1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十三年三月十九日(土曜日)午前十時十七分開議
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議事日程 第二十六號
昭和十三年三月十九日
午前十時開議
第一 飼料配給統制法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 航空機製造事業法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 兵役の義務なかりし者等にして支那事變に於て陸軍部隊に編入せられたるものの身分取扱に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 昭和十一年勅令第二十一號廢止法律案(政府提出) 第一讀會
第五 恩給金庫法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第六 恩給法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第七 庶民金庫法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 無盡業法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 社會事業法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十 商店法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 簡易生命保險法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十二 臨時通貨法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十三 關税定率法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔石橋書記官朗讀〕
一昨十七日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府
提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ
衆議院ニ通知セリ
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案
關東局、朝鮮總督府、臺灣總督府及樺太
廳ノ各特別會計ニ於ケル租稅收入ノ一部
ニ相當スル金額等ヲ臨時軍事費特別會計
ニ繰入ルルコトニ關スル法律案
昭和十三年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債追加發行ニ關スル法律案
同日委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ
氏名左ノ如シ
陸上交通事業調整法案特別委員會
委員長伯爵橋本實斐君
副委員長男爵近藤滋彌君
臨時通貨法案特別委員會
委員長子爵綾小路護君
副委員長男爵佐藤達次郞君
國家總動員法案特別委員會
委員長子爵渡邊千冬君
副委員長男爵大井成元君
支那事變ニ際シ召集中ノ者ノ選擧權及被
選擧權等ニ關スル法律案特別委員會
委員長男爵大森佳一君
副委員長子爵豐岡圭資君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
恩給金庫法案可決報告書
恩給法中改正法律案可決報告書
庶民金庫法案可決報告書
無盡業法中改正法律案可決報告書
石油資源開發法案可決報〓書
社會事業法案可決報告書
商店法案可決報告書
簡易生命保險法中改正法律案可決報告書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
飼料配給統制法案
航空機製造事業法案
兵役ノ義務ナカリシ者等ニシテ支那事變
ニ於テ陸軍部隊ニ編入セラレタルモノノ
身分取扱ニ關スル法律案
同日議決ニ係ル議員三宅秀君ニ對スル弔辭
ハ昨十八日之ヲ贈レリ
昨十八日委員會ニ於テ當選シタル正副委員
長ノ氏名左ノ如シ
東洋拓殖株式會社法中改正法律案特別委
員會
委員長男爵肝付兼英君
副委員長子爵水無瀨忠政君
工作機械製造事業法案特別委員會
委員長伯爵溝口直亮君
副委員長男爵淺田良逸君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
臨時通貨法案可決報告書
關稅定率法中改正法律案可決報〓書
請願委員會特別報告第七號
同日政府ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
昭和十一年勅令第二十一號廢止法律案
同日內閣總理大臣ヨリ左ノ通第七十三囘帝
國議會政府委員仰付ケラレタル旨ノ通牒ヲ
受領セリ
大藏省所管事務政府委員
大藏書記官山際正道君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第一、飼料
配給統制法案、政府提出、衆議院送付、第
一讀會、農林大臣
〔左ノ送付文及法案ハ朗讀ヲ經サ
ルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之
ニ傚フ〕
飼料配給統制法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十七日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
飼料配給統制法案
飼料配給統制法
第一條政府ハ飼料ノ需給ノ圓滑及價格
ノ公正ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムル
トキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ適
當ト認ムル者ニ對シ飼料ノ配給統制上
必要ナル事業ヲ行フベキコトヲ命ズル
コトヲ得
前項ノ事業ヲ行フ者ノ監督其ノ他ニ關
シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條政府ハ飼料ノ需給ノ圓滑及價格ノ
公正ヲ圖ル爲前條第一項ノ規定ニ依ル
配給統制ニ關シ特ニ必要アリト認ムル
トキハ同條ニ定ムルモノノ外飼料若ハ
命令ヲ以テ定ムル飼料ニ用ヒ得ル物ノ
輸出入又ハ飼料ノ販賣若ハ使用ニ關シ
必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第三條政府必要アリト認ムルトキハ飼
料又ハ命令ヲ以テ定ムル飼料ニ用ヒ得
ル物ノ製造、取引、保管又ハ運送ヲ業
トスル者ニ對シ前二條ノ命令ニ關係ア
ル事項ニ付報〓ヲ徵シ又ハ帳簿其ノ他
ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第四條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五
千圓以下ノ罰金ニ處ス
ー第一條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シタル者
二第二條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ
タル者
第五條第三條ノ規定ニ違反シ報告ヲ爲
サズ、虛僞ノ報〓ヲ爲シ又ハ檢査ヲ拒
ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ五百圓以
下ノ罰金ニ處ス
第六條飼料又ハ飼料ニ用ヒ得ル物ニ關
スル業ヲ爲ス者ハ其ノ代理人、戶主、
家族、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務
ニ關シ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命
令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタ
ルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ
以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第七條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命
令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法
人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法
人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者
又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理
人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者
ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ施行後五年間ヲ限リ其ノ效力ヲ有
ス
前項ノ期間內ニ爲サレタル本法又ハ本法
ニ基キテ爲ス處分ニ違反スル行爲ニ付テ
ハ本法ノ罰則ハ前項ノ期間經過後ト雖モ
仍之ヲ適用ス
〔國務大臣伯爵有馬賴寧君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=3
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004・有馬頼寧
○國務大臣(伯爵有馬賴寧君) 只今議題ト
ナッテ居リマス飼料配給統制法案ニ付テ御
說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、我ガ國ノ畜
產ハ近年顯著ナ發達ヲ遂ゲマシテ、畜產物
ノ國內需要ハ急激ニ增加シテ居ルノデアリ
マスガ、畜產ノ基礎タル飼料ノ供給ニ付キ
マシテハ、藁稈類其ノ他ノ粗飼料ハ、其ノ
資源ハ比較的豐富デアリマシテ、大體國內
自給ガ出來ルノデアリマスガ、玉蜀黍、高
梁等ノ濃厚飼料ニ付キマシテハ、國內デ自
給ガ出來マセヌ、年々多額ノ輸入ヲ致シテ
居ル實情デアリマシテ、尙逐年增加ノ傾向
ヲ示シテ居ルノデアリマス、卽チ從來ハ主
トシテ蘭領印度、南米、支那、滿洲國等ヨ
リ輸入致シテ居タノデアリマスガ、輸入飼
料ノ供給確保ニ付テ此ノ際適切ナル對策ヲ
樹テマスコトハ、是非共必要デアルノデア
リマシテ、此ノコトハ我ガ國畜產ノ基礎ヲ
確立シ、農村經濟ノ安定ヲ圖ル爲ニモ、亦
飼料業ノ堅實ナ發展ヲ期シマスル上ニモ、
最モ緊要ナコトト考ヘルノデアリマス、從ッ
テ政府ハ現下ノ飼料事情ニ鑑ミ、差當リ飼
料中最モ重要デアル玉蜀黍、高梁及是等ヲ
原料トスル配合飼料等ニ付キマシテ、必要
ナ數量ヲ確保スル爲、日滿經濟一體ノ方針
ニ則リ、其ノ資源ヲ日滿兩國內ニ於テ自給
スル方策ヲ樹テ、之ヲ目標トシテ滿洲國ノ
產業開發計畫ニ對應シツヽ內地ノ需給統制
ヲ行ヒ、以テ飼料ノ需給ノ圓滑ト價格ノ公
正トヲ圖ルコトトシ、其ノ方法トシテ民間
ノ適當ナ機關ヲ指定シテ、之ニ配給統制ニ
關スル施設ヲ行ハシメ、政府ハ此ノ機關ヲ
適當ニ監督シテ行クコトト致シタノデアリ
マス、右ノ外本法案ニ於キマシテハ、飼料
ノ配給統制ノ完璧ヲ期スル爲、飼料ニ關ス
ル事情ノ變化ニ對應シテ、必要ニ應ジ政府
ニ於テ適宜ニ措置ヲ講ジ得ルヤウ必要ナル
條項ヲ置キマシテ、飼料政策上遺憾ノナイ
ヤウニ致シテ居ル次第デアリマス、尙本法
ノ運用ニ當リマシテハ、飼料業ノ實情ヲ十
分考慮シ、民間當業者ノ協力ニ依リマシ
テ、所期ノ目的ヲ達成スルヤウニ致シタイ
ト考ヘテ居ルノデアリマス、以上ハ本法案
提出ノ理由ノ〓要デアリマス、何卒御審議ノ
上御協贊アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御質疑ガナケレ
バ、本案ノ特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマ
ス
〔丸龜書記官朗讀〕
飼料配給統制法案特別委員
侯爵嵯峨公勝君子爵增山正興君
男爵橋元正輝君男爵杉溪由言君
加藤政之助君內藤久寬君
松本眞平君三橋彌君
佐々木八十八君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二、航空
機製造事業法案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、田島遞信次官
航空機製造事業法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十七日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
航空機製造事業法案
航空機製造事業法
第一條本法ニ於テ航空機製造事業ト稱
スルハ命令ヲ以テ定ムル航空機又ハ其
ノ機體、發動機若ハプロペラノ製造ヲ
爲ス事業ヲ謂フ
前項ノ事業ヲ營ム者ノ爲ス航空機ノ部
分品若ハ附屬品ノ製造、其ノ事業者ノ
用フル航空機用材料ノ製造又ハ航空機
ノ修理ハ之ヲ當該事業ノ一部ト看做ス
第二條航空機製造事業ヲ營マントスル
者ハ政府ノ許可ヲ受クベシ
第三條前條ノ許可ヲ受クルコトヲ得ベ
キ者ハ帝國法令ニ依リ設立シタル株式
會社ニシテ其ノ株主ノ半數以上、取締
役ノ半數以上、資本ノ半額以上及議決權
ノ過半數ガ帝國臣民又ハ帝國法令ニ依
リ設立シタル法人ニ屬スルモノニ限ル
前項ノ法人ハ其ノ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本ノ
半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人
又ハ外國法人ニ屬セザルモノナルコト
ac〓s
前條ノ許可ヲ受ケタル者前二項ノ規定
ニ該當セザルニ至リタルトキハ許可ハ
其ノ效力ヲ失フ
第四條第二條ノ許可ヲ受ケタル會社ハ
政府ノ指定スル期間內ニ其ノ事業ヲ開
始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ
限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコト
ヲ得
第二條ノ許可ヲ受ケタル會社前二項ノ
期間內ニ其ノ事業ヲ開始セザルトキハ
第二條ノ許可ハ其ノ效力ヲ失フ
第五條航空機製造事業ヲ營ム會社(以
下航空機製造會社ト稱ス)ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ政府ニ之ヲ屆
出ヅベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同
ジ
政府必要アリト認ムルトキハ事業計畫
ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第六條政府ハ航空機技術委員會ノ議ヲ
經テ航空機ノ機體、發動機、プロペラ、
部分品、材料又ハ附屬品ニ付其ノ規格
ヲ定ムルコトヲ得
航空機製造會社ハ前項ノ規定ニ依リ規
格ヲ定メタルモノニ付テハ規格ニ適合
スルモノニ非ザレバ之ヲ製造又ハ使用
スルコトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケ
タルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
航空機技術委員會ニ關スル規程ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第七條航空機製造會社其ノ事業ノ全部
又ハ一部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止セ
ントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ
政府ノ許可ヲ受クベシ
航空機製造會社ノ合併又ハ解散ノ決議
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ
受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第八條航空機製造事業ハ土地收用法第
二條ノ土地ヲ收用又ハ使用スルコトヲ
得ル事業トシ同法ヲ適用ス
第九條航空機製造會社ニハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ第二條ノ許可ヲ受ケタル年
及其ノ翌年ヨリ五年間其ノ事業ニ付所
得稅及營業收益稅ヲ免除ス
第十條北海道、府縣及市町村其ノ他之
ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依リ所
得稅及營業收益稅ヲ免除セラレタル航
空機製造會社ニハ其ノ免除セラレタル
事業ニ對シ課稅スルコトヲ得ズ但シ特
別ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル
場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十一條航空機製造會社其ノ事業ノ爲
必要ナル器具、機械又ハ材料ヲ政府ノ
認可ヲ受ケ輸入スルトキハ本法施行ノ
日ヨリ五年間勅令ノ定ムル所ニ依リ輸
入稅ヲ免除ス
第十二條航空機製造會社本邦ニ於テ未
ダ製造セラレタルコトナキ航空機又ハ
其ノ機體、發動機若ハプロペラノ製造
ヲ爲ス場合ニ於テハ政府ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ豫算ノ範圍內ニ於テ之ニ奬
勵金ヲ交付スルコトヲ得航空機ノ部分
品、材料又ハ附屬品ニシテ本邦ニ於テ
未ダ製造セラレタルコトナキモノヲ製
造スル場合亦同ジ
第十三條航空機製造會社ハ事業擴張ノ
場合ニ於テ政府ノ認可ヲ受ケ其ノ事業
ニ屬スル設備ノ費用ニ充ツル爲株金全
額拂込前ト雖モ其ノ資本ヲ增加スルコ
トヲ得
第十四條航空機製造會社ハ政府ノ認可
ヲ受ケ其ノ事業ニ屬スル設備ノ費用ニ
充ツル爲商法ニ規定スル制限ヲ超エテ
社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ總
額ハ拂込ミタル株金額ノ二倍ヲ超ユル
コトヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存ス
ル財產ガ拂込ミタル株金額ニ滿タザル
トキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
第一項ノ規定ニ依リ募集スル社債ニ付
テハ工場抵當法ニ依リ會社ノ事業ニ屬
スルモノヲ抵當ト爲スコトヲ要ス但シ
特別ノ事情アル場合ニ於テ政府其ノ必
要ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第十五條政府ハ航空機製造會社ニ對シ
業務及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲サシ
ムルコトヲ得
政府ハ航空機製造會社ニ對シ業務及會
計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又
ハ處分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當
該官吏ヲシテ航空機製造會社ノ事務所、
營業所、工場、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨
檢シ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳簿書類
其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
此ノ場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票
ヲ携帶セシムベシ
第十六條政府ハ公益上必要アリト認ム
ルトキハ航空機製造會社ニ對シ航空機
又ハ其ノ機體、發動機若ハプロペラノ
販賣價格若ハ販賣條件ノ變更ヲ命ジ又
ハ此等製品ノ供給ニ關シ必要ナル事項
ヲ命ズルコトヲ得
第十七條政府ハ軍事上必要アリト認ム
ルトキハ航空機製造會社ニ對シ左ノ各
號ニ揭グル事項ヲ命ズルコトヲ得政府
公益上必要アリト認ムルトキ第一號乃
至第五號ニ揭グル事項ニ付亦同ジ
-設備ノ擴張又ハ改良
二政府ノ指定スル航空機又ハ其ノ機
體發動機若ハプロペラノ製造
三航空機ニ關スル特殊事項ノ〓究又
ハ特殊設備ノ施設
四航空機又ハ其ノ機體、發動機若ハプ
ロペラノ製造技能者ノ養成
五航空機又ハ其ノ機體、發動機若ハ
プロペラノ製造ニ關シ設備ノ共用其
ノ他他ノ航空機製造會社ニ對スル協
力
六航空機用材料ノ保有
七從業者又ハ工場其ノ他ノ設備ノ政
府ニ對スル供用
八特殊ナル事業計畫ノ設定又ハ其ノ
計畫ニ付必要ナル演練
九工場ノ警備又ハ防諜上必要ナル施設
十航空機ニ關スル資料ノ提出
十一前各號ニ揭グルモノヲ除クノ外
特ニ必要ナル事項
前項第一號乃至第四號又ハ第六號乃至
第十一號ノ命令ニ因リ生ジタル損失ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ政府之ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第一項第五號ノ場合ニ於テ費用ノ負擔
ニ付當事者間ニ協議調ハザルトキハ政
府之ヲ裁定ス裁定ニ對シ不服アル者ハ
裁定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三月內ニ
通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第十八條政府第十六條若ハ前條第一項
第一號ノ命令又ハ前條第二項ノ補償金
額ノ決定ヲ爲サントスルトキハ勅令ニ
別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外航空機
製造事業委員會ノ議ヲ經ベシ
航空機製造事業委員會ニ關スル規程ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十九條航空機製造會社本法若ハ本法
ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲
ス處分ニ違反シタルトキハ政府ハ其ノ
業務ヲ停止シ若ハ制限シ、第二條ノ許
可ヲ取消シ又ハ取締役若ハ其ノ職務ヲ
行フ監査役ノ解任ヲ爲スコトヲ得
第二十條航空機ノ部分品、材料又ハ附
屬品ノ製造事業ニシテ第一條ノ航空機
製造事業ニ屬セザルモノニ關シテハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ本法ヲ準用ス
第二十一條第二條ノ規定ニ違反シ許可
ヲ受ケズシテ航空機製造事業ヲ營ミタ
ル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十二條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一第五條第一項ノ規定ニ違反シテ事
業計畫ノ屆出ヲ爲サズ又ハ屆出デタ
ル事業計畫ヲ實施セザル者
二第五條第二項ノ規定ニ依ル變更命
令ニ違反シテ事業計畫ヲ實施シタル
者
三第七條第一項ノ規定ニ違反シテ事
業ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止シタル
者
四第十六條又ハ第十七條第一項ノ規
定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第二十三條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一第十五條第一項ノ規定ニ依ル報〓
ヲ爲サズ又ハ虚僞ノ報〓ヲ爲シタル
者
二第十五條第二項ノ規定ニ依ル命令
又ハ處分ニ違反シタル者
三第十五條第三項ノ規定ニ依ル當該
官吏ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌
避シ又ハ其ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サ
ズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第二十四條航空機製造會社ハ其ノ代理
人雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ
關シ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令
又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタル
トキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以
テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第二十五條本法又ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者
ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他
ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成
年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定
代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成
年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ
付テハ此ノ限ニ在ラズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ航空機製造事業ヲ營ム
者又ハ其ノ事業ヲ承繼シタル者ハ本法施
行ノ日ヨリ一年ヲ限リ第二條ノ規定ニ拘
ラズ其ノ事業ヲ營ムコトヲ得
前項ニ揭グル者前項ノ期間內ニ第二條ノ
許可ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ申請ニ
對シ許可又ハ不許可ノ處分ノ日迄亦前項
三四三
第九條ノ規定ハ第二項ニ揭グル者ガ第二
條ノ許可ヲ受ケタル場合ニ於テハ事業開
始ノ年ヲ以テ第二條ノ許可ヲ受ケタル年
ト看做シ許可ノ日以後ノ分ニ付テノミ之
ヲ適用ス
第十一條ノ規定ハ第二項ニ揭グル者ガ第
二條ノ許可ヲ受クル前ニ於テ爲ス輸入ニ
付テハ之ヲ適用セズ
〔政府委員田島勝太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=6
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007・田島勝太郎
○政府委員(田島勝太郞君) 遞信大臣ニ代
リマシテ、只今議題トナリマシタ航空機製
造事業法案ニ付キマシテ提案ノ趣旨ヲ說明
致シタイト存ジマス、輓近航空機ノ進步發
達著シク、其ノ國防上竝ニ產業上極メテ重
要デアルコトハ今更多言ヲ要シナイ所デア
リマスガ、我ガ國現在ニ於ケル航空機製造
事業ハ、歐米諸列强ニ比シマシテ〓シテ劣
勢下ニアルノデアリマシテ、現下内外ノ情
勢ニ卽應シ、速カニ本事業ノ確立振興ヲ圖
リ、優秀且低廉ナル航空機ヲ豐富ニ供給ス
ル途ヲ確保スルコトハ、誠ニ刻下ノ急務デ
アルト信ズルノデアリマス、然カ致シマシ
テ政府ハ優秀ナル航空機ノ出現ヲ促進スル
爲航空機ニ關スル綜合的〓究機關擴充ノ
必要ヲ認メ、其ノ費用ノ一部ヲ來年度豫算
ニ計上シテ居リマスル外、他方ニ於キマシ
テハ民間航空機ノ需要增進ノ爲ニ、又我ガ
國航空機事業發達ノ爲ニ、國際航空ノ發展、
海外市場ノ獲得、或ハ定期航空ノ新線開拓
及運航囘數ノ增加等ノ計畫ヲ銳意進メツヽ
アル次第デアリマスガ、同時ニ該事業ノ濫
立防止、資本ノ重複排除、資金調達ノ便益
供與、免稅、奬勵金ノ交付等、特別ノ保護
ヲ爲スト共ニ適切ナル監督統制ヲ加ヘマシ
テ、以テ本事業ノ急速且統制アル確立振興
ヲ圖ル爲、之ガ準據法規ト致シマシテ本案
ヲ提出致シタ次第デアリマス、何卒御審議
ノ上、速カニ御協賛アラムコトヲ切望致ス
次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=7
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008・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシ
ク.発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=8
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009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) チヨット御待ヲ
願ヒマス、質疑ノ通〓ガゴザイマシクカラ
發言ヲ御許シ致シマス、田中館君
〔田中館愛橘君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=9
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010・田中館愛橘
○田中館愛橘君 只今議題トナリマシタ航
空機製造事業法案ニ付キマシテ、衆議院ニ
於テ既ニ審議ヲ盡サレタコトヲ速記錄ニ依ツ
テ、拜見致シマシタ、之ニ對スル衆議院ノ
諸君ノ質疑、又政府ノ御丁寧ナル御答辯ヲ
拜見致シマシテ、私ハ貴族院ニ於カレマシ
テモ之ヲ御覽ニナリマスレバ、左程多クノ
時ヲ費サズシテ御決議ニナルコトト察シマ
ス、唯私ハ其ノ中ノ一二ノ點ニ付キマシテ
豫テ考ヘテ居リマスコトヲ申上ゲマシテ
政府ノ御意見ヲ伺ヒマス、詰リ此ノ法律ノ
實行ニ關スル問題デアリマシテ、之ニ付テ
ハ衆議院ニ於キマシテモ、多少ハ御觸レニ
ナッタヤウデアリマスルケレドモ、未ダ私ノ
希望シテ居リマス所ニ徹シナイ感ジガ致シ
マく、大體ノ此ノ衆議院ニ於ケル委員會ノ
討議ヲ見マスレバ、此ノ法案ノ出シ方ガ遲
イ、モット早ク出ルベキデアルト云フコト
ガ見エマス、是モ全ク同感デアリマス、唯
ソレヲ伺ヒマスト、金ガナイ、如何ニモ質
問通リデアルガ、金ニ縛ラレテ出來ナイ、
デ今日大急ギデ此ノ法案ガ出マシタコトハ、
時局ニ鑑ミテ所謂世俗ニ謂フ「泥繩」ト云フ
ヤウナ感ジガ致シマス、デ其ノ傾向ヲ見マ
スルニ、何故ニ是ガ遲レタカト申シマスレ
が、技術者ノ言フ意思ガ、其ノ金ヲ掌ル所
ノ行政官諸君、或ハ其ノ金ヲ握ッテ居ル所
ノ、金融ノ中心ヲ掌ル所ノ方々ニ徹底シナ
イト云フ所ニアッタト見エマス、是カラト
雖モ此ノ點ハ注意ヲ要スル、殊ニ斯ウ云フ
新銳ノ、最モ技術ノ精ヲスグッテ、各國ガ
努力競爭シテ居ル機械ニ付キマシテハ、技
衛者ノ意思ヲ能ク了解セラレテ、此ノ機關
ノ發達ヲ圖ルヤウニ、此ノ法律ヲ運用セラ
レムコトヲ望ム者デアリマス、衆議院ニ於
テハ祕密會ガ開カレタヤウデアリマスガ、
其處ニハドウ云フ意見ノ交換ガアッタカ、
是ハ存ジマセヌ、要スルニ優秀ナル飛行機
ヲ統制ヲシテ造ルト云フコトガ本法案ノ骨
子デアルト思ヒマス、優秀ナル機械ヲ造リ
マスニハ、ソレノ元トナル所ノ〓究機關、
永井遞相ノ御說明ニアリマス中央〓究機關
ヲ設ケル、此ノ席デモ仰セニナリマシタガ、
中央〓究機關ハ今カラ五年ノ後ニハ、今世
界ニアル所ノ何レノ〓究所ニモ劣ラナイモ
ノヲ造ッテ見セルト云フ御趣意デアリマシ
ク、處デ斯クノ如キ所謂日進月步ノ機關ニ
於キマシテ、五年ノ後ニ世界ガドウ動イテ
行クカ、學理ノ發見ニ基イテ〓究致シマシ
タモノヲ應用シテ造ル所ノ技術ノ進步、是
ガ五年ノ後ニハドウナリマセウカ、今アル
所ノモノヲ標準トシテ、少シク是ノ上ニ出
ル位ダケデハ滿足出來マイト思ヒマス、五
年ノ後ニハドレダケニ進ムカト云フコトヲ
御考ニナッテ御設計ニナリマセヌト、又立後
レニナリ、何時デモ外國ニアルモノヲ眞似
ル、或ハ少シク改良ヲ加へル位ノコトデ、ハ、
今日ノ世界ニ發展スル所ノ我ガ國勢ニ副ハ
ザル憾ガアルト思フノデゴザイマス、ソコ
デ唯一ツノ例トシテ伺ヒマスガ、此ノ中央
機關ニハ何トシテモ飛行機ノ實驗ト云フコ
トガ中心ニナッテ居リマス、一方學理ノ〓
究、更ニ之ヲ實驗ヲスル、而シテ之ヲ實地
ノ用ニ移ス、斯ウ云フ段取リニナッテ居リマ
ス、ソコデ此ノ航空機ノ〓究ニ必要ナルモノ
ハ何ト申シテモ矢張リ今デハ風洞デアリ
やく、此ノ風洞モ、昔ハ僅カ一「メートル」
内外ノ小口ノモノガ、十七八「メートル」、面
積ニシマスト云フト數百倍ノ大キサノモノ
ガ出來テ居リマス、デアリマスガ今日ノ飛
ブ方ノ技術カラ見マシテ、斯樣ナモノヲ以
テ滿足スベキカ、或ハ斯ウ云フモノ以外ハ
ドウダラウ、或ハ全クソレニ依ラザル他ノ
方法ヲ用ヒルコトニナリハシナイカト云フ
コトヲ豫テ考ヘテ居リマス、中央機關設置
ト云フコトヲ大臣ガ御述ニナッテアリマス
ガ、之ニ對シテ伺ヒマス、全體斯クノ如キ
〓究機關ヲ設ケマスニ、一番大切ナルモノ
ハ其ノ中心人物デアリマス、ドンナ〓究所
ヲ造リマシテモ、此ノ人ニヤッテ貰ヒタイ
カラ、金ヲ出シテヤッテ貰フト云フコトガ
元ニナルベキデアリマス、我ガ國デモ多少
サウ云フ所モアリマス、外國ニ於キマシテ
ハ、要求シナイノニ政府或ハ國民カラ、是
ダケノ機關ヲ造ルガ、ドウゾヤッテ下サイ
ト其ノ人ニ賴ンデ行ク、處ガ我ガ國ノ形勢
ヲ見マスト云フト、設備ヲ大キクスルカラ、
ソコヘ誰カ良イヤツガ來ルダラウト云フ、
人ノ來ルノヲ當テニシテ設備ダケヲ先ヅヤ
ル、外國ニ大キイモノガアルカラ此方モ大
キイモノヲ造レ、サウスレバ良イ人モ來ル
ダラウト云フ傾向ガ、今迄一遍ナラズ二遍
ナラズ目擊スル所デアリマス、此ノ大風洞
ノコトニ付テ申上ゲマスガ、只今大風洞ハ
小サナ戰鬪機位ハ入ル位ノモノガ出來テ居
リマス、是ハ丁度五年前ニ其ノ働キ方ヲ私
モ見セテ貰ヒマシタ、併シナガラ私ハ疑ヲ
其ノ時ニ起シマシテ、色々話シマシタガ、
ソレハ措キマス、唯今日ノ飛行機ノ速度
ヲ見マスト云フト、五百「キロ」、六百〓〓〓
ロㄴト云フ速度ヲ出シテ居リマス、通常ノ
旅客飛行機デサヘモ、三百五十「キロメー
トル」位ノ速度ヲ持ッテ居ル、然ルニ此ノ風
洞ノ實驗ノ速度ハ幾ラデアルカト云フト大
抵秒速五六十「メートル」デアリマシテ、百
「キロ」二百「キロ」程度、此ノ頃「アメリカ」デ
ハ小サイモノニ可ナリ早イ速度ノ風洞ガ出
來タト云フコトデアリマス、併シ斯ウ云フ
大キナ雛型ヲ入レルモノニナリマスト云フ
ト、ナカ〓〓容易デアリマセヌ、假ニ「フラン
ス」ニアル所ノ十七「メートル」位ノ風洞ヲ、
今飛ンデ居ル飛行機ノ速度ヲ出サセテ實驗
シヨウトシマスレバ、大約三十萬馬力見當
ノモノニナリマス、サウ云フモノヲ動カス
電力ダトカ、ソレニ伴フ設備カラ變ヘナク
テハナラヌ、サウ云フコトヲスルニハ模型
ヲ造ルニ現物ヲ造ル位、或ハヨリ以上ノ費
用ヲ要スルノデアリマス、サウ云フヤウ
ナ大規模ヲ御考ニナルナラバ、ナカ〓〓
一億圓位ノ豫算ヲ大體茲ニ御求メニナルヤ
ウニナッテ居リマスガ、迚モソンナコトデ
ハ私ハ及ブマイト思ヒマス、ソコデ船ノ
方ヲ考ヘテ見マシテモ、何處デモ艦型試
驗所ト云フ溝ノ中ニ模型ヲ走ラセルモノガ
アリマス、併シ其ノ模型ヲ大キクスレバ都
合ガ好イト申シマシテモ、今ノ戰鬪艦ノ模
型ヲ十分ノ一ニシマシテモ驅逐艦位ノモノ
ハ出來ル、サウ云フモノヲ動カス「タンク」ハ
何處ニモアリマセヌ、相當ナ所マデ理論〓
究ヲ進メ、サウシテ其ノ要點ヲ突キ止メテ
設計ヲシテ、今度ハ實物ニ依ッテソレヲ實驗
スル、斯ウ云フコトニナルノデアリマス、
私ハ曾テ平生文相ニモ申上ゲマシタ、〓究
ヲシタモノヲ實物ニ移スニハ容易デナイノ
ダ、ナカ〓〓書イテ註文ヲ出シタ位デハ其
ノ通リ行クモノデハナイ、自分デ設計シタ
モノハ附イテ居ッテ造ラナケレバイケナイ、
ソレデ〓究所ニ何トシテモ試作場ヲ造ラナ
ケレバイケマセヌ、今アル大工場ノ半分ナ
リ三分ノ一ナリヲ割イテ、全部之ヲ試作、
新シイ機械ノ試作ニ使ハセルト云フ位ノ御
考デナクチヤイケマセヌト云フコトヲ申上
ゲマシタガ、平生文相ハ色々御意見モアリ
マシタガ、先ヅ人ヲ造ル爲ニ各大學ニ航空
科ノ豫算ヲ少シ增シタト云フ位ノ御話デア
リマシタ、ソコデ具體的ニ申シマスト云フ
ト、今旣ニアルヤウナ大風洞ヲ造リマスノ
モ容易デアリマセヌ、五年先ノコトヲ見越
シテ更ニ之ヲ超越シタ所ノモノヲ造ラウト
云フニハマダ〓〓金モ掛リマセウシ、又
人モ要リマセウ、ソレデ問題ハ今ノ中型ノ
風洞三「メートル」乃至五六「メートル」ノ風
洞ヲ造ッテ、其ノ數ヲ多クシテ、方々デ之ヲ
使ッタナラバ却テ其ノ方ガ功績ガ擧ルデハ
ナイカ、又大風洞ガ一ツアリマシテモ、ソ
コニ數種ノモノヲ試驗ニ持ッテ來テハ、ナカ
ナカ運ブモノデハアリマセヌ、一ツノモノ
ヲヤルニモ數箇月掛リマスカラ、ソレニ四
ツモ五ツモ色々ノ設計シタモノヲ持ッテ來
ラレテハ、ナカ〓〓一ツ位デハイケナイ、
急用ナモノグケヲヤラナクテハ出來マセ
ヌ、ソレデ其設計ガ決ッテシマッテカラ伺ッテ
モ一向御參考ニモナリマセヌカラ、來年ハ
其ノ準備ニ御掛リニナルト云フ所デアリマ
スカラ、大體ノ設備ノ方針ヲ伺ヒタイト思
ヒマス、ソレカラモウ一ツ序ニ伺ヒマスコ
トハ、玆ニ機材ノ統制、規格ノ統制ト云フ
コトガアリマス、之ニ依ッテ民間製造家ヲ指
導ナサルノデアリマスガ、實ハ只今航空評
議會ノ中ニ特別委員ガアリマシテ、陸海軍
ノ諸君、或ハ遞信省ノ技師モ居ラレマシテ、
モウ規格ハ一通リ出來テ居ルト思ヒマス、
現代ノモノデ、之ヲ更ニ修正シテ行クノダ
ラウト思ヒマスガ、此處ニ書イテアリマス
中央委員ガ出來ルヤウデアリマスルガ、
此ノ遞信省ガ今御考ニナッテ居リマス指導
統制ヲスル委員、此ノ委員ト、ソレカラ今
アリマス所ノ航空評議會トノ關係ハドウナ
リマスカ、同ジコトヲ重複スルヤウニモ考
ヘラレマスガ、其ノ關係ヲドウ云フ風ニ御
付ケニナリマスカ、之ヲ伺ッテ置キタウゴザ
イマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=10
-
011・田島勝太郎
○政府委員(田島勝太郞君) 田中館サンノ
御質問ニ對シマシテ御答ヲ申上ゲマス、御
質問ノ最初ニ斯クノ如キ技術ヲ中心トスル
所ノ機關ニ於テ、動モスルト技術者ノ意思
ガ上司ニ徹底セズシテ、其ノ爲ニ斯業ノ發
達ナリ、或ハ機關ノ目的ナリヲ誤ルヤウナ
コトガアルヤウニ思フト云フヤウナ御意
見ヲ伺ヒマシタガ、其ノ點ハ誠ニ御尤ト存
ジマス、政府當局ト致シマシテハ此ノ航空
事業ノ全面的發達ニ關係致シマシテ、技術
ノ意見ト云フモノヲ重ク考ヘルト云フ立
場カラ、今囘準備費ヲ戴カムトシテ居リ
マスル中央〓究機關ノ成立ニ際シマシテ
モ、其ノ中央機關ニ諮問委員會ヲ設ケマシ
テ、學識經驗アル專門ノ御方々ヲ網羅シ
テ、サウシテ現在帝國ニ於ケル航空抗術ニ
關係シテ居リマスル總テノ專門家ヲ動員致
シマシテ、技術上ノ過チナキヲ期シタイト
考ヘテ居ル次第デゴザイマス、次ニ中央〓
究所ガ幸ニ出來上ルトシテモ五年位先ニナ
ル、今日カラ五年後ノ航空事業ノ發達ヲ
考ヘテ見ルト、或ハ隔世ノ感ガアルヤウナ
進步ガアルカモ知レナイ、ソレデ其ノ點ヲ
十分ニ考ヘル必要ガアルノデハナイカト云
フヤウナ御質疑デアッタト思ヒマス、此ノ點
ニ付キマシテハ無論御說ノ通リデゴザイマ
シテ、相當ニ完成ニ長年月ヲ要スル所ノ〓
究所デゴザイマスルカラ、其ノ完成後ニ於
ケル運用ニ支障ナク、當時ノ技術ノ進步
ニ對應スルコトノ十分ニ出來マスルヤウニ、
先ヅ今囘豫算ニ於テ計上致シテアリマスル
所ノ、五十萬圓ノ準備費ハ極メテ少額デハ
ゴザイマスルガ、其ノ御協贊ヲ得マシタノ
ニ付キマシテハ、先ヅ第一ニ準備委員會ヲ
作リマシテ、各方面ノ技術者、權威者ヲ網
羅致シマシテ、〓究機關ノ基礎ヲ定メル
コトニ付テ御協力ヲ願ヒ、而シテ幸ニ來年
度ノ豫算ニ中央機關ノ設立ノ費用ヲ御協贊
ヲ願ヘルト致シマシタナラバ、ソレト同時
ニ前申上ゲマシタ中央〓究機關ノ諮問委員
會ト云フモノガ成立スルノデゴザイマスル
カラ、其ノ準備委員會、次イデハ諮問委員會
ノ活動ニ依リマシテ、十分將來ノ技術ノ發
達ニ照應スルヤウナ設備ヲ致シマス積リニ
考ヘテ居ルノデアリマス、次ニ航空機ノ規格
ニ關シマシテ御質疑ガゴザイマシタガ、此
ノ點ニ付キマシテハ現在仰セラレマシタ航
空評議會ノ規格モゴザイマス、ソレカラ陸
海軍ノ各〓獨立シタ規格モアルノデゴザイマ
スルガ、是等ノ連絡統一ニ付キマシテハ、
今日ト雖モ既ニ相當ニ各方面カラ努力ヲ致
シマシテ、齟齬スルコトノナイヤウニ努力
ヲ致シテ居ルノデゴザイマスルガ、本法案
ノ御協贊ヲ戴キマシタナラバ、航空技術委
員會ト云モノガ出來ルコトニナッテ居リ
マスルカラ、其ノ委員會ニ於キマシテ各方
面ノ權威者、技術者ヲ集メマシテ、全體ニ
亙リマシテ適用ノ出來マス標準規格ヲ完成
スルコトニ努メタイト考ヘテ居ルノデアリ
マス、次ニ現在ノ航空評議會ト今囘ノ規格
ノ關係ノ技術委員會トノ關係ヲ御尋ニナッタ
ヤウニ思ヒマスルガ、此ノ點ニ付キマシテ
ハ別ニ航空評議會ノ外ニ、此ノ航空技術委
員會ガ出來ルノデアリマシテ、此ノ方面ニ
於キマシテ申上ゲマシタ通リニ、各方面ノ
技術者ヲ網羅致シマシテ、遺憾ナキヲ期ス
ル積リデ居ルノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=11
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012・田中館愛橘
○田中館愛橘君 簡單ニ此ノ席ヨリ····発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=12
-
013・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 成ルベク御高聲
ニ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=13
-
014・田中館愛橘
○田中館愛橘君 只今御答辯ヲ得マシテ大
體滿足致シマス、詰リ評議會ニ御委セスル
ト云フヤウニ伺ヒマシタガ、今日ハ具體的
ノ案ガアリマセヌカラ、此ノ程度デ質問ヲ
終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=14
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015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 質疑者ハ是ニテ
終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=15
-
016・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程ニナリマシ
タ航空機製造事業法案ハ、工作機械製造事
業法案ト關聯ガゴザイマスガ故ニ、其ノ同
一委員ニ併託セラレムコトノ動議ヲ提出致
シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=16
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017・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=17
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018・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=18
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019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=19
-
020・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第三、兵役
ノ義務ナカリシ者等ニシテ支那事變ニ於テ
陸軍部隊ニ編入セラレタルモノノ身分取扱
ニ關スル法律案、政府提出、衆議院送付、
日程第四、昭和十一年勅令第二十一號廢止
法律案、政府提出、各第一讀會、是等ノ二
案ヲ一括シテ議題トナスコトニ御異議ゴザ
イマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=20
-
021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、加藤陸軍政務次官
兵役ノ義務ナカリシ者等ニシテ支那事
變ニ於テ陸軍部隊ニ編入セラレタルモ
ノノ身分取扱ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十七日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
兵役ノ義務ナカリシ者等ニシテ支那事
變ニ於テ陸軍部隊ニ編入セラレタルモ
ノノ身分取扱ニ關スル法律案
支那事變ニ於テ陸軍部隊ニ編入セラレ召
集軍人トシテノ取扱ヲ受ケタル者ニシテ
其ノ部隊編入ノ際兵役ノ義務ナカリシモ
ノ又ハ國民兵役ニ在リタルモノハ其ノ編
入セラレタル間勅令ノ定ムル所ニ依リ陸
軍ノ後備役、後備兵役又ハ補充兵役ニ服
セシメラレタルモノトス
昭和十一年勅令第二十一號廢止法律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十三年三月十八日
內閣總理大臣公爵近衞文麿
外務大臣廣田弘毅
海軍大臣米內光政
司法臣鹽野季彥
大大大臣杉山元
臣永井柳太郞
林藏信軍
商農大遞陸賀屋興宣
臣臣
伯爵有馬賴寧
工東京都港区銀行信次
臣吉野
中島知久平
拓務大臣大谷尊由
文部大臣兼侯爵木戶幸
厚生大臣
內務大臣末次信正
昭和十一年勅令第二十一號廢止法律案
昭和十一年勅令第二十一號ハ之ヲ廢止ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
昭和十一年勅令第二十一號ハ東京陸軍
軍法會議ニ關スル件ナリ
〔政府委員加藤久米四郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=21
-
022・加藤久米四郎
○政府委員(加藤久米四郞君) 只今上程セ
ラレマシタ、兵役ノ義務ナカリシ者等ニシ
テ支那事變ニ於テ陸軍部隊ニ編入セラレタ
ルモノノ身分取扱ニ關スル法律案、提出ノ
理由ヲ說明致シマス、在〓軍人中ニハ各種
ノ理由ニ依リマシテ召集ヲ延期セラレタル
者ガ相當多數アルノデアリマス、是等ノ者
ノ中ニハ召集時ノ年齡ノ關係上カラ致シマ
シテ、服役年限ニ拘ラズ滿四十歲ニ達シ兵
役ノ義務ナキニ至ルモノガ少クナイノデア
リマス、今次事變ニ於キマシテ是等ノ兵
役ノ義務ヲ滿了致シマシタ者ノ中、誤ッテ召
集セラレタ者ガアルノデアリマス、是等ノ
者ハ其ノ數ハ極メテ少數デアリマスガ、
旣ニ兵役ノ義務ナキニ至ッテ居リマスルノデ、
其ノ數ノ如何ニ拘ラズ、其ノ兵役ニ服シタ
ルコトヲ明確ニ致シマシテ、召集セラレタ
ル軍人ノ名譽ヲ保持セシメ、其ノ功績ニ對
スル恩賞等ノ基礎ヲ確立スルノ必要ガアル
ト存ジマスルノデ、玆ニ本案ヲ提出シタ次
第デアリマス、斯クノ如キ誤リヲ生ジマシ
タルコトハ、誠ニ遺憾ニ存ズル所デアリマ
スガ、此ノ事實ニ對シ之ガ處理對策ヲ講ジ
マスルコトモ亦極メテ緊要ナルコトト存ジ
マスルノデ、此ノ邊ノ事情御諒察ノ上、愼
重御審議ノ上、速カニ御協贊ヲ與ヘラレム
コトヲ希望致シマス、次ニ昭和十一年勅令
第二十一號、東京軍法會議ニ關スル件廢止
法律案ノ提出理由ヲ申述べマス、昭和十一
年勅令第二十一號、東京陸軍軍法會議ニ關
スル件ハ、昭和十一年二月二十六日事件全
般ニ亙リ、統一致シマシテ取調ヲ爲シ、事
件ヲ迅速ニ處理セシメ、以テ軍內外ノ安寧
ヲ保持スルノ緊急ノ必要ヲ生ジ、帝國憲法
第八條第一項ニ依リマシテ公布セラレマシ
テ、同年五月ノ第六十九囘帝國議會ニ提出
致シマシテ承諾ヲ得タノデアリマス、爾來
東京軍法會議ニ於キマシテ、銳意事件取調
ニ當リマシテ、旣ニ繫屬ノ事件ハ總テ其ノ
處理ヲ完了致シマシテ、該軍法會議ハ之ヲ
存置スルノ必要ナキニ至リマシタノデアリ
マス、右昭和十一年勅令第二十一號ヲ廢止
スルガ爲ニ本案ヲ提出致シマシタ次第デア
リマス、何卒御協贊ヲ與ヘラレムコトヲ希
望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=22
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023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御質疑ガナ
ケレバ兩案ノ特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔丸龜書記官朗讀〕
兵役ノ義務ナカリシ者等ニシテ支那事變
ニ於テ陸軍部隊ニ編入セラレタルモノノ
身分取扱ニ關スル法律案外一件特別委員
侯爵山內豐景君子爵谷儀一君
子爵松平乘統君中川健藏君
男爵菊池武夫君出淵勝次君
坂西利八郞君大藪守治君
山上岩二君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=23
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024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第五、恩給
金庫法案、日程第六、恩給法中改正法律案、
日程第七、庶民金庫法案、日程第八、無盡
業法中改正法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會ノ續、委員長報〓、是等ノ四案ヲ
一括致シマシテ議題トナスコトニ御異議ゴ
ザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=24
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025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長三井君
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ戴錄ス以下之ニ傚フ〕
恩給金庫法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十三年三月十七日
委員長三井〓一郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
恩給法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十三年三月十七日
委員長三井〓一郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
庶民金庫法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十三年三月十七日
委員長三井〓一郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
無盡業法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十三年三月十七日
委員長三井〓一郞
貴族院議長伯爵松平頼壽殿
〔三井〓一郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=25
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026・三井清一郎
○三井〓一郞君 只今議題ニナリマシタ恩
給金庫法案外三件ノ委員會ノ經過竝ニ結果
ヲ御報〓申上ゲマス、是等法案ノ內容ニ付
キマシテハ、曩ニ本議場ニ於テ、政府當局
ヨリ御說明ガアリマシタカラ、玆ニ之ヲ省
略致サシテ戴キマスガ、恩給金庫法案、恩
給法中改正法律案、庶民金庫法案ノ各案ニ
付キマシテ、衆議院ニ於テ修正セラレタ要
點及之ニ對シ政府當局ノ所見ヲ申上ゲテ置
キタイト思ヒマス、衆議院ノ修正ノ主ナル
點ヲ申シマスレバ、恩給金庫法案第二條ノ
末文ニ、「必要ノ地ニ從タル事務所ヲ設置ス
ルコトヲ得」トアリマスノヲ、「設置シ又ハ
官廳其ノ他ノ機關ニ其ノ業務ノ執行ニ關ス
ル事務ノ一部ノ取扱ヲ委託スルコトヲ得」
ト修正シテ居リマス、又第十五條第二項ニ
「恩給金庫ヲ監督スル官廳ノ官吏タリシ者
ハ其ノ職ヲ退キタル後五年間恩給金庫ノ理
事長、理事及監事ト爲ルコトヲ得ズ但シ主
務大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタルトキ
ハ此ノ限ニ在ラズ」ト追加ヲシテ居リ、
尙第二十五條ノ第一項第二項ノ但書ヲ削除
シ、恩給法中改正法律案ノ附則第一條第二
項ニ、「第十一條第二項ノ規定ハ恩給金庫設
立後三年間之ヲ適用セズ」ト加ヘテ、又庶
民金庫法案ニモ第十三條第二項ニ、恩給金
庫法案第十五條第二項ト同樣、卽チ役員選
任ノ規定ヲ設ケタノデアリマス、以上ノ修
正ニ對シマシテ、政府ハ俄カニ贊成シ難キ
モ、實際ノ運用ニハ致命的ノ修正デハナイ
ト考ヘテ居ル、唯官僚ト民間ノ摩擦ノ誘因
ヲ爲スヤウナコトニナリハシナイカト云フ
コトヲ憂慮シ居ル次第ダト說明ヲセラレマ
シタ、是ヨリ去ル十二日ヨリ五囘ニ互ッテ、
委員會ガ愼重ニ審議ヲ重ネマシタ所ノ質疑
應答ノ極大要ヲ御紹介申上ゲマス、一委員
ヨリ、恩給證書ヲ擔保ニ供スルコトヲ許セ
バ、金庫法ヲ設ケル必要ガナイヂヤナイ
カ、サウシテ十分ニ其ノ目的ヲ達スルコト
ガ出來ルヂヤナイカト云フ問ニ對シマシテ、
年金、恩給本來ノ趣旨カラ、之ヲ自由ニ擔
保ニ供スルコトハ、此ノ精神ニ反スルトノ
意味ノ答辯ガアリマシタ、次イデ資本ヲ全
部國庫ヨリ出資シナイデ、一部民間ヨリ出
資スルト云フコトニナッテ居ル理由ハドウ
カ、年金、恩給ノ受給者ト云フモノハ國家カ
ラ恩惠ヲ受ケテ居ル、此ノ特殊ノ階級ニ對
シ、更ニ國家ガ非常ナル恩惠ヲ與ヘルト云
フヤウナ組織ニスルコトハ考慮ヲ要スルノ
デ、先ヅ自給自足ノ精神ニ基クコトトシタ
ト云フコトデアリマシタ、次イデ資本金ノ三
千萬圓ノ內、五百萬圓ダケ國庫支出トシタ根
據ハドウカ、別段根據ハナイガ、庶民金庫ハ
千萬圓ノ金額出資デアルカラ、約其ノ半額ガ
適當デアラウト決メタノデアルト云フ答デア
リマシタ、次ニ恩給金庫ガ出來、融通ガ自由ニ
ナルト、濫用サレル憂ハナイカ、之ニ對シテ、
濫費浪費ヲ防グコトニモ注意シ、又金庫ハ
受給者ノ良キ相談相手トナルト云フ意味ニ
運用致シテ行キタイト考ヘテ居ルト云フコ
トデアリマシタ、次ニ從來產業組合其ノ他
ノ團體ニテ貸付ケタモノヲ肩替リスルコト
ニナルガ、個人、團體等ノ貸付ヲドウ云フ
風ニ肩替リサレルカ、全部デ二億以上ニ上
ルダラウト思フガ、是ダケノ資金ノ融通ガ
付キマスカドウカト云フ問ニ對シマシテ、
肩替リノ問題ニ付テハ、千五百萬圓程アリ
マスガ、是等纏リタルモノハ比較的簡單デ、
直チニ肩替リガ出來ル、個人ノ貸付ノモノ
ハ技術的ニモ一度ニ肩替リスルコトハ不可
能デアリマスルカラ、一方證書再交付ノ規
定ヲ置キ、他方ニハ恩給法案第十一條第二
項ノ支給差止ノ規定ヲ置キマシテ、兩方面
或程度ニ抑制致シテ、其ノ兩者ノ、債權者
ト受給者トノ雙方ノ互讓妥協ニ依ッテ、債務
關係ヲ片付ケタイト思フト云フ答デアリマ
シタ、次イデ恩給ノ根本觀念ニ付テ質疑ガ
アリマシテ、結局恩給ハ終身生活保障ノ爲
ニ與フル所ノ權利デアルカ、或ハ恩惠デア
ルカ、政府ノ考ヘテ居ラルヽ恩給精神ト云
フモノハドウ云フ點ニ其ノ觀點ヲ置クコ
トガ一番合理的デアリ、又至當デアルカト
云フ問ニ對シマシテ、恩給法制定當時ハ、
大體恩惠ト云フヤウナ觀念ガアッタラウト
考ヘルガ、今日デハ段々轉化シテ、一ノ恩
給權ト云フ權利ノ觀念ニナッテ居ルノデハ
ナイカト思フ、ト云フ答デアリマシタ、次
ニ此ノ恩給金庫法ハ出資者ニ對シ配當迄ス
ルト云フ一ツノ營利業デアル、然ルニ此ノ
金庫ニ限リ恩給證書擔保ヲ認ムルコトトナ
リ、恩給證書擔保ヲ奬勵スルノ傾ガアルト
思フガドウカ、之ニ付テ、此ノ點ハ今囘恩
給金庫ヲ創設スルニ當リ、政府ガ最モ注意
シ、愼重ニセネバナラナイト考ヘタ所デア
リマシテ、之ガ爲借金ノ奬勵トナリ、受給
者家族一般ノ不幸ナル結果ヲ齎スコトガアッ
タナラバ、全ク恩給金庫ノ趣旨ニ副ハヌ所
デ、此ノ點ハ最モ注意スル考デアルトノコ
トデアリマシタ、次ニ恩給金庫ノ貸付ハ敏
速ニシナケレバナラナイ、故ニ遠隔ノ地方
ニアル業務執行機關ニ相當ノ權限ヲ與ヘテ
置カナケレバ、隨分支障ヲ來スデアラウト
思フガドウカ、之ニ付テハ、貸付ハ恩給法ノ
關係カラ申スト單純ニ行カナイ點ガアリ、
殊ニ最低年度ノ貸付ノ如キ、矢張リ專門的
ノ知識ヲ要シマシテ、地方機關ニ委セマシ
テモ、實際運用ガ出來得ナイ場合ガアリマ
スノデ、包括的ニ全部ノ權限ヲ委任スルコ
トハ困難デアル、仍テ支所、出張所、取扱
店等ニハ各機能ニ應ジテ其ノ一部分宛ノ權
限ヲ委任シ置キタイト思ッテ居ルト云フ答
デアリマシタ、次ニ增加恩給額ニ付テ、項
症ノ上ノ方ヲモウ少シ增シ、又反對ニ症病
等差ノ低イ者ニ尙幾分上ゲル方ガ宜イト思
フト云フ議論ガアルガ、政府ハドウ思フカ
ト云フ答ニ對シ、今囘ノ增加恩給、症病年
金ノ改正ハ、大體給與ノ均衡ト云フコトヲ
考ヘタノデアッテ、一番問題ニナッテ居リマ
スノガ、增加恩給ト症病年金ノ關係デアリ
マシテ、增加恩給ニハ必ズ普通恩給ガ伴フ
ノデ、受給者ガ死ング場合ニハ遺族扶助料
モ給與スルコトガ出來ルノデアリマスガ、
症病年金ハ本人ニ終身年金ヲ給スルダケデ
アルカラ、從來此ノ項目ノ均衡ガ取レテ居
ラヌト云フ愬ガアッタノデ、今囘其ノ關係ヲ
比較的滑カニシクノデアル、又目症ノ輕キ
者ニ對シテハ、成ルベク自分ノ力ニ依ッテ生
活ノ維持ノ出來ルヤウニ仕向ケテ行カウ、
ソレガ爲ニハ就職問題等ニ付テ斡旋スル等、
他ノ方法デ救濟シクイト云フ答デアリマシ
タ、次ニ、恩給額ガ年々增加シ、二億圓以
上ノ豫算ニナッテ居ル、將來モ急速ナル增加
ヲナスベク豫想サレル、之ヲ抑制スル方策
ニ付テ政府ハドウ云フ〓究ヲナサッテ居ラ
ルヽカ、所謂恩給亡國論ナドト云フ意見ヲ
モ聞ク時代ニ、之ガ對策ニ付テ〓究振リヲ
承リタイト云フコトデアリマシタ、政府ハ、
恩給ハ年々增加シ財政上ニ及ス影響モ極メ
テ多イ、殊ニ今囘ノ改正デ年々相當ナ經費
ノ增加ヲ見ルコトト考へル、從ッテ恩給制度
全般ニ付テ再檢討ヲスルコトハ、確カニ必
要トスルモ、昭和八年ニ相當ナ改正ヲ致シ、
職在年限ノ延長迄致シタバカリデアリ、今
直チニ年限延長等ノ改正ニ付テハ政府ハ考
ヘテ居リマセヌ、併シ退職保險ノ制度、俸
給生活者ノ養老保險制度、簡易保險、小額
保險ノ官營等ト關聯シテ、今後十分ノ〓究
ヲナスト云フコトデアリマシタ、次ニ、庶
民金庫ハ中小產業者及勤勞所得者ニ對シテ
金融ヲ爲スヲ目的トセルガ、農民等ニ對シ
テハドウスルノカト云フ問ニ對シテ、農村
等ニ對シテハ不動產融資其ノ他ノ金融方法
ハアルガ、庶民金庫モ融通ノ對象トナス考
デアルト云フ答デアリマシタ、庶民金庫ノ
資本千萬圓ヲ政府ガ出資シ、尙一億圓ノ庶
民債劵ヲ發行スルコトトナシタル根據ハド
ウカ、之ニ對シテ、無擔保貸付ヲ原則トシ
タル我ガ國ニ於ケル新シキ企トシテ、多額
ノ貸付ヲ要スト判斷シタル結果デアル、次
ニ、無擔保貸付ノ庶民金庫ガ積極ニ貸出セ
バ、民間銀行ノ營業ヲ壓迫スルノデハナイ
カト云フ問ニ對シ、二三民間銀行ガ庶民階
級ニ貸付ヲナシ居ルモ、尙不足ナル狀態デ
アル、旣設金融機關ト競爭スルガ如キ意思
ハ毛頭持ッテ居ナイト云フ意味ノ答辯デア
リマシク、次ニ、庶民金庫法案第三條ノ代行
機關ハ、危險性ヲ增ス虞ガナイカ、又市街
地庶民階級ニ利用セラレ、農漁村ノ利用ガ
少キニ至ルナキヤ、寧ロ市町村長等ニ代行
セシメテハドウカ、之ニ對シ、代行機關ガ
自己ノ資本內ニテ貸付ケル場合ハ、四分ノ
利鞘ヲ以テ危險負擔ヲ保證シテ居ル、又農
漁村ノ金融ニハ十分注意スルガ、代行機關
ヲ市町村長迄延スト云フコトニ付テハ、マ
ダ十分考ヘテ居ナイト云フコトデアリマシ
ク、次ニ庶民金庫ハ社會政策ヲ多分ニ加味
セラレアリ、無擔保貸付デアルカラ、借リ手
ガ增シテ國民生活ノ安定ヲ失ヒ、借金ヲス
ル者ガ多キニ至ルナキヲ保セズ、取扱方ノ
注意ヲ要スルガ、結局ハ局ニ當ル人ニアル
ト考ヘルガドウカ、之ニ對シ、既設金融機
關ハ擔保貸付ヲ主トスルハ當然デアル、庶
民金庫ハ旣設機關ノ爲シ得ザル新シキ試ミ
デアル、故ニ庶民階級ガ借金ヲ爲シ、浪費
スルコトナキヤウ十分ニ注意シ、此ノ種金
融ノ健全ナル發達ヲ期シタイト思フ、尙之
ガ爲適材者ヲ得タイト云フコトハ無論ノコ
トデアル、次ニ、無盡業法ノ業績ハドウカ
ト云フ問ニ對シ、全國二百四十七ノ中、業績
良好ナラザルモノモアルガ、大體ハ良イ方
ニ向ッテ居ル、二十有餘年ヲ經過シテ漸次發
達シ、給付金契約高ガ十六億三千餘萬圓ニ
上リ、拂込資本ニ對シ八十九倍トナッテ居
ル情況デアル、以上ノ外戰死者ノ特別賜金
及遺族扶助料ニ關スル件、恩給金庫法第四
十七條ノ「總理大臣及大藏大臣之ヲ監督ス」
ト特ニ所管大臣ノ名ヲ書イク點、又恩給、庶
民兩金庫ノ計畫、利子、出資方法、又老齡
者弱體者等ニ對スル融通ニ關スルコト等、
重要ナル質疑應答ガアリマシタガ、何卒速
記ニテ御了承ヲ願フコトト致シタウゴザイ
やっ、斯クシテ討論ニ入リマシテ、一委員
ヨリ、衆議院修正ノ原案ニ贊成ノ意ヲ表シ、
後デ朗讀致シマスガ、希望決議ヲ附シタイ
意見ノ陳述ガアリマシタ、採決ノ結果、恩
給金庫法案、恩給法中改正法律案、庶民金庫
法案ハ衆議院送付ノ原案ヲ、又無盡業法中
改正法律案ハ政府提出原案ヲ、大多數デ可
決致シタ次第デアリマス、希望決議ヲ讀ミ
マス
特殊法人ノ重役選任ニ付テハ政府ハ兩案
ノ趣旨ヲ尊重シテ善處セラレタシ
此ノ希望決議ハ、此ノ兩案ニ限ッタノデハ
ナクシテ、實ハ委員ノ意嚮トシテハ全般ニ
對シ、政府ハ此ノ衆議院送付ノ趣旨ノヤウ
ナ取締、詰リ官吏服務紀律其ノ他適當ナ方
法デ、一般的ニ之ヲ決メタ方ガ宜イヂヤナ
イカト云フ意嚮ガアリマシタ結果、此ノ希
望決議ガ出タノデアリマシテ、所謂廣イ意
味ノ法人ノ重役選任ニ付テト云フ意味ガ、
直接恩給、庶民兩金庫法案ノ修正事項ニ附
帶シテ、此ノ決議ヲ一委員カラ主張セラ
V、大多數贊成ヲシテ決議シタ次第デアリ
やく、是デ報告ヲ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=26
-
027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ四案ノ採決ヲ致シマス、四案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=27
-
028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=28
-
029・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=29
-
030・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=30
-
031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=31
-
032・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=32
-
033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 四案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、四案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=33
-
034・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=34
-
035・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=35
-
036・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=36
-
037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=37
-
038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=38
-
039・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 四案ノ第三讀會
ヲ開キマス、四案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=39
-
040・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=40
-
041・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第九、社會
事業法案、日程第十、商店法案、日程第十
一、簡易生命保險法中改正法律案、政府提
西、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長ノ
報〓、是等ノ三案ヲ一括議題トスルコトニ
御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=41
-
042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、岩倉公爵
社會事業法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十三年三月十七日
委員長公爵岩倉具榮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
商店法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十三年三月十七日
委員長公爵岩倉具榮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
簡易生命保險法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十三年三月十七日
委員長公爵岩倉具榮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔公爵岩倉具榮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=42
-
043・岩倉具榮
○公爵岩倉具榮君 只今上程セラレマシタ
社會事業法案、商店法案竝ニ簡易生命保險
法中改正法律案ノ特別委員會ニ於ケル審議
ノ經過竝ニ其ノ結果ヲ簡單ニ御報告申上ゲ
マヽ、此ノ三法律案ニ付キマシテハ、去ル
三月十二日ヨリ五囘ニ亙リマシテ特別委員
會ヲ開キ、審議ヲ致シタノデゴザイマス、
先ヅ審議ノ順序ニ從ヒマシテ、社會事業法
案ニ付テ御報告申上ゲマス
〔副議長侯爵佐佐木行忠君議長席ニ著
ク〕
本法律案ハ社會事業ノ健全ナル發達ヲ圖ル
爲一面斯業ノ助成ヲ行フノデアリマスト
同時ニ、之ガ指導監督ノ途ヲ拓キマシテ、
社會事業ノ助長發達ヲ期セムトスルモノデ
アリマシテ、委員會ニ於キマシテハ各委員
ヨリ、立法ノ趣旨、運用ノ方針等ニ關シマシ
テ種々質疑ガアリマシタ外、逐條的ニ仔細
ニ亙リ質疑應答ガ行ハレ、又社會事業ノ現
況竝ニ將來ニ對スル政府ノ對策等ニ付キマ
シテ、極メテ熱心ナル意見ヤ質問ガ爲サレ
タノデアリマスガ、以下主ナル事項ニ付テ
申上ゲマスレバ、先ヅ第一ニ、社會事業ニ對
スル政府ノ補助金ヲ昭和十四年度以降之ヲ
增額スル意思ナキヤ、又社會事業ノ用ニ供
スル土地ニ對シテハ、將來地租ヲ免除スル
考ナキヤト云フ意味ノ質問ガアッタノデア
リマス、之ニ對シテ政府ヨリ、現在ノ補助
費ニ付テハ尙十分デナイコトハ認メテ居ル
ノデ、將來ハ財政ノ許ス限リ之ヲ增額シテ
行ク考デアリ、又社會事業資金ニ付テモ、
將來十分〓究スベキ旨ノ答辯ガアリマシタ、
尙地租免除ニ付キマシテハ、大藏當局ヨリ、
社會事業ノ公益性ニ付テハ十分之ヲ認メテ
居ルガ、尙將來愼重ニ調査〓究スル旨ノ答
辯ガアッタノデアリマス、第二ニハ、本法案
第五條ニ關聯致シマシテ、寄附金募集地ガ
數府縣ニ亙ル場合ニ於テ不都合ナキヤト云
フ趣旨ノ質問ガアッタノデアリマス、政府ハ、
寄附金募集ニ關スル監督ノ本旨ニ鑑ミ、事
業ノ內容及信用等ニ付テ、最モ實情ニ明ル
キ地方長官ヲ許可官廳トナスヲ適當ト認メ
タノデアッテ、此ノ場合ノ許可ノ效力ハ全國
的ニ及ブモノデアルカラ、格別支障ナキノ
ミナラズ、實際ノ運用ニ當ッテハ、官廳相互
ノ連絡等ニ依リ、不都合ヲ避ケ得ラレルノ
デアリ、尙本規定ハ社會事業經營者ノ手續
上ノ便宜ヲモ考慮シタ旨ノ答辯ガアリマシ
ク、第三ニハ、本法案ノ罰則ノ規定ニ付テ、
本法制定ノ趣旨ガ飽ク迄モ社會事業ノ健全
ナル發達ヲ圖ルニアリ、罰則ノ如キモ已ム
ヲ得ザル場合ニ限ルモノデアルト云フコト
ヲ十分徹底セシムルヤウ、適當ナル措置ヲ
採リ遺憾ナキヲ期セラレタイト、特ニ各委
員ヨリノ希望ガゴザイマシタ、之ニ對シテ
政府ヨリモ、此ノ點十分遺憾ナキヲ期スル
旨ノ答辯ガアッタノデアリマス、次ニ商店法
案ニ付テ、委員會ノ經過竝ニ其ノ結果ヲ御
報〓申上ゲマス、申ス迄モナク本法案ハ、
商店ノ冗長ニシテ不規律ナル營業時間ヲ適
當ニ制限シ、又休日制ヲ設ケ、以テ商店使
用人ノ保護ヲ圖ラムトスル勞働立法デアリ
マシテ、各委員ニ於カレマシテハ、極メテ
熱心ニ且愼重ニ審議セラレマシタ、其ノ大
要ニ付テ御報〓申上ゲマスト、先ヅ第一ニ、
商店使用人ノ〓養、訓練等ノ精神的方面及
疾病ニ罹ッタ場合ノ療養施設ニ付テ如何ニ
考ヘテ居ルヤト云フ趣旨ノ質問ガアリマシ
ク、政府ハ之ニ對シ商店使用人ノ修養、訓
育等ノ方面ニ意ヲ用フルコトハ誠ニ必要ナ
コトデアルノデ、十分地方廳ヲ督勵シ、關
係團體等ヲモ指導シテ、出來ルダケ此ノ方
面ニ力ヲ致シタイト考へテ居ル、又商店使
用人ノ療養ノ方面ニ付テモ、健康保險法ノ
如キ社會保險ノ制度ニ付テ、目下〓究ヲ進
メテ居ルトノ答ガアッタノデアリマス、第
二ニハ本法ノ適用範圍ヲ物品販賣業ト理容
業トニ限定セズ、料理店、飮食店等ニ對シテ
モ本法ヲ適用シテハドウカト云フ趣旨ノ質
問ガアリマシタ、政府ハ之ニ對シ、是等料
理店、飮食店等ニ於ケル使用人ノ保護ヲ圖
ル必要ノアルコトハ勿論デアルガ、業態ノ
性質上、今直チニ是等ニ對シテ本法ヲ適用
スルコトハ困難デアルノデ、是等ノ使用人
ニ付テハ別途ニ考究スル積リデアルトノ答
ガアッタノデアリマス、第三ニハ本法ノ取
締及罰則ノ規定ニ付テ相當質問ガアリマシ
ク、政府ハ之ニ對シ、本法ノ施行ニ當ッテ
ハ成ルベク關係團體等ヲ督勵シテ、自治的
ニ法ノ属行ヲ期セシムルヤウ十分指導シテ
行キタイト考ヘテ居ル、併シ必要ニ依ッ
テハ警察官ヲ使用スル場合モアルガ、其
ノ場合ニハ營業ニ支障ヲ及サナイヤウ、十
分留意シテ行ク考デアルトノ答ガアリ、又
本法ノ施行ニ當ッテハ、處罰ヲ以テ臨ムト云
フヨリハ指導ニ依ッテ圓滑ニ法ヲ運用シテ
行キタイト考ヘテ居ルトノ答ガアッタノデ
アリマス、以上ガ本法案ニ關スル質疑應答
中重要ナモノノ大要デアリマス、次ニ簡易
生命保險法中改正法律案ノ委員會ノ經過竝
ニ其ノ結果ヲ御報告申上ゲマス、本案ハ簡
易生命保險ノ保險金最高制限額ガ現在四百
五十圓トナッテ居リマスノヲ、時運ノ趨勢ニ
順應シテ之ヲ七百圓ニ引上ゲ、以テ本制度
ノ機能ヲ十分發揮セシメムトスルモノデア
リマシテ、各委員ニ於カレマシテハ、極メ
テ熱心且愼重ニ審議セラレタノデアリマス、
其ノ詳細ハ之ヲ速記錄ニ就テ御覽ヲ願フコ
トニ致シマシテ、其ノ大體ニ付キ御報告申
上ゲタイト存ジマス、先ヅ第一ニ質問セラ
レマシタノハ、本案實施ニ依リ民營生命保
險會社ニ對シ影響ヲ及スコトガナイカドウ
カト云フ點デアリマシタ、之ニ對スル政府
ノ答辯ハ、保險金最高制限額ノ決定ニ際シ
テハ、民營生命保險會社ニ對スル影響ノ程
度等ニ付キ、商工省トモ十分協議ヲ遂ゲタ
モノデアリマスカラ、本案ヲ實施致シマシ
テモ、民營生命保險會社ニ對シ影響ヲ及ス
懸念ハナイト云フコトデアリマシタ、第二
ニハ民營生命保險ハ千圓未滿ノ契約ガ少イ
カラ、此ノ足リナイ所ヲ補フ爲ニ簡易保險
ノ保險金最高制限額ノ引上ヲ爲スモノデア
ルトノコトデアルガ、若シサウダトスレバ
之ヲ更ニ八百圓若シクハ九百圓ニ引上ゲル
方ガ宜イデハナイカト云フ趣旨ノ質問ガ
アッタノデアリマス、之ニ對シ政府ヨリ、保
險金最高制限額七百圓ヲ以テ必ズシモ十分
デアルトハ考ヘテ居ナイノデアリマスガ、
民營生命保險ノ現狀ニ照シ、現在ノ所デハ
此ノ程度ガ適當デアルト考ヘテ居ルノデ、
將來之ガ引上ヲ爲スモ、民營保險ニ影響ヲ
及ス懸念ガナイ狀勢ノ來タ曉ニ於テハ、更
ニ之ガ引上ヲ爲ス見込デアルトノ答辯ガア
リマシタ、第三ニハ簡易保險ノ經營ハ、過
般遞信厚生兩省ノ共管トナッタガ、從來同樣
ニ良イ成績ヲ擧ゲテ行ク爲ニハ、本事業取
扱ノ爲、厚生省ヨリ遞信省へ交付スル經費
ハ之ヲ固定セル金額トセズ、其ノ取扱ノ成
績ニ應ジテ增減スルコトノ出來ルヤウニス
ルコトガ必要デアルト思フガ、其ノ實際ハ
ドウナッテ居ルカトノ趣旨ノ質問ガアリマ
シタガ、政府ハ之ニ對シテ、右ノ趣旨ヲ實
現スベク目下大藏省ト折衝中デアル旨ノ答
辯ガアリマシタ、次イデ質疑ヲ終ッテ三案
ヲ一括致シマシテ討論ニ入リマシタガ、
委員ヨリ社會事業法案ニ對シテハ、本法案
ノ規定スル處、社會事業ノ監督取締ニ厚ク
シテ保護助成ノ趣旨ガ甚ダ薄イカラ、政府
ハ我ガ國社會事業ノ現狀ニ照シ、必要ナル
奬勵補助ノ方策ヲ擴充シテ、事業ノ健全ナ
ル發達ヲ促スト共ニ、本法實施ニ際シ罰則
ノ適用等ニ關シテハ特ニ細心ナル注意ヲ爲
サムコトヲ望ミ、又商店法ニ付キマシテハ
商店法實施ニ際シテモ、商店ノ監督取締ニ
付テハ社會事業法ト同樣極メテ深甚ナル注
意ヲ希望シ、尙簡易生命保險法中改正法律
案ニ對シマシテハ、簡易保險事業ガ過般遞
信、厚生兩省ノ共管トナッタガ、將來ニ於テ
ハ兩省間ニ圓滿周到ナル協力ヲ保チ、之ガ
運用上遺憾ナキヲ期セラレタキ旨ノ希望ヲ
述ベテ原案ニ贊成ノ旨ヲ述ベラレマシタ、
次イデ三案ヲ一括致シマシテ採決ヲ致シマ
シタ結果、滿場一致ヲ以テ可決致シタ次第
デゴザイマス、以上ヲ以テ御報告ヲ終リマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=43
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044・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ三案ノ採決ヲ致シマス、三案ノ
第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=44
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045・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=45
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046・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=46
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047・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=47
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048・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=48
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049・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=49
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050・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 三案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ
問題ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報〓
通リデ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=50
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051・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=51
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052・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=52
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053・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=53
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054・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=54
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055・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=55
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056・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 三案ノ第三
讀會ヲ開キマス、三案全部、第二讀會ノ決
議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=56
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057・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=57
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058・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第十
ニ、臨時通貨法案、日程第十三、關稅定率
法中改正法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會ノ續、委員長報〓、是等ノ兩案ヲ
一括シテ議題トナスコトニ御異議ゴザイマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=58
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059・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員長綾小路子爵
臨時通貨法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十三年三月十八日
委員長子爵綾小路護
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
關稅定率法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十三年三月十八日
委員長子爵綾小路護
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵綾小路護君登壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=59
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060・綾小路護
○子爵綾小路護君 只今議題トナリマシタ
ル臨時通貨法案竝關稅定率法中改正法律案
ニ付テ、委員會ノ經過竝結果ヲ御報告申上
ゲマス、先ヅ臨時通貨法案カラ申上ゲマス、
本法案ノ趣旨ハ現下ノ時局ニ顧ミマシテ、
本邦ニ生產少ク大部分ヲ外國ヨリノ輸入ニ
俟タナケレバナラナイ所ノ「ニッケル」錫ノ
使用ヲ節約致シ、今後ノ補助貨幣卽チ十錢、
五錢及一錢ノ臨時補助貨幣ハ國內ニ多量ニ
生產セラレ、且貨幣材料地金トシテ適當ナ
ル金屬素材ヲ以テ製造發行セムトスルモノ
デアリマス、五十錢銀貨ニ付キマシテハ昨
今需用ノ增加著シキモノガアリマスノデ、
是モ此ノ際銀ヲ節約致シテ、小額紙幣ヲ發
行致サムトスルモノデアリマス、次ハ關稅
定率法中改正法律案デアリマスガ、本法案
ノ趣旨ハ現下ノ我ガ國情ニ鑑ミ、卽チ生產、
輸入及需要供給等ノ觀點ヨリ致シマシテ、木
材中ノ「マツ」屬及鐵ヲ主成分トスル觸媒ハ
之ヲ無稅トシ、金錢登錄機、計算機等是等
ノ物品ニ付テハ、其ノ輸入關稅率ヲ引上ゲ
ムトスルモノデアリマシテ、又稅率改正ノ
外、本法案ニ於テハ製帽用兎毛ノ製造ニ供
スル兎毛皮ノ關稅ノ免除ノ爲ニ第九條ニ改
正ヲ加ヘムトスルモノデアリマス、委員會
ハ三月十七、十八ノ兩日ニ亙リ開會致シ、
委員ヨリハ熱心ナル質疑ガアリ、之ニ對シ
政府當局ヨリモ詳細ナル答辯ガアリマシテ、
十分審議ヲ盡シタノデアリマス、次イデ討
論ニ入リ、本法案ハ何レモ現下ノ時局ニ際
シ適切ナモノト認メ、全會一致ヲ以テ政府
原案通リ可決致シタノデアリマス、今玆ニ
委員會ニ於キマスル質疑應答ノ主ナルモノ
二三ヲ擧ゲマシテ、御參考ニ供シタイト存ジ
マス、臨時通貨ノ發行ニ依リ一般ニ貨幣ニ
對スル信用ヲ阻害スルコトハナイカト云フ
質問ガアッタノデアリマス、之ニ對シ政府
ヨリ、臨時補助貨幣ハ現行貨幣ト成ルベク
近似シタル素材、量目、形式ノモノヲ採用
スル方針デアル、且臨時的ノ處置デアッテ、
一般的ノ通貨制度ノ變更デナイカラ此ノ心
配ハナイモノト考ヘルトノ答辯ガアッタノ
デアリマス、次ハ臨時通貨法ノ施行ニ依リ
節約セラルベキ「ニッケル」及錫ノ數量如何
ト云フ質疑ガアリマシタガ、之ニ對シ政府
ハ假ニ十錢ヲ四百萬圓、五錢ヲ百五十萬圓、
一錢ヲ百七十萬圓製造スルモノトスレバ節
約セラルベキモノハ「ニッケル」ガ二百四十四
ㄱトン」錫ガ二十五「トン」デアッテ、增加スベ
キモノトシテハ銅及「アルミニユーム」ガア
ル、差引材料費ニ於テハ約六七十萬圓ノ節
約ニナルト云フ答辯ガアッタノデアリマス、
次ハ政府ハ現行ノ通貨ハ之ヲ引上ゲル方針
デアルカ、之ニ對シ政府ハ從來ノモノハ之
ヲ引上ゲル意思ハナイト答ヘマシタ、次ハ
關稅定率法中改正法律案ニ對スル質疑デア
リマスルガ、兎毛皮ノ國別輸入高及製〓用
兎毛皮ト、然ラザル兎毛皮トノ輸入後ニ於
ケル取締、竝ニ製帽用以外ノ兎毛皮ニ對ス
ル關稅關係ニ付テノ質問ガアッタノデアリ
やっ、之ニ對シテ政府委員ヨリ兎毛皮ハ主
トシテ滿洲國ヨリ輸入セラレテ居ル、其ノ
輸入後ニ於ケル取締ハ稅務署ノ承認工場ニ
於テ、政府監督ノ下ニ所定ノ作業ヲ行ハシ
ムルノデアリマスカラ、取締上支障ハアリ
マセヌ、又今囘ノ改正法律ニ依リ輸入稅ヲ
免除セラルヽ兎毛皮ハ製帽用ニ限ラレルノ
デアルト云フ答辯ガアッタノデアリマス、尙
金錢登錄機ニ對スル本邦ノ生產狀態ニ關ス
ル質疑ガアリマシタガ、政府ハ從來ハ本邦
ニ十分ノ生產ガナカッタガ、最近ハ相當優秀
ノ製品ガ出來ルヤウニナッテ居ルトノ答辯
ヲ致サレタノデアリマス、尙細カキコトハ
速記ノ御覽ヲ願ヒマスルコトニ致シマシテ、
私ノ報告ハ是デ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=60
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061・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案ノ
第二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセ
ヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=61
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062・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=62
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063・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=63
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064・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=64
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065・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=65
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066・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=66
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067・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ
問題ニ供シマス、兩案全部、委員長ノ報〓
通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=67
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068・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=68
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069・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=69
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070・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=70
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071・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=71
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072・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=72
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073・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第三
讀會ヲ開キマス、兩案全部、第二讀會ノ決
議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=73
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074・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=74
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075・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 次會ノ議事
日程ハ決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマ
ス、本日ハ是ニテ散會致シマス
午前十一時四十六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02619380319&spkNum=75
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