1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十二年七月二十九日(木曜日)
午後一時二十四分開議
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議事日程 第四號
昭和十二年七月二十九日
午後一時開議
第一 農村負債整理資金特別融通及損失補償法案(政府提出) 第一讀會
第二 人造石油製造事業法案(政府提出) 第一讀會
第三 帝國燃料興業株式會社法案(政府提出) 第一讀會
第四 製鐵事業法案(政府提出) 第一讀會
第五 船員法改正法律案(政府提出) 第一讀會
第六 陪審法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第七 紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤券附囘數入場券發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第八 關税定率法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第九 昭和七年法律第四號中改正法律案(輸入税の從量税率に關する件)(政府提出) 第一讀會
第十 大正十四年法律第五十一號中改正法律案(關東州の生産に係る物品の輸入税免除に關する件)(政府提出) 第一讀會
第十一 鐵の輸入税免除に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十二 大正九年法律第五十三號中改正法律案(關税法及關税定率法等の朝鮮に於ける特例に關する件)(政府提出) 第一讀會
第十三 昭和十二年勅令第百三十號(鐵の輸入税免除に關する件)(承諾を求むる件) 第一讀會
第十四 刑事補償法中改正法律案(中村高一君外十名提出) 第一讀會
第十五 大正十二年法律第五十二號中改正法律案(司法官試補及辯護士の資格に關する件)(手代木隆吉君外三名提出) 第一讀會
第十六 大正十二年法律第五十二號中改正法律案(司法官試補及辯護士の資格に關する件)(紅露昭君外三名提出) 第一讀會
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〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一政府より提出せられたる議案左の如し
(第二號)昭和十二年度歳入歳出總豫算追加案
(特第二號)昭和十二年度各特別會計歳入歳出豫算追加案
關税定率法中改正法律案
昭和七年法律第四號中改正法律案(輸入税の從量税率に關する件)
大正十四年法律第五十一號中改正法律案(關東州の生産に係る物品の輸入税免除等に關する件)
鐵の輸入税免除に關する法律案
大正九年法律第五十三號中改正法律案(關税法及關税定率法等の朝鮮に於ける特例に關する件)
昭和十二年勅令第百三十號(鐵の輸入税免除に關する件)(承諾を求むる件)
(以上七月二十八日提出)
一議員より提出せられたる議案左の如し
大正十二年法律第五十二號中改正法律案(司法官試補及辯護士の資格に關する件)
提出者
紅露昭君 原惣兵衞君
立川平君 泉國三郎君
陪審法中改正法律案
提出者
牧野賤男君 砂田重政君
立川平君 熊谷直太君
名川侃市君 中井一夫君
牧野良三君 鈴木英雄君
上田孝吉君
陪審法中改正法律案
提出者
野田文一郎君 平川松太郎君
岡本實太郎君
勞働者思想統一機關設置に關する建議案
提出者
江藤源九郎君 山崎常吉君
赤松克麿君 小池四郎君
安藤孝三君
度量衡法改正に關する建議案
提出者
東武君 福井甚三君
八田宗吉君 宮澤裕君
砂防工事促進に關する建議案
提出者
宮本雄一郎君 匹田鋭吉君
小笠原三九郎君 松木弘君
猪野毛利榮君 芦田均君
依光好秋君 篠原義政君
小谷節夫君 河野一郎君
土倉宗明君 箸本太吉君
立川平君
茶業振興に關する建議案
提出者
宮本雄一郎君 井上知治君
山口忠五郎君 宮崎一君
深澤豐太郎君 三善信房君
塩川正藏君
酒精製造國營工場設置に關する建議案
提出者
宮本雄一郎君 山口忠五郎君
深澤豐太郎君 塩川正藏君
大井川改修工事促進に關する建議案
提出者
宮本雄一郎君 山口忠五郎君
深澤豐太郎君 塩川正藏君
安倍川沿岸及水源地帶砂防工事施行促進に關する建議案
提出者
宮本雄一郎君 深澤豐太郎君
山口忠五郎君 塩川正藏君
牛淵川改修區域擴張竝工事促進に關する建議案
提出者
宮本雄一郎君 山口忠五郎君
深澤豐太郎君 塩川正藏君
(以上七月二十八日提出)
一去二十七日近衞内閣總理大臣より左の通發令ありたる旨の通牒を受領せり
内閣紀元二千六百年祝典事務局長 歌田千勝
第七十一囘帝國議會政府委員被仰付
文部省專門學務局長 男爵 山川建
文部省普通學務局長 藤野惠
教學局長官 菊池豊三郎
第七十一囘帝國議會文部省所管事務政府委員被仰付
一昨二十八日近衞内閣總理大臣より左の通發令ありたる旨の通牒を受領せり
内閣東北局長 桑原幹根
第七十一囘帝國議會政府委員被仰付
大藏省銀行局長 入間野武雄
大藏省爲替局長 上山英三
大藏省書記官 尾關將玄
大藏省書記官 久保文藏
第七十一囘帝國議會大藏省所管事務政府委員被仰付
農林省農務局長 小濱八彌
農林省山林局長 原辰二
農林省水産局長 三宅發士郎
農林省米穀局長 荷見安
第七十一囘帝國議會農林省所管事務政府委員被仰付
遞信省電氣局長 大和田悌二
第七十一囘帝國議會遞信省所管事務政府委員被仰付
拓務省管理局長 棟居俊一
拓務省殖産局長 植場鐵三
拓務省拓務局長 安井誠一郎
第七十一囘帝國議會拓務省所管事務政府委員被仰付
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=0
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001・小山松壽
○議長(小山松壽君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、日程第一、農村負債整理資金特別融通
及損失補償法案ノ第一讀會ヲ開キマス-
農林大臣有馬賴寧君
第農村負債整理資金特別融通及損
失補償法案(政府提出)第一讀會
農村負債整理資金特別融通及損失補償
法案
農村負債整理資金特別融通及損失補
償法
第一條市町村又ハ產業組合中央金庫ハ
負債整理事業ヲ助成スル爲必要アリト
認ムルトキハ負債整理組合又ハ農村負
債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債
整理事業ヲ行フ法人ニ對シ主務大臣ノ
定ムル所ニ依リ特別融通ヲ爲スコトヲ
得
產業組合中央金庫ノ爲ス前項ノ特別融
通ハ所屬信用組合ガ農村負債整理組合
法第八條ノ規定ニ依リ負債整理事業ヲ
行フ場合又ハ所屬信用組合ガ其ノ組合
員タル負債整理組合若ハ農村負債整理
組合法第八條ノ規定ニ依リ負債整理事
業ヲ行フ法人ニ對シ負債整理資金ヲ融
通スル場合ニ於テ命令ノ定ムル所ニ依
リ其ノ信用組合ニ對シ之ヲ爲スモノト
ス
日本勸業銀行、農工銀行又ハ北海道拓
殖銀行(以下融資銀行ト稱ス)ハ負債整
理組合ノ組合員、農村負債整理組合法
第八條ノ規定ニ依り負債整理事業ヲ行フ
法人ノ組織者又ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ負債ノ整理ヲ爲ス者ニ對シ主務大臣
ノ定ムル所ニ依リ特別融通ヲ爲スコト
ヲ得
第二條市町村、產業組合中央金庫又ハ
融資銀行ガ前條ノ規定ニ依リ特別融通
ヲ爲スコトヲ得ル期間ハ本法施行ノ日
ヨリ十年間トシ其ノ融通ノ期限ハ本法
施行ノ日ヨリ二十五年ヲ超ユルコトヲ
得ズ
第三條融資銀行ガ第一條ノ規定ニ依ル
特別融通ヲ爲ス場合ニ於ケル貸付金額
ハ日本勸業銀行法第十八條又ハ農工銀
行法第十條ノ規定ニ拘ラズ其ノ擔保タ
ル不動產ニ付鑑定シタル價格以內トス
第四條產業組合中央金庫特別融通及損
失補償法第三條及第四條ノ規定ハ產業
組合中央金庫ガ第一條ノ規定ニ依ル特
別融通ヲ爲ス場合ニ、不動產融資及損
失補償法第四條及第五條ノ規定ハ融資
銀行ガ第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ
爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第五條北海道府縣ハ第一條ノ規定ニ依
ル特別融通ヲ爲スニ因リ市町村ガ損失
ヲ受ケタルトキ之ニ對シ其ノ特別融通
總額ノ十分ノ三以內ノ金額(市町村ニ
對スル損失補償金)ヲ補償スルノ契約
ヲ爲スコトヲ得
政府ハ前項ノ損失補償ノ契約ニ基キ北
海道府縣ガ損失補償ヲ爲シタルトキ之
ニ對シ其ノ市町村ニ對スル損失補償金
ノ三分ノ二ニ相當スル金額ヲ補給スル
ノ契約ヲ爲スコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ北海道府縣ガ市町
村ニ對シテ爲ス損失補償ノ契約ニ於テ
ハ北海道府縣ノ市町村ニ對スル損失補
償金中其ノ六分ノ一ニ相當スル金額ヲ
當該市町村ニ於テ負擔スベキ旨ヲ定ム
ベシ但シ特別ノ事由アルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ市町村ノ負擔スベキ金
額ノ割合ニ付別段ノ定ヲ爲シ又ハ市町
村ヲシテ負擔ヲ爲サシメザルコトヲ得
第六條政府ハ第一條ノ規定ニ依ル特別
融通ヲ爲スニ因リ產業組合中央金庫又
ハ融資銀行ガ損失ヲ受ケタルトキハ產
業組合中央金庫ニ對シテハ其ノ特別融
通總額ノ十分ノ三以內、融資銀行ニ對
シテハ其ノ特別融通總額ノ十分ノ二以
內ノ金額ヲ補償スルノ契約ヲ爲スコト
ヲ得
第七條第五條第一項及前條ノ損失ヲ決
定スル基準ハ主務大臣大藏大臣ニ協議
シテ之ヲ定ム
第八條第五條第二項及第六條ノ規定ニ
依ル政府ノ補給金及補償金ノ總額ハ一
億二千萬圓ヲ超ユルコトヲ得ズ
第九條第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ
爲シタルニ因リ市町村、產業組合中央
金庫又ハ融資銀行ノ受ケタル損失及其
ノ額ハ負債整理資金特別融通損失審査
會之ヲ決定ス
負債整理資金特別融通損失審査會ニ關
スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條第五條第二項及第六條ノ契約ニ
基キ政府ガ北海道府縣、產業組合中央
金庫及融資銀行ニ對シ支拂フベキ補給
金又ハ補償金ハ國債證劵ヲ以テ之ヲ交
付スルコトヲ得
第十一條政府ハ前條ノ規定ニ依リ交付
スル爲必要ナル額ヲ限度トシ公債ヲ發
行スルコトヲ得
第十二條本法ニ依リ交付スル國債證劵
ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣
之ヲ定ム
第十三條本法中町村トアルハ町村制ヲ
施行セザル地ニ於テハ之ニ準ズベキモ
ノトス
附則
第十四條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十五條農村負債整理組合法第三章ヲ
削ル
從前ノ農村負債整理組合法第二十六條
ノ規定ニ依ル特別融通ニ關シテハ仍從
前ノ例ニ依ル但シ同法第三十一條第一
項ノ規定ニ依ル決定ハ本法第九條ノ負
債整理資金特別融通損失審査會之ヲ行
フ
第十六條農村負債整理組合法第七條ニ
左ノ一項ヲ加フ
負債整理組合ガ命令ノ定ムル所ニ依リ
其ノ事業遂行ノ爲必要ナル土地ヲ取得
スル場合亦前項ニ同ジ
同法第八條第二項及同法第十六條中
「六年間」ヲ「十三年間」ニ改ム
第十七條登錄稅法第十九條但書中「第
十四號乃至第十六號」ヲ「第十四號乃至
第十七號」ニ改メ同條第十五號及第十
六號ヲ左ノ如ク改ム
十五市町村、產業組合中央金庫、信用
組合、日本勸業銀行、農工銀行、北海
道拓殖銀行、負債整理組合又ハ農村
負債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ
負債整理事業ヲ行フ法人ノ負債整理
ノ爲ノ資金貸付ノ場合ニ於ケル抵當
權ノ取得ノ登記
十六市町村、產業組合中央金庫、信
用組合、負債整理組合又ハ農村負債
整理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債
整理事業ヲ行フ法人ヨリ負債整理ノ
爲ノ資金ノ貸付ヲ受ケタル者ガ其ノ
貸付ノ條件ヲ具備セザルニ至リタル
場合ニ於ケル市町村、產業組合中央
金庫、信用組合、負債整理組合又ハ
農村負債整理組合法第八條ノ規定ニ
依リ負債整理事業ヲ行フ法人ノ所有
權ノ取得ノ登記
十七負債整理組合又ハ農村負債整理
組合法第八條ノ規定ニ依リ負債整理
事業ヲ行フ法人ノ同法第七條第二項
ニ規定スル場合ニ於ケル土地所有權
ノ取得ノ登記
〔國務大臣伯爵有馬賴寧君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=1
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002・有馬頼寧
○國務大臣(伯爵有馬賴寧君) 農村負債整
理事業ハ昭和八年八月實施以來既ニ四年ヲ
經過致シマシテ、相當ノ實績ヲ擧ゲツヽア
ルノデアリマスガ、之ヲ全國的ニ見マスト
未ダ十分ナリト言フヲ得ナイノデアリマシ
テ、更ニ本事業ヲ擴大强化スルノ必要ガ認
メラレルノデアリマス、農山漁村ニ於ケル
中小產者ノ負債ハ尙ホ四十一億ノ巨額ニ達
シマシテ、此負債ニ因ル重壓ヲ除クノデナ
ケレバ、農山漁村民ノ更生ハ到底望マレナ
イノデアリマシテ、此際負債整理制度ヲ更
ニ擴大致シマシテ、今後一層其普及促進ヲ
圖リマスコトハ洵ニ急務トスル所デゴザイ
マス、仍テ政府ハ玆ニ本案ヲ提出致シマシ
タ次第デアリマス、本案ノ要旨ト致シマ
スル所ハ、政府ノ損失補償ニ依リマシテ負
債整理資金ヲ融通スル機關トシテ、市町村
ノ外、產業組合中央金庫、日本勸業銀行、
農工銀行及ビ北海道拓殖銀行ヲ認メマシテ、
是ト同時ニ市町村ヲ經由シテ負債整理資金
ヲ融通スル場合ノ政府ノ損失補償ノ割合ヲ
增加シ、是等ニ對スル政府ノ損失補償金
ノ總額ヲ一億二千万圓ト致シマシテ、相當
多額ノ資金ヲ融通致シマシテ、以テ負債整
理事業促進ノ徹底ヲ圖ルコトト致シタノデ
アリマス、何卒愼重御審議ノ上御協贊アラ
ンコトヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=2
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003・小山松壽
○議長(小山松壽君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=3
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004・中山福藏
○中山福藏君 本案ハ議長指名十八名ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=4
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005・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=5
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006・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
二乃至第四ハ便宜上一括議題ト爲スニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=6
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007・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、日程第二、人造石油製造事業法案、日
程第三、帝國燃料興業株式會社法案、日程
第四、製鐵事業法案、右三案ヲ一括シテ第
一讀會ヲ開キマス-商工大臣吉野信次君
第二人造石油製造事業法案(政府
提出)第一讀會
第三帝國燃料興業株式會社法案政
府提出)第一讀會
第四製鐵事業法案(政府提出)
第一讀會
人造石油製造事業法案
人造石油製造事業法
第一條本法ハ液體燃料ノ供給ヲ確保ス
ル爲人造石油製造事業ノ確立ヲ圖ルコ
トヲ目的トス
第二條人造石油製造事業ヲ營マントス
ル者ハ政府ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ人造石油製造事業ノ範圍及許可
ニ關シ必要ナル事項ハ本法ニ定ムルモ
ノノ外勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條前條ノ許可ヲ受クルコトヲ得ベ
キ者ハ帝國法令ニ依リ設立シタル株式
會社ニシテ其ノ株主ノ半數以上、取締
役ノ半數以上、資本ノ半額以上及議決
權ノ過半數ガ帝國臣民又ハ帝國法令ニ
依リ設立シタル法人ニ屬スルモノニ限
ル
前項ノ法人ハ其ノ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本ノ
半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人
又ハ外國法人ニ屬セザルモノナルコト
ヲヨハ
前條ノ許可ヲ受ケタル者前二項ノ規定
ニ該當セザルニ至リタルトキハ許可ハ
其ノ效力ヲ失フ
第四條第二條ノ許可ヲ受ケタル會社(人
造石油製造會社)ハ政府ノ指定スル期
間內ニ其ノ事業ヲ開始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ
限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコト
ヲ得
人造石油製造會社前二項ノ期間內ニ其
ノ事業ヲ開始セザルトキハ第二條ノ許
可ハ其ノ效力ヲ失フ
第五條人造石油製造會社ノ營ム人造石
油製造事業ハ土地收用法第二條ノ土地
ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得ル事業ト
シ同法ヲ適用ス
第六條人造石油製造會社ニハ命令ノ定
ムル所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ十年間
其ノ事業ニ付所得稅及營業收益稅ヲ免
除ス
第七條北海道、府縣及市町村其ノ他之
ニ準ズベキモノハ前條ノ期間人造石油
製造會社ニハ其ノ事業ニ對シ又ハ其ノ
事業ニ屬スル資本金額、從業者、製造
若ハ加工ノ用ニ供スル器具機械類、使
用動力又ハ收入ヲ標準トシテ課稅スル
コトヲ得ズ
第八條人造石油製造會社其ノ事業ノ爲
必要ナル器具、機械又ハ材料ヲ政府ノ
認可ヲ受ケ輸入スルトキハ本法施行ノ
日ヨリ七年間命令ノ定ムル所ニ依リ輸
入稅ヲ免除ス
第九條政府ハ人造石油製造會社ニ對シ
命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造シタル
人造石油ニ付奬勵金ヲ交付スルコトヲ
得
第十條詐欺ノ行爲ヲ以テ前條ノ奬勵金
ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シテハ其ノ金
額ヲ返還セシム
前項ノ規定ニ依ル返還金ハ國稅滯納處
分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但
シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモノト
ス
第十一條人造石油製造會社ハ事業擴張
ノ場合ニ於テ政府ノ認可ヲ受ケ其ノ事
業ニ屬スル設備ノ費用ニ充ツル爲株金
全額拂込前ト雖モ其ノ資本ヲ增加スル
コトヲ得
第十二條人造石油製造會社ハ政府ノ認
可ヲ受ケ其ノ事業ニ屬スル設備ノ費用
ニ充ツル爲商法第二百條ノ規定ニ依ル
制限ヲ超エテ社債ヲ募集スルコトヲ得
但シ社債ノ總額ハ拂込ミタル株金額ノ
二倍ヲ超ユルコトヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存ス
ル財產ガ拂込ミタル株金額ニ滿タザル
トキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
第一項ノ規定ニ依リ募集スル社債ニ付
テハ工場抵當法ニ依リ會社ノ事業ニ
屬スルモノヲ抵當ト爲スコトヲ要ス但
シ特別ノ事情アル場合ニ於テ政府其ノ
必要ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
第十三條人造石油製造會社ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ政府ノ認
可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ
亦同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ事業計畫
ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十四條人造石油製造會社其ノ事業ノ
全部又ハ一部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休
止セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ
依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
人造石油製造會社ノ合併又ハ解散ノ決
議ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十五條政府ハ人造石油製造會社ニ對
シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ
爲サシムルコトヲ得
政府ハ人造石油製造會社ニ對シ其ノ業
務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ
發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當
該官吏ヲシテ人造石油製造會社ノ事務
所營業所、工場、貯油所其ノ他ノ場
所ニ臨檢シ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳
簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢查セシムルコ
トヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示
ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十六條政府公益上必要アリト認ムル
トキハ人造石油製造會社ニ對シ人造石
油ノ販賣價格ノ變更其ノ他販賣ニ關シ
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
政府公益上必要アリト認ムルトキハ人
造石油製造會社ニ對シ其ノ設備ノ擴張
若ハ改良又ハ製造方法ノ改善ヲ命ズル
コトヲ得
第十七條政府軍事上必要アリト認ムル
トキハ人造石油製造會社ニ對シ人造石
油ノ製造ニ關スル特殊設備ノ施設其ノ
他軍事上必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ
得
第十八條人造石油製造會社ハ其ノ所有
スル人造石油ヲ政府ガ命令ノ定ムル所
ニ依リ時價ヲ標準トシテ購入セントス
ルトキハ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十九條政府第二條ノ處分又ハ第十六
條ノ規定ニ依ル命令ヲ爲サントスルト
キハ液體燃料委員會ノ議ヲ經ベシ
液體燃料委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第二十條人造石油製造會社本法若ハ本
法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ
爲ス處分ニ違反シタルトキハ政府ハ其
ノ業務ヲ停止シ若ハ制限シ、第二條ノ
許可ヲ取消シ又ハ取締役若ハ其ノ職務
ヲ行フ監査役ノ解任ヲ爲スコトヲ得
第二十一條第二條ノ規定ニ違反シ許可
ヲ受ケズシテ人造石油製造事業ヲ營ミ
タル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十二條人造石油製造會社第十六條
又ハ第十七條ノ規定ニ依ル命令ニ違反
シタルトキハ其ノ取締役又ハ其ノ職務
ヲ行フ監査役ヲ三千圓以下ノ罰金ニ處
ス
第二十三條人造石油製造會社左ノ各號
ノ一ニ該當スルトキハ其ノ取締役又ハ
其ノ職務ヲ行フ監査役ヲ千圓以下ノ罰
金ニ處ス
一第十三條第一項ノ規定ニ違反シ認
可ヲ受ケザル事業計畫ヲ實施シタル
トキ
二第十三條第二項ノ規定ニ依ル命令
ニ違反シ事業計畫ヲ變更セズシテ之
ヲ實施シタルトキ
三第十四條第一項ノ規定ニ依リ許可
ヲ受クベキ事項ヲ許可ヲ受ケズシテ
爲シタルトキ
四第十五條第二項ノ命令又ハ處分ニ
違反シタルトキ
第二十四條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
-第十五條第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ
爲サズ又ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタル者
二第十五條第三項ノ規定ニ依ル當該
官吏ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌
避シ又ハ其ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サ
ズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第二十五條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リ
タル者本法ニ依ル職務執行ニ關シ知得
シタル個人又ハ法人ノ業務上ノ祕密ヲ
漏洩シ又ハ之ヲ竊用シタルトキハ一年
以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十六條人造石油製造會社ハ其ノ代
理人、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務
ニ關シ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命
令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタ
ルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ
以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第二十七條本法又ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者
ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他
ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成
年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定
代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成
年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ
付テハ此ノ限ニ在ラズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ人造石油製造事業ヲ營
ム者ハ本法施行ノ日ヨリ一一年ヲ限リ命令
ノ定ムル所ニ依リ第二條ノ規定ニ拘ラズ
其ノ事業ヲ營ムコトヲ得
第十五條第一項第三項、第二十四條、第
二十六條及第二十七條ノ規定ハ前項ノ規
定ニ依リ人造石油製造事業ヲ營ム者ニ之
ヲ準用ス
石油業法第八條第一項中「石油業委員會」
ヲ「液體燃料委員會」ニ改メ同條第二項ヲ
削ル
帝國燃料興業株式會社法案
帝國燃料興業株式會社法
第一章總則
第一條帝國燃料興業株式會社ハ人造石
油製造事業ノ振興ヲ圖ル爲必要ナル事
業ヲ營ムコトヲ目的トスル株式會社ト
ス
第二條帝國燃料興業株式會社ノ資本ハ
一億圓トシ內五千萬圓ハ政府ノ出資ト
ス
帝國燃料興業株式會社ハ政府ノ認可ヲ
受ケ其ノ資本ヲ增加スルコトヲ得
第三條帝國燃料興業株式會社ハ株金全
額拂込前ト雖モ其ノ資本ヲ增加スルコ
トヲ得
第四條帝國燃料興業株式會社ノ株金ノ
第一囘拂込金額ハ株金ノ十分ノ一迄下
ルコトヲ得
第五條帝國燃料興業株式會社ノ株式ハ
記名式トシ政府、公共團體、帝國臣民
又ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業
務ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本
ノ半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外
國人又ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限
リ之ヲ所有スルコトヲ得
第六條帝國燃料興業株式會社ノ存立期
間ハ設立登記ノ日ヨリ五十年トス但シ
政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ延長スルコトヲ得
第七條帝國燃料興業株式會社ニ非ザル
モノハ帝國燃料興業株式會社又ハ之ニ
類似ノ名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコト
ヲ得ズ
第二章役員
第八條帝國燃料興業株式會社ニ總裁副
總裁各一人、理事三人以上及監事二人
以上ヲ置ク
第九條總裁ハ帝國燃料興業株式會社ヲ
代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副總裁ハ總裁事故アルトキハ其ノ業務
ヲ代理シ總裁缺員ノトキハ其ノ職務ヲ
行フ
副總裁及理事ハ總裁ヲ補助シ帝國燃料
興業株式會社ノ業務ヲ分掌ス
監事ハ帝國燃料興業株式會社ノ業務ヲ
監査ス
第十條總裁及副總裁ハ政府之ヲ命ジ其
ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主中ヨリ株主總會ニ於テ二倍
ノ候補者ヲ選擧シ政府其ノ中ヨリ之ヲ
命ジ其ノ任期ハ四年トス
監事ハ株主中ヨリ株主總會ニ於テ之ヲ
選任シ其ノ任期ヲ三年トス
第十一條總裁、副總裁及理事ハ他ノ職
務又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ
政府ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ
在ラズ
第三章營業
第十二條帝國燃料興業株式會社ハ人造
石油製造事業ニ對スル投資ヲ爲スモノ
トス
帝國燃料興業株式會社ハ政府ノ認可ヲ
受ケ前項ノ事業ノ外人造石油ノ製造又
ハ販賣其ノ他本會社ノ目的達成上必要
ナル諸事業ヲ營ムコトヲ得
第四章燃料興業債劵
第十三條帝國燃料興業株式會社ハ拂込
ミタル株金額ノ三倍ヲ限リ燃料興業債
劵ヲ發行スルコトヲ得
燃料興業債劵ヲ發行スル場合ニ於テハ
商法第二百九條ニ定ムル決議ニ依ルコ
トヲ要セズ
第十四條燃料興業債劵ヲ發行セントス
ル場合ニ於テハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十五條政府ハ燃料興業債劵ノ元本ノ
償還及利息ノ支拂ニ付保證スルコトヲ
得
第十六條燃料興業債劵ハ無記名式トス
但シ應募者又ハ所有者ノ請求ニ因リ記
名式ト爲スコトヲ得
第十七條燃料興業債劵ノ所有者ハ帝國
燃料興業株式會社ノ財產ニ付他ノ債權
者ニ先チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル
權利ヲ有ス
第十八條帝國燃料興業株式會社ハ社債
借換ノ爲一時第十三條ノ制限ニ依ラズ
燃料興業債劵ヲ發行スルコトヲ得此ノ
場合ニ於テハ發行後一月以內ニ其ノ社
債總額ニ相當スル舊燃料興業債劵ヲ償
還スベシ
第五章準備金
第十九條帝國燃料興業株式會社ハ每營
業年度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補
フ爲利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立テ
且利益配當ノ平均ヲ得シムル爲利益金
額ノ百分ノ二以上ヲ積立ツベシ
第六章監督及助成
第二十條政府ハ帝國燃料興業株式會社
ノ業務ヲ監督ス
第二十一條帝國燃料興業株式會社借入
金ヲ爲サントスルトキハ政府ノ認可ヲ
受クベシ
第二十二條定款ノ變更、利益金ノ處分、
合併及解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十三條帝國燃料興業株式會社ハ每
營業年度ノ事業計畫ヲ定メ政府ノ認可
ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦
同ジ
第二十四條政府ハ帝國燃料興業株式會
社ノ業務ニ關シ監督上又ハ人造石油製
造事業ノ振興上其ノ他公益上必要ナル
命令ヲ爲スコトヲ得
第二十五條政府ハ帝國燃料興業株式會
社ノ業務ニ關シ軍事上必要ナル命令ヲ
爲スコトヲ得
第二十六條政府ハ帝國燃料興業株式會
社監理官ヲ置キ帝國燃料興業株式會社
ノ業務ヲ監視セシム
第二十七條帝國燃料興業株式會社監理
官ハ何時ニテモ帝國燃料興業株式會社
ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査
スルコトヲ得
帝國燃料興業株式會社監理官必要ト認
ムルトキハ何時ニテモ帝國燃料興業株
式會社ニ命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算
及狀況ヲ報告セシムルコトヲ得
帝國燃料興業株式會社監理官ハ株主總
會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳
述スルコトヲ得
第二十八條政府帝國燃料興業株式會社
ノ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ
基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ
公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ
取消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十九條帝國燃料興業株式會社ハ每
營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金
額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割
合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對
シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
第三十條帝國燃料興業株式會社ノ每營
業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額
ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込
ミタル株金額ニ對シ第三營業年度迄ニ
在リテハ年百分ノ四、第四營業年度以
降ニ在リテハ年百分ノ六ノ割合ニ達セ
ザルトキハ政府ハ第十營業年度迄之ニ
達セシムベキ金額ヲ補給スベシ但シ其
ノ額ハ第四營業年度以降每營業年度ニ
於テハ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ
割合ニ相當スル額及當該營業年度ニ於
テ支拂ヒタル燃料興業債劵ノ利息額ノ
合計額ヲ超ユルコトヲ得ズ
每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益
金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ
割合ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ハ先
ヅ之ヲ前項ノ規定ニ依ル補給金ノ償還
ニ充ツベシ
第十營業年度迄每營業年度ニ於ケル配
當シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ
所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對
シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スルトキハ
其ノ二分ノ一ヲ配當準備ノ爲別ニ積立
ツベシ
第二項ノ規定ニ依リ補給金ヲ償還シ尙
殘餘アリタルトキハ之ヲ前項ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ
超過シタル當該營業年度ノ利益金ト看
做ス
前二項ノ規定ニ依ル積立金ハ後營業年
度ニ於ケル第一項ノ規定ニ依ル補給金
ノ計算ニ付テハ之ヲ配當シ得ベキ利益
金ト看做ス
第三十一條帝國燃料興業株式會社ノ每
營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金
額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割
合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者
ノ所有スル株式ニ對シ年百分ノ六ノ割
合ヲ超エ利益配當ヲ爲サントスルトキ
ハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配當ガ
總株式ニ付拂込ミタル株金額ニ對シ均
一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所
有スル株式ノ拂込ミタル株金額及政府
ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對
シ一ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スベシ
第三十二條帝國燃料興業株式會社ニハ
開業ノ年及其ノ翌年ヨリ十年間所得稅
及營業收益稅ヲ免除ス
第三十三條北海道、府縣及市町村其ノ
他之ニ準ズベキモノハ前條ノ期間帝國
燃料興業株式會社ノ事業ニ對シ地方稅
ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ
基キ政府ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ
限ニ在ラズ
第七章罰則
第三十四條帝國燃料興業株式會社左ノ
各號ノ一ニ該當スルトキハ總裁又ハ總
裁ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副總裁ヲ
百圓以上二千圓以下ノ過料ニ處ス副總
裁又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副
總裁又ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同
一本法ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ
於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第十二條ノ規定ニ依ラズシテ業務
ヲ營ミタルトキ
三第十三條ノ規定ニ違反シ燃料興業
債劵ヲ發行シタルトキ
四第十八條ノ規定ニ違反シ燃料興業
債劵ノ償還ヲ爲サザルトキ
五第二十四條又ハ第二十五條ノ規定
ニ基キテ爲シタル命令ニ違反シタル
トキ
第三十五條帝國燃料興業株式會社ノ總
〓副總裁及理事第十一條ノ規定ニ違
反シタルトキハ二十圓以上二百圓以下
ノ過料ニ處ス
第三十六條第七條ノ規定ニ違反シタル
者ハ十圓以上百圓以下ノ過料ニ處ス
第三十七條非訟事件手續法第二百六條
乃至第二百八條ノ規定ハ前三條ノ過料
ニ之ヲ準用ス
附則
第三十八條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十九條政府ハ設立委員ヲ命ジ帝國
燃料興業株式會社ノ設立ニ關スル一切
ノ事務ヲ處理セシム
第四十條設立委員ハ定款ヲ作成シ政府
ノ認可ヲ受クベシ
第四十一條前條ノ認可アリタルトキハ
設立委員ハ株式總數ヨリ政府ニ割當ツ
ベキ株式ヲ控除シタル殘餘ノ株式ニ付
株主ヲ募集スベシ
第四十二條株式申込證ニハ定款認可ノ
年月日竝ニ商法第百二十六條第二項第
二號、第四號及第五號ニ規定スル事項
ヲ記載スベシ
第四十三條設立委員株主ノ募集ヲ終リ
タルトキハ株式申込證ヲ政府ニ提出シ
其ノ檢査ヲ受クベシ
第四十四條設立委員ハ前條ノ檢査ヲ受
ケタル後遲滯ナク各株ニ付第一囘ノ拂
込ヲ爲サシムベシ
前項ノ拂込アリタルトキハ設立委員ハ
遲滯ナク創立總會ヲ招集スベシ
第四十五條創立總會ニ於テハ第十條ノ
規定ニ準ジ理事候補者ノ選擧及監事ノ
選任ヲ行フベシ
第四十六條創立總會終結シタルトキハ
設立委員ハ其ノ事務ヲ帝國燃料興業株
式會社總裁ニ引渡スベシ
第四十七條登錄稅法第六條第一項第十
一號中「又ハ東北興業債劵」ヲ「、東北興
業債劵又ハ燃料興業債劵」三國人
製鐵事業法案
製鐵事業法
第一條本法ハ產業ノ發展及國防ノ整備
ヲ期スル爲本邦ニ於ケル製鐵事業ノ健
全ナル發達ヲ圖ルコトヲ目的トス
第二條本法ニ於テ製鐵事業ト稱スルハ
銑鐵、鋼鐵、鋼材(鍛鋼品及鑄鋼品ヲ
含ム)其ノ他ノ鐵鋼ノ製造及之ニ附隨
スル副生物ノ製造ヲ爲ス事業ヲ謂フ
前項ノ副生物ノ種類ハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
第三條製鐵事業ヲ營マントスル者ハ政
府ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ定
ムル製鐵事業ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
本法ニ定ムルモノノ外前項ノ許可ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條前條ノ許可ヲ受ケタル者(製鐵
事業者)ハ政府ノ指定スル期間內ニ其
ノ事業ヲ開始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ
限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコト
ヲ得
製鐵事業者前二項ノ期間內ニ其ノ事業
ヲ開始セザルトキハ前條ノ許可ハ其ノ
效力ヲ失フ
第五條製鐵事業者其ノ設備ヲ增設シ又
ハ變更セントスルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
第六條一ノ場所ニ於テ命令ノ定ムル所
ニ依リ一年十萬瓲以上ノ製銑能力及一
年十萬瓲以上ノ製鋼能力ヲ有スル設備
ヲ以テ營ム製鐵事業ハ土地收用法第二
條ノ土地ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得
ル事業トシ同法ヲ適用ス
第七條第三條ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ム
ル所ニ依リ政府ノ指定スル期間內ニ前
條ニ規定スル設備ヲ新設シタル製鐵事
業者ニハ設備完成ノ年及其ノ翌年ヨリ
十五年間其ノ設備ヲ以テ營ム製鐵事業
ニ付所得稅及營業收益稅ヲ免除ス
前項ノ製鐵事業者其ノ設備完成前其ノ
設備ノ一部ヲ以テ製鐵事業ヲ營ム場合
ニ於テモ其ノ事業ニ付所得稅及營業收
益稅ヲ免除ス但シ前項ノ規定ニ依ル期
間內ニ設備ヲ完成セザルトキハ此ノ限
ニ在ラズ
前二項ノ製鐵事業ヨリ生ズル所得又ハ
純益ガ法人ニ在リテハ各事業年度、個
人ニ在リテハ各年ノ資本金額ニ對シ年
百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額
ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ニ相當スル
所得又ハ純益ニ付テハ前二項ノ規定ヲ
適用セズ但シ所得稅法第十九條又ハ營
業收益稅法第八條ノ規定ノ適用ヲ妨ゲ
ズ
前項ノ資本金額ノ計算方法ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第八條第六條ノ規定ニ該當セザル設備
ヲ有スル製鐵事業者其ノ設備ニ付第五條
ノ增設ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ムル所ニ
依リ政府ノ指定スル期間內ニ第六條ノ
規定ニ該當スルニ至ルベキ設備ヲ增設
シタルトキハ其ノ增設シタル設備ヲ以
テ營ム製鐵事業ニ付前條ノ規定ヲ準用
ス
第六條ニ規定スル設備ヲ以テ營ム製鐵
事業者第五條ノ增設ノ許可ヲ受ケ命令
ノ定ムル所ニ依リ政府ノ指定スル期間
內ニ其ノ場所ニ於テ製銑又ハ製鋼ノ
設備ヲ增設シタルトキ亦前項ニ同ジ
第九條第三條ノ許可又ハ第五條ノ增設
ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ムル所ニ依リ政
府ノ指定スル期間內ニ一ノ場所ニ於テ一
年五千二百五十瓲以上ノ製鋼能力ヲ有
スル設備ヲ新設シ又ハ增設シタル鍛鋼品
又ハ鑄鋼品ノ製造事業者ニハ第七條ノ
規定ヲ準用ス
第三條ノ許可又ハ第五條ノ增設ノ許可
ヲ受ケ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ指
定スル期間內ニ一ノ場所ニ於テ一年二
千五百瓲以上ノ製銑能力又ハ製鋼能力
ヲ有スル設備ヲ新設シ又ハ增設シタル
低燐銑鐵製造事業者、坩堝製鋼事業者
及電氣製鐵事業者ニ付亦前項ニ同ジ
第十條第三條ノ許可又ハ第五條ノ增設
ノ許可ヲ受ケ命令ノ定ムル所ニ依リ政
府ノ指定スル期間內ニ砂鐵又ハ命令ヲ
以テ定ムル鐵鑛ノ製鍊ヲ目的トスル特
殊ノ設備ヲ新設シ又ハ增設シタル製鐵
事業者ニハ其ノ設備ヲ以テ營ム製鐵事
業ニ付第七條第一項及第二項ノ規定ヲ
準用ス
第十一條砂鐵又ハ前條ノ鐵鑛ヲ配合シ
テ製銑ヲ爲ス製鐵事業者ニハ配合ノ割
合ニ應ジ其ノ製鐵事業ニ付本法施行ノ
日ヨリ十五年間命令ノ定ムル所ニ依リ
所得稅及營業收益稅ヲ免除ス
第十二條北海道、府縣及市町村其ノ他
之ニ準ズベキモノハ本法ニ依リ(第七條
第三項但書ノ場合ヲ含ム)所得稅及營業
收益稅ヲ免除セラレタル製鐵事業者ニ
ハ第七條第三項ノ規定ニ依リ賦課セラ
レタル所得稅及營業收益稅ノ附加稅ヲ
除クノ外其ノ免除セラレタル事業ニ對
シ又ハ其ノ免除セラレタル事業ニ屬ス
ル資本金額、從業者、營業用ノ工作物
若ハ物件、使用動力又ハ收入ヲ標準ト
シテ課稅スルコトヲ得ズ但シ市町村其
ノ他之ニ準ズベキモノニシテ特別ノ事
情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル場合ハ
此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ前條ノ規定ニ依リ所得稅
及營業收益稅ヲ免除セラレタル事業ニ
ハ之ヲ適用セズ但シ其ノ事業ガ第七條
乃至第九條ノ規定ニ依リ所得稅及營業
收益稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキモ
ノナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十三條製鐵事業ヲ繼續スル者又ハ其
ノ事業ヲ繼續スルモノト認ムベキ事實
アル者ハ前製鐵事業者ガ本法ニ依ル所
得稅及營業收益稅免除期間內ニ在ルト
キハ其ノ期間ヲ承繼ス
第十四條帝國內ニ於テ製造シタル鋼材
ガ船舶ノ建造又ハ修繕ニ使用セラレタ
ル場合ニ於テハ政府ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ其ノ鋼材ノ製造者ニ對シ奬勵金
ヲ交付スルコトヲ得
第十五條詐欺ノ行爲ヲ以テ前條ノ奬勵
金ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シテハ其ノ
金額ヲ返還セシム
前項ノ規定ニ依ル返還金ハ國稅滯納處
分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但
シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモノト
ス
第十六條第六條又ハ第十條ニ規定スル
製鐵事業ノ爲必要ナル器具、機械其ノ
他ノ材料ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸入スル
トキハ本法施行ノ日ヨリ十年間命令ノ
定ムル所ニ依リ輸入稅ヲ免除ス
第十七條製鐵事業者其ノ事業ノ全部又
ハ一部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止セン
トスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政
府ノ許可ヲ受クベシ
製鐵事業者タル法人ノ合併又ハ解散ノ
決議ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十八條製鐵事業者鐵鋼ノ生產、販賣、
輸出、輸入、移出若ハ移入又ハ命令ヲ
以テ定ムル製鐵原料ノ購入ニ關シ統制
協定ヲ爲シタル場合ニ於テハ命令ノ定
ムル所ニ依リ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ之
ヲ變更シ又ハ廢止シタルトキ亦同ジ
第十九條前條ノ統制協定ヲ爲シタル者
ノ爲其ノ統制協定ニ基キ共同販賣其ノ
他共同ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
ヲ行フ者ハ命令ノ定ムル事項ヲ政府ニ
屆出ヅベシ
第二十條政府公益上必要アリト認ムル
トキハ製鐵事業者ニ對シ鐵鋼ノ供給數
量販賣價格又ハ販賣條件ノ變更其ノ
他鐵鋼ノ需給ノ圓滑又ハ價格ノ公正ヲ
圖ル爲必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
政府公益上必要アリト認ムルトキハ製
鐵事業者ニ對シ其ノ設備ノ擴張若ハ改
良又ハ作業方法ノ變更ヲ命ズルコトヲ
得
第二十一條政府軍事上必要アリト認ム
ルトキハ製鐵事業者ニ對シ製鐵ニ關ス
ル特殊事項ノ〓究又ハ特殊設備ノ施
設命令ヲ以テ定ムル製鐵原料ノ保持
其ノ他軍事上必要ナル事項ヲ命ズルコ
トヲ得
第二十二條政府ハ製鐵事業者ニ對シ其
ノ業務ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシメ其
ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處
分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當
該官吏ヲシテ製鐵事業ノ者事務所、營業
所、工場、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務
ノ狀況又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢
査セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ
其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第二十三條政府ハ第三條第一項但書ノ
規定ニ依リ許可ヲ受クルコトヲ要セザ
ル製鐵事業ヲ營ム者ニ對シ命令ノ定ム
ル所ニ依リ其ノ設備ノ能力其ノ他必要
ナル事項ヲ屆出デシムルコトヲ得
第二十四條政府第三條ノ規定ニ依ル處
分又ハ第二十條ノ規定ニ依ル命令ヲ爲
サントスルトキハ製鐵事業委員會ノ議
ヲ經ベシ
製鐵事業委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第二十五條製鐵事業者本法若ハ本法ニ
基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス
處分ニ違反シタルトキハ政府ハ其ノ業
務ヲ停止シ若ハ制限シ、第三條ノ許可
ヲ取消シ又ハ法人ノ役員ノ解任ヲ爲ス
コトヲ得
第二十六條第十九條ノ規定ニ該當スル
者ハ第十八條、第二十條第一項、第二
十二條又ハ前條ノ規定ノ適用ニ關シテ
ハ之ヲ製鐵事業者ト看做ス
第二十七條第三條ノ規定ニ違反シ許可
ヲ受ケズシテ製鐵事業ヲ營ミタル者ハ
五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十八條第二十條又ハ第二十一條ノ
規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ三千
圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十九條第五條又ハ第十七條第一項
ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ事項ヲ許
可ヲ受ケズシテ爲シタル者ハ千圓以下
ノ罰金ニ處ス
第三十條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一第二十二條第一項ノ規定ニ依ル報
告ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ報〓ヲ爲シ又
ハ監督上必要ナル命令若ハ處分ニ違
反シタル
二第二十二條第二項ノ規定ニ依ル當
該官吏ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ
忌避シ又ハ其ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲
サズ若ハ〓僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第三十一條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リ
タル者本法ニ依ル職務執行ニ關シ知得
シタル個人又ハ法人ノ業務上ノ祕密ヲ漏
洩シ又ハ竊用シタルトキハ一年以下ノ
懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十二條營業者ハ其ノ代理人、戶主、
家族、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務
ニ關シ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命
今又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シ
タルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故
ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第三十三條本法又ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者
ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他
ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成
年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定
代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成
年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ
付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三十四條第十八條又ハ第十九條ノ規
定ニ依ル屆出ヲ怠リ又ハ不正ノ屆出ヲ
爲シタル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第二十三條ノ規定ニ依ル屆出ヲ怠リ又
ハ不正ノ屆出ヲ爲シタル者ハ百圓以下
ノ過料ニ處ス
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百
八條ノ規定ハ前二項ノ過料ニ之ヲ準
用ス
附則
第三十五條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十六條製鐵業奬勵法ハ之ヲ廢止ス
第三十七條本法施行ノ際現ニ第三條ノ
規定ニ依リ許可ヲ受クベキ製鐵事業ヲ
營ム者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施
行ノ日ヨリ之ヲ同條ノ許可ヲ受ケタル
者ト看做ス
第三十八條前條ノ製鐵事業者ニシテ本
法施行ノ際現ニ其ノ設備ノ增設又ハ變
更ノ工事中ニ在ルモノハ命令ノ定ムル
所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ之ヲ第五條
ノ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
第三十九條第三條ノ規定ニ依リ許可ヲ
受クベキ製鐵事業ヲ營ム爲本法施行ノ
際現ニ製鐵設備ノ建設工事中ニ在ル者ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ
之ヲ同條ノ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
第四十條第三十七條ノ製鐵事業者ニシ
テ本法施行ノ際現ニ其ノ事業ノ全部又
ハ一部ヲ休止セルモノハ本法施行ノ日
ヨリ六月間ヲ限リ第十七條第一項ノ規
定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ
繼續スルコトヲ得
第四十一條本法施行ノ際現ニ製鐵業奬
勵法ニ依リ所得稅、營業收益稅及地方
稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ製鐵事
業ニ付テハ仍從前ノ例ニ依リ所得稅、
營業收益稅及地方稅ヲ免除ス
本法施行ノ際現ニ製鐵業奬勵法第二條
乃至第四條ノ規定ニ依ル認可ヲ申請中
ノ者ニ對スル所得稅、營業收益稅及地
方稅ノ免除ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依
ル
前二項ノ規定ノ適用ヲ受クル者第十一
條ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場
合ニ於テハ第十二條ノ規定ニ拘ラズ前
二項ノ規定ニ依リ地方稅ノ免除ヲ受ク
第四十二條本法施行ノ際現ニ第十條ニ
規定スル設備ヲ以テ製鐵事業ヲ營ム者
及同條ニ規定スル設備ノ新設又ハ增設
ノ工事中ニ在ル者ニハ本法施行ノ日ヨ
リ十五年間命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
設備ヲ以テ營ム製鐵事業ニ付所得稅及
營業收益稅ヲ免除ス
第四十三條製鐵業奬勵法ニ依リテ爲シ
タル認可、處分、手續其ノ他ノ行爲ハ
本法中之ニ相當スル規定アル場合ニ於
テハ本法ニ依リテ之ヲ爲シタルモノト
看做ス
第四十四條大正九年法律第十二號第七
條ノ二中「製鐵業奬勵法ニ定ムル能力」
ヲ「製鐵事業法ニ定ムル能力」三枚入
「看做シ」ノ下ニ「製鐵事業法第七條第
三項ノ金額又ハ製鐵事業法第四十一條
ノ規定ニ依リ適用セラルル」ヲ加フ
〔國務大臣吉野信次君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=7
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008・吉野信次
○國務大臣(吉野信次君) 只今議題トナリ
マシタ法案ニ付キマシテ、先ヅ人造石油製
造事業法案及ビ帝國燃料興業株式會社法案
カラ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、液體
燃料ハ產業上及ビ國防上必要缺クベカラザ
ル基礎的資源デアリマスガ、我國ハ遺憾ナ
ガラ石油資源ニ乏シイノデアリマシテ、大
部分ハ外國カラ原料又ハ製品トシテ輸入
スルコトヲ餘儀ナクセラレマシテ、此爲ニ
每年巨額ノ海外支拂ヲ致シテ居ル有樣デア
リマス、而モ逐年著シイ需要增加ノ趨勢ニ
アリマスノデ、此外國依存ノ我ガ石油事業
ヲ打開シ、液體燃料ノ自給ヲ促進致シマシ
テ、產業ノ發展ト國防ノ安固ヲ期スルト共
ニ、國際貸借ノ改善ヲ圖リマスコトハ、現
下內外ノ情勢ニ鑑ミマシテ最モ急務デアル
ト信ズルノデアリマス、固ヨリ液體燃料ノ
自給促進ヲ圖ル爲ニハ、色々ノ施設ヲ爲ス
コトガ必要デアリマスルガ、特ニ天然石油
以外ノ原料カラ人工的ニ液體燃料ヲ製造ス
ル所ノ人造石油製造事業ノ、本格的確立ヲ
圖リマスコトモ甚ダ緊要デアリマシテ、且
ツ有效適切ナル方策デアルト考ヘルノデア
リマス、幸ニ人造石油ノ原料タル石炭ハ、
我國ニ於キマシテ相當豐富デアリマスルシ、
且ツ滿洲國ニ於キマシテモ石炭資源ニ惠マ
レテ居ルノデアリマスカラ、兩國ヲ通ジマ
シテ綜合的ニ本事業ノ確立ヲ圖ル方針デア
リマス、而シテ本事業振興計畫ノ目標ト致
シマシテハ、液體燃料ノ中特ニ主要ナル揮
發油及ビ重油ノ生產ニ重點ヲ置キマシテ、
日滿兩國ヲ通ジマシテ差當リ七箇年計畫ヲ
以テ各〓年產百万竏ヲ生產セシメントスル
ノデアリマス、而シテ本事業ハ全ク新規ノ
事業デアリマシテ、是ガ爲ニハ多大ノ努力
ヲ要スルノデアリマスカラ、本事業ヲ政府
ノ許可事業ト致シマシテ、其統制アル發達
ヲ圖ルコトト致シ、又奬勵金ノ交付、租稅
ノ免除ナドノ保護助成ヲ爲スト共ニ、政府
ノ指導監督ヲ加ヘマシテ事業ノ合理的經營
ヲ促進シ、斯業ノ確立ヲ期スル爲メ、人造
石油製造事業法ヲ制定スルコトト致シマシ
タ次第デアリマス
更ニ此事業ヲ遂行致シマスル爲ニハ巨額
ノ資金ヲ必要トシ、其圓滑ナル調達ニ對シ
マシテモ適當ナル援助ヲ與ヘナケレバ、到
底所期ノ目的ヲ達成スルコトハ困難ト考ヘ
ルノデアリマス、仍テ政府ニ於キマシテハ
其資金ノ圓滑ナル調達ニ援助ヲ與フルト共
ニ、所期ノ計畫實現ヲ促進致シマスルガ爲
ニ、玆ニ半官半民ノ資本組織ニ依ル資本金
一億圓ノ特殊會社ヲ設立致サセマシテ、政
府ハ之ニ對シテ五千万圓ヲ出資スルト共
ニ、配當補給、社債ノ元利支拂ノ保證、租
稅ノ免除等特別ノ保護助成ヲ與ヘントスル
ノデアリマス、是ガ爲メ帝國燃料興業株
式會社法ヲ制定スルコトト致シマシタ次
第デアリマス、此兩法案ハ御承知ノ通リ前
議會ニモ提出致シマシタノデアリマスルガ、
人部石油製造事業法ニ付キマシテハ、前議
會ニ提案致シマシタモノニ極ク少シノ修正
ヲ加ヘマシタノミデアリマシテ、帝國燃料
興業株式會社法案ハ前議會ニ提出シタモノ
其儘ヲ、再ビ提出致シマシタ次第デアリマ
ス
次ニ製鐵事業法案ノ提案ノ理由ヲ御說明
致シマス、本邦ノ製鐵事業ハ最近長足ノ進步
發達ヲ遂ゲタノデアリマスルガ、斯業ノ內容
ヲ見マスルニ、銑鐵、屑鐵、鐵鑛石ナドノ製
鐵原料ハ、年々大量ノ輸入ヲ必要ト致シテ居
リマスルノデ、未ダ以テ外國依存ノ狀態ヲ脫ス
ルコトガ出來ナイノデアリマス、隨ヒマシテ製
鐵國策ノ根本ト致シマシテハ、速ニ鐵鋼ノ自給
ヲ圖リ、各種產業ノ發展ニ寄與スルノ外、外國
依存ノ現狀ヲ是正致シマシテ、尙ホ進ンデハ
鐵鋼製品ノ海外輸出ノ進展ニ努メマスルト
共ニ、併セテ原料資源確保ノ方策ヲ樹立致
シマシテ、產業上竝ニ國防上遺憾ナキヲ期
スルニアルト考ヘルノデアリマス、政府ニ
於キマシテモ從前ヨリ各種ノ施設ヲ行ッテ
參ッタノデアリマスルガ、我國ノ製鐵事業ノ
現狀ヨリ致シマスルニ、此際進ンデ銑鋼一
貫作業ヲ徹底シ、其他合理的設備ノ擴張ニ
便宜ナラシメ、又砂鐵、貧鑛等ノ使用奬勵
ヲ爲スト共ニ、他面外國屑鐵ニ依存スルガ
如キ設備ノ濫設ヲ防止シ、其他斯業ニ對シ
テ適當ナル監督ヲ加ヘ、鐵鋼事業ノ調節ヲ
圖リ、以テ斯業ノ健全ナル發達ヲ期スルコ
トガ肝要デアルト考ヘルノデアリマス、仍
テ玆ニ製鐵業奬勵法ニ代ヘマシテ新ニ製鐵
事業法ヲ制定致シマシテ、斯業ニ對スル適
切ナル保護助長ノ施設ヲ講ズルト共ニ、斯
業ニ許可制度ヲ施行致シマシテ、之ニ適當
ナル監督ヲ加ヘントスル次第デアリマス、
此法案モ前ノ議會ニ提案シタノデアリマス
ルガ、之ニ今囘ハ二三ノ修正ヲ施シマシテ、
再ビ提出致シマシタ次第デアリマス、何卒
十分御審議ノ上御協賛アランコトヲ御願致
シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=8
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009・小山松壽
○議長(小山松壽君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=9
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010・中山福藏
○中山福藏君 日程第二及ビ第三ノ兩案ハ
一括シテ議長指名十八名ノ委員ニ付託シ、
日程第四ハ議長指名二十七名ノ委員ニ付託
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=10
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011・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=11
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012・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
五、船員法改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマ
ス-田島遞信政務次官
第五船員法改正法律案(政府提出)
第一讀會
船員法改正法律案
船員法
第一章總則
第一條本法ニ於テ船員トハ日本船舶ニ
シテ左ニ揭グル船舶以外ノモノニ乘組
ム船長及海員ヲ謂フ
一船舶法第二十條ニ規定スル船舶
二平水區域ヲ航行スル船舶
三總噸數三十噸未滿ノ漁船
前項ノ海員トハ左ニ揭グル者以外ノ乘
組員ヲ謂フ
-船舶所有者以外ノ者ニ雇傭セラル
ル者
二何人ニモ雇傭セラレズシテ業務ヲ
營ム者
三其ノ他勅令ヲ以テ定ムル者
第二條船員、船員タラントスル者、船
舶所有者又ハ船長ハ船員又ハ船員タラ
ントスル者ノ戶籍ニ關シ戶籍事務ヲ管
掌スル者又ハ其ノ代理者ニ對シ無償ニ
テ證明ヲ求ムルコトヲ得
第三條未成年者ガ船員ト爲ルニハ其ノ
法定代理人ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ許可ヲ得タル者ハ雇入契約ニ關
シテハ成年者ト同一ノ能力ヲ有ス
第四條十五歲未滿ノ者ハ船員トシテ、
十八歲未滿ノ者ハ石炭夫又ハ火夫トシ
テ之ヲ使用スルコトヲ得ズ但シ勅令ヲ
以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第五條十八歲未滿ノ者ハ勅令ヲ以テ定
ムル場合ヲ除クノ外船內勞働ニ適スル
コトヲ證明シ且署名シタル醫師ノ健康
證明書ヲ有スル場合ニ非ザレバ船員ト
シテ之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第六條船員ハ船員手帳ヲ受有スルコト
ヲル人
船員手帳ノ交付、訂正、書換、保管及
返還ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二章船長
第七條船長ハ海員ヲ指揮監督シ且船內
ニ在ル者ニ對シ其ノ職務ヲ行フニ必要
ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第八條船長ハ船舶ガ港ヲ出入スルトキ、
狭隘ナル水路ヲ通過スルトキ其ノ他船
舶ニ危險ノ虞アルトキハ甲板ニ在リテ
自ラ船舶ヲ指揮スルコトヲ要ス
第九條船舶ニ急迫ノ危險アルトキハ船
長ハ人命、船舶及積荷ノ救助ニ必要ナ
ル手段ヲ盡シ且旅客、海員其ノ他船內
ニ在ル者ヲ去ラシメタル後ニ非ザレバ
船舶ヲ去ルコトヲ得ズ
第十條船舶ガ衝突シタルトキハ船長ハ
互ニ人命及船舶ノ救助ニ必要ナル手段
ヲ盡シ且船舶ノ名稱、所有者、船籍港、
發航港及到達港ヲ〓グルコトヲ要ス但
シ自己ノ指揮スル船舶ニ急迫ノ危險ア
ルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十一條船長ハ他ノ船舶ノ遭難ヲ知リ
タルトキハ人命ノ救助ニ必要ナル手段
ヲ盡スコトヲ要ス但シ自己ノ指揮スル
船舶ニ急迫ノ危險アル場合及勅令ヲ以
テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十二條船舶航行中船內ニ在ル者死亡
シタルトキハ船長ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ之ヲ水葬ニ付スルコトヲ得
第十三條船內ニ在ル者死亡シ又ハ行方
不明ト爲リタルトキハ法令ニ別段ノ定
アル場合ヲ除クノ外船長ハ船内ニ在ル
遺留品ヲ保管スルコトヲ要ス
第十四條外國ニ駐在スル帝國ノ外交官、
領事官又ハ貿易事務官ガ法令ノ定ムル
所ニ依リ帝國臣民ノ送還ヲ命ジタルト
キハ船長ハ正當ノ事由アルニ非ザレバ
之ヲ拒ムコトヲ得ズ
送還費用ノ償還ニ關シ必要ナル事項ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十五條左ノ各號ノ一ニ該當スル場合
ニ於テハ船長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
管海官廳ニ其ノ旨ヲ報〓スルコトヲ要
ス
-衝突、乘揚、滅失、沈沒、火災、機關
ノ損傷其ノ他ノ海難發生シタルトキ
二人命若ハ船舶ノ救助ニ從事シ又ハ
航行中他ノ船舶ノ遭難ヲ知リタルトキ
三船內ニ在ル者死亡シ又ハ行方不明
ト爲リタルトキ
四豫定ノ航路ヲ變更シタルトキ
五船舶ガ抑留又ハ捕獲セラレタルト
キ其ノ他船舶ニ關シ著シキ事故アリ
タルトキ
第十六條船長ガ死亡シタルトキ、船舶
ヲ去リタルトキ又ハ之ヲ指揮スルコト
能ハザル場合ニ於テ他人ヲ選任セザル
トキハ運航ニ從事スル海員ハ其ノ職掌
ノ順位ニ從ヒ船長ノ職務ヲ行フ
第十七條第二十一條、第二十三條、第
二十九條、第三十條及第三十二條ノ規
定ハ船長ニ之ヲ準用ス
第三章海員
第十八條海員ノ雇入契約ノ成立、終了、
更新又ハ變更アリタルトキハ船長及海
員ハ遲滯ナク管海官廳ニ出頭シテ其ノ
公認ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ船長ガ公認ヲ受クル
コト能ハザルトキハ船舶所有者之ヲ受
クルコトヲ得
前二項ノ場合ニ於テ正當ノ事由アルト
キハ代理人ヲシテ公認ヲ受ケシムルコ
トヲ得
第十九條海員ハ疾病ニ罹リ又ハ傷痍ヲ
受ケタル爲職務ニ從事セザル期間ニ付
テモ給料ノ請求ヲ爲スコトヲ得但シ疾
病又ハ傷痍ニ付海員ニ過失アルトキハ
此ノ限ニ在ラズ
海員ハ其ノ職務ヲ行フニ因リテ疾病ニ
罹リ又ハ傷痍ヲ受ケタル場合ニ於テハ
前項但書ノ規定ニ拘ラズ疾病又ハ傷痍
ニ付海員ニ故意又ハ重大ナル過失ナキ
限リ同項ニ規定スル給料ノ請求ヲ爲ス
コトヲ得
第二十條海員ノ給料及手當ノ支拂方法
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十一條船舶所有者ハ海員ノ乘船中
勅令ノ定ムル所ニ依リ之ニ食料ヲ支給
スルコトヲ要ス
第二十二條船舶所有者ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ船舶ニ醫師ヲ乘組マシメ又ハ
醫療設備ヲ爲スコトヲ要ス
第二十三條船舶ガ左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ海員ノ雇入契約ハ終
了ス
-滅失又ハ沈沒シタルトキ
二全ク運航ニ堪ヘザルニ至リタルト
キ
船舶ノ存否ガ一月間分明ナラザルトキ
ハ船舶ハ滅失シタルモノト推定ス
第一項ノ規定ニ依リ雇入契約終了シタ
ル場合ト雖モ海員ハ人命、船舶又ハ積
荷ノ應急救助ノ爲必要ナル勞務ニ服ス
ルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ雇入契
約ハ仍存續スルモノト看做ス
第二十四條海員ガ左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合其ノ他已ムコトヲ得ザル事由
アル場合ニ於テハ船長ハ海員ヲ雇止ム
ルコトヲ得
-著シク職務ニ不適任ナルトキ
二著シク職務ヲ怠リ又ハ職務ニ關シ
重大ナル過失アリタルトキ
三疾病ニ罹リ又ハ傷痍ヲ受ケ職務ニ
堪ヘザルトキ
四船長ノ指定スル時迄ニ船舶ニ乘込
マザルトキ
第二十五條左ノ各號ノ一ニ該當スル場
合ニ於テハ海員ハ雇止ヲ請求スルコト
ヲ得
一船舶ガ國籍ヲ喪失シタルトキ
二海員ガ疾病ニ罹リ又ハ傷痍ヲ受ケ
職務ニ堪ヘザルトキ
三海員ガ船長ヨリ虐待ヲ受ケタルト
キ
前項ニ揭グル場合ノ外海員ハ船長ノ適
當ト認ムル後任者ヲ提供シテ雇止ヲ請
求スルコトヲ得
第二十六條期間ノ定ナキ海員ノ雇入契
約ハ船長又ハ海員ヨリ書面ヲ以テ二十
四時間ヲ下ラザル期間ヲ定メ豫〓ヲ爲
ストキハ該期間ガ滿了シタル時ニ於テ
終了ス
前項ノ期間ガ滿了シタル時ニ於テ船舶
ガ積荷ノ陸揚ヲ爲シ又ハ旅客ガ上陸ス
ベキ港ニ碇泊中ニシテ其ノ港ニ於ケル
積荷ノ陸揚及旅客ノ上陸ガ終ラザルト
キハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ終リタル
時ニ於テ雇入契約ハ終了ス
第一項ノ期間ガ滿了シタル時ニ於テ船
舶ガ航行中ナルトキ又ハ前項ノ港以外
ノ港ニ碇泊中ナルトキハ第一項ノ規定
ニ拘ラズ船舶ガ積荷ノ陸揚ヲ爲シ又ハ
旅客ガ上陸スベキ次ノ港ニ到著シテ其
ノ港ニ於ケル積荷ノ陸揚及旅客ノ上陸
ガ終リタル時ニ於テ雇入契約ハ終了ス
前二項ノ規定ハ期間ノ定アル海員ノ雇
入契約ガ期間ノ滿了ニ因リ終了スル場
合ニ之ヲ準用ス
第三項ノ規定ハ第二十四條及前條第一
項ノ規定ニ依リ海員ノ雇入契約ガ終了
スル場合ニ之ヲ準用ス
第二十七條前條第一項乃至第四項ノ規
定ニ依リ海員ノ雇入契約ガ適當ナル海
員ヲ補充シ得ル港以外ノ港ニ於テ終了
スルトキハ船長ハ船舶ガ適當ナル海員
ヲ補充シ得ル港ニ到著シ積荷ノ陸揚及
旅客ノ上陸ガ終ル時迄雇入契約ヲ存續
セシムルコトヲ得
第二十八條相續其ノ他ノ包括承繼ノ場
合ヲ除クノ外船舶所有者ノ變更アリタ
ルトキハ海員ノ雇入契約ハ終了ス
前項ノ場合ニ於テハ雇入契約終了ノ時
ヨリ海員ト新所有者トノ間ニ從前ノ雇
入契約ト同一條件ノ雇入契約存スルモ
ノト看做ス此ノ場合ニ於テハ海員ハ第
二十六條第一項乃至第三項ノ規定ニ從
ヒ雇入契約ヲ終了セシムルコトヲ得
前條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル雇入契
約終了ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十九條船舶所有者ハ海員ガ疾病ニ
罹リ若ハ傷痍ヲ受ケタルトキ、雇入契
約終了シタルトキ又ハ死亡シタルトキ
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ扶助シ、
之ニ手當ヲ支給シ又ハ之ガ葬祭ノ費用
ヲ負擔スルコトヲ要ス
第三十條船舶所有者ハ雇入契約終了シ
タル海員ヲ勅令ノ定ムル所ニ依リ雇入
港又ハ其ノ希望スル地迄送還スルコト
ヲヨハ
前項ノ場合ニ於テ海員ハ送還ニ代ヘテ
其ノ費用ヲ請求スルコトヲ得
第三十一條海員ハ船長ニ對シ其ノ勤務
ノ成績ニ關スル證明書ノ交付ヲ請求ス
ルコトヲ得
第三十二條海員ノ船舶所有者ニ對スル
債權ハ二年ヲ經過シタルトキハ時效ニ
因リテ消滅ス
船舶所有者ニ對スル葬祭ニ關スル債權
亦同ジ
第三十三條第二十九條ノ規定ニ依リ海
員ガ扶助又ハ手當ヲ受クルノ權利ハ之
ヲ讓渡シ又ハ差押フルコトヲ得ズ葬祭
ノ費用ヲ受クルノ權利亦同ジ
第四章紀律
第三十四條海員ガ左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ船長ハ之ヲ懲戒スル
コトヲ得
一上長ニ對シテ尊敬又ハ從順ノ道ヲ
失ヒタルトキ
二職務ヲ怠リ又ハ他ノ乘組員ノ職務
ヲ妨ゲタルトキ
三船長ノ指定スル時迄ニ船舶ニ乘込
マズ又ハ船長ノ許可ヲ得ズシテ之ヲ
去リタルトキ
四船長ノ許可ヲ得ズシテ點火若ハ焚
火シ又ハ端艇其ノ他ノ重要ナル屬具
ヲ使用シタルトキ
五食料又ハ淡水ヲ濫費シタルトキ
六喧爭シタルトキ、酩酊シテ事理ヲ
辨ゼザルトキ又ハ禁止セラレタル場
所ニ於テ喫煙シタルトキ
七其ノ他船內ノ秩序ニ反スル行爲ヲ
爲シタルトキ
第三十五條懲戒ハ左ノ四種トシ勅令ノ
定ムル所ニ依リ船長之ヲ行フ
一監禁三日以下トシ船內ノ一室ニ
拘置ス
二上陸禁止七日以下トシ此ノ期間
ニハ船舶ノ碇泊日數ノミヲ算入ス
三減給給料月額十分ノ一以下ヲ減
ズ但シ三月ヲ超ユルコトヲ得ズ
四譴責
前項第一號及第二號ノ期間ニハ初日ヲ
算入ス
第三十六條海員ガ兇器、爆發若ハ發火
シ易キ物、劇藥其ノ他ノ危險物又ハ酒
類ヲ所持スルトキハ船長ハ其ノ物ヲ保
管又ハ放棄スルコトヲ得
第三十七條海員ガ船內ニ在ル者ノ生命
若ハ身體又ハ船舶ニ危害ヲ及ボスベキ
行爲ヲ爲サントスルトキハ船長ハ必要
ノ期間其ノ者ノ身體ヲ拘束スルコトヲ
得
第三十八條船長ハ必要アルトキハ旅客
其ノ他船內ニ在ル者ニ對シテモ前二條
ニ規定スル處分ヲ爲スコトヲ得
第三十九條海員ガ雇入契約成立ノ公認
アリタル後船長ノ指定スル時迄ニ船舶
ニ乘込マズ又ハ船長ノ許可ヲ得ズシテ
之ヲ去リタルトキハ船長ハ之ヲ强制シ
テ船舶ニ乘込マシムルコトヲ得
海員ガ雇入契約終了ノ公認アリタル後
遲滯ナク船舶ヲ去ラザルトキハ船長ハ
之ヲ强制シテ船舶ヲ去ラシムルコトヲ
得
第四十條船長ハ其ノ命令ニ服從セザル
者アル場合ニ於テ必要アリト認ムルト
キハ管海官廳、地方官廳又ハ海軍艦船
ニ援助ヲ求ムルコトヲ得
第五章雜則
第四十一條管海官廳ハ職權ヲ以テ又ハ
申請ニ依リ第三章ニ規定スル事項ニ關
シ船舶所有者、船長及海員ノ間ニ生ジタ
ル事件ノ解決ニ付斡旋ヲ爲スコトヲ得
第四十二條管海官廳ハ必要アリト認ム
ルトキハ船舶所有者又ハ乘組員ヲシテ
書類帳簿ヲ提出セシメ若ハ報〓ヲ爲サ
シメ、之ヲ呼出シテ質問ヲ爲シ又ハ當
該官吏ヲシテ船舶ニ臨檢セシムルコト
ヲ得此ノ場合ニ於テハ當該官吏ハ其ノ
身分ヲ證明スベキ證票ヲ携帶スベシ
管海官廳ハ本法又ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令ニ違反スル事實アリト認ムルト
キハ船舶所有者又ハ船長ニ對シ必要ナ
ル處分ヲ爲スコトヲ得
管海官廳ハ必要アリト認ムルトキハ旅
客其ノ他船內ニ在ル者ニ就キ質問ヲ爲
スコトヲ得
第四十三條本法及本法ニ基キテ發スル
命令中船舶所有者ニ關スル規定ハ船舶
共有ノ場合ニ在リテハ船舶管理人ニ、
船舶貸借ノ場合ニ在リテハ船舶借入人
ニ之ヲ適用ス
第四十四條本法ニ依リ管海官廳ノ行フ
ベキ事務ハ外國ニ在リテハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ帝國ノ領事官又ハ貿易事務
官之ヲ行フ
第四十五條本法ニ依リ管海官廳ノ行フ
ベキ事務ニ付テハ主務大臣ハ市町村長、
町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ
準ズル者ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得
第四十六條左ニ揭グル船舶ノ乘組員ニ
付テハ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
國又ハ北海道、府縣、市町村其ノ
他ノ公共團體ノ所有ニ屬スル船舶
二其ノ他勅令ヲ以テ定ムル船舶
第四十七條本法ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ第一條第二項各號ニ揭グル者ニ之ヲ
準用ス
第四十八條地方長官ハ第一條第一項各
號ニ揭グル船舶ノ乘組員ノ監督ニ關シ
主務大臣ノ認可ヲ受ケ必要ナル規則ヲ
設クルコトヲ得
第六章罰則
第四十九條船舶所有者又ハ船長ガ第四
條ノ規定ニ違反シ十五歲未滿ノ者ヲ船
員トシテ、十八歲未滿ノ者ヲ石炭夫若
ハ火夫トシテ使用シタルトキ又ハ第五
條ノ規定ニ違反シ健康證明書ヲ有セザ
ル者ヲ船員トシテ使用シタルトキハ千
圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ六
月以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ
處ス
-詐僞其ノ他ノ不正行爲ヲ以テ船員
手帳ノ交付、訂正又ハ書換ヲ受ケタ
ル者
二詐僞其ノ他ノ不正行爲ヲ以テ海員
ノ雇入契約ニ關スル公認ヲ受ケタル
者
三他人ノ船員手帳ヲ行使シタル者
第五十一條船長ガ船內ニ在ル者ニ對シ
其ノ職權ヲ濫用シ又ハ虐待ヲ爲シタル
トキハ六月以下ノ懲役又ハ五百圓以下
ノ罰金ニ處ス
第五十二條船長ガ第九條ノ規定ニ違反
シ船舶ヲ去リタルトキハ五年以下ノ懲
役ニ處ス
第五十三條船長ガ第十條ノ規定ニ違反
シ人命及船舶ノ救助ニ必要ナル手段ヲ
盡サザルトキハ三年以下ノ懲役又ハ二
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十四條船長ガ左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ二年以下ノ懲役又ハ
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十一條ノ規定ニ違反シ人命ノ救
助ニ必要ナル手段ヲ盡サザルトキ
二正當ノ事由ナクシテ船舶ヲ遺棄シ
タルトキ
三正當ノ事由ナクシテ外國ニ於テ海
員ヲ遺棄シタルトキ
第五十五條船長ガ左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ五百圓以下ノ罰金ニ
處ス
一第八條ノ規定ニ違反シ自ラ船舶ヲ
指揮セザルトキ
二第十條ノ規定ニ違反シ告知ヲ爲サ
ザルトキ
三第十四條第一項ノ規定ニ違反シ送
還命令ヲ拒ミタルトキ
四第十五條ノ規定ニ違反シ報告ヲ爲
サズ又ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタルトキ
五第十八條ノ規定ニ違反シ公認ヲ受
ケザルトキ
六商法第五百六十一條ノ規定ニ違反
シ檢査ヲ爲サザルトキ
七商法第五百六十二條第一項ノ規定
ニ違反シ書類ヲ備置カズ又ハ同條同
項第二號乃至第五號ニ揭グル書類ニ
記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ虚僞
ノ記載ヲ爲シタルトキ
八商法第五百六十三條ノ規定ニ違反
シ船舶ヲ去リタルトキ
九商法第五百六十四條ノ規定ニ違反
シ豫定ノ航路ヲ變更シタルトキ
第五十六條船長ガ左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ二百圓以下ノ罰金ニ
處ス
一第十二條ノ規定ニ基キテ發スル命
令ニ違反シ水葬ニ付シタルトキ
二第十三條ノ規定ニ違反シ遺留品ノ
保管ヲ爲サザルトキ
第五十七條海員ガ左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ二年以下ノ懲役ニ處
ス
-船舶ニ急迫ノ危險アル場合ニ於テ
船長ノ許可ヲ得ズシテ之ヲ去リタル
トキ
二第九條乃至第十一條ニ規定スル場
合ニ於テ船長ガ人命、船舶又ハ積荷
ノ救助ニ必要ナル手段ヲ爲スニ當リ
上長ノ命令ニ服從セザルトキ
三第二十三條第三項ニ規定スル場合
ニ於テ人命、船舶又ハ積荷ノ應急救
助ノ爲必要ナル勞務ニ服セザルトキ
第五十八條海員ガ上長ニ對シ暴行又ハ
脅迫ヲ爲シタルトキハ二年以下ノ懲役
又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十九條海員ガ說船シタルトキハ一
年以下ノ懲役ニ處ス
第六十條左ノ各號ノ一ニ該當スル場合
ニ於テ船員ガ勞働爭議ニ關シ團結シテ
勞務ヲ中止シ又ハ作業ノ進行ヲ阻害
シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ五百
圓以下ノ罰金ニ處ス
ー船舶ガ外國ノ港ニ在ルトキ
二人命又ハ船舶ニ直接ノ危險ヲ及ボ
ス虞アルトキ
三船員又ハ其ノ代表者ガ相手方ニ對
シ爭議事項ニ關シ交涉ヲ開始シタル
後一週間ヲ經過シ且二十四時間前ニ
豫告ヲ爲シタルニ非ザルトキ
第六十一條船舶所有者ガ第二十條乃至
第二十二條、第二十九條又ハ第三十條
ノ規定ニ基キテ發スル勅令ニ違反シタ
ルトキハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第六十二條船舶所有者又ハ乘組員ガ左
ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ五
百圓以下ノ罰金ニ處ス
-管海官廳ノ命令ニ違反シ書類帳簿
ノ提出ヲ爲サズ又ハ報〓ヲ爲サズ若
ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタルトキ
二管海官廳ノ呼出ニ應ゼズ又ハ管海
官廳若ハ當該官吏ノ質問ニ對シ答辯
ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ陳述ヲ爲シタル
トキ
三當該官吏ノ臨檢ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ
忌避シタルトキ
四第四十二條第二項ニ規定スル管海
官廳ノ處分ニ違反シタルトキ
第六十三條本章中船長ニ適用スベキ規
定ハ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ア
ル場合ニ於テハ其ノ者ニ之ヲ適用ス
第六十四條船舶所有者ハ其ノ代理人、
雇人其ノ他ノ從業者ニ第一一十條乃至第
二十二條、第二十九條又ハ第三十條ノ
規定ニ基キテ發スル勅令ニ違反スル所
爲アリタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザ
ルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ
得ズ
第六十五條船舶所有者ガ未成年者若ハ
禁治產者ナル場合又ハ法人ナル場合ニ
在リテハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル
命令ニ依リ其ノ者ニ適用スベキ罰則ハ
其ノ法定代理人又ハ法令ニ依リ法人ヲ
代表スル者ニ之ヲ適用ス
前項ノ場合ニ於テハ懲役ノ刑ニ處スル
コトヲ得ズ
第六十六條本法及本法ニ基キテ發スル
命令中船舶所有者ニ適用スベキ罰則ハ
國又ハ北海道、府縣、市町村其ノ他ノ
公共團體ニハ之ヲ適用セズ
附則
第六十七條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第六十八條船員最低年齡法ハ之ヲ廢止
ス
船舶安全法第二十八條中「遭難者救
助、」ヲ削ル
商法第五百七十五條及第五編第二章第
二節ハ之ヲ削除ス但シ商法其ノ他ノ法
令ノ規定ノ適用上之ニ依ルベキ場合ニ
於テハ仍其ノ效力ヲ有ス
第六十九條本法施行前ニ生ジタル事項
ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル但シ刑法第
六條ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
第七十條本法施行ノ際現ニ船員トシテ
使用セラルル十四歲以上十五歲未滿ノ
者ヲ本法施行後引續キ使用スル場合ニ
於テハ第四條ノ規定ヲ適用セズ
第七十一條第一條第一項各號ニ揭グル
船舶ノ乘組員ノ監督ニ關シ地方長官ノ
設ケタル規則ニシテ本法施行ノ際現ニ
存スルモノハ本法ニ依リテ主務大臣ノ
認可ヲ受ケタルモノト看做ス
〔政府委員田島勝太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=12
-
013・田島勝太郎
○政府委員(田島勝太郞君) 只今上程サレ
マシタ船員法改正法律案ノ提出理由ヲ御說
明申上ゲマス、近時我國海運ハ長足ノ進步
發展ヲ遂ゲマシテ、社會情勢モ亦著シイ變
遷推移ヲ見ツヽアルニモ拘ハリマセズ、現
在船員ノ保護監督ヲ規律致シマスル船員法
及ビ海商法ハ、何レモ制定以來三十有餘年
ノ歲月ヲ經過致シマシテ、現下ノ實情ニ副
ハザル點ガ少クナイノデアリマス、隨ヒマシ
テ船員法改正ノ要望ハ漸ク熾烈トナッテ參ツ
タノデアリマス、斯ル情勢ニ鑑ミマシテ、遞
信省ニ於キマシテハ先年臨時海事法令調査
會ヲ設ケマシテ、船主及ビ船員ノ團體ノ代
表者ヲ初メトシ、關係各方面ノ官民相會シマ
シテ法律改正ノ審議ヲ行ヒ、其結果改正要
項ニ關スル決議ヲ得マシタノデ、今囘此決
議ヲ骨子ト致シマシテ、現行船員法及ビ商
法中海員ニ關スル規定、竝ニ船員最低年齡
法ヲ整理統一致シマシテ、之ニ適當ナル改
正ヲ加ヘ、他面海運ノ國際性ヲ考慮致シマ
シテ、曩ニ國際勞働總會ニ於テ採擇セラレ
マシタ四箇ノ條約案、卽チ船舶ノ滅失又ハ
沈沒ノ場合ニ於ケル失業ノ補償ニ關スル條
約案、海員ノ雇入契約ニ關スル條約案、海
員ノ送還ニ關スル條約案及ビ船員ノ最低年
齡ニ關スル條約案ノ趣旨ヲ採入レマシテ、
之ヲ綜合致シマシタル單一船員法ヲ制定致
シ、時代ノ要求ニ應ジテ海上勞働問題ヲ調
整シマスルト同時ニ、船員ノ生活ノ安定ヲ
圖リ、以テ海運界ノ平和ト其健全ナル發達
トヲ圖リタイト存ジマス、是レ本案ヲ提出
致シマシタ理由デアリマス
尙ホ本法律案ハ御承知ノ通リ前議會ニ提
出セラレマシテ、衆議院ヲ通過シ、貴族院
ニ囘付ノ後、議會解散ノ爲ニ審議未了トナ
リマシタモノト全ク同一ノモノデアリマス、
何卒御審議ノ上速ニ御協贊アランコトヲ御
願致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=13
-
014・小山松壽
○議長(小山松壽君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=14
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015・中山福藏
○中山福藏君 本案ハ議長指名十八名ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=15
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016・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=16
-
017・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
六、陪審法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キ
マス-司法大臣鹽野季彥君
第六陪審法中改正法律案(政府提出)
第一讀會
陪審法中改正法律案
陪審法中左ノ通改正ス
第七條ノ二共同被〓人多數ニシテ被告
事件複雜ナル場合ニ於テ公判ノ審理ニ
長期間ヲ要シ且陪審員ノ滯留ノ場所及
陪審員ト他人トノ交通ヲ著シク制限ス
ルノ虞アルトキハ檢事ハ直近上級裁判
所ニ事件ヲ陪審ノ評議ニ付セサルコト
ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ請求ハ事件公判ニ繋屬シタル後
第一回公判期日前ニ之ヲ爲スヘシ
第一項ノ請求アリタルトキハ訴訟手續
ヲ停止スヘシ
第九條第一項中「前條第一項」ノ上ニ「第
七條ノ二第一項又ハ」ヲ、同條第三項中
「公判ニ繫屬スル事件」ノ上ニ「第七條ノ
二第一項ノ請求ヲ爲シ又ハ」ヲ加フ
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
第七條ノ二第一項ノ請求ニ付爲シタル
前項ノ決定ニ對シテハ卽時抗告ヲ爲ス
コトヲ得
第十條第二項中「檢事ノ」下ニ「第七條ノ
二第一項ノ請求又ハ」ヲ、同條第三項中
「其ノ被〓人ニ關スル」ノ下ニ「第七條ノ
二第一項ノ請求又ハ」ヲ加フ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ハ本法施行前ニ生ジタル事件ニ付亦
之ヲ適用ス
〔國務大臣鹽野季彥君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=17
-
018・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 只今議題ニ上リ
マシタ陪審法中改正法律案ニ付キマシテ提
案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、共同被〓人
ガ多數デアリマシテ、被〓事件ガ煩雜ナル
場合ニ於キマシテハ、公判ノ審理ニ長期間
ヲ要シマスル爲メ、事件ヲ陪審ノ評議ニ付
シマスル時ハ、長期間ニ亙リ陪審員ノ滯留
ノ場所及ビ陪審員ト他人トノ交通ヲ制限致
シマスルコトハ、陪審ノ公正ヲ期シマスル
上ニ於テ陪審法上已ムヲ得ザル所デアリマ
スガ、其結果陪審員ニ對シ業務ノ抛棄等、
過大ノ負擔ヲ課スルノ餘儀ナキニ至リマス
ルノミナラズ、陪審員ハ記錄ヲ閱覽スルコ
トヲ許サレマセヌノデ、專ラ公判ニ於ケル
被〓人、證人ノ供述ヲ聽取スルコト等ニ依
リマシテ、事案ヲ判斷シナケレバナラナイ
關係カラ、複雜ニシテ審理長期ニ亙ル事件
ニ付キマシテハ、記憶ノ忘失其他ノ事由ニ
依リマシテ適正ナル判斷ヲ期シ難キ虞ガア
ルノデアリマス、加之審理長期間ニ亙リマ
スル關係カラ陪審員中ニハ、健康若クハ家
庭ノ事情等ニ依リマシテ、色々ノ事故ヲ生
ズル關係カラ、陪審員ノ補充ノ困難ナル事
態ヲ發生スル虞モナイトハ言ヘナイノデア
リマス、斯樣ナ事件ハ之ヲ陪審ノ評議ニ付
セザルコトニ改メル爲メ、本法ニ改正ヲ加
ヘントスルノデアリマス、卽チ「共同被〓人
多數ニシテ被〓事件複雜ナル場合ニ於テ公
判ノ審理ニ長期間ヲ要シ且陪審員ノ滯留ノ
場所及陪審員ト他人トノ交通ヲ著シク制限
スル虞アルトキ」斯樣ナ條件ガ完備シテ居
リマスル場合ニ限リマシテ、事件ヲ陪審員
ノ評議ニ付セザルコトニ爲シ得ル途ヲ開カ
ントスルガ爲ニ、本案ヲ提出致シマシタ次
第デアリマス、何卒御審議ノ上御協賛下サ
ランコトヲ切望スル次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=18
-
019・小山松壽
○議長(小山松壽君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=19
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020・中山福藏
○中山福藏君 本案ハ議長指名十八名ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=20
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021・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=21
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022・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
七、紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽
籤劵附囘數入場劵發行ニ關スル法律案ノ第
一讀會ヲ開キマス-商工大臣吉野信次君
第七紀元二千六百年記念日本萬國博
覽會抽籤劵附囘數入場劵發行ニ關ス
ル法律案(政府提出)第一讀會
紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽
籤劵附囘數入場劵發行ニ關スル法律案
第一條紀元二千六百年記念日本萬國博
覽會ヲ開設スル公益法人ハ抽籤劵附囘
數入場劵ヲ發行スルコトヲ得
第二條抽籤劵附囘數入場劵ノ發行價格
ハ編綴シタル入場劵ノ種類及枚數ニ應
ジ十圓ヲ超エザル範圍內ニ於テ之ヲ定
ムベシ
第三條當籤一箇ノ金額ノ最高額ハ抽籤
劵附囘數入場劵ノ發行價格ノ二百倍ト
ス
第四條抽籤劵附囘數入場劵ノ發行總額
ハ三千六百五十萬圓ヲ以テ限トス
第五條第一條ノ公益法人抽籤劵附囘數
入場劵ヲ發行セントスルトキハ主務大
臣ノ定ムル所ニ依リ發行ノ方法及條件
其ノ他必要ナル事項ヲ定メ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第六條抽籤劵附囘數入場劵ノ模造ニ關
シテハ通貨及證劵模造取締法ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣吉野信次君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=22
-
023・吉野信次
○國務大臣(吉野信次君) 紀元二千六百年
記念日本萬國博覽會抽籤劵附囘數入場劵發
行ニ關スル法律案ノ提案理由ヲ御說明申上
ゲマス、來ル昭和十五年ニ開催セラルベキ
日本萬國博覽會ハ、光輝アル紀元二千六百
年ヲ奉祝記念致シマスル本邦最初ノ萬國博
覽會デアリマシテ、廣ク海外諸邦ノ參同ヲ
招請致シマシテ、我ガ國體ノ尊嚴及ビ本邦
產業文化ノ眞髓ヲ中外ニ顯示セントスル國
家的ノ大事業デアリマス、政府ニ於キマシ
テモ本博覽會ノ重要性ニ鑑ミマシテ、本博
覽會計畫ヲ紀元二千六百年ノ奉祝記念事業
ノ一ツトシテ認メマスルト共ニ、商工省内
ニ特別ノ一課及ビ委員會ヲ設ケマシテ、是
ガ指導監督、援助ニ努メ來ッタノデアリマ
ス、而シテ博覽會ノ開設ニ要シマスル經費
ハ、主催者側ノ計畫ニ依リマスルト、三千
四百五十万圓ト相成ッテ居ルノデアリマスル
ガ、現時相當規模ノ萬國博覽會ヲ開設致シ
マスニハ、少クトモ右程度ノ經費ヲ要スル
ノデアリマスカラ、政府ニ於キマシテモ曩
ニ昭和十二年度豫算ヲ以テ五十万圓ノ國庫
補助金ヲ交付スルコトト致シタノデアリマ
ス、更ニ本事業ニ對シマシテ廣ク國民ノ欣
然タル支持ト協力トヲ求メマスルガ爲ニ、
本博覽會ノ開設者ヲシテ抽籤劵附囘數入場
劵ヲ發行セシムルヲ適當ト存ジマシテ、此
際特ニ本法ヲ制定セントスルニ至ッタ次第
デアリマス、何卒愼重御審議ノ上御協贊ア
ランコトヲ御願致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=23
-
024・小山松壽
○議長(小山松壽君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=24
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025・中山福藏
○中山福藏君 本案ハ議長指名十八名ノ委
員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=25
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026・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=26
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027・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
八乃至第十一ハ便宜上一括議題ト爲スニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=27
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028・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第八、關稅定率法中改正法律
案日程第九、昭和七年法律第四號中改正
法律案、日程第十、大正十四年法律第五十
一號中改正法律案、日程第十一、鐵ノ輸入
稅免除ニ關スル法律案、右四案ヲ一括シテ
第一讀會ヲ開キマス-太田大藏政務次官
第八關稅定率法中改正法律案(政府
提出)第一讀會
第九昭和七年法律第四號中改正法律
案(輸入稅ノ從量稅率ニ關スル件)
(政府提出)第一讀會
第十大正十四年法律第五十一號中改
正法律案(關東州ノ生產ニ係ル物品
ノ輸入稅免除等ニ關スル件)(政府提
〓第一讀會
第十一鐵ノ輸入稅免除ニ關スル法律
案(政府提出)第一讀會
左ノ如ク改ム
十二
一一二
二〇七ノ二石炭ガス
關稅定率法中改正法律案
關稅定率法中左ノ通改正ス
第七條第四號ノ二ヲ削リ同條第十二號ヲ
政府ノ專賣品又ハ酒精ノ製造ニ
供スル原料品ニシテ政府ノ輸入
ニ係ルモノ
第七條ニ左ノ一號ヲ加フ
礦油
一石炭又ハ油母頁岩ヨリ製造シタルモノ
二其ノ他
甲原油及重油
攝氏十五度ニ於ケル比重
イ〇·九三四ヲ超エタルモノ
ロ〇·九〇四ヲ超エタルモノ
ハ〇·八六〇ヲ超エタルモノ
ニ其ノ他
付三十錢ヲ加フ
乙其ノ他(動植物性ノ油及脂、
等ヲ含有スルモノヲ含ム)
攝氏十五度ニ於ケル比重
乙ノ一
乙ノ二
乙ノ三其ノ他
イ
ロ其ノ他
第二百七號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
二十四命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ
認許ヲ受ケ輸入スル航空機又
ハ航空機用ノ發動機若ハプロ
ペラ
第九條第二項中「輸入原料品ニシテ」ノ下
ニ「纖維素パルプ、」ヲ加フ
別表輸入稅表中左ノ如ク改ム
第百十二號ヲ左ノ如ク改ム
無稅
每キロリッ六·七五
トル
每キロリツ一〇·三〇
トル
每キロリツ一八·〇〇
トル
每キロリツ二三·四〇
トル
但シ蒸餾法ニ依リ攝氏一一百十五度迄
ニ餾出スル油液ノ原液ノ容量ニ對ス
ル百分率四十ヲ超エタルモノハ四十
以上一ヲ增ス每ニ一キロリットルニ
石鹸、酒精
〇·八〇一七ヲ超エサルモノ每キロリッ四六·二〇
トル
〇·八四九八ヲ超エサルモノ每キロリツ四一·〇〇
トル
融解點攝氏十五度ヲ超エサルモノ每キロリツ七一·二〇
トル
每百キログ八·三〇
ラム
無稅
第五百六十三號中「五
五六四
第十一類中「製紙用パルプ」ヲ「纖維素パルプ」ニ改ム
第三百六十二號第二項乙イ中「每百斤」ヲ削リ「一·○○」ヲ「無稅」ニ改ム
第四百七十七號ノ二ヲ削ル
割」ヲ「七割」ニ改ム
第五百六十四號ヲ左ノ如ク改ム
自動車部分品(原動力機ヲ除ク)
シャシ
甲輪距二百五十センチメートルヲ超エサ
ルモノ每百斤一五四·一五
乙其ノ他每百斤四四·四二
二車枠、車輪、前部撥條及後部撥條每百斤一四·一七
三機關覆、燃料槽、昇降段(エプロン付ノ
モノヲ含ム)及緩衝器每百斤二四·六一
四前車軸(ハッブ付ノモノヲ含ム)、消音器及
タイヤーリム每百斤三〇·二六
五後車軸(ハッブ付ノモノヲ含ム)、車體用型
付鐵板、前扉及後扉每百斤四一·三〇
六變速裝置、換向輪、換向齒車及計器盤(計
器ヲ附シタルモノヲ除ク)每百斤六三·九九
七自在接手及振動減器每百斤八六·〇八
八差動齒車每百斤九二·九二
九變速齒車百斤一三八·三〇
從每
十其ノ他價六割
第五百七十七號第二項ヲ第三項トシ第一項ヲ左ノ如ク改ム
一自動車用ノモノ每百斤四八·〇〇
二自轉車用ノモノ從價三割五分
第六百五號第八項ヲ左ノ如ク改ム
八針布
甲皮革ヲ用ヰタルモノ每百斤一二〇·〇〇
乙其ノ他每百斤六〇·六〇
同號第十四項ヲ左ノ如ク改ム
十四軸受及同部分品
甲軸受價三割
乙ベアリングボール從從每從百三七·〇〇
丙其ノ他價價斤三
其ノ他二割割
十五
第六百七號ノ二中「〇·六○」ヲ「一·六五」ニ改ム
第六百四十六號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
六四六ノ二變性糖蜜
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
前ノ例ニ依ル
昭和七年法律第四號中改正法律案
昭和七年法律第四號中左ノ通改正ス
別表輸入稅表番號第二十一一號ノ項ノ次ニ
左ノ二項ヲ加フ
四〇砂糖
二和蘭標本色相第二十
二號未滿ノモノ
三其ノ他
四一氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其
ノ他類似ノモノ
同第百十二號ノ項ヲ左ノ如ク改ム
一一二礦油
二其ノ他
同第百五十八號ノ二ノ項ノ次ニ左ノ一項
ヲ加フ
一六四苛性曹達及苛性加里
二其ノ他ノ內苛性曹達
同第二百五十九號ノ二ノ項ノ次ニ左ノ五
項ヲ加フ
二七二綿織絲(別號ニ揭ケタル特
殊綿織絲ヲ除ク)
二八三毛織絲
二八四毛綿織絲
二九〇人造絹(アセチルセルロー
從價五分
本法施行前第七條第四號ノ二ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ニ付テハ仍從
ス製ノモノヲ除ク)
三六一纖維素パルプ
同第三百六十二號ノ項ヲ左ノ如ク改ム
三六二印刷料紙
二其ノ他
乙其ノ他
ロ其ノ他
三六七包裝用紙及燐寸用紙(チッ
シューペーパーヲ除ク)
同第四百六十三號ノ二ノ項ノ次ニ左ノ五
項ヲ加フ
四六四銅
一塊及錠
二條及竿
三板
四線
六筒及管
甲金屬ヲ鍍セサルモ
七屑及故(改造用ノミ
ニ適スルモノ)
四六五鉛
一塊及錠
五管
四六六錫
-塊及錠
三箔
四六七亞鉛
一塊錠及粒
二板
乙其ノ他
ロ其ノ他
四屑及故(改造用ノミ
ニ適スルモノ)
四七一眞鍮及靑銅
同第五百四十九號ノ項ノ次ニ左ノ二項ヲ
加フ
五六四自動車部分品(原動力機ヲ
除ク)
一シャシ
二車枠、車輪、前部撥
條及後部撥條
三機關覆、燃料槽、昇
降段(エプロン付ノ
モノヲ含ム)及緩衝
器
四前車軸(ハップ付ノ
モノヲ含ム)、消音器
及タイヤーリム
五後車軸(ハッブ付ノ
モノヲ含ム)、車體用
型付鐵板、前扉及後
扉
六變速裝置、換向輪、
換向齒車及計器盤
(計器ヲ附シタルモ
ノヲ除ク)
七自在接手及振動減器
八差動齒車
九變速齒車
五七七內燃機關
-自動車用ノモノ
同第六百五號ノ項ヲ左ノ如ク改ム
六〇五機械部分品(別號ニ揭ケサ
ルモノ)
二ロール及ローラー
甲鐵製ノモノ
甲ノ二其ノ他
ホ其ノ他
八針布
十筬(金屬製ノモノ)
十四軸受及同部分品
乙ベアリングボール
六〇七ノ二カッサヴァルート
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ別表
輸入稅表番號第四十號、同第四十一號、
同第百六十四號、同第二百七十二號、同
第二百八十三號、同第二百八十四號、同
第二百九十號、同第三百六十一號、同第
三百六十二號、同第三百六十七號、同第
四百六十四號乃至同第四百六十七號及同
第四百七十一號ノ項ノ改正規定ハ昭和十
二年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
大正十四年法律第五十一號中改正法律
案
大正十四年法律第五十一號中左ノ通改正
ス
別表甲號輸入稅表番號第七十二號ノ內ノ
項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
一二〇ノ內大豆硬化油(關東州ノ生產
ニ係ル大豆油ヲ原料トシタル
モノ)
同第二百二十九號ノ內ノ項ヲ左ノ如ク改
ム
二二九ノ內硫酸マグネシア及硝酸アン
モン
別表乙號輸入稅表番號第百二十號ノ內ノ
項ヲ削ル
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
鐵ノ輸入稅免除ニ關スル法律案
關稅定率法別表輸入稅表第四百六十二號
ニ揭グル鐵(別號ニ揭ゲタル特殊鋼ヲ除ク)
ノ輸入稅ハ本法施行ノ日ヨリ昭和十四年
六月三十日迄之ヲ免除ス
前項ノ期間ハ政府特ニ必要アリト認ムル
トキハ勅令ニ依リ物品ヲ指定シ之ヲ短縮
スルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十二年勅令第百三十號ハ之ヲ廢止ス
〔政府委員太田正孝君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=28
-
029・太田正孝
○政府委員(太田正孝君) 只今議題トナリ
マシタ關稅定率法中改正法律案外三件ニ付
キ一括シテ御說明ヲ致シマス、先ヅ關稅定
率法中改正法律案ニ付テ申上ゲマス、今囘
提出致シマシタ改正案ハ、稅率ノ改正ト致
シマシテハ礦油外九品目ニ關スルモノデア
リマスガ、其內主要ナルモノハ礦油ト自動車
及ビ同關係品デアリマス、礦油ニ付キマシ
テハ人造石油ノ項ヲ設ケマシテ之ヲ無稅ト
爲シ、其ノ他ノモノハ其關稅率ヲ引上ゲマ
シテ、液體燃料ノ自給促進ヲ圖ラウト存ズ
ルノデアリマス、又自動車及ビ其關係品ニ
付キマシテハ、稅率ノ引上ニ依リマシテ、
國內ニ於ケル自動車製造事業ノ確立ヲ助長
スル等、是等產業國策ノ遂行ニ資セントス
ルモノデアリマス、右ノ稅率改正ノ外燃料
用礦油ノ關稅ヲ免除スル規定ノ廢止、「パル
プ」ノ製造ニ供スル木材ノ關稅ヲ免除スル
規定ノ新設等、二三ノ改正ヲ行ハントスル
モノデアリマス
次ニ昭和七年法律第四號、卽チ輸入稅ノ
從量稅率ニ關スル件ノ改正法律案ニ付テ申
上ゲマス、現在本法ニ依リ關稅定率法ニ依
ル稅率ノ三割五分ヲ增課セラレテ居ル物品
ノ中デ、國民生活又ハ國內產業等ニ重要ナ
ル關係ヲ有スルモノト認メラレル砂糖外十
四品目ニ付キマシテハ、物價調整ニ資スル
等ノ爲メ之ヲ本法ノ別表ニ追加シ、以テ三
割五分增課ノ範圍カラ除外スルノヲ適當ト
認メタノデアリマス、尙ホ今囘ノ關稅定率
法中改正法律ニ依リマシテ其稅率ヲ改正セ
ラルベキ物品ノ中、新ニ從量稅率ヲ定メマ
シタモノハ、各般ノ事情ヲ勘案シマシテ、
適當ト認メタ率ヲ配シタノデアリマスルカ
ラ、前例通リ之ヲ本法ノ別表ニ追加シ、整理
的ノ改正ヲ爲サントスルモノデアリマス
次ハ大正十四年法律第五十一號中改正法
律案デアリマス、今日關東州ノ生產ニ係ル
大豆油ヲ原料トシテ關東州ニ於テ製造致シ
マシタ大豆硬化油ハ、本法ニ依ッテ一般稅率
ヨリモ低減シタ稅率ニナッテ居ルノデアリ
マスルガ、之ヲ全額免除スルコトトシタイ
ノデアリマス、又最近關東州ニ於テ生產ヲ
見ルニ至リマシタ硝酸「アンモン」ニ付キマシ
テモ、是ガ輸入ニ便スル爲メ其輸入稅ヲ免
除スルノヲ適當ト認メマシテ、本改正案ヲ
提出シタ次第デアリマス
最後ニ鐵ノ輸入稅免除ニ關スル法律案ニ付
テ御說明申上ゲマス、鐵ノ輸入稅免除ニ關ス
ル法律案ハ前議會ニ提出セラレ、審議未了
トナリ、去ル四月十五日勅令第百三十號ヲ
以テ鐵ノ輸入稅免除ニ關スル緊急勅令ガ公
布サレタノデアリマス、然ルニ右緊急勅令
ニ依ル輸入稅ノ免除期間ハ明年三月三十一
日迄デアリマスルガ、鐵ノ生產、輸入、需
給等ノ狀況ニ顧ミマストキハ、昭和十四年
六月迄之ヲ免除スルコトト爲ス等ノ必要ガ
アリマスノデ、今囘別ニ之ニ關スル法律ヲ
制定スルト同時ニ、右緊急勅令ハ之ヲ廢止
スルコトト致ス次第デアリマス、尙ホ詳細ノ
コトニ付キマシテハ適當ノ機會ニ於テ御說明ヲ
申上ゲタイト存ジマス、何卒御審議ノ上速ニ
協賛ヲ與ヘラレンコトヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=29
-
030・小山松壽
○議長(小山松壽君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=30
-
031・中山福藏
○中山福藏君 日程第八乃至第十一ノ四案
ヲ一括シテ議長指名二十七名ノ委員ニ付託
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=31
-
032・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=32
-
033・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十二、大正九年法律第五十三號中改正法律
案ノ第一讀會ヲ開キマス--拓務大臣大谷
尊由君
第十二大正九年法律第五十三號中改
正法律案(關稅法及關稅定率法等ノ
朝鮮ニ於ケル特例ニ關スル件)(政府
提出)第一讀會
大正九年法律第五十三號中改正法律案
大正九年法律第五十三號中左ノ通改正
ス
第二條第一號中「面」ヲ「邑面」ニ改メ同條
第六號ヲ第九號トシ同條第五號ノ次ニ左
ノ三號ヲ加フ
六第四號ノ車輛ニシテ破損シタルモ
ノ竝ニ其ノ解體材及備品、附屬品
七朝鮮總督ノ定ムル陸接國境隣接地
域内ノ住民カ朝鮮總督ノ定ムル所
ニ依リ加工又ハ修繕ノ爲輸出シタ
ル物品ニシテ輸出ノ日ヨリ六月內
ニ再輸入スルモノ
八朝鮮ニ於テ揮發油ニ混入スヘキア
ルコールノ製造ニ供スル原料品但
シ朝鮮總督ノ定ムル所ニ依リ其ノ
認可ヲ受ケ輸入スルモノニ限ル
第二條ノ二陸接國境ヲ經テ朝鮮ニ輸入
シタル左ノ物品ニシテ輸入ノ日ヨリ一
年內ニ再輸出スルモノニハ輸入稅ヲ免
除ス但シ輸入ノ際稅金ニ相當スル擔保
ヲ提供セシムルコトヲ得
-鐵道車輛及其ノ備品、附屬品但シ
朝鮮總督ノ認可ヲ受ケ輸入スルモ
ノニ限ル
二朝鮮總督ノ定ムル陸接國境隣接地
域內ニ於テ使用スル物品但シ朝鮮
總督ノ指定シタルモノニ限ル
第三條第一項中「三萬五千瓲」ヲ「十萬瓲」
ニ改メ「製鐵事業」ノ下ニ「又ハ砂鐵若ハ
朝鮮總督ノ定ムル鐵鑛ノ製鍊ヲ目的トス
ル特殊ノ設備ヲ以テ營ム製鐵事業」ヲ加
フ
第七條ノ二雄基港、羅津港及〓津港ニ
於テ稅關長カ外國貨物ヲ藏置シ得ヘキ
場所トシテ指定シタル場所ニ於テハ朝
鮮總督ノ定ムル所ニ依リ稅關長ノ許可
ヲ得テ貨物ノ改裝、仕分及混合ヲ爲ス
コトヲ得
第八條中「面事務所」ヲ「邑面事務所」ニ、
「面」ヲ「邑面」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣大谷尊由君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=33
-
034・大谷尊由
○國務大臣(大谷尊由君) 大正九年法律第
五十三號、關稅法關稅定率法保稅倉庫法及
假置場法等ノ朝鮮ニ於ケル特例ニ關スル法
律中改正法律案ニ付テ御說明申上ゲマス、
本法律案ハ前議會ニ之ヲ提出致シマシタ所、
解散ニ依ッテ審議未了トナリマシタノデ、內
容ヲ若干追加致シマシテ、玆ニ再ビ提出致
シマシタ次第デアリマス、朝鮮ニ於テモ燃
料國策ニ順應シ、大體內地ト同樣ニ揮發油
及ビ「アルコール」混用制度ヲ實施スル計畫
デアリマシテ、混用「アルコール」ノ製造ハ
差當リ政府ノ免許ヲ受ケタル民間ノ事業者
ヲシテ之ニ當ラシムル方針デアリマスノデ、
低廉豐富ナル供給ヲ圖リマスル爲メ、混用
「アルコール」ノ原料ノ輸入稅ヲ免除セント
スルノデアリマス
次ニ日滿陸接國境ヲ經由スル交通貿易ノ
進展ヲ圖リ、陸接國境隣接地區域住民ノ便
利ニ資スル爲メ若干ノ免稅規定ヲ設ケマス
ルト共ニ、雄基、羅津及ビ〓津ノ三港ノ保
稅區域內ニ於ケル大豆、其他ノ滿洲特產品
ノ取扱上必要ナル特例ヲ認メントスルモノ
デアリマス
最後ニ製鐵事業法ノ制定ニ伴ヒ輸入稅免
除ノ特典ヲ與フル製鐵事業者ノ資格ヲ改正
スルト共ニ、曩ニ行ハレマシタ朝鮮ニ於ケ
ル地方制度ノ改正ニ伴フ字句ノ修正ヲ爲サ
ントスル次第デアリマス、何卒宜シク御審
議ノ上速ニ御協贊アランコトヲ希ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=34
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035・小山松壽
○議長(小山松壽君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付キ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=35
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036・中山福藏
○中山福藏君 本案ハ政府提出關稅定率法
中改正法律案外三件委員ニ併セ付託セラレ
ンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=36
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037・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=37
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038・小山松壽
○議長(小山松喜君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十三、昭和十二年勅令第百三十號、承諾ヲ
求ムル件ヲ議題ト致シマス-太田大藏政
務次官
第十三昭和十二年勅令第百三十號
(鐵ノ輸入稅免除ニ關スル件)(承諾
ヲ求ムル件)
昭和十二年勅令第百三十號
朕玆ニ緊急ノ必要アリト認メ樞密顧問ノ
諮詢ヲ經テ帝國憲法第八條第一項ニ依リ
鐵ノ輸入稅免除ニ關スル件ヲ裁可シ之ヲ
公布セシム
御名御璽
昭和十二年四月十五日
內閣總理大臣林銑十郞
兼文部大臣
農林大臣山崎達之輔
遞信大臣伯爵兒玉秀雄
海軍大臣米內光政
司法大臣鹽野季彥
商工大臣兼伍堂卓雄
鐵道大臣
內務大臣河原田稼吉
大藏大臣兼結城豊太郞
拓務大臣
陸軍大臣杉山元
外務大臣佐藤尙武
勅令第百三十號
關稅定率法別表輸入稅表第四百六十二號
ニ揭グル鐵(別號ニ揭ゲタル特殊鋼ヲ除
ク)輸入稅ハ本令施行ノ日ヨリ昭和十三
年三月三十一日迄之ヲ免除ス
附則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔政府委員太田正孝君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=38
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039・太田正孝
○政府委員(太田正孝君) 只今議題トナリ
マシタ昭和十二年勅令第百三十號、鐵ノ輸入
稅免除ニ關スル緊急勅令ノ承諾ヲ求ムル件
ニ付テ御說明ヲ申上ゲマス、鐵ノ輸入稅免
除ニ關スル法律案ハ前議會ニ於テ審議末了
ニ終リマシタガ、其後ニ於ケル鐵ノ供給不
足ト、其價格ノ暴騰トハ、公私ノ重工業ノ
圓滑ナル運行ヲ阻碍シ、延イテ一般產業ニ
重大ナル影響ヲ及ボシ、國家緊急要務タル
國防ニ支障ヲ來ス虞ガアリマスノデ、去ル
四月十五日勅令第百三十號ヲ以テ鐵ノ輸入
稅免除ニ關スル緊急勅令ガ公布セラレタノ
デアリマス、仍テ帝國議會ノ承諾ヲ求ムル
爲メ茲ニ之ヲ提出致シタ次第デアリマス、尙
ホ詳細ノコトニ付キマシテハ、適當ノ機會
ニ於テ御說明ヲ致シタイト存ジマス、何卒
御審議ノ上速ニ承諾ヲ與ヘラレンコトヲ希
望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=39
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040・小山松壽
○議長(小山松壽君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=40
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041・中山福藏
○中山福藏君 本件ハ政府提出關稅定率法
中改正法律案外三件委員ニ併セ付託セラレ
ンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=41
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042・小山松壽
○議長(小山松澤君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=42
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043・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程
第十四、刑事補償法中改正法律案ノ第一讀
會ヲ開キマス、提出者ノ趣旨辯明ヲ許シマ
ス-提出者中村高一君
第十四刑事補償法中改正法律案十中
村高一君外十名提出)第一讀會
刑事補償法中改正律法案
刑事補償法中左ノ通改正ス
第四條第二項及第三項中「又ハ重大ナル
過失」ヲ削ル
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔中村高一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=43
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044・中村高一
○中村高一君 極ク簡單ニ提案ノ理由ノ說
明ヲ致シマス、刑事補償法ハ諸君ノ御承知
ノ通リ、今日ノ刑事訴訟手續ニ於キマシテ、
無罪ノ判決ヲ受ケ、或ハ免訴ノ言渡ヲ受ケ
マシタ場合ニ於キマシテ、國家ガ之ニ補償
ヲ致スト云フ法律デアリマスルガ、近來各
種ノ刑事事件ニ於キマシテ、人權蹂躙ノ事
件ガ起ッテ居リマス、而モ此人權蹂躪ノ幾多
ノ刑事事件ニ於キマシテ、折角無罪ニナリ、
或ハ免訴ニナリマシテ釋放セラレマシテモ、
此刑事補償法ノ第四條第二項、第三項ニ規
定セラレテ居リマスル「故意又ハ重大ナル
過失」ニ依リマシテ自白ヲ致シタト云フヤウ
ナ理由ニ依リマシテ補償法ノ適用ガナイト
云フノガ今日ノ實際ノ取扱デアリマス、吾
吾ハ警察官ノ拷問ナドニ依リマシテ自白ヲ
致シマシタヤウナ場合ニ於キマシテハ、國
家ハ之ニ補償ヲスルノガ當然ナリト考ヘマ
シテ、本改正案ヲ提出致シマシタ次第デア
リマス(拍手)昭和七年一月ニ刑事補償法ガ
實施ニナリマシテカラ後ニ、色々細カイ統計
ナドガアリマスルケレドモ、時間ガアリマ
セヌカラ省略ヲ致シマスルガ、補償ノ請求
ヲ致シマシテモ、實際ニ補償ヲ受ケテ居リ
マスル者ハ僅カデ、昭和七年カラ昭和十年
ノ間ニ約三分ノ一シカ補償ヲ受ケルコトガ
出來ナイト云フ現狀ニアルノデアリマシ
テ、是ハ刑事補償法ノ中ニアリマスル所ノ
第四條ヲドウシテモ改正致サナケレバ、吾
吾ハ其目的ヲ達スルコトガ出來ナイト信ズ
ルノデアリマス、固ヨリ此法律ヲ制定致シ
マシタ當時ニ於テモ、此「重大ナル過失」ト
云フコトガ非常ニ問題ニナッテ居ルノデアリ
マシテ、「重大ナル過失」ト云フヤウナ自由
ニ認定ノ出來ル文句ガアルナラバ、自白ヲシ
タ場合ニ於キマシテ、假ニ是ガヒドイ拷問
ナドニ依リマシテモ、「オ前ハ重大ナル過失
ニ依ルモノダ」ト云フコトデ、折角ノ請求ガ
棄却ヲセラレルト云フヤウナコトニナルコ
トニ付テ論議ヲセラレテ居ルノデアリマス、
然ルニ當時ノ政府ノ說明ニ依レバ、サウ云
フ心配ハナイ、拷問ナドノ場合ニ於テハ明
瞭ニナリサヘスレバ當然補償ヲ受ケルノダ
カラ、心配ハナイノダト云フヤウナ說明ヲ
致シテ、法案ヲ通過ヲサセテ居ルノデアリ
マスルガ、事實ニ於テハ何レモ拷問ヲ受ケ
マシタ被告ガ自白シタコトニ付テ、ソレハ
オ前ノ重大ナル過失ダト云フコトデ、拷問
ノ結果ダト云フコトガ分ラズジマヒニナッ
テ、請求ガ棄却セラレテ居ル現狀デアリマ
ス(拍手)特ニ最近ノ神奈川縣ニ於キマスル
事件ナドヲ見マシテモ、後ニ是ハ委員會ナ
ドニ於キマシテ詳細ニ議論セラレルト思フ
ノデアリマスルケレドモ、百八十三名ト云
フ多數ノ被告ガ起訴セラレテ居リナガラ、結
局九十名モ免訴ニナッテシマッテ居ル、或ハ
城ケ島ニ於キマシテハ二十六名起訴セラレタ
被〓ノ中デ、公判ニ〓ッタノハ僅ニ一名シ
カナイ、アト二十五名ハ免訴ニナッテ居ル
ノデアリマシテ、而モ是ハ殆ド全部ト言ッテ
宜イ程警察官ノ拷問ニ依ルト云フ驚クベキ
事實ガ旣ニ世間ニ發表ヲセラレテ居ルノ
デアリマス、而モ能ク調査ヲシテ見マスナ
ラバ、大抵ハ拷問ヲセラレマシテ、苦シサ
ノ餘リニ自白ヲ致シテ居ルノデアリマス、
恐ラクハ此澤山ノ免訴、或ハ近ク公判ノ行
ハレマスル所ノ集團放火ノ事件ナドニ於キ
マシテ、多數ノ無罪ノ者ガ出ルダラウト思
フ、ケレドモ國家補償ノ請求ニ當ッテハ、恐
ラクハ此第四條ニ規定ヲセラレテ居リマス
「オ前ハ重大ナル過失ガアル」ト云フ理由ニ
依ッテ、補償ハ棄却セラレルト私達ハ憂フル
ノデアリマス、斯ルガ故ニ吾々ハドウシテ
モ此文字ノ削除ヲ致サナケレバナラヌト思
フノデアリマス(「司法大臣ヲ呼べ」ト呼フ者
アリ)然ルニ司法省ナドノ說明ニ依リマス
ルナラバ、外國ニ於ケル立法例ナドヲ例ニ
採リマシテ、外國ニ同ジク斯ウ云フヤウナ
除外例ガアルノダカラト云フヤウナ說明ヲ
致サレテ居リマスガ、外國ニハ私ハ日本ノ
警察ノヤウニ、アヽ云フ風ナ亂暴ナ拷問ヲ
スルモノハ少イト思フ(拍手「司法大臣ヲ呼
ベ」ト呼フ者アリ)此拷問ノ事實ヲ吾々ガ見
マシテ、ドウシテモ今日ノヤウニ日本ノ警
察ニ於キマシテ、驚クベキ拷問ノ事實ナド
ガアル限リハ、吾々ハドウシテモ此刑事補
償法ハ改正ヲ致サナケレバ、日本ノ警察官
(「司法大臣ノ出席ヲ願ヒマス」ト呼フ者ア
リ)或ハ司法當局ニ於キマシテノ拷問事件
ナドハ、根絕スルコトガ出來ナイト思ッテ
居リマス(拍手)
(「司法大臣ヲ呼ベ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=44
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045・小山松壽
○議長(小山松壽君) 司法大臣ノ出席ヲ要
求致シテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=45
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046・中村高一
○中村高一君(續) 大臣ノ參リマス間繼續
致シテ居リマス-此法律ガ提案ヲ致サレ
マシタ當時ノ政府ノ聲明ハ實際適用ニ當ッテハ
非常ニ違ヒヲ致シテ居ルノデアリマシテ、
制定當時ノ委員會ナドニ於キマシテモ此「重
大ナル過失ト」云フ文字ニ付テ、將來此適用
ノ上ニ於キマシテ危險ガアルト云フコトガ
隨分論議ヲサレテ居リマス、然ルニ政府ノ
之ニ對スル辯明ヲ見マスルト、虚僞ノ自白
ヲスルノハ拷問バカリヂヤナイノダト云フ
ヤウナコトカラ、此「重大ナル過失」ト云フ
文字ヲドウシテモ置カナケレバナラナイト
言フノデアリマスケレドモ、成程虚僞ノ自
白ヲ致シマスルノハ拷問バカリデナイコト
ハ事實デアリマス、併シ巧妙ナル誘導訊問
ト云フモノガアルコトモ諸君ノ御承知ノ通
リデアリマシテ(拍手)拷問ニ依ルト同樣
ニ、例ヘバオ前ハ何時迄モ頑張ッテ居ルケ
レドモ、モウ他ノ者ハ白狀シテ居ルノダト
云フヤウナ、極メテ要領ノ宜イ誘導訊問ガ
アリマスルシ、或ハオ前ハ自白ヲシナケレバ
今日ハ歸サナイ、自白ヲスレバ歸シテヤル
ト云フヤウナ、是亦極メテ巧妙ナル誘導訊
問ガ行ハレテ居リマス、或ハ檢事廷ニ於キ
マシテノ取調ニ當ッテ、曩ニ警察デ散々暴行
ヲ加ヘタ刑事ガ傍ニ附イテ居リマシテ、言
ヒタイコトヲ言ハウト思ッテモ、刑事ニ睨マ
レテ中々言ヘナイト云フヤウナ例モアリマ
ス、或ハ檢事局ヘ行ク途中デ、オ前ハ警察
デ自白シタコトヲ、今度ハ檢事局ヘ行ッテ
違ッタコトヲ言ヘバ承知シナイゾト云フヤ
ウナ、ヒドイ嚇シヲ言ウテ自白ヲセシメル
例モ幾ラモアルノデアリマス(「悉ク然リ」
ト呼フ者アリ、笑聲)此幾多ノ人權蹂躪ノ
事實ヲ見マス、中ニハ警察官ニ依リマスル
ト云フト、補償法ヲ適用サレルト因ルカラ、
無理ニデモ警察デ「ウン」ト言ハセルト云フ
ヤウナコトヲヤリマシテ、却テ此條文ガア
ル爲ニ、此條文ノ爲ニ自白ヲ强要スルト云
フヤウナコトサヘ行ハレテ居ルノデアリマ
ス(拍手)ソレデアリマスルカラシテ、吾々
ハ今日ノ現狀カラ致シマシテ、殊ニ幾多ノ
人權蹂躪ノ事實ノ出テ居リマスル今日ニ於
テ、民衆ヲ救フ爲ニ、無實ノ罪ニ泣イテ居
リマスル所ノ人ノ爲ニ、吾々ハ補償ノ與ヘ
ラレルヤウナ改正案ヲ、皆サンノ御協贊ヲ
得タイ爲ニ提出致シタ次第デアリマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=46
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047・小山松壽
○議長(小山松壽君) 質疑ハアリマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=47
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048・中山福藏
○中山福藏君 本案ハ政府提出、陪審法中
改正法律案委員ニ併セ付託セラレンコトヲ
望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=48
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049・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=49
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050・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十五及ビ第十六ハ同種議案デアリマスカラ、
一括議題ト爲スニハ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=50
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051・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十五、大正十二年法律第五
十二號中改正法律案、日程第十六、大正十
二年法律第五十二號中改正法律案、右兩案
ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス、順次提出
者ノ趣旨辯明ヲ許シマス-提出者手代木
隆吉君
第十五大正十二年法律第五十二號中
改正法律案(司法官試補及辯護士ノ
資格ニ關スル件)(手代木隆吉君外三
名提出)第一讀會
第十六大正十二年法律第五十二號中
改正法律案(司法官試補及辯護士ノ
資格ニ關スル件)(紅露昭君外三名提
出)第一讀會
大正十二年法律第五十二號中改正法律
案
大正十二年法律第五十二號中左ノ通改正
ス
第一項中「昭和十二年十二月三十一日迄」
ヲ「昭和十六年十二月三十一日迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
大正十二年法律第五十二號中改正法律
案
大正十二年法律第五十二號中左ノ通改正
ス
第一項中「昭和十二年十二月三十一日迄」
ヲ「昭和十六年十二月三十一日迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=51
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052・手代木隆吉
○手代木隆吉君 簡單デアリマスカラ、自
席ヨリ發言スルコトヲ御許シ願ヒマス
(「司法大臣ガ出席シテ居ナイ」「大臣ガ
出席シテカラヤリ給ヘ」ト呼ヒ發言ス
ル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=52
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053・小山松壽
○議長(小山松壽君) 手代木君ニ申上ゲマ
ス、今刑事局長ハ居リマスガ、司法大臣ノ
出席ヲ要求致シテ居リマス-司法大臣出
席致シマシタカラ御說明ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=53
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054・手代木隆吉
○手代木隆吉君 只今上程ニナリマシク大
正十二年法律第五十二號中改正法律案ノ趣
旨ヲ簡單ニ辯明致シマス(「登壇々々」ト呼
フ者アリ)本改正案ノ提出ノ理由ハ理由書
ニ〓要ヲ辯明致シテアリマスカラ之ニ依ッ
テ御諒察ヲ願ヒマス、詳細ナルコトハ委員
會ニ於テ說明ヲ致シマス、本案ト同一趣旨
ノ法律案ガ第七十議會ニ於テ衆議院ヲ滿場
一致通過ヲシ、貴族院ニ於テ委員會ニ於テ
ハ可決セラレ、議會解散ニ依ッテ不成立ニ
終ックモノデアリマス、而シテ前囘ニ於テハ
延長期間ヲ五年ニ致シテアッタモノヲ、今囘
ハ之ヲ四年ニ短縮致シテ提出シタモノデ
アリマス、而シテ現行法ハ本年十二月三十
一日ヲ以テ期間滿了スルノデアリマス、其
爲ニ取急イデ本期議會ニ提案ヲ致シタ次第
デアリマス、何卒速ニ御審議ノ上ニ御贊成
アランコトヲ望ミマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=54
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055・小山松壽
○議長(小山松壽君) 提出者立川平君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=55
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056・立川平
○立川平君 簡單デアリマスカラ自席ヨリ
發言ノ御許ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=56
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057・小山松壽
○議長(小山松壽君) 宜シウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=57
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058・立川平
○立川平君 本案提出ノ理由ハ只今手代木
君ヨリ說明セラレク通リデアリマス、且ツ
第七十議會ニ於ケル徑路モ亦同君ヨリ說明
ガアッタ通リデアリマス、何卒諸君ノ御協賛
ヲ願フ次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=58
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059・中山福藏
○中山福藏君 日程第十五及ビ第十六ノ兩
案ヲ一括シテ政府提出、陪審法中改正法律
案委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=59
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060・小山松壽
○議長(小山松壽君) 中山君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=60
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061・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、是ニテ議
事日程ハ議了セラレマシタ、明三十日ハ定
刻ヨリ本會議ヲ開キマス、議事日程ハ公報
ヲ以テ御通知致シマス、本日ハ是ニテ散會
致シマス
午後二時十七分散會
衆議院議事速記錄第三號中正誤
頁段行誤正
三〇四六御聞キ御開キ
衆議院議事速記錄第四號中正誤
頁段行誤正
四四二一ナラナイ外ナラナイ
四六二四迪轉逆轉
四六四七横濱ト横濱ニ
四八三二二ナラナイナラネバナラナイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00519370729&spkNum=61
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