1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
昭和十一年度一般會計歳出の財源に充つる爲公債發行に關する法律案（政府提出）
昭和十一年勅令第七號（災害善後に關する經費支辨の爲公債發行に關する件）（承諾を求むる件）
昭和十一年度一般會計歳出の財源に充つる爲特別會計に屬する資金の繰替使用等に關する法律案（政府提出）
昭和七年法律第一號中改正法律案（滿洲事件に關する經費支辨の爲公債發行に關する件）（政府提出）
昭和九年法律第七號中改正法律案（滿洲事件に關する一時賜金として交付する公債發行に關する件）（政府提出）
對支文化事業特別會計法中改正法律案（政府提出）
關税定率法中改正法律案（政府提出）
大正十三年法律第二十四號中改正法律案（贅澤品等の輸入税に關する件）（政府提出）
昭和七年法律第四號中改正法律案（輸入税の從量税率に關する件）（政府提出）
製鐵業奬勵法中改正法律案（政府提出）
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委員會成立
本委員は昭和十一年五月十一日（月曜日）議長の指名を以て左の通選定せられたり
一宮房治郎君 松本忠雄君
駒井重次君 森兼道君
鈴木康太郎君 矢野庄太郎君
内藤久一郎君 池田清秋君
南雲正朔君 岡本實太郎君
仲井間宗一君 中亥歳男君
金光庸夫君 武田徳三郎君
木村正義君 中井一夫君
高良宗七君 岩瀬亮君
田尻生五君 倉元要一君
篠原義政君 末次虎太郎君
笠井重治君 池崎忠孝君
豐田收君 川村保太郎君
藏原敏捷君
同月十二日（火曜日）午前九時三十六分委員長理事互選の爲委員參集す其の氏名左の如し
一宮房治郎君 松本忠雄君
矢野庄太郎君 内藤久一郎君
池田清秋君 岡本實太郎君
仲井間宗一君 中亥歳男君
金光庸夫君 武田徳三郎君
木村正義君 中井一夫君
岩瀬亮君 田尻生五君
倉元要一君 篠原義政君
末次虎太郎君 笠井重治君
川村保太郎君 藏原敏捷君
〔年長者武田徳三郎君投票管理者と爲る〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=0
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001・武田徳三郎
○武田投票管理者 ソレデハ先例ニ依リマ
シテ私ガ年長ノ故ヲ以テ投票管理者ニナリ
マス、是ヨリ委員長及ビ理事ノ互選ヲ行ヒ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=1
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002・松本忠雄
○松本委員 投票ヲ用ヒズシテ金光庸夫君
ヲ委員長ニ推薦致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=2
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003・武田徳三郎
○武田投票管理者 御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=3
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004・武田徳三郎
○武田投票管理者 然ラバ委員長ニ金光庸
夫君ガ御當選ニナリマシタ、ドウゾ金光サ
〔金光庸夫君委員長席ニ著ク〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=4
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005・金光庸夫
○金光委員長 只今御推薦ヲ戴キマシテ、
私委員長ニ就任致シマシタ、就キマシテハ
引續キ理事ノ互選ヲ行ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=5
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006・松本忠雄
○松本委員 理事ハ其數ヲ五名トシテ、委
員長カラ御指名アランコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=6
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007・金光庸夫
○金光委員長 松本君ノ御意見ニ御異議ア
リマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=7
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008・金光庸夫
○金光委員長 御異議ナケレバ委員長ヨリ
御指名申上ゲマス
駒井重次君矢野庄太郞君
岡本實太郞君木村正義君
田尻生五君
ノ五名ヲ御推薦致シマス
會議
昭和十一年五月十二日(火曜日)午前九時三
十八分開議
出席委員左ノ如シ
委員長金光庸夫君
理事矢野庄太郞君理事岡本實太郞君
理事木村正義君理事田尻生五君
一宮房治郞君松本忠雄君
內藤久一郞君池田〓秋君
仲井間宗一君中亥歲男君
武田德三郞君中井一夫君
岩瀨亮君倉元要一君
篠原義政君末次虎太郞君
笠井重治君川村保太郞君
藏原敏捷君
五月十一日
昭和十一年勅令第七號(災害善後ニ關ス
ル經費支辨ノ爲公債發行ニ關スル件)(承
諾ヲ求ムル件)、昭和十一年度一般會計歲
出ノ財源ニ充ツル爲特別會計ニ屬スル資
金ノ繰替使用等ニ關スル法律案(政府提
出)、昭和七年法律第一號中改正法律案
(滿洲事件ニ關スル經費支辨ノ爲公債發
行ニ關スル件)(政府提出)、昭和九年法律
第七號中改正法律案(滿洲事件ニ關スル
一時賜金トシテ交付スル公債發行ニ關ス
ル件)(政府提出)、對支文化事業特別會計
法中改正法律案(政府提出)、關稅定率法
中改正法律案(政府提出)、大正十三年法
律第二十四號中改正法律案(贅澤品等ノ
輸入稅ニ關スル件)(政府提出)、昭和七年
法律第四號中改正法律案(輸入稅ノ從量
稅率ニ關スル件)(政府提出)及製鐵業奬
勵法中改正法律案(政府提出)
ノ審査ヲ本委員ニ付託セラレタリ
出席國務大臣左ノ如シ
商工大臣小川〓太郞君
出席政府委員左ノ如シ
外務政務次官猪野毛利榮君
外務省文化事業部長岡田兼一君
大藏政務次官中島彌團次君
大藏省主計局長賀屋興宣君
大藏省主稅局長山田龍雄君
大藏省理財局長廣瀨豐作君
大藏書記官谷口恒二君
大藏書記官松隈秀雄君
商工省鑛山局長小島新一君
商工書記官小金義照君
本日ノ會議ニ上リタル議案左ノ如シ
昭和十一年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債發行ニ關スル法律案(政府提出)
昭和十一年勅令第七號(災害善後ニ關ス
ル經費支辨ノ爲公債發行ニ關スル件)(承
諾ヲ求ムル件)
昭和十一年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲特別會計ニ屬スル資金ノ繰替使用等
ニ關スル法律案(政府提出)
昭和七年法律第一號中改正法律案(滿洲
事件ニ關スル經費支辨ノ爲公債發行ニ關
スル件)(政府提出)
昭和九年法律第七號中改正法律案(滿洲
事件ニ關スル一時賜金トシテ交付スル公
債發行ニ關スル件)(政府提出)
對支文化事業特別會計法中改正法律案
(政府提出)
關稅定率法中改正法律案(政府提出)
大正十三年法律第二十四號中改正法律案
(贅澤品等ノ輸入稅ニ關スル件)(政府提
〓
昭和七年法律第四號中改正法律案(輸入
稅ノ從量稅率ニ關スル件)(政府提出)
製鐵業奬勵法中改正法律案(政府提出)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=8
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009・金光庸夫
○金光委員長 是ヨリ引續キ議事ニ入リマ
ス、付託サレテ居リマス十件ノ議案ヲ朗讀
ヲ省略致シマシテ、之ヲ全部一括上程致シ
タイト存ジマス、先ヅ政府ヨリ提案ノ理由
ヲ、本會議デ御說明ニハナッテ居リマスケレ
ドモ、之ヲ補足サレル御考デアレバ、此際
ニ提案理由ノ御說明ヲ願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=9
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010・中島彌團次
○中島政府委員 昭和十一年度一般會計歲
出ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律
案デアリマスルガ、是ハ本會デモ申上ゲマ
シタ通リ、五億千二百九十万圓ノ赤字公債
ヲ發行スルコトデアリマシテ、是ハ簡單デ
アリマスルカラ、ドウカ御贊成ヲ願ヒマス
ソレカラ災害善後ニ關スル經費支辨ノ爲
公債發行ニ關スル緊急處分勅令事後承諾案
デアリマスルガ、是モ本會デ詳シク說明致
シマシタガ、御承知ノ通リ本年二月十二日
帝國憲法第七十條ノ規定ニ依リマシテ、昭
和十一年勅令第七號ガ公布サレマシタノ
デ、帝國議會ノ開會ヲ待ツコトガ出來ナイ
災害ガアリマシタノデ、之ニ對シマシテ合
計內務省所管ト農林省所管トデ六百七万圓
ダケノ豫算外ノ緊急支出ヲ爲シタノデアリ
マス、事後承諾ヲ御願申ス件デアリマスル
カラ、ドウカ御贊成ノ程御願申上ゲマス
ソレカラ其ノ次ノ昭和十一年度一般會計
歲出ノ財源ニ充ツル爲特別會計ニ屬スル資
金ノ繰替使用等ニ關スル法律案、是ハ特別
會計一般會計ノ整調ヲ目的トスルモノデア
リマシテ、一般會計ハ赤字ダラケデアリマ
スルガ、特別會計ハ之ニ反シ剩餘金ガ相當
出テ居リマスノデ、豐富ナ點ガアリマスノ
デ、一時繰替使用シテ助ケテ戴クト云フノ
ガ、此法案ノ精神デアリマシテ、三百四十
万圓ヲ通信事業特別會計カラ、ソレカラ七
百万圓ヲ帝國鐵道特別會計カラ、ソレカラ
百四十万圓ヲ關東局特別會計カラ、ソレカ
ラ百九十万圓ヲ各〓朝鮮及臺灣總督府ノ特
別會計カラ、百四十五万圓ヲ樺太廳特別會
計カラ、ソレカラ四十五万圓ヲ南洋廳特別
會計カラ繰替使用ヲスル所ノ法律案デアリ
マシテ、是モ一般會計財政窮乏ノ折柄、
ムヲ得ズ斯ウ云フヤウナコトニナリマスノ
デ、ドウカ御贊成ヲ御願申上ゲマス
ソレカラ昭和七年法律第一號中改正法律
案デアリマスルガ、是ハ滿洲事件ニ關スル
經費ノ公債ヲ發行スル件デアリマシテ、
億七千三百九十万圓ダケ公債發行ノ權限ヲ
政府ガ得タイノデアリマス、ドウカ是ハ滿
洲事件費トシテ已ムヲ得ナイモノデアリマ
スカラ、宜シク御贊成ヲ御願致シマス
ソレカラ昭和九年法律第七號中改正法律
案デアリマスガ、是ハ陸海軍軍人ニ對シマ
シテ、事件ノ延長ト共ニ行賞ヲ行フ人ガ多
クナッテ參リマシタノデ、是ダケノ爲ニ公債
ヲ發行スルコトニナリマスノデ、此點モ本
會デ詳シク申上ゲマシタガ、是ハ簡單ナコ
トデアリマスカラドウカ宜シク願ヒマス
ソレカラ對支文化事業特別會計法中改正
法律案、是ハ今マデ三百万圓ヲ使ッテ居リ
マシタノデアリマスガ、是ハ銀ガ騰ッテ圓ガ
下ッタ關係上、爲替ノ差損ガ生ジテ參リマシ
テ、百万圓ダケ餘計使フコトガ出來ルヤウ
ニナリマシタノデスカラ、此百万圓ヲ右法
律第七條ノ制限ヲ超過シ得ルコトト致シタ
イト考ヘルノデアリマス、簡單ナ事項デア
リマスカラ、是モ御贊成ヲ御願致シマス
ソレカラ一番面倒ナノガ關稅ノ改正デア
リマス、此關稅ノ改正ハ大體三ツノ點ニ分
ケルコトガ出來マス、第一ハ「シトロネラ」
油等十一品目ニ亙リマスル改正ト、ソレカ
ラ是等ノ中デ「レモングラス」ノ如キ贅澤
關稅ノ中ニ入ッテ居リマシテ、後ニ贅澤關稅
ノ中デ無稅ニナッテ居ルノガアリマス、日本
ノ現在ノ工業狀態ニ於キマシテ、是ガ生產
サレルヤウナ情況ニナリマシタカラ、稅ヲ
課ケルト云フノガ一ツ、卽チ「レモングラ
ス」ヲ無稅カラ除クノガ一ツト、モウ一ツ
ハ此十一品目ニ對シマシテ改正ヲ加ヘマシ
タ結果、御承知ノ通リ三割五分ノ附加關稅
カラ是等ヲ除カナケレバイカヌト云フノガ
アリマシテ、之ヲ除クト云フ、此三ツノ法
律案カラ成ッテ居リマスノデ、詳シク之ヲ御
說明申上ゲマス
關稅定率法中改正法律案外二件ニ付キマ
シテハ、曩ニ本會ニ於テ私ヨリ大要說明ヲ
致シマシタガ、此機會ニ於テ少シク詳細ニ
御說明シタイト思ヒマス、先ヅ關稅定率法
中ノ改正案ニ付キマシテ各品目ニ付テ說明
致シマス、「シトロネラ」及ビ「レモングラ
ス」ハ現在無稅トナッテ居リマス、是等ノ品
物ハ大正十三年ニ贅澤稅法ガ施行サレマシ
タ際ハ、同法ニ依リ一度十割ヲ課セラレタ
ノデアリマスルガ、其當時ハ我國ニ其生產
ガ殆ド無ク、且ツ石鹼等ノ比較的下級香料
ニ使ハレテ居リマスルノデ、翌十四年ニ
同法カラ削除サレ、再ビ無稅トナッテ今日ニ
及ンダノデアリマスルガ「シトロネラ」油
ハ本品ノ儘デ石鹼ノ香料ニ用ヒラルヽ外
ニ、之ヲ分解シテ各種ノ香料ニ製セラレル
ノデアリマシテ、其原料植物ハ臺灣ニ於テ
〓究栽培ノ結果、最近相當ノ生產ヲ見ルニ
至ッタノデアリマス、然ルニ世界ニ於ケル同
品ノ主生產地タル「ジャワ」產ノモノガ價
格ガ甚ダ低廉ナル爲、臺灣ニ於ケル其栽
培面積ノ增加ニモ影響ヲ及ボスコトガ尠ク
ナイノデ、之ニ適當ニ課稅シテ斯業ヲ保護
助成スベキデアルト認メタノデアリマス、
「レモングラス」油ハ小笠原島、臺灣等ニ於
テ生產セラレテ居リマスガ、又本品ト主成
分ヲ同ジクスル人造「レモングラス」油ガ
樟腦油カラ製造セラレテ居ルノデアリマ
ス、而シテ是等ハ殆ド全部「イオノン」ト
云フ、是モ今囘稅率ヲ改正スルコトニナッテ
居リマスル香料ノ原料ニ供セラレテ居ルノ
デアリマスガ、英領印度等ヨリ輸入セラル
ル「レモングラス」油ニ壓迫セラレテ居リ
マスノデ、適當ナル課稅ヲ爲ス必要ガアル
ト認メタノデアリマス、關稅率ニ付キマシ
テハ「シトロネラ」油ニ對シテハ、他ノ人造
香料等ノ稅率ヲ勘案シテ、從價三割五分ニ
當ル從量稅每百斤當リ四十一圓、「レモング
ラス」油ニ對シテハ、他ノ人造香料ノ原料
等ノ稅率ヲ勘案シテ、從價二割ニ當ル從量
稅每百斤當リ七十二圓ト致スコトトシタノ
デアリマス、此處デ一寸稅番ハ飛ビマスガ、
「イオノン」ニ付テ申上ゲマス、是ハ「レモン
グラス」油カラ誘導シテ製シマスル人造香
料デアリマシテ、堇ノ香ヲ有シテ居ルノデ
アリマス、本品ハ日本ニ於テ其生產ガ大ニ
進步シマシテ、殆ド自給自足ノ狀態ニアル
ノデアリマス、本品ハ現在從價二割ヲ課セ
ラルヽコトニナッテ居リマスガ、其原料タル
「レモングラス」油ガ現在ノ無稅カラ每百斤
七十二圓ニ改訂セラレル關係上、其製品タ
ル「イオノン」ノ關稅率モ、ソレト權衡ヲ
保ツヤウニ改正致シテ置クコトガ必要デア
ルト認メラレルノデアリマシテ、其稅率ハ
原料タル「レモングラス」油ノ稅率引上ノ
影響ヲ勘案シテ、每斤三圓五十錢ト致シ
タ次第デアリマス、次ニ礦油ニ付テ申上
マスガ、礦油ノ現行關稅率ハ大正十五年
ノ一般改正ニ係ルモノデアリマス、其改
正前ハ揮發油ハ每十「ガロン」五十錢、
燈油ハ每十「ガロン」九十六錢ノ關稅ガ
課セラレテ居ッタノデアリマシテ、揮發
油ハ燈油ヨリモ低イ率デアッタノデアリ
マス、是ハ其率ノ制定當時ニ於テハ、揮發
油ノ利用ガ未ダ普及セズ、色々ナ方面ニ燈
油ガ用ヒラレテ居ッタ爲メデアリマス、然ル
ニ其後段々揮發油ノ利用ト云フコトガ盛ニ
ナリマシテ、其價格モ漸次高マリマシタノ
デ、大正十五年ノ改正ニ於テハ、少クトモ
此兩者ニ對シテハ同一ノ稅率ヲ課スルノ必
要ガアルト認メラレマシテ、此兩者ヲ合併
致シマシテ每百「ガロン」八圓トシ、其後昭
和七年法律第四號ニ依リ三割五分ノ增徵ノ
結果、每百「ガロン」十圓八十錢トナリ、今
日ニ及ンデ居ル次第デアリマス、然ルニ其
後揮發油ハ益〓需要ガ旺盛トナリマシテ、燈
油ニ比較シテ價格モ騰貴致シテ參リマシタ
爲メ、兩者ニ對シテ同一率ヲ課シテ置クト
云フコトハ、關稅負擔ノ權衡上ヨリスルモ
不適當デアルト認メラルヽニ至ッタノデア
リマス、少クトモ兩者ハ其ノ價格ニ對シテ
同一割合ノ稅ヲ負擔セシムルノガ適當ト考
ヘラレマスノデ、從來攝氏十五度ニ於ケル
比重〇·八七六二ヲ超エザルモノトシテ揭
上セラレテ居リマシタモノヽ中カラ、〇·八
〇一七ヲ超エザルモノ、卽チ揮發油ト〇·八
四九八ヲ超エザルモノ、卽チ揮發油トヲ區
分シ、燈油ノ關稅率ハ現行稅率ヲ据置キ、
唯其單位ヲ竏ニ改メテ每竏二十八圓五十錢
トシ、揮發油ニハ此燈油ト稅ノ負擔割合ガ
略同一ニナリマスヤウニ、每竏三十三圓ト
スルヲ適當ト認メタ次第デアリマス、尙ホ
機械油等ハ本邦ニ於テ多量ニ生產セラレ居
ルニ拘ラズ、其稅率ノ低イ爲ニ外國カラ輸
入セラレテ居ル現狀デアリマスルカラ、大
體三割程度ニ當ルヤウニ稅率ヲ引上ゲタノ
デアリマス、原油及重油ノ改正ハ、主トシ
テ今囘ノ揮發油ノ關稅改正率ニ順應スルヤ
ウニ改正セントスルノデアリマシテ、其引
上方ハ原油中ニ含マレテ居ル揮發油分ニ對
シテノミ、今囘揮發油其モノニ對シテ引上
ゲタト同一程度ノ引上ゲヲ行フコトト致シ
タノデアリマス、「パラフィン」ハ現在融解點
攝氏四十五度ヲ超エザルモノニ限リ「シェ
ール」油ヨリ分餾シタル粗製ノモノガ無稅
トセラレテ居リ、四十五度以上ニナリマス
ト有稅トナッテ居リマス、此爲ニ滿洲カラ輸
入シマスル場合ニ、色々不便ナ點ガアリマ
スル點ニ鑑ミ、此際「シェール」油ヨリ分餾
シタ粗製「パラフィン」ハ、融解點ノ如何ヲ問
ハズ無稅ニシヨウトスルノデアリマス、「パ
ラフィン」ニ關スル改正ハ是レダケデアリマ
シテ「シェール」油關係以外ノモノニハ何等
ノ改正モナイノデアリマス、次ハ「アスピ
リン」等ノ藥品ノコトニ付テ御說明申上ゲ
マス、今囘改正セントスル藥品ハ、「アスピ
リン」「アンチビリン」「ヂメチルアミノアン
チピリン」及炭酸「グアヤコール」ノ四品デ
アリマス、是等ノ藥品ハ何レモ「コールター
ル」系ノ藥品デアリマシテ「コールタール」
分餾物カラ誘導シテ製セラレルモノデア
リ、御承知ノ如ク「アスピリン」「アンチピ
リン」及「ヂメチルアミノアンチビリン」ハ
解熱鎭痛劑ニ、又炭酸「グアヤコール」ハ肺
結核ノ治療劑等ニ供セラルル重要ナル醫藥
デアルノミナラズ、前ニ申上ゲマシタ通リ
「コールタール」分餾物カラ製造セラルルモ
ノデアリマス爲メ、其製造工程ハ他ノ爆藥
染料等ノ製造工程等トモ密接ナ關係ガア
リ、斯業ノ確立ヲ見ルコトハ誠ニ·邦家ニ取
リ必要ナコトデアルノデアリマス、是等藥
品ノ生產ハ、本邦ニ於テモ永年苦心〓究セ
ラレテ居リ、內務省ニ於キマシテモ其生產
ニ關シ奬勵金ヲ交付シテ居リ、最近漸ク外
國品ニ劣ラヌ品質ノモノガ生產セラルルヤ
ウニナリマシタガ、現在「アスピリン」ハ其
原料タル「サリチール」酸ト同一率ヲ課セラ
レテ居リ、其他「アンチピリン」等ノ現行關
稅率ハ甚ダ低率ト相成ッテ居リマス爲ニ、廉
價ナ外國品ガ輸入セラルルコトトナリ、品
物ニ依リマシテハ其輸入額ハ餘リ多量デナ
イニ致シマシテモ、事業經營上ハ大ナル邪
魔ト相成ッテ居ル有樣デアルノデアリマス、
隨ヒマシテ是等藥品ノ稅率ハ適當ニ之ヲ引
上ゲマシテ、斯業ヲ保護スル必要ガアルト
思料セラレマス、就キマシテ其稅率デアリ
マスガ、是等ハ何レモ從價三割五分ニ相當
スル從量稅ニ改正スルノヲ適當ト認メタ次
第デゴザイマス、尙ホ三割五分ト申シマス
ルノハ「コールタール」系ノ化學藥モ只今同
程度ノ保護率ニ相成ッテ居リ、其他「ブロー
ム」鹽類等ノ醫藥モ同程度ノ保護率ヲ設ケ
ラレテ居ルノニ則ッタモノデアリマス、尙
ホ同時ニ「アスピリン」ハ現在其原料タル
「サリチール」酸ト同一項目ニ含マレテ居ル
ノデアリマスガ、是ハ稅表中ニ於キマシテ
新ニ分離特揭スルコトトナルノデアリマ
ス、次ハ帶鐵デアリマスガ、現行法ニ於キ
マシテハ稅表第四百六十二號ノ鐵ノ內デ第
八項「リボン」、第九項帶(箍鐵)ト相成ッテ居
リマス、而シテ其稅率ハ「リボン」ハ從價一
割帶(箍鐵)ハ從價五分ニ定メラレテ居ル
ノデアリマス、是ハ大正十五年迄ハ兩者共
從價一割五分デアッタノデアリマス、然ルニ
同年ノ改正ニ於キマシテ、鐵ノ帶ハ當時本
邦ニ其生產ナク、自轉車ノ車體、荷車ノ車輪
等ノ材料ニナリ、又包裝材料トシテ箍ニモ
用ヒラレ、輸出貿易ニ必要ナル材料デアル
等ノ事情ニ鑑ミマシテ、之ヲ從價五分ニ引
下ゲラレタノデアリマス、又鐵「リボン」ハ
鐵ノ帶ヲ更ニ冷イ儘デ、卽チ〓ヲ加ヘナイ
デ「ロール」ノ力ヲ以テ加工セラレルモノデ
アリマスル關係上、其引下ヲ從價一割ニ止
メテ今日ニ及ンデ居ルノデアリマス、御承
知ノ如ク本邦ノ製鐵事業ハ近年順調ナ發達
ヲ遂ゲ、殆ド總テノモノガ生產セラレテ居
リマスガ、鐵ノ帶ハ色々〓究ハ致サレマシ
タガ、最近迄其生產ヲ見ルニ至ラナカッタノ
デアリマス、所ガ漸ク最近ニ至リマシテ生
產ガ開始サレルヤウニナリ、其成績モ月々
ト改善セラレテ居リ、新ニ其生產ヲ計畫シ
テ居ル者モアルト云フコトニナッタノデア
リマス、ソレデ現在設備ノ能力ヲ十分ニ發
揮スレバ、本邦ノ需要ノ大部分ハ供給シ得
ルノ域ニ達シテ居ル現狀デアリマシテ、其
品質ニ於キマシテモ外國品ニ遜色ナイノデ
アリマス、併ナガラ外國ニハ强力ナ販賣組
合ガアル模樣デアリマシテ、本邦ニ鐵ノ帶
ノ生產ガ開始セラレマスルヤ、從來ノ市場
ヲ失ハザル爲メ、直チニ競爭的態度ニ出ル
傾向ニ在ルノデ、若シサウ云フコトニデモ
ナリマスレバ、斯業ハ相當困難ナ立場ニ在
ル現狀デアリマス、ソレデ此際關稅ニ依リ
マシテ保護ヲ加ヘ、其順調ナ發達ヲ計ル必
要ガアルト思料セラルヽノデアリマス、次
ニ「リボン」ハ帶ヲ更ニ冷間壓延シテ製スル
コトハ前ニ申上ゲタ所デアリマスガ、其關
係上鐵ノ帶ノ關稅率ヲ改正スルトキニハ、
同時ニ「リボン」ノ關稅率モ改正ヲスル必要
ガアルノデアリマス、唯「リボン」ノ內炭素
ノ量ガ〇·七五%以上ノ高炭素鋼ノモノハ、
現在本邦ニ其生產ガナク、製材用帶鋸等ノ
重要ナル材料デアリマス關係上、其稅率ハ
据置ク必要ガアルト考ヘラレマス、ソレデ
本邦ニ生產ノナイ高炭素鋼ノ冷間壓延シタ
モノダケヲ區別シテ、稅表番號第四百六十
二號鐵ノ八ニ之ヲ規定シ、從來ノ通リ從價
一割ニ据置キ、次ニ其他ノ一切ノ帶ヲ九ト
シテ此處ニ包括スルコトトシ、冷間壓延シ
タルモノハ加工ノ點ヲ勘案シテ從價二割五
分ニ、其他ノモノハ一般ノ鋼材、例ヘバ
「バー」トカ「レール」等ノ稅率ガ、現在約二
割程度ニ當ッテ居リマスカラ、是ト權衡ヲ取
リ、從價二割ニ相當スルヤウニ、各其幅ニ
依リマシテ每百斤一圓七十錢、又ハ一圓五
十錢ニ改メルノヲ適當ト認メタ次第デゴザ
イマス、最後ニ「アルミニウム」ニ關シテ御
說明申上ゲマス、申ス迄モナク「アルミニ
ウム」工業ハ產業上、國防上極メテ重要ナ
產業デアリマシテ、斯業ノ確立ハ眞ニ望マ
シイノデアリマス、我國ニ於テモ既ニ大正
五年頃カラ之ヲ工業的ニ製造シヨウト云フ
企ガアッタト承知致シテ居ルノデアリマス、
其後大正十五年頃ニ「アルミニウム」ニ關ス
ル委員會ガ設立セラレ、各方面ノ「アルミ
ナ」及ビ「アルミニウム」製造〓究ノ結果ヲ
持寄リ、協議シタコトガアルト記憶致シテ
居ルノデアリマス、併シナガラ種々ナ點ニ
於テ困難ガアリマシテ成功スルニ至ラナ
カッタノデアリマスガ、近年漸ク其〓究ガ完
成シマシテ、工場モ操業ヲ開始シ、其生產
モ相當多量ニ上リ、其品位ニ於テモ〓ネ外
國品ニ比シ遜色ナキモノガ出來ルコトニ
ナッタノデアリマス、然ルニ現行稅率ハ本邦
ニ生產ノナイ時代ニ制定セラレタ爲ニ甚ダ
低率デアリマシテ、大體塊、錠等ハ從價五
分ヲ標準トシテ居リ、今日モヤハリ約五分
ニ當ルニ過ギナイ儘デ置カレテ居ルト云フ
有樣デアリマス、尙又最近迄本邦ノ「アル
ミニウム」ノ需要ハ、殆ンド全部外國品ニ
依ッテ供給サレテ居ッタ爲ニ、本邦「アルミ
ニウム」市場ニ於ケル外國「アルミニウム」
ノ勢力ハ相當强固ナモノガアリ、同時ニ外
國會社ハ其製品ノ販賣ニ關シテ互ニ協定ヲ
遂ゲテ居ルラシク、本邦ニ「アルミニウム」
ノ生產ガ開始セラルルヤ、必然競爭的態度
ニ出ヅルモノト考ヘラレルノデアリマシ
テ、旣ニ其兆候ガ明瞭ニ現ハレ、斯業ハ可
ナリノ脅威ヲ感ジテ居ルノデアリマス、隨
ヒマシテ此際「アルミニウム」ノ關稅率ハ、
從來ノ本邦ニ生產ノ無カッタ時代ノ儘デア
リマスルモノヲ、適當ニ改正シテ斯業ヲ保
護シ、其順調ナ發達ヲ計ルノ必要急ナルモ
ノアリト思料スル次第デゴザイマス、就キ
マシテハ其稅率デアリマスガ、此工業ハ
種ノ化學工業デモアリ、又他ノ輕金屬、例
ヘバ「マグネシウム」ノ稅率ガ、從價二割カ
ラ計算シテ定メラレテ居ル先例モアリマス
ノデ、從價二割程度ノ從量稅ニスルノガ適
當デアルト考ヘラレマス、條、竿及板トカ
線管等ノ稅率ハ、唯今囘其材料タル塊ノ
稅率ヲ引上ゲタ關係上、其影響ダケヲ加味
勘案シタモノニ過ギナイノデアリマス、次
ニ箔デアリマスガ、是ハ現在「アルミニウ
ム」ノ關稅率ヲ規定シテアル稅表番號中ニ
含マレテ居ナイノデアリマシテ、是ハ第四
百七十六號ノ中ノ箔ノ所デ、從價二割五分
ヲ課セラレテ居リマスガ、之ニ對シテモ塊
等ノ關稅改正ノ影響ハ考ヘテヤル必要ガア
リマスガ、此第四百七十六號ノ箔ニハ、獨
リ「アルミニウム」ノ箔バカリデナク、稅表
ニ特揭ノナイ諸々ノ箔ガ皆分類セラレ居ル
關係上「アルミニウム」箔ダケニ對シテ此際
影響ヲ加味スル爲ニハ、之ヲ特揭スル必要
ガアリ、又是ハ年々相當ノ量ガ輸入セラレ
テモ居リ、同時ニ本邦ニ相當ノ生產モアリ
マスノデ、今囘之ヲ「アルミニウム」ノ中ニ
特揭シテ、其稅率ハ條、竿等ト同樣ニ、現
在ノ稅率ニ今囘ノ「アルミニウム」塊ノ稅率
改正ノ影響ダケヲ加算シタノデアリマス、
次ニ屑及故ノ「アルミニウム」デアリマス
ガ、是ハ只今從價五分トナッテ居リマスガ、
是ハ輸入後再熔解シマシテ、直チニ塊、錠
等ト同樣ニ食器等ノ「アルミニウム」製品ノ
製造材料トシテ使用セラレ、全ク「アルミニ
ウム」塊ト同樣ナル方面ニ使用セラレル關
係上、其稅率ハ塊、錠等ト同一ニシテ置カ
ナケレバ「アルミニウム」關稅改正ノ效果ガ
背後カラ崩サレル虞ガアリマスノデ、塊
錠ト同ジ率ヲ盛ル必要ガアルト考ヘマシタ
次第デアリマス、「アルミニウム」合金ハ、是
モ只今稅表ニ特揭ガゴザイマセヌノデ、第
四百七十六號ニ屬スルコトニ相成ッテ居リ、
其形狀ニ依ッテソレ〓〓同號中ノ項目ニ從
ヒ課稅セラレテ居リマスガ、主トシテ輸入
セラレマスモノハ塊、錠ト屑、故デアリマ
ス、是等ノ塊、錠及ビ層、故等ハ、其ノ用途
ハ大體「アルミニウム」ノ塊、錠ト同樣デア
リマシテ、其價格モ「アルミニウム」ニ比シ
大ナル開キノナイ現狀デアリマスノデ、ヤ
ハリ「アルミニウム」ト同一率ヲ課スルヲ適
當ト認メタ次第デアリマス
次ニ大正十三年法律第二十四號中改正法
律案ニ付テ申上ゲマス、大正十三年法律第
二十四號ト申シマスノハ、贅澤品等ノ輸入
稅ニ關スル法律デアリマシテ、本法ノ別表
ニ揭ゲラレマス物品ニ對シテハ、當分ノ中
一般關稅率ニ依ラズシテ、從價十割ノ輸入
稅ヲ課スト云フ趣旨ノ法律デアリマス、「シ
トロネラ」油及ビ「レモングラス」油ハ、關
稅定率法別表輸入稅表番號第九十五號一芳
香性ノモノノ中ニ含マレテ居ルノデアリマ
スガ、此芳香性ノモノハ本法別表ニ揭ゲラ
レテ、一應十割關稅ガ課セラレルコトトナッ
テ居リ、其中デ「シトロネラ」油「レモング
ラス」油ハ、旣ニ申上ゲタ通リ十割課稅除
外品目トシテ列記セラレ、無稅トナッテ居ル
ノデアリマス、又「イオノーン」ハ關稅定率
法別表輸入稅表番號第二百二十九號中ニ含
マレテ居ルノデアリマス、而シテ右第二百
二十九號ノ中人造香料ニハ、一應十割關稅
ガ課セラルヽコトトナリ、然ラザルモノハ
除外品目トシテ特ニ列記セラレテ居ルノデ
アリマシテ「イオノーン」モ其除外品目中ニ
列記セラレテ居タノデアリマス、ソコデ今
囘ノ關稅定率法中ノ改正ニ伴ヒ、是等三品
ハ別ノ項目ニ移ルコトニナリマスノデ、本
法ノ別表モ同時ニ整理シ置クヲ適當ト認メ
タノデアリマス、又第二百九十九號ノ項ノ
改正ハ、昭和十年法律第三十八號關稅定率
法中改正法律ニ依リ、關稅定率法別表輸入稅
表番號第二百九十九號第四項ヲ削除シ、第
五項ヲ第四項ニ、第六項ヲ第五項ニ改正セ
ラレマシタノデ、之ニ對應シテ整理スルコ
トトシタノデアリマス、尙ホ第九十五號ノ
項及ビ第二百二十九號ノ項ノ品目ニ付キマ
シテハ、資源ニ關スル標準用語ニ依リ、名
稱ノミヲ改正シタモノガアリマス、要スル
ニ今囘ノ大正十三年法律第二十四號中改正
法律案ハ實質上從來ト何等變更ナク、唯法
文ノ記載方ニ關スル整理的改正ニ過ギナイ
ノデアリマス
最後ニ昭和七年法律第四號中ノ改正法律
案ニ付テ申上ゲマス、昭和七年法律第四號
ト申シマスノハ、御承知ノ通リ輸入稅ノ從
量稅率ニ關スル法律デアリマシテ「關稅定
率法別表輸入稅表ニ定メタル從量稅率ハ當
分ノ內之ヲ百分ノ百三十五トス但シ同輸入
稅表ニ揭グル物品ニシテ本法ノ別表ニ揭グ
ルモノノ從量稅率ハ此ノ限ニ在ラズ」ト云
フノデアリマス、今囘ノ關稅定率法中改正
法律ニ依リマシテ、其稅率ヲ改正セラルベ
キ「シトロネラ」油、「レモングラス」油、礦油
「アスピリン」「アンチピリン」「ヂメチルア
ミノアンチピリン」炭酸「グアヤコール」「イ
オノン」帶鐵ノ中冷間壓延セザルモノ、及
ビ「アルミニウム」ノ中從價稅ヲ盛ラレタル
線及管ヲ除キタル塊、錠等ハ、其生產、輸
入及需給ノ關係等諸般ノ事情ヲ勘案シテ、
其從量稅率ヲ配シタモノデアリマスカラ、
此上三割五分ヲ附加スルノ必要ヲ認メナイ
ノデ、前例ニ依リマシテ本法ノ別表ニ追加
スルコトトシタノデアリマス、又「パラフィ
ン」ニ關シマシテハ、前申上ゲマシタ通
リ「シェール」油ヨリ分餾シタルモノニシテ
粗製ノモノハ、全部無稅トスルト云フ改正
ヲ爲サントスルノデアリマシテ、ソレ以外
ハ課稅ノ變更ヲ來ス必要ヲ認メナイノデア
リマス、而シテ本法ノ別表ニ揭ゲラレテ三
割五分ノ關稅ヲ附加セラレテ居ナイモノ、
卽チ現行法ノ一ノ乙ニ記載セラレテ居リマ
ス所ノモノハ、關稅定率法中改正法律ニ於
キマシテハ、二ノ甲ニ記載セラルルコトト
ナリマスノデ、是ノミヲ本法ノ別表ニ揭ゲ
ルコトトシタノデアリマス、尙ホ御質問ニ
依リマシテ、ソレ〓〓關係當局カラ更ニ詳
細ニ御答申上ルコトト致シタイノデアリマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=10
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011・岡本實太郎
○岡本委員 私ハ議事ノ進行ニ付テ一寸申
上ゲタイト思ヒマス、此委員會ニ付託セラ
レマシタ各案ガ、差當リ只今モ大分澤山ア
リマス、今旣ニ掛ッテ居ルダケデモ十件モア
ルノデアリマス、勿論此中ニハ比較的簡單
デ、早ク審議ノ了ルモノモアリマセウガ、
又多少ノ時間ヲ要スルモノモアリマセウ、
大體ニ於テ既ニ十件ト云フ工合デ、又此外
ニ併託サレルモノモ出テ來ルカト思フノデ
アリマスガ、サウ困難ナ長時間ヲ要スルト
云フヤウナ議案ハ餘リナイヤウニ見受ケル
ノデアリマス、而シテ私ノ見マス所デハ、
各案トモ總テ是ハ豫算ニ關係シテ居ル法案
デアル、斯樣ニ私ハ思ヒマス、爾カ致シマ
スト、私考ヘマス所デハ、本來豫算委員會ガ
終ヘマシテ、寧ロ豫算委員會ニ是ハ併託ニ
ナッテ審議セラレルベキモノデアラウト思
ヒマス、皆連絡ヲ保ッテ居リマス、是ガド
ウモ本來ノ性質デハナイカト思フノデス、
併シ斯クナリマシテハ、或ハ遲クナルト云
フヤウナ虞モアルガ爲メカ、別ニ此委員會
ヲ獨立シテ作ラレタ、斯ウ云フコトニナッテ
居ルノダト思ヒマス、ソコデ今此各案ヲ審
議致シテ行キマシテ、豫算ノ方モ全部其儘
政府案ガ通過シ、本案モ何等異議ナク總テ
ガ皆政府ノ原案ノ通リ通過スレバ洵ニ無事
デ、何等言フコトハアリマセヌガ、豫算委
員會ノ終ヘザル先ニ本案ノ可否ヲ決定スル
ト云フコトハ、少シ順序ガ違ッテ居ル、斯樣
ニ私考ヘルノデアリマス、殊ニ豫算委員會
ノ開會中ハ、大臣初メ政府ノ要路ノ方々ハ
多クアチラヘ行ッテ居ラレマシテ、コチラヘ
來テ御說明、或ハ質問ニ對シテノ應答等ガ
出來得ナイ、斯ウ云フヤウナ事情モ多分ニ
アルト思フノデアリマス、ソレデ私ハ今此
處デ議事進行デ申シマスノハ、本來ノ理窟
カラ言ウタナラバ、是ハ豫算委員會ガ濟ム
マデ先ヅ此委員會ヲ休止シテ戴イテ、委員
會ガ濟ンダナラバ直グサマ一瀉千里ニヤッ
テ戴イテ、サウシテ向フノ豫算委員會ト步
調ヲ合セル、斯ウ行クノガ理窟カト思フノ
デス、併ナガラ總テガ理窟通リ嚴重ニ行ク
モノデハナイカラ、委員會ヲ御開キニナル
コトハ私ハ別ニ異議ハアリマセヌガ、唯其
御含ミデ質問應答トカ、或ハ材料ヲ取ルト
カ、所謂決ヲ採ル準備的ノコトダケヲ總テ
スル、サウシテ豫算委員會ガ濟ンデカラ、最
後ニ決ヲ採ル、斯ウ云フ議事ノ進行方法デ
行ッテ戴キタイト考ヘマス、從來ノ慣例ヲ見
マスト云フト、サウデナクシテ、豫算委員
會ガ濟マナイ先ニ本案ガモウ既ニ決シテ、
本會議ニ掛ケラレテシマフト云フヤウナ例
ガアル、サウシテ豫算ノ方ハ削除サレテ居
ル、豫算ト斯ウ云フ法律案トガチグハグニ
ナッテシマフ、法律ダケハ出來テ居ッタガ豫
算ガ無クナッテシマッタ、或ハ豫算ガ出來テ
居ッテ法律案ガ伴ハヌ、斯ウ云フ風ナトンチ
ンカンナ、チグハグナ實例ガアルト記憶シ
テ居ル、ダカラ私ハ本委員會ハ斯樣ナヘマ
ヲヤラヌヤウニ、委員會ヲ御開キニナルノ
ハ宜イケレドモ、最後ノ決ヲ御採リニナル
ノハ、、豫算委員會ガ濟ンデカラヤッテ戴キタ
イ斯樣ニ思フノデアリマシテ、是ハ議事ノ
進行上申上ゲテ置キタイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=11
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012・金光庸夫
○金光委員長 岡本君ノ御發言ハ至極御尤
ナ御意見ダト存ジマス、成ベク豫算ノ審議
ト並行シテヤルト云フコトニシタイト存ジ
マス、左樣御諒承ヲ願ヒマス、商工大臣ガ
御見エニナリマシタカラ、提案理由ノ御說
明ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=12
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013・小川郷太郎
○小川國務大臣 製鐵業奬勵法中改正法律
案ノ提案ノ理由ヲ御說明致シマス、大體ノ
趣旨ハ本會議議場デ申上ゲマシタガ、玆ニ
更ニモウ少シ本法案ノ內容ニ關シマシテ御
說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、製鐵業奬勵
法第二條乃至第四條ニ於キマシテハ、主務
官廳ノ認可ヲ受ケ法定能力以上ノ製鐵設備
ヲ新設又ハ增設致シマシタル製鐵事業者ニ
對シマシテ、所得稅及ビ營業收益稅ヲ免除
致シテ居ルノデアリマスルガ、本邦製鐵事
業ノ相當發達シタル現況ニ鑑ミマシテ、全
然之ニ免稅ノ特典ヲ受ケシムルノハ過當ナ
ル保護ニ失シマスルノデ、其事業收益ガ、法
人ニアリマシテハ各事業年度、個人ニアリ
マシテハ各年ノ資本金額ノ年百分ノ十ノ割
合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超過致シマスル
場合ハ、其超過利益ニ對スル所得稅、營業收
益稅ハ之ヲ免除セヌコトト致シマシタノデ
アリマス、法人ノ場合ニ其資本金額ノ年一
割相當額ヲ免稅點ト致シマシタノハ、其收
益ガ資本金額ノ年一割ヲ超ユル如キ場合ニ
於キマシテハ、其一割ヲ超ユル收益ニ對シ
課稅致シマシテモ、通常ノ利益配當ヲ行ヒ
マシタ上、相當ノ社內留保ヲ爲シ得ルモノ
ト考ヘラレマスルノデ、是ガ保護ニ缺クル
所ナシト認メマシタカラデアリマス、尙ホ
此場合ニ於テ資本金額ト申シマスルノハ、
拂込資本金ノミナラズ、諸積立金ヲモ含メマ
シタモノトスル積リデ居リマス、個人ノ免
稅點ニ付キマシテモ、法人ノ場合ニ準ジタ
ノデゴザイマシテ、其資本金額ハ當該製鐵
事業ニ屬スル固定資本及ビ運轉資本ノ合計
額ニ依ル豫定デゴザイマス、次ニ現行奬勵
法第七條ニ於キマシテ、所得稅及ビ營業收
益稅ノ免除ヲ受クル製鐵事業ニ對シテハ、
地方稅ハ之ヲ免除スルコトト相成ッテ居リ
マスルガ、今囘ノ改正ニ依リ賦課セラル
所得稅及ビ營業收益稅ノ附加稅ニ付テノミ
之ヲ賦課シ得ルコトトシ、其他ノ地方稅ハ
從前通リ賦課シ得ザルヤウニ致シマシタ、
次ニ今囘ノ改正法ハ、其ノ改正ノ趣旨ニ鑑
ミマシテ、今後新ニ認可ヲ受クル者ノミナ
ラズ、現ニ免稅ヲ受ケツヽアル者ニ對シマ
シテモ、ヤハリ之ヲ適用致シマスルノヲ適
當ナリト認メタ次第デゴザイマス、尙ホ朝
鮮ノ稅令ニモ製鐵業奬勵法ノ免稅規定ト同
ジ規定ガゴザイマシテ、今囘同樣ナル改正
ヲ致シマスルニ付キマシテハ、內地ニ本店
ヲ有シ、朝鮮ニ工場ヲ有スル製鐵事業者ニ
對シテ、兩地ノ所得及ビ資本金額ヲ通算シ
テ、一括改正法ヲ適用致シマスルヲ適當ト
認メマシテ、附則ニ所得稅法ノ施行ニ關ス
ル大正九年法律第十二號中改正法律案ヲ揭
ゲタル次第デゴザイマス、製鐵業奬勵法中
改正法律案ハ上述ノ趣旨ニ基キマシテ立案
セラレタルモノデゴザイマス、何卒十分御
審議ノ上御贊成アランコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=13
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014・金光庸夫
○金光委員長 資料ノ提出ヲ御希望ノ方ハ
御申出ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=14
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015・松本忠雄
○松本委員 大藏省カラ各特別會計別ノ剩
餘金、昭和七年度以降ノ年度別ノ數字ヲ御
示シ願ヒマス、尙ホ一般的資料ノ御提出ガ
マダアルベキコトト存ジマスルガ、只今マ
デ頂戴致シマシタノハ、製鐵業奬勵法中改
正法律案ノ參考資料デ、其他ノ資料ハ一ツ
モ御提出ガゴザイマセヌ、政府ノ方ハ如何
ニモ審議ヲ御急ギニナル模樣デゴザイマス
ガ、材料ノ御提出ガ遲レルト云フコトハ、
頗ルオ互ニ遺憾ト存ジマスカラ、他ニ御出
シ下サル材料ガアレバ、速ニ御出シヲ願ヒ
タイト思ヒマス、若シ御出シ下サルモノガ
ナケレバ、澤山請求シナケレバナリマセヌ
ガ、其點如何デゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=15
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016・中島彌團次
○中島政府委員 松本君カラ御尋ノ特別會
計ニ於ケル剩餘金ニ付キマシテハ、簡單デ
アリマスカラ此處デ申上ゲテモ宜シウゴザ
イマスガ、又其他ノモノト一〓ニシテ提出
シタ方ガ宜シウゴザイマスカ、一般的資料
ト言ハレマシタガ、出來レバ名稱ヲ御示シ
下サイマスナラバ、如何樣ニモ御取計ヒ申
上ゲマシテ、御滿足ノ行クヤウニ致シタイ
ト考ヘテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=16
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017・松本忠雄
○松本委員 特別會計ノ剩餘金ハ簡單ト申
サレルケレドモ、サウ簡單デハナイノデア
リマス、各特別會計別ニ昭和七年度以降ノ
年度額ヲ御示シ願ヒタイト思ヒマス、其他
ノ一般ノ資料ト申シマスノハ、只今御說明
ニナッタ關稅ノ改正ノ如キハ、相當多數ノ參
考書類ヲ戴カナケレバナリマセヌガ、多分
其御用意ガアルト思ヒマスガ、如何デゴザ
イマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=17
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018・中島彌團次
○中島政府委員 關稅ノ改正ニ付キマシテ
ハ、現行稅率ト改正稅率、其他ノ對照表ニ
付キマシテ用意ガアリマスルカラ、御配リ
スルコトニ致シマス、其他ノ材料ニ付キマ
シテハ、名稱ヲ御話下サイマスナラバ、如
何樣ニモ作製致シマシテ提出致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=18
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019・松本忠雄
○松本委員 只今ノ材料ノ御話デアリマス
ガ、關稅ノ材料ニ付テハ、舊稅率トモ對照
スルト云フコトデアリマスガ、是ダケデハ
ナク、少クトモ只今關稅ヲ御引上ニナラウ
ト云フヤウナモノノ國內ノ生產狀況ヲ御示
シ願ヒタイシ、更ニ過去ニ於ケルソレ等ノ
品物ノ輸入ノ數量ト云フヤウナモノハ、統
計ニ當然御示シ下サッテ然ルベシト思ヒマ
ス、ソレヲ御示シ戴イタ上デ、更ニ必要ナ
モノガアレバ請求致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=19
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020・矢野庄太郎
○矢野委員 私モ材料ノコトニ付テ政府ニ
願ヒタイ、ソレハ今岡本君カラ御話ノアリ
マシタ通リニ、此委員會ニ付託セラレタル
各案ハ、豫算ト關係ヲスルモノガ多イノデ
アリマスカラ、豫算委員會ニ配付セラレタ
參考書ハ、成ルベク當委員會ニモ御配付ヲ
願ヒタイ、ソレカラ製鐵業奬勵法中改正法
律案ノ參考書ノ中デ、免稅ヲ受ケル製鐵會
社ニ關スル色々ノ材料ハ戴イテ居リマス
ガ、免稅ヲ受ケナイ製鐵會社ニ付テノ材料
モ戴キタイ、ソレダケデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=20
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021・中島彌團次
○中島政府委員 松本君カラ話サレタ十一
品目ニ亙リマシテノ本邦ニ於ケル生產、外
國カラノ輸入、ソレカラ其他稅率ノ新舊、
全部調ベテアリマスカラ、表ニシテ差上ゲ
ルコトニ致シマス、ソレカラ矢野君カラ御
話ニナリマシタ點ニ付キマシテハ、豫算委
員會ト同ジヤウナ材料ヲ提供セヨト云フコ
トデアリマスガ、其方モ極力サウ云フ風ニ
致シマス、ソレカラ免稅セラレナイ會社ニ
付テハ、是ハ商工省ノ管轄デアリマスカラ、
商工省ニ申傳ヘルコトニ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=21
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022・金光庸夫
○金光委員長 參考資料提出ノ御要求ハゴ
ザイマセヌカ-今御考付ガゴザイマセネ
バ、次ノ機會マデニ御考置キヲ願ヒタイト
思ヒマス、對支文化事業特別會計法中改正
法律案ノ提出理由說明ノ爲ニ、今外務大臣
若クハ政府委員ノ出席ヲ要求シテ居リマス
カラ、一寸御待チヲ願ヒマス-對支文化
事業特別會計法中改正法律案ニ付キマシ
テ、政府委員ヨリ提案理由ノ御說明ガゴザ
イマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=22
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023・猪野毛利榮
○猪野毛政府委員 對支文化事業特別會計
ノ歲出額ハ、對支文化事業特別會計法第七
條ニ依リマシテ、寄附金ニ依ルモノヲ除ク
ノ外每年度三百万圓ヲ超過シ得ナイコトニ
ナッテ居リマス、然ルニ輓近時代ノ推移ニ伴
ヒマシテ、臨時ニ增額ヲ要スルモノガアリ
マスト同時ニ、歲入ノ方面ニ於キマシテハ、
偶〓當初豫想シテ居ラナカッタ、團匪賠償金
收入ニ伴フ爲替差損ヲ生ジテ居リマスルノ
デ、昭和十一年度以降當分ノ中百万圓ヲ限
リ、右法律第七條ノ制限額ヲ超過シ得ルコ
トニ致シタイト考ヘルノデアリマス、是ガ
爲ニ該法律ノ改正ヲ要シマスルノデ、本法
律案ヲ提出致シタ次第デアルノデアリマ
ス、斯ウ云フ次第デアリマスカラ、宜シク
ドウゾ御審議ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=23
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024・一宮房治郎
○一宮委員 本議案ヲ審議スルニ付キマシ
テ、材料ヲ要求シタイト思ヒマス、ソレハ
對支文化事業委員會ノ構成ニ關スル書類、
詰リ委員會ノ規則及ビ其構成員、ソレカラ
對支文化事業團體ノ種類、及ビソレニ對ス
ル補助額ニ關スル書類、ソレカラ外務省ハ
對支文化事業以外ニ何等カノ文化事業ヲ營
ンデ居ラレルカ、若シ其文化事業ヲ營ンデ
居ラレルナラバ、ソレニ關スル書類、或ハ
ソレ等ノ〓體ニ對スル補助ヲナサッテ居ラ
レルナラバ、ソレニ對スル補助額ト云フヤ
ウナモノノ關係書類ヲ、參考書類トシテ戴
キタイト思フノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=24
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025・金光庸夫
○金光委員長 各委員ヨリ御要求ニ係ル參
考資料ハソレ〓〓御提出ヲ願ヒマス、尙ホ
要求ガゴザイマセヌデモ、參考トナルベキ
資料ガゴザイマシタラ、ドウカ進ンデ御提
出ヲ願ヒタイト存ジマス、本日ハ此程度ニ
止メタイト存ジマス、尙ホ次會ハ公報ヲ以
テ御通知申上ゲマス、本日ハ是ニテ散會
午前十時五十分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=006911696X00119360512&spkNum=25
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