1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十二年七月三十日（金曜日）
午後一時十分開議
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議事日程 第五號
昭和十二年七月三十日
午後一時開議
第一 産金法案（政府提出） 第一讀會
第二 金準備評價法案（政府提出） 第一讀會
第三 金資金特別會計法案（政府提出） 第一讀會
第四 日本銀行金買入法廢止に關する法律案（政府提出） 第一讀會
第五 朝鮮銀行法中改正法律案（政府提出） 第一讀會
第六 臺灣銀行法中改正法律案（政府提出） 第一讀會
第七 外國爲替管理法中改正法律案（政府提出） 第一讀會
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001・小山松壽
○議長(小山松壽君) 諸般ノ報〓ヲ致サセ
マス
〔書記官朗讀〕
一今三十日貴族院ヨリ受領シタル政府提出
案左ノ如シ
軍機保護法改正法律案
兵役法中改正法律案
裁判所構成法中改正法律案
大正十年法律第百二號中改正法律案(定
昭和十二年七月三十一日
年ニ因ル退職判事檢事ノ恩給ニ關スル件)
刑事訴訟法中改正法律案
〔左ノ報〓ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲
玆ニ揭載ス〕
一政府ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
產金法案
金準備評價法案
金資金特別會計法案
日本銀行金買入法廢止ニ關スル法律案
朝鮮銀行法中改正法律案
臺灣銀行法中改正法律案
外國爲替管理法中改正法律案
(以上七月二十九日提出)
一議員ヨリ提出セラレタル議案左ノ如シ
大正十二年法律第五十二號中改正法律案
(司法官試補及辯護士ノ資格ニ關スル件)
提出者森下國雄君
恩給法中改正法律案
提出者
宮脇長吉君原口初太郞君
船員保險法制定ニ關スル建議案
提出者
岡崎憲君米窪滿亮君
釜石本莊間鐵道速成ニ關スル建議案
提出者
信太儀右衞門君小山義孝君
土田莊助君
雪害地ノ土地賃貸價格決定ニ關スル建議
案
提出者
川合直次君松井郡治君
佐藤與一君今成留之助君
小柳牧衞君武田德三郞君
山本悌二郞君加藤知正君
松木弘君三宅正一君
大竹貫一君高岡大輔君
長崎縣島原ニ無水アルコール工場設置ニ
關スル建議案
提出者
太田理一君倉成庄八郞君
西岡竹次郞君
度量衡法改正ニ關スル建議案
提出者山道襄一君
無水酒精原料甘諸納入價格引上及買上方
法改善ニ關スル建議案
提出者
寺田市正君伊東岩男君
岩元榮次郞君井上知治君
永田良吉君東〓實君
宮崎市綾町間省營バス運輸開始ニ關スル
建議案
提出者
寺田市正君伊東岩男君
東〓實君永田良吉君
岩元榮次郞君
志布志內海線鐵道速成ニ關スル建議案
提出者
寺田市正君伊東岩男君
東〓實君永田良吉君
岩元榮次郞君
(以上七月二十九日提出)
一議員ヨリ提出シタル質問主意書左ノ如シ
東北振興ニ關スル質問主意書
提出者
川俣〓音君菊地養之輔君
鈴木文治君
(以上七月二十九日提出)
一昨二十九日貴族院ニ於テ本院ノ送付ニ係
ル左ノ政府提出案ヲ可決シタル旨同院ヨ
リ通牒ヲ受領セリ
(第一號)昭和十二年度歲入歲出總豫算追
加案
(特第一號)昭和十二年度各特別會計歲入
歲出豫算追加案
北支事件ニ關スル經費支辨ノ爲公債發行
ニ關スル法律案
一昨二十九日近衞内閣總理大臣ヨリ左ノ通
發令アリタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
外務省歐亞局長東〓茂德
外務事務官山形〓
第七十一囘帝國議會外務省所管事務政府
委員被仰付
內務省神社局長兒玉九
內務省地方局長坂千秋
內務省土木局長赤松小寅
內務省衞生局長挾間茂
社會局部長〓水玄
第七十一囘帝國議會內務省所管事務政府
委員被仰付
陸軍輜重兵大佐柴山兼四郞
第七十一囘帝國議會陸軍省所管事務政府
委員被仰付
文部省實業學務局長小笠原豐光
文部省社會〓育局長田中重之
文部省圖書局長石井忠純
文部省宗〓局長松尾長造
〓學局部長阿原謙藏
第七十一囘帝國議會文部省所管事務政府
委員被仰付
農林省畜產局長細川利壽
農林省蠶絲局長田淵敬治
馬政局長官村上龍太郞
第七十一囘帝國議會農林省所管事務政府
委員被仰付
商工省保險局長後藤保〓
商工省統制局長黑田鴻五
特許局長官石井銀彌
第七十一囘帝國議會商工省所管事務政府
委員被仰付
遞信省郵務局長進藤誠
遞信省電務局長藤川靖
遞信省工務局長梶川剛
遞信省航空局長小松茂
貯金局長荻原丈夫
簡易保險局長伊勢谷次郞
第七十一囘帝國議會遞信省所管事務政府
委員被仰付
鐵道省監督局長鈴木〓秀
鐵道省運輸局長山田新十郞
鐵道省建設局長平山復二郞
鐵道省工務局長阿曾沼均
第七十一囘帝國議會鐵道省所管事務政府
委員被仰付
一昨二十九日議長ニ於テ辭任ヲ許可シタル
常任委員左ノ如シ
第一部選出決算委員本田彌市郞君
一昨二十九日議長ニ於テ選定シタル委員左
ノ如シ
農村負債整理資金特別融通及損失補償法
案(政府提出)委員
西村丹次郞君松田正一君
岡田喜久治君長野綱良君
岡田春夫君田中邦治君
田村秀吉君寺田市正君
西方利馬君山川賴三郞君
三善信房君吉植庄亮君
西川貞一君北勝太郞君
平野力三君須永好君
小山亮君木村武雄君
人造石油製造事業法案(政府提出)外一件
委員
古屋慶隆君粟山博君
小野寅吉君寺島權藏君
森下國雄君松尾三藏君
今成留之助君高橋熊次郞君
田中源三郞君小笠原三九郞君
小高長三郞君星一君
川島正次郞君沖島鎌三君
窪井義道君安藤孝三君
松永義雄君三木武夫君
製鐵事業法案(政府提出)委員
中井川浩君〓寛君
高橋壽太郞君大島寅吉君
池田秀雄君木原七郞君
池本甚四郞君手代木隆吉君
岡崎久次郞君古田喜三太君
〓瀨規矩雄君瀧澤七郞君
南條德男君小林絹治君
野口喜一君工藤十三雄君
井上知治君鶴惣市君
芦田均君野方次郞君
小池四郞君安倍寛君
永山忠則君塚本重藏君
井上良次君椎尾辨匡君
小野謙一君
船員法改正法律案(政府提出)委員
野田文一郞君漢那憲和君
多田滿長君岡野龍一君
小柳牧衞君長井源君
前田房之助君高橋泰雄君
田代正治君箸本太吉君
小谷節夫君增永元也君
星島二郞君濱地文平君
山崎常吉君石坂繁君
米窪、滿亮君小山亮君
陪審法中改正法律案(政府提出)委員
岡本實太郞君澤田利吉君
平川松太郞君中山福藏君
森田重次郞君川崎末五郞君
牧野賤男君河野一郞君
鈴木英雄君松木弘君
泉國三郞君江原三郞君
立川平君飯村五郞君
長谷長次君菊地養之輔君
田中耕君馬場元治君
紀元二千六百年記念日本萬國博覽會抽籤
劵附囘數入場劵發行ニ關スル法律案(政
府提出)委員
田中万逸君高橋義次君
飯田助夫君最上政三君
松尾四郞君駒井重次君
中村梅吉君宮澤〓作君
本田義成君江羅直三郞君
深澤豐太郞君太田理一君
福井甚三君田子一民君
曾木重貴君佐藤啓君
淺沼稻次郞君田川大吉郞君
關稅定率法中改正法律案(政府提出)外三
件委員
西村金三郞君本田彌市郞君
山道襄一君加藤鯛一君
坂下仙一郞君高木条太郞君
飯塚春太郞君山田〓君
塚本三君一柳仲次郞君
岩瀨亮君盛島明長君
西川貞一君佐藤洋之助君
松岡俊三君宮本雄一郞君
行吉角治君猪野毛利榮君
上田孝吉君綾部健太郞君
井阪豐光君赤城宗德君
笠井重治君田原春次君
永江一夫君道家齊一郞君
渡邊泰邦君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=1
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002・小山松壽
○議長(小山松壽君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、日程第一乃至第七ハ便宜上一括議題ト
爲スニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=2
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003・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第一、產金法案、日程第二、金
準備評價法案、日程第三、金資金特別會計
法案、日程第四、日本銀行金買入法廢止ニ
關スル法律案、日程第五、朝鮮銀行法中改正
法律案、日程第六、臺灣銀行法中改正法律
案、日程第七、外國爲替管理法中改正法律
案右七案ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマ
ス大藏大臣賀屋興宣君
第一產金法案(政府提出)第一讀會
第二金準備評價法案(政府提出)
第一讀會
第三金資金特別會計法案(政府提出)
第一讀會
第四日本銀行金買入法廢止ニ關スル
法律案(政府提出)第一讀會
第五朝鮮銀行法中改正法律案(政府
提出)第一讀會
第六臺灣銀行法中改正法律案(政府
提出)第一讀會
第七外國爲替管理法中改正法律案
(政府提出)第一讀會
產金法案
產金法
第一條含金鑛物、砂金又ハ製鍊ノ過程
ニ在ル含金物(以下含金鑛產物ト總稱
ス)ヲ取得シタル者ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ之ヲ金地金ニ製鍊シテ政府ニ賣
却シ又ハ之ヲ金製鍊業者若ハ第三條第
一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ
免許ヲ受ケタル者ニ賣却スベシ
前項ノ含金鑛產物ノ範圍ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二條政府ハ必要アリト認ムルトキハ
含金鑛產物ヲ取得シタル者ニ對シ之ヲ
金製鍊業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ
依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタ
ル者ニシテ政府ノ指定スルモノニ賣却
スベキコトヲ命ズルコトヲ得
政府ハ必要アリト認ムルトキハ金製錬
業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含
金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ
對シ政府ノ指定スル者ヨリ含金鑛產
物ヲ買入ルベキコトヲ命ズルコトヲ
得
第三條金製鍊業ヲ營マントスル者ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ免許ヲ受ク
ベシ業トシテ含金鑛產物ノ買入ヲ爲サ
ントスル者亦同ジ
前項ノ免許ヲ受ケ金製鍊業ヲ營ム者ハ
之ヲ金製鍊業者ト稱ス
金製鍊業者又ハ第一項ノ規定ニ依リ含
金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ
非ザレバ含金鑛產物ヲ讓受クルコトヲ
得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ
限ニ在ラズ
第四條金製鍊業者其ノ事業ヲ廢止シ又
ハ休止セントスルトキハ政府ノ許可ヲ
受クベシ
金製鍊業ノ讓渡又ハ金製鍊業ヲ營ム會
社ノ合併若ハ解散ノ決議若ハ總社員ノ
同意ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ
其ノ效力ヲ生ゼズ
相續人ガ被相續人ノ金製鍊業ヲ承繼シ
タルトキハ相續人ハ金製鍊業ノ免許ヲ
受ケタル者ト看做ス此ノ場合ニ於テハ
相續人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨
ヲ政府ニ屆出ヅベシ
第五條金製鍊業者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ事業計畫ヲ定メ之ヲ政府ニ屆出ヅ
ベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ事業計畫ノ變更ヲ命ズ
ルコトヲ得
第六條政府ハ產金ノ增加ヲ圖ル爲必要
アリト認ムルトキハ金製鍊業者ニ對シ
製錬設備ノ擴張、改良其ノ他製錬設備
ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第七條金鑛ヲ目的トスル鑛業權者及砂
金ヲ目的トスル砂鑛權者(以下金鑛業
者ト總稱ス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
事業計畫ヲ定メ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ
之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ事業計畫ノ變更ヲ命ズ
ルコトヲ得
第八條政府ハ產金ノ增加ヲ圖ル爲必要
アリト認ムルトキハ金鑛業者ニ對シ探
鑛掘採、採取若ハ選鑛ニ付設備ノ新
設、擴張、改良其ノ他必要ナル事項ヲ命ジ
又ハ製鍊設備ノ新設ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ニ依リ製鍊設備
ノ新設ヲ爲シタル者ハ金製鍊業者ト看
做ス
第九條政府ハ公益上必要アリト認ムル
トキハ金鑛業者、金製鍊業者又ハ第三
條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買
入ノ免許ヲ受ケタル者ニ對シ含金鑛產
物ノ取引ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズル
コトヲ得
第十條政府ハ金鑛業者、金製鍊業者又
ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產
物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ對シ其
ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ徵シ
又ハ檢査ヲ爲スコトヲ得
政府ハ金鑛業者、金製鍊業者又ハ第三
條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買
入ノ免許ヲ受ケタル者ニ對シ其ノ業務
及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發
シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十一條政府ハ必要アリト認ムルトキ
ハ金ノ價格又ハ金ノ使用ノ制限其ノ他
金ノ使用ニ關シ必要ナル命令ヲ發スル
コトヲ得
第十二條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
金貨幣、金地金、金ノ合金又ハ金ヲ主
タル材料トスル物ノ取得、處分又ハ保
有ニ關シ報〓ヲ徵シ又ハ檢査ヲ爲スコ
トヲ得
第十三條鑛業法第五十條乃至第七十
條、第九十二條、第九十三條、第九十
九條第一項、第百三條及第百四條ノ規
定ハ金鑛業者ニ非ザル金製鍊業者ニ關
シ之ヲ準用ス
第十四條政府第二條、第六條、第八條
第一項、第九條又ハ第十一條ノ規定ニ
依ル命令ヲ爲サントスルトキハ金委員
會ノ議ヲ經ベシ
金委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之
ヲルム
第十五條金鑛業者又ハ金製鍊業者其ノ
事業ノ爲必要ナル器具、機械其ノ他ノ
材料ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸入スルトキ
ハ本法施行ノ日ヨリ五年間命令ノ定ム
ル所ニ依リ輸入稅ヲ免除ス
第十六條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
金鑛業者及金製鍊業者ニ對シ奬勵金ヲ
交付スルコトヲ得
第十七條詐欺ノ行爲ヲ以テ前條ノ奬勵
金ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シテハ其ノ
金額ノ返還ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依ル返還金ハ國稅滯納處
分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但
シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモノト
ス
第十八條金製鍊業者又ハ第三條第一項
ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許
ヲ受ケタル者本法若ハ本法ニ基キテ發
スル命令ニ違反シ又ハ政府ノ命ジタル
事項ヲ執行セザルトキハ政府ハ其ノ業
務ヲ停止シ若ハ制限シ、第三條第一項
ノ許可ヲ取消シ又ハ法人ノ役員ノ解任
ヲ爲スコトヲ得
第十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五千圓以下ノ罰金ニ處ス但シ當該金地
金又ハ含金鑛產物ノ價額ノ三倍ガ五千
圓ヲ超ユルトキハ罰金ハ其ノ價額ノ三
倍以下トス
第一條第一項ノ規定ニ基キテ發ス
ル命令ニ違反シテ金地金ヲ政府ニ賣
却セザル者
二第一條第一項ノ規定ニ違反シテ金
地金ヲ政府以外ノ者ニ讓渡シタル
者
三第一條第一項ノ規定ニ違反シテ金
製鍊業者及第三條第一項ノ規定ニ依
リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタ
ル者以外ノ者ニ含金鑛產物ヲ讓渡シ
タル者
四第三條第一項ノ規定ニ違反シテ含
金鑛產物ヲ買入レ又ハ同條第三項
ノ規定ニ違反シテ之ヲ讓受ケタル
者
第二十條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シテ含金鑛產物ヲ政府ノ指定シ
タル者以外ノ者ニ讓渡シタル者
二第三條第一項ノ規定ニ違反シテ金
ノ製鍊ヲ爲シタル者
三第九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ
タル者
四第十一條ノ規定ニ基キテ發スル命
令ニ違反シタル者
第二十一條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一第四條第一項ノ規定ニ違反シテ事
業ヲ廢止シ又ハ休止シタル者
二第五條第一項又ハ第七條第一項ノ
規定ニ違反シテ事業計畫ノ屆出ヲ爲
サズ又ハ屆出デタル事業計畫ヲ實施
セザル者
三第五條第二項又ハ第七條第二項ノ
規定ニ依ル變更命令ニ違反シテ事業
計畫ヲ實施シタル者
四第六條又ハ第八條第一項ノ規定ニ
依ル命令ニ違反シタル者
第二十二條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
-第四條第三項ノ規定ニ違反シテ屆
出ヲ爲サザル者
二第十條第一項又ハ第十二條ノ規定
ニ依ル報告ヲ爲サズ、虛僞ノ報〓ヲ
爲シ又ハ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避
シタル者
三第十條第二項ノ規定ニ依ル命令又
ハ處分ニ違反シタル者
第二十三條法人ノ代表者又ハ法人若ハ
人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シテ第十九
條乃至前條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキ
ハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人
ニ對シ亦第十九條乃至前條ノ罰金刑ヲ
科ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ含金鑛產物ヲ所有スル
者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日
ニ之ヲ取得シタル者ト看做ス
本法施行ノ際現ニ金製煉業ヲ營ム者又ハ
其ノ事業ヲ承繼シタル者ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ二月ヲ限リ第
三條第一項ノ規定ニ拘ラズ其ノ事業ヲ營
ムコトヲ得
前項ニ揭グル者前項ノ期間內ニ金製煉業
ノ免許ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ申
請ニ對スル許否ノ處分ノ日迄亦前項ニ同
金準備評價法案
金準備評價法
第一條日本銀行ハ兌換銀行劵ノ引換準
備ニ充ツル金貨及金地金ヲ當分ノ內貨
幣法第二條ノ規定ニ拘ラズ純金ノ量目
二百九十ミリグラムニ付一圓ノ割合ヲ
以テ評價スベシ朝鮮銀行又ハ臺灣銀行
ガ朝鮮銀行劵又ハ臺灣銀行劵ノ仕拂準
備ニ充ツル金貨及金地金ニ付亦同ジ
前項ノ評價ノ方法ハ大藏大臣之ヲ定ム
第二條日本銀行、朝鮮銀行及臺灣銀行
ハ前條ノ規定ニ依ル評價換ニ因リテ生
ジタル利益額ニ相當スル金額ヲ大藏大
臣ノ定ムル所ニ依リ政府ニ納付スベシ
但シ日本銀行ガ日本銀行金買入法ニ依
リ買入レ保有スル金地金ニ付テハ同法
第六條ノ規定ニ依ル
第三條政府ハ日本銀行ニ對シ大藏大臣
ノ定ムル所ニ依リ其ノ保有スル金地金
ノ一部ヲ第一條ノ規定ニ依リ評價シタ
ル價格ヲ以テ同行ニ於ケル國庫金ノ勘
定ニ移スベキコトヲ命ズルコトヲ得
政府ハ朝鮮銀行及臺灣銀行ニ對シ大藏
大臣ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ際其
ノ保有スル金貨及金地金ノ全部又ハ一
部ヲ第一條ノ規定ニ依リ評價シタル價
格ヲ以テ日本銀行ニ引渡スベキコトヲ
命ズルコトヲ得
第四條兌換銀行劵條例第六條及貨幣法
第十四條ノ規定ハ當分ノ內之ヲ適用セ
ズ
朝鮮銀行及臺灣銀行ハ朝鮮銀行法第二
十一條第二項又ハ臺灣銀行法第八條第
二項ノ規定ニ拘ラズ當分ノ內朝鮮銀行
劵又ハ臺灣銀行劵ノ金貨引換ヲ爲スコ
トヲ得ズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
昭和七年勅令第四號ハ之ヲ廢止ス
第一條ニ規定スル評價ノ割合ヲ後日變更
スルコトアル場合ニ於テハ日本銀行ハ其
ノ變更ニ因リ兌換銀行劵ノ引換準備ニ充
ツル金貨及金地金ニ付生ズル利益又ハ損
失ニ付大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ其ノ利
益額ニ相當スル金額ヲ政府ニ納付シ又ハ
政府ヨリ其ノ損失額ニ相當スル金額ノ補
塡ヲ受クルモノトス朝鮮銀行又ハ臺灣銀
行ガ朝鮮銀行劵又ハ臺灣銀行劵ノ仕拂準
備ニ充ツル金貨及金地金ニ付亦同ジ
金資金特別會計法案
金資金特別會計法
第一條金資金ヲ置キ其ノ歲入歲出ハ一
般ノ會計ト區分シ特別會計ヲ設置ス
第二條金準備評價法第二條ノ規定ニ依
リ日本銀行、朝鮮銀行及臺灣銀行ガ政
府ニ納付スベキ金額竝ニ日本銀行金買
入法第五條第二項及第六條ノ規定ニ依
リ日本銀行ガ政府ニ納付スベキ金額ハ
之ヲ本資金ニ受入ルベシ
第三條本資金ハ總額五千萬圓ヲ限リ豫
算ノ定ムル所ニ依リ之ヲ產金ノ增加ヲ
圖ル爲必要ナル費途ニ使用スルコトヲ
得
前項ノ規定ニ依リ本資金ヲ使用セント
スルトキハ其ノ金額ヲ一般ノ歲入ニ繰
入レ一般ノ歲出トシテ拂出スベシ
第四條本資金ハ本會計ニ屬スル經費ヲ
支辨スル爲必要ナル金額ヲ除クノ外大
藏大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ金又ハ國
債ニ運用スルコトヲ得
本資金ノ運用ニ關スル事務ハ大藏大臣
ノ定ムル所ニ依リ日本銀行ヲシテ之ヲ
取扱ハシム
第五條本會計ニ於テハ資金運用利殖金
及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歳入トシ第三
條ノ規定ニ依ル一般會計ヘノ繰入金、
事務取扱費、資金運用手數料、附屬諸
費及資金運用損失金ヲ以テ其ノ歲出ト
ス
第六條本資金ニ屬スル資產ニシテ價格
ノ減損ヲ生ジタルモノアルトキハ本會
計ノ決算上生ジタル剩餘又ハ資金ヨリ
之ヲ償却スベシ
第七條本會計ノ決算上剩餘ヲ生ジタル
トキハ前條ノ償却ニ充テ殘餘アルトキ
ハ之ヲ資金ニ繰入ルベシ
本會計ノ決算上不足ヲ生ジタルトキハ
之ヲ資金ヨリ補足スベシ
第八條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第九條本會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケ
ル支出殘額ハ之ヲ翌年度ニ繰越シ使用
スルコトヲ得
第十條本會計ノ收入支出ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
兌換銀行劵條例第二條第五項ノ借入金及
日本銀行金買入法第四條ノ債務ハ本會計
ノ負擔トス
日本銀行金買入法廢止ニ關スル法律
案
日本銀行金買入法ハ之ヲ廢止ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朝鮮銀行法中改正法律案
朝鮮銀行法中左ノ通改正ス
第二十二條第二項中「五千萬圓」ヲ「一億
圓」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
臺灣銀行法中改正法律案
臺灣銀行法中左ノ通改正ス
第八條第二項中「金貨」ノ下ニ「又ハ兌換
銀行劵」ヲ加フ
第九條第一項中「金銀貨及地金銀」ヲ「金
貨地金銀及兌換銀行劵」ニ、第二項中
「二千萬圓」ヲ「五千萬圓」ニ改メ同項及第
三項中「紙幣、」及「、兌換銀行劵」ヲ削ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
外國爲替管理法中改正法律案
外國爲替管理法中左ノ通改正ス
第一條第十號中「輸出」ノ下ニ「又ハ輸入」
ヲ加フ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=3
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004・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋風宣君) 只今議題ト相成
リマシタ產金法案外六件ニ付キ提案ノ理由
ヲ說明致シマス、先ヅ產金法案ニ付キマシ
テハ現下內外ノ情勢ニ顧ミ、國際收支ヲ改
善シ、之ヲ適合セシムルコトハ喫緊ノ要務
デアルノデアリマスルガ、是ガ爲ニハ我國
產金ノ增加ヲ圖リ、之ヲ政府ニ集中シ、以
テ對外決濟力ヲ豐富ナラシムルト共ニ、正
貨準備ヲ鞏固ナラシムルコトガ、極メテ必
要ナコトト考ヘルノデアリマス、現在ニ於
テモ政府ハ累次ノ日本銀行金買入價格ノ引
上ニ依リ、國內產金ノ增加竝ニ產金ノ集約
ニ努メテ參ッタノデアリマスルガ、此際更
ニ進ンデ新產金ハ其製成ニ至ル過程ヨリ政
府ノ監督下ニ置キ、一層是ガ集約ノ實ヲ擧
グルコトヲ必要ト認メルノデアリマス、又
國內金ノ需要ニ關シテハ、正當且ツ妥當ナ
ル目的ニ充テラルヽモノハ、適當ナル方法
ニ依リ之ヲ需要者ニ頒ツ方針デアリマスル
ガ、市中ノ所謂鑄潰金等ニ付キマシテハ、
之ヲ現在通リト致シテ置ク方針デアリマス、
唯必要ニ應ジ、金ノ使用ニ關シテハ或ル程
度ノ制限ヲ加へ得ルコトトスルノガ適當デ
アルト認メルノデアリマス
次ニ政府ハ產金ニ關スル事業ニ對シ、必
要ナル監督ヲ爲スト共ニ、探鑛ノ奬勵、選
鑛場竝ニ製鍊場ノ設置助成、其他ニ付キ豫
算ノ範圍內ニ於テ奬勵金ヲ交付シ、又必要
ナル器具機械等ノ輸入稅ヲ免除スル等、適
當ナル保護助成ノ方法ヲ講ジ、以テ產金額
ノ增加ニ資スルコトガ肝要デアルト認メル
ノデアリマス、以上ノ理由ニ依リ玆ニ本法
案ヲ提出致シマシタ次第デアリマス
次ニ金準備評價法案提案ノ理由ヲ說明致
シマス、現在兌換銀行劵、朝鮮銀行劵及ビ
臺灣銀行劵ノ金準備ニ充當セラルヽ金ハ、時
價ノ著シキ〓騰ニモ拘ラズ、依然貨幣法第
二條ノ定ムル所ニ依リ、純金ノ量目七百五
十瓱ニ付キ一圓ノ割合ヲ以テ評價セラレテ
居ルノデアリマスルガ、此際是等ノ準備ニ
充當セラルヽ金ヲ國際的時價ニ近イ程度ニ
評價換シ、金準備ノ實勢ヲ其儘表示致シマ
スルコトハ、洵ニ適切ナル措置デアルト考
ヘルノデアリマス、唯貨幣法ヲ改正シ、所
謂平價ノ切下ヲ爲シテ我國通貨ノ價値ヲ確
定致シマスコトハ、尙ホ未ダ其時期デナイ
ト考ヘラレマスルノデ、此際ハ金ヲ發劵ノ
準備ニ充當スル場合ノ充當價格ニ付テノミ
一應ノ改定ヲ加フルヲ適當ト認メ、現在ノ
金ノ時價ニ約一割ノ餘裕ヲ置イテ、純金ノ
量目二百九十瓱ニ付キ一圓ト云フ割合ヲ以
テ評價換ヲ行フコトト致シタイト思ヒマス、
此評價換ノ結果生ズル日本銀行、朝鮮銀行
及ビ臺灣銀行ノ評價益ハ政府ニ納付セシム
ルコトトシ、之ヲ以テ特別ノ資金ヲ設ケ、
後ニ申上ゲマスルヤウニ特別會計ト致シマ
シテ、日本銀行所有ノ金地金ノ一部ヲ本會
計ニ移シ、又今後ノ新產金ハ此會計ニテ買
上ゲ、外國爲替資金ヲ調整スル爲メ必要ニ
應ジ金ヲ現送スル考デアリマス、又朝鮮銀
行及ビ臺灣銀行ニ付テハ、强ヒテ金ヲ準備
ニ充當スルノ必要モアリマセヌノデ、此際
兩行ノ保有スル金ヲ日本銀行ニ集中スル途
ヲ開キ置クコトヲ適當ト認メマス、以上ノ
趣旨ニ依リ茲ニ本法律案ヲ提出致シタ次第
デアリマス
次ニ金資金特別會計法案提出ノ理由ヲ說
明致シマス、金準備評價法ニ依リマシテ日
本銀行、朝鮮銀行及ビ臺灣銀行ガ政府ニ納
付致シマスル金額、竝ニ日本銀行金買入法
ニ依リマシテ日本銀行ガ政府ニ納付致シマ
スル金額ハ、之ヲ以テ特別ノ資金ヲ設置シ、
主トシテ爲替資金ノ調整ノ爲メ之ヲ金ニ運
用シ、若シ餘裕アル時ハ國債ニモ運用スル
コトト致シ、又豫算ノ定ムル所ニ依リマシ
テ產金ノ增加ヲ圖ル爲ニモ使用シ得ルコト
トスルノ計畫デアリマス、而シテ其歲入歲
出ハ之ヲ一般ノ會計ト區分經理スル爲メ、
特別ノ會計ヲ樹ツルノ必要ガアリマスルノ
デ、本法律案ヲ提出致シマシタ次第デアリ
マス
次ニ日本銀行金買入法廢止ニ關スル法律
案ノ提案理由ヲ說明致シマス、政府ハ從來
日本銀行ヲシテ金ノ買入ヲ行ハシメテ參リ
マシタガ、前ニ申上ゲマシタ產金法ノ制定
ニ伴ヒ、今後ハ金資金特別會計ノ資金ノ運
用トシテ、政府ガ金買入ヲ行フコトトナリ
マシタル爲メ、日本銀行金買入法ヲ存置ス
ル必要ガアリマセヌノデ、之ヲ廢止スルコ
トトシ、玆ニ本法律案ヲ提出致シマシタ次
第デゴザイマス
次ニ朝鮮銀行法中改正法律案ニ付テ申上
ゲマス、朝鮮銀行劵ノ保證發行限度ハ現在
五千万圓デアリマスルガ、此限度ハ大正七
年ニ定メラレタモノデアリマシテ、朝鮮ノ
經濟及ビ同銀行劵發行ノ現況等ニ照シマシ
テ、少額ニ過ギルト思ハレマスルノデ、此
際之ヲ一億圓ニ擴張スルヲ適當ト認メマシ
テ、本改正法律案ヲ提出致シタ次第デアリ
マス
次ニ臺灣銀行法中改正法律案ニ付キ申上
ゲマス、現在同銀行劵ノ支拂準備ハ、金銀
貨及ビ地金銀トナッテ居ルノデアリマスルガ、
今日ニ於テハ支拂準備ヲ是等ノモノニ限ル
必要ハナイト認メラレルノデアリマシテ、
此際朝鮮銀行劵ノ例ニ傚ヒマシテ、兌換銀
行劵ヲ支拂準備中ニ加ヘマスルト共ニ、之
ニ伴ッテ兌換銀行劵ヲ臺灣銀行劵ノ引換物
件中ニ加フルノヲ適當ト考ヘマス、尙ホ現
在臺灣銀行劵ノ支拂準備及ビ保證準備ノ中
三、銀貨或ハ政府發行ノ紙幣ガ入ッテ居
ルノデアリマスルガ、是等ノモノハ今日其
必要ガアリマセヌノデ、之ヲ除クノヲ適當
ト認メマス、次ニ同銀行劵ノ保證發行限度
ハ現在二千万圓デアリマスルガ、此限度
モヤハリ大正七年ニ定メラレタモノデアリ
マシテ、臺灣ノ經濟及ビ同銀行劵發行ノ現
況等ニ照シマシテ少額ニ過ギルト思ハレマ
スルノデ、此際之ヲ五千万圓ニ擴張致シタ
イト考ヘマス、斯樣ナ次第デアリマスルノ
デ、本改正法律案ヲ提案致シタ次第デアリ
さく、最後ニ外國爲替管理法中改正法律案
ニ付キ、提案ノ理由ヲ說明致シマス、貨物
ノ無爲替輸入ノ中、代金決濟ニ付キ外國送
金關係ヲ伴ハザルモノニ付キマシテハ、現
在外國爲替管理法ニ依リ取締リ得ナイコト
ニナッテ居リマスルガ、最近爲替管理ノ强化
ニ伴ヒ、右ノ缺陷ヲ利用シテ、輸入ヲ企テ
ル者ガ漸次增加スル虞ガアリマシテ、斯ク
テハ輸入爲替管理ノ完全ナル遂行ニ支障ヲ
生ゼシムルト共ニ、本邦國際收支ニ於ケル
受取勘定ヲ減少セシムルコトトナリマスノ
デ、同法ニ改正ヲ加ヘ是ガ取締ヲ爲シ、以テ
爲替管理ノ完璧ヲ期シタイト思フノデアリ
マス
以上七件ニ關シ、何卒御審議ノ上、速度
御協贊ヲ與ヘラレンコトヲ希望致シマス
(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=4
-
005・小山松壽
○議長(小山松壽君) 通〓順ニ依ッテ質疑
ヲ許シマス-宮澤胤勇君
〔宮澤胤勇君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=5
-
006・宮澤胤勇
○宮澤胤勇君 只今議題トナリマシタ金ノ
諸問題ニ付キマシテ、二三御伺ヲ致シタイ
ト思フノデアリマス、產金ノ奬勵ハ今日ノ
我ガ內外ノ經濟事情ヨリ致シマシテ、適當
ノコトデアルト思フノデアリマスルガ、併
シ此法文ヲ見マスルト、奬勵ノ趣旨ハ結構
デアリマスルケレドモ、其手續ガ非常ニ面
倒デアリマシテ、監督ノ方法ガ複雜デアリ
マシテ、或ハ產金ノ奬勵ヨリモ、逆ニ制限
ノ法律ニナルノデハナイカト云フ心配ヲ私
共致スノデアリマス、此點ハ一ツ此法ノ運
用ノ上ニ於キマシテ、政府ニ於テ十分ニ御
考ヲ願ハナケレバナラヌノデハナイカト思
フノデアリマス、就キマシテハ私ハ此度ノ
金評價換竝ニソレヨリ生ズル特別資金設定
等ニ付キマシテ、一二御尋ヲ致シタイノデ
アリマス、金評價換ニ付テハ貨幣法第二條
ヲ變更シナイデ、特別ニ評價法ト云フモノ
ヲ新シク制定スル、是ハ何ノ必要ガアッテ
斯樣ニ致スノデアリマスカ、七百五十「ミ
リ」ノモノヲ二百九十「ミリ」ニ變ヘルト云
フコトヲ、貨幣法第二條ノ變更ニ止メテ宜
シイヤウニ考ヘルノデアリマスガ、特ニ斯
ウ云フ特別法ヲ制定セラレタノハ、何ノ理
由デアリマスカ、先ヅ第一ニソレヲ伺ヒタ
イノデアリマス
ソレカラ第二ニハ、此七百五十「ミリ」カ
ラ二百九十「ミリ」ニ換算ヲ致シマシタ其理
論上、竝ニ實際上ノ根據ヲ、モウ少シ詳シ
ク御說明ヲ願ヒタイト思フノデアリマス
次ニ此評價換ヲ致シマシタ結果、日本銀
行、朝鮮銀行、臺灣銀行ニ現在持ッテ居リマ
スル正貨カラシテ、何程ノ評價益ガ出ルノ
デアリマスカ、ソレヲ御示ヲ願ヒタイト思
フノデアリマス、此度ノ評價換ト云フコト
ハ、全ク形式上ノ問題デアリマシテ、特キ
斯ウ云フ手續ヲ執ラレルコトハ、其評價益
金ト云フモノヲ政府ガ欲シイト云フコトカ
ラ、斯ウ云フ手續ヲ執ラレタコトト思フノ
デアリマス、併ナガラ是ハ金ノ輸出禁止
ヲシテ居リマスル日本ト致シマシテハ、全
ク內部的ノ形式上ノコトニ止マルノデアリ
マスルガ、併シ之ヲ世界各國ガ行ヒマシタ
所ノ、例ノ所謂平貨切下ト云ヒマスカ、
「デバリュエーション」ト、今度政府デ行ヒマ
スルコトトハ、其形式竝ニ實質ニ於テ、
ドノヤウナ違ヒガアルノデアリマスカ、是
モ併セテ伺ヒタイト思フノデアリマス、尙
ホ此評價益金ヲ政府ニ納付セシメマシテ、
サウシテ之ヲ特別資金トシテ金ノ買入、若
クハ國債ノ所有ニ此資金ヲ使フト云フコト
デアリマスガ、之ヲ今囘ノ特別議會ニ特ニ
提出シテ、サウシテ急遽此ヤウナコトヲ爲
サレル必要ニ迫ラレテ居ル所ノ理由ニ付テ
モ伺ヒタイト思フノデアリマス、更ニ私ハ
是等ノ問題ヲ中心ト致シマシテ、我國ノ金
政策ト云フモノヲ如何ナル方針ノ下ニ、如
何樣ニ政府ハ今後行ッテ行カレルノデアル
カ、此根本ノ點ニ付キマシテ尙ホ一言伺ッテ
見タイノデアリマス、御承知ノ如ク世界ノ
現在ノ金ハ殆ド米國、英國、佛蘭西ニ偏在
致シマシテ、世界ニ二百億弗ノ金ガアルト
言ハレル中ノ、殆ド九割ハ、此三國ニ現ニ偏
在ヲ致シテ居ルノデアリマス、而モ此金ニ
付キマシテハ、從來ノ金ニ對スル經濟上ノ
觀念ガ變ッタト言フノデハアリマセヌケレド
モ、今年四月露西亞ガ英吉利ニ於キマシテ
僅ニ四千万磅ノ金ヲ賣出シタガ爲ニ、英吉
利ニ於テハ一時買入ヲ躊躇スルト云フヤウ
ナコトカラシテ、世界ハ金問題ニ關シテ新
シイ考ヘ方ヲシナケレバナラナイト云フコ
トニ迫ラレテ來テ居ルヤウデアリマス、而
モ今日世界ノ金相場ガ何ニ依ッテ維持ヲセ
ラレテ居ルカ、他ノ物價ニ較ベマシテハ殆
ド三倍ニ等シイ暴騰ヲ來シタ金ノ價格ガ、
何ニ依ッテ維持セラレテ居ルカト言ヘバ、大
體ニ於テ亞米利加ガ之ヲ買入レルコトニ依ッ
テ、此相場ガ維持セラレテ居ルノデアリマ
ス、而モ亞米利加ガ金ヲ買入レコトハ、
亞米利加自身ガ自分ノ必要ニ依ッテ買入
レルト云フヨリハ、世界ノ今日ノ金ヲ中
心トスル經濟界ニ變動ヲ與ヘナイ爲ニ、世
界ノ經濟ヲ維持スル爲ニ、亞米利加ハ之ヲ
買ッテ居ルヤウニ思フノデアリマス、其證據
ト致シマシテハ、御承知ノ如ク此頃亞米利
加ハ買入レテ居ル金ヲ貯藏致シマシテ、サ
ウシテソレガ爲ニ買入レル資金トシテ出シ
タ大藏證劵ニハ利息ヲ拂ッテ、卽チ不要ナモ
ノヲ買ッテ、ソレニ對シ利息ヲ拂ッテ、ミス
ミス利息ノ損ヲシナガラ尙ホ金ノ貯藏ヲ續
ケテ居ルノデアリマス、之ニ依リ金相場ハ
維持サレテ居ル、少クトモ最後的ニハ米國
ガ買ッテ呉レルト云フコトデナケレバ世界
ノ金ノ相場ハ下リマス、サウシテ世界ノ今
日ノ經濟界ニ非常ナ「デフレーシヨン」ヲ捲
起シテ、經濟界ガ混亂スルト云フコトカラ、
亞米利加ハ斯ウ云フ政策ヲ採ッテ居ルト思
フノデアリマス、私ハ日本ガ今日ノ場合、
日本ノ經濟ノ現實カラ見テ洵ニ已ムヲ得ナ
イコトデハアリマスルガ、產金ヲ奬勵シ、
其買上ゲタモノヲ亞米利加ニ送ッテ、サウシ
テ亞米利加ニ買ッテ貰ッテ自分ノ經濟ヲ維持
スル、日本ダケハ洵ニ都合ガ好イカモ知レ
マセヌガ、亞米利加ニ取ッテハ迷惑ナコト
ヲヤッテ、日本ハ其爲替ヲ維持シテ居ルノ
デアリマス、若シ亞米利加ガ一度金ヲ買ハ
ナイト云フコトニナレバ、我國ノ金政策ハ
直チニ破綻ヲ生ズルト云フコトニナルト私
ハ思フノデアリマス、斯ウ云フヤウナ全ク
他ニ依存シテ居ル金政策ヲ、此儘何時迄
モ續ケテ行ッテ宜イカト云フコトニナレ
バ、私ハ大ナル疑問ガ存スルト思フ、今
日ノ場合產金ヲ奬勵スルコトモ結構デアリ
マス、又爲替ノ維持ノ爲ニ金ノ現送ヲスル
コトモ亦已ムヲ得ナイト思ヒマス、又其資
金トシテ此特別資金ヲ設定シテ爲替ノ調節
ニ充テルト云フコトモ亦已ムヲ得ナイト思
ヒマスガ、併ナガラ目先ダケニ囚ハレナイ
デ、我國ノ金政策ノ根本ヲ何處ニ置クカト
云フコトヲ考ヘナケレバナラヌト思フノデ
アリマス、我國ニ於キマシテモ御承知ノ如
ク今年度アタリハ約四十瓲、卽チ百四五十
万「オンス」ト云フ金ヲ生產スルサウデアリ
マス、是ハ今年ノ世界ノ金產額ノ豫想ニ當嵌
メテ見マスルト殆ド四%ニ當ルノデアリマス、
南阿、露西亞及ビ亞米利加、加奈陀ニ次ギマ
シテ、我國ハ世界ニ於テモ有數ナ金產國ノ中
ニ入ッテ居ルノデアリマス、此金ヲ唯亞米利
加ニ買ッテ貰フト云フコトダケヲ以テ、日本
ノ金政策ノ根本ノ立前トシテ居ルト云フコ
トハ、非常ナ危險デアルト私ハ考ヘルノデ
アリマス、賀屋大藏大臣ハ先日來此議場ニ
於ケル說明ニ於キマシテ、明年度カラハ國
際貸借ノ輸入超過ヲ賄フ爲ノ金ノ現送ト云
フモノハ、其年ノ新產金ノ程度ニ止メルト
云フコトヲ言ッテ居ルノデアリマス、是ガ果
シテ實行出來ルカ出來ナイカハ先ノコトデ
アリマスガ、假ニ斯ウ云フ方針ダケデ行
クト致シマシテモ、結局今日ノ此輸入超過
ノ大勢ヲ、新產金若クハ貿易外ノ受取勘定
ダケヲ以テ賄フコトハ、實際上出來ナクナ
ルコトハ私ハ明デアラウト思フ、サウシテ
而モ此產金ノ奬勵ハ、新聞ニ依ッテ見マスル
ト五年後ニハ五億圓ニナル、若シ五年後ニ
五億圓ニナリマスレバ、少クトモ百四十瓲
トカ、百五十瓲ト云フ金ヲ我國デ出來ルコ
トニナリマシテ、世界ノ金ノ產額モ增加ハ
致シマスケレドモ、是ガ世界ノ金ノ少クト
モ八分トカ、一割ト云フモノニ達スルモノ
ト思フノデアリマス、其大キナ金ノ產額ヲ、
亞米利加ニ送ッテ賣付ケルト云フコトデ、日
本ノ經濟ヲ保ッテ行クト云フコトハ餘程考ヘ
ナケレバナラヌ、是等ニ付キマシテ、政府
ハ何等カ將來新シイ方針ヲ御執リニナルノ
デアリマスカ、ソレモ伺ヒタイト思フノデ
アリマス、私ハ日本ガ今日世界ノ經濟ニ協
力スルト云フ意味カラ、寧ロ私ハ金ノ現送
ヲヤラナイデ、他ニ爲替維持ノ方法ト云フ
モノハ考ヘラレナイコトハナイト思フノデ
アリマス、モウ少シ日本ノ經濟ト云フモノ
ヲ世界ノ經濟ノ上ニ廣ク見テ、サウシテ世
界ノ經濟ニ協力シテ、尙且ツ日本ノ爲替ヲ
維持スル、爲替ヲ維持スルコトハ、結局ニ
於テハ國際貸借ノ實勢ヲ改善スルヨリ外ニ
方法ハナイノデアリマスガ、併ナガラ其暫
クノ過渡的ノ方法トシテモ、私共モット他ニ
智惠ヲ出シテ、何等カノ方法ヲ講ズルコト
ガ出來ナイコトモナカラウト思フノデアリ
マーク、政府ニ於キマシテハ、此金政策ノ根
本ニ付テ、モウ少シ世界ノ經濟ニ對スル認
識ヲ新ニシ、サウシテモウ少シ獨立性ノア
ル政策ヲ立テナケレバナラヌノデアリマス、
今日出サレマシタ金ニ對スル諸法案ハ、唯
當面ヲ糊塗スルダケノコトデアリマシテ、
金ガ各國ノ貨幣カラ少クトモ離レツヽアル
所ノ今日、之ニ對シテモ少シ徹底シタ見透
シヲ付ケテ、サウシテ經濟政策ノ根幹卜爲
サナケレバナラヌト思フノデアリマス、是
等ニ於キマシテ政府ノ御所見ヲ伺ヒタイト
思フノデアリマス(拍手)
〔政府委員太田正孝君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=6
-
007・太田正孝
○政府委員(太田正孝君) 宮澤サンノ數項
ニ亙ル御質問ニ對シテ御答申上ゲマス、其第
一點ハ金ノ產出ヲ奬勵スルコトハ宜イガ、
手續ガ煩雜デアリマシテ、斯ウ云フ工合デ
アッテハ却テ反對ノ結果ヲ生ズルト云フコ
ニ付テノ御忠告デアリマス、御尤ナ忠告ト存
ジマス、此點ニ付キマシテハ役人ガ役人ラ
シカラザルヤウニ、本當ニ法ノ目的ヲ達ス
ルヤウニ御希望ニ副フヤウニ致シタイト存
ジ上ゲマス
第二點ノ何故ニ此際貨幣法第二條ヲ改正
シテ根本的ノ態度ヲ執ラナイカト云フ御質
問デアリマス、申上グルマデモナク貨幣法
第二條ヲ改メルト云フコトハ、平價切下ニ
關スル問題デアリマス、根本的ニ申シマス
レバ然ルベキコトト存ジマスルガ、平價
切下ヲスルニ付キマシテハ相當ノ條件ヲ
要シマス、私ノ見ル所ヲ以テスレバ、旣
國內ノ物價ガ安定シ、又對外的ニ爲替相場
ガ安定シ、而モ金解禁シテモ然ルベキ準備
ヲ持ッテ居ルト云フ、三ツノ條件ガ揃フデナ
カラネバ、平價切下ヲスベキモノデナイト
信ズルノデアリマス、此意味ニ於テ我國ノ
現狀ニ是等ノ問題ヲ當嵌メテ見マスルト云
フト、此際暫定的ニ今日申上ゲマシタヤウ
ナ法律ヲ設クルノ必要ガアルト思フノデア
リマシテ、貨幣法ヲ根本的ニ改正スルノハ
時期尙早ト存ズルノデアリマス
第三點トシテ二百九十瓱ヲ以テ標準ト定
メタコトニ付テノ御質問デアリマシタ、申
上グル迄モナク金二分ヲ以テ貨幣ノ單位ト
スル現在ノ貨幣法ノ定ムル所ト、我國全體
ニ於ケル金ノ値踏ミト云フモノトハ非常ナ
開キガアリマス、簡單ニ申シマスレバ、不
必要ニ低ク見積ラレテ居ルト申上ゲテ差支
ナイカト思フノデス、隨テ之ヲ今ノ儘ニシ
テ置キマスト云フト、實質ニ變リハナクテ
モ呼値ガ變リマス爲ニ、如何ニモ兌換劵ニ
對シテ準備ガ非常ニ減ッタヤウナ數字ガ出
テ來マスノデ、人心ニ及ボス影響ハ少クナ
イト思ヒマス、又常ニ制限外發行ニナルヤ
ウナ形ガ出來マスコドハ是亦宜シクナイト
思ヒマスノデ、ソコデ此標準ノ價格ニ付キ
マシテモ、倫敦ノ金塊相場カラ換算致シマ
シテ、約一割減ノ所ヲ以テスルノガ相當ト
考ヘマシテ、二百九十瓱ヲ以テ標準價格ト
シタ譯デアリマス
第四點トシテ、標準ノ益ハ幾ラアルカト
云フ御尋デゴザイマスガ、日本銀行ヨリス
ル分ガ七億一千七百五十一万五千圓、朝鮮
銀行ヨリ致シマスモノガ四百五十三万七千
圓、臺灣銀行ヨリ致シマスモノガ二千五百
十九万七千圓、合計七億四千七百二十四万
九千圓トナルノデアリマス、更ニ御質問ノ
非常ニ强調致サレマシタ金政策ニ付キマシ
テハ、洵ニ有益ナル御意見トシテ拜聽仕リ
マシタ、併シ今囘政府ノ執ッテ居リマス金政
策ト云フノハ、我國ノ國際收支ノ決濟上カ
ラ申上ゲマシテ、金ノ增產ニ依ッテ之ヲ現送
スルコトニスルノガ此際ノ然ルベキ策デア
リ、國際決濟上ノ手段トシテハ金ニ依ルノ
外ナイト信ズルカラデアリマス、更ニ正貨
準備ノ充實ヲ圖ルコトモ是亦必要ナコトト
存ジマシタノデ、此意味ニ於テ今囘ノ政策
ヲ立テク譯デアリマス、デ御言葉ニモアリ
マシタヤウニ存ジマスルガ、本年ハ產金額
ノ限度ヲ超シテ既ニ現送シテ居ル譯デゴザ
イマスガ、大藏大臣モ度々申サレマシタル
通リ、明年度ヨリハ新產金ノ限度ニ止メタ
イト思フノデアリマス、短イ期間ヲ區切ッテ
ノ計畫デナク、一定ノ區間ヲ以テノ計畫ヲ
致シマシテ、此信念ノ下ニ明年度カラハ新
產金ノ限度ヲ超サナイト云フコトヲ堅持シ
テ行キタイト思フノデアリマス、申上グル
迄モナク金ノ現送ガ少ナケレバ結構デアリ
マス、其爲ニハドウ致シマシテモ根本的ニ
國際收支ノ均衡ヲ圖ラネバナラヌト云フコ
トニナルノデアリマス、大藏大臣ノ財政演
說ニ於ケル一貫シタ主張モ玆ニアルノデア
リマス、ドウゾ左樣御諒承願ヒタイト存ジ
上ゲマス(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=7
-
008・小山松壽
○議長(小山松壽君) 武田德三郞君
〔武田德三郞君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=8
-
009・武田徳三郎
○武田德三郞君 私ハ只今議題ニ上ッテ居
リマスル諸案ノ中、產金法、金準備評價法
竝ニ金資金特別會計法ノ三案ニ付キマシテ
二三ノ質疑ヲ致シタイト存ジマス、第一ニ
政府ニ伺ヒタイコトハ、今程官澤君モ一寸
觸レラレタ問題デアリマシタガ、政府ハ明
年カラ新產金ノ程度ニ於テ金現送ヲ致スト
云フコトヲ申述ベラレテ居ルノデアリマス、
左樣致シマスルト此產金獎勵ノ法案ノ結
果政府ハドノ位ナ程度ノ明年カラ金現送
ヲスレバ、貿易外ノ收支ガ均衡ヲ得ラレル
ト考ヘテ居ラレルノデアリマセウカ、言葉
ヲ換ヘテ申シマスナラバ、明年以後ノ輸入
超過ハドノ程度デ喰止メラレルト考ヘテ居
ラレルノデアリマセウカ、其點ヲ伺ヒタイ
ト思フノデアリマス
私ガ此質問ヲ致ス意味ハ、明年頃ヨリハ
軍備ノ擴張其他生產力ノ擴張ノ爲ニ、輸入
超過ハコヽ二三年ハ極メテ多カラウト思フ
ノデアリマス、然ルニ政府ハ產金ノ五箇年
計畫ト云フモノヲ立テラレマシテ、其
方法トシテ此產金法其他ヲ御制定ニナッタ
モノト思フノデアリマス、サウ致シマ
スルト貿易ノ現狀カラシテ、輸入超過
ノ最モ多カルベキ明年若クハ明後年ニ於
テ、此產金法ノ效果ヲ十分ナラシメン
ト致シマスルノニハ、更ニ一段ノ工夫ヲ要
スルモノデハアルマイカト考ヘマス、卽チ
產金ノ買上値段ヲ尙ホ更ニ引上ゲル方法ヲ
執ルトカ、或ハ更ニ產金業者ヲ保護スルノ
途ヲ執ルトカ、何等カ更ニ一段ノ進ンダ方
法ヲ執ルニアラザレバ、政府ガ產金ヲ奬勵シ
テ、之ニ依ッテ輸入超過ヲ「カバー」スルト云
フ目的ヲ達スルコトハ、如何デアルカト云フ
疑ヲ持ッテ居ル點カラ之ヲ伺フノデアリマス
卽チ此產金法ニ依ッテ見マシテモ、政府ハ
產金業者ニ相當ナ保護ヲスルト云フコト
ガ規定サレテアリマスル外ニ、直接ノ保
護ト致シマシテハ、製鍊所ノ設備ニ對シ
テ若干ノ保護ヲスルト云フコトニナッテ居
リマス、併シ私ノ實際業者カラ承ル所ニ依
リマスルト、我國ハ火山國ノ關係上貧鑛ガ
非常ニ澤山アルト云フコトニ聞イテ居ルノ
デアリマス、而シテ此貧鑛ヲシテ有效ナラ
シムルノ途ハ、製鍊ノ精巧ト云フコトハ勿論
必要デアリマスルケレドモ、ヨリ以上ニ選
鑛ガ最モ必要デアルノデアリマス、卽チ選
鑛ガ適當ニ致サレマスルナラバ、貧鑛ヲ處
理シテ之ヲ有效ニ活用スルコトガ出來ルノ
デアリマス、然ルニ本法案ヲ拜見致シマス
ト、選鑛ニ向ッテ政府ハ餘リ注意ヲ拂ッテ居
ルト云フ跡ヲ見出スコトハ出來ナイノデア
リマス、是等ノ點ニ於テ政府ノ所見ヲ伺ヒ
タイト存ジマス
ソレカラ次ニモウ一ツ伺ヒタイコトハ
是ハ未ダ公式ニ政府ノ聲明ニハアリマセヌ
ガ、新聞ノ傳フル所ニ依リマスルト、政府
ハ所謂六大產金會社ヲ合同シテ一ツノ新會
社ヲ作ラシムルノデアリマスルカ、或ハ一
ノ「ブロック」ヲ作ツラシムルノデアリマス
ルカ知リマセヌガ、何等カ六大產金會社ヲ
中心トシ、金ノ增產計畫ヲ立テラルヽヤ
ウニ言ハレテ居リマスガ、果シテ是ガ眞ナ
リト致シマスルナラバ、私ハ我國ノ現狀ニ
於キマシテ、小產金業者ノ多數アル現在ニ
於テ、特ニ六大產金業者ダケヲ保護シテ、其
力ニ依ッテ政府ノ金ノ增產計畫ヲ實現スルト
云フコトハ、如何ナモノデアルカト考ヘル
ノデアリマス、其小產金業者ニ取ッテ不便
ヲ與フルノミナラズ、又實際金ノ增產ノ目的
ニ果シテ應ズルヤ否ヤト云フコトニ向ッテ、
多少ノ疑ナキヲ得ナイノデアリマス、政府ハ
果シテ六大產金會社ヲシテ一ツノ「ブロック」
ヲ作ラシメテ、之ニ向ッテ特別ノ待遇ヲ與ヘ
ルト云フヤウナ御計畫ガアルノデアリマス
ルカ、ドウデアリマスルカ、此點ヲ伺ヒタ
イト存ジマス
ソレカラモウ一ツ此產金ニ關シテ伺ヒタ
イコトハ、政府ハ旣ニ產金ノ引上ヲ致スト
云フヤウナコトニ相成リ、更ニ金ノ製鍊所
ノ設立者ニ向ッテ、特殊ノ保護ヲ與ヘルト云
フコトニナリマスルト、漸クニシテ收支計
算ノ合フヤウナ貧鑛ヲ持ッテ稼業ヲシテ居
ル產金業者ハ、非常ナ不利益ノ位置ニ立ツ
モノト私ハ考ヘマス、斯樣ナ場合ニ於テ、
從來ノ相當ナ富鑛ヲ持ッテ居ル所ノ產金業
者ハ、之ニ反シテ非常ナ利益ヲ得ルコトニ相
成ルノデアリマス、是ハ同ジキ產金業者ニ
取ッテ非常ナ不公平デアルノミナラズ、是等
政府ノ政策ノ結果、何等自己ノ特別ナ努力
ニ依ラズシテ特別ノ利益ヲ得ルヤウナ從來
ノ產金業者ニハ、相當ノ負擔ヲセシムルト
云フコトガ、公平ナ見地カラ見テモ然ルベ
キコトデハアルマイカ、サウシテ從來ノ產
金業者ニ負擔セシメタル所ノ其負擔ノ金額
ヲ以テ、新ナル小サナル產金業者ニ相當ノ
保護奬勵ヲ與ヘルト云フコトニナリマスレ
バ、日本ノ產金ノ奬勵、隨テ其生產額ノ增
加ト云フモノハ、期シテ待ツベキモノガア
ルノデハアルマイカト考ヘマス、此點ニ向ッ
テ政府ハ如何ナル意圖ヲ以テ居ラルヽカト
云フコトヲ伺ヒタイノデアリマス
次ニ準備評價法ニ付テ一一一伺ヒタイト思
ヒマス、此法案ヲ見マスルト、現在ノ日本
銀行其他ノ兌換準備ノ正貨ノ評價換ヲシ
テ、其利益ヲ運用シヨウト云フコトニナッテ
居ルノデアリマスルガ、其運用ノ一部トシ
テ、金ノ買入ノ資金竝ニ公債引受ノ資金ト
云フヤウナコトニ充テルト云フコトハ明記
シテアリマスルケレドモ、實際ノ問題ハ金ノ
現送ノ資金ヲ得ルト云フコトデアラウト思
ヒマス、然ラバ結局ニ於テ輸入超過ノ甚シ
キ今日ノ我國ノ國際貿易ノ關係カラシテ、
此評價換ニ依ッテ得タル所ノ金ト云フモノ
ハ、事實上ハ少クトモ此一兩年ノ間ハ金ノ
現送ニ充テラルヽト云フコトハ、極メテ明
瞭ノコトデアラウト思ヒマス、然ラバ金ヲ
現送スル爲ニ、斯樣ナ評價換ヲスルト云フコト
ハ、私ハ他ノ方法ヲ以テ同一ノ效果ヲ收メラ
ルヽノデハアルマイカト存ジマス、卽チ日本
銀行ノ兌換ノ金準備率ト云フモノヲ、外ノ列
國ニ於テ齊シク採ッテ居リマスル所ノ、三割程度
ノ準備率ニ致シマスルナラバ、今日此評價換
ニ依ッテ得タル所ノ約八億以上ノ金ガ政府
ノ手ニ得ラルヽノデハナイカ、左樣致シマ
スルナラバ、政府ノ金現送ニ依ッテ輸入超
過ヲ「カバー」スルト云フ目的ハ、ソレニ依ッ
テ達セラレルノデハアルマイカト存ジマ
ス
尙ホモウ一ツ伺ヒタイコトハ、此金準備
評價法ニ依ッテノ評價ノ率ト、現在政府ガ民
間カラ金ヲ買上ゲル買上値段トハ、其間ニ
一匁ニ付テ約一圓程ノ相違ガアリマス、是
ハ如何ナル理由ニ依ッテ、政府ノ買上値段ト
此評價ノ間ニ、斯樣ナ差ヲ付ケラレタノデ
アリマセウカ、思フニ是ハ先程政務次官ノ
御說明ノ中ニモアリマシタル如ク、倫敦ノ
現在ノ金ノ相場ヨリ約一割程ノ低價ニ評價
シテ置ケバ、萬一金ノ値段ガ下ッタ時ニ、危
險ヲ防止スルコトガ出來ルト云フ意味デア
ラウカト存ジマス、併シ是ハ一應承ルコトノ
出來ルコトデアリマスルガ、從來我國ノ政府
ニ於キマシテハ、金ノ買上値段ハ常ニ倫敦ノ
現在ノ相場ヨリ一割乃至一割五分低價ニ見
ルト云フ習慣デアッタノデアリマス、是ガ萬
一値下リノ場合ヲ豫想シテノ方法デアッタ
ノデアリマセウ、併ナガラ現在日本ニ於テ
金ヲ現實ニ買上ゲテ居ル所ノ値段ト、評價
ノ値段トヲ變ヘルト云フコトハ、私ハ何等
ノ意味ヲ爲サヌコトデハナイカト思フノデ
アリマス、若シ現在ノ金ノ倫敦ニ於ケル相
場ヨリ値下リノ場合ノ危險ト云フコトデア
リマスルナラバ、買上ゲタ金ニ付テモ同樣
ナ危險ガアルノデアリマス、旣ニ一匁十四
圓幾ラト云フ買上値段ガ、何等ノ危險ナシ
ト云フ政府ノ意見デアリマスルナラバ、此
評價ニ於テモ亦同一ノ値段ヲ以テ評價スル
ト云フコトハ、私ハ普通ノ通念カラ然ルベ
キコトデハナイカト思ヒマス(拍手)若シ又
政府ハ先程宮澤君ノ御指摘ニナリマシタル
如ク、亞米利加ハ金ノ洪水ニ因ッテ居ル、世
界ノ金產額ト云フモノハ年々殖エテ居ル、
仍テ金ノ値段ハ將來下落スルノ傾向ニ在ル
ト云フコトヲ憂ヘテ居ルト云フコトデアリ
マスルナラバ、私ハ斯樣ナ評價換ヲスルト
云フヤウナ手段ヲ執ルヨリモ先ヅコヽ暫ク
ノ情勢ヲ見テ、總テノ安定點ヲ見出シタ上ニ
於テ、寧ロ日本銀行ノ此兌換銀行條例ノ二
條ヲ改正致シマシテ、正式ニ日本ノ平價切
下ヲ斷行シタ方ガ正シイ途デアルト思ヒマ
ス、ソレ迄ノ暫定法ト致シマシテ、私ハ寧
ロ先程申上ゲマシタ如ク、日本銀行ノ兌換
ノ率ヲ三割乃至三割五分ト云フコトニ限定
致シマスルナラバ、政府ノ意圖スル所ノ目
的ハ之ニ依ッテ達スルコトガ出來ルノデハ
アルマイカト考ヘマスルガ、政府ハ如何樣
ニ此點ニ向ッテ御考デアルカヲ伺ヒタイノ
デアリマス
最後ニイマ一點伺ヒタイコトハ、資金ノ
特別會計法ニ付テデアリマス、元來私共
ハ政府ハ爲替ノ時期的ノ變動ヲ調整スル
爲ニ、英吉利、佛蘭西ナドデ用ヒテ居リマス
ル所ノ、爲替平衡資金ト云フモノヲ採用セ
ラルヽヤニ承ッテ居ルノデアリマス、私ハ
年來此爲替平衡資金制度ヲ採用スルコトハ、
我國ノ爲替ノ安定ノ上ニ極メテ有效デアル
ト考ヘテ居ルモノデアリマスルガ、旣ニ政府
ハ現在ノ資金ヲ評價換ヲシテ、其利益ヲ以
テ金資金特別會計法ヲ設置セラルヽト云フ
マデニ進メラレルナラバ、何故ニ一步ヲ進
メテ爲替平衡資金制度ヲ採用セラレナイノ
デアルカ、此爲替平衡資金制度ヲ採用セラ
レマスナラバ、其必要ニ從ッテ金ノ現送ヲ
致シテ、之ヲ爲替資金ニスルノ途モアリマ
セウ、或ハ又輸入爲替ヲ政府ガ買入レテ、
季節的ニ安定ヲ圖ル途ヲ執ルノ方法モアル
デアリマセウ、旣ニ玆マデ進ンダ以上ハ、
ドウシテモ爲替ノ安定ノ必要上、爲替平衡
資金制度ヲ採用スルト云フコトハ、當然ノ
順序デナイカト考ヘルノデアリマスガ、政
府ハ何故ニ一步ヲ進メテ此制度ヲ採用スル
マデニ進メラレナイノデアリマスルカ、此
間ニ何等カ特別ノ理由ガアルノデアリマセ
ウカ、ドウデアリマセウカ、此點ヲ政府ノ
御說明ヲ願ヒタイト存ジマス、以上私ノ申
上ゲマシタコトニ付キマシテ大藏當局ノ御
所見ヲ伺ヒタイト存ジマス
〔政府委員太田正孝君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=9
-
010・太田正孝
○政府委員(太田正孝君) 武田サンノ御質
問ニ對シ御答申上ゲマス、其第一點ハ明年
度カラ新產金ノ限度ニ依ッテ政策ヲ立テテ
行クト言ハレタ點ニ付テノ御質問デアリマス、
申上ゲル迄モナク貿易竝ニ貿易外ノ收支ガ
問題デアリマシテ、是ガハッキリ致サナケレバ、
新產金ノ限度ト申シマシテモ本ガ決ラナイ
譯デアリマス、而モ御案内ノ通リ既ニ此上半
期ハ異常ナ入超ニナッテ居リマシテ、下半期ニ
付キマシテモ俄ニ樂觀ヲ許サザルヤウナ狀況
ニアリマス、況シテ明年ドノ位ニナルカト云
フコトハ、計畫ハ勿論立テナケレバナラヌ
コトデゴザイマスガ、御指摘ニナリマシタ
ル通リ、何故入超ガ出來ルカ、ソレハ必要
ナ物ヲ買ハナケレバナラヌ、何故買ハナケ
レバナラナイカ、申上ゲル迄モナク其點ニ
付テ大キナ問題ハ、國防ヲ中心トスル財政
問題ガ關係シテ來ルノデアリマス、此點ニ
付テハ十分ナル注意ヲ拂ッテ居リマスルガ、
マダ國防ノ計畫ノ全貌モ分リマセヌシ、且
ツ現在國民一般ニ御心配ナスッテ居ル所ノ
北支ノ問題モ、俄ニ樂觀ヲ許サザルヤウナ
財政上ノ狀況ニアリマスノデ、斯ウ云ッタ點
ヲ總テ考ヘテ見マスルト、漫然ト玆ニ明年
度ノ計畫ヲ立テ得ザル事情ニアリマス、隨
テ新產金ノ限度ハ假ニ多クトモ、其方ガ更
ニ多イ場合ニ於テハ、ドウニモナラヌヤウ
ナ事ニナルノデス、言葉ヲ換ヘテ申シマス
レバ、貿易竝ニ貿易外ノ收支ノ點ヲ主トシ
テ此問題ヲ解決シナケレバナラナイノデス、
而モ其問題ヲ措イテ、新產金ハドノ位ニナ
ルカ、此點ニ付キマシテハ所管關係モアリ
マスルシ、商工省ノ御方カラ責任アル御答
辯ヲ御願スル方ガ、私共トシテモ結構カト
思フノデアリマス、唯モット奬勵シナケレバ
ナラナイ、特ニ選鑛ニ付キマシテ御注意ガ
アリマシタガ、洵ニ其樣ニ存ジマス、デ此
點ニ付キマシテハ豫算關係等ニ於キマシテ
モ、十分其御意見ノ程ヲ入レテヤッテ行キタ
イト考ヘルノデアリマス、第二ノ六大會社
ヲ作ッテ其「ブロック」ヲ特別保護ノ下ニ置
ク計畫ガアルカ、是ハ直接ニ商工省ノ所管
ニ關スルコトデアリマシテ、其方カラ御答
辯ヲ御願致スノガ結構カト存ジ上ゲマス、
小會社、或ハ小企業者ニ對シテドウカ、斯
ウ云フ問題ニ付キマシテハ、豫算關係等ニ
於テモ申上ゲマシタ通リ、大會社ノミニ保
護ヲスルノデハナク、此方面ニ對シテモ保
護助長ノ方針ヲ執ッテ居リマス、是ハ豫算ノ
時ニ於キマシテ御說明シ得ルコトト存ジ上
ゲマス、第三點トシテ從來儲ケタ者若クハ
大キイ會社ニ對シテ、利益ニ對シ負擔ヲ命
ジ、而モ其得タ所ノモノヲ小企業者ニ廻ス
ヤウニシタラバドウカト云フコトデアリマ
ス、世間ニモ御同樣ノ御意見ヲ懐カレル御
方ガアリ、政府當局ニ於キマシテモ何力課
ケル方法ハナイカト色々苦心ヲシテ居ルノ
デゴザイマスルガ、今其利益ニ對シテ課ケ
ル方法ヲ發見スルコトガ出來ナイノデ折角
〓究中デゴザイマス、第四點トシテ評價法
關係ニ付テノ御質問ガアリマシタ、固ヨリ
此評價益ニ依ッテ得タ資金ヲ運用スルコト
ハ、法文ニモアリマスル通リ金ノ「オペレー
ション」ニ使フコトハ、是ハ申上ゲル迄モ
アリマセヌ、尙ホ餘裕ノアリマシタ場合
ニ國債ヲ買フ方面ニ用フノデアリマス、デ
何カ斯ウ云フ資金ガ出マスルト云フト、政
府ノ勝手ニ用フルヤウナ風ニ考ヘラレテハ
イケマセヌノデ、目的ヲ限定シテ金ノ爲メ
竝ニ國債ノ關係ニ於テノミ運用シ得ルコト
ニシタノデアリマス、御說ノ中ニ兌換劵ノ
金準備率ヲ三割乃至三割五分ニシタナラバ
其大キナ目的ヲ達スルコトガ出來ルデハナ
イカト云フコトデゴザイマス、改メテ申上
ゲルマデモナク、斯樣ニ正札ノ附替ヲ致シ
マシテモ、金其モノハ一ツモ殖エルノデハ
ゴザイマセヌ、唯評價換ヲシタ結果正貨準
備ニ振向クベキ額、或ハ現送ニ振向クベキ
額ナドヲ分ケルノニ過ギナイノデアリマシ
テ、只今御示シニナリマシタ金準備ヲ三割
ニシタガ宜イカ、三割五分ニシタガ宜イカ
ト云フコトハ、此振分方ノ問題ニ關係スル
ノデアリマシテ、貴重ナル御意見トシテ吾
吾ハ參考ニシテ、其問題ノ解決ニ進ミタイ
ト思フノデアリマス、私ノ申上ゲマス意味
ハ、兌換準備ノ關係ト金現送ノ關係トハ、
一ツノモノヲ二ツニ分ケルノデアリマシテ、
今其事ハハッキリ玆ニ決ッテ居ラナイト云フ
コトダケヲ申上ゲルニ止メテ置キマス、第
五點ノ買上値段ニ付キマシテ、危險ヲ避ク
ル爲ニ斯樣ナ倫敦ノ金塊相場ニ對シテ一割
ノ差ヲ見テ置イタト申上ゲタノデゴザイマ
スガ、買上値段トノ開キニ付キマシテハ、二
三年前ハ二割、或ハ本年マデ一割ト云フヤウ
ナ、倫敦ノ金塊相場ヨリ開キガアリマシタガ、
現在ノ一匁十四圓十三錢七厘五毛ト云フ買
上値段ハ、倫敦ノ相場カラ見マスルト云フト
二分七厘減デゴザイマシテ、金ノ現送費等ヲ
引クト云フト、殆ド差ガナイト云フコトニ
ナルノデアリマス、左樣御承知ヲ願ヒタイ
ト存ジ上ゲマス、更ニ平價切下ヲシタラバ
ドウカト云フコトニ付テハ、宮澤サンニ御
答申上ゲタ通リデゴザイマシテ、サウ行ケ
バ結構デアリマスガ、未ダ其時期ニアラズ
ト斯ウ考ヘルノデアリマス、第六點トシテ
御質問ニナリマシタ、此金資金ノ特別會計ヲ
以テ平衡資金トスルコトハドウデアラウ
カ、之ニ付キマシテハ現在ハ唯爲替相場ヲ
維持シテ行カウト云フコトヲ、主タル目的
トシテ作用スルノデゴザイマスノデ、平衡
資金ヲ設ケルニ付テハ資金ノ限度如何、又
對外關係ニ於キマシテドウ云フ連絡ヲ保チ
得ルカト云フコト、更ニ英吉利、亞米利加
ナドト違ッタ我國ノ事情モアルト云フコト
ヲ考ヘネバナラヌト思フノデアリマス、隨
テ此際平衡資金制度ヲ設ケルマデニハ、政府
ノ考ハ進ンデ居ラナイト申上ゲルノデアリ
マス(拍手)
〔政府委員木暮武太夫君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=10
-
011・木暮武太夫
○政府委員(木暮武太夫君) 商工省ニ關シ
マスル限リニ於テ武田サンニ二點御答ヲ申
上ゲマス、第一點ノ六大產金會社ガ合同シ
テ一大製鍊會社ヲ作ルト云フコトガ新聞ニ
出テ居ッタガ、ドウデアルカト云フ御質問
ニ對シマシテハ、當局ト致シマシテハサウ
云フコトヲ存ジマセヌシ、又商工省ハサウ
云フコトヲ御勸メ致シタコトモナイノデア
リマス
ソレカラ選鑛場竝ニ製鍊場ニ對スル補助
ノ問題ニ付キマシテハ、御承知ノ通リニ四
百二十三万圓ノ產金奬勵金ノ中デ、百六十
二万圓ト云フモノヲ選鑛場竝ニ製鍊場ノ設
置ノ補助ニ充テヽ居ルノデアリマシテ、此
百六十二万圓ハ、御指摘ノヤウナ六大產金
會社ト云フモノニハ補助ヲ與ヘナイノデア
リマシテ、中小ノ產金業者ニ對スル補助ト
致シマシテ、大體半額ヲ其製鍊及ビ選鑛場
ノ設置ニ補助ヲ致スノデアリマスカラ、丁
度三百二十四万圓ノモノガ出來ルノデアリ
マス、之ニ從ヒマスルト、一日約八百十瓲
ノ金鑛ヲ處理スルト云フ計算ニナルサウデ
アリマスカラ、丁度一日二百瓲製鍊致シマ
スルモノガ四ツ位ハ出來ルダラウト云フ計
算ニナッテ居ルノデアリマス、此段御答致シ
マス(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=11
-
012・小山松壽
○議長(小山松壽君) 佐竹晴記君
〔佐竹晴記君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=12
-
013・佐竹晴記
○佐竹晴記君 只今上程サレテ居リマス金
關係ノ諸法案ニ付キマシテ簡單ニ質疑ヲ致
シマス、第一、政府ハ金保有政策ヲ抛棄サ
レタノデハナイカト云フ點デアリマス、日
本銀行ノ金買入法第一條ノ明文ニ依リマシ
テモ、亦六十五議會ニ於ケル大藏大臣ノ答
辯ニ依リマシテモ、金買入ノ目標ハ產金ヲ
國內ニ保有スルト云フコトニアッタノデア
リマシテ、爲替水準ノ維持、卽チ爲替ノ安
定ノ爲ニ之ヲ海外ニ現送スルト云フコトヲ
目的ト致シタモノデハナカッタノデアリマ
ス、然ルニ本年三月以降政府ハ屢〓新產金
ノ限度ニ於ケル金ノ現送ヲ聲明セラレマシ
テ、當議場ニ於テモ之ヲ繰返サレテ居ルノ
デアリマス、之ニ依ッテ政府ハ產金國內保有
ノ方針ヲ變更セラレタカノ如ク見ラレルノ
デゴザイマスルガ、果シテ如何デゴザイマ
セウ
第二點ハ金現送ノ結果ニ對スル政府ノ所
信ヲ承リタイト存ジマス、卽チ金現送ニ依
リマシテ、一朝事有ル際、政府ハ何等ノ不
安ヲ感ジナイト云フ自信ガアルデゴザイマ
セウカ、又爲替安定ニ付テ、此法制ヲ制定
スルコトニ依ッテ、十分目的ヲ達成スルコト
ガ出來ルト云フ自信ガアルデゴザイマセウ
カ、申上ゲル迄モゴザイマセヌ、金ノ國內
保有ハ、戰爭トカ或ハ事變トカ、一朝事有
ル際ニ軍需品原料ノ購入等ニ付テ、唯一ノ
貿易決濟ノ最後手段デアルコトハ申上ゲ
ル迄モナイノデアリマス、此一朝事有ル際
ニ備フル爲ニ、產金ノ國內保有ハ實ニ重大
ナル意義ヲ爲スト同時ニ、近時政府ノ執リ
ツツアル新產金ノ海外現送ニ依リマシテ、何
等不安ヲ感ズルコトナキヲ得ルノデアラウ
カ、此點政府ノ御所信ヲ承リタイト存ジマ
ス、更ニ一面爲替安定ニ關スル方面ヨリ之
ヲ見マシテモ、本年ニ於ケル國際收支ハ、
貿易外收支ヲ含メマシテ、五億圓前後ノ支
拂超過ニナルデアラウト豫想サレテ居リマ
ス、若シ爲替維持ヲ絕對目標ト致シマスナ
ラバ、現在ノ產金量ノ實情ニ於キマシテハ、
新產金ノ範圍內程度ノ現送ニ依リマシテハ、
其目的ヲ達成スルコトハ甚ダ困難デハナイ
カト思ハレルノデアリマス、眞ニ爲替維持
ヲ目標ト致シマス政策ヲ遂行スルナラバ、
必然的ニ國內保有ノ金ノ減少ヲ來シマスノ
ハ免レ得ナイ所デアリマシテ、若シ左樣ニ
ナレバ、前ニ申上ゲマシタ一朝有事ノ際ニ
於ケル不安ヲ豫想セザルヲ得ナイノデアリ
マス、政府ハ果シテ此產金法制定ニ依リマ
シテ、只今申上ゲマス不安ヲ除去シ、且ツ
一面爲替維持ノ政策ヲ遂行スルダケノ自信
ヲ御持チデゴザイマセウカ、承リタイト存
ズル次第デアリマス
第三ハ物價騰貴トノ關係デアリマス、金
買入値段ノ引上、竝ニ必然的ナ結論デゴザ
イマス正貨準備金ノ再評價ハ、言葉ヲ換へ
テ申上ゲマスナラバ、物價ノ基準タル金ノ
價格ノ引上ヲ政府ガ肯定スルト云フコトニ
ナル譯デアリマス、一般物價ハ此基準ニ從
ヒマシテ、少クトモ此基準マデハ騰貴スル
傾向ヲ持ッテ居リマス、仍テ此政策ハ結局物
價騰貴政策ニナルト言ハナケレバナリマセ
又、然ルニ政府ハ他面物價騰貴抑制策ヲ
執ッテ居ラレマス、一體政府ハ物價騰貴政策
ヲ執ルノデゴザイマセウカ、或ハ又其抑制
策ノ爲ニ腐心ヲナサッテ居ラレルノデゴザ
イマセウカ、其眞意ヲ承リタイト存ジマス
第四ニハ金政策ト俸給、勞銀等ノ對策ニ
付テ政府ノ所信ヲ承リタイ、正貨準備金ノ
再評價ハ、只今申上ゲマス如ク物價基準ノ
訂正デアリマス、引上政策デアリマスガ、
俸給竝ニ勞銀ハ之ニ伴ヒマシテ引上ハサレ
マセヌ、其引上ハ非常ニ遲レルノミカ、否、
何等ノ顧慮スラ拂ハレナイト云フコトガ實
情デアリマス、斯クテ俸給生活者竝ニ勞銀
勞働者ヲ犠牲ニ致シマシテ、之ヲ活カサン
トスル所ノ結果ニナルノハ當然デアリマス
ノデ、正貨準備金再評價ヲ爲サント致シマ
スナラバ、必然的ニ是等ノ弱者ニ對スル保
護政策ヲ顧慮シテヤラナケレバナラナイト
思フノデアリマス、政府ハ果シテ之ニ對ス
ル所ノ對策アリヤ否ヤ
第五ハ詐欺爲替ニ依ル金ノ逃避ノ關係ヲ
承リタイト存ジマス、例へバ實際ニ五百万圓
ノ物品ヲ購入致シマシタ際ニ、單價ヲ僞ッテ
之ヲ高メルト云フヤウナ方法ニ依ル等-
是ハ色々方法モゴザイマセウガ-等ニ依リ
マシテ、例ヘバ六百万圓ノ品物ヲ購入シタ
ルガ如ク裝ヒ、噓ノ手形ヲ組ンデ當局ノ許
可ヲ得、爲替管理法ノ裏ヲ潜ッテ、現金ヲ海外
ニ現送逃避セシメツヽアルコトヲ私共ハ聞
クノデアリマス、若シ果シテ斯ノ如キ事實
アリト致シマスナラバ、洵ニ寒心ニ堪ヘナ
イコトデアリマスルト同時ニ、只今論議サ
レテ居リマスル所ノ金現送問題ト最モ深イ
關係ヲ有シマスルガ爲ニ、果シテ斯ノ如キ
事實アリヤ否ヤ、徹底的ニ斯ノ如キ事項ヲ
將來ニ向ッテ調査ヲ致シマシテ監視シ、以テ
金逃避ノナイヤウニ、十分ニ之ヲ防グダケ
ノ用意ガアルカドウカ、此點ニ付テ承リタ
イト存ジマス、以上五點ヲ承リタイト存ジ
マス(拍手)
〔政府委員太田正孝君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=13
-
014・太田正孝
○政府委員(太田正孝君) 佐竹サンノ御質
問ニ對シ御答申上ゲマス、第一點ハ金ノ保
有策ヲ抛棄シタカ、斯ウ云フ御問デアリマ
シタ、成程御說ノ如ク、主トシテ金保有ヲ
考ヘテヤッタ時ト今日トハ違ッテ居リマス、
併ナガラ現送ヲ主トシテ今日ノ金政策ヲ立
テテ居ルトハ申シナガラ、金保有ノコトヲ
捨テタノデハゴザイマセヌ、捨テザレバコ
ソ金ノ增產其他ニ付テ苦心シテ居ルヤウナ
次第デゴザイマス
第二點ニ現送策ニ付テ自信ヲ持ツカト云
フ御問デゴザイマスガ、是ハ度々大藏大臣
モ申サレマスル通リ、根本ハ國際收支ノ均
衡ト云フコトガ主デゴザイマシテ、是ハ一
人ヤ二人ノ力デ行クコトデハナク、又其力
ヲ國民全體ニ借ラナケレバ出來ナイコトデ
アリマス、私共ハ今ノ所ニ於テハ現送策ヲ
續ケテ行ッテ、決シテ心配ハナイト思フノデ
アリマス、本年ノ新產金ノ限度デ以テ、現
在ノ爲替相場支持ニ困ルヤウナコトハナイ
カト云フ御心配モゴザイマシタガ、此點ニ
付テハ萬全ノ策ヲ執ッテ居ルノデアリマシ
テ、一志二片ノ支持ニ付テハ斷ジテ間違ガ
ナイト申上ゲタイノデアリマス
第三點ニ物價ニ付キマシテノ御問デゴザ
イマスガ、政府ハ物價抑制策ヲ執ルノカ云
々ト云フ御問デゴザイマス、私ハ物價ガ無
理ニ上ラナイヤウニト云フ考ヲ以テ諸般ノ
政策ヲ立テテ居ルト思ヒマス、併ナガラ物
價ハ上ルト云フコトノ心配ヨリモ、物價ノ
上ルコトニ對應スル力ヲ持ツト云フコトガ、
政策ノ根源デナカラネバナラヌト云フコト
ハ、私一個人ノ立前トシテ、否、政友會ニ
吾々ノ居ッタ時代ノ主張ト少シモ違ハナイ
コトヲ申上ゲテ置キマス
更ニ第四點トシテ、勞働者ノ俸給等ノ關
係ヲ申サレマシタガ、金ノ見積換ト云フコ
トガ、當然サウ云フ結果ニナルトハ存ジマ
セヌ、突然ノ引上デハナイノデス、現在ニ
於テ相當ノ價格ヲ持ッテ居ルモノヲ、唯斯樣
ナ評價ニ致シマシタノデ、今マデ非常ニ低
カッタモノヲ、非常ニ高ク見積換ヲスルト云
フノデハナイノデゴザイマスカラ、其點ニ
付キマシテハ然ルベク御承諒ヲ願ヒタイト
思ヒマス
更ニ重要ナル問題ト致サレマシテ、輸出
價格ト爲替ノ關係ニ付テ御指摘ニナリマシ
タガ、ドウカ斯ウ云フ問題ハ具體的ノコト
ヲ御示シ下サイマシテ、役人共ノ間違ッテ居
リマスコトハ何處マデモ改メナケレバナリ
マセヌ、又御注意ナサイマス通リ、金ノ逃
避ヲ防グト云フコトハ洵ニ大切ナコトデア
リマシテ、私身不肖ニシテ其具體的ノ問題
ハ存ジ上ゲマセヌノデ、ドウカ此點ハ委員
會ナリニ於テ、十分御指摘ヲ願ヒタイト思
フノデアリマス(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=14
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015・小山松壽
○議長(小山松壽君) 是ニテ質疑ハ終了致
シマシタ、各案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ
選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=15
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016・服部崎市
○服部崎市君 日程第一乃至第七ノ各案ヲ
一括シテ、議長指名二十七名ノ委員ニ付託
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=16
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017・小山松壽
○議長(小山松壽君) 服部君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=17
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018・小山松壽
○議長(小山松壽君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、是ニテ議
事日程ハ議了致シマシタ、明三十一日ハ定
刻ヨリ本會議ヲ開キマス、議事日程ハ公報
ヲ以テ御通知致シマス、本日ハ是ニテ散會
致シマス
午後二時二十七分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007113242X00619370730&spkNum=18
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