遇其ノ他ニ
關スル請願外四件(委員長報告)
第五十九(特別報告第八七號)省令ニ
依ル理髪營業取締規則發布促進ノ請
願外二十五件(委員長報〓)
第六十(特別報告第九三號)町村立小
學校舍新增改築費國庫補助法制定ノ
請願(委員長報告)
第六十一(特別報告第九六號)本〓村
大字大年ニ郵便取扱所設置ノ請願
(委員長報告)
第六十二(特別報〓第九七號)西海村
大字高屋ニ郵便取扱所設置ノ請願
(委員長報告)
第六十三(特別報告第九八號)日露戰
役當時城津在留民被害救濟ノ請願
(委員長報告)
第六十四(特別報告第九九號)財團法
人日本少年指導會ニ對シ國庫ヨリ助
成金下附ノ請願(委員長報告)
第六十五(特別報告第一〇〇號)唐津
區裁判所廳舍改築擴張ニ關スル請願
(委員長報告)
第六十六(特別報告第一〇一號)留邊
蘂町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第六十七(特別報〓第一〇二號)上士
幌村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第六十八(特別報告第一〇四號)鹿兒
島高等農林學校演習林拂下ニ關スル
請問(委員長報告)
第六十九(特別報〓第一〇五號)白棚
鐵道買收ノ請願(委員長報告)
第七十(特別報〓第一〇六號)靑森函
館間航路貨物運賃率改正ノ請願
(委員長報告)
第七十一(特別報告第一〇九號)旭田
村大字落合ニ停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第七十二(特別報告第一一〇號)札沼
線中金澤、中小屋兩驛間ニ停車場設
置ノ請願(委員長報告)
第七十三(特別報〓第一一一號)新庄
村ニ簡易停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第七十四(特別報〓第一一二號)諫早
停車場構內廣場擴張ノ請願
(委員長報告)
第七十五(特別報告第一一三號)函館
驛改築ニ關スル請願(委員長報告)
第七十六(特別報〓第一一四號)靑森
函館間定期航空路開設ノ請願
(委員長報〓)
第七十七(特別報告第一一五號)元北
海道廳森林監守ノ恩給ニ關スル請願
(委員長報告)
第七十八(特別報〓第一一七號)國會
議事堂內ニ聖德太子尊像奉安ノ請願
外二件(委員長報告)
第七十九(特別報告第一一八號)砂糖
消費稅入目免除ニ關スル請願
(委員長報〓)
第八十(特別報〓第一一九號)製油用
大豆關稅免除率改正ノ請願
(委員長報告)
第八十一(特別報告第一二〇號)柿本
神社ヲ別格官幣社ニ昇格ノ請願
(委員長報告)
第八十二(特別報告第一二一號)ロ川
神社創建ニ關スル請願(委員長報〓)
第八十三(特別報〓第一二四號)加古
川治水工事續行ノ請願外一件
(委員長報〓)
第八十四(特別報〓第一二五號)大富
村地内最上川ニ治水工事實施ノ請願
(委員長報告)
第八十五(特別報〓第一二六號)阿賀
川治水工事促進ニ關スル請願
(委員長報告)
第八十六(特別報告第一二七號)罹災
救助基金法附則第二十四條ノ運用ニ
關スル請願(委員長報告)
第八十七(特別報〓第一二八號)罹災
救助基金法附則ノ適用繼續ニ關スル
請願(委員長報告)
第八十八(特別報告第一二九號)映畫
對策確立實施ニ關スル請願
(委員長報〓)
第八十九(特別報告第一三二號)荻伏
漁港修築ノ請願(委員長報告)
第九十(特別報告第一三三號)頓別原
野土地改良促進ノ請願(委員長報〓)
第九十一(特別報告第一三六號)國有
林野特賣ニ關スル請願(委員長報告)
第九十二(特別報告第一三七號)五〓
山部分林無償下附ニ關スル請願
(委員長報告)
第九十三(特別報告第一四二號)膃肭
獸獵獲解禁ニ關スル請願
(委員長報告)
第九十四(特別報告第一四三號)能生
漁港修築工事完成ノ請願
(委員長報告)
第九十五(特別報〓第一四四號)明石
港修築擴張ノ請願(委員長報告)
第九十六(特別報告第一四五號)中川
村大字川山ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第九十七(特別報告第一四六號)檜枝
岐村ニ三等郵便局設置ノ請願外一件
(委員長報告)
第九十八(特別報〓第一四七號)岩月
村大字入田付ニ三等郵便局設置ノ請
願(委員長報告)
第九十九(特別報告第一四八號)關平
村ニ郵便取扱所設置ノ請願
(委員長報〓)
第百(特別報〓第一四九號)大山田村
大字大山田上〓ニ無集配郵便局設置
ノ請願(委員長報告)
第百一(特別報〓第一五〇號)金子郵
便取扱所ヲ無集配局ニ改定ノ請願
(委員長報告)
第百二(特別報告第一五一號)津田郵
便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第百三(特別報告第一五二號)靑方郵
便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第百四(特別報〓第一五三號)稻荷山
驛前郵便局ニ集配竝電信電話事務開
始ノ請願(委員長報〓)
第百五(特別報〓第一五四號)北海道
香港眞韮南洋諸港間ニ命令定期統路
開設ノ請願(委員長報告)
第百六(特別報〓第一五五號)甑島航
路國庫補助ニ關スル請願
(委員長報告)
第百七(特別報〓第一五七號)深川町
ニ區裁判所設置ノ請願(委員長報告)
第百八(特別報告第一五八號)三笠村
ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第百九(特別報告第一五九號)市山村
ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第百十(特別報告第一六〇號)豐頃村
ニ區裁判所出張所設置ノ願
(委員長報告)
第百十一(特別報〓第一六一號)海老
町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報〓)
第百十二(特別報〓第一六二號)桶川
町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第百十三(特別報〓第一六四號)各種
學校ノ〓科目中ニ宗〓科日ヲ加フル
ノ請願外三件(委員長報告)
第百十四(特別報〓第一六五號)小學
校〓員俸給全額國庫支辨ノ請願
(委員長報告)
第百十五(特別報告第一六六號)實業
補習學校靑年訓練所義務制竝該經費
國庫支辨ノ請願(委員長報告)
第百十六(特別報〓第一六七號)阿寒
國立公園地帶週遊省營自動車運輸開
始ノ請願(委員長報告)
第百十七(特別報〓第一六八號)美
幌、弟子屈間省營自動車運輸開始ノ
請願(委員長報告)
第百十八(特別報告第一七〇號)專用
側線諸料金免除ニ關スル請願
(委員長報告)
第百十九(特別報告第一七一號)川越
村大字鹿賀ニ簡易停車場設置ノ請願
(委員長報告)
第百二十(特別報〓第一七二號)上士
幌線速成ノ請願(委員長報告)
第百二十一(特別報告第一七五號)岩
國、萩間鐵道敷設ノ請願(委員長報告)
第百二十二(特別報〓第一八二號)戰
公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其ノ
他ニ關スル請願外一件(委員長報告)
第百二十三(特別報〓第一八三號)傷
痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺族
ニ恩給及其ノ他ニ依ル金融施設實施
ノ請願外一件(委員長報告)
第百二十四(特別報告第一八八號)傷
痍軍人待遇ニ關スル請願
(委員長報告)
第百二十五(特別報〓第一八九號)傷
痍軍人受恩給者救濟機關設置ノ請願
(委員長報告)
第百二十六(特別報〓第一九〇號)無
償傷痍軍人待遇ニ關スル請願
(委員長報告)
第百二十七(特別報告第一九三號)外
交科試驗ニ西班牙語ヲ加フルノ請願
(委員長報告)
第百二十八(特別報告第一九四號)玉
津稅務署復活ニ關スル請願
(委員長報告)
第百二十九(特別報〓第一九五號)伊
丹稅務署廳舍改築ノ請願
(委員長報〓)
第百三十(特別報〓第一九六號)濟生
會診療機關用地免租ノ請願
(委員長報告)
第百三十一(特別報告第一九七號)酒
類販賣業免許制度制定ノ請願
(委員長報〓)
第百三十二(特別報〓第一九八號)自
家用濁酒釀造許可ニ關スル請願
(委員長報告)
第百三十三(特別報告第一九九號)伊
弉諾神社ノ社號ヲ神宮ニ改稱ノ請願
(委員長報告)
第百三十四(特別報〓第二〇〇號)多
賀城神宮創建ニ關スル請願
(委員長報告)
第百三十五(特別報告第二〇一號)荒
川護岸工事速成ノ請願(委員長報告)
第百三十六(特別報告第二〇三號)田
尻川改修ノ請願(委員長報告)
第百三十七(特別報〓第二〇四號)新
宮川治水工事急施ノ請願
(委員長報告)
第百三十八(特別報告第二〇五號)風
水害地小河川ニ砂防工事施行ノ請願
外三件(委員長報告)
第百三十九(特別報告第二〇六號)〓
凉飮料水營業取締規則改正ノ請願
(委員長報告)
第百四十(特別報告第二〇七號)人工
甘味質取締規則一部改正ノ請願
(委員長報告)
第百四十一(特別報告第二〇八號)
「ヂフテリヤ」患者治療費國庫負擔ニ
關スル請願(委員長報告)
第百四十二(特別報告第二〇九號)大
津河口改修工事促進ノ請願
(委員長報告)
第百四十三(特別報告第二一〇號)
幾春別川治水促進ノ請願
(委員長報告)
第百四十四(特別報告第二一一號)十
勝川治水工事區域延長ノ請願
(委員長報〓)
第百四十五(特別報告第二一三號)標
茶村ニ製糖工場設置ノ調願一一
(委員長報告)
第百四十六(特別報告第二一五號)〓
河漁港ニ第二期擴張工事施行ノ請願
(委員長報告)
第百四十七(特別報告第二一八號)大
間港修築工事速成ノ請願
(委員長報〓)
第百四十八(特別報告第二二〇號)產
業技術員身分保證ニ關スル請願
(委員長報告)
第百四十九(特別報告第二二二號)時
局匡救水產施設實施繼續ノ請願
(委員長報告)
第百五十(特別報告第二二三號)沿岸
漁業振興ニ關スル請願(委員長報告)
第百五十一(特別報〓第二二四號)漁
村金融改善ニ關スル請願
(委員長報告)
第百五十二(特別報告第二二五號)漁
村指導機關整備ニ關スル請願
(委員長報告)
第百五十三(特別報告第二二六號)漁
船保險制度創設ノ請願(委員長報告)
第百五十四(特別報告第二二七號)水
質汚濁防止ニ關スル請願
(委員長報告)
第百五十五(特別報告第二二八號)海
洋調査機關擴充整備ニ關スル請願
(委員長報告)
第百五十六(特別報告第二二九號)水
產會法改正ニ關スル請願
(委員長報告)
第百五十七(特別報告第二三〇號)水
產會技術員助成費增加ノ請願
(委員長報〓)
第百五十八(特別報告第二三一號)北
洋及南洋漁業ノ統制振興ニ關スル請
願(委員長報告)
第百五十九(特別報告第二三二號)水
產國策審議會設置ノ請願
(委員長報告)
第百六十(特別報〓第二三三號)鰮ノ
生棲及蕃殖狀態調査ニ關スル請願
(委員長報告)
第百六十一(特別報告第二三四號)災
害復舊助成均〓ニ關スル請願
(委員長報告)
第百六十二(特別報告第二三五號)堰
堤ニ魚道設置勵行ノ請願
(委員長報告)
第百六十三(特別報〓第二三六號)產
馬用地トシテ國有林野一部開放ノ請
願(委員長報〓)
第百六十四(特別報告第二三七號)裝
蹄師法制定ノ請願(委員長報告)
第百六十五(特別報告第二三八號)震
災保險法制定ノ請願外十一件
(委員長報〓)
第百六十六(特別報告第二三九號)大
津村字生花苗ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第百六十七(特別報告第二四〇號)都
賀行村ニ郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第百六十八(特別報告第二四一號)小
倉村ニ三等郵便局設置ノ請願
(委員長報告)
第百六十九(特別報〓第二四二號)羽
地村大字饒平名ニ三等郵便局設置ノ
請願(委員長報告)
第百七十(特別報告第二四三號)三澤
村ニ郵便取扱所設置ノ請願
(委員長報告)
第百七十一(特別報告第二四四號)莊
内郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第百七十二(特別報〓第二四五號)深
川郵便局ニ集配事務開始ノ請願
(委員長報告)
第百七十三(特別報告第二四六號)在
所郵便局ニ集配竝電信電話事務開始
ノ請願(季員長報告)
第百七十四(特別報告第二四七號)大
野町西谷村間ニ電信電話架設ノ請願
(委員長報告)
第百七十五(特別報〓第二四八號)北
千島ニ郡司大尉ノ名ヲ冠シタル燈臺
設置ノ請願(委員長報告)
第百七十六(特別報〓第二四九號)新
潟北鮮間航路優秀船就航ノ請願
(委員長報告)
第百七十七(特別報告第二五〇號)朝
鮮ニ參政權實施ノ請願(委員長報告)
第百七十八(特別報告第二五一號)舊
韓國將校竝相當官及准士官ニ扶助金
下賜ノ請願(委員長報告)
第百七十九(特別報〓第二五五號)加
美村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第百八十(特別報〓第二五六號)日美
村大字美袋ニ區裁判所出張所設置ノ
請願(委員長報告)
第百八十一(特別報〓第二五七號)遠
輕町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第百八十二(特別報〓第二五八號)士
幌村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
(委員長報告)
第百八十三(特別報告第二五九號)江
ノ浦村外二箇村ヲ長崎區裁判所管轄
ニ變更ノ請願(委員長報告)
第百八十四(特別報告第二六〇號)高
知刑務所移轉ニ關スル請願
(委員長報告)
第百八十五(特別報〓第二六一號)刑
務所ニ於ケル武道具製造販賣廢止ニ
關スル請願(委員長報〓)
第百八十六(特別報告第二六二號)皇
子空也上人御墳墓確定ニ關スル請願
(委員長報告)
第百八十七(特別報告第二六四號)倉
敷新見兩驛間ニ「ガソリンカー」運
轉開始ノ請願(委員長報告)
第百八十八(特別報告第二六五號)高
梁ヨリ地頭及田原ニ至ル區間ニ省營
「バス」運輸開始ノ請願(委員長報告)
第百八十九(特別報告第二六六號)熊
野中邊路省營自動車運輸開始ノ請願
(委員長報告)
第百九十(特別報告第二六七號)山
本、豐濱間ニ省營自動車運輸開始ノ
請願(委員長報告)
第百九十一(特別報告第二六八號)宍
粟驛驛名變更ニ關スル請願
(委員長報告)
第百九十二(特別報告第二六九號)漬
物類鐵道運賃輕減ニ關スル請願
(委員長報〓)
第百九十三(特別報告第二七〇號)德
島港ニ船車聯帶運輸實施ノ請願
(委員長報告)
第百九十四(特別報告第二七一號)德
島、高知間直通列車運轉ニ關スル請
願(委員長報告)
第百九十五(特別報告第二七二號)阿
久根町大字大川ニ簡易停車場設置ノ
請願(委員長報告)
第百九十六(特別報告第二七三號)中
洲村大字酒津ニ季節假停車場設置ノ
請願(委員長報告)
第百九十七(特別報告第二七四號)仙
鐵管內地方鐵道竝軌道補助救濟ノ請
願(委員長報告)
第百九十八(特別報〓第二七六號)戰
公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其ノ
他ニ關スル請願外九件(委員長報告)
第百九十九(特別報告第二七七號)傷
痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺族
ニ恩給及其ノ他ニ依ル金融施設實施
ノ請願外十二件(委員長報告)
第二百(特別報告第二八〇號)省令ニ
依ル理髪營業取締規則發布促進ノ請
願外二件(委員長報告)
第二百一(特別報〓第二八二號)僧侶
及諸宗〓師ノ政治結社加入ニ關スル
請願(委員長報告)
第二百二(特別報〓第二八三號)貴族
院伯子男爵議員選擧規則中改正ノ請
願(委員長報告)
第二百三(特別報告第二八四號)寺院
佛堂國有現境內地竝墓地無償下戾ノ
請願(委員長報告)
第二百四(特別報告第二八五號)都市
計畫ニ依ル寺院境內地受益者負擔金
免除ニ關スル請願(委員長報〓)
第二百五(特別報〓第二八六號)宗〓
法制定ノ請願(委員長報告)
第二百六(特別報〓第二八七號)貴族
院佛〓各宗派管長議員五選規則制定
ノ請願(委員長報〓)
第二百七(特別報〓第二八八號)各種
學校ノ〓科目中ニ宗〓科日ヲ加フル
ノ請斷外六件(委員長報告)
第二百八(特別報〓第二九〇號)小學
校〓員俸給全額國庫支辨ノ請願
(委員長報〓)
第二百九(特別報〓第二九二號)農村
窮乏匡救ニ關スル請願(委員長報告)
請願特別報告第三號
意見書
請願文書表第二一五號
傷痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺
族ニ恩給及其ノ他ニ依ル金融施設
實施ノ請願東京市澁谷區豐分町
一番地國光侃呈出(紹介議員鈴木
富士彌君)
右請願ノ要旨ハ傷痍軍人竝戰公傷病死者
及傷痍軍人遺族ニシテ其ノ受クル所ノ恩
給及年金ヲ擔保若ハ其ノ他ノ形式ニ依リ
金融ヲ爲シ爲ニ悲慘ナル窮狀ニ陷レル者
甚タ多數アルハ洵ニ遺憾トスル所ナリ依
テ之カ救濟ノ爲是等ノ者ニ對シ(一)恩給
年金ノ前渡制度ヲ設ケラレタク(二)物件
ヲ擔保トシテ低利資金ノ貸付ヲ爲ス爲特
別融資機關ヲ創設セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第四號
意見書
請願文書表第六號
祭祀禮典振興ニ關スル請願東京市
本〓區向ケ岡彌生町二番地佐藤〓
勝外百八名呈出(紹介議員小山谷
藏君)
右請願ノ要旨ハ敬神崇祖ノ大道ハ我カ國
體ノ根柢ニシテ之ニ依リテ皇國ノ秩序ハ
維持セラレ民衆ノ精神ハ安定ス故ニ明治
天皇ノ祭祀禮典ヲ復古シ給ヒシ大御心ヲ
體シ奉リ紀元二千六百年ヲ記念シテ盛大
ナル奉祝式典ヲ擧行スル爲昭和十五年迄
ニ大御心ヲ知悉普及セシムル如キ施設ヲ
講スルハ最必要ナリト信ス依テ之カ施設
ヲ實行セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第五號
意見書
請願文書表第一九三號
倶知安町ニ稅務署設置ノ請願北海
道虻田郡倶知安町長大橋千次郞呈
出(紹介議員丸山浪彌君外一名)
右請願ノ要旨ハ北海道虻田郡倶知安町ハ
近時著シク發展シ地方產業交通上ノ中樞
地トナレリ依テ岩內、古宇兩郡及虻田郡
ノ內後志支廳ニ屬スル町村ヲ管轄區域ト
シテ倶知安町ニ稅務署ヲ設置セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第七號
意見書
請願文書表第二一號
燃料用酒精ノ製造及輸入稅免除其ノ
他ニ關スル請願東京市本〓區駒
込西片町十番地工福間成章外一名
呈出(紹介議員永田良吉君)
同第二二號
同上横濱市神奈川區二本榎六番地
廣瀨俊郎呈出(紹介議員永田良吉
君
右請願ノ要旨ハ速ニ燃料國策ヲ確立シ我
カ國防ノ安固ヲ期スルハ刻下ノ急務ナリ
ト信ス然ルニ其ノ大部分ヲ外國ノ供給ニ
俟ツ石油ノ重要代用品タル酒精ノ製造カ
嚴格ナル稅法ニ覊束セラレ又無限ノ酒料
資源ヲ有スル滿洲國ヨリ之ヲ輸入セムト
スルハ關稅高率ニシテ不可能ナル狀態ニ
在ルハ洵ニ遺憾トスル所ナリ依テ速ニ燃
料用酒精ノ製造及輸入稅ヲ免除シ且其ノ
製造使用ヲ奬勵セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一一號
意見書
請願文書表第一三五號
按摩術營業取締規則改正ノ請願札
幌市北二條西三丁目一番地北海道
鍼灸按摩マツサージ術營業組合聯
合會長笠島平松外三百四十五名
呈出(紹介議員林路一君外二名)
右請願ノ要旨ハ按摩術營業免許者ニ非サ
ル者又ハ同等資格ヲ有セサル者ノ按摩術
類似ノ療術行爲ヲ爲スヲ禁止スルハ按摩
術保護上最必要ナリト信ス依テ按摩術營
業取締規則ヲ改正シ按摩衛類似ノ療術行
爲ヲ嚴禁シ鍼灸按摩業者ヲ保護セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一二號
意見書
請願文書表第一三六號
省令ニ依ル理髪營業取締規則發布促
進ノ請願熊本縣飽託郡川尻町字
田町二百四十六番地理髮業草野光
藏外二百八十六名呈出(紹介議員
中川觀秀君)
同第一四一號
同上長崎市本河内町六十一番地理
髮業松尾政市外九十六名呈出紹
介議員中川觀秀君)
右請願ノ要旨ハ府縣令タル理髪營業取締
規則ハ各府縣ニ依リ其ノ取締ノ內容ヲ異
ニシ統一性ヲ缺キ理髮術資格者ニ非サル
資本家ニ對シ營業ヲ許可シ得ル等當業者
ノ不利不便尠カラス依テ理髮營業ハ理髮
術資格者ニ限リ且料金ハ所轄警察官署ノ
許可ナクシテ高下シ得サルコト等ノ諸條
項ヲ含ム省令ニ依ル理髪營業取締規則ヲ
速ニ發布セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一八號
意見書
請願文書表第三六號
中頓別村ニ農事試驗場支場設置ノ請
願北海道枝幸郡中頓別村大字中
頓別四百二番地農八木源七郞外十
七名呈出(紹介議員林路一君外二
名
右請願ノ要旨ハ北海道宗谷支廳管內ハ同
道北端ニ位シ僻陬寒冷ノ地ナルニ加ヘ
交通不便ナリシ爲拓殖事業ノ進展ヲ見ル
ニ至ラサリシモ宗谷線鐵道ノ敷設ト共ニ
移住民著シク增加シ專業農家モ漸增シタ
リ然ルニ其ノ農業經營ハ幼稚ニシテ指導
機關ヲ必要トスルモ同管內稚內町ニ於ケ
ル農事試作場ハ土地偏在シ之カ指導ニ遺
憾ノ點少ナカラス依テ鐵道交通便ニシテ
同管內中央ニ位スル枝幸郡中頓別村ニ農
事試驗場支場ヲ設置セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一九號
意見書
請願文書表第二一三號
溫泉保護法制定ノ請願東京市麴町
區丸ノ內一丁目一番地三日本溫泉
協會長公爵一條實孝呈出(紹介議
員木暮武太夫君外一名)
右請願ノ要旨ハ溫泉ハ保健療養ニ其ノ利
用逐年激增シ地元市町村亦之ニ依リテ發
展シ其ノ保護開發ハ衞生上經濟上極メテ
重要ナル意義ヲ有ス然ルニ溫泉ノ保護開
發竝取締ハ僅ニ府縣令ニ依リテ規律セラ
ルルニ過キサル爲泉源ヲ中心トスル紛爭
ノ發生枚擧ニ遑アラス依テ速ニ溫泉保護
ニ關スル法律ヲ制定セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二〇號
意見書
請願文書表第一三九號
戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其
ノ他ニ關スル請願岡山市門田六
十九番地ノ五公吏角道有太郞外二
十四名呈出(紹介議員西村丹治郞
君
同第一七二號
同上岐阜縣揖斐郡大和村大字上南
方千四百二十番地農太田與三郞外
三十八名呈出(紹介議員楠基道君)
右請願ノ要旨ハ戰公傷病死者傷痍軍人ノ
遺族又ハ傷病年金受領者ニシテ今日生活
上甚シク悲慘ノ狀態ニ在ル者アルハ聖代
ノ痛恨事ト謂フヘシ依テ現行恩給法ヲ改
正シ戰死者公傷病死者傷痍者ノ遺族扶助
料ヲ生活ノ安定ヲ得セシムル程度ニ增額
シ舊恩給法實施以前死亡シタル者ノ寡婦
ニシテ兵籍簿ニ登錄ナキモ死亡當時同一戶
籍內ニ在リタル者ニハ改正恩給法ニ依ル
扶助料ヲ給セラレタク且傷病年金受給者
及戰地ニ於ケル公務傷病者ニ對シテモ優
遇ノ途ヲ講セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二一號
意見書
請願文書表第二五四號
地久節ヲ奉祝日ト爲スノ請願香川
縣仲多度郡與北村六百五十二番地
ノ三公吏佐藤甚助呈出(紹介議員
山下谷次君)
右請願ノ要旨ハ國母陛下御降誕ノ日ヲ以
テ公定ノ祝日ト爲スコトハ國體觀念養成
上竝國民精神作興上最必要ナリト信ス然
ルニ未タ之カ實現ヲ見サルハ洵ニ遺憾ニ
堪ヘス依テ速ニ地久節當日ヲ公定ノ祝日
ト制定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二二號
意見書
請願文書表第二六二號
貴族院佛〓各宗派管長議員互選規則
制定ノ請願奈良縣生駒郡法隆寺
村八百七十八番地儈侶佐伯定胤外
二百六十一名呈出(紹介議員安藤
正純君外四名)
右請願ノ要旨ハ貴族院帝國學士院會員議
員互選規則ノ實施セラレツツアル今日國
民大多數ノ精神〓化ノ任務ヲ有シ全國多
數ノ僧侶ヲ統督スル佛〓各宗派管長中ヨ
リ數名ノ貴族院議員ヲ互選セシムルハ宗
〓尊重ノ本義ニ適合スルモノナリト信ス
依テ速ニ貴族院佛〓各宗派管長議員互選
規則ヲ制定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三號
意見書
請願文書表第二六五號
貴族院伯子男爵議員選擧規則中改正
ノ請願奈良縣生駒郡法隆寺村八
百七十八番地僧侶佐伯定胤外二百
六十七名呈出(紹介議員安藤正純
君外四名)
右請願ノ要旨ハ衆議院議員選擧法ニ於テ
諸宗ノ僧侶〓師ニ對シ被選擧權ヲ認ムル
ニ拘ラス僧侶ニシテ爵位ヲ有スルカ爲貴
族院伯子男爵議員選擧規則ニ於テ之カ被
選擧權ヲ認メサルハ不條理ノ甚シキモノ
ト信ス依テ同規則中第二條ヲ削除シ以テ
諸宗ノ僧侶及〓師ニ對シ之カ被選擧權ヲ
附與セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二四號
意見書
請願文書表第二五〇號
八戶港ヲ開港地ニ指定ノ請顯八戶
市長神田重雄呈出(紹介議員梅村
大君)
右請願ノ要旨ハ八戶港ハ海陸交通上將又
貨物集散上ノ要衝ニ當ル東北地方漁業ノ
根據地トシテ重要ナル位置ヲ占ムルノミ
ナラス商港トシテ異常ナル發展ヲ爲シ開
港場トシテ充分ナル資格ヲ具備スルニ至
レリ然ルニ同港ハ非開港地ナルカ故ニ關
稅手續上支障尠カラスシテ商取引ノ圓滑
ヲ缺キ當業者ノ蒙ル不利不便甚大ナルモ
ノアリ依テ速ニ前記八戶港ヲ開港地ニ指
定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二五號
意見書
請願文書表第三一四號
函館港ニ港務部設置ノ請願函館市
仲濱町四番地函館海運業組合長谷
德太郞外四名呈出(紹介議員大島
寅吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ函館港ハ北門ノ鎻鑰トシ
テ將又米亞通商幹線路トシテ重要ナル地
位ヲ占メ其ノ殷盛ナルコト實ニ本邦中屈
指ノ地步ヲ占ムルモ之カ港灣施設ニ至リ
テハ同港貿易ノ趨勢ニ伴ハス港灣行政上
甚シキ遜色アリテ到底現狀ニ耐フル能ハ
サルモノアリ依テ同港ノ經濟的利用ニ具
ヘ以テ貿易ノ進運ニ資スヘク速ニ函館稅
關ニ港務部ヲ設置セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六號
意見書
請願文書表第二五三號
御尊影取扱取締法制定ノ請願香川
縣仲多度郡與北村六百五十二番地
ノ三公吏佐藤甚助呈出(紹介議員
山下谷次君)
右請願ノ要旨ハ近時新聞雜誌其ノ他印刷
物ニ御尊影ノ奉揭頒布セラルルコト頻繁
ナルカ之カ取扱方法ニ就キ遺憾ノ點多ク
皇室ノ尊嚴ヲ冒濱スル虞アルハ恐懼ニ堪
ヘス依テ御尊影奉揭ノ新聞雜誌等ノ取扱
ニ就キ最善ノ方法ヲ指示スル取締法ヲ速
ニ制定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二七號
意見書
請願文書表第二六一號
僧侶及諸宗〓師ノ政治結社加入ニ關
スル請願奈良縣生駒郡法隆寺村
八百七十八番地僧侶佐伯定胤外二
百八十二名呈出(紹介議員安藤正
純君外四名)
右請願ノ要旨ハ衆議院議員選擧法及地方
制度ニ於テ各宗派僧侶〓師ニ對シ之カ被
選擧權ヲ附與シ居ル今日政社加入ノ自由
ヲ認ムルハ必然ノ歸結ナリト信ス依テ治
安警察法第五條第一項第三號ヲ削除シ僧
侶及〓師ノ政社加入ヲ認メラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二八號
意見書
請願文書表第二五一號
馬淵川改修ノ請願八戶市長神田重
雄外七名呈出(紹介議員梅村大君)
右請願ノ要旨ハ八戶市ノ西北ヲ流レテ海
ニ注ク馬淵川ハ現在河口附近ハ幅員廣濶
ニシテ河床淺ク通船若ハ船溜トシテ全然
其ノ機能ヲ發揮シ得サル狀態ニ在リ而シ
テ近時八戶港ハ漁港修築完成シ商港トシ
テ目下擴張修築中ニテ逐年飛躍的進展ヲ
見漁盛期ニ於テハ狹隘ヲ告クルノ狀態ナ
ルヲ以テ馬淵川ノ利用ハ頓ニ必要トナリ
之カ浚渫改修ハ焦眉ノ急務トナレリ依テ
同川ヲ第一期河川ニ編入シ速ニ改修セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二九號
意見書
請願文書表第二七一號
常呂川治水工事速成ノ請願北海道
常呂郡野付牛町長茶谷幸一外五名
呈出(紹介議員木下成太郞君外一
名
右請願ノ要旨ハ北海道常呂郡野付牛町ヲ
貫流スル常呂川ハ一度氾濫スルトキハ
流域一帶ノ沃地ヲ荒廢ニ歸セシメ家屋橋
梁ヲ流失破壞スル等其ノ猛威ヲ逞ウスル
コト少ナカラス爲ニ沿岸一帶ノ住民ハ累
年水禍ノ慘害ヲ蒙リツツアリ依テ當局ハ
同川ニ對スル徹底的治水工事ヲ速ニ實施
セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第三一號
意見書
請願文書表第三一〇號
公有水面埋立法改正ノ請願函館市
仲濱町四番地函館海運業組合長谷
德太郞外四名呈出(紹介議員大島
寅吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ現行公有水面埋立法ニ於
テハ公有水面埋立ニ當リ經濟上技術上直
接利害關係ヲ他ノ關係市町村ニ及ホスコ
ト尠カラサルニ拘ラス之カ免許ニ當リ地
元市町村會ノ意見ノミヲ徵スルニ止ルハ
公益上洵ニ遺憾ニ堪ヘス依テ該法第三條
及同施行令第六條ヲ地元市町村會ノミナ
ラス直接利害關係アル隣接市町村會又ハ
市町村長ノ意見ヲ徵スル樣改正セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第三二號
意見書
請願文書表第二六三號
都市計畫ニ依ル寺院境內地受益者負
擔金免除ニ關スル請願奈良縣生
駒郡法隆寺村八百七十八番地僧侶
佐伯定胤外二百七十五名呈出(紹
介議員安藤正純君外四名〕
右請願ノ要旨ハ寺院及佛堂境內地ハ府縣
制市町村制等ニ依リ免稅ノ恩典ニ浴スルモ
他面其ノ使用ニ關シテ種種ナル制限ヲ受
ケ之ニ面スル道路ノ擴張又ハ鋪裝完成シ
或ハ水道工事完備スルモ貸家建築及土地
ノ貸付等利益アル施設ハ禁止セラレ居ル
ヲ以テ之ニ對シ受益者負擔金ヲ賦課スル
ハ前記法律ノ本旨ト矛盾スルモノナリト
信ス依テ之等境內地ニ對シ速ニ都市計畫
ニ依ル受益者負擔金免除規則ヲ制定セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第三三號
意見書
請願文書表第二七〇號
北見ニ製糖工場設置ノ請願北海道
常呂郡野付牛町長茶谷幸一外五名
呈出(紹介議員木下成太郞君外一
名)
右請願ノ要旨ハ北海道北見國一帶ハ製糖
原料タル甜菜ノ耕作地トシテ適シ廣キ耕
作反別ヲ有スルヲ以テ同地方ニ製糖工場
ヲ設置スルハ最必要ナリト信ス而シテ今
囘政府ハ北海道ニ於ケル農業ノ革新ヲ圖
ル爲甜菜精業ヲ奬勵擴充セラルルヤニ仄
聞ス依テ速ニ同地方適當ナル地ニ製糖工
場ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第三四號
意見書
請願文書表第三一一號
函館市ニ北海道工業試驗場支場設置
ノ請願函館市仲濱町四番地函館
海運業組合長谷德太郞外四名呈出
(紹介議員大島寅吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ現在北海道ニハ札幌市ニ
工業試驗場ノ設置アリテ道內資源ノ開發
ニ資シツツアルモ未タ以テ地方ニ適應シ
タル充分ナル機能ヲ發揮スルニ至ラサル
狀態ニ在リ然ルニ函館市ヲ中心トスル道
南地方ハ天然資源ノ甚タ豐富ニシテ且函
館市ハ交通至便ナルヲ以テ之カ工業化ノ
爲同地ニ工業試驗場ヲ設置スルハ最適當
ナリト信ス依テ同市ニ北海道工業試驗場
支場ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第三五號
意見書
請願文書表第三〇號
國有原野拂下ニ關スル請願福島縣
田村郡瀧根村大字菅谷字石神百十
六番地農郡司宗秋外十一一名呈出
(紹介議員助川啓四郞君)
右請願ノ要旨ハ福島縣田村郡瀧根村大字
菅谷字仙臺平三番地國有原野二十九町四
畝步ハ藩制時代藩主ヨリ大字萬歲山入水
寺ニ寄進セラレタル大瀧根山ノ一部ニシ
テ檀家ニ於テ地上權ヲ有シタルモノナル
カ明治維新後國有林ニ編入セラレ其ノ後
住民ハ之ヲ採草地トシテ使用ヲ許サレ以
テ現在ニ至レルモノナリ然ルニ該地ハ悉
ク石灰石ノ堆積地ニシテ採草地トシテノ
價値全然無ク該石灰石ハ各種工業用途廣
汎ニシテ其ノ量ハ實ニ無限ト稱セラル依
テ前記地方凶作ノ救濟策トシテ地方特產
工業ヲ起業スヘキニ依リ速ニ前記地所ヲ
特賣セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第三六號
意見書
請願文書表第一三四號
鬼怒川流域ニ灌漑用貯水池設置ノ請
願栃木縣市ノ堀普通水利組合櫻
井市太郞外七名呈出(紹介議員高
田耘平君)
右請願ノ要旨ハ栃木縣ノ中央ヲ貫流スル
鬼怒川ハ地方產業上最重要ナルニモ拘ラ
ス其ノ當時流量ハ年年流域水田ノ灌漑用
水ニ不足ヲ告クルノ狀態ニシテ少シク渴
水スルヤ約六千餘町步ハ植附不可能ト爲
リ爲ニ分水問題ノ紛爭絕エス農家經濟ノ
疲弊困憊直視スルニ忍ヒサルモノアリ依
テ渴水時ニ對應スヘキ灌漑用水ノ貯水池
ヲ鬼怒川流域ノ適當ナル箇所ニ設置セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第三九號
意見書
請願文書表第二三號
鹿屋飛行場ニ格納庫竝軍需品倉庫設
置ノ請願鹿兒島縣肝屬郡大姶良
村大字西俣百四十二番地農永田良
吉呈出(紹介議員永田良吉君)
右請願ノ要旨ハ鹿兒島縣肝屬郡鹿屋町所
在鹿屋飛行場ハ國防上ノミナラス內地臺
灣間航空輸送上ニ於テモ重要ナル飛行場
ニシテ年年同場ニ著陸スル飛行機ハ數百
機ニ達スルモ未タ格納庫竝軍需品倉庫ノ
設置無キ爲其ノ不利不便尠カラス依テ政
府ハ速ニ前記鹿屋飛行場ニ陸海軍事用竝
民間航空輸送用格納庫、軍需品倉庫及民
間航空用「ガソリン」倉庫ヲ設置セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第四一號
意見書
請願文書表第二九號
江刺家村ニ郵便局設置ノ請願岩手
縣九戶郡江刺家村長野邊地十太郞
呈出(紹介議員田子一民君)
右請願ノ要旨ハ岩手縣九戶郡江刺家村ハ
交通不便ナルニ加へ附近郵便局迄ハ二里
以上ヲ隔ツル爲郵便事務上住民ノ不利不
便甚大ナルモノアリ依テ前記江刺家村ニ
速ニ郵便局ヲ設置セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
擇採スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第四二號
意見書
請願文書表第三三號
元加治村ニ無集配郵便局設置ノ請願
埼玉縣入間郡元加治村大字野田四
百三十六番地商諸井竹藏外二名呈
出(紹介議員永田良吉君)
同第三四號
同上埼玉縣入間郡元加治村大字野
田四百八十二番地農林田利平外二
名呈出(紹介議員永田良吉君)
右請願ノ要旨ハ埼玉縣入間郡元加治村ハ
戶數七百ニシテ織物工場等存在スルモ郵
便局ノ設置無キ爲村民ノ蒙ル不利不便尠
カラス依テ前記元加治村大字野田附近ニ
無集配郵便局ヲ設置セラレタシト謂フニ
在リ
議衆院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
擇採スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第四三號
意見書
請願文書表第二〇二號
小齋郵便取扱所ヲ無集配局ニ改定ノ
請願宮城縣伊具那小齋村長齋藤
右兵衞呈出(紹介議員佐々木家壽
治君)
右請願ノ要旨ハ宮城縣伊倶郡小齋村ハ戶
數三百餘ヲ算スル純農村ナルガ同村ニハ
郵便取扱所ノ設置アルノミヲ以テ通信上
ハ勿論貯金ノ預入簡易保險ノ事務等ニ於
テ村民ノ不利不便尠カラス依テ前記取扱
所ヲ無集配局ニ昇格セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第四四號
意見書
請願文書表第一三號
上麻生郵便局ニ集配事務開始ノ請願
岐阜縣武儀郡上麻生村長古田金之
助呈出(紹介議員匹田銳吉君)
右請願ノ要旨ハ岐阜縣武儀郡上麻生村ハ
高山線鐵道ニ沿ヒ樞要地ナルモ同村所在
上麻生郵便局ハ無集配局ニ屬シ郵便ノ遞
送經路甚タ迂囘セル爲郵便物ノ遲延甚シ
ク村民ノ不便尠カラス依テ速ニ前記上麻
生郵便局ニ集配事務ノ取扱ヲ開始セラレ
タシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第四五號
意見書
請願文書表第一九〇號
岩倉郵便局ニ集配事務開始ノ請願
德島縣美馬郡岩倉村長丹羽美住呈
出(紹介議員眞鍋勝君外一名)
右請願ノ要旨ハ德島縣美馬郡岩倉村ハ人
口九千餘ノ大村ニシテ近年產業文化ノ進
展著シク通信利用關係增大セルモ同村
在岩倉郵便局ハ無集配局ニ屬スル爲村民
ノ不利不便尠カラス依テ前記岩倉局ニ集
配事務ヲ開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第四六號
意見書
請願文書表第二五六號
野田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
愛知縣渥美郡野田村長林勝太郞外
四十五名呈出(紹介議員近藤壽市
郞君)
右請願ノ要旨ハ愛知縣渥美郡野田村ハ人
口三千四百餘ヲ算スル農漁村ニシテ近時
通信事務頻繁ヲ極ムルニ至レルモ同村所
在野田郵便局ハ集配事務ヲ取扱ハサル爲
通信上商取引上村民ノ蒙ル不利不便尠カ
ラス依テ前記野田局ニ集配事務ヲ開始セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第四七號
意見書
請願文書表第二八〇號
上熊野郵便局ニ集配事務開始ノ請願
石川縣羽咋郡上熊野村長前村十兵
衞外一名呈出(紹介議員靑山憲三
君)
右請願ノ要旨ハ石川縣羽咋郡上熊野村及
熊野村ハ近時通信利用關係增大セルモ現
在ハ遠隔ナル福浦郵便局ノ集配區域ニ屬
シ上熊野村所在上熊野郵便局ハ無集配局
ナル爲郵便物ノ遲延甚シク通信上ハ勿論
商取引上ノ不利不便甚大ナリ依テ前記上
熊野郵便局ニ集配事務ヲ開始セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第四八號
意見書
請願文書表第二〇一號
日島郵便局ニ電信電話事務開始ノ請
願長崎縣南松浦郡日島村長松園
末吉外百二十九名呈出(紹介議員
中村不二男君)
右請願ノ要旨ハ日島ハ五島列島ノ中央西
端ニ位シ現在通信交通ハ主トシテ舟路ニ
依ルモ一朝風波荒キ時ハ杜絕シ加之普通
ノ狀態ニ於テスラ電報ハ一日一囘ノ私船
ニヨル普通郵便ト同時ニ配達セラレ島民
ノ不利不便尠カラス依テ同島所在日島郵
便局ニ電信電話事務ヲ開始セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第四九號
意見書
請願文書表第三一五號
北海道北鮮諸港間命令定期航路開設
ノ請願函館市仲濱町四番地函館
海運業組合長谷德太郞外四名呈出
(紹介議員大島寅吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ北海道カ近距離且有利ナ
ル北鮮諸港ヲ階梯トシテ滿蒙ニ商步ヲ進
ムルハ其ノ對滿貿易策トシテ寔ニ時宜ヲ
得タルモノト信ス而シテ函館市ハ夙ニ北
滿地方ニ著目シ函館北鮮線指定航路ヲ開
設シ物貨運送ニ努力シ來リタルモ是レ永
ク一市ノ施設ニノミ委スヘキモノニ非ス依
テ北海道北鮮諸港間ニ國費ニ依ル政府命
令線トシテ定期航路ヲ確立シ以テ本道ノ對
滿貿易進展ニ資セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第五〇號
意見書
請願文書表第一六九號
瀧川町ニ區裁判所設置ノ請願北海
道濱益郡濱益村長土井〓一郞外七
名呈出(紹介議員手代木隆吉君外
四名)
右請願ノ要旨ハ北海道空知郡岩見澤區裁
判所ハ管轄區域廣大ニシテ管內人口三十
萬ヲ抱容シ且岩見澤、旭川六十一哩間一
ノ區裁判所ナキ爲管轄區域內中產以下ノ
人民ハ時ニ法律ノ保護ヲ受クルニ困難ナル
コトアリ而シテ岩見澤區裁判所管內ニ在
ル空知郡蒲川町ハ交通產業ノ中心ヲ爲シ
且岩見澤旭川兩區裁判所ノ中央ニ位スル
カ故ニ同町ニ區裁判所ヲ設置スルコトハ
最適當ナリト信ス依テ前記瀧川町ニ區裁
判所ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當田ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第五一號
意見書
請願文書表第五九號
下川根村ニ區裁判所出張所設置ノ請
願靜岡縣榛原郡下川根村長諸田
守一郎外二十九名呈出(紹介議員
宮本雄一郞君)
右請願ノ要旨ハ靜岡縣榛原郡下川根村ハ
現在掛川區裁判所金谷出張所ノ管轄ニ屬
シ志太郡伊久身村大字身成及笹間渡ハ靜
岡區裁判所島田出張所ニ同郡笹間村大字
笹間下ハ同區裁判所瀨戶谷出張所ニ屬ス
ルモ前記地方ヨリ各出張所迄ノ距離ハ頗
ル遠隔ナルヲ以テ登記事務上其ノ不利不
便尠カラス依テ下川根村地內ニ前記地方
ヲ管轄スル區裁判所出張所ヲ設置セラレ
タシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第五二號
意見書
請願文書表第一三八號
湯野村宇田原ニ高梁區裁判所出張所
設置ノ請願岡山縣川上郡湯野村
長萩野猛夫外二名呈出(紹介議員
西村丹治郞君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣川上郡湯野村ハ現
在高梁區裁判所吹屋出張所ノ管轄區域ニ
屬スルモ同出張所迄ノ距離遠ク登記事務
上村民ノ不利不便尠カラス而シテ同村大
字東油野字田原ハ油野、中、平川三村ノ
中心ニ位シ交通便利ナリ依テ前記田原ニ
高梁區裁判所出張所ヲ設置セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第五三號
意見書
請願文書表第二八五號
刈谷町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
愛知縣碧海郡刈谷町長井野直治外
一名呈出(紹介議員武富濟君)
右請願ノ要旨ハ愛知縣碧海郡刈谷町及依
佐美村ハ近時諸般ノ登記事務激增セルモ
兩町村ヲ管轄スル知立區裁判所出張所ハ
距離頗ル遠隔ナル爲登記申請者ノ不利不
便甚シキモノアリ依テ敷地竝廳舍等ハ兩
町村ニ於テ貸與致スヘキニ付速ニ前記兩
町村ヲ管轄スル區裁判所出張所ヲ刈谷町
ニ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第五四號
意見書
請願文書表第三〇六號
岩內區裁判所廳舍改築ノ請願北海
道岩内郡岩内町長淺野目浦吉呈出
(紹介議員丸山浪彌君外一名)
右請願ノ要旨ハ北海道岩內郡岩內町所在
岩內區裁判所ノ廳舍ハ四十五年前ノ建築
ニ係リ旣ニ腐朽シ此ノ儘存置スルトキハ
崩壞ノ危險ナシトセス依テ昭和十年度ニ
於テ前記廳舍ヲ改築セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第五六號
意見書
請願文書表第一九六號
町村立小學校舍新增改築費國庫補助
法制定ノ請願北海道虻田郡倶知
安町長大橋千次郞呈出(紹介議員
丸山浪彌君外一名)
右請願ノ要旨ハ今ヤ地方農村ハ疲弊ノ極
ニ達シ町村債ハ增加シ住民ハ負擔ノ重壓
ニ苦シミ爲ニ小學校舍ハ頽廢スルモ之ヲ
顧ミルコト能ハス兒童〓育上ハ固ヨリ保
健衞生上等閑ニ附スヘカラサルモノアリ
依テ速ニ町村立小學校舍ノ新築增築改築
費ニ對スル國庫補助法ヲ制定シ工事費二
分ノ一以上ヲ補助スルノ制度ヲ確立セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第五七號
意見書
請願文書表第二六〇號
宗〓法制定ノ請願奈良縣生駒郡法
隆寺村八百七十八番地僧侶佐伯定
胤外二百七十六名呈出(紹介議員
安藤正純君外四名)
右請願ノ要旨ハ國家諸般ノ制度既ニ大略
完備シタルニ拘ラス獨リ宗〓ニ關スル制
度ノミ未タ確立セラレサルハ洵ニ遺憾ニ
堪ヘサル所ナリ而シテ國民思想ノ動搖急
激ナルモノアリ國民精神ノ作興益緊要ヲ
感スルノ秋國家ト宗〓及宗〓〓體トノ關
係竝其ノ權義ヲ明確ナラシメ宗〓者ヲシ
テ國法上正當ナル其ノ處ヲ得セシメ宗〓
本來ノ使命機能ヲ發揮セシムルハ焦眉ノ
急務ナリト信ス依テ政府ハ速ニ宗〓法案
ヲ帝國議會ニ提出セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第五八號
意見書
請願文書表第二六四號
寺院佛堂國有現境內地竝墓地無償下
戾ノ請願奈良縣生駒郡法隆寺村
八百七十八番地僧侶佐伯定胤外三
百名呈出(紹介議員安藤正純君外
四名)
右請願ノ要旨ハ從來寺院佛堂境內地竝墓
地ハ寺有地ナリシヲ明治四年上地令ヲ以
テ現境內地ヲ除キ上地セラレ其ノ後府縣
達ニ依リ祭典法要ニ必要ナル場所ヲ新境
內地トシテ寺院ニ附與スヘク規定セラレ
タルモ官有ノ儘トナリ其ノ後モ制度規則
等ニ遮ラレテ附與ノ機會ヲ失シ今日ニ至
レルハ寺院維持ノ爲洵ニ遺憾ニ堪ヘサル
所ナリ依テ政府ハ寺院佛堂國有現境內地
竝墓地無償下戾ニ關スル法律案ヲ議會ニ
提出セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第五九號
意見書
請願文書表第二四九號
凶作對策トシテ氣象海洋觀測所設置
ノ請願八戶市長神田重雄外七名
呈出(紹介議員梅村大君)
右請願ノ要旨ハ東北地方ハ北太平洋ニ
於ケル暖寒兩潮流ノ變化甚シク水溫氣溫
ノ之ニ支配セラルル結果農作物水產物ハ
甚大ナル影響ヲ蒙リツツアリ故ニ氣象海
洋ヲ調査〓究シ凶作對策ヲ講スルハ東北
地方救濟上最必要ナリト信ス而シテ八戶
港ハ暖寒兩流ノ交叉點ニ當リ海洋竝氣象
觀測上最好適ノ地ナリ依テ政府ハ凶作對
策トシテ氣象海洋觀測所ヲ前記八戶港適
當ノ地ニ施設セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第六一號
意見書
請願文書表第五八號
鐵道共濟組合購買部託送貨物運賃八
割引撤廢ノ請願旭川市五條通十
六丁目旭川商工會議所會頭岡田重
次郞外六十六名呈出(紹介議員坂
東幸太郞君)
右請願ノ要旨ハ鐵道共濟組合購買部ハ其
ノ託送貨物ニ對シテ國有鐵道船舶運賃八
割引ノ過度ナル特典ヲ附與セラレ居ル爲
商品ヲ廉價ニ販賣スルヲ得テ其ノ所在地
ノ消費者ヲ奪ヒ該地ニ於ケル一般中小商
工業者ヲ壓迫スル事實顯著ナルモノアリ
依テ前記特典ヲ速ニ撤廢セラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第六二號
意見書
請願文書表第一五號
高知、本山間省營「バス」運輸開始ノ
請願高知市長村上〓外七名呈出
(紹介議員田村實君)
右請願ノ要旨ハ高知縣長岡郡本山町地方
ハ林鑛農產物豐富ナルモ鐵道交通ニ惠マ
レサル爲貨客輸送上又高知市トノ連絡上
頗ル不利不便ヲ感シツツアリ依テ前記本
山町ヨリ同郡大杉村ニ至ル縣道、大杉村
ヨリ高知市ニ至ル國道ニ省營「バス」ノ運
轉ヲ開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第六三號
意見書
讀願文書表第二〇號
士別驛溫根別間省營自動車運輸開始
ノ請願北海道天鹽國上川郡溫根
別村字溫根別市街地公吏早乙女〓
外三百六名呈出(紹介議員林路一
君外二名)
右請願ノ要旨ハ北海道宗谷本線士別驛ヨ
リ天鹽國上川郡溫根別村ニ至ル道路ニハ
現ニ民營ニ係ル自動車ノ運轉アルモ賃金
高率ナル爲關係住民ノ利用意ノ如クナラ
サルハ洵ニ遺憾ニ堪ヘス依テ前記士別驛
溫根別間ニ省營自動車ノ運轉ヲ開始シ以
テ同地方民ノ利便ニ資セラレタシト謂フ
ニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第六四號
意見書
請願文書表第二四號
矢掛、倉敷間ニ省營自動車運輸開始
ノ請願倉敷市長平松俊太郞外十
七名呈出(紹介議員小川〓太郞君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣小田郡私設井笠鐵
道矢掛驛ヨリ山陽本線倉敷驛ニ至ル路線
ニ省營自動車ノ運轉ヲ開始スルトキハ沿
道地方民ノ利便ヲ增進スルノミナラス同
縣西南部地方一帶ノ產業交通ヲ助長スル
コト甚大ナリト信ス依テ速ニ前記矢掛、
倉敷間ニ省營自動車運輸ヲ開始セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第六五號
意見書
請願文書表第二五號
〓音、西總社間省營自動車運輸開始
ノ請願倉敷市長平松俊太郎外十
七名呈出(紹介議員小川〓太郞君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣都窪郡〓音村ヨリ
伯備線西總社驛ニ至ル區間ニ省營自動車
ノ運轉ヲ開始スルトキハ矢掛、倉敷間省
營自動車運輸開始ト相俟テ同地方交通產
業上裨益スル所甚大ナルモノアリト信ス
依テ前記〓音、西總社間ニ省營自動車ノ
運轉ヲ開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第六六號
意見書
請願文書表第三一號
觀音寺、仁尾、詫間間ニ省營自動車
運輸開始ノ請願香川縣三豐郡仁
尾町長三井嘉太郞外五名呈出紹
介議員山下谷次君)
右請願ノ要旨ハ香川縣三豐郡仁尾町ハ香
川縣西海岸ニ沿ヒ人口九千餘ニシテ同郡
北部ニ於ケル物資ノ集散地ナリ加之附近
ニハ蔦島ノ名勝アリ四時遊覽觀光地トシ
テ稱揚セラル依テ觀音寺、仁尾、詫間間
ニ省營自動車ノ運轉ヲ開始セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第六七號
意見書
請願文書表第七五號
東城驛上下町間ニ省營自動車運輸開
始ノ請願廣島縣神石郡牧村外三
箇村組合村長福万德三郞外七名呈
出(紹介議員森田福市君)
右請願ノ要旨ハ廣島縣比婆郡三神線東城
驛ヨリ甲奴郡上下町ニ至ル區間ハ現在私
營自動車ニ依リ纔ニ貨客ノ運送連絡ヲナ
シツツアルニ過キス沿線住民ノ不利不便
甚大ナリ依テ前記區間ニ省營自動車運輸
ヲ開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第六八號
意見書
請願文書表第一二九號
三雲、八幡間省營自動車運輸開始ノ
請願滋賀縣蒲生郡八幡町長橋本
二郞外十二名呈出(紹介議員靑木
亮貫君外一名)
右請願ノ要旨ハ滋賀縣甲賀郡三雲村ヨリ
岩根、下田ノ二村、蒲生郡苗、鏡山、馬
淵金田ノ各村ヲ經テ同郡八幡町ニ至ル
地方ハ湖東平野ノ中央部ニ位シ交通頻繁
ナルヲ以テ省營「バス」總山草津線ノ支線
トシテ「バス」運輸ヲ開始スルトキハ該地
方民ノ利便甚大ナルモノアリト信ス依テ
前記地方ニ省營自動車ノ運轉ヲ開始セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第六九號
意見書
請願文書表第一九七號
倶知安驛ヨリ定山溪溫泉及洞爺湖溫
泉ニ至ル區間ニ省營「バス」運輸開
始ノ請願北海道虻田郡倶知安町
長大橋千次郞呈出(紹介議員丸山
浪彌君外一名)
右請願ノ要旨ハ北海道虻田郡倶知安驛ヲ
起點トシ札幌郡豐平村定山溪溫泉及虻田
郡洞爺村洞爺湖溫泉ニ至ル區間ニ鐵道省
定期「バス」ノ運輸ヲ開始スルトキハ沿線
地方民ノ利便大ナルモノアリト信ス依テ
前記路線ニ省營「バス」定期運行ヲ開始セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第七六號
意見書
請願文書表第二七九號
前〓、矢島間鐵道繰上起工ノ請願
秋田縣由利郡矢島町大字矢島町二
十三番地農土田正作外百二十名呈
出(紹介議員杉本國太郞君外一
名
右請願ノ要旨ハ秋田縣由利郡東瀧澤村大
字前〓ヨリ同郡矢島町ニ至ル鐵道未成線
ハ昭和十二年度起工ノ豫定ナルモ冷害凶
作甚シキ同沿線地方救濟ノ爲ニモ之ヲ繰
上起工スルハ必要ナリト信ス依テ右鐵道
建設工事ヲ昭和十年度ニ繰上ケ起工セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第七七號
意見書
請願文書表第四號
中川村ニ汽動車停留場設置ノ請願
群馬縣群馬郡中川村長〓水光太郞
呈出(紹介議員篠原義政君)
右請願ノ要旨ハ群馬縣群馬郡中川村ハ人
家稠密シ交通頻繁ナル國道九號線ヲ控エ
上越溫泉〓ニ通スル縣道高崎、澁川線ニ
接スル樞要ナル位置ヲ占ム而シテ同村ハ
兩毛線高崎、新前橋間ニ位シ兩驛間ハ其
ノ距離七、三粁ニ及フニ拘ラス汽動車ノ
停車場ナキ爲附近住民ハ甚タシク不便ヲ
感シツツアリ依テ前記中川村大字濱尻ニ
汽動車停留場ヲ設置セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第七八號
意見書
請願文書表第二七八號
新高尾村ニ汽動車停留場設置ノ請願
群馬縣群馬郡新高尾村長井草嘉太
夫呈出(紹介議員篠原義政君)
右請願ノ要旨ハ群馬縣群馬郡新高尾村ハ
兩毛線高崎、新前橋兩驛間ノ中央ニ位シ
國道九號線ハ兩毛線ニ竝行シテ同村ヲ貫
通ス而シテ今般前記兩驛間ニ「ガソリン
カー」運轉開始セラレタルモ其ノ間一ノ
停留場無キ爲同地方民ノ之ヲ利用シ得サ
ルハ甚タ遺憾トスル所ナリ依テ之ニ要ス
ル經費ハ同村ニ於テ負擔スヘキニ付前記
新高尾村地内ニ「ガソリンカー」停留場ヲ
設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第七九號
意見書
請願文書表第一三一號
江丹別村字下江丹別ニ簡易停車場設
置ノ請願北海道石狩國上川郡江
丹別村長加瀨谷萬吉呈出(紹介議
員田中喜代松君)
右請願ノ要旨ハ北海道石狩國上川郡江丹
別村ハ旭川市ヲ距ル五里半ノ農村ニシテ
物資ノ需給ハ總テ同市トノ間ニ行ハルル
モ高峻ナル山道ノ外交通機關無キ爲米穀
其ノ他ノ物資搬出ニ二日ヲ要スルノミナ
ラス冬期吹雪等ノ場合ハ十數日間通行不
能ノコト尠カラスシテ村民ノ不利不便甚大
ナルモノアリ依テ函館本線伊納、近文兩
驛間江丹別村字下江丹別ニ簡易停車場ヲ
設置シ以テ同村ノ發展ニ資セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第八三號
意見書
請願文書表第一三二號
農村窮乏匡救ニ關スル請願鳥取縣
西伯郡尙德村大字榎原六百九十五
番地農笠井祥利外八千八十五名呈
出(紹介議員由谷義治君外一名)
右請願ノ要旨ハ打續ク災害ト不況ニ因リ
農村ハ極度ニ疲弊シ不動產擔保ニ依ル融
資ノ返還及國稅府縣稅ノ徵收督促等ノ負
債ノ重壓下ニ在リ依テ各町村ニ對スル國
庫融資金ノ償還日本勸業銀行ノ土地擔保
ニ依ル年賦償還縣下各產業組合ノ組合員
ニ貸付ケ居ル貸付金ノ基本融資ノ償還ハ
之ヲ向後五箇年据置カレタク同時ニ縣下
產業組合ニ對シ百五十萬圓也ノ融資補償
ヲ爲シ尙地方財政調整交付金制度ヲ卽時
實施セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第八五號
意見書
請願文書表第五二二號
戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其
ノ他ニ關スル請願秋田縣平鹿郡
淺舞町大字淺舞字淺舞提灯業布川
大三郎外二名呈出(紹介議員鈴木
辰三郞君)
同第五二三號
同上秋田縣雄勝郡元西馬音內村大
字西馬音內堀囘字元城百四十五番
地農原田平藏外五名呈出(紹介議
員鈴木辰三郞君)
同第五二四號
同上秋田縣鹿角郡宮川村大字長谷
川字谷內百七番地農阿部福太郞外
二名呈出(紹介議員鈴木辰三郞君)
同第五二八號
同上福島縣雙葉郡龍田村大字上繁
岡字中平四十二番地農大和田覺一
外十五名呈出(紹介議員鈴木辰三
郞君)
同第五七四號
同上秋田縣由利郡本莊町石脇字今
町十九番地ノ三農中村〓四郞外五
十名呈出(紹介議員猪股謙二郞君)
右請願ノ要旨ハ戰公傷病死者傷痍軍人ノ
遺族又ハ傷病年金受領者ニシテ今日生
活上甚シク悲慘ノ狀態ニ在ル者アルハ聖
代ノ痛恨事ト謂フヘシ依テ現行恩給法ヲ
改正シ戰死者公傷病死者傷痍者ノ遺族扶
助料ヲ生活ノ安定ヲ得セシムル程度ニ增
額シ舊恩給法實施以前死亡シタル者ノ寡
婦ニシテ兵籍簿ニ登錄ナキモ死亡當時同
一戶籍內ニ在リタル者ニハ改正恩給法ニ
依ル扶助料ヲ給セラレタク且傷病年金受
給者及戰地ニ於ケル公務傷病者ニ對シテ
モ優遇ノ途ヲ講セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第八七號
意見書
請願文書表第三六三號
省令ニ依ル理髪營業取締規則發布促
進ノ請願長崎縣南高來郡有家町
甲四十一番地第三理髮業末永重吉
外十八名呈出(紹介議員中川觀秀
君)
同第三六四號
同上長崎市末廣町三丁目七番地理
髮業高廸貴外四十八名呈出(紹介
議員中川觀秀君)
同第三六五號
同上長崎市竹ノ久保町四百九十五
番地理髪業石本米作外四十一名呈
出(紹介議員中川觀秀君)
同第三六六號
同上佐世保市橫尾免三十一番地理
髮業眞木トラ外九十三名呈出紹
介議員中川觀秀君)
同第三六七號
同上長崎縣西彼杵郡時津村五百七
十四番地理髪業村木嘉作外三十三
名呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三六九號
同上長崎縣西彼杵郡茂木町千二百
六十一番地理髮業岩永惣吉外七名
呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三七〇號
同上長崎縣西彼杵郡香燒村七百二
十一番地理髪業大井初雄外十九名
呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三七一號
同上長崎縣西彼杵郡崎戶町千八百
八番地理髪業力武源吾外四十六名
呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三七二號
同上長崎縣北松浦郡小値賀村二千
七百八十九番地理髮業黑崎松三郞
外四名呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三七三號
同上長崎縣北松浦郡平戶町五百九
十八番地理髪業光本孫太郞外四十
一名呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三七四號
同上長崎縣北松浦郡相浦町上舶越
免千二百二十八番地理髮業末竹カ
ナヱ外三十八名呈出(紹介議員中
川觀秀君)
同第三七五號
同上長崎縣南高來郡口之津町甲五
百四十二番地理髪業江島佐吉外十
一名呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三八六號
同上長崎縣南松浦郡有川町理髮業
宗經廣外二十六名呈出(紹介議員
中川觀秀君)
同第三八七號
同上長崎縣下縣郡嚴原町千一一百八
十八番地理髮業松本要外二十五名
呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三八八號
同上長崎縣南松浦郡福江町字大荒
〓四百二十二番地理髪業柴田龜之
助外三十九名呈出(紹介議員中川
觀秀君)
同第三八九號
同上長崎縣壹岐郡田河村六百九番
地理髪業松永利光外七名呈出(紹
介議員中川觀秀君)
同第三九〇號
同上長崎縣上縣郡仁田村大字鹿見
五番地理髪業三山與吉外十二名呈
出(紹介議員中川觀秀君)
同第三九一號
同上長崎縣南高來郡小濱町甲三千
九十七番地理髪業關泉外十九名呈
出(紹介議員中川觀秀君)
同第三九二號
同上長崎縣北松浦郡志佐町宇庄野
免百五十二番地ノ十二理髮業光岡
平市外二十五名呈出(紹介議員中
川觀秀君)
同第三九三號
同上長崎縣東彼杵郡大村町三百五
十三番地理髪業好田丈吉外二十三
名呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三九四號
同上長崎縣南高來郡島原町二十五
番地理髪業羽田安男外三十五名呈
出(紹介議員中川觀秀君)
同第三九五號
同上長崎縣南高來郡神代村三百五
十番戶理髮業金子峰吉外二十五名
呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三九六號
同上長崎縣北高來郡諫早町丁七番
地山崎官二外五十六名呈出(紹介
議員中川觀秀君)
同第三九七號
同上長崎縣東彼杵郡折尾瀨村百八
十八番地理髮業岡島六郞外二十三
名呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三九八號
同上長崎縣西彼杵郡喜々津村四百
七十五番地理髮業松尾八代外七名
呈出(紹介議員中川觀秀君)
同第三九九號
同上宮崎縣宮崎郡佐土原町大字上
田島八千百五十七番地理髮業日野
梅次郞外六百四十八名呈出(紹介
議員中川觀秀君)
右請願ノ要旨ハ府縣令タル理髮營業取締
規則ハ各府縣ニ依リ其ノ取締ノ內容ヲ異
ニシ統一性ヲ缺キ理髪術資格者ニ非サル
資本家ニ對シ營業ヲ許可シ得ル等當業者
ノ不利不便尠カラス依テ理髮營業ハ理髪
術資格者ニ限リ且料金ハ所轄警察官署ノ
許可ナクシテ高下シ得サルコト等ノ諸條
項ヲ含ム省令ニ依ル理髪營業取締規則ヲ
速ニ發布セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第九三號
意見書
請願文書表第四〇五號
町村立小學校舍新增改築費國庫補助
法制定ノ請願長岡市東千手町四
百六番地ノ三公吏木村〓三郞呈出
(紹介議員山田又司君)
右請願ノ要旨ハ今ヤ地方農村ハ疲弊ノ極
ニ達シ町村債ハ增加シ住民ハ負擔ノ重壓
ニ苦シミ爲ニ小學校舍ハ頽廢スルモ之ヲ
顧ミルコト能ハス兒童〓育上ハ固ヨリ保
健衞生上等閑ニ附スヘカラサルモノアリ
依テ速ニ町村立小學校舍ノ新築增築改築
費ニ對スル國庫補助法ヲ制定シ工事費二
分ノ一以上ヲ補助スルノ制度ヲ確立セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第九六號
意見書
請願文書表第四〇二號
本〓村大字大年ニ郵便取扱所設置ノ
請願福井縣坂井郡本〓村大字大
年二十三號六番地豐岡先五郞呈出
(紹介議員熊谷五右衞門君)
右請願ノ要旨ハ福井縣坂井郡本〓村大字
大年ハ戶數四百ヲ算シ學校役場等アリテ
通信機關ノ完備ヲ要スルコト切ナリ然ル
ニ同地ニハ未タ郵便局ノ設置ナク所管鶉
郵便局ハ約一里ヲ隔ツル爲住民ノ不利不
便尠カラス依テ速ニ前記大年ニ郵便取扱
所ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第九七號
意見書
請願文書表第五八七號
西海村大字高屋ニ郵便取扱所設置ノ
請願石川縣珠洲郡西海村大字高
屋貳拾五字二番地高屋漁業組合長
矢部三次郞外一名呈出(紹介議員
靑山憲三君)
右請願ノ要旨ハ石川縣珠洲郡西海村高屋
港ハ良好ナル避難港ニシテ漁業者ハ此ノ
地ヲ根據地トシテ近海漁業ニ從事シ漁獲
物販賣取引上通信利用關係增加セルモ最
客郵便局ハ頗ル遠隔ナル爲其ノ不利不便
尠カラス依テ前記高屋ニ郵便取扱所ヲ設
置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第九八號
意見書
請願文書表第五七八號
日露戰役當時城津在留民被害救濟ノ
請願朝鮮元山府海岸通六丁目二
十三番地漁橫山喜太郞呈出(紹介
議員中村不二男君)
右請願ノ要旨ハ明治三十七八年戰役當時
韓國城津引揚ニ際シ該地在留民ノ被リタ
ル損害ハ實ニ甚大ナリ然ルニ他地方ノ在
留民ノ引揚ニ際シテハ海陸共ニ救恤ノ恩
典ニ浴シタルニ拘ラス獨リ城津在留民カ
三十年後ノ今日猶其ノ恩典ニ浴セサルハ
甚タ遺憾ニ堪ヘス依テ前記城津在留民ニ
救恤金ヲ下附セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第九九號
意見書
請願文書表第四〇九號
財團法人日本少年指導會ニ對シ國庫
ヨリ助成金下附ノ請願東京市杉
並區和田本町八百七十三番地橋本
勝太郞外二十二名呈出(紹介議員
安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ財團法人日本少年指導會
ハ今ヤ創立十週年ヲ迎ヘ一千名以上ノ不
良少年ヲ收容シ今般新ニ幼少年〓化〓究
部ヲ設ケ是等幼少年ノ感化矯正ニ貢獻セ
ムコトヲ期シツツアリ然ルニ同事業ノ如
キハ國家ノ調査〓究ニ屬スヘキ性質ノモ
ノニシテ經費支辨ノ途ナキ本會ノ能ク爲
シ得ル所ニ非ス依テ同會ノ豫算ノ大部分
ニ對シ國庫ヨリ助成金ヲ下附セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第一〇〇號
意見書
請願文書表第五一〇號
唐津區裁判所廳舍改築擴張ニ關スル
請願東京市目黑區〓水町三百三
十七番地藤生安太郞呈出(紹介議
員藤生安太郞君)
右請願ノ要旨ハ唐津市所在唐津區裁判所
ノ廳舍ハ五十三年前ノ建築ニ係リ其ノ構
造狭隘ナルヲ以テ訴訟關係人ノ不便尠カ
ラサルノミナラス既ニ腐朽敗頽シテ危險
ノ狀態ニ在リ依テ速ニ前記廳舍ヲ改築擴
張セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一〇一號
意見書
請願文書表第三五二號
留邊蘂町ニ區裁判所出張所設置ノ請
願北海道常呂郡留邊蘂町長堀川
重敏呈出(紹介議員尾崎天風君)
右請願ノ要旨ハ北海道常呂郡留邊蘂町ハ
常呂郡ニ於ケル交通產業上ノ要衝ニシテ
登記事件逐年增加シツツアルモ管轄登記
所極メテ遠隔ナル爲多大ノ失費ト日數ト
ヲ要シ住民ノ不利不便尠カラス依テ前記
留邊蘂町及置戶、相內兩村ノ一部ヲ管轄
區域トスル區裁判所出張所ヲ留邊蘂町ニ
設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一〇二號
意見書
請願文書表第四九三號
上士幌村ニ區裁判所出張所設置ノ請
願北海道河東郡上士幌村市田〓
之呈出(紹介議員三井德寶君)
右請願ノ要旨ハ北海道河東郡上士幌村ハ
近時拓殖ノ進展ト移住民ノ增加トニ因リ
登記事件激增セルモ同村ニハ登記所ノ設
置ナク帶廣區裁判所ノ管轄區域ニ關シ同
區裁判所迄ノ距離遠隔ナル爲登記事務上
不利不便尠カラス依テ敷地廳舍ハ同村ニ
於テ寄附スヘキニ付速ニ前記上士幌村字
上士幌市街地ニ前記上士幌村及士幌村、
西足寄村ノ一部、本別村ノ一部ヲ管轄區
域トシ帶廣區裁判所ノ出張所ヲ設置セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一〇四號
意見書
請願文書表第五六九號
鹿兒島高等農林學校演習林拂下ニ關
スル請願鹿兒島縣肝屬郡牛根村
長村山三二呈出(紹介議員永田良
吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ鹿兒島縣肝屬郡牛根村ハ
鹿兒島灣岸ノ一寒村ニシテ耕地少ク全戶
數一千九十七戶中自家一箇年ノ〓糧ヲ得
ルモノ僅百戶內外ニ過キス他ハ悉ク往古
ヨリ同村內所在官有林地雜木林ヲ廉價ニ
テ拂下薪炭製造ニヨリ生活ノ資源ヲ得ツ
ウアリシモノナリ然ルニ同官有地ハ明治
四十二年頃鹿兒島高等農林學校演習林地
ニ移管セラレタル爲村民ハ生活ノ資源ヲ
失ヒ加之往年ノ櫻島爆發ノ被害未タ癒エ
ス村民ノ疲弊困態其ノ極ニ達シツツアリ
依テ同村內ニ在ル鹿兒島高等農林學校演
習林ヲ他町村內ノ國有林ニ移轉シ同村內
演習林ハ無償ニテ全部同村ニ拂下ケラレ
タシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一〇五號
意見書
請願文書表第三七七號
白棚鐵道買收ノ請願福島縣西白河
郡白河町長關根庫三外四名呈出
(紹介議員小島智善君外二名)
右請願ノ要旨ハ東北本線白河驛ヨリ水郡
線磐城棚倉ニ至ル私設白棚鐵道ハ地方交
通產業上多大ノ貢獻ヲ爲シ來レルモ昭和
九年十二月水郡線開通スルヤ運賃ノ關係
上貨物ノ大半ヲ省線ニ奪ハレ該鐵道會社
ハ非常ナル苦境ニ陷レリ然レトモ同鐵道
ハ水郡線ト相俟テ常磐線ト東北本線トヲ
連絡スルニ極メテ必要ナル路線ナリト信
ス依テ政府ハ前記鐵道ヲ買收セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一〇六號
意見書
請願文書表第四九九號
靑森函館間航路貨物運賃率改正ノ請
願函館市鶴岡町一番地函館商工
會議所會頭岡本康太郞外四名呈出
(紹介議員大島寅吉君)
右請願ノ要旨ハ國有鐵道靑森函館間航路
ノ貨物運賃率ハ陸上運賃ノ四倍ニ相當ス
ル爲輸送貨物ニ過當ノ負擔ヲ加へ產業ノ
發達ヲ阻碍スルコト尠カラス而シテ同航
路ニ在リテハ貨物ハ貨車ノ儘航送セラレ
事實上鐵道線路ノ延長ト見做サルヘキヲ
以テ單ニ海上ヲ輸送スルノ故ヲ以テ別種
ノ打切計算ヲ適用スルカ如キハ妥當ナラ
スト信ス依テ速ニ鐵道省令ヲ改正シ以テ
靑森函館間航路貨物ニ海陸通算一般鐵道
運賃率ヲ適用セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
第採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一〇九號
意見書
請願文書表第三八四號
旭田村大字落合ニ停車場設置ノ請願
福島縣南會津郡旭田村長佐藤廣
吉外十三名呈出(紹介議員八田宗
吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ野岩羽鐵道會津線沿線ニ
位スル福島縣南會津郡旭田村ハ面積九方
里千古不斧ノ大森林ヲ有シ木材薪炭等ノ
產出盛ナリ從テ同村ニ停車場ヲ設置スル
トキハ其ノ享クル恩惠大ナルモノアリト
信ス依テ敷地建築物材料等ハ同村ニ於テ
負擔スヘキニ付前記旭田村大字落合ニ停
車場ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一一〇號
意見書
請願文書表第五七〇號
札沼線中金澤、中小屋兩驛間ニ停車
場設置ノ請願北海道石狩郡當別
村字中小屋農瀧正則外五十四名呈
出(紹介議員岡田伊太郞君)
右請願ノ要旨ハ北海道石狩郡當別村未成
線札沼線金澤、中小屋兩驛間ニ位スル地
域ハ物資ノ集散盛ニシテ且有名ナル中小
屋鑛泉場アルヲ以テ同地ニ停車場ヲ設置
スルハ最必要ナリト信ス依テ前記兩驛間
ニ停車場ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一一一號
意見書
請願文書表第一九號
新庄村ニ簡易停車場設置ノ請願山
口縣玖珂郡新庄村長池本正一星出
(紹介議員西村茂生君)
右請願ノ要旨ハ山口縣玖珂郡舊山陽本線
線柳井、田布施兩驛間ハ六粁餘ニ亙ル爲兩
驛間ニ介在スル各村民ノ蒙ル不利不便甚
大ナルモノアリ依テ山口縣東海岸ニ於ケ
ル舊山陽本線ニ「ガソリンカー」運轉開始
ノ際ニハ前記兩驛間ニ在ル玖珂郡新庄村
中央部ニ敷地ハ無償ニテ提供スヘキニ付
簡易停車場ヲ設置セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一一二號
意見書
請願文書表第三六〇號
諫早停車場構內廣場擴張ノ請願長
崎縣北高來郡諫早町長土橋瀧平呈
出(紹介議員佐保畢雄君)
右請願ノ要旨ハ長崎縣北高來郡長崎本線
諫早驛ハ有明線全通以來旅客貨物ノ輻輳
急激ニ增加シ構內廣場ノ狭隘ヲ感スルコ
ト多大ナルモノアリ而シテ政府ハ同驛舍
ヲ改築スルノ意アルヤニ仄聞ス依テ此機
ニ於テ驛舍改築ト同時ニ構內廣場ヲ擴張
セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一一三號
意見書
請願文書表第四九五號
函館驛改築ニ關スル請願函館市仲
濱町四番地函館海運業組合長谷德
太郞外四名呈出(紹介議員大島寅
吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ現函館驛ハ大正三年ノ改
築ニ係リ運輸交通量ノ飛躍的ニ激增セル
今日ニ於テハ驛舍構內共ニ狹隘ニ過キ其
ノ不便危險尠カラス依テ前記函館驛ヲ改
築擴張シ地方產業ノ發達ニ資セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一一四號
意見書
請願文書表第三〇九號
靑森函館間定期航空路開設ノ請願
函館市仲濱町四番地函館海運業組
合長谷德太郞外四名呈出(紹介議
員大島寅吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ現在ノ靑森函館間定期航
海ハ交通上商取引上裨益スル處多大ナル
モノアルモ刻下ノ交通經濟ノ進運ニ順應
シ本州北海道間ノ交通運輸ノ刷新ヲ圖ル
爲更ニ靑函間ニ定期航空路ヲ開設スルハ
最必要ナリト信ス依テ前記靑函間定期航
空ヲ鐵道省直接事業トシテ經營セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一一五號
意見書
請願文書表第五七二號
元北海道廳森林監守ノ恩給ニ關スル
請願札幌市南十七條西十一丁目
千二百三十三番地奧村喜久太郞外
八十一名呈出(紹介議員岡田伊太
郞君)
右請願ノ要旨ハ大正十二年勅令第三百六
十七號恩給法施行令ニ於テハ北海道廳事
業手外五ノ待遇者ヲ受恩給者ト認ムルニ
拘ラス北海道廳森林事業手ト何等區別ナ
キ元北海道廳森林監守カ全ク除外セラレ
テ恩給受給ノ恩典ニ浴スル能ハサルハ洵
ニ遺憾トスル所ナリ依テ元北海道廳森林
監守ニ奉職シタル者ニ付之ヲ公務員ト見
做シ制規ノ年數奉職シタル者ニ對シテハ
恩給法ヲ適用シ恩給受給ノ恩典ニ浴セシ
メラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一一七號
意見書
請願文書表第六八六號
國會議事堂內ニ聖德太子尊像奉安ノ
請願松山市宮西町龜谷孝一呈出
(紹介議員安藤正純君外二名)
同第六八七號
同上東京府北多摩郡保谷村高楠順
次郞呈出(紹介議員安藤正純君外
二名)
同第六八八號
同上東京市澁谷區代々木山谷町百
八番地著述業加藤熊一郞呈出給
介議員安藤正純君外二名)
右請願ノ要旨ハ聖德太子ハ十七條憲法ヲ
制定シテ立憲政治ヲ肇メ給ヒ大イニ我カ
國威ヲ宣揚シ給ヘリ卽太子ノ御政治ハ明
治維新立憲代議政體ノ淵源ヲ爲スモノニ
シテ其ノ御事蹟ト御心事トハ以テ政治家
ノ範トスヘキ所ナリト信ス依テ國會議事
堂ノ尊嚴ヲ保持スル爲聖德太子ノ尊像ヲ
議事堂內ニ奉安セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一一八號
意見書
請願文書表第六二一號
砂糖消費稅入目免除ニ關スル請願
大阪市港區九條通三丁目五百二十
一番地大阪砂糖商同業組合組長後
藤忠三呈出(紹介議員板野友造君)
右請願ノ要旨ハ政府ハ砂糖消費稅ノ通脫
防止ヲ目的トシテ從前ノ協定率課稅方法
ヲ廢シ實量査定ニ依ル課稅ニ改メラレタ
ルモ右改正ハ業界ノ實情ニ卽セス又商品
ノ性質ニ副ハサルヲ以テ各種ノ弊害ヲ誘
起シ消費者ハ多大ノ損失ヲ蒙ルニ至レリ
依テ政府ハ砂糖消費稅中入目ニ對シテハ
相當程度ノ免除ヲセラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一一九號
意見書
請願文書表第四五二號
製油用大豆關稅免除率改正ノ請願
福岡市藥院堀端七番地ノ一ノ三福
岡縣農會副會長城島春次郞外十五
名呈出(紹介議員田村實君外一
名)
右請願ノ要旨ハ製油用大豆ニ對シ關稅ヲ
免除スルハ我カ國內ニ古來產出スル製油
ニ用ヒラルヘキ菜種ノ生產ヲ阻害シ農家
經濟ヲ壓迫スルコト大ナリト信ス依テ速
ニ大正十年勅令第二百三十八號ヲ改正シ
テ製油用大豆ニ適當ナル實稅ヲ課シ以テ
菜種製產ニ對スル脅威ヲ除キ農民ヲシテ
其ノ恩惠ニ浴セシメラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一二〇號
意見書
請願文書表第五八八號
柿本神社ヲ別格官幣社ニ昇格ノ請願
島根縣美濃郡高津町大字高津イ千
百十二番地神職中島匡彌外二十名
呈出(紹介議員島田俊雄君外一名)
右請願ノ要旨ハ島根縣美濃郡高津町大字
高津字鴨山鎭座縣社柿本神社ハ正一位柿
本人麿朝臣ヲ奉祀ス而シテ人麿朝臣ハ千
古ノ歌聖ニシテ尊皇愛國ノ志厚ク其ノ髙
遠純潔ナル情操ハ皆詠歌ノ上ニ煥然タリ
國民精神薰陶ノ上ニ偉大ナル感化ヲ殘セ
シノミナラス產業上ノ功績モ亦顯著ナリ
斯カル國家ノ祭神ヲシテ其ノ社格ノ縣社
ノ列ニ在ルハ崇敬者ノ遺憾トスル所ナリ
依テ該神社ヲ別格官幣社ニ昇格セシメラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一二一號
意見書
請願文書表第六一七號
品川神社創建ニ關スル請願山口縣
大島郡久賀町第六千五百九十二番
地公吏島津平一外千八百六十八名
呈出(紹介議員西村茂生君外四名)
右請願ノ要旨ハ敬神崇祖ノ美風ハ我カ國
民精神ノ根柢タルコト素ヨリ多言ヲ要セ
サル所ナリ而シテ明治以來ノ偉人ヲモ之
ヲ祭神トシ神社創建ヲ聽許セラレタルコ
ト其ノ例ニ乏シカラス依テ維新ノ鴻業ヲ
翼贊セル功臣故正二位勳一等子爵品川彌
二郞卿ヲ祭神トシテ卿ノ〓里萩市松本ノ
地ニ縣社品川神社ヲ創建セムトスル企ニ
對シ速ニ聽許ヲ與ヘラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一二四號
意見書
請願文書表第五六八號
加古川治水工事續行ノ請願兵庫縣
加東郡小野町長岸本長司外三名呈
出(紹介議員小林絹治君)
同第六〇六號
同上兵庫縣加東郡市場村長近藤準
吉呈出(紹介議員靑木雷三郞君)
右請願ノ要旨ハ兵庫縣加古郡高砂町ヨリ
加東郡福田村大門橋ニ至ル加古川治水工
事ハ大正七年起工以來著々進捗シ今ヤ第
一期工事タル河口高砂町ヨリ上流八幡村
迄ハ完成セルモ加東郡市場村樫山部落以
北ハ工事中止ノ悲運ニ遭遇セリト聞ク然
レトモ加東郡所屬ハ兩岸共ニ堤塘ナルモ
ノナク出水每ニ被害激甚ニシテ地方農民
ノ苦痛見ルニ忍ヒサルモノアリ依テ速ニ
前記加古川治水工事ヲ續行セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一二五號
意見書
請願文書表第六四五號
大富村地內最上川ニ治水工事實施ノ
請願山形縣北村山郡大富村大字
荷口一番地農寒河江彦七外四百四
十三名呈出(紹介議員松岡俊三君)
右請願ノ要旨ハ山形縣北村山郡大富村ハ
最上川右岸低地ニ位シ縣下稀ニ見ル水害
村ニシテ之カ治水ノ成否如何ハ同村ノ休
感ニ關スル重大問題タリ然ルニ擧村ノ奮
勳モ負擔ノ餘力無キ爲其ノ成果ヲ見ル能
ハサル狀態ニ在リ依テ隣接小田島村以南
上流地區最上川ノ改修工事ヲ繼續實施セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一二六號
意見書
請願文書表第六七六號
阿賀川治水工事促進ニ關スル請願
福島縣河沼郡廣瀨村長二瓶謙二外
十一名呈出(紹介議員八田宗吉君)
右請願ノ要旨ハ福島縣耶麻、河沼、大沼、
北會津ノ四郡ニ跨ル阿賀川改修工事ハ昭
和九年度ノ經費三十八萬圓ニシテ流域沿
岸民ノ水災救濟地方農村匡救ニ多大ナル
效果ヲ與ヘタルモ昭和十年度ヨリ該豫算
ヲ三分ノ一ニ減額計上セリト仄聞シ甚タ
遺憾ニ堪ヘサルモノアリ依テ該川治水工
事ハ當初ノ計畫通リ進捗セラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一二七號
意見書
請願文書表第六二二號
罹災救助基金法附則第二十四條ノ運
用ニ關スル請願東京市澁谷區大
和田町九十六番地丸山鶴吉外五名
呈出(紹介議員安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ罹災救助基金ノ利息ハ同
法附則第二十四條ニ依リ窮迫セル私設社
會事業ヲ助成シ其ノ機能ヲ充分ニ發揮セ
シムルヲ主トシ第二次的ニ救濟土木事業
ノ必要ナル經費ニ充當セシムル趣旨ナル
ハ明ナルニ拘ラス實施以後ノ實狀ハ其ノ
大部分ヲ土木事業費ニ充テ社會事業ノ助
成ニ極メテ薄キ地方尠カラサルハ洵ニ遺
憾ニ堪ヘス依テ財界不振ノ今日窮迫セル
私設社會事業ヲ第一次的ニ助成セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一二八號
意見書
請願文書表第六二三號
罹災救助基金法附則ノ適用繼續ニ關
スル請願東京市澁谷區大和田町
九十六番地丸山鶴吉外五名呈出
(紹介議員安藤正純君)
右請願ノ要旨ハ罹災救助基金法附則ノ規
定ハ其ノ基金ノ利息ノ一部ヲ以テ社會事
業ノ助成其ノ他必要ナル經費ニ充テシム
ルノ趣旨ナルカ政府ハ法文中「當分ノ內」
トアルヲ理由トシ本法ノ適用ヲ昭和九年
度ニ於テ打切ラムトスルノ議アルヤニ仄聞
スルハ災害相次キ不況未タ好轉セサル今
日社會ノ實情ニ卽セサルモノニシテ社會
事業ノ蒙ル打擊ハ甚大ナリ依テ尙數年間
財界ノ常調ニ復スル迄本法ノ適用ヲ繼續
セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一二九號
意見書
請願文書表第六九六號
映畫對策確立實施ニ關スル請願東
京市神田區一ツ橋通町帝都〓育會
長伯爵松平賴壽呈出(紹介議員荒
川五郞君)
右請願ノ要旨ハ映畫ハ我カ國ニ輸入セラ
レテヨリ著シク普及ヲ見從テ其ノ影響ス
ル所重且大ナルモノアルモ之カ利用竝取
締ニ就テ充分ナラサルノミナラス統制ニ
關スル施設ノ如キモ僅ニ映畫統制委員會
アルニ止リ而モ其ノ成績見ルヘキモノナ
キ實情ニ在ルハ洵ニ遺憾ニ堪ヘス依テ政
府ハ速ニ右統制委員會ヲ擴充シ之カ統制
ヲ圖ルハ固ヨリ適切ナル施設ヲ講シ國民
精神ノ涵養文化ノ向上ニ資シ併セテ健全
ナル國民娛樂ノ料タラシメラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一三二號
意見書
請願文書表第五七五號
荻伏漁港修築ノ請願北海道浦河郡
荻伏村大字荻伏十六番地漁石川利
吉外百五十一名呈出(紹介議員板
谷順助君)
右請願ノ要旨ハ北海道浦河郡荻伏港ハ日
高國ノ中央ニ位シ沿岸一帶ハ魚族豐富ナ
ルモ遠淺ニシテ船舶ノ碇繫ニ適セス一朝
風波ノ場合ハ浦河港ニ廻航シテ漁獲物ヲ
處理スルノ現狀ニシテ產業經濟上損失甚
大ナリ依テ前記荻伏港ニ船入潤ヲ築設セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議員法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一三三號
意見書
請願文書表第六七八號
頓別原野土地改良促進ノ請願北海
道枝幸郡頓別村大字濱頓別公吏藤
田善平外五百九十四名呈出(紹介
議員坂東幸太郞君)
右請願ノ要旨ハ北海道枝幸郡頓別村ハ往
年製材業地ナリシカ氣候風土農耕ニ適ス
ルヲ以テ漸次農業ニ從事スルニ至ル者ア
リト雖耕地面積少ク收支自ラ償ハサル狀
態ニ在リ而シテ當局ノ昭和五年一部頓別
原野土地改良工事ニ著手セラレタルモ其
ノ後休止セラレタルハ遺憾ニ堪ヘス依テ
同改良工事ヲ繼續實施シ耕地面積ヲ擴大
シ以テ同地方開發ノ實績ヲ擧ケラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一三六號
意見書
請願文書表第五〇九號
國有林野特賣ニ關スル請願福島縣
相馬郡新館村大字關字道添百八十
一番地三輪一二外二百六十一名呈
出(紹介議員佐藤庄太郞君)
右請願ノ要旨ハ東北地方山間ノ農耕地ニ
シテ國有林野ニ接續スルモノハ該林野ニ
生スル雜木ノ爲光線ヲ遮ラレ肥料ヲ吸收
セラレ其ノ蒙ル損害甚大ナルモノアリ依
テ農耕地周圍ノ國有林三百メートル以内
ヲ其ノ各耕地所有者ニ特賣セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一三七號
意見書
請願文書表第一三〇號
五〓山部分林無償下附ニ關スル請願
香川縣三豐郡大野原村五〓山部分
林大野原外六箇町村組合長高丸伊
平外十八名呈出(紹介議員山下谷
次君)
右請願ノ要旨ハ香川縣三豐郡五〓村大字
井關所在林地ハ同郡大野原村外六箇町村
民ノ往古ヨリ使用收益ヲ爲セシ野山ニシテ
田畑ノ肥料牛馬ノ飼料ヲ主トシテ此ノ野
山ニ仰キ以テ生活ヲ營ミタル樞要ノ入會
山ナリ然ルニ明治十四年改租ノ際官有地
ト處斷セラレ明治二十年ニ至リ部分林ヲ
設定スルニ至レルモ經營ノ方法ニ一大變更
ヲ來シ剩ヘ法規ノ桎梏ハ入會野山タリシ
當時ノ自由ヲ奪ヒ林木繁茂ノ結果ハ遂ニ
飼料肥料ノ給源ヲ喪失シ林地利用亦刻下
ノ農山村窮境ヲ救フニ適セサルモノアリ依
テ前記部分林ヲ本組合町村タル大野原村
豐濱町和田、五〓、萩原、紀伊柞田ノ諸
村ニ無償ニテ下附セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一四二號
意見書
請願文書表第四九六號
〓肭獸獵獲解禁ニ關スル請請函館
市辨天町四十一番地擇捉島水產會
長八木澤繁次外四名呈出(紹介議
員大島寅吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ膃肭獸ハ獵獲ヲ禁止セラ
レテ以來其ノ蕃殖實ニ著シク今ヤ鮭鱒其
ノ他各種ノ魚類ヲ食害シ之カ損害實ニ莫
大ナリ而シテ政府ニ於テ膃肭獸保護四箇
國條約ヲ滿期後旣ニ十年ヲ閱スルニ拘ラ
ス之カ解禁ヲ圖ラサル所以ノモノハ事外
交ニ關聯シ英米蘇三國トノ協同ヲ要スル
爲俄ニ我カ主張ヲ行フヘカラスト爲スカ
如キモ今ヤ我カ國勢ト現下ノ世界ノ情勢
ハ當ニ解禁ヲ圖ルノ好機ナリト信ス依テ
速ニ之カ獵獲ヲ解禁シ漁村經濟更生ノ途
ヲ開カレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一四三號
意見書
請願文書表第三六八號
能生漁港修築工事完成ノ請願新潟
縣西頸城郡能生町長高島順作外三
十七名呈出(紹介議員出塚助衞君
外一名
右請願ノ要旨ハ新潟縣西頸城郡能生町能
生漁港ハ自然ノ港形ヲ爲シ往古ヨリ附近
唯一ノ避難漁港タリ而シテ當局ハ二十有
餘年ノ歲月ト七十餘萬圓ノ工事費ヲ投シ
テ同港ノ修築ニ努メタルモ未タ完成ノ域
ニ達セス尙防波堤ノ修築土砂浚渫其ノ他
船揚場荷揚場ノ擴張等修築ヲ要スルモノ
尠カラス依テ同漁港修築工事ヲ完成セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一四四號
意見書
請願文書表第六〇五號
明石港修築擴張ノ請願明石市長磯
野鶴太郞呈出(紹介議員靑木雷三
郞君)
右請願ノ要旨ハ明石港ハ現在完全ナル荷
揚場ノ設備ナキ爲船舶ノ繫留荷役ノ澁滯
ヲ來シ沿岸海運又ハ漁業ノ發展上遺憾ノ
點尠カラス依テ荷揚場擴張ヲ主眼トシ同
港灣修築ヲ施行セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一四五號
意見書
請願文書表第四一二號
中川村大字川山ニ郵便局設置ノ請願
靑森縣北津輕郡中川村長秋田喜十
郞呈出(紹介議員梅村大君)
右請願ノ要旨ハ靑森縣北津輕郡中川村ハ
人口四千餘ヲ算シ農業盛ニシテ通信利用
關係增加セルモ同村ニハ未タ郵便局ノ設
置ナキ爲住民ノ不利不便尠カラス依テ速
ニ前記中川村大字川山ニ郵便局ヲ設置セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一四六號
意見書
請願文書表第四六〇號
檜枝岐村ニ三等郵便局設置ノ請願
福島縣南會津郡檜枝岐村長星美雄
外二名呈出(紹介議員八田宗吉君)
同第五二六號
同上福島縣南會津郡檜枝岐村星段
吉呈出(紹介議員林平馬君)
右請願ノ要旨ハ福島縣南會津郡檜枝岐村
ハ最寄內川郵便局迄五里餘ヲ算スル爲村
民ノ郵便事務上蒙ル不利不便尠カラス依
テ前記檜枝岐村ニ三等郵便局ヲ設置セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一四七號
意見書
請願文書表第五二九號
岩月村大字入田付ニ三等郵便局設置
ノ請願福島縣耶麻郡岩月村大字
入田付二千五百二十三番地農三浦
恒一郎外二百二十八名星出(紹介
議員八田宗吉君)
右請願ノ要旨ハ福島縣耶麻郡岩月村ハ人
口四千百七十ヲ算シ十一一箇ノ部落ヲ包括
スル大村ニシテ縣道若松、米澤線ニ沿ヒ
近時郵便事務利用關係頗ル增加セルモ郵
便局ノ設置ナク所管喜多方郵便局ヘハ一
里以上ヲ隔ツル爲村民ノ蒙ル不利不便尠
カラス依テ前記岩月村大字入田付ニ三等
郵便局ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一四八號
意見書
請願文書表第六四六號
關平村ニ郵便取扱所設置ノ請願福
島縣西白河郡關平村長田崎智良外
二十三名呈出(紹介議員助川啓四
郞君)
右請願ノ要旨ハ福島縣西白河郡關平村ハ
近時同村外二箇村耕地整理組合ノ開田事
業進捗ト共ニ通信利用關係增加スルニ至
レリ依テ速ニ前記關平村ニ郵便取扱所ヲ
設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一四九號
意見書
請願文書表第六九三號
大山田村大字大山田上〓ニ無集配郵
便局設置ノ請願栃木縣那須郡大
山田村大字大山田上〓九百六十二
番地三木貞吉外七名呈出(紹介議
員坪山德彌君)
右請願ノ要旨ハ栃木縣那須郡大山田村ハ
通信機關ヲ缺如シ大字大山田上〓ノ如キ
會社學校病院等集團シ商業地域ヲ形成シ
通信機關利用關係繁多トナレルモ未タ其
ノ設置ナキヲ以テ村民ノ不利不便尠カラ
ス依テ前記大山田上〓ニ無集配郵便局又
ハ郵便取扱所ヲ設置セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一五〇號
意見書
請願文書表第七〇一號
金子郵便取扱所ヲ無集配局ニ改定ノ
請願埼玉縣入間郡金子村長市村
高彥外十三名呈出(紹介議員宮崎
( 計 )
右請願ノ要旨ハ埼玉縣入間郡金子村ハ人
口四千餘ヲ算シ古クヨリ製茶產地トシテ
知ラレ機械工業ノ發展ニヨリ製產額モ增
大シ一方交通機關ノ一新ニヨリ販路モ擴
大シ近時通信利用關係增加セルモ現在金
子郵便取扱所ノ設置アルノミナルヲ以テ
住民ノ不利不便尠カラス依テ前記金子郵
便取扱所ヲ無集配三等郵便局ニ昇格セシ
メラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一五一號
意見書
請願文書表第三四七號
津田郵便局ニ集配事務開始ノ請願
岡山縣眞庭郡津田村長綱島善五郞
外二十一名呈出(紹介議員久山知
之君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣眞庭郡津田村ハ近
時通信利用關係激增シタルモ同村所在津
田郵便局ハ集配事務ヲ取扱ハサル爲村民
ノ不利不便尠カラス依テ前記津田郵便局
ニ速ニ集配事務ヲ開始セラレタシト謂フ
二代目
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第一五二號
意見書
請願文書表第五二七號
靑方郵便局ニ集配事務開始ノ請願
長崎縣南松浦郡靑方村長寺田甚吉
外九十三名呈出(紹介議員牧山耕
藏君外一名)
右請願ノ要旨ハ長崎縣南松浦郡中通島靑
方村ハ人口六千餘ヲ算シ近時頓ニ通信利
用關係增大セルモ同村所在靑方郵便局ハ
集配事務ヲ取扱ハサル爲住民ノ蒙ル不利
不便尠カラス依テ速ニ前記靑方郵便局ニ
集配事務ノ取扱ヲ開始セラレタシト謂フ
ニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一五三號
意見書
請願文書表第五八九號
稻荷山驛前郵便局ニ集配竝電信電話
事務開始ノ請願長野縣更級郡鹽
崎村郵便局長山本武勝呈出(紹介
議員山本愼平君)
右請願ノ要旨ハ長野縣更級郡篠ノ井線稻
荷山驛前附近ハ近年著シク商工業ノ發達
ヲ來シ通信利用關係頻繁トナレルモ稻荷山
驛前郵便局ハ集配事務竝電信電話事務ヲ
取扱ハサル爲附近商工業者ノ不利不便尠
カラス依テ前記郵便局ニ集配竝電信電話
事務ヲ開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一五四號
意見書
請願文書表第四九七號
北海道香港眞韮南洋諸港間ニ命令定
期航路開設ノ請戲函館市西濱町
十五番地坂本作平外四名呈出紹
介議員大島寅吉君外一名)
右請願ノ要旨ハ北海道ニ於ケル物資生產
額ハ逐年增加シ貿易品ハ年額一億圓ニ垂
ムトスルモ之カ輸出ハ悉ク中繼ニ依テ爲
サルル狀態ニシテ對外貿易ノ發達遲遲ト
シテ進マサルハ主トシテ直通航路ノ闕如
ニ依ルモノト信ス而シテ近時對支經濟事
情ノ變化ニ依リ杜絕セル道產ノ販路ヲ香
港眞韮、英領海峽植民地竝南洋諸島ニ
於テ之ヲ恢復スルハ極メテ急務ニシテ曩
ニ函館市ハ定期航路ヲ開キ凡ユル努力ヲ拂
ヒ來リタルモ其經營容易ナラス休航ノ已ム
ナキ實狀ニ在リ依テ國庫補助ニ依ル定期命
令航路ヲ確立セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一五五號
意見書
請願文書表第六三三號
甑島航路國庫補助ニ關スル請願鹿
兒島市山下町辯護士天辰正守呈出
(紹介議員天辰正守君)
右請願ノ要旨ハ鹿兒島縣薩摩郡甑島ハ絕
海ノ孤島ニシテ本土トノ唯一ノ連絡交通
路タル甑島航路ハ多年九州汽船株式會社
カ犧牲ヲ拂ヒ經營シ來リタル所ナルモ貨
客少キ爲收支相償ハス廢航ノ已ムナキニ
至ルヘキカト憂慮セラレツツアリ依テ右
甑島航路ニ對シ國庫補助金ヲ交付セラレ
フシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一五七號
意見書
請願文書表第七〇四號
深川町ニ區裁判所設置ノ請願北海
道雨龍郡深川町長山本彥太外十二
名呈出(紹介議員手代木隆吉君外
三名)
右請願ノ要旨ハ北海道雨龍郡深川町ハ留
萸、雨龍兩線ノ分岐點ニ當リ地方物資ノ
集散地ナリ然ルニ同地ニハ未タ區裁判所
ノ設置ナキ爲諸般取引上又司法事務上其
ノ不利不便洵ニ大ナルモノアリ依テ速ニ
前記深川町ニ區裁判所ヲ設置セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一五八號
意見書
請願文書表第六三二號
三笠村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
鹿兒島市山下町辯護士天辰正守呈
出(紹介議員天辰正守君)
右請願ノ要旨ハ鹿兒島縣出水郡三笠村ハ
川內區裁判所阿久根出張所ノ管轄ニ屬シ
登記事務累年增加ノ趨勢ニ在ルモ同出張
所へノ距離遠隔ナル爲村民ノ蒙ル不利不便
甚大ナルモノアリ依テ廳舍及敷地ハ同村ニ
テ寄附スヘキニ付速ニ同村中央部ニ區裁判
所出張所ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一五九號
意見書
請願文書表第六四八號
市山村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
島根縣邑智郡市山村長井上令介外
十一名呈出(紹介議員沖島鎌三君
外三名)
右請願ノ要旨ハ島根縣邑智郡西部七箇村
ニハ僅ニ一箇所ノ區裁判所出張所アルニ
止ルヲ以テ登記事務上同地方住民ノ不利
不便尠カラス依テ敷地廳舍ハ無償ニテ提
供スヘキニ付前記邑智郡西部七箇村ノ略
中央ニ位スル市山村ニ區裁判所出張所ヲ
設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一六〇號
意見書
請願文書表第六八二號
豐頃村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
北海道十勝國中川郡豐頃村長上達
小二郞呈出(紹介議員小池仁郞君)
右請願ノ要旨ハ北海道十勝國中川郡豐頃
村ハ面積二十五方里ニ亙リ人口五千五百
餘ヲ算シ近年拓殖事業ノ進捗ニ伴ヒ登記
事件益激增ノ狀勢ニ在ルモ同村ハ現在帶
廣區裁判所大津出張所ノ管轄ニ屬シ同登
記所迄ノ距離遠隔ナル爲登記事務上ノ不
利不便尠カラス依テ廳舍建築其ノ他經費
ハ同村ニ於テ負擔スヘキニ付速ニ前記豐
頃村字茂岩市街ニ帶廣區裁判所豐頃出張
所ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一六一號
意見書
請願文書表第七〇二號
海老町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
愛知縣南設樂郡海老町長加藤耕一
郎外十一名呈出(紹介議員近藤壽
市郞君)
右請願ノ要旨ハ愛知縣南設樂郡海老町ハ
近時不動產及商工業等ニ關スル諸般ノ登
記事務激增シタルモ同町ハ田口區裁判
所出張所ノ管轄區域ニ屬シ同登記所ノ距
離遠隔ナル爲住民ノ不利不便甚シキモ
ノアリ依テ敷地廳舍等ハ海老町ニ於テ
安價料金ヲ以テ提供スヘキニ付海老町、
鳳來寺村、作平村大字守義及北設樂郡段
嶺村一圓ヲ管轄スル區裁判所出張所ヲ前記
海老町ニ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ採
擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第六
十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一六二號
意見書
請願文書表第七〇三號
桶川町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
埼玉縣北足立郡桶川町長內藤宗七
外五名呈出(紹介議員宮崎一君)
右請願ノ要旨ハ埼玉縣北足立郡桶川町及
大石、上平、小針、加納ノ四箇村ハ登記
事務上浦和區裁判所上尾出張所ニ同郡川
田谷村ハ同鴻巢出張所ニ分屬スルモ前記
諸町村ヨリ兩出張所ヘノ距離孰レモ二里
以上ヲ隔ツル爲其ノ不利不便尠カラス依
テ前記兩出張所ノ中間タル桶川町ニ浦和
區裁判所ノ出張所ヲ設置セラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一六四號
意見書
請願文書表第六八三號
各種學校ノ〓科目中ニ宗〓科目ヲ加
フルノ請願松山市宮西町龜谷孝
一呈出(紹介議員安藤正純君外二
名)
同第六八四號
同上東京府北多摩郡保谷村高楠順
次郞外五千七十四名呈出(紹介議
員安藤正純君外二名)
同第六八五號
同上東京市澁谷區代々木山谷町百
八番地著述業加藤熊一郞外四千八
百十五名呈出(紹介議員安藤正純
君外二名)
同第六九四號
同上千葉縣印旛郡八生村大字押畑
五十九番地農大木七郞外十名呈出
(紹介議員小高長三郞君)
右請願ノ要旨ハ現時我カ國ニ於ケル智的
〓育ハ頗ル進步セルモ宗〓ト〓育ト分離
セル爲國民カ思想方面ニ於テ遺憾ノ點ア
ルハ悲シムヘキ現象ナリト信ス依テ先ツ
〓育者ニ宗〓思想ヲ學習セシメ且國民精
神〓育ノ效果ヲ全カラシムル爲男女師範
學校竝各種學校ノ〓科目中ニ宗〓課目ヲ
加ヘラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一六五號
意見書
請願文書表第六五六號
小學校〓員俸給全額國庫支辨ノ請願
鹿兒島市山下町一番地鹿兒島縣〓
育會長大久保利武外七名呈出給
介議員花城永渡君外八名)
右請願ノ要旨ハ義務〓育費ヲ國庫支辨ト
スルハ〓育ノ本質上ハ固ヨリ我カ國地方
財政ノ現狀ニ照シテ當然ナリト信ス依テ
右實現ノ第一步トシテ速ニ〓員俸給全額
國庫支辨ヨリ實現セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一六六號
意見書
請願文書表第六五七號
實業補習學校靑年訓練所義務制竝該
經費國庫支辨ノ請願鹿兒島市山
下町一番地鹿兒島縣〓育會長大久
保利武外七名呈出(紹介議員東〓
實君外八名)
右請願ノ要旨ハ現在ノ實業補習學校ト靑
年訓練所トヲ併合シテ統制アル組織ト爲
シ之ヲ義務制トシ且之カ經費ヲ國庫支辨
ト爲スハ現下ノ國狀ニ於テ最急務ナリト
信ス依テ政府ハ速ニ是カ實現ヲ期セラレ
タシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一六七號
意見書
請願文書表第六〇四號
阿寒國立公園地帶週遊省營自動車運
輸開始ノ請願北海道常呂郡野付
牛町長茶谷幸一外一名呈出(紹介
議員尾崎天風君外一名)
右請願ノ要旨ハ近時北海道阿寒國立公園
地帶探勝者頓ニ激增シ常呂郡野付牛町ハ
該觀光ロトシテ近時世人ニ認識セラルル
ニ至レリ而シテ前記野付牛町ヲ起點トシ
網走郡津別村ヲ經テ阿寒國立公園地帶ニ
至リ阿寒湖ヨリ摩周湖屈斜路湖ヲ經テ美
幌ヨリ野付牛町ニ復ル省營自動車ノ運輸
ヲ開始スルハ阿寒國立公園開發上最必要
ナリト信ス依テ前記地區間ヲ週遊スル省
營自動車ノ運輸ヲ開始セラレタシト謂フ
ニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一六八號
意見書
請願文書表第六七一號
美幌、弟子屈間省營自動車運輸開始
ノ請願北海道網走郡美幌町長林
利博外一名呈出(紹介議員尾崎天
風君)
右請願ノ要旨ハ北海道阿寒國立公園ノ神
祕的大自然ハ逐年倍加的觀光客ヲ誘致ス
ルノ現狀ニ在ルモ交通機關全カラサル爲
觀光ノ實ヲ擧ケ得サルハ洵ニ遺憾ニ堪ヘ
ス依テ網走郡網走本線美幌驛ヨリ美幌峠
ヲ經テ川上郡釧網線弟子屈驛ニ達スル路
線ニ省營自動車ノ運輸ヲ開始セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一七〇號
意見書
請願文書表第六五四號
專用側線諸料金免除ニ關スル請願
富山縣射水郡伏木町大字湊町四十
四番地會社員荻布與三次郞外四名
呈出(紹介議員山下谷次君)
右請願ノ要旨ハ國有鐵道專用側線出入貨
車機關車使用料竝線路保守費ノ負擔ハ政
府ノ專念セル出貨誘致ヲ阻害シ相互ニ不
利益ヲ齎スノミナラス該料金ノ大部分ハ
自然出貨物ニ轉嫁セラルル結果第三者タ
ル消費者ノ蒙ル損害尠カラサルモノアリ
ト信ス依テ政府ハ輸送貨物誘致ヲ期スル
爲專用側線運轉料竝線路保守費ヲ全免セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一七一號
意見書
請願文書表第六三五號
川越村大字鹿賀ニ簡易停車場設置ノ
請願島根縣邑智郡川越村長坂根
勘次郞外百六十七名呈出(紹介議
員俵孫一君外二名)
右請願ノ要旨ハ島根縣邑智郡川越村大字
鹿賀ハ三江線ニ沿ヒ石見川越驛ト因原驛
トノ中間ニ位スル約八十戶ノ部落ニシテ
養蠶其ノ他產業盛ナルモ前記兩驛ヘハ孰
レモ三粁以上ヲ隔テ三江線ノ石見川本驛
迄ノ開通ト同時ニ定期自動車ノ便全ク絕
エ附近住民ノ不便尠カラス依テ前記鹿賀
ニ簡易停車場ヲ設置セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一七二號
意見書
請願文書表第六一四號
上士幌線速成ノ請願旭川市五條通
リ十六丁目旭川商工會議所會頭岡
田重次郞外百四十九名呈出(紹介
議員坂東幸太郞君外二名)
右請願ノ要旨ハ北海道石北線上川驛ヨリ
士幌線ノ終點タル上士幌驛ニ至ル鐵道豫
定線ハ上士幌驛ヨリ河東郡三股迄ハ著工
セラレタルモ三股、上川間ノ起工セラレサ
ルハ甚タ遺憾ニ堪ヘス而シテ同線沿線地
方ハ廣大ナル沃野連リ且大雪山國立公園
地帶ナルヲ以テ同線ノ速成ハ資源竝名勝
地開發上最必要ナリト信ス依テ速ニ前記
豫定線ヲ敷設セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一七五號
意見書
請願文書表第六三四號
岩國、萩間鐵道敷設ノ請願山口縣
玖珂郡岩國町長永田新之允外二十
九名呈出(紹介議員西村茂生君)
右請願ノ要旨ハ山口縣玖珂郡岩國町山陽
本線麻里布驛ヨリ島根縣鹿足郡日原村山
口線日原驛ニ至ル鐵道豫定線中玖珂郡廣
瀨村廣瀨驛ヨリ山口線德佐驛ニ至ル區間
ヲ豫定線ニ編入シテ德佐大井豫定線ニ連
絡セシメ岩國、廣瀨、德佐、萩間ヲ一線
トシ岩國、萩間鐵道ヲ敷設スルハ產業上
軍事上極メテ必要ナリト信ス依テ前記鐵
道ヲ速ニ敷設セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一八二號
意見書
請願文書表第六五一號
戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其
ノ他ニ關スル請願秋田縣雄勝郡
東成瀨村大字岩井川字入道八十五
番地農高橋森〓外五十八名呈出
(紹介議員小山田義孝君)
同第六六八號
同上東京市淺草區藏前三丁目十四
番地ノ六澤田新三郞外十三名呈出
(紹介議員安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ戰公傷病死者傷痍軍人ノ
遺族又ハ傷病年金受領者ニシテ今日生活
上甚シク悲慘ノ狀態ニ在ル者アルハ聖代
ノ痛恨事ト謂フヘシ依テ現行恩給法ヲ改
正シ戰死者公傷病死者傷痍者ノ遺族扶助
料ヲ生活ノ安定ヲ得セシムル程度ニ增額シ
舊恩給法實施以前死亡シタル者ノ寡婦ニ
シテ兵籍簿ニ登錄ナキモ死亡當時同一戶
籍內ニ在リタル者ニハ改正恩給法ニ依ル
扶助料ヲ給セラレタク且傷病年金受給者
及戰地ニ於ケル公務傷病者ニ對シテモ優
遇ノ途ヲ講セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一八三號
意見書
請願文書奏第六七〇號
傷痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺
族ニ恩給及其ノ他ニ依ル金融施設實
施ノ請願東京市淺草區藏前三丁
目十四番地六澤田新三郞外十三名
呈出(紹介議員安藤正純君外一名)
同第七〇六號
同上德島縣美馬郡重〓村字夏彌喜
五十八番地農松永永左衞門呈出
(紹介議員秋田〓君)
右請願ノ要旨ハ傷痍軍人竝戰公傷病死者
及傷痍軍人遺族ニシテ其ノ受クル所ノ恩給
及年金ヲ擔保若ハ其ノ他ノ形式ニ依リ金
融ヲ爲シ爲ニ悲慘ナル窮狀ニ陷レル者甚
タ多數アルハ洵ニ遺憾トスル所ナリ依テ
之カ救濟ノ爲是等ノ者ニ對シ(一)恩給年
金ノ前渡制度ヲ設ケラレタク(二)物件ヲ
擔保トシテ低利資金ノ貸付ヲ爲ス爲特別
融資機關ヲ創設セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一八八號
意見書
請願文書表第一二二三號
傷痍軍人待遇ニ關スル請願島根縣
邑智郡都賀村大字上野五番地農鎭
波房市外十九名呈出(紹介議員沖
島鎌三君)
右請願ノ要旨ハ傷痍軍人ヲ優遇スルハ刻
下非常時ニ顧ミ最必要ナリト信ス依テ傷
痍軍人子弟ノ官公私立各學校ノ授業料及
受驗料ハ之ヲ免除シ且國有鐵道及私設鐵
道乘車ハ之ヲ無賃ト爲ス等傷痍軍人待遇
ノ途ヲ講セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一八九號
意見書
請願文書表第一八九四號
傷痍軍人受恩給者救濟機關設置ノ請
願東京市本〓區菊坂町七十番地
谷田志摩生外十四名呈出(紹介議
員三上英雄君)
右請願ノ要旨ハ傷痍軍人ノ大部分ハ無資
產ニシテ其ノ受クル所ノ恩給ヲ擔保ニ供
シ金融ヲ得ルカ爲ニ悲慘ナル窮狀ニ陷ル
者アルハ洵ニ遺憾トスル所ナリ依テ傷痍
軍人タル受恩給者救濟ノ爲恩給年額ノ五
箇年分ヲ限度トスル低利資金貸付機關ヲ
設置スヘキ法律ヲ制定セラレタシト謂フ
三七〇
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一九〇號
意見書
請願文書表第一八九八號
無償傷痍軍人待遇ニ關スル請願
埼玉縣北埼玉郡三俣村大字下三俣
千三百六十二番地農片野茂平外三
十六名呈出(紹介議員出井兵吉君
外一名)
右請願ノ要旨ハ改正恩給法ニ依リ四欵症
以上ニ該當スル無償傷痍軍人ハ相當待遇
セラルルコトトナリタルモ一目症乃至六
目症該當ノ無償者ハ單ニ軍人傷痍記章ヲ
附與セラルルノミナルハ甚タ遺憾ニ堪エ
ス依テ之等ノ者ニ對シテモ相當ノ一時金
ヲ支給セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
抹擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一九三號
意見書
請願文書表第一六三二號
外交科試驗ニ西班牙語ヲ加フルノ
請願東京市本〓區元町一丁目十
三番地〓授金澤一郞外六十名呈出
(紹介議員中村嘉壽君)
右請願ノ要旨ハ方今世界各國ハ大ニ意ヲ
墨西哥及中南米諸國ニ注キ國交ノ親善ト
資源ノ開發ニ協力シツツアリ而シテ我カ
國亦此ノ情勢ニ順應シ現ニ此等諸國ニ於
ケル我カ國在外公館ノ數亦旣ニ十指ヲ數
ヘ今ヤ其ノ國語タル西班牙語ニ通曉スル
外交官ノ必要ハ益大ヲ加ヘムトス依テ速
ニ西班牙語ヲ高等試驗外交科受驗外國語
中ニ加ヘラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第一九四號
意見書
請願文書表第六七五號
玉津稅務署復活ニ關スル請願大分
縣西國東郡河内村長山田好馬外三
百二十七名呈出(紹介議員重松重
治君外一名)
右請願ノ要旨ハ大分縣西國東郡高田町所
在玉津稅務署ハ大正十三年十一月突如四
日市稅務署ニ合併セラレタルモ其ノ後ノ
實情ニ徵スルニ眞ニ其ノ目的カ達セラレ
タルヤ否ヤ頻ル疑問ニシテ却テ地方民ノ
蒙ル不利不便洵ニ大ナルモノアリ依テ前
記玉津稅務署ヲ復活セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一九五號
意見書
請願文書表第一一四八號
伊丹稅務署廳舍改築ノ請願兵庫縣
川邊郡伊丹町長松村隆文外二名呈
出(紹介議員蔭山貞吉君)
右請願ノ要旨ハ兵庫縣川邊郡伊丹町所在
伊丹稅務署廳舍ハ伊丹酒造組合ノ特設建
物ヲ借用充用セラレシモノニシテ其ノ建設
以來三十年ヲ閱シ爲ニ現在腐朽シ危險此
ノ上モナク且三田稅務署合併以來甚タシ
ク狹隘ヲ〓ケ衞生上ニモ將亦執務上ニモ
其ノ不便不利言フ可ラス前記廳舍ノ改築
ハ焦眉ノ急務ナリト信ス依テ所要敷地ハ
同町ニ於テ寄附スヘキニ付速ニ前記廳舍
ヲ改築セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一九六號
意見書
請願文書表第一八九一號
濟生會診療機關用地免租ノ請願東
京市芝區赤羽町一番地恩賜財團濟
生會理事長馬淵銳太郞呈出(紹介
議員加藤久米四郞君)
右請願ノ要旨ハ恩賜財團濟生會ハ明治
天皇特別ノ御思召ニ依リ創立セラレタル
モノニシテ施藥救療事業ノ遂行ヲ目的ト
シ毫モ營利ノ目的ヲ有セサルハ言ヲ須タ
サル所ナリ依テ其ノ經營セル病院診療所
ニ使用スル敷地ニ對スル地租竝其ノ他ノ諸
公課ハ之ヲ免除セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一九七號
意見書
請願文書表第六六四號
酒類販賣業免許制度制定ノ請願高
知市堺町三番地川崎斌外三百七十
五名呈出(紹介議員村上紋四郞君)
右請願ノ要旨ハ酒類販賣業ニ在リテハ其
ノ營業ニ何等ノ制限ナク加之近年酒類ハ
〓ネ壜詰トナレル結果取扱簡易ニシテ營
業者ニ非サル一般家庭ニ於テ之カ販賣ヲ
ナシツツアリ爲ニ隨所ニ競爭ヲ生シ不當
ナル競爭ハ不良品ノ跋扈トナリ酒類販賣
業者ハ勿論釀造業者モ其ノ經營ニ苦シム
狀態ナリ依テ酒類販賣業免許制度ヲ制定
セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第一九八號
意見書
請願文書表第一九二五號
自家用濁酒釀造許可ニ關スル請願
千葉縣夷隅郡老川村農會長永島勘
左衞門呈出(紹介議員土屋〓三郞
君)
右請願ノ要旨ハ農民ニ自家用濁酒ノ釀造
ヲ許可スルトキハ密造酒摘發ノ煩勞ヲ省
キ爲政ヲ簡易化シ得ルノミナラス下級農
民ニ慰安ヲ與フル等ノ好影響ヲ推察シ得
ヘシ依テ自家用濁酒ノ釀造ヲ自作農竝小
作農民ニ許可セラレタク若モ不可能ナル
場合ハ酒稅從價率ヲ實施セラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第一九九號
意見書
請願文書表第一四五二號
伊弉諾神社ノ社號ヲ神宮ニ改稱ノ請
願兵庫縣津名郡郡家町北山組千
六百三十二番地ノ一正司梅吉外十
八名呈出(紹介議員立川平君)
右請願ノ要旨ハ兵庫縣津名郡多賀村鎭座
官幣大社伊非諾神社ハ伊弉諾尊ヲ主神ト
シ伊弉冉尊ヲ相殿ニ配祀ス謹ミテ惟ルニ
伊弉諾尊ハ皇國ノ始祖トシテ皇基ヲ定メ
給ヒ其ノ御靈德ノ極メテ廣大無邊ナルコ
トハ申スモ畏キ極ナリ斯ル由〓深キ神社
ニ對シ奉リ現行神社制度最高ノ御稱號タ
ル神宮號ノ御宣下ナキハ洵ニ遺憾ニ堪ヘ
ス依テ前記伊弉諾神社ノ神社號ヲ神宮號
ニ改稱セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二〇〇號
意見書
請願文書表第一三五九號
多賀城神宮創建ニ關スル請願仙臺
市長刀丁七番地官吏半井〓外三名
呈出(紹介議員宮澤〓作君外八名)
右請願ノ要旨ハ宮城縣宮城郡多賀城村多
賀城趾ハ聖武天皇神龜元年按察使兼鎭守
府將軍大野東人夷賊攻禦ノ根據地タリシ
所ニシテ其ノ後後村上天皇未タ親王ニマシ
マセシ時此ノ地ヲ御座所トシテ奧羽二州
ヲ鎭セラレ足利尊氏叛亂ノ師ヲ起セシ際
ニハ北畠顯家同顯信伊達行朝結城宗廣等
ノ忠臣ヲ從ヘサセラレ危險ヲ冐シ奧羽ノ
鎭守ニ任セラレタル地ナリ依テ前記多賀
城後村上天皇御座所趾ニ天皇ヲ主神トシ
前記諸將ノ英靈ヲ左右ニ配列シ官幣社多
賀城神宮ヲ創建セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二〇一號
意見書
請願文書表第一〇二四號
荒川護岸工事速成ノ請願東京市足
立區千住三丁目二十四番地通信記
者關原春重外十二名呈出(紹介議
員佐藤正君)
右請願ノ要旨ハ荒川ニ沿ヘル東京市荒
川、足立、王子ノ各區ハ大震災後人口ノ
增加夥シク急速ナル發展ヲ爲シツツアリ
然ルニ荒川沿岸ノ地域一帶ハ每年十數囘
ニ及フ荒川氾濫ニ因ル水害ノ爲今猶依然
トシテ荒蕪地タルヲ免レサル現狀ニシテ
沿岸地域一帶ノ發展ヲ阻害スルコト多大
ナリ依テ速ニ荒川護岸工事ヲ施行セラレ
タシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二〇三號
意見書
請願文書表第一三一六號
田尻川改修ノ請願宮城縣遠田郡沼
部村長佐々木源五郞外五名呈出
(紹介議員菅原傳君)
右請願ノ要旨ハ宮城縣遠田郡沼部村中央
ヲ貫流スル田尻川ハ河身小ナル爲一朝降
雨アラムカ忽チ氾濫シテ流域一帶ハ泥海
ト化シ農作物ノ收穫皆無ヲ見ルコト屢
ナリ依テ該川就中東北本線下ヨリ江合川
落合迄約二里十八町ノ改修工事ヲ速ニ施
行セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二〇四號
意見書
請願文書表第一九二四號
新宮川治水工事急施ノ請願三重縣
南牟婁郡鵜殿村公吏倉本德之助外
二十名呈出(紹介議員濱田國松君)
右請願ノ要旨ハ新宮川ハ奈良縣ノ山間部
ニ源ヲ發シ三重和歌山ノ兩縣界ヲ貫流シ
テ熊野灘ニ注キ延長百六十一粁ニ及フモ
沿岸一帶ハ森林地帶ナルニ拘ラス洪水氾
濫相次キ土砂流出甚シク沿岸ノ被害甚大
ニシテ產業ノ發展ヲ阻害スル甚シキモノ
アリ依テ新宮川治水工事ヲ急施促進セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二〇五號
意見書
請願文書表第四九四號
風水害地小河川ニ砂防工事施行ノ請
願岡山縣上房郡高梁町長德田蕃
五外十四名呈出(紹介議員則井萬
壽雄君)
同第六一〇號
同上岡山縣眞庭郡勝山町長日亮猷
外七名呈出(紹介議員則井萬壽雄
君)
同第六一一號
同上岡山縣川上郡成羽町長原田龍
右衞門外五名呈出(紹介議員則井
萬壽雄君)
同第六一二號
同上岡山縣眞庭郡落合町長松田貢
外七名呈出(紹介議員則井萬壽雄
君)
右請願ノ要旨ハ風水害地方ノ溪流小河川
ハ豪雨殿風ノ爲水源山岳ノ崩壞セル結果
河水ノ氾濫ト共ニ土砂ノ流失甚シク護岸堤
防ノ破壞河身ノ變化ヲ來シ沿岸住民ノ不
安ヲ惹起シツツアリ而シテ之ヲ單ナル破
損ノ復舊ニ止ムルカ如キ姑息ノ工事ニテ
ハ治水上砂防設備ノ實際ニ適合セサルノ
ミナラス依然河床ノ埋沒ニ因ル河水ノ溢
出ヲ防止スル能ハス依テ政府ハ之等ニ對
シ砂防法ニ依リ砂防工事ヲ速ニ施行セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二〇六號
意見書
請願文書表第四一一號
〓凉飮料水營業取締規則改正ノ請願
豐橋市關屋町三十九番地鈴木吉次
郞外三名呈出(紹介議員大口喜六
君
右請願ノ要旨ハ現行〓凉飮料水營業取締
規則ハ明治三十三年ノ制定ニ係リ其ノ後
四囘ニ亙リ改正セラレタリト雖依然トシ
テ舊態ヲ脫スル能ハス現時ノ業界取締ニ
合致セサル點尠カラサルハ斯業ノ發展上
洵ニ遺憾ニ堪ヘス依テ同規則中第五條第
一項第二項ニ對スル第十二條ノ罰則ノ廢
止其ノ他ニ就キ同規則ヲ適當ニ改正セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二〇七號
意見書
請願文書表第一三六一號
人工甘味質取締規則一部改正ノ請願
東京漬物問屋組合長大野又藏外八
名呈出(紹介議員靑田勝晴君)
右請願ノ要旨ハ漬物ハ我カ國民ノ副食物
トシテ日常不可缺ノモノタルノミナラス
近時海外ニモ輸出セラレ農村副業加工品
トシテ益改善ノ必要ヲ生セリ而シテ多年
ノ技術〓究ト市場販賣ニ於ケル實驗ノ結
果漬物製造ニ「サツカリン」ヲ適量ニ使用
スルトキハ保健衞生上無害ナルノミナラ
ス長期ニ亙リ變質變味ヲ防止シテ該食料
ノ價値ヲ向上シ然モ生產費ヲ低減スルノ
利アルコト立證セラレタリ然ルニ內務
省令タル人工甘味質取締規則カ其ノ使用
ヲ禁止スルハ洵ニ遺憾ニ堪ヘス依テ該規
則ヲ改正シ漬物ニ限リ「サツカリン」一萬
分ノ一ヲ限度トシテ之ヲ使用シ得ル樣除
外例ヲ設定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二〇八號
意見書
請願文書表第一四四〇號
「ヂフテリヤ」患者治療費國庫負擔ニ
關スル請願八戶市大字湊町字州
賀端六番地醫師岩淵謙一外三百三
十四名呈出(紹介議員杉山元治郞
君
右請願ノ要旨ハ現在靑森縣其ノ他凶作地
ニ於テハ「ヂフテリヤ」患者ニ對スル施設
不完全ナル爲窮民ノ小兒ハムザムザ其ノ
生命ヲ奪ハレツツアルノ慘狀ニアリ然モ
營養ノ缺除ト保溫設備ノ不充分ナル結果
益猖獗ヲ極ムルモ之カ應急治療ヲ受ケ得
サルノ狀態ナリ依テ速ニ、ヂフテリヤ」患
者治療費ヲ國庫負擔トセラレタシト謂フ
ニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二〇九號
意見書
請願文書表第一〇一五號
大津河口改修工事促進ノ請願北海
道十勝郡大津村長林勉呈出(紹介
議員小池仁郞君)
右請願ノ要旨ハ北海道十勝郡大津村ハ渺
茫タル太平洋ニ面シ十勝川亦大津港ニ流
下シ舟楫ノ便備ハリ近海ハ魚族豐富ナル
モ沿海波浪荒ク一朝荒天ニ際シテハ避ク
ルニ途ナキ狀態ニ在リ是ヲ以テ昭和七年
度ニ於テ臨時匡救事業トシテ大津河口修
築工事ニ著手セラレタルモ同改修事業ハ
到底少額ノ經費ヲ以テハ其ノ完璧ヲ期シ
難シ依テ一大規模ノ計畫ヲ以テ同事業ヲ
繼續完成セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二一〇號
意見書
請願文書表第一三六〇號
幾春別川治水促進ノ請願北海道空
知郡岩見澤町長高柳廣藏外三名呈
出(紹介議員山本市英君外三名)
右請願ノ要旨ハ北海道空知郡三笠山村ニ
源ヲ發シ同郡岩見澤町ヲ貫流シテ石狩川
ニ注ク幾春別川ノ流域ハ同道稀ナル豐沃
ノ地ナルモ同川ハ險峻ナル幾春別岳ニ源
ヲ發シ御料ノ溪谷ヲ急流シテ幌向原野ニ
至ル關係上降雨ノ際ハ猛烈ナル水量ト爲
リテ沿岸ヲ襲ヒ堤塘ヲ破壞シテ水害ノ厄
ヲ惹起スルコト尠カラス依テ速ニ同川治
水工事ヲ施行セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二一一號
意見書
請願文書表第一六四八號
十勝川治水工事區域延長ノ請願北
海道十勝郡大津村長林勉外二名呈
出(紹介議員小池仁郞君外二名)
右請願ノ要旨ハ北海道十勝川治水工事ハ
現ニ實施中ニ在リト雖其ノ區域ハ上流河
西郡帶廣町宇伏古高臺ヲ基點トシ下流中
川郡豐頃村字茂岩ヲ以テ終點トシ卽本川
中間ノ治水ニシテ其ノ下流ニ及ハサルナ
リ然ルニ茂岩下流ニ於ケル河川ノ狀況ハ
累次水量多キニ從ヒ降雨每ニ氾濫ノ度激
甚ニシテ從テ被害ノ程度盛大トナルヘク
今ヤ之カ治水工事區域延長ノ必要ニ迫レ
ルハ明ナリ依テ十勝川治水工事區域ヲ同
川河口迄延長セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二一三號
意見書
請願文書表第一〇二五號
標茶村ニ製糖工場設置ノ請願北海
道釧路國支廳管內町村長會長子野
日弘毅外三名呈出(紹介議員木下
成太郞君外一名)
同第一〇二六號
同上北海道川上郡標茶村農飯村明
治郞外二百六十五名呈出(紹介議
員木下成太郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ東部北海道殊ニ釧根原野
從來ノ農業經營ハ徒ニ先進地方ノ模倣ニ
過キサリシモ昭和八年北海道廳カ同原野
開發農業經營方針ヲ明示シ甜菜ノ栽培ヲ
奬勵セラレタル結果ハ他地方ヲ凌クノ良
成績ヲ得タリ而シテ川上郡標茶村ハ運輸
交通上ノ要地ニシテ製糖工場設置箇所ト
シテ最適當ナル地ナリ依テ釧根原野開發
振興促進ノ爲同村標茶市街地ニ製糖工場
ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二一五號
意見書
請願文書表第一一四七號
浦河漁港ニ第二期擴張工事施行ノ請
願北海道浦河郡浦河町長荻丹榮
呈出(紹介議員手代木隆吉君外一
名
右請願ノ要旨ハ北海道浦河郡浦河漁港ハ
昭和五年竣工シ同地方漁業發展上多大ノ
利益ヲ齎セルモ尙同港ハ港內面積狹ク水
深ノ淺キ部分アリ加之南北防波堤低キ爲
一旦風浪襲來セムカ忽チ大混亂ヲ來シ衝
突破損等ノ被害尠カラス依テ同港ニ昭和
十年度ニ於テ第二期擴張工事ヲ施行セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二一八號
意見書
請願文書表第一七九九號
大間港修築工事速成ノ請願靑森縣
下北郡大奥村長佐々木吉三郞外十
四名呈出(紹介議員工藤鐵男君)
右請願ノ要旨ハ靑森縣下北郡大奥村大間
港ハ本州北海道間最短ノ連絡地點ニシテ
水陸交通產業上ノ要地タルノミナラス國
防上亦重大意義ヲ有スルノ地タリ然ルニ
同港ハ港內狹隘ニシテ幾多船舶ノ繋留ニ
至難ナリ依テ政府ハ前記大間港ノ修築工
事ヲ實施速成セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依デ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二二〇號
意見書
請願文書表第一八三七號
產業技術員身分保證ニ關スル請願
福島郡西白河郡矢吹町須藤利治外
百三名呈出(紹介議員林平馬君)
右請願ノ要旨ハ農村指導ノ重任ニ携ハル
產業技術員ハ現下疲弊ノ極ニ達セル農村
經濟更生ノ爲日夜奔走努力シツツアルニ
拘ラス身分保證ナキ爲積年ノ疲弊ニ依ル
俸給不拂ハ甚シキハ十箇月以上ニ及ヒ生
活頗ル不安ニシテ延テハ充分ナル活動ヲ
ナシ能ハサル現狀ナリ依テ產業技術員ノ
生活安定身分保證ノ方策ヲ講セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二二二號
意見書
請願文書表第一四六五號
時局匡救水產施設實施繼續ノ請願
茨城縣多賀郡平潟町漁業組合長鈴
木多吉外十名呈出(紹介議員中井
川浩君)
右請願ノ要旨ハ政府ハ時局匡救事業ヲ明
年度ヨリ廢止セムトスルヤニ仄聞スルモ
若果シテ然リトセハ廢止ノ爲事業ハ中止
トナルヘク特ニ農村ト不離ノ關係ニ在ル
漁村振興上甚遺憾ニシテ刻下ノ急務ハ小
漁業者ヨリ大漁業ニ普及徹底セシムルニ
非サレハ振興ノ目的ハ期スヘカラスト信
ス依テ從來ノ水產施設實施ヲ有效ナラシ
ムル爲本事業ヲ繼續セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二二三號
意見書
請願文書表第一六三五號
沿岸漁業振興ニ關スル請願東京市
赤坂區溜池町一番地三會堂內帝國
水產會長子爵野村益三呈出(紹介
議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ沿岸漁業ハ我カ國水產業
ノ樞軸ニシテ漁村存立ノ基礎タリ然ルニ
輓近沿岸漁場ノ荒廢ニ伴ヒ漁村ノ窮乏甚
シキ實狀ナリ依テ速ニ沿岸漁業振興ノ爲
一、専用漁業ノ擴張充實二、定置漁業
ノ整理統制三、全國的ニ漁礁ノ築設
四、稚魚稚介ノ濫獲防止就中重要ナルモ
ノニ就キ保護法制定五、機船底曳網漁
業ノ取締徹底六、游漁取締ニ關スル法
律制定七、漁業組合ノ共同施設ニ對ス
ル助成擴張八、郡市水產會ノ活動助成
等ノ對策ヲ實施セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二二四號
意見書
請願文書表第一六三六號
漁村金融改善ニ關スル請願東京市
赤坂區溜池町一番地三會堂內帝國
水產會長子爵野村益三呈出(紹介
議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ政府ハ曩ニ漁業組合制度
ヲ改正シ漁村經濟更生計畫ノ確立ヲ期ス
ル所アリタルモ漁業組合ニ對スル金融施
設ニ至リテハ未タ殆ト改善セラルル所ナ
キハ洵ニ遺憾ニ堪ヘス依テ漁業組合中央
金庫ヲ創設シ漁業資金融通ノ圓滑ヲ期ス
ルト共ニ右實現ニ至ル迄低利資金融通額
ヲ增加シ且貸出方法ヲ改メテ簡易ニ融通
スル等適當ノ對策ヲ實施セラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二二五號
意見書
請願文書表第一六三七號
漁村指導機關整備ニ關スル請願東
京市赤坂區溜池町一番地三會堂内
帝國水產會長子爵野村益三呈出
(紹介議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ漁村經濟ノ更生改善ヲ圖
ルニハ之カ指導機關ノ整備充實ヲ以テ其
ノ根本條件ナリト信ス依テ速ニ中央及地
方ニ於ケル指導機關ヲ充實セラレ併セテ
全國漁村ニ相當ノ指導者ヲ配置セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請顳特別報〓第二二六號
意見書
請願文書表第一六三八號
漁船保險制度創設ノ請願東京市赤
坂區溜池町一番地三會堂內帝國水
產會長子爵野村益三呈出(紹介議
員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ漁船ハ漁業上ノ基本設備
ニシテ又漁業者ノ主要財產タリ故ニ之カ
經濟價値ヲ保全シ更ニ進テ其ノ資金化ヲ
圖ルハ斯業ニ安全性ヲ與フル所以ナルノ
ミナラス水產金融ノ改善ニ資スル所多大
ナリト信ス依テ速ニ國庫補助ニ依ル漁船
保險制度ヲ創設セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二二七號
意見書
請願文書表第一三六九號
水質汚濁防止ニ關スル請願東京市
赤坂區溜池町一番地三會堂內帝國
水產會長子爵野村益三呈出(紹介
議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ輓近ニ於ケル鑛業及工業
等ノ急速ナル發展ノ結果湖海河川ニ於ケ
ル水質ハ汚濁セラレ爲ニ水族ノ蕃殖ヲ阻
害シ漁場ヲ荒廢セシメ延テハ漁村ヲ窮乏
ニ陷ラシメントシツツアリ就中船舶往來
ノ頻繁ナル港灣內ニ於テハ油類ニ因ル水
產物ノ被害甚大ナルモノアリ依テ速ニ水
質汚濁防止ニ必要ナル立法其ノ他適當ノ
施設ヲ行ヒ這般ノ慘害ヲ一掃セラレタシ
ト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二二八號
意見書
請願文書表第一六四〇號
海洋調査機關擴充整備ニ關スル請願
東京市赤坂區溜池町一番地三會堂
內帝國水產會長子爵野村益三呈出
(紹介議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ海洋調査事業ハ本邦ノ如
キ海國ニ在リテハ獨リ海事水產上必要缺
クヘカラサルノミナラス農林產業其ノ他
ニ關係スル所甚大ナリト信ス依テ現在ノ
農林省水產試驗場海洋調査部ヲ擴大充實
セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二二九號
意見書
請願文書表第一六四一號
水產會法改正ニ關スル請願東京市
赤坂區溜池町一番地三會堂内帝國
水產會長野村益三呈出(紹介議員
小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ現行水產會法ハ制定以來
十餘年ヲ經過シ系統水產會制度ノ運營上
改善ヲ要スルモノアリト信ス依テ速ニ同
法ノ改正ヲ決行セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二三〇號
意見書
請願文書表第一六四二號
水產會技術員助成費增加ノ請願東
京市赤坂區溜池町一番地三會堂內
帝國水產會長子爵野村益三呈出
(紹介議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ政府ハ昭和九年度ヨリ郡
市水產會技術員設置ニ對シテ助成ノ途ヲ
開カレタリト雖其ノ助成費ノ過少ナルハ
斯業ノ指導上頗ル遺憾ニシテ近時地方費
節約ノ爲郡駐在ノ水產技術員ヲ本廳ニ引
上ケシメタル地方アルヲ聞クハ漁村指導
上全ク時代ニ逆行セルノ措置ナリト信ス
依テ速ニ水產會技術員助成費ヲ增加セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三一號
意見書
請願文書表第一六四三號
北洋及南洋漁業ノ統制振興ニ關スル
請願東京市赤坂區溜池町一番地
三會堂內帝國水產會長子俘野村益
三呈出(紹介議員小池仁郞君外一
名
右請願ノ要旨ハ北洋漁業ハ我カ水產業ノ
一大勢力ニシテ南方漁業亦漸ク將來ノ進
展ヲ期待シ得ヘク從テ之カ統制ノ必要ア
リト信ス依テ政府ハ北洋漁業ニ在リテハ
前進根據地ヲ設定スルト共ニ經營統制ノ
對策ヲ確立セラレタク又南方漁業ニ在リ
テハ前進根據地ノ設定ト共ニ鰹節ノ產出
增加ニ伴フ內地市場ニ於ケル調節ヲ圖ル
等內外斯業ノ結制ヲ實施セラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三二號
意見書
請願文書表第一六四四號
水產國策審議會設置ノ請願東京市
赤坂區溜池町一番地三會堂內帝國
水產會長子爵野村益三呈出(紹介
議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ今ヤ内外諸般ノ情勢ニ鑑
ミ水產ニ關スル現在ノ施設ヲ檢討スルノ
ミナラス將來ニ對スル國策ヲ確立スルノ
甚タ急ナルモノアリト信ス依テ速ニ水產
國策審議會ヲ設置セラレ水產國策一般ノ
樹立ニ資スルト共ニ重要條件ノ諮問機關
タラシメラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三三號
意見書
請願文書表第一六四五號
鰮ノ生棲及蕃殖狀態調査ニ關スル請
願東京市赤坂區溜池町一番地三
會堂內帝國水產會長子爵野村益三
呈出(紹介議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ鰮ハ本邦ニ於ケル重要水
族ニシテ其ノ漁獲ハ全國的ニ行ハルルニ
拘ラス其ノ生棲及蕃殖狀態ニ關シテ詳ナ
ル調査資料ノ未タ存セサルハ甚タ遺憾ト
スル所ナリ依テ速ニ之カ根本的調査ヲ遂
行セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二三四號
意見書
請願文書表第一六四六號
災害復舊助成均霑ニ關スル請願東
京市赤坂區溜池町一番地三會堂內
帝國水產會長子爵野村益三呈出
(紹介議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ風水害其ノ他各地災害ノ
復舊助成ニ關シテ政府ハ夫夫相當ノ施設
ヲ講セラレサルニ非スト雖其ノ實施上遺
憾ノ點尠カラス依テ被害者カ之ニ均霑シ
得ル樣適當ノ措置ヲ講セラレタシト謂フ
元子町
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三五號
意見書
請願文書表第一六四七號
堰堤ニ魚道設置勵行ノ請願東京市
赤坂區溜池町一番地三會堂内帝國
水產會長子爵野村益三呈出(紹介
議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ水利事業ノ爲堰堤ヲ設置
スル場合ニハ相當ノ魚道ヲ設置セシムヘ
キハ河川漁業保護上極メテ當然ナルニ拘
ラス流域カ二府縣以上ニ跨ル場合下流ノ
府縣ニ於テ堰堤ヲ設置スル場合魚道ノ設
置ヲ怠リ爲ニ上流府縣ニ於ケル漁業者ヲ
困苦ニ陷ラシムル事態ヲ生セシムルハ誠
ニ遺憾ニ堪エス依テ堰堤ヲ設置スル河川
ニ就テハ必ス魚道ヲ設置セシムル樣適當
ノ措置ヲ講セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三六號
意見書
請願文書表第一六六〇號
產馬用地トシテ國有林野一部開放ノ
請願茨城縣久慈郡賀美村長佐川
忠外十一名呈出(紹介議員山崎猛
君
右請願ノ要旨ハ馬匹ハ軍事上將又有畜農
業經營上缺クヘカラサル重要性ヲ有シ之
カ優良化及增產ニ就テハ政府民間共力ヲ
盡セルニ拘ラス農山村ノ產馬ハ年年減少
シツツアル憂慮スヘキ現狀ナリ而シテ之
カ主タル原因ハ明治初年地租改正ニ當リ
從來山村民カ利用シタル林野ヲ國有林ニ
編入シタル結果馬匹ノ優良生產上有效ナ
ル放牧不可能ト爲リタルニ因ルモノト信
ス依テ政府ハ農山村匡救ノ爲產馬地方ニ
對シ國有林野法ノ特例ヲ定メ生產用馬匹
ノ放牧地トシテ適地ヲ開放セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三七號
意見書
請願文書表第一三五七號
裝蹄師法制定ノ請願東京市赤坂區
靑山南町五丁目四十五番地内村兵
藏呈出(紹介議員植原悅二郞君)
右請願ノ要旨ハ現行蹄錢工免許規則ハ單
ナル免許手續ニシテ明治二十三年制定以
來旣ニ四十五年ヲ經過シ現代ノ情勢ニ適
合セサル點極メテ多シ而シテ獸醫師法制
定後ノ今日其ノ業務上最密接ナル關係ヲ
有スル裝蹄業ニ關シテモ時代ニ順應セル
法制ヲ布クハ最必要ナリト信ス依テ速ニ
裝蹄師法ヲ制定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三八號
意見書
請顳文書表第一五九號
震災保險法制定ノ請願和歌山市長
渡邊行太郞呈出(紹介議員木本主
一郞君外一名)
同第一八九號
同上德島縣海部郡淺川村農池內定
藏呈出(紹介議員紅露昭君外一名)
同第一九八號
同上長野市長藤井伊右衞門呈出
(紹介議員松本忠雄君)
同第四五一號
同上長野市若松町公吏藤井伊右衞
門呈出(紹介議員山本愼平君)
同第五三八號
同上德島縣海部郡牟岐町長冨田加
久三外十三名呈出(紹介議員紅露
昭君外一名)
同第五三九號
同上德島縣海部郡川西村大字中山
字丸山七番地農西田隆喜外七名呈
出(紹介議員紅露昭君外一名)
同第五四〇號
同上德島縣海部郡淺川村長廣畠福
太郞外四名呈出(紹介議員紅露昭
君外一名)
同第五四一號
同上德島縣海部郡宍喰町大字日比
原十番屋敷公吏川島龜雄外六名呈
出(紹介議員紅露昭君外一名)
同第六四九號
同上德島縣海部郡木頭村大字南宇
字カゲ四十四番地公吏蔭原留太外
六名呈出(紹介議員紅露昭君外一
名
同第八六六號
同上高知縣安藝郡甲浦町大字河內
公吏小川好〓外三十九名呈出給
介議員谷原公君外一名)
同第一四五四號
同上德島縣海部郡三岐田町長橋本
健作呈出(紹介議員谷原公君外一
名)
同第一四五五號
同上德島縣海部郡上木頭村農日裏
佳夫外三十七名呈出(紹介議員紅
露昭君外一名)
右請願ノ要旨ハ現行制度ニ於テハ震災事
故ハ多ク保險セラレス偶保險スルモ保險
料高率ニ過キテ庶民之ヲ利用スル能ハス
爲ニ一旦震災ニ遇ハムカ國民ハ自力更生
ノ資ヲ全ク喪フノ現狀ニ在リ依テ政府ハ
地震ヨリ生スル直接ノ損害竝地震ニ原因
シテ發生スル火災及津浪ニ伴フ損害ヲ保
險スル爲國營震災損害俣險法ヲ制定セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二三九號
意見書
請願文書表第一〇一六號
大津村字生花苗ニ郵便局設置ノ請願
北海道十勝郡大津村長林勉呈出
(紹介議員小池仁郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ北海道十勝郡大津村大字
當緣村字生花苗ハ近時著々拓殖進展セル
モ同部落ニハ郵便局ノ設置ナク最寄郵便
局ヘハ孰レモ八里以上ヲ隔ツル爲部落民
ノ不便不利尠カラス依テ前記生花苗ニ生
花苗、湧洞ヲ集配區域トスル三等郵便局
ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二四〇號
意見書
請願文書表第一六二三號
都賀行村ニ郵便局設置ノ請願島根
縣邑智郡都賀行村長田邊茂人呈出
(紹介議員眞鍋儀十君)
右請願ノ要旨ハ島根縣邑智郡都賀行村ハ
人口約二千ヲ算シ近時交通通信頻繁ヲ極
ムルニ至レルモ同村ニハ郵便局ノ設置ナ
ク最寄郵便局遠隔ナル爲通信上同村民ノ
不利不便尠カラス依テ前記都賀行村ニ郵
便局ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二四一號
意見書
請願文書表第一一一〇號
小倉村ニ三等郵便局設ノノ願願長
野縣南安曇郡小倉村二千三百三十
一番地公吏降幡數太郞呈出(紹介
議員植原悅二郞君)
右請願ノ要旨ハ長野縣南安曇郡小倉村ハ
日本アルプス山麓ニ位スル僻地ナルモ大
正八年國有林豫約開墾拂下ト同時ニ移住
者激增シ通信利用關係繁多トナレリ然ル
ニ同村ニハ郵便局ノ設置ナク最寄郵便局
遠隔ナル爲村民ノ不利不便尠カラス依テ
同村字小倉ニ三等郵便局ヲ設置セラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二四二號
意見書
請願文書表第一四〇三號
羽地村大字饒平名ニ三等郵便局設置
ノ請願沖繩縣國頭郡羽地村長平
良政男外四十二名呈出(紹介議員
花城永渡君)
右請願ノ要旨ハ沖繩縣國頭郡羽地村屋我
地島ハ羽地郵便局ヲ距ル一一海里ノ島嶼ニ
シテ人口三千餘學校病院產業組合等アリ
テ優ニ一村ヲ爲スノ狀態ナルモ通信機關
ノ設置ナキ爲島民ノ蒙ル不利不便甚大ナ
ルモノアリ依テ同島內大字饒平名ニ三等
郵便局ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請師特別報告第二四三號
意見書
請願文書表第一六三一號
三澤村ニ郵便取扱所設置ノ請願島
根縣仁多郡三澤村長景山重義外十
一名呈出(紹介議員櫻內幸雄君)
右請願ノ要旨ハ島根縣仁多郡三澤村ハ物
貨ノ集散地ニシテ商取引上通信利用關係
增加セルモ同村ニハ通信機關ノ設置ナキ
爲村民ノ不利不便尠カラス依テ速ニ同村
ニ郵便取扱所ヲ設置セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二四四號
意見書
請願文書表第一一〇九號
莊內郵便局ニ集配事務開始ノ請願
香川縣三豐郡莊内村長高城荒吉外
十三名呈出(紹介議員山下谷次君)
右請願ノ要旨ハ香川縣三豐郡莊內村ハ人
口六千餘ヲ算シ商取引盛ニシテ近時通信
利用關係頗ル增加セルモ同村所在莊內郵
便局ハ無集配局ニ屬シ管轄集配局ヘハ二
里以上ヲ隔ツル爲郵便物ノ遲著ヲ免レス
村民ノ不便不利甚大ナリ依テ前記莊內局ニ
集配事務ヲ開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二四五號
意見書
請願文書表第一四五六號
深川郵便局ニ集配事務開始ノ請願
滋賀縣甲賀郡寺庄村大字深川第二
千五十三番地賣藥商吉田万二郞
外十一名呈出(紹介議員服部岩吉
君
右請願ノ要旨ハ滋賀縣甲賀郡寺庄、南柚、
龍池ノ三箇村ハ近時著シク發展シ通信利
用關係激增セルモ前記三箇村ヲ集配區域
トスル寺庄郵便局ハ三箇村ノ東隅ニ偏在
スル爲前記各村民ノ不利不便尠カラス依
テ前記各村ノ中央ニ位シ草津線深川驛ヨ
リ近距離ニ在ル寺庄村所在深川郵便局ニ
集配事務ヲ開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二四六號
意見書
請願文書表第一四三七號
在所郵便局ニ集配竝電信電話事務開
始ノ請願高知縣香美郡在所村大
字蕨野百四十三番地岡村三省呈出
(紹介議員田村實君)
右請願ノ要旨ハ高知縣香美郡在所村所在
在所郵便局ハ無集配局ニ屬スル爲村民ノ
不利不便尠カラス依テ昭和十年度ニ於テ
前記在所郵便局ニ集配竝電信電話事務ヲ
開始セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二四七號
意見書
請願文書表第八三六號
大野町西谷村間ニ電信電話架設ノ請
願福井縣大野郡西谷村長圓法圓
次郞呈出(紹介議員猪野毛利榮君)
右請願ノ要旨ハ福井縣大野郡西谷村ハ越
美ノ國境ニ位スル僻地ナルヲ以テ交通極
メテ不便ニシテ冬期積雪ノ候ハ交通杜絕
スルコト少ナカラス村民ノ不利不便大ナ
ルモノアリ依テ同村ニ於テハ應分ノ寄附
ヲ爲スヘキニ付同郡大野町トノ間ニ速ニ
電話ヲ架設セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二四八號
意見書
請願文書表第一六四九號
北千島ニ郡司大尉ノ名ヲ冠シタル燈
臺設置ノ請願東京市赤坂區溜池
町一番地三會堂內帝國水產會長子
爵野村益三外三名呈出(紹介議員
八角三郞君)
右請願ノ要旨ハ故海軍大尉郡司成忠氏ハ
明治初年ヨリ北洋開拓ニ志シ多大ノ犠牲
ヲ拂ヒ眞ニ言語ニ絕スル苦鬪ヲ續ケ千島
開發ニ從事シ今日見ル如キ北洋資源開發
隆盛ノ基ヲ築ケリ依テ其ノ功績ヲ永遠ニ記
念スル爲北千島ニ建設セラルヘキ燈臺ニ「郡
司」ノ名ヲ冠セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二四九號
意見書
請願文書表第一八九三號
新潟北鮮間航路優秀船就航ノ請願
新潟縣南蒲原郡加茂町大字加茂六
百三番地農田下政治外二名呈出
(紹介議員大竹貫一君外一名)
右請願ノ要旨ハ新潟北鮮間ノ航路ハ日滿
連絡上極メテ重要ナル航路ナルヲ以テ最
優秀ナル汽船ヲ就航セシムルニ非サレハ
其ノ重要性ヲ減殺シ兩國國第遂行ヲ阻害
スルモノト信ス然ルニ現在ノ就航船ハ到
底此ノ大任務ヲ果シ得サル貧弱船ナルハ
遺憾ニ堪ヘス依テ此ノ際補助條件ヲ三千
噸十五浬以上ノ優秀船トシ且大連汽船ニ
就航ヲ許可セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二五〇號
意見書
請願文書表第六八九號
朝鮮ニ參政權實施ノ請願神戶市林
田區日吉町四丁目四十四番屋敷韓
仁敬外百二十名呈出(紹介議員朴
春琴君)
右請願ノ要旨ハ近時朝鮮ハ文化著シク發
達シ社會百般ノ制度亦備ハリタルヲ以テ
之ニ參政權ヲ施行シ內鮮同胞ノ融合ニ資
スルハ最必要ナリト信ス依テ朝鮮ニ參政
權ヲ實施セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二五一號
意見書
請願文書表第一八三六號
舊韓國將校竝相當官及准士官ニ扶助
金下賜ノ請願朝鮮京畿道高陽郡
漢芝面下往十里八百九十一番地玄
暎運外二百二十四名呈出(紹介議
員塩月學君)
右請願ノ要旨ハ舊韓國ノ法令ニ依リ終身
官職ヲ保有シ俸祿ヲ享クヘク保障ヲ與ヘ
ラレタル舊韓國陸軍將校ハ自身ノ事情若
ハ罪過ニ因ルニ非スシテ國政ノ運用上必要
ナル政策トシテ隆熙元年(明治四十年)軍
隊解散ニ依リ官職ヲ失ヒ其ノ後日韓併合
トナリタルモ何等ノ保護惠澤ニ浴スルヲ
得ス爲ニ數十年間軍務ニ服シ一般世事ニ
疎キ舊韓國軍人ハ容易ニ就職ノ途ヲ得難
ク生活上甚シク困憊シツツアリ依テ右失
職舊韓國時代ノ陸軍將校竝相當官及准士
官ニ對シ其ノ生活ヲ支フルニ足ル扶助金
ヲ一時若ハ年金ヲ以テ支給セラレタシト
謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二五五號
意見書
請願文書表第八六四號
加美村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
岡山縣久米郡加美村長池上眞通呈
出(紹介議員久山知之君外一名)
右請願ノ要旨ハ岡山縣久米郡加美村地方
ハ近時交通產業ノ發達ニ伴ヒ登記事件增
加ノ傾向ニ在ルモ登記所ノ設置ナキ爲同
地方住民ノ不利不便甚大ナルモノアリ依
テ久米郡ノ中心地タル加美村ニ津山區裁
判所ノ出張所ヲ設置セラレタシト謂フニ
在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二五六號
意見書
請願文書表第八六五號
日美村大字美袋ニ區裁判所出張所設
置ノ請願岡山縣吉備郡日美村長
岡本國瓶外三名呈出(紹介議員則
井萬壽雄君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣吉備郡日美、水內、
下倉、富山ノ四箇村ハ高梁區裁判所ノ管
〓ニ屬スルモ距離遠隔ナルヲ以テ登記事
務上前記村民ノ不利不便尠カラス依テ前
記四箇村ノ中央部ニ位スル日美村大字美
袋地内ニ高梁區裁判所ノ出張所ヲ設置セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二五七號
意見書
請願文書表第一四四三號
遠輕町ニ區裁判所出張所設置ノ請願
北海道紋別郡遠輕町市街地二百三
十四番地公吏國上國太郞外二百八
十八名呈出(紹介議員尾崎天風君)
右請願ノ要旨ハ北海道紋別郡遠輕町ハ石
北線開通ニ伴ヒ異常ナル發展ヲ爲シ登記
事件激增セルモ同町ハ隣村上湧別登記所
ノ管轄ニ屬スル爲同町中白瀧方面ノ者ハ
三日乃至四日ヲ費ササレハ登記ヲ爲ス能
ハサル狀態ニシテ其ノ不利不便甚大ナル
モノアリ依テ前記遠輕町ニ同町及同郡生
田原村ヲ管轄區域トスル野付牛區裁判所
ノ出張所ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二五八號
意見書
請願文書表第一四六四號
士幌村ニ區裁判所出張所設置ノ請願
北海道河東郡士幌村長野澤文治呈
出(紹介議員小池仁郞尹石)
右請願ノ要旨ハ北海道河東郡士幌村ハ近
時拓殖ノ進展ト移住民ノ增加トニ因リ登
記事件激增セルモ同村ニハ登記所ノ設置
ナク帶廣區裁判所ノ管轄區域ニ關シ同區
裁判所迄ノ距離遠隔ナル爲登記事務上村
民ノ不利不便尠カラス依テ速ニ前記士幌
村字士幌市街地ニ帶廣區裁判所ノ出張所
ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別冊及御送付候也
請願特別報告第二五九號
意見書
請願文書表第一七九六號
江ノ浦村外二箇村ヲ長崎區裁判所管
轄ニ變更ノ請願長崎縣北高來郡
江ノ浦村長中川與平太外二名呈
出(紹介議員中川觀秀君)
右請願ノ要旨ハモト長崎區裁判所ノ管轄
ニ屬セシ長崎縣北高來郡江ノ浦、田結、
戶石ノ三村ハ昭和八年二月ヨリ復活セラ
レタル東彼杵郡大村町所在大村區裁判所
ノ管轄ニ屬スルモ同區裁判所ハ距離遠隔
交通不便ナル爲前記村民ノ蒙ル不利不便
尠カラス依テ前記三箇村ヲ交通利便ニシ
テ且關係多キ長崎市所在長崎區裁判所ノ
管轄ニ變更セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二六〇號
意見書
請願文書表第一六五五號
高知刑務所移轉ニ關スル請願高知
市長村上〓外一名呈出(紹介議員
川淵洽馬君)
右請願ノ要旨ハ高知刑務所ハ高知市創始
ノ際諸般ノ施設經營未タ其ノ〓ヲ得サリ
シニ當リ臨機必要ニ迫ラレ現位置ニ設置
セラレタルモノナルカ環境ノ推移ハ自ラ
同市ノ四通八達ヲ阻害スル夥シキノミナ
ラス同市ノ中央ニ在リテ高知公園ニ隣接
セルヲ以テ一般風〓上竝行刑上遺憾ノ點
尠カラス依テ振興發展ノ期ニ當來セル高
知市將來ノ爲前記刑務所ヲ他ニ移轉セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六一號
意見書
請願文書表第一四六七號
刑務所ニ於ケル武道具製造販賣廢止
ニ關スル請願東京市四谷區麩町
十三丁目五番地商齋藤平次郞外六
名呈出(紹介議員斯波貞吉君)
右請願ノ要旨ハ全國各地ノ刑務所ニ於テ
ハ盛ニ武道具ヲ製造販賣シ漸次民業ノ顧
客ヲ蠶食シツツアルモ斯業ハ融通性乏シ
キ技術ナル爲民間業者ハ營業休止モ已ム
ヲ得サルノ慘狀ニ至リツツアリ依テ刑務
所ニ於ケル武道具ノ製造販賣ハ之ヲ廢止
セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請軸特別報告第二六二號
意見書
請願文書表第七五六號
皇子空也上人御墳墓確定ニ關スル請
願福島縣河沼郡堂島村大字廣野
甲八百六十六番地農佐藤多藏外四
名呈出(紹介議員八田宗吉君)
右請願ノ要旨ハ醍醐天皇第二ノ皇子ニマ
シマシ天祿三年九月十一日御齡七十歲ニ
テ御遷化アラセラレタル空也上人ノ御墳
墓ハ福島縣河沼郡堂島村大字廣野所在ノ
御墳墓ナルコト文獻史實ニ照シテ確實ナ
リト信ス依テ右御墳墓ヲ皇子空也上人御
墳墓ト確定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六四號
意見書
請願文書表第一二一八號
倉敷、新見兩驛間ニ「ガソリンカーㄴ
運轉開始ノ請願倉敷市長平松俊
太郞外二名呈出(紹介議員則井萬
壽雄君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣阿哲郡新見町地方
ハ近時異常ナル發展ヲ爲シ交通運輸量頓
ニ增加セルモ新見町ニ於ケル伯備線列車
ノ發著時間ハ二時間乃至三時間ニ及フ爲
該地方民ノ不利不便甚大ナリ依テ倉敷、
新見兩驛間ニ列車發著ノ間合ニ「ガソリ
ンカー」ノ運轉ヲ開始セラレタシト謂フ
ニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六五號
意見書
請願文書表第一二二一號
高梁ヨリ地頭及田原ニ至ル區間ニ省
營「バス」運輸開始ノ請願岡山縣
川上郡成羽町長原田龍右衞門外十
五名呈出(紹介議員則井萬壽雄君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣伯備線高梁驛ヨリ
川上郡成羽町ヲ經由シ手莊村大字地頭及
中村宇田原ニ至ル區間ニ省營「バス」ノ運
輸ヲ開始スルハ川上郡ノ交通產業開發上
最必要ナリト信ス依テ前記區間ニ省營「バ
スレノ運輸ヲ開始セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六六號
意見書
請願文書表第一七九五號
熊野中邊路省營自動車運輸開始ノ請
願和歌山縣西牟婁郡朝來村長菅
根卵之助外百四十八名呈出(紹介
議員沼田嘉一郞君外一名)
右請願ノ要旨ハ和歌山縣熊野地方ハ神武
天皇御東征以來幾多ノ史蹟ヲ有スルモ未
タ交通ノ便開ケス最近纔ニ民營自動車ノ
通スルアリト雖道路險惡且料金高率ノ爲
一般民衆ノ利スル所甚タ少ナキ狀態ニ在
リ依テ西牟婁郡朝來村附近ヨリ同郡鮎川
栗栖川近野ノ各村ヲ經テ東牟婁郡本宮村
方面ニ至ル熊野中邊路ニ省營自動車運輸
ヲ開始シ以テ同地方產業文化ノ開發ニ資
セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六七號
意見書
請願文書表第一七九八號
山本、豐濱間ニ省營自動車運輸開始
ノ請願香川縣三豐郡豐濱町長藤
村修外二十五名呈出(紹介議員山
下谷次君)
右請願ノ要旨ハ香川縣三豐郡辻村字山本
ヨリ同郡豐濱町ニ至ル地方ハ人家稠密ニ
シテ產業發達シ名所舊跡亦多ク交通極メ
テ頻繁ナリ依テ前記山本、豐濱間ニ省營
自動車運輸ヲ開始セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六八號
意見書
請願文書表第一二一九號
宍粟驛驛名變更ニ關スル請願岡山
縣吉備郡池田村長角野要平呈出
(紹介議員則井萬壽雄君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣吉備郡伯備線宍粟
驛ヲ距ル約二里ノ地點ニ在ル勝地「豪溪」
ハ大正十二年天然記念物保存法ニ依リ名
勝地トシテ指定セラレ探勝者ノ前記宍粟
驛ヲ乘降スル者多數ナルモ順路驛タル前
記宍粟(シサワ)ヲ穴栗(アナグリ)驛ト誤
讀スル爲他ノ驛ニ下車シテ空シク時間ヲ
經過スル等探勝者ノ不利不便尠カラス依
テ前記「宍粟驛」ヲ「豪溪驛」ト改稱セラレ
タシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二六九號
意見書
請願文書表第一八三五號
漬物類鐵道運賃輕減ニ關スル請願
大阪市西區北堀江三番町四十四番
地堀田嘉四郞外八名呈出(紹介議
員靑田勝晴君)
右請願ノ要旨ハ昭和九年十月二十四日附
鐵道省告示ヲ以テ漬物用蔬菜類ノ鐵道運
賃カ一級減セラレタルハ漬物カ農村ノ副
產物ニシテ國民大衆ノ必需品タル關係上
洵ニ當ヲ得タル措置ト信スルモ未タ之カ
加工タル漬物類運賃ノ輕減ヲ見サルハ遺
憾ニ堪ヘス依テ農家救濟竝生產物ノ廉價
販賣ヲ可能ナラシムル爲漬物類ノ鐵道運
賃モ適當ニ輕減セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二七〇號
意見書
請願文書表第一六五〇號
德島港ニ船車聯帶運輸實施ノ請願
徳島市沖洲町字北屋敷百二十二番
地富永正衞外三十二名呈出(紹介
議員紅露昭君外六名)
右請願ノ要旨ハ德島港ハ阪神地方ヲ控エ
貨客ノ出入著シク尙鐵道及港修築工事ノ
漸次完成セムトスルニ從ヒ同港經由ノ貨
客激增スヘキハ明ナリ然ルニ船車聯帶運
輸ノ實施ヲ見サル爲同運輸ノ契約アル他
ノ港灣ニ比シ多額ノ運賃ヲ支拂ヒツツア
リ依テ德島港ニ於テ鐵道省ト汽船業者ト
ノ間ニ聯帶運輸ノ契約ヲ締結シ以テ四國
鐵道ト本土鐵道トノ粁程ヲ通算シ長距離
運賃遞減法適用ノ恩惠ニ浴セシメラレタ
シト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二七一號
意見書
請願文書表第一六五一號
德島、高知間直通列車運轉ニ關スル
請願德島市沖洲町字北屋敷百二
十二番地富永正衞外三十二名呈出
(紹介議員秋田〓君外六名)
右請願ノ要旨ハ德島縣ト高知縣トハ諸種
ノ關係ニ依リ交通頻繁ニシテ鐵道土讃線
ノ開通竝阿土海岸線ノ延長敷設トニ依リ
益其ノ數ヲ增加スヘキハ豫想ニ難カラス
依テ土讚線開通ト同時ニ高知、德島間ニ
列車ノ直通運轉ヲ開始セラレタシト謂フ
五世
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二七二號
意見書
請願文書表第一二二〇號
阿久根町大字大川ニ簡易停車場設置
ノ請願鹿兒島縣出水郡阿久根町
長楠田正義外二十九名呈出(紹介
議員天辰正守君)
右請願ノ要旨ハ鹿兒島縣出水郡鹿兒島本
線牛ノ濱、西方兩驛間ニ在ル阿久根町大
字大川ハ人口約七千ノ大部落ニシテ逐年
發展ノ趨勢ニ在ルモ前記兩驛ヨリ各二哩
餘ノ中間ニ介在スル爲交通上部落民ノ不便
甚大ナリ依テ前記大字大川的場附近ニ簡
易停車場ヲ設置セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二七三號
意見書
請願文書表第一四一四號
中洲村大字酒津ニ季節假停車場設置
ノ請願岡山縣都窪郡中洲村長三
宅平十郞呈出(紹介議員則井萬壽
雄君)
右請願ノ要旨ハ岡山縣都窪郡中洲村大字
酒津ハ伯備線ニ沿ヒ倉敷驛ノ北方二粁半
ニ位シ附近ニハ千餘萬圓ノ巨費ト十數年
ノ長年月トヲ費シテ完成シ雄大ナル一大
遊園地ヲ形成スル高梁川堤塘及同堤塘上
ノ櫻樹等ノ名勝多ク近時四月ヨリ九月ニ
至ル半歲ノ間ハ遊覽客相踵キ混雜ヲ極ム
ルニ至レリ依テ前記酒津ニ季節假停車場
ヲ設置シ以テ同地方交通ノ利便ニ資セラ
レタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二七四號
意見書
請願文書表第一九一一號
仙鐵管內地方鐵道竝軌道補助救濟ノ
請願新潟市上大川前通五番町八
十四番地新潟電鐵株式會社專務取
締役奧山龜藏外二十一名呈出紹
介議員菅原傳君外七名)
右請願ノ要旨ハ仙鐵管內ニ於ケル地方鐵
道竝軌道ハ冬期降雪ニ際シ多額ノ除雪費
及運轉休止ニ依ル損害其ノ他融雪後ニ於
ケル保存費ヲ要シ加之打續ク冷害凶作ニ
逢著シ今ヤ全ク經營難ニ沈淪シツツアリ
依テ政府ハ仙鐵管內冷雪害地ニ於ケル地
方鐵道竝軌道ニ對シ一般地方鐵道補助法
以外ニ特別ノ財源ヲ以テ補助救濟セラレ
タク北海道拓殖鐵道軌道ニ做ヒ補助期間
ハ十五箇年トシ補助率ハ益金カ建設費ニ
對シ八分ノ割合ニ達セサルトキハ其ノ不
足額ヲ補給セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二七六號
意見書
請願文書表第七三七號
戰公傷病死者竝傷痍軍人遺族優遇其
ノ他ニ關スル請願福島縣岩瀨郡
須賀川町大字須賀川三番地商高橋
岩吉外二十二名呈出(紹介議員八
田宗吉君)
同第七三八號
同上福島縣西白河郡大沼村字櫻岡
八十六番地農邊見芳之助外八名呈
出(紹介議員八田宗吉君)
同第七三九號
同上福島縣若松市南町三百九十六
番地金子德三郞外十一名呈出給
介議員八田宗吉君)
同第七四一號
同上福島縣大沼郡藤川村大字橋丸
乙二番地農長峯丹治外六名呈出
(紹介議員八田宗吉君)
同第七四二號
同上福島縣北會津郡高野村大字柳
川丁四百八番地農吉田虎市外十名
呈出(紹介議員八田宗吉君)
同第七四三號
同上福島縣耶麻郡猪苗代町字堤四
千九百八十二番地佐賀五郞外十四
名呈出(紹介議員八田宗吉君)
同第八六一號
同上秋田市上米町一丁目二十三番
地商藤原富藏外十四名呈出(紹介
議員鈴木安孝君)
同第一一〇二號
同上金澤市玉川町三十九番地葦名
磐外三十五名呈出(紹介議員永井
柳太郞君外一名)
同第一二二四號
同上島根縣邑智郡都賀村大字上野
五番地農鎭波房市外三十五名呈出
(紹介議員沖島鎌三君)
同第一八九六號
同上郡山市柳內百十四番地材木商
坪井榮作外十名呈出(紹介議員助
川啓四郞君)
右請願ノ要旨ハ戰公傷病死者傷痍軍人ノ
遺族又ハ傷病年金受領者ニシテ今日生活
上甚シク悲慘ノ狀態ニ在ル者アルハ聖代
ノ痛恨事ト謂フヘシ依テ現行恩給法ヲ改
正シ戰死者公傷病死者傷痍者ノ遺族扶助
料ヲ生活ノ安定ヲ得セシムル程度ニ增額
シ舊恩給法實施以前死亡シタル者ノ寡婦
ニシテ兵籍簿ニ登錄ナキモ死亡當時同一
戶籍內ニ在リタル者ニハ改正恩給法ニ依
ル扶助料ヲ給セラレタク且傷病年金受給
者及戰地ニ於ケル公務傷病者ニ對シテモ
優遇ノ途ヲ講セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二七七號
意見書
請願文書表第七四〇號
傷痍軍人竝戰公傷病死者傷痍軍人遺
族ニ恩給及其ノ他ニ依ル金融施設
實施ノ請願福島縣河沼郡勝常村
大字田川字上分甲五百四十三番地
農中島万四郞外七名呈出(紹介議
員八田宗吉君)
同第七四四號
同上福島縣耶麻郡鹽川町商齋藤昌
造外七名呈出(紹介議員八田宗吉
君)
同第七四五號
同上福島縣北會津郡門田村大字黑
岩農成田銀次郞外五名呈出(紹介
議員八田宗吉君)
同第七四六號
同上福島縣北會津郡門田村大字一
ノ堰千六十四番地農鈴木三郞呈出
(紹介議員八田宗吉君)
同第七四七號
同上福島縣若松市新横町六十六番
地渡部長次郞呈出(紹介議員八田
宗吉君)
同第七四八號
同上福島縣河沼郡尾野本村字樋ノ
口前農渡部文久呈出(紹介議員八
田宗吉君)
同第一一四九號
同上德島縣美馬郡八千代村字小井
野五番地農中村和平呈出(紹介議
員眞鍋勝君)
同第一一五〇號
同上德島縣美馬郡八千代村五百五
十四番屋敷農日浦利八呈出(紹介
議員眞鍋勝君)
同第一二二六號
同上島根縣邑智郡都賀村大字上野
農鎭波房市外二十二名呈出(紹介
議員沖島鎌三君)
同第一三五三號
同上岐阜市玉宮町一丁目三番地ノ
一會社員加藤治助外三十七名呈出
(紹介議員匹田銳吉君)
同第一八九五號
同上郡山市柳内百十四番地材木商
坪井榮作外十名呈出(紹介議員助
川啓四郞君)
同第一八九九號
同上埼玉縣北埼玉郡三俣村大字下
三俣千三百六十二番地農片野茂平
外三十五名呈出(紹介議員出井兵
吉君外一名)
同第一九〇〇號
同上埼玉縣北埼玉郡太田村大字關
根三百五十九番地白石七五郞外三
十四名呈出(紹介議員門田新松君
外一名)
右請願ノ要旨ハ傷痍車人竝戰公傷病死者
及傷痍軍人遺族ニシテ其ノ受クル所ノ恩
給及年金ヲ擔保若ハ其ノ他ノ形式ニ依リ
金融ヲ爲シ爲ニ悲慘ナル窮狀ニ陷レル者
甚タ多數アルハ洵ニ遺憾トスル所ナリ依
テ之カ救濟ノ爲是等ノ者ニ對シ(一)恩給
年金ノ前渡制度ヲ設ケラレタク(二)物件
ヲ擔保トシテ低利資金ノ貸付ヲ爲ス爲特
別融資機關ヲ創設セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二八〇號
意見書
請願文書表第一一五三號
省令ニ依ル理髪營業取締規則發布促
進ノ請願佐賀縣藤津郡嬉野町大
字下宿乙九百二十七番地理髮業光
岡門松外千二十名呈出(紹介議員
中川觀秀君)
同第一三九七號
同上鹿兒島市山下町十四番地理髮
業前園利吉外十八名呈出(紹介議
員中川觀秀君)
同第一三九八號
同上大分市濱町二百二十七番地理
髮業是永又藏外千三百四十七名呈
出(紹介議員中川觀秀君)
右請願ノ要旨ハ府縣令タル理髪營業取締
規則ハ各府縣ニ依リ其ノ取締ノ內容ヲ異
ニシ統一性ヲ缺キ理髪術資格者ニ非サル
資本家ニ對シ營業ヲ許可シ得ル等當業者
ノ不利不便尠カラス依テ理髪營業ハ理髮
術資格者ニ限リ且料金ハ所轄警察官署ノ
許可ナクシテ高下シ得サルコト等ノ諸條
項ヲ含ム省令ニ依ル理髪營業取締規則ヲ
速ニ發布セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二八二號
意見書
請願文書表第一四〇七號
僧侶及諸宗〓師ノ政治結社加入ニ關
スル請願京都府乙訓郡乙訓村大
字粟生僧侶竹內純肇外五十九名呈
出(紹介議員安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ衆議院議員選擧法及地方
制度ニ於テ各宗派僧侶〓師ニ對シ之カ被
選擧權ヲ附與シ居ル今日政社加入ノ自由
ヲ認ムルハ必然ノ歸結ナリト信ス依テ治
安警察法第五條第一項第三號ヲ削除シ僧
侶及〓師ノ政社加入ヲ認メラレタシト謂
フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二八三號
意見書
請願文書表第一四〇八號
貴族院伯子男爵議員選擧規則中改正
ノ請願京都府乙訓郡乙訓村大字
粟生僧侶竹内純肇外五十九名呈出
(紹介議員安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ衆議院議員選擧法ニ於テ
諸宗ノ僧侶〓師ニ對シ被選擧權ヲ認ムル
ニ拘ラス僧侶ニシテ爵位ヲ有スルカ爲貴
族院伯子男爵議員選擧規則ニ於テ之カ被
選擧權ヲ認メサルハ不條理ノ甚シキモノ
ト信ス依テ同規則中第二條ヲ削除シ以テ
諸宗ノ僧侶及〓師ニ對シ之カ被選擧權ヲ
附與セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報〓第二八四號
意見書
請願文書表第一四〇號
寺院佛堂國有現境內地竝墓地無償下
戾ノ請願仙臺市新寺小路九十四
番地僧侶吉田頸敞外五十九名呈出
(紹介議員安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ從來寺院佛堂境內地竝墓
地ハ寺有地ナリシヲ明治四年上地令ヲ以テ
現境內地ヲ除キ上地セラレ其ノ後府縣達
ニ依リ祭典法要ニ必要ナル場所ヲ新境內
地トシテ寺院ニ附與スヘク規定セラレタ
ルモ官有ノ儘トナリ其ノ後モ制度規則等
ニ遮ラレテ附與ノ機會ヲ失シ今日ニ至レ
ルハ寺院維持ノ爲洵ニ遺憾ニ堪ヘサル所
ナリ依テ政府ハ寺院佛堂國有現境內地竝
墓地無償下戾ニ關スル法律案ヲ議會ニ提
出セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二八五號
意見書
請願文書表第一四一〇號
都市計畫ニ依ル寺院境內地受益者負
擔金免除ニ關スル請願大分縣速
見郡杵築町三百八十番地僧侶木村
玄聖外五十九名呈出(紹介議員安
藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ寺院及佛堂境內地ハ府縣
制市町村制等ニ依リ免稅ノ恩典ニ浴スル
モ他面其ノ使用ニ關シテ種種ナル制限ヲ
受ケ之ニ面スル道路ノ擴張又ハ鋪裝完成
シ或ハ水道工事完備スルモ貸家建築及土
地ノ貸付等利益アル施設ハ禁止セラレ居
ルヲ以テ之ニ對シ受益者負擔金ヲ賦課ス
ルハ前記法律ノ本旨ト矛盾スルモノナリ
ト信ス依テ之等境內地ニ對シ速ニ都市計
畫ニ依ル受益者負擔金免除規則ヲ制定セ
ラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二八六號
意見書
請願文書表第一四一一號
宗〓法制定ノ請願滋賀縣滋賀郡坂
本村僧侶木下寂善外五十九名呈出
(紹介議員安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ國家諸般ノ制度既ニ大略
完備シタルニ拘ラス獨リ宗〓ニ關スル制
度ノミ未タ確立セラレサルハ洵ニ遺憾ニ
堪ヘサル所ナリ而シテ國民思想ノ動搖急
激ナルモノアリ國民精神ノ作興益緊要ヲ
感スルノ秋國家ト宗〓及宗〓團體トノ關
係竝其ノ權義ヲ明確ナラシメ宗〓者ヲシ
テ國法上正當ナル其ノ處ヲ得セシメ宗〓
本來ノ使命機能ヲ發揮セシムルハ焦眉ノ
急務ナリト信ス依テ政府ハ速ニ宗〓法案
ヲ帝國議會ニ提出セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二八七號
意見書
請願文書表第一四一二號
貴族院佛〓各宗派管長議員互選規則
制定ノ請願大分縣速見郡杵築町
三百八十番地僧侶木村玄聖外五十
九名呈出(紹介議員安藤正純君外
一々)
右請願ノ要旨ハ貴族院帝國學士院會員議
員互選規則ノ實施セラレツツアル今日國
民大多數ノ精神〓化ノ任務ヲ有シ全國多
數ノ僧侶ヲ統督スル佛〓各宗派管長中ヨ
リ數名ノ貴族院議員ヲ互選セシムルハ宗
〓尊重ノ本義ニ適合スルモノナリト信ス
依テ速ニ貴族院佛〓各宗派管長議員互選
規則ヲ制定セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二八八號
意見書
請願文書表第八五三號
各種學校ノ〓科目中ニ宗〓科目ヲ加
フルノ請願横濱市中區戶部町七
丁目二百三十番地公吏宿田四郞外
千八十名呈出(紹介議員安藤正純
君外一名)
同第八五四號
同上千葉縣長生郡水上村大字田代
百九番地農鶴岡仁也外千二百八十
五名呈出(紹介議員安藤正純君外
一名)
同第八五五號
同上西宮市今津字綱引二十九番地
會社員天野誠人外千四百五十名呈
出(紹介議員安藤正純君外一名)
同第八五六號
同上東京市京橋區京橋二丁目一番
地十號運送業岩崎高次外千六百三
十名呈出(紹介議員安藤正純君外
名)
同第八五七號
同上埼玉縣入間郡精明村大字中居
四十六番地農半田忠三九外千二百
七名呈出(紹介議員安藤正純君外
一名)
同第一二二七號
同上東京市淀橋區百人町二丁目二
百五十番地商山田正春外二千三百
七十八名呈出(紹介議員安藤正純
君外一名)
同第一四五三號
同上千葉縣長生郡豐榮村農並木仙
藏外千四百三十名呈出(紹介議員
安藤正純君外一名)
右請願ノ要旨ハ現時我カ國ニ於ケル智的
〓育ハ頗ル進步セルモ宗〓ト〓育ト分離
セル爲國民カ思想方面ニ於テ遺憾ノ點ア
ルハ悲シムヘキ現象ナリト信ス依テ先ツ
〓育者ニ宗〓思想ヲ學習セシメ且國民精
神〓育ノ效果ヲ全カラシムル爲男女師範
學校竝各種學校ノ〓科目中ニ宗〓課目ヲ
加ヘラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二九〇號
意見書
請願文書表第一六五八號
小學校〓員俸給全額國庫支辨ノ請願
東京市神田區錦町帝國〓育會館内
全國聯合小學校〓員會長上沼久之
亟呈出(紹介議員小林錡君外一
名)
右請願ノ要旨ハ義務〓育費ヲ國庫支辨ト
スルハ〓育ノ本質上ハ固ヨリ我カ國地方
財政ノ現狀ニ照シテ當然ナリト信ス依テ
右實現ノ第一步トシテ速ニ〓員俸給全額
國庫支辨ヨリ實現セラレタシト謂フニ在
リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
請願特別報告第二九二號
意見書
請願文書表第一四三六號
農村窮乏匡救ニ關スル請願鳥取縣
八頭郡國中村大字米岡百八十五番
地農蓮佛壽造外三千九百八十六名
呈出(紹介議員由谷義治君外一名)
右請願ノ要旨ハ打續ク災害ト不況ニ因リ
農村ハ極度ニ疲弊シ不動產擔保ニ依ル融
資ノ返還及國稅府縣稅ノ徵收督促等ノ負
債ノ重壓下ニ在リ依テ各町村ニ對スル國
庫融資金ノ償還日本勸業銀行ノ土地擔保
ニ依ル年賦償還縣下各產業組合ノ組合員
ニ貸付ケ居ル貸付金ノ基本融資ノ償還ハ
之ヲ向後五箇年据置カレタク同時ニ縣下
產業組合ニ對シ百五十万圓也ノ融資補償
ヲ爲シ尙地方財政調整交付金制度ヲ卽時
實施セラレタシト謂フニ在リ
衆議院ハ其ノ趣旨ヲ至當ナリト認メ之ヲ
採擇スヘキモノト議決セリ依テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及御送付候也
〔山本愼平君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=39
-
040・山本愼平
○山本愼平君 只今上程致サレマシタ刷願
特別報告ニ關シマシテ御報告申上ゲマス、
昨日マデニ受理致シマシタ件數ハ三千七百
四十六件デアリマシタ、委員諸君ノ愼重ナ
ル御審議ノ結果、採擇スベキモノト決定致
シマシタモノ九百七十五件、政府ニ參考ト
シテ送付スベキモノト決シタルモノ千八百
三十件、本院ニ於テ採擇スベキモノニアラ
ズト議決致シマシタモノハ二十八件アリマ
シテ、取下ヲ許スベキモノト決シタモノハ
一件アリマス、現在審議中ノモノガ九百十
六件アリマスガ、此際一言申上ゲタイコト
ハ昨日迄ニ受理致シマシタ件數ダケデモ、
第二十六囘議會以來、曾テナキ多數ニ上ッテ
居ルノデアリマシテ、其中デモ時局ニ關ス
ル請願ガ多數ヲ占メテ居リマス、内、產繭
處理統制法制定竝ニ反對、米穀自治管理法
ノ制定竝ニ之ニ對スル反對、公娼制度ノ存
置ニ關スル請願、地方財政調整交付金制度
設定等、相當重要ナル請願ガ山積致シマシ
タガ、委員會ト致シマシテハ、紹介議員ノ
出席說明ヲ求メ、之ニ對スル政府ノ態度ヲ
モ能ク徵シマシテ、愼重ニ審議致シタノデ
アリマス、就中產繭處理統制法ニ關シマシ
テハ、制定スベシトスルモノ九百五十八件、
五万五千九百十四名、制定反對ノモノ五百
八十五件、十五万四百七十名ニ上ッタ强キ要
求デアリマシタ、請願委員會ト致シマシテ
ハ愼重審議致シマシタガ、贊成請願ハ乾
繭ノ實施、繭檢定所ノ設立、特約取引ノ是
正ト云フノニ對シマシテ、製絲家側ノ恐ル
名取り繭ノ第三者檢定ト特約取引ノ是正
デアリ、絹絲商ハ其生活權及ビ自治强化ガ
行政權的强化ニ變リハセヌカト云フコトヲ
恐レマシテ、共ニ反對請願提出トナッタノデ
アリマス、請願委員會ハ、曩ニ輸出生絲販
賣統制ト產繭處理法トハ併合提出サルベキ
モノデアルト云フ請願ヲ採擇致シマシタ、
隨テ政府ニ對シ生絲輸出統制案ノ提出ヲ先
ヅ促スト共ニ、一層其熟慮ト考察トヲ求ム
ベク、反對贊成共ニ政府ニ參考トシテ送付
致スニ決定致シマシタ、次ニ地方財政調整
交付金ハ、其要求ガ產繭處理法以上デアリ
マス、其一例ト致シマシテ、次ノヤウナ請
願ガ參ッテ居ルノデアリマス、交付金問題ノ
進行狀況ハ、全國民ニ於テ日夜凝視致居候
處政府當局ニ於テハ國策審議會ニ諮ルベ
シナドニ藉口シテ、容易ニ實現ノ誠意ヲ有
セザルモノヽ如ク、此上ハ唯一ニ議會ノ威
力ニ依リ、之ヲ達成スルノ外ナク有之候間
云々ト云フヤウナ、熱烈ナル要求ノ請願ガ
幾ツモ參ッタノデアリマス、請願委員會ハ其
趣旨ヲ至當ト認メマシテ、之ヲ採擇ニ決シ
マシテ、之ニ意見書ヲ附シマシタ、卽チ意
見書ニハ政府ニ於テハ宜シク院議竝ニ國
民ノ總意ニ鑑ミ、速ニ本請願ヲ實現シ、以
テ地方財源ノ調節ヲ行フト共ニ、市町村經
費殊ニ役場費其他ニ緊縮ヲ加ヘシムベク嚴
ニ監督スベシトノ意味ヲ、特ニ附加ヘテ採
擇致シタノデアリマス、要スルニ請願委員
會ニ現レマシタ請願ノ狀況ヲ見マスルノニ、
政治ト生活トガ漸ク緊密ノ度ヲ增シマシテ、
請願ニ現レタルモノヽ大多數ハ、國民ノ生
活其モノヲ極メテ密接ニ反映致シタモノ
ガ、其最大多數ヲ占メテ居ルノデアリマス、
此點ニ於テ吾等ノ政治ノ一段ノ進步ト思フ
モノデアリマス、私ハ玆ニ主査竝ニ委員諸
君ノ熱誠ナル御努力ヲ感謝致シマスト同時
ニ、日程第一ヨリ第二百九ニ至ル請願特別
報〓ヲ、宜シク御審議ノ程ヲ御願致シマス、
最後ニ附加ヘテ置キマスガ、受理件數モ非
常ニ多數ニ上ッテ居リマスノデ、十六日以後
ニ請願ヲ紹介致サレマシテモ、或ハ審議未
了ニナルヤモ測ラレマセヌカラ、特ニ此事
ヲ附加ヘテ私ノ報〓ヲ終リマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=40
-
041・濱田國松
○議長(濱田國松君) 請願日程第一乃至第
二百九ノ各請願ハ、委員長報告ノ通リ採擇
スルニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=41
-
042・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ各請願ハ委員長報告通リ採擇スル
ニ決シマシタ-日程第八及第九ハ同種ノ
議案デアリマスカラ、一括議題トナスニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=42
-
043・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第八、家事調停法案、日程第
九、家事調停法案、右兩案ヲ一括シテ第一
讀會ヲ開キマス、漸次提出者ノ趣旨辯明ヲ
許シマス-日程第八、提出者星島二郞君
第八家事調停法案(星島二郞君外四
名提出)第一讀會
第九家事調停法案(中村三之丞君外
二名提出)第一讀會
家事調停法案
家事調停法
第一條離婚、私生子ノ認知、扶養ノ請
求婚姻豫約不履行ニ基ク慰藉料ノ請
求其ノ他家事關係ニ付紛議ヲ生シタル
トキハ當事者ハ其ノ住所ヲ管轄スル區
裁判所ニ調停ノ申立ヲ爲スコトヲ得
當事者ハ合意ヲ以テ前項ノ區裁判所ノ
所在地ヲ管轄スル地方裁判所ニ調停ノ
申立ヲ爲スコトヲ得
第二條調停ノ申立ハ紛議ノ實情及求メ
ムトスル要旨ヲ明ニシテ之ヲ爲スコト
ヲル
第三條家事關係ノ紛議ニ付訴訟カ繫屬
スルトキハ受訴裁判所ハ訴訟ノ如何ナ
ル程度ニアルヲ問ハス必要ニ應シ職權
ヲ以テ又ハ當事者ノ請求ニ依リ事件ヲ
調停ニ付スルコトヲ得
第四條調停ノ申立ヲ受理シタル事件ニ
付訴訟カ繋屬スルトキ又ハ前條ノ規定
ニ依リ事件カ調停ニ付セラレタルトキ
ハ調停ノ終了ニ至ル迄訴訟手續ヲ中止
ス
第五條裁判所ハ期日ヲ定メ調停申立人
及相手方ヲ呼出スヘシ此ノ場合ニ於テ
ハ裁判所ハ調停ノ結果ニ付利害關係ヲ
有スル者ノ參加ヲ求ムルコトヲ得當事
者亦之カ參加ノ申立ヲ爲スコトヲ得
第六條當事者及利害關係人ハ自身出頭
スルコトヲ要ス但シ已ムコトヲ得サル
事由アル場合ニ於テハ裁判所ノ許可ヲ
受ケ代理人ヲシテ出頭セシムルコトヲ
得
第七條調停手續ハ之ヲ公開セス但シ裁
判所ハ相當ト認ムル者ノ傍聽ヲ許可ス
ルコトヲ得
第八條申立其ノ他ノ申述ハ書面又ハ口
頭ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ得申立ノ趣旨
複雜ナル場合ハ申立人ヲシテ十分其ノ
趣旨ヲ明ナラシムル爲裁判所書記ヲシ
テ其ノ要旨ヲ聽取ラシムルコトヲ要ス
第九條調停ハ裁判上ノ和解ト同一ノ效
力ヲ有ス
第十條裁判所調停ノ申立ヲ受理シタル
トキハ調停委員會ヲ開キ事件ヲ之ニ付
議スヘシ
第十一條調停委員會ハ調停主任一人及
調停委員二人以上ヲ以テ之ヲ組織ス
第十二條調停主任ハ判事ノ中ヨリ家事
事件ノ調停ニ適當ト認ムル判事ヲ每年
豫メ地方裁判所長之ヲ指定ス
調停委員ハ家事問題ニ付特別ノ知識經
驗アル者ニ就キ廣ク各方面ノ男女中ヨ
リ每年豫メ地方裁判所長ノ選任シタル
者又ハ當事者ノ合意ニ依リ選定セラレ
タル者ノ中ヨリ各事件ニ付調停主任之
ヲ指定ス
第十三條調停委員會ハ當事者ノ意見ヲ
聽キ適當ト認ムル者又ハ專門ノ知識ア
ル者ヲシテ調停ノ補助ヲ爲サシムルコ
トヲ得
第十四條調停委員會ニ於ケル調停手續
ハ調停主任之ヲ指揮ス
第十五條調停委員會ノ決議ハ調停委員
ノ過半數ノ意見ニ依ル可否同數ナルト
キハ調停主任ノ決スル所ニ依ル
第十六條調停委員會ノ評議ハ之ヲ祕密
トス
第十七條調停委員會ハ當事者又ハ利害
關係人ノ陳述ヲ聽キ且當事者ノ要求ア
リタルトキ又ハ必要ト認メタルトキハ
證據調ヲ爲スコトヲ得
第十八條期日ニ於テ調停成ラサルトキ
ハ調停委員會ハ紛議ノ目的タル事項及
手續ノ費用ニ付適當ト認ムル調停條項
ヲ定メ其ノ調書ノ正本ヲ當事者ニ送付
スルコトヲ要ス
當事者カ前項ノ正本ノ送付ヲ受ケタル
後二十日以內ニ調停委員會ニ異議ヲ述
ヘサルトキハ調停ニ服シタルモノト看
做ス
調停委員會ハ申立ニ因リ前項ノ期間ヲ
伸長スルコトヲ得
當事者カ異議ヲ述ヘタルトキハ調停委
員會ハ其ノ旨ヲ相手方ニ通知スルコト
マヨハ
第十九條調停成リタルトキ又ハ前條第
二項ノ規定ニ依リ當事者カ調停ニ服シ
タルモノト看做サレタルトキハ裁判所
ハ調停主任ノ報告ヲ聽キ調停ノ認否ニ
付決定ヲ爲スコトヲ要ス
調停認可ノ決定ニ對シテハ不服ヲ申立
ツルコトヲ得ス
調停不認可ノ決定ニ對シテハ民事訴訟
法ニ從ヒ卽時抗〓ヲ爲スコトヲ得
第二十條裁判所ハ調停カ著シク公正ナ
ラスト認ムル場合ニ非サレハ調停不認
可ノ決定ヲ爲スコトヲ得ス
第二十一條調停ノ申立ヲ爲スニハ手數
料ヲ納付スルコトヲ要セス
第二十二條、調停委員會ノ呼出ヲ受ケタ
ル當事者カ正當ノ理由ナクシテ出頭セ
サルトキハ調停事件ノ繫屬スル裁判所
ハ調停委員會ノ意見ヲ聽キ百圓以下ノ
過料ニ處スルコトヲ得
非訟事件手續法第二百七條及第二百
八條ノ規定ハ前項ノ過料ニ付之ヲ準用
ス
第二十三條本法ノ調停ニ關シテハ借地
借家調停法第四條、第九條、第十一條、
第十三條、第十八條、第二十三條第二
項乃至第四項、第二十八條、第三十條、
第三十一條ヲ準用ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
家事調停法案
家事調停法
第一條離婚、私生子ノ認知、扶養ノ請
求婚姻豫約不履行ニ基ク慰藉料ノ請
求其ノ他家事關係ニ付紛議ヲ生シタル
トキハ営事者ハ其ノ住所ヲ管轄スル區
裁判所ニ調停ノ申立ヲ爲スコトヲ得
當事者ハ合意ヲ以テ前項ノ區裁判所ノ
所在地ヲ管轄スル地方裁判所ニ調停ノ
申立ヲ爲スコトヲ得
第二條調停ノ申立ハ紛議ノ實情及求メ
ムトスル要旨ヲ明ニシテ之ヲ爲スコト
渉
第三條家事關係ノ紛議ニ付訴訟カ繋屬
スルトキハ受訴裁判所ハ訴訟ノ如何ナ
ル程度ニアルヲ問ハス必要ニ應シ隣權
ヲ以テ又ハ當事者ノ請求ニ依リ事件ヲ
調停ニ付スルコトヲ得
第四條調停ノ申立ヲ受理シタル事件ニ
付訴訟カ鑿屬スルトキ又ハ前條ノ規定
ニ依リ事件カ調停ニ付セラレタルトキ
ハ調停ノ終了ニ至ル迄訴訟手續ヲ中止
ス
第五條裁判所ハ期日ヲ定メ調停申立人
及相手方ヲ呼出スヘシ此ノ場合ニ於テ
ハ裁判所ハ調停ノ結果ニ付利害關係ヲ
有スル者ノ參加ヲ求ムルコトヲ得當事
者亦之カ參加ノ申立ヲ爲スコトヲ得
第六條當事者及利害關係人ハ自身出頭
スルコトヲ要ス但シ已ムコトヲ得サル
事由アル場合ニ於テハ裁判所ノ許可ヲ
受ケ代理人ヲシテ出頭セシムルコトヲ
得
第七條調停手續ハ之ヲ公開セス但シ裁
判所ハ相當ト認ムル者ノ傍聽ヲ許可ス
ルコトヲ得
第八條申立其ノ他ノ申述ハ書面又ハ口
頭ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ得申立ノ趣旨
複雜ナル場合ハ申立人ヲシテ十分其ノ趣
旨ヲ明ナラシムル爲裁判所書記ヲシテ
其ノ要旨ヲ聽取ラシムルコトヲ要ス
第九條調停ハ裁判上ノ和解ト同一ノ效
力ヲ有ス
第十條裁判所調停ノ申立ヲ受理シタル
トキハ調停委員會ヲ開キ事件ヲ之ニ付
議スヘシ
第十一條調停委員會ハ調停主任一人及
調停委員二人以上ヲ以テ之ヲ組織ス
第十二條調停主任ハ判事ノ中ヨリ家事
事件ノ調停ニ適當ト認ムル判事ヲ每年
豫メ地方裁判所長之ヲ指定ス
調停委員ハ家事問題ニ付特別ノ知識經
驗アル者ニ就キ廣ク各方面ノ男女中ヨ
リ每年豫メ地方裁判所長ノ選任シタル
者又ハ當事者ノ合意ニ依リ選定セラレ
タル者ノ中ヨリ各事件ニ付調停主任之
ヲ指定ス
第十三條調停委員會ハ當事者ノ意見ヲ
聽キ適當ト認ムル者又ハ專門ノ知識ア
ル者ヲシテ調停ノ補助ヲ爲サシムルコ
トヲ得
第十四條調停委員會ニ於ケル調停手續
ハ調停主任之ヲ指揮ス
第十五條調停委員會ノ決議ハ調停委員
ノ過半數ノ意見ニ依ル可否同數ナルト
キハ調停主任ノ決スル所ニ依ル
第十六條調停委員會ノ評議ハ之ヲ祕密
トス
第十七條調停委員會ハ當事者又ハ利害
關係人ノ陳述ヲ聽キ且當事者ノ要求ア
リタルトキ又ハ必要ト認メタルトキハ
證據調ヲ爲スコトヲ得
第十八條期日ニ於テ調停成ラサルトキ
ハ調停委員會ハ紛議ノ目的タル事項及
手續ノ費用ニ付適當ト認ムル調停條項
ヲ定メ其ノ調書ノ正本ヲ當事者ニ送付
スルコトヲ要ス
當事者カ前項ノ正本ノ送付ヲ受ケタル
後二十日以內ニ調停委員會ニ異議ヲ述
ヘサルトキハ調停ニ服シタルモノト看
做ス
調停委員會ハ申立ニ因リ前項ノ期間ヲ
伸長スルコトヲ得
當事者カ異議ヲ述ヘタルトキハ調停委
員會ハ其ノ旨ヲ相手方ニ通知スルコト
ヲ要ス
第十九條調停成リタルトキ又ハ前條第
二項ノ規定ニ依リ當事者カ調停ニ服シ
タルモノト看做サレタルトキハ裁判所
ハ調停主任ノ報〓ヲ聽キ調停ノ認否ニ
付決定ヲ爲スコトヲ要ス
調停認可ノ決定ニ對シテハ不服ヲ申立
ツルコトヲ得ス
調停不認可ノ決定ニ對シテハ民事訴訟
法ニ從ヒ卽時抗告ヲ爲スコトヲ得
第二十條裁判所ハ調停カ著シク公正ナ
ラスト認ムル場合ニ非サレハ調停不認
可ノ決定ヲ爲スコトヲ得ス
第二十一條調停ノ申立ヲ爲スニハ手數
料ヲ納付スルコトヲ要セス
第二十二條調停委員會ノ呼出ヲ受ケタ
ル當事者カ正當ノ理由ナクシテ出頭セ
サルトキハ調停事件ノ繋屬スル裁判所
ハ調停委員會ノ意見ヲ聽キ百圓以下ノ
過料ニ處スルコトヲ得
非訟事件手續法第二百七條及第二百八
條ノ規定ハ前項ノ過料ニ付之ヲ準用ス
第二十三條本法ノ調停ニ關シテハ借地
借家調停法第四條、第九條、第十一條、
第十三條、第十八條、第二十三條第二
項乃至第四項、第二十八條、第三十條、
第三十一條ヲ準用ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔星島二郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=43
-
044・星島二郎
○星島二郞君 諸君、時勢ノ進化ト社會ノ
情勢ハ現行ノ民法ノ改正ヲ望ンデ居リマ
ス、政府モ旣ニ法制審議會ヲ開カレマシテ、
目下其〓究中デアリマスルガ、殊ニ民法ノ
中ニ於キマシテモ親族編、相續編ハ、餘程
是ハ改正ノ急ヲ要スルノデアリマス、法制
審議會ニ於キマシテモ、旣ニ大正十四年一
囘、昭和二年ニ旣ニ其審議ヲ大體ニ於テ議
了シテ、答申案ガ政府ニ送達サレテ居ルノ
デアリマスケレドモ、一向其實現ヲマダ見ナ
イノデアリマス、吾々ハ早ク此改正案ガ議場
ニ出ルコトヲ待チ望ンデ居リマシタケレド
モ、マダ〓〓此處一二年ノ中ニ出サウニハ見
エマセヌノデ、仍テ其中デモ最モ急ヲ要スル
點ヲ本案ニ望ンダ譯デアリマス、卽チ本案ノ
骨子ハ近時非常ニ離婚、婚姻豫約ノ不履行、
或ハ私生子ノ認知、其他之ニ關スル財產上ノ
爭、斯ウ言ッタヤウナモノガ頻々トシテ起ル
ノデアリマシテ、而モ是等ノ問題ハ、法廷ニ
於テ嚴シク爭フト云フコトハ、甚ダヤリニク
イコトデアリマシテ、出來ルコトナラバ是等
ノモノヲ、嚴シイ、固苦シイ法廷ニ持ッテ行カ
ナイデ調停スル分別ハナイカ、是ガ卽チ本
案ノ目的デアリマス、丁度借地借家調停法
ノヤウニ、或ハ金錢債務調停法ノヤウニ、
或ハ少年審判所ノヤウナ-亞米利加ニハ
旣ニ家庭裁判所ト云フノガアル、必ズシモ
之ヲ眞似タノデハアリマセヌケレドモ、
ツ膝ヲ突合セテ、或ハ町村ヤ其他ノ關係者
ノ委員達ヲ選ンデ、サウシテ穩カニ其事ヲ
決メテハドウカト云フノガ、卽チ本案ノ骨
子デゴザイマス、ダカラ先ヅ判事ヲ主任官
ニ致シマシテ、家事調停委員ト云フモノヲ
平素カラ選ンデ置キマシテ、此委員ハ、殊
ニ本案ノ目的トスル所ハ、多ク婦人ニ關ス
ル問題ガ多イノデアリマスカラ、男女ノ中
カラ委員ヲ選ビ、斯ウ言ッタヤウナ人達ノ
委員ニ依ッテ調停ヲサレル、ドウシテモソ
レデモ異議ガアッタナラバ、正式裁判ヲ仰グ
ト云フノハ今ノ調停法ノソレト同ジヤウ
ナ意味デアリマスガ、是ハ全體ノ民法ノ改
正案ガ出ル迄待ッテ居ラレナイ、ソレガ本案
ヲ提出シタ理由デアリマス、近時時勢ノ反
映ト致シマシテ、本議場ニ於テ度々起ッタ所
ノ婦選トカ、公民權ノ婦人ニ關スル問題ハ
影ヲ沒シテ居リマスルガ、地道ニ斯ウ云フ
點カラ一點々々ト改正シテ、サウシテ婦人
ノ權利ヲ伸バシタイ、斯ウ云フノガ本案提
出ノ背面ニ現ハレタ所ノ婦人ノ輿論デアリ
そく、ドウゾ之ニ付キマシテハ、旣ニ政府
ノ法制審議會ニ於キマシテモ、大體同意ナ
ノデアリマスルカラ、宜シク御愼重御審議
ノ上御贊成アランコトヲ願ヒマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=44
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045・濱田國松
○議長(濱田國松君) 日程第九、提出者眞
鍋儀十君
〔眞鍋儀十君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=45
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046・眞鍋儀十
○眞鍋儀十君 議題ニナリマシタ家事調停
法ニ對シマシテハ、本案ニ平素最モ熱心デ
アラレル星島氏カラ、只今御說明ガアリマ
シタノヲ、大多數援用致シタイト考ヘマス、
元來一家庭內ノ紛議トカ、係爭トカ云フモ
ノハ、之ヲ以テ一般訴訟ト同一ニ公開シテ、
多衆ノ面前ニ於テ、圓滿多幸ナルベキ家庭
ノ內部ヲ暴露スベキ必要ハナイト考ヘル者
デアリマス、多クノ人ノ前ニ血ヲ以テ爭ヒ、
聽ク者ヲシテ耳ヲ掩ハシムルガ如キハ、決
シテ醇朴敦厚ナル我國ノ美風、良俗ニ副フ
モノデハナイノデアリマス(拍手)又法律自
體モ斯樣ナコトヲ望ンデ居ナイモノト思ヒ
マス、中ニモ豫約シタル婚姻ヲ履行セザル
コトニ因ル慰藉料ノ請求、或ハ旣ニ夫婦關
係ニアリシ者ノ離婚、其他內緣ナドノ間ニ
於ケル私生子ノ認知、扶養ノ請求ナドハ、
出來ルダケ圓滿妥當、平明、簡單ナル方法
ト手段トニ依ッテ、雙方ニ滿足ヲ與ヘシムル
コトガ本法ノ精神デアリマス、是ガ特徵ト
致シマシテハ申立、口頭若クハ書面デ實
情及ビ要旨ヲ具ヘテ居レバ宜シイトカ、調
停手續ハ公開セズトカ、調停委員ハ知識經
驗ニ富メル特別ノ男女ヲ、練達堪能ノ判事
ノ下ニ於テ行ハシムルトカ、執務セシムル
トカ云フヤウナモノハ、本案ノ特徵デゴザ
イマス、何卒愼重御審議ノ上御贊成ヲ御願
致ス次第デゴザイマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=46
-
047・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ質疑ノ通〓ハア
リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=47
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048・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 日程第八及第九ノ兩案ヲ
一括シテ、藤田若水君外四名提出、借地借
家調停法中改正法律案外六件ノ委員ニ合セ
付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=48
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049・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=49
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050・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十、畜產組合法中改正法律案ノ第一讀會ヲ
開キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-
提出者三善信房君
第十畜產組合法中改正法律案(高田
耘平君外四名提出)第一讀會
畜產組合法中改正法律案
畜產組合法中左ノ通改正ス
第十三條第二項中「前項」ヲ「前二項」ニ改
メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
市町村カ前項ノ請求ヲ受ケタル日ヨリ
三十日以內ニ其ノ處分ニ著手セス又ハ
九十日以內ニ之ヲ結了セサルトキハ組
合長ハ地方長官ノ認可ヲ得テ之ヲ處分
スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ町村制
第百十一條第一項及第四項ノ規定ヲ準
用ス
〔三善信房君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=50
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051・三善信房
○三善信房君 私ハ只今上程セラレテ居リ
マスル畜產組合法中改正法律案ニ付キマシ
テ、簡單ニ提案理由ヲ申上ゲテ見タイト思
フノデアリマス、我國ノ畜產ガ國家國防上、
產業上重大ナル使命ヲ有シテ居リマスルコ
トハ、今更私ガ玆ニ申ス迄モナイコトデア
ルト思フノデアリマス、今ヤ我國ハ國ヲ擧
ゲテ國防費ノ爲ニ、多額ノ經費ヲ支出致シ
テ居ルニ拘リマセズ、國防ノ一部デアル、
而モ兵器ノ一部ト考ヘラルヽ所ノ此馬產ニ
對シマシテ、國家ガ特別ナル考慮ヲ拂ッテ
居ナイコトハ、洵ニ吾々ノ遺憾トスル所デ
アリマス、隨テ現在ノ情勢ニ於キマシテハ、
畜產ノ振興ハ、獨リ民間團體ノ力ニ依ッテ
促進致スヨリ外、セラレテ居ナイヤウナ實
情ニアルノデアリマス、之ヲ產業上ノ見地
カラ申上ゲマスレバ今ヤ農村ノ經濟ガ行
詰ッテ居リマスル際ニ、此經濟難局ニ當ッテ
之ヲ打開スルノ途ハ、幾多ノ方法アリト思
ヒマスルケレドモガ、農村ノ自力更生ニ俟
ツコトガ最モ根本デナケレバナラヌト思フ
ノデアリマス、此自力更生ヲ爲ス上ニ付
キマシテハ、畜產ノ振興ニ依リマシテ、所
謂畜力ヲ利用シテ勞力ノ節約ヲ圖リ、厩肥
ヲ利用シテ金肥ノ節約ヲ圖リマシテ、農產
物ノ生產原價ヲ安クスルコトガ、其根本ナ
リト深ク信ズルノデアリマス、斯樣ニ農產
物ノ生產原價ヲ安クスル上ニ付テ、最モ意
義アル此畜產ノ振興發展ヲ圖ルコトガ、其
急務中ノ急務デアルト思フノデアリマス
此畜產ノ振興ヲ圖ルニ付キマシテハ、政府
ノ施設ト相俟ッテ、民間團體ノ活動ニ俟タナ
ケレバナラヌト思フノデアリマス、此民間
團體ノ活動ヲ爲ス上ニ付キマシテハ、最モ
活動ニ必要ナル所ノ經費ノ徴收ニ支障アッ
テハナラナイノデアリマス、今ヤ我國ノ畜產
組合法ハ、大正四年ニ制定セラレタモノデ
アリマシテ、此畜產組合ノ經費ヲ徴收スル
上ニ付キマシテ、幾多ノ支障ガアルノデア
リマス、此支障ヲ無イヤウニ致シマシテ、
經費ノ徵收ヲ圓滑ニ致スコトガ、畜產組合
ノ發展ヲ圖ルニ最モ必要ナリト信ズルノデ
アリマス、他ノ一般團體ノ、或ハ農會、水產
組合、或ハ耕地整理組合ノ法律ト照合セマ
シテ、獨リ畜產組合法ガ此點不備ガアルノ
デアリマスルガ故ニ、此點ヲ速ニ改正致シ
マシテ、畜產組合法ノ運用ニ遺憾ナカラシ
メタイト思フノデアリマス、ドウカ諸君ノ
御贊成ヲ得マシテ、速ニ通過センコトヲ希
望致スノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=51
-
052・濱田國松
○議長(濱田國松君) 本案ニ付尙ホ提出者
多田滿長君ヨリモ、提案趣旨ヲ辯明致シタ
イトノコトデアリマス、前例ニ依リ之ヲ許
可致シマス-多田滿長君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=52
-
053・多田滿長
○多田滿長君 簡單デアリマスカラ、自席
ヨリ發言スルコトヲ御許シ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=53
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054・濱田國松
○議長(濱田國松君) 許可致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=54
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055・多田滿長
○多田滿長君 畜產組合法中改正法律案
ハ政民兩黨議員ノ共同提案デアリマスカ
ラ、提案者ノ一人トシテ私ヨリモ簡單ニ補
足致シマス、提案ノ理由及ビ改正ノ要點ハ、
只今三善君說明ノ通リデアリマス、全國一
道三府四十三縣ニ亙リ、二百八十七組合ノ
贊同ヲ得タ、畜產組合多年ノ懸案デアリマ
ス、近年畜產組合ノ經費ヲ滯納スル者
ガ漸次增加シテ參リマシテ、中ニハ組
合法制定以來經費ヲ納付セザル者モア
ル程デアリマシテ、是ガ爲ニ他ノ善良
ナル組合員ニモ惡影響ヲ及ボシ、延テハ組
合事業遂行上支障ヲ生ズルガ如キ狀態デア
リマス、最近ノ調査ニ依リマスト、全組合ノ
中デ調査組合數二百六十七、調定額五十万
七千圓ノ中デ、徵收額ハ四十二万圓、滯納
額ハ實ニ八万七千圓ニ上ッテ居ルノデアリ
やく、此一事ニ付テ見マシテモ、如何ニ畜
產組合經營ガ困難デアッテ、同時ニ本法案提
出ノ理由ガ明瞭デアルト存ジマス、旣ニ耕
地整理組合、帝國農會等ニ於テモ、只今提
案シタト同一趣旨ニ於テ、先年各法律ノ改
正ヲ見テ居ルノデアリマスカラ、本法案ニ
モ御贊成アランコトヲ特ニ切望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=55
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056・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ質疑ノ通告ハア
リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=56
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057・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 本案ハ議長指名九名ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=57
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058・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=58
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059・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十一及第十二ハ、同一議案デアリマスル
カラ、一括議題トナスニ御異議アリマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=59
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060・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十一、公證人法中改正法律
案、日程第十二、公證人法中改正法律案、
以上兩案ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス、
順次提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-日程
第十一、提出者一松定吉君
第十一公證人法中改正法律案(一松
定吉君外八名提出)第一讀會
第十二公證人法中改正法律案(野田
文一郡君提出)第一讀會
公證人法中改正法律案
公證人法中左ノ通改正ス
「公證人法」ヲ「公證士法」ニ改ム
第一條乃至第十九條及第二十一條乃至第
二十七條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改ム
第二十八條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改メ
同條第二項中「市區町村長」ノ下ニ二代·
登記官吏」ヲ加フ
第二十九條及第三十條中「公證人」ヲ「公
證士」ニ改ム
第三十二條第一項中「公證人」ヲ「公證士」
ニ改メ同條第二項中「市區町村長」ノ下ニ
「又ハ登記官吏」ヲ加フ
第三十三條乃至第三十五條中「公證人」ヲ
「公證士」ニ改ム
第三十六條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改メ
同條第六號中「市區町村長」ノ下ニ一六、
登記官吏」ヲ加フ
第三十七條乃至第四十條中「公證人」ヲ
「公證士」ニ改ム
第四十一條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改メ
同條第一項中「市區町村長、」ノ下ニ「登記
官吏、」ヲ加フ
第四十二條乃至第四十五條、第四十七條、
第四十八條、第五十條乃至第五十二條、
第五十五條乃至第五十九條、第六十一條、
第六十三條乃至第六十九條、第七十一條
乃至第七十九條及第八十一一條乃至第八十
四條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
公證人法中改正法律案
公證人法中左ノ通改正ス
「公證人法」ヲ「公證士法」ニ改ム
第一條乃至第十九條及第一一十一條乃至第
二十七條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改ム
第二十八條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改メ
同條第二項中「市區町村長」ノ下ニ「若ハ
登記官吏」ヲ加フ
第二十九條及第三十條中「公證人」ヲ「公
證士」コムナム
第三十二條第一項中「公證人」ヲ「公證士」
ニ改メ同條第二項中「市區町村長」ノ下ニ
「又ハ登記官吏」ヲ加フ
第三十三條乃至第三十五條中「公證人」ヲ
「公證士」ニ改ム
第三十六條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改メ
同條第六條中「市區町村長」ノ下ニ(五十、
登記官吏」ヲ加フ
第三十七條乃至第四十條中「公證人」ヲ
「公證士」ニ改ム
第四十一條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改メ
同條第一項中「市區町村長、」ノ下ニ「登記
官吏、」ヲ加フ
第四十二條乃至第四十五條、第四十七條、
第四十八條、第五十條乃至第五十二條、
第五十五條乃至第五十九條、第六十一條、
第六十三條乃至第六十九條、第七十一條
乃至第七十九條及第八十二條乃至第八十
四條中「公證人」ヲ「公證士」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=60
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061・一松定吉
○一松定吉君 簡單デアリマスカラ、此席
カラ發言ノ御許シヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=61
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062・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御許シ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=62
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063・一松定吉
○一松定吉君 本法案ハ提案理由ニ明ニ記
載致シテアリマスヤウニ、公證人ト云フ名
前ヲ公證士ト改メルト云フコトヽ、公正證
書ヲ作成致シマスル場合ニ、公證人ガ囑託
人ノ氏名ヲ知ラズ、又ハ面識ノナイ場合ニ
ハ人違ナキコトヲ證スル爲ニ、市町村長
ノ印鑑證明書ヲ提出セシムルコトニナッテ
居ルノガ現行制度デアリマス、併ナガラ銀
行會社等ノ如ク、法人ノ代表者ヲ定メ、商業
登記ヲシテアリマスル場合ニ、是等ノ人ガ
銀行會社ヲ代表シテ公正證書ヲ作成致シマ
スル時ニ、態々市町村長ノ印鑑證明書ヲ提出
シナクテモ、其銀行會社ノ商業登記ヲ致シマ
シタ所ノ、登記所ノ登記官吏ノ印鑑證明書ヲ
以テスレバ、事足リルト云フコトニ改正致シ
マスルナラバ、是等關係者ノ便益ガ頗ル多
イバカリデナク、公正證書ヲ作成致シマス
ル公證人モ、非常ニ便利ヲ得ルノデアリマ
ス、一然ルニ此規定ガ除カレテ居リマスルガ
故ニ不便デアル、故ニ之ヲ改メテ、登記官
吏モ市町村長ト同ジヤウニ印鑑證明書ヲ出
シ、其印鑑證明書ニ依ッテ公證人ハ人違ナキ
コトヲ認メテ、公正證書ヲ作成スルト云フ
コトニ改メタイト云フノデアリマス、公證
人ト云フ名前ヲ公證士ト改メルト云フノ
ハ御承知ノ如ク今日高等ノ試驗ヲ經マシ
テ、サウシテ國家ヨリ資格ヲ與ヘラレテ居
リマスル者ノ中、辯護士、計理士、辨理士
ト云フガ如キ人々ハ、皆其名前ノ下ニ士ト
云フ文字ガ使用セラレテ居ルニ拘ラズ、是
等ノ人ト同一ノ學歷、地位ヲ有ッテ居リマ
スル公證人ガ、公證人ノ人ト云フ名前ヲ下
ニ付ケルヨリモ、同ジク士ト云フ名前ヲ付
ケタ方ガ非常ニ氣持モ好シ、何トナク自分
等ノ地位ガ向上シタヤウナ感ジモ受ケルノ
デアリマスルシ、此意味ニ於テ公證人ノ人
人ハ、擧ッテ此名稱ヲ改正スルコトヲ希望致
シテ居ルノデアリマス、此意味ニ於テ本改
正案ヲ提出致シタノデアリマス、何卒御贊
成アランコトヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=63
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064・濱田國松
○議長(濱田國松君) 日程第十二、贊成者
岸衞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=64
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065・岸衞
○岸衞君 本案ハ一松君ガ·····発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=65
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066・濱田國松
○議長(濱田國松君) 其席デ御述べニナリ
マスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=66
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067・岸衞
○岸衞君 簡單デアリマスカラ自席デ御許
シ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=67
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068・濱田國松
○議長(濱田國松君) 許可致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=68
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069・岸衞
○岸衞君 本案ハ一松定吉君外八名提出、
公證人法中改正法律案ト、全然內容ヲ一ニ
シテ居リマス、隨テ趣旨モ只今一松君ガ述
ベラレタ通リデアリマス、仍テ私ハ其說明
ノ重複スルコトヲ省クコトニ致シマス、何
卒各位ノ御贊成アランコトヲ希望致シマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=69
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070・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ質疑ノ通〓ハア
リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=70
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071・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 日程第十一及第十二ノ兩
案ハ、一括シテ政府提出、辯護士法中改正
法律案外三件ノ委員ニ併セ付託セラレンコ
トヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=71
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072・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=72
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073・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十三、昭和八年法律第五十三號辯護士法中
改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、提出者
ノ趣旨辯明ヲ許シマス--提出者宮澤〓作
君
第十三昭和八年法律第五十三號辯護
士法中改正法律案(宮澤〓作君外四
名提出)第一讀會
昭和八年法律第五十三號辯護士法中改
正法律案
辯護士法中左ノ通改正ス
第十八條第二項中「二個以上」ヲ「三個以
上」ニ改ム
附則第九項中「二箇以上」ヲ「三個以上」ニ
改ム
〔宮澤〓作君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=73
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074・宮澤清作
○宮澤〓作君 只今上程セラレマシタ昭和
八年法律第五十三號辯護士法中改正法律案
ニ付テ、其提案ノ理由ヲ簡單ニ御說明申上
ゲタイト存ジマス、同辯護士法ハ第六十四
帝國議會ニ於テ改正セラレタモノデアリマ
シテ、明年ノ四月一日ヨリ實施セラルヽコ
トニナッテ居ルノデアリマス、サウシテ同法
第十八條ノ第二項ニ依リマスルト、辯護士
ハ如何ナル名義ヲ以テスルモ、二個以上ノ
事務所ヲ設クルコトヲ得ズ、但シ他ノ辯護
士事務所ニ於テ執務スル場合ニハ此限ニア
ラズト規定セラレテ居ルノデアリマス、尙
ホ同法附則第九項ニ、本法施行ノ日ヨリ六
箇月內ニ限リ之ヲ存續スルコトヲ得ト規定
セラレテ居ルノデアリマス、隨ヒマシテ從
來數箇所ニ出張事務所ヲ設ケテ居ッタ辯護
士ガ、一ツノ出張事務所ヲモ設クルコトガ
出來ナクナルバカリデナク、明年ノ十月一
日ヨリハ全然之ヲ廢止セネバナラナイコト
ニナルノデアリマス、一體辯護士ガ地方裁
判所所在地、又ハ區裁判所所在地ニ出張事
務所ヲ設クルニ至リマシタ原因ニ付キマシ
テハ、色々アリマセウケレドモ、主トシテ支
部或ハ區裁判所所在地タル郡部、或ハ都
會ノ裁判所ニ比シマシテ、管轄區域ノ廣狹
及取扱事件ノ多寡ノ割合ニ、常住スル辯護
士ガ少ナイノデアリマス、今日ト雖モ支部
或ハ區裁判所所在地ニ、一人若クハ二三人位
ノ箇所ガ多イノデアリマシテ、マダ一人モ
常住セザル區裁判所ガ少クナイノデアリマ
ス、隨テ訴訟關係人ハ二十里モ三十里モ遠
〃、地方裁判所若ハ控訴院所在地ニ行キマ
シテ、サウシテ辯護士ヲ選任スルヤウナ狀
態デアリマスルガ故ニ、勢ヒ少カラザル
經費ト時日トヲ要スルハ勿論ノコト、法律
ニ與ヘラレタル權利ノ伸張、又ハ防禦ヲ爲
シ得ザル結果ニ陷ルコトガ往々アルノデア
リマス、是等ノ關係ヨリシテ、訴訟關係人
ノ不利不便ヲ除ク爲ニ、他所居住ノ辯護士
ガ出張事務所ヲ設クルニ至ッタモノデアリ
さく、而シテ支部若クハ區裁判所ニ於ケル
現在ノ辯護士ノ分布ノ狀況デアリマス、是
ハ只今申上ゲマシタ通リデアリマスガ、全
國ノ區裁判所ノ數ハ、御承知ノ通リ二百六
十餘箇所デアリマス、所ガ私ノ調査シマシ
タ所ニ依リマスト、辯護士ガ一人モ常住セ
ザル區裁判所ト云フモノハ、實ニ七十餘箇
所アルノデアリマス、又一人ダケ居住シテ
居ル區裁判所ガ六十箇所以上ニ達シテ居ル
ノデアリマス、斯樣ナ次第デ、區裁判所ニ
於ケル訴訟其他ノ事件取扱ノ上ニ、常ニ一
大支障ヲ來シテ居ルノデアリマスルガ、是
等ハ出張事務所ニ依ッテ漸ク緩和處理セラ
レテ居ルヤウナ有樣デアリマス、故ニ今出
張事務所ノ數ヲ急激ニ、而モ全部ヲ廢止、整
理スルト云フコトハ、洵ニ妥當ナラザルノ
ミナラズ、訴訟關係人ハ勿論ノコト、社會民
人ノ不利不便ト云フモノハ實ニ大ナルモノ
ガアルノデアリマス、特ニ注意ヲ要サナケ
レバナラヌコトハ、數年間、又ハ二十年モ、
三十年モ、長イ間出張事務員トシテ、其職
分ヲ辨ヘマシテ、濫リニ僣越スルコトナク、
誠心誠意業務ニ從事シ來ッタ者ガ、一時ニ全
部ノ出張所ヲ廢止セラレルト云フヤウナコ
トガアリマシタナラバ、忽チニシテ職ヲ失
ヒ、他ニ轉業セント致シマシテモ、出張事
務員ト云フモノハ多クハ年齡ガ五十歲前
後デアリマス、尙ホ生活ハ何レモ困窮シテ
居ルモノデアル、斯樣ナ次第デ、資金其他
ノ關係カラ轉業致シタトシテモ、是ハ出來
ナイ、全ク生活ノ資ヲ絕チ、一家ヲ擧ゲテ
路頭ニ迷ハザルヲ得ザル、悲慘ナル狀態ニ
陷ルノデアリマス、是ハ全國各支部、區裁
判所所在地ニ於ケル出張事務員ノ總員約二
万人ト致シマシテ、之ニ其家族ヲ合セマス
ト、實ニ十數万人ニ達スルノデアリマス、
殊ニ御承知ノ通リ近年打續ク此不況、是等
ニ想ヲ致シマシタナラバ、洵ニ同情ニ堪ヘ
ナイモノガアルノデアリマス、政府ハ現行
辯護士法ヲ改正致シマシテ、出張事務所ヲ
廢止シタル其理由ノ主ナルモノハ、辯護士
ニ非ザル者ガ訴訟行爲ヲ爲スノデ、其弊害
甚シク、尙ホ三百的行爲ヲ取締ル爲メデア
ルト、斯ウ言ハレテ居ルノデアリマス、私
ハ現今左樣ナ出張事務員ハ一人モナイト信
ジマス、却テ出張事務員以外ノ者ガ、三百
的行爲ヲ執ッテ居ルヤウナ始末デアリマス、
出張事務所ヲ急激ニ廢止スル爲メ、玆ニ出
張事務員ノ失職ノ結果、却テ弊害ガ增大
シ、且ツ取締上非常ナル困難ヲ來スコトヽ
思フノデアリマス、尙ホ一二辯護士會ハ出
張事務所ハ不必要デアル、且ツ有害ナルモ
ノデアルト御主張ニナッテ居ルヤウデアリ
マスケレドモ、併シ此御主張ト云フモノハ、
地方ニ於ケル出張事務所ノ設置マデモ不必
要ナリトノ御考デハナカラウト思フノデ
アリマス、地方ニ於テ出張事務所ノ必要ア
リト云フコトハ只今申上ゲタ通リデアリ
マス、尙ホ玆ニ申上ゲタイノハ、改正辯護
士法ノ第十八條ノ第二項ノ但書デアリマ
ス、此但書ニ依リマスト、先程モ申上ゲマ
シタガ、他ノ事務所ニ於テ執務スル場合ハ
此限ニアラズト、斯ウ規定セラレテ居リマ
ス、是ハ最初政府ノ原案ニハナカッタモノ
デアリマス、ソレヲ委員會若クハ小委員會
ニ於テ修正ヲ致シタモノデアリマシテ、其
但書ハ是ハ出張事務所トハ申シテ居リマセ
又、併ナガラ共同事務所ト云フコトニ解釋
出來ル、サウシマスト、結局其內容ニ於テ、
政府ハ出張事務所ノ必要ト、其存置ヲ認メ
タル結果トナルト思フノデアリマス、卽チ
第二項前段ニ於テハ、二箇以上ノ事務所ヲ
設クルコトガ出來ナイト規定シテ居ルニ拘
ラズ、後段ニ於テ之ニ矛盾スル規定ヲ設ケ
テ居ルノデアリマス、而シテ此共同事務所
デアリマスガ、是ハ容易ニ行ハレザルモノ
デアルト私ハ思ヒマス、苟モ訴訟事務ニ理
解ノアル者ハ、之ヲ行ハレナイコトガ分リ
得ルト思フノデアリマス、尙ホ却テ共同事
務所ナルモノハ、出張事務所以上ニ弊害ガ
アル、且ツ訴訟關係人ガ不利不便トスル所
デアリマシテ、更ニ又取締上頗ル困難ガ伴
フコトヽ思フノデアリマス、最後ニ申上ゲ
タイノハ、辯護士ガ出張事務員ノ出張事務
所ヲ設ケマシテ、事務員ヲ採用スルニ當リ
マシテ、今日ハ認可制度ヲ執ッテ居リマス、
先ヅ事務員タラントスル者ノ身元ニ付テ、
檢事局ニ其調査方ヲ申出デマシテ、檢事局
ハ所轄警察署ニ命ジテ其調査ヲセシムルノ
デアリマス、其得マシタ調査報告ニ基イテ、
辯護士會ハ愼重ニ本人ノ性行等ニ付テ調査
吟味ノ上ニ、之ヲ認可シ採用シテ居ルノデ
アリマス、サウシテ辯護士及辯護士會ハ、
常ニ嚴重監督シテ居ルノデアリマシテ、政
府ガ御心配ナサレルヤウナ弊害等ハ、絕對
ニナイト私ハ信ズルノデアリマス、以上ノ
次第デアリマシテ、事務所ノ數ハ急ニ之ヲ
廢止スルコトナク、先以テ二箇所、卽チ本
事務所ノ外ニ出張事務所一箇所ヲ認ムルコ
トヽ致シマシテ、以テ訴訟關係人ノ不利不
便ヲ緩和スルト共ニ、一面出張事務所關係
者ノ失職ニ甚シイ影響ナカラシメンガ爲ニ
本案ヲ提出シタ所以デアリマス、詳細ハ委
員會ニ於テ申上ゲマスガ、何卒滿場一致御
贊成アランコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=74
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075・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ質疑ノ通〓ハア
リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=75
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076・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 本案ハ政府提出、辯護士
法中改正法律案外三件ノ委員ニ併セ付託セ
ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=76
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077・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=77
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078・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十四、昭和六年法律第四十號廢止法律案ノ
第一讀會ヲ開キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ
許シマス-提出者森田福市君
第十四昭和六年法律第四十號廢止法
律案(重要產業ノ統制ニ關スル件)
(森田福市君外一名提出)第一讀會
昭和六年法律第四十號廢止法律案
昭和六年法律第四十號ハ之ヲ廢止ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔森田福市君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=78
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079・森田福市
○森田福市君 只今上程ニナリマシタ昭和
六年法律第四十號、卽チ重要產業統制法廢
止ノ法律案ニ付キマシテ、簡單ニ申上ゲテ
御贊成ヲ得タイト存ジマス、本法ハ御承知
ノ通リニ昭和六年、卽チ我國ノ金ノ解禁時
代ニ、最モ不景氣ナ時ニ、產業ノ保護ヲ目
的トスル爲ニ出來夕絲制案デアリマス、以
來約四箇年間經ッテ居ルノデアリマスガ、今
日ニ至ル迄實際ニ此法律ニ依ッテ取締ッタノ
ハ、唯一件アルダケデアリマシテ、其他ニ
ハ今日迄マダ無イノデアリマス而モ此法
律ハ御承知ノ通リニ短期ノ法律デアリマシ
テ、此法律ハ來年ニハ-卽チ此法律ハ公
布シテカラ五箇年デアリマスカラ、來年ハ
此法律ノ有效期間ガ滿ツルノデゴザイマ
ス、サウシテ此法律ヲ制定シタ當時ノ政
府ノ說明ニ依リマシテモ、我國カラ
此重要產業統制法ヲ設ケル理由ハ、我
國ノ重要產業デ影ヲ沒スルガ如キ、外國
品ノ壓迫ヲ受ケルヤウナ物ニ對シテノミ、
是ガ保護ヲスル目的ヲ以テ本法ヲ作ルノデ
アル、斯ウ云フ說明ガアッタノデアリマス、
然ルニ今日ハ御承知ノ通リニ、我國ノ通貨
ノ價値ハ金解禁當時トマルデ反對ニ非常
ニ下落シタノデアッテ、隨テ此重要產業ハ、
大體御承知ノ通リ隆盛發達ヲ來シテ居ルノ
デアリマシテ、今更此法律ヲ必要トセヌノ
ミナラズ、此法律ハ主トシテ大財閥、大事
業家ヲ擁護スルコトニ終ルモノデアリマシ
テ、中小ノ工業者ハ壓迫ヲ受ケテ、非常ニ
困ッテ居ル、現在此法律ノ取締ヲ受ケタ「セ
メント」事業ノ如キモノデモ、小サナ事業
ハ何レモ高率ナ生產制限ヲ加ヘラレ、一方
大財閥ガ經營シテ居ル會社ハ、此法律ノ脫
法行爲ニ依ッテ、卽チ朝鮮トカ大連トカ云
フ方面ニ於テ、此法律ノ適用ヲ受ケズニ自
由ニ生產ヲシテ、ドシ〓〓內地ニソレヲ持ッ
テ來テ居ル其結果內地ノ事業ハ、生產制
限ヲ受ケテ原價ガ從ッテ高クナル、賣價ハ抑
ヘラレテ安クナッテ居リマス、一方全能力ヲ
發揮シテヤル「アウトサイダー」、卽チ朝鮮
ヤ大連ノ會社ヲ獨立サシテ、此法律ノ取締
ヲ避ケタ所ノ會社ハ、原價ノ非常ニ安イ物
ヲ澤山造ッテ、ドシ〓〓內地ニ持ッテ來テ居
ル、是デハ此法律ノ目的ガ達セラレヌヤウ
ナコトニナッテ、此法律ガアル爲ニ、內地ノ
事業會社ハ困ッテ居ル實情デアリマスカラ、
今日ノ所百害アッテ一利モナイ法律デアリ、
而モ此法律ヲ-商工省當局ハ常ニ此取締
ヲ重要產業統制法ニ依ッテヤルト稱シテ、
法律ハ適用セヌデモ、此法律ヲ仄メカシテ
ヤッタコトハ、製紙ノ合同、麥酒ノ合同、製
鐵ノ合同、其他何レノ合同ヲ見マシテモ、
消費階級ニ向ッテ非常ニ値上ヲシテ損害ヲ
與ヘテ居ルコトハ、私ガ申上ゲル迄モナク
各位ノ御承知ノ通リデアリマス、デアルカ
ラ一日モ早ク斯樣ナ法律ト云フモノハ撤廢
シテシマッテ、消費大衆ノ爲ニモ、此法律ガ
無クナルコトガ宜イシ、中小ノ商工業家ノ
爲ニモ、亦我國ノ產業ヲ發達サス上ニモ有
利デアリ又合法的脫法行爲ガ行ハレテ居
ル所ノ-大財間ガヤッテ居ル朝鮮トカ大
連トカ云フ所モ、此法律ノ適用ヲ受ケズ、
全生產能力ヲ擧ゲ生產シタモノヲ內地ニ
持ッテ來テ、内地ノ生產制限ヲ受ケテ、高イ
原價ニ付テ居ルモノト競爭シテ居ルヤウナ
矛盾ヲ是正スル爲ニモ、一日モ早ク此法律
ヲ廢止セラレンコトヲ希望スルノデアリマ
ス、詳細ハ委員會デ申上ゲマスガ、ドウゾ
皆樣ノ御贊成アランコトヲ希望シテ已ミマ
セヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=79
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080・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ質疑ノ通告ハア
リマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=80
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081・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 本案ハ政府提出、倉庫業
法案ノ委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=81
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082・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=82
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083・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十五、國民保健施設充實ニ關スル法律案ノ
第一讀會ヲ開キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ
許シマス-提出者福田虎龜君
第十五國民保健施設充實ニ關スル法
律案(野田文一郞君外五名提出)
第一讀會
國民保健施設充實ニ關スル法律案
第一條政府ハ國民保健ノ爲結核豫防法、
花柳病豫防法、癩豫防法及精神病院法
ニ規定スル施設ノ經費竝救療事業費ニ
充ツル目的ヲ以テ當分ノ間富籤ヲ發行
スルコトヲ得
第二條國庫ハ當分ノ間勅令ノ定ムル所
ニ從ヒ結核豫防法、花柳病豫防法、癩
豫防法及精神病院法ニ依リ北海道地方
費、府縣又ハ市若ハ其ノ他ノ公共團體
ノ負擔ニ屬スル費用ヲ其ノ全額ニ至ル
迄補助スルコトヲ得
第三條富籤發行ニ依ル收得金ハ全部國
庫ニ收納ス
第四條北海道地方費、府縣又ハ市若ハ
其ノ他ノ公共團體ニ對スル補助、救療
事業費及富籤ニ關スル規定ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔福田虎龜君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=83
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084・福田虎龜
○福田虎龜君 私ハ只今議題トナリマシタ
國民保健施設充實ニ關スル法律案ニ付テ簡
單ニ說明ヲ申上ゲマス、申ス迄モナク私共ノ
社會ハ共同生活ノ母體デアリマス、隨テ此
社會ハ隣保相扶クルノ精神ヲ以テ軸體トシ
テ居ルノデアリマス、併ナガラ文明ガ進ミ
マシテ、社會ガ愈〓複雜性ヲ增シマシテ、色
色ナ缺陷ガ生ジマシテ、玆ニ不幸ナル原因
ノ爲ニ、社會人トシテノ交際、社會人トシ
テノ親睦サヘモ出來ナイ者ガ、年々其數ヲ
非常ニ增シテ參ッテ居ルノデアリマス、此狀
態ニ鑑ミマシテモ、ドウシテヾモ國ノ力、
公共團體ノ力、公共心ニ愬ヘテ、之ヲ救濟
スベキ必要ガ非常ニ急切ヲ要シマスノデ、
國家ハ法律ヲ制定シ、色々ナ計畫ヲ立テヽ行ッ
テ居リマスケレドモ、及バザルコト甚ダ遠
イノデアリマス、私共ハ玆ニ財源ヲ求メ
マシテ、此最モ社會問題トシテ重大ナル結
核、花柳病、精神病、癩病、及其他ノ貧困
ニ基ク救療ノ設備ヲ完全ニ致シタイト考ヘ
テ居ル次第デアリマス
結核患者ハ私ガ此處デ申ス迄モナク、年
年非常ニ增加ヲ致シテ居リマス、昭和八年
ノ內務省ノ統計ニ依リマシテモ、十二万ノ
死亡者ヲ出シテ居リマス、全死亡者ノ一割
ニ達シテ、サウシテ其結核ハ社會各方面ニ
傳播シテ居リマス、ノミナラズ私共ガ最モ
注意ヲ致サネバナラナイノハ、靑少年ノ間
ニ此病氣ガ非常ニ浸潤致シタコトデアリマ
ス、花柳病ニ付キマシテハ、其統計ハ無イ
ノデアリマス、併ナガラ過去十年間ノ壯丁
檢査ノ成績ニ依ッテ見マスルト、千人ニ對シ
テ十二人ノ罹病者ヲ發見致シテ居リマス、
以テ都鄙如何ナル方面ニモ、此病氣ガ蔓莚
シテ居ルト云フコトヲ證明スルコトガ出來
ルノデアリマス、精神病ニ於キマシテハ現
在八万ノ患者ヲ有ッテ居リマス、此精神病ノ
吾々社會生活ニ及ボス危險性ハ申ス迄モナ
イノデアリマスケレドモ、奈何ニセン今日
ノ施設デハ、其約二割ヲ收容監置シテ居ル
ニ過ギナイ次第デアリマス、癩ノコトニ付
キマシテハ、申スモ悲慘ナコトデアリマス
ルガ、是モ現在統計デハ一万六千人ヲ數ヘ
テ居リマスケレドモ、實際ノ數カラ申シマ
シタナラバ、約其二倍ニハ達スルダラウト
云フコトデアリマス、斯樣ナ悲慘ナ病氣及
嫌惡セラルヽ所ノ病氣以外ニ、全ク貧困ノ
爲ニ救療ヲ受クルコトガ出來ナイ者ガ、數
百萬ニ上ッテ居ル現在デアリマス、之ヲ如何
ニシテ救濟スルカ、勿論法律ハ非常ニ完備
致シテ居リマス、汗牛充棟ト言ッテモ差支ナ
イ位ニ設備ヲ致シテ居リマスルガ、此機關
ノ活動ニ於キマシテハ、微々トシテ振ハナ
イノデアリマス、是ハ要スルニ經費ノ問題
デアリマス、隨テ玆ニ十分ナル經費ヲ調達
シ、以テ一擧ニシテ斯樣ナ狀態、悲慘ナル
狀態、同情スベキ同胞ノ救濟ヲ致シテ見タ
イト思フノデアリマスケレドモ、奈何ニセ
ン現在ハ國家內外多事デアリマス、國法ニ
勿論輕重ハナイト考マシテモ、自ラ前後ガ
アルト思フノデアリマス、隨テ今日多額ノ
費用ヲ以テ之ニ當ツルト云フコトハ迚モ許
シマセヌノデ、私共ハ玆ニ富籤法ヲ案出致
シタ次第デアリマス、以テ富籤ヲ發行シ
テ、ソレニ依ッテ得タル所ノ多額ノ金員ヲ以
テ、此社會事業費ニ當テタイト考ヘテ居リ
マス、富籤ニ付テ詳シイコトハ、何レ委員
會ニ於テ申述ベタイト思ヒマスガ、唯一〓
ニ富籤ヲ以テ風〓ヲ害スルモノデアル、人
心ノ射倖心ヲ刺戟スルモノデアルト云フコ
トヲ申ス道學者モアルノデアリマスケレド
モ、是ハ富籤ノ本質デハナイノデアリマ
ス、要スルニ富籤ノ是非善惡ノ岐ルヽ所
ハ、其方法手段デアリマスルガ故ニ、其方
法宜シキヲ得ルナラバ、此富籤ヲ現代ニ於
キマシテハ決シテ排斥スベキモノデナク、
却テ此爲ニ沈滯セル所ノ氣分ヲ一掃シ、人
心ヲ刺戟シ、社會保險ノ一種ト見ルコトガ
出來ルト思フデアリマス、尙ホ經濟的ニ
考ヘマスナラバ、是ハ浪費ノ經濟化ト申シ
テモ差支ナイヤウナコトヽ思フノデアリマ
ス、斯樣ナ意味ヲ以テ富籤ヲ發行シ、此金
額ニ依ッテ吾々同胞ノ不幸ヲ慰藉シ、救療
シ、以テ此社會ヲ氣持好キ共同ノ生活舞臺
トシタイト云フ念ヲ有ッテ居ルノデアリマ
ス、皆サンノ御贊成ヲ得タイト思ヒマシ
テ、一言ノ說明ヲ致ス次第デアリマス(拍
手ノ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=84
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085・濱田國松
○議長(濱田國松君) 質疑ノ通告ハアリマ
セヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=85
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086・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 本案ハ田中祐四郞君外二
名提出、衞生組合法案外四件ノ委員ニ併セ
付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=86
-
087・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=87
-
088・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、日程第十
六、行政執行法中改正法律案ノ第一讀會ノ
續ヲ開キマス、委員長ノ報告ヲ求メマス-
委員一松定吉君
第十六行政執行法中改正法律案〓
松定吉君外三名提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
報〓書
一行政執行法中改正法律案(一松定吉君
外三名提出)
右ハ本院ニ於テ別紙ノ通修正スヘキモノ
ト議決致候此段及報告候也
昭和十年三月七日
委員長原惣兵衞
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
行政執行法中左ノ通改正ス
第一條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ檢束ハ翌日ノ日沒迄トシ之ヲ繼
續スルコトヲ得ス但シ泥醉者、瘋癲者、
自殺ヲ企ツル者其ノ他救護ヲ要スル者
ニ對シテハ遲滯ナク之ヲ保護者又ハ引
取人ニ通知シ其ノ出頭スル迄檢束ヲ繼
續スルコトヲ得
第一項ノ假領置ハ三十日以內ニ於テ其
ノ期間ヲ定ムヘシ
〔一松定吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=88
-
089・一松定吉
○一松定吉君 行政執行法中改正法律案ノ
委員會ノ報告ハ、委員長原惣兵衞君ヨリ議
場ニ報告致ス筈デアリマスガ、委員長ガ御差
支ノ爲ニ私ガ代リマシテ報〓ヲ致シマス
本法案ノ委員會ハ、會ヲ重ネルコト四囘
デアリマシテ、中山委員ヨリ提案ノ理由ヲ
詳細ニ述ベラレマシテ、委員立川君、松木
君、高橋君、杉山君、米田君、藤田君、名川
君、竝ニ提案者ノ中山君、委員デハアリマ
セヌデシタガ提案者デアリマスル私カラ、
政府竝ニ委員トノ間ニ質問應答ヲ重ネマシ
テ、熱心ニ其審議ヲ進メタノデアリマス、
委員カラハ政府ニ對シマシテ資料提出ノ要
求ガアリマシテ、政府ハ「行政執行法濫用
防止ニ關シ執リタル措置」ト云フ題目ノ下
ニ、內務省竝ニ司法省カラ行政執行法ノ運
用ニ關シマシテ、警察官ニ對シ警告ヲ發シ
マシタ書類ノ寫ヲ出サレタノデアリマス、
其質問應答ノ詳細ハ速記錄ニ依ッテ御覽ヲ
願ヒタイノデアリマスルガ、其中主ナルモ
ノダケヲ御報告申上ゲマスルナラバ、警察
官ガ行政執行法第一條運用ノ趣旨ニ於テ人
人ヲ檢束シナガラ、其實刑事々件ノ捜査ニ
之ヲ濫用スルコトガ非常ニ多イ、甚シキハ
其期間ヲ著シク超エマシテ、數箇月ニ亙ル
ヤウナ檢束ヲ續ケルガ如キ事例ノアルコト
ハ甚ダ遺憾デアル、デ斯ウ云フヤウナコト
ニ對シテハ、警察官方面ニ於テモ十分ニ之
ニ關心ヲ持チ、斯ノ如キ不法ヲ敢テシナイ
ヤウニシナケレバナラナイ、又是等ノ取締
ノ任ニ當ル所ノ上級官廳ニ於テハ、斯ノ如
ク弊ヲ繰返サヾルヤウニシナケレバナラナ
イ、サウ云フ點ニ付テ幾多ノ弛緩ガアルガ爲
ニ、是等ノ人々ガ人權擁護ノ實ヲ擧ゲズシ
テ、之ヲ蹂躙スルコトガ各地到ル處ニ頻々
トシテ行ハレテ居ルカラシテ、是非是ハ是
正シナケレバナラナイト云フ趣旨ノ、熱心
ナル質問ガアッタノデアリマスガ、政府ト致
シマシテハ、往々ニシテサウ云フ聲ヲ聞ク
ノデアルガ故ニ、其度每ニ濫用シテハイケ
ナイト云フ警〓ヲ發シテ居ル、其發シテ居
ル警告ノ內容ハ斯ノ如キモノデアルトシテ、
大正五年六月二十六日ノ內務省ノ祕第千四
百二十五號、行政執行法ニ關スル件依命通
牒昭和八年五月三日ノ警察部長會議ニ於ケ
ル指示事項、行政執行運用ニ關スル件、斯
ノ如キ警告ノ內容ヲ記シマシタ印刷物ヲ、
委員ノ手許ニ渡サレタノデアリマス、ソレ
カラ又司法大臣ガ昭和八年ノ十一月十日ニ、
全國ノ警察官、檢事ニ對シマシテ、此運用
ニ付テ十分注意ヲシテ、不都合ノ事ノナイ
ヤウニト云フ訓令ヲ出サレマシタ、內務大
臣ハ昨年ノ一月二十二日ニ、司法大臣ト同
ジ趣旨ノ訓令ヲ出シタノデアルガ、斯樣ニ
シテモ尙且ツ是等ノ惡イ聲ガ聞エルノハ、
甚ダ遺憾デアルト云フコトデアリマシタ、
委員ハサウ云フヤウニ政府當局ガ意ヲ用ヒ
テ居ルニ拘ラズ、今日デハ全國到ル處ノ警
察官ガ、斯ノ如キ非違ヲ敢テシテ居ルト云
フコトハ甚ダ不都合デアル、此點ニ對シテ
十分質問ヲ重ネタイカラト言ウテ、警保局
長ノ出席ヲ求メタノデアリマシタガ、ドウ
云フ都合ガアリマシタカ、遂ニ出席致シマ
セヌ、ソレガ爲ニソレ等ニ對シマスル質問
ヲ、十分盡スコトガ出來ズシテ、質問ヲ打
切ッタノデアリマスルガ、委員ノ高橋君カ
ラ、之ニ對シマシテ修正ノ意見ヲ、動議ト
シテ提出セラレタノデアリマス、ソレ
ハ此法文ニ依ルト、翌日ノ日沒迄ニソレ等
ノ檢束シテ居ル者ヲ釋放シナケレバナラナ
イガ、泥醉者、瘋癲者、自殺ヲ企ツル者、
其他救護ヲ要スル者ニ付テハ、原案ハ保護
者又ハ引取人ノ出頭スルマデ檢束ヲ繼續ス
ルコトヲ得トアルノヲ、ソレデハ尙且ツ警
察官ガ非違ヲ敢テスル間隙ガアル、保護者
又ハ引取人ガマダ出ナイノダカラシテ、此
儘ニ檢束ヲ繼續シテ居ルノダト云フ言掛リ
ヲシテ、相變ラズ不都合ナ事ヲヤッテハナラ
ナイカラ、其弊害ヲ取除ク爲ニ、其救護ヲ
要スル者ニ對シテハ、遲滯ナク之ヲ保護者
又ハ引取人ニ通知スル義務ヲ警察官ニ負ハ
セル、其通知ヲ受ケテ、サウシテ其引取人
若クハ保護者ガ出頭シテ、之ヲ引取ル迄ハ
檢束シテモ宜シイト云フ、緩衝地帶ヲ其處
ニ設ケテ置クコトガ宜カラウト云フ意味ニ
於キマシテ、修正意見ヲ出シマシタ所ガ、
藤田委員ガ之ニ贊成ヲシ、政府ト致シマシ
テハ、內務省ノ橋本政府委員ハ、サウ云フ
ヤウナ修正ヲシテモ、自分ノ方デハ贊成ハ出
來ナイ、何故カト云フト、サウ云フ文句ガ
現行行政執行法中ニ無イトシテモ、實際ノ
取扱ハサウ云フコトヲシテ居ルノデアルカ
ラト云フコトデアリマシタ、藤田君ハ、實
際サウ云フコトヲシテ居ルノデアルナラバ、
喜ンデ此修正ニハ贊成シナケレバナラヌデ
ハナイカト言ヒマシタケレドモ、元來ガ此
行政執行法ノ改正ト云フコトニハ、內務省
ハ反對デアリマスル爲ニ、之ニ贊成ノ意ヲ
表シマセヌデシタ、ソコデ委員長ハ討論ヲ
打切リマシテ、採決ニ入リマシタ所ガ、滿
場一致、委員ガ此修正案ニ贊成ヲ致シマシ
テ、修正案ノ通リニ可決致シタノデアリマ
ス、ドウゾ滿場ノ皆樣ニ於カセラレマシテ
モ、人權擁護ノ叫ビノ高イ今日ニ於キマシ
テ、是非此案ヲ委員會決定通リ可決確定セ
ラレンコトヲ御願致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=89
-
090・濱田國松
○議長(濱田國松君) 本案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=90
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091・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=91
-
092・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 直チニ本案ノ第二讀會ヲ
開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=92
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093・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=93
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094・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ本案ノ第二讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
行政執行法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=94
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095・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ確定致シマシタ-日程第十七、營業收
益稅法中改正法律案ノ第一讀會ノ續ヲ開キ
マド、委員長ノ報〓ヲ求メマス-委員長
木暮武太夫君
第十七營業收益稅法中改正法律案
(中谷貞賴君外二名提出)
第一讀會ノ續(委員長報牛ロ)
報〓書
一營業收益稅法中改正法律案(中谷貞賴
君外二名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月八日
理事竹下文隆
衆議院議長濱田國松殿
〔木暮武太夫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=95
-
096・木暮武太夫
○木暮武太夫君 營業收益稅法中改正法律
案ノ委員會ノ經過竝結果ヲ御報告申上ゲマ
ス、本案ハ營業收益稅法中ノ第七條第六號
ノ中デ、「又ハ演劇興行」ト云フ文字ヲ削リ
マシテ、營業收益稅法中ニ法人ノ演劇興行
稅ヲ加ヘントスルモノデアリマス、御承知
ノ通リ大正十五年ニ舊營業稅ガ廢止サレテ、
營業收益稅法ニナッテ、サウシテ過去ニ於ケ
ル非難ノ多カッタ外形標準ガ、今日ノ收益本
位應能課稅、給付能力本位ニ改メラレタ
本旨ニ合スル所ノ、合理的ノ是ハ改正案デ
アルノデアリマス、旣ニ本院ニ於キマシテ
モ、六十四、六十五兩議會ニ於テ、本院ヲ
通過致シマシタモノデアリマシテ、本委員
會ヲ開クコト四囘、其間極メテ愼重ニ審議
討究ヲ重ネタノデアリマス、其詳細ニ付キ
マシテハ、委員會ノ速記錄ニ讓ルコトヽ致
シマシテ、極メテ簡單ニ重要ナル一一三ノ點
ヲ御紹介申上ゲタイト思フノデアリマス
先ヅ委員ノ一人カラ、大正十五年現行營業
收益稅ニ改メラレタ時ニ、原則トシテ總テノ
營利法人ハ、現行營業收益稅ニ入ッテ居ルノ
ニ、獨リ演劇興行ダケガ營利法人デアルニ
拘ラズ、今日ノ營業收益稅ニ入ッテ居ラナイ
ト云フ其原因ハ、全ク演劇等ニ對スル所ノ、
古イ固陋ノ頑冥ナ考方ガ今日マデ殘ッテ居
ルノデアッテ、其爲ニ各地方々々別々ニ、惡
イ標準トサレタ物的外形標準ト云フモノニ
依ッテ、地方稅ノ雜種稅ガ課ケラレテ居ルコ
トガ、我國國稅、地方稅ノ體系ヲ混淆紛亂
セシムルバカリデナク、業者ノ收益トカ、
或ハ給付能力ニ相應セザルノ憾ガアルト云
フ點ニ付テハ、政府ハドウ考ヘルカト云
フ、極メテ適切ナル質問ガアッタノデアリマ
ス、之ニ對シマシテハ、當局ト致シマシテ
モ、理窟トシテハ何トモ言ヒヤウガアリマ
セヌノデ、所謂演劇興行ヲ營業收益ニ對ス
ル課稅トシテハ、理窟ニハ洵ニ今日ノ取扱
方ハ合ッテ居ラヌガ、唯斯ウ云フ種類ノ仕事
ニ對シテハ、營業收益バカリデナクテ、奢侈
的ノ部分ガ相當ニアルノデアルカラト云フ
コトデ、胡麻化シテ居ッタノデルアリマス、併
ナガラ演劇トカ或ハ映畫トカ云フモノニ、
奢侈デアルト云フヤウナ政府ノ考方ト云フ
モノハ、今日ノ實情カラ見レバ、洵ニ時代
遲レノ考デアルガ、假ニ百步ヲ讓リマシテ、
奢侈的ノ分子ガアリト致シマシテモ、理論
上ハ之ニハ觀覽稅ヲ設ケテ、此奢侈的部分
ニ課稅スベキモノデアルト云フ意見ガ出タ
ノデアリマス、當局ハ觀覽稅ノ過去ノ實績
ニ徵シマシテ、徵稅上極メテ困難デアルト
云フ理由デ、其意見ニ反對致シテ居ルノデ
アリマス、次ニ政府ノ方デハ此改正ヲ行ヒ
マスル結果トシテ、地方稅ノ財源ニ缺陷ヲ
生ズルカラト云フ意見ノ陳述ガアリマシタ
ガ、之ニ對シマシテハ委員側カラ、新ナル
觀覽稅ノ創設デアルトカ、或ハ營業收益稅
ト云フ國稅ニ今度加ヘラレタ所ノ、此稅金
ノ地方稅附加稅ト云フモノニ依ッテ、或ル程
度此地方財源ノ缺陷ヲ補ヒ得ルデハナイカ
ト云フ、合理的ナ意見ノ陳述ガアッタノデ
アリマス、最後ニ當局カラ、成程此稅ヲ此儘ニ
シテ置クコトハ感心シナイノダガ、地方稅稅
制整理ノ時ニ、外ノモノト一〓ニ改正スル
考デアルト云フ極メテ官條的ナ考方ノ申出
ガアリマシタノニ對シテ、委員一同カラ、
惡イト氣ガ付イタラ直チニ改正スルノガ宜
イノデ、ソレヲ當面ヲ糊塗シテ居ルコトガ
官僚的デアルト云フ、非難的ノ陳述ガアッタ
ノデアリマス、斯ノ如ク本委員會ヲ通ジマ
シテ、委員諸君ノ論斷、舌鋒ト云フモノ
ハ、洵ニ銳イノデアリマシタガ、之ニ應
ズル政府當局ノ陳辯ト云フモノハ、尤モ局
長級ノ人ガ出タカラデモアリマセウガ、洵
ニ生溫イ不合理的ナ、弱イモノデ、受太刀
ノヤウナ形デアリマス、採決ノ結果、滿場
一致可決致シマシタ、此段御報告申上ゲマ
ス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=96
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097・濱田國松
○議長(濱田國松君) 本案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=97
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098・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=98
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099・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 直チニ本案ノ第二讀會ヲ
開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=99
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100・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=100
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101・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ第二讀會ヲ開キ、議案全部
ヲ議題ト致シマス
營業收益稅法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=101
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102・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ可決確定致シマシタ(拍手)-日程第十
八及第十九ハ、同一委員ニ付託シタル議案
デアリマスルカラ、一括議題トナスニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=102
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103・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十八、司法保護法案、日程
第十九、司法保護法案、右兩案ヲ一括シテ
第一讀會ノ續ヲ開キマス、委員長ノ報告ヲ
求メマス-委員長板野友造君
第十八司法保護法案(小林錡君外三
名提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
第十九司法保護法案(手代木隆吉君
外三名提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
報〓書
一司法保護法案(小林錡君外三名提出)
一司法保護法案(手代木隆吉君外三名提
出
右ハ本院ニ於テ兩案ヲ併合シ別紙ノ通(內
容同一)修正スヘキモノト議決致候此段
及報告候也
昭和十年三月九日
委員長板野友造
衆議院議長濱田國松殿
〔別紙〕
司法保護法
第一條左ニ揭クル者ニシテ必要アリト
認ムルトキハ本法ニ依リ之ヲ保護ス
刑ノ執行ヲ終リ又ハ刑ノ執行ノ免
除ヲ得タル者
二假釋放ヲ許サレタル者
三刑ノ執行ヲ停止セラレタル者
四刑ノ執行ヲ猶豫セラレタル者
五起訴猶豫又ハ微罪釋放ノ處分ヲ受
ケタル者
六其ノ他刑事處分ヲ受ケタル者
第二條保護事務ハ司法大臣ノ管理ニ屬
ス
第三條地方裁判所所在地ニ地方保護局
ヲ置キ保護事務ヲ行ハシム
必要アルトキハ地方保護分局ヲ置クコ
トヲ得
第四條地方保護局ノ設置、廢止及管轄
ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條地方保護局ニ局長、保護司及書
記ヲ置ク
第六條地方保護局ニ保護事務ニ關スル
諮問機關ヲ置ク
諮問機關ノ組織竝職務ニ關スル規定ハ
命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條地方保護局ハ保護事務ノ補助ヲ
爲サシムル爲適當ト認ムル者ニ保護委
員ヲ囑託スルコトヲ得
第八條地方保護局ハ保護ノ要否ヲ認定
スルニ當リ保護ヲ受クル者ノ父兄親族
其ノ他保護ヲ委託スルニ適當ト認ムル
者ニ出頭ヲ求メ保護ヲ勸說シ又ハ保護
ニ必要ナル事項ヲ指示スルコトヲ得
第九條地方保護局ハ保護ヲ受クル者又
ハ保護ヲ受ケムトスル者ヲ召喚シ又ハ
保護司ヲシテ同行セシムルコトヲ得
第十條地方保護局ハ其ノ事務ヲ行フニ
當リ必要アルトキハ公務所又ハ公務員
ニ對シ囑託ヲ爲シ又ハ補助ヲ求ムルコ
トヲ得
第十一條保護ノ種類左ノ如シ
一生業助成
二融和調停
三輔導援護
第十二條地方保護局被保護者ノ居宅ニ
於テ保護ヲ爲スコト能ハス又ハ之ヲ適
當ナラスト認ムルトキハ保護團體ヲシ
テ收容セシメ又ハ寺院〓會其ノ他適當
ナル施設若ハ私人ノ家庭ニ收容ヲ委託
スルコトヲ得
第十三條地方保護局ハ被保護者ニ對シ
保護ノ爲必要ナル事項ノ遵守ヲ命スル
コトヲ得
第十四條地方保護局ハ必要アリト認ム
ルトキハ被保護者ヲ保護司ノ觀察ニ付
スルコトヲ得
第十五條保護期間ハ二年以內トス但シ
繼續ノ必要アルトキハ之ヲ更新スルコ
トヲ得
第十六條保護ノ解除竝保護期間ノ更新
ハ地方保護局之ヲ決定ス
第十七條保護團體ヲ設置セムトスル者
ハ司法大臣ノ認可ヲ受クルヲ要ス
第十八條地方保護局ハ收容ヲ委託シタ
ル保護團體又ハ適當ナル者ニ對シ命令
ノ定ムル所ニ依リ收容費ヲ補給スルコ
トヲ得
第十九條保護團體ノ用ニ供スル土地建
物ノ權利ノ取得又ハ所有權ノ保存ノ爲
ノ登記ニ付テハ登錄稅ヲ課セス
第二十條保護團體ノ用ニ供スル土地建
物ニ對シテハ租稅其ノ他ノ公課ヲ課セ
ス但シ有料ニテ之ヲ使用セシメタル者
ニ對シテハ此ノ限ニ在ラス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
一 (板野友造君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=103
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104・板野友造
○板野友造君 此兩案ハ全ク同一ノ法律案
デアリマシテ、一字一句モ違ハヌ同ジ法律
案デアリマス、デ御承知ノ如ク、裁判ニ依ツ
テ犯罪者ナリト決定サレタル者、若クハ裁
判ニ依ッテ犯罪者ナリト云フ宣告ハシナイ
ガ、犯罪者デアルトシテノ或ル處分ヲ受ケ
タ者、斯ウ云フヤウナ社會ノ信用ヲ失ッテ
居ル者ニ對シテ、其獨立生計ヲ安全ニサス
爲ニ、補助補導ヲシテヤラセヨウ、斯ウ云
フ案ナノデス、大體ハ政府ガ爲スベキ案ナ
ノデアリマセウ、サウ云フ意味ヲ以チマシ
テ、委員會ニ於キマシテハ滿場一致ヲ以テ
之ヲ可決ヲ致シマシタ、サウシテ是ハ本院
ニハ二囘、是ト同ジ案ガ通過ヲ致シテ居ル
ノデアリマス、委員會ニ於テ、滿場一致ヲ以
テ通過シタト云フコトヲ御報告申上ゲマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=104
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105・濱田國松
○議長(濱田國松君) 委員長報告ハ、兩案
トモ併合シテ一案トナシ、修正議決シタル
モノデアリマス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=105
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106・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=106
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107・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 直チニ兩案ノ第二讀會ヲ
開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=107
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108・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=108
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109・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
司法保護法案第二讀會(確定議)
司法保護法案第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=109
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110・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通
リ可決確定サレマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=110
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111・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 議事日程追加ノ緊急動議
ヲ提出致シマス、卽チ此際前田米藏君外三
十名提出、臨時地方財政補整金法案、富田
幸次郞君外二十名提出、地方財政調整法案
ヲ一括議題トナシ、委員長ノ報〓ヲ求メ、
其審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=111
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112・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=112
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113・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ追加サレマシタ、臨時地方
財政補整金法案、地方財政調整法案、右兩
案ヲ一括シテ第一讀會ノ續ヲ開キマス、委
員長ノ報告ヲ求メマス--委員長熊谷直太
君
臨時地方財政補整金法案(前田米藏君
外三十名提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
地方財政調整法案(富田幸次郞君外二
十名提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
報告書
一臨時地方財政補整金法案(前田米藏君
外三十名提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月十四日
委員長熊谷直太
衆議院議長濱田國松殿
報告書
一地方財政調整法案(富田幸次郞君外二
十名提出)
右ハ本院ニ於テ否決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十年三月十四日
委員長熊谷直太
衆議院議長濱田國松殿
〔熊谷直太君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=113
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114・熊谷直太
○熊谷直太君 只今上程セラレマシタル臨
時地方財政補整金法案、地方財政調整法案、
此兩案ニ付テノ委員會ノ經過及結果ヲ簡單
ニ御報告致シタイノデアリマス、三月六日
委員長理事ノ互選ヲ行ヒマシテ、引續キ五
囘開會致シマシテ、法案ノ審議ヲ遂ゲタノ
デアリマス、開會劈頭ニ於キマシテ、民政
黨ノ岡田君ヨリ、此法案ハ其精神ニ於テハ
全ク同一デアル、唯施行期日ノ點ニ於テ相
違ハアリマスケレドモ、全ク同一デアリ、
本議場ニ於キマシテ提案者ヨリ詳細ナル說
明ガアリ、又昨年度ニ於キマシテハ、三派
一致シタル所ノ成案ヲ得タル案ヲ上程致シ
マシテ、本議場ニ於テ福場一致ヲ以テ可決
シタル所ノ精神其モノデアリマスルガ故ニ、
委員會ニ於テハ各自ノ提案ノ理由ヲ省略シ
テ、直チニ審議ニ入リタイト云フ所ノ提案
ガアリマシテ、滿場ハ之ヲ是認シテ、其通
リ取計ッタノデアリマス、政府ニ對シマシ
テ、內務大臣、大藏大臣、總理大臣、其他ノ
政府委員ノ出席ヲ求メマシテ、加藤久米四
郞君、岡田君、中村君、末松君、田尻君、
是等ノ方々ヨリ詳細ナル質問ガアッタノデ
アリマス、質問ノ大體ノ要旨ハ、要シマスル
ニ今日地方財政ノ狀態ト云フモノハ非常ニ
困憊シテ居ル、負擔金ノ不均衡ハ甚大ナル
モノガアル、之ヲ今日ニ於テ救濟セズンバ、
如何ナル事ガ發生スルカモ知ラヌノデアル、
之ニ對シテ政府ノ所見ハ如何ト云フコトデ
アルノデアリマス、內務大臣ノ答辯、大藏
大臣ノ答辯、及總理大臣ノ答辯ハ、色々ノ
コトヲ申サレマスルケレドモ、畢竟スルニ
內閣審議會其モノニ諮詢シテ、然ル後決定
シタイト言フ、其處ニ落チガアルノデアリ
マス、寔ニ吾々ガ考ヘテ居ル所ノ地方財政
ノ非常ナル困憊、負擔ノ不均衡、此モノニ
對シマシテ政府ノ見ル所ノ考ハ、吾々ノ考
ト全ク其程度ヲ異ニスルモノアリト考ヘル
ノデアリマス、是ハ洵ニ遺憾ナル次第デア
ルノデアリマス、而シテ内閣審議會ガ出來
ルノハ何時デアル、一年ノ後カ、二年ノ後
カ、今日困迫セル所ノ地方財政ヲ、此間ニ
於テ如何ニスルヤト云フ國民同盟ノ中村君
ノ問ニ對シマシテハ、總理大臣ハ斯ウ答ヘ
テ居ルノデアリマス、第二豫備金其他ノ方
法ヲ以テ何トカ賄ヒヲ付ケテ行クコトガ出
來ルモノト信ジテ居ル、斯ウ云フ答辯デア
リマス、中村君ハ之ニ對シテ、第二豫備金
ノ金額ハ總計千五百万圓、此金額ノ中ヨリ
災害復舊費ヲ引キ、〓育費ヲ引ク、斯ウ云
フヤウナモノヲ引イテシマッテ、サウシテ交
付金ニ充テント欲スル場合ニ於テハ、剩ス
所ソレ幾何ゾヤ、全ク總理大臣ハ今日地方
財政ノ困迫ナル狀態ヲ御認メニナラヌモノ
デアル、斯ウ云フ質問ガアックノデアリマス
ルガ、之ニ對シテ總理大臣ハ、唯何トカ行
クダラウト云フコトノ答辯アッタ切リデア
ルノデアリマス、是亦吾々ニ取リマシテハ、
甚ダ遺憾且ツ不滿ヲ感ゼザルヲ得ナイ點デ
アルノデアリマス、其他種々ナル微ニ入リ
細ニ入リマシタ所ノ質問ガアリマシタケレ
ドモ、是ハ委細速記錄ニ依ッテ御覽ヲ願ヒタ
イノデアリマス、唯此場合ニ於テ一言申上
ゲテ置キタイコトハ、民政黨ノ前田君ヨリ、
政友會ノ法案ニ對シマシテ、政友會ノ法案ハ
其附則ニ、此實行ハ四月一日ヨリ施行スト書
イテアルガ、最早時日モナイノデアル、ノミ
ナラズ政友會及國民同盟ノ法案ニ依ッテ見
マスルト云フト、第七條、第八條、第九條
ニ依リマスレバ、總テ勅令ニ依ッテ之ヲ處理
スルコトニナッテ居リマスガ故ニ、此勅令ヲ
拵ヘルコトダケデモ容易デナイ、四月一日
ヨリ實行スベキコトハ無理デナイカト云フ
コトノ質問ガアッタノデアリマスガ、之ニ對
シマシテ我黨ノ加藤君及ビ中村君ヨリ、本
案ハ四月一日ヨリ施行スルト云フコトヲ規
定シテ居ル、卽チ本案ノ精神ハ其處ニアル
ノデアルガ、勅令ハ必シモ其日ニ出來上ッテ
居ルコトヲ要スルモノデハナイ、斯ウ云フ
例ハ多々アルノデアル、卽チ此年度ヨリ施
行セラルベキコトヲ意味スルモノデアッテ、
何等ノ差支ガナイノデアルト云フコトノ答
辯ヲ得タノデアリマス、又國民同盟ノ加藤
君ヨリ、民政黨案ニ對シマシテ、民政黨
案ハ勅令ヲ以テ定メルト書イテアルガ、
結局勅令ヲ出スノハ政府デアル、政府ガ勅
令ヲ出スノデアリマスガ故ニ、政府ノ意ノ
儘ニナラナケレバナラヌノデアル、政府ハ
是マデ委員會ニ於テ質問シタル通リ、各大
臣ノ答辯ヲ綜合シテ見マスルト、約マル所
ハ內閣審議會其モノガ出來上ッタ後デナケ
レバ、是ハ實行出來ナイト云フコトニ歸著
スルデハナイカ、其點如何ト云フコトニ對
シテ質問シタノデアリマスガ、前田君ヨリ
ハ、之ニ相當シタル所ノ答辯ハナカッタノデ
アリマス
先ヅ大體委員會ノ經過ハ其通リデアリマ
スガ、質疑終了致シマシテ討論ニ入ッタノ
デアリマス、討論ニ先チマシテ、前田君ヨ
リ民政黨ノ案ニ、斯ウ云フ希望ヲ附ケタイ
ト云フ申出ガアッタノデアリマス、卽チ「政
府ハ本法實施ニ至ル迄地方財政調整ノ爲實
情ニ卽シ應急適切ナル措置ヲ講スヘシ」ト
ノ希望條項ヲ附シタイト云フコトデアリマ
シテ、採決ニ入リマシテ、先ヅ民政黨ノ案
ニ付テ採決シマシタル所、少數デアリマシ
テ否決ニナリマシタ、政友會、國民同盟ノ
案ニ對シマシテ採決シマシタ所、多數ヲ以
テ可決シタノデアリマス、此段御報〓ニ及
ビマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=114
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115・濱田國松
○議長(濱田國松君) 是ヨリ討論ニ入リマ
ス、通〓順ニ依ッテ發言ヲ許シマス-岡田
喜久治君
〔岡田喜久治君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=115
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116・岡田喜久治
○岡田喜久治君 私ハ只今議題トセラレマ
シタ件ニ付キマシテ、委員長ノ報〓ニ反對
ノ意見ヲ表明スル者デアリマス、元來臨時
地方財政補整金法案ト、地方財政調整法案
ト、此二箇ノ法案ハ、只今委員長ヨリノ御
報告ニ依ッテ御承知ノ通リ、殆ド同一ノ趣旨
目的ニ出タモノデアリマシテ、其本質ニ於
テハ何等ノ區別ナイモノト申シテモ宜カ
ラウト思フノデアリマス、現ニ昨年卽チ第
六十五議會ニ於キマシテハ、三派ノ提案ヲ
ソレ〓〓一括併合シテ、共同ノ成案ヲ作リ
マシテ、之ヲ滿場一致通過セシメタ來歷モ
アルノデアリマス、又我ガ民政黨ノ提案デ
アリマスル地方財政調整法案ハ、昨年通過
セシメマシタ所ノ案ト、殆ド其內容ハ同一
デアリマス、寧ロ其成案其儘ト申シテモ宜
シイヤウナモノデアリマス、隨ヒマシテ今
日今更此二ツノ案ガ互ニ對立討議セラレ、
而モ我ガ民政黨案ガ少數ノ故ヲ以チマシテ
否決セラレマシタト云フコトハ、洵ニ意外
トスル所デアリ、且又遺憾トスル所デアリ
マス(拍手)然ラバ此二ツノ法案ハ、一體如何
ナル點ニ於テ、尙且ツ相違ガアッタノデアル
カト申シマスルト、私ノ見ル所ヲ以テシマ
スレバ、僅ニ二ツノ點ニ於テ主ナル相違點
ガアッタト云フニ過ギナイノデハナイカト
思フノデアリマス、卽チ其一ツハ、今囘ノ
政友會、國民同盟共同ノ御提案ニ於キマシ
テハ、其名題ニ冠セラレテ居ル通リ、臨時地
方財政補整金法案、卽チ臨時性ノ法案トセ
ラレタト云フコトデアリマス、吾々民政黨
ノ案ハ、昨年來ノ主張ヲ一貫致シマシテ、殊
ニ本制度ノ本來ノ性質ニ鑑ミマシテ、之ヲ
恆久的制度ト致シテ居ルノデアリマス、是
ガ爲ニ此點ニ於テ兩者ニ相違ガアル譯デア
リマス、又第二ノ違ヒマスル點ハ、補整金
法案ニ付キマシテハ、其附則ニ於キマシテ、
「本法ハ昭和十年四月一日ヨリ之ヲ施行ス」
トアリマス、而シテ我ガ民政黨ノ提案ニ於
キマシテハ、是亦昨年通リ「本法施行ノ期
日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム」ト、斯ノ如ク相
定メテ居リマス、是ガ爲メ施行期日ニ於キ
マシテ兩者ノ間ニ相違ガアル譯デアリマ
ス、無論其他ニ於キマシテモ、仔細ニ檢討
致シマスナラバ相違ノ點ガ無イデハアリマ
セヌ、或ハ配分ノ率ニ關スル相違點ガアリ
マスルトカ、或ハ又吾々民政黨ノ提案ハ
〔議長退席、副議長著席〕
其第九條ニ於キマシテ「本法ノ交付金ハ負
擔過重ナル地方稅ノ輕減ニ充ツルモノト
ス」ト明定致シテ居リマスガ、政友會、國
民同盟共同提案ニアリマシテハ、此點ハ之
ヲ勅令ニ讓ルコトニ今囘改メテ居ラレマ
ス、ソレ等ノ點モ一ツノ違ヒニハ相違アリ
マセヌ、其他案ノ建前等ノ上カラ申シマシ
テモ、吾々ノ提案ハ、苟モ事立法事項ニ關
スル點ニ付キマシテハ、努メテ之ヲ法文ノ
上ニ現スト云フ建前ヲ採ッテ居リマス、然ル
ニ補整金法案ニ於キマシテハ、多クハ之ヲ
勅令ノ規定ニ讓ラレテ居ルヤウデアリマ
ス、全文十箇條中、勅令ニ讓ル事項正ニ
七ツト云フ有樣デアリマス、斯樣ナ點ニ
於テ多少ノ違ヒガナイデモアリマセヌ、
併ナガラ苟モ目的ヲ同ジウスル法案デア
リマスル以上、後段ニ於テ申上ゲタヤウナ
些々タル相違點ハ、寧ロ同工異曲ト申シマ
セウカ、大同小異ト申シマセウカ、少クト
モ敢テ之ヲ異トシテ論ズルニハ足ラヌト思
ヒマス、隨ヒマシテ私ハ、要スルニ兩案ニ
付キマシテ主要ナル相違點ハ、初ニ申上ゲ
マシタ所ノ二ツノ點ニアリト思フノデアリ
や 、然ラバ此二ツノ問題ニ付キマシテ、
政友會、國民同盟ノ諸君ト、吾々民政黨側
ノ主張トガ相違シタト云フ點ハ、如何ナル事
情ニアルカ、一應之ヲ究メマシテ、私共ノ
主張ノ在ル所ヲ現シタイト思フノデアリマ
ス
先ヅ第一ハ恆久制度是ナリヤ、臨時制度
是ナリヤト云フ點デアリマス、一體此制度
ハ敢テ私ガ改メテ申ス迄モナク、制度其モ
ノヽ性質カラ申シマスレバ、全ク是ハ恆久
的ノ施設、持續的ニ之ヲ適用セネバナラナ
イ所ノ性質ヲ具有シテ居ルモノデアリマス
(拍手)隨ヒマシテ本來是ハ恆久的ノ建前デ
アルベキガ當然デアルト吾々ハ考ヘマスル
シ、又適當デナケレバナラヌト思ヒマス、
併ナガラ政友會、國民同盟ノ御提案ニ於キ
マシテ、之ヲ改メテ臨時的ノ制度トサレタ
ニ付テモ、ソレ〓〓ノ御理由モオアリノヤ
ウデアリマス、卽チ理内書ニ於テ御認メデ
アリマスルガ如ク、「現下ノ窮狀ハ遲疑遷延
ヲ許サス卽時卽刻此ノ應急的施設ヲ講スル
ノ要アルヲ痛感ス是レ本案ヲ提出スル所以
ナリ」ト理由書ノ末段ニ記載サレテ居リマ
シテ、洵ニ明瞭デアリマス、私共モ其趣意
ノ在ル所ハ之ヲ諒ト致シマス、思フニ近時
ノ農村事情、地方財政情況ト云フモノガ、
多々益〓以テ喫緊ノ狀態ニ在ルコトニ鑑ミラ
レマシテ、一面之ヲ應急的施設トシテ行ハ
ントスルノ意ニ出デテ居ルニ相違ナイト思
ヒマス、其事情ト其事實トハ、申上グル通
リ吾々モ之ヲ諒ト致シマス、認メマス、然
ルニ私ハ玆ニ尙且ツ疑ハザルヲ得ナイノハ、
乃至又政友會國民同盟側ノ御主張ニ對シマ
シテ反對セザルヲ得ナイノハ、要スルニ一
ツノ理由ガアルノデアリマス、成程政友國
民御提案ノ如ク、焦眉ノ急ヲ補ハンガ爲ニ、
左樣ナ應急的施設トシテ、之ヲ活用スルノ
モ一策デアルカモ知レマセヌ、卽チ言葉ヲ
換ヘテ申シマスナラバ、地方財政ノ負擔均
衡ヲ是正スルト云フ、根本目的ヲ達成スル
ト同時ニ、或ハ役場經費其他目前ノ問題ト
シテ、地方ニ於テ財政窮乏極端ナモノニ向
ヒマシテハ、此交付金ノ一部ヲ割イテ以テ
之ニ充當スル、斯樣ナヤリ方ニ付テハ、洵
ニソレハ一ツノ方法デアルトハ思ヒマスル
ガ、サレバトテソレ等ノ一面ノ應急的必要
ノ爲ニ、此制度全體ヲ臨時性トシ、一時性
ノモノタラシメル必要ガ何處ニアルノデア
リマセウカ、何ト申シマシテモ制度其モノ
ハ、初ニ申シタ通リ吾々ハ絕對的ニ恆久的
性質ヲ有シ、恆久的ノ處置ヲシナケレバナ
ラヌモノト思フノデアリマス、此點ニ於テ
ハ昨年政友會モ、國民同盟モ、吾々ト共ニ
主張ヲ同ウシテ居ッタノデアリマス、ダカラ
シテ其他面現レテ參リマシタ應急的事情ノ
爲ニ、案其モノヲ全體的ニ臨時性ノモノト
スルコトハ、却テ本制度ノ目的ヲ妨ゲ、面
日ート申シマスト當リマスマイガ、少ク
トモ目的ヲ妨ゲ、趣旨ヲ沒却スル嫌ヒガア
ラネバナラヌト思ヒマスカラ、何ヲ苦ンデ
左樣ナ一面ノ事情ノ爲ニ、本制度ヲ應急的
制度トナサッタノカ、私ハ之ヲ疑ハザルヲ得
ナイト同時ニ、之ニ反對セザルヲ得ナイノ
デアリマス(拍手)尤モ此點ニ付キマシテ
ハ、委員會ニ於キマシテ、我黨ノ前田房之
助君ヨリ致シマシテ、政友會ノ加藤久米四
郞君ニ對シマシテ御尋ヲ致シタノデアリマ
ス、之ニ對スル加藤君ノ御答辯ハ、財源ノ
都合上云々ト云フ意味合ノ御答モアリマシ
ク、又或ハ法文ノ體裁モ備ヘナケレバナラ
ヌカラト云フ意味合ノ御答モアリマシタ、
是モドウ云フ御趣旨カ、此點ニ付テハハッ
キリ其眞意ヲ捕捉スルコトガ出來兼ネタノ
デアリマスカラ、其御答辯ヲ引合ニ彼此レ
申シタクハアリマセヌ、併シ私共ガ尙且ツ
疑ハネバナラヌコトハ、斯ノ如ク臨時性ノ
立法ヲ爲サレマスト、將來之ヲドウ爲サル
積リデアルカ、卽チ言葉ヲ換ヘテ言フナラ
バ、一定期間ノ適用ニ止メヨウト云フ意味
デアルカ、卽チ臨時救濟的ノ意味デ以テ、
此制度ヲ終ラウト云フ意味デアルカ、乃至
又法文ノ體裁云々ト云フ御言葉カラ解釋シ
マスト云フト、是ハモウ一層完全ナ法律制度
ヲ作ラナケレバナラヌ、是デハ不完全デアル、
ダカラシテ他日完全ナル所ノ法律制度ニ之
改變セネバナラナイ、所謂暫定的立法ノ意
味デアルカ、此點共ニ解釋スルニ苦ムノデ
アリマスルガ、併ナガラ私ハ以上ノ理由ヲ
以チマシテ、何ヲ苦ンデカ本制度ヲ一時的
立法タラシムル必要ガアルデアラウ、一定
期間ノ適用タラシムル必要ガアラウ、或
又暫定立法タラシムル必要ガアリマセウカ、
吾々ノ成案ハ苟モ前後二年ニ亙リマシテ、
銳意調査考究ノ結果、斯ノ如キ成案ヲ得テ
居ルノデアリマス、吾々ハ十分ニ確信アル
所ノ制度ト之ヲ信ジテ居ルノデアリマス、
隨ヒマシテ直チニ以テ之ヲ施シテ何等遺漏
ナキ筈デアルト云フコトハ、十分ナ自信ヲ
有ッテ居ルノデアリマス、此點折角昨年ニ於
キマシテ、政友會及國民同盟ノ諸君ハ、吾
吾ノ案ニ協同一致ノ步調ヲ執ラレタニ拘ラ
ズ、此主張ヲ棄テラレタト云フコトニ付キ
マシテハ、重ネテ吾々ハ事ノ意外ニ驚カザ
ルヲ得ナイト云フ事情デアリマス、併ナガ
ラ以上申上ゲタ點ハ、或ル意味ニ於テハ、
見樣ニ依リマシテハ、必シモサウ固執シタ
問題デハナイカモ知レヌ、卽チ苟モ本制度
ヲ早ク實施シテ、實行ニ移シマシテ、サウ
シテ之ヲ適用スルト云フコトガ、最モ大事
ナ國民ノ翹望シテ已マナイト云フ點カラ申
シマスナラバ、或ハ臨時制デアッテモ、或ハ
永久制デアッテモ、敢テ問フ所デハナイデハ
ナイカト云フヤウナ意味合ノ見解モオアリ
デアラウト思フ、隨ヒマシテ敢テ私ハ此一
點ノミヲ捉ヘマシテ、此兩者ノ間ニ斯ノ如
キ見解ノ相違點ノ出來タコトヲ云々シ、主
張スル者デハアリマセヌ、唯單ニ折角法案
ヲ作リマスナラバ、斯ノ如キ制度ヲ設ケマ
スナラバ、吾々ハ何處マデモ之ヲ恆久制度
タラシムルコトガ最善デアリ、又適當デア
リ、至當デアルト云フコトニ付キマシテ、
一應ノ議論ヲ申上ゲルニ止メテ置キタイト
思フノデアリマス(拍手)
續イテ第二ノ點デアリマス、卽チ施行期
日ノ問題デアリマス、施行期日ノ問題ハ御
承知ノ通リ、法案ノ附則トシテ定メラレテ
居リマスル附タリ的ノ文句デアリマス、ダ
カラシテ考へ樣ニ依ッテハ、洵ニ片々タル所
ノ一法條ニ過ギナイト云フ有樣デアリマス、
形ノ上カラ申シマスレバ、少クトモ片々タ
ル一法條ノ問題ニ過ギナイ譯デアリマス、
然ルニ此片々タル所ノ一法條ノ爲ニ、是ヨ
リ私ガドウシテモ政友、國民同盟諸君ノ御
提案ニ對シテ贊同シ得ナイ、絕對ニ之ニ贊
意ヲ表スルコトノ出來ナイコトニ至ッタト
云フ事情ニ付テ申上ゲネバナラヌノデアリ
マス、如何ニモ事柄ハ片々タル一片ノ法條
デアリマス、四月一日ヨリ施行スルトモ、
勅令ニ俟ツト云フコトデアラウトモ、本當
ニ似タリ寄ッタリノヤウナ感ジガ致シマス、
併ナガラ深ク熟察ヲ致シマスト云フト、此
一片ノ法條ノ裏ニハ、中々ドウモ多大ノ含
蓄ガアルト思フノデアリマス、卽チ之ヲ實
地ニ適用スルニ際シマシテ、是ヨリ生ズル
結果ト云フモノハ、實ニドウモ重大ナル所
ノ相違ヲ來ス點ガナケレバナラヌト思フノ
デアリマス、先ヅ第一ニ申上ゲタイト思ヒ
マスルコトハ、苟モ豫算ノ伴ハザル所ノ法
律制度ヲ立ツルニ際シマシテ、其施行ノ期
日ヲ勅令ニ俟ツト定メルコトハ、極メテ是
ハ通例ナコトデハナカラウカト思ヒマス、
寧ロ立法ノ原則トモ申シテ宜シカラウト思
ヒマス、況ヤ本案ノ如ク之ヲ實施實行スル
ニ於キマシテハ、御承知ノ通リ五千七百万
圓トカ五千八百万圓、卽チ六千万圓ニ近イ
所ノ、巨大ナル所ノ一大所要經費ヲ必要ト
スルノデアリマス、斯ノ如キ重大ナル所ノ
所要經費ヲ必要トスル法案ヲ考ヘマスル際
ニ、之ヲ四月一日ヨリト云フガ如ク、施行
期日ヲ限定致シマシテ、所謂之ヲ强要スル
ト云フコトハ、洵ニ私ハ事重大デナケレバ
ナラナイト思ヒマス、當然ノ原則ニ據ラズ
シテ、斯ノ如キ限定的期限ヲ以テ施行スル
ト云フコトニハ、ソレ〓〓ノ御理由ガアリ
マセウ、無論其事情ノアル所、理由ノアル
所ニ付キマシテハ、吾々モ之ヲ是認致シマ
ス、能ク之ヲ諒ト致シマス--諒ト致シマ
スルガ、斯ノ如ク立法ノ原則トシマシテ、
極メテ重大ナル所ノ扱ヲセネバナラヌト云
フ以上、然ラバ其適否ニ付キマシテ、實質
的ニ更ニ是ヨリ檢討ヲ試ミネバナルマイト
思フノデアリマス、ソコデ第二ニ考ヘマ
スコトハ、其ヤウニ四月一日ヨリ絕對ニ
施行スル、絕對ニ期限ヲ限ッテ之ヲ實施
スルト致シマスナラバ、一體是ハ其費
用ノ財源ヲ如何ニシテ之ヲ求ムルカ、又
此財源調達ニ關スル所ノ方針ハ如何デ
アルカ、此點ハ之ヲ明ニセネバナラヌ點
デアリマス、之ニ付キマシテ委員會ニ於キ
マシテハ、取敢ヘズ同ジク前田房之助君ヨ
リシテ御質問ヲ申上ゲマシタ、之ニ對シマ
シテ加藤君ヨリ御答ガアッタノデアリマス
ルガ、當時ノ御答ハ洵ニ簡單デアリマシタ
カラシテ、御答ノミヲ以テシテハ、御意中
ヲ忖度スルニハ足ラヌカモ知レマセヌ、御
答其モノハ、財源ノコトハ政府ニ於テ考慮
スベキコトデアル、吾々ガ敢テ考フル必要
ハナイデハナイカ、或ハ考ヘルト云フコト
ハ親切デアルカモ知レナイガ、併ナガラ吾
吾ハ其親切ノ持合セガナイ、大體斯樣ナ御
言葉ニ於キマシテ御答ガアッタヤウナ次第
デアリマス、無論是ハ時ノ都合、時ノ語調
ト云フモノモアリマスカラ、御言葉ノミニ
依ッテ私ハ之ヲ云々致シマセヌ、云々致シマ
セヌガ、併シ少クトモ之ニ依ッテ窺ヒ知ラネ
バナラナイト思フコトハ、財源ニ關スル所
ノ用意、準備計畫、此財政計畫ニ對スル所
ノ考慮ノ程ハ、凡ソ窺ヒ知ラレルノデアリ
マシテ、要スルニ財源ハドウニデモナルダ
ラウ、其裏ニハ押詰メテ申シマスナラバ、
所謂赤字公債ヲ發行シテ、赤字公債ニ求メ
テ以テ此財源ヲ捻出スルナラバ、所謂一擧
手一投足ノ問題デアラウ、斯樣ナ意味合デ
アラウト、一ツハ之ヲ推斷致スノデアリマ
ス、ソコデ私共ハ赤字公債ト限ッテ、之ヲ今
玆ニ彼此レ論議致ス譯デハアリマセヌ、無
論又政友會國民同盟ニ於カセラレマシテ
モ、或ハ赤字公債ニ限ルト云フ意味デナ
ク、其他必要ナ財源アラバ、之ヲ是トスル
コトハ御承認デアルデアラウト思フノデア
リマスルガ、併ナガラ苟モ卽時卽行之ヲ實
施スルトナレバ、恐クハ他ニ財源ノ求メヤ
ウガナイ、殆ド財源調達ノ途ハナイト云フ
コトハ、是ハ明ナル情勢ニ在ルノデアリマ
スルカラシテ、要スルニ赤字公債デアラ
ウ、斯ノ如ク推斷スル外ハナイト思ヒマ
ス、此赤字ノ問題ニ付キマシテ、此際玆ニ
申上ゲルヨリモ、私ハ少シク意見ヲ變ヘマ
シテ、他ノ方面カラモウ一ツ此點ニ付キマ
シテ申上ゲテ見タイト思フノデアリマス、
卽チ財源調達ノ問題ハ、最後ニ之ヲ中上ゲ
ルコトヽ致シマシテ、先以テ茲ニ四月一日
ト限定シマスト云フト、更ニ直チニ問題ト
セネバナラヌコトハ、實施上果シテ是ガ適
當デアルカドウカ、非常ナ支障ヲ起スコト
ハナイカドウカ、適否若クハ能否ノ問題デ
アリマス、勿論此制度ヲ四月一日ヨリ實行
スルニ致シマシテモ、直チニ各箇ノ事務ヲ
開始シ、各箇ノ處分ヲスルト云フヤウナ性
質ノ仕事デハアリマセヌ、隨テ四月一日ヨ
リ實行スルト云フコトハ、要スルニ昭和十
年度分ヨリシテ之ヲ實行スルト云フ意味合
ニ相成ルデアラウト思ヒマス、ダカラシテ
四月一日其日カラ一切ノ準備ヲ整ヘ、一切
ノ手段ヲ講ジマシテ、直チニ之ヲ處置セネ
バナラヌト云フ程ノ必要ハナイノデアリマ
ス、併ナガラ苟モ四月一日カラシテ之ヲ施
行スルト云フコトニ相成リマスルナラバ、
之ニ極メテ直近シタ期限ニ於キマシテ、〓々
是等一切ノ實施準備ヲ整ヘマシテ、施行上
遺漏ナキヲ期サネバナラヌコトハ當然デア
ラウト思フノデアリマス、然ルニ此法案ハ
先刻モ申上ゲマシタ通リ、勅令事項七箇條
ヲ有ツト云フヤウナ狀態デアリマシテ、想
フニ是ガ政府ニ於テ實施上ニ關スル各般ノ
調査ヲ爲スニ當リマシテハ、事柄ハ容易デ
ハナカラウト私ハ存ジマス、卽チ施行規則
ヲ設ケ、或ハ施行細則ヲ設ケ、其他各般ノ
協議準備ヲ遂ゲルト云フヤウナ、諸般ノ準備
ヲ全ウスルガ爲ニハ、何箇月ノ日子ヲ要ス
ルデアリマセウ、恐クハ半歲ニ近キ日子ヲ
要スルト云フコトヲ考ヘネバナルマイカト
思フノデアリマス、其一面ニ於テハ、町村稅
若クハ府縣稅ノ賦課調定ハ、續々トシテ開
始セラルベキ筈ノモノデアリマス、五月、六
月ヲ出ズシテ、段々ト是ガ調定セラレルバ
カリデナク、更ニ是ガ徵收セラレルト云フ
ヤウナ狀態ニ相成リマス、而シテ此制
度ヲ實施致シマシテ、然ル後一定ノ地
方稅ノ輕減ノ手段ヲ講ジ、卽チ賦課率ノ
變更能否ト云フヤウナコトニ相成リマスル
ナラバ、其間思ハヌ所ノ、餘程ノ混雜ヲ
呈スルト云フコトハ、少クトモ考ヘネバナ
ラヌト思フノデアリマス、斯樣ナ實施上
ノ幾多ノ經緯ヲ考ヘマスルト云フト、此點
ヨリシテ考察シマシテ、私ハ敢テ不可能ト
ハ申シマセヌガ、甚ダ是ハ無理ノ多イ、妥
當ヲ缺イタ、不適當ナ處置デアリ、法案デ
アルト云フコトヲ申サネバナルマイト思フ
ノデアリマス(拍手)
況ヤ更ニ最後ニ中上ゲタイ點ハ、卽チ此
財源調達ノ問題デアリマスルガ、兔ニ角六
千万圓ノ巨額ニ達セントスル所ノ財源ヲ調
達スルト云フコトヲ、四月一日〓々ヨリシ
テ之ヲ行ハシメヨウト云フヤウナ、手段ニ
出ルト云フコトデアリマスルナラバ、是ハ
此間ニ於テ財政上如何ナル處置方針ヲ抱
カレテ、然ル後斯ノ如キ擧ニ出タモノカ、
委員會ニ於テ之ニ對スル御說明ヲ殆ド聽ク
コトヲ得ナカッタコトハ、先ニ申上ゲタ通リ
デアリマス、併シ私共ヲシテ言ハシムナラ
バ、第一是レデハ既定ノ財政計畫ヲ無視ス
ルモノデハナカラウカ、私ハ斯ノ如ク思フ
ノデアリマス、吾々ハ昭和十年度ノ豫算案、
卽チ一般豫算案ニ付キマシテ、幾多ノ論議
討究ヲ重ネマシテ、兔ニ角之ヲ通過セシメ
マシタ、其間ニ於テ財政ノ現狀ニ對シマシ
テ、財政ノ將來ニ亙リマシテ、幾多ノ〓究
ヲ遂ゲ、殊ニ此赤字財源ノ問題ニ付キマシ
テモ、大ニ之ヲ論議討究シタコトハ御承知
ノ通リデアリマス、或ハ又赤字公債法案ヲ
可決スルニ付キマシテモ、特ニ赤字問題ヲ
中心トシマシテ、幾多ノ審議討究ヲ盡シタ
次第デアリマス、此際赤字公債發行ノ限度
如何ト云フヤウナコトハ、敢テ私ハ申シマ
セヌガ、少クトモ是レ以上今日ノ狀態ニ於
キマシテ、巨額ナル所ノ赤字ヲ徒ラニ求メ
ル-ト云フト語弊ガアルカモ知レマセヌ
ガ、唯單ニ容易ニ赤字公債ノ發行ヲ求メル
ト云フコトハ、今日ノ財政事情トシテ、如
何ニ困難ノモノデアルカ、又如何ニ無理ナ
モノデアルカト云フコトニ付キマシテハ、
是マデノ諸ノ機會ニ於キマシテ、是ハ十分
ニ論議シ盡サレタ問題デアリ、殊ニ政府當
局ノ意ノアル所、方針ニ付キマシテハ、十
分之ヲ質シタ次第デアリマス、而シテ政府
ハ要スルニ今日以上赤字ノ捻出ヲスルト
云フコトハ、事容易ナラズト云フ所ノ意見
ヲ堅持セラレテ居リマスコトハ、一般ニ御
承知ノ通リト存ジマス、此際此時、而モソ
レ等ノ問題ヲ大體ニ於テ評議決定シ、是認
シ、其財政方針ヲ大體ニ於テ承認シタ曉、
今更玆ニ改メテ、更ニ此六千万圓ノ巨額ノ
赤字ヲ、此制度ニ依ッテ之ヲ遽ニ求メヨウト
云フコトハ、洵ニ私ハ既定ノ財政計畫ニ對
スル所ノ公理ニ付テ、之ヲ極メテ輕視シ、
無視スルノ態度デアルト言ハザルヲ得ナイ
ノデアリマス、(拍手)況ヤ此農村救濟、卽チ
時局匡救等ノ問題ニ付キマシテハ、彼ノ六
十五議會ノ緊急動議以來、遂ニ是ガ種々ノ
問題トナリマシテ、漸ク昨今ニ於キマシテ、
第二豫備金トシテ、漸ク千五百万圓ニ垂ン
トスル所ノ支出ヲ見ル狀態ニ相成ッテ居ル
ヤウナ有樣デアリマス、而モ顧ミマスレバ、
是ハ當初ノ要求ハ、所謂一億八千万圓ノ巨
額デアル、一億八千万圓ノ巨額ガ一千五百
万圓ノ額ニ大體相成ッタニ拘ラズ、兔ニ角此
情勢ハ今日ノ我國ノ財政事情ヨリシテ、御
不足、御不滿ハアリマセウガ、兔ニ角此政
府ノ方針處置ト云フモノヲ認メタ狀態デア
リマス、之ヲ是認シタ狀態デアリマス、卽
チ一千五百万圓以上、一億八千万圓ハ別問
題ト致シマシテモ、更ニヨリ以上ノ巨大ナ
ル所ノ歲出ヲ赤字ニ依ッテ捻出スルト云フ
コトハ、財政事情ノ許サヾル所デアルト云
フ政府ノ方針ヲ是認セラレタ所ノ狀態ニア
ルト思フノデアリマス(拍手)斯ノ如キ財政
事情ヲ確認セラレ、是認セラレ、承認セラ
レツヽアル所ノ曉ニ於テ、今直チニ茲ニ更ニ
六千万圓ノ赤字公債ニ依ル所ノ問題ヲ提出
スルト云フコトハ、洵ニ私共ハ其心事ヲ解ス
ルニ苦シムト云フ狀態デアルノデアリマス(拍
手)斯樣ナ事情カラ致シマシテ、兔ニ角私共
ハ洵ニ是ハ御無理ナ御註文デアリ、恐ラク實
際ノ問題トシテ、到底是ハ實現ヲ期スコト
ノ出來ナイ所ノ問題デアル(拍手)或ハ斯ノ
如クデアリマシテハ、貴族院方面ニ於キマ
ス所ノ反響モ如何デアラウカ、政府ノ同意、
不同意ニ關スル所ノ傾向ニ付キマシテモ、
ドウ云フモノデアリマセウカ、兔ニ角種々
ノコトヲ考ヘマス時、洵ニ斯ノ如キ處置方
針ト云フモノニ付キマシテハ、私共ハ之ヲ
承認スルコトガ出來ナイト云フヤウナ結果、
表面上洵ニ片々タル問題デハアリマスルガ、
此施行期日ノ問題ニ關シマシテ、斯ノ如キ
吾々ハ政友會ノ主張ニ對シマシテ、異ッタ所
ノ意見ヲ有セザルヲ得ナイト云フヤウナ、
有樣ニ相成ッテ居ルノデアリマス、仍テ最後
ニ私ハ此際我黨ノ主張ノアル所ヲ明ニ致シ
マシテ、尙且ツ以上ノ反對理由ヲ補フコト
ニ致シタイト思フノデアリマス、我黨ノ主
張ハ、同志ヨリ提案ノ最初ニ說明致シテ居
リマスガ爲ニ、諄々シイコトハ言フ迄モナ
ク申上ゲマセヌケレドモ、以上申上ゲタコ
トニ觸レタ點ニ付テノミ、其二三ノ點ニ付
テ申上ゲテ見タイト思フノデアリマス
我黨ノ方針ト致シマシテハ、本制度ガ抑〓、
恆久的制度デナケレバナラヌト云フ信念ノ
下ニ出發シ、確定的制度トシテ之ヲ行ヒマ
ス以上、之ニ要スル所ノ財源ハ、言フ迄モ
ナク是ハ確定的財源ニ俟タネバナラナイ、
恆久的財源デナケレバナラヌト信ズルノデ
アリマス、故ニ昨年來吾々ハ、先ヅ理想ト
スル所ノ財源トシマシテハ、第二種所得稅
ノ增徵、資本利子稅ノ增徵、又相續稅ノ增
徵及奢侈稅ノ新設、是等ノ四五ノ財源ハ、
極メテ本制度ニ對シマシテ好適ノ財源デモ
アリ、又國家財政ノ見地カラ申シマシテモ、
極メテ妙味アル所ノ財源デアルト云フ意味
合ヲ以チマシテ、而シテ理想トシマシテハ、
此財源ニ依ルコトヲ期シツヽアルヤウナ譯
デアリマス、併ナガラ一ツノ制度ヲ實施ス
ルニ付キマシテ、必シモ一定ノ財源ヲ確定
シテ、明定シテ吾々ハ主張シ、若クハ要求
スルト云フ必要ヲ認メマセヌカラシテ、是
ハ一ツノ希望デアリ、理想デアリ、參考ト
シテ提示シタ所ノ財源方針デアリマスガ、
實際ハ尙且ツ政府ガ然ルベキ所ノ處置方針
ノ下ニ、適當ナ財源ヲ捻出シテ、之ニ處ス
ルコトハ言フ迄モナク之ヲ妨ゲナイノデア
リマス、併シ旣ニ吾々ノ求ムル所ノモノハ、
確定的財源デアルト云フコトヲ、要求スル
次第デアルノデアリマス、尙ホ序ニ申シマ
スルガ、以上申上ゲマシタ四ツノ財源ハ、
御承知ノ通リ之ヲ增徵若クハ新設スルト致
シマシテモ、必シモ國民ノ總負擔ノ關係カ
ラ申シマシテハ、增稅ト云フ結果ヲ齎スベ
キモノデハナイ、卽チ他面之ニ依ッテ得タル
財源ガ、本制度ニ依ッテ吾々ノ主張スルガ
如キ、地方稅ノ過重ナル負擔ノ輕減ニ充ツ
ルト云フコトニ相成リマスナラバ、有ル所
カラ金ヲ取ッテ、無イ所ニ之ヲ適當ニ補ッテ
ヤルト云フノデアリマスカラシテ、國民總
負擔ノ關係カラ申シマスレバ、全クトン〓〓
ノ狀態ニ相成ルヤウナ關係デアリマス、形
ノ上ニ於テハ增稅デアリ、新稅デアル狀態
デアリマスガ、實質ニ於テハ以上申上ゲル
ヤウナ關係ニ相成ッテ居リマシテ、同時ニ又
是等ノ財源ニ求ムルト云フコトハ、他面本
制度ノ反面ノ目的ヲ達成スル、言葉ヲ換ヘ
テ言フナラバ、本制度抑、ノ根本ノ目的ハ、
國民ノ不均衡極マッタ所ノ負擔ヲ是正シヨ
ウト云フ所ニアリマス、隨テ困ッテ居ル所ニ
向ッテ餘計ノ金ヲ交付シテ上ゲヨウ、斯ウ云
フ譯デアリマス、然ルニ以上申上ゲタ所ノ
財源ニ依ッテ、富メル所カラシテ澤山ノ收入
ヲ擧ゲテ、國稅ノ形式ニ於テ之ヲ取ッテ、而
シテ地方稅ノ形式ニ於キマシテ、地方農漁
山村等ニ之ヲ撒クト言フノデアリマスカ
ラ、反面ニ於テハ是等ノ財源ハ、同時
ニ負擔不均衡ノ問題ヲ是正スル、卽チ此雙
面的ニ、兩面的ニ負擔不均衡ノ目的ヲ達成
スル、斯樣ナ效用ヲ發揮スベキ所ノ性質ヲ
有スル所ノ財源デアルト云フコトニ付キマ
シテハ、御承知ノ次第デアリマスガ、玆
一言之ヲ明ニ致シテ置ク次第デアリマス、
更ニ又吾々ノ提案ハ、其使途ニ付キマシテ
ハ、之ヲ明ニ地方稅ノ過重ナル負擔ノ輕減
ニ充ツル、斯ノ如キコトニ之ヲ明定致シテ
居リマス、併シ此點ニ付キマシテハ、以上
中上ゲタ點ニ於テ御諒解ノ所デアリマスル
カラシテ、敢テ是レ以上申上ゲナクテモ宜
シカラウト思フノデアリマシテ、之ヲ省略
致シマス、ソコデ第三番目ニ中上ゲタイコ
トハ、實施期日ノ問題デアリマス、吾々ト
致シマシテモ希望スル所ハ、今日ノ地方財
政ノ窮狀ノ現狀ニ鑑ミマシテ、一日モ早ク
斯ノ如キ制度ヲ施シタイ、之ヲ實行ニ移シ
タイコトハ萬々デアリマス、併ナガラ如何
ニ急要ナル制度トハ申シナガラ、實施ノ方
法、手段、是ノ宜シキヲ得ナケレバナラ
ヌ、況ヤ財源調達ノ手段ニ依ッテ、卽チ財政
的事情ニ於テ、之ヲ許ス所ノ方法ニ於テ、
之ヲ實行セネバナラヌト云フコトヲ考慮、
考察セネバナラナイ故ニ、私共ハ先程申上
ゲタヤウナ財源ヲ希望シ、豫定シテ之ヲ政
府ニ求ムルモノデアリマス、併ナガラ政
府ハ又見ル所アッテ、之ヲ他ノ財源ニ依ッテ
モ宜シイガ、併ナガラ確定財源ニ俟ツト云
フノデアリマス、隨テ吾々ハ其確定財源
ヲ、政府ニ於テ捻出スルコトノ急速ナルコ
トヲ希望スルノデアリマスルガ、ソレ以上
之ヲ促進シヨウト云フコトハ、是ハ無理デ
アルト云フ所ノ考ヲ有ッテ居ルノデアリマ
ス、政府ガ急速ニ是ガ調達ヲ求メラルヽナ
ラバ、施行期日ハ勅令ニ依ッテ居ルノデア
リマスカラ、數箇月ノ中ニ於テ之ヲ實施セ
ラルヽコトハ、洵ニ希望スル所デアリマ
ス、或ハ已ムヲ得ズシテ財源調達ノ點ニ於
テ、内閣審議會ニ掛ケネバナラヌト云フ事
情ガアルト致シマスナラバ-巳ムナキ事
情ガアリトスレバ、吾々ハ之ヲ待タネバナ
ラナイト云フコトヲ考へテ居リマス、併ナ
ガラ私共ハ斯ノ如ク、是ガ爲ニ或ハ半歲、
若クハ長キ期間ヲ豫想スルナラバ一年間ノ
猶豫ヲ待タネバナラヌヤウナコトガ起ルカ
モ知レナイ、起ルカモ知レナイガ、吾々ガ
本制度ノ提出ニ依ッテ齎ラサレナケレバナ
ラヌ利益ハ、少クトモ此時此際、吾々ガ理
想トシテ懷イテ居ル所ノ、斯ノ如キ確定的
成案、斯ノ如キ制度其モノヲ、此際實行ニ
移シテ置キタイ、此制度其モノヲ實行ニ移
シタイ、此事ガ吾々ノ最モ茲ニ希望シ、要
求シ、又之ヲ必要ト感ズル次第デアリマ
ス、隨テ財源ノ都合カラシテ、是ガ不幸ニ
シテ數箇月、若クハ一年ノ猶豫ガサレルコ
トガアリマシテモ、或ハ是ハ已ムナキモノ
トシテ吾々ハ認メザルヲ得ナイカモ知レマ
セヌ、得ナイカ知レマセヌガ、此意味ニ於
テ、吾々ノ提出案ニ於テ、玆ニ是ガ重大ナ
ル所ノ意義ガアルト云フコトヲ御認メヲ願
ハナケレバナラヌノデアリマス、是ガ爲ニ
私共ハ更ニ先刻委員長カラノ御報告ニ於テ
申シテ戴キマシタ通リ、特ニ希望條項ヲ附
シマシテ「政府ハ本法實施ニ至ル迄地方財
政調整ノ爲實情ニ卽シ應急適切ナル措置ヲ
講スヘシ」斯樣ナ希望條項ヲ附シマシタヤ
ウナ次第デアリマス、申上ゲマシタヤウナ
事情ノ下ニ、是ガ數箇月、若クハ半歲以上
遲延スルコトガアリマシタ際、少クトモ昨
今ノ狀態デハ、焦眉ノ急ニ應ズルコトガ出
來ナイ、併ナガラ是ハ打捨テ置クコトノ出
來ナイ所ノ地方財政ノ窮狀デアリマスカ
ラ、之ニ對シマシテハ須ク政府ハ、卽チ本
法ノ實施ニ依ルノ間、實情ニ卽シマシテ應
急適切ナル所ノ、必要ナル設備ヲ講ゼネバ
ナラナイ、吾々ハ斯ノ如ク觀ジ之ヲ政府ニ
要求セントスル次第デアリマス、政府ガ今
日迄或ハ委員會其他ノ機會ニ於キマシテ申
サレマシタ通リ、政府ニ於キマシテモ、實
情ニ卽シテ必要ナル措置ヲ講ズルト云フ
所ノ、方針ヲ有シツヽアルヤウナ狀態デア
リマス、或ハ低利資金ヲ供給スルトカ、若
ハ其利子ヲ補給スルトカ云フガ如キコトハ、
旣ニ政府ノ胸中ニアル所ノ狀態デアリマス
ルガ、私共ハソレ以上或ハ經費不足ヲ〓ゲ
テ居ル所ノ町村、例ヘバ小學校〓員給ヲ支
拂フコトガ出來ナイトカ、或ハ役場吏員俸
給ノ支拂ニ窮シテ居リマスルトカ、斯ノ如
ク町村財政ガ極度ニ逼迫、窮迫ノ狀態ニア
ル所ノ町村ニ對シマシテハ、唯單ニ低利資
金ノ供給トカ、利子ノ補給等ノコトニ依ル
ノミナラズ、第二豫備金千五百万圓ノ支出
ヲ活用致シマシテ、十分ニ之ニ對シマシテ
適當ナル所ノ處置ヲ誤ラザルヤウ、以テ繫
ギノ手段ヲ講ゼシメマシテ、一日モ早ク本
法ノ實施、適用ヲサレルヤウ、是ガ實行ニ
移サルヽヤウ、吾々ハ要求シテ居ルヤウナ
次第デアリマス
以上ガ要スルニ私共ガ懷キツヽアッタ所
ノ案デアリマス、然ルニ以上ノ方針ニ拘ラ
ズ、委員會ニ於テハ唯單ニ少數ノ故ヲ以チ
マシテ、吾々ノ案ガ否決セラレマシタト云
フコトハ、洵ニ國家、天下ノ爲ニ吾々ノ不
幸トスル所デアリマス、併ナガラ私共ハ段
段申上ゲマシタ所ノ事情ニ於キマシテ、委
員長報告ノ斯ノ如キ所ノ事柄ニ對シマシテ
ハ、ドウシテモ之ヲ承服スルコトハ出來マ
セヌ、遺憾ナガラ之ニ對シマシテ絕對反對
ノ意ヲ表明スル次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=116
-
117・植原悦二郎
○副議長(植原悅二郞君) 山本愼平君
〔山本愼平君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=117
-
118・山本愼平
○山本愼平君 私ハ委員長報告ニ贊成ノ意
見ヲ述ブル者デアリマス、自治體ノ財政ヲ
補整シテ、負擔ノ不均衡ヲ調和スベク、補
整金制度ノ必要ナコトハ、政友、國同ノ共
同提案ニ係ルモノバカリデナク、民政黨モ
只今岡田君ノ御話ノ通リ、略〓是ト同樣ナル
提案ヲ致シテ居ルノミナラズ、政府亦之ヲ
認メテ居ルノデアリマス、委員會ニ於ケル
質疑應答中、政府ノ答辯ヲ拜見致シマスト、
私共ノ甚ダ不可解ノ點ガ頗ル多イノデアリ
マス、先ヅ政府ニ對スル此不可解ノ點ヲ究
メルト共ニ、第二段ニ入リマシテ、只今岡
田君ノ民政黨ノ御意見ニ對シテ吾々ノ主張
ヲ申述べテ見タイト思ヒマス
私ハ此際各大臣ノ本案ニ對スル言明ヲ批
評致シテ見タイト思ヒマス、先ヅ第一ニ內
務大臣ト致シマシテハ、本案ニ對スル認識
ガ有ルノカ無イノカ、往クノカ歸ルノカ、
甚ダ不審ニ思フノデアリマス、內務省ハ昭
和七年以來三箇年間、本案ト同一趣旨ニ依
ル經費ヲ財政當局ニ要求サレテ居ルノデア
リマス、殊ニ昨年ノ通常議會ニ於テハ、地
方局長ハ此制度ニ依ルニ非ザレバ窮乏町村
ノ財政ヲ緩和シ、負擔ノ不均衡ヲ是正スル
コトハ出來ナイトマデ三〓ヲヲテテルノデ
アリマス、斯樣ナ内務省當局ノ意見デアル
ニモ拘ラズ、如何ナル變化ガ起リ、如何ナ
ル理由ニ依リマシテカ、內務大臣ハ或ハ審
議會ニ名ヲ藉リ、或ハ調査ニ名ヲ藉リテ本
案ニ對スル適當ナル處置ヲ執ラレナイノデ
アリマスカ、若シ本制度ノ緊要ナルコト
ヲ聲明サレタ內務當局ノ責任カラ申シマス
ナラバ、此際審議會ナドニ名ヲ藉リズニ、
本當ニ其責任上相當ナコトヲ言明セラレ、
又其施行上ニ熱意ガアラネバナラヌノデア
リマス、不幸ニシテ此點ガ內務當局ニ甚シ
ク缺ケテ居ルノニ、非常ナ遺憾ヲ覺エザル
ヲ得ナイノデアリマス、又內務大臣ハ、本
制度ヲ設ケレバ交付金額ノ總額ガ段々殖エ
テ、底止スル所ヲ知ラナイト云フヤウナコ
トヲ御述ニナッテ居ルヤウデアリマスガ、是
モ亦餘リニ交付金制度ニ對スル無識ヲ現ス
モノデハアリマスマイカ、吾々ノ提出致シマシ
タル本案ニ依ル調整交付金額ハ、府縣配分ニ
付テ之ヲ見マスト、沖繩縣ダケニ致シマシテ
モ、縣稅總額ノ合計七割以上ノ配分金ヲ下ス
コトガ出來ルノデアリマス、殊ニ第乏セル
町村ニ對シマシテハ、村稅總額、ノ八割ニモ
達スル配分金ヲ給與スルコトガ出來ルコト
ニナッテ居リマス、吾々ハ補整金ヲ國庫カ
ラ支出セシメテ、町村ヲ無稅ナラシムルト
ハ致シテ居リマセヌ、本案ハ地方財政窮乏
緩和ヲ目的トスルノデアリマシテ、地方稅
ノ負擔ノ均衡ヲ矢張基調トシテ、其基調ノ
上ニ立ッテ、窮乏町村ノ財政ヲ緩和シタイ
ト云フ立場ニ立チマス以上ハ、其金額ガ徒
ニ每年增額致シマシテ、止ル所ヲ知ラナイ
ト云フヤウナコトハ、斷ジテナイノデアリ
マス、一定ノ基調ノ上ニ立ッテ居ルノデア
リマス、彼ノ小學校〓員國庫補助金トハ、
自ラ其性質ヲ異ニ致シテ居リマス、此點ニ
於テ吾等ノ主張致シマスル所ノ補整金ハ、
人口ト負擔力トノ二ツニ分ケマシテ、殊
此點ハ民政黨ト違フ所デアリマスガ、民政
黨ノ諸君ノ補整金ハ、人口ニ重キヲ置イ
テ、其金額ヲ多ク地方ニ配付シヨウト致シ
テ居リマスガ、吾々ハ人口ハ極メテ少ク、
其大部分ハ地方ノ負擔能力ニ應ジテ之ヲ配
分シヨウト致シテ居ルノデアリマス、斯樣
ナ立場カラ致シマシテ、吾々ノ主張デハ單
ニ金ヲ吳レルト云フヤウナ立場デハナク
テ、一定ノ標準ト基準ガアルノデアリマ
ス、此基準ニ立チマス以上ハ、其止ル所ヲ
知ラナイヤウナ增額ト云フコトハ、到底考
ヘラレナイ、此點ニ於テ內務大臣ハ甚シク
其認識ヲ異ニシテ居ルヤウデアリマス、又
內務大臣ハ、稅制整理ト併セ考フルト云フ
ヤウナコトヲ申シテ居ラレルヤウデアリマ
スガ、稅率ノ改正ハ團體相互ヲ救フコトハ
出來マセヌ、團體內ニ於ケル多少ノ不均衡
ハ是正サレルカモ知レマセヌケレドモ、團
體相互間ノ負擔ノ不均衡ハ是正サレナイノ
ミナラズ、窮乏町村ヲ救フコトハ、稅源ヲ
或ル程度ニ與ヘマシテモ尙且ツ難カシイ、
是等ノ狀態ヲ內務大臣ガ知ラナイ筈ガアリ
マセヌ、然ルニ言葉ヲ審議會ニ藉リテ、少
シモ此問題ニ熱意ヲ有タレナイト云フコト
ハ、昭和七年以來三箇年間モ、內務大臣ト
シテ大藏大臣ニ要求サレタ其立場カラ考ヘ
マシテモ、吾々ノ甚ダ不可解ノ所デアリマ
ス
又大藏大臣ノ御立場ヲ考ヘテ見マスト云
フト、大藏大臣ハ動モスレバ地方自治體ニ
只金ヲヤルノデハナイカト云フヤウナ御言
葉ヲ屢〓漏サレテ居リマス、是モ矢張只今金
ヲヤルカラシテ、徒ニ金額ガ增大スルノデ
ハナイカト云フ心持ト似テ居ル、併ナガラ
町村ハ國家ノ委任事務ヲ以テ、其七割ヲ占
メラレテ居リマス、若クハ八割ニモ達スル
カモ知レマセヌ、國家ガ町村ニ對シテ、下
級團體ニ對シテ、國家ノ委任事務ヲ、其町
村ノ固有ノ事務ヨリモ二倍以上モ負擔ヲセ
シメテ、而モ之ニ對シテ相當ノ報酬-言
葉ハ惡イカモ知レマセヌガ、一種ノ酬イヲ
拂ッテ居ラヌト云フコトハ、決シテ妥當ノ立
場デハアリマセヌ、出來ルダケ相當ノモノ
ヲ下級團體ニ與ヘナケレバナラヌノヲ、中
央集權ノ立場カラ、法律若クハ命令ニ依ッテ
仕事ヲ强ヒテ、而モ之ニ對シテ相當ナル經
濟的援助ヲ與ヘテ居ラヌ、サウ云フ立場ガ
現在吾々ノ地方自治團體ヲシテ甚シク窮乏
ニ陷ラシメテ居ルノデアリマス、此立場カ
ラ申シマシテモ、地方〓體ハ只金ヲ國家カ
ラ貰フト云フコトハ毫末モ考ヘテ居ラナ
イ、然ルニ動モスレバ大藏大臣ニハ、或ハ
總花的デアルトカ、或ハ只吳レルノデアル
トカ云フヤウナ御心持ガ所在ニ見エルノ
ハ、甚ダ遺憾トスル所デアリマス、殊ニ大
藏大臣ハ自力更生ト云フヤウナコトヲ屢〓言
ハレテ居リマス、自力更生ト云フコトハ、
是ハ精神的價値ノ意味ニ於テハ當然デアリ
マセウ、國民ヲ勵マス立場ニ於テ、精神的
立場カラハ、左樣ナ言葉ヲ遣ハレルノハ當
然デアリマセウガ、之ヲ實際的ニ見マシ
テ、卽チ之ヲ現實的ニ考ヘタ場合ニ於キマ
シテ、今日地方ノ農村ハ果シテ自力更生ノ
力ガアルノデアリマスカ、ナイノデアリマ
スカ、自力更生トハ自分ノ力ヲ以テ本當ニ
奮ヒ起ッテ、ソレデ一切ノ生活ヲ改善ス
ルコトノ出來ル立場デアリマスガ、不
幸ニシテ今日ノ資本主義機構カラ生ズル
自然ノ狀態ハ、丁度譬ヘテ申シマスナラ
バ、川ヲ今渡ラウト致シテ居リマスル
ノニ、船ガ其處ニ百艘シカナイ、而シ
テ之ヲ渡ラウトスル者ハ三百人アルト
致シマス、自力更生トハ百人ノ人ガ百艘ノ
船ニ乘ルナラバ宜シイガ、百艘ノ船ニ對シ
テ三百人モ、五百人モ、千人モアッタ場合ニ
於テハ、勢ヒ乘リ殘サレルノハ當然デアリ
そう、自力更生ヲ稱スル場合ニ於テハ、先
ヅ其船ガ用意セラレテ居ラネバナラナイ、
然ルニ先ヅ最モ必要ナル船、之ヲ若シ現在
ノ立場カラ-此頃ノ立場カラ申シマスナ
ラバ、學校ニ譬ヘテモ宜シイ、三百人ノ學
生シカ收容スル力ノナイ學校ニ對シテ、千
人ノ入學者希望者ガアッタ場合ニ於キマシ
テハ、後ノ七百人ハ如何ニ自力更生ヲ致サ
ウト致シマシテモ、入學ガ出來ナイノデア
リマス、今ノ資本主義ノ狀態ニ於キマシテ、
船ハ一定ノ場所ニ堆積セラレテ居リマシテ、
農村ニ向ッテ渡ルベキ船ヲ與ヘテ居ラヌ、如
何ニカシテ渡ラウト思ッテモ船ガナイ、船ガ
アッテ、初メテ其一艘ノ船ニ一人乘ッテ、荒
波ヲ蹴破ッテ、自力更生ヲスルト云フカヾ
ソコニ起ルノデアリマスガ、乘ラウトスル
船ハ、多ク都會地若クハ資本家階級ノ所ニ
堆積セラレテ、乘ルベキ船ガ農村ニナイト
致シマスルナラバ、何處ニ自力更生ガ起ル
デアリマセウ(拍手)此點ガ今日ノ資本主義
制度ニ對スル缺點デアリマスト同時ニ、大
藏大臣ハ動モスルト自由主義經濟ノ昔ノ儘
ノ御心持カラ、ドウシテモ個人ハ個人ノ立場
カラ自分ヲ救濟セヨト云フコトバカリ考ヘ
テ居ラレルヤウデアリマス、吾々カラ言ハ
シムルナラバ、若シ此議論ヲモット進メマス
ナラバ、私ハ個人ノ負債ト雖モ、國家若ク
ハ社會ガ之ヲ負擔スベキ義務ガアル、例へ
バ貨幣價値ノ暴騰暴落ニ對シマシテハ、何
人ガ是ノ責任ヲ負フノデアリマスカ、貨幣
價値ノ極メテ低イ、卽チ物價ノ非常ニ騰貴
致シタ時ニ金ヲ借リテ、物價ガ下落シテ、
貨幣價値ノ騰貴シタ時ニ、高イ金ヲ返サナ
ケレバナラヌ時ニ生ズル、此貨幣價値ノ動
搖ノ損失ハ、唯金ヲ借リタ負債者ノミガ負
フノガ正義ノ觀念デアリマセウカ、之ニ對
シテハ相當ニ國家モ、社會モ、或ル程度ノ
責任ヲ感ジナケレバナラナイ(拍手)左樣ナ
立場カラ考ヘテ見マスルナラバ、個人ノ自
力更生スラモ、國家若クハ社會ガ或ル程度
マデ之ヲ救濟シナケレバナラヌ義務ガア
ル、況ヤ公共團體ガ給料モ拂ヘナイ、何ノ
事業モ起スコトガ出來ナイト云フヤウナ窮
乏狀態ニナッタ場合ニ於テ、國家ガ之ヲ救フ
ト云フコトハ、當然中ノ當然デアリマス(拍
手)卽チ資本階級若クハ都會地ニノミ船ガ
集ッタ場合ニハ、其船ヲ或ル程度マデ其處カ
ラ是正シテ農村ニ之ヲ廻シテ、其處カラ世
間ノ荒波ヲ乗リ切ルベク、其船ヲ農村ノ爲
ニ用意サセテ、此荒波ヲ蹴破ラセルト云フ
コトガ、國家ノ一ツノ任務デアリマス、左
樣ナ立場カラ考ヘテ見マスル時ニ、動モス
レバ大藏大臣ガ頻ニ一體農村ハ贅澤ダ、葬
禮婚禮ニ餘計金ヲ使ッテ居ルトカ、或ハ金ヲ
吳レヽバ矢鱈使ッテ止マル所ヲ知ラナイダ
ラウト云フヤウナ氣分ガアルノミナラズ、
サウ云フ言葉ガ屢〓現レテ參ルノハ、ドウモ
少シ頭ガ堅クオナリニナッタノデハナイカ
ト斯ウ思フノデアリマス、此點ニ於テ甚
グ大藏大臣ノ立場ヲ遺憾ニ思ハザルヲ得ナ
イ、又總理大臣ハ屢〓此間題ニ對シマシテ、
國政審議會ニ名ヲ藉リテ、更ニ適當ナ御返
事ヲナサラヌヤウデアリマス、旣ニ昭和七
年以來殆ド棚曝シトモ申サレル程ニ國民ノ
間ニ知ラレ、官民共ニ之ニ對スル認識ヲ深
メテ居ルニ拘ラズ、依然トシテ之ヲ內閣ノ
國政審議會ニ隱レテ、國民ノ總意ヲ少シモ
反射シテ考ヘテ居ラレナイヤウデアリマス
ガ、此點ハ更ニ一層吾々ノ遺憾ヲ感ズル點
デアリマス(拍手)最早今日ニ於キマシテハ、
斷行ノ一アルノミデアリマス、モウ考ヘル
餘地ハナイ、唯斷ノ一アルノミデアリマシ
テ、苟モ國家、國民、政府ハ勿論、有ユル
方面ニ於テ、サウ云フ心持ガ溢レテ居ル以
上ハ、國政ノ局ニ立ツ總理大臣ハ、此國民ノ
總意ヲ直チニ反射シテ、斷行ノ一アルノミ
デアリマスガ、而モ內閣審議會ニ言葉ヲ藉
リテ、之ヲ爲スコトヲ避ケルノハ、何處ニ
一體心持ガアルノカ、吾々ハ殊ニ之ヲ不可
解ニ思フノデアリマス、今日ノ狀態カラ
申シマスト云フト、最早農村ノ有樣ト云
フモノハ、全ク窮乏ノ極ニ陷ッテ居リマ
シテ、一日ヲ忽セニシ得ナイ此場合ニ於
テ、吾々ノ最モ努メナケレバナラヌコ
トハ、是ハ加藤氏ノ申サレタ如ク、最早
食餌療養ヲ施ス餘地ハアリマセヌ、頓服
劑ヲヤッテ、出來ルダケ早ク地方ノ自治團體
ヲ生カサナケレバナラナイ、ソレ程早急ヲ
要スル場合ニ、尙且ツ國政審議會ニ名ヲ藉
リテ、依然トシテ隱レ蓑ニ隱レテ居ラレル
ト云フヤウナコトデ、果シテ現內閣ハ國民
ノ總意ヲ認識スル力ヲ有ッテ居ルカ居ラヌ
ノカト云フコトヲ疑フ(拍手)是ハ寧ロ官僚
政府ノ自然デアルカモ知レマセヌガ、左樣
ナル官僚內閣ハ、國民ノ總意ヲ反射セザル
立場ニ於テ、決シテ吾々ハ其存立ヲ望マナ
イ者デアリマス(拍手)
一轉致シマシテ民政黨ノ岡田君ノ御話ニ
對シマシテ反駁ヲ加ヘヨウト存ジマス、財
源問題ヲ云々セラレマシテ、財源ヲ考ヘナ
イデ施行期日ヲ四月一日トスルト云フガ如
キハ、不親切ナモノデアル、又施行細則ナ
ドモ澤山出サナケレバナラヌノニ、是等ノ
問題ニ對シテ何等ノ考慮ヲ拂ハズニ、四月一
日ト云フヤウナコトヲ言フノモ、亦不親切
ナ立場デアル、斯樣ナ御話ガアリマシテ、
種々ノ點カラ御話ガアリマシタガ、大體岡
田君ノ御話ハ、立法技術ト云フヤウナコト
ニ重キヲ置イテ、國民ノ生活其モノヲ重ク
見ラレナカッタ缺點ガ、ソコニアルノデハア
リマスマイカ(拍手)私共ハ昔ノ法律書生ノ
觀念ニ甚ダ不足ヲ感ズルモノデアリマス、
昔ノ法律書生ハ、惡法モ法ナリト云フヤウ
ナ時代ガアリマシタガ、私共ハ法律ヨリモ
生活デアリマス、吾々ハ生活ノ爲ノ法律ニ
過ギナイト思フノデアリマス、生活ヲ中心
トシテ、其生活ニ一定ノ軌道ヲ與ヘルベク、
法律ガ之ヲ定メテ居ルト云フ程度デアリマ
シテ、ドチラガ尊イカ、ドチラガ基本デア
ルカト云ヘバ、生活ガ基本デアリマス、其
生活ガ逼迫ヲシテ、農村ハ一日モ忽セニス
ルコトヲ許サヌト云フノニ、此施行規則ガ
ドウダトカ、財源ガドウダトカ、斯ウスル、
アヽスルト云フヤウナ、マルデ政府ノ立場
ニ立ッタ、本當ノ立法技術者ノヤウナ議論ヲ
ナサレルコトハ、果シテ是ガ國民ノ生活ニ
親切ナル立場デアラウカト云フコトヲ疑ハ
ザルヲ得ナイ(拍手)此點ニ於テ不幸ニシテ
ドウモ昔ノ古イ法律萬能ノ御心持ニ囚ハレ
テ居ルノデハナイカト云フコトヲ遺憾ニ思
フノデアリマス、又財源ノ問題ノ如キハ、
寧ロ是ハ政府ノ立場カラ考ヘルコトデアリ
マシテ、吾々ノ考ヘルコトヂヤナイ、五十
億ニ近イ歲入出ノ豫算ヲ以テ、五千万ヤ六
千万ノ金ニ付テ、何ヲソンナニ心配スルノ
デアルカ、相當ノ財源ヲ政府自ラ案出スル
ガ宜シイ、又吾々ハ發案權ヲ持ッテ居ラヌ、
發案權ヲ持ッテ居ラヌ者ガ、其財源ヲ斯クセ
ヨト云フヤウナコトハ、決シテ當ラナイ、
況ヤ岡田君ノ第二種所得稅、若クハ奢侈稅、
若クハ相續稅ナドヲ取ッテ、ソレニ依ッテ財
源ヲ捻出シテ、之ヲ恆久支出セヨト云フ
ヤウナコトヲ仰シヤイマシタガ、左樣ナコ
トヲ仰シヤルナラバ、第二種所得稅ダケデ
モ、又奢侈稅ダケデモ、相續稅ダケデモ、
一年ヤ二年ニ是ガ實現サレルト思召スノデ
アリマセウカ、是等ノ稅制ヲ確定シテ、サ
ウシテ徐ロニ此確定財源ヲ賴リニシテ、財
政補整金ヲ呉レヨウナント云フコトハ、實
ニ暢氣ナ、氣ノ長イコト、是ヨリ甚シキハ
ナカラウト思フ(拍手)ドウモ色々ノ議論ヲ
伺ヒマスケレドモ、或ハ應急デアルト言フ
ノカ、或ハ恆久性ノモノダカラユックリヤラ
ウト云フ氣分ガアルノカ、右スルノカ、左
スルノカ、議論ハ非常ニ一貫致シマセヌ、
此點ニ民政黨ノ諸君ノ非常ニ苦シイ立場ガ
アリマセウ、苦シイ立場ガアルカラシテ、
確定財源ニ名ヲ藉リテ、政府ノ提燈ヲ持ツ
カト思ヘバ、應急的ニ何トカ繋ギノ金ヲ出
セト言ッテ見タリ、或ハ施行細則ノ問題ガア
ルカラ、財源問題ガアルカラ、ユックリ恆久
性ヲ持タセルニハ、財源ノ整理ヲシナケレ
バナラヌト言ッテ見タリ、右スルノカ、左ス
ルノカ、應急ナノカ、恆久ナノカ、ドウモ
觀念ノ統一ガ少シ缺ケテ居リハシマスマイ
カ、吾々ノ主張スルノハ、今ハ非常時デア
リマシテ、農村ハ非常ニ苦ンデ居ル、此苦
ンダ農村ヲ救フニハ、卽刻ニ、卽チ頓服藥
ヲ與ヘナケレバナラヌト云フ立場カラ見マ
シテ、最早立法技術トカ、財源トカ、相續稅、
第二種所得稅云々ト云フヤウナコトノ時間ハ
アリマセヌ、故ニ左樣ナ問題ニ拘ラズ、出來ル
ダケ速急ニ、卽チ吾々ノ主張スルガ如ク、
四月一日ヨリ之ヲ實行スベシト言フノデア
リマス、斯樣ニ簡單明瞭ニ、而モ徹底セル立
場ニ於テコソ、始メテ今日ノ農村ニ適應ス
ルノデアリマス(拍手)ソレヲ往クニ非ズ、
歸ヘルニ非ズ、恆久カト思ヘバ應急ダト言
フ、而シテ其繫ギニ預金部カラ金ヲ出シテ
吳レ、第二豫備金カラ金ヲ出シテ呉レト云
フヤウナ御話ガアリマスガ、一體第二豫備
金ノ千五百万圓皆貰ック所デドウナル、況ヤ
預金部カラ金ヲ出スナント云フコトハ、預
金部ハ確實有利デナケレバ金ハ出サヌト云
フコトニナッテ居ル、預金部ノ運用委員會ガ
認定ノシヤウガアリマセヌ、況ヤ窮乏町村
ハ金ヲ借リテモ返ス力ガ無イ、其力ノ無イ
町村ニ向ッテ、オ前ニ金ヲ貸シテヤルカラ借
リロ、而シテ借リヨウトスレバ貸シハシマ
セヌ、況ヤ第二豫備金カラ金ヲ貰ッテモ、皆
貰ッテモ千五百万圓デアル、ソレデ行ケサウ
ナ筈ガナイデハナイカ、故ニ吾々ガ主張ス
ルガ如ク、若シ應急デアルトスルナラバ、
此際速ニ四月一日カラ之ヲ實行シテ、而シ
テ生活ヲ中心ニ狙フ以上ハ、施行細則ガド
ウダノ、財政計畫ガドウダノト云フコトヲ、
吾々ハ考慮スル必要ハナイ、所謂非常ナル
災害ガ玆ニ起ッタトスルナラバ、ドノ場合ニ
於テモ金ヲ出スコトヲ中心トスル筈デアリ
さく、先ヅ金ヲ出シテ之ヲ救ハナケレバナ
ラナイ、此場合ニ於テ吾々ハ民政黨ノ諸君
ガ頻ニ言ハレマス所ノ、恆久ナルガ如ク、
應急ナルガ如キ立場ヲ御捨テニナッテ、寧ロ
吾々ノ方ニ、大乘的ニ申シマスナラバ、四
月一日ヨリ施行スルト云フ心持ニ贊成サレ
タ方ガ適當ダト思フ、ソレヲ贊成スルコト
ガ出來ナイノハ、或ハ政府ノ提灯ヲ持ツヤ
ウナ、持タナイヤウナ、與黨デアルヤウ
十、ナイヤウナ立場デ、ソコニ理窟ヲ付ケ
ルカラ、非常ニ困難ナ議論ガ成立ツ、殊ニ
恆久的ノ性質ヲ御有タセニナラウト思ヒマ
スナラ、何故之ヲ地方稅制整理法トカ何ト
カシテオヤリニナラナカッタカ、今日出スナ
ラモット應急的ノ性質ヲ有タシテコソ初メ
テ其意味ヲ爲ス、ソレヲ今之ヲ出シテ、殊
ニ恆久性ヲ有タセルトカ、或ハ何時デモ宜
イト言フナラバ、爭ウテ今此會期切迫セル
議會ニ、特ニ民政黨ノ諸君ガ之ヲ御出シニ
ナル必要ガ何處ニアルカ、之ヲ出シテ此制
度ヲ確立シクイト云フナラバ、必シモ此議
會ニ出シテ制度ヲ確立スル必要ハナイ、ソ
レハ何時デモ此先ダッテ出來ルコトデアル、
ソレヲ一方ニ於テハ確立スルヤウナ、シナ
イヤウナ、恆久性ノヤウナ、應急性ノヤウ
ナ立場ヲ取ッテ御座ルカラシテ、一種ノ選擧
對策トシカ思ハレナイノデアル、甚ダ是ハ
民政黨ノ爲ニ遺憾デアリマス、理論ニ長ケ
タト稱スル民政黨トシテハ、斯ノ如キ矛盾
セル法案ハ寧ロ之ヲ措イテ、大乘的ニ四月
一日ヨリ施行スベシト云フ、吾々ノ法案ニ
御贊成ニナッタ方ガ適當デアリマス
要スルニ吾々ノ主張スルコトハ、是ハ恆
久性ノモノデハナイカラ、此場合ニ於テ出
來ルダケ早ク施行シナケレバイケナイ、其
立場カラ四月一日ト云フコトヲ申シタノデ
アリマス、殊ニ政府ニ言ヒタイコトハ、政
府ハ動モスレバ其交付金ノ繫ギニ豫備金ヲ
出ストカ、或ハ預金部カラ相當ノ金ヲ出ス
トカ云フコトヲ申サレマスガ、繰返シテ申
スヤウデアリマスガ、一體窮乏シテ居ル町
村ハ金ヲ借リル能力ハナイノデアリマス、
況ヤ之ヲ拂フ能力ハ一層ナイ、左樣ナ立場
ニ立ッテ居ル者ニ對シテ、或ハ預金部カラ金
ヲ貸ストカ、或ハ豫備金ヲ與ヘルトカ云フ
ヤウナコトヲ仰シヤルノハ、是ハ一種ノ胡
麻化シデアリマス、一種ノ遁辭デアリマ
ス、斯樣ナ言葉ヲ吐カレルノミデ、吾々窮
乏農村ノ立場ヲ少シモ諒解セラレナイト云
フヤウナコトデアリマシテハ、結局今ノ內閣
ハ本當ニ民意ヲ反射スルコトノ能力ノ無イ
モノト言ハナケレバナラナイ、斯樣ナ立場
カラ考ヘテ見マスル時ニ、民政黨ノ附帶決
議モ、內閣ガ審議會へ隱レルノモ、曖昧模
糊兩方共一種ノ遁口上ニ過ギナイノデア
リマス、斯樣ナ立場ニ於テ國民ヲ胡麻化サ
ウト思ッテモ胡麻化サレルモノデナイ、而シ
テ斯樣ナ遁口上ニ依ッテ、內閣モ、民政黨
モ、其立場ヲ糊塗サレルヨリハ、一層徹底明
白ナル、四月一日ヨリ之ヲ施行スルト云フ
案ニ同意セラレンコトヲ望ンデ巳マナイノ
デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=118
-
119・植原悦二郎
○副議長(植原悅二郞君) 戶田由美君
〔戶田由美君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=119
-
120・戸田由美
○戸田由美君 私モ亦只今議題トナッテ居
リマスル委員長ノ報〓案、卽チ我ガ國民
同盟ト政友會トノ共同提案トナッテ居リマ
スル臨時地方財政補整金法案ニ付キマシテ、
絕大ノ賛意ヲ表セントスル者デアリマス、
一體吾々ノ提案ガ何故ニ民政黨ノ提案ニ比
較致シマシテ宜シイカ、吾々ガ何故ニ民政
黨ノ案ニ贊成スルコトガ出來ナイカト云フ
コトヲ判別スルニ付キマシテハ、私共ハ時
局ニ對スル認識、其認識ニ依ッテ自ラ時局匡
救ヲ爲スベキ方法ヲ考案シタ場合ニ、此問
題ノ解決ハ得ラレルノデアリマス、卽チ我
ガ國民同盟ト政友會トニ於キマシテ、此案
ヲ案出、提案ヲ致シマシタル其根據ハ
〔副議長退席、議長著席〕
過去數年間、所謂我國ガ財政上或ハ國民生
活上非常時局ニ陷リマシテ、有ユル匡救ノ
政策ヲ苦心案出實行致シテ參ッタノデアリ
マス、卽チ私共ガ御同樣協贊致シマシタ過
去二三年間ニ及ビマスル豫算ノ上カラ見マ
シテモ、五億圓以上ノ巨額ヲ此時局匡救ノ
費用トシテ支出ヲ致シテ居ルノデアリマス、
然ルニ我國ノ經濟、財政竝ニ產業、國民生
活ノ上ニ於ケル時局ト云フモノハ、斷ジテ
救ハレテ居ラヌノデアリマス、辛ウジテ今
日ノ命脈ヲ維持スルニ止メマシテ、絕大ナ
ル負擔ヲ國民ニ强ヒテ、而モ危險ナル赤字
公債ヲ數十億-每年ノ支出ニ發行致シマ
シテモ、今日國民ノ生活ハ安定セズ、產業
ハ振興セズ、國情ハ依然トシテ不安ノ狀態
ニ居ルト云フコトヲ深ク鑑ミマシテ、此上
ハ如何ナル方法手段ニ依ッテ我國ノ時局ヲ
匡救スベキカ、殊ニ國防上若クハ外交上、
或ハ國際通商貿易上ニ於キマシテ、我國ノ
國際對外時局ト云フモノハ、重大ナル場面
ニ陷ッテ居ル、其場合ニ內ヲ整備スルト云フ
コトノ急務ガ、私共ノ痛感セザルヲ得ナイ
所デアル、此場合ニ於テ〓迄施シタヤウナ
手段方法ニ依リマシテハ、ドウシテモ時局
ヲ匡救スルコトハ出來ナイト云フコトヲ、
誰シモ苦心考慮スルコトハ當然デアリマス、
此場合ニ我ガ國民同盟ニ於キマシテハ、時
局匡救ト致シマシテ、色々ノ地方ノ事業ヲ
起シ、之ニ國家ハ補助金ヲ與へ、低資ヲ融
通シテ參ッタ、ソレ等ノ諸政策ハ、到底眞ニ
時局ヲ匡救スルニ足ラナイモノデアル、或
ハ却テ地方町村ノ財政ヲ膨脹シ、不急不用
ノ事業ヲ起スノ結果、地方ノ農民若クハ地
方ノ自治制度ニ非常ナル禍ヲ貽スモノデア
ルトノ憂モ亦致シタノデアリマス、ソコデ
斯ノ如キ弊害ヲ除去シ、眞ニ地方ヲ匡救シ、
我國ノ國民生活ヲ安定セシムル方法ト致シ
マシテハ、種々ナル事業ヲ起シテ、其財政
ヲ援助スルト云フヤウナ政策ヨリモ、南口
今日ノ町村ノ負擔、地方民ノ過重ナル負擔
ヲ、直接ニ匡救スルニ足ル政策ヲ斷行スル
ヨリ外ナイト考ヘタノデアリマス(拍手)故
ニ私共ハ昭和七年國民同盟結成ノ當初ヨリ、
所謂地方財政調整交付金ト云フヤウナ如キ、
交付金制度ヲ或ル程度ニ徹底シテ斷行スル
ニ非ズンバ、此國際危局ニ直面致シマシタ
我國ノ國民生活ノ安定及時局ノ安定匡救ハ、
出來得ナイト考ヘマシタノデアリマス、隨
テ是ガ成案トナリマシテ、諸君モ御承知ノ
通リ一般交付金ニ於テ七千万圓、義務〓育
費國庫補助ニ於テ八千万圓、或ハ又耕作地
租竝ニ附加稅ノ半減ニ於キマシテ三千八百
万圓、是等ノ金ヲ直接町村ニ交付シテ、初
メテ玆ニ町村ノ財政ノ困厄ヲ匡救シ、國民
負擔ノ輕減ヲ圖リ、更ニ町村負擔ノ不均衡
ヲ是正スルニ足ルト、吾々ハ主張シテ參ッ
タノデアリマス(拍手)此經路ニ於キマシ
テ、我國ノ財政、產業、經濟、國民生活
上ノ危局ハ救濟サレナイ、其救濟案ト
致シマシテ、幸ニ政友會ト議、合致致シ
マシテ、此案ヲ提案致シタノデアリ
マス、此經過ト此必要トニ鑑ミマスレ
バ、如何ニ我黨ノ案ガ必要デアルカ、又時
局匡救ニ適切デアルカト云フコトガ分ルト
思フノデアリマス、而シテ此案ヲ四月一日
ヨリ施行スベシト云フコトニ、民政黨ノ諸
君ガ故ラニ御反對ニナリ、又其反對ノ理由
ヲ委員會、本會議等ニ於テ御述ニナルノニ對
シマシテ、吾々ガ之ヲ法律ノ上ニ明記スルカ
ト云フコトニ付キマシテモ、此時局ヲ如何
ニ認識スルカト云フコトニ依ッテ、自ラ其是
非ガ分ルノデアリマス、吾々ハ今日ノ時局
ヲ一日モ寸刻モ速ニ救ハナケレバ、非常ナ
ル我國ノ前途ニ危險ヲ感ズル者デアリマス、
國政審議會ト云フヤウナ、何時出來ルカ分
ラナイ、出來テモ亦如何ナル審議ヲスルカ
モ分ラナイト云フヤウナ、一面ニ於テハ政
治家ノ姨捨山ノヤウナ場所デ、悠々閑々ト
審議ヲスル(拍手)其場所ニ委シテ置ク譯ニ
ハ參ラヌノデアリマス、焦眉ノ急ヲ救フ爲
三、又非常ナ時局對策ト致シマシテハ、
非常ナル手段ヲ以テ、非常ナル政策ヲ斷行
スルト云フコトガ、最モ適切ナモノデアル
ト私共ハ考ヘテ居ル、此意味カラ申シマス
レバ、民政黨ノ諸君モ同ジク昭和十年度ヨ
リ、諸君ノ所謂地方財政調整法ト云フモノ
ヲ實行致シタイト言ハレテ居ル、然ルニ其
取扱ニ於キマシテ、施行期日ヲ明記セズ、
勅令ニ委セテ、而モ政府ハ高橋大藏大臣、
岡田總理大臣若ハ後藤內務大臣ガ、有ユル
機會ニ於テ繰返シテ申サルヽ通リ、斯ノ如
キ重大ナル案ハ、國政審議會ノ議ヲ經テ行
フベキモノデアルト云フコトハ、民政黨ノ
諸君ト雖モ百モ二百モ御承知ノ筈デアル
(「ヒヤ〓〓」拍手)斯ノ如ク政府モ亦國政審
議會ノ前途モ、何時出來ルカ、何時決定ス
ルカ分ラヌト云フコトヲ十分御承知デアリ
ナガラ、卽チ昭和十年度ニ是ガ出現ヲスル
カシナイカ分ラナイ、シテモ其審議ガ昭和
十年度ニ間ニ合フカ合ハヌカト云フコトノ
分ラナイト云フコトヲ承知セラレナガラ、
昭和十年度ニ此諸君ノ案ヲ實行サセルト言
ハレテ、施行期日モ明記セズ御提案ニナル
ト云フコトハ、山本君ノ御話ニナッタ程私
ハ强ク感ジナイノデアリマスガ、偶〓世間カ
ラ選擧對策、來年度ノ選擧對策、今年度ノ
府縣會議員ノ選擧對策デアルヤウニ誤解サ
レテモ、諸君ノ爲ニ辯解スル餘地ハアルマ
イカト私ハ考ヘルノデアリマス(拍手)寸刻
モ捨テヽ置ケナイト云フ、此非常時局ニ應
ズル爲ニ、非常立法ヲ斷行スルト云フ熱意
ト、時局ニ對スル御認識ガアッタナラバ、諸
君ハ四月一日ヨリ施行スベシト云フ吾々ノ
共同提案ニ對シテ、直チニ御贊成ヲ戴クコ
トガ出來得ルト思フノデアリマス、私ハ先
程民政黨ノ岡田君ノ反對ノ御論旨ニ依リマ
シテ、益〓民政黨ノ諸君ノ眞意ヲ了解シ得ナ
イヤウニナッタノデアリマス、岡田君ハ財源
問題ニ付キマシテ、我黨ノ案ガ其財源ヲ明
示シナイト云フコトハ甚ダ面白カラザルコ
トデアル、此財源ヲ明示シナイコトガ、旣
定財政計畫ヲ紊スモノデアル、或ハ既定財
政計畫ヲ無視スルモノデアル、斯樣ニ言ハレ
テ居ッタノデアリマス、サウシテ民政黨ハ、
大體四ツノ豫定財源ヲ竝ベマシタ、斯樣ナ
吾々ハ財源ノ持合セガアルカラ、既定計畫
ヲ尊重シ、既定計畫ヲ紊サヌモノデアルト
云フ御說明ガアッタノデアリマスガ、私ハ今
日ノ我國ノ歲出入ノ現狀ニ鑑ミマシテ、寧
ロ豫定財源ヲ明示シナイト云フコトガ、今日
ノ我國ノ歲出入ノ現狀ニ於テ、最モ既定財政
計畫ニ忠實ナルモノト思ウテ居ルノデアリ
マス、私ハ財政ニ對スル専門ノ知識ヲ有タ
ナイノデアリマスカラ、十分ニ私ハ申上ゲ
ルコトハ出來ナイガ、併シ私ハ申上ゲナク
テモ、財政ニ最モ通曉セラレテ居ル民政黨
ノ議員ノ某々氏諸君ノ御說ニ依リマスレバ、
我國ノ昭和九年度ノ歲出入ノ決算ノ豫想ニ
於キマシテハ、凡ソ一億圓程度ノ歲出ノ殘
額ガアル、之ヲ一面ニ申シマスレバ、昭和
九年度ノ決算ニ於キマシテハ、昭和九年度
歲入ノ豫定ヨリモ一億圓以上ノ自然增收ガ
アルト云フコトヲ言ハレテ居ルヤウニ、私
ハ承ッテ居ルノデアリマス、又本議會ニ於テ
吾々ガ協贊ヲ致シマシタ臨時利得稅ノ
豫定收入ニ於キマシテモ、民政黨ノ諸
君ノ中ニ於テ、政府ガ三千万圓ノ金額ヲ
豫定致シテ居ルモノニ對シマシテ、此利得
稅ノ結果ハ約七千万圓ノ收入ヲ得ルノデハ
ナイカト云フヤウナ見方ヲナサッテ居ル方
モアルト云フコトヲ、私ハ承ッテ居ルノデ
アリマス、卽チ昭和九年度竝ニ昭和十年度
ノ我國ノ財政ノ狀態、歲出入ノ狀態ニ於キ
マシテハ、相當ニ餘裕ノアル結末ヲ見ルト
私ハ考ヘマシテ、此一億圓若クハ一億數千
万圓ノ餘力ヲ見ル我國ノ收入ニ於キマシ
テ、五千七百万圓、若シ之ヲ全部公債ノ發
行ニ其財源ヲ俟ツト致シマシテモ、決シテ
旣定計畫ヲ紊シタリ、旣定計畫ヲ無視スル
ト云フヤウナ、我國ノ財政ノ前途ニ危險ハ
ナイモノト私ハ考フル者デアリマス、斯樣
ニ考ヘマスレバ、施行期日ヲ決メルコトガ
豫定財源ヲ決メナイコトニ對シテ非常ナル
矛盾デアル、非常ナル危險デアルトシテ、
我黨ノ共同提案ニ反對ナサル民政黨ノ諸君
ノ心持ガ、私ニハ分ラナイノデアリマス
私ハ旣ニ山本君カラ十分ニ御論議ガアリ
マシタノデ、極メテ簡單ニ止メマスガ、先
程民政黨ノ岡田君ハ、國民同盟、政友會ノ
共同提案ト民政黨ノ案トハ、殆ド何等ノ相
違ナキマデニ類似シテ居ル法案デアリマ
ス、斯樣ニ申サレタノデアリマスガ、私ハ
不幸ニシテ左樣ニ思フコトハ出來ナイノデ
アリマス、民政黨ノ案ト吾々ノ案トハ非常
ナル相違ガアル、斯樣ニ考ヘテ居ルノデア
リマス、成程法文ニ現レテ居リマスル數
字、其外ノ條文ノ形ニ存スル所ノ事柄ニ對
シテハ、稍〓類似致シテ居ルノデアリマセウ
ガ、法ハ昔カラ申ス通リニ、固ヨリ死物デ
アリマス、之ヲ活用スル所ニ於テ、初メテ
法ノ效果ト法ノ有難味ガ生ズルノデアリマ
ス、此意味ニ於キマシテ、私ハ岡田君ガ兩
案ハ略〓同一デアルト云フ言葉ハ、決シテ
承服スルコトハ出來得ナイノデアリマス、
卽チ民政黨ノ諸君ガ、眞ニ今日ノ時局ヲ正
シク認識シ、此認識ノ下ニ時局ヲ速ニ匡救
シナケレバナラナイト云フ御心持ガアルナ
ラバ、四月一日ヨリ之ヲ施行スベシト云フ
我黨ノ此提案ニ對シテ、無條件デ贊成セラ
ルベキデアルト思フノデアリマス、然ルニ
之ヲ爲サラヌト云フコトハ、此案ヲ提案ナ
サル心持、此案ヲ取扱フ上ニ於テノ心掛ニ
於テ、民政黨ノ諸君ト、政友會、我ガ國民
同盟トノ間ニ、非常ナル相違ガアルト云フ
コトヲ私ハ感ズルノデアリマス(拍手)卽チ
眞ニ民政黨ノ諸君ガ、吾々ト同ジヤウニ、國
家、國民ノ今日ノ非常時ヲ、一日モ捨テヽ
置クコトガ出來ナイト云フ御心持ガアルナ
ラバ、色々ノ立法的技術ニ拘泥セラレズシ
テ、山本君ノ言ハレタヤウニ、吾々ノ案ニ
無條件デ御贊成ヲ爲サルベキモノト思フ、
然ルニ岡田君ハ御演說ヲ終ルニ際シマシ
テ、自分達ハ遺憾ナガラ兩黨ノ提案ニハ絕
對反對デアル、斯樣ニ申サレテ居ルノデア
リマス(「出來ナイカラダ」ト呼フ者アリ)出
來ナイコトハナイト云フコトハ、私ガ先程申
シタコトニ依ッテ略〓御明瞭デアルノデアリ
マス、卽チ財源ハ政府ガ眞ニ熱意ガアルナ
ラバ、時局ヲ認識スルコトガ正シケレバ、
只今申シタヤウニ、歲入ノ剩餘金ニ於テ一
億圓以上ノ豫想ガ付ク、其場合ニ五千七百
万圓位ノ赤字公債ヲ出スト云フコト、若ク
ハ其財源ヲ發見スルト云フコトハ、決シテ
豫定財源ヲ明示シナクテモ出來得ル筈デア
リマス(拍手)卽チ政府ニ誠意ガアリ、熱意
ガアルナラバ、實行ハ直チニ出來ルノデア
リマス、出來ナイトハ何事デアリマス、出
來ナイト思フコトガ、此法案ニ對スル諸君
ト吾々トノ間ニ、非常ナル相違ノアルト
云フコトヲ言ハザルヲ得ナイノデアリマ
ス(拍手)斯樣ニ簡單ニ出來マスル事柄ニ
對シテ出來ナイト稱シ、出來得ナイト諦メ
テ、唯法律ヲ玆ニ決メテ置クコトガ必要デ
アルト云フヤウナコトヲ言ハレルコトハ、
吾々ハ甚ダ本案ヲ取扱フ上ニ於テ、國家、
國民ノ名ニ於テ極メテ遺憾ヲ感ズルノデア
リマス(拍手)私ハ是レ以上申スコトヲ憚
リマス、卽チ今日ノ時局ヲ認識致シタ場合
ニ於テ、而モ兩黨ノ共同提案ノ內容ガ、直
チニ實行シ得ル可能性ガアリ、而モ此時局
ニ對シテ此案ヨリ外ハ我國ノ窮乏ヲ救ヒ、
今日ノ地方農民ノ非常ナル生活ノ困厄ヲ匡
救シ、國民負擔ノ不均衡ヲ是正スルコトハ
出來得ナイト云フコトヲ確信致シマシテ、
希クハ民政黨ノ諸君モ茲ニ諸君ノ說ヲ翻
シテ、潔ク兩黨ノ提案ニ贊意ヲ表セラレン
コトヲ切望シテ已マナイノデアリマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=120
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121・濱田國松
○議長(濱田國松君) 是ニテ討論ハ終局致
シマシタ-此際政府ヨリ發言ヲ求メラレ
テ居リマス、之ヲ許可致シマス-後藤內
務大臣
〔國務大臣後藤文夫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=121
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122・後藤文夫
○國務大臣(後藤文夫君) 玆ニ政府ノ所見
ヲ一言致シマス、政府ハ從來屢〓申シマシタ
通リニ、地方財政ニ付キマシテハ根本的ノ
方策ヲ樹立致シマシテ、地方財政ノ基礎ヲ
鞏固ニ致シタイ考デアリマス、是ガ爲ニ
ハ十分ナル調査ヲ遂ゲマシテ、出來得ル限
リ是ガ實現ヲ圖ルコトニ熱意ヲ持ッテ居ル
ノデゴザイマス(「ノー〓〓」)此度衆議院カ
ラ提出セラレマシタ臨時地方財政補整金法
案地方財政調整法案、何レモ地方財政ノ
窮乏ヲ匡救スル爲ノ趣旨ニ出デテ居ルコト
ハ能ク諒解致スノデアリマスガ、是等ノ
制度ヲ實行致シマスコトニ付テハ、種々考
究ヲ要スルモノガアルト考ヘラレマス、本
法案ニ對シテハ遺憾ナガラ直チニ贊成ノ意
ヲ表スルコトハ出來ナイ次第デアリマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=122
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123・濱田國松
○議長(濱田國松君) 委員長報告ハ臨時地
方財政補整金法案ハ可決デアリマス、地方
財政調整法案ハ否決デアリマス、先ヅ臨時
地方財政補整金法案ノ第二讀會ヲ開クヤ否
ヤヲ御諮リ致シマス、本案ノ第二讀會ヲ開
クニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=123
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124・濱田國松
○議長(濱田國松君) 起立多數(拍手)仍テ
本案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシタ-次
ニ地方財政調整法案ノ第一一讀會ヲ開クヤ否
ヤヲ御諮リ致シマス、本案ノ第二讀會、ヲ開
クニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=124
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125・濱田國松
○議長(濱田國松君) 起立少數、仍テ本案
ノ第二讀會ハ開カザルコトニ決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=125
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126・青木雷三郎
○靑木雷三郞君 直チニ前田米藏君外三十
名提出、臨時地方財政補整金法案ノ第二讀
會ヲ開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報
告通リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=126
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127・濱田國松
○議長(濱田國松君) 靑木君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=127
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128・濱田國松
○議長(濱田國松君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ臨時地方財政補整金法案ノ
第二讀會ヲ開キ、議案全部ヲ議題ト致シマ
ス
臨時地方財政補整金法案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=128
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129・濱田國松
○議長(濱田國松君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、本案ハ委員長
報〓第通リ可決確定致シマシタ(拍手)-
是ニテ議事日程ハ議了致シマシタ、次會ノ
議事日程ハ公報ヲ以テ御通知致シマス、本
日ハ是ニテ散會致シマス
午後五時四十三分散會
衆議院議事速記錄第二十六號
中正誤
頁段行誤正
五五七三二八三月十一日三月十二日
五六〇三一〇福田虎龜君福田關次郞君
五六一四一〇冷害地救濟ニ冷害地救濟對
策
五六九一二七アルガアルカ
五八一三一五反對稅ガ反對說ガ
五八一三一八較ベテ竝ベテ
五八二一一九一匁ノ金ヲ一匁五圓ノ金
ヲ
五八四一九アリマセスガアリマスガ
五九一一八最モ是モ
六〇〇四一九他ハ稅制體系他ノ稅制體系発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006713242X02719350314&spkNum=129
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