1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十三年三月二十日(日曜日)午前十時十五分開議
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議事日程 第二十七號
昭和十三年三月二十日
午前十時開議
第一 支那事變特別税法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 相續税法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 臨時租税増徴法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 所得税法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 登録税法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 酒造税法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 酒精及酒精含有飮料税法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 麥酒税法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第九 大正九年法律第十二號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十 臨時利得税法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十一 臨時租税措置法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十二 日滿國税徴收事務共助法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十三 本邦内に於て募集したる外國債の待遇に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十四 硫酸アンモニア増産及配給統制法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十五 臨時農村負債處理法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十六 石油資源開發法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔小林書記官朗讀〕
昨十九日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提
出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議
院ニ通知セリ
恩給金庫法案
恩給法中改正法律案
庶民金庫法案
無盡業法中改正法律案
社會事業法案
商店法案
簡易生命保險法中改正法律案
臨時通貨法案
關稅定率法中改正法律案
同日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
昭和十一年度歲入歳出總決算、昭和十一
年度各特別會計歲入歲出決算審査報告書
昭和十一年度國有財產增減總計算書審査
報告書
昭和十二年三月三十一日現在國有財產現
在額總計算書審査報告書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
支那事變特別税法案
相續稅法中改正法律案
臨時租稅增徵法中改正法律案
所得稅法中改正法律案
登錄稅法中改正法律案
酒造稅法中改正法律案
酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律案
麥酒稅法中改正法律案
大正九年法律第十二號中改正法律案
臨時利得稅法中改正法律案
臨時租稅措置法案
日滿國稅徵收事務共助法案
本邦內ニ於テ募集シタル外國債ノ待遇ニ
關スル法律案
硫酸アンモニア增產及配給統制法案
臨時農村負債處理法案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、御諮リヲ致シマス、一昨十
八日、從三位勳四等、男爵金子有道君薨去セ
ラレマシタ、寔ニ哀悼ノ至リニ堪ヘマセヌ、
就キマシテハ弔辭ヲ御贈リ致シタイト存ジ
マス、御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第一、支那
事變特別稅法案、日程第二、相續稅法中改
正法律案、日程第三、臨時租稅增徵法中改
正法律案、日程第四、所得稅法中改正法律
案、日程第五、登錄稅法中改正法律案、日
程第六、酒造稅法中改正法律案、日程第七、
酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律案、日
程第八、麥酒稅法中改正法律案、日程第九、
大正九年法律第十二號中改正法律案、日程
第十、臨時利得稅法中改正法律案、日程第
十一、臨時租稅措置法案、日程第十二、日
滿國稅徵收事務共助法案、日程第十三、本
邦內ニ於テ慕集シタル外國債ノ待遇ニ關ス
ル法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會是等ノ十三案ヲ一括シテ議題トスルコ
トニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、賀屋大藏大臣
〔左ノ送付文及法案ハ朗讀ヲ經サ
ルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之
ニ傚フ〕
支那事變特別稅法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院ノ修正ナリ)
支那事變特別稅法案
支那事變特別稅法
第一條當分ノ內本法ニ依リ所得稅、法
人資本稅、砂糖消費稅及取引所稅ヲ增
徵シ利益配當稅、公債及社債利子稅、通
行稅、入場稅、特別入場稅及物品稅ヲ課
ス
第二條所得稅中法人ノ普通所得及〓算
所得ニ對スル所得稅ニ付テハ臨時租稅
增徵法第二條ノ規定ニ拘ラズ所得稅法
第二十一條ニ規定スル稅率百分ノ五ヲ
百分ノ十二·二五
百分ノ十二·五、百分ノ十ヲ百分ノ二十
二·五トシタル場合ノ差增額ニ相當ス
ル稅額ヲ增徵ス
所得稅中法人ノ超過所得ニ對スル所得
稅ニ付テハ同法第二十一條ニ規定スル
稅率ヲ以テ算出シタル稅額ノ百分ノ十
ニ相當スル稅額ヲ增徵ス
前二項ノ規定ニ依ル普通所得及超過所
得ニ對スル所得稅ノ增徵稅額ハ普通所
得ノ百分ノ五十ニ相當スル金額ヨリ普
通所得及超過所得ニ對スル所得稅額(所
得稅法第二十一條ノ二ノ規定ニ依リ普
通所得ニ對スル所得稅ニ加算スル稅額
ヲ含マズ)ト臨時利得稅額トノ合計金
額ヲ控除シタル殘額ヲ超ユルコトヲ得
ズ
第三條所得稅中同族會社ノ普通所得ニ
對スル所得稅ニ加算スル稅額ニ付テハ臨時
租稅增徴法第四條ノ規定ニ拘ラズ所得
稅法第二十一條ノ二ノ規定ニ依リ算出シ
百分ノ八十三·七五
タル稅額ノ百分ノ八十七·五ニ相當ス
ル稅額ヲ增徵ス
同族會社ノ普通所得ニ對スル所得稅ニ
加算スル稅額ハ普通所得ノ百分ノ六十
ニ相當スル金額ヨリ普通所得及超過所得
ニ對スル所得稅額(所得稅法第二十一條
ノ二ノ規定ニ依リ普通所得ニ對スル所
得稅ニ加算スル稅額ヲ含マズ)、臨時利
得稅額及前條ノ規定ニ依ル增徵稅額ノ
合計金額ヲ控除シタル殘額ヲ超ユルコ
トヲ得ズ殘額ヲ超エザル場合ニ於テ前
項ノ規定ニ依ル增徵ニ因リ之ヲ超ユル
ニ至ルトキハ其ノ增徵稅額ニ付亦同ジ
第四條所得稅中第二種甲及乙ノ所得ニ
對スル所得稅ニ付テハ所得稅法第二十
二條第一項及臨時租稅增徵法第五條ノ
規定ニ拘ラズ左ノ稅率ニ依リ之ヲ賦課
ス
甲
國債ノ利子
利率年四分以
下ノモノ百分ノ二
利率年四分ヲ
超ユルモノ百分ノ二·五
國債以外ノ公債ノ利子
利率年四分五
厘以下ノモノ百分ノ六·五
利率年四分五
厘ヲ超ユルモ
百分ノ七·五
社債ノ利子
利率年四分五
厘以下ノモノ百分ノ八
利率年四分五
厘ヲ超ユルモ
ノ百分ノ九·五
其ノ他百分ノ八
乙百分ノ十二·五
第五條所得稅中第三種ノ所得ニ對スル所
百分ノ二十二·五
得稅ニ付テハ所得稅額ノ百分ノ二十五ニ
相當スル稅額ヲ增徵ス
前項ノ規定ニ依ル增徵稅額ハ第三種所
得ノ百分ノ五十五ニ相當スル金額ヨリ
第三種ノ所得ニ對スル所得稅額ヲ控除
シタル殘額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第六條所得稅法第二十條ノ規定ニ拘ラ
ズ第三種ノ所得千圓以上ナルトキハ所
得稅ヲ課ス
前項ノ所得ハ所得稅法第十五條、第十
六條及第十六條ノ三ノ規定ニ依ル控除
ヲ爲シタル殘額ニ依リ、戶主及其ノ同
居家族ノ所得又ハ戶主ト別居スル二人
以上ノ同居家族ノ所得ハ其ノ合算總額
一七七ノ
前條ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依リ課セ
ラルル所得稅ニ付テハ之ヲ適用セズ
第七條第三種ノ所得ニ付所得金額決定
後翌年所得金額決定前ニ於テ營業ヲ法
人ニ繼續セシメタル者ノ當該營業ノ實
際所得額ガ決定所得額ヲ超過スルトキ
ハ其ノ超過額ハ之ヲ所得金額ノ決定ニ
付脫漏アリタルモノト看做シ翌年ニ於
ケル所得調査委員會ノ調査ニ依リ政府
ニ於テ其ノ所得金額ヲ決定スルコトヲ
得
前項ノ場合ニ於テ當該營業ノ實際所得
額ハ其ノ年ニ於ケル收入金額ヨリ必要
ノ經費ヲ控除シタル金額ニ依ル
第八條法人資本稅ニ付テハ法人資本稅
法第八條第一項ニ規定スル稅率千分ノ
一ヲ千分ノ一·二トシタル場合ノ差增
額ニ相當スル稅額ヲ增徵ス
第九條砂糖消費稅ハ砂糖消費稅法第三
條及臨時租稅增徵法第十七條ノ規定ニ
拘ラズ左ノ稅率ニ依ル
一砂糖
第一種砂糖色相和蘭標本第十一號
未滿ノ砂糖
甲樽入黑糖及樽入白下糖但シ分
蜜シタルモノ、黑糖及白下糖以
外ノ砂糖ニ加工シテ製造シタル
モノ竝ニ全部又ハ一部ノ新式機
械ニ依リ製造シタルモノヲ除ク
圓二十錢
百斤ニ付三十錢
乙其ノ他ノモノ
三圓三十錢
百斤ニ付三圓四十錢
第二種砂糖色相和蘭標本第二十二
號未滿ノ砂糖
七圓十錢
百斤ニ付七圓二十錢
第三種砂糖色相和蘭標本第二十二
號以上ノ砂糖
八圓六十錢
百斤ニ付八圓七十錢
第四種氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其
ノ他類似ノモノ
百斤ニ付十一圓
二糖蜜
第一種氷砂糖ヲ製造スルトキニ生
ズル糖蜜
甲糖分ヲ蔗糖トシテ計算シタル
重量全重量ノ百分ノ七十ヲ超エ
ザルモノ
三圓九十錢
百斤ニ付四圓
乙其ノ他ノモノ
糖分ヲ蔗
計 3.12.シシテ
ル重量百八圓六十錢
斤ニ付八圓七十錢
第二種其ノ他ノ糖蜜
甲糖分ヲ蔗糖トシテ計算シタル
重量全重量ノ百分ノ六十ヲ超エ
ザルモノ
圓二十錢
百斤ニ付圓三十錢
乙其ノ他ノモノ
三圓三十錢
百斤ニ付三圓四十錢
七圓十錢
三糖水百斤ニ付七圓二十錢
第十條砂糖消費稅ニ付徵收ヲ猶豫シ得
ル期間ハ砂糖消費稅法第四條第一項但
書ノ規定ニ拘ラズ之ヲ三月內トス
第十一條取引所稅中第二種有價證劵ノ
賣買取引ニ對スル取引稅ニ付テハ臨時
租稅增徵法第十八條第二號ノ規定ニ拘
ラズ取引所稅法第五條ニ規定スル稅
率萬分ノ一·五ヲ萬分ノ四、萬分ノ二·
五ヲ萬分ノ六トシタル場合ノ差增額ニ
相當スル稅額ヲ增徵ス
第十二條利益配當稅ハ本法施行地ニ本
店ヲ有スル法人ヨリ利益ノ配當ヲ受ク
ル者ニ之ヲ課ス
所得稅法其ノ他ノ法律ニ依リ第二種所
得稅ヲ課セラレザル者ニハ利益配當稅
ヲ課セズ
第十三條利益配當稅ハ前條ノ法人ヨリ
支拂ヲ受クル利益ノ配當ニ付之ヲ賦課
シ配當金中配當率年七分ノ割合ヲ以テ
算出シタル金額ヲ超ユル金額ノ百分ノ
十ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第十四條利益配當稅ハ配當金支拂ノ際
支拂者ニ於テ徵收シ翌月十日迄ニ之ヲ
政府ニ納ムベシ
第十五條公債及社債利子稅ハ本法施行
地ニ於テ公債又ハ社債ノ利子ノ支拂ヲ
受クル者ニ之ヲ課ス
所得稅法其ノ他ノ法律ニ依リ第二種所
得稅ヲ課セラレザル者ニハ公債及社債
利子稅ヲ課セズ
第十六條公債及社債利子稅ハ本法施行
地ニ於テ支拂ヲ受クル公債又ハ社債
(外貨債特別稅法第一條第二項ニ規定
スル外貨債ヲ除ク)ノ利子ニ付之ヲ賦
課シ利子金額中國債ニ在リテハ利率年
四分、國債以外ノ公債及社債ニ在リテ
ハ利率年四分五厘ノ割合ヲ以テ算出シ
タル金額ヲ超ユル金額ノ百分ノ十ニ相
當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第十七條公債及社債利子稅ハ利子金額
支拂ノ際支拂者ニ於テ徴收シ翌月十日
迄ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第十八條利益配當稅ヲ課セラルル利益
ノ配當又ハ公債及社債利子稅ヲ課セラ
ルル公債又ハ社債ノ利子ニ付所得稅
(第一種所得稅ヲ除ク)又ハ資本利子稅
ヲ課スル場合ニ於テハ其ノ利益配當金
額又ハ利子金額ヨリ利益配當稅又ハ公
債及社債利子稅相當額ヲ控除シタル殘
額ヲ以テ其ノ配當金額又ハ利子金額ト
看做ス
第十九條通行稅ハ汽車、電車、乘合自
動車及汽船ノ乘客ニ左ノ區別ニ依り之
ヲ課ス
五十粁未滿
一等六錢
二等三錢
五十粁以上
一等十錢
二等五錢
三等二錢
百粁以上
一等三十錢
二等十五錢
三等五錢
百五十粁以上
等六十錢
二等三十錢
三等十錢
三百粁以上
一等一圓二十錢
二等六十錢
三等二十錢
五百粁以上
一等一圓八十錢
二等九十錢
三等三十錢
八百粁以上
等二圓四十錢
二等一圓二十錢
三等四十錢
囘數乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於
テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
囘數二十囘以
下ナルトキ前項稅額ノ五倍
囘數五十囘以
下ナルトキ前項稅額ノ十倍
囘數五十回ヲ
超ユルトキ前項稅額ノ二十倍
定期乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於
テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
契約期間一月
內ナルトキ第一項稅額ノ五倍
契約期間三月
內ナルトキ第一項稅額ノ十倍
契約期間六月
內ナルトキ第一項稅額ノ二十倍
契約期間六月
ヲ超ユルトキ第一項稅額ノ三十倍
團體乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於
テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
人員百人以下
ナルトキ第一項稅額ノ五倍
人員二百人以
下ナルトキ第一項稅額ノ十倍
人員二百人ヲ
超ユルトキ第一項稅額ノ二十倍
貸切乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於
テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
一等及二等貸切運賃ノ百分ノ十
三等貸切運賃ノ百分ノ五
前項ノ規定ニ依ル稅額ハ第一項稅額ニ
乘客定員數ヲ乘ジタル金額ヲ超ユルコ
トヲ得ズ
第一項乃至第三項ニ規定スル通行稅ハ
十二歲未滿ノ乘客ニ付テハ其ノ半額ト
ス
第二十條左ノ場合ニ於テハ通行稅ヲ課
セズ
一三等乘客ニシテ其ノ乘車船區間五
十粁未滿ナルトキ
二陸海軍ノ團體トシテノ乘車船ニシ
テ命令ノ定ムルモノナルトキ
第二十一條左ノ各號ノ一ニ該當スルト
キハ第十九條第一項及前條第一號ノ乘
車船區間ノ粁程ノ計算ハ命令ヲ以テ之
可は人
一往復乘車船又ハ〓遊乘車船ノ契約
ヲ爲シタルトキ
二運賃ガ均一制又ハ區間制ニ依リ定
メラレタルトキ
第二十二條汽車、電車、乘合自動車又ハ
汽船ニシテ其ノ等級ヲ一等、二等及三
等ニ分タザルモノニ付テハ第十九條第
一 1,第五項及第二十條第一號ノ等級
ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム乘客定員數ノ定
ナキ車船ニ付貸切乘車船ノ契約ヲ爲シ
タル場合ニ於ケル第十九條第六項ノ乘
客定員數ニ付亦同ジ
第二十三條通行稅ハ汽車、電車、乘合自
動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ヲ營ム者
(以下運輸業者ト稱ス)運賃領收ノ際之
ヲ徴收シ翌月十日迄ニ政府ニ納ムベシ
特別ノ事情アル運輸業者ニ付テハ前項
ノ納期限ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四條汽車、電車、乘合自動車又ハ
汽船ニ依ル運輸業ヲ營マントスル者及
運輸業者ニ代リテ乘車船劵ヲ販賣セン
トスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
旨ヲ豫メ政府ニ申告スベシ之ヲ廢止セ
ントスルトキ亦同ジ
第二十五條運輸業者又ハ運輸業者ニ代
リテ乘車船劵ヲ販賣スル者ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ
帳簿ニ記載スベシ
運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乗車船
劵ヲ販賣スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ其ノ業務ニ關シ必要ナル事項ヲ政府
ニ申〓スベシ
第二十六條入場税ハ左ニ揭グル第一種
ノ場所ニ入場スル者又ハ第二種ノ場所
ノ設備ヲ利用スル者ニ之ヲ課ス
第一種
一演劇、活動寫眞、演藝又ハ觀物
(相撲、野球、拳鬪其ノ他ノ競技ニ
シテ公衆ノ觀覽ニ供スルコトヲ目
的トスルモノヲ含ム)ヲ催ス場所
二競馬場
三前二號ニ揭グルモノヲ除クノ外
一定ノ催物又ハ設備ヲ爲シ公衆ノ
觀覽又ハ遊戯ニ供スル場所ニシテ
命令ヲ以テ定ムルモノ
第二種
-舞踏場、麻雀場、撞球場
二ゴルフ場、スケート場
第二十七條入場稅ハ入場料ノ百分ノ十
トス
本法ニ於テ入場料トハ名義ノ何タルヲ
問ハズ第一種ノ場所ニ入場シ又ハ第二
種ノ場所ノ設備ヲ利用スル爲ニ支拂フ
ベキ金額ヲ謂フ
前項ノ入場料ノ算定ニ關シテハ命令ヲ
以テ之ヲ定ム
第二十八條第一種ノ場所ノ入場料ガ一
二十三錢
人一囘十九錢ニ滿タザル場合ニハ入場
稅ヲ課セズ
前項ノ規定ハ囘數、定期又ハ貸切ニテ
入場ノ契約ヲ爲シタル場合ニハ之ヲ適
用セズ
第二十九條第一種ノ催物(第一種ノ場
所ニ於ケル演劇、活動寫]眞、演藝、觀物、
競馬其ノ他ノ催物ヲ謂フ以下同ジ)若
ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種
ノ場所ノ經營者ガ命令ノ定ムル所ニ依
リ其ノ入場料又ハ收益ノ總額ヲ慈善事
業其ノ他命令ヲ以テ定ムル目的ニ充ツ
ル場合ニ於テハ入場稅ヲ免除ス
第三十條入場稅ハ第一種ノ催物若ハ設
備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場
所ノ經營者入場料領收ノ際之ヲ徵收シ
翌月十日迄ニ政府ニ納ムベシ但シ常時
開設ニ非ザルモノニ付テハ命令ヲ以テ
定ムル場合ヲ除クノ外終了後直ニ政府
ニ納ムベシ
第三十一條第一種ノ催物若ハ設備ヲ開
催若ハ經營シ又ハ第二種ノ場所ヲ經營
セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
其ノ旨ヲ豫メ政府ニ申告スベシ之ヲ廢
止セントスルトキ亦同ジ
第三十二條第一種ノ催物若ハ設備ノ主
催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ經
營者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務
ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ經
營者又ハ第二種ノ場所ノ經營者ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關シ必要
ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第三十三條特別入場稅ハ運動競技ニシ
テ學生生徒又ハ該競技ヲ爲スコトヲ業
トセザル者ノ行フモノニ付觀覽ノ爲競
技場ニ入場スル者ヨリ料金ヲ徴スル場
合ニ於テ其ノ入場者ニ之ヲ課ス
第三十四條特別入場稅ハ特別入場料ノ
百分ノ十トス
本法ニ於テ特別入場料トハ名義ノ何タ
ルヲ問ハズ前條ノ競技場ニ入場スル爲
ニ支拂フベキ金額ヲ謂フ
第二十七條第三項ノ規定ハ特別入場稅
ニ付之ヲ準用ス
第三十五條特別入場料ガ一人一囘
二十三錢
十九錢ニ滿タザル場合ニハ特別入場稅
ヲ課セズ
第二十八條第二項ノ規定ハ前項ノ場合
ニ付之ヲ準用ス
第三十六條特別入場稅ハ運動競技ノ主
催者特別入場料領收ノ際之ヲ徵收シ競
技終了後直ニ政府ニ納ムベシ但シ命令
ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ翌月十日迄
ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第三十七條第二十九條、第三十一條及
第三十二條ノ規定ハ特別入場稅ニ付之
ヲ準用ス
第三十八條物品稅ハ左ニ揭グル物品ニ
シテ命令ヲ以テ定ムルモノニ之ヲ課ス
第一種
甲類
貴石若ハ半貴石又ハ之ヲ用ヒ
タル製品
二眞珠又ハ眞珠ヲ用ヒタル製品
三貴金屬製品又ハ金若ハ白金ヲ
用ヒタル製品
四鼈甲製品
五珊瑚製品
乙類
六時計
七萬年筆、金ペン及シャープペン
シル
八身邊用細貨類
九化粧用具
十喫煙用具
十一帽子、杖、鞭及傘
十二皮革製又ハ金屬製ノ鞄及ト
ランク
十三靴及履物
十四書〓及骨董
十五室內裝飾用品
十六照明器具
十七圍朞及將棋用具
十八家具
十九漆器、陶磁器及硝子製器具
ニシテ別號ニ揭ゲザルモノ
二十貴金屬ヲ鍍シ又ハ張リタル
製品ニシテ別號ニ揭ゲザルモノ
二十一毛皮又ハ毛皮製品
二十二羽毛製品又ハ羽毛ヲ用ヒ
タル製品
二十三皮革製品ニシテ別號ニ揭
ゲザルモノ
二十四メリヤス、レース、フェル
ト及同製品
第二種
甲類
-寫眞機、寫眞引仲機、映寫機、
同部分品及附屬品
二寫眞用ノ乾板、フィルム及感
光紙
三蓄音器及同部分品
四蓄音器用レコード
五樂器、同部分品及附屬品
六雙眼鏡及隻眼鏡
七銃及同部分品
八藥莢及彈丸
九ゴルフ用具、同部分品及附屬
品
十娛樂用ノモーターボート、ス
カール及ヨット
十一撞球用具
十二ネオン管及同變壓器
十三喫煙用ライター
乙類
十四ラヂオ聽取機及同部分品
十五受信用眞空管及擴聲器
十六扇風機及同部分品
十七煖房用ノ電氣、瓦斯又ハ礦
油ストーブ
十八冷藏器及同部分品
十九金庫及鋼鐵製家具
二十乘用自動車
二十一化粧品
第三種
一燐寸
二酒類但シ濁酒及果實酒(酒精及
酒精含有飮料稅法第三條ノ三ニ規
定スルモノ)ヲ除ク
同一物品ニシテ第一種及第二種ニ該當
スルモノハ之ヲ第二種トシ、甲類及乙
類ニ該當スルモノハ之ヲ甲類トス
第三十九條物品稅ノ稅率左ノ如シ
第一種
甲類物品ノ價格百分ノ十五
乙類物品ノ價格百分ノ十
第二種
甲類物品ノ價格百分ノ十五
乙類物品ノ價格百分ノ十
第三種
一燐寸千本ニ付五錢
二酒類
イ〓酒、白酒、味淋、燒酎及麥
酒
一石ニ付五圓
ロ葡萄酒(酒精及酒精含有飮料
稅法第三條ノ二ニ規定スルモノ
以下同ジ)
十圓
一石ニ付十五圓
ハ其ノ他ノ酒類ニシテ酒精及酒
精含有飮料稅法ノ適用ヲ受クル
モノ
一石ニ付七圓
第四十條前條ノ價格ハ第一種ノ物品ニ
付テハ小賣業者ノ販賣價格、第二種ノ
物品ニ付テハ製造場ヨリ移出スル時ノ
價格トス但シ保稅地域ヨリ引取ラルル
第一種又ハ第二種ノ物品ニシテ引取人
ヨリ稅金ヲ徵收スルモノニ付テハ引取
ノ際ニ於ケル價格トス
前項ノ價格及燐寸ノ本數ノ計算ニ關シ
必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十一條物品稅ハ第一種ノ物品ニ付
テハ販賣セラレタル物品ノ價格ニ應ジ
小賣業者ヨリ、第二種又ハ第三種ノ物
品ニ付テハ製造場ヨリ移出セラレタル
物品ノ價格又ハ數量ニ應ジ製造者ヨリ
之ヲ徵收ス但シ保稅地域ヨリ引取ラル
ル物品ニ付テハ命令ヲ以テ定ムル場合
ヲ除クノ外引取ラレタル物品ノ價格又
ハ數量ニ應ジ引取人ヨリ之ヲ徵收ス
第四十二條物品稅ハ第一種第十四號ニ
揭グル物品ニ付テハ其ノ物品ガ入札其
ノ他競爭ノ方法ニ依リ賣買セラルル場
合ニシテ命令ヲ以テ定ムル場合ニ限リ
之ヲ課ス
前項ノ場合ニ於テハ其ノ札元又ハ之ニ
準ズベキ者ガ小賣業者トシテ當該物品
ヲ販賣スルモノト看做ス
第四十三條製造場以外ノ場所ニ於テ販
賣ノ爲化粧品ヲ容器ニ充塡シ又ハ改裝
スルトキハ之ヲ化粧品ノ製造ト看做ス
第四十四條酒類ヲ製造場內ニ於テ飮用
シタルトキハ之ヲ製造場ヨリ移出シタ
ルモノト看做ス
第四十五條第一種ノ物品ノ小賣業者ハ
每月其ノ販賣シタル物品ニ付其ノ品名
每ニ數量及價格ヲ記載シタル申〓書ヲ、
第二種ノ物品ノ製造者ハ每月其ノ製造
場ヨリ移出シタル物品ニ付其ノ品名每
ニ數量及價格ヲ記載シタル申〓書ヲ、
第三種ノ物品ノ製造者ハ每月其ノ製造
場ヨリ移出シタル物品ニ付其ノ品名每
ニ數量ヲ記載シタル申告書ヲ翌月十日
迄ニ政府ニ提出スベシ
第一種、第二種又ハ第三種ノ物品ヲ保
稅地域ヨリ引取ル者ハ命令ヲ以テ定ムル
場合ヲ除クノ外引取ノ際其ノ物品ニ付前
項ニ準ズル申告書ヲ政府ニ提出スベシ
申〓書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ
申〓ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ
其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第四十六條小賣業者ガ其ノ販賣シタル
第一種ノ物品ノ返還ヲ受ケタル場合ニ
於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ返還ヲ受
ケタル月分以降ノ課稅標準額ヨリ其ノ
物品ノ價格ヲ控除ス製造場ヨリ移出シ
タル第二種ノ物品ヲ同一製造場內ニ戾
入シタル場合亦同ジ
製造場ヨリ移出シタル第三種ノ物品ヲ
同一製造場內ニ戾入シ又ハ酒類ヲ製造
場外ヨリ移入シタル場合ニ於テハ命令
ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品ヲ製造場ヨ
リ移出スルモ更ニ物品稅ノ徴收ヲ爲サ
ズ
第四十七條物品稅ハ每月分ヲ翌月末日
迄ニ納付スベシ但シ第四十一條但書ノ
場合ニ於テハ引取ノ際之ヲ納付スベシ
命令ノ定ムル所ニ依リ第二種又ハ第三
種ノ物品ニ付物品稅額ニ相當スル擔保
ヲ提供シタルトキハ一月內物品稅ノ徵
收ヲ猶豫スルコトヲ得
第四十八條命令ノ定ムル所ニ依リ政府
ノ承認ヲ受ケ他ノ製造場又ハ藏置場ニ
移入スル目的ヲ以テ製造場ヨリ移出シ
又ハ保稅地域ヨリ引取ル第二種ノ物品
又ハ燐寸ニ付テハ第四十一條ノ規定ヲ
適用セズ
前項ノ場合ニ於テハ移出先又ハ引取先
ヲ以テ製造場ト看做シ移出先又ハ引取
先ノ營業者ヲ以テ製造者ト看做ス
第一項ノ物品ニシテ政府ノ指定シタル
期間內ニ移出先又ハ引取先ニ移入セラ
レタルコトノ證明ナキモノニ付テハ製
造者又ハ引取人ヨリ直ニ其ノ物品稅ヲ
徵收ス但シ災害其ノ他已ムコトヲ得ザ
ル事由ニ因リ滅失シタルモノニ付政府
ノ承認ヲ受ケタルトキハ物品稅ヲ免除
ス
第四十九條命令ノ定ムル所ニ依リ政府
ノ承認ヲ受ケ製造場ヨリ移出シ又ハ保
稅地域ヨリ引取ル物品ニシテ左ノ各號
ノ一ニ該當スルモノニ付テハ物品稅ヲ
免除ス
一第二種ノ物品ノ製造ノ用ニ供スル
第二種ノ物品
二酒類製造ノ用ニ供スル葡萄酒
前條第三項ノ規定ハ前項ノ物品ニシテ
政府ノ指定シタル期間內ニ移出先若ハ
引取先ニ移入セラレタルコトノ證明ナ
キモノ又ハ其ノ用途ヲ變更セラレタル
モノニ付之ヲ準用ス
第五十條左ニ揭グル物品ニ付テハ命令
ノ定ムル所ニ依リ物品稅ヲ免除ス
-輸出スルモノ
二學術〓究用ニ供スルモノ
三其ノ他命令ヲ以テ定ムル用途ニ供
スルモノ
第四十八條第三項ノ規定ハ前項ノ物品
ニシテ政府ノ指定シタル期間內ニ輸出
シ又ハ其ノ用途ニ供セラレタルコトノ
證明ナキモノニ付之ヲ準用ス
第五十一條第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營
マントスル者又ハ第二種ノ物品若ハ燐
寸ヲ製造セントスル者ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ政府ニ申〓スベシ其ノ小賣業
又ハ製造ヲ廢止セントスルトキ亦同ジ
第五十二條第一種、第二種又ハ第三種
ノ物品ノ製造者又ハ販賣者ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ其ノ製造、貯藏又ハ販賣
ニ關スル事實ヲ帳簿ニ記載スベシ
第一種ノ物品ノ小賣業者又ハ第二種若
ハ第三種ノ物品ノ製造者ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ其ノ製造又ハ販賣ニ關シ必
要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第五十三條第十四條、第十七條、第二十
三條、第三十條又ハ第三十六條ノ規定
ニ依リ徵收スベキ稅金ヲ徵收セザルト
キ又ハ其ノ徵收シタル稅金ヲ納付セザ
ルトキハ國稅徵收ノ例ニ依リ之ヲ各其
ノ徵收義務者ヨリ徵收ス
第五十四條收稅官吏ハ通行稅ニ付運輸
業者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船劵ヲ
販賣スル者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ其ノ
業務ニ關スル帳簿書類ヲ檢査スルコト
ヲ得
收稅官吏ハ入場稅ニ付第一種ノ催物若
ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種
ノ場所ノ經營者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ
其ノ業務ニ關スル帳簿書類其ノ他ノ物
件ヲ檢査スルコトヲ得
前項ノ規定ハ特別入場稅ニ付之ヲ準用
ス
收稅官吏ハ物品稅ニ付第一種、第二種
又ハ第三種ノ物品ノ製造者又ハ販賣者
ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ左ニ揭グル物件
ニ付檢査ヲ爲シ若ハ監督上必要ノ處分
ヲ爲スコトヲ得
一第一種、第二種又ハ第三種ノ物品
ニシテ製造者又ハ販賣者ノ所持スル
モノ
二第一種、第二種又ハ第三種ノ物品
ノ製造、貯藏又ハ販賣ニ關スル一切
ノ帳簿書類
三第一種、第二種又ハ第三種ノ物品
ノ製造、貯藏又ハ販賣上必要ナル建
築物、機械、器具、材料其ノ他ノ物件
第五十五條詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依
リ利益配當稅又ハ公債及社債利子稅ヲ
通脫シタル者ハ其ノ逋脫シタル稅金ノ
三倍ニ相當スル罰金又ハ科料ニ處シ直
ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ自首シタル者
又ハ稅務署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪
ヲ問ハズ
第五十六條詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依
リ物品稅ヲ通脫シ又ハ通脫セントシタ
ル者ハ其ノ通脫シ又ハ通脫セントシタ
ル稅金ノ五倍ニ相當スル罰金ニ處シ直
ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ罰金額ガ二十
圓ニ滿タザルトキハ之ヲ二十圓トス
第五十七條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
-政府ニ申告セズシテ第一種ノ催物
若ハ設備ヲ開催若ハ經營シ又ハ第二
種ノ場所ヲ經營シタル者
二第四十五條ノ規定ニ依ル申告ヲ怠
リ又ハ詐リタル者
三政府ニ申告セズシテ第一種ノ物品
ノ小賣業ヲ營ミ又ハ第一一種ノ物品若
ハ燐寸ヲ製造シタル者
第五十八條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一第二十五條第一項、第三十二條第
一項又ハ第五十二條第一項ノ規定ニ
依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ
帳簿ヲ隱匿シタル者
二第二十五條第二項、第三十二條第
二項又ハ第五十二條第一一項ノ規定ニ
依ル申告ヲ怠リ又ハ詐リタル者
三第五十四條第一項、第二項又ハ第
四項ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ質間ニ
對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ
爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨
ゲ若ハ忌避シタル者
第五十九條第五十五條及第五十六條ノ
罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第
三項但書、第三十九條第二項、第四十
候、第四十一條、第四十八條第二項、第
六十三條及第六十六條ノ規定ヲ適用セ
ズ
第六十條第一種、第二種又ハ第三種ノ
物品ノ製造者又ハ販賣者ノ代理人、戶
主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者
ガ其ノ業務ニ關シ本法中物品稅ニ關ス
ル規定ニ違反シタルトキハ其ノ製造者
又ハ販賣者ヲ處罰ス
第六十一條北海道、府縣、市町村其ノ他
ノ公共團體ハ本法ニ依リ增徵スル稅額
(第七條ノ規定ニ依リ增額ト爲ル部分
ヲ含マズ)又ハ本法ニ依リ課スル利益
配當稅、公債及社債利子稅、通行稅、入
場稅、特別入場稅及物品稅ニ付附加稅
ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ア
ル市町村ニ限リ內務大臣及大藏大臣ノ
許可ヲ受ケタルトキハ第六條ノ規定ニ
依リ課スル所得稅ノ附加稅ヲ課スルコ
トヲ得
北海道、府縣、市町村其ノ他ノ公共團體
ハ第一種ノ場所ノ入場者又ハ第二種ノ
場所ノ設備利用者ニ對シ入場稅ノ課稅
標準タル入場料ヲ標準トシテ地方稅ヲ
課スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ハ特別入場稅ニ付之ヲ準用
ス
第六十二條政府ハ當分ノ內酒造組合法
ニ依リ設立シタル酒造組合中央會ニ對
シ徵稅上必要ナル設備ヲ爲シ又ハ徵收
事務ノ補助ヲ爲スベキコトヲ命ズルコ
トヲ得
前項ノ場合ニ於テハ酒造組合中央會ニ
對シ命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交
付スルコトヲ得
第六十三條本法ニ於テ保稅地域ト稱ス
ルハ關稅法ノ定ムル所ニ依ル
附則
第六十四條本法ハ昭和十三年四月一日
ヨリ之ヲ施行ス
第六十五條北支事件特別稅法ハ之ヲ廢
止ス
法人ノ昭和十三年三月三十一日以前ニ
終了シタル各事業年度分ノ所得特別稅
及臨時利得特別稅、昭和十三年三月三
十一日以前ニ販賣、製造場ヨリノ移出
又ハ保稅地域ヨリン引取ヲ爲シタル北
支事件特別稅法第二十條ニ揭グル第一
種又ハ第二種ノ物品ニ對スル物品特別
稅其ノ他昭和十三年三月三十一日以前
ニ於テ賦課シ若ハ賦課スベカリシ又ハ
徵收シ若ハ徵收スベカリシ北支事件特
別稅ニ關シテハ仍舊法ニ依ル
前項ノ規定ニ依ル北支事件特別稅ノ收
入ハ之ヲ臨時軍事費特別會計ノ歲入ト
ス
第六十六條所得稅中第一種ノ所得稅ニ
付テハ普通所得及超過所得ニ對スル所
得稅ハ昭和十三年四月一日以後ニ終了
スル事業年度分、〓算所得ニ對スル所
得稅ハ昭和十三年四月一日以後ニ於ケ
ル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ、第三種
ノ所得稅ニ付テハ昭和十三年分ヨリ本
法ヲ適用ス但シ第七條ノ規定ハ昭和十
二年分所得稅ヨリ之ヲ適用ス
第六條ノ規定ニ依リ第三種ノ所得ニ付
新ニ納稅義務ヲ有スルニ至リタル者ハ
昭和十三年四月十五日迄ニ其ノ所得金
額ヲ申〓スベシ
前項ノ場合ニ於テハ所得金額ノ申〓ト
同時ニ所得稅法第十六條又ハ第十六條
ノ三ノ規定ニ依ル控除ヲ申請スルコト
ヲ得
法人ノ昭和十三年四月一日以後ニ終了
スル各事業年度分ノ所得ニ對スル所得
稅及支拂期ノ昭和十三年四月一日以後
ニ在ル貸付信託ノ利益ニ對スル所得稅
ニ付テハ北支事件特別稅中ノ第二種所
得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ハ之ヲ第
二種ノ所得ニ對スル所得稅ト看做シ所
得稅法第二十一條第二項及第三項又ハ
第二十二條第二項及第三項ノ規定ヲ適
用ス
第六十七條法人資本稅ニ付テハ昭和十
三年四月一日以後ニ終了スル事業年度
分ヨリ本法ヲ適用ス
第六十八條昭和十三年六月三十日迄ニ
製造場又ハ保稅地域ヨリ引取ラルル砂
糖、糖蜜及糖水ノ消費稅ニ付テハ第十
條ノ規定ニ拘ラズ命令ヲ以テ特別ノ徴
收猶豫期間ヲ定ムルコトヲ得
第六十九條本法施行ノ際製造場又ハ保
稅地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ二萬
ヲ超ユル數量
斤以上ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持ス
ル場合ニ於テハ其ノ者ニ於テ本法施行
ノ日ニ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノ
ト看做シ砂糖消費稅ヲ課ス此ノ場合ニ
〓二萬斤ヲ超ユル數量ニ付
於テハ〓第九條ニ規定スル稅率ニ依リ
算出シタル稅額ト臨時租稅增徵法第十
七條ニ規定スル稅率ニ依リ算出シタル
稅額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令
ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ
其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種
別數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一
月內ニ政府ニ申〓スベシ
第七十條本法施行前ヨリ引續キ汽車、
電車、乘合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸
業ヲ營ム者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車
船劵ヲ販賣スル者本法施行後一月內ニ
其ノ旨ヲ政府ニ申〓スルトキハ本法施
行ノ日ニ於テ本法ニ依リ申告シタルモ
ノト看做ス
本法施行前ヨリ引續キ第二十六條ニ規
定スル第一種ノ催物若ハ設備ヲ開催若
ハ經營スル者、同第二種ノ場所ヲ經營
スル者又ハ運動競技ヲ開催スル者本法
施行後一月內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申〓ス
ルトキハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依
リ申〓シタルモノト看做ス
本法施行前ヨリ引續キ第三十八條ニ揭
グル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又
ハ同第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造ヲ爲
ス者本法施行後一月內ニ其ノ旨ヲ政府
ニ申〓スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ
本法ニ依リ申告シタルモノト看做ス
北支事件特別稅法第二十條ニ揭グル第
一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又ハ同第
二種ノ物品ノ製造ヲ爲ス者ニシテ同法
ニ依リ其ノ旨ヲ申告シタルモノハ第五
十一條前段ノ申〓ヲ要セズ
第七十一條第三十八條ニ揭グル第一一種
ノ物品ノ製造者又ハ販賣者ガ本法施行
ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ
於テ同條各號ニ揭グル品名每ニ價格三
ヲ超ユル
千圓以上ノ第二種ノ物品(第一號乃至
第五號ニ揭グル物品ヲ除ク)ヲ所持ス
ル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、
其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ
物品稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施
行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移
〓其ノ價格中三千
出シタルモノト看做シ〓命令ノ定ムル
圓ヲ超ユル部分ニ付
所ニ依リ其ノ物品稅ヲ徴收ス
前項ノ規定ハ同第三種ノ物品ノ製造者
又ハ販賣者ガ本法施行ノ際製造場又ハ
ヲ超
保稅地域以外ノ場所ニ於テ千萬本以上
ユル數量
ヲ超ユル數量
ノ燐寸又ハ三十石以上ノ酒類ヲ所持ス
ル場合ニ付之ヲ準用ス
前二項ノ製造者又ハ販賣者ハ第二種ノ
物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、價格
及貯藏ノ場所、第三種ノ物品ニ付テハ
其ノ品名每ニ數量及貯藏ノ場所ヲ本法
施行後一月內ニ政府ニ申〓スベシ
第七十二條明治四十年法律第二十一號
第一條第一項ニ左ノ六號ヲ加フ
十二利益配當稅
十三公債及社債利子稅
十四通行稅
十五入場稅
十六特別入場稅
十七物品稅
第七十三條明治四十四年法律第四十五
號第二號中「骨牌稅法」ノ下ニ「、支那事
變特別稅法」ヲ加ヘ同法第三條中「骨牌
稅法」ノ下ニ「、支那事變特別稅法」ヲ加
へ「骨牌又ハ」ヲ「骨牌、支那事變特別稅
法第三十八條ニ揭クル物品又ハ」ニ〓
メ同法ニ左ノ一條ヲ加フ
第四條樺太ニ於テハ本法ノ施行ニ關
シ必要アルトキハ勅令ヲ以テ別段ノ定
ヲ爲スコトヲ得
第七十四條大正九年法律第五十一號
中「北支事件特別稅法第二十條ニ揭ク
ル第二種ノ物品」ヲ「燐寸、支那事變特
別稅法第三十八條ニ揭クル第二種ノ物
品」ニ改ム
第七十五條樺太酒類出港稅法第二條中
「燒酎ニ付テハ酒造稅法、酒精又ハ酒精
含有飮料ニ付テハ酒精及酒精含有飮料
稅法ノ造石稅」ヲ「移出先ニ於ケル內國
稅ノ稅率」ニ改ム
第七十六條本法ハ支那事變終了後其ノ
翌年十二月三十一日迄ニ之ヲ廢止スル
モノトス
相續稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院ノ修正ナリ)
相續稅法中改正法律案
相續稅法中左ノ通改正ス
第一條相續開始シタル場合ニ於テ被相
續人カ本法施行地ニ住所ヲ有スルトキ
又ハ本法施行地ニ相續財產アルトキハ
本法ニ依リ相續稅ヲ課ス
第二條被相續人カ本法施行地ニ住所ヲ
有スルトキハ相續財產ノ全部ニ對シ相
續稅ヲ課ス
被相續人カ本法施行地ニ住所ヲ有セサ
ルトキハ本法施行地ニ在ル相續財產ニ
付テノミ相續稅ヲ課ス
第二條ノ二財產ノ所在ハ動產、不動產
及不動產ノ上ニ存スル權利ニ付テハ當
該動產又ハ不動產ノ所在ニ依ル但シ船
舶ノ所在ハ船籍ノ所在ニ依ル
前項ニ揭クルモノ以外ノ財產ノ所在ハ
權利者ノ住所地ニ依ル
第三條被相續人カ本法施行地ニ住所ヲ
有スルトキハ相續稅ヲ課スヘキ相續財
產ノ價額ニ相續開始前一年內ニ被相續
人カ爲シタル贈與ノ價額ヲ加ヘ其ノ中
ヨリ左ノ金額ヲ控除シタルモノヲ以テ
課稅價格トス
一公課
二被相續人ノ葬式費用
三債務
第三條ノ二被相續人カ本法施行地ニ住
所ヲ有セサルトキハ相續稅ヲ課スヘキ
相續財產ノ價額ニ相續開始前一年內ニ
被相續人カ本法施行地ニ在ル財產ニ付
爲シタル贈與ノ價額ヲ加ヘ其ノ中ヨリ
左ノ金額ヲ控除シタルモノヲ以テ課稅
價格トス
-其ノ財產ニ係ル公課
二其ノ財產ヲ目的トスル留置權、特
別ノ先取特權、質權又ハ抵當權ヲ
以テ擔保セラルル債務
三其ノ財產ニ關スル贈與ノ義務
第三條ノ三被相續人ノ死亡ニ因リ相續
人ノ受取ル生命保險ノ保險金ニシテ被
相續人カ保險契約者タル保險契約ニ基
クモノハ之ヲ相續財產ト看做ス但シ相
中五千圓
續人ノ受取ル保險金ノ合計額カ五千圓
迄ノ金額ニ付テハ
ニ滿タサルトキハ此ノ限ニ在ラス
保險契約者カ被相續人以外ノ者ナル場
合ト雖被相續人カ現實ニ保險料ノ支拂
ヲ爲スモノナルトキハ被相續人ヲ保險
契約者ト看做シ前項ノ規定ヲ適用スル
コトヲ得
第三條ノ四退職手當、功勞金及此等ノ
性質ヲ有スル給與ニシテ被相續人ニ支
給セラルヘキモノカ被相續人死亡シタ
ル爲其ノ相續人其ノ他ノ者ニ支給セラ
ルルトキハ之ヲ相續財產ト看做ス但シ
中五千圓迄ノ金額ニ付テ
給與ノ合計額カ五千圓ニ滿クサルトキ
ハ
ハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ給與カ相續人以外ノ者ニ支給セ
ラルルトキハ遺贈アリタルモノト看做
ス
第三條ノ五公共團體又ハ慈善其ノ他ノ
公益事業ニ對シ爲シタル贈與及遺贈ハ
相續稅ノ課稅價格ニ算入セズ
第四條第一項ヲ左ノ如ク改ム
相續財產ノ價額、相續財產ノ價額ニ加
算スヘキ贈與ノ價額竝ニ相續財產ノ價
額中ヨリ控除スヘキ公課及債務金額ハ
相續開始當時ノ現況ニ依ル
第五條第二項中「第三條」ヲ「第三條又ハ
第三條ノ二ノ規定」三四八
第十條中「相續稅ヲ課セラレタル後」ヲ
「相續稅ヲ課セラルヘキ相續開始シタル
後」ニ改メ「相續開始シタルトキハ」ノ下
ニ「命令ノ定ムル所ニ依リ」ヲ加フ
第十條ノ二第二條第一項ノ場合ニ於テ
外國ニ在ル相續財產ニ付其ノ國ノ法令
ニ依リ相續稅ヲ課セラレタルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ其ノ財產ノ價額ニ
對スル相續稅ヲ免除ス
第十條ノ三相續人(相續人二人以上ナ
ルトキハ各相續人)、受遺者及第三條又
ハ第三條ノ二ノ規定ニ依リ相續財產ノ
價額ニ加算シタル贈與ヲ受ケタル者ハ
課稅價格中各自其ノ受ケタル利益ノ價
額ノ占ムル割合ニ應シテ相續稅ヲ納付
スル義務アルモノトス但シ相續人ハ共
同相續人、受遺者及第三條又ハ第三條
ノ二ノ規定ニ依リ相續財產ノ價額ニ加
算シタル贈與ヲ受ケタル者ノ納付スヘ
キ相續稅ニ付連帶納付ノ責ニ任ス
第三條又ハ第三條ノ二ノ規定ニ依リ相
續財產ノ價額ニ加算シタル贈與ノ價額
ニシテ第二十三條ノ規定ニ依リ相續稅
ヲ課スヘキモノアルトキハ其ノ相續稅
額ハ當該贈與ヲ受ケタル者カ前項ノ規
定ニ依リ當該贈與ニ付納付スヘキ相續
稅額ヨリ之ヲ控除ス
第十條ノ四相續人アルコト分明ナラサ
ルトキ又ハ相續人カ相續財產ニ付全ク
處分ノ權能ナキトキハ本法中相續人ニ
關スル規定ハ別段ノ定アル場合ヲ除ク
ノ外之ヲ相續財產管理人又ハ遺言執行
者ニ適用ス
第十一條相續人ハ相續開始ヲ知リタル
日ヨリ三月以內ニ相續稅ヲ課セラルヘ
キ相續財產ノ目錄竝ニ相續財產ノ價額
ニ加算セラルヘキ贈與ノ價額及相續財
產ノ價額中ヨリ控除セラルヘキ金額ノ
明細書ヲ政府ニ提出スヘシ
前項ノ期間ハ遺言執行者又ハ相續財產
管理人ニ付テハ就職ノ日ヨリ三月トス
被相續人又ハ相續人カ帝國內ニ住所ヲ
有セサルトキハ前二項ノ期間ハ六月トス
相續人確定シタルトキハ第一項ノ書類
ヲ提出スルト同時ニ又ハ其ノ確定ノ日
ヨリ一月以內ニ相續人ノ相續關係ヲ記
載シタル書面ヲ政府ニ提出スヘシ
第十一條ノ二納稅義務者本法施行地ニ
住所又ハ居所ヲ有セサルトキハ前條ノ書
類ノ提出、納稅其ノ他相續稅ニ關スル
一切ノ事項ヲ處理セシムル爲納稅管理
人ヲ定メ政府ニ申告スヘシ本法施行地
外ニ住所又ハ居所ヲ移サムトスルトキ
亦同シ
第十二條中「戶籍吏」ヲ「市町村長」ニ、「收
稅官廳」ヲ「稅務署長」ニ改メ同條ニ左ノ
一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ市制第六條又ハ第八十二
條第三項ノ市ニ於テハ區長ニ、町村制
ヲ施行セサル地ニ於テハ町村長ニ準ス
ヘキモノニ之ヲ適用ス
第十二條ノ二本法施行地ニ於テ生命保
險(徴兵保險ヲ含ム以下同シ)ノ保險
金ヲ支拂ヒタル者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ支拂調書ヲ政府ニ提出スヘシ
前項ノ支拂調書ヲ提出シタル者ニ對シ
テハ命令ノ定ムル金額ヲ交付スルコト
ヲ得
第十二條ノ三稅務署長又ハ其ノ代理官
ハ調査上必要アルトキハ被相續人、納
稅義務者、納稅義務アリト認ムル者又
ハ前條第一項ノ支拂調書ヲ提出スル義
務アル者ニ質問スルコトヲ得
第十二條ノ四稅務署長又ハ其ノ代理官
ハ調査上必要アルトキハ被相續人、納
稅義務者若ハ納稅義務アリト認ムル者
ニ金錢若ハ物品ヲ支拂フ義務ヲ有スト
認ムル者ニ對シ又ハ被相續人、納稅義
務者若ハ納稅義務アリト認ムル者ヨリ
金錢若ハ物品ノ支拂ヲ受クル權利ヲ有
スト認ムル者ニ對シ其ノ金額、數量、價
額支拂期日等ニ付質問スルコトヲ得
第十三條第二項中「相續人、遺言執行者
又ハ相續財產管理人」ヲ「納稅義務者」ニ
改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
本法施行地ニ住所又ハ居所ヲ有セサル
納稅義務者納稅管理人ノ申告ヲ爲ササ
ルトキハ前項ノ通知ハ公告ヲ以テ之ヲ
爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テ公〓ノ初
日ヨリ七日ヲ經過シタルトキハ其ノ通
知アリタルモノト看做ス
第十四條中「相續人、遺言執行者又ハ相
續財產管理人」ヲ「納稅義務者」ニ、「再審
査」ヲ「審査」ニ、「三箇月」ヲ「三月」ニ改ム
第十六條前條第一項ノ決定ニ對シ不服
アル者ハ訴願ヲ爲シ又ハ行政裁判法ニ
依リ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第十七條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
納稅義務者前項ノ規定ニ依リ年賦延納
ヲ求メムトスルトキハ第十三條ノ通知
ヲ受ケタル後二十日以內ニ政府ニ申請
スヘシ但シ連帶納付ノ責アル納稅義務
者ニ在リテハ其ノ一人ヨリ申請スルヲ
以テ足ル
納稅義務者帝國內ニ住所ヲ有セサルト
キハ前項ノ期間ハ之ヲ三月トス
第十八條中「相續人、遺言執行者又ハ相
續財產管理人」ヲ「納稅義務者」ニ改ム
第十九條削除
第二十條削除
第二十二條中「、遺言執行者又ハ相續財
產管理人」ヲ削ル
第二十三條左ニ揭クル場合ニ於テ贈與
ノ價額カ千圓以上ナルトキハ遺產相續
開始シタルモノト看做シ其ノ財產ノ價
額ヲ課稅價格トシテ本法ニ依リ相續稅
ヲ課ス但シ本法施行地ニ住所ヲ有セサ
ル者ノ爲シタル贈與ニ在リテハ本法施行
地ニ在ル財產ニ付爲シタルモノニ限ル
一親族ニ贈與ヲ爲シタルトキ
二分家ヲ爲スニ際シ若ハ分家ヲ爲シタ
ル後本家ノ戶主又ハ家族カ分家ノ
戶主又ハ家族ニ贈與ヲ爲シタルトキ
不動產又ハ船舶ノ贈與ニ付登錄稅ヲ納
付シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ
其ノ登錄稅額カ相續ニ因ル所有權ノ取
得ニ付テノ登錄稅額ヲ超過スル金額ヲ
前項ノ相續稅額ヨリ控除ス
第一項ノ規定ニ依リ相續稅ヲ課スル場
合ニ於テハ第十條ノ規定ヲ適用セス
第二十三條ノ二信託ニ因リ委託者カ他
人ニ信託ノ利益ヲ受クヘキ權利ヲ有セ
シメタルトキハ左ニ揭クル時ニ於テ信
託ノ利益ヲ受クヘキ權利ヲ贈與シタル
モノト看做ス此ノ場合ニ於テ不動產又ハ
船舶ノ信託ニ因ル所有權取得ノ登記ハ
前條第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ
贈與ニ因ル所有權取得ノ登記ト看做ス
ー元本ノ利益ヲ受クヘキ權利ヲ有セ
シメタルトキハ受益者カ其ノ元本ヲ
受ケタル時但シ數囘ニ之ヲ受クルト
キハ最初ニ其ノ一部ヲ受ケタル時
二收益ノ利益ヲ受クヘキ權利ヲ有セ
シメタルトキハ受益者カ其ノ收益ヲ
受ケタル時但シ數囘ニ之ヲ受クルト
キハ最初ニ其ノ一部ヲ受ケタル時
前項ノ場合ニ於テ受益者不特定ナルト
キ又ハ未タ存在セサルトキハ委託者又
ハ其ノ相續人ヲ受益者ト看做シ受益者
特定シ又ハ存在スルニ至リタル時ニ於
テ新ニ信託アリタルモノト看做ス
元本又ハ收益ノ受益者カ其ノ元本又ハ
收益ノ全部又ハ一部ヲ受クル迄ハ元本又
ハ收益ノ利益ヲ受クヘキ權利ハ委託者又
ハ其ノ相續人之ヲ有スルモノト看做ス
信託ノ利益ヲ受クル時ノ委託者ト受益
者トノ身分關係カ信託ノ時ノ身分關係
ト異ルトキハ其ノ身分關係ハ第一項ノ
規定ヲ適用スル場合ニ於テハ信託ノ利
益ヲ受クル時迄存續スルモノト看做ス
第二十三條ノ三生命保險契約ニシテ保
險金受取人カ保險契約者以外ノ者ナル
トキハ保險事故ノ生シタル時ニ於テ保
險契約者カ保險金額ニ相當スル金額ヲ
保險金受取人ニ贈與シタルモノト看做
ス但シ保險契約者ノ同一ナル保險契約
ニ基キ同一事故ニ因リ同一人ノ受取ル
ヲ超ユル場合
保險金ノ合計額カ五千圓以上ノ場合ニ
ニ於ケル其ノ超過額ニ相當スル金額
限ル
前項ノ規定ハ第三條ノ三ノ規定ニ依リ
保險金ヲ相續財產ト看做ス場合ニ付テ
ハ之ヲ適用セス
保險契約者以外ノ者カ現實ニ保險料ノ
支拂ヲ爲スモノナルトキハ其ノ者ヲ保
險契約者ト看做シ第一項ノ規定ヲ適用
スルコトヲ得
前條第四項ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之
ヲ準用ス
第二十三條ノ四郵便年金契約ニシテ年
金受取人カ年金契約者以外ノ者ナルト
キハ年金支拂ノ事由發生シタル時ニ於
テ年金契約者カ當該郵便年金ノ價額ニ
相當スル金額ヲ年金受取人ニ贈與シタ
ルモノト看做ス但シ年金契約者ノ同一
ナル年金契約ニ基キ同一事由ニ因リ同
一人ノ受取ル年金ノ價額ノ合計額カ五
ヲ超ユル場合ニ於ケル其ノ超過額ニ相
千圓以上ノ場合ニ限ル
當スル金額
第二十三條ノ二第四項及前條第三項ノ
規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十三條ノ五死亡ニ因ル相續開始後
一年內ニ於テ相續人カ相續財產ニ付爲
シタル贈與ニ付テハ第二十三條ノ規定
ヲ適用セス但シ自己ノ直系卑屬ニ贈與
ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十四條ノ二正當ノ事由ナクシテ第
十二條ノ二第一項ノ規定ニ依リ政府ニ
提出スヘキ支拂調書ヲ提出セス又ハ虛
僞ノ記載ヲ爲シタル支拂調書ヲ提出シ
タル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ規定ニ依リ處罰セラレタル者ニ
對シテハ其ノ提出ニ係ル支拂調書ニ付
第十二條ノ二第二項ノ規定ニ依ル金額
ヲ交付セス
第二十五條中「三圓以上三十圓以下ノ罰
金又ハ科料」ヲ「五百圓以下ノ罰金」ニ改ム
第二十七條被相續人カ朝鮮、臺灣又ハ
樺太ニ住所ヲ有シ其ノ地ニ於ケル法令
ニ依リ相續稅ヲ課セラルルトキハ本法施
行地ニ相續財產アルモ相續稅ヲ課セス
第二十八條朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ於ケ
ル法令ニ依リ相續稅ヲ課セラルヘキ相
續カ其ノ地ニ於テ開始シタル後五年又
ハ七年以內ニ於テ更ニ本法施行地ニ於
テ相續開始シタルトキハ第十條ノ規定
ヲ準用ス
第二十九條朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ住所
ヲ有スル者カ本法施行地ニ在ル財產ニ
付爲シタル贈與ニハ第二十三條ノ規定
ヲ適用セス
第三十條朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ於テ死
亡ニ因リ相續開始シタル後一年內ニ本
法施行地ニ住所ヲ有スル相續人カ相續
財產ニ付爲シタル贈與ニ付テハ第二十
三條ノ五ノ規定ヲ準用ス
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス但シ本法施行前開始シタル相續ニ關シ
テハ仍從前ノ例ニ依ル
永代借地權ハ當分ノ內相續稅ノ課稅價格
ニ算入セズ
臨時租稅增徵法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時租稅增徵法中改正法律案
臨時租稅增徵法中左ノ通改正ス
第五條中「第二種」ヲ「第二種甲及乙」ニ改
ム
第六條所得稅中第三種ノ所得ニ對スル
所得稅ニ付テハ所得稅法第十四條第一
項第一號ノ二ノ所得ニ對スルモノヲ除
クノ外同法第二十三條第一項ノ規定ニ
拘ラズ所得金額ヲ左ノ各級ニ區分シ遞
次ニ各稅率ヲ適用シテ之ヲ賦課ス但シ
同法第十四條第一項第二號ノ所得ハ其
ノ他ノ所得ト之ヲ區分シ其ノ所得ヲ五
分シタル金額ニ對シ此ノ稅率ヲ適用シ
テ算出シタル金額ヲ五倍シタルモノヲ
以テ其ノ稅額トス
千二百圓以下ノ金額百分ノ一
千二百圓ヲ超ユル金額
百分ノ二·五
千五百圓ヲ超ユル金額
百分ノ四
二千圓ヲ超ユル金額百分ノ五·五
三千圓ヲ超ユル金額百分ノ七
五千圓ヲ超ユル金額百分ノ九
七千圓ヲ超ユル金額百分ノ十一
一萬圓ヲ超ユル金額百分ノ十三
一萬五千圓ヲ超ユル金額
百分ノ十六
二萬圓ヲ超ユル金額百分ノ十九
三萬圓ヲ超ユル金額百分ノ二十二
五萬圓ヲ超ユル金額百分ノ二十五
七萬圓ヲ超ユル金額百分ノ二十八
十萬圓ヲ超ユル金額百分ノ三十一
十五萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ三十四
二十萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ三十七
三十萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ四十
五十萬圓ヲ超ユル金額
七十萬圓ヲ超ユル金額
百萬圓ヲ超ユル金額
家督
課稅價格
五千圓以下ノ金額
五千圓ヲ超ユル金額
一萬圓ヲ超ユル金額
二萬圓ヲ超ユル金額
三萬圓ヲ超ユル金額
四萬圓ヲ超ユル金額
五萬圓ヲ超ユル金額
七萬圓ヲ超ユル金額
十萬圓ヲ超ユル金額
十五萬圓ヲ超ユル金額
二十萬圓ヲ超ユル金額
三十萬圓ヲ超ユル金額
四十萬圓ヲ超ユル金額
五十萬圓ヲ超ユル金額
七十萬圓ヲ超ユル金額
百萬圓ヲ超ユル金額
二百萬圓ヲ超ユル金額
三百萬圓ヲ超ユル金額
五百萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ四十三
百分ノ四十六
百分ノ五十
相續
稅
相續人ガ被相續人
ノ家族タル直系卑
屬ナルトキ
千分ノ六
千分ノ七
千分ノ九
千分ノ十二
千分ノ十五
千分ノ二十五
千分ノ三十五
千分ノ五十
千分ノ六十五
千分ノ八十
千分ノ百
千分ノ百二十
千分ノ百四十
千分ノ百六十
千分ノ百八十
千分ノ二百
千分ノ二百二十
千分ノ二百四十
千分ノ二百六十
第十條
ニ各稅率ヲ適用シテ之ヲ課ス
柱縫人ガ被杵纏人ノ
指定シタル者、民法
第九百八十二條ニ依
リ選定セラレタル
者、被相續人ノ家族
タル直系尊屬又ハ入
夫ナルトキ
千分ノ七
千分ノ九
千分ノ十二
千分ノ十五
千分ノ二十五
千分ノ三十五
千分ノ五十
千分ノ六十五
千分ノ八十
千分ノ百
千分ノ百二十
千分ノ百四十
千分ノ百六十
千分ノ百八十
千分ノ二百
千分ノ二百二十
千分ノ二百四十
千分ノ二百六十
千分ノ二百八十
相續稅ニ付テハ相續稅法第八條
第一項ノ規定ニ拘ラズ課稅價格ヲ左ノ
各級ニ區分シ相續人ノ種類ニ從ヒ遞次
率
相續人ガ民法第九
百八十五條ニ依リ
選定セラレタル者
ナルトキ
千分ノ十
千分ノ十二
千分ノ十五
千分ノ二十五
千分ノ四十
千分ノ六十
千分ノ八十
千分ノ百
千分ノ百二十
千分ノ百四十
千分ノ百六十
千分ノ百八十
千分ノ二百
千分ノ二百二十
千分ノ二百四十
千分ノ二百六十
千分ノ二百八十
千分ノ三百
千分ノ三百二十
ス
遺產
課稅價格
千圓以下ノ金額
千圓ヲ超ユル金額
五千圓ヲ超ユル金額
一萬圓ヲ超ユル金額
二萬圓ヲ超ユル金額
三萬圓ヲ超ユル金額
四萬圓ヲ超ユル金額
五萬圓ヲ超ユル金額
七萬圓ヲ超ユル金額
十萬圓ヲ超ユル金額
十五萬圓ヲ超ユル金額
二十萬圓ヲ超ユル金額
三十萬圓ヲ超ユル金額
四十萬圓ヲ超ユル金額
五十萬圓ヲ超ユル金額
七十萬圓ヲ超ユル金額
百萬圓ヲ超ユル金額
二百萬圓ヲ超ユル金額
三百萬圓ヲ超ユル金額
五百萬圓ヲ超ユル金額
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
第三種ノ所得稅ニ付テハ昭和十三年分ヨ
リ本法ヲ適用ス
相續
稅
相續人ガ直系
卑屬ナルトキ
千分ノ十二
千分ノ十四
千分ノ十七
千分ノ二十三
千分ノ三十
千分ノ四十五
千分ノ六十
千分ノ八十
千分ノ百
千分ノ百二十
千分ノ百四十
千分ノ百六十
千分ノ百八十
千分ノ二百
千分ノ二百三十
千分ノ二百六十
千分ノ二百九十
千分ノ三百二十
千分ノ三百五十
千分ノ三百八十
相續人ガ〓偶者又ハ
直系尊屬ナルトキ
千分ノ十四
千分ノ十七
千分ノ二十三
千分ノ三十
千分ノ四十五
千分ノ六十
千分ノ八十
千分ノ百
千分ノ百二十
千分ノ百四十
千分ノ百六十
千分ノ百八十
千分ノ二百
千分ノ二百二十
千分ノ二百五十
千分ノ二百八十
千分ノ三百十
千分ノ三百四十
千分ノ三百七十
千分ノ四百
前ノ例ニ依ル
所得稅法中改正法律案
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
率
柱續人ガ其ノ他ノ
者ナルトキ
千分ノ二十
千分ノ二十五
千分ノ三十五
千分ノ五十
千分ノ七十
千分ノ九十
千分ノ百十
千分ノ百三十
千分ノ百五十
千分ノ百七十
千分ノ百九十
千分ノ二百十
千分ノ二百三十
千分ノ二百五十
千分ノ二百八十
千分ノ三百十
千分ノ三百四十
千分ノ三百七十
千分ノ四百
千分ノ四百三十
本法施行前開始シタル相續ニ付テハ仍從
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
所得稅法中改正法律案
所得稅法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ一號ヲ加フ
四本法施行地ニ於テ一時恩給又ハ之
ニ類スル退職給與ノ支拂ヲ受クル
トキ
第三條第二種ニ左ノ一號ヲ加フ
丙本法施行地ニ於テ支拂ヲ受クル
一時恩給又ハ之ニ類スル退職給與
第十三條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ一時恩給又ハ之ニ類スル退職給與
ハ其ノ支拂ヲ受クヘキ金額ヨリ五千圓
ヲ控除シタル金額ニ依ル
第十四條第一項第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ
加フ
一ノ二第二種ノ所得ニ屬セサル一時
恩給及之ニ類スル退職給與ハ前年
中ノ收入金額ヨリ支拂者ヲ異ニス
ル每ニ五千圓ヲ控除シタル金額
同條第一項第五號中「年金」ノ下ニ「(郵便
年金ヲ除ク)」ヲ、「恩給」ノ下ニ「(一時恩
給ヲ除ク)」ヲ加へ「、退隱料」ヲ削ル
第十六條第四項ヲ左ノ如ク改ム
同一人ノ所得ニ付前三項ノ規定ニ依ル
控除ヲ爲ス場合ニ於テハ先ツ第十四條
第一項第一號ノ二及第二號ノ所得以外
ノ所得ニ付之ヲ爲シ不足アルトキハ順
次同項第二號及第一號ノ二ノ所得ニ及
フ
第十八條第五號ヲ左ノ如ク改ム
五第十四條第一項第六號ノ所得中營
利ノ事業ニ屬セサル一時ノ所得
第二十二條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
丙所得金額ヲ左ノ各級ニ區分シ遞
次ニ各稅率ヲ適用ス
二萬圓以下ノ金額百分ノ五
二萬圓ヲ超ユル金額百分ノ十
十萬圓ヲ超ユル金百分ノ二十
額
五十萬圓ヲ超ユル百分ノ三十
金額
第二十三條第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第十四條第一項第一號ノ二及第二
號ノ所得ハ其ノ他ノ所得ト之ヲ區分シ
同項第一號ノ二ノ所得ニ付テハ支拂者
ヲ異ニスル金額每ニ前條第一項丙ノ稅
率ヲ適用シテ算出シタル金額ヲ以テ其
ノ稅額トシ第十四條第一項第二號ノ所
得ニ付テハ其ノ所得ヲ五分シタル金額
ニ對シ本項ノ稅率ヲ適用シテ算出シタ
ル金額ヲ五倍シタルモノヲ以テ其ノ稅
額トス
同條第二項中「前項ノ場合ニ於テ」ノ下ニ
「第十四條第一項第一號ノ二ノ所得ヲ除
クノ外」ヲ加フ
第二十六條第二項中「翌年ニ於ケル」ヲ
「翌年ヨリ三年間ハ仍」ニ改ム
第三十條第一項中「市制第六條」ノ下ニ
「又ハ第八十二條第三項」ヲ加フ
第五十四條ノ二調査委員ハ自己ノ所屬
スル所得調査委員會ノ調査ニ依リ決定
セラレタル課稅標準額ニ對スル審査ノ
請求、訴願又ハ行政訴訟ニ付納稅義務
者ノ代理ヲ爲シ若ハ其ノ相談ニ應スル
ヲ以テ業ト爲シ又ハ報酬ヲ得テ此等ノ
事務ヲ行フコトヲ得ス
第五十六條第一項中「退隱料」ヲ削ル
第七十四條ノ二第五十四條ノ二ノ規定
ニ違反シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ
處ス
第七十七條但書中「前條」ヲ「第七十四條
ノ二及前條」ニ改ム
第八十四條ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
本法施行前ニ終了シタル法人ノ各事業年
度分ノ所得及本法施行前ニ於ケル解散又
ハ合併ニ因ル〓算所得ニ付テハ本法ヲ適
用セズ
一時恩給又ハ之ニ類スル退職給與ニシテ
本法施行前ノ退職ニ因ルモノニハ本法ヲ
適用セズ
第三種ノ所得ニ付テハ昭和十三年分所得
稅ヨリ本法ヲ適用ス但シ第二十六條ノ改
正規定ハ昭和十二年分以前ノ所得稅ニ付
テモ之ヲ適用ス
小笠原島及伊豆七島ニ於ケル昭和十三年
分ノ第三種所得稅ニ付テハ所得金額ノ申
〓期限及第十六條又ハ第十六條ノ三ノ規
定ニ依ル控除ノ申請期限ヲ昭和十三年四
月十五日限トス
營業收益稅法第十三條第二項、資本利子
稅法第八條第二項及臨時利得稅法第十七
條第二項中「翌年ニ於ケル」ヲ「翌年ヨリ
三年間ハ仍」ニ改ム
登錄稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
登錄稅法中改正法律案
登錄稅法中左ノ通改正ス
第二條第一項第二號中「千分ノ四十五」ヲ
「千分ノ四十」ニ、「千分ノ二十五」ヲ子
分ノ二十三」ニ、同項第三號中「千分ノ三
十三」ヲ「千分ノ三十」ニ改ム
第三條ノ二信託財產タル不動產又ハ船
舶ヲ受託者ヨリ受益者ニ移ス場合ニ於
ケル所有權取得ノ登記ニ付テハ左ノ區
別ニ從ヒ登錄稅ヲ納ムヘシ
不動產不動產價格千分ノ四十
但シ神社、寺院、祠宇、佛堂又ハ
民法第三十四條ノ規定ニ依リ設立
シタル法人カ受益者ナルトキハ千
分ノ二十三
船舶船舶價格千分ノ三十
五
第三條ノ三及第三條ノ四ヲ削リ第三條ノ
五ヲ第三條ノ三、第三條ノ六ヲ第三條ノ
四、第三條ノ七ヲ第三條ノ五トス
第十九條ノ二信託ニ因ル財產權取得ノ
登記又ハ登錄ニシテ左ノ各號ノ一ニ該
當スルモノニハ登錄稅ヲ課セス
一委託者ヨリ受託者ニ移ス場合ニ於
ケル財產權取得ノ登記又ハ登錄
二委託者ノミカ信託財產ノ元本ノ受
益者タル信託ニ因リ受託者ヨリ受益
者ニ信託財產ヲ移ス場合ニ於ケル財
產權取得ノ登記又ハ登錄
三受託者ノ更迭ノ場合ニ於ケル新受
託者ノ財產權取得ノ登記又ハ登錄
前項第二號ノ規定ハ委託者ノ相續人ニ
信託財產ヲ移ス場合ニ於テハ之ヲ適用
セス此ノ場合ニ於テハ當該相續人ノ財
產權取得ノ登記又ハ登錄ヲ以テ相續ニ
因ル財產權取得ノ登記又ハ登錄ト看做
シ登錄稅ヲ課ス
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
第三條ノ二ノ改正規定ハ信託財產ヲ委託
者ヨリ受託者ニ移ス場合ニ於ケル受託者
ノ財產權取得ニ付從前ノ規定ニ依リ登錄
稅ヲ課セラレタルモノニ付テハ之ヲ適用
セズ
酒造稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
酒造稅法中改正法律案
酒造稅法中左ノ通改正ス
第二條ノ二酒類ノ販賣業(販賣ノ仲介
業ヲ含ム)ヲ爲サムトスル者ハ政府ノ
免許ヲ受クヘシ但シ酒類製造者カ其ノ
製造場ニ於テ爲ス販賣業及命令ヲ以テ
定ムル販賣業ニ付テハ此ノ限ニ在ラ
ス
前項ノ免許ハ販賣場ヲ有スル者ニ在リ
テハ販賣場一箇所每ニ之ヲ受クヘシ
酒類販賣業ノ免許ヲ受ケタル者其ノ販
賣業ヲ廢止シタルトキハ其ノ旨ヲ政府
ニ申告スヘシ
第二十二條ノ二第二條ノ二ニ違反シ免
許ヲ受ケスシテ酒類ノ販賣業ヲ爲シタ
ル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十條中「酒類ヲ製造スル者」ノ下ニ
「又ハ之ヲ販賣スル者」ヲ加フ
第三十三條ノ二第二十九條又ハ第三十
條ニ依リ處罰若ハ處分セラレタル者又
ハ二年以上引續キ酒類ヲ販賣セサル者
ニ對シテハ政府ハ酒類販賣業ノ免許ヲ
取消スコトヲ得
前條第二項ハ前項ニ依リ免許ヲ取消サ
レタル者ニ付之ヲ準用ス
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
昭和十三年一月一日前ヨリ引續キ酒類ノ
販賣業ヲ爲ス者本法施行後一月內ニ其ノ
旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日
ヨリ本法ニ依リ販賣業ノ免許ヲ受ケタル
モノト看做ス
酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律案
酒精及酒精含有飮料稅法中左ノ通改正ス
第五條ノ三酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮
料ノ販賣業(販賣ノ仲介業ヲ含ム)ヲ爲
サムトスル者ハ政府ノ免許ヲ受クヘシ
但シ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料ヲ製
造スル者カ其ノ製造場ニ於テ爲ス販賣
業及命令ヲ以テ定ムル販賣業ニ付テハ
此ノ限ニ在ラス
前項ノ免許ハ販賣場ヲ有スル者ニ在リ
テハ販賣場一箇所每ニ之ヲ受クヘシ
酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料ノ販賣業
ノ免許ヲ受ケタル者其ノ販賣業ヲ廢止
シタルトキハ其ノ旨ヲ政府ニ申〓スヘ
シ
第十五條ノ二第五條ノ三ノ規定ニ違反
シ免許ヲ受ケスシテ酒精又ハ酒精ヲ含
有スル飮料ノ販賣業ヲ爲シタル者ハ五
百圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十三條ノ三第十九條乃至第二十一
條ノ規定ニ依リ處罰若ハ處分セラレタ
ル者又ハ二年以上引續キ酒精若ハ酒精
ヲ含有スル飮料ヲ販賣セサル者ニ對シ
テハ政府ハ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮
料ノ販賣業ノ免許ヲ取消スコトヲ得
前條第二項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ
免許ヲ取消サレタル者ニ付之ヲ準用ス
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
昭和十三年一月一日前ヨリ引續キ酒精又
ハ酒精ヲ含有スル飮料ノ販賣業ヲ爲ス者
本法施行後一月內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申〓
スルトキハ本法施行ノ日ヨリ本法ニ依リ
販賣業ノ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
麥酒稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
麥酒稅法中改正法律案
麥酒稅法中左ノ通改正ス
第二條ノ二麥酒ノ販賣業(販賣ノ仲介
業ヲ含ム)ヲ爲サムトスル者ハ政府ノ
免許ヲ受クヘシ但シ麥酒ヲ製造スル者
カ其ノ製造場ニ於テ爲ス販賣業及命令
ヲ以テ定ムル販賣業ニ付テハ此ノ限ニ
在ラス
前項ノ免許ハ販賣場ヲ有スル者ニ在リ
テハ販賣場一箇所每ニ之ヲ受クヘシ
麥酒販賣業ノ免許ヲ受ケタル者其ノ販
賣業ヲ廢止シタルトキハ其ノ旨ヲ政府
ニ申〓スヘシ
第十一條ノ二第二條ノ一ニ違反シ免許
ヲ受ケスシテ麥酒ノ販賣業ヲ爲シタル
者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十九條ノ三第十五條乃至第十七條ニ
依リ處罰若ハ處分セラレタル者又ハ二
年以上引續キ麥酒ヲ販賣セサル者ニ對シ
テハ政府ハ麥酒販賣業ノ免許ヲ取消ス
コトヲ得
前條第二項ハ前項ニ依リ免許ヲ取消サ
レタル者ニ付之ヲ準用ス
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
昭和十三年一月一日前ヨリ引續キ麥酒ノ
販賣業ヲ爲ス者本法施行後一月內ニ其ノ
旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日
ヨリ本法ニ依リ販賣業ノ免許ヲ受ケタル
モノト看做ス
大正九年法律第十二號中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
大正九年法律第十二號中改正法律案
大正九年法律第十二號中左ノ通改正ス
第二條中「又ハ樺太」ヲ「、樺太又ハ南洋群
島」二〇六、
第三條中「又ハ樺太」ヲ「樺太又ハ南洋群
島」ニ、「又ハ所得稅法施行地」ヲ「、南洋
群島又ハ所得稅法施行地」ニ改ム
第三條ノ二乃至第七條中「又ハ樺太」ヲ
「、樺太又ハ南洋群島」ニ改ム
第八條乃至第十條ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
第三種ノ所得ニ付テハ昭和十三年分所得
稅ヨリ本法ヲ適用ス
本法施行前ニ終了シタル法人ノ各事業年
度分ノ所得ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
外貨債特別稅法第十六條第一項、臨時利
得稅法第三十一條第一項及北支事件特別
稅法第十八條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ南洋群島ニ本店又ハ主タル事務所
ヲ有スル法人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
〔參照〕
大正九年法律第十二號ハ所得稅法ノ施
行ニ關スル法律ナリ
臨時利得稅法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時利得稅法中改正法律案
臨時利得稅法中左ノ通改正ス
第三條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第一號及第二號ノ利得ハ各之ヲ甲
種利得及乙種利得ノ二種トス
第四條法人ノ現事業年度ノ利益ガ昭和
六年十二月三十一日以前三年內ニ終了
シタル事業年度ノ全部(甲旣往事業年度
ト稱ス以下同ジ)ノ平均利益ヲ超過ス
ル場合ニ於テ其ノ超過額ヲ法人ノ甲種
利得トシ昭和十一年十二月三十一日以
前三年內ニ終了シタル事業年度ノ全部
(乙既往事業年度ト稱ス以下同ジ)ノ平
均利益ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過
額ヲ法人ノ乙種利得トス
第四條ノ二前條ノ規定ニ依リ利得ヲ計
算スルニ當リ左ノ各號ノ一ニ該當スル
場合ニ於テハ各其ノ定ムル所ニ依リ平
均利益ヲ計算ス
-甲既往事業年度又ハ乙既往事業年
度ノ平均利益ノ平均資本金額ニ對ス
ル割合ガ甲既往事業年度ニ在リテハ
年百分ノ七未滿、乙既往事業年度ニ
在リテハ年百分ノ十未滿ナルトキハ
甲既往事業年度ニ在リテハ平均資本
金額ニ對シ年百分ノ七、乙既往事業
年度ニ在リテハ平均資本金額ニ對シ
年百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル
金額ヲ以テ各其ノ旣往事業年度ノ平
均利益トス
二法人ノ第一次事業年度ガ昭和七年
一月一日以後ニ於テ終了シタル場合
ニ於テハ其ノ法人ニ付テハ現事業年
度ノ資本金額ニ對シ年百分ノ七ノ割
合ヲ以テ算出シタル金額ヲ以テ甲既
往事業年度ノ平均利益トシ第一次事
業年度ガ昭和十二年一月一日以後ニ
於テ終了シタル場合ニ於テハ其ノ法
人ニ付テハ現事業年度ノ資本金額ニ
對シ年百分ノ七ノ割合ヲ以テ算出シ
タル金額ヲ以テ甲既往事業年度ノ平
均利益トシ年百分ノ十ノ割合ヲ以テ
算出シタル金額ヲ以テ乙既往事業年
度ノ平均利益トス
三現事業年度ノ資本金額ガ甲既往事
業年度又ハ乙既往事業年度ノ平均資
本金額ニ對シ增減アルトキハ比較セ
ラレタル既往事業年度ノ平均利益ノ
平均資本金額ニ對スル割合ヲ現事業
年度ノ資本金額ニ乘ジテ算出シタル
金額ヲ以テ其ノ旣往事業年度ノ平均
利益トス此ノ場合ニ於テ第一號ノ規
定ヲ適用スルニ當リテハ現事業年度
ノ資本金額ヲ以テ其ノ旣往事業年度
ノ平均資本金額ト看做ス
四現事業年度ノ期間ガ甲既往事業年
度ニ屬スル各事業年度又ハ乙既往事
業年度ニ屬スル各事業年度ノ期間ト
異ルトキハ既往ノ各事業年度ノ利益
ハ現事業年度ノ月數ノ旣往各事業年
度ノ月數ニ對スル割合ニ依リ之ヲ換
算ス
第四條ノ三法人ノ甲種利得ニシテ臨時
利得稅ヲ課セラルル乙種利得ニ屬スル
モノアルトキハ其ノ部分ハ之ヲ甲種利
得ヨリ控除ス
第四條ノ四法人ノ甲種利得又ハ乙種利
得ノ金額年千圓未滿ナルトキハ甲種利
得又ハ乙種利得ニ對スル臨時利得稅ヲ
課セズ但シ前條ノ規定ニ依ル控除ヲ爲
シタル爲甲種利得ノ金額ガ年千圓未滿
ト爲ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第七條中「既往事業年度」ヲ「甲既往事業
年度又ハ乙既往事業年度」ニ改ム
第九條個人ノ利益ガ昭和六年以前三年
ノ平均利益ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ
超過額ヲ個人ノ甲種利得トシ昭和十一
年以前三年ノ平均利益ヲ超過スル場合
ニ於テ其ノ超過額ヲ個人ノ乙種利得ト
ス
第九條ノ二前條ノ規定ニ依リ利得ヲ計
算スル場合ニ於テ昭和六年以前三年ノ
平均利益ガ三千圓未滿ナルトキハ三千
圓、昭和十一年以前三年ノ平均利益ガ
五千圓未滿ナルトキハ五千圓ヲ以テ各
其ノ平均利益トス
第九條ノ三個人ノ甲種利得ニシテ臨時
利得稅ヲ課セラルル乙種利得ニ屬スル
モノアルトキハ其ノ部分ハ之ヲ甲種利
得ヨリ控除ス
第九條ノ四個人ノ利益ガ一萬圓未滿ナ
ルトキハ甲種利得ノ金額ヨリ二千圓ヲ、
一萬五千圓未滿ナルトキハ乙種利得ノ
金額ヨリ二千圓ヲ控除ス
個人ノ利益ガ一萬圓以上ナル場合ニ於
テ甲種利得ノ金額千圓未滿ナルトキ又
ハ一萬五千圓以上ナル場合ニ於テ乙種
利得ノ金額千圓未滿ナルトキハ甲種利
得又ハ乙種利得ニ對スル臨時利得稅ヲ
課セズ但シ前條ノ規定ニ依ル控除ヲ爲
シタル爲甲種利得ノ金額ガ千圓未滿ト
爲ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十條ノ二營業ヲ繼續シ又ハ營業繼續
ト認ムベキ事實アル個人ニ付テハ命令
ノ定ムル所ニ依リ前營業者ノ平均利益
ヲ其ノ平均利益ト看做ス
個人ノ營業ノ時間ガ一年未滿ナル場合
ニ於ケル平均利益ノ計算ニ付テハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條個人ノ利益ガ六千圓未滿ナル
トキハ甲種利得ニ對スル、一萬圓未滿
ナルトキハ乙種利得ニ對スル臨時利得
稅ヲ課セズ
第十四條法人ノ臨時利得稅ハ左ノ稅率
ニ依リ之ヲ賦課ス
甲種利得利得金額ノ百分ノ十
七·二五
乙種利得利得金額ノ百分ノ三
十
現事業年度ノ資本金額十萬圓以下ナル
法人ニ限リ前項ニ規定スル乙種利得ニ
對スル稅率百分ノ三十ハ之ヲ百分ノ二
十五トス
法人ノ甲種利得又ハ乙種利得ニ付前二
項ノ規定ニ依リ算出シタル稅額ガ其ノ
利得金額中年千圓ヲ控除シタル金額ヲ
超過スルトキハ其ノ超過額ニ相當スル
甲種利得又ハ乙種利得ニ對スル臨時利
得稅ヲ免除ス
第十四條ノ二個人ノ臨時利得稅ハ左ノ
稅率ニ依リ之ヲ賦課ス
甲種利得利得金額ノ百分ノ十
一·五
乙種利得利得金額ノ百分ノ二
十
前條第三項ノ規定ハ個人ノ甲種利得又
ハ乙種利得ニ付前項ノ規定ニ依リ算出
シタル稅額ガ其ノ利得金額中千圓ヲ控
除シタル金額ヲ超過スル場合ニ付之ヲ
準用ス但シ第九條ノ四第一項ノ規定ニ
依リ控除ヲ爲ス場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四條ノ二個人ノ利得ニ付利得金
額決定後翌年利得金額決定前ニ於テ營
業ヲ法人ニ繼續セシメタル者ノ當該營
業ノ實際利得額ガ決定利得額ヲ超過ス
ルトキハ其ノ超過額ハ之ヲ利得金額ノ
決定ニ付脫漏アリタルモノト看做シ翌
年ニ於ケル所得調査委員會ノ調査ニ依
リ政府ニ於テ其ノ利得金額ヲ決定スル
コトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該營業ノ實際利得
額ハ其ノ年ニ於ケル收入金額ヨリ必要
ノ經費ヲ控除シタル金額ニ基キ之ヲ計
算ス
第二十五條中「前條」ヲ「第二十四條」ニ改
ム
附則第二項中「昭和十三年十二月三十一
日ヲ含ム」ヲ「支那事變終了ノ年ノ翌年十
二月三十一日迄ニ終了スル」ニ、「昭和十
三年分」ヲ「支那事變終了ノ年ノ翌年分」
三四人
附則
第一條本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ
之ヲ施行ス
第二條法人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和
十三年一月一日以後ニ終了スル事業年
度分ヨリ、個人ノ臨時利得稅ニ付テハ
昭和十三年分ヨリ本法ヲ適用ス但シ第
二十四條ノ二ノ規定ハ昭和十二年分臨
時利得稅ヨリ之ヲ適用ス
第三條臨時租稅增徵法第十九條ノ規定
ハ昭和十三年一月一日以後ニ終了スル
法人ノ各事業年度分ノ臨時利得稅及昭
和十三年分以降ノ個人ノ臨時利得稅ニ
付テハ之ヲ適用セズ
第四條昭和十三年三月三十一日迄ニ終
了シタル法人ノ各事業年度分ノ臨時利
得稅ニ付テハ第十四條ノ改正規定ニ拘ラ
ズ甲種利得ニ對スル臨時利得稅ノ稅率
ヲ利得金額ノ百分ノ十五トス
第五條北支事件特別稅法第八條ノ規定
ヲ適用スル場合ニ於テハ法人ノ甲種利
得ニ對スル臨時利得稅額ヲ以テ同條ニ
規定スル臨時利得稅額トス
第六條臨時利得稅法第十六條ノ規定中
三月十五日トアルハ昭和十三年ニ限リ
四月十五日トス
臨時租稅措置法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時租稅措置法案
臨時租稅措置法
第一條當分ノ内本法ニ依リ田畑地租、
營業收益稅、鑛產稅、特別鑛產稅及織
物消費稅ヲ輕減又ハ免除シ砂金以外ノ
砂鑛ニ付特別砂鑛區稅ヲ課ス
第二條個人ノ田畑自作ノ所得ガ平常所
得ニ對シ二割五分以上減少シタルトキ
ハ其ノ納付スル田畑地租ヲ輕減ス
第三條田畑地租ノ輕減額ハ田畑自作ノ
所得ガ平常所得ニ對シ減少シタル割合
ニ從ヒ左ノ割合ノ金額トス
減少割合ガ二割五
分以上三割五分未
滿ナルトキ田畑地租額ノ
二割
同三割五分以上五
割未滿ナルトキ田畑地租額ノ
三割
同五割以上七割未
滿ナルトキ田畑地租額ノ
四割
同七割以上ナルト
キ田畑地租額ノ
五割
前項ノ輕減額ハ自作ノ田畑ニ對スル其
ノ年分ノ地租額ニ付之ヲ計算ス
第四條平常所得ハ昭和十一年以前三年
ノ田畑自作ノ平均所得ニ依ル但シ昭和
十二年一月一日ヨリ新ニ田畑自作ヲ開
始シタル者ニ付テハ昭和十二年ノ所得
二枚ノ
前項ニ規定スルモノヲ除クノ外平常所
得ノ算定ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ
以テ之ヲ定ム
第五條田畑地租ノ輕減ヲ受ケントスル
者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政
府ニ申請スベシ
第六條田畑地租ノ輕減ヲ申請シタル者
ノ田畑自作ノ所得ハ政府ノ調査ニ依リ
其ノ年第三種ノ所得金額ヲ決定スル時
期ニ於テ政府之ヲ確定ス
第七條所得稅法第十四條第一項第六號
ノ規定及同條第三項中相續シタル資產
ノ所得計算ニ關スル規定ハ本法ニ依ル
田畑自作ノ所得ノ計算ニ付之ヲ準用ス
第八條法人又ハ個人ノ營業(個人ニ付
テハ營業收益稅法第二條ニ揭グル營業
ヲ謂フ以下同ジ)ノ純益ガ平常純益ニ
對シ二割五分以上減少シタルトキハ其
ノ納付スル營業收益稅ヲ輕減ス
第九條營業收益稅ノ輕減額ハ營業ノ純
益ガ平常純益ニ對シ減少シタル割合ニ
從ヒ左ノ割合ノ金額トス
減少割合ガ二割五
分以上三割五分未
滿ナルトキ營業收益稅額
ノ二割
同三割五分以上五
割未滿ナルトキ營業收益稅額
ノ三割
同五割以上七割未
滿ナルトキ營業收益稅額
ノ四割
同七割以上ナルト
キ營業收益稅額
ノ五割
第十條法人ノ平常純益ハ昭和十一年以
前三年內ニ終了シタル各事業年度ノ平
均純益ニ依ル但シ第一次ノ事業年度ガ
昭和十二年中ニ終了シタル法人ニ付テ
ハ昭和十二年中ニ終了シタル各事業年
度ノ平均純益ニ依ル
個人ノ平常純益ハ昭和十一年以前三年
ノ平均純益ニ依ル但シ昭和十二年一月
一日ヨリ新ニ營業ヲ開始シタル個人ニ
付テハ昭和十二年ノ純益ニ依ル
前二項ニ規定スルモノヲ除クノ外法人
又ハ個人ノ平常純益ノ算定ニ關シ必要
ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條營業收益稅ノ輕減ヲ受ケント
スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨
ヲ政府ニ申請スベシ
第十二條左ノ各號ノ一ニ該當スル場合
ニ於テハ營業收益稅ヲ輕減セズ
-法人ノ營業ノ純益ガ年六千圓以上
ナルトキ又ハ資本金額ニ對シ年百分
ノ七ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ
超ユルトキ
二個人ノ營業ノ純益ガ六千圓以上ナ
ルトキ
三法人ノ資本金額ガ二十萬圓以上ナ
ルトキ
第十三條營業收益稅法第四條第一項ノ
規定ハ本法ニ依ル法人ノ營業ノ純益ノ
計算ニ付、同法第六條ノ規定ハ本法ニ
依ル個人ノ營業ノ純益ノ計算ニ付之ヲ
準用ス
所得稅法第六條乃至第八條ノ規定ハ本
法ニ依ル法人ノ資本金額ノ計算ニ付之
ヲ準用ス
第十四條田畑自作ノ所得又ハ個人ノ營
業ノ純益ニ付當初確定額ニ比シ減損ア
ル場合ニ於テハ政府ハ申請ニ依リ第二
條乃至第四條又ハ第八條乃至第十條及
第十二條ノ規定ニ準ジ田畑地租又ハ營
業收益稅ヲ輕減シ又ハ其ノ輕減稅額ヲ
變更スルコトヲ得
前項ノ規定ハ田畑自作ノ所得ガ所得確
定後相續又ハ贈與ニ因リ減損シタル場
合又ハ營業ノ純益ガ純益金額決定後營
業繼續ニ因リ減損シタル場合ニハ之ヲ
適用セズ
第一項ノ申請ハ翌年一月三十一日迄ニ
之ヲ爲スコトヲ要ス
第十五條前條ノ場合ニ於テ營業ノ純益
金額ガ當初決定額ニ比シ四分ノ一以上
ノ減損ト爲ルトキハ其ノ實際純益額ニ
基キ計算シタル營業收益稅額ニ付前條
ノ規定ニ依ル輕減又ハ變更ヲ爲ス
第十六條個人ノ營業收益稅ニ付純益金
額決定後翌年純益金額決定前ニ於テ營
業ヲ法人ニ繼續セシメタル者ノ當該營
業ノ實際純益額ガ決定純益額ヲ超過ス
ルトキハ其ノ超過額ハ之ヲ純益金額ノ
決定ニ付脫漏アリタルモノト看做シ翌
年ニ於ケル所得調査委員會ノ調査ニ依
リ政府ニ於テ其ノ純益金額ヲ決定スル
コトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該營業ノ實際純益
額ハ其ノ年ニ於ケル收入金額ヨリ必要
ノ經費ヲ控除シタル金額ニ依ル
第十七條第十四條第一項ノ申請アリタ
ルトキハ政府ハ其ノ處分ノ確定スルニ
至ル迄稅金ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
第十八條昭和十三年一月一日以後鑛區
ノ合併、分割又ハ分合ニ依ラズシテ設
定セラレタル採掘權ニ基キ其ノ鑛區ヨ
リ產出シタル鑛物ニシテ命令ヲ以テ指
定スルモノニハ鑛產稅又ハ特別鑛產稅
ヲ課セズ
第十九條命令ヲ以テ指定スル鑛物又ハ
其ノ鑛產物ノ每年ノ產出數量ガ昭和十
二年中ニ於ケル產出數量ヲ超過シタル
鑛業ノ鑛業權者ニハ其ノ超過部分(鑛
物及鑛產物ノ產出數量ガ何レモ超過シ
タルトキハ其ノ超過割合ノ大ナル一方
ノ超過部分)ニ付鑛產稅又ハ特別鑛產
稅ヲ免除ス
自己ノ掘採シタル鑛物ト他人ヨリ取得
シタル鑛物トヲ合併シ製鍊スル場合ニ
於テ其ノ取得鑛物ヨリ算出シタル鑛產
物ノ數量ハ前項ノ鑛產物ノ產出數量ニ
之ヲ算入セズ但シ其ノ取得鑛物ノ數量
ガ自己ノ掘採シタル鑛物ノ數量ヲ超過
スルトキハ其ノ超過部分ノ鑛物ヨリ產
出スル鑛產物ノ數量ニ付テハ此ノ限ニ
在ラズ
昭和十二年以後鑛業ノ全部又ハ一部ノ
繼續アリタル場合ニ於テハ當該部分ヨ
リ昭和十二年中ニ產出シタル鑛物又ハ其
ノ鑛產物ノ數量ハ之ヲ繼續者ノ昭和十
二年中ノ鑛物又ハ其ノ鑛產物ノ產出數
量ニ加算シ被繼續者ノ昭和十二年中ノ
鑛物又ハ其ノ鑛產物ノ產出數量ヨリ除
算シ第一項ノ超過部分ヲ計算ス
前項ノ繼續アリタル場合ニ於テハ被繼
續者ガ當該部分ヨリ其ノ年ニ於テ產出
シタル鑛物又ハ其ノ鑛產物ノ數量ハ之
ヲ繼續者ノ其ノ年ニ於ケル鑛物又ハ鑛
產物ノ產出數量ト看做ス
第二十條砂金以外ノ砂鑛ノ採取ヲ目的
トスル砂鑛權者ニハ左ノ稅率ニ依リ每
年特別砂鑛區稅ヲ課ス
河床砂鑛區域
一町每ニ金三十錢
河床ニ非
ザルモノ砂鑛區域
千坪每ニ金三十錢
前項ノ場合ニ於テ一町未滿又ハ千坪未
滿ノ端數ハ之ヲ一町又ハ千坪トシテ計
算ス
特別砂鑛區稅ノ賦課徵收ニ關シテハ鑛
區稅ノ賦課徵收ニ關スル規定ヲ準用ス
北海道、府縣、市町村其ノ他ノ公共團
體ハ特別砂鑛區稅ニ付附加稅ヲ課スル
コトヲ得ズ
第二十一條命令ヲ以テ定ムル混紡絲ハ
之ヲ織物消費稅法第一條及第一條ノ二
ニ規定スル綿又ハ綿絲ト看做ス
第二十二條綿絲又ハ前條ノ規定ニ依リ
綿絲ト看做シタル絲ト人造絹絲トヲ以
テ組成シタル織物ニシテ命令ヲ以テ定
ムルモノハ織物消費税法第一條ノ二ノ
規定ニ拘ラズ之ヲ綿織物ト看做ス
第二十三條本法ニ依リ輕減又ハ免除セ
ラルル租稅ハ法令上ノ納稅資格要件ニ
關シテハ輕減又ハ免除セラレザルモノ
ト看做ス
附則
第二十四條本法ハ昭和十三年四月一日
ヨリ之ヲ施行ス
第二十五條田畑地租ニ付テハ昭和十三
年分ヨリ、營業收益稅中法人ノ營業收
益稅ニ付テハ昭和十三年一月一日以後
ニ終了スル事業年度分、個人ノ營業收
益稅ニ付テハ昭和十三年分ヨリ本法ヲ
適用ス但シ第十六條ノ規定ハ昭和十二
年分營業收益稅ヨリ之ヲ適用ス
第二十六條鑛產稅及特別鑛產稅ニ付テ
ハ昭和十三年分ヨリ本法ヲ適用ス
第二十七條昭和十三年分ノ特別砂鑛區
稅ニ付テハ昭和十三年四月以後ノ月割
ヲ以テ其ノ稅額ヲ計算シ同年五月三十
一日迄ニ之ヲ納付セシム
第二十八條左ニ揭グル織物又ハ之ヲ以
テ製造シタル物品ニ付テハ仍從前ノ例
一枚八
-本法施行前消費稅ヲ課スベカリシ
モノ
二本法施行前輸出若ハ朝鮮移出ノ目
的ヲ以テ又ハ織物消費稅法第七條ノ
規定ニ依リテ消費稅ヲ納付セズシテ
製造場又ハ保稅地域ヨリ引取リタル
モノ
三本法施行前消費稅ノ徵收ヲ猶豫シ
タルモノ
四本法施行前消費稅ヲ納付シテ輸出
シ又ハ朝鮮ニ移出シタルモノ
第二十九條本法施行前消費稅ヲ納付シ
タル織物ニシテ本法ニ依リ消費稅ヲ課
セザルコトト爲リタルモノ又ハ之ヲ以
テ製造シタル物品ヲ本法施行後輸出シ
又ハ朝鮮ニ移出スルモ織物消費稅法第
三條第二項ノ規定及大正九年法律第五
十一號ヲ適用セズ
第三十條本法ハ支那事變終了後其ノ年
ノ翌年十二月三十一日迄ニ之ヲ廢止ス
ルモノトス
日滿國稅徵收事務共助法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
日滿國稅徵收事務共助法案
日滿國稅徵收事務共助法
第一條國稅、督促手數料、延滯金若ハ
滯納處分費ヲ徴收セラルベキ者又ハ其
ノ者ノ財產ガ滿洲國內ニ在ルトキハ當
該官吏ハ命令ノ定ムル所ニ依リ滿洲國
ノ當該官吏ニ其ノ徵收ヲ囑託スルコト
ヲ得
第二條滿洲國ノ國稅、督促手數料、延
滯金若ハ滯納處分費ヲ徴收セラルベキ
者又ハ其ノ者ノ財產ガ帝國內ニ在ル場
合ニ於テ滿洲國ノ當該官吏ノ囑託アル
トキハ當該官吏ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ滿洲國ノ當該國稅、督促手數料、延
滯金又ハ滯納處分費ヲ徴收シ之ヲ滿洲
國ノ當該官吏ニ送付スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於ケル徵收金ノ徵收ハ別
段ノ規定アル場合ヲ除クノ外帝國ノ當
該法令ニ依ル
第三條前條ノ規定ニ依ル徵收金ハ國稅
徵收ノ例ニ依リテ徵收スルコトヲ得ベ
キ請求權ニ次ギ先取特權ヲ有ス
第四條第二條ノ規定ニ依ル徵收金ノ滯
納處分ニ對シ不服アル者ハ國稅滯納處
分ノ場合ニ準ジ訴願ヲ爲シ又ハ行政裁
判所ニ出訴スルコトヲ得
第五條第二條ノ規定ニ依ル徵收金ノ徵
收及送付ノ費用ハ帝國ノ負擔トス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
國稅徵收法第四條ノ一第二號ヲ左ノ如ク
改ム
二府縣稅其ノ他ノ公課又ハ徵收ノ囑
託ヲ受ケタル滿洲國ノ國稅ニ付滯納
處分ヲ受クルトキ
本邦內ニ於テ募集シタル外國債ノ待遇
ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
本邦內ニ於テ募集シタル外國債ノ待遇
ニ關スル法律案
本邦內ニ於テ募集シタル命令ノ定ムル外
國債ハ租稅ノ賦課又ハ納稅ノ擔保ニ關シ
テハ之ヲ國債ト看做ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前募集シタル外國債ニハ本法ヲ
適用セズ
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=5
-
006・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシク支那事變特別稅法案外十二件ノ政府
提出ノ法律案ニ付キマシテ、提案ノ理由ヲ
說明致シタイト存ジマス、先ヅ臨時租稅增
徵法中改正法律案、所得稅法中改正法律案、
相續稅法中改正法律案、登錄稅法中改正法
律案、酒造稅法中改正法律案、酒精及酒精
含有飮料稅法中改正法律案、麥酒稅法中改
正法律案、及大正九年法律第十二號中改正
法律案ノ八件ノ法律案ニ付キマシテ先ヅ御
說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、政府ハ中央
及地方ヲ通ズル稅制ノ全般的改正ヲ行フベ
ク調査〓究ヲ續ケテ參ッタノデアリマスル
ガ、支那事變ニ因リマシテ稅制ノ基礎トナ
ルベキ經濟事情、及ビ國民ノ負擔力ニ相當
ノ變化ヲ生ジツヽアリマスルノデ、之ヲ當分
見合セルコトニ致シタノデアリマス、併シ
ナガラ現行租稅制度ノ上ニ於キマシテ、出
來得ル限リ負擔ノ適正ヲ圖ル爲、部分的事
項ニ付キマシテ改正スルノ必要ヲ認メマシ
タノデ、是等稅法ノ改正ヲ致シタイト存ズ
ルノデアリマス、各法案ノ內容ニ付テ中上
ゲマスルト、先ヅ臨時租稅增徵法ニ付キマ
シテハ、第三種所得稅ト相續稅等ノ增徵割
合ガ、階級割增率ニ依ッテ居リマスルガ、超
過累進稅率ニ依ル增徵ニ改ムルコトガ適當
ト認メマシタ次第デアリマス、次ニ所得稅
ニ於キマシテハ、退職ニ依ル給與ニシテ五
千圓ヲ超ユル場合ハ、他ノ所得トノ負擔ノ
權衡ニ顧ミ之ニ課稅スルコトト致シ、其ノ
他課稅ノ適正ヲ期スル爲、所得金額ノ追加
決定ヲ爲シ得ベキ期間ヲ延長シ、又所得調査
委員ノ爲ス稅務ノ代理ニ付、兎角弊害ヲ生
ジ易キ情況ニ顧ミ、之ガ取締規定ヲ設クル
等、必要ナル改正ヲ加フルコトニ致シタノ
デアリマス、相續稅ニ付キマシテ、負擔ノ
衡平ヲ期スル爲、先ヅ相續財產ノ所在ヲ問
ハノ、總テ之ヲ綜合シテ課スルコトヲ原則
ト致シマシタ、尙被相續人ノ死亡ニ因リ相
續人ノ受ケル生命保險金ガ五千圓以上デア
ル場合ニ於テハ、他ノ相續財產ニ加算シテ
課稅スルコトト致シタ次第デアリマス、其
ノ他負擔ノ適正ヲ期スル爲、贈與ニ對スル
課稅ヲ不動產及船舶ニ及シマシタ外、納稅
者ノ負擔ヲ緩和スル爲、信託ノ課稅時期ニ
付改正ヲ加ヘルコトト致シマシタ、登錄稅
ニ付キマシテハ不動產ノ負擔ヲ緩和スル爲、
不動產ノ登錄稅ノ一部ヲ輕減スルコトト致
シタノデアリマス、酒稅ニ付キマシテハ、
酒稅ノ保全ヲ期スル爲、酒類ノ販賣業ニ付
免許制度ヲ採用スルコトト致シ、ソレ〓〓〓
關係稅法ヲ改正スルコトト致シマシタ次第
デアリマス、尙南洋群島ニ所得稅ヲ創設ス
ルコトトナリマシタノデ、大正九年法律第
十二號ヲ改正スルノ必要ヲ認メタノデアリ
やく、次ニ支那事變特別稅法案竝ニ臨時利
得稅法中改正法律案ニ付テ說明ヲ申上ゲマ
ス、支那事變ニ關スル臨時軍事費ニ付キマ
シテハ、第七十一議會及第七十一一議會ノ御
協賛ヲ得マシテ、之ガ經費ヲ支辨シ來ッテ居
ルノデアリマスルガ、今囘更ニ之ヲ增額ス
ルノ必要ヲ生ジマシタノデ、今囘臨時軍事
費追加豫算案ヲ提出致シマシテ、御協賛ヲ經
マシタ次第デアリマスルガ、此ノ追加豫算案ニ
於キマシテハ、其ノ財源ノ大部分ハ之ヲ公債
ニ俟ツコトト致シタノデアリマス、併シナガラ
其ノ一部ハ銃後ノ國民ガ、租稅ヲ以テ其ノ
分ニ應ジ負擔スルヲ適當ト認メマシタノデ、
玆ニ增稅案ヲ提出致シタ次第デアリマス、
租稅ノ增徵ニ當リマシテハ、政府ハ國民ノ
負擔力ニ留意シ、所得稅ヲ中心ト致シテ增
收ヲ圖ルコトト致シ、又事變ノ影響ニ依リ
利益ノ著シク增加シクモノニ對シテハ、新
タニ標準ヲ設ケテ其ノ增加利益ニ課稅スル
ト共ニ、比較的擔稅力ノアル方面ノ消費ス
ル物品、又ハ行爲ニ課稅スル爲、物品特別
稅ノ範圍ヲ擴張シ、新タニ通行稅、入場稅
ヲ創設スルコトト致シタノデアリマス、尙
昨年御協贊ヲ得マシテ目下施行セラレテ居
リマスル北支事件特別稅ハ、今囘ノ增稅案
ノ施行ト共ニ廢止セラレル豫定デアリマス、
是ヨリ法案ノ內容ニ付テ、〓略ヲ申上ゲマ
ス、所得稅ニ付テハ其ノ負擔ヲ二割五分程
度引上グルコトト致シマシクガ、北支事件
特別稅ニ於テ、稅額ノ一割程度ノ增徵ヲ行ッ
テ居ルノデアリマスカラ、今囘ノ增徵ニ因
ル負擔ノ增加ハ一割五分程度ニ止ルノデア
リマス、尙法人ノ所得稅ニ付テハ、超過所
得ニ對スル增徵額ハ北支事件特別稅ト同樣
之ヲ一割程度ニ止メ、第二種所得稅ニ於テ
ハ、國債ノ消化竝ニ產業資金ノ疏通等ヲ考
慮致シマシテ、國債ノ利子ニ付テハ利率年四
分以上ノモノニ對シテハ增徵ヲ見合セ、又
地方債竝ニ社債ノ利子ニ付テハ、利率年四
分五厘以下ノモノ、銀行預金ノ利子、貸付
信託ノ利益ニ付テハ、其ノ增徵率ヲ少ク致
シテ居ルノデアリマス、第三種卽チ個人ノ
所得稅ニ付キマシテハ、其ノ課稅ノ最低限
千二百圓ヲ千圓ニ引下ゲマシテ、國民ノ所
得稅ヲ負擔スル範圍ヲ廣ク致シタノデアリ
マス、臨時利得稅ニ付キマシテハ、北支事
件特別稅ト同樣ノ課稅デアリマスガ、更二
支那事變ノ影響等ニ依リマシテ、利益ノ增
大スルモノニ對シマシテハ、此ノ際增徵スル
コトヲ適當ト認メマシテ、昭和九年、十年、
十一年ノ三箇年ノ平均利益ヲ超過スル利得
ニ對シ、法人ニ付テハ百分ノ三十、個人ニ
付テハ百分ノ二十ノ稅率ニ依リ、新タニ課
稅スルコトニ致シタノデアリマス、尤モ資
本金十萬圓以下ノ法人ニ付テハ稍〓之ヲ緩和
致シマシテ、小資本ノ法人ニ對シテハ增徴
ニ因ル負擔ノ增加ノ緩和ヲ圖ッタ次第デア
リマス、尙各種ノ租稅ノ增徵ノ結果、其ノ
負擔ガ特ニ過重トナル場合ガアリマスノデ、
其ノ負擔ノ總額ヲ限定致シマスル所ノ負擔緩
和ノ規定ヲ設ケタ次第デアリマス、利益配
當稅及ビ公債及社債利子稅ハ、配當ニ付テ
ハ配當率年七分ヲ超ユル金額、國債ニ付テ
ハ利率年四分、其ノ他ノ公債及社債ニ付テ
ハ利率年四分五厘ヲ超ユル金額ニ對シ百分
ノ十ノ稅率ヲ以テ課稅スルコトトナッテ居
リマスガ、是ハ北支事件特別稅ト同樣デア
リマス、又法人資本稅ニ付テハ新タニ二割
ヲ增徵スルコトト致シタノデアリマス、次
ニ砂糖消費稅ニ付テハ稅額ニ付約一割ノ增
徵ヲナスト共ニ、其ノ徴收ヲ猶豫スル期間
ヲ此ノ際三箇月短縮スルコトト致シ、取引
所稅ニ付テハ、株式ノ賣買取引ニ對スル取
引稅ノ稅率ヲ、長期ニ付テハ約三割三分ヲ
引上ゲ萬分ノ六ニ致シ、短期ニ付テハ約四
割八分ヲ引上ゲ萬分ノ四ニ致シタノデアリ
やく、通行稅ハ汽車汽船等ノ乘客ニ對シ課
稅スルノデアリマスガ、五十粁未滿ノ三等
乘客ニ對シマシテハ、其ノ負擔力ヲ考慮
シ、課稅ヲ差控ヘタノデアリマス、而シテ
其ノ稅率ハ、距離ト等級ニ應ジタル階級定
額稅率ヲ設クルコトニ致シマシタ、入場稅
ハ劇場、活動寫眞館、舞踏場、「ゴルフ」場、
野球場、競馬場等ノ入場者ニ對シ、大體其
ノ入場料金ノ百分ノ十ノ稅率ヲ以テ課稅ス
ルコトニ致シマシタ、學生ノ運動競技等ヲ
觀覽スル爲入場スル者ニ對シテハ、特別入
場稅ヲ課稅スルコトニ致シタノデアリマス、
又物品稅ニ付テハ、北支事件特別税法ニ依
リ物品特別稅ヲ設ケタノデアリマスルガ、
今囘更ニ其ノ課稅品目ノ範圍ヲ擴張致シマ
シテ、比較的擔稅力アル方面ノ消費スル物
品ニ課稅スルコトニ致シタノデアリマス、
其ノ稅率ハ北支事件特別稅法ニ於テハ、總
テ百分ノ二十デアリマシタガ、今囘ハ之ヲ
百分ノ十五及百分ノ十ニ輕減ヲ致シタノデ
アリマス、其ノ外酒類及燐寸ニ對シマシテ
モ、物品稅ヲ課スルコトト致シ、其ノ稅率
ハ〓酒其ノ他酒類ニ付テハ、一石ニ付テ五
圓、酒精及酒精含有飮料ニ付テハ一石ニ付
七圓、萄葡酒ニ付テハ一石ニ付十五圓、燐
火ニ付テハ千本ニ付五錢ノ割合デアリマ
ス、以上申述べマシタ增稅計畫ニ依リマシ
テ、平年度ノ收入ハ、所得稅ニ於テ一億二
千六百餘萬圓、臨時利得稅ニ於テ三千九百
餘萬圓、利益配當稅ニ於テ三千九百餘萬
圓、公債及社債利子稅ニ於テ二百餘萬圓、
法人資本稅ニ於テ三百餘萬圓、砂糖消費
稅ニ於テ一千餘萬圓、取引所稅ニ於テ
九百餘萬圓、通行稅ニ於テ八百餘萬圓、
入場稅及特別入場稅ニ於テ一千百餘萬圓、
物品稅ニ於テ六千四百餘萬圓、合計ニ於テ
約三億一千八百萬圓ノ增收トナル見込デア
リマスガ、初年度タル昭和十三年度ニ於キ
マシテハ約三億六百萬圓ノ增收トナル見込
デアリマス、是等ノ收入ハ煙草ノ一部ノ値
上ニ因ル昭和十三年度ニ於ケル增收約一千
餘萬圓ト共ニ、全部臨時軍事費ノ財源ニ充
テル計畫デアリマス、次ニ臨時租稅措置法
案ニ付テ說明ヲ致シマス、中小商工業者又
ハ自作農者ノ中ニアリマシテ、支那事變ノ
影響等ニ因リマシテ、其ノ收益ノ相當減少
シテ居ル者モアルト認メラレマスノデ、是
等ノ人々ノ負擔スル地租ハ營業收益稅ヲ、
現行法ノ儘賦課徴收致シマスルコトハ適當
デナイト存ジマシテ、玆ニ臨時的措置ト致
シ、特ニ地租及營業收益稅ノ稅額ヲ輕減シ、
收益ノ減少致シマシタ是等ノ者ニ對シ、其
ノ負擔ヲ輕減致シタイト存ズルノデアリマ
ス、尙本案ノ施行ニ伴ヒマシテ、地方附加
稅及地方稅ニ付テモ相當輕減スルコトト致
シタイト思フノデアリマス、又我ガ國ニ於
キマシテ、此ノ際必要トスル鑛產物ノ產出
ノ助長ヲ圖ル趣旨ヲ以チマシテ、金鑛、銅
鑛亞鉛鑛、錫鑛等ノ鑛物ニ付、新タニ採
掘權ヲ設定シタル場合、及昭和十二年中ニ
產出數量ヲ超過致シマシタ場合ニハ、其ノ
鑛物ニ付鑛產稅ヲ免除スルコトト致シ、又
砂金以外ノ砂鑛ニ付特別砂鑛區稅ヲ課スル
コトト致シマシタガ、是ハ是等ノ砂鑛區ニ
付其ノ採掘量ヲ增加セシメムトスル趣旨デ
アリマス、其ノ他棉花ノ節約ニ資スル爲、
「ステープル·フアイバー」、麻等ヲ混紡シク
ル綿絲ニ依ル織物ノ一部ガ、現在課稅セラ
レテ居リマスルノヲ課稅外ニ置クコトト致
シタノデアリマス、以上中述べマシタ臨時
的措置ニ依リマシテ、大體平年度ニ於キマ
シテハ、地租、營業收益稅、鑛產稅、織物消
費稅等ノ減收額合計約四百餘萬圓、地方稅
ニアリテハ地租附加稅、營業收益稅附加稅
等ノ減收額、合計六百餘萬圓、合セマシテ
約一千萬圓ノ減收トナル見込デアリマス、
次ニ日滿國稅徵收事務共助法案ニ付キマシ
テ說明ヲ致シマス、近時滿洲國ノ發展ニ伴
ヒマシテ、日滿兩國間ノ交通頻繁トナリツヽ
アルノニ顧ミマシテ、兩國相互間ニ國稅
徴收事務ノ共助ヲ爲シ得ルノ途ヲ開クコト
ト致シ、玆ニ本案ヲ提出致シタ次第デアリ
マス、最後ニ本邦內ニ於テ募集シタル外國
債ノ待遇ニ關スル法律案ニ付テ說明ヲ申上
ゲマス、我ガ國ノ國債ニ對シマシテハ、租
稅ノ賦課竝ニ納稅ノ擔保ニ付、其ノ性質上
他ノ有價證劵ニ比シ特例ガ設ケラレテ居ル
ノデアリマスルガ、外國ノ國債ニ付キマシ
テハ、斯カル取扱ヲ未ダ致シテ居ラナイノ
デアリマス、然ルニ外國ノ國債ニ付キマシ
テモ、我ガ國內ニ於テ募集セラレタルモノ
ニ付テハ、此ノ際一定條件ノ下ニ、我ガ國
ノ國債ト同樣ノ待遇ヲ與ヘ、其ノ發行ニ便
宜アラシメタイト存ズルノデアリマス、差當
リ是ハ滿洲國ノ國債ニ其ノ適用アリト認メ
ラレルノデアリマス、以上ハ支那事變特別稅
法案外十二件ノ、政府提出法律案ノ〓略ノ
說明デアリマスルガ、衆議院ニ於キマシテハ、
之ニ對シマシテ次ニ述ブル諸點ニ付テ修正ヲ
加ヘタノデアリマス、衆議院ノ修正ノ第一點
ハ、相續稅法中改正法律案ニ關スルモノデア
リマシテ、生命保險金等ハ金額五千圓以上ノ
モノニハ、其ノ金額ニ對シ課稅スルコト
ニナッテ居リマシタノヲ、五千圓ヲ控除シ
タル殘額ニ對シ課稅スルコトニ致シタノ
デアリマス、其ノ他ノ修正ハ全部支那事變
特別稅法案ニ關スルモノデアリマシテ、修
正ノ第二點ハ所得稅中第一種所得稅及第三
種所得稅ノ增徵割合、原案ハ二割五分トナッ
テ居リマシタモノヲ、二割二分五厘ト致シ
タノデアリマス、修正ノ第三點ハ砂糖消費
稅ノ增徴率ニ付、原案ニ比シ百斤ニ付十錢
方ノ引下ヲ爲シタノデアリマス、修正ノ第
四點ハ入場稅ニ付テ一人一囘ノ入場料十九
錢未滿ノ場合ハ之ヲ免稅スルコトニナッテ
居リマシタノヲ、二十三錢未滿ノ場合ヲ免
稅ト變更致シタノデアリマス、尙其ノ外ニ
二點ノ修正ガアリマシタノデアリマス、衆
議院ノ修正ニ付キマシテハ御審議ノ結果、
貴族院ニ於テモ右修正ニ御贊成ガアリマシ
タ場合ニハ、政府ハ右ノ修正ニ依リ實行ヲ
致ス考デアリマス、以上諸法案ニ付政府ノ
原案竝ニ衆議院ニ於ケル修正ニ關シマシテ、
其ノ大體ヲ說明致シマシタガ、尙詳細ノ點
ニ付キマシテハ、委員會等適當ノ機會ニ於
テ說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、何卒御審
議ノ上速カニ各法案ノ設立ヲ見ルニ至ラム
コトヲ希望シテ已マナイ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=6
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007・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
支那事變特別稅法案外十二件ハ、重要ナル
法案デゴザイマスルガ故ニ、其ノ特別委員
ノ數ヲ二十五名トシ、其ノ指名ヲ議長ニ一
任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=7
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008・池田政時
○子爵池田政時君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=8
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009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=9
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010・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔石橋書記官朗讀〕
支那事變特別稅法案外十二件特別委員
公爵岩倉具榮君侯爵大隈信常君
伯爵酒井忠正君子爵前田利定君
子爵大河内輝耕君子爵西尾忠方君
子爵裏松友光君內田重成君
勝田主計君男爵赤松範一君
男爵松岡均平君男爵北島貴孝君
男爵松平外與麿君男爵深尾隆太郞君
三浦新七君河田烈君
西野元君加藤政之助君
各務鎌吉君森平兵衛君
小倉正恒君橋本辰二郞君
田中德兵衞君絲原武太郞君
大和田健三郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=10
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011・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十四、硫
酸アンモニア增產及配給統制法案、日程第
十五、臨時農村負債處理法案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會、是等ノ二案ヲ一括
致シマシテ議題トスルコトニ御異議ハゴザ
イマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=11
-
012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、有馬農林大臣
硫酸アンモニア增產及配給統制法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
硫酸アンモニア增產及配給統制法案
硫酸アンモニア增產及配給統制法
第一條政府ノ認可ヲ受ケ本法施行後五
年以內ニ於テ政府ノ指定スル期間內ニ
命令ノ定ムル硫酸アンモニア製造設備
ノ新設又ハ增設ヲ爲シタル硫酸アンモ
ニア製造業者ニハ命令ノ定ムル所ニ依
リ設備完成ノ年及其ノ翌年ヨリ五年間
其ノ設備ヲ以テ營ム硫酸アンモニア製造
業ニ付所得稅及營業收益稅ヲ免除ス
前項ノ硫酸アンモニア製造業者其ノ設
備完成前其ノ設備ノ一部ヲ以テ硫酸ア
ンモニア製造業ヲ營ム場合ニ於テモ其
ノ事業ニ付所得稅及營業收益稅ヲ免除
ス但シ前項ノ規定ニ依ル期間內ニ設備
ヲ完成セザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二條北海道、府縣及市町村其ノ他之
ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依リ所
得稅及營業收益稅ヲ免除セラレタル硫
酸アンモニア製造業者ニハ其ノ免除セ
ラレタル事業ニ對シ地方稅ヲ課スルコ
トヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ政府ノ
認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三條硫酸アンモニア製造業ヲ繼續ス
ル者又ハ其ノ事業ヲ繼續スルモノト認
ムベキ事實アル者ハ前事業者ガ本法ニ
依ル所得稅及營業收益稅免除期間內ニ
在ルトキハ其ノ期間ヲ承繼ス
第四條第一條第一項ニ規定スル硫酸ア
ンモニア製造業ノ爲必要ナル器具又ハ
機械ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸入スルトキ
ハ本法施行ノ日ヨリ五年間勅令ノ定ム
ル所ニ依リ輸入稅ヲ免除ス
第五條第一條第一項ニ規定スル硫酸ア
ンモニア製造業ハ土地收用法第二條ノ
土地ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得ル事
業トシ同法ヲ適用ス
第六條硫酸アンモニア製造業者タル株
式會社ハ事業擴張ノ場合ニ於テ政府ノ
認可ヲ受ケ其ノ事業ニ屬スル設備ノ費
用ニ充ツル爲株金全額拂込前ト雖モ其
ノ資本ヲ增加スルコトヲ得
第七條硫酸アンモニア製造業者タル株
式會社ハ政府ノ認可ヲ受ケ其ノ事業ニ
屬スル設備ノ費用ニ充ツル爲商法ニ規
定スル制限ヲ超エテ社債ヲ募集スルコ
トヲ得但シ社債ノ總額ハ拂込ミタル株
金額ノ二倍ヲ超ユルコトヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存ス
ル財產ガ拂込ミタル株金額ニ滿タザル
トキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
第一項ノ規定ニ依リ募集スル社債ニ付
テハ工場抵當法ニ依リ會社ノ事業ニ屬
スルモノヲ抵當ト爲スコトヲ要ス但シ特
別ノ事情アル場合ニ於テ政府其ノ必要
ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第八條政府公益上必要アリト認ムルト
キハ硫酸アンモニア製造業者ニ對シ硫
酸アンモニア製造設備ノ增設又ハ改良
ヲ命ズルコトヲ得
政府ハ硫酸アンモニア製造業者ノ行フ
硫酸アンモニア製造事業ニ依リ硫酸ア
ンモニアノ供給ヲ確保スルコト困難ナ
リト認ムルトキハ日本硫安株式會社ニ
對シ硫酸アンモニア製造設備ノ新設、
增設又ハ改良ヲ命ズルコトヲ得
政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前二項ノ
規定ニ依リ爲シタル命令ニ因リ生ジタ
ル損失ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第九條政府公益上必要アリト認ムルト
キハ日本硫安株式會社ニ對シ硫酸アン
モニアノ配給統制上又ハ供給確保上必
要ナル事業ヲ行フベキコトヲ命ズルコ
トヲ得
第十條硫酸アンモニア製造業者及命令
ヲ以テ定ムル硫酸アンモニアノ取扱ヲ
爲ス者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ製
造又ハ取扱ニ係ル硫酸アンモニアヲ日
本硫安株式會社ニ賣渡スベシ
第十一條政府ハ硫酸アンモニア製造業
者又ハ前條ニ規定スル硫酸アンモニア
ノ取扱ヲ爲ス者ニ對シ其ノ業務及財產
ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシメ又ハ帳簿
書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲スコトヲ
得
第十二條日本硫安株式會社ハ硫酸アン
モニアノ需給ノ圓滑及價格ノ公正ヲ圖
ル爲必要ナル事業ヲ營ムコトヲ目的ト
スル株式會社トス
第十三條日本硫安株式會社ノ資本ハ一
千萬圓トス但シ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ
增加スルコトヲ得
第十四條日本硫安株式會社ハ株金全額
拂込前ト雖モ其ノ資本ヲ增加スルコト
ヲ得
第十五條日本硫安株式會社ノ株式ハ記
名式トシ政府、公共團體、帝國臣民又
ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本ノ
半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人
又ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限リ之
ヲ所有スルコトヲ得
第十六條日本硫安株式會社ニ非ザルモ
ノハ日本硫安株式會社又ハ之ニ類似ノ
名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコトヲ得ズ
第十七條日本硫安株式會社ニ取締役五
人以上及監査役二人以上ヲ置ク
取締役ハ株主總會ニ於テ選擧シタル候
補者中ヨリ政府之ヲ命ズ
第十八條日本硫安株式會社ハ左ノ事業
ヲ營ムモノトス
一硫酸アンモニアノ買入及販賣
二硫酸アンモニアノ輸出、輸入、移
出及移入
三硫酸アンモニアノ製造其ノ他硫酸
アンモニアノ供給確保上必要ナル事
業但シ硫酸アンモニアノ製造ハ硫酸
アンモニア製造業者ノ行フ硫酸アン
モニア製造事業ニ依リ硫酸アンモニ
アノ供給ヲ確保スルコト困難ナリト
認メラルル場合ニ限ル
四其ノ他硫酸アンモニアノ需給ノ圓
滑及價格ノ公正ヲ圖ル爲必要ナル事
業
前項第三號又ハ第四號ニ揭グル事業ヲ
營マントスルトキハ政府ノ認可ヲ受ク
ベシ
第十九條日本硫安株式會社ハ拂込ミタ
ル株金額ノ五倍ヲ限リ硫安債劵ヲ發行
スルコトヲ得
硫安債劵ヲ發行スル場合ニ於テハ商法
第二百九條ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ
要セズ
第二十條硫安債劵ヲ發行セントスル場
合ニ於テハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第二十一條政府ハ硫安債劵ノ元本ノ償
還及利息ノ支拂ニ付保證スルコトヲ得
第二十二條硫安債劵ハ無記名式トス但
シ應募者又ハ所有者ノ請求ニ因リ記名
式ト爲スコトヲ得
第二十三條硫安債劵ノ所有者ハ日本硫
安株式會社ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先
チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ
有ス
第二十四條日本硫安株式會社ハ社債借
換ノ爲一時第十九條ノ制限ニ依ラズ硫
安債劵ヲ發行スルコトヲ得此ノ場合ニ
於テハ發行後一月以內ニ其ノ社債總額
ニ相當スル舊硫安債劵ヲ償還スベシ
第二十五條日本硫安株式會社ハ每營業
年度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補フ爲
利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立ツベシ
第二十六條日本硫安株式會社ハ拂込ミ
タル株金額ニ對シ勅令ヲ以テ定ムル割
合ヲ超エテ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ得
ズ
第二十七條政府ハ日本硫安株式會社ノ
業務ヲ監督ス
第二十八條日本硫安株式會社借入金ヲ
爲サントスルトキハ政府ノ認可ヲ受ク
ベシ
第二十九條日本硫安株式會社ノ定款ノ
變更、利益金ノ處分、合併及解散ノ決
議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其
ノ效力ヲ生ゼズ
第三十條日本硫安株式會社ハ每營業年
度ノ事業計畫ヲ定メ政府ノ認可ヲ受ク
ベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第三十一條日本硫安株式會社ハ命令ヲ
以テ定ムル場合ヲ除クノ外政府ノ認可
ヲ受ケタル價格ニ依ルニ非ザレバ硫酸
アンモニアノ買入、販賣、輸出、輸入、
移出又ハ移入ヲ爲スコトヲ得ズ
第三十二條政府ハ日本硫安株式會社ノ
業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ爲ス
コトヲ得
第三十三條政府ハ日本硫安株式會社監
理官ヲ置キ日本硫安株式會社ノ業務ヲ
監視セシム
第三十四條日本硫安株式會社監理官ハ
何時ニテモ日本硫安株式會社ノ帳簿書
類、金庫其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
日本硫安株式會社監理官必要ト認ムル
トキハ何時ニテモ日本硫安株式會社ニ
命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀況ヲ
報告セシムルコトヲ得
日本硫安株式會社監理官ハ株主總會其
ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述ス
ルコトヲ得
第三十五條政府日本硫安株式會社ノ決
議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ基キ
テ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益
ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消
シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第三十六條重要肥料業統制法第十條第
一項ノ規定ハ日本硫安株式會社ニ付テ
ハ之ヲ適用セズ
第三十七條第九條ノ規定ニ依ル命令又
ハ第十條若ハ第三十一條ノ規定ニ違反
シタル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十八條第八條第一項又ハ第二項ノ
規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ二千
圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十九條第十一條ノ規定ニ依ル報〓
ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ報〓ヲ爲シ又ハ檢
査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ五
百圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十條人又ハ法人ノ代理人、戶主、
家族、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務
ニ關シ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命
令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタ
ルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ
以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十一條本法又ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者
ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他
ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成
年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定
代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成
年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ
付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十二條左ノ場合ニ於テハ日本硫安
株式會社ノ取締役又ハ其ノ職務ヲ行フ
監査役ヲ百圓以上二千圓以下ノ過料ニ
處ス
本法ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ
於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第十八條第一項ノ規定ニ依ラズシ
テ業務ヲ營ミタルトキ
三第十九條ノ規定ニ違反シ硫安債劵
ヲ發行シタルトキ
四第二十四條ノ規定ニ違反シ硫安債
劵ノ償還ヲ爲サザルトキ
五第三十二條ノ規定ニ依ル命令ニ違
反シタルトキ
第四十三條第十六條ノ規定ニ違反シタ
ル者ハ十圓以上百圓以下ノ過料ニ處ス
第四十四條非訟事件手續法第二百六條
乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料
ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
臨時肥料配給統制法第一條第一項ノ規定
ニ依リ硫酸アンモニアノ配給統制上必要ナ
ル事業ヲ行フベキコトヲ命ゼラレタル株
式會社ハ命令ノ定ムル所ニ依リ商法第二
百九條ニ定ムル株主總會ノ決議ヲ以テ之
ヲ日本硫安株式會社ト爲スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ同時ニ名稱ノ變更其
ノ他定款ノ變更ノ決議ヲ爲シ且第十七條
第二項ノ取締役候補者ノ選擧ヲ行フコト
乙酸、
前二項ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非
ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二項ノ決議ナキ場合ニ於テハ政府ハ設
立委員ヲ命ジ日本硫安株式會社ノ設立ニ
關スル一切ノ事務ヲ處理セシム
設立委員ハ定款ヲ作成シ政府ノ認可ヲ受
クベシ
前二項ニ定ムルモノノ外日本硫安株式會
社ノ設立ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
登錄稅法第六條第一項第十一號中「東北
興業債劵」ノ下ニ「、硫安債劵」ヲ加フ
臨時農村負債處理法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十三年三月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時農村負債處理法案
臨時農村負債處理法
第一條本法ハ支那事變又ハ支那事變ニ
際シテノ滿洲ニ於ケル軍事行動ニ關シ
戰鬪其ノ他ノ公務ニ從事シ爲ニ死歿シ
タル者ノ遺族又ハ之ガ爲傷痍ヲ受ケ若ハ
疾病ニ罹リタル者若ハ其ノ家族ニシテ
農山漁村ニ居住スルモノ(以下戰死傷
者遺家族ト稱ス)ノ經濟更生ヲ圖ル爲其
ノ負債ヲ處理スルコトヲ目的トス
戰死傷者遺家族ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之
マルム
第二條本法ニ於テ負債トハ戰死傷者遺
家族ノ負擔スル私法上ノ金錢債務ヲ謂
フ
前項ノ債務ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
第三條戰死傷者遺家族本法ニ依リ負債
ヲ處理セントスルトキハ本人又ハ市町
村長其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ハ道府
縣臨時負債處理委員會(以下委員會
ト稱ス)ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ
其ノ旨ヲ申出ヅルコトヲ得
委員會前項ノ申出ヲ受理シタルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ戰死傷者遺
家族及債權者間ニ於ケル負債ノ金額、
利率、償還期限、償還方法其ノ他ノ條
件ノ緩和ニ關スル協定ニ付斡旋ヲ爲シ
其ノ者ノ負債處理計畫ヲ樹立スベシ
委員會ノ組織、權限其ノ他必要ナル事
項ハ本法ニ定ムルモノヲ除クノ外勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第四條戰死傷者遺家族前條第一一項ノ規
定ニ依ル斡旋ノ終了前同條第一項ノ申
出ノ受理アリタル負債ノ全部又ハ一部
ニ付辨濟、相殺又ハ更改ヲ爲サントス
ルトキハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除ク
ノ外命令ノ定ムル所ニ依リ委員會ノ承
認ヲ受クベシ但シ債務者ハ之ガ爲ニ遲
延ニ因ル損害賠償ノ責任ヲ免ルルコト
フルフ、
戰死傷者遺家族前項ノ承認ヲ受ケズシ
テ其ノ負債ノ全部又ハ一部ニ付辨濟、
相殺又ハ更改ヲ爲シタルトキハ委員會
ハ其ノ者ノ負債處理ノ申出ニ付取消ア
リタルモノト看做スコトヲ得
第五條委員會必要アリト認ムルトキハ
第三條第一項ノ申出ヲ受理シタル負債
ニ付金錢債務臨時調停法ニ依ル調停ノ
開始ヲ求ムルコトヲ得
第六條第三條第一項ノ申出ノ受理アリ
タル負債ニ付金錢債務臨時調停法ニ依
ル調停事件繋屬スルトキハ裁判所又ハ
調停委員會ハ同條第二項ノ規定ニ依ル
斡旋ノ終了ニ至ル迄其ノ調停手續ヲ中
止スルコトヲ得
第七條負債整理組合又ハ市町村負債整
理委員會ハ第三條第一項ノ申出ノ受理
アリタル負債ニ付テハ命令ノ定ムル所
ニ依リ同條第二項ノ規定ニ依ル斡旋ノ
終了ニ至ル迄負債ノ條件ノ緩和ニ關ス
ル協定ノ斡旋ヲ体止スベシ
第八條委員會必要アリト認ムルトキハ
期日及場所ヲ定メ當事者ヲ呼出スコト
ヲ得
委員會ハ斡旋ノ結果ニ付利害關係ヲ有
スル者ノ參加ヲ求ムルコトヲ得
第九條當事者及利害關係人ハ自身出頭
スルコトヲ要ス但シ已ムコトヲ得ザル
事由アルトキハ委員會ノ許可ヲ受ケ代
理人ヲシテ出頭セシメ又ハ輔佐人ヲ同
伴スルコトヲ得
委員會ハ何時ニテモ前項ノ許可ヲ取消
スコトヲ得
第十條市町村負債整理委員會其ノ他命
令ヲ以テ定ムルモノハ委員會ノ請求ア
リタルトキハ本法ニ依ル負債ノ處理ニ
關シ意見ヲ具申シ又ハ調査ヲ爲スベシ
第十一條市町村又ハ產業組合中央金庫
ハ本法ニ依ル負債處理ヲ助成スル爲必
要アリト認ムルトキハ戰死傷者遺家族
又ハ負債整理組合ニ對シ主務大臣ノ定
ムル所ニ依リ特別融通ヲ爲スコトヲ得
產業組合中央金庫ノ爲ス前項ノ特別融
通ハ所屬信用組合ガ農村負債整理組合
法第八條ノ規定ニ依リ負債整理事業ヲ
行フ場合又ハ所屬信用組合ガ其ノ組合
員タル戰死傷者遺家族又ハ負債整理組
合ニ對シ負債處理資金ヲ融通スル場合
ニ於テ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ信用
組合ニ對シ之ヲ爲スモノトス
日本勸業銀行、農工銀行又ハ北海道拓
殖銀行(以下融資銀行ト稱ス)ハ戰死傷
者遺家族ニ對シ主務大臣ノ定ムル所ニ
依リ特別融通ヲ爲スコトヲ得
第十二條市町村、產業組合中央金庫又
ハ融資銀行ガ前條ノ規定ニ依リ特別融
通ヲ爲スコトヲ得ル期間ハ本法施行ノ
日ヨリ勅令ヲ以テ定ムル日迄トシ其ノ
融通ノ期限ハ本法施行ノ日ヨリ二十五
年ヲ超ユルコトヲ得ズ
第十三條產業組合中央金庫特別融通及
損失補償法第三條及第四條ノ規定ハ產
業組合中央金庫ガ第十一條ノ規定ニ依
ル特別融通ヲ爲ス場合ニ、農村負債整
理資金特別融通及損失補償法第三條竝
ニ不動產融資及損失補償法第四條及第
五條ノ規定ハ融資銀行ガ第十一條ノ規
定ニ依ル特別融通ヲ爲ス場合ニ之ヲ準
用ス
第十四條北海道府縣ハ第十一條ノ規定
ニ依ル特別融通ヲ爲スニ因リ市町村ガ
損失ヲ受ケタルトキ之ニ對シ其ノ特別
融通總額ノ十分ノ六以內ノ金額(市町
村ニ對スル損失補償金)ヲ補償スルノ
契約ヲ爲スコトヲ得
政府ハ前項ノ損失補償ノ契約ニ基キ北
海道府縣ガ損失補償ヲ爲シタルトキ之
ニ對シ其ノ市町村ニ對スル損失補償金
ノ三分ノ二ニ相當スル金額ヲ補給スル
ノ契約ヲ爲スコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ北海道府縣ガ市町
村ニ對シテ爲ス損失補償ノ契約ニ於テ
ハ北海道府縣ノ市町村ニ對スル損失補
償金中其ノ六分ノ一ニ相當スル金額ヲ
當該市町村ニ於テハ負擔スベキ旨ヲ定
ムベシ但シ特別ノ事由アルトキハ命令
ノ定ムル所ニ依リ市町村ノ負擔スベキ
金額ノ割合ニ付別段ノ定ヲ爲シ又ハ市
町村ヲシテ負擔ヲ爲サシメザルコトヲ
得
第十五條政府ハ第十一條ノ規定ニ依ル
特別融通ヲ爲スニ因リ產業組合中央金
庫又ハ融資銀行ガ損失ヲ受ケタルトキ
ハ產業組合中央金庫ニ對シテハ其ノ特
別融通總額ノ十分ノ六以內、融資銀行
ニ對シテハ其ノ特別融通總額ノ十分ノ
四以內ノ金額ヲ補償スルノ契約ヲ爲ス
コトヲ得
第十六條第十四條第一項及前條ノ損失
ヲ決定スル基準ハ主務大臣大藏大臣ニ
協議シテ之ヲ定ム
第十七條第十四條第二項及第十五條ノ
規定ニ依ル政府ノ補給金及補償金ト農
村負債整理資金特別融通及損失補償法
第五條第二項及第六條ノ規定ニ依ル政
府ノ補給金及補償金トノ合計額ハ同法
第八條ノ規定ニ依ル補給金及補償金ノ
總額ノ限度ヲ超エザルモノトス
第十八條第十一條ノ規定ニ依ル特別融
通ヲ爲シタルニ因リ市町村、產業組合
中央金庫又ハ融資銀行ノ受ケタル損失
及其ノ額ハ農村負債整理資金特別融通
及損失補償法第九條ノ負債整理資金特
別融通損失審査會之ヲ決定ス
第十九條第十四條第二項及第十五條ノ
契約ニ基キ政府ガ北海道府縣、產業組
合中央金庫及融資銀行ニ對シ支拂フベ
キ補給金又ハ補償金ハ國債證劵ヲ以テ
之ヲ交付スルコトヲ得
第二十條政府ハ前條ノ規定ニ依リ交付
スル爲必要ナル額ヲ限度トシ公債ヲ發
行スルコトヲ得
第二十一條本法ニ依リ交付スル國債證
劵ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大
臣之ヲ定ム
第二十二條農村負債整理組合法第八條
ノ規定ニ依リ負債整理事業ヲ行フ法人
ハ本法ノ適用ニ關シテハ之ヲ負債整理
組合ト看做ス
第二十三條本法中町村トアルハ町村制
ヲ施行セザル地ニ於テハ之ニ準ズベキ
モノトス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣伯爵有馬賴寧君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=12
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013・有馬頼寧
○國務大臣(伯爵有馬賴寧君) 只今上程ニ
相成リマシタ硫酸「アンモニア」增產及配給
統制法案ハ商工、農林兩省共同提案ニ係ル
モノデアリマスガ、便宜私カラ大體ノ趣旨
ヲ御說明申上ゲマス、硫酸「アンモニア」ノ
消費額ハ我ガ國肥料消費額ノ首位ヲ占メ、
其ノ消費增加ノ趨勢ハ極メテ著シキモノガ
アリマス、之ニ對シ硫酸「アンモニア」ノ供
給ヲ潤澤ナラシムルト共ニ、其ノ配給ノ圓
滑及價格ノ公正ヲ圖リマスコトハ、農業經
營ノ改善、特ニ銃後農村經濟ノ安定ト、農
業生產ノ確保上極メテ緊要ナルノミナラズ、
他面硫酸「アンモニア」製造事業ノ軍需工業
トシテノ重要ナル意義ニ照シマシテモ、頗
ル緊要トスル次第デアリマス、然ルニ硫酸
ㄱアンモニア」ノ國內生產ハ遺憾ナガラ需要
ノ增加ニ應ズルコトヲ得マセヌノデ、每年
海外ヨリ相當多額ノ輸入ヲ餘儀ナクセラレ、
肥料政策上種々支障ヲ生ジマスト共ニ、多
額ノ對外支拂ヲ致シテ居ル次第デアリマス、
從ヒマシテ硫酸「アンモニア」製造事業ヲ確
立シ、年々增大スル需要ニ應ジ得ベキ十分
ナル數量ノ供給ヲ確保致シマシテ、海外依
存ノ狀態ヲ脫却シ、有事ノ際ニ於ケル軍需
資材生產へノ轉換ヲモ考慮シテ、相當ノ輸
出餘力ヲ保有スル程度ニ達セシメマスト共
ニ、一方需要著增ノ趨勢ニ鑑ミマシテ、之
ガ配給機構ノ確立ヲ圖リ、硫酸「アンモニ
ア」ノ需給ノ圓滑ト、價格ノ公正ヲ期スルノ
方策ヲ講ジマスコトハ、我ガ國產業ノ發展
ト國防ノ安固ヲ期シ、國際貸借ノ改善ニ資
スル上ニ於テ、現下ノ急務トスル所デアリ
やく、本法案ハ右ノ趣旨ニ基キマシテ立案
セラレタノデアリマスガ、其ノ骨子ト致シ
マス所ハ大要次ノ通リデアリマス、第一點
ハ、民間ニ於ケル硫酸「アンモニア」製造事
業ノ擴充ヲ促進致シマス爲ニ、今後五箇年
間ニ硫酸「アンモニア」製造設備ヲ新設又ハ
增設ヲ致シマス者ニ對シ、其ノ設備ヲ以テ
營ム硫酸「アンモニア」製造業ニ付、一定年
間諸稅ノ免除及器具機械ノ輸入稅ノ免除、
其ノ他事業資金ノ調達上ノ便宜ヲ得シムル
爲ニ、株金全額拂込前ノ增資ヲ認メ、又社債
發行限度ヲ擴張スル等、諸種ノ保護特典ヲ
與フルコトト致シマスト共ニ、必要ニ應ジ
テ硫酸「アンモニア」ノ製造業者及日本硫安
株式會社ニ對シ、增產ノ命令ヲ爲スコトト
シ、速カニ硫酸「アンモニア」ノ自給ヲ圖ラ
ムトスルノデアリマス、第二點ハ、資本金
一千萬圓ノ特殊會社ヲ設立セシメ、之ニ對
シ社債發行限度ノ擴張ヲ認ムルト共ニ、政
府ハ社債ノ元利支拂ノ保證ヲ爲スコトトシ、
硫酸「アンモニア」ノ配給統制事業ヲ行ハシ
メ、且必要アル場合ニ於テハ、本會社ヲシ
テ硫酸「アンモニア」ノ製造、其ノ他供給確保
上必要ナル事業ヲモ行ハシメムトスルノデ
アリマス、詳細ハ委員會ニ於テ御說明申上
ゲルコトト致シマスガ、何卒十分御審議ノ
上御協賛アラムコトヲ希望致シマス、次ニ
臨時農村負債處理法案ニ付テ、其ノ提案理
由ヲ御說明申上ゲタイト存ジマス、昭和八
年農村負債整理組合法ノ成立ヲ見マシテ、
農山漁村ニ居住スル者ノ經濟更生ヲ圖ル爲
ニ、負債ノ整理ヲ爲サシムルコトヲ目的ト
スル農村負債整理制度ガ確立セラレタノデ
アリマスガ、更ニ昨年法律ノ一部改正及ビ
農村負債整理資金特別融通及損失補償法ノ
成立ニ依リ、一層制度ノ擴充ヲ見ルニ至リ
マシタコトハ御承知ノ通リデアリマス、然
ルニ今次支那事變ノ勃發致シマスルヤ、農
山漁村ヨリ多數ノ應召者ヲ出シタノデアリ
マスガ、其ノ中ニハ名譽ノ戰死ヲ遂ゲ、或ハ
傷痍ヲ被リ、又ハ不幸疾病ニ罹ルニ至ッタ
者モ少クナイノデアリマシテ、是等戰死傷
者遺家族ニ付テ、其ノ經濟更生ヲ圖ル爲ニ、
負債整理ニ關シ此ノ際特別ノ制度ヲ設ケマ
スコトハ、銃後施設ノ一端ト致シマシテモ、
亦極メテ緊要ノコトト存ズルノデアリマス、
仍テ玆ニ臨時農村負債處理制度ヲ立ツルコ
トト致シタノデアリマス、次ニ本制度ニ於
キマシテ從來ノ制度ヲ擴充致シマシタ主ナ
ル點ヲ申上ゲマスト、第一ハ戰死傷者遺家
族ノ負債處理ニ付キマシテ、其ノ處理ノ簡
易化ヲ圖ッタコトデアリマス、第二ハ道府縣
ニ臨時負債處理委員會ヲ設置シ、從來ノ制
度ニ依ル市町村負債整理委員會ニ代ッテ債
務ノ條件緩和ノ幹旋等ヲ爲サシムルコトト
シ、更ニ此ノ道府縣臨時負債處理委員會ニ
若干ノ新シイ權能ヲ認ムルコトト致シタ
コトデアリマス、第三ハ、負債處理資金ノ
特別融通ニ對スル損失補償ノ割合ヲ、從來
ノ制度ニ比シ相當引上グルコトト致シタコ
トデアリマス、以上ハ本案提出理由ノ〓要
デアリマスルガ、何卒御審議ノ上、速カニ
御協贊ヲ賜ラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=13
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014・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御質疑ガナ
ケレバ兩案ノ特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔丸龜書記官朗讀〕
硫酸アンモニア增產及配給統制法案外一
件特別委員
公爵鷹司信輔君伯爵後藤一藏君
子爵高橋是賢君男爵松田正之君
男爵園田武彥君菊池恭三君
稻畑勝太郞君野村茂久馬君
岩崎〓行君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=14
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015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十六、石
油資源開發法案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會ノ續、委員長報〓、委員長副島伯
爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
石油資源開發法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十三年三月十七日
委員長伯爵副島道正
貴族院議長伯爵松平賴壽君
〔伯爵副島道正君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=15
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016・副島道正
○伯爵副島道正君 石油資源開發法案ニ付
キマシテ、委員會ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓
申上ゲマス、委員會ハ三日間、五時間ニ亙リ
マシテ開會ヲ致シマシタ、其ノ中二時間半
ハ殆ド純祕密會トモ申スベキモノデ、速記者
ノ退席モ求メテ、忌憚ナク話合ヲ致シタノ
デゴザイマス、故ニ御報告申上グベキモノ
ハ僅カ二時間牛ニ亙ルモノデアリマスルカ
ラシテ、從ッテ御報告ハ極メテ簡單デアルコ
トヲ免レナイト存ジマス、先ヅ政府委員ノ
說明カラ申シマスルト、政府委員ノ說明ニ日
ク、石油ハ產業上、國防上最モ大切ナルモノ
デアル、故ニ其ノ需給ノ確保ト云フモノハ
刻下ノ急務デアル、是ガ卽チ本案ヲ提出ス
ルニ至ッタ所以デアルト云フ說明デゴザイ
マス、尙本案ノ要旨ニ付テ政府委員カラ說
明ガゴザイマシタガ、第一ハ石油鑛業者ヲ
シテ資源ノ開發ヲ促進セシムルト云フコト、
是ガ卽チ本案ノ大目的デアルノデゴザイマ
ス、旣ニ開發ヲセシムル以上ハ、試掘助成
金ト云フモノヲ與ヘルノガ至當デアル故ニ、
試掘助成金ヲ命令ノ定ムル所ニ依ッテ與ヘ
ルコトニナッテ居リマス、ソレカラシテ石油
業者ニ旣ニ試掘助成金ヲ與ヘル以上ハ、其
ノ最後ニ目的ヲ達シテ利益ガアルヤウニナ
レバ、政府ニ納付金ヲ納メシメルト云フコ
トハ是ハ至當ノコトデアルカラ、是亦率ヲ
定メテ納付金ヲ納メシムルコトニ規定サレ
テ居ルノデアリマス、是ハ公正ト云フ觀念
カラ來テ居ルノデアル、旣ニ政府カラ補助
ヲ得レバ、彼等ガ利益ノアルヤウニナッタ
時ニハ、無論納付金ヲ納メルヤウニスルノ
ガ、公正ト云フ觀念カラ至當ノコトデアル
ト考ヘルト云フ政府委員ノ說明デアリマシ
ク、ソレカラ近接若シクハ隣接ノ鑛區ノ所
有者達ガ、免角鑛脈ガ地下デ續イテ居ルカ
モ知レヌト云フ考カラ、濫掘セラルヽ傾ガ
アルノデアル、其ノ濫掘ト云フコトハ非常
ニ雙方ノ不利ニナルノデアルカラ、或ハ協
議或ハ協力シテ、此ノ濫掘ヲ防グヤウナ
コトニサセルト云フノガ矢張リ此ノ法案ノ
一ツノ目的デアルノデゴザイマス、又有望
ナル鑛區ノ所有者ニハ、政府カラ命令シテ
試掘サセルコトガアルノデアル、斯ウ云フ
場合ニハ其ノ試掘金ノ全額ヲ助成スルト云
フコトニナッテ居ルノデアリマス、又軍事上
必要アル場合ニハ、試掘スル所ノ油ニ付テ
或ハ制限ヲ命ジタリ、或ハ其ノ增加ヲ命ジ
ナクチヤナラヌコトガアルノデアル、其ノ
制限ヲ命ジマス所以ハ、油ニ依ッテハ、例へ
テ見レバ「ガソリン」ノ原油ニナルヤウナモノ
ハ、軍事上非常ニ大切デアル、又高級機械
油ノヤウナモノモ是亦非常ニ大切デアルカ
ラシテ、平時ニ於テサシタル必要ノナイ場
合ニハ制限ヲ命ジ、又一朝事有ル時ハドウ
シテモ、例ヘバ戰爭ノ如キ場合ニ於テ、增
加ヲ必要トスル時ニハ增加ヲ命ズル、卽チ
政府ガ制限モシ、增加モ出來ルト云フコト
ニナッテ居ルノデアリマス、ソレカラ質問ニ
入リマシタガ、第一ニ一委員カラ第十條、
卽チ「政府ハ石油鑛業者ニ對シ其ノ業務及
財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシメ又ハ帳簿
書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲スコトヲ得」、
斯ウ云フ條項ガゴザイマスガ、之ニ對シマ
シテ一委員カラ、此ノ規定ハ助成金ヲ受ケ
ナイ者ニモ適用スルノデアルカ、又石油鑛
業者ガ製油業モ營ンデ居ル時ニハ、此ノ製
油業ニモ此ノ第十條ガ適用スルノデアルカ
ト云フ質問デアリマシタ、ソレニ對シマシ
テ政府委員ハ、第一ノ質問ニ對シテハ固ヨ
リ其ノ通リデアルガ、製油業ニ付テハ別ニ
監督スル意思ハナイノデアル、又本案ノ目
的ト云フモノハ、唯一般石油鑛業者ニ對シ
テ、其ノ資源ノ開發ヲ促スト云フノガ、是
ガ目的デアルノデアッテ、決シテ壓迫ヲ加ヘ
ルト云フ風ナ意思ハナイノデアルト、斯ウ
云フ御答デアリマシタ、其ノ次ハ、本條卽
チ此ノ十條ノ適用如何ニ依ッテ、或ハ弊害ガ
ナイトモ限ラヌダラウト云フ質問デゴザリ
マシタガ、之ニ對シマシテ政府委員ノ答辯
ハ、決シテ運用ヲ誤ルヤウナコトハナイノ
デアル、能ク部下ニモ命ジテ、運用ヲ誤ラ
ナイヤウニスルト云フコトヲ確答サレタノ
デアリマス、其ノ次ハ第八條ノ規定ハ、實際上
適用ノ見込ガアルカト、第八條ト申シマス
ルト「政府石油資源ノ開發促進上必要アリ
ト認ムルトキハ石油鑛業者ニ對シ試掘又ハ
之ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得」
ト云フ條項ニナッテ居リマスルガ、之ニ對シ
マシテ政府ハ、試掘ヲ進メテモ應ゼザル者
ニハ之ヲ命ズルノデアッテ、又之ニ助成金ヲ
與フルト云フコトハ必要デアルト思フノデ
アル、十分ニ是ハ見込ガアルモノト考ヘル
ト云フノガ政府委員ノ答辯デゴザイマシ
タ、今一ツハ石油地質調査ノ豫算ハドノ位
デアルカト云フ質問デゴザイマシタガ、是
ハ十二年度ニハ、十七萬圓、本年度ハ約三
十萬圓ニナル豫定デアルト云フ御答デアリ
マシタ、其ノ次ノ第六條ト云フノガ、非常
ニ大事ナ條項デゴザイマスガ、「第三條ノ規
定ニ依ル納付金及前條ノ規定ニ依ル返還金
ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徴收スルコ
トヲ得但シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモ
ノトス」ト云フ斯ウ云フ條項デゴザイマ
ス、之ニ對シマシテ、質問ハ、斯クノ如キ
條項ガアル以上ハ、金融業者ガ金ヲ貸スニ
當ッテモ、優先權ハ政府ガ持ッテ居ルノデア
ルカラト云フテ、金ヲ貸スコトヲ躊躇スル
ヤウナ虞ハナイカト云フ質問デゴザイマシタ
ガ、政府ハ、サウ云フ虞ハナイト思フガ、
結局是ハ決シテ資源開發ヲ阻止スルヤウナ
虞ハナイ、斯ウ云フ風ナ條項ガ玆ニ擧ゲテ
アルト云フノハ、此ノ種ノ立法例ニ傚ッテ擧
ゲタニ過ギナイノデアルト云フ、斯ウ云フ
風ナ答辯デアッタト記憶致シテ居リマス、ソ
レカラ第三條ニ「政府ハ前條ノ試掘助成金ニ
依ル試掘ノ結果開發セラレタル油田ヨリ採
油ヲ爲ス者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ採
油開始後五年間每年採油價額ノ百分ノ二以
內ニ相當スル金額ヲ納付セシムルコトヲ得」
ト云フコトニナッテ居リマスルガ、之ニ對シ
テ其ノ內容ノ詳シイ說明ヲ一委員ヨリ求メ
ラレマシタガ、政府ハ、是ハ唯納付金ノ率
ヲ規定スルニ過ギナイノデアッテ、命令ト云
フ言葉ガ此處ニアルノガ誤解ヲ招イタノデ
ハナイカト云フ御答デアッタヤウニ記憶致
シテ居リマス、今一ツノ問ヒハ納付金ヲ徵
收スルニ當ッテ、鑛業者ノ利益ヲ考慮シナケ
レバイカヌダラウ、助成金ヲ與ヘテ納付金
ヲ取ルト云フコトニナリマシテモ、利益ノ
ナイ場合ハ固ヨリイカヌノデアルガ、之二
對シテ政府當局者ノ答辯ハ固ヨリ利益ノ有
無ト云フノハ愼重ニ考慮シテヤル積リデア
ルト云フ答辯デゴザリマシタ、尙地質調査
及試掘等ニ付キマシテ、一層政府ガ努力ス
ルヤウニト云フ希望モゴザリマシタ、又試
掘ハ國營トシテヤッテハ如何デアルカ云フ
風ナ質問モゴザリマシテ、又第二條ノ助成
金ト第八條ノ助成金トノ差等ニ付テノ質問
ガアリマシテ、之ニ對シテ政府ハ詳シク答
ヲサレタノデ、卽チ二條ノ場合ニハ實費ノ
三分ノ二ヲ交付シ、又八條ノ場合ニハ全額ヲ
與ヘル積リデアル、詰リ試掘費ノ全額ヲ與
ヘル積リデアルト云フ御答デアッタノデア
リマス、續イテ二時間半ニ亙リマシテ、純
祕密會ノ如キモノヲ開キマシテ、其ノ席ニ
ハ商工大臣、燃料局長、陸海軍ノ軍務局長、
大藏省竝ニ外務省ノ政府委員ガ出席サレマ
シテ、燃料問題、國防、財政、外交等ニ付
テ質問ニ應ゼラレマシテ、大體ニ於テ委員
諸君ニ滿足ヲ與ヘラレタコトト信ズルノデ
ゴザイマス、右終ッテ討論ニ入リマシタガ、
一委員ノ申シマスルノニ、石油ハ產業上、
國防上、重要ナル所ノ物資デアル、我ガ國
ニ於テハ需要ハ驚クベキ數ニ達シテ居ルノ
デアル、而モ國產ハ僅カ全需要ノ百分ノ八
ニシキヤ過ギナイヤウナ風ナ譯デアル、石
油ノ輸入ガ今日ノ如キ有樣デハ、誠ニ國際
決濟上、其ノ他憂フベキコトデアルガ、同
時ニ石油ノ輸入ト云フモノハ絕對ニ必要デ
アルノデアル、內地油田ノ開發、買溜竝ニ
人造石油、此ノ三ツヨリ外ハ依ルベキ方法
ハナイノデアル、內地ノ油田ハ貧弱デアリ、
海外ニ油田ヲ取ルト云フ風ナコトハ、今日
ノ日本ト外國トノ國際關係上、是ハ不可能
ノコトニ屬スルノデアル、人造石油ハ今尙
幼稚ノ時代デアルノデアル、觀ジ來レバ誠
ニ燃料ノ前途憂慮ニ堪へナイト思フ、又最
モ大切デアル所ノ石油資源ノ一ツデアル樺
太ノ如キハドウデアルカ、常ニ「ロシア」ノ
壓迫等ヲ受ケテ居ルヤウナ風ナ譯デアル、
願クバ適當ナル外交工作ニ依リ、又指導ニ
依ッテ北樺太ノ間題モ能ク留意ヲシテ、サウ
シテ「ソ」聯政府ノ不條理ナル壓迫ヲ除去スル
ヤウニシナクッチヤイカヌト云フ議論デア
リマシテ、要スルニ石油ハ國家ノ血液デア
ルカラ、大イニ贊成ヲスルト云フ贊成論デ
アリマシタ、其ノ次ニ又一委員ガ贊成論ヲ
述ベラレマシタガ、法案ハ現下ノ重大ナル
時局ニ鑑ミテ重要ナルモノデアルト云フコ
トハ贅言ヲ要シナイノデアル、七十二ノ議
會ニ於テ本院ガ建議案ヲ出シタガ、政府ハ
願クバ此ノ趣意ヲ體シテ一層熱心ニ石油資
源ノ開發ニ努メラレムコトヲ希望スル、重
大ナル法案デアルガ故ニ贊成ヲスルト云フ
二ツノ贊成演說ガゴザリマシテ、サウシテ
採決ニ入リマシタガ、全會一致デ以テ決定
致シタ次第デゴザイマス、右御報告申上ゲ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=16
-
017・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ討論ニ入
リマス、坂本男爵
〔男爵坂本俊篤君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=17
-
018・坂本俊篤
○男爵坂本俊篤君 私ハ本法案ニ對シマシ
テ聊カ所見ヲ中述べタイト存ズルノデアリ
マス、先ヅ第一ニ本案ヲ一瞥致シマスルノニ、
誰人ニモ直グニ其ノ名ノ實ニ過グルコト甚
ダシキモノアルコトニ氣付カザルヲ得ナイノ
デアリマス、例ヘバ其ノ名ノ堂々タルニ似ズ、
其ノ運用ハ民間ノ石油業者ノ事業ノ範圍ヲ
越ユルコト能ハズ、彼等ノ所有スル鑛區以
外、卽チ昨今頻リニ唱ヘラレツヽアル所ノ
全國有望含油地帶ト目セラレルモノ五十億
坪ノ中、現在民有鑛區ニ屬スルモノハ、恐
ラクハ六億坪內外ニ過ギナイト思フノデ
アリ、假ニ之ヲ十億坪ト算シマシテモ、其
ノ後ノ四十億坪ト云フモノハ、此ノ開發法
案ノ手ノ屆カザル地帶トシテ殘サレル譯デ
アリマス、卽チ積極的ノ意味ニ於キマシテ、
此ノ法案ハ何等意義ヲナサヌモノト言ハネ
バナリマセヌ、今ヤ我ガ國ノ現狀ニ於キマ
シテハ、一滴ニテモ、一勺ニテモ、石油ノ
增產ヲ圖ラネバナラヌ場合ニ於キマシテ、
斯クノ如キ法案ノ手ノ屆カザル所ヲ殘シテ
置キマスコトハ、一ツノ大イナル缺陷デア
ルト言ハネバナリマセヌ、玆ニ於テ斯カル
殘サレタル含油地帶ニ對シマシテモ、或ハ
政府ノ力ヲ以テ積極的ニ地質的調査ヲ行ヒ、
其ノ有望ナルコトヲ突キ止メタル場合ニハ、
政府自ラ手ヲ下スカ、或ハ石油業者ヲ慫慂
シテ其ノ事業ヲ遂行セシムルカ、此ノ地下
ノ寶庫ヲ開發ニ導クノ運用ヲ講ズルコトガ、
此ノ法案ノ效果ヲ全ウスル所以デアルト思
フノデアリマス、或ハ又其ノ重要性ニ顧ミ
マシテ、將來ハ之ヲ國營トスルト云フ如キ
コトモ、考慮サルベキデアラウト思フノデ
アリマス、尙此ノ法案ノ特色ト致シマシテ、
一面ニ於テハ斯カル拔穴トモ云フベキモノ
ヲ持チナガラ、他面ニ於キマシテハ納付金
ノ規程ノ如キ、右ノ手デ與ヘナガラ左ノ手
デ之ヲ取リ上ゲル如キ、如何ニモ齷配タル
所ノ條項、或ハ業者ノ業務ニ立入リテ、業
務及財產ニ關スル報〓、其ノ他帳簿及物件
ノ檢査、而シテ之ニ違反スルモノニ對シマ
シテハ嚴シキ制裁等ノ存在スルコトハ、却
テ業務者ヲシテ萎縮セシムルノ虞ナキカト
云フ說ヲナス者モアリマスガ、今ハ一應之
ニ言及スルノ煩ヲ避ケタイト思ウテ居リマ
ス、ソコデ此ノ法案ノ對象ト致シマテ、離ル
ルコト能ハザル所ノ資源開發豫算、所謂五
箇年計畫ニ付テ簡單ニ言及シテ見タイト思
フノデアリマス、過般豫算委員會ニ於キマ
シテ私ハ商相ニ對シテ、一體此ノ五箇年計
畫卽チ昭和十三年度分、所謂其ノ露頭ト
シテ百七十餘萬圓ト云フモノガ計上サレテ
居ルノデアリマスルガ、之ニ依ッテ幾何ノ石
油ノ資源ヲ得ラルヽ御見込デアリマスカト
御尋ネ致シマシタ處ガ、商相ハ石油ハ地下
ノ埋藏物デアルカラ、之ヲ旣往ノ例ヲ以テ
律スルコトモ出來ヌ、正直ノ處幾何出ルカ、
全ク見込ガ立タヌ、斯ウ云フ意味ノ御答ニ
對シマシテハ、私ハ少カラズ意外ノ感ニ打
タレタノデアリマス、如何トナレバ旣ニ政
府トシテ燃料國策ニ乘出サレタ以上ハ、是
ダケノ計畫ヲ立テレバ、是ダケノ石油量ヲ
得ル見込デアルト云フ位ノコトハ、御〓究
ガナケレバナラヌ筈デアリマス、ソレデナ
ケレバ全然國策ノ立テヤウガナイデハアリ
マセヌカ、我々微弱ナル所ノ〓究會ニ於キ
マシテモ、此ノ點ニ付キマシテハ非常ニ苦
心ヲ拂ヒマシテ、〓究ニ〓究ヲ重ネマシタ
結果、曩ニ當局ニ向ッテ建議致シマシタ所
ノ案ニハ其ノ得タル所ノ見込ヲ以チマシ
テ、之ヲ基礎ト致シテ將來ノ需要供給ノ關
係ヲ計算ヲ立テタヤウナ次第デアリマス、
況ヤ政府當局ノ如キ堂々タル調査機關ヲ御
持チニナッテ居ラレルノニ、其ノ見込サヘ立
タヌト云フガ如キハ、是ハアリ得ナイコト
デアルト信ズルノデアリマス、或ハ成ル程
ソレモ御尤ナコトデアル、致シ方ノナイコ
トデアルト致シマシテモ、玆ニ私ノ見逃シ
難イ所ノコトハ、政府當局ハ今次ノ議會ニ
於キマシテモ屢〓ノ機會ニ於キマシテ、其ノ
言明スル所ニ依リマスルト、今日ヨリ五箇
年ノ後ニハ人造石油、天然石油、是等ノ生
產ヲ合セマスレバ、一般需用ノ半分ヲ充タ
スニ足ル見込デアル、斯樣ニ言明サレテ居
ルノデアリマス、勿論此ノ中ニ石油ノ大消
費者デアル海軍ノ分ハ入ッテ居ラヌト思フ
ノデアリマス、若シ果シテ然リト致シマス
ルナラバ、將來石油資源ノ增產量ニ對シテ、
政府當局ニ於テモ相當ナ確信ヲ持ッテ居ラ
ネバナラヌ筈デアリマス、然ラザレバ五箇
年ノ後ニ於テ需用ノ半分ヲ滿タスニ足ルト
云フ、斯樣ナ言明ハ出來ナイ筈デアルト思
フノデアリマス、玆ニ於キマシテ曩ニ豫算
會ニ於ケル商相ノ言明ノ如ク、今後ノ天然
石油資源、是ハ見込ノ立ツコトガ出來ナイ
ト言ハレタコトガ、眞デアルカ、或ハ五
箇年後ニハ需用ノ半分ヲ滿タスニ足ルト
云フ見込ガ噓カ、二者其ノ一ニ居ラネバ
ナラヌト云フコトニナルノデアリマス、併
シ此ノ點ハ此ノ邊ニ止メテ置キマシテ、
是ヨリ少シク資源開發五箇年計畫及人造石
油問題ニ付テ簡單ニ指摘シテ見タイト思フ
ノデアリマス、旣ニ過般此ノ演壇上ヨリ申
上ゲタ如ク、今次提出ニ係ル所ノ五箇年計
畫、卽チ其ノ總額ニ於キマシテハ僅々千二
三百萬圓ノ端シタ金ヲ以テ致シマシテハ、
人造石油ノ片棒トシテ燃料國策ヲ擔グコト
ナドハ思ヒモ寄ラヌコトデアルト思フノデ
アリマス、假ニ最モ好適ナ「チヤンス」ヲ摑ミ
得タト致シマシテモ、現在國內產額ノ三倍
以上ニモ當リマス所ノ百萬「トン」ヲ超ユル
コトノ至難デアルコトハ請合デアリマス、縱
シソレガ更ニ無類飛切ノ「チヤンス」ヲ摑ミ
得タト致シマシテモ、百五十萬「トン」ニ飛
上ルヤウナ夢ヲ見タト致シマシテモ、マダソ
レデハ將來此ノ五箇年間ニ、極メテ內輪ニ
見積リマシテモ、自然ニ遞增スル所ノ百七
十五萬「トン」ヲ「カヴアー」スルト云フコト
三、マダ二十五萬「トン」ダケガ不足ニナ
ル勘定デアリマス、斯クノ如クニシテ、現
在ノ貧弱ナル計畫ヲ以テ致シマシテハ、將
來所要ノ數量ノ石油ヲ得ルコトハ極メテ望
ミ少キコトニ反シマシテ、皮肉ニモ、一方
日ニ月ニ加速度ヲ以テ遞增スル所ノ需用量
ノ方ハ、太鼓判ヲ捺スヨリモ確實性ヲ有ス
ルモノデアリマス、卽チ石油ノ出ル方ハ分
ラナイガ、要ル方ハ確カデアル、玆ニ計畫
ノ不安性ト云フモノガ益〓明白ニナッテ來ル
ノデアリマス、飜ッテ人造石油ノ方ハ、是ハ
造レバ出來ルト云フ確實性ヲ有スルモノデ
アリマスカラ、縱令採算上ノ割ニ合ハヌコ
トアリト致シマシテモ、今日ノ場合須ク其
ノ完成期ヲ短縮スルハ勿論、宜シク之ニ追
駈ケマシテ第二次計畫ニ進ムベキデアルト
思フノデアリマス、ト申シマスルノハ、此ノ
人造石油ノ完成期ハ昭和十七年度末ニ亙リ
マスノデ、斯カル所ノ誠ニマダルッコイコト
デアリマシテハ、今日ノ場合所謂遠水近火
ヲ救ハズト云フ譬ニ洩レル能ハザルモノア
ルノミナラズ、ソレ迄ノ製造量ハ、揮發油、
重油、各〓百萬「キロリットル」デハ、今日ヨ
リ其ノ時期迄ニ自然ニ遞增スル所ノ分量ヲ
「カヴァー」スルニ過ギナイト云フヤウナ、甚
ダ心細イ狀態デアルノデアリマス、ノミナ
ラズ、此ノ方法ハ我ガ國ニ於キマシテハ最
初ノ試ミデアリ、之ヲ「ドイツ」アタリノ成
功致シマシタル迄ノ過程ニ鑑ミマシテモ、
今後尙技術上幾多ノ難關ニ遭遇スベキコト
ハ豫想セネバナラヌト思フノデアリマス、
且其ノ運營ノ中樞機關デアル所ノ帝燃會社、
卽チ帝國燃料株式會社ノ如キハ、其ノ本來
ハ投資機關ノ立場ニ在ルノデアリマスカラ、
恐ラク自ラ工場ヲ持チ、自ラ人造石油ノ製
造ニ手ヲ染ムルト云フヤウナコトデハナ
ク、內地、外地、朝鮮、滿洲等ニ於ケル此
ノ種ノ企業ニ從事セムトスル所ノ者ニ向ッ
テ、其ノ資金ヲ融通スルコトニ依ッテ、其ノ
目的ヲ達成スルト云フコトデアラウト思フ
ノデアリマス、果シテ然ラバソレガウマク
圓滑ニ行クカドウカハ、今後ニ殘サレタ重
大ナル所ノ問題ト言ハネバナリマセヌ、處
デ今日迄此ノ企業ニ從事セムトスル所ノ者
ニシテ、一般ニ信用アリ、且將來ノ發展ヲ
約束サレムトスル所ノ者ハ、恐ラクハ五指
ヲ屈スルニ過ギザルベク、且其ノ工業上ノ
「キヤパシテイ」ト云フガ如キモノニ至ッテハ、
當局者ニ於テサヘモ今日マダ確實ナルコト
ハ御承知ナイ程度ニアルヤウニ察セラレル
ノデアリマス、斯クノ如クシテ人造石油ノ
方モ、今日ニ於テハ極メテ浮イク程度デア
ルノデアリマス、マダ吾人ノ全幅ノ信用ト
安心ヲ買フ迄ニハ至ラヌコトヲ遺憾トスル
モノデアル、將來ノ燃料ハ人造石油ニ在リト
迄信賴ヲ置カムトスル所ノ人造石油ノ現狀
ハ、先ヅザットコンナ狀態デアルノデアリマ
ス、若シ夫レ天然石油資源ノ開發問題ニ至
リマシテハ、現在ノ提出ノ計畫ノ如キハ、
旣ニ前ニモ縷々指摘致シマシタ如ク、殆ド
資源開發トシテ其ノ意義ヲサヘ成サヌモノ
デアリマス、況ヤ之ヲ以テ我ガ貴族院全會
一致ヲ以テ可決サレタ所ノ建議案ニ對シテ、
之ニ應ヘラレタルモノナドト見ル能ハザル
コトハ、今日迄我ガ同僚カラ豫算會其ノ他
ニ於テ、屢〓漏ラサレマシタ所ノ不滿ナル言
議ニ鑑ミテ、御諒察ニナッタコトト信ズル者
デアリマス、サレバ當局タル者ハ、此ノ際
大悟一番、宜シク裝束ヲ改メテ出直スベキ
モノデアルト思フノデアリマス、サレバ此
ノ際、之ニ要スル所ノ經費ノ如キ、此ノ非
常時局ニ直面シテ、其ノ價値ハ兵器彈藥、
否ソレ以上大切デアル所ノ液體燃料ヲ、國
外資源ノ依存カラ免レムトシマスルニハ、
一個、二億圓ハ物ノ數トモ思ハレヌ、其ノ
初ル識ト氣魄ヲ以テ之ニ臨マネバナラヌト信
ズルノデアリマス、況シテ之ニ依ッテ年々三
億カラノ金貨ノ流出ヲ阻止シ得ベシト致シ
マシタナラバ、國家財政上ノ觀點ヨリ致シ
マシテ、何等悖ル所ナキノミナラズ、或ヘ
一石二鳥ニ値スルモノト思ハルヽノデアリ
マス、當局側ハ動モスレバ屢〓ノ機會ニ於テ、
サウ澤山豫算ヲ取ッテモ、人モナケレバ物モ
乏シイカラ、豫算ヲ使ヒコナスコトガ出來
ナイト云フガ如キ意味ヲ、ソレトナク漏ラ
サレルヤウデアリマスガ、ソレハ一種ノ「カ
ムフラーヂ」トシテハ極メテ巧妙ナル御言
葉デアルカモ知レマセヌガ、私ハ之ニ對シ
テハ、夫レ然リ豈夫レ然ランヤト、斯樣ニ
申シタイノデアリマス、成ル程今日迄多年
其ノ準備ヲ怠リ、其ノ結果ト致シマシテハ、
事柄ニ依リマシテハ當局側ノ申サレルヤウ
ナコトモ絕無トハ申サレヌデアラウト思フ
ノデアリマスガ、併シナガラ私ハソレヲ無
條件ニ其ノ通リデアルト、斯樣ニ受取ル譯
ニハ參ラヌノデアリマス、成ル程明日カラ
直グニ取リ掛レト申シマシタカラトテ、品
物ニ依ッテハ困難ノコトモアラウカト思ヒ
マスガ、併シナガラ第一ニ此ノ間五箇年ト
云フ餘裕ガ存シテ居ルノデアリマス、此ノ
期間中ニハ優ニ人モ物モ準備ガ出來ル筈デ
アリマス、我ガ國ガ石油開發事業ニ關係致
シマシテ以來既ニ約四十餘年、此ノ間ニ養
成サレタ所ノ熟練職工、工夫等、今ニ國內ニ
散在シテ居ル數ハ少カラザルコトト思フノ
デアリマス、國家必要ノ前ニ之ヲ動員スル
コトハ左程ノ困難デハナイト思フノデアリ
きく、又物ト致シマシテモ、今日我ガ國工
業ノ發達ノ程度ニ鑑ミマスレバ、其ノ時期
迄ニ間ニ合ハセル必ズシモ不可能デハナイ
ト思フノデアリマス、殊ニ差當リ入用ノ鐵
管ノ如キハ、今日旣ニ廢坑ニ歸シタルモノ
ヲ之ヲ動員致シマスレバ急場ノ間ニ合フコ
トハ必ズシモ不可能デナイト思フノデアリ
やく、サレバ此ノ人ト物ト云フ點ニ付キマ
シテハ、私ハ人ト物ノ足ラザルコトヲ憂ヘ
ズシテ、當局ノ此ノ問題ニ對スル熱意ノ足
ラザルコトヲ憂フル者デアリマス、又是等
ノ人ト物、今迄申シマシタ問題ノ外ニ於キ
マシテ、第二ニハ石油資源開發ニ對シテハ、
豫算ハ多々益〓辨ズルノデアリマス、今日ノ
場合最モ手ッ取リ早ク石油資源ヲ得ヨウト
致シマスレバ、先ヅ以テ掘レバ必ズ出ル見
込ガアルト云フ北樺太ノ油田開發ヲ促進ス
ルニ若クモノハナイト考ヘルノデアリマス、
昨今此ノ事業ノ開發ニ對シテ、所謂輸血間
題ガ起ッテ居ルヤウデアリマスガ、此ノ方面
ノ企業ニ向ッテ輸血致シマスルコトハ、是レ
取リモ直サズ我ガ國民全體ノ罹ッテ居ル所
ノ石油貧血ノ重症ヲ救フ所以デアリマス、
其ノ他幾ラ豫算ガ有リ餘ッテモ、此ノ十餘年
以上立後レテ居ル所ノ燃料國策樹立ニ向ツ
テハ、御困リドコロカ、幾ラアッテモ尙且不
足ヲ感ゼラレテ居ルコトハ、一番當局ガ能
ク御存ジデアラウト思フノデアリマス、此
ノ問題ハ此ノ邊ニ止メテ置キマス、去ル三
月八日衆議院ニ於ケル所ノ本案特別委員會
ニ於キマシテ、一議員ヨリ明年度ヨリ劃期
的豫算ヲ以テ眞ニ意義アル燃料資源開發ニ
邁進アラムコトヲ望ムトノ意味ノ發言ニ對
シマシテ、吉野商相ハ斯樣ニ御答ニナッテ居
ルノデアリマス、全ク御說ノ通リデアリマ
ス、サウ云フ風ニ懸命ニ努力スル積リデア
リマス、ト斯樣ニ答ヘラレテ居ルノデアリ
やっ、又私ハ是迄商相ノ御口ヲ通シテ、此
ノ計畫ヲ以テシテハ未ダ十分ナリトハ考ヘ
マセヌト云フコトノ言明ヲ伺ッテ居ルノデ
アリマス、仍テ私ハ思フ、明敏ニシテ且問
題ニ付テハ多年御精通ノ商相ハ、此ノ時局
ニ際シ何物ヨリモ大切デアル石油資源開發
ニ對シテ、左樣ニ考察サレルコトハ理ノ當
然デアリ、又閣臣トシテ此ノ問題解決ノ重
責ニ居ラレルコトニ鑑ミラレマシテ、斯
カル言明ニ出デラレタルコトハ、應サニ斯
クアラネバナラヌト云フコトヲ信ズルノデ
アリマス、私ハ既ニ過般商相ヨリ、今後ハ
本間題ニ對シテ出來得ル限リノ力ヲ盡スト
ノ誠意アル御答辯ヲ得、今又衆議院委員會
ニ於ケル前述ノ如キ熱意ノアル御言明ヲ承
ルニ及ビマシテ、甚ダ心强サヲ感ゼザルヲ
得ナイノデアリマス、之ニ由ッテ之ヲ觀マシ
テモ、私ハ吉野商相ガ眞ニ意義アリ、經綸
アル劃期的燃料國策案ヲ、最モ近キ將來ニ
於テ之ヲ議會ニ提出サレ、其ノ言責ヲ完ウ
セラルヽノ日アルベキヲ確信致シマシテ、
此ノ待望ノ下ニ本案ニ向ッテ贊成ノ意ヲ表
セムト欲スルモノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=18
-
019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=19
-
020・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=20
-
021・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=21
-
022・梅園篤彦
○子爵梅園篤彥君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=22
-
023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=23
-
024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=24
-
025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=25
-
026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=26
-
027・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=27
-
028・梅園篤彦
○子爵梅園篤彥君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=28
-
029・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=29
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030・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=30
-
031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=31
-
032・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=32
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033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 次會ノ議事日程
ハ決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、
本日ハ是ニテ散會致シマス
午前十一時四十一分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303242X02719380320&spkNum=33
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