1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十二年八月四日（水曜日）午前十時六分開議
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議事日程 第八號
昭和十二年八月四日
午前十時開議
第一 製鐵事業法案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第二 紀元二千六百年記念日本萬國博覧會抽籤券附囘數入場券發行に關する法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマ
ス
〔石橋書記官朗讀〕
昨三日本院ニ於テ採擇スルコトヲ議決シタ
ル島原鐵道買收ノ請願外二十一件ノ請願ハ
各〓意見書ヲ附シ卽日之ヲ政府ニ送付セリ
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通政府委員仰付
ケラレタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
第七十一囘帝國議會大藏省所管事務政府
委員
大藏書記官山際正道君
同迫水久常君
昭和十二年八月五日
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
昭和十二年度歲入歲出總豫算追加案第
二號)
昭和十二年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第二號)
昭和十二年度歲入歲出總豫算追加案第
三號)
昭和十二年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第三號)
製鐵事業法案
紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤
劵附囘數入場劵發行ニ關スル法律案
同日衆議院ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
大正十二年法律第五十二號中改正法律案発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、昨三日林平四郞君ヨリ都合
ニ依リ、船員法改正法律案特別委員辭任ノ
申出ガアリマシタ、之ヲ許可スルコトニ御
異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、其ノ補關ト致シマシテ內田重成君
ヲ指名致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第一、製鐵
事業法案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會吉野商工大臣
〔左ノ通牒文及法案ハ朗讀ヲ經サ
ルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之
ニ倣フ〕
製鐵事業法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年八月三日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院ノ修正)
製鐵事業法案
製鐵事業法
第一條本法ハ產業ノ發展及國防ノ整備
ヲ期スル爲本邦ニ於ケル製鐵事業ノ健
全ナル發達ヲ圖ルコトヲ目的トス
第二條本法ニ於テ製鐵事業ト稱スルハ
銑鐵、鋼鐵、鋼材(鍛鋼品及鑄鋼品ヲ
含ム)其ノ他ノ鐵鋼ノ製造及之ニ附隨
スル副生物ノ製造ヲ爲ス事業ヲ謂フ
前項ノ副生物ノ種類ハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
第三條製鐵事業ヲ營マントスル者ハ政
府ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ定
ムル製鐵事業ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
本法ニ定ムルモノノ外前項ノ許可ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條前條ノ許可ヲ受ケタル者(製鐵
事業者)ハ政府ノ指定スル期間內ニ其
ノ事業ヲ開始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ
限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコト
ヲ得
製鐵事業者前二項ノ期間內ニ其ノ事業
ヲ開始セザルトキハ前條ノ許可ハ其ノ
效力ヲ失フ
第五條製鐵事業者其ノ設備ヲ增設シ又
ハ變更セントスルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
第六條一ノ場所ニ於テ命令ノ定ムル所
ニ依リ一年十萬瓲以上ノ製銑能力及一
年十萬瓲以上ノ製鋼能力ヲ有スル設備
ヲ以テ營ム製鐵事業ハ土地收用法第二
條ノ土地ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得
ル事業トシ同法ヲ適用ス
第七條第三條ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ム
ル所ニ依リ政府ノ指定スル期間內ニ前
條ニ規定スル設備ヲ新設シタル製鐵事
業者ニハ設備完成ノ年及其ノ翌年ヨリ
十五年間其ノ設備ヲ以テ營ム製鐵事業
ニ付所得稅及營業收益稅ヲ免除ス
前項ノ製鐵事業者其ノ設備完成前其ノ
設備ノ一部ヲ以テ製鐵事業ヲ營ム場合
ニ於テモ其ノ事業ニ付所得稅及營業收
益稅ヲ免除ス但シ前項ノ規定ニ依ル期
間內ニ設備ヲ完成セザルトキハ此ノ限
ニ在ラズ
前二項ノ製鐵事業ヨリ生ズル所得又ハ
純益ガ法人ニ在リテハ各事業年度、個
人ニ在リテハ各年ノ資本金額ニ對シ年
百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額
ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ニ相當スル
所得又ハ純益ニ付テハ前二項ノ規定ヲ
適用セズ但シ所得稅法第十九條又ハ營
業收益稅法第八條ノ規定ノ適用ヲ妨ゲ
ズ
前項ノ資本金額ノ計算方法ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第八條第六條ノ規定ニ該當セザル設備
ヲ有スル製鐵事業者其ノ設備ニ付第五
條ノ增設ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ムル所
ニ依リ政府ノ指定スル期間內ニ第六條
ノ規定ニ該當スルニ至ルベキ設備ヲ增
設シタルトキハ其ノ增設シタル設備ヲ
以テ營ム製鐵事業ニ付前條ノ規定ヲ準
用ス
第六條ニ規定スル設備ヲ以テ營ム製鐵
事業者第五條ノ增設ノ許可ヲ受ケ命令
ノ定ムル所ニ依リ政府ノ指定スル期間
內ニ其ノ場所ニ於テ製銑又ハ製鋼ノ設
備ヲ增設シタルトキ亦前項ニ同ジ
第九條第三條ノ許可又ハ第五條ノ增設
ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ムル所ニ依リ政
府ノ指定スル期間內ニ一ノ場所ニ於テ
一年五千二百五十瓲以上ノ製鋼能力ヲ
有スル設備ヲ新設シ又ハ增設シタル鍛
鋼品又ハ鑄鋼品ノ製造事業者ニハ第七
條ノ規定ヲ準用ス
第三條ノ許可又ハ第五條ノ增設ノ許可
ヲ受ケ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ指
定スル期間內ニ一ノ場所ニ於テ一年二
千五百瓲以上ノ製銑能力又ハ製鋼能力
ヲ有スル設備ヲ新設シ又ハ增設シタル
低燐銑鐵鐵造事業者、增堝製鋼事業者
及電氣製鐵事業者ニ付亦前項ニ同ジ
第十條第三條ノ許可又ハ第五條ノ增設
ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ムル所ニ依リ政
府ノ指定スル期間內ニ砂鐵又ハ命令ヲ
以テ定ムル鐵鑛ノ製鍊ヲ目的トスル特
殊ノ設備ヲ新設シ又ハ增設シタル製鐵
事業者ニハ其ノ設備ヲ以テ營ム製鐵事
業ニ付第七條第一項及第二項ノ規定ヲ
準用ス
第十一條砂鐵又ハ前條ノ鐵鑛ヲ配合シ
テ製銑ヲ爲ス製鐵事業者ニハ配合ノ割
合ニ應ジ其ノ製鐵事業ニ付本法施行ノ
日ヨリ十五年間命令ノ定ムル所ニ依リ
所得稅及營業收益稅ヲ免除ス
第十二條北海道、府縣及市町村其ノ他
之ニ準ズベキモノハ本法ニ依リ(第七
條第三項但書ノ場合ヲ含ム)所得稅及
營業收益稅ヲ免除セラレタル製鐵事業
者ニハ第七條第三項ノ規定ニ依リ賦課
セラレタル所得稅及營業收益稅ノ附加
稅ヲ除クノ外其ノ免除セラレタル事業
ニ對シ又ハ其ノ免除セラレタル事業ニ
屬スル資本金額、從業者、營業用ノ工
作物若ハ物件、使用動力又ハ收入ヲ標
準トシテ課稅スルコトヲ得ズ但シ市町
村其ノ他之ニ準ズベキモノニシテ特別
ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル場
合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ前條ノ規定ニ依リ所得稅
及營業收益稅ヲ免除セラレタル事業ニ
ハ之ヲ適用セズ但シ其ノ事業ガ第七條
乃至第九條ノ規定ニ依リ所得稅及營業
收益稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキモ
ノナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十三條製鐵事業ヲ繼續スル者又ハ其
ノ事業ヲ繼續スルモノト認ムベキ事實
アル者ハ前製鐵事業者ガ本法ニ依ル所
得稅及營業收益稅免除期間內ニ在ルト
キハ其ノ期間ヲ承繼ス
第十四條帝國內ニ於テ製造シタル鋼材
ガ船舶ノ建造又ハ修繕ニ使用セラレタ
ル場合ニ於テハ政府ノ命令ノ定ムル所
ニ依リ其ノ鋼材ノ製造者ニ對シ奬勵金
ヲ交付スルコトヲ得
第十五條詐欺ノ行爲ヲ以テ前條ノ奬勵
金ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シテハ其ノ
金額ヲ返還セシム
前項ノ規定ニ依ル返還金ハ國稅滯納處
分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但
シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモノト
ス
第十六條第六條又ハ第十條ニ規定スル
製鐵事業ノ爲必要ナル器具、機械其ノ他
ノ材料ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸入スルト
キハ本法施行ノ日ヨリ十年間命令ノ定
ムル所ニ依リ輸入稅ヲ免除ス
第十七條製鐵事業者其ノ事業ノ全部又
ハ一部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止セント
スルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府
ノ許可ヲ受クベシ
製鐵事業者タル法人ノ合併又ハ解散ノ
決議ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認
可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼ
ズ
第十八條製鐵事業者鐵鋼ノ生產、販賣、
輸出、輸入、移出若ハ移入又ハ命令ヲ以
テ定ムル製鐵原料ノ購入ニ關シ統制協
定ヲ爲シタル場合ニ於テハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ之ヲ
變更シ又ハ廢止シタルトキ亦同ジ
第十九條前條ノ統制協定ヲ爲シタル者
ノ爲其ノ統制協定ニ基キ共同販賣其ノ
他共同ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
ヲ行フ者ハ命令ノ定ムル事項ヲ政府ニ
屆出ヅベシ
第二十條政府公益上必要アリト認ムル
トキハ製鐵事業者ニ對シ鐵鋼ノ供給數
量販賣價格又ハ販賣條件ノ變更其ノ
他鐵鋼ノ需給ノ圓滑又ハ價格ノ公正ヲ
圖ル爲必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
政府公益上必要アリト認ムルトキハ製
鐵事業者ニ對シ其ノ設備ノ擴張若ハ改
良又ハ作業方法ノ變更ヲ命ズルコトヲ
得
第二十一條政府軍事上必要アリト認ム
ルトキハ製鐵事業者ニ對シ製鐵ニ關ス
ル特殊事項ノ〓究又ハ特殊設備ノ施設、
命令ヲ以テ定ムル製鐵原料ノ保持其ノ
他軍事上必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十二條政府ハ第二十條第二項又ハ前條
ノ規定ニ依リ爲シタル命令ニ因リ生ジタル
損失ニ付勅令ノ定ムル所ニ依リ補償ヲ爲ス
コトヲ得
三
第二十二條政府ハ製鐵事業者ニ對シ其
ノ業務ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシメ其
ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處
分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當
該官吏ヲシテ製鐵事業者ノ事務所、營
業所、工場、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢
シ業務ノ狀況又ハ帳簿書類其ノ他ノ物
件ヲ檢査セシムルコトヲ得此ノ場合ニ
於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシ
之ゝ>
四
第二十三條政府ハ第三條第一項但書ノ
規定ニ依リ許可ヲ受クルコトヲ要セザ
ル製鐵事業ヲ營ム者ニ對シ命令ノ定ム
ル所ニ依リ其ノ設備ノ能力其ノ他必要
ナル事項ヲ屆出デシムルコトヲ得
五
第二十四條政府第三條ノ規定ニ依ル處
分又ハ第二十條ノ規定ニ依ル命令ヲ爲
サントスルトキハ製鐵事業委員會ノ議
ヲ經ベシ
製鐵事業委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
六
第二十五條製鐵事業者本法若ハ本法ニ
基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス
處分ニ違反シタルトキハ政府ハ其ノ業
務ヲ停止シ若ハ制限シ、第三條ノ許可ヲ
取消シ又ハ法人ノ役員ノ解任ヲ爲スコ
トヲ得
七
第二十六條第十九條ノ規定ニ該當スル
者ハ第十八條、第二十條第一項、第二
三
十二條又ハ前條ノ規定ノ適用ニ關シテ
ハ之ヲ製鐵事業者ト看做ス
八
第二十七條第三條ノ規定ニ違反シ許可
ヲ受ケズシテ製鐵事業ヲ營ミタル者ハ
五千圓以下ノ罰金ニ處ス
九
第二十八條第二十條又ハ第二十一條ノ
規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ三千
圓以下ノ罰金ニ處ス
三十
第二十九條第五條又ハ第十七條第一項
ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ事項ヲ許
可ヲ受ケズシテ爲シタル者ハ千圓以下
ノ罰金ニ處ス
第三十〓條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
三
-第二十二條第一項ノ規定ニ依ル報
告ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ報〓ヲ爲シ又
ハ監督上必要ナル命令若ハ處分ニ違
反シタル
三
二第二十二條第二項ノ規定ニ依ル當
該官吏ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ
忌避シ又ハ其ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲
サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第三十一條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リ
タル者本法ニ依ル職務執行ニ關シ知得
シタル個人又ハ法人ノ業務上ノ祕密ヲ
漏洩シ又ハ竊用シタルトキハ一年以下
ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十二條營業者ハ其ノ代理人、戶主、
家族、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務
ニ關シ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命
令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタ
ルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ
以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
四
第三十三條本法又ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者
ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ
法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年
者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代
理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年
者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
五
第三十四條第十八條又ハ第十九條ノ規
定ニ依ル屆出ヲ怠リ又ハ不正ノ屆出ヲ
爲シタル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
四
第二十三條ノ規定ニ依ル屆出ヲ怠リ又
ハ不正ノ屆出ヲ爲シタル者ハ百圓以下
ノ過料ニ處ス非訟事件手續法第二百六
條乃至第二百八條ノ規定ハ前二項ノ過
料ニ之ヲ準用ス
附則
六
第三十五條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
七
第三十六條製鐵業奬勵法ハ之ヲ廢止ス
八
第三十七條本法施行ノ際現ニ第三條ノ
規定ニ依リ許可ヲ受クベキ製鐵事業ヲ
營ム者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施
行ノ日ヨリ之ヲ同條ノ許可ヲ受ケタル
者ト看做ス
九
第三十八條前條ノ製鐵事業者ニシテ本
法施行ノ際現ニ其ノ設備ノ增設又ハ變
更ノ工事中ニ在ルモノハ命令ノ定ムル
所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ之ヲ第五條
ノ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
四十
第三十九條第三條ノ規定ニ依リ許可ヲ
受クベキ製鐵事業ヲ營ム爲本法施行ノ
際現ニ製鐵設備ノ建設工事中ニ在ル者
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日
ヨリ之ヲ同條ノ許可ヲ受ケタル者ト看
做ス
八
第四十〓條第三十七條ノ製鐵事業者ニシ
テ本法施行ノ際現ニ其ノ事業ノ全部又
ハ一部ヲ休止セルモノハ本法施行ノ日
ヨリ六月間ヲ限リ第十七條第一項ノ規
定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ
繼續スルコトヲ得
二
第四十一條本法施行ノ際現ニ製鐵業奬
勵法ニ依リ所得稅、營業收益稅及地方
稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ製鐵事
業ニ付テハ仍從前ノ例ニ依リ所得稅、
營業收益稅及地方稅ヲ免除ス
本法施行ノ際現ニ製鐵業奬勵法第二條
乃至第四條ノ規定ニ依ル認可ヲ申請中
ノ者ニ對スル所得稅、營業收益稅及地
方稅ノ免除ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依
ル
前二項ノ規定ノ適用ヲ受クル者第十一
條ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場
合ニ於テハ第十二條ノ規定ニ拘ラズ前
二項ノ規定ニ依リ地方稅ノ免除ヲ受ク
三
第四十二條本法施行ノ際現ニ第十條ニ
規定スル設備ヲ以テ製鐵事業ヲ營ム者及
同條ニ規定スル設備ノ新設又ハ增設ノ
工事中ニ在ル者ニハ本法施行ノ日ヨリ
十五年間命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ設
備ヲ以テ營ム製鐵事業ニ付所得稅及營
業收益稅ヲ免除ス
四
第四十三條製鐵業奬勵法ニ依リテ爲シ
タル認可、處分、手續其ノ他ノ行爲ハ
本法中之ニ相當スル規定アル場合ニ於
テハ本法ニ依リテ之ヲ爲シタルモノト
看做ス
五
第四十四條大正九年法律第十二號第七
條ノ二中「製鐵業奬勵法ニ定ムル能力」
ヲ「製鐵事業法ニ定ムル能力」三段六、
「看做シ」ノ下ニ「製鐵事業法第七條第
二
三項ノ金額又ハ製鐵事業法第四十一條
ノ規定ニ依リ適用セラルル」ヲ加フ
〔國務大臣吉野信次君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=4
-
005・吉野信次
○國務大臣(吉野信次君) 製鐵事業法案ノ
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、我ガ國ノ
製鐵事業ハ最近長足ノ進步發達ヲ遂ゲタノ
デアリマスガ、仔細ニ斯業ノ內容ヲ見マス
ト云フト、鐵ノ鑛石ハ固ヨリノコト、銑
鐵鋼材、屑鐵等ヲ年々相當多量ニ輸入致
シテ居ル有樣デアリマシテ、未ダ以テ外國
ニ賴ル狀態ヲ脫却シ得ナイノデアリマス、
從ヒマシテ速カニ鐵鋼ノ自給ヲ圖リ、以テ
產業上竝ニ國防上遺憾ナキヲ期シマスコト
ハ、製鐵國策ノ根本義ト存ズルノデアリマ
ス、政府ニ於キマシテモ、從前カラ此ノ目
的達成ノ爲ニ、色々ナ施設ヲ行ッテ參ッタノ
デアリマスガ、我ガ國ノ製鐵事業ノ現狀ヨ
リ致シマスルニ、此ノ際進ンデ、銑鋼一貫
作業ヲ徹底セシメ、其ノ他合理的設備ノ擴
張ニ便宜ナラシメ、外國ノ屑鐵ニ依存スル
ガ如キ設備ノ濫設ヲ戒メ、一方砂鐵デアリ
マストカ、貧鑛ナドノ國內ノ資源ノ利用奬
勵ヲ致シマシテ、原料資源ノ確保ニ努メ、
以テ斯業ノ健全ナル發達ヲ期スルコトガ肝
要デアルト考ヘルノデアリマス、又當面ノ
問題ト致シマシテハ、國防又ハ國家產業ノ
全局ノ利害ノ見地カラシテ、鐵鋼需給ノ調
節ヲ圖ルコトモ必要デアルト信ズルノデア
リマス、仍テ茲ニ從來ノ製鐵業奬勵法ヲ廢
止致シマシテ、之ニ代フルニ新タニ製鐵事
業法ヲ制定致シマシテ、斯業ニ對スル適切
ナル保護助長ノ施設ヲ講ジマスルト共ニ、斯業
ニ許可制度ヲ施行致シマシテ、之ニ適當ナル
監督ヲ加ヘムトスル次第デアリマス、此ノ
法案ハ御承知ノ通リ前ノ議會ニ提案シタノデ
アリマスルガ、今囘ハ之ニ二三ノ修正ヲ施
シマシテ再ビ提出致シマシタノデアリマス、
尙衆議院ニ於キマシテ本法案ノ一部ニ修正
ガゴザイマシタガ、是ハ政府ノ本法案運用
上ノ方針ヲ明カニシタ程度ニ過ギナイノデ
アリマスルカラ、政府ハ之ニ對シテ同意ヲ
表シマシタ次第デアリマス、何卒御審議ノ
上御協賛ヲ御願ヒ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=5
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006・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
製鐵事業法案ハ重要ナル法案デアリマスル
ガ爲、此ノ特別委員ノ數ヲ十八名トシ、其
ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=6
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007・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=7
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008・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=8
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009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
製鐵事業法案特別委員
公爵島津忠重君侯爵井上三郞君
伯爵樺山愛輔君子爵大久保立君
子爵曾我祐邦君子爵岩城隆德君
松村眞一郞君男爵菊池武夫君
男爵周布兼道君男爵伊藤一郞君
倉知鐵吉君次田大三郞君
堀啓次郞君各務鎌吉君
瀧川儀作君金子元三郞君
久恒貞雄君水野甚次郞君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=9
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010・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二、紀元
二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤劵附囘
數入場劵發行ニ關スル法律案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會、吉野商工大臣
紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽
籤劵附囘數入場劵發行ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十二年八月三日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
紀元二千六百年記念日本萬國博覽會
抽籤劵附囘數入場劵發行ニ關スル法
律案
第一條紀元二千六百年記念日本萬國博
覽會ヲ開設スル公益法人ハ抽籤劵附囘
數入場劵ヲ發行スルコトヲ得
第二條抽籤劵附囘數入場劵ノ發行價格
ハ編綴シタル入場劵ノ種類及枚數ニ應
ジ十圓ヲ超エザル範圍內ニ於テ之ヲ定
ムベシ
第三條當籤一箇ノ金額ノ最高額ハ抽籤
劵附囘數入場劵ノ發行價格ノ二百倍ト
ス
第四條抽籤劵附囘數入場劵ノ發行總額
ハ三千六百五十萬圓ヲ以テ限トス
第五條第一條ノ公益法人抽籤劵附囘數
入場劵ヲ發行セントスルトキハ主務大
臣ノ定ムル所ニ依リ發行ノ方法及條件
其ノ他必要ナル事項ヲ定メ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第六條抽籤劵附囘數入場劵ノ模造ニ關
シテハ通貨及證劵模造取締法ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣吉野信次君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=10
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011・吉野信次
○國務大臣(吉野信次君) 只今議題トナリ
マシタ法律案ノ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲ
マス、來ル昭和十五年ニ開催セラレマスル
日本萬國博覽會ハ、光輝アル紀元二千六百
年ヲ奉祝記念致シマスル我ガ國最初ノ萬國博
覽會デアリマシテ、廣ク海外諸邦ノ參同ヲ招
請致シマシテ、我ガ國體ノ尊嚴竝ニ我ガ產
業文化ノ眞髓ヲ中外ニ顯示セムトスル國家
的ノ大事業デアリマス、政府ニ於キマシテ
モ本博覽會ノ重要性ニ鑑ミマシテ、本博覽
會ノ計畫ヲ紀元二千六百年ノ奉祝記念事業
ノ一ツトシテ認メマスルト共ニ、商工省內
ニ特別ノ一ツノ課及委員會ヲ設ケマシテ、
之ガ指導監督、援助ニ努メ來ッタノデアリ
マス、而シテ本博覽會ノ開設ニ要シマスル
經費ハ、主催者側ノ計畫ニ依リマスルト云
フト三千四百五十萬圓ト相成ッテ居ルノデ
アリマスルガ、現時相當規模ノ萬國博覽會
ヲ開設致シマスルニハ、少クトモ右程度ノ
經費ヲ要スルノデアリマスカラ、政府ニ於
キマシテモ曩ニ昭和十二年度ノ豫算ヲ以チ
マシテ五十萬圓ノ國庫補助金ヲ交付スルコ
トト致シタコトハ御承知ノ通リデアリマス、
更ニ本事業ニ對シマシテ、廣ク國民ノ欣然
タル支持ト協力ヲ求メマスルガ爲ニ、本博
覽會ノ開設者ヲシテ抽籤劵附囘數入場劵ヲ
發行致サセルコトヲ適當ト存ジマシテ、此
ノ際特ニ本法ヲ制定セムトスルニ至ッタ次
第デアリマス、何卒愼重審議ノ上、御協贊
ヲ與ヘラレムコトヲ御願ヒ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=11
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012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ニハ質疑ノ
通〓ガゴザイマス、長岡隆一郞君
〔長岡隆一郞君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=12
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013・長岡隆一郎
○長岡隆一郞君 本員ハ只今ノ議題ト相成ツ
テ居リマスル紀元二千六百年記念日本萬國
博覽會抽籤劵附囘數入場劵發行ニ關スル
法律案ニ關シ、幾多ノ疑念ヲ有ッテ居ル者デ
ゴザイマス、只今ハ擧國一致國難ヲ打開ス
ベキ時勢デアリマスガ故ニ、我々ハ近衞內
閣ヲ助ケ既定ノ方針ニ基イテ、國難ノ打開
ノ爲ニ勇往邁進スルコトヲ期シテ居ルノデ
ゴザイマス、一體擧國一致トハ、帝國議會
ノ議員ガ歌ヲ忘レタ金絲雀ノ如ク、默々ト
シテ政府原案ニ盲從スル意味トハ思ヒマセ
又、問フベキコトハ之ヲ問ヒ、質スベキコ
トハ之ヲ質ス、公平無私ナル立場ニ於テ、
是ヲ是トシ非ヲ非トスルト云フコトガ、卽
チ議員ノ本分ナリト信ジマスルガ故ニ、敢
テ此ノ質問ヲ致スノデゴザイマス、本員
ハ博覽會開催ソレ自身ニ付テハ何等反對ス
ル者デハゴザイマセヌ、衷心ヨリ其ノ成功
ヲ希望スル一人デゴザイマス、併シナガラ
博覽會開催ガ必要ナリトセバ、之ニ關スル
經費ハ國費、地方費、寄附金、入場料等、
〓淨ナル經費ヲ以テ支辨スベキモノト存ジ
マス、〓淨ナル經費ヲ以テ支辨スベキモノ
ト思ヒマス、何ガ故ニ國民ノ射倖心ヲ挑撥スル
ガ如キ淨ラカナラザル財源ヲ以テ、紀元二
千六百年ノ記念スベキ萬國博覽會ノ經費ノ
一部ヲ支辨スルノデゴザイマセウカ、是レ
本員ノ質問ノ要點デゴザイマス、第一ニ司
法大臣ニ御伺シタイコトガゴザイマス、刑
法第百八十五條ニ曰ク「偶然ノ輸贏ニ關シ
財物ヲ以テ博戯又ハ〓事ヲ爲シタル者ハ千
圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス但一時ノ娛樂
ニ供スル物ヲ賭シタル者ハ此限ニ在ラズ」、
刑法第百八十六條ニ曰ク「常習トシテ博戯
又ハ賭事ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ
處ス、賭博場ヲ開張シ又ハ博徒ヲ結合シテ
利ヲ圖リタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役
ニ處ス」、第百八十七條ニ曰ク「富籤ヲ發賣
シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ
罰金ニ處ス、富籤發賣ノ取次ヲ爲シタル者
ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ
處ス、前二項ノ外富籤ヲ授受シタル者ハ三百
圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス」トゴザイマ
ス、私ハ司法大臣ニ對シ刑法條文ノ解釋論
ヲ伺ッテ居ルノデハゴザイマセヌ、特別法ガ
一般法ニ先ダッテ效力ヲ有スルコトハ本員モ
承知シテ居リマス、又本法案ニ依ル入場劵
購入者ガ、假令割增金ノ抽籤ニ當ラザル場
合ト雖モ、敢テ元本ヲ失フモノニアラザル
ガ故ニ、嚴格ナル意味ニ於テ富籤ニ該當セ
ザルコトモ是ハ能ク承知シテ居リマス、本
員ノ質問セムトスルコトハ、本案ガ刑法ノ
規定ノ精神ニ矛盾スルコトナキヤ否ヤト云
フコトデゴザイマス、刑法ニ於テ賭博ヲ罰
シ富籤ヲ刑スルハ、其ノ理由ノ主ナルモノ
ノ一ツハ、是等ノ行爲ガ國民ノ射倖行爲ヲ
挑撥シ、良風美俗ヲ害スル點ヲ取締ラムト
スルコトニアリト察スルノデアリマス、誠
ニ尤モナ規定デゴザイマス、凡ソ人ヲ殺ス
者ハ刑セラレ、物ヲ盜ム者モ罰セラル、罰
セラレテ犯人ガ甘ンジテ其ノ刑ニ服シ、世
人亦之ヲ怪シマザルハ、單ニ刑法ノ條章ニ
於テ人ヲ殺スコトヲ禁ジ、物ヲ盜ムコトヲ
罰スルガ故ノミデハゴザイマセヌ、我々社
會ノ通念ニ於テ是等ノ行爲ガ惡事デアル、
所謂國法ノ惡ナリト云フ信念ト常識トヲ有
スルガ故ト信ジマス、若シ惡事ヲ爲シタリ、
又ハ國法惡ヲ犯シタリトノ觀念ナクシテ刑
辟ニ觸レ、牢獄ニ繫ガルヽ者アリトセバ、
是レ印チ國法ノ權威ヲ輕カラシムルモノニ
アラズシテ何デゴザイマセウカ、政府ノ庇
護ノ下ニアル公益法人ハ、白晝公々然トシ
テ富籤類似ノ行爲ヲナシテ罰セラレズ、人
民之ヲ爲スニ依ッテ國法ニ依ッテ罰セラレル、
斯クノ如クニシテ國民ハ國法ノ下ニ悅服シ
之ヲ尊重スルヤ否ヤ、先例ヲ求ムレバ、先
ニ勸業債劵割增劵附ノ制度ガゴザイマス、
本員ノ記憶スル所ニ依リマスレバ、右ハ日
露戰役ノ當時民間ノ零細ナル資金ヲ吸收ス
ルト共ニ、庶民階級ノ貯蓄心ヲ刺戟スル爲、
尙又不動產金融ガ長期ニ亙リ利益少キ爲ニ、
低利ノ資金ヲ吸收スル必要アリテ行ハレタ
ル非常立法デゴザイマシテ、今日ニ於テハ
相當苦々シイ弊害ヲ伴ヒツヽアルヤウデゴ
ザイマス、割增金ノ最高金額ノ如キハ、漸次
之ヲ制限スル必要アリト考ヘラレルノデゴ
ザイマス、又本案ニ類似セル先例ト致シマ
シテ競馬法ガゴザイマス、馬劵ノ賣買ニ
依ッテ國民ノ射倖心ヲ刺戟シ、爲ニ產ヲ破
リ、自殺ヲ致シ、又ハ刑罰ヲ犯セル者枚擧
ニ遑アラズ、然リト雖モ馬劵ノ賣買ハ必ズシ
モ偶然ノ輸贏ニ關シ財物ヲ賭シタルモノト
ハ申シ難イノデアリマス、馬劵ヲ買フ者ハ
馬匹ノ血統、其ノ性能、過去ノ成績、騎手
ノ手腕力量等ニ付テ、正確ナル知識ヲ有ス
ル者ニアラザレバ必勝ヲ期スルコト能ハザ
ルモノデゴザイマス、本案ノ如キハ全然抽
籤ト云フ偶然ノ輪贏ニ依ルモノデゴザイマ
シテ、國民ノ射倖心ヲ挑撥スルコト甚ダ大
ナルモノアリト考ヘルノデアリマス、目的
ノ爲ニ手段ヲ擇バザルコトハ私人モ公人モ
共ニ戒ムベキコトデアリマス、殊ニ爲政者
ノ最モ戒ムベキコトト考ヘマス、產業奬勵
ノ爲ニ博覽會ヲ開催セラルヽコトハ結構デ
ゴザイマスケレドモ、之ガ費用ヲ支辨ス
ル爲ニ醇風美俗ヲ破壞セラルヽ必要何處ニ
アリヤ、或ハ虞ル、體育奬勵モ誠ニ結構ナ
コトデアル、若シ「オリムピック」ノ費用ヲ支
辨セラレルガ爲、同ジ當籤類似ノ方法ヲ執
ラレムトスル希望ガ出マシタ時ニ、政府ハ
果シテ之ヲ拒否セラルヽ理由アリヤ否ヤ、勿
論「オリムピック」大會ノ主催者ニ於テ、斯カ
ル不合理ナル希望ヲ有シ、大會ヲ冒瀆セラ
ルヽコトナキヲ確信致シマスガ、理論ハ同
一ト考ヘマス、理窟ノ上ニ於キマシテハ、
恐ラクハ斯クノ如ク致シマシタナラバ、止
マル所ヲ知ラズ、窮極スル所ハ國家財政ヲ
緩和スル爲ニ、政府自ラ富籤ヲ發賣スルガ
如キ、某外國ノ顰ニ倣フコトナキヤヲ恐ル
ルノデアリマス、司法當局ノ之ニ對スル所
見如何、第二ニ內務大臣ニ伺ヒタイノデゴ
ザイマス、明治四十二年八月十日、內務
省令第二十號「懸賞又ハ富籤類似其他射
倖方法提供ノ行爲制限」方ニ曰ク「懸賞又
ハ富籤類似其ノ他射倖ノ方法ヲ用ヰムコ
トヲ提供シ又ハ投票ヲ募集スルノ行爲ニ
シテ公安又ハ風俗ヲ害スルノ虞アリト認
ムル者ハ廳府縣長官(東京府ニ於テハ警視
總監)ニ於テ之ヲ禁止シ又ハ制限スルコト
ヲ得、前項禁止又ハ制限ヲ命セラレタル
場合ニ於テ其ノ命令ニ違背シタル者ハ三
月以下ノ懲役又ハ百圓以內ノ罰金情ヲ知
リテ其ノ行爲ニ附隨シテ寄贈ヲ申出又ハ
提供ヲ應諾シ若ハ投票ヲ行ヒ又ハ投票ノ結
果ニ依リ彰表物ヲ受ケタル者ハ科料ニ處ス」
トゴザイマス、而シテ內務省ニ於ケル內規
ハ賣上價格ノ二十倍ヲ限度トスルト聞イテ
居リマス、卽チ民間ノ百貨店若シクハ實業
諸團體ノ中元歲暮ノ福引ノ如キ、或ハ新聞
社其ノ他ニ於テ爲ス投票懸賞ノ如キ、何レ
モ發賣價格ノ二十倍以上ニ上ルコトヲ許サ
ズト聞キ及ンデ居リマス、二十倍云々ガ事
實ニ適スルヤ否ヤハ之ヲ知リマセヌケレド
〓、兎モ角モ發賣金額ノ二百倍、卽チ十圓
ニ對シテ二千圓ノ懸賞ヲ與フル如キコトハ、
內務省令ノ規定ニ比シ、其ノ懸隔餘リニ甚
ダシイノデハナイデセウカ、民間ノ二十倍
ハ公安風俗ヲ害シ、政府ノ庇護スル公益法
人ノ二百倍ハ公安風俗ヲ害セズト認メタル
理由如何、外國ニ於テハ政府自カラ賭博場
ヲ經營スル所アリ、地方公共〓體ニ於テ公
開ノ賭博場ヲ經營スル所アリ、又公衆ノ面
前ニ於テ之ヲ爲スニアラザレバ個人ノ賭博
ヲ罰セザル國モアリマス、然レドモ是等
ハ何レモ惡例ニシテ採ッテ以テ範トナスニ
足ラズ、世界ニ於テ我ガ國ノ賭博富籤ノ如
ク、檢擧ノ嚴重ナル所ハゴザイマセヌ、是
レ誠ニ結構ノコトト思ヒマス、然レドモ風
上ニ立ツ者ハ自カラ衣ヲ潔ウス、民ヲ戒ム
ル上ニ於テハ政府自カラ其ノ範ヲ示サザル
ベカラズ、楚王細腰ヲ好ンデ國中餓死多シ、
上ノ好ム所下亦之ニ倣フ、實ニ郵知シテ命ヲ
傳フルヨリモ速カデゴザイマス、政府ハ非常
時ニ際シ國民ニ一致團結ヲ說キ、國民精神
ノ作興ヲ說カレル御趣旨誠ニ御尤モデゴザ
イマシテ、本員ノ如キ微力ナガラ驥尾ニ附
シテ報國ノ誠ヲ效サムコトヲ期シテ居リマ
スル、併シナガラ一方ニ於テ質實剛健ノ美
風ヲ說カルヽト同時ニ、他方ニ於テ國民ノ
射倖心ヲ挑撥シ、良風美俗ヲ破壞セラレル
法律案ヲ提出セラレルガ如キハ、是レ同時
ニ矛ト盾トヲ賣ラルヽモノニ非ズシテ何ゾ
ヤ、政府ノ所見如何、言葉ハ少シ過ギルカ
モ存ジマセヌルケレドモ、昔ヨリ惡錢身ニ附
カズト申シマス、額ニ汗ヲ流シテ產ヲ成シ
タル者アルコトハ聞キマスルケレドモ、射倖
行爲ニ依リ得タル財物ニ依ッテ、生產的ニ產
ヲ成シタル例アルヲ聞キマセヌ、是等ハ多
ク不生產的ニ費消セラルヽヲ常ト致シマス、
殊ニ今囘ハ紀元二千六百年ヲ記念スル博覽
會デゴザイマス、是ハ淨財ヲ以テ支辨セラ
ルヽコトハ當然ト考へマス、國民ノ射倖行
爲ヲ挑撥スルガ如キ淨ラカナラザル財源ヲ
以テ、紀元二千六百年ヲ記念セラルヽガ如
キハ、果シテ皇祖皇宗ノ御遺德ヲ汚ス虞ナ
キヤ否ヤ、內務大臣ノ所見如何、以上ハ司
法大臣及內務大臣ニ對スル質問デゴザイマ
ス、商工大臣及同省當局ノ御考ハ私ニハ能
ク分ッテ居リマスルカラ、何等御質問ヲ申上
ゲテ居ル次第デハゴザイマセヌ、附加ヘテ
置キマス
〔國務大臣鹽野季彥君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=13
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014・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 長岡サンノ御質
問ニ對シテ御答ヲ致シマス、今囘ノ抽籤附
囘數劵ニ付キマシテ、其ノ類似ノモノト致
シマシテ刑法ニ規定致シテアリマスル賭博
竝ニ富籤ニ付テ、其ノ精神ヲ如何ニ見ルカ
ト云フ御尋ガアリマシタガ、御承知ノヤ
ウニ賭博若シクハ富籤ハ刑法ニ於キマシテ、
風俗ニ關スル犯罪トシテ取締ッテ居ルノデア
リマス、其ノ基本ハ射倖行爲デアリマセウ、
ソレニ依リマシテ生業ヲ怠リ、遊惰ノ民ヲ
多數ニ生ズルト云フコトヲ取締ルガ爲ニ、
刑法ガ之ヲ規定シテ居ルモノト考ヘテ居ル
次第デアリマス、今囘ノ抽籤附囘數劵ハ、
其ノ本質ニ於キマシテ賭博ニモアラズ、又
富籤ニモアラザルコトハ長岡サンノ御承知
ノ通リデアリマス、而シテ之ヲ度々繰返シ
テヤルト云フ······買フト云フ性質ノモノデ
モゴザイマセヌ、例ニ引カレマシタ勸業債
劵割增附ノ程度ノモノト考ヘラレルノデア
リマシテ、風俗ヲ害スル程度ニ及ブモノト
ハ考ヘテ居リマセヌ、尙斯カル記念ノ博覽
會ノ資金ノ調達ノ爲ニ、寄附金若シクハ國
庫ノ補助金ヲ以テスベキデアルト云フ御說
ニ付テハ誠ニ御同感デアリマスルガ、國庫
ノ補助ニ付キマシテハ遺憾ナガラ財政ノ狀
態ガ此ノ方面ニ迄十分手ヲ仲スコトノ出來
ナイ事情ガアルノデアリマシテ、從ッテ
此ノ記念スベキ事業ニ對シテノ資金ヲ得ル
爲ニハ、斯樣ナル方法モ亦一ツノ工夫デア
ルト考ヘラレルノデアリマス、射倖行爲其
ノモノハ本質的ニハ惡デハナイト考ヘテ居
ルノデアリマス、唯其ノ手段方法ニ依リマ
シテハ社會惡トナリマスルカラ、是ガ刑法
ニ於テ取締ヲ必要トスル、若シクハ他ノ行
政處分ニ於テ取締ヲ致シマスルガ、方法ガ
今囘ノ程度ニ於キマシテ、割增附ノ勸業債
劵程度ノモノデアリマスルカラシテ、之ニ
取締ル必要ハ毫モナイモノト考ヘテ居ル次
第デアリマス
〔國務大臣馬場鍈一君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=14
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015・馬場えい一
○國務大臣(馬場鍈一君) 紀元二千六百年
ノ博覽會ノ經費、之ヲ出來ルダケ國庫ガ補
助ヲ致シテ、其ノ他ハ入場劵ノ收入、或ハ
寄附金ノ收入ト云フモノデ支辨ヲ致シマス
コトハ理想デアリマス、併シナガラ今モ同
僚ヨリ述ベマシタ如クニ、金額ハ相當多額
デアル、之ニ對シテ今回ノ國家財政ノ上カ
ラ多額ノ補助ヲ致スコトハ出來ナイト云フ
事情、而シテ此ノ博覽會ハ成ルベク多數ノ
民衆ニ觀覽サシタイ、廣ク中外ニ亙ッテ、所
謂我ガ國產業文化ノ普遍的ノ宣揚ニ致シタ
イト云フ所カラ考ヘマスト、成ルベク多數
ノ者ニ見セタイノデアリマス、サウ云フヤウ
ナ考ヘ方カラ見マシテ、又玆ニ入場劵ノ多數
ニ賣レルト云フコトモ大イニ考ヘテ見ナケ
レバナラヌ、斯樣ナコトカラ如何ニシテ今
申シタ二ツノ事情ヲ、比較的弊害ノナイ方
法トシテ、入場劵ヲ賣リ出スト云フ方カラ
考ヘマスト云フト、此ノ程度ノ所謂抽籤劵
附割增金附ト言ヒマスカノ入場劵ヲ出ス
コトハ、今日ノ社會事情カラ見マシテモ、
敢テ公安ヲ害スルトカ、或ハ醇風美俗ヲ傷
ケルトカ云フ程度ノモノトハ考ヘラレナイ
デアリマス、勿論御示シニナッタ內務省令
ガ、大體內規ニ於テ發賣金ノ二十倍位ナ抽
籤劵ヲ附ケルト云フコトヲ原則トシテ制限
シテ居リマスノハ、是ハ多數諸處ニ行ハル
ル盆暮ノ商店賣出シ「デパートメント」ノ賣
出シトカ、或ハ地方ノ博覽會等デ入場劵ニ於
テ抽籤劵ヲ附ケルヤウナ場合デアリマスカ
ラ、是ハ餘程取締ッテ參ラヌト云フト、往々
ニシテ弊害ガアリマスカラ、大體二十倍位
ナ所ニ內規的ニ決メテ居ルノデアリマスガ、
今囘ノ如ク一時的ナコトデアッテ、而モ私ガ
先程申述ベタヤウナ事情ガアリト致シマシ
タナラバ、之ヲ以テ此ノ博覽會ノ主催團體
ガ、適當ナル政府ノ監督ノ下ニ發賣シテ參
ルコトハ、別ニ公安風俗ヲ害スルト云フコ
トモナク、又必ズシモ之ガ不淨ノ財デアル
ト云フコトニ考フベキモノデナイト考ヘル、
元々ガ入場劵ノ收入デアリ、入場劵ヲ廣ク
賣リ出ス爲ニ、或程度ノ射倖心ヲ利用スル
ト云フニ止マルノデアリマス、是レアルガ
爲ニ二千六百年ノ博覽會ヲ不淨ノ財ヲ以テ
主催スルト云フコトニハ相成ラヌト考ヘラ
レルノデアリマス、是ハ勿論御意見ノアル
ベキ問題トハ考ヘマスガ、政府ガ玆ニ提案
ヲ致シテ居リマス考ヘ方ハ、右述べタヤウ
ナ次第デアリマスノデ、長岡君折角ノ御議
論デアリマスガ、政府ト致シマシテハ此ノ
案ヲ、是非協贊ヲ與ヘラレルヤウニ望ンデ
居ル次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=15
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016・長岡隆一郎
○長岡隆一郞君 甚ダ簡單デゴザイマスカ
ラ當席カラ發言スルコトノ御許可ヲ願ヒタ
イト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=16
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017・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 宜シウゴザイマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=17
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018・長岡隆一郎
○長岡隆一郞君 只今兩大臣ヨリ御懇篤ナ
ル御答辯ガゴザイマシタガ、此ノ御答辯ニ
ハ感謝致シマスルケレドモ、御答辯ノ趣旨
ニハ承服致スコトハ出來マセヌ、極端ニ申
セバ支離滅裂ナ御答辯ト考ヘマス、併シナ
ガラ是レ以上申上ゲマスルコトハ討論ニ亙
リマスルカラ差控へマス、何レ他ノ機會ニ
於テ改メテ詳細ニ付テ御質問ヲ致シタイト
思ヒマス、本會議ニ於ケル質問ハ此ノ程度
ニ止メテ置キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=18
-
019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 質疑ノ通告ハ是
ニテ終リマシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=19
-
020・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題ニナリマシタ
紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤劵
附囘數入場劵發行ニ關スル法律案ハ、是亦
重大ナル法案デアリマスルガ故ニ、其ノ特
別委員ノ數ヲ十五名トシ、其ノ指名ヲ議長
ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=20
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021・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=21
-
022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=22
-
023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔角倉書記官朗讀〕
紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤
劵附囘數入場劵發行ニ關スル法律案特別
委員
侯爵大隈信常君侯爵山階芳麿君
伯爵橋本實斐君關屋貞三郞君
子爵大河內輝耕君子爵曾我祐邦君
子爵綾小路護君有吉忠一君
男爵井田磐楠君黑崎定三君
男爵橋元正輝君松村義一君
丸山鶴吉君長岡隆一郞君
中村圓一郞君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=23
-
024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程ハ是ニテ終
了致シマシタ、次會ノ議事日程ハ決定次第
彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、本日ハ是ニ
テ散會致シマス
午前十時四十二分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007103242X00819370804&spkNum=24
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