1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十二年三月二十五日(木曜日)
午前十一時十二分開議
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議事日程 第三十二號
昭和十二年三月二十五日
午前十時開議
第一 産業組合中央金庫法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第二 産業組合自治監査法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第三 軍機保護法改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第四 外國裁判所の囑託に因る共助法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第五 百貨店法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第六 辨理士法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第七 國民健康保險法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 保健所法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 結核豫防法中改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十 小運送業法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 日本通運株式會社法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十二 昭和十年度第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
第十二 昭和十年度特別會計第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
第十二 昭和十年度特別會計豫備費支出の件(承諾を求むる件)
第十二 昭和十年度滿洲事件第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
第十二 自昭和十一年一月至同年三月昭和十年度第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
第十二 自昭和十一年一月至同年三月昭和十年度豫備金外に於て豫算超過及豫算外支出の件(承諾を求むる件)
第十二 自昭和十一年一月至同年三月昭和十年度特別會計第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
第十二 自昭和十一年一月至同年三月昭和十年度特別會計豫備金外に於て豫算超過及豫算外支出の件(承諾を求むる件)
第十二 昭和十一年度第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
第十二 昭和十一年度特別會計第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
第十二 昭和十一年度特別會計豫備金外に於て豫算外支出の件(承諾を求むる件)
第十三 昭和十一年勅令第百八十九號(一定の地域に戒嚴令中必要の規定を適用するの件廢止の件)(承諾を求むる件)
第十四 檢査計理士法案(松田竹千代君外一名提出) 第一讀會
第十五 計理士法中改正法律案(古河和一郎君外三名提出) 第一讀會
第十六 舊獨逸膠州租借地還付に關する條約實施に伴ふ損失の補償に關する法律案(久山知之君外一名提出) 第一讀會
第十七 司法書士法中改正法律案(立川平君提出) 第一讀會
第十八 司法書士法中改正法律案(中山福藏君外一名提出) 第一讀會
第十九 未成年者飮酒禁止法中改正法律案(坂東幸太郎君外十一名提出) 第一讀會
第二十 勞働組合法案(鈴木文治君外一名提出) 第一讀會
第二十一 小作法案(杉山元治郎君外三名提出) 第一讀會
第二十二 狩獵法中改正法律案(鈴木正吾君提出) 第一讀會
第二十三 競爭入札の取締等に關する法律案(福田關次郎君提出) 第一讀會
第二十四 刑事訴訟法中改正法律案(岡本實太郎君外一名提出) 第一讀會
第二十五 刑事訴訟法中改正法律案(内藤正剛君外一名提出) 第一讀會
第二十六 刑事訴訟法中改正法律案(牧野賤男君外八名提出) 第一讀會
第二十七 産師法案(土屋清三郎君外五名提出) 第一讀會
第二十八 産師法案(山口久吉君提出) 第一讀會
第二十九 辯護士法中改正法律案(池田清秋君外八名提出) 第一讀會
第三十 辯護士法中改正法律案(牧野賤男君外五名提出) 第一讀會
第三十一 家祿賞典祿給與未濟に關する法律案(原口初太郎君外六名提出) 第一讀會
第三十二 私生子の名稱に關する法律案(内藤正剛君外一名提出) 第一讀會
第三十三 行政執行法中改正法律案(内藤正剛君外二名提出) 第一讀會
第三十四 刑法中改正法律案(中山福藏君外二名提出) 第一讀會
第三十五 刑法中改正法律案(牧野賤男君外八名提出) 第一讀會
第三十六 刑事判決宣告猶豫に關する法律案(中山福藏君外二名提出) 第一讀會
第三十七 陪審法中改正法律案(中山福藏君外二名提出) 第一讀會
第三十八 陪審法中改正法律案(牧野賤男君外七名提出) 第一讀會
第三十九 交通機關調整法案(田中好君外一名提出) 第一讀會
第四十 樺太に衆議院議員選擧法施行に關する法律案(石坂豐一君外四名提出) 第一讀會
第四十一 民法施行法中改正法律案(大石大君外三名提出) 第一讀會
第四十二 航空事業奬勵法案(中村嘉壽君提出) 第一讀會
第四十三 航空事業奬勵法案(末松偕一郎君外一名提出) 第一讀會
第四十四 護國共同組合法案(小林かなえ君外二名提出) 第一讀會
第四十五 護國共同組合法案(池田秀雄君外二名提出) 第一讀會
第四十六 民族優生保護法案(荒川五郎君外三名提出) 第一讀會
第四十七 輸出組合法中改正法律案(原玉重君提出) 第一讀會
第四十八 重要物産同業組合法中改正法律案(原玉重君提出) 第一讀會
第四十九 商業組合法中改正法律案(原玉重君提出) 第一讀會
第五十 工業組合法中改正法律案(原玉重君提出) 第一讀會
第五十一 六大都市に特別市制實施に關する法律案(瀬川嘉助君外十名提出) 第一讀會
第五十二 大正十二年法律第五十二號中改正法律案(司法官試補及辯護士の資格に關する件)(松永東君外二名提出) 第一讀會
第五十三 恩給法中改正法律案(宮脇長吉君外一名提出) 第一讀會
第五十四 蠶絲業組合法中改正法律案(清水留三郎君外二名提出) 第一讀會
第五十五 傷痍軍人及戰公傷病死者遺族等の鐵道船舶等乘車船優遇に關する法律案(中村又一君外五名提出) 第一讀會
第五十六 理容師法案(中山福藏君外十名提出) 第一讀會
第五十七 建築士法案(小西和君外七名提出) 第一讀會
第五十八 金錢債務臨時調停法廢止法律案(升田憲元君外十三名提出) 第一讀會
第五十九 行政裁判所法案(宮古啓三郎君提出) 第一讀會
第六十 行政訴訟法案(宮古啓三郎君提出) 第一讀會
第六十一 訴願法案(宮古啓三郎君提出) 第一讀會
第六十二 權限裁判法案(宮古啓三郎君提出) 第一讀會
第六十三 行政裁判官懲戒法案(宮古啓三郎君提出) 第一讀會
第六十四 郷又は町村祿高に對する公債證書給與に關する法律案(寺田市正君外三名提出) 第一讀會
第六十五 民事訴訟法中改正法律案(牧野賤男君外八名提出) 第一讀會
第六十六 觀光地助成法案(田中好君外一名提出) 第一讀會
第六十七 中央卸賣市場法中改正法律案(八田宗吉君提出) 第一讀會
第六十八 阿賀驛より西條驛を經て志和口驛に至る鐵道敷設に關する建議案(山道襄一君提出) (委員長報告)
第六十九 岐阜驛より美濃町若は美濃關に至る鐵道速成に關する建議案(清寛君外三名提出) (委員長報告)
第七十 龜岡茨木間鐵道敷設に關する建議案(田中好君外一名提出) (委員長報告)
第七十一 松本高山間鐵道敷設速成に關する建議案(百瀬渡君外三名提出) (委員長報告)
第七十二 名古屋太田間鐵道敷設に關する建議案(瀬川嘉助君外五名提出) (委員長報告)
第七十三 湯前杉安間鐵道敷設速成に關する建議案(田尻藤四郎君外一名提出) (委員長報告)
第七十四 宮崎縣山手鐵道建設に關する建議案(田尻藤四郎君提出) (委員長報告)
第七十五 櫻井奧津間鐵道速成に關する建議案(松尾四郎君提出) (委員長報告)
第七十六 澁川長野原間鐵道速成に關する建議案(木檜三四郎君提出) (委員長報告)
第七十七 小倉より後藤寺甘木太刀洗を經て鳥栖に至る鐵道建設に關する建議案(片山秀太郎君外二名提出) (委員長報告)
第七十八 小倉より後藤寺甘木太刀洗を經て鳥栖に至る鐵道建設に關する建議案(池田秀雄君外四名提出) (委員長報告)
第七十九 後藤寺上山田間鐵道敷設に關する建議案(勝正憲君外七名提出) (委員長報告)
第八十 野澤名入間鐵道敷設に關する建議案(林平馬君提出) (委員長報告)
第八十一 湖南鐵道敷設に關する建議案(八田宗吉君提出) (委員長報告)
第八十二 守實日田間鐵道敷設に關する建議案(重松重治君外六名提出) (委員長報告)
第八十三 日田守實間鐵道建設に關する建議案(末次虎太郎君外一名提出) (委員長報告)
第八十四 土讃線大杉驛より別子を經て新居濱に至る鐵道建設に關する建議案(長野長廣君外一名提出) (委員長報告)
第八十五 大杉船戸間鐵道建設に關する建議案(大石大君提出) (委員長報告)
第八十六 川口只見間鐵道速成に關する建議案(林平馬君提出) (委員長報告)
第八十七 只見より古町館岩を經て田島に至る鐵道速成に關する建議案(林平馬君提出) (委員長報告)
第八十八 野澤柳津間田島只見間坂下喜多方間鐵道敷設に關する建議案(八田宗吉君提出) (委員長報告)
第八十九 雪國地帶の鐵道敷設速成に關する建議案(八田宗吉君提出) (委員長報告)
第九十 水澤遠野間鐵道建設に關する建議案(志賀和多利君外一名提出) (委員長報告)
第九十一 敦賀武生間海岸鐵道敷設に關する建議案(猪野毛利榮君外四名提出) (委員長報告)
第九十二 田代より岩崎若は深浦に至る鐵道敷設に關する建議案(菊池良一君外一名提出) (委員長報告)
第九十三 徳島驛改築竝徳島臨港鐵道敷設に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第九十四 宮崎縣中央縱貫鐵道建設に關する建議案(伊東岩男君提出) (委員長報告)
第九十五 犀川築城間竝添田油須原間鐵道建設に關する建議案(末次虎太郎君外一名提出) (委員長報告)
第九十六 船引浪江間鐵道敷設に關する建議案(氏家清君外三名提出) (委員長報告)
第九十七 奧名田鶴ヶ岡間鐵道建設に關する建議案(猪野毛利榮君提出) (委員長報告)
第九十八 落合福渡間鐵道敷設に關する建議案(片山一男君提出) (委員長報告)
第九十九 相可吉野口間鐵道敷設促進に關する建議案(長井源君外三名提出) (委員長報告)
第百 喜々津浦上間鐵道敷設速成に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百一 盛釜石間鐵道速成に關する建議案(志賀和多利君外一名提出) (委員長報告)
第百二 中津川下呂間鐵道速成に關する建議案(日比野民平君外一名提出) (委員長報告)
第百三 山川枕崎間鐵道速成に關する建議案(今給黎誠吾君外二名提出) (委員長報告)
第百四 三戸毛馬内間鐵道敷設速成に關する建議案(藤井達二君外一名提出) (委員長報告)
第百五 岡崎多治見間鐵道敷設に關する建議案(服部英明君外一名提出) (委員長報告)
第百六 須賀川長沼間鐵道速成に關する建議案(林平馬君外一名提出) (委員長報告)
第百七 宮崎小林間鐵道速成に關する建議案(陣軍吉君提出) (委員長報告)
第百八 弘前田代間鐵道速成に關する建議案(工藤十三雄君外一名提出) (委員長報告)
第百九 金澤樽見間鐵道速成に關する建議案(猪野毛利榮君外二名提出) (委員長報告)
第百十 木次三次間鐵道敷設速成に關する建議案(升田憲元君外四名提出) (委員長報告)
第百十一 徳佐高森間鐵道敷設速成に關する建議案(窪井義道君提出) (委員長報告)
第百十二 浪江川俣間鐵道敷設速成に關する建議案(氏家清君外一名提出) (委員長報告)
第百十三 新宮若櫻間鐵道敷設速成に關する建議案(小畑虎之助君外三名提出) (委員長報告)
第百十四 北海道鐵道敷設速成に關する建議案(山本厚三君外六名提出) (委員長報告)
第百十五 阿波池田川之江間鐵道敷設に關する建議案(本多眞喜雄君外七名提出) (委員長報告)
第百十六 阿波池田川之江間鐵道速成に關する建議案(紅露昭君外五名提出) (委員長報告)
第百十七 鐵道豫定線追加に關する建議案(植原悦二郎君提出) (委員長報告)
第百十八 鐵道豫定線追加に關する建議案(服部崎市君提出) (委員長報告)
第百十九 牟岐室戸間鐵道敷設速成に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百二十 牟岐室戸間鐵道敷設に關する建議案(田村秀吉君提出) (委員長報告)
第百二十一 米澤日中間鐵道速成に關する建議案(林平馬君提出) (委員長報告)
第百二十二 野岩羽鐵道速成に關する建議案(八田宗吉君提出) (委員長報告)
第百二十三 土讃線伊野驛より本川村を經て伊豫線に至る鐵道建設に關する建議案(尾崎重美君提出) (委員長報告)
第百二十四 新居濱より別子を經て伊野に至る鐵道建設に關する建議案(小野寅吉君提出) (委員長報告)
第百二十五 伊野新居濱間鐵道建設に關する建議案(佐竹晴記君提出) (委員長報告)
第百二十六 釜石本莊間鐵道速成に關する建議案(信太儀右衞門君外二名提出) (委員長報告)
第百二十七 久留米より福島山鹿を經て熊本に至る鐵道速成に關する建議案(野田俊作君外四名提出) (委員長報告)
第百二十八 大阪市内貫通西成線高架改築に關する建議案(塚本重藏君外二名提出) (委員長報告)
第百二十九 岐阜市内貫通國有鐵道高架改築に關する建議案(清寛君外三名提出) (委員長報告)
第百三十 岐阜驛に地下道開鑿に關する建議案(清寛君外三名提出) (委員長報告)
第百三十一 長崎縣臼ノ浦港に貯炭場設置に關する建議案(佐保畢雄君提出) (委員長報告)
第百三十二 大宮宇都宮間及大宮高崎間鐵道電化促進に關する建議案(宮崎一君外三名提出) (委員長報告)
第百三十三 長崎本線の復線及長崎門司間鐵道電化に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百三十四 大阪臨港線電化竝旅客取扱開始に關する建議案(枡谷寅吉君外三名提出) (委員長報告)
第百三十五 平驛擴張に關する建議案(鈴木辰三郎君提出) (委員長報告)
第百三十六 長崎市を起點とする彼杵半島一周國營自動車運輸に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百三十七 水澤大船渡間省營バス運轉に關する建議案(志賀和多利君外一名提出) (委員長報告)
第百三十八 川井石井線阿野加茂名線中津石井線齒ノ辻國府線省營自動車運轉開始に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百三十九 橘丹生谷間省營自動車運輸開始に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百四十 宇島甘木間國營自動車運轉に關する建議案(末次虎太郎君提出) (委員長報告)
第百四十一 二軒屋及立江を起點とし勝浦山分に至る省營自動車運輸開始に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百四十二 木更津より安房北條を經て茂原に至る省線にガソリンカー運轉に關する建議案(池田清秋君外四名提出) (委員長報告)
第百四十三 徳島桑野間鐵道ガソリンカー運轉に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百四十四 長崎鐵道ホテル建設に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百四十五 長崎市に鐵道運輸事務所及保線事務所新設に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百四十六 北陸線急行列車運轉區間延長に關する建議案(齋藤直橘君外一名提出) (委員長報告)
第百四十七 地方産物の鐵道運賃輕減に關する建議案(氏家清君外一名提出) (委員長報告)
第百四十八 警察官吏の公務鐵道三等運賃割引復活に關する建議案(鶴惣市君提出) (委員長報告)
第百四十九 寶暦治水工事史蹟油島千本松指定保存に關する建議案(伊藤東一郎君外二名提出) (委員長報告)
第百五十 兵役者家族扶助に關する建議案(堀内良平君外五名提出) (委員長報告)
第百五十一 對馬島振興に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百五十二 猿投神社昇格に關する建議案(岡本實太郎君提出) (委員長報告)
第百五十三 官幤大社宗像神社境域復興に關する建議案(原口初太郎君外二名提出) (委員長報告)
第百五十四 官幤大社阿蘇神社造營に對し國費支辨に關する建議案(安達謙藏君外七名提出) (委員長報告)
第百五十五 建國の功臣を祭神とする神社の社格昇進に關する建議案(松尾四郎君提出) (委員長報告)
第百五十六 杣山神社昇格に關する建議案(齋藤直橘君外一名提出) (委員長報告)
第百五十七 水上生活者アパート建設に關する建議案(河野密君提出) (委員長報告)
第百五十八 町村吏員互助會に對し國庫補助金下付に關する建議案(宮本雄一郎君外五名提出) (委員長報告)
第百五十九 既成府縣事業に對する國庫補助金交付に關する建議案(宮本雄一郎君外二十二名提出) (委員長報告)
第百六十 久慈川改修に關する建議案(中井川浩君提出) (委員長報告)
第百六十一 木曾川下流増補工事促進に關する建議案(伊藤東一郎君外二名提出) (委員長報告)
第百六十二 木曾川上流改修に關する建議案(渡邊玉三郎君外一名提出) (委員長報告)
第百六十三 大井川改修工事促進に關する建議案(宮本雄一郎君外二名提出) (委員長報告)
第百六十四 鶴見川改修促進に關する建議案(飯田助夫君外一名提出) (委員長報告)
第百六十五 荒川改修工事速成に關する建議案(松永東君外五名提出) (委員長報告)
第百六十六 牛淵川改修區域擴張竝工事促進に關する建議案(小久江美代吉君提出) (委員長報告)
第百六十七 庄川改修促進に關する建議案(松村謙三君外五名提出) (委員長報告)
第百六十八 由良川改修に關する建議案(芦田均君外三名提出) (委員長報告)
第百六十九 那賀川改修工事促進に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百七十 那賀川改修工事促進に關する建議案(田村秀吉君提出) (委員長報告)
第百七十一 澱川低水工事を年度割繼續事業と爲すの建議案(川崎末五郎君外一名提出) (委員長報告)
第百七十二 澱川低水工事計畫擴充に關する建議案(上田孝吉君外二名提出) (委員長報告)
第百七十三 利根川沿岸築堤に關する建議案(豐田豐吉君提出) (委員長報告)
第百七十四 海部川改修に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百七十五 日和佐川改修に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第百七十六 國分川及久万川改修速進に關する建議案(長野長廣君外一名提出) (委員長報告)
第百七十七 久万川改修に關する建議案(大石大君外一名提出) (委員長報告)
第百七十八 國分川改修に關する建議案(大石大君外一名提出) (委員長報告)
第百七十九 物部川ダム建設に關する建議案(長野長廣君外一名提出) (委員長報告)
第百八十 赤江港指定港灣編入に關する建議案(三浦虎雄君提出) (委員長報告)
第百八十一 直江津港を第二種重要港灣に指定に關する建議案(川合直次君外三名提出) (委員長報告)
第百八十二 細島港開港に關する建議案(佐澤定二君外二名提出) (委員長報告)
第百八十三 高知縣下田港を指定港灣に編入に關する建議案(尾崎重美君提出) (委員長報告)
第百八十四 長崎港修築に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百八十五 宇島港第二期修築に關する建議案(末次虎太郎君外一名提出) (委員長報告)
第百八十六 唐津港第二期修築工事實現に關する建議案(藤生安太郎君提出) (委員長報告)
第百八十七 三國港改修に關する建議案(齋藤直橘君外一名提出) (委員長報告)
第百八十八 北海道港灣漁港修築速成に關する建議案(山本厚三君外六名提出) (委員長報告)
第百八十九 小豆島山上に自動車巡行道路開設に關する建議案(戸澤民十郎君提出) (委員長報告)
第百九十 七尾金澤間縣道を軍事用國道に編入に關する建議案(櫻井兵五郎君外二名提出) (委員長報告)
第百九十一 長崎佐世保間縣道を軍事用國道に編入に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第百九十二 名古屋富山間縣道を國道に編入に關する建議案(日比野民平君外二名提出) (委員長報告)
第百九十三 津大阪府守口間道路を國道に編入に關する建議案(川崎克君外二名提出) (委員長報告)
第百九十四 徳島高知間縣道を國道に編入に關する建議案(田村秀吉君提出) (委員長報告)
第百九十五 大阪和歌山間國道改修速成に關する建議案(松田竹千代君外一名提出) (委員長報告)
第百九十六 國道四號線竝縣道改修に關する建議案(坪山徳彌君外二名提出) (委員長報告)
第百九十七 國道四號線竝縣道改修に關する建議案(高田耘平君外五名提出) (委員長報告)
第百九十八 肥前山口より秀津を經て長崎に至る道路國道編入に關する建議案(愛野時一郎君外四名提出) (委員長報告)
第百九十九 名護屋より唐津武雄を經て雲仙に至る國際觀光道路設置に關する建議案(愛野時一郎君外四名提出) (委員長報告)
第二百 國道二十一號線中改良工事速成に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第二百一 國立劇場建設に關する建議案(内ヶ崎作三郎君外四名提出) (委員長報告)
第二百二 國立劇場建設に關する建議案(牧野良三君外五名提出) (委員長報告)
第二百三 長崎港にオイルステーシヨン建設に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百四 國立公園地域擴張に關する建議案(宮本雄一郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百五 霧島國立公園の施設促進に關する建議案(陣軍吉君提出) (委員長報告)
第二百六 磐梯山猪苗代湖を中心とする國立公園指定に關する建議案(八田宗吉君提出) (委員長報告)
第二百七 劍山一帶の地域を國立公園指定に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第二百八 多摩秩父八ヶ岳國立公園設定に關する建議案(八並武治君外三名提出) (委員長報告)
第二百九 阿蘇國立公園地域に高千穗編入に關する建議案(田尻藤四郎君外一名提出) (委員長報告)
第二百十 橿原神宮聖地都市計畫に關する建議案(福井甚三君提出) (委員長報告)
第二百十一 社會事業法助成制定に關する建議案(添田敬一郎君外四名提出) (委員長報告)
第二百十二 社會事業助成法制定に關する建議案(河野密君提出) (委員長報告)
第二百十三 巡査及看守の待遇改善に關する建議案(松本治一郎君提出) (委員長報告)
第二百十四 刑務所看守の待遇改善に關する建議案(小久江美代吉君提出) (委員長報告)
第二百十五 巡査任用資格の改正に關する建議案(中村又一君提出) (委員長報告)
第二百十六 地方自治團體の名譽職待遇に關する建議案(佐々木家壽治君外三名提出) (委員長報告)
第二百十七 地方自治團體議員の待遇に關する建議案(小畑虎之助君外八名提出) (委員長報告)
第二百十八 北海道拓殖計畫改訂案樹立促進に關する建議案(木下成太郎君外十九名提出) (委員長報告)
第二百十九 鶴群の保護竝觀賞施設に關する建議案(岩元榮次郎君外三名提出) (委員長報告)
第二百二十 鼠ヶ關漁港修築に關する建議案(奧山亀藏君外三名提出) (委員長報告)
第二百二十一 焼津漁港修築助成に關する建議案(山口忠五郎君外五名提出) (委員長報告)
第二百二十二 四ヶ浦漁港修築に關する建議案(猪野毛利榮君提出) (委員長報告)
第二百二十三 狩獵法改正に關する建議案(川崎克君外二名提出) (委員長報告)
第二百二十四 狩獵法改正に關する建議案(金井正夫君外一名提出) (委員長報告)
第二百二十五 狩獵法改正に關する建議案(紅露昭君外一名提出) (委員長報告)
第二百二十六 協同組合活動促進に關する建議案(助川啓四郎君外三名提出) (委員長報告)
第二百二十七 協同組合活動促進に關する建議案(三宅正一君外二名提出) (委員長報告)
第二百二十八 協同組合活動促進に關する建議案(喜多壯一郎君外四名提出) (委員長報告)
第二百二十九 茶業振興に關する建議案(宮本雄一郎君外十五名提出) (委員長報告)
第二百三十 米穀重量取引完成に關する建議案(伊禮肇君提出) (委員長報告)
第二百三十一 小開墾助成に關する建議案(松本治一郎君提出) (委員長報告)
第二百三十二 太刀洗原開墾國營に關する建議案(野田俊作君外三名提出) (委員長報告)
第二百三十三 伊豆沼國營開墾に關する建議案(大石倫治君提出) (委員長報告)
第二百三十四 北海道農業金融政策に關する建議案(山本厚三君外七名提出) (委員長報告)
第二百三十五 水質汚涜防止法制定に關する建議案(森幸太郎君提出) (委員長報告)
第二百三十六 農家世襲財産制度制定に關する建議案(林平馬君提出) (委員長報告)
第二百三十七 國際競馬場設置に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百三十八 家畜商組合法制定に關する建議案(岡田春夫君外二名提出) (委員長報告)
第二百三十九 國有林野處分法制定に關する建議案(氏家清君外六名提出) (委員長報告)
第二百四十 國有林野整備に關する建議案(氏家清君外六名提出) (委員長報告)
第二百四十一 國有林野拂下に關する建議案(小林三郎君提出) (委員長報告)
第二百四十二 畜牛結核病豫防法改正に關する建議案(高橋熊次郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百四十三 水産金庫設立に關する建議案(鵜澤宇八君外二名提出) (委員長報告)
第二百四十四 水産國策の確立に關する建議案(高木粂太郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百四十五 農耕地開發及農業用公共施設改良計畫樹立に關する建議案(匹田鋭吉君提出) (委員長報告)
第二百四十六 耕地政策確立に關する建議案(小野寅吉君提出) (委員長報告)
第二百四十七 岐阜地方裁判所竝同區裁判所改築に關する建議案(大野伴睦君提出) (委員長報告)
第二百四十八 岐阜地方裁判所竝同區裁判所改築に關する建議案(清寛君外三名提出) (委員長報告)
第二百四十九 川南村に區裁判所出張所設置に關する建議案(田尻藤四郎君提出) (委員長報告)
第二百五十 大牟田市に區裁判所設置に關する建議案(鶴市惣君提出) (委員長報告)
第二百五十一 廷丁の待遇改善に關する建議案(小久江美代吉君外一名提出) (委員長報告)
第二百五十二 裁判所書記竝雇の待遇改善に關する建議案(小久江美代吉君外三名提出) (委員長報告)
第二百五十三 我か國號の稱呼統一に關する建議案(佐藤與一君提出) (委員長報告)
第二百五十四 恩給法中改正に關する建議案(中野治介君提出) (委員長報告)
第二百五十五 舊屯田兵善後處置に關する建議案(坂東幸太郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百五十六 衞生省設置に關する建議案(大野伴睦君提出) (委員長報告)
第二百五十七 保健省設置に關する建議案(鏑木忠正君外三名提出) (委員長報告)
第二百五十八 沖繩縣宮古郡に飛行場設置に關する建議案(盛島明長君外四名提出) (委員長報告)
第二百五十九 長崎中央電信局設置に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百六十 長崎上海間航路改善に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百六十一 電信線電話線建設條例改正に關する建議案(佐藤與一君提出) (委員長報告)
第二百六十二 電柱敷地補償金増額及交付手續簡易化に關する建議案(伊禮肇君提出) (委員長報告)
第二百六十三 有明海沖ノ島に燈臺建設に關する建議案(愛野時一郎君外四名提出) (委員長報告)
第二百六十四 蒲生田岬に國立燈臺建設に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第二百六十五 越前岬に燈臺設置に關する建議案(猪野毛利榮君提出) (委員長報告)
第二百六十六 計理士制度改正調査委員會設置に關する建議案(松田竹千代君外四名提出) (委員長報告)
第二百六十七 銑鐵配給改善に關する建議案(宮崎一君提出) (委員長報告)
第二百六十八 水量メーター檢査制度改正に關する建議案(中崎俊秀君外一名提出) (委員長報告)
第二百六十九 長石硅石等を鑛業法に編入に關する建議案(氏家清君外一名提出) (委員長報告)
第二百七十 鑛産税全額地元市町村に委讓に關する建議案(牧山耕藏君外十七名提出) (委員長報告)
第二百七十一 自作農地相續税免除に關する建議案(伊禮肇君提出) (委員長報告)
第二百七十二 北海道に無水アルコール工場設置に關する建議案(山本厚三君外七名提出) (委員長報告)
第二百七十三 内地製鹽業者の生活安定に關する建議案(小林かなえ君外四名提出) (委員長報告)
第二百七十四 鹽賠償價格引上に關する建議案(岡本實太郎君提出) (委員長報告)
第二百七十五 鹽賠償價格低減計畫停止竝製鹽業指導助成に關する建議案(長尾秀太郎君外一名提出) (委員長報告)
第二百七十六 植林樟腦樹國有に關する建議案(武知勇記君外一名提出) (委員長報告)
第二百七十七 葉煙草賠償價格引上に關する建議案(高田耘平君外三名提出) (委員長報告)
第二百七十八 葉煙草賠償價格引上に關する建議案(山崎猛君外十二名提出) (委員長報告)
第二百七十九 自家用濁酒及甘藷燒酎自由釀造許可に關する建議案(伊禮肇君提出) (委員長報告)
第二百八十 濁酒釀造許可に關する建議案(氏家清君提出) (委員長報告)
第二百八十一 長崎市に高等水産專門學校設置に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百八十二 長崎藥學專門學校設置に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第二百八十三 徳島市に高等水産學校設置に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第二百八十四 北海道帝國大學に人文科學に關する學部及水産學科設置に關する建議案(東武君外五名提出) (委員長報告)
第二百八十五 北海道帝國大學に人文科學に關する學部及水産學科設置に關する建議案(山本厚三君外八名提出) (委員長報告)
第二百八十六 劍道を小學校竝青年學校の正科目と爲すの建議案(今井新造君提出) (委員長報告)
第二百八十七 竹内式部山縣大貳を尋常小學校教科書に復活に關する建議案(今井新造君提出) (委員長報告)
第二百八十八 書道振興奬勵に關する建議案(川崎克君外三名提出) (委員長報告)
第二百八十九 盲唖教育義務制に關する建議案(村岡吾一君外三名提出) (委員長報告)
第二百九十 盲唖教育義務制實施及就學奬勵金交付に關する建議案(紅露昭君提出) (委員長報告)
第二百九十一 私立大學總長學長及教職員優遇に關する建議案(加藤久米四郎君外一名提出) (委員長報告)
第二百九十二 私立大學總長學長及教職員優遇に關する建議案(永山忠則君提出) (委員長報告)
第二百九十三 私立大學總長學長及教職員優遇に關する建議案(内ヶ崎作三郎君外五名提出) (委員長報告)
第二百九十四 私立大學國庫補助に關する建議案(加藤久米四郎君外一名提出) (委員長報告)
第二百九十五 私立大學國庫補助に關する建議案(池崎忠孝君外一名提出) (委員長報告)
第二百九十六 私立大學國庫補助に關する建議案(永山忠則君提出) (委員長報告)
第二百九十七 私立大學國庫補助に關する建議案(内ヶ崎作三郎君外五名提出) (委員長報告)
第二百九十八 神武天皇肇國御聖蹟闡明に關する建議案(松尾四郎君提出) (委員長報告)
第二百九十九 浮世繪美術館建設に關する建議案(窪井義道君外三名提出) (委員長報告)
第三百 帝國圖書館完成に關する建議案(内ヶ崎作三郎君外八名提出) (委員長報告)
第三百一 國民體位向上に關する建議案(鳩山一郎君提出) (委員長報告)
第三百二 特務艦富士保存に關する建議案(八角三郎君外二名提出) (委員長報告)
第三百三 除隊兵士に軍服給與に關する建議案(氏家清君外一名提出) (委員長報告)
第三百四 官營事業從業員の結社權尊重に關する建議案(川村保太郎君提出) (委員長報告)
第三百五 各戰役殊勳者優遇に關する建議案(小高長三郎君外二名提出) (委員長報告)
第三百六 戰役殊勳者優遇に關する建議案(尾崎重美君外四名提出) (委員長報告)
第三百七 帝國在郷軍人會國庫補助金増額に關する建議案(服部米次郎君外三名提出) (委員長報告)
第三百八 帝國在郷軍人會國庫補助金増額に關する建議案(松田喜三郎君外三名提出) (委員長報告)
第三百九 長崎市附近に飛行場設置に關する建議案(倉成庄八郎君外二名提出) (委員長報告)
第三百十 在外子弟の教育に關する建議案(石坂繁君提出) (委員長報告)
第三百十一 北千島漁業開發竝自主的統制に關する建議案(木下成太郎君外十九名提出) (委員長報告)
第三百十二 決議案(政治意見の發表に關する件)(田川大吉郎君提出)
第三百十三 司法制度革正に關する決議案(小泉又次郎君外十名提出)
第三百十四 電力國策調査機關設置に關する決議案(岡崎久次郎君外二十二名提出)
第三百十五 決議案(帝國議會圖書館竝議員事務室建設の件)(小泉又次郎君外四十四名提出)
第三百十六 議會機能發揚に關する決議案(安部磯雄君提出)
第三百十七 國民生活安定に關する決議案(片山哲君提出)
第三百十八 軍事費調査委員會設置に關する決議案(河上丈太郎君提出)
第三百十九 決議案(選擧公營に關する件(加藤鯛一君外十五名提出)
第三百二十 治山治水の根本策に關する決議案(木檜三四郎君外十三名提出)
第三百二十一 人權蹂躪根絶に關する決議案(小泉又次郎君外五十五名提出)
第三百二十二 人權蹂躪に關する決議案(河上丈太郎君外二名提出)
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請願
第一 (特別報告第一號)金鵄勳章年金令改正竝殊勳者優遇に關する請願外四件 (委員長報告)
第二 (特別報告第二號)戰公病死者遺族竝傷痍軍人優遇に關する請願 (委員長報告)
第三 (特別報告第三號)祝祭日擧國一齊現地遙拜に關する請願 (委員長報告)
第四 (特別報告第四號)倶知安町に税務署設置の請願 (委員長報告)
第五 (特別報告第六號)産業組合課税反對に關する請願外十四件 (委員長報告)
第六 (特別報告第七號)産業組合課税に關する請願 (委員長報告)
第七 (特別報告第八號)所得調査委員優遇に關する請願 (委員長報告)
第八 (特別報告第九號)倶知安町に酒精製造工場設置に關する請願 (委員長報告)
第九 (特別報告第一〇號)北海道に於ける地種變更免租期間延長に關する請願 (委員長報告)
第十 (特別報告第一一號)縣社赤城神社昇格に關する請願 (委員長報告)
第十一 (特別報告第一二號)縣社岩隈八幡宮昇格に關する請願 (委員長報告)
第十二 (特別報告第一三號)神饌米獻納に關する請願 (委員長報告)
第十三 (特別報告第一四號)消防組員優遇に關する法律制定の請願 (委員長報告)
第十四 (特別報告第一五號)火災豫防に關する法律制定の請願 (委員長報告)
第十五 (特別報告第一六號)島田川治水工事急施の請願 (委員長報告)
第十六 (特別報告第一七號)助産師法制定の請願 (委員長報告)
第十七 (特別報告第一八號)産婆法制定の請願外一件 (委員長報告)
第十八 (特別報告第一九號)月形村峯延間石狩川に橋梁架設の請願 (委員長報告)
第十九 (特別報告第二〇號)幌泉漁港修築の請願 (委員長報告)
第二十 (特別報告第二一號)高島町に漁港築設の請願 (委員長報告)
第二十一 (特別報告第二二號)苫前漁港修築の請願 (委員長報告)
第二十二 (特別報告第二三號)倶知安町に製糖工場設置に關する請願 (委員長報告)
第二十三 (特別報告第二四號)機船底曳網漁業根據地存置の請願 (委員長報告)
第二十四 (特別報告第二五號)直島製煉所鑛煙害善後策に關する請願 (委員長報告)
第二十五 (特別報告第二六號)日清戰役以來の全殊勳者を靖國神社に合祀の請願 (委員長報告)
第二十六 (特別報告第二七號)宇都宮市附近に軍馬購買所設置の請願 (委員長報告)
第二十七 (特別報告第二八號)兵役義務者及傷痍軍人待遇改善急施に關する請願 (委員長報告)
第二十八 (特別報告第二九號)幸久郵便取扱所を三等郵便局に改定の請願 (委員長報告)
第二十九 (特別報告第三〇號)吉川村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三十 (特別報告第三一號)今泉村大字利永に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第三十一 (特別報告第三二號)新改郵便取扱所を無集配郵便局に改定の請願 (委員長報告)
第三十二 (特別報告第三三號)永野田郵便取扱所を無集配郵便局に改定の請願 (委員長報告)
第三十三 (特別報告第三四號)糸引村に無集配郵便局又は郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第三十四 (特別報告第三五號)東中郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三十五 (特別報告第三六號)平郡郵便局に電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三十六 (特別報告第三七號)伊保内郵便局に電信電話架設の請願 (委員長報告)
第三十七 (特別報告第三八號)船員保險法制定に關する請願 (委員長報告)
第三十八 (特別報告第三九號)無線羅針局増設に關する請願 (委員長報告)
第三十九 (特別報告第四〇號)船舶檢査官の採用に關する請願 (委員長報告)
第四十 (特別報告第四一號)海難防止講演會後援に關する請願 (委員長報告)
第四十一 (特別報告第四二號)天賣、焼尻兩島苫前港間に命令航路開設の請願 (委員長報告)
第四十二 (特別報告第四三號)苫前村に航路標識施設の請願 (委員長報告)
第四十三 (特別報告第四四號)敷香町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第四十四 (特別報告第四五號)瀧川町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第四十五 (特別報告第四六號)下川根村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四十六 (特別報告第四七號)中川村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四十七 (特別報告第四八號)苫前村に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第四十八 (特別報告第四九號)人權尊重に關する請願 (委員長報告)
第四十九 (特別報告第五〇號)日本少年指導會に對し國庫助成の請願 (委員長報告)
第五十 (特別報告第五一號)町村立小學校舎新増改築費國庫補助法制定の請願 (委員長報告)
第五十一 (特別報告第五二號)大塚神社附近古墳調査に關する請願 (委員長報告)
第五十二 (特別報告第五三號)岡山、牛窓間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第五十三 (特別報告第五四號)倶知安驛定山溪、洞爺湖兩温泉間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第五十四 (特別報告第五五號)安藝阿賀、志和口兩驛間鐵道敷設の請願外二件 (委員長報告)
第五十五 (特別報告第五六號)上富良野驛、中茶屋間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第五十六 (特別報告第五七號)瀧川、濱益間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第五十七 (特別報告第五八號)瀧川、砂川間複線敷設の請願 (委員長報告)
第五十八 (特別報告第五九號)松本、高山間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第五十九 (特別報告第六〇號)倶知安、南小樽間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第六十 (特別報告第六一號)添牛内、古丹別間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第六十一 (特別報告第六二號)野澤、柳津間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第六十二 (特別報告第六三號)青秋横斷鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第六十三 (特別報告第六四號)木曾福島、久々野間鐵道を豫定線に編入の請願外六件 (委員長報告)
第六十四 (特別報告第六五號)徳佐、高森間鐵道を豫定線に編入の請願 (委員長報告)
第六十五 (特別報告第六六號)大杉又は穴内より船戸に至る鐵道を豫定線に編入の請願 (委員長報告)
第六十六 (特別報告第六七號)愛宕村に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六十七 (特別報告第六八號)東京驛東口本建築鐵道驛開設に關する請願 (委員長報告)
第六十八 (特別報告第六九號)旭田村大字落合に停車場設置の請願 (委員長報告)
第六十九 (特別報告第七〇號)新改信號所に簡易停車場併置の請願 (委員長報告)
第七十 (特別報告第七一號)苫前村字力畫に乘降場設置の請願 (委員長報告)
第七十一 (特別報告第七二號)天照皇大神祝祭日制定の請願 (委員長報告)
第七十二 (特別報告第七三號)萬世一系の皇統御太元竝肇國の紀元に關する請願 (委員長報告)
第七十三 (特別報告第七四號)公文書の平易化に關する請願 (委員長報告)
第七十四 (特別報告第七五號)原始的娯樂に對する課税免除の請願 (委員長報告)
第七十五 (特別報告第七六號)酒造法制定に關する請願外二十四件 (委員長報告)
第七十六 (特別報告第七七號)酒造税法改正に關する請願外十三件 (委員長報告)
第七十七 (特別報告第七八號)酒類販賣業免許制度制定の請願 (委員長報告)
第七十八 (特別報告第七九號)舊高知藩士族家祿賞典祿給與未濟額下附に關する請願外一件 (委員長報告)
第七十九 (特別報告第八〇號)岩手縣南地方に無水酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第八十 (特別報告第八一號)北海道に無水酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第八十一 (特別報告第八二號)北海道農業金融政策に關する請願 (委員長報告)
第八十二 (特別報告第八三號)大鹿村大字鹿鹽に於ける岩鹽試掘に關する請願 (委員長報告)
第八十三 (特別報告第八四號)甲種防火地區内假設建築物除却期限延長に關する請願 (委員長報告)
第八十四 (特別報告第八五號)甲種防火地區建築補助金交付期限延長に關する請願 (委員長報告)
第八十五 (特別報告第八六號)千種忠顯卿神社建設に關する請願 (委員長報告)
第八十六 (特別報告第八七號)官幤大社阿蘇神社造營に關する請願 (委員長報告)
第八十七 (特別報告第八八號)二十五歳未滿飮酒禁止法制定反對の請願 (委員長報告)
第八十八 (特別報告第八九號)質屋取締法中改正の請願 (委員長報告)
第八十九 (特別報告第九〇號)穀類搗精製粉取締法制定の請願 (委員長報告)
第九十 (特別報告第九一號)「奈良月瀬線」及「月瀬上野線」を指定府縣道に復活の請願 (委員長報告)
第九十一 (特別報告第九二號)理髪業者に對する營業税免除の請願 (委員長報告)
第九十二 (特別報告第九三號)兵役義務者及傷痍軍人待遇改善急施に關する請願外六件 (委員長報告)
第九十三 (特別報告第九四號)産業組合課税反對に關する請願外四件 (委員長報告)
第九十四 (特別報告第九五號)産婆法制定の請願外二十二件 (委員長報告)
第九十五 (特別報告第九六號)室蘭港修築工事完成年度繰上促進の請願 (委員長報告)
第九十六 (特別報告第九七號)歌棄村に船入澗築設の請願 (委員長報告)
第九十七 (特別報告第九八號)五郷山部分林無償下附に關する請願 (委員長報告)
第九十八 (特別報告第九九號)山村住民救濟に關する請願 (委員長報告)
第九十九 (特別報告第一〇〇號)東川、柳津間に林道竝用道開設の請願 (委員長報告)
第百 (特別報告第一〇一號)岩船沖合機船底曳網漁業に關する請願 (委員長報告)
第百一 (特別報告第一〇二號)機船底曳網漁業全廢に關する請願 (委員長報告)
第百二 (特別報告第一〇三號)海洋漁業振興に關する請願 (委員長報告)
第百三 (特別報告第一〇四號)漁村指導機關整備に關する請願 (委員長報告)
第百四 (特別報告第一〇五號)漁村金融改善に關する請願 (委員長報告)
第百五 (特別報告第一〇六號)沿岸漁業の調整竝資源培養に關する請願 (委員長報告)
第百六 (特別報告第一〇七號)漁業經營改善に關する請願 (委員長報告)
第百七 (特別報告第一〇八號)水産物利用の改良振興に關する請願 (委員長報告)
第百八 (特別報告第一一〇號)水産行政機構改革に關する請願 (委員長報告)
第百九 (特別報告第一一一號)鰛の回游及棲息状況調査に關する請願 (委員長報告)
第百十 (特別報告第一一二號)震災保險法制定の請願外一件 (委員長報告)
第百十一 (特別報告第一一三號)戰役竝事變從軍軍人優遇に關する請願 (委員長報告)
第百十二 (特別報告第一一四號)帝國陸海軍に齒科軍醫設置の請願外一件 (委員長報告)
第百十三 (特別報告第一一五號)本名村に郵便局又は郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第百十四 (特別報告第一一六號)苫前村上平驛附近に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第百十五 (特別報告第一一七號)野迫川村大字中に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百十六 (特別報告第一一八號)住吉村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百十七 (特別報告第一一九號)高根村大字六日市場に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第百十八 (特別報告第一二〇號)華川郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第百十九 (特別報告第一二一號)屋島郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第百二十 (特別報告第一二二號)田頭郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第百二十一 (特別報告第一二三號)越來郵便取扱所昇格竝電話事務開始の請願 (委員長報告)
第百二十二 (特別報告第一二四號)佐那河内郵便局に電信電話事務開始其の他の請願 (委員長報告)
第百二十三 (特別報告第一二五號)伊島郵便局に電話事務開始の請願 (委員長報告)
第百二十四 (特別報告第一二六號)海難に基く船員の業務上過失處罰に關する刑法規定改正其の他の請願 (委員長報告)
第百二十五 (特別報告第一二七號)郡山市に地方裁判所支部設置の請願 (委員長報告)
第百二十六 (特別報告第一二八號)倶知安町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第百二十七 (特別報告第一二九號)門川町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百二十八 (特別報告第一三〇號)大島村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百二十九 (特別報告第一三一號)市山村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第百三十 (特別報告第一三二號)高知刑務所移轉に關する請願 (委員長報告)
第百三十一 (特別報告第一三三號)借地、借家法竝商事調停法施行に關する請願 (委員長報告)
第百三十二 (特別報告第一三四號)小學校教員俸給全額國庫支辨の請願 (委員長報告)
第百三十三 (特別報告第一三五號)日光杉並木保護施設に關する請願 (委員長報告)
第百三十四 (特別報告第一三六號)映畫對策確立實施に關する請願 (委員長報告)
第百三十五 (特別報告第一三七號)播丹鐵道買收の請願 (委員長報告)
第百三十六 (特別報告第一三八號)横莊鐵道買收竝未成區間速成の請願 (委員長報告)
第百三十七 (特別報告第一三九號)汽船會社救濟に關する請願 (委員長報告)
第百三十八 (特別報告第一四〇號)高田、遠野間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第百三十九 (特別報告第一四一號)河内、向原間省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第百四十 (特別報告第一四二號)岩國、萩間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百四十一 (特別報告第一四三號)深川、下芦別間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百四十二 (特別報告第一四四號)青岩鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百四十三 (特別報告第一四五號)船引、浪江間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百四十四 (特別報告第一四六號)上川、上士幌間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第百四十五 (特別報告第一四七號)江差、瀬棚間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百四十六 (特別報告第一四八號)本郷、今福間鐵道速成の請願外一件 (委員長報告)
第百四十七 (特別報告第一四九號)河内、向原兩驛間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百四十八 (特別報告第一五〇號)小倉より伊田、大隈を經て鳥栖に至る鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百四十九 (特別報告第一五一號)長倉、御前山間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第百五十 (特別報告第一五二號)金澤、樽見間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第百五十一 (特別報告第一五三號)江差、瀬棚間鐵道路線實測に關し久遠村編入の請願 (委員長報告)
第百五十二 (特別報告第一五四號)臼ノ浦港に石炭貯藏所設置の請願 (委員長報告)
第百五十三 (特別報告第一五五號)戸數割の廢止及地方財政調整交付金制度確立に關する請願外八十二件 (委員長報告)
第百五十四 (特別報告第一五六號)地方税制改革及地方財政調整交付金制度制定に關する請願外二十九件 (委員長報告)
第百五十五 (特別報告第一五七號)國民負擔の均衡に關する請願外三件 (委員長報告)
第百五十六 (特別報告第一五八號)津、大阪府守口間府縣道を國道に編入の請願 (委員長報告)
第百五十七 (特別報告第一五九號)荒川改修工事完成促進の請願 (委員長報告)
第百五十八 (特別報告第一六〇號)久慈川改修促進の請願 (委員長報告)
第百五十九 (特別報告第一六一號)利根川本支流川根本治水工事施行の請願 (委員長報告)
第百六十 (特別報告第一六二號)天神川改修工事繰上施工の請願 (委員長報告)
第百六十一 (特別報告第一六三號)社會事業團體に對し助成金下附の請願 (委員長報告)
第百六十二 (特別報告第一六四號)浦河漁港修築竝第二期擴張工事施行の請願 (委員長報告)
第百六十三 (特別報告第一六五號)境港に移入牛檢疫所設置の請願 (委員長報告)
第百六十四 (特別報告第一六六號)境港を食肉輸移入取締規則第二條に依る海港に指定の請願 (委員長報告)
第百六十五 (特別報告第一六七號)第二期森林治水事業計畫樹立實施の請願 (委員長報告)
第百六十六 (特別報告第一六九號)林道網計畫樹立實施の請願 (委員長報告)
第百六十七 (特別報告第一七〇號)災害防止林業施設計畫樹立に關する請願 (委員長報告)
第百六十八 (特別報告第一七一號)流網漁業制限其の他に關する請願 (委員長報告)
第百六十九 (特別報告第一七二號)種子島に種馬所分場の請願 (委員長報告)
第百七十 (特別報告第一七三號)兵役義務者及傷痍軍人待遇改善急施に關する請願外十八件 (委員長報告)
第百七十一 (特別報告第一七四號)酒造税法改正に關する請願外四十件 (委員長報告)
第百七十二 (特別報告第一七五號)産婆法制定の請願外九件 (委員長報告)
第百七十三 (特別報告第一七六號)二十五歳未滿飮酒禁止法制定反對の請願外一件 (委員長報告)
第百七十四 (特別報告第一七七號)震災保險制定の請願 (委員長報告)
第百七十五 (特別報告第一七八號)人權尊重に關する請願 (委員長報告)
第百七十六 (特別報告第一七九號)濟生會診療機關用地諸公課免除の請願 (委員長報告)
第百七十七 (特別報告第一八一號)贅澤品輸入税一部改定に關する請願 (委員長報告)
第百七十八 (特別報告第一八二號)揮發油輸入關税定率引上竝揮發油税制定に關する請願 (委員長報告)
第百七十九 (特別報告第一八三號)早岐町に酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第百八十 (特別報告第一八四號)近江神宮創建に關する請願 (委員長報告)
第百八十一 (特別報告第一八五號)村社室古、阿古師兩神社昇格其の他の請願 (委員長報告)
第百八十二 (特別報告第一八六號)埼玉縣朝霞町外六箇町村を東京市に編入の請願 (委員長報告)
第百八十三 (特別報告第一八七號)町村特別税段別割に關する法律改正の請願 (委員長報告)
第百八十四 (特別報告第一八八號)小作法即時制定に關する請願 (委員長報告)
第百八十五 (特別報告第一八九號)新宮川治水應急施工の請願 (委員長報告)
第百八十六 (特別報告第一九〇號)河原町大字稻常竝國英村大字片山地域を千代川改修區域に編入の請願 (委員長報告)
第百八十七 (特別報告第一九一號)鍼灸醫術に關する法律制定の請願 (委員長報告)
第百八十八 (特別報告第一九二號)美瑛村字美瑛忠別より東旭川村字上米飯に至る區間に自動車道開鑿の請願 (委員長報告)
第百八十九 (特別報告第一九三號)三石村船入澗擴張の請願 (委員長報告)
第百九十 (特別報告第一九四號)樣似村大字鵜苫村船入澗急速築設の請願 (委員長報告)
第百九十一 (特別報告第一九五號)飮食物防腐劑取締規則一部改正の請願 (委員長報告)
第百九十二 (特別報告第一九六號)國立食料研究所設置の請願 (委員長報告)
第百九十三 (特別報告第一九七號)伊豆沼國營干拓に關する請願 (委員長報告)
第百九十四 (特別報告第一九八號)鬼怒川流域に灌漑用貯水池設置の請願 (委員長報告)
第百九十五 (特別報告第一九九號)東北地方に於ける國有林野解放其の他の請願外一件 (委員長報告)
第百九十六 (特別報告第二〇〇號)門川漁港修築の請願 (委員長報告)
第百九十七 (特別報告第二〇一號)鰺ヶ澤漁港第二期修築工事急施の請願 (委員長報告)
第百九十八 (特別報告第二〇二號)留萠港に人造石油工場設置の請願 (委員長報告)
第百九十九 (特別報告第二〇三號)指宿町十町區に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第二百 (特別報告第二〇四號)敦賀驛前に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第二百一 (特別報告第二〇五號)篠原郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第二百二 (特別報告第二〇六號)鹿兒島、熊毛間に長距離電話施設の請願 (委員長報告)
第二百三 (特別報告第二〇七號)野中南通を電話普通加入區域に編入の請願 (委員長報告)
第二百四 (特別報告第二〇八號)朝鮮に衆議院議員選擧法施行の請願 (委員長報告)
第二百五 (特別報告第二〇九號)岐阜地方裁判所竝同區裁判所改築の請願 (委員長報告)
第二百六 (特別報告第二一〇號)鳥栖町に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第二百七 (特別報告第二一一號)大樹村大樹市街に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二百八 (特別報告第二一二號)山田村又は志和池村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二百九 (特別報告第二一三號)海老町に區裁判所出張所設置の請願外一件 (委員長報告)
第二百十 (特別報告第二一四號)江ノ浦、田結、戸石三箇村を長崎區裁判所管轄に變更の請願 (委員長報告)
第二百十一 (特別報告第二一五號)私立大學國庫補助法制定の請願 (委員長報告)
第二百十二 (特別報告第二一六號)私立大學教職員優遇に關する請願 (委員長報告)
第二百十三 (特別報告第二一七號)宮崎高等農林學校に獸醫科設置の請願 (委員長報告)
第二百十四 (特別報告第二一八號)盲及聾唖學齡兒童就學義務制度確立に關する請願外二件 (委員長報告)
第二百十五 (特別報告第二一九號)官公立吃音矯正所設置の請願 (委員長報告)
第二百十六 (特別報告第二二〇號)島原鐵道買收の請願 (委員長報告)
第二百十七 (特別報告第二二一號)能登鐵道買收竝三明、三井間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第二百十八 (特別報告第二二二號)西之表より浦田及島間に至る區間に省營自動車運輸開始の請願 (委員長報告)
第二百十九 (特別報告第二二三號)阿波池田、川之江間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第二百二十 (特別報告第二二四號)大樹、浦河間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第二百二十一 (特別報告第二二五號)伊東、下田間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第二百二十二 (特別報告第二二六號)留萠、川上間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第二百二十三 (特別報告第二二七號)臼ノ浦港貯炭場設置竝松浦線の石炭輸送能力増進に關する請願 (委員長報告)
第二百二十四 (特別報告第二二八號)酒造税法改正に關する請願外四十二件 (委員長報告)
第二百二十五 (特別報告第二二九號)地方税制改革及地方財政調整交付金制度制定に關する請願外二十九件 (委員長報告)
第二百二十六 (特別報告第二三〇號)國民負擔の均衡に關する請願外九件 (委員長報告)
第二百二十七 (特別報告第二三一號)戸數割の廢止及地方財政調整交付金制度確立に關する請願外百八十六件 (委員長報告)
第二百二十八 (特別報告第二三二號)大麻祭創定に關する請願 (委員長報告)
第二百二十九 (特別報告第二三三號)元北海道廳森林監守の恩給に關する請願 (委員長報告)
第二百三十 (特別報告第二三四號)官公衞學校宿直規程制定の請願 (委員長報告)
第二百三十一 (特別報告第二三五號)必需物資貯藏に關する法律制定の請願 (委員長報告)
第二百三十二 (特別報告第二三六號)川島税務署復活に關する請願 (委員長報告)
第二百三十三 (特別報告第二三七號)國立民衆銀行法即時制定に關する請願外二件 (委員長報告)
第二百三十四 (特別報告第二三八號)清水町に無水酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第二百三十五 (特別報告第二三九號)高鍋町に無水酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第二百三十六 (特別報告第二四〇號)青森縣上北郡内に酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第二百三十七 (特別報告第二四一號)自轉車同部分品及附屬品輸出統制税に關する請願 (委員長報告)
第二百三十八 (特別報告第二四二號)輸入製革關税改訂に關する請願 (委員長報告)
第二百三十九 (特別報告第二四三號)香川縣に國立製鹽試驗場設置の請願 (委員長報告)
第二百四十 (特別報告第二四四號)鹽の賠償價格改訂に關する請願外一件 (委員長報告)
第二百四十一 (特別報告第二四五號)煙草耕作者救濟の請願 (委員長報告)
第二百四十二 (特別報告第二四六號)村社飯綱神社昇格に關する請願 (委員長報告)
第二百四十三 (特別報告第二四七號)村社岩隈八幡宮昇格に關する請願 (委員長報告)
第二百四十四 (特別報告第二四八號)警察官待遇改善に關する請願 (委員長報告)
第二百四十五 (特別報告第二四九號)二十五歳未滿者及學生生徒飮酒禁止法制定反對の請願外二件 (委員長報告)
第二百四十六 (特別報告第二五〇號)釜石港を第二種重要港灣に選定の請願 (委員長報告)
第二百四十七 (特別報告第二五一號)庄川改修促進に關する請願 (委員長報告)
第二百四十八 (特別報告第二五二號)太平橋架替工事急施の請願 (委員長報告)
第二百四十九 (特別報告第二五三號)釜石港に防浪建築築造の請願 (委員長報告)
第二百五十 (特別報告第二五四號)層雲峡、留邊蘂町間自動車開鑿の請願 (委員長報告)
第二百五十一 (特別報告第二五五號)泊村字澁井に船入澗築設の請願 (委員長報告)
第二百五十二 (特別報告第二五六號)救癩設備擴張促進に關する請願 (委員長報告)
第二百五十三 (特別報告第二五七號)勞働組合法及小作法即時制定に關する請願中小作法即時制定に關する件 (委員長報告)
第二百五十四 (特別報告第二五八號)混砂精白米發賣禁止其の他に關する請願 (委員長報告)
第二百五十五 (特別報告第二五九號)沿岸漁業振興に關する請願外一件 (委員長報告)
第二百五十六 (特別報告第二六〇號)燒津漁港修築の請願 (委員長報告)
第二百五十七 (特別報告第二六一號)裝蹄師法制定の請願 (委員長報告)
第二百五十八 (特別報告第二六二號)天間林村に國有種馬種付所設置の請願 (委員長報告)
第二百五十九 (特別報告第二六三號)伊勢崎に輸出織物檢査所支所設置の請願 (委員長報告)
第二百六十 (特別報告第二六四號)各市場鮮魚取引公休日廢止の請願 (委員長報告)
第二百六十一 (特別報告第二六五號)中央卸賣市場取扱手數料引下の請願 (委員長報告)
第二百六十二 (特別報告第二六六號)陸海軍人待遇改善に關する請願 (委員長報告)
第二百六十三 (特別報告第二六七號)大隅半島に陸軍飛行聯隊設置の請願 (委員長報告)
第二百六十四 (特別報告第二六八號)多和村字經座に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第二百六十五 (特別報告第二六九號)檜枝岐村に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第二百六十六 (特別報告第二七〇號)生子菅村に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第二百六十七 (特別報告第二七一號)大根占町字池田に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第二百六十八 (特別報告第二七二號)百引村大字下百引に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第二百六十九 (特別報告第二七三號)戸多郵便取扱所を三等郵便局に改定の請願 (委員長報告)
第二百七十 (特別報告第二七四號)江釣子郵便取扱所を集配郵便局に改定竝電信電話事務開始の請願外一件 (委員長報告)
第二百七十一 (特別報告第二七五號)沼江郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第二百七十二 (特別報告第二七六號)八丈島、青ヶ島間郵便物臨時航送に關する請願 (委員長報告)
第二百七十三 (特別報告第二七七號)大崎鼻に燈臺設置の請願 (委員長報告)
第二百七十四 (特別報告第二七八號)根室、擇捉島間定期命令航路開設の請願 (委員長報告)
第二百七十五 (特別報告第二七九號)安平村字早來に區裁判所設置の請願 (委員長報告)
第二百七十六 (特別報告第二八〇號)龍丘村大字時又に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二百七十七 (特別報告第二八一號)志度町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二百七十八 (特別報告第二八二號)加美村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二百七十九 (特別報告第二八三號)玖珠町大字塚脇に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二百八十 (特別報告第二八四號)駄知町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第二百八十一 (特別報告第二八五號)刑務所に於ける武道具製造販賣廢止に關する請願 (委員長報告)
第二百八十二 (特別報告第二八六號)私立大學國庫補助金下附に關する請願 (委員長報告)
第二百八十三 (特別報告第二八七號)小學校教員待遇改善に關する請願 (委員長報告)
第二百八十四 (特別報告第二八八號)小學校教員年功加俸に關する請願 (委員長報告)
第二百八十五 (特別報告第二八九號)鰺ヶ澤町に國立海洋觀測所及測候所設置の請願 (委員長報告)
第二百八十六 (特別報告第二九〇號)公共圖書館費國庫補助法制定の請願 (委員長報告)
第二百八十七 (特別報告第二九一號)書道振興奬勵に關する請願 (委員長報告)
第二百八十八 (特別報告第二九二號)吉備高島宮址保存施設に關する請願 (委員長報告)
第二百八十九 (特別報告第二九三號)國鐵主要夜行三等客車内に適當なる安眠器設備の請願 (委員長報告)
第二百九十 (特別報告第二九四號)長門鐵道買收其の他の請願 (委員長報告)
第二百九十一 (特別報告第二九五號)壽都鐵道買收の請願 (委員長報告)
第二百九十二 (特別報告第二九六號)國有鐵道敷設に因る民營自動車業の損失補償に關する請願 (委員長報告)
第二百九十三 (特別報告第二九七號)狩太、虻田兩驛間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第二百九十四 (特別報告第二九八號)諫早、佐世保兩驛間に「ガソリンカー」運轉開始の請願 (委員長報告)
第二百九十五 (特別報告第二九九號)北濃、城端間鐵道敷設の請願外一件 (委員長報告)
第二百九十六 (特別報告第三〇〇號)越美南線速成の請願外一件 (委員長報告)
第二百九十七 (特別報告第三〇一號)湯澤、本莊間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第二百九十八 (特別報告第三〇二號)湖南鐵道敷設の請願外五件 (委員長報告)
第二百九十九 (特別報告第三〇三號)下付知、下呂間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百 (特別報告第三〇四號)山川、枕崎間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百一 (特別報告第三〇五號)幾春別、新得間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百二 (特別報告第三〇六號)瀬棚、岩内間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百三 (特別報告第三〇七號)南部鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百四 (特別報告第三〇八號)三戸、毛馬内間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百五 (特別報告第三〇九號)森、柿坂間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百六 (特別報告第三一〇號)盛、釜石間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百七 (特別報告第三一一號)釜石港に臨港鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百八 (特別報告第三一二號)日出鹽驛に貨物取扱開始の請願 (委員長報告)
第三百九 (特別報告第三一三號)諫早、大村兩驛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百十 (特別報告第三一四號)江丹別村下江丹別に簡易停車場設置其の他の請願 (委員長報告)
第三百十一 (特別報告第三一五號)川越驛建設に關する請願 (委員長報告)
第三百十二 (特別報告第三一六號)細江村大字杉崎に停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百十三 (特別報告第三一七號)川東、谷田川兩驛間に簡易停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百十四 (特別報告第三一八號)常磐線平驛に北側乘降口新設の請願 (委員長報告)
第三百十五 (特別報告第三一九號)諫早驛構内廣場擴張の請願 (委員長報告)
第三百十六 (特別報告第三二〇號)酒造税法改正に關する請願外三十件 (委員長報告)
第三百十七 (特別報告第三二二號)二十五歳未滿飮酒禁止法制定反對の請願 (委員長報告)
第三百十八 (特別報告第三二三號)産婆法制定の請願 (委員長報告)
第三百十九 (特別報告第三二四號)戸數割の廢止及地方財政調整交付金制度確立に關する請願外三百六十三件 (委員長報告)
第三百二十 (特別報告第三二五號)地方税制改革及地方財政調整交付金制度制定に關する請願外三十二件 (委員長報告)
第三百二十一 (特別報告第三二六號)國民負擔の均衡に關する請願外十件 (委員長報告)
第三百二十二 (特別報告第三二七號)小作法即時制定に關する請願外十六件 (委員長報告)
第三百二十三 (特別報告第三二八號)震災保險法制定の請願外一件 (委員長報告)
第三百二十四 (特別報告第三二九號)東北地方に於ける國有林野解放其の他の請願外五件 (委員長報告)
第三百二十五 (特別報告第三三〇號)火災豫防に關する法律制定の請願 (委員長報告)
第三百二十六 (特別報告第三三一號)兵役義務者及傷痍軍人待遇改善急施に關する請願 (委員長報告)
第三百二十七 (特別報告第三三二號)室蘭市を根據とする機船底曳網漁業存續に關する請願 (委員長報告)
第三百二十八 (特別報告第三三三號)吾田村に郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百二十九 (特別報告第三三四號)伊北村大字鹽澤に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百三十 (特別報告第三三五號)日野谷村に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第三百三十一 (特別報告第三三六號)羅漢郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百三十二 (特別報告第三三七號)上熊野郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第三百三十三 (特別報告第三三八號)謝花郵便局に集配竝電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百三十四 (特別報告第三三九號)日比原郵便局に電信電話事務開始の請願 (委員長報告)
第三百三十五 (特別報告第三四〇號)北濱郵便取扱所を三等郵便局に改定の請願 (委員長報告)
第三百三十六 (特別報告第三四一號)水沼郵便取扱所移轉の請願 (委員長報告)
第三百三十七 (特別報告第三四二號)旭村大字近永に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第三百三十八 (特別報告第三四三號)私立中等學校に對し國庫補助金交付の請願 (委員長報告)
第三百三十九 (特別報告第三四四號)私立中等學校に對し低利資金貸下の請願 (委員長報告)
第三百四十 (特別報告第三四五號)戰公傷病死者遺族子孫の小中等學校に於ける授業料免除の請願 (委員長報告)
第三百四十一 (特別報告第三四六號)忠臣玉井西阿の事蹟を教科書に掲載の請願 (委員長報告)
第三百四十二 (特別報告第三四七號)皇子空也上人御墳墓確定に關する請願 (委員長報告)
第三百四十三 (特別報告第三四八號)紀元二千六百年祝典事業中に高千穗靈域保存施設編入の請願 (委員長報告)
第三百四十四 (特別報告第三四九號)紀元二千六百年祝典事業中に日向國聖蹟顯彰を加ふるの請願 (委員長報告)
第三百四十五 (特別報告第三五〇號)口之津鐵道買收の請願 (委員長報告)
第三百四十六 (特別報告第三五一號)余市、余別間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第三百四十七 (特別報告第三五二號)大井、下呂兩驛間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第三百四十八 (特別報告第三五三號)沼田、日光間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第三百四十九 (特別報告第三五四號)成東、佐原間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第三百五十 (特別報告第三五五號)新居濱、伊野間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百五十一 (特別報告第三五六號)新宮、若櫻間鐵道敷設の請願外一件 (委員長報告)
第三百五十二 (特別報告第三五七號)敦賀、武生間海岸線鐵道建設の請願 (委員長報告)
第三百五十三 (特別報告第三五八號)直江津、六日町兩驛間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百五十四 (特別報告第三五九號)愛山溪鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百五十五 (特別報告第三六〇號)厚内、忠類間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百五十六 (特別報告第三六一號)櫻松線速成の請願 (委員長報告)
第三百五十七 (特別報告第三六二號)吹田、龜岡間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百五十八 (特別報告第三六三號)油津港に臨港鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百五十九 (特別報告第三六四號)七尾、氷見間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百六十 (特別報告第三六五號)標茶、厚岸間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第三百六十一 (特別報告第三六六號)網干驛廣村間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第三百六十二 (特別報告第三六七號)「桐野驛」を「宮田驛」と改稱の請願 (委員長報告)
第三百六十三 (特別報告第三六八號)宮ヶ濱驛名變更の請願 (委員長報告)
第三百六十四 (特別報告第三六九號)吉塚驛に急行列車停車の請願 (委員長報告)
第三百六十五 (特別報告第三七〇號)延岡、日ノ影間鐵道完成年度繰上其の他の請願 (委員長報告)
第三百六十六 (特別報告第三七一號)紀勢東線起點を相可口驛に存置の請願 (委員長報告)
第三百六十七 (特別報告第三七二號)西川原地内舊中井信號所附近に岡山東驛設置の請願 (委員長報告)
第三百六十八 (特別報告第三七三號)六條村に上六條驛設置の請願 (委員長報告)
第三百六十九 (特別報告第三七四號)伊北村大字石伏に停車場設置の請願 (委員長報告)
第三百七十 (特別報告第三七五號)飯塚市に税務署設置の請願 (委員長報告)
第三百七十一 (特別報告第三七六號)酒母、醪及麹取締法改正の請願 (委員長報告)
第三百七十二 (特別報告第三七七號)勝目村に葉煙草收納取扱所設置の請願 (委員長報告)
第三百七十三 (特別報告第三七八號)村社高千穂神社昇格の請願 (委員長報告)
第三百七十四 (特別報告第三七九號)縣社〓觸神社昇格の請願 (委員長報告)
第三百七十五 (特別報告第三八〇號)伊弉諾神社の社號を神宮に改稱の請願 (委員長報告)
第三百七十六 (特別報告第三八一號)公益質屋經營費國庫補助に關する請願 (委員長報告)
第三百七十七 (特別報告第三八二號)平町平窪村合併反對の請願 (委員長報告)
第三百七十八 (特別報告第三八三號)東京、那須間國道改良工事急施其の他の請願外一件 (委員長報告)
第三百七十九 (特別報告第三八四號)福渡、足守線縣道變更認可保留の請願 (委員長報告)
第三百八十 (特別報告第三八五號)八木、高田兩町間國道改修の請願 (委員長報告)
第三百八十一 (特別報告第三八六號)北上川改修に因る漁業被害救濟に關する請願 (委員長報告)
第三百八十二 (特別報告第三八七號)木曾川上流改修區域延長の請願 (委員長報告)
第三百八十三 (特別報告第三八八號)牛淵川上流改修の請願 (委員長報告)
第三百八十四 (特別報告第三八九號)幾春別川治水促進の請願外一件 (委員長報告)
第三百八十五 (特別報告第三九〇號)樣似漁港修築の請願 (委員長報告)
第三百八十六 (特別報告第三九一號)厚岸町大字床潭村に船入澗築設の請願 (委員長報告)
第三百八十七 (特別報告第三九二號)久遠漁港第二期修築工事施行の請願 (委員長報告)
第三百八十八 (特別報告第三九三號)豐橋市外三郡内原野國營開墾促進の請願外二件 (委員長報告)
第三百八十九 (特別報告第三九四號)雄國沼築堤に關する請願 (委員長報告)
第三百九十 (特別報告第三九五號)大蘆國有林野無償交付に關する請願 (委員長報告)
第三百九十一 (特別報告第三九六號)高野原國有林を馬産用限定地に編入の請願 (委員長報告)
第三百九十二 (特別報告第三九七號)特殊會社設立に關する法律制定の請願 (委員長報告)
第三百九十三 (特別報告第三九八號)産業綜合に關する法律制定の請願 (委員長報告)
第三百九十四 (特別報告第三九九號)地方食品卸賣市場法制定の請願 (委員長報告)
第三百九十五 (特別報告第四〇一號)酒造税法改正に關する請願外十一件 (委員長報告)
第三百九十六 (特別報告第四〇二號)國立民衆銀行法即時制定に關する請願外三件 (委員長報告)
第三百九十七 (特別報告第四〇三號)二十五歳未滿者及學生生徒飮酒禁止法制定反對の請願外一件 (委員長報告)
第三百九十八 (特別報告第四〇四號)二十五歳未滿飮酒禁止法制定反對の請願外二件 (委員長報告)
第三百九十九 (特別報告第四〇五號)戸數割の廢止及地方財政調整交付金制度確立に關する請願外三百三十八件 (委員長報告)
第四百 (特別報告第四〇六號)地方税制改革及地方財政調整交付金制度制定に關する請願外四件 (委員長報告)
第四百一 (特別報告第四〇七號)國民負擔の均衡に關する請願外三件 (委員長報告)
第四百二 (特別報告第四〇八號)沿岸漁業振興に關する請願 (委員長報告)
第四百三 (特別報告第四〇九號)小作法即時制定に關する請願 (委員長報告)
第四百四 (特別報告第四一〇號)帝國陸海軍に齒科軍醫設置の請願 (委員長報告)
第四百五 (特別報告第四一一號)兵役義務者及傷痍軍人待遇改善急施に關する請願外三件 (委員長報告)
第四百六 (特別報告第四一二號)勞働組合法及小作法即時制定に關する請願中小作法即時制定に關する件 (委員長報告)
第四百七 (特別報告第四一三號)屯田兵の恩給に關する請願 (委員長報告)
第四百八 (特別報告第四一四號)皇室用御饌料田設置に關する請願 (委員長報告)
第四百九 (特別報告第四一五號)贈位申請に關する内規改正の請願 (委員長報告)
第四百十 (特別報告第四一六號)樟腦樹植林竝製腦事業保護に關する請願 (委員長報告)
第四百十一 (特別報告第四一七號)野付牛町に無水酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第四百十二 (特別報告第四一八號)鹽賠償金引上に關する請願 (委員長報告)
第四百十三 (特別報告第四一九號)對露民間債權者求償權に關する請願 (委員長報告)
第四百十四 (特別報告第四二〇號)我か國名呼稱統一の請願 (委員長報告)
第四百十五 (特別報告第四二一號)國内外字出版物及輸出品標記に我か國號を正確に改定の請願 (委員長報告)
第四百十六 (特別報告第四二二號)縣社武田神社昇格に關する請願 (委員長報告)
第四百十七 (特別報告第四二三號)利根川用排水事業廢止の請願 (委員長報告)
第四百十八 (特別報告第四二四號)三崎半島三机、鹽成間運河開鑿の請願 (委員長報告)
第四百十九 (特別報告第四二五號)猿ヶ石川改修の請願 (委員長報告)
第四百二十 (特別報告第四二六號)淀川低水工事繼續施行の請願外一件 (委員長報告)
第四百二十一 (特別報告第四二七號)船川港修築工事擴張其の他の請願 (委員長報告)
第四百二十二 (特別報告第四二八號)人工甘味質取締規則一部改正の請願 (委員長報告)
第四百二十三 (特別報告第四二九號)脊椎骨調整醫師法規制定の請願 (委員長報告)
第四百二十四 (特別報告第四三〇號)常呂、武華兩川治水工事速成の請願 (委員長報告)
第四百二十五 (特別報告第四三一號)白老村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第四百二十六 (特別報告第四三二號)木古内村に漁港築設の請願 (委員長報告)
第四百二十七 (特別報告第四三三號)群馬郡中部用水事業急施其の他の請願 (委員長報告)
第四百二十八 (特別報告第四三四號)花岡鑛山鑛毒除害設備實施竝鑛煙毒賠償法制定に關する請願 (委員長報告)
第四百二十九 (特別報告第四三五號)横瀬町大字坂本に三等郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百三十 (特別報告第四三六號)上ノ加江町大字矢井賀に郵便取扱所設置の請願 (委員長報告)
第四百三十一 (特別報告第四三七號)住用村字東城に無集配郵便局設置の請願 (委員長報告)
第四百三十二 (特別報告第四三八號)諸鈍郵便取扱所昇格の請願 (委員長報告)
第四百三十三 (特別報告第四三九號)水元郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第四百三十四 (特別報告第四四〇號)笠利郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第四百三十五 (特別報告第四四一號)大路郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第四百三十六 (特別報告第四四二號)姉體郵便局に集配事務竝電話架設の請願 (委員長報告)
第四百三十七 (特別報告第四四三號)浦和市を借地、借家法施行區域に編入の請願 (委員長報告)
第四百三十八 (特別報告第四四四號)水元村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四百三十九 (特別報告第四四五號)飯野村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四百四十 (特別報告第四四六號)高原町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四百四十一 (特別報告第四四七號)豐頃村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四百四十二 (特別報告第四四八號)士幌村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四百四十三 (特別報告第四四九號)東京市新市域に於ける小學校二部教授撤廢に關する請願 (委員長報告)
第四百四十四 (特別報告第四五〇號)神跡調査に關する請願 (委員長報告)
第四百四十五 (特別報告第四五一號)民謡保護振興に關する請願 (委員長報告)
第四百四十六 (特別報告第四五二號)召集軍人家族等鐵道乘車優遇に關する請願 (委員長報告)
第四百四十七 (特別報告第四五三號)漬物類鐵道運賃輕減に關する請願 (委員長報告)
第四百四十八 (特別報告第四五四號)永野田驛に驛員配置の請願 (委員長報告)
第四百四十九 (特別報告第四五五號)高森、柳井間及高森、渡里間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第四百五十 (特別報告第四五六號)野付牛町を起點とする阿寒國立公園地帶周遊省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第四百五十一 (特別報告第四五七號)大曲、本莊間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第四百五十二 (特別報告第四五八號)阿土海岸鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百五十三 (特別報告第四五九號)豐浦、定山溪間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百五十四 (特別報告第四六〇號)福渡、落合間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百五十五 (特別報告第四六一號)石卷、志津川間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百五十六 (特別報告第四六二號)久留米より福島、山鹿、植木を經て熊本に至る鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百五十七 (特別報告第四六三號)釧路、北見相生間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百五十八 (特別報告第四六四號)留邊蘂、伊頓武華間鐵道速成竝延長の請願 (委員長報告)
第四百五十九 (特別報告第四六五號)佐呂間、津別間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百六十 (特別報告第四六六號)宇野、金光間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百六十一 (特別報告第四六七號)本所區三ツ目通に省線電車停車場設置の請願外一件 (委員長報告)
第四百六十二 (特別報告第四六八號)六條村大字下六條に停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百六十三 (特別報告第四六九號)原谷村大字檜原に停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百六十四 (特別報告第四七〇號)大越、神俣兩驛間に停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百六十五 (特別報告第四七一號)飯塚市に税務署設置に關する請願 (委員長報告)
第四百六十六 (特別報告第四七二號)産業組合課税に關する請願 (委員長報告)
第四百六十七 (特別報告第四七四號)酒造税法改正に關する請願外九件 (委員長報告)
第四百六十八 (特別報告第四七五號)二十五歳未滿及學生生徒飮酒禁止法制定反對の請願外四件 (委員長報告)
第四百六十九 (特別報告第四七六號)二十五歳未滿飮酒禁止法制定反對の請願外一件 (委員長報告)
第四百七十 (特別報告第四七七號)戸數割の廢止及地方財政調整交付金制度確立に關する請願外九十三件 (委員長報告)
第四百七十一 (特別報告第四七八號)地方税制改革及地方財政調整交付金制度制定に關する請願外四件 (委員長報告)
第四百七十二 (特別報告第四七九號)國民負擔の均衡に關する請願外二件 (委員長報告)
第四百七十三 (特別報告第四八〇號)沿岸漁業振興の請願 (委員長報告)
第四百七十四 (特別報告第四八一號)東北地方に於ける國有林野解放其の他の請願外九件 (委員長報告)
第四百七十五 (特別報告第四八二號)戰公傷病死者遺族子孫の小中等學校に於ける授業料免除の請願 (委員長報告)
第四百七十六 (特別報告第四八三號)東京驛東口本建築鐵道驛開設に關する請願外十件 (委員長報告)
第四百七十七 (特別報告第四八四號)村社室古、阿古師兩神社昇格其の他の請願 (委員長報告)
第四百七十八 (特別報告第四八五號)愛山溪鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百七十九 (特別報告第四八六號)高田、遠野間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第四百八十 (特別報告第四八七號)山瀬村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第四百八十一 (特別報告第四八八號)佐世保市を借地、借家法竝借地借家調停法施行區域に編入の請願 (委員長報告)
第四百八十二 (特別報告第四八九號)不動産登記法中改正其の他の請願 (委員長報告)
第四百八十三 (特別報告第四九〇號)妻權擁護に關する請願 (委員長報告)
第四百八十四 (特別報告第四九一號)刑法中一部改正に關する請願 (委員長報告)
第四百八十五 (特別報告第四九二號)民法中一部改正に關する請願 (委員長報告)
第四百八十六 (特別報告第四九三號)旭川市に官立高等工業學校建設の請願 (委員長報告)
第四百八十七 (特別報告第四九四號)津山市に蠶繭絲專門學校創設の請願 (委員長報告)
第四百八十八 (特別報告第四九五號)徳島市に測候所設置の請願 (委員長報告)
第四百八十九 (特別報告第四九六號)古庄驛に客車乘入竝遠距離貨物運賃割引の請願 (委員長報告)
第四百九十 (特別報告第四九七號)東海道線列車運行一部改正に關する請願 (委員長報告)
第四百九十一 (特別報告第四九八號)日和佐町を起點とし那賀郡西部及海部郡北部に至る區間に省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第四百九十二 (特別報告第四九九號)城端、白鳥間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第四百九十三 (特別報告第五〇〇號)上越西線鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第四百九十四 (特別報告第五〇一號)弘前、田代間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百九十五 (特別報告第五〇二號)弘前、田代間鐵道豫定線延長の請願 (委員長報告)
第四百九十六 (特別報告第五〇三號)上山、白石間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百九十七 (特別報告第五〇四號)關ヶ原、木之本間鐵道速成の請願 (委員長報告)
第四百九十八 (特別報告第五〇五號)牟岐線阿波中島、羽ノ浦兩驛間に簡易停車場設置の請願 (委員長報告)
第四百九十九 (特別報告第五〇六號)奧名田村大字口坂本に停車場設置の請願 (委員長報告)
第五百 (特別報告第五〇七號)新見驛構内伯備線昇降場に上屋新設の請願 (委員長報告)
第五百一 (特別報告第五〇八號)千歳村字「ママチ」に陸軍飛行隊設置の請願 (委員長報告)
第五百二 (特別報告第五〇九號)鬼籠野郵便取扱所を三等郵便局に改定の請願 (委員長報告)
第五百三 (特別報告第五一〇號)船岡郵便局に集配事務開始の請願 (委員長報告)
第五百四 (特別報告第五一一號)牟岐町出羽島に無線電信局設置の請願 (委員長報告)
第五百五 (特別報告第五一二號)宇和島市に廣島遞信局海事部出張所設置の請願 (委員長報告)
第五百六 (特別報告第五一三號)甲種防火地區内假設建築物除却期限延長中除却期限竝交付期限延長に關する件 (委員長報告)
第五百七 (特別報告第五一四號)地方制度に於ける選擧に等級選擧制採用の請願 (委員長報告)
第五百八 (特別報告第五一五號)婦人に參政權附與の請願 (委員長報告)
第五百九 (特別報告第五一六號)代書人規則改正の請願 (委員長報告)
第五百十 (特別報告第五一七號)御眞影冒涜行爲取締に關する請願 (委員長報告)
第五百十一 (特別報告第五一八號)建築業者取締法制定に關する請願 (委員長報告)
第五百十二 (特別報告第五一九號)三鷹、下連雀間村道を府縣道に編入の請願 (委員長報告)
第五百十三 (特別報告第五二〇號)新治村大字猿ヶ京、三國村大字淺貝間國道改修促進の請願 (委員長報告)
第五百十四 (特別報告第五二一號)太田川改修年度繰上の請願 (委員長報告)
第五百十五 (特別報告第五二二號)天鹽河口修築の請願 (委員長報告)
第五百十六 (特別報告第五二三號)膽振支廳管内民有未墾地年賦拂込に關する請願 (委員長報告)
第五百十七 (特別報告第五二四號)印旛沼干拓に關する請願 (委員長報告)
第五百十八 (特別報告第五二五號)國有林野所在町村交付金制度改正に關する請願 (委員長報告)
第五百十九 (特別報告第五二六號)利根水源涵養禁伐保安林設定の請願 (委員長報告)
第五百二十 (特別報告第五二七號)軍乘馬供給資源涵養に關する請願 (委員長報告)
第五百二十一 (特別報告第五二八號)釧路市に石炭液化工場設置の請願 (委員長報告)
第五百二十二 (特別報告第五二九號)天祖奉齋の普及奬勵に關する請願 (委員長報告)
第五百二十三 (特別報告第五三〇號)孝道振作を目標とする國祭日制定の請願 (委員長報告)
第五百二十四 (特別報告第五三一號)報國祈願大祭施行の請願 (委員長報告)
第五百二十五 (特別報告第五三二號)橿原神宮神域を中心に神都特別聖地計劃實施の請願 (委員長報告)
第五百二十六 (特別報告第五三三號)廣瀬村に無水酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第五百二十七 (特別報告第五三四號)釧路市に無水酒精製造工場設置の請願 (委員長報告)
第五百二十八 (特別報告第五三五號)那賀、海部、名東、名西、板野各郡に米葉煙草耕作許可の請願 (委員長報告)
第五百二十九 (特別報告第五三六號)中部千島開放に關する請願 (委員長報告)
第五百三十 (特別報告第五三七號)師範學校に宗教講座新設の請願 (委員長報告)
第五百三十一 (特別報告第五三八號)國會議事堂内に聖徳太子尊像奉安の請願 (委員長報告)
第五百三十二 (特別報告第五三九號)小清水村に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第五百三十三 (特別報告第五四〇號)名寄町に支廳竝土木事務所設置の請願 (委員長報告)
第五百三十四 (特別報告第五四一號)廣尾、樣似間鐵道敷設の請願 (委員長報告)
第五百三十五 (特別報告第五四二號)留邊蘂町に區裁判所出張所設置の請願 (委員長報告)
第五百三十六 (特別報告第五四三號)金鵄勳章年金令改正竝殊勳者優遇に關する請願 (委員長報告)
第五百三十七 (特別報告第五四四號)酒造税法改正に關する請願外四件 (委員長報告)
第五百三十八 (特別報告第五四六號)二十五歳未滿飮酒禁止法制定反對の請願外二件 (委員長報告)
第五百三十九 (特別報告第五四七號)二十五歳未滿者及學生生徒飮酒禁止法制定反對の請願外一件 (委員長報告)
第五百四十 (特別報告第五四八號)戸數割の廢止及地方財政調整交付金制度確立に關する請願外五十二件 (委員長報告)
第五百四十一 (特別報告第五四九號)地方税制改革及地方財政調整交付金制度制定に關する請願外一件 (委員長報告)
第五百四十二 (特別報告第五五〇號)國民負擔の均衡に關する請願外一件 (委員長報告)
第五百四十三 (特別報告第五五一號)伊豆沼國營干拓に關する請願外一件 (委員長報告)
第五百四十四 (特別報告第五五二號)根室、擇捉間命令航路開始の請願 (委員長報告)
第五百四十五 (特別報告第五五三號)成東、佐原間省營「バス」運輸開始の請願 (委員長報告)
第五百四十六 (特別報告第五五四號)東京驛東口本建築鐵道驛開設に關する請願外四十二件 (委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━
質問
一 帝國陸海軍に於ける齒科衞生に關する質問(杉山元治郎君提出)
二 林内閣の政綱政策竝文教上の諸問題に關する質問(佐藤與一君提出)
三 帝都防火建築に關する質問(深澤豐太郎君提出)
四 對滿對支政策に關する質問(中村嘉壽君提出)
五 機船底曳網に關する質問(北れい吉君外三名提出)
六 國有鐵道赤穗線敷設に關する質問(江藤源九郎君提出)
七 尾去澤鑛山中の澤鑛滓沈澱池ダム決潰に關する再質問(川俣清音君外一名提出)
八 帝國在郷軍人會會員國有鐵道運賃割引に關する質問(服部米次郎君外五名提出)
九 度量衡法改正に關し調査會の審議に關する質問(東武君外四名提出)
十 教育改革に關する質問(服部教一君提出)
十一 官吏制服制定に關する質問(森下國雄君提出)
━━━━━━━━━━━━━
〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一議員より提出せられたる議案左の如し
中央卸賣市場法中改正法律案
提出者 八田宗吉君
護國共同組合法案
提出者
池田秀雄君 添田敬一郎君
青木亮貫君
(以上三月二十四日提出)
一昨二十四日貴族院に於て本院の送付に係る左の政府提出案を可決したる旨同院より通牒を受領せり
鐵道敷設法中改正法律案
一昨二十四日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第四部選出
豫算委員 大本貞太郎君(芦田均君補闕)
第四部選出
決算委員 笠井重治君(前田幸作君解任の爲補闕)
一昨二十四日委員長及理事互選の結果左の如し
防空法案(政府提出)委員
委員長 野村嘉六君
理事
松田喜三郎君 川崎末五郎君
勝又春一君 蔭山貞吉君
帝國燃料興業株式會社法案(政府提出)外一件委員
委員長 櫻井兵五郎君
理事
山邊常重君 野田武夫君
川島正次郎君 八角三郎君
一昨二十四日特別委員理事補闕選擧の結果左の如し
船員法改正法律案(政府提出)委員
理事 最上政三君(理事日比野民平君昨二十四日委員辭任に付其の補闕)
一昨二十四日議長に於て選定したる委員左の如し
酒造組合法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)委員
信太儀右衞門君 富田等平君
渡邊銕藏君 片岡恒一君
川合直次君 武知勇記君
岡本實太郎君 小畑虎之助君
石川定辰君 山田佐一君
服部岩吉君 蔭山貞吉君
石井徳久次君 盛島明長君
菅野善右衞門君 熊谷五右衞門君
河野密君 岡幸三郎君
一昨二十四日に於ける特別委員の異動左の如し
製鐵事業法案(政府提出)委員
辭任 川俣清音君 補闕 亀井貫一郎君
帝國燃料興業株式會社法案(政府提出)外一件委員
辭任 河上丈太郎君 補闕 亀井貫一郎君
辭任 池崎忠孝君 補闕 福田耕君
樺太市制案(政府提出、貴族院送付)委員
辭任 齋藤直橘君 補闕 服部教一君
船員法改正法律案(政府提出)委員
辭任 日比野民平君 補闕 最上政三君
辭任 西川貞一君 補闕 深澤豐太郎君
農地法案(政府提出)委員
辭任 林路一君 補闕 森肇君
商法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)委員
辭任 末次虎太郎君 補闕 古河和一郎君
辭任 本多眞喜雄君 補闕 西田郁平君
辭任 今井新造君 補闕 加藤勘十君
一般會計歳出の財源に充つる爲特別會計より爲す繰入金に關する法律案(政府提出)外二件委員
辭任 服部教一君 補闕 升田憲元君
農村負債整理資金特別融通及損失補償法案(政府提出)委員
辭任 西村丹治郎君 補闕 渡邊銕藏君
辭任 佐澤定二君 補闕 林平馬君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=0
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001・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 是ヨリ會議ヲ開キ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=1
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002・松永東
○松永東君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ提
出致シマス、卽チ此際日程第二十九、第三
+、及ビ第五十二ノ三案ヲ繰上ゲ上程シ、
逐次其審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=2
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003・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=3
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004・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス-政府ハ此議事日程變更ニ同意セラ
レマシタ、仍テ日程ノ順序ハ變更セラレマ
シタ、日程第二十九、辯護士法中改正法律
案ノ第一讀會ヲ開キマス、提出者ノ趣旨辯
明ヲ許シマス-提出者池田〓秋君
第二十九辯護士法中改正法律案池
田〓秋君外八名提出)第一讀會
辯護士法中改正法律案
辯護士法中左ノ通改正ス
第五條左ニ揭グル者ハ辯護士タル資格
ヲ有セズ
-皇室ニ對スル罪、犯人藏匿及證憑
湮滅ノ罪、通貨僞造ノ罪、文書僞造
ノ罪、有價證劵僞造ノ罪、印章僞造
ノ罪、僞證ノ罪、誣〓ノ罪、竊盜及
强盗ノ罪、詐欺及恐喝ノ罪竝橫領ノ
罪ヲ犯シタル者
二前號ニ揭ゲタル以外ノ罪ニ因リ禁
錮以上ノ刑ニ處セラレタル者但シ刑
ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クル
コトナキニ至リタルトキハ此ノ限ニ
在ラズ
三破產者ニシテ復權ヲ得ザル者
四懲戒ノ處分ニ因リ免官若ハ免職セ
ラレタル者、本法ニ依リ除名セラレ
タル者又ハ辨理士法若ハ計理士法ニ
依リ業務ヲ禁止セラレタル者ニシテ
免官、免職、除名又ハ業務禁止後二
年ヲ經過セザル者
五禁治產者又ハ準禁治產者
附則
本法ハ昭和十二年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
〔池田〓秋君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=4
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005・池田清秋
○池田〓秋君 只今上程セラレマシタ辯護
士法中改正法律案ニ付テ、提案理由ヲ御說
明申上ゲタイト思ヒマス、現行辯護士法第
五條ハ、體刑ニ該當スルモノヲ以テ辯護士
ノ缺格條件ト致シテ居リマス、之ヲ他ノ醫
師法、藥劑師法等ト比較ヲ致シマスト、其
制限ガ非常ニ過重デアルノデアリマス、甚
ダ公平ヲ失シテ居ルト思フノデアリマス、
本案ヲ提出致シマシタノハ、是等ノ缺格條
項ト均衡ヲ得マスヤウニ致シタイト思フノ
デ提案ヲ致シタノデアリマス、辯護士法ノ
第五條ニ於テハ、一年以下ノ刑デ禁錮等ノ
體刑ニ處セラレタ場合ニ於テハ、絕對ニ辯
護士トナルコトガ出來ナイノデアリマス、
之ヲ醫師法、獸醫師法、藥劑師法等ト比較
ヲ致シマスト、是等ノ法律ニ於テハ、六年以
上ノ體刑、若クハ六年以下ノ場合デアリマ
ス時ニハ、登錄ヲ許サヌコトガ出來ルト云
フヤウナ、主務大臣ノ任意ノ規定ニナッテ
居ルノデアリマス、是ハ非常ニ辯護士ニ對
シテダケ苛酷ナ制裁デアルト思ハレルノデ
アリマス、是ハ定メシ諸君ハ御承知ノコト
デゴザイマセウガ、辯論及ビ法律事務ニ從
事致シテ居リマス關係上、例ヘバ選擧ノ事
務ニ從事シタ場合ノ如キハ、此輕微ナ選擧
法ノ違反ヲ以テ、禁鋼僅カ一箇月カ二箇月
ニ處セラレタ場合ニ於キマシテモ、絕對ニ
辯護士トナルコトガ出來ナイノデアリマ
ス、是ハ他ノ醫師ヤ藥劑師等ガ、同時ニ此
選擧法違反デ、例ヘバ共犯ニナッタ場合ヲ比
較致シマスト、辯護士ハ資格ヲ失ッテ職務
ヲ執ルコトガ出來ナイニ拘ラズ、醫師トカ、
藥劑師トカ、齒科醫師トカ云フヤウナ方々
ハ、依然トシテ其職務ヲ遂行スルコトガ出
來ルノデアリマス、御承知ノ通リ辯護士
ハ司法官、裁判官等ト協力致シマシテ、法
律事務ニ、公的事業ニ從事致シテ居ルモノ
デアリマス、而モ其事業ノ性質上法律ニ關
係ヲシ、政治ニ關與ヲ持ッテ居ル職掌デアル
ガ爲ニ、特ニ選擧ノコト等ニハ携ハル機會
ガ多イノデアリマス、此多イ機會ヲ以チマ
シテ、法律ヤ政治ノコトニ關シマシテ多大
ノ盡力ヲスル場合、過ッテ禁錮ノ刑ニ處セラ
レタル場合ニ、絕對ニ其職務ヲ執ルコトガ
出來ナイト云フコトハ、非常ニ苛酷ナ制裁
デアルト思フノデアリマス、判例ヲ見マシ
テモ、此苛酷ノ制裁ヲ緩和スル爲ニ、禁錮
ニスベキダケレドモ、職務ヲ失フカラ可哀
サウダト云フヤウナ御情ヲ以チマシテ、罰
金二千圓ト云フヤウナ、極度ノ罰金刑ニ科
シテ、其資格ヲ失ハヌヤウニシテアル所カ
ラ見マシテモ、裁判所當局ニ於テモ、此制
裁ガ非常ニ苛酷デアルカラト云フコトヲ、
此點カラモ窺知ルコトガ出來ルト思フノ
デアリマス、斯ノ如キ理由ヲ以チマシテ、
現行法中ノ此缺格條項ヲ、其他ノ職務ニ比
シ、醫師法ヤ藥劑師法ト緩和ヲシテ、均衡
ヲ得セシメタイト云フノガ、本案ヲ提出ス
ル理由デゴザイマス、洵ニ事案ハ簡單明瞭
デアリマシテ、只今ノ辯護士法ガ、如何ニモ
其制裁過重ダト云フノデ、此均衡ヲ得サシ
メル爲ニ本案ヲ提出致シタ次第デアリマス、何
卒滿場ノ御贊成ヲ得マシテ、速ニ御協贊ニナ
ルヤウニ御願ヲ致シタイノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=5
-
006・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 質疑ノ通〓ハアリ
マセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=6
-
007・松永東
○松永東君 本案ハ政府提出、裁判所構成
法中改正法律案外二件委員ニ併セ付託セラ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=7
-
008・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=8
-
009・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、日程第
三十、辯護士法中改正法律案ノ第一讀會
ヲ開キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマ
ス-提出者牧野賤男君
第三十辯護士法中改正法律案(牧野
賤男君外五名提出)第一讀會
辯護士法中改正法律案
辯護士法中左ノ通改正ス
第二條帝國臣民ニシテ成年者タル者ハ
辯護士タル資格ヲ有ス
第三條第一項中「試補」ヲ削ル
第四條中「前二條」ヲ「前條」ニ改ム
第二十八條削除
第三十七條削除
第三十九條第四號ヲ左ノ如ク改ム
四削除
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ノ際現ニ從前ノ規定ニ依リテ辯
護士試補タル資格ヲ有スル者ハ本法ニ依
ル辯護士タル資格ヲ有ス
〔牧野賤男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=9
-
010・牧野賤男
○牧野賤男君 辯護士法中改正法律案ノ提
案ノ理由ヲ說明致シマス、本案ハ至極簡單
ナ改正デアリマシテ、改正辯護士法ガ辯護
士試補ト云フモノヲ新ニ設ケテ、本年四月
一日カラ之ヲ實施致スノデアリマス、所ガ
辯護士ニ向ッテ試補ヲ拵ヘテ、更ニ一年半何
等ノ收入ナシニ事務ヲ修習セシムルト云フコ
トハ、甚シク事情ニ適シナイ法律デアルコトヲ
發見致シタノデアリマス、司法官タル者ガ司
法官試補トシテ事務ヲ修習致シマスルコトハ、
是ハ司法官ハ與ヘラレタル事件ニ付テ、好
ムト好マザルトニ拘ラズ、之ヲ擔任シナケ
レバナラヌ責任ガアルノデアリマス、隨テ
之ニ向ッテ十分修習ヲサセルト云フコトモ、
國家トシテハ必要デアリマス、辯護士ハ自
由職業デアリマス、自分ノ意ニ適シナイモ
ノハ、之ヲ辭スルコトヲ得ルノデアリマシ
テ、强制的ニ事件ヲ扱フト云フコトハ、
ツモ觀念セラレテ居ナイノデアリマス、隨
テ自分ノ好ム方ヘ向ッテ修習致シ、好マザル
方ニ向ッテハ、之ニ手ヲ染メナイト云フ自
由ヲ持ッテ居ルノデアリマス、又辯護士トシ
テ事務ノ修習ガ必要デアリマスルナラバ、卽
チ法律學校在學中ニ、之ニ向ッテノ〓育ヲ致
セバ足リルノデアリマシテ、國家試驗ヲ受
ケテ辯護士ト相成ッテ、更ニ一年半他ノ有給
ノ職ニ就クコトヲ得ズシテ修習スルト云フ
コトハ、洵ニ新ニ辯護士ニナル人ニ向ッテ、
無用ナ過重ナル責任ヲ課ス次第デアリマシ
テ、此制度ハ速ニ廢止スル方ガ適當デアラ
ウト思フノデアリマス、尙ホ詳細ハ委員會
ニ於テ說明ヲ致シマス、之ヲ以テ提案ノ理
由ト致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=10
-
011・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 質疑ノ通〓ハアリ
マセヌカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=11
-
012・松永東
○松永東君 本案ハ政府提出、裁判所構成
法中改正法律案外二件委員ニ併セ付託セラ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=12
-
013・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=13
-
014・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程
第五十二、大正十二年法律第五十二號中改
正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、提出者ノ
趣旨辯明ヲ許シマス-贊成者戶澤民十郞
君
第五十二大正十二年法律第五十二號
中改正法律案(司法官試補及辯護士
ノ資格ニ關スル件)(松永東君外二名
提出)第一讀會
大正十二年法律第五十二號中改正法律
案
大正十二年法律第五十二號中左ノ通改正
ス
第一項中「辯護士法第三條」ヲ「辯護士法
第二條第一項第二號」ニ、「辯護士試補タ
ルコトヲ得」ヲ「辯護士タルコトヲ得」ニ
改ム
〔戶澤民十郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=14
-
015・戸澤民十郎
○戸澤民十郞君 只今議題トナリマシタ大
正十二年法律第五十二號中改正法律案提案
ノ理由ヲ申上ゲマス、大正十二年法律第五
十二號ハ、辯護士試驗制度改正ニ際シマシ
テ、從來ヨリ明治二十六年司法省令第九號
辯護士試驗規則ニ依ル試驗ヲ受ケ來リタル
者ヲ救濟スル目的ヲ以テ制定セラレタモノ
デゴザイマス、然ルニ昨年四月一日ヨリ實
施サレマシタル改正辯護士法ノ第二條第一
項第二號「辯護士試補トシテ一年六月以上
ノ實務修習ヲ了ヘ考試ヲ經タルコト」トノ
規定ニ依リマシテ、本法中舊「辯護士法第
二條第二號ノ規定ニ拘ラズ辯護士タルコト
ヲ得」トノ規定ヲ、昭和十一年法律第七號
ニ依リマシテ「辯護士法第三條ノ規定ニ拘
ラス辯護士試補タルコトヲ得」ト改正ヲセ
ラレマシテ、一年半無給デ實務修習ヲ、昨
年カラ法科合格者ト同樣課セラレルコトト
ナッテ居リマス、斯クテハ十數年乃至數十
年ノ長イ間、生命ヲ賭シテ漸ク合格ヲ致
シ、旣ニ將來ノ年モ少クナッテ居ルニ拘ラ
ズ、其生活上ノ基礎ヲ奪ハルヽト云フ結果
ト相成リマシテ、本法制定ノ目的デゴザイ
マスル救濟ノ趣旨ニ遠ザカルコト大ナルモ
ノガゴザイマス、仍テ本法ニ依ル合格者ニ
對シマシテハ實務修習ヲ免除シ、昨年度及
ビ本年度ノ試驗合格者數十名ノ生活ヲ保障
スルト共ニ、其年來ノ希望ヲ達成セシムル
ノ必要ガアルト存ジマス、斯ク考ヘマシテ
本案ヲ提出致シマシタ次第デゴザイマス
何卒御審議ノ上速ニ御贊成アランコトヲ御
願致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=15
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016・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 質疑ノ通〓ハアリ
マイル発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=16
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017・松永東
○松永東君 本案ハ政府提出、裁判所構成
法中改正法律案外二件委員ニ併セ付託セラ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=17
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018・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=18
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019・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
やく、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=19
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020・松永東
○松永東君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ提
出致シマス、卽チ此際日程第四十七乃至第
五十ノ四案ヲ一括シテ繰上ゲ上程シ、其審
議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=20
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021・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=21
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022・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス-政府ハ此議事日程變更ニ同意セラ
レマシタ、仍テ日程ノ順序ハ變更セラレマ
シタ、日程第四十七、輸出組合法中改正法
律案、日程第四十八、重要物產同業組合法
中改正法律案、日程第四十九、商業組合法
中改正法律案、日程第五十、工業組合法中
改正法律案、右四案ヲ一括]シテ第一讀會
ヲ開キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマ
ス-提出者原玉重君
第四十七輸出組合法中改正法律案
(原玉重君提出)第一讀會
第四十八重要物產同業組合法中改正
法律案(原玉重君提出)第一讀會
第四十九商業組合法中改正法律案
(原玉重君提出)第一讀會
第五十工業組合法中改正法律案原
玉重君提出)第一讀會
輸出組合法中改正法律案
輸出組合法中左ノ通改正ス
第九條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ重要物產同業組合ニ於テ檢査規定
アル場合ハ商品檢査ニ限リ其ノ組合員
ニ對シテハ此ノ限ニ在ラス
重要物產同業組合法中改正法律案
重要物產同業組合法中左ノ通改正ス
第四條同業組合設置ノ地區內ニ於テ營
業所ヲ設ケ組合員ト同一ノ業ヲ營ム者
ハ組合ノ通知ニ依リ組合員トナルモノ
トス
組合員其ノ業ヲ營マサルトキハ組合員
タル資格ヲ失フ
同業組合設置ノ地區內ニ於テ組合員ト
同一ノ業ヲ營ム者ハ營業所ヲ設ケサル
者ト雖當該組合及組合聯合會ノ統制ニ
服スヘキモノトス
第十條ノ五產業又ハ營業上ノ弊害ヲ豫
防シ又ハ矯正スル爲特ニ必要ト認ムル
トキハ行政官廳ハ同業組合及同業組合
聯合會ニ對シ檢査其ノ他必要ナル取締
又ハ制限ヲ命スルコトヲ得
第十一條ノ二同業組合及同業組合聯合
會ノ經費又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル
トキハ同業組合組長又ハ同業組合聯合
會組長ノ請求ニ因リ市町村ハ市町村稅
ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ同業
組合又ハ同業組合聯合會ハ其ノ徵收金
額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スヘシ
市町村前項ノ請求ヲ受ケタル日ヨリ三
十日以內ニ其ノ處分ニ著手セス又ハ九
十日以內ニ之ヲ結了セサルトキハ同業
組合組長又ハ同業組合聯合會組長ハ地
方長官ノ認可ヲ得テ之ヲ處分スルコト
ヲ得此ノ場合ニ於テハ町村制第百十一
條第一項及第四項ノ規定ヲ準用ス
前二項ニ規定スル徵收金ノ先取特權ノ
順位ハ市町村其ノ他之ニ準スヘキモノ
ノ徵收金ニ次キ其ノ時效ニ付テハ市町
村稅ノ例ニ依ル
經費ノ分賦又ハ過怠金ノ徵收ニ關シテ
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ異議ノ申立、
訴願及行政訴訟ヲ爲スコトヲ得
商業組合法中改正法律案
商業組合法中左ノ通改正ス
第九條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ重要物產同業組合ニ於テ當該商品
ニ對シ檢査其ノ他統制規定アル場合其
ノ組合員ニ對シテハ此ノ限ニ在ラズ
工業組合法中改正法律案
工業組合法中左ノ通改正ス
第八條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ重要物產同業組合ニ於テ當該商品
ニ對シ檢査其ノ他統制規定アル場合其
ノ組合員ニ對シテハ此ノ限ニ在ラス
〔原玉重君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=22
-
023・原玉重
○原玉重君 只今上程セラレマシタ重要物
產同業組合法中改正法律案其他三件提案ノ
理由ヲ簡單ニ說明致シマス、重要物產同業
組合法ハ明治三十三年ノ創定ニ係リマシ
テ、爾後三十有餘年間我國產業ノ發達ノ上
ニ大イニ貢獻ヲ致シテ來ッタモノデアリマ
スルガ、最近當局ニ於カレテハ、或ハ產業
組合其他商工各關係組合ノ新制度助成ノ爲
ニ、大イニ力ヲ盡サレマスルガ、我ガ重要物
產同業組合ニ對シマシテハ、稍〓閑却サレタ
ヤウナ形ガナキニシモアラズデアリマス、
勿論產業組織又ハ經濟組織ノ變更ナドニ付
キマシテハ、其程度ヤ方法ノ宜シキヲ得
テ、順次更始一新ヲ要スルコトハ勿論デア
リマスルガ、徒ニ新シキニ走リマシテ、斯
ノ如キ立派ニ發達シテ來タ制度ニ付キマシ
テ蔑ロニスルト云フコトハ、最モ愼マナク
テハナラヌト考ヘルノデアリマス、勿論重
要物產同業組合法ハ、農商務省時代ノ創定
デアリマスカラ、現在ノ時相ニ副ハナイ改
正ヲ要スル點ハ相當多クハアリマス、吾々ノ
理想ト致シマシテハ、根本的ニ重要物產同
業組合法ヲ改正シ、及ビ產業組合又ハ商工
各關係組合ノ相互ノ關係ニ於キマシテノ根
本方策ヲ立テナクテハナラヌト考ヘマス、併
シ最モ急ヲ要スル數點ニ付キマシテ、此際
重要物產同業組合法ノ改正ヲ行ハントスル
モノデアリマス、其主ナル點ハ、第一ハ强
制加入ノ實際化、第二ハ同業組合ニ對シテ
檢査權ヲ與ヘルコト、第三ハ同業組合ノ組
合費徵收方法ヲ變更シヨウトスル、此三點
デアリマス、尙ホ只今上程ニナリマシタ同
業組合法改正案以外ノ三件、卽チ工業、商
業輸出組合法改正案ハ、前述ノ重要物產
同業組合法ヲ改正シマスニ關聯致シマシ
テ、改正ヲ要スルモノデアリマシテ、主要
同業組合ノ檢査權ヲ確立セントスルモノデ
アリマス、幸ヒ右四件ガ成立致シマシタナ
ラバ、全國千數百ノ同業組合ハ之ニ依リマ
シテ大イニ强化スルコトヲ得テ、益〓我國ノ
產業發達ノ上ニ盡スコトガ出來ルト考ヘル
ノデアリマス、會期モ切迫ノ今日、多數議
員提出案ノアル中ニ於キマシテ、本日特ニ
各派竝ニ政府ノ御同意ヲ得マシテ上程スル
コトヲ得マシタノハ、實ニ全國數十万ノ同
業組合員大衆ノ熱意ガ通ジタモノト考ヘマ
スルガ、何卒速ニ審議ヲ進メラレマシテ、
右四案ガ通過成立致シマスルヤウ希望致シ
マス次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=23
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024・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 此四案ニモ質疑ノ
通〓ハアリマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=24
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025・松永東
○松永東君 日程第四十七乃至第五十ノ四
案ハ、一括シテ政府提出、輸出補償法中改
正法律案委員ニ併セ付託サレンコトヲ望ミ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=25
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026・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=26
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027・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
やっく、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=27
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028・松永東
○松永東君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ提
出致シマス、卽チ此際日程第五十一ヲ繰上
ゲ上程シ、其審議ヲ進メラレンコトヲ望ミ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=28
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029・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=29
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030・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス-政府ハ議事日程變更ニ同意セラレ
マシタ、仍テ日程ノ順序ハ變更セラレマシ
タ、日程第五十一、六大都市ニ特別市制實
施ニ關スル法律案ノ第一讀會ヲ開キマス、
提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-提出者川
橋豐治郞君
第五十一六大都市ニ特別市制實施ニ
關スル法律案(瀨川嘉助君外十名提
円第一讀會
六大都市ニ特別市制實施ニ關スル法律
案
第一條本法ニ於テ市ト稱スルハ東京
市、京都市、大阪市、橫濱市、神戶市
及名古屋市ヲ謂フ
第二條市ハ從來ノ區域ニ依リ之ヲ府縣
ノ區域外トス
第三條市ハ法人トス官ノ監督ヲ承ケ法
令ノ範圍內ニ於テ其ノ公共事務竝從來
法令又ハ慣例ニ依リ府縣又ハ市ニ屬ス
ル事務及將來法律勅令ニ依リ市ニ屬ス
ル事務ヲ處理ス
第四條市ハ內務大臣之ヲ監督ス
第五條市制其ノ他ノ法令又ハ慣例ニ依
リ從來地方長官(東京府ニ在リテハ警
視總監ヲ含ム)及府縣參事會ノ權限ニ
屬スル事項ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ主
務大臣又ハ市長之ヲ行フ
第六條市制其ノ他ノ法令ニ依リ從來府
縣參事會ニ訴願シ得ヘキ事項ハ直ニ之
ヲ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第七條市ハ市制其ノ他ノ法令ニ依ルモ
ノノ外從來ノ府縣稅及賦金ノ例ニ依リ
市稅及賦金ヲ賦課徵收スルコトヲ得
前項ノ賦課徵收方法及賦金ノ支辨ニ付
テハ府縣稅及賦金ニ關スル法令ヲ準用
ス
第八條市ハ府縣ト其ノ事務ノ一部ヲ共
同處理スル爲規約ヲ定メ內務大臣ノ許
可ヲ得テ府縣市組合ヲ設クルコトヲ得
府縣市組合ハ法人トス
府縣市組合ノ事務ハ內務大臣ノ指定シ
タル府縣知事又ハ市長之ヲ管理ス
府縣市組合ニ關シテハ府縣制第百二十
六條ノ三第一項及第百二十六條ノ四乃
至第百二十六條ノ七ノ規定ヲ準用ス
第九條市制第百七十條第一項ノ懲戒審
査會ノ組織ニ關シテハ別ニ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十條本法ニ規定スルモノノ外凡テ市
制ノ定ムル所ニ依ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ爲府縣ニ屬スル財產、營造物
及事業ノ處分竝權利義務ノ歸屬ニ關シ必
要ナル事項ニ付テハ關係アル府縣會及市
會ノ意見ヲ徵シ主務大臣之ヲ定ム
本法施行ノ際必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=30
-
031・川橋豊治郎
○川橋豐治郞君 內務大臣ノ出席ヲ要求シ
マス
〔川橋豐治郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=31
-
032・川橋豊治郎
○川橋豐治郞君 只今上程ニ相成リマシタ
六大都市ニ特別市制實施ニ關スル法律案ニ
付キマシテ御說明申上ゲマス、六大都市ガ
特別市制ノ實施ヲ要望スル所以ハ、現行制
度其モノガ、既ニ根本的ニ大都市ノ實情ト
特質ニ適合セナイモノデアリマス、而モ輓
近大都市ノ異常ナル膨脹發展ニ伴ヒ、益〓其
不備缺陷ヲ如實ニ具現シ、大都市行政ノ將
來ハ洵ニ寒心ニ堪ヘザルモノガアルカラデ
アリマス、由來大都市ハ我國政治、經濟、
文化ノ中樞ヲ成シ、其盛衰ハ國運ノ消長ニ
關スル所頗ル多ク、殊ニ東京市ハ帝都タル
ノ特異ノ地位ニ在ルコトハ申上ゲル迄モナ
イコトデアリマス、地域ノ如キモ頗ル廣汎
デアリマシテ、其包容スル人口ハ、現ニ內
地全人口ノ一八%、全國都市人口ノ五六%
ヲ占メ、而モ人口ノ激增スルコト、近時特
ニ顯著デアリマシテ、旣ニ東京市ハ府人口
ノ九二%、大阪市ハ七〇%ノ多キヲ占メテ
居ルノデアリマス、又國民ノ負擔率カラ見
マスレバ、第三種所得稅總額ノ五三%ヲ大
都市市民ガ占ムル事實ノ示ス如ク、大都市
ハ民間經濟力ガ偉大デアリマシテ、自然大
企業經營ガ集中サレ、本邦生產經濟界ヲ左
右スル實勢力ヲ有スルコトハ言ヲ俟タナイ
所デアリマス
次ニ大都市ハ一般中小都市ト異リ、啻ニ
國政事務ガ厖大ナルバカリデナク、電氣、
水道、港灣、運輸、其他ノ市營事業、社會
事業、保健衞生、土木事業等、萬般ノ自治
事務ガ益〓2擴充セラレマシテ、其行政財政
ノ機構ハ、全ク特異ナ發展ヲ遂ゲツヽアル
コトデアリマス、隨テ大都市ノ施設經營ハ
年ト共ニ複雜多岐トナリマシテ、財政ハ益〓
膨脹シ、明治三十一年ニ比シ八十三倍トナ
リ、國庫ノ十倍、地方財政ノ十九倍ナルニ
比較致シマシテ、異常ナル發展ヲ遂ゲツヽ
アルコトガ、有力ニ證明シ得ルノデアリマ
ス、之ヲ府縣ニ比シマスレバ、大都市ハ正
ニ數府縣ノ財政力ヲ併有シ、府縣ニ匹敵ス
ル行政機構ヲ備ヘ、而モ駸々トシテ發達途
上ニアルノデアリマス、斯ル特異性ヲ有ス
ル大都市ヲ、一般中小都市ト同一法制ノ下
ニ律スル爲メ、旣ニ多年ニ亙リ各種ノ弊竇
ヲ生ジツヽアルノデアリマス、卽チ同一地
域ニ府縣ト大都市トノ二箇ノ自治體ガ竝存
シテ居ル爲メ、府縣都市間ニ自ラ施設事業
ノ競爭ガ行ハレ、一體トナルベキ大都市ノ
行政ニ付キ、權限ノ重複、竝立限界ノ不明
確ヲ來シ、連絡統一ナキ、不經濟ナル二重
行政ガ行ハレツヽアルコトデアリマス、此
二重行政ノ結果、市民ハ府市二重ノ負擔ニ
苦シミツヽアルノデアリマス、又既ニ實力
ニ於テ正ニ府縣ニ比肩シ得ル大都市ニ對シ
テモ、二重監督ガ行ハレル爲メ、市政事務
ノ遂行ヲ妨ゲ、都市ノ健全ナル發展ヲ阻碍
スル頗ル大ナルモノガアルノデアリマス、
是等ノ理由ニ依リマシテ、是ガ匡正ノ爲ニ
モ、大都市ヲ府縣ノ地域ヨリ離脫シ、行政
財政共府縣ヨリ獨立シタ、完全ナル統一的
自治體タラシムル必要ガアッタノデアリマ
ス、然ルニ多年其實現ヲ見ナカッタ內、人口
都市集中ノ勢ガ一層增大スルニ伴ヒマシテ、
大都市ハ何レモ市域ノ大擴張ヲ行ッタノト、
又大都市ノ實情ニ適セナイ稅制整理ガ再度
行ハレマシテ、大都市財政ノ異常ナル變革
ヲ與ヘ、其他ノ諸原因モ相俟ッテ、大都市財
政ノ窮乏ハ益〓顯著トナリ、之ニ反シテ府
縣財政ハ愈〓好轉シ、玆ニ憂フベキ府縣大
都市間ノ跛行的財政狀態ヲ現出スルニ至ッ
タノデアリマス、卽チ大都市ニ集中スル人
ロハ、主トシテ農村ノ過剩人口ノ流入デアリ
マシテ、何レモ擔稅力ヲ缺如シテ居リマスノデ、
此大都市ノ擔稅力ハ、人口ノ增加ニ反比例シ
テ、低下ノ傾キニアルコトデアリマス、而モ
是等增加人口ノ爲ニ、義務〓育、社會事業、
保健、交通等、有ユル施設ヲ擴充シテ行カネ
バナラヌシ、殊ニ學齡兒童ノ急激ナ增加ニ
伴ヒ、年ニ、東京市ハ五百數十大阪市モ
三百數十、其他ノ大都市モソレ〓〓ニ多數
ノ學級ヲ增加スルコトヲ餘儀ナクサレ、ソ
レガ都市財政ノ膨脹トナリ、是ガ大都市公
經濟行詰リノ一面トナリツヽアルコトデア
リマス、更ニ人口ノ增加ハ、市域ノ大擴張
ヲ誘引シ、其爲メ擔稅力ナキ許多ノ町村人
口ヲ俄ニ包容シ、新市域ニ對シテ多額ノ經
費ヲ投ジテ、諸般ノ施設ヲ行ッタノミナラ
ズ、從來府縣費支辨デアッタ國道、府縣道ノ
費用、及ビ都市計畫事業費等ガ市費支辨ニ
移リソコニ府縣都市間ノ跛行的財政ノ一因
ヲ作ッタコト、又市擴張ハ軈テ府縣經濟三部
制ノ廢止ヲ伴フ爲メ、勢ヒ市民負擔ノ府縣
稅ガ增加サレ、郡部ニ向ヒ稅收入ガ流出シ、
大阪ノ實例ヲ以テシテモ、昭和二年度百八
十万圓デアッタモノガ、同十年度ニハ三百七
十万圓ガ市部カラ郡部へ流出シタノデアリ
マス、大都市内ノ道路、河川、港灣等多額
ノ經費ハ、市費ノ負擔ニ屬セシメテ居ルノ
ニ、之ニ伴フ河川占用料、入津料、公有水
面使用料、噸稅收入等ハ、何レモ國及ビ府
縣ニ歸屬セシメテ居ルコト、更ニ大正十五
年ノ稅制整理ハ、所得稅附加稅ヲ原則トシ
テ大都市ヨリ奪ッテ、之ヲ府縣ニ歸屬セシメ
タ爲ニ、府縣ハ思ハヌ增收ヲ來シタノニ、
大都市ハ限外課稅ヲシテモ尙ホ必要ナ收入
ヲ擧ゲ得ナイコトトナッタノデアリマス、又
昭和六年ノ稅制整理ニモ、略〓同樣ナコトガ
繰返サレタノデアリマス、斯クシテ大都市
財政ハ年ト共ニ窮乏ノ度ヲ增シ、一時ハ各
都市共赤字財政ノ厄ニサへ見舞ハレ、殊ニ
市債ハ愈〓增加シテ、是ガ償還財源トシテ市
稅ノ大半ヲ奪ハレマシテ、必要ナ施設事業
サヘモ最早手モ足モ出シ得ナイ羽目ニ陷ッタ
ノデアリマス、然ルニ大都市所在府縣ハ、
大都市ノ發展ニ依リ思ハヌ增收ヲ重ネタノ
デ、何レモ近來著シク財政上ノ餘裕ヲ來シ
ツヽアルノデアリマス、少クトモ今後ノ稅
制整理ニ於テハ、大都市ノ特異性ヲ認識シ
テ、此不當ナル跛行的財政狀態ヲ是正スル
コトガ肝要デアルベキニ、前內閣ノ企圖シ
タ地方稅制財政ノ改革ハ、却テ大都市財政
ノ彈力性ヲ殺ギ、其自治權ヲ萎縮セシメ、
而モ府縣トノ跛行財政狀態ヲ益〓激化セント
スルモノデアリマシテ、是ガ爲メ大都市ハ
突如トシテ又新ナル重大危機ニ直面スルニ
至ッタノデアリマス、幸ニ現內閣ニ於テハ、
此改革案ニ再檢討ヲ加ヘラレタル爲メ、本
議會ニ該改革案ノ提出ヲ見合セラレタルコ
トハ、洵ニ機宜ヲ得タルモノト存ズル次第
デアリマス、併ナガラ地方稅制財制ノ改革
ハ、結局時日ノ問題デアリ、現内閣モ亦近
ク適當ナル改革ニ著手セラルヽモノト考ヘ
ラルヽノデアリマスガ、稅制財政ノ改革ノ
ミヲ以テシテハ、到底行詰レル大都市行政
財政ノ現狀ヲ打破シ、其發展ヲ期スルコト
ハ全ク不可能デアリマス、寧ロ此機ニ際シ、
速ニ大都市ニ剴切ナル行政制度ノ樹立ヲ緊
要トスルモノデアリマス、尙ホ六大都市ハ
年々農村ヨリ流入致シマスル人口ヲ吸收消
化致シマシテ、其數年々五六十万ヲ下ラザル
モノガアルノデアリマス、其結果農村ニ於
テハ過剩人口ノ整理ト、農村經濟ニ多大ノ
好影影ヲ與、ヘ、人口問題、經濟問題等ノ安
全瓣トナッテ居リマスルガ、是ガ爲ニ大都市
ハ總テノ施設費ガ年々激增致シマシテ、洵
ニ困窮ノ極ニ達シテ居ルノデアリマス、此
問題ヲ適當ニ調整致シマスルコトハ、都市
農村ノ對立抗爭ヲ緩和シ、尙ホ國家產業上
ニ寄與スル所大ナルモノガアルト存ジマ
ス、其方法ト致シマシテモ、大都市ニ特別
ノ制度ヲ認メ、財政ト行政ノ獨立ヲ認メ、
施設ノ完成ト自治權ノ確立ヲ期スルコトハ、
焦眉ノ急務ト斷言セザルヲ得ナイノデアリ
マス
前述ノ如ク大都市ハ重大ナル國家的使
命ヲ擔ヒ、幾多ノ特異性ヲ持ッテ居リマシ
テ、旣ニ現行都市制度ノ適用ガ全ク不適當ト
ナリ、ソコニ少カラヌ弊害ヲ生ジツヽアルノデ
アリマス、之ニ鑑ミ六大都市ハ共同シテ、多年
是ガ改善ヲ要望シ來ッタノニ拘ラズ、其後諸
制度ノ改正ハ、却テ大都市行政財政ヲ益〓不
利ニ導カントスルノデアリマシテ、斯ノ如
キハ大都市ノ健全ナル發達上、最早到底隱
忍スルコトヲ許サナイノデアリマス、之ヲ
要スルニ大都市ノ盛衰ガ、帝國ノ隆替ニ關
スル重大性ニ鑑ミラレ、此輿論ノ趨勢ニ察
知セラレ、更ニ最近ニ於ケル大都市ノ使命
ト實情ニ深キ認識ヲ賜リマシテ、國運ノ進
展上重責ヲ負ヘル大都市行政財政ノ仲暢ヲ
期スル爲メ、全會一致御贊同ノ上、大都市
市民ヲシテ長ク其堵ニ安ンゼシメラレンコ
トヲ切望スル次第デアリマス
尙ホ最後ニ內務大臣ニ對シマシテ御尋申
上ゲタイノデアリマスルガ、東京都制案竝
ニ五大都市特別市制ノ問題ニ付キマシテハ、
嘗テ大都市制度調査委員會ニ依リテ十分ニ
〓究セラレマシテ、第六十四議會ニハ政府
ヨリ東京都制案ノ提案ヲ見ルニ至リマシタ、
又前內閣ニ於カレマシテハ、五相會議ニ於
テモ既ニ議會提出ノ形勢ニアッタ、又今日マ
デ本院ニ於テ數囘本議案ハ通過致シテ居ル
ノデアリマス、旣ニ本案ハ調査〓究ヲ完了
致シマシテ、其實現ハ全ク時間ノ問題ト申
スモ敢テ過言デナイノデアリマス、現政府
ガ前內閣ノ庶政一新政策ヲ繼承シ、其實現
ヲ期シ得ラレル立場ニ於キマシテ、此重大
案件ヲ閑却サルヽコトナク、一日モ早ク本
案ノ實施ヲ見ルヤウニ御配慮ヲ願ヒタイト
思フノデアリマス、此點ニ關シマシテ內務
大臣ノ御所信ヲ御伺申上ゲタイノデアリマ
ス(拍手)
〔政府委員篠原英太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=32
-
033・篠原英太郎
○政府委員(篠原英太郞君) 只今大都市ニ
對スル特別市制ノ問題、及ビ東京都制ニ關
スル事項ニ付キマシテノ御質問ガゴザイマ
シタノデアリマス、之ニ對シマシテ私ヨリ
御答ヲ申上ゲタイト存ジマス、御示シノ如
ク大都市ニ於ケル現狀ヨリ考ヘマシテ、之
ヲ普通都市ト同一ノ制度ノ下ニ律シマスル
コトハ、必シモ適當デナイヤウニ考ヘテ居
リマスルシ、又此點ニ付キマシテハ、東京
都制ニ關スル問題ト共ニ、當該五大都市ノ
關係者ヨリハ、從來屢〓特別市制制定ノ要望
ニ接シテ居ルノデゴザイマス、其要望ノ趣
意ハ、六大都市ヲ府縣ノ區域カラ獨立セシ
メマシテ、其權限ヲ擴張セントスルノ御趣
意ノヤウニ承知ヲ致シマス、斯ク致シマス
ルコトニ付キマシテハ、實ハ殘存郡部ノ構
成、乃至ハ之ニ影響ヲ受ケマスル所ノ負擔
ノ調整方法等、其根本ニ考究ヲ要スベキ問
題ガ多々アルノデゴザイマス、更ニ又府縣
知事ガ國ノ普通行政官廳ト致シマシテ處理
ヲ致シマスル、警察其他ノ國政事務ノ措置
ニ關シマシテモ、國ノ行政組織上考慮ヲ要
シマスル事柄ガ少クナイノデゴザイマス、
政府ト致シマシテハ、此點ニ付キマシテハ
常ニ愼重ニ調査ヲ遂ゲツヽアルノデゴザイ
やっ、特ニ其剴切ナル成案ヲ得マスルコト
ニ努力ヲ拂ヒツヽアルノデゴザイマス、此
點ニ付キマシテハ、特ニ明年度ニ於キマシ
テハ地方制度ノ調査會ヲ設置致シマシテ、
地方制度全般ニ亙リ檢討ヲ致シテ、此間ニ
何等カノ成案ヲ得タイト云フコトヲ期シテ
居ル次第デゴザイマス、又地方稅制財政ノ
問題ハ、此問題ト極メテ密接重要ナル關係
ヲ持チマスルノデ、而モ此問題ハ中央ノ統
制問題ト不可離ノ關係ニアル次第デゴザイ
やく、是等ノ問題ハ政府トシテ考究ヲスベ
キ重大ナ問題トシテ懸案ニナッテ居ルヤウ
ナ次第デゴザイマス、是等ノ點ヲ彼此考量
致シマシテ、御趣意ノ程ハ十分承リマシテ、
愼重ニ考究ヲ致シタイト存ズル次第デアリ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=33
-
034・松永東
○松永東君 本案ハ議長指名九名ノ委員ニ
付託セラレンコトヲ望ミマス
〔「贊成」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=34
-
035・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=35
-
036・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=36
-
037・松永東
○松永東君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ提
出致シマス、卽チ此際日程第三百十五ヲ繰
上ゲ上程シ、其審議ヲ進メラレンコトヲ望
ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=37
-
038・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=38
-
039・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス-政府ハ此議事日程變更ニ同意セラ
レマシタ、仍テ日程ハ變更セラレマシタ、
日程第三百十五、決議案、本案ヲ議題ト致
シマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-
提出者內ケ崎作三郞君
決議案(帝國議會圖書館竝議員事務室建
設ノ件)(小泉又次郞君外四十四名提
西
決議案
決議
政府ハ憲法發布五十年記念トシテ帝國議
會圖書館竝議員事務室ヲ建設スヘシ
右決議ス
〔內ケ崎作三郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=39
-
040・内ヶ崎作三郎
○內ケ崎作三郞君 諸君、只今議題トナリ
マシタル本院各派共同提案ニ係ル決議案ニ
付キ、趣旨辯明ヲ致シマスコトハ、私ノ大
ナル光榮トスル所デアリマス、先ヅ決議案
ヲ朗讀致シマス
政府ハ憲法發布五十年記念トシテ帝國議
會圖書館竝議員事務室ヲ建設スヘシ
右決議ス
謹ミテ惟ヒマスルニ、明治大帝千古不磨
ノ大典ヲ欽定シ給ヒ、明治二十三年紀元ノ
佳節ヲトシテ、之ヲ宣布セサセ給ヒシ以
來、皇威ハ益〓揚リ、國運ハ愈〓榮エ、邦家
今日ノ隆昌ヲ見ルニ至リマシタルコトハ、
世界列强ノ齊シク刮目驚歎スル所デアリマ
え、是レ偏ニ憲法發布ヲ一大轉機トシテ、
帝國議會ノ創設ニ依リ、民意ノ暢達ヲ圖リ、
上下相和シ、盛ニ經綸ヲ行ヒタル結果ニ外
ナラナイノデアリマス(拍手)今ヤ昭和十三
年ヲ以テ憲法發布五十年ノ盛儀ヲ迎ヘント
スル此秋ニ當リテ、十有九箇年ノ星霜ト、
二千七百万圓ノ巨費トヲ投ジテ、此宏大壯
麗ナル帝國議會議事堂ノ竣功ヲ見タルハ、議
會政治ノ爲メ洵ニ慶賀ニ堪ヘナイ所デアリ
マス(拍手)併ナガラ玆ニ容易ニ看過スルコ
トノ出來ナイ重大ナル缺陷ヲ認メザルヲ得
ナイノデアリマス(拍手)卽チ新議事堂ハ從
來ノ假建築ヲ豪華ナル鐵骨石造ノ本建築ニ
代ヘタルニ過ギナイノデアリマス、而モ此
設計ハ二十年前ノ計畫ニ依リマシタモノ
デ、今日トナリテハ實際ニ適應セザル箇所
ガ多イノデアリマス、就中議員控室ヲ例ニ
取リマスルナラバ、其實用面積甚ダ狹クシ
テ、使用上尠カラザル不便ヲ感ズルノデア
リマス、單ニソレバカリデハアリマセヌ、
眞ニ議會ノ機能ヲ發揚スル爲ニ必要缺クベ
カラザル、完全ナル議院調査機關ノ存セザ
ルハ、私共ヲシテ著シク物足ラザル感ジヲ
起サシメルノデアリマス(拍手)
凡ソ議員タル者ガ國民ノ代表トシテ其職
責ヲ竭サントスルニハ、議場ニ於ケル討議
ニ先ンジテ、豫メ議案ニ對シテ、周到嚴正
ナル調査〓究ヲ行ハナケレバナラナイノデ
アリマス、而シテ其資料ノ廣汎多岐ニ亙ル
コトハ避クベカラザル次第デアリマス、サ
レバトテ議員各自ガ之ヲ蒐集スルニハ多大
ナル困難ヲ伴フノデアリマス、一タビ思ヲ
議員ノ繁忙ナル日常生活ト、限ラレタル資
源トニ致シマスルナラバ、固ヨリ當然ノ事
トシテ之ヲ認メナケレバナラナイノデアリ
やく、仍テ此必要ニ應ジテ資料ヲ蒐集整理
シ、之ヲ議員ニ提供スル機關ノ必要ヲ生ズ
ルノデアリマス、是卽チ議會圖書館ノ使命
デアリマス、是ト同時ニ此圖書館ヨリ簡易
ニ、敏速ニ資料ノ供給ヲ受ケテ、議員各自
ガ專心ニ調査〓究ヲ行フニ足ル設備ガ存在
シナケレバナラナイノデアリマス、仍テ議
員事務室ノ必要ガ生ズルノデアリマス、卽
チ議會圖書館ト議員事務室トハ車ノ兩輪ノ
如ク、鳥ノ雙翼ノ如ク、密接ナル關係ヲ保
チ、相互依存シテ十分ニ活用セラレテコ
ソ、初メテ議會ニ於ケル審議ノ完璧ヲ期シ
得ベキモノト考ヘマス(拍手)
偖テ現ニ貴衆兩院ニハ各〓附屬圖書館ヲ有
スルノデアリマスガ、其規模至リテ狹小、
其內容極メテ貧弱デアリマシテ、議員ノ要
望ト期待トニ副ハナイコトハ、私共ノ日々
經驗スル所デアリマス、又議員控室ニ至リ
マシテハ、多數ノ議員ガ混然雜然トシテ群
居致シテ居ルノデゴザイマシテ、各自ノ定
席サヘモ設ケラレテナイ次第デアリマス、
故ニ議案ノ調査ハオロカ、日常ノ書信サヘ
モ認メ得ザル狀態ニアルノデゴザイマス、
斯ル事情ノ下ニアリテ議員ノ職分ヲ遂行セ
ントスルハ、恰モ木ニ緣リテ魚ヲ求ムルガ
如キモノデアリマス、夫レ議事堂ハ完備シ
タル調査〓究機關ヲ期スルコトニ依ッテ、初
メテ生命ト價値トヲ發揮スルモノデアリマ
ス、旣ニ帝都ノ一角ニ於テ、此憲政ノ大殿
堂ノ存スルニ拘ラズ、其心臟トモ腦髓トモ
目スベキ是等ノ附屬建築物ノ伴ハザルハ、
實ニ九仭ノ功ヲ一簣ニ虧クモノト言ハナケ
レバナラナイノデアリマス(拍手)私共ハ斷
ジテ不徹底極マル既定計畫ヲ以テ滿足スル
モノデハアリマセヌ、歸スル所議會圖書館
ノ充實ト、議員事務室ノ整備トハ、洵ニ緊
急ヲ要スル問題デアルト申サナケレバナリ
マセヌ
今姑ク眼ヲ議院外ニ向ケテ、我國ニ於ケ
ル諸般機關活動ノ實際ヲ觀察致シマスル
ト、政府關係ノモノハ言フ迄モナク、銀
行、會社、新聞社等ニシテ調査〓究ノ資料
ヲ提供スル施設ヲ有セザルハ、一ツモ存在
致シテ居ラナイノデアリマス、然ルニ愼重
審議協賛ノ任ヲ竭シ、上陛下ノ聖慮ニ對ヘ
奉リ、下國民ノ委託ニ酬インコトヲ期スル
帝國議會ニ於テ、完全ナル調査機關ヲ有セ
ザルコトハ、決シテ許スベカラザル缺點デ
アルト斷言セネバナラヌノデアリマス、近
來往々議會政治ニ對スル種々ナル論議ヲ加
フル者ガゴザイマス、仍テ政府ハ曩ニ議會
制度調査委員會ヲ特設シテ、其改革刷新ノ
方途ヲ考究中デゴザイマス、衆議院ニ於テ
モ亦議會振肅委員會ヲ設置シ、或ハ議院法
ヲ改正シ、或ハ各派ノ申合セ等ニ依リテ、
議會ノ品位向上ト發展トヲ圖リツヽアルノ
デアリマス、此際私共ハ審議協賛ノ根本義
ニ遡リテ、政府提出ノ參考資料ノミヲ以テ
滿足セズ、議員ノ有スル完全ナル調査〓究
ノ機關ヲ活用シテ、眞ニ愼重審議ノ實ヲ擧
グルハ、議會政治向上ノ一手段デアルコト
ヲ確信スルノデゴザイマス、幸ニモ帝國議
事堂本館ハ漸ク竣成シ、殊ニ憲法發布五十
年ノ盛典ヲ明春ニ迎ヘントシテ居ルノデア
リマス、洵ニ欣喜ニ堪ヘナイモノガアルノ
デゴザイマス、私共ハ過去半世紀ニ亙リテ、
我國ノ議會政治ノ變遷推移ヲ追懷致シマス
レバ、感慨無量ノモノガゴザイマス、私共
ノ敬愛スル多數ノ先輩ハ、其物故者タルト
現在者タルトノ別ナク、各〓一身一家ノ窮
乏ニ堪ヘ忍ビテ、複雜紛糾セル政戰ニ從
ヒ、以テ議員ノ職責ヲ盡シ、蹇々匪躬ノ忠
誠ヲ君國ニ棒ゲラレタルコトハ、私共後進
ノ深ク感銘スル所デアリマス(拍手)私共モ
亦是等先輩ノ跡ヲ追ヒテ、議會政治ノ爲ニ
貢獻セント欲スルモノデアリマスガ、現時
國家內外ノ情勢ハ、完全ナル調査〓究ノ設
備ナクシテハ、議員トシテ十分ナル活動ヲ
爲シ能ハザルコトヲ痛感セザルヲ得ナイノ
デアリマス、諸君、昭和十三年二月十一日
ノ紀元節ヲ期シテ行ハレントシテ居ル憲法
發布五十年記念トシテ、議會圖書館竝ニ議
員事務室ヲ完成スルハ、時宜ニ適スル好個
ノ割期的事案タルノミデハゴザイマセヌ、
之ニ依ッテ議會政治ノ向上ト憲政ノ發達ト
ニ資シ、以テ皇國ノ隆盛ト發展トヲ圖ルコ
トハ、帝國憲法ヲ下シ賜ハリタル明治大
帝ノ御聖旨ニ副ヒ奉ル所以デアルノデゴザ
イマス(拍手)
偖テ諸君、林內閣總理大臣ハ組閣ノ初メ
ニ當リマシテ、政綱ノ要旨ヲ公表シ、其第
二項ニ「欽定憲法ノ條章ニ循ヒテ我邦ノ獨
特ナル立憲政治ノ發達ヲ健實ニシ、民意ニ
察シ、輿論ニ聞キ、公明ナル政治ノ運行ヲ
期ス」ト聲明シテ居ラレルノデゴザイマ
ス、之ニ依ッテ見レバ、林內閣ハ憲政ノ發
達ニ對シテ、多大ナル關心ヲ有シテ居ラレ
ルモノノ如ク感ゼラレルノデゴザイマス、
併ナガラ此聲明ハ事實トナッテ證明セラル
ルニアラザレバ、私共ハ容易ニ之ヲ信ズル
コトハ出來ナイノデアリマス(拍手)恰モ此
時ニ當ッテ本案ノ提出ヲ見タルハ、正ニ現內
閣ノ一大試金石ト言ハザルヲ得ナイノデゴ
ザイマス、此點ニ付テ私共ハ林總理大臣ガ
大決心ヲ以テ、私共ノ熱心ナル此要求ヲ實
現スルノ方策ヲ採ラレンコトヲ望ム者デア
リマス
私ハ玆ニ議會圖書館竝ニ議員事務室ノ設
計ニ關シテ、私共ノ所見ノ一端ヲ述ベテ諸
君ノ御諒解ヲ得ルハ、此際意義アルコトト
考フルノデゴザイマス、先ヅ議員事務室ニ
關シマシテハ、議員一人ニ對シテ一部屋ヅ
ツヲ割當ツルヲ以テ理想ト致スノデゴザイ
マスガ、現下我國ノ財政狀態ニ鑑ミマシテ、
出來得ル限リ規模ヲ縮小致シタノデゴザイ
マス、例ヘバ面積十坪ノ一室ヲ議員四人ニ
テ共用スルコトニ致シマスレバ、百二十
室面積一千二百坪ノ建築物ヲ要スルノデ
ゴザイマス、併シ是ハ實用面積デアリスカ
ラ、總建坪ハ約二千坪ニ達スルノデゴザイ
マス、卽チ貴衆兩院ニ於テ合計約四千坪ノ
建築物ヲ要スルノデゴザイマス、次ニ議會圖
書館ノ計畫ヲ申上ゲマス、是ハ議員事務室
ノ作用ヲ有效ナラシムル爲メ、相當規模ノ
施設ヲ要シマスガ、是モ單ニ間ニ合ヒ得ル
程度ノ計畫ニ止マルニシテモ、書庫ニ六百
坪、閲覧室ト事務室ニ一千四百坪、合計二
千坪ノ建築物ヲ要シマス、之ニ議員事務室
ノ四千坪ヲ合算スレバ、約六千坪ノ建築物
ヲ要シマス、是ハ調査〓究機關ノ運用上最
小限度ノ施設デゴザイマス、而シテ其樣式
ヲ鐵骨鐵筋混凝土ニシテ、內外ニ多少ノ
裝飾ヲ施スヲ條件トスレバ、一坪當リ三百
圓ト見積ルノデゴザイマス、卽チ建築費總
額ハ百八十万圓デゴザイマス、之ニ敷地代
金及ビ附隨費ヲ加算スレバ、約三百四十万
圓トナルノデゴザイマス、更ニ帝國議會附
屬ノ記者倶樂部ヲ建設スルコトモ急務デゴ
ザイマス、是ハ議會ト國民及ビ世界トノ間
ノ緊密敏活ナル連絡報道機關タル、新聞通
信ニ從事スル記者團ノ活動ノ便ニ供スル設
備デアリマス、現在ノ狀況ニアッテハ、記者
團ハ幾多ノ不便ヲ忍ンデ居ルノデゴザイマ
ス、若シ新シキ設備ガ完成シマスルナラバ、
幾倍ノ能率ヲ擧グルコトノ可能ナルヲ私共
ハ疑ハナイノデゴザイマス、而シテ此目的
ノ爲ニ、少クトモ一千坪ノ建物及ビ其他ノ
施設ヲ要スルノデアリマス、其費用〓算ハ
四十五万圓デアリマス、卽チ一切ノ諸設備
費額ノ總計ハ、三百八十五万圓トナルノデ
ゴザイマス、是ハ決シテ少額ノ國帑デハゴ
ザイマセヌ、併ナガラ是等設備ガ完成ノ曉
ニ於テ、國家民人ノ蒙ルベキ多大ナル利益
ニ想ヒ到リマスル時ハ、此程度ノ金額ヲ支
出スルコトニ、政府ハ躊躇スル理由ハナイ
ト考フルノデゴザイマス(拍手)私共ハ殊ニ
此點ニ付テ政府ノ注意ヲ喚起シクイノデゴ
ザイマス、尙ホ本決議案參考書ハ、議長ノ
御許ヲ得マシテ議事速記錄ニ揭載シテ、政
府ノ參考ニ資シタイト存ジマス
最初政府ハ議事堂建築委員會ニ諮リ、新
議事堂建築ノ全計畫ヲ樹立致シタノデアリ
やく、卽チ第一期事業トシテ議事堂本館、
第二期事業トシテ圖書館、議員事務室、其
他所謂附屬廳舍ヲ建築シ、而モ第二期事業
ハ、第一期工事進行中適當ナル時機ニ於テ
豫算ヲ計上シテ、本館ト同時ニ落成セシム
ベキ豫定デアリマシタ、然ルニ政府ハ何故
カ第二期事業ニ著手シナカッタノデ、第四十
三議會以來建議案ハ八囘、決議案ハ二囘本
院ニ提出セラレ、悉ク可決セラレテ、之ヲ
促進シタノデアリマス、其結果トシテ漸ク
第六十七議會ニ於テ、昭和十年度以降三箇
年繼續費トシテ五十万圓ヲ豫算ニ計上シテ、
議會ノ協贊ヲ得タノデアリマス、之ニ依ッテ
昭和十年度ニ於テハ、新聞記者事務所ノ外、
陸橋竝ニ地下道ノ建築等ニ止メ議員專用廳
舍ノ建築ハ見合セ中止トナッタノデアリマ
ス、廣田內閣ハ昭和十二年度豫算中ニ、本
案ノ具體化ニ要スル費目二百五十万圓ヲ、
十二年度以降四箇年繼續事業トシテ計上ヲ
致シタノデアリマスガ、現內閣ニ依リテ修
正セラレ、唯僅ニ議員專用廳舍建設調査費
トシテ三万圓計上ヲ見タルニ過ギナイノデ
ゴザイマス、併ナガラ現内閣ハ貴衆兩院政
務調査費トシテ、合計十万餘圓ヲ追加豫算
ニ計上シタルハ、本決議案ノ將來ニ徵カナ
リト雖モ多少ノ光明ヲ認メシムルモノトシ
テ、私共ノ大イニ歡迎スル所デアリマス、
加之本年二月二十日、本院ニ於テ議長ヨリ
憲法發布五十年記念祝典委員十八名ヲ指名
セラレマシタ、而シテ該委員會ハ其第一囘
ノ會合ニ於テ、全員一致、本決議案ノ趣旨
ノ擴大强化ヲ決議シタノデゴザイマス、諸
君、私共ハ以上ノ趣旨ニ基キ、議員調査機
關タル議會圖書館竝ニ議員事務室ノ完成ヲ
圖ラントスルモノデゴザイマス、仍テ政府
ハ直チニ憲法發布五十年記念トシテ、完全
ナル具體的計畫ヲ立案シ、是ガ實現ヲ期ス
ベキデアリマス、是レ私共ガ本案ヲ提出シ
タル所以デアリマス、冀クバ私共ノ微衷ヲ
諒トセラレ、奮ッテ御贊成アランコトヲ御願
致シマス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=40
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041・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 是ヨリ討論ニ入リ
マス-星島二郞君
〔星島二郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=41
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042・星島二郎
○星島二郞君 只今內ケ崎サンカラ詳細ニ
提案ノ說明ガアリマシタカラ、私ハ唯簡單
ニ本案ニ衷心ヨリ贊成スル理由ヲ申述ベタ
イト思フノデアリマス、元來ガ之ヲ態々此
議會ニ決議案トシナケレバナラヌ、或ハ憲
法發布五十年ノ記念事業トスベキデアルト
云フヤウナコトハ、實ハ殘念ナ話ナンデア
リマス、吾々長イ間待望シタ此新築議事堂
ガ出來マシタ時ニ、モウ既ニ業ニ出來テ居ナ
クテハナラヌコトナンデアリマシテ、成程
此議事堂ハ立派ニ出來マシタ、殊ニ此議場
ノ如キノ音響其他ニ對スル設備ハ中々良ク
出來テ居リマスケレドモ、缺點ヲ見マスレ
バ色々アル、殊ニ十五六年モ掛ッタ此新築議
事堂ノ周圍ノ門ガ、マダ出來テ居ナイデ假
門デアルト云フヤウナコトハ、マルデ是ハ
洋服ヲ著テ「ネクタイ」ヲセヌヤウナモノデ
アル、或ハ只今提案ノ如ク、寧ロ一番必要
ノ此議員ノ圖書館或ハ〓究室、控室ト云フ
ヤウナモノガ、コンナ手狭デハ本當ニ審議
ガ出來ル譯モナイ、私ハ今更此處デ此決議
案ヲ出サナクテハナラヌト云フヤウナコト
ハ、洵ニ殘念ノ至リデアリマス、併シ前內
閣ハ僅ニ致シマシテモ、二百五十万圓程度
ノ豫算デ以テ、兎モ角モ此裏ニ造ラウト云
フ案ガ一旦出タノガ、此內閣ノ豫算デ以テ
ソレガ削ラレテ居ルコトハ、洵ニ私ハ遺憾
ニ思フ、ソコデ私ハ是ハ來年ノ豫算ニハ、
ドウシテモ之ヲ一ツ出シテ貰ハナクテハナ
ラヌ、是サヘモ若シ吝ムヤウナコトナラバ、
此內閣ハ立憲政治ヲロニ尊重シナガラ、之
ヲ眞ニ尊重スル意思ガナイト、實ハ認メザ
ルヲ得ナイト思フノデアリマス(「ヒヤ〓〓」
拍手)私共ハ實ハ甚ダ美シイノデアリマシ
テ、一番好イ例ハ、亞米利加ノ如キハ、度
度此演壇デモヨク言ハレタノデアリマスル
ケレドモ、何シロ五百万册ノ圖書ヲ擁スル
世界第一ノ圖書館ヲ持ッテ居ル、或ハ一人ノ
議員ガ三室ヲ持ッテ居ル、控室ガアル、風呂
場ガアル、實ニドウモ美シイ話デアリマシ
テ、而モ又亞米利加ノ議員ハ、御承知ノヤウ
ニ歲費一万弗デアル、一万弗ノ歲費ハ、日
本デ言ヘバ三万四千圓ノ歲費ヲ取ッテ居ル
コトニナル、而モ別ニ一人ノ議員ニ對シマ
シテ、二人ノ「セクレタリー」祕書官ヲ附ケテ
居リマスシ、「ボーイ」ガ一人附イテ居リマ
ス、實ニ日本ノ議員ノ待遇ト比ベテ雲泥ノ
差ガアリマス、私ハ此議會ノ恩給法ノ委員
ニナッテ、其席デ餘リニモ皮肉ニ、官吏ノ爲
ニハ斯ウヤッテ恩給法案モ出テ居ルケレド
モ、何ガ一體吾々議員ノ爲ニ今マデ考ヘラ
レタカ、セメテ議員ヲ長年勤メタ方ニ對シ
テ、何カシラ之ニ報ユル道ハナイカシラ、
三十年勤續ノ人ニ對シマシテ、今立派ナ油
繪ガ其委員室ニ揭ゲラレテアリマスガ、甚
ダ御無禮ナ話デアリマスケレドモ、其中ノ
一人ノ如キハ現ニ病氣シテ、而モ十分ナ御
養生ガ出來ヌト云フヤウナ今日、私ハ斯ウ
云フ點ニ付キマシテ、政府ハ篤ト御考慮ヲ
願ヒタイト思フノデアリマス(拍手)一ツノ
例ト致シマシテモ、宮中席次ノ如キ、一體
衆議院議長ハ總理大臣ト同格デアルベキモ
ノデアリマスケレドモ、今日ノ衆議員議長
ノ宮中席次ト云フモノハ洵ニ下ノ方デアル
(拍手)色々ナ點ニ付キマシテ、唯此立派ナ
議場ガ出來タダケデハ、本當ニ議會ヲ尊重
スルコトニハナラナイノデアリマシテ、吾々
ノ一生懸命〓究シ勉强致シマス、少クト
モ最小限度ノ設備ニ對シマシテハ、今內ケ
崎サンノ申サレタ程度ノ如キハ、當然シナ
ケレバナラヌコトト考へルノデアリマス(拍
手)是ハ憲法發布五十年ノ記念ニハ、今マデ
功勞アッタ人ヲ犒フト云フヤウナ方面ノ金ヲ
作ッテ戴イテ、當然此圖書館トサウシテ此
控室ノ完備ヲ來年度豫算ニ必ズ組ンデ戴キ
タイ、サウシテ折角出來タ此立派ナ議事堂
ニ缺陷ガアルナラバ、ソレモ序ニ直シテ貰
ヒタイ、是ハ長年掛ッテ、大勢ノ知識ヲ搾ッ
テ出來タモノデゴザイマスケレドモ、中々
建築ト云フモノハ難カシイモノト見エマス
ルガ、此新築議事堂ノ中ニモヤハリ官僚ノ
考ガ無意識的ニ現レテ居ル(拍手)私ハ此受
付ヲ見マシテ、多クノ民衆ニ接スル吾々議
員ハ、此多數ノ傍聽人ノ方ガ見エ、或ハ色
ンナ陳情ガアリマシテ、受付ニ行クノデア
リマスガ、此受付ノ樣子ハ、言葉ヲ極端ニ
言ヘバ、マルデ監獄へ行ッテ面會ヲスルヤ
ウナ氣ガスル(「ヒヤ〓〓」拍手)是等ハ設計
者ガソコ迄考ヘタコトデナイノデアリマス
ケレドモ、出來上ッタモノハ斯ウナルノデ
アリマス、是ガ今日ノ日本ノ立憲政治ノ一
ツノ現レヲ成シテ居ル(「ヒヤ〓〓」拍手)其
他批評致シマスレバ色々アリマス、良イ點
モアリマス、ドウゾ來年度豫算ニ付キマシ
テハ、現政府ハ本當ニ立憲政治ヲ尊重スル
ナラバ、最小限度、今內ケ崎氏提案ノ程度
ノモノハ、必ズ出スト云フコトヲ、出來レ
バ此場デ言明ヲ願ヒタイ、私ハサウ云フ意
味ニ於キマシテ贊成ヲスル一人デアリマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=42
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043・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 是ニテ討論ハ終局
致シマシタ、採決致シマス、本案ニ贊成ノ
諸君ノ起立ヲ求メマス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=43
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044・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 起立總員(拍手)仍
テ本案ハ全會一致可決サレマシタ
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=44
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045・松永東
○松永東君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ提
出致シマス、卽チ此際日程第三百二十一ヲ
繰上ゲ上程シ、其審議ヲ進メラレンコトヲ
望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=45
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046・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=46
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047・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス-政府ハ此日程變更ニ同意セラレマ
シタ、仍テ日程ハ變更セラレマシタ、此際
河上丈太郞君ヨリ成規ニ依ッテ、本日ノ議事
日程第三百二十二、人權蹂躙ニ關スル決議
案ハ、只今日程變更ト決シマシタル、小
泉又次郞君外五十五名提出、人權蹂躪根絕
ニ關スル決議案ト、一括シテ上程スベシト
ノ動議ガ提出サレテ居リマス、仍テ議長ハ
河上君提出ノ動議ヲ採用スルヤ否ヤヲ御諮
リ致シマス
〔「贊成」「反對」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=47
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048・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 河上君ノ動議ニ贊
成ノ諸君、卽チ河上丈太郞君外二名提出、
人權蹂躪ニ關スル決議案ヲ、小泉又次郞君
外五十五名提出ノ人權蹂躪根絕ニ關スル決
議案ト、一括上程スベシト云フニ贊成ノ諸
君ノ起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=48
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049・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 起立少數、仍テ河
上君ノ動議ハ否決サレマシタ、日程第三百
二十一、人權蹂躙根絕ニ關スル決議案ヲ議
題ト致シマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマ
ス-提出者一松定吉君
第三百二十一人權蹂躙根絕ニ關スル
決議案(小泉又次郞君外五十五名提
出
人權蹂躙根絕ニ關スル決議案
人權蹂躪根絕ニ關スル決議
政府ハ近時頻發セル人權蹂躪ノ事蹟ニ鑑
ミ速ニ適當ナル方策ヲ樹立シ以テ其ノ弊
竇ヲ根絕スヘシ
右決議ス
〔一松定吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=49
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050・一松定吉
○一松定吉君 諸君、私ハ只今上程セラレ
マシタ民政黨、政友會、昭和會ノ共同提案
ニ係リマス人權蹂躙根絕ニ關スル決議案
ノ趣旨辯明ヲ致スコトヲ得マシタノハ、深
ク光榮トスル所デゴザイマス、此際決議文
ヲ朗讀致シマス
人權蹂躪根絕ニ關スル決議
政府ハ近時頻發セル人權蹂躪ノ事蹟ニ鑑
ミ速ニ適當ナル方策ヲ樹立シ以テ其ノ弊
竇ヲ根絕スベシ
右決議ス
人權ヲ尊重致シマスコトニ依ッテ國家ノ隆
昌ヲ來シ、國民ノ慶福ヲ增進スルコトハ言
フ迄モゴザイマセヌ、人權ヲ蹂躪スルコト
ニ依リマシテ國家ヲ〓退ニ導キ、國民怨嗟
ノ聲ヲ聞クニ至リマスルコトハ、是亦當然
ノコトデアリマス、此故ニ我國御歷代ノ天
皇ハ、常ニ民ノ身ノ上ニ大御心ヲ注ガセ給
ヒマシテ、仁慈ノ政ヲナサルコトヲ以テ、
政治ノ要道ト致サレマシタコトハ、私共國
民ノ常ニ尊崇措ク能ハナイ所デゴザイマ
ス、明治大帝ガ又常ニ皇祖皇宗ノ御遺訓
ヲ奉戴セラレマシテ、民草ノ上ニ大御心ヲ
注ガセ給ヒマシタコトハ、私ガ喋々スル迄
モゴザイマセヌ、「民ノタメ心ノヤスム時ゾ
ナキ身ハコヽノエノ內ニアリテモ」「照ルニ
ツケクモルニツケテ思フカナワガ民草ノウ
ヘハイカニト」斯ノ如キ御聖歌ヲ拜スルニ及
ビマシテ、私共ハ常ニ其大御心ノ有難サニ
對シマシテ、襟ヲ正サナイ時ハナイノデゴザ
イマス、斯樣ナ意味ニ於キマシテ、明治大
帝ハ封建時代ニ於テ吾々國民ノ權利ヲ認メ
ザリシ事實ジ痛嘆セラレマシテ、憲法ヲ御
發布ニ相成リ、而シテ吾々臣民ノ權利義務
ヲ憲法上ニ御欽定遊バセラレマシタコトハ、
私共ノ最モ有難ク感ズル次第デゴザイマス
(拍手)
憲法第二十三條ニハ、法律ニ依ルニ非ズ
シテ逮捕監禁審問處罰ヲ受クルコトナシト
明定セラレテ居リマス、又憲法二十五條ニ
ハ法律ニ定メタル場合ヲ除ク外其許諾ナ
クシテ住所ニ侵入セラレ及搜索セラルヽコ
トナシト明定セラレテ居リマス、又刑事訴
訟法ニ於キマシテハ、現行犯若クハ準現行
犯ノ場合ニ、檢事竝ニ司法警察官ニ或ル特
權ヲ與ヘテ居ル以外ニ、非現行犯ノ場合ニ
於キマシテハ、特別ノ明文アル場合以外ニ
ハ、斷ジテ權力ヲ用ヒルコトヲ禁ジテアリ
マスルコトハ、諸君御了知ノ通リデゴザイ
マス、若シ斯ノ如ク法文ノ規定ニ反シマシ
テ、檢察ノ事務ニ從事致シマスル者ガ、人
ヲ毆打シ、拷責シ、暴行ヲ加ヘル如キコト
ガアリマシタ時ニハ、刑法ハ重キ刑罰ヲ以
テ之ニ臨ンデ居リマスルコトモ、是亦私ガ
喋々スル必要ガナイノデゴザイマス
然ルニ今日犯罪捜査ノ實情ヲ見マスルニ、
警察官ハ投書、密〓、其他見込ニ依リマシ
テ、良民ノ寢込ミヲ襲ヒ、或ハ良民ノ旅行先
ヲ追擊致シマシテ、法規ニ依ラズ、承諾同
行名義ノ下ニ、之ヲ警察署ニ連行シ、承諾
留置ノ名義ノ下ニ、之ヲ留置場ニ監禁シ、
承諾家宅搜索ノ名義ノ下ニ、濫リニ家宅ニ
侵入シ、甚シキハ人ノ身體檢査ヲ爲シテ憚
ラナイヤウナコトヲ敢行シテ居ルコトガ、
今日ノ現狀デアリマス、而シテ其違法ヲ糾
彈サレルヤ、彼等ハ直チニ是ハ違法デハナ
イ、是ハ適法ノ行爲ナリトシテ、行政執行
法第一條ヲ持出シテ、其責任ヲ囘避セント
スル狀況ニアリマスルコトガ、今日日本全
國ニ行ハレル警察官ノ不法ナ處置デアリマ
ス(拍手)諸君、御承知ノ如ク行政執行法ノ第
一條ハ泥醉者、瘋癲者、自殺ヲ企ッル者等ニ
對シマシテ、之ヲ救護スル爲ニ檢束ヲ認メ
テ居リマス、又公安ヲ害スルガ如キ場合ア
ル時ニ、之ヲ豫防スル爲ニ豫防檢束ヲ認メ
テ居リマス、但シ斯ノ如キ檢束處分ハ犯罪
搜査ノ爲ニ用ユベキモノデハアリマセヌ、
卽チ警察規則勵行ノ意味ニ於テ、一時ノ便
法トシテ認メラレタル規則デアリマシテ、法
ハ其翌日ノ日沒前ニ必ズ之ヲ釋放スルコト
ヲ命ジテアルノデアリマス、然ルニモ拘ラ
ズ、釋放ドコロデハナイ、之ヲ留置場ニ押込
メマシテ、幾日モ〓〓之ヲ留置致シマシテ、
サウシテ其目的ハ犯罪捜査ノ爲ニ之ヲ引出
シテ取調ベテ居ルコトガ、今日ノ實情デア
リマス、最初ノ間ハ日沒前ニ釋放シナケレ
バナラナイト云フ法文ヲ正シク解釋シテ、
一度警察ノ門前ニ之ヲ連レ出シ、隣ノ警察
署ノ刑事巡査ガ直チニ之ヲ捕ヘテ自分ノ署
ニ連行シ、其翌日ノ日沒前ニハ、其署ニ於
テ再ビ同一ノコトヲ繰返スガ如ク、所謂盥
〓檢束ヲ實行致シマシテ、二十日間デモ、
三十日間デモ、不法ヲ敢テ致シテ居ッタノデ
アリマス、其後ニ至リマシテハ、門前マデ
連レ出シテ、是デ釋放シタリト稱シテ、直
チニ又引戾シテ同ジ留置場ニ入レテ、サウ
シテ幾日間デモ之ヲ拘禁シ、取調ヲ繼續ス
ル、卽チ引戾檢束ヲ實行致シテ居リマシタ、
最近ノヤリ方ハ如何デアルカト言ヒマスト、
盥〓檢束、引戾檢束ノ如キハ、全ク手續ヲ
省略致シテ左樣ナ手續ヲシナイバカリデハ
ナク、書類ノ上ニ於テ每日々々檢束ヲ更改
シタルガ如ク記載致シマシテ、而モ其理由
三、自殺ノ虞アリト云フ護謨印ヲ捺シマ
シン、之ヲ留置シテ犯罪ノ取調ヲシテ居ル
ノデアリマス、諸君、若シ眞ニ自殺ノ虞ア
ルガ爲ニ檢束致シタモノト致シマスルナラ
バ、何故ニ親族故舊ヲ警察ニ喚出シテ、サ
ウシテ之ヲ引渡シテ、自殺ノ虞ナキニ至ラ
シメル所ノ、適當ナル處置ヲ執ラナイノデ
アリマスカ、左樣ナコトハ一切致シマ
セヌ、又左樣ナコトヲスレバ、數十日
間檢束ガ出來ナイカラデアリマス、
諸君、斯樣ナコトヲ致シマシテ、而モ此行
政執行法ノ檢束ニ對シマシテハ、異議ヲ申
立テル方法ガ法律ニ認メテアリマセヌ爲ニ、
親族故舊及ビ其救出シヲ依賴セラレマシタ
辯護士ト雖モ、何等施スベキ手段ナク、不
法ノ檢束デアリ、不法ノ逮捕、監禁デアル
ト云フコトヲ承知シナガラ、施スベキ術ノ
ナイト云フコトガ今日ノ實情デアリマス、
諸君、眞ニ吾々法治國家ト致シマシテ、斯
ノ如キ不都合ナコトノ行ハレテ居ルコトヲ
考ヘル時ニ於テ、國民代表タル吾々ト致シ
マシテハ、斷ジテ之ヲ不問ニ付スルコトハ
出來ナイノデアリマス(拍手)
斯ノ如キ不都合ナルコトヲ禁止スル意味
ニ於キマシテ、御承知ノ如ク刑事訴訟法ガ
改正セラレマシク時ニ、强制處分ノ方法ヲ
新ニ制定致シマシテ、召喚、留置、家宅搜
索等ノ必要ノアル場合ニハ、檢事ハ豫審判
事ニ要求ヲ致シマシテ、此强制處分ニ依ッテ
合法ナル處置ヲ執ルコトヲ命ジタノデアリ
マス、之ニ依ッテ斯ノ如キ違法ノ措置ヲ禁止
シタノデアリマス、然ルニ今日此强制處分
ナルモノハ繁ク行ハレテ居ルニ拘ラズ、依
然トシテ行政執行法ノ濫用セラレテ居リマ
スルコトハ、全ク二重ニ彼等ニ自由ヲ拘束
スル權利ヲ認メタ結果トナリマシテ、吾々
ハドウシテモ之ヲ容認スルコトハ出來ナイ
ノデアリマス、行政執行法ノ濫用ニ對シマ
シテ·常ニ本院ニ於テ左樣ナコトヲ杜絕
シナケレバナラナイト云フコトデ、數囘其
改正案ガ議決セラレマシテ、貴族院ニ囘サ
レタコトハ皆樣御承知ノ通リデアリマス、
何デモ齋藤內閣ノ時デアッタト思ハレマス
ガ、本院ヲ最初ニ通過致シマシテ貴族院ニ
參リマシタ、貴族院デハ斯ノ如キ人權蹂躪
ノ行爲ガ、全國的ニ行ハレテ居ルト云フコ
トニ大イニ注意ヲ拂ハレマシテ、之ヲ可決
セント致シタノデアリマスガ、時ノ政府ハ
之ヲ可決セラレテハ、犯罪搜査ハ全ク出來
ナイノデアル、就中治安維持法ノ犯人ヲ逮
捕審問スルノニハ、此法律ヲ用フルニアラ
ザレバ方法ナキニ依リ、治安維持法ノ改正
法律案ヲ提出スルマデ、暫定的ニ之ヲ否決
シテ貰ヒタイトノ、祕密會ノ席上ニ於テ政
府カラ懇請ヲセラレマシタトカ云フコトデ、
委員諸君モ其懇請ヲ容レ、一時之ヲ否決セ
ラレタノデアルトノコトデアリマス、所ガ
其後提案セラレマシタ所ノ治安維持法ノ改
正法律案ハ、餘リニ强制力ヲ用フル點多カ
リシ爲メ、當院ニ於テ二囘共之ヲ審議未了
ニ終ラシメマシタノデアリマス、其結果今
日ニ至ル迄、此行政執行法ニ依ル不法檢束
ガ行ハレテ居ルノデアリマシテ、我人共ニ
眞ニ遺憾トスル所デアリマス(拍手)
ソレバカリデハアリマセヌ、其當時貴族
院ハ內務大臣、司法大臣ニ對シテ、然ラバ
暫定的ニ此案ヲ否決スルガ故ニ、兩大臣ハ
協議連署ノ上全國ノ知事、檢事正ニ對シテ、
行政執行法ヲ濫用シ、犯罪捜査ノ用ニ供ス
ルコトヲ斷ジテ禁止スルト云フ、嚴重ナル
訓示ヲ發セラルベシト要求致シマシタ結果、
司法大臣、內務大臣ハ連署ノ上、之ヲ全國
ノ地方長官、警視總監、檢事正ニ內訓ヲ發
シ、嚴重ニ左樣ナ不都合ヲシテハナラヌト
禁止シタノデアリマス、併ナガラソレハ何
等ノ效果モゴザイマセヌ、相變ラズ今日マ
デ濫用セラレテ居リマス、是ハ歷代政府ノ
重大ナル責任デアルト私ハ斷言スルノデア
リマス(拍手)
更ニ甚シキニ至リマシテハ、逮捕、監禁シタ
バカリデハアリマセヌ、密告、投書、其他ノ搜査
ニ依リマシテ探リ得タル事實ヲ先入主トシ
テ、頭ノ中ニ織込ンデ、サウシテ良民ヲ拉致
シテ、其先入主ノ事實ニ適合セザル供述ヲ
爲ス場合ニ於テハ、其良民ニ對シテ車夫、馬
丁モ聞クニ堪ヘザル罵詈讒謗ノ言辭ヲ弄シ、
甚シキハ暴力ヲ以テ毆打、拷責シ、其結果
取調ヲ受ケテ居ル良民ヲ傷害シ、死ニ至ラ
シムルガ如キ幾多ノ事例ノ實在スルコトハ、
洵ニ以テ容易ナラザル事柄ナリト考ヘテ居
ルノデゴザイマス(拍手)
諸君御承知ノ如ク刑事訴訟法ハ、取調ヲ
爲ス官吏ニ對シマシテ、被〓人ニ對シテハ
丁寧親切ヲ旨トシナケレバナラナイ、警察
官ガ人ヲ調ベル時ニハ單獨デハイケナイ、
立會人ヲ置イテ、サウシテ丁寧親切ニ取調
ヲシナケレバナラナイ、而モ被疑者其他取
調ヲ受ケル者ガ利益ノ供述ヲスル時ニハ、
ソレヲ調書ノ上ニ明記シテ、被〓ノ利益ヲ
圖ラナケレバナラナイ、婦女ノ身體ヲ檢査
スル場合ニハ、必ズ成年ノ婦女ヲシテ立會
ハセナケレバナラナイ、家宅捜索ヲスル時
ニ、何處マデモ祕密ヲ保持シナケレバナ
ラナイ、搜査ヲ受クル者ニ對シテハ、ソレ等
ノ人ノ名譽ヲ毀損シテハナラナイ、名譽保
持ノ方法ヲ講ジナケレバナラナイ、被疑者
其他ノ名譽ヲ毀損シテハ絕對ニ相成ラナ
イ、警察官ガ人ヲ裁判所ニ勾引スルト云フ
ヤウナ場合ニ於テハ、必ズ令狀ヲ其者ニ示
サナケレバナラナイ、身體檢査、家宅搜索
ヲスル場合ニハ、裁判所ノ令狀ヲ示サナケ
レバナラナイ、令狀等ハ相手方ガ要求シタ
時ニハ、快ク之ヲ提示シナケレバナラナイ
等法ハ丁寧親切ニ行動スベキコトヲ命ジ
テ居ルニ拘ラズ、只今ノ警察官等ノヤリ方
ヲ見マスレバ、斯ノ如キ丁寧親切ナル行動
ハ藥ニシタクモナイノデアリマシテ、全ク
國民ヲ土塊ノ如ク、奴隷ノ如ク考ヘテ、聞
クニ忍ビザル所ノ暴行凌虐ヲ加ヘ、侮辱ヲ
浴セ掛ケルト云フヤウナ態度デアルノデゴ
ザイマス
諸君、今是等ノ點ニ關シマシテ、二三ノ
主ナル實例ヲ御報告致シマスルコトハ、甚
ダ私ノ遺憾トスル所デアリマスルガ、是亦
已ムヲ得ナイノデゴザイマス、是ハ少シ遠
方デアリマスカラ、恐ラクハ御覽ハ出來ナ
イダラウト思ヒマスガ、全部是ハ警察官ガ
數人立會ノ上デ、被疑者ニ對シテ言語ニ絕
スル暴行凌虐ヲ加ヘ、サウシテ彼等ヲ審訊
致シテ居ル所ノ寫眞デアリマス、此寫眞ハ
左樣ナ目ニ遭ハセラレマシタ人々ガ其記憶
ヲ迪リマシテ、刑事巡査ガ彼等ニ加へタル
行動ヲ實演ヲシテ、ソレヲ寫眞ニ寫シ、以
テ〓訴〓發ノ證據物件トシテ檢事局ニ提出
致シタ控デゴザイマス、是ハ一昨年神奈川
縣ノ縣廳竝ニ橫濱市役所ニ起リマシタ、水
道瓦斯其他ノ納入ニ關シマスル吏員、官
吏ト實業家トノ間ニ行ハレタリトシテ、嫌
疑ヲ受ケテ取調ベラレマシタ、彼ノ瀆職事
件ニ關係致シタ事實デアリマス、之ニ依リ
マシテ幾多ノ被疑者ノ人々ハ全ク手酷キ拷
問ヲ受ケ、暴虐ナル處置ヲ受ケマシテ、身
體ニ傷害ヲ加ヘラレ、ソレガ爲ニ憤慨ヲ致
シマシテ、自分カラ其暴行ニ耐ヘ兼ネテ、
遂ニ自殺ヲ決意シテ、死ノ結果ヲ見タ事實
ヲ申立テテ居ルノデゴザイマス、卽チ橋坂
ト申シマスル縣廳ノ役人ハ、斯ノ如ク遺言
書ヲ認メテ自殺ヲ致シマシタ、又生野ト云
フ神奈川縣ノ役人モ、警察官ノ非常ナル拷
問ニ遭ヒマシテ、心ニモナク虛僞ノ自白ヲ
致サセラレマシタ結果、是亦是等ノ關係者
ガ自分ト同ジヤウニ、斯ノ如キ拷問ニ遭フ
コトヲ恐レ、責任ヲ感ジマシテ、斯ノ如ク
遺書ヲ認メマシテ自殺ヲ致シマシタ、遺書
ノ寫眞デアリマシテ、是亦〓訴〓發ノ時ニ
證據書類トシテ提出致シタモノデゴザイマ
ス
ソレカラ今一ツハ、同ジク神奈川縣ニ於
ケル我黨ノ岡崎久次郞君ノ選擧ニ關係致シ
マシタソレ等ノ關係者ヲ、藤澤警察署ノ刑
事巡査、神奈川縣ノ縣派出ノ巡査ガ數
人寄リマシテ、實ニ酷イ、或ハ毆リ責、擽
リ責、蹴リ責、萬歲責、馬乘責、膝乘責、
首締責、這ヒ責、焙リ責、炭火責、熱湯
責、手錠上リ責、暴力責ト云フヤウナ、聞
クモ恐ロシイ暴行凌虐ヲ加ヘマシテ、サウ
シテ彼等ヲシテ虛僞ノ自白ヲサセマシテ、
遂ニ此事ガ東京辯護士會ノ問題トナリ、辯
護士ノ中ニ於テ設ケラレマシタ、人權蹂躪
調査委員安東正臣君外九名ガ現場ニ出張致
シマシテ、取調ノ結果、其人權蹂躪振リノ
甚ダ殘忍デアルト云フコトニ憤慨ヲ致シマ
シテ、辯護士會ガ共同シテ、此警察官ヲ相
手ニ人權蹂躪ノ〓訴〓發ヲ致シタ事實デア
リマス
又奈良縣ニ於キマシテ服部代議士ノ關係
者ハ、同ジク非常ナル拷責ヲ受ケマシテ、
下市警察署、ソレカラ龍田警察署、御所警
察署、八木警察署等ニ、服部代議士ノ爲ニ
運動ヲシタ關係者ヲ召喚致シマシテ、是亦
暴行凌虐ヲ加ヘ、遂ニ或者ハ其暴行凌虐ニ
耐ヘ兼ネテ自殺ヲ致シタ者ガアルノデゴザ
イマス
最近斯ノ如キ問題ガ、當院ノ本會議及ビ
豫算總會ニ於テ問題ニナッテ居ル當時、東京
市淀橋區ノ八百屋ノ乘村神一郞ト申シマス
ル若者ガ、本年二月二十六日戶塚警察署ノ
刑事巡査カラ同署ニ連行致サレマシテ、故
ナキニ數日ノ間留置場ニ放リ込マレマシテ、
遂ニ二日目カラ二階ノ取調室ニ上ゲラレマ
シテ、數人ノ刑事巡査ガ寄ッテタカッテ踏ン
ダリ、蹴ッタリ、ブン毆ッタリシテ、遂ニ何
事モナイト云フコトデ、三月二日ニ釋放セ
ラレマシタ、所ガ彼ハ左ノ肋骨ヲ折ラレテ
居リマシク爲ニ、醫師ノ診斷書ヲ取ッテ、只
今當該官憲ニ向ッテ告訴ノ手續ヲ致シテ居
リマス
今一ツハ京都ノ伏見警察署ニ於テ行ハレ
タ事件デアリマシテ、我黨ノ福田關次郞代
議士ガ非常ナル熱心ヲ以テ之ヲ取調ベマシ
タ結果、ソレ等ノ事實ガ明ニナリ、田中辯護
士ニ依リマシテ、京都ノ檢事局ニ〓訴ヲ提
起セラレテ居ルノデアリマス、其事實ハ餘
リニモ殘忍デアリ、餘リニモ口ニスルコト
ヲ憚ルヤウナ、婦女子ニ對シマスル凌虐デ
アリマス、其大要ヲ申シマスルナラバ、淀
ノ競馬ニ參リマシタ田中シンナル者ガ、何
カ馬劵ヲ買取ルニ、許術ヲ用ヒタリトカ云
フヤウナ嫌疑ノ下ニ、伏見署ニ連行セラレ
マシテ、數日ノ間留置場ニ留置セラレ、サ
ウシテ取調ヲ受ケルニ當リマシテ、身體ノ
局部ヲ露出セシメ、碁盤ノ上ニ座ラセラ
V、見ルニ忍ビザル行動ヲ敢テシタ事實デ
アリマス、又堀田ハルト申シマスル當年四
十歲前後ノ者ガ、同ジク伏見警察署ニ連行
セラレマシテ、數日ノ間拷問ニ遭ヒ、最後
ニハ其同女ノ著物、襦袢、腰卷等モ一切奪
ハレマシテ、全身ヲ裸體ニサレテ、裸體ノ
儘兩足ヲ縛リ上ゲ、之ヲ逆サマニ吊上ゲマ
シテ、サウシテ更ニ恐ルベキハ局部ニ木刀
樣ノ物ヲ挿入致シマシテ、暴行凌虐ヲ敢テ
シタノデアリマス、今一ツハ高瀨シゲト云
フ三十五歲ニナル婦人ニ對シテモ、同樣ナ
ル凌虐ヲ致シマシタ結果、卵巢、下腹部ニ
障碍ヲ生ジマシテ、深夜醫師ヲ招イテ力
ンフル」注射ヲシテ、僅ニ死ヲ免レタト云
フ事實デアリマス、聞ク所ニ依リマスレバ、
京都ノ辯護士會ハ、之ヲ重大視致シマシテ、
辯護士會ノ決議ニ依ッテ、其處分方ヲ京都地
方裁判所松井檢事正ニ要求致シテ居ルトノ
コトデゴザイマス、諸君、ソレ以外ニ私ノ
手許ニ集ッテ居リマスル是等ノ材料ハ、悉ク
ソレト同ジ、若クハソレニ準ズルヤウナ事
柄デアリマシテ、傷害ノ結果癈疾、自殺、
死ニ至ラシメラレタト云フヤウナ、幾多ノ
事例ガ此袋ノ中ニ納メラレテ居ルノデアリ
マス、是ハ何レ後刻當該官憲ノ方面ニ、參
考ノ爲ニ御〓シスル考デアリマスルカラ、
特ニ事新シク玆ニハ御報告ヲ申上ゲマセ
又、諸君、斯ノ如キ不都合ナ行爲ガ、今日
昭和ノ御代ニ、殆ド全國的ニ行ハレテ居ル
ト云フコトハ洵ニ遺憾ニ堪ヘマセヌ(拍手)
本人ハ勿論デアリマス、ソレ等ノ人ノ妻子
眷族、親族、故舊、一人トシテ之ニ對シテ憤慨
ヲ致サナイ者ハアリマセヌ、私共ハ只今御報
告ヲ申上ゲマシタ京都伏見ノ事件ヲ聞クニ
至リマシテハ、全身ニ粟ヲ生ジタノデアリマス
(拍手)一體斯ノ如キ人權蹂躪ノ事實ノ起ル
ニ至リマシタ動機原因ヲ考ヘマスルナラバ、
是亦大イニ注意シテ、斯ノ如キコトヲ芟除シ
ナケレバナリマセヌ、人權蹂躙ガ斯ノ如ク
其度ヲ高メルニ至リマシタ所以ノモノハ、
實ハ彼ノ治安維持法違反ノ被疑者ヲ取調ブ
ルニ當リマシテ、彼等ガ其事實ヲ容易ニ自
白シナイコトニ原因ヲ致シマシテ、之ヲ行
政執行法ニ依ッテ數十日間、或ハ數百日間拘
留シテ、サウシテ之ヲ拷責シ、是等ニ對シ
テ有ユル暴行凌虐ヲ加へタ事實アリタルニ
拘ラズ、不倶戴天ノ仇ナリトシテ、總テノ
人々ガ目ヲツブッテ居ッタト云フコトガ、遂
ニ彼等ヲシテ增長セシメルニ至リタル一ツ
ノ原因デアルト思ハレマス、ソレ以外ニ彼
等ヲシテ斯ノ如キ極端ノ行爲ヲ爲スニ至ラ
シメマシタコトハ、所謂官吏ノ身分保障令
ノ酸辣
〔發言スル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=50
-
051・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=51
-
052・一松定吉
○一松定吉君(續) 官僚獨善主義ニ陷リタ
ル結果デアルト斷言シナケレバナリマセヌ
(拍手)諸君、官吏ノ身分保障令ハ、官吏ヲ
シテ官僚獨善主義ニ陶醉セシムル爲メ設ケ
ラレタ法規デハゴザイマセヌ
〔發言スル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=52
-
053・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 小山君ニ注意シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=53
-
054・一松定吉
○一松定吉君(續) 此コトハ官吏モ十分知
悉シテ居ル筈デアリマス、內閣ノ更迭スル
度每ニ轉任ヲ命ゼラレタリ、馘首セラレタ
リスルヤウナコトデハ、安ジテ職務ニ從事
スルコトガ出來ナイバカリデナク、常ニ不
安ノ狀態ヲ繰返サナケレバナラナイ點ハ、
國家ノ爲ニ甚ダ不穩當デアルト云フコトヲ
痛感セラレマシタ結果、齋藤内閣ノ當時ニ
山本內務大臣ノ手ニ依ッテ、是等ノ弊害ヲ
除去スル爲ニ、制定セラレタル勅令デアル
コトハ言フ迄モナイコトデアリマス
然ルニ官吏ノ或者ハ此精神ヲ忘却致シマ
シテ、己レ獨リ尊キガ如ク考ヘ、民衆ニ對
スル態度ノ傲慢ナルニ至リマシテハ、實ニ
聞クニ堪ヘナイ行動ガ多イノデアリマシテ、
眞ニ〓歎ニ堪ヘマセヌ(拍手)彼ノ犯罪檢擧
ノ任ニ在ル所ノ司法警察官ヤ檢事ノ中ニモ、
往々ニシテ取調ヲ受ケツヽアル國民ニ對シ
マシテ、實ニ畏多イコトデハアリマスケレ
ドモ、「俺ハ天皇陛下ノ名ニ於テ貴樣ヲ調
ベルノデアル、俺ハ天皇陛下ノ御名代ト
シテ貴樣ヲ調ベル、ソレ故ニ俺ノ取調ニ對
シテ不實ノ供述ヲスル者ハ國賊デアル」ト
云フヤウナ、眞ニ不都合千萬ナル言動ヲ敢
テスル者ガアルニ至リマシテハ、沙汰ノ限
リデハアリマセヌカ、是等ノ官吏ハ身分保障
令ノ有難キヲ忘レマシテ、自ラ保障令撤廢
ノ墓穴ヲ掘リツヽアルモノデアリマス、由
來官尊民卑ノ弊風ハ、我等ノ先輩ガ幾多ノ
犠牲ヲ拂ッテ、是ガ革正ニ力ヲ致シタノデア
リマス、然ルニ今又彼等官吏ニ依ッテ此弊風
ヲ繰返スニ至リマシテハ、國民ノ代表者デ
アル我等ノ斷ジテ容認スルコトノ出來ナイ
所デアリマス(拍手)
〔發言スル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=54
-
055・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=55
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056・一松定吉
○一松定吉君(續) 諸君、民ハ國ノ寶デア
リ、大御寶デアルト宣ハセ給ウタ聖天子ノ
大御心ヲ拜察スル時ニ於テ、民ハ我身ノ生
ミシ子ナレバト宣ハセ給ヒシ、聖歌ヲ心ニ
思ヒ浮ブル時ニ於テ、又明治大帝ノ「國
ノタメアタナス仇ハクダクトモ、イツクシ
ムベキ事ナ忘レソ」「チヨロヅノ民ノ心ヲヲ
サムルモ、イツクシミコソ基ナリケレ」斯
ノ如キ有難キ御歌ヲ拜スル時ニ於キマシテ
ハ、吾々ハ官尊民卑ト云フヤウナ間違ッタ思
想ガ、今日行ハレテ居ルコトニ對シテハ、
痛擊ヲ加ヘザルヲ得ナイノデアリマス(拍
手)
諸君、彼ノ白川樂翁公ノ坐右ノ銘ニ「爾ノ
俸爾ノ祿民ノ膏ナリ民ノ脂ナリ、下民虐ゲ
易ク上天欺キ難シ」トアリマス、此語ノ意
味ヲ要約致シマスルナラバ、「役人ヨ、オ前
ノ今受ケテ居ル所ノ俸給ハ、百姓ノ膏ト汗
ノ固リニ依ッテ、オ前ハ今其俸給ヲ受ケテ居
ルノデアル、故ニオ前ガ下級民ヲオ前ノ權
力ニ依リテ虐ゲルト云フコトハ、オ前ハ易
イデアラウケレドモ、左樣ナコトハ上ノ方
デハ照覽マシマシテ居ルノデアルガ故ニ、
其暴行ハ何處マデモ仕遂ゲルコトハ出來ナ
イコトデアルゾヨ」、斯樣ナ意味デアルト
私共ハ察シテ居ルノデゴザイマス、諸君、
此言葉ハ眞ニ其通リデアリマシテ、現ニ官
吏ノ受ケテ居リマスル俸給ハ、吾々國民ノ
膏血ノ固リデアル、其膏血ノ固リニ依ッテ
俸給ヲ受ケ、之ニ依ッテ生活致シテ居ル所
ノ官吏ガ、其國民ガ自分等ノ生活維持ノ
資ヲ給シテ居ルト云フコトヲ忘レマシテ、
サウシテ國民ヲ土塊ノ如ク遇スルニ至リマ
シテハ、實ニ沙汰ノ限リデアルト言ハナケ
レバナラヌノデアリマス(拍手)官吏タル者
ハ國民ニ對シテ丁寧親切デナケレバナリマ
セヌ、官尊民卑ハ封建時代ノ夢デアッタト云
フコトヲ悟ラナケレバナリマセヌ、官僚獨
善ナドトハ以テノ外ノ誤レル思想デアルト
私ハ考ヘテ居ルノデアリマス(拍手)此考カ
ラ矯正セラレナイ以上ハ、人權蹂躙ノ不祥
事ハ止マナイノデアリマス
次ニ人權蹂躙ノ第二ノ原因ト致シマシテ
ハ、指揮監督ノ任ニアル所ノ檢事、地方長
官警視總監ナドニ於テ、人權蹂躪ノ事實
ヲ默認シ、放任シ、彌縫シ、庇護スルノ弊
ガアルノデアリマス、ソレバカリデハアリ
マセヌ、斯クシテ犯罪ノ檢擧ヲ爲セバ、敏
腕家トシテ其刑事ハ稱揚セラレ、賞狀ヲ與
ヘラレ、賞金ヲ與ヘラレ、之ヲ奬勵スルノ
風ガアルノデアリマス、實ニ思ハザルノ甚
シキモノデアリマス(拍手)是ガ若シ表沙汰
トナレバ、世間ヨリヤカマシク言ハレルヤ
ウナコトヲ庇護シ、證據ノ湮滅ヲ圖ルガ如
キ者ガアリマス、人權蹂躙ノ〓訴〓發ヲ受
理シタル檢事局ニ於テハ、其ノ〓訴〓發ヲ
喜バナイ風ガアルノデアリマス、之ヲ受理
シテモ容易ニ取調ベナイ傾向ガアルノデア
リマス、取調ヲ始メテモ、通リ一遍ノ取調
ヲ濟マセマシテ、證據十分ナラズ、不起訴
ト云フガ如キ處置ヲ取ッテ、平然タルモノガ
アルノデアリマス
諸君、其實例トシテ長野ニ一ツノ放火事
件ニ關係シテ、一ノ人權蹂躪事件ガアリマ
シタ、其蹂躙セラレマシタ者ガ警察官ヲ相
手取リ、松本ノ檢事局ニ〓訴致シマシタ所、
松本ノ檢事局ハ取調ノ結果、證據十分ナラ
ズトシテ不起訴ニ致シマシタ、告訴人代理
人ハ東京控訴院光行檢事長ニ抗〓ヲ致シマ
シタ、東京控訴院ヨリ檢事ガ出張シテ、親
切丁寧ニ取調ベマシタ結果、明ニ人權蹂躪
ノ證據ガ擧ッテ、其司法警察官ハ有罪ノ決定
ヲ受ケテ公判ニ〓サレタコトハ、顯著ナル
事實デアリマス、又靑森ノ選擧事件ニ對シ
マシテ、或ル警察官ガ人權蹂躙ヲシタト云
フコトデ、被害者ヨリ其警察官ヲ相手取リ
人權蹂躙ノ〓訴ヲ提起シタニ拘ラズ、靑森
ノ檢事局ハ取調ノ結果不起訴處分ニ付シマ
シタ、此事ニ關シ抗〓ヲ受理シタル宮城控訴
院ノ和田檢事長ハ、靑森ノ檢事正ヲ他ニ轉
任セシメ、取調官ヲ代ヘテ丁寧ニ取調ベマ
シタ結果、此處ニモ人權蹂躪ノ事實ガ明瞭
ニナリマシテ、是等警察官ハ豫審ニ廻サレ
テ公判ニ移サレタノデアリマス、神奈川縣ノ
川崎市ニ於ケル漬職事件ニ對シマシテモ同
樣デアリマスガ、是亦東京控訴院ノ檢事局
ニ於テ愼重取調ノ結果、有罪ナリトシテ公
判〓サレテ居ルノデアリマス、神奈川縣廳竝
ニ横濱市役所ノ水道疑獄等ノ瀆職事件ニ對
シマシテモ、人權蹂躙ノ事實ガアリマシタ
爲メ、被害者ヨリ關係警察官ニ對シ告訴ヲ
提起致シマシタ所、最初ノ檢事ガ取調ベタ所
ニ依リマスト、證據十分ナラズトシテ、不起
訴處分ニスル狀況ニアッタノデアリマスガ、
係辯護士カラ事實ヲ指摘シテ再取調ヲ要求
致シマシタ結果、東京控訴院檢事局ニ於テ
十分捜査致シマシタ爲メ、人權蹂〓ノ事實
ガ明ニナリマシテ、ソレ〓〓行政處分ヲ受
ケ、係檢事ハ退職シ若クハ左遷セラレタコ
トハ、諸君モ新聞紙ニ依リ御承知ノコトト
存ジマス、斯樣ナコトハ最近ノ極ク僅少ノ
一例デアリマスガ、檢事ニ於テ眞ニ事實ノ
眞相ヲ明ニセントスル誠意ヲ以テ取調ベニ
從事サヘスレバ、必ズ事實ノ眞相ハ明ニナ
ルモノデアリマス、然ルニ警察官ニ對スル
告訴〓發ヲ受理シタ、檢事局ナドガ斯樣ナ
取調ニ對シ熱ヲ持タナイコトハ、私共ノ甚ダ
遺憾ニ存ズル所デアリマス(「ヒヤ〓〓」)又
是等ノ監督ノ地位ニアリマスル者ガ、左樣ナ
非違ヲ敢テ致シタ官吏ニ對シマシテ、所謂之
ヲ庇護スルノ狀況ニアリマス、是ハ人情ノ
然ラシムル所トハ言ヘ、私ヲシテ言ハシメ
マスルナラバ、ソレハ不純ノ人情デアリマ
ス、僞善ノ人情デアリマス、斯ノ如キ不純
僞善ノ人情ニ依ッテ彼等ヲ庇護シ、一面凌辱
セラレタル陛下ノ赤子、監禁セラレタル
無辜ノ良民ハ、ソレガ爲ニ訴ヘル所ナク、
救ヲ求ムル途ガナイヤウニ至ラシメラレル
コトハ、實ニ言語道斷ノ處置デアルト言ハ
ナケレバナリマセヌ(拍手)
政治ハ、仁慈ト云フモノヲ其基本ニ致シテ
居リマスルコトハ、我國御歷代天皇ノ御政治
ニ對スル御精神デアルト拜察致スノデアリ
やっ、然ルニ前述ノ如ク人權蹂躪ト云フガ
如キ、畏多キ不祥事ヲ今日ノ聖代ニ見ルト
云フニ至リマシテハ、眞ニ恐懼ノ至リニ堪
ヘマセヌ、是等ノコトニ對シマシテ、或ル
檢事ハ斯樣ナ述懷ヲ漏シタコトガアリマス、
人權蹂躪ハ不法ニ相違ナイガ、併ナガラ之
ヲ若シ嚴重ニ取締ルト云フコトニナレバ、
犯罪ノ檢擧ノ手ガ仲ビザルコトニナル、左
樣ナコトニナッテハ、治安維持ノ上ニ於テ太
イニ寒心シナケレバナラナイガ故ニ、大〓
ナコトニシテ置カナケレバナラヌデハナイ
カト、諸君、指揮監督ノ任ニアル人ガ斯樣
ナ考ヲ持ッテ居ルガ故ニ、人權蹂〓ノ事實
ハ、幾ラシテモ止マナイノデアリマス、彼
等ハ人權蹂躪ノ行爲ヲ馴致スルモノデアル
ト、私共ガ決議文ノ理由書ニ認メタノモ、
此意味デアリマス、諸君、犯罪ヲ檢擧セン
ガ爲ニ、人權蹂躪ノ犯罪ヲ默認スルコトハ
出來マセヌ、吾等ハ言ヒマス、人權蹂〓ヲ
敢テ行ウテマデ、犯罪ノ檢擧ハ望マナイノ
デアリマス(拍手)諸君、吾々ハ犯罪ノ檢擧
ハ法律ニ於テ許サレタル方法ノミニ依ッテ、
檢擧セラレナケレバナラヌト云フコトヲ强
ク主張スル者デアリマス(拍手)斯ノ如キ暴
行脅迫ニ依ッテ自白ヲ强要シ、其結果ハドウ
ナルカト申シマスルト、此强要サレテ自白
シタ所ノ虛僞ノ事實ガ、警察官ノ聽取書トナ
リ、檢事ノ聽取書トナリ、豫審判事ノ豫審調
査ノ基本トナリ、是ガ良民ヲ罰スル所ノ有力
ナル證據資料トナルノデアルト云フコトヲ
思ヒマスルト、洵ニ寒心ニ堪ヘナイデハアリ
マセヌカ(拍手)警察官ノ取調ニ對シマシテ
事實ヲ否認スレバ、今申上ゲマシタ手段ニ
依ッテ拷責ヲ加ヘラレマス、已ムヲ得ズ虚僞
ノ事實ヲ認メマスレバ、是ガ聽取書ニ作成
セラレマス、其聽取書ヲ基トシテ檢事ニ送
致セラレマス、送致ヲ受ケタル檢事ガ之ヲ
調ベマシタ際、聽取書ノ事實ヲ其儘認ムル
者ニ對シテハ問題ハアリマセヌガ、若シ之
ヲ否認スレバ、オ前ハ再ビ警察ニ歸レト言ツ
テ、警察ニ差戾サレ、再ビ拷責ノ苦シミニ
遭ハナケレバナリマセヌ、ソレガ爲メニ已
ムヲ得ズ再ビ虚僞ノ事實ヲ認メル、是ガ檢
事ノ聽取書トナルノデアリマス、次ニ豫審
判事ニ送致サレマシテ事實ヲ認メレバ宜
シイガ、若シ否認スルコトアラバ、再ビ檢
事ハ其者ヲ檢事廷ニ引入レマシテ、本 貝
俺ニ言ウタノト豫審判事ニ對スル供述ト相
違スルデハナイカト、實ニ恐ロシイ容貌
ヲ以テ取調ヲ開始スルノデアリマス、ソレ
ガ爲メ已ムヲ得ズ又虚僞ノ事實ヲ認メナケ
レバナリマセヌ、而シテ其虛僞ノ申立ガ豫
審ニ於テ有罪ノ決定資料トナリ、公判ニ廻
サレマスルト、如何ニ其起訴事實ヲ否認セ
ント致シマシテモ、公判ノ判事ハナゼオ前
ハ-警察、檢事ハ別デアルガ、豫審判事
ハオ前ニ對シテ人權蹂躪ハシナイ筈デア
ル、何故ニ豫審判事ニ對シテ眞實ノ申立ヲ
シナカッタカト云フ、理詰メノ取調ニ遭ヒマ
スル結果、泣ク〓〓其豫審調書ヲ認メナケ
レバナラヌト云フガ如キコトガ、今日ノ裁
判廷ニ頻々現レル實際デアリマス、眞ニ痛
憤ニ堪ヘマセヌ、斯ノ如キ場合ニ於テ係辯
護人ガ全力ヲ盡シテ無罪ヲ主張シ、新ナル
證據ヲ擧ゲ得マシタ結果、幸ニシテ無罪ノ
言渡ヲ受ケタト致シマシテモ、彼ノ蒙リタ
ル精神上身體上ノ痛苦ハ、永久ニ之ヲ滅却
スルコトハ出來マセヌ、御承知ノ如ク有名ナ
ル人々ガ、斯ノ如キ刑事問題ノ爲ニ拉致セ
ラレマシテ、有罪公判ニ廻サレテ、係辯護
人ノ熱誠ナル辯護權ノ行使ニ依ッテ、無罪ノ
言渡ヲ受ケマシテモ、社會上ノ地位ヲ持ッテ
居ル、政界、實業界其他ノ方面ノ人々ガ、
如何ニ無罪ニナリマシテモ、以前ノ如キ地
位聲望ヲ囘復スルコトノ出來ナイコトヲ
考ヘル時ニ於テ、如何ニ其結果ノ重大デア
ルカト云フコトヲ痛感シナケレバナラヌデ
ハアリマセヌカ(拍手)
諸君、斯ノ如クニシテ吾々ガ僅ニ慰メラ
レルモノハ、當院ヲ通過シ、貴族院ノ承認ヲ
得マシテ法律トナリマシタ所ノ、彼ノ刑事
補償法ノ救濟方法一アルノミデアリマス、
併ナガラ一日僅カ五圓以下ノ補償金ヲ貰ッタ
カラト云ウテ、其全身ニ受ケマシタ創痍ハ終
生癒エナイノデアリマス、斯ノ如キコトヲ考ヘ
マスルナラバ、此者ガ無罪ノ判決ヲ受ケテモ、
人ハ公明正大ニナッタト喜ンデ吳レマシテモ、
世人ヨリ彼ハ〓固ノ人トナッタ人デアル、
彼ハ犯罪ノ嫌疑ヲ受ケタ人デアルト云フコ
トハ、終生拭フコトガ出來ナイノデアリマ
ス、此事ヲ考ヘル時ニ於テハ、檢擧ノ任ニ
當ル者ハ、餘程注意シナケレバナラヌト同
時ニ、裁判ノ衝ニ當ル者ハ、所謂形式證據
ニ囚ハレズシテ、刑事訴訟法ニ認メラレテ
居リマスヤウニ、自由心證主義ニ依ッテ、
眞ノ事實ヲ摑ヘテ、罪ヲ犯シタリトノ確證
ノナイ限リニハ、證明不十分ナリトシテ無
罪免訴ノ言渡ヲ爲シ、由テ以テ是等不遇ノ
人ニ對シテ幾分ノ慰安ヲ與ヘルヤウニ、注
意シナケレバナラヌト考ヘテ居ルノデアリ
マス(拍手)
諸君「罪アラバ我ヲ咎メヨ天津神民ハ我
身ノ生ミシ子ナレバ」ト宣セ給ウタ聖歌ヲ
按ズル時ニ於テ、容易ニ人ヲ逮捕監禁スル
コトハ出來ナイ、假ニ合法的ニ逮捕監禁ス
ル場合ニ於テモ、ソレ等ノ局ニ當ル者ハ餘
程注意シナケレバナラナイト考ヘルノデア
リマスガ、況ヤ何等ノ法律命令ニ依ラズシ
テ、不法ニ逮捕監禁シテ、サウシテ人權ヲ
蹂躙スルガ如キコトニ至リマシテハ、實ニ
言語道斷デアリマシテ、政府ノ其責任ノ重
大ナルコトヲ痛感シナケレバナラヌト考ヘ
テ居ルノデアリマス(拍手)我國ニ於テハ御
慈愛ヲ以テ政治ノ基トナサラナイ天皇ハ居
ラセラレナカッタノデアリマス、彼ノ廣田內
閣ノ時代ニ於キマシテハ、吏道刷新ト云フ
コトヲ政綱ノ一ニ揭ゲラレマシタケレドモ、
彼ノ選擧干渉、人權蹂躙ノ聲ガ全國ニ瀰漫
シ、囂ペタル非難ノ起ッタコトハ御承知ノ
通リデアリマシテ、選擧肅正ハ却テ人權蹂
躪ノ汚名ニ葬ラレタノデアリマス(拍手)林
内閣ハ其政綱ノ一ト致シマシテ、所謂祭政
一致ト云フコトヲ揭ゲラレタノデアリマス、
憲法ノ條章ニ依ッテ天皇陛下ノ有難キ大
御心ヲ心トシテ國民ニ臨ミ、政治ヲ行フノ
デアルトノ趣旨ハ、林總理大臣ニ於テ何囘
モ言明セラレタコトデアリマス、然ル以上
ハ陛下ノ赤子デアル所ノ國民ニ對シテ、最
モ重大ナル關係アル、人權蹂躪根絕ニ關ス
ル決議案ノ上程セラレマシタ此場合ニ於キ
マシテハ、林總理大臣タルモノ、議員ノ要
求ガナクトモ、自分カラ進ンデ出席セラレ
國民代表、大多數ヲ代表スル私ノ壇上ノ叫
ビヲ聽キ、成程是ハ重大デアル、成程是ハ
大切ナコトデアル、吾々ノ今マデ此點ニ重
キヲ置カナカッタコトハ、上陛下ニ對シテ
恐懼ニ堪ヘナイノデアルト、其思ヲ新ニス
ルコトガ本當デアルト考ヘルノデアリマ
ス(拍手)法制局長官位ヲ此席ニ出シテ、
此重大ナル所ノ決議案ノ說明ヲ聽カセルニ
至ッテハ、如何ニ政府ガ人權尊重ト云フコト
ニ重キヲ置カナイト云フコトガ明ニ分ルノ
デアリマシテ、私ハ洵ニ遺憾ニ堪ヘナイノ
デアリマス(拍手)
〔「君ノ說明ガ遺憾ニ堪ヘナイヨ」「坊主
ニナッテカラヤレ」ト呼ヒ其他發言スル
者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=56
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057・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 私語ヲ禁ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=57
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058・一松定吉
○一松定吉君(續) 然ラバ之ヲ改善スルノ
ニハドウスレバ宜シイノデアリマセウ、私
ハ所謂官僚獨善主義ヲ先ヅ排擊シナケレバ
ナリマセヌ、次ニ人權蹂躪ノ行爲アリタル
警察官及ビ檢事等ニ對シマシテハ、徹底的
ニ之ヲ糾彈ヲシナケレバナラヌト考ヘテ居
ルノデアリマス、ソレバカリデハアリマセ
ヌ、斯ノ如キ行爲ノアッタ時ニハ、其監督ノ
地位ニ在ル所ノ上官ニマデ、其責任ヲ問フ
位ノ決心ガナカッタナラバ、此弊風ハ芟除ス
ルコトガ出來ナイノデアリマス(拍手)第三
ニハ、先刻申上ゲマシタ通リ、裁判所ハ形式
證據ニ囚ハレルコトナク、本當ニ公判中心
主義ニ依り自由心證主義ヲ發揮致シマシテ、
其眞相ヲ把握スル心掛ヲ持タナケレバナリマ
セヌ、此意味ニ於テ、私ハ彼ノ帝人事件ニ於
テ、藤井裁判長ガ旣ニ一百數十囘ノ公判ヲ開
イテ居ルト云フ點ニ對シマシテハ、多少非難
ノ餘地ハアリマスケレドモ、事實ノ眞相ヲ
摑ム上ニ於テ、眞ニ公判中心主義ヲ發揮シ
テ、審理ヲ繼續セラレテ居ルコトニ對シテ、
多大ノ敬意ヲ表スル一人デアリマス(拍手)
ソレカヲ警察官ノ犯罪捜査ニ關スル法規ノ
改正ニ付テ注意シナケレバナリマスマイ、
次ニハ警察官及ビ檢事ノ素質改善ニ付テ相
當ノ注意ヲ必要トスルノデアリマス、大二
ハ犯罪捜査術ヲ〓授シテ、彼等ヲシテ徒ニ
自由ヲ强要スルガ如キ行動ニ出デシメズシ
テ、科學的ニ捜査術ヲ練習セシメ、法律學ノ〓
究バカリデハナク、心理學、〓育學、社會學、
宗〓學、政治學、物理學、道德學、各方面ノ〓
育ヲ施シマシテ、彼等ヲシテ再ビ斯ノ如キコ
トナカラシメルヤウニ、注意スルコトガ必
要デアルト思フノデアリマス、斯樣ナコト
ニ致シマスナラバ小學校ヲ卒業シタ位
ノ人々ノ多キ警察官ノ〓育程度ヲ引上
ゲ、高等ノ〓育ヲ受ケテ相當ノ知識經驗ヲ
有スル人々カラ警察官ヲ採用シ、同時ニ待
遇ノ改善、卽チ物質上ノ待遇ハ勿論、位階
勳等等ノ待遇モ大イニ改善優遇スルヤウニ
シナケレバナラヌト考へテ居ルノデアリマ
ス、是等ノ點ニ對シマシテ、政府ハ大イナ
ル決心ヲ以テ是ガ實行ニ當ラナケレバ彼等
ノ非違ヲ改メントスルガ如キハ百年河〓ヲ
俟ツト同ジデアルト思フノデアリマス
私ハ政府ニ御考ヲ願ヒタイコトハ、犯罪
ヲ搜査スルニ方リ、政府ハ不法ニ人ヲ逮捕
監禁セズシテ、被疑者ヲ取調ブルノ對策ヲ
持合セテ居ラルヽカドウカ、現行法ノ運用
ノミニテハ十分デナイト思フガ、十分デナ
イトセラルヽナラバ何等カノ對策ヲ持ッテ
居ラルルカドウカ、在朝在野ノ權威者ヲ網
羅スル委員會ヲ設ケテ、是等ノ對策ヲ練ル
必要ハナイカドウカ、卽刻人權蹂躙ノ行爲
ナキヤウ、全國警察官及ビ檢事ニ對シテ、
有效適切ナル手段方法ヲ講ズベキ何等カノ
對策ヲ考ヘテ居ラルヽカドウカ、考ヘラレ
テ居ルナラバ、其對策ハドウデアルカト云
フコトニ付テ、適當ノ機會ニ發表セラレン
コトヲ要望スルノデアリマス
之ヲ要シマスルニ、本院ハ屢〓政府ニ對
シマシテ警告ヲ發シ、是ガ是正ヲ迫ッタニ拘
ラズ、有效適切ナル對策ヲ樹立スルコトナ
ク、一時ヲ糊塗シテ今日ニ至リタル結果、
人權蹂躙ノ事實ハ全國ニ瀰漫シ、國民怨嗟
ノ聲囂々タルニ至ッタノデアリマス、若シ此
儘ニ放置センカ、國家ノ基礎ヲ危クスルニ
至ラン、仁慈ニ富マセ給フ聖天子ノ治下ニ
於テ、祭政一致ノ政治ヲ標榜シテ居ル所ノ
林內閣ニ於テハ、此弊害ヲ根絕スル爲ニ、
速ニ適當ナル方策ヲ樹立シ、以テ人心ノ不
安ヲ一掃シナケレバナラヌト考ヘルノデア
リマス(拍手)是レ本案ヲ提出シタル所以デ
ゴザイマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=58
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059・松永東
○松永東君 本案ハ質疑ヲ省略シテ、直チ
ニ討論ニ入ランコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=59
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060・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ヲ採
決致シマス、松永君提出ノ動議ニ贊成ノ諸
君ノ起立ヲ求メマス
〔賛成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=60
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061・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 起立多數、仍テ質
疑ヲ省略スルコトニ決シマシタ、是ヨリ討
論ニ入リマス、通〓順ニ依リ發言ヲ許シマ
ス-加藤勘十君
〔加藤勘十君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=61
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062・加藤勘十
○加藤勘十君 明治維新ニ依ッテ封建制度
ガ打破サレテ七十年間、憲法ガ制定セラレ
テ當ニ五十年、今ヤ建國二千六百年ノ祝典
ガ擧ゲラレヨウトシテ居ル、此輝カシキ文
化ノ歷史ヲ有スル我國ニ於テ、今提案セラ
レタルガ如キ人權蹂躙ノ根絕ヲ期スル決議
ガ、此議場ニ於テ論議サレナケレバナラナ
イト云フコトハ、全國民ニ取ッテ是ヨリ以上
ノ大キナ悲ミハナイト言ハナケレバナラナ
イノデアリマス(拍手)吾々ハ今提案ノ理由
ヲ聽キマシテ、第一ニ感ズルコトハ、此決
議案提出ガ、何ガ故ニ全院一致ノ共同提案、
若クハ全院一致ノ共同贊成ガ行ハレナカッ
タカト云フコトニ對シテ、決議案提出者ハ大
キナ反省ヲシナケレバナラヌト思フノデア
ル(「贊成スレバ宜イヂヤナイカ」ト呼フ者
アリ)吾々ハ最初此案ノ提出ニ對シテハ、
贊成ノ意圖ヲ有ッテ居ッタノデアリマス、然
ルニ吾々ヲシテ何ガ故ニ贊成ヲスルコトヲ
爲シ得ナイヤウニナラシメタカ
〔私語スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=62
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063・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=63
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064・加藤勘十
○加藤勘十君(續) 玆ニ私ハ此決議案ノ提
案者ガ、自ラ大キナ反省ヲシナケレバナラ
ナイコトヲ信ズル、私ノ反對論ノ第一ハ、
決議案提出者ガ自ラ、何ガ故ニ全院一致ノ
贊成ヲ求メルコトガ出來ナカッタカト云フコ
トニ對シテ、反省ヲ促スト云フコトガ其一
ツデアリマス
〔私語スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=64
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065・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=65
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066・加藤勘十
○加藤勘十君(續) 今提案ノ理由ヲ聽イタ
ノデアリマスガ、人權蹂躪ノ根絕ヲ期スル
ト云フコトハ、第一ニ何ヨリモ先ニ、國民
ノ憲法ニ依ッテ保障サレタル政治的自由ガ
確立サレナケレバナラナイノデアリマス、
其憲法ニ依ッテ保障サレタル國民ノ政治的
自由ノ確立ハ、獨リ警察裁判所ニ於テノ、
或ハ檢事局ニ於テノ、人權蹂躪ガ根絕サレ
ルト云フバカリデハナク、到ル處ニ言論集
會結社ノ自由ガ確保サレナケレバナラナイ
ノデアル(拍手)國民ノ自由ヲ、言論ヲ、
最モ正直ニ大膽ニ代表スベキ此議會ニ於
テ、其國民生活ニ最モ重大ナル關係ノアル
議案ガ、多數ノ法律ノ濫用ニ依ル力ニ依ッ
テ蹂躪セラレタト云フコト、是位大キナ人
權蹂躙ハナト言ハナケレバナラナイノデア
リマス(拍手)又此神聖ナル議會ノ中ニ於テ
〔發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=66
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067・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=67
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068・加藤勘十
○加藤勘十君(續) 神聖ナル報道ノ任務ヲ
有スル新聞記者ガ、政黨ノ院外團ノ暴力ニ
依ッテ傷ケラレルガ如キハ、是レ亦人權蹂躪
ノ著シキモノデアル
〔議長退席、副議長著席〕
サレバコソ此問題ニ對スル、所謂輿論ハ何
ト言ウテ居ルカ、議會ハ世ノ輿論ニ聽ク所
ガナケレバナラナイ、例ヘバ私ハ其一二ノ
例ヲ擧ゲテ見ル、報知新聞ハ「何ノ人權蹂躪
ゾ」ト云フ題下ニ、斯ウ言ッテ居リマス(「討
論ニ朗讀ハイケナイ」ト呼フ者アリ)喧シ
イ、マダ朗讀シナイヂヤナイカ、喧シク言
フナラ言ハヌゾ(「加藤シッカリヤレ」「讀メ
讀メ」其他發言スル者多シ)宜インダヨ、引
用ハ構ハヌノダヨ-前ノ方ヲ省略シテ要
點ヲ引用スレバ、「併ナガラ彼等ガアレ程熱
心ニ肝腎ノ豫算審議ヲ其處除ケニシテマデ
人權蹂躙ノ事實ヲ指摘スルノハ、一ツニハ
彼等ガ自ラ選擧ノ違反者トシテ彈壓ノ被害
者ダッタカラデアリ、議會ヲ通ジテ官僚ニ對
スル一種ノ復讐ヲ狙ックモノデアル、彼等ノ
引用ガ大半選擧關係ニアルノモソレガ爲ダ、
其處へ行ケバ社會大衆黨ガ東方會ヤ第二控
室ヲ糾合シテ提出シタ人權蹂躙根絕ノ決議
案ハ、議會關係者ノ問題ニ止マラズ、廣ク大
衆ノ人權ヲ擁護スル意味ニ於テ遙ニ徹底シ
テ居ル、議會ガ若シモ文字通リノ國民代表
ト云フノナラ、議員ハ何ヨリモ先ヅ聲ナク、
言葉ナキ大衆ノ忠實ナ代辯者デナクテハナ
ラヌ、所ガ更ニ皮肉ナコトニハ、人權蹂躪
ヲ强調スル民政黨ノ代議士會デ、傍聽中ノ新
聞通信記者ガ二名マデモ、所屬院外國ノ爲
ニ暴行負傷ヲ受ケタ事實ガアル、代議士會
ハ例ノ喧シイ健康保險法案ノ黨議ヲ決メル
モノダッタ、少シ意地惡ク考ヘレバ、アノ法
案ヲ繞ッテ黨內ノ對立抗爭ガ暴露スルノヲ
嫌ッテ、成ベク報道機關ヲ敬遠シタイト云フ
卑屈ナ黨人心理ノ反映トモ思ハレル」、更ニ
又同ジ報知新聞ハ斯ウ言ッテ居リマス、「思想
犯人ニ對シテヤッテ許サレルコトガ、選擧違
反事件ニハ許サレナイコトノ不合理ヲ漏シ
テ居タコトヲ見テモ、他ノ事件、殊ニ思想
犯人ナドニハ、ドンナコトヲシテモ宜イノ
カノ思想ガ一部ニアル一事ガ明白ダ」、又朝
日新聞モ言ッテ居リマス、「國民ヲシテ斯ノ
如キ議會ノ決議ガ、疑獄事件ヤ帝人事件ノ
如キ、財界官界政界ノ名士關係者ノ犯罪搜
査ノ手ヲ緩メシメ、選擧肅正ノ手綱ヲ控ヘ
サセルコトナク、一般庶民ノ人權蹂躙ノ事實
ヲ根絕セシムルニ結果センコトヲ祈ラシム
ルノデアル」、更ニ讀賣新聞ハ斯ウ言ッテ居
リマス、「政黨ガ今日ニナッテ騒ギ出シタ主
要ナ理由ハ、選擧違反事件ノ被〓ニ拷問ヲ
受ケタ者ガアッタカラノコトデ、其他ノ普通
犯罪ヤ社會運動事犯グケナラ、大抵ハ知ラ
ヌ顏ヲシテ居ルノデアル、選擧違反ノ場合
ダケハ、オ手柔カニト云フヤウナ態度デハ、
此問題ハ何時ニナッテモ解決シナイ」(拍手)
斯ノ如キ二三ノ所謂輿論ヲ代表スル新聞、
記事ヲ引例シテ見テモ、此決議案提出ノ動
機ガ何處ニアックカト云フコトガ極メテ明
瞭デアル、私共ハ人權蹂躪ヲ根絕セシメヨ
ウト云フ、其事自體ニハ微塵モ反對デハナ
イ、贊成ナノデアル、ダガ此決議案提出ノ
第一ノ理由ガ、今言フヤウニ議員自ラガ反
省シナケレバナラナイヤウナ、人權蹂躙ヲ
犯シテ居ルト云フコトヲ自ラ反省シテ、其
反省ノ上ニ全議員一致ヲ以テ提出サレナケ
レバナラナイト云フコトガ、第一ノ理由デ
アル、第二ノ反對理由トシテハ、此決議案
提出ノ動機ガ著シク不純デアル、此點デア
リマス
吾々ガサウシタ二ツノ點カラ此決議案提
出ノ形式ニ反對スル傍ラ、吾々ガ如何ニ人
權蹂躪其モノヲ根絕セシムル爲ニ、熱烈ナ
ル長イ闘爭ノ歷史ヲ有シテ居ルカト云フコ
トヲ申述ベル、若シ日程變更ノ吾々ノ要求
ガ容レラレルナラバ、當然諸君ノ決議案ト
竝ンデ、吾々ノ贊成スル社會大衆黨ノ決議
案ガ出ル筈デアッタ(「ヒヤ〓〓」拍手)然ル
ニ諸君ハ自分ノモノダケハ、日程ヲ變更ス
ルコトニ政府ヲシテ同意セシメテ上程シナ
ガラ、同ジ趣旨ノ下ニアル社會大衆黨ノ提出
シタ決議案ノ日程變更ニ反對シテ居ルノデ
ハナイカ(拍手)此一ツノ事實カラ言ッテモ、
如何ニ多數ガ自己ノ力ヲ賴ンデ、正シキ國
民ノ聲ノ反映ヲ抑ヘ付ケテ居ルカト云フコ
トガ、此一ツノ事實ニ依ッテモ明瞭デハナ
イカ(拍手)吾々ハ若シモ吾々ノ人權蹂躪ノ
根絕ヲ期サントスル意思ガ那邊ニアルカト
云フコトヲ明瞭ニスルナラバデス、大衆黨
ノ提出シタ、サウシテ吾々ノ之ニ贊成シタ
決議案ハ、最モ能ク之ヲ率直ニ表明シテ居
ルノデアリマス、其意圖スル所ハ、政府ハ
頻發スル人權蹂躙ニ鑑ミ、速ニ是ガ根絕ヲ
期スルト共ニ、所謂人權蹂躙ガ社會運動違
反ニ對スル苛酷ナル取締ニ發足スル事實ヲ
認メ、今後社會運動事犯タリト否トヲ問ハ
ズ、一切ノ違犯ニ對シ、苟モ斯ル事態ノ起
ラザルヤウ、斷乎タル處置ヲ講ズベキデア
ル(拍手)
此點ニ付キマシテハ、吾々ハ當然人權蹂
躪ト云フ事態ガ、歷史的ニ見テドウシタ經
過ヲ辿ッテ今日ニ來タカト云フコトヲ探索
シナケレバナラナイ、舊イ封建時代ノ殘滓
ガ、總テノ社會生活ノ形式ノ上ニ殘存シテ
居ック、明治前半世紀ノ當時ノコトハ姑ク別
ニシテ、最近ニ於テ人權蹂躪ノ問題ガ、此議
會ニ於テ問題トナッテ來マシタノハ、昭和四
年五年、田中政友會内閣當時カラノコトデ
アリマス(「反對カ贊成力」ト呼フ者アリ)趣
旨ハ贊成デアッテ、結論ハ反對デアル、ソコ
デドウシテ然ラバ田中內閣當時ニ、此人權
蹂躙ノ問題ガ議場ニ於テ問題トサレルニ
至ッタカ、言フ迄モナク是ニハ社會運動、所
謂左翼ノ三·一五、四·一六事件ノ檢擧ガ始ツ
〃、其檢擧ニ依ッテ起ッタ拷問事件、是ガ當
時ノ議場ニ於テ吾々ノ同僚デアッタ山本宣
治君ヤ、淺原健三君ニ依ッテ問題トシテ取
上ゲラレタノデアリマス、然ルニ當時政友
會ヤ民政黨ノ諸君ハ、此人權蹂躙ノ顯著ナ
ル事實ニ目ヲ瞑リ、耳ヲ塞ギ、一切之ヲ問題
ニシナカッタヂヤナイカ、而シテ其後此問
題ガ喧シク問題ニナッテ來タノハ、所謂帝
人事件ノ檢事局カラ公判ニ掛ケテノ拷問事
件デアッタ、是ガ諸君ノ手ニ依ッテ事案ガ玆
ニ取上ゲラレタノデアリマスルガ、個々ノ
經過カラ見マシテ、諸君ガ眞實ニ愬フルニ所
ナキ大業ノ人權蹂躙ノ問題ニ對シテハ、眼ヲ
塞ギ耳ヲ閉ヂテ知ラヌ顏ヲシナガラ、一ク
ビ自分達ノ直接大キナ利害關係ヲ持ツタ帝
人事件ノ如キ、或ハ選擧事犯ニ依ル人權蹂
躪ノ如キ問題ヲダケ取上ゲルト云フニ至リ
マシテハ、私ハ同ジク官僚ノ獨善主義ヲ責
メ、官僚ノ專制的方針ヲ責メルニ付テモ、
ソレデハ餘リニ身勝手デアル、餘リニ得手
勝手デアル、我利々々デアル、サウシタ我
利我利ナ立場カラ官僚ヲ責メテモ、決シ
テ官僚ニ對スル力强キ攻擊力トハナラナイ
(拍手)自己ノ局部的ナル利害關係ヲ離レ
テ、本當ニ全國民ノ政治的自由確立ヲ根幹
トシテ此問題ヲ責メルナラバ、吾々モ固ヨ
リソレニ反對スベキ何等ノ理由ヲ持ッテ居
ナイ(拍手)ニモ拘ラズ吾々ヲシテ贊成スル
能ハザラシメテ居ルノハ、偏ニ諸君ノサウ
シタ我利々々的ナ小乘的ナ態度デアル(拍
手)殊ニ國民ノ政治的自由ノ問題ハ、單ナ
ル形式ノ問題デハナイ、實際上ニドウスレ
バ大衆ガソレ〓〓ノ立場ニ於テ、自己ノ生
活ヲ防衞シ、擁護スル力ヲ構成シ得ルカト
云フコトデナケレバナラナイ、然ルニ諸君
ハ常ニ大衆ノサウシタ生活防衞ノ爲ノ團結
權或ハ言論集會ノ權利ニ對シテハ、之ヲ
積極的ニ妨害スル場合モアリ、消極的ニ知
ラヌ顏ヲシテ看過ゴス場合モアル、サウシ
タ諸君ノ態度ニ依ッテ、ドウシテ是ガ眞實
ニ國民全體ノ政治的自由獲得ノ爲ノ、人權
蹂躪根絕ノ決議案デアルト云フコトガ言レ
ルカ(拍手)
更ニ私ノ此決議案ニ對スル問題ノ取扱方
ニ於テ、今申シマスルヤウニ動機ガ著シク
不純デアルト云フコトハ、此案ノ說明ヲサ
レマシタ說明ノ中ニ明瞭ニ現レテ居ルノデ
アリマス、卽チ擧ゲラレタル事實ハ、誰ガ
聞イテモ人權蹂躪ト云フ、全國民ノ關心ヲ
聚メル問題ヲ取上ゲテ、其實際ハ瀆職事犯
ニ對スル辯護ノ外援工作デアル(拍手)或ハ
選擧事犯ノ公判ニ對スル牽制的ナ意圖ヲ含
ンダモノト感ジラレルノデアリマス(拍手)
サウシタ聞ク者ヲシテ純ナル動機カラ發シ
タモノデナイト云フコトヲ感ゼシムルヤウ
ナ決議案ハ、一度潔ク引込メテ、全院ノ完
全ナル協調ノ下ニ更メテ提出サルベキガ本
來デアル(拍手)斯クシテコソ初メテ衆議院
ノ完全ナル意思ノ一致デアリ、隨テ全國民
ノ完全ナル意思ノ結晶デアルト言ヘルノデ
アリマス(拍手)是ナクシテ諸君ガ、一ノ六
於テハ多數ノ力ヲ恃ンデ少數黨ノ言論ヲ抑
壓シ、他ノ一方ニ於テハ人權蹂躪ノ問題ヲ
取上ゲテ、或ハ之ヲ瀆職事犯、或ハ選擧事
犯ノ裁判ノ牽制外援ニ利用シヨウト云フヤ
ウナ考ヲ以テ提出サレタノデハ、此議場ハ
諸君ノ多數ノ力ニ依ッテ通ルカモ知レナイ
ガ、國民大衆ハ決シテ是ニハ滿足ヲシナイ
デアラウト云フコトヲ私ハ斷言シ得ラレ
ル(拍手)今申上ゲタヤウナ趣旨ノ下ニ、最
初カラ言ッテ居リマスル通リ、人權蹂躪其モ
ノヲ、日本國民ノ名譽ノ爲ニ、日本國家ノ
文化ノ興隆ノ爲ニ、絕滅セシメナケレバナ
ラヌト云フ趣旨ニハ、固ヨリ贊成デアル、
異議ハナイノデアル、ダガソレガ爲ニ尙ホ
一層此決議ヲシテ權威ヲアラシムル爲ニ、
全國民ノ意思ヲ結晶セシムル爲ニ、一遍潔
ク引込メテ欲シイ、斯ウシタコトガ此案ニ
對シテ私ガ反對スル所以ナンデアル(拍手)
吾々ハ吾々ノ決議案ガ提出上程サレマスル
ナラバ、當然其趣旨辯明ガ行ハレル筈デア
リマシタガ、吾々ノ決議案ハ諸君ノ多數ノ
力ニ依ッテ抑ヘラレタ、故ニ趣旨ヲ明ニスル
コトガ出來ナカック、趣旨ノ內容ニ於テハ大
體大シタ變リハナイガ故ニ、要ハ吾々ノ趣
旨辯明ガ出來ザルガ故ニ、吾々ノ立場ニ於
テノ趣旨ハ之ヲ盡シ得ナカッタガ併ナガラ
其內容ヲ今決議案提出者ガ說明サレタ具體
的ナ事實ニ付テハ吾々ハ之ヲ否定スル者デ
ハナイ、隨テ今言フヤウナ意味ニ於テ、偏
ニ之ヲ一先ヅ撤囘ヲ希望スル、斯ウシタ意
義ニ於テ私ノ反對論ヲ終ル譯デアリマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=68
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069・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 大石倫治君
〔大石倫治君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=69
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070・大石倫治
○大石倫治君 私ハ只今上程セラレマシタ
人權蹂躪根絕ニ關スル決議案ニ對シマシ
テ、贊成ノ意ヲ表スル者デアリマス、提案
者ヨリ詳細ニ亙ル所ノ、全國ニ起リマシタ
人權蹂〓、其他檢擧、裁判等ノ不當等ニ關
シマスル事實ハ、詳細ニ論ジ盡サレテアル
ノデゴザイマスカラ、私ハ再ビ之ヲ繰返ス
コトヲ避ケタイト存ズルノデアリマス
由來法ノ目的ハ先ヅ人心ヲ正シ、國家ノ
機構ヲ維持シ、社會ノ安寧秩序ヲ確保シ、
併セテ國家ノ隆昌、國民ノ福社ヲ增進スル
コトヲ以テ、目的トスルモノト信ズル者デ
アリマス、カルガ故ニ職ニ法律警世ヲ司
リ、之ヲ運用スル者ハ、至公至平、全ク私
ヲ去リ感情ヲ捨テ、又情實ニ囚ハレズ、國
民信賴ノ中心トナラナケレバナラヌコト
ハ、論ヲ俟タザルコトデアリマス、若シ苟
且ニモ法ノ適用ヲ紊リ、感情ニ驅ラレ、規
矩ヲ超エ、情實ニ走リテ、繩墨ヲ抂グルガ
如キ行動ガアリマスナラバ、國民ハ法ヲ輕
ハハ、刑罰ヲ怨ミ、其裁判ヲ信ゼザルニ至
リ、法ノ威嚴ヲ損ジ、民心ハ爲ニ弛緩シ、
秩序ハ從ッテ亂レマシテ、ドウシテ國家ノ安
寧ハ保タレ、良風美俗ガ維持セラレルコト
ガ出來ルデゴザイマセウカ、國家ノ禍是ヨ
リ大ナルモノハナイト申サナケレバナラヌ
ノデアリマス、故ニ局ニ當ル人々ハ大イニ
戒心自肅ヲ要スル點デアリマス
一昨年行ハレマシタ縣會議員ノ選擧ト、
昨春ノ衆議院議員選擧ニ現レマシタ、神奈
川縣、靑森縣、沖繩縣等ニ起リマシタル彼
ノ人權蹂躪事件ノ如キハ、實ニ戰慄ヲ禁ジ
能ハザル事實デアリマシテ、法治國タル我
ガ帝國ノ名譽ヲ毀損シ、其信用ヲ失墜セシ
メマシタコト、頗ル甚大ナリト申サナケレ
バナラヌノデアリマス、否、昭和聖代ノ一
大痛恨事ナリト歎ゼザルヲ得ナイノデアリ
マス、而モ前三縣下ノ事件ハ、單ニ表面化
シタルモノデアリマスガ、若シ兩度ノ選擧
中ニ起リマシタル所ノ警察當局ノ選擧干渉
ヤ、選擧妨害ヤ、又檢察當局ガ事件ノ檢
擧、搜査、訊問等ニ伴ウテ行ハレタル幾多
ノ人權蹂躪ガ、彼我其所ヲ異ニシテ摘發セ
ラレマシタナラバ、其數枚擧ニ遑アラザ
ルノミナラズ、殆ド全國的ニ現レタリト想
像スルニ餘リアルノデアリマス、併シ其當
局者ハ僥倖ニモ檢察、捜査、訊問ノ鍵ヲ握ッ
テ居リマスガ故ニ、表面化スルニ至ラズシ
テ葬リ去ラレタルニアラズヤトノ疑ヲ持ツ
者デアリマス、人權蹂躙、自由拘束ハ獨リ
選擧干涉ニ止マリマセヌ、其他ノ刑事事件
ニモ屢〓現レテ居リマスルコトハ明瞭ナル
事實デゴザイマス、斯ノ如キ人權蹂躪ノ恰
モ公然行ハレマスルコトハ、檢察當局ノ常
識修養、及ビ職務觀念ニ缺陷アルガ故ト
思ハレマスガ、モウ一ツハ習性ニ偏スル點
モ見逃スコトハ出來ナイノデアリマス、卽
チ屢〓行ハレタ共產黨員ノ檢擧、其際ニハ相
當手嚴シキ措置ヲ執ラレタコトハ認メラレ
テ居ルノデアリマス、又暴力團ノ檢擧ニ際
シマシテモ、過度ノ處置ガアッタト云フコト
モ認メラレテ居ルノデゴザイマスルガ、併
シ共產黨員ニ對シ、或ハ暴力團ニ對シマシ
テハ、我ガ善良ナル國民ハ之ヲ指彈シテ居
ルノデアリマスカラ、其過度ノ處置ニ對シ
マシテ深ク之ヲ咎メナカッタノデゴザイマ
ス、然ルニソレヲ選擧ノ際ニ逆用ヲ致シマ
シテ、極端ニ之ヲ用ヒマシタ、斯樣ナ事柄
ガ習性ヲ現シタモノト私共ハ見ルノデゴザ
イマス、現ニ人權蹂躙ヲ行ヒ、其責任者ト
シテ處分セラレマシタル橫濱ノ主任檢事
ガ、ドウ云フコトヲ申シテ居ルカト申シマ
スト、共產黨ノ檢擧訊問ニハ拷問ヲ認メテ
置キナガラ、選擧違反事件ニ關シテノミ責
任ヲ負ハシメラレ、處分セラルヽコトハ、
洵ニ不可解デアルト云フ聲明ヲ出シテ居ル
コトニ鑑ミマシテモ、一斑ハ以テ全豹ヲ證
明スルコトガ出來ルデアラウト存ズルノデ
アリマス、此習性ニ時トシテ觀念ヤ常識ノ
缺如ヨリ持來タサレマスル感情、情實ガ加
味セラレ、又我國官吏ノ通弊デアリマス所
ノ優越感ガ手傳ヲ致シテ居ルコトハ、否メ
ナイ事實デアルト存ズルノデアリマス
苟モ人ヲ正サント欲スレバ、先ヅ己レヲ
正シウシナケレバナラナイノデアリマス、
己レヲ正シウシ、眞ニ公平無私ノ心ヲ以テ
行ハレマスル所ノ、檢擧又ハ裁判デアリマ
スルナラバ、萬一多少ノ錯誤過失ガゴザイ
マシテモ、國民ハ決シテ怨ヲ貽スヤウナコト
ハナイト存ズルノデアリマス、然ルニ今日
無〓ノ國民ハ、悉ク其檢擧ヤ裁判ニ承服シ、
滿足シテ居ルノデゴザイマセウカ、否、檢
察官ヤ裁判官ニ對シ、法ヲ輕ンジ怨ヲ懷カ
ズシテ居ラレマセウカ、當局者ノ冷靜公平
ナル所ノ觀察ト判斷トヲ望ンデ巳マナイノ
デゴザイマス、然ルニ只今人權蹂躪根絕ヲ
論ズル者ガゴザイマスト、或ハ自己ノ利益
ヲ擁護スルモノデアル、或ハ關係者ノ庇護
ヲ爲スモノデアルトカ云フヤウナ聲ヲ聞ク
ノデアリマス、只今反對デアリマスルカ、
贊成デアリマスカハ、ハッキリ分リマセヌガ、
加藤勘十君ノ述ベラレタ中ニモ、此人權蹂
躪ハ甚ダ動機ガ宜シクナイ、自己ノ非ヲ蔽
ハントスルモノデアルカノヤウナ御論旨モ
ゴザイマシタガ、是ハ洵ニ誣ユルモ甚シキ
モノデアルト存ズルノデアリマス、先刻一
松君ヨリ提案ノ趣旨中ニ述ベラレマシタル
所ノ、京都伏見ニ起リマシタ事件ヲ初メト
致シマシテ、全國ニ互ッテ斯樣ナ人權蹂躙ガ
行ハレテ居リマスルコトハ、到底其事實ヲ
抹消スルコトハ出來ナイト存ズルノデアリ
マス(拍手)
今ヤ、我國ハ內外多事多難ノ時局ニ當面
ヲ致シテ居リマスルガ、其中最大ナル關心
事ハ何デアルカト申シマスルト、此綱紀ノ
弛廢、治安ノ紊亂、民心ノ弛緩、動搖ニ過
グルモノハナイト信ズルノデアリマス、健
全ニシテ不退轉ナル日本精神ノ所持者タル
ベキ我國民ノ間ニ、或ハ慌シキ國體明徴ヲ
唱ヘネバナラヌ事柄ヤ、防共協約ヲ締結セ
ネバナラヌ事柄ヤ、或ハ各階級、各方面ヲ通
ジテ肅正ヲ强調セネバナラヌ事柄ヤ、國體
擁護團體ヲ初メト致シマシテ、幾多ノ團體
運動ヲ起サネバナラヌ狀態ハ、國民思想ノ
昏迷動搖ヲ物語ルモノデハナイデゴザイマ
セウカ、然ラバ之ヲ匡救シ、之ヲ矯正スル
モノ、卽チ人心ヲ正シ、安寧秩序ヲ確保ス
ルモノハ、正シキ法ノ運用ニ俟タネバナラ
ヌコトハ當然ナリト信ズルノデアリマス(拍
手)
私共ハ本決議案ニ言葉ヲ藉リマシテ徒ニ
當局ヲ責メ、之ヲ窮地ニ陷レテ自ラ快哉ヲ
叫ブモノデハアリマセヌ、畏クモ天皇ノ
御名ニ於テ裁キヲ職ト致シ、國家ヲ代表シ
テ裁キヲ求メ、檢察ノ職ヲ奉ズル人々ヲシ
テ法ノ尊嚴威力ヲ恪守セシメ、至公至平以
テ國民信賴ノ的トナリ、一點タリトモ國民
怨嗟ノ聲ヲ聞カザルヤウ、自戒自肅ヲ促シ、
其董督指揮ノ重任ニアル總理大臣、司法大
臣、內務大臣ヲシテ、能ク憲法ノ大精神ニ
則リ、上聖明ニ對ヘ奉リ、下國民ノ安寧幸
福ヲ圖ル上ニ於テ、萬遺憾ナカラシムルコ
トヲ望ミ、眞ニ奉公ノ誠ヲ披瀝シタルニ外
ナラヌノデアリマス、願クハ速ニ滿場一致
ノ御贊成ニ依リ本案ヲ成立セシメ、其精神
ノ具現徹底ヲ希望シテ已マザル次第デアリ
マス、甚ダ簡單デアリマスルガ、之ヲ以テ
贊成ノ趣旨ト致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=70
-
071・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 是ヨリ採決ヲ致シ
マス、本案ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=71
-
072・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 起立多數、仍テ本
案ハ可決サレマシタ
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=72
-
073・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 此際暫時休憩致シ
マス
午後二時五分体憩
午後三時四十二分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=73
-
074・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 休憩前ニ引續キ會
議ヲ開キマス、諸君、林內閣總理大臣ヨリ
詔書ヲ傳達サレマシタ、玆ニ捧讀致シマス、
諸君ノ御起立ヲ望ミマス
〔總員起立〕
朕三月三十一日迄六日間帝國議會會期ノ
延長ヲ命ス
〔總員敬禮〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=74
-
075・松永東
○松永東君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ提
出致シマス、卽チ此際日程第十及ビ第十一
ノ兩案ヲ一括シテ繰上ゲ上程シ、其審議ヲ
進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=75
-
076・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議ハアリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=76
-
077・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナツト認メ
マス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ、日程
第十、小運送業法案、日程第十一、日本通
運株式會社法案、右兩案ヲ一括シテ第一讀
會ノ續ヲ開キマス、委員長ノ報〓ヲ求メマ
ス-委員長岡田伊太郞君
第十小運送業法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報、告)
第十一日本通運株式會社法案(政府
提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
報〓書
一小運送業法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ別紙ノ通修正スヘキモノ
ト議決致候此段及報告候也
昭和十二年三月二十四日
委員長岡田伊太郞
衆議院議長富田幸次郞殿
(小字ハ委員會修正)
〔別紙〕
小運送業法案中左ノ通修正ス
第十二條小運送業者左ノ各號ノ一ニ該
當スルトキハ主務大臣ハ免許ノ全部若
ハ一部ヲ取消シ又ハ事業ノ全部若ハ一
部ノ停止ヲ命ズルコトヲ得
一本法ニ基ク命令ニ違反シタルトキ
二免許又ハ認可ニ附シタル條件ニ違
反シタルトキ
三事業ノ經營不確實又ハ資產狀態ノ
著シキ不良其ノ他ノ爲事業ヲ繼續ス
ルニ適セザルトキ
四公益ヲ害スル行爲ヲ爲シタルトキ
五第十條ノ規定ニ違反シ運賃及料金
ヲ公示セズ又ハ不當ノ報酬ヲ請求シ
タルトキ
主務大臣前項ノ規定ニ依ル免許取消ヲ爲サ
ントスルトキハ審査委員會ノ議ヲ經ルコト
アルビ
前項ノ審査委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
附帶決議
小運送業界ノ現狀竝沿革ニ鑑ミ將來
極端ナル統制ヲ警メ專ラ荷主ノ便益ヲ
圖ルベシ
報〓書
一日本通運株式會社法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ別紙ノ通修正スヘキモノ
ト議決致候此段及報告候也
昭和十二年三月二十四日
委員長岡田伊太郞
衆議院議長富田幸次郞殿
(小字及-ハ委員會修正)
〔別紙〕
日本通運株式會社法案中左ノ通修正ス
社長、副社長、理事及監事ハ株主中ヨ
第七條社長及副社長ハ主務大臣之ヲ命
リ株主總會ニ於テ之ヲ選任ス
ジ其ノ任期ヲ五年トス
社長、副社長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任
理事ハ株主中ヨリ株主總會ニ於テ之ヲ
期ハ二年トス
選任シ其ノ任期ヲ四年トス
監事ハ主務大臣之ヲ命ジ其ノ任期ヲ三
年トス
第二十五條設立委員ハ前條ノ檢査ヲ受
ケタル後遲滯ナク各株式ニ付第一囘ノ
拂込ヲ爲サシムベシ
前項ノ拂込アリタルトキハ設立委員ハ
遲滯ナク創立總會ヲ招集スベシ
第一項ノ規定
創立總會ニ於テハ第七條第二項ノ規定
ニ準ジ社長、副社長、理事及監事ヲ選任スベシ
ニ準ジ理事ヲ選任スベシ
附帶決議
-政府ハ日本通運株式會社設立ノ本旨
ニ則リ其ノ利益配當ハ適度ニ制限シ業
界ノ改善竝小運送料金ノ低下ヲ圖ラシ
ムベシ
〔岡田伊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=77
-
078・岡田伊太郎
○岡田伊太郞君 只今上程セラレマシタ小
運送業法案、日本通運株式會社法案、此二
法案ニ於ケル委員會ノ經過ト結果ヲ御報〓
致シマス、委員會ハ過グル十七日ヨリ昨夕
迄、殆ド連日ニ亙リ愼重審議ヲ致シマシタ、
理事ニハ平野光雄君、中井川浩君、星島二
郞君、紅露昭君、此四名ガ當ラレタノデアリ
マス
先ヅ小運送業法案ノ方カラ申上ゲマスガ、
小運送業法案ハ貨物輸送上ニ於ケル大局ヨ
リ見マスト、洵ニ一部分ノコトデアリマシ
テ、聊カノ關係ヨリナイモノノヤウニ考ヘ
ラレル向モアリマスガ、是ガ國民經濟ニ及
ボス利害ノ影響ハ實ニ重大ナルモノガアリ
マシテ、國有鐵道ノ取得スル所ノ貨物運賃
ノ全收入ヨリモ、本案ノ小運送業法案ノ方
ノ賃銀及ビ料金ト云フモノガ多クナルノデ
アリマス、本案ノ名稱ハ小運送業法案デア
リマスカラ、至ッテ小サイヤウニ聞エマス
ガ、實ハ國民大衆ノ生活ニ及ボス所ノ甚大
ナル影響ヲ持ッテ居ルモノデアリマス、故ニ
此方法ノ宜シキヲ得ルト否トハ、吾々國民
大衆ノ生活ニ非常ナ關係ヲ持ツノデアリマス、
所謂物價昂騰ヲ云々致シマス今日、是ハ殆
ド基本的關係ヲ持ツモノデアリマス、仍テ
此業界ノ健全ナル發達ヲ圖ラナケレバナラ
ナイ、利用大衆ノ便益ヲ增進セントスルモ
ノデアリマスガ、唯此目的ニ進マントスル
ニ當リマシテハ、小運送業ヲ免許制ト致シ
マシテ、之ニ對スル監督取締ヲ行フモノデ
アリマスガ、此全國津々浦々ニ脈絡ヲ有シ、
國內一般經濟機構ニモ及ボス重大關係ヲ有ッ
テ居ル此多數ノ業者、卽チ指定及ビ非指定
ノ別ハアルガ、全國ニ一万ニ近キ此小運送
業者ニ苛酷ナル壓迫等ニ出デテハナラヌ、
又此業ノ無統制カラ生ズル指定、非指定ノ
對立抗爭、無謀ノ競爭、諸弊ヲ匡正シ、國民
經濟上ノ利益ヲ增大セシムベシト云フコト
デアリマスガ、是ニ於テ所謂官僚獨善ガアッ
テハナラヌト云フノガ議論ノ重點デアッタ
ノデアリマス、而シテ一面業者ノ安定、保
護助成ヲ望ムノデアリマスケレドモ、又
此法ニ關シマシテハ、平野君モ縷々論議セ
ラレタ點デアリマスガ、營業地域ノ關係等
ニ付キマシテハ、詳細ニ是ハ論議セラレタ
ノデアリマス、今玆ニハ速記ニ讓リマシテ
詳シク述ベルコトヲ致シマセヌ、又紅露君
ハ此十年以來ノ統計ニ依リマスルト、運送
業ニ從事スル所ノ人ハ、漸次減退ノ形ニア
ル、然ルニ此非指定ノ小運送業者ニ對シマ
シテハ、少シバカリ增加ノ率ヲ示シテ居ル、
此少シノ增加ノ爲ニ、慌テヽ斯ノ如キ取締
ノ嚴格ナモノヲスルノヂヤナイカト云フ點
ニ於キマシテ、是亦詳細ニ論議ガアッタノデ
アリマス、要スルニ此案ニ付キマシテハ、
各位ガ熱心ニ鐵道當局ト論議ノ交換ガアッ
タノデアリマス、此案ニ付キマシテハ修正
モアリ、附帶決議モアリマスガ、次ニ通運
會社ノ分ガアリマスルカラ、其時ニ申上ゲ
ルコトニ致シマス
次ニ日本通運株式會社法案ハ、是ハ資本金
ガ三千五百万圓デ、半額マデハ政府ガ引受
ケヲ爲スコトヲ得ルト云フノデアリマシテ、
帝國鐵道會計ノ資本勘定デアルノデアリマ
ス、此半官半民ノ會社タル本會社ノ業務ハ、
全國運送業者ノ親會社トモ言フベキモノデ
アリマシテ、從來不統制中ニアリマシタ計
算會社ノ弊ヲ矯メ、且ツ多年アリマシタ所
ノ計算會社ガ色々ノ問題ヲ起シテ居リマシ
タガ、此度ノ此統制サレル會社ニ依ッテ、是
等ノ非難ヲ脫却スルコトガ出來得ルト云フ
コトニナルノデアリマス、例ヘバ荷爲替引
換證等ニ付テモ其責任ヲ完全ニ致サセタイ
ト云フノデアリマス、尙ホ此會社ノ配當ニ
付キマシテハ、六分マデハ政府ノ出資額ニ
對シテ配當致サヌト云フノデ、謂ハバ消極
的ノ保證ヲ與ヘテ居ルノデアリマス、併シ
此政府ノ出資セラレル所ハ、株式ニ於テハ
半數ノヤウニナルノデアリマスルガ、金額
ハ洵ニ僅カデアル、卽チ一方ハ全額拂込デ
アルケレドモ、政府ノ方ハ四分ノ一ノ拂込
ニ依ッテ、當分是ハ維持セントスル
モノデアリマス、就キマシテハ本案
ニモ無論宜イ所モアルノデアリマス
ルケレドモ、詳細ニ之ヲ論議致シマスル
ト、尙ホ十分ニ盡シタイ點ガアッタノデアリ
マスルガ、是モ修正決議ガアリマスルカラ
シテ、之ニ依ッテ其一部ハ補ヒ得タト思フノ
デアリマス、後程御報〓致シマス、併シ此
會社モ是亦官僚ノ進出スル場所ニナルノデ
ハナイカ、正ニ其傾向ガアルト云フノデ、
論議ノ高點ハ卽チ此會社ノ重役ノ選定方法
ニ付テ其頂上ニ達シマシタ、卽チ第七條ニ
ハ本會社ノ社長、副社長ハ主務大臣之ヲ命
ズトアルガ、玆ニ問題トナルノハ、斯ノ如
キ會社ヲ設立シ、小運送方面ニモ關聯ヲ及
ボシ、退職官吏ノ納メ場所ノヤウナコトヲ
爲スノデハナイカト痛論セラレタ委員ガ
アッタノデアリマス、之ニ對シ政府ハ、斷ジ
テ左樣ナコトハ考ヘテ居ラヌト云フコト
ヲ、明ニ表明セラレマシタノデアリマス、
尙ホ此場合ニモ、今度國際通運ガ買收ト云
フ形デアリマスルカ、或ハ現物出資ニナリ
マスルカ、此處理ヲ致ス時ニ當リマシテ、
愼重ニ事ニ當ラレタイ、最モ公正嚴正ニ此
會社ノ處理ヲ付ケラレンコトヲ望ムト云フ
警〓ガアッタノデアリマス、諸君ノ御手許ニ
法案モ〓ッテ居ルコトデアリマスカラ、私ハ
餘リ多ク申シマセヌガ、玆ニ昨二十四日ノ
夕刻ニ至リマシテ討論ヲ打切ッタノデアリ
マスルガ、其討論ニ於キマシテ、民政黨、
政友會、昭和、社大、第二、各派ガ愈〓協定
一致トナリマシテ、茲ニ修正案、附帶決議
ヲ爲シタノデアリマス
小運送業法案ノ第十二條ニ「主務大臣前
項ノ規定ニ依ル免許取消ヲ爲サントスルト
キハ審査委員會ノ議ヲ經ルコトヲ要ス、前
項ノ審査委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム」是ガ修正デアリマス、而シテ附
帶決議ト致シマシテ
小運送業界ノ現狀竝沿革ニ鑑ミ將來極端
ナル統制ヲ警メ專ラ荷主ノ便益ヲ圖ルベ
シ
是ガ小運送業法案ニ對スル附帶決議デアリ
マス
次ニ日本通運株式會社法案ニ付キマシテ
修正サレマシタ點ハ、第七條ノ「社長、副
社長、理事及監事ハ株主中ヨリ株主總會ニ
於テ之ヲ選任ス、社長、副社長及理事ノ任
期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス」斯ウ云
フノデアリマシテ、又第二十五條ニ「創立
總會ニ於テハ第七條第二項ノ規定ニ準ジ理
事ヲ選任スベシ」トアルヲ、「創立總會ニ於
テハ第七條第一項ノ規定ニ準ジ社長、副社
長、理事及監事ヲ選任スベシ」斯樣ニ改メ
ルト云フノデアリマス、ソレカラ日本通運
株式會社法案ノ方ニ對スル附帶決議デアリ
マス
政府ハ日本通運株式會社設立ノ本旨ニ則
リ其ノ利益配當ハ適度ニ制限シ業界ノ改
善竝小運送料金ノ低下ヲ圖ラシムベシ
斯樣ノ附帶決議デアリマス、而シテ此修正
ト附帶決議ハ、民政黨ヲ代表シテ平野理事
ヨリ動議ガ提出セラレマシタノデアリマ
ス、之ニ對シテ政友會ヲ代表致ツマシテ、
紅露理事ガ贊成ノ意ヲ表セラレタノデアリ
マス、尙ホ昭和會ヲ代表シ三鬼鑑太郞君、
社會大衆黨ヲ代表シテ鈴木文治君ヨリ、同
樣ノ意見ノ開陳ガアリマシタ、之ニ對シ伍
堂鐵道大臣ヨリ十分考慮スル旨ノ御答ガア
リマシタ、卽チ全員一致議決致シタノデア
リマス、尙ホ詳細ニ亙ッタコトハ速記錄ニ
依ッテ御承知ヲ願フコトニ致シマシテ、委員
長ハ是ダケヲ御報〓致シテ置キマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=78
-
079・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 兩案ノ第二讀會ヲ
開クニ御異議アリマ〓ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=79
-
080・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=80
-
081・松永東
○松永東君 直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告通リ
可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=81
-
082・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=82
-
083・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
やく、仍テ直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開キ、
議案全部ヲ議題ト致シマス
小運送業法案第二讀會(確定議)
日本通運株式會社法案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=83
-
084・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 別ニ御發議モアリ
マセヌ、第三讀會ヲ省略シテ、兩案トモ委
員長報告通り可決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=84
-
085・松永東
○松永東君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ提
出致シマス、卽チ此際日程第七乃至第九ノ
三案ヲ一括シテ繰上ゲ上程シ、其審議ヲ進
メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=85
-
086・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ只今ノ動
議ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=86
-
087・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-日
程第七、國民健康保險法案、日程第八、
保健所法案、日程第九、結核豫防法中改正
法律案、右三案ヲ一括シテ第一讀會ノ續キ
ヲ開キマス、委員長ノ報〓ヲ求メマスー
委員長添田敬一郞君
第七國民健康保險法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
第八保健所法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
第九結核豫防法中改正法律案(政府
提出)第一讀會ノ續(委員長報生ロ)
報告書
一國民健康保險法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ別紙ノ通修正スヘキモノ
ト議決致候此段及報告候也
昭和十二年三月二十四日
委員長添田敬一郞
衆議院議長富田幸次郞殿
(小字及-ハ委員會修正)
〔別紙〕
國民健康保險法案中左ノ通修正ス
第七條組合若ハ組合ノ事業ヲ行フ法人
又ハ保險給付ヲ受クベキ者ハ被保險者
又ハ被保險者タリシ者ノ戶籍ニ關シ戶
籍事務ヲ管掌スル者又ハ其ノ代理者ニ
對シ無償ニテ證明ヲ求ムルコトヲ得
第九條營利ヲ目的トセザル社團法人ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ許可
ヲ受ケ組合ノ事業ヲ行フコトヲ得
九
萬事本法中地方長官トアルハ二以上
ノ道府縣ニ跨ル組合若ハ組合ノ事業ヲ
行フ法人又ハ國民健康保險組合聯合會
ニ付テハ之ヲ主務大臣トス
第十一條本法中町村又ハ町村長トアル
ハ町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之
ニ準ズベキモノトス
第二章國民健康保險組合
第一節總則
一
第十二條組合ハ左ノ二種トス
一普通國民健康保險組合
二特別國民健康保險組合
組合ハ法人トス
第十三條普通國民健康保險組合ハ其ノ
地區內ノ世帶主ヲ組合員トシ、特別國
民健康保險組合ハ同一ノ事業又ハ同種
ノ業務ニ從事スル者ヲ組合員トシ之ヲ
組織ス
六
第十七條第一項但書ノ規定ニ依リ被保
險者タル資格ナキ者ハ組合員タルコト
ヲ得ズ但シ其ノ世帶ニ被保險者タル資
格アル者アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
普通國民健康保險組合ノ地區ハ市町村
ノ區域ニ依ル但シ特別ノ事出アルトキ
ハ此ノ區域ニ依ラザルコトヲ得
第十四條組合ヲ設立セントスルトキハ
發起人ハ規約ヲ作リ組合貝タラントス
ル者ノ同意ヲ得テ地方長官ノ認可ヲ受
クベシ
組合ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時ニ成立
ス
四
第十五條組合ノ規約ニハ左ノ事項ヲ記
載スベシ
-組合ノ名稱
二事務所ノ所在地
三組合ノ地區(特別國民健康保險組
合ニ在リテハ組合員ノ範圍)
四組合員ノ加入及脫退ニ關スル事項
五被保險者ノ資格ノ得喪ニ關スル事
項
六其ノ他重要ナル事項
五
第十六條普通國民健康保險組合ニ付其
ノ組合員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ
二以上組合員タル場合ニ於テ地方長官
必要アリト認メ其ノ組合ヲ指定シタル
トキハ組合員タル資格ヲ有スル者(特
別ノ事由アル者ニシテ命令ヲ以テ定ム
ルモノヲ除ク)ハ總テ組合員ト爲ルモ
ノトス
六
第十七條組合ハ組合員及組合員ノ世帶
ニ屬スル者ヲ以テ其ノ被保險者トス但
シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ此ノ限
ニ在ラズ
-健康保險ノ被保險者
二他ノ組合又ハ組合ノ事業ヲ行フ法
人ノ被保險者
三特別ノ事由アル者ニシテ規約ヲ以
テ定ムルモノ
前項ノ規定ニ拘ラズ組合ハ規約ノ定ム
ル所ニ依リ組合員ノ世帶ニ屬スル者ヲ
包括シテ被保險者ト爲サザルコトヲ得
七
第十八條組合ハ規約ノ定ムル所ニ依リ
規約違反者ヨリ過怠金ヲ徵收スルコト
ヲ得
八
第十九條組合ハ事業ニ支障ナキ場合ニ
限リ被保險者ニ非ザル者ヲシテ組合ノ
施設ヲ利用セシムルコトヲ得
組合ハ前項ノ規定ニ依リ組合ノ施設ヲ
利用スル者ニ對シ規約ノ定ムル所ニ依
リ利用料ヲ請求スルコトヲ得
十九
第二十條本法ニ規定スルモノノ外組合
ノ管理、財產ノ保管及利用方法其ノ他
組合ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二節事業
第二十一條組合ハ被保險者ノ疾病又ハ
負傷ニ關シテハ療養ノ給付、分娩ニ關
シテハ助產ノ給付、死亡ニ關シテハ葬
祭ノ給付ヲ爲ス但シ特別ノ事由アル組
合ハ助產ノ給付又ハ葬祭ノ給付ヲ爲サ
ザルコトヲ得
組合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ給
付ニ併セテ其ノ他ノ保險給付ヲ爲スコ
トヲ得
特別ノ事由アル組合ハ規約ノ定ムル所
ニ依リ第一項ノ給付ニ代ヘテ療養費、
助產費又ハ葬祭費ヲ支給スルコトト爲
スコトヲ得
第二十二條療養ノ給付、助產ノ給付又
ハ葬祭ノ給付ヲ爲ス組合其ノ給付ヲ爲
スコト困難ナル場合其ノ他必要アル場
合ニ於テハ其ノ都度之ニ代ヘテ療養費、
助產費又ハ葬祭費ヲ支給スルコトヲ
得
第二十三條組合ハ療養ノ給付ニ要スル
費用ノ一部ヲ其ノ給付ヲ受クル者(給
付ヲ受クル者組合員ニ非ザル場合ニ於
テハ其ノ屬スル世帶ノ組合員)ヨリ徵
收スルコトヲ得
三
第二十四條組合ハ被保險者ノ健康ヲ保
持增進スル爲左ノ施設ヲ爲スコトヲ得
一疾病又ハ負傷ノ豫防ニ關スル施設
二健康診斷ニ關スル施設
三保養ニ關スル施設
四其ノ他健康ノ保持增進ニ關スル施
設
四
第二十五條組合ハ其ノ事業ニ要スル費
用ニ充ツル爲組合員ヨリ保險料ヲ徵收
ス
組合ハ特別ノ事由アル者ニ對シ保險料
ヲ減免シ又ハ其ノ徵收ヲ猶豫スルコト
ヲ得
五
第二十六條組合ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ一定期間保險給付ヲ受クル者ナカリ
シ世帶ノ組合員(組合員ノミヲ被保險
者トスル組合ニ在リテハ保險給付ヲ受
ケザリシ組合員)ニ對シ其ノ期間ノ保
險料ノ一部ヲ拂戾スコトヲ得
六
第二十七條保險給付ノ種類範圍支給期
間及支給額、保險料ノ額徵收方法及減
免其ノ他保險給付及保險料ニ關シ必要
ナル事項ハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第三節管理
七
第二十八條組合ニ組合會ヲ置ク
組合會ハ組合會議長及組合會議員ヲ以
テ之ヲ組織ス
組合會議長ハ理事長ヲ以テ之ニ充ツ理
事長故障アルトキハ其ノ代理者議長ノ
職務ヲ行フ
組合會議員ハ組合員ニ於テ之ヲ互選ス
八
第二十九條組合會ノ議決スベキ事項左
ノカシ
-收入支出ノ豫算
二事業報告及決算
三收入支出ノ豫算ヲ以テ定ムルモノ
ノ外新ナル義務ノ負擔又ハ權利ノ抛
棄
四準備金其ノ他重要ナル財產ノ處分
五組合債
六規約ノ變更
七其ノ他重要ナル事項
前項第一號及第四號乃至第六號ニ揭グ
ル事項ノ決議ハ地方長官ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
二十九
第三十條組合會ハ組合ノ事務ニ關スル
書類ヲ檢閱シ、理事ノ報告ヲ請求シ又ハ
事務ノ管理、議決ノ執行及出納ヲ檢査
スルコトヲ得
組合會ハ議員中ヨリ委員ヲ選擧シ前項
ノ組合會ノ權限ニ屬スル事項ヲ行ハシ
ムルコトヲ得
第三十一條組合ニ理事數人ヲ置ク
理事ハ組合會ニ於テ組合員中ヨリ之ヲ
選任ス但シ特別ノ事由アルトキハ組合
員ニ非ザル者ノ中ヨリ之ヲ選任スルコ
トヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ其ノ選任
ニ付地方長官ノ認可ヲ受クベシ
普通國民健康保險組合ニ在リテハ特別
ノ事由ナキ限リ前項ノ規定ニ拘ラズ理
事中ニ關係市町村長又ハ其ノ委任ヲ受
ケタル吏員ヲ加フルモノトス
-
第三十二條理事ノ中一人ヲ理事長トス
理事長ハ理事ニ於テ之ヲ互選ス但シ前
條第三項ノ規定ニ依ル理事アルトキハ
特別ノ事由ナキ限リ之ニ付選任ス
理事長ハ組合ヲ代表ス
理事長故障アルトキハ規約ノ定ムル所
ニ依リ他ノ理事其ノ職務ヲ代理ス
二
第三十三條組合會成立セズ又ハ其ノ議
決スベキ事項ヲ議決セザルトキハ理事
ハ地方長官ノ指揮ヲ請ヒ其ノ議決スベ
キ事項ヲ處置スルコトヲ得
三
第三十四條組合會ニ於テ議決スベキ事
項ニ關シ臨時急施ヲ要スル場合ニ於テ
組合會成立セザルトキ又ハ之ヲ招集ス
ルノ暇ナキトキハ理事之ヲ專決スルコ
トヲ得
四
第三十五條前二條ノ規定ニ依リ處置ヲ
爲シタルトキハ理事ハ次囘ノ會議ニ於
テ之ヲ組合會ニ報〓スベシ
五
第三十六條組合ハ規約ノ定ムル所ニ依
リ理事長及理事以外ノ役員ヲ置クコト
ヲ得
第四節分合及解散
六
第三十七條組合分割、合併又ハ解散ヲ
爲サントスルトキハ組合會ニ於テ之ヲ
議決シ地方長官ノ許可ヲ受クベシ
七
第三十八條合併後存續スル組合又ハ合
併ニ因リテ成立シタル組合ハ合併ニ因
リテ消滅シタル組合ノ權利義務ヲ承繼
ス
分割ニ因リテ成立シタル組合ハ分割ニ
因リテ消滅シタル組合又ハ分割後存續
スル組合ノ權利義務ノ一部ヲ承繼ス
前項ノ規定ニ依リ承繼スル權利義務ノ
限度ハ分割ノ議決ト共ニ之ヲ議決シ地
方長官ノ認可ヲ受クベシ
八
第三十九條組合ハ解散ノ後ト雖モ〓算
ノ目的ノ範圍內ニ於テハ仍存續スルモ
ノト看做ス
三十九
第四十條組合解散シタルトキハ理事〓
算人ト爲ル
前項ノ規定ニ依リテ〓算人タル者ナキ
トキハ地方長官〓算人ヲ選任ス〓算人
缺ケタルトキ亦同ジ
〓算人ハ組合ヲ代表シ〓算ヲ爲スニ必
要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
〓算方法及財產處分ニ付テハ地方長官
ノ認可ヲ受クベシ
地方長官必要アリト認ムルトキハ〓算
方法及財產處分ノ變更ヲ命ジ又ハ〓算
人ヲ解任スルコトヲ得
第三章國民健康保險組合聯合會
第四十一條組合及組合ノ事業ヲ行フ法
人ハ共同シテ其ノ目的ヲ達スル爲國民
健康保險組合聯合會(以下組合聯合會
ト稱ス)ヲ設立スルコトヲ得
組合聯合會ハ法人トス
第四十二條組合聯合會ヲ設立セントス
ルトキハ規約ヲ作リ地方長官ノ認可ヲ
受クベシ
組合聯合會ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時
ニ成立ス
二
第四十三條組合聯合會ノ規約ニハ左ノ
事項ヲ記載スベシ
-組合聯合會ノ目的及事業
二組合聯合會ノ名稱
三事務所ノ所在地
四加入及脫退ニ關スル事項
五經費ノ分賦ニ關スル事項
六其他重要ナル事項
第四十四條組合聯合會ニ總會、理事長
及理事ヲ置ク
總會ノ組織竝ニ、理事長及理事ノ選任ニ
關スル事項ハ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ
四
第四十五條本章ニ規定スルモノノ外組
七十
合聯合會ニ關シテハ第十八條乃至第二
九八二十九
け條、第二十九條、第三十條、第三十
一二
二條第三項第四項及第三十三條乃至第
三十九
四十條ノ規定ヲ準用ス
第四章監督及補助
五
第四十六條主務大臣及地方長官ハ組合
若ハ組合ノ事業ヲ行フ法人又ハ組合聯
合會ニ對シ其ノ事業及財產ニ關シ報〓
ヲ爲サシメ、其ノ狀況ヲ檢査シ、規約
ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命
令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
六
第四十七條組合若ハ組合ノ事業ヲ行フ
法人又ハ組合聯合會ノ役員ニ欠缺若ハ
故障アルトキ又ハ其ノ役員其ノ執行ス
ベキ職務ヲ執行セザルトキハ地方長官
ハ官吏又ハ其ノ他ノ者ヲ指定シテ其ノ
職務ヲ執行セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ其ノ職務ノ執行ニ要
スル費用ハ組合若ハ組合ノ事業ヲ行フ
法人又ハ組合聯合會ノ負擔トス
七
第四十八條地方長官ハ組合若ハ組合ノ
事業ヲ行フ法人又ハ組合聯合會ノ決議
又ハ役員ノ行爲ガ法令、規約、主務大
臣若ハ地方長官ノ命令若ハ處分ニ違反
シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリ
ト認ムルトキ又ハ其ノ事業若ハ財產ノ
狀況ニ依リ事業ノ繼續ヲ困難ナリト認
ムルトキハ決議ヲ取消シ、役員ヲ解職
シ又ハ組合若ハ組合聯合會ノ解散ヲ命
ズル
ジ若ハ組合ノ事業ヲ行フ法人ニ對シ第
九條ノ許可ヲ取消スコトヲ得
八
第四十九條國庫ハ豫算ノ範圍內ニ於テ
組合及組合ノ事業ヲ行フ法人ニ對シ補
助金ヲ交付スルコトヲ得
道府縣及市町村ハ組合及組合ノ事業ヲ
行フ法人ニ對シ補助金ヲ交付スルコト
ヲ得
第五章審査、斡旋、訴願及訴訟
四十九
第五十條保險給付ニ關スル決定ニ不服
アル者ハ國民健康保險委員會ニ審査ヲ
請求シ其ノ決定ニ不服アルトキ民事訴
訟ヲ提起スルモノトス
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シ
テハ裁判上ノ請求ト看做ス
第五十一條組合若ハ組合ノ事業ヲ行フ
法人又ハ組合聯合會ト醫師、齒科醫
師藥劑師其ノ他ノ者又ハ其ノ團體ト
ノ間ニ於ケル保險給付ニ關スル契約ニ
關シ紛爭ヲ生ジタルトキハ國民健康保
險委員會ハ當事者ノ請求ニ依リ其ノ解
決ニ付斡旋ヲ爲スコトヲ得
第五十二條國民健康保險委員會ノ組
織審査及斡旋ニ關シ必要ナル事項ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
二
第五十三條組合ノ爲シタル保險料其ノ
他本法ノ規定ニ依ル徵收金ノ賦課若ハ
徵收ノ處分又ハ第八條ノ規定ニ依ル滯
納處分ニ不服アル者ハ地方長官ニ訴願
シ其ノ裁決ニ不服アル者ハ內務大臣ニ
訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコト
ヲ得但シ二以上ノ道府縣ニ跨ル組合ニ
關スルモノニ在リテハ內務大臣ニ訴願
シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルモノトス
三
第五十四條本章ニ規定スル審査ノ請求、
訴ノ提起又ハ訴願若ハ行政訴訟ノ提起
ハ處分又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日ヨ
リ三十日以內ニ之ヲ爲スベシ此ノ場合
ニ於テ審査ノ請求ニ付テハ訴願法第八
條第三項ノ規定ヲ、訴ノ提起ニ付テハ
民事訴訟法第百五十八條第二項及第百
五十九條ノ規定ヲ準用ス
第六章罰則
四
第五十五條組合若ハ組合ノ事業ヲ行フ
三十九
法人又ハ組合聯合會第四十條第五項又
五
ハ第四十六條ノ規定ニ依ル命令ニ違反
シ又ハ處分ヲ拒ミ若ハ妨ゲタルトキハ
其ノ役員又ハ〓算人ヲ百圓以下ノ過料
重慶大
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百
八條ノ規定ハ前項ノ過料ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
醫療設備ノ利用ヲ目的トスル產業組合ニシテ
昭和十二年三月三十一日ニ於テ現ニ醫療事業
ヲ行フモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官
ノ許可ヲ受ケ組合ノ事業ヲ行フコトヲ得
第七條、第九條、第四十五條乃至第四十八條、
第五十條及第五十四條ノ規定ハ前項ノ許可ヲ
受ケタル產業組合ニ之ヲ準用ス但シ第四十七
條中解散ヲ命ズルコトヲ得トアルハ附則第二
項ノ許可ヲ取消スコトヲ得トス
第十六條第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ同項第
二號中他ノ組合トアルハ他ノ組合又ハ附則第
二項ノ許可ヲ受ケタル產業組合トシ、第四十
條第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ同項中組合ト
アルハ組合及附則第二項ノ許可ヲ受ケタル產
業組合トス
附帶決議
-速ニ官制ニ依ル調査會ヲ設ケ醫藥制
度ニ關スル根本方策ヲ樹立スベシ
二內務省令ニ依リ被保險者ヲシテ廣ク
醫師、齒科醫師、藥劑師其ノ他一切ノ
醫療機關ヲ自由ニ選擇セシムルヤウ規
定スベシ
三國民健康保險組合ハ診療以外ノ藥品
及賣藥ノ給付ヲ爲スコトヲ得ザル旨第
二十六條ノ規定ニ依ル規約ニ明示スベ
シ
四本法ヲ施行スルニ當リ醫療內容ノ低
下ヲ來サシメザルヤウ特ニ留意スベシ
報〓書
一保健所法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十二年三月二十四日
委員長添田敬一郞
衆議院議長富田幸次郞殿
報告書
一結核豫防法中改正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十二年三月二十四日
委員長添田敬一郞
衆議院議長富田幸次郞殿
〔添田敬一郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=87
-
088・添田敬一郎
○添田敬一郞君 諸君、只今議題ニ供セラ
レマシタル國民健康保險法案外二件ノ委員
會ノ經過及ビ結果ヲ御報告申上ゲマス、例
ニ依リマシテ委員長及ビ理事ノ互選ヲ行ヒ
マシタ所、委員長ニ不肖私、理事ニ民政黨
ノ靑木亮貫君、武知勇記君、喜多壯一郞君、
政友會ノ三善信房君、立川太郞君ノ五名ガ
當選ヲ致シマシタ、申スマデモナク此法案
ハ、今議會ニ於キマシテ最モ重要ナル法案
ノ一デアリマスルガ故ニ、各委員ニ於カレ
マシテモ、極メテ熱心ニ、又極メテ愼重ニ
審議セラレ、其抱負スル所ヲ述ベテ、國務
大臣竝ニ政府委員ニ對シ質問セラレタノデ
アリマスガ、其詳細ハ之ヲ速記錄ニ就キ御
覽ヲ願フコトニ致シ、私ハ其大體ニ付キ、
最モ重要ナル點ヲ御報告ヲ申上ゲマシテ、
諸君ノ御贊成ヲ得タイト存ジマス
先ヅ國民健康保險法案ニ付キマシテ、第
一ニ保險料ノ負擔ニ關スル問題デアリマス、
本法案ノ對象ト致シテ居リマスモノハ、主
トシテ農山漁村ノ居住民、都市ノ中小商工
業者等デアリマスガ、是等ノ者ノ疲弊ハ深
刻デアリマス、殊ニ農村等ニ於キマシテハ、
現金ノ收入ニ乏シク、果シテ保險料ノ負擔
ニ堪へ得ルヤ否ヤニ付テ、質問ガアッタノデ
アリマス、政府ハ之ニ對シテ、保險料ハ從
來個人々々ガ支拂ッテ居タ所ノ醫療費ノ變
形ニ外ナラナイノデアッテ、特ニ新ナル負擔
ヲ課スルモノデハナイ、而モ從來醫療費ハ、
一時ニ多額ノ失費トナル點ニ於テ、經濟的
重壓トナッテ居ッタノデアルケレドモ、保險料
ハ多數人ノ間ニ之ヲ分散スルモノデアルカラ、
其負擔ハ比較的容易デアル、而シテ貧困ナル
者ニ對シテハ、特ニ輕減シ得ル途ヲ開キ、且ツ
其徵收ニ付テハ、收穫期ニ纏メテ之ヲ徴收ス
ルトカ、現物納付、例ヘバ玄米等ヲ以テ納
付スル方法ヲ認メルトカ、組合員ノ苦痛ヲ
出來ルダケ輕減スル爲ニ、特ニ其方法ヲ考
慮スル旨ノ答辯ガアッタノデアリマス
第二ニハ保險料ノ負擔ノ問題ニ關聯ヲ致
シマシテ、組合ニ對スル國庫ノ補助金ガ少
額ニ適ギル、モット補助金ヲ增加シテ組合員
ノ負擔ヲ輕滅スベキデハナイカ、殊ニ政府
ガ一般國民ノ醫療費ノ經濟的重壓ヲ除去シ
テ、醫療ノ普及ヲ圖リ、以テ其健康ノ保持
增進ニ資スルト共ニ、國民生活ノ安定ヲ
期セントスル大抱負ヲ以テ、本法案ヲ制定
セントスルト以上ハ、ソレガ當然デハナイ
カトノ質問ガ、相當アッタノデアリマス、政
府ハ之ニ對シテ、組合ニ對スル國庫ノ補助
ハ、初メノ二箇年ハ被保險者一人當リ年ニ
同次ノ二箇年ハ七十錢、ソレ以後ハ五
十錢ヲ以テ繼續スル豫定デアル、隨テ人口
五千人ノ村ニ於テ組合ヲ作ッタトスルト、當
初ノ二箇年間ハ年ニ五千圓、五箇年目以降
ノ平年ニ於キマシテモ、二千五百圓ノ補助
金ガ交付セラレル譯デアッテ、其補助額ノ出
來ルダケ多イコトハ、何人モ望ム所デハア
ルケレドモ、一面財政上ノ關係ヲ考慮スル
必要モアリ、大體此程度ノ補助デモ、組合
ノ事業遂行上支障ガナイト認ムル旨ノ答辯
ガアッタノデアリマス
第三ニハ、法案ノ第九條ニ關スル問題デ
アリマス、委員會ニ於キマシテハ、此問題
ニ關シ最モ論議ガ集中セラレタノデアリマ
ス、本條ニ關シテ政府ハ、營利ヲ目的トセ
ザル社團法人トシテ豫定シテ居ルモノハ、
醫療利用組合デアル、醫療利用組合ハ、本
來組合員ニ對シテ醫療保護ヲ目的トスル施
設デアルガ、個人ガ醫療料金ヲ全部負擔ス
ル立前トナッテ居ルノデアルカラ、醫療費負
擔ノ苦痛ヲ徹底的ニ解決スルモノデハナイ、
併ナガラ旣ニ殆ド全町村民ヲ包含シテ、醫
療利用組合ガアル場合ニ於テ、同ジ町村ニ
更ニ國民健康保險組合ヲ設立スルコトハ、
組合ノ範圍モ、構成員モ、全ク同樣ナ組合
ヲ二重ニ設立スルコトニナルノデアル、故
ニ醫療利用組合ニ對シ、例外トシテ本事業
ヲ代行スルコトヲ認メクノデアル、而シテ
代行ヲ爲スニ付テハ、町村民ノ世帶主ガ殆
ド全部其組合ニ加入シテ居ルコト、組合ノ
基礎ガ鞏固デ圓滑ニ經營セラレテ居ルコト、
及ビ一般ノ開業醫ヲモ其醫療組織中ニ包含
スルコト等ノ條件ガ必要デアルト說明ヲセ
ラレ、本條ノ委任ニ依ル命令案要綱ヲモ提
示ヲセラレマシタ、之ニ對シ醫療利用組合
ト國民健康保險組合トハ別箇ノモノデアル、
醫療利用組合ニ對シ、此事業ノ代行ヲ認メ
ル必要ハナイ、殊ニ政府ガ保健國策トシテ
本法案ヲ制定セントスル以上、専ラ保險組
合ヲ設立スベキ筈デアル、故ニ本條ハ之ヲ
削除スベキデハナイカトノ意見ガ多數アツ
タノデアリマス、之ニ對シテ一方デハ、政
府ガ營利ヲ目的トセザル社團法人トシテ、
醫療利用組合ノミヲ豫定シテ居ルノハ甚ダ
不都合デアッテ、廣ク產業組合ハ勿論、漁業
組合、商業組合、工業組合等ニモ代行ヲ認
ムベキデアル、是等ニ代行ヲ認ムルニ於テ
ハ、保險料ノ徵收其他事務上多大ノ便益ガ
アルコトハ勿論、事務費ヲ節減スルコトモ
出來ルノデアル、隨テ第九條ハ其儘存置ヲ
シテ、營利ヲ目的トセザル社團法人ヲ廣ク
解釋シテ、醫療利用組合ノミニ限定ヲシナ
イコトガ、本事業ノ經營ヲ圓滑ナラシムル
所以デアルトノ意見モ、相當多クアッタノデ
アリマス、以上ニ對シ政府ハ上述ノ理由ヲ
繰返シ、且ツ將來ハ保險組合ノ設立ハ之ヲ
奬勵スルケレドモ、醫療利用組合ノ設立ハ
奬勵セザル旨言明シタノデアリマス
第四ニ、代行ノ問題ト相竝ンデ最モ論議
ノ集中致シマシタノハ、醫師會トノ團體契
約ニ關スル問題デアリマス、醫師會ハ醫事
衞生ノ改良發達ヲ目的トスル公法人デア
〓、、是ト契約ヲスレバ、被保險者ハ廣ク醫
師選擇ノ自由ヲ得テ、非常ニ利益スル所ガ
多イ、ソレ故ニ組合ト醫師會ト團體契約ヲ
爲スベキ條文ヲ設クベキデハナイカトノ質
問ガ多數アッタノデアリマス、之ニ對シテ政
府ハ、團體契約ガ頗ル便利デアルコトハ之
ヲ認ムルケレドモ、法文ヲ以テ規定スルコ
トハ、組合ノ自治ヲ尊重シ、地方ノ實情ニ
適合セシムルト云フ、本法案ヲ一貫シクル
精神ニ反スル、且ツ契約自由ヲ原則トスル
現行法制上カラ見テモ不適當デアル、隨テ
團體契約ヲ爲スト否トハ、組合ノ自由タラ
シムル方針デアル、併ナガラ被保險者ニ醫
師選擇ノ自由ヲ認ムルコトハ必要デアルガ
故ニ、組合ハ特別ノ事情ナキ限リ、一部、
醫師、齒料醫師、藥劑師、其他ノ醫療機關
ヲ組合ノ醫療機關トシテ指定ヲシ、被保險
者ヲシテ廣ク醫療機關ヲ選擇スル自由ヲ得
セシムルヤウニ爲シ、且ツ組合ノ自治ヲ害
セザル範圍ニ於テ、團體契約ヲ爲スベキ通
牒ヲ發スル旨ノ答辯ガアッタノデアリマス
第五ニ、本制度ノ賣藥業者ニ對スル影響
ノ問題デアリマス、本制度ノ施行ニ依リ賣
藥業者ニ急激ナル影響ヲ及ボシ、其生活ヲ
脅カス虞ハナイカトノ質問ガアッタノデア
リマス、之ニ對シ政府ハ、本制度ニ於テハ
賣藥ノ給付ヲ爲サザル方針デアリ、殊ニ我
ガ國民ノ間ニ於ケル賣藥利用ノ多年ノ慣習
ハ容易ニ動クモノデナイノミナラズ、本制
度ニ依ル組合ハ漸次設立セラルヽモノデア
ルカラ、賣藥業者ニ急激ナ影響ヲ與フルモ
ノデナイト云フ答辯ガアックノデアリマス
第六ニ、醫藥分業ニ關スル問題デアリマ
ス、本法案ニ於テハ、組合ヲシテ醫藥分業
制度ヲ採用スベキデハナイカトノ質問ガア
リマシタ、之ニ對シ政府ハ、本制度ハ在來
ノ醫藥制度ノ基礎ノ上ニ之ヲ施行セントス
ルモノデアッテ、本制度ノ範圍内ニ於テノ
ミ、强制的ニ醫藥分業制度ヲ採用セシムル
コトハ、愼重考慮ヲ要スル問題デアル、唯
任意分業、卽チ組合ト醫師ト藥劑師トノ話
合ニ依ッテ、藥劑ノ支給ハ藥劑師ヲシテ之
ヲ爲サシムルコトトスルモ、ソレハ組合ノ
自由デアルトノ答辯ガアリマシク
第七ニ、本法案ノ實施ニ依リ醫療ノ報酬
ガ低下サレル結果、醫療內容ガ低下スル虞
ガナイカノ質問ガアッタノデアリマス、之ニ
對シ政府ハ、本制度ハ醫療費ノ負擔ヲ保險
的方法ヲ以テ解決シ、以テ醫療ノ普及ヲ圖
ルコトヲ主タル機能トスルモノデアッテ、不
合理ニ醫療費ヲ低下セシムルコトヲ目的ト
スルモノデハナイ、殊ニ國民ノ健康ノ保持
增進ヲ期スル爲ニハ、醫療內容ノ低下ヲ來ス
ガ如キコトガアッテハナラナイノデアルカ
ラ、醫療報酬等ノ點ニ關シテハ、特ニ塡重
ナル注意ヲ拂ヒ、組合ヲ指導スル旨答辯ガ
アッタノデアリマス、以上ガ〓略國民健康保
險法案ニ關スル質疑應答デアリマス
次ニ保健所法案ニ付キマシテハ、保健所
ニ於テ行フ事業ハ、事業ノ內容、特ニ保健
所ハ治療ヲ行フヤ否ヤニ付テノ質問ガアリ
マシタガ、政府ハ保健所ハ指導機關デアル
ガ故ニ、治療ヲ行ハザル旨ノ答辯ガアリマ
シク、其他保健所ノ經費、職員配置等ニ付
キ、委員ト政府當局トノ間ニ種々質疑應答
ガ交サレマシタ
更ニ結核豫防法中改正法律案ニ付キマシ
テハ、結核ニ依ル除役軍人ノ療養問題、
般健康診斷ノ施行、結核輕快者ノ保養、赤十
字病院及ビ府縣立病院ノ利用等ニ關シマシ
テ、委員ト政府委員トノ間ニ質疑應答ガア
リマシタ、其他衞生行政機構ノ統一强化ニ
付テ、多數委員ヨリ極メテ熱心ナル意見ノ
開陳ガアリマシテ、政府ヨリ是ハ一般行政
機構ノ問題トシテ、愼重ニ考究スル旨ノ答
辯ガアリマシタ、尙ホ開業醫制度ハ根本的
檢討ヲ加フルノ意圖ハナイカ、醫藥分業制
度ニ對スル政府ノ所見如何、無醫村ニ醫藥
ヲ普及スルコトニ關スル對策如何、其他藥
價ノ統制、賣藥及ビ新藥、新製劑ノ廣〓取
續醫業類似行爲ノ取締ニ關スル政府ノ所
見等ニ付テ、委員ヨリ質問ガアリマシテ、
政府ハ醫療制度ハ開業醫制度ヲ根幹トシテ、
必要ニ應ジテ補足是正ニ努メタイ又醫藥分
業制度ニ付テハ、現在デハ患者本位ノ任意
分業ト云フ方針ヲ採ッテ居ル、無醫村對策ニ
付テハ、昭和十二年度以後無醫村ニ醫師ヲ
配置スル計畫デアル、其他ノ事項ニ付テモ
目下愼重ニ考究中デアル旨ノ答辯ガアッタ
ノデアリマス
尙ホ前申上ゲタル三ツノ法律案ニ關聯ヲ
致シマシテ、委員ノ一人ヨリ、政府ガ醫療
保健衞生ノ問題ニ努力セラレツヽアルコト
ハ、大イニ感謝スル所デアルガ、今囘ノ三
法案ノミヲ以テハ、國民ノ醫療保健衞生
ノ問題ガ解決セラレル譯デハナイ、尙ホ取
殘サレタル問題ガ澤山アル、卽チ一ニ醫療
機關ニ關スル整備統一ノ問題、一ニ醫療費、
三ニ醫藥分業、四ニ醫師制度、五ニ藥劑師
制度、六ニ救療事項、七ニ賣藥制度等、是
等ノ事項ヲ調査〓究シテ根本方策ヲ確立ス
ル爲メ、政府ハ官民合同ノ醫藥制度調査會
ヲ設置スル意向アリヤナキヤト云フ質疑ガ
アリマシテ、政府ハ之ニ對シ洵ニ御尤ナル
御意見デアルカラ、誠意ヲ以テ善處スル旨
ノ答辯ガアリマシタ、以上ハ三法案ニ對ス
ル質疑應答ノ中、其重要ナルモノノ大要デ
アリマス
次ニ討論ニ入リマシテ、喜多壯一郞君ハ
民政黨ヲ代表シテ、左ノ修正意見竝ニ附帶
決議案ヲ提出セラレマシタ、卽チ國民保健
法案中第九條ヲ削除シ、附則ニ於テ
醫療設備ノ利用ヲ目的トスル產業組合ニ
シテ昭和十二年三月三十一日ニ於テ現ニ
醫療事業ヲ行フモノハ命令ノ定ムル所ニ
依リ地方長官ノ許可ヲ受ケ組合ノ事業ヲ
行フコトヲ得
附帶決議
一速ニ官制ニ依ル調査會ヲ設ケ醫藥制
度ニ關スル根本方策ヲ樹立スベシ
二內務省令ニ依リ被保險者ヲシテ廣ク
醫師、齒科醫師、藥劑師其ノ他一切ノ
醫療機關ヲ自由ニ選擇セシムルヤウ規
定スベシ
三國民健康保險組合ハ診療以外ノ藥品
及賣藥ノ給付ヲ爲スコトヲ得ザル旨第
二十六條ノ規定ニ依ル規約ニ明示スベ
四本法ヲ施行スルニ當リ醫療內容ノ低
下ヲ來サシメザルヤウ特ニ留意スベシ
斯ウ云フ提案ガアッタノデアリマス、次ニ
三善信房君ヨリ政友會ヲ代表シテ、右ト同樣
ノ修正案竝ニ附帶決議案ガ提出ヲサレマシ
テ、各〓說明ガアリ、之ニ對シマシテ昭和
會ノ山口君、國民同盟ノ藏原君、各〓贊成
ノ意見ヲ陳述セラレマシテ、社會大衆黨ノ
三宅君、東方會ノ田中君ハ、反對ノ意見ヲ陳
述セラレマシタ
採決ノ結果大多數ヲ以テ修正案竝ニ附帶
決議案全部ガ通過ヲ致シ、他ノ二ツノ法案
ハ、原案ノ通リ可決ヲ致サレタ次第デアリ
マス、而シテ其理由ノ大要ヲ申上ゲマス
ト、修正案ニ付テハ、本法案ニ於テ醫療保
護ノ施設トシテ、專ラ保險組合ヲ設立シ、之
ヲ中心トシテ進マントスル以上ハ、其組合
ノ普及ヲ圖ルベキデアッテ、色々ノ團體ニ代
行ヲセシムルコトハ、却テ複雜化スル虞ガ
アルトノ理由ニ依ルノデアリマス、併ナガ
ラ現在醫療利用組合ニ付テハ、其現ニ存在
ヲシテ居ルモノハ、無視スルコトヲ得ナイ
ノデアリマスルカラ、政府ガ言フガ如キ條
件ニ適合スルモノニハ、本事業ヲ代行シ得
ルノ途ヲ開クコトガ、地方ノ事情ニ適合ス
ルト認メタガ爲デアリマス
尙ホ此附則ニ本法施行ノ際ト言ハズシ
テ、特ニ三月三十一日現在トシマシクル所
以ハ、假令既在ノ醫療組合トシテモ、之ニ
代行セシムル數ハ成ベク制限ヲスル趣旨デ
アリマス、之ニ對シテ政府ノ意見ヲ質シマ
シタ所、政府ニ於テモ健康保險組合ガ原則
デアッテ、醫療組合ノ代行ハ例外ニ過ギナイ
ノデアルカラ、保險組合ノ設立ハ大イニ奬
勵ヲシテ、醫療組合ノ代行ノ許可ノ條件ニ
付テハ、之ヲ命令中ニ規定ヲシテ、十分之
ヲ嚴選ヲスルカラ、其數ハ左程增加セシメ
ザル積リデアルトノ言明ガアッタノデアリ
マス
次ニ第一ノ附帶決議案ハ、三法案ノ全部
ニ關聯スルモノデアリマシテ、我國ノ醫藥
制度ガ頗ル不完全デアッテ、常ニ各方面ニ摩
擦ノ多イコトハ、今囘ノ國民健康保險法案
ヲ審議ヲシマシタル經過ニ於テ、非常ナル
紛糾ヲ重ネラレタル點カラ見テモ明カデア
ル、其他醫師、藥劑師等ノ養成、分布及ビ
國民ノ立場ヨリ見タル醫療救療等ニ付テモ、
頗ル遺憾ノ點ガ少クナイノヲ感ズル次第デ
アッテ、此調査機關設置ト云フコトハ、極メ
テ重大ナリト認メテ決定シタ次第デアリマ
ス、政府ハ之ニ對シ善處スルトノ答辯デア
リマシタガ、速ニ本計畫ノ實現ヲ期スルガ
爲ニハ、或ハ追加豫算ヲ提出スルカ、或ハ
豫備金支出ノ方法ニ依ルカ、何レニシテモ、
此附帶決議ノ趣旨ガ速ニ實現ヲ期スルヤウ
ニシテ貰ヒタイト思フノデアリマス
附帶決議ノ第二ノ趣意ハ、醫師其他ノ醫
療機關ヲ、被保險者ガ自由ニ選擇シ得ルコ
トガ、本制度施行上極メテ必要デアリマス
ルガ故ニ、之ヲ內務省令ニ於テ明記スベキ
コトヲ要望シタノデアリマス、之ニ關シテ
團體契約ノ問題ガアルノデアリマスガ、政
府ハ之ヲ法文化スルコトハ、組合ノ自治ヲ
尊重スル立前ヨリ不適當デアルガ、實際ニ
於テ其利便ノ少ナカラザル旨ノ言明ガアッ
タノデアリマシテ、是亦極メテ重大ナル點
ト認メタ次第デアリマス
附帶決議ノ第三ニ付テハ、政府ハ組合ヲ
シテ賣藥ノ給付ヲ爲サシメザルコトヲ言明
シテ居リマスガ、本制度ノ施行ニ依リ、賣
藥業者ニ急激ナル影響ヲ與フルコトハ、最
モ留意スベキコトデアッテ、是亦特ニ重要ナ
ル點ト認メテ、其給付セザルコトヲ、組合
ノ規約ニ明示スベキコトヲ要求ヲスル所以
デアリマス
附帶決議第四ニ付テハ、若シ本法案ノ施
行ニ依リ、組合ガ徒ニ經濟的理由ニ依リ、
不當ニ診療報酬等ヲ低減ヲセシメテ、其結
果醫療內容ガ低下スル如キコトガアッテハ、
本法案ノ目的ニ反スルコトニ相成リ、國民
ノ健康上ニモ憂慮スベキ結果ヲ生ズルノデ
アリマス、仍テ之ヲ附帶決議トシタ次第デ
アリマス、以上委員會ニ於ケル經過及ビ結
果ノ大要ヲ御報告申上ゲマシテ、皆樣ノ御
贊成ヲ御願スル次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=88
-
089・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 此際三案ヲ一括シ
テ討論ニ付シマスルガ、三案中國民健康保
險法案ノ委員會報告ハ修正デアリマスカラ、
討論ハ便宜上第二讀會ニ於テ爲スコトト致
シマス-三案ノ第二讀會ヲ開クニ御異議
アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=89
-
090・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ三案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマ
シタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=90
-
091・松永東
○松永東君 直チニ三案ノ第二讀會ヲ開カ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=91
-
092・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 松永君ノ動議ニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=92
-
093・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ直チニ三案ノ第二讀會ヲ開キ、
議案全部ヲ議題ト致シマス
國民健康保險法案第二讀會
保健所法案第二讀會
結核豫防法中改正法律案第二讀會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=93
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094・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 討論ニ入リマス、
通〓順ニ依ッテ發言ヲ許可致シマス-田
中養達君
〔田中養達君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=94
-
095・田中養達
○田中養達君 私ハ只今ノ委員長報告ニ反
對スル者デアリマス、併シ先般來ノ委員會
ノ經過其他カラ見マシテ、三宅君竝ニ北君
ノ反對トハ自ラ其觀點ヲ異ニ致シテ居ルノ
デアリマス、隨テ東方會ヲ代表シ、殊ニ昨
今爭論ノ中心トナッテ居ルヤウナ醫師會ノ
主張ニ付キマシテモ、何カ知ラヌガ、世間
ハ醫師會ガ橫暴ヲ逞シウシテ居ルカノ如ク
(「其通リ」ト呼フ者アリ)誤解ガアリマスカ
ラ、此機會ニ此點ヲモ最モ明ニシテ置キタ
イト、斯樣ニ存ズル次第デアリマス
先ヅ第一ニ本案ノ提出ヲ見マスルヤ、
方ニハ產業組合團體、一方ニハ日本醫師會、
此二ツノ團體ガ何カ知ラヌガ、非常ニ紛糾
ヲ致シテ居ル形ニナッタノデアリマスケレ
ドモガ、其根本ヲ衝イテ見マスルト、例ノ第
九條ガ問題ニナッテ居ルノデアリマス、隨テ
私ハ此論爭ノ根本其モノハ第九條デアルカ
ラ、斯ノ如キモノ其モノヲ挿入シタコトニ、
非常ナル手違ト間違ガアルノデハナイカ、
斯樣ニ思ヒマス、ソレハ只今委員長ハ九條
ヲ削除シテ、附則ニ-今報告サレマシタ
附則ハ附キマシタケレドモガ、其內容ニ至ッ
テハ九條ト何等變リガナイノデアリマス、
是ハ或ル意味ニ於キマスルト、寧ロ改惡ト
言ハレテ居ルヤウナ附則デアリマス、抑〓、此
九條ハ產業組合側、政府ト各〓其見解ヲ異ニ
致シテ居ルノデアリマス、隨テ又此附則自
體ニ付キマシテモ、各〓其見解ガ異ニナッテ
居ルノデアリマス、私ハ斯ノ如キ····
〔發言スル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=95
-
096・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=96
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097・田中養達
○田中養達君(續) 斯ノ如キ一大法案ヲ立
テルニ付キマシテ、此種ノ組合ガ各〓ノ農村
ニ新シク出來ルトシマスルト、今日農村ノ
實情ハ、色々ナ組合自體ガ餘リニ亂雜デ、
ソレガ爲ニ寧ロ農村ハ弱ッテ居リマス、隨テ
若シモ此種ノ事業ノ一部ヲ產業組合ニ代行
スルコトガ、事實ニ於テ必要デアルナレバ、
寧ロ私ハ第九條ニ、產業組合ニ此事業ノ一
部ヲ代行スベシト明ニ、明記シタ方ガ宜イ
ト私ハ斯樣ニ思フノデアリマス(拍手)
〔發言スル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=97
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098・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=98
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099・田中養達
○田中養達君(續) ハッキリ私ハ此事ヲ申
上ゲマスガ、組合ノ事業ノ一部ノ事務デア
ルコトヲ、御間違ノナイヤウニシテ置イテ
戴キタイ、組合自體ヲ行代スルノデナシニ、
組合ノ事業ノ一部ヲ、產業組合其他ノ營利
ヲ目的トセザル社團法人ニ、明ニ代行スベ
シト明記サレテ居ルナレバ、此紛糾ハナシ
ニ濟ンダノデハナイカト私ハ斯樣ニ思ヒマ
ス
大體今度ノ國民健康保險法案ハ、一ノ
色々ナ事務、今一ツハ是ガ治療ニ當ルベキ
醫者トノ協定、此二ツガ最モ重大ナル點デ
アリマス、隨テ私ハ一部ノ事業、事務ヲ產
業組合其他ノ團體ニ是ハ代行セシムルコト、
併ナガラ醫師トノ協定ニ付テハ產業組合、
今申上ゲマスルヤウナ組合自體ニ委サズニ、
最小限度府縣ノ醫師會、言葉ヲ換ヘテ申シ
マスルト、府縣知事ガ自分ノ府縣下ニ於ケ
ル全部ノ治療行爲ヲ爲シテ居ル、醫療行爲
ヲ爲シテ居ル總テノ者ニ平等ニ協約スルコ
ト、卽チ醫師會竝ニ町村立病院、及ビ現在
ヤッテ居ラルヽ產業組合ノ醫療利用組合病
院是等モ總テ平等ニ全縣下ニ於ケル醫療
行爲ノモノハ、悉ク平等ニ知事ガ豫メ協約シ
テ置クコト、ナゼ私ガ斯樣ナコトヲ申スカト
申シマスルト、若シモ今囘ノ組合自體ガ、
或ハ產業組合ニ代行サルヽトスルト、產業組
合自體ガ自由ニ醫師ヲ協定スルト云フコトニナ
リマスルト、ソコニ色々ナ矛盾ガ起ッテ參リ
マス、ソコニ色々ナ不公平ガ起リ、收拾ス
ベカラザル亂雜、不公平、無統制ニナルダ
ケハ明カナル事實デアリマス、私ハ此點ニ
付キマシテハ、先般本議會デ縷々申上ゲマ
シタカラ、重ネテ申スコトヲ差控ヘマスル
ケレドモガ、若シモ是等組合ニ自由ニ醫師
ノ協定ヲ許スト云フコトデアリマスレバ、
勢ヒ範圍ガ狹クナル、サウナリマスト、差
當リ給付其他ノ問題ガ起ッタ時ニ、其組合ノ
協定サレタ醫者竝ニ理事等ガ、其給付ノ內
容ニ當然是ハ携ハラナケレバナラヌノデア
リマス、若シ此給付ノ內容ニ理事其他ノ人
ガ携ハルト云フコトデアリマスト、一番恐
ルヽ點ハ、患者ノ祕密ノ暴露デアリマス、
此事ハオ互ノ名譽ノ上カラ言ヒマシテモ、
其他人事百般容易ナラザル不測ノ禍ガ此處
カラ出テ來ルノデハナイカト、私ハ斯樣ニ
思フ、隨テ今日醫者ニ對シテハ、是等病氣
ノ祕密ハ嚴守スルコトニナッテ居リマス、ソ
レガ若シモ暴露スルヤウナ虞ガアルトスル
ナラバ、是ハ豫メ十二分ニ、其危險ノナイ
ヤウニ致シテ置クコトガ、最モ大切ナコト
デナイカト私ハ斯樣ニ思フ、ソレダケデナ
イノデアリマス、若シ此組合ガ自由ニ醫者
ヲ協定スルト云フコトニ致シマスルト、患
者ガ若シ其協定以外ノ醫師ニ掛リタイト云
フ場合ニハ、當然是ハ現金給付ヲシテ貰ハ
ナケレバナラナイ、現金給付ヲ申出ル場合
二、勢ヒ其理事者或ハ其主治醫ニ、醫者
ヲ變ヘルコトガ明ニナルノデアリマス、此
事ハ患者自體ニ致シテ見マスルト、今日マデ
眞面目ニ、眞劍ニ醫者ガ努力シテ吳レテ居ッ
タニモ拘ラズ、ソレヲ他ノ醫者ニ變へルト
云フコトハ、其醫者自體ニ其事ヲ知ラスコ
トハ、患者トシテハ一番ノ苦痛デアリ、家
族モ亦非常ニ其點ハ苦痛デアリマス、是ガ
若シモ最モ廣ク協約サレテ居リマスナレ
バ、只今申ス此祕密ノ暴露モナシ、今一ツ
ハ醫者ヲ變ヘタ時ニ、直接其醫者ニ申出ル
必要モナシ、是等ノ苦痛ハ、廣ケレバ之ヲ
遁レルコトガ出來ルノデアリマス
コヽデ私ハ諸君等ニ一ツ申上ゲテ置キタ
イコトハ、大體假ニ各府縣デ府縣ノ醫師會
ノ團體協定スレバ、必ズ醫者ガ橫暴シテ、
勝手氣儘ナ藥價ヲ以テ、押付ケテ來ルヤウ
ナコトガアッテハナラヌト云フコトガ心配
ノ根本デアリマス、是ハ私ハ一面無理ナイ
ト思ヒマス
〔發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=99
-
100・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=100
-
101・田中養達
○田中養達君(續) 隨テ私ハ醫師會ト協定
スルト同時ニ、其府縣ニハ知事ヲ會長トシ、
醫師團體カラモ數名、產業組合或ハ今囘ノ
保險組合カラモ數名、或ハ官吏カラモ數名、
斯ウシタ委員會ヲ各府縣ニ作ッテ、ソコデ其
府縣ノ人情、風俗、經濟ニ卽シタ大體ノ藥
價ヲ決定スルナレバ、是デ宜イデナイカ、
今日產業組合ガ心配シテ居ラレル、醫師團
體ガ滅茶苦茶ナ無理押ヲスルト云フコト
ハ、之ニ依ッテ明ニ防グコトガ出來ルノデハ
ナイカ、此位ナ公平ナ問題ハナイノデアリ
マス、隨テ政府モ茲ニ見ル所ガアッテ、本案
ノ第五十一條乃至五十二條ニハ、委員會ヲ
作ルト書イテアリマス、併ナガラ其委員會
ノ構成ヲ見マスルト、實ニ不可解極マッタル
委員會、先ヅ知事ヲ會長トシ、而シテ官吏
又ハ學識經驗アル者二名、今度ノ組合カラ
モ二名、組合員ノ代表者モ二名、斯ウ云フ
組織ノ委員會ヲ作ルト、斯樣ニ明記セラレ
テ居リマス、大體此健康保險ハ、其對象ガ
醫者デアリ、而モ直接ノ問題ハ治療デアル
ニモ拘ラズ、此種ノ委員會ヲ作ルノニ、組
合カラモ、組合員カラモ、官吏ノ代表者モ
明記シテ置キナガラ、何ガ故ニコヽヘ醫師
ヲ明記シテ居ラヌノカ、此位不可解ナ話ハ
ナイ、政府ノ答辯ヲ聽キマスト、事ガ起ッテ
カラ、若シ給付其他ノ問題ガ起ッテ醫者ガ必
要ナレバ、ソコヘ醫者ヲ入レルノダ、斯ウ
云フヤウニ申ス、私ノ申上ゲルノハサウデ
ナイ、事ガ起ッテカラデナク、先ヅ一番大事
ナ藥價ノ給付其他ノ根本ヲ決メル時ニコ
ソ、醫師會、組合ノ代表、官吏、是等ノ委
員會ヲ作リ、ソコデ公平ナル藥價ヲ規定ス
ルト云フコトガ、何レニモ最モ公平デナイ
ノデアルカ(拍手)然ルニモ拘ラズ、此際ニ
醫師ヲ除ケテ置ク、私ハ寡聞ニシテ未ダ世
界ニ斯ノ如キ健康-醫者ヲ對象トシタ斯
ノ如キ組合ノ出來ルノニ、醫者ヲ除外シタ
委員會ナンゾノアルコトヲ、未ダ曾テ聞カ
ヌノデアリマス、何ト云フ馬鹿氣夕矛盾シ
タコトデアルカ、隨テ私ハ大體今囘ノ此案
ノ全部ヲヂイーット考ヘテ見マスルト、何カ
知ラヌガ醫者ヲ排擊スルヤウニ、醫者ヲ除
外スルヤウナ氣持ガ、此本案大體ニ於テ流
レテ居ル所ニ先ヅ反對致スノデアリマス
(「其通リダ」ト呼ヒ拍手起ル)私ハ此委員會
ノ點ニ付キマシテハ、必ズ是ガ貴族院ニ送
付サレ、貴族院諸公ハキット此點ニ付テハ大
論爭ガ續ケラレルトハ存ジマスケレドモ
ガ、此種ノ矛盾ガ先ヅアリマス
私ハ本案ノ終局ノ目的ヲ達スルノハ、患
者ハ自由ニ廣ク醫師ヲ選擇スルコト、而シテ
醫者ハ專心治療ニ沒頭シ得ラレルヤウニス
ルコト、是レ以外ニ何物モナイノデアリマ
ス、隨テ私ハ先般來モ申上ゲマシタヤウニ、
今日ノ開業醫ガ、現在結核ダケ見マシテモ、
二百万人以上寢テ居ルノデアリマス、此恐
ルベキ危險ナ疾病ヲ、日夕取扱ッテ居ルノガ
開業醫ノ現狀デアリマス、隨テ此開業醫ハ
自己ノ生命ノ危險ヲ曝シテ、時ニハ寢食ヲ
忘レテ、此治療ニ沒頭致シテ居ル、隨テ醫
者ハ平均年齡數ハ短命デアリマス、斯ウシ
テ醫者ガ年中危險ニ曝サレテ、而モ此種ノ
危險ナ業務ニ從事シテ居ルニモ拘ラズ、國
家ハ之ニ對シテ何等ノ待遇ヲ與ヘテ居リマ
セヌ、隨テ私ハ本案ヲシテ徹底セシムルナ
レバ、先ヅ此治療ニ從事スル醫者ヲシテ、
セメテ老後ノ生活位ハ、安心スルダケノ國
家ノ保障ガアッテ然ルベキモノデハナイカ
ト、私ハ斯樣ニ存ジマス、是ハ獨リ私ガ日
本ノ醫者ニ申スノデハナイ
〔發言スル者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=101
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102・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=102
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103・田中養達
○田中養達君(續) 今日世界各國ノ政府ハ
意ヲ玆ニ致シテ、各〓、是等ノ保障ヲ致シテ
居リマス、獨リ日本ダケガ開業醫ニ對シテ
ハ、何等ノ保障ノナイト云フコトヲ、洵
私ハ遺憾ニ存ジテ居ル次第デアリマス
第三ハ本案ノ趣旨ハ、成ベク安イ醫療費
デ、成ベク廣ク治療ヲスル、是ガ目的デア
ルコトハ申ス迄モナイコトデアリマス、併
ナガラ政府ハ此點ニ付テハ何等ノ用意ガナ
イ、若シモ成ベク安クト言ハルヽナレバ、
何ガ故ニ治療ニ要スル材料トカ、藥品トカ、
是等ノ價格ヲ、今日ノヤウニ自由經濟ニ任
シテ、勝手氣儘ナコトヲサセズ、最小限度
是等ニ對シテハ價格ノ統制ヲサレヌノカ、
先般來無產黨ノ三宅君、其他ノ諸君カラ何
カ知ラヌガ、醫者ガ患者ヲ搾取デモシテ居
ルヤウナ言說ヲ爲シテ居リマスケレドモ、
醫者ノ搾取ヲ咎メル先ニ、何ガ故ニ今日製
藥大會社等ガ、醫者ヲ搾取シテ居ルコトヲ咎
メヌノデスカ、今日ハ大資本家ガ大キナ會
社ヲ拵ヘテ、三錢カ五錢ノ藥ヲ、三十錢モ
五十錢モ、一圓モ二圓モニシテ、醫者ノ手ニ
渡スノデアルカラシテ、之ヲ患者ニ使用ス
ルガ爲ニ、可衰相ニ患者ガ惱ミ苦ンデ居ル
ノデハアリマスマイカ、先ヅ第一ニ醫療ヲ
安ク廣ク徹底シタイト言フナレバ、此根本ニ
遡ッテ、私ハ今日直チニ此組織ノ中ニ於テ、
政府ガ悉ク製藥會社ヲ持テト申スノデハナ
イケレドモ、少クトモ醫療ニ使フ藥品材料
ノ如キモノハ、ヘ今日ノ如ク自由經濟營利ノ
對象デナク、何ガ故ニ價格ヲ統制シナイカ、
此點ニ付テハ政府ハ何等ノ用意ガナイノデ
アリマス、若シ只今ノヤウニ實際治療ニ使
フ藥品材料等ヲ成ベク安ク提供スルコト、
而シテ醫者ニ對シテハ、國家ガ或種ノ保障
ヲシテ、專心治療ニ沒頭セシムルコト、此
二ツガ具備スルナラバ、軈テハ本案ニ付テ
ノ有終ノ美ヲ濟シ得ラルヽモノト私ハ斯樣
ニ信ズルガ、遺憾ナガラ只今申上ゲルヤウ
ニ、此二ツノ點ニ付テハ政府ハ一指モ觸レ
テ居ラヌノデアリマス
第四ニ申上ゲタイコトハ、本案ニ付テノ
補助額デアリマス、補助額ハ初年度一圓、
三年後ニ七十錢、五年後ニハ一人頭五十錢
トナッテ居リマス、私ハ餘リノ少額デアルコ
トニ評スル言葉ヲ知リマセヌ(拍手)斯ノ如
キ重大ナル法案ヲ作リ一面ニ於テハ國民ノ
生活ノ安定ヂヤト言フノデハナイカ、斯ノ
如キ大眼目、大目的ヲ持ッタ此法案ガ、五年
後ニハ僅々一人頭五十錢ノ補助額ト云フニ
至ッテハ、本案ノ將來ガ思ヒヤラレル、今政
府ガ狙ッテ居ル、此組合員ノ農村ノ中產階級
ト稱スル人ハ、成程病氣ニ罹ッタカラ、已ム
ヲ得ズ是ハ出シテ居ルノデアリマス、平素
ニ餘裕ガアッテ其掛金ガ出來ルノデハナイ
ノデス、病氣デアレバコソ無理シテ出シテ
居ルノデアリマス、而モ今日農村ノ中產階
級ガ沒落シテ居ルコトハ、政府自ラ御承知
ノ筈デアル、其餘裕ノナイ中產階級ノ人ニ
相當額ノ掛金ヲサスコトハ、軈テハ中產以下
ノ組合員ノ負擔ヲ一部負擔スルコトニナル
ノデハナイカ、サウシマスト此中產階級ト
稱スル人ハ、二重ノ負擔ニナッテ居ルノデ
アリマス、隨テ若シ政府ガ本案ノ終局ノ目
的ヲ達成セントスルナレバ、此補助額ニ付
テモット思切ック增額ヲセナケレバナラヌ
(拍手)今日ハ獨リ治療ノミナラズ、各國ト
モ國民健康增進ノ爲ニハ、國ヲ擧ゲテ努力
シテ居ルコトハ御存ジノ筈デアル、成程本
案ハ直接ハ病メル人ノ治療ヲスルト云フコ
トデアリマスケレドモ、是ガ軈テハ其一面
ニ於テハ、國民ノ健康增進ニナルコトハ申
ス迄モナイコトデアリマス、ソレナラバ一
面ニ於テ病メル人ヲ救ヒ、一面ニ於テハ國
民ノ健康增進ト云フコトデアルナレバ、今
少シク補助金ヲ增額シテ本案ノ徹底ヲ期シ
テ戴キタイ、然ルニ只今申上ゲマスルヤウ
ナ、コンナ貧弱ナ補助額ニ依ッテハ、本案ノ
將來ガ私ハ思ヒヤラレルノデアリマス(拍手)
第五ニ申上ゲタイコトハ、申ス迄モナク、
國防モ產業モ健康ガ第一デアル、而モ本案
ハ一面ニ於テハ生活ノ安定デアリ、其コト
自體ガ延イテハ思想ノ善導デハアルマイ
カ、今日國家ノ一番憂ヘテ居リマス問題ハ
何カト云ヘバ、アノ危險ナ思想、赤化ノ思
想デハナイカ知ラン、若シモ本案ノ趣旨ガ徹
底スルナレバ、今日アノ惱ミ苦シンデ居ル、
生活ニ追込マレテ居ル多數ノ人、ソレ等ノ
人ガ病ンダ時ニ治療スラ爲シ得ラレナイト
云フ所カラ、自然ニ思想ガ歪メラレ、知ラ
ズ識ラズノ間ニ過激ナ思想ニナルコトハ御
承知ノ通リデアリマス、今日アノ厭フベキ共
產黨員ナゾガ、多クハ呼吸器ノ疾患ヲヤッテ
居ック、此實例カラ考ヘテ見マシテモ、若シ
モ本案ガ徹底シテ施行サレルヤウナコトガ
アレバ、必ズ私ハ或ル程度マデ此思想ヲ防遏
シ、今日ノ思想善導ノ一助ニナルト、私ハ斯
樣ニ信ジテ居リマス(拍手)思想ノ惡化ノ如キ
八 パンフレット」ヤ講演ヤ「サーベル」デ、之
ヲ防止スルコトニアラズシテ、アノ惱ミ苦シ
ンデ居ル人等、其人ガ病ンダ時ニ、斯ノ如キ
隣保相助ノ溫カイ精神ヲ以テ、ソレニ對シテハ
國家ガ補助シ、而モアノ惱メル人等ガ、何
人ニモ遠慮會釋ナク、自己ノ自尊心ヲ傷ク
ルコトナクシテ、自由ニ醫師ヲ選擇シ、
面ニハ醫者ハ專心是等ニ對シテ、溫カイ治
療ノ手ヲ伸バシテヤック時ニ、初メテ此恐ル
ベキ思想ガ防遏出來ルモノナリト、私ハ斯
樣ニ信ジテ居リマス(拍手)此立前カラ參リ
マシテモ、吾々ハ本案ガ一日モ速ニ-但
シ及ボス所ノ範圍ガ餘リニ宏大無邊デアリ
マスカラ、少シデモ缺點ガアレバ、此際十
二分ニ匡シテ、完全無缺ナル案ヲ作リタイ、
是ガ私共ノ主張デアリマス
先般來吾々醫師團ニ對スル反對ノ意見ヲ
聽キマスルト、高イトカ、安イトカ、或ハ
何處々々ノ組合ガ安イデハナイカ、私ハ自
己ノ體驗ノ上カラ、アノ安イ治療費ニ依ッテ
治療サレテ居ルコトハ、紙ノ上デ、算盤ノ
上デハ少シク安イカモ知ラヌケレドモガ、
其內容低下ヲ如實ニ知ッテ居ル、其內容低下
ノ爲ニ、一番不幸ナノハ患者其者デアルト
云フコトヲ私ハ知ッテ者ル(拍手)隨テ諸君、
組合デ茶碗ヤ「コップ」ヲ賣ッテ、三錢、五錢
ノ損得ノ問題デナイ、此問題ダケハ安イノ
ガ宜イノデナイ、左樣ナ馬鹿ナ所カラ立論
スルノデナシニ、一ツ間違ウタラ取返シノ
付カヌ、生命ニ關スル大問題デハナイカ、
諸君、然ルニ一方ニハ唯安ケレバ宜イト、
コンナ立前カラノ議論ヲ聽クコトヲ洵ニ遺
憾ニ思ヒマス、隨テ寧ロ政府ハ此際斯ノ如
ク產業ニモ、國防ニモ、生活ノ安定ニモ、
思想ノ善導ニモ、重大ナル影響ノアル案ニ
對シマシテハ、今少シク練ッテ、斯ノ如キ社
會問題、或ハ產業組合、醫師團ト云フヤウ
十、コンナ社會ノ摩擦ヲ起サヽヌヤウニ、
產業組合モ、醫師團モ、政治家モ、官吏モ、
國民モ、渾然ト一ツニナッテ、協力シテ本案
ニ對シテ、有終ノ美ヲ濟サシメルヤウナ案
ヲ御立テニナラヌカト、斯樣ニ私ハ思ヒマ
ス、私ハ斯ウ云フ意味ニ於キマシテ、折角
愼重審議シ、幾日カヲ費シテ出來上ッタ、只
今ノ委員長報告デアリマスルケレドモガ、
此委員長ノ報〓ハ、諸君原案トハ何ノ變リ
ガナイノデアリマス、此立前カラ私ハ委員
長報告ニ反對ヲスル所以デアリマス
今一度重ネテ申上ゲマス、私ノ申スコト
ハ醫師團體ノ代辯者デハナイ(「ノー〓〓」
「代辯者ダ」ト呼フ者アリ)產業組合ニ反對
スルノデハナイノデアリマス、ドウカ此點
ダケハ間違ヒノナイヤウニシテ戴キタイ、
事務ノ一部ニ付テ、或ハ經費ノ輕減、事務
ノ簡㨗、其他ノ爲ニ產業組合ガ宜イナレバ、
寧ロ產業組合ト何故ハッキリ明示セヌカト、
私ハ斯樣ニ思ッテ居ル、併ナガラ醫者ノ協定
ダケハ彼等ニ委シテハナラヌ、此點デアリ
マスコトヲ、ドウゾ諸君ハ誤解ノナイヤウ
ニ願ヒタイ、先程申シマシタヤウニ、餘リ
ニ此摩擦ガアリマス、只今ノヤウニ、若シ
無產黨ノ諸君ノヤウナ、アノ宣傳ヲ聽キマ
スルト云フト、何カ知ラヌガ、醫師團體ガ
反對デモシテ居ル如ク、之ヲ誤リ考ヘラレ
ルナラバ、現在病ンデ苦シンデ居ル、而モ
醫者ニ掛ッテ居ル幾百万ノ患者ヲ迷ハスモ
ノハ、無產黨ノ議論ナリト斯樣ニ思フ次第
デアリマス(拍手)
〔「醫師團體ヲ倒セ」ト呼ヒ、其他發言ス
ル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=103
-
104・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=104
-
105・田中養達
○田中養達君(續) 私ハ只今申ス如ク委員
長ノ意見ニ反對スル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=105
-
106・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 武知勇記君
〔武知勇記君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=106
-
107・武知勇記
○武知勇記君 私ハ委員長報告ニ贊成シ、
田中君ノ意見ニ反對ノ意ヲ表明スル者デア
リマス、只今上程セラレマシタ國民健康保
險法案ハ、委員長御報〓ノ通リ、林內閣唯一
ノ社會立法デアリマシテ、今期議會ニ於テ
最モ重要性ヲ持ツ法案デアルノデアリマス、
隨テ是ガ成否ハ、全國民注視ノ標的トナッテ
居ルノデアリマス、多年本案ノ提出ヲ要望
致シテ居リマシタ私共ハ、過去數年ニ亙リ、
各種ノ難關ヲ經テ、而モ流產ニ流產ヲ重ネ
テ居リマシタ事實ヲ知ルガ故ニ、辛ウジテ
郵便貯金ノ利下ゲニ便乘シテ、漸クニシテ
出テ來タ事ニスラ少カラヌ喜ビヲ感ズル者
デアリマス、一方ニ於キマシテハ、零
細ナル貯蓄ニ犠牲ヲ强ヒ、庶民ノ怨ミヲ
買ヒマシタケレドモ、其收得利益ヲ以テ、
現行健康保險法ノ埒外ニ抛擲セラレテ居リ
マスル農漁山村民、中小商工業者ニ對シ、
社會保險ノ制度ニ依ッテ、其醫療費ノ重壓ヲ
除去シ、以テ醫療ノ惠福ヲ普遍セシムル、
此施設ヲ行ヒマスルコトハ、功罪相償フモ
ノトシテ、庶民モ亦之ヲ認容スルニ至ッタノ
デアリマス(拍手)私ハ委員長ノ御報告ニ贊
成ヲ致シマス其理由ヲ述ブルニ當ッテ、何ガ
故ニ斯ル制度確立ノ必要ガアルカトカ、或
ハ此制度ヲ運用スルコトニ依ッテ、庶民ノ上
ニ如何ナル醫療ノ惠福ヲ齎シ得ルヤト云フ、
具體的ナ說明ヲスル必要ヲ認メナイノデア
リマス、何トナレバ、去ル九日本案ガ初メ
テ本會議ニ上程セラレマシタ時ノ質疑者ハ、
國務大臣ノ演說ニ對スル質疑者以上ノ多數
ニ上リ、二日間ニ亙ル鼎沸ノ論議ガアリマ
シタガ、何レモ皆國民ノ健康ヲ保持シ、生
活ヲ安定セシムル點ニ於テハ、本法案ノ絕
對必要性ヲ認識シ、其立法ノ趣意ニハ贊成
ヲセラレタノデアリマスルカラ、今更私ガ
玆ニ繰返ス必要ヲ認メナイノデアリマス、
切言致シマスト、國民健康保險法案ナルモ
ノハ、今マデ行屆イテ居ラナイ醫療ヲ、全
國津々浦々ノ見ル影モナイ、所謂陋居貧屋
ニマデ行渡ラセテ、サウシテ貧シイ人達ガ
最モ苦痛ト致シテ居リマスル所ノ、醫療費
ノ調達ヲ容易ナラシムルト云フ制度デアリ
マスルガ故ニ、其內容箇々ニ付テハ無論議
論モアリマセウケレドモ、此法律ハ誰ノ法
律デモナイノデアッテ、正ニ國民大衆ノ法律
デアルノデアリマス
更ニ私ハ農村民トシテ、又政黨員ノ立場
トシテ、贊成シナケレバナラナイ一ツノ理
由ヲ發見シテ居ル、卽チ過グル日、吾々政
黨員ハ政府ニ强要致シマシテ、地方財政調整
交付金三千万圓ノ增額ヲ斷行セシメタノデ
アリマス、此增額ヲ斷行致シマシタコトハ、
眞ニ農村匡救ノ誠意ニ出タルモノデアリマ
ス、隨テ其重要性ニ於キマシテ、之ニ比シ
テ優ルトモ劣ラザル農家ノ醫療費負擔輕減
ノ問題ニ對シテ、我等ハ飽マデモ誠實眞摯
デアラネバナラヌト信ズルノデアリマス、
一箇年ノ農家ノ醫療費ノ平均額ガ、一戶當
リ二十五圓ト承ッテ居リマス、耐へ難キ重壓
デアルノデアリマス、其耐へ難キ重壓ト
看做サレル所ノ醫療費ヲ、幾分デモ輕減シ
ヨウト云フコトハ、貧農ノ立場カラ言フナ
ラバ、一年ニ一圓ヤ二圓ノ戶數割ヤ雜種稅
ヲ減少スルヨリモ、モット切實ナ利害關係ヲ
有スル大問題デアルト信ズル(拍手)仍テ私
共ハ此審議ニ全力ヲ傾注致シマシタ、然ル
ニ御承知ノ如ク、果然日本醫師會ト產業組
合トノ對立ヲ見、每日ノ新聞紙上デ御覽ノ
如キ現象ヲ呈シタノデアリマス、日本醫師
會ハ、此制度ニ依ッテ醫療利用組合ニ代行ヲ
認メルコトハ、今マデ醫療組合ガ出來タ地
方ノ開業醫ト醫療組合トノ確執シタ事情ニ
鑑ミ、今後益〓是ガ擴大强化サレテ、開業醫
ノ打擊ハ測リ知ルベカラザルモノアリトシ
テ、法案第九條ノ削除ヲ要求シ、其上團體
契約ノ法文化ヲ迫ッテ修正運動ヲ起シク、之
ニ對シテ產業組合ハ原案支持ノ運動ヲ起シ
マシタガ爲ニ、贊否ノ兩運動ハ最モ果敢ニ
展開致サレマシテ、此情勢ガ院內ニ反映シ
タノデアリマス、ソコデ委員會ナドニ於キ
マシテモ隨分議論鼎沸、紛爭ヲ重ネタノデ
アリマスルガ、斯ル團體ノ爭ニ依ッテ、萬一
本案ガ葬リ去ラレルヤウナコトガアリマシ
タナラバ、國民ノ迷惑是ヨリ大ナルハナシ
ト存ジマス(拍手)言葉ヲ換ヘテ申シマスレ
バ、日本醫師會ニモ產業組合ニモ、何等ノ
恩怨關係ヲ持タナイ國民大衆ニ對スル此社
會的施設ガ、斯ル特殊團體ノ對立ニ依ッテ抹
殺サルベキモノデハ斷ジテナイノデアリマ
ス(拍手)
併シ此際一言ヲ費シテ置キタイコトハ、
田中君モ言ハレマシタガ、日本醫師會
ノ主張ガ不當ダト言フノデモ、產業組合ノ
要求ガ無理ダト言フノデモナイ、次ニ申上
ゲマスルガ如ク此兩者ノ主張ニハ、聽クベ
キ多クノモノノアッタコトヲ申上ゲテ差
支ハナイノデアリマス、例ヘバ新法ニ依ル
醫療利用組合ノ新設ニ對シテ、非常ニ不愉
快ナ、不安ナ感ジヲ開業醫諸君ガ懷クノハ、
是ハ當然ナコトデアリマス、其心情ニ對シ
テハ諒察ヲシナケレバナリマセヌ、然ルニ世
ノ中ノ一部ニハ醫道ノ墮落ダトカ、醫師ノ
營業化ナドト之ヲ非難シテ、本案ト結付ケ
テ考ヘントスル者ガアリマスルガ、私ハ是
ハ間違ッテ居ルト思フ、雪達磨ノ中ニ馬糞ガ
混ジテ居ルヤウニ、其數五万ト稱セラルヽ
開業醫ノ中ニハ、眞ニ唾棄スベク、嘆ズベ
キ所業ヲ爲ス者ガ絕無トハ申シマセヌ、サ
リナガラ今日日本ニ於テ、吾々ノ此身體ヲ
診テ吳レル者ハ唯カト申セバ醫師デアリマ
ス、國民ノ誰一人トシテ忌ミ嫌ハヌ者ノナ
イ病氣、其疾病治療ノ任ニ當リ、人ノ身體
ヲ健康ナラシメ、人類ノ絕對的希求ニ副フ
ベク、其業務ニ從事シテ居ルノガ醫師デアッ
テ、其醫師自ラガ其職ヲ司命ノ職ト稱スル
ノモ洵ニ故アリト申スベキデアリマス、醫
師ナラヌ私共國民ニ取リマシテハ、是レ正
ニ託生救主トモ仰グベク、其尊敬スベキ職
業ニ對シマシテハ崇敬ノ念ナクシテ措ク能
ハザル所デアリマス、是ニ於テ醫師ハ其疾
病治療ニ當リマシテハ其學問ニ方技ニ日夜
〓究ヲ怠ラズ、自分ノ利害得失ヲ離レマシ
テ、治療ニハ全智全能ヲ傾ケテ、最善ヲ施
サナケレバナラヌノデアリマスルケレド
モ、今日ノ社會情勢ノ推移、經濟機構ノ變
革ニ伴ヒ、開業醫又經濟難ニ襲ハレ、所
依リマスルト醫ハ仁術ト言ハレマスルガ、
其醫師諸君ガ今日生活難ニ追詰メラレテ居
ル實情ニ對シテハ、同情ノ念ナクシテ之ヲ
看過ス譯ニハ行カナイノデアリマス、斯ノ
如ク醫ハ仁術ダト世間デハ申シテ居リマス
ガ、醫師モ亦人デアル、職業トシテハヤハ
リ利潤ノ法則ニ支配セラレナケレバナラナ
イ、此內在的矛盾性ニ對シ、同情的觀察ナ
クシテ醫療問題ハ絕對ニ解決スルコトハ出
來ナイノデアリマス
之ニ對シマシテ、產業組合側ノ申分モ、
實ニ聽カナケレバナラヌ點ガアル、農民ガ、
農村ガ組合洪水ニ怯エテ居ルコトハ、宮澤
胤勇君ノ本會議ニ於テ演說ヲセラレマシタ
其一事ニ徵シテモ明カデアラウト思フ、更
ニ此度健康保險組合ガ出來テ、農村ニハ又
其一ツヲ加ヘル、此場合私ハ自分ノ意見ヨ
リモ、宮澤君ノ其時ノ演說ノ一節ヲ引用シ
テ、諸君ノ注意ヲ喚起致シタイト思ヒマス、
宮澤君演說ノ一節ニ「今全國農村ニ存在スル
所ノ民間產業團體ノ數ハ、大小合セテ二十
七万組合アルノデアリマス、其加入人員ハ
延人員ニ致シマシテ、二千五百万人ヲ算シ
テ居ルノデアリマス、全國五百五十万ノ農
家ニ割當テマスレバ、一戶五ツノ組合ニ入ッ
テ居ルト云フコトニナッテ居ルノデアリマ
ス、而シテ農村ニ於テハ一人ニシテ十數組
合ノ理事者又ハ役員ヲ兼ネ、一年中組合ノ
事務ニ飛ビ步イテ居ル者ガ多イ現狀ナノデ
アリマスル、而モ是等ノ團體ハ各〓對立シ
テ、己ノ領域ヲ擴充スルコトヲ競ヒ、農會
ト產業組合ノ對立抗爭セルヲ初メトシテ、
耕地整理組合、畜產組合、水產組合、森林
組合、養蠶組合、漁業組合或ハ其他ノ同業
組合、又ハ農事小組合ガ相錯綜シテ、各ミ
農林省各局、又ハ其系統ノ上級團體ノ指揮
ニ依ッテ多岐多端ナル所ノ指導奬勵ヲ受ケ、
農民ハ之ヲ如何ニ取扱フカ、殆ド適從スル
所ニ迷フト云フ有樣デアリマス、此間國家
ノ經費ト、官吏ノ勞務ト、各團體若クハ組
合ノ費用、農民ノ勞力ガ如何ニ無駄ニ浪費
サレテ居ルカト云フコトヲ思ヘバ、私ハ此
點ニ一大鐵槌ヲ下スノ急務ヲ痛感致シマス」
斯樣ナ演說ヲ致サレテ居ルノデアリマス、
兎モ角モ是ダケ組合ガ澤山アル所ニ、今回
ノ法案ガ通過シマスルト、今申上ゲマシ
タ通リ更ニ一ツノ團體、卽チ此組合ガ殖
エルノデアルカラ、セメテハ是等ノ新
ニ出來ル組合ヲ今マデアル組合ニ於テ代
行スル、之ヲシタイト云フ農村ノ人々ノ要
求ト云フモノハ、私ハ聽カナケレバナラ
ヌ點ガアルト思フノデアリマス、ソコデ今
田中君ガ言ハレテ居リマシタ保健經濟ヲ確
立サス意味ニ於テ、互助的訓練ノアル團體
ニ、組合事務ノ一部ヲ委託セシムルコトモ、
亦必要デアルト云フ議論ガアル、是モ私ハ
聽カナケレバナラヌ議論デアルト思フノデ
アリマス、更ニ御承知ノ如ク醫療組合ノ設
置ヲ見テ居ル地方ニハ、今度ノ法律ニ依リ、
今度ノ制度ニ依ル所ノ組合ヲ、更ニ重複シ
テ作ル必要ハナイノデアリマスカラ、醫療
利用組合ヲシテ保險組合ノ事業ヲ代行セシ
メタイト云フ要求ハ、今日ノ農村ニ取ッテハ
正シイ主張デアルト私ハ思フノデアリマス
斯ク考ヘ來リマスルト、醫師會ニ對シテ
モ聽クベキ點ガアル、產業組合ニ對シテモ
聽クベキ點ガアル、而モ其主張ガ正反對デ
アル場合ニ、其兩者ガ其主張ヲ堅持シ、兩々
互ニ相讓ラザル場合、吾々ハ之ヲ如何ニ處
置スルカト申シマスレバ、斯ル摩擦ノ中心
問題ヲ十分ニ檢討シ〓究シ、和ヤカナ意見
ノ交換ヲスル所ニ、私共議員ノ責任ガアル
(拍手)然ルニ諸君、其議員ガ自ラ進ンデ職能
代表トナッテ、而シテ己ノ主張ヲ讓ラズ、我
執ニ囚ハレ、我利ニ陷ルヤウナコトガアッタ
ナラバ、庶民待望ノ本案モ、遂ニハ一部的利
害ノ對立ニ依ッテ流產スルコト、火ヲ睹ルヨ
リモ明カデアルト私ハ信ズル(拍手)私共ハ
之ヲ惧レタノデアリマス、サウシテ本案ノ
成立ヲ熱望スルノ餘リ、小異ヲ捨テヽ大同ニ
就イタノデアリマス、出來上ッタ法律ガ縦ン
バ不平ガアリ、不滿ガアルモノデゴザイマ
シテモ、本案ガ成立シテソコニ原則ガ確立
致シマスレバ、自ラ社會的意義ガ齎サレル
ノミナラズ、一度出來タ法律ヲ實施シテ、
サウシテ其運用ニ於テ成績經過ニ徵シ、改
メテ修正ヲ行フ途モ開カレテ居ルノデアリ
マスカラ、强ヒテ原則確立ニ異議ヲ稱ヘ、
有耶無耶ノ裡ニ本案ヲ葬リ去ラントスルガ
如キハ、同胞共存ノ大義ヲ無視スルモノデ
アルト私ハ信ズル(拍手)私ハ斯ル認識ト、
斯ル見地ニ立チマシテ、此委員長報告ニ贊
成ヲシ、以下少シク贊成理由ヲ申上ゲテ見
タイト思ヒマス
委員長ハ第九條卽チ「營利ヲ目的トセザ
ル社團法人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長
官ノ許可ヲ受ケ組合ノ事業ヲ行フコトヲ得」
ト云フコトヲ削除スルト云フコトヲ申サレ
マシタガ私ハ之ニ贊成ヲスルノデアリマス、
其贊成ノ理由ハ簡單明白デアリマス、卽チ
今度ノ法律案ガ制定サレマシタナラバ、醫
療保護ノ國策トシテハ、本制度ニ依ル組合、
卽チ國民健康保險組合ガ原則トナルノデア
リマスルカラ、委員長報告ノ通リ私ハ是デ
將來減ッテ來ルト思フシ、且ツ又醫療利用組
合ノ事業代行ハ、政府ノ言フ通リ、本法案
ニ於テハ例外トシテ便宜規定ト考ヘラレマ
スノデ、削除スルコトニ同意ヲ致シタノデ
アリマス、斯ウ云フ簡單ナ理由デアリマス
ルガ、此附則ノ附帶決議トシテ四ツノ決議
ヲ致シマシタ、其決議ノ中デ第二項ノ「內
務省令ニ依リ被保險者ヲシテ廣ク醫師齒科
醫師藥劑師其他一切ノ醫療機關ヲ自由ニ選
擇セシムルヤウ規定スベシ」ト云フコトニ付
テハ一言ヲ申シテ置カナケレバナラヌノデ
アリマス、一部開業醫ノ除外問題ガ起リマ
ス、法制化スルコトハ出來ヌト致マシテモ
屢〓私共ガ聞イテ居ル此一部開業醫ノ除外
問題、是ハ實ニ考ヘナケレバナラヌコトデ、
先ニモ申シマシタ通リ、斯樣ナ醫療ヲ致シ
マスル上ニ於テ、直接其衝ニ當ル開業醫諸
君ニ不安ト不滿トヲ抱カシムルコトハ、本
案ヲ施行スルニ當リマシテモ、圓滿ナル成
果ヲ擧グル上ニ於テ非常ナ障碍ヲ爲スノデ
アリマスルカラ、特ニ私ハ政府ガ被保險者
ニ醫療機關選擇ノ自由ヲ認ムルト云フ規定
ヲ設ケテ、適當ノ指導ヲ爲シ、一部開業醫
除外問題ヲ再ビ起スヤウナコトノナイヤウ
御留意アランコトヲ願ッテ置キマス
是ト同時ニ申上ゲナケレバナラヌコトハ、
藥劑師ノ職分ニ對シテモ深キ關心ヲ拂ッテ
戴キタイノデアリマス、此法律案ニモ藥劑
師ト云フモノガ一人前ノ名前ハ連ネテ居リ
マスルケレドモ、現行醫藥制度ノ上ニ打立テ
ラレタ本法案デアリマスルカラ、實質的ニ
ハ是ハヤハリ醫療機關ノ圈外ニ抛リ出サレ
テ居ルノデアッテ、今マデ藥劑師ガ如何ナル
位置ニ居ルカ、如何ナル職分ヲ持ッテ居ル
カ、資格ガアッテ業務ノナイト云フ事實ハ、
今更私ガ玆ニ申上グル迄モナイノデアリマ
スルガ、今マデノ傷マシイ境遇ハ縱ンバ忍
ビ得ルト致シマシテモ、今囘ノ如ク國民大
衆ヲ對象トシタ割期的ナ國民健康保險法案
實施ニ際シマシテ、舊態依然トシテ藥劑師
ガ實質的ニ何等ノ發言權ガナイト云フコト
ハ、實ニ氣ノ毒ニ堪ヘマセヌ、日本ノ醫藥
ハ醫師獨リ之ヲ獨占スルガ如キ感ノアルコ
トハ、明ニ醫藥制度ノ不權衡且ツ不均衡ヲ
表現スルモノデアルト思ヒマスルガ故ニ、
私ハ一部開業醫除外問題ヲ起サナイヤウニ
ト希フト同時ニ、藥劑師亦保險給付ノ埒外
ニ置去リニセヌヤウニ、政府ニ特ニ御考慮
アランコトヲ願ッテ置クノデアリマス
ソレカラ賣藥ノコトヲ一言申上ゲテ置カ
ナケレバナラナイ、吾々ハ國民健康保險法
案ヲ社會立法トシテ國民生活ノ安定ヲスル
上ニ於テ協贊ヲスルノデアルガ、一方ニ生
活ノ不安ニ脅ユルヤウナ者ガアリマシタナ
ラバ、眞ノ意味ノ社會立法ト云フコトハ出
來ナイ、三百万ノ此從業員家族ヲ擁スル賣
藥業者カラ、日々夜々電報ニ手紙ニ其衷情
ヲ愬ヘラレテ居ルノデアリマシテ、實ニ惻
隱ノ情ニ堪ヘナイモノガアリマス、賣藥ト
シテ一口ニ言ヘバ、一口ニ賣藥扱ヒニ致シ
マスガ、今マデ醫療ノ補助藥トシテ到ル處
ノ山間僻地ノ家庭藥トシテ普及サレテ居
ル、都ノ人ナドカラ申シマスルト、所謂富
山ノアンポン丹ト之ヲ貶ス、石坂富山縣選
出代議士ノ御話デハナイガ、都ノ人ハアン
ポン丹ト言フカモ分ラヌガ、マコト其名ハ
アンポン丹ニ非ズシテ、魂反ヘス反魂丹、
都ノ人ハ醫療ニ惠マレテ居リマスルガ爲ニ、
アンポン丹程ニ申シマスルガ、醫師ナキ山
村醫療費ニ事缺ク里人ニ取リマシテハ、
本當ニ反魂丹トシテノ有難サヲ痛感シテ居
ルノデアリマス、斯ル努力功績ヲ思ヒマス
ル時ニ、私ハ本法實施ニ依ッテ賣藥ガ自然ニ
倒レルト云フコトハ、恰モ人力車ガ自動車
ニ追ヒマクラレテ滅ンダト云フ、斯樣ナ性
質ノモノデハナイト思フ、卽チ賣藥ノ本質
カラ賣藥業者ガ失業倒產スルノデアリマシ
タナラバ、時勢デアルト一言ニ片付ケルコ
トニ同意ヲ致シマスルガ、今賣藥業者ノ滅
ビツヽアルコトハ、其本質カラ來タモノデ
ハナクテ、全購聯ノ賣藥業開始ガ原因致シ
テ居ルコトハ隱レモナイ事實デアリマス
(拍手)私ハ農村ノ者デアッテ、反產運動ノ側
カラハ所謂產業組合派ト目セラレル一人デ
アルガ、產業組合ニハ自カラ爲サナケレバナ
ラナイ獨自ノ使命ト職分ガアル筈デアリマ
ス(「ヒヤ〓〓」)然ルニ製造販賣元、全國購買
組合聯合會ト銘打ッテ賣藥ヲ製造シタリ、販
賣シタリ致シマスルコトハ、正ニ出過ギタ
リト云フ感ヲ抱クノデアリマス(拍手)賣藥
ト云フモノハ一般商品ト性質ヲ異ニ致シテ
居ル、其取締規定ニ從ハナケレバナラヌガ、
全購聯ノ仕事ニ對シテ反產連中ガ言フ程一
一私ハ同意ハシナイガ、賣藥業開始ノ一事
ダケハ深ク考慮ヲ拂フベキモノデアリ、且
ツ又本法實施ニ依ッテ少クトモ犠牲ノ地位ニ
立タサレテ居ル賣藥業者ニ對シテハ、內務
常局及ビ農林當局ハ理解アル同情ヲ持ッテ、
此問題ダケハ深ク考慮ヲ拂ハレンコトヲ要
求スル者デアリマス(拍手)
私ハ以上申上ゲマシタ理由ニ依ッテ贊成
スルノデアリマスルガ、直接委員ト致シマ
シテ本法案ノ審議ノ衝ニ當リ、摩擦多キ案件
デアリマシタダケニ、不愉快ナル場面ニ遭遇
致シタコトモ屢〓アッタノデアリマス、然ル
ニ今ニシテ考ヘテ見マスルト、尊キ體驗ト或
ル信念ヲ得タコトハ喜ンデ居リマス、或ル信念
トハ何デアルカト言ヒマスルト、嘗テ私ハ議會ノ
職能代表制ニ付テ先輩ヤ軍部側ノ意見ヲ承ツ
タコトガアルノデアリマスルガ、是ハ此法案
ノ審議ノ狀況ニ鑑ミマシテモ、若シ萬一將
來議會ガ職能代表制ヲ採用スルヤウナコト
ニナックナラバ、其時コソ議會政治崩落ノ時
デアルト斷言致シマス(拍手)斯樣ナ感想ヲ
抱ク程ニ摩擦多カリシ案件ガ、斯程ノ修正
デ通過スルコトヲ得マスレバ、庶民大衆ノ
喜ビハ私ハ格別デアルト思フ(拍手)
最後ニ一言政府ニ御願致シテ置キタイコ
トハ如何ニ立派ナ法律ヲ作リマシテモ、運
用其宜シキヲ得ザレバ、所謂龍ヲ描イテ晴
ヲ點ゼザルニ等シイモノデアリマス、況ヤ
本法案ノ如ク、初メカラ各方面ノ摩擦調和
ヲ第一義トシテ修正ヲ致シタノデアリマス
カラ、或ル意味ニ於キマシテハ不徹底ノ憾
ミナシトシナイノデアリマス、誕生ニ最初
カラ多少不滿ヲ感ズルヤウナ案デアレバコ
フ、尙ホ更之ヲ扱フ人ハ其運用ニ十二分ノ
注意ヲ拂ハレテ、世ニ謂ハレマスル官僚獨
善ノ弊ニ陷ルコトナキヤウ御心掛ケヲ願ヒ
タイト思フノデアリマス、今ノ大臣ヤ次官
其他ノ關係者ガ惡イト言フノデハナイ、今
ノ大臣初メ皆ニ對シマシテハ、或ハ私ノ言
ハ杞憂デアルカモ知レマセスガ、併シ政黨
ト絕緣シ、議會ニ超越シ、月卿雲客ニモ等
シイ林內閣ノ下デアリマスルガ故ニ(笑聲)
本案運用ニ際シマシテハ、嚴ニ官僚獨善主
義ニ堕スルコトナキヤウ、此點警告ヲ發シ
テ委員長報告ニ同意スル次第デアリマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=107
-
108・富田幸次郎
○議長(富田幸次郞君) 三宅正一君
〔三宅正一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=108
-
109・三宅正一
○三宅正一君 私ハ社會大衆黨ヲ代表致シ
マシテ委員長ノ修正案ニ反對致シマシテ、
政府原案ヲ支持スル立場ニ立チタイト考へ
ルノデゴザイマス(拍手)
私ハ本案ガ此議場ニ上程サレマシタ際ニ
於キマシテ、質問演說ノ際之ヲ申述ベタノ
デゴザイマスルガ、社會立法ニ對シマシテ
ハ、吾々ノ持ッテ居ル力ハ、是ガ改惡サレル
コトヲ防ギ、若クハ旣成勢力ニ依ッテ、是ガ握
リ潰シヲサレルコトヲ防グノガ吾々ノ持ッ
テ居ル力ノ精々デアル、前議會ニ於テ退職
資金積立法ガ、全產聯ノ策動ニ依ッテ是ガ改
惡サレタ苦イ事實ヲ吾々ハ知ッテ居ルガ故
ニ、此國民ノ爲ノ國民健康保險法案ガ、萬
一旣成勢力デアル日本醫師會ノ策動ニ依ツ
テ改惡サレルコトナキヤウ、吾々ハ政府ニ
向ッテ要求シタノデゴザイマス(拍手)然ル
ニ日本醫師會ノ策動ニ依ッテ、此貴重ナル國
民健康保險法案ガ、吾々ノ目ヲ以テ見マス
ルナラバ、殆ド致命的ナル改惡ニ墮シマシ
タコトニ付キマシテハ、私ハ心カラ遺憾ノ
感ナキヲ得ナイノデゴザイマス(「ヒヤヒ
ヤ」拍手)事玆ニ至リマシタ責任ノ一半ハ私
ハ政府ノ弱腰ニアルト考ヘルノデゴザイマ
ス(「其通リ」拍手)自分ハ去ル十二日此壇上
ニ於テ政府ニ向ッテ、此點ニ付テ事前ニ警告
ヲ發シテ居リマス、毅然タル態度ヲ持シテ、
萬一本案ガ是ヨリ改惡サレルガ如キ事態ニ
至ルナラバ、斷乎議會ヲ解散シテ所信ヲ國
民ニ問フベキデアル(拍手)今日マデ議會ノ
解散ガ、所謂總選擧ガ、景氣カ不景氣カ、
犬養カ濱ロカト云フガ如キ、空疎ナル抽象
論ヲ以テ鬪ハレタノデアルガ、若シ此國民
生活ニ關係ノアル社會立法ニ關シテ、或ハ
國民健康保險法案ノ如キ、具體的ナル地味
ナル保健衞生ノ問題ヲ以テ政戰ガ鬪ハレマ
シタナラバ、是レ實ニ我國ニ於ケル政治思
想ノ進步デアリ、議會ノ一進展デアルト私
共ハ確信ヲ持ッテ居ルノデアリマス(拍手)
然ルニ政府ニ原案ヲ死守シテ之ヲ押通ス所
ノ氣魄ナクシテ、醫師會ノ策動ニ依リ、斯
ノ如キ改惡案ニ同意サレマシタコトニ付テ
ハ、先ヅ政府ノ弱腰ニ對シテ國民大衆ノ名
ヲ以テ私ハ遺憾ノ意ヲ表シテ置カナケレバ
ナラナイト考ヘルノデゴザイマス(拍手)
諸君、委員長報告ト政府原案ノ異ッテ居
リマスル點ハ、第一ハ所謂第九條ガ創除サ
レタ點デアリ、第二ハ醫師會ノ要求ニ依ッテ
殆ド醫師會ノ言フ通リ團體契約ヲ事實上ニ
認メマシタ此點ガ、政府原案ト所謂委員長
報〓ノ修正案トノ相違デアルノデアリマス、
此點ハ國民健康保險法ガ醫者ノ爲ノ法律ニ
ナルカ、國民ノ爲ノ法律ニナルカノ境目ヲ
劃スル所ノ一點デアルト考ヘテ居ルノデア
リマス(拍手)諸君、吾々ハ第九條ヲ削除致
シマスルコトガ、何ガ故ニ國民大衆ニ對シ
テ非常ナル惡イ影響ヲ與ヘルカト云フ點ニ
付キマシテハ、是ハ私ハ本法ガ社會立法デ
アルト云フ點ガ一ツ、第二ハ勞働者健康保
險ノ十年ニ亙ル經驗ト云フモノハ、此第九
條ヲ存置シ、而シテ團體契約ヲ絕對ニ排除
シナケレバナラナイト云フコトヲ勞働者健
康保險ガ之ヲ事實ニ於テ吾々ニ〓へテ吳レ
ルノデアル(拍手)第九條ハ、「所謂營利ヲ目
的トセザル社團法人ニハ國民健康保險組合
ノ事務ヲ代行セシムルコトヲ得」ト云フノガ、
卽チ第九條ノ要點デアリマスルケレドモ、
政府ハ此第九條ノ解釋ヲ命令ニ於テ產業組
合法ニ依ル醫療利用組合ノミニ限ッテ居ル
ガ如キ熊度ヲ執ッテ居リマスガ、吾々ハ無論
其解釋ハ第九條ノ本條ニ從ッテ、營利ヲ目的
トセザル社團法人、商業組合、工業組合、
漁業組合、產業組合等一切ノ協同組合ニ之
ヲ委セルコトガ適切ナリト云フ信念ヲ以テ
鬪ックノデゴザイマス(拍手)私ハ其點ニ付
テハアトカラ其理由ヲ申上ゲタイト考ヘル
ノデゴザイマスルガ、假ニ政府ノ申シマスル
點デアリマスル所謂國民健康保險法代行ノ
範圍ヲ、醫療利用組合ノミニ限ルト致シマシ
テモ、之ヲ削除スル削除シナイト云フ點ハ、
實ニ大キナ影響ノアル點ヲ考ヘナケレバナ
ラナイノデゴザイマス、其點ハ何デアルカト
言フナラバ、蓋シ國民健康保險制度ヲ必要
ト致シマスル所以ト云フモノハ、資本主義ノ
弊害ノ累積ニ依ッテ、資本主義ノ本質ニ依ッ
テ、一方ニ於テ國民大衆ノ窮迫ノ事實ガア
ルト共ニ、他方ニ於テハ現在ノ資本主義的
開業醫制度其モノノ行詰リガ無醫村ヲ多數
出カスト共ニ、醫師ノ社會的偏在ヲ來シテ
居ルト云フ、醫療制度其モノニ對シテ批判
ノ眼ヲ向ケナケレバ、國民健康保險組合ハ
役ニ立タナイト云フコトガ一點デアルト私
ハ思フノデアル、(拍手)此點ニ付キマシテ
ハ武知勇記君ガ所謂國民健康保險ガ出來レ
バ、アトハ醫療組合ガ要ラナイト言ハレマ
スルガ如キコトハ、俗論トシテハ御受取ハ
出來マスルケレドモ、事物ノ本質ヲ考ヘテ
言フナラバ、今日ノ開業醫ノ制度ノ下ニ立ツ
テ國民健康保險ヲヤラウトスルガ如キコト
ハ糞土ノ牆ニ塗ルト同ジコトデ、何等效果
ヲ擧ゲ得ナイモノデアルト考ヘルノデアル
(拍手)唯吾々實際政治ヲ扱フ者ト致シマシ
テ、今日醫者ノ中ニ多數ヲ占メテ居リマス
ル所ノ開業醫ノ生活ヲ脅スガ如キコトヲ考
ヘルコトハ、是ハ政治家トシテイケナイノ
デアルカラシテ、私共ハ一方ニ於テ開業
醫制度ヲ保護シツヽモ、其持ッテ居ル缺陷ヲ
是正スルガ爲ニハ國民健康保險組合ノ設立
ハ、其一方ニ於テ今後モ醫療利用組合ヲドン
ドン作ラシテ二本立デ行カナケレバ、斷ジ
テ國民ノ爲ノ國民保險ハ出來ナイト云フコ
トヲ吾々ハ考ヘテ居ルノデゴザイマス(拍
手)諸君、今日我國ノ開業醫制度ガ如何ナ
ル變化ヲ迪リツヽアルカト云フコトハ、田
中養達君ハ之ヲ個人的考ヲ以テ批判シテ居
ラレマスルケレドモ、制度ノ本質ハ統計ガ
之ヲ明白ニ示シテ居ルノデアル、御承知ノ
通リ我國ニ於テ診療ニ從事スルオ醫者サン
ノ數ハ、昭和三年ハ四万三千二百七十三人
デアル、然ルニ昭和十一年ニハ五万三千三
百七十六人ニナリマシテ、昭和三年カラ十
一年マデニオ醫者サンノ數ガ、一万百三人
殖エテ居ル、一万人殖エテ居ル、然ルニオ
醫者サンノ數ガ一万人殖エテ居ルニ拘ラズ
町ト村ニ於キマシテハ、郡部ニ於キマシテ
ハ逆ニ四千三百三十五人ニ醫者ガ減ッテ居
ルノデゴザイマス、隨テ農村ニ於キマシテ
ハ四千人ノ醫者ガ減リ、町ニ於テハ一万四
千五百人ノ醫者ガ激增致シマシタガ爲ニ、
町ニ於ケル開業醫·モ食ッテ行ケナイ、村
ニ於ケル農民ハオ醫者サンガ居ラナイト
云フコトハ、卽チ營利主義ニ立脚スル自
由放任ノ開業醫制度ノ結果デアルト云
フコトヲ、吾々ハ事實ニ付テ批判シナ
ケレバナラナイノデゴザイマス、而モ
此町ニ集リマシタ、オ醫者サンガ、最近ニ於
キマシテハ、自ラ開業醫タルノ立場ヲ喜ン
デ居ルコトハ出來ナイノデゴザイマス、卽
チ地盤ノアリ、基礎ノアルオ醫者サンハ宜
シイケレドモ、最近ノ醫者ハ所謂「サラ
リーマン」化シテ來タノデアル、現在ニ於キ
マシテハ、我國ニ於ケル「サラリーマン」醫
師俸給生活ニ生キテ居リマスル醫者ノ數
ト云フモノハ、官公營ノ診療所ニ於テ診療
ニ從事スル醫者ガ八千百八十人、非醫師ノ開
設スル診療所ニ於キマスル醫者ハ五千六十
四人、開業醫ニ傭ハレテ居ル醫者ガ五千九百
七十四人、卽チ我國醫者總數五万三千人ノ
中ニ於キマシテ、約二万人ハ俸給生活醫師、
卽チ「サラリーマン」醫師トシテ、其生活ハ
所謂其外ノ靑白キ俸給生活者ニ變リナキ位
地ニ追ヒヤラレテ居ル、サウシテ其深刻ナ
ル生活ノ不安ニ追ヒヤラレテ居ルト云フ事
實ヲ、吾々ハ知ラナケレバナラヌノデゴザ
イマス、私ハ斯ノ如キ所謂醫師ノ偏在ト、
開業醫自體ノ生活難ガ、何處カラ來テ居ル
カト云フナラバ、卽チ開業醫制度ソレ自體
ノ持ッテ居ル缺陷カラ來テ居ルノデアル、資
本主義的ナ無統制ナ開業醫制度ヲ以テシテ
ハ、病人ガ幾ラ居リマシテモ、如何ニ其地
方ニ必要デアッテモ、金ヲ拂フコトノ出來ナ
イ貧乏ナ者ノ多イ農村ヘハ、開業醫ハ行カ
ナイノデアル、而シテ行カウト思ッテモ、今
日ノ醫療ノ變化ト云フモノハ、綜合病院ヲ持
タナケレバ、醫者ノ技術ヲ完全ニ發揮スル
コトガ出來ナイト云フ技術的問題ノ爲ニ、
良心アル醫者ハ村ヘ行カナイノデアル、斯
ノ如キ開業醫制度ソレ自體ノ持ッテ居ル矛
盾ト云フモノガ、卽チ醫療組合運動ノ發達
トナッテ、私ガ此前ノ本會議ニ於キマシテモ
申シマシタ通リ、卽チ此保健諸法案ニ對シ
テ醫師會ノ反對ハ、遂ニ之ヲ骨拔キニスル
程ノ有力ナ力ヲ持ッテ居ル醫師會ガ、府縣ニ
於テ醫療利用組合ノ運動ヲ迫害シ、壓迫ヲ
シテ之ヲ抑ヘテ居ルニモ拘ラズ、燎原ノ火
ノ如ク、醫療利用組合ノ運動ガ伸ビツヽア
ルト云フコトハ、卽チ民衆ノ熱望ノ中ニ、
社會ノ必要ノ中ニ、醫療利用組合ガ開業醫
制度ニ代リ、計畫的非營利ノ醫療制度ヲ作
ラナケレバナラナイコトヲ暗示シテ居ル、
此大キナル事實ニ目ヲ著ケナケレバ、所謂
醫療行政ノ完璧ヲ期スルコトハ出來ナイノ
デアル、(拍手)隨ニ現在アル醫療組合ニハ
代行ヲ認メルケレドモ、是カラハ醫療組合
ガ出來ナイト云フ、醫療制度ノ本質ニ對ス
ル胡魔化シヲ以テ、此問題ヲ醫師會ノ御機
嫌ヲ取ル爲ニ葬リ去ラウトスルガ如キコト
ガアリマスナラバ、我國國民ノ保健衞生ノ
上ニ於キマシテ、私ハ斯ノ如キ大キナル不
幸ハナイモノデアルト云フコトヲ、斷言シ
テ憚ラナイ者デゴザイマス(拍手)
吾々ハ斯ノ如キ意味ニ於キマシテ、今日
ノ如キ所謂開業醫ノ制度ヲ以テシテハイカ
ナイ、而モ都會ニ一万四千人醫者ガ殖エテ
居リマスル時ニ、每年三千人宛ノ新シイ醫
者ガ大學カラ、專門學校カラ出テ參リマシ
タ時ニ、此醫者ノ生活ヲ一體ドウスルカ、
要ラヌ所ニハ醫者ガウヨ〓〓シテ居ル、サ
ウシテ一方醫者モ食ヘナイヤウナ所デハ、
醫者ガ段々減ッテ、今カラ十年前ニハ醫者ノ
ナイ村々ハ二千村シカナカッタノガ、最近ニ
於テ三千四百ニナリ、內務省ガ三井ノ金デ
診療所ヲ作リマシタカラ、三千四百ニ減ッタ
ケレドモ、實際ハ三千四百、三千五百ト、
年々醫者ガ殖エルニ從ッテ、醫者ノ居ラヌ村
ガ殖エルト云フ此事實、醫療制度ソレ自體
ヲ改革シナケレバナラヌト云フ事實ヲ落シ
テ、支拂組合ガ出來タカラ-國民保險組
合ト云フモノハ藥價支拂ノ組合ナンダ、藥
價支拂ノ組合ガ出來タカラオ醫者サンガ落
著ク、是デ宜シイナント云フ、甘ッポイ考ヲ
持ッテ居ッタノデハ、國民ノ體格ハ斷ジテ良
クナラナイト云フコトヲ、私ハ斷言シテ憚
ラナイ者デアル(拍手)而モ私共ハ國民健康
保險法案ニ付テハ、勞働者健康保險ノ實例ニ
依ッテ考ヘナケレバナラナイガ、倫敦市會議
員ノ「ミリエル·レスター」女史ガ、日本ノ社
會事業ノ視察ニ參リマシタ時ニ、我ガ賀川豐
彥氏ニ向ヒマシテ、健康保險組合ガ自分ノ病
院ヲ持ッテ居ラナケレバ、オ醫者ニヤラレテ
是ハ酷イ目ニ邁フ、被保險者ノ利益ハ、自分
ノ病院ヲ持ッテ居ラナケレバ守レナイト云フ
コトヲ忠告シテ參リマシタ、此事例ト云フ
モノハ、卽チ私ハ國民健康保險制度ヲ布ク
ナラバ布イテ、一般ノ開業醫トモ契約ヲ致
シマスルケレドモ、其中ニ非營利ナ、協同
的ナ、計畫的ナ醫療利用組合ノ網ヲズット張
リマシテ、開業醫ガ若シ不誠意ヲ示スナラ
バ、之ニ依ッテ誠意ノアル診療ノ「モデル」ヲ
示スコトニ依ッテ、兩々相俟ッテ我國ノ醫療
ノ制度ノ進步ニ寄與スルコトガナケレバ、
此國民健康保險ハ殆ド私ハ手ヲ一本〓ギ取
ラレタト同ジ缺陷ヲ出スモノデアルト考ヘ
ザルヲ得ナイノデアリマス(拍手)
第二ニ私ハ勞働者健康保險ノ十年ノ實績
ニ鑑ミマシテ、竝ニ世界各國ニ於ケル健康保
險ノ成績ニ鑑ミマシテ、保險組合ガ成績ヲ
擧ゲルカ舉ゲナイカト云フコトハ、其組合
ノ經營ヲヤッテ居ル組合員ガ、互助的訓練ヲ
持ッテ居ルカ持ッテ居ラヌカノ一點ニ歸スル、
組合員ガ相互扶助ノ精神ヲ持タズ、互助的
訓練ヲ持ッテ居ラナイナラバ、保險組合ノ如
キハ、無責任ナル醫者ト組合員トニ依ッテ、
保險經濟ガ滅茶々々ニサレマスルコトハ、
勞働者健康保險ノ例ニ依ッテ明白デハナイ
カ、私ハ勞働者ノ健康保險ニ於テ、最初政
府ハ一人ノ罹病率ハ、一年ニ十七日ト云フ
勘定ヲ以テ計算シタ、然ルニ一寸面觀ガ出
來タト云ッテハ、藥ヲ貰ッテ休ミタイ、ソレ
ニ醫者ノ方デモ金ヲ取リタイカラ、之ヲ診
テヤルト云フ關係デ以テ、酷イ工場ノ如キ
ハ、平均シテ百五日病氣ニナッタ、十七日シ
カ平均ノ罹病率ハナイト云フ計算デ以テ統
計ガ出テ居ルニモ拘ラズ、不誠意ナ組合員
ト醫者ニ依ッテ百五日或ハ九十日、サウデナ
クトモ全國ヲ平均シテ三十何日ノ罹病率ニ
ナルト云フガ如キコトハ、卽チ保險經濟ノ
破壞ニ外ナラナイノデゴザイマシテ、之ヲ
阻止スルノ途ト云フモノハ、組合員ガ相互
扶助ノ精神ニ依リマシテ、自分ノ保險組合
デアル、自分ノ保險組合デアルト云フ信念
ノ下ニ相戒メテ、粗診濫療、所謂保險經濟
ノ濫用ヲ戒メマスルコトガ、卽チ保險ヲ持ッ
テ行ク所以デアル(拍手)勞働者健康保險ニ
於テ成績ノ良イ保險組合ト云フモノハ、工
場鑛山等ニ於テ、互助的訓練ノアル共濟組合
ヲ基礎トシテヤッテ居ル保險組合ハ、旨ク
行ッテ居リマスルケレドモ、サウデナイモノ
ハ旨ク行ッテ居ラナイ、今度ノ國民健康保險
組合ノ類似組合デアル埼玉縣越ケ谷ノ順正
會ハ、納稅組合ト云フ相互扶助組合ノ基礎
ガアッタカラ、アヽ云フ町ニ於テ旨ク行ッテ
居ルノデアル、卽チ互助的訓練ノアル組織
ノ上ニ保險組合ヲ作ルノデナケレバ、旨ク
行カナイトスルナラバ、日本ニ於キマシテ
ハ勞働組合、農民組合、共濟組合ハ一部分
的デアル、農村ニ於テ全面的ニアル互助的
訓練ノアル組織トスルナラバ、是ハ卽チ產
業組合デアルカラ、保險組合ハ卽チ其本質
ニ於テ產業組合ニ之ヲ代行セシムルコトガ、
保險經濟ヲ維持スル所ノ根本デアルト云フ
コトヲ、吾々ハ主張セザルヲ得ナイノデゴ
ザイマス(拍手)ソレハ單ニ產業組合ダケニ
ヤラセル必要ハナイ、商業組合、工業組合、
漁業組合等、互助的訓練ノアル組織ノ上ニ
依ラナケレバ、新シクポット持ッテ行ッテサウ
シテ、發起人ヲ作ッテ作リマシテモ、ソンナ組
合ハ私ハ一寸「インフルエンザ」ガ流行レバ
潰レテシマフ危險性ガアルト云フコトハ、
農村ノ實情カラ推シテ分リ切ッタ話デアル、
是レ故ニ吾々ハ互助的訓練ノアル組織トシ
テ保險組合ヲ生カス爲ニハ、第九條ヲ生カ
サナケレバナラヌト云フ點ガ、吾々ガ之ヲ
主張シテ居リマスル所ノ所以ナンデゴザイ
マツ、第二ニハ、實力ノアル團體ニヤラサ
ナケレバ、御醫者サンヘノ支拂ガ出來ナイ
ト云フコトデアル、四百軒、五百軒ノ農村
ニ於キマシテ、而モ平等ニ取ルノデハナイ、
金持ニハ餘計出シテ貰ヒ、貧乏人ハ少シ出
シマシテ、相互扶助ノ趣旨ニ依ッテ保險組合
ヲ經營スルノデアリマスガ、三百、四百ノ
村ヲ以テ、若シ「インフルエンザ」ガ一遍
流行ッタナラバ、保險組合ハ直グ破產シテ、
醫者へ拂ヘナクナルノデハナイカ、ダカラ
シテ吾々ハオ醫者サンヘノ、開業醫ヘノ支
拂ヲ確保スル爲ニモ、强力ナル、實力ノ
アル經濟的團體ニ代行セシメマシテ、若シ
「インフルエンザ」ガ流行ッテ、一箇月デ一
年分ノ醫療費ガ掛ッテシマッタナラバ、信用
組合ノ掛金ヲ出シテヤッテ、サウシテ出來秋
ニ米ヲ穫リマスレバ、ソレデ行クノデアリ
マスカラ、信用、販賣、購買、利用等ノ經
驗ト實力ヲ持ッタ產業組合ニ、之ヲ代行セシ
ムルニアラズンバ、私ハ保險經濟ガ維持出
來ナイト云フコトヲ皆サンニ愬ヘタイノデ
アル(拍手)此點ニ付テハ獨リ私ガ之ヲ言フダ
ケデハナイ、國民健康保險法ハ馬場前大藏
大臣ニ依ッテ、其査定ニ於テ一遍是ガ削除サ
レタノデアル、然ルニ吾々ハ國民健康保險
法ノ如キ、社會立法ガ削除サレルコトヲ殘
念ニ考ヘマシテ、吾々ノ同志賀川豐彥氏、
及ビ吾々ノ同僚龜井貫一郞君ナドガ、豫算
査定ノ忙シイ最中、夜中ニ馬場前大藏大臣
ニ會見致シマシテ、是ガ國策トシテ是非ヤ
ラナケレバナラナイコトヲ說イタノデアル、
然ルニ馬場前大藏大臣ハ、縣ニ二ツヤ三ツ
保險組合ガ出來タッテ、再保險ガシテナイ
カラ、「チブス」ガ流行レバ直グ其組合ハ潰
レルヂヤナイカ、「インフルエンザ」ガ流
行レバ直グ潰レルヂヤナイカ、其故ニ之ヲ
査定シテ削ッタノデアルト言ッテ居ラレタノ
デス、ソコデ、サウデハナイ、農村ニハ相
互扶助ノ團體トシテ產業組合ガアル、產業
組合ニハ信用組合聯合會ガアリ、其上ニ中
央金庫ガアル、デアルカラ一村ニ於テ〓ス
ンフルエンザ」ガ流行ッテ拂ヘナイト云フコ
トニナッテモ、直グ再保險ト同ジヤウナ形ヲ
以テ、信用組合聯合會カラ二万、三万ノ金
ハ出セル、中央金庫ダッテ金ハ出セル、サウ
シテ來年ノ出來秋ニ之ヲ取ルト云フコトガ
出來ル所ノ强イ制度ガアルノデアルカラ、
之ヲ基礎トサレルナラバ、保險經濟ハ十分
ニ立ツカラヤリナサイト言ッタ、ソコデ馬場
前大藏大臣ハ、ソレハ尤ダ、ソレヂヤ一ツ
ヤラウデハナイカト云フコトデ、今法制局
長官トナラレマシタ川越大藏次官ヲ越ケ谷
ノ順正會ノ視察ニヤラレマシテ、確ニ傳染
病ガ十分ノ一ニ減ッテ、町民ガ非常ニ喜ンデ
居ルト云フ、此事情ヲ參酌サレマシテ、サ
ウシテ豫算ヲ御認メニナリマシタノガ、卽
チ後ニナリマシテ第九條ガ挿入サレマシタ
所以デアリマス、私ハ皆サンニ此點ヲ御考
ヲ願ヒタイト考ヘルノデアリマス(拍手)卽
チ大藏省ガ之ヲ一遍削リマシタモノヲ認メ
マシタ根據モ、農村ノ實情ニ於テ產業組合
ニヤラセルナラバ、再保險モ十分ニ是ガ出
來ルト云フ經濟的觀念ニ於テ之ヲ通シタノ
デアル、之ヲ削除シタナラバ、「インフル
エンザ」ヤ色々ナモノガ流行リマシタ時ニ、
直チニ保險組合ハ其經濟ニ苦シンデ、オ醫
者サンニモ迷惑ヲ掛ケ、一般モ迷惑ヲシナ
ケレバナラヌト云フコトハ明白デアルト云
フコトヲ、大多數ノ、修成ニ贊成サレタ諸
君ニ私ハ愬ヘテ、警告ヲ發シナケレバナラ
ヌト考ヘルノデアル(拍手)而モソレノミデ
止マラナイノデゴザイマシテ、貧農ハ一體
ドウヤッテ拂フカ、日掛デ取ルモ宜シイ、月
掛デ取ルモ宜シイ、半年ヅヽ取ルモ宜シイ、
或ハ出來秋ニ
〔議長退席、副議長著席〕
取ルモ宜シイ、貧農ガ樂ニ拂ヘル方法ヲ以
テ保險金ヲ取ラナケレバ、此保險組合ハ役
ニ立タナイノデアリマス、所ガ病氣ハ出來
秋マデ待ッテ吳レナイ、出來秋ニナラヌ中ニ
病氣ニナッタ時ハドウスルカ、卽チ產業組合
ガ信用組合ノ金ヲ貸シテヤル、サウシテオ
醫者サンニ拂フ爲ニハ、卽チ納稅ト同ジ權
限ヲ以テ、保險金ヲ取立テル强イカヲ持ッテ
居ルナラバ、貧農ガ最高度ニ樂ニ拂ヘルヤ
ウニシテヤリマスコトハ、オ醫者サンノ爲
ニモ、農民ノ爲ニモ必要デアリマシテ、出
來ナイモノヲ-鼻血モ出ナイモノヲ、無
理ニ强制執行デ取立テルガ如キコトガアル
ナラバ、國民ノ爲ノ健康保險組合ガ、農民
怨嗟ノ的トナルコトヲ考ヘルナラバ、產業
組合ニヤラセルコトハ當然ノ話デアルト考
ヘザルヲ得ナイ、ソレカラ武知君モ申サレ
マシタ通リ、農村ニ於テハ團體ガ多過ギル、
同ジヤウナ目的ヲ持ッテ居ル農會ト產業組合
ト雖モ、會ヲ別ニシテ居ルカラ喧嘩スルノデ
アル、况ヤ一〓ニナッテヤラナケレバナラナイ
此國民健康保險組合ヲ、別ニ作ラシテ態々
喧嘩ヲサセル必要ガ一體何處ニアルカ、弱イ
モノヲ作リ、薄弱ナルモノヲ作リ、態々農
村ニ迷惑ヲ掛ケ、喧嘩ヲサセルヤウナ修正
ヲヤル奴モヤル奴、又之ニ同意サレル政府
ノ弱腰モ、吾々ハ實ニ痛憤ニ堪ヘナイト云フ
コトヲ、再ビ私ハ皆サンニ申上ゲテ置カナ
ケレバナラナイノデアル(拍手)隨テ吾々ハ
修正案ニ於テ、此九條ヲ削除サレルコトニ
不滿デアルノミナラズ、現存スル醫療組合
ト之ヲ限定スル如キコトハ、何等ノ理論的
根據ハナイノデアル、單ナル俗論ニ媚ビ、
單ナル外部ノ勢力ニ恐レテ、サウシテ此明
晰ナル社會立法ニ對シマシテ、其場逃レノ
妥協苟合ヲ事トシテ、斯ノ如キ立派ナ法ヲ
泥土ニ委スルガ如キ改惡ヲ爲スコトニ對シ
マシテハ、私ハ全農民ノ名前ヲ以テ、改惡
修正ヲナサレマシタ諸君ニ、其痛憤ノ情ヲ
再ビ私ハ此議場ニ於テ、國民ニ代ッテ皆サン
ニ申上ゲテ置キタイト思フノデアル(拍手)
更ニ醫師會ニ對シマシテ、團體契約ヲヤ
ルコトノイカヌト云フコトモ、勞働者健康
保險ノ例ニ於テ明白デアル、國民健康保險
組合ガ出來マスルナラバ、之ニ依ッテオ醫者
サンノ支拂ハ組合ガ拂フノデアル、今マデ
ノ農村ニ於キマシテハ、日本醫師會ノ調ニ
依ッテモ五割位ノ未拂ガアル、此未拂ヲ見
越シテ、高イ醫療費ヲ取ッテ居ラレマシタ
オ醫者サンガ、全部金ガ入ルヤウニナリ
マシタナラバ、相當ノ程度ニ之ヲ負ケラ
レナケレバ、國民ノ爲ノ健康保險カ、醫
者ニ搾ラレル爲ノ健康保險カ、分ラナク
ナルト云フコトハ、明白ナコトデアルト
言ハザルヲ得ナイ、私ハ農村ニ於ケルオ
醫者サンノ爲ニ、今ヨリモモウ少シ收入ヲ
殖ヤスト云フコトヲ考へルコトモ宜シイケ
レドモ、併ナガラ現在ノ醫師會ノ藥價ノ程
度デ以テ團體契約ヲ押付ケラレテ、實際ニ
儲ッタノハオ醫者サンダケデ、百姓ハ餘リ
利益ニナラナイト云フコトニナックノデハ、
劃期的社會立法ノ意義ガ何處ニアルカト云
フコトヲ疑ハザルヲ得ナイノデアル、而モ
斯ノ如キ問題ダケデナクシテ、團體契約ヲ
ヤリマスルト云フト、今日ノ日本醫師會ハ、
氣ニ入ラナイ診療機關ニハ診察ヲヤラセナ
イノデアル、御承知ノ通リ勞働者ノ健康保
險ハ、日本醫師會ト請負契約ニナッテ居リ
マスルガ、東京七千ノオ醫者サンノ中、醫
師會ノ幹部ノ氣ニ入ラナイモノ、或ハ實費
診療所、醫療組合其他ノ良イオ醫者サン、
斯ノ如キオ醫者サン三千人ハ保險醫ニナッテ
居ラナイ(拍手)團體契約ハ醫師自由選擇ノ
爲ニヤルノデアルト言ッテ居ラレルケレド
モ、團體契約ヲヤッタ爲ニ、醫師會ノ御機嫌
ノ惡イモノハ排斥シテ、七千人ノオ醫者サ
ンノ中、四千人シカ保險醫ニナッテ居ラヌト
云フ此事實ハ、醫師會ト團體契約ヲヤルト
云フト、今ノ日本醫師會ノ精神ヲ改メザル
限リ、實ハ醫師選擇ガ不自由ニナルト云フ
點ニ於テ、吾々ハ之ニ反對ヲシタノデアル、
吾々ハ斯ウ云フ意味ニ於キマシテ、所謂團
體契約ニ對シマシテモ反對デアリマシテ、
卽チ田中君ガ申サレマシタ如ク、廣イ範圍
ニ於ケル醫師選擇ニ付テハ文句ハナイケレ
ドモ、所謂醫師會ガ我儘ヲ押通スガ如キ團
體契約ニ對シテ反對セザルヲ得ナイノデア
リマス、而モ私ハ最後ニ結論ヲ申上ゲタイ
ト思フノデゴザイマスルケレドモ、本法案
ノ審議ヲ通ジマシテ、日本醫師會ガ魔ノ手
ヲ伸シテ、サウシテ有ユル策動ヲヤラレマ
シタコトニ付テハ、吾々ハ不快ノ念ヲ禁ジ
得ナイノデアル、本日一體何ノ資格ヲ以
テ、田中養達君ト云フ一番後カラ出ナケレ
バナラヌ人ガ、一番先ニ出ルコトガ出來タ
カ、委員會ニ於キマシテ、添田委員長ノ統
制ノ下ニ、理事諸君ノ打合セニ依ッテ、吾々
ハ此本議場ニ於テ演說ヲスルカラ、委員會
デハ單ニ贊否ノ意見ヲ現スト云フコトニ止
メタノデアル、サウシテ黨議トシテ民政黨
ハ贊成ニ纏メラレ、政友會モ修正案贊成ニ
纏メラレタノデアル、所ガ何ゾ圖ラン、黨議
トシテ贊成ニ纏メテ置キナガラ、民政黨員土
屋〓三郞君ガ、委員會ノ席上ニ於テハ少數意
見ヲ保留シナイニ拘ラズ、反對ナリト稱シ
テ質問ノ通〓ヲシ、醫師會ノ同業者デアル
田中養達君ニ之ヲ讓ッテ、北勝太郞君ノ發言
ヲ阻止セントスルガ如キコトハ、人權蹂躪
ニ大キナ聲デ反對シテ居ラレル諸君ノ態度
トシテ、實ニ私ハ不可解千萬デアルト申上
ゲザルヲ得ナイ、而モソレダケデハナイノ
デゴザイマス、一昨日デゴザイマシタカ、
民政黨ノ此國民健康保險問題ニ對シテ、黨
議ヲ決定サレル代議士會ニ於キマシテ、事
務員ノ徽章ヲ持ッテ入ッテ居ル民政黨ノ院外
團ガ、新聞記者ヲ毆付ケテ彼等ニ傷ヲ負ハ
シタ
〔發言スル者多ク議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=109
-
110・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 討論外ノ發言ハイ
ケマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=110
-
111・三宅正一
○三宅正一君(續) 諸君、事務員ト稱シテ
院外團ガ入リ、守衞ノ院內ニ於ケル警察權
ヲ、彼等ガ恣ニ行使シテ、サウシテ而モ私
共ガ不快ニ堪ヘナイ點ハ·····
(「討論外ノ發言ハ止セ」其他發言者多
ク議場騒然〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=111
-
112・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 討論外ノ發言ハイ
ケマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=112
-
113・三宅正一
○三宅正一君(續) 而モ吾々ガ不快ニ堪ヘ
ナイ點ハ、此國民健康保險ハ、其一事ニ依
テモ明白ナル如ク、外部ノ力ガ加ッテ、サウ
シテ內部ニ於ケル問題ガ漏レナイヤウニ、
新聞記者ヲ院外團ヲシテ毆打セシムルガ如
キ不祥ニ對シマシテ、吾々ハ議會ノ權威ノ
爲ニ甚シク·····
〔「脫線々々」其他發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=113
-
114・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 問題外ニ亙ッテハ
イケマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=114
-
115・三宅正一
○三宅正一君(續) 吾々ハ甚シク不快ヲ感
ジテ居ルト云フコトヲ申上ゲマシテ、吾々
ハ社會立法ガ何時デモ既存勢力ニ依ッテ妨
害サレテ、退職資金積立法モ、國民健康保
險法モ殆ド骨拔トナリ惡クナル、是ハ一體
誰ガヤッタカト云フコトハ、國民ガ能ク承知
シテ居ルノデアルト云フコトヲ申上ゲマシ
テ、院外團ガ新聞記者ヲ殿ッタリスルヤウ
ナ亂暴ナ事ヲ、將來議會ノ權威ノ爲ニヤラ
レヌヤウニ御願申シマシテ、私ノ反對意見
ヲ表明シテ置ク次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=115
-
116・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 犬養健君-犬養
君ハ居リマセヌカ
(「棄權々々」「進行々々」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=116
-
117・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 更メテ宣告シマス、
三善信房君
〔三善信房君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=117
-
118・三善信房
○三善信房君 私ハ只今上程セラレテ居リ
マスル國民健康保險法案其他二件ニ對シマ
シテ委員長ノ報告ニ贊成スル者デアリマス、
極ク簡單ニ其贊成ノ理由ヲ申上ゲテ見タイ
ト思フノデアリマス、本案ガ國民ノ健康ニ
關係スルモノデアリマスルガ故ニ、其審議
ニ當リマシテモ愼重審議ヲ重ネ、又其論議
ガ如何ニ熱心ニ行ハレタカト云フコトハ、
旣ニ皆サン御承知ノ通リデアルト思フノデ
アリマス、併ナガラ私共ハ或ハ外部ノ勢力
ニ壓倒サレ、其勢力ニ恐レテ此法案ヲ修正
シタデハナイカト云フ、一部ノ誤解モアリ
マスケレドモ、決シテ吾々ハ外部ノ勢力ニ
恐レ、サウ云フコトデ此審議ヲ致ス者デハ
ナイノデアリマシテ、卽チ國家國民全部ノ
幸福ヲ圖ランガ爲ニ、中正ノ立場ニ於テ愼
重審議致シテ此結論ニ達シタコトハ、諸君ニ
御諒承ヲ願ハナケレバナラヌト思フノデア
リマス(拍手)農村民ノ健康ガ不良デアリマ
スル所ノ其原因ハ幾多アルト思ヒマスルガ、
醫療機關ノ普及ガ不完全デアリマスルコト
ト、醫療費ノ支拂ガ困難デアルト云フノガ、
其原因ノ主ナルモノデアルト思フノデアリ
マス、隨テ私共ハ此二ツノ原因ヲ除去スル
コトニ努メナケレバナラヌノデアリマス、
曩ニ政府ハ無醫村ニ對シマシテ、醫療機關
ノ普及ヲ圖ルコトニ努メラレタノデアリマ
スルガ、是ハ洵ニ國家ノ爲ニ喜ブベキコト
デアルト思フノデアリマス、然ルニ最近醫
師ガ農村ヲ離レマシテ、都市ニ集中スルノ
傾向ガ著シク增加致シテ參ッタノデアリマス、
卽チ無醫村ノ數ガ年々增加シテ居リマスル
コトハ事實デアリマス、其無醫村ガ多クナ
リマシタル所ノ原因ヲ探究致シマスレバ、
結局スル所ハ經濟的ニ歸著スルモノデアリ
マシテ、農村ニ居ル所ノ醫師ガ立ッテ行カナ
イト云フノガ、農村ニ居ル所ノ開業醫ガ
都市ニ集中スル所以ナリト思フノデアリマ
ス、今ヤ此法案ニ對シマシテ醫者ト農村ノ
產業組合トガ、恰モ對立抗爭ノ情勢ニアリ
マスルガ、私ハソンナ爭ヒモ爲スベキ時デ
ハナイト思フノデアリマス、農村ハ今ヤ
疲弊困憊ノ結果、病氣ニ罹リマシテモ、醫
療ヲ受クルコトガ出來ズ、醫者モ收入ガナ
クナッテ、醫者ト病人トガ、全ク共倒レニナッ
テ居ルト云フノガ、今日農村ノ實情デアル
ト思フノデアリマス、此病人ヲ救ヒ、此醫
師ヲシテ安心シテ農村ニ留マリテ醫療ニ從
事セシメテ行クヤウニスルコトガ、本案ノ眼
目デナケレバナラヌト思フノデアリマス、
國民健康保險組合ヲ設置致シマシテ、國民
ノ健康ヲ保持增進スルコトニ付キマシテハ、
何人モ異論ガナイ所デアリマス、殊ニ本法
案ガ國民大衆ニ大ナル關係ヲ有ツ所ノ唯一
ノ社會立法デアリマスルカラ、一層其通過
ヲ希望シテ已マナイ次第デアリマス
而シテ是ガ實施サルヽ場合ニ於キマシ
テ、何人ガ其衝ニ當ルカト云フコトニ付キ
マシテ論議ガ行ハレテ居ルノデアリマス、
卽チ產業組合ガ中心ニナッテ之ヲ代行スル
カ、別ニ新ニ組合ヲ作ッテ保險組合ノ仕事
ノミヲ行ハシムルカ、或ハ又町村ニ於テ直
接之ヲ行フカ、此三ツガ論議ノ中心ニナッテ
參ッタト思フノデアリマス、而シテ其理由ハ
各〓相相ナ理由ガアリ、又一長一短ガアリマ
ス、元來農村ニハ醫療利用組合ガ組織セラ
レマシテ相當發逹ヲ爲シ、又社會的ニモ相
當貢獻ヲ致シテ居ルコトハ認メナケレバナ
ラヌト思フノデアリマス、隨テ其醫療利用
組合ガ全町村民ヲ組合員ト爲シ、而モ一般
ノ醫療機關ニ於テ醫師選擇ノ自由ヲ與ヘテ
居リマスルナラバ、全ク國民健康保險組合
ヲ設置致シマシタト同樣ナモノデアリマス
ルカラ、同一ノ町村ニ二重ノ組合ヲ設ク
ルノ必要モナイコトハ申ス迄モナイコト
デアルト思フノデアリマス、ソコデ斯ノ
如キ醫療利用組合ガアッテ其基礎ガ鞏固
デアリ、事業狀態ガ良好デアリ、而モ組
合ガ圓滿ナル發達ヲ爲シテ居リマスルナ
ラバ、之ニ代行セシムルコトハ敢テ不當
ニアラズト私ハ信ズル者デアリマス、尙ホ
農村ニハ現在法令ニ依リマシテ組織セラレ
タ所ノ農業團體ガ二十モアリマス、其他多
クノ他ノ團體ヲ加ヘマスレバ、四十ニ近イ
程ノ團體ガアリマス、是等ノ〓體ニ入ッテ居
リマスル者ハ、同ジ農民デアリマシテ先程
申サレマシタ通リニ、幾重ニモ團體員トシ
テソレ相當ノ負擔ヲ受ケナケレバナラヌノ
デアリマス、隨テ此團體ノ整理ヲ爲サナケ
レバナラヌト云フコトハ、今日世ノ中ニ叫
バレテ居ル所デアリマシテ、其叫バレテ居
ル今日ニ於キマシテ、更ニ新シキ團體ヲ作
ルヨリモ、現在ノ〓體ノ中デ、而モ產業組
合デ代行スルコトガ便利デアリ、且ツ當然
デアルト言ハレル所ノ、所謂農村側ノ意見
モ亦一應御尤ト言ハナケレバナラヌト思フ
ノデアリマス、併ナガラ之ニ反シマシテ、
國民ノ健康ト云フモノハ、總テ國運發展ノ
基礎ヲ成スモノデアッテ、今日ノ如ク國民ノ
保健衞生ガ區々ニ分レテ居ッテハナラナイ、
之ヲ統一セネバナラナイ、是ガ爲ニハ衛生省
設立サヘ叫バレテ居ル今日ニ於キマシテ、
統制アル所ノ獨立シタ鞏固ナル組合ヲ組織
スルコトガ必要デアルト云フ、其意見モ亦
一應尤ハ言ハナケレバナラヌノデアリマ
ス、併ナガラ私共ハ何時迄モ議論ヲ鬪ハシ
テ居ル譯ニハ參リマセヌ、又醫師團ト產業
組合トノ爭ノ爲ニ、本法案ガ不成立ニ終ル
ヤウナコトガアリマシタナラバ、國民大衆
ノ爲メ、殊ニ農村ノ醫療ニ惠マレザル者ノ
爲ニハ、洵ニ遺憾トスル所デアリマス拍
手)
ソコデ私共ハ大局的見地ニ立チマシテ、
右法案ニ對シマシテ、適當ナル修正ヲ加ヘ
テ是ガ通過ヲ希望スル者デアリマスガ、本
法施行ニ當リマシテハ、政府諸公ニ對シマ
シテ誤リナキヤウニ將來ノ注意ヲ喚起致シ
テ置キタイト思フノデアリマス、國民健康
保險ノ組合ハ、主トシテ農村ノ相互扶助ノ
精神ニ依リテ、自治的ニ設置セラルベキモ
ノデアリマシテ、保險料或ハ保險給付ノ內
容モ割一シナケレバナラヌ、此組合ノ運用
如何ガ直チニ其保險組合ノ發展スルト否ト
ニ重大ナル關係ヲ持ツノデアリマスルガ故
ニ、政府ハ一定ノ指導方針ヲ定メテ、誤リ
ナキヤウニサレナケレバナラヌト思フノデア
リマス、先ヅ其組織ニ當リマシテハ、組合ハ
全村民ヲ包含スル所ノ組合デナケレバナラ
ナイ、其一部ガ組合員トナラザルヤウナコト
ガアッテ、組合ノ基礎ヲ薄弱ニスルヤウナコ
トガアリマシタナラバ、將來其點ニ付テハ
大ニ愼ンデ行カナケレバナラヌト思フノデ
アリマス、醫師ノ選定ニ當リマシテハ、先
程カラモ屢〓言ハレマシタル通リニ、被保險
者ニ醫師ノ選擇ノ自由ヲ與ヘテ置カナケレ
バナラヌ、廣ク一般ノ醫師ニ對シテ自由選
擇ノ途ヲ與ヘルト云フノガ、又此法案實施
上最モ注意シナケレバナラヌ點ト思フノデ
アリマス
第三ニハ醫療費ハ輕費ノ診療ガアリマス
ケレドモ、診療費ヲ安ク致シマシタ爲ニ、
其醫療ノ內容ノ低下ヲ來スヤウナコトガア
リマシタナラバ、國民健康保健ノ實ヲ擧グ
ルコトガ出來ナイノデアリマスガ故ニ、此
點ハ特ニ政府ノ注意ヲ喚起スル者デアリマ
ス、農村ニ於ケル所ノ保險料ノ徵收ノ如キ
ハ、今日アル所ノ或ハ產業組合、或ハ農會、
其他ノ〓體ヲ利用シ、其他ノ團體ト相提携
シ連絡シテ、圓滿ナル協調ヲ圖ルヤウニシ
ナケレバナラヌト思フノデアリマス
最後ニ私ガ申上ゲテ見タイノハ、政府ハ
十二年度ヨリ十箇年計畫ヲ以テ健康保險組
合ノ設立ヲ普及シ、是ガ普及ノ曉ニハ二千
五百六十万人ノ被保險者ヲ組合員ト爲シ、
之ニ一千二百八十万圓ノ國庫ノ補助金ヲ交
付スルト云フコトデアリマス、政府ハ曩ニ
モ申サレタル通リニ、最初ノ年度ニハ一圓、
三年目カラ七十錢、五年目ヨラ五十錢ト云
フ風ニ、遞減シテ交付金ヲ支給スルト云フ
コトデアリマスガ、斯樣ナコトデハ此醫療
保險組合ノ目的ヲ達スルコトガ出來ナイト
思フノデアリマス、私共ガ屢〓申シマシタ通
リ、國民ノ健康不良ノ原因ハ、醫療機關ノ
偏在ト醫療費ノ重壓ニ在ルノデアリマス、
其根本原因ハ農村ノ疲弊困憊ト、生活不安
ガ其重大ナル原因デアリマス、此生活不安
ヲ一掃スルニハ、農村ノ收入、農村ノ所得
ノ增進ヲ圖ラナケレバナリマセヌ、而シテ
農村ノ收入、農村ノ所得ガ增進シ、農村ノ
經濟更生ガ出來、獨力デ醫療ヲ受ケルヤウ
ニナリマシタナラバ、或ハ醫療ニ對スル所
ノ政府ノ助成モ減額シテ宜シイノデアリマ
スケレドモ、今日ノ情勢ニ於キマシテ、直
チニ之ヲ半減セラルヽヤウナコトハ政府ニ
於テ大ニ考ヘラレナケレバナラヌト思フノ
デアリマス(拍手)國民健康保險組合ニ對ス
ル此助成金ハ、國家ノ衞生設備ガ整頓シ、
國民ノ衞生思想ガ向上シ、國民ノ健康ガ保
持增進セラレタル時ニ於テ、初メテ減額モ
必要デアルカモ知レマセヌガ、徒ニ減額セ
ンガ爲ニ減額スルガ如キハ、是ガ爲ニ患者
ノ一部負擔金ガ增加致シマシテ、國民健康
保險ノ目的ヲ達スルコトハ出來ナイノデア
リマス、吾々ハ曩ニ地方交付金ニ對シテ四
千五百万圓ノ增額ヲ主張シ、三千万圓ノ增
額ガ實現セラレタノデアリマス、是ハ農家
ノ負擔輕減ニナルモノデアリマス、然ルニ
中產以下、殊ニ家貧シウシテ醫療費負擔ノ
能力ナキ者ニ對シマシテハ、醫療費ノ補給
ト云フノハ、曩ニ吾々ガ要求シマシタ所ノ
地方交付金ヨリモ、更ニ切實ナル利害關係
ヲ有スルモノデアルト云フコトヲ考ヘナケ
レバナラヌト思フノデアリマス(拍手)政府
ハ此點ニ留意セラレズシテ、徒ニ保險金ニ
對スル助成ヲ減額セラルヽガ如キハ、國民
健康保險ノ目的ヲ達成スル所以デナイト思
ヒマスルガ故ニ、特ニ此點ニハ留意セラレ
ンコトヲ願フノデアリマス、而シテ私ハ委
員長ノ報告ニ對シテ贊成ヲ致ス者デアリマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=118
-
119・松永東
○松永東君 三案ニ對スル討論ハ此程度ヲ
以テ終局セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=119
-
120・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 只今松永君ヨリ討
論終局ノ動議ガ提出セラレマシタ、此動議
ノ採決ニ對シテハ椎尾辨匡君ヨリ記名投票
ノ要求ガアリマス、此要求ハ三十名以上ヲ
要シマス、要求者ノ起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=120
-
121・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 成規ノ要求者アリ
ト認メマス、仍テ記名投票ヲ以テ採決致シ
マス、是ヨリ記名投票ヲ行ヒマス、松永君
提出ノ討論終局ノ動議ニ贊成ノ諸君ハ白票
反對ノ諸君ハ靑票ヲ持參セラレタク存ジマ
ス-閉鎖-氏名點呼ヲ命ジマス
〔書記官氏名ヲ點呼ス〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=121
-
122・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 投票漏ハアリマセ
ヌカ--投票漏ナシト認メマス-投票函
閉鎖-開匣-開鎖
〔書記官投票ノ數ヲ計算ス〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=122
-
123・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 投票ノ結果ヲ書記
官長ヨリ報〓致サセマス
〔田口書記官長朗讀〕
投票總數二百十三
可トスル者白票百七十三
否トスル者靑票四十
〔拍手起ル〕
〔參照〕
松永東君提出三案ニ對スル討論ハ此ノ程
度ヲ以テ終局スヘシトノ動議ヲ可トスル
議員ノ氏名左ノ如シ
一宮房治郞君池田〓秋君
飯田助夫君服部英明君
原玉重君濱野徹太郞君
坂東幸太郞君西村丹治郞君
西田郁平君堀內良平君
本田英作君戶井嘉作君
戶澤民十郞君富田等平君
小野寅吉君小山倉之助君
大麻唯男君渡邊銕藏君
川崎克君川崎末五郞君
鏑木忠正君漢那憲和君
田中武雄君田中邦治君
高木条太郞君武知勇記君
添田敬一郞君津原武君
土屋寬君土田莊助君
鶴見祐輔君內藤正剛君
內藤久一郞君中亥歲男君
中井川浩君中村又一君
中崎俊秀君仲西三良君
長井源君長尾秀太郞君
南雲正朔君村岡吾一君
內ケ崎作三郞君氏家〓君
野田文一郞君野村嘉六君
工藤鐵男君八並武治君
山本厚三君山本条吉君
眞鍋儀十君松井郡治君
松村謙三君松永東君
古屋慶隆君古田喜三太君
小泉又次郞君小畑虎之助君
小林三郞君小山谷藏君
小柳牧衞君古藤增治郞君
駒井重次君寺島權藏君
靑木亮貫君荒川五郞君
佐澤定二君櫻內幸雄君
坂下仙一郞君木村淺七君
木下信君北原阿智之助君
喜多壯一郞君〓寛君
菊池良一君三好榮次郞君
宮澤胤勇君湊季松君
〓水留三郞君〓水德太郞君
斯波貞吉君信太儀右衞門君
平川松太郞君平野光雄君
最上政三君森下國雄君
百瀨渡君鈴木康太郞君
岩元榮次郞君猪野毛利榮君
石坂豐一君石坂養平君
服部岩吉君服部米次郞君
花城永渡君原口初太郞君
濱田國松君西川貞一君
小笠原八十美君小高長三郞君
尾崎天風君大野伴睦君
岡田伊太郞君若宮貞夫君
加藤鐐五郞君加藤賢司君
河上哲太君片山秀太郞君
田中源君田中好君
田中彌助君田尻藤四郞君
胎中楠右衞門君玉置吉之丞君
丹下茂十郞君坪山德彌君
土倉宗明君名川侃市君
中島知久平君永田良吉君
植原悅二郞君野田俊作君
工藤十三雄君久山知之君
國光五郞君八角三郞君
山田又司君山田佐一君
山口忠五郞君山崎猛君
山本芳治君松岡俊三君
松村光三君松野鶴平君
松木弘君益谷秀次君
深澤豐太郞君福井甚三君
小谷節夫君木暮武太夫君
紅露昭君高良宗七君
寺田市正君天辰正守君
芦田均君安藤正純君
佐保畢雄君木村作次郞君
菊池長右衞門君三善信房君
宮澤〓作君宮脇長吉君
宮古啓三郞君宮本雄一郞君
宮崎一君志賀和多利君
島田俊雄君島田七郞右衞門君
神保重吉君匹田銳吉君
森幸太郞君盛島明長君
門田新松君瀨川嘉助君
井阪豐光君熊谷五右衞門君
山口久吉君靑木精一君
岸田正記君三鬼鑑太郞君
森肇君龍正雄君
秋田〓君
否トスル議員ノ氏名左ノ如シ
伊禮肇君伊豆富人君
石坂繁君大竹貫一君
高岡大輔君野中徹也君
藏原敏捷君佐藤啓君
鈴木正吾君川村保太郞君
河上丈太郞君田万〓臣君
塚本重藏君黑田壽男君
松本治一郞君河野密君
安部磯雄君麻生久君
佐竹晴記君三宅正一君
水谷長三郞君鈴木文治君
今井新造君池崎忠孝君
岡幸三郞君加藤勘十君
田中耕君中原謹司君
前田幸作君小山亮君
北勝太郞君椎尾辨匡君
平野力三君大石大君
渡邊泰邦君田中養達君
木村武雄君由谷義治君
三浦虎雄君杉浦武雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=123
-
124・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 右ノ結果三案ニ對
スル討論ハ終局スルニ決シマシタ、第二讀
會ノ採決ニ入リマス、先ヅ第一ニ國民健康
保險法案ノ採決ヲ爲シ、次ニ保健所法案及
ビ結核豫防法中改正法律案ノ二案ヲ一括シ
テ採決致シマス-是ヨリ國民健康保險法
案ノ委員長ノ報〓ノ修正ノ部分ニ付キ採決
致シマス、此採決ニ對シテモ高岡大輔君ヨ
リ記名投票ノ要求ガアリマス、ソレニハ三
十名以上ノ要求ヲ要シマスガ、要求者ノ起
立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=124
-
125・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 正規ノ要求者アリ
ト認メマス、仍テ記名投票ヲ以テ採決致シ
マス、是ヨリ記名投票ヲ行ヒマス-國民
健康保險法案ノ委員長報告ノ修正ニ贊成ノ
諸君ハ白票、反對ノ諸君ハ靑票ヲ持參セラ
レンコトヲ望ミマス-閉鎖-氏名點呼
ヲ命ジマス
〔書記官氏名ヲ點呼ス)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=125
-
126・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 投票漏ハアリマセ
ヌカ-投票漏ナシト認メマス-投票函
閉鎖-開匣-開鎖
〔書記官投票ノ數ヲ計算ス〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=126
-
127・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 投票ノ結果ヲ書記
官長ヨリ報〓致サセマス
〔田口書記官長朗讀〕
投票總數二百六
可トスル者白票百七十八
否トスル者靑票二十八
〔拍手起ル〕
〔參照〕
國民健康保險法案委員會修正ヲ可トスル
議員ノ氏名左ノ如シ
一宮房治郞君池田〓秋君
飯田助夫君服部英明君
原玉重君濱野徹太郞君
坂東幸太郞君西村丹治郞君
西田郁平君堀內良平君
本田英作君戶井嘉作君
戶澤民十郞君富田等平君
小野寅吉君小山倉之助君
大麻唯男君渡邊銕藏君
川崎末五郞君勝正憲君
鏑木忠正君漢那憲和君
田中武雄君田中邦治君
高木条太郞君武知勇記君
添田敬一郞君津原武君
土屋寬君鶴見祐輔君
內藤正剛君內藤久一郞君
中亥歲男君中井川浩君
中村又一君中崎俊秀君
仲西三良君長井源君
長尾秀太郞君南雲正朔君
村岡吾一君紫安新九郞君
內ケ崎作三郞君氏家〓君
野村嘉六君工藤鐵男君
八並武治君山本条吉君
眞鍋儀十君松井郡治君
松村謙三君松永東君
吉田喜三太君小泉又次郞君
小畑虎之助君小林三郞君
小山谷藏君小柳牧衞君
古藤增治郞君駒井重次君
寺島權藏君靑木亮貫君
佐澤定二君櫻內幸雄君
坂下仙一郞君木下信君
北原阿智之助君喜多壯一郞君
〓寛君菊池良一君
三好榮次郞君宮澤胤勇君
湊季松君〓水留三郞君
〓水德太郞君斯波貞吉君
信太儀右衞門君平川松太郞君
平野光雄君最上政三君
森下國雄君百瀨渡君
鈴木康太郞君板谷順助君
岩元榮次郞君猪野毛利榮君
犬養健君石坂豐一君
石坂養平君服部岩吉君
服部米次郞君花城永渡君
原口初太郞君濱田國松君
西川貞一君小笠原八十美君
小高長三郞君尾崎天風君
大野伴睦君岡田伊太郞君
若宮貞夫君加藤鐐五郞君
加藤賢司君河上哲太君
片山秀太郞君田中源君
田中彌助君田尻藤四郞君
胎中楠右衞門君玉置吉之承君
丹下茂十郞君坪山德彌君
土倉宗明君名川侃市君
中島知久平君永田良吉君
植原悅二郞君野田俊作君
工藤十三雄君久山知之君
國光五郞君八角三郞君
山田又司君山田佐一君
山口忠五郞君山崎猛君
山本芳治君松村光三君
松野鶴平君松木弘君
益谷秀次君深澤豐太郞君
福井甚三君古河和一郞君
小谷節夫君木暮武太夫君
紅露昭君高良宗七君
寺田市正君天辰正守君
安藤正純君佐保畢雄君
木村作次郞君菊池長右衞門君
三善信房君宮澤〓作君
宮脇長吉君宮古啓三郞君
宮本雄一郞君宮崎一君
志賀和多利君島田俊雄君
島田七郞右衞門君神保重吉君
匹田銳吉君森幸太郞君
盛島明長君門田新松君
瀨川嘉助君井阪豐光君
山口久吉君靑木精一君
岸田正記君三鬼鑑太郞君
森肇君伊禮肇君
伊豆富人君石坂繁君
高岡大輔君野中徹也君
藏原敏捷君佐藤啓君
鈴木正吾君池崎忠孝君
岡幸三郞君椎尾辨匡君
瀧正雄君秋田〓君
否トスル議員ノ氏名左ノ如シ
川村保太郞君河上丈太郞君
片山哲君田万〓臣君
塚本重藏君黑田壽男君
松本治一郞君河野密君
安部磯雄君麻生久君
佐竹晴記君三宅正一君
水谷長三郞君鈴木文治君
今井新造君加藤勘十君
中原謹司君前田幸作君
小山亮君北勝太郞君
平野力三君大石大君
渡邊泰邦君田中養達君
木村武雄君由谷義治君
三浦虎雄君杉浦武雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=127
-
128・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 右ノ結果委員長報
〓ノ修正ノ部分ハ可決致シマシタ(拍手)委
員長報〓ノ修正ヲ除キタル部分ハ、原案ノ
通リ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=128
-
129・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メ
やっく、仍テ本案ハ委員長報告ノ通リ決シマ
シタ、次ニ保健所法案及ビ結核豫防法中改
正法律案ノ兩案ハ、委員長報告ノ通リ決ス
ルニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=129
-
130・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 起立多數-仍テ
兩案ハ委員長ノ報告通リ決シマシタ、是一
テ三案ノ第二讀會ハ終リマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=130
-
131・松永東
○松永東君 直チニ三案ノ第三讀會ヲ開カ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=131
-
132・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 只今ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=132
-
133・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 仍テ直チニ三案ノ
第三讀會ヲ開キ議案全部ヲ議題ニ供シマス
國民健康保險法案第三讀會
保健所法案第三讀會
〔內ケ崎作三郞君演說參照〕
本院ニ提出セラレタル議會圖書館竝議員事務室關係諸議案調
一、第四十六囘新議院構內ニ議員事務室設置ニ關スル建議案
第五十一囘議員事務室設置及圖書館擴張ノ件決議案
第五十二囘
一、第五十六囘議院法中改正法律案(帝國議會圖書館設立ノ件)
一、第五十六囘
一、第五十六囘
一、第六十四囘
一、第六十五囘
一、第六十七囘
結核豫防法中改正法律案第三讀會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=133
-
134・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 別ニ御發議ハアリ
マセヌ、仍テ三案共第二讀會決議ノ通リ可
決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=134
-
135・松永東
○松永東君 殘餘ノ日程ヲ延期シ、本日ハ
是ニテ散會セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=135
-
136・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 只今ノ動議ニ御異
アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=136
-
137・岡田忠彦
○副議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、次會ノ
日程ハ公報ヲ以テ通知致シマス、本日ハ是
ニテ散會致シマス
午後六時四十四分散會
北井波治目外二名提出
山口政二君外四名提出
議院建築速成竝附屬設備ノ計畫促進ニ關スル建議案
齋藤隆夫君外八名提出
高橋光威君外五名提出
出版法中改正法律案(帝國議會圖書館へ一部納本ノ件)
高橋光威君外五名提出
新聞紙法中改正法律案(帝國議會圖書館へ一部納本ノ件)
高橋光威君外五名提出
帝國議會圖書館竝議員事務室設置ニ關スル建議案
星島二郞君提出
帝國議會圖書館竝議員事務室設置ニ關スル建議案
篠原義政君外一名提出
帝國議會圖書館竝議員事務室完備ニ關スル建議案
蔭山貞吉君外三名提出
一、第六十七囘帝國議會圖書館竝議員事務室完備ニ關スル建議案
鈴木冨士彌君外二名提出
第六十七囘帝國議會圖書館竝議員事務室完備ニ關スル建議案
野田文一郞君外三名提出
憲法發布五十年記念事業トシテ
一、第六十七囘帝國議會圖書館竝議員事務室完備ニ關スル決議案
安藤正純君外六十一名提出
憲法發布五十年記念事業トシテ
第六十九囘帝國議會圖書館竝議員事務室完備ニ關スル建議案
小泉又次郞君外五十七名提出
一、第七十囘決議案(憲法發布五十年記念トシテ帝國議會圖書館竝議員事務室建
設ニ關スル)
議員專用廳舍建設ノ爲メ計上セラレタル經費及ビ其〓末
一、昭和十、十一、十二年、三ケ年繼續事業トシテ五十万圓計上可決セラレタルモ陸
橋竝地下道及ビ新聞記者事務所ノ建築ニ止メ建築ノ豫定ナリシ議員專用廳舍木造
二階建總延坪千五百坪ノ建築ハ見合セ中止セリ
二、昭和十二年度ニ於テ所謂馬場案ニ十二年度以降四ケ年繼續事業トシテ二百五十万
圓ノ計上ヲ見タルモ修正案ニ於テハ全部削除シ新ニ議員專用廳舍建設調査費ノ費
目ノ下ニ三万圓計上シアリ
馬場案計畫ノ〓略
議員專用廳舍三〇〇〇坪
圖書館八〇〇計四、四〇〇(鐵筋「コンクリート」造
新聞記者事務所六〇〇地階共四階建
米國議院圖書館
一、建物總延坪四万三千四百五十二坪(現在日本ノ帝國議事堂ノ約三倍)
建築費一千八百七十一万七千弗
卽チ約六千三百六十三万七千八百圓
一、書庫及書架
書庫一千万冊ヲ收藏シ得
書架總延長四百十四哩
一、藏書一九三六年六月三十日現在
五百二十二万七百九十四册圖書
百十五万四十四册パンフレット及樂譜
外ニ數十万册ノ歷史稿本ヲ藏ス
一ケ年增加圖書一九三五-三六二十二万八千二百八十四册
內法律書三十五万四千九百九册アリ其內約二万四千冊ハ議事堂ノ書架ニ展列ス
一、經常費一九三六-三七年度
二百五十万四千二十五弗
邦貨換算約八百七十八万七千四百二十一圓强
米國議員事務室
現在ノ米國議員事務室ハ三千三百五十八
万九千九百八十圓(九百八十七万九千四
百六弗)ヲ以テ一九三三年ニ完成セルモ
ノニシテ地下二階ハ機械室竝ニ食堂其他
賣店等ニ使用セラレ地上八階全部議員事
務室ニ充當セラル室數一一千五百十二室外
ニ委員室十六ヲ算シ議員ハ各自三室ヲ專
用シ書記二名タイピスト一名ヲ使用シ調
査資料ハ議院圖書館ヨリ豐富ナル材料ヲ
最新式ノ裝置ニヨリ直チニ提供セラレ專
念調査〓究ヲナシ得ル狀況ニ在リ
議會圖書館竝議員事務室計畫〓要及
建築費〓算
試ニ議院圖書館竝議員事務室ノ設計ニ關
シ吾人ノ所見ノ〓略ヲ述ブレバ先ヅ事務
金額備
圓
一八〇〇·〇〇〇延六〇〇〇坪、坪當三〇○圓
五〇〇·〇〇〇煖房、通風、
一〇〇·〇〇〇書架
一〇〇·〇〇〇通路附替
七五·〇〇〇地下道
二六〇·〇〇〇
四六〇·〇〇〇敷地買收費
一〇五·〇〇〇給料及事務費
計三、四〇〇·〇〇〇
此ノ建築費〓算
金額備
圓
三〇〇·〇〇〇一〇〇〇坪當參百圓
一五〇·〇〇〇
計四五〇·〇〇〇
故ニ總概算額三百八十五萬圓ヲ要ス
衆議院議事速記錄第二八號中
正誤
頁段行誤正
七四九四二七士氣指揮
室ハ一人一室ヲ理想トスルモ現下ノ財政
情態ニ鑑ミ出來得ル限リ規模ノ縮小ニ努
メ一室十坪四人共用トナシ百二十室壹千
貳百坪ノ實用面積ニ對シ總建坪貳千坪兩
院合シテ約四千坪ノ建物ヲ要ス次ニ圖書
館ハ議員事務室ノ作用ヲ效果的ナラシム
ル關係ヲ有スル以テ相當規模ノ施設ヲ
要スレドモ是亦單ニ間ニ合ヒ得ル程度ノ
計畫ニ止ムルモ尙且ツ書庫六百坪閱覽室
事務室壹千四百坪計貳千坪ノ建築ヲ要ス
之ヲ前記議員事務室四千坪ト合セ約六千
坪ノ建物ハ調査〓究機關ノ運用上最少限
度ノ要求ナリトス而シテ一般官廳並ノ建
築單價坪當貳百六拾圓ヲ記念事業トシ建
物內外多少ノ裝飾ヲナスモノトシ坪當參
百圓トシ附隨經費トノ〓算ヲ左ニ計上ス
考
其他諸施設
門、圍障、敷地整理、樹木移植其他雜工事及雜費
更ニ同時ニ建設スベキ帝國議會附屬ノ記者倶樂部ハ少クトモ壹千坪ノ建物ヲ必要トス
考
一〇〇〇坪ノ建物建設諸施設費一切ノ〓算発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007013242X03119370325&spkNum=137
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