1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十二年三月二十三日(火曜日)午前十時二十一分開議
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議事日程 第二十二號
昭和十二年三月二十三日
午前十時開議
第一 請願委員長報告
第二 地方鐵道補助法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 横莊鐵道株式會社所屬鐵道外三鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 大正九年法律第五十六號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 郵便法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第六 輸出補償法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第七 大正十二年法律第五十二號中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
第八 兵役義務者及傷痍軍人待遇改善の請願 會議
第九 七尾、蛸島間航路補償に關する請願 會議
第十 戰役竝事變從軍軍人優遇に關する請願 會議
第十一 舊帝國議事堂跡に國體館建設の請願 會議
第十二 山陽本線麻里布、山陰本線萩の兩驛間鐵道敷設の請願 會議
第十三 山村住民救濟に關する請願 會議
第十四 官公立吃音矯正所設置に關する請願 會議
第十五 國民負擔均衡に關する請願 會議
第十六 鳥取縣天神川改修工事繰上施行の請願 會議
第十七 社會事業の擴充助成に關する請願 會議
第十八 吉備高島宮阯に施設を爲すの請願 會議
第十九 門川港修築に關する請願 會議
第二十 口之津鐵道買收の請願 會議
第二十一 北海道留萠郡留萠町、同郡小平蘂村川上間の鐵道敷設の請願 會議
第二十二 廣尾線大樹、日高線浦河の兩驛間鐵道敷設の請願 會議
第二十三 北海道廣尾郡大樹村に帶廣區裁判所出張所設置の請願 會議
第二十四 茨城縣猿島郡生子菅村に郵便取扱所設置の請願 會議
第二十五 茨城縣戸多郵便取扱所を三等郵便局に改定の請願 會議
第二十六 岡山縣久米郡加美村に津山區裁判所出張所設置の請願 會議
第二十七 國立海洋觀測所設置に關する請願 會議
第二十八 鰺ヶ澤漁港修築の請願 會議
第二十九 書道振興奬勵に關する請願 會議
第三十 私立十四大學國庫補助金に關する請願 會議
第三十一 裝蹄師法制定の請願 會議
第三十二 愛知縣南設樂郡海老町に登記所設置の請願 會議
第三十三 千葉縣幕張郵便局に電信、電話及集配事務開始の請願 會議
第三十四 北海道常呂川及武華川の治水工事實施に關する請願 會議
第三十五 北海道野付牛町に無水酒精工場設置の請願 會議
第三十六 國道四號線改修に關する請願 會議
第三十七 國號の稱呼に關する請願 會議
第三十八 家事調停裁判所設置の請願 會議
第三十九 徳島縣沼江郵便局に集配事務開始の請願 會議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=0
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001・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 報〓致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
昨二十二日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府
提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆
議院ニ通知セリ
昭和十一年度歲入歲出總豫算追加案第
一部、
昭和十一年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第一號)
同日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
輸出補償法中改正法律案可決報〓書
鐵道敷設法中改正法律案可決報〓書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
地方鐵道補助法中改正法律案
橫莊鐵道株式會社所屬鐵道外三鐵道買收
ノ爲公債發行ニ關スル法律案
大正九年法律第五十六號中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=1
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002・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 是ヨリ會議ヲ開
キマス、本日板谷宮吉君ヨリ都合ニ依リ、
朝鮮事業公債法中改正法律案外一件特別委
員辭任ノ申出ガゴザイマス、許可ヲスルコ
トニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=2
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003・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス、其ノ補關トシテ松本眞平君ヲ指名
致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=3
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004・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第一、請願
委員長報告、委員長酒井伯爵
〔伯爵酒井忠克君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=4
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005・酒井忠克
○伯爵酒井忠克君 第一囘ノ御報告ヲ致シ
マシタ其ノ後ノ、三月三日ヨリ三月二十二
日マデノ御報告ヲ致シマス、分科會ハ第一
分科ト第三分科ハ各三囘、第二分科ト第四
分科ハ各二囘、合計十囘開會致シマシタ、
委員會ハ三月五日、十二日、十九日ノ三囘
開會致シテ居リマス、請願文書表報〓ハ三
囘、請願委員會特別報告ハ三囘提出致シマ
シタ、第一囘御報〓以後受領致シマシタ請
願書ノ件數ハ三百十三件、其ノ連署人數ハ
十四萬四百七十名デゴザイマス、次ニ委員
會ニ於キマスル審査ノ經過竝ニ結果ニ付テ
申述ベマス、先程申上ゲマシタ受領請願書
三百十三件ニ、第一回御報〓ノ際申上ゲマ
シタ文書表未揭載ノ八十件ヲ合計致シタ三
百九十三件ト、第一囘報〓ノ際申上ゲマシ
タ文書表揭載中ノモノデ、尙審査結了ニ至
リマセヌデシタモノ七十五件トヲ合ハセ、
合計四百六十八件ニ付テ愼重審議致シマシ
タ結果、議院ノ會議ニ付スベシト決シマシ
タモノガ二百三件、議院ノ會議ニ付スルヲ
要セズト決シマシタモノガ三件、是ハ文書
表第七十六號、第百四號、第三百十號ノ三
件デゴザイマス、以上ノ審査ノ經過ニ付キ
マシテノ詳細ハ、速記錄ニ依ッテ御覽ヲ願ヒ
タイト存ジマス、以上申上ゲマシタ分ト、
第一囘ニ御報告致シマシタル分トヲ累計致
シマスルト、委員會ハ五回、分科會ハ第一
分科ト第三分科ハ各五囘、第二分科ト第四
分科ハ各四囘、合計十八囘開會致シテ居リ
やく、文書表ハ六囘、請願書ノ受領件數ハ
四百八十五件、之ガ請願人數ハ二十二萬四
千七百十八名トナッテ居リマス、而シテ以上
ノ請願書ノ中、文書表ニ揭載致シマシタモ
ノガ四百三十二件、未揭載ノモノガ五十三
件ゴザイマス、右審査ノ結果、議院ノ會議ニ
付スベシト決シマシタモノガ二百十七件、
議院ノ會議ニ付スルヲ要セズト決シマシタ
モノガ六件ゴザイマス、以上ノ三月二十二
日午後四時マデノ御報告デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=5
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006・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第二、地方
鐵道補助法中改正法律案、日程第三、橫莊
鐵道株式會社所屬鐵道外三鐵道買收ノ爲公
債發行ニ關スル法律案、政府提出、衆議院
送付、第一讀會、是等ノ兩案ヲ一括シテ議
題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=6
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007・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス、鐵道大臣
〔左ノ送付文及法律案ハ朗讀ヲ經
サルモ參照ノ爲メ玆ニ載錄ス以下
之ニ傚フ〕
地方鐵道補助法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月二十二日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
地方鐵道補助法中改正法律案
地方鐵道補助法中左ノ通改正ス
第一條政府ハ豫算ノ範圍內ニ於テ地方
鐵道ニ對シ建設費ノ百分ノ四ニ相當ス
ル金額ヨリ益金ヲ控除シタル殘額以內
ニ於テ運輸數量ニ基キ命令ノ定ムル所
ニ依リ計算シタル金額ヲ補給スルコト
ヲ得
補助ヲ爲ス地方鐵道ノ範圍竝ニ前項ノ
建設費、益金及運輸數量ノ算出方法ハ
命令ノ定ムル所ニ依ル
第二條補助金ノ使途ハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
附則第二項ヲ左ノ如ク改ム
第一條ノ規定ニ依ル補助金ハ昭和十七年
四月一日以後ノ期間ニ付テハ之ヲ交付ス
ルコトヲ得ズ
附則
本法ハ昭和十二年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
從前ノ附則第二項ニ揭グル地方鐵道以外
ノ地方鐵道ニ對シテハ申請ニ依リ仍從前
ノ第一條ノ規定ニ依リ補助ヲ爲スコトヲ
妨ゲズ但シ昭和十二年四月一日以後ニ補
助ヲ爲ス場合ニ於テハ同條中百分ノ五ト
アルハ百分ノ四トス
橫莊鐵道株式會社所屬、鐵道外三鐵道買
收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月二十二日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
横莊鐵道株式會社所屬鐵道外三鐵道買
收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
政府ハ左ノ鐵道買收ノ爲之ニ必要ナル額
ヲ限度トシ公債ヲ發行スルコトヲ得
一横莊鐵道株式會社所屬鐵道中前〓
羽後本莊間
一信濃鐵道株式會社所屬鐵道
一藝備鐵道株式會社所屬鐵道
一北九州鐵道株式會社所屬鐵道
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ニ依リ公債ヲ發行スル場合ニ於テ地
方鐵道法第三十六條ノ五ノ規定及昭和九
年法律第二十二號ニ依リ大藏大臣ノ定ム
ル五分利附國債證劵ノ時價ハ昭和十二年
四月一日前六月間ノ平均相場ニ依リテ大
藏大臣ノ定ムル價格ヲ以テ之ニ代フルコ
トヲ得
〔國務大臣伍堂卓雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=7
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008・伍堂卓雄
○國務大臣(伍堂卓雄君) 地方鐵道補助法
中改正法律案ニ關シテ御說明ヲ申上ゲマス、
現行補助法ハ昭和十二年一月一日以後ニ營
業ヲ開始シマシタ地方鐵道ニハ、之ヲ適用
スルコトヲ得ナイコトニナッテ居ルノデゴ
ザイマス、右ニ付キマシテ第六十九囘帝國
議會ノ衆議院ニ於テ、補助期間ヲ十五年トシ、
未開業鐵道ニ對スル補助法適用期限ヲ五年
間延長ノ爲メ、地方鐵道補助法中改正法律
案ヲ速カニ提出セラレムコトヲ望ム旨ノ建
議ノ成立ヲ見タノデアリマス、併シナガラ
自動車ガ著シク進出シタコトニ依ル交通情
勢ノ變化等ニ鑑ミマシテ、現行補助制度ヲ
以テシマシテハ、最早資金ヲ鐵道事業ニ誘
致スルコトガ出來ナイト認メラレルノデア
リマス、地方鐵道ハ〓ネ國有鐵道ト密接ナ
關係ヲ有シ、交通脈絡上重要ナ役割ヲ演ズ
ルモノデアリマスカラ、公益上其ノ存續ヲ
必要トスルモノナルヲ以テ、其ノ運營ヲ保持
シ、更ニ進ンデ施設ノ改善等ヲ行ハシムル
コトニ依リ、獨立自營ノ域ニ達スルヤウ之ヲ
誘導シ、益〓公益ヲ增進セシメナケレバナラ
ナイノデゴザイマス、仍テ右ノ趣旨ニ依ル
新補助制度ヲ設ケヨウトスル次第デアリマ
ス、新補助制度ハ補助金ト益金トヲ合ハセ、
建設費ノ年四分ニ相當スル金額ヲ限度トシ、
運輸數量ニ基キ命令ノ定ムル所ニ依ッテ計
算シタ補助金ヲ交付シ、且補助ノ目的達成
ニ遺憾ナキコトヲ期スル爲メ、命令ヲ以テ
補助金ノ使途ニ關スル規定ヲ設ケルコトト
致シマシタ、何卒愼重御審議ノ上、御協贊
アラムコトヲ希望致シマス、買收ニ關スル
法律案ヲ御說明申上ゲマス、只今上程サレ
マシタ法律案ノ提案理由ヲ簡單ニ申上ゲマ
スト、今囘提案致シマシタ法律案ハ地方鐵
道ノ買收ノ爲ニスル公債發行ニ關スルモノ
デゴザイマス、買收セムトスル鐵道ハ信濃、
藝備及北九州ノ三鐵道ト橫莊鐵道ノ一部ト
デアリマス、是等ハ何レモ國有鐵道ノ新線
開業ニ伴ヒ、若シクハ產業上、軍事上ノ必
要ニ依リ之ヲ買收シマシテ運輸ノ系絡ヲ圖
リ、地方產業ノ開發ニ資セムトスルノデア
リマス、何卒御協贊アラムコトヲ希望致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=8
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009・池田政時
○子爵池田政時君 只今上程サレマシタ地
方鐵道補助法中改正法律案外一件ハ重要法
案デアリマスガ故ニ、其ノ特別委員ノ數ヲ
十五名トシ、其ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ
動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=9
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010・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=10
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011・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 池田子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=11
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012・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス、特別委員ノ指名ヲ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
地方鐵道補助法中改正法律案外一件特別
委員
公爵島津忠承君公爵岩倉具榮君
伯爵酒井忠克君男爵大井成元君
子爵秋元春朝君子爵井上勝純君
子爵舟橋〓賢君坂西利八郞君
男爵飯田精太郞君男爵大藏公望君
靑木周三君八田嘉明君
松本勝太郞君風間八左衞門君
水野甚次郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=12
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013・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第四、大正
九年法律第五十六號中改正法律案、政府提
円衆議院送付、第一讀會、河原田內務大
臣
大正九年法律第五十六號中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年三月二十二日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
大正九年法律第五十六號中改正法律案
大正九年法律第五十六號中左ノ通改正
ス
同法ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ更ニ五年
ヲ限リ前項ノ期間ヲ伸長スルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ從前
ノ規定ニ依リ補助ヲ爲シタル地方鐵道及
軌道ニシテ本法施行前補助期間滿了シタ
ルモノニ付テハ其ノ滿了ノ日ノ翌日ヨリ
之ヲ適用ス
參照
大正九年法律第五十六號ハ北海道拓殖
鐵道補助ニ關スル法律ナリ
〔國務大臣河原田稼吉君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=13
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014・河原田稼吉
○國務大臣(河原田稼吉君) 只今上程ニナ
リマシタ大正九年法律第五十六號中改正法
律案ニ付テ御說明申上ゲマス、北海道拓殖
促進ノ爲メ必要アリト認ムル地方鐵道及軌
道ニ對シマシテハ、御承知ノ通リ大正九年
法律第五十六號ニ依リマシテ、其ノ營業開
始ノ日カラ十五年ヲ限リ、北海道拓殖費カ
ラ補助ヲ爲シ得ルコトニナッテ居ルノデア
リマスルガ、其ノ經營ノ實績ニ徵シマスル
ニ、相當困難ノ向キモ尠カラザル情況デア
リマシテ、現行ノ補助期間滿了後若干ノ期
間、引續キ助成ノ必要アリト認メラレマス
ルノデ、現行法ヲ改正致シマシテ、政府ニ
於テ必要アリト認ムル場合、更ニ五箇年ヲ
限リ補助期間ヲ仲張シ得ルコトニ改メタイ
ト存ズル次第デゴザイマス、尙鐵道軌道ノ
中ニハ旣ニ補助期間ノ滿了ニナッテ居ルモ
ノモアリマスルガ、ソレ等ニ對シマシテハ、
補助期間滿了ノ日ノ翌日カラ本法ヲ適用致
シタイト存ズルノデアリマス、何卒御審議
ノ上、御協贊ヲ賜ハラムコトヲ御願ヒ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=14
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015・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 質疑ノ通告ガゴ
ザイマス、立花子爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=15
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016・立花種忠
○子爵立花種忠君 極メテ簡單デゴザイマ
スカラ、此ノ席カラ御許シヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=16
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017・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 宜シウゴザイマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=17
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018・立花種忠
○子爵立花種忠君 多年北海道道民ノ切望
致シテ居リマシタ北海道ノ私設鐵道ノ補助
ノ法案ガ此ノ度出マシタコトハ、誠ニ多ト
スル所デアリマス、之ニ付テ極メテ簡單ニ
二點ニ付テ伺ヒタイト存ジマス、其ノ第一
點ハ補助率ヲ何分ニナサイマスカト云フ點
デアリマス、第二點ハ、過去ノコトヲ考ヘ
テ見マスト、北海道廳ガ私鐵ノ補助金ト云
フモノヲ成ルベタ減ラサウト云フ考カラシ
テ、色々考慮ヲ〓ラシテ居ッタ時ニ、偶〓鐵
道省ニ公式計算、卽チ利益算出法ト云フモ
ノガアルト云フコトヲ知リマシテ、直チニ
之ヲ適用スレバ法令上ノ補助率ヲ其ノ儘ニ
シテ置キマシテモ、實際ニ於テハ其ノ率ガ
減ズル、卽チ金ガ減ルト云フコトヲ以テ、
昭和九年ノ二月カラ之ヲ實施致シマシテ、
而モ前年ノ八月······八年ノ一月一日ニ遡ツ
テ之ヲ適用シタノデアリマス、併シ此ノ公
式ヲ採用シタト云フコトハ私ノ寡聞ノ所カ
モ知レマセヌガ、何等ノ法令ニ基クモノデ
ナイノミナラズ、寧ロ法令ハ明カニ之ヲ禁
ジテ居ルノデハナイカト存ズルノデアリマ
ス然ルニ昨年ノ十月二十二日ニナリマス
ルト、政府ハ內務省令ヲ以チマシテ、北海
道私鐵補助計算ニ鐵道省ノ公式ヲ其ノ儘適
用スルコトト致シマシテ、而モ前年昭和十
年ノ九月一日ヲ含ム營業年度分カラ之ヲ適
用スルコトヲ發令サレタト記憶致シテ居リ
マス、此ノ公式ヲ適用致シマスト、折角補
助ヲ下サリマシテモ、其ノ實質上ノ收入ト
云フモノハ約半減ニ近イモノトナルノデハ
ナイカト存ジマス、故ニ此ノ際折角此ノ補
助法ヲ制定セラレルノデアリマスカラ、政
府トシテハ此ノ公式計算ト云フモノヲ此ノ
機會ニ於テ廢止ヲサレタラバドウカト存ジ
マス、其ノ點ニ付テ政府ノ御意見ヲ伺ヒタ
イト思ヒマス
〔國務大臣河原田稼吉君演壇ニ登ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=18
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019・河原田稼吉
○國務大臣(河原田稼吉君) 御答ヲ致シマ
スガ、補助率ニ付キマシテハ、是ハ只今〓
究中デゴザイマシテ、勅令ヲ以テ定メル都
合ニ相成ッテ居リマス、尙公式計算ノ問題デ
アリマスガ、是ハ鐵道省ニ於テモ目下其
ノ方法ヲ考究中ノ由デアリマシタ、當省ニ
於テモ其ノ〓究ト相俟ッテ相當〓究ヲ加ヘ
タイ、斯ウ云フ積リデ居リマスルノデ、御
諒承ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=19
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020・立花種忠
○子爵立花種忠君 モウ一點伺ヒタイト思
ヒマス、只今內務大臣カラ補助率ハ〓究中
デアルト云フ御話デアリマシタガ、過去ニ
於テハ七分以上ト存ジテ居リマス、ソレデ
多分六分カラ七分位ニナルノデハナイカト
思ヒマスガ、其ノ點ハ御言明ハ出來マセヌ
デアリマセウカ、其ノ點ダケ伺ヒマス
〔國務大臣河原田稼吉君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=20
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021・河原田稼吉
○國務大臣(河原田稼吉君) 甚ダ遺憾デア
リマスケレドモ、マダ言明申上ゲルヤウナ
域ニ達シテ居リマセヌノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=21
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022・近衞文麿
○議長(公爵近衛文麿君) 他ニ御質疑ガナ
ケレバ、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
大正九年法律第五十六號中改正法律案特
別委員
侯爵久我通顯君子爵〓岡長言君
子爵增山正興君嘉納治五郞君
岡喜七郞君柴田善三郞君
男爵山根健男君金杉英五郞君
上松泰造君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=22
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023・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第五、郵便
法中改正法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會ノ續、委員長報告、委員長後藤伯爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノ爲メ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
郵便法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十二年三月二十二日
委員長伯爵後藤一般
貴族院議長公爵近衞文磨殿
〔伯爵後藤一藏君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=23
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024・後藤一藏
○伯爵後藤一藏君 只今上程ニナリマシタ
郵便法中改正法律案特別委員會ノ經過竝ニ
結果ヲ御報告申上ゲマス、本案ハ去ル三月
十八日委員付託トナリマシテ、三囘委員會
ヲ開催致シマシタ、先ヅ遞信大臣ヨリ提案
ノ趣旨ノ御說明ガアリ、續イテ質疑應答ヲ
致シタノデゴザイマス、本案ハ其ノ改正ニ
依リテ得タル所ノ收入ヲ以テ、郵便事業ノ
永年ニ亙ル施設ノ缺陷ヲ補ヒ、時運ノ進展
ニ副フヤウニ致スノガ主眼デアリマシテ、
第一點ガ郵便料金ノ改訂デアリマシテ、從
來ノモノヲ第一種、書狀、重量二十「グラム」
又ハ其ノ端數每ニ四錢、第二種、郵便葉書、
通常葉書二錢、往復葉書四錢、封緘葉書四
錢第三種、每月一囘以上刊行スル定期刊
行物、重量六十「グラム」又ハ其ノ端數每ニ
五厘、第四種、書籍、印刷物等、重量百二十
「グラム」又ハ其ノ端數每ニ三錢、第五種、
農產物種子、重量百二十「グラム」又ハ其
ノ端數每ニ一錢ト改正スルノデアリマス、
此ノ料金ノ改正ニ依ッテ生ジマスル所ノ增
收ハ約一千五百二十二萬圓デアリマシテ、
今囘ノ改正ニ關聯シ、政府ニ於テハ出來得
ル限リ事業ノ改善ヲ行ヒ、郵便ノ機能ヲ發
揮スルコトニ努力スル爲メ通信機關ノ增置、
現業制度ノ改善、郵便遞送、集配施設ノ改
善、速達郵便ノ全國化、航空郵便線路ノ開
設、從業員ノ待遇改善、從業員ノ養成、郵
便局舍ノ新營等ノ施設ヲ爲シ、待遇改善ノ
爲ニハ六百九十六萬圓、其ノ他ノ施設ニ對
シマシテハ一千百二十七萬圓、合計一千八
百二十三萬圓ヲ使用スルコトニナッテ居リマ
入、次ニ本改正ノ第二點デアリマスガ、ソ
レハ郵便ニ依ル取立金ノ損害賠償範圍ノ擴
大デアリマシテ、從來ハ集金郵便トシテ證
劵ヲ委託サレマシタ際、現金ノ取立ヲ爲サ
ズシテ證劵ヲ相手方ニ交付シタル場合ノ救
濟方法ガナカッタノヲ、今囘此ノ規定ヲ入レ
ルコトニシタノデアリマス、第三點ハ滿洲
國政府發行ノ郵便切手類ノ保護ニ關シ、郵
便法上缺ケル所ガアルノデ、郵便法中ノ
「郵便聯合條約國政府」トアッタノヲ、「外
國政府」ト改メ、之ガ是正ヲ致シタノデア
リマス、委員會ニ於テハ種々質問應答ガア
リマシタガ、煩雜ニナリマスルカラ速記錄
ニ讓リタイト存ジマス、而シテ討論ニ當ッテ
一委員ヨリ、電氣事業ノ如キ政府ノ監督下
ニアル公共事業ニ對シテハ、政府ハ嚴重ニ
料金ノ引下ヲ爲サシメツヽアルニ拘ラズ、
郵便料金ノ値上ヲ爲スガ如キハ其ノ方針ニ
矛盾スル嫌ヒガアル、政府ハ相當ノ時期ニ
料金ノ値下ヲ考慮スベキデアルトノ意見ガ
アリマシテ、又一委員ヨリ通信事業ノ料金
ハ手數料ナリト考ヘル、從ッテ是ヨリ生ズル
剩餘金ハ事業ノ改善竝ニ從業員ノ優遇ニ充
當シ、更ニ殘餘ガアルナラバ、之ヲ以テ料
金ノ引下ニ振向クベキモノデアルト信ズル、
然ルニ政府ハ此ノ特別會計ヨリ、八千百萬
圓乃至二百萬圓ノ巨額ヲ一般會計ニ納付セ
シメ、國庫歲出ノ財源ニ利用シテ居ル、而
シテ此ノ特別會計ヨリ政府ニ納付スル金額
ハ、他ノ特別會計ニ比シ過大ナルモノアリ、
爲ニ我國郵便電信等ノ確實性ニ付キ、國民
ハ勿論諸外國ヨリモ非常ナル信用ト賞讚ヲ
博シテ居ルニモ拘ラズ、施設改善ハ舊態依
然タルモノガアル、斯カル狀態ニ拘ラズ、政
府ハ每年八千餘萬圓ノ納付金ノ外ニ、明年度
ニ於テ更ニ一千二百餘萬圓ノ追加繰入ヲ爲
サムトシテ居ルノハ、恰モ一般會計繰入ノ
爲ノ値上ノ如キ感ヲ與フルモノデアル、故
ニ此ノ繰入金ハ明年度限リ之ヲ廢シ、之ヲ
以テ事業ノ改善ニ充ツベキモノナリトノ決
裁ヲ付シ、可決セラシムコトヲ希望スル旨
ノ意見ガアリマシタ、右ノ意見ト同樣ナル
趣旨ノ質問ガ質疑應答ノ中ニモアリマシタ、
ソレニ對シ遞信大臣ハ郵便收入ヨリ得タル
收入ハ、郵便事業ニ還元スベキモノト考ヘ
ル、而シテ現下ノ一般財政狀態ニ徵シ、餘
儀ナク當分ノ中繰入ヲ認メナケレバナラヌ
ガ、繰入金ハ出來得レバ之ヲ廢止シ、其ノ
資金ヲ事業改善ニ充當シタキ希望デアルト
ノ答辯ガアリマシタ、右ノ遞信大臣ノ御說
明竝ニ質疑應答ヲ通ジテ觀察致シマスト、
本法律案ノ提案ハ現下ノ情勢ニ於テハ已ム
ヲ得ザルモノト認メマシタノデ、郵便料金
ノ性質竝ニ通信事業特別會計ノ實狀ニ鑑ミ
マシテ、委員會ニ於キマシテハ次ノ決議ヲ
付シ、原案通リ可決スベキモノト全會一致
ヲ以テ議決致シマシタ、玆ニ其ノ希望決議
ヲ朗讀致シマス
希望決議
通信事業ノ施設改善竝從業員ノ優遇ハ一
日モ忽諸ニ附ス可ラサル喫緊ノ要務タリ
然ルニ政府ハ通信事業特別會計ヨリ年々
一般會計ニ納付セシ金八千餘萬圓ノ外明
年度ニ於テ更ニ一千二百六十餘萬圓ノ追
加繰入ヲ行ヒタルハ當然施設改善ニ充當
スヘキ郵稅改正ニ因リ得タル財源ヲ一般
會計ノ爲メ犠牲ニ供シタルカノ觀ナキ能
ハス如斯ハ國民多年ノ期待ニ副ハサルノ
甚シキモノト謂ハサル可ラス仍テ政府ハ
今次ノ追加繰入金ハ可及的本年度限リト
シ次年度ヨリハ之ヲ以テ施設ノ改善及從
業員ノ優遇費ニ充當スヘク努力セラレン
コトヲ望ム
以上ヲ以テ御報告ヲ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=24
-
025・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 本案ノ第二讀會
ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=25
-
026・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=26
-
027・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=27
-
028・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=28
-
029・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=29
-
030・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=30
-
031・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 第二讀會ヲ開キ
やく、本案全部委員長ノ報〓通リデ御異議
ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=31
-
032・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=32
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033・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=33
-
034・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=34
-
035・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=35
-
036・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=36
-
037・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 全部第二讀會ノ
決議通リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=37
-
038・近衞文麿
○議長(公爵近衛文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=38
-
039・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第六、輸出
補償法中改正法律案、政府提出、衆議院送
付、第一讀會ノ續、委員長報〓、委員長米
津子爵
輸出補償法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十二年三月二十二日
委員長子爵米津政賢
貴族院議長公爵近衞文麿殿
〔子爵米津政賢君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=39
-
040・米津政賢
○子爵米津政賢君 只今只今議題トナリマ
シタ輸出補償法中改正法律案ノ委員會ノ經
過竝ニ結果ヲ御報告申上ゲマス、本法ハ昭
和五年ニ制定セラレマシテ、八月カラ施行
致シマシテ、マダ僅カニ六年有餘ヲ經過シ
タニ過ギマセヌガ、此ノ間ニ於キマシテ、
我ガ輸出貿易ハ著シイ發展ヲ致シタコトハ
御承知ノ通リデゴザイマス、從ヒマシテ世
界各市場ニ向ッテ輸出貿易ノ推進力ヲ增加
シ、又種々ノ通商障碍ヲ打開シ、我ガ商權
ヲ維持擴大シテ參リマス爲ニハ、種々ノ方
策ヲ伴ハナケレバナリマセヌガ、就中金融
上ノ便益ヲ擴充シテ參リマスコトハ極メテ
必要ナコトデアリマスルカラ、本法改正ノ
要望ハ輸出業者一般ヲ通ジテ唱ヘラレテ
居ッタ所デゴザイマス、今回政府ニ依リマシ
テ提出セラレマシタ改正案ノ要點ハ三點デ
ゴザイマス、其ノ第一點ハ補償限度ヲ一割
方引上ゲルコトデゴザイマス、第二點ハ各
國ノ爲替管理等ニ依リマシテ、手形ガ不渡
ニナリマシタ場合ノ損失ヲモ補償シテ行ク
コトニ致シタノデゴザイマス、第三點ハ重
工業品ノ輸出ヲ促進スル爲ニ長キ信用ニ依
ル重工業品ノ輸出ニ對シマシテモ、此ノ制
度ヲ適用シテ參ル途ヲ開イタコト、此ノ三
點デゴザイマス、委員會ニ於キマシテハ、
以上三點ヲ繞ッテ種々ノ質問ガアリマシタ
ガ、改正ノ根本趣旨ニ於テハ何等異議ナイコ
トデゴザイマスルカラ、政府ノ答辯モ大體
ニ於テ滿足スベキモノデゴザイマシタガ、
詳細ハ速記錄ニ依ッテ御承知願フコトニ致
シタイト存ジマス、尙省令又ハ告示ニ依リ
マスル本制度ヲ適用スル地域ノ擴大、又補
償料ノ引下、補償手續ノ簡易化ト云フヤウ
ナ點ニ於キマシテモ、政府ニ於キマシテハ、
ソレ〓〓適當ナ方針モ立チ、用意モアルヤ
ウニ認メ得タノデゴザイマス、是等ノ經過
ヲ以チマシテ、委員會ハ昨日午前及午後ニ
亙リマシテ審議ヲ重ネマシタガ、會期モ切
迫シテ居リマスルカラ、直チニ討論ニ入リ
マシタ所、皆贊成ノ御意見ノミデゴザイマ
シタ、從ヒマシテ採決ノ結果ハ全會一致ヲ
以テ原案ヲ可決スベキモノト認メマシタ次
第デゴザイマス、右御報〓申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=40
-
041・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 本案ノ第二讀會
ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=41
-
042・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=42
-
043・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=43
-
044・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=44
-
045・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=45
-
046・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=46
-
047・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 本案全部委員長
ノ報告通リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=47
-
048・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=48
-
049・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=49
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050・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=50
-
051・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=51
-
052・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿者) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=52
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053・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 本案全部、第二
讀會ノ決議通リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=53
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054・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=54
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055・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第七、大正
十二年法律第五十二號中改正法律案、衆議
院提出、第一讀會
大正十二年法律第五十二號中改正法律
案
右本院提出案及送付候也
昭和十二年三月二十日
衆議院議長富田幸次郞
貴族院議長公爵近衞文麿殿
大正十二年法律第五十二號中左ノ通改正
ス
第一項中「昭和十二年十二月三十一日迄」
ヲ「昭和十七年十二月三十一日迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=55
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056・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 本案ノ特別委員
ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
大正十二年法律第五十二號中改正法律案
特別委員
侯爵井上三郞君子爵秋月種英君
山川端夫君男爵本多政樹君
男爵渡邊修二君川上親晴君
山隈康君佐々木八十八君
山上岩二君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=56
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057・近衞文麿
○議長(公爵近衛文麿君) 日程第八ヨリ日
程第十迄ノ請願、會議
(左ノ意見書案ハ朗讀ヲ經サルモ
參照ノ爲メ玆ニ載錄ス以下之ニ傚
乙
意見書案
兵役義務者及傷痍軍人待遇改善ノ件
福島縣石城郡鹿島村大字下矢田五番
地平民農坂本直七外三十二名呈出
福島市大字福島字大町十九番地平民
關勘兵衞外二十四名呈出
埼玉縣北埼玉郡太田村大字關根三百
九十五番地平民農白石七五郞呈出
右ノ請願ハ昭和五年兵役義務者及傷痍軍
人待遇審議會ニ於テ議決答申セラレタル
事項ハ現下ノ世相ニ鑑ミ之カ實施ノ急務
ナルニ拘ラス今尙一部實施ニ止マリ重要
ナル大部分ノ實施セラレサルハ國防觀念
ノ涵養竝國民思想ノ善導上甚遺憾ナルニ
依リ速ニ該事項全部ノ實現ヲ期セラレタ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案、
七尾、蛸島間航路補償ニ關スル件
石川縣鹿島郡七尾町字府中四ノ部四
番地會社員廣島彌兵衛呈出
右ノ請願ハ曩ニ石川縣當局ノ慫慂ニ依リ
設立シタル丸中汽船株式會社ハ多年奧能
登半島ニ於ケル唯一ノ交通機關トシテ
七尾、蛸島間等ノ航路及乘合自動車ノ運
行ニ從事シ公益上資スルトコロ大ナリシ
ニ拘ラス輓近國有鐵道ノ敷設ト省營自動
車路線ノ進出トニ遭ヒ其ノ營業上ノ打擊
甚シク今ヤ破產ノ悲境ニ沈淪セムトスル
ハ遺憾ナルニ依リ之カ機宜適切ナル救濟
補給ノ方策ヲ圖ラレタシトノ旨趣ニシテ
貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト
議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別
冊及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
戰役竝事變從軍軍人優遇ニ關スル件
東京市下谷區車坂町八番地平民商新
居與作外四十七名呈出
右ノ請願ハ明治以來戰時、事變ニ際シ盡
忠報國ノ誠ヲ致シ國運發展ニ貢獻セシ從
軍軍人ハ其ノ功績ヲ錄セラレ或ハ靖國神
社合祀ノ恩典ニ浴スト雖近時動モスレハ
其ノ勳功竝之等勇士就中日〓、日露ノ兩
役ニ從軍セシ者ノ今尙國民ノ長老トシテ
奉公スル者アルヲ忘レントスルノ傾アル
ハ國軍士氣振興上甚遺憾ナルニ依リ曩ニ
現役兵數人ヲ出セル一家ヲ選奬シテ多大
ノ效果ヲ收メシ事例ニ鑑ミ之等軍人ヲ精
神的ニ更ニ優遇スルノ方途ヲ講シ其ノ榮
譽ヲ顯彰シ以テ報效ノ精神ヲ鼓吹セラレ
タシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體
ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法
第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=57
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058・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 是等ノ請願ハ、
請願委員長ノ報〓通リ採擇スルコトニ御異
議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=58
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059・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=59
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060・近衞文麿
○議長(公爵近衛文麿君) 日程第十一、舊
帝國議事堂跡ニ國體館建設ノ請願、之ニ付
テ阪谷男爵ノ質疑ノ通〓ガゴザイマス、阪
谷男爵
意見書案
舊帝國議事堂跡ニ國體館建設ノ件
東京市牛込區東五軒町一番地士族上
泉德彌呈出
右ノ請願ハ東京市麴町區内幸町ノ帝國議
會舊議事堂ハ明治天皇ヲ初メ奉リ御三
代ニ亙リ每年行幸アラセラレシ我國唯一
ノ聖跡ナルニ依リ同議事堂跡ニ紀元二千
六百年記念事業トシテ國體館ヲ建設シ一
ハ以テ聖跡ヲ悠久ニ保存シ一ハ以テ萬世
不易ノ我國體ヲ闡明スルト共ニ八紘一宇
ノ神慮ヲ字內ニ顯揚セラレタシトノ旨趣
ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキ
モノト議決致候因テ議院法第六十五條ニ
依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
〔男爵阪谷芳郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=60
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061・阪谷芳郎
○男爵阪谷芳郞君 今日ノ日程第十一、舊
帝國議事堂跡ニ國體館建設ノ請願、此ノ請
願書ハ私ト前文部大臣ノ平生釟三郞君、松
井茂君ノ三人ノ紹介ヲ以テ提出ニナリマシ
タモノデゴザイマスガ、趣旨ハ舊帝國議事
堂跡ヘ國體館ヲ建テタイ、舊議事堂跡ト云
フモノハ、明治天皇、大正天皇、今上
天皇、三天皇ガ每年御臨幸ニナリマシテ、
憲政ノ爲ニ種々御聖德ヲ御示シ下サッタ場
所デ、洵ニ聖蹟中ノ最モ大切ナ聖蹟デア
リ、其處へ將來永ク御聖德ヲ記念シ、且國
體ノ觀念ヲ養成スル爲ニ、國體館ヲ造ッタラ
宜カラウト云フコトガ、國風會ト云フ團體
カラ出テ居リマス、此ノ國風會ハ極メテ熱
心ナル、國體觀念ノ思想ヲ尊重スル〓體デ
アリマシテ、屢〓私共其ノ代表者ニ面會致
シマシテ、又此ノ代表者ハ前內閣ノ時代ニ
於キマシテハ、廣田總理大臣其ノ他各大臣
ヲ訪問シテ、略、御內諾ヲ得タト云フコト
デアリマス、又此ノ會ノ顧問ハ金子子爵ガ
顧問デアラッシヤッテ、最モ熱心ニ主張シテ
居ラレマス、ソレカラ紀元二千六百年祝典
評議委員會ト云フモノガ今成立致シテ居リ
マシテ、此ノ評議委員會ニ於キマシテモ、
國體館、或ハ歷史館ト稱シテ居リマスガ、御
歷代ノ國體ニ關スル御聖德ヲ國民ガ親シク
記念スルコトノ出來ルヤウニ、色々御歷代
ノ御聖德ニ關スル大切ナル御品物ヲ或ハ拜
借シ、或ハ其ノ模造品ヲ造ッテ、恰モ明治神宮
外苑ノ繪畫館ノ如クニ、國民ニ親シク常ニ
其ノ國體ノ有難イト云フコトノ思想ヲ養成
シ、ソレニ接觸スルヤウニシクイト云フコ
トデ議ガ進ンデ居リマス、今日ノ所デハ約
三百萬圓ヲ以テ此ノ記念館ニ充ツルト云フ
コトニナッテ居リマシテ、場所ハ矢張リ此ノ
場所ガ宜カラウト云フ議ニナッテ居ルノデ
アリマス、此ノ場所ハモウ外ニ代ユルコト
ノ出來ナイ、國體館ヲ若シ建設スルコトニ
ナリマスレバ他ニ代ユル地所ハナイノデゴ
ザイマスノデ、是非此ノ舊帝國議事堂ノ跡
ヘ此ノ國體館ヲ建設シタイト云フ、熱心ナ
ル國體觀念尊重論者ノ一團タル國風會ヨリ
ノ請願デアリマシタカラ、私共喜ンデ之ヲ
御紹介申シ、今日御採擇ニナルト云フコト
ヲ非常ニ感謝致シテ居ル次第デアリマス、
然ルニ此ノ願書ニモゴザイマス通リニ、舊
議事堂跡ニハ遞信省ノ建物ヲ建設スルト云
フコトガ豫テ決ッテ居ルノデ、大藏省ノ營繕
局デハ旣ニ「ボーリング」ヲ始メタト云フコ
トニナッテ居ル、此ノコトガ大變請願者ヲ憤激
セシメテ居ルノデアリマシテ、斯カル大切ナ
ル代ユルコトノ出來ナイ場所ニ、如何ニ既定
ノコトト雖モ、旣ニ前ノ內閣ノ諸公ハ略〓內諾
ヲ與ヘテ居ラレル事柄ヲ一切頓著ナシニ、
「ボーリング」ヲ入レテ、ドン〓〓打壞シテ
シマフト云フコトハ途方モナイコトデアル、
是ハ急ニ其ノコトヲ差止メテ、矢張リ國體
館ヲ造ルト云フコトニ政府ノ議モ一致シテ
貰ヒタイト云フ、斯ウ云フノデアリマシテ、
私共ハ至極尤モナコトト考ヘル、大藏省ノ
營繕局ノ主任ト致シマシテハ、旣定ノ計畫
デアルカラ其ノ通リニ遂行スルト云フコト
モ一通リ屬僚トシテハ尤モナコトデアリマ
セウ、ケレドモ斯ウ云フ大切ナ問題、苟モ
國體ニ關スル大切ナ問題ニ付テハ、若シソ
レニ付テ旣ニ世ノ中ニ議論ガアルナラバ、
能ク考慮シテ貰ハナケレバナラナイ、況ヤ
文部大臣ト致シマスレバ、〓學刷新ト云フ
ヤウナ委員會マデ設ケラレテ、〓學刷新ノ
コトニモ努力シテ居ラレル今日ニ於テ、國
體ニ關スルコトヲ粗末ニスルト云フコトハ
甚ダ宜シクナイト本員ハ考ヘルノデアリマ
シテ、是ハ是非共政府ガ、現內閣ガ更ニ考
慮致シテ、··遞信省ハ何處ヘデモ建テル
コトハ出來ル、唯內務省トカ其ノ他ノ建物
ト接近シテ建テネバナラヌト云フコトニナ
レバ、或ハ多少場所ガ狹イカモ知レマセヌ
ケレドモ、何處ヘデモ求メタナラバ丸ノ內
デモ、何處ニデモ場所ガアラウト思ハレル、
遞信省トシテハ建テベキモット便利ナ、良イ
場所ガ幾ツモアルノニ、國體記念館トシテ
ハ、他ニナイノデアリマスカラ、歷史的ニ
其處ガ最モ適當ナ場所ヲ他ニ變ヘルト云フ
コトハ是ハ出來ヌコトデアル、是來ノ事情
ハ餘リ多辯ヲ費サズシテ明瞭ナコトデアリ
マイ、政府ニ於テハ其ノ遞信省ノ敷地變更
ニ付テ、御審議下サルト云フ御意思ハナイ
ノデアルカ、アルノデアルカ、何レヲ重シ
ト政府トシテ見テ居ラレルノデアルカ、
應御質問致シマス、政府ヨリ御答辯ヲ願ヒ
タイ
〔國務大臣結城豊太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=61
-
062・結城豊太郎
○國務大臣(結城豊太郞君) 阪谷男爵ノ御
質問ニ對シテ御答ヲ申上ゲマス、假議院ノ
跡地ニ付キマシテハ、明治天皇陛下ノ御
聖蹟ト致シマシテ、大切ナ場所デアルコト
ハ至極御同感デアリマス、恰モ第六十九囘
帝國議會ノ衆議院ニ於キマシテ、「政府ハ現
在假議事堂ノ跡ヲ劃シテ此ニ適當ノ施設ヲ
貽シ以テ永ク帝國憲政發祥ノ記念トセラレ
ムコトヲ望ム」ト云フ建議ガアリマシタノ
デ、篤ト考慮致シマシタ結果、本地ヲ帝國
憲政發祥ノ記念ト致ス爲ニ、玉座跡ヲ含ム
貴族院東北ノ一角約一千坪ヲ使用致シマシ
テ、記念施設ヲ爲スノ計畫ヲ樹テマシテ、
之ニ要スル經費二萬一千圓ヲ昭和十二年度
豫算ニ計上致シマシタノデアリマス、其ノ
施設ノ殘地ガ八千二百坪アルノデアリマス
ガ、是ハ只今ノ所ハ遞信省廳舍建築敷地ト
シテ使用スル計畫ヲ樹テテ居ルノデアリマ
ス、併シナガラ御趣意ノ點ニ付キマシテハ
篤ト政府ト致シマシテモ考慮スル必要ガア
ラウト思ヒマス、他ニ八千二百坪ニ代ル場
所ハ容易ニ求メルコトハ出來ナイノデアリ
マスルガ、又國體館ノ建設地トシテ適當デ
アルカ、ドウカト云フコトモ考ヘナケレバ
ナラヌト思フノデアリマスルガ、御意見ノ
次第ハ至極御尤モデアリマスルノデ、關係
各省トモ能ク協議ヲ致シマシテ、其ノ邊ノコ
トヲ〓究致シタイト存ズル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=62
-
063・阪谷芳郎
○男爵阪谷芳郞君 只今大藏大臣ノ御答辯
ハ承リマシタガ、千坪位ノ所ニ小サナ碑ヲ
建テルト云フコトデハナイノデゴザイマシ
テ、篤ト御考ヲ願ヒマシテ、聖蹟保存ノ意
味デ、國體觀念尊重ノ意味ヲ十分ニ現スヤ
ウナ方法ノ下ニ、此ノ場所ヲ使用スルト云
フコトヲ是非決定ヲ願ヒタイノデゴザイマ
ス、只今ノ御答辯ニ對シマシテハ拜承致シ
マシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=63
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064・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 日程第十一ヨリ
第三十九迄ノ請願、會議
意見書案
山陽本線麻里布、山陰本線萩ノ兩驛間
鐵道敷設ノ件
山口縣玖珂郡岩國町長永田新之允外
三十二名呈出
右ノ請願ハ山口線德佐驛ト山口縣玖珂郡
廣瀨村トノ區間ヲ鐵道豫定線ニ編入シテ
岩國、日原間竝德佐、大井間ノ豫定線鐵
道ト連絡セシメ以テ麻里布、萩兩驛間ノ
鐵道ヲ開通スルハ沿線地方ノ資源開發上
ノミナラス萩港ノ發展ト相俟テ遠ク朝鮮
及滿洲國ニ至ル捷徑トナリ運輸交通竝軍
事上亦須要ナルニ依リ速ニ之ヲ實現セラ
レタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大
體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院
法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
山村住民救濟ニ關スル件
福岡縣筑紫郡太宰府町大字北谷四百
十四番地農大藪鴻外二千八百七十二
名呈出
右ノ請願ハ山村住民ノ救濟ハ從來農山漁
村ト稱スル一律ノ施設ニヨリ未山村ノ特
殊性ニ留意セラレサルノ憾アルニ依リ縣
道ノ改修速成、林道、農道、水路等ノ開
雙植林費ノ補助、政府所有米ノ拂下、
低利資金ノ融通、山林ノ合理化等請願人
等所案ノ如ク實行シ以テ山村ノ甦生ヲ圖
ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ
大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議
院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
官公立吃音矯正所設置ニ關スル件
大阪市東成區勝山通八丁目四十番地
〓員松澤忠太外四名提出
右ノ請願ハ我國民中吃音ナルカ爲天賦ノ
能力ヲ發揮シ得サルモノ頗ル多數ナルハ
吃音者自身ノ不幸ナルノミナラス延テ國
家ノ損失ナルニ依リ速ニ國費及地方費ヲ
以テ官公立吃音矯正所ヲ設置セラレタシ
トノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採
擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六
十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
國民負擔均衡ニ關スル件
廣島縣三原市三原市農會長原田賽吉
外十一名呈出
廣島縣賀茂郡早田原村早田原村農會
長宇治木國太郞外八十八名呈出
廣島縣吳市吳市農會長佐々木高榮外
五十名呈出
秋田縣平鹿郡横手町横手町農會長片
野復次郞外六名呈出
廣島縣世羅郡吉川村吉川村農會長中
森金助外二十八名呈出
福井縣今立郡粟田部町粟田部町農會
長木津利平外四名呈出
秋田縣雄勝郡元西馬音內村元西馬音
內村農會長矢野宗吉外二十八名呈出
橫濱市中區日本大通神奈川縣農會長
小串〓一外三百二十八名呈出
北海道空知郡栗澤村栗澤村農會長山
田利忠外一名呈出
奈良市登大路町奈良縣農會長都司太
右衞門外三十一名呈出
廣島縣蘆品郡戶手村戶手村農會長信
岡寛一郞外三十九名呈出
廣島縣賀茂郡東志和村東志和村農會
長大野義曉外三名呈出
福岡縣企救郡企救町企救郡農會長小
野彥太郞外六名呈出
長野縣上水內郡芋井村芋井村農會長
古澤嘉賀藏外四十三名呈出
長野縣北安曇郡大町大町農會長內山
竹一郞外十六名呈出
北海道檜山郡江差町檜山郡農會長佐
熊宏平呈出
岡山縣淺口郡富田村富田村農會長片
山德一呈出
兵庫縣武庫郡鳴尾村鳴尾村農會長宇
和金三郞外二百四十一名呈出
廣島縣沼隈郡山南村山南村農會長門
田治郞外十二名呈出
岡山縣上道郡西大寺町西大寺町農會
長岡崎勉外百六十六名呈出
鳥取縣西伯郡春日村長八田量一呈出
福井縣今立郡河和田村河和田村農會
長山田文左衞門外四十七名呈出
滋賀縣滋賀郡下坂本村下坂本村農會
長今坂治郞外百九十一名呈出
廣島縣加茂郡廣村廣村農會長森岡多
吉外十六名呈出
山梨縣甲府市山梨縣農會長土屋正三
呈出
廣島縣加茂郡下三永村長今岡淺吉外
九名呈出
秋田縣河邊郡和田町和田町農會長佐
々木正忠外四名呈出
奈良縣北葛城郡箸尾町北葛城郡農會
長上田熊三外五十八名呈出
新潟縣刈羽郡柏崎町刈羽郡農會長石
黑大次郞外四名呈出
福島縣信夫郡飯坂町飯坂町農會長島
貫柳吉外二十四名呈出
德島縣板野郡瀨戶町瀨戶町農會長松
本〓一外九十九名呈出
北海道札幌市北海道農會長男爵佐藤
昌介外十二名呈出
三重縣一志郡豐地村豐地村農會長宮
村勇三郞外八十四名呈出
京都府中郡峰山町峰山町農會長田中
嘉右衞門外百八十四名呈出
福岡縣八女郡串毛村串毛村農會長森
田惣七外二十六名呈出
群馬縣勢多郡上川淵村上川淵村農會
長塚田眞平外二百九十七名呈出
三重縣多賀郡名張町多賀郡農會長關
田義臣外十一名呈出
新潟縣刈羽郡内〓村內〓村農會長新
保家久外三名呈出
山梨縣甲府市甲府市農會長大澤伊三
郞外九名呈出
千葉縣千葉郡幕張町幕張町農會長湯
淺幹外四名呈出
石川縣能美郡根上町根上町農會長森
喜平外一名呈出
廣島縣加茂郡竹原町長進藤林造外一
名呈出
和歌山市和歌山市農會長田口易之外
百十七名呈出
大分縣玖珠郡八幡村八幡村農會長長
尾景隆外七十九名呈出
福島縣東白川郡棚倉町棚倉町農會長
宗田利助外十四名呈出
富山縣東礪波郡高瀨村長岩倉乙次郞
外七名呈出
北海道上川郡神居村神居村農會長掛
場吉右衞門外十四名呈出
鳥取縣岩美郡倉田村長西尾治兵衞外
九十名呈出
奈良縣添上郡月瀨村月瀨村農會長前
田市治郞外三十六名呈出
山口縣豐浦郡神玉村神玉村農會長佐
伯憲人外百二十二名呈出
福岡縣若松市若松市農會長井上安五
郞外八十五名呈出
福岡縣宗像郡南〓村南〓村農會長中
村堅太郞外十四名呈出
山形縣飽海郡南遊佐村南遊佐村農會
長高橋傳作外百九十三名呈出
北海道空知郡幌向村幌向村農會長大
栗又吉外八名呈出
岡山縣倉敷市倉敷市農會長古屋野橘
衞外六十七名呈出
東京市麴町區丸ノ內三丁目一番地東
京府農會副會長內田秀五郞外六十一
名呈出
三重縣三重郡內部村内部村農會長堀
新兵衞外十六名呈出
長野縣西筑摩郡楢川村楢川村農會長
市川杉藏外四十名呈出
兵庫縣加西郡九會村九會村農會長西
村重義外三十三名呈出
石川縣能美郡栗生村栗生村農會長川
崎與三右衞門外三名呈出
福島縣石川郡石川町石川町農會長西
牧六郞外十四名呈出
茨城縣猿島郡古河町古河町農會長飯
島雷輔外二十四名呈出
北海道小樽郡朝里村朝里村農會長津
田運吉外十六名呈出
福島縣雙葉郡大久村大久村農會長柳
井義一外四十一名呈出
埼玉縣浦和市埼玉縣農會長石坂養平
外三百四十名呈出
大阪府北河內郡枚方町枚方町農會長
野村壽三郞外百九十二名呈出
愛媛縣西宇和郡三島村三島村農會長
井上庄一外百三十三名呈出
鳥取縣日野郡日野村長藤原貞一郞外
五十八名呈出
福岡縣築上郡八津田村八津田村農會
長松尾勝外八十八名呈出
長野縣岡谷市岡谷市農會長今井梧樓
外九十四名呈出
栃木縣宇都宮市栃木縣農會長矢部藤
七外百七十五名呈出
石川縣能美郡御幸村御幸村農會長二
木八郞呈出
奈良縣磯城郡櫻井町櫻井町農會長伊
藤大治郞外二十四名呈出
三重縣鈴鹿郡庄内村庄内村農會長佐
藤邦則外四十六名呈出
山梨縣西八代郡落居村落居村農會長
芦澤濱吉外二十三名呈出
岐阜縣稻葉郡鶉村鶉村農會長堀江安
三郞外百七十名呈出
鹿兒島縣川邊郡知覽町知覽町農會長
佐多操外五十七名呈出
福島縣西白河郡矢吹町矢吹町農會長
仲西三良外五十九名呈出
京都府何鹿郡物部村物部村農會長千
原延之助外二十一名呈出
兵庫縣三原郡伊加利村伊加利村農會
長奥野一郞外三十九名呈出
大分縣大野郡新田村新田村農會長吉
良今朝夫外八十三名呈出
新潟縣刈羽郡千谷澤村千谷澤村農會
長小熊巖外一名呈出
岡山市弓町岡山縣農會長多久安信外
十二名呈出
山口縣豐浦郡西市町西市町農會副會
長井村整外二十四名呈出
廣島縣豐田郡竹仁村竹仁村農會長山
蔭靜夫外十三名呈出
島根縣松江市島根縣農會長恒松於菟
二外二百六十五名呈出
北海道空知郡美唄町美唄町農會長岡
田春夫外三名呈出
香川縣木田郡屋島町屋島町農會長森
田惣吉外六十一名呈出
德島縣三好郡池田町三好郡農會長田
岡半平外十一名呈出
和歌山縣西牟婁郡田邊町田邊町農會
長那須孫次郞外十九名呈出
富山縣下新川郡椚山村椚山村農會長
長島勝正外十二名呈出
千葉縣長生郡東村東村農會長石橋亘
外四十二名呈出
靑森縣東津輕郡蟹田村蟹田村農會長
松田與七郞外三十二名呈出
福井縣今立郡中河村中河村農會長笠
島孫右衞門外七十名呈出
兵庫縣有馬郡道場村道場村農會長喜
多武男外三十三名呈出
兵庫縣神崎郡甘地村甘地村農會長〓
水喜市外十五名呈出
靜岡縣磐田郡豐濱村豐濱村農會長加
藤範一郞外百五十名呈出
北海道空知郡富良野町富良野町農會
長松崎品治郞外百五名呈出
茨城縣西茨城郡笠間町笠間町農會長
小島善五郞外十二名呈出
北海道美國郡美國町美國町農會長中
村剛雄外十名呈出
愛知縣知多郡旭村旭村農會長永井寛
一外五十一名呈出
福岡縣三井郡上津荒木村上津荒木村
農會長榊佐藏外三十名呈出
福島縣耶麻郡慶德村慶德村農會長岩
崎豐八外四十四名呈出
茨城縣新治郡石岡町新治郡農會長中
島博外三十二名呈出
愛媛縣喜多郡大瀨村大瀨村農會長金
岡重吉外五十名呈出
茨城縣北相馬郡取手町北相馬郡農會
長木村彌助外五十九名呈出
三重縣津市三重縣農會長小林嘉平治
呈出
愛知縣寶飯郡鹽津村鹽津村農會長石
川新吉外十七名呈出
宮城縣志田郡志田村志田村農會長門
脇義雄外七十八名呈出
福島縣安達郡玉井村玉井村農會長玉
應不二雄外五十五名呈出
京都府何鹿郡中筋村中筋村農會長山
良秀造呈出
奈良縣吉野郡吉野町吉野町農會長坂
本彌十郞外十五名呈出
秋田縣雄勝郡西馬音內町西馬音內町
農會長柴田養助外四十八名呈出
長野縣下伊那郡大鹿村大鹿村農會長
松下胤實外十四名呈出
茨城縣東茨城郡白河村白河村農會長
田口定吉外二十八名呈出
長野縣更級郡稻荷山町稻荷山町農會
長井口吉郞外四十名呈出
廣島縣豐田郡木ノ江町木ノ江町農會
長望月兆三呈出
山口縣玖珂郡秋中村秋中村農會長玉
田隆義外二十二名呈出
茨城縣眞壁郡下妻町下妻町農會長澤
部元信外二十八名呈出
福岡縣三池郡駛馬村駛馬村農會長小
堺鎭外三十三名呈出
香川縣香川郡一宮村一宮村農會長高
木善文外二十名呈出
石川縣能美郡川北村川北村農會長村
上市右衞門外二十名呈出
北海道空知郡瀧川町瀧川町農會長樋
口覺治外六名呈出
鳥取縣東伯郡橋津村長圓道竹藏外百
三名呈出
岡山縣後月郡共和村共和村農會長片
山啓治外一名呈出
高知縣長岡郡野田村野田村農會長竹
村攀興外六十七名呈出
福島縣雙葉郡新山町新山町農會長宮
本捨吉呈出
愛媛縣越智郡西伯方村西伯方村農會
長永井近重外三十四名呈出
北海道足寄郡足寄村足寄村農會長薄
井寅次郞外二名呈出
大分縣北海部郡日代村長竹內壽外七
十名呈出
右ノ請願ハ國民負擔不均衡ノ匡革ハ農村
現下ノ實情ニ鑑ミ急務ナリト信スルヲ以
テ之ヲ根本目標トセル稅制改革ノ實現ヲ
圖ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意
ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ
議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
鳥取縣天神川改修工事繰上施行ノ件
鳥取縣東伯郡倉吉町長松田〓松外十
八名呈出
右ノ請願ハ鳥取縣ノ中央ヲ貫流スル天神
川ノ治水工事ハ昭和九年度ヨリ十五箇年
繼續事業トシテ現ニ施行中ナリト雖同川
ハ其ノ流域東伯郡內大部分ノ町村ニ及ヒ
地方發展上重要河川ナルニ現在ノ如キ長
期ノ工事期間ニ於テハ大風雨アランカ容
易ニ決潰氾濫シ爲ニ流域住民ノ不安著シ
キモノアルニ依リ同工事ハ其ノ事業年度
ヲ相當繰上ケ又ハ豫定年度割ヲ變更シ最
初ノ數年度間ニ大部分ヲ施行セラレタシ
トノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採
擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六
十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
社會事業ノ擴充助成ニ關スル件
東京市豐島區目白町四丁目四十三番
地中央社會事業協會理事中川望外十
名呈出
右ノ請願ハ刻下我邦非常時局ニ際會シ庶
民階級ハ物價騰貴ノ脅威ヲ受ケ生活難ヲ
訴フル聲漸ク喧シク窮乏ノ苦惱ニ喘ク者
愈多ク社會事業ノ擴充强化ヲ要望スルコ
ト切ナルニ拘ラス社會事業團體ハ物價騰
貴ト低金利トノ影響ヲ蒙リ却テ活動力ヲ
著シク壓縮セラレ萎靡不振ヲ極ムルハ國
本培養上甚遺憾ナルニ依リ速ニ社會事業
助成ノ爲適當ノ對策ヲ講セラレタシトノ
旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇ス
ヘキモノト議決致候因テ議院法第六十五
條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
吉備高島宮阯ニ施設ヲ爲スノ件
岡山縣上道郡高島村長光岡石太郞外
四十二名呈出
右ノ請願ハ神武天皇御東征ノ御砲リ御駐
驛シ給ヘリト傳ハル岡山縣上道郡高島村
大字賞田吉備髙島宮阯ニ皇紀二千六百年
ヲ期シ相當ノ施設ヲ爲シ以テ天皇ノ御鴻
業ヲ偲ヒ奉ルト共ニ其ノ由〓深キ宮阯ヲ
不朽ニ傳ヘシメラレタシトノ旨趣ニシテ
貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト
議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別
册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
門川港修築ニ關スル件
宮崎縣東白杵郡門川町長小野龍吉外
一名呈出
右ノ請願ハ宮崎縣東臼杵郡門川町ハ同縣
北部ニ於ケル漁業ノ根據地トシテ漁船ノ
出入逐年增加セルニ拘ラス漁港設備ハ門
川漁業組合ノ築設セシ防波堤ニ依リ漸ク
船溜ノ便アルニ止マル爲一朝荒天ニ遭遇
セハ繋船不能ニ陷リ漁船ノ〓覆等被害著
シク且地元ニ於テハ之カ實情ニ鑑ミ防波
堤延長工事ヲ企圖スルモ財政其ノ他ノ事
情上之カ實現困難ナルヲ以テ速ニ同港ヲ
修築シ小漁港トシテノ施設ヲ完成セラレ
タシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體
ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法
第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
口之津鐵道買收ノ件
長崎縣南高來郡島原町長松本義兼外
十三名呈出
右ノ請願ハ長崎縣島原半島雲仙岳ノ南麓
ヲ巡ル私設口之津鐵道ハ沿線住民ノ出資
ニ係リ專ラ之カ建設改良ニ努ムト雖其ノ
設備、運轉ノ狀態ハ省線ニ比シ著シキ遜
色アルノミナラス當初ノ目的ナル同半島
循環線ノ完通モ今ヤ至難ナルニ依リ速ニ
同鐵道ヲ買牧シテ設備ノ完成ト運轉ノ改
善トヲ圖リ以テ長崎、雲仙、阿蘇ニ通ス
ル國際觀光道ノ完璧ヲ期スルト共ニ地方
產業開發ニ資セラレタシトノ旨趣ニシテ
貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト
議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別
册及送付候也
昭和十二月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
北海道留萠郡留萠町、同郡小平藥村川
上間ノ鐵道敷設ノ件
北海道留萠郡留萠町平民赤石忠助外
千八百四十九名呈出
右ノ請願ハ北海道留萠郡留萠町ヨリ羽幌
線小平驛ヲ經テ同郡小平藥村川上ニ至ル
鐵道ハ沿線地方ニ於ケル豐富ナル炭田、
森林資源ノ開發上緊要ナルニ依リ速ニ之
ヲ敷設セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院
ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致
候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及送
付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衛文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
廣尾線大樹、日高線浦河ノ兩驛間鐵道
敷設ノ件
北海道廣尾郡大樹村長市田〓之呈出
右ノ請願ハ廣尾線大樹驛ヨリ日高線浦河
驛ニ至ル鐵道ヲ敷設スルハ十勝、日高兩
國ノ開拓上貢獻スルノミナラス室蘭本線
等ト相俟テ函館市ト釧路、根室兩市トヲ
結フ太平洋沿岸ノ幹線トナリ產業交通竝
軍事上資スルトコロ多大ニシテ且工事モ
亦比較的容易ナルニ依リ之ヲ豫定線ニ編
入シ速ニ起工ヲ圖ラレタシトノ旨趣ニシ
テ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノ
ト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ
別冊及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
北海道廣尾郡大樹村ニ帶廣區裁判所出
張所設置ノ件
北海道廣尾郡大樹村長市田〓之呈出
右ノ請願ハ北海道廣尾郡大樹村ハ廣尾線
開通以來頓ニ發展シ登記所ノ設置ヲ所望
スルコト切ナルニ拘ラス今尙距離遠キ管
轄廣尾登記所ニ至ラサルヘカラサルハ住
民ノ不利不便多大ナルニ依リ同村大樹市
街地ニ同村ヲ管轄區域トスル帶廣區裁判
所大樹出張所ヲ設置セラレタク尙敷地廳
舍ハ地元ヨリ提供スヘシトノ旨趣ニシテ
貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト
議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別
册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
茨城縣猿島郡生子菅村ニ郵便取扱所設
置ノ件
茨城縣猿島郡生子菅村長塚原喜秀外
三名呈出
右ノ請願ハ茨城縣猿島郡生子菅村ハ通信
機關ノ所要切ナルニ拘ラス最寄郵便局ヘ
ノ距離遠ク地方民ノ不利不便尠カラサル
ニ依リ同村ニ郵便取扱所ヲ設置セラレタ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
茨城縣戶多郵便取扱所ヲ三等郵便局ニ
改定ノ件
茨城縣那珂郡戶多村長鹿島洲雄外十
四名呈出
右ノ請願ハ芙城縣那珂郡戶多村所在ノ戶
多郵便取扱所ハ縣道水戶、三美線ノ中央
ニ位シ柳河、國田、戶多、大場ノ四箇村
ニ於ケル唯一ノ通信機關ナルニ拘ラス其
ノ取扱事務ハ範圍極メテ狹小ナル爲今尙
距離遠キ瓜連局又ハ石塚局ヲ利用シ住民
ノ不利不便尠カラサルハ遺憾ナルニ依リ
速ニ同郵便取扱所ヲ三等郵便局ニ改定シ
一般郵便事務ノ取扱ヲ開始セラレタシト
ノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇
スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十
五條ニ依リ別冊及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
岡山縣久米郡加美村ニ津山區裁判所出
張所設置ノ件
岡山縣久米郡加美村長池上眞通呈出
右ノ請願ハ岡山縣久米郡加美村ハ同郡ノ
中心地ニシテ近時登記事務激增セルニ拘
ラス管轄登記所ノミニテハ處理上支障多
ク住民ノ不便不利尠カラサルニ依リ加
美、三保、打穴、大垪和ノ諸村及吉岡村
ノ內大字塚角、八神、佐良山村ノ内大字
福田、高尾ヲ管轄區域トスル津山區裁判
所出張所ヲ昭和十二年度ニ加美村ニ設置
セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意
ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ
議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
國立海洋觀測所設置ニ關スル件
靑森縣西津輕郡鰺ケ澤町大字本町五
十一番地公吏北村誠一外十四名呈出
右ノ請願ハ靑森縣日本海岸地方ハ裏日本
ノ海洋及氣候ノ特性ヲ有スル地域ナル爲
從來地方測候所ノ發スル暴風警報等ノ恩
惠ニ浴セス之カ利用者ノ不便不利甚シキ
モノアルニ依リ海洋觀測及大陸性低氣壓
ノ襲來ヲ豫測シ且警報ニ備フル爲國立海
洋觀測及測候所ヲ速ニ恰當ノ地ナル同縣
西津輕郡鰺ケ澤町ニ設置シ以テ地方產業
振興ニ資セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族
院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決
致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及
送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衛文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
鰺ケ澤漁港修築ノ件
靑森縣西津輕郡鰺ケ澤町大字本町五
十一番地公吏北村誠一外十四名呈出
右ノ請願ハ靑森縣鰺ケ澤漁港ハ昭和七年
度ヨリ之カ修築工事ヲ繼續シ昭和十二年
度完成ノ目的ヲ以テ目下工事進行中ナリ
ト雖該工事ノミニテハ港內狹小ニシテ船
舶ノ收容至難ナルノミナラス未臨港線ノ敷
設ナキ爲漁獲物ノ處理上少カラサル不利
不便アリ加之同港ノ地勢上築港ニ伴フ諸
施設ヲ爲スニ足ル用地ナキハ甚遺憾ナル
ニ依リ速ニ同工事ニ引續キ第二期築港工
事ヲ施行シ以テ之等ノ不利不便ヲ除去セ
ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ
大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議
院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衛文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
書道振興奬勵ニ關スル件
東京市大森區新井宿一丁目二千三百
十五番地伯爵〓浦奎吾外七百四十八
名呈出
右ノ請願ハ書道ハ沈著ノ良風ヲ培ヒ精神
修養ニ功アルノミナラス延テハ文化ノ發
展竝國民精神ノ作興ニ與テ力アルニ拘ラ
ス未國家施設トシテ奬勵振興ノ途ヲ講セ
ラレサルハ甚遺憾ナルニ依リ書道ノ展覽
會開催、小中學校〓科目ノ獨立等請願人
所案ノ如ク之カ奬勵ニ力ヲ效サレタシト
ノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇
スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十
五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
私立十四大學國庫補助金ニ關スル件
京都市上京區新北小路町六百十二番
地同志社總長湯淺八郞外十三名呈出
右ノ請願ハ大學令ニ基キ昇格ヲ認可セラ
レタル各私立大學ハ法令上同一ノ義務ヲ
負ヒ同一ノ監督下ニ國家文〓ノ爲貢獻シ
其ノ間逕庭ナキニ拘ラス請願人等私立大
學ノ中今尙國庫補助金ノ交付ナキ者アル
ノミナラス之カ交付金アルモ大正九年昇
格シ旣ニ補助金全額ヲ交付セラレタル所
謂私立七大學ト其ノ條件異ナル者アルハ
甚遺憾ナルニ依リ速ニ龍谷、大谷、專修、
立〓、立命館、關西、拓殖、立正、駒澤、日本
醫科、高野山、大正ノ十二大學ニ對シ各
補助金年額金二萬五千圓宛十箇年間國庫
ヨリ交付セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族
院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決
致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及
送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
裝蹄師法制定ノ件
東京市赤坂區靑山南町五丁目四十五
番地平民獸醫師內村兵藏呈出
右ノ請願ハ馬匹改良ト密接不離ノ關係ニ
アル蹄鐵工ハ肢蹄强健確保ノ重責者ナル
ニ拘ラス現行蹄鐵工免許規則ハ明治二十
三年ノ制定ニ係リ未斯業者ノ責務權能ノ
確立、相互ノ聯絡統制、資質技能ノ向上
等ヲ圖ルニ最必要ナル自治的發達促進皆
無ニシテ世態ノ進運ニ伴ハサルハ甚遺憾
ナルニ依リ速ニ請願人所案ノ如ク裝蹄師
法ヲ制定セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族
院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決
致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及
送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
愛知縣南設樂郡海老町ニ登記所設置ノ
件
愛知縣南設樂郡海老町長加藤耕一郞
外十名呈出
右ノ請願ハ愛知縣南設樂郡海老町ハ同郡
ノ北端ニ位スル要衝ニシテ近時產業ノ發
達ニ伴ヒ登記事務激增セルニ拘ラス管轄
田口登記所ハ距離遠ク住民ノ不利不便尠
カラサルニ依リ同町、鳳來寺村、作手村大
宇守義及北設樂郡段嶺村ヲ管轄區域トス
ル登記所ヲ速ニ同町ニ設置セラレタク尙
所要ノ敷地竝廳舍ハ地元町ヨリ安價ニ提
供スヘシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ
大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議
院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
千葉縣幕張郵便局ニ電信、電話及集配
事務開始ノ件
千葉縣千葉郡幕張町長志村祐次呈出
右ノ請願ハ千葉縣千葉郡幕張町ハ近時產
業ノ發達ニ伴ヒ遞信事務激增セルニ拘ラ
ス幕張三等郵便局ハ未電信、電話及集配
事務ノ取扱ナキ爲住民ノ不便尠カラサル
ニ依リ速ニ同郵便局ニ之等事務ヲ開始セ
ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ
大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議
院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
北海道常呂川及武華川ノ治水工事實施
ニ關スル件
北海道常呂郡野付牛町長茶谷幸一外
五名呈出
右ノ請願ハ北海道常呂郡野付牛町ヲ貫流
スル常呂、武華ノ兩川ハ一朝氾濫センカ
流域一帶多大ノ損害ヲ被ルニ拘ラス常呂
川ニ於ケル治水工事ハ完成ヲ見スシテ中
止セラレ武華川ニ在リテハ築堤、護岸工
事等ノ對策ヲ講セラレタルモ其ノ機能十
分ナラス累年水禍ノ慘害ニ沿岸住民ノ不
安多大ナルハ地方進展上甚遺憾ナルニ依
リ速ニ兩川ニ對スル徹底的治水工事ヲ實
施セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願
意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因
テ議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候
也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
北海道野付牛町ニ無水酒精工場設置ノ
件
北海道常呂郡野付牛町長茶谷幸一外
五名呈出
右ノ請願ハ北海道網走支廳管內殊ニ野付
牛町ニ於ケル農耕地ハ馬鈴薯ノ栽培適作
地ナルニ之カ價格ノ變動ト販賣ノ確實性
不十分等トノ爲生產額ハ少量ナルモ一旦
增產ヲ計ラハ大量ノ供給容易ナルニ依リ
經濟上其ノ他工場設置上ノ諸要素ヲ具備
セル野付牛町ニ無水酒精製造工場ヲ設置
セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意
ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ
議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
國道四號線改修ニ關スル件
栃木縣鹽谷郡阿久津村大字寶積寺二
千三十番地平民高田耘平外六十四名
呈出
右ノ請願ハ國道四號線ハ日光、那須、鹽
原ノ景勝地ヲ控ヘ且沿道地方ニ於ケル著
シキ發達ニ伴ヒ交通量逐年增大セルニ拘
ラス道路ノ大部分ハ今尙明治初年築造ノ
砂利道ニシテ產業竝軍事上之カ改修ヲ熱
望スルモ請願人等關係各縣ハ財政上之カ
改良ヲ爲シ能ハサルニ依リ政府ハ其ノ改
良費ヲ明年度豫算ニ計上シ且日光國立公
園ノ道路及之ニ達スル道路ノ改築ニ關シ
テハ栃木縣ニ於テ明年度豫算ニ其ノ經費
ヲ一部計上セリト聞クニ依リ之カ補助費
ヲ計上シ事業ノ助成ヲ圖ラレタシトノ旨
趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘ
キモノト議決致候因テ議院法第六十五條
ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
國號ノ稱呼ニ關スル件
東京市澁谷區常盤松町十二番地士族
頭山滿外五名呈出
右ノ請願ハ曩ニ外務省告示ヲ以テ我國號
ノ稱呼ハ大日本帝國ト統一セラレタリト
雖國內外字出版物及海外輸出品ニ於テ今
尙「ジヤパン」「「ジヤポン」等ニアラサレハ
通用セサルニ依リ速ニ國內外字出版物ヲ
嚴戒シ且輸出品ノ國名標記ニハ正シキ
「ニツポン」又ハ「ニホン」ト記錄シテ全世
界ニ通用シ得ルヤウ中外ニ宣示セラレタ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
家事調停裁判所設置ノ件
東京市四谷區南伊賀町四十一番地平
民著述業山田わか呈出
右ノ請願ハ離婚、私生兒認知、扶養ノ請
求等家事ニ關スル紛議ニ付テハ特別裁判
所ヲ設置シ少年審判所、借地借家調停委
員會等ニ倣ヒ理解アル判事若ハ委員ヲシ
テ簡易、迅速且祕密ニ和解調停セシムル
ハ緊要ナルニ拘ラス今尙之等ノ紛議ヲ法
律上ノ權利義務ノミニ依リ公開ノ裁判所
ニテ肉親相對峙シ長年月相爭ハシムルハ
我國家庭制度上甚遺憾ナルヲ以テ速ニ之
カ實現ヲ圖ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族
院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決
致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及
送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
内閣總理大臣林銑十郞殿
意見書案
德島縣沼江郵便局ニ集配事務開始ノ件
德島縣勝浦郡生比奈村長柳田義八郞
呈出
右ノ請願ハ德島縣勝浦郡生比奈村大字沼
江所在ノ無集配沼江郵便局ハ明治三十六
年其ノ設置ヲ見タルモ近時同村ハ農產物、
果實類等生產增加ニ伴ヒ通信ノ迅速ヲ
所望スルコト大ナルニ拘ラス依然横瀨局
ノ集配ナル爲住民ノ不利不便甚シキニ依
リ速ニ沼江郵便局ニ集配事務ヲ開始セラ
レタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大
體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院
法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十二年月日
貴族院議長公爵近衞文麿
內閣總理大臣林銑十郞殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=64
-
065・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 是等ノ請願ハ、
請願委員長ノ報告通リ採擇スルコトニ御異
議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=65
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066・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=66
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067・近衞文麿
○議長(公爵近衞文麿君) 是ニテ全部日程
ハ終了致シマシタ、次會ノ日程ハ決定次第、
彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、本日ハ是ニ
テ散會致シマス
午前十一時九分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007003242X02119370323&spkNum=67
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