1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十二年三月二十日(土曜日)午前十時二十一分開議
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議事日程 第二十號
昭和十二年三月二十日
午前十時開議
第一 鐵道敷設法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 輸出補償法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 漁船保險法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 漁船再保險特別會計法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 森林火災國營保險法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 森林火災保險特別會計法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 軍事救護法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 救護法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 母子保護法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十 絲價安定施設法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 絲價安定施設特別會計法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=0
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001・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔角倉書記官朗讀〕
昨十九日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提
出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議
院ニ通知セリ
一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲特別會計
ヨリ爲ス繰入金ニ關スル法律案
對支文化事業特別會計法中改正法律案
一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲大藏省預
金部特別會計ヨリ爲ス繰入金ニ關スル法
律案
同日委員長ヨリ豫算委員高鳥順作君ヲ第五
分科擔當委員ニ選定シタル旨ノ報告書ヲ提
出セリ
同日委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ
氏名左ノ如シ
郵便法中改正法律案特別委員會
委員長伯爵後藤一藏君
副委員長男爵北河原公平君
臨時租稅增徵法案特別委員會
委員長子爵渡邊千冬君
副委員長男爵松岡均平君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
絲價安定施設法案可決報〓書
絲價安定施設特別會計法案可決報告書
請願委員會特別報告第四號
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
鐵道敷設法中改正法律案
輸出補償法中改正法律案
漁船保險法案
漁船再保險特別會計法案
森林火災國營保險法案
森林火災保險特別會計法案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=1
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002・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 是ヨリ會議ヲ開
キマス、日程第一、鐵道敷設法中改正法律
案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、伍
堂商工大臣
〔左ノ送付文及法律案ハ朗讀ヲ經
サルモ參照ノ爲メ玆ニ載錄ス以下
之ニ傚フ〕
鐵道敷設法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月十九日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
鐵道敷設法中改正法律案
鐵道敷設法中左ノ通改正ス
別表第五十二號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
五十二ノ二神奈川縣櫻木町ヨリ北鎌
倉ニ至ル鐵道
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣伍堂卓雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=2
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003・伍堂卓雄
○國務大臣(伍堂卓雄君) 只今上程セラレ
マシタル鐵道敷設法中改正法律案ノ、提出
理由ヲ簡單ニ申上ゲマス、今囘ノ改正ハ神
奈川縣櫻木町ヨリ北鎌倉ニ至ル鐵道ヲ、新
タニ別表ニ追加セムトスルモノデアリマ
ス、本鐵道ハ地方開發上竝ニ鐵道運送系絡
上必要デアリ、且鐵道經濟上カラモ有利ト
認メラレルモノデアリマシテ、十二年度ヨ
リ工事ニ著手致シタイト考ヘテ居リマス、
仍テ本線ヲ豫定鐵道線路トシテ追加スル爲
メ、玆ニ本案ヲ提出致シマシタ次第デアリ
マス、何卒御審議ノ上、御協贊ヲ與ヘラレ
ムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=3
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004・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 別ニ御質疑ガナ
ケレバ、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
鐵道敷設法中改正法律案特別委員
公爵岩倉具榮君男爵大井成元君
子爵秋元春朝君子爵井上勝純君
男爵飯田精太郞君靑木周三君
松本勝太郞君風間八左衞門君
水野甚次郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=4
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005・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第二、輸出
補償法中改正法律案、政府提出、衆議院送
付、第一讀會、伍堂商工大臣
輸出補償法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月十九日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
輸出補償法中改正法律案
輸出補償法中左ノ通改正ス
第一條中「百分ノ七十」ヲ「百分ノ八十」ニ
改ム
第三條中「滿期日」ヲ「滿期」ニ、「償還又ハ
支拂」ヲ「支拂」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ
加フ
特別ノ事情アル場合ニ於テハ命令ノ定
ムル所ニ依リ前項ノ損失ノ計算ニ付前
項第一號ニ揭グル金額ヲ控除セザルコ
トヲ得
第四條中「償還請求權」ヲ「遡求權」ニ、「滿
期日」ヲ「滿期」ニ改メ同條第一項但書ヲ
左ノ如ク改ム
但シ其ノ權利ノ行使ニ要スル費用ガ其
ノ行使ニ依リテ得ベキ金額ヲ超ユルモ
ノト認メラルル場合其ノ他特別ノ事情ア
ル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタ
ルトキハ其ノ權利ノ全部又ハ一部ヲ行
使セズ又ハ一時行使セザルコトヲ得
第五條中「償還請求權」ヲ「遡求權」ニ、「百
分ノ六十」ヲ「百分ノ七十」ニ、「償還ノ請
求ヲ爲サザルコト」ヲ「遡求權ヲ行ハザル
니.三六人
第七條第一項中「商品ヲ輸出シタル爲受
取リタル約束手形」ヲ「命令ノ定ムル所ニ
依リ商品ノ輸出ノ爲受取リタル約束手形
又ハ振出シタル荷爲替手形以外ノ爲替手
形」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ銀行ガ買取リタル手形ニ付
テハ仍從前ノ例ニ依ル
〔國務大臣伍堂卓雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=5
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006・伍堂卓雄
○國務大臣(伍堂卓雄君) 輸出補償法中改
正法律案提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、
政府ハ昭和五年ヨリ輸出補償法ヲ制定施行
シ、輸出手形ニ對スル金融ノ便ヲ圖リ、本
邦商品ノ販路開拓ヲ促シ、輸出貿易增進上、
相當ノ效果ヲ收メテ參ッタノデアリマス、併
シナガラ最近ノ通商情勢ノ變化ニ對應致シ
マシテ、輸出補償制度ヲ積極的ニ活用スル
ガ爲ニハ、本制度ヲ擴充スルノ必要ヲ認メ
マスノデ、茲ニ輸出補償法ヲ改正シ、補償
限度ノ引上ヲ行フト共ニ、他面外國ノ施行
スル爲替管理等ニ因リ、手形ガ不渡トナリ
タル場合ノ損失ヲモ補償シ得ルコトトシ、
又長期信用ニ依ル重工業品等ノ輸出ニ對シ
マシテモ、本制度ヲ適用スルノ途ヲ開キ、
愈〓輸出貿易金融ノ圓滑ヲ圖リ、本邦商品ノ
販路ノ維持開拓ニ努メ、以テ輸出貿易ノ伸
張ヲ期セムトスル次第デアリマス、何卒十
分御審議ノ上、御協賛ヲ與ヘラレムコトヲ
希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=6
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007・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 本案ノ特別委員
ノ氏名ヲ、書記官ヲシテ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
輸出補償法中改正法律案特別委員
公爵山縣有道君
子爵米津政賢君
子爵大岡忠綱君
有吉忠一君
男爵伊藤一郞君
男爵安場保健君
加藤政之助君
細田安兵衞君
田中德兵衞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=7
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008・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第三、漁船
保險法案、日程第四、漁船再保險特別會計
法案、日程第五、森林火災國營保險法案、
日程第六、森林火災保險特別會計法案、政
府提出、衆議院送付、第一讀會、是等ノ四
案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異議ゴザ
イマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=8
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009・近衞文麿
○議長(公爵近衛文麿君) 御異議ナシト認
メマス、山崎農林大臣
漁船保險法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月十九日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
漁船保險法案
漁船保險法
第一章漁船保險組合
第一條漁船ノ所有者ハ其ノ所有スル漁
船(漁具ヲ含ム)ニ付相互保險ヲ爲ス目
的ヲ以テ漁船保險組合ヲ設立スルコト
ヲ得
保險ノ目的タルベキ漁船ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二條漁船保險組合ハ法人トス
第三條組合ハ其ノ名稱中ニ漁船保險組
合ナル文字ヲ用フベシ
漁船保險組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱
中ニ漁船保險組合ナル文字ヲ用フルコ
トヲ得ズ
第四條本法ニ依リ登記スベキ事項ハ其
ノ事實ノ生ジタル後二週間以內ニ之ヲ
各事務所ノ所在地ニ於テ登記スベシ
登記スベキ事項ニシテ行政官廳ノ認可
ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタ
ル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
本法ニ依リ登記スベキ事項ハ登記前ニ
在リテハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコ
トヲ得ズ
第五條組合ヲ設立セントスルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ豫メ區域ヲ定メ其
ノ區域內ニ於テ組合員タルベキ資格ヲ
有スル者ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ
定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ理事及
監事ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベ
シ
第六條組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載
スハン
一目的
二名稱
三區域
四事務所ノ所在地
五保險ノ目的及保險料率
六準備金ノ積立及管理ノ方法
七剩餘金處分及不足金塡補ノ方法
八組合員タル資格ニ關スル規定
九組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
十事業執行ニ關スル規定
十一役員ニ關スル規定
十二組合ガ公〓ヲ爲ス方法
十三存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メ
タルトキハ其ノ時期又ハ事由
第七條組合ハ第五條ノ認可ヲ受ケタル
トキハ設立ノ登記ヲ爲スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
/前條第一號乃至第三號、第十二號
及第十三號ニ揭ゲタル事項
二事務所
三設立認可ノ年月日
四理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ揭ゲタル事項中ニ變更ヲ生ジタ
ルトキハ其ノ登記ヲ爲スベシ
第八條組合ハ組合員ヲシテ一定ノ保險
料ヲ醵出セシムルノ外定款ノ定ムル所
ニ依リ追徴金ヲ醵出セシムルコトヲ得
前項ノ保險料及追徵金ニ關スル制限ハ
命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ保
險金額ヲ削減スルコトヲ得
第十條組合員ハ組合ニ醵出スベキ保險
料及追徵金ニ付相殺ヲ以テ組合ニ對抗
スルコトヲ得ズ
第十一條保險ノ目的ノ讓受人ハ組合ノ
承諾ヲ得テ讓受人ノ權利義務ヲ承繼ス
ルコトヲ得
組合ハ正當ノ事由ナクシテ前項ノ承諾
ヲ拒ムコトヲ得ズ
前二項ノ規定ハ保險ノ目的ニ付相續其
ノ他ノ包括承繼アリタル場合ニ之ヲ準
用ス
第十二條組合ハ保險ノ目的タル漁船ニ
付滅失、沈沒、損傷其ノ他ノ事故ニ因リ
テ生ジタル損害ヲ塡補スルモノトス
前項ノ事故及塡補スベキ損害ノ範圍ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十三條組合ノ責任ハ定款ニ別段ノ定
アル場合ヲ除クノ外組合ガ保險料ヲ受
領シタル日ノ翌日ニ始マル
第十四條組合員ハ損害ノ防止輕減ヲ力
ムルコトヲ要ス但シ之ガ爲必要又ハ有
益ナリシ費用ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
組合之ヲ塡補ス
第十五條組合員ハ定款ノ定ムル所ニ依
リ保險ノ目的タル漁船ノ構造、設備、漁
業ノ種類等ニ付重大ナル變更ヲ加ヘン
トスルトキハ豫メ組合ニ通知スベシ
保險ノ目的タル漁船ノ危險ガ其ノ構
造設備、漁業ノ種類等ノ重大ナル變
更ニ因リ著シク增加スル場合ニ於テハ
組合ハ組合員ニ對シ其ノ變更ヲ制限シ
其ノ他必要ナル處置ヲ爲サシムルコト
ヲ得
第十六條組合ハ保險ノ目的タル漁船ニ
關シ調査ヲ爲シ又ハ組合員ヲシテ通常
ノ修繕其ノ他必要ナル處置ヲ爲サシム
ルコトヲ得
第十七條左ノ場合ニ於テハ組合ハ塡補
額ノ全部又ハ一部ニ付塡補ノ責ヲ免ル
ルコトヲ得
一組合員保險ノ目的タル漁船ニ付損
害ノ防止輕減ヲ怠リタルトキ
二組合員第十五條第一項ノ規定ニ依
ル通知ヲ怠リ又ハ同條第二項ノ規定
ニ依ル組合ノ指示ニ從ハザルトキ
三組合員前條ノ規定ニ依ル組合ノ調
査ヲ拒ミ又ハ組合ノ指示ニ從ハザル
トキ
第十八條組合ハ組合員ノ故意又ハ重大
ナル過失ニ因リテ生ジタル損害ヲ塡補
スル責ニ任ゼズ船長其ノ他漁船ヲ指揮
スル者ノ故意ニ因リテ生ジタル損害ニ
付亦同ジ
第十九條組合ニハ理事及監事ヲ置クベ
シ
理事及監事ハ總會ニ於テ組合員中ヨリ
之ヲ選任ス但シ特別ノ事由アルトキハ
組合員ニ非ザル者ヨリ之ヲ選任スルコ
トヲ得
前項但書ノ規定ニ依ル選任ハ行政官廳
ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ
生ゼズ
第二十條組合員ハ總會ニ於テ各一箇ノ
議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依
リ一人ニ付議決權總數ノ十分ノ一ヲ超
エザル範圍內ニ於テ二箇以上ノ議決權
ヲ有セシムルコトヲ得
第二十一條總會ノ決議ハ本法又ハ定款
ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出席シ
タル組合員ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之
乙酸、
組合員ハ定款ノ定ムル所ニ依リ書面又
ハ代理人ヲ以テ議決權ヲ行フコトヲ得
此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席者ト看做ス
但シ同居ノ成年者又ハ組合員ニ非ザレ
バ代理人タルコトヲ得ズ
第二十二條組合員ハ總組合員五分ノ一
以上ノ同意ヲ得テ會議ノ目的及招集ノ
事由ヲ記載シタル書面ヲ理事ニ提出シ
テ總會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
理事ガ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル
後二週間以內ニ正當ノ事由ナクシテ總
會招集ノ手續ヲ爲サザルトキハ監事其
ノ總會ヲ招集スベシ
第二十三條組合員ハ三月前ニ豫〓ヲ爲
スニ非ザレバ脫退スルコトヲ得ズ
第二十四條組合員ハ左ノ事由ニ因リテ
脫退ス但シ第一號ノ場合ニ付テハ定款
ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
一保險關係ノ消滅
二死亡
三破產
四除名
第二十五條組合員ハ組合ヲ脫退シタル
トキト雖モ脫退ノ日ノ屬スル事業年度
ノ追徵金及保險金額ノ削減ニ對シテハ
其ノ義務ヲ免ルルコトヲ得ズ
第二十六條行政官廳必要ト認ムルトキ
ハ理事ヲシテ組合ノ事業又ハ財產ニ關
スル報〓ヲ爲サシメ、組合ノ事業又ハ
財產ノ狀況ヲ檢査シ、定款ノ變更ヲ命
ジ其ノ他監督上必要ナル命令又ハ處分
ヲ爲スコトヲ得
第二十七條組合ノ事業若ハ財產ノ狀況
ニ依リ其ノ事業ノ繼續ヲ困難ナリト認
ムルトキ又ハ組合ノ行爲若ハ決議ガ法
令、定款若ハ行政官廳ノ命令ニ違反シ
其ノ他公益ヲ害スルノ虞アルトキハ行
政官廳ハ決議ヲ取消シ、理事若ハ監事
ヲ解任シ、組合ノ事業ヲ停止シ又ハ組
合ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第二十八條民法第四十四條第一項、第
四十五條第二項第三項、第四十八條、第
五十條、第五十二條第二項、第五十三
條乃至第五十五條、第五十九條、第六
十條、第六十一條第一項、第六十二條、
第六十四條、第六十六條、第七十條及
第七十三條乃至第八十三條、非訟事件
手續法第三十五條第二項、第三十六條、
第三十七條ノ二、第百二十二條、第百
三十六條乃至第百三十八條、第百四十
二條乃至第百五十一條ノ六、第百五十
四條乃至第百五十七條、第百七十五條、
第百七十六條、第百七十八條及第百九
十五條ノ二竝ニ家畜保險法第八條乃至
第十條、第十二條第二項、第十四條、
第十八條第二項、第三十五條乃至第四
十條、第四十二條、第四十四條、第四
十七條、第五十一條乃至第五十七條、
第六十條、第六十二條乃至第七十二條、
第七十四條、第七十九條及第八十一條
乃至第八十六條ノ規定ハ漁船保險組合
ニ之ヲ準用ス但シ民法第四十五條第三
項、第四十八條第一項及第七十七條ノ
規定中一週間トアルハ一一週間トシ家畜
保險法第六十二條乃至第七十條、第七
十二條及第八十三條乃至第八十五條ノ
規定中組合ノ分割ニ關スル規定ヲ除ク
商法第三百八十六條乃至第三百九十五
條第三百九十七條、第三百九十九條
乃至第四百條、第四百三條第一項、第
四百十二條、第四百十三條、第四百十
五條乃至第四百十七條、第六百七十一
條第一號乃至第三號、第六百七十二條
第一項、第六百七十四條第一項第二項
及第六百七十五條乃至第六百七十九條
ノ規定ハ本法ニ依ル漁船保險ニ之ヲ準
用ス但シ第六百七十二條第一項ノ規定
中六箇月間及第六百七十四條第一項ノ
規定中三簡月トアルハ命令ヲ以テ定ム
ル期間トス
第二章漁船再保險
第二十九條本法ニ依ル漁船保險ノ再保
險事業ハ政府之ヲ管掌ス
第三十條組合ガ漁船保險ノ引受ヲ爲シ
タルトキハ之ニ因リテ政府ト組合トノ
間ニ再保險關係成立スルモノトス
第三十一條再保險金額及再保險料ニ關
スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十二條組合ハ漁船保險ノ引受ヲ爲
シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政
府ニ對シテ其ノ旨ヲ通知スベシ
第三十三條左ノ場合ニ於テハ政府ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ再保險金額ノ全部
又ハ一部ノ支拂ノ責ニ任ゼズ
一組合ガ法令又ハ定款ニ違反シテ塡
補ヲ爲シタルトキ
二組合ガ塡補額ヲ不當ニ認定シテ塡
補ヲ爲シタルトキ
三組合ガ不正ノ目的ヲ以テ前條ノ規
定ニ依ル通知ヲ怠リ又ハ不實ノ通知
ヲ爲シタルトキ
第三十四條組合ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ委付ニ因リテ取得シタル一切ノ權利
ノ行使又ハ處分ニ關スル事項ヲ定メ政
府ノ承認ヲ受クベシ
政府ハ前項ノ承認ヲ爲シタルトキハ組
合ニ對シ其ノ再保險金額ノ支拂ヲ爲ス
モノトス
前項ノ規定ニ依リ再保險金額ノ支拂ヲ受
ケタル組合ハ委付ニ因リテ取得シタル一
切ノ權利ヲ行使シ又ハ處分シテ得タル金
額ヨリ之ガ行使又ハ處分ニ要シタル費
用ヲ控除シタル殘額ノ中再保險金額ノ
保險金額ニ對スル割合ニ依リテ算出シ
タル金額ヲ遲滯ナク政府ニ還付スベシ
前三項ノ規定ハ第二十八條ノ規定ニ依
リ準用シタル商法第四百十五條及第四
百十六條ノ規定ニ依リ組合ガ權利ヲ取
得シタル場合ニ之ヲ準用ス
第三十五條組合ガ再保險ニ關スル事項
ニ付政府ニ對シテ民事訴訟ヲ提起スル
ニハ漁船再保險審査會ノ審査ヲ經ルコ
トヲ要ス
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シ
テハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
漁船再保險審査會ニ關スル事項ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第三十六條商法第三百九十一條、第三
百九十二條、第三百九十九條、第四百
條、第四百十二條及第四百十七條竝ニ
家畜保險法第九十九條ノ規定ハ本法ニ
依ル漁船再保險ニ之ヲ準用ス
第三章罰則
第三十七條左ノ場合ニ於テハ漁船保險
組合ノ理事、監事又ハ〓算人ヲ五圓以
上五百圓以下ノ過料ニ處ス
本法ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受ク
ベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザル
トキ
二本法ニ依ル登記ヲ爲スコトヲ怠リ
タルトキ
三行政官廳又ハ總會若ハ總代會ニ對
シテ不實ノ申立ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱
蔽シタルトキ
四本法ニ依リ行政官廳ノ徵スル報告
ヲ差出サズ又ハ其ノ檢査ヲ拒ミ其ノ
他行政官廳ノ命令若ハ處分ニ從ハザ
ルトキ
五本法ニ依ル總會又ハ總代會ノ招集
ヲ怠リタルトキ
六組合ノ目的ニ非ザル事業ヲ爲シタ
ルトキ
七本法ニ依リ事務所ニ備ヘ置クベキ
書類ヲ備ヘズ其ノ書類ニ記載スベキ
事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲
シ又ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ閱覽
ヲ拒ミタルトキ
八本法ニ違反シテ破產ノ宣告ヲ請求
セザルトキ
九第二十八條ノ規定ニ依リ準用シタ
ル家畜保險法第五十四條、第六十四
條又ハ第六十五條第二項ノ規定ニ違
反シタルトキ
十本法ニ依ル公〓ヲ爲スコトヲ怠リ
又ハ不正ノ公〓ヲ爲シタルトキ
十一〓算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シ
テ辨濟ヲ爲シ又ハ組合財產ノ處分ヲ
爲シタルトキ
十二法令又ハ定款ニ違反シテ剩餘金
ヲ處分シ又ハ追徵金ヲ取立テ若ハ保
險金額ヲ削減シタルトキ
第三十八條第三條第二項ノ規定ニ違反
シタル者ハ十圓以上二百圓以下ノ過料
三國、八
第三十九條非訟事件手續法第二百六條
乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料
ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
漁船再保險特別會計法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月十九日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
漁船再保險特別會計法案
漁船再保險特別會計法
第一條漁船保險法ニ依ル漁船再保險事
業ヲ經營スル爲特別會計ヲ設置シ其ノ
歲入ヲ以テ其ノ歲出ニ充ツ
第二條本會計ニ於テハ再保險料、積立
金ヨリ生ズル收入、借入金及附屬雜收
入ヲ以テ其ノ歲入トシ再保險金、再保
險料ノ還付金、借入金ノ償還金及其ノ
利子、一時借入金ノ利子、事業取扱費
其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第三條本會計ニ於テ決算上剩餘金ヲ生
ズルトキハ之ヲ積立ツベシ
本會計ノ歲計ニ不足アルトキハ積立金
ヨリ之ヲ補足スベシ
第四條本會計ニ屬スル經費ヲ支辨スル
爲必要アルトキハ政府ハ本會計ノ負擔
ニ於テ借入ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入ヲ爲スコトヲ得
ル金額ハ純再保險料ヲ以テ再保險金及
再保險料ノ還付金ヲ支辨スルニ不足ス
ル金額ヲ限度トス
第五條本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘裕
アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ル
ベシ
第六條本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足
アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ一時借
入ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金ハ當該年
度內ニ之ヲ返還スベシ
第七條本會計ノ積立金ハ國債ヲ以テ保
有シ又ハ大藏省預金部ニ預入レ之ヲ運
用スルコトヲ得
第八條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調製シ歲入歳出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第九條本會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケ
ル事業費ノ支出殘額ハ之ヲ翌年度ニ繰
越使用スルコトヲ得
第十條本會計ノ收入支出ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法ハ昭和十二年度ヨリ之ヲ施行ス
一般會計ハ當分ノ內每年度豫算ノ定ムル
金額ヲ本會計ニ繰入ルルコトヲ得
森林火災國營保險法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月十九日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
森林火災國營保險法案
森林火災國營保險法
第一條政府ハ本法ニ依リ森林火災保險
ヲ行フ
第二條森林火災保險ニ於テハ政府ガ森
林ニ付火災ニ因リテ生ズルコトアルベ
キ損害ヲ塡補スルコトヲ約シ保險契約
者ガ對償トシテ政府ニ保險料ヲ支拂フ
コトヲ約スルモノトス
保險料ニ關スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ
定ム
第三條保險ノ目的ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ林齡二十年以下ノ森林トス
第四條被保險者ハ保險ノ目的ノ所有者
一部九ノ
第五條保險料ハ保險契約ノ申込ト同時
ニ保險期間ノ全部ニ對シ之ヲ拂込ムベ
シ但シ保險期間ガ一年ヲ超ユル場合ニ
在リテハ之ヲ分割シテ拂込ムコトヲ
得
前項但書ノ規定ニ依リ保險料ヲ分割シ
テ拂込ム場合ニ在リテハ當該保險料期
間ノ開始ニ至ル迄ニ之ヲ拂込ムベシ其
ノ拂込ヲ怠リタルトキハ保險契約ハ爾
後其ノ效力ヲ失フ
第六條政府保險契約ノ申込ヲ承諾シタ
ルトキハ保險證書ヲ作成シ之ヲ保險契
約者ニ交付ス
保險證書ニ記載スベキ事項ハ命令ヲ以
テ之ヲ定ム
第七條保險契約ニ因ル政府ノ責任ハ特
約アル場合ヲ除クノ外保險證書作成ノ
日ノ翌日ニ始マル
第八條保險契約者又ハ被保險者ノ詐欺
ニ因ル保險契約ハ之ヲ無效トス
第九條同一ノ目的ノ全部又ハ一部ニ付
保險契約ノ申込ノ當時他ノ保險契約存
スルトキ又ハ保險契約ノ申込後他ノ保
險契約ヲ締結シタルトキ若ハ他ノ保險
契約ヲ變更シタルトキハ之ヲ政府ニ申
告スベシ同一ノ目的ノ全部又ハ一部ニ
付第三者ノ締結シタル保險契約ノ存ス
ルコト又ハ其ノ變更アリタルコトヲ知
リタルトキ亦同ジ
前項ノ申〓ヲ怠リタルトキハ政府ハ損
害ヲ塡補スル責ニ任ゼザルコトヲ得
第十條保險金額ハ勅令ヲ以テ定ムル標
準ニ依リ算出シタル金額(標準金額)ヲ
超ユルコトヲ得ズ
保險金額ガ標準金額ヲ超過シタルトキ
ハ其ノ超過シタル部分ニ付テハ保險契
約ハ之ヲ無效トス
第十一條同一ノ目的ニ付本法ニ依ル保
險契約ノ外他ノ保險契約存スル場合ニ
於テ保險金額ノ總額ガ保險價額ヲ超過
シタルトキハ政府ノ負擔額ハ本法ニ依
ル保險契約ノ保險金額ト他ノ保險契約
ノ保險金額トノ割合ニ依リテ之ヲ定ム
但シ其ノ政府ノ負擔額ガ損害額ヨリ他
ノ保險者ノ負擔額ヲ控除シタル殘額ヲ
超ユル場合ニ於テハ其ノ殘額ヲ以テ政
府ノ負擔額トス
第十二條保險證書ニ記載シタル事項ト
異リタル事實アル爲保險料トシテ拂込
ミタル金額ガ正當ニ拂込ムベキ保險料
ニ達セザルトキハ拂込ミタル保險料ノ
正當ニ拂込ムベキ保險料ニ對スル割合
ニ依リ保險金額ヲ減額ス
第十三條保險價額ガ標準金額ヲ超過シ
タルトキハ保險金額ノ標準金額ニ對ス
ル割合ニ依リテ損害ヲ塡補ス但シ其ノ
塡補額ハ損害ガ生ジタル區域內ニ於ケ
ル保險ノ目的ノ價額ノ保險價額ニ對ス
ル割合ヲ保險金額ニ乘ジタル額ヲ超エ
ザルモノトス
保險價額ガ標準金額以下ナルトキハ保
險金額ノ保險價額ニ對スル割合ニ依リ
テ損害ヲ塡補ス
第十四條保險ノ目的ノ一部ニ付損害ヲ
塡補シタル場合ニ於テハ爾後其ノ保險
料期間內ノ損害塡補ニ付テハ前ニ損害
ガ生ジタル區域ト其ノ他ノ區域トニ依
リ各別ニ計算ス
第十五條左ノ場合ニ於テハ政府ハ損害
ヲ塡補スル責ニ任ゼズ
一損害ガ保險契約者又ハ被保險者ノ
故意又ハ重大ナル過失ニ因リテ生ジ
タルトキ
二保險契約者又ハ被保險者ガ損害ノ
生ジタルコトヲ知リテ其ノ通知ヲ怠
リタルトキ
三損害ガ戰爭其ノ他ノ變亂、地震又
ハ噴火ニ因リテ生ジタルトキ
第十六條被保險者ハ其ノ負擔ニ於テ損
害ノ防止ニ力ムルコトヲ要ス
第十七條保險契約ハ他人ノ爲ニモ之ヲ
締結スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ被
保險者ハ當然其ノ契約ノ利益ヲ享受ス
第十八條保險ノ目的ヲ取得シタル者ハ
保險契約ニ因リテ生ジクル權利義務ヲ
承繼ス
第十九條保險期間中危險ガ著シク增加
シタルトキハ政府ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ保險契約ノ解除ヲ爲スコトヲ得但
シ其ノ解除ハ將來ニ向テノミ其ノ效力
可愛い
保險期間中危險ガ著シク增加シタルト
キハ保險契約者又ハ被保險者ハ命令ノ
定ムル所ニ依リ遲滯ナク之ヲ通知スベ
シ若シ其ノ通知ヲ怠リタルトキハ政府
ハ危險增加ノ時ヨリ保險契約ガ其ノ效
力ヲ失ヒタルモノト看做スコトヲ得
政府ニ於テ前項ノ通知ヲ受ケ又ハ危險
ノ增加ヲ知リタル後遲滯ナク契約ノ解
除ヲ爲サザルトキハ其ノ契約ヲ承認シ
タルモノトス
第二十條保險契約ノ全部又ハ一部ガ無
效ナルトキ、其ノ效力ヲ失ヒタルトキ
又ハ解除セラレタルトキト雖モ保險料
ハ之ヲ返還セズ但シ左ノ各號ノ一ニ該
當スル場合ニ於テハ政府ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ保險料ヲ返還ス
一保險契約ノ全部又ハ一部ガ無效ナ
ル場合ニ於テ保險契約者及被保險者
ガ善意ニシテ且重大ナル過失ナキト
キ
二保險契約者又ハ被保險者ノ行爲ニ
因ラズシテ保險契約ノ全部又ハ一部
ガ其效力ヲ失ヒタル場合ニ於テ殘存
保險期間ガ一年以上ナルトキ
三政府ノ責任ガ始マル前ニ於テ保險
契約者ガ契約ノ全部又ハ一部ノ解除
ヲ爲シタルトキ
四政府ガ保險契約ノ解除ヲ承諾シタ
ル場合又ハ保險契約者若ハ被保險者
ノ責ニ歸スベカラザル事由ニ因リテ
危險ガ著シク增加シタル爲政府ガ前
條第一項ノ規定ニ依リ保險契約ノ解
除ヲ爲シタル場合ニ於テ殘存保險期
間ガ一年以上ナルトキ
第二十一條同一ノ目的ニ付引續キ五年
間政府ノ負擔ニ歸スベキ損害ノ發生ナ
クシテ保險契約ガ存續シタル場合ニ於
テ更ニ契約ガ存續スルトキハ政府ノ命
令ノ定ムル所ニ依リ保險料ノ一部ヲ拂
戾スコトヲ得保險ノ目的ガ林齡十五年
ヲ超ユル場合ニ於テ其ノ目的ニ付林齡
二十一年ニ達スル迄政府ノ負擔ニ歸ス
ベキ損害ノ發生ナクシテ契約ガ存續シ
タルトキ亦同ジ
前項ノ規定ニ依ル拂戾ノ義務ハ二年ヲ
經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第二十二條保險契約者被保險者又ハ保
險金ニ付權利ヲ有スル者ガ森林火災
保險ニ關スル事項ニ付政府ニ對シテ
民事訴訟ヲ提起スルニハ森林火災國
營保險審査會ノ審査ヲ經ルコトヲ要
ス
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シ
テハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
森林火災國營保險審査會ニ關スル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十三條本法ニ依ル森林火災保險ニ
關スル書類ニハ印紙稅ヲ課セズ
第二十四條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ保險事務ノ一部ヲ市町村ヲシテ取扱
ハシムルコトヲ得
政府保險料受取ノ事務ヲ市町村ヲシテ
取扱ハシムル場合ニ於テハ其ノ受取リ
タル保險料ノ百分ノ五ニ相當スル金額
ヲ其ノ市町村ニ交付ス
前二項中町村トアルハ町村制ヲ施行セ
ザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第二十五條本法ニ依ル森林火災保險ニ
關シ本法及本法ニ基キテ發スル命令ニ
規定セザル事項ハ商法中損害保險ニ關
スル規定ニ從フ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ勅令ヲ以テ指定スル地區ニ之ヲ施
行セズ
森林火災保險特別會計法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月十九日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
森林火災保險特別會計法案
森林火災保險特別會計法
第一條森林火災保險事業ヲ經營スル爲
特別會計ヲ設置シ其ノ歲入ヲ以テ其ノ
歲出ニ充ツ
第二條本會計ニ於テハ保險料、積立金ヨ
リ生ズル收入、借入金及附屬雜收入ヲ
以テ其ノ歲入トシ保險金、保險料ノ還
付金、無事戾金、借入金ノ償還金及其
ノ利子、一時借入金ノ利子、事業取扱
費其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第三條本會計ニ於テ決算上剩餘金ヲ生
ズルトキハ之ヲ積立ツベシ
本會計ノ歲計ニ不足アルトキハ積立金
ヨリ之ヲ補足スベシ
第四條本會計ニ屬スル經費ヲ支辨スル
爲必要アルトキハ政府ハ本會計ノ負擔
ニ於テ借入ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入ヲ爲スコトヲ得
ル金額ハ純保險料ヲ以テ保險金及保險
料ノ還付金ヲ支辨スルニ不足スル金額
竝ニ保險料中無事戾金ニ充ツル金額ヲ
以テ無事戾金ヲ支辨スルニ不足スル金
額ヲ限度トス
第五條本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘裕
アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ル
ベシ
第六條本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足
アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ一時借
入ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金ハ當該年
度內ニ之ヲ返還スベシ
第七條本會計ノ積立金ハ國債ヲ以テ保
有シ又ハ大藏省預金部ニ預入レ之ヲ運
用スルコトヲ得
第八條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第九條本會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケ
ル事業費ノ支出殘額ハ之ヲ翌年度ニ繰
越使用スルコトヲ得
第十條本會計ノ收入支出ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法ハ昭和十二年度ヨリ之ヲ施行ス
一般會計ハ當分ノ內每年度豫算ノ定ムル
金額ヲ本會計ニ繰入ルルコトヲ得
〔國務大臣山崎達之輔君演壇ニ登ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=9
-
010・山崎達之輔
○國務大臣(山崎達之輔君) 漁船保險法提
案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、漁船ハ申ス
迄モナク漁業者ニ取リマシテ最モ重要ナル
資產ノ一ツデゴザイマシテ、同時ニ漁業經
營上缺クベカラザル生產ノ要具デゴザイマ
ス、然ルニ年々不測ノ災害ニ因リマスル漁
船ノ被害ハ相當ニ上ッテ居リマスルノデ、適
切ナル保險制度ヲ確立致シマシテ、漁船ノ
損害ヲ補塡致シマスルト共ニ、漁船ノ資金化
ヲ容易ナラシメマシテ、漁業經營ノ改善ヲ期
シ、更ニ進ンデ漁業者ノ生業ヲ保障致シマ
スル途ヲ講ジマスルコトハ、極メテ緊要ノ
コトト存ズルノデアリマス、仍テ政府ハ新
タニ漁船保險法ヲ制定致シマシテ、漁船所
有者ヲシテ漁船保險組合ヲ組織致サセマシ
テ漁船ノ損害ニ付テ相互保險ヲ行ハシムル
コトト致シタイノデアリマス、尙其ノ再保險
ニ付キマシテハ、政府ニ於テ是ヲ管掌スル
コトト致シマシテ、由テ以テ保險經營ノ基
礎ヲ鞏固ナラシメムコトヲ期スル次第デア
リマス、デ之ニ關聯致シマシテ漁船再保險
特別會計法ノ制定ノ必要ヲ認ムルモノデゴ
ザイマス、卽チ漁船保險法ニ基キマシテ、政
府ノ經營致シマスル漁船再保險事業ニ關ス
ル歲入歲出ハ、之ヲ一般會計ト區分致シマ
シテ經理スルコトガ適當デアルト存ジマス
ルノデ、特別會計ヲ設置セムトスル次第デ
アリマス、何卒御審議ノ上、御協贊ヲ與ヘ
ラレムコトヲ切望致シマス、次ニ森林火災
國營保險法ニ付テ御說明ヲ申上ゲタイト存
ジマス、森林ガ公益上竝ニ經濟上、重要ナル
關係ヲ有スルモノデアリマスコトハ申ス迄
モナイコトデゴザイマシテ、森林ノ火災ニ
因ル被害ハ御承知ノヤウニ著シキモノガゴ
ザリマシテ、府縣民有林ノ被害ニ付テ見マ
シテモ、每年平均一萬町步ヲ超エテ居ル情
況デアリマス、價格ニ致シマシテ約二百萬
圓ヲ算スル狀態デゴザイマス、殊ニ幼齡林
ハ其ノ性質上火災ノ危險ガ甚ダ多イノデゴ
ザリマシテ、而モ一旦火災ニ罹リマスル時
ハ全ク無價値トナリマシテ、多大ノ投資ト
努力トハ一朝ニシテ烏有ニ歸スル次第デゴ
ザイマス、其ノ結果跡地ノ荒廢ヲ招キマシ
テ、又木材資源ノ保續ニモ支障ヲ來シマシ
テ、林業及山村經濟振興ノ上ニ大キナ障碍
トナッテ居ルノデアリマス、從ッテ特ニ幼齡
林ニ付キマシテ、火災保險ノ制度ヲ立テマ
シテ、其ノ損害ヲ補塡致シ、火災跡地ノ再
造林ヲ容易ナラシメマスルコトハ緊要ノコ
トト存ジマス、火災保險ノ事業ハ民間ニ於
テモ若干行ハレテ居リマスケレドモ、殆ド
其ノ普及ハ見ルベキモノガナイノデゴザリ
マシテ、殊ニ幼齡林ニ付キマシテハ、保險ニ
付セラレテ居ルモノハ殆ドナイ狀態デアリ
やっ、仍テ政府ハ特ニ二十年生以下ノ人工
植栽林ニ付キマシテ、國營火災保險ノ制度
ヲ樹立致シタク考ヘテ居ル次第デアリマス、
尙此ノ保險制度ニ伴ヒマシテ、政府ノ經營
シマスル森林火災保險事業ニ關シマスル歲
入歲出ハ、之ヲ一般會計ト區分シテ經理ス
ルコトガ適當デアルト存ジマスルノデ、之
ガ爲ニ特別會計ヲ設置セムト欲スルモノデ
アリマス、何卒速カニ御審議ノ上、御協贊
ヲ與ヘラレマスルコトヲ希望致シマス
〔子爵野村益三君發言ノ許可ヲ求ム〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=10
-
011・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 野村子爵
〔子爵野村益三君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=11
-
012・野村益三
○子爵野村益三君 私ハ只今上程ニナリマ
シタル漁船保護法案ニ付テ、農林大臣ニ御
尋ヲ致シタイト存ジマス、我ガ水產業界ハ
所謂水產政策十六箇條ヲ定メマシテ、其ノ
輕重、緩急、大小ニ依ッテ之ガ實現ヲ期シ
テ居ルノデアリマス、漁船保險法モ其ノ重
要ナル一ツデアリマシテ、數年來之ガ實現
ヲ熱望シ來ッタノデアリマス、申ス迄モナク
此ノ法案ハ、單リ產業ノ上ノミナラズ、經
濟ノ上ノミナラズ、社會政策ノ意義ヲ持ッテ
居ル點ニ於テ、殊ニ重要視サレテ居ルノデ
アリマス、其ノ數年來ノ懸案ヲ、農林當局
ニ於カレマシテ本年度提案サレタト云フコ
トニ付テハ、我々ハ大イナル感謝ヲ致シ來ッ
テ居ルノデアリマス、又衆議院ニ於キマシ
テモ愼重審議、熱誠ナル考究ノ下ニ之ヲ可
決確定サレマシテ、卽チ今日茲ニ現レ來ッタ
譯デアリマス、而シテ衆議院ニ於キマシテ
ハ所謂希望決議六項ヲ議決致シマシテ、其
ノ實現ヲ希望シタコトモ、是モ御承知ノコ
トト存ジマス、ソレハ「本法制定ノ趣旨ヲ徹
底セシムル爲保險金額算定標準ヲ引上クル
ト共ニ保險料金ヲ引下クヘシ」、之ガ一ツデ
アリマス、將來「漁船再保險特別會計ニ剩餘
金ヲ生シタルトキハ保險料金引下ノ資ニ充
當スヘシ」、之ガ二ツデアリマス、我國「漁
村ノ現狀ニ鑑ミ本法運用ニ當リテハ特ニ中
小漁船ニ對シテ特ニ意ヲ用フヘシ」、之ガ三
ツデアリマス、「海難防止竝漁業從事者及其
ノ遭難遺族救護ニ關スル施設ヲ講スヘシ」、
之ガ四ツデアリマス、「漁業組合中央金庫ヲ
速ニ設置スヘシ」、之ガ五ツデアリマス、
最後ノ第六ニハ「水產資源開發ノ爲沿岸魚
介類ノ繁殖保護竝遠洋漁業ノ振興ヲ計ルヘ
シ」、以上六項ヲ可決致シマシテ、所謂希望
決議トシテ之ヲ附帶セシメタノデアリマス、
私ハ此ノ機會ニ於キマシテ、農林大臣ニ、
此ノ衆議院ノ希望事項ニ付キマシテ、ドウ
云フ御所見ヲ有シテ居ラルヽカ、竝ニ之ニ對
スル御意見ヲ大體承ッテ見タイト思フノデ
アリマス、勿論此ノ趣旨ニ於キマシテハ大
體御異議ガナカラウト思フノデアリマス、
唯私ノ欲望ヨリ申シマスレバ、如何ナル程
度ニ於テ此ノ希望決議ニ御贊成デアルカト
云フコトヲ伺ヒマシタナラバ、獨リ私ノ幸
ニ止ラナイト存ズルノデアリマス、是ガ私
ノ質疑ノ要項デアリマス
〔國務大臣山崎達之輔君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=12
-
013・山崎達之輔
○國務大臣(山崎達之輔君) 野村子爵ニ御
答ヲ申上ゲマス、衆議院ニ於テ附セラレマ
シタ附帶決議ニ付キマシテハ、野村子爵モ
仰セニナリマシタヤウニ、其ノ趣旨ハ尤モ
ダト考ヘテ居ルノデアリマシテ、從ッテ政府
トシマシテハ之ガ實現ニ對シマシテ、十分
ノ考慮ヲ加へタイト考ヘテ居ルノデアリマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=13
-
014・池田政時
○子爵池田政時君 只今上程サレマシタ漁
船保險法案外三件ハ、重要法案デアリマス
ルガ故ニ、其ノ特別委員ノ數ヲ十五名トシ、
其ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致
シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=14
-
015・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=15
-
016・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 池田子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=16
-
017・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀)
漁船保險法案外三件特別委員
公爵鷹司信輔君侯爵小村捷治君
伯爵堀田正恒君子爵野村益三君
子爵保科正昭君子爵戶澤正己君
松井茂君男爵紀俊秀君
松村眞一郞君白根竹介君
男爵井上〓純君男爵橋本正輝君
西本健次郞君山本米三君
岩崎〓行君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=17
-
018・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第七、軍事
救護法中改正法律案、日程第八、救護法中
改正法律案、日程第九、母子保護法案、政
府提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員
長報告、是等ノ三案ヲ一括シテ議題ト爲ス
コトニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=18
-
019・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス、委員長、柳原伯爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノ爲メ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
軍事救護法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十二年三月十八日
委員長伯爵柳原義光
貴族院議長公爵近衞文麿殿
救護法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト講決セリ依テ及
報告候也
昭和十二年三月十八日
委員長伯爵柳原義光
貴族院議長公爵近衞文麿殿
母子保護法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十二年三月十八日
委員長伯爵柳原義光
貴族院議長公爵近衞文麿殿
〔伯爵柳原義光君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=19
-
020・柳原義光
○伯爵柳原義光君 只今上程セラレマシタ
軍事救護法中改正法律案、救護法中改正
法律案竝ニ母子保護法案ノ特別委員會ニ
於ケル審議ノ經過竝ニ其ノ結果ヲ簡單ニ御
報告申上ゲマス、此ノ三法律案ニ付キマシ
テハ、去ル三月十六日、十七日及十八日ノ
三日間ニ亙リマシテ、特別委員會ヲ開キ、
審議ヲ致シタノデゴザイマス、先ヅ軍事救
護法中改正法律案ニ付テ申上ゲマスト、內
務大臣ヨリ本案提案ノ理由ノ說明ヲ聽取致
シマシタ後、法律ノ內容及法律施行ニ要ス
ル經費豫算、竝ニ現行法ノ施行情況等ニ付
テ、各委員ヨリ詳細ナル質問竝ニ意見ノ陳
述ガゴザイマシタ、之ニ對シマシテ内務、
陸軍省ノ政府委員ヨリソレ〓〓答辯ガアリ
マシテ、愼重審議ヲ致シタノデゴザイマス、
要スルニ本改正法律案ハ、法律ノ名稱ヲ改
メマスルト共ニ、扶助ヲ受クベキ傷病兵竝
ニ家族、遺族ノ範圍ヲ擴張シ、扶助セラル
ベキ條件ヲ緩和シ、以テ軍事扶助ノ徹底充
實ヲ圖ラムト致スノガ、本案ヲ提出セラレ
マシタル精神デアリマス、其ノ趣旨ト致ス
所ハ誠ニ結構ト存ズルノデアリマス、討論
ニ入リマシテ一委員カラ、軍事扶助法ハ一
般ノ救貧法制トハ全ク其ノ趣旨ヲ異ニ致シ
テ居ッテ、兵役ノ大任ニ服シタル者、又ハ其
ノ家族、遺族ニ對シテ國家ノ爲スベキ義務
トシテ扶助スルノデアリマスカラ、此ノ意
味ヲ十分徹底致スヤウニシテ欲シイ、卽チ
此ノ意味ヲ十分諒トセラレテ、本法施行ニ
當ッテハ遺憾ナキヲ期セラレタイ旨ノ希望
意見ノ陳述ガアッタノデゴザイマス、次ニ救
護法中改正法律案ニ付テ申上ゲマス、本案
ハ救護ヲ要スル者ノ增加ニ伴ヒマシテ、益〓、
其ノ徹底ヲ期スル爲ニ、國庫補助率ノ改正
ヲ爲サムトスルノガ本案ノ提出セラレタ主
要ナル事柄デアリマシテ、併セテ方面委員
令ノ施行ニ伴ヒ、此ノ方面委員令ニ依ル方
面委員ヲ以テ本法ノ委員ニ代ヘ、又新タ
ニ被救護者ノ扶養義務者ヨリモ救護費用ヲ
徵收シ得ルコトノ規定ヲ致サムトスルモノ
デアリマシテ、此ノ改正法律案ニ付キマシ
テハ、各委員ヨリ法案ノ內容、現行法ノ施
行情況、母子保護法トノ關係ニ付キマシテ
詳細ナル質問ガゴザイマシテ、政府委員ヨ
リ又ソレ〓〓答辯ヲ致サレタノデアリマス、
次ニ母子保護法案デアリマスルガ、本法律
案ハ夫ヲ失ヒタル母ガ貧困ニシテ、子女養
育ノ任務ヲ全ウシ得ザル場合之ヲ扶助シ、
以テ次代國民ノ健全ナル發育ヲ期セムトス
ルモノデアリマシテ、委員會ニ於キマシテハ、
各委員ヨリ本法ニ依ル保護ノ內容、人員及
之ガ實施ノ方法、竝ニ本法ト我ガ國古來ノ
淳風美俗トノ關係等ニ關シテ、多々質疑ガ
アッタノデゴザイマスル、次イデ討論ニ入リ
マシテ一委員ヨリ、本法ノ實施上、其ノ完
璧ヲ期スルガ爲メ、方面委員ノ活動ノミナ
ラズ、特別ノ保護指導ノ方法ヲ將來〓究サ
レタキコト、及ビ本法ニ該當セザル幼年者
ノ保護徹底ニ付テモ、特ニ一般ノ留意ヲ希
望スル旨ノ御意見ノ陳述ガアッタノデアリマ
スル、尙救護法中改正法律案及母子保護法
案ノ討論ニ於キマシテハ、一委員ヨリ、此
ノ實施ニ當リマシテハ、我ガ國ノ家族制度
ノ本義ニ鑑ミマシテ、隣保相扶ノ美風ヲ十
分尊重シ發揮サレタイ、斯ウ云フ意見ノ陳
述ガアッタノデアリマス、次イデ三案ヲ一括
致シマシテ採決ヲ致シマシタ結果、滿場一
致ヲ以テ可決致シタ次第デゴザイマス、何
卒委員會ノ決議通リ可決ノ方ニ御贊成ヲ下
サルコトヲ希望致シマス、尙質疑應答ノ詳
細ナルコトハ、何卒速記錄ニ依ッテ御覽ヲ願
ヒタウゴザイマス、之ヲ以テ報〓ヲ終リマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=20
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021・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 三案ノ採決ヲ致
シマス、三案ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異
議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=21
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022・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=22
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023・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=23
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024・植村家治
○子爵植村家治君、 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=24
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025・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=25
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026・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=26
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027・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 三案全部、委員
長ノ報告通リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=27
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028・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=28
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029・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=29
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030・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=30
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031・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=31
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032・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=32
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033・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 三案全部、第二
讀會ノ決議通リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=33
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034・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=34
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035・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第十、絲價
安定施設法案、日程第十一、絲價安定施設
特別會計法案、政府提出、衆議院送付、第
一讀會ノ續、委員長報告、是等ノ兩案ヲ一
括シテ議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=35
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036・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス、委員長稻田男爵
絲價安定施設法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十二年三月十九日
委員長男爵稻田昌植
貴族院議長公爵近衞文麿殿
絲價安定施設特別會計法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十二年三月十九日
委員長男爵稻田昌植
貴族院議長公爵近衞文麿殿
〔男爵稻田昌植君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=36
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037・稻田昌植
○男爵稻田昌植君 絲價安定施設法及絲價
安定施設特別會計法、兩案ノ特別委員會ノ
審議ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓申上ゲマス、
本案ノ要旨ハ嘗テ此ノ議場デ提案サレマシ
タ時ニ、農林大臣カラ御說明ノ中ニアリマ
シタケレドモ、御了解ニ便スル爲ニ、其ノ
要點ダケヲ再ビ此處デ私カラ申上ゲマス、
本兩案ノ目的ハ、生絲ノ價格ノ異常ナル騰
貴及異常ナル低落ノ防止ヲ圖リマシテ、以
テ蠶絲業ノ安定及發達ヲ期スルニアルノデ
アリマス、此ノ目的ヲ達スル爲ニ、其ノ手
段ト致シマシテ製絲業者ヲシテ絲價安定施
設組合ヲ組織セシメ、生絲ノ賣買又ハ共同
保管ヲ行ハシメルノデアリマス、而シテ政
府カラ現在政府ガ所有致シテ居リマスル、
五萬俵ノ生絲ト七千萬圓ヲ合セテ特別會計
ヲ設置致シマシテ、之ヲ援助セシムルノデ
アリマス、是ガ此ノ兩案ノ目的及內容デア
リマスルガ、此ノ蠶絲政策ニ付キマシテハ、
數年前原蠶種ノ國家管理法ガ制定サレ、昨
年ハ產繭處理統制法ガ制定サレ、而シテ今
囘此ノ絲價安定施設ニ關スル法案ガ通リマ
スルト云フト、從來農林當局ガ蠶絲對策ト
シテ持ッテ居ラレマスル三大政策、卽チ生產
費ノ低下、價格ノ安定及需要ノ增進ノ三大項
目ニ對シマスル主ナル法律上ノ制定ハ、
段落ガ著クサウデアリマス、此ノ法案ニ對
シマシテハ、衆議院ニ於キマシテモ可ナリ
ノ論議ガ費サレタノデアリマスガ、本院ノ
委員會ニ於キマシテモ各委員カラ相當ノ、
質ニ於テモ量ニ於キマシテモ質問ガ多カッタ
ノデアリマス、而モ其ノ質問ハ何レモ重要
ナル質問ノミデアリマシテ、此ノ御報告ヲ
總テスベキデアリマスルガ、非常ナ時間ヲ
要シマスノデ、總括的ノ御報告ニ止メサシ
テ戴キタイト思ヒマス、其ノ第一ハ本法案
ガ農民負擔增加ノ結果ヲ招來セザルヤト云
フ御質疑デアリマス、卽チ本法ニ依リ負擔
ヲ農民ニ轉嫁セザルヤ、或ハ製絲家ニ厚ク
養蠶農家ニ薄キ嫌ヒナキヤト云フノデアリ
マス、其ノ質問ト致シマスル根據ハ、其ノ一
ツハ此ノ施設組合法ノ中ニ積立金ト云フ制
度ガアルガ、是ハ製絲家ノ「コスト」ノ中ニ加
算セラルヽガ故ニ、是ハ結局養蠶家ニ轉稼
セラルヽ憂ガナイデアラウカ、更ニ第二ノ
點ハ買入價格決定ノ場合ニ當リマシテ、生
產費ノ全部ヲ保障セズシテ一部ノミヲ基準
トシテ決定スルコトニナッテ居ルガ如キハ、
是等ヲ總括シテ批評スレバ、農民ノ負擔ニ
轉稼スルト云フコトニナルノデハアルマイ
カト云フ御質疑デアリマス、之ニ對シマシ
テ農林當局ノ御答辯ト致シマシテハ、積立
金ハ各種ノモノヲ包合シテ出來上ッテ居ル
モノデアリマスガ、是ガ必ズ全部養蠶農家ニ
行クモノトハ考ヘラレマセヌ、何レニ轉稼
サレマスヤハ其ノ時ノ情勢ノ强弱如何ニ依
ルモノデアリマシテ、無理セズニ積立金ヲ
有效ニ使用シテ行キタイト云フ御答辯デア
リマス、第二ノ點ニ對シマシテハ生產費ヲ
全部保障シナイト云フコトハ、繭ハ米ノ如
ク必需品デハゴザイマセヌ、而モ國際商品
デアリマシテ、而モ其ノ上競爭纖維ト云フモ
ノモ存在致シテ居ルノデアリマス、從ッテ此
ノ三點カラノ理由ニ依リマシテ、優良品ヲ
出來ルダケ安價ニ賣ラナケレバイケナイノ
デアリマス、生產費ヲ保障致シマスレバ生
產ガ增加致シマシテ、又生產費低下ノ努力
モナク、又國家財政上ノ立場ヲモ更ニ顧慮
シタ結果、此ノ方法ヲ執ッタノデアル、
要スルニ製絲家ニノミ厚クシテ、養蠶農
家ニ薄クシタ譯デハ斷ジテナイト云フ御答
辯デアリマス、第二ノ重要ナル御質疑ハ、
賣買價格決定ノ件デアリマスルガ、此ノ
賣買價格ノ決定ハ、賣渡價格卽チ最高價格
ハ、競爭纖維ノ價格ト物價其ノ他ノ經濟事情
ヲ參酌シテ定メ、買入價格卽チ最低價格ハ、
繭生產費中ニ於キマスル現金支出額ニ自給
費ノ一定割合ノ金額ヲ加ヘマシタルモノヲ
基礎トシテ算出シタル生絲價格ト、物價其
ノ他ノ經濟事情ヲ參酌シテ定メルノデアリ
マスガ、此ノ買入價格ニ付キマシテハ先程
之ニ觸レマシタカラ、再ビ申上ゲルコトヲ
省キマス、賣渡價格ニ付キマシテハ高値ヲ
圖ルト云フコトヨリモ、價格ガ「コンスタ
ント」デアル方ガ宜イト思フ、又棚上政策
所謂「ストック」政策ヨリモ、賣急グ方ガ宜
イノデハナイカト云フ御質疑ガアッタノデ
アリマス、之ニ對シマシテ農林當局ノ御答
辯ト致シマシテハ、價格ノ安定方法トシテ
ハ大體釘付ケトスル方法ト、極端ナル高低
ヲ防ギ、一定値幅ヲ殘ス方法トノ二ツガア
ルノデアリマスガ、生絲ト云フモノハ販賣
ニ努力ヲ要スルコトガ大デアリ、或値幅ヲ
有スルコトガ商賣上面白味ヲ與ヘルト云フ
點、或ハ爲替關係ノ上カラ云ヒ、或ハ統制
上ノ便宜ノ三點カラ考ヘテ、斯ノ如キ方法
ヲ執ッタノデ、「ストック」政策ニ付キマシ
テハ、制度トシテ行フ場合ハ、應急的ナ處
理ヨリモ恆久的ナ施設ヲスル方ガ宜シカラ
ウ、高値ヲ定メル必要ト云フコトハ、下値
ノ場合ヨリモ或ハ輕ク考ヘテモ宜イカモ知
レマセヌ、併シ安値ノミヲ定メテ高値ヲ定
メナイト云フコトハ、却テ弊害ガアルト思ッ
タガ故ニ、此ノ政策ヲ執ッタノダト云フ御答
辯デアリマス、重要ナ御質疑ノ第三點ハ、特
別會計運用ニ關スル點デアリマシテ、是八
主トシテ米穀特別會計ニ於キマスル論難ニ
對スルモノト比較シテノ御論議デアッタノ
デアリマス、ソレニ對シマシテ農林當局ノ
御答辯ハ、此ノ絲價安定施設ノ特別會計ハ
米穀ノ特別會計トハ可ナリ其ノ性質ヲ異ニ
致シテ居ルノデアリマス、其ノ一ツハ、生
絲ノ買入價格ト云フモノガ生產費ノ全部ヲ
保障セザル程度ヲ目標トシテ居リマスガ故
ニ、比較的低位ニ定メラレテ居リ、且保管
料ト云フモノモ低廉デアリ、米ノ如ク所謂
古絲ノ格下ト云フモノモゴザイマセヌナド
ノ點ガ非常ニ有利ナ點デアリマシテ、而モ
假令賣渡價格ニ價格ガ騰貴致シマセヌデモ、
新シキ用途及販路ニハ自由ニ賣レマスガ故
ニ、此ノ特別會計ハ運用ニ相當ノ注意ヲ加
ヘレバ、極メテ妙味アル運用ガ出來、從5
テ米穀特別會計ニ於ケルガ如キ御批評ハ十
分避ケ得ラレルモノデアルト云フ御答辯デ
アリマス、以上ノヤウナ各三ツノ主ナル部
門ニ綜合サレマシタ御質疑ガ大部分デアツ
タト存ジテ居リマス、以上デ大體ノ質疑ヲ
終リマシテ討論ニ入リ、各委員カラ從來質
疑ヲサレマシタ點ヲ更ニ强ク强調サレ、當
局ノ注意ヲ促サレテ贊成ノ意ヲ表サレ、滿
場一致可決サレマシタノデアリマス、最後
ニ一言附加ヘテ置キタイコトハ、一委員カ
ラ此ノ本法施行ニ際シマシテ希望決議ガ提
出サレ、是亦滿場一致デ可決サレマシタノ
デアリマス、只今ソレヲ朗讀致シマス
希望決議
一、本法施行ニ際シ特別會計ノ運用ニ關
シ深甚ノ注意ヲ要スルト共ニ絲價低落
ニ依ル損失ヲ專ラ養蠶者ニ轉嫁セシメ
ザルヤウ善處スベシ
一、政府ハ速ニ普通蠶種ノ國家管理竝ニ
桑園調整ニ對シ適當ナル施設ヲ行ハレ
ムコトヲ望ム
右二項デアリマスルガ、此ノ二項ハ共ニ或
ハ生溫シ、不徹底ノ、餘リニ〓括的ト云フ
感ジヲ與ヘル決議デアルカモ存ジマセヌ、
併シ此ノ決議ハ先程要點ヲ御報告申上ゲマ
シタヤウナ意味ヲ、假ニ斯クノ如キ言葉デ
現シマシタノデ、內容ハ可ナリ强イモノデ
アリマス、第一ハ卽チ先程主ナル御質疑ニ
分ケマシタ一ト二ノ、會計法運用ノ點ト農
家ニ負擔ヲ歸サシメザルト云フ二點ヲ現シ
マシタモノデアリ、第二ノ希望決議ノ條項
ハ、所謂此ノ絲價安定施設ハ、生產統制ヲ
伴ハザレバ其ノ完璧ヲ期シ難イト云フコト
ヲ、普通蠶種ノ國家管理及桑園調整ト云フ
言葉デ現シタモノデアリマス、以上デ御報
告ヲ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=37
-
038・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御發言ガナケレ
バ採決ヲ致シマス、兩案ノ第二讀會ヲ開ク
コトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=38
-
039・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=39
-
040・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案第二讀會
ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=40
-
041・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=41
-
042・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=42
-
043・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=43
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044・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 兩案全部、委員
長ノ報告通リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=44
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045・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=45
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046・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=46
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047・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=47
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048・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 直チニ兩案ノ第
三讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=48
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049・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=49
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050・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 兩案全部第二讀
會ノ決議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=50
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051・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=51
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052・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 是ニテ日程ハ全
部終了致シマシタ······田中館君ハ御發言ノ
御要求ガアルサウデアリマスガ、ドウ云フ
コトデスカ
〔田中館愛橘君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=52
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053・田中館愛橘
○田中館愛橘君 昨日ノ新聞デ······発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=53
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054・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 田中館君ニ伺ヒ
マスガ、ドウ云フコトヲ御述ニナルノデス
カ、緊急ノ質疑ヲナサラウト云フノデアリ
マスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=54
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055・田中館愛橘
○田中館愛橘君 ハイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=55
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056・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 然ラバ其ノ動議
ハ一名ノ賛成者ガナケレバ成立致シマセ
ヌ······然ラバ動議ノ内容ダケヲ御述ヲ願ヒ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=56
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057・田中館愛橘
○田中館愛橘君 動議デハゴザイマセヌデ
スガ·発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=57
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058・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 質疑ヲナサリタ
イト云フ動議ヲ御述ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=58
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059・田中館愛橘
○田中館愛橘君 航空機ノ故障ニ付キマシ
テ質疑ヲ致シタク存ジマス、御贊成ガゴザ
イマスレバ、質疑ヲ致シタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=59
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060・柳原義光
○伯爵柳原義光君 贊成ヲ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=60
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061・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 田中館君ガ緊急
質疑ヲ致シタイト云フ動議ヲ出サレマシタ
ガ、御異議ハゴザイマセヌカ
〔「贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=61
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062・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス、田中館君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=62
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063・田中館愛橘
○田中館愛橘君 民間航空ニ付キマシテハ、
皆樣モ御一同御心配デアリマス、民間航空
ニ最モ大切ナルコトハ安全ト云フコトデア
ルト存ジマス、不幸ニシテ我ガ國ニ於キマ
シテハ時々事故ヲ起シマシテ、貴重ナル犧
牲ヲ拂ヒマス、軍部ニ於カレマシテハ勿論、
時局ニ顧ミテ猛演習ト云フコトヲナサイ
マスル故ニ、是ハ遺憾ナガラ已ムヲ得ザル
コトト察シマス、民間飛行ニ於キマシテハ
サウ云フコトハアリマセヌカラ、成ルタケ
安全ニ飛行ノ出來ルト云フコトガ、民間飛
行ヲ奬勵シ進步致サシムルニ最モ大切ト存
ジマス、昨日ノ新聞デ承知致シマシタ所デ
ハ、一昨日長岡附近ニ於キマシテ、越後方
面ニ飛ビマス所ノ飛行機ガ低空飛行ヲ致シ
マシテ、樹ニ當ッテ悉ク破壞ヲシテ、操縱者
竝ニ一人ノ乘員、二名トモ慘死ヲ遂ゲタト
云フコトデアリマス、每度ナガラ實ニ深憂
ニ堪ヘマセヌ、本員ノ如キモ、多少航空ニ
關係シテ居リマス以上、誠ニ申譯ノナイ次
第ト心痛致シマス、新聞ニ依リマスト云フ
ト、風雪ノ爲ニ航路ガ分ラナクナッテ樹ニ
當ッタト云フコトデアリマス、斯ウ云フ時ニ
ハ無線電信ヲ以テ其ノ位置ヲ正シ、或ハ他
ノ著陸場ノ天候ヲ無線電信ヲ以テ聽クト云
フコトハ、新聞デモ皆樣御承知デアリマス、
本員ノ承知シテ居リマス所デハ、此ノ飛行
機ニハ無線電信ガ備ヘテナカッタヤウニ思
ハレルノデアリマス、若シソレガアリマシ
タナラバ、ドウシテ問合セヲシナカッタカ、
ソレモ分リマセヌガ、御當局ニ伺ヒタウゴ
ザイマス、無線電信ノ設備ノ如キハ我ガ國
ニ於キマシテモ其ノ技術ガ相當ニ發達シテ
居リマス故ニ、左程ノ困難ナシ、飛行機ノ
値ノ一少部分ヨリ掛ラヌノデアリマス、此
ノ無線電信ニ依ッテ天候ヲ聞合セ、或ハ自分
ノ居ル場所ヲ聞合セルト云フコトガ出來ル
ノデアリマスガ、是ガ不幸ニシテ今度ノ飛
行機ニ應用サレテ居リマセヌ、是ガ一ツデ
アリマス、序ナガラ、モウ一ツハ、此ノ頃
ハ空中航路ト云フモノヲ作リマス、空中ニ
無線電信デ二箇所カラ信號ヲ送リマシテ、
ソレノ切リ合ヒニ依ッテ直線乃至ハ曲線ニ、
飛行機ノ行クベキ路ヲ示シマシテ、其ノ線
路カラ右ニ出レバ右ノ印ガ出ル、左ニ出レ
バ左ノ印ガ出ル、其ノ間ヲ安全ニ行ケルノ
デアリマス、先達テ米國ノ飛行技師ノ參リ
マシタ者ニ聽キマスレバ、「アメリカ」ノ民間
飛行ハ總テ此ノ空中航路ヲ迪ッテ飛ブ、而シ
テ乘客デサヘモ、今右ニ出タ、左ニ出タト
云フコトガ直チニ分ルヤウニナッテ居ルト
云フコトデアリマス、先達テ朝日新聞ノ飛
行機ガ「シヤム」ニ國際飛行ヲ致シマシタ
ガ、直接此ノ乘員ヨリ其ノ飛行ノ情況ヲ聽
取リマシタ、非常ナ困難ヲシテ往復シタノ
デアリマス、其ノ一ツハ、空中航路ノナカッ
タコトハ大ナル苦痛ノヤウニ考ヘラレマ
ス、是ハ幸ニシテ何事モナク往復ガ出來タ
ノデアリマス、此ノ航路ノコトニ於キマシ
テハ嘗テ菱刈大將ガ新京ニオイデノ時ニ、
「是ハ本國ニ於テハ早急ニハ出來マスマイ、
豫算ノ款項目ガヤカマシイカラ出來マイガ、
滿洲アタリデ軍用トシテデモ、此ノ空中航
路ヲ御試シニナルコトヲ希望致シマス」ト
云フコトヲ「ヨーロッパ」ノ歸リ掛ケニ申上
ゲマシタ、電信會社、イヤ電信會社デハゴ
ザイマセヌ、間違デス、飛行會社ノ方ニモ
話シマシタ、不幸ニシテマダ實現致シマセ
又、殊ニ民間飛行ニ於テ郵便物ヲ運ブモノ
ナドニ於キマシテハ、急グカラコソ飛行郵
便ニ賴ムノデアリマス、是ガ故障ヲ起シマ
スト云フト、非常ニ其ノ效力ヲ減ジル次第
デアリマスカラ、此ノ無線電信ヲ民間飛行
ニ備ヘサセルコトヲ速カニ實行セラレムコ
トヲ希望致シマス、其ノ點如何デアリマセ
ウカ、之ヲ伺ヒマス、先達テモ此ノ席ヨリ
伺ヒマシタ如ク、飛行機ノ如ク日々新シイ
式ガ始マリ、新シイ使用方法ガ行ハレル時
代ニ於キマシテハ、豫算ノ款項目ト云フモ
ノヲ餘リニ規則ヅクメニ縛ラレルト云フコ
トハ如何デアリマセウカ、是ハ何トカシテ
宜シク酌量ヲセラレマシテ、此ノ日進月步
ノ交通機關ニ發達ヲ遂ゲサセルヤウニ伺ッ
タノデアリマス、海軍大臣ハ政府ヲ代表セ
ラレマシテ、ソレハ成ルベクサウ云フコト
ヲシヨウト思フ御答辯デゴザイマシタガ、
ドウカ此ノ無線電信ヲ飛行機ニ備ヘルト云
フコトヲ、速カニ御實行ニナルコトヲ御計
ラヒニナリマセヌカ、如何デゴザイマス
カ、此ノ簡單ナル御伺ヲ致シマス
〔國務大臣伯爵兒玉秀雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=63
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064・兒玉秀雄
○國務大臣(伯爵兒玉秀雄君) 我ガ國ノ民
間飛行ガ未ダ十分ニ發達ヲ致シテ居リマセ
ヌノハ甚ダ遺憾ト考ヘテ居ル次第デアリマ
ス、幸ニ今年度ノ·······十二年度ノ豫算ヲ御
協贊ヲ願ヒマスレバ、ソレニ依ッテ玆ニ劃期
的ノ發達ヲ致スベキ〓ニ就キ得ルト考ヘテ
居ルノデアリマス、御尋ニナリマシタ誠ニ
不幸ナル事柄ガ高田直江津間ノ定期航空ノ
問題ニ付テ起リマシタノデアリマス、一昨
日藤卷ト申シマス所デ、此ノ定期航空ヲ致
シテ居リマシタル飛行機ガ非常ナル吹雪ニ
遭ヒマシテ、航行不能トナッタノデアリマ
ス、ソレガ爲ニ墜落ヲ致シマシテ、誠ニ遺
憾ナコトデアリマスルガ、操縱士二名ハ慘
死ヲ遂ゲタ事實ガアルノデアリマス、此ノ
飛行機ハ昨年ノ八月ニ始メテ使ヒマシタノ
デ、今日迄マダ二百時間以内ノ使用デアリ
マスルノデ、必ズシモ古イ飛行機ト申スコ
トハ出來ナイノデアリマス、尙操縱士モ相
當ノ手腕ヲ持ッテ居ッタノデアリマスルケレ
ドモ、誠ニ意外ナル天災ニ遭ヒマシテ、斯
クノ如キ不幸ナ事實ノ起リマシタノハ、當
局ト致シマシテモ返ス〓〓モ殘念ニ存ジテ
居ルノデアリマス、田中館君ノ御話ノ通リ
ニ民間飛行ハ飽クマデ安全デナケレバナラ
ヌト思ッテ居リマス、幸ニ民間練習ノ場合等
ニ於テ故障ノ生ジタコトガアリマスルケレ
ドモ、最近ニ民間ノ航空ハ比較的安全ノ地
位ヲ保ツコトガ出來テ居ッタノデアリマス
ルケレドモ、今囘ノ出來事ハ誠ニ返ス〓〓
モ遺憾ナ次第デアリマス、其ノ原因ハ天災
ニ依ルコトデハアリマスルケレドモ、只今
田中館君ノ御話ニナリマシタル通リニ、無
線ノ設備ガ無カッタト云フ事柄ガ最大ノ原
因ヲ爲シテ居ルノデハナイカト斯ウ考ヘテ
居リマス、此ノ點ニ付キマシテハ、將來十
分ナ注意ヲ加ヘタイト思ッテ居リマス、尙飛
行機ノ安全ヲ圖リマスルノニハ、無線電
信、電話及ビ其ノ方向ヲ定メマスル「ラヂ
オ·ビーコン」ノ設備ガ、ドウシテモ必要ナ
ンデアリマスルノデ、之ガ施設ヲ急イデ居
リマスノデアリマスルケレドモ、今日マダ
完全ニソレガ行ハレテ居リマセヌノデアリ
マく、是ハ速カニ其ノ設備ヲ完備致シマシ
テ、民間航空ニ對シテ一段ノ安全感ヲ與ヘ
タイト思ッテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=64
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065・田中館愛橘
○田中館愛橘君 御忙シイ所ヲ御答辯ヲ戴
キマシテ、有難ウゴザイマシタ、ドウカ御
述ニナリマシタ通リ、速カニ實行ニナラム
コトヲ希望致シマス、是デ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=65
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066・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 次ノ日程ハ決定
次第、彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、本日
ハ是ニテ散會致シマス
午前十一時二十分散會
貴族院議事速記錄第十八號正誤
頁段行誤正
二四五三二西〓公爵西〓侯爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X01919370320&spkNum=66
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