1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
アルコール專賣法案（政府提出）
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會議
昭和十二年三月十五日（月曜日）午後一時三十七分開議
出席委員左の如し
委員長 平川松太郎君
理事 野田武夫君 理事 信太儀右衞門君
理事 岩瀬亮君
中島彌團次君 篠原陸朗君
菊池良一君 山本厚三君
東條貞君 三善信房君
倉成庄八郎君 寺田市正君
今給黎誠吾君 福田耕君
出席政府委員左の如し
專賣局長官 荒井誠一郎君
專賣局部長 花田政春君
農林書記官 湯河元威君
委員長の許可を得て出席したる者左の如し
專賣局技師 黒野勘六君
農林技師 間部彰君
本日の會議に上りたる議案左の如し
アルコール專賣法案（政府提出）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=0
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001・平川松太郎
○平川委員長 是ヨリ開會致シマス、前囘
三善君ノ質問ガマダ殘ッテ居リマスガ、外ノ
委員會ヘオ出デニナリマシタカラ、三善君
ノ質問ヲ留保シテ、山本厚三君ニ質問ヲ許
シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=1
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002・山本厚三
○山本委員 私ハ極メテ簡單ナコトヲ御尋
スルノデスガ、先日來政府ノ御說明ヲ伺ッテ
居リマスルガ、ドウモ「アルコール」ヲ專賣
制ニスルト云フ强イ理由ト云フモノガ、マ
グ本當ニ呑込メナイノデス、大體分リマシ
タガ、本當ニ御諒解ガ皆サンガ行カヌヤウ
デス、併シモウ御尋シテモ同ジ事ヲ御答辯
ニナルノデスカラ、其點ハ私ハ御尋シマセ
ヌガ、「アルコール」ヲ混入スル額ハ非常ニ
僅カナモノデスガ、是ト相對シテ人造石油、
石炭液化ト云フ問題ガ、非常ナ大資本デ、
大規模ナモノデアリマスガ、「アルコール」
ダケヲ專賣ニシテ、此根本ノ大キナ問題デ
アル他ノ一ツノ問題ヲ、專賣ハ兎モ角トシ
テ、官營ニシナイ理由-是ハ專賣局ノ管
轄デアルカドウカ分リマセヌガ、先般一寸
ソレニ觸レタヤウデアリマスガ、ドウモ諒
解ガ出來ナイノデアリマス、是ハ商工省ノ
方ガオ出デニナラヌト說明ガ出來ナイノデ
セウカ、出來タラドナタカラデモ御說明願
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=2
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003・荒井誠一郎
○荒井政府委員 只今ノ御尋ハ、商工省ノ
當局カラ御話ヲ致シタ方ガ便利カト思ヒマ
スガ、唯私ガ考ヘテ居リマスル違フ點ダケ
ヲ申述ベテ御參考ニ供シタイト思ヒマス、
人造石油ノ問題ガ非常ニ肝要ナ問題デアッ
テ、是ガ燃料問題ノ基本デアルト云フコト
ハ、御話ノ通リデアリマシテ、此方ニ付キ
マシテハ別ニ法律案ガ出來マシテ、政府ノ
方デ助成ヲ致シマシテ、サウシテ民間ト共
同デヤルト云フコトニナッテ居ルノデアリ
マス、是ハ私ハ此企業ノ性質カラ見マシテ、
大企業デアリ、原料關係モ石炭ヲ原料ニス
ル、或ハ他ノ化學的ノ操作デ出來ルモノヲ
原料トスルト云フコトデアリマシテ、會社
組織トスルコトガ適當ダト云フコトモ考ヘ
ラレルノデアリマス、之ニ反シマシテ此「ア
ルコール」ノ方ハ、甘藷、馬鈴薯等ヲ原料
ト致シマスノデ、之ヲ生產スル計畫ヲ立テ
ル、而シテ工場ノ操作モ、化學的操作デ致
シマセヌノデ、蒸溜ト云フ方法ニ依ルト云
フヤウナ、自ラソコニ製造方法ナリ企業ノ
性質カラ見テ、一方ハ政府事業トスルヨリ
會社ニスル、一方ハ或點マデハ政府事業ニ
スルト云フコトガ宜クナイカ、斯ウ考ヘタ
ノデアリマス、專賣ト申シマシテモ、是ハ
强制混入ニ伴ヒマシテ販賣ノ專賣ヲスルト
云フノト、ソレカラ製造ニ付テモ專賣ニス
ル、此二ツガ「アルコール」專賣法ノ中ニ含
マレテ居ルノデアリマス、販賣ヲ專賣ニス
ルト云フコトハ、是ハ「アルコール」ニ付キ
マシテ色々ノ取締ノ關係ガ、非常ナ重要ナ
問題ニモナッテ參リマス、一定ノ割合デ混入
サセルト云フコトデ、其方面カラモ專賣ト
シテ政府ガ賣渡スト云フコトガ起ッテ來ル
ト思フノデアリマス、尙ホ製造ノ方ヲ專賣
ニ致スト云フコトデアリマスガ、併シ是ハ
民間ニ適當ナル製造者ガアレバ、委託製造
ト云フコトニ致シマシテ、決シテ之ヲ排斥
シテ居ル意味デナイト云フコトハ、度々申
述ベテ居ルノデアリマス、或ハ不十分デア
ルカモ知レマセヌガ、根本ノ所ハ、或ハ商
工當局デモ御出席ノ時ニ、詳シク又申上ゲ
ル方ガ宜イカト思ッテ居ル次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=3
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004・山本厚三
○山本委員 此問題ハ、私バカリデナク他
ノ委員諸君モ、人造石油ノ委員會デナク、
此委員會ニ於テ、少シ突ッ込ンデ質問シタイ
考ヲ持ッテ居ルノデアリマスガ、適當ナ時機
ニ-ト申スヨリハ、明日ニデモ商工大臣
ノ出席ヲ求メテ貰ヒタイト思フガ、御含ミ
置キヲ願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=4
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005・平川松太郎
○平川委員長 承知シマシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=5
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006・山本厚三
○山本委員 其上デ色々ノ御尋ヲシテ見タ
イト思ヒマス、其點ハ私ハ留保シテ置キマ
ス、是ハ少シ別ノ問題ノヤウニナリマスル
ガ、昨年ハ燒酎ヲヤハリ專賣ノ中ニ入レテ、
燒酎ヲ專賣ニスルト云フコトガ專ラ傳ハリ
マシテ、隨分ヤカマシク燒酎業者ガ騒イデ
居ッタヤウデアリマスルガ、今囘此法律ヲ御
作リニナルニ付テ燒酎ヲ除外サレタノハ、
大體ドウ云フ順序デアリマスカ、是ハ參考
ニ伺ッテ置マキス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=6
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007・荒井誠一郎
○荒井政府委員 燒酎ヲ專賣ニ致シマス計
畫ヲ立テマシタノハ、一般ノ稅制ノ根本的
ノ整理ニ關聯シマシテ、酒造稅ノ方モ變ッテ
來ル、隨テ燒酎ノ性質カラ見マシテ、專賣
ニ適スルモノデアルカラ、是ハ專賣ト致シ
タ方ガ宜カラウト云フコトニナッテ案ヲ立
テタノデアリマスルガ、稅制ノ根本的整理
ガ見合セニナリマシテ、再檢討ヲ致スト云
フコトニナリマシタノデ、燒酎ノ專賣モ亦
再檢討ヲスルト云フコトニナリマシテ、是
ダケヲ除外致シタノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=7
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008・山本厚三
○山本委員 此法案ノ根本ノ精神等ニ付テ
ノ檢討ハ、相當ニ盡サレテ居リマスルシ、
モウ大體是レ以上私ハ御尋シテモ同ジコト
ダラウト思ヒマスルカラ、其問題ハ私ハ此
程度ニ致シテ置キマシテ、他ノ機會ニ又重
ネテ御尋ヲスルコトニシタイト思ヒマス、
主トシテ私今日御尋シタイコトハ、原料ニ
關スル問題デアリマスルガ、ソレニ付テ生
產地ニ近イ所ニ工場ヲ設置スルト云フコト
ノ方針ノヤウデアリマスルガ、大體六十位
ノ工場ニ爲サレルヤウナ御考ノヤウデス
ガ、今其位置ニ付テ大體ノ御方針ヲ伺フコ
トハ出來マスマイカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=8
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009・荒井誠一郎
○荒井政府委員 工場ノ數ヲ幾ラニスルカ
ト云フコトハ、實ハ未ダ今日決ッテ居ラナ
イノデアリマシテ、初年度ニ於キマシテ、豫
算ハ七箇所デアリマスガ、大體物價騰貴等
ノ關係カラ見マシテ、五箇所位ニ減ルカト
思ヒマスガ、是ハ先ヅ一番ヤリ易イ甘藷ノ
主產地地方ニ設ケルト云フコトニナッテ居
ルノデアリマスガ、十三年度以降ノ問題ニ
付キマシテハ、十三年度豫算ノ審議ノ際ニ
讓ルコトニ致シタイノデアリマス、先日來
カラ之ニ付キマシテハ色々御尋モアリマシ
テ、小サイ工場ヲ澤山置クカ、或ハ中規模
ノモノニスルカ、或ハ大規模ノモノニスル
カト云フコトニ付キマシテモ、今日ニ於テ
尙ホ〓究ヲ要スル問題ト思ヒマスガ、吾々
ノ考トシテハ、先ヅヤハリ原料ノ產地ニ近
イ所ニ置カウト云フコトヲ考ヘテ居ルノデ
アリマス、具體的ニドウ云フ地方ニ幾ツ置
クカト云フコトハ、未ダ定ッテ居ラナイノ
デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=9
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010・山本厚三
○山本委員 工場ノ規模ノ程度ニ付テノ、
先般來ノ御議論ニ付テハ私モ意見モアリマ
スガ、是ハ意見デアリマスルカラ申上ゲル
必要ハナイヤウナモノデアリマスガ、是一
ヤハリ餘リ大規模ノモノデナイ方ガ宜イト
思ヒマス、政府ノ御說明モアリマスルガ、
其他ノ點ヲ考慮シマシテモ、餘リ大キナ工
場ヲ極メテ少數ヲ作ッテ、目方ノ重イ原料
ヲ持ッテ來ルト云フコトハ、是ハ不適當デ
アリマスルシ、又農村關係ノコトモ、陸軍
アタリカラ頻リニ話ガアルヤウデアリマス
ルカラ、サウ云フ點カラ言ックラ、大體政
府ノ御方針デモ差支ナイト思フノデアリマ
スガ、モウ既ニ工場ノ府縣等ハ決ッテオ居
デニナルデセウガ、是ハ祕密デ御發表ニナ
ラヌデセウ、强ヒテ御尋スル必要モアリマ
セヌ、生產地ニ工場ヲ置クト云フコトニ付
テハ、從來甘藷ノ澱粉、及ビ澱粉カラ製造
スル澱粉飴ガアルノデスガ、是等ノ製造工
業トドウ云フ關係ニナルカ、無論相當大キ
ナ影響ヲ齎スノデアリマスガ、ソレニ付テ
政府ハドウ云フ御調ベニナッテ居リマスル
カ伺ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=10
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011・荒井誠一郎
○荒井政府委員 「アルコール」工業ヲ起シ
マスルニ付キマシテ、原料關係カラ色々ノ
他ノ方ノ、例ヘバ燒酎製造、澱粉製造ト云
フモノト競合ヲ起スト云フコトハ、是ハ當
然起ッテ來ル問題デアリマシテ、十分〓究ヲ
盡サナケレバナラヌト思フノデアリマス、
隨ヒマシテ是等ニ對シマシテ出來ルダケ影
響ノ少イ方法ヲ以テ、此仕事ヲ進メテ行カ
ナケレバナラヌ、又其爲ニ十分ナル注意ヲ
致サナケレバナラヌト云フ考ヲ持ッテ居ル
ノデアリマス、其方法ト致シマシテハ、今
日アリマスル甘藷、馬鈴薯ト云フモノハ、
是ハ從來需要ガアルノデアリマスカラ、是
ハ其方面ノ需要ニ向ケル、而シテ新シク增
產計畫ナリ、或ハ耕地ノ擴張計畫ヲ樹テマ
シテ、之ニ依リマシテ新シイ需要デアル「ア
ルコール」ノ製造ノ需要ニ充テル、斯ウ云フ
方針ニ致ス考ヲ持ッテ折角努力致シテ居ル
ノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=11
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012・山本厚三
○山本委員 其點ハ先般來度々御說明ニ
ナッテ居リマシテ、先ヅ第一ニ品種改良等
デ、現在ノ反別ニ付テ增收ヲ圖リ、第二ニ
休閑地トカ或ハ新墾地ヲ殖ヤシ耕作ヲ施
ス、ソレカラ第三ニ轉作ヲスル、此三ツノ
ヤウニ御說明ニナッタノデアリマスガ、先般
戴キマシタ表ニ付テ、此增產計畫ノモウ少
シ具體的ノ御說明ヲ願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=12
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013・荒井誠一郎
○荒井政府委員 其點ハ農林當局ノ方カラ
御說明ヲ願ッタ方ガ宜イカト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=13
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014・間部彰
○間部農林技師 先日資料ヲ差上ゲテ置キ
マシタガ、アレハ甘藷ノ增產ノ見込高ノ表
デアリマスガ、實ハ是ハ昨年ノ十月ニ主要
ナル甘藷ノ生產府縣ニ照會ヲ致シマシテ、
其縣デ甘藷ノ增產サレル餘地ナリ、其增產
ノ見込量ヲ調査報〓サシタノデアリマス、
所ガ其後吾々ノ所デハ、モウ少シ之ヲ具體
的ニ增產ノ計畫ヲ十分ニシテ置カナケレバ
ナラヌト云フ關係カラ致シマシテ、先ヅ九
州地方、關東地方ノ數縣ノ農務關係ノ主任
官ヲ寄セマシテ、十二年度カラ燃料「アル
コール」ノ製造ヲ開始スルモノト致シマシ
テ、是等ノ地方デ實行ノ可能性ノアル計畫
ニ付テ色々ノ打合ヲ致シタノデアリマス、
ソレヲ基礎ト致シマシテ、私共ノ手許デ樹
テテ居リマスル案ヲ申上ゲタラ宜イカト
思ッテ居リマス、大體關東地方トシマシテハ、
原料廿藷ノ供給縣トシテハ、茨城、千葉、埼
玉ト云フヤウナ縣ヲ、ドウシテモ是ハ考ヘ
ナケレバナラヌカト思ヒマス、先ヅ茨城縣、
千葉縣ハ、關東ノ中デモ最モ甘藷ノ生產ノ
多イ縣デアリマスカラ、其縣ニ付キマシテ
增產ノ計畫ヲ樹テテ居ルノデアリマスガ、
少シ煩シイカモ存ジマセヌガ、數字ヲ少シ
申上ゲマス、茨城縣デハ既栽培地ノ反當リ收
量ノ增加ニ依ル增收ト致シマシテハ三百四
十四万貫、千葉縣デハ三百八十四万貫······発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=14
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015・山本厚三
○山本委員 一寸御話中デスガ、此表ト違
ヒマスガ··発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=15
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016・間部彰
○間部農林技師 前ニ申上ゲタヤウニ、其
表ハ昨年ノ十月ニ、マダ此事業ノ具體的ナ
內容ノ定マラヌ前ニ、唯主要ナ甘藷ノ生產
縣デ、若シ增產ヲ行フトスレバ、ドウ云フ
方面ニ餘地ガアルダラウカト云フ照會ヲシ
タノデアリマス、私共トシテハ、ソレデ直
チニ計畫ヲ定メル譯ニイカナイノデアリマ
ス、ソレデ九州地方ト關東地方ノ數縣ニ付
キマシテハ、更ニ打合セヲ致シマシテ、具
體的ニ進メラレル計畫ヲ樹テテ居ル譯デア
リマス、固ヨリ其供給數量ニ於テハ、此前
ニ差上ゲテ居リマスル量ハ減ラナイノデア
リマシテ、唯內容ノ增產方法ニ付テ、具體
的ニ色々府縣ト〓究致シマシタ結果、或ハ
ソレヂヤイカヌヂヤナイカ、モウ少シ其點
ヲ斯ウシタラ宜イヂヤナイカト云フヤウ
ニ、私共デ修正ヲ加ヘテ打合セタ結果ノモ
ノヲ、是カラ申上ゲル次第デアリマス、今
ノハ旣栽培地ニ於ケル反當リノ收量ノ增加
ニ依ル增收ノモノデアリマスガ、茨城縣ガ
三百四十四万貫、千葉縣ガ二一百八十四万貫、
此外ニ新ニ十二年度ニ栽培地ヲ擴張致シマ
スル部分ノ增收ガアルノデアリマシテ、ソ
レハ茨城縣デ三百三十万貫、千葉縣デ三百
二十五万貫、之ヲ合計致シマスト、旣栽培
地ノ反收ノ增加ニ依ルモノガ七百二十八万
貫新規栽培地擴張ニ依ルモノガ六百五十
五万貫、其總計ガ千三百八十三万貫トナル
ノデアリマス、是ハ茨城縣ト千葉縣ノモノ
デアリマスガ、九州地方ニ於キマシテハ、
宮崎ト熊本ト鹿兒島ノ三縣ヲ考ヘテ居リマ
ス、是亦九州地方ノ最モ主要ナ甘藷ノ生產
地デアリマスカラ、ドノ道此三縣ト云フモ
ノハ、原料甘藷ノ供給ニ付テハ考ヘナケレ
バナラヌ縣ナノデアリマス、旣栽培地ニ於
ケル反收增加ニ依ル增收量ヲ申上ゲマス
ト、宮崎縣ガ五百六十五万貫、熊本縣ガ百
二万貫、鹿兒島縣ガ二百三十三万貫、新規
栽培地擴張ニ依リマスモノガ、宮崎縣ガ二
百万貫、熊本縣ガ六百十五万貫、鹿兒島縣
ガ四百三十一万貫、合計致シマシテ、旣栽
培地ニ於ケル增收ガ九百万貫、新規擴張ニ
依ルモノガ千二百四十六万貫デアリマス、
合計致シマシテ二千百四十六万貫ニナルノ
デアリマス、旣栽培地ニ於ケル反當リ收量
ノ增加ト云フコトハ、是ハ先ヅ第一ニ增收
ニハ考ヘナケレバナラヌコトデアリマシ
テ、是ハ或ハ肥料ノヤリ方ヲ變ヘマストカ、
或ハ栽培法ニモウ少シ手ヲ入レルトカ云フ
コトニ依リマシテ、增收ニ於テハ、實ハ甘
諸ニ付テハ全國的ニ非常ニ多イノデアリマ
ス、デスカラ愈〓是ガ實施サレルト云フコト
ニナリマスト、十分指導ヲ致シテ、實際的
ノソレダケノ成績ヲ上ゲタイト思ッテ居リ
マス、ソレカラ新規栽培地ノ擴張デゴザイ
マスガ、是ハ縣々ニ依ッテ多少趣キヲ異ニシ
テ居リマス、或縣デハ開墾地ガ相當十二年
度ニ見込マレテ居リマス、又開墾地ヨリモ、
他ノ作物カラノ轉換ニ依ルモノヲ多ク見込
ンデ居ル所モアリマス、ソレハ其縣々ノ實
情ニ應ジテ計畫ガ立ッテ居ルノデアリマス
ガ、之ニ對シマスル種芋ノ問題デアリマス、
先達テノ委員會デモ、此點ニ付テ何カ御不
安ノアルカノヤウニ承ッタノデアリマスガ、
ソレハ斯ウ云フ風ニナッテ居リマス、元來今
年作付ケシマスル甘藷ノ苗ト云フモノハ、
モウ目下ガ苗床ノ準備、苗床ニ種芋ヲ伏セ
ル最中トデモ申シテ宜シイノデアリマシ
テ、此法案ガ決マッテカラ準備シタノデハ實
ハ遲イノデアリマス、所ガ只今申上ゲマシタ
各縣ニ於キマシテハ、マア昨年カラ新聞等ニ
依ッテ燃料「アルコール」ノ製造計畫ト云フ
モノガ發表サレマシテ以來、農家ハ言ハズ
語ラズ甘諸ノ增產ノ氣構ヘデアリマシテ、
自然種芋ノ準備ヲ普段ヨリカ餘計ニ致シテ
居ルノデアリマス、是ハ固ヨリサウ云フコ
トハアリ得ルコトデアリマスガ、併シ其點
ハ實ハ私モ懸念致シテ居ッタノデアリマシ
テ、更ニ各府縣ニ就テ調査致シタノデアリ
マス、千葉、茨城ノ如キハ、縣カラ度々人
ヲ寄セテ、其點ヲ確メテ見タノデアリマス、
又九州地方ニ於キマシテハ、先達テ人ヲ派
シテ、其事情ヲ能ク調査致シテ見タノデア
リマスガ、何レモ其新規擴張ニ對シテノ種
芋ノ準備ハ十分ニアッテ、差支ハナイト云フ
コトニナッテ居リマス、マア左樣ナ譯デアリ
マスカラ、十二年度ニ「アルコール」ヲ製
造スル爲ニ必要ナル原料ノ甘藷供給ハ、十
分ニ見込ガアルト私ハ考ヘテ居リマス、デ寧
ロ今日ノ各縣ノ計畫ノ數字ヲ其儘合計致シ
マスト、或ハ政府ノ製造シヨウトシテ居ル
「アルコール」ノ量ニ對シテ、必要ナル量ヨ
リモ稍〓多イカト思ヒマスガ、愈〓本案ガ決
定致シマスレバ、更ニ直チニ各縣ノ當局者
ヲ集メマシテ、實際ノ計畫ヲ更ニ立テマシ
テ、十分ニ奬勵ヲ致ス積リデ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=16
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017・山本厚三
○山本委員 原料ノコトヲ少シ詳シク御聽
キ申シタイト云フ譯ハ、一寸申上ゲテ置カ
ヌト、餘リ細カイコトノヤウデスカラ申上
ゲテ置キマスガ、只今申上ゲタヤウニ澱粉、
飴、燒酎ノ如キモノデモ、足リヌ位ニモウ
原料ガ詰ッテ居リマスカラ、之ヲ十三年カラ
ヤルト云フノナラ準備ガ出來ルガ、三善君
ガ大分突込ンデ農林省ノ方ト御話シタヤウ
ナ譯デ、十二年ニ製品ヲ出サウト云フノヲ
今カラヤルト云フコトハ、是ハ非常ニ遲イ、
是ハ私モ一部同感デアリマスガ、何レニシ
テモ競合スル製造業、燒酎ハ兎モ角、此澱
粉飴ト云フモノハ、此議會ニ於テモ、例
ヘバ朝鮮ノ「ホーム·プロダクト」ノ關係ナ
ドハ、是ハ隨分議論ニナッタコトデアリマシ
テ、是ハ政府モ奬勵シテ居ル筈デアリマス、
サウ云フ場合ニ、之ニ少シデモ不安ヲ與ヘ
ルト云フヤウナコト、若クハ此事業ニ打擊
ヲ與ヘルト云フヤウナコトヲヤルコトハ無
論宜シクナイ、是ハ政府ガ御承知デアラウ
ト思フ、大體ノ形勢カラ行キマスト、今ノ
澱粉、飴等ノ原料ニ手ヲ著ケナイデ、增產
ノ方デ之ニ向ケルト云フ御說明デアリマス
ガ、是ハモウ少シ伺ッテ見ナイト、果シテソ
ンナコトガ出來ルカドウカ、ズット先ニ行ッタ
ナラバ、或ハ出來ルカモ知レマセヌガ、中々
當分ハ疑問ガ起ルデアラウト云フ懸念カ
ラ御尋スルノデアリマス、ソコデ今御話ノ
コトハ、私共ノ戴イテ居ル表トハ非常ナ違
ヒナンデスガ、昨年ノ十月ノ調ト、本年ノ
何月ノ調カ知ラヌガ、其後ノ調デアリマセ
ウ、例ヘバ茨城縣ノ如キハ、所謂品種改良
等ノ增收ガ、反當增收ノ結果ガ百五十六万
貫ト云フ御報告デアルノニ、是ガ二百万貫
モ殖エテ三百四十四万貫、千葉縣ガ同ジク
二百五十万貫、百三十万貫モ殖エテ三百八
十万貫、ソレカラ新墾地ノ增收、是ハヒド
イ違ヒデアリマシテ、茨城縣ノ如キハ七十
四万貫ト云フノガ、三百三十万貫ニ增加ヲ
致シテ居ル、千葉縣ガ是ハ一一十万貫ノ增加、
是ハ殆ド同ジデアリマス、モットヒドイノ
ハ、印刷ノ誤リデスカ何デスカ、鹿兒島縣
ノ如キハ、反當增收ノ結果ガ三千三百万貫
ト云フ御報告デアルノガ、二百三十三万貫
デアルト云フヤウナ今ノ御話デアッタシ、宮
崎縣ガ八百万貫ガ五百六十万貫ニ減ッテ、熊
本縣ノ六百八十万貫ガ只ノ百万貫ニ減ッテ
居ル、又新墾地ニ付テハ、鹿兒島縣ノ百万
貫ガ四百三十万貫ニ殖エ、宮崎縣ハ三十万
貫程減ッテ居ルダケデスガ、熊本縣ニ至リマ
スルト、百九十万貫ト云フノガ六百十五万
貫ト云フヤウナ、殆ド調ニモ何ニモナラヌ
ヤウナモノニナッテ居ルノデスガ、是ハ昨日
モ大分議論ガアッタノデスガ、中々是ハ面倒
ダラウト思フノデス、ソコデ御尋スルノデ
スガ、大體土地ニ依リマセウガ、反當收入ト
云フモノハ、幾ラ位ノモノヲ今御覽ニナッテ
居ルノデアリマスカ、平均ハ三百三十貫ト
云フヤウナ御話デシタガ、是等ノ土地、此
五縣ニ工場ヲ御置キニナル積リデ、斯ウ云
フ御答辯ガアッタモノト思フガ、之ヲ來年恐
ラクオヤリニナルデセウ、今御話ノアッタ
ヤウナモノハ······ソレナラ御話ニナッテモ
何デモナイヂヤアリマセヌカ、鹿兒島縣外
五縣ハ、誰ガ見テモ初メニヤルノハコンナ
所ダラウト思フカラ、ソンナコトハ祕密ニ
ナサラヌデ、御話ニナッテ然ルベキダト思
フガ、ソレハ別トシテ、大體此五縣ニ付テ
現在ノ反當收入ト、僅カ一年デズット殖ヤ
スト云フ反當收入トノ比較ハ、一體ドウ云
フ御調ニナッテ居リマスルカ、伺ヒタイノデ
アリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=17
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018・間部彰
○間部農林技師 前ニ差上ゲマシタ表ト、
只今申上ゲタモノトノ喰違フコトハ、先刻
申上ゲタ通リデアリマシテ、前ノ表ハ昨年
ノ十月ニ、ドノ邊ニ工場ガ出來ルト云フヤ
ウナコトノ考慮ハ少シモ地方ニ於テモ拂ハ
レズ、唯其縣デ若シ極力增產ヲスルナラバ、
ドレダケノ增產ノ餘地ガアルカト云フコト
ノ、アレハ下調デアリマス、只今申上ゲマ
シタノハ、大體九州ニ於テハ、熊本ト鹿兒
島ト宮崎、大體此三縣ノ中ニ工場ヲ設ケラ
レルモノト私共ハ豫想シテ居リマスガ、サ
ウスルト今度ハ實際ニ近イ-何モ餘分ナ
モノヲ生產スル必要モナイノデアリマスカ
ラ、實際ニ近イ生產ヲ致シタラ宜イ譯デア
リマシテ、大體ソレニ合セテ作ッタノデアリ
マス、ソレデ御話ノ如ク、如何ニモ前ノ調
査ガ杜撰ナヤウデアリマスガ、調査ガ杜撰
ナノデハナクテ、前ノ增產見込ヨリカモ今
度ハ實際ニ合セテ、工場ガ其地方ニ設ケラ
レルモノトシテ、早ク言フト、具體的ナ計
畫ヲ致シタカラ、斯ウ云フ數字ガ出來テ居
ルノデアリマス、ソレカラ後段ニ御尋ノ旣
栽培地ニ於ケル反當收量ノ增加ヲ、ドノ位
ニ見テ居ルカト云フ御質問デゴザイマス
ガ、茨城縣デハ、實ハ是ハ細カク申上ゲレ
バ、大體縣ノ中七郡位ヲ、先ヅ十二年度ニ
甘藷ノ增產ヲヤラセル郡ト定メマシテ、其
七郡ノ中デ反當數量ノ增加ヲ圖ラウト云フ
分ヲ更ニ決メマシテ、ソレニ付テ極力奬勵
シテ行カウト云フノデアリマスガ、基準ニ
ナル反當收量ハ三百十五貫ト云フコトニ
ナッテ居リマス、之ヲ四百二十五貫、卽チ百
十貫增スト云フ計畫デアリマス、千葉縣ニ
於キマシテハ、ヤハリ是亦縣全體ト云フノ
デナクテ、縣內ノ是モ大體七郡位デアリマ
スカニ集中シテ、先ヅ十二年度ハ奬勵シテ
行カウト云フノデアリマス、是ハ其地方ニ
付テノ計畫デアリマスガ、反當ノ基準收量
ガ四百十六貫ニナッテ居リマス、ソレヲ四十
貫增加スル、ソレカラ宮崎縣ハ反當ノ基準
收量ガ四百貫デアリマシテ、ソレヲ五百貫
ニシヨウ、卽チ百貫增シ、熊本縣ハ基準收
量ガ三百八貫デアリマシテ、四十二貫增シ
テ三百五十貫ニシヨウ、鹿兒島縣ハ基準收
量ガ四百七十四貫デアリマスガ、ソレヲ五
十四貫增ス、斯ウ云フ計畫デアリマス、縣
ニ依リマシテハ百貫以上增ス計畫ト致シテ
居ル所モアリ、又僅ニ四十貫程度ノ增收ニ
止メヨウトスル所モアリマス、是ハ申ス迄
モナイコトデアリマスガ、其地方ノ現在ノ
甘藷ノ栽培狀況カラシテ、ウント餘地ノア
ル所、左程ニ餘地ノナイ、急激ニ增產ノ見
込メヌ所ト、縣ニ依ル事情ノ差デ、是ハ當
然ノコトト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=18
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019・山本厚三
○山本委員 此調ト云フモノノ說明ハ、是
ハドナタデモ承服出來ヌ說明デス、ソンナ
說明ハ······(「サウダ〓〓」ト呼フ者アリ)兎
モ角昭和十一年十月ニ此計畫ヲオヤリニナッ
テ、餘程熟シテ居ルトキニ、ドウ云フ註文
ヲ各府縣ニオ出シニナッテ居ルカ知リマセ
ヌガ、一體各府縣カラ材料ヲ御取リニナル
時分ニ、最低限ヲ御取リニナッタノカ、最高
限ヲ御取リニナッタノカ伺ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=19
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020・間部彰
○間部農林技師 最低限トモ最高限トモ言
ハナイノデスガ、寧ロ極力奬勵スルト云フ
立前デト云フコトニナリマスカラ、極メテ
容易ニト云フ意味デナク、相當ニ是ニハ力
ヲ注グモノトシテ、ドノ位アルカト云フ報
〓ヲ求メタ譯デアリマス、サウシテ其當時
ニ於キマシテハ、ドノ地方ニ工場ガ設ケラ
レルデアラウト云フコトハ、無論ソレ等ノ
地方ニ於テハ分ラヌモノトシテ、報〓シテ
來タ譯デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=20
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021・山本厚三
○山本委員 ソレハモウ愈〓妙ナ御調デア
リマシテ、工場ヲ愈〓設ケルト云フ空氣ニ
ナッテ來タカラ、三百万貫ト云フモノガ二
百八十万貫ニ減ッタトカ、三百二十万ニ殖
エタトカ、ソレハ時ニ依ッテ其御調ハ眞面目
ニヤレバ殖エルコトモ減ルコトモアリマ
ス、ソレデアリマスカラ、アナタノ御調ノ
命令ト云フモノガ、最高限カ最低限カト云
フノデアリマシテ、一體ウント作ッタラ幾
ラ作レルンダ、ウント作ッタラ千万貫增收
ガ出來ル、又サウ積極的ニ大キク考ヘナク
テモ、取敢ズ兎ニ角最低幾ラマデ穫レルカ
ト云フコトナラ分ルト思ッテ伺ッタガ、何ダ
カ分ラナイデス、シテ見ルトアナタノ御調
ト云フモノハ、今度政府デ愈〓斯ウ云フコ
トヲヤッテ見タイガ、君ノ方デ土地改良其
他デ反當收量ガ幾ラ殖エ、其反別ガドノ位
アッテ、幾ラニナルカト云フコトヲ御問ニナッ
タモノダト思フ、サウスルト各府縣、例へ
バ鹿兒島縣ノ如キハ、ドウ云フ譯デ三千三
百万貫ナンテコトヲ言ッテ來タノデスカ、僅
カノ違ヒデナイカラ御尋スルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=21
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022・間部彰
○間部農林技師 鹿兒島ノ報〓ハ-實ハ
私共ノ調査ヲ府縣ニ命ジマシタノハ、昭和
十二年ニドレダケノ增產ガ出來ルカ、ソレ
カラ十三年、十四年、十九年マデ年次的ナ
增產計畫ヲ聽イタノデアリマスガ、鹿兒島
縣ハ其十九年、卽チ最後ノ年ニ增產サレル
量ヲ初年カラ出來ル、ヤレバ出來ルンダト
云ッタ考ノ下ニ報〓致シテ居リマス、デア
リマスカラ私共固ヨリ斯ウ云フ數字ヲ以
テ、具體的ナ計畫ノ基礎ニハ爲シ難イノデア
リマス、成程ヤレバソレダケノ餘地ガアル
ノデアリマスカラ、ヤレルデアリマセウケ
レドモ、十二年度ニ直チニソレダケノモノ
ガ收穫ヲ現ハスダラウトハ、私共モ考ヘラ
レヌノデアリマス、デアリマスカラ先刻申
上ゲタヤウナ工合ニ、先ヅ十二年度トシテ
ハ、確實ニ實行性ノアルモノトシテノ計畫
ニシテ、幾ラニナルカト云フコトヲ今申上
ゲタノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=22
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023・平川松太郎
○平川委員長 一寸農產課長ニ御尋シマス
ガ、サウスルトアナタノ御說明ニ依リマス
ト、此御配付ニナッタ甘藷ノ增產見込高、
或ハ馬鈴薯ノ增產見込高ト云フ、此表ハ信
用出來ナイト云フコトニナルノデアリマス
カ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=23
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024・間部彰
○間部農林技師 信用出來ナイト云フト、
一寸語弊ガアリマスガ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=24
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025・平川松太郎
○平川委員長 サウ云フコトニナル発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=25
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026・間部彰
○間部農林技師 極力增產スレバ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=26
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027・平川松太郎
○平川委員長 結局委員ガ尋ネヨウトスル
所ハ、「アルコール」ヲ專賣ニシテ、サウシ
テ、昭和十二年、十三年、十九年度マデニ
甘藷ガ、ドレダケ增產スルカト云フコトヲ
御尋シテ居ルノデアリマス、ソレニ斯ウ云
フ信用ノ出來ナイ表ヲ出シテ、アナタノ今
ノ說明トハ違フノデス、今ノアナタノ說明
ト此見込高ノ表トハ全然違ッテ居ル発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=27
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028・間部彰
○間部農林技師 十二年度ト十三年度、ソ
レカラ十九年度ノ最後ノ年ノ增產ノ數量デ
アリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=28
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029・平川松太郎
○平川委員長 十九年度ニナレバ宜イガ、
アナタノ說明ト是トハ全然違フノデス、
ドッチヲ信用シテ宜イノデアリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=29
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030・間部彰
○間部農林技師 只今私ノ申上ゲタ方ガ、
實際ノ計畫トシテ採ルベキモノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=30
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031・平川松太郎
○平川委員長 サウスルト實際ノ計畫トシ
テハ、此表ハ信用出來ナイコトニナル発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=31
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032・間部彰
○間部農林技師 此通リニヤル數字トシテ
ハ、私共ハソレヲ採リマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=32
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033・山本厚三
○山本委員 私ハ別ニ當局ヲ責メル譯デモ
何デモナイノデスガ、此表トアナタノ今御
說明ニナッタノトハ、意味ガ全然違フ所ガア
ル、全部聽カヌト分リマセヌガ、今ノアナ
タノ御話ダト、鹿兒島ガ泡ヲ食ッテ十九年度
ノヲ出シタノダラウト仰シヤルガ、ソレハ
サウデハナイ、鹿兒島ハ昭和十二年度ニ反
當收入增加ニ依ルモノガ三千三百万ト云フ
コトヲ計上シテ居ル、十三年度ハ別ニ三千
三百万、同ジデス、每年行ッテサウシテ昭
和十九年度ニ三千三百万ノ增收ガアッテ、ソ
レデ結局昭和十九年度ニナルト、三ツヲ合
計シテ七千万貫ノ增收、斯ウ云フコトハチ
ヤント書イテアルノデアリマシテ、昭和十
二年度ニ鹿兒島ガ三千三百万トナッテ居ル
ノハ、實ハ昭和十九年ノダト云フ今ノ御話
ハ間違ッテ居ル、其表ニチヤント書イテアル
ヂヤアリマセヌカ、ソレデスカラ私ガ今御
尋シタ、實ハ細カイコトダカラ止サウト思ッ
テ居ッタガ、ドウモ調ベテ見ルト、鹿兒島ガ
餘リニ違フカラ御尋シタ、鹿兒島ガ三千三
百万バカリ增收スルトナッテ居ルカラ、御尋
シテ見ルト、アナタガサウ仰シヤッタ、是ハ
私ガ御尋シナケレバ、此儘吾々ハ、看過シ
テ、此議會ガ濟ンデシマフノヂヤナカッタカ
ト思ヒマスガ、アナタノ增產ノ御說明ハ違ッ
テ居リマセヌカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=33
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034・間部彰
○間部農林技師 鹿兒島ノ三千三百万ト云
フノハ、旣栽培ノ生產見込數量デアリマス、
十九年ニ於テモ既栽培地ノ增收量ヲ三千三
百万取ッテ居リマスカラ、詰リ初年カラ最後
ノ年ノ增收ノ分マデヤレルモノトシテ、十
二年度ニ出テ居リマスカラ、是ハ採ラヌト
云フノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=34
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035・山本厚三
○山本委員 ソンナ馬鹿ナコトヲ言ハレテ
ハ困ル、兎ニ角議員ノ請求ニ依ッテ御出シ
ニナッタ表ヲ-若シ是ガ豫算デアッタラ大
變ナ問題デアリマス、尤モ大藏大臣モドン
ドン取消サレルヤウナ豫算ダカラ仕方ガナ
イガ、豫算トシテハ大變デ、ソンナ參考書
類ヲ出シテ置イテ、ソレヲアナタノ方カラ
具體的ニ今日御訂正ニナッテ、三千三百万
貫ト書イテアルガ、之ヲ調ベテ見タラ間違
ノヤウダッタカラ、此處ハ斯ウ訂正スルト
仰シヤルナラ、ソレ切リデ仕方ナイガ、議
論ニ入ッテカラ、知ラヌ顏ヲシテ、三千三
百万貫ヲ二百二十三万貫デスカ、ソンナ十
五分ノ一ノヤウナ馬鹿ナコトヲまつ、ソ
レデ實ハ、是ハ昭和十九年デアリマスナド
ト言フケレドモ、ソレナラ何故アナタノ方
デ御纒メニナルノニ、御交涉ニナラナイノ
カト云フノガ一ツト、ソレカラ是ハ大體分
リマシタカラ、是レ以上ハ突止メマセヌガ、
其次ノ欄ニアル所謂休閑地及ビ新墾地、要
スルニ新墾地ノ新耕作ノ增收デスガ、サウ
ナッテ來ルト實ニ益〓滑稽ナノハ、鹿兒島ハ
百万貫ガ四百三十一万貫ニ殖エテ居ルノデ
ス、反當增收ノ方ハ十五分ノ一ニ減スシ、
新墾地ノ方ハ四倍ニ殖ヤスト云フノハ、此
方ハ一體昭和十九年度ノ考デヤラナカッタ
ノデスカ、サウシタラマルデ縣廳ノ調ノ標
準ガナイコトニナル、何カ御說明ガアリマ
スカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=35
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036・間部彰
○間部農林技師 鹿兒島ノ新規栽培ノ面積
ノ擴張ニ依ル部分ハ、前ニ差上ゲマシタ表
ハ、確ニ前ノ方ガ少シデ今度ハ多イノデス、
是ハ先刻モ申上ゲタ通リ、縣デ愈〓之ヲ實
施スルモノトシテ、最近計畫ヲ立直シマシ
テ作ッタモノデアリマス、ソレデ實際ニ於
テ、其餘地ガアルカナイカト云フコトニナ
リマスト、最近是ハ人ヲ派シテ調べタノデ
アリマスガ、ソレハ十分ノ餘地ガアルト云
フコトハ確實デアリマス、郡モ大凡定メマ
シテ、其調査ヲ致シタノデアリマス、デア
リマスカラ只今私ガ此處デ申上ゲマシタ數
字ハ、十二年度ニ於テ增產ヲスル具體的ナ
計畫ノモノダト云フコトニ、御承知ヲ御願
シタイト思ヒマス、前ニ差上ゲマシタ表ハ、
昨年ノ照會ニ依ッテ、單ニ增產ノ見込量ト云
フモノヲ報告シテ來タモノヲ、其儘差上ゲ
マシタノデ、只今ノヤウナ問題ガ起キタノ
デアリマスガ、實際ノ計畫ニ當ッテハ、先刻
申上ゲタヤウニ、縣トモ十分打合セノ上ノ
確實ナモノデ進ンデ行ク積リデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=36
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037・山本厚三
○山本委員 サウスルト其下ノ段ヲ伺ヒマ
スガ、轉作ニ依ル增產見込ト云フノニ付テ
ハ、五縣ノ報告ハ變化ガナイノデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=37
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038・間部彰
○間部農林技師 先刻私ガ申上ゲマシタ新
規栽培地ノ擴張ニ依ルモノト云フノハ、開
墾ノ部分ト轉換ノモノトヲ併セテ申上ゲタ
ノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=38
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039・山本厚三
○山本委員 轉作モ入ッテ居ルノデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=39
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040・間部彰
○間部農林技師 轉作モ入ッテ申上ゲタノ
デアリマス、若シ內容ヲ分ケテ······発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=40
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041・山本厚三
○山本委員 分ケナクテモ宜イデス、アト
デ聽キマス、サウナッテ來タラ、是ハモウ間
違ドコロノ話デハナイ、是ハ御話ニナリマ
セヌネ、例ヘバ一番端カラ言フト、茨城縣
ガ轉作-私ハ轉作ナント云フコトハ駄目
ダト云フコトヲ、此間カラ豫ネテ言ッテ居タ
ノデアリマスガ-此轉作ガ五百二十万貫
デ、轉作ト今ノ閑地栽培ト二ツ加ヘルト六
百万貫、ソレガ半分ノ三百三十万貫ニ減ッテ
居ル、或ハ埼玉縣ハソレ程デハナイガ、百
万貫減ッテ居ル、熊本縣ガ轉作ガ三百万貫
デ、ソレト加ヘテ百万貫殖エ、鹿兒島縣ニ
至リマスト、百万貫ト六百八十万貫加ヘテ
七百八十万貫デ、半分ニナッテ居ル、是ハ幾
ラカアナタノ辯明ニ近クナッテ居ルガ、ヤハ
リ大キナモノヲ出シテ居ル、サウスルト此
表ト云フモノハ、御返ヘシシテ別ノヲ戴カ
ナイト、コンナ表デ質問ヲシテモ時間バカ
リ掛ッテ仕方ガナイ、抑〓私ハ此間カラコチ
ラデ默ッテ聞イテ居ッタノデスガ、ドウモ收
穫量ニ付テ戴ク物ヤ說明ヲ見ルト、尻カラ
合シタヤウナ氣ガシテ居ッタ、百六十万石ヲ
殖ヤスニハ、是ダケノ甘藷、澱粉ガ要ル、
ソレヲ全國デ合セルト幾ラニナル、此處ニ
ハ五億万貫ト書イテアリマスガ、之ヲ三百
三十万貫デ割レバ百六十万ニナル、是ハ甘
藷ダケデアリマス、其外ニ馬鈴薯ガアリマ
スガ、マサカソンナコトモナイノデセウガ、
ヨク會社ヤ官廳デハ、尻カラ生產額ヲ合フ
ヤウニ見ルト云フヤウナコトガアルト思ッ
テ居リマスガ、是ハサウデハナイデセウガ、
是ハ餘リヒドイ、昭和十二年ガ此位デスカ
ラ、他府縣モ全部サウデアリマセウガ、百
万貫ノ高デ、ソレハ一割、二割位ノ違ヒハ
アリマセウ、甚シクテ半分位モ違フト云フ
ヤウナ馬鹿ナ縣廳モアリマセウガ、鹿兒島
縣ヤ熊本、宮崎ノヤウナ馬鹿ナ報告ヲスル
縣廳ノ經濟部ト云フモノハ無能力デアル、
サモナケレバ、アナタノ方ノ指示ガ惡イ、
私ノ御伺スルコトハ色々アリマスケレド
モ、先ヅ之ヲ直シテ、稍〓信用ノ出來ル表ヲ
一ツ戴キタイデス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=41
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042・間部彰
○間部農林技師 尙ホソレニ付テ申上ゲテ
置キタイト思ヒマスガ、例ヘバ茨城縣ハ、
前ニ差上ゲタ表デハ、增產ノ大部分ト云フ
モノヲ他作物ノ轉換ニ求メテ居ルノデアリ
マス、此處ニハ殆ド大部分ガソレデ報告ヲ
サレテ居ルノデアリマス、併ナガラ其總テ
ノ報告ニ依ル、其合計ノ數量ハ七百五十万
貫ニナリマス、今度私ガ申上ゲマシタモノ
ハ、サウ云フ新規栽培ノ計畫ト云フモノヲ
急激ニヤルト云フコトハ、實際上是ハ不可
能デアルノデ、府縣カラ人ヲ寄セマシテ協
議シタ上ニ、其計畫ヲ改メサセテ、サウシ
テ實際行ハレサウナモノニシテ出シタノ
ガ、卽チ只今申上ゲタモノデアリマス、隨
テ反當收量ノ增加ノ方ヲ今度ハ殖ヤシタ譯
デアリマス、其方ノ增加分ト云フモノヲ殖
ヤシタ譯デアリマス、是ハ指導ヲ十分ニシ
奬勵ヲ加ヘテ行キマスレバ行ケルコトデア
リマス、新規擴張ト云フコトニナリマスト、
是ハ中々困難ガアリマシテ、急場ノ間ニ合
ハヌノデアリマスカラ、ソチラノ方ヲ減シ
テ、比較的容易ニ行ハレル方ヲ增シテ行ク
譯デアリマス、尙ホ申上ゲテ置キマスガ、
前ニ差上ゲタ表ハ、度々繰返シテ申上ゲル
ヤウデアリマスガ、單ニ增產ノ見込ト云フ
モノガ、甘諸ノ主要生產縣ガドノ位アルカ
ト云フコトノ照會ニ對スル報告デアリマシ
テ、私共實施ニ當ッテノ計畫ハ、之ヲ此儘採
ラウト云フ考ハ毛頭ナイノデアリマス、今
日申上ゲマシタヤウニ、ソレ〓〓改メテ、
ソレニ依ッテ實行サセル積リデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=42
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043・山本厚三
○山本委員 其點ハドウモサウダト言ッテ
正直ナ所ヲ仰シヤラレレバ仕方ガナイ、要
スルニ御參考ニオヤリニナッタモノデ-
是ハ吾々ノ殆ド參考ニナリマセヌ、コシナ
モノヲ委員會ノ材料ニ出サレテハ困ル、サ
ウ云フ譯ナレバ、是ハ今直グニハ出來マス
マイガ、適當ナ時期ニ御訂正ヲ願ヒタイ、
ソレハソレトシテ、ソレナラ御伺スルノデ
スガ、一體反當收入百十貫目ダトカ、百貫
目ダトカ、一年ニ急ニ殖セルモノデスカ、
ソレカラ甘藷ニ關スル調ノ中、甘諸作付反
別ト云フノハ、是ハ間違アリマスマイナ、
サウスルト茨城縣ヲ御覽ヲ願ヒタイガ、約
一万一千町步アル、一万一千町步デ三百四
十四万貫モ御殖シニナルト云フト、一體平
均ニスルト、ドウ云フ風ニナリマスルカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=43
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044・間部彰
○間部農林技師 茨城縣デハ增栽培ハ一万
一千町步アリマスガ、先刻申上ゲマシタヤ
ウニ、十二年度ニ於キマシテハ、縣內ノ七
郡ヲ指定シマシテ···発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=44
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045・山本厚三
○山本委員 何町步アリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=45
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046・間部彰
○間部農林技師 其中デ反當收量ヲ增加セ
シメヨウト云フ反別ガ、三千百四町步デア
リマス、其七郡ノ全部ニ付テト云フコトデ
ナクテ、其幾割カノモノニ付テ、大體地域
ヲ決メテ、其處ニ指導ヲ集中サシテ行フ考
デアリマス、尙ホ一寸附加ヘテ置キマスガ、
是ハ縣ニ於キマシテモ、郡農會、町村農會
ノ當事者トモ寄々協議ヲシテ、計畫ヲ樹テ
タモノデゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=46
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047・山本厚三
○山本委員 今ノ表ニ付テハ、大體其程度
ニシテ置キマスガ、唯之ニ付テノ希望ハ、
此表ガ一割ヤ二割デナイ、十倍ト云フヤウ
ナ極端ニ惡イ縣モアル、是ハ表ヲ作ル標準
ダト仰シヤルガ、是デハ今度ノ-只今御
讀ミニナッタ明年度實行ノ增收ト云フモノ
ガ、果シテ正シイカドウカト云フコトモ、ド
ウモ私ハ疑ハシイノデアリマスルガ、併シ
ソレハ解釋ノ問題デスカラ、餘リ當ニナラ
ヌト云フコトヲ申シテ置クヨリ仕方ガナイ
ノデアリマス、ソレヨリモ原料問題デ大事
ナノハ、隨分今マデモ改良ニ改良ヲ加ヘテ、
各縣デ莫大ナ經費ヲ使ッテ居リマス、北海道
ノ馬鈴薯ノ如キモ、非常ニ莫大ナ費用ヲ
拂ッテ、農事試驗場デモ莫大ナ犠牲ヲ拂ッテ
居ル、現在千二百貫ナドト云フノモ、見越シ
デハアルケレドモ、實際ノ農家デハ八百貫
位取ッテ居ル、普通ノ內地ノ甘藷ハ、三百三
十貫カラ三百四十貫平均ノヤウデアル、所
ガ之ヲ伺フト云フト、茨城縣ハ三百十五貫
ヲ百十貫、十二年度ダケデ殖ヤス、宮崎縣
ハ百貫、其他七八十貫カラ九十貫ヲ殖ヤス
ト云フノデアリマスガ、茨城縣ノ如キハ、
チヨット三割增收ニナルノデスガ、サウ云フ
コトガ大キナ三千町步ナドト云フ土地ニ對
シテ出來ルモノデゴザイマセウカ、ソレヲ
伺ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=47
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048・間部彰
○間部農林技師 此計畫ハ先刻申上ゲマシ
タヤウニ、縣ガ郡、町村農會等ノ當事者ト
十分ニ相談ヲシテ見込ヲ立テタノデアリマ
ス、成程一反步ニ百貫餘リノ增收ト云フコ
トハ多イヤウニ思ヒマス、併シ茨城縣ノ例
ヘバ猿島郡地方トカ、アノ邊ノ甘藷ノ栽培
ノ狀況ヲ私共ガ眺メテ見マシテモ、肥料ノ
如キヤラナイモノガ多イノデアリマスル
ガ、極メテ栽培法ガ粗放デアリマス、デア
リマスカラ今度此政府ノ計畫ニ依リマシ
テ、或ル値段デ-一定ノ相當ナ値段デ買
上ゲテ貰フコトガ確實デアル、卽チ生產ヲ
シテモ、ソレハ必ズ販賣シ得ラレルト云フ
コトガ決マリマスレバ、農家トシテハ增產
ニ力ヲ注グコトニナル譯デアリマス、唯漫
然ト甘藷ノ栽培ガ甚ダマヅイカラ改良セヨ
ト言ッテモ、ソレハ改良致シマセヌガ、改良
シテ增產ヲスレバ、增產シタダケハ相當ノ
値段デ賣レルト云フ希望ガアリマスレバ、
奬勵ヲ加ヘレバ十分是ハ行クノヂヤナイ
カ、殊ニ縣ガ非常ニ收量ガ少イダケニ、或
ハ肥料デアリマストカ、其他ノ手入レヲ十
分ニ指導シテ行ケバ、ソレダケノ收穫ハ是
ハ技術的ニ見テ擧ルト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=48
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049・山本厚三
○山本委員 是ハ農村議員モ此席ニオ居デ
デセウシ、私共モ色々ナ農業ヲ自分デ隨分
長イコトヤッテ居リマスガ、如何ナル種類ノ
農產物ニシテモ今日マデ放ッテ置イテ、五十
年ナラ五十年-實際ハ本當ニ改良シタノ
ハ二三十年デセウ、北海道ノ馬鈴薯ナドハ、
澱粉ガ一箱二十圓モシテ、二等汽車デ〓里
ニ歸ッタト云フヤウナ、黄金時代モ歐洲戰爭
當時ニハアッタ、一俵デモ澤山穫ラウト思ッ
テ、ウントヤリマシタガ、ソレハ十何年前
デアッタカラ容易デアッタカモ知レマセヌ、
ソレハモウ御說ノ通リデアリマスケレド
モ、數量ノ割合ニ依リマス、今日ハ農事試
驗場モアリ、アナタ方モ御監督ナサッテ、儲
カラヌカラ增收ヲヤラヌノダナドト仰セニ
ナッタコトハナイ、價格ハ安ケレバ安イ程、
增收シテ反當收入ヲ多クシナケレバナラヌ
ノニ、ソレヲ一體今マデ縣廳デモ、アナタ
方ノ方デモヤラナカッタノデスカ、ソレヲ伺
ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=49
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050・間部彰
○間部農林技師 從來茨城縣ノ先刻申上ゲ
タ地方ニ於キマシテハ、甘藷ノ增產ニ付テ
ハ特別ニ奬勵ヲ加ヘテ居ッタトハ思ヒマセ
ヌ、ソレハ一般ノ農事ノ改良ニ付テハ、獨
リ甘諸ト云ハズ、奬メテハ居リマスケレド
モ、生產ヲ增加致シマシテモ、ソレダケ需
要ガナイノデス、生產ヲ急ニ殖スト云フト、
値段ガ下ル虞ノアルヤウナモノニ付キマシ
テハ、ドウモ農家モ栽培ノ改善ニ熱ヲ有タ
ナイ、併シ是モ理窟ノ上カラ申シマスト、反
當收量ノ增加ヲ圖ルコトヲウント努メテ、
從來一町步デ生產ヲ擧ゲテ居ッタモノヲ、
八反ナリ七反ナリデ擧ゲル、二反ナリ三反
ナリノ餘裕ヲ生ゼシメテ、外ノ物ヲ穫ルト
云フコトハ、ソレハ理窟ハ確ニサウデアリ
マスガ、中々農家トシテハ俄ニソコニ行ク
ノハ思ヒモ及バヌノデアリマス、今度ノヤ
ウニ兎ニ角生產ヲ殖セバソレダケノモノ
ハ必ズ間違ナク、相當ノ値段デ買ッテ貰ヘル
ト云フコトニナルト、改善ヲシテドウシテ
モ餘計ニ生產ヲシヨウト云フ刺戟ガ、相當
ニアル譯デアリマスカラ、私共此程度ノ增
產ハ出來ルト考ヘテ居リマス、固ヨリ容易
デアルトハ思ヒマセヌ、ソレニハ縣トカ農
會方面ニ於テモ、十分ナル指導ヲシナケレ
バナラヌシ、或ハ又肥料ヲ餘計ニ施サセル
トカ云フコトガ、結局增收ニ一番效キ目ア
ル方法ト存ジマス、肥料ノ配給等ニ付テハ、
產業組合ナドヲ利用サシテ行クト云フヤウ
ナ方面ノ指導ハ、極力ヤラナケレバナラヌ
ト思ヒマス、ソレヲヤレバ此程度ノ增產ハ
是ハ私出來ルト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=50
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051・山本厚三
○山本委員 是ハ私ハ出來ナイト云フコト
ヲ保證シテ置キマス、アナタハ農民ノコト
ヲ能ク知ラヌノデス、昨日モ三善君ニ叱ラ
レタヤウニ知ラナイノデス、誰ガ-作物
ヲ折角多收シテモ賣レナイカラ多收ヲシナ
イナドト云フヤウナ、ソンナ農民ハアリマ
セヌ、種類ニ依ッテハ時々アリマスケレド
モ、長イ間ヤラナイデ居ッテ、サウシテ今ニ
ナッテ急ニ三割一年ニ增收スル、是ハ成程今
五分增收シ、十三年度ニ五分十九年度ニ至ッ
テ三割殖ヤスト云フコトハハソレハ出來ル
ダラウト思フ、ソレ位ノコトナラ一遍ニ肥
料ヲヤリ、草ヲドン〓〓取レバ三割ノ增收
モ、去年マデハ是デ出來タンダケレドモ、
ヤラセナカッタノダ、一町步ノ畑ヨリハ
反步ノ畑デ同ジ收入ガ出來タノヲヤラセナ
カッタ、ソンナ馬鹿ナ農林行政ハアリマセ
タ、全體的ノ-一反步カ二反步ノ小サイ
所ハサウデスケレドモ、三千百町步ナドト
云フ莫大ナ土地ヲ、三割モ無駄ナコトヲシ
テ居ッタト云フコトニナルノハ、ソンナ馬鹿
ナ農林行政ヲヤラレテハ大變デス、ソレハ
反面カラ言ヘバ出來ヌコトト考ヘテ居リマ
ス、三千百町步デ百十貫目ヅツ餘計芋ノ取
レル方法ヲ縣廳デヤラセルト云フ、ソンナ
コトヲ言ッテモ、普通ノ常識ノアル者ニハ分
リマセヌ、一體大藏省ノ政府委員ハサウ云
フコトヲ御信用ニナリマスカ、是ハ御調ニ
ナッタノヂヤアルマイト思ヒマスケレドモ、
是ハ大臣デモオ出ニナッタラ意見ヲ聽イテ
見ナケレバナラヌ、ソレハ一ツ茨城縣デス
ガ、サウ云フモノガ出來マスカ、先年宮崎、
熊本、鹿兒島デモ、一年ニ百貫目ノ增收ヲヤ
ルト云ッテ出來ナカッタノニ、今カラ-四
月一日カラヤルベキ法律ノコトヲ、芋ノ種
ヲ採ッテ、ソレカラ芽ガ出タヤツヲ賴ンデ、
ソレデ三割ノ增收ガ取レルト云フコトハ、
手品使ヒ見タヤウナモノデアリマス、私
ソレ以上言ッテ見タ所デ、アナタハ確信シ
テ居ルノデアリマスガ、此委員ノ中ニモ、
鹿兒島ノ人モ居ルシ、北海道ノ人モ居ルカ
ラ、後デ御聽キニナッテ見テ下サイ、一年
ニ三割ノ增收ガ出タラ、農事試驗場ハ大シ
タモノデス、金鵄勳章デス、ソレガ出來ナ
イノデ、芋ノ栽培ニ付テモ北海道デ苦心ヲ
シテ居ルノデアリマス、併シ是レ以上聽イ
テモアナタガサウ云フ御意見デアリマスカ
ラ、他ノ機會ニ農林省ノ方ニモウ一應聽イ
テ見ヌト、ソンナ原料デ斯ウ云フ事業ヲヤ
ル譯ニ行カヌカラ、他ノ機會ニ聽クコトニ
シマシテ、其位ニシテ置キマスガ、次ニ此
轉作ノコトモ、ドウモ其內譯ヲ聽イテモ仕
方ガナイカラ、轉作ノコトモヤハリ-代
作ヲオヤリニナルノナラバ、棉ノ問題モ起
リマセウ、米ト同ジ棉ノ轉作、是ハ議會デ
ハ相當大キナ問題デ議論ヲシテ居リマス
ガ、僅カナ面積ヨリ實際ニハ出來ナイ、之
ヲドノ位ナ面積ニ轉作スルノカ、此點ニ付
テ餘リ長クナッテモイケマセヌカラ、他ノ
機會ニ聽クコトニ致シマスガ、恐ラク是ハ
中々面倒ダラウト思ヒマス、是ハ一體ドウ
云フ種類-ソレダケ、一體茨城縣ヲ一ツ
ニ見テ、轉作ハ何ヲヤルカ、一ツダケ伺ッ
テ置キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=51
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052・間部彰
○間部農林技師 茨城縣デハ轉作ハ二百六
十四町步見込ンデアリマス、サウシテ何ヲ
ヤルカト言ヒマスト、陸稻、ソレカラ大豆、
先刻申上ゲマシタ地域ノ郡デ、陸稻ナドノ
收穫ノ餘リナイヤウナ土地デハ、寧ロ甘藷
ヲ作ッタ方ガ有利ニナルト云フ計算ニナル
ノデアリマシテ、サウ云フ所デハ甘藷ガ宜
イ、又大豆モ、ヤハリ餘リ其地域ニ於テハ
十分ノ收穫ノ上ラヌ所モアリマスカラ、サ
ウ云フ所ガ甘諸ニ代ハルト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=52
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053・山本厚三
○山本委員 是ハモウ調ガナイカラ、果シ
テ其位アルカドウカ、想像デ分リマセヌガ、
サウ云フ大キナ轉作ガアルトハ思ヘナイ、
唯御聞キ致シテ置クヨリ仕方ガアリマセ
又、次ニ同ジ問題ニ付テ聽キタイノハ、此
芋ガ、段々芋ヲ食スルコトガ多クナリマス
カラ、食量モ非常ニ殖エルダラウト思ヒマ
ス、ソレカラ澱粉、飴等モ、燒酎等ノ原料
モ相當增加ヲ來スト思ヒマスガ、ソレノ昭
和十九年頃ノ需要增加ト云フモノヲ、御調
ベニナッタモノガアリマシタラ承リタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=53
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054・間部彰
○間部農林技師 ソレハ今マデ具體的ナ數
字ハ出シテ居リマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=54
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055・東條貞
○東條委員 一寸今ノニ關聯シテ-今拜
聽シテ居リマスト、茨城縣ノ作付轉換ガ二
百六十四町步ト云フコトデアリマスガ、此
處ニ出テ居リマス作付轉換見込面積ト云フ
モノヲ見マスト、茨城縣ガ二千三百町步、
ソレカラ栃木縣ガ二千町步、群馬縣ガ三千
町步、ソレカラ埼玉縣ガ五百九十五町步ト
云フコトニナッテ居リマス、大變數字ガ違ヒ
マスガ、此材料ハ好イ加減ナモノデアリマ
スカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=55
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056・間部彰
○間部農林技師 ソレハ、御說明致シマス
ガ、今御覽ニナッタノハ、甘藷ニ關スル調ト
シテハ左樣ナモノデアリマスガ、是ハ昭和
十九年ノモノト、ソレカラ茨城縣ノ全體ノ
數字ヲ擧ゲテアルノハ、今御讀ミニナッタ通
リデアリマスガ、只今私ノ申上ゲマシタノ
ハ、十二年度ノ轉換ノ見込面積デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=56
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057・東條貞
○東條委員 何度聞イテモ分リマセヌ、十
九年度マデニ、十二年度マデニハ二百六十
四町步ノ轉換見込ガ、十九年度ニハ二千三
百町步、一寸十倍ニナリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=57
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058・間部彰
○間部農林技師 ソレハ茨城縣全體デアリ
マス、私ノ今申上ゲマシタ二百六十四町步
ト云フノハ、茨城縣全體デアリマセヌ、鹿
島、那珂、西茨城、東茨城、行方、新治ト
云フヤウナ地方デス、茨城縣デアリマスガ、
計畫ヲ立ッテ居リマスノハ、其中ノ六郡デア
リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=58
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059・山本厚三
○山本委員 是ハ餘リ細カイコトヲ今カラ
御質問シタ所デ、實際ニハ何ニモナラヌヤ
ウデアリマスガ、大キナ會社デアルトカ、
或ハ政府ノ仕事ハ、昭和十九年度ニ至ルマ
デ、及ビ其最後ノ所要數量ガ幾ラデアッテ、
ソレハドウ云フ方法ニ依ッテ之ヲ求メルカ、
原料ノ供給ヲ求メルカ、之ヲ確ッカリ御決メ
ニナッテ置イテ戴カヌト困ルノデ、ソレヲ聞
イテ居ルノデアリマス、ソレニ付テハ食料
品、又ハ澱粉、飴ノ材料、燒酎ノ材料等モ、
是ハ減ル氣遣ヒハナイノデアリマス、減ッタ
ラ大變デスカラ、無論殖エマス、サウ云フ
コトモアッテ、サウシテ先刻此處デ不信任ヲ
唱ヘラレタ此增產見込高、此表ニ依ッテ最後
ニ是ガ差支ナイ、又足リヌ場合ニハ奬勵ヲ
シテ增產ヲスルト、斯ウ云フ風ナ確ッカリシ
タ、確ニ原料ハモウ十分デアルト云フコト
ヲ承知シタイノデアリマス、私ハ其質問ヲ
シテ居リマスガ、少シモ其處ニ行カナイノ
ハ、今ノ三ツノ材料デ調ベタコトハナイト
云フノデアリマスガ、食料品、澱粉ノ材料、
飴ノ材料、燒酎ノ材料ハ、昭和十九年ハ偖
テ措イテ、永久ニ殖エルノデアリマスカ、ソ
レハ本當ナラ昭和十九年度マデノ增加ハ、
ドノ位殖エテ、サウシテ此方ノ「アルコー
ル」ノ增加ハ幾ラ要ル、「アルコール」ハ增
加シテ行ク、是ハ幾ラ原料ガ要ルカ、之ヲ
公表シタモノガ此增產計畫、アナタノ方ノ
御調ト合ハナイトイケナイノデスガ、唯增
收ハ相當ノ材料ガ是ダケデアリマス、是八
間違ッテ居ルケレドモ、是ハ數量ガ分ッテ居
ル、私ガ算盤ヲ取ッテ見ルト、馬鈴薯ト甘藷
ヲ加ヘルト二百二十万石ノ「アルコール」ヲ
造ルダケノ材料、是ハ御調ベニナッテ居ル、
一方三千万石ノモノヲ三百万石ト言ッテ居
リマスガ、ドウナルカ分リマセヌガ、アナ
タノ發表セラレタ二百二十万石ノ「アルコ
ール」ハ出來ルノデアリマス、外ノモノハ
殖エテ行カナイ、無論殖エテモ、サウ云フ
コトヲ綜合シテ專賣法ニスル、尤モ專賣ハ
製造ヂヤナイ、販賣ノ専賣ダケレドモ、政府
デ製造ヲシテモ百六十万石ノ製造デアル、
是ハ恐ラク他ノ機會ニ御質問ガアッタヤウ
デアリマスガ、百六十万石ナンカヂヤ駄目
デスモット出來レバ造ラナケレバナラヌ、需
要ノ上カラ云ッテモ、揮發油ノ需要ト云フモ
ノハコンナモノヂヤアリマセヌ、非常ナ率
デ殖エテ行クノデアリマス、ソレデスカラ
此「アルコール」ガ果シテ宜イトシテ、專賣
法ヲ御ヤリニナルナラバ、其前ニ原料ノ方
ヲスッカリ作ッテ行カナケレバナラヌ、ソレ
デナクチヤイカヌ、サウ云フ面倒ナコトヲ
御尋シテ居ル、所ガ農林省ノ方ノ調ハ、去
年ノ十月ニ一寸ヤッテ見タガ、愈〓實施スベ
キ實際ノモノニ付テ、實際ニ調ベタ所ガ、
ヒドイ所ハ十分ノ一ト云フコトニナッテ居
リマス、サウスルト甘藷ノ增產見込高、馬
鈴薯ノ增產見込高表ト云フモノハ、是ハ當
テニハナラヌト云フコトハ、皆サン御認メ
ニナッテ居ルヤウデアリマスシ、今ハ當局モ
御認メニナッテ居ルヤウデス、サウシテ見ル
ト、今ノ所デ原料ハ永久性アリト言ハナク
テモ、昭和十九年マデハ大丈夫ダ、斯ウ云フ
風ニ御答ガ出來マスカドウデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=59
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060・間部彰
○間部農林技師 私ハ昭和十九年ノ所要數
量ノ原料ハ、確カニ生產サレルト思ヒマス、
成程十二年度ノモノニ付キマシテハ、先刻
色々御話ガアリマシタヤウニ、是ハ實施計
畫ヲ今作リマシタノデ、前ノ單ナル增產見
込ト、ソコニ喰違ヒヲ生ジテ居リマスルガ、
昭和十九年ノ、詰リ是カラ七年先ノ最後ノ
增收見込ニ付テハ、是ハ私共自信ヲ持ッテ居
リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=60
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061・山本厚三
○山本委員 今一ツ農林當局ニ御註文シテ
置イテ、其點ニ付テハ此程度ニシタイト思
ヒマス、ソレハ何デアルカト云フト、昭和
十二年度ノ五ツノ縣ノ中ノ七郡トカ六郡ニ
付テハ、關係當局者ヲ呼ンデ詳シク打合セ
タカラ宜イト仰シヤル、是ハ宜イカ惡イカ
分ラヌケレドモ、宜イト信ズルヨリ仕方ガ
ナイ、而シテ三善委員ノ御質問ニナッタ、果
シテ十二年度ニ五箇工場ノ二万石ニ對スル
-初年度ハ二万石ト仰シヤルガ、五箇工
場二万石ニ對スル原料ガ、果シテ增產其他
ノ方法ニ依ッテ出來ルカト云フコトハ、私ハ
非常ニ疑ハシイ、疑ハシイケレドモ、答辯
ガ分ッテ居リマスカラ是レ以上聽キマセヌ、
政府ハ疑ハシクナイト仰シヤル、是ハ或ハ
疑ハシクナイトモ思フガ、何ヲ以テ昭和十
九年マデ確信ガアルト仰シヤルノカ、ソレ
マデノ統計表ガ駄目ヂヤゴザイマセヌカ、
其上ニ外ノ事業、澱粉、飴燒酎、〓料、
此增加ガ幾ラアルカト云フコトヲ御調ニ
ナッテ居ラナイデ、ドウシテソレガ分リマス
カ、確信ガアルト云フガ、確信ト云フノハ、
抽象的ニ唯頭デ主觀的ニ確信ガアルト言ッ
タッテ、吾々ニハ分ラヌ、ヤハリ數量デ、大
體一万、二万違フト云フノデハナイ、十万
石違ッテモ宜シイ、百万石違ッテモ宜シイカ
ラ、何億何千万ト云フ御調ヲ付ケテ御說明
ニナラナイト、私バカリデアリマセヌ、ドナ
タガ御聽キニナッテモ信用シマセヌ、ケレド
モ今之ヲ突止メタ所デ、材料ノナイモノハ
仕方ガアリマセヌカラ、此次ノ委員會マデ
二、サウ云フコトニ付テノ御調ガ願ヒタイ
ト云フコト、モウ一ツ、今ノ表ガ參考ニモ
ナラヌ增產表デアルノニ、ソレデ直グ贊成
シロト仰シヤッテモ困ル、吾々ハ十二年度ダ
ケハアナタノ言フコトヲ信ジテ居ルノデア
ルガ、ソレモ一反歩デ百貫モ殖ヤスト云フ
材料デス、ソンナコトハ出來マセヌ、要ス
ルニ出來ナイコトヲアナタハ言ッテ居ルノ
ダカラ、此次マデニモウ少シソレヲ御調下
スッテ、私共ノ納得ノ行クヤウニシテ戴キタ
イ、ソレマデ是ハ留保シテ置キマス、次ニ
最後ノ一點ニ移リマス、ソレハ今囘ノ「ア
ルコール」專賣法ヲ御計畫ニナルニ付テ、
最初カラ日本ノ馬鈴薯ト云フモノノ原料ニ
付テハ、ドウ云フ御調ニナリ、ドウ云フ御
考デアッタカト云フコトニ付テ、專賣局長官
ヨリ伺ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=61
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062・荒井誠一郎
○荒井政府委員 「アルコール」ヲ造ルニ付
キマシテハ、勿論甘藷ト馬鈴薯ト云フコト
ヲ當初カラ考ヘタノデアリマス、殊ニ馬鈴
薯ニ付キマシテハ、是ハ寒地ノ適作物デア
リマスルシ、之ヲ奬勵スルコトニ於キマシ
テハ、將來ハ或ハ甘藷ヨリモ數量ニ於テハ、
私ハ如何カト思ヒマスガ、見込モ隨分多イ
點ガアルノデアリマス、是非是ハ出來ルダ
ケ他ノ方法ヲ講ジマシテ、原料ニ使ヒタイ
ト考ヘタノデアリマス、或ハ馬鈴薯ヲ當初
カラ問題ニシテ居ナイト云フコトヲ、世間
デ言フ人ガアルノデアリマスガ、決シテ左
樣ナコトハナイノデアリマス、唯馬鈴薯ヲ
使ヒマスニ付キマシテ、今日未ダ酒精ノ製造
ニ餘リ使ヒ馴レテ居ナイト云フコトガ、一ツ
ノ初メニ之ヲ取上ゲルニ付テ如何カト考ヘ
タ點デアリマス、ソレカラ工場ノ設備等ヲ
致シマスニ付キマシテモ、馬鈴薯ニ付キマシ
テハ、乾燥方法モ困難デアリマスルシ、又酒
精ニ致シマス製造方法ニ付テモ、是ハ理論
上ハ確信ガアルノデアリマスケレドモ、工
場設備等ニ付テ、如何ニ之ヲ計畫スルカト
云フコトガ、マダ甘諸程進ンデ居ナイノデ
アリマス、是ハ私ハ實驗上ノコトヲ申スノ
デアリマシテ、九州或ハ此近傍ニ於キマシ
テ、燒酎等ニ於キマシテ酒精ヲ澤山造ッテ居
ルノデアリマスガ、割合ニ今マデ馬鈴薯ガ
使ハレテ居ナイト云フヤウナ實驗的ノコト
カラ、先ヅ容易ナル甘藷カラ始メタラ宜カ
ラウ、殊ニ當初ノ計畫ニ於キマシテ、之ニ
苟モ齟齬ガ起ルヤウナコトガアッテハ、甚ダ
申譯ノナイ次第デアリマスカラ、出來ルダ
ケ愼重ノ態度ヲ取ッテ進ム、併シ馬鈴薯ニ付
テモ早速〓究ヲ遂ゲマシテ、之ヲ原料トス
ルコトヲ考ヘテ居ルヤウナ次第デアリマス
〔委員長退席、信太委員長代理著席〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=62
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063・山本厚三
○山本委員 全國デ百六十万石ニ對シテ、
恐ラク五十以上ノ工場ガ出來ルト思ヒマス
ガ、其五十、六十ト云フ工場ノ割合ハ、今
伺ヒマスト馬鈴薯モ〓究ノ上ヤリタイト云
フ御意見デアリマスガ、甘諸ト馬鈴薯ノ割
合ハ、大體ドノ位デオヤリニナル御見込デ
アリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=63
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064・荒井誠一郎
○荒井政府委員 是ハ原料關係カラ來ルト
思ヒマスガ、モウ少シ正確ナル原料關係ノ
見込ガ付キマシテ、其割合等モ分リマスレ
バ······モウ少シ先ニナッテ申上ゲタ方ガ宜ク
ハナイカト思ヒマスガ、北海道、或ハ靑森、
岩手、宮城等ニ付キマシテノ增產計畫ニ付
キマシテハ、早速正確ナル計算ヲ立テテ貰
ヒマシテ、ソレニ依ッテ大體ノ見當ヲ付ケタ
イト思ッテ居ルノデアリマスルガ、正直ナ
所私ガ今之ヲ幾ラト云フコトヲ考ヘテ居
ルカト申サレマスルト、マダ決ッテ居ラヌト
申上ゲルヨリ致シ方ナイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=64
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065・山本厚三
○山本委員 成程今ノヤウナ統計デハ、其
工場數ノ割合ヲ御決メニナルコトハ出來ナ
イト思ヒマスルカラ、是ハモウ正確ニ近イ
モノヲ段々御作リニナッテ、御決メニナルト
云フコトデ宜カラウト思ヒマスガ、唯明年
卽チ昭和十二年度ニ、馬鈴薯ニ依ル工場ヲ
御造リニナルノデスカ、ナラヌノデスカ、
只今ノ言葉デスト、五箇工場ノ豫定デアッ
テ、縣ガ五ツノ統計ニ御示シニナッテ居リマ
スカラ、甘藷バカリノヤウニ聞エマスガ、
若シ政府ノ御方針ガ、馬鈴薯ハ來年度ハ間
ニ合ハヌト云フナラバ、間ニ合ハナイ理由
ヲ伺ッテ見タイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=65
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066・荒井誠一郎
○荒井政府委員 馬鈴薯ニ付キマシテ工場
ヲ設ケマスルト、兎モ角モ寒地ニナリマス
ノデ、工場設備等ニ付テモ金ガ餘計掛ルト
思ヒマス、豫算ノ當初ニ於テ、然ラバ餘計
ニ金ヲ見積ッタモノデ計上スルト云フ御話
モアルカト思ヒマスガ、併シ是ハ先程申述
ベマシタ理由ニ依リマシテ、先ヅヤリ易イ
モノカラト云フコトカラ、甘藷ヲ原料トシ
テ、關東地方、九州地方ト云フコトデ計畫
ガ始ッタノデアリマス、之ヲ馬鈴薯ト云フコ
トニ當初ノ計畫ヲ變更シテ作ルコトモ、今
日不可能ナ理由モアルノデアリマス、工場
ノ設備等ニ付テ、モウ少シ〓究ヲ遂ゲテ、
之ヲ設置スルト云フコトニ致シタイト考ヘ
テ居ルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=66
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067・山本厚三
○山本委員 モウ少シ〓究ト仰シヤルガ、
大體ニ於テ何時カラオヤリニナルト云フコ
トモ、マダ〓究ガ積ンデ居ラヌノデアリマ
セウカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=67
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068・荒井誠一郎
○荒井政府委員 來年度ニ於テ早速人ヲ派
シマシテ調査ニ掛リマス、而シテソレガ計
畫ガ出來マスレバ直チニデモ實行致シタ
イ、斯ウ考ヘテ居ル次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=68
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069・山本厚三
○山本委員 先程ノ十二年度カラ著手出來
ナイ理由ト云フノハ、ドウモ能ク分リマセ
ヌガ、寒地デアルカラト云フコトト、乾燥
ガ困難デアルト云フコト、又出來ルト云フ
コトハ確カデアルガ、恐ラク實際ノ工業ト
シテノ〓究ガ積ンデ居ラヌノデアラウト思
ヒマスガ、ソレダケノ理由デアリマセウカ、
モウ一遍伺ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=69
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070・荒井誠一郎
○荒井政府委員 大體ソレダケニ盡キルト
思ヒマス、尙ホ技術上ノコトガアリマスレ
バ中兼ネマスガ、技術上ニ付テハ、實際ノ
工場ヲ造ル上ニ於テ、作業上ニ〓究ノ必要
ガアルト思ヒマスガ、更ニ〓究シナケレバ
ナラヌト云フコトデモナイカト思ッテ居リ
マス、一寸申上ゲマス、尙ホ技術上ノ點ニ
付テハ不完全ナコトガアルカモ知レマセヌ
カラ、技術官カラ申上ゲテモ宜ケレバ申上
ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=70
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071・山本厚三
○山本委員 イヤ宜シウゴザイマス、私ハ
此問題ヲ一寸伺ッテ置キタイコトハ、過日
豫算委員會デアッタカ、分科會デアッタカ、
問答ガアッタヤウデアリマスガ、昨年ノ此
計畫ガ世間ニ御發表ト申スカ、洩レタ時分
ニ、當時北海道長官初メ、非常ニ其馬鈴薯
ヲ除外シテ居ルト云フノデ心配シマシテ、
政府當局ニ隨分ウルサク質問シタ筈デス、
私ハ一遍モ行ッタコトハナイガ、其責任ア
ル報告ヲ聞イテ見マスト、最初ハ馬鈴薯ハ
此工業ニハ不適當ダト云フコトヲ御話ニ
ナッタ、或人ノ如キハ斯ウ云フコトヲ言ハレ
タ、是ハ新聞ニモ出テ居リマスシ、直接本
人カラ聞イタノデスガ、學者、技術家等
ヲ集メテ隨分〓究シタ、今日ノ權威者鈴木
博士ノヤウナ人モ出タト云フコトデアリマ
スガ、斯ウ云フ釀造方面ノ權威者ヲ集メテ
ヤラレタノデ、大藏省ダケノ何デハナイ、
其意見ニ徵スルト云フト、一人トシテ此馬
鈴薯ヲ原料トスルコトニ贊成ヲシタ者ハナ
イト云フコトヲ、ドナタカガ仰シヤッタト
云フコトデ非常ニ心配ヲシテ、ソレカラ北
海道ノ工業試驗場デハ之ヲ〓究シテ居リマ
スカラ、態々電報デ其試驗場長ヲ呼ンダリ、
役人ヲ呼ンダリシテ、北海道廳デ調ベタ所
ガ、ドウモサウ云フ筈ハナイ、價格ハ少シ
高イケレドモ原料ハウントアル、ソンナコ
トハナイト云フ話ニナッテ、大分一時心配シ
タコトガアリマスガ、是ハドウモドナタガ
仰シヤッタカ、言ッタコトハ事實ラシイガ、其
當時ノ吾々ノ判斷デハ、ヤハリ政府ハ初メ
此工業ニ馬鈴薯ヲ用ヒナイト云フ考デアッ
タ、段々喧シクナッテ、調ベテ見レバ、甘藷ダ
ケデハ足リナイカラ、無論將來ハ馬鈴薯モ使
ハナケレバナラヌト云フノデ、十二年ニヤラ
ナケレバナラナイト云フダケデナシニ、實
際工業トシテノ御調ベガナカッタヤウデア
リマスガ、此點ニ付テハ長官ヨリモ寧ロ釀造
試驗場ノ方ガ、一體技術的ト申スカ試驗室
デナクテ、工業的ノ實驗ヲ爲サッテ、馬鈴薯
ヲ「アルコール」ニ使フコトガ、專賣法トシ
テハ不適當デアルカドウカ、斯ウ云フコト
ニ付テ、是ハ一年ヤ半年ノ試驗デハナイト
思ヒマスカラ、大藏省ハ馬鈴薯ニ對シテ一
體ドウ云フ御試驗ガアッタカ、之ヲ一ツ伺ッ
テ置キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=71
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072・荒井誠一郎
○荒井政府委員 一寸私カラ一言申上ゲタ
イガ、是ハ此計畫ノアリマシタ時ニ、調査
局デモ隨分議論シタノデアリマス、其時ニ
馬鈴薯モ十分議論シタ、ソシテ經濟上ノ問
題デアルト云フコトニ歸著致シタノデ、サ
ウ云フコトガアッタト云フコトヲ申上ゲテ
置キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=72
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073・黒野勘六
○黑野專賣局技師 只今專賣局長官カラ御
答ニナッタヤウデアリマスガ、單ニ技術上カ
ラ觀マシテ、馬鈴薯ガ甘藷ヨリ適シナイト
云フヤウナコトハゴザイマセヌ、時々妙ナ
コトヲ言フ人ガアリマシテ、甘藷デハ飴ノ
方ハ行クガ、馬鈴薯デハ飴ノ方ハ行カヌ、
私モ間接デスガ、サウ云フ評判ヲ聞イタコ
トガアリマス、ソコデ早速試驗工場ニ賴ミ
マシテ、馬鈴薯デモヤッテ見タノデスガ、寧
ロ釀造ノ方面カラ行キマスト、廿諸ヨリ馬
鈴薯ノ方ガ大變「アミノ」菌ガ能ク繁殖ス
ルノデアリマス、是ハ政友會控室デ先達ッテ
モ申上ゲタヤウナ譯デアリマスガ、醱酵ノ
工合ハ甘藷ヨリモ宜イノデス、唯技術上ノ
缺點ト申シマスカ、泡ガ餘計ニ立ツ、泡ガ
非常ニ出マスノデ、「タンク」ノ餘裕ヲ十分
ニ見テ置カナケレバナラヌ、是ガ醱酵ノ方
ノ缺點デアルト云フコトヲ御話申上ゲタノ
デアリマス、ソレカラ唯私共カラ考ヘマス
ノハ、ヤハリ技術上ト申シマスガ、單價ヲ
成ベク安ク〓〓-「ガソリン」ト云フ相手
ガアルモノデスカラ、唯「アルコール」ガ
出來レバ宜イヂヤナク、出來レバ「ガソリ
ン」ノ價格ニ近イト云フコトヲ申サレマス
ト、甘藷ト馬鈴薯ノ含ンデ居ル澱粉價ニ比
シテ、馬鈴薯ガ割高ニナルノデアリマス、
例ヘバ甘藷ノ方ハ、御承知ノ通リ澱粉二十
五「パーセント」バカリ含ンデ居リマスノ
ガ、先達テノ御話デアリマスト、一貫目七
錢ト云フ御話ガアリマシタガ、馬鈴薯ノ方
ガ一貫目六錢位シマスノニ、中ニ含ンデ居
ル澱粉量ガ十二三「パーセント」、餘程宜イ
ノデ、十五六「パーセント」位ノ見當デア
リマスカラ、是カラ換算致シマスト、殆ド
數割割高ニナルノデアリマス、一石當リノ
生芋ノ所要量カラ申シマシテモ、廿藷デア
リマスト、三百二三十貫カラ、極ク惡イモ
ノデモ五六十貫マデト思ヒマスガ、馬鈴薯
デアリマスト、五百五十貫內外ト云フコト
ニナリマスカラ、ソレデ價格ノ方デ原料費
ガ非常ニ高ク付クト云フコトヲ一番心配致
シマシタ、ソレカラ第二ノ問題ハ、一年中
生芋デヤレルカト云フコトデアリマシテ、
是ハ外國ノ馬鈴薯地方デハ、一年中夏暑イ
ト云ッテモ、御承知ノ通リ冬服デ通セル所モ
アリマス、日本ノ東北地方、北海道地方ト
申シマスト、中々夏暑イ、雪解ケ後ニ於テハ
直グ芋ガ腐ルト云フコトヲ皆言ハレマス、
デスカラドウシテモ生芋デ一年中ヤルコト
ハ出來ナイ、隨テ一部分ハ乾燥芋ニシナケ
レバナラヌ、乾燥致シマスノハ中々困難デ
アル、北海道ノ私共ノ友人デ、道廳ノ技術
者ニモ私ガ數囘會ヒマシテ聽キマシタガ、
アチラデハマダサウ云フコトハヤッテ見テ
居ラヌカラ、今年一年一ツ馬鈴薯ガ北海道
デ何箇月頃マデ貯藏出來ルカ、何箇月頃マ
デ乾燥スルカ、ソレカラ實際澱粉ノ含量カ
ラドレダケ「アルコール」ガ取レルカト
云フヤウナ工合、收穫量ヲ少シ增スヤウナ
〓究モヤッテ見タイト云フコトヲ申シマシ
タ、收穫量ヲモウ少シ增スコトガ原價ヲ安
クスルコトニナリマスカラ、斯ウ云フコト
モ〓究シヨウト云フヤウナ話デアリマシタ
カラ、ソレデハ極力〓究シテ貰ヒタイシ、
自分等ハドウモコッチデ馬鈴薯ノ栽培等ノ
試驗ガ出來マセヌモノデスカラ、北海道廳
ノ方ニ御願スルヨリ仕方ガナイモノデスカ
ラ御願ヲシテ、サウ云フコトガ十分目當ガ
付キマシタラ僕等モ是非馬鈴薯デヤリタイ
ト思フノダ、其間ニ私達モ馬鈴薯ノ方ハ是
ハドウモ農民ノ方ニヤラセルコトハ出來ナ
イカト私ハ想像シテ居リマス、何故カト言
フト農民ガ甘藷デ作ル場合ニハ唯切ッテ乾
セバ宜イノデアリマスガ、馬鈴薯ノ方ハ切ッ
テ乾ス間ニ汁ガ澤山出テ來マス、其汁ハ二
割位ハ少クトモ澱粉ガ逃ゲテ行キマス、ソ
レデ全部ノ損失ヲ見マスト農民ノ方モ非常
ナ損失ニナリマスシ、サリトテ其汁ヲ運搬
シテ賣ルト云フヤウナコトモ、夏ハスル譯
ニイキマセヌカラ、腐ッテシマヒマスカラ
ドウシテモ是ハ或所ニ集中シテ手切リデハ
ナク機械デ切ル、例ヘバ御承知カモ知レマ
セヌガ、アノ帶廣ニアル製糖會社ノ砂糖大
根ヲ切リマスガ、僅カ數時間デ何万貫ト云
フモノヲ切ッテシマフ、サウ云フ便利ナ機械
モアリマスカラ、早速サウ云フモノモ取寄
セマシテ、サウシテアア云フヤウナ機械ヲ
据付ケテヤッタラ宜カラウト云フノデ、アレ
ハ皆亞米利加カラ來タ機械デアリマスカラ
內地デ造ッテヤラウト云フノデ、見積書ヲ
取ッテ今デモ極力調査ヲ續ケテ居ルノデア
リマス、斯樣ナコトデスカラ御諒承ヲ願ヒ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=73
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074・山本厚三
○山本委員 今ノ御說明ヲ聞イテ、益〓私ガ
最初ニ申シタヤウニ馬鈴薯「アルコール」ト
云フコトニ付テハ、ホンノ最近ノ〓究デ、
別ニ釀造試驗場デ特ニ〓究ヲ爲サッタト云
フコトガナイト云フコトガ分ッタ、例ヘバ今
ノ「シユガー·ビート」ノ原料ノ如キハ御承
知ノ通リノ非常ニ大キナ目方ノモノデア
ル、サウシテ其水分モ殆ド同等カ同等以上
ノモノデセウ、ソレヲ有ユル方面カラ汽車
デ持ッテ來ル、アア云フ大工場ガ四ツニナリ
マスガ、現在デモ二大工場ガアル、吾々机
上デ考ヘテ見テモ其點ニ付テノ心配ハナ
イ、ソレハアナタ方ノ方デ御〓究ニナルト
云フコトハ十分ヤッテ貰ヒタイガ、サウ云フ
コトヲ初メノ間ニ之ヲ考ノ中ニ入レナイデ
置イテ、喧シクナッテ來テ少シ調ベタト云フ
ヤウナ風說ガアル、最近是ハ甘藷デヤルト
云フ御調デスガ、御調ヲ見テモサウナッテ居
ル、所ガ私ハ今一時間足ラズノ御尋デアリ
マスガ、是カラ他ノ諸君ガ御尋ニナルデセ
ウガ、段々問詰メテ行クト、甘藷ノ原料ト
云フコトハ不安ト云フコトニナリマス、是
ハ甘藷ノ澱粉ダケデハドウシテモ出來マセ
又、出來タラ他ノ方ノ產業ニ大シタ影響ヲ
シマスカラ、ドウシテモ他ニ原料ヲ求メナ
ケレバイケナイ、斯ウ云フコトニ付テハ初
メニ御考ニナラナカッタノダラウト思フガ、
今ハサウヂヤナイト仰シヤルカラ結構デ
スガ、ソコデモウ一ツ御尋シタイコトハサ
ウ云フ關係デアレバ何デモナイコトデアル
カラ十二年度ニヤレバ出來タノデスケレド
モ、ドウモ調査不十分、又ハ技術家モコッチ
ニ居ラヌ、色々ナ理由デ今年ハ問題ニナラ
ナカッタ、切羽詰ッタ今カラ東北、北海道ノ
馬鈴薯ヲヤルト云フヤウナコトハ事實上ナ
リ、事務上ニモ不可能デセウ、唯今政府ノ
御答辯ノ中ニ十分認メテ居ルカラ、此夏ニ
北海道ヲ見テ調査〓究ノ上デ決定ヲスルト
云フヤウナ、極メテ賴リナイヤウナ、所謂
今ノ內閣ノ常習的答辯デアル〓究中ト云フ
答辯デアルガ、斯ウ云フ常習的ナ答辯デハ
甚ダ何ダカ物足リナイ、サウ御答辯ニナッテ
御方針ガ決ラヌノハムヅカシイ點ガアルノ
カ、モウソンナムヅカシイ調査ハナイノデ
アリマスカ、モウ一遍御答辯願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=74
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075・荒井誠一郎
○荒井政府委員 十三年度ニ付キマシテハ
總テ十三年度ニ斯ウスルト言フコトハ、私
トシテハ申兼ネルト思ヒマス、增產計畫ヲ
道廳トモ打合セ中デアリマスカラ、ソレニ
依リマシテ是ダケノ材料ガ幾ラ要ル、ドノ
位ノ規模ガ宜イト云フコトガ決リマスレ
バ、豫算ニ要求スルト云フヤウニ致シテ見
タイト思ッテ居リマス、ヤハリ或ル意味ニ於
テ調査〓究中ト御承知ヲ願ヒタイノデアリ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=75
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076・山本厚三
○山本委員 御方針ガサウ云フ御方針デア
レバソレマデデスガ、是カラ一年掛ッテ此夏
中掛ッテ調ベナケレバナラヌト云フムヅカ
シイ調ベヂヤナイト思ヒマス、現在デモ北
海道廳デ非常ニ大キナ設備デヤッテ居ルカ
ラ、一體ドノ位ノ增產ガアル、各府縣ノ方
ニ照會シテモ其資料ガ來ル、幾ラデドノ位
穫レル、北海道廳デモ、東北各縣デモサウ
デスガ、ドレ位ノ芋ノ增產ガ出來テ、幾ラ
マデハ出來ルト云フコトハ、人ヲ派遣シテ
ヤルト云フコトデハナイ、一朝一夕ニ出來
ル、唯技術的ニ氣候ノ關係ガアルト云フノ
デ、ソレハ實際ハ〓究シテ見ナケレバナラ
ヌト、斯ウ思ッタノデスガ、ドウモ原料ニ付
テノ御〓究ガ農林省ノ方面ニ於テモ足リヌ
シ、又大藏省ノ方ニ於テモ之ヲ看過シテ居
ル、斯ンナ現狀デ御答辯ニナッテ居ルト云フ
コトデアリマスカラ、ドウモ此「アルコー
ル」專賣法ト云フモノハ非常ナ缺陷ガアル
ト思フノデアリマス、尙ホソレ等ノ點ニ付
キマシテハ、他ノ諸君カラ何レ御問ニナル
コトト思ヒマスカラ、是以上御伺致シマセ
ヌガ、最後ノ御答辯デハ物足リナイ、ソン
ナコトヲ半年モ掛ッテ調ベナケレバナラヌ
コトヂヤナイ直グ分ルコトデアル、北海道
ヤ、東北ニ行ッテ分ルノデハナイ、現ニ農林
省ハ此處ニ全國ニ亙ッテ御調ニナッテ居ル、
サウ云フコトハ非常ニドウモ大藏省ノ御方
針ガ、冷淡トマデハ申シマセヌガ、調ベガ
行屆イテ居ラヌト思ッテ居リマス、兎ニ角取
敢ヘズ甘藷デヤル、取敢ヘズ法案ト言ハナ
ケレバナラヌ、材料モ取敢ズダシ、根本モ
初ハ馬鈴薯ガ駄目ダト言ッタノニ、段々良ク
ナッテ來タ、良クナッテ來タ所デハナイ、吾々
ノ論法デ言フト馬鈴薯デナケレバナラナイ
ト云フノデアリマスガ、是カラ〓究スルト
何時マデ掛カルカ分ラナイ、勿論來年度ノ
豫算デ、アナタ方ガヤルト云フヤウナコト
ハ言ヘナイシ、又言ッタ所デ信用出來ヌ問
題デアルノデアリマス、大體ノ方針ハモウ
少シハッキリ昭和十九年度マデノ計畫デア
ルカラ凡ソドウ云フコトヲスルカト云フコ
トヲモウ少シハッキリ願ヒタイ、御答辯ヲ强
要スルノデハアリマセヌカラ、私ハ私ノ之
ニ對スル解釋ヲ加ヘテ、他ノ機會ニ御答辯
ガアレバ此委員會中ニモウ一應伺フカモ知
レマセヌガ、ドウカ其邊ハ十分政府委員ニ
於テモ吾々ノ得心ノ行クヤウナ御答辯ヲス
ルヤウニ一ツ御運ビヲ願ヒタイト思ヒマ
ス、デハ私ノ質問ハ一先ヅ打切リマシテ、
只今留保シタ點ニ付テハモウ一遍御尋スル
カモ知レマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=76
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077・荒井誠一郎
○荒井政府委員 馬鈴薯ハ原料トシテ重要
ナモノト云フコトハ常ニ考ヘテ居リマス、
又之ヲ使ッテヤリタイト云フ方針デアリマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=77
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078・信太儀右衞門
○信太委員長代理 ソレデハ山本君ノ質疑
ハ是デ-マダ留保ノ部ハゴザイマスガ、
大體是デ終了シタト思ヒマス、就テハ三善
君ニ御聽キシタイノデスガ、アナタハ此前
留保サレテ居リマスガ、是カラ續ケテヤリ
マスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=78
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079・三善信房
○三善委員 山本君ノ質問ニ關聯シタ質問
ガアルサウデスカラ、東條君ノ方ニ御許シ
ヲ願ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=79
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080・信太儀右衞門
○信太委員長代理 ソレデハ東條君ニ許シ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=80
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081・東條貞
○東條委員 山本君カラ原料問題ニ付テ色
色御聽キニナッタノデアリマスガ、此原料ノ
コトニ關シテ私モ少シ伺ッテ置キタイコト
ガアリマス、將來ノ增產計畫ヲ大體伺ッタノ
デアリマス、所ガ先般御渡シニナリマシタ
資料ヲ見マスルト、甘藷ノ現在生產サレテ
居リマスルモノノ殆ド全部ト言ッテモ宜イ
位澱粉ニ造ラレテ居リマスモノハ僅ニ五%
カ六%デアッテ、アトハ殆ド芋ノ儘デ需要サ
レテ居ル、是ハ主トシテ農家自身或ハ消費
地ニ於キマシテモ細民ノ食糧ニ充テラレテ
居ルト云フヤウナ次第デアリマス、國ガ酒
精ノ製造ヲ始メル、之ニ原料トシテ甘藷ヲ
使フ、斯ウ云フコトニナリマスト、私ガ聞イ
テ居ル所デモ、隨分工場ガ欲シイ爲ニ色々
ト工場設置ノ運動ナドモアルト云フコトヲ
聞及ンデ居リマスガ、生產者ノ方カラ言ヘ
バ、自家用トシテ生產シマスルモノハ別ト
致シマシテモ、ヤハリ農民ハ値段ガ安ケレ
バ作ラヌト云フコトニナル、相當ナ値段デ
ナケレバ作ラヌ、サウ致シマスト增產ト云
フコトハ一面カラ言ヘバ强制的ニ作ラセル
コトハ出來ナイノデアリマスカラシテ、原
料芋ノ價格ヲ相當ナ程度ニ維持スルト云フ
コトガ必要ニナッテ來ルノデアリマス、現在
デモ農民ハ商人ノヤウニ算盤高クハアリマ
セヌカラシテ、思惑的ニ作リマス部分モア
リマセウケレドモ、マアサウ甚シイ生產額
ノ消長ハナイノデアリマシテ、現在ニ於キマ
シテモ大體ニ於テ芋ハドレダケ作ル、麥ハ
ドレダケ作ルト云フヤウナ銘々見當ヲ付ケ
テヤッテ居ルノデアリマス、新シイ土地ヲ開
イテ作付ケヲセシメルト云フコトニナレバ
別デアリマスケレドモ、現在ノ作物カラ轉
換サセルト云フコトハ現在作ッテ居ル物ヨ
リモ芋ヲ作ッタ方ガ幾分デモ有利デアルト
云フ條件ガアッテ初メテ轉換シ得ルモノダ
ト思ヒマス、サウ致シマスト、原料甘藷ノ
作付ケヲ奬勵シマスル爲ニ、結局原料ノ値
段ガ幾分デモ上ッテ來ル、殊ニ新墾地ヲ殖ヤ
スト云フコトガ容易デナシ、又先刻山本君
ノ御話ノヤウニ、急ニ三割モ四割モ增產サ
セヨウト云フコトモ中々不可能ナコトデア
リマス、農事試驗場アタリノ試驗畑デハド
ウダカ知ラヌガ、實際ニ於テハ中々サウハ
行カナイ、サウシマスト結局價格ノ吊上ニ
ナル、價格ノ吊上ニナレバ現在經營サレテ
居リマス澱粉或ハ飴トカ云フヤウナ事業ニ
非常ナ打擊ヲ與ヘル、又價格ガ〓騰ヲスル、
サウシテ其方面デハ國內產業ノ方ガ衰ヘ
テ、輸入品ガ流込ンデ來ルト云フヤウナ結
果ニナリハセヌカト考ヘルノデアリマス
ガ、原料ノ價格ニ付テドウ云フ考ヲ持ッテ居
ルノデアリマセウカ、其點ヲ一ツ伺ッテ置キ
タイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=81
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082・荒井誠一郎
○荒井政府委員 原料ノ價格ヲ決メマスニ
付キマシテハ、只今御話ガアリマシタヤウ
ニ、隨分各方面ノコトヲ考ヘテ決定致サナ
ケレバナラナイノデアリマス、中々苦心ガ
要ルコトト考ヘマス、一方デ高ク吊上ゲルト
云フコトニナリマスレバ、外ノモノニ非常
ニ影響ヲ及ボシマスシ、又生產者側カラ言
ハイソレハ出來ルダケ高クシテ貰ヒタイ
ト云フコトニナルノデアリマス、先ヅ現在
ノ各種ノ原料ニモ影響ヲ及ボサヌヤウニ、
又食糧等ニモ影響ヲ及ボサヌヤウニト云フ
コトヲ考ヘマシテ、將來ノ增產計畫ヲ當テ
ニシテ玆ニ考ヘテ居ルノデアリマス、當初
ハ先ヅ大體豫算ニ於テハ一貫目、七錢ト云
フ豫定ヲ以テ進ンデ居ルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=82
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083・東條貞
○東條委員 私ガ伺ヒマシタノハ、一貫目
七錢トカ八錢トカ六錢トカサウ云フコトデ
ハナイ、ズット原料ノ價格ヲドウ云、フ方策デ
維持シテ行ク、又暴落スレバ作ラナイノデ
アリマスカラ、暴落サセテモイカヌシ、又
暴騰サセテモイカヌ、之ヲドウ云フ方策デ
年々定メテ行ク御方針デアルカト云フコ
トヲ伺ッテ居ルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=83
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084・荒井誠一郎
○荒井政府委員 是ハ他ノ作物、他ノ原料
タル芋ニ影響ヲ及ボサセヌト云フコトハ中
中困難ナコトデアルカモ知レマセヌガ、併
シ此作リマシタモノニ付キマシテハ大體政
府ハ一定ノ價格ヲ以テ買フト云フコトニ致
スノデアリマシテ、翌年度ニ於キマシテ幾
ラノ數量ガ要ル、ソレハ幾ラノ價格ヲ以テ
買フト云フコトヲ前年ニ於キマシテ決メマ
シテ、農會、產業組合等ヲ經マシテ稍〓契約栽
培ト云フヤウナ形ニ致シマシテ、一定ノ數
量ヲ確保スル、假令芋ノ價格ガ下リマシテ
モ、其價格デ賣ッテ貰フ、又芋ノ價格ガ上リ
マシテモ其價格ヲ以テ賣ッテ貰フト云フコ
トニ致シテ、一年間ノモノヲ前年ノ末ニ於
キマシテ纒メテ買フト云フ約束ヲスル、斯
ウ云フコトニ致シタイト思ッテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=84
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085・東條貞
○東條委員 今ノ御話ノヤウナコトハ「ビ
ート·シュガー」ノ原料ヲ作リマス北海道デ
ハヤッテ居ルノデアリマス、幸ヒニアレハ專
門的ニ製糖ニバカリ使ハレルモノデアリマ
スカラ、マア比較的ニ旨ク行ッテ居ルヤウ
デアリマスケレドモ、昨年ノ如キ、「ビー
ト」耕作組合ガ「ビート」ヲ作ラヌト云フ申
合セヲ致シマシテ、非常ニ困ッタリシテ居
ルヤウナ譯デアリマス、年ニ豐凶アリデ、
ヤハリ一定ノ收穫量ヲ豫想シテ或ル反別ノ
契約ヲサレマシテモ、若シ豐作デアレバ餘
ル、凶作デアレバ足リナクナル、假ニ豫想
ダケノ收穫ガナカッタト云フ時ニナリマス
ト.國ノ事業トシテ一工場二万石ナラ二万
石ノ豫想ヲシテ、ソレダケノ設備ヲシテ造ッ
テ居ラレルト云フコトニナリマスト、ド
ウシテモソレニ必要ナダケノ原料ヲ取入レ
ンケレバ製造者ノ責任ガ果セヌト云フコト
ニナル、此場合ニ契約ノ値段ヨリ上ゲナイ
デ原料ヲ得ヨウト努力サレマシテモ、ソレ
ハ全然不可能ナコトダト思ヒマス、ソレデ
値段ヲ上ゲテ必要ナモノヲ取入レルト云フ
コトニナリマスト、他ノ方ニ非常ナ影響ヲ
及ボシマシテ、他ノ芋ヲ原料トシテ使ヒマ
スモノ及ビ多數ノ細民ノ生活マデ影響ヲ及
ボスト云フコトニナッテ參ルノデアリマス、
ソレカラ多少ノ不作ヲ見越シテト云フ意味
デ必要以上ノ反別ニ耕作契約ヲシテ居リマ
スナラバ、多ク出來マシタ場合ニハ、ソレ
ヲ皆取ッテヤレバ宜イノデアリマスガ、取ッ
テヤラナイト云フト農民ハ非常ナ迷惑ヲス
ルト云フコトニナル、是等ノ點ニ付テノ伸
縮ハドウ云フ風ニ爲サル御考デアリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=85
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086・荒井誠一郎
○荒井政府委員 只今東條委員ノ御話ハ洵
ニ御尤デアリマシテ、是ハ「ビート」糖ト
カ、煙草ト云フヤウナ専業ト言ヒマスカ、
其外ニ使ヘナイモノデアリマスレバ、是ハ
大變樂デアリマスガ、芋ノヤウナモノニハ
他ノ用途ガ澤山アリマスノデ、政府ノ購買
價格、或ハ其維持ト云フコト、又其數量ノ
確保ト云フコトハ餘程困難ダト思ヒマス
ガ、併シソレハヤハリ只今申シタ方法ニ依ッ
テ實行スルト云フコトヨリ致シ方ナイト考
ヘマシテ申上ゲタノデアリマス、ソコデ豐
作ノ場合ニハヤハリ是ハ幾ラト決メマシテ
モ、多少ノ豫備ト云フコトモ政府トシテハ
必要デアリマスカラ、或ハ倉庫ノ許ス限リ
ニ於テ豫備ヲ持ツト云フコトニナル適宜ノ
計ヒモ致スモノト思ヒマス、又非常ニ足リ
ナイ、共場合ニ食用ニモ亦影響ヲ及ボスト
云フヤウナコトデアリマスレバ、是ハ不經
濟デハアリマシテモ、政府トシテハヤハリ
作業ヲ少クスル、サウスレバ「アルコール」
ガ足リナクナルヂヤナイト云フコトデアリ
マスガ、是ハ混用率ヲ加減シマスカ、或ハ
混用ニ付キマシテノ豫備ヲ持ッテ居リマシ
テ、ソレデ加減スルト云フ方法ヲ採ルヨリ
外ニ方法ハナイカト考ヘテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=86
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087・東條貞
○東條委員 ソレカラ原料ノコトデモウ少
シ伺ッテ置キタイト思ヒマスガ、一體主トシ
テ甘藷ニ付テノ御〓究ダケガ出來テ居リマ
スルヤウデアリマスルガ、斯ウ云フ燃料國
策、殊ニ非常時ト云フモノヲ眼先ニ見テノ
燃料國策トシテノ計畫デアリマスルカラ、
原料ヲ一ツノモノニ依ルト云フコトハ、萬
一ノ場合ヲ考ヘマシテ非常ニ危險ガ多イト
思ヒマス、ソコデ出來マスルコトナラバ、
原料ノ範圍ヲ廣ク致スト云フコトガ必要ダ
ト思ヒマス、山本委員ノ御尋ニナリマシタ
馬鈴薯ナドモ其一ツデアリマスガ、更ニ玉
蜀黍ト云フコトニ付テノ御〓究ガドウデア
リマセウカ、又釀造技術ノ上カラ芋ヲ原料
トスル工場デハ玉蜀黍ハ使ヘナイト云フコ
トニナルノデアリマセウカ、又ドチラヲモ
使ヘルノデアリマセウカ、ソレカラ若シ同
ジ設備デハイケナイト云フノデアレバ、ヤ
ハリ設備ハ別ニナリマシテモ、斯ウ云フモ
ノモ追々原料ニ使ッテ行クト云フヤウナ御
考カ、詰リ別ナ用式ノ施設ヲスルト云フヤ
ウナ御考ガアルノカナイノカ、其點モ伺ッテ
置キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=87
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088・荒井誠一郎
○荒井政府委員 原料ノ範圍ヲ廣クスルコ
トハ、是ハ吾々トシテモ努メタイト思ヒマ
ス、玉蜀黍ガ使ヘルカドウカト云フコトデ
アリマスガ、是ハ澱粉質モ多イノデアリマ
シテ、適當ノモノト思ヒマス、唯今日價格
ノ問題デ是ガ使ヘナイト云フコトニ考ヘテ
居ルノデアリマス、ソレガ技術上設備ヲ別
ノモノニ致スカドウカト云フコトハ技術者
カラ御答致サセマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=88
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089・黒野勘六
○黑野專賣局技師 玉蜀黍ヲ原料ニ使ヒマ
ス場合ニハ、現在計畫シテ居リマスル芋ヲ
製造スル機械デ、全部同ジデ、何モ別ノ設
備ヲシナイデ製造ガ出來マス、玉蜀黍ダケ
デアリマセヌ、他ノ穀類全部左樣デゴザイ
やく、モウ是ハ燒酎會社ナドデハ既ニ玉蜀
黍ヲ澤山使ッテ居リマスカラ御存ジデゴザ
イマセウガ、芋ヨリモ玉蜀黍ガ遙ニ製造シ
易ウゴザイマシテ、取得率モ澱粉ニ比例シ
テ玉蜀黍ノ方ガ宜シウゴザイマス、唯今長
官カラ申サレマシタヤウニ、價格ノ點デ此
處ニ計上シテナイノデアリマシテ、設備ハ
ドノ原料ヲ持ッテ來テモヤレルヤウニ極力
準備シテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=89
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090・東條貞
○東條委員 價格ノ點デ、甘藷、馬鈴薯、
玉蜀黍デ大變利不利ガアルト云フ御話デア
リマス、專賣局トカ、或ハ此計畫ヲサレマ
シタ中央ノ方デノ御調ハマダ馬鈴薯ナンカ
ニ付テハ一向出來テ居ナイヤウデアリマス
ルガ、北海道ノヤハリ國ノ機關デ調ベマシ
タ所ニ依リマスルト、馬鈴薯ナンカノ調ハ
非常ニ詳シク出來テ居リマス、ヤハリ種類
別ニ、サウシテ品種別ニ澱粉ガドレダケ取
レルト云フコトガ非常ニ詳シク出テ居リマ
ス、此表ヲ拜見シマスト云フト馬鈴薯ガ一
七%半ニナッテ居ルヤウデアリマスガ、ヤハ
リ種類ニ依リマシテ、例ヘバ神谷薯一號ト
云フノハ二〇%モ含マレテ居ルト云フヤウ
ナ調モ出テ居リマス、殊ニ玉蜀黍デアリマ
スルガ、玉蜀黍ノ澱粉ハ御承知ノ通リ馬鈴
薯、甘藷ナドノ澱粉ト市場デ角逐ヲ致シテ
居リマシテ、動トモスルト云フト、甘藷、
馬鈴薯ノ澱粉ガ押負ケルヤウナ狀態デアリ
やび、澱粉ニ關シマシテハ權威者ノ岩瀨君
ガ居ラレマスカラ、私カラ餘リ申上ゲマセ
ヌガ、此點カラ見マシテモ行キ方ニ依ッタ
ナラバ必シモ價格ノ點ニ於テ絕對ニ不可能
ナリトハ言ヘヌノヂヤナイカト考ヘルノデ
アリマス、ソレカラ玉蜀黍ハ無論寒地ノ植
物デアリマシテ、是モ〓究ヲ永年ヤッテ居
ル人ノ話ヲ聞キマスルト、海拔二千尺以上
ト云フヤウナ所ニ作リマスト、全然肥料ヲ
施サナクッテ相當ノ收穫ガ得ラレルト云フ
ノデ、原產地及ビ亞米利加其他ノ方ノコト
ヲ能ク調査ヲシテ-主トシテ「コーン·フ
ラワー」ヲ目標トシテ居ルヤウデアリマス
ガ、內地ノ耕地ノ未開墾ノ草原地ナドヲ開
墾シテ、此玉蜀黍ヲ作ラウト云フ〓究ナド
ヲシテ居ル、大分話ガ進ンデ、近クサウ云
フ會社ガ出來ルトカ、出來タトカ云フ話ヲ
聞イテ居リマス、原料ト云フ問題カラ言へ
バ、斯ウ云フ方面モ御〓究ニナルコトガ必
要ダラウト思フノデアリマス、燃料國策ト
云フ上カラト、一面ニハ農村對策ト云フ二
ツノ方面カラノ御計畫ノヤウニ思ヒマス、
サウシテ此原料ハ殆ド農民ガ供給スルモノ
デアル、ヤハリ農村對策ト云フ點カラ農家
ノ作物ノ配合ノ上カラ御考下スッテ、東北、
北海道ノ如キ寒地デ、ドチラカト申シマス
ルト、穀類ヲ穫ルノニ非常ニ困難ナ-例
ヘバ玉蜀黍ノヤウナ特ニ寒帶ニ適シタ穀物
ハ別デアリマスガ、普通ノ穀物ノ穫レナイ、
根菜デナケレバ穫レナイト云フヤウナ方面
ノ農村ニ對シマシテハ、ヤハリ根菜類ヲ奬
勵スル、サウシテソレニ依ッテ農業ノ經營
ヲ立タシテ行クト云フコトガ必要ナノデア
リマシテ、北海道ニ「ビート·シュガー」ノ
工場ヲ計畫セラレタト云フノモヤハリ此主
旨カラデアリマス、馬鈴薯ヲ原料トセラレ
マスルコトハ此計畫ヲ立テラレマスル半面
ノ目的デアリ、農村對策ト云フ上カラ大イ
ニ御考ヲ願ハナケレバナラヌコトト思ッテ
居リマス、ソレカラ又增產計畫ト云フ上カ
ラ行キマシテ、種子ノ改良、ソレカラ耕作
法ノ改善、反當收量ヲ殖ヤスト云フ見地カ
ラ致シマシテモ、亦反別ヲ擴張スルト云フ
上カラ致シマシテモ、詰リ轉換ト云フ上ト、
新墾ト云フ上カラト、ドチラカラ見マシテ
モ非常ニ裕リノ多イノハ東北、北海道方面
ダラウト考ヘマス、斯ウ云フ方面ニ付テ特
ニ御〓究ヲ希望スル次第デアリマス、ソレ
カラ今一ツ原料ニ關シマシテ伺ッテ置キタ
イコトハ、本日頂戴シマシタ資料ヲ拜見致
シマスルト、先般三善委員カラ御質問ガアッ
タコトニ付テ氣付キマシテ資料ノ御提出ヲ
願ッタノデアリマスガ、內地デ從來生產サレ
テ居リマスル數量ハ非常ニ少クテ殆ド臺灣
カラ來ル狀態ニナッテ居リマス、十二年度ニ
於テ臺灣カラ四万石ダケ無水ノ方へ御使ヒ
ニナルト云フコトデアリマスガ、而モ臺灣
ニ於ケル原料、詰リ糖蜜ト云フモノガ砂糖
ノ製造ト比例スル關係上、是カラ四万石ト
云フモノヲ取ラレルト云フコトニナレバソ
レダケヲ補充スルコトハ困難デアルト云フ
コトニナルダラウト思フノデアリマスルガ、
此不足ヲドウシテ補ハレル御考デアリマセ
ウカ、一寸私共考ヘマスルト、此表ニアリ
マスルヤウナ狀態ノ所ヘ四万石ヲ臺灣デ取
リ.二万石ヲ內地デ取ルト云フコトニナリ
マスルト、工業用其他ノ酒精ト云フモノハ
非常ナ缺乏ヲ來ス結果ニナルノニ考ヘテ是
ノ補充、殊ニ原料ト云フモノニ付テハドウ
云フコトヲ御考ニナッテ居ルカ、ソレヲ伺ッ
テ置キタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=90
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091・荒井誠一郎
○荒井政府委員 玉蜀黍ニ付テハ十分調査
致シマス、成案ヲ得マスレバ使用シタイト
思ヒマス、混用法ノ實施ニ伴ヒマシテ、內
地ノ酒精ノ生產力ト云フコトカラ臺灣ノ問
題モ起ッタノデアリマスガ、是ハ三善委員カ
ラノ御尋モアリマシテ、全體ニ付テ一應私
ノ昨日ノ說明ハ非常ニ不完全デアッタト思
ヒマスカラ御說明申シタ方ガ宜シイカト思
ヒマス、尙ホ臺灣當局ニモ御要求ガアッタノ
デアリマスガ、只今殖產關係ノ方ガコッチヘ
來テ居リマセヌ、財務當局デハ其關係ガ說
明出來ナイト云フコトデアリマス、當事者
ガ此委員會ガ開カレテ居リマス中ニ參ルト
思ヒマスカラ其時ニ十分ナ說明ヲ致シタ
イト思ッテ居リマス、揮發油及ビ「アルコー
ル」混用法ト此專賣事業トノ關係デアリマ
スガ、揮發油及ビ「アルコール」混用法ガ
昭和十三年ノ四月一日カラ實行サレルト
云フコトハ度々申シテ居ルノデアリマス、
而シテ混用ハ此處ニ揮發油及ビ「アルコー
ル」混用法ノ附則ノ第二項ト云フノガアリ
マシテ、幾分施行ノ時期ニ猶豫期間ヲ置イ
テ居リマス、ソコデ其猶豫期間トシテ約二
箇月アルノデアリマスガ、併シ之ヲ混用ヲ
始メマスニハ賣渡シヲ前ニ致サナケレバナ
リマセヌノデ、酒精ノ賣渡シヲ致シマスル
ノガ、大體昭和十三年五月ノ中旬頃トナル
ト思ヒマス、ソコデ昭和十三年度デ要リマ
ス酒精ガ約十六万五千石ト云フコトニナリ
マス、之ニ對スル供給豫定ノ高ガ政府工場
分ガ十二年度ガ二万石、ソレカラ十三年度
ガ十二万石、計十四万石デアリマス、其他
ノ委託製造分、是ガ民間製造工場ノ能力カ
ラ見マシテ、之ヲ四万石ト豫定致シテ居リ
マス、此點ガ昨日ノ說明ト幾分違ッテ居リマ
スガ、詰リ十二年度デ旣ニ二万石ノ委託製
造ヲヤル積リデアリマシテ、十三年度ニ於
テ更ニ昨日申上ゲマシタガ新シイ二万石、
計四万石詰リ十八万石ノ內地製造ガアルト
斯ウ見テ居リマス、尙ホ樺太ニ於キマシテ
「パルプ」ノ廢液カラ造ル計畫ガアリマス、
是ハ僅カデアリマスガモウ機械モ註文ヲ致
シマシテ、十三年四月カラ製品ガ出ルト云
フコトヲ會社ガ申シテ居リマス、是ガ三千
四百石デスカコッチニ持ッテ來タイト云フコ
トデアリマス
ソレカラ臺灣ニハ只今糖業聯合會ト話合
中デアリマスガ、二万石乃至四万石ト云フ
モノヲ交渉致シテ居ルノデアリマス、是ガ
糖蜜トノ關係ガドウナルカト云フコトデア
リマスガ、是ハ私ガ申シマシテ又間違ガア
ルトイケマセヌノデ、臺灣ノ當局者ガ多分
明朝早ク、前カラ參ル豫定ノ者ガ著ク筈デ
アリマシテ、ソレガ參リマシテ御說明ヲ申
上ゲルコトガ宜シイカト思ヒマス、吾々ノ
希望トシテハ是ハヤハリ十三年ノ中頃迄ニ
ハ貰ヒタイト云フコトヲ考ヘテ居ルノデア
リマス、相當ノ餘裕ヲ以テ此計畫ヲ始メマ
セヌト或ハ只今申上ゲタ數字ノ中ニモ入狂
ヒガ生ズルト思ヒマスカラ、出來ルダケ廣
ク手ヲ擴ゲテ準備ハ致シタイト考ヘテ居ル
次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=91
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092・東條貞
○東條委員 三善君ノ留保サレタ質問ガ繼
續サレル筈デアリマスカラ私ハイイ加減デ
止メタイト思ヒマスガ、一體此原料ノ生產
地トシテ最モ著目ヲシテ居ラレ、ソレカラ
本日ノ御答ノ中ニモ農林當局カラ是等ノ縣
ニ付テ主トシテ調ベタト云フ御話ヲ承ッテ
居リマスル地方、此地方ハ成程非常ニ多量
ヲ產シテ居リマスルガ、ソレハ唯現在多ク
生產サレテ居ッテ其處ガ主產地デアルカラ
大ニ增產ノ餘地ガアルト云フ風ニバカリ考
ヘラレルコトハ間違ッタ考ヘ方デハナイカ
ト思フノデアリマス、現在多量ニ生產サレ
テ居リマスルコトハ、地味ニ適スル、或ハ耕
作ニ慣レテ居ルト云フヤウナ點モアリマセ
ウシ、同時ニ又ソレダケノ需要ガアリマス
ル爲ニソレダケノ生產ガサレテ居ルノデア
リマス、是ハマア利害關係ガ違フカラト言
ハレレバソレダケカモ知レマセヌケレド
千、現在甘藷ヲ原料トシテ使用致シテ居リ
マスル方面ノ者カラ言ヘバ、此地方ニ酒精
工場ヲ設置サレルト云フコトハ、其從來自
分等ノ使ッテ居ル原料ヲ奪取サレル、工場ノ
設備ガ一工場二万石トシテ、ソレダケノ設
備ガ豫定ノ通リ無論出來ルノデアルガ、中
中其增產ト云フモノハソンナニ机ノ上デ計
畫シタヤウニ出來ルモノデナイ、隨テ必然
的ニ其方へ奪ハレテシマフ、其縣バカリデ、
奪ハレテモ外カラ補給ノ途ガアルヂヤナイ
カト御考ニナルカモ知レヌガ、外カラ補給
スルト云フコトニナレバ、品物ノ性質上相
當多額ノ運賃ガ掛ル、サウスレバ現在ソレ
ヲ利用致シテ居リマス所ノ者ガ非常ナル打
擊ヲ被ルト云フコトニナル、隨テ當局ノ方
デハ此處ラガ主產地ダカラ此處ヘ工場ヲ設
ケタイト考ヘテオヰデニナル其場所ニ對シ
テ、一方カラハ工場ヲ設ケマシテハ困ルト
云フ叫ビガ起ッテ居ルノデアリマス、斯ウ
云フ點カラ考ヘマシテモ、成程机ノ上デ議
論致シマス場合ニハ如何樣ニモ出來マスケ
レドモ、一體農業ニ從事シテ居リマスル者
ハ其生活ノ上ニ於テ利ノアル所ヲ見テ轉々
ト動イテ行クト云フコトガ非常ニ不得手デ
アル、ソコガ農業ノ堅實ノ所デモアリシマ
スケレドモ、一面カラ言ヘバソコガ又農民生
活ノ改善ガ中々思ッタヤウニ行カナイ原因
ニモナリマセウガ、兎モ角モサウ轉換ヲサ
セルトカ仰シヤレバ、增產計畫ヲ立テルト
カ言ヒマシテモ、從來ノ實績カラ見マシテ、
中々サウ參ラヌノデアリマス、「ビート」糖
ノ工場ニ付テモ北海道ニ十工場造ルト云フ
計畫デ最初出發セラレタモノガ、是ハ他ノ
製糖業者トノ關係モアリマセウケレドモ、
僅ニ一工場ニ對シテ四五千町步ノ耕作面積
ガアレバ宜シイノヲ、之ヲ殖ヤシテ四工場
ニスルト云フコトニ付テハ、隨分長イ間ノ
苦心ニ依ッテ指導奬勵シテ來タノデアリマ
ス、サウシテ今日ニナッテ四箇工場ニナル
ト云フ時ニナッテ耕作者ノ方カラ作ラヌト
云フコトヲ言出スト云フヤウナコトガアリ
マシテ、中々サウ手輕ニ面積ヲ擴張シ、ソ
レカラ反當ヲ殖ヤシ、サウシテズン〓〓伸
バシテ行クト云フヤウナコトハ容易ニ出來
ナイモノト思フノデアリマスガ、之ニ對シ
マシテノ當局ノ考ヘ方ガ、ドウモ急ニ斯ウ
云フコトヲヤラウト云フ思附デヤリ掛ケタ
ノダカラ、何トカ數字ノ纒リヲ附ケナケレ
バイカヌト云フヤウナ行キ方ノヤウニ私共
ドウシテモ考ヘラレル、ソレデ今原料ノ生
產地ト云フモノガ、之ニドレダケノ-主
產地デアルダケニ果シテ其處ニ十分ナル增
產ノ餘地ガアルカナイカト云フコトニ付キ
マシテハ、私共非常ニ疑問ヲ持ツノデアリ
マス、寧ロ是ガ主產地ヲ當込ミニスル譯デ
ナクテ、最初ノ內ハ多少運賃ガ掛ッテモ、廣
イ範圍カラ集メルノデアルト云フコトデア
リマスルナラバ、ソコニ又多少實行ノ餘地
ガアリサウニ思ハレル點モアリマスケレド
モ、主產地ナルモノヲ主トシテ當テニシテ
オヤリニナルト云フコトハ、非常ナル危險
ガ伴フノデハナイカト考ヘルノデアリマシ
テ、此點ニ付テノ御考ヲ伺ッテ置キタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=92
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093・荒井誠一郎
○荒井政府委員 只今御述ノ通リ、此仕事
ハ中々困難ナル仕事デアリマシテ、吾々ト
致シマシテモ決シテ容易ナ仕事デアルトハ
考ヘテ居ラナイノデアリマス、殊ニ當初ニ
於キマシテ慣レヌ仕事、新規ノ仕事デアリ
マスカラ、十分ニ注意ヲ致シタイト思フノ
デアリマス、尙ホ其土地ニ於ケル產業ノ關
係モアリマスノデ、思掛ケヌ困難モ起ルカ
ト思フノデアリマス、增產計畫ニ付キマシ
テモ、農林當局カラ御話ガアリマシタガ、
吾々ト致シマシテハ少シ廣イ範圍ニ於テ十
分ナル餘裕ヲ以チマシテ計畫ヲ立テヽ戴キ
タイ、斯ウ考ヘテ居ルノデアリマス、其積
リヲ以テ打合セヲ致シテ居ルノデアリマ
ス.只今ノ御注意ノ點ハ有難ク拜承致シマ
シテ、尙ホ能ク注意致シタイ、斯ウ考ヘテ
居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=93
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094・信太儀右衞門
○信太委員長代理 東條君、宜シイデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=94
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095・東條貞
○東條委員 私ノハ外ニ澤山アリマスケレ
ドモ、今ノ山本君ノ質問ニ關聯シテ原料ノ
コトヲ伺ッタノデアリマス、三善君ガ保留サ
レテ居リマスカラ、ドウカ其後デ······発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=95
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096・信太儀右衞門
○信太委員長代理 政府委員ニ御聞キシタ
イノデアリマス、臺灣方面ノ說明ヲスル政
府委員トシテ此席ヘ來ル日ハ幾日位ノ御豫
定デアリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=96
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097・荒井誠一郎
○荒井政府委員 明朝此方ヘ着ク豫定ニ
ナッテ居リマス、若シ明朝着キマスレバ明日
ノ午前デモ說明ニ參リ得ルカト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=97
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098・信太儀右衞門
○信太委員長代理 尙ホ委員長トシテ政府
委員ノ方へ警告ヲシテ置キタイト思ヒマス
ガ、今マデノ委員諸君カラノ質疑ニ對シマ
スル政府ノ材料ノ非常ニ杜撰ヲ極メテ居ル
ト云フコトガ非難攻擊ノ的ニナッテ居ルヤ
ウニ思ヒマス、次會ニ於キマシテハ、能ク
色々ノ材料ナリ、或ハ說明ノ資料ナリヲ澤
山御蒐集下サイマシテ、委員諸君ノ意ヲ充
タスダケノ用意ト準備トヲ切ニ御願致シテ
置キマス、吾々ハ此今ノ問題ガ解決スルコ
トガ國家ノ爲メトナレバ銳意夜分デモ會議
ヲ續ケテ行キタイト思ヒマスルガ、何セ政
府當局ニ其氣魄ガナク、單ニ一片ノ材料ヲ
以テ此議事ヲ遂行シヨウト云フコトハ、委
員トシテ洵ニ遺憾ヲ表スル次第デアリマス
カラシテ、政府ニ於キマシテハドウゾ此點
ヲ諒解サレマシテ、十分是ガ對策ヲ講ゼラ
レンコトヲ私カラ希望シテ置キマス、引續
キ三善君ニ發言ヲ許シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=98
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099・三善信房
○三善委員 只今東條君ノ質問ニ對シテ御
答ニナリマシタ酒精ノ無水「アルコール」
ノ十三年度ニ於テ、政府ノ實施サレルノニ
果シテ支障ガナイカト云フヤウナ質問ニ對
シテノ御答辯ハ、私ガ前以テ御話シ又政府ノ
御意見ヲ伺ヒマシタノト關聯致シマシテノ
御答ダト思ヒマスガ、一應尙ホ私カラ伺ッテ
置キタイト思ヒマス、私ニ對スル答辯ノ場
合ニハ臺灣カラ四百万石取ル、內地デ二万
石取ル、ソレデ支障ハナカラウ、斯ウ云フ御
意見デアリマシテ、私ハ臺灣カラ四万石取
ルナラバ工業用ノ原料ニ不足ヲ生ジハシナ
イカ、工業界ニ非常ナ迷惑ヲ及ボシハシナ
イカ、斯ウ云フコトヲ懸念シテ、臺灣カラ
四万石御取リニナルコトハソレハ實際ニ於
テ移入ハ出來テモ、直ニ工業界ニ迷惑ヲ及
ボス、斯ウ云フコトヲ申上ゲマシタガ、只
今二万石乃至四万石ト斯ウ御答ニナリマシ
タノデ、二万石トスレバソコニ一一万石ノ開
キガアリマスカラ、幾ラカ緩和サレルト思
ヒマスガ、何シロ之ニ對シテハ政府ノ方デ
十分ノ御調ガナイヤウデス、私ノ質問ニ對
シテモ時々變ヘテ行カレルシ、果シテ十三
年度ニ之ヲ混用デハ政府ノ無水「アルコー
ル」ダケハ準備ガ出來タト假ニ致シマシテ
モ、一般工業者ニ對シテハ非常ニ迷惑ヲ來
シハシナイカト云フ其懸念ハ今尙ホ晴レマ
セヌ、如何ニモ政府ハ計數的ノコトヲ御準
備ニナルダケノコトダト思ヒマス、之ヲ私
ハ心配シテ居ル寧ロ虛心坦懷ニ一ツザック
バランニ御話下サッテ、本當ニ私共ノ杞憂ヲ
一掃スルヤウニシテ戴キタイト思ヒマス、
先ヅ今御話ノ十三年度ニハ五月カラ始メル
ト、十六万五千石アッタラ宜シイ、其中政府
ハ二万石造ル、十三年度ニハ十二万石造ル、
斯ウ言ハレマシタガ、私ハ十二年二万石デ
モ原料ノ爲ニ容易ナコトデナイト申上ゲテ
置キマシタ、所ガチヤント二万石ニ相當ス
ルヤウナ增產ガ玆ニ數字ノ上ニハ出テ居リ
マスケレドモ、恐ラクサウ云フコトハ容易
ナコトデハナイト思ヒマス、唯政府ハ數字
ノ上ニ御竝ベニナッテモ實際ノ上ト一致シ
ナイ、斯ウ思フノデス、私ハ原料問題デモ
一昨日申シマシタヤウニ、原料ト云フモノ
ハ今直チニ良イノガ出來テ來ルモノデハナ
イ、ヤハリ三月下旬ニ苗ヲ植ヱナケレバナ
ラヌ、其時分ニ用意セネバナラヌ、議會ガ
三月一パイ掛ルト致シマスレバ、苗ヲ植ヱ
ル時期ヲ失シテシマフ、サウスルト增產ト
云フコトガ行ハレヌデハナイカト云フコト
ハ申上ゲテ置キマシタガ、議會ガ濟メバ縣
ノ主任官ヲ集メテ協議ヲスル、ソンナコト
ハ間ニ合ヒマセヌト私申上ゲテ置キマシ
タ、今日八千八百石ノ增產、是ハドウ云フ
方法デヤルノカ諒解ニ苦シムノデアリマ
ス、コンナ數字ヲ御出シニナッテモ、實際出
來ナイモノハ出來ヌト仰シヤッテ下サラナ
イト數字ニ迷ッテシマフ、斯ウ云フコトヲ此
場合御伺致シテ置キマス、十二万石ヲ十三
年度ニ造ルト言フガ、何工場デ御造リニナ
ルノデアリマスカ、ソレヲ御伺シタイト思
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=99
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100・荒井誠一郎
○荒井政府委員 十三年度デ十二万石デア
リマスガ、五工場デ二万石宛デ十万石デア
リマス、其外ニ十三年度ニ於キマシテ出來
マスル工場ノ分ヲ二万石ト見テ居ルノデア
リマス、是ハ十二年度デ二万石ヲ見込ミマ
シタノト同ジコトニ考ヘテ居ルノデアリマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=100
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101・間部彰
○間部農林技師 一昨日デアリマシタカ三
善委員カラ御尋ノ新規栽培ノ增加ニハ先ヅ
種芋ト云フモノヲ考慮シナケレバナラヌ、
サウシテソレハ種ハモウ苗床ニ移サナケレ
バナラヌ時デアルノニ是カラ先ノ準備デハ
間ニ合ハヌノデハナイカト云フ御質問デア
リマスガ、是ハ丁度御出席ガナカッタ時ニ
說明致シタノデアリマスガ、昨年來甘藷ノ
主要生產縣ニ於キマシテハ、大體甘藷ノ增
產氣構ヘデ種芋ハ相當皆餘裕ヲ以テ貯藏シ
テ居ルノデアリマシテ、是ハ唯私ガサウ申
シタダケデハ、何ニ基イテサウ言フカト仰
シヤイマスガ、私共ハ地方ノ其方ノ主務者
ニ能ク調査ヲサセテ、サウシテ大丈夫サウ
云フ準備ガアルノダト云フ報告ヲ受ケマス
レバ先ヅ之ヲ信用シナケレバナラヌ、殊一
種芋ノ問題ニ付キマシテハ近府縣ノモノハ
最近ニ縣ノ者ヲ寄セテ聽イタノデアリマス
ガ、其縣ノ者ハ、町村ノ實際ノ事情ノ分ッテ
居ル技術員ナドト云フヤウナ者カラ事情ヲ
十分ニ調ベテ私等ノ方へ報告シテ來タノデ
アリマス、九州地方ニ付キマシテハ、最近
人ヲ派シマシテ各縣ノ事情ヲ調べ、其者ノ
報告ニ依ッテ左樣ニ考ヘテ居ルノデアリマ
ス、大體ソレデアリマスカラ、先刻申上ゲ
タ新規栽培擴張地ニ對スル種芋ノ準備ハア
ルモノト考ヘテ居リマス、併シ此種芋ハ數
量的ニ種芋ノ準備ハアルト申シタ方ガ宜イ
ト思ヒマスガ、成ダケ其種ヲ經濟的ニ無駄
ノナイヤウニ利用スルト云フコトニ付テ
ハ、是カラ隨分指導モ致サネバナリマセヌ
シ、ソレカラ或ル地方ニ比較的苗ガ多クテ
餘ルガ、或ル地方ニハ不足スルト云フコト
ガアリマス、全體トシテハ足リテ居リマシ
テモ、內容的ニハ餘ル所ガアリ、足ラヌ所
ガアリマスカラ、ソコ等ノ間ノ配給ト云フ
コトニ付キマシテモ、是カラ先愈〓是ガ決リ
マスレバ、十分斡旋モシ、指導モシナケレ
バナラヌカト思ッテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=101
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102・三善信房
○三善委員 ソレハ今ノ御答辯デハ私ハ滿
足シマセヌ、ソンナコトデ、地方ノ技術官
ガサウ云フコトヲ言フカラソレヲ信ジテ居
ルト言ハレマスケレドモ、一體增產ト云フ
モノハ既成栽培地ニ於テ增產スル場合ニハ
品種ヲ改良シナケレバナラヌ、品種改良ヲ
シテ初メテ增產ト云フコトガ出來ル譯デア
リマス、今マデノ品種デハ增產ハ出來マセ
又、ドンナニサレテモ、今マデ何十年カ何
百年カズット經過シテ、一反當リ三百貫位ノ
程度ニナッテ居ル、品種ノ改良ト云フガ、品
種ガナイ、アナタハ芋ガアルト言フガ、各縣
ニヤラレルダケノ品種ガナイ、品種ト云フ
ノハ百三號カ百十號デセウ、此品種ガ全國
的ニ普及シテ居ナイ、ホンノ一部分シカ百
三號ヤ百十號ト云フモノハナイ、品種ガナ
イノニアナタノ方デ普及スルト言ッテモ普
及サレナイ、ソレデ私ハサウ云フコトハ容
易デナイト思フ、數字ダケハ此處ニアリマ
スカラ一通リ見マシタガ、是レ以上申上ゲ
マシテモ意見ノ相違ニナリマスカラ申上ゲ
マセヌ、ソレカラモウ一ツ無水「アルコー
ル」ヲ十三年度ニ十二万石ヲドウシテ造ラ
レルカト言ッタノニ、十三年度デ新タナ工場
デ二万石、其他ノ工場デ十万石造ル、斯ウ
云フコトデアリマスガ、其他ノ工場デ十万
石ト云フモノガ一體ドウシテ出來マスカ、
今甘諸ヲ植ヱマスト是ハ十二年度ニ二万石
作ル所ノ原料ガ出テ來ルノデアリマスガ、
十三年度ニ之ヲ栽培スルト十三年十一月デ
ナイト甘藷ハ出來ナイ、十三年十一月カラ
三月マデ僅ニ五箇月、一工場ニ何石宛御造
リニナル御積リカ、一工場ノ生產力ハ二万
石デス、二万石ニ對シテ一箇月ニシマスト
千六百五十石ト云フコトニナル、之ヲ五箇
月デ致シマスト約四万石、舊工場デハ四万
石、新工場デ二万石、結局六万石シカ出來
ナイ、私ハアナタノ計算ガ何處カラ出テ來
タノカ諒解ニ苦シム、十三年一月一日カラ
ズット御ヤリニナレバ宜イカモ知レマセヌ
ガ、原料ハ丁度十二年度ニ於テハ二万石ノ
原料ガ出來テ居ルカラ、十三年度ニハ餘分
ニアリマセヌ、强ヒテヤレバ一般燒酎業者
及ビ澱粉製造業者、及ビ今マデノ原料ヲ使ッ
テ居ッタモノニ支障ヲ來ス、或ハ〓糧ニ非常
ニ支障ヲ來スト云フコトニナル、政府ガ屢〓
甘藷以外ノ原料ノ生產ニ依ッテヤラレルト
言ハレテ居リマスガ、然ラバ、ドウシテモ
原料ガナイ、ドウ云フ風ニ御計算ニナッテ居
リマスカ、御計算ノ基礎ヲ伺ヒタイト思ヒ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=102
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103・荒井誠一郎
○荒井政府委員 此席ニ御見エニナラヌ時
ニ農林當局カラモ說明ガアッタノデアリマ
スガ、二万石ノ前年分.ソレカラ十万石ノ
七箇月分ト云フモノハ此秋カラノ出來マス
甘藷ノ中デ補充シタイ、斯ウ考ヘテ居ルノ
デアリマス、其殘リノ分ハ來年ノ甘藷、斯
ウ云フコトニ考ヘテ居ルノデアリマス、御
話ハ二万石ノ分ダケヲ只今カラ苗ヲ植ヱマ
ス部分デ得ルト云フコトデアリマスガ、サ
ウハ考ヘテ居ラナイノデアリマス、困難ト
言ハレマス二万石以上ニ、尙ホ十万石ノ七
箇月分ト云フモノニ對スル-約九万石ニ
對スル分ハ是非今日直チニ準備ヲスル、斯
ウ考ヘテ居ルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=103
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104・間部彰
○間部農林技師 種芋ノ品種ノ問題ニ付テ
御話ガアリマシタガ、私共モ將來薩摩芋ト
言ハズ馬鈴薯ト言ハズ、反當收量ノ增加ヲ
圖ル爲メノ一番效果ノアル方法トシテハ、
今ノ品種ノ改良ダト思ッテ居リマス、ガ現在
ニ於テ多數ノ品種ノ中ニ比較的良イ物ガア
ルノデ、ソレヲ選ンデ普及スルト云フコト
デナケレバナラヌノデアリマス、先刻私ノ
申上ゲタ苗ノ準備ガアルト云フノハ、現在
ノ品種ノ中デ出來ル限リ良イ物ヲソレ〓〓
準備シテ居ル譯デアリマス、縣ニ依リマス
ト、例ヘバ千葉縣ノ例ヲ以テ言ヒマスト、
立四十日ト云ウテ澱粉用ノ芋トシテ廣ク作
ラレテ居ル品種ガアリマスガ、是ノ如キハ
昨年ハ作ガ惡カッタト云フヤウナ關係デ、準
備ガ十分デナイ、併シ鹿兒島ト云フ品種ガ
是又一ツノ特長ノアル品種デアル、是デ十
二年度ノモノハ立四十日ノ不作ヲ補フト云
フヤウナ工合ニ、今アル品種ノ中デ一番良イ
物ガ十分アレバソレノノミニ依リマスガ、サ
ウ行カナイ時ハ次善ノモノト申シマスカ、
他ノ最モ良イ物ヲ選ンデ準備シテ置ク譯デ
アリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=104
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105・三善信房
○三善委員 私ハ大體原料ノ不足ト云フ所
カラ出發シテ增產ノ石數ハ出ナイト云フコ
トヲ申上ゲタノデ、只今ノヤウニ在來ノ品
種ノ中デ良イ品種ヲ使ヘバ宜シイ、斯ウ言
ハレレバ、結局ハ原料ニハ不足ハナイ、斯
ウ云フコトニナリマスケレドモ、原料ニ付
テ申スト、一割五分カラ三割ト云フヤウナ
增產ナンカ出來ヤシマセヌ、總テノ栽培地
ニ向ッテ三割ノ增產ナンカ考ヘラレルモノ
デスカ、ソレニハ其間ニ十割モ或ハ五割モ
六割モ增產スルモノガナイト、全縣下ニ向ッ
テ三割ノ增產ナンカ出來ハシナイノデス、
ソレハ夢ミタヤウナモノデス、机ノ上デハ
十割デモ二十割デモ出來マセウ、實際ハ出
來マセヌ、實際出來ヌコトハ明カデアル、
唯數字ヲ御合セニナッテハイカヌ、本當ニ信
念ヲ以テオヤリニナラナケレバ、唯數字ヲ
御合セニナッテ、是デ間ニ合ヒマスト言ハレ
テモ、其場合ニナッテ非常ナ迷惑ヲ來シマ
ス、私共ガ原料問題ヲ諄々シク申上ゲルノ
ハ、原料不足ノ爲ニ他ノ工業者ニ迷惑ヲ及
ボシハシナイカ、延テ無水「アルコール」ノ
方へ原料ヲ御使ヒニナレバ、又一般工業界
ニ非常ニ迷惑ヲ及ボシハシナイカ、斯ウ云
フコトヲ憂慮シテ御尋スル譯デアリマスカ
ラ、其點ハ十分一ツ御考ヘ置ヲ願ッテ、唯數
字上ノミ御合セ下サラヌデ、モウ少シ本當
ニ出來ル問題ハ出來ルトシテ、出來ナイ問
題ハ出來ヌトシテ、虛心坦懷ニ御話ヲ願ヒ
タイト思ヒマス、此點ハ是以上申上ゲマセ
ヌ、先程原料ノ問題ニ付キマシテ馬鈴薯モ
原料トシテ使用出來ルト言ハレマシタガ、
私共モ馬鈴薯ヲ使ッテ貰ハナクテハナラヌ
ト思フ、殊ニ軍部ノ方ハ農村對策トシテ御
考ニナッテ居ラレル、農村對策トシテ一番考
ヘナケレバナラヌコトハ、東北、北海道ノ
非常ニ惠マレテ居ナイ地方、之ニハ矢張リ
何カ此場合生產ノ增加ヲ圖ル方法ヲ考ヘナ
ケレバナラヌト思ヒマス、ソレニハ矢張リ
馬鈴薯ヲ御使ヒニナラナケレバ、軍部ノ所
謂農村對策ト云フコトニハナラナイダラウ
ト思フ、隨テ私ハ作リ易イ甘藷ヨリモ寧ロ
馬鈴薯ニ重キヲ置イテ御考ニナルベキモノ
ダト思フ、甘藷ハ直ニ出來マス、熱イ地方
デハ甘諸ハドレダケデモ出來マス、ドレダ
ケデモト言フノハ、作ラウト思ヘバ、今言
ハレルヤウニ相當ノ年月サヘ與ヘマスルナ
ラバ、相當ニ生產ガ增加サレマセウ、併ナ
ガラ早ク惠マレテ居ナイ地方ヲ惠ムヤウニ
スルノニハ、ドウシテモ馬鈴薯ニ付テモウ
少シ考ヘテ貰ハナケレバナラヌト思ヒマス、
一體馬鈴薯ニ付テ生產スレバドウ云フ風ニ
ナルト云フ御見透シガ附イテ居リマスカ、
先達テ政友會ノ政務調査室ノ方ニ御出デ下
サッタ時分ニ、甘諸ヲ一貫目七錢トシテ計算
スレバ、十三年ニ百三十八万圓、十四年、
十五年ハ二百万圓程ノ政府ノ補償ガ要ル、
サウシテ十九年度ニハ八百万圓ノ損失ヲ國
庫ニ來ス、斯ウ云フ御話デアリマシタガ、
私ハソレハ甘藷ヲ七錢トシテ御計算ニナッ
タ時ダト思ヒマスガ、十九年度ハ甘藷ヲ六
錢トシテ御計算ニナッテ居ラルルト思フ、物
價ハ今日騰貴ノ趨勢ニアルコトハ御承知ノ
通リデアリマス、獨リ農產物ノミガ上ラナ
イト云フコトハ政府ニ於テ保證出來マスマ
1、農產物モ一般物價ト共ニ騰貴スルモノ
ト考ヘナケレバナラヌ、今ノ七錢ガ八錢或
ハ九錢ニナルモノト考ヘナケレバ生產者ニ
對シテ氣ノ毒デアル、相當ニ生產費ヲ償フ
ダケノ費用ヲ與ヘナケレバナラヌト思ヒマ
ス、然ルニ政府ノ方デハ現在物價騰貴ノ趨
勢ニアル今日ニ於テ既ニ七錢スル原料ヲ、
六錢ニ見積ッテ居ル、サウシテ昭和十九年ニ
ハ八百万圓國庫ガ損失負擔ヲスレバ宜シイ、
斯ウ言ハレマスケレドモ、假ニ物價ガ現在
ノ儘上ラナイトシテ、現在ノ七錢トシテ計
算シテ見マシテモ、百六十万石デハ千百二
十万圓ノ國庫ノ損失ニナル、是ハ甘藷バカ
リヲ考ヘタトキデアルケレドモ、廿諸ト馬
鈴薯ヲ混合シテ使用サレルト云フコトヲ考
ヘマスレバ-甘藷モ使ヒ馬鈴薯モ使フ、
斯ウ云フ風ニ考ヘテ見マスレバ、損失ハモッ
ト大キクナルト思ヒマスガ、是ハ非常ニ重
大問題デアル、此十八年ニ何千万圓ノ國庫
負擔ヲスレバ宜シイカト云フコトハ非常ニ
重大ナ問題デアル、此重大ナ問題ヲ議スル
ニ當ッテ、甘諸ヲドレダケ使フカ、馬鈴薯ヲ
ドレダケ使フカ、ソレハ今カラ〓究ヲスル、
コンナコトデ判然トシタ考ガナイヤウデ
アリマスガ、果シテ將來ハ甘藷ヲドレダケ
御使用ナサル御積リデアルカ、或ハ馬鈴薯
ヲドレダケ原料トシテ御使用ナサル積リデ
アルカ、是ハ今ノ內カラ計畫シナイト、甘
諸ト馬鈴薯ヲ使用シタ時ニハ國庫ノ損失ノ
上ニ於テ重大ナ影響ヲ來シマスカラ、之ヲ
一應御聞キシタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=105
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106・荒井誠一郎
○荒井政府委員 玆ニ持ッテ居リマス數字、
卽チ只今御述べニナッタ數字ハ其通リデア
リマス、今日ノ現狀ヲ基礎トシテ計算ハ立ッ
テ居ルノデアリマスケレドモ、物價ガ騰
貴スレバソレニ伴ウテ農產物ノ價格モ上ル
コトニナリマセウ、是ハソレニ應ジタ價格
ニ致サナケレバナラヌト思ヒマスガ、般
物價ノ騰貴ト云フコトヲ前提トシマスナラ
バ、恐ラク「ガソリン」等ニ付テモ騰貴ハア
リマセウ、ソコデ詰リ是ハ相殺サレルト云
フコトヲ想像スルコトモ、私ハ決シテ無理
デハナイト思フノデアリマス、一方ガ上ッ
テ、一方ハ上ラヌト云フコトハナイカト思
フノデアリマス、甘藷ヲズット七錢トシテ
計算スレバ其損失ハ一千万圓以上ニ上ル
デアリマセウ、併シ將來六錢トシテ計算致
シマシタノハ、今日ノ現狀ニ於テ增產計畫
ガ立テラレマスレバ、末ニ於テハ其通リニ
ナルデアラウト云フコトヲ申シテ居ルノデ
アリマス、サウシテ農產物ヲ結局高ク買フ
ト云フコトデアリマシテ、農村ニ落チル金
トシテハソレダケ大キクナルノデアリマ
ス、一方ニ於テ此增產計算ガ立チ、又增石
ガ出來マスレバ、外國ニ拂ハレル金ハソレ
ダケ減ルノデアリマシテ、相當ノ損失ヲ覺
悟シテ吾々ハ之ヲヤラナケレバ出來ナイ仕
事デアルノデアリマス、而シテ、然ラバ十
九年ト二十年度ニ於テ馬鈴薯ヲ幾ラ使ッテ
幾ラ損ガ行クカト云フコトデアリマスガ、
此馬鈴薯ヲ幾ラデモ置クカト云フコトハ、
是ハ中々難シイ問題ト思ヒマス、而シテ甘
諸ヨリモ幾分損失ガ殖エルト云フコトハ、
是ハモウ御議論ノ通リデアリマス、甘藷ノ
ミナラズ馬鈴薯ヲ使ヘバ、ドウシテモ不利
益ナ計算ガ出ルダラウ、ソレヲ如何ナル割
合ニ於テ馬鈴薯ヲ使フカト云フコトハ、今
後ノ增產計畫及ビ其價格ニ依ッテ決マルノ
デアリマスガ、只今計算ガ分ラヌケレバ困
ルト云フコトデアリマスガ、是ハ割合ヲ今
決メルコトハ困難デアルト云フコトモ、是
ハ御諒承願ヘルノヂヤナイカト、斯ウ考ヘ
テ居リマス
〔信太委員長代理退席、委員長著席〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=106
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107・間部彰
○間部農林技師 原料ノ供給ノ計畫ガ、單
ニ數字ヲ合ハセルヤウニ作ッタモノニ過ギ
ナイノデ、少シモ自信ノナイモノデアルト
云フヤウナ御話デアリマシタガ、私共サウ
思ヒマセヌ、固ヨリ決シテ此仕事ガ容易ナ
仕事ダトハ考ヘテ居リマセヌ、ガ十二年度
ニ必要トスル程度ノ原料ハ、先刻申上ゲマ
シタ地方ニ於テハ、アア云フ計畫ノ下ニ極
力實行サセル積リデアリマス、吾々トシテ
モ指導モシ、督勵モ致ス、縣モ相當ノ覺悟
ヲ持ッテ居リマス、ソレカラ今日當業者ハ非
常ナ熱ヲ持ッテ居リマス、是ハ能ク御承知ト
思ヒマスガ、相當ノ期待ヲ以テ此仕事ニ當
ラウト致シテ居ルノデアリマスカラ、固ヨ
リ非常ニ容易ナ仕事ト私共ハ毛頭考ヘマセ
ヌガ是ハ極力努メレバ豫期ノ增產ハ出來ル
モノト、私共確信致シテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=107
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108・東條貞
○東條委員 一寸關聯シテ······サッキノ局
長ノ御說明ダト云フト、十二年度ノ二万石
ト、ソレカラ十三年度ノ十万石トノ原料ノ
芋ハ、此十二年度產ノ芋ヲ使フノダト云フ
意味ニ私拜聽シタノデスガ、サウデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=108
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109・荒井誠一郎
○荒井政府委員 十万石ノ中ノ七箇月分
ハ、此年度ノ芋ト云フコトニ御考ヲ願ヒタ
イ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=109
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110・東條貞
○東條委員 十二分ノ七デスネ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=110
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111・荒井誠一郎
○荒井政府委員 サウデス、其後ハ又翌年
ノ芋ガ出テ來マスカラ、其芋ヲ使フ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=111
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112・東條貞
○東條委員 サウ致シマスト、三善君ノ御
質問ニ對シテ先日ノ御答デハ、十年度ニハ
二万石ト云フノデ、三善君ノ御質問ハ、二
万石ニ對スル原料ト見テ居ラレタノダガ、
サウスルト合計約七万石位ノ原料ヲ、十二
年度ニ增產サレルト云フコトニナルノデス
カ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=112
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113・荒井誠一郎
○荒井政府委員 政府工場ノ分ハ十二年度
七万石ニナリマス、只今ノ御話ノ通リデス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=113
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114・三善信房
○三善委員 原料ノコトハ政府ノ方デモ相
當ニ困難ト言ハレマスガ、私ハ困難ドコロ
ヂヤナイ、是ハ實現出來ヌト斯ウ思ヒマス
ガ、意見ノ相違デスカラ、モウ其點ハ再ビ申
上ゲマセヌ、只今私ハ政府ノ將來ノ國庫ノ
損失負擔トナルベキ數字ニ付テ申上ゲマシ
タガ、物價ガ暴騰ニナレバ隨テ「ガソリン」
ノ値モ騰ッテ來ルカラ、ソレハドチラモ騰ル
ノダカラ、別ニ影響ガナイト云フヤウナコ
トヲ言ハレタノデスガ、私ハ現在ノ甘藷ヲ七
錢トシテ-現在ハ八錢シテ居リマスケレ
ドモガ、七錢ト御認メニナッテ居ルカラ、私
ハ七錢トシテ計算シタ譯デスガ、十八年度
ニハアナタノ方デモ六錢ト計算シテ居ラレ
ル、六錢ダカラ八百万圓ト云フヤウニ相成
ルケレドモガ、七錢トスレバ私ノサッキ言
ヒマシタヤウニ、千百二十万圓ト云フコト
ニナル筈デス、是ハ一ツ今ノ價格デ考ヘテ
居ラレルト云フコトハ、御取消願ハナケレ
バ-六錢トシテ御考ニナッテ居ルカラ、先
日ノ說明ノヤウナコトニナッタ譯デスカラ、
ヤハリ今ノ價格トシテ御考ニナルナラ、七
錢トシテ御考ニナラナケレバナラヌト思
フ.尙ホ只今ノ御說明ニ、甘諸ヲドレダケ
使フカ、馬鈴薯ヲドレダケ使フカト云フコ
トハ、ソレハハッキリ行カヌカラ、其點ハ豫
メ御諒承願ハネバナラヌ、是ハ成程私ハ甘
諸ト馬鈴薯ヲドレダケヅツト云フコトヲ、
數字ノ上ニハッキリ明瞭ニセヨト、斯ウ言フ
モノデハアリマセヌ、ケレドモ少クトモ農
村對策トシテ御考ニナル時ニハ、此處ニモ
甘藷ノ栽培面積及ビ甘藷ノ生產數量ガ出テ
居リマス、又甘諸ノ增產ノ數量ガ出テ居リ
マス、是ト同樣ニ馬鈴薯ノ作付段別ト生產
ノ數量及ビ增產ノ數量ガ出テ居リマス、ソ
レデドノ縣ニハドレダケノ馬鈴薯ガ出來
ル、ドノ地方ニハドレダケノ馬鈴薯ガ出來
ルト云フコトハ凡ソ分ッテ居ル、農村對策ト
シテ御考ニナリマスナラバ、之ヲ頭ノ上ニ
置イテ御考ヲ願ハナケレバナラヌ、ソコハ
諒承ヲ願ハナケレバナラヌ、此重大法案ヲ
審議スル上ニ付テ、其邊ノ大體ノ方針ガ決ッ
テ居ラヌト云フコトデ、何ガ農村對策デス
カ、ソレデ東北ガ惠マレマスカ、北海道ガ惠
マレマスカ、全然アナタノ言フヤウナコト
デハ、惠ンデヤレルカドウカト云フコトハ、
私ハ分ラヌト思ヒマス、私ハ數字デドレダ
ケト云フコトハ、ソンナニ窮屈ニ考ヘハシ
マセヌガ、凡ソノ見當ハ付カナケレバナリ
マイス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=114
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115・荒井誠一郎
○荒井政府委員 此處ニ出テ居リマス數字
ヲ基礎ニ致シマスト、比較的ニ馬鈴薯デ以
テ製造スル數量ガ少クナルト思ヒマス、吾
吾ハ馬鈴薯ノ將來ノ增產ノ見込ヲ考ヘマシ
テ、出來ルダケ馬鈴薯ノ分ハ殖シタイト云
フコトヲ考ヘテ居ルノデアリマス、決シテ
馬鈴薯ヲ使ハヌトカ、或ハ少クスルト云フ
考デハアリマセヌ、是デ計算シマスト、大
體馬鈴薯ハ四分ノ一位ニシカナラヌノデア
リマスガ、モウ少シ殖シ得ルノデハナイカ
ト云フヤウナ考ヲ以テヤッテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=115
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116・三善信房
○三善委員 サウシマスト將來馬鈴薯ハ、
大體四分ノ一ダケ使用スルト云フコトデ、
アト四分ノ三ハ甘藷デ補ッテ行クト云フヤ
ウナコトデアリマスト、私ガ先程言フヤウ
ニ、政府ハ農村對策トシテ頻リニ考ヘテ居
ラレルガ四分ノ一、而モ廣大ナル面積ヲ擁
スル所ノ北海道及ビ東北地方、主トシテ馬
鈴薯ノ產地タル此方面ニハ、餘リ此恩澤ヲ
受ケルコトガ少イ、斯ウ云フヤウニ諒解シ
テ宜シイデスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=116
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117・荒井誠一郎
○荒井政府委員 今日ノ數字ヲ基礎トシテ
行ケバサウ云フコトニナリマスガ、ソレハ
出來ルダケ馬鈴薯ノ方ヲ殖ヤス方法ヲ考ヘ
ナケレバイカヌヂヤナイカ、斯ウ云フ方針
ヲ申シテ居ルノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=117
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118・三善信房
○三善委員 馬鈴薯ヲ殖ヤスト言ハレルノ
ハ馬鈴薯ノ增產ト云フノデ、チヤント玆
ニ調ベテアルノデス、增產可能ノ生產ノ數
量ト云フモノハ、チヤント分ッテ居ルノデ
ス、ソレダカラ私ハサウ云フ風ニ、ドウモ
農村對策、農村對策ト云フコトヲ言ハレル
カラ、少クトモ農村對策ナラバ、惠マレテ
居ナイ地方ヲ相當ニ惠ムヤウニシナケレ
バ、是ハ農村對策ニナラヌ、斯ウ云フ考デ
申上ゲタノデアリマシテ、將來スルヤウニ
シヨウト云フコトデハ判然致シマセヌ、假
ニ此計算ガ若シ甘諸ト馬鈴薯ト半分々々ヅ
ツ御使用ニナル、サウ致シマスレバ、現在
馬鈴薯ハ今日-先刻モ六錢ト言ハレマシ
タカラ六錢デアリマス、之ニ依ッテ國庫ノ損
失負擔トナルト云フモノハ、約千七百万圓
ニナルト思ヒマス、是ハ私ノ如キ素人デサ
ヘ此計算ヲ爲シテ、凡ソ馬鈴薯ヲ使ッタラ幾
ラ國ニ要ルダラウト云フヤウナコトヲ考ヘ
テ居ル、將來ヲ心配シマシテ、斯ウ云フヤ
ウナコトモ計算シテ見マシタガ、政府ノ方
デハ此重大法案ヲ出スニ當ッテ、馬鈴薯ヲド
ウ云フ風ニスルトカ、甘諸ヲドウ云フ風ニ
スルトカ云フヤウナ、適確ナ案モナイ、國
庫ニ將來ドレダケノ負擔ヲ負フベキモノカ
ト云フコトハ、是ハ財政上ノ見地カラ重大
問題デアリマス、アナダノ言ハレルヤウニ、
外國ニ出サヌカラ宜イデハナイカ、斯ウ言
ハレレバ、財政ト云フヤウナコトヲ考ヘル
必要ガナイ、ケレドモガサウハイカナイ、
ダカラ其事ヲ考ヘナケレバ、斯ウ云フ重大
法案ニ對シテ私共ガ十分審議スル譯ニモ行
カヌデス、全クアナタ方ハ出鱈目法案デ、
之ニ對シテノ御信念ガナイ、又將來ノ計畫
ト云フモノガ立ッテ居ナイト云フ外ナイト
思ヒマス、コンナコトハ或ハ言葉ノ言過ギ
カモ知レマセヌガ、私ハドウシテモ質問應
答カラ考ヘルト、サウ云フ風ニ考ヘザルヲ
得ナイ、ダカラモウ少シ眞劍ニ御考ヲ願ハ
ナケレバナラヌト思ヒマス、尙ホ一ツ私ハ
御尋ヲ申シマス、原料ニ關シマシテハ、關稅
ノ免除ヲナサル所ノ法案ガ、關稅ノ改正法
案ニ出テ居ル、ソレハ政府ノ方デ御使用ナ
サル所ノ輸入原料ニ對シ、所謂酒精原料ニ
對シテ輸入稅免除ノ規定ガ出テ居リマス
ガ、若シ原料ガ內地デ自由ニ出來ルト云フ
先程ノ御考デアッタナラバ、何故外國カラ來
ル原料ノ輸入稅ノ免除ト云フコトヲ御考ニ
ナッテ居ラヌノカ、其點ハ私ハ原料ガ內地ニ
ナイカラ、斯ウ云フコトヲ御考ニナルノデ
ハナイカト思ヒマスガ、如何デゴザイマセ
ウカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=118
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119・荒井誠一郎
○荒井政府委員 其點ハ關稅委員會ニ於キ
マシテ、其當局カラ說明ヲ致シタラウト思
ヒマスガ、內地ニ於テ非常ニ凶作ノ場合ト
云フヤウナコトヲ考ヘテ居ルノデアリマ
ス、恐ラク其通リ說明シテ居ルト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=119
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120・三善信房
○三善委員 ドウモアナタノ御答辯ハ違
フ、先程東條君ガ非常ナ凶作ノ場合モアル
ガ、サウ云フ時ハドウシマスカト言ッタ時、
ソレハ餘裕ヲ持ッテ置キマスト云フヤウナ
コトデ、アッサリ解決ヲ付ケテ、私ガ關稅問
題ヲ出スト、イヤ凶作ノ場合ヲ考へテ居ル
ト答ヘラレル、全ク答辯ガ一貫シナイ、サ
ウ云フ答辯デハ私ハ滿足シナイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=120
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121・荒井誠一郎
○荒井政府委員 ソレハ關稅ノ方ノ免除ト
云フコトニ依リマシテ、サウ澤山ノ酒精ノ
原料ヲ得ルト云フコトモ中々困難デアリマ
セウ、一方ニ於キマシテハ、サウ云フ方法
モ講ズルコトモアリマセウシ、又非常ナ凶
作デ、內地デ原料ガ得ラレナイ、少シ位外
國ノ原料ヲ持ッテ來テモ致方ガナイ、斯ウ云
フ場合ニハ能率ヲ下ゲナケレバナラヌ、斯
ウ云フコトニナルト考ヘテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=121
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122・三善信房
○三善委員 是ハ速記錄ヲ見テ下サルト
ハッキリ分リマス、東條君ニ對スル御答辯ノ
要旨ト私ニ對スル御答辯トハ全ク違ヒマ
ス、國內ニ於テ原料ガ不足ヲ生ジナイト言
フナラバ、何モ苦シンデコンナ事ヲスル必
要ハナイ、又國內デ生產ガ十分デナイ場合、
卽チ不作ヲ生ジタ場合ニハ、政府ノ方デハ
チヤント其爲ニ相當準備ヲシテ置クト云フ
ヤウナコトハ、マルキリ關稅問題トハ離レ
テ參リマスカラ、政府ノ答辯ニハ矛盾ガ生
ジマス、私ハ尙ホ關稅問題ニ付テ御尋シタ
イト思ヒマスガ、關稅ハ政府ノ輸入スル原
料ニ對シテノミ免除シテヤルノデアリマス
カ、民間ノ輸入原料ニハ免除ノ方法ヲ講ゼ
ラレナイノデアリマスカ、今ヤ燃料問題ハ
所謂國策トシテ考ヘナケレバナラヌ、然ル
ニ內地ニ原料ガナイカラト云フノデ、アナ
タノ言ハレル通リ-アナタノ言葉ヲ藉リ
テ言ヒマスレバ、內地ニ原料ガ不足スルカ
ラ外國カラ原料ヲ輸入スル、ソレハ政府ノ
原料ダケヲ免稅シ、民間ノ原料ハ此恩惠ニ
與ルコトハ出來ナイゾト言フナラバ、民間
ノ工場ハ壓迫ヲ受ケテシマフ、政府ノミ獨
リ輸入稅免除ノ品物ヲ使ヒ、民間ハ課稅シ
タモノヲ使ハナケレバナラヌト云フナラ、
全ク政府ハ民間ノ仕事ヲ壓迫スルコトニナ
ル、ソレハ如何ニ御考ニナリマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=122
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123・荒井誠一郎
○荒井政府委員 斯ル場合ニ於キマシテ
ハ、政府ノ工場ニ於ケル原料ハ出來ルダケ
民間ニ讓リマシテ、成タケ之ヲ使ハヌト云
フコトニ考ヘテ居ルノデアリマス、其場合
ニ休ムコトニスルカ、或ハ外國カラ安イモ
ノガ入レバ、ソレヲ使ッテヤルト云フコトニ
ナルカト思フノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=123
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124・三善信房
○三善委員 變ナ御答辯デスネ、政府ニ於
テハ內地ノモノハ使ハズシテ民間ニ讓ッテ、
政府ハ外國カラ輸入シタ原料ヲ使フ、ソン
ナ事ガ出來マスカ、ソレナラ民間ニヤハリ
輸入ノ原料ヲ免除スル規定ヲ設ケテヤッテ
宜イデハアリマセヌカ、政府ノミニ限ラヌ
デ、民間ニ免稅ノ規定ヲ設ケタラ宜イ、政
府ガ關稅ノ保護ヲ受ケテ、民間ニ其保護ヲ
受ケサセナイ、其取扱ハ全ク政府獨裁デ、
民間ノ企業ヲ壓迫スルト考ヘラレテモ仕樣
ガナイ、政府ニ於ケル所ノ原料ハ民間ニ讓
ル、政府ハ一定ノ契約ヲシテ民間カラ御買
ヒニナル、其買ヒ求メタ原料ヲ民間ニ讓ル
勇氣ガアリマスカ、恐ラク契約シテ甘諸及
ビ馬鈴薯ヲ作ラシテ、而モソレガ非常ニ飢
僅デ出來ナカッタ、政府自身モ非常ニ原料ノ
不作ヲ愬ヘテ居ル、大不足ヲ愬ヘテ居ルカ
ラ外國カラ原料ヲ輸入スル、其時分ニ政府
ノハ免稅スル、其時分ニハ同樣ニ民間モ飢
饉ヲ愬ヘテ居ルカラ、ヤハリ民間ニモ外國
カラ、輸入シタモノハ、之ニ對シテ免稅ス
ルト云フコトガ當然デナケレバナラヌ、終
始一貫セナイヂヤナイカ、アナタノ御意見
デハ承服スルコトガ出來ナイ、別ニ御名案
ガアッタラ御答辯ヲ願ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=124
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125・荒井誠一郎
○荒井政府委員 先程私ノ申シマシタ通リ
デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=125
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126・三善信房
○三善委員 元來ガ斯ウ云フ國策ヲ決メル
場合ニ、大臣ガ一人モ出テ來ヌト云フコト
ハ、私ハ之ヲ重要法案ト考ヘテ居ラヌカラ
出テ來ラレナイノダラウト思フ、之ヲ重要
法案ト考ヘテ居ルナラバ、大臣ガ一遍位來
テ說明シ、或ハ質問ニ答ヘルノガ本當デア
ラウト思フ、大臣ガ一遍モ來ナイノハ是ハ
ドウナッテモ宜イト云フ風ニ、强ク是非是ハ
通過シナケレバナラヌト云フ風ニ考ヘテ居
ラヌ爲メデハナイカ、今ノ政府ノ答辯カラ
考ヘテモ、終始一貫セナイヤウナ、矛盾シ
タヤウナ答辯ヲシテ、ソレデ此法案ガ成立
スルト云フコトヲ考ヘルノハ大間違デア
ル、私ハドウ考ヘテモ政府ノ御答辯ノミヲ
以テシテハ滿足スルコトガ出來マセヌ、併
シ是レ以上申スコトハ意見ノ相違ニナルカ
ラ、其意見ノ相違ノ點ハ申上ゲマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=126
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127・荒井誠一郎
○荒井政府委員 尙ホ大藏大臣ニ於キマシ
テモ出席致シマシテ、十分皆樣ノ御滿足ノ
行クヤウニ致シタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=127
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128・平川松太郎
○平川委員長 三善君、マダアナタノ質問
ハアルト思ヒマスガ··発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=128
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129・三善信房
○三善委員 マダアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=129
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130・平川松太郎
○平川委員長 ソレデハアナタノ質問ヲ留
保シテ、今日ハ散會致シマシテ、明日十時
カラ開會致シマス、明朝ハ成ルベク大藏大
臣ノ御出席ヲ願フヤウニ致シマス、ソレデ
ハ是デ散會致シマス
午後四時四十分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007010006X00519370315&spkNum=130
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